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103回国会参議院1985/12/04

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号

発言数
7
登壇者
3
会派数
2
開催日
1985/12/04

会議録

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(夏目忠雄君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十一月二十一日、菅野久光君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君が選任されました。     —————————————

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(夏目忠雄君) この際、藤本沖縄開発庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。藤本沖縄開発庁長官。

藤本孝雄自由民主党・新自由国民連合沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤本孝雄君) 先般、沖縄開発庁長官を拝命いたしました藤本孝雄でございます。  国の内外の諸情勢が極めて厳しい中にありまして沖縄の振興開発という重責を担うことになりました。微力ではございますけれども、与えられた責任を十二分に果たすために全力を挙げてまいりたいと考えておりますので、委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(夏目忠雄君) 本日の議題に入ります前に一言ごあいさつ申し上げます。  実は、去る十月十四日の委員会におきましてごあいさつを申し上げるべきところ、私、よんどころない用務のために欠席をいたしましたのでごあいさつがおくれましたが、今国会も引き続き委員各位の御推挙によりまして委員長の重責を担うことになりました。皆様の御協力を得まして円滑に運営してまいりたいと存じます。  どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(夏目忠雄君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。  先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。板垣君。

板垣正自由民主党・自由国民会議

○板垣正君 委員派遣の調査概要を御報告申し上げます。  去る九月九日から十一日までの三日間、夏目委員長、鈴木理事、中野理事、市川理事、井上委員、田委員及び私、板垣の七名は沖縄県に派遣され、実情を調査してまいりました。なお、喜屋武委員が現地参加され、全日程をともにされました。  日程第一日は、沖縄総合事務局において沖縄開発庁及び那覇防衛施設局当局より概要説明を聴取した後、沖縄県庁を訪れ西銘知事より要望を受け、次いで工事中の沖縄県民会館及び米軍嘉手納基地を視察いたしました。第二日は、石垣島に飛び、八重山支庁当局から概要説明を聴取し、八重山市町会、八重山市町議会議長会及び各市町長から要請等を受けた後、新石垣空港問題について地元の陳情を受け、さらに現地白保地区において県当局等より説明を聴取いたしました。この間、真栄里ダム並びに工事中の底原ダム及び於茂登トンネルを視察いたしました。第三日は、栽培漁業センター八重山事業所を視察いたしました。  以下、問題別に御報告いたします。  第一に、沖縄の振興開発について申し上げます。  最初に開発の現状を申し上げますと、復帰後の沖縄県経済は各般の振興開発により総じて拡大の基調にあり、復帰時の昭和四十七年度から五十八年度までの平均経済成長率は実質で六・四%と全国の四・一%に比し高い伸びを示しております。  一人当たり県民所得は、復帰時の四十四万円から五十八年度には百三十六万三千円まで増加しているものの、その対全国格差は七四・二%と引き続き全国最下位にあります。  雇用面では、沖縄県の人口が復帰後十三年間に二十一万人も大幅に増加したことに加え、県内産業の雇用吸収力が弱いために昭和五十九年の完全失業率は五・二%と全国平均の約二倍にも達しており、うち二十四歳以下の若年労働者の占める率は全国平均の二二・三%に対し三八・四%にも達しております。  産業構造は、全国に比較し小売業やサービス業の第三次産業や第二次産業中の建設業の比重が高く、物的生産部門としての第二次産業、特に製造業のウエートが低くなっております。  社会資本の整備につきましては、道路、上下水道、公立学校施設は本土並みの水準に達しておりますが、社会教育施設、医療施設、都市公園等本土と比較してなお格差が著しい分野も存在しております。  このような依然として厳しい状況のもとで、現在、第二次沖縄振興開発計画を踏まえて各般の施策が推進されております。同計画は、第一次沖縄振興開発計画による十年の成果を踏まえ、沖縄の特性を生かしつつ、引き続き各面にわたる本土との格差の是正を図り、自立的発展の基礎条件を整備すること等を目的としておりますが、昭和六十二年に沖縄で国民体育大会の開催が予定されていること等もあって、生活・産業基盤としての社会資本の整備が開発の大きな柱となっております。  このような点に関連して、知事からは、昭和六十一年度国庫支出金の額の確保、第四十二回国民体育大会関連施設の整備の充実、農林水産業生産基盤整備事業の推進等について要望がありました。  振興開発にかかわる今回の視察箇所について申し上げますと、宜野湾市の沖縄県民会館は復帰十周年記念事業の一つでありますが、展示棟、会議棟の工事が始まっており、劇場棟の建設も予定さ れており、産業、経済、文化活動の活発化が期待されております。  石垣島の真栄里ダム及び工事中の底原ダムは、国営かんがい排水事業宮良川地区の基幹施設として昭和四十六年の大干ばつを契機に、農業用水の確保等を目的としたものであり、既にサトウキビ等の増収を見るなどの成果を上げているとのことであります。  於茂登トンネルは、石垣島の主峰於茂登岳の山腹を貫き石垣市街地と裏石垣の交通の利便を図るものであり、昭和六十二年に開通の予定でありますが、現在工事が進められております富野工区を視察いたしました。  最後に、国営の栽培漁業センター八重山事業所は、先月から正式に業務が開始されておりますが、熱帯海域における魚介類の種苗生産、放流等の技術開発の拠点として期待されております。  第二に、沖縄の基地問題について申し上げます。  昭和六十年三月末現在の駐留軍施設・区域は、復帰時の八十七施設、土地面積約二億八千六百六十万八千平方メートルから四十七施設、約二億五千三百七十二万七千平方メートルに減少し、一方、自衛隊施設は、三施設、土地面積約百五十八万二千平方メートルから三十二施設、約五百八十七万平方メートルに増加しております。面積比では、沖縄県には我が国の防衛施設の約一九%が集中しており、特に駐留軍施設・区域について申し上げますと、その割合は、一時使用を含み全体で約三〇%、専用の施設・区域では約七五%に達し、狭隘な沖縄県全面積の約一一%を駐留軍施設・区域が占めております。  これらの駐留軍施設・区域の整理統合につきましては、日米安全保障協議委員会の協議に基づき実施されておりますが、同委員会において返還が了承されました沖縄関係の施設・区域六十三件、面積約五千七百四十六万五千平方メートルのうち、本年八月十五日までに返還されたものは四十件、約二千十万三千平方メートルであり、面積の返還割合は三五%となっております。移設計画のある伊江島補助飛行場、那覇港湾施設については、現在移転先地の見通しが立っておらず、また、その他の施設の部分返還についても土地所有者の意向等もあり進捗していないとのことであります。  駐留軍施設・区域内の未契約地の使用につきましては、いわゆる駐留軍用地特措法に基づき、沖縄県収用委員会の裁決を得て、昭和六十二年五月十四日までの五年間の使用権原を取得して使用されておりますが、引き続き駐留軍の用に供する必要がある土地で契約の合意が得られないものにつきましては、再び同法を適用し、使用権原を取得することとし、那覇防衛施設局により手続が進められ、本年三月内閣総理大臣の使用認定を得て、去る八月沖縄県収用委員会に対し、期間二十年の使用を求めて裁決の申請が行われております。  米軍人、軍属等の不法行為につきましては、昭和五十九年度約千四百件の発生を見ております。那覇防衛施設局は事故の都度または機会あるごとに米軍に注意を喚起しているとのことでありますが、具体的な防止策の確立が一層強く求められるところであります。  防衛施設周辺整備事業につきましては、訓練や演習の実施により生ずる障害の防止、軽減、緩和のため一層の推進が求められるところでありますが、人口が稠密で狭隘な沖縄県に広大な駐留軍施設・区域が存在している事情を踏まえ、極力整備に努めているとのことであります。  最後に、米軍嘉手納基地について申し上げますと、同基地の主力部隊は、横田基地にある第五空軍の指揮下にある第三一三航空師団第一八戦術戦闘航空団であり、F15戦闘機が配備されており、このほか空中給油を任務とする第三七六戦略航空団等の部隊も駐留しております。同基地では、太平洋地域の防衛のため連日激しい訓練を行っており、チームスピリットへの参加、また、自衛隊との共同訓練も行っているとのことであります。基地内では戦闘機の離着陸のほか基地周辺の騒音防止に寄与している大型機用のサイレンサー等を視察してまいりました。  基地問題につきましては、知事から、米軍基地の整理縮小、基地の安全管理及び米軍の綱紀粛正等についての要望がありました。  第三に、新石垣空港問題について申し上げます。  沖縄県当局の説明によりますと、現石垣空港の利用状況は、昭和五十二年度以降全国四十二の第三種空港中貨客輸送で第一位の実績を示しております。このような需要に対処するため暫定的に小型ジェット機が投入されておりますが、現空港は滑走路が短く、地域の振興開発に不可欠な本格的なジェット機の就航は不可能であります。このため県は現空港の拡張についても検討いたしましたが、騒音問題の深刻化に加え土地利用状況等から用地の確保が難しく、現空港の拡張は困難と判断いたしました。そこで新空港を建設することとし、四候補地を選定し比較検討の結果、白保海上地点が最適地として選定されたものであります。新空港は、石垣市白保地先の公有水面の埋め立てを含む用地に建設するものとし、すでに昭和五十七年に設置認可及び知事を設置管理者とする第三種空港として政令指定を受けております。県は現在環境影響評価の取りまとめ中でありますが、公有水面の埋立免許を取得の上、計上されている予算を執行したいとのことであります。  このような新空港建設に対し地元では建設促進、反対に分かれて対立が激しく、地元市議会、漁業協同組合による要請決議、県議会における建設促進陳情採択等の促進運動が見られる一方、新空港予定地周辺海域のサンゴを主とした自然環境の保護、生活基盤の破壊等を理由とする地元住民及び自然保護団体等による強い反対運動が行われております。  今回の委員派遣では、地元石垣市において、新石垣空港建設促進協議会を代表する石垣信憲君、白保公民館長花城長助君外四名の方々から賛否の陳情を聴取いたしましたので、これを賛否の別に取りまとめて、その大要を申し上げます。  まず、賛成の意見としては、八重山の住民にとり地理的辺地性の克服は悲願であり、大型機就航のため新空港建設を希求する、復帰後の八重山は、生産基盤の整備により、供給基地として冬春季野菜や魚介類等を本土に空輸出荷しているが、ピーク時には積み残しが出て生産者に打撃を与えており、さらに、今後出荷の拡大も予測されている、また、観光産業にとって交通網はこれを支える動脈であるが、現状では旅行者のニーズを満たしておらず、大型機就航により八重山の振興は一層図られる、さらに、新空港の持つもう一つの意義は本土との直行便が可能となることであり、これにより生産物の鮮度保持、輸送の迅速化等の問題が解消され、人的、物的交流が活発に行われる、二十一世紀の八重山を考えれば、八重山の総意が新空港の早期完成と活発な運用にあることを理解され、工事が早期に着手され順調に進められるよう特段の配慮を賜りたい、というものであります。  次に、反対の意見としては、本計画に対しては、地元白保住民の生活環境の破壊、八重山の自然と海洋資源の破壊、八重山の海洋産業一観光産業の阻害、八重山の資源の本土企業による搾取、現空港、新空港の軍事的利用の危惧を理由に反対である、特に地元住民として具体的に反対する点は、まず騒音公害の発生と自然や海洋資源が破壊されることである、現地白保の住民は農耕に加え、海草や魚介類を採取するなど海からも生活の糧を得ており、新空港建設のための埋め立てによりこれが失われる影響は大きく、また、カーラ岳が埋立用土として使用されつぶされるため、同岳の水を使用している白保の稲作はできなくなり、さらに、轟川を迂回させるため、そのはんらんも予想される、このほか、エプロン予定地では譲渡されていない土地があるなど未解決の問題が多い、ぜひ海上からの視察と住民との対話を行い、この計画のむなしさ、行政手続の不備を察知され、これが白紙撤回されるよう強く要望する、また、開発工事が行われた結果、土砂が川を通じて海に流入し、サンゴ礁は危機に瀕しており、開発のあり方をぜひ検討願いたい、というものであります。  以上が今回の派遣の調査概要でありますが、派遣を通じて改めて認識いたしましたのは、沖縄には幾多の困難な問題がなお山積しており、その解決は必ずしも容易ではないということであります。我々は国政の場において、現地の痛みを踏まえた温かな施策のために一層の努力をする必要があると同時に、現地においても施策の実施に不可欠な住民の理解と協力を確立することができるよう県、市、町、村並びに県民が一体となった不断の努力がなお一層要請されることを痛感した次第であります。  以上、御報告申し上げます。

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(夏目忠雄君) これをもって派遣委員の報告を終了いたします。  本件に対する本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会

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