内閣委員会 第6号
- 発言数
- 427 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/12/10
会議録
○中島委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を求めます。後藤田総務庁長官。 ————————————— 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正 する法律案 特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学 技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置 法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○後藤田国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、一括してその提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 本年八月七日、人事院は、一般職の職員の給与の改定を内容とする人事院勧告及び休暇制度の改定を内容とする人事院勧告を行いました。これらの勧告の内容を検討した結果、一般職の職員の給与については、本年七月一日から人事院勧告どおり実施することが適当であり、また、職員の休暇制度についても人事院勧告どおり実施することが適当であると考え、これらをあわせて一般職の職員の給与に関する法律について所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。 まず、給与改定の関係について申し上げます。 第一に、全俸給表の全俸給月額を引き上げることといたしております。 第二に、現行の職務の等級を職務の級に改め、最も下位の級を一級として職務の級の序列を編成し直すとともに、職務の複雑・専門化等に対応するよう、行政職俸給表(一)について現行の八等級制を十一級制に改めるほか、関係俸給表についても所要の整備を行うことといたしております。 第三に、航空管制官、特許庁の審査官及び審判官等の専門的な知識、技術等を必要とする業務に従事する職員の処遇の適正化を図るため、これらの職員を対象とした専門行政職俸給表を新設することといたしております。 第四に、初任給調整手当について、医師及び歯科医師に対する支給月額の限度額を二十三万円に引き上げるなどの改善を図ることといたしております。 第五に、扶養手当について、配偶者に係る支給月額を一万四千円に、配偶者以外の扶養親族に係る支給月額を二人までについてはそれぞれ四千五百円に引き上げるなどの改善を図ることといたしております。 なお、昭和六十一年六月一日から児童手当制度が改められることに伴い、児童手当との調整について所要の改正を行うことといたしております。 第六に、調整手当について、東京、大阪等の大都市等の支給割合を百分の十に引き上げるとともに、筑波研究学園都市移転手当についても、同様に支給割合の限度を百分の十に引き上げることといたしております。 第七に、住居手当について、家賃の月額が一万六千五百円を超えるときに加算することとされている二分の一加算の限度額を月額七千五百円に引き上げることといたしております。 第八に、通勤手当について、交通機関等を利用して通勤する職員に対する全額支給の限度額を月額二万円に、全額支給の限度額を超えるときに加算することとされている二分の一加算の限度額を月額四千円に、それぞれ引き上げるなどの改善を図ることといたしております。 第九に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、支給の限度額を日額二万四千八百円に引き上げることといたしております。 次に、休暇制度の改定関係について申し上げますで 第一に、職員は、国民の祝日に関する法律に規定する休日及び年末年始には、特に勤務することを命ぜられる者を除き、勤務することを要しないことといたしております。 第二に、休暇の種類は、年次休暇、病気休暇及び特別休暇とすることといたしております。 第三に、年次休暇については、その日数を原則として年二十日とするとともに、人事院規則で定める日数を限度として翌年に繰り越すことができることといたしております。 また、年次休暇については、その時期につき承認を受けなければならないこととし、各庁の長またはその委任を受けた者は、公務の運営に支障がある場合を除き、これを承認しなければならないことといたしております。 第四に、病気休暇は職員が負傷または疾病の療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇とし、特別休暇は選挙権の行使、結婚、出産その他の人事院規則で定める場合における休暇として、これらの休暇は、人事院規則の定めるところにより、各庁の長またはその委任を受けた者の承認を受けなければならないことといたしております。 第五に、休暇制度の整備に伴い、法律の題名を一般職の職員の給与等に関する法律に改めるとともに、目的の規定を改めるなど所要の整備を行うことといたしております。 最後に、この法律は、給与改定については公布の日から施行し、昭和六十年七月一日から適用することとし、休暇制度関係については昭和六十一年一月一日から施行することといたしております。 なお、以上のほか、附則において、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置及びこの法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律について所要の改正を行うことといたしております。 続きまして、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一に、特別職の職員の俸給月額を引き上げることといたしております。具体的には、内閣総理大臣等の俸給月額については、内閣総理大臣は百七十二万五千円、国務大臣等は百二十五万八千円、内閣法制局長官等は百二十万二千円とし、その他政務次官以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、百二万五千円から八十九万円の範囲内で改定することといたしております。 また、大使及び公使の俸給月額については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使は百二十五万八千円、大使五号俸は百二十万二千円とし、大使四号俸以下及び公使四号俸以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、百一万五千円から六十五万九千円の範囲内で改定することといたしております。 さらに、秘書官の俸給月額についても、一般職の職員の給与改定に準じてその額を引き上げることといたしております。 第二に、委員手当については、常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を四万四千二百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を二万四千八百円にそれぞれ引き上げることといたしております。 第三に、内閣総理大臣及び国務大臣に支給する調整手当の支給割合については、当分の間、その例によることとされる一般職の職員の給与に関する法律の規定中「百分の十」とあるのは、「百分の九」とすることといたしております。 第四に、一般職の職員から引き続き内閣総理大臣秘書官になった者の俸給月額について、当分の間、特例措置を講ずることといたしております。 第五に、国際科学技術博覧会政府代表の俸給月額を百一万五千円に引き上げることといたしております。 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から施行し、昭和六十年七月一日から適用することとしております。 以上が、これら法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○中島委員長 次に、加藤防衛庁長官。 ————————————— 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○加藤国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、このたび提出された一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に準じて、防衛庁職員の給与の改定を行うものであります。 すなわち、改正の第一点は、参事官等及び自衛官の俸給を改定するとともに、参事官等俸給表にあっては職務の等級の構成及び呼称を改め、自衛官俸給表にあっては新たに陸将補、海将補及び空将補の(一)欄及び(二)欄等を設けることとしております。 改正の第二点は、防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を改定することとしております。 改正の第三点は、職務の等級の構成及び呼称の改定、自衛官俸給表の陸将補、海将補及び空将補の(一)欄及び(二)欄等の新設等に伴い所要の規定の整備を行うこととしております。 この法律案の規定は、公布の日から施行し、一般職の職員の給与に関する法律の題名を改める改正規定等一部の改正規定を除き、昭和六十年七月一日から適用することとしております。また、一般職の職員の給与に関する法律の題名を改める改正規定は、昭和六十一年一月一日から施行することとしております。以上のほか、附則において、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置について規定するとともに、職務の等級の構成及び呼称の改定等に伴って、自衛隊法及び国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律について、所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用し、またはその例によることとされている事務官等の俸給、調整手当、扶養手当、通勤手当、住居手当、医師及び歯科医師に対する初任給調整手当等につきましては、一般職の職員と同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○中島委員長 これにて各案についての趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○中島委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。元信堯君。
○元信委員 まず給与について伺いますが、ことしは人事院勧告を率こそ勧告どおり実施をするというものの実施月に至っては七月に値切る、こういう政府の決定、それを見ての給与法の改正、こうなったわけでございます。まことに遺憾と申し上げるしかないわけでございますが、かねて政府は、鈴木内閣当時の人勧凍結、それを三年計画で段階実施するなどと言ってきたわけですが、それがそのとおりだとすればことしが最後ということで、来年は完全実施、こういうことになろうかと思います。かねがねそういうふうにおっしゃってきたわけでございますが、法案提出の現時点においてそのお考えに変わりがないか、官房長官に伺いたいと思います。
○藤波国務大臣 来年度の人事院勧告の取り扱いにつきましては、今後も財政事情などが引き続き厳しいものと見込まれますが、給与は勤務条件の基本にかかわる重要な事項であることにかんがみまして、勧告の完全実施に向けて誠意を持って対処してまいりたい、このように考えております。 今、委員からお話がございましたように、五十九年度の政府の態度を決定をいたしますときに、官房長官談話で、官民較差を三年間をめどに解消するという考え方を示唆いたしておりまして、その後国会における御質疑にもそのような考え方を述べてきたところでございます。その流れに沿ってことしも最大限の努力をして、六十年度の態度決定をした。来年度に向けましても、同じ流れの上に立ちまして最大限の努力をしていくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○元信委員 後藤田総務長官はかねがね、最大限の努力をしてきた、こうおっしゃっておるわけでございますが、来年度に向けてどのような努力をなさるか、決意を承りたいと思います。
○後藤田国務大臣 五十九年度の給与改善を行うに際しまして、官房長官の見解を表明をいたしました。その線に沿って国会等でも、五十九、六十、六十一年三カ年で完全実施に向けてこれを行うという方針であるということをお答えを申し上げましたが、その考え方には変わりはございません。
○元信委員 かつて政府は、将来財政事情がどのような事態になっても完全実施をするというのは内閣の方針である、こういうふうに国会答弁されたことがあって、その後に鈴木内閣に至って凍結というような事態を見たわけですね。一遍国会で約束をしておいて、それがほごにされた経緯がある。そういうことになりますと、ことしの約束というのも甚だ心もとないということになります。 官房長官、もう一遍伺いたいと思うわけですが、これはもう自民党内閣の命運をかけてのお約束というふうに承ってよろしゅうございますか。
○藤波国務大臣 人事院勧告制度の趣旨にかんがみまして、これは最大限尊重して実施すべきものというふうに内閣は代々考えてきておるところでございます。非常に厳しい財政事情の中で鈴木内閣のときに凍結をするという事態が生じましたが、これは、そのときもその後も、極めて異例なことであるというふうに表現をいたしまして、公務員の皆さん方にさらにひとつ奮起してもらいたいというふうにお願いをしてきたところでございます。 今申し上げてまいりましたその流れを大事にいたしまして、来年度の人事院勧告の態度決定に向かって最大限の努力をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○元信委員 異例、異例が続いて、むしろ異例の方が多くなっているからこういうことを心配して尽きないわけでありますが、そこのところを言っておっても押し問答になるでありましょう。 人事院勧告を来年度は完全に実施するというのですが、それは人事院勧告が出されるということが前提になるわけですね。人事院総裁、来年度も人事院勧告、給与改善の勧告を出す決意がありますか。
○内海政府委員 来年の問題でございますから今ここで明確にいろいろ申し上げるということは差し控えなければなりませんが、そもそも人事院勧告というものは、労働基本権を制約されております国家公務員に対する代償機能を人事院が営み、その措置として給与に関する勧告をいたすわけでございまして、その勧告のもとというのはやはり公務員の生活というふうなものを十分見きわめた上で行われるわけでございますから、例えばことし、昭和六十年度が一応、時期の問題は別にしまして、私どもの勧告が尊重されて実施されることになりますと、その結果、あるいは来年度におきましてはその比率等においていろいろ問題があるというふうなことも考えられますけれども、私どもとしましては、先ほど申し述べましたような趣旨に従って問題を考えたいと思いますから、その時点になりまして、今申し上げましたような諸般の事情を十分勘案して、国家公務員の給与改善ということに最善の方策をとっていくように考えたいと思い、その上で勧告というものも考えたいと思っております。
○元信委員 ぜひ前向きに対応していただきたいと申し上げておきたいと思います。 防衛庁長官に伺いたいと思うのですが、防衛庁の給与も改善、そのことには異論がないわけですが、最近の防衛庁、自衛隊の中からいろんな発言が出てきて、非常に問題じゃないかというふうに思います。特にあなたはシビリアンコントロールの強化に意を用いてきた、そんなふうに報道されており、私どもも承知をしているわけでございますが、このシビリアンコントロールを危うくするような事態が幾つかできておりますので、きょうはこれを幾つか申し上げて、長官のお考えを承りたいと思うわけであります。 まず、「月曜評論」という週刊の新聞がございます。そんなに大きな部数を持っている新聞じゃないと思いますが、この九月十六日付の「月曜評論」に、空幕の「広報室長 一等空佐 佐藤守」、こういう肩書・署名入りの論文が出ました。これと同様の論文が九月二十六日の「朝雲」、これは自衛隊の機関紙とも言われていて、自衛隊の隊員に無料で共済組合で配付をしている新聞でありますが、この「朝雲」にも同様の趣旨の記事が出ました。内容は、八月十二日の日航一二三便の遭難救助に自衛隊が出動した、マスコミからこの自衛隊の救難出動はいろいろ問題があったんじゃないかという批判があった、これが失当であるとして、これへの反批判という形で出たわけでありますけれども、そこの中身というのはなかなかすさまじいことが書いてあるわけであります。 空幕「広報室長 一等空佐 佐藤守」、この署名入りの論文が空幕あるいは防衛庁の公式的な見解であるか、まずその点から承りたいと思います。
○宍倉政府委員 お尋ねの論文は佐藤さん個人の見解でございます。
○元信委員 スポークスマンというのは航空自衛隊の見解を外部に発表するのが仕事の人、こういうふうに私どもは承知をいたしております。こういう人たちが肩書をつけて、署名を入れて、あるいは写真入りで対外的に見解を外へ発表する、こんなものが個人的な見解だなどというようなことは到底納得できないと思いますが、長官いかがですか。
○宍倉政府委員 防衛庁では、昭和五十六年に手続を決めまして、個人の立場でございましても、外向きに意見等を発表いたしますときには届け出をする仕組みをとっております。佐藤さんも本件につきましては届け出の手続をとってございますが、それはあくまでも個人の見解でございます。 それから広報室長ということでございますが、確かに本人は広報室長でございますが、広報室長は常に防衛庁のスポークスマンであるというわけではございませんで、広報に関する職務についていろいろ広報関係の方々と接触する窓口になっておるというのが主たる業務でございます。
○元信委員 到底そんなことは一般には受け入れられない見解だと言わざるを得ないわけですね。広報室長というのが肩書入りで外へべらべらしゃべって、しかもその発表の機関が一つは「朝雲新聞」、これは防衛庁がその発行部数の大部分を買い上げて内部へ配っている新聞じゃありませんか。そんなところへ発表しておいて、これが私的な見解だなどというようなことをだれが受け入れると思いますか。あなたたちが内部でそんなことを決めたと言っても、内部でそんなことを決めたというようなことは外向きには何の意味もないわけですね。 僕はぜひ長官の御見解を承りたいと思うのですよ。こんなことを通しておけば、自衛隊というのは一体どういう集団なんだ、これは常識も何も通らないじゃないか、こういうことになりませんか。長官、ひとつどうです。——長官に聞いているんだよ。
○加藤国務大臣 従来から、防衛庁内の人間が外部に個人的意見を発表するときにいろいろ話題にもなりましたし、また問題の指摘もされておりましたので、防衛庁内部で所定の手続をしっかりと定めて、シビリアンコントロールに背馳することのないようにやっております。 佐藤一佐の発言につきましても、「月曜評論」以来ずっとその手続を正規に踏まれておりますので、手続に従った個人的な見解とお受け取りいただきたいと思います。
○元信委員 正規な手続を経ていれば経ているだけ公式見解ということじゃないのですか。そうでなくちゃおかしいと思うのですよ。何にもなくていきなりぼんと出したというのであれば、それは個人的見解でわしは知らぬということに長官としてはなるかもしらぬけれども、ちゃんと手続に沿って出されたということは、これはますます公式じゃないですか。
○宍倉政府委員 私どももそうでございますが、自衛官も同じことでございまして、個人的な見解を発表するということは、個人の言論の自由の立場から、それは一定の節度を守った上の話でございますが、許されてしかるべきものと考えております。 それで、先ほど私が申し上げましたような所定の手続と申しますのは、そういった意味での個人的な見解を発表する場合の所定の手続を踏んでいる、こういうことでございますから、個人的な見解を出すことはその限りにおいて差し支えないものと考えております。
○元信委員 でたらめなことを言うんじゃないよ。個人的であれば手続もヘチマもないわけですよ。個人でぼんと言って、それはうちへ帰って発言したと同じことだろうが。それを、内部でチェックして手続を踏んでそれが個人的だなんと言えば、そういうものは日本語を冒涜するものだよ。
○宍倉政府委員 先ほども申し上げましたように、防衛庁の場合におきましては、今までのいろいろな経緯がございまして、先ほど申し上げましたように、個人的な見解を出す場合におきましても所定の手続を踏んでいるわけでございます。おっしゃるように、通常の場合でございますれば、個人的な見解の場合には何らの手続も要せず個人的な見解を出すという例が多いかと思いますが、防衛庁の場合には、その場合におきましても所定の手続を踏んでもらうということで、一段とその意味では、何人的な見解を出すことについての制約といいますかそれにつきましてのおもしというものがあるというふうに御理解いただきたいと思います。
○元信委員 到底そんなものは理解できないね。所定の手続を経たら、それは個人的じゃなくなるんだよ。個人的というのはあくまで、そんな所定の手続だとか外へこういうことを言いますよというようなことを言わぬというのを言うのであって、もし全く個人的な発言にまでそういう手続が要るということになれば、それこそ言論の自由を束縛するものなんですね。 しかも、何度も言うようだけれども、「広報室長 一等空佐」、そんな者が肩書つきで大々的に外に意見を発表しておいて、それが個人的だなんというようなことは、あなたが幾ら言っても全く世の中には通りませんよ。常識に反する。そういう意味じゃ長官は常識人だと思いますね。いかがです、こんなものが常識だと思いますか。言っていることがおかしいと思いませんか。
○加藤国務大臣 いわゆる公務員にも言論の自由があろうかと思います。したがいまして、防衛研究所の職員が論文を発表したり、東京大学、京都大学、北海道大学等国立大学のそれぞれの社会学方面の方が、いろいろな意見を自由に発表されておるわけです。この人たちも国家公務員であるわけです。それは、それぞれの個人的な見解として発表いたすわけでございます。 ただ、私たち防衛庁の場合には、防衛政策はいろいろな論議を呼びますので、個人的な見解を発表する場合でも所定の手続を踏ませておりますけれども、それは内容をどういうふうなものにするかというところまではチェックいたしておりません。言論統制にならぬような、検閲にならぬような範囲内で、どこどこの新聞に何月号にこういうようなテーマでという範囲で申し出させているのが手続でございまして、その内容をそれぞれの政策部門で一々チェックして、全部役所の精神に合致するような論文を書かせるという仕組みの手続ではないことを御理解いただきたいと思います。
○元信委員 つくづく情けないことを承るものです。そんなことをおっしゃるとは思わなかった。あなたがさっき言った何とか大学の話は、以前にアカデミックフリーダムの問題として挙げられているわけです。これはアカデミックフリーダムとは何の関係もない。そういう筋の違う話をごちゃごちゃにしてくるという情けないやり方はやめてください。 例えば運輸省の広報室長が、国鉄分割・民営化はナンセンスである、気が違っているとしか思えない、こう仮に言ったとする。総務庁のさる高官が、給与の七月実施なんというのは憲法違反で、政府がそうするなら公務員がストライキをやるのも当たり前だと言ったとする。こんなもの、とても個人的な見解として放置できぬでしょう。政府も、役人がやたら批判をするのじゃないと、この前たしかお達しを出したばかりだと思います。そういう意味からいっても、加藤さん、あなたの言うようなことは世の中ではとても通らない。あなたもそんなことはとても通らないと本当は思っていると思うのです。しかし、この問題をずっとやっておっても水かけ論ですから、内容に入っていきたいと思うのです。 いろいろエキセントリックな文章でございまして問題は多いわけでございますけれども、まずこういうことを言っているわけです。内容は、さっき言いましたように日航機事故の遭難の救助活動への批判への反批判ということだったわけですが、これに対していろいろ誤報道が多かったことを、昭和四十六年の雫石事故と同列にとらえて、「この事故は、全日空機が一方的にジェットルートを逸脱して訓練空域に侵入した結果であり、しかも操縦席に機長は居なかったとしか考えられず、或はいたとしても前方を見張っていなかったため、訓練中の自衛隊機に追突し、何が起こったかわからぬまま墜落した事故であると確信しており、」そして「この事故を自衛隊の責任と思っているのは、当時のズサンな事故調査と、誤った先入観にとらわれたマスコミの誤報道をうのみにしているからか、あるいは別の〃意図的〃な反自衛隊活動の一環であるとしか考えられない」と決めつけているわけなんです。 ところで、この雫石事故は、刑事裁判は既に昭和五十八年九月二十二日に結審をしておって、そこでは、原因はジェットルートJ11L内で訓練をしていた松島分遣隊、この訓練を企画した分遣隊と訓練に当たっていた教官に責任があるということで、この教官は禁錮刑になった。自衛隊側も、訓練を企画した側にも問題がありということで、当然かなり大量な処分をしたはずなんです。 そこで、長官に伺いたいと思いますが、もしこの佐藤一佐の言うとおりだとすると、最高裁判所もこの事故の責任は自衛隊側にあったと考えておるわけですから、最高裁判所は当時のずさんな事故調査をうのみにして御判断したかあるいは意図的な反自衛隊活動をしておるかどっちかだということにならざるを得ないわけでありますけれども、今自衛隊、防衛庁はこの事故について正式には一体どういう見解を持っておるのか、伺いたいと思います。
○宍倉政府委員 雫石事故につきます裁判でございますが、刑事裁判につきましては、今委員おっしゃいましたように結審をしております。自衛隊といたしましては、その判決結果について厳粛に受けとめております。 同時に、民事裁判につきましては、一審の判決がございまして、ただいま控訴審が係属中でございます。係属中の控訴審におきましては、控訴しておりますのは国の方でございますけれども、控訴されておる方と、しておる方と、両方で意見の食い違いがいろいろございまして、今審理中でございますからして、この場で私がそれについて詳しく見解を申し述べることは差し控えたいと存じますが、主なる争点といたしましては、衝突位置それから全日空機の飛行経路等について論点がございます。
○元信委員 聞いておることに返事してもらわなければ困るのです。いいですか、佐藤一佐のお話では、全自衛隊員はすべて自衛隊に責任がないと確信しておると言っておるのですから、今防衛庁の公式見解として雫石事故には全然責任がないと思っておるのか。そうすると、処分をしたこともおかしいわけです。責任がなかったのに処分をしたのは、反自衛隊活動であると言っておるのだから、防衛庁は反自衛隊活動をやっておるわけだ。責任があったと思っておるのかそうではないと思っておるのか、そこだけ明瞭に言ってください。
○宍倉政府委員 先ほど私は明確に申し上げたつもりでございますが、刑事判決については防衛庁として厳粛に受けとめております。
○元信委員 厳粛に受けとめているというのはどういう意味なんだ。わかるようにちゃんと言いなさい。厳粛かどうかなんということを聞いておるのではない。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○宍倉政府委員 裁判の判決について厳粛に受けとめておると申し上げておりますことは、判決をそのまま承服しているという意味でございます。
○元信委員 そういうことでしょう。そうだとすると、自衛隊の受けとめておるのとこの佐藤一佐が言っておることとが全然違うでしょう。佐藤一佐は、全自衛隊員はそんなことはないと確信しておる、一方的にジェットルートを逸脱した全日空機が正規の訓練をしておった自衛隊機に追突したのだ、こういうことを言っておるわけです。最高裁判所の判決は誤りであるか反自衛隊活動であるかのどっちかだと言っておるわけなんです。こういうものを放置しておいていいのですか。長官どうです。幾ら個人的発言だなんて言ったって放置できぬでしょう。
○宍倉政府委員 ただいま委員が読まれた文章はそのとおりでございますが、この文章を子細に読んでみますと、今委員が御指摘のように最高裁の判決がおかしいというようなことは書いてございません。ここに「我々空自の隊員は」と書いてございますが、空自の隊員の全員がそう思っているとも書いてございません。
○元信委員 何を言っておるのか。 長官、こういうわけのわからぬことを言っておるのではなくて、少し常識、シビリアンコントロールは常識がベースになるわけですから、そこのところで議論をしたいと思います。読めばこう書いてあるのです。「しかし我々空自の隊員はこの事故は、全日空機が」云々と確信している、こういうふうに書いてあるのです。これは空自の隊員の一部はとかそんなことを言っているわけではないのですよ。航空自衛隊のスポークスマンである広報室長が「我々空自の隊員は」と言った場合、隊員の一部がそういうふうに言っているなどということはまさに詭弁以外の何物でもないですよ。裁判の批判をしていないかというと、そんなことはないのですね。裁判の判決はそういうものであって、いいですか、この事故を自衛隊側の責任と思っているのは、マスコミの誤報道をうのみにしているからか、あるいは別の意図的な反自衛隊活動の一環だ、こう言っているわけです。しかも「月曜評論」の方を見れば明確に、「この事故は、全日空機が一方的にジェットルートを逸脱して訓練空域に侵入した結果であり、しかも操縦席に機長は居なかったとしか考えられず、」こういうことで裁判の認定を全く否定しているわけですよ。直接的に最高裁判決に言及していなかったとしても、実際言っていることはそのとおりじゃありませんか。長官どうですか。こんな三百代言的な答弁では承知できませんよ。
○宍倉政府委員 先ほども申し上げましたように、民事裁判では衝突位置について今争いがございます。争っているのは国であり航空自衛隊でございます。民事裁判についてでございます。 それで、その主張につきましてはここでくどくど申し上げるつもりもございませんが、位置がかなり西側にずれておった可能性があるという主張をして、今その立証をしているところでございます。そういったことも踏まえてこの「月曜評論」の文章にはそのように書いてあるのかと存じます。それはそれとして一つの個人的な主張かと私どもは思っております。
○元信委員 さっきは最高裁判所の判決を受け入れており、さればこそ処分までしたわけでしょう。もし今あなたが言うように西側にずれておって自衛隊に責任がないというのであれば、処分なんかできっこないじゃないですか。ためにする反自衛隊活動として処分をしたのかね。長官どうなんですか。
○加藤国務大臣 この佐藤一佐の表現につきましてはまた後で論ずるとしまして、全般的に、雫石の刑事裁判につきましては、先ほど官房長が言っておりますように防衛庁としてはこれを厳格に受けとめておるわけでございます。従っているということでございます。 ところで、その佐藤一佐のこの部分の表現でございますけれども、これは後ほど「朝雲」新聞にも出ておりますように、二十六日付の紙面で述べた部分、「七段目および八段目に記述された裁判の件に関しては、有罪とされた隈元一空尉に同情のあまり筆が滑ったきらいがありますが、民事裁判が進行している現在、不適切であったと思いますので、削除させていただきます。」という表現で訂正記事を出しておりますので、その分は御了解をいただきたいと思います。
○元信委員 個人的な問題について、防衛庁長官が、削除したから御了解を願いたいというのは、まことに異なものだと思わざるを得ませんね。そういうことになりますと、結局この削除記事を出すについて内局が指導して削除記事を出したわけですか。個人的な見解なら個人的に削除すると思いますが、今長官がそういうふうにおっしゃったということになると、防衛庁の意図が働いていたわけですね。
○加藤国務大臣 先ほど言いましたように、これはあくまでも個人的な見解でありますけれども、公務員である以上、発言する場合には、自分の置かれております公務員としての立場、責任を自覚し、節度を持って発言しなければならないというのが私たちの考え方でありますし、内部の指導でございます。 そういう意味におきまして、当人が当人の判断としてそういう訂正をしたという事実があることを御了解いただきたいと申し上げておるのでございます。
○元信委員 「月曜評論」の方はどうしました。
○宍倉政府委員 「月曜評論」と「朝雲」との佐藤さんの記事は違ってございます。「月曜評論」という、あれは週刊の新聞かと心得ておりますが、それと「朝雲」という、これも週刊の新聞でございますが、私どもは多少かかわり合いが違っているかと思っております。 先ほど委員が御指摘に、なられましたように、「朝雲」新聞は、正規な意味で私どもの機関紙ではございませんが、世の中からは機関紙というふうに受け取られる可能性のある新聞でございます。機関紙と受け取られる可能性のある新聞に、裁判批判と受け取られるかもしれない可能性のある部分があるとするならば、それについては御本人として訂正する気があるならば訂正をなすった方がよろしいだろうという判断はいたしましたが、「月曜評論」はあくまでも防衛庁と関係のないミニコミ紙でございまして、そこに先ほど来申し上げておりますように個人が個人の意見としてお出しになることにつきましては、私どもは関知をいたしておりません。
○元信委員 そういうのを語るに落ちると言うのですけれども、あなた自身もお認めになったように、防衛庁の機関紙と受けとめられるものにそういう肩書つきで物を書く、それはあなた方がどう強弁しようとも防衛庁の見解を表明したということにほかならない。これはあなたもお認めにならざるを得ないだろう。そこで幾ら首を振っておってもだめだ。認められぬと言って頑張りたい気持ちはわからぬではないけれども、世間というものはそういうふうに見る。あなたがおっしゃったとおりなんですね。 微妙なことを言われましたけれども、この訂正をするについて内局がアドバイスをしたわけですか。
○宍倉政府委員 内局がと申しますより、私個人が相談を受けて、そういうような考え方もあるなということを申しましたことは事実でございます。
○元信委員 現場から官房長が相談を受けるのが個人だなんというようなことでは、役所の仕事というのは一体どうなるのか。何年何月何日何時ごろに相談を受けたのかね。
○宍倉政府委員 十月十一日の朝十時過ぎごろだったと思います。
○元信委員 勤務中に受けたわけだね。
○宍倉政府委員 勤務中であります。
○元信委員 勤務中に個人的に話をするなどというようなことは聞いたことがない。しかも仕事と関係のない、今夜一杯やるかとかマージャンやるかとかいうことを言っているのじゃないでしょう。職務に密接に関係ある、というより職務そのものについて話をしたのが、個人的だなどと言うようなところに、あなた方のでたらめな、詭弁の馬脚があらわれていると言わざるを得ないですね。 ところで、取り消したからいいじゃないか、こういうことなんですか。なかったことになる、こう思っていますか。長官どうです。
○宍倉政府委員 「朝雲」の記事については御本人が取り消しをしたわけですから、そういうことで、なかったということだと思います。
○元信委員 同じ「朝雲」新聞にこういうおもしろいことが書いてあるから聞いておいてください。「しかしながら、これらの放言の恐ろしさは、例え後刻関川氏のようにわれわれに対してあやまられても、その言は電波のように伝わり、いつの間にか真実であるかのようにみなされてしまうところにあり、仮に事実無根であることが証明されても、彼らは決して責任をとらないことである。」取り消したって言葉というのは広がってしまってどうしようもないのだと本人が言っているのですよ。それでもあなたのように言いますか。
○宍倉政府委員 「朝雲」新聞の記事につきましては、御本人が取り消すということを言っておられるわけでございますから、先ほど来申し上げておりますように、もともと個人的な御意見として出したものを個人がお取り消しになった、それを私どもが防衛庁の立場でとやかく言う立場にない、こういうことでございます。
○元信委員 こういう調子でどこまでも甘やかす、言いたいほうだいのことを言われても、そうやってかばってかばってかばいまくる、これはシビリアンコントロールの逆ですね。制服がやりたいほうだいのことをするのに、背広がこれを汗をふきふき紙を持ってそのしりぬぐいに走り回る、こういうことじゃないですか。実際、あなたの姿はそんなふうに見えますよ。言っていることだって支離滅裂じゃないですか。個人だと言ったり、勤務時間中に個人的な指導をしただなんて、そんなばかなことは通りませんよ。一体防衛庁内の服務というのはどうなっているのか。もしあなたがそういうようなことでしたら、そういう疑問だって当然わいてくるわけです。でたらめきわまるということを申し上げておかねばならぬと思うのです。 ところで、「月曜評論」というものに寄稿するということについては承諾されていたわけですか。
○宍倉政府委員 「月曜評論」に寄稿します際も、佐藤一佐は所定の手続を踏んでおったというふうに聞いております。
○元信委員 公務員には政治的中立の義務があり、実力集団である自衛隊にはより一層それが厳しく求められるべきである、こういうふうに思います。「月曜評論」という新聞は、ふだんそう目に触れるようなものじゃありませんけれども、なかなかこれは政治的な新聞なんですね。「編集綱領」の中にも、「左翼全体主義から自由を護る」とか、一定の政治的な立場を鮮明にしている新聞です。いわば政党的な内容があるというふうに思うわけですが、こういうものに寄稿するということについても防衛庁としては何ら問題がない、こういう御見解ですか。
○宍倉政府委員 私、「月曜評論」を読むことはございますけれども、先生おっしゃっておられるように特に政治的な色彩が濃厚というふうにも思っておりませんでしたものですから、今おっしゃるようなことまでは承知いたしておりませんでした。 なお、佐藤一佐が書いた内容につきましては、政治的な色彩は全くないかと思っております。
○元信委員 聞かないことに答弁しちゃだめですよ。「月曜評論」の表題の左側に「編集綱領」というのがあって、そこの(2)に「月曜評論は左翼全体主義から自由を護るための積極的言論活動を展開する。」とはっきり書いてあるわけですね。それで知らなかったなんということは許されませんよ。改めて私がそれを指摘しますから、その指摘を踏まえた上で、今後どうですか。
○宍倉政府委員 新聞の綱領について一々吟味をしてそれに対する対応をしていくということは、私どもとしてそれが適当なのかどうか若干疑問があるように思います。と申しますのは、通常の商業紙におきましても、いろいろ綱領等において立場をはっきりさせておられるところもございます。そういうことで、新聞としてのそういう綱領があるからということで、その新聞に対して特別なかかわり合いの仕方をするということ自体が政治的な色彩を帯びることにもなりかねないからでございます。
○元信委員 何を言っておるのかよくわからぬな、全く。はっきり言って、「月曜評論」にこれからも自衛官が寄稿していくということを認める、こういうことなんですか。はっきり言ってください、はっきり。
○宍倉政府委員 そういう機会があるかどうか存じませんが、特にそういう機会がありましたときに、「月曜評論」であるからだめだということにはいたす考えはございません。
○元信委員 いろいろ問題があるわけですが、こういうことを言っているわけですね。 「われわれは正しい批判には謙虚でありたい。しかし朝日ジャーナルのように「サラリーマン軍隊・失業対策」等という悪意の放言は座視できない。われわれも文民の皆さまと同じく日本人である。しかも一生懸命努力して評価されないことに耐えられるような聖人君子でもない。」、「座視できない」と言うからには、座って見ちゃおれぬというので、立って何をするというのか。耐えられぬと言うなら、どうしようというのか。これは脅迫ですよ。実力部隊が座って見ちゃおれぬと言うのは、これは脅迫というふうに受け取らざるを得ないと思うのですね。長官どうですか、こんなことを言わせておいていいものですか。
○宍倉政府委員 今お読みになったのは確かにそのように書いてございますが、座視できないという意味が直ちにそのような意味にしかとれないというふうには私は考えません。
○元信委員 じゃ、どんな意味にとるんだ……
○石川委員長代理 委員長が許可を申し上げてない。座ったままの質問では……。
○元信委員 委員長。——それじゃどうだって言うんですか。
○宍倉政府委員 したがいまして、佐藤一佐は適当な機会を求めて——求めてではございません、今のは訂正いたします。機会がございましたものですから個人的な見解を発表した、こういうことだと思います。
○元信委員 何を言っておるのかわからぬですね。
○石川委員長代理 委員長に発言許可を求めてください。
○元信委員 委員長。——そういう調子だからなめられるんですよ。 「諸君」という雑誌があります。ことしの十一月号の幹部自衛官による覆面座談会、長官はお読みになりましたか。
○加藤国務大臣 走り読みしました。
○元信委員 これはじっくり読んでもらわなければいかぬと思うのですね。
○石川委員長代理 委員長に発言の許可を求めてください。
○元信委員 委員長。——これは見出しだけ見ても物すごいですね。「自衛隊も第二の国鉄だ」、国鉄、米の次は国防だ、「自衛隊もエコノミック集団か」、「米軍の勢子か」。しかも、いいですか。官僚の皆さんもよく聞いておいてもらわなければいかぬけれども。——防衛官僚と名のつく人は、一般に官僚の扱いを受けていない。まず第一に上級試験の成績が悪い。次に、防衛官僚になる人は、希望してなる人はほとんどいないのじゃないか。希望省庁を書いて、すべてはねられた人のところを官房長が回って、行き先の決まっていない人はだれですかと人事院に聞いて、落ちこぼれを集めて防衛官僚にしておる。管理能力は全くないし、まして戦略思考をする余裕もない。——こういうことを走り読みでも読めたでしょう。御感想はいかがですか。
○加藤国務大臣 「諸君」の記事を私が走り読みいたしましたのは、全部を読むに値しない座談会だと思ったからです。先生もお読みいただいたと思いますが、冒頭で幹部自衛官が自衛隊の現在の定員を誤るような、そんな発言をする者が自衛官だと私は思わないのです。読んでいただきますとわかりますように、これは多分、自衛官という名を付しているけれども、別の方が発言しそれを構成なさったものと私、思いました。それでなければ到底、内部にいる人間がこのような事実誤認、例えば陸上自衛隊か海上自衛隊の現在の定数を数千人単位か一万人単位で間違えていたような気がしますけれども、そんなことを言うはずはありません、イロハの「イ」ですから。したがって、その意味で走り読みいたしました。 それから、今自衛隊の人間、特に内局の人間が公務員として能力がないみたいな発言がございましたけれども、私は自衛隊、防衛庁の人間がすべて天下一品の人間だというふうに申し上げるつもりではございません。しかし、少なくとも立派な教育を受けてきた人間が全員一生懸命やっておるわけです。特に内局について御言及ありましたけれども、内局というのは、純軍事的な側面で制服の人が考える、それに対し、政治的な外交的な判断を加えて、そして、そういう純粋の世界ではだめなんだということを言いながら、軍事情勢と国際情勢、政治情勢の中、財政状況の中のはざまに立って常にバランスをとらなければならぬ、報われない厄介な仕事だと思うのです。それを本当に喜んでやる人間がそんなにこの日本にいるわけではない中で、何人かが自分で希望して、そして内局の勤務をし、難しい国会答弁をし、難しい制服との関係を調整しているわけですから、そしてその後天下り先があるわけでもない、惨たんたるOB生活をすることを覚悟しながらやっている人間がいることによって、私たちの国の軍国主義化が阻止できているのではないでしょうか。それぐらいの評価はしてあげていただきたいと思います。
○元信委員 委員長は議事指揮になかなか熱心だからこの際お願いしておきたいと思いますが、質問に対して答弁をしてもらいたい。このときとばかり意見の開陳をされたのでは、幾ら時間があってもたまりません。このことを申し上げておかねばならぬと思います。 ところで官房長、今の長官のお話だと、これは到底自衛官だとは思えない、こういうことでしたね。数字までなかなか細かく走り読みされたと思って感心しておりますが、この覆面座談会などというような企画は大いに問題があると思うのです。これは自衛隊に限らず何だってそうですね。社会党議員覆面座談会、ぽろくそに言ったのでは組織はとてももちません。何らかの対応が必要だと思いますが、いかがですか。
○宍倉政府委員 雑誌「諸君」の記事が出まして、私も拝見しました。内容的に申しますと、大変に間違いが多うございます。現に、例えば先ほどお読みになりましたように官房長が探して回るというようなくだりもございましたが、私も私の前任者もその前の前任者も、そういうことをしたことは一度もないわけでございます。したがいまして、本当にこの座談会は自衛官の方々が集まってやったものであろうかという疑いすらも持ったことは事実でございまして、雑誌「諸君」の編集部に事実の確認に行かせましたところ、ニュースソースだからということで「諸君」の方はその辺のところは明らかにしていただいておりません。 しかし、今委員が御質問になられましたように、こうした覆面座談会について今後どうするんだ、こういう御質問でございますけれども、これは雑誌社が企画なさってやったことであり、実際に本当の自衛官が、だれがいたんだということも明らかにしていただけない以上、私どもとしては打つ手がないというのが実際だと思います。私どもとしては、こうしたことははなはだ迷惑でございますので、広報課長名で雑誌「諸君」に抗議をし、それが次号に掲載されたところでございます。
○元信委員 内部の調査はなさいましたか。なさいましたら、その結果は。
○宍倉政府委員 調査はいたしておりません。そのような自衛官がいるとは信じられないからでございます。
○元信委員 とことん何をやっても甘やかしておって、制服のやりたいほうだいという印象をぬぐえませんね。まことに、はだえにアワを生ずる思いというのはこういうことじゃないかなというふうに思います。(「異常体質だ」と呼ぶ者あり)そういうことが異常体質だと言われるような世の中というのは、世の中の方が異常だということをこの際申し上げておきたいと思います。 さて、この例の佐藤一佐の放言問題についていろいろなことが取りざたされています。きょう発売の「文芸春秋」、あたかも佐藤一佐が朝日新聞の記者を殺してやろうかと思ったというようなすさまじい記事も出ておりますし、あるいはこれは「宝石」という雑誌でありますが、加藤長官もこの記事を読んで大変お喜びになって、いろんな会合でこの記事のことをお話しになっているのですよと佐藤一佐が言ったというような記事もあります。さらにまた、これはそういうミニコミの社会のことでしょうけれども、これをめぐって、先ほどの官房長の御答弁とはかなり食い違う、やれ、だれやらがはし袋に書いたとか書かないとかそんなようなことも出ていますので、もう一遍そこの訂正のところのプロセスを正確に教えてもらいたいと思います。
○宍倉政府委員 私も、委員の今御指摘になりました「文芸春秋」を読ませてもらいました。先ほど申し上げましたように、十月十一日の朝だったと思いますけれども、そうした相談を受けまして、夜になりましてから、私が先ほど申し上げましたような考えはどうであろうかということを申し上げたことは事実でございます。翌日の十二日がたしか土曜日だったと思いますが、十二日の土曜日に私が話を受けたことでは、佐藤一佐もそういうことで了承をして訂正文を出すということになったと聞いております。翌週の水曜日が「朝雲」の発刊だったと思いますが、翌週の水曜日の「朝雲」に訂正記事が出た、これが私の知っております事実でございます。
○元信委員 そうしますと、この「文芸春秋」にばかに詳しく書いてありましたけれども、こういうプロセスは事実無根ということですね。
○宍倉政府委員 私がその場にいたわけではございませんので、完全に事実であるかどうかということについては申し上げかねる面がございますけれども、しかし、私がどういうことであったかということで事後的にいろいろ話を聞いて見た限りにおきましては、「文芸春秋」に書いてあることはおおむね事実だと思います。
○元信委員 そうすると、新聞記者がこれに関与をして、はし袋に訂正文を出して、それを参考にして訂正文を決めたということも本当だ、こういうことですか。
○宍倉政府委員 御本人の新聞記者の方に伺ってみますと、はし袋であったかどうかわからないけれども、自分の意見を書いたということはおっしゃっておられます。それから、そのときに同席しておりました者の話では、そういう御意見を新聞記者の方が言っておられるのは確かに耳にした、しかしながら訂正文とそのこととは直接の関係はない、このように言っております。
○元信委員 言っていることが支離滅裂としか言いようがないですね。何か言うとそこで首を振っておるようだけれども、どうも私にはそうとしか受けとれない。 全く個人的な見解を書いたにしては、今言ったお話を聞きますと、とても個人的な見解の後始末とは思えないわけですね。個人的に書いたのであれば、個人的に訂正しようがしまいが好いたようにすればいいじゃないか。訂正文を出すことについては、前の文を出すときにもただ「ああ、そうかい」と言っただけなら、こっちも「ああ、そうかい」、こういうことになるはずでしょう。それをあなた、あっちへ持って回りこっちへ持って回りしてこね回しておる。しかもそれをこの場では公式には関知していない。こういうことになるというのはおかしいじゃないですか。 十一日の午前十時と言ったっけ、そのときにあなた、執務時間中に下僚から聞かれて返事をするのが、どうしてこれが個人的と言えるのですか。そういう世の中の常識に全く相入れないようなことをしている。そこまでしてこの乱暴きわまる論文について擁護をしていく。これはまことに異常な事態だと思います。 かつて、粟栖統幕議長がいろいろ発言をして物議を醸した。そのときにも内局あるいは政府は一定の処断をしたわけですね。あれは、個人的な発言だなどと言って、見苦しくかばったようなことは一回もなかったと思うのです。また粟栖さんの方も職を賭しての発言であるということで、あっさりお引きになった、こういうふうに思います。 こういうような三百代言まがいのことを言って、僕はこの佐藤さんという方にもお考えをいただきたいと思うのですけれども、御自身そう言っているわけです。一たん言葉が口に出た以上、後で取り消してもその力というものは消えることはない、それはそのとおりだと思います。そう言っておきながら、今あなた方が考えているような、全く個人的な問題として防衛庁は関知しない、こういう処理というものは、これから防衛費がどんどん膨んでいく、そういう時代にあって、今にまた軍人がふんぞり返る、「黙れ」と国会を一喝したことがかつてあったそうでありますが、そういう時代が来るのではないか、まことに危惧をしないわけにはいかないわけであります。重大な問題であるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○石川委員長代理 鈴切康雄君。
○鈴切委員 政府は、八月七日の人事院勧告を受けまして、十一月八日閣議を開き、公務員の給与改定を七月一日から人事院勧告どおり行うことを決定し、本法案を提出されたわけでありますけれども、なぜ実施時期を七月一日からとしたか、その政府の考え方をまずお伺いいたします。
○後藤田国務大臣 ことしの給与改定に当たりましては、昨年度の官房長官談話で示しましたように、六十年度以降完全実施が仮にできないといったような場合であっても、いわゆる積み残しの較差は、少なくとも五十九年度程度は解消をいたします、そして五十九、六十、六十一年度三年間で完全実施に向けて、我々としては、政府としては取り組む方針である、こういうお答えを申し上げたわけでございます。 そこで、一方でこういったことを踏まえると同時に、何といいましても、人事院の勧告制度というのは、現在の仕組みの中では、政府としては、国政全般への目配りはもちろんやらなければなりませんけれども、これは最大限尊重して実施をしていく、そうすることによってこの制度を生かす。同時にまた、職員諸君の士気への影響であるとか各般の問題を考えなければならぬ。そういうことでことしは取り組んだわけでございますが、何といいましても、本年度の歳入の見通しあるいはまた本年度中のこれから先出さなければならぬいろいろな歳出要因、これらを考えますと、昨年度以上に実際は厳しい状況にあることは否定できません。同時にまた、国民の行財政改革をやっておるというさなかにおける物の考え方、これも一方で考えなければならぬ。 こういうような各般のことを配慮しながら、少なくとも人事院勧告制度を五十九年度のようにいわゆる俸給表の改定ということはできるだけ避けるべきであろうというようなことで、厳しい客観情勢の中でありましたけれども、人事院勧告制度を一歩でも二歩でも前進をさせたいといったようないろいろな考え方のもとに、最大限の努力をして、ことしは万やむを得ず、やはり勧告どおり実施するけれども七月一日から実施をするということにならざるを得ない、こういう結論になったわけでございます。 もちろん、職員諸君の立場に立ては御不満も残るだろうと私は思います。しかし、職員の皆さんも、政府が最大限の努力をしたといったようなこの誠意についてはぜひひとつ御理解をしていただいて、そして、少なくともこれが勤務の上に悪影響を及ぼさないように私どもとしては心から希望もし、お願いもいたしたい、こういう考え方でことしの給与決定をいたした、かように御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。
○鈴切委員 公務員の給与改定に関する取り扱いが閣議決定されたと同時に出されました官房長官談話並びに総務庁長官談話、これを見させていただいたわけでありますけれども、官房長官談話には、「公務員諸君は、今回の給与改定が現下の厳しい情勢の下において決定されたものであることを十分理解され、国民の信頼に応え、一段と公務能率及び行政サービスの向上に努めるよう期待するものであります。」こう書いてあります。それからまた総務庁長官所感には、「今後とも一層職務に専心し、公務能率及び行政サービスの向上に努めるよう強く要請するものである。」こう書いてありますね。公務員としてはこんなことはもう当たり前のことでありまして、公務員の皆さん方も一生懸命やっているわけでございます。 この談話または所感から受ける感触といいましょうか、これをずっと読んでみますと、政府が一方的に、今回これだけの努力をして給与を改定したんだから文句を言わないでやりなさいよ、こういうような感じだけしか受けられないわけでありまして、長い間給与を凍結をした、抑制をした、本当に申しわけないという反省というものは、使用者として何ら誠意がにじみ出ていない、また全く感じられない。一方的に使用者としての立場だけを言い張るということは、少なくとも労働基本権の代償機関としての人事院勧告を尊重しなくてはならないという政府の立場からいうならば、もう少し誠意ある談話とか所感というものがなぜ出なかったのだろうか、そういうふうに私は思うのですけれども、それについて何か所感がありましたら……。
○後藤田国務大臣 先ほどお答えをしましたような私どもの気持ちを、率直に談話の中に表明をしたつもりでございます。
○鈴切委員 談話の中で率直にというわけですけれども、一方的に、あなたたち一生懸命働きなさいよということでありまして、実際に総務庁長官が、今までいろいろ異常な事態だったと、人事院勧告で出された俸給表を政府でいわゆる手直しをするなんということは、全く異例というよりも異常と言わざるを得ない状態の中にあって、何らそれへの反省もない、そういうことではこれは、公務員の方々は政府の考え方に対して本当に労使一体の関係というものはなかなか難しい、私はそう思うんですね。 そこで、政府の昨年の官房長官談話においてこういうことが書いてありますね。「来年度以降においては、給与改定後の官民較差が、少なくとも本年度程度更に縮小されるよう鋭意努力してまいる所存であります。」ということを談話で発表された。人事院勧告の三年間段階実施の考え方を示したわけでありますけれども、そのときにはもう既に六十年度の人勧の完全実施がないことを実は示唆した、私どもはそのように受け取ったわけであります。しかし、そのことに対して本年の人事院の報告には何ら触れられていません。実際には一般職の職員においては昭和五十六年以降例年にわたり人勧の不完全実施が続いてきておるわけでありまして、人事院勧告制度そのものの存在意義を問われようとしている中で、人事院としてはなぜ毅然とした態度で、今年度の報告またはその中に人事院の考え方をもっとはっきり記述しなかったか。私は、完全実施というものに対してはもっと厳粛にこういう問題を考えなければいけないと思うのですが、人事院総裁どうなんですか。
○内海政府委員 今年度の私どもの勧告におきましては、私どもの報告の内容あるいは勧告に関して申し述べておる点をもう一度繰り返して申すことになるかもしれませんが、私どもは、常に完全実施というものが単にうたい文句でなくて、これは本当に実現されなければいけないという立場に立って報告を書き、勧告に関連する意見を述べておるわけでございまして、とりわけ、もしそういうふうな完全実施が行われない場合において生ずる公務員の士気の問題、あるいは公務員の中における使用者と公務員の関係あるいは生活の実態、こういうふうなものに及ぼす影響が極めて大きいから、この際政府としてはぜひ勧告の完全実施をしていただきたい。とりわけここ数年にわたる異例の措置による影響というものを十分考えてもらわなければならない。こういうふうな観点に立って今回もるる述べておるわけでございまして、私どもに関する限り、いわゆる三年による措置とかいうふうなことではなくて、いずれの場合においても完全実施ということにぜひ全力を挙げてやっていただきたいということを今度の勧告にもるる述べたつもりでおります。
○鈴切委員 昭和五十六年以降人勧の凍結、抑制が繰り返されてきたわけでございますけれども、このことによりまして公務員の勤労意欲の低下や政府に対する不信、不満の影響が種々出始めている。 これは、実はこの夏、内閣委員会で視察に行きました。視察に行きましたときに、やはり地方の方からそういう話が出たわけでございます。少なくとも人事院は、内閣及び国会に勧告をした後はもう自分たちの責任ではないというような姿勢であってはならぬと私は思うのです。少なくとも人事院が勧告を出した以上は、何が何でもそれを守らせるんだという強い決意のもとに完全実施を求めるという姿勢でなくてはいけない。そして、私が聞いた範囲においてはこの給与抑制の影響がそういう形で出できているというふうに思うのですけれども、どのような形が出ているか、これは人事院としては大変に必要な問題であると思うので調査をしているんじゃないかと私は思いますけれども、人事院が給与抑制による影響ということについて調査をしているというならばどんな結果が出ているのか。調査をしていないというのでは随分無責任だなということになるのですけれども、どうなんでしょうか。
○鹿兒島政府委員 お答えいたします。 私どもは、公務員の意識そのものにつきましては悉皆調査のような調査はいたしておりませんが、ただ、御承知のように人事院に対しましては職員組合あるいは各出先機関の管理者等再三おいでになりまして、人事院勧告に関連いたしましたいろいろな御意見を承っております。その御意見の結果といたしましては、先ほど来お話がございますように、士気の低下あるいは労使関係に対する悪影響というようなことを我々としては再三耳にいたしております。
○鈴切委員 総務庁長官、もうそういう影響が出ているということにつきまして、私どもも視察に行った結果、それを耳にしているわけでありますけれども、ことしの官房長官談話の中に、「本年七月一日から人事院勧告どおりの改定を行うこととしたものであります。」というふうにありますけれども、人勧は完全実施することが当たり前であるわけでありますから、幾ら「勧告どおりの改定」という言葉を使っても、七月一日からの実施は不完全実施であることには間違いないわけであります。総務庁長官の所感でも、「人事院勧告制度を尊重するという立場から」と言っておられますが、人勧制度を尊重する立場というのは完全実施をするということではないかと私は思うのですけれども、この点どうなんでしょうか。
○後藤田国務大臣 人事院勧告制度は、私どもとしては最大限これを尊重して、国政全般との関連の中で、政府の責任において処理すべきものである。したがって、政府としては、何といったって人事院勧告をそのまま給与改善の上にあらわしていくことが基本であろうと思います。しかしながら同時に、今日のこの厳しい財政の実情、さらにはまた今は行財政改革という厳しい措置をとっているわけでございます、こういったことからくる国民一般の公務員に対する物の考え方も配慮しなければなるまい。それと同時に、仰せのように、こういった抑制措置が長く続くということは好ましいことではありません。それは公務員の士気にも影響するであろう。ならば、公務員の士気が低下しないように各般の目配りをして、でき得べくんば勧告どおりにやるのが本来的な姿であろう。かように考えておりますけれども、何せ今取り巻かれておる客観情勢ということも、国民の税金でございますから、やはり公務員の諸君にも理解していただきたい。御不満があることは先ほど言ったように私は重々承知しておりますが、政府としてもこういう厳しい中で最大限の努力をしているんだという誠意はぜひひとつ御理解をいただきたいな、かように思うわけでございます。
○鈴切委員 政府は大変に努力している、人事院勧告を最大限尊重していると再三言われているわけでありますけれども、今回出されました給与法は七月実施でございますので、四月一日からということにならなければ不完全実施であることには間違いないわけでございますから、そういう意味からいいますと、どんなに努力したと言っても、労働基本権の代償機関である限りはやはり私は認めるわけにはいかないというふうに思っております。 不完全実施の連続によりまして人事院勧告制度が根本から揺れ動いている今日にあって、制度自体がしっかりと定着しない限り、いつまでも完全実施されないという不安が公務員には残ってしまうわけです。 その意味で、総務庁長官の所感の中に、「来年度以降においては人事院勧告の完全実施へ向けて誠意を持って対処する」とある、このことについてお伺いしたいわけでございますけれども、このことは、総務庁長官の従来の発言からすれば、どんなことがあっても来年から責任を持って完全実施いたしますという決意を述べたものである、そのように解釈してよろしゅうございましょうか。
○後藤田国務大臣 これは鈴切さん、私はこの委員会でも何回も、五十九、六十、六十一年度でどんなことがあっても——これは毎年毎年できれば完全実施するんです、しかしながら万一それができなくても、そういった三カ年間で解消を図っていく方針である、こうお答えしているのですから、それでひとつ御理解を願いたい、かように思うわけでございます。
○鈴切委員 いや、それはいつも言われながら肩透かしをされてきているだけに、公務員の皆さん方からは、総務庁長官がそんなこと言ったって、我々は今まで凍結、抑制で、実際に人事院勧告完全実施という現実をつかんではいないじゃないか、こうおっしゃるから、私はあえて公務員の皆さん方を代表して申し上げるわけです。 そこで、昨年の十二月十三日、衆議院内閣委員会であなたは、「本年を含めて三年間で政府としては完全実施をやるという方針を示すことによって一般職員に安心感を与えたい、」という考え方で、昨年の官房長官談話が出されたと答弁されております。これは議事録に載っております。ということは、ことしは七月実施であるけれども、来年以降は間違いなく完全実施をします、こういうことですね。その点だけははっきり言っていただかないと、公務員の皆さん方もああやって聞いておられるし、ひとつはっきり言ってください。
○後藤田国務大臣 だから、今鈴切さんがお読みになられたような考え方で、ことしの給与改善に当たっては、従来どおりのやり方でなくて、少なくとも一歩前進をしたやり方でやっておるのだ、ここはぜひひとつ御理解をいただきたい。 来年どうするのだということでございますが、これも先ほど来お答えしておるように、三カ年間で完全実施をやっていく方針であるということをお答えさせていただきたい、かように思います。
○鈴切委員 一歩前進ということについては、見方によってはそうだとも思います。思いますけれども、完全実施がされていない以上はこれを評価するということも難しい問題です。しかし、昨年総務庁長官が言われた、いわゆる三年間にその問題を解消したいということと今回の一歩前進とが本当に完全実施に結びつくのかどうか。あのときああいうふうに言ったけれども、実際来年になってみたら、いつの間にか四月一日の実施が六月一日になったとか五月一日になったとかということではお話にならぬわけでございます。今回の不完全実施ということについては、公務員としても次への希望をつながなくてはならないわけですから、そういう意味において、三年間段階的にというあれと今回の一歩前進とは全くばらばらのものでなくて、完全実施に向けて、それは間違いなく約束します、こうおっしゃってください。
○後藤田国務大臣 鈴切さん、余り御心配なさらないで、私はしばしばお答えしておりますように、三年間で完全実施をする方針であるということでひとつ信頼をしていただきたい、かように思うわけでございます。
○鈴切委員 そのようにおっしゃるのを、あえて信頼できないと言うわけにもいかないでしょう。信頼せいと言うのですから信頼をしますけれども、その信頼を裏切らないようにやっていただきたいということを強く要求いたします。 人勧の抑制や凍結は、昭和五十四年の指定職の実施時期のおくれに始まりまして、今日まで実は七年続いているわけです。公務員自体もこれ以上我慢できないというところに来ているわけでございますけれども、ことしの給与改定は、過去二回の政府による異例の俸給表つくり直しを回避したとはいっても、実施は七月でございます。七月といえば一般には単に三カ月分だけの抑制のように聞こえますけれども、六月の期末・勤勉手当の分が約二カ月分あるので、全体としては五カ月分の抑制ということになります。昭和五十四年以降の給与抑制により、公務員は大変に損失をしているというふうに私は思いますけれども、本年分を含めて損失額というのはどれぐらいと計算されましょうか。
○鹿兒島政府委員 完全実施された場合とこれまでの扱いということで、一応の試算でございますが、本省庁勤務の職員で申し上げますけれども、現行の等級号俸で申し上げますと、まず課長クラスの場合、一等級六号俸と仮定いたしまして約百六十七万円ぐらいでございます。それから課長補佐クラス、現行の四等級十一号俸でございますが、約八十二万円ぐらいでございます。それから係長クラスでございますが、五等級七号俸で約六十八万円でございます。それから係員は、七等級五号俸ということにいたしますと約四十四万円という試算でございます。
○鈴切委員 臨調や行革審の答申ではこういうふうに書いてありますね。人勧実施に伴う総人件費の膨張については、事務・事業の整理、定員削減等によって抑制すべきであるとは言っておりますけれども、実際には個人の給与改定を抑制すべきだとは言っていないわけです。 一般会計に占める給与費というのは、五十年度の七%から本年度は四・七%にも減少を示しておりまして、退職金も二度にわたり減額され、例年の人勧不完全実施による損失額も、今人事院から答弁があったとおり多額になってきております。また共済の掛金のアップあるいは物価の上昇等があり、このような状況の中においては公務員の生活は実質マイナスになってきていることも事実です。 公務員に会いますと、近ごろは本当に苦しい、共済の方も上がるし、物価も上がるし、本当にうちへ帰るにもいい顔して帰れない、私はそういう声を聞きます。さらにこのことが、公務員の士気に影響を与えていることもまた事実であります。だから、政府の方としては、こういう状況を深く反省して、七月一日と言わずに、ことしこれから完全実施をせよと私は申し上げたい。申し上げたいけれども、それはもしそういうことであれば、少なくとも来年は完全実施をするということでぜひ進めていただきたい。 人事院は、八月七日に、国会及び内閣に対して、公務員給与を本年四月から五・七四%改定するように勧告をしました。公務員給与は、昭和五十六年以降連続して抑制されているわけでありますけれども、このような状況の中で勧告を行った人事院総裁としては、相当御苦労されたというふうに私どもは推察しています。そこで人事院総裁に、本年の勧告に当たって一番苦労されたということは何か、また勧告の特徴はどういうところに出そうとされているか、その点についてお伺いします。
○内海政府委員 私どもは、公務員の待遇がよりよく改善されるということについてはもう四六時中考えておるわけでございますし、あるいはまた、公務員がその勤務において極めて適確に勤務されるように条件も設定していく、このことにも非常に大きな配意をし続けておるわけでございますので、本年の勧告において特に何で苦労したとかというよりも、大変大げさな言い方でございますけれども、私は総裁になりましてたまたま二回目の勧告をやりましたけれども、一日としてそういう苦しみから逃れておるということはないのでございまして、苦労の連続でございます。 それにしましても、こういうふうな状態の中におきまして、私自身、各省の人事当事者あるいは職員団体の人たちからもいろいろ意見も聞き、状況も聞きました。また、私自身できるだけ現実の勤務の状態も見たいということで、かなり多方面に現場に参りまして、その場において勤務の実態と意見も聞きました。その勤務の実態というものは、少なくとも私が見ました限りは本当に厳しいものでございます。大変大げさな言い方かもしれませんが、本当によく耐えてこの仕事に当たっておられるというふうに、私は実感しております。 そういう意味から、この人たちにせめて私どもが行う勧告というものはぜひ完全に実現していただきたい、こういうふうに思ったわけでありまして、これが私どもが非常に苦労しておることであり、大変率直に申し上げた私の所感でございます。 そういうことでございますから、今年政府でお示しになった方針というもの、あるいは今回給与法の改正案として出ましたもの、これは確かに七月からということで、私どもの勧告に対する完全実施という点ではまだ私どもも満足はいたしかねますけれども、しかし、私どものそうしたものを、政府として、先ほど総務庁長官がお答えになりましたように、最大限いろいろ御検討くださって、実現に向けて努力をしていただいておるということについては、私はやはり現場において公務員の実態を見て、一歩二歩前進するということについてもこれを了承しなければならない。しかし、私どもが、やはり何としてもぜひ、しかも常に悩みながら申し上げなければならないことは、これがいかなる場合においても私どもが勧告する限りこれを完全に実施していただきたいということでありますので、ただいま御質問くださったことへの果たして答弁そのままになったかどうか私もわかりませんけれども、私の心境を一応申し上げておきたいと思います。
○鈴切委員 俸給表の配分についての考え方でございますけれども、本年の俸給表は、報告文を見ても、どこに配分の重点が置かれているかよくわからない状態でありますが、昨年であれば世帯形成層などに配分の重点が置かれておりましたけれども、本年の俸給表の配分の重点はどこに置かれているか、その点について御説明願いたい。
○鹿兒島政府委員 まず一般的に申し上げますと、民間の初任給は引き続き上昇傾向にございますので、原資五・二%の範囲内で初任給の引き上げということに配意をしたということが一つございます。 それから、今お話がございました中堅層でございますが、これもやはり世帯形成層、この辺に重点を置かざるを得ないということで、この辺につきましても手厚い配分を行っております。 いま一つは、管理職につきましても、従来いろいろいきさつはございますが、その中では比較的重点的に配分をしたということでございます。 なお、俸給表別に申し上げますと、それぞれ水準間のバランス等の問題がございますけれども、例えば大学助手との均衡を配慮いたしまして若手の研究職、それから職名等級でございますので、いわゆる刑務官、公安職の俸給表等につきましても重点的に配分を行っております。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴切委員 人事院は、ことしの給与勧告の中で、俸給制度の改正について等級構成の再編整備、号俸構成の整備等を挙げておりますけれども、等級構成の再編整備及び号俸構成の整備という制度改正を手がけた基本的な考え方及びその対象となるものはどのようなものか、それについてお伺いします。
○鹿兒島政府委員 既に御承知のとおり、現行の俸給制度は昭和三十二年に骨格ができまして今日に至っております。その間、社会経済の変化に伴いまして、職員の職務の内容あるいは職制の立て方等大きな変化がございまして、現在の俸給表のままにいたしておきますと一つの等級の中に幾つかの官職が混在をする、その結果、現在の国家公務員法なりあるいは給与法で定めております職務の内容と責任に応じた給与ということが必ずしも十分に実現ができないということがございまして、行政職の俸給表の(一)表で申し上げますならば、現行俸給表で申しますと、新二等級あるいは新四等級、新五等級という新しい等級を新設することによりまして、職務の内容をより一層明らかにしようといったことが等級を新設した理由でございます。 それから号俸につきましては、御承知のように本年の三月三十一日から定年制が実施されまして、一般的に申しますならば職員の在職期間が延長されるということになってまいりました。したがいまして、この定年制に見合った形で昇給ができますように、号俸の延長を図るということにいたしたわけでございます。
○鈴切委員 俸給表の改善率を見ますと平均五・二%程度の改善となっておりますけれども、新等級に格付される人はプラスアルファの改善率になりますね。新等級に行く人と行かない人では昇給率に差がつき過ぎるのではないかというふうに考えます。新二と新四、新五に移行する人についても、職務給の原則から十分に審査して、単に年功序列で事柄が評価されることのないように配慮をしていくべきだと考えますけれども、人事院としてはその点どうお考えでしょうか。
○鹿兒島政府委員 改正の趣旨はお話のとおりでございまして、新しく等級を設けることによりまして、例えば新二等級について申し上げますならば、現行の二等級の中に課長と準課長が混在いたしております。したがいまして、課長を新二等級の方に格上げをするということになってまいります。そういった措置をとりますとこれは一種の昇格でございますので、昇格に相当する昇給率といいますか、アップがやはり行われるということになるわけでございます。ただ、当初の年でございますので、一応その水準は現行の等級よりもおおむね三分の一程度高いという水準に定めておりまして、これは今後の民間実態等の調査によりまして今後さらに検討を進めていくということになろうかと思いますが、そういう形で新しい等級への移行を図るということにいたしているわけでございます。 そして、この新しい等級に格付するに当たりましては、今回の等級に相応いたします級別標準職務表を新たに設定いたすわけでございまして、この級別標準職務表の職務の内容に基づきまして厳格にこれを査定するということにいたしております。
○鈴切委員 ことしの勧告で新設された専門行政職俸給表について、その基本的な考え方をお尋ねしたい。またあわせて、当初専門技術職俸給表という名称で検討されたというふうに聞いておりましたけれども、俸給表の名称からは「技術」という言葉が実はなくなってしまっております。これは何を意味しているのか。また、専門行政職俸給表の対象となる職員の将来像に何か含みがあるのかということについてお聞きしたいと思います。
○鹿兒島政府委員 まず、専門行政職俸給表をつくりました趣旨でございますけれども、これは従来は行政職(一)表の中でそれぞれ処遇してまいったわけでございますが、それぞれの職務の内容あるいは採用の形態等を見ますと、現行の行政職(一)表では必ずしもその処遇が適切ではないということで、新しく専門行政職俸給表というものを設定いたしまして、その内容にふさわしい処遇を図るということにしたわけでございます。 具体的には、現行の行政職(一)表でございますと、下位等級におきましては八等級、七等級、六等級という形で昇進をしていくわけでございますけれども、例えば典型的な職種で申しますと、特許の審判官の場合、そのほとんど大部分が上級甲からの採用者ということでございまして、独立して責任を果たすということでございます。したがいまして、下位の等級を統合いたしまして、その職務の内容にふさわしい格付を図るということにしたわけでございます。 そして内容につきましては、今申し上げましたように特許の審判官でありますとか航空管制官等が代表的なものになるわけでございますが、職務の内容が極めて専門的であり、また採用形態につきましても高度の専門的知識を必要とするということで、新しい給料表の適用をいたしておるわけでございますので、今後こういう職種が新しく出るかどうかということはまだこれからの問題でございますが、さしあたりは約六千七百人弱ぐらいこの範囲に格付をいたしておりまして、この適用範囲ということで当分は推移するというぐあいに私どもは見ておるわけでございます。
○鈴切委員 号俸構成の整備についてでございますけれども、既に俸給表の枠外に出てしまった人たちは、昇給は延伸または停止となっている人たちでございますけれども、今回の勧告で、定年制の実施に伴う処置として号俸を原則三号延伸されたことにより、枠外にいた人が何人いて、そのうちどれだけの人が救済されるようになるのか、行(一)と行(二)について具体的にお伺いいたします。
○鹿兒島政府委員 先ほども申し上げましたように、定年制の実施というものを前提にいたしまして、一定の級につきましては号俸を二ないし三号延長いたしたわけでございますが、お尋ねの行政職(一)表につきましてトータルの数字を申し上げますと、現在三千三百六十人の枠外号俸の適用者というものがございますが、三千三百六十人のうち三千二百七十四人が枠内の号俸ということになります。また、行政職(二)表について申しますと、現在千七百二十二人の枠外号俸者がおりますが、そのうち千六百九十五人が枠内の号俸ということになります。
○鈴切委員 実は、きょうは四十五分間ということになっておりますので、もう十二時になりまして私の持ち時間がございません。本当は、これからもさらに休暇の問題等も含めて御質問申し上げたいというふうに実は思っておったのですけれども、時間がないわけですからこれで一応終わらせていただきますけれども、人事院は当然民間給与というものに準じていろいろ調査をされて勧告をされるわけですから、私はその勧告というものを非常に高く評価をいたしております。私がきょう申し上げたいことは、総務庁長官、いずれにしても完全実施というものは厳粛に受けとめていただいて、ぜひそういう意味において完全実施をやっていただきたいということを要求いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○中島委員長 田中慶秋君。
○田中(慶)委員 今回の給与法改正案は、国家公務員の給与について平均五・七四%増額の給与改定を行うということで、こういう形で、額的には勧告どおり、しかし現実には本年の七月一日から実施となっておりますけれども、ここで先ほどから問題になっておりますように、約三カ月間おくらせたということになっているわけであります。これらの三カ月間おくらせた理由を再度確認したいと思います。
○後藤田国務大臣 政府としては、勧告を最大限尊重して、でき得べくんば四月から実施ということで努力したことは事実でございます。ただ、何といいましても今日の厳しい財政事情、さらにはまた国民の公務員の勤務に対するいろいろな批判、こういうものも頭に置いてやらざるを得なかった、七月からということにせざるを得なかったということでございます。 そのうちの財政事情の問題について考えてみますと、ことしの財政の実情が、まだ補正予算を組んでおりませんからどうなるかわかりませんが、実はその見通しさえ立たないというぐらいの厳しい状況でございます。歳出要因がいろいろあるようでございますし、同時にまた節約等も、もともと六十年度予算が厳しい財政の客観情勢のもとでの予算編成であっただけに、毎年の節約といいましても実はそれだけの節約が出ないといったような状況もあります。それからまた税外収入についても、従来から実は随分無理をして吐き出してもらっているわけでございますから、これ以上はなかなか出ない。それからもう一点は税収の見通しなのですが、これが当初見通しとどうなりますか、まだ最終の段階に至っておりませんが、我々が予想しておったほどにはならないのではないかといったような状況もございます。 こういった諸般の事情を考えまして、そこでやむを得ず七月一日ということにならざるを得なかった、こういうことでございます。
○田中(慶)委員 総務庁長官は、八月二十日の時点で、人事院の勧告をされた後に、完全実施に向けて努力をいたしますということで、この席上で答弁ございました。私たちは少なくとも、そのときの完全実施というのは五・七四を四月一日にさかのぼって、こういう前提で理解もしていたし、私は長官にこの問題について、人事院制度の問題や過去の経過からして、完全実施を再度要求しておいたわけであります。しかし残念なことに七月一日実施、ということは三カ月間値切られたといいますか、表現がよくないかもわかりませんけれども、七月一日から実施ということは、今日までの長官の努力が、逆にここでわずか三カ月おくらせたことによって評価が違ってまいりますし、今までの経過からすると、値切らなければ損だな、こんな感じが根底にあるのではないかと思うのです。 例えば国民の感情といったところで、過去の人勧の経過なりここ二、三年の経過からすると、その積み残し分、あるいはまた民間との較差の比較の中で行われております人事院勧告でありますから、そういう点では、この人事院勧告の完全実施というものについては私はそう明確な国民の批判というものはないと思います。あるいはまた、今財政事情ということを言われておりますけれども、人事院は、少なくともこの勧告の方式は、財政事情やすべてを考慮に入れて、民間との較差とかいろいろなことを考慮し、大所高所からこの勧告をされているのではないか、私はこんなふうにも理解しております。こういうことを含めて、税外収入の問題等々述べられておりますけれども、少なくとも四月一日というものは人事院勧告の法的根拠からしても実施をすべきではないか、私はいまだにこんなふうに思っております。 しかし、残念なことに七月一日ということでありますから、そういう点では、これからこの問題について、これは政府そのものが何らかの形で積み残したというか、私はこの残された分についてはそんな理解もするわけですが、この辺について長官はどう思いますか。
○後藤田国務大臣 政府としては、実際問題としてはもう本当に精いっぱいの努力をしたつもりでございます。殊に、私はこういうところでお答えするのが適切かどうかわかりませんが、財政当局としてよくぞここまで理解を示してくれたなというのも、私は一方で率直に考えているわけでございます。本当に厳しい状況の中での選択であった。しかし、公務員の立場に立てはそうはいかぬというのも、これまた当たり前の話でございます。 お言葉の中に、何か抑制しなければ損なような考え方があるんじゃないかということでございます。これはそんなことはありません。やはり今の人事院勧告制度がある以上は、政府としてはこの建前を最大限尊重するということはすべての者に共通をしておる認識であろう、私はこう思うわけでございます。 そこで、残念ながら四月から六月まで抑制せざるを得なかったということでございますが、これはどうするのだということは、先ほど鈴切さんにお答えいたしましたように、私どもとしてはもちろん国政全般とのにらみ合わせもしなければなりませんけれども、かねがね当委員会でも、官房長官なり私から何回もお答えをしておりますように、これは六十一年度をもって完全実施をするという政府の基本方針であるということをひとつぜひ御理解をしていただきたい、かように思います。
○田中(慶)委員 私が申し上げたのは、政府は確かに三カ月分おくれて実施をしているわけですから、公務員の皆さん初め、あるいはまた人事院勧告の精神からすると、当然ここには値切られたという感覚があっても仕方がないと思うのです。しかし皆さんは、行政改革やあるいはこれからのいろいろな形の中で仕事をする上において、はっきり申し上げて仕事は値切るわけにいかぬですよね。人事院勧告を完全実施しないからその分だけ仕事はしませんというわけにいかぬですから。そういう点では、今までの経過からしますと、完全実施をするという前提で、またそのように努力をするということで発言があったわけですから、そういう点ではお互いの信頼関係がまた崩れるのではないか、私はこういう心配をしているのです。せっかく完全実施に向けて努力をしたのですから、あと三カ月分の努力というものができなかったのかどうか、その辺についてもう一度答弁を願いたいと思います。
○後藤田国務大臣 最大限の努力はしたつもりでございますけれども、遺憾ながら結果としてはこういう七月実施ということにならざるを得なかった、これはぜひ御理解をしていただきたい。 なお、こういった決定をする段階までには、何回となしに給与関係閣僚会議で激論があり、それでまとまらずに、さらにまた二、三名の者に一任を受けて、これがまた何回となしに激論もして、それでようやくまとまったものである。 同時にまた、この過程においては、私は、職員組合の皆さんとは何回となしに、お互いに率直に本心を吐露しながら話し合いをさせていただいている。もちろん組合の幹部の方が了承するわけはありません、ありませんけれども、そこは気持ちをぜひ酌んでもらいたいといったようなことで話し合いをさせていただいたということもまたお答えをいたしておきたい、かように思います。
○田中(慶)委員 それでは総務庁長官にもう一度確認したいわけですけれども、本来人事院の勧告というのは労働基本権制約に伴う代償措置である、私はそう理解しております。しかしその代償措置が、いかに国の財政の事情が厳しいからといって、昨年のように率を値切ったりあるいはことしのように月をおくらせたり、こういう制約するような実地は、少なくとも制度の破壊につながるのではないかということを過去にも指摘をしてまいりましたし、また今この三カ月おくらせたことを含めて私はそれを指摘せざるを得ないと思います。総務庁としてこれらに対する制度の基本的な理解、どのようにお考えになっているかお聞かせをいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 この点は、政府としては現在の人事院勧告制度を堅持する、こういう基本方針でございます。この点については過去の公務員制度審議会の御答申もあり、それからまた第二臨調あるいは行革審、これらもこういう点についてはいささかの違った考え方も持っておりません。やはり今日の人事院勧告制度は労働基本権の代償措置として存続させるべきものである、こういうことでございます。 そこで、これが実際は機能しているのですよ。しているから苦労しているんで、正直言って機能していなかったらこんな苦労しませんよ。そこはぜひ理解をしておいていただきたいと思うのですね。政府としては、国政全般の中でも何といったって職員の給与については最大限の努力はしておるんだ、ここはひとつぜひ御理解をしておいていただきたい、かように率直に思うわけでございます。
○田中(慶)委員 それは立場が違って言うならば、機能はしているというふうにあなたの方は幾ら主張されても、結果としてこのような形で、表現はよくないかもわからぬけれども値切ってこられたら、機能していると言えないですよ。 例えば、この人事院勧告が出されたのはいつですか。八月七日でしょう。そして閣議決定したのは十二月六日でしょう。こんな四カ月もかかっている。現実に四カ月もかかるだけの内容じゃないと思うのです、はっきり申し上げて。八月の時点に長官からも完全実施について努力をしますという言葉があったわけですから、そういう総体的なことを考えてまいりますと、何かこの人事院制度あるいは勧告が軽視をされているように思いますし、四カ月もかかって出された結果が、四月から完全実施するのだったら高く評価をしますけれども、そのついでに三カ月も値切っておこうということではいただけないと思うのですよ。この辺についてもう一回理由を明確にしていただきたいと思うのです。
○後藤田国務大臣 八月七日に勧告があって決定したのが十二月じゃないか、こういう御批判ですが、事ほどさように難しかったのだということをぜひ御理解しておいていただきたい、本当にそう思うのです。大変な激論でございました。実際この決断をするのには、最初の方の御質問の中に、人事院総裁何と心得るかということがございましたが、私は人事院総裁の異常なる給与改善に対する決意を聞いて政府内の調整に当たったつもりでございますから、これは私は御披露申し上げておきたい、かように思います。
○田中(慶)委員 総務庁長官の努力は評価しますけれども、しかし、結果としてこのような結果が出ることはやはり残念なことですよね、はっきり申し上げて。 民間のことを言いますと、民間の場合においては、四月の時点でベースアップというのは解決されているわけです。そして四月の時点で支給されているわけです。いいですか。公務員の場合は、去年一年間のお給料できょうまで生活をしているわけです。公務員だから製品や日常の品物を、おまえのところはまだベースアップされていないからそれだけ安く売ってくれるわけはないわけです。そんなことを考えてまいりますと、やはり三カ月も値切ってこのような形で七月実施におくらしたということは、公務員の信頼関係や士気に影響すると思いますけれども、その辺はどうお考えでしょうか。
○後藤田国務大臣 その点は先ほどもお答えを申し上げましたように、公務員の諸君の立場に立ては、決してこれで満足をしていただけると私は考えておりません。しかし、公務員の諸君も現在の厳しい客観情勢については御理解をしていただけるものと思いますから、政府の誠意のあるところをぜひ酌んでいただいて、いささかも勤務にそれが影響するといったことのないように心からなるお願いを申し上げたい、私はかように思うわけでございます。
○田中(慶)委員 そういう一つの、お互いの信頼関係というのは、労使関係は特にこういう形で話し合いや積み上げが必要だと私は思いますので、そんなことを含めて、せっかく苦労されたなら、その苦労が評価をしていただけるようにしなければいけないと思うのです。 そこで、十一月一日の与野党国会対策委員長会談で約束されたように、年内支給という問題があったと思うのです。これは国家公務員だけではなく、地方公務員を含めて年内支給できる見通しがあるのかどうか。せっかくこういう形で結果が出ているわけですから、そういうことを含めてここでもう一度明らかにしていただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 今、給与改善の法律が国会の御審議を賜っておりますから、国会でできるだけ早く審議を終えていただいて成立をさせていただきたい、これは私の念願でございます。 昨年の例を言いますと、たしか十二月二十一日に成立をしたと思います。もちろんこれでは間に合いません。それはなぜかと言えば、これはいろいろ準備が要りますし、殊に地方の公務員はこれに準拠してやりますし、地方で条例の問題もあります。したがって、年内支給という線はぜひひとつ守っていこうということは、政府・与党の首脳会議でも決めておりますから、その線は崩したくない。ただ、これは国会の審議がありますから、ここで私からそうなるよということを言ったらえらいことになりますから、そこはひとつぜひ御理解をしていただきたい。と同時に、準備作業はぜひやらさせていただかなければ間に合わないんだということで、準備作業には着手をさせていただきたい、かように考えるわけでございます。
○田中(慶)委員 やはりお給料というか、人事院勧告の年内支給という点で努力されているわけでありますから、そういう点では年内支給のタイムリミットというものがあるのではないかと思います。そのタイムリミットはいつごろと見ておるのですか。
○後藤田国務大臣 昨年の例が十二月の二十一日でぎりぎり間に合ったということでございますから、そこらが一つの目安かな、かように考えているわけでございます。もちろん準備はどんどん進めさせていただきますから、何も二十一日にとらわれる必要はないと思いますが、いずれにせよ年内支給だけはやらさせていただきたい、かように考えております。
○田中(慶)委員 こういうお給料の問題というのは、やはり一番敏感だと思うのです。 そこで、人事院勧告の実施の見送りといいますか、完全実施という形の中でも本年も三カ月ほどおくらして実施をされたわけでありますけれども、少なくとも五十七年以降ずっとこういう形が続いているわけですから、こういう点では来年もこうした措置の問題がもう既に心配されるわけですよ。去年もあるいはまたことしについても八月に確認をしておいて、完全実施へ向けて努力をします、精いっぱいの最大限の努力をするということを言われているわけであります。しかし、結果としてはこういう結果になってしまった。そうしますと、来年は今までの積み残し分を含めて約束の年になるわけであります。私は、今までの長官の発言からすると、来年は一〇〇%完全実施を期待できるのではないかと思いますけれども、その辺はいかがでしょう。
○後藤田国務大臣 これも先ほど来何遍もお答えしているのですよ。要するに六十一年度までに完全実施をする政府の方針である、こうお答えしているのですから、それをぜひひとつ信頼をしていただきたい、かように考えるわけでございます。
○田中(慶)委員 長官の言葉を一〇〇%信頼したいわけです。しかし、私は八月二十日にこの席上で、完全実施、それで長官は信頼をしてくれということで、しかし三カ月値切られたわけでありますから、そういう点ではやはり来年度積み残し分を含めて完全実施をするということを明確に示す必要があろうと思うし、それが本当の意味での信頼関係につながると思います。それは我々との信頼関係ではなくして公務員の、現実に給与改善等の問題を含めて、あるいはまたこれからの行政改革やそれぞれの施策を含めて、お互いの信頼関係というのはそういうところに出てくるのではないかと思います。 そういうことで、私は総務庁長官を信頼したいわけです。しかし、八月の時点からまだ何カ月もたっていませんよね、長官。それであなたを信頼してきょうまで来ましたけれども、結果的にはこういうふうになりたわけですから、そういう点を含めて、私はその辺の姿勢をもう一度長官から聞かせていただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 田中さんの御要望はしかと心にとめて対処していきたい、かように思います。
○田中(慶)委員 勧告から給与決定まで時間がかかり過ぎる。勧告はやはり政府として最大限苦労したり努力をした、そんなことを長官から言われてきて、それもそういう形でなるのかなということですけれども、しかし今日のように結果としてわずか三カ月を値切る、それが完全実施だということでとられる、こういう感覚にならないように今後やる必要があると思うのです。八月に出て、そして十二月六日に閣議決定するまで時間がかかり過ぎる。そういうことがむだなことではないかと思います。ということは、やはりお互いに一つのルールに基づいてきょうまで来ているのですし、この辺はもっと時間を詰めてやることが、仕事をする上においても非常にスムーズに仕事ができるのではないか、こんなふうに私は思うのですけれども、この一番妥当な時間というのはどのくらいなんでしょうか。
○後藤田国務大臣 この点は、人事院の勧告制度が八月なんですよ。年度途中で出てくる、こういうことでしょう。そうすると、当該年度で財政措置をしなければならない、こういう形になっておりますね。そうしますと、やはり当該年度の財政の見通しというものがなかなか八月段階で云々というわけにいかない。これは税収なんかがどんどん伸びているときであれば何ということないのです。しかしながら、御案内のような厳しい財政収支の状況がありますから、やはりできるだけこの見通しが立ち得るような——今日まだ実際は立ってないんですよ。立ってないんだけれども、できる限りはそれに近いような推定ができる段階まで先に行かないと決まらないといったような実情があるわけです。ここはぜひひとつ御理解をしていただきたい、かように思います。
○田中(慶)委員 制度の問題もあると思うし、またそれぞれできるだけの努力ということもあろうかと思います。そこで、過去の例を見ますと、早くても大体十一月の末ごろというものが出ているわけです。しかしそういう点では、長い慣習だからということではなくして、総務庁長官がいつも言われているように時代が流れているわけですから、行政というのはその時代の流れ、変化にこたえていくのが行政だと思うのですね。やはり給与もあるいは給料体系も民間の賃金闘争のあり方も大分変わってきているわけですから、そういう点ではこれらの問題についても長い習慣や経験からしてやるということではなくして、その辺は思い切ってやっていかなければいけないような気がするわけです。そういう点でぜひ今後そういうことの全体的な方程式を変えるように、長官の力だったらできると思いますからぜひやっていただきたい。これは要望しておきたいと思います。 そこで、人事院にお伺いしたいと思います。 人事院は、この八月七日に給与勧告を行ったわけであります。勧告の方式、要するに勧告の方程式の中には財政事情等を考慮しているのではないかというふうに私は思いますけれども、財政事情というものは考慮に入れているかどうか、その辺を聞かしていただきたいと思います。
○内海政府委員 勧告に際しまして、私ども、要するに政府のあるいは日本の財政事情が非常に厳しいものであるということは承知いたしております。しかしながら、田中委員も先ほどからおっしゃっていますように、勧告というものは官民給与の較差を考え、生計費を考え、諸条件を考えて勧告をいたすものではありますけれども、そしてまたそれによって答えを出すのですけれども、財政事情ということになりますと、苦しいということ、厳しいということは一応承知いたしておりますが、財政事情がこうであるから先ほど申しましたように官民較差として出たものをさらにへずって出すとか、あるいは財政事情が非常に豊かだからもう少しふやして出すとかというふうなことをすべきものではございません。かつまた、そういうふうな観点から、私どもは、国の財政というものをどういうふうに割り当てられるのが適当であるかというふうなことを申し出る、そういう立場にも実際にない。 そういう面を総合して申しますと、今御質問になりましたような意味の財政を考慮してという面はむしろ考慮しておりませんし、また端的に言えば、そういうことに対して考えを及ぼすということは適当でない、こういうふうに私は思っております。
○田中(慶)委員 人事院の生い立ち、制度からすると、総裁の答弁は全くそのとおりであろうと思います。しかし、皆さんの人事院から勧告をされたものが、せっかく五・七四という形で完全実施の額、しかし時期が三カ月ずらされるということは、それぞれ先ほどのお互いの質疑の中でも明らかなように、国民の批判とか財政事情とか税収の見通しとか、そういうことを羅列されているわけでありますが、しかし、私は、そういうことを含めて、人事院勧告をする前提として、中立的な立場でしているということでありますから、それは評価をいたしますけれども、なお一層、そういう点では、過去の経過から見て、昨年も積み残しをしました、そしてその前年もしたわけでありますけれども、こういう一連の中で、人事院制度というものをもっといろいろな形の中で確立をするためには、やはり今の総裁の考え方をこれからも完全に守りながら、人事院の制度確立、制度を守るためにも、その発言を私は高く評価したいと思いますが、しかしこれからもぜひ、過去のように大幅に値切られても積み残しをされても、人事院総裁としてそれぞれ努力はしたであろうと思いますが、結果として過去の例があるわけでありますから、そういう点では来年度、昭和六十一年度はこれらの問題についてやはり総裁として毅然たる態度で臨んでいただきたいということを申し上げたいわけでありますけれども、これらについてどういうふうにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
○内海政府委員 たびたび申し上げておりますように、人事院というものの存立する意味というものは、給与について言えば、やはり勧告というものが完全に実現される、またそのために努力をしなければならないわけでありますから、お説のように、今後ともに私どものできる限りの努力はいたしたい。政府におかれましても、こういうふうな私どもの気持ちあるいは努力というものは十分に評価し、また取り入れていただいてきておるものと、こういうふうに思っております。
○田中(慶)委員 時間が参りましたので、午前の部は以上で終了さしていただきます。
○中島委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。上原康助君。
○上原委員 午前中のお尋ねとも少し重複する面もあろうかと思うのですが、最初に給与についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 官房長官、お忙しいところたびたびおいでをいただいてありがとうございます。一、二点官房長官にお尋ねしたいわけですが、その前に一、二問は人事院か総務庁にお尋ねをしますので、ちょっと聞いていただきたいと思います。 改めて申し上げるまでもなく、労働基本権あるいは公務員の仕事の性格上人事院勧告制度というのがあって、従来それが尊重されてきたわけですが、この四、五年なかなか完全実施に至らなかった。ことしも勧告の中身は五・七四%実施をするということになったわけですが、実施時期については三カ月繰り下げた、その点については我々は極めて遺憾であるということを表明をしておきたいと思うのです。 そこで、人事院月報を見ましてもあるいはその他の資料を見ても、公課負担というものがふえている。例えば共済掛金の長期分とか短期分、そういう面、あるいは国鉄調整分というようなものも上乗せをされて、公務員の賃金は昨年は三・三七%、八千百三十八円改定は見たわけですが、実質的には、物価は近年落ちついているとはいってみても、それそも二%前後は上昇しているということになりますと、かなり公務員関係労働者の家計に与えている影響というものは強いと見ているのですが、まずそこらについて人事院はどうお考えなのか、御答弁を願いたいと思います。
○鹿兒島政府委員 お答えいたします。 私どもは公務員の家計調査は実施いたしておりませんので、ごく一般的なことしか申し上げられませんけれども、お話がございましたとおり、いわゆる可処分所得につきましては、最近さまざまな状況によりまして可処分所得の範囲というものは減少ぎみに推移しておるというぐあいに一般的に理解をいたしております。
○上原委員 そこで、細かい点を二、三点お尋ねする前に、官房長官お忙しい時間ですからお尋ねしますが、可処分所得にだんだん影響を与えているということになりますと、これはお尋ねするまでもないと思うのですが、凍結、値切りをやってきて、ことしも完全実施をするかどうかで大変議論になったところですね、勧告が出されて以降今日まで。従来、政府は両三年内で完全実施の方向に持っていくのだという御見解を表明してきたわけですから、次年度、いわゆる六十一年度からは完全実施になるとどなたも理解をしていると思うし、また我々もそういうふうに思うわけであります。特に、今度の決定に当たっても官房長官談話で、「財政事情等公務員の給与を取り巻く情勢は今後も引き続き厳しいものと見込まれますが、政府としては、給与が勤務条件の基本にかかわる重要な事項であることにかんがみ、来年度以降においては、人事院勧告の完全実施に向けて誠意を持って対処する所存であります。」こういう御見解を表明なさっているということと、両三年以内で段階的に完全実施に踏み切ると言った以上は、次年度、六十一年度からは完全実施をするという御見解だとこの談話から我々は見ているわけです。けさも最大限の努力をするというような表現で、少し抽象論だったのですが、やはり公務員の皆さんの公務に対する意欲というか、あるいは人材確保という面からも、人事院勧告というのは値切るとか時期をずらすというのは今年度限りにしていただきたいと思うのです。改めて御見解を明確にしていただきたいと思うのです。
○藤波国務大臣 昨年五十九年度の人事院勧告の政府の態度を決定をいたしますときに、官房長官談話を発表いたしまして、五十九、六十、六十一と三年間をめどにして官民較差の解消に努める、こういうことで来ておるところでございます。本年度、政府の態度を決定をいたしますときにも、そのことを十分念頭に置いて本年度の態度を決定をする運びにしたところでございます。 委員御指摘のような御趣旨に沿うように来年度最大限の努力をしていく、午前中もそのようにお答えをしております。来年は完全実施でございますと言い切っておりませんのは、やはり来年度は、来年度人事院勧告がきちっと出されて、それを受けて政府として態度を決めるという、給与関係閣僚会議が開かれてそこで決定するという運びになりますので、ここで私がそのことを断定して申し上げることは極めて僭越なことであるというふうに思いまして、努力目標のようなことで表現をいたしておりますが、委員が御指摘になりましたような御趣旨に沿うように最大限の努力をする、こういうふうに発言をしております意味をぜひ御理解をいただきたい、こう考える次第でございます。
○上原委員 大体おっしゃらんとする御趣旨はわかりますので、ぜひ……。 ちょっと人事院、今度この三カ月ずらしたことで平均でどのくらいの損失というかカット、削減になるのですか。
○鹿兒島政府委員 今年分について申し上げますと、課長クラス現行の一等級六号俸で十六万二千円、それから課長補佐クラス四等級十一号俸で九万二千円、係長クラス五等級七号俸で七万一千円、係員七等級五号俸で四万九千円、東京在住者ということでの試算でございます。
○上原委員 官房長官、今お聞きのようにこれだけ影響を与えているわけですよね。一般の平均にしても七万か五万以上でしょう。そうしますと、これはやはり年末のこの出費多端の段階では家計に与える影響も非常に大きいと思うのですね。ほかにもいろいろ、これまでどれだけ削減されたかという数字も人事院月報などにも明確に出ておりますので、そういうことをぜひ御理解をいただいて、確かに今おっしゃるように来年度完全実施ということをここで断定的に御答弁するというのは難しい向きもあるかもしれませんが、政府の姿勢としては次年度からは人事院勧告を尊重してその完全実施に向けて努力する、そういうふうに理解をいたしたいわけです。念を押すようで失礼ですが、改めて御見解を聞いておきたいと思います。
○藤波国務大臣 従来、凍結をいたしましたりあるいはカットをしてまいりまして、その中で公務員の家計などにいろいろ影響を与えてきたということを、異例のこととは言いながら、非常につらいことであったという思いをいたしておるところでございます。公務員の士気に影響をしたりあるいは公務員の人材の確保に影響がなければということを心配しながら従来も来たところでございます。財政状況が非常に厳しい中でのことでありましたので、各方面の御理解をいただくようにお願いをしてきたところでございます。 先ほど来申し上げておりますように、来年度はぜひ完全実施に持っていけるように最大限の努力をいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○上原委員 官房長官、どうも御苦労さまでした。 そこで、次に、今度行政職の(一)の給与表が改定されているわけですが、二等級、四等級、五等級でしたかを二分しているわけですね。この対象官職というか対象職種の内容について簡単に説明をしていただきたいと思いますし、同時に、この対象職種を拡大していくお考えなのか、あるいは範囲はどこまでにとめるおつもりなのか、あわせて御見解を聞いておきたいと思います。
○鹿兒島政府委員 ただいま御審議いただいております法案が成立いたしました場合には、直ちにこれに必要な規則を決めるということになりまして、その中で新しい標準職務表というものも定めていくことになろうかと思います。 今お話がございました新しい二等級ということで私ども腹案として現在持っておりますのは、新二等級につきましては本省の場合には課長、管区で申しますならば部長、府県単位機関の場合には特に困難な業務を所掌する場合の所長ということを一応念頭に置いております。 それから新しい四等級の場合でございますが、これもいろいろございますが、代表的なものを申し上げますと、本省の場合には課長補佐ということでございまして、管区機関の場合には困難な事務を処理する課長補佐、府県単位機関の場合におきましては相当困難な業務を所掌する課長というようなものを例として考えておるわけでございます。 それから新五等級でございますが、これは本省または管区機関におきましては相当困難な業務を分掌する係長ということでございますし、また府県単位機関の場合には困難な業務を分掌いたします係長ということを頭に置いております。 今回この新しい等級を設けますことにつきましては、先ほどもお答え申し上げましたが、職務給の原則ということを明らかにすることを最大のねらいにいたしております。そういう形で、今申し上げたような職種を新しい等級に格付するということでございますので、職務の内容によりまして分類をしたわけでございますので、こういう分類が成立いたしました場合には、少なくとも当分の間はこういう新しい職務の格付によって運用してまいりたい、このように考えております。
○上原委員 そこで、これは時間が足りませんので資料要求をしておきますが、現在二等級にある人員が今度十級、九級になるわけですね。その対象人員をはっきりさせていただきたいということ、それから四等級も七級、六級になるわけで、七級に格付される者、六級に格付される者、五等級の場合は五級、四級に格付される者、その人員の分布を後ほど資料として提出していただきたいと思いますが、いいですね。
○鹿兒島政府委員 法律が成立いたしますと、直ちに格付作業というものを行うこととなります。したがいまして数字も明らかになりますので、法律が成立いたしました後に内容を差し上げたいと思います。
○上原委員 できれば各関係省庁別のものも早急に整理をしていただくことを要望しておきたいと思います。 そこで、もう一点は在級年数ですが、現在の場合ですと、五等級から四等級に昇格というのですか、昇級する場合には、この在級年数、待機期間というのがたしか四年になっていると思うのですね。そうしますと、二等級、四等級、五等級を二つに分けたわけですから、従来どおり待機期間というか在級期間が四年になりますと、八年でしか昇級しないということで、これは大変な不利になりますよね。ですから、我々の理解というのは、二つに分けたのだから、待機期間というか在級期間というのも、四年ならこれを二年二年に分けて昇級するということだと思うのですが、そのとおりなのか、お考えをぜひ明らかにしていただきたいと思います。
○鹿兒島政府委員 これも法律が成立しました後に決定いたしますが、お話の趣旨の方向で検討いたしたいと思っております。
○上原委員 お話の趣旨の方向というのは、ちょっとあやふやですね。二、二で間違いないですね。
○鹿兒島政府委員 先ほど現行の五等級で例をお出しになりましたが、現行は五等級から四等級に上がります際に、四年の必要在級期間というものがございます。これの間に新しく新四等級が入りますので、それぞれの在級必要期間二年という形で処理をいたしたいというぐあいに考えております。
○上原委員 その点は、関係者は非常に関心をお持ちの点でありますし、また今度の給与改定の目的というかそれが一体何たるやということにもなりますので、今の御答弁でぜひ改善をしていただきたいと思います。 あと一点は、職階制のことについてちょっとお尋ねをしておきますが、現在も職務給制というか職階制だと思いますが、この職階制については詳しいことは省きますが、臨調も第三次答申でしたかで、廃止の方向で検討すべきという指摘をしているわけですね。また、人事院の人事行政政策の見直しについては今回は何らの措置、提言はなされていないわけですが、今後もこれは検討課題なのか、それとも俸給体系の改正に伴って職階制そのものを廃止するお考えなのか、そこいらについても、これは人事院ですか、ぜひ明らかにしていただきたいと思います。
○網谷政府委員 職階法に定められております職階制につきましては、先生御指摘のとおり、精緻に過ぎるなど諸般の事情がございまして、この制度をそのままの内容で実施することは現実的でないという大方の理解が存するところでございます。 そこで、職階法の職階制にかわる現実的な形の官職の分類を行うことといたしまして、これまでさまざまの意味の観点から検討を行ってきたものでございますけれども、官職の分類は国公法上、任用、給与等の人事諸制度の基礎として位置づけられるものでございますので、それらの制度を円滑、適正に運用することができるようにいろいろの観点から検討する必要がありますので、今後とも引き続き慎重に検討を行ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○上原委員 検討課題ということのようですが、この点については、よく職員団体なりいろいろな御意見を尊重の上でやっていただきますことを、要望を加えておきたいと思います。 そこで、次に、私はかなり以前ですが、法務省の矯正職員の勤務時間あるいは労働条件の改善についてお尋ねをしたことがあるわけですが、週休二日制も、完全実施ではないにしてもだんだんそういう方向に官民向かっていることは御存じのとおりですね。いろいろ試行というか暫定的にというか、トライアルに矯正職員の勤務時間についてもやっていくということでしたが、現状どうなっておるかということが一つ。 それから、これは人事院にもぜも聞いていただきたいのですが、人事院規則で職種によっては四十八時間勤務までできる、そういう規定があるから、いつまでもそれで拘束するというのは私はよくないと思うのですね。やはり高齢化社会の問題もあるし、いろいろ人間生活や価値観の面等が変化すれば、勤務の態様についても、公務員であろうが一般の労働者であろうが、より生活をエンジョイできる方向に改善することが制度的にも待遇面においても必要だと思うのですね。そういう面で、特に矯正職員の勤務時間の問題と待遇改善についてどのようにお考えなのか。それが二点目。 もう一つは、最近刑務所とか拘置所等に総合警衛システムというものを導入しているようでありますが、沖縄の那覇拘置支所あるいは知念の刑務所も大分問題になった。これは私は全面的にけしからぬと言っているわけじゃありませんが、そういった総合管理システムを導入することによって、機械で人間を扱うようなことはよしてもらいたい。少なくとも勤務態様なりによって、拘置所に拘置をされている人あるいは刑務所に留置をされている人々の管理は、対人間関係ですから、そういう面でうまく従来のシステムというものも尊重しながら改善を図るということでなければいかないと思うのですが、この三点について法務省はどういうふうにお考えなのか。 また、前段の二点については、今後の改善措置を人事院としてはどのようにお考えなのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○関場説明員 まず勤務時間、それから給与関係について私から御答弁申し上げます。 矯正職員でございますが、矯正職員の勤務時間につきましては、事務系統の職員と保安系統の職員に大別いたしまして、そのうち刑務所の保安関係の職員が四十八時間、そのほかの職員が四十四時間というのが現状でございます。 委員御指摘のとおり、刑務所関係の勤務条件が大変厳しいということで、私どもなりに改善することを考えておりまして、現在人事院とも御協議申し上げまして、三十四の矯正施設、刑務所等でございますが、三十四の施設につきまして四十八時間を四十四時間に短縮するという方向で運用いたしております。ただし、現在まだ試行という考え方でございますが、実情としまして、四時間短縮して四十四時間ということでやらさせていただいております。残りの施設につきましても、受刑者の質あるいは作業時間等の関係がございましてなかなか難しい問題がございますが、今後とも努力をしてまいりたい、かように考えております。 次に給与関係でございますが、これまた委員御案内のとおり、刑務所あるいは少年院等の勤務の特殊性につきまして御配慮いただきまして、刑務所の職員につきましては公安職の(一)という俸給表、それから少年院関係につきましては公安職(二)の俸給表が適用されておりまして、これらはいずれも行政職よりは一〇%少々優位な俸給表になっております。そのほか、手当関係につきましても少しずつ拡大あるいは増額等をお認めいただいておりますが、今後とも引き続き努力してまいりたいと存じます。
○馬場説明員 総合警備システムについて御質問ございましたので、その方についてお答えさせていただきます。 これは昭和五十三年ごろから私の方で導入させていただいておるのでございますが、これは当時、最近もですが、収客人員の増加、それから収容者の質的悪化傾向等が見られましたために、しかも今後この傾向がずっと続くということが予想されましたために、施設の保安警備を強化する必要があります。そういう観点から、その万全を期し、かつ、これを効率化しまして、要するに職員の負担をなるたけ軽減するという趣旨で、私たちはこの総合警備システムを導入したわけでございます。 先ほど御心配のように、機械が人を管理するということで御心配のようでございますけれども、我々の職場というのは、警備におきましても最後は人でございます。そこに勤務する職員の意識というものがなければ、我々の管理では十分やっていけません。そういう意味で、機械が人を管理するというようなやり方というのは当然我々としても考えておりませんし、運用上そういうことのないようには十分気をつけているつもりでございますし、今後ともそういうような方向でやっていきたいとは考えております。
○叶野政府委員 刑務官の勤務時間の関係についてお答え申し上げます。 我々は現在、標準的には四十四時間の勤務時間ということを頭に描いでございます。刑務官の四十八時間という問題につきましても、近い将来におきまして四十四時間にすべきである、かような考えを持っております。そのために、先ほど答弁がありましたように、法務省の方では三十数カ所について試行している。その試行の結果を見まして、給与上の問題が若干絡みますけれども、それら等を勘案しながら、しかるべき時期に四十四時間にするという考えでございます。
○上原委員 きょうはその程度にとどめますが、人事院総裁、これは何もこの矯正職員だけでなしに、特に保安要員ですね。保安の皆さんがそのほかにもいるわけですね。海事業務に従事しているとかあるいは航空管制官とか、そういういろんな実務を担当している職員は今でも四十八時間拘束されているわけで、これは人員の問題、予算の問題、もちろん人員は予算と一体でしょうが、少なくとも段階的に改善をするという方針を、公務員の人事政策を担当する人事院としても総務庁としても、もっと前向きに、積極的に僕はやるべきだと思うのです。この点については今お答えがあったのですが、総裁の御見解も聞いておきたいと思う。
○鹿兒島政府委員 いわゆる公安関係、保安関係の職員の処遇の面について私からお答えいたしたいと思いますが、先ほど法務省の方からもお話がございましたとおり、公安職の職員につきましては(一)表、(二)表ともに、従来から、一般の行政職員に対しまして一定の水準差、通常は二号俸差と言っておりますが、そういう水準差を設けまして処遇をいたしておりますし、私どもといたしましては、今後もこういった一定の水準差は、その勤務の内容あるいは勤務時間等の状況から見まして継続いたしたいというぐあいに考えております。 また、各種の手当あるいは調整額等におきましても、従来から、その勤労の強度をはかりまして一定の措置をしてまいっておりますことは御承知のとおりでございます。
○上原委員 総裁、その点はそういうことで改善しますね。
○内海政府委員 今、両局長から御答弁申し上げましたような線で改善を図っていきたいと思っております。私も、今おっしゃったような職種において仕事をしておる人につきましては、本年、現場においてその仕事ぶりを十分見てまいりましたので、実感を伴いながら今後検討をしていきたい、こういうふうに思っております。
○上原委員 いずれまたいろんな細かいこともお尋ねをして御要望もしたいと思いますので、ぜひひとつ十分御配慮を賜りたいと思います。 次に、きょう防衛庁長官もおりますので本当は防衛論議をしたいわけですが、そうもいきませんので、今度は将の給与の改定もあるわけですが、細かいことは言いません。頭でっかちの自衛隊組織になっている、これは非常に問題があると思うのですが、そのことはいずれやるとして、今度の給与改定に伴って組織の編成がえも当然あると思うのですね。大体、将とか将補とかいうポストというのは、それだけの職務の重要性、権限、指揮権というものがないといけない。私がそう言うのも変なことだが、余りに乱造し過ぎたんじゃないかという感じがしますので、そこらは一体基本的に今後どうお考えなのか、ひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。
○友藤政府委員 お答えいたします。 今回の俸給表の改定は、将官比率が高いという御指摘がございましたが、そういうことだけの理由ではございませんで、実は、自衛官の階級と対応いたします一般職の職務の等級との対応関係の均衡を、一般職の俸給表の改定に準じまして今回図ってまいるということでございます。その結果、俸給表等につきまして一般職との均衡が図られますと、先ほど御指摘がございましたような将官比率について改善を見るということになるわけでございます。 それで、実はこういう関係がどうして出てきたのかということでございますが、御案内のとおり自衛官の俸給体系は一般職の俸給体系に準拠をいたしておりますが、階級が一般職の俸給体系の基準となっております等級に対応するという仕組みになっております。これは、私どもとしては階級制度をとっておりますし、それを中心に編成等も考えていくということから、俸給につきましても階級を基礎に置いた俸給制度をとっておるわけでございますが、一般職との均衡をとりますために、それぞれの階級につきまして一般職の等級との対応関係を均衡のとれた形で組んでいくということが必要になるわけでございます。 実は、現在の対応関係は約三十年前の昭和三十二年にその基準が決められまして、それ以降一般職におきます俸給表の枠組みの大きな改変というものはございませんでしたので、若干の手直しはございましたが、基本的仕組みはそのまま今日まで継続しておったということでございます。しかし御案内のとおり、この間、行政も複雑・専門化してまいりましたので、一般職では個々の官職を格上げされるというような事態がございました。これに対応いたしますために、私どもも俸給表そのものに手をつければよろしいわけでございますが、なかなかそういう制度の切りかえということも困難な面もございまして、個々の官職を部隊編成上の観点をも考慮しながら一段高い階級への格上げを行ってきた、こういう事情で今日の状況になっておりますので、その辺は一般職との均衡関係を取り戻せば実態的には正常な姿に戻るのではないか、かように考えておる次第でございます。
○上原委員 これをやると長くなりますので。私は、これは一般職との給与均衡の問題だけでないと思うのです。 そこで長官、今度五年間で将、将補を約四分の一カットするというわけでしょう。これは当然、部隊編成その他の自衛隊のある意味ではぜい肉を落とすということも含めてでないと納得できないと思うのだ、内部においての。これはいろいろ意見が出てくると思うが、そこら辺の長官の考えはどうなんですか、そこだけ聞いておきましょう。
○加藤国務大臣 今回、中期防衛力整備計画を決定する際に、私たちは、今後、部隊の合理化、近代化等効率化を目指していろいろやることは表明しておりますし、そのための内部の検討の過程も始まっております。 しかし、今回のこの人事及び給与の問題、それから将官の数を減らすという問題は、それと別個に公務員給与及び自衛隊員の給与の問題としてスタートしておりまして、編成とは直に結びつくものではないと考えております。
○上原委員 そこもいいでしょう。そういうお考えでできるかどうか疑問ですが、この問題はその程度にとめておきましょう。 そこで、今の件とは直接関係はないわけですが、これは施設庁になるのか防衛庁になるのでしょうか、最近の円高・ドル安に伴って、即駐留軍の賃金改定も、公務員と同時同率の原則というのが一つの慣行というか、これまでの方針、政策としてあるということで、五十二、三年にも大変な事態でしたが、考えますとあれ以上に重要な段階、問題は深刻だと思うのです。 仄聞するところによりますと、最近の円高・ドル安に伴って、米側よりさらに、日本政府に対しての在日米軍の維持管理とか基地従業員の労務等にかかわる経費を云々という話があるとかないとかいうわけですが、一体どうなのかということが一点。 しかし、さっきも言いましたように、賃金改定は従来の政府方針は堅持なさると私は思うのですが、その点はどうなのかということ。 三点目に、雇用問題に及ぼす影響はあるのかどうか。例えば円高になったので首を切るとか合理化をやるとか、合理化は今でもいろいろやっていますね。 その三点について、明確にお答えをいただきたいと思います。
○佐々政府委員 お答えいたします。 まず第一点の、米側から円高・ドル安に伴う財政難から日本側の駐留支援負担をもっとふやせという話があるかないか、こういうことでございますが、私、日米合同委員会のメンバーの一人でございますが、そういう提案は今のところございません。 二番目の、この五・七四の人事院勧告が行われた場合駐留軍労務者の給与の改定は従来の政府の方針どおり行うかどうか、こういうことでございますが、先生も多年にわたり御承知のように、全駐労の処遇につきましては同時同率ということで、国家公務員の給与改定に準じてこれを行う、こういう基本原則が確立されておりまして、これにつきましては私どもこれを変える意思はございません。この当委員会において今回の人事院勧告によるところの給与改定が実現をし、実施をされた段階におきましては、従来と同様直ちに、同時同率の原則をもってアメリカ側と交渉に入り、待遇改善に全力を挙げたいと考えております。 三番目の、雇用に関係があるかないかでございますが、この点につきましては、二万名の全駐労の組合員の皆様の重大な関心事であろうかと存じます。制度上私が雇用主ということで間接雇用をやっておるわけでございますが、この円高・ドル安の理由をもって筋の通らない人員整理とかこういうことのないようにということは、既に非公式でございますが私どもの方から申し入れを行い、アメリカ側からもそういうことは考えていないという回答を得ております。
○上原委員 そこで防衛庁長官、今施設庁長官からもあったのですが、しかし、この円高・ドル安の問題というのは、日米の貿易摩擦も絡み、あるいは皆さんがよく引用なさる安保の運用面等もあって、今後日米間の相当の政治課題になっていくおそれなしとしないですね。防衛庁全体として、今の問題も含めて政府は——まあ政府ということになるのでしょうね、この政治課題にどのように対処をしていかれようということなのか。ある程度想定できる問題もちらほら出てきていると思うのですね。今アメリカ側からそんなことないと言ったって、強力に貿易摩擦を絡ませてやってきた場合は一体どうするのか。これは政治の問題ですから、政治家である防衛庁長官の見解を聞いておきたいと思います。
○佐々政府委員 お答えいたします。 まず私から答弁させていただきますが、駐留支援の増額要求というのは、これは日本だけじゃございません。全世界的に、米軍が駐留しておる国においてはホスト・ネーション・サポートの増額要求というのが出ておりまして、それぞれの国との一つの政治課題になっておると理解をいたしております。 日本の場合は、御承知のように五十三年にドルが百八十円になってしまった時点にこの問題が起こり、いわゆる思いやり予算、駐留経費のコストシェアリングということで日本が始めたわけでございますが、この基本原則は、アメリカはいろいろな要求がございましょうが、我が国といたしましては、そのときの財政事情を勘案し、アメリカ側の要望の緊急性なり優先順位なりを考えて協議をして決めていく、こういう基本姿勢をこれからも堅持をいたしたいと考えております。
○上原委員 防衛庁長官、何か御見解ないですか。
○加藤国務大臣 この問題は、私たちも今後とも常に真剣に考えていかなければならない問題であろうと思いますが、ただいま施設庁長官がお答え申しましたように、五十三年の円高・ドル安以降、我が国の政府はできる限りのことをやってきたと思っております。我が国も財政的に厳しいわけですけれども、日米安全保障条約の重要性にかんがみ、できる限りのことをし、そして思いやり対策をし、また現在の日米地位協定の解釈の中からはでき得る限りのことをやってきたのではないだろうかな、こんなふうに思っております。したがって、現在の姿勢を貫くことを精いっぱい今後やっていくのが今のところは限界なのではないのだろうかというのが私の感じでございますが、大きな問題として今後とも関心を払っていきたいと思っております。
○上原委員 きょうはその程度にこれもとめておきます。さっきの将、将補の削減あるいは給与の改定のあり方、防衛庁はどちらかというと行革の中でも聖域としてこれまで全く手を触れられずになっているのですが、私はいろいろなむだがあると思うのですね、基地の維持のあり方にしても。その面はこれから我々も逐次勉強しながら議論をしてまいりたいと思いますが、これ以上、安易に米側要求にこたえることのないように、この点は強く要望をしておきたいと思います。 次へ進みます。航空機事故の場合の救難捜索体制についてお尋ねをしたいわけですが、私もある関係者から聞いてびっくりしたのですが、現在、航空機事故の場合の救難捜索体制、救難対策というのは、日本は一体運輸省なり政府全体としてどうなっているのですか、簡単にひとつ要点だけお答えください。
○中村説明員 お答えいたします。 航空機の事故がございました場合には、まず墜落の現場なりあるいは行方不明になりました時点で第一報が入ってくるわけでございますが、それを受けますのは東京国際空港事務所、つまり羽田空港にございます救難調整本部でございます。そこで必要な連絡を受けまして、あるいは必要なところへ連絡を出す、あるいは必要な調整をいたしまして、関係機関でございますけれども、警察庁とか海上保安庁あるいは防衛庁等に逐次必要な協議を行うということになっております。
○上原委員 そんな簡単におっしゃいますけれども、これはせんだっての日航ジャンボ機一二三便の墜落事故のお亡くなりになられた方々の遺族なりがお聞きになると大変ショックになると思って、お尋ねするのも胸が痛むのですが、要するに現在の状況というのは、航空保安体制や事故の際の救難態勢に従事する要員がいない状態だというのですね。これでは一体この種の——もちろん事故があってはいけませんし、そう頻繁に大型の航空機事故というのは起きていないわけですが、しかし小型機の事故というのはちょっとオーバーな言い方をすると枚挙にいとまがないと言ってもいいわけですね。そこで、いわゆるRCCの業務を行う専門要員は日本では今配置をされていない、これは本当かどうか。東京空港事務所の事務室には事務机と電話があるだけで、事故発生があると、航空管制情報官が通常業務、飛行計画の安全性を確認するとか、あるいは到着の通知の受理とか、運航監視、飛行前の気象情報などのブリーフィング、飛行場の運用等のそういう通常業務を航空管制情報官がやりながら、事故が発生した場合にも兼務している状況だというのですね。これでは余りにも安全対策がなされていないと言っても言い過ぎでないと思うのですが、今の現状、私が指摘したとおりなのか、なぜそれを万全の措置をとるおうに努力をしておらないのか、それが一つ。 もう一つ、言うまでもありませんが、航空機の遭難の際は捜索救難活動を迅速に行うのがまず第一番目の仕事だと思うのですね。いかに早く遭難の事実を確認をし、遭難場所を確定をするかというのが、生存者がいる場合の救助対策としてもいいわけなんです。ところが東京RCCの——RCCというのはレスキュー・コーディネーション・センターというようですが、RCCの場合は情報は現在でもすべて手書きで、緊急時には机の上に広げた地図の上に遭難位置とか捜索範囲というものを書き込んで連絡をとり合う、こういう旧態依然とした実態だというのですね。私はこれを聞いて、これほど救難対策というものがなされていないかという感じがしたのですが、この改善措置はどうかということ、これが二点目ですね。 それから三点目は、関係救難機関との連絡調整体制も全くなされていない。例えば、防衛庁は何か軍事的なものになるとすぐ日米共同訓練とか演習とかやるのですが、せんだっての日航機墜落事故の場合はどういう横の連絡をとったのか。一応航空機の捜索救難に関する協定では、警察庁、海上保安庁、防衛庁がこのことに当たるということになっているようですが、しかし消防庁が抜けていますね。これもおかしい。だから、東京消防庁なら夜間用のヘリがあったようなんですよ。そこと連絡をとって、現場の確認とか救助対策をもっと迅速にやっておけば、もっともっとたくさんの生命をあるいは救えたかもしれない、現にそういう医師の御発言もあるわけですから。こういう改善策はどうなさるのか、この点についてぜひ明確にしていただきたいと思います。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○中村説明員 お尋ねのまず第一点でございますが、救難調整本部におきましては、今御指摘のとおり専任の要員が現在のところおりません。ただ、現在は現業についております要員が四十一名おりまして、一応二十四時間態勢で輪番勤務をやっておるわけでございます。この者たちが、先生今おっしゃいましたとおり、必要な管制情報業務その他通常の業務をやっておりますと同時に、一たん緩急がありまして事故が起こりましたときには、救難調整業務をあわせて行うということになっております。 ただ、救難調整本部が活動しなければならない事態、先ほど先生おっしゃいましたとおり、小型機も含めますと年間十件ほどございますので、その都度懸命にやっておるわけでございますが、一応二十四時間態勢でございますので必ず四人は現場に配員をされており、その都度必要な要員を幹部職員でございますが集めながら、実際の応援態勢をしいて事故を切り抜けておるというのが実情でございます。 そういう意味におきましては、今回の日本航空の一二三便というような大きな事故発生に対して万全の態勢がとれたかどうかということは、非常に問題があるという認識をいたしておりまして、今後要員態勢につきましてもいろいろ御検討を各省にはお願いをしておるというのが現状でございます。 それから二点目のお話でございますが、現在の救難調整本部は非常に貧弱な体制ではないか、こういう御指摘でございました。おっしゃられておる事実が多分にございまして、私どもも鋭意六十年度から予算をつけていただきまして、各種の画像伝送装置だとかファクシミリとか必要な専用回線とか、そういうものをぜひ整備したいということでちょうど予算要求をしていた時期に、たまたま日本航空の事故が起こったわけでございますが、今後鋭意努力をして、おっしゃるような整備を進めてまいりたいというふうに思っております。 第三点目につきましては、後ほどお答えいたします。
○土井説明員 今国の事故に際しまして、関係省庁間でどういう連絡が行われたかということでございますが、八月十二日十八時二十五分に東京管制部が日本航空一二三便からトラブル発生の連絡を受けまして、その旨を直ちに東京管制部は羽田のRCCの方に連絡をしたわけでございます。それからその後、同機と管制部との間で交信が行われておりますが……(上原委員「経過はいいんだよ、結果が物語っているじゃないか」と呼ぶ)東京RCCが今回その事故の経緯の中で中心になりまして、特に自衛隊との間でその事故の現場であるとかその位置、状況等について連絡調整をいたしておりまして、それを踏まえまして自衛隊法に基づきますところの災害派遣の出動要請を、RCCの方から自衛隊に対してそれぞれ行っているわけでございます。
○上原委員 そういうことを聞いているんじゃないんです。それはやったでしょう。しかし横の連絡調整機能が果たされていないということなんだ。東京消防庁との連絡なんか全くなされていないんじゃないですか。消防庁にしか夜間用のヘリはないんだよ。そういうことさえも運輸省もどこも知ってないんだよ。だから翌日になってしまったんじゃないか。 そこで、本当は総務庁長官があればよかったんだが、例えば交通安全対策基本法というのがあるんだ。ここでは国の責任においてこういったものを明確にしている。しかし、今は飛行機事故に対する基本対策法というものはない。人員もさっき言ったように専門要員がいないわけです。 そこで、時間がありませんので、次のことについてそれぞれお答えいただきたいんですが、まず第一点は、運航監視体制を確立することですね。第二点目は、救難支局常設と捜索救難業務専任要員の配置をぜひやること。それから、今言った総合的な捜索救難システムの整備の計画的な実施をやること。さらに捜索救難体制の確立ですね。これは行政区分の異なる関係救難機関等の調整や連絡体制のあり方を抜本的に改善し、捜索救難調整本部を中心とした今後の有機的な体制を確立すべきである。しかも、今度航空界はそれぞれ自由競争になっていくわけでしょう。そうしますと、過当競争になると事故の起きる頻度も高いと見なければいかないのですよ。そういう体制はぜひ万全を期しなさいということです。それと五番目に、その要員やそういった救肋に当たる人々の訓練体制の確立。 そういうことをやるにはまず予算の問題と人員の問題があるわけですね。今のこのことの必要性についてはどなたも否定はなさらぬと思うので、それぞれ人事院、それからこれは運輸省はやるお気持ちあるでしょう、総務庁、大蔵省お答えください。
○古橋政府委員 まず、人員の関係を担当しておりますので私の方から申し上げますが、今回のJALの事故を契機といたしまして運輸省において種々反省が行われまして、現在私どもの方に航空安全対策あるいは救難体制の整備というような問題についていろいろ御相談をいただいております。私どもも今、議員の言われますような航空行政におきます航空安全対策、救難対策の重要性というのを非常に認識いたしておりますので、運輸省ともよく相談をいたしまして、今後そういう定員面において配慮をしてまいりたい、こういうふうに思っております。 なお、各省間のいろいろな連絡体制というような問題につきましては、私どもも関心を持っておりますので、今後とも各省といろいろ御相談をしながら、そういうときにそごのないような体制をつくっていただくように努力してまいりたい、こういうふうに思います。
○佐藤(謙)説明員 お答えいたします。 RCCの体制の充実につきまして、運輸省からも今回の日航機事故等にかんがみまして御要求をいただいているところであります。委員御承知のように非常に厳しい予算編成の中ではございますが、何分にも航空機の安全という問題でございますので、私どももその点を十分念頭に置きまして、これから運輸当局あるいは総務庁の御当局等と御相談をしながら検討してまいりたい、かように存じております。
○上原委員 あと小川先生の持ち時間がありますので、まとめて最後に人事院総裁に、直接総裁のあれか知りませんが、総務庁長官かもしれませんが、要するに行革の中でも、航空管制官であるとかあるいは国立大学ができてそこの要員というものはふえていくので、公務員全体の人員削減をやるが、その面は特に配慮しなければいけないということを言っているわけですから、事この安全の問題については、ぜひ政府全体としてそういった専門官要員を確保するということと、少なくとも人事行政の中で、そういったような、何も航空に関連なくしても、必要なものについては特別な配慮をするという人事行政なり定員権限というものをやっていただかないと、これは災難、被害を受けるのは国民ですから、その点でひとつ総裁の御見解も聞いて、残余の質問もありましたが、もう時間ですかも、終えたいと思います。
○鹿兒島政府委員 航空管制の関係につきましては、従来から航空管制関係の業務がふえてきているということで、それぞれ所轄の省庁におきまして人員の増加というものを図ってこられてきたところでございます。私どももそういう実態を踏まえまして、先ほど来お話が出ております専門行政職の俸給表というものをづくりまして、しかるべき処遇を図るという形にいたしております。いずれ各担当省庁の方の御意見も十分承りながら私どもその処遇の改善につきましては万全を期してまいりたい、かように考えております。
○上原委員 ぜひこの点については十分な御配慮をとられるよう重ねて要望して、質問を終えます。
○石川委員長代理 関連して、小川仁一君。
○小川(仁)委員 最初人事院にお聞きいたしますが、今度の給与法で休暇問題が入りました。そこでいわゆる四分の二指定方式、こういうのを通達でお出しになったようでございますが、様子を見ておりますと、民間の方では例えば金融機関はもう来春から二日閉店、こういう状況も出ているわけでありますが、来年の夏にもそのことを含めて勧告または報告をする条件がございますか、気持ちがございますか。
○叶野政府委員 週休二日制の進展につきましては、各省庁の事務執行体制の改善というものが急務でございます。そういうような意味で、現在の限られた人員の中で、土曜二分の一の人員で従前どおりの行政サービスの維持に努められるかどうかという検証のために、四分の二万式をとったわけでございます。過去に、当初の週休二日制をいたしますときにも二年間ばかり試行をやっております。そういう意味で、我々としては一年間の試行期間というものはぜひ必要でおるという観点で、今度の四分の二万式は一年の試行期間を設けたわけでございます。 ただ、今回の勧告でも触れておりますように、近い将来に四週六休制というものは必要であるという観点を申し上げでございます。そういうようなことでございますので、その一年間の期間の結果ということを待たずとも、例えば民間の普及状況なり金融機関の歩みなりあるいは各省庁の対応なりというものがある程度の目安がつきましたならば、しかるべき前向きの方向の進言も次の勧告時にはできるならばいたしたい、このように考えております。
○小川(仁)委員 非常に積極的な立場で週休二日制をお考えいただいていることに敬意を表しますが、同時にこれは、一定の人員増という問題が並行して行われなければなかなか実施困難な面があるということはおわかりと思います。したがって、人事院並びに総務庁人事局としては、公務員の定数をこの問題と絡んでこれ以上減らしてはどうにもならぬと思うのですが、今後の公務員総定数問題、それらをどう考えているか、それぞれお答え願いたいと思います。
○手塚政府委員 先生御指摘のとおり、時間短縮問題は世界的にもそういう趨勢はあるかと思います。我が国においても金融機関を初め閉店方式等進展していく方向にございますし、公務員につきましても将来の方向としてはそれは考えていかなければいけないかと考えております。 ただ現在、先生御存じのように財政的にも厳しい時代が続いておりますし、また国民の目から見て、もう少し行政改革で人員削減をやっていけという時代でもございます。その辺で、今度の四分の二指定方式にしても、財源を必要とするあるいは人員を必要とするというようなことのないような形で工夫してやってみる、それでいろいろ問題点を考えて今後対処していくということでやっております。そういう意味で、国民の納得を得られるような形で週休二日制の進展を考えていきたいというふうに総務庁としては考えております。
○叶野政府委員 実はちょっと反対のような答弁になって恐縮でございますけれども、週休二日制の進展につきましては、行政サービスの維持ということと現員の中でどの程度までできるかというのが中心課題として進んでまいったわけでございます。そういう意味で、かなり慎重に時間をかけて週休二庁制の進展に取り組んでまいったわけでございます。 我々といたしましては、週休二日制の進展のために、もしでき得るならば人員の増加をぜひ必要という部門がありますれば、それがお願いできますれば、かようにも考えておりますけれども、前提が前提で進んでまいりましたもので、今後もある程度はその前提のもとに週休二日制の検討に進んでまいりたい、かように考えております。
○小川(仁)委員 それぞれ御苦労しておられるようですが、結局勤務時間は短縮するわ、人は減らすわということは、場合によっては非常に矛盾した結果になる可能性があるわけでございます。したがって、今回のこのいわゆる四分の二万式の省庁別あるいは人員別の資料等があったら、一つの検討結果を含めて後でお出しを願いたいと思います。 それからもう一つお聞きしますが、今回の法律改正、人事院規則による休暇の運用がございます。これは今までの慣例もあり、あるいはそれぞれの状況もございますので、これを決定する際にはぜひ労働団体等各関係者の意見を聞いて作業を進めていただきたいと思いますが、人事院いかがでございますか。
○叶野政府委員 休暇問題は、確かに職員の勤務条件としては最も基本的なものでございます。さような意味で、今度の勧告を出すに際しましても、非常に長い間にわたりまして職員団体の意見を聞いてまいったわけでございます。その結果今度の勧告ということにいたしたわけでございます。 なお、勧告の具体的な実施に当たります人事院規則の制定に際しましても、職員団体の意見を十分に反映させるべく規則制定に向けて努力いたしておる所存でございます。
○小川(仁)委員 では再度お願いしておきますが、よく事情をお聞き願いたい。 次に、自衛隊の給与改定の問題に入ります前に、法制局にお伺いします。 例えば、地方公務員の給与等については国家公務員の「例による」あるいは「準ずる」、こういったような法律的表現がございますが、給与改定の例に準ずるといったような「準ずる」という意味を法律的にいいますとどういう程度のことを言い、例えば給与でいえばどの程度の幅までそれが許容されるのか。私はかつて給与問題で盛団地裁で判決をとったこともございますから、それらを勘案しながらひとつ御答弁願いたいと思います。
○大森政府委員 お尋ねは、「例に準じて」とか「例による」とかあるいは「準じて」という言葉が、法制上どういう意味で使われておるのかということでございます。 一般的に申し上げますと、「例による」という用語につきましては、広くある制度または一連の法令の規定を、原則としてそのまま包括的に同種の事項に当てはめようとする場合に用いるのが例でございます。それに対しまして、「準じて」という言葉もよく使うわけでございますが、これは本来そのものと全く同じではございませんが、性質とか内容において類似している場合に、その準じられているものと類似の取り扱いをするという場合に用いるのが通常でございます。これを複合した「例に準じて」という用語もあるわけでございますが、この場合には、通常広くある制度ないし一連の法令の規定に包括的、総体的にのっとりつつも、さらに個別の事項につきましてはその類似性に着目して類似の取り扱いをするという場合に用いるのを通常としております。 そこで、以上の使い方を前提として、具体的な給与の場合にどの範囲ならば「準じて」あるいは「例による」ということになるのかというお尋ねでございますが、以上御説明申し上げましたように、この用語といいますのは非常に抽象的で、ある程度の幅を持った概念でございますので、金額的にどこまでならばこの用語の範囲内であるかどうかということを一概にお答えすることは非常に困難な問題であると考えております。 以上でございます。
○小川(仁)委員 地方公務員の場合は、「例に準じて」または「準じて」という形で、国家公務員と同等の手当あるいは同じような俸給表あるいは同じような金額、こういったようなものにならされております。地方公務員にある独自性みたいなもの、地方にある独自性みたいなものはほとんどこの中では認められていない。むしろ地方の公務員の給与が何かこの言葉によって引き下げられているという印象です。類似性と言いましたが、かなり近似値的なものといいますか、イコールではないにしてもそれにできるだけ近いものというふうに解釈していいでしょうか。
○大森政府委員 お尋ねは地方公務員の給与に関してでございますが、この点に関しましては私の方からお答えするのがいいのかどうか、あるいは答弁を差し控えるべき問題ではなかろうかと思います。 ただ、一般的に申し上げまして、地方公務員法二十四条三項は「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して」という用語が使ってあるように記憶しております。御指摘の「例による」あるいは「準じて」という用語は法令上使っていなかったように記憶しております。この程度でお答えにさせていただきたいと思います。
○小川(仁)委員 では、今度は防衛庁にお聞きいたします。 防衛庁の今度の改正する法律案の提案理由要綱の中には、「一般職の職員の給与改定の例に準じて」という言葉がございますが、防衛庁はこれをどのように解釈してお使いになっておられますか。
○友藤政府委員 お答えいたします。 この場合の「準じて」という表現でございますが、御案内のとおり防衛庁職員の給与は「一般職の職員の給与改定の例に準じて」これを改定するということでございます。 防衛庁職員は、一部防衛施設庁の労務部の職員等を除きましてほとんどが特別職の職員でございまして、一般職の職員ではございませんので、その給与が全く一般職と同一そのものということではございませんが、その職務の内容等が一般職の一部の職員、特に公安職の職員などと類似しておりますことから、その給与についても、これら一般職の職員と同様または類似の取り扱いをしようというものでございます。
○小川(仁)委員 自衛隊員の給与という問題はいろいろ問題がございますが、これは昭和五十九年二月十三日の予算委員会の議事録でございますが、自衛隊の一%問題を討議して、当時の人事院勧告を実施すると自衛隊の給与が一%を超えるという状況の中で、我が党の田邊誠委員が質問したのに対して中曽根総理大臣はこのように答弁しております。 政府は、一%の枠内におさめるように今後とも全力を尽くしてまいりたいと思っております。 人事院勧告につきましては、前から申し上げているように、この制度が労働権の代償という意味もある、またしかし、一面におきましては国家財政等々を考慮すべき範疇にも入っており、最終的には政府及び国会が決める、そういうような法律的手続にもなっております。しかしながら、政府の立場といたしましては、人事院勧告をできるだけ尊重して努力してまいりたい、そういう考えに立っておるのであります。 こう言って、自衛隊の給与の増額に対するお答えをしているわけでありますが、人事院勧告というのは労働権の代償、これの「例に準じて」自衛隊の給与を考えるということになりますと、自衛隊員も労働権の代償という意味での賃金が存在するのかどうか、この辺はっきりしていただきたいと思います。
○友藤政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、私どもは特別職でございまして一般職ではございませんけれども、給与の性格といったものにつきましてはやはり一般職と同じような考え方であると理解をいたしておりまして、「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」というふうな国家公務員法の考え方は、防衛庁職員の給与についても同じように当てはまるものではなかろうかと考えております。
○小川(仁)委員 労働権の代償と考えているかどうかと聞いているんです。
○友藤政府委員 お答えいたします。 私ども、自衛隊法によりましていわゆる労働三権というものが制約をされておるわけでございまして、労働権というような概念というものについてはちょっと一般職と様子を異にするのではないかと思いますが、勤務の報酬というような考え方に立って言えば同じような考え方になろうかと思います。
○小川(仁)委員 勤務の条件から言えば同じような考え方というと、それから労働三権が禁止されているのは地方公務員も国家公務員も同じでございますが、そうすると、今のお話を突き詰めると、労働権の代償、こう考えていいですね。
○友藤政府委員 正確に同じということではございませんが、同じような考え方が成り立とうかと思います。
○小川(仁)委員 そういう立場で今後とも給与を考えていただくかあるいは全然別途のものとして考えていくかによって、今後の自衛隊の給与法の取り扱いの性格が違ってくると思うのです。今回は中曽根大臣の直接的な言及はありませんけれども、お話しになった意味や今のお考えを含めながら給与改定について御質問をいたします。 まず改定率は幾らですか。そして、それぞれ俸給額、緒手当、はね返り分の平均金額をお聞かせ願いたい。
○友藤政府委員 お答えいたします。 改定率でございますが、自衛官の俸給表におきましては五・八三%、参事官等の俸給表におきましては五・三九%……(小川(仁)委員「自衛官だけで結構です」と呼ぶ)以上でございます。 諸手当のはね返り分ということでございますが、全般的に平均アップ率をとりますと、自衛官、参事官、事務官全部一緒のアップ率でございますと五・七七というような形になっております。
○小川(仁)委員 私が聞いているのは、人事院勧告は五・七四%の改定率ですね。自衛官でいいですよ、自衛官の改定率は幾らかということです。そして、平均給与額増額分は何万何千円か。それから配分として、人事院勧告ではなくておたくの今回の改定は、行(一)でもいいし行(二)でもいいのですが、公務員はそう分かれていますが、おたくの自衛官の本俸の改定率は幾らで、平均給与額は幾らで、自衛官の諸手当の改定率は幾らで、金額は幾らか。それから、はね返り分が金額として幾ら、改定率は幾らか。こういうことを聞いているのです。人事局の方はちゃんとそれを出しておりますから、それに倣ってお聞きしているだけです。
○友藤政府委員 お答えいたします。 自衛官でございますが、一人当たりの平均増加額が一万二千五百十四円、改定率が五・八%でございます。 それから手当でございますが、扶養手当、通勤手当あるいは住居手当、そういった今回勧告のございました手当につきましては、一般職と全く同じアップ率をとっております。
○小川(仁)委員 数字を言ってください。数字、アップ率と金額を聞いているのです。
○友藤政府委員 学生手当……(小川(仁)委員「学生は聞いてないのだ。自衛官を聞いている」と呼ぶ)自衛官の場合は、扶養手当が一万三千二百円から一万四千八百円の増でございまして、六・一%でございます。
○小川(仁)委員 私が聞いているのは、一つ一つの手当ではなくて、諸手当の総平均額を聞いているのですよ。諸手当のアップ率を聞いているのです。
○石川委員長代理 答弁者は、落ちついて正確にお答え願いたいと思います。
○友藤政府委員 私どもでは一般職のような形では実は算出をいたしておりませんので、一応こちらで出しました予算ベースの数字を申し上げますと、自衛官の場合で先ほど一万二千五百十四円と申し上げましたが、扶養手当で五百八十九円、初任給調整手当で十一円、住居手当で七円、通勤手当で四十七円、借地勤務手当で四十六円、寒冷地手当基準額で百一円、合わせまして基礎で一万三千三百十五円、こういう数字になっております。
○小川(仁)委員 また答弁漏れだよ。——委員長、もう一遍説明しましょうか。
○石川委員長代理 ちょっと待ってください。——今のはわかりますか。
○友藤政府委員 引き上げのパーセンテージでございますが、俸給分で五・三六%、そのほか諸手当分で一・三%でございます。
○小川(仁)委員 別に私は文句を言っているわけじゃないけれども、おたくで独特のいろいろな手当があります。基礎賃金が上がると、あれは率ですから当然それにはね返るのでしょう。そういうはね返り分は金額にして幾らか、率にして幾らかと聞いているのですよ。
○友藤政府委員 お尋ねの、俸給が上がりますことによる諸手当のアップ率等については、今回特に算定をしてございません。
○小川(仁)委員 それなら幾ら上がったかわからないじゃないの。 こういう答えを期待してはおらなかった。例えば人事局で出した概算資料を後で見てください。そこには「配分」という項がちゃんとあって、配分の金額が書いてある。あなた方ははね返りを計算してないと言うけれども、自衛隊の場合は当然のことながら、ジェット機へ乗れば何%、プロペラ機なら何%、艦船へ乗れば何%という手当があるでしょう。この分がどうはね返って、給与総額がどう出るかということがはっきりするはずなのです。そういうものを全然計算しないで、今回は計算しませんでしたなんというのでは審議できません。 おたくの審議はもう時間がなくなりましたからやめざるを得ませんけれども、委員長、断っておきますけれども、これは私の審議に対する答えができませんから、自衛隊の給与法だけは社会党ととしては審議できなかったということで採決にも応ずることができませんから、この点ははっきりしておいてください。
○友藤政府委員 先ほど来申し上げておりますとおり、個々のはね返りについては特段の計算はしてございませんが、今回の本俸のアップ率分だけ諸手当にはね返るということで、御理解を賜りたいと思います。
○石川委員長代理 鈴切康雄君。
○鈴切委員 午前中に引き続きまして、俸給の改定の問題について御質問申し上げるわけでございますけれども、これから約四十五分間は防衛庁の関係でいろいろお伺いしたいと思います。 自衛官の俸給表の改定については、将(二)を廃止し、そして将補の一部も一般職の指定職と同枠とすることとなっておりますが、現在将が九十六人、将補が二百二十七人、これは自衛隊発足の昭和三十一年度の将二十六人、将補七十二人と比べて約三倍にふえております。そしてまた、士官以上に占める将と将補の比率が米英等に比べて群を抜いている状態です。このように大変な将並びに将補で頭でっかちになっている、あるいはまたインフレ的な状態になっている原因は何なのか。またそれに対する今後の対応策はどのようにお考えになっているのか。その点についてお伺いいたします。
○友藤政府委員 お答えいたします。 御案内のとおり、自衛官の給与体系は一般職の給与体系に準拠いたしておりまして、ただ、階級制度をとっておりますので、階級が一般職の給与体系の基準となっております等級に対応する、こういう階級俸の仕組みになっておるわけでございます。 ところで、現在の階級と等級の対応関係でございますが、約三十年前の昭和三十二年にその基準が決められまして、若干の手直しはございましたけれども、基本的仕組みはそのまま現在まで継続をしてきております。一方、行政も複雑・専門化、高度化をしてまいりまして、それぞれの官職の職責も増したというようなこともございまして、一般職におきまして個々の官職を一段高い等級に格上げされるという事態もございました。これと同様に、私ども自衛官の方にございましても、個々の官職を、部隊編成上の観点をも考慮しながら、処遇の改善等も含めまして一段高い階級へ格上げを行ってきた面もございます。これは、対応いたします階級と等級とのそれぞれの対応関係を組み直すということをいたしますと、階級の格上げというものもある程度行わなくてもよろしいわけでございますが、今日までそういったチャンスがございませんで、基本的な枠組みがこのまま今日まで継続しておるということで来ておる結果でございます。このため、現在の将官比率でございますが、同じ実力組織でございます諸外国の軍隊の将官比率と単純に比較すれば高くなっておる、こういう形になっておるわけでございます。 それで、これを今回の給与改定におきまして、自衛官俸給表の改定を行いまして、自衛官の階級と職務の等級等との対応関係の均衡を図ることといたしましたので、先ほど御指摘がございましたように、将及び将補において相当数の削減を五カ年間にわたって実施ができる、こういうことになったわけでございます。 ただ、階級俸をとっております関係上、今後も格上げが行われればこういう事態があるいは出るのではないか、こういうような御懸念かと思いますが、私どもとしましては、こういった階級と等級とのリンク関係につきましては、年々これを見直すことはなかなか制度上も難しゅうございますが、やはり適切な時期にそういった関係についても検討しまして、こういったずれができるだけ少なくなるように今後はいたしたいというふうに考えております。
○鈴切委員 一般職は人事院が民間給与を調べて勧告を出されるわけですね。ですから、この防衛庁職員の給与はそれに準じてということなんですが、俸給表を出すときにはどういう手順で出されているのですか。
○友藤政府委員 お答えいたします。 一般職の給与について人事院勧告が行われまして、それを政府としてどのように処置するかという閣議決定がございますと、それを受けまして、私どもの方では、対応いたします一般職の行政職(一)あるいは公安職、これらの俸給表が一般職の方で固まってまいりますので、それとの対応関係をとる作業をいたします。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕 それは各階級についてある程度ルール化したものがございまして、例えば行政職(一)二等級は現在は一佐というような形で対応関係が決められておりますので、その対応関係にある俸給表を根拠にいたしまして自衛官の俸給表をつくるわけでございますが、その際、自衛隊の特殊性に対応いたしますために、調整手当をそれぞれの階級について計算をいたしましてそれを本俸に繰り入れる作業でございますとか、あるいは超過勤務手当を本俸に繰り入れることになっておりますので、そういった超過勤務の繰り入れ措置等の計算を行いますとか、あるいは医療費の控除についての計算を行いますとか、さらに曹以下の階級につきましては営内居住の義務がございますので、営内居住に対応いたします食事代等の控除、これらについて糧食費あるいは光熱水料の価格等を計算し直しまして、改めてそういった控除なり繰り入れなりの計算を行ったものを俸給表としてまとめていく、これをさらに給与を所管いたしております総務庁あるいは大蔵省とも御相談をいたしまして、政府としての俸給表を固めてまいる、かようになっておるわけでございます。
○鈴切委員 結局はごく簡単な答弁で済むわけであって、防衛庁が一般職のいわゆる俸給表に準じて、そしていろいろと手直しをしながら、そして最終的には総務庁の言うならば承認を得る、これでいいわけでしょう。これでいいわけですね。となると、今回、こんなような三十年の間もアンバランスの状態を手直しをしておかなかった、こういうことはちょっと怠慢過ぎるんじゃないですか。 防衛庁長官どうですか。これは防衛庁長官に聞かなくちゃ。長官、怠慢過ぎるんじゃないですか、これは。
○加藤国務大臣 問題意識は従来から持っておりまして、そして社会の複雑化、行政の複雑化に従って、それぞれの俸給のランクも複雑に考えていかなければならぬということがあったと思いますが、一般職に準ずるという形の仕組みになっておりましたものですから、それがなかなか踏み切れなかった。今回、一般職の方で八つのクラスから十一に大きく制度を調整されるというのを受けて、私たちもこれをいい機会としてやったということだと思います。
○鈴切委員 だから、常にやはりこういうのは見直さなくてはならないわけですよ、こういうアンバランスは。三十年間も全然手をつけないで、今ここへ来て手をつけるというようなことを勘ぐってみると、一つは給与のバランスをとるために階級を上げて自衛官の関心をつないでおった、こう言われてもしようがないのですよ。そうやって自衛官の関心をつないでおったと言われてもこれはどうにもならない問題であって、やはり私は、こういう問題については、それは毎年毎年というわけにはいかないでしょう、いかないけれども、少なくとも何年かに一遍ぐらいは見直すというのが好ましいと思うのですが、その点はどうなんですか、防衛庁長官。——いや、防衛庁長官でいいよ。
○友藤政府委員 お答えいたします。 確かに、毎年毎年俸給表の枠組みを見直していくということは、制度の安定性とかそういう面でも必ずしも好ましいことではないかとも思いますし、それからもう一つは、一般職の等級の方でございますが、これが安定をいたしますれば私どももそうたびたび枠組みについて対応を見直すということが必要ではなくなるわけでございますが、先生の御指摘でもございますので、これについてはこれからもよく関心を持ちながら、適時適切な対応ができるように努力をいたしたいというふうに考えております。
○鈴切委員 防衛庁内部で自主的な防衛行革を目指して、十月に設置されました防衛庁の業務運営自主監査委員会が、検討すべき改革テーマについての第一次提言を近くまとめるとのことでありますけれども、現在までにどのような作業を行い、また今後どのような作業スケジュールでまとめていこうというふうにお考えになっていましょうか。
○宍倉政府委員 去る十月に業務運営自主監査委員会を発足いたさせまして、それから約二カ月近くなるわけでございます。当初の予定でございますと、十二月の上旬あるいは中旬ごろまでにガイダンスを出しまして、それに基づきまして明年の四月ごろまでに具体的な検討を終えまして、六十二年度の予算要求あるいは業務計画の立案の参考に資する、実際そこで具体化の手順まで持っていこう、こういう予定でやっておるわけでございます。 この二カ月余りの間に部内及び部外の各方面から、いろいろと自衛隊、防衛庁の業務運営につきまして、効率化、合理化をしていく方策いかがでございましょうかということで、いろいろな改善意見を伺ってまいりました。件数にいたしまして七百数十件、八百件近くになろうかと思いますが、集まっております。中には同種のものの御意見もございますし、また御意見として、業務運営自主監査委員会の趣旨に合致しないような御意見もないわけではございません。取捨選択を目下いたしておりまして、それを項目別に仕分けをしているという段階でございます。 おおむね作業も一山越えているかと思いますけれども、そこでガイダンスとして整理をいたしましたものが、先ほども申し上げましたように、その後引き続いて具体的な処理案として続いていくわけでございますからして、ガイダンスそのものが実行可能性がある程度ございませんとこれは意味がない。そこで目下のところ、その個別につきまして、おおむねの実行可能性について各行政分野におきまして検討してもらっておる、こういう段階でございます。
○鈴切委員 今七百数十通のいろいろの意見が出されて、それを言うならば大別して整理に入っているということですけれども、七百数十通の中にあって早急に手をつけなければならないもの、あるいはまた二、三年かかるもの、あるいは長期的にかかるものというような、いろいろのものがあろうかというふうに私は思うのです。そこで私は、その今いろいろと七百数十通の中に、必ずしも適当でないというものはさておいて、いろいろの意見の中でかなり検討に値する問題等は、もう当然仕分けされるなりあるいは見ておられるわけでしょうから、そういうものの中でどういうふうなものが具体的にあるのか、そういう点についてちょっと……。
○宍倉政府委員 今委員御指摘ございましたように、そのとおりでございまして、明年の業務計画あるいは概算要求に直ちに反映し得るだろうといった短期的なものあり、それから二、三年はかかるだろうというものあり、さらにその先までかかるかもしれぬというようなものもございまして、そういったものを分類整理をし、しかも、その具体的な実現可能性というものも背後にある程度あるというものでございませんと意味がないということで整理をしているわけでございまして、今整理の段階でございますので、具体的にはこの場で御説明申し上げるのは差し控えさせていただきたいと存じます。
○鈴切委員 おかしいですね。まあいろいろと見ておられるわけですから、それでは私が具体的にいろいろのことを聞いてまいりましょう。それに御答弁願いたい。 例えば、自衛隊にはそれぞれ地区病院がありますね。地区病院について、果たして自前の病院が必要であるかという問題については、これはかなり論議がある問題だと思うのですね。となってまいりますと、防衛医科大学の問題等にも、私はかなりそういう点に論及される問題だろうと思う。そして、今現在医師の過剰というような時代を迎えてきているわけですから、そういう中にあってこれをどうするかということは、これは私は、防衛庁は必ずしも行革の聖域ではない、国民の税金を使っている以上、絶対にそういうことはないだろうということがまずあります。その点についてまず御答弁を願うことと、それから、例えば今現在補給処があるでしょう。これは方々にあるわけでして、あの補給処自体、三自衛隊別々の補給処が果たして必要であるかどうか。これは一括購入すれば安くできるものを、そういうふうなことでやっているというところに問題があるのじゃないかというようなものもあるでしょう。 あるいはまた、現在問題になっております、この間もNHKで大変問題になりました防衛庁のいわゆる隊員募集の問題のあり方ですよ。昼日中、新宿に職員がはびこって、そして引っ張ってきては募集をするなんというやり方は、全く人件費としてはもったいないのじゃないか。こういうものについては非常勤にするなり、あるいはまた民間委託にするなり、何らかの方法だってあるはずですよ。 あるいは防衛庁の食堂の問題。この問題だって、現在は一部民間委託にしているかもしれませんけれども、食堂の問題についても改革をする必要があるのじゃないだろうか。 あるいはまた、三自衛隊の統合運用のものもあります。 あるいは学校教育の統合という問題もあるでしょう。 結局、七百何十通の中にそういうふうな問題がなかったかどうか。なかったとするならば、それはまた検討しなくちゃならない問題でしょう。 だから、少なくとも防衛庁がGNP一%をオーバーするというようなそういうことだけを論議するのじゃなくして、防衛庁としても、本当に行政改革にどのように自分たちもぜい肉を削ろうかという姿勢がなければ国民は納得しませんよ。防衛庁長官どうですか。その後、官房長どうですか。
○加藤国務大臣 累次申し上げておりますように、私たち防衛庁ないし自衛隊の行政というものが、行政改革の聖域の中に入っておって手のつけられざるべきものとは思っておりません。それで臨調の場におきましても、第三次答申、第五次答申でそれぞれ幾つかの問題点が指摘されまして、例えば私たちも一局削減につきましては衛生局を削減し、機構の改革を図りました。ただ、それぞれの答申の際に、具体的な部隊の運用につきましては、それぞれの一般の臨調ではタッチすべきでない部分があるかもしれないからという指摘をいただいておりまして、その部分につきましては私たち防衛庁がみずからその監査をする委員会を発足させなければならないのではないかということで、私たちも先般その委員会をつくったわけであります。 具体的にこれからどういたしますかにつきましては、先ほど官房長が申しましたように今鋭意検討中でありまして、ただいま先生が御指摘になられました幾つかの項目等も含めまして、多くの提案がなされ、また議論がされておりますが、それをどの程度の重さでそれぞれどう処理するかという問題につきまして、処理という場合には検討項目に挙げるかどうかということ自体も含むわけですけれども、それにつきましては現在検討中でありますので、もう少しお時間をいただきたいと思います。
○宍倉政府委員 幾つか個別のお話がございましたので、それについてコメントさせていただきます。 一つ、地区病院のあり方がいかがであろうか、こういうお話がございました。確かに地区病院の問題も私ども検討していないわけではございません。ただ、地区病院が今ありますし、また現実にそれも拡大をしている面もございますが、それはそれなりの必要性がございます。でございますので、その辺のところの兼ね合いをどいうふうに持っていったらいいのかということにつきまして、先ほど申し上げましたように実行可能性等につきまして検討しているところでございます。 それから補給処でございますが、補給処についてもそのようなアイデアも確かに出てございます。ただ、補給処でいいますと、陸海空ございますけれども、例えば空の補給処でございますと、補給をする部品ごとに違った形での補給処というのが別々に分かれております。それから陸の方でございますと、むしろ地域的に補給処が分かれておるというようなこともございまして、陸海空それぞれ補給を受ける場所とそれから補給をする手段等の違いがございますものですから、一概にその辺のところが、補給処を統合し得るかどうか、もう少し詰めてみなくてはいけないのではないかというような点もございます。 それから隊員募集のあり方について御指摘がございました。確かに非常勤でとか民間委託でとかというような御意見も、私ども受けた中にはございました。この辺がなかなか難しゅうございまして、隊員募集についてはなかなかハードな仕事でございますが、それを非常勤というような形で果たして隊員募集がうまくいくものかどうか。あるいは民間委託ということになりますと、募集業務でございますからこれは労働省との関係、つまり人を募集しますときに公の免許といいますか許可といいますか、そういったものとの関係が民間委託だとどういうふうになるかといったような問題もございます。 それから食堂についてもう少し民間委託というようなことも考えられないかということでございますが、食堂でございますとか図書館でございますとか、そういった種類の施設につきましても、その配置・運営等について改善する余地がないか検討はいたしてございます。 それから三自衛隊の統合的な運用あるいは学校教育の統合といった問題はどうなのか、こういうお尋ねでございました。一般的に申しますと、統合という手法によりまして、ただいまやっております業務運営をもう少し身軽にできないかということは、これは何も御指摘の面ばかりじゃございませんで、一般的にあり得ることだというふうに考えております。 いろいろそういった点、御指摘の点も含めまして私ども今整理をしているところでございますので、先ほども申し上げましたように結論的にはもう少しお待ちいただきたいと存じます。
○鈴切委員 私が指摘をしないまでも、やはりそういうことはどんどん国民の皆さん方に、こういう問題は七百何十通の中にはあるのですよということをオープンにしなければいけないのじゃないですかね。 次なんですが、臨調の第三次答申、それから第五次答申、これは防衛庁に関するいろいろの内容が出ておるわけですけれども、実は第三次答申は五十七年の七月三十日、第五次答申が五十八年の三月十四日ですから、六十年の十一月の末までで計算しますともう二年数カ月という間がたっているわけです。そこで、この第三次、第五次答申で指摘されている問題はかなりの数があるわけですけれども、主な指摘事項について防衛庁としてどのように取り組み、そして推進に当たっているのか、その推進状況について御説明を願いたい。
○宍倉政府委員 臨時行政調査会の答申で、防衛庁、自衛隊に関する幾つかの御提言がございました。おっしゃいますように、三次答申、五次答申が中心になっております。その例を幾つか申し上げます。 一つは、防衛本庁の内部部局の再編成という事項がございまして、三次答申、五次答申で指摘されております。これは、教育訓練関係業務の効率化、合理化を図るために教育訓練局と人事局を設置するとともに、防衛局を改組しまして、人事教育局と衛生局を廃止するという内容でございますが、既に五十九年七月に措置済みでございます。 それから、三自衛隊の統合運用体制の向上ということが三次答申、五次答申にございましたが、これは防衛出動等自衛隊の行動に関しまして、防衛庁長官が情勢を把握し、適時所要の決定を行い、部隊等に対して命令を下達するまでの一連の活動を迅速かつ的確に実施するため、中央指揮システムの整備等を進めております。これも御案内のように中央指揮所が今運用されてございます。 それから、情報機能の向上ということにつきましても三次答申で御指摘がございました。これにつきましては、情報の総合的な評価分析体制について一生懸命検討しているところでございます。 それから装備品の使用、調達の効率化につきまして三次答申で指摘がございましたが、艦艇の延命でございますとか航空機の耐用年数の延伸、例えばファントムにつきまして三千五百時間と見ておりました耐用年数を、四千時間を超えて延長していこうというようなこともやっております。 それから用途廃止武器の転用、整備間隔の延伸等、そういった効率化の御指摘がございましたが、それぞれ一生懸命やっているところでございます。 それから、研究開発の充実につきまして三次答申で御指摘がございましたが、これにつきましても量産価格等の低減に配慮するなどの効率的な開発の推進に努めておるところでございます。 それから、五次答申で地方支分部局の整理合理化の御提言がございまして、これにつきましては、六十年十一月に名古屋の防衛施設局を大阪防衛施設局に統合して、これは既に済んでおります。 それから、補助金等の整理合理化につきまして五次答申で御提言がございましたが、これも毎年やってきているところでございます。 それから、定員削減につきましても五次答申で御提言がございましたが、これも例えば、昭和六十年度につきましては三百三十七名の事務官等を削減するということをいたしております。 今幾つか例として申し上げましたが、三次答申、五次答申で臨調の御指摘がございましたが、私ども真剣にそれに取り組んで、これを実際に効果あらしめるように努力をしているところでございます。今後とも、なお完全に行われてない分につきましては、つまり検討中のものにつきましてはなるべく効果が上がりますように努力してまいりたいと存じております。
○鈴切委員 今あなたが御答弁された中で、大きな問題が抜けているのじゃないかと思うのです。それは、防衛力の整備の重点化あるいはまた効率化という問題は何もお触れにならなかったですね。これはやらなくちゃいけないのじゃないかと思うのです。 それから、第三次答申の中に「効率的な防衛行政の推進」というのがあるのですよ。その中で、 防衛力の整備に当たっては、現在の自衛隊の装備等の問題点を見直し、いわゆる正面(艦艇、航空機、戦車等及びそれらの要員)と後方(燃料、補給・修理、通信、教育訓練等)とを全体として均衡のとれたものとするよう努めるとともに、重点的整備を進める。また、その際、費用対効果を重視し、効率的整備を行う。 とあるわけですね。これは指摘されておるわけですよ。だから、こういうふうなことに対して、今回の中期防衛力整備計画では正面装備にだけ重点が置かれた。そして、ここに書いてあるように後方支援が大変に軽視されている。それでなくても今まで後方支援の問題についてはずっと軽視されてきて、追いついていかなかったわけです。そういう点からいって、「全体として均衡のとれたものとするよう努めるとともに、重点的整備を進める。」というふうになっているわけですから、その際に、費用対効果という問題も十分に重視をして、効率的な整備を図るということですから、この問題は非常に大きな問題だろうと私は思うのですが、これは臨調の答申にあるわけですから、これについて明確な答弁をしてくださいよ。
○宍倉政府委員 確かに先生おっしゃいますように、臨調の三次答申に一般論的な形で書いてございましたから、私、先ほど例として申し上げませんで失礼をいたしました。 考え方といたしましては、私ども、臨調の答申を待つまでもなく、そのような方向で対処していかなければならないと考えておりまして、ついせんだっての中期防衛力整備計画におきましても、正面と後方とのバランスをとるということが一つの大きな眼目でございました。御承知のように五十九年五月に、そのときには五九中業でございますが、五九中業をつくるということの指針の中の一つに、正面と後方とのバランスに留意するようにというのが大きな柱だったわけでございます。 現実にできました中期防衛力整備計画も、それで十分かどうかということについてはいろいろ御議論もあろうかと思いますけれども、十八兆四千億の中で正面経費が四兆七千五百億、後方経費が六兆五百億でございます。その辺のバランスは、従前の中期業務見積もりに比べまして相当後方経費が充実されているかと考えております。 なお、先ほど申し上げました業務運営自主監査委員会も、中期防衛力整備計画で全体の計画は決めたけれども、さらに自衛隊の実際の整備、運用に当たっては効率化、合理化に努めよ、こういうことを受けまして効率化、合理化をさらにやっていかないと、十八兆四千億の中でこの五年間防衛力を充実していく、整備していくにつきましてはなかなか大変だぞという意識がありましてやっているわけでございまして、そういった意味で、臨調が三次答申でお書きになりました基本的な物の考え方につきましては逐次それを実施に移している、このように考えております。
○鈴切委員 第三次答申に「装備品の使用、調達等に当たっては、延今、転用、標準化等を一層推進し、効率化を図る。また、防衛施設の維持及び整備については、その事業内容を見直し、より一層効果的な実施に努める。」ということですね。いわゆる大変に金がかかる。それを金の分においてもカットをし、倹約をし、そして行政改革を進めるというわけですから、だから、今は装備品がある時期に来るとノックダウンということをずっとされている、しかしこういう問題も全部一度洗い直して、実際には使えるものまでノックダウンしているのですから、そういうようなことのないように総点検をして、そしてもう少し延命とか転用とか標準化とかいう問題について検討するという時代に来たというように思うのですが、防衛庁長官、これはどう思いますか。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○加藤国務大臣 できる限り装備品を長く使えないかということは常に検討しなければならない問題であろうと思います。同時にまた、余り長く使いますとかえって修理費にかかるという問題とか、費用対効果という面でかなり問題になる場合もあろうかと思います。しかし最近、例えばF1にいたしましても、かなり使用期間を長くするような調査結果になってきたりしているのも、その一つの例でなかろうかなと思っております。 今官房長が申しましたように、そういった面での努力は私たちも現在やっておりますし、それはまた従来の実績を見ていただければ、局の削減、F1の話等々かなりやっておるものもあるわけでございますが、今後ともその方向で努力してまいりたいと思います。
○鈴切委員 今現在、予備自衛官のうち、陸は法律定員が四万三千人のところを四万二千五百六十一人、それから海上が六百人のところを五百八人ということになっているのですね。予算的にも陸が二十億一千万、そして海が三千万、合計二十億四千万ということになっている。GNP一%というものは防衛庁も尊重するということを言っている以上は、私は何も自衛隊をさらに増強せよというふうな意味で申し上げているんじゃなくして、少なくとも平和時においては効率的な運用というものを図って、国民の税金をむだに使わないという考え方の中において、やはりもっと人件費についてはメスを入れなくちゃならないだろう。だから、そういう意味からいって、例えば今現在、航空自衛隊については予備自衛官というのはないのですね。これも法律改正等を伴う問題でしょうけれども、航空自衛隊についても考えなくちゃいけないだろうというふうに私は思う。また、予備自衛官についてはもう少し処遇の改善をしなければならない。わずかこれだけで、二十億何千万ぐらいで済んでいるわけですから。そういうことで、私はそう思うのですが、航空自衛隊についてはどうなんですかね、やはり予備自衛官というものは全然考えられませんか。
○西廣政府委員 お答えいたします。 航空自衛隊につきましては、先生御案内のように、主力の戦闘部隊というのは航空部隊でありますので、航空機の減耗等があれば人員が逆に余ってくるというような事態もありますので、陸上自衛隊のように人員が防衛力の根幹をなすものと若干違う点はありますけれども、先生御指摘のように、航空自衛隊におきましても、例えば基地警備なり防空といった点について予備自衛官というものは必要なものであるというように私どもは考えておりまして、年度予算等におきましても財政当局にお願いをいたしておるところでございます。
○鈴切委員 防衛行革というのは、先ほども防衛庁長官が聖域ではないというふうに言われたわけで、全くそのとおりである。また、防衛庁だけが聖域化されるということは、国民はその点について、防衛庁はどのようにして懸命に自分たちの行革に取り組んでいるかということを、言うならば真剣に見守っているわけです。 だから、一つは、防衛予算の中に装備の近代化の問題と人件費の問題とがあると私は思うのですね。その中でどうしても手をつけなければならないのは人件費と糧食費、これが実は予算の四五・一%を占めているのです。そのうち人件費が四三・八%、糧食費が一・三、こうなっている。この問題を抜きにしては防衛行革なんということはあり得ないだろうと思うのですね。 確かに「防衛計画の大綱」ということで皆さん方は進められておるわけであって、今現在十三個師団、これに手をつけますと「防衛計画の大綱」の手直しをしなくちゃならない。だから、私どもとしてもそれは賛成じゃない。それじゃ各師団の編成を変えることができないかということなんですね。今現在、例えば連隊等の中身がみんな同じだ。それではいざというときに、言うならば効率的な指導といいますか対処ができないような状態になっている。それをずっと今まで続けながら、「防衛計画の大綱」ということでずっと来ているわけですよね。 少なくとも私は、一つは、予備自衛官というものに対してもう少し手をつけなくちゃならぬだろう。それからもう一つは、人件費の増大につながっていくところの問題についてメスを入れなくちゃならないだろう。そのためには、連隊とかそういうものの中で、小回りがきくような戦闘集団的なものもつくるべき時期にもう来ているんじゃないかというふうな感じがするんですよね。こういう問題について防衛庁長官、最後ですから、あなたは防衛庁長官としてただ膨大に予算を取ることだけに一生懸命やらないで、こういう国民の考え方についても聞く必要があるんじゃないかと思うのですが、その点どうですか。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○加藤国務大臣 先ほど委員の御指摘のように、私たち防衛庁の行政的な側面、例えば病院だとか内局の局のあり方だとか、そういった面につきましても私たちは効率化を考えなければいかぬと思いますし、また後方の面でもかなりな効率化を考えなければならないというのは当然だと思います。もちろん正面についてもそのとおりだろうと思っております。 このたび政府決定いたしました中期防衛力整備計画につきましては、ともすれば十八兆四千億という金額とGNPの関係だけが注目されておりますが、その中の一つに、陸上自衛隊の十三個師団のあり方というものを少し大きく変えてあるところが、意外に皆さんの御注目をいただけていないのが残念でございます。従来、陸上の師団は一つの機甲師団と十二の普通の師団があるわけですが、その十二の師団は甲タイプと乙タイプの二つだけでございました。今度それを、数え方によるのですけれども、五つにタイプ分けいたしまして、戦車のあり方等ほとんどばらばらになりまして、そしてその地域、その機能に応じたタイプをつくり上げられるようにいたしました。この二つのものから、機甲師団も入れますと六つのタイプまで分けていったというのは、私たちとしては物事を効率的かつ弾力的に考える第一歩でないかなと。これは内局と各幕が必死の討論をしながらやってきたものですけれども、これも効率化の私は大きな大きな第一歩だろうと思っております。 そういった精神で、今後装備とか組織のあり方というものがどうあるべきか、次の中期計画をつくるときに向けて私たちはしっかりと議論していかなければならないし、衆議院、参議院のそれぞれの専門の委員会でまた大きくいろんな御意見をいただければと思っております。
○鈴切委員 終わります。
○中島委員長 田中慶秋君。
○田中(慶)委員 午前中に引き続き、質問を続行させていただきます。 まず総務庁でありますけれども、人事院勧告の取り扱いについて政府として先ほどもお答えいただきましたけれども、六十一年度までは完全実施に向けて努力目標を示してまいりました。人事院勧告制度を尊重する姿勢を堅持するならば六十二年度以降どうなるのか、現状においてその取り扱いが不明であります。まじめに働く公務員にとって、相変わらず大きな不安の材料がついて回るのではなかろうかと思います。政府として、六十二年度以降について納得のできるような答弁を示していただきたいと思います。
○手塚政府委員 午前中、後藤田大臣も再三にわたって同じような質問にお答えしておりましたが、去年の官房長官談話、あれは政府としての方針を決めたものと私ども理解しております。 私どもは、人事局として給与を担当しております。毎年完全実施に向けて最大限の努力をしておりますが、政府の方針は去年はっきり決まっていると理解して、六十二年度の人勧の取り扱いについては臨みたいと思っております。
○田中(慶)委員 六十二年度人勧について、はっきりとやっていけるということでありますので、六十二年度以降もそのような形で期待をしたいと思います。 そこで、大蔵省にお伺いしたいわけですが、大蔵省は従来、公務員の給与改善等については相当額を当初予算に盛り込んで予算編成に示してまいりました。しかし、不完全実施が継続する中で給与改善費が徐々に削減されたわけであります。六十一年度予算においても、現在一%計上すら削減されようとしております。これらについてどういうふうに考えられているのか。もう一つは、人勧制度を尊重し、しかも完全実施を実現するならば、当初予算でその相当額が計上されてもしかるべきだと思います。これらについての御答弁をいただきたいと思います。
○竹島説明員 お答えいたします。 まず給与改善費の扱いでございますが、これにつきましては従来から御説明申し上げておるとおりでございますけれども、これは翌年度の給与改定に備えるための財源措置であるということで昭和四十四年度から計上がされてきておるものでございまして、翌年度の人事院勧告それ自体はもちろんのこと、その扱いをどうするかということにつきましての目安という意味合いのものではございません。 そういうものでございますが、御質問の、六十一年度の予算におきましてこの給与改善費をどのように具体的に扱うかということにつきましては、今まさに予算編成の最中でございまして、人事院勧告の尊重の精神からいきますとそれを計上すべきであるということでございましょうし、一方、ときどきの財政事情を見て具体的な計上率は決めてきておるわけでございまして、そういう観点から申しますと、御案内のとおり今大変厳しい財政事情に置かれて予算編成が進められておりますので、その両方の兼ね合いをとりましてこの予算編成において決定をするということで、今現在、具体的にどのような扱いになるかということについて御説明申し上げられる段階ではございません。 それから、第二点の来年の給与改善に十分な財源措置ということでございますが、これも予算技術的には給与改善費の扱いになろうかと思います。そこでお答えは同じようなことになろうかと思います。 以上でございます。
○田中(慶)委員 先ほど総務庁長官、あるいはまた過去において官房長官から、それぞれ完全実施、六十一年度、六十二年度以降についてもそのような努力をする、こういうことでありますから、今の大蔵省の答弁というのは余りいただけないと思うのです。はっきり申し上げて、少なくとも当然それだけの人事院勧告を想定しながら、ある程度の財源措置をしてしかるべきではないかと思います。それは、今までの流れの中で五十七年度以降不完全実施、こんな形になってきていると思いますし、また、今完全実施を目指して努力しているということならば、大蔵は少なくともそのような形で、ある程度の予算措置が必要だ、こんなふうに思うのです。今の答弁では私は納得できないので、再度答弁していただきたい。
○竹島説明員 お答えいたします。 六十一年度の当初予算における人件費をどのように組むかという点でございますが、これにつきましては、今年度の人事院勧告の取り扱いは、今御審議いただいておりますとおり七月から人事院勧告どおりということでございますので、その分は、そのベースでは当然完全実施のベースの予算が組まれるわけでございます。残る六十一年度の人事院勧告に対してどう措置するかということでございますが、これにつきましては、来年度の人事院勧告がどういう内容で、どういう率で出るのかというのを私どもはまだわからないわけでございまして、そういう意味からいって、ありそうな率を想定して給与改善費を計上するということは、従来からもやっておりませんし、なかなか難しい問題であろうか、かように考えております。 いずれにしましても、この給与改善費は単なる財源措置でございまして、実際に出ます人事院勧告をどう扱うかということに関しましては、けさほど来御質疑がございますように、官房長官談話で、六十一年度の人事院勧告の取り扱いについては政府としてはこういう気持ちで対処いたしますということを申し上げているとおりでございまして、そこは大蔵省といたしましても、六十一年度の取り扱いについては同じように、完全実施に向けて最大限誠意を持って対処をさせていただくことに変わりはございません。給与改善費の問題は、いわば予算上の財源措置の問題というふうに考えております。
○田中(慶)委員 今回も、少なくとも三カ月余り完全実施されなかったわけであります。その一つには財源的な問題、税収の不足、こういうことは先ほど総務長官から明確に指摘をされたとおりであろうと思います。今回の場合において、官房長官談話あるいはまた総務長官が、これらについて具体的に積み残し分を含めて完全実施をする、あるいはまたそれに向けて努力をするということならば、当初からそういうことは額としてとっておく必要があろう、それが少なくとも今後の公務員の皆さんの勤労意欲の問題を含めて不安のない形につながることであろう、私はそう思うのです。コンマ五%とか一%とかいう問題じゃないと思うのです。ですから相当額を計上されてもしかるべきではないか。どう思いますか。
○竹島説明員 お答えいたします。 再三同じようなお答えで恐縮でございますが、給与改善費の扱いにつきましては、財政事情が大変厳しいということも御案内のとおりでございますので、今の御意見も踏まえました上で、この予算編成の過程の中で慎重に結論を出していきたい、かように考えております。
○田中(慶)委員 これからの予算編成に当たって、ぜひそういうことを考慮に入れて努力をしていただきたいと要望しておきます。 今回の給与法は、率とすれば人事院勧告どおりでありましたけれども、実施時期は七月一日という形で、すなわち三カ月ほど不完全実施をされたわけであります。一つには、給与法の提出については総務庁は何を基本として提出をされたか、法律の根拠等を明確にしていただきたい。
○手塚政府委員 閣法と言っております内閣から提出いたします法案、これは憲法上も、内閣総理大臣が内閣を代表して議案を国会に提出することになっております。それで、国家行政組織法でその閣法を各行政機関、漏れのないように分けることになっておりまして、その中で受けるところがないような場合には、実は内閣審議室あるいは総理府、これはかつて四十年に人事局ができます前はこちらで法案を提出していたわけでございます。四十年に国務大臣を長とする総理府にかわりまして人事局ができました。それ以後、人事局がこれを担当して法案を提出するということになっております。
○田中(慶)委員 そうしますと、この給与法案の内容については、どのような調査、検討をされてまいったかということを含めて御答弁をいただきたいと思います。
○手塚政府委員 政府の立場は、人事院勧告を最大限に尊重するということでございます。人事院が専門的な立場、中立・第三者機関の立場で、民間の実情も調査しながら検討して出してこられた案に極力沿う形で常に検討して、法案化しているということでございます。
○田中(慶)委員 そういう一つの前提はあろうとしても、結果として財政事情とか国民的な批判の問題、さらには税収不足等の問題が必ずついて回る。しかし調査、検討という中では、人事院制度そのものを考えたときに、そういうことが付随してきてはいかぬと私は思うのです。ですから、極端なことを言えば、公務員の給与制度の改善等の所管事務、すなわち人事院にそのすべてが帰属されているのであると理解してもいいのではないか、こんな感じにも受け取れるのですけれども、いかがでしょうか。
○手塚政府委員 先ほども触れましたが、ほかの行政機関は内閣の統轄のもとに置かれるわけですが、人事院は内閣の所轄のもとに置くということで、人事院は内閣からやや離れた中立的な機関ということになっておるわけです。したがって、内閣として提出する法律案は内閣総理大臣が出すということで、人事院は憲法上も提出権がないということになっているわけです。もしそれを認めるとするならば、例えば憲法を改正して人事院を第四機関的なものに改組するという御趣旨なら理解できますが、その是非はまた別かと思います。
○田中(慶)委員 四十四年だったかスタート当時、帰属法案に似たような形で提案された経過があるのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○手塚政府委員 先生の御質問の趣旨をちょっととりかねたのですが、人事院が提出したことはかってないと思います。
○田中(慶)委員 人事院がスタート当時、法案あるいは法案に近い形で提出された経過があると認識しているのですけれども、その点はどうでしょうか。
○手塚政府委員 人事院は専門的な知識、ノーハウも持っておりますし、スタッフも持っております。したがって、法案的な形にまとめて意見を申し出るというようなことはございます。その場合にも、こちらはそれを極力尊重して処理するということでやっております。
○田中(慶)委員 いずれにしても、人事院制度を尊重し、かつまた、この人事院ができた生い立ち、さらに公務員の今回までの制度の中で考えてまいりますと、こういう点では、政府と人事院の間がもっと密接な形の中で勧告どおり実施されることが望まれるわけですし、これからもそういうことが期待されるわけですから、そういうことを含めて今後より検討を加えていただきたいと思います。
○手塚政府委員 かつてイギリスで公務員省という形の組織をつくりましてやったのですが、サッチャーのげきりんに触れてつぶれてしまいました。日本の場合には、人事院総裁もよくおっしゃっておられることですが、今の人事院制度はいい形でよく定着しているのではないか。そういう意味で、独立した第三者機関としての人事院、それから使用者・政府の立場での総務庁、この両者があってうまくいっているのではないかと私は思います。 先生の御指摘のとおり緊密な連絡はとっていきたいと思いますが、立場は立場として両者の立場はある、これは御認識いただきたいと思います。
○田中(慶)委員 私の言っているのはそういうことではなくて、少なくともお互いに尊重するという前提、人事院は財政事情とかいうことと関係なく、先ほどから総裁が言われているように、独自な立場で公平に民間との較差や諸条件を含めてやられているわけですから、そういうことを尊重する立場ならば、法律を提出する総務庁がそういうことを含めてそれを尊重する、こういうことを前提としてやっていただきたいということを強く要望し、かつまた、その人事院制度そのものもちゃんと理解していただかないと、いつの間にか積み残しがあってそれがなし崩しになることをすべてがおそれているわけですから、そういうことがないようにということを申し上げているわけです。
○手塚政府委員 午前中の質疑においても、人事院としては財政事情まで勘案しては勧告できないという総裁の答弁もございました。逆に政府は、厳しい財政事情、行革推進というような状況の中で総合的に判断しなければいけない、しかしその中での人事院勧告の位置づけといったものも政府として十分考えていかなければいけない、これを踏まえて、時期も大変かかったりしておりますが、最大限の尊重ということで勧告の取り扱いの決定をやっておるわけでございます。
○田中(慶)委員 いずれにしても、午前中から指摘しているように、勧告されてから閣議決定するまで時間がかかり過ぎたり、あるいはわずかを削ってみたり、いろいろなことがあるわけですから、制度を尊重する、あるいは人事院制度が今後の制度の問題を含めて存続がどうかまで影響することもあるわけですから、そういうことのないようにということを重ねて申し上げておきます。 次に、防衛庁の給与改定の問題についてお伺いしたいと思います。 今般の公務員給与改定に関する閣議決定によれば、特別職の国家公務員については、おおむね一般職の職員の給与改定の趣旨に沿って給与改定するということになっているわけであります。今回提出されている防衛庁職員の給与改定法の概要についてまず伺っておきたいと思います。
○友藤政府委員 お答えいたします。 このたび私どもで出しております法律案には、一般職の給与に関する法律の一部を改正する法律案に準じまして防衛庁職員の給与改定を行うということでございまして、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校、防衛医科大学校の学生手当を改定するものでございます。また、特に今回、一般職の国家公務員においては職務と責任に応ずる給与の原則をさらに推進するため、行政職等の俸給表について職務の等級新設、統合を行う等俸給表の全面改定を行うことといたしておりますが、防衛庁職員につきましても一般職の改定の趣旨に準じまして、参事官等俸給表にございましては、職務の等級を増設いたしますとともにその呼称を改め、自衛官俸給表にございましては、将及び将補について当該階級の対応する職務の等級等との均衡を図りますため、将(二)欄を廃止し将補(一)欄及び将補(二)欄を新設いたしますとともに、一佐につきまして、その職務の複雑性・多様性に対応させまして、一佐の(一)欄、(二)欄及び(三)欄を設ける等の俸給表の改定を行うことといたしております。 なお、これに伴い別途、今後五年間を目途にいたしまして、将九十六のうち一部を将補に変更いたしますとともに、将補二百二十七のうち一部を一佐に変更することといたしております。 以上が、今回の法律案の内容でございます。
○田中(慶)委員 今般の自衛官の俸給表の改定は、将官、一佐と上位の階級に手厚く、曹、士長、士の下位階級に厳しいという不公平があるのではないかという感じを受けるのですけれども、その辺はいかがでしょう。
○友藤政府委員 今般の自衛官俸給表の改定に当たりましては、先ほど申し上げましたように、将補の一部についてその官職の重要性に応じ一部指定職評価が受けられるようにいたしますとともに、将補及び一佐の一部についてその職務の内容にふさわしい一般職の等級に相応ずるようになっておるわけでございますが、一方では、現行の将(二)職についても今後五年を目途に逐次将補職に変更いたしますし、将補の一部についても同様に一佐に変更するという厳しい内容になっておるわけでございまして、上位等級に手厚いということばかりではございません。 また、三尉から准尉、曹長の階級につきましては、その基準等級が公安職(一)の五等級、新しい三級になるわけでございますが、これであったものを、公安職関係職員との処遇の均衡及び定年前の隊員の処遇改善を図ります見地から、これを公安職(一)の四等級、新しい等級でいきますと四級水準を一部取り入れまして改善を行っておるところでございます。
○田中(慶)委員 説明やあるいは今度の新しい俸給表を見ますと、上位に手厚く下位に厳しいというような感がありますので、やはりこういうことはできるだけないように、現場での不公平、不満というようなことのあらわれないように、ぜひそういう点についての配慮をやっていただきたい、こんなふうに思います。 特に、防衛庁職員の給与法が成立いたしますと、一般職に準じてということでありますから、そういう点では一般職と専門職といいますか、こういう形で考えてまいりますと、それらにおいての格差といいますか、そういうものはあるのですかないのですか、明確にしていただきたいと思います。
○友藤政府委員 今般の改正案におきまして、お尋ねのいろいろ階級と一般職の等級との対応関係のギャップでございますとか、あるいは先ほど申し上げましたように、三尉から准尉、曹長あたりの階級におきます公安職の職員との均衡のずれ等につきましては、今回大幅に手直しをしていただきまして改善を見ているところでございます。今後とも、一般職の類似の職員の水準と相均衡いたしますように私ども努力をいたしたいと思っております。
○田中(慶)委員 私が聞いたのは努力じゃなくして、現実に一般職との格差が出ているかどうか。出ているなら明確に答えてくださいということを申し上げたのです。
○友藤政府委員 今般の改定によりまして格差はなくなるものと考えております。
○田中(慶)委員 そこでお伺いしたいわけですけれども、今回の給与改定で昭和六十年度の所要額、すなわち本給にアップ率と額、あるいは手当にアップ率と額を掛けますと、当然ここには所要額が出てまいります。それらについて説明をいただきたいと思うのです。——今の質問は、それでは後で計算して述べていただきたいと思います。いずれにしても、明確にしていただきたいというのはなぜかというと、防衛費総額の中における人件費の割合、経費の割合、そういう点を明確にするためにお聞きしているので、わからなければ後ほど計算をしてお答えをいただきたいと思います。先に行きます。 そこで、実はこの自衛隊が、それぞれ国を守るという立場、あるいはまたさらには災害時に出動するといういろいろな形であるわけでありますけれども、例えば災害時の一例として、日航機事故について自衛隊の救出が遅いとかいうマスコミからの批判があった、こういうことも言われておりますが、どのような対応をされて救出作業に当たったのか。数、規模あるいはまた総額費用等がおわかりだったら教えていただきたいと思います。
○西廣政府委員 お答えいたします。 先般の日航機の事故に際しましては、八月十二日でございますが、十八時五十七分、その時点でレーダーから事故機の機影が消えたということで、これは緊急事態であるという認識をいたしまして、アラート、待機についておりましたF4E、これを自衛隊の自主的な判断で災害派遣をいたしました。これは自衛隊法八十三条の二項のただし書きに基づく自主的な判断でございますが、したがってそれによりまして、十九時一分に発進をさせまして事故現場を確認させたということであります。 同時に、十二師団隷下の松本の部隊、あるいは相馬原の部隊、あるいは航空自衛隊の入間とか熊谷といった比較的現場に近いと考えられる部隊の隊員を非常呼集いたしまして、隊員を集めたわけでございます。 その後、運輸省の方から、航空自衛隊に対しましては二十時三十三分に、また陸上自衛隊に対しましては二十一時三十分に、災害派遣の要請がございましたので、自後、陸路現場に向かわせたという状況でございます。 その後、二カ月間災害派遣を実施いたしましたが、その間の人員延べ五万二千人日、車両七千七百九十両、航空機約一千二百機というものを投入いたしまして、災害派遣に当たらせた次第であります。
○田中(慶)委員 今度の日航機の捜査に当たっては、今それぞれ説明を承っておりますと、救出が遅いとかマスコミの一部から批判があった等の問題については、防衛庁はどのように受けとめられておるのか、承りたいと思います。
○西廣政府委員 お答えいたします。 今回の事故、これはあってはならぬ事故でございますが、私どもとしてはいまだかつてない態様の事故でございまして、それなりに非常に貴重な体験、勉強をしたわけでございますが、そのために、事故の発生時から最終段階まで各段階につきまして、いろいろな面で反省といいますか分析をいたしてみました。これは、この種の災害派遣に対する指揮統制の面、あるいは通信連絡の面、あるいは現場の実際の救出作業の面、そういったそれぞれにつきまして、ソフトの面あるいはハードの面、両様の面につきましてあらゆる角度から検討いたしました。 かいつまんで二、三の点を申し上げますと、例えば、従来、私どもの方の災害派遣の任務付与といいますか任務分担というのは、例えば天災だとかそういうものを中心に考えておりましたので、地域的に任務を与えておったわけでございます。ところが今回のような事故でありますと、地域における陸上からの救援のほかに航空機等が多数出動しなければいけない。ということになりますと、ある災害派遣部隊の指揮系統というものが非常に広範になってきてしまう、あるいはある地域だけのものでは分担し切れないといった面もございますので、私どもとしてはそういった災害派遣のための任務区分その他について再検討してみたいというような反省もいたしております。 また指揮、通信連絡等につきましても、御承知のように特に陸上部隊等は基本的には有事は独立して戦闘するというようなことを考えておりますので、中央との指揮、連絡を最小限のものにとどめるような形で、指揮、通信手段等もある意味では比較的お粗末であるわけです。ところが、今回のような事故になりますと非常に通信量がふえてくる。ということになると、現状のようないわゆる搬送通信と申しますか、一通話か二通話しか通らないというような通信ではとても対応し切れない。やはりどこに起きるかわからない事故に対してかなりの量の通信手段を確保するということになりますと、例えば衛星通信を利用するとかいったようなことが今後は必要になってくるなというようなことも反省材料の一つであります。 また、今回の実際の救生活動等を通じましても、その計画の立て方、実施の仕方等いろいろ反省してみますと、今から思えばもっとこうやったらよかったのではないかというような点もかなりございます。 そのほか、実際の救出のための装備、ああいう形の夜間の空からの救援、救出等については、例えば暗視装置とか、そういった面のものが装備されておったらどの程度のことができたかというようなこともいろいろ検討いたしました。ただ、現状のところでは、残念ながら、あのような高地にある、しかも月も出ていないようなやみ夜における急峻な傾斜地での空からの救出が十分可能なような、例えば暗視装置であるとか投光装置といったものでこれさえあればできたのにというものは、まだ今のところ必ずしも発見されていない、見つかっていないというのが現状でございます。 そういう意味においては、今回自衛隊としては精いっぱいのことをやったと思いますが、なお今後とも引き続き、私どもいろいろな仕事のやり方の面あるいは装備そのものについても検討し、改善をしていきたいと考えております。
○田中(慶)委員 今通信や救急のあり方、さらにはまたハード、ソフトの面を含めて御説明いただいたわけでありますけれども、特に夜間捜査態勢というものが今回の大きな問題であったかと思います。そういう点では、今お話にもありました投光器の問題とかいろいろなことでされておりますけれども、反省点は反省点として、今後、災害時を想定しながら、そういう問題を含めてあらゆる点を想定して、初動捜査に落ちのないようにということが必要であろうと思います。そういう点いかがでしょう。
○西廣政府委員 先生御指摘のとおり、まさに我我としては、今回の事故、実際に救出救難活動に当たりましていろいろ改善すべき点もある、しかしながらできない問題もある、いろいろありますけれども、運用の面あるいは装備の充実の雨その他、自衛隊のみならず制度全般として改善すべき点は多々あろうかと存じております。
○田中(慶)委員 そこでお伺いしたいのは、災害の緊急時において、例えば今回自衛隊が出動したとき、高速道路で現地に急行しようとしたら高速道路料金を請求され、全員が作業服なので持ち合わせの金がなく、そういう点では大変戸惑ったということで、それぞれ皆さんが少しずつのお金を出し合って支払ったということも聞いております。入間、浜松両基地などでこの二連の関係のことが言われているわけであります。同じように警察車両が通ったときは無料であった。こういうこと等を含めて、こういう一連の災害時における救出のあり方ということは、ある程度の連携や、あるいはまた、そういう点については道路公団を含めて明確な一つの方向づけが必要ではないかと思いますけれども、建設省としてこの辺はいかがでしょう。
○藤井説明員 お答えいたします。 有料道路を通行する車両からはすべて料金を徴収させていただくというのが一般的には原則でございますけれども、先生御指摘のように緊急時に出動する車両につきましては当然のごとく例外が設けられております。 具体的に申しますと、道路整備特別措置法第十二条の第一項におきまして、道路交通法第三十九条第一項に規定する緊急自動車等は無料で通行できるとされております。また、形式的に緊急自動車に該当しないものでございましても、災害救助のため使用される車両等緊急自動車に準じたものにつきましては、告示によりまして無料で通行できることといたしております。 さて、今回のような自衛隊法八十三条に基づきまして災害派遣をしていただくような場合、部隊長等が発行する証明書を提示していただくことというのが一般的なものでございますけれども、そのような証明書を発行する時間的余裕がないというような場合もあろうかと思います。このような場合、通常は、自衛隊から例えば有料道路を管理する公団等へお電話をいただきまして、身分証明書の提示のみで通行できるような方法をとっております。 したがいまして、今後、こういうような災害派遣のときに、この災害派遣の努力をなさる方に支障のないよう、建設省といたしましても十分指導をしてまいりたいと考えております。
○田中(慶)委員 いずれにしても、災害はいつやってくるかわからぬわけですから、そういう点では今回の例を二度と繰り返さないように、内部で意思の疎通をしていただきたい。これは要望をしておきたいと思います。 そこで、実は、この災害派遣で派遣者に対する手当の問題があるわけです。例えば自衛官が一日派遣されますと六百六十円、しかもこれは二十四時間以上勤務しないと支給されない。片方においては、消防職員やあるいはまた警察職員が派遣されますと、大体四千円から五千円の支給をされている。災害の扱いにこういう形で現実には差があるということはちょっとおかしいことではないか。こういうことで、しかも一言も不平も言わずに、何らかの形でその対策やあるいは救助に努力している姿を見たときに、私たちはただその行動やあるいはまたその行いを感謝しておりましたけれども、現実にはこのような格差があったということを聞いておりますので、防衛庁としてこれはどういうふうに考えられているか、答弁を願いたいと思います。
○友藤政府委員 今回の事故に際しまして、自衛官と警察官の間で、支給される金額に大きな格差があったではないかということでございますが、実は現地に出ております警察官はほどんどが地方公務員でございまして、国家公務員でございます自衛官とは給与制度の違いもございまして、単純に比較することはどうかと思いますけれども、地方公務員の警察官の場合は、勤務時間外の勤務につきましてはいわゆる超過勤務手当等が支給される制度となっております。それに対しまして自衛官の場合は、御案内のとおり常時勤務態勢ということでございまして、いわゆる超過勤務労働の概念を排除しまして、あらかじめ俸給で調整をして、超過勤務手当相当額を俸給に繰り入れておるというような俸給の構造になっております。したがいまして、先般の災害派遣のときにおきましては、自衛官にはこの超過勤務手当に相当する手当は支給をされませんで、御指摘の災害派遣手当、日額六百六十円だけの支給というような形になったわけでございます。一方、地方公務員でございます警察官の場合は、そのときの超過勤務時間数に応じまして超過勤務手当が支給されるというようなことだろうと思いますので、このような制度の違い等が支給額の差になってあらわれてきたものと考えておるわけでございます。 しかしながら、いずれにせよ伝えられるような、制度上の支給額の差が実質的な格差ということでございますと、自衛官の処遇という面でもいろいろ今後の問題もあろうかと思います。今後、こういった実態についてよく調査をいたしまして、災害派遣手当等の改善等について検討をしてまいりたいと考えております。
○田中(慶)委員 いずれにしても、災害で同じ仕事をやってこのような格差があったのでは、それこそアンフェアだと思います。そういう点では、そういうことのないように一日も早くその対策を検討していただきたい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。 そこで、防衛庁の自衛官の人事等について、どのような規定と手続で行っているのか、具体的に説明を求めるわけであります。特に佐官、将補、将官、幹部職はどのような手順でなっているのか。また、外部からの圧力に影響はされないかどうか。そのような配慮がされているとするならば、どこからきているのかということをまず冒頭にお伺いしたいと思います。
○友藤政府委員 お答えをいたします前に、先ほどちょっと答弁漏れになりました部分について……(田中(慶)委員「それは後でいいよ、時間の関係があるから」と呼ぶ)よろしゅうございますか。 それでは、自衛官の人事でございますが、私どもの幹部自衛官につきましては、幕僚長、統幕議長等の任免は、直接防衛庁長官が任免権者でございます。その他の一佐以上の幹部につきましては、幕僚長の意見を聞いて防衛庁長官が任免をするという形になっております。 補職につきましては、統幕議長、幕僚長は防衛庁長官が補職をいたします。その他の将、将補につきましては、幕僚長の意見に基づきまして防衛庁長官が発令をする、あるいは一佐につきましては、幕僚長等の意見具申に基づきまして防衛庁長官が発令をする、かような形になっております。 それから、外部からの圧力その他の介入の問題でございますが、御案内のとおり、自衛隊法には三十九条の「大事に関する不正行為の禁止」の規定がございます。私どもとしては、人の要素は特に重要でございますので、任免権者の責任のもとに公正かつ厳正に実施をいたしておるところでございまして、いやしくも自衛官の人事が外部からの圧力により左右されるというようなことはございません。
○田中(慶)委員 そうしますと、実はここに「文芸春秋」の新年号、六十一年号があるわけであります。ここに「日航事故・ある自衛官の涙と殺意」という記事があるわけでありますけれども、防衛庁はこの記事を読まれているかどうか、記事の内容のことが庁内で起こっているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○宍倉政府委員 御指摘の「文芸春秋」の記事については、読ませていただいております。
○田中(慶)委員 そうしますと、この記事によりますと、田岡記者が自衛官に対し、おまえなど飛ばしてやる、こういう暴言を吐いていることになっているわけであります。このような言葉が庁内で相手に伝えられるのは、当の記者が過去において自衛官を飛ばした事例があり、その自信と背景においてそのような発言がなされたのではないか、こういうふうに観測できるわけでありますけれども、そのような事例があったのかどうか。
○友藤政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、記係者に限らず、過去、庁内の大事に外部から介入があったような事例はございません。
○田中(慶)委員 しかし、その内容を見ますと、いずれにしても過去にそういうふうなことがあったのではないか、私はこんなふうに推察といいますか、この本の内容からするとできるわけであります。今局長が言われたように、少なくとも人事というものは公正で、かつまた、特に自衛官の人事というものは配慮しなければいけないものであろう、いたずらに庁外からの第三者に人事が関与されることがあってはいけない、こんなふうに私は思います。そういう点で、例えば取材の自由の名のもとにこのような言葉が吐かれて、自衛隊の取材活動が現実に庁内で黙認をされる、あるいはまた公務員の職務執行の維持が、現実にはそのような形で、飛ばしてやるとかそれに似たような言葉によって、秘密漏えい等の問題も出てくるのではないか。こういうことも含めて、今後の方策も含めて防衛庁の所見をお伺いしたいと思います。
○宍倉政府委員 防衛庁には防衛記者会というクラブがございますが、そのクラブに所属しておられる記者の方々は、庁内におきまして、原則としてインタビュー、取材申込書の申請をすることなく、取材をされる人の業務に支障のない範囲で、自由に取材活動ができることになっております。 ただ、本件の場合のように、通常と違った形で、割と大きな声でいろいろな取材と申しますか議論と申しますか、あったようでございますので、そういうことが今後ないように、私から十一月十三日に、当該記者の方に十分注意をしてくださるように厳重に抗議を申し上げておきました。
○田中(慶)委員 今の説明ですと、この「文芸春秋」の内容は、事実そういうことがあったんですね。もう一度確認しておきます。
○宍倉政府委員 私がその場にいたわけでございませんので、全く一〇〇%そのとおりだということは断言いたしかねるわけでございますが、両方の当事者から話を聞いた限りにおきまして、詳細、細部については断言はできかねる部分がございますけれども、大筋としては大体そのようなことがあったやに伺います。
○田中(慶)委員 いずれにしても、こういうことが取材のために、あるいはまた取材という名のもとに現実にあっていいものではないと思います。今あなたは大筋においてはということであったのですけれども、これは重大なことでありますから、明確に答弁をしてください。もしこの記事があなたの手元にないならば、今こちらでコピーしたものがありますから、委員長、届けてやってください。
○宍倉政府委員 私は大筋と申しましたが、例えば、先ほど申し上げましたように、両方の当事者の話が食い違っている部分がございます。 この記事では、今お話に出ておりましたように「どっかに飛ばしてやろうか。せっかく、どっかの飛行群司令にしてやろうと、思っていたのに……」という発言があったやに書かれておりますが、そのような発言があったと片方は申しますし、それから片方の方に伺ってみますと、そういうことは言っておらないということを言っておられます。テープレコーダーがあったわけでもございませんし、私がそこにいたわけでもございませんので、その辺のところは不確かな部分もあるということでございますが、とにかく十月十六日午後二時ごろに、両方の当事者で、いろいろここに書いてありますような大筋のような話し合いといいますか議論と申しますのか、そういったことがあったということでございます。
○田中(慶)委員 そうしますと、おおむねこういうことがあったということは、過去において第三者によって人事の介入があったということもあり得るわけですか。
○宍倉政府委員 過去にそういうことがあったということを私は申し上げているわけでもございません。また、そういうことがあったわけではございません。ただ、私が申し上げておりますのは、そういった意味でのやりとりが十月十六日に両当事者間で話があった、こういうことでございます。
○田中(慶)委員 いずれにしても、この人事問題を含めてこういうことがあってはいけないと思います。防衛庁長官、これらについてあなたはどのように認識をされるか、あなたの所感をお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 自衛隊の特に制服の人の大事につきましては、かなり多くの人が見ている中で決定されるのではないかと思います。例えば、特に海上自衛隊のような場合には、ある将官クラスに昇任するかどうかにつきましては、もう本当に何十人かの会議でみんなで大衆討議して決めている——大衆討議ではないのですが、将官クラスの既に将になっている人たちの会議で決めているというような大人数の会議で決めているわけでありまして、そういう意味で不正のないような非常に大きな仕組みが私はできていると思います。一部の方が外部から圧力をかけて、それで人事が動くというようなものではないと自信を持って申し上げられるのではないかと思います。 それから、先ほどから本日発行されました「文芸春秋」の記事、それから、先ほど御提起がありました佐藤室長の発言等の問題がいろいろ御議論いただいておりますけれども、私たちは、政策問題につきましてはシビリアンコントロールをしっかり常に守っておくことの原則は確保しておかなければならない、こう思っております。 今度のJAL機の事故とそれから出動に関しての技術的な点につきましては、多くのマスメディアも、直接担当した制服の人たちに話を聞いてみたいという形で、何度かテレビのモーニングショーやアフタヌーンショーにも呼ばれて、事実関係については、また技術的な点についてはインタビューに応じていたようであります。 私、今度の事故とそれから防衛庁の立場、それを外に発表する、そういう形を自分なりに長官として見ておった場合に、今まで自衛隊の場合は災害出動した事実さえも余り言わないようにしておる、つまり何にもしゃべらない方が大丈夫なんですというような形の伝統ができてしまっているように思います。これでは士気にかかわると私は思います。何人出たか、そして皆さんから遅いと言われたら、こういう理由で遅かったのですということは、こういう言うだけの立場を与えてやらなければ、あれだけ過酷な立場にあって作業している隊員に対して、私はかわいそうであり士気の高まらないことになるのではないか、こう思っております。そういう意味で、佐藤室長が、私的な立場であっても、自分の立場をわきまえながらあの種のものを書いたわけですけれども、そしてそこの中に若干の筆の滑りがあって、それについては当人が訂正したわけでございます。 私は、事実関係、技術的なことについては、やはり自衛官といえども、防衛庁といえども発表する場があってもいいのではないか、全体的にはそう考えております。
○田中(慶)委員 長官の所感をお伺いしたわけでありますけれども、しかし、現実にこのような「文芸春秋」の中で、これは一般に発売されているわけでありますから、これらについてはやはりその所感というものは——今あなたから具体的にこれに対する所感がまだ述べられてないように私は思います。あなたは全体的に人事の問題とかそういうことを含めてお話はありましたけれども、この問題については私は、あなたはよく熟知しておりますかということを申し上げておるのですが、この問題について熟知しているかどうか説明がなかったわけであります。その辺もう一度……。
○加藤国務大臣 私もこの問題につきましては累次報告を受けております。きょう出ました「文芸春秋」の全体の記事は、きょう出たものでありまして、朝から私はここにおりましたので、全部はまだ読んでおりません。今途中までここで読んでおったのですけれども、大体官房長から報告を受けておったとおりのことがこの記事に書かれている、そういう印象を持ちました。
○田中(慶)委員 いずれにしても、こういう形の中で、今自衛隊のあるいは防衛庁の管理体制からあるいはそれぞれ災害時における取り扱いの問題、そうしてその結果こういう問題が出てきているわけであります。それらによって、第三者による介入によって、日本の安全と平和を守る立場にある防衛庁が、人事その他に介入はされていないと信じておりますけれども、今後このようなことのないように、その辺について毅然たる態度で臨んでいただきたいと思いますが、その点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 私たちの防衛政策はシビリアンコントロールに基づいておりまして、一番最初は内局で、そして国防会議、閣議、そして最終的にはここの国会の場という一番強いコントロールに従うわけであります。それが私たちの従うべき言うなれば影響力でありまして、特に人事等につきましてよその人から恣意的に言われてそれが動くということは、これまでもなかったと信じておりますし、今後ともそれはあってはいけない、こう思っております。 それから、先ほど答弁の機会がなかったのでございますけれども、私たちはシビリアンコントロールをしっかり守っておりまして、例えば事故機の処理につきまして技術的、事実関係について制服の人間が発表しておったからといって、それが我が国のいわゆる軍国主義の道に行くようなそんなことには絶対ならないし、それほど私たちはシビリアンコントロールに自信を失っているようなことはいたしておりません。私たちは、彼らに事実関係、技術的なことについてはちゃんと発言させても、しっかりとシビリアンコントロールを保っているという自信を持っているということを申し上げさしていただきたいと思います。
○田中(慶)委員 いずれにしても、シビリアンコントロールを含めて今長官が言われたことを一つの今後のあり方として、肝に銘じて努力をしていただきたいと思います。 先ほどの答弁漏れといいますか、若干まだあと時間がありますので、御答弁をいただきたいと思います。
○友藤政府委員 自衛官は一人当たりの平均増加額一万二千五百十四円、改定率が五・八%、参事官等におきましては同じく一人当たり平均増加額は一万七千三百二十四円、改定率が五・四%、事務官等は一万八百八円、五・二%でございます。それで総経費でございますが、約五百五十億円所要でございまして、現在人件糧食費の総額が一兆四千百三十九億円ばかり当初予算に計上されておりますが、このうち百三十三億ばかりこれに充てるための費用がございますので、約四百二十億がこれに加わりますので、人件糧食費は一兆四千六百億円ばかりになろうかと思います。 なお、これのパーセンテージにつきましては、今後この経費については補正で処理されると伺っておりますので、差し控えさせていただきたいと思います。
○田中(慶)委員 質問の趣旨に答弁が沿ってないと思います。私が申し上げたのは、本給にアップ率を掛けると俸給に対する額が出ます。手当に対するアップ率を掛けてみますとその額が出ます。総体的に五百五十億というのは、そういう形の計算があって初めて出るのだと思います。同時に、五百五十億が当初予算の中である程度ベースアップ分を見込まれた額、そして今四百二十億がプラスされますと、人件費の防衛予算の中における比率、一兆四千六百億なら六百億というのは単純計算で割れるわけですから、その比率は差し控えておきたいというそういう誠意のない答弁が誤解を生むわけであります。 時間がないからこれ以上はやめますけれども、それは後ほど文書でいただきたいということを申し上げておきます。質問の骨子をちゃんとわきまえて答弁しないと、五百五十億のお金を出すための基礎数字がそうなっているわけですから、そうすると先ほどのいろいろな問題が出てくる、こういうことで、誠意のない答弁というものが誤解を生むことになりますので、注意をしていただきたいということを要請して、質問を終わらせていただきます。
○中島委員長 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 私は、まず公務員給与の問題について質問いたします。 政府の人事院勧告を三カ月おくらせて実施するやり方は、月々の給与引き上げ額が三カ月分値切られるにとどまらず、夏の期末・勤勉手当にも影響を与え、実質的には四・九カ月分、平均約七万円の人勧の値切りとなります。これは、人勧制度を公務員労働者の代償措置として設けた経緯からいたしましても、また、公務員労働者の最低限の要求である人勧の値切りなしの実施を踏みにじる不当なものであると思います。 同時に、今年度の勧告には俸給制度の改正が盛り込まれています。行政職(一)表の場合には、等級を現行の八ランクから十一ランクにふやしています。既に各省庁ではどの職員をどこの位置に格付するかという格付作業が始まっていますが、この中で起きている問題に、これまでの慣習を無視した人事の逆転現象や、等級の増設によって昇格ベースがおくれて、退職時到達点の等級が後退するなどの問題があると思います。 私は、この俸給表の改正は職務給を強化するもので反対でありますが、少なくとも新俸給表への職員の格付については、職場の合意を得られる公正、民主的で、かつ、職員の意欲が出る運用をすることが必要ではないかと思いますが、この点について伺いたいと思います。 あわせてもう一点、専門行政職俸給表の新設についてお聞きしたいと思います。 航空管制官など専門的職種の職員に適用するこの俸給表は、当然のことながら、職員の専門的知識または経験の評価を重視し、処遇についても改善されなければなりません。しかし、新設された専門行政職俸給表は、今までの行政職(一)表とほとんど横並びであり、専門的職員の処遇改善につながっていないのではないかと思いますが、これらの点について人事院総裁の御見解を伺いたいと思います。
○鹿兒島政府委員 お答え申し上げます。 初めに、今回の俸給制度改正によりまして新等級が設けられる、これにつきまして格付作業ということでありますが、これは正確には、御提案申し上げております法律が成立した後に格付をすることになるわけでございます。ただ、年末も迫っておりまして、各省それぞれの立場におきまして、私どもも現在の考え方を御説明いたしまして、この考え方に基づきまして現在格付作業の準備を行っておる段階でございます。 この格付につきましては、今お話もございましたように、職務給の原則というものをより一層明らかにするということが建前になっておりまして、この新しい職務給につきましては、これもいずれ法律が通りました際に決定いたします級別資格基準表に基づきまして、新しい等級にどのような職員が該当するかということを決めてまいることになるわけでございますが、いずれにいたしましても、職務の責任と内容に応じて新等級にそれぞれ決定をするということになります。 そこで、現在、例えば一つの等級の中に二ないし三の官職、上下の官職が混在しているということになりますと、そのこと自体が職員の勤労意欲に大きな影響を与えることになりますので、しかるべき職にはしかるべき等級の給与を支給するということが、より一層公務員の勤労意欲を高め、公務能率の増進に資するものだというぐあいに私どもは考えておるところでございます。 それから、昇格ベースの話も出ましたけれども、これも先ほど御議論が出ましたけれども、新しい等級を設けることによりまして、制度値といたしましての級別資格基準は変えるつもりがございません。先ほど五等級で御説明した例がございますように、現在の五等級から四等級へ参ります。その中間に新五等級に相当するものができるわけでございますが、現在四年間必要になっておりますものを二年、二年にするということでございます。 二番目に、専門行政職俸給表の御質問でございますが、これもお話がございましたように、職員の専門的知識や経験を評価するために新しい俸給表を設けたわけでございます。高度の専門的な知識を必要とするということ、それからその採用形態等を見ましても、かなり特定の職層に限って特定の職員を採用するというような、他とはっきりと区別ができます方たちをこの専門行政職俸給表に決定するということでございまして、代表的な官職としましては、これも再々申し上げておりますが、航空管制官でありますとか特許の審判官がそれに該当するわけでございます。 この新しい専門行政職俸給表の水準のお話でございますけれども、基本的な考え方としましては、これまでこれらの職員が属しておりました現在の行政職。表とほぼ同水準の俸給表ということにいたしております。広い意味で申しますとやはりこれは行政職でございまして、行政職としての水準差というものを特に設ける必要がないということでございます。ただ、これらの職務の内容を見てみますと非常に専門的な職種でございまして、特に下位等級につきましては、下位等級が独立して職務を遂行するという性格を持っておりまして、その点で行政職(一)表のように下位等級を幾つかの段階に区分する必要がないということで、一つの段階にまとめまして、その中でしかるべき処遇をするということでございます。したがって、水準上の処遇ということはございませんけれども、それぞれの等級の中におきます昇給その他につきましてはいずれ何らかの処遇の差が出てくる、かように御理解をいただきたいと思います。
○瀬長委員 次に、今沖縄で行われている公用地の暫定使用法に基づいて、八七年五月十五日に切れるものを、さらに二十年間といいますと二〇〇七年、これまで二十年間使おうとしているわけですが、これに論点を絞って質問いたします。 その前に、今から二日前ですか、十二月八日はちょうど太平洋戦争開始の時期なんです。私は古い新聞を見たのですが、東京日日新聞に大きく「米英と開戦 宣戦布告されたり」、これはどういう教訓を我々はとらなくちゃいかぬか。まあ開戦の時期、真珠湾を攻撃した。これは簡潔に言えば日独伊軍事同盟と翼賛政治、これが戦争への道であった。これを我々は教訓とすべきである。 さらにもう一つは、ことしは広島、長崎に原爆を落とされてからちょうど四十年目に当たる。ですから、核戦争はもう嫌だ、核廃絶の問題、この問題は世界人類の緊急かつ重要な課題であるし、日本国民にとっても同じであります。この問題であります。この核廃絶の課題。 もう一つは、民族自決権の問題であります。今日本は真の独立国家とは言えない。なぜか。安保条約があるからなんです。対米従属、これを断ち切って真の民族の独立を達成する、これが四十年目の大きい教訓だと私は思います。 なぜこれを聞いているかというと、この土地収用関係は、原点に返って質問したいからでありまするが、今三つ挙げた、この点について防衛庁長官、どういう教訓をこれから引き出していくのか。三つ言いましたね、これについて所信を伺いたいと思います。
○加藤国務大臣 私たちが再び軍事大国になることなく平和の道を歩みたいというのは、戦後日本人の世代に限らず、またそれぞれの考えに限らず、一致したことであろうと思います。だからこそ私たちは、多くの防衛論議をやり、また多くのシビリアンコントロールの機能をこの国会の中で果たしてもらっているのだと思っております。また、核廃絶につきましては恐らくこれもだれも異論のない、私たちができるだけ早くそういう時期になってほしいと願うことなのでないかなと思っております。 それから、安保条約を持つことによって私たちは独立国ではないという御所見でありますけれども、それにつきましては意見を異にします。私たちはしっかりとした独立国であり、独立国として今安保条約を持ち、そして有事の際には米国が私たちに対し共同対処してくれる、そういうしっかりとした条約を持っていることは、私たちとしては日本の防衛のためにいいことであろうと思っております。
○瀬長委員 土地収用に関しては、もう私が説明するまでもなく、最初に沖縄の政権が基地を返還されたとき、一九七二年五月十五日から五年間、さらに今度は二回目は七七年の五月十八日、このときは四日間の空白が出ました。これからまず五年間。さらに三番目は八二年五月十五日から五年間、これがさっき申し上げました八七年五月十五日に期限が切れる、この段階で二十年間使おうとするわけであります。 具体的な問題に移る前に、沖縄の基地がどういうふうな占領軍の略奪にあって強奪されたか、私は現に見ております。この点を申し上げたい。 まず一番南から、那覇基地になっている、具志部落といいました、そこの土地略奪であります。これは完全武装した二個中隊がやってきて、地主を追っ払うだけではなくて、催涙ガスまで使用された、これが現在の那覇基地になっている。その以前の具志部落、現在の那覇市の小禄であります。 さらに、同じ那覇の銘苅というところ、これは後で詳しく述べます。 次に、宜野湾市の伊佐浜、この土地の強奪はひどいものでありました。これは陸、海からずっと攻め込まれて、完全武装した兵隊が八台のトラックに乗って襲撃してきた。さらに戦車まで用意されていた。それでついに強奪されて、あの伊佐浜部落は——長官、沖縄を知っておるかもしらないが、時々日照りが出ますが、どんな日照りでもこの水田は枯れたことがないという美田なんです。この美田が一夜にして全部基地に収奪された。 さらに申し上げますと、伊江島であります。今の射爆場になっているところ。伊江島は最初、空中からヘリコプターでガソリンをまいて全部焼いてしまった。草や木を焼いて、次に来たのがブルドーザー、これが家はもちろん引きならす、大きいガジュマルの根っこを掘り起こして基地にしたというのが、今の伊江島射爆場の接収された状況であります。核兵器、毒ガスのほかはアメリカ占領軍は全部使った。 さて、残していた銘苅の部落の話をいたします。五三年でした。未明、これはブルドーザーががたがた鳴り出した。婦人が全部出ました。芋畑でありました。カズラがあります。カズラと芋はヤギの、あるいは牛の飼料になる。芋はもちろんサツマでありますから、サツマを食べていました。これをブルドーザーでどんどん引きならす。最初は、私見ておるからようわかる、両方から機関銃の威嚇射撃が始まる。ところが、それがやんでしまった。というのは、このブルドーザーのところに行った一団は、ブルドーザーをとめるためではなくて、ブルドーザーの後からヤギ、牛の飼料になるカズラ、さらにサツマをとるために行っておるということがわかったので、ついに射撃はやんだ。どんどんブルドーザーは進んでいく。墓地にかかった。墓地が全部掘り起こされてしまった。そのときなんです。そのとき、私は五十メーターぐらいのところから見ておりました。そのとき婦人は全部、あの芋やカズラを入れるためにざるを持っています、ひっくり返った。行きましたら、その婦人はサツマイモではなくて人骨を握っておるのです。 沖縄は今では火葬します。以前は埋葬です。洗骨します。厨子がめに入れて大きい墓に入れます。その墓を掘り崩して厨子がめもろとも人骨を砕いていった。私はそれを見て、だからひっくり返るわけです。みんな大抵の婦人が赤ちゃんをおんぶしております。赤ちゃんもろともひっくり返った。それはそうでしょう、人骨を握っている。 あのとき、これはまさに軍服を着た鬼畜ではないのかといったような印象が、どんどん県内に渡っていった。長官も沖縄の身ぐるみ土地闘争、知っておられるかもしれませんが、五十万の動員ということをやりましたが、ほとんどこういったのが原点なんです。 私、聞きたいのは何かといいますと、ヘーグ陸戦条約の中に、もちろん異常な状態でありますが、占領軍は、「私有財産ハ之ヲ没収スルコトヲ得ス」とはっきり書いてある。さらに四十七条「掠奪ハ之ヲ厳禁ス」、これは現在の憲法二十九条にある財産権の問題、公共の福祉なんか書いてありますが、これなんかないのです。絶対に略奪を禁止する、私有財産は没収しちゃいかぬ、これが陸戦の法規に関するヘーグの条約であります。没収さらに略奪行為、こういったのが現在の沖縄の米軍基地なんです。今、私は現に見ておるから、核兵器、毒ガスのほかはほとんど使われている。この点で、こういった国際法規にも違反した行動を米軍はやってのけたんです。これが沖縄の軍用地の原点である。 長官、この問題についてどういうお考えであるか。これは原点に立ち返らないと二十年間問題が出てこないから、私が現に見た現実の姿ありのままを言っているわけなのです。ヘーグ陸戦法規に完全に違反して、平気でやっているわけなのです。これについての長官の御所見を承りたいと思います。
○佐々政府委員 お答えいたします。 現在、沖縄の土地を駐留軍用地特措法で、八二年以来五年ということで使わせていただいておりますのは事実でございます。しかしながら、その今の略奪、私有財産の没収という、ちょっと私、その発生した時点が恐らく戦争中あるいは戦争直後、占領時代のお話であろうかと考えておりますが、独立後は、これらの土地につきましては契約を行って、それに対して地主に賃貸料をお支払いをしておる。その総額は現在四百億円に上っておりまして、収用とか略奪、収用というのは、これは法律上決められておる手続でございますが、略奪という状況ではないと考えております。
○瀬長委員 私は、今略奪をしているということは一言も言っていないんだ。あの異常な占領状態の中でも占領軍はこれを守らなくてはいかぬという法規がある。それは知っておるでしょう。長官知っておるはずだ、ヘーグの陸戦に関する規則というものを。私有財産を没収しちゃいかぬとはっきり書いてある。「掠奪ハ之ヲ厳禁ス」、厳禁なんです。略奪したんですよ。これをどうお考えかと聞いているわけなんです。
○加藤国務大臣 その戦後の、または戦争前のいろいろな事実関係につきましては、今お話しいただいたことがどの時点で、どういう状況の中で行われていったのか、またいろいろ私たちも後ほど勉強してみたい、こう思っております。 しかし、いずれにしましても、沖縄の基地というものの発生の中でいろいろな過去の経緯があったことは事実だろうと思います。また沖縄の島の人々が、戦後の自分たちの歴史につきましていろいろな思いがあるということも事実だろうと思います。そういう中で、私たちは、沖縄のこの基地の問題を考えるときには十分に心を砕いてやらなければならないと思いますけれども、少なくとも最近は、今施設庁長官が申しましたように、私たちは地主の皆さんと合意に基づいてこの基地の使用を何とか安定的なものにできないかと思ってやっているわけでございます。そして現在、その基地の対象の土地の九九・七%の地主の方につきましては、いわゆる合意をしていただいているわけでございます。私たちは、この九九・七%の人に合意をしていただく、契約していただくところまできたということの中に、私たちが過去の経緯を踏まえながらも島の人たちと話し合いをし、正式の契約をやってきた努力を見ていただきたい、こう思っております。 もちろん、私たちも沖縄の歴史というものを十分に頭に入れていかなければなりませんけれども、しかし同時に、片方に我が国の安全を守るという観点から、日米安保というものが我が国の防衛と極東の平和と安全のために有効な機能を果たし、戦後四十年間、私たちは戦いのない国として生活してきたわけでございますから、そのメリットを守っていくためにも、基地の安定的な使用ということは私たちは考えていかなければならないのではないかと考えております。
○瀬長委員 実はこの事実を出すのは二回目です。これは厳然たる事実なんですよ。今あなた方が使っている那覇基地がそうなんですよ。まさに民族の悲劇なんだ。それから銘苅にしても、伊佐浜にしても、それから伊江島でしょう。もっとたくさんあるんですよ。国頭の辺戸の方面、こういったのは、全部部落で略奪された事実を、長官はもう少し沖縄の関係を、本当に原点をわからないと、今後の対策が間違った対策になってしまう。 長官、知っておられるかもしれませんが、沖縄の日の丸掲揚の問題と君が代、君が代は小中高ゼロですよ。日の丸はほとんど離島の約七%ぐらいの小中高しかない。沖縄県民がどのように残虐な行為をアメリカ軍から、旧日本軍から受けたか。これは忘れることのできないまさに傷跡である。政権は返還されたが、いまだに米軍基地、ちょうど横田のように、だれでも核基地であるという疑いは晴れておりません。そういう中であればこそ、原点に立ち返るために私はこの事実を申し上げたわけであります。 これは「民族の悲劇」という本でありますが、これは私が見たことを現実に書いてあります。これを言ったときに、佐藤総理大臣はこんなことを言いました。そういったことは初めてであるが、もし事実であると思うと、事実あなたは生き証人だから、私が瀬長君の立場であればそう言わざるを得なかっただろうというのが、当時の佐藤榮作総理大臣の返事なんですよ。この原点を、これは事実なんですよ。事実、あなた方が信頼するアメリカ、帝国主義軍隊、占領軍、これが略奪行為をやったわけなのです。しかも、完全にこのヘーグ陸戦法規にも違反してやった。後で沖縄県民が土地代を払え、そのときは払わなかったのですよ。水代払え、ただ飲みしちゃいかぬ。それが大衆の声になったから、やっと軍用地代を占領軍は払うようになったのです。ですから、こういった民族の悲劇を繰り返しちゃいかぬ。今安保条約のもとでどのような苦しみをやっているか。この原点に立ち返らない限り、この民族の悲劇の歴史を消すことはできない。私はこの話を申し上げて前に進みます。 今申し上げましたように、なぜ今二十年間、あるいは今度の場合、今言ったように八七年に切れるでしょう、二十年プラスすると二〇〇七年までだ。気の遠くなるような話だ。なるたけ長い方がいいかもしらぬが、あるいは民法を参考にしたら、民法なんか参考にできませんよ、これは。それで私が最初に申し上げたいのは、これまで沖縄県を除く他府県で土地接収をやられたところは、これに基づきますと約四十五件ぐらいある。この中ではほとんど一カ年なんだな。二カ年、二カ年五カ月が一番長期である。あるいは六カ月。これはあなた方の喜屋武眞榮参議院議員の質問主意書に対する答えの中で出ている。一年が多いのですよ。二年がたった八件。二カ年五カ月が一番長いのです。これが現状なんです。防衛庁、これは確認しますか。
○佐々政府委員 お答えいたします。 沖縄県以外の県における駐留軍の用地は、現時点一〇〇%契約によって使用されております。したがいまして、この駐留軍用地特別措置法によって、公用に供するために、収用はおろか使用されておる土地はない。それから沖縄でございますが、先生御指摘のように、確かに返還時には三万一千件契約を必要とする案件のうち約二千九百件、九・四%の方が反対をなさいました。その後現在までに説得をして御理解いただいた結果、現在は百三十六名でございます。したがいまして、沖縄以外のところではこの法律に基づいて強制的に使用したり収用したりする必要がない。そういうところから、沖縄だけになっておるわけでございます。
○瀬長委員 私、それを聞いたのじゃないのですよ。あなた方が喜屋武議員の質問主意書に対して、沖縄県以外に収用されたのは、これは整理したのです、四十五件あるわけです。四十五件のうち大抵一年だ。二年が八件しかない、そして一番最高が二年五カ月なんですね。あなた方が答弁している、これを確認できますか。それだけの話なんだ。私が断定するわけにいかぬから。
○宇都政府委員 お答えいたします。 本土におきます駐留軍用地特借法の適用された件数でございますが、今先生おっしゃられました中に四件収用したものがございます。その他は使用でございます。 なお、二年半の使用が一番長いではないかというお話でございますが、本土におきましては、例えば二年、二年と継続しておって、三回目には収用しているというような例がございまして、年数的には収用につながっているものがございます。
○瀬長委員 私は、私が挙げました件数は間違いないかということを聞いているのです。例えば四十五件使用があるんです。この中でほとんどが一年なんです。それで二年以上が八件あるわけです。最高二年五カ月なんです。これは事実か。あなた方が答弁したんだから、これを聞いているだけで、何もほかのことを聞いているんじゃないのです。強制とか強制でないとか聞いているんじゃないのです。年数を聞いているのです。
○宇都政府委員 本土におきます駐留軍用地特措法の適用件数は四十九件ございます。そのうち四件が収用でございます。あとの四十五件は使用でございますが、その中で、確かに先生おっしゃられるように、一回の使用が二年半というのが一番長うございますが、その使用を繰り返し継続してやっておりますので、二年半が四年、あるいはさらには収用ということになっております。 なお、ほとんどの件数につきまして、現在、返還されたか、あるいは契約に基づきまして合意の上で使用させていただいているのが実情でございます。
○瀬長委員 私は、合意の上か合意でないか、そんなことを聞いているのではないのです。あなた方が質問主意書に答弁しているので、これを聞いているのです。二年五カ月というのは根岸なんですよ。ここに書いてある。あなた方の答弁書です。これだけなんです。何も、これは強制だ、これは合意だ、そんなことを聞いているんじゃないのです。そういった件数、だって一年が長いわけないんで、そして二年が八件だ。そして一番長いのが根岸だ。これが二年五カ月。間違いありませんなということを聞いているだけの話なんです。間違いないですか。間違いがあれば直してください。
○宇都政府委員 お答えいたします。 一件の収用では二年五カ月というのが一番長うございます。
○瀬長委員 これをお認めになったから、いいです。 もう一つ、昭和四十六年十二月四日の衆議院沖特委で高辻内閣法制局長官が答弁しています。期間について、これは発効後の問題ですが、いわゆる沖縄国会の時点で、五年というのは長過ぎるとは思うが、特別なことであるからと、あのときにすら高辻さんが言っているのです。これは御記憶あるか、あるいは知っておりますか。
○宇都政府委員 昭和四十六年、当時の高辻法制局長官が先生おっしゃられるような発言をしておることについては、私どもも承知しております。ただ、この発言につきましては、当時公用地暫定使用法を制定するに当たりまして、その審議の過程で、暫定使用法の期間についての意見を述べたことでございまして、それまでに既にありました駐留軍用地特措法による使用期間が議論されたということではございません、そのように私ども承知しております。
○瀬長委員 法制局長官の発言は認めるんですか、認めないんですか、これを聞いているんですよ。そう言ったんですよ。
○宇都政府委員 先生おっしゃられますように、公用地暫定使用法の制定の期間につきまして議論した時点において、そういう法制局長官の発言があることは承知しております。
○瀬長委員 承知しておるんですね。 そこで、問題は二十年問題に入りますが、気の遠くなるような問題なんです。大体これの切れるのが八七年でしょう。これからなぜ二十年かという問題が今焦点に出ているのです。私がこれまでの、沖縄を除くほかの県で、四十何件あって、長いのが二年五カ月、根岸なんですよ。これは行きました。根岸の住宅地なんです。ところが、沖縄は五年、五年、五年と続いた。今度は切れる。八七年に切れる。さて、今度はといえば、今度もやれということで、これはちょっと年数は気が遠くなるよ。だって、八七年から二十年でしょう。二〇〇七年までですよ。ですから、なぜそういった長期にわたる——今まで沖縄だけでも五年、五年、五年だったんですよね。沖縄以外には長いのが二年五カ月だった。沖縄は特措法で五年、五年、五年と。しかし、最初の法制局長官の話でも、長いと思いますが、特別にひとつというふうなことを言っていたのですよ。ここにちゃんと指摘しているのだから。これは認めた。なぜ二十年か。これは防衛庁長官、答えてください。
○佐々政府委員 お答えいたします。 二十年間にいたしました理由は、先ほど先生御指摘のように五年、五年、五年と、公用地暫定使用法からこの新しい駐留軍用地特措法、これにかけて使用させていただきまして、その間地主の方々と話し合いをいたしまして、九九・六%の方が御納得をいただいて契約になったわけでございます。しかし、百三十六名、百三十一件の方が、これはごくわずかでございますが、どうしても応じていただけない。しかし、私どもといたしましては、安全保障条約は、先ほどの先生と見解を異にいたしまして申しわけございませんけれども、日本の防衛政策上の基本的な柱であると考えております。事実、安保条約締結後、軍事同盟条約を結ぶと戦争になると先生おっしゃいますけれども、二十五年間平和が守られたという歴史的な事実がございますので、私どももこの事実を踏まえて、今後とも日米安保条約を日本の安全保障政策の中軸にさせていただきたいと考えておる。 そこで、米軍の駐留が安定的に行われるためにはどうしても、駐留軍用地特措法でも認めておられますような、公共の福祉のための安定的な使用をさせていただきたい。そして、一番問題になっておりますところの二千平米、これを、一坪運動というのが始まりまして、約二千名の方が、それも沖縄の方ではない方も含めまして一坪運動の所有者がふえてしまった、こういう状況でございますので、安定的使用を確保するためには、民法の契約の最長期であるところの二十年間、この期間は使わせていただこう、こういうことで収用委員会に裁決申請をいたした次第でございます。 安保条約がいつまで続くかわからぬではないかという御指摘があろうと思いますが、安保条約が失効をいたしますれば当然駐留軍用地特措法も失効いたしますので、その時点ではこの土地は直ちにお返しをする、こういうことに相なろうかと存じます。
○瀬長委員 私は、沖縄の公用地暫定使用法でも五年、五年、五年でしょう。それで、沖縄を除くほかの県は最高二年五カ月なんだ。五年、五年、五年が、なぜ唐突に今度は二十年だ。なぜかと聞いておるのですよ。今のような説明を聞いておるのではない。 長官いかがですか。なぜ二十年か。今度は防衛庁長官、答弁してください。——変なことを言うなよ。なぜ二十年か、法的根拠は何か、これをはっきりしなさい。
○佐々政府委員 お答えいたします。 二年五カ月ということで沖縄以外は短く、沖縄は長過ぎる、こういう御指摘でございますが、先生御承知のように、沖縄では四カ所収用しております。この収用というのは長期使用よりもより強い権利の制限でございますが、安全保障政策上どうしても必要なところは内地におきましても収用を行っておる、その二年五カ月の間にお話し合いをして納得していただいた方は契約になっておる、こういうことでございます。
○瀬長委員 防衛庁長官、これは私の質問に答えていないのですよ。一番長いのが、沖縄を除くほかの県では二年五カ月でしょう。沖縄の場合でも五年、五年、五年。なぜ今二十年か。ちっとも答えになっていないじゃないですか。長官、どうお答えになりますか。——あなた、長官がここで一番大将でしょう。なぜ二十年か。何か民法の六百四条を参考にしたとかせぬとかという話も聞いておるのだが、これは別として、なぜ二十年か、はっきり答えてください。これは防衛庁長官、答えてください。
○加藤国務大臣 その理由は、先ほど施設庁長官がお答えしたとおりでございます。そして私、さっき九九・七%と申しましたが、正確には九九・六%ですけれども、その地主の方が御賛同いただいて、そして残りの〇・四のところが一坪地主で、ますます地主の数がふえるという状況というものは、私たち何となく納得できないところがございます。もし御契約いただくならば一年ごとの契約更新で進んでいけるわけでございますので、ぜひその一年ごとの契約に御賛同いただくように御説得をお願いできないものかと思う次第でございます。
○瀬長委員 私も普通語を使っておるのですよ、沖縄言葉はありますがね。なぜ二十年かということなんです。それでは答えにならぬ。なぜ突然二十年か。九六%何とかかんとかは問題にならぬですよ。そうでしょう。今五年、五年、五年と続いたのが、なぜ八七年以降二十年となり、二〇〇七年まで続くのか。どういう発想なのか。これは法的根拠はどこにあるのか。二十年の法的根拠をはっきりあれば答えてください。
○佐々政府委員 お答えいたします。 法的根拠は、駐留軍用地特措法でございます。そのさらに根拠は何かといえば、日米安保条約でございます。 また、二十年は何かというお尋ねでございますが、再々お答えいたしておりますように、民法の契約の最長期期間でございまして、根拠法規は民法でございます。 もう一つ申し上げさせていただきますが、二年五カ月、昭和三十六年十月十二日、根岸住宅地区の例であろうかと存じますが、これは二年五カ月の使用後、お話し合いがつきまして、自由契約となっておりまして、使用させていただいております。もし応じていただけなかった場合には、恐らくその後は更新、更新が続いて、今日でも公用使用をさせていただいておる土地であろうかと存じます。
○瀬長委員 それでもなぜ突如として二十年が出たか。あなた民法六百四条を言うが、とんでもない話だよ。恥ずかしくないのですか。国民をむしろ愚弄しているのですよ。民法六百四条は合意です、あくまで。平等で合意ですよ。これを聞かぬ人が幾らであってもいいと言えるんだ。しかし、合意できないんですよ。何が民法。笑われますよ。恥ずかしくないのですか。これがどうして参考になるか。参考になりません。これをもし参考にしたというのであれば、あなた方の常識が疑われるのだ。あれは対等、平等で、公正で、当事者同士がオーケー、いいでしょうと言って合意したときの話が、あの六百四条の規定なんです。恥ずかしくもなくて、それを参考にしたなどと言う。基本的には、あなたが言った実は安保条約でしょう。そうでないんですか。長官どうなんですか。これは民法と、もし長官が言うのだったら私はちょっと恥ずかしいですよ。どんな学者に言っても、あの二十年使用の民法の六百四条を参考にしました、あれは参考にならぬですよ。なりますか。ならぬですよ。法の常識ですよ。笑われますよ。長官どうですか、参考にしたのですか、しなかったのですか。——いや、いいんです。長官に聞いておるのだ。時間がないから、今こっちから五十二分で終わってくれというのがあるんだ。長官、話してください。
○佐々政府委員 まず事務方からお答えさせていただきます。 この駐留軍用地特措法というのは土地収用法の特別法でございます。その土地収用法の実例を見ますと、二十年はおろか四十年、五十年というのがございます。根拠は憲法二十九条三項と申し上げた方が正確かもしれません。二十年とは何かとおっしゃいましたので、民法に定められておる契約の長期期間であると申し上げたのでありまして、根拠法規は憲法二十九条第三項、私有財産は公共の福祉の用に供する場合にはこれを公共の福祉に用いることができるという規定、これに基づいて駐留軍用地特措法、こういう関係になっておりまして、このもとの法規であるところの土地収用法に二十年、五十年がございますので、非常識であるとは考えておりません。
○瀬長委員 これは大体結論に近づきましたよ。根拠は日米安保条約なんだ。これは憲法二十九条の財産権、「財産権は、これを侵してはならない。」もちろん二、三に「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」当然なんです。 私は今、憲法と安保条約の問題に踏み込んでいます。それで長官に聞きたいのだが、安保体制、安保条約、地位協定も加えて安保体制と言うのでしょう。これは憲法の上にあるのか。優位するのか。憲法が基本で、安保条約は憲法の範囲内でなくちゃいかぬのか。そこら辺は政治判断ですから、施設庁長官ではなくて防衛庁長官が話してください。私はあと十分しか時間がない。
○加藤国務大臣 国際条約と国内法の最高法規である憲法との関係というのは、学会でも非常に大きな問題になることでございますが、政府としての有権的な解釈は法制局長官が行うべきものだと思っております。
○瀬長委員 ここには法制局長官いないのでしょう。防衛庁長官、あなたが一番大将なんだ。だから、大将の防衛庁長官が責任を持ってこのぐらい答弁できないと、二十年問題は解決しないですよ。あれを民法の適用と言われたら笑われますよ。 それで、問題は安保に来たのだ。だから、国の憲法で決められているこの財産権、侵してはならない原則、これと安保条約の関係、どっちが優先するかという問題にもう来ておる。最後の土壇場に来ておるのですよ。どうなんですか。この財産権は侵してはならない。公共の福祉。安保条約は公共の福祉であるかどうか、これにも問題はもちろんあります。 そういう意味で、防衛庁長官は偉いのだから、偉い人が権威を持ってこの安保と憲法、これとの関係、はっきり言ってください。
○加藤国務大臣 私は防衛庁長官でありまして、自衛隊の運用については総理の次に責任のある人間でございますけれども、法律論として憲法と国際条約の関係について、我が国政府がどういう見解を有するかということについて有権的に述べる立場にはありません。
○瀬長委員 防衛庁長官は少し自信がないですね。防衛庁長官であれば、どんなことを聞かれてもぽんと答えるくらいの勉強をせぬと、私は自衛隊の大将ではあるが憲法と安保はどうも苦手だというふうなことではいけない。 これは結論を申し上げますと、口を開けば、共産党は私有財産を没収するのだと、反共攻撃でよう言いますよ。共産党は私有財産を一番尊重するのです。どんな世の中になっても、私有財産が大きくなることを我々は綱領の中にちゃんと書いてある。ところが安保条約は、私有財産について公共の福祉などと言って、公共の福祉のためには財産権は制約を受ける、制約を受けるということは美しい表現でありますが、私有財産の否定につながる。安保条約こそまさに私有財産を否定するものである。私はあなた方の答弁を聞いてその結論しか出ない。 施設庁長官でなく、防衛庁長官どうですか。完全に公共の福祉でなくしてやっているじゃないですか。答えてください。
○加藤国務大臣 先ほどから施設庁長官がお答えしておりますように、例えばある高速道路とか東京都内の環状道路、そういったものを建設したい、そして多くの人がその建設に賛成し、ある意味では九九・五、六%の人が賛成し、〇・四、五%の人が反対した場合に、公共の福祉という観点から土地収用法というものがあるものと私は承知しております。そういった大都会における道路交通の利便を図るというのが公共の福祉であるとするならば、私たち国家を守るということが公共の福祉でないわけはないので、絶対に私は、道路にもまさる公共の福祉であろうと思っております。それによっていわゆる私権が制限されるということは、憲法が予想している法理であろうと思っております。
○瀬長委員 憲法と安保との関係で私の考えを申し上げますが、憲法二十九条第一項は私有財産の不可侵を宣言し、ただ正当な補償を支払うこと及び公共の用に供するためであることの二要件を満たす場合にのみ、その権利等を制限することができるとしているのであり、私はこれまで再三指摘したように、公共の用に供するとは、社会全般の福祉を擁護し、そしてまた増大せしめんとするために、個人の財産権を伏せしめることをいうのであって、米軍基地として所有者の土地を提供するということは、社会全般の福祉とはおよそ無縁な、むしろそれを積極的に破壊させるような場合においては、公共の用に供するものとは言えないのである。私はその考えを持っております。 したがいまして、今言ったように、この安保条約なるものは、実体的に、今の答弁にもあったように、個人の私有財産を公共の用という意味で制約する。私有財産は制約されちゃいかぬ。ですから、まさにこの安保条約、安保体制は私有財産否定の体制だ。 沖縄委でこの前言いましたが、もうほとんど毎日のように婦女子に対する暴行、殺人、無銭飲食。この前も長官に言った、あの恩納村ははげ山になってしまっている。自然の破壊、これは安保体制の中で始められているわけです。目下進行中なんです。そして核戦争の拠点になっている。安保条約こそ、日米軍事同盟こそまさに諸悪の根源である。(「それは見解の相違だ」と呼ぶ者あり)これは見解の相違かもしれないが、具体的に今までの討論の中で、私有財産を安保条約は制限している。これなんです。事実、長官そうじゃないのですか。公共の福祉などということで私有財産を制限している。答弁してください。
○加藤国務大臣 我が国の平和と安全を図るための努力というものは、公共の福祉に適合する任務であろうと思っております。
○瀬長委員 時間が参りましたのでこれでやめますが、私は、最後になお強調したいのは、これはいわゆる意見の相違とかいうものではないのですよ、安保条約そのものは。日米軍事同盟なんです。核戦争もそこから生まれてくるのです。だから、日米軍事同盟をなくして、お別れして、初めて日本国民は主権者となる。民族の自決権、初めて主権者となって真の独立を達成される。ここなんです。 今まで述べたことは、まさに私有財産の否定につながっているという事実をあなた方自身が言ったのです。名前は公共の福祉。美しい名前だ。しかし、実際は没収なんだ。あの略奪なんだ。これを法の衣を着せてやらんとするのが今の二十年問題である。 私は、最後に、断固としてこの平和、さらに民族の主権を守り抜くためにも、安保条約はもちろん廃棄されなくちゃいけないが、この二十年問題、これをぜひ引っ込めて、本当に平和の中で住みたい国民の願いにこたえてほしいことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
○中島委員長 先ほどの小川仁一君の質疑に関連して、防衛庁当局から発言を求められておりますので、これを許します。友藤人事局長。
○友藤政府委員 先ほど小川先生から御質問のありました自衛官の俸給、諸手当はね返り別のアップ率について、御答弁さしていただきます。 一般職と同じ給与種目でアップ率を計算いたしますと、俸給が一万二千五百十四円、五・三六%のアップでございます。諸手当が六百五十四円、〇・二八%のアップでございます。はね返りが百四十七円、〇・〇六%。合計いたしまして一万三千三百十五円、五・七%でございます。 また、自衛官俸給の改定に伴って、俸給を基礎としている航空手当、乗組手当、落下傘隊員手当等諸手当へのはね返り増加所要額は、昭和六十年度分は約百億、五・八%程度となります。 このほか、期末・勤勉手当の増加所要額、三カ月分でございますが、これが約九十五億円程度、五・八%となります。
○中島委員長 小川仁一君。
○小川(仁)委員 私が質問したのは、おたくが配ってくれた資料で数字がわからないから御質問申し上げたのですから、この次からもう少し、人事局並みにきちんとした数字と説明をつけてください。これがまず一つの要望ですが、この表によりますと、「自衛官俸給五・八%(調整手当を含む)」こうなっています。こっちの方は、それをみんな含めても五・七%にしかならないということになると、これはどういうことですか。
○友藤政府委員 先ほどの自衛官俸給のアップ率五・七%と、今お尋ねの五・八%との差でございますが、五・八%と申しますのは自衛官俸給だけのアップ率でございまして、これを改定前と改定後で比較したものでございます。今申し上げました五・七%は、自衛官の俸給に諸手当を加えました額で、改定前と改定後を比較いたしたものでございます。
○小川(仁)委員 そう説明されても、まだ数字は納得いたしませんが、さっきの関係がありますから後でゆっくり聞くことにしますが、はね返りという分についておたくの答弁は百四十七円、〇・〇六%です。私のお聞きしたはね返りというのは、自衛隊に特殊にある手当、例えば飛行機へ乗る、船へ乗るときの手当ですね。この手当は何%上がって、総額幾らになりますか。
○友藤政府委員 お答えいたします。 乗組手当が約五・八八%でございまして、金額といたしましては約四十八億円でございます。航空手当が五・九八%アップをいたしまして、約三億二千万ばかりでございます。それから落下傘手当が五・七%ばかりアップをいたしまして、約二千二百万程度でございます。
○小川(仁)委員 何か、さっきの説明だと、全体で五・八%で百億ぐらいという説明がありましたが、今の計算とちょっと違いますな。
○友藤政府委員 失礼しました。先ほど、落下傘手当は二千二百万の間違いでございました。失礼しました。
○小川(仁)委員 総計を聞いているんだ。どうも私の質問が悪いのかな。私が聞いたのは特別手当。それは落下傘部隊も飛行機へ乗っている手当も含めて、さっき事務局からお聞きしたら、五・八%の増で総金額にして約百億ぐらいというふうに聞いたんですが、あなたの御説明と違うので、また時間がかかってしまいましたが……。
○友藤政府委員 先ほどちょっと御答弁いたしましたけれども、航空手当、乗組手当、落下傘手当等諸手当へのはね返り増加所要額、六十年度は約百億、五・八%程度ということでございます。
○小川(仁)委員 そう答えてくれれば早かったのに。——それで、学生手当の方が八%アップしたのはこれはどういうわけですか。
○友藤政府委員 学生手当でございますが、これは防衛大学校、医科大学校の学生に支給する手当でございますが、御案内のとおり、これは高卒の初任給を基準にとっておりまして、それから糧食関係の経費、それから医療経費、こういったものを差し引きました残りを学生手当として支給をいたしておるわけでございますが、今回差し引く控除額の方が変化がございません、物価等の値上がりがございませんので、そのまま据え置かれておりますので、初任給が上がりました分、四千八百円でございますか、これがアップをいたしましたので、八%という金額になっております。
○小川(仁)委員 それからあと一つです。本俸の中に、自衛官の俸給の中に調整手当を入れておりますが、調整手当というのは、その地域に住んでいる人、物価が高い東京とか大阪、そういうところに住んでいる人たちに支給する手当でしょう。そうすると、これを平均化して俸給に繰り込みますということは、給与の性格からいってもおかしい。もしそういうふうに諸手当を平均化して俸給の中へ打ち込んでしまうとすれば、寒冷地手当だって同じようなことをしなきゃならぬ。異動が激しいからといっても、手当を俸給の中に平均化して繰り込めるという考え方は給与法になじまない。よって、これは今後やめてもらえますか、どうですか。
○友藤政府委員 今お尋ねのありました調整手当の組み込みでございますが、これは自衛隊創設以来、先ほどお言葉のございましたように、自衛官が入校、転属等が非常に頻繁にございまして、その都度給与が変動するということでございますと、円滑な異動等に支障を来すということで、これは自衛隊の有事即応態勢といった面から要請がございまして、現在までそういった調整手当を組み込んでおるわけでございまして、私どもといたしましては、何とか自衛隊の任務の特性を維持する上からも、こういった方式については御理解を賜れればと思っておるわけでございます。
○小川(仁)委員 そろそろ質問をやめなきゃならない時間になりましたけれども、それなら「給与の例に準じて」などということをこれからお書きなさぬな。給与の例に準ずるということは、一つ一つの手当なりあるいは自衛隊の特別必要な手当はそれでもっていいですよ。しかし、公務員全般にある手当をそのような操作をしますと、俸給体系から何から全部崩れてしまうと私は思います。今までやってきたからといったって、それが間違っておったと思ったら直して構わないんです。俸給額を上げたかったら、そういうこそくな、調整手当などを平均化するなんということをやめて、俸給を上げたらいいじゃないですか。調整手当ですよ。いつこれがなくなるかわからない性格のものです。手当ですから基本給と違います。また、去年までの退職金にしてもあるいは年金の掛金基礎にしても、自衛隊の皆さんは調整手当をぶち込んで入っている。ほかのところはそれは入ってないでしょう。こういったような矛盾も出てくるはずであります。したがって、やはりきちんとして整理をし、再検討することを要望して終わります。
○中島委員長 戸塚進也君。
○戸塚委員 最初に、私ども自由民主党の立場からも、もし今回の給与改定の法律が通りましたならば、年内支給ができるように万全を期していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 人事院総裁にお尋ねをいたしたいと思いますが、今の人事院勧告という制度はベストとお考えであるか、あるいはもしベストでないとするなら今後どういう点を改革したらいいとお考えなのか、その点を伺いたい。
○内海政府委員 物が絶対的にいいとかあるいは悪いとかということはなかなか決まらないものでございまして、現在の勧告制度、またその制度の中における勧告というものは、三十数年に及ぶ長い経験、その間にはいろいろな改善、改正も行って今日に至ってきておるわけでございますから、私は現時点における給与勧告制度及び勧告の仕方というものは善である、かように思っておりますから、今後もこれをぜひ継続させていただきたいと思っております。 しかしながら、常に実情、客観的な条件に対応して改善すべきものは改善し、また研究して、いいものを取り入れるためには取り入れていく、これは怠ってはいけません。そういう意味では、今後とも、まだまださらによりよくするための努力は必要であろう、こういうふうに思っております。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○戸塚委員 国民、庶民の中には、この人事院勧告のときに使う民間の平均の給与のとり方が、農家とかあるいは本当の零細企業、そういう人たちの分も当然取り入れるべきだ、こういう意見もありますが、それについてはいかがですか。
○鹿兒島政府委員 昭和五十七年の臨調の基本答申におきましても、小規模事業の調査をすべきだ、こういう御意見がございまして、私ども五十八年以来、小規模事業につきましても、規模はわずかでございますが、調査を継続いたしております。ただ、その調査の結果はまだ公表はいたしておりませんけれども、これまでの三年間の経過を見ておりますと、例えば賃金台帳が十分整備されていないというようなこともございましたり、あるいは採用の人員が極めて少ないというようなことがございまして、現在の段階ではまだこれを十分しんしゃくするという状況にはございません。今後とも検討を続けたいと思っております。
○戸塚委員 不快職がたくさんございますけれども、この不快職に従事している職員についての今後の処遇について、今後ともさらに前向きに考えてやってほしいと思うが、いかがですか。
○鹿兒島政府委員 いわゆる不快職でございますが、不快職でございますとか、あるいは危険な業務でございますとか、あるいは肉体的に非常に労苦があるとか、さまざまな職種がございます。これらの職種につきましては、基本的には給料表、あるいはその給料表の一部をなします俸給の調整額、こういうもので措置をいたしますと同時に、ごく特定のものにつきましては特殊勤務手当という形で措置をいたしております。これらの職務の内容につきましては今後も真剣に検討いたしまして、しかるべき待遇、処遇を実施してまいりたい、かように考えております。
○戸塚委員 我が委員会には在外公館の小委員会がありまして、先般、深谷小委員長の所見も出たところでございますが、外地での非常に大変な勤務を余儀なくされている外交職員に対する今後の予算もあるわけでございますが、その辺のことについて外務省から決意のほどを伺っておきたい。
○平林説明員 お答え申し上げます。 当内閣委員会におきましても、在外公館の機能強化あるいは体制の強化につきましてはかねてから大変な御理解と御支援をいただいておりまして、そういう御支援のもとに、在外公館職員の給与につきましても鋭意改善のために努力してまいりたい、こういうふうに思っております。特に自然環境あるいは治安その他いろいろな点で、我が国よりはるかに劣る地域が在外公館の数といたしまして三分の二くらいございまして、そういう地に勤めております在外公館の職員が、生活のための苦労を余りすることなく、本来の職務であります外交に専念できますように、我々としては財政当局とも協議をしながら鋭意改善に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○戸塚委員 地方公務員のラスパイレスの最近の傾向、それからそれに対する指導の現在の状況、これを伺います。
○池ノ内説明員 地方公務員の給与水準をあらわす指標といたしまして、ラスパイレス指数というものを設けております。国家公務員を一〇〇といたしまして、一番新しい指標といたしましては、五十九年四月一日現在で全団体で一〇五・六という状況になっております。これは適正化措置等によりまして五十年以来かなり低下をしておりますが、なおいまだ一部の団体におきましては適正化が進んでいない、こういう状況がございます。したがいまして、自治省といたしましては、そのうち著しく不適正な団体につきまして、個別指導団体ということを指定いたしまして、現在個別指導を行っているところでございます。
○戸塚委員 自衛官の災害出動等の手当について伺いたいが、ちょうど私が参議院議員の当時に伊豆地震があって、そのときには、自衛官は二十四時間命を的にして働くのが当たり前だからといって、全然手当も何もなかった。お願いしてビールだけ一本程度飲めるようになったようですが、その後大分改善されていますが、これでは不十分だ。自衛官だって、災害やその他へ出た場合についてはもっと十分な処遇をしてあげるべきだ、私はこう思いますが、この点の方向はいかがですか。
○友藤政府委員 御案内のとおり、自衛官につきましては、その俸給の中に超過勤務手当相当額が組み入れられてあるわけでございますけれども、この金額につきましても、先ほど来御議論がございましたように、日航機事故の際の警察官と自衛官との格差がやはり手取り額で相当あるのではないかというようなお話もございまして、私どもとしましては、給与制度等が異なりますので比較はなかなか難しゅうございますけれども、実態として制度上、自衛官に相当な格差が生じておるというようなことでございますと、やはり士気の上からも何らかの手を打っていかなければいけないのではないかと思っております。したがいまして、今後こういった超過勤務の実態等についても私どもとして調査をいたし、検討いたしてまいりたいと考えております。
○戸塚委員 ただいまの点について長官から御所見を伺いたいのと、ついでに長官から、長官は党の部会に出てこられたときに、自衛官の住宅の改善について非常に努力をされるということのお話があったのですが、月原委員のように現実に御体験された方の話によりますと、自衛隊の官舎に入っていれば円満な夫婦生活もできない、こういうようなことも聞いているわけでありまして、これは人道問題だというふうに思います。この点について大臣、どういうふうに決意をして、しかも実行していらっしゃるか伺いたい。
○加藤国務大臣 私たち、先般のJAL事故のときに、六百六十円は少ないではないかという御同情をいただきました。私たちも、この手当につきましては、ほかの公務員、特に警察官と違って、常に超勤する仕組みに、精神になっておるものですから、単純な比較は無理だろうなと思っておりますが、今後ともできるだけ改善していきたいと思っております。 しかし、今戸塚委員御指摘のように、手当についてはもちろん多ければ多いにこしたことはないのですが、それよりも、隊員が今一番不満に思っておるのは住居じゃないでしょうか。特に、若い隊員が二段ベッドで一部屋に十一、二名入っておるような宿舎がかなりあります。過半数はそれじゃないかと思っておりますけれども、最近はどこどこの電子工場に勤めていても個室をもらうような時代に、十二、三名というのはやはりいい隊員が集まらなくなってまいります。それから九・五坪で家族が住んでいるような住宅もありますので、手当の問題もぜひお願いしたいけれども、住居についてはぜひ私たちはしっかりやっていかなければいけない。 それで、現在、六十一年度の要求でも、こういった生活環境、後方については精いっぱいの努力をする予算要求をいたしておるところでございますので、御支援をお願いできればと思います。(発言する者あり)
○戸塚委員 今野党の議員の先生方からも、頑張れ、しっかりやれという声なんですから、大臣ひとつしっかり頑張っていただきたい。自衛官の人たちが安心して生活できてこそ、初めて日本の国の平和があると思います。その点についてしっかり頑張っていただきたい。 次に、防大学生が卒業されてから任官する人がどのくらいで、全く任官もしないでどんどんやめていく人がどのくらいあるか、実態を聞かしてください。
○大高政府委員 お答え申し上げます。 最近の防衛大学校の卒業並びに任官拒否者の状況でございますけれども、卒業者数に対して平均いたしまして五カ年で七%の任官拒否という形になっております。ちなみに六十年度をとりますと、三百九十名卒業いたしておりまして、任官を拒否いたしましたのはそのうち三十八名、比率は一〇%という状況になっております。 その理由でございますけれども、六十年度の場合でございますと、腰痛とかあるいは身体的な理由によりまして学校当局がやむを得ないというふうに認めましたものが十名、その他大学院等へ希望するものあるいは家庭の事情によるもの、こういったものが二十八名という状況になってございます。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○戸塚委員 やむを得ないものは仕方がないと思います。しかし、本当に自衛官になりたいと思って試験を受けて、多少頭が低いのでということで落ちた人のことを考えてみますと、大事な国のお金を学生としてもらって、給料までもらって、それで自分の都合でやめるという人はお金を返してもらっていますか。私は返していないと思います。防衛医大の場合は返す制度があるはずです。少なくともやむを得ない事情以外は、国でかけたお金は返してもらうべきじゃありませんか。
○大高政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、防衛医大の卒業者に対しましては、勤務義務年限九年というのを設けまして、その期間内に退職いたしますと一定の償還金を徴収する、こういうことにいたしておるわけでございますが、防衛医大の卒業生につきましては、これらの者が医師国家試験の受験資格という非常に社会的に価値の高い資格を与えられるということで、受益の公平の見地に立ちまして償還をさせているものでございます。 一方、これに対しまして、防大の卒業生の方は特別の高資格はもちろんないわけでございます。それからまた、さらに三つばかりの理由によりまして償還金制度というのをとっていないわけでございます。 一つは、防大の卒業生というのは幹部自衛官になるわけでございますけれども、指揮官として旺盛な責任感、それから判断力、実行力というものを伴った識見と能力、こういうものを養成する必要があるわけでございますが、こういったものにつきましては強制されて育つものではございませんので、やはり日ごろの教育訓練、それから自然に自啓自発と申しますか、自発的な努力によりまして培われていくべきものであろうというふうに考えております。さらに、仮にこういった償還金制度をとりました場合におきましては、身体的な障害によりまして勤務に自信がないとか、あるいは勤務する意思のない者、これが卒業時に償還金を納入できないということを理由に漫然と勤務を続けるといった危険もあるわけでございまして、部下との信頼関係、それから指揮統率の非常に重要な自衛隊におきまして、こういった指揮官がいるということは問題を生ずるおそれがあるというふうに考えるわけでございます。また、いま一つは、償還金さえ払えば簡単に退職できるというような風潮が生まれまして、会社等からの引き抜きといったものにも乗りやすくなるという問題があろうかと思います。 私どもといたしましては、こういった任官拒否者が出るということにつきましては非常に残念に思っておるわけでございまして、一人でも少なくなるように校長以下懸命の努力を続けておりますけれども、今申し上げました理由によりまして、身体の必ずしも自衛官に向かない音あるいは幹部として必ずしも積極的に勤務する意思のない者、こういう者を無理にとどめることによりまして、全体の組織として必ずしも有効に機能しないというのを避けることもまた大事ではなかろうかというふうに考えております。
○戸塚委員 十人に一人ということをよく考えてください。それから、あなた方防衛庁は、入学のときに何十倍という学生の中から、あらゆる角度から意志堅固な、指揮官に合う、しかも健康もすべてすぐれている人を採っているはずじゃありませんか。それが百人に一人がやめるならわかるけれども、十人に一人がこのような形になるということは甚だ問題だと思う。大臣、これはひとつ研究していただきたいと思いますが、いかがですか。
○加藤国務大臣 ことしは特に多かったようでありまして、ふだんは三十人前後なのではないかと思います。大体五百人前後を採りまして、一年目に百人ほどやめるようであります。ほかの大学と違いまして、物すごい体力的な訓練もしますので、やはりその部分についていけないというのが一番多いのではないだろうかなと思います。そこに残りますと、最後は四年までいくようです。 そこで出てまいります二、三十人。三、四十人の問題があります。土田校長も必死になって一人一人説得し、それぞれが無責任に任官拒否をしているのではないという感触をつかんでおられます。したがって、銭金の問題で済む話とか、それを返させたから納得できるという話ではないのではないかな、こう思っております。しかし、その部分は一般の国民の税金でもありますので、今のような御意見も大分ありますので、これからも考えてまいります。 ただ、さっき局長が言いましたように、償還金を返せないから司令官の道をそのまま歩まれても困るという部分はどうしてもあることは、御理解いただきたいと思います。
○戸塚委員 大臣、よくわかります。いろいろな事情があることは十分わかる。しかし、国民の大事な税金で、しかもまだ厳粛な試験を受けて、意志堅固で立派な体力の者を採用してあるのに、大臣がお話しのように五百人の人が一年目に百人やめて、それからまた最後まで卒業した人が一割任官しないというのは、私は重大問題だと思う。この点についてはひとつ十分研究していただきたい。重ねてもう一回お願いしたい。
○加藤国務大臣 最初の試験に合格させるとき、意志堅固であるか、それから身体的に問題ないか、そういうところも含めまして適格者を選考するということは絶対に必要なことだと思います。そういう点も含めまして御指摘の点については十分検討してまいりたいと思います。
○戸塚委員 この法案の提出者である所管の総務庁長官として、お尋ねしたいと思います。 私は、公務員と民間の交流ということを二十一世紀の国の政治や行政、地方の行政等の夢にしているわけです。お役人さんも立派だけれども、民間人にも実に立派な見識を持っている人がいる。行政の管理能力もある人がいる。一方、お役人さんもたまには民間の風に当たって、なるほどなかなか民間も厳しいな、こういうことも感じていただく必要があると思うし、私はそういうことをこれから大いにやっていただきたいと思うが、大臣いかがでしょう。
○後藤田国務大臣 公務員の人事管理というのは、会社でも同じだと思いますけれども、やはり成績本位、能力本位、そして適正な人事を行う、公平な人事を行う、これが基本であろうと思います。 ただいま御質問の、民間人をもう少し採ったらどうだ、こういうことですが、大学の教員等特殊なものにはそういう制度があるようです。しかし、何といっても資格の問題がございますから、そういった点も頭に置きながら、方向としましては例の選考任用の範囲内でもってできるものを前向きにやるべき筋合いであろう。と同時に、それよりも、本当は民間との人事交流が検討すべき課題ではないのか、実はかように考えておるわけでございます。
○戸塚委員 私も、今大臣が後段お話しになった民間との人事交流を申し上げたのです。私の言い方が悪かったかもしれませんが、ぜひこれを今後重点的に推進していただきたい、そのことをお願いしたいと思います。 それから、大臣にもう一つ申し上げたいのは、国家公務員の婦人を大いに登用といいますか、最近は各役所にも大分婦人の課長さんがふえてきたりして、私は結構なことだと思います。お役所で女性と男性を区別しているとは決して思わないけれども、国家公務員の職場にも積極的に女性が責任持った立場に立つことはいいことだと思います。この点大臣いかがでしょう。
○後藤田国務大臣 まだ官庁も、婦人を積極的にどんどん採用するというところまではいってないと思います。しかし男女雇用均等法も成立をしておりますし、私は方向としましてはもう少し婦人を採用する方向でいくべきであろう、こう考えるのです。 ただ、言葉は誤解を与えるといけませんけれども、男女は基本的に平等ですね、そういう扱いをしております。しかし、男女は同等ではないんですよ、体格差がありますから。そこで、男の職場でないと勤まらないところもありますから、全部が全部というわけにいきません。しかし、御趣旨のような線に沿って、今後は積極的に公務員にも御婦人を採用していくということは適切なことであろう、かように考えます。
○戸塚委員 文部省に二点だけ伺いたいのです。 国立の大学教授などの場合は、教授に一遍なってしまうとほとんど定年退官までシーリングも何もない。我々国会議員のように二年八カ月でシーリングする必要はないけれども、しかし少なくとも大学教授たる者は、五年なり何年なりの区切りを持って、この教授は学会にどんな発表をし、どんな実績を持ち、どういう活動をしたかということをチェックして、その上で、この教授は大学教授として適切であるかということで、任期制を採用すべきじゃないかと私は思いますが、これについてどうお考えになるか。 もう一つは、いわゆる小中学校の先生も含めて、最近、海外へ行かせたり民間に行かせたり、随分やっていますが、なおもっともっと、学校の先生は一生の間に一度くらいは海外へも行って勉強する、そのくらいのことでないと、学校の先生になってしまったら、学校社会だけにずっといたら、その先生に教えられる子供は不幸だと思うのです。こんなに速い時代ですから、先生方にもっともっと社会を広く見てもらい、見識を積んで子供たちを教えるということが必要だと思うが、その二点を伺いたい。
○佐藤(禎)説明員 前段の、大学の教官の大事につきましては、閉鎖性を排し、あるいは活力ある教育研究活動を展開するという観点から、任期制あるいは業績の審査、こういったお考えが提案をされております。先生のただいまの御指摘も、こういう考え方を背景にしたものと理解をいたしているわけでございます。 ただ、我が国社会全体に終身雇用制といった意識が強くて、流動性が高くないという実態もございますし、また公務員制度との兼ね合い、さらには教員大事につきましては大学自治の根幹でございます。これにかかわりますので、この見地から慎重に対応する必要があると考えておるわけでございます。まずは、当事者であります大学や教員自身がこのことを自覚、認識をいたしまして、現行の枠の中でもできる限り業績公表その他の試みをしていただきたい、こういうふうに私ども念じておるわけでございます。 後段の、海外へという件につきましては、私どもかねてそのような施策をとってきておりますが、今後とも引き続き応援のほどをお願い申し上げたい、かように考えております。
○戸塚委員 最後に総務庁長官にお尋ねいたしますが、二、三日前の新聞に、総理大臣や閣僚の月給より政務次官の方が多くなってきたというような記事が出ております。諸手当を入れたらそうでもないよと政府関係者が言った、こんな記事まで出ておりますが、それは総理大臣や大臣が月給を返上しているから偉いという書き方じゃなくて、何となく格好もおかしいなというような論調のようにも私には思えます。もちろん総理を初め閣僚の皆さんが、そうやって率先して公務員さんの立場や国民の気持ちを考えてやることはわかりますが、やはりいただくべきものはしっかりちゃんといただく、また確かに身を処するところはきちっと身を処する、これが総理大臣や閣僚のあり方じゃないかと思います。どうか、これは担当大臣でございますから、総務庁長官から総理にもお話しになって、総理、ひとつ大臣の月給ももとに戻しましょう、そういうことをおっしゃる気持ちはありませんか。
○後藤田国務大臣 御趣旨は全く賛成でございます。ただ、やはりこういった厳しい財政状況の中で給与の改善をやっておるわけですから、やはり政治の姿勢として、大臣は昇給した分は国庫に返納するというのが今日的な段階においてはあるべき姿であろう、私はこう思います。 ついでに政務次官も一緒に下げたいのですよ。だけれどもそうはいかない。それはなぜかならば、あれは寄附禁止の規定がある。それで、国務大臣についてだけはこれは寄附してよろしいという法律改正までやって、今日に至っております。したがって、今回はやはり政務次官はそういうわけにはまいらぬということで、一見奇異なような結果になった、こう思います。 しかし、いずれの日にかこれはやはりあるべき姿に返すべきが筋であろう、かように考えます。
○戸塚委員 終わります。
○中島委員長 これにて質疑は終了いたしました。 —————————————
○中島委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。石川要三君。
○石川委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、去る八月七日の給与の改定及び休暇制度の改定に関する人事院勧告に基づき、給与改定については本年七月一日から人事院勧告どおり俸給表等の改定を行うこととし、休暇制度の改定についても人事院勧告どおり改定しようとするものであります。 今回の措置は、労働基本権の制約、良好な労使関係の維持、公務員の士気、生活への配慮、現下の経済社会情勢、国民世論の動向等を総合的に勘案して決定されたものであります。 我が党は、人事院勧告制度の趣旨にかんがみ、勧告は原則として完全に実施すべきものとしておりますが、本年度の財政事情は昨年にも増して厳しいものがあり、政府においても引き続き行財政改革を進めているところでありまして、今回の措置はやむを得ないものと考えます。 政府におきましても、昨年度の官房長官談話を踏まえ、最後まで勧告の完全実施に向けて努力を尽くし、その結果、完全実施を行うには至らなかったものの、過去二年間のような政府による俸給表の作成は避け、勧告の内容には手をつけず実施時期を調整するという方法をとることにより、人事院勧告制度を尊重する姿勢を一層明らかにしているところであります。 このような状況のもとにおいて、今回の措置は十分とは言えないまでも、やむを得ないと認めるものであります。 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の両案は、一般職の職員の給与改定に伴いまして、特別職の職員及び防衛庁職員についてもこの給与を改定しようとするものであり、ただいま申し上げました理由により、これら給与三法律案につきまして賛成するものであります。(拍手)
○中島委員長 小川仁一君。
○小川(仁)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま上程されております人事院勧告に基づく一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。 本年の給与法の改正は、総務庁長官を初め政府の給与担当大臣らと公務員組合との交渉がスムーズに行われており、結果的には、一応の不満を残しながらも政労間の交渉が進んだことは評価いたします。それは、昨年来の総務長官等の声明、談話等によって、来年度は完全実施を行うことが明確になっていることも一つの要素になっていると言えます。本年は完全実施が行われませんが、来年以降は完全実施されるものと信じております。 さて、反対の理由は、本年度の改正は、人勧五・七四%ではありますが、七月実施では四・一%の改定率であり、依然として約一六%の減であり、公務員は四、五、六月の給与と夏期の手当を加えた分の実損をこうむっております。本年で七年間の抑制、凍結の状態は大きな問題であり、承知できません。 また、俸給表の全面見直しは公務員処遇改善への配慮が不十分であり、加えて成績主義、人事管理面が強化されており、公務員の不満が募っています。再検討の必要があります。 加えて、調整手当制度は九%から一〇%への引き上げが行われましたが、地域格差の拡大になります。級地指定が行われないため地域格差が一層拡大し、矛盾が広がっています。その地域に勤務する公務員の士気にもかかわることなので、至急再調査の上是正されるべきであると考えます。 休暇制度については、明治六年の太政官布告が近代的に法的整備されたことは一つの前進でありますが、しかし、時間短縮の配慮が不足し、週休二日制への積極的な取り組みが不十分であることを指摘しなければなりません。 防衛庁の給与法案は、「例に準じて」と言っていますが、調整手当の平均支給等を含めて給与、手当について再検討されるべきものであると考えます。防衛庁は、「例に準じて」という立場で給与について見直しをすべきであります。 最後に、人勧制度は形骸化しています。基本的に公務員の賃金、労働条件の決定手続を改める必要があります。公務員労働者代表をも加えた新しい制度の検討を要望して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○中島委員長 市川雄一君。
○市川委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案外二法律案に、反対の討論を行うものであります。 公務員給与については、昭和五十七年以来、給与勧告の凍結または大幅抑制という極めて不健全な措置が継続してとられております。 公務員給与の改善に関する人事院勧告制度は、公務員について労働基本権が制約されていることの代償措置として設けられた経緯があります。すなわち、今日において公務員に対する適正な給与の処遇は、人事院勧告の完全実施以外に道はないのであります。 政府は、人事院勧告抑制の理由として、財政難による人件費削減の必要性を強調しております。どうしても人件費削減が必要であるというのであれば、従来から我が党が主張してきた徹底した行財政改革を断行し、あわせて自然退職者に見合う新規採用者を極力抑制するなど、公務員の定数を削減するという人件費総額を削減する方法によるべきであります。 殊に、行政の高度化、複雑化という状況の中で公務員の果たす役割は年々重要性を増してきております。そのためにも、必要な勤務条件の確保など、公務員が安心して職務に精励できる措置をとることは必要不可欠であります。特に今日では、勧告の抑制による公務員の勤労意欲、士気の低下を心配する声も聞かれる状況であります。 我が党は、人事院勧告制度を形骸化させる政府の給与抑制策には強く反対するものであります。そして、一日も早く勧告の四月完全実施を図るよう要求するものであります。 このような立場から、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案外二法律案に対して反対するものであります。(拍手)
○中島委員長 田中慶秋君。
○田中(慶)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を初めとする給与関係三法案に対し、一括して反対の討論を行うものであります。 人事院勧告制度は、言うまでもなく国家公務員から労働基本権を奪う代償措置として設けられたものであり、政府は勧告を尊重し、その完全実施に向けて最大限の努力をすることが常に求められているのであります。それなくして、公務能率の向上も、国民の信頼にこたえられ得る安定した公務行政も望み得ないからであります。 民社党は、このような観点から、政府に対し、人事院勧告の完全実施を強く求めてまいりました。さらに、勧告の完全実施に伴う総人件費の膨張については、公務員総数の大幅純減、公務能率の向上、経費の節約などの行革努力により、これを抑制すべきことを提唱してきたのであります。 しかるに、政府は、口では、人事院勧告制度を尊重しその完全実施に向けて最大限努力すると再三言明しておきながら、五十七年度以来、勧告の凍結、抑制を繰り返してきたのであります。言行不一致も甚だしく、極めて遺憾であると言わざるを得ません。 今回提出されてまいりました政府案は、給与改善率こそは勧告どおりでありますが、給与改定の実施時期を七月におくらせるなど、勧告の完全実施を再び見送ったものであります。我々はこれを認めるわけにはまいりません。 財政事情を理由に公務員の給与を抑制するということは、政府の行革努力の不十分さのツケを公務員に押しつけるものであり、筋違いも甚だしいものであります。政府の責任はまことに重大であります。 政府は、今後二度と勧告の抑制措置を講ずるべきではありません。公務員総数を大幅に純減するための計画を着実に実行するなどの徹底した行政改革努力を行い、人事院勧告の完全実施を図るべきであります。 以上、給与関係三法案に対する反対理由と、今後人事院勧告についてはこれを完全実施をすべきことを政府に求め、私の反対討論を終わります。(拍手)
○中島委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、給与関係三法案いずれにも反対の討論を行います。 まず、一般職職員給与法改正案についてであります。 憲法では、労働者の生存権確保の基本的権利として、公務員労働者を含めたすべての労働者に労働基本権を保障しています。労働基本権は、単に経済的利益に関する権利にとどまらず、政治的要求を含む幅広い勤労者の基本的権利であります。当然のことながら、労働基本権には初めから代償措置が成り立つ余地はないのであります。にもかかわらず、政府は、公務員労働者の労働基本権剥奪の代償と称して人勧制度を設けておきながら、四年連続の凍結、抑制の上に、さらに今年度も実施時期を三カ月おくらせました。このため、給与改善の値切りは期末・勤勉手当を含めて四・九カ月、平均一人七万円に上ります。これは人勧を設けた経緯からしても、また広範な公務員労働者の人勧の値切りなしの実施という最低限の願いをも踏みにじるもので、断じて容認することはできません。 また、職務給強化を内容とする俸給制度の再編成は、特権的官僚制度を温存する一方、能力主義管理によって公務員労働者への分断支配を強め、自民党政府と財界に忠実な公務員づくりを目指す臨調路線に追随するものであります。 休暇制度についても、生理休暇の廃止という問題があります。人事院は、特別休暇から生理休暇を除外して病体扱いにすることを公言しています。これは母性を保護するという立場からも、また病休が勤務成績に加味され賃金に影響し、女性の差別にもつながるという原則的問題であるということからも、到底認められるものではありません。 次に、特別職職員給与法改正案についてであります。 本案は、総理大臣や国務大臣など、現状の給与水準でも国民一般の生活実態からして高過ぎる給与をさらに引き上げようとするもので、到底国民の理解を得られるものではありません。 防衛庁職員給与法改正については、憲法違反の軍隊の隊員給与改定でありますが、曹士隊員とその家族の生活を防衛することは必要であります。そうした点から見て、今回の改定は、人勧値切りの一般職に準じた措置であり、反対であります。 なお、今回の給与改善を予算に追加すれば、政府の公約である軍事費がGNP一%の当初見通しを一時的にせよ超すことになるのであります。このことは、自衛隊の正面装備費などの軍事費の大幅削減が緊急不可欠な課題であることを示したものであり、改めて軍事費の大幅削減を強く要求して、三案に対する反対討論といたします。(拍手)
○中島委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○中島委員長 これより順次採決に入ります。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律象について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可欠すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○中島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時四十八分散会 ————◇—————