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103回国会衆議院1985/12/11

石炭対策特別委員会 第2号

発言数
141
登壇者
15
会派数
5
開催日
1985/12/11

会議録

小川省吾日本社会党・護憲共同

○小川委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田利春君。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 今臨時国会初めての石炭対策特別委員会でありますが、既に通産大臣は、第七次政策に引き続いて新しい政策についての諮問を石炭審議会に行っておる、こういう状況でありますので、これらに関連して若干質問をいたしたい、かように存じます。  九日のOPEC総会では、OPECの石油の正当なシェアを確保するという決議が行われて、これをきっかけにして、もうスポット物では一・七ドルないし一・九ドル価格が下がっておる。しかも、今後恐らく一〇%程度、三ドル程度の原油の価格が値下がりを示すのではないかなどと既に報道されておるのであります。最近の石油価格の動向には、いわば目を離すことのできない状況がこれから続くであろうという状況であります。そういう状況でありますけれども、しかしエネルギーの需給の長期的な見通しについて、今すぐそう重大な変更というものはないのではないのか、短期的にはいろいろあるでしょうけれども、中長期的にはやはり従来のエネルギーの需給見通し、このものはそう変わりはないのではないのか、こういう感じが実はするのであります。  八三年の五月に、第九回のIEA閣僚会議で報告を採択いたしておりますけれども、そういう意味で、今日のエネルギー情勢は一体中長期的にどういう視点で見るのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。

野々内隆資源エネルギー庁長官

○野々内政府委員 御指摘のとおり、石油に関しましては最近目まぐるしい変転がございまして、特にスポット価格につきましては、GSPを上回るような状態まで一時的に上がってまいりましたが、最近はまた下落傾向かと思います。ただ、全体といたしまして、御指摘のように、需要面につきましてはそれほど大きな変化がないと考えておりまして、我が国のエネルギー需要は五十五年度から三年連続して減少いたしておりましたが、五十八年度、九年度と増加に転じておりまして、五十九年度では前年比五・三%増という状態になっております。原油換算では四・三六億キロリットルというのが五十九年度のエネルギー総供給量でございます。  五十八年の十一月に「長期エネルギー需給見通し」というものが策定されまして、私ども現在これの変更の必要はないというふうに考えておりますが、今後我が国のエネルギー需要は、経済成長に伴いまして緩やかな増加を示すという考えております。六十五年度には原油換算で四・六億キロリットル、十年後の七十年度には五・三億キロリットルというふうに見通しがつくられております。  五十八、九年度のエネルギー需要は、この長期見通しては二・二%と年率で言っておりますが、これを若干上回った伸びになっておりますが、これはこの二年度の特殊な需要の要因と考えておりまして、例えば気候の要因、夏寒く、冬暖かいとか、あるいは景気循環の中の上昇局面というような一時的なものが多いと考えておりまして、六十年度に入りまして需要の増加傾向が弱まっておりますので、長期需給見通しの方向に沿って当面動くのではないかというように考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 今日の石油の価格の動向、需給関係の動向というものを判断いたしますと、世界の石油の生産量というのは、大ざっぱに言ってダウンいたしておるわけです。しかも、OPECと非OPECのシェアはほぼ逆転的な傾向にあって、OPECだけで見ますと、大体がつての生産量の半分という状況が今日のOPECの状況だろうと思うわけです。このことは、やはりOECD関係の脱石油政策を積極的に進めてきた、いわば石油代替エネルギー政策、省エネルギー政策というものもずっと地道に着実に進めてきた、こういうような政策の結果、いわば石油価格についても、エネルギー価格の面についても影響を与えてきたものと一応理解できるのではないか、そういう側面というものも正しく我々は評価していいのではないか、こう実は考えるのであります。したがって、石油代替エネルギー政策、省エネルギー政策というものは、そういう石油価格の多少の動きはあるけれども、やはり基本的にこの方針は堅持されるべきもの、こう思いますけれども、いかがでしょうか。

野々内隆資源エネルギー庁長官

○野々内政府委員 御指摘のとおり、従来から進めておりますエネルギー政策の重点というものは、今後も引き続き進められるべきであろうと考えております。  国際エネルギー需給は現在緩和基調で推移をいたしておりますけれども、今後発展途上国を中心にエネルギー需要が増加するであろうと言われておりまして、国際石油需給は、中長期的には再び逼迫化の可能性があるというふうに考えられております。IEAがつくっております公式の見通しでも、一九九〇年に大体プラス・マイナス百万バレル・バー・デーぐらいの超過需要、紀元二〇〇〇年には四百万から八百万バレル・パー・デーの超過需要というものが見込まれております。  我が国といたしましても、やはりエネルギー供給の相当部分を輸入に頼っておる、そういう非常に脆弱なエネルギー供給構造がございますので、今後とも日本の経済の持続的な成長あるいは国民生活の向上ということを考えますと、エネルギーの安定供給基盤というものを一層強固にする必要があると思っております。このためには、やはりエネルギーコストの低減というような要請も配慮しながらも、セキュリティーの確保ということを基本として、着実かつ計画的に石油の安定供給の確保あるいは石油代替エネルギーの開発導入、あるいは省エネルギーの推進というような従来の柱は総合エネルギー政策という形で進めてまいる必要があるというふうに考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 通産省は、既に六十一年度のエネルギー関係の予算要求を大蔵省に提出いたしてあるわけであります。いわゆる石油税四千七百五十億円、石炭勘定一千百五十一億円プラス九十八億円で一千二百四十九億円、それに電源開発促進税、この三つの柱からなっておるわけですが、問題は従価税の石油税の問題が再び大きな問題になろうかと思います。今の動向では、価格が下がって円高傾向が続いている。二割近い円高。一方においては三ドル近く下がるだろうなどと言われているわけですね。大変な幅になるわけです。そうしますと、このエネルギー財源の確保というものは、非常に重大な予算編成の問題になるだろうと思うわけです。石炭勘定の場合には、キロリッター六百四十円の従価税でありますから、一応価格の変動には関係はございませんけれども、これにも相当な対応策をとってまいらないと、また相当もめるのではなかろうかと今から予測されるのであります。  いわば、通産省が石油税四千七百五十数億の予算要求をしているという意味は、結局、石油の価格が下がれば率を上げざるを得ない、単純に考えれば。そうでなければこの確保というものはできないんじゃないか、あとは一般会計に持っていく以外にないわけでありますから、とても今の状況ではそういうことができないとすれば、もう単純に逆算して、これだけの率を上げなければ確保できませんということにならざるを得ないと思うのですが、この点についてどういう基本的な姿勢を持っておるかお伺いいたしておきたいと思います。

野々内隆資源エネルギー庁長官

○野々内政府委員 先ほど申し上げましたように、日本のエネルギー供給構造と申しますのは、国際的に見ましても非常に脆弱性を備えておりますので、今後どうしても石油備蓄というような石油対策、あるいは石炭対策、特に保安の確保とか合理化というような問題、あるいは代替エネルギー対策、いろいろなエネルギー対策を計画的に進めていく必要があると考えておりまして、こういうエネルギー対策というものを中長期的視点から計画的かつ着実に推進する必要がある、こういうことで特別会計制度を設けておりまして、一般財源の変動に関係なく事業規模を確保したいというのが目的でございます。  ところが、その財源が石油の輸入量と価格というものに依存をいたしておりますので、その変動がどうしても収入に影響せざるを得ないということは御指摘のとおりでございます。ただ、私どもとしましては、できるだけ対策というものを念頭に置いてその必要な財源を確保したいと思っておりますので、直ちに税率を引き上げるというようなことよりも、まず一つは、対策の必要性ということから考えても、できるだけ節約ができるところは節約する、それから、過去に一般会計に留保されている部分についても必要な部分を引き出すというようないろいろな手だてを講ずる必要があると考えております。いろいろな手だてを講じながら、何とか各種対策の推進に遺漏なきように図っていきたいというように考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 石炭政策を進めるに当たって、ある意見としては、石炭の輸入量というものは一億トンを超えておる、したがって石油関税の財源よりも、今は炭炭格差等が問題であるから、石炭の関税あるいはまた石炭に対する消費税を賦課してその財源を確保することも考えるべきではないかという意見も出されておるように拝聴いたしております。しかし、IEAの閣僚会議の決定からいえば、石油代替エネルギーに関税あるいは消費税を賦課するということについては申し合わせ等もあるように私は受けとめておるのであります。したがって、石油代替エネルギーの確保という面で、IEAの決定からいえば、輸入石炭に関税とか消費税をかけることはいかがなものか、こう思うのですけれども、この点についての見解を承っておきたいと思います。・

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 先生御指摘のように、IEAの合意事項がございまして、新たな石炭貿易の障害になるような制限措置を講じてはならないという過去の決定がございまして、そういう趣旨からまいりますと、石炭に新たな税金を賦課するということはそういう趣旨にもとるものでございます。  しかしながら、合意事項は合意事項といたしまして、石炭の財源あるいはエネルギーの財源をどういうところに求めるかということにつきまして、特に石炭につきましては、現在石炭鉱業審議会におきまして、いわゆる第八次石炭政策の御審議をお願いしているわけでございまして、そういう審議の中で、石炭対策の財源をどのように求めていくかという問題も大きな問題でございますので、いずれにいたしましても、来年の夏ぐらいに答申をいただく予定にしております。その審議会の答申の中で、石炭対策の今後の新たな負担のあり方も御検討、御審議、御答申がいただけるものというふうに考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 来年度の石炭勘定の予算要求を見ますと、いわば石炭鉱業合理化安定対策費がウエートとして三〇・七五%というウエートで、昨年の予算と全く同率の予算要求の内容になっておるわけであります。  そこで、先般、三月のこの委員会でも指摘をしましたように、現在の鉱害関係は六十七年七月三十一日まで法律がある、産炭地振興については六十六年十一月十二日まである。いわば、第八次政策の期間と予想される五年間というものは、既に鉱害、産炭地の関係は法律がその間存在をしているという状況にあるわけであります。しかも、財源はこの二つだけで五〇%を超えるわけであります。そういう面から考えてまいりますと、第八次政策の財源の確保というものについては、従来の財源確保以外に財源を確保する道はほぼ閉ざされている、石炭関係は今答弁したとおりでありますから、私はそういう認識をしているわけです。しかし、せっかく審議会をやっているわけですから、私の意見をそういうことで述べて、その程度にとどめておきたい、かように思います。  そこで、第八次政策の諮問をし、十二月になっていよいよ新年も迎えるわけでありますけれども、審議の状況と今後の日程についてこの機会に承っておきたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 石炭鉱業審議会の審議の状況及び日程についてでございますが、御案内のとおり、本年の九月に通産大臣より審議会に、今後の石炭政策のあり方について御諮問申し上げたところでございまして、現在は、政策部会という部会の中に設けられました検討小委員会において検討が進められているところでございます。これまで六回の検討小委員会を開いていただきまして、そのうち二回は、石炭鉱業の現状あるいはこれまでの実績等についての検討が行われたわけでございまして、あと四回ばかりは、石炭業界、労働組合、需要業界等の関係者からの意見聴取等が中心に行われたわけでございます。年内にもう一度小委員会を予定しておりまして、国際エネルギー情勢あるいはその見通し、海外炭の価格の動向、そういった問題について、いわば石炭政策の前提となります問題につきまして御審議をいただいた上、来年に入りまして、いよいよ答申の骨子となります主要検討事項について御審議をいただくことに相なろうかと思います。  主要検討事項のその中心は、国内炭の意義であるとか、あるいは生産の規模をどうするか、保安の確保をどうするか、そして財源のあり方をどうするか、こういうことでございまして、先ほど申し上げましたように、来年の夏ごろ御答申をいただくべく審議会で御審議をしていただいているところでございます。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 今回の石炭政策を審議するに当たって一番大事なことは、最近起きた三池、高島、大夕張の重大炭鉱災害についての反省と総括の上に政策検討というものが進められなければならない、こう私は思うのであります。したがって、私は特に、三池、高島、大夕張の災害の一応の総括というものについてこの機会に承っておきたいと思います。

黒田明雄通商産業省立地公害局長

○黒田(明)政府委員 三池炭鉱坑内火災事故、高島炭鉱ガス爆発事故、それに南大夕張炭鉱ガス爆発事故につきましては、それぞれその原因を徹底的に究明するために、有識者からなります事故調査委員会を設置いたしまして調査を実施したわけでございますが、既にいずれも調査報告書が取りまとめられております。  これらの調査報告書から見ますと、それぞれの事故は個別具体的な状況のもとで、種々な原因があって生じたわけでございますので、なかなか総括というのは難しいのでございますが、通じて指摘できます点は、災害の発生箇所が必ずしも深部ではない、採掘作業現場でありますとか新山地区といったところではなくて、むしろ後方の区域で発生しているということが一つ指摘できるかと思います。  もう一つは、日ごろの施設管理あるいはガス管理といった面で徹底さを欠くところがあった、そのために事故が生じているということが言えるのではないかと考えております。また、いずれの事故に関しましても、その背景の問題といたしまして保安確保に対しますなれと過信があったのではないか、この点、大いに反省しなければならないものというふうに考えております。現在、私どもの局に保安問題懇談会を設置いたしまして、これらの重大災害の反省も踏まえまして、災害発生の未然防止、被害の拡大防止の対策、保安管理体制の整備の問題、それから保安教育訓練のあり方といったような各般にわたります重大災害防止対策のあり方、それに深部保安対策、こういったものについて御検討をお願いしているところでございまして、その結論に基づきまして今後適切な保安対策を講じてまいりたい、かように考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 今局長が述べられましたけれども、私も、三池高島の災害はごく簡単な言葉で言えばポカである、こう言わざるを得ないと思うわけであります。大体こういう傾向が重大災害を起こしておるわけです。三池の炭じん爆発だってそうなんですね。かつての大爆発、大災害もそうなんです。あるいは三井の山野の災害も、みんな特免区域なんですが、そういうところで日本最大の事故を起こしているわけでありますから、そういう傾向が依然として続いておるというのは何なのかということですね。機械に頼り過ぎるのか、計測器に頼り過ぎるのかどうなのか。やはり人間がしっかり管理をすることを基本にしなければならぬということを教えているのだろうと私は思うわけであります。大夕張の場合だって、条件の非常に悪いところですけれども、いわばガス抜き坑の管理が十分でなかったということがはっきり指摘をされておるわけであります。  炭鉱の最近の災害で、いわば炭鉱特有の災害としては、かつての閉山をした夕張新鉱の災害ですね。バージンフィールドに行ってああいう設計技術をもって対応したというところにああいう災害を引き起こした。これなんかは非常に特筆すべき災害です。そういう点で、いわばその山の総合的管理というものは一体どう行わなければならないのか。やはりそういうものを忘れて保安だけの視点では解決のできない災害だ、こういう点を特に十分検討の上新しい政策が組まれるように期待をしておきたい、かように思います。時間がありませんから、そういう私の意見を述べておきたいと思います。  そこで、政策検討がせっかく進められておるのですけれども、いよいよ年を越しますと、その政策の方向を左右する問題が今まだ解決されてないと思うのですね。それは何か。それは、昭和六十年度の基準炭価の公示が一体できるかどうかという問題であります。私が指摘をしておりますように、第七次の場合、第七次政策の出発以前二カ年間、ちょうど国際的炭価の高騰もありまして、二年間で二千円の炭価の値上げが行われて、その延長線上に第七次政策が出発をした。これが第七次政策なんです。  ところが、最近の状況を見ておりますと、六十年度炭価もなかなか難しい、来年も難しいということになると、第七次と全く逆の状況の中で政策を出すとするならば、政策の検討する内容が根本的に変わるはずなんです。したがって、六十年度の炭価の見通しは一体どうなのか。しかも、六十年度の炭価というのは六十一年度の炭価を見通さないで済ますわけにはまいらぬ性格のものである、こう私は認識をいたしておるわけですが、この点いかがでしょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 六十年度の基準炭価の問題でございますが、例年でございますともうちょっと早く事態が進行しているようでございますが、今年は年度の当初に重大災害などもございましていろいろな作業がおくれた関係で、ことしの九月になりまして石炭鉱業審議会の需給・価格部会、専門部会におきまして、石炭業界から値上げの要請が行われたところでございます。平均トン当たり五百五十八円という値上げになっております。その後、私どもといたしましても、大臣の基準炭価を決定するに当たりまして関係者からの事情聴取をしておりますし、また、その基本になります需給両業会の交渉の実態、そういうものも踏まえてまいるわけでございますが、何分にも今年はユーザーサイドの値上げに対する拒否反応が非常に強い状況でございまして、正直なところ、現在値上げの状況は非常に難航しておるというのが実態でございます。  御案内のとおり、石炭鉱業合理化臨時措置法によりますと、国内炭の生産費のほかに競合燃料の状況、あるいは海外炭の、輸入炭の価格の状況、そういったものを勘案することになっておりまして、確かに国内の生産費の方からまいりますと、いわゆるエスカレーション条項ということで、ベースアップなり物価の上昇というものがあるわけでございますが、他方におきまして、御案内のとおりの円高の状況が加わりまして、海外炭の価格が急速に円の手取りベースでは下がっておるという状況から、なかなか一概に決めにくい状態にあるわけでございます。私どもといたしましては、今後さらに需給両業界からいろいろ話を聞きまして、また審議会にお諮りして、できるだけ早くこの問題を解決したいと考えておる状況にございます。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 私が指摘をしました第八次政策というのは、大体来年の夏ごろに答申するわけです。炭価というのは普通夏、下期に決まりますかも、そうすると来年度の炭価も決まらない中で答申しなければならない。今年の炭価がどうなるか、もし上がらないということになると、来年もまた決まらないうちに答申する。こんなことは非常に難しいことだと思うのですよ、第八次政策は五年間の答申をするのですから。そういう私の指摘している意味は御理解願えるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 確かに価格の問題は石炭企業の経営の根幹をなす問題でございますので、当該年度の価格が決まらなければその年の経営の状況も判明しないということで、おくれおくれになることは基本的に経営に重大な影響をもたらすということは承知しておりまして、御指摘のように、長期の計画を、方針を策定する場合も、その前提となる状況が判明していなければ、その分だけ長期の方針というものが策定しにくいという状況にございますので、私どもとしても先生の御指摘を踏まえて、価格決定について一段の努力をいたしたいと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 私は、やはり二年間の炭価の動向によっては政策手法が変わる、手法の選択が変わる、こういう認識をしておりますことを申し上げておきたいと思います。  そこで、労働省参っておると思うのですけれども、この機会に、炭鉱労働者の総労働時間と時間当たりの給与水準は、メタルマインや製造業に比べて一体どうなっておるのか、承っておきたいと思います。

伊藤庄平労働省労働基準局賃金福祉部賃金課長

○伊藤説明員 お答えいたします。  まず労働時間の方でございますが、石炭鉱業につきまして五十九年の調査で見てまいりますと、年間総労働実働時間が二千四百六十五時間でございまして、製造業の男子に比べますと、これが二千二百三十四時間でございますので、少々長目になっておる、こういう実情でございます。  それから時間当たりの賃金でございますが、これも労働省の毎月期の統計調査で算定いたしてみますと、石炭鉱業の男子労働者で一時間当たりが千六百六十七円でございます。金属鉱業が千六百五十円でございますが、製造業は千六百九十二円でございまして、ちょうど金属鉱業と製造業の中間ぐらいに位置する状況になっております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 現在の炭鉱労働者の状況というのは、労働時間において製造業に比べ二百三十一時間長いということです。二千四百六十五時間と二千二百三十四時間ですから、総労働時間としては二百三十一時間余計に労働している、こういう意味です。  それから給与の場合も、今述べられましたように、地下労働であるが、時間当たりの賃金で見ればむしろ製造業男子の場合の千六百九十三円より低い。この数字は我慢してよくやっているということだと私は思うのであります。一応そういう状況を認識した上に立って政策が検討されなければならぬということを特に指摘しておきたい、かように思います。  そこで、我が国の石炭政策、第一次政策から第七次政策まで今まで展開されてまいったわけであります。その我が国の石炭政策の基本方針は、第一次から第七次まで変更はないと私は思うのであります。その我が国の石炭政策の基本方針といえば一体どういう表現になりますか。第一次から第七次までは変更はないと思うわけです。一貫しておると思うのです。その基本方針といえばどういう表現になるでしょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 表現の仕方はいろいろあろうかと思うわけでございますが、基本的には第七次石炭政策の思想の根幹をなしております私企業体制の維持、それからその上に立って、石炭鉱業の自立を前提といたしまして、企業の労使一体となった努力、政府の支援、需要家の協力、この三原則が第一次以降の一貫した流れかと思うわけでございます。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 今の部長の答弁と私の認識は全く一致しております。私もそう思います。  そこで、これからの政策検討に当たって、現状の中で国内炭というものを生産維持存続させるについて一体どういう意義と価値があるのかということが、再び第八次政策を審議するに当たって問い直されているだろう、私はこう思うのであります。私も今までの経験からいろいろ考えてみたのです。我が国の石炭生産維持存続の価値についての項目をいろいろ拾ってみたわけです。そうしましたらこうなりました。  第一は、エネルギー情勢は専門家の予想でも、中長期的には世界のエネルギーの需給環境はタイトになる。先ほど答弁されたのと同じですね。そういう状況ということも国内炭を生産する一つの意義になる。  二には、国産エネルギーとしての存在と供給の安定性ということも言えるではないか。  第三には、英仏独よりも生産性は高く、しかも安上がりの石炭生産を行っておる。国際比較論からいってそういう状況にある。  第四番目には、採炭技術を温存するというために必要である。  そして次には、地域経済を重視する。社会性と経済性の調和はどう図るか、こういう面でも地域経済の重視。  それから、新エネルギーその他に比べて石炭は割安である。その他という意味、私ここは具体的に言いませんけれども、新エネルギーその他に比べて割安の面があるということを申し上げておきたいと思うのですね。  その次は、国内一般炭消費に占めるウエートは、今一般炭の輸入も行われておりますけれども、一般炭に限っていえば、今日四二%を占めているのです。非常にウエートが高い。特にその中身の大部分は電力消費であるという点に注目しなければならない。そういう意義がある。そしてこれは需要がこれからも増大をしていくということになるわけです。いわば国内炭は、電力エネルギーとしての新しい見直しを考えなければならぬのではないのかと思うわけであります。  それからエネルギー資源。発展途上国がどんどん伸びてくる。中国だってちょっとエネルギーを使い始めると、中国の石炭を多少増産したってそんなもの足りるものではないわけですね。そういう面からいうと、やはり国際的な世界のエネルギー資源というものをお互いに連帯行動の立場で確保しなければならない。そうすると、我が国は我が国の国内エネルギーというものをある程度割高であっても確保する、そういう国際連帯性が要請される。そういう点が国内炭を生産維持するという一つの理由にもなるのではないのか。  そうしてその次には、資源の保護と活用。これはどういう意味かというと、既存の炭鉱というものは深部化、奥部化しておる、こういうのであります。素人は、今はちょっと閉じておいて、そのうち情勢が変わったら掘ったらいいじゃないかなんということを言うのですけれども、閉じたら山は振れないですよ。高島なんて今そういう岐路に立っておるんじゃないですか。傾斜からフラットまでの間があって坑道を展開して進んでいるわけですね。二本の坑道であれば理想的なんですけれども一本の坑道だ。相当時間がかかる。時間がかかるから、経済性が合わないからやめたということになったら、島ですから二度と振れないです。そういう地域も多いのです。北炭幌内だって今九片に入りますけれども、ここで途中でストップするということになりますと、永久にこれは放棄です。そのシャフトを中心にする稼行可能範囲の炭量は放棄しなければならないということにつながるのです。そういう意味で資源の保護と活用という面は挙げておかなければならぬのではないのか。  私は、九つ今挙げたのです。ですから、そういう点も一つ一つ検討されていくのだろうと思うのでありますけれども、こういう点について十分ひとつ御判断願いたいものだ。  また、今日の石炭の貿易量で判断しましても、一億三千七百万トンが流通いたしておるわけです。そのうち我が国の輸入量は八千六百万トンに達しておるのであります。ですから、域内を除いた貿易量の半数以上は日本が輸入しておるのだ。それがさらにどんどん輸入するのだという物事の考え方は、国際的にいかがなものか。  もう一つ申し上げますと、我が国の産炭構造は歴史的にフランスと同じなんです。フランスが五千五百万トン掘ったときに日本は五千五百万トン。現在フランスは一千八百万トン程度です。日本は千七百万トンを切った、こういう状況にあるわけですね。エネルギー構造もフランスと日本は非常に似ているわけですね。そういう面からいっても、今フランスも縮小傾向の方針も検討されておりますけれども、あそこは地域経済がありましてなかなかそう急激には減ってないですね。そういう広く国際的な面も考えて第八次政策というものを考えるべきではなかろうか、こう思いますので、この点は指摘をするだけにとどめて御検討願いたい、かように思います。  そこで次にお伺いしたいのは、最近協会あたりでも、ヨーロッパの炭鉱の石炭政策の展開についていろいろ調査をされたりしておるようでありますけれども、イギリス、ドイツ、フランスの石炭政策の中における補助金関係で言うと、一体トン当たり日本と比較してどういう水準にあるのか、どういう数字を一番信用したらいいのかという意味でこれはお聞きするのでありますけれども、一体どういう水準にあるのかということをひとつこの機会に承っておきたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 ヨーロッパの石炭鉱業に対する補助金の状況でございますが、先生御指摘のございました石炭協会がことしの春にヨーロッパの方に調査団を出しまして、私どもの職員も参画をしたわけでございますが、そのときの収集いたしましたデータ等から申し上げますと、イギリスの場合には一九八三年度のデータでございますが、そのときのレート換算で約四千五百億円の助成を石炭公社に行っておるわけでございまして、トン当たりにいたしますと約四千二百円という数字に相なるわけでございます。  それからフランスでございますが、これも公社に対する助成ということで、赤字補てん交付金等でございますが、一九八三年度のデータで約千八百億、トン当たりにいたしまして約九千八百円という状況になっておるわけでございます。  西ドイツの場合でございますが、原料炭と一般炭と助成の制度がやや異なっておりまして、原料炭の場合には、いわば輸入価格並みで取引をいたしまして国内の赤字分を価格差補てんするというやり方でございまして、一九八四年のデータでございますが、これが千八百四十億円、トン当たりにいたしまして四千八百円程度ということに相なっております。  一般炭の方でございますが、いわゆるコールペニヒということで、電力料金に一定の料率を乗せまして、それを国内炭引き取りの価格差補てん用に使用するという仕組みでございますが、それらを含めまして二千百八十億円、トン当たり約五千円という状況でございます。西ドイツの場合には、一般炭につきましてはこのほかにユーザー負担があるものと推定されるわけでございます。先ほど申し上げましたように、原料炭の場合には輸入価格並みで取引をするわけでございますが、一般炭の場合にはやや我が国と似ている制度でございまして、業界の方からの要望に対しまして政府が査定した価格でユーザーに引き取らせるという格好をとっておりますので、コールペニヒで負担できない部分につきましてはユーザーが負担するということが推定されますので、ただいま申し上げました数字のほかに一部ユーザー負担があるというふうに考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 そこで私は、現在の生産規模で見ますと、それに雑炭をプラスすると大体千八百万トンの石炭が流通している、そのうち千四百万トンが一般炭で四百万トンが原料炭、大ざっぱに言えばそういう形になると思うのですね。そして、我が国の国内一般炭と電力のかかわりというものを歴史的に一度振り返ってみる必要があるのではないか、こう思うのであります。  第一次政策で電力用炭代金精算株式会社というものができて、炭代金の一手受け渡しを行ったというのが一つの制度的なかかわり合いの始まりなのですね。それから電力用炭販売株式会社にこれを改組して、公定価格による一手購入、一手販売を実施したというのが第三次であります。そして、ここには増加引き取り交付金制度も何時につくられたということです。第五次になって、第三次の肩がわりをやったときでありますけれども、特に需給の問題が非常に難しくなりまして、大口需要石炭の引き取り要請というものが政府として行われて、電力が八電力に三百五十万トン、電発に三百二万トン、その他百九十三万トン、合計八百四十五万トンの引き取りが要請された。当時鉄鋼はまだ八百万トン、ガスは九十一万トン、こういう歴史があるのであります。ところが、第六次になって、臨調の関係もございまして電力用炭販売株式会社が廃止をされた。そのうちの近代化船の方は石炭協会、それからそれ以外の仕事はNEDOの方に二つに分けて廃止をしたというのがいわば第六次政策であるわけです。  こういう流れを考えて、今の産炭構造、原料炭、一般炭の産炭構造を考えて、ある一定の規模を考えて、いろいろな政策を参考にしながら我が国の国内政策のあり方、石炭政策のあり方を考えると、この電力関係の石炭の政策の歴史の中にポイントがあるのではないかなという感じが、私の勉強の中ではそういう方向が出てまいるのであります。しかし、我が国ではこの電源開発促進税というものがこれまた今のエネルギー会計に組まれていて、電源の多様化、電源立地にそれぞれ支出をされておるのであります。  しかしまた、別途に電源の方の歴史的な経過を考えてまいりますと、昭和四十年代に電発に出資をして石炭火力をつくらせて、そしてまた、石炭火力のいわば公害対策として脱硝装置、脱硫装置その他については石炭特別会計から補助をする、こういう形で、磯子竹原、高砂、これらはそういう手法でやってきたわけであります。そして、北海道電力の原苫一号の三十五万キロワットは特別会計から交付金を出したわけですね。これらの発電所は、歴史的にいいますと、いわば政策発電所なのですよ。だがしかし、石炭の引き取りは電発と北電にウエートがかかっているわけです、産炭地ですから。これではやはり政策の円滑化ということについて問題が出てくる。やがて北海道も吉原発一号が運開されるということになると、その影響は特に大きくなってくることが容易に見通されるのであります。  そういう観点に立ちますと、考え方は政策火力となって、そして新しい火力が増設をされて、現在の例えば一般自家発の場合の石炭は、輸入炭が八割に対して国内炭が二割、こういう比率になっていますね。そうすると、例えばほかの電発の例でも、政策火力を除いて二割のIQ制度を適用するのかどうか。その点も同じだから、もう一度電力用炭の会社をつくって、輸入炭も国内炭も一手買い取りをして一手販売するということも、歴史的な政策からいえばなじみがあるのですよ。何を選択するかという問題を検討しなければならぬのではないかと思うわけであります。そういう今までの政策の流れと、それから電源に対する政策のあり方、それについて私の若干の意見を述べたのでありますけれども、私の意見について感想がありましたら、お聞きいたしたいと思うわけであります。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 御質疑を通じまして、岡田委員の御高見を拝聴させていただいておりました。  我が国の石炭政策は、今第八次の諮問を出したところでございます。したがって、今非常に重要な岐路に立っておると思っております。特に委員が御指摘になられましたように、イギリスあるいは西独、フランスとの比較において、国の助成政策であるとか、あるいは国内炭の重要性であるとか内外炭の価格差の問題であるとか、非常に重要な問題がことごとく出尽くした非常に精密な御指摘をいただいたと思います。私も、ことし起こりました石炭の災害、そしてまた、最近委員が御指摘になられたように円高も加味されまして、内外炭の価格差がますます開きつつあるという現状、そして国内炭の生産規模を一体どのくらいにすべきであるかという重要な課題、こういった問題を今最も緊要な問題として考えておるわけでございますが、第八次の答申が出ました段階において十分考えたいと思います。  ただ、基本としては、委員がお述べになったような石炭産業の自助努力、そして政府の助成政策、ユーザーの協力、この三つの協力の上に成り立っておるということはよくわかりますし、そしてまた、国内炭の意義の高さというものも非常によく理解できるところであります。ただ、フランスや西独、英国、日本、それぞれ私企業体制であるとか国営であるとか準国営であるとか、いろいろ体制の違う面もございますし、そういった点も踏まえながら十分検討し、第八次答申を待って政策を決定いたしたい、こう思っております。  特に私が申し述べたいのは、保安問題が非常に重要であるということ、それから内外炭の価格差に対応すること、これが非常に厳しい情勢にあること、特に石炭産業の自助努力というものに期待をしなければならない面が非常に大きいのではないか、またユーザーの協力というものもますます要請しなければならない状況にあるのではないか、こういったふうに考えておるのでございまして、答申を待ってそれに対応してまいりたい、このように考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 現在内外炭の価格差が拡大していく傾向にある。しかし、内外炭の価格差というのは日本だけではなく、イギリスあるいはドイツ、フランスの場合にも内外炭の価格差があるわけです。私の認識では、最近の急速な円高を除いて考えますと、内外炭の価格差というのは、イギリスもドイツもフランスも日本もほぼ変わらないのではないですか。円がぐっと上がって、マルクがそれにつれて上がれば別ですけれども、多少違いますから。日本円で換算しますと、数字の違いはあるけれども、我が国が円高になる以前の状況で見ますと変わらないという認識を私は持っているのですけれども、その認識は誤りでしょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 ヨーロッパにおける国内炭と海外炭との価格差の問題でございますけれども、先ほどの石炭協会の調査団の調査によりましても、先生御指摘のように、おおむね日本の国内炭の生産費コストと同じ程度の生産費をもってヨーロッパでも生産をしておるようでございます。したがいまして、国内炭の価格の面では、日本の価格とそう開きがないものと推定されるわけでございます。そうなりますと、海外炭との価格差の問題も、換算レートの問題はございますけれども、基本的には日本とはそう変わらない状況にあることが推定されるわけでございます。  一つ違うと思われる点は、イギリスあるいはドイツ、フランスにおきましても、ユーザーである大口石炭消費者が内陸部分に立地されているというのが多数あるようでございまして、そうなりますと、通関後の輸送費等がかなり海外炭にかかるようでございます。日本の場合には、臨海立地がユーザーの基本でございますので、そのあたりがやや日本の内外炭価格差とヨーロッパにおける内外炭価格差の違いかと考えておるわけでございます。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 確かに立地の条件は違いますけれども、見ますとそんなに日本だけが物すごくあって、競争的先進国家であるイギリス、フランス、ドイツが価格差がないというものではないんだということをやはり認識しておかなければならないと思うのです。  そうなりますと、結局は、先ほど言いましたように、水力を含めて日本の唯一の国産エネルギーである石炭というものを、今の条件の中でどう間違いなくその使命を果たさせていくかということが我々の任務であろうと思うんですね。衆議院に石炭対策特別委員会をつくってもう長年やっているわけですよ。まさにもう二十五年間になるわけです。わあっと問題になってから二十五年間、四分の一世紀過ぎているわけであります。そして衆議院に石炭対策特別委員会を設けて我々は議論をしてまいったわけです。したがって、今後間違いのない政策手法をとって日本の石炭の歴史的な使命というものを果たさせていかなければならない、こういう責任があるんだと私は思うんですね。  そうなってまいりますと、やはり日本の場合は、先ほど言ったように伝統的には私企業体制の維持と石炭鉱業自立という、個別企業を前提としての政策のみに終始をして二十五年来たのでありますから、政策的に最もいろいろと影響し合ったドイツの場合だってルール炭田に思い切って踏み切ったのでありますから、それが日本はできないのですから、できないとするならばそれを補完するものは一体何なのか。余り山の名前を挙げてはいかぬですけれども、例えば一つの山が、こうやれば生産は大丈夫安定できるフィールドに到達をすると思いながら、一社一山とか、あるいはまたそのためにそれができない。いわば経営効率の面からいってそこまで維持できないから、途中でやめなければならぬ。これがもし全国一社化だったらできるわけですよ。やり得るわけです。また国民合意も得やすいわけですよ。ところが、個別企業対策ということになるから、国民的感情からいえば、私企業になぜそんなにやらなきゃならぬのか。産業政策としては、国際的に見ても理解を得ることができるのですけれども、日本の場合にはどうしても手法が個別企業になるものですからいろいろ問題が出てくるんだと思うのです。  だからそれを一体どう乗り越えて第八次政策をつくるのか。体制の問題を一応伝統的な私企業体制を基礎にして行うならば、政策手法で何かそれを乗り越えることを考えなければいかぬのではないのか。要はそういう決断の段階である。いわば我々は逃げ腰じゃなくして、そういう情勢を、国際的な視角もぴしっと述べてむしろ説得をする、説明をしていく、そして納得を得る、こういう姿勢がないと、第八次石炭政策のこれからの、来年の本格的な審議もどうも及び腰になるのではないのかなという気が私はするわけであります。やはり主体的に、歴史的にこれらのことを議論し、政策をやってきた者が責任を持ってそういう点を整理をしなければならぬのではないか、こう思うのです。  そういう意味で、私はどうも最近マイナスの要件ばかり誇張されて、本質が見失われているのじゃないかなという心配があるものですから、きょう改めてずっと御質問したというのが趣旨であります。そういう私の趣旨について大臣の御見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 岡田委員の御指摘になったこの衆議院石特委の今まで果たされてきた役割、そしてこれから課されておる大きな使命、非常に同感でございます。  そして、私企業体制という今の日本の石炭企業を今後どうやっていくかという問題につきまして、政府におきましても非常に深刻に考え、そして懸命の対応を今までもしてきたところでありますが、第八次答申を待つという現在の段階におきまして、政府としてもさらに一層心を励まして、これは決して逃げ腰の政策ということであってはならないので、前向きの対応を今後ともしていきたいと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 終わります。

小川省吾日本社会党・護憲共同

○小川委員長 多賀谷眞稔君。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 第八次政策の答申に先立ちまして、今岡田委員から質疑がございましたが、国内炭存在の意義については私も同感であります。  そこで私は、最近いろいろな国の石炭政策を調べておるわけですけれども、日本の場合は先ほどから指摘がありましたようにまさに私企業であります。これはその国によっていろいろイデオロギーもありますし、あるいは鉱区そのものの所有権をめぐっていろいろな問題がありました。御存じのように英米法は鉱物は土地所有権者に属するわけでありますから、これは日本のように鉱区は土地所有権と別個に遊離してはいないのです。日本の場合は大陸法でありまして、言うならばドイツとかフランスというので、土地所有権と別個に鉱区の設定ができ、鉱物の取得ができるわけであります。  そこで、イギリスの国有化はいろいろ論議があるのですけれども、いわば社会化という前に国有化論が戦前に起こっておる。それはドイツに比べてイギリスが非常に能率が悪い。その能率の悪い原因は、鉱区が余りに群小で小刻みであるということで、国有化論は社会化の先にもう起こっておるわけであります、戦後国有化になったわけでありますが。それからフランスも、これはむしろイデオロギー的に公社、国有という形をとったわけです。ドイツは、御存じのように社会民主党も国有とかあるいは公有という方式をやめて、市場経済原理でいくということを宣言をしたわけであります。そして市場原理で行っておるわけであります。  ところが世界的に見ると、石炭が非常に経営が窮迫したのは、要するに日本の方が少し早いのですね。大体日本は朝鮮戦争後、昭和二十八年から二十九年ぐらいにだんだん倒産が起こり出した。こういうことで、三十年の初めに合理化法を出さざるを得なくなったという経過をたどっておるわけですが、ドイツは、日本が非常に危機にさらされておりましたときは、まだ余りその問題は起こっておりませんでした。ところがドイツは、非常におくれた政策ではありましたけれども、その後一足飛びに前進をした政策をとったわけです。  私と岡田利春君でドイツ、フランス、イギリスの炭鉱を見て歩きました。殊にドイツの場合は、需要業界に会わないと石炭政策はいろいろ論じられないわけですね。というのは、あそこは言うならば資本主義としては非常に強靱である。すなわち、鉄綱会社が石炭を経営している、否、石炭会社が鉄綱を経営している。そして、電気は炭鉱が約四割発電をして電力会社に供給をしておるという状態でありました。でありますから、私どもも鉄綱経営者連盟の方々にも会って、今後の石炭をどうするのかという話をいろいろしたわけであります。そういう中で、ドイツはルール炭田株式会社というのをつくったのですね。これは大部分の、約八〇%の炭鉱を一社にまとめたわけです。そして、ドイツ的だと思うのですけれども、要するに国の政策はルール炭田株式会社で回していくんだ、だからこの会社に参加しない者は従来の補助金を一切打ち切る、こういうふうに大変トラスチックにやるわけです。ですから、海外の資本が入ってきておるような会社を除きましては、あるいは州が行っておる従来の炭鉱を除きましては、大部分がルール炭田株式会社に吸収されて今日までやっておるわけです。  そういう中で、日本の場合は皆私企業でやっておる。ところが、残念ながら日本の私企業の場合は需要業界とつながっていないのですね。これが日本の炭鉱の決定的な致命傷なんですよ。三井といえども、あるいは三菱といえども需要業界とつながっていないですね。需要業界と言えば鉄道、電力、製鉄、これは皆つながっていない、別会社です、これは皆国策会社として出発したわけですから。ですから、そういう意味においては炭鉱だけが孤立しておるわけです。そういう中で非常に苦悩しておるというのが現状である、こういうふうに思うわけです。  そこで、たしかドイツが石炭適応化法案を出した直後だったと思いますが、これは憲法違反じゃないかということで、恐らく訴訟があったのではないかと思います。一九七一年三月十六日、西ドイツの連邦憲法裁判所で次のようなことが宣言されております。十分なエネルギー供給の確保については、市場経済性が成熟した社会の中でも、原則的に国家的経済政策として取り上げるべき問題である、こういうように言っておるのですよ。一般的には市場経済が非常に熟しておるけれども、事エネルギーに関しては国家的な政策が非常に重要であるということを言っておるわけですね。そういうことを考えますと、今日日本もドイツも自由競争であり、私企業だと言っておるわけですけれども、そういう中で、一体どういう国家の役割をこのエネルギー政策について行うべきであるかということについて大臣はどういうふうにお考えであるか、所見を承りたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 多賀谷委員の御高見承りました。  西独の場合は、国営、準国営、私企業ということで、石炭の政策がいろいろな形態をとっていますね。日本の場合は純粋に私企業体制でございますし、また、多賀谷委員が御指摘になったように、鉄鋼であるとかそういった重要産業と基本的に結びついていないというところの差があると思うのです。資料で拝見をいたしますと、西独の場合は、働いていらっしゃる方の数も、現在では日本よりはるかに多い、生産力も日本の石炭産業より大きいということでございまして、したがって、日本の石炭産業に比べますと、国との非常に深い結びつき、そしてまた産炭規模というものが非常に大きな形であるということはよくわかります。  ただ、日本の場合は私企業体制でございますから、あくまでユーザーの協力を得なければならないという前提がございまして、実は、その点については政府もいろいろ努力をしておるところでございます。先ほどの御質問のときにも出てまいりましたが、内外炭の価格差が非常に開いておるというようないろいろ困難な厳しい条件がございますが、ドイツのそういった体制は十分参考にいたしまして、日本の国内の私企業体制を続けるという前提のもとで検討していかなければならない、このような認識を持っておるところであります。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 原料炭においては一万円、一般炭においては八千円の差があるということが盛んに言われておるのです。ところが、今岡田委員も指摘しましたように、ドイツ、イギリス、フランスに比べても、日本の労働者一人当たりの月出炭量は最高に多いのです。そういう国でなぜ価格差の問題がそんなに論議をされるのだろうか。海外炭というのはどこの国も同じように入ってくるわけです。大体値段は違わない。  そこで、私も西ドイツの価格差の問題をちょっと調べてみました。一般炭で言いますと、日本の場合は、これは前の、二百四十円ぐらいのときのレートですけれども、五十九年度において国内炭が一万九千七百十円、輸入炭が一万一千七百九十円で、七千九百二十円の値差がある。しかし、これは海岸線の揚げ地における値段ですから、それからコールセンターとかあるいはまた輸入炭の通関料とか商社とか、いろいろ手数料を含みますとそんなにはないわけであります。西ドイツの場合もやはり余り変わりませんね。国内炭がトン二百六十ドイツ・マルクですね。ですから二万一千六十円。今ドイツ・マルクを日本円に換算すると八十一円くらいですね。それから輸入炭が百五十六ドイツ・マルクでありますから一万二千六百三十六円。これは輸送費が入っています。値差が百四ドイツ・マルクですから八千四百二十円、大体八千円ぐらいですよ。ですから、日本だけなぜこんなに八千円も高い、高いと言っておるのだろうかという感じがするわけです。何か需要業界が全部負担している。確かに負担されておるわけですけれども、なぜこんなに——先ほど申し上げましたように、労働省は今、年間二千時間を目標に労働時間の短縮をやろうとしておる。西ドイツあたりが千七百五十時間ですからね。それに対して炭鉱労働者は二千四百時間以上働いておるというのですから、非常に苛烈な労働条件の中にあるわけですね。そうして非常な高能率を上げておっても、値差の問題が盛んに批判的に言われておる。  そこで、さっきコールペニヒの問題がありましたけれども、やはり政策的にこれを行う必要がどうしてもあると思うのですね。幸いにしてと言ってはなんですが、日本の出炭量は残念ながら少ないわけです。ですから、電力全体の発電に比べて非常にウエートが低いわけですから、このぐらいはやはり見てもらってもいいのじゃないか。電力会社で見るということは結局消費者がかぶるということです。電力料金というのは政府が認可するわけですから、エネルギー政策全体として見るべきではないか。石炭だとか電力だとか区別して議論をするのでなくて、全体として見るべきではないか。それはさっきお話がありましたように、では国内炭がゼロでもいいのですかということについて我々はむしろ批判を仰ぎたい。それがいかぬというなら批判を仰ぎたいという気持ちですよ。ですから、そんなに多く出炭をしているわけじゃありませんから、これを全体的に負担してもらう方法を何か考えるべきではないだろうかと思うのですが、それについてどういうふうにお考えでしょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 根本的な問題でございますから私からお答えしますが、日本の国内炭の採掘条件、これが露天掘りのできるオーストラリアやカナダと比べて、当然条件としては非常に劣悪であることは間違いないわけでございます。それからまた、日本の炭鉱で働く方々が国際的に見ても大変に労働時間も長くよく働いておられる、それも全くの事実でございます。  ただ、西独と日本との例を挙げてお示しになりましたから私もそれでお答えしたいのですが、先ほど、これは多賀谷委員自身がよくお答えを知っておられて聞いておられると思うのですが、国営の建前、それから鉄鋼とのいろいろな共存関係、そういったようなことを御指摘になりました。日本の場合は私企業体制でありますから、したがってユーザーの電力会社であるとか鉄鋼会社であるとか、そういう方々とは私どもは当然接触をしておるわけでございますが、値差が広がれば広がるほど、私企業体制の経営について非常な苦しさというものを率直に言われることも事実でございます。したがって、石炭産業に対する国の助成政策が必要であるというその基本においては、私は多賀谷委員と全く同じでございますが、西独のようにやるということには基本的な制度の差があるということを認識しておりまして、日本の場合は西独に比べていろいろな条件の上で難しい点がある。しかし、先ほど岡田委員にもお答え申し上げた三原則、政府の助成、企業の自助努力、ユーザーの協力、その上に石炭政策を打ち立てていきたいという点では多賀谷委員と同じ意見でございます。ただ、助成の方法が国によっておのずから異なってくるであろう、こういうことでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 私はイギリスやフランスの例を挙げているのじゃありません。これは国有公社ですから、両方とも政府の一般会計から補助するとかなんとかいろいろ助成方法はあるでしょう。しかし、ドイツと日本は極めてよく似ているわけですよ。ドイツはルール炭田株式会社というのがある。これは彼らは私企業だと言っている、政府出資が入っていますけれども。それから州の資本が入っているのもある。しかし大体私企業ですよ。電力会社も私企業ですから、そういう点は日本と極めてよく似ておるのじゃないか。鉄鋼だって私企業ですよ。ですから似ておるのではないかということで例を挙げたわけであります。私はそういう点においては何らか全体的に見ていただけるのではないかという感じを持っておるのです。  というのは、地域的独占なんです。電力の方は競争原理は動かないのです。A社に比べてB社がコストが高いという問題は起こりますけれども、これは地域的独占ですから電気料金で見ていただく。大体電気料金というのは株の配当まで料金の中に初めから入っているわけですからね。そういう意味においては、僕は何らか考える余地があるのじゃないだろうかと思うのです。ですから、全体的なエネルギー政策として見ていただくとそういうことが言えるのじゃないだろうか。ことに一般炭を今後ウエートを多くするという意味においてはそういうように思うわけです。  何にしてもさっきからお話がありますように、技術がなくなりますと将来石炭の海外炭のウエートはだんだんふえますよ。それでエネルギー庁長官もたしかおっしゃっておったと思いますが、要するに日本のOPECに対する依存度というのは依然として変わってないのですよ。石油そのものは最近は値段も下がってきましたけれども、OPECへの依存度というのは変わってないわけです。将来を見ると、石炭というもののウエートは、どうしても海外炭といえども輸入炭として入ってくる要素は多い。そういう意味においては何か政策がありそうなものだ、制度的にありそうなものだという感じを僕は持つのですよ。もう少し制度をぴしっとしておかないと、エネルギー庁長官も石炭部長も毎年苦労するのです。ルールがない。とにかく何とか値段を上げてください、こういう話をしているわけでしょう。計算方式がないのです。石炭経営者としてもなかなかやりにくい。一体どのくらい上がるだろうか。中にいろいろな人に立ってもらってユーザーと一回一回話し合いをしている。そうすると企業家としては長期的な経営の方針が立ちません。ですから、そういう点においてはコールペニヒの問題もありまして、やはりルールというものをつくっていく必要があるのじゃないか。  それからIQの問題も日本だけではありません。ドイツもあります。やはりIQで固体燃料輸入割当法という法律があります。今大体一定以上超えますと外炭が一、そして国内炭が二、やがて外炭が多くなってくればそれは一対一ということになるのでしょうけれども、少なくとも日本のような状態ではないです。日本の場合は二割ぐらい使ってください、こう言っておるわけですから大分違うわけです。  そこで、今全体的なコールペニヒのようなものが考えられないかということ。もう一つ地域的に非常に重要に思いますのは、先般我が石炭委員会で北海道を調査に参りましたところが、苫東で第二北電の発電所ができる、そしてコールセンターもつくられる。立派な施設ができつつありました。ところがこれは外炭です、こう言われたのです。我々はがっかりしたわけです。それから本州製紙に行きましても、今度石炭を使うのだと言う。では国内炭かと喜んでおったら、必ずしも国内炭というわけでもありませんと言われて、これも石炭委員会は何を見て歩きおるかという感じを持ったわけです。  そこで北海道、これはどう考えましても、率直に言いますと経済の伸びが本州に比べましてテンポが緩いですね。そして北海道の石炭を、海岸線にある炭鉱は別として、内陸の石炭を将来本州に持ってくるというのは運賃がかかってとてもできっこない。日本経済としては全くむだな話です。  そこで北海道と九州に炭鉱が分かれておるわけですけれども、少なくとも北海道の電力用炭は国内炭を使ってもらう。しかし、北電にいたしましては経営採算上外炭を使った方が安いというのです。当然の話です。私は常に言っておるのですが、北電の国内炭による値差を、何らか本州における他の電力会社がカバーしてやるという制度ができないものだろうかという点を考えるわけです。かつて電力が分割されたときには、火力と水力の調整金がありました。ドイツでは油と石炭の調整金がありました。こういうふうに何か一般炭と国内炭の調整金をひとつ北電において取って、北電にその金を渡したらどうだろうかという感じを持つのですけれども、やはり北電に国内炭を使ってもらうという政策を国の政策として確立しないと、今後北海道の炭鉱も非常に無理がいくんじゃないか、こういうように私は思うのですが、その点はどういうようにお考えになるか、お聞かせ願いたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 石炭産業の場合は、委員御指摘のように、まさに北海道と九州なんですね。北海道は国の非常に大きなバックアップで開発の進められておる地域でありますし、現在は日本の国内でも一番景気がよくない。率直に申し上げてそうです。したがって、北海道の経済を浮揚させるためには国からの助成、それは公共投資その他いろいろな政策が必要であることは多賀谷委員と私は全く同じ意見でございます。  石炭産業は、委員御指摘のように、まさに今の自由主義経済体制から言えば、これは言うなれば例外の分野に属しておるわけでありまして、したがって、石炭産業のために特別のそういった助成制度をいろいろ工夫をして考えるべきである、こういう御意見は、それは御意見として承れるわけでございます。特に北海道は電力料金が高い、そういった特殊事情があるということもよくわかるわけでございますが、国内炭の需要の確保のあり方という意味では、現在石炭鉱業審議会で進められております今後の石炭政策のあり方の審議の中でも最重点検討項目の一つでございます。今後こうした問題につきましては、国内炭の意義を踏まえるとともに、我が国における石炭の需給見通し、内外炭価格差の見通しなども十分配慮しながら石炭鉱業審議会において検討されるものと思料しておりまして、北海道のそういった特別のあり方についてもよく研究をしてまいりたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 先ほど岡田委員から、電力用炭代金精算株式会社から始まって電力用炭販売株式会社という経緯の話がございましたが、電力会社は、九電力極めて仲よくやっている。それはお互いに競争をしてないのですから、地域的独占ですからね。殊に、私どもが九分割をしておったときに非常に心配をいたしました格差問題についても、各電力会社は融通電力によって大体価格の平均化を目指してやっておられる。非常に敬意を表するわけです。そういう面においては割合に理解があるわけですから、そして同じように競争場裏に走るわけじゃありませんから、何らか見てあげてもらいたい。  今電力政策は、田中さんの日本列島改造論でもそうですけれども、過疎過密の状態を解消する意味においても、それからいわば国民の生活の平準化といいますか、そういう意味においても逆行しておるのですよ。というのは、電力料金を見てこらんなさい。一番高いのは北海道でしょう。その次は九州ですよ。北陸は特別水力が多いから安いけれども、ほかの方は、本土の方は安いのですよ。ですから、地域振興からいうとまるっきり逆の方向に行っているのですよ。それはそうでしょう。送電線や配電費用がかかるわけですから、それはやむを得ない。ですから、そういう意味からいっても、何らか国がそういう施策をしてやる必要があるのじゃないかと私は思いますよ。公益事業部、見えているのですか。エネルギー庁長官が見えているから、各電力の価格差をちょっと言ってごらんなさい。

野々内隆資源エネルギー庁長官

○野々内政府委員 御指摘のとおり、九電力の格差、北海道が一番高くて北陸が今安い、これは水力であろうかと思います。再編成が始まるときは二倍以上あったわけですけれども、最近では一・二という程度まで落ちてまいりましたが、今後もできるだけ価格差をなくすという方向でいってみたいと思っております。  先生の先ほどの九電力の中で石炭のコストをしかるべく配分をするという構想は、西独のコールペニヒに似たような制度であろうかというふうに思います。私も大変興味を持って勉強はいたしておりますが、結局のところは、国内炭の生産の意義というものをどういうところに置き、それによるコストアップというものをどういう形で負担をしていくかという問題であろうかというふうに考えておりまして、これこそ実はこれから私どもとして検討し、審議会にも検討をお願いする一番基本的なことであろうかと思っております。  それで、現在の九電力体制と申しますのは再編制以来の歴史を持っておりまして、私としてはかなりうまく運営もされているように考えておりますので、そういう九電力体制というものの中でお互いに競争しながら、かつ協調しながら電力コストを下げるという方向で今運営されております。それで、国内炭一千万トンというのを今電力で引き取っていただいておりまして、これが非常に大きな需要安定策になっているということは事実だと思います。電事連会長が、先般国内炭の引き取りは将来三分の二に減らしたいというようなこともおっしゃっておりまして、私どもとしては石炭鉱業審議会における議論と並行しながら今後いろいろ御相談をし、国家的な観点からの御協力をお願いしていかなければいかぬというふうに思っておりますが、大臣が申し上げましたとおり、需要産業はいろいろな御意見もあります。私どもとしては、供給側、需要側の意見も踏まえ、それに国家的な意義というものを十分念頭に置きながら考えていきたいというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 一番心配しておるのは北海道の内陸にある炭鉱ですね。中空知にある炭鉱なんというのはほとんど電力ですから、電力への販売の道が閉ざされるとこれはもう大変なことになると思うのですね。そういう意味においては、北海道を何とか全体で見てやるというようなことを考えざるを得ないのではないか、こういうように私は思っておる。これはひとつ電力会社全体としても、国としても重要な柱として考えてもらいたい、こういうように思うわけです。現在のキロワットアワーでいくと大体一銭ぐらいですよ。全部の電力料金の中に一銭ぐらいしか影響がないのですよ。それは将来若干上がるかもしれませんが、その程度は考えていただきたい、こういうように思うわけです。  と申しますのは、石炭が筑豊炭田でだんだん姿を消していってもう大体二十年たちますね。一向に浮揚の方向にいかないのですよ。もう二十年もたったからもう少し浮揚の方向にいきそうだと私どもも思いますけれども、この炭鉱地帯が全部いわば荒廃した後の後始末の金というのは物すごいものですよ。どの数字をとっても、私ども長い間政治家をやっておって全く寂しい思いがする、反省をする。どの数字をとってみても、この荒廃ぶりというのは余り変わらないのですね。とにかく、生活保護は筑豊で言いますと平均が千人で百人、ちょうど九十九人です。全国平均は大体千人に十二人ですよ。それなのに、千人に百人という数字でしょう。それからまた、後からちょっと質問いたしますけれども、失対の労働者も非常に多いですね。全国でとにかく福岡県が突出して多いですね。そのうちに要するに旧産炭地が非常に多いという。  それから、今度年金の審議をしておりまして初めて気がついたのですが、国民年金の強制加入の免除、これは法定免除と申請免除があるのですが、免除率が四五%ぐらいですよ、どの町村も。五〇%を出ている町村がある。そうすると、それらの人々は三分の一しか年金をもらえないのです。この人たちがやがて受給者になっていくでしょう。いや、これはもうその傷は余りにも大き過ぎるという感じ、何とかやはり炭鉱を維持していく方が社会的負担は少ないのじゃないかという感じを非常に持っているわけであります。それで、あえて私は北海道電力の問題について質問をし、御意見を承り、重要な柱としてやっていただきたい、こういうように思っております。  そこで、私どもが昨年一年間かかりまして非常に論議をいたしました例の鉱害屋の問題であります。ようやく鉱害のいろいろな正常化の案ができて実行をされておると思いますけれども、この間、ある大物鉱害屋と俗に言われる人が逮捕された、そうしたら委任状の売買が行われておったという新聞記事を見て、私は大変なショックを受けたわけですけれども、これについてどういう考え方であるのか、それからその対応はどうなっておるのか、お聞かせ願いたい。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 委任状の売買が行われているのではないかという御指摘でございますが、先般地元の新聞に先生御指摘のようなことで、いわゆる大物鉱害屋が逮捕されたということに関連しまして、そういった趣旨の記事が取り上げられておることは私どもとしても承知しております。  ただ、この新聞報道がいつの時点か、時点がはっきりしないわけでございますが、残念ながら、国会でも御審議いただきましたいわゆる正常化以前の状況におきましては、委任状が鉱害屋等の間で売買されていたかもしれないという状況にあるようでございまして、そういった正常化以前の状態ではありますけれども、そういう事実があるとすれば、私どもとして改めて遺憾だと言わざるを得ないわけでございます。  しかし、去年一年かけまして、事業回あるいは通産局の業務を正常化いたしまして、昨年の九月から業務の改善を鋭意実施しているわけでございます。その中で委任状の有効範囲を、窓口である市町村などへの届け出までに限定するというようなことで、それ以降一切、あるいは認定であるとかあるいは査定であるとか、そういったことについては本人に限るというようなことでやっておりますので、いわば事実上委任は廃止されたものと思っておりまして、昨年来の状況の中で、私どもとしてはそういった委任状の売買というものが行われているということはないものと信じておりますが、今後ともそういうことがないように、正常化の状況が遵守されてまいりますように通産局、事業団を指導していきたいというふうに思っております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 新聞記事によりますと、いわば鉱害屋のシンジケート的なものができている、そうして、そのある会の白紙委任状が二千通、それを譲って一件について数十万円ずつその見返り金を取っておるというような記事ですね。ですから大変な大きな売買が行われておる、こういうことで、これはひとつさっき我々が指摘し、部長が答弁なさったように、もう委任状というのは認めないということでひとつ厳正な態度で臨んでいただきたい、こういうように思います。  それから、先ほどちょっと指摘をいたしました失対関係ですけれども、先般失対事業対策研究会の方で答申が出ました。その答申の中には、七十歳以上の就労者を六十一年度から排除する、やがて年次を追うて六十五歳以上を排除する、こういうように書いてありますが、その中で、特に旧産炭地域及び地域改善事業対象の地域については依然として好転が見られていないということを十分配慮してこの答申を行ったのだ、しかし雇用全体の問題については、自分たちは失対事業についてのあり方について諮問を受けたのであるから、それ以上のことは我々の範囲外であるというように書いてある。  しかし、具体的にそれを考慮しながらつくったんだということでありますが、筑豊地域において一般失対が、五十九年度の予算でありますけれども五千六百三十人いますね。これは田川、直方、飯塚の職安管内。それから特開が二千三百六十、緊就が千二百八十、開就が二千六百、計一万一千八百七十名、これだけいるんですね。これらの人は生活保護とはまた違うんです。全然截然とはしませんよ。若干ダブっておるけれども、生活保護はまた別なんです。こういう状態ですよ。ですから、全くあの地域に、言うならば一万一千八百七十人もおる。それに大牟田という産炭地域があるんですね。ですから、大変な問題を依然として抱えておる。なかなか新しい浮揚の状態が起こってこない。  そこで、特別に産炭地域については配慮を願えるのかどうか。せっかく研究会の方から答申をいただいておるのですから、ひとつ何らかの特別配慮が願えるかどうか、これは労働省にお尋ねをいたしたいと思います。

清水傳雄労働省職業安定局高齢者対策部長

○清水(傳)政府委員 先生御指摘のように、今回の研究会の報告そのものにつきまして、旧産炭地域等における失対がなお現実にかなり大きな役割を果たしている、そういうことに配慮しつつ全体的にまとめられたわけでございまして、年齢制限についての経過措置その他のきめ細かな諸対策につきましてもそうした地域の実情を念頭に置いたものでございます。  私どもといたしましては、この報告を尊重いたしまして具体策を早急に検討し、六十一年度から実施に移してまいりたいと考えておりますが、その際におきましても報告の趣旨に沿いまして、こうした地域の実情に配慮しつつ、例えば任意就業事業でございますとか生活指導体制の整備等につきまして、国といたしましてこれらの地域に重点的にきめ細かい指導援助を行うことによりまして、この全体の制度改善が、適正化が円滑に図られるように努力をいたしてまいりたい、このように存じております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 終わります。

小川省吾日本社会党・護憲共同

○小川委員長 宮崎角治君。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 最初に大臣、第七次答申がいよいよ期限切れが来ようとしておりますし、第八次答申というこれからの石炭政策のあり方についての諮問がなされたやに聞いているわけでありますが、大臣にお尋ねする前にまず石炭部長に、先ほどのいろいろな御答弁の中で聞き漏らした点もあみようでございますので、いつの時点で第八次答申への諮問をされて、あるいはまた第七次答申を受けまして、ただ小委員会に諮問をしたというだけなのか、あるいは今までの第七次を通してのいろいろな要望等々は石炭部長としては全然おっしゃらないで、単なる審議会への諮問という形でなされたのか、その経過とまた今後のスケジュール等内容について、もし御発表できれば、まずその辺からお尋ねしたいと思うわけでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 第八次石炭政策についての石炭鉱業審議会での審議状況でございますが、九月の三日に「今後の石炭政策の在り方について」という諮問を通産大臣から審議会に申し上げたところでございます。その後九月に一回、それから十月に三回、十一月に二回と検討小委員会を開いてまいりまして、初めの二回につきましては、石炭鉱業及び石炭政策の現状と問題点、あるいはヨーロッパ産炭国の石炭政策について検討をしていただいたところでございます。それから、十月に入りまして、第七次の石炭政策の柱について、その後どのように実績が推移しているかというフォローアップをいたしたところでございまして、その後第三回、第四回、第五回の検討小委員会におきまして、石炭業界、労働組合、鉄鋼、電力、セメントの需要業界から意見を聴取をしたところでございます。その後第六回目の小委員会におきましては、地方自治体からの意見聴取も行いまして、これまでに大体関係者の意見を聴取したのが終わったところでございます。  今後、年内にもう一度検討小委員会を開きまして、そのときには、我が国における石炭の需要見通しがどうなるのか、海外炭の供給見通しはどうか、競合燃料の価格見通しはどうか、そういった政策の前提となる問題について検討、審議を行っていただきまして、来年に入りまして、答申の骨子となる主要検討事項の討議に移っていただくという段取りでございます。答申案は連休明け、五月以降御審議をいたださまして、来年の夏ぐらいに答申をいただくことをスケジュールとしております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 部長のスケジュールはよくわかったわけでありますが、第六次から第七次にかけましては、かなり夏も夏、大体七、八月ごろに諮問が行って、そして一年後に答申ということになっているわけでありますが、今回非常におくれた理由というのは何か意味があるのでしょうか。その辺について、ひとつ定かに答弁を求めたいのでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 第七次石炭政策の御審議をいただきました石炭鉱業審議会の実績でございますが、五十五年の八月に通産大臣からの諮問がございまして、五十六年の八月に御答申をいただくということで、ちょうど一年間かけて御審議をいただいたわけでございます。今回の場合は九月の初めでございまして、来年の夏に御答申をいただくのでございますので、特段おくれているという状況にはないというふうに考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 いろいろと毎年次の答申をひもといてみますと、ひとまず十年という長期にわたる目標を設定し、その間いろいろな不安のファクターが出てきた場合に、やはり具体的な対策としては五年ぐらいが妥当ではないか、いわゆるワンスパンを五年という形で見直している。不安の要素あるいは突然変異というものが出てくるということで五年という見直し、あるいは十年という目標の設定、十年ぐらいをめどにしたいろいろな御検討、この辺については率直に石炭部長どのようにお考えなのか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 先生御指摘のように、第七次のときも十年ぐらいを見通した上で五年間の経過期間という御答申でございました。それ以前の石炭政策の期間につきましてもおおむね五年ぐらいということでございまして、今後の八次政策の期間として十年ぐらいがあるのではないかという御指摘かと思うわけでございますけれども、確かに状況の変化というものがどういう形で起こるかというのはなかなか予測しにくいところでございますので、中期並びに長期にわたっていろいろな事態を見通した上で計画を組んでいかなければいけないということはあるわけでございまして、審議会におきましても、期間を五年にするのか十年にするのか、あるいはその他の期間にするのかはまだ議論を決めたわけではございません。また、私どもとしてもいろいろな考えはあるのではないかと思っておりまして、要は内容をいろいろ審議した結果、あるいは検討した結果この期間が適当だということで、いろいろな検討の結果出てくるものであるというふうに考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 その中で、いわゆる二千万トン程度の生産水準、そういう達成を目指すのだという一項がございます。実際、外炭の問題あるいはまた国内炭のいろいろな生産の問題、あるいは今言われております日本のこういった深部化、奥部化といういろいろな状況のもとで、二千万トンというこの達成目標は目標としましても、実績は相当ダウンしているんじゃないか。今率直に、五十九年から六十年にかけましての生産の実績はどの辺まで来ているのか、定かに発表願いたいと思うわけであります。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘のように、第七次の石炭政策におきましては、千八百万トンという生産水準で現存炭鉱の維持を基調とするということで答申が書かれているわけでございますが、その後の推移でございますが、五十七年度は千七百四十一万トン、五十八年度は千六百六十九万トン、五十九年度は千六百八十三万トンそれから六十年度の実施計画におきましては千六百三十万トンということで、千八百万トンをかなり割った状態にあるわけでございますが、五十八年度、五十九年度につきましては三池の重大災害の影響がございますし、また六十年度については、今年度当初の災害が影響しておるということもあるわけでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 そのようにいろいろなアクシデントがあったわけでございますが、五十七年の千七百四十一から五十八年は千六百六十九、五十九年は千六百八十三、六十年度は千六百三十と、いわゆる二千万トンからすると三百十何万トンダウンしてきている。  そこで大臣にお尋ねしたいことは、第一点に、非常にダウンして今日まで生き残ってきた、表現こそ大変語弊があるかもしれませんが、二十一世紀における生き残りの対策、あるいは既存の炭鉱がやはりどんどん切られるというか経営上悪化していく。ところが、先からの大臣のテレビのインタビューとかいろいろなコメントを通しまして、現在の既存の炭鉱を減らさないというようなニュアンスのコメントも耳にしているわけでありますが、六十年度の千六百三十万トン、こういったダウンと相まって、現存する炭鉱の維持、あるいは実績からいたしまして、せめて国内炭の生産の基準というのは千七百万なら千七百万、千八百万なら千八百万、二千万トンを割るにしましても、これだけの生産の維持を決意として大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、その二点についてしっかりお尋ねしておきたいのでございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 宮崎委員にお答えいたします。  御指摘のように、二千万トン体制というものが最近では千六百数十万トンという台に落ち込んでおるわけでございます。したがってこの炭鉱の生き残り対策をどういうふうにするかという基本問題でございますが、要は第八次の答申が来年の夏には得られるわけでありますから、今の段階では私どもは白紙として対応しなければなりませんが、ただ、国内炭というものの意義、その炭鉱の所在する地域において果たしております役割、そしてまた就労等についても非常に大きな意味があるわけでございますし、地域開発としても非常に大きな意味があると思います。今まで炭鉱がだんだん閉山になったり、炭鉱政策によって縮小されたりした結果、先ほども御指摘になりましたように北九州等でいろいろな現象が生じておる、非常に悲しむべきことである、この気持ちは本当によくわかるところでございます。したがって、現在存在する炭鉱を何とか維持していきたいという考え方はよく理解のできるところでございますが、要は第八次の答申がこれからあるわけでございますから、私どもはそれに対しては白紙で臨んでいきたいと思うわけでございます。  その際に、先ほど来申し上げておりますように、国の助成政策、そしてまた石炭産業自体の自助努力、それからまたユーザーの協力、この三点を基本とするという点が石炭産業に対するあり方の基本だと私は思いますし、現在起こっている状況としては国内炭価格差、値差が非常に広がっておるという点の今後の対応の問題、その他いろいろな状況がございますが、そういった状況も踏まえながら第八次の答申を待っておる、こういう状況だと思います。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 ちょうどエネルギー庁長官も参っておりますが、今大臣の、第八次を白紙の姿で待っている、答申待ちの状況もあるし、御決意の中にも、既存の炭鉱というものはそれ以上カットではなくて維持をしていきたいというニュアンスの答弁も受けたわけでありますが、世界の一次エネルギーの消費量といいますかその構成比が、私の調査では、一九八二年の実績でいきますと、石油が四二・八%、石炭が三一・三%、天然ガスが二一・一%、水力や原子力の発電が三・八%、こうなっているわけであります。これはエネルギー庁長官として、また石炭部長としてお答えいただきたいと思うわけでありますが、世界的な問題とあわせまして、我が国における需給のバランスについてデータをもって御説明願いたいと思うわけでございます。

野々内隆資源エネルギー庁長官

○野々内政府委員 日本のエネルギーに占める石油の比率が今六割ございまして、これが大宗を占めておるわけでございますが、石油の今後の可採埋蔵年数と申しますと大体三十五年ぐらいでございまして、これは今後の技術の開発によりましてまだ当分は実態としては続くと思います。石炭は、今の予想でも二百年は続くであろうと言われておりますし、かつ供給国も、石油がかなり政情の流動的な中東に依存しておるという状態に比べますと世界各国に広がっておるという意味で、非常に安定的なエネルギー源と考えていいだろうと思っております。したがいまして、今後の我が国のエネルギーの構成というものを考えますと、石油のウエートが減少し、石炭のウエートが上がるというようなことは当然考えられるところでございまして、私ども今後石炭につきまして重要視してまいりたいと思っております。  今後の我が国の石炭の需要でございますが、六十五年度で一般炭が四千三百万トン、原料炭が六千五百万トンというふうに需給見通しで策定されておりまして、七十年度にまいりますと一般炭が五千八百万トン、原料炭が七千万トンという状態でございます。原料炭につきましては、その大半が鉄鋼用でございますので、鉄鋼生産は粗鋼が一億トン程度で今後増加の見込みが余りないという状態でございますので、原料炭の需要そのものはもう横ばいか微増程度だろうと思います。一般炭につきましては、今後電力用炭としての需要増が見込まれるということで、今後十年間にかなり伸びるであろうというふうに考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 今長官のお話があったわけでありますが、先ほどの大臣の御答弁の中に、中曽根総理を初め各省にしてもそうでございますが、学者並びに知見者あるいはまた業界、各方面から諮問を受けまして、それを政策の大きい柱としていくという線については通産省も同じだと思うわけでございますが、白紙ということは、出てくるまでこれに全くノータッチであるということなのか。あるいは私がきょう石炭部長にさらにお尋ねしたい中で、先週でしたか、小委員会のメンバーの皆さんと一緒に、石炭部長も九州の方へ炭鉱のいわゆる現地踏査に随行されたと思うわけでありますが、部長とか長官とかあるいはそれぞれの課長さん、そういったスタッフが小委員会に具申するといいますか、その中のメンバーになっていらっしゃるのかどうなのか。私は、調査委員会あるいは審議会といったもののメンバーにつきましては皆目わかりませんが、所管としての皆さん方の発言というのは小委員会における重大なサゼスチョンであり、アドバイザーであるというような気持ちもするわけであります。白紙というのは、言葉としては待っておりますという形で受けとめるわけでありますが、その辺のところの本音といいますか、もう少しはっきりとガラス張りで教えていただきたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 ただいま先生から、審議会と通産省の関係はどういう関係なのだ、こういう御質疑があったわけでございますが、通産大臣から審議会の方に今後の石炭政策のあり方について御諮問を申し上げたわけでございまして、その限りでは審議会でこれから一年間かけまして今後の石炭政策のあり方について御審議をいただくわけでございますけれども、一方におきまして私ども通産省といたしましては、この審議会を補佐いたしまして、いろいろとデータ等をお出しして御審議をお助けする、こういう立場にあるわけでございます。  ただいま大臣から、最終的に御答申を待っておる状態であるという御答弁を申し上げたわけでございますが、まさにそういう状況でございまして、私どもといたしましては、国内炭の意義はいろいろとデータ的にも審議会の方に御報告申し上げ、御審議をいただきますし、また、この石炭をめぐる厳しい状況についても審議会で御審議をいただき、最終的に総合的に御審議をいただいた上で、政策的裏づけを持った生産規模というものは一体どのようなものになるのかというものが決まってくるわけでございまして、その当初に、あらかじめこういう数字があるというものではないことを御理解いただきたいと思うわけでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 そうしますと、補佐的なデータを提示していろいろと審議の大きい進捗に貢献をされているわけでありますが、もう七次というのも、先ほど岡田先生の方から出たようでありますが、各年次のあり方については、枠組みとか骨組みについては何ら変わることはない。ただこのデータが今千六百三十万トンですか、二千万トンという数字が消えるであろう、このように解してよろしいのかどうなのかが一つ。  それから、直接補佐役であるし、データをもとにして提示される。部長も先週行かれたわけでありますが、率直な気持ちとして、九州の現存する炭鉱の実情については将来性の問題、現状の問題、いろいろなそういった事実関係の問題を踏まえましてのあなたの気持ち、どうあらねばならぬのか、どう進めなければいけないのか、現状のあり方はどうなのかという率直な御意見をひとつコメントを求めたいのでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 まず初めの御質問でございますが、第八次の枠組みは、それでは基本的には第七次のままいくのかという御質問でございますが、まさにその枠組みについての御審議を審議会にお願いした上で内容の問題に入るわけでございますので、枠組みにつきましても、当然のことながら第七次の対策を踏まえて御検討をいただくわけでございますけれども、これも将来の、来年夏の答申の中で明らかにされるべき問題であろうかと思うわけでございます。  それから、お尋ねの審議会の現地視察でございますが、先週十二月の六日に、三井三池鉱業所の方に参りまして、また翌十二月七日に松島石炭の池島鉱業所の方に伺いまして、池島におきましては、切り羽の現地まで実際に委員の先生方にも潜ってもらいまして見てきたわけでございます。三池の御説明あるいは池島における現地視察におきまして、公式の先生方のコメントは私どももちょうだいしてはおりませんけれども、雑談その他の非公式のお話の中では、なかなか生産性の高い立派な坑道その他採炭現場ではないだろうかということでございまして、私といたしましても、日本の石炭鉱業が労使一体となって、そういった生産性の向上あるいは保安の確保に非常な努力をされて今日まで至っているということについて非常に高く評価をし、また敬服をしたところでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 部長がそういったすばらしい、生産性の高い、そして労使協調の中で進めている現状を踏まえられての意見というのは、恐らく小委員会の皆様方には大きなまた示唆を与えるんじゃないかと私は喜んでいるわけでありますが、先ほどの大臣の現存炭鉱の意義についての御決意と同じように、ひとつ今後またよりよい方向づけを願いたいと思うわけでございます。  大臣が退席されましたので、具体的な問題をさらにまたお願いしたいと思うわけでありますが、今石炭対策の中に、基本的に非常に重大な産炭地の市町村あるいはまた業界に対して大きな力を与えてくださっている法律がございます。いわゆる産炭地振興に関する三法でございます。その期限がまたやってくるんじゃないか。そういった一つの期限というのが脳裏から離れないわけでありまして、こういった期限切れに対する現地の皆さん方の不安というのも、積極的な要望というのも相当大きいものがございます。  すなわち、石炭鉱業合理化臨時措置法、また石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法、さらには炭鉱離職者臨時措置法、こういった法によって非常に救われてきたのであります。産炭地市町村の窮状が、もしこれがストップとなれば切られるということからして、一体どうなっていくのか、この期限切れでストップということは絶対あり得ないことであろうし、これをさらに延長するという機運の中から、今部長がおっしゃった生産性の高い、労使協調の中で進んでいる現存の炭鉱、なかんずく九州の炭鉱についてのいろいろなコメントが出たわけでありますが、この法律のいわゆる延長あるいはまた現状についてのいろいろなお考え、見解についてひとつただしておきたいと思うわけでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘のように、石炭鉱業合理化臨時措置法でございますが、期限が六十二年の三月三十一日までとなっております。そのほか御指摘のございました特別会計法、あるいは労働省御所管の炭鉱離職者臨時措置法につきましても、同じ六十二年三月三十一日が期限になっておるわけでございます。  私どもといたしましては、そういった期限切れもにらみまして、実はいわゆる八次石炭政策について先般石炭鉱業審議会に御諮問申し上げたところでございまして、来年夏の答申を待ちまして、その結果を踏まえてこういった法律の期限切れ後をどうするかにつきまして適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 何もかも第八次答申の方にひっかかるわけでありますが、もう一つの問題として、先ほどのお二方の先生の御質問の中に出ましたように、あるいはまた政府答弁の中にございましたように、とにかく国としての支援をしていくというような立場からすれば、現在までありました安定補給金の問題あるいは坑内の補助金の問題、あるいは保安の補助金の問題等々の強化についても同様なお考えだと解してよろしいのかどうなのか、その辺についての答弁を求めたいのでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘の政府の支援でございますけれども、おおむね現在の年間の予算の規模でまいりますと、約四百億程度の財政からの支出ということで石炭対策の支援をしているわけでございます。生産の石炭のトン当たりに直しますと大体千五百円ぐらいに相なるかと思うわけでございますが、そういった資金を投入いたしましても、必ずしも石炭鉱業の経営の安定は盤石ではない、むしろ経営基盤は脆弱であるというふうなことがあるわけでございまして、今後の八次政策においていろいろ御審議をいただくわけでございますが、日本の石炭鉱業が自立していく道において今後とも石炭対策が重要である、政府の支援は重要であるということは変わらないというふうに私どもは思っておるわけでございます。  その内容あるいは規模、程度につきましては、またこれは審議会になるわけでございますが、御審議をいただきまして、答申の中でお答えをいただこうというふうな構えになっております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 それでは、その点ひとつしっかりと見守っていきたいと思うわけでございます。  それにまつわりまして、自立していくためのいろいろな庄助努力、あるいはまた第八次答申におけるいろいろな審議の過程等々から考えまして、私はここで奇抜な提言をしてみたいと思うわけでありますが、私の考えがどうであるのかについては、また専門の皆様方の御見解を伺いたいと思うわけであります。  今日、いわゆる外炭と国内炭とのいろいろな格差の問題が指摘されておるわけでございますけれども、石油だけ関税がかかっているのですね。外炭にはかかっていない。石油の一リットルの単価、コストは幾らなのか。私もマイカーを運転していてガソリンを入れているのでございますけれども、かつて一リッター五十円というときがございましたね。今は百四、五十円じゃないかと思っておるわけでありますが、こういった関税をかけ、しかも、いろいろなエネ対策あるいはまた石炭のいろいろな対策にそういった利を回しているということになれば、極端に言いますと、外炭に関税をかけていったらどうなのかという問題が一つ、その可否については今から答弁をしていただきたいと思います。  それから、千六百三十万トンという非常にダウンしてきた今日の日本の現状からいたしまして、いわゆる需要の問題、またこれから大きい活性化、活路を見出していかなければならないと思うわけでありますが、例えば北海道と九州と比べたときに、北海道の太平洋はすばらしい効率を上げていっているとします。中以下、平均以下あるいは非常に低迷している炭鉱に対しては、極端に言うと、君たちはもう立っていけないからこの辺で閉山したらどうなのか、そういうアドバイスやサゼスチョンはしないにいたしましても、せめて外炭を、そういった低迷している業界がもし商権を移譲して、そしてそういう炭鉱が外炭を輸入しそれを販売する、こういった商権の移譲というものが可能であるならば、日本の炭鉱の業界というのはまた大きな活路を見出していくのではないか、私の私見、提言であります。これに対する法的な規制はたくさんありましょう。この辺についてのひとつ明快な答弁を求めておきたいのでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 第一の御提案でございますが、外炭に関税をかけて財源としたらどうだ、こういうことでございますが、いろいろと国の内外の要因から慎重に扱う必要があるのではないかというふうに考えております。  国内問題としましては、当然でございますがユーザーに対して新しい負担を強いることになるわけでございまして、また対外的には、IEAの閣僚理事会の合意事項でございまして、石炭貿易を阻害するような新たな貿易制限措置を講じてはならないという原則が存在していますし、また、昨今の貿易摩擦でございますけれども、石炭輸出国から、新たな貿易障壁の創設と強い非難を受けるおそれがあるわけでございます。  さらに、現在外国炭は価格引き下げの傾向にあるわけでございますけれども、関税で取ることでその分を政府が吸い上げるのではないかという輸出国の強い反発も考えられるわけでございまして、慎重に扱う必要があるのではないかというふうに考えるわけでございます。  それから第二の御提案でございますが、現在生産している石炭会社に外炭の商権を移譲するというのはどうかということでございますが、これは基本的にコマーシャルベースのビジネスの問題でございまして、かつて六次答申あるいは七次答申の中で海外炭開発の促進をうたわれた中で、石炭企業についても海外に出ていっておるわけでございまして、そういった企業については現在でもある程度の外炭の取り扱いを行っているわけでございます。基本的にはこの商権の問題はビジネスの問題ということで、政府が云々することはかなり難しいのではないかというふうに考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 石油はそういった一リッター五十円、現在百四、五十円にしているということは、それだけ国内の需要というのが大変大きいからそれで間に合っているのではないかという端的な考え方でありますが、石炭は基幹産業でありますがゆえに、今そういった三つの大きい法的な国内外の制約、禁止というものがございます。しかし、この問題は将来非常に問題としていかねばならぬと私は思うわけでございますので、提起をしておきたいと思うわけでございます。  翻って、私は長崎県の一区でありますが、その私の選挙区に二つの炭鉱が現存しております。ここで私は、二つの炭鉱のいろいろな特殊性また差異という点から考えまして——この二つの炭鉱はどちらも離れ島でございます。私もその一つには六百五十メートル入って、二千メートル入って、五キロ入って、六時間坑内に入ってきた体験者といたしまして考えるわけでありますが、国レベルの資源調査と、独自で行う炭鉱の探査、物探、この探査に対しての援助は、今日全く皆無に等しいのではないかという気持ちがするわけでございます。この辺について定かにしておきたいのが一つ。  もう一つは、公害患者と無関係の長崎県の炭鉱の実情でありますが、その離島の炭鉱に対して、経営圧迫の因となります発電所はい煙に対する汚染負荷量賦課金、大変舌をかむような賦課金であります。この適用は長崎県の二炭鉱については除外すべきではないかという気持ちがしてならないわけでありますが、共済みたいな感じにしていくのか、年金とあわせて考えていけば、そういったことでこの汚染負荷量賦課金というものがなされているのかどうなのか。その二点について、ひとつ明快に答弁を求めたいのでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 私から、先生の御質問のうちの第一の、企業が行うボーリング調査に対する国の補助はどうなっているのかという点についてお答え申し上げます。  現在のいわゆる坑道補助金の中に地質調査ということで、試錐をいたしましたときに七〇%の補助率で国から補助をする制度がございまして、六十年度の予算はおおむね八億円ということになっておるわけでございます。これらによりまして企業が行うボーリングを助成いたしますとともに、一方におきまして、そのベースになります基本的な基礎調査につきまして、新エネルギー総合開発機構において五十七年度から長崎県の西彼杵沖についても調査をしているところでございます。

黒田明雄通商産業省立地公害局長

○黒田(明)政府委員 委員御質問の汚染負荷量賦課金でございますが、現在の制度で申し上げますと、公害健康被害補償制度では、大気汚染原因物質を排出した量に応じましてこの汚染負荷量賦課金を負担するということが原則になっております。そしてまた、指定地域の大気汚染に関係いたしておりますのは、必ずしも地域内に所在します事業者だけには限らないということと、それから大気の汚染に対しまして事業者は共同して責任を負うのが適当であるというようなことを考慮いたしまして、この汚染負荷量賦課金は、地域の汚染の程度に応じて賦課金の料率に格差を設けるということはいたしておりますけれども、全国の工場、事業場から徴収するということにされているわけでございます。この制度あるいは賦課金につきましてはいろいろな御意見がございますが、宮崎委員御質問の点は、かように現行制度の基本にかかわります問題でございますので、この点、御理解を得たいと存じます。  なお、この補償制度につきましては、現在、環境庁の中央公害対策審議会環境保健部会におきまして、指定地域のあり方について科学的な見地から審議が行われているところでございまして、当省といたしましては、関係者が納得できる結論が早急に出ることを期待している次第でございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 方向について大変よく説明いただきました。  それから、こういった我が国の石炭生産のいわゆるプロセスを踏むときは、みんな国策によってやってきた、こういう産業である。多くの雇用の問題、なかんずく我が長崎県の高島炭鉱は一島、一町、一企業、その大きな地域生産の活性化のために、あるいはまた雇用という問題から、この炭鉱がもしなくなったら大変な雇用問題と生活の問題というものがかかっているということがございまして、その反面、長崎県、佐賀県、九州あるいは日本の各地におきましては、いつも問題になります閉山後の鉱害がはかりしれないものがございます。たしか五十七年告示で長期計画、五十七年から約十年間、全国の鉱害の量は価格にして相当の金額を要するのじゃないか。そこで問題になってくるのは、私が提案したいのは、この有名無資力炭鉱の資力調査をすべきではないか、早期にこういう無資力認定を図るべきではないかということが一つ。  もう一点は、所在不明の、いわゆる炭鉱名がよくわかりませんその鉱害に対して、こういった緩和策が特別とれないのかどうなのか。この辺についてしっかりと国の方針が決まらないと、鉱害の問題はいつまでも現地の人たちを非常に不安にし、高まくらで寝られないような状態さえ現存していることを考えまして、確たる答弁を求めておきたいのでございます。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 旧産炭地における鉱害の復旧につきましては、民生の安定あるいは国土の復旧という観点から計画的にやるということで、五十七年度から十年間の計画でやっているところでございます。御指摘の有名無資力という場合でございますが、私どもといたしましては、鉱害復旧につきましては、その原因者である鉱業権者にまずその責任を合うさせるということが基本でございまして、掘って、その後鉱害を起こしてそのまま責任を逃れるという、いわゆる掘り逃げのないようにしていかなければいけないということが基本であると考えております。  他方、御指摘のような、しかし力がないじゃないかということについて実態を調査しろということでございますが、私どもとしてはそういった実態については把握しているつもりでございます。そして今申し上げましたように掘り逃げをさせないようにしながら、しかし能力がないにもかかわらず鉱業権を放棄しない等のさまざまな理由で無資力と認定することができないものについては、個々のケースに即して調査検討いたしまして、極力認定が促進されるように努めてまいりたいと考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 最後に、百一国会、百二国会、初めて国会に出させていただきまして、その間、三回にわたる大事故がありました。死亡者に対しては心から御冥福をお祈りしたいわけでございますが、これにまつわる一時避難用のCOマスクにつきまして、私は約一年半言い続けてまいりました。通産省のスタッフの皆さん方の熱意と私の提言に対する研究によって、あるいはまたヨーロッパ、アメリカ方面にも派遣されて、鋭意種々調査をされて、サーミスター温度計から熱電対あるいは吸気の問題、JISのいわゆる検査基準の全面的な改正をこの七月に出されて、COマスクの型が、SR30からSR50という極めて精度の高い、能率アップのCOマスクが完成されたことは評価に値するものと思うわけでございます。  現状として携行を義務化されておるこのCOマスクのいわゆる新しい型によって坑夫の皆さん方の安心と、そしてまた緊急有事の場合のいろいろな問題についてお考えだと思いますけれども、通産省として教育の問題、あるいは装備上のいろいろな手法の問題、あるいは現在の新しい型の配付個数の問題、あるいは義務化されているこのCOマスクに対する今後のいろいろな方針、現状等、あわせまして御説明を願いたいと思うわけでございます。

安藤勝良通商産業省大臣官房参事官

○安藤説明員 お答えいたします。  今先生御指摘のありましたとおり、JISについては今年の七月一日に改正いたしました。それに基づきまして既に新しいマスクが開発され、逐次更新配備中でございます。現在のところ大体年末までには七千台近く入るか、こう思っております。全体の必要数、スペアも考えますと二万七千台近く要るのじゃないかと思っていますので、これら全部の更新ということになりますと来年度いっぱいぐらいかかるのじゃないか、こういう見通しを持っておりまして、その促進方につきまして補助金を交付しながら今やっているところでございます。  また、これらのマスクの適正使用と申しますか、何せ吸気温度が高いということもございますから、やはりなれさせるということが大変大事じゃないか、こう思っておりまして、今鉱業労働災害防止協会の方で使用の訓練用のスライドあるいはVTR、そういったものを作製いたしまして、もうこれもでき上がりました。近々これを炭鉱に配付する予定でございます。  また、従来一々あけて訓練しなければいかぬという不便さもあったのですが、今度いわゆる吸熱試験用の装置ができまして、これも鉱労災の九・北のセンターの方に既に配付できておりまして、今一部使用しておりますが、やはり山元に置くということも大事でございますので、これも近々山元の方に配備するよう、そういった手配をしておりまして、新しいマスクの適正使用の教育訓練についても十分配慮しておるつもりでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 いろいろと多岐にわたって御質問いたしまして、適切な答弁をいただきました。石炭産業の、また業界の発展のために鋭意精力的にひとつ御助言と御指導をいただくことを心からお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

小川省吾日本社会党・護憲共同

○小川委員長 小渕正義君。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 第八次石炭政策の諮問のあり方、内容等についてお尋ねしたいわけでありますが、その中の一つの項目になりますが、何か立地公害局長が時間の関係もあるそうですので、その分だけとりあえず御質問申し上げます。  今度の第八次石炭政策がいろいろ論じられる際に一番大きな問題になったのは、石炭産業における相次ぐ災害等が一つの見直し論の根拠になっているようでありますが、今回の八次政策の検討に当たっては、これらの炭鉱の保安基準のあり方、そういう問題に立ち入っていろいろと議論されるようなところまでいくのかどうか、そこらあたりに対する局長としての見解をお尋ねしたいと思います。  あわせて、このたびの六十一年度概算要求予算の中で、坑内保安対策の予算については、六十年度そのままの据え置きという概算要求になっておりますが、少なくとも坑内保安対策ということが社会的にもこれだけ大きな注目を浴び、それだけにまた非常に重要であります。そういう関係からするならば、ただ従来のやり方を踏襲するということじゃなしに、当然もっと突っ込んだ、一歩進んだ対策が必要だと思われます。そういう点から考えますならば、単なる金額の引き上げじゃなしに、もう少し積極性を持ってこの問題に取り組むべきじゃないのかと私は思いますが、そういう意味での局長の見解をお尋ねします。

黒田明雄通商産業省立地公害局長

○黒田(明)政府委員 炭鉱では確かに重大災害が頻発いたしまして、私ども今後の石炭対策のあり方につきましては、この点について慎重かつ大胆な対策を必要とするのではないかというふうに現在検討しているところでございます。保安の確保は石炭鉱業の生産のすべての基礎である、かつこれが大前提であるというふうに考えておりまして、今後ともこのような考え方で対処する必要があるというふうに考えております。現在までの保安問題を振り返ってみますと、これまで頻発災害につきましては大幅に減少しているわけでございますが、重大災害がまだまだ減らない、これが一つの問題であろうかと思っております。  次に、にれらの重大災害を見てみますと、いわゆる深部に特有の災害ではなくて、日ごろの施設管理等の不備に起因して発生しているものがあるというふうに考えております。それから我が国の炭鉱は引き続き坑内の深部化、奥部化が進むわけでございまして、今後操業条件や自然条件がなお厳しくなる傾向にあるというふうに認識いたしております。  以上のようなことから、今後の保安対策の課題でございますけれども、深部保安対策に配慮した重大災害防止対策の確立が重要であるというふうに考えている次第でございます。それで現在、実は私どもの局に有識者から成ります保安問題懇談会というのを設置いたしておりまして、災害の発生の未然防止、それから被害の拡大防止、保安管理体制の整備、さらに保安教育訓練のあり方等にわたりまして、各般の重大災害防止対策及び深部保安対策のあり方について鋭意御検討をいただいているところでございます。先生御質問の点につきましても、これまで火災対策など既に保安基準の強化を行っているものもございますけれども、なおこういったものを必要とするのかどうかについて含めて御検討をいただいております。  一方、予算の点でございますけれども、確かに私ども現在の予算で十分であるというふうに考えているわけではないのでございますけれども、いろいろ四囲の事情がございます。したがいまして、そういった中で私どもなりにいろいろと工夫を凝らしているつもりでございまして、鉱山保安センター事業費補助金におきましても、上席の係員クラスを対象といたしました保安技術職員特別教育コースの新設でございますとか、鉱山保安確保事業費補助金におきましてもメタンセンサーなどの各種検知器、それに集中監視装置の増強でございますとか、先ほど御質問のございました酸素マスク、COマスクの整備拡充でございますとか、その他坑道の不燃化、難燃化の促進のための補助金等を対象に加えるというようなことを考えて工夫しているというところでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 その保安対策の金額が据え置かれたとしても、中身の内容が違うということかどうかについてはまた別の機会でいろいろお尋ねすることといたします。  ただ一つ、第八次答申がされるわけでありますが、石炭産業の一つの問題としての保安対策についても何らかの形で当然答申の中に盛られるもの、このように考えていいかどうか、その点もう一度確認いたします。

黒田明雄通商産業省立地公害局長

○黒田(明)政府委員 先ほど御説明申し上げました保安問題懇談会の結論を踏まえまして、石炭鉱業審議会の方に必要な施策について、答申の結果にもよりますけれども御報告申し上げ、その間に意思疎通を十分に図ってまいりたいと私ども考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 それでは、まず第八次石炭政策の諮問のあり方について、大臣もおられるのですが、先ほどからいろいろ質問がされておるわけでありますが、すべて白紙である、そして後の答申がどのように出されるか、それを尊重することになるという意味での発言であります。通産省として第八次石炭政策を石鉱害に諮問するに当たって、一切何もなしで皆さん御検討してください、こういうものであってはならぬと私は思うのです。そこには何らかの、今までの第七次政策の上に立って、通産省としての一つのものを持って、たたき台か試案か出しながら、それに対する石鉱害としてのいろいろな検討をされていくということであるべきであって、すべて石鉱害が検討するので白紙でございますと白紙の立場で諮問をしたのかどうか。そういう諮問のあり方は行政としてはあるまじきことだと私は思いますが、その点はいかがですか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、第七次石炭政策の上に立って、第八次石炭政策はどうあるべきかという意識で通産大臣より御諮問をしたところでございます。第七次石炭政策の策定されました時期と現在とではどのように状況が変わっているか、そういう状況が変わった中で、国内炭の意義は第七次のときと現在とではどういうふうに違ってくるのか、そういう中でどのような生産規模が妥当なのであるか、あるいは保安の確保については、第七次石炭政策策定時と今とではどう充実していかなければいけないか、財源はどうあるべきか、そういうことでございまして、第七次石炭政策が基本にあることは御指摘のとおりでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 今の説明をお聞きいたしますと、それぞれの問題点、テーマごとに、こういう問題については検討願いたいということで、通産省が今日までの行政として第七次政策まで推進してきた立場からの一つの考え方といいますか、そういうものは何も示さないで、ただ問題点だけ、こういうことでございます、こういうことでございますからどうぞひとつ御検討してください、そういう出し方をなさったわけですか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御審議は一年間お願いをしているわけでございまして、九月の段階では、先生おっしゃるように、これから今後の石炭政策のあり方について御審議をいただきたいという御諮問を申し上げたわけでございますが、その後ユーザーあるいは生産業界、労働組合の意見も踏まえ、そして地方公共団体の意見も踏まえて、来年以降になりますと内容についての審議になるわけでございますが、そのときには先ほど来御答弁申し上げておりますように、参考になるデータを出すと同時に、役所としての考え方も必要があれば出していくということに相なろうかと思います。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 私がこの点に特にこだわるのは、マスコミ等新聞報道を通じて通産省の姿勢というものがちらちら報道されたわけです。それは報道ですから、実際には通産省としては責任持てないと言われるかもしれませんが、新聞報道の中に流されたものを見ますと、まさに縮小撤退論という立場の中でこれから取り組む、大体そういう傾向の記事が報道されておったわけですね。これは、だれが出したかは別として、通産省筋からのこれからの取り組みとしてという形で、石鉱害の諮問に当たってのいろいろな新聞等の記事の中にそういうものが出されてきたわけでありますので、そういう意味で通産省なりに何らかの一つのものを持って石鉱害に諮問したのじゃないか、そういうものがあるのではないか。  例えば、はっきり言うと縮小撤退論の方向にいくのか、第七次石炭政策をそのまま推進する方向で諮問するのか、また一切白紙でございますということでやるのかということで質問をしたのも、実はそういった個々の中に、通産省としての一つの言動がマスコミ等を通じていろいろ報道されておった事実がございますので、そういう意味で、通産省としては第八次政策の検討、審議に当たっては、今度は七次政策を見直すという何か一つの方向づけだけは持ちながら諮問したのではないかという疑念がどうしても払拭できませんので、そういう意味でお尋ねしたわけでありますが、その点はいかがでありますか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 確かに、私ども新聞報道でそういう記事があったことは承知をしておりますが、そういうことで御諮問を申し上げたという事実は全くございません。また、審議会におきましても、現在のところこういった方向が妥当であるというような方向についての審議はまだ行われておりませんで、現在は事実関係あるいは環境の関係についての知識を把握し、その上で対策の内容を決めていくという段階でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 わかりました。  ではエネ庁にお尋ねしますが、先ほども議論が出ておりましたが、我が国の国内炭、石炭の位置づけというものを、我が国のエネルギー政策の中でどのような形に位置づけておるのか。まずどういう位置づけをするかによって国内炭の今後の方向というものもまた非常に——いろいろと石鉱害の中で議論をされるわけでありますが、やはりエネルギー政策の中における国内炭の位置づけというものを、行政府は行政府としての立場から何らかのものをきちっと示す必要があると思うのですが、そういう点で、そこらあたりはどのような形で石鉱害との関係においてなされておるのか、その点をお尋ねいたします。

野々内隆資源エネルギー庁長官

○野々内政府委員 従来の第七次策におきましては、国内炭の意義というものを、エネルギー安全保障という観点あるいは地域経済、雇用というような観点から意義づけておりまして、そういう立場に立って七次策というものがつくられていたわけでございます。今回、その七次策の期限が参りまして、新しく第八次策が今まさに検討が始まっておるところでございまして、その中で一番大事なことは、国内炭の生産というものの意義をどこに見出すか、これが実はまさに最大の問題でございまして、それがあって初めて施策ができ、またそのコストをだれが負担するかということになるわけでございますので、私が今そこのところを申し上げるということであれば、結局石炭鉱業審議会に諮問していただいている中身そのものについての意見を申し上げることになってしまいますので、ちょっとまだ私どもとしてそこまで御意見を申し上げる段階には達していない、まさにそこがこれから審議をしなければならぬ一番重要な問題であるというふうに考えております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 それでは、エネ庁としては一つの考え方を持って、それを諮問の中に出した、こういうふうに理解していいですね。

野々内隆資源エネルギー庁長官

○野々内政府委員 まさに石炭国内生産の意義というものについて審議をしていただきたいということについて諮問をいたしまして、それについてどういう考え方があるかということを現在各方面から伺い、また、私どももいろいろな調査をし、それを審議会に資料として提供しているというのが実情でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 石鉱害の中でいろいろな立場の人たちが議論されるわけでありますから、それぞれの角度からの議論がされると思います。そういう点でやはり大事なのは、我が国のエネルギー政策を預かっているエネ庁自身が、どのような見識なりどのような考え方を持ってそれに臨んでそういう議論の中に参加するかどうか、これが非常に大事なことだと私は思います。そういう意味で、我が国のエネルギー政策に対する国内炭の位置づけというものをしっかりと持ちながら石鉱害に臨んでいただかないと、後はいろいろな角度、立場の人たちからの議論でありますから、それにとかく巻き込まれてしまうということであってはいけないということからお尋ねしたわけでありますので、その点はしかとエネ庁はエネ庁の立場から、我が国のエネルギー政策を一番預かっているところでありますから、そういう点での対処方もぜひお願いしておきたいと思います。  それから部長にお尋ねしますが、これからの石鉱害のスケジュールその他、先ほどから発表されておりましたが、これからの石鉱害での主要な検討事項の項目をまずお聞かせいただきたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 審議会では、政策部会の検討小委員会で骨子を御議論いただくことになるわけでございますが、主要な内容につきましては、まず、ただいま資源エネルギー庁長官からも御答弁申し上げました国内炭の位置づけと申しますか、国内炭の意義についての御議論があろうかと思います。その上で、国内の供給と申しますか、生産の実態を踏まえての生産レベルの問題があろうかと思います。  さらに、昨今非常に問題になっております保安の問題について、保安を確保するのにどういう対策、対応をしていくかという問題があろうかと思っております。その上で、先ほど来問題になっておりますいわゆる三本柱の政府の支援でございますけれども、現在の政府の支援のあり方が今後どうなるかということで、それに関連いたしまして需要の確保策をどうするか、あるいは価格の決定のメカニズムをどうするかという問題が主要な問題になろうかと思っております。  最後に、これも基本的な問題でございますが、石炭対策を実施していくための財源のあり方がどうなるか、これも大きな問題であろうかと思っております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 今のそういった主要項目の検討の中で一つの参考として、特に我が国の石炭産業と似ているイギリス、フランス、西ドイツ、これら西欧産炭国の石炭政策といいますか、エネルギー対策と言っていいか、そういったものの実情とか政策はどのように行われているか、こういうものについても当然そこまで幅を広げて、検討というのでなしに、そういうものを十分調査の上で、先ほどのいろいろな項目の検討の中で一つの参考としてこういう問題まで突っ込んで触れられるのかどうか、その点いかがですか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘のとおりでございまして、先般来、私どもも職員を派遣いたしましてヨーロッパの石炭政策の実態について把握をしてきたところでございまして、そういった資料あるいはその他関係の資料をできるだけ収集いたしまして審議会に御報告をし、御議論をいただくベースにいたしたいと思っております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 そういう審議会での検討の資料として非常に大事な資料になりますが、この前石炭協会が、先ほど言われた随員として一緒に参加したということで報告書がまとめられておりますね。あれが一番最近というか、三カ国における石炭を中心とした新しいエネルギー政策その他のもので、政府としても、今の新しいものではこれが一番大きなよりどころになるのかどうか、政府みずからまた別の角度からいろいろそういった資料等をまだお持ちなのかどうか、その点はいかがですか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 特定の目的を持って調査をした資料といたしましては先生御指摘の報告書でございますけれども、その他一般的に海外の情報網その他から取り寄せられてまいります情報について私どもとしては逐次把握をしておりまして、それらも総合して審議会に御提出していくということになろうかと思います。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 わかりました。それらいろいろなものが審議の対象になって最終的な答申案づくりになるわけでしょうけれども、そういう審議の中で、今の我が国の石炭企業の経営のあり方といいますか、そういう石炭企業の今日のあり方等についても、どのような答申が出されるかによってまた方向が違うでしょうけれども、例えばそういった今の我が国の石炭産業のいろいろなやり方、あり方等についても一つの大きなファクターとして検討の対象になっていくような流れになるのかどうか、そのあたりはもう別だということで余り触れられない方向で議論されるのかどうか、その点ちょっと突っ込み過ぎた感じもいたしますが、今まで部長が接触されている感じの中での見解で結構ですから、お尋ねいたします。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘の企業のあり方ということでございますけれども、現在の私企業体制を変えて、例えば国営化するとかそういった問題を含めて審議するのかというお尋ねであるとすれば、私は、我が国の石炭鉱業の場合、私企業体制を前提に行っていくことが妥当であると考えておりますし、また七次石炭政策の答申においてもそのような御答申がなされているわけでございまして、この点は八次答申においても変わらないのではないかと思っております。そういう意味では、企業のあり方の問題については突っ込んだ議論はなされないのではないかと思うわけでございますけれども、御指摘のように、審議の推移によってはそういった問題も必要に応じて御審議をいただくかというふうに思っております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 ちょっと言葉足らずでございました。私も何も国有化とかそういった問題をいろいろ想定して言っているわけではありませんが、今の石炭企業については、協業化とか共同化とか、流通機構についてももう少し考え直したら、一元化とか、いろいろ問題点がたくさんありますから、そういうものも含めた中で議論さるべきじゃないかということでお尋ねしたわけです。  それからあと一つ。いろいろそういう答申を出す前に、まず実態といいますか、我が国の石炭産業の置かれている状況を十分客観的にも知らなくちゃいかぬ。そういう意味で私が思うには、先ほど出ました産炭国、欧州のああいった三カ国と我が国の石炭産業を見た場合、一人当たりの生産性は極めて違いがありますね。そういう問題とか、三カ国のそれぞれの労働者の平均賃金がかなり平均よりも上回った状況にある。  ところが日本の場合には、労働省おられますのでちょっと教えていただきたいと思いますが、恐らく我が国の石炭産業の平均賃金水準は産業平均より以下じゃないかと思います。現状をどう理解するかは別として、そういうものをどんどん出し合った中でいろいろ総合的な話を進めてもらわないといかぬわけでありますので、そういう意味で、ひとつ石炭部長としてアドバイスといいますか、直接委員じゃないけれども、小委員会の中でいろいろ資料を出し、問題点を提起する立場でしょうから、そこらあたりは十分抜かりのないような議論の展開をしてほしいと思うわけです。そのあたりのお考えがありましたらお聞きしたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、内外の石炭鉱業にかかわるデータをできる限り収集いたしまして、私どもとして審議会を補佐してまいりたいと思っております。

浦尾武昭労働省大臣官房政策調査部産業労働調査課長

○浦尾説明員 お答えいたします。  毎月勤労統計調査による年間平均の現金給与総額、月額でございますが、五十九年の石炭産業は三十四万五千百十円でございます。これは調査産業計三十一万四百六十三円を一〇〇とした場合一一一・二に当たります。  以上でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 今のは時間外収入すべて含めた総賃金というか、そういうものでしょう。

浦尾武昭労働省大臣官房政策調査部産業労働調査課長

○浦尾説明員 今先生がおっしゃられましたとおりでございまして、所定外も含めました現金給与総額でございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 賃金水準の比較のときには、そういった所定外はそれぞれの産業によって違うわけだから、少なくとも所定内就業時間における賃金水準でいろいろなものはデータとして出してもらわぬと、実態を知らない人から見ると混同されますので、その点は特に意見として申し上げておきます。  それから、大臣もお見えになったようでありますが、石鉱審のいろいろな議論の中で一番大事なのは、確かに経済性の効率という面からの追求も大変大事です。しかし、今の我が国の石炭産業の置かれておる状況の中では必ずしもそれだけでは考えられない。社会政策上何とか考えなければいかぬような面もあるわけですね。例えば、先ほどもちょっと出ておりましたが、長崎県の高島炭鉱あたりは一つの島でありまして、炭鉱によって一つの町が成り立っておるわけですね。それで、炭鉱がなくなると、消えると言うとちょっと言葉は悪いですけれども、町が消えてしまうのですよ。しかも人口四千人近くの人たちがそこで生活をしておるわけです。  そういうことを考えますならば、経済性の効率的な面だけでなしに、もちろんそれも必要な面はあり、大事でありますが、別途の、今の石炭産業の中に、そういった違った、やはり社会政策上何とか考えていかなければいかぬという面があり、炭鉱もいろいろありますから、そこらあたりについても石鉱害の中で十分議論の対象にしていただかないことには、高い炭を無理してまで掘らなくてもいいではないか、やれ海外から買えばいいではないかという何か短絡的な議論だけでいろいろされては大変なことになります。そのあたりについて、大臣としての御所見をお伺いいたします。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 小渕委員にお答え申し上げます。  まさに石炭産業は、自由主義経済体制の中で社会政策的な意味を非常に持った産業だと私は認識をしております。したがって、経済の効率の追求ということも非常に大事でございますが、同時に今御指摘になったような、例えば高島炭鉱を例にお挙げになりましたが、そういった炭鉱を成立させている地域の事情あるいは雇用の情勢、いろいろな問題を勘案して考えなければならないのは当然であります。したがって、この石特におきまして非常に真剣な御検討をいただいておりますのも、また通産省がそれに対して真剣な対応をいたしておりますのも、まさに委員御指摘のそういった観点からであると思っております。したがって、第八次答申に向かって進んでおるわけでございますが、そういった観点は常に頭の中にしっかりと置きながら当然検討すべき視点だと思っております。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 次に、これは一般論でありますが、石炭の付加価値を高めていく、そういう意味での技術開発という点については、今後どのように取り組まれるのか、主要な考え方だけで結構ですから、見解をお尋ねいたします。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 石炭の持つ取り扱い面での不利性あるいは環境面でのデメリット、そういったものを解消いたしまして、付加価値を高めてその利用拡大を図る観点から、石炭の利用技術の開発を積極的に推進しているところでございます。  具体的には、中短期の開発として期待されるテーマといたしまして、高濃度スラリー技術、これは石炭の流体化によるコールチェーンの高度化を図る技術でございますが、そういった高濃度スラリー技術であるとか、あるいはコール・カートリッジ・システム、CCS技術と略しておりますが、中小の一般産業ユーザーの炉前まで微粉炭を供給いたしまして灰を引き取るという輸配送のシステムでございます。そういったCCSシステムであるとか、その他灰の有効利用であるとか、あるいは中長期的には石炭のガス化の技術であるとか、あるいは石炭の液化の技術を開発、推進しているところでございます。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 ぜひその点は、今後ともひとつ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  最後になりましたが、これはちょっと質問の中に触れていませんでしたが、今鉱害の問題でいろいろ意見が出ておりましたけれども、この間、先週発売された「フォーカス」ですかに、筑豊鉱害屋三人男の御殿と顔写真入りの記事が出ていました。あれを見ていたら、国民の皆さん方は、改めて鉱害対策がいかにずさんだったかということをお感じになったのじゃないかと思うのです。だから、今の鉱害対策のあり方について先ほど議論も出ておりましたが、従来、会計検査院等はどの程度こういった問題をチェックしておったのかということも非常に大きな疑問として残っておるわけです。いずれにいたしましても、私は、あの記事を見たら、通産省としては厳粛な反省をしなければならぬのじゃないかと思います。」そういう意味で、鉱害復旧対策については、もう一度ひとつ根本的なメスを入れるような気構えで洗いざらいしてみるということが必要じゃないかということと、あわせて大臣に、いろいろ先ほどから質問しておるわけでありますが、将来的にも我が国に非常に重大な影響を与えるようなことになりかねない内容を含んでおるわけですから、石鉱害の第八次答申については本当に緻密な、いろいろな立場からの議論をしていただいて、答申がいろいろ関係者の方が期待されているような形で出されるようにぜひひとつ努力していただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。大臣の御見解、御所見があればお伺いいたします。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○村田国務大臣 環境整備と申しますか、環境の保護ということはもちろん大事な問題でございますから、私はその記事をまだ読ましていただいておりませんが、そういった小渕委員御指摘の点は十分注意をしてまいるところでございます。  それから、第八次答申に向けての心構えということでございますが、これは私は、石炭産業というものは、自由主義経済体制の中において非常に社会政策的な意味を多く持った産業である、そしてまた、そういった意味で、今後も石炭産業に真剣に対応しなければならないと思っております。したがって、既に私がここでいろいろ申し上げておることで御承知をいただいておるかとも思いますが、現在の石炭産業を守っていかなければならない。これは地域のためにも、また雇用問題、その他国民的な意義からも非常に重要だ。それと同時に、経済の効率性でございますとか企業の自主努力、そういうものもひとつぜひ貫いていかなければならない、そういう視点の上に立って今後対応してまいる、このことを申し上げておきたいと思います。

小渕正義民社党・国民連合

○小渕(正)委員 終わります。

小川省吾日本社会党・護憲共同

○小川委員長 小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 時間もありませんので、鉱害復旧の問題に絞ってお尋ねをいたします。  来年度の概算要求では、鉱害復旧費は今年度とほぼ同額になっております。これを全額確保しても、筑豊の鉱害復旧は臨鉱法の期限内に終わらないのではないかという心配が地元では強まっております。実際の見通しがどうか。昨年も同じことをお尋ねしておりますが、今の時点でどうかということを伺いたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 来年度の要求につきましては、今先生からお話があったとおりでございますが、御案内のとおり、昭和五十七年度を初年度とします十年間の長期計画におきまして、鉱害量約五千九百億円が五十七年度の価格で存在するという指摘になっているわけでございます。その後の状況を見ますと、おおむねこの鉱害量を処理するに足るペースで行ってきているわけでございますが、来年度の予算要求についても、極めて厳しい財政状況でございますけれども、五百十四億の要求を何とかとりまして計画的、効率的に実施し、期限内に鉱害復旧が完了するように最大限の努力を払ってまいる所存でございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 期限内に鉱害復旧が終わらないのではないかという不安を地元の人たちが感じていることの一つに、直方駅前の商店街の問題があります。この一帯は鉱害地域だと言われておりますけれども、大きな商店が密集しており、この復旧を本格的にやれば相当の金がかかるのではないかというので手をつけかねているのじゃないかというふうに地元では言われているわけです。ここにも写真を持ってきましたけれども、その間に一雨降ればたちまちこういうふうに商店街に水がついてしまっているわけです。筑豊でも有数の商店街でありながらしょっちゅう水がつくような状態では困る、期限内に必ず復旧してもらいたいという声が我々にもしばしば寄せられるのですが、この点どういう見通しをお持ちでしょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 直方市の市街地の鉱害被害の問題でございますけれども、五十五年に地元住民から鉱害認定の申し出が事業団になされております。ただ、この冠水被害が鉱害であるかどうかについては科学的に因果関係を解明する必要があるわけでございまして、石炭採掘との関係を明確にする判断に必要なため、六十年度において鉱害科学調査を実施することとしております。当省といたしましては、その科学調査の結果を待って、石炭採掘の因果関係があり、したがって鉱害であるということになりますれば、期限内に復旧するよう最大限努力をしてまいる所存でございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 直方市内ではもう一つ植木地区の問題というのも非常に深刻であります。ここは数年前から慢性的に地下水位が上がって、ここでもしょっちゅう浸水騒ぎが起こっております。その写真もいただいてきたのですが、こういうような調子ですね。これはもう鉱害であることははっきりしていると思うのですが、ただ鉱害だけかというと、近くで大きな農業用件ぜきの改修が行われたとか、あるいは新幹線や高速道路なども走るようになったとかいうことも影響しているのではないかというので、幾つかの政府関係機関が一緒になって、この前から調査をしたり協議をしたりしておるということは聞いておるのですが、これもどうなっているか、見通しも含めてお尋ねをしておきたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘の件でございますが、五十五年当時地元から、冠水被害の原因が、花ノ木ぜきというせきを大型化するという事業がありまして、それがもともと鉱害復旧事業とも関連して行われたということに関連して、その工事の結果冠水被害が出ているのではないかということで措置要請が出されていたわけでございますが、原因等につきまして、先生今御指摘のとおり関係機関、通産局、農政局、建設局、県、鉱害事業団でございますが、そういった関係機関による連絡会で検討をしてきております。これまでに九回ばかりの検討会が催されたようでございますが、原因としましては、そのほかに山陽新幹線、九州縦貫道路等の建設もあるということで、いまだに原因が解明されていない状況でございます。  私どもとしましては、この地区におきますこれまでの調査あるいは鉱害復旧の実績等にかんがみまして、現在の冠水被害というのは鉱害に起因するものとは思われないということでございますが、なお原因の解明のために協力はしてまいる考えでございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 鉱害によるものとは思われないということを今言われたのですけれども、しかし現実に地元の人たちは、もう再三水がつくようになって音を上げていることも間違いないです。だから関係機関がそれぞれうちじゃないうちじゃないと言っているうちに期限が切れて、もうどうしようもなかったということになってくれたのでは困るというのが地元の声です。ですから、この点については必ず近々のうちにでも責任のある結論を出して対処していただくようにお願いをしておきます。  それからさらに、この前の臨鉱法の延長のときに、新しい鉱害現象として、赤水とか湧水などというのが各地で起こっているということも問題になったのですが、これも抜本的な対策を検討していただきたいということを申し上げているのですが、その後どうなっておりましょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 現在の臨鉱法の体系におきましては、赤水湧水だけでは鉱害復旧に至らないわけでございますが、当然にその赤水が農地であるとか家屋であるとか、そういった臨鉱法の対象になる鉱害復旧事業と絡んでまいるわけでございまして、そういった場合には逐次復旧を行うことにしておるわけでございます。これまでに一部実施したところもございますし、また未処理の箇所につきましては、水量あるいは水質が状況によって各地区違うものでございますので、実証試験の結果を踏まえまして、現在各地区ごとの特性に応じた鉱害復旧工法を検討しているわけでございまして、これも周辺地域の復旧とあわせまして、結論の出次第臨鉱法期限内に復旧できるように努めてまいる所存でございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 今幾つかの問題を個別的に挙げましたけれども、そういうようなものも含めて、必ず鉱害復旧は期限内に完了していただくということで一層の努力をお願いいたしたいと思います。  次の問題に入りたいと思いますが、昨年鉱害復旧をめぐって一連の汚職が摘発をされました。当時私も、いろいろな過大な見積もりで工事をやったのではないかとか、あるいは全く工事をやってもいないのに代金を払ってしまったのじゃないかというような事例を挙げてその是正もお願いをしたところでありますけれども、そういうようなものについては、その後どのように是正されておりましょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘のように、昨年各方面からいろいろと鉱害事業団の事業につきましての御指摘があり、また不祥事件も生じたわけでございます。その後国会での御審議なども踏まえまして、いわゆる正常化に向けての措置をとったわけでございます。その業務改善の後におきましては、特に問題のある事象が生じているというふうには私どもも承知しておりませんけれども、以前にいろいろ起こりましたことが、現在いわば積み残しのような格好である地点で刑事事件も起こしているように承っておりますが、正常化以降の状態といたしましてはそういう問題は出ていない。また今後ともそういうことについての注意を、事業団あるいは通産局によくしてまいりたいというふうに思っております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 ちょっと私の伺ったのと違うように思うのです。いろいろ過大な見積もりによる支払いとか、実際には工事もやっていなかったのに払ったのじゃないかというような指摘をしたのです。だから、そういうようなことについて返還をさせるとかきちんとけりをつけるようにしていただいているか、実際そういうようなことはどれくらいあったかという意味でお尋ねしたのです。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 鉱害復旧事業が見積もり以上に支払われていて、過払いがあったのではないかということでございますけれども、おっしゃるとおり、そういう件数が過去にございまして、まことに遺憾な事態であると私どもも感じているわけでございます。私どもの内部の検査でそのような事態が発生したことをチェックをいたしまして、その過払い金については事業団を通じまして鋭意回収に努めさせているところでございまして、その一部を既に返済したものもございますし、今後残る過払い金につきましても事業団を指導監督いたしまして、返済を求めていく考えでございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 それから、あの一連の汚職の摘発とその後の事務の改善などに手間がかかったために、工事の発注が昨年度あたりから非常におくれている、これを取り戻してもらいたいということも大きな問題になっているのです。しかし、実際には余り取り戻せていないというのが地元の評判なんですが、これは見通しも含めてどうなっているか、お尋ねをします。

棚橋滋雄資源エネルギー庁石炭部鉱害課長

○棚橋説明員 御説明申し上げます。  先生御指摘のとおり、昨年の不祥事件によりまして、鉱害復旧の発注はかなりおくれました。年度末に至りましてようやく発注できたという状況でございまして、そのおくれは地元の住民の方々にも大分御心配をおかけいたしたところでございますが、その後におきまして、私ども、事業団の九州支部ないし事業所に、嘱託ないしはいろいろなところから御支援をいただきまして、体制を整えまして早急にそのおくれを取り戻すべく今鋭意努力をしておるところでございます。最近のところを見ますと、その体制を整備したことが効果をあらわしておるというような状況になっております。私ども、この年度末までさらに必死に頑張りまして、そのおくれが解消するよう努力してまいりたいというふうに考えております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 努力はされるのでしょうけれども、そうすると、年度末ぐらいには大体取り戻せますか、余り取り戻せないのじゃないかというふうに段は聞くのですが。

棚橋滋雄資源エネルギー庁石炭部鉱害課長

○棚橋説明員 御説明申します。  私どもとしては、必死に全力を傾けて取り戻すべく努力いたしたいと思っております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 それじゃ、後の努力を見守っておくという以外にないと思います。  次の問題ですが、今回山田市で市長や議長が逮捕されたことをきっかけにして、また大物鉱害屋の逮捕が相次いでいるわけであります。先ほども話に出ました、これがその「フォーカス」に写っている写真ですね。こういうようなものを見せられたら、多くの人々が、本当に鉱害復旧なんかに金をかける意味があるのだろうかという疑問を持つようになる。これは私も無理からぬことだと思うのですね。  だから、本当にこういうような一部の悪徳鉱害屋に対しては、今度こそうみを徹底して出していただきたいと思うのですが、その成否のかぎを握っているのは通産当局や公害事業団ではないかと私は思うのです。あなた方自身が一番今まで痛めつけられてきたわけですからね。だから、こういう被害を我々は受けているということをどんどん出したら、それこそ大物鉱害屋などというのは一網打尽にできる。あなた方はそれだけのものを持っているんじゃないでしょうか。だから、そっちの方の協力というか努力もやっていただいて、本当にもう余りこんなことが話題にならないようにきちっとけじめをつけていただきたいのだが、どうでしょうか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘の大物鉱害屋でございますけれども、最近の新聞紙上をにぎわしております筑豊地方における刑事事件、逮捕事件につきましては、必ずしも鉱害関係だけでなくて、選挙に絡む問題、あるいは子弟の市役所への就職に絡む問題等々いろいろあるように聞いておりますけれども、鉱害に絡む問題については、いずれもいわゆる正常化以前の事件でございまして、御審議いただきました正常化の対策の実施以降については、私どもとしてはそういったものが出るというふうには思っておりません。今後ともそういうことで事業団、通産局を指導し、大物鉱害屋あるいはその他のいわゆる鉱害屋から、厳正にかつ公平に鉱害復旧事業ができるように努めてまいる所存でございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 捕まっている大物鉱害屋はほとんどが暴力団とのつながりを云々されている。それから、もう一つ特色があるのは、同和団体の役職を名乗っている者が多いということなんですね。幾つか具体的に言ってみますと、井手元登というのは日本同和会全国連合会長、松岡福利というのは全日本同和会飯塚支部長、西本薫というのは全日本同和会川崎連協顧問、新日本解放同和会顧問などと名乗っているのですね。全日本同和会というのは私も知っているのですが、日本同和会とか新日本解放同和会というのは一体どんな団体なのか、あなた方御存じでしょうか。

棚橋滋雄資源エネルギー庁石炭部鉱害課長

○棚橋説明員 お答えいたします。  私どもも十分に承知しておりません。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 だから、実体がないということなんじゃないですか。しかし、実体がないにもかかわらずやたらにこうやって、しかもいかにも大きく見えるように日本同和会全国連合会長などとこけおどしみたいな名前をつけるというのは、やはりこういう肩書をつけるということが、あなた方と交渉したりする上でメリットがあるというのでこういう肩書をやたらにつけているんじゃないですか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘のような傾向はあったかと思われるわけでございますが、いずれにしましても、正常化以降については、私どもとしても、暴力あるいは脅迫などの不正な手段による圧力を断固排除いたしまして公正な業務の執行に努めているところでございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 正常化以後はこういう肩書が全く通用しないような状態にしておるというふうに聞こえるのですけれども、同和関係については決して正されてきていないということを私たちはむしろよく聞くのですね。復旧は原則としては申し込みや認定などの古い順、あるいは危険度などとか幾つかの順番を決める基準というのがあるわけですけれども、同和団体の声がかかるとそれを無視してどんどん優先的にやっている。だから、六十二年三月の地対法の期限が迫ってくるにつれて、とにかく同和地区は期限内に完了させなければならぬ、そのために一般の人はしばらくは泣いてもらいます、こういうようなことを私に対しても事業団の幹部などが公言をするというような状態もあるのですよ。だから、こういうような実体のない同和団体などの名前を名乗ったりして押しかけてくるんじゃないですか。その点どうですか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 御指摘のとおり、鉱害復旧の順序につきましては、緊急性の高いもの、それから公共事業関連、それから認定の古い順ということを重要な要素として総合的に決定をしているわけでございますが、一方におきまして、今先生御指摘の地域改善対策特別措置法の期限内に、いわゆる同和家屋を鉱害復旧するという問題もあるわけでございまして、この同和家屋の復旧につきましては、地対法の優遇措置のあるうちに行わなければメリットがなくなるという事情にもあるわけでございます。したがいまして、予算の範囲内で同和家屋の復旧を急ぐと同時に、その他の家屋につきましても、先ほどの順番で鋭意予算の範囲で努力をするということでございまして、最終的には期限内に被害を復旧するという目標でやっているわけでございます。  いずれにいたしましても、暴力あるいは脅迫といったような不正の手段に対しては、今後は断固として排除していくという構えでやるつもりでございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 だから問題は、地対法の期限があるから、その施策を受けられるものは優先的にやらなければいけないと言うけれども、その優先というのがもう絶対化してしまって、そういう施策とも無関係に、とにかく同和地区ということであれば無条件に全部それまでにやってしまうというようなことになっていないのかということなんですね。  私は一般地区と同和地区とのバランスという点で去年もやはりお尋ねをしたことがあるのですが、去年の七月十一日の石炭特別委員会における檜山石炭部長の答弁では、道路改良などの地域改善事業に関連した場合、あるいは地域改善対策事業としての住宅改良事業融資を利用できた場合など、この二つを具体的に挙げて、こういうような場合には公共事業関連家屋として、危険度とかあるいは認定順などを飛び越えて優先させるという考え方を示しておられるのです。だから、こういうような、明らかに地対法との関連ではっきりこれは優先ということになるならなるほどと思いますが、とにかく同和地区であれば、全部もう絶対的に六十二年三月までにやってしまわなければいかぬということで、こういう法律上の施策と無関係にみんな優先ということに運用上なってないのか。地元の人たちは、実際にはそうなっている、だからいまだに同和関係については正されておらない、こう言って不満を持っているのですね。この点どうです。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 同和家屋の復旧につきましては、今先生から御紹介いただきましたような私どもの従来の答弁どおりの考え方でやっているわけでございまして、その当該地域であるから全部ということではないわけでございます。  ただ、同和審議会の報告やあるいは地対法の趣旨にもありますように、周辺地域との一体性を保ちつつ地域の環境改善が円滑に進むようにやるということでございまして、またその内容につきましては、長年経験、知識を持っております現地の職員が十分に慎重に検討を重ねて、誤りのないように対象選定を行っているというふうに私ども信じておるところでございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 今部長は、自分たちとしては去年と同じような考え方に基づいて今でも対処している。そうすれば問題はないということになるんだと思うのですが、実際にはそういう話をしょっちゅう我々聞かされるんですね。だから本当にそうなのかどうかはっきりわかるような説明資料を出してくれ、数字的にどうなっているかということも示してくれと言って、この前から再三申し上げているのですけれども、そういう資料は出してくれないわけですね。  それで私は、そんなにこの資料をつくるのが難しいものかと思って、例えばこの住宅の融資をどの程度受けているかということについて県に照会したら、ちょっと待ってくださいよということで、十五分ばかりしたら、筑豊地域では同和地区のこの住宅改良融資を受けた戸数は、新築が四百十四戸、改良が百六十八戸というふうにすぐ数字を教えてくれているんですよ。これは筑豊地区でこの融資を受けた全部ですから、鉱害復旧と無関係な融資を受けた方もいると思うのですけれども、県などですぐこういうふうに数字を出すんですよ。あなた方が出せないというのは、実際にはそういう原則で運営しているとおっしゃっているけれども、それがゆがんでいるので我々に提示できないということじゃないかと私は勘ぐらざるを得ないのですが、その点どうか。本当にそういう点を改めていただくということを最後にもう一度強く要求をして、私の質問を終わります。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○高橋(達)政府委員 同和家屋がどれくらいあるかということを確認する資料はなかなか難しい状況にございまして、今御指摘の住宅資金対象ということであれば県の方に統計があるようでございますが、私どもとしてはそういう状況がわからない、また鉱害復旧をするのか、あるいは鉱害復旧でない形でその資金を借りているかの区別もございますし、なかなか複雑な状況でございまして、御要望になかなかこたえられない状況にあることを申しわけないと思っているわけでございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 納得できませんけれども、終わります。

小川省吾日本社会党・護憲共同

○小川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時六分散会

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