社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1985/12/03
会議録
○戸井田委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。多賀谷眞稔君。
○多賀谷委員 非常な時間の制約の中で質問をするわけですから、簡単に御答弁を願いたいと思います。 私は、国鉄再建委員会が、当面の赤字対策にのみ終始して将来の総合交通の展望を欠き、さらに地域経済、地域格差を一層拡大をする、こういう案を出されたと思います。その再建委員会の案をまさに閣議はうのみにしたという、これは大変大きな問題を含んでいると私は思うのです。それで、余りにも政府は日本経済全体、その地域住民、そういうものを無視した無責任な態度ではなかったか、こういうように思います。これらの問題は別の機会に追及いたしたいと思いますが、私は、石田労働大臣が親任式を終えられて、すぐに三池争議の収拾に当たられたことに非常に敬意を表しているわけですが、それとともに炭鉱離職者の対策に極めて積極的でありました。 そこで、その石田労働大臣の薫陶を受けられた山口労働大臣に対して、国鉄再建に伴う雇用対策についてどう考えられておるか、その所信を承りたい。
○山口国務大臣 戦前戦後に限らず、国民生活、国民経済にとりましても国鉄の果たした役割というものは非常に重要なものがあったわけでございまして、また今日多くの赤字を抱えまして、その運営赤字というものがまた国民の皆さんの負担を、大変御協力をいただいておる、こういう状況の中での国鉄再建ということでございますが、その中にいろいろな問題がございますけれども、中でも人の問題をどう調整をしていくか。今まで貢献があった国鉄職員の方々の、経営効率運営の立場からの再就職等について、ひとつ最善の配慮を持ってこれを円滑に進めるということが国鉄運営の健全化あるいは再建の一つの大きな条件でもあろうというふうに考えておるわけでございまして、労働大臣といたしましては、こうした職員の方々の再就職の問題に対しまして、国鉄当局、運輸省が所管でございますけれども、雇用官庁としての労働省としての責任を果たしたい、そういう認識の上に立って国鉄当局にも労使関係の円滑な運営、関係を構築すべく常に助言も申し上げたいというふうに考えておるところでございます。
○多賀谷委員 今日、国鉄あるいはまた政府も雇用問題に対する認識が非常に甘いのではないかと思うわけです。まだ緒についたばかりですから何とも言いかねますけれども、炭鉱の閉山の場合と比べまして非常に厳しい情勢になっておる、こういうように思うわけですね。しかし炭鉱の場合も、当時、三井、三菱、住友、要するに日本の財閥会社が挙げて就職に乗り出したわけです。でありますから、大手十八社がみずから職業あっせんを五万数千人もしておるわけです。そういう状態の中でも容易でなかったということが言えるわけです。幸いにして、高度成長の状態になりましたから比較的円滑にいったと思われますけれども、しかし、後から質問をいたしますように、炭鉱の失業者があの筑豊炭田には依然として滞留して知るという状態であります。 こういう中で、政府、労働省は、一体この雇用問題に具体的にはどう対処しようとしておるのか。再建委員会の答申については閣議決定をしたわけでしょう。決定をしたら、それに対してどういう準備をされようとしておるのか、殊に労働省の範囲内においてお答えを願いたい。
○白井政府委員 お答えいたします。 先ほど大臣が申し上げましたとおり、国鉄の余剰人員対策は、国鉄問題として最も重要な対策だというふうに我々としても考えております。 では、今おっしゃいました、具体的にどういうふうに進めるかということでございますが、政府に人員対策本部が御承知のとおり設けられておりまして、ここで現在、全体の計画を検討をいたしております。今先生おっしゃいましたように、まだいろいろの問題を抱えておりまして、これをどういうふうに具体的に進めるかについては今早急な詰めの段階に入っておりますが、まだ最終決定がされていない状態でございます。 まず政府及び政府関係機関でどういうふうに余剰人員を採用していくかという問題、それからその後の余剰人員について、退職金問題その他もございますので、それを具体的にどう取り上げていくかというようなことを検討いたしておりまして、労働省としましては、労働省の中に大臣を本部長とします対策本部を設けて、周辺の労使それぞれの団体その他についての協力その他をお願いを申し上げていろいろと進めておりますが、具体的にそれをどういうふうに進めていくかということについては、この政府の対策を待ちまして、その方向が出ましたら早急に決定してまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○多賀谷委員 当時、炭鉱の場合は会社としても系列子会社あるいは取引先の会社その他いろいろあっせんをし、そうして海外にも出て就職あっせんの場を求めたわけです。ブラジル等に飛んでこの三井鉱山や大正炭鉱の労働者の就業の場所を求めた。私は先般ブラジルへ行きましてその諸君に会ったわけですけれども、新しい人生に乗り出した、こういうことですが、その中でやはり三池争議に関連をして千二百名の業務妨害者というレッテルを張られた人の就職の問題、三池闘争は非常に果敢な華やかな面だけ映っておるけれども、この千二百名の業務妨害者というレッテルを張られた労働者の就職というのは大変な努力が要ったわけです。当時の三池の宮川組合長は、土下座をするばかりの状態で各単産を回りお願いをして歩いた。そしてようやくそれらの人々が落ちつき先が決まった後に、高菜漬けを持ってその職場に全部激励に回っておるのですね。こういう努力が必要なのです。 そこで、業務妨害者とか生産非協力者であるとかいうレッテルを張ったら、その後の就職というのは非常に困難であるということです。これは国鉄当局や労働省は考えておかなければならぬ。今日の国鉄問題というのは、言うならばモータリゼーション時代を迎える従来の借金政策によった問題とか、いろいろ累積しておるわけです。そういう中でありますから、こういういわば国鉄全体を再建するというときにその労働者にレッテルを張るような政策をして選別をすると、これは後で大変な重荷になる。そのことは心しておかなければならぬ問題だと思うのです。 ところが、僕は国鉄の今行われておる労務政策を見ると、上から下まで全部選別ですね。こういうやり方をしておる。労働者はもちろん、その上の助役も区長も、あるいは幹部まで処分がなまぬるかったら飛ばされるとか、おれはこれだけの選別をしてきておるぞ、選別する人々がもう自分が選別にかかっておるという意識を持っておる。言うならば、自分は国鉄にとどまることができるんだという意識を植えつけておるのですね。私は、上から下までそういう体制になるとこれは大変なことだと思うのです。これは労使一体になってこの危機を乗り越えなければならぬ時期でしょう。それを疑心暗鬼、ささいなことについてすぐ処分をする、こういうやり方をしておりますと、あと残された者は一体どうなるんだということになる。 三池の闘争もいろいろ言われております。それは活動家も多かったということもあるけれども、大牟田という地域ですよ。昭和二十年代には失業者の一番多いのは軍港であった呉ですよ。その次は大牟田なんです。しかも大牟田の場合は三井以外の会社というのはほとんどない。電気化学と九電くらいしかないのですよ。ですから、三井から排除された人間は全部失対労働者になっていく、こういう状態だった。ですから、今同じように衆議院議員になっております細谷さんと私は、県会議員時代に、大牟田で解雇があったら六カ月後には必ず失対事業の枠をもらっておかないと、皆失対に落ち込むよ、こう言ったわけです。 当時、筑豊はそういう状態ではなかったのです。筑豊は、首を切られてもどこかに潜り込んだと言えばなんですけれども、どこかに就職の場があった。ところが、この大牟田だけはないのです。こういう状態の中で解雇が行われたということです。 それからもう一つは、三池鉱山は黒字だったのですよ。ところが、ほかの山は赤字なものですから、三池がもう少し働いてくれればおれらは助かるのだという意識があった。三池の方は、何言ってるんだ、おれのところは黒字じゃないか、こういう意識があったのです。そういう中のあの大きな闘争であったということ、私はそういうように感じておる。そういう背景があった。 ですから、ここでこの国鉄再建に当たって雇用問題を扱う場合に、選別や処分や非協力というレッテルを張ってはならぬ、これは篤と考えなければならぬものです。そこで労働大臣はそれについてどう思われますか。これは非常に重要なことですよ。
○山口国務大臣 三井争議等の経験、教訓を踏まえての多賀谷先生の御指摘でございます。私どもも十分心して承っておったわけでございますが、特に今御指摘の労働者間における選別とか、いろいろな分類等の姿勢というものは、基本的にはもう当然のごとくあってはならないと考えておるわけでございますし、特に、私は、国鉄再建監理委員会の答申を踏まえまして、国民のための国鉄をどう活用をしていくかということで正念場に来ておる、こういう認識でございます。 それゆえに、当面の余剰人員対策に責任のある国鉄当局がその作業を進める上におきまして、これは物や金と違うわけでございますから、事は人間関係でございますので、労使の信頼関係というものを十分確立をして、その信頼の前提の上に立って再建計画を一歩一歩進めていく、そういう立場が必要であろうと考えておるわけでございます。 これは労働大臣としてそこまで踏み込んだ意見はいかがかと思いますけれども、私はやはり国鉄というものは国民全体で改善をしていかなければならない問題だと思います。特にその中においても国鉄当局の国民に対する責任というものは極めて重要でございまして、今日の国鉄の現状の一つの責任はやはり国鉄自身に存在もしておるわけでございますから、そういう点を踏まえて、だれがいいとかだれが悪いという立場ではなく、どうやったらこの国民注視の国鉄再建が前進でき得るか、こういうこともみんなが考えていかなければならない、こういう姿勢が基本的には必要であろうということを私自身考えておるものでございます。 そういう立場から、労働省として雇用の完全就職を目指して国鉄当局とも十分連絡をしながら、協力を申し上げながら、ひとつ労働者の生活権が十分確保でき得るように最善の努力をしたい、かように考えております。
○多賀谷委員 そうすると、どなたでも結構ですが、雇用問題に対する法律は次の国会に提案されるわけですか、どういう法律になるのですか。
○白井政府委員 国鉄の今回の改革に関します関係法律は次の通常国会をねらって作成されると思いますが、その中で雇用に関する法律も同時に出してまいりたいというふうに考えております。
○多賀谷委員 具体的にはどういう法律になるの。
○白井政府委員 具体的には、その辺まだ検討が現在進められてお各段階でございますけれども、一つの考え方としましては、昭和六十二年四月からの分割以後の、実際に監理委員会の数字では四万一千の方が旧国鉄へ残られるということになるわけでございますが、その人々の就職あっせん、その他援助措置に関する法案を労働省と運輸省で作成して出していくということになると思います。
○多賀谷委員 ちょっと、えらい抽象的だ。国鉄当局見えているのでしょう。大体どういう法律になるのですか。
○長谷川説明員 お答えいたします。 国鉄の改革に関する法案につきまして、ただいま運輸省当局といろいろ具体的に検討中でございまして、内容は、先般出されました国鉄再建監理委員会の意見書に基づきましてその方向に沿って法案をまとめておる、その点につきましていろいろ運輸省当局から私どもに御相談がありまして、今鋭意詰めておる最中でございます。
○多賀谷委員 さっぱりわかりませんが、どういうものとどういうものが法律になるぐらいは答弁いただきたかったわけですけれども、やはりその態度が、物の考え方がどうも甘いんじゃないか。これは大変なことですよ。私は今、労働者の現在の配置とか態様とか申し上げませんけれども、これは大変な状態だと思うのです。 そこで、時間がありませんから、例の雇用安定協約ですね。これは国労に関して言いますと無協約状態になっておる。こういうことについて、私は、これも一つの選別、差別の状態、大きく言うならばいじめっ子、こういう一つの対応ではないかと思うのですね。私は、雇用安定協約を締結しようというならば、ここは国鉄当局が、いろいろあるでしょうけれども、大所高所に立ってやはり対応すべきではないか。何かこういうことで差をつけるとか、そういう性質のもので本来ないという、こういう考えを持っておるわけですが、これについて労働大臣はどういうようにお考えであるか。ひとつ労働大臣は積極的に、むしろ無協約状態のないように努力をしてもらいたい、こういうふうに思います。
○山口国務大臣 国鉄当局と国鉄労働組合の間では雇用安定協定が十一月三十日をもって期限切れとなり、その後再締結されていないというふうに聞いております。 私といたしましては、労働協約を締結するかどうか、こういう問題はあくまで労使間の問題として考えておるわけでございますが、国鉄の労使が、特に再建という大きな国民的な命題を十分認識をいただいて、ひとつ自主的に積極的に話し合ってぜひ解決をすべきであるというふうに考えておるわけでございまして、労使交渉の推移を十分関心を持って見守りたい。国鉄再建は、先ほど多賀谷先生からも再三御指摘いただいておりますように、国民にとりましても最大の課題でございます。労使が一丸となって対処しなければならないわけでございまして、そのためにも労使交渉が早期に円満解決するよう希望をしておるわけでございます。そうした前提の上に立って、余剰人員対策等々国鉄の運営の健全化というものが促進されるということを期待しておるわけでございます。
○多賀谷委員 私は、普通の労使関係ではないと思うのですよ。今、雇用問題を抱えて、国鉄再建という大目標に向かってどうあるべきかということが問われておる時期の問題だと思うのですよ。でありますから、単なる労使関係として労働大臣は労使の情勢を見守っておるというのではなくて、これは公労法の担当所管大臣は労働大臣ですから、ひとつそういう意味においても十分注意をしながら、そうしてこれはかなり今後に与える影響も多いと思いますので、指導してもらいたい。 私はこういうことを希望申し上げまして、次にまた機会があると思いますから、それまで保留しておきたい、こういうように思います。 次に、時間もありませんけれども、先般失対問題の研究会から出されました問題について、後ほど河野正議員から質問がありますから、私は一言だけ質問をしておきたいと思います。 それは、今日、一般失対の方々あるいはまた石炭特別会計から支出されております緊急就労とか特開とか、あるいはまた一般予算の特定就労事業とか、いろいろございますが、率直に言いますと、集中しているのが、大部分が旧産炭地であります。でありますから、旧産炭地というのは生活保護費においては、全国平均が千分の十二でありますけれども、この地域は約千分の百ぐらい、町村によりますと千分の二百を超えておる町村もある。それから、今日議論になっております国民年金の法定免除者、申請免除者を含めますと、免除者がこの各町村とも四〇%を超えておる。五〇%を超えておる町村もある。その人々はやがて三分の一しか年金もらえないのですよね。こういう人々も大半おる。こういう中で今度の研究会の答申をどう受けとめられておるのか。 さらに言うならば、今度対象になります方々は一体年金はどのぐらいもらっておると調査されておるのか、あるいは生活保護を適用されるような人がどの程度おると考えられておるのか、こういう調査ができておるのかどうか、まずこれをお聞かせ願いたい。そういう結論に立って答申がなされておると私は思うのですけれども、一体そういう調査がなされておるかどうか、これをお聞かせ願いたい。
○清水(傳)政府委員 まず、年金の加入、受給の状況でございますが、五十九年九月の日雇い労働者の生活実態調査によりますと、年金の加入者は全体の八三%でございます。そのうち、七十歳以上につきましては八五%ということになっております。また受給額でございますけれども、全体の平均が二万九千七百三十五円、ただ、これは例えば十万円以上とか、そういう高いのをもらっておる方も中にはおいでになる平均でございますので、層といたしましては二万円から三万円のところに受給されている方が多い、こういう状況でございます。 それから、生活保護へどういうふうな形で行かれるかという点につきましては、現段階で予測することは極めて難しい問題でございますけれども、失対就労者の受給率が一・七%という状況で、全国平均は一・二でございますから、そうしたことでそう大きな違いはないわけでございますが、この前の五十六年の自立引退措置の状況も全部は把握いたしておるわけではございませんが、都市によりましては大体一六%ぐらいの方が生保へ行かれたとか、そういうふうな事例も挙がっておるところでございます。
○多賀谷委員 まず、厚生年金をもらっている人はほとんどいない。それは失対事業が長く続きましたからね。もらっておるとすれば遺族年金です。 それから、あなたは満額のお話をなさったけれども、大部分が六十歳からもらっておるわけです。そうすると四二%減ですね。ですから、さっきお話しになりました二万九千円というのは満額もらったときの話で、現実にはその約六割しかもらっていない、こういう状態である。 それから七十歳以上の人は、明治四十四年の四月一日前の人は掛けておりません。これは福祉年金です。ところが、その間の人がいるのです。全然無年金の層がいる。ですから、要は調査をしていない。調査をされていなくてこういう案を出されたというのはちょっと軽率ではなかったか。もう少しデータを調べて先生方に答案を書いてもらうようにしたらどうか。 そこで、私はこういう地域は何らか特別措置が要るのじゃないかという感じがする。後から河野さんに質問していただきますが、今度の生活保護の適用の一割カットの問題でも、生活保護が非常に多い地域には二百億という特別措置が行われた、こういうように考えておる。何らか特別措置が要るのではないかということ。 それから、炭鉱離職者と関連をして、この地域には副監督制度というのがあるのです。この副監督も、一般の失対の対象者が少なくなれば当然減るわけでありますが、これについてはかって決議もなされております。この処遇について決議もなされておりますが、その問題に関連をする職員の問題についてどういうように考えられておるか、ひとつお答えを願いたい。
○白井政府委員 今先生御指摘の問題につきましては、今回の制度改革を進めるに当たりましても、作業管理に当たる職員等の処遇面についての四十六年の附帯決議を尊重してまいりたいと考えております。
○多賀谷委員 結構です。もう時間がありません。
○戸井田委員長 河野正君。
○河野(正)委員 非常に時間が制約されておりまして、率直に申し上げますならば質疑を申し上げる意義があるのかないのか、そこまで感じておるわけでございますが、ただ、先月の十八日、失対制度調査研究会の答申が出る前に、私ども党として大臣にそれぞれ要請をいたしました。そういうことがございますので、私どもの趣旨というものは大体御理解をいただいたと思うので、きょうは答申後でございますから、それらに対する私どもの要請というものがどう生かされるのか、どういう形で今後誠意を持って対応していただけるのか、そういうところをお尋ねをしてまいりたい、こういうように考えております。時間がございませんから、もうごちゃごちゃ説明いたしません。 そこで、一つは、失対制度調査研究会が十一月二十日に答申をいたしました。それはいずれにいたしましても失対事業は六十五蔵で終息を行う、こういうことが基本です。ところが、御承知のように、大臣も二十九日の閣議で御報告になっておるようですが、一つは完全失業率がやや上がっておる、一%程度。それから、有効求人倍率が下がっておるという状況、これは大臣が閣議で御報告のとおりです。そういうように雇用問題がだんだん厳しくなってきたという情勢の中で失対制度は六十五歳で終息をしなければならぬ、こういうような答申でございますから、基本的にはそういう情勢の中でこういう答申が出てきた。 しからば、そういう失対の就労者に対していかにあるべきかということがやはり一番大きな問題点であろうと私は思うのです。それについては、ひとつ大臣からお答えいただきたい。
○山口国務大臣 先生御指摘のように、雇用情勢が大変厳しいということもございますが、今回の失対事業就労者の関係の研究会の報告は、労働政策として適正な失対事業の姿を追求しなければならない、と同時に失対事業に生活を依存してきた就労者の皆さん方の失対事業からの引退という事実に配慮した極めて具体的、現実的な報告というふうに理解をしておるわけでございます。 私といたしましては、この報告を受けまして、失対事業が置かれておる現状を直視しつつ、失業対策事業の制度改善が混乱のない形で行われることをぜひ進めなければならないということで、関係者の皆さん方に御協力、御理解をお願いをしておるところでございます。
○河野(正)委員 そこで、今度の報告を見てまいりますと、五年前の答申に比べてかなり配慮された、そういう答申内容については評価いたします。しかし、基本的には六十五歳線引きということは変わっておらぬわけですね。でございますから、この方針は年齢的に画一的に紹介が廃止されるということでございますが、画一的にやることが果たして望ましいのかどうか、これは実は報告の中でもいろいろ意見がある。しかし、年齢ごとに画一的にやったというその理由は、社会的コンセンサスを得るためには年齢できちっと区分した方が一番わかりやすい、そういうことでやったんですと、こういうふうな報告書の内容になっておるわけです。ですから、画一的にやることがいいか悪いかという問題は、御承知のように委員会の中でも意見があったと思うのです。 そこで、個人的ないろいろな事情、体力的な問題もございましょう、あるいは家庭の事情もございましょうし、経済的な問題もございましょう、そういう意味等があって画一的に一年一年でやってよろしいのかどうか、こういう配慮があったと思うのです。でございますから、そういう点については、言葉を返せば運用上弾力性を持たせる必要があるのじゃないか、そういう感じも受けておるわけです。そういう意味で、その辺がどういうことであるのか、ひとつ承っておきたい、こういうふうに思います。
○清水(傳)政府委員 御指摘のように、この年齢の引き方につきましてはさまざまな御議論もあったわけでございますが、研究報告で指摘をいたしておりますように、社会的なコンセンサスを得る見地から年齢で対処するのが現実的、妥当である、こういうふうな形になっております。 もとより、こうした場合に高齢者が引退していくということは配慮しなければならない、こういう関係から、この報告自体も当初は七十歳からスタートをして六十六年に六十五歳未満、こういう全体として弾力的な配慮を行っておるわけでございますし、さらにまた、いろいろと個人差の問題、能力の問題、こういう問題につきましては、この研究会の報告でも提言をされておりますふうに、任意的な就業の場を提供する、こういう新しい角度からの提言もなされておりまして、そうした形で配慮をされていくべきものであろうというふうに考えております。 ただ、具体的に実施をいたしてまいる場合にも、例えば誕生日主義でいくとかなんとかというふうな具体的な問題はございます。そういう点については、誕生日ですぐというような画一的な取り扱いという点につきましては十分な配慮はやってまいらなければならぬだろう、こういうふうに思っております。
○河野(正)委員 そこで、今までの就労期間は平均実に二十五年ですね。そして五十七年以降常用雇用として就職し得た者は毎年わずか三十名前後、こういうように非常に後の雇用が厳しいということは、先ほど多賀谷さんのお話にもございましたが、特に旧産炭地域あるいは地域改善対策対象地域、こういうところは特にそういう状況というものが厳しいと思うのです。 そこで、時間ございませんから端的に申し上げますが、今部長から御報告ございましたいわゆる任意就業ですね。これは報告の中でも、やはり地方自治体に期待をしなきゃならぬ、またやってもらわなきゃならぬということが明記をされておるわけです。ただ、シルバーだけでは大して大きな効果がない。特に多賀谷さんからも御指摘ございましたように、年金が厚生年金をもらっておるというような格好ならいいですけれども、今の年金二万円程度という状況の中でシルバーで四日か五日任意的に保障してもらっても、これは何の足しにもならぬ。 しかし、今部長からもお話しあったように、報告の中でも特段の配慮をしなきゃならぬということでございますから、この特段の配慮に対して期待し得る数字というものが出てくるのかどうか、この点はひとつここで再確認しておきたい。
○清水(傳)政府委員 先ほど、当初に大臣からもお答えございましたように、できるだけ混乱のない形で円滑にこの改善措置が実施されていくように、私どもも含めまして地方公共団体あるいは就労者団体含めて御協力をお願いをしていかなければならないわけでございますし、またこの報告の趣旨を実現する上には、国なりまたそれぞれの事業主体においても解決をしていってもらわなければならない問題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、この報告がかなり実現可能な、かつ現実的な、具体的な方策として総体として示されている、こういうふうに私どもとして理解をいたしておりますので、そういう方向に沿って問題の解決のために最大の努力を払っていくということがあるべき姿だ、このように考えておるところでございます。
○河野(正)委員 その任意就業について地方自治体に対して期待をするという報告の内容になっているわけですが、それは今も部長からも御報告ございましたが、これはかなり期待してよろしいという価値があるものであるのかどうか、再確認しておきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 私どもといたしましては、この任意就業の考え方というのは、これからの高齢者対策というもの全体の中での一つの位置づけもいたしながら、そういった意味合いで一つの新しい形のものとして考えていきたいと考えておりますし、全体の措置を円滑に進めていくためには地方公共団体に対してもぜひ協力の要請を最大限に私どもいたしてまいりたい、このように思っております。
○河野(正)委員 従来から見ますと、主として軽作業ということでございましょうが、なかなか思うようにいかなくなったという実情もございます。でございますから、新しい構想として、ぜひひとつそういう私どもの期待に沿うような形のものを策定をしていただきたい、こういうように要望しておきます。 そこで、この報告の中でもそうですが、失対事業というものは労働政策としてはもう限界だ、したがって、社会保障の枠組みの中に移行させなければならぬ、こう書いてある。これも多賀谷さんからもちょっと指摘がございましたように、果たして労働政策としては限界が来たから、したがって社会保障政策の枠組みの中でという報告ではあるが、果たして、年金も今申し上げますように二万円そこそこ、それからまたシルバー年いたしましても四日か五日の保障、これも任意ですね。あるかないかわからぬ。仕事があった場合には四日か五日。今度新しく、今部長から約束されました任意就業について、別途構想によって救済をする、私どもこれに非常に大きな期待を寄せざるを得ないのですね。 もし、今申し上げますように労働政策としてはもう限界が来た、したがって社会保障の枠組みに移行しなければならぬということになれば、社会保障の枠組みの中に移行したって大きく期待できないでしょう、年金は安いし。ですから、そうなりますと、労働政策は限界が来たと言いながら、任意就業なら任意就業の中で大きな希望を我々は持たなければならぬということであろうと思います。 そこで、その辺についてひとつお答えをいただきたい。これは大臣から。
○山口国務大臣 先生からいろいろ御指摘いただいておりますように、高齢者の方にとりましては、社会保障も大切でございますけれども、労働の分野における役割あるいは活動というものに大きな期待を持つということは当然でございます。 しかし、一方、国民の大変厳しい財政事情の中でのいろいろな政策的措置ということでもございまして、ある程度年齢その他につきまして経済的な、経営的な立場ということも御理解をいただくべく再三お願いをしておるところでございますが、そういう任意就業等の問題につきましても十分きめの細かい配慮を進めながら、この政策のトータルの円滑な運営に労働省としてはひとつ最善の努力をしたい、こういう考え方でございます。
○河野(正)委員 そこで、どうしても紹介ができない、引退しなければならぬということになった際に問題になりますのは、もう御案内のように特例給付金、これは五年前もそのとおりだったわけでございますが、引退者に対する対応としてはこの問題が非常に大きな価値を持つわけでございます。 この失対制度調査研究会の報告書によりましても、引退する者については生活の急激な変化になる、したがって、当面の生活の安定のためにはこの特例給付金等きめ細かい配慮が必要である、こういうふうに指摘をされておるわけでございます。そのきめ細かい配慮の中の特例給付金の問題があるわけですが、これについてはどういうふうな御見解を持っておられるのか。これは引退者にとりましては一つの命綱、そういう意味で私どもはこれを非常に重要視しておるわけですが、これに対する見解は大臣の方からお答えいただきたい。
○山口国務大臣 河野先生に御指摘いただきましたように、研究会の報告でも、今回は年齢により一律に引退するということを配慮する、また五十六年の特例措置の内容に十分配慮する、こう述べておられるわけでございます。したがって、労働省といたしましても、この報告を受けまして、必要な財政上の措置につき財政当局に対して折衝していく考えでございます。また、その際には、先生御指摘の点を含め、諸般の情勢の変化に十分配慮する必要がある、こう考えております。
○河野(正)委員 大臣のお答えは前向きであったと思う。ただ、必要なという言葉、必要と言えばそれは青天井なのですよ、だれだって欲があるわけですから。 そこで、前回、百万という例があるわけですから、それから五年間たっておりますし、社会情勢、経済情勢も変わっておるわけですから、しかも今度は六十五歳終息という基本方針、これは抜本的な方針ですから、そういう状況等もこれあり、この点については格段の配慮がなければならぬ。 また、今ここで率直に言って幾ら——就労者は就労者としていろいろなスローガンがあるようですよ。ですけれども、まだ今から大蔵省折衝もございましょうし、ここで明確な答えができぬということは私どもも承知しておるわけです。これに対しては、我が党は我が党としての方針があるわけです。ですけれども、ここでそういう数字を明らかにすることは、今後大蔵省折衝もありましょうから適切であるとは考えておりません。そこで、これは最大限の努力をお願いする、そういうことで要望しておきますので、この点は大臣から、簡単でいいですが、お答えいただきたい。
○山口国務大臣 先ほどの御答弁でも申し上げましたように、河野先生のそうした御指摘の点も踏まえ今後の取り組みを進めていきたい、こういう考え方でございます。
○河野(正)委員 もともと与えられた時間が短かったのに、またきょうはその半分ということでございますから、いろいろなものを残しておるわけです。そこで、きょうはぜひ聞いておきたいという点だけを申し上げたわけでございます。 最後に二言お願いをしておきたいと思いますのは、先般大臣に、私どもの党の衆参議員約十名程度参りましていろいろ要請をいたしました。その際にお互いに確認し合ったことは、三十年後半の失対事業打ち切りのときには、私も社労の理事をしておったわけですが、大変な混乱でございました。ですけれども、そういう混乱を招くよりも、できるだけ円満にこの問題を解決したいということに私どもも今決意をいたしたところでございます。 そういう意味で、この問題の円満解決というものは、私どもの希望がかなり尊重されるということでなければ円満にならぬと思うのです。ただ話だけで円満ではいかぬのですから、やはり具体的なことが円満解決の条件になるわけですから、そういった意味で円満解決するためには我々の要請を十分尊重して努力するのだ、その決意をおっしゃっていただきまして、時間が来ておるそうですから、ここで私の質問を終わりたいと思いますが、ぜひ一言親切な大臣の——いろいろ新聞でも言っておることがありますが、あれは大臣の人柄だと思うから、そういう人柄を失対制度についても与えていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
○山口国務大臣 先ほど来いろいろ質疑の中で答弁申し上げさせていただいておりますように、失対事業が長い歴史の経過の中で、また対象者が非常に高齢になっておる、こういうことでございますが、厳しい財政事情等、この健全な運営ということを考えまして、今回の研究会の報告を踏まえて何らかの改善に取り組む、こういう経過でございまして、そういう中でこの改善を円滑に進めるためには、対象となるべき方々に対して財政的な措置も含めて最善の配慮を考えていかなければならない、こういうことでございますので、一層努力をさせていただきたい、かように思う次第でございます。
○河野(正)委員 終わります。
○戸井田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五分散会