科学技術委員会 第1号
- 発言数
- 337 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/11/28
会議録
○鳥居委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興の基本施策に関する事項 原子力の開発利用とその安全確保に関する事項 宇宙開発に関する事項 海洋開発に関する事項 生命科学に関する事項 新エネルギーの研究開発に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳥居委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○鳥居委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事長吉田登君、同理事植松邦彦君及び同核燃料部長渡辺昌介君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳥居委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○鳥居委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 動力炉・核燃料開発事業団は、北海道幌延町に立地を予定しているいわゆる貯蔵工学センター、すなわち高レベル放射性廃棄物施設などの立地環境調査を先日抜き打ちに強行して、立地予定地を現地踏査したのであります。この立地調査には、北海道では御承知のように知事が強く反対をしておって、また周辺の各町村の長あるいは議会、住民なども強く反対もしくは慎重な態度、また大方の農協であるとかあるいは漁協であるとか、こういうものも非常に反対もしくは慎重という面が強いのであります。周辺の町村住民の反対署名はそれぞれ七割以上に達している、あるいは全道からも既に約百三十万の反対署名が出されている。こういうようなことにつきましては、既に科学技術庁も動燃事業団もよく御存じのことと思う。こういう現地の情勢の中で調査が強行されたために、現地は大変に緊迫し、大変な混乱に陥っているわけであります。調査強行直後に、道知事の強い抗議声明あるいは隣町の中川町農協の抗議声明あるいは漁業団体公害対策本部の抗議、こういうようなものが相次いでいるわけであります。きょうは、ちょうど幌延町には約二千人ぐらいかと言われる道民が集まって抗議集会を昼から開く、こういうお話も聞いているのであります。 科学技術庁及び動燃事業団のこの強行調査の行為というものは、今日までの歴代長官及び動燃理事長の国会においての約束に反する背信行為であって、知事初め道民に対する約束違反と言わなければならないのであります。まず、強くこれに抗議を申し上げておきたいと思います。 そこで、ことしの三月八日予算委員会の分科会で、動燃の吉田理事長に私は次のように御質問申し上げた。吉田理事長が北海道庁に知事を訪ね、またその後記者会見をして、「立地に当たっては知事の理解や周辺市町村の理解が前提である、今後予定している事前調査も知事の理解が前提だ」と述べているが、それを忘れずに慎重に対処してほしい、こう申し上げた。これに対して吉田理事長は、「今御指摘ありましたように、私も昨年北海道に行きましたときにそういうことをお答えしておりますが、我々としましても地元の御理解を得ながら、たとえこの調査でありましても進めていきたいというふうに考えております」こう答弁をしているわけであります。 当然、道議会はこれについて真剣な論議をなさったのでありますが、五十九年の十月二十九日、道議会エネルギー問題調査特別委員会で動燃事業団の渡辺核燃料部長はこういうぐあいに申し上げているのであります。「貯蔵工学センターの立地環境調査ということでございますので、地元の御理解と御協力が得られたら実施したいと思っております。」こう言っているわけですね。これは私は今持ってきていますが、道議会の議事録に記載されているとおり申し上げたのであります。 まず渡辺部長、こういうようなお答えをなさっているか、あるいは道議会に対する責任をどう受けとめているのか、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺参考人 お答えいたします。 昨年の十月二十九日に北海道議会で先生がおっしゃるようにお答えをいたしました。御理解が得られたら実施したいということであります。幌延町の議会から、ぜひやってほしいという要望がございます。それから北海道議会におきましても、ぜひ調査をするようにという推進の御決議をいただきました。知事は、今の状況ではコンセンサスが得られていないので、調査をするような状況ではないということをお答えになったと思いますけれども、私どもとしては、理解が得られた範囲で、理解を得るために必要な調査をやらしていただきたいということで調査に着手させていただきました。御了承いただきたいと思います。 以上でございます。
○五十嵐委員 吉田理事長、先ほど言ったような事実がございますか、あるいはこれについてどうお考えですか。
○吉田参考人 申し上げます。 私、今言われたような事実につきましては、絶えず地元の理解と協力を得た上でこういう原子力関係のものにつきましては実施をするということは強調もしております。そのことは今も変わりません。その後十月三十日に知事さんにお会いしまして、私の方で今までのそういう意向も御説明いたしましたけれども、さらにそれに加えまして、いろいろ説明を地元の方にやってきました過程におきまして、住民の皆様から、地盤の強固さ、それから活断層の有無、地下水の状況等々、環境に及ぼす影響についての懸念が提起されており、今後当事業団が地元のコンセンサスを得ていくためには、これらの概況を把握し、具体的なデータを実際にお示しして、これらの点におこたえしていくことが実施主体としての大きな務めでありますということを知事さんにお願いをしたわけであります。 そういうことで、その席で知事さんからもちろん承認をいただいたわけではありませんですけれども、我々としては地元の方のそういう疑問を解くためには、それに必要なデータというものはどうしても一部調査をさしていただきたいということで、その調査のやり方につきましても、当事業団といたしましては、理解された範囲において、混乱を避けつつ、御迷惑をかけぬ状況のもとに調査を実施いたしますということをお願いいたしましたので、そういう趣旨に沿って私の方としては一部の調査をやらしていただきますということでございます。
○五十嵐委員 吉田理事長、僕が申し上げている点にまずきちっとお答えいただきたいと思うのですがね。さっき言いましたように、三月八日の予算委員会で私はああいうぐあいに質問して、それに対して先ほど言ったような答えをいただいているわけですね。たとえこの調査といっても進められる、そのとおりですね、どうですか。
○吉田参考人 それはそのとおりであります。しかし、今言いましたような事情がありましたので、知事さんにお願いしてこの前のような一部調査をさしていただいたということでございます。
○五十嵐委員 たとえこの調査であっても地元の理解を得てからやる、こう国会で答えているわけですね。あるいは道議会でも、さっき言ったように渡辺部長は「地元の御理解と御協力が得られたら実施したいと思っております。」こう明確に言っているわけですよ。その事実はお二人とも認められた。今、地元の理解と協力は得られるように整ったとは言えないでしょう。知事さんに十月にも行ってお話をしたというお言葉が今あった。しかし、理解は得られていないわけでしょう。あるいは周辺の町村も、例えば中川町なりあるいは中頓別町というのは反対議決をしている。町村長も大方反対か、あるいは極めて慎重な態度は変わっていない。地元の理解が整ったと言えるのですか。地元の理解を得てこの調査をやりたいのだといつだって言ってきた。得られていないのに強行したじゃないですか。地元の理解と協力を得るための調査という、こんな詭弁がありますか。そんなものなら何でもできるじゃないですか。だめですよ。冗談じゃないですよ。 長官、歴代の科学技術庁長官は、これまた地元の理解と協力を得てやるということをずっと言ってきた。これは私もこの問題にずっとかかわっているものですから、長官がかわるたびに御質問申し上げ、お答えをいただいてまいりました。 これは科学技術庁ではないが、通産大臣も、これは五十八年三月四日ですが、予算委員会の第六分科会で、当時山中通産大臣、こういうぐあいに答えています。「本当にそれはもう当該町議会、町民の世論はもちろんでありますが、周辺、ましてや知事さん、そういうものの合意を得て、やはりみんなで、じゃあそういたしましょうというようなことになるところを探す以外にない。」これは議事録のとおり読んでいるのです。 同じ五十八年五月十日、衆議院の科学技術委員会で、当時安田科学技術庁長官はこういうぐあいに答えています。これは私の質問ですが、「知事の完全な了解なしにこれを押しつけたり強行したりするということのないように、この点について一言お答えいただきたい。」こういう質問に対して安田長官は、「仰せのとおり対応いたしたいと思っております。」はっきり答えているじゃないですか。 五十九年八月一日、中村原子力局長は参議院のエネルギー対策特別委員会で答えている。こう答えていますよ。「あくまでも調査をやることをも含めまして地元の御協力が得られる、御理解が得られるということになって始めるものでございまして、地元が御承知しない話を強引にやるということは、これは実態的にもできないことでございます。」あなた、そう言っているじゃないですか。これは議事録のとおり読んでいるのですよ。 ことしの三月八日、竹内長官は衆議院予算委員会で私の質問に対してこう答えている。「いわゆる地元の理解と協力を得て進めるのが基本と心得ております。したがいまして、これまで歴代科学技術庁長官が申し上げてきた方針と変わりはございません。」こうお答えになっていますね。これはどういうことなんですか。こういう中で竹内長官が動燃事業団のこのような調査着手というものをお認めになっているとすれば、重大な政治公約違反じゃないですか。この際、長官の政治責任を明らかにしてほしいと思うのです。いかがですか。
○竹内国務大臣 お答え申し上げます。 先生ただいま御引用の山中通産大臣あるいは安田科学技術庁長官、さらには中村原子力局長の答弁の速記録は、私実は手元にないのですけれども、さらに御指摘の六十年三月八日、衆議院の予算第一分科会におきまして、先生の御質問に対して私が「御指摘の貯蔵工学センターの立地につきましては、いわゆる地元の理解と協力を得て進めるのが基本と心得ております。したがいまして、これまで歴代科学技術庁長官が申し上げてきた方針と変わりはございません。」と答弁しておるのは事実でございまして、地元の理解と協力を得つつ進めるのが基本という考え方につきましては、私は変わっていないわけでございます。 なお、ただいま大変にきつい御叱責をいただいたわけでございますけれども、一口で私たちの態度を御説明さしていただくならば、いろいろと今日まで地元の方と接触してまいりました段階で、地元の方々から、例えば活断層の有無あるいは地下水等の関連、地盤の強固さ、こういったものについての懸念や不安が表明されており、また、そういうものがいわば慎重あるいは反対という態度をとる基本的な事由になっているのじゃないか、こうも推察されましたので、そういった不安におこたえして、私たちが得たデータを全部公開してさらに御論議をいただくということが、地元の理解と協力を得るためにも必要な一つの手段方法ではないか。したがいまして、今回二十三日に動燃が行いました調査は、いわば地元の理解を得るという基本の態度の延長線上の一つの行動であったと御理解いただければ幸いでございます。
○五十嵐委員 恐らく長官もお答えになりながら自分でお気持ちの上では思っているに違いないと思うが、理解と協力を得るための調査、延長線上の調査だ、そんなことを言っていたらどこにけじめがありますか。あなた方何の答弁をしていたって、そういう詭弁で次々にそういうものを崩していくというようなことは、それはもう全く国会というものを無視するというか軽視するというか、お答えに対する責任感というものは一体どこにあるのかと思うのです。 今までは、理解と協力を得なければ調査というのもしない、こう言っていた。今度は、理解と協力を得るために調査をするという。理解と協力を得るために調査したが理解されなかった、今度は建てて見てもらえばわかってもらえるのではないでしょうか、理解と協力を得るために建設をいたしますと言ったって、延長線上という詭弁の上ではそんなことだって考えられないことじゃない。だめですよ。しかも、地元では知事の態度は変わっていない。あるいは周辺の自治体の態度も反対もしくは慎重だ。こういうことをどう思っているのですか。それは道議会の調査促進決議というものはあった。あるいは地元の幌延町は一生懸命誘致している。しかし周辺の町村は、今言ったように、六つ町村があるわけですが、いずれも反対もしくは極めて慎重なわけです。道の方も、知事は反対の意向は変わっていないのです。そういう状況というのは、地元の理解と協力ということの条件が整ったというふうには考えられないと思うのですが、どうなんですか、その点は。
○中村(守)政府委員 先ほど来歴代長官の考え方についての国会の御議論がございましたが、この点につきましては、立地という問題について、原子力施設が立地する場合について広く地元の御理解を得てやるというのが基本であるという考え方を歴代大臣が述べられてまいりました。 先ほど私の発言につきまして御指摘がございましたが、これは五十九年八月一日参議院エネルギー特別委員会でお答えしたものでございまして、先ほど先生御指摘のとおりの発言をいたしております。これは、調査ということにつきましても地元の協力を得てやる。ただ、この地元というものは、その行為に応じていろいろ考えなければいけないわけでございまして、一つの県の市町村のすべてが合意しなければいけないということでもございませんし、大体が県全体で考える場合は従来は知事さんが集約される、あるいは県の議会で決議される、そういうようなことがございますし、調査ということになりますれば、全県ということではなくて具体的な直接関係する地元の市町村あるいは関係者、そういった方々の御理解の中でやってきているということもございます。そういう意味で、私、この調査の場合にどこまでの地元の御協力なり御理解が得られるかということにつきまして、必ずしも全道でというような趣旨で申し上げたわけじゃございません。今回の調査につきましても、地元の幌延町並びに調査の対象になる土地の所有者等につきましては、十分御理解をいただいて調査をさせていただいておるということでございます。
○五十嵐委員 あなたは答弁の責任者ですから、歴代の長官の答弁なんというものも知らないわけがないと思う。歴代の長官に私は確認しているのですよ、いつも。地元というのは何だ、それは該当の町村、周辺の町村、それを包括する道だ、いつでもそういう話で来ているのですよ。これは去年の七月五日、当時は岩動さんです。「もちろん地域住民の方々の御理解と御協力、あるいは関係の自治体の御理解と御協力、こういうものを大前提として、そして安全性を最大の基本としてこれからも進めてまいらなければならない、かように認識をいたしておるところでございます。」かつ、その後、知事について、知事は「その自治体の全体を見ていく立場にございまするから、当然それらの御意見も伺い、また御理解もちょうだいしていかなければいけないと考えるわけであります。」だめですよ。一々こうやって我々が議事録を読まなければあなた方がそういう曲げた答弁ばかりしていくということは、非常に問題があると思うのです。(発言する者あり)今どなたか発言があったけれども、科学技術委員会じゃないですか。もうちょっと率直にお話し合いをしていかなければ。 あなた方の仕事なんというものは、国民の信頼の中でこそ成り立つ仕事でしょう。しかも、調査の実施に当たっては事前通告をいたします、前もって御連絡を申し上げます、こういうことを動燃は言っておった。ところが、どういうことになっているか。調査は、午前六時から調査をした。実際には真夜中に現地の方に入ってやったというのですが、調査は午前六時からやった。晩の四時か五時ごろ終わったようなんでありますが、知事には、調査がみんな終わっちゃった午後七時ごろ連絡があったというのです。もうそのころテレビにも出たのですよ。近隣町村も、事前通告なんという格好では全く受け取っていない。どういうことですか。二重に地域に対してこういう不信行為をしている。理事長、どうですか。
○吉田参考人 この連絡につきましては、十一月十五日の正午過ぎに動燃の福井理事から道庁商工観光部の青木次長に次のような連絡をいたしました。それは、先ほど御説明しましたように、十月三十日に私が知事に動燃の考えを申し上げた。その後のまた社会党の書記長の申し入れ、それに対する長官の回答等の経緯等も説明しようというふうにして説明をしかけましたところ、既に副知事さんが原子力局長の方からそういう経過は聞いているということでもありました。したがって、私の十月三十日の会談で申し上げましたとおりの内容で、動燃は理事長の責任と判断によりまして現地調査の実施と地元におきます広報活動をこれから進めていきます、そういう旨のことを連絡いたしました。
○五十嵐委員 非常に問題が重要でありますから。どういう連絡を受けたか。これは動燃の福井理事から、お話しのように商工観光部の青木次長に十一月十五日十三時十五分に連絡が電話で行っているのです。そこでどういうことであったか、その内容をメモしてもらいました。こういう内容なんですね。長官から安井代議士への回答の内容に動燃理事長の責任と判断において調査という表現もあったことでもあり、またこの考え方は十月三十日の知事・理事長会談で申し上げたスタンスと一致していることでもあり、報道陣から求めがあるので、本日夕刻にもこのことを動燃の態度として表明させていただきたいので連絡する。これだけでしょう。何ですか、これは。これが事前通告なんですか。 付近町村にはどうしましたか、理事長。
○吉田参考人 隣接町村に対しましては、石塚総務部長からやはり十一月十五日の十四時ごろに六カ町村、豊富町は斉藤助役、中川町は古田助役、天塩町は塩谷総務課長、中頓別町は谷野町長、猿払村は前田助役、浜頓別町は石田町長に連絡しまして、内容といたしましては、動燃としては地元の皆様の御理解を深めていただくために調査が必要であると判断しましたので、直接関係する地元関係者の理解の得られた範囲内におきまして調査を実施させていただきます、なお調査の実施日につきましては、混乱を避けるという観点から日時を申し上げられないので御了解を願いたいというふうに申し上げております。
○五十嵐委員 その内容でも問題がありますが、しかし、そんなこと言ってないですよ。あなた方は、だから電話などというものを使う。私は確認しているのです。 まず、豊富はどうか。十一月十五日十四時ころ、石塚総務部長から豊富町助役に電話があった。内容は、きょう科学技術庁長官から社会党の安井代議士に回答した要旨についてお伝えしておく、その内容は、調査の凍結要請に対しては応じかねる、調査については地元の理解を深めるためでもあり、地元関係者の理解を得られる範囲で調査を進める、今後とも周囲町村住民の理解を求めるよう努力する、こう竹内長官から安井代議士に答えた。こういう連絡があっただけじゃないですか。猿払村、お話があったように前田助役が受けた。竹内長官から安井代議士に話があった内容についての報告を受けたと思っている。事前通告とは全く思っていない。皆どこもそうですよ。 あなた方は国会を何だと思っているのですか。だめですよ、こういう二重も三重もの地元に対する背信行為は。長官、どうですか。これでいいのですか。
○竹内国務大臣 お答えいたします。 ただいま先生御指摘の周辺の各町村に対する連絡の内容のことにつきましては、私まだつまびらかにしておりませんので、直接お答えはできかねますけれども、しかし、連絡は十分に密に行うことが大事なことだと心得ます。
○五十嵐委員 いろいろこの件についてはお話ししたいが、しかし、時間ももう三十五分過ぎちゃったから、後の大事な話がありますから先に進みますが、今回の今申し上げたような動燃の調査強行の行為というのは、結局は地元に一層の不信感と混乱を招く結果になっている。非常に私は残念に思います。 長官、先ほど来の国会の経緯だとかあるいは地元の大変に緊迫した状況だとか、こういうような諸情勢の中で、一体今後の調査について長官はどうお考えになっているか、お答えをいただきたいと思います。
○竹内国務大臣 先ほど来御答弁申し上げておりますように、今回の調査は、直接に関係する地元関係者の理解の得られた範囲で、地元の不安や疑問にこたえるための調査に着手したものでありますが、お説のような地元情勢もあろうかと思いますので、今後の調査につきましては、降雪等地元情勢も踏んまえ、慎重に対処させてまいりたいと思います。
○五十嵐委員 非常に不満の答弁でありますが、しかし、長官のおっしゃったように、地元の諸情勢というものをよく踏まえて、本当に慎重にひとつやってほしいと思うのです。 そこで、動燃の吉田理事長、今後の調査についてどのようにお考えですか。
○吉田参考人 今大臣のお答えになりましたとおりに、我々も地元情勢を十分踏まえまして、今後の調査につきましては慎重に対応してまいりたいというふうに思っております。
○五十嵐委員 次の質問に入りますが、原子力安全委員会によると放射性廃棄物は大要三つに区分される。それは高レベル廃棄物、低レベル廃棄物、そしてTRU廃棄物に区分されるのだ、こういうことで、次のようにことし十月の専門部会における陸地処分の安全規制についての報告がある。ここで「放射性廃棄物の処分の基本的考え方」として次のように言っています。「放射性廃棄物は、一般に、発生源及び放射性物質の種類と濃度により、原子力発電所等において発生する低レベル放射性廃棄物、再処理工場において発生する高レベル放射性廃棄物又は再処理工場、プルトニウムーウラン混合酸化物(MOX)燃料加工工場等において発生するTRU廃棄物等に区分され、これらの処分については、それぞれ、その特性に応じて以下のような基本的方策が採られている。」こういうぐあいに書かれているわけであります。 この区分によりますと、今問題の幌延に予定をしているという貯蔵工学センターに収容される、従前動燃なんかの説明によると低レベルアスファルト固化体、こう言っていたものの大半はTRU廃棄物ということで区分されると思うのですが、いかがですか。
○植松参考人 お答え申し上げます。 おっしゃるように、原子力安全委員会の方で放射性廃棄物の分類として高、低及びTRU廃棄物というふうに分類をされておられるわけでございますが、主としてTRU廃棄物は、今まで低レベルの中に含めて考えられてきておったものだというふうに理解をしております。我々が幌延の「貯蔵工学センター計画の概要」にも示してありますように、低レベルアスファルト固化体等貯蔵施設には、再処理工場等の核燃料サイクル諸施設から発生したものを貯蔵いたしますと申し上げております。先ほどの安全委員会の定義にもございましたように、TRUと分類されるべき廃棄物は再処理工場やMOX加工施設などから出てくるものでございますので、この我々の工学試験センター計画に明確に示してございますように、低レベルアスファルト固化体等貯蔵施設の中にはTRUというものも含まれるということでございます。
○五十嵐委員 つまり、僕が今聞いていますのは、低レベルアスファルト固化体というもののうちの大半は、ほとんどはTRUでないのか、こういうことですよ。
○植松参考人 動燃で今の状態、六十年九月現在でございますが、ここで動燃が全体として低レベルと考えておる廃棄物の量は、二百リッターのドラム缶換算で約六万六千本程度になります。そのうち、おっしゃるようなTRU核種を含む廃棄物として分類されるべきものは二百リッターのドラム缶換算で約三万三千本でございますので、その約半数がTRU核種を含む廃棄物として分類されるものだと思います。
○五十嵐委員 あとの半数というのは、一定の年数がたってくるとTRUということになるんじゃないですか。
○植松参考人 あとの半数、六万六千本と申し上げたわけですが、その中でTRU核種を含む廃棄物は三万三千本と申し上げたわけです。今先生の御質問の、あとの残り半分三万三千本も時間がたてばTRU廃棄物になるのじゃないかという御質問でございますが、ほかの三万三千本はTRU核種を含んでおりませんので、時間がたてば自然に崩壊をしてしまうというものでございまして、TRU廃棄物に分類されるものにはなりません。
○五十嵐委員 これは、おたくの計画でいくと西暦二〇〇〇年で二十万本ということですね。二十万本になるときのTRUの本数はおおよそどんなことになりますか。
○植松参考人 我々が考えておりますのは、二〇〇〇年ごろまでに出てきます廃棄物総量は先生御指摘の約二十万本と考えておりますが、その中で、二〇〇〇年ごろまででいわゆるTRU核種を含む廃棄物の推計保管量は、約その半分の十一万本というふうに考えております。
○五十嵐委員 これから「もんじゅ」あたりも動き始めると、かなりふえてくるということは予想されるわけですね。仮に二〇一〇年ぐらいと、ちょっと十年ぐらい延ばして考えるとどのぐらいになりますか。
○植松参考人 動燃では正確に二〇〇〇年以降の推計を行っておるわけではございませんので、非常に根拠のある数値をお示しすることはできませんが、現在の単年度当たりの発生量が続いていくものという仮定を置かせていただいたとしますと、二〇一〇年ぐらいには、TRU核種を含む廃棄物の推計保管量というのは約十六万本ぐらいになるのではないかというふうに考えております。
○五十嵐委員 さっきから区分なされてお話ししていますね。六万六千本のうち三万三千本あるいは二十万本のうち十一万本、二〇一〇年では十六万本。これは何本のうち十六万本ですか、後で答えてください。 そこで、今お話しのTRUを含む、含まない、こういうぐあいに区分しているわけですが、これはプルトニウム含有率でどの程度を境界線としてお話しになっているのですか。
○植松参考人 現在の日本の規定では、TRU廃棄物というのは、先ほど申し上げましたようにTRU核種を含む廃棄物ということでございまして、特に幾ら以上という規定は現在のところございませんので、TRU核種を含むものはすべてTRU核種を含む廃棄物という分類になるかと思います。これは、諸外国においては別途規定がございます。
○五十嵐委員 さっきの二〇一〇年の本数は……。
○渡辺参考人 二〇一〇年の放射性廃棄物の動燃事業団における推定発生量についてお答えいたします。一 このまま伸びていくとして、二〇一〇年でおよそ三十四万本でございます。 以上でございます。
○五十嵐委員 このままというのは、「もんじゅ」なんかのことは頭に入れないでということですか。
○植松参考人 「もんじゅ」は原子炉でございますので、「もんじゅ」から直接TRU系統の廃棄物がたくさん出てまいるということには相なりません。ただ、「もんじゅ」の燃料をつくる東海におけるMOX燃料加工施設から出てまいりますTRU廃棄物というのは、この数字の中に入っております。
○五十嵐委員 現在の数字を基礎に置いているわけでしょう。しかし、変わるわけでしょう。
○植松参考人 その計画の中には、先ほど申し上げましたように二〇〇〇年までということでございますので、二〇〇〇年までの十一万本の中には、もう既に「もんじゅ」のMOX加工施設からのTRU核種は入っておるということでございます。
○五十嵐委員 TRU廃棄物というのはなかなかわかりづらいのでありますが、一体どういう特性を持っているのか、だから一般の低レベル廃棄物と分けられるのだ、こういうような御説明を、余り長い時間かけないでしていただきたいと思います。
○植松参考人 TRUというのは、非常に言葉としておわかりにくいかと思いますが、TRUという言葉は現在日本語では超ウラン元素という名前で呼んでおりまして、自然に存在しておる九十二番目のウラン以降、ウランを含みませんが、ウラン以降の元素をTRUと呼んでおります。 TRU核種というふうに申し上げますと、その超ウラン元素の中でもいろいろな核種が含まれております。ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、いろいろなものがまざって入っております。そのTRU核種の特徴とするところは、主としてアルファ線を出すというところにございます。 半減期が問題になるかと思いますが、半減期につきましては、アメリシウムなどのように非常に短い半減期を持つものもあれば、プルトニウム239のように非常に長い半減期を持つものもございます。例えばプルトニウム239ですと、その半減期は二万四千年という数字が出ております。動燃で扱っておりますTRU核種を含む廃棄物というのは、主としてプルトニウム239を含むものだというふうに御理解いただければよろしいかと思います。半減期については、単純に平均をした形でTRU核種の半減期はこういうものだというふうに言えるものではございません。
○五十嵐委員 これは、今植松理事のお話がございましたように、大変に半減期が長い。そうレベルとしては高いものではないが、しかし、気の遠くなるような長期にわたって極めて注意深く扱わなければいかぬことですね。そこで原子力安全委員会等も、長期間人間環境から隔離、断絶して処分しなければいかぬ、こういうことを言っているわけでありますが、一般的にどのくらい人間の生活環境から隔離をしておかなければならぬ、こういうぐあいにお思いですか。
○植松参考人 原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会が「放射性廃棄物処理処分方策について」という検討をした文書がございますが、この中で「TRU核種を含む放射性廃棄物」という項目がございます。この中で、TRU核種の特徴は、その多くが極めて長い半減期を有するということである。したがって、核種及び放射能レベルを勘案して適切な区分を行って、合理的な処分をやりなさいということが書いてあります。その中で、さらにTRU核種の濃度があるレベルを超えるようなものについては、一言で言いますと地層処分などを行って、後世代の人々が廃棄物に直接的かつ持続的な関与、接触を行う可能性が無視できるようにしなさい。また、あるレベルを下回るものについては、浅地中処分等の合理的な処分を行うことも可能と考えられる。もう一つございまして、TRU核種の濃度等が十分に低い廃棄物は、放射性物質としての特殊性を考慮に入れる必要がないと考えられるというふうに書かれております。 したがいまして、何年間具体的に隔離をしないといけないということははっきり出ておりませんが、長い期間にわたって隔離をしておくことが必要な部分もあるということでございます。
○五十嵐委員 ただ、長いにしましてもちょっと一般にはわからないですね。さっきお話ございましたように、プルトニウムはその半減期は二万四千年。ことに、動燃から発生するものはこのプルトニウムを含むものということですね。そうなりますと、これははしたなことじゃないわけでしょう。長いということだけでも、それは百年でも長いのかもしれぬ、千年でも長いのかもしれぬ、十年でも長いのかもしれぬ。人によって、またその状況によって違うわけです。およそのオーダーはどのくらいの感じだか、ちょっと言ってください。
○植松参考人 先ほども三つの種類にわたるTRU濃度について御説明しましたように、核種の濃度が十分に低い場合には、期間について特に考えに入れる必要はなくなってくるのではないかというふうに思います。それから浅地層及び深地層に処分をするようなある程度レベルの高いものにつきましても、これを何年間隔離をしておかなければならないかということについては、安全評価を行って人間に対する影響が無視できるようになるまでということでございましょうから、これは今後検討してどの程度ということが決まってくる。単に半減期だけで決まってくるものではないというふうに思います。
○五十嵐委員 いわゆる高レベルの放射性廃棄物も深地層処分するわけですが、これもえらい超長期にわたって隔離しなければいかぬですね。あの程度ですか、あるいはあれよりは少し短いということになるのですか。けたでいいですよ、皆わからないわけですから。
○植松参考人 けたにつきましてもよく検討しないといけませんが、一言で素人わかりのするような言い方をしたとすると、高レベル廃棄物の貯蔵を行うのと同じ程度の期間だというふうに考えます。
○五十嵐委員 そうですね。高レベルというのは、深地層処分をした場合、通常は一万年とか二万年とかもっと長いとか、いろいろ言われるわけですね。高レベルの場合はそうでしょう。
○植松参考人 高レベルの場合も、地層処分をいたしました場合、これをどの程度の期間にわたって実際に隔離をしておかなければならないかということにつきましては、高レベルの廃棄物が固化体の中から万一漏れ出してきて地上に到達したとしても、人間に対する影響はあるレベル以下になるということを安全評価の上で証明すればよろしいわけで、したがいまして、高レベルの廃棄物も何年ということが明確に決まっておるわけではありません。安全評価の結果として出てくるものだと考えますが、また一言で申し上げれば、約五百年程度たてば熱的にはほとんど影響がなくなる、それから放射能的にも非常に減衰をいたしまして、余り問題になるような量ではなくなるという計算結果がございます。例えば千年ぐらいになりますと、天然ウランの鉱石と同じ程度のレベルの放射能影響になるだろうという計算結果もございます。
○五十嵐委員 これはしかし大変重大なお話を聞きますね。高レベル放射性廃棄物は五百年程度の地層処分で、人間の生活圏からその程度離せばさして有害なものではないということは、ちょっとこれはどうですか。僕は素人でよくわからないが、いろいろな学者の言っていることなんかずっと見ましても、ちょっと珍しい説じゃないですか。一般的に今いろいろな学者が、おたくの方の原子力委員会だとか原子力安全委員会だとかに所属している学者なんかもいろいろいますね。私もきょう論文を幾つか持ってきていますが、そういう先生方はそんなことを言ってないですよ。どうですか、もう一遍しっかり答えた方がいいのじゃないですか。
○植松参考人 私が申し上げているのは、計算例といたしまして、動燃がつくりますようなガラス固化体というのを自然に放置しておいた場合、どういう形で熱的に、または放射能的に変わっていくかという計算の例から申し上げているわけでございまして、約五百年もたてば熱的には当初何キロワットかの発熱量であったものがほとんど無視してもいい程度の弱い熱になりますということを申し上げているわけであります。 それから、千年ぐらいすれば放射能強度的に非常にデケーをいたしますので、いわゆる安全余裕度といいましょうか、そういう考え方でいったとすれば約天然ウラン鉱石程度になってくるのではないかという計算例もあるということでございます。それが何年隔離をしておかなければならないということを決して申し上げておるわけではございません。
○五十嵐委員 僕が言っているのは、何年隔離しなければいかぬかということを言っているのですよ。もう一週言ってください。
○植松参考人 先ほどもお答えしましたが、何年隔離をしないといけないかということは安全評価を行った上で決まってくる数字だと思いますので、これが今こういう数字だということを申し上げることはできないと思います。(「半減期の十倍」と呼ぶ者あり)半減期の十倍という御発言があったようですけれども、そういう考え方はありません。
○五十嵐委員 一言で言えば、どういうことです。大体、ありませんと言う以上は何かあるから言っているのでしょう。ちょっと言ってください。
○植松参考人 何度も申し上げているのですが、隔離年数というのは、その貯蔵方法、隔離方法その他によって決まってくるわけでございますので、正確にこうだということを申し上げるわけにはまいりませんが、例えば先ほど申し上げたように、千年もたちますと隔離をしておかなくても天然ウラン程度のものになってまいりますので、さらに安全を考えればそれの何倍かということも考える必要があるのではないかというふうに、これは私見でございますが、思います。
○五十嵐委員 TRUのレベルの高いものはガラス固化体――今のは高レベルのガラス固化体の話ですな。同じようにガラス固化体のような処分をするのですか。
○植松参考人 TRU核種を含む廃棄物の処分方策については、先ほども原子力委員会の部会報告を参考にさしていただいて申し上げたように、現在処分の方策というのは明確に決まっておるわけでございませんで、「区分、処分方法等について、今後所要の研究開発及び評価を進め、国際的な動向も見極めながら、TRU核種を含む放射性廃棄物の具体的な処分方策を、実態に即して確立していく必要がある。」というふうになっております。
○五十嵐委員 植松さんの今の答弁でも、非常に苦しい御答弁の様子がわかるのです。 月刊誌の「動燃」というのがありますね。これのことし九月号で植松理事さんがその悩みについて率直に語っている部分がありまして、私は非常に興味深く読ましていただきました。ちょっと申し上げますと、 放射性廃棄物は、高レベルが非常に注目されていますが、動燃がやっている仕事の中から出てくる廃棄物も決して無視できない量を抱えているわけです。事業所ごとに処分、貯蔵をし、何とか問題を起こさずにきていますが、時間がたつに従って、それぞれの事業所で処置できない状況が目前に来つつあります。したがって、低レベルについても高レベルと同じように大事な問題としてとらえなければいけないと思います。 特に、日本国中、動燃しかない廃棄物としてプルトニウムを使うことによって発生するTRU廃棄物があります。これについてもどう貯蔵して、処分をするか、本当に厳しい状況を考えないといけない時期にあるわけです。 処理、貯蔵、処分が出来るようにしていくことが、いちばん重要なことだと思います。どちらかというといままでの廃棄物の処理というのは必ずしも処分を前提に考えたものではなく、当面の間、問題なく貯蔵するためにはという発想が主であったわけです。 ここに動燃の責任者としての苦しみ、悩みのようなものはよく感じ取れると思って僕は見ていたのであります。 しかし、どうして業界誌にはこうやって率直にお話を――業界誌といっても動燃内部のでしょうね、「動燃」と言うんだから。やはり国会でもあるいは国民にも、もっと率直なお話をいろいろしたらいいんじゃないかというふうに僕は思いました。同時に、あれを見て、幌延の貯蔵工学センターというものを大変に急いでいる、前段申し上げたように調査強行するというような背景には、やはりその目前に迫ったというあなた方の苦しい論理というものがあるのかなというふうに実は見ておったところであります。 ところで、話がちょっと別になりますが、六十年十月の原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会の、低レベル廃棄物の陸地処分の安全規制の基本的考え方というのがある。ここの中で、低レベル放射性固化体廃棄物の段階的管理というものを示して、その方法を述べているわけであります。今話がありましたように、TRUについても低レベルということでこの段階的管理方式というもので一応考えているということですか。
○辻政府委員 本年の十月十一日付の原子力安全委員会の「低レベル放射性固体廃棄物の陸地処分の安全規制に関する基本的考え方について」、これは一般の低レベル廃棄物ということでございまして、TRUの廃棄物の問題は、ここでは具体的には取り扱ってはいない、これから検討するということでございます。
○五十嵐委員 私は、今ここに動燃事業団が出している最近のもろもろのPR資料――おたくの方でこのごろ出しているのではどういうのがありますか。古いのではまだ幾つかあって、極めて不当なPR誌で、この委員会でも取り上げられて、それは回収して廃棄したというようなものもあったのでありますが、今主として出しているというのを三種類持ってきてもらいました。これ以外にはそうないようですが、一つは「貯蔵工学センター計画の概要」、これは我々もいただいております。この間現地に行ってきましたら、現地の連絡所のおたくの方にこれが山ほど積んでございました。それから「核燃料サイクルと動燃」という、これはきれいなパンフレットです。それから「動燃だより」というので貯蔵工学センターシリーズ、これが一から五まで出ているわけです。大体これが地元の皆さんにいろいろ知ってもらうために配っている資料というふうに考えていいですか。
○植松参考人 私も連絡所におるわけではございませんので、どういう資料を具体的に配っておるかは明確にはつかんでおりませんが、多分先生御指摘のような資料がPR用に使われておるというふうに思います。
○五十嵐委員 これは、今のことの確認は渡辺さんの方が詳しいですか。つまり、きちんと責任を持って言えますか。
○渡辺参考人 お答えいたします。 私も連絡所には参っておりませんのできちんと申し上げるわけにはいかないのですけれども、ほぼその三種類が主要な説明資料であろうと思います。
○五十嵐委員 私もこれをつぶさに見ました。いろいろな問題点を感じていますが、それは別な機会に言います。 ただ、ここで言いたいのは、おたくの方の関係資料の中で、どれを見てもTRUという言葉が全然出てこないということなんですよ。全然出てこないですよ。しかし、今それぞれ説明がございましたように、おたくの方で出ている低レベル廃棄物の特徴的なものはTRUということですね。しかも、その処理処分に当たっても、人間の生活圏から、お話によれば千年の数倍というのでありますから、今の表現では数千年、私どもはもっとでないかと思いますが、それほどの長い期間隔離しなければならない重要な問題なんです。幌延にそれを持っていくということなんでしょう。TRUの廃棄物を幌延に持っていくということは、そういうことでしょうね、二十万本の計画を幌延の貯蔵工学センターにしているということは。さっき言うようにTRUが十一万本ですか、入っている。これをちょっと確認しましょう。幌延に持っていくということでしょう。
○植松参考人 今のところ、幌延に持っていくものがどれから何ぼ持っていくかということをきちっと決めてあるわけではございませんけれども、幌延に動かすものの中にはTRU核種を含む廃棄物というものも当然含まれるようになるというふうに思います。
○五十嵐委員 なぜ一体そのことをこの資料に一言も書かないのですか。高レベル廃棄物は、あなたの方から新しい資料をもらったら西暦二〇〇〇年で千本と言っているのですね。二〇一〇年で二千本という資料が出てきましたね。違いましたか。ちょっとそれを教えてください。
○植松参考人 ただいま先生御指摘のような資料を動燃側から差し上げておるとは思いませんが。
○五十嵐委員 科学技術庁、この資料をあなたの方からいただいたよ。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 先生のお手元に行っている資料は、「高レベルガラス固化体累積予測」という資料かと思いますが、これは当方から差し上げたものと承知しております。
○五十嵐委員 科学技術庁はそう言い、動燃はそう言わないのも変なものですけれども、よく連絡しておいてください。科学技術庁ではそう言っていますよ。 それで、西暦二〇〇〇年で千本、二〇一〇年で二千本と科学技術庁は言っている。動燃は今のところ西暦二〇〇〇年で二千本と言っている。しかし、TRUはけた違いに多いわけですね。それはとても何倍なんというものではないわけでしょう。一番問題はそれでしょう、高レベルも物すごく問題だけれども。さっき私は植松さんの文章を読んだけれども、高レベルもそうだが、しかしTRUが一番頭が痛いんだ。目前に迫った重大な困難な状況だ。数量から言ったって莫大な数量だ。なぜ一体そのことを地元には一言も言わないのですか。何で書いてないのですか。知らないですよ、みんな。
○植松参考人 先ほども申し上げましたように、TRU廃棄物というのはTRU核種を含んだ廃棄物のことを総称して言うわけでございますので、そういう定義からいきますと、高レベル固化体においてもTRU核種を含んでおりますので、TRU核種を含む廃棄物という分類になってしまいます。これは単なる分類の問題であるというふうに思います。地元の皆さんに対して全く御説明をしていないわけではございません。昨年十月二十九日、北海道議会において行われましたエネルギー問題調査特別委員会協議会において、TRU廃棄物というものも含まれておるんだということを十分御説明したつもりでございます。
○五十嵐委員 私はその議事録をここに持っているのですよ、植松さん。全部読んだですよ、恐らくそんなお話になるんじゃないかと思って。何か説明したと言えるとしたら、これしかないですよ。ないけれども、これは私はTRUのところを全部線を引いているのです。これは一般的な説明ですよ。幌延に関してでなくて、我が国の全体のいわゆる放射性廃棄物というものはこうだ、原子力委員会からはこういうような報告が出ている、その中にTRUはこういうぐあいに述べられている、こういう話ですよ、これは皆。幌延にTRUを持っていくということを言っているのがありましたら、ちょっと指摘してください。
○植松参考人 北海道議会で御説明しました中身の中に、どれが幌延に持ち込まれるものかということを明確がは御説明していないかもしれませんが、ただ最棚この席で申し上げましたのは、核燃料サイクルと貯蔵工学センター計画について御説明をさせていただきますということで、全体を通じて御説明をした内容になっております。
○五十嵐委員 道議会というのは、この問題について真剣に特別委員会まで設けて論議しているわけですよ。その論議の中で、道政自身が一時停滞するくらい熱心にやっておられる。それだけ重要な問題ということですよ。こんな重大な問題は、もっと明確に説明しなければいかぬじゃないですか。わからなければ、そういう認識がないまま論議が進められるでしょう。それは地元だってそうですよ。幌延だって周辺だって、これは全然わからないですよ。 私は要求しますよ。まず一つは、こういういいかげんな資料は全部撤回して、集めて、TRUをきちんと入れて、だれが見てもその真実、内容がわかるようにして出し直したらいいのですよ。道議会に対しても、あなた方そろって行ってこんなような不十分な説明をすることについて陳謝しなければいけないですよ。それは理解と協力を求めるためどうだとか、いろいろなことをおっしゃるけれども、あなた方は真実を知らせて理解と協力を求めようと全然してないですよ。植松さん、ちょっと陳謝してくださいよ。
○植松参考人 先ほど来何度か申し上げておりますように、この先生御指摘の「貯蔵工学センター計画の概要」の中にあります低レベルアスファルト固化体等貯蔵施設においては、「再処理工場等の核燃料サイクル諸施設から発生した」と明確に書いてございます。TRU廃棄物につきましては、先ほど先生御指摘の安全委員会で三つに分類がされておるというところで、TRU廃棄物というのは再処理工場だとかMOX燃料加工施設から出てくるものをもって言うんだという説明がございますので、それとあわせてごらんいただくとわかりますように、これは決して隠しておるわけでも何でもありませんで、明確になっておると私は思います。
○五十嵐委員 本当にそういうつもりで言っているの。ここは大事なところだから、植松理事さん、率直な話し合いをしなければいかぬじゃないですか、さっきのあの「動燃」にあなたが書いているような気持ちで。今のようなことの答弁でみんな納得すると思いますか。つまり、あれを読んでそのことがすぐわかるという状況だと思いますか。それは非常に不十分でしょう。率直に言ってくださいよ。どうですか。
○植松参考人 先ほどTRUというものについての定義もここで御説明しましたように、非常に技術的な面にわたっておりますので、ここに書いてあります表現では一般の方には十分御理解いただけないケースがあるかもわからないと思います。我々は専門家でございますのでこれで十分だというふうに理解はしておりますが、もし不十分な点があればさらに追加するなり、さらに御説明をするなりすることはやぶさかではございません。
○五十嵐委員 いやあなた、もうちょっとはっきりしてくださいよ。もっとはっきりしてくださいよ。――お打ち合わせは終わりましたか。どうぞ。
○植松参考人 先生御指摘のように、この資料だけでは十分な説明になっていないところがあるかと思いますので、十分御納得いくような形の追加説明資料なりをつくらせていただきたいというふうに思います。
○五十嵐委員 追加資料というよりは、やはりこういうものはこういうものでひとり歩きしちゃいますから、これは全部回収してくださいよ。それで、きちんと書き直すなら書き直したものをお出しになった方がいいのじゃないですか。
○植松参考人 よくその点検討させていただきます。
○五十嵐委員 理事長、今ずっとお聞きのようなことですね。印刷物もそうだし、道議会の説明もそうだし、地元の人たちはみんなこれは知らないですよ。みんな初めて聞くことですよ。聞いてみて内容がわかって、これはとんでもない話だ、そんなことがあったのかという印象ですね。理事長、こういう経緯についてあなたはどう思いますか。一つの責任をお感じにならないですか。非常に動燃に対する不信感をここでも強めるばかりだと思うのです。いかがですか。
○吉田参考人 今五十嵐先生からいろいろ指摘されたことにつきまして、我々も広報ということについては反省をしている面もありまして、そういうこともありまして現地に連絡所を設けて、これから広報を充実しようという、方法としてはそういうものをとっておりますが、今先生の言われたように、パンフレットにつきましても我々としてももう少し皆さんにわかりやすいパンフレットをつくって、そしてよく説明しようじゃないかということでは、現在広報の方とも話はしているところであります。今先生の言われました趣旨は十分その点取り入れまして、一般の人にわかるような広報のパンフレットをつくって、これからも広く一般の方々の理解と協力を得るために努力をしたいというふうに思います。
○五十嵐委員 要するに真実を、やはり知らせなきゃだめなことはきちんと知らせるという内容にしてほしい、こういうことですね。現地のあなた方の広報の連絡所というのは、それはPRといったって強引に実現していくための工作隊みたいなものだから、それにうんと力を入れますなんということだけで今のことに対するお答えということではとんでもないことですよ。やはりもっと真実を明確に知らせるという責任を科学技術庁や動燃が持っているということ、それはもう言うまでもなく原子力基本法に明快に書かれているとおりなのでありますから、今のお話ではよく検討したい、趣旨を取り入れてやりたい、こういうそれぞれのお答えでありますから、私の言ったような方向でぜひ是正してもらえるというふうに思っておきます。 さて、あとそう時間がありませんが、TRUについていろいろ論議をしたのでありますけれども、そうすると、例えば高レベルの放射性廃棄物、これはあなた方の話によると、一たん一時貯蔵であそこへ持っていく、こういうことになっているわけだ。幌延町から、センターというよりは幌延町からおよそ何年後に全部撤去するのですか。
○植松参考人 幌延町に設置をしたいと考えております我々の貯蔵工学センターの計画は、先生よく御存じのように二十一世紀にわたっての詳細な将来計画が決まってしまっておるわけではございませんので、いつ撤去するかということについては、まだ動燃内で検討が終わってはおりません。
○五十嵐委員 しかし、一時貯蔵は三十年ないしは五十年、こう言っているわけだね。しかし、三十年後のものはそれだけ先に延びるということでしょうが。これは植松さん、やはりちゃんと言えるのじゃないですか。何年後には高レベルは幌延町には一つも置きませんと、もし言えたら言ってください。
○植松参考人 幌延町の貯蔵工学センターは、高レベルの固化体を貯蔵管理をするということを主体に考えておる場所でございます。現在、高レベル廃棄物の処分地については、その選定についてのいろいろな努力、研究開発が進められているところでございますので、処分地が決まれば次第に固化体がそちらに動かされていくことになると思います。処分地が決まってくるまでは、当面の間、貯蔵が続くものだというふうに思います。
○五十嵐委員 しかし、地層処分に関する研究開発は一方で進んでいるわけでしょう。そのスケジュールも出ていますね。それはやはりそういう作業に基づいて進めていこうということでしょう。どうですか植松さん、そういうことにもならないのですか。
○植松参考人 処分予定地の選定は今世紀中に、処分の開始は二十一世紀の当初にという予定になっておりますが、その予定に向けて努力は続けてまいるわけでございます。それがそのとおりにならなければ、その間貯蔵期間が延びるということになると思います。
○五十嵐委員 もっとも、どこに貯蔵施設をつくるかわからないわけだから、今までの答弁によると幌延に処分施設ができるかわからない。幌延に処分場ができるかできないかということは、それは不確定の要素で、するともしないとも答えられぬというのが従前のこの委員会における答弁の流れであったわけです。わかりました。 そこで、TRUについても同様なことが言えるわけですね。どうですか。
○植松参考人 先ほども御説明しましたように、TRU廃棄物についてもその処理、貯蔵、処分についての研究開発を続ける必要があるということが示されておりますように、それについても研究が続けられていくというふうに思っております。
○五十嵐委員 いつまであそこにずっと居座るかは今の段階では見当がつかぬ、こういうお話。地元としてはとてもたまったものじゃないですよ。東海村から幌延まで、輸送費が向こう十年で七百億ぐらいを見積もっている。そのうちの半分、三百五十億を開発銀行の枠を話し合っているというようなことを伝え聞くのですが、概要そんな程度ですか。
○渡辺参考人 お答えいたします。 輸送費につきましては、ただいま科学技術庁の方から予算の御請求がなされておると聞いておりますけれども、その中におよそ十年間で七百億というのが入っていると聞いております。この七百億の中にはいろいろな初期投資が入っております。したがいまして、純粋の輸送費ではないと思いますけれども、いろいろ御検討が進んでいるというふうに聞いております。 以上でございます。
○五十嵐委員 七百億もかけて運んでいく。一時貯蔵だから、何年かして今度はまた何百億もかけてどこかへ移す。金だけのことでない。危険性が輸送に伴ってまた当然あるわけです。それだけでない。今度は処分地にこれを持っていくなんていったって、なかなかそれはあなた、手を挙げて承知するなんということが容易に考えられるはずがない。 私はお聞きしますと、核廃棄物問題には一つの政治物理学の法則的な経験則があるということなようですね。それは、核廃棄物が結局は、暫定的であるにせよそれが最初に持ち込まれた場所にいつまでもとどまることになるということだそうです。今までお聞きしたところでは、その懸念が非常に大きい。幌延でもその法則が貫徹されるのではないかということを強く危惧をいたす次第であります。 ところで、今回の貯蔵工学センターの立地について私はいつも不思議に思うのは、今お話のあるように、高レベルもそうだし、あるいはTRUもそうだ、大変な施設をつくろうと思うのだから、これは当然その立地に関しては、まず第一に相当数の、複数の候補地というものを考えて、それぞれについて調査をして総合評価する、そのデータを公開しながら民主的に論議をして、科学的にそれをセレクトしていくというのが、だれが考えたって常識でないかというふうに僕は思うのですね。北海道の人たちが非常に不思議に思っているのはやはりそこなんですよ。どうしてそうしないのですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 この貯蔵工学センターの施設の一つの候補地として幌延を選定いたしますまでは、動燃でもいろいろ、貯蔵工学センターに限らず、新しい今後の研究開発のための施設の用地が要る点もございます。内々あちこち当たっているということでございますが、そういったような過程の中で幌延町から廃棄物管理施設の熱心な誘致がございまして、だからすぐということじゃございませんで、一応の既存の資料によりまして調べてみますと、広大な敷地が廉価に確保できるし、地盤、輸送の点でも有望である、それから地下に深い地層試験に適した岩体も存在する見通しがあるということで、この貯蔵工学センターが立地するには非常に有望な地点だと判断されたものでございます。 ほかの地点にもさしあたって有望な地点というものがございますればもちろんいろいろやるということでございますが、原子力施設の立地というものは長期間を要するということもございますので、やはり立地可能性のある場所についてはできるだけ早い段階から調査をし、判断をし、地元の御了解が得られるような工作というものをやっておくということが必要でございますので、こういう有望な地点につきまして、しかも地元から御要請があるということでございますと、我々としてはまず第一にこの地点を調査させていただきたい、そういうことから始めておるものでございます。
○五十嵐委員 それはちょっとしたものとは違いまして、こういう施設でしかも長期にわたって危険物を置くわけですから、だれが考えたって、それは複数候補地を選んで比較検討すべきものですよ。初めからここだなんていうそんな決め方というのは、我々は全くどういう神経でやっているのかと思うのです。適地とする基準はありますか。つまり、貯蔵工学センターの適地というのはこういうものだという基準のようなものは示しているのですか。
○植松参考人 原子力の施設でございますので、こういうのが適地であってこういうのが適地でないという具体的な基準というのが全く存在しているわけではございません。しかし、貯蔵工学センター計画のような広い土地を必要とするものにとっては、まず広い土地が手に入るということが必要になってまいります。それから、施設の安全のためにも必要な地耐力を持っているかどうか。それからまた、自然災害の生じることが少ない地盤であることが望ましい。また、立地予定地内などに活断層などが存在しないといったようなことが重要な条件になるかと思いますが、具体的にこれが基準だというようなものはあると思っておりません。 〔委員長退席、平沼委員長代理着席〕
○五十嵐委員 いいですか。基準があってこういう条件のところに貯蔵工学センターはつくるのだ、これだけの重要な施設なのでありますから、そういう基準があって、したがってこの基準から照らすとどうだ、当然そうだと思うのですね。しかも、複数でやらないというのだ。複数で調査して、総合評価して比較して、いやこれよりはこっちがいい、ここのところはいいがしかしこれが問題があるということで、総合評価しながら科学的に決めていく。あるべき基準もないし比較すべきものもない、これじゃあなた、調査したって、何と比べてこれが適地だとか適地でないとかということになるのですか。初めから結果はあなた方の頭にあるではないですか。オーケーだとかノーだとかという論議の土台がない限り、そんなものは何も調査らしい調査ということにならないでしょう。調査をして、それに合わせておたくの方は適当な話をしていればいいということになるでしょう。やはりきちんと正式にあるべき基準を示して、それから複数のところを調査して、その上でその土台の基準に照らしながら合理的に決めていく。決めるとすればそういう方法でないですか。それが民主的な手順でないですか。どうですか。
○植松参考人 私が基準は具体的なものはございませんと申し上げたのは、このような貯蔵工学センターそのものについてということでございまして、原子力の施設という意味では、例えば原子力発電所だとか再処理施設だとかいうものに対する基準がございますから、こういうものを準用しながら判断をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 そういう点からも、調査結果の説得力がないということを申し上げておきたいと思います。 なおここで、法体系の上からいっても大変に問題がありますので、小澤議員から関連質問をお願いしたいと思います。
○平沼委員長代理 小澤克介君。
○小澤(克)委員 ただいま五十嵐委員が質問されておりました貯蔵工学センターについてお尋ねいたします。 先般行われました調査でございますが、これは動燃事業団法のどの条項といいますか、根拠に基づいて行われたのでしょうか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 動燃事業団法の二十三条に業務というのが決められてございまして、ここの第三号に「核燃料物質の再処理を行なうこと。」という規定がございます。高レベルの廃棄物あるいは先ほどありましたTRU廃棄物、こういったものは再処理事業の一環として出てまいるものでございまして、その一環で読むということであればこの三号でございますし、サイト外の廃棄ということで再処理工場と離れたところにつくるということからいたしますと、そういったものは同第二十三条の七号に「前各号の業務に附帯する業務を行なうこと。」ということがございますから、こちもの方の規定においても読み得るわけでございまして、二十三条の三号か二十三条の七号、いずれかの規定によりまして、いずれにしろ動燃事業団の業務の範囲として行っているものでございます。
○小澤(克)委員 事業団法二十三条の一項の三号もしくは七号、こういうことでございますので、それを前提にお尋ねします。 今度の調査ですが、先ほどからの大臣あるいは事業団の方のお答えでは理解と協力を得るための調査、こういうお話ですが、この趣旨がやや不明なんですけれども、これはどういうことでしょうか。理解と協力を得るということはいわば広報活動ということになろうかと思いますが、広報活動の基礎資料を得るための調査、こういう趣旨でしょうか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 本件調査は、先ほど申しました再処理工場から出てまいります廃棄物を長期、一時的な貯蔵をするための施設並びにその最終処分の研究施設をつくるためのサイトを選定するということが究極の目的であるわけでございます。その流れの中で、どこに場所を選定するかということについて、まず現在幌延を第一候補ということに考えまして進めておるわけでございます。その調査を進める、あるいはその調査をした後の結果によりますが、そこが適地ということであれば立地を地元にお願いするという段取りになるわけでございますので、その一環として地元に御理解を深めていただく。その御理解を深めていただくためには、現地のいろいろな不安に対して実際のデータでお示しすることが必要ではないか、そういうことで調査を始めたものでございますので、その流れの中の一つの調査というぐあいに御理解をいただきたいと思います。
○小澤(克)委員 全然わからなかったのですが、一体どうなんですか。立地調査なんですか、それとも理解と協力を得る、すなわちパブリックリレーション、そのための調査なんですか。どっちなんですか、はっきりしていただきたい。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 究極な目的は立地のためということに先ほどの流れの中でつながるわけでございまして、その第一弾としまして地元の方々の御理解を得るための調査ということでございます。
○小澤(克)委員 どっちなの。
○中村(守)政府委員 いわゆる立地のための、何といいますか、いわゆる設計のための、施設の調査ではございません。現在は、まず第一に地元の方々にこの施設の理解を深めてもらうための調査ということでございます。
○小澤(克)委員 今度の調査の費用ですが、これは動燃の予算の支出費目のどこから出ていますか。広報活動費ですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 調査費、実際の踏査に入った費用とか、そういったものにつきましては立地環境調査のための経費の中から支出いたしております。
○小澤(克)委員 まず組織法上の根拠について、二十三条の一項の三号もしくは七号ということですね。これは「再処理を行なうこと。」またはそれに「附帯する業務を行なうこと。」これに該当するとみずからおっしゃった。次に、予算の費目については立地調査費用である。どうしてこれが理解と協力を得るための調査などということになるのですか。これは詭弁を絵にかいたようなものじゃないですか。どうです。
○中村(守)政府委員 地元にいろいろお願いしてまいりました立地環境調査につきまして、これに全面的に入っていくということではございませんで、その中でもまず地元の方々からいろいろ出ております疑問や不安にこたえるような調査から入っていこうということでございまして、その結果というものは立地環境調査に役に立つ調査でございます。
○小澤(克)委員 全く納得も理解もできません。時間がございませんので、他の点を伺います。 さきの国会でございますが、ことしの三月二十六日の当委員会で辻安全局長が私の質問に答えまして、これは下北に予定されています低レベルの施設に関してでございますが、「敷地外貯蔵、敷地外廃棄を行うという場合につきましては、この外廃棄の規則を改正する必要があるということでございまして、現在の規則のままでは事業所外廃棄はできません。」このように答弁されておりますが、当然高レベルにもこのことは全く該当する、こうお聞きしてよろしいでしょうか。
○辻政府委員 現行の原子炉等規制法で高レベル工学センターの規制を行っていこうとすれば、五十八条の二で言うところの工場または事業所外における廃棄に該当することとなるということであろうかと考えております。したがいまして、これの安全規制につきましては、この法律の規定に基づきます総理府令を整備することによって安全規制が行われる、こういうふうに考えております。
○小澤(克)委員 だから、現行の総理府令ではどうなんですか、できないのでしょう。
○辻政府委員 ただいま御説明申しましたとおり、総理府令の改正をする必要があるということでございます。
○小澤(克)委員 それでは、何で改正してから調査をやらなかったのですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 現行の法規においてサイト外廃棄というものが法律的に禁止されているということではなくて、先ほど辻局長から申しましたように、総理府令での基準が示されていない。総理府令の基準というのは、そういう実体行為といいますか、そういうものが具体化して初めて整備されるものでございまして、具体的な立地というものはまだまだ先の話でございます。現在はその先をにらんでの調査でございますので、実際的に物を施設するとか物を廃棄するとか、そういう段階には当然きちんと整備された総理府令に従って行うということでございます。
○小澤(克)委員 とんでもない考えですよ。いいですか。総理府令ですよ。国会の関与なしにあなた方でできることじゃないですか。何でそれをやってからやらないのですか、たとえ準備行為といえども。今の総理府令では、独立の陸上の廃棄施設というのはできないことになっているのですよ。これは外廃棄規則の第一条の二号にはっきり書いてあるじゃないですか。これはもうイロハですけれども、法律に基づいて行政行為を行わなければいかぬでしょう。動燃というのは行政庁そのものじゃありませんが、特殊法人であるし、その事業については例えば土地収用法なども適用される、そういう性格の団体ですよ。現在法令が許してない施設をつくる、たとえ準備行為といえどもそんなことできるわけないじゃないですか。法による行政というのをどうして守らないのですか。それじゃ法治国家と言えないでしょう。どうなんですか。これはイロハですよ。
○中村(守)政府委員 先ほど申し上げましたように、サイト外廃棄が法律で禁止されているというならば先生のおっしゃるようなことがあるかもしれませんが、いずれにしろ本件は東海の再処理工場の敷地が狭隘で、新しいこういう貯蔵場所を求めなければならないという実際上の必要性から生じておるわけでございまして、その必要な時期を実際具体的にするのはまだまだ先でございます。 その行為につきましては、当然ながら総理府令の基準によってやらなければいけないわけでございますので、その総理府令の基準がどういうものになるかということについてはリスクはございます。どういうものになるかということについて、法律を持たない、権限のないものがいろいろ推測するというのは、それはリスクはあるわけですけれども、そういうリスクを負っても、現在早目にこの調査に入って段取りをつけていくということでございます。決して手続を法律で決めたり府令で決めたりと、そういう性格のものではございません。
○小澤(克)委員 総理府令ですよ。国会の関与なしにあなた方で決められることじゃないですか。何でそれをちゃんと整備してからやらないのですか。全然答弁になってないでしょう。必要があるからやる、冗談じゃないですよ。必要があれば何でもできるのですか。 時間がないから、私これでやめます。話にならぬ。
○五十嵐委員 いやもう本当に、今の小澤議員の質問に対する答弁なんか聞きましても、今の科学技術庁の姿勢、態度というものに我々は非常に不安を持たざるを得ないですね。科学技術は重視しなければならぬということは、全く我々も同感であります。しかし、今見えたようなおごり高ぶった技術至上主義だとかあるいは官僚主義だとか権威主義だとか、こういうものは結局は人間と技術の間というものを裂いていくものですよ。非常に残念に思うのですね、今のお話を聞いていると。 私たちは今度の問題というのは、ただ単に政党次元の問題なんということはもちろん考えてないです。殊に北海道に住んでいる人たちは、もう本当にそれぞれの政党的な立場を超えて、この問題については強い拒否反応を持っている。私なんかも北海道に生まれて北海道に育っているのだけれども、何かこう押さえつけられて、自分の体の中にがん細胞か何かしゃにむに植え込まれるような思いがするのですよ。あの中で住んでいる人はみんなそういう気持ちですよ。本当に今度の質疑を通じても、解明されるところは全くどうも出てこない。むしろ科学技術庁や動燃の今回の行為に対する非常な憤りを改めて道民とともにかみしめるような思いであります。 以上で時間でありますから終えたいというふうに思いますが、どうか長官、理事長、ひとつ先ほどのお話にもあったけれども、あくまで慎重な態度を持ってもらいたい、このことを心からお願い申し上げて、質問を終えたいと思います。
○竹内国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、次回の調査については慎重に対処してまいります。
○平沼委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十二分開議
○鳥居委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 私は、原子力政策並びに今北海道で問題となっております幌延問題について質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、我が国のエネルギー政策を考えた場合、石油代替エネルギーの柱として推進していくのは、これは原子力しかないと私は考えております。御存じのとおり、資源に乏しく、石油を初めとして輸入資源に多くを頼っている我が国の現況から見て、しかも原子力発電は電気の二〇%を賄うまでに成長している現在、さらにまた原子力の平和利用が叫ばれてからは健康から医療、産業面にもう年々普及している、こういった現実を踏まえた中でも、とにかく原子力という問題は避けては通れないと私は考えるわけであります。特に医学の分野では、レントゲンに加えてCTスキャナー等による臓器の診断、さらにはがん治療、これはもうすべて放射線を利用して治療なんかもやって生活に生かしているわけですが、現在我々の本当に身近なところで原子力の恩恵を受けている、これはもう厳粛なる事実だと私は思っております。 さらにまた、この原子力というのは、燃料を繰り返しむだなく使えるという、いわゆる核燃料サイクルの確立をして、準国産のエネルギーとすることができるという、また大変な利面もありますし、さらには現実的にコスト面では、もう石油火力発電よりもまさっているとまず私なりに認識をしておるのですけれども、政府として原子力開発に取り組む理由、さらにはまた現実の問題として、コストの見通しなんかについていま一度私は説明をいただきたいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 原子力の利用につきましては、先生御指摘のとおり、エネルギー問題のみならず放射線の利用におきましても、まさに私どもの身近な医療から農業への利用、さらには工業での利用、非常に普及してまいっておるわけでございます。中でもエネルギー政策に占める原子力発電の地位というものは、非常に近来高まってきておるところでございます。 最近の内外のエネルギー情勢というものは緩和基調に推移しているというものの、一般的に中長期的には石油需給というのは再び逼迫するという見方が出されておるわけでございます。また、我が国のエネルギー供給の石油依存度は、主要先進国と比べまして依然として高く、さらに我が国が石油輸入に多くを依存している中東の情勢も流動的であるといったことなど、我が国のエネルギー供給構造の脆弱性というものは克服し得ていないわけでございまして、我が国が将来にわたりまして低廉なエネルギーを安定的に確保していくためには、今後とも石油依存度の低減を目指すことが必要であるわけでございまして、その石油代替エネルギーの中におきましても、原子力発電というものの占める地位が非常に高いわけでございます。 原子力発電は、経済性、大量供給性といった面ですぐれているばかりでなく、先生御指摘のように自主的な核燃料サイクルの確立及びプルトニウムの利用技術の確立、こういったことによりまして国産エネルギーに準じた高い供給安定性を持ち得る、すぐれた特徴を有しております。石油代替エネルギーの中核としての役割を果たすべきものと認識しており、原子力の開発利用について政府として今後とも積極的に取り組んでいくという大きな理由でございます。 経済性についての御質問がございましたが、今日原子力発電のコストは、初年度原価、建設した最初の年の原価で計算いたしますと、一キロワットアワー当たり十三円程度ということでございまして、石炭火力が十四円程度、石油火力になりますと十七円程度になるわけでございまして、原子力が他の発電方式に比べて最も廉価となっておるわけでございます。 ただ、原子力発電につきましては、今後出てまいります原子炉の廃止措置だとか放射性廃棄物の処分に関する費用、こういった費用が含まれていないのではないか、こういう御指摘もございます。ただし、これらのコストは全体の一割程度に相当すると見られておりますので、このような費用を考慮いたしましても、なお他の発電方式より経済性において劣るということはないものでございます。また、燃料費の割合が高い火力発電の発電コストというものは燃料価格の変動を受けやすく、中長期的には上昇傾向にもあると考えられるのに対しまして、原子力発電は資本費が高く、燃料の占める割合が低うございますので、長期的に見れば安定した経済的発電方式であるということが言えるわけでございます。 私どもといたしましては、今後とも安全性の確保を大前提として、建設費の低減、軽水炉技術の向上というものを図りまして、一層原子力発電の経済性の向上を図ることが可能であろう、こう考えておる次第でございます。
○鈴木(宗)委員 わかりました。経済性においてもすぐれているし、やはり石油代替エネルギーとしては原子力しかないということがわかりました。 それでは、原子力発電は極めて安全なものであると私は理解をしていますし、また信用もしております。これまで我が国の原子力発電所において放射能あるいは放射線による事故で人身にかかわるようなことが生じたことがあるかどうか、さらにまたアメリカやフランスなど原子力先進国においてはどうであったか、ちょっと教えていただきたいと思います。 〔委員長退席、平沼委員長代理着席〕
○辻政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、また原子力局長御説明のとおり、現在我が国の商業用の原子力発電所は、昭和四十一年に日本原子力発電東海発電所が初めて運転を開始して以来二十年に及ぶ実績を有しておりますし、今や原子力発電は総発電量の約四分の一を占めているという状態になってきているわけでありますが、この間におきまして、政府といたしましても原子力の開発利用に当たっては安全性の確保が不可欠であるという認識のもとに、安全審査、詳細設計、建設工事等の各段階におきまして安全性を厳しくチェックし、事故が発生しないよう万全の規制を図ってきたところでございます。この結果、我が国の原子力発電所におきまして、放射線被曝によって死亡したりあるいは身体上の障害を受けたような実例は一件もございません。 また、諸外国のことにつきましては、OECDに原子力機関、これはNEAと言っておりますが、このNEAの一九八四年の活動報告におきまして、OECD加盟国における原子力発電所の運転の経験は現在では二千七百炉・年以上に達しており、その間事故による死亡は報告されていないということが述べられているとおりでございまして、幸いにいたしまして、私は実用の原子力発電所における放射線障害事故の実例につきましてはまだ耳にしたことはございません。
○鈴木(宗)委員 今の局長の答弁によると、やはりこれは極めて安全なものであるということが私は証明されていると思います。一つの例を言えば、例えば炭鉱事故なんか、戦後だけで一万三千二百四十六人も死んでいる。例えば今言った商業用の原子力発電が開始された四十一年以降の数字を見ても、千九百五人も炭鉱事故なんかで死んでいる。これらと比較しても、いかに原子力発電が安全であるかというのが実証できるのではないかと私は思っております。よく放射能漏れがあったら新聞なんかは大々的に取り上げて、さも何か人身事故があったような、あるいはもう被曝を受けたかのような、何か体の変調を来すような書き方をされるのですけれども、今まで放射能漏れがあってよくマスコミが取り上げてまいりましたが、これは実際危険な数字であったのですか、どうですか。
○辻政府委員 これまでの事故として最大のものは、先生御承知のようにスリーマイルアイランドの事故であったわけでございますが、この事故におきましても同様でございますし、日本における敦賀発電所の放射能漏れ事件というのが大々的に報道されていたわけでございますが、いずれの場合におきましても、その周辺住民に対して放射線の障害を受けるような放射能の放出というものはございませんでした。
○鈴木(宗)委員 基本的な原子力に関係する姿勢なり今までの実績を私はお聞きしたわけでありますけれども、なぜこういった話をしたかといいますと、原子力発電がよくて廃棄物の施設がだめだという今の議論というのは私は納得できないし、極めて理不尽な話だと思っているから、あえて初歩的な質問をさせていただいたわけであります。しかし、今両局長の話なんかを聞いていくと、原子力の開発及び利用を進めていく上で、放射性廃棄物の処理処分対策はもう避けて通れない問題だと私は思っております。 特に今問題になっております幌延の高レベル放射性廃棄物は、原子力発電所でウランが核分裂を起こしてエネルギーを発生する過程において必然的に発生し、また再処理工場で分離されるものであって、その処理処分対策は原子力発電と比べた場合でも極めて安全であるという説明を私は今まで受けております。特にこの廃棄物のプロジェクトなんというのは、何といってもやらなければいけない大きな国家的政策の仕事であると私は思うのでありますけれども、この言われております貯蔵工学センター、これはどのような計画内容で、さらにどんな原子力政策・上の位置づけがあるのか、御説明をいただきたいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 貯蔵工学センターは、東海村の再処理工場から出ました放射性廃棄物のうち高レベル、それから低レベルのアスファルト固化した廃棄物、こういったものを貯蔵いたしますと同時にその利用についての研究をする、さらに将来的にはこの高レベルの廃棄物などにつきましては地中深く埋設して処分をする、こういう計画でございまして、そのための研究というものも長期的な観点から必要なわけでございます。そういう研究施設を設けようというものでございまして、この研究センターを構成する施設といたしましては、高レベル廃棄物とそれから低レベルのアスファルト固化、先ほどこの委員会で御指摘あったTRUの廃棄物を含めてでございますが、そういったものの貯蔵施設、それから二番目に、最終処分の際の深地層における現象をいろいろ調べようという深地層試験場、それから高レベル廃棄物などからの放射線あるいは熱、こういったものを有効利用するための試験研究というものを行うわけでございます。 放射性廃棄物の処理処分を適切に行うということは、原子力開発利用を進める上での重要課題でございまして、特に高レベル廃棄物の貯蔵処分対策というものが核燃料サイクルのバックエンド確立のための究極の課題であるというぐあいに考えておるわけでございます。その意味におきまして、貯蔵工学センターというものが今後の我が国の原子力政策を進め、あるいは原子力開発の利用を進めていく上で重要な役割を担うものであるというぐあいに考えておる次第でございます。
○鈴木(宗)委員 この貯蔵工学センターでは、廃棄物はガラスで固められてステンレスの頑丈な入れ物に密閉をして、さらに安定なものであって、原子力発電のような例えば高温だとか高圧になるものでもないし、また核分裂をコントロールするといった問題もない、そういう説明を私は受けておるのでありますけれども、こう考えたら、この貯蔵工学センターは原子力発電所に比べてももっと安全な施設でないかというふうに理解をするものであります。この貯蔵工学センターの安全性の心配をする方がおかしいのじゃないかという気が私は率直にするのでありますけれども、その点どうでしょうか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、原子力発電所は核分裂反応をコントロールするという技術とかあるいは高温、高圧の蒸気をコントロールする技術、あるいは配管が破裂した場合の緊急冷却装置などいろいろ高度な技術がございまして、多重防護の考え方によって安全を確保すると。いう方式をとっております。 もちろん原子力の施設についてはすべてこの多重防護の考え方をとっておるわけでございまして、この貯蔵工学センターにおいても同様ではございますが、その設備内容におきましては先生御指摘のように比較的簡単な構造でございまして、ステンレス製のキャニスターに安定的に封入されたガラス固化体、しかもこれは固体でございますので、これを貯蔵を行うということで、設備的にはこのキャニスターをリモートコントロールによって移動し、しかるべき所定の位置におさめるということとか、あるいはこのキャニスターを冷却する、これも空気冷却ということで現在技術開発が行われておりまして、そういった方式でこの循環するためのポンプというものが稼働部分の大きなものであろうかと思うわけでございますが、そういう意味では比較的構造が簡単である。 しかも、発電所のような水とか蒸気とか、そういったものが外部に漏れ出るというような問題が実はないわけでございます。ガラス固化体でございますので、万一のことがあってもそこから何か気体状のものが外部に漏れ出るとか、そういうようなものもございませんで、そういったような事柄を総合的に考えますと、もちろん安全度においては原子力発電所もこの工学センターも同じように周辺に与える影響はないという形で当然安全規制が行われ、それを守るわけでございますが、今申したような理由からその安全を確保することが技術的には容易なものであるということで、周辺の皆様へ御迷惑をかけるということは私どもとしては考えられないことだというぐあいに理解をいたしております。
○鈴木(宗)委員 安心しました。今の局長さんの話を聞くと、万が一でも心配はない。特に原子力発電が昭和四十一年以来商業化されて、今までミスも事故もないということで、それ以上にこの貯蔵工学センターについては多重防護の方法だとか、あるいは設備の構造が簡単であるだとか、ガラス固化体から漏れても心配ないという話を聞いて、私もほっとしているところであります。 ところが、十一月八日のある新聞においては、ガラス固化体は「一本当たりの放射能量は四十万キュリーで、人間が五メートルまで近づくと一時間で死亡するほどの高濃度である。」こういう記事がありました。これなんかも僕は見てびっくりしたのですけれども、この問題なんかはどうなんでしょうか。ガラス固化体というのは危険だというのをいたずらに吹聴というか、助長するような話なものですから、ここらの点をはっきりしてほしいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 原子力の施設につきましては、潜在する危険性といいますか、そういった点についてはいろいろあるわけでございまして、この潜在する危険性をいかに外部に出さないかということで多重防護その他のことで安全が確保されておるわけでございますが、先ほど御指摘になりました毎日新聞の記事は、このガラス固化体の放射能量を単純にそこに人間が接近できるという前提のもとに書かれておるわけでございます。しかし、現実の施設というものは、ガラス固化体を厚いコンクリートでまず遮へいいたしまして、その放射線から人間を隔離するという形で貯蔵が行われ、建物内に安全に保管されるわけでございます。したがいまして、この記事のようにあたかも一般公衆がこのガラス固化体に直接接近できるということを前提として書いてある記述というのは正しい知識を皆様方にお示しするということではない、危険を過大に印象づけるというような感じになりかねないものだろうというぐあいに考えます。
○鈴木(宗)委員 しからば局長さん、この記事に対しては、僕はやはりこれは大変な誤解だ、一般の人々に与える影響というのは大きいと思うのですが、それに対する措置はとりましたか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 私どもでこのことについて新聞に逆に投稿するとか、そういう積極的なことは残念ながら合いたしておりませんで、そういうことについては機会あるごとに御説明するというにとどまっております。
○鈴木(宗)委員 局長さん、これは大事なところは、一般の人は、例えばこの毎日新聞しか読んでない人はこれが正しいと思って、その議論がひとり歩きしているわけです。ですから、僕は今まで科学技術庁なり動燃の姿勢としてそこらに対する対応が機敏でなかった、努力してないのではないかという気がするのですけれども、こういった問題が出た場合、速やかに現実はこうですよ、ガラス固化体にはさわらせるものではないのですよ、きちっと防護して人は近づけさせませんよという説明があってしかるべきなんですね。これからこういった問題が出た場合は速やかにきちっとした対応というものをやってもらいたいのですけれども、どうでしょう。
○中村(守)政府委員 私どもといたしましても、原子力に関する正しい認識を皆様方に持っていただくということのために、あらゆる機会をつかまえましてこういったものへの正しい知識の普及に努めてまいりたいと思います。
○鈴木(宗)委員 なぜこういうような新聞記事を今僕は言っておるかといいますと、原子力の場合、必ず風評被害というのが出てくるわけです。風評被害というのはやはり口コミもありますけれども、そういったまじめな地域の人たちがその新聞をうのみにするということもあるわけです。ですから、僕はあえてこういう話を今出しているのですけれども、現実にこの幌延なんかでも、例えばこの貯蔵工学センターができると牛乳が汚染されるだとか、魚も汚染される、消費者は買ってくれないのだ、生活ができなくなるのですよというふうなことを宣伝している人たちがいるわけです。私はそういったことを危惧するために今あえて厳しく言っておるのです。 一つの例を申し上げますと、ここに幌延町高レベル放射性廃棄物施設誘致反対天塩町民の会というのがあるのですね。ここがアンケートをとったというのです。アンケートをとったのは僕はいいと思うのですよ。回収率が約三七%ですか、そしてそのうちの八五%が反対であった。いいですか。二千五百通出して約九百通しか戻ってこなくて、そのうちの八五%が反対だからといって、例えば「風評被害の心配、現実に 牛乳買わない85%も」、こういうふうな記事になるわけですよ。 こういったことに対しては例えば意見広告もできるであろうし、抗議もできるであろうし、やはり速やかにきちっと現実はこうですよというものを知らせないと、一番迷惑するのは善良な町民だとか市民ですから、そういった意味で、局長、あえてもう一回きちっとした答弁をしてください。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 私どもも今のアンケートの出し方について見ておりますと、まず大変危険なものだということを植えつけた上でその回答を求めている、そのような印象のもとに回答が出てきているということで、お答えになった皆様方が事態を正しく認識していないおそれが非常に強いということを感じたわけでございまして、私どもとしてもあらゆる機会をとらえて正しい認識を持っていただくよう努力してまいりたいと思います。
○鈴木(宗)委員 例えばこのアンケートなんかも、もう出たときから局長さんの手元に資料が行っていると思いますけれども、初めから反対で、危ないからという説明をしておいてアンケートをとっているわけです。局長さん、ごらんになっていますね、このアンケート。「消費者の皆さんにアンケートのお願い」というのですが、ちょっと読んでみますと、 私たちは天塩町の東部地域で酪農を経営している酪農民です。今、新聞、テレビ等で報道されている高レベル放射性廃棄物貯蔵施設を誘致しようとしている幌延町とは、天塩川一本へだてて向い合っている地域です。私たちの地域より約二キロメートル程の地点が廃棄物貯蔵施設建設予定地であります。 原子力問題資料室発行の資料によりますと幌延町に持ち込まれる高レベル放射性廃棄物とは、放射能を大量に含んだ廃液をガラスで固化したものをキャニスターと呼ばれるステンレスの容器に密封したもので、その中に入っている放射能は一本当り四十万キュリーと言われ、広島に投下された原爆の四十発分です。 放射能は、一時的に密封されたとしても、おびただしい放射線はキャニスターの外に放出され続けるものです。 仮にキャニスターのそば、五・三メートルの所に人間が一時間立っているとしたら全員死亡すると言われています。 このように危険なものが、二千本も貯蔵されようとしているのです。 こういう前段をつけてアンケートをとったら、読んだ人は、安全だなどとだれが信用しますか。これには速やかに対応せずしてどうするかと私は言いたいのです。だからこそ、こういった問題があったらきちっと対応しなければいけないということを私たちは言っているのですけれども、これは動燃なんかどうですか。
○植松参考人 ただいま先生から御指摘いただきましたように、新聞報道などには間々誇張された報道がされるケースもございますし、専門家ではない方がごらんになれば非常に不可解に映るような記事があらわれることもございます。それに対してきちっと速やかにこたえてきていないのは遺憾ではないかという御質問だったと思います。 我々もその点、幌延の地元に対しまして今までは東京からわざわざ出かけてまいりまして職員が説明をする努力はしておりましたけれども、やはり何さま遠くでございますし、御説明が徹底していなかったということを大いに反省をいたしております。そのためにも必要として、現在現地連絡所を設置いたしまして、そういった科学的な内容について間違った情報が伝わらないように、また、間違った情報が出た場合にはこれを直接訂正できるような体制を考えさしていただいておるわけでございますので、今後は広報関係の職員が向こうに居つきまして、この点丁寧に御説明をする機会を得たいと思っております。
○鈴木(宗)委員 とにかく一般の人は、例えば動燃の人が行って説明する、あるいは科技庁の人が行って説明するより、どうしてもテレビだとか新聞優先という気持ちがあるのですね。だからこそ私はこういったことに対しては速やかに、実際はこうですよということを多くの人に一例えばおたくらが説明会をしたとしても、集まる人は何百人か何十人かもしれませんね、何回会合しているかわかりませんけれども。それについて大量に啓蒙運動とか啓発運動だとか、あるいは理解を求める方策をとらなければいけないと思うのです。そういった意味では、きちっとやってほしいと思います。 かつて私の地元の士幌町というところで、アイソトープを使ってジャガイモの発芽防止に取り組んだのです。これは今は完全に定着しているのですけれども、このときなんかも放射線を使っているからジャガイモを買わないという、変な話、本州地帯では運動が起きたのです。ところが、このときも農協の職員が速やかに消費者のところに飛んでいって、ここにジャガイモがあります、実際機械ではかってみてください、放射能の反応がありますかというきちっとした説明をしたところ、その風聞なんというのは一週間で吹っ飛んでしまったのです。 そういった例があるものですから、僕は科技庁なり動燃の対応としてはちょっとお粗末じゃないかと思うのですが、長官、その点はどうですか。
○竹内国務大臣 お答えいたします。 先ほど来の質疑応答を承っておりますと、いわゆる広報の面において私たちはまだまだ不十分だということを痛感しております。したがいまして、これからは先ほど動燃の方からもお話し申し上げたように、現地にも連絡事務所を設けるわけでございまして、いわば草の根レベルの正しい認識、理解を持ってもらうために、これからも大いに努力をいたしたいと思います。
○鈴木(宗)委員 ありがとうございます。 それでは動燃さんにお聞きするのですけれども、この幌延町がいわゆる貯蔵工学センターの誘致に乗り出したのは何年からか、ちょっと教えてください。
○渡辺参考人 お答えいたします。 昭和五十六年の初めごろと記憶しております。
○鈴木(宗)委員 昭和五十六年というと、当時科学技術庁長官は中川一郎先生でありました。幌延町がぜひとも誘致をしたいという話を持ってきたとき、当時の中川長官は、おれは北海道選出の国会議員だ、北海道に核のごみを誘致した、そういうレッテルをおれは張られたくないということを明言したものであります。それでもなおかつ幌延町は議会を挙げて、そして町長さんを先頭にして、どうしても誘致したいというふうに来たというように私は承知しているのです。そこで再度中川長官が言ったのは、それまで熱心に誘致したいならばあとは安全性を確認するのが最優先だ、安全性が間違いないということが実証されたならば、あるいはそういったデータとしての裏づけがあるならば私も協力をしようと言ってスタートしたのが、この幌延町の廃棄物処理施設の原点ではなかったかと私は記憶しているのです。 そして中川先生はみずから、例えば東海村の原発二号炉の廃棄物施設のところへも行きましたし、あるいは中部電力の浜岡の発電所の廃棄物施設にも見に行ったのです。そしてそのときドラム缶に入っている廃棄物に中川先生みずからさわったり、キスまでしたものであります。そうしたら、それでも放射能の反応はない、これまでやっても安全なのか、それならばこれはやはりレールに乗せよう、しかも、町の将来の発展を考えた場合にどうしてもこれがいいというならばこれでいこうというふうに、経過としては考えているわけです。そのくらい安全だという上に立ってスタートしたのが今回のこの幌延問題じゃないか。 私は考えてみるに、今の幌延の議論を見ていると、ただ反対反対、実際何が危険が、原理原則を忘れて議論がぶつかっているというふうにしかとれないのです。私自身も原子力の専門家ではありませんから細かい複雑な問題はわかりませんけれども、ただ常識的な判断として、原子力発電の今までの安全性、そして動燃さんや科学技術庁さんのいろいろなデータによる、これは間違いないという資料を見た場合、これは断固推進していかなければならないし、エネルギー政策の根幹にかかわる問題であると私なりに理解をして、今質問に立っているわけであります。 そういった問題を考えますと、やはり動燃さんにしても科学技術庁さんにしても、先ほど大臣から答弁はもらいましたけれども、ちょっと広報の面で手薄でないかな、努力が足りないのじゃないかなという気がしてならないわけです。特に今これだけ科学技術が進んでいる時代に、そして宇宙に行って帰ってくる時代に、なぜ原子力といえばただ反対という意見が出て根っこの議論をしないか。私はここで根っこの議論をすべき問題ではないかということを提案したいのですけれども、局長、どうでしょうか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 原子力の問題につきましては、今先生御指摘のとおりでございますが、何分にも原子力というものが高度な学問的、技術的問題であるために、いわゆる例え話的なものを使って御説明するというのがなかなかに難しい。それから安全につきましても、我々が社会的常識で言う絶対安全という言葉と学問的に言う絶対安全という、そういったような言葉のあやといいますか、そういったもの等もございまして、いわゆる学者先生方の中にも、理論的に、理論というか論理の構成上絶対ゼロということはないというようなことから、この安全というものにつきましていろいろ御批判なさったりされている面もございまして、なかなかわかりにくい点がありまして、広報活動につきましても、先ほど新聞広告とかテレビとか、我々もできるだけ新聞広告、テレビを使っておるわけでございますが、遺憾ながらいろいろ予算的制約もございまして、適時弾力的にできないということもございますし、それからまた、新聞なんかの広告で簡単に二言でぱっと問題を説明し得るということができないということで、広報活動について非常に苦慮しておるわけでございますが、我々も識者のお知恵をかりたり、あるいはタレント方の力をかりて、わかりやすく原子力問題について国民の皆さんに御認識していただくよう今後とも努めてまいりたいと存じます。
○鈴木(宗)委員 すべての問題について絶対という言葉を使うのはいかがなものか、それは私も理解するものなんですけれども、ただ、事原子力に関しましては絶対と言っていいくらいの責任と自信を持って対処しなければなかなかまた理解も得られないのではないか、私はこう思うものですから、あえて厳しい話になってしまったのです。 動燃さんにお聞きしたいのですけれども、今回の幌延について五十六年の二月ですか、誘致のスタートが始まったと私は記憶しておるのですけれども、これまで約五年間に現地に対する説明会あるいは何人の人にこの廃棄物処理施設の理解を求めたか、ちょっと教えてください。
○渡辺参考人 ただいまデータを持っておりませんのではっきりした数字は覚えておりませんが、私の記憶しているところでは、五十回以上説明会を開いております。そして多分千人、ちょっと少ないのですけれども千何百人かの方々には御説明をしております。あるいはもうちょっと多かったかもしれません。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 僕は、五年間に五十回、そして今千人、もうちょっと多いと言うから倍と見て二千人、これじゃちょっとお粗末でないかと思うのですよ。特に二千人に会ったとしても、同じ人が来ている可能性があるわけですよ。やはり幅広く理解を求めるという意味では、変な話、自由民主党が説明会を開いたって説得力ないのですよ。いいですか。自民党の中にも原子力の専門家の国会議員さんもおりますけれども、我々北海道から出ている政治家として専門的なことはわからない。どうしても専門家となると動燃さんや科学技術庁さんの皆さん方が、五年間で五十回、しかも多く見積もっても二千人ぐらいだとするならば、これはちょっと努力が足りないのじゃないか。そのことが今回の議論にもつながっているし、あらぬ心配をかけたり不満を買っているのではないかと思うのですけれども、これから何か抜本的に現地の人を説得するためのアイデアがありますか。
○竹内国務大臣 お答えいたします。 ただいま動燃の方から過去五十回以上あるいは千数百人に及ぶ説明をやったということですが、私の想像では、千数百人の方というのは恐らくはそれぞれの地方における有力者、いわば首長であったり、議会の議長、議員さんであったり、あるいは農協とかそういうような団体の長であったり、こういう方々がほとんどではなかったろうかと思います。そこで私考えますのには、やはり貯蔵工学センターについての認識と御理解を本当に得るためには、先ほど申し上げましたようにいわゆる草の根レベルでのPRにこれから力を入れる必要がある。特に、御婦人と青年にもっともっとよく理解をしてもらう手だてを工夫いたしたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 この件はこれからも長い年数がまたかかるわけですから、地道な広報活動といいますか、説明会等、そういった機会を大いに設けてもらいたいと思います。そのためには我々も精いっぱい努力をしていきたいと思っておりますので、この点ともどもやっていきたいと思っております。 次に、現地踏査を行ったということで今物議を醸しておるわけでありますけれども、動燃が立地環境調査、いわゆる現地踏査を二十三日の午前六時から午後二時半まで実施したということなんですが、それに対して北海道知事は約束に反し極めて遺憾であるという談話を出しております。約束に反しということは、科学技術庁、動燃と道庁で踏査についての何か約束事が存在しておったのかどうか、ちょっと教えてもらいたいと思います。
○中村(守)政府委員 私どもと道庁の間で特に約束事はございません。従来から国会等を通じまして、こういう原子力施設については地元の理解と協力を得て行うのが基本であるということを何回か御説明しております。そういうことで知事側からすれば、これは自分の了解なしには何もやらない約束というぐあいにおとりになっているのではないかと思うわけでございます。 動燃事業団の理事長と知事との間でのお話しぶりにつきましては、動燃事業団の方からお答えさせていただきたいと思います。
○吉田参考人 調査の解釈の仕方にもいろいろありますけれども、私の方が十月三十日に知事さんのところにお伺いしましてお願いしましたときに、いろいろ理解と協力を求めるための運動をいたします、その中でやはり疑問点が出されます、それは地盤の問題だとか断層の問題だとか地下水の問題というのが主として出てくるわけでございます、そういうことを皆さんに理解してもらうためには何らかのそれのデータを、今まで文献その他でいろいろ調べてはおりますけれども、それに少し加えた新しいデータ、具体的なものが欲しいということがありましたので、知事さんにも理解と協力を求めるための調査だけは認めていただきたいということをお願いしたわけですが、知事さんは一般的なものとして調査に対してはまだコンセンサスを得られる段階にないからという形で、そらされたといいますか、そういう関係になりましたので、私の方は直接調査に関係する地元の方が理解する範囲においては調査をやらせていただきますということをお願いして下がってきましたので、そういう意味での調査を今回やらせていただいた、こういうことであります。
○鈴木(宗)委員 午前中の当委員会の質疑の中でも、約束違反じゃないか、あるいは国会答弁と違うんでないかという話が出ましたけれども、これは私はちょっと本末転倒でないかと考えるのです。今理事長さんの答弁だとか局長さんの答弁を聞くと、私は当然もっともなことであって、知事が全権を持っておるとは私自身考えてもおりませんし、あるいは国会での議論というのはまた解釈もありますけれども、私は国会答弁など議論の中から逸脱したことは今回事業団はやってないと理解しているわけであります。にもかかわらず、例えば踏査をした場合、まるで泥棒猫のようなことをした、こういう表現をしている人もいるのですね。さらに、民主主義も何もあったものでない、道民の意思を無視する行為だ、反対派の人はこう好き勝手な表現をしているのです。 これは極めて初歩的な質問ですけれども、調査地の所有者にはもちろん了解をとって、事前に連絡をとって踏査したかどうか、ちょっと確認したいのです。
○渡辺参考人 お答えいたします。 調査の方を担当した責任者からの報告によりますと、調査をやる前の日の十時に御連絡を差し上げました。当然その前に御了解を得ておりますが、実際に調査に入るというときには、その前日の午後十時に御連絡をいたしました。当然、同時に町長さんにも御連絡をいたしております。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 きちっと手続を踏んでやっているにもかかわらずこういうことを言われるのも、またこれは心外なわけですよ。ですから、こういうことを言われた以上は、動燃としても、さっきの広報の問題じゃないけれども、きちっと我々は明確にこうして、こういう手続をして、これは私有地ですからその地権者の許可をもらってやっております、何らやましいことではないという反論があってしかるべきだけれども、その反論が一遍も出てこぬわけですよ。そこら、動燃さんはどんなことを考えているのですか。どんな感じてその反論をしないのですか。
○渡辺参考人 お答えいたします。 私どもは当然調査が終わったときには新聞社の方々に御説明をしております。そのときにははっきりと、地権者の方にお断りした、町長さんにもお断りしたということを申し上げております。ですから、私たちは恥ずかしいことをしているわけじゃないので、堂々とやらしていただいております。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 ちょっと堂々とやっている割には迫力がないんだな。大体新聞を見たって、動燃理事長、地元の理解を得るため実施なんという表現なんですね。これは理事長、我々は手続を踏んでちゃんとやっておるんですという話があってしかるべきだと思うのですよ。それを地元の協力や理解を得るために必要な調査を実施しましたなんて、何か借りてきた猫みたいな表現ですよ、私に言わせると。ちょっと表現がきついかもしれないけれども。なぜ自信を持って我々はちゃんと手続を踏んでいるんですと言えないのですか。
○吉田参考人 先ほど申し上げましたように、そういう理解と協力を求めるための調査をさせていただきますと知事さんと対面をした上でのお話をしました。その話に対しても、知事さんとしてはオーケーと言われたわけじゃありませんが、私としては知事さんの前でそういうことを言いましたので、実施しました後もあくまでも記者の方にもそういう趣旨で御説明をしたわけでございますけれども、プレスの発表の仕方にはいろいろありましたので、我々も広報の仕方につきましては、先ほどからいろいろ御注意もありますが、これから熱意を込めて万全を期したいと思って努力するつもりでおります。
○鈴木(宗)委員 よく知事の話が出るわけですけれども、知事はこの貯蔵工学センターについてどれだけの権限を持っているのですか。それをちょっと、どういうふうな認識でいるのです、動燃さん。
○吉田参考人 最終的な立地の段階になりますと、道を通じてのいろいろな許認可の問題が出てきます。ですから、現在のこの調査の段階ではそれに制約されるものもないと思いますし、特に今やっている我々の調査の問題、当面の問題にはそれはないと思っております。
○鈴木(宗)委員 よく知事が地元の理解と協力なしにという表現があるのですね。地元というのは、幌延町のことを私は指すと思うのです。施設を調査する場所ですね、そこが私は地元という認識であって、あの日本の五分の一強を有する北海道を、おれが知事だから全部地元だというこの認識は、僕は当たらないのじゃないかと思うのです。しかも、知事が無競争でなったとか七割も八割も支持を得たというならば、これまた発言に重みがあっていいと思うのですけれども、前回の知事選挙でははっきり言ってそんなに差がなかったのですから、そういったことを踏まえると、どうも何か知事が許可しない限りだめなんだという勝手なひとり歩きみたいな言葉がたびたび出てくるものですから、これから調査をまたさらにやっていく上でも、あるいは動燃さんが対応する意味でも、少しスタンスをきちっと考えておいて対応すべきであって、幌延町というのが地元の意見だという認識を持つべきだと思うのですが、どうでしょう。
○中村(守)政府委員 原子力の施設はこの貯蔵工学センターに限りません。発電所にしてもそうでございますが、国民の皆さんが非常に原子力発電について御関心を持ち、いろいろまたある意味では不安も持っておられるような施設でございますので、これを実際に立地し、建設し、運転していくという過程におきましては、やはり地元の方々の御理解を得ていく必要がございますし、現実にその施設が立地いたしました際には、単にその地元だけがその施設の影響を受けるということでもないわけでございますので、できるだけ多くの方の理解と協力を得て進めていくというのが基本でございます。 ただ、その場合、我々が何を今なすかという事の性格に応じまして、その場合の地元というものは範囲がいろいろ制約されてくるのだろうと思います。私ども実際に施設を立地するということになりますと、放射能のものを運び込んだりいろいろするわけでございますから、現実に周辺の方とのいろいろな接触も出てくるわけでございます。そういう意味で、これは全道的な立場での知事さんの御意見あるいは道論の集約といいますか、そういった形で知事さんの御協力を得ていく必要があろうと思いますし、またいろいろな法的な手続も実際ございます。過去の原子力施設の立地問題につきましても、やはり知事さんのそういう理解と協力ということがあって初めてその施設の立地が円滑に進んでいくわけでございます。そういうことで、できるだけ早い段階から御理解と御協力を求めてまいっておるわけでございますが、今回のような極めて限定的な調査につきましては、調査が周辺に影響を与えるということでもございませんので、直接の自治体の方々と直接関係される地主の方、あるいはその場所でお仕事をなさっておられる方々の御理解と御協力が得られるならばやってもよいのではないかというぐあいに考えておりまして、我々が行う実行行為との関連において、どの範囲の地元の方の御了解を得ていくべきかということになるのではないかと考えておりまして、何が何でも全部御理解を得られなければというぐあいには理解しておらない次第でございます。
○鈴木(宗)委員 わかりました。とにかく筋を通すというか、最大公約数を得るのが一番でございますけれども、どうしても理解を得られないという人はどの社会にもいるわけですから、そこらをちょっと割り切ってやらなければいけないというふうに私は考えるものですから、その点十分配慮してもらいたいと思います。 あと、今回の踏査のとき、とにかく反対派はルール違反だとか民主主義を冒涜するものだと言っておりますけれども、聞きますところ、反対派の人たちは黙って人の土地に入って、逆に地権者とトラブルがあったというふうに聞いておりますが、それは本当ですか。
○渡辺参考人 これは私は新聞を見て知っておるわけでございますけれども、当地の新聞では、何新聞か覚えておりませんが、反対派の万五人が、報道の方も御一緒だったと思いますけれども、現地踏査をやった後の確認のためにお入りになったと聞いておりますが、お入りになって地権者の方に見つかって怒られたというお話を伺っております。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 ちょっとあなた、それは新聞でしか知らないというが、報告は来てないの。そんなばかげた話はないですよ。これだけ大事な問題を、私も新聞でしか見ていないなんて、そんなばかな話がありますか。だからこそ野党なんかにつけ込まれてしまうのですよ、そんなこと言うから。基本じゃないですか、あなた。
○渡辺参考人 申し忘れましたけれども、現地の連絡所から話を聞いたのですが、地権者の方から御連絡をいただいて、こういう状況にあったということの報告を受けております。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 わかりました。 さらにもう一つ確認したいのですけれども、とにかく反対派の人たちが人民裁判よろしく動燃の職員を足げにしたということを私は聞いたのでありますが、これも事実ですか。
○渡辺参考人 お答えします。 私が現地の連絡所から聞いておることを報告させていただきます。 二十四日だったと思いますけれども、私どもの連絡所におきまして、反対派の方が私どもの広報室長といろいろな議論をなさっているときに足をけったということであります。そして、その後病院に行って診断書をいただいております。なお、天塩署の方かる事情聴取をしたいというお申し出がございまして、いろいろ考慮いたしましたけれども、しばらく後で天塩署に行って事情聴取に応じております。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 これは大変な問題だと僕は思うのですよ。いいですか。実力行使をする。ただ理屈が通らぬから、おもしろくないから、反対だからというので足げにした。足げにしたというのは、わかりやすく言うとけっ飛ばしたということなんでしょう。これをやった人もわかっているわけですね。
○渡辺参考人 はい、私の方には報告は入っております。本人の名前も知っております。
○鈴木(宗)委員 これからいろいろなあつれきだとか、ない方がいいのでありますけれども、変な話、不測の事態が起きても困るものですから、そういったときには速やかに、日本は何といっても法治国家なんですから、口で民主主義だとかルールを守れと言う人に限ってそういうことをやっているということが現実にあったわけですから、そういった者に対しては、おたくらの職員を守る上からもきちっと対応してもらわぬと困ると思います。その点、はっきりしたことを聞かせてください。
○渡辺参考人 お答えいたします。 反対する方もいろいろいらっしゃると思いますけれども、きちんと法律を守っていただきたいと私は思っております。私どももきちんとしていきたいと考えておりますが、私ども慎重にやらしていただきたいと思っております。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 これは動燃さんが答える問題ではないのでありますけれども、僕が北海道からの情報なりあるいはニュースを聞くと、動燃の職員は大変な苦労をしておられる。そして本当に肩身の狭い思いであの連絡事務所にいるということを聞いた場合に、やはり守ってやるのが我々ではないかという思いがしたものですからあえて言ったのでありますけれども、とにかく現地の職員なんかには事業団の本部の方からも元気づけてやってほしいということをあえてお願いをしておくところであります。 そしてもう一つこの現地踏査の問題について私はお願いしたいのは、何か黙って入った。こそこそやったから悪いというか、不信感を与えるような印象を与えているのです。今度はきちっと堂々と、変な話、公にしてもいいと僕は思うのです。さっきあなたが言ったように、何も悪いことをしているわけではないのですから。今度からやるときは堂々とその踏査なり調査をやってほしいと思うのですけれども、理事長さん、どうでしょう。
○吉田参考人 この前のようなやり方をやりましたときでも、後で今言われましたようなトラブルがありましたし、そのほかのいろいろな問題も起きております。我々は知事さんの前で公言しましたときには、できるだけそういう混乱は避けるように調査をしたいということを発言しておりますので、どういうような方法が一番混乱を避ける方法であるかということは難しいと思いますけれども、私のいろいろな判断のもとにおきまして今回のようなやり方をやったということでございます。
○鈴木(宗)委員 今回のやり方というのは、混乱を避けるというか、要らぬエネルギーを使わない上でも賢明な判断でなかったかというふうに私も理解するものなんですけれども、どうしてもマスコミなんかのとらえ方が、何か夜明け早々やったとかやみ討ちをかけたような言い方をされまして、逆にそのことが幌延町じゃなくて関係のない北海道の地域でも、何だこのやり方はという声が上がってきたのも事実なんです。ですから、私はあえて今みたいな話をしたのです。私は二十三日の状況からいったら、たまたまタイミングとしてはよかったし、クリーンなやり方でなかったかなと思っているものですけれども、ただ今度やるときにまた同じようなことをやると、これは不信感や誤解やあらぬ反発を招くものですから、今度やるときは堂々とやってもらいたい。その決意のほどをちょっと理事長、聞かせてください。
○吉田参考人 決意のほどという非常に難しい御質問なんでございますけれども、私の方としましては基本には混乱を避けたいということがありますから、いろいろな情勢を判断いたしまして、堂々とやって混乱が避けられるということであればそういうこともできるかもしれないと思いますけれども、いろいろな情勢を判断をして慎重にやりたいというふうに思っております。
○鈴木(宗)委員 私も何も混乱をして、それこそ大変な騒ぎを起こしてやれと言っているのではないのです。その前段として、先ほどからの議論があるように、きちっと理解を得るための説明会も必要だ、また広報活動も必要だ。だから、これからでも遅くないからそういったことも一生懸命やってくれということでの話ですので、この点も御理解をいただきたいと思います。 そうしたら理事長さんにお伺いしますけれども、当然調査を進めていってボーリング調査もやらなければいけないと思うのでありますが、このボーリング調査はいつごろを予定しておりますか。
○吉田参考人 先ほど言いましたように、理解と協力を求めるために断層、地盤等のデータが欲しい、それにはボーリングが必要だということもありますので、できるだけ早く実施したいとは考えておりますけれども、最近のこういう降雪状態だとかいろいろなその他の情勢を判断しまして、やはり慎重に対処してやりたい、こういうふうに思っております。
○鈴木(宗)委員 その慎重というのはわかるのですけれども、現地から、例えば北海道議会ではこの推進の決議までしているわけですね。そういった意味で、我々のところへもさあ進めろ進めるという陳情が来る。我々は動燃さんにどうなっておるんだと聞く立場。そこで慎重にやりますと言ったところで、じゃめどはいつなんだという場合に我々は答えられないのですね。そういった意味では、ある程度、例えば年内にやりたいだとかあるいは年明け早々だとか、さっきも言ったように黙ってやるとまたいろいろなことを言われますから、そこは僕はきちっと真っ正面から正攻法で堂々とやっても構わないんじゃないかと思うのですけれども、理事長、どうですか。
○吉田参考人 現在の段階ではやはり慎重に対処したいという以外にはないのではないかというふうに思っておりますので、ひとつよろしく御理解のほどをお願いいたします。
○鈴木(宗)委員 僕は幌延の気象状況も知っていますし、大変な寒さのところなんですよ。それははっきり言って事務所の人も大変だけれども、あそこに泊まり込んでいる反対派の人も、これまた逆に同情する気持ちなんですよ。かわいそうに、よくぞいるものだというのが僕の偽らざる気持ちなんですよ。そのためにも、いつごろやるからおまえたち反対派の連中もまあまあちょっとというくらいの余裕を待たせてやった方がいいと僕は思うのでありますけれども、理事長、その点どうですか。
○吉田参考人 今言われたとおりにしたらすべてが静粛のうちに実施できるという自信があればやれないことはないかと思いますけれども、やはり諸情勢を勘案しますと、どうしても慎重に対応する方がいいんじゃないかというふうに考えております。
○鈴木(宗)委員 その諸情勢に対応してやってもらうということで私もわかりますけれども、ただ時間を置けば置くほど逆にむだなエネルギーがかかると言うのです、逆にヒートする面もありますので。そういった意味では、僕は先ほども言っているように悪いことをしているのではないのですから、速やかにきちっと、毅然たる態度で臨んでもらいたいというふうに考えるのです。 それでは最後に、ボーリングなんかの問題で、新聞に「十項目の知事許認可必要」という記事がありますけれども、これは実際ボーリングをする際、十項目必要なんですか。
○渡辺参考人 当面私どもが計画しているボーリング調査、最初のボーリング調査でございますが、これは許可あるいは届け出の必要はないところでやりたいと思っております。調査であっても建設ではないということからも、新聞記事に示します、十項目ございましたけれども、すべての許認可が必要であるというふうには考えておりません。今後調査が進捗してまいりますと、いろいろな認可の手続あるいは届け出の手続をとらなければいけない場合がございます。その場合には、当然私どもは手続をとって仕事を進めさせていただきたいと考えております。 以上でございます。
○鈴木(宗)委員 それでは、ボーリング調査までは言われているような十項目の許認可は必要でない、こういう理解でよろしいのですね。
○渡辺参考人 最初のうちのボーリング調査は、必要ではございません。
○鈴木(宗)委員 これらの問題なんかも、現地では知事の許可をもらわぬとだめだ、知事は反対しているからだめなんだなという風聞が流れちゃっているのですよ。ですから、これらに対してもきちっとした対応をしていただきたいと思います。これは二十六日の新聞です。 さらに、例えばきょうの新聞では「動燃、極秘に計画 幌延施設、超ウラン廃棄物も処理」何かびっくりするような見出しの記事があるのですけれども、やはりこういうのがひとり歩きするのですね。これらの問題についても、実地調査をして間違いがないといった段階では、こうやって進んでいくんです、さらには次のステップはこうですというようなことを、きちっと動燃さんあるいは科学技術庁さん、地道な努力をしてもらいたいと思います。 最後に長官から、この貯蔵工学センター、不退転の決意で臨むのか、さらにはどのような気持ちでこれから取り進めていくのか、御見解を伺いたいと思います。
○竹内国務大臣 貯蔵工学センターは、我が国の原子力の利用開発を進める上で必要不可欠の施設であると私は認識をしております。したがいまして、調査を進めるに当たりましては、何としても地元の方の理解と協力を得たいということで今日までも種々努力をしてまいりました。そしてまた、私どもの今日までの接触の間で、地元の方から地盤であるとか活断層であるとか地下水等に関連しました種々の疑問、不安が提起されておりますので、そういった地元の方の不安を解消するという意味でも、必要な調査を行うのがむしろ今の時点では正しいのじゃないかということで、私なりに熟慮をした上で動燃の責任と判断において実施をしてもらう、こういう方針を固めたわけでございます。もちろん私どもとしては、これからも地元の理解と協力を得るため一層の努力を惜しむものではございません。
○鈴木(宗)委員 地元の理解と協力を得るためには最善の努力をしてもらって、原子力というものを考えた上でこの施設はどうしても必要なものであるということはもう明らかでありますから、どうか長官におかれましても、動燃さんや科学技術庁の職員さんを督励して最善の措置をとってもらいたい、重ねてお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○竹内国務大臣 ただいまの先生の御激励の趣旨に沿って、私も微力をいたしたいと思います。
○鈴木(宗)委員 終わります。
○平沼委員長代理 遠藤和良君。
○遠藤委員 本日は、午前中以来ただいままで幌延町の貯蔵工学センターにつきまして推進派、反対派双方から熱い論争が行われておるわけでございますが、こういう問題は感情的にならずに、冷静に考える必要があると私は思います。私は冷静に事実関係をお伺いしたい、こういうふうな気持ちで質問させていただきたいと思います。 午前中にもお話があったわけでございますが、地元の理解と協力なしには調査をしないと国会で何回か発言をされました。しかしながら、動燃は十一月二十二日の早朝、現地で立地環境調査を強行されたわけでございます。なぜ強行されたのかという理由を明確にお聞きしたいと思うわけでございます。 何か御答弁では、理解と協力を得るために調査したのであるというふうなお話があったわけですが、どうもそれは詭弁に過ぎるのではないかという感じがいたします。こういった論法が成立するとすれば、理解と協力を得るために建設をしたということもまた言えるのではないかな、それでは大変なし崩しになるのではないかなという危惧を持つわけでございます。今回の調査について強行する積極的な理由というものはいかなるところにあるのか、こういうところをまずお伺いしてみたいと思います。
○竹内国務大臣 お答えいたします。 貯蔵工学センターの立地につきましては、他の原子力施設の場合と同様に、地元の理解と協力を得て進めることが基本だという考え方は、これまでもしばしば国会でお答え申し上げておりますし、また、現在もその考えに何ら変更はございません。 さて、それではなぜ二十三日に動燃事業団が調査に着手したのかということでございますが、これもしばしばお答え申し上げておるわけでございますけれども、私どもが地元の理解と協力を得るべくいろいろと接触している間におきまして、地元の方からいろいろな疑問、不安というものが提出されております。その代表的なものは、活断層の有無、地盤が果たして強固か、あるいは地下水の関係はどうなのか等々でございますが、そういった不安を一掃するといいますか、それに対して正しいデータを提供してまた御論議いただくためにも、そういう範囲を限定して、しかも関係の町村の理解の得られる範囲内での調査を進めるのが現在の場合においては適当な方法であろう。すなわち、地元の理解を得るというその基本線の延長線上の措置として私は決断をいたしまして、その実行は動燃事業団にお任せをいたした、こういうことでございます。何とぞ御理解を賜りますように。
○遠藤委員 新聞によりますと、大臣は今回の調査をした感想としまして、大変苦しい選択をした、こういうような報道がございますが、この言葉は率直な御感想ですか。
○竹内国務大臣 記者会見でそのように私の感想を申し上げたのは事実でございます。と申しますのは、先生も御承知かと思いますが、貯蔵工学センターのこの調査につきましても、残念ながらまだ北海道知事さんのよしわかったという御了解もちょうだいしておりませんし、また、周辺の町村において積極的賛成というお声をちょうだいするにも至っていない、そういう事実もございます。一方、地元幌延町は誘致に非常に熱心でございますし、北海道道議会におきましては調査促進の決議もなされている、こういう状況の中での選択でございましたので、私としてはいわば非常に苦しい選択を迫られたなということで、私なりに熟慮の上に熟慮をいたして、先ほど申し上げたような動燃の責任と範囲において地元の不安を解消するための調査をやるのも一助であろう、一つの方法であろう、こう考えたわけであります。
○遠藤委員 中村原子力局長にお伺いしますけれども、原子力局長は後ろめたいところもある、こういうふうな感想を述べておられるようでございますが、この言葉には偽りはないですか。もしないとすれば、後ろめたいところというのは具体的に何を指すのでしょう。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 私も、新聞の記事の中にそういう言葉がありまして、実はびっくりしたわけでございます。私がいつこの記者と会見したのか、どんな機会の話をとらえてこう書いたのか、私には全く記憶がございません。
○遠藤委員 新聞の報道は誤りであって、後ろめたいところはないというお考えでございますね。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 大臣からお答えがございましたように、苦しい選択という意味はございますが、後ろめたいという思いはございません。
○遠藤委員 動燃事業団は今回の強行調査についてどういう御感想をお持ちですか。
○吉田参考人 私の方では六月に知事さんに調査の申し入れをいたしました。それから三カ月ほどたった後で、九月に入りましてから知事さんから一応の御回答がありまして、その中に、調査についてもコンセンサスが得られていないというような趣旨の発言がありました。その後、私の方はそれを熟慮いたしまして、特に周辺の市町村のコンセンサスを少しでも得るように努力するためにはどういうことが必要なのかを検討した結果、先ほどから言っておりますように、特に地盤の問題だとか断層の問題、地下水の問題については理解と協力を得るためにも必要な調査である、ですからこれはひとつやらせてくださいということを、十月三十日の知事さんへのお願いの席で私は言ったわけです。そしてそれに基づいて私の方は今回の調査を実施した、こういうことになっております。
○遠藤委員 経過はよくわかっておるわけですが、住民合意の必要条件と申しますか、最低条件というものを明確にしておきたいと思うのです。今回の場合は、道議会並びに地元の町議会あるいは町長さんの同意は得られているわけです。しかし知事は反対をしておる、こういう関係にあるわけでございます。知事というのは正当な選挙によって選ばれたわけでございますから、住民の代表として機能しているわけです。この知事の意思というものは住民合意の必要条件に入るのか入らないのか、この辺を長官はどのようにお考えになりますか。
○竹内国務大臣 お答えいたします。 知事さんの理解と協力ないしは同意が得られるなら、それにこしたことはないと考えます。
○遠藤委員 では、今回の調査については必ずしも必要条件じゃないというようにお考えでございますね。
○竹内国務大臣 いいえ、そういう意味で申し上げているのじゃございません。私たちの努力で、これからも努力を重ねて何としても知事さんの理解と協力は求めていきたい、こういう意味も含めているわけでございます。
○遠藤委員 調査に入る前に知事さんの理解と協力をもっと積極的に求める努力をやられるべきではなかったのか。それをやっておけば強行をする必要はなかったわけでございますよね。 私たち公明党は、原子力行政の推進には協力をさせていただきました。それは住民の合意というものがあくまでも大前提である、こういう意味で協力をさせていただいたわけですが、今回の場合はどうも住民の合意が十分に整っておらぬ。これに対して大変危惧を持っておるわけでございますので、この点を今お聞きしているわけです。さきの答弁で、今回の調査は調査に限るんだから、地元の合意でいう地元というのは、幌延町並びに関係の住民に限って合意があった、これでゴーサインを出したんだ、こういうことなんですか。
○中村(守)政府委員 地元の理解と協力という場合の地元でございますが、これはもちろん先ほども御説明したわけでございますが、できるだけ早い時期からできるだけ広い範囲の方々の御理解と御協力を得ていくのが望ましい姿でございますので、早い段階から広くいろいろ御理解を求めて回っておるわけですが、直接こちらの方で実体行為としてあることを行う場合、その行為自身の性格とか範囲とか、そういったことによっては、必ずしも全県とか周辺市町村全部の合意がなければできないというぐあいには考えておらないわけでございます。 ただ、実際に発電所を建設するとか、今度の場合のような貯蔵工学センターを設置するという具体的な段階になりますれば、これも全道的な問題として全道を代表される知事さんの御意見というものが非常に大きなウエートを占めてくると思いますけれども、今回のように限られた範囲で、しかも今までのいろいろなお話し合いの中で、今の段階ですぐに御賛成いただくというような状況でなくて、そのためにはいろいろなデータが必要とされる段階で全部の御理解を得るということは難しい、無理であるという状況の中で、それではどうすればいいのかという選択で、理解を深めていくためにも地元から出ている御不安の調査をしていかなければならない。その調査をするに当たっても、御理解が得られていない町村まで出かけていって、ごり押しに調査しようなんということを考えているわけじゃございませんで、やはり御理解を得た町村で、御理解を得た関係者の方々で許される範囲内の調査をしていこう。それで少しでも御疑問を解消して理解の幅を広め、範囲を広めて、でき得るならば幅広い御理解を得て調査もさらに拡大いたしたいし、先々の御理解もいただきたい、このように考えておる次第でございます。
○遠藤委員 やはりどうも正攻法じゃないような印象が強いわけですよ。こういうやり方をたび重ねると、北海道民の皆さんが動燃のやり方に対して一層不信感を持つのではないか。そして一層反対派の対立を激化させる、無用の摩擦を起こす心配も十分にある。この辺を私どもは大変危惧するととろでございます。したがいまして、今後もこの形で強行をされるおつもりがあるのかどうか。それによっては私どももこの問題について十分に考え直さなくてはならない、こういうような気持ちを持っておるわけでございますが、いかがでございますか。
○竹内国務大臣 けさほど来各委員から、今回の調査を行った後の地元情勢についてのいろんなお話もございました。また、聞くところによりますと降雪もかなりのものになっておるという状況もございまするので、次回の調査については、それらの諸情勢を勘案して慎重に対処してまいります。
○遠藤委員 今後の調査、年内に予定をしておる調査とか近々に予定をしておる調査というものは、具体的にどういう中身なんでしょう。
○吉田参考人 当面の調査といたしましては、この前踏査を実施しました中で少し水源の問題が残っております。それから一つは、ボーリングというのが今後の問題として残っております。
○遠藤委員 本年度じゅうに調査を予定している項目は、気象観測塔の建設、地震測定器の設置、湧水や地下水確認のための現地踏査並びに航空測量、ボーリング調査などを考えておるということで、こういう項目ですか。
○植松参考人 今年度計画をしておりました全体の調査項目は、先生御指摘のとおりでございます。
○遠藤委員 こうした項目が調査できるとお考えですか。
○植松参考人 先ほど理事長からもお答えいたしましたように、前回の調査において各計測機器の設置をするべき場所の確認ということはやりましたが、いまだ水源確認の一部が残っておるところもございます。水源確認は、雪が深くなりますとなかなか困難ではないかというふうに思います。 それかも航空測量でございますが、航空測量をやるべきマーキングも前回の踏査のときに行っておりますので、飛行機を飛ばすことはできるわけでございますけれども、雪の量によっては効果的な航空測量の結果が出るかどうかは疑問ではないかと思います。 もう一つ、ボーリングでございますが、ボーリングは機器の持ち込みさえあれば、雪の深さにもよりますけれども、降雪があっても不可能な調査項目ではないというふうには考えております。
○遠藤委員 先ほども大臣から慎重の上にも慎重に今後の調査を行いたいというお話があったわけでございますが、今後の調査についてはこれを強く要望をしておきたいと思います。 ちょっと時間が中途半端になって恐縮なんですが、最終処分地についてお伺いしたいと思いますが、今計画しております幌延町が最終処分地の候補の一つになるのではないか、こういう心配をされている方がたくさんいらっしゃるわけでございます。これはなるのでしょうか、ならないのでしょうか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 最終処分地の選定につきましては、今後十年くらいかけて複数地点を全国で選びまして、だんだんに絞りをかけていこう、こういうことでございまして、現在との地点を調査対象にするかというのは全くの白紙でございます。私どもは北海道の地元の方々には、この幌延の貯蔵工学センターを最終処分場とする計画はないということを明言いたしておるところでございます。
○遠藤委員 計画はないということですが、新たな処分地が決まるまでは要するに幌延に置いておくということですね。今計画はない、しかし当分そのまま置いておくということは、事実上幌延が処分地になる可能性があるということではないのですか。
○中村(守)政府委員 幌延の工学センターというのは三十年ないし五十年高レベルの廃棄物を貯蔵するということを行うところでございまして、その後は最終的に決められた処分地に持っていくわけでございます。それで、現在計画は持っていないということの裏の話を先生今御指摘されたわけでございますが、私どもは最終処分地についての選定については全く白紙であるということを申し上げておりますので、結局裏返しますと、ここはそうじゃないよと言えば白紙でないということになりますので、そういう意味で申し上げているということを御理解いただきたいと思います。
○平沼委員長代理 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後三時休憩 ――――◇――――― 午後三時二十四分開議
○平沼委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 遠藤和良君。
○遠藤委員 ただいま最終処分地にする計画はないというお話でございましたけれども、北海道議会の調査促進決議でございますね、ちょっと読ましていただきます。この文案の中に この貯蔵工学センターは、高レベルガラス固体体等を安全に貯蔵管理するとともに、ガラス固化体から発生する熱及び放射線の有効利用と深地層試験等の技術開発を行うことを目的に設置されるものであって、将来とも、この施設を高レベル放射性物質の最終処分施設とはしないことが、明らかにされているものである。 こういうふうに前提をした上で今回の立地環境調査の調査促進を決議をしているわけでございます。ここで言う「将来とも、この施設を高レベル放射性物質の最終処分施設とはしないことが、明らかにされているものである。」というところでございますが、これを明らかにしたのはどなたでございましょうか。
○中村(守)政府委員 北海道の議会の方でこの幌延問題を議論している際に、懇談会という形でその委員会の先生方がお集まりの席に招かれまして、科技庁の見解を聞くという機会があったわけでございまして、その際私が参上いたしまして御説明をしている、その際に申し上げたことがもとになっているかと思います。その際には、幌延の貯蔵工学センターを最終処分場とする計画はないし、それではこれからの処分地を決めるに当たってここを候補地とするのかということにつきましては、現在その問題につきましては全くの白紙でございます、そういう意味において、ここは候補地にならないということを言い切るということは、その白紙であるということの裏腹からいいますと問題があるかとも思いますが、私どもはそういう計画は持っておりませんということを申し上げた次第でございます。
○遠藤委員 計画がないということと「しないことが、明らかにされているものである。」ということは大分違うわけですね。全く違いますね。これは北海道議会で勝手にこういうふうに明らかにしているのですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 今申し上げましたように、ここを候補地にしないということは、今どこを候補地にするかということは白紙という状況の中では、どこも逆に言えば候補地でないとは言えないわけでございまして、その席上でも、東京もそういう意味では候補地なんだな、こういうような御質問もあったわけでございます。そういう意味で、私どもは少なくともそういうことを考えておりません。ただ、未来永劫に先々のことまで今私ども拘束することはできないという意味でございますが、現在そういう計画は持っていないということでございますから、ある意味でその立地をする段階でそういうことが条件になれば、それは一つのその際のお約束になるのではないかと思っております。
○遠藤委員 長官、この決議案の中に書かれている文言と今の原子力局長のお話とは若干ニュアンスが違うような気がいたします。したがいまして、これは明らかにされていることが前提で促進決議をしているわけですから、これは本当に明らかにすべきではないのか。そうでなければ、この促進の決議に沿って調査したということもおかしくなるのではないか、私はこのように思うわけでございますが、長官の見解はいかがですか。
○竹内国務大臣 お答えいたします。 私どもの最終処分地に対する態度はただいま局長から御説明申し上げたとおりでございまして、したがいまして、幌延の工学センターと関連して最終処分地にするという計画は持っていない、また、最終処分地については全く白紙であるということが私たちの立場でございます。なぜこういう北海道議会の場合の決議になったか、私ちょっとその辺の事情は承知しません。
○遠藤委員 道議会の調査促進決議ですね、これがあったということが今回の調査を行う大きな前提になっているような気がするわけでありますが、その調査の促進決議の前提であるこの問題に若干認識の差がある。これは大きな問題ではないかな、私はこのように思うわけでございますが、北海道議会が前提にしている条件、これは科学技術庁もお認めになる、動燃もお認めになるということであれば現在の促進決議が有効である、私はこのように思いますが、どうでしょうか。
○中村(守)政府委員 現在科学技術庁として、この問題につきましては幌延を最終処分地として考えたりどうこうしようということを全く考えておりませんので、その意味におきまして、決議文は、私どもの発言の受け取り方として決して間違っている受け取り方ではないと思います。
○遠藤委員 計画はしておらないが、白紙であるが、将来はなるかもわからないという点が残されているわけですね、局長の話は。しかし、これは将来ともしないことを明らかにされていると断言していますね。この差は違いますよ。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 なるかもわからないということは、先ほどの議会の中でのお話であったと思いますが、東京も候補地になり得るんだな、そういう意味での白紙だな、こういう御質問がありました。そういう意味でございますと申し上げておりますので……。
○遠藤委員 よくわからないので水かけ論になってしまうのですけれども、私ははっきりさせることが無用な摩擦を避けるという選択ではないか、こういうように思うわけでございます。例えばカナダ政府は、今マニトバ州で準備中でございます深地層試験場を最終処分地にはしないということを明言いたしまして、その前提で使用期間をいわゆる今世紀中と区切って地元の合意を取りつけているわけです。こういったやり方というものも大変参考になるのではないかと思うわけでございます。 今のお考えでは、道議会の決議は将来ともしないんだということをはっきりうたっているわけでございますが、まだ白紙である、こういうことでは、なるかもわからないし、ならないかもわからないということが残されているわけですね。これは住民に対しては大変不安である、こういうように思うわけでございますが、この辺をはっきりさせるべきではないか、このように考えます。
○中村(守)政府委員 幌延のいわゆる貯蔵工学センターのサイトの中に最終処分地を設けるかどうかということについては、先ほど来私がお話ししたとおりでございますが、この文書の中では「将来とも、この施設を高レベル放射性物質の最終処分施設とはしないことが、明らかにされている」ということでございまして、私どもはこの貯蔵工学センターの施設を最終処分施設とすることは全く考えておりません。
○遠藤委員 施設というのがどこまで当たるかということなんですが、その施設の敷地の中にある深地層、そこは施設の中に入らないのですか。
○植松参考人 今お尋ねのございました幌延貯蔵工学センター内に設置をしたいと考えております深地層試験場は、ここに言う貯蔵工学センターに設置する施設の中に入ると思います。
○遠藤委員 ということは、幌延の深地層にも高レベル放射性物質の最終処分はしないという理解でよろしいのですか。
○植松参考人 今申し上げました貯蔵工学センターに設置をします深地層試験場は、処分のための研究開発を行う場所であるというふうに明確に定義をしております。したがいまして、この深地層試験場の中に高レベル放射性廃棄物の固化体を処分をしてしまうというような計画には全くなっておりません。
○遠藤委員 よくわからないところもあるのですけれども、北海道議会の決議は、「将来とも、この施設を高レベル放射性物質の最終処分施設とはしないことが、明らかにされている」というはっきりした前提のもとに行っているわけですね。この前提を覆すようなことにならないように、今後はっきりしたお考えを示していただきたいということを要望いたしまして、時間がございませんので先の質問に入らせていただきます。 動燃は今回の抜き打ち調査で、結果は速やかに公表するとおっしゃっておりますけれども、いつ、どういった形で公表されるお考えなんでしょうか。
○植松参考人 行います調査の結果につきましては、速やかに公表するというお約束をしてございます。この前、十一月二十三日に実施しました調査というのは、まだ十分なデータを公表できるような形のものまでになっておるとは私たちも考えておりませんので、今後行うべき調査のデータも含めて、整理ができました段階では速やかにすべてを公表するということを考えております。
○遠藤委員 いつ、どんな形というのは具体的に発表できませんか。
○植松参考人 今申し上げましたように、今回十一月二十三日に行いました調査だけでは公表するほどのデータではございませんので、今後の調査の結果も含めて、調査結果がまとまり次第速やかに公表したいと考えておるわけでございまして、今後の調査の進み方次第によっていつかということが決まってくるかと思います。
○遠藤委員 その今後の調査でございますけれども、一応めどとしては二年間ぐらいで調査を終了したいとおっしゃっておりますが、具体的にどういう調査を行うのか、そして、あらかじめ調査の基準というものがあって、その基準に適合しているのか否なのかというものを判断されるわけでしょうか。
○植松参考人 現在行っております来年度の予算に対する要求は、一応六十年から六十一年、二カ年にかけて立地環境調査を行いたいという要求になっております。六十年度に行うであろう調査をもとにして調査内容の拡充を図っていくということが六十一年の予定になっております。
○遠藤委員 若干技術的な問題について伺いたいわけでございますが、今、動燃の東海村の再処理技術というものは輸入なんでしょうか、自前なんでしょうか。そして、その水準というのはどの程度のものなんですか。
○植松参考人 動燃が現在東海で行っております再処理施設の運転、この東海再処理工場はフランスから技術導入をいたしまして建設されたものでございます。そして五十二年からホット試験が開始されまして、現在まで動いてきておるものでございます。
○遠藤委員 水準はどうですか、世界的な水準から見て。
○植松参考人 この東海再処理工場の技術はフランスから大分昔に、たしか昭和四十一年ぐらいだったと思いますが、導入されたものでございますので、その時点では一番進んだ技術であったというふうに考えております。現在の施設は、その当時のフランス技術をもとに動燃で行いました自主技術の開発をつけ加えて、現在では建設当初と比べますと自主技術の比率が非常に高まっておりますので、その当時導入したものに比べればはるかに技術水準も高度化しておるものというふうに考えております。
○遠藤委員 その再処理技術と密接な関係がございます、今回の幌延町に計画を予定されております貯蔵工学センターの技術、これは輸入で行うのですか、自前で行うのですか。
○植松参考人 今度考えております貯蔵工学センターの技術は、すべて自主技術、国産技術で進める所存でございます。既に動燃ではガラス固化の技術を開発してきておりましたので、固化体の製造プラントの建設に近々かかることができると思っております。また、幌延につくります貯蔵工学センター内の各施設につきましてもいろいろな研究開発を続けてきておりますので、我々の自主・技術でもって十分建設ができ、安全に操業することができるというふうに確信いたしております。
○遠藤委員 自主技術で十分に安全性が確保されるというふうに大変な御自信でございますけれども、これはまだ全く実証されておらないことでございますね。それについて安全性をどのように確保していくのかという問題でございますが、それはどういうふうにお考えなんでしょうか。
○植松参考人 けさほども、午後ですか、いろいろ議論がございましたが、この貯蔵工学センターは、原子炉などの施設に比べるといろいろな意味で安全面では楽な方向にあるものだというふうにまず考えられます。また、この施設についてはどういう基準で安全規制をすべきかということについては、詳細な基準があるとは伺っておりませんが、しかしながら原子力施設、原子炉とか再処理施設等の基準を適用すれば十分安全が確保できると私は考えております。
○遠藤委員 安全性の確保については慎重の上にも慎重に行っていただきたいということを要望いたしまして、全く別の質問に入りたいと思います。 私は、さきの国会で、当委員会におきまして老化の研究につきまして質問させていただきました。一度長官も老化研究では日本で一番進んでいると思われている東京都老人総合研究所を御視察なさってはいかがかという御提案を申し上げました。若輩の私の意見にもかかわらず早速足を運ばれました上、増岡厚生大臣にまでお話を電話でされまして、厚生大臣も行かれたと伺っております。 率直に申しまして、この東京都老人総合研究所を視察されました感想はいかがでございましたか。
○竹内国務大臣 先生のお勧めもありまして、ことしの四月三十日でしたか、東京都老人総合研究所を訪問いたしまして、施設及び研究内容を拝見し、さらに今堀所長とも懇談を行ったところでございます。同研究所が老化及び高齢者問題に幅広く、かつ精力的に研究に取り組まれていることについて、そしてまた多大な成果を上げていることについて、私は大変に感銘を受けてまいったわけです。特に今堀所長先生との懇談の中において、先生から我が国の老化の研究あるいは老化制御の研究が諸外国に比べて著しく立ちおくれている、例えば、よそではもう国立のそういうような研究所、研究機関を持っているところもあるというお話を承りまして、私も老化研究の必要性というものに大いに啓発されて帰ってきたわけでございます。 そういった私の印象、感想をもとにいたしまして、ただいま昭和六十一年度の概算要求を行っているわけでありますが、その概算要求の中で、新しいシステムとしての国際フロンティアシステムというものを我々考えまして、そのシステムの取り上げる項目の一つに老化の研究を予定して、今大蔵省と折衝中という状況でございます。
○遠藤委員 大変御苦労さまでございました。 科学技術庁の資源調査会がことし九月十二日に「健やかな新高齢期」という報告書を出しております。これを私全部読みまして、この研究の報告書の中で特に老化研究の推進といたしまして老化研究総合機構を、これは仮称でございますが、設立をしなさい、それから老化防止研究十カ年計画を策定しなさい、この二点を強調しているように私は拝見いたしたわけでございますが、長官の認識はいかがでございますか。
○竹内国務大臣 資源調査会の報告書が老化研究総合機構の設立と老化防止研究十カ年計画、がんの防止の十カ年計画にならった同様の十カ年計画を立てろ、こういう二点がこの報告書のポイントだと、私も同様に認識しております。
○遠藤委員 その第一項目でございます老化研究総合機構(仮称)についてお伺いしたいのでございますが、厚生省ではただいま、天皇御在位六十年を記念いたしまして長寿科学研究機構の設立を決めまして、来年度の予算に調査費を一千二百万円要求しておる。これはどういった目的のものでございましょうか。それがこの資源調査会報告書に言う老化研究総合機構、名前は違いますけれども、これと同一の性格のものではないかと認識をいたしておりますが、厚生省、いかがでございますか。
○岸本説明員 我が国は世界最高の長寿を誇る国になったわけでございますけれども、長寿を明るく健やかに全うできるようにするために、老化の生理的メカニズムの解明とか老人の社会心理的研究、処遇技術開発等の幅広い分野にわたって、自然科学や社会科学を統合した研究体制の整備が極めて重要であると考えているわけでございます。このために六十一年度におきまして、各界の権威ある方々によって長寿科学総合研究機構のあり方について御議論をいただくこととしまして、その必要経費を大蔵省に概算要求しているところでございます。したがいまして、現段階ではどういうことになるか、まだこれから来年度御議論いただくという段階でございますけれども、本年九月の科学技術庁の資源調査会の報告の中に老化研究総合機構の設置の提言がございますが、私どもの考えでおりますことと趣旨は同一のようなものだと今考えておるところでございます。今後、科学技術庁とも政策面でよく連携をとりながら進めていきたいと考えております。
○遠藤委員 調査をはじめたばかり、始めようとしているところでございまして、こういう質問は先走っておるかもわかりませんけれども、厚生省案は、いわゆる既存の研究機関を統合していくのか、あるいは国立療養所とか病院の統廃合を今やっておるわけでございますが、そのスクラップ・アンド・ビルドの中で新しく中枢の老化を専門に研究する国立の研究所をおつくりになる計画なのか。そうなるとすれば財源はどういうふうに調達するか、いつごろ病院ができるめどで計画を進めていくおつもりなのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
○岸本説明員 来年度研究総合機構のあり方について調査検討を始めようという段階でございますので、今その結果がどういうことになるか申し上げられない段階でございますけれども、その中でポイントは、今申し上げましたように、幅広い分野にわたって自然科学や社会科学を統合したような研究体制の整備ということが大事なんだ、ネットワークが大事なんだというふうな気持ちを持っているわけでございます。したがいまして、どういう研究領域にするか、どういう研究機構を持ったらよいか、それから設置主体とか研究費用でございますとか研究員の活用のシステムでございますとか、いろいろなことにつきましてはこれから御検討をいただいて結論を得たい、こう考えているわけでございまして、いずれにいたしましても、そういう統合した研究機構でそのシステムができて、研究の実が上がるように考えていきたいというふうに考えているわけであります。
○遠藤委員 今竹内長官は、国立の老化研究所のようなものが必要であるというふうな御認識をお述べになったわけでございますけれども、今の厚生省案は一つの計画でございますね。科学技術庁といたしまして、この答申を受けて老化研究総合機構の設立については具体的にお考えはあるのでしょうか。
○内田(勇)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま科学技術会議の下にライフサイエンス部会というのがございますが、ここにおきまして高齢者社会対応科学技術の総合的な推進方策の基本について審議が進められております。当然この資源調査会の御報告も踏まえまして検討を行っておるわけでございますが、この中で重要研究開発目標などとともに老化研究の推進体制についても取り上げられておりまして、来年春には科学技術会議の意見として取りまとめられるという予定で進められております。 私ども科学技術庁といたしましては、科学技術会議の意見を十分に踏まえまして、具体的には厚生省等関係省庁と連絡をとりつつ、老化研究の推進体制の整備を図っていきたいというふうに考えております。
○遠藤委員 日本の国は、他の国に例を見ないほど速いスピードで高齢化社会に進んでいるわけでございます。言ってみれば、こういった老化防止の研究というものは待ったなしの状態に置かれているのではないか、こういうように考えるわけでございますが、国立研究所一つを見ましても、こういった意見が出されてすぐに行政としてお動きになる、こういう姿勢というものが今の日本の国にとっては大事な問題ではないかと思うわけでございます。厚生省案等も含めまして、竹内長官も大きなリーダーシップをとっていただきまして、こういった老化の研究の中枢センターが日本にできるように御努力をしていただきたいと思いますが、御決意はいかがでございましょうか。
○竹内国務大臣 老化研究の推進を積極的に図れという先生のお示しに私は全く同感でございます。微力ではございますが、その線に沿ってこれから努力をしてまいりたいと思います。私は、何も科学技術庁がそういうものをつくるとか厚生省がつくるとか、そういう縄張りにこだわる必要はない。そして先生御承知のように、一方内閣におきましても最近、長寿社会に関しましての関係閣僚会議等も設けられておりますので、その辺の調整というものはそういった閣僚会議の中でもまた十分に図り得るものではないかと考えております。
○遠藤委員 ぜひその長寿社会対策関係閣僚会議等の席でこの二つの問題、がん撲滅の十カ年戦略はかなり進むようでございますが、老化防止研究十カ年計画、この策定をしなければいけないのではないか。これは閣議決定のような形で中央からやっていく必要があるのではないか、このように考えますが、こういった閣議の席上、この老化防止研究十カ年計画の策定を進言する、こういうふうなお考えはございますか。
○竹内国務大臣 先生お示しの十カ年計画につきましては、単に私どもの科学技術庁の立案だけでは恐らく不十分でしょうから、これから厚生省その他等々の便係省庁とも十分連携をとりましてコンクリートな案をつくりたいと思いますが、一方、私も今先生お示しのように、長寿関係の閣僚会議において十カ年計画を政府としてぜひ策定すべきだという、実はそういう発言のチャンスをうかがっているときでございます。
○遠藤委員 大変御関心の深い長官のことでございますから、チャンスをうかがって、任期中にされることを強く要望いたします。 それから、この研究をするに当たって資料というものが必要なわけでございまして、国立の老化研究所あるいは老年研究所が既にございますアメリカ、ソ連、ルーマニア、オランダ等の研究体制あるいは予算というものは既に把握をされておりますか。
○内田(勇)政府委員 実は本年、在外公館を通じまして、米国、ソ連あるいはヨーロッパ諸国等先進国の老化、老年問題に関する研究体制等、実情の調査をいたしました。これによりますと、米国、ソ連及びルーマニアにつきましては、それぞれ老化研究を専門とする国立の研究機関がございまして、これを中心として研究が進められておるということでございます。またオランダにつきましては、国が老化研究計画を策定いたしまして、これに基づいて老年学研究所等関連研究機関及び大学等が分担して研究を推進あるいは調整しているというふうに聞いております。 お尋ねの研究費でございますが、米国につきましては、八三年の予算で九千四百万ドル、一ドル二百円換算にいたしますと百八十八億円ということでございます。その他の国につきましては、予算といたしまして、老化研究関係予算として一括した数字がちょっと出ておりませんので、全体額を把握することができておらないという現状でございます。
○遠藤委員 時間がございませんので、最後に一言だけ質問をさせていただきます。 近年、パラコート除草剤によります事故あるいは犯罪というものが急増いたしておるわけでございますが、これは農林省あるいは厚生省が直接関係する農薬でございます。しかし、これは科学技術庁としても少し考えなければならない面もあるのではないか、こういうふうに私は考えているわけでございますが、長官は最近のこのパラコートによる事故及び犯罪の急増について具体的にどういう御認識がございますか。
○竹内国務大臣 最近パラコート除草剤による事故や犯罪が急増していることは、私としてもまことに遺憾な現象だ、こう思っております。先生も今お示しのように、これは直接には農薬取締法あるいは毒物及び劇物取締法に基づきまして、農林水産省あるいは厚生省において保管管理等の所要の措置を講ぜられることになると思うのでありますが、我が科学技術庁といたしましても、本問題に関して何か御協力ができる面があれば貢献をしてまいりたいということで、実は今私は事務当局の方に検討方を指示しております。
○遠藤委員 科学技術庁が所管しております理化学研究所、ここではいわゆる公害のない非残留性低毒性の新農薬の創製研究というものを現実にやってこられているわけでございますが、こういったところに現在のパラコート除草剤にかわる除草剤の研究をお願いするというお考えはございませんか。
○藤咲政府委員 今先生御指摘のとおり、理化学研究所におきましては、かねてから非残留性低毒性の農薬の創製を目的とする研究をかなりの規模で実施してきております。この関係で最低八研究室、五十人以上の研究者で行ってきておるわけでございます。 この中で、特にパラコートと対応いたします除草剤につきましても今いろいろ研究しているところでございまして、現在のところ、植物の成長調節に関与するホルモン等生物由来の生理活性物質の作用を解明する、その上に立ちまして、植物に選択的に作用して、しかも他の生物に対する毒性の低い新しいタイプの農薬の創製の研究というのをやっておるところでございまして、今後ともこういった研究を大いに進めまして、パラコートにかわるような新除草剤をぜひ開発してまいりたいと考えておるところでございます。
○遠藤委員 具体的な研究の進捗状況というものはわかるのでしょうか。
○藤咲政府委員 農薬の研究自体はかなり古くからやっておりまして、先ほど申し上げたような研究体制の強化を図りましたのは昭和三十八年ということでございますが、今例を挙げて御説明しました植物の成長ホルモンに基づきます新しい除草剤の開発というような見地から研究を始めましたのは五十九年からでございまして、現在のところ植物の成長ホルモン、ジベレリンという名前でございますが、これが植物の生体内で合成されるのを阻害する物質が何かという探索をやっておるところでありまして、幾つかの物質が現在までのところわかってきております。これらの物質をさらに探索すると同時に、その作用を今後よく詰めて研究するというような状況でございます。いずれにせよ、かなり基礎的なところからやっておりますので、すぐに成果が出るというものでもないかもしれませんが、できるだけ急いで研究を進めるということにしたいと思っております。
○遠藤委員 いろいろお伺いいたしましたけれども、時間でございますので、以上で終了いたします。ありがとうございました。
○平沼委員長代理 小川泰君。
○小川(泰)委員 けさほど来から幌延の問題で質問、御回答をいろいろ承っております。私もこの問題に関心を持っておる一人でありますが、別の立場からちょっとだけこの問題について行政の立場でのお考えを伺っておきたい、こう思います。 発電所で何かの燃料を燃やして電気をつくる、こういう行為が命ずっと進んでおります。これも、考えてみれば原子燃料によって一つの電気をつくっていこうという過程で出てくる一つの問題、こういうとらえ方をいたしますと、原子力発電あるいは原子力というものに対して、どこかの部分でトラブルがありましても、どこかの部分で手違いが起こりましても、これからどんどん技術開発をして、日本のように資源のない国がエネルギーとしてこの問題に大きく対応しようというこの道すがらに対して、まだまだ未知の部分も多うございましょう。それだけに、ちょっとどこかでこの問題がトラブルを起こすということは、全体にとても響いてくる。内容が専門的で、我々さえも全然わからぬみたいな大変難しいものも入っているわけでございますので、それだけに、一般の認識というものがそういう方向に波及することを私は大変懸念をする一人でございます。 そういう立場で、今回の幌延の問題、また、今動燃さんが計画をなすっている貯蔵工学センター計画というものの概要書を見せていただきました。現地にどういう格好で了解されるような資料が出ているかという点が定かではございませんが、これ全体を見てみますと、これを持ってくると将来処分場になってしまうのではあるまいかとすぐ類推される部分が多うございますので、そういうものはもう少しわかりやすく、そして折り目、節目といいますか、きちっとけじめをつけていく、こういう方法が一番大事がなというふうに私は考えております。 そういう観点に立った場合に、これは単にここから出てくる高レベルの問題を対象にしてやっている問題なんですが、一方、原子力委員会の「放射性廃棄物処理処分方策について」というのがこの十月に出されておりますね。こういうことをばっと兼ね合わせてみますと、今度の問題は全体の中のどういう部分に当たるのですよ、そして、やることはここまでです、こういう体制、バックグラウンドをきちっと踏まえて進めた方がいいのかな、こう思いますので、そこら辺の行政の指導性といいますか、先導性といいますか、アウトラインだけで結構ですから聞かせていただきたい、こう思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 高レベル廃棄物の問題でございますが、我が国の原子力発電を構成いたしますシステムの中で、当然ながら発電所に燃料を供給するためのウラン濃縮とか燃料加工、それから発電所から出た使用済み燃料を再処理して、再びそこからプルトニウムとか燃え残りのウランを利用するということで燃料サイクルが完結するわけでございます。その再処理工場から出てまいります高レベル廃棄物、そもそもこの廃棄物は発電所の中で燃料が燃えている段階で発生してまいるものでございまして、これが再処理の過程において分離され、廃棄物として処理処分をされる、こういうことになるわけでございます。現在、この原子力発電システムの中で一番立ちおくれているのがこの高レベル廃棄物の処理処分ではないかということで、これをしっかりとした技術で確立し、最終の処分地を確定していくことが今後の原子力発電を拡大し、安定したエネルギー供給源とする上で極めて重要な課題であると認識いたしておるわけでございます。 そういうことで、この高レベル廃棄物の処理処分方策につきまして一刻も早くそういう確立を図るべく、原子力委員会におきましても原子力開発利用長期計画で基本的な方針を定め、その具体的な進め方について検討課題を示したわけでございます。この検討課題に基づきまして、原子力委員会の中で専門部会をつくりまして、先ほど先生御指摘のような報告書という形でまとまってきております。今後それをもとに推進をしていくということになるわけでございます。 具体的には、高レベル廃棄物は安定な形態にガラス固化をいたしまして、三十年から五十年程度貯蔵をいたしました後に、これを数百メートル程度の深層の地中に処分をする、こういうことになるわけでございます。今回幌延を一つの候補地といたしまして、その立地可能性の判断のための調査をしようとしているものは、今申しましたうちの三十年から五十年程度貯蔵する、そういう貯蔵庫をつくるということが一つ。 それから、最終的に数百メートルの深い地層中に処分するということになるわけでございますが、この処分地につきましては、別途今後十年間にわたりまして探していくわけでございます。その処分地を決定するためには、やはりいろいろな研究に基づいたデータが必要でございますので、そのデータを取得するための研究施設といたしまして、幌延にできれば深層の試験場をつくりたい。これは決して放射性の物質を持ち込むものではございません。実際に数百メートルの立て坑を掘りまして、その中でいろいろなエンジニアリング的な実験を行う、こういうための施設を予定しております。ここで得たデータとか外国で得られましたデータ、その他、深層中の岩石に熱がどういう影響を与えるかというような調査のために地上にまた環境工学試験棟というものをつくりますが、こういった施設で得られたデータをもとに最終処分地を決定していくということでございます。 一言で申しますならば、この幌延の貯蔵工学センターは高レベル廃棄物を三十年から五十年貯蔵する施設、それから最終処分のための研究施設、こういうものが中心になるわけでございます。
○小川(泰)委員 そこで、一番皆さんが心配なすっているのは、そういういわば平たい言葉で言えば試験場、そこまでですよ。これはさっきから伺っていますと明確ですね。低レベルの方はまた別として、当面問題になっている高レベルの方はそう認識をする。そうしますと、この安全性というものをどれだけみんながきちっと、うん大丈夫だというふうに認識するかどうかというところが一つのポイントになるかなと私思うのです。 そこで、今しばしば出てくるガラス固化体というこの方法ですね、これは研究なすって今どんどん進んでいらっしゃるようですが、どんなふうに認識したらよろしいのですか。本当によしわかったというふうに信頼をきちっとできるに値する研究、浸食とかにもこれならいいんだというふうな自信をお持ちでやっているんだと思いますが、その辺をひとつ明確に答えていただきたいということが一つ。 それから、これはちょっとまだ研究に入ってないのですが、一、二年前だと思うのですが、前の岩動長官のときにオーストラリアと、やはりこれも一つの固化体にして高レベル廃棄物を何かひとつやろうという技術といいますか、ノーハウといいますか、そういうものをお互いに交換しようやという一つの交換文書か何か、よく覚えておりませんが、そういうことをやった記憶があります。そっちの方も一つの方策としてあるからああいうことをなすったのだろう、こう思っておりますので、この両面、ちょっと質が、進みぐあいが違うと思いますが、同じ安全性というものを求める方法論として一つの題材ではないかなと思いますので、あわせてちょっとお答え願いたいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 ガラス固化体とそれから先生御指摘のシンロックの固化研究、こういうものが現在進められておるわけでございますが、先にシンロックの方から申し上げますと、これは豪州の方でアイデアを持ちまして、放射性の実廃液等は豪州にございませんので、日本側でそういった実廃液を処理するということで豪州との間で共同研究を進めようとしているものでございます。 これは、一言で簡単に申しますと、廃棄物とチタン、ジルコニウム等の酸化粉末とを一緒にいたしまして、圧縮焼結して人工的な岩石にしてしまおう、こういう研究でございます。これにつきましてはまだ極めて基礎的な段階の研究でございまして、しかもこちらの方は、後ほど御説明いたしますがラス固化体と違って結晶を構成するものでございますので、廃液の中の核種、いろいろな元素が廃液の中に入ってございますが、それの種類の組成が変動した場合に非常に柔軟性がないというようなことやら、プロセス的にも高温、高圧下において粉末を扱うというのは難しい問題を抱えておりまして、まだまだこれからの研究ということでございます。ただ、いわゆる岩石化するということでございまして、将来性という意味では十分有望な技術の一つでもございますので、豪州との間で研究を進めようとしているわけでございます。 一方、現実問題といたしまして、既に東海村の再処理工場にたまっております高レベルの廃棄物、これは現在液体状で貯蔵されておるわけでございまして、これを安定した固体化を図って長期間貯蔵する、それで最終的に処分をするということで、こちらの方は時間的に申しましてもそう遠くない時期にこれを実現していかなければならない。そういう意味の実用性という点から申しますと、現在世界各国で最も進んだ技術がこのガラス固化体でございます。 ガラスは御承知のようにいろいろな種類の元素を均一に溶かし込む、それで自分の内部に閉じ込めるということができる性格を有しておりまして、これは先ほどのシンロックと違いまして結晶でない、いわゆる非晶体というものでございまして、そういうことが非常に有効にできるものでございます。しかも、ガラスにつきましては古い遺跡からも非常に安定した形で発見されておりますように、長期間にわたって安定な物質であるという特徴も有しておるわけでございますし、これまで人類がガラスを取り扱ってきた期間というのは非常に長うございまして、その製造プロセス技術の慣熟度が高いということから、世界的にいいましても主流としてこのガラス固化の方法が採用されているゆえんでございます。 特にこの廃棄物の処分につきましては、ガラスの中でも化学的な安定性に特にすぐれました硼珪酸ガラスというものが用いられているわけでございます。そして、このガラス固化体は各国で多くの研究開発が既に実施されておりまして、データも豊富にあるわけでございますが、特にフランスにおきましては、一九七八年から実用規模のガラス固化プラントが稼働しておりまして、これまで約千二百本のガラス固化体を製造し、しかもこれを安定した状態で貯蔵している実績があるわけでございます。もちろん外国でそういうものがあるからいいということではございませんで、我が国におきましても早くからこのガラス固化体の研究をしてまいりまして、動燃事業団におきまして、まず放射性物質の入らない、しかしながら成分は全く高レベル廃棄物と同じ成分のものを使いまして工学的な研究をいろいろやりまして、その成果を踏まえまして、今度は放射性物質研究施設という非常に大きなホットラボの中で、実際の廃液を使いましてガラス固化体をつくってみるという研究を既に何年がやっておるわけでございまして、そこでも十分ガラス固化体ができるという見通しを持っているわけでございます。 一方、安全面につきましては、特に動燃事業団だけでなく、安全評価をするという立場から、原子力研究所の廃棄物安全試験施設におきまして実廃液を用いたガラス固化体についてのいろいろな試験をしております。例えば、そのガラス体の中に含まれております放射性物質が水なんかにつけた場合に外側にどんな速さでどの程度のものが浸出してくるのかとか、あるいはその耐久性、特に熱的な試験とか、それから放射線に対しましての試験といたしましても、加速試験と申しまして、通常のものより高い放射能を入れてその影響を調べるということでございますが、こういったもので既に一万年相当分までの対放射線性に関する研究成果も見ているわけでございます。こういった過去の研究、これまでの研究成果は、我が国の研究成果並びに外国におきますもろもろのデータ等から評価いたしまして、このガラス固化体が十分健全性を保ち、安全に貯蔵できるということについて専門家の方々が見通しを得ておるというところでございます。
○小川(泰)委員 今全体の御説明を承りましたが、結論として大丈夫だよということですな、簡単に言えば。その研究も進んでいって大丈夫だ。大丈夫なものを持っていって、そして深層の試験をしてみたり、さらにそれを確かめる、こういう段取りで、たまたまその過程でその場所の選び方とか、皆さんの了解の取りつけ方とか、あるいは理解の度合いとかというようなところで、どうも今、午前中いろいろ問題提起されている点についてのちょっとした行き違いのポイントがあるように思うのですが、そんな認識でよろしゅうございますか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 現在あの幌延の貯蔵工学センターにおきましていろいろ問題があって、本日も委員会でさまざまな御議論をいただいておるわけでございますが、それにつきましては、まさにこの高レベルの廃棄物の貯蔵につきましてはやはり安全性についてまだまだ十分皆様方が御認識いただけていないということ、それから、その貯蔵工学センターに併置いたします深層試験場、これはいわば最終処分地を選定するための工学的なデータを得るものでございますが、これをつくるということから、一つはここを最終処分地にするのではないかという御懸念、特に高レベルの廃棄物を三十年ないし五十年貯蔵するというけれども、その貯蔵した後の行く先が決まってないから、結局は幌延を最終処分地にするのではないか、こういうようなことで地元の方々が不安を持たれているというようなことから、この立地の調査についても御理解がいただけない。 一つは、現在調査を進めておりますのは、立地の前段としてのもろもろのデータを整理いたしまして、そして皆様方の御判断のために、提供と言うと語弊がありますが、お示ししていろいろ立地についての御判断をいただくというためのことをするわけでございます。その調査もやはり究極は立地なんだろうということで、立地ということにつながる調査というものは認めるわけにはいかないというような地元の方々の御意見が一方でありまして、なかなかこの方の御理解が得にくい。特に安全性等につきましては、我が国にいまだに経験のない、実際に動いているプラントがないというようなことからくる不安、こういったものに対しての理解を求める活動というのがまだまだ私どもとしても不十分なところがあるわけでございまして、こういった点については今後とも一層理解を深めていかなければならないと考えておる次第でございます。
○小川(泰)委員 筋道はよくわかりました。 それで、実際にこういう原子力行政全体を指導なさる技術庁側と実施に当たる動燃さんなり、これはもう官民を問わず、先ほど来の話を聞くと実施部隊の方で大変御苦労を願っておるようでございます。いろいろ聞いてみますと、今原子力局長が言われたような、一つのごく当たり前の流れを当たり前にさしていくというあたりが立地問題の大変重要な一つのポイントになるというふうに私は思います。かく言う私もかつて経験を持っている一人でありまして、一つの物差しではかろうとすると、この種の問題はなかなかというふうに我々も体験をしております。したがって、同じものを扱うにしても、その場所、その地域の歴史性や環境、そこに住む方々の心的状況とか、これはいろいろ千差万別でございまして、そういうものになるべくすぽっと入れるような前段のありさまというものがこういうものには大変重要だなというふうに私は思うのです。とにかく白紙に物を書く一番最初の一筆が間違って書かれますと、白紙に戻すのに、消すのにいつまでたっても大変手間暇かかる、こんな例えのような感じがしてなりません。 私はこれ以上この問題についてどうやこうや申し上げませんが、当事者の皆さん、そんなつもりで、ぜひいろいろな要件、いろいろな要素、いろいろな手だてをひとつお尽くしいただいて、どっちみちこれは発電所が動いて出てくるものですから、どこかでこの種の技術は開発し、それを処理していかなければならないという絶対的な問題だけに、大変な御苦労だと思いますが、そんな気持ちでぜひ頑張っていただきたいなというふうに思いますので、これは要望でとどめおきたいと思います。 これについてもう一つだけ、これは先々進んでいってからの話かなと思って、ちょっと私勉強不足なのですが、昨今立地問題等その他を勘案して電源三法というものが出てまいりましたね。局長、この計画がずっと進んでいきますと発動の対象になるのかならないのか、どの部分がどうなるのかということ、もしわかればちょっとこの段階で答えておいていただきたいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 電源三法の交付金等の対象でございますが、これは原子力発電所だけではございませんで、その原子力発電所に関連する施設につきましてもこの三法交付金の対象とすることができることになっております。ただ、これは具体的に事例が生じてきた場合に、個別に政令で指定するという手続が必要でございます。これまでも人形峠のウラン濃縮プラントとか、東海村に建設しております原子力関係の発電所の安全性の研究のための施設等に既に交付してきている実態もあるわけでございまして、本件のように、まさに原子力発電所から発生した使用済み燃料から出てくる高レベル廃棄物でございまして、しかも、それが原子力開発利用政策を推進する上で重要なエレメントを構成するわけでございますので、こういったものについては電源三法の対象になり得るものと私ども考えておりまして、話が具体化してまいりました段階、立地ということが具体的になった段階においては、政令に取り上げるかどうかということを検討してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○小川(泰)委員 正確を期する意味でそういう御返事なんでしょうが、総合して物を見て進めるということも立地交渉の一つの大きなウエートになるわけなんで、ぜひその辺は言い過ぎない範囲内で、この辺ぐらいまでいくよというようなことは相当事前に勉強されまして、ある程度備えてこの種の進めの一つの材料といいますか、そういうものに対応するのが私は賢明かなという感じがいたします。そういうものはできるだけ作業なりなんなりを急がれて、行政側も実施側も統一したものをきちっとおさめながらやっていくのも一つの手だてかなと思いますので、ぜひこれは明確にするようにこれから検討を急いで、御両者ともひとつ結論を胸に秘めながらということで進めていっていただきたいな、こう思いますが、いかがですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 ただいまの先生の御質問でございますが、こういった関係者、特に立地周辺の方々から地域のメリットは何か、何分にもこういう廃棄物を扱うということになりますとメリットとの関係が出てまいりますので、そういう御質問もございます。そういう際に、これは電源三法の対象となし得るものであり、その方向で私どもは現実になった場合に努力いたしますということを御説明してまいっておるところでございます。
○小川(泰)委員 それでは、別の角度からもう一つだけ長官に伺いたいと思うのです。 たまたま幌延で高レベル廃棄物という問題が今出てきておりますけれども、高レベル廃棄物、低レベル廃棄物、TRUの処分の仕方、さらには今原子力施設をつぐれつくれ、研究開発だと言っていますね。いずれ発電所なりなんなりが働き終わって、この施設をどう処理するかという段階に出てくる幾つかの問題とか、こういうものをぼちぼち総合的にきちっと明示することが必要な時期に差しかかったかと思います。あるいはあるのかもしれません。そういうものが全体にPRできるような、見えるような、非常にわかりやすいようなものが私は必要ではないかと思うのですが、進捗状況なりこうしたいという御意見なりをちょっと聞かせていただきたいなと思います。
○竹内国務大臣 お答えいたします。 そろそろそういう時期ではないかという認識は、私ども先生と全く共通でございます。したがいまして、近々原子力白書あるいは安全白書というものを発表するつもりでおりますが、そういった両白書の中におきましても、そういった点についての私どもの考え方をまた明らかにしていきたい。それを第一弾に今考えております。
○中村(守)政府委員 先生お尋ねの原子炉の廃炉、廃炉というと言葉が悪いので廃止措置という言葉を使わせていただいておりますが、これに関しましては、五十七年に原子力委員会が長期計画を策定するときに、特に専門部会を設けまして、各界の先生方にお集まりいただいて、この廃止措置をどう進めていくかについて御検討いただいて、そこで基本的な方針を決めていただきました。これが現在の長期計画に載っておるわけでございますが、その基本計画に基づきまして具体的な方法をさらに検討するということで、これは通産省の方のエネルギー調査会、そちらの方に特に専門部会を設けまして、具体的な商業用発電所の廃炉をしていくことにつきまして、この原子力委員会の長期計画に基づいて細目的な検討をなされております。そこでも一つの方向が出ておりまして、今後それを具体化していくわけでございます。 また、そういうソフトウエア的な話でなくて具体的なハードウエア的な面で申しますと、現在原子力研究所に動力試験炉、JPDRというのがございまして、これは出力は小そうございますけれども、一つの発電炉でございます。今後原子炉を解体していく、廃止していくに当たってはやはり経済的にやっていかなければならないし、それからその作業に従事する従事者の被曝を極力少なくすることが重要でございますので、こういった面での一層の技術開発を進めるということで、JPDRをモデルにしまして研究をしておりまして、いろいろなエレメントの技術はこれまで五年間に開発してまいりましたので、今後、来年ぐらいから実際のJPDRの炉をそういった開発された技術を使いまして解体するということで実施をしようと思っております。 国際的にもこの廃止措置についての技術には非常に関心を持っておりまして、各国の廃止措置に関する技術情報を持ち寄って、お互いに交換しながらお互いの技術を向上させていこうじゃないか、こういうことで、OECDを中心にしてそういう会合も持たれ、組織も持たれているところでございます。
○小川(泰)委員 徐々にそういう時期に来て、長官もそういうお気持ちというお答えですから、大変結構だと思います。なるべくこの種のものは、具体的に早目に全貌を示した方が部分の理解にもいい効果があるのじゃないかなと思いましたので、ひとつぜひそれはお進めいただくよう、御要望申し上げておきたいと思います。 最後にもう一つですが、これは前々回あたりからも問題になってきているのですが、科学技術庁というのは技術を開発する方に視点を置いて、ぱあっといろいろな宇宙開発からバイオテクノロジーまでいく。でき上がった技術を使って産業化したり、人間の活動に有効に作用させたりという部分が、例えばしばしば出てくるのは、ここまでが科学技術庁でここまでが通産省で、今もございましたとおり、そのエリアが大分ラップしているところがいっぱいありますね。これはいいんです。いいんですが、そのラップの余り、どっちが具体的にこの問題を処理する主体なのかという点でまだうまく調整のつきがたいものも二、三散見されますので、これはなかなかの作業かとは思いますが、物事を運ぶ場合に最初からそういうことはきちっとしてかかっていくぐらいのテンポでいかないと、行政側という立場はそれでいいのかもしらぬけれども、実施する側にしてみると、そのことによって時間がおくれてみたり、あるいは行革に触れて大変恐縮なんですが、こっちへ書類を持っていったりあっちへ書類を持っていったり、いろいろ手続でどこが窓なんだいなんということが実はしばしば起こってまいります。こういう経験もありますので、これは一つ一つこれはどうですか、これはどうですかと聞くと、時間に限りがありますので、大体私の言わんとすることはおわかりいただいているのだ、こう思いますので、ぜひそういうものは早目に進め、調整方をお願い申し上げたいなというふうに思います。 なぜ私こんなことを申し上げるかといいますと、たまたま今こういう放射性物質の廃棄処理という問題にかかわってずっと出てきました。これもあり得ることでしょう。また、今度新しい分野で技術が開発されていくということがありますね。例えば原子力にかかわることで言うならば、濃縮ウランの仕方というものが従来大変な時間をかけ、遠心分離法によってどうだい、こう進んできておる。片一方アメリカの方では、大変先の話とはいえ、技術が進んでレーザーでいくか、こういう話なんかもまた出てきますね。そうなってきますと、今度はそれにかかわる行政所管というものがまた、ここまでがこっちですよとか、ここまでがこっちですよとかというのがその面でも僕は出てきやせぬかなという懸念がありますので、どうぞそういうものがスムーズに、新しい燃料を開発するならするという目的に向かって、いわば行政側が、何といいますか、平たい言葉で言えば民間のそういう活力なりあるいは研究機関のそういう意欲なりというものを、ちょっと待てよということじゃなくて、逆にもっと進めというぐあいの後ろ支えをしてやるとかいう立場で物を考えていかなければならぬ時代に来たな、こう思います。 今残っている問題はそういう意味でも調整を急がれて、むしろこれから起こってくるであろうという問題についても、これは事前にわかるわけでありますから、そういう調整はどんどんやっていって、むしろ国民やまた全体の能力、力というものがぐんぐん発揮しやすいための支え、また指導というものがこれから大変大事になってくるのじゃないかと思いますので、そういうちょっとした苦言も含めて私の意見を申し上げますが、所見があればひとつお聞かせいただきたいと思います。
○中村(守)政府委員 先生御指摘いただき、また御心配いただいている科学技術庁と特に通産省との関係かと思いますが、この両省庁の関係につきましては、基本的には実用発電炉についての安全規制が通産省という以外につきまして、そのほかの原子力施設の安全規制は科技庁が一元的にやる。それから技術開発につきましては、一般会計につきまして科技庁に予算を一括計上という本来の建前から、原則的に科学技術庁が技術開発をやる。ただ、実用との橋渡し的なところにつきましては、通産省もやり、またこちらも御協力いただいているというところがございますし、実際の産業になりますと、産業を育成、助成する、こういうようなことは通産省の得意な分野でございますので、これは通産省の方でやっていただくというようなことで、原則的なことはもうはっきりしておるわけでございます。 ただ、何分にも新しい分野でございますので、境界線上の話がいろいろ出てまいります。そういうことで今先生御心配のふうなことが、御心配をかけて申しわけないわけでございますが、そういったものにつきましては、まさに国の施策をどうするかということで両省庁十分にお話し合いをして、早い段階にそういう民間の方々に御迷惑をかけることのないようにしてまいりたいと思いますし、また原子力委員会という機関がございまして、これは両省庁の上に立っている機関でございまして、まさに両省庁のそういった施策については大所高所から調整をしていただくという機関もございます。そういうことで、原子力委員会のそういう機能も生かしまして、先生の今の御指摘の点については、我々としても十分心得て対処してまいりたいと存じておる次第でございます。
○小川(泰)委員 時間が早いのですが、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○平沼委員長代理 山原健二郎君。
○山原委員 私も、幌延町に立地しようとするいわゆる高レベル放射性廃棄物貯蔵工学センターについて質問をいたします。 私は二十五日に現地へ参りまして、現地の情勢、また周辺の人たちの意見も伺いました。私が行きました前々日の二十二日にいわゆる抜き打ち的に立地環境調査が行われたわけでありますが、これは大変遺憾でございまして、動燃の出先機関に対しても抗議を申し込んだところでございます。きょうもお話が出まして、幾らかダブる面があるかもしれませんが、これまで科学技術庁長官も、動燃の工学センターの立地に関連して、「地域の関係の自治体はもちろんのこと、道の関係の方々、道議会あるいは知事等々、自治体の意思は十分に尊重してそして進められるべきものである」というふうに岩動さんが長官のときに答弁もしておりますし、また、北海道知事は立地環境調査そのものにも反対をしております。幌延町の周辺町村でも慎重あるいは反対、そして酪農家あるいは漁民の方は、率直に言ってこぞって反対をしていると言っても過言ではないという情勢ですね。 そういう声を押し切ってこの調査の強行ということにはまことに遺憾でございますが、これは国会における答弁にも背いたものではないかと思います。だれが命令をして調査をしたのか、またこれから調査を中止すべきだと思いますが、これからもこういう形でやるという意思を持っているかどうか、最初に伺っておきたいのです。
○竹内国務大臣 お答えを申し上げます。 二十三日に動燃が自分の責任と判断におきまして調査の一部を行ったわけでございますが、私の申し上げたいことは、かねがねから申し上げておりますように、この種の原子力関係施設の立地はもちろん、調査の段階においてもできるだけ地元の理解と協力を得て進めるのが基本である、こういう考え方は国会でもたびたび申し上げているわけでございまして、現在もその考えにおいて変わりはございません。そして私どもも私どもなりの努力として、これまでも関係の方々に理解を求めるべくいろいろな努力をしてまいったわけでございますが、残念ながら北海道知事さんの了解とか、あるいはまた周辺町村の積極的な御賛成は得られていないというのも確かに事実でございます。そういうような反対ないしは慎重を求めるそういうお考えの基礎には、貯蔵工学センターについてのいろいろな懸念、不安、そういうものをお持ちのせいではないか、こう推察をいたしますし、現に私どもに対しまして、活断層の有無であるとか地下水との関連、地盤の強固さ等々について不安がある、懸念がある、こういう御意向なども示されておりますので、やはりそういった地元の方の抱いている疑問に対しておこたえをする、そういう範囲内での調査をやることによって、先ほど来申し上げております地元の理解と協力を求めることをさらに進めたいということで、私が熟慮の上に判断をいたしたことでございます。 なお、これから先の調査のことにつきましては、けさほど来申し上げておりますが、慎重を期してまいりたいと思っております。
○山原委員 地元の疑問を解くとかあるいはいろいろの不安、懸念にこたえるというのであれば、今までの諸外国のさまざまな例あるいは知見、こういうものを参考にすれば一定の判断はできる、私は調査前にそういうことはできるのじゃないかと思うのですけれども、それは後に回しまして、科学技術庁長官がみずから作成した原子力開発利用長期計画、いわゆる長計ですが、これによりましても「原子力施設の立地」の項で「今後とも安全確保対策に万全を期し、国民の信頼をから得ていくことが最も重要である」と述べております。原子力委員会の委員長は科学技術庁長官ですから、今回の抜き打ち調査は少なくとも国民の信頼をから得ていくやり方ではなかったと思いますし、そういう面では大変遺憾なやり方だということを重ねて申し上げておきたいと思います。 今おっしゃったように、知事が施設の誘致に反対し、また、調査実施を拒否しているという事実があります。これは原発の場合でありましたならば、事実上ストップなんですね。言うまでもなく原発を含む相当規模の発電所の場合、電調審にかけられる前に、電源開発促進法第十一条によりまして、必要なとき都道府県知事に意見を聞かなければならない、こう規定をされておりまして、ここで知事がノーと言えば電源開発基本計画に事実上のせられない。したがって、設置認可申請も出せないということになるわけですね。そういう意味で、知事のノーという態度表明というのは非常に重みを持っているわけでございまして、これまでこの知事の発言に対して、例えば国や電力会社というのは、知事がイエスと言った場合に、それがあたかも関係住民の全体の合意だとして原発推進をやるてこにしてきたわけですね。イエスということを最大限に利用してきたのが大体今までの国及び電力会社のやったことなんです。じや、ノーについてはどうか。やはりノーについてもこの重みというものを尊重すべきであると私は思いますが、この点はどうなんですか。
○中村(守)政府委員 先生御指摘のように、原子力発電所に限りませんで、具体的に発電所の建設に着手する前には電源開発調整審議会の議を経なければならない。そのときに知事の意見を聞くということになっておるわけでございます。これは具体的な立地をし、具体的に建設に着手しようという段階でございまして、調査はそれ以前に行われるものでございます。今回幌延町を候補地の一つとして環境の調査をやらしてほしいということでございまして、またこの結果をもって立地する場合には改めて知事さんに御意見もちょうだいをするということでございまして、当然立地という段階になりますれば知事さんの御意見というものが九九%以上、もう全く一〇〇%御了解いただかなければいけないものだろうと思っております。ただ、今回のような調査につきましては極めて限られた範囲内の調査でもございますので、直接関係する方々並びに直接関係する自治体、こういう方々の御了解のもとで進めさせていただいている、こういうことでございます。
○山原委員 これは実態に即しませんね。我々は幾つかそういう経験をしているわけですけれども、北海道知事の場合は立地に反対をしているというだけでなくて、立地調査についてもこれを拒否しているという実態があるわけですね。そういうことから考えますと、いよいよ立地する場合には九九%知事の意向が尊重されるというのは今初めてわかりましたけれども、調査も拒否をしておられるという実態の中でこれがやられるということになりますと、これはいよいよ国民の信を得ることができないという意味で、私は今後の問題については警告をしておきたいと思うのです。 それから次に、この貯蔵施設の具体的立地基準、つまりどういう環境、どういう地質のところが適しているか、そういう原則、基準というものはございますか。
○植松参考人 これはけさほどから何度がお答えしておった内容と同じでございますが、貯蔵工学センターというものにつきましては、その中にいろいろな施設を含んでおりますので、貯蔵工学センター全体としての選定の基準というものはあるとは思いませんが、各施設それぞれについて適用すべき考え方というのがあるかと思います。 ただ、貯蔵工学センター全体につきましては、けさほど来御説明しておりましたようにいろいろな施設をつくりますので、まず広い土地を必要としておるということがございます。それから、施設をつくりますのに必要な地耐力を有しておるということも必要でございます。それから、自然災害の生じることが少ないような地盤状態であるということも必要であります。具体的には、立地予定地内に活断層がないということが望ましいというようなことがございます。そのほかに、実際にこの貯蔵工学センターまでいろいろなものを運んでいくのに適当な方法があるかどうかということも一つの大きな条件になろうかと思います。幌延に貯蔵工学センターを設置するに当たりましては、そういう自然的な条件とか技術的な条件のほかに、地元から誘致をしていただいておるということも非常に大きな選定の基準になっておるというふうに私は考えております。
○山原委員 最後のところなんか、科学技術庁あるいは動燃に全くふさわしくない非科学的な考え方ですよ。基準はあるのですか。今おっしゃったもろもろのことは何に出ているのですか。
○植松参考人 先ほども申し上げましたように、貯蔵工学センターそのものの選定についての明白な、これが基準であるというものは存在しておるわけではございませんで、今申し上げたように、土地の面積であるとか地耐力であるとか地盤であるとか活断層であるとか、そういう面でこういうことが望ましいというものはございます。
○山原委員 こういう重大な、しかも日本で初めてつくろうとする、しかも国際的に見てもそれほど経験のないものをつくろうとする場合に基準がないということでしょう。もろもろ、いろいろ考えられて今おっしゃったわけですけれども、それはわからぬことはありませんよ。しかし、こういう重大なものを、しかももし処分場とするならば数百年、数千年に向かって問題のあることについて、基準がない。事実、基準がないです。あなたのおっしゃることも大体漠然として、今までの経験からおっしゃっているわけで、広い土地であるとか活断層であるとか、これは当たり前のことなんです。基準がないじゃありませんか。基準がなしに立地調査をやっても、幾らデータを集めても、そのデータが立地に適しているか否かの判断の基礎がないのです。これはもう大問題ですよ。この立ちおくれを抜きにして、いきなり地元が誘致するかうといって入っていくというやり方は、アメリカなんかではとんでもない話になってくるわけですね。これはまさに非科学的なんです。この点はもう厳重に申し上げておきたい。 今度、いわゆる原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会で中間報告が昨年の八月に出ておりますけれども、その中で、地層処分の方法を開発していくということで四段階のステップを発表しておりますね。そのうち第一段階、いわゆる有効な地層の選定、これは既に終了したとおっしゃっているわけですが、この有効な地層とはどういうものですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 昭和五十九年八月の放射性廃棄物対策専門部会の中間報告におきまして、第一段階の成果として次のように評価されておるわけでございます。 まず、第一段階の調査研究については、動燃事業団、原子力研究所を中心に進められて所要の成果を上げたわけでございまして、具体的には、我が国における有効な地層としては、未固結岩、いわゆる固まっていない未固結岩などの明らかに適性に劣るものは別といたしまして、岩石の種類を特定することなくむしろ広く考え得るものであるということが明らかになっております。すなわち、同一種類の岩石でございましても、それが賦存されます地質条件によって地層処分に対する適性にはかなりの差が認められるというようなこともございまして、岩石の種類を特定するということではなく、むしろその地質条件に対応して必要な人工バリアを設計することにより、地層処分システムとしての安全性を確保できる見通しが得られた。この結果、処分予定地等の選定に当たりましては、自然的条件、社会的条件などに柔軟に対応する余地があるものと評価されておるわけでございます。
○山原委員 今おっしゃったこと、中間報告の中にはそうあるのですが、有効な適地として幌延の地層も含まれておりますか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 どこの地層が有効な地層であるという具体的なことを先ほどのあれで評価しておるわけではないということが一つと、それから貯蔵工学センターなるものはあくまでも最終処分地ということではございませんので、その意味で有効な地層であるということを立地上の選定の条件にはいたしておりません。
○山原委員 処分地であるかどうかは後で伺いますが、今の中間報告によりますと未固結岩、つまり砂や礫など以外の地層であれば有効だということになるわけです。私は原子力の安全性について、これほどずさんで緩やかな考え方で事を進めていっていいものかということについて大きな疑問を持っております。 委員長、ちょっと地図をお見せしてよろしいですか。
○平沼委員長代理 はい。
○山原委員 ここに幌延と幌延周辺の地質図を国会図書館から借りてまいりました。恐らくこれはごらんになって研究をされておると思いますが、研究されておられますか。しているか、していないかだけ。
○植松参考人 その地図はよく見ております。
○山原委員 この地図を見ますと、私も早明浦ダム問題のときに地質の問題は随分論議をしたことがございますので、北海道立地下資源調査所が昭和三十五年三月にまとめた幌延、豊富周辺の地質図とその説明書をここへ図書館から借りてまいりました。これを見ますと、幾つか大きな問題点が指摘できます。 第一に、立地予定地の間近を大曲断層、幌延断層という大きな二本の断層がほぼ南北に走っております。第二番目に、油井、油兆、ガス兆が随所にあること、鉱泉などもあります。第三に、地質は砂、礫及び粘土、泥炭、泥岩及びシルトなどから主として成っています。第四に、地質構造ですが、大きく褶曲しております。この背斜軸に沿って各地でガス兆や油兆が見られるわけであります。予定地の開進地区では、背斜は崩れ、地層は著しく乱れ、垂直近くに立っているところもあります。この地域は新第三紀の堆積岩を主とした地域でありまして、日本の地質の中でも極めて新しい時代の構造帯に位置しています。 以上のような地質及び地質構造等の問題が指摘できるわけでございますが、加えまして、当委員会でも取り上げられました群発地震の問題、これは詳しくは申しません。さらに、河川が近くを流れ、地質構造にも関連して地下水が多いことも指摘されております。 こう見できますと、この中間報告が明らかに不適だとする未固結岩等が砂や礫という形で主な地質として存在することがうかがわれます。そういう点から見まして、幌延は有効な地層となり得ないと考えるのが当然だと思うのでございますが、あなた方はあえてこの場所を選定して立地調査をやっているのは、そういう意味でも適地だとお考えになっての上であるかどうか、簡単に伺いたいのです。
○植松参考人 先生御指摘の資料を我々も見させていただいております。幌延近辺の地質などにつきましては、公開の文献であるとか幌延町が実施されました調査の結果等から私たちは判断をいたしますと、年代の古い順でいきますと、声問層という非常にかたい泥岩も存在しておりますし、勇知層というかたい砂岩、更別層というかたい砂岩も存在しておりますし、その上に第四紀層が分布しておるという地層になっておるということを了解いたしております。 また、天北地区におきます活断層といたしましては、活断層研究会、これは一九八〇年版を参照しておりますが、これに認定をされているところによりますと、その予定地の北方約三十キロぐらいのところに断層があるということが書かれております。また、東方十五キロのところにも断層があるということもわかっております。しかしながら、両方とも活断層研究会の成果では、確実度がH、活動度Cと認定されておりますので、我々がいろいろと調査をお願いいたしておりますのは、こういうことをまず確認をさせていただきたいということであるわけでございます。 それから、幌延周辺におきます天然ガス、石油等の地下資源につきましては、確かに北方、豊富地区においては天然ガスが出ておるようでございますが、町の行いました調査の結果をお聞きしておりますが、これによりますと、幌延町の中の方では資源として価値のあるものは認められていないという結果になっております。 これらを総合的に判断いたしまして、現在幌延に予定しております貯蔵工学センターは設置が可能ではないかというふうに判断をいたしております。しかしながら……(山原委員「可能である、ですか」と呼ぶ)可能であると判断をしておりますが、それを確認するためのいろいろな調査をやらせていただきたいということをお願いをしておるわけであります。
○山原委員 随分見解が違ってまいりますが、もう時間がありませんから、これはまたいずれ日を改めて明らかにしていきたいと思います。 我が国では本当に地質、地層、環境条件につきましての確固たるものがないのですね。そこで、高レベル放射性廃棄物問題で法律など規制が整備されているアメリカについて少し考えてみたいと思うのです。 時間がありませんから、ちょっと文章にしてきましたから読み上げますが、米原子力学会が一般向けに出している「原子力とその周辺」という本の分冊として「核燃料と廃棄物」というのがありますが、その中の一問一答で、米国の規制では処分場周辺の土中に貴重な地下資源が存在せず、将来その地層を他の目的で発掘する可能性のないことが基本原則となっているとして、鉱泉、温泉、炭田、油田などを例に挙げております。こういう規制がアメリカでは放射性廃棄物政策法などで決まっていると思うのであります。 こういうアメリカの立地条件からすれば、幌延は完全にアウトです。豊富、あそこは油田、天然ガスをボーリングしておるときにお湯が出てきて、現在あそこは温泉町になっているわけですね。そういうところです。 また、道知事がアメリカを調査した際、米国立地質調査所の責任者が、一般論と断りながらも、幌延の地質図などを見て、候補地としてはマイナス要件が多いと述べたということでございますが、米国の規制の考え方からすれば当然だと思います。その際、米国立地質調査所の責任者は、立地条件として、乾燥地帯であること、川、泉、湖沼、海から遠ければ遠いほどよい、また地殻が動かないことなど六つの条件を示したそうでありますが、これらの条件と幌延を照らし合わせてみますと、私は幌延という地域は落第だということが明瞭ではないかと思うのです。 そこで委員長にお願いしたいのですが、アメリカや西ドイツなど諸外国の放射性廃棄物処理処分についての法律などの規制規則につきまして、日本語訳で当委員会に提出をしてもらいたいと思います。動燃または科学技術庁、よければ他日で結構でございますから、提出を御要請していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○中村(守)政府委員 ちょっとそういうものを持ち合わせておりませんので、提出というわけにはまいりません。
○山原委員 これはやはり持ち合わせて検討された方がよろしいと思います。とにかく高レベル放射性廃棄物は半減期の極めて長いものが含まれており、その処分技術は数百年、数千年という長い年月に耐えられるものでなければなりません。油田や天然ガス等の出るところが適地となり得ないことは明らかです。この点で、私は今御答弁なさったお考えと全く違います。 国際学術連合、ICSUの一九八二年総会に提出されました報告書は「処分サイトは今後百万年にわたって地質変動や透水性の変化の起こりそうな証拠のない十立方キロメートルくらいのユニットが望ましく、現在地震活動や火山活動がないというだけでは不十分で、ストレスの正確な測定が必要である」そして「数千年のスケールでの安全性について科学者は答えを求められたことがない。最終処分技術が未確立の現状では、子孫のためには性急な処分より待機を選ぶ方がよいかもしれない」こう言っております。こういう権威ある学術機関のこういった指摘をどういうふうに考えるか。私は、謙虚に受けとめて耳を傾けるべきだと思うのです。そういう意味で、資料は十分収集されまして当委員会にも提出をしていただきたいと思います。 これはアメリカや国際機関だけの問題ではなくて、さきの百二国会で我が党の津川議員が指摘したことですが、我が国の原子力安全委員会の再処理に関する部会長という要職にある内藤教授が、一九八三年の「化学と工業」三十六巻九号の中でこう述べています。「また、廃棄物の処理・処分も、高い放射線下のプロセスであるとともに、極めて長い期間(数百年以上)の安全性の確保が要求され、従来の工学では経験しなかった問題に直面している」と、これらの技術が世界的にまだ確立されていないことを指摘いたしておるのであります。したがって、極めて慎重な態度が要求されるわけでございます。 こういう段階にある高レベル廃棄物問題に関係住民が不安を示すのは当然ではないでしょうか。しかも、住民や都道府県を含む自治体の意向が反映される法的規制や制度も確立していないことは、先ほど指摘したとおりであります。だから、住民の意向あるいは北海道の道当局の意向を無視したやり方は賛成しかねるわけでございまして、調査は中断をすべきだということを申し上げておきたいと思います。 私が今申し上げました国際学術連合の報告では、こうも言っています。「サイトの選定基準は安全と科学により決定されるべきものであり、経済性や政治的事情により決められるべきではない」こう言っているわけです。これは、残念ながら幌延のケースを考えてみますと、経済性や政治的事情によって事が進められておる向きがあるわけでございます。幌延町が過疎に悩み、町の振興を何とかしたいというお気持ちがあることは私にもわかります。それが誘致の一つの理由になっておることは、現地へ行けばよくわかります。けれども、それがサイトの理由となってはならない。科学的根拠によって対処されるべきものである、国際的な権威を持つ学界はこのことを指摘をいたしておるわけであります。 経済性や政治的事情により決められるべきものではないという指摘は、非常に重要な中身を持っておると思うのです。今御答弁の中でおっしゃった、あの町が誘致をされているからやるんだというこの重大な問題ですね、それは町の情勢を見ましたらわからないわけではありませんけれども、それによって決めてはならぬ。あくまでも科学によって決めるべきだ。これはまさに科学技術庁に課せられたお仕事だと思うわけでございます。その点で、先ほどから他の委員の皆さんに対する答弁を聞いておりますと、幌延は貯蔵施設であって最終処分場となるものではないというお答えもあるかと思うと、また先ほど道議会で明言されているということに対して、東京も候補地になるはずだというような御答弁がありまして、あいまいです。ここは最終処分場として使われないということを、現在ではなどという前置詞をつけないではっきりと明言できるかどうか、この点をお伺いしたいのです。
○辻政府委員 後ほど処分場の問題については原子力局長から御答弁があると思いますが、先生のお話の前半の中に、安全基準の問題についての科学的検討についての御質問がございましたので、その部分につきまして私どもの検討状況を簡単に述べさせていただきます。 御指摘ございましたように、現在幌延についての貯蔵施設は数十年間の貯蔵を前提としているものでございまして、将来にわたっての長期的問題についての処分場ということではとらえられておらないわけでございます。したがいまして、これらにつきまして原子力安全委員会を中心に安全基準の検討が今進められているところでございますが、現在の段階では、この貯蔵施設というものについての安全基準の検討が放射性廃棄物安全規制専門部会において進められているという状況であるわけでございます。 本格的な処分につきましては、これまた先の長い話でございまして、基礎的な研究をあわせて廃棄物の研究計画の中で進めながら、さらに私どもとしても知見を得ていきたい。さらに、先生御指摘のように、海外の処分場についての国際基準などもよくよく調べながら、これはかなり先の問題でございますので検討、研究を進めていくという姿勢 でおります。現在における安全委員会の検討は、中間的な貯蔵施設という問題についての安全規制につきましては、先ほど申し上げましたように安全規制専門部会において検討が進められている状況でございます。
○平沼委員長代理 中村原子力局長。
○山原委員 いや、時間がもうないから、時間どおり終わらせたいものですから。では、簡単に言ってください。
○中村(守)政府委員 先ほど来先生がるる申されましたアメリカの立地基準等は、すべて処分地を選定する場合の基準でございまして、私どもは幌延を処分地にするという考えであの土地を選んでいるわけではございませんので、先ほど来の先生の基準を満たしていないからといって貯蔵工学センターの適地でないということにはならないかと思います。我々としては、幌延についてお願いしているのは、あくまでも処分地としてではなく、三十年ないし五十年の貯蔵とそれから深層における試験場ということでお願いをしているものでございます。
○山原委員 ここのところは大事なところですよ。今もおっしゃったように、ちゃんと修飾語というか形容詞というか、現在の段階では貯蔵、本格的なものについてはというのが後へつくわけですね。ここを最終処分地としないと言えるかどうか、はっきりさせてもらいたい。言えなければやるという、それはそうでしょう。例えば処分のための試験場、深地層試験場がつくられるということになりますと、最終処分場として有効な地層でないところで、いわゆる不適な地層で最終処分のための試験をするなどということはナンセンスですよ。そうでしょう、ナンセンスですよ。そんな不適な地層で行った試験データが有効な地層で実施する最終処分に役立たないのは当然じゃないですか。(発言する者あり)
○平沼委員長代理 静かに。質問を続行してください。
○山原委員 不適な地層で行った試験データが有効な地層で実施する最終処分に役立たないのは、理性的に考えて当然でしょう。理性のわからない者がやじを飛ばしているんだ。 それからもう一つは、幌延を最終処分場としないと明言できるかどうか。昨年の中間報告の中には「この試験地はその後の研究開発の結果が良好であれば処分地となり得るものである」と書いてありますよ。これを政治的に判断をすれば、政治を知る者であれば、だれでも試験場は処分地となるということになるわけですよね。だから皆さんが心配されているわけでしょう。だから知事も反対をされているわけでしょう。そういう話にならぬような理屈ではだめなんですよ。だから、これは最終処分地にはしないということを明確にできるかどうかを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○中村(守)政府委員 試験場を設置するということはあくまでも試験場でございまして、処分場の実物大のものそのものをつくるということではございません。研究に必要な最低の岩体があればよろしいわけでございますので、実際に固化体を持ち込んで実験をするとか、そういうことを考えているものではないわけでございますので、先ほど来先生御指摘の基準とは関係がないわけでございます。いずれにしろ、ここにつきまして深地層試験場をお願いしておりますが、ここに廃棄物を持ち込んで、ここを最終処分場にするというような考えは全くございません。
○山原委員 そのことは、長官、明言できますか。
○竹内国務大臣 先ほど来何遍も御答弁申し上げているかと思いますが、最終処分地につきましてはこれから全国の複数地点を約十年程度かかって選定をいたし、それを次第に一つに絞っていくという手順を予想しているわけでございまして、今日の段階では全く白紙でございます。そういう意味では、先生お求めの明言に対してはノーというお答えしかありません。
○山原委員 きようはこれでおきます。
○平沼委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十六分散会