安全保障特別委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1985/12/13
会議録
○森下委員長 これより会議を開きます。 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 この際、内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中曽根内閣総理大臣。
○中曽根内閣総理大臣 一言ごあいさつを申し上げます。 今日の国際情勢は依然として厳しい状況にありまして、世界の平和と安定を守るためには絶えざる努力が必要であります。私は、年初早々、米国にレーガン大統領を訪ね、また、三月には、ソ連においてゴルバチョフ書記長と会談し、さらには、ボン・サミットなどにおける西欧諸国首脳との会談の機会を通じまして、世界の平和と安定に向けて、軍備管理・軍縮交渉の促進と米ソ首脳会談の早期実現を要望してまいりました。 先般、六年半ぶりに米ソ首脳会談が実現され、両首脳が直接対話を行って相互理解を深めるとともに、近い将来における両首脳の相互訪問につき合意する等の成果を見ましたことはまことに有意義であり、今後の両国関係の安定化と世界平和、軍縮に向けての新たな出発点として評価いたしておる次第であります。 また、私は、去る十月、国連の創立四十周年記念総会に出席し、国際社会の平和と繁栄に積極的な貢献を行う我が国の基本的立場と決意を訴えてまいりました。 我が国としては、軍備管理・軍縮を含む東西間の対話と交渉の促進を今後とも強く訴えていく所存でございます。 しかし、同時に、現下の国際社会の平和と安全は、国家間の力の均衡により保持されているということも冷厳な事実であり、これは一朝にして変わり得るものではありません。 かかる認識のもとに我が国は、厳しい国際情勢の中で、我が国を確実に平和と安全の国とするため、外交、経済協力、資源エネルギー及び食糧の確保等総合的な安全保障政策を推進することを基本とし、そのもとにおいて、日米安全保障体制を堅持するとともに、自衛のため必要な限度において、質の高い防衛力の整備を図るべく努力してきているところであります。 政府は、先般、昭和六十一年度から六十五年度までを対象とする中期防衛力整備計画を策定いたしました。 この計画は、平和憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならず、非核三原則と文民統制を堅持し、他の施策との調和を図りつつ、節度ある有効な防衛力の整備を図るとの見地に立って策定したものであり、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標とするものであります。 この計画については、文民統制の考え方をより強化する見地から、国防会議及び閣議において決定し、さきに所信表明演説で述べたとおり国会に御報告することといたしました。なお、昭和五十一年に閣議決定された「当面の防衛力整備について」の趣旨を、今後とも尊重するよう努めてまいる所存であります。 以下、防衛庁長官から中期防衛力整備計画について報告させます。 委員各位におかれましては、我が国の防衛力整備について御理解、御協力くださるようお願い申し上げますとともに、国民の皆様におかれましても、一層の御理解を切に希望する次第であります。
○森下委員長 この際、前川旦君から発言を求められておりますので、これを許します。前川旦君。
○前川委員 せっかくの機会でございますので、この際、総理に御要望をさせていただきたいと思います。 ただいま当委員会におきまして中曽根総理より、新たに策定された中期防衛力整備計画について報告がございました。中期防衛力整備計画につきましては、各党それぞれ大いに議論のあるところでありますが、防衛問題は国民の生命と国の運命を決定づける最も大切な問題でありますから、総理御自身が報告されたという事実に対しては、これをよしとするものでございます。 つきましては、今後防衛上の重大な案件が生じた場合には、常に時の総理がみずから国会に報告されるということを慣例として定着させ、シビリアンコントロールの実を上げるべきであると思いますが、総理の御見解を伺います。 第二に、当安全保障特別委員会としては、国会の開会中、閉会中を問わず、できる限り総理の御出席をいただきたいのであります。具体的には、一国会に少なくとも一度は総理の御出席をいただき、防衛論議を深めたいと念じておりますが、総理の御見解を伺います。 以上、二点についてお答えをお願い申し上げます。
○中曽根内閣総理大臣 国際関係あるいは安全保障上、国際間に重要な問題が出てきたような場合において国会に御報告をするという点については私も同感でございまして、もしそういうような案件が起きた場合には、議運等を通じまして我々としては御相談を申し上げたいと思う次第でございます。 なお、国会に御出席せよというお指図でございますが、私も、国会あるいは政務の状況をよく見まして、できるだけ出席に努力いたしたいと考えております。
○前川委員 以上でございます。ありがとうございました。
○森下委員長 次に、防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。加藤防衛庁長官。
○加藤国務大臣 政府は、去る九月十八日、国防会議及び閣議において昭和六十一年度から昭和六十五年度までを対象とする中期防衛力整備計画を決定いたしました。 以下、これについて御報告申し上げます。 政府は、総合的な安全保障政策を推進するとともに、防衛力の整備に当たっては、従来から「国防の基本方針」(昭和三十二年五月二十日閣議決定)にのっとり、専守防衛の理念を堅持して他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの立場を内外に明らかにしてきました。今後ともこの立場を堅持するとともに、文民統制を確保し、防衛に関する国会の決議を尊重し、そのときどきの経済財政事情に応じ、防衛関係費と他の諸経費との調和を図りつつ、節度あり、かつ、有効な防衛力の整備を図るとの方針のもとに、この中期防衛力整備計画を決定したものであります。 この計画は、「防衛計画の大綱」(昭和五十一年十月二十九日閣議決定)の基本的枠組みのもと、これに定める防衛力の水準の達成を図ることを目標とするものであって、作成に当たっては、次の点に留意しております。すなわち、 (一) 国際軍事情勢及び諸外国の技術的水準の動同を考慮し、これに対応し得る効率的な防衛力の整備を図るため、陸上、海上及び航空自衛隊のそれぞれの各種防衛機能について改めて精査し、資源の重点配分に努めること (二) さらに、各自衛隊の有機的協力体制の促進、統合運用効果の発揮につき配慮すること というものであります。 また、具体的事業の推進に当たっては、次の点を重視しております。すなわち、 (一) 要撃戦闘機、地対空誘導弾等の充実近代化による本土防空能力の向上に努めること (二) 護衛艦、固定翼対潜哨戒機等の充実近代化による我が国周辺の海域における海上交通の安全確保能力の向上に努めること (三) 我が国の地理的特性を踏まえ、師団の近代化・編成の多様化、洋上・水際撃破能力等の強化による着上陸侵攻対処能力の向上に努めること (四) 正面と後方の均衡のとれた質の高い防衛力の整備を図ること。特に、情報・偵察・指揮通信能力、継戦能力、即応態勢及び抗堪性の向上並びに技術研究開発の推進を重視するとともに、教育訓練体制等の充実による練度向上及び隊員の生活環境の改善に配慮すること (五) 防衛力の整備、運用の両面にわたる効率化、合理化の徹底を図ること というものであります。 このような方針のもとに計画した具体的整備内容は、お手元に配付した閣議決定資料にあるとおりであります。この計画の完成時の勢力を見ますと、全体として、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準の達成が図られ、我が国の防衛能力は、現状と比較して大きく向上するものと期待できる状況にあります。 この計画の実施に必要な防衛関係費の総額の限度は、昭和六十年度価格でおおむね十八兆四千億円程度をめどとすることが決定されております。 また、各年度ごとの予算編成に際しては、一層の効率化、合理化に努め、極力経費を抑制するよう努力するとともに、そのときどきの経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、これを決定することとされております。 なお、政府としては、計画期間中において、「当面の防衛力整備について」一昭和五十一年十一月五日閣議決定)の趣旨を尊重するよう努めてまいる所存であります。 また、この計画については、中期的な防衛力整備を効率的に実施し得るよう随時必要に応じ見直しを行い、三年後には、その時点における経済財政事情、国際情勢、技術的水準の動向等を踏まえ、新たに作成し直すことについて検討することといたしております。 中期防衛力整備計画については以上のとおりでありますが、このたび、この計画の決定を見たことは、今後の我が国の防衛力整備を進める上で大きな意味を持つものと考えております。 第一は、これまで、防衛に関する中期計画が、防衛庁の内部資料にとどまっておりましたが、今回、政府レベルのものとして新たに策定されたことであります。これは、政府がその責任において、我が国の防衛力整備の内容と防衛関係経費について中期的見通しを明らかにしたことであり、シビリアンコントロールの充実を図るという立場からも、また、我が国防衛に関する内外の理解を促進することからも、有意義であると考えております。 第二は、今回の計画は、昭和五十一年に策定された「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標としたものであることであります。御承知のとおり、大綱は、我が国が平時から保有すべき防衛力の水準を定めたものであり、この計画によって、その水準達成に向けての中期的な見通しを得たことは、我が国の平和と安全を確保する上で意義深いものがあります。 これからの課題は、このたび決定されたこの計画を、今後いかに実施していくかということであります。今後とも、各年度の予算編成においては、さらに創意工夫を凝らし、最小限の経費で質の高い防衛力の建設を目指す努力を傾注してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○森下委員長 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二分散会