予算委員会 第19号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/04/02
会議録
○委員長(長田裕二君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 それでは、これより木本平八郎君の一般質疑を行います。木本君。
○木本平八郎君 私はタクシー問題で質問したいわけですが、質問に先立って、運輸大臣にお伺いしたいわけですけれども、運輸省というのは、いわゆる許認可官庁だと言われていて、これを今後政策官庁に変身していかなければいかぬということを大臣もしょっちゅう言われているわけですけれども、具体的に大臣としてはどういうふうに許認可をやめて政策官庁に切りかえていこうとされているか、その辺からまずお伺いしたいわけです。
○国務大臣(山下徳夫君) 毎回申し上げておりますように、許認可官庁から政策官庁へ脱皮するということが私どもの合い言葉でございます。そのとおり、省内の行政機構の組織の改革も他省よりも非常に大きく行われておるこの現実をごらんになってもおわかりいただけると思うのでございます。 そこで、とにかく政府全体で一万件ある許認可の中で、運輸省は二千二百件という一番多い許認可件数があるわけでございますから、これを整理と申しましょうか、再検討するための委員会を省内につくりまして、そして鋭意一つ一つチェックをしながら、今日なおその作業を進めている段階でございます。 現在までの総件数、ちょっと私もここで定かにいたしておりませんが、一部改正等を行ったものまで含めますと、恐らく四、五百件は既にもう済んでおると思いますが、その中で廃止したものも恐らく五十件以上になっておるかと思いますが、それぞれの歴史をさかのぼってみますというと、許認可制度ができるその時点においては、社会の秩序維持であるとか、あるいはまた役所が一方的にやるというよりも業界からの要請もあったり、いろいろなその時点におきます必然性があって決めたことでございますから、やはり私自身も初めはもっともっと減らすべきではないかというので、私自身がチェックしてみても、なるほどこれは業界からも強い要請があるし、あるいはまた社会秩序の維持のためにもこれは残すべきであるというようなことを検討してまいりますと、なかなか作業もそう簡単にいかないというのが実際の私の感じでございますけれども、今申し上げましたように今後とも鋭意この作業はひとつ進めてまいりたいと思っております。
○木本平八郎君 ぜひお進めいただきたいと思うわけです。 それで、これは釈迦に説法になりますけれども、どうしても森の中に入ってしまうと木しか見ないということなんで、本当にそういう許認可が必要なのかどうか、原点に戻ってぜひ御検討いただきたいわけです。 それで、今から私問題として提起申し上げることも、そういったことで運輸省としては相当いろいろ真剣にお考えになり、いろいろ努力もなさっているのですけれども、我々から見ますと、どうもおかしいという点があるわけです。 具体的に京都のMKタクシーの問題がございます。一審で運輸省が敗訴して、それで今控訴された。これについて私、質問主意書で、控訴するときには慎重に検討していただきたい。これは前に決算委員会で法務省関係で私申し上げたのですけれども、国が大体一審で負けているのが一六%あるわけです。負けた中で半数ぐらい控訴している。控訴してなおかつ一四%ぐらいまた負けている。行革で金もかかるときだから、余りそういうむだなことしないように、できるだけ法務省の中で事前に打ち合わせして、勝つという見込みのあるものだけやってくれ、三審制度を享受するとか何とか言わずに、権力の場にある人はそれだけの節度を持ってもらいたいということを申し上げたわけですけれども、今回も質問主意書を出したわけですけれども、運輸省として控訴の前によほど法務省と打ち合わせられた結果、勝つという見通しを立てられたのかどうか。その点、答弁書でははっきりしないものですから、念のためにお伺いしたいのです。
○政府委員(服部経治君) お答え申し上げます。 今回のいわゆるMK裁判でございますが、この判示に盛られております内容につきましては、私ども事実認定及び法律解釈の両面にわたりまして全面的に不服でございますので控訴をいたしたわけでございますけれども、その控訴に踏み切る前の段階では、ただいま先生御指摘のとおり法務省当局とも十分に打ち合わせを重ねまして、そういった控訴に踏み切ったものでございます。
○木本平八郎君 多分そうだと思います。 それで、国民感情として率直に言いますと、確かに運輸省の立場としては、業界秩序を守る上においてこれはもう控訴しなければいかぬ、たとえ敗れてもやるのだという観点があるかもしれません。しかし、我々国民感情からいえば、むしろMKタクシーを応援しているわけです。タクシー運賃というのは安い方がいいわけです。四百七十円じゃなくても、もっと安くやれるというならやらしてくれればいいじゃないか。我々はそのタクシーに乗ればいいという感じです。安全とか何とかおっしゃるけれども、実際にMKタクシー、私も京都で乗りましたけれども、物すごくサービスがいいわけです。そういうものに、秩序を乱すということだけで果たして対応できるのかどうか。控訴されるのはいいですよ。控訴されるのはいいけれども、同時にこの国民の感情に対してはどういうふうに手を今打たれているか。当然打たれていると思います、これだけ無理してやっておられるからには。その辺いかがですか。
○政府委員(服部経治君) ただいま申し上げましたとおり、今回の判決につきましては全面的に不服でございますので、争うべきは争わなければならないという観点から控訴いたしたものでございますけれども、同時に、この判決を機会にいろいろな批判が、タクシー事業に対する批判あるいはそういったタクシー事業を所管しております運輸省のタクシー行政のあり方につきましての批判というものが各紙の紙面に出ておるところでございますが、そういった批判につきましては、これは控訴をするとかしないとかといった問題とは一応別の次元の問題として私どもこれを受けとめておりまして、確かに現在のタクシー事業のあり方にもいろいろな面でいろいろな問題がございます。また、私どもタクシー行政を預かる者の立場としても反省すべき点も多々あるわけでございますので、その点につきましては今回の判決を契機といたしまして、改めてタクシー事業というもののあり方、あるいはタクシー行政というもののあり方につきまして、先生のお言葉をかりるわけではございませんけれども、原点に立ち返った見直しをすべきであろうというふうに考えて、その方向でいろいろと勉強いたしているところでございます。
○木本平八郎君 今まだスタートをされたばかりだと思いますけれども、実際にスタートされてなくても、局長の頭の中に具体的に、例えばこういう方面からまず手をつけていきたいというふうな具体的なちょっとお話を聞かしていただきたいのですが。
○政府委員(服部経治君) 何と申しましてもタクシー行政の一番大事な目的と申しますのは、良質で安全なタクシーサービスというものを安定的にかつ継続的に提供していけるような仕組みというものをつくり上げ、かつそれを維持していくことにあるというふうに考えておるところでございまして、それをめぐってはいろいろな問題といいますか、アプローチの方法があろうかというふうに思いますけれども、まず当面私どもはこういった判決を契機にいたしまして、反省すべき第一の点といたしましては、これまでのタクシー事業といいますか、タクシーサービスのあり方というものが必ずしも多くの利用者のニーズというものを的確にくみ上げたような格好でそれに対応してこなかった、そういう嫌いがあるという点であると思いますので、関係の業界に対しまして猛省を促すこととしたい。あわせまして、そういうものを踏まえまして行政の方でもいろいろとまた考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○木本平八郎君 次に、運賃に移りたいのですけれども、その前に訴訟に関して私の意見を一つだけ申し上げておきたいのです。 それは、最近非常に司法が優先してきている傾向がある。それで一番情けない例は、例えば国会の定数是正の問題も、これはまず裁判所の判決を受けてから我々が動き出しているというのは我々もシェームなんですけれども、最近そういうふうに行政や立法よりも司法の方が先へ行っているわけです。そういうところを我々も反省しなければいかぬわけですけれども、行政の方もぜひ考えていただきたいわけです。例えばMKタクシーの問題でも、独禁法に違反するのじゃないかとか、それから値段が安い方がいいというのはもうとうとうとして底流に流れてきているわけです。それを司法が敏感にキャッチしている。キャッチしているというよりも、彼らは事実審理をやるために民間ともいろいろ接触するからそういうなにがあるわけです。ところが、行政の方がむしろ民衆と離れている。しかも行政は、私の見ている範囲では、かつてつくった法に縛られてそれに左右されてしまっているという感じで、本当に原点に戻って、法が悪いなら法をもう一遍改正するというふうなこともやはり考えなければいかぬ段階に来ているのじゃないかと思うんです。 それはあれしまして次に進みますけれども、料金の問題なんです。今安全にして良質なサービスを提供すると、こうおっしゃっていますけれども、消費者にとって一番のサービスというのはやっぱり安い料金なんです。ところが、この料金の問題というのは全然無視されているというところに非常に怒りがあるわけですよ。例えば、これは後でやりますけれども、軽タク廃止の運輸委員会の会議録を見ましても、一人かほんのわずかの方が消費者のことをおっしゃっているだけで、あとは全部けしからぬとか、生業の問題で、生業といったって千六百人でしょう、その問題しかおっしゃっていない。消費者のことをだれもおっしゃっていないというので、私きょう実はこれの問題取り上げたわけです。衆議院では何か二、三日前、相当消費者の問題あったようですけれども、その辺は、料金というものについてはどういうふうにお考えになっているんですか。
○政府委員(服部経治君) タクシーサービスというものができるだけ低料金で提供されるようにということにつきましては、私どもも日ごろからそういう方向で随分と心がけてきておるつもりでございます。ただしかし、一概に安ければいいというお考えにも私大きな問題があろうというふうに思うわけでございまして、特にこれは私ども今回のMK裁判の判示の中でもそういう問題点を見てとっておるわけでございますけれども、タクシー事業というものの実態というものを、もう少しあの判決といいますか、あの裁判も深く踏まえて判断をしていただければよかったのではないかというふうに感じておるところでございますが、先生これは改めて私御説明するまでもないことと思いますけれども、タクシー事業というものは極端に言えば人件費の塊のような企業でございまして、例えば東京地区のタクシーについて申しますと、その総経費の七八%強が人件費でございます。したがいまして、タクシー運転者、タクシー事業に従事する多くの労働者の労働条件の改善を図っていくためにはどうしても何がしかの人件費の上昇ということは毎年必要になってくるわけでございまして、そういうことをカバーするためには必要最小限度で避けられない経費の増を補うための運賃改定も必要ということでございますので、一概に安ければいいというだけでは、先ほど申しました良質で安全なタクシーサービスというものを、安定的にかつ継続して供給し得る仕組みというものを維持することは難しいのではないかというふうに考えております。 ただ、この点に関しましては私ども全くそれでいいというふうに、そういう考え方の中に安住しているわけでは決してございませんで、もう少しタクシー事業者の方もいろいろな面での経営努力、それは収入の増という面での経営努力、あるいはコストの節減という意味での経営努力、両面にわたる経営努力をもっと真剣に考えていただきたいということは常々考えておりますし、機会あるごとにこれは私自身の口からよく申しておるところでございます。
○木本平八郎君 その前に、何かきょうは非常に時間が切迫しているようなんで、私も簡潔にやりますから、答弁の方も簡潔にやって、できるだけ時間を節約するようにしましょう。 それで、まず料金の考え方についてお聞きしたいのですが、私は統制物価の時代に育ったものですから、料金というのは上限を制限するということでずっときたわけです。売る方の側に立って料金の制限というのを考える、下限を抑えるとこれは業界寄りです。これよりも以上に高く売りなさいということは、これ以上下で売っちゃいけません、ダンピングしちゃいけませんと。ところが、上の方でこれ以上高く売っちゃいけませんということがありますね。ところが、タクシーの場合は同一料金で上も下もいけないということですね。ところが、これは完全に不当競争排除ということであって、業界の利益擁護だけです。消費者にはおよそ、マイナスとは言わないけれども、関係がないと思うんです。今のタクシー料金の考え方というのは、そういう業界寄りというふうに解釈していいんですか。
○政府委員(服部経治君) 決してそのようなことはございません。
○木本平八郎君 では、やはりそこに幅を持たして、これよりも安くてやれるというならそれをやらしてもいいのじゃないかと思いますがね。
○政府委員(服部経治君) 貨物運送事業でございますとか、あるいは貨し切りバスのような、値段というものが一種の商取引行為の中で決定されるものにつきましては、先生御指摘のようなことがほとんどそのまま当てはまるだろうというふうに思いますが、タクシーといいますものは運転者とお客という格好で一対一の関係で利用されるものでございますので、そういう不安定な料金関係を設定することは、間違いなく、かえって利用者の利便を阻害するものだというふうにかたく思っております。
○木本平八郎君 いや、私は値段というのはお客が決めるものだというのをかたく信じているわけですよ、商社に三十何年おりましたので。それで、いわゆる今の局長がおっしゃることもわかるわけです。しかし、それならやっぱりお客との間で、タクシーというのは三段階ぐらいあっていいのじゃないか。今の中型、小型とああいうなにじゃなくて、本当にいろいろなニーズに従ってそれを選択できるということがあってもいいのじゃないかと思うんです。
○政府委員(服部経治君) タクシーの利用関係というものと、一般の例えば家庭の主婦がいろいろな小売店なり、スーパーなり、百貨店なり、そういったところに行って買い物をするケースというのは基本的に違います。一般のそういった買い物をする場合の行動といいますか、ビヘービアというのは、どこに行けばどういう店でどういう物をどういう値段で売っているか、あるいはそのサービスのよしあしまで顧客というのは大体熟知しまして自分の選択を決めるわけでございます。ところが、タクシーの利用というのは、おおむね出会い頭で利用関係が決定されるわけでございます。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)例えば具体的に東京駅の……
○委員長(長田裕二君) 御静粛に願います。
○政府委員(服部経治君) タクシー乗り場等でのタクシーの利用というものをお考えになっていただければ、このことはよくわかると思います。列をなしてタクシーが待っている、お客の方も列をなして待っている。その中で料金の違う二種類、三種類のタクシーがあれば、どうしても選択の際に混乱が生じることは避けられないことだというふうに思っております。
○木本平八郎君 いや、それは局長がおっしゃることもよくわかるんですよ。わかるけれども、しつこくしつこくこれを言っているというのは、あなた方はそれだけを金科玉条にして、それ以外のことはもう考えられないということで頭が硬直化しているんですよ。首を振っておられますけれども、私たちから見たらそうなんですね。 それで、本音を言いますと、今のタクシー代が高いからの怒りなんですよ。私自身がそうなんです。私、今、大船ですけれども、車で帰ると一万八千円ぐらいになるんです、夜中だと。そしたらホテルに泊まった方がいいわけですよ。昔はしょっちゅう酔っ払って帰ったんですよ。このごろ、てめえの金になったら、そう簡単にタクシーで帰れないんですね。本当に情けない話だけどそうなんですよ。 私は前から言っているように、日本のタクシーというのは世界一高いと思っているわけですよ。これはいろいろ理屈もあると思います。こういうふうに同一運賃できて比較的安く抑えられているときなら国民は満足するんですよ。国民はそういう理屈じゃなくて、現実に安いか高いかなんです。みんな私の周りの連中は少なくとも、貧乏人が多いせいか知らないけれども、タクシーは高いから、できるだけ無理しても、荷物を持ってでも、とにかくバスに乗ろう、地下鉄に乗ろうとしている連中が多いんですよ。その辺どうも現在のタクシー料金というのはもう高くなり過ぎているんじゃないかという気がするんです。この点について、後でやりますけれども、まずその御感想をお伺いしたいんですがね。
○政府委員(服部経治君) 現在の日本でのタクシー運賃が安い水準にあるとは決して申せないとは思いますけれども、一方で、先ほど御説明しましたこととも関連いたしますけれども、タクシー事業の経費の七八%はタクシーの運転手の給与で占められておるわけでございます。そのタクシーの運転手の給与水準というものがほかの全産業の給与水準に比べてどの程度のものであるか。これは二割安い水準にあるわけでございます。そういうこともひとつ御勘案いただきたいと思います。
○木本平八郎君 私、後でそれを問題にしようと思ったんですよ。現在タクシードライバーというのは本当に安いと思いますよ。しかしこれは経営の仕方が悪いからだと僕は思っているんですよ。まだまだやり方によったらどんどんタクシードライバーはもうかるはずなんですよ。それがこういうところに抑えられているというのは、やはり仕組み全体が悪いと私は考えているわけですね。この問題は後でやります。 次に、軽貨タクシーの問題についてまずお伺いしたいわけですけれども、局長は、運輸委員会だったと思いますけれども、これを取り締まる一つの理由として、最近暴力的あるいは治安上のトラブルが出ているというふうにおっしゃっていますけれども、具体的にどういうことがあったわけですか。
○政府委員(服部経治君) それは私が御答弁申し上げた内容ではございませんで、議員提案という形で提案をされました提案者の御答弁の中にあった表現でございます。
○木本平八郎君 暴力団が関与してきているということは私も会議録で見たんですけれども、そういうことはあり得ると思うんですよ。あるいは業者同士のトラブルというのは、これはもうしょっちゅうあることですね。国会だって数年前までは何か乱闘騒ぎがあったというぐらいですからね。これは必ず業者同士であるわけです。私が申し上げるのは、消費者あるいはお客さんとの間にそういうトラブルがあったのなら、これはやはり問題だと思うんですが、どうもあの会議録からはそういうことをうかがえないんですけれども、お客さんとか、あるいは一般国民との間にそういうトラブルがあったのかどうか、その点をお聞きしたいわけです。
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘のような意味でのトラブルはございません。
○木本平八郎君 そうすると、軽貨タクの問題は、非常に安い値段でダンピングが行われて業界の秩序を乱しているというのが一番の本音なわけですか。
○政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘の点に加えまして、あと二つばかり申し上げなければいかぬと思いますけれども、一つは、こういった軽貨物自動車によります旅客の有償運送行為というものは、現在の道路運送法がもともと予想していない行為でございまして、したがいまして、旅客運送の安全ないしは旅客に対しますサービスというものを確保するために必要だという観点から、道路運送法が正規のタクシー事業者に課しておりますようなさまざまの規制をこの軽貨物自動車というのは受けておりません。そういう形で法律違反の格好で営業をやっておるものでございまして、その面から許容できないということがございます。 それから、これは違法行為でありますので、そういうことを申し上げるのも何でございますけれども、先生の御趣旨がそういうものを正規の業種として位置づけたらどうかという御趣旨でありまするならば、軽タクシーというのは本当に小そうございますし、お客様は一回四キロとか三キロとか、そういう格好でわずかな時間をお乗りになるだけでございますけれども、これを運転いたします運転者の方は、一日じゅう極めて長時間にわたりましてそういった狭隘な車内で労働するわけでございまして、非常に労働条件が過重されてくる。それから生ずる運転者の疲労の蓄積ということもある。そのことがひいてはサービスの低下にもつながりますし、また安全面への影響ということも無視できない。そういう状況があるわけでございます。 それから安い安いということが最初から出ておるわけでございますが、このタクシー事業の経費の七八%のものが人件費で占められているということから容易に御想像いただけると思いますけれども、仮に小さい車を用いて営業いたしましても、それから生ずるコストの節減というのはせいぜい三%程度のものでございまして、ごく小さいものでございます。したがいまして、期待されるような安い運賃というものはほかの面がきっちりやっておられるならば期待できないはずのものでございまして、その辺の実態につきましては私どもはまだ正確にはつかみ得てはおりませんけれども、今私が想定すれば、そういう事態が予想されるわけでございます。
○木本平八郎君 そういうふうに人件費が非常に高くて大した違いがないのにということだと、なぜそれじゃああいうものがどんどんふえてきたのか。当局が必死になって六千台あったのを一生懸命千六百台にまで抑えたですね。抑えたけれども、なおかつまた爆発してふえようとしているというのは、そこはどういうことなんですかね。
○政府委員(服部経治君) ただいま申し上げたこととも若干重複するかと思いますが、私どもの想定では、あの人たちというのは極めて低賃金での労務提供に依存している、あるいはアルバイト運転手に依存している、あるいは安全面でのコストを非常に切り詰めている、そういった事態が考えられるのではないかというふうに思っているところでございますし、一方、最近こういったものが爆発的に全国に広まってまいりました直接の理由といいますのは、一部の社が軽貨物自動車で貨物も運送できるし、旅客も運送できる、そういうノーハウを教えてあげましょうということで積極的なPR活動を行いまして、一口について三十万円とか、四十万円とかという紹介料を取りまして、入会金でしょうか、取りましてそういったものを呼びかけている、そういうことがあるのが原因だというふうに思っております。
○木本平八郎君 その悪徳な業者というのは、その問題はちょっと別にしまして、まず値段の点から追及したいんです。これは当然のことなんですけれども、結論からいえば、ああいう軽貨タクシーはやる人にとってもうかるからやるわけですね。もうからなければだれもやらないわけですよ。これは経済の一番簡単な論理なんです。二百七十円で十分にペイできるからどんどんふえていることだと思うんですね。
○政府委員(服部経治君) もうかっておりますのは、先ほど申しましたそういう組織といいますか、そういう入会金を取りましてそういうことをやりたいという人を募っている、そういった人たちがもうかっているのだろうと思います。実際そういう呼びかけに応じまして軽貨物事業を始めた人たちは決してもうかっていないというふうに私どもは承知しておりますし、その面での苦情、内部的なトラブルが発生しているということも私ども承知をいたしております。
○木本平八郎君 そういうことが具体的に運輸省あるいは陸運局に訴えられたケースがあるわけですか。
○政府委員(服部経治君) 地方運輸局ないしは支局の方にそういったトラブルが持ち込まれたという例はもちろんございません。
○木本平八郎君 その辺が我々としては納得できないわけですね。こういうものというのは一つの時代の流れというか、ニーズによって発生してきたものだ。したがって、私は結論的に申し上げて、今度のああいう法で禁止してもまた出てきますよ。これはゴキブリかハエみたいなもので追っても追ってもどんどんどんどん出てきますね。基本的なところにメスを入れない限り、台所を掃除しない限りゴキブリを抑えることができないというのと私は同じだと思うわけです。その辺で今度のケースも最終的には消費者を納得させられるような方策を同時に講じていかないと、あれだけ抑えたからもうこれで事済んだと思ったら、また次にいろいろ出てきますよ。運転代行とかなんとかいろいろ必ずそういうふうなものが出てくると思うんですね。 それで、もう一度先ほどの二百七十円というのをお聞きしたいんです。私も実は実情はよく知らないんです、いろいろデータはもらっていますけれども。車両費その他が安いと三%ぐらいしか影響しない。それで四百七十円がなぜ二百七十円でできるのかということです。先ほども運転手、ドライバーの人から訴えも出てないということなら、なぜできるのかというところをひとつ、今御検討中なら御検討中でもいいんです。
○政府委員(服部経治君) 先ほども申し上げたところでございますけれども、なぜそんな普通のタクシーの四割安ぐらいの低料金でそういったサービスを提供できているのかという実態につきましては、残念ながら、現在私ども調査中ではございますが、明確に申し上げる段階までは至っておりません。ただ、現時点で想定できることというのは、先ほど申しましたとおり、一つには極めて低賃金の労務提供に依存しているという可能性、それからアルバイト運転手に依存しているであろうという可能性、それから安全面での諸経費を極めて切り詰めているであろうという可能性、そういったことがあるのだというふうに思っております。それから彼らは違法な行為を行っておりますので、そういうことから生ずるトラブルを陸運局の方に持ってこないのは、これはもう当然でございまして、内部でのトラブルがあるように聞いておるというのは私どもいろんな筋からの情報でもって承知しているところでございます。
○木本平八郎君 可能性とか、そういう違法だからということでやらずに、行政というのはもっと温かく、どうしてそういうことが起こっているのか、本当に彼らは大丈夫なのかを見て、違法は違法だけれども、そういう働いている人たちの実態をもっと見てからやらないとね。可能性があるといっていきなり東京で判断して禁止しちゃうということではうまくいかないんじゃないか。 私、この問題は、時間がなくなってきたので次にやりますけれども、要するにどうしてもうかっているかというと、実車率の問題だと思うんですよ、稼働率の問題だと思うんですね。彼らの話を聞くと六二%だというんですね。今一般のは、運輸省からもらった統計やいろいろありますけれども、大体五一、二%ですね。大阪やあるいは名古屋なんかで四十何%になっているわけですね。この実車率というのをこれから問題にしたいんですけれども、非常にこれが重要だと思うんですよ。 そういう点で、私、実は運輸省からいただいたデータに基づいて、あるいは私が集めたデータに基づいて自分で分析したわけです。私は専門家じゃないので、これは後でじっくり運輸省の方で別途やっていただきたいのですが、それによりますと、運輸省が法人タクシーの平均として、全部四百七十円換算で一応合わせてみたわけですけれども、そうしますと、いろいろパーセンテージがありますので後でこの資料はお渡ししてもいいですけれども、要するに人件費だけ考えますと、法人タクシーの平均というのは四百七十円の中の三百六十八円なんですね。それから某法人タクシーからのデータでは三百六円なんです。それから個人タクシーの場合は二百七十八円なんですね。軽貨タクシー、これは甲と乙とありまして、これは二百十二円と二百六十六円になっているんですね。これはいかにも安いようですけれども、これは単価掛ける量ですから、量が大きければもうかるわけですね、単価が低くても。 そういう計算からいきますと、燃料費その他いろいろありまして、四百七十円の中に含まれる利益が、法人タクシーは、私少し少な過ぎると思いますけれども、四円だというんですね。一%切っているわけです。それから某法人タクシーの場合は二十円あるわけです。それから個人タクシーの場合は利益が十四円。軽貨タクシーの甲の場合は一日の売り上げが三万円だというのですけれども、その中には百六円の利益を含んでいるんですね、人件費以外に。それから軽貨タクシーの乙では五十四円、甲の半分なんです。こういうふうに彼らは相当利益も計上しているわけです。 これはなぜかというと、単価は非常に安くてもそのトータルで回転率、実車率が非常にいいもんだから大きくなるわけですね。この辺はどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(服部経治君) タクシーの営業によります収入の計算というのは、先生御指摘のとおり料金水準だけでなくて、実車率あるいはそれ掛ける走行キロといったようなものもかみ合わせて計算しなければなりません。したがいまして、実車率が非常に高ければ低運賃を補うということは無論可能でございますが、今申されましたように軽タクシーの実車率というのが仮に六二%であるといたしますと、その面では普通のタクシーの場合の二割増ぐらいになっております。しかし先ほど申しましたように運賃自体が四割安でございます。 それから走行キロというものを私は把握しておりませんけれども、走行キロが何割減であるのかということも重要な要素でございますので、そういうものも全部子細に把握いたしました上で結論を出したいというふうに思っております。
○木本平八郎君 運輸省にもマーケッティングだとかオペレーションリサーチの専門家がいろいろおられると思いますので、これはぜひ計算していただきたいわけです。 今五二%と六二%というのは、実車率で二割の差だとおっしゃったでしょう。これは非常に大きな間違いなんですよ。大きな間違いというのは、稼働率というのは六二%と五二%だと七、八割違うはずなんですね、利益の上では。このタクシーというのは原価構成を見ますと、人件費が七七、八%で、変動比率がいかにも高いように思いますね。ところが、このドライバーというのは簡単に解雇できないんです。これは固定費と見なければいかぬわけですよ、一般の会社なんかと同じように。そうしますと、タクシーの先ほどの料金というのはほとんどが固定費なんです。燃料費だけなんです。燃料費というのは運輸省の出された中では八・三%ですね、八・三%しかないんですよ。あとは全部ほとんどが固定費と考えられるわけですね。固定費というのは、固定費が非常に高いと損益分岐点が高くなるわけです。そうしますと売り上げのちょっとの伸びですぐ黒字になっちゃうんですね。だから、かつての装置産業のように、売り上げが伸びればぐんと物すごくもうかるわけです。ところが、売り上げが停滞すれば一遍に赤字になっちゃうんですね。タクシー産業はまさにその極端をいっているわけです。そういう点のコスト構成だからこの稼働率というのは非常に大きく影響するわけです。その点どういうふうにお考えですか。
○政府委員(服部経治君) 一つのお説であると思って拝聴いたしておりましたが、私ども全面的にそうだというふうに考えているわけではございません。
○木本平八郎君 それで、五二%以上の実車率になると乗車拒否が起こる、だから五二%以上にはさせないのだというふうな行政指導の方針のようですけれども、それじゃ、ちょっと答弁してください。
○政府委員(服部経治君) 私どもが経験的に知っておりますことといたしまして、実車率が六五%というような数字になりますと乗車拒否等が起こってくるといいますか、その場合に非常に利用しにくくなる。非常に実感としてタクシー利用する場合に利用がしにくくなるというのが六五%という数字だというふうに承知しております。
○木本平八郎君 そういう点で、一応今の五二%というのは心ならずもそこまで下がっているということなんでしょうけれども、それにしてはしょっちゅう運賃を上げられているでしょう。五二%や三%でしょっちゅう運賃上げています。運賃を上げるたびに実車率下がってしまうという悪循環を繰り返しているわけです。 もう時間がないので簡単に言いますけれども、要するにタクシー業界というのは運賃を上げてやっているだけで、実車率上げようとか競争の原理が入っていないわけでしょう。したがって、こういういつまでも二年ごとに運賃上げられると甘えて、私に言わせれば経営努力も全然やってないという感じがするわけです。しかも、これは非常に重要なんですけれども、そのしわ寄せがこんな実車率が五二%だったらドライバーの労働強化になって、それでペイがよくないというのはここなんですよ。したがって、この辺は基本的にこの際タクシーの経営のあり方というものを、内政干渉になっては困りますけれども、やはり指導して、基本的に考え直させなければいかぬじゃないか。このままやったら私はまた、これ差し支えあるかもしらぬけれども、行政が業界をつぶしたというなにしますよ。ほかにも、農林のときにも、もう農業をつぶしたのは農林行政だと私は言ったのですけれども、これと同じことをやって、このままじゃいつまでたってもタクシー業界というのは浮かばれませんよ。それでみんな、経営者はどうか知りませんけれども、あのドライバーの人たちもこれ以上絶対うまくならない。それで消費者の方もどんどんタクシー離れして、そして高いタクシーに乗せられて、もうふんまんばかり出てくる。片一方は先ほどの軽タクのようなことが出てくる。それを一生懸命ゴキブリを押さえて走っているという、そういうことの繰り返しになると思うんですが、その辺いかがですか。
○政府委員(服部経治君) ただいまの先生の御指摘の中には、随分いろいろな問題点が含まれておったと思いますけれども、かいつまんで御答弁申し上げさしていただきますが、まず実車率が低くなっていることの一番大きな理由というのは、五十四年の第二次オイルショック以降の景気の低迷と、それの長期化によりましてタクシー需要というものが手控えられてきているということが一番に挙げられようと思います。そのほかといたしまして、マイカーの普及でございますとか、あるいは先生も御指摘になりましたようなタクシー運賃の水準と、タクシーと競合する他の輸送機関の運賃水準との相対的な関係でありますとか、あるいはタクシーの運賃というものがそれ自体としてやや高目感を生んでいるというようなことも確かにあろうかと思います。そういったことが複合的に絡み合いまして現在の実車率の長期的な低迷の状況というものを生み出しているのだというふうに思っております。 それから、事業者の企業努力の点でございますが、これはもう大変に多い事業者の数でございますから、中には適正な経営努力を怠っているものもございますけれども、しかし一方では、やはりこういうことではいかぬということで一生懸命に前向きの努力をしてきている経営者も私どもたくさん知っております。そういうことではございますけれども、私どもといたしましては、現実のMK裁判でございますとか、あるいは軽タクシー問題でありますとか、そういうものへの対応は対応として、これは私ども明確な線を打ち出していかなければいかぬわけでございますが、そういうことを含めまして、現在のタクシー事業のあり方、あるいは私どもタクシー行政のあり方に対する一つの重い意味を持った警鐘であるというふうに受けとめるべきであるという先生の御指摘は、まさにそのとおりだというふうに思っております。
○木本平八郎君 最後に一応繰り返して、タクシー問題の諸悪の根源は、私はやはり値段が高くなってしまったということ、高いことじゃなくて高くなってしまったということ、それからタクシー行政にあるということを重ねて指摘しまして、一分だけ時間残して私の質問を終わります。
○委員長(長田裕二君) 以上で木本君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(長田裕二君) 次に、野末陳平君の一般質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 私は、きょうは自衛隊の高齢化問題、それから皇室関係、それから国民年金の保険料、これについてやりたいと思います。 まず厚生省ですが、国民年金の保険料ですが、最近滞納している人がふえてきている。どの程度にふえているのか、そしてその理由を政府はどういうふうに分析をしているのか。その分析の理由が一番聞きたいのですが、いかがですか。
○国務大臣(増岡博之君) 国民年金保険料の滞納者数については統計はございませんけれども、収納率を示す数字として昭和五十八年度で九四・六%でございますので、五・四%が滞納されております。 これを年次別に見ますと、収納率が五十五年度で九六・一、五十六年度で九五・七、五十七年度で九五・二、五十八年度で九四・六となっております。徐々にではありますが、最近滞納が増加している状態でございます。
○野末陳平君 理由は。
○国務大臣(増岡博之君) その主な理由は、一般的には最近の経済情勢が影響しておると思われますけれども、私どもといたしましても、保険料が三カ月分まとめて納付する建前になっていること、このことが保険料納付を困難にしておる一つの原因と考えております。
○野末陳平君 まさにいろいろな経済的事情ありますけれども、この三カ月納付の仕方というのは、これから国民年金の保険料が上がっていくことが予想されるときに、例えば自営業の夫婦などだと今でも一どきに三万七千円ばかり。そうすると、これから四万円を超えるということになりますと、これはやはりなかなか一度に払うのはきつい、こういうふうになるのは当然なんです。ですから、いわゆるサボり、うっかりなんて悪口は言われますが、やむを得ず滞納していく、こういうふうな事情が大いにある。 そこで、この三カ月分まとめて払うという納付法は不親切なんで、これを一カ月ごとに払えるように全国的にきちっと制度化しないといけないと思いますので、年金法改正を前にして、この点はっきりさしておきたいんです。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように、これから保険料は本格的な高齢社会になりますとともに上がらざるを得ないと思いますから、三カ月分というとかなりの金額になります。したがいまして、おっしゃるように三カ月分でなく、一カ月ごとに払うという制度も、内部でもいろいろ相談をしておるわけでございますけれども、今後早急に実現をしなければならないというふうに思っております。
○野末陳平君 これはもうすぐ実現しなければいけないと思うのです。自治体によってはやってくれている。しかしやってくれてないところが多いというのはおかしいんです。じゃ国民年金の保険料納付の利用状況ですね、納付組織もあれば、自分で出向くのもあるんですが、その納付の利用状況についてそれぞれ何%ぐらいかも含めてお答えください。
○国務大臣(増岡博之君) 納付のやり方でございますけれども、民間の地区組織を通じて納付する方法と、それから金融機関の口座から自動振替にするやり方と、もう一つは金融機関や市町村の窓口でその都度直接納付する方法等が考えられますけれども、昭和五十八年度末の納付方法の利用状況としましては、民間の地区組織を通じておりますものが三九%でございます。口座振替による納付が一九・六%でございます。金融機関や市町村の窓口で直接納付している割合が四一・四%となっております。
○野末陳平君 つまり自分で窓口に出向くというのは、これが一カ月単位になりますとまた手間もかかってくる。そこで私、一カ月ごとの支払いを早く実現するべきだ、また実現はしてくれるんでしょうが、口座振替の件数が二〇%までいってない。これは非常に低いですね。電気料金、電話料金、NHKなども含めまして口座振替を利用しているのは今七〇%平均ですから、そうすると国民年金については非常に低いので、なぜこんなに低率なのか。今や税金でも非常に積極的に口座振替を進めていますから率が上がりましたが、国民年金は低過ぎる。これはどういう理由ですか。
○国務大臣(増岡博之君) これは従来からの物の考え方で、できるだけ地域組織を活用いたそうということでございまして、御指摘のように、ほかのいろいろ各種料金の徴収のやり方と比べまして、端的に申しますと相当古いやり方だと言われてもやむを得ないと思います。
○野末陳平君 そこで私は、払いやすい方法を考えるということも非常に大事なんで、これから滞納がふえていくという傾向があるとするならなおのこと一カ月単位にすることが第一。それから自分で出向くという手間を、なかなか今忙しくてかけられないから口座振替にして自動的に引き落とす、こういう方法にしていくことがやはりサービスである。そこでこの口座振替の率をもっと上げて払いやすくするようにしなければいけない、こう思うんですね。これを積極的に推進した方がいいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(増岡博之君) ただいままでの御意見を交えましてのお尋ねのとおりでございます。これは保険に入っておられる方々の便利でありますと同時に、国民年金事業全体の健全な運営のためにも必要なことでございますので、御指摘のような毎月納付の推進と口座振替の推進をやってまいらなければならないと思います。 そこで、いつごろからということを考えますと、今般年金法改正をお願いしておりますので、それが終わりましてできるだけ速やかに、これも部分的ではなくて全国的に毎月納付に移行することを予定いたしておりますから、口座振替の場合につきましても、なるべく一日も早くその推進を図ってまいりたいというふうに思います。
○野末陳平君 参考までにコストを聞くんですが、一件当たりの手数料、口座振替の場合は現状で一体幾らぐらいになっているか。それから納付組織を通じた場合には手数料はどのくらいになっているか。そうして平均コスト。その辺で比較をしてください。
○国務大臣(増岡博之君) コストの件でございますけれども、口座振替の場合の経費が一件当たり四十円程度になっております。一方、納付組織による保険料収納にかかわる委託手数料に当たるものが一件当たり十五円ないし二百円ということでございますから、口座振替の方が低コストの傾向と思われます。
○野末陳平君 この組織を通じての事務費で四百十六億円というのがありますが、これが大体そのコストに当たっているんですか、組織を通じた場合の。
○国務大臣(増岡博之君) 詳細の数字がございませんけれども、恐らく大部分がそうであろうと思います。
○野末陳平君 いずれにしても、都会では口座振替か自分で窓口に出向くか、どちらかが多いと思いますね。地方では組織なぞを通じてと思いますが、人が動くだけにこちらも割高ですから、これも口座振替になればその方がよかろうと思います。その前に窓口に自分で出向くという納付の方法、これを口座振替にできるだけ切りかえていくということが急務だろうと思いますので、これは先ほどからも前向きの答弁がありましたけれども、銀行にもう少し手数料を安くする交渉なぞして公共料金並みにやってみたらどうなんですか。
○国務大臣(増岡博之君) 私もその点今初めてお伺いしました、大変大切なヒントであろうと思います。よく検討させていただきたいと思います。
○野末陳平君 この年金の問題については少しサービスが足りないと思うんですね。もちろん理解度の不足とかいろんな点ありますが、納付する側の立場に立った配慮が少し今まで足りな過ぎたと思うんです。銀行にしても年金の受け取りの方はわが行でという大宣伝はやるけれども、保険料納付のときの便宜を図るという方のPRは余りしてないんで、これは厚生省も悪いんだけれども、どちらにしても、一番利用しやすい、しかも通帳から自動的に引き落とされるという形式をとるべきなのが一番おくれていた。この辺の反省は必要だと思うんですよ。都会では特に、大蔵大臣にもお願いしておきますが、銀行にも指導して、国民年金の保険料は、サラリーマンの場合は源泉徴収ですけれども、自分で持っていく、つい忘れる、つい面倒くさくなるという面もありますので、そうすると本人の将来のためにかえってマイナスですから、銀行にも強力な指導をこれはお願いしておきたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 私もわかるような気がいたしますので、厚生省とも相談いたしまして私どもの方で指導すべき点があれば十分指導してまいりたいと思います。
○野末陳平君 それからこの免除の方ですね、今免除を受けている人は大分ふえてきたと思いますけれども、どの程度にふえてきているのか、そのふえ方が気になりますが、これはどうでしょうか。
○政府委員(長尾立子君) お答えを申し上げます。 最近の保険料免除の件数の動向を五カ年の各年度末の免除者数で申し上げますと、昭和五十四年度末現在が二百九万八千人、昭和五十五年度末現在が二百三十三万人、五十六年度末現在が二百五十三万七千人、五十七年度末現在が二百八十四万三千人、五十八年度末現在で三百九万三千人となっておるわけでございます。 今後の見通しということでございますけれども、この免除者数の動向を見ますと、一般的には社会経済情勢との関連が認められるところでございますが、現段階では、今後の見通しというものにつきまして正確な数字を申し上げるということは困難でございます。
○野末陳平君 しかし、これから免除を申請する人はもっとふえてくると思うんです。そこで、激増しているこの理由ですが、経済的な事情が一番多いんですが、同時に年金についての知識の足りなさといいますか、これもかなり影響しているのだという気がするのですが、その点については厚生省はどういうふうに考えていますか。
○政府委員(長尾立子君) お答えを申し上げます。 今、最近五年間の数字を申し上げたわけでございますが、国民年金が始まりました昭和三十六年度以降の免除者の状況を見ますと、当初は実は免除率はある程度高かったのでございますが、その後、年金受給者が出ました昭和四十年度後半あたりになりまして、免除の率が非常に下がってきたという状況がございます。それが近年、今も申し上げましたように、上がってきたというような状況にあるわけでございます。こういう状況を考えますと、国民年金制度が国民の中に非常に定着してきておるということは言えるのではないかと思うのでございますが、先ほど来御意見がございましたように、国民年金の保険料の納付の方法が三カ月に一度まとめて払うというようなことでございますとか、御自分が金融機関の窓口へ行って納めていただくというような形をとっておりますことも、保険料を納めていただくということにつきましていろいろ困難になっているという面があるのではないかと思います。
○野末陳平君 その点は私もそう思っているんです。一カ月単位にするのと口座振替などにする便宜を図ってあげれば、大分考えは違ってくると思うんです。現に、免除されることは今はいいけれども、将来やはり自分にとって必ずしもプラスでないということがわかれば、頑張る人だってふえるわけです。当局のやり方にその点の細かい配慮までがないような気がしているので、さっきの厚生大臣のお答えのとおりになれば、こういう免除申請もあるいは免除認可される人も減っていくだろう、こういうふうに思います。それだけに、ここで免除の基準をすぐ見直すということはどうかなという気がしているのですが、この免除基準の見直しについてはどういう考えですか。
○政府委員(長尾立子君) お答えを申し上げます。 現在の免除基準は、法律上免除されます法定免除、生活保護を受けておられますとか障害福祉年金を受けておられますとか、こういった法定免除のほかに、御本人の申請によりまして免除を受けるという仕組みになっております。この申請によります免除の基準でございますが、被保険者の方御本人及び被保険者の配偶者、その方の世帯主のいずれもが所得税を課税されてないというような場合におきまして、これを審査していくわけでございます。市町村民税の均等割、これが今申し上げました三者につきまして課税されてないというようなケースの方につきましては申請があれば必ず免除をするという形でございます。 問題は、この所得税を課税されております方と市町村民税の均等割を課税されてない方との間の状況にある方についての取り扱いということになろうかと思いますが、この点につきましては、世帯の人数でございますとか固定資産の保有しておられます状況等に応じまして、一定の点数制をもちまして判断をしていくという指導をとっておるわけでございます。果たして、こういった現在の私どもの基準が実態に即したものかどうか、これは先生御指摘のように、社会経済情勢の状況に応じまして見直していかなくてはならないものというふうに思っておりますけれども、私どもとしては、さしあたりは私どもが示しておりますこの基準が適正に通用されているのかどうか、こういった点数のほかに、例えば前年度の所得と本年度の所得が大幅に違います場合、例えば災害等を受けた場合が典型的な例でございますが、こういった場合につきましては個別に認める特例承認ということをやっておるわけでございますが、こういった運用が適正に行われているかどうかということにつきましての指導を強化するという方向で考えておるわけでございます。
○野末陳平君 いずれにしても、その辺のところは非常にこれから難しくなると思いますが、まず何よりも払いやすい方法を考えて将来のための道を開くという、頑張れば頑張れる人までがつい免除の申請をしようかなんということもあり得ますので、これからきめの細かいところを納付の利用方法について一番積極的にやってもらいたいと思うのですが、ひとつそれをお願いして次に移りたいと思います。厚生大臣ありがとうございました。 今度は自衛隊の方をやりますけれども、陸上自衛隊についてですが、まるで素朴な疑問を幾つか防衛庁長官にお聞きしたいと思うのです。 退職自衛官の数なんですが、六十年度はどのくらいの人数で、支払われる退職金がどのくらいか、これは政府委員でいいんです。
○政府委員(友藤一隆君) お答えいたします。 六十年度の退職予定自衛官の数でございますが、任期制と非任期制ございますので、全体を申し上げますと六十年度では大体約二万三千ぐらいの人数が退職されるわけでございますけれども、そのうち定年退職者につきましては、勧奨も一部含みますが、約六千百人というふうに見積もっております。退職手当の金額は約千百五十四億円、定年退職者について見積もっております。
○野末陳平君 今度は、これからの自衛官の退職見込みですけれども、今の数字に当てはめていって数年先までその辺はどうなるのか。退職手当の金額は難しいのでしょうが、人数の推移は。
○政府委員(友藤一隆君) 六十一年度以降の自衛官の定年退職者につきましては、中途退職とかあるいは昇任等の要因が不確定でございますので、正確な見積もりというのはなかなか困難でございますが、概略では六十一年度では六十年度より約千人程度増加する見通しでございます。さらに数年間六千人台が、後半から七千人前後が続くというふうに見積もっております。
○野末陳平君 そうしますと、これから数年は七千人前後の退職者が出る。そうすると、支払われる退職手当もかなりなものであろうと、こう予想される。そうすると大蔵大臣、これはどうやら一%の枠内でおさめるということになると、超人間的な努力でもしないと、最善の努力なんというのじゃおさまらないぐらいに相当きついだろうと思うのですが、来年はこの部分に対して何かウルトラCでも使うんですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、自衛隊が始まりまして、それで大体そのときお入りになった方々が定年ないし定年に近いと申しましょうか、そういう人的配置になっておるようでございますが、そこのところは人事配置の上で適切な措置がとられておるようでございます。したがって、今度は退職金の問題でございますけれども、その問題は、私は五十九年度予算のときにいろいろ一挙に公務員の方の六十歳定年の問題等で苦労いたしましたので、事情を勘案よろしきを得て私はそれには対応しなければならぬと思っております。
○野末陳平君 ちょっとはっきりわからなかったんだけれども、全然わからないな。その事情よろしきが非常に受け取りにくいんですね。聞くところによれば、この退職手当の金額がかさんでいくので、定年を引き下げてなるべく払わないようにして先送りにしようとしたとか、あれやこれやと両方折衝があったやに聞いているので、そういうこともまたこれからもやっていくのか、その辺のことを具体的に聞いたのです。
○政府委員(吉野良彦君) 一つは、世上伝えられました六十年度予算編成の過程で、財政当局が、五十九年度まで防衛庁の方でやっていただいておりましたいわゆる定年の延長につきまして、六十年度以降も延長を考えてはどうかという御提案を財政当局が申し上げたというふうに伝えられましたことに関係があるのではないかというふうに思います。私どもは財政事情にのみ着目をしてそういった下相談を申し上げたわけでは決してございませんで、従来も防衛庁の方では、自衛官の処遇の改善あるいは人事管理の円滑化というような観点からやってこられたわけでございます。 ただいま御指摘ございましたように、六十年度から、五十九年度までに比べますと定年で退職をされます方の人数が急にふえてまいります。ふえてまいりますと、これは私どもの素人判断でございますが、一遍にそうたくさんおやめになると、自衛隊自体の管理上も適用上も、あるいは問題が生ずるのではないかというような心配を素人なりにいたしまして、そうであれば、そう急激に退職者が出て、穴を埋めるのも大変なんではないかというようなこともございまして、そういった御提案を申し上げたことがございますが、防衛庁の方ではそういった心配はないというようなことで、その問題はなくなったわけでございます。 それから六十一年度以降の問題でございますが、六十年度は、御指摘のように、急激に退職者数がふえましたが、ふえ方といたしましては、六十一年度以降は五十九年度から六十年度に比べてのふえ方に比べますと小さくなりますので、そういう意味では、六十年度に比べますと増加の圧力としては相対的に小さくなるのではないか、そういうふうに考えております。
○野末陳平君 圧力としては小さくても金額的には小さくないんで、またふえるので、またその辺が大蔵省心配なんでしょうが、今の大蔵省の変な、まあ変なではないんだが、提案、あれは非常に困る面があるんですよ。僕が心配なのは、自衛隊の、特に陸上自衛隊の老齢化です。これはちょっと素朴に憂うべき状態だとこう思うんです。 たまたま外国人向けの日本紹介のこういう雑誌があるんですが、ここに出ているんです。日本の陸上自衛隊は、要するに三日間の野戦訓練で部隊についていけないお孫さん持ちの熟年兵士が大勢いると書いてあるんです。そして見出しが、何と「グレイ・ヘアズ・イン・ザ・ランクス」ですからね。しらがまじりの下士官たちと、こういう意味ですね。こういうのが出ている。果たしてこれ事実かどうか。そしてもし事実であれば、これは非常に心配じゃないか、こう思ったりするんで、防衛庁長官に聞きますけれども、今、自衛隊の、陸上自衛隊でいいんですが、平均年齢というのはどのぐらいになりましたか。
○国務大臣(加藤紘一君) 自衛官全体の平均年齢は、現在、五十九年四月三十日で見ますと約三十二歳、それから幹部自衛官でいきますと四十一歳でございます。
○野末陳平君 ですから、これがせいぜい二十代後半だと思うのが常識で、僕、友達に聞いてもみんなそうなんですね。ところが、三二・四歳というと、やはりこれは老けているなと、こういう気がするんですが、その幹部自衛官の中で定年が近い五十歳以上という人たちの占める割合というのはどのぐらいになってますか。
○国務大臣(加藤紘一君) 幹部に占めます五十歳以上の割合は約二割、五十九年当初で一八・五%で、五十九年末で約二〇%ということになっております。
○野末陳平君 僕、昔調べたときは、そんなことなかったんですね。五、六年前は二%前後だったと思うんですが、それはどうでしたか。
○政府委員(友藤一隆君) お答えいたします。 御案内のとおり、昭和五十四年度から定年延長を実施いたしましたので、定年延長を実施いたします五十四年四月の値では、幹部自衛官に占めます五十歳以上の割合でございますか、これが二・四%ということでございます。
○野末陳平君 二・四が二〇%、十倍になっちゃうというのは、定年延長も関係あるんですね。しかし幹部自衛官の五人に一人が五十歳以上ということに簡単に言えばなっちゃうんですが、例えばこれは比較はできませんけれども、アメリカあたりだったらばどの程度の割合なんでしょうか。
○政府委員(友藤一隆君) お答えいたします。 諸外国の例については十分な資料がございませんが、米国の例で申し上げますと、五十七年末の数字でございますが、准士官以上で平均年齢が三十三歳、五十一歳以上の割合は一・五%というふうに承知をいたしております。
○野末陳平君 定年延長しないでいる時点においては、そんなに変わりなかったんでしょうけれども、こういう事情になったのはやむを得ないんですが、そこで軍隊の常識からいって、四十五歳までしか兵士としては使いものにならない、それ以上は老兵である、こういうことも聞くんですね。この雑誌にもやっぱりそういう点が書いてありまして、かわいそうに熟年の兵士たちは、要するに真っ先に疲れて動けなくなっちゃって、戦闘訓練は全く無理であると。これは若干茶化しぎみかもしれませんが、そういうふうに書いてあるんだが、この実態はどうなっているんですか、この辺は。
○政府委員(友藤一隆君) 先ほど申し上げましたように、昭和五十四年度から定年延長を実施いたしましたが、それまでは大体九割以上の者が定年が五十でございましたので、当然、率は非常に低かったわけでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、定年延長を実施いたしました結果、定年が延びたわけでございますが、私どもとしましては、自衛隊の生命でございます精強性が下がりませんように、その辺につきましては人事配置等で考慮をいたしておるわけでございますけれども、雑誌に出ましたような、一部そういった非常に長期間過激な行動をするというような場合でございますとか、あるいは長期の航海、こういった場合については、年齢によりましては体力の限界がある者も当然出てくるという前提で、私どもとしましてはそういったことが部隊全体としての任務の遂行に支障を及ぼさないように人事配置等で後方部隊等の配置も含めまして現在対応をいたしておる、こういう状況でございます。
○野末陳平君 いずれ日本も高齢化社会と言われるのでしょうけれども、それに先立って自衛隊が高齢化社会になっちゃうのじゃ非常に心配なんですが、昔の経験が役に立つような時代じゃもうないんですが、具体的にいわゆる老害ですね、それがどの程度あるのか。素人ですからお聞きするんですが、例えば五十過ぎて老眼で近代計器などが読み取れないとか、そういう心配があるんじゃないか。あるいはレーダーサイトでスクリーンの小さい点をつい見落としてとか、そのような弊害も当然考えられる、現実にあるんじゃなかろうかというぐらいに思うんですが、現場サイドで率直に聞かせてほしいんですが、いかがですか。
○政府委員(友藤一隆君) 確かにお尋ねのとおり、五十過ぎともなりますと目も悪くなるわけでございますし、持久力もだんだん落ちてくる、敏捷性も減少するわけでございまして、お尋ねのように、例えば長期間行軍する場合でございますとか、あるいはレーダーサイトのレーダーをじっと見詰める、あるいは長期の航海に従事する、こういった場合には、当然罹患率も年齢相応に高くなってまいりますので、おのずから制約が出るわけでございまして、仮にそういった配置に高齢者ばかりをつけますと支障が出ることも十分予想されるわけでございますが、やはり私どもとしましては、全体的にそういった方は当然経験も知識も豊富でございますし指導力も十分ございますので、後方の教育部隊でございますとかあるいは補給部隊、こういったところで全体的に効率がよくなるような配置に置いて任務遂行上支障がないように、全体の精強性を落とさないような範囲内で処遇の改善あるいは人材の有効活用といった点を考慮いたしまして定年延長等を五十四年から実施をしておるということでございまして、そういった弊害が出ませんように、先ほど申し上げましたように人事配置等の面で最大限の工夫を現在凝らしておるということでございます。
○野末陳平君 どうも今のは、弊害が大分出ているのを苦心惨たん何とかつじつまを合わせているような感じですが、別にそれを余り言いたくないわけですよ。つまりこういうふうになってくると国民も心配になってくると思うんですね。 長官に聞くけれども、視察であなたはそういう実態をいろいろごらんになったと思うんですが、率直なところ今のような状態、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 確かに自衛隊の高齢化の問題はいろいろ御議論いただくような状況になってきたかなと、こう思っております。ただ、四十五歳以上は体力的にもうだめなんじゃないかというお話でございますが、私も今四十五でございますけれども、昔に比べて日本人男子の体力は少し全体的に、四十五になったらもう老齢という感じではないんじゃないかなと。例えば、ごく最近北海道の一線部隊に行ってきましたけれども、連隊長がたしか四十七歳か四十八歳でございましたけれども、これも行軍やそれから訓練の先頭に立ってやっておりましたし、きびきび動くような感じでございまして、まあ大丈夫なんじゃないかなという感じがいたしております。ただ、御承知のように今までの定年延長というのは防衛庁かなりやる気でやってきたんですけれども、かなりぎりぎりのところまで来ておりますということは事実で、今委員御指摘のような幾つかの弊害が出ていることも事実だと思います。
○野末陳平君 まあ何といいますか、頑張れる人もいるにしたって若い方がいいに決まっているわけでして、いろいろな事情でこうなってしまったのはやむを得ないんだが、これからの問題が一番気になるというところなんですね。 大蔵大臣、これは大蔵省に責任あるとは言いませんけれども、やはり定年延長なども結果的にこういう弊害につながっているんで、どうですか。こういう熟年兵とか老兵ばかりが中心になっているような自衛隊でいわゆる国が守れるのか、自衛隊として役に立つのか、災害救助ならともかくとして。どういうふうに考えますか。
○国務大臣(竹下登君) これは先ほどお答えしたことがわかりにくかったというのは吉野主計局長から補足して説明して正確になりましたが、この老兵隊問題というのは実は私が最初持ち出したわけでございます。 〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕 というのは、一挙にこれだけの人がやめていくと、皆新しい人が入ってくると、だれかやっぱり気をつけとか休めとか基本的なことを教える人がいないことには、手と足と一緒に出るようになっちゃ、それはいかぬじゃないか、そういう議論を私がいたしました。ところが、今日までの限界としてぎりぎりそういう基礎的なことを指導する人と新しい人との人事配置がうまくいっている。 そして、そのとき議論しましたときに、たまたま本院議員であります嶋崎国務大臣もおりまして、彼は歩兵砲でございましたから大砲を担ぐというのは今自分が担ぐ能力がないと。自分がかつて二十歳で担いだことと今の年齢と混同しておるんじゃないかというような感じもしましたが、そういう議論をいろいろした結果、今防衛庁長官から言われたように、今の人事配置というのはかなり積極的にやってきた、したがって、人事配置は非常に適切に行われておるという説明で私がおりた、まあおりたといいますか、私の方が説得をされたということで、なるほど現状の配置というものはそういう肉体的に見ても、あるいは経験の度合い等から見ても、そしてやめていかれる人と新しく入ってこられる人のバランスから見ても適切だというふうに私はそのとき理解をいたしまし た。 老兵対策という言葉を使ったことそのものが私としては後からいささか不見識と申しますか、そんな言葉を使うべきでなかったということを、私よりも十五歳下の防衛庁長官に私がお断りをしたということがございました。
○野末陳平君 老兵対策だからまずいので、熟年兵対策と言っておけばよかったと思いますけれども、それにしても信用しているんですけれども、やはり頼りになる自衛隊にするに今のままの年齢構成でいいわけないので、ひとつ若返り計画といいますか、中長期のこの若返り計画のようなものをつくらなければいけないのじゃないかと思うんで、中曽根さんみたいに近代装備幾ら誇ったところで、肝心の人が役に立たないというか、十分機能しなければしようがないんじゃないですか。ですから、若い長官の間にやはり陸上自衛隊の若返り計画というのをきちっと策定すべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(加藤紘一君) この熟年対策という問題とか、定年対策の問題というのは実はいろいろな観点でいろいろな要素が含まれていると思います。私たちが五十四年からやりました定年延長というのは実はやる気でやったものでございまして、防衛庁がそうさせてもらいたいと思って大蔵にも要求してやったというのが事実だと思います。 それはなぜかといいますと、日本の場合、終身雇用制の社会なものですから、自衛隊員が例えば五十蔵前後で退職しますと、その後の第二の人生の探し場所が非常に難しい。だから、できるだけ長く自衛隊の中に、職場におらせてほしいという隊員の希望がございました。そこで、その生活の安定というのを片方で考えまして、と同時にさっき局長が申しましたように、やっぱり精強性が必要で動き回らなければならぬ部門でございますので、余り年とっちゃ困るというところのぎりぎりの接点で五十二歳とか五十三歳とかランクによって定めたわけですね。したがって、ここまでは私たち隊員も喜んだと思うんです。ところが、ここから先にいろいろな急に退職者がふえるからとか、それから財政的な理由ということが仮にあったとして定年延長したならば、それは逆に隊員も喜ばないし、部隊の配置も困ってしまう。そういうわけで現在のはぎりぎりのその接点としていろいろ言われるかと思いますけれども、生活安定と機敏性という両方のバランスとしてはいいのではないか。ただ、戦後非常に多くの人が入って定年退職期に今来ているものですから、その人の分、かぶっている分はあと何年かしますと戻ってきて少し若返りがほんのちょっと進むのでないか、それも平均年齢で一歳ぐらいなんですけれども。そんなふうに考えております。
○野末陳平君 そうすると、積極的にせずに自然に待っていると、いずれ若返りが一歳ぐらい進む。特に何かをやろうという必要は認めてないということですね。
○国務大臣(加藤紘一君) そこは隊員の生活、人生設計等考えますと、余り早く退職させるということもこの日本の社会の中でどうなのかなということがありまして、アメリカの場合にはもうその辺は非常に流動的な社会ですから、何年間いてあるランクまで行かなかったらすぐやめてほしいといって退職させていますけれども、日本の場合には人生設計を考えるとそうもきついことを言えないのじゃないか。今ぐらいが実は隊員内部で、おい、どこまでお互いに働けるか、働いていいと思うかと、隊員たちが話し合っているいろいろな現場の世論を見ると、ちょうどいいところか、ちょっと上に来過ぎたかなというような感じなものですから、まあまあ、あと一、二歳が平均的に下がるというあたりでいいのでないだろうかなと思っています。これはあくまでも隊員の生活をどう考えるかというところにかかってくると思っています。
○野末陳平君 僕は若返りを積極的に考えていく方が税金の効率的な使い方にもつながって、広い意味での行革でもあり、いいと思ったりしているんですが、実態がよくわかりませんから長官のお言葉で納得しておきますけれども、しかし同時に自衛隊というのは、今までこの行革行革と言われている時代でも、ぜい肉落としの努力を余りしてないようなんですね。素朴にそう思うんですが、そこでもう一つ、今度は定員の枠の問題なんですが、これも防衛庁の資料を見ていますと、予算委員会などへ出ました資料などを見ていますと、陸上自衛隊の士の兵隊さんの方の充足率というのは、もうここ数年七〇%をずっと割っているでしょう。そうすると、七〇%をずっと割っていて、果たして定員の意味があるのかどうかという気もするんですよ。ですからこれについてどういうふうに受けとめておられるか。
○政府委員(矢崎新二君) お答え申し上げます。 陸上自衛隊の階級構成別に見まして士の場合の充足率が七割に満たないという状況は御指摘のとおりでございます。これは陸上自衛隊全体の充足率が八六%強というようなことになっておる中での士の場合の充足率でございます。この全体の充足率についての基本的な考え方といたしましては、部隊を運用し防衛の任務に当たっていくという私どもの立場から申し上げますと、精強性を維持し即応性を確保するといったような面から言いまして、やはり有事におきましては一〇〇%の充足をしなければいけませんし、平時においてもできるだけ高い充足率が欲しいという気持ちが基本にございます。しかしながら、毎年度の防衛力整備をやっていく場合には、そういった問題につきましても検討いたしますが、ほかの施策とのバランスの判断ということもございまして、予算の編成の際にある程度我慢をせざるを得ないという面があるわけでございます。 こういった問題は各国とも同様でございまして、やはり充足については高度の知識技能を必要とするとか、あるいは養成に長年月を要するといったような部門については、これはなるべく高く充足を配慮することになるわけでございまして、幹部、曹のクラスの配置をするというふうな難しいポストについては充足率は高めざるを得ない。例えば指揮官などは欠けるわけにはいかないわけでございます。しかし、それに比べまして比較的に短期で養成ができるような職域といったようなものにつきましてはこれは多少我慢をする。例えば士のような階級の者が配置されるような職域というものにつきましては平時におきましてはある程度欠員にしておくといったような配慮をしておるわけでございまして、こういった面は我が国のみならず各国とも基本的には同じような考え方をとっているように思います。ただ日本の場合は御承知のように徴兵制をとっておりませんから、諸外国に比べまして充足率は士の場合もある程度は高い状況になっているように思っております。 今御指摘のような定員を減らすという問題につきましては、これは私どもはにわかに賛成はいたしかねるわけでございます。と申しますのは、陸上自衛隊の場合は何といっても人が基本になっている防衛力でございます。これは陸上自衛隊の場合も限定小規模侵略に原則として独力で対処するというのが基本的な任務でございまして、それを達成するために、防衛計画の大綱でもお示ししておりますように、師団については十三個師団等を基本にし、それを編成する考え方として総体として十八万人の定数が必要であるということを決めておるわけでございます。こういったものが有事におきます陸上防衛力の基本的な枠組みとして働いてくるという考え方をとっておりますので、そういった基本的枠組みとしての陸上自衛隊の定数十八万はこれは変えるわけにはいかないと思っておりますし、その一環としての士の階級の者が充足されるべき分野の定数というものもこれはやはり基本的には維持されるべきものである、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
○野末陳平君 今の答弁は一理あるとは思って聞いたんですが、そこが専門家と素人の違いかどうかわからないんですが、士を除くほかは充足率はもう一〇〇に近いわけで平均を上回っているわけだから、何かこれも、ことの充足率を見ても老化現象があるのかなと、こう思ったりしまして、僕は考えたのは、七〇を切っているような充足率の士は定員の枠をこんなにしておく必要が果たしてあるのか、だからこれも定員を減にして少数精鋭でいくぐらいのやり方をした方が若返りにもなってパワーアップになるのじゃないかと、そういうふうに考えたわけなんですよ。 だから、ちょっとそこが違うんですが、大蔵大臣に聞きますけれども、これはやはりこれだけ枠を持っていて実は七割というのは、やはりそこでお金が効率的に使われてないというふうに見るんですが、そうは見なかったですか、大蔵大臣は。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましても議論いたしましたが、今矢崎局長からお話がありましたように、十八万人というものがいわば防衛計画の大綱に定められたものである、したがって削減するということは大綱で示されておる防衛の体制及び陸上自衛隊の体制そのものの再検討から変更につながる、したがって現在の充足率が低いからといって直ちに定数の圧縮を図るということはまだまだこれは議論をしていかなければならぬ問題だということで今日とどまっておるわけであります。 〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
○野末陳平君 さっき人が基本だという答えもありましたので、人の配置の苦心、それから養成の苦心も今聞きましたけれども、今後とも若返りを基本にした人づくりをやってもらいたいと思いますので、その点について再度お願いして次に移りたいんですが。
○国務大臣(加藤紘一君) 自衛隊というのは有事に即応できる体制になければならないと思いますので、できる限り精強性の維持には全力を挙げてまいりたいと思います。隊員の生活の問題もありますから難しいところでありますが、その点は配置等において十分に考えていきたいと、こう思っております。 それから陸上自衛隊の定員の問題でございますが、私たち自衛隊も行政改革とか財政再建のための努力の聖域ではないと思っております。ですから私たちも努力しなければならないと、こう思っております。したがって定員の問題は、本来そこまでの人数を毎年要求したいところだけれども、平時の場合には実際は七〇%の充足率で努力しているのが財政再建、行革に協力している姿だというふうにもお考えいただけないものかなと、こんなふうに思う次第でございます。
○野末陳平君 この問題について個人的な意見というか注文をつけておきますと、陸海空自衛隊の現場を何回か見さしてもらいましたけれども、やはり生活条件というか待遇が非常に悪いと思うんですね。ですからこれは気の毒だと率直に思ったので、もちろんお金が絡むことですけれども、住居条件からすべてにわたって今のままではちょっと気の毒じゃないかという気もしたんですよ。そこへもってきて、生活の安定があるからといって定年問題も含めて先のことまで考えられると、今度はもう本末転倒みたいな気もしてくるので、ひとつ待遇改善も含めて今の若い長官の在職中にどんどん積極的な手を打ってもらいたいと、こうお願いしておきましょう。長官どうぞ結構です。 それから次は皇室関係の質問ですが、これにはいろいろお聞きしたいことがありますが、時間の関係で一つ二つに絞ります。 天皇即位の儀式について法律ではどんな決まりがあるか、これをまずきちっと説明してほしいんですが。
○政府委員(山本悟君) 皇室典範の第二十四条に「皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。」、こういう規定が現行法で定められているわけでございまして、それの規定といたしましてはそれだけでございます。したがいまして、その具体的形式あるいは内容といったような点につきましては法律では現在は何も決められていない、こういう状況でございます。
○野末陳平君 そうすると、その内容のうちに、即位の礼は場所はどこで行う、その決まりも全くどこにもない、こういうことですか。
○政府委員(山本悟君) 即位の礼の場所につきましては、旧皇室典範におきましてはその第十一条で即位の礼は京都において行うということが明文の皇室令にあったわけでございますが、御案内のとおり皇室令の規定はこの効力を失っておるわけでございまして、したがいまして現行法で申し上げれば場所等につきましては何も規定をされてない、かように存じます。
○野末陳平君 過去の皇室典範では即位の礼は京都で行うと明記してあった、しかし今はないと。そうすると、将来これまでの伝統にのっとってやはり即位の礼は京都で行うという可能性が高いのでしょうか。つまり京都に行きますと、そういう希望というか、声をよく聞くんですが。
○政府委員(山本悟君) 京都なり関西なりにそういう御意見があるということは私どもも時々耳にいたしますが、ただいま申し上げましたように、法令上は何も規定がない。したがって、そういった点は具体になりました際に、どういうところで行うか、どういう形式で行うか、どういう範囲で行うか、そういったことが決まってまいりますと同時に、やはり決まってくるべきものというように存ずるわけでありまして、ただいまどこでというようなことは論議の対象といたしましても出たことがないと存じております。
○野末陳平君 国会で同じ質問が出たのが、調べてみたら昭和四十七年の三月だったんです。かなり前なんですが、そのときに宮内庁はどういう答弁をしたか、当時の記録で答弁の内容をちょっと紹介してほしいんです。
○政府委員(山本悟君) 昭和四十七年の内閣委員会でございますが、その際に宇佐美前宮内庁長官からの答弁をいたしておりまして、「しかし、われわれの内部におきましては、そういったもので過去の例とかいろんな前例を調べ上げてございまして、一応のものの考え方というものを内々は立てているつもりでございます。しかし、そうは言いましても、たとえば、即位の礼というものは昔は京都で行なわれておりましたが、今後は一体どこでどういうふうに行なうかというような重大な問題が、これは相当論議を要するところであろうと思います。そういうようないろいろな点の資料を集め、問題点は拾い上げているつもりでありますが、」云々というような答弁をいたしているところでございます。
○野末陳平君 そうすると、それから十三年ですか、たっていますから、その内容は少しは進んでいますか、答えは。
○政府委員(山本悟君) 先ほど申し上げましたように、形式、内容といったような具体の問題はやはりそのことが起こりまして、それゆえの、その時代に合いましたものとして決めていくということが必要であろうと存じます。さような意味から申し上げまして、御案内のとおり即位の礼というのは皇位の継承がありましてから一年数カ月あるいは二年、ほぼ二年前後、後の問題でございますし、また、そのときがどういうような我が国の社会情勢あるいは国の内外、そういったようないろいろな意味での情勢がどういうものになっていて、どういうようなことがどういう規模で行われるかということは、その時点になりませんと具体の問題としてはなってまいらないわけでございますので、ただいまいろいろと過去の例あるいは今の状況といったようなもので研究はいたしておりますけれども、あくまで研究でございまして、それがどうこうという具体論としてはなっていない段階でございます。
○野末陳平君 これは僕の意見ですけれども、やはり天皇の即位式は国家的な大行事ですから、外国からもお客様たくさんいらっしゃるわけですし、先進国サミットでも大変だったですけれども、あれよりももっと準備とか警護その他あらゆる面において大変なんで、これはやはり東京でやるしかないだろうと思うのですけれども、それについては。
○政府委員(山本悟君) 先ほど申し上げましたように、具体的な問題はその場におきましての、そういう事態が発生いたしましてからの具体の問題というぐあいに存じているわけでございますが、ただいま御指摘のございました点、まことに実際上の問題といたしまして重要なことであろうと存じます。そういう点も十分配慮をいたしまして最終決定がなされなければならないと、かように存じております。
○野末陳平君 官房長官に聞きますけれども、皇室典範にこれについて何もその内容的なことが書いてない、場所すらも書いてない。ただ、「礼を行う」と、これだけだとこれは非常に不足だ、非常に困ることが多いだろうと、こういう気がするのですけれども、それはどうでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 即位に関する問題につきましては、今、山本次長からお答えがあったところでございます。即位の礼につきましては憲法の趣旨に沿い、象徴である天皇の御地位にふさわしくまた時代に即したものでなければならぬ、こんなふうに基本的には考えているところでございます。その具体的な内容につきましては、種々基礎的な勉強を行っておく必要はあるというふうに考えて、その勉強はいろいろしてきているところでございますが、具体的な考え方を固めるのは、その即位の礼という儀式が必要になった段階で世論の動向なども踏まえながら行うのが妥当ではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。 法律に何ら明記がないので非常に困るのではないかといったお立場での御指摘をいただいておりますが、そのことが必要になりました段階で決めていけばいいと、こういうふうに考えておりまして、当面いろいろな基礎的な勉強だけをさせていただいているところでございます。特に、困るのではないかというふうにも考えておりませんで、その時点で考え方をまとめていけばいい、こう考えておる次第でございます。
○野末陳平君 じゃ、官房長官、内容についてはそれでいいと思いますけれども、せめて場所はやはり決めておいて何ら問題はないのじゃなかろうか。じゃ、個人的な意見でもいいですが、京都がいいか東京がいいかとなると、東京でやるべきだと思いますけれども、それはどうですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 今、先生の御指摘のありました即位の礼の場所につきましても、まさに具体的な問題に属するわけでございます。そのことを決めなければならぬ段階が参りましたら考え方をまとめていけばいいと、こう考えておる次第でございまして、例えばせっかくの御指摘でございますので申し上げますと、東京だったらどういうことになるか、京都だったらどういうことになるかといったようないろいろな基礎的な勉強はしていいと思いますけれども、それの考え方を取りまとめるという段階にはないということをお答えを申し上げたいと思う次第でございます。
○野末陳平君 それはちょっと不満なんです。というのは、天皇即位の礼は国家的な行事でしょう。これについてそのときになって考えると、それはそれでいいんですが、法律とか政令で規定がはっきりしていない、場所すらない、戦前ははっきり規定があったと、こういうことを考えますと、やはり内々で勉強していれば済むというものではないと思うんですが、それについてはどうなんでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 今、山本宮内庁次長からもお答えがありましたように、即位の礼を必要といたしますのは、皇位継承がありましてから相当時間がたってから即位の礼を行うということになっておりますので、十分その間に国民世論の動向なども踏まえて検討する、考え方をまとめるという時間的余裕があると、こういうふうに考えておりまして、そういったことが必要になった段階でいろいろ検討をして固めていけばいいと、こう考えておる次第でございます。
○野末陳平君 それは内閣の考え方はわかりましたけれども、一つ心配しているのは即位の礼の後に続いて天皇家の儀式の大嘗祭というのがある。そうすると、京都に僕の友達で学者などがおりまして、やはりこれも含めて非常にいろいろと議論があるんです。ですから、これを大嘗祭も含めたこの部分について、考え方をやはり事前に決めておくという必要が絶対にあると、こう思っているからお聞きをしたわけなんです。 この問題の最後になりますけれども、内閣が今の官房長官の答弁のままでいるのはちょっと不満なんで、むしろここで大事な点だけはまとめて、内々にでも明文化しておくようなことが今必要ではないか。そのときになって、いずれいろいろな点で混乱するであろうとむしろ憂えているわけなんですね。最後にそれをお答えしていただきたいんです。
○国務大臣(藤波孝生君) 今申し上げてまいりましたように、基礎的ないろいろな勉強はしていく必要があるというふうに考えている次第でございます。かつて宮内庁長官が当国会における論議の中でもそのことをお答え申し上げてきておりますように、勉強していくという努力は重ねてまいらなければならぬと、こう考える次第でございます。いろいろと御心配をいただいておりまして恐縮に存じておるところでございますが、なおそれら考え方をまとめていく必要があるとは考えておりませんので、基礎的な勉強をして、そしてしかるべき必要が生じた場合にその考え方をまとめていくという基本的な考え方でいいのではないかと、こう考えておる次第でございます。いろいろと御心配をかけておることにつきましては心からお礼を申し上げる次第でございます。
○野末陳平君 ちょっと時間が半端になりましたので、この問題について明快なお答えが得られると思っておるわけじゃないんですけれども、これが非常にいろいろな議論を呼ぶことが心配されるので、それを質問の形に取り上げたわけなんです。
○委員長(長田裕二君) 以上で野末君の質疑は終了いたしました。 以上をもって一般質疑はすべて終了いたしました。 明後四日は午後一時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十二分散会