予算委員会 第18号
- 発言数
- 531 件
- 登壇者
- 61 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/04/01
会議録
○委員長(長田裕二君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 ─────────────
○委員長(長田裕二君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和六十年度総予算審査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁内田隆滋君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(長田裕二君) それでは、これより和田静夫君の一般質疑を行います。和田君。
○和田静夫君 河本国務大臣、昨日総理がシグール大統領特別補佐官と会って電気通信部門で市場開放の努力をする、こういうふうに約束をしたと報道されています。そこで、具体的にどういうような段取りになりますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 御案内のように、ただいま四つの分野の作業を進めております。およそ九日ぐらいにはこの四つの分野の報告をまとめてできると、このように考えておりますが、並行いたしまして、諮問委員会の中長期にわたる報告も提出をしたいと、このように考えております。
○和田静夫君 木材について外務大臣は難色を示したと言われているんですが、河本さんはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 木材製品につきましては、国内の事情は大変難しいことが多いと思うのです。そこで、やはりある程度の市場開放をやるためには十分な国内対策が必要だと思います。十分な国内対策をやりながら、ある程度の市場開放を進めていく、そういうことが望ましいと思いますし、また、そういう方向で作業は進んでおると考えております。
○和田静夫君 今言われた、四月九日に報告をされる努力をするようですが、ぎりぎりまで対日圧力をアメリカの側はかけてきて一層の譲歩を引き出すだろうと、そういうふうに報道されたり、いろいろ伝えられているのでありますが、どうでしょう、基準作成について早目に見直す、ガラス張りにするというようなことをお考えになりませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 一月から作業が始まったわけでありますが、いずれも問題は相当多うございまして、やはりぎりぎり九日までかかると思いますが、それは十一日、十二日とOECDの閣僚理事会がパリでございまして、そこへ外務大臣、経済企画庁の長官等が出席をされることになっておりますので、その御出発までの間に何とかまとめた報告をしたいと、このように考えております。
○和田静夫君 結構でございます。 国鉄総裁、何か急いでいるようですから、国鉄の就業規則についての労働基準違反問題が衆議院の予算委員会で指摘された、で、違反の事態を是正するということで、とまった衆議院予算委員会が起き上がるという状態を経験したんですが、ところが我が党の上田哲代議士が先週実は蒲田電車区を視察したところが、通達がやはりそのままの状態に置かれてある、貼ってある。それで現場交渉にも立ち会ったようでありますが、撤回せよと言ったところが、これは上からの指示でやっていることなので撤回はできない、自己判断ができないということになった。総裁、これは大変けしからぬ話だと思うんですが、十二月通達というのはやっぱり衆議院の予算委員会での約束どおり直ちに撤回すべきだと思いますが、どうですか。
○説明員(仁杉巖君) ことしの三月六日に予算委員会におきまして就業規則の問題につきまして御答弁をいたしてございます。それは、就業規則の手続上の問題については労働基準法に違反する行為のあったことはまことに遺憾でございます、国鉄といたしましては運輸省の御指導に基づき誠意を持って交渉し、その解決を図るように努めます、なおその間、労働基準法の違反の点については是正の措置を講じますという御答弁をいたしております。 それで、そのときにもお答えいたしてございますが、基準法の届け出をしてないということが問題であったわけでございますが、御承知のとおり昭和三十三年からこれらの届け出がなされてなかったということがございまして、大変膨大な数に上るということがございましたので、私どもといたしまして労働省とも御相談いたしまして、三月末にこれを整理いたしまして、それから各組合の意見を聞いて、その結果を添えて届け出をするというようなスケジュールを御了解いただいたと思っておりますが、実は先日の役員会におきましてそれを是正されました就業規則は全部出てまいりまして、一日以降、きょう以降でございますが、組合等の意見を聞いて、その意見をまとめて届け出をするという措置をとっているところでございます。
○和田静夫君 じゃ、約束どおりそれは確実にやってもらう、そういうように理解しておいてよろしいですか。
○説明員(仁杉巖君) ただいま申し上げましたとおりのスケジュールで進めてまいります。
○和田静夫君 税について大蔵大臣に伺いますが、所得税についてでありますが、今資料お渡ししましたが、総理はどうも年収五百万円以上といいますか一千万円近い階層に重点を置いて減税をおやりになりたいというようですが、私はそれに反対であります。むしろ低中所得階層に重点を置くべきだと考えるからです。したがって、所得税減税を行う際には総理が言うように最高税率を下げるのではなく、課税最低限を思い切って引き上げることによって減税を行うと考えるべきです。 そこで、まず主税局長、五十九年度に所得税減税をやったわけですが、家計調査に基づいたこの階層別の減税効果をお示しください。
○政府委員(梅澤節男君) 五十九年の所得減税によりまして、今現在出ております家計調査の状況から分析をいたしますと、まず全世帯につきまして減税前の直前の五十八年で見ますると、五十八年の全世帯の平均の実収入の伸びは三・二%でございます。一方、所得税の伸びは八・三%でございましたけれども、五十九年の改正によりまして実収入の伸びが四・六%に対しまして、所得税の伸びは五%前後ということでございます。したがいまして、これは前回の減税がございましたのは五十二年でございますが、五十三年以降この家計調査によってずっと分析してまいりますと、実収入の伸びに対しまして所得税の伸びの弾性値がおおむね各年とも二以上上回っておりますけれども、五十九年につきましては実収入の伸びに対しまして勤労所得税の伸びがほぼ同率、したがいまして、結果的には実収入に対する税負担の割合は、五十八年と減税後の五十九年を比べますと各階層別でほとんど負担率は変わってない。これはやはり私どもは五十九年の減税の一つの顕著な効果として家計調査にあらわれているというふうに分析をいたしております。
○和田静夫君 主税局の計算では減税効果、今言われたように全階層に全く出ていない。私の計算でもお示ししましたように第五分位を除いてはほとんど減税効果はないわけです。第二分位では逆に税負担は上昇している。所得税減税の見返りは間接税増税を行ったためにほぼ全階層にわたってトータルの税負担は上昇している、こういうことなんですね。大臣、減税効果は全くない。特に一から三分位、これは重課になっているわけですね。この事実はもう大蔵の資料と私の計算の結果、二つとも渡していますが、お認めになりますね。
○政府委員(梅澤節男君) 大臣の御答弁の前に、計数の問題でございますので若干補足して御説明申し上げますと、所得税は累進構造を持っておりますから、実収入がふえますと、その伸び率よりも所得税の伸び率が高い、勤労所得税の伸び率が高い。それが先ほど私が申しました弾性値が二を上回っておるという状況でございます。ところが、五十九年は減税を行いました結果、先ほど申しましたように実収入に対して所得税の伸びがほとんど弾性値一でございますから、同じような割合ということになりますと、結果として可処分所得は、減税を行わなかった場合に比べましてほぼ実収入に近い伸びで可処分所得は伸びておるというふうに考えるわけでございまして、減税の効果があらわれていないというふうには私どもは考えていないわけでございます。
○国務大臣(竹下登君) 和田さんからいただきました資料、それから主税局の調査、総務庁の家計調査、全国勤労者世帯の所得階層別税負担、これは私は双方の調査に差異はないと思っております。お答えいたしましたように、やっぱりいわゆる五十九年所得税減税なかりせば、これはもっと変化しておったでございましょうから、その意味において減税の効果が出ておる。で、おっしゃる数字はそのとおりでございます。
○和田静夫君 昨年の予算委員会で、私は実は最低税率を引き上げて最高税率を引き下げるという減税方式というのは低中所得層に重課になる、高所得層の優遇となる、そして間接税にその財源を求めることはその傾向を一層強める、こういうふうに警告したわけです。大臣、実はそのとおりの結果が私は出てきたと思うんですね。私の警告が正しかった、このことは素直にお認めになりますね。――これは大臣ですよ。
○政府委員(梅澤節男君) まず五十九年の最低税率の引き上げ、最高税率の引き下げによりまして税負担の累進構造が逆進の方向に向かっておるというのは、私は少しそこは問題があると思いまして、つまり同時に人的控除の引き上げと組み合わせで行っておりますので、税制調査会の答申にもございましたように、五十九年の所得減税の考え方は所得の平準化の傾向、それから中堅所得階層の負担の緩和、多人数世帯の負担の緩和ということに着目して行っておるものでございます。したがいまして、単に最低税率を引き上げ、最高税率を引き下げたことによって税の逆進性が増したという考え方ではなくて、各階層別にほとんど税負担の引き下げの効果があらわれるように実は人的控除と税率構造は組んであるわけでございます。なかんずく中堅所得者なり多人数世帯の負担の軽減を図るというのが五十九年の所得減税の考え方でございました。 それから、家計調査等で委員が分析なさっておりますように、前年の実収入に対しまして税負担の緩和が必ずしも行われていないという御指摘でございますけれども、これは基本はやはり我が国の場合は所得税が税体系の中心になっておりまして、所得税そのものは、先ほども申しましたように、収入が伸びますと、あるいは所得がふえますと累進的に税負担がふえるという構造になっておるわけでございます。したがいまして、五十八年と五十九年を比較して税負担が上がったから、あるいは余りほとんど税負担の数字が変わっていないということから、即五十九年の所得を中心とする税制改正が家計全体にいわば逆進的な方向を持って改正が行われたというふうに考えるのは私どもはいささか問題ありというふうに考えるわけでございます。
○和田静夫君 いろいろな言いわけをされましても数字は厳格にそのことを示しています。したがって、大臣、今後の減税に当たってこの調査結果をやっぱり尊重してもらいたい。年収四百万円台以下の階層、三分位以下の階層の税負担に十分配慮される、そういう約束をしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 総理が委員会でよく言っておりますのは、ちょっと幅があり過ぎるなといつも感じておりますのは二百万から六百万、こういうことをおっしゃっておる。それは恐らく独身者のことをも念頭に置いた御発言だろうと私は聞いております、正確に議論したわけではございませんけれども。したがって、私どもとしては、この五十八年の中期答申というものは、まあ平準化しておるからその読み方によっては刻みを減らしていったらいいじゃないか、こういう読み方にもなろうかと思うのでありますが、その考えは継続してはおりますけれども、私は今おっしゃったどこに焦点を当てるということにつきましては、いわばちょうど中堅所得層と申しましょうか、それをあえて二分類、三分類と言うべきかどうかということについては若干の議論のあるところでございましょうが、その辺に焦点を当てるべきだという考え方は、あの税調答申の本旨も今も続いておるというふうに考えております。
○和田静夫君 補助金ですが、六十年度予算における高率補助金の一割地方負担振りかえ問題、これも補助金改革を私は置き去りにした単なる財政のつじつま合わせである、大変問題があると考えていますが、そこで大蔵大臣、補助金改革はどこまで進みましたか。具体的に明らかにしてください。
○政府委員(吉野良彦君) 補助金整理の現状でございますが、御高承のように毎年度予算編成で補助金の整理合理化、一生懸命やってまいったわけでございますが、特にこの六十年度予算編成に当たりましては、補助金の整理合理化をいわば最も大きな柱として取り組んだわけでございます。 そこで、この六十年度予算でお願いしております補助金整理の大まかな姿でございますが、まず第一点といたしましては、後ほど内容的には申し上げますが、まず補助金の総額を五十九年度に引き続きましていわゆるネットで減らしたということが一つの特徴かと存じます。昭和五十九年度予算におきましては補助金の総額が十四兆五千六百億強ございましたが、六十年度におきましては総額千三百四十四億ネットで減らしまして十四兆四千三百一億円ということで総額を圧縮いたしております。 それから、内容でございますが、今までもいわゆる臨調あるいは行革審からいろいろ御意見をちょうだいいたしておりますので、そういった御意見も踏まえまして、まず第一点といたしましては、地方公共団体に対しますいわゆる人件費補助、これをできるだけ幅広く見直しをいたしまして、あるものは一般財源化をする、あるものは交付金化をするというような努力をいたしました。一般財源化をいたしましたものが件数で四件、金額で三十五億円になります。それからまた交付金化をいたしましたものが十三件で三百十四億円に上っておる次第でございます。それからまた別途これも法律でお願いをしてございますが、いわゆる義務教育費国庫負担金等におきます旅費あるいは教材費につきましての国庫補助を一般財源化するということもお願いをしてございますが、これらが三百五十三億円になっております。 それから、そういった地方団体に対しまする人件費補助の合理化とはまた別に、いわゆる補助目的を達成した、あるいはまた既に地方公共団体の事務事業として同化、定着しているもの、これは廃止するということで取り組んでまいったわけでございますが、これが六十年度予算におきましてざっと約三百三十億円、これを廃止あるいは一般財源化の措置を講じているわけでございます。 それから第三番目の柱といたしましては、いわゆる補助率の引き下げでございます。特に二分の一を超えますいわゆる高率の補助につきまして、補助率の引き下げをお願いしているわけでございますが、これが地方公共団体に対しまするものにつきましては、一般会計それから特別会計を通じまして、この補助率引き下げに伴います国費の節減額が約五千五百億円に上ってございます。なお、地方公共団体に対しますもののほか、いわゆる民間団体に対します補助金につきましても、補助率の引き下げの努力をいたしている次第でございます。 そのほかに、これも従来から引き続きやってまいった努力でございますが、いわゆる補助金の統合メニュー化、これも六十年度におきましては特に一生懸命取り組んだわけでございますが、六十年度予算におきましては、統合前に百三十四件に上りました補助金を統合あるいはメニュー化をいたしまして七十件に縮小をいたしておるというものがございます。 そのほかにいわゆる終期の設定。陳腐化をいたしました場合に、これの廃止をプッシュするという意味におきまして、極力継続を必要とします補助金につきましても、できるだけいわゆる終期を設定していくという構えをとっているわけでございますが、六十年度予算におきましては、百八件の補助金につきましていわゆる終期の設定をいたしております。 そのほか、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドというような考え方に基づきまして、補助金を新設いたします場合にも見合いに必ずスクラップを出してもらうというような努力もいたしている次第でございます。
○和田静夫君 大臣、補助金は地方財政の自主権を奪い、政権党の利益配分、集票マシンとして使われているという批判があるんですが、いかがお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる補助金、これは補助事業というものがおのおのの目的、性格を持っておるものでありますので、一概に政権政党のいわゆる集票マシンというふうな形でこれをその範疇で受けとめるという考えは、批判は自由でございますが、政権党にあります私どもが今財政当局の立場からコメントをすべき性格のものではなかろうというふうに思います。
○和田静夫君 主計局長、補助金整理は進んだと言われるんですが、補助金整理は、その改革は一向に進んでいません。一昨年私は、予算委員会提出資料で、各省がいかに資料をごまかし、過大な整理をしているか指摘しました。そして、一日予算委員会が午前中とまった。五日間たっても実は資料は出てこなかった。本当なら五日とまってもおかしくなかったんです。私はそういうような問題意識で、ことしの提出資料をずっと目を通さしてもらいました。相当ずさんですよ。 例えば一例を挙げましょう。建設省。国土計画等調査委託費は五十八年に廃止された。五十九年に新規で復活、また廃止、さらに六十年に新規、こういうんですね。こういう資料になっているんです。これはどういうことでしょう、大臣。
○政府委員(豊蔵一君) ちょっとただいま御指摘の資料が見当たりませんので、早急に調べましてお答え申し上げます。
○和田静夫君 これは各省全部に通告してありますから、どこが出るか、どこを指摘するかは別として、大臣の私の質問を聞いている姿勢を見ながらその省をやると、こう言ってあるんですから、これは突然の質問じゃないんです、総括からずっと続いているんですから。これは委員長の手元へ建設省から出た資料ですからね。
○国務大臣(木部佳昭君) 調べまして大至急報告さしていただきます。恐縮でございます。
○政府委員(豊蔵一君) 失礼いたしました。 ただいま御指摘の国土計画等調査委託費のことでございますが、その中のいろいろな細目といたしまして、その年その年によりまして必要なものを委託費として計上いたしまして、その仕事が済みましたものは廃止いたしまして、また新たにそのときそのときに、例えば五十九年度におきましては、大型車走行騒音問題調査委託費、そういったようなものを新しく新規に計上するといったような内部の変化がございますために、生きたり消えたりしたやに見えるのがあるかと思いますが、中身のそのときそのときの状況に応ずる必要な経費の計上ということでございます。
○和田静夫君 細目の話はそういうことなんですよ。 そこで、私は補助金総覧で調べたんです。五十八年、五十九年度ともに、国土計画等調査委託費も、都市計画等調査委託費も、住宅計画等調査委託費も、廃止なんかされておらぬですよ。ちゃんと載っていますわ。各省が今のような答弁になると思ったから調べてみた。
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘ありました都市計画等調査委託費についても、目としては廃止されておりませんで、その中におきますいろいろな調査委託費が、その仕事が済んだものにつきましては廃止、例えば五十九年度におきましては市街地整備推進方策基礎調査委託費等数件を廃止いたしまして、また別途、区画整理等の事業につきまして特別に必要を生じましたものにつきまして新たに起こしておるといったようなことがございますので、大きな目としての委託費は廃止になっておりません。
○和田静夫君 廃止補助金に挙げられているのはほとんどが委託費なんですよ。あるいは終期を設定したという主計局長の答弁がありました、これも調査委託費です。つまり調査が終わればおのずとなくなる性格のものなんですよ。いわば自然消滅。これは整理合理化なんというものじゃない。整理合理化件数を挙げるための操作にすぎない。大蔵大臣、こういうインチキな操作によって局長がおっしゃったいわゆる整理合理化件数が出てきている。大臣、目のレベルの整理合理化件数を出してください。
○政府委員(吉野良彦君) 実は補助金の件数の数え方につきましては、従来かなりいろいろ議論がございました。そこで、先生も御記憶かと思いますが、昭和五十五年度予算のときからいわゆる補助金につきまして件数の整理、これを四年間で四分の一件数を整理しようという目標を立てて整理合理化に取り組み始めたことがございます。そのときに各省庁別にその件数のつかまえ方が必ずしもそろっていないということがございまして、この件数の整理計画を立てますときに各省庁と相談をいたしまして件数の数え方を統一いたしました。以後その統一した件数のつかまえ方によりましてカウントをしているわけでございます。 そういった件数のとらえ方によりますと、昭和五十九年度に二千五百九十二件ございました補助金等の総件数が六十年度におきましては百二十八件減少いたしまして二千四百六十四件ということになるわけでございますが、御指摘のようにその中にはいわゆる当然廃止と申しますか、仕事が終わりまして当然になくなるというものも入ってはおるわけでございますが、大部分はこの合理化廃止によるものというふうに考えております。
○和田静夫君 委員長、大部分が合理化廃止だという後の方の答弁というのは了とするわけにいかぬのですよ。これは実は委員長が要求された資料、したがって理事会が要求した資料、我々予算委員会が要求した資料、こういうような基礎的なデータに欠くる資料が出てくるというのは、これは許せません。一遍取り扱いについて協議してください。五十五年当時の論議も、私は自分で論議したんですからみんな知っていますよ。
○委員長(長田裕二君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(長田裕二君) 速記を起こして。
○政府委員(吉野良彦君) 六十年度予算におきます件数は先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、件数のとり方あるいは各省庁から当委員会に御提出を申し上げております資料につきまして、これらと整合性を欠いているものがあるかどうか、よく念査をさせていただきまして、改めて必要がございますれば正確な資料を提出させていただきたいと存じます。
○和田静夫君 建設省、国土計画、都市計画、住宅計画ともに五十八、五十九年度に同じ団体に同じ名称の調査委託費が出ているでしょう。廃止でも何でもないんですよ。これらの補助金が出ている団体におたくの出身者がいるのではありませんか、大臣。
○政府委員(豊蔵一君) 私どもの方の所管しております公益法人の中で、いわゆる公務員の出身者が役員として在職しておりましてその団体に委託等をお願いしておるものもございます。これらはこれらの公益法人がその目的を達成するためにいろいろと調査研究しておられますが、それらの知識経験等に照らし合わせまして必要と思いますような内容の調査をお願いしているところでございます。
○和田静夫君 団体名。
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘がありました団体が今直ちにどれか、ちょっとわかりにくい点がございますが、都市計画あるいは住宅というふうなことでございますれば、国土開発技術研究センターあるいはまた建築保全センター、そういったところであろうかと思います。
○和田静夫君 日本道路交通情報センターとか全国道路標識標示業協会だとか全国市街地再開発協会だとか、ずっとあるでしょう。
○政府委員(豊蔵一君) ちょっと私もどれがどれと、ぴしゃっとわかりませんので申し上げますが、社団法人で申し上げますと、国際建設技術協会、日本建設機械化協会、底質浄化協会、海外建設協会の四法人でございます。また財団法人では、建設物価調査会、日本建築センター、国土開発技術研究センター、建設業振興基金、日本住宅・木材技術センター、建築保全センター、住宅・建築省エネルギー機構、都市緑化基金、建設経済研究所、日本道路交通情報センターの計十法人でございます。
○和田静夫君 私はこの委託というのは、天下っているという言葉がいいかどうか知りませんが、役人の人件費を賄うためのものであって、これらの法人に一体何人人が行っていて、五十八、五十九、六十年度の補助金等の額というのは幾らですか、それぞれ。
○政府委員(豊蔵一君) 各十四法人の全部でよろしゅうございましょうか。あるいはそのうち何か。
○和田静夫君 それ全部簡単にさっと言ってもらえれば。
○政府委員(豊蔵一君) もしお許しいただきますならば、社団法人と財団法人とのグループに分けまして申し上げてみたいと思いますが、先ほど申し上げました四つの社団法人に対します五十八年度の決算額の委託費、補助金等につきましては一億二千七百万円、五十九年度は現在予算の執行中でございますが、予算ベースで申し上げまして一億二千八百万円と相なっております。六十年度は現在御審議をいただいておりますので、ちょっと数字を正確にどうかということになりますと、具体的にまだ今後の予定としてしか考え得られておりませんが、一応私どものこんなことでしたらどうだろうかという予定は一億四千五百万円程度というふうに考えております。 同様に財団法人の十法人でございますが、五十八年度決算ベースでは四億六千七百万円、それから五十九年度予算額では二億八千二百万円、それから六十年度は、今申しましたような私どもの心組みの数字でございますが、二億一千六百万円といったような心組みでございます。
○和田静夫君 人数はわかりますか、それぞれ。
○政府委員(豊蔵一君) ちょっとお待ちください、調べます。――これらの団体に常勤役員として就任しております者で元公務員であった者というふうにいたしまして計算をいたしますと、社団法人関係の四法人は総計四名でございます。それから財団法人関係の十法人につきましては総計二十一名、このようになっております。
○和田静夫君 官房長官、総括のときのお約束ですが、各省の出身者が役員となっておって、しかも補助金その他の国庫金が出ている公益法人を説明してください。
○政府委員(藤田康夫君) お答え申し上げます。 各省庁所管の公益法人のうち、補助金等の交付を受け、かつ元公務員の常勤役員が就任している法人数は百五十六法人でございます。
○和田静夫君 各省別にすっと言ってください、五十九、六十年、今建設省が言われたような形で。
○政府委員(藤田康夫君) 各省別の法人数でございますが、上から申し上げますと、総理府が三、警察庁二、総務庁五、経済企画庁が四、それから科学技術庁が五、環境庁一、沖縄開発庁一、国土庁三、法務省一、外務省六、大蔵省一、文部省十、それから厚生省が七、農林水産省が五十、通産省が三十三、それから運輸省三、それから郵政省が二、それから労働省が五、それから建設省が十四、自治省四、合計百五十六法人でございます。 それから補助金等の額でございます。これは先ほど建設省の官房長からお話ございましたが、五十九年度は現在執行中でございますし、六十年度は予定でございますので、私のところといたしましては五十八年決算ベースで調べております。それで、総額におきまして約八百八十億円でございます。それから元公務員数合計で約二百二十人、以上でございます。
○和田静夫君 主計局長ですかね、農水五十、通産三十三、建設十四、文部十と、こういって百五十六法人、五十九年度、六十年度の補助金等のいわゆる総額ですね、これがわかりますか。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま総理府から御説明がございました百五十六法人に対します補助金等の総額でございますが、五十八年度決算では総額八百七十八億円でございます。五十九年度それから六十年度でございますが、五十九年度予算につきましては、いわゆる実施計画で決まってまいりますものもございまして、現在なお集計が済んでございませんが、五十九年度予算の面から概活的に把握をいたしますと、これが約千二十四億円ぐらいになろうかという感じでございます。それから六十年度でございますが、現在御審議をいただいております予算の中で、約九百五十六億円がこれに該当しようかということでございます。 なお、ただいま申し上げました数字はすべて一般会計それから特別会計全体を通ずるものでございます。
○和田静夫君 各省、五十九年度、六十年度の補助金等の額というのはすぐ出ますか。
○政府委員(吉野良彦君) 予算額につきましては提出をいたすことができると存じます。
○和田静夫君 いや、各省官房長が来ているんですから、省別にざっと答弁してください。
○委員長(長田裕二君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(長田裕二君) 速記を起こして。
○政府委員(吉野良彦君) お尋ねの趣旨がいわゆる補助金等の総額であろうかと存じますが、省庁別に申し上げます。ただいま手元に五十九年度予算と六十年度予算額がございますが、両方をそれぞれ申し上げます。 所管別に順次申し上げますと、国会、五十九年度が三十三億円、六十年度が三十九億円、裁判所、五十九年度二百五億円、六十年度二百四十一億円、会計検査院、五十九年度九億円、六十年度十億円、内閣、五十九年度十八億円、六十年度十九億円、総理府、五十九年度九千二百二十七億円、六十年度九千四百六十八億円、法務省、五十九年度三百八十一億円、六十年度三百九十億円、外務省、五十九年度九百四億円、六十年度九百八十一億円、大蔵省、五十九年度八百三十四億円、六十年度千八億円、文部省、五十九年度三兆三千四十四億円、六十年度三兆三千二百二十四億円、厚生省、五十九年度五兆三千二百三十四億円、六十年度五兆二千八百六十四億円、農林水産省、五十九年度一兆九千二百四十九億円、六十年度一兆八千四百三十一億円、通商産業省、五十九年度千九百二億円、六十年度千九百七十五億円、運輸省、五十九年度八千六百二十六億円、六十年度八千六十二億円、郵政省、五十九年度三十五億円、六十年度四十億円、労働省、五十九年度九百三十二億円、六十年度八百九十二億円、建設省、五十九年度一兆六千百九十六億円、六十年度一兆五千八百八十七億円、自治省、五十九年度八百十六億円、六十年度七百七十億円、合計いたしまして、一般会計総額が五十九年度十四兆五千六百四十五億円、六十年度十四兆四千三百一億円でございます。
○和田静夫君 官房長官、大蔵大臣、これらの補助金の中には、実は元公務員の、行った人を養うだけというのがあるんですよ。これはちゃんと調査されて整理合理化されるべきだと思うんですが、いかがお考えですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 主務官庁から補助金を交付しておるいろいろな法人、それから当該省のOBが役員に天下りしておるという関係、これらの問題を補助金との関係でどのように考えるかという御質疑かと思うのでございますが、補助金の場合はそれぞれの政策目的に従って交付されておるわけでありまして、それぞれ非常に厳密な審査のもとに補助金が決定するという経緯で来ておるところでございます。 なお、補助金の整理につきましては、先ほど主計局長からるる御説明がありましたように、非常に厳しい態度でこの問題に対処してきて、だんだんより効率的な補助金の姿をとるようにいろいろ合理化もしていかなければいかぬ、あるいは補助金を整理しなければいかぬという基本的な方針に立って進んできておるところでございます。 また、それぞれの補助金を交付いたします公益法人等につきまして官僚OBが天下っているという事実があるではないかというお話につきましては、これまたそれぞれ役員を選定いたします場合に、いろいろな知識だとか経験だとかということも非常に大事な選考基準になるかと思うわけでございまして、これまた憲法の職業選択の自由ということから考えまして一律に考えることは難しいと、こう思うのでございますが、しかし一般的に国民感情から見ましても、これは余りにもその天下りが極端ではないかとか、あるいはその天下りしておるという人事の関係について補助金がいかにもごく自然に後くっついて流れておるような感じを与えておるではないかというような、こういう問題というのはごく常識的に考えるべきものだろうというふうに思うのでございまして、よくそれらは従来も気をつけてきておるところでございますけれども、今後さらにそういった点につきましては、いろいろ補助金を整理しておるというような、こういう今日の行政の段階から考えましても、おのずからのりを越えないことが非常に大事であるというふうに考えますので、十分そういった点につきまして留意をいたしまして今後検討を進めてまいりたいと、このように考える次第でございます。
○和田静夫君 私は所定の手続で元役員の方々が行かれることを全部否定しているわけじゃないんです。ただ問題は、調べてみますと人件費的なものだけになってしまっている、そういう委託費的なものがあるわけですから、その辺のことは当然やるべきだと思うんですが、大蔵大臣いがかですか。
○国務大臣(竹下登君) その都度政策目標達成のために補助金というのはあるわけですが、極めて事務的なお話になりますが、今回の六十年度予算の整理合理化例の中の元公務員が常勤役員となっておる法人につきまして、この補助率の引き下げを行ったのが例示として五つ、私の手元に参考資料としてございます。申し上げますならば、国際友好団体補助金、漁業振興事業費補助金、林産物生産流通改善対策費補助金、民間輸送機開発費補助金、民間航空機用ジェットエンジン開発費補助金、これらがいわば補助率を引き下げた例示としてございます。もとより人件費そのものが仕事だというところもそれはございますでしょうけれども、極力そのようなことは着目して対応すべき課題だというふうに理解しております。
○和田静夫君 官房長官、かつて現役のお役人が公益法人の役員を兼務するということが問題になりましたが、現状は。
○政府委員(藤田康夫君) 現状の数字につきましては、調査をいたしまして御報告さしていただきたいと思います。
○和田静夫君 警察庁、三池代議士の私設秘書が財団法人有隣協会の名前を使って港区の土地を買い上げた件、これは宅建業法違反の疑いが強いわけですが、警察としては何か対応されているわけですか。
○政府委員(中山好雄君) 御質問の事案につきましては新聞報道で承知しておりますが、事実関係の詳細を十分に把握するまでには至っておりません。
○和田静夫君 じゃ、把握の努力をされますか。
○政府委員(中山好雄君) 今後、事実関係等を見きわめながら適切に対応してまいりたいと存じます。
○和田静夫君 補助金政策が進んでいない点では零細補助金も同様です。前総長から提出をされた資料によりますと、一件当たり三百万円以下の補助金を持つ省庁が九つ、合計五十四の補助金が三百万円以下、文部省が二十、厚生省が十八、農水が五つ、中には十三万円などという補助金があるわけです。 そこで厚生省、厚生大臣ですが、妊婦乳児健康診査費等補助金、平均三十六万円のこの申請過程と事前手続から額の確定までの自治体の要するコストを示してください。
○政府委員(下村健君) 大変申しわけございませんが、ただいまそこまでの細かい資料を用意してございませんので、早速調べまして御報告さしていただきます。
○和田静夫君 どこか希望の省庁に答弁させてください、厚生省できないそうだから。
○政府委員(小島弘仲君) お尋ねの補助金につきまして、申請の手続は、まず都道府県が関係市町村からヒアリングしまして、それから都道府県がそれを取りまとめて、厚生省がヒアリングをして決定するという事務処理にいたしております。もちろんこのヒアリングにつきましては、都道府県の補助金と一緒にヒアリングしておりますので、できるだけそういう意味で事務軽減を図っておりますが、その個々のコスト総額については把握しておりません。
○和田静夫君 委員長、これは私、地方公聴会で与党の筆頭以下全部一緒に行ったときに出てきた兵庫県知事の証言に基づいて質問していますので、大変重要なことだと思っているんです。厚生大臣、申請手続に要する人件費だけで消えてしまうんじゃありませんか。
○政府委員(小島弘仲君) 都道府県が市町村からのヒアリングにつきましてもいろいろの補助金を全部取りまとめてやっておりますので、個々にその所要額を計算するということは極めて困難ではなかろうかと思います。
○和田静夫君 私の質問趣旨に答弁してくださいよ。並んでいらっしゃる皆さんがお聞きになったことを私が代弁して質問しているんですから。細かいことはいいですよ。大臣、私の質問したことに概括的に答えてもらいたい。
○国務大臣(増岡博之君) ただいま御説明申し上げましたように、いろいろな用件を持っておいでになる、同時に東京で御解決ということがあろうかと思いますので、その一つずつに関しまして経費を計上することは非常に困難だと思います。ただ、そのことだけのために何回もおいでであるということであれば、これは常識的にはかなりの費用が御負担であろうと思います。
○和田静夫君 いや、それはだめなんですよ。自治体の首長さんがちゃんと地方公聴会に資料までつくって持ってこられて、こういう手続きでこれだけかかると、こう言っていらっしゃるんですから。三十六万円なんかとっくにオーバーしちゃうでしょう。
○政府委員(小島弘仲君) お示しのお手持ちの資料については承知しておりませんので、精査いたしましてまたお答えいたしたいと思います。
○和田静夫君 大蔵大臣、どうです、私の質問。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる零細補助金というものは考え直せという御趣旨だと私どもも理解をいたしております。したがって、従来とも零細補助金を対象にして今日までも整理合理化の努力は続けておる。中身は詳しく私にはわかりません。
○和田静夫君 委員長、全国知事会を含む地方六団体で構成する行政改革推進特別委員会が、昭和五十七年六月に一般財源化を検討すべき補助金の事例を挙げたわけです。大蔵大臣と自治大臣、私はこの零細補助金というのは、今も答弁ありましたが、原則として地方の一般財源化すべきであると考える。交付額よりもコストがかかる補助金は地方団体の意見を聞いた上で統合するなり、あるいは一般財源化する、そういうふうに考えるべきだと思うのですがね。
○国務大臣(竹下登君) 考え方、そのとおりだと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 零細補助金は、今先生のお話しのように、私は一般財源化すべきものと考えておりますし、また国家公安委員会にも百万以下というのは全然ございません。
○和田静夫君 大蔵大臣あるいは総務庁長官ですかね、この零細補助金に限らず補助金の交付申請、これは兵庫の知事が見事に言われましたけれども、これは資料なんですがね。額の確定まで三十三段階の手続が必要で、この間一年六カ月かかるというんですよ。これはもっと簡素化すべきでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 補助金の申請手続が厄介で、御説のように余り少額補助金になると申請の方に金がかかり過ぎるなんというような批判が従来あることは事実でございます。地方団体からもいろいろ御意見が出ております。私の方は従来からそういう意味において簡素合理化を各省庁にお願いしておりますが、ことしは私の方としては、監察の対象に挙げて、補助金申請の手続の簡素合理化を図っていきたい、監察をいたしたい、かように思っています。
○和田静夫君 そこで高率補助金ですが、厚生大臣、元来高率補助金は国家があれする施策で、基本的には国が財源を負担するという趣旨で行われてきたわけですね。今回の一割地方負担増というのはその趣旨で変わったのでしょうかね。
○国務大臣(増岡博之君) 生活保護のことは国民の生存権を保障する最後のよりどころでございますので、今回の措置につきましても、自治体の福祉の後退がないようにということで考えたわけでございます。したがいまして、従来から国と地方とで負担をしておりました分を、その負担区分の変更をしようとするものでございまして、必要な事業の実施には支障が生じないと思っておりますけれども、最終的にはやはり国の責任というものも確保しなければならないと思っておるわけでございます。これは単に生活保護のみならず、社会福祉制度全般につきましても、その趣旨を十分に踏まえて今後の施策の推進に努力をしてまいりたいと思います。
○和田静夫君 要するに施策の性格が変わっていないのに負担の割合が変わるというのは、これは納得できないんですね。 自治大臣、地方財政法二条二項というのは何というふうに理解するんですか。
○政府委員(花岡圭三君) 御承知のように、地方財政法は、地方自治の本旨の実現を目指し、国と地方の財政関係の原則を決めた基本法でございます。その二条二項の趣旨は、地方団体の自主性、自律性を強化するために国と地方の負担区分を明確にし、国と地方の間の健全な財政秩序の確保を図る点にあるわけでございます。したがいまして、地方財政法二条二項において禁じられております負担を転嫁するということは、国の責任において行うべき事務を地方団体に行わせ、しかもそれに対する十分な財源措置を講じない場合のように、本来国が負担すべきものとされる経費を地方団体に負担させることを意味するものと考えておる次第でございます。
○和田静夫君 そうでしょう。今回の措置というのはやっぱりどうしても納得できません。今回の措置で負担増になる自治体というのは一つもありませんね。
○政府委員(花岡圭三君) 今回の措置によりまして、経常経費、投資的経費含めました地方団体の負担の増は五千八百億円でございましたが、これに対しましては、地方交付税の増額及び建設地方債の増発によりまして完全に補てんしたところでございます。
○和田静夫君 ところが、国から見ればたかだか一割カットにすぎなかったでしょうけれども、地方から見れば、これは一・五倍の増ですよね。地方交付税で手当てをすると今言われましたけれども、不交付団体はどうなりますか。
○政府委員(花岡圭三君) 今回の補助率カットこ伴います地方負担の増につきましては、昭和六十年度及び増発した建設地方債の元利償還が行われる年度におきまして、基準財政需要額に増額算入することとしております。そういった意味では、交付税を通じて所要の措置がなされるものであります。 不交付団体につきましては、昭和六十年度の場合、経常経費系統に係る国庫補助負担率の引き下げによる地方負担の増加額に対しまして、交付税の基準財政需要額への算入措置、これを行いますけれども、現実には財源とならないために地方債を増発するということで対処したところでございます。
○和田静夫君 それで、大蔵大臣、政府はこの補助率引き下げ分を完全に補てんしたというふうに抗弁されるんです。これは全然私は違うと思うんですね。交付税の不交付団体もそうですけれども、建設地方債の元利償還を全額面倒見ますか。
○政府委員(吉野良彦君) 六十年度におきましてお願いをいたしております建設地方債の増発分は四千八百億円でございますが、これは個々の地方団体につきましての処理でございますが、各年度の元利償還金につきましては、従来講じました財源対策債と同じように、交付税の算定に当たりまして基準財政需要額に算入をするという措置が講ぜられることになっております。
○和田静夫君 そこで、政府の強引な措置によって交付税の特定財源化が一層進んだと私は見ますが、一般財源化を地方交付税の基準財政需要額の算入と解するのであったならば、交付税の総枠が当然拡大されなければならぬでしょう。自治大臣いかがでしょう。
○政府委員(花岡圭三君) 地方財政の立場から申し上げますと、御指摘のように、地方負担の増加額、これにつきましては地方交付税の特例措置でカバーされることが望ましいわけでございまして、交付税による財源の確保を強く要請したところでございますけれども、御承知のように、昭和六十年度におきましては、厳しい財政状況のもとでその全体を交付税の増額で措置することができなかったわけでございまして、交付団体に係る経常費系統の地方負担の増加額の二分の一を措置するということで決着して、交付団体の残りの分につきましては、一応当面六十六年度以降交付税に加算するということで措置をすることにしておるわけでございますが、残余の額は建設地方債の増発で対処したわけでございます。
○和田静夫君 自治省非常に苦しい答弁ですから気の毒には思いますけれども、少し腹の中にあるものをさっと出した方がいいと思うんですかね。一方的に負担を地方に押しつけるのは、これは許せないことです。地方財源に余裕があるからといって国に召し上げるということなら、これは地方自治のじゅうりんですよね。国は補助率切り下げをやる前に機関委任事務への国の負担をはっきりさせるべきだと思うんですよ。いかがでしょう。
○国務大臣(古屋亨君) 今先生の御意見は、私どもも趣意においてはそのとおり考えておりますが、実は交付税も一千億の上積みをしていただいたのでありますが、本当に全部上積みして二千億やってもらいたかったのでありますが、それは国の厳しい状況下でやむを得ない、私どもは建設地方債に回さざるを得なかったというように考えております。
○和田静夫君 官房長官、いわゆる機関委任事務への国の負担というのは、やっぱりもっとはっきりさせるべきだという主張、内閣としてどうです。
○国務大臣(古屋亨君) どうも私から答弁していいかどうかわかりませんが……
○和田静夫君 自治大臣はもうわかっているんですよ、委員長。自治大臣はそれは当然だと言われるんですよ。政府としてですよ。
○国務大臣(藤波孝生君) やっぱり自治大臣がどう答えるかということが非常に大事だと思いまして自治大臣にお願いしたところでございますが、御趣旨はよくわかりますけれども、今次の措置につきましては、政府として、累次にわたりましていろいろな協議をいたしまして出した結果でございまして、今の出しましたような方針で進めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。御理解をいただきたいと思うのでございます。
○和田静夫君 官房長官ね、法務大臣非常にいいことを言われまして、自治体が指紋の押捺の問題で、人権上の問題もこれあり、告発をしないとしたら、将来に向かって法改正の方向があるのを読まれていろいろなことを考えられるのは自由だろうけれども、しかし現行法がある、現行法に基づいてやってもらいますと、そういう談話が出たわけです。そのことが内閣の統一の見解であるとするならば、現行法があるにもかかわらず、制度問題を除いて予算が先行する、一割カットやってしまう、こんなこと許せないじゃないですか。
○政府委員(吉野良彦君) あるいは自治省の方の御答弁がふさわしいかと存じますが、先生も御高承のとおり、地方財政法にそれぞれ規定がございます。第九条には、「地方公共団体又は地方公共団体の機関の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担する。但し、次条から第十条の四までに規定する事務を行うために要する経費については、この限りでない。」と書いてございまして、十条から十条の四までそれぞれ個別に規定がございます。そうして、そのそれぞれの経費につきましては、それぞれの経費に係る実定法で負担の割合が定められているわけでございます。今回お願いしてございます、いわゆる負担割合の変更につきましては、それぞれの実定法で定められております割合、例えば生活保護費につきましては、生活保護法に国の負担割合が八割と書いてあるわけでございますが、この法律改正を七割という形で改正をお願いをして、六十年度の負担割合を決めさせていただこうというものでございますので、決して、いわゆる予算のみが先行して法律をそっちのけにしているというようなものではないというふうに考えております。
○和田静夫君 したがって、今ごろまで衆議院の予算委員会があって、予算の論議は最終的には採決を待つ、締めくくり総括は片一方が上がるまでは待つ、こういう手法であるべきだったでしょう、法務大臣のお言葉を逆さまにとってみれば。大蔵大臣、いかがです。
○国務大臣(竹下登君) 予算審議をお願いする前に、一つの論点としては、いわば予算執行の裏づけとなるところの関係法案は同時に出せと、こういう議論が従来からありまして、そこでいろいろ議論の詰めを行って、大体予算関連法案については二月の最後の金曜日でございますか、時には火曜日のときもあります、そういうところに焦点を合わせて提出するということでおおむねの合意ができて、それがある種の慣行になっておると。今度はその法律を国会でどう始末していただくか、こういうことになりますと、国会自体でのお取り計らいの中で我々がそれを論評する範疇の外にあるんじゃないかなと、これが基準の答弁であります。
○和田静夫君 自治大臣にこの問題で最後に聞いておきますが、こういうような措置を来年度以降もやるなどということはよもやないとは考えますけれども、大臣、そうでしょうね。
○国務大臣(古屋亨君) 今回の補助金の一括引き下げの問題は、私は六十年度の問題として考えておるのでございまして、六十一年度は地方団体の意向を十分聞きまして適正に対処いたしたいと思っております。
○和田静夫君 次の問題に入ります。タクシーの料金ですが、運輸省、このタクシー料金というのは各社の経営状況に応じて申請されてくると思われるのですが、いかがでしょう。
○政府委員(服部経治君) 仰せのとおりだというふうに考えております。
○和田静夫君 申請を受けて運輸省は同一地域同一運賃の原則に従って料金を許可する。そうすると、業者の中には当然みずからの経営状況にとって不本意な料金を押しつけられる、そして決められてしまう、そういう理屈は成り立ちますね。
○政府委員(服部経治君) 事業者の主観的な理解においてはあるいはそのようなケースもあり得るかと思います。
○和田静夫君 公取委員長、同じ質問ですがいかがです。
○政府委員(高橋元君) 不本意とおっしゃいますのは、道路運送法で運輸大臣の認可方針というのは決まっておるわけでございます。認可基準は決まっておるわけでございますが、その場合に「能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」と、この基準が個別の申請業者から見ましてあるいは高く、あるいは低いという場合があり得るかというお尋ねというふうに思いますが、私もそのような場合があり得るとは思っております。
○和田静夫君 公取は五十七年にこのタクシー料金自由化の見解をお出しになっていますが、その背景となる考え方。
○政府委員(高橋元君) 日本では非常に広範な事業分野、例えば産業連関表を使いますと四割ぐらいに当たりますが、そのくらいの広範の事業分野において参入とか、設備とか、数量、価格、これに係る事業者の経済的な事業活動を法律に基づいて政府によって規制するということが行われておるわけでございます。政府規制制度というのは法律をもって定められるわけでございますから、その導入の当時、経済的社会的な理由が十分にあったということではございますけれども、導入されて後経済社会の事情もかなり変わってくるわけでございますし、年数がたちますと、それを本来発想されましたそのような基盤というものが移り変わってくることはまた当然起こり得ることで、戦後いろいろな時期に導入されましたこのような政府規制制度を年数が経過し、社会的経済事情が変わったという前提で見直していただきたいということを申しましたのが五十七年八月の提言でございます。それは同時に、国際的にもそのような動きがございまして、経済を効率化していくためには自由で活発な競争と申しますか、自由市場での競争が資源配分について最も信頼の置ける効果的な手段であり、競争にかえて規制または公的所有をとるのは、目的を達成するために必要な場合のみに限られるべきである、こういうような考え方が外国でも非常に高まってまいりました。五十四年の九月でございますか、OECDの理事会からも勧告が出たわけでございます。 そういう勧告がありましたことも念頭に置きまして公正で自由な競争によって、一つは消費者を保護する、一つは価格の引き上げを抑制でき、物価の上昇を抑圧することができるのではないか。もう一つは経済活動をより活発にすることができるのではないだろうかという観点で、現状で、つまり五十七年当時でありますが、政府規制制度の目的がなお合理的かどうか、規制の範囲、手段が適切であるかどうか、そういうことについて検討することが必要ではないかという提言をお出ししたわけでございます。
○和田静夫君 そこで、委員長、個別申請をしていても申請料金を談合で決めたり、業者団体が各社におまえのところは何円で出せと指示しているとすれば、これは独禁法との関係ではどうなりますか。一般論ですが。
○政府委員(高橋元君) 事業者団体または個々の事業者がタクシー運賃の申請に当たって申請の額、幅、時期などを決めて、それを団体でございますれば構成員、それから事業者個人でありましたらそのグループに実施させるということでありますならば、それは申請が個別事業者によって行われたとしても、そのような行為そのものが一定の取引分野における競争の実質的な制限または構成事業者の機能、もしくは活動の不当な制限ということに当たりまして独占禁止法の第八条または第三条の規定に抵触するおそれあるというふうに考えております。
○和田静夫君 それで、昭和五十八年に東京のタクシー業者が料金改定の申請をしました。その申請状況を私は調べてみた。その申請料金は、各社の収支状況とは全く無関係に出されている。収支率の高低によって申請料金は異なるはずです。ところが、収支率の高低とは無関係に料金申請がなされている。しかも二百四十二社の三分の二が四百九十円を申請している。公取委員長、これはなかなかうまくカムフラージュされていますが、実をいえば業者団体が各社に申請料金を指示した。それに従って各社がそのまま料金改定を申請していることの傍証なんです。 まず、収支率に基づかない料金申請についてどういうふうな印象をお持ちでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 私どもは、各地域のタクシー運賃の変更の申請がどのような経緯でなされたか、一々個別に承知をいたしておりませんが、今も申し上げましたように、事業者団体が申請の額なり、幅なり、時期を決定して構成員に実施させたといたしますならば、そこには独占禁止法違反の状態が起こり得るおそれがあるというふうには考えております。
○和田静夫君 ぜひ私は業者団体の巧妙なやり方についてこういうのはきちんと調査をしていただきたい。 それからもう一問尋ねますが、運輸省の同一地域同一運賃決定システムがこういうような収支率に基づかない料金申請になってきている、そういうふうに私は考えますけれども、これは委員長どうでしょう。
○政府委員(高橋元君) 前にもこの委員会でお答えを申し上げたわけでございますけれども、同一地域同一運賃の原則に従います運輸省の行われます認可処分、認可処分は行政処分でございまして、事業者の行う事業活動でないわけでございますから、認可申請の効力そのものを独占禁止法の立場からどうこうということはできないわけでございます。ただ、認可に当たりまして本来ならばそこまで引き上げなくてもいいというふうに思っております業者があった場合に、そういう無理無理仲間内で強制を加えて、より高い運賃の認可申請をやらしたとすれば、その場合には法律に触れる事態も起こり得ようということだけ申し上げることができると思います。
○和田静夫君 最後に運輸大臣、私はこの料金を野放しにしていいとは申しません。だが、今の料金決定システムはきつ過ぎる。したがって、業者が談合を行って、収支率に基づかない料金で申請してくるということになるわけです。大臣、改善の余地があると思うんですがね。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから答弁いたしておりますように、要するにタクシーというようなものが同一地域において能率的な経営をやり、また経営者が企業努力をやるならば大体収益率というのは同じ結果が出なければなりませんが、御指摘のようにある程度のばらつきがこれは結果的に出ているわけでございます。私は、そういった問題だけではなくて、やはりタクシーというのはある意味においては一つの交通秩序と申しましょうか、あるいはある程度公益性を持ったものである。 具体的に例をとって申し上げますと、例えば今実車率、実際に客を乗せて走っている率というのは五〇%そこそこでございますから、日本のように油の少ない国は今後いわゆるタクシー乗り場というのをもっとふやしていく必要がある。例えば駅前にタクシー乗り場があって、もしも自由料金制みたいにいろいろ基本料金が違った場合には、お客さんはやっぱり選んでいきますよ。最初の車が四百八十円、ずっと何台か見て十台目に三百五十円ぐらいのがあったら、これに乗りましょうということになる。そうしますと、先着順に並んでおったタクシーの運転手同士の争いが起きる。あるいはまた、各社ごとに競って値段を下げるということになると質の低下を来たすという問題が起きる。あるいは今日本に年間二百万人からのお客さんが外国から来ております。私も方々出てまいりますが、先進国におきましては大体こういったある程度公益性を持ったタクシーのごときは表示をして同一料金であることの方が、一番安心感があります。今日成田でしばしばトラブルが起きておる。それはいわゆる公定の運賃ではないいわゆる白タクというものの争いで、いろいろな不快感を外国人に与えているという、そういった実態にかんがみますというと、やっぱりこれは運転手の質を維持しながら、また安心して乗れる、あるいはまた対外的にもいわゆる交通秩序の維持、今申し上げましたある程度の公益性を持った企業という面から見るならば、私は今日このタクシーの同一地域同一運賃側というものはやっぱりこれは守っていくべきであろうと、このように理解をいたしております。
○和田静夫君 総務庁長官、私はタクシー料金の決定権を中央官庁が握っているというような事態はもう改善していいのだと思うんです。思い切って都道府県にゆだねる方向で指導されませんか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 規制緩和の問題が今私の方の大きな課題になっております。その際に、運輸行政というのは大体従来はどちらかといえば許認可事務が中心になっておる、したがって、私どものこれからの作業の大きな眼目になるのじゃないかと、こう思っておりますが、これは今行革審で審議をいたしております。 今おっしゃった、中央でやらないで都道府県に委任したらどうだというのについては、これは慎重に考えさせていただかないと、それがいいとここで申し上げるわけにはまいらないとこう考えます。
○和田静夫君 後藤田総務長官だからもう少しいい答弁が出るかと思ったのですが、やっぱりその程度でしたかという感じがします。しかし検討に値すると思いますので、十分に検討していただきたいと思います。 法制局長官、SDIですが、アメリカがSDIの共同研究を呼びかけてきている。NATO諸国が参加する中で日本も参加するという事態になると、仮にキラー衛星を共同開発するということになったと想定すると、集団的な自衛権の行使に踏み込んでいくものと危惧される。武器禁輸に抵触するのではないか。長官、研究のある段階で集団的自衛権に触れてくるというふうにはお考えになりませんか。
○政府委員(茂串俊君) 集団的自衛権といわゆるSDIの関連の問題についての御質問でございますが、例のSDIの問題につきましては二十一世紀を見越した長期の構想であると伺っておりまして、まだ研究の段階であるというふうに聞いております。それからまた、これが我が国の憲法上禁止されておる集団的自衛権とどういう関係になるのか、これ自体はまことにまだはっきりしない段階でございまして、その点がこの研究が進むにつれてあるいは関係が判明してくるのではないかと思いますけれども、いずれにしましても集団的自衛権というのは、我が国の武力行使にかかわる概念でございますので、まず余り関係は出てこないのではないかと、これは大変私の主観的な見解で申しわけございませんけれども、余り関係は出てこないのじゃないかというような感じもしておりますが、その程度にとどめておきたいと思います。
○和田静夫君 同じ質問、外務大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 全く法制局長官の見解と同じでありまして、まだSDIが全く表に全貌を出しておりませんし、非常に長期的な構想でございますから、現段階においてこれに対してコメントするというのはちょっと早計じゃないだろうかと思っております。いずれアメリカから専門家もやってきますし、十分意見を聞いた上で判断をしなければなりませんが、いずれにしても日本のやはり基本的な考え方、基本姿勢というものはこれは貫いた中で判断していかなければならぬと思っています。
○和田静夫君 私が置いた前提に基づく今の両大臣の答弁というのは大変不満でありまして、意見を異にいたします。しかし、もう少し時間がたった段階でより深い論議をしてみたいと思います。 そこで防衛庁長官、NATO定義によって日本の防衛費を計算すると幾らになりますか。これまでの防衛庁見解というのは、NATO秘だから言うことはできない、計算できないと。それなら、SIPRIのイヤーブックにNATO定義が規定されていますね。そうすると、このSIPRIのNATO定義に従って計算してみると日本の防衛費は幾らになり、対GNP比は幾らですか。
○国務大臣(加藤紘一君) NATOの防衛費の定義というものがどういうものであるかNATO自体が明確に出しておらないわけですけれども、いろいろな情報等の公開されたものの中からある一定の推測をすることも可能であろうと思います。その中で最大の問題は軍人恩給費をどう見るかということでございますが、その軍恩を仮に防衛費の上にプラスしたならば、大ざっぱに言って一・五%GNPぐらいになるのではないかと思います。
○和田静夫君 長官、防衛費一%枠の歯どめを廃止しても、定性的な歯どめがあれば日本は軍事大国にならないと考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(加藤紘一君) 私たちは今、五十一年の閣議決定GNP一%というものを従来から守ってまいりましたし現在も守りたいと、こう考えておるわけでございます。今後の動向につきましては、私たち、かなり不確定な要素がいろいろあるわけでございますけれども、そういう仮に万が一、一%枠を守り切れないというような場合の議論につきましては、従来総理大臣が数回衆議院及びここでも申し上げておると思いますけれども、その時点におきまして国会の御議論、過去の政府の答弁等を慎重に踏まえながら検討してまいりたい、こう考えております。
○和田静夫君 銀行局長、国民相互銀行の融資で私のところへ訴えが来ているわけで、前々から銀行局といろいろ下打ち合わせしてきた問題ですが、国民相互の目黒支店、当時鈴木章夫という支店長が、鉄道施設工業株式会社、これは北村泰雄という社長で千代田区の鍛冶町一-十六-十七にあるのですが、融資を行ってきた。この鉄道施設工業なる会社というのは五十四年十月に倒産してしまった。既に前年夏から利息を払えない状態が続いてきました。
○委員長(長田裕二君) 時間が参りました。
○和田静夫君 後のをもらっていますから。 その段階で杉並区のA氏に知り合いの不動産業者から鉄道施設の連帯保証人になってくれとの話があった。うかつにも五千万円の根抵当権を設定して保証人になった。国民相互はさらに、利息支払いが滞っているにもかかわらず五十四年九月には中小企業金融公庫から一千万円、日本生命から五十三年十二月に一億円、みずからが連帯保証をする形で鉄道施設に融資している。これらの融資はA氏には全く無断で行われた。この日生からの融資は十二月二十一日付で行われているのですが、同じ日にはB氏が連帯保証人になっているのです。その際に、支店長は倒産しないと保証して、登記所まで支店長が同行したんです。そして、五十四年十月に鉄道施設が倒産する。この段階での問題点は、利息滞納があるにもかかわらず鉄道施設と無関係のA氏とB氏を連帯保証人に仕立てた、そして中小公庫と日生に融資させた。この二つもひっかかったのだと思うんですが。 第二の問題は、その後A氏が鉄道施設の債務を弁済していくわけですが、その際の銀行側の対応がでたらめだったんです。第一に、A氏が支払った額、日付が受取証と銀行側の提出書類とでは全く違う。第二に、利息計算が全くでたらめで、五十七年四月には銀行側も非を認めて五百万円A氏に戻した形で弁済する。ところが、この五百万円もその明細が一切明らかにされない。これは取引に疎い老人をだまして連帯保証人に仕立てる。そして、倒産後の債権回収を担保した疑いが非常に強いわけです。そして、さらに倒産後にはいいかげんな利息計算で債権確立を図ったのではないかとこれは思われるのです。 大蔵省はもうお調べになっていると思いますから、わかっている範囲で答弁いただきたいし、警察庁、法務省はこの件をきちんと調査をされるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) お尋ねの鉄道施設工業の件でございますけれども、個別の取引でございますので詳しくは申し上げさせていただけないわけでございますけれども、先生がおっしゃいました、その延滞後も連帯債務保証あるいは貸し出しが行われているという事実は、倒産が実は五十四年十月ということに承知しておりますけれども、それまでの間保証が行われているわけでございますけれども、延滞している事実はございません。それで、私どもも御指摘のような事実の苦情もございましたので、これを国民相互銀行に伝えてございます。国民相互銀行はその伝えを受けまして、御苦情のある方の代理人とそれから国民相互の代理人、それぞれ弁護士でございますけれども、話し合いを始めておるというふうに聞いておりますけれども、その後、これは個別の保証の取引に関することでございますので、話し合いがどこまで進んでいるか正確には把握していないわけでございます。 しかし、今の御指摘もございましたから、まだその交渉の状況を正確に把握しておりませんけれども、御指摘を踏まえましてなお実情を調査させていただきたい、かように考えておるわけでございます。
○政府委員(金澤昭雄君) ただいまお話しの件でございますが、今伺いまして、詳しい実態については警察としては現在把握をしていないわけでございます。これから必要な情報を必要に応じていろいろと集めまして、その段階で適切に考えてまいりたい、こういうふうに思います。
○政府委員(筧榮一君) 私どもまだ具体的な事実関係承知しておりませんが、その事態の推移に応じまして、その間に犯罪の嫌疑というものが生ずるのであれば、その時点で検察当局としても適切な措置をとるものというふうに考えております。
○委員長(長田裕二君) 以上で和田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(長田裕二君) 次に、矢原秀男君の一般質疑を行います。矢原君。
○矢原秀男君 まず、外務大臣に御質問いたします。 今大きな懸案事項になっております日米経済摩擦の打開のために、レーガン米大統領の特使として三月の三十一日の午前十時、シグール大統領特別補佐官とオルマー商務次官がまず中曽根総理と会談をされました。そういう中でいろいろ報道を分析いたしておりますと、大統領親書の中で、大統領が憂慮しております、このままでは対日報復法案が議会を通過する情勢にあると、こういうふうに非常に懸念をする中で、このままであれば保護主義の動きを食いとめることも心配であると、こういうことでございますけれども、その夜安倍外相との懇談が行われております。その一部をちょっと見ておりますと、米議会でダンフォース・ボーレン決議、これは対日報復措置を大統領に求めたものであると言われておりますけれども、米上院で三月の二十八日に満場一致で可決をしておる。それを正式の法案とする動きもあり、次には可決の可能性が出てくるのではないか。そういうことで、日本政府の決断、市場開放、こういうことを非常に強調をしているわけでございますけれども、会談の内容、そうして外相が向こうに示された、そういうことについて具体的に伺いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 米国の議会におけるこの保護主義的傾向、対日不満の空気が非常に高まっております。特に、今お話しのように、先週上院で日本に対して報復措置をとることを要求する決議案が九十二対ゼロという形で可決をされました。そして、今これを法律化しようという動きが出ております。こうした情勢の中で目下最も注目されておりますのが、本日からの日本の電気通信事業の開放でありまして、先週小山郵政事務次官が訪米をいたしまして、オルマー商務次官と最終的な詰めを行ったところであります。米側は、小山次官の努力を高く評価しながらも、前述のように非常に厳しい情勢に対処するためにはいま一歩日本側の協力が必要ということでございまして、レーガン大統領からの親書は、このような情勢を背景としてシグール特使派遣の趣旨を述べたものでございまして、中曽根総理との会談では、先方より現下の米国内の情勢を述べるとともに、今後さらに検討を続けることになっております技術基準及び透明性確保の面で日本側が格段の努力を要するとの積極的姿勢を示してほしいということでありまして、一口で言いますと、米側の重点は米国企業に公平な市場の機会を与え、規制の面でも公平を確保することでありまして、我が国もそれを目指して努力すると述べたわけであります。 こうした状況の中で米国の保護主義の口火が切られることは日米両国関係にとっても好ましくないのみならず、世界の自由貿易体制にも悪影響があるということで、我が国といたしましても積極的に米側に対応をしたいと考えております。米側が特に重視しております技術基準の問題については直ちに米側も交えて技術的な研究を開始をいたしまして、予定されている二カ月間という期間を早めても、できるだけ早急に双方満足のいく結論を出すべく努力することは相なっております。
○矢原秀男君 外相、次の予定がございますので、もう一点結論的に伺いたいと思いますけれども、この六十年の当初に大統領と中曽根総理が会談をされて非常に経過をしております。そうして、この問題につきましては本当にすべての人が憂慮しているわけでございますけれども、この四分野の市場開放を中心とする中で、総理、そうして安倍さんも河本さんも竹下さんもいらっしゃいますけれども、結論的に申し上げますと、国内における財界、関連業界との調整というものが、きのうの日曜日のテレビで総理のしゃべっていらっしゃることを拝見しましたけれども、九日に世界に向けて、そうして日本の国内に向けて、理解、協力を求めると、こういうふうな一大決意をされていらっしゃることを私じかにテレビで見ました。しかし、今申し上げておりますように、財界の調整、関連業界の調整、そうして与党でございます自民党さんの調整というものが果たして九日までにできるのかどうか。そういうことは本当は総理にお伺いすればいいのでございますけれども、きょうはお見えでございませんので、外相にまず伺ってみたいと思いますが、この点いかがでございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 九日に予定されております対外開放政策の決定につきましては、河本座長のもとで関係閣僚が集まって行うことになっておるわけでございますが、これは今お話がございましたように、米国における大変な今保護主義の高まりがございまして、これを切り抜けて何とかやはり自由貿易体制を堅持していかなければならない、それ以外に日本がこれから世界の中で経済の安定、繁栄を図る道はない、こういう決意のもとに取り組んでおりまして、四つの分野に分けまして今交渉が続けられております。非常にうまくいっておるところもありますし、なかなか困難なところもあるわけでございますが、この交渉の段階におきましては、与党あるいはまた関係方面のいろいろと意見も聞きながらこれに取り組んでおるわけでございます。いずれにいたしましても、九日にはこれらについて総まとめ的な一つの方向を打ち出さなければならないと、こういうふうに考えております。
○矢原秀男君 じゃ、河本特命相にお伺いをしたいと思います。 非常に御苦労をされていらっしゃるわけでございますけれども、やはりこの対外経済問題諮問委員会が大来さんを座長とされまして、三月の三十日報告書という形になっているわけでございます。この対外経済対策の三本柱を見ておりますと、既に御承知のことでございますけれども、一つは経済摩擦を回避するための中長期的な政策という目標、二番目には通信機器など米国向け四分野の市場開放策、三番目には輸入手続の簡素化、その中で欧州共同体、東南アジア諸国向けも含めたその他の市場開放策、こういうことが三本柱となっているようでございます。今まで六回にわたる対外経済対策というものがともに不満足という形の中で今回参ってきたと思うわけでございます。そういう意味で、これに対しまして河本特命相のお考えをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 今日本の貿易摩擦を処理するために、緊急の課題と中期的長期的に考えました抜本的な対策を立てるという二つの課題があると思います。そこで、緊急の課題は今御指摘の四分野の問題でございまして、これは関係者の間で懸命に努力をいたしまして、近々結論が出るような方向に持っていきたいと思っております。しかし、この四分野の市場開放をいたしましてもなかなか問題は解決しないと思います。 そこで、中長期的に問題を抜本的に解決するためにはどうすればよろしいか、こういうことで諮問委員会に二つのことをとりあえず御意見をお聞きしておりますが、その一つは、これまた先ほど御指摘の、過去四年間の間に六回市場開放をいたしましたが、この市場開放がなぜ海外から評価されないのか、そういうことについて徹底した分析をしてみてください、分析と評価をひとつお願いしたい、問題点がどこにあるか、それをはっきりさせてくださいと、こういうことをお願いしております。 それから第二点は、これからの問題でございますが、我が国が貿易立国として、また世界の第二の経済大国として国際的に果たすべき役割、それから貿易摩擦を抜本的に解消するためにはどうすればよろしいか、そういう観点からのいろいろな問題点の整理、こういうことについて御意見を聞くことにいたしておりまして、この点につきまして、これまた今最終の段階にございまして、九日までには何らかの答申をしていただけるものと考えております。 それから第三の分野につきましては、これも作業中でございますが、これはあるいは九日までに間に合わないかもわかりません。懸命の努力をしておりまするけれども、あるいは若干ずれるかもわからぬと、こう思っております。
○矢原秀男君 先ほども外相質問いたしたわけでございますけれども、総理が河本さんのところで鋭意積み上げていらっしゃる中長期的な政策目標というものが四月の九日決定をもしされて、内外にテレビを通しても決意表明、具体的な問題を提示される、そういうふうなスケジュールかと思いますけれども、私が今申し上げました、本当に国内の財界調整と関連業界の調整が河本大臣のところで窓口になると思いますので、やはり中心になられると思いますけれども、それが本当に調整できるのか。 二番目には、先ほど申し上げました与党の自民党さんの関係の方々との調整というものが、こんなに期日のない中で実際に調整ができるのかどうか。もしそれができないままで不満足に発表、表明ということになれば、報道によりますと四月の二日には向こうでも議会があるようでございますけれども、そういうような問題を含めてやはり大きな課題を残してくると思います。そういうふうなことになりますと、私今心配しておりますのは、そういう調整の問題と、そうして対外経済問題諮問委員会が報告の中で提言をされました策定作業の開始はどうなるのか。そうして目標達成の時期はどうするのか。それから、そういうふうなものが本当に日米監視の中で監視体制づくりというものがどうなるのかということを政府が明確に打ち出さなければいけない大きな今後の課題というものがあると思います。そういう問題はいかがでございましょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 四分野のうちで木材関係を除く三つの分野におきましては相当作業が進んでおります。通信の分野にはまだ若干細かい点で残った点がございますけれども、私は大勢としてはいい方向に行っておると、こう思います。 ただ、木材製品関係の分野は、これはその分野そのものが不況業種でございますので、市場開放をするためには相当な工夫と努力が必要であります。今御指摘のお話はこの分野に関する問題点だと、このように思いますが、これには林業政策全体を一体どうするのか、それを背景として木材産業を一体どう考えるか、こういう抜本的な対策が必要でございまして、相当な資金も必要だと、こう私は思います。もちろん農林省で今いろいろ御検討をしていただいておりますが、政府としてやる以上は、必要な資金を出さないでやれと言ってもこれは大変難しいと思うんです。必要な資金を、財政不如意のときでありますけれども、何とか工夫をして出していただきまして、そしてある程度のことはやはりしなければいかぬのではないか、今こういうことで党とそれから内閣の方で協力しながら作業を進めておるところでございます。
○矢原秀男君 具体的な問題になりますけれども、米国が問題提起をした市場開放の各部門別のいろいろなことがあろうかと思いますけれども、関税の引き下げ問題とか電気通信関係の問題であるとか、そういうふうな中で非常にこれは時間がかかるなと思われるようなことがございましたら、少し項目を挙げていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) さしあたって緊急の課題としての四分野を急いでおりまして、この分野では何とか目鼻をつけなければならぬ、こう思っております。ただ、この四分野の問題が解決をいたしましても、多分諮問委員会から中期的あるいは長期的な観点から抜本対策をやるべきだ、こういう御意見が出ると思うのです。と申しますのは、やはりアメリカなどの貿易の事情を見ておりましても、アメリカは昨年と一昨年に約一千億ドルの輸入がふえております。なぜわずか二年間の間に一千億ドルもの輸入がふえたかといいますと、これはやはりレーガン大統領の思い切った経済政策の展開によりまして大変経済の状態がよくなった。経済が強くなってきた。そこで、国内の需要が拡大をいたしまして、とても国内生産では間に合わないということで外国からの輸入が一千億ドルという大きな数字になった、このように思うんです。 そういうことでありますので、我が国といたしましてやはり市場の開放をいたしましても、内需の拡大ということが一方で進みませんと購買力がありませんから外国から物を買うことができない、こういう問題に対してどう対処するか、こういう問題もございます。 それから、為替問題がございまして、御案内のような状態でございますから向こうの品物は高くてなかなか買いにくい、日本の商品は割り安になりましたので売りやすい、こういうことになっておりますので、この為替問題をある程度解決しませんとなかなか抜本的な解決にならない。これまでは向こうの金利が高いので円安になるのだ、このように言われておりましたが、最近の動きを見ておりますと、やはり経済の基礎的な条件の強さ、弱さにかかっておるような感じもある程度出てまいりました。したがって、金利だけではなく、やはり日本経済をアメリカ経済に負けないようなそういう方向に強くしていく、こういう工夫をしませんとなかなか為替問題も解決をしないのではないか。これまではアメリカだけをけしからぬ、けしからぬと言っておりましたけれども、どうもやはり我が方にも反省すべき点があるのではないか、こういう問題もあろうと思います。抜本的な問題である内需の問題とそれから為替問題、そして市場の開放、この三つを並行して進めませんと、とても抜本的な解決にはならない。四分野の問題は緊急の課題ではありますけれども、これによって問題のすべてが前進するものではない、私はこのように憂慮いたしておるところでございます。
○矢原秀男君 左藤郵政相、昨夜も御苦労さんでございますけれども、会談の内容と郵政相の決意、そういうことをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君)昨晩九時からシグール特使及びオルマー商務次官とお会いをいたしまして、シグールさんから、またオルマーさんから、米国の要望というものに対しまして我が国が今日まで真剣に努力してきたこと、前向きに対応してきたということに対しては、これを多とする旨の表明がございました。その後、しかしながら通信機器の技術基準の内容、先ほど外務大臣からも御説明がありましたが、それからもう一つは作成過程での透明性の確保、こういう点についてまだアメリカ側では十分納得していないと、こういうことで、この問題についてきのうの午前中に総理にもお話になったようでございますが、総理からもお話があったと思います。あくまで自由貿易を堅持する立場でその解決に努力するというお考えでございましたので、私もそのことを申しました。 具体的なことといたしましては、技術基準につきましてネットワークへの損傷、ハームというものをどうとらえるか、あるいはまた品質の悪い端末機器ですか、これにどう対処するかということで、日本とアメリカの制度も違いますし考え方も違っておる。この違っておるというところからいろいろまだ十分納得が得られていないのじゃないか、このように思いまして、その点について話し合いをしたわけでございますが、技術基準を、先ほど外務大臣からもお話がございましたように、きょうから省令で施行しておるわけでございますが、その項目が今まで電電公社が技術基準を設定したときは五十三項目ありましたのを、今回省令で三十項目に減らしておりますけれども、さらにもう少し減らすかどうかということについてこれから具体的に専門家のレベルで詰めていかなければいかぬということで、この専門家の話し合いもなるべく早くやっていって、問題の早期解決に努力するということにつきまして、我々の方もそういうことで向こうに申し上げまして、向こうのシグールさん、そうしてまたオルマーさんも、我々がそういうことを申し上げたことについて、それを多として帰られた、こういうことでございます。
○矢原秀男君 では、この問題の最後でございますが、竹下大蔵大臣、内閣としてもこの日米経済摩擦は非常に重大な事項でございます。ひとつ大臣のこれに対する所見を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 河本特命相から基本的な考え方のお述べがありました。私どもも、なかんずくその分野の中で、いわば貿易と申しましても、その決済手段等からすれば当然のこととして金融問題が絡んでまいります。それからいま一つの問題としては、いわば国内対策等が絡んでまいります。それぞれの原局において今話を進めていらっしゃるところでございますが、私どもも私どもの分野におきまして、これに対しては最大限の努力をしなければならぬ課題であるという問題意識を持っております。
○矢原秀男君 以上で終わります。(拍手)
○委員長(長田裕二君) 午前の質疑はこれまでとし、午後一時十分に委員会を再開し、矢原君の質疑を続けます。 これにて休憩いたします。 午後零時九分休憩 ─────・───── 午後一時十二分開会
○委員長(長田裕二君) 予算委員会を再開いたします。 昭和六十年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、矢原秀男君の質疑を続けます。矢原君。
○矢原秀男君 まず、軍縮問題等につきまして外務大臣に質問をいたしたいと思います。 まず一点は、昭和五十九年の六月の十二日にジュネーブ軍縮会議におけるこの安倍大臣の演説、私も拝見をさせていただきながら非常に感銘を受けているわけでございます。 その一つは、私もかつて長崎の原爆を目撃、体験をし、少々体にも被害を受けたが生き長らえているわけでございます。そういう意味では目撃者、体験者の一人でございまして、また、郷里の広島市内におきましても親戚が原爆直撃で死亡する等の被害も受けております。これは私のみならず、原爆並びに戦争による被害者というものが、日本を初め世界の人々に対して非常に悲惨であることを銘記いたしているものでございます。 そういう中で御質問申し上げたいと思いますけれども、やはり核兵器の全面撤廃と軍縮の推進というものは、我々といたしましては全力を尽くして努力をしていかなければいけない最優先の課題であろうかと思います。そうして、平和のために全力を尽くしていく。こういうことで、広島、長崎、唯一の被爆国の我が国でございます。そういう意味で、非常に今、アメリカ、ソ連が核兵器の大半を所有している、こういう中で、まず両国に我々は強くその反省を求めなければなりません。そうして、我々日本としても、やはり日本の立場で努力をしていかなければならないと思います。 まず、これらに対しまして、外務大臣の姿勢を伺いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 政府としましては、今御発言がございましたように、日本が広島、長崎の原爆を人類として初めて体験したという厳粛な事実を踏まえて、全面的な完全軍縮、そして特に核兵器の廃絶が人類共通の究極な目標であると、こういうふうに認識をいたしておるわけでございますが、他方、また現下の国際社会の平和と安全が国家間の力の均衡によって保たれているということもこれも冷厳な事実でございます。 したがって、このような現実を踏まえまして、核軍縮の分野においても力の均衡の維持に努めるとともに、可能な限りより低い軍備水準で国際平和と安全を確保し得るよう、実現可能でかつ効果的な検証措置を伴った具体的な軍縮措置を一つ一つ積み重ねていくことが肝要である、こういうふうに思っております。軍縮ということはだれでも言えるわけでありますが、やはり具体的なものにするためには検証措置が伴わなければならないという判断であります。 我が国は、こうした立場に立ちまして、従来より国連軍縮会議等の場におきまして核軍縮の促進に積極的に努力してきておるところでありまして、特に米ソ軍縮交渉の促進、核実験の全面禁止、核不拡散体制の維持強化等を中心に、他の自由民主主義諸国との結束を維持しながら、粘り強い努力を行っていく考えでございます。
○矢原秀男君 私たちは、もう既にお互いが決意をいたしているわけでございますけれども、本当に唯一の被爆の国でございます。そういう意味では、将来、核兵器は使用してはいけない、こういうことは明確にしていかなければいけないと思います。それがやはり人々の生存のための平和への危求の大きな一つでございます。 そういう意味で、私も、二百八十二人の超党派の方々で結成をされていらっしゃいます国際軍縮促進議員連盟、元三木総理が会長でございますけれども、三月の二十八日の常任理事会でも、米ソに対し真剣な態度で軍縮交渉を積極的に展開していこう、また、核兵器廃絶をもたらすことも要請しようと、こういうふうなことのお話があったようでございますけれども、非常に意を強くするものでございます。 そういう中で日本政府が、今も外務大臣がおっしゃいましたけれども、やはり、核兵器廃絶というものが非常に現実では難しい要素、こういうことはございます。しかしながら、それに対する努力というものは我々は徹底的にしていかなくちゃいけない、こういうふうに思うわけでございます。 そういう意味で、核実験禁止の方途といいますか、外務大臣が世界各国の指導者と常にお会いをされながら感じていらっしゃいますそういう核実験禁止の目途は、こういうふうにしたらいいなというふうな二、三の段階的なものがございましたらお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本は、かねてから全面的な核実験禁止を国連総会あるいはまた軍縮委員会等で強く叫んでおるわけでございますが、ただ全面禁止と言ってみても、これは今の現実的な世界の中では非常に理想的な理想論というものに聞こえて、現実的でない面が実際的にあると。なかなか各国ともその理想は共鳴しますが、現実に一歩足を踏み出すという状況ではありません。 したがって、我が国としましても、目標はあくまでも全面核実験禁止に置くわけでございますが、実現可能な面からこれやっていかなければならぬということで、そしてまた各国が支持する形でやっていかなければならない、こういうことで、実は軍縮会議に私自身も出席をいたしまして、日本の新しい提案をいたしました。これはいわゆるステップ・バイ・ステップといいますか、段階的に核実験禁止をやっていく。検証可能な核実験禁止をだんだんと進めていって、そして最終的には全面禁止に及んでいく。その場合に、例えば日本は地震予知等については日本の科学技術は世界の中で非常に進んでおるわけですから、そうした小さい実験等についてだんだんと、検証が難しい面でも、日本の地震予知の技術をもってすれば検証は可能になる面もあるわけで、そういう点については日本も積極的に技術を提供したい。そういうふうに段階的に実験禁止を進めて、最終的に全面禁止に持っていこう、こういう提案をいたしまして、相当多くの国々からこの日本の考え方の支持を得たわけでございますが、まだ、残念ながら米ソ両国からのこれに対する十分な理解が得られてないわけでございまして、我々としましては、これらの国々に対して引き続いて働きかけておりますが、ことしの軍縮会議では、何とかこの我が方の提案についてアドホックの委員会でもつくってこれを検討する、討議をするというところまで持っていきたい。実はジュネーブにおきまして、このアドホック委員会をつくるということに対しての全面的な今努力を傾注をいたしておる次第でございまして、何とか討議をする段階には持っていかなければならぬ、こういうふうに思っております。
○矢原秀男君 現存する核兵器の大半は、先ほども申し上げましたが、米ソが保有をしていることは事実でございます。この両二大強国に対して人類に対する特別の責任をまず喚起するということは我々日本の指導者の責務であろうかと思いますので、この点もよろしくお願いをしたいと思います。 今お話も出ましたジュネーブ米ソ軍縮会議に対する日本の姿勢でございますけれども、報道によりますと、ソ連が包括軍縮案といたしまして、一つは「攻撃的宇宙兵器の製造(研究も含む)、実験、配備の中止」二番目には「戦略核ミサイル数および弾頭数の現状凍結」三番目には「米中距離核の欧州配備とソ連の対抗措置の同時停止」こういうふうなことを提案するのではないか、こういうふうなことが報じられているわけでございます。 そういう中で、SDIの協力要請について六十日以内に回答をと、こういうふうに世界の友好国に迫っているアメリカの態度というものが一面では大きく非難をされているわけでございます。そういうような中でSDIに対するアメリカ外交の非常な強引さというものが批判を受けております。そういうようなことで、各国では賛成、反対というものの態度表明がどんどん出ているように思いますけれども、諸外国のそれに対する姿勢と、そうして日本がそういう中で派遣も要請し、そうして一応話は聞こうと、こういうふうな態度にも日本はなっていると、こういうふうな状態をどういうふうに分析すべきか、こういうふうに私も考えておるわけでございますが、まず外務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 諸外国のSDIに対する態度等につきましては政府委員から答弁をいたさせますが、我が国のSDIに対する考え方は、これはことし初めのロサンゼルスの首脳会談はおきまして、米国レーガン大統領、シュルツ国務長官から我々に対しまして、このSDIが非核の兵器である、防御兵器である、さらにまた最終的には核廃絶につながる構想である、こういうふうな基本的な説明がありました。我が国としましても、中曽根総理からこのSDIに対して理解を表明したわけでございます。同時に、しかし、SDIの、まだ長期的な構想でございますし、始まったばかりでございますから、今後どうなるかということについては情報も提供を受けたい、あるいは場合によっては協議をしたいという合意もできておるわけでございますから、したがって日本としてはSDIについては理解を示したということでありますが、今後については、これが進むにつきまして、情報を受けながら、日本としての事実的な決定を行わなければならぬときもあるのじゃないかと思うわけでございます。 そういう中でアメリカ国防長官から六十日のいわば期限つきというような形でSDIについて参加する意思があるかどうかという手紙が私のところに参ったわけでございますが、どうも六十日の期限つきというのはおかしい、おかしいといいますか、ちょっと我々もどういうものかなと思っておりますけれども、しかし来た以上は、理解を示したわけでございますから、返事も出さなければならぬわけでございます。この返事も出そうと思っておりますが、いずれにしましても情報について今後とも提供を受けるということになっておりますので、手紙の中にありますような専門家の説明をしたいということであるならば、我が方としてもこの専門家の説明は十分受けて、そうして今後このSDIに対してどうするかという最終的な態度は、これはもう日本自身が自主的に日本の基本的な理念のもとに決めればいいことであると、こういうふうに考えております。
○矢原秀男君 ジュネーブ米ソ軍縮会議もSDIの問題というものが中心になろうかと思いますので、慎重にしていかなければならないと思います。豪州も参加拒否をいたしておりますし、デンマークの国会も反対をいたしておりますし、中国も宇宙兵器の問題についても反対の態度表明をいたしております。私は日本の政府としては、やはりこういう問題は経済摩擦の問題とは別個のことでございまして、無原則な対米協力についてははっきりと姿勢を示していかなくちゃいけない。そういう意味で、私はこの問題に対してはやっぱり日本政府がいろいろ協力をするというのは反対でございます。そういう意味では慎重にきちっとしていただきたいと思います。私の意見は、これはSDIに無原則に日本の国が手をかす、そういうようなことは平和のためにも絶対いけないと、こういうふうに思うわけでございますが、重ねて外務大臣お願いいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) SDIについてはまだまだ十分理解しているわけじゃありませんし、各国においても今お話しのようにいろいろの意見があります。アメリカの内部においてもあるわけでございますし、私たちとしては十分説明を受けて、その後に慎重にこの問題については日本自身の自主的な立場で態度を決めていきたい、こういうふうに思っております。
○矢原秀男君 では、時間の関係がございますので次にまいります。 次は、カナダ交通万博問題について運輸大臣にお伺いをしたいと思います。 今、つくば万博も行われているわけでございますけれども、カナダ交通万博、これに参加をする意義といいますか、その点をまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) カナダの交通博覧会への出展につきましては、まず第一に、日本の発展に交通の発達が役立つということ、それから日本の新しい交通技術等を紹介したいということ、さらに、日本の技術というものが国際的に非常に役立つということをこういう機会に大いにひとつ知っていただき、そのことが今後の日本の貿易の伸展、国力の進展につながると同時に、また技術協力という面にも広くこれは展開できるというような意義を持っていると思います。
○矢原秀男君 去年の九月に私もバンクーバーの交通万博の視察をいたしました。そのときにいろいろと御要望を受けたわけでございますけれども、帰りまして、九月に運輸大臣にまず新日本丸の参加要請、そうしてその他について日本の国として明確にするようにお願いの申し入れをしたところでございます。 そこで大臣にお伺いしたいのでございますけれども、新日本丸の参加はもう明確に決定をしたのか、そしてまた国鉄のリニアモーターカーは五百キロという時速、世界で一番のすばらしい優秀な技術でございますけれども、日本航空のものが向こうに行くようでございますので、別個に模型として、パネルとして出展をするのか、そういうような点をはっきりと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 今のところ新日本丸は出展したいと思っておりますし、その時期につきまして、帆船祭りが期間中に行われることになっておりますので、どうせ持っていきますならばこの帆船祭りに間に合うようにしたいと思っております。 なお、今お話がございましたHSST、それから特にリニアモーターカーにつきましては、模型の出展を含めてその技術をよく理解してもらうためにも国鉄とよく話し合って出展いたしたいと思っております。
○矢原秀男君 この問題は交通と人間との関係を多面的にとらえる構想、こういうことで各国は参加をいたしますので、この点もよろしくお願いしたいと思います。 去年の九月、現地でいろいろな打ち合わせをしておりますときに、予算面の問題等もいろいろ懸念をされておりましたけれども、大蔵大臣、この点についてはやはり全面的な協力が必要ではないかと思いますけれども、そういう予算措置についてのいろいろな打ち合わせ等は既にもう決まっているのでございましょうか、伺います。
○国務大臣(竹下登君) 一月十一日の閣議了解を得て公式参加表明を行ったと。そこで、当博覧会に我が国が参加するために必要な経費につきましては、運輸省、建設省、通産省、警察庁で分担することになっております。昭和六十年度については、全体で十三億五千万円の事業費を前提として各省庁に所要の予算を計上しておるところでございます。その内訳につきまして、建設省は道路公団等五公団に計上、それから運輸省、警察庁分は民間資金というような内容でございます。
○矢原秀男君 よろしくお願いいたします。 では次に、第二パナマ運河建設構想問題でございます。 まず運輸大臣、第二パナマ運河建設構想について、運輸省としては大体どの時点まで研究をされていらっしゃるのか伺いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 第二パナマ運河につきましては、我が国がまずパナマ運河の主要利用国であるということ、日本から物資を持っていき、あるいは日本が輸入する、そういう輸出入の物資、その三割ぐらいは恐らくあそこを通過するものの中で占めておると思うのでございます。そういう意味から、まず我が国にとっても輸送コストがこのことによって非常に安くなるというメリットがあります。それから資源等の安定輸送路の確保とか、あるいは広い意味における総合安全保障の面からも非常に益する面が多いということで積極的にこのことについては協力をしていくという姿勢をとっておる次第でございます。 何か各論的にいろいろございましたら局長から答弁いたさせます。
○政府委員(仲田豊一郎君) パナマ運河の技術的な検討状況について申し上げますと、現段階では第二パナマ運河構想の実現可能性を検討するというフィージビリティー調査というのが必要でございますが、この調査を始めるかどうかにつきまして日本とアメリカとパナマの三カ国の政府間で準備委員会を設けております。ここにおける調査内容、調査の組織、予算、予算の調達、こういうようなものについて実施に先立つ準備的な検討を行っている次第でございます。運輸省といたしましては、この三カ国の政府間の準備委員会に積極的に参画しておりまして既に六回の委員会を開いておりますが、この中で特に技術面を中心とする基礎的な調査研究を実施してきておりまして、五十八年度以来予算もいただいておりましてこれの関連の調査を行っておるということでございます。
○矢原秀男君 この問題は、今も大臣がおっしゃいましたけれども、四〇%近くが太平洋、大西洋、交互に使っているわけでございますけれども、現在の運河の老朽化によって改良すべきであるか、そして海面運河にすべきであるか、こういうふうになっているわけですけれども、改造した場合の総予算がどうなるのか、そうして海面運河にした場合には何兆円になるのか、設計の中で大体の総額が出ておれば伺いたいと思います。
○政府委員(仲田豊一郎君) 先ほど申し上げたようなことで、まだフィージビリティー調査自体を始めておりませんので、どのぐらいの予算規模になるかということは今の段階では全くわからないということでございますが、総予算数兆円を上回るということ、そのぐらいの規模ではないかというような見当がついておるという程度でございます。海面式運河の場合には、現在の閘門式運河は比べましてかなり深く掘り下げなくちゃいかぬということがございますので、閘門式運何よりも建設費がかかるであろうというふうに言われております。
○矢原秀男君 改良の場合はロペス・モレノ案というんですか、大体推定では二兆円ぐらいで、海面運河案の場合は四兆近くかかるのではないかなと私思っているわけですが、そこで外務大臣にお伺いをしたいんですけれども、いつも国際間の問題で議論が出てまいりますのは、日本の場合やはり期待感を相手に与えて、そうして途中でいろいろ、いやああいう考えではなかったと、こういうふうなことが往々見られるわけでございますけれども、今回も外務省、運輸省に調査費が計上をされております。やはり日本の通例からいきますと、地方議会でも国会でも調査費が計上されれば必ずその問題については何カ年計画かできちっと所期の目標を達成するという方向に行くのが大体日本の通例かと思うんですけれども、今回は調査で終わります、後のことは考えておりません、こういうふうなことを仄聞するのですけれども、私はまた国際間のいろんな問題点が起きれば、やはりこれも貿易摩擦の一環等に関連してくるかと思います。そういう点では外務省どういうふうな姿勢なんでございましょうか。
○政府委員(堂ノ脇光朗君) お答えいたします。 昭和六十年度、次年度の政府予算原案の中で、外務省としましては第二パナマ運河調査に必要となります調査委員会で予想されます経費としまして、拠出金七千万円程度、それからまた調査にかかわる費用一億円程度を要求してございます。しかしこの調査は、日米パ三国間の合意によりましてとりあえずどのような代替運河が可能であるか、一番望ましいか、そういったことの調査を行うための委員会でございまして、その後の建設工事とは直接結びついてないという状況でございます。しかし、現在考えていられるところの調査委員会の活動につきましては、日本政府としましては全面的に協力できるよう、それに必要な経費を予算原案の中に織り込んで要請している次第でございます。
○矢原秀男君 この問題、大蔵大臣巨額な金額がかかるということで、調査準備委員会からこういうふうに順序、手段を講じながらやっていらっしゃるようでございますけれども、大蔵省の立場としてはどういうふうな見通しを立てていらっしゃるわけでございますか。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど来お話がございますように、一九八二年九月、米国、パナマ両国間の合意によりパナマ運河代替案調査準備委員会が設置され、両国からの招聘により、我が国は当初よりフルメンバーとして右準備委員会に参加してきております。したがって、本調査に要する二千万ドル、うち調査期間は実質四年程度の見込み、我が国は調査予算の三分の一を分担する用意がある旨表明済みということが今日までの現状でありまして、六十一年度以降本格調査開始に備えて我が国独自で気象データ等関連情報の収集作業を行い、我が国として有効に本件に協力する体制を整えるなど所要の準備を進めていくという考え方に立っております。したがって、今も議論がございますように、数兆円とかいろんな議論がございますので、建設そのものということになりますと、全く現在の立場で言えば白紙の状態でございます。もし建設することになる場合には莫大な工費を要することは確実でありますために、我が国の財政事情を勘案いたしますと、今日の時点でコミットするという環境には残念ながらないではなかろうかというふうに考えられます。
○矢原秀男君 では次の言語療法士問題に移ります。 この問題について厚生省にお伺いをしますけれども、言語療法士関係に対する実態はどういうふうになっているのでございましょうか。
○政府委員(吉崎正義君) 言語療法士、言語療法の実態はどうか、こういうことでございますけれども、リハビリテーンョンの分野の中で言語療法はややおくれておると理解をいたしております。したがって、まだ身分法もできておらないという現状でございます。
○矢原秀男君 人生八十年の高齢化社会、こういうようなことを迎えますと聴能言語士と私言わしていただきますけれども、これは失語症、聾難聴、麻痺を含む構音障害、痴呆症等による障害、こういうことを含めますと人口の五%は高齢化に従い該当の範疇になるのではないか、こういうふうに非常に大事な立場にあるわけでございます。こういう中で、お気の毒なことでございましたけれども、田中元総理もあの御病気になられて今リハビリを受けていらっしゃるという医師団の発表を伺っているわけでございます。これも言語障害、失語症というそういうふうな形のものだと今リハビリの中では言われているわけでございますが、その医師のもとで指導を受ける聴能療法士の方々が身分保障もない。ということは、国家試験をしておらない。どんなに優秀であっても、患者の立場から見たときにそれでいいのかという問題が出てくるわけでございます。だからこういうときには、失語症だけの問題を見ましても、神経内科医、脳外科医、耳鼻咽喉科医、整形外科医、リハビリテーション医、こういうふうな人たちの御指導の中でお仕事をなさっている。これは身分保障もないということは、今後どういう対策を厚生省は考えていらっしゃるのか伺います。
○政府委員(吉崎正義君) 御指摘のございましたように、言語療法は重要な分野であると考えております。我が国に医学的リハビリテーションが本格的に導入されましたのが二十数年前でございますが、昭和四十年に理学療法士、作業療法士の身分法ができましたのを契機といたしまして、厚生省といたしましては四十年代、それから最近では五十六年に言語療法士制度を確立するための検討会を設けたわけでございますけれども、関係団体は主なものが四つございます。日本耳鼻咽喉科学会、日本リハビリテーション医学会、日本音声言語医学会、日本聴能言語士協会いわゆるST協会、その関係団体の間の合意が得られませんで、それで現在進展をしておらないのでありますが、厚生省といたしましては関係団体の合意ができることを期待しておるところであります。
○矢原秀男君 身分制度を考える場合に、養成、国家試験、免許、業務、就業、こういうふうになるわけでありますが、今お話を伺っておりまして、やはりこれは厚生省が一つは手を差し伸べて、そうして問題になっている三年制の養成機関なのか四年制の養成機関なのかで、恐らく関係のお医者さんグループとそうして当事者同士の中で意見が統一されなかったと、こういうふうに思うわけでございます。しかし、患者の立場から見たら、脳外科を中心とするこの聴能療法士の方々の問題というものは何年だって、三年でも四年でも私は技術はもっと磨いていただかなければいけない、こういうふうに思うわけでございます。そういう関係団体の中の調整ができない。では、患者の立場からどうするのか。こういう問題になれば、厚生省がもっと手を差し伸べて調整をすべきであると思います。その点伺います。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘の、聴能と申すべきか言語と申すべきか、この療法に医療の現場でお医者さんの指導を得て実際に治療に関与しておられるわけでございますから、したがいまして、その身分制度が確立されまして正規の教育を受けた方々が活躍することは私どももかねてから望ましいことと考えておるわけでございます。 先ほど政府委員から御説明申し上げましたように、関係団体の間で話し合いがつかないということで長年の問題であるようでございます。したがいまして、その関係団体それぞれ内部事情とかいろいろな御意見をお持ちで、それが平行線をたどってきたということでございますので、その関係団体がどういうお考えを持っておられるか、今では多少それぞれ話し合いの余地というのがあるのかないのかということを含めて、私も検討をさしていただきたいと思います。
○矢原秀男君 厚生大臣、これだけ非常に現在も多くの方が治療を受けていらっしゃり、先ほど申し上げましたように人口の五%も該当するんではないかと。こういう形の中で厚生大臣、関係団体に対しても、そうしてその病気に当たられる聴能言語士の人々に対してもやはり養成機関もきちっとし、国家試験も受けていただく、そして開放性のある受験制度も設けていただく、そういう中で患者の要求にこたえていく、これが厚生省として私は大事だと思うのです。だから、そういう意味では厚生大臣が音頭をとってやはりきちっとしていただく、調整をしていただく、こういう点伺いたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように、私どもがその調整をとって身分を確立し、正規な教育を受け患者の立場になって仕事をしていただくということが私どもの任務でございます。したがって、その調整に入ります前にその調整が可能であるかどうかということもいろいろ話し合いまして、その結果なるべくはやはり関係団体の御意向が一致した上でつくろうと思いますので、そのような努力はさしていただきたいと思います。
○委員長(長田裕二君) 以上で矢原君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(長田裕二君) 次に、矢田部理君の一般質疑を行います。矢田部君。
○矢田部理君 対外経済対策全般を少しく前段に伺っておきたいと思いますが、けさからいろいろな議論がありますので、できるだけ重複しないようにやりたいと思いますが、四分野の市場開放問題というのは、どうも総理がことし正月早々の首脳会談で安受け合いをしたのじゃないか、少し先走って話をしたために大変問題があるのではないかと思われるのですが、その問題と国内的に果たしてまとめ切れるのかという点をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ロサンゼルスで総理が安受け合いをしたというようなお話ですが、私も一緒におりましたけれども、安受け合いをしたのじゃないと思いますが、日米間で、とにかく大統領選挙が終わるまではこの問題は比較的静かにしておこうと、それは相当そういう面では配慮があったと思いますけれど、しかし、最近やはりますますアメリカにとって赤字が拡大をしている、いろいろと日本が市場開放措置をやったけれどもその成果が上がっていない、日本にも輸出がふえないというようなことでいら立ちが相当米国内にあったと、そういうものを背景にして大統領から総理大臣に対して、特に具体的に四分野に絞ってひとつ積極的に改善措置、開放措置をしてほしいという要請があって、これはひとつ交渉しましょうと、こういうことを約束をして今日に至っておるわけでございまして、なかなか難しい問題もあります。今、河本大臣のもとでいろいろと各省間で国内の取りまとめを進めておると、こういう段階であります。
○矢田部理君 どうも政府のやり方を見ておりますと、アメリカからのときどきの要請に応じて、その場しのぎの対応策をしている。その場はガス抜きができたかのように見えるが、すぐ問題を内包している。河本さんも先ほど言われましたが、もう少し中長期的に基本的にこの解決策を探るということが大事なのではないかと思いますが、河本さんいかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) やはり問題を整理いたしますと、緊急に解決をしなければならぬ問題も相当あると思うのですが、その一つが日米間の四分野の調整問題だと思います。しかし、この問題が解決をしたからといって、貿易の黒字問題、不均衡問題が一挙に解決するわけじゃございませんで、やはり抜本的に中期、長期の対策が必要だと思います。問題はどこにあるのかということをよく解きほぐしまして、そして、それに対して的確で抜本的な対策を立てるということが必要だと思います。 そういうことで、今四分野の調整のほかに対外経済問題関係閣僚会議の諮問委員会に過去六回にわたる、四年間に六回市場開放しておりますが、これの分析と評価、なぜ海外からこれが評価を受けないのか、問題はどこにあるのか、こういう分析をしていただきますと同時に、当面抜本的な対策としてどういうことをやればよろしいかということについて、九日に正式に答申をしていただこうと、こう思っております。したがいまして、緊急の対策と抜本対策と並行してやはり考えませんと解決にはならないと、このように理解をいたしております。
○矢田部理君 通産大臣に伺っておきますが、鉄鋼とか自動車について自主規制をやられた。これも何か一種の輸出カルテルみたいなもので少しく当面の対策的にすぎるし、この種の管理貿易型のものを継続するにはこれまた問題があり過ぎはしないかと思うのですが、この辺の認識と今後の見通しについて伺っておきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 矢田部委員にお答え申し上げます。 自動車輸出、鉄鋼輸出の問題、これは鉄鋼も先般妥結したばかりでありますし、自動車はつい二、三日前ということでございますが、もちろんこれはいわゆる灰色措置ということが当たりましょう。したがって、例えば自動車に例をとってみますと、四年間自主規制を続けまして、そしてことしはそれを中止すべきか否かということであったわけでございますが、いろいろな状況を調べました結果、そのまま放置しておけば二百七十万台にも達しそうな予測等もありましたし、これは自由開放体制に向かう前提として、ここ一年間だけ、ことしは二百三十万台を超えない範囲ということで決定をいたしまして、私から発表いたしたところでございます。 また鉄鋼につきましては、これはやや事情が異なっておりまして、大統領選挙の前にレーガン大統領からの声明があり、日本としては何とか去年の十二月中旬までにこれを決定をしなければならないことがございまして、したがって、米国鉄鋼業界が自主的に立ち直ってもらうために米国内の見かけ消費の五・八%に全体を抑えるということで、これは対米協力を全面にいたしたところでございます。 いずれにいたしましても、精神といたしますところは日米貿易摩擦を解消する、そして本当に日米の経済体制がうまくいくという前提のもとに、自由開放体制になることを近々に考えつつ、その過渡的措置として行ったものでございます。
○矢田部理君 保護貿易回避のために過渡的にということはわからないわけではありませんが、こういうものが長期に継続するとこれまたやっぱり問題を残すということをひとつ戒めておきたいと思います。同時にまた、この四分野の開放がそういうような緊急な課題だと言われるわけですが、今の巨額の黒字をこの四分野でそんなに解決するものでしょうかね。
○国務大臣(河本敏夫君) 四分野を仮にアメリカ側が言っておるとおり市場開放をいたしましても、向こうの期待しております百億ドルという日本への輸入の拡大、果たしてそんなにいくかどうか、私どもは問題点ありと、こう見ておるのです。スローガンとしてはいいと思いますけれども、やはり抜本改善のためにはもう少しいろいろなことを工夫する必要があろうと、こう思っております。
○矢田部理君 せいぜい二、三十億ドルではないかという説もあるわけでありますが、中長期的なというか、根本的な解決策として内需の拡大ということがもう一つ言われておるわけですが、どうもことしの予算なり政策を見ておりますと、内需拡大策が無策に近いというふうに指摘されてもやむを得ないような状況だと思いますが、この点はどう理解されておりますか。また、今後の対外経済対策との兼ね合いではどう位置づけをされておりますでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先般企画庁から発表されました昨年の十―十二月期の経済の動き等を見ましても、やはり内需は比較的弱いと、この御指摘はそのとおりだと、こう思います。また、ことしの予算でもいろいろ工夫はされておりますけれども、しかし社会資本投資全体で数千億ぐらいはふえておると思うのですけれども、何しろ三百兆を超える大きな経済規模になっておりますから、どれだけ内需の振興に役立つか疑問なしとしないと、このように思っております。 きょうの午前中の御質問にもお答えしたのですけれども、アメリカは二年間で一千億ドルの輸入が拡大をしておりますが、これはやはり思い切った大減税を中心とする経済対策によりまして景気が見違えるようによくなった、そこに需要が急速に拡大をしてそしてこれだけの輸入の拡大になったんだと思います。そういうことでありますから、少々内需を拡大いたしましてもなかなか輸入はふえるものではありません。やはりアメリカなどのやり方を参考はして、もう少し思い切った方法はないものであろうかと、こういうことをいろいろ考えておるわけでございますが、幸いに先般来税制の抜本改正などの議論も出ておりますので、これなどが本当に行われますと私はやはり内需拡大の最大の柱になるのではないかと、こういう感じもいたしますし、なおそのほかに、経済上の公的規制の解除ということについて目下行革審等でも作業を進めておりまして、この夏までには各論の答申も出ると、こういうスケジュールでございますので、これなども私は相当な効果があるのではないかと、こう思います。 財政がこういう状態でありますから、財政を余り動員をしないで一体どういう方法があるかということは大変難しい問題だと思うのですけれども、しかし、いずれにいたしましても黒字問題を解決するためにはやはり内需の拡大が最大の柱だと、このように思います。
○矢田部理君 内需の中でも個人消費の停滞がずっと続いておる。設備投資は若干上向きですが、全体に占める比重はそう大きくないわけでありまして、その点で今河本大臣も触れられましたが、減税ということは非常に大事なんじゃないかと思いますが、その点はやっぱり方向として出される御予定でしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) やはり今の経済の特徴を一言で申しますと個人分野の力が弱い。今御指摘の個人消費もそうでございますが、住宅投資などもその例だと思います。少しはふえておりますけれども、大したことはない。要するに個人の実質所得が伸びない、ここに最大の問題があるように思います。しかし、税制の抜本改正ということはこれは大問題でございまして、やはり国会でもいろいろ議論が続いておりますし、これからの進め方をどうしますか、大蔵大臣などもいろいろ方針を述べておられますが、私の立場から申しますと一刻も早く抜本的な税制の改革が進められることを強く期待をいたしております。
○矢田部理君 やはり実質可処分所得の伸びをふやしていくためには減税とか賃金とかということがポイントになるわけでありますから、その点はやはり、もちろんそれは対外貿易関係の視点だけではなくて、国内の消費なり個人の生活を考える視点からもぜひ政府として心して取り細んでいただきたいというふうに思うわけでありますが、どうでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 要するに個人の所得が、実質所得が思うようにふえないというところに最大の問題があるわけでありますから、そのためには所得がふえるということが第一であります、名目所得がふえるということ。しかしそれに対して税金がたくさんかけられまして、そのために実質の所得が減ってしまう、こういうことになりますとこれは何にもなりませんから、やはり所得がふえるということが第一、それから第二はやはり税金問題だと、このように理解をいたしますが、これは何分にも国の基本的な最高方針でございますから、やはり内閣全体、与党全体が一緒になって取り組んでいかなければならぬ課題だと、このように理解をしております。
○矢田部理君 アメリカに対してももう少し物事を提起し、物を言ってもいいのではないかと思われるわけでありますが、あるアメリカ民間調査機関の調査結果によりますと、八〇年の水準から五〇%もドル高になっていると、これがアメリカの産業の競争力を極端に低下させてしまった、言うならば輸出が伸びず輸入がふえると、このドル高が最大の原因であると、あるいはそのもとになっている金利高ですね。こういうことをやっぱりきちっとついて問題を整理する必要がありはしないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) その点につきましては機会あるたびに私どもも主張しておりますが、先般の大統領の経済報告などを見ましても、アメリカの赤字はアメリカに責任があると、こういう報告が出ておりますし、アメリカからたびたび来ておられますウォーリス次官などの話を聞きましても七割方はアメリカに責任ありと、ブロック代表なども八割は責任があると、こう言っておられるのですが、残る二、三割は日本の市場開放、内需その他幾つかの問題があって、日本にもやっぱり二、三割の責任はありますと、だからそこをしっかりやってくださいと、こういう話が出るわけでありますが、先方がアメリカに責任ありということを言っておられます最大の背景はやはりドル高の問題だと、こう思います。 ドル高の問題は、これまではアメリカの高金利、つまりその背景である財政赤字にすべての責任があるように言われておったのでありますが、最近の動きを見ますと、このほかにやはりアメリカ経済の基礎的な条件と日本経済の基礎的な条件の比較、どうも最近はこの問題が若干関係をしておるような感じがいたします。いろいろな円とドルの動きを見ておりましても、どうも金利だけでは動いていかない、やっぱり経済の基礎的条件で動いておる、こういう感じがいたします。そこで、やはり先ほど来御指摘の日本経済全体を根本的に強くするということのためには一体何が必要かという議論に帰ってくるわけでございますが、そのためには国民の所得をどうふやすかというここの抜本的な、基本的な問題を解決をしていかなければならぬ、こういう感じがいたします。
○矢田部理君 これは、黒字減らしという観点だけではこれまたないのでありますが、ODAの新中期計画の策定作業中だそうでありますが、これはその視点からも大きな位置づけになっているのでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まさに、ODAは国際的な日本の責任を果たすという意味におきまして、これはもう財政は非常に厳しいわけですが、積極的に取り組んでいかなければならない、こういうふうに思っております。
○矢田部理君 そこで、このODAの問題を中心に取り上げていきたいと思うのでありますが、日米諮問委員会が昨年の九月に報告書を提出しました。この諮問委員会というのはどんな性格の団体でしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) 日米諮問委員会は、御高承のように、一九八三年の、一昨年の一月、総理が訪米されましたときに、レーガン大統領との間の意見交換の過程で日米関係のいろいろな側面について日米双方の小人数の有識者に集まっていただいて、日米関係のいろいろな側面について意見交換をし、その結果に基づいて日米双方の首脳にいわば助言をしていただく、そういうことが有益であろうという認識の一致がございまして、その後安倍外務大臣、シュルツ国務長官の間でいろいろ御相談がありまして、その結果に基づきましてその年の五月につくられた、こういうのが経緯でございます。
○矢田部理君 経緯を聞いているのじゃなくて、性格はどういう性格かというのです。
○政府委員(栗山尚一君) 性格は、ただいま申し上げましたように、日米のそれぞれの小人数の有識者が集まって、日米関係の種々の側面について意見交換をし、これに基づいて双方の首脳に助言をする、そういう性格のものでございます。
○矢田部理君 日本側の機関は私的諮問機関でしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) 御質問の趣旨を必ずしも理解いたしませんが、諮問機関と申しますか、ただいま申し上げましたように、まず日米の有識者が集まって意見交換をし、その結果に基づいてそれぞれが一つのグループとして日米双方の最高首脳に助言する、そういう性格の場というふうに御理解いただきたいと思います。
○矢田部理君 アメリカは大統領令による公的諮問委員会としてスタートしているのですが、日本の性格は何ですか。
○政府委員(栗山尚一君) アメリカはアメリカの手続によってつくられたものでございますが、日本側は当時、牛場外務省顧問の過去の御経験、識見というものに着目いたしまして、牛場顧問に人選をお願いをしてつくられたというのが経緯でございます。
○矢田部理君 性格を聞いているのだ。
○政府委員(栗山尚一君) 私、私的諮問機関という、いろいろ諮問機関ございましてその法律的な性格というものをつまびらかにいたしませんが、先ほどからの繰り返しでございますが、別に法律的な根拠をもってつくられた機関ではございません。
○矢田部理君 アメリカは大統領令によって公的な諮問委員会としてスタートした。これは、公聴会も二回開いてアメリカの内外の意見を全部集約してここに臨んでいる。日本は全く私的グループで臨んだのでしょうか、意見の集約などはどういうふうにしたのでしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) 手続的にどういう形で諮問委員会のメンバーの人選をしてつくるかということは、それぞれ日米双方の判断にゆだねられたものでございます。したがいまして、アメリカの方は御承知のように大統領の行政命令によってメンバーの人選をつくり、委員会をつくったということでございます。日本側の人選は、先ほど申し上げましたようなことで、国が直接委員会を設置して行うというような手続はとらなかったわけでございます。
○矢田部理君 経過を聞いているのじゃない。どういう性格か、どういう意見の集約をしたか。
○政府委員(栗山尚一君) 意見につきましては、日米双方で人選されました委員が随時数回にわたりまして会合をされて、その過程でまとめられました意見というものが御承知の報告書という形でまとめられたというふうに承知いたしております。
○矢田部理君 アメリカは公聴会を開いてアメリカ全体の意見をまとめたと。日本はどういうまとめ方をしたのか、二番目は。
○政府委員(栗山尚一君) どういうふうにまとめたかということについては私も詳細必ずしも承知いたしませんが、もちろんその公聴会を開いて云云というような形で行われたものではございません。日本側の各委員の方々が随時集まられていろいろ意見交換をされて、さらにアメリカ側の委員とも会合を重ねられて意見をまとめられたと、そういうふうに承知いたしております。
○矢田部理君 ここでも総理の好みのメンバーだけ集めて、意見の集約、公聴会も開かず適当に出向いていってこういうものをまとめられた。アメリカは正規の手続、公聴会まで開いてやっている。そういう報告書の価値、位置づけはどういうふうになるのですか。
○政府委員(栗山尚一君) 私どもは、その報告書の価値というものは、その内容に着目しておるわけでございまして、報告書の内容自体につきましては、それぞれ日米関係、いろいろな側面に関係されました方々が、しかもアメリカ側、日本側だけでございませんで、お互いに集まっていろいろ意見交換して出てきたもの、そういうものとしてそれなりの価値があるというふうに理解しておるわけでございますが、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、政府が直接設置をした機関ではございませんので、そういう意味での公的な性格のものとしての報告書というふうには当然受けとめておらないわけでございます。
○矢田部理君 官房長官、ことし一月の日米首脳会談ではこれはどういう評価になったでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 日米両国のそれぞれ諮問委員の方々によりまして意見がまとめられまして、それぞれの政府に対して報告が行われたところでございます。したがいまして、これを尊重して進めていこう、こういう評価になっておるところでございます。
○矢田部理君 経過は全く別なのに、でき上がったものはお互いは尊重してやっていこうということになったようですね。そこがまた問題なんだ。それぞれが、大統領と総理が記者会見をしましたが、記者会見の内容を、さわりを言っていただきたい。
○政府委員(栗山尚一君) 中曽根総理が記者会見で発表されましたいわゆるプレスリマークスにおきましては、次のように述べられております。「大統領と私は、日米諮問委員会の報告が貴重な貢献であり、双方による真剣な検討に値いするものである旨意見の一致をみました。」以上でございます。 それから、レーガン大統領の読み上げましたプレスリマークスにおきましては、日米諮問委員会の報告書は両国関係の将来への道筋をつける上での出発点となるということで意見の一致があった、さらに、両国の政府関係者は報告書及びそれらに盛られている提言を検討することになろう、こういう趣旨のことが述べられております。
○矢田部理君 日本政府は、この諮問委員会の報告を今後の日米関係ないしは外交政策を考える上でのガイドラインというふうに受けとめているのでしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) ガイドラインというのがどういう意味で御質問かよくわかりませんが、先ほど申し上げましたような、中曽根総理のプレスリマークスにございますが、日米関係については非常に貴重な貢献であって、政府としては真剣な検討に値するものである、こういうのが政府の認識であろうというふうに理解いたしております。
○矢田部理君 首脳会談ではこの認識は一致しておりながら、記者会見の内容は違うんですね。アメリカの大統領は、もう検討に値するという問題じゃなくて、検討を待つまでもなくすばらしい出発点という評価になっている。日米関係の出発点だ、こう言うのですね。中曽根さんは、一致したと言っているにもかかわらず、検討に値する、こういう言い方になっている。そのことが実は微妙なずれにもなってくるわけでありますが、安倍さん、その後シュルツとの会談で、これを引き継いで今後の外交関係の発展、とりわけ経済協力等の問題についての議論に発展していくわけですが、その経過と状況を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今の日米諮問委員会の経過については、今政府委員から説明したとおりでありまして、これは総理大臣、大統領のもとにそれぞれ委嘱をされた委員によって行われたわけでありますが、また、その報告につきましては、プレスリマークスで総理大臣が述べておるように、貴重な報告であってこれから真剣な論議に値するということでありまして、これはまさにこれから日本外交を進めていく上において非常に有力な参考資料である、こういうふうに考えております。 この報告が出されまして以来、これは総理大臣と大統領への報告ということで出されたわけでございまして、その後、我々外相間でこの問題について具体的にこれをどういうふうに扱うかといったものについて話し合ったことはありません。
○矢田部理君 安倍・シュルツ会談は、ここで出てきたことを一つ議題にして、戦略援助問題を含めていろいろな議論をした結果、次官級会談を開くということになったのじゃありませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、諮問委員会と全く関係のない形で我々の間で話し合ったわけでありまして、これはあくまでも日米の相互協力ということで、この経済協力案件を我々の会談にのせて話し合ったということでありますから、直接この諮問委員会の報告と連動するということではありませんけれど、しかし諮問委員会の趣旨等につきましては我々もこれを重要な参考資料として、今後の経済協力の一つの方向に資するという面で取り上げるべき点は取り上げたい、こういうふうに考えております。
○矢田部理君 この諮問委員会の報告書の八十九ページにその指摘があるのですが、これはどう関係するのですか、しないのですか。
○政府委員(藤田公郎君) 今、委員御指摘のページにいろいろなことが書いてあるかと思いますが、一つは、我が国の援助量が非常に拡大している……
○矢田部理君 いや、そういうことじゃない。外務審議官と政務担当国務次官の定期会合の提起がありますな。
○政府委員(藤田公郎君) 「援助計画策定に関する日米間の協議は政策、実務両面にわたって緊密であり、きわめて効率的であった。」こういう点でございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは確かにあります。「われわれはこうした既存の協議機構に加えて、単なる一地域を越えた世界的な問題を協議する準閣僚レベルの外務審議官と政務担当国務次官の定期的会合を新たに設置することを提案するものである。」これはまさにこういう指摘があるわけでございますが、これまでになく日本とアメリカとの間ではこうした次官級のレベルの一般的な問題を含めた協議はやっておるわけでございますし、さらに、日米関係をさらに積極的に進めるという意味で、この経済協力案件もその一環として加えた、こういうことでありますが、この点は我我も考えておったことであるし、またアメリカ側も考えておったことである。ただ、この諮問委員会と直接の形で、これが提案されまして我々が合意した、こういうことじゃなくて、基本的にやはりそういうことが日米間で必要であるということで進めておる、こういうことであります。
○矢田部理君 これは、いきさつは余り議論している暇はないんですが、首脳会談でこの設置が決まった、報告書が出た、そしてまた首脳会談をやって評価をした、そして安倍・シュルツ会談になり、ここの提案も受けて浅尾・アマコスト会談になるという経過じゃありませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあそういうふうにとられても、確かにいきさつとしては、これに書いてあるわけですからやむを得ない点はあるわけでございますが、私としましては、やはり経済協力問題は、これは日本は日本の立場がありますけれど、お互いに効率的に行うためには日米間で話し合う必要がある、こういうふうに思っておりましたので、シュルツ長官のそうしたオファーを私が受けた、こういうことでございます。
○矢田部理君 経過については安倍さんちょっと理解が不十分だと思うのですが、問題は中身なんです。その中で、日本は戦略援助はしない、アメリカは戦略援助を日本もしてほしい、こういう食い違いがあったのでしょうか。それとも、日本はそういう態度を依然として堅持をしておるのでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、私が、シュルツ国務長官のとにかく次官級レベルで話し合おうじゃないか、この問題も含めて話し合おうじゃないかという提案に対して、一番先にいわば念を押したということで、それは、日本には日本の経済協力の基本方針があるので、これはもう人道的あるいは相互依存という基本方針の枠をはみ出しての協力はできない、その枠内における協力ならいたしましょう、そういう話し合いもいたしましょう、できる問題があるかもしれませんということは初めに念を押しておりますし、その点はアメリカ側も十分了承している、こういうふうに思っております。
○矢田部理君 アメリカの海外経済協力というのは戦略援助と見ていいのでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) アメリカはアメリカ自身の国益に基づいた形で、また、世界の平和と安全のためにやっておるわけでありますし、これは客観的に見れば戦略的だ、戦略的と言える援助といいますか、そういう面が含まれておるということは私は言えないわけではないと、そういう面もあると、こういうふうに思います。
○矢田部理君 日本は今まで戦略援助という視点でやったことはありませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本はあくまでもやはり援助というのはこれまで長い間の基本方針を貫いてきた。それは、人道的あるいはまた相互依存、さらに世界の平和と安定に寄与していくという考え方でございまして、例えば軍事的な援助はもちろんこれには介入しない、あるいはまた、紛争を助長するような援助はしない、こういう一線はきちっと画してきたと、私はそういうふうに理解しております。
○矢田部理君 そこで、諮問委員会報告に戻るのですが、これはどういうふうに日本の援助を評価しているでしょうか。
○政府委員(藤田公郎君) 一つは、日本の援助量の拡大というのを非常に評価しております。それからもう一つは、ODAが日本の総合安全保障政策にとって極めて重要な役割を占めてきているということが第二点かと思います。それから第三点が、日本のODAが六〇%、七〇%アジアに向けてきたが、最近になってエジプト、パキスタン、トルコ、スーダン、ソマリア及びアラブ湾岸諸国の一部、さらにカリブ海地域などに対する援助の拡大は、戦略的に重要な地域に対する援助の政治的重要性を日本が認識していることと、より広範囲にわたって日本が世界において政治的イニシアチブを発揮していく決意のあらわれとして大いに評価するということであります。
○矢田部理君 外務大臣と違うじゃないですか。
○政府委員(藤田公郎君) いや、この委員会の報告はそういうふうに言っております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今、藤田局長が述べたように、この諮問委員会では、今援助の形を述べておるわけでありますが、日本の援助の姿勢というものは、これは先ほどから申し上げたとおりでありまして、例えばアメリカの戦略援助に組み込まれるというふうなことは、これはこれまでもしなかったし、今後ともすべきでないというのが政府の一貫した考え方であります。
○矢田部理君 考え方はともかくとして、首脳会談で合意してつくった。そしてまた大変高いものとして評価した、同じ首脳会談で。その報告書は日本はもう戦略的援助をやっておる、イニシアをとっておるということで、カリブ海なども事例を挙げながら指摘をしておる。安倍外務大臣の認識と全然違う。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かに、これは具体的に国を挙げて、エジプト、パキスタン、トルコ、スーダン、ソマリア、アラブ湾岸諸国、さらにカリブ海地域などに対する援助の拡大は、としておるということ、それが戦略的なつながりを持つというような文章になっていますが、これらの国に対する援助はずっと拡大をしてきております。 これはあくまでも日本の今申し上げましたような基本方針のもとでやってきておるわけでございまして、これを拡大をしたからといって、これが戦略的な援助という形でアメリカの援助の大きな枠の中に組み込まれているという指摘は、我々はこれはとらざるところであります。ですから、我我の援助はずっと拡大しておりますけれども、しかし、それを一つ一つとって、何かアメリカの戦略援助に組み込まれているというふうなことを言われるということは、これはちょっと日本政府のこれまでの方針に合わないところじゃないかと、私はそういうふうに思います。
○矢田部理君 外務省の看板はそうであっても、これは総理が任命した日本側の委員も含めてまとめた報告書はそう見てないんです。実態も戦略援助であり、その戦略援助に対して認識が深まった、日本がイニシアをとりつつあるとまで評価をしているわけです。八十九ページなどを読んでいただきたい。全然違うんですよ、評価は。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この諮問委員会の文章、私読みまして多少我々と認識の違うところもありますし、これは総理が委嘱しました諮問委員で民間の人が中心でありますし、いろいろな意見がその中で交わされてこの結論になったと思うのですけれども、これは政府としての意見ではありませんし、そうして諮問委員会の自由な討議の中で出た意見、そしてそれがアメリカの委員と合同に協議して出されたものであると、こういうふうに思っておりますし、これはこの部門だけじゃなくて、そのほかの点でも我々としては全体的には貴重な意見として真剣に討議する内容も含んでおりますけれども、個々の問題については必ずしも我々がこれを全面的に受け入れなければならぬとか、あるいは認識を認めるとかそういうものではないわけで、またそれはそれで私はいいのじゃないか、こういうふうに思っておりますし、日本の政府の意見は政府の考えとしてこれはあくまでも貫いていかなければならぬ課題である、こういうふうに思います。
○矢田部理君 ちょっとおかしいですな。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、ですから諮問委員会は諮問委員会としての答申であることはよくわかっておりますけれども、しかしまたその内容について我々が貴重な参考とすることはこれはまたそれなりの意味があるわけでありますけれども、全部受け入れるということでもありませんし、ですから我々は我々の考えがあって、政府としては政府の考えがあるわけでございますから、アメリカ側がどういう認識を持っておるか知りませんが、日本はあくまでも我が道を行かなければならぬと、私はそういうふうに思っております。
○矢田部理君 今後の問題ではなくて既に行ってきた日本の援助が戦略援助だと、そのイニシアをとっている、その認識を深めていると、こう言っているんですから、外務省の認識と違う、これは重要な問題なんですよ。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この限りにおきましては、私もそうした戦略援助であるという認識を深めておるということについては私としましてもこれについて同意すると、認めると、納得するというわけにはいきません。
○矢田部理君 外務省がいきませんと言ったって、日本の総理が任命した委員が自分でも意見を出してアメリカと相談した結果そうなって、これは大変貴重な報告書だといって日米首脳会談で一致した。そうすると、その総理の認識、選んだ諮問委員の認識、この報告と外務省は全く認識が違うということだ。これどうするのですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 少なくとも、今の認識を深めたということについては我々の見解とこれは全く違うところでありますし、私たちは、今までのそういう援助の実態というものが具体的な名前を挙げてありますが、確かに援助は拡大しておりますけれども、そういう戦略的な志向といいますか、アメリカの戦略的な枠組みに入ってやるというふうな考え方でこれまでやってきた覚えは全くないわけでありますし、客観的にこういう見方を委員がしたとしても、私たちはあくまでも今申し上げましたように日本は日本の筋を通してきたと思いますし、この点については我々もこれをそのまま素直に認めるというわけではありません。日本のあくまでも援助というのは、先ほどから申し上げました基本路線に従ってこれまでもやってまいりましたし、これからもやっていくという決意は変わりないわけです。
○矢田部理君 官房長官、どうですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 日米の双方から諮問委員が出されて、そこで日米関係についていろいろな問題にわたって御討議をいただいて、そして報告がまとめられたところでございます。事前に政府とこういう方針で行くがこれでいいかというようなすり合わせをしたという文章でもないと思うのでして、それはあくまでも諮問委員会のやはりその中で御討議が重ねられてきて報告がまとめられたと、こういう形で出されたものでございます。したがって、行政の各分野にわたりまして諮問委員会の報告の中に書き込まれておりますことが全部、例えば外務省の方針とすり合わせたとか、あるいは農林水産省の方針とすり合わせたとかということではなくて、諮問委員会の委員の方方の御良識において討議されてまとめられた、こういうふうに理解をいたしております。 しかし時間をかけて非常に御討議をいただいたその報告に対しまして、米国政府はその諮問委員会の報告を尊重していく、日本の政府もこれを尊重していく、こういう姿勢で報告を受け取ったところでございます。 先ほどから外務大臣もお答えになっておられますように、そこに書き込まれております個々の問題につきましては、これを今政府、各省庁でよく勉強して、検討している、こういう段階に今いるわけでございまして、それがそのままこれを実行していくかどうかというようなことにつきましては、今いろいろ検討をしているという、そういう時期は当たっておるというふうに存じておるところでございまして、諮問委員会の報告そのものを尊重するからといって全部そのまま政府の方針としてこれを進めていくという意味ではなくて、二段構えのようでございますけれども、報告は尊重し、かつ個々の問題については今勉強し、検討しておるのである、こういうふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。
○矢田部理君 今後の方針もさることながら、従前の政府のやってきた援助が人道援助だとか、相互依存だとか言っておりながら、実態は戦略援助になっているという指摘なんですよね、これは。 具体的に挙げてみましょうか。例えばニカラグア、これは左派政権ですが、八一年から援助はストップしてしまいました。ところが、グレナダに出兵をしたドミニカとジャマイカは八〇年、八一年から急増している。ニカラグアの左翼政権に対するゲリラの根拠地といわれるホンジュラスもこれまた援助が急増している、これがまさにここで言うカリブ海地域における戦略的援助だということにつながるわけでありまして、説明のしようがないじゃありませんか、事実がそうなんですから。どう思いますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) カリブ海諸国に対する援助は、例えばジャマイカ等援助を相当進めておることも事実であります。また、その周辺国についてもそれなりの援助はしておりますが、しかしニカラグアは今紛争地帯ですから、これに対しては援助してないということであります。しかし紛争地帯といえども人道的な場合はこの限りにあらずという考えを持っておるわけでございますが、そういうことで我々としてはやはり紛争が平和的に解決することを望んでおりますし、その周辺地域のやはり経済、民生の安定というのを望んでおるわけですから、そういう意味において日本の援助の拡大の中でそういう地域を配慮しているということでございますから、別にこれはアメリカと何か話し合って、戦略的に特に重点的にやったというわけではない、こういうふうに理解しております。
○矢田部理君 語るに落ちたというんでしょうか。ニカラグアは紛争中だから援助をストップした。同じ紛争中のエルサルバドルはこれは右派政権、これは内戦中です。これには今度八三年から援助を急増している、これがまさにここで言う戦略援助論なんですよ。
○政府委員(藤田公郎君) 今ニカラグアとエルサルバドルについて御質問ございましたが、ニカラグアにつきましては、ただいま外務大臣からの答弁がございましたように、専門家の派遣ないし人が行きまして関与するようなプロジェクトはなかなか難しいということで、研修生の受け入れという技術協力を主として行っているという状況でございます。 それからエルサルバドルでございますけれども、エルサルバドルも若干事態は改善の方向に向かっておりますけれども、やはり専門家を派遣して行うということは現在行っておりませんで、研修生の受け入れ、その他の技術協力関係の機材ということで対応をいたしております。 ただいま御質問の急増というお話でございましたが、これは八三年度はございませんで、エルサルバドルでございますが、八二年度に水害被害に対する緊急援助と、それから食糧増産援助ということで肥料を供与しております。これは合計で三億ちょっとかと思いますが、そういう状況にございます。
○矢田部理君 状態を聞いているんじゃない、性格を聞いている。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは今局長が言いましたように、八二年は両国に対しまして水害援助ということで、これは人道的な立場でやっておるわけですが、八三年は両国に対してもやっておらないということでありますし、したがって我々としては別に、特に人道的な援助を除きまして、こういう国々に対しまして特別に援助したということではありません。
○矢田部理君 今の数字はちょっと違いますが、例えばエチオピアについてもそうなんですね。これは、珍しく社会主義政権とされるエチオピアに外務大臣が出向いて行っている。同国の西部再定住計画に協力をするということで五、六本の井戸掘りの約束をされてきた。アメリカはクレームをつけたんじゃありませんか。このクレームはどうなりました。どんなクレームがついたのでしょうか。
○政府委員(藤田公郎君) 先般外務大臣がエチオピアを訪問されました際に、先方政府からの要望もございまして井戸掘りのチーム派遣ということを約束いたしまして、直ちに十二月に井戸掘りチームを派遣いたしまして、現在もう機材も到着いたしております。これから掘るのにかかりますが、アメリカのクレーム云々という新聞報道がございましたのは事実でございますが、かかる事実は全くございませんで、当該報道を行った通信社に対しましてもそういう事実がないということをはっきり申しておりますし、同通信社の報道を受けました本邦の各紙中外務省にその真偽を照会してこられた方に対しては、全く根拠のないということを御説明いたしまして、同通信社の通信を新聞紙上にキャリーされた新聞は一紙ぐらいであったかと承知いたしております。そのようなアメリカからの横やりが入った云々という事実はございません。 井戸掘りの現状でございますが、どこに掘るかということで、南部、それから北部、西部、三つのいろいろ候補地について先方政府と協議をいたしました。その結果、外務大臣が訪問されましたアジスアベバの北方の地域にこれから集中して井戸掘りを行うということで両国政府の合意を見まして、たしか三月の第三週ぐらいであったかと思いますが、当事者間の合意文書といいますか、仕事の範囲を決めます計画書みたいなのがございますが、それにイニシアルをした。そして現在それに取りかかりつつあるという状況でございます。
○矢田部理君 アフリカ問題は外務大臣も熱心だということは、それ自身私は否定するつもりはないしまた評価をしている向きもあるわけでありますが、やっぱりそういう話が出るという裏方を探ってみると、どうもいろいろな圧力をアメリカがかけているのではないかと思われる節がある。 もう一つの事例として、世界銀行がアフリカ特別基金の協力を求めた、創設の提唱をしたのに、日本はこれを拒否をした。これはどう見ても二国間援助では戦略援助の性格が出せない、あるいはまた日本の企業のひもつき援助にならないということで、アメリカと並んで日本が拒否したのではないかと指摘されているのですが、この辺はどうされます。どういうふうに見ますか。
○政府委員(藤田公郎君) 世界銀行がアフリカ関係の特別基金を設けようということで、一月三十一日と二月一日の両日にわたりまして、パリにおきまして関係国の会合が開催されました。その際、フランス及び北欧諸国はその基金自体に拠出を行う、それから我が国、西独等のその他の国は、世界銀行の基金のみということではなく、世界銀行との間の協調融資を行うという形で協力をするという二つの方式での協力を行うということに合意を見まして、その会合の最後に発出されました新聞発表では、両者をあわせて、当初世界銀行側が計画しておりました十億ドルを超す十一億ドルぐらいの約束といいますか、意図表明が行われた、この会合は成功であったという新聞発表が行われております。したがいまして、我が国は西独等とともに協調融資という形での協力を行うというグループに入っております。
○矢田部理君 特別基金の創設には参加をしない、協調融資方式でやるという対応になったのですか。
○政府委員(藤田公郎君) おっしゃるとおりでございます。
○矢田部理君 もともと協調融資方式ではなくて、特別基金に出してほしいというのが世銀の基本的な考え方、これにやっぱり基本的に応じないというところにもアメリカ型というか、戦略援助型の思想がどうもやっぱり影を落としているというふうに言わざるを得ないわけでありますが、そのほか挙げると幾つでもあるんですね。トルコはどうかとか、あるいはパキスタンとかタイの援助はどうか、紛争周辺国に対する戦略型援助、こういう傾向が外務大臣の説明にもかかわらず客観的には強まっている。それが、まさにこの諮問委員会の評価になってもあらわれている。アメリカはそれは評価しています、そこで、外務省は言葉で否定するのではなくて、事実としてそういう方向ではなくて、本当に人道的観点なら人道的観点としてもう少し援助の視点を、あるいはODAの基本的な考え方をやっぱり整理をしてみる必要がありはしないかと思うのですが、外務大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本の援助の基本方針は変わらぬわけでございますが、今おっしゃるように、やっぱり日本の援助の基本方針というものをもっとやはり各国に対しまして鮮明に理解させる必要はあると思います。確かに、日本の援助のやり方とアメリカの援助のやり方は違います。これは、アメリカ側と会ってみても私も感じますし、また具体的にアメリカはやっぱり二国問援助というものに非常な重点を置いておりますが、日本の場合は二国間の援助だけではなくて多国間の援助、国際機関への拠出、そういうものについては相当積極的にこれまでもやってきておりますし、そういう点は確かに違う点であります。しかし、同時に日本のそういう援助は我々は正しい、正しいといいますか、日本はそれでいくべきだと考えております。ベトナムなんかでも、したがって今のカンボジアとの問題がありますが、人道的という面に限っては多少の批判もありますけれども、これに対する援助はその人道的な面からの協力はいたしておるということで、これはやはり世界に対してもそういう日本の方針は徹底しなければならない。エチオピアに対してもあくまでも人道援助ということで、今日のあの窮状を見ると、日本は積極的にやはり協力すべきだということで、我々としてはこれを進めておるということでございます。 おっしゃるように、やはり援助についてはいろいろと批判もあると思いますから、そういう点は全面的に日本としていろいろな面を、これまでの面を再検討して、この基本方針に従って今後これを進めるということが世界の信頼、あるいはまた第三世界といいますか、開発途上国の信頼を深めていく上においては大事なことである、こういうふうに私も認識しております。
○矢田部理君 日米首脳会談、安倍・シュルツ会談、そして浅尾・アマコスト会談、こう言ってきますと、アメリカとのかかわりで言うと、アメリカは軍事援助、日本は経済援助で協力をする、総体として戦略援助にしていくというような色合いが出る可能性は極めて強いので、そこら辺はまた気をつけて対応していかないと、今までもその流れで、日本は人道だ人道だと言いながら、結果として戦略援助になっているというようなことは、また軍事と経済をそういうことで振り分けて分担をするというような形になると非常に問題が余りにも大き過ぎる、問題があり過ぎるというふうに思いますのでよろしく考えてほしい。内閣の方もそうだと思います。官房長官どうですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 方針につきましては、先ほど来外務大臣がお答えを申し上げてきたところでございます。しかし、先生の御指摘の御趣旨もよく理解するところでございますので、十分心して進んでまいりたい、このように考える次第でございます。
○矢田部理君 そこで、内閣には総理の諮問機関として対外経済協力審議会がある。これが動かない。そこで、安倍さんの方で何か私的諮問機関をつくるということで、これから援助の方向とか観点をやっぱり相談していくということになっていますが、この両者の関係はどうなるんですか。これは外務大臣の仕事だ、あなたじゃない。
○政府委員(藤田公郎君) 事実関係のみ。
○矢田部理君 いやいや、事実はわかっている。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 対外経済協力審議会というのは、総理大臣のこれは公的な諮問機関じゃないかと思いますが、これは経済協力に対する基本的な考え方を論議して、それを総理大臣に答申する、あるいは助言するという形だろうと思います。それはそれなりに機能しておると思うわけでありますが、外務省の私のもとで私的な懇談会をつくったというのは、これはやはり矢田部委員がおっしゃいますようないろいろな批判が出てきておる、私もそれを非常に気にしておるわけでありまして、したがってフォローアップの点については外務省自身の手で随分努力してこれ報告書にまとめて出しておるわけですが、外務省がみずからやったのじゃ客観性も乏しい面があるし、またもっと違った角度からやっぱり援助というものを見ていかなければならぬのじゃないか。そして、四十年たって、これから日本がさらに国際社会の中で援助というものを通じて大きく貢献していくということについては、そうした各方面の率直な意見を聞きながら、やはり私自身で正すべきところは正していく必要がある、こういうふうに考えたから、この諮問委員会を、私の懇談会をつくって、これを発足さして、そしてその意見を聞きたい、こういうことでございまして、ですからこれは内閣にあります経済対策の審議会とはまたおのずから性格を異にしているのじゃないか、こういうふうに思っております。
○矢田部理君 総理のやつは役に立たぬと。特に、総理は南北問題に不熱心で東西関係専門。それで、南北問題で新機軸を出そうというのならわからないわけではありませんが、特に戦略援助もそうでありますが、南北問題に東西関係の影を落とすというのはやっぱり一番問題なんでありまして、その点この二つの公の機関が動かない、こっちは別途に企画して私的諮問機関である、このありよう、あり方についても内閣として問題ありませんかね、これは。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いや、総理の方の諮問機関が動かないということではないと思いますが、我々の方はフォローアップですね。要するに、経済援助をしました後のそれぞれの国の対応とか、それからどういうふうにその金が現実的に使われておるかというものをやっぱり見きわめる必要があるんじゃないかということでやっておるわけですから、全体を見直すということじゃなくて、主として私の懇談会というのは援助をした後のフォローアップを中心にやろうというわけです。
○矢田部理君 そこで、これはまとめになりますが、五年間で倍増がほぼ量的には到達点に達してきている、実績はまたともかくとしても。そこで、新中期計画を策定作業中であるというが、この考え方をお示しいただきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは外務省だけの問題じゃなくて各省庁それぞれ関係があるわけで、今いろいろと協議をいたしておるわけでありますが、今、新中期計画をこれからつくらなければならないという一つの考え方はありますけれども、財政との問題が絡んでおりますから、今ここで具体的にその作業に入っているということではありませんけれども、しかし今私たちがやろうとしているのは、少なくともOECDの閣僚理事会がありまして、やはり世界各国が、日本はもう中期計画が終わった、これからどうするんだろう、ODAに対してどうするんだろうという答えを待っておりますので、少なくともOECDの閣僚理事会で日本のODAに対する基本的な考え方というものを明らかにしなければならぬということで、まずその辺のところに焦点を合わせて今いろいろと閣僚間で相談をしており、また大蔵大臣にも相談をしておると、こういうことであります。
○矢田部理君 大蔵大臣その他にはまだ聞きますが、外務省がイニシアチブをとっておやりになっているとすれば、考え方、基本の柱みたいなものはどうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これまで三年倍増を予算の面では実現をしましたし、また今度、五年倍増を予算の面では九八%達成をいたしましたので、これはやはり今後非常に開発途上国等で期待をしておりますから、このODAというものを、財政再建という非常に厳しい状況にありますが、やはりこれまで以上に伸ばしていくという基本姿勢というものを政府としては打ち出すべきであると、まず当面そういうふうに考えております。具体的にどうするかというのは、やっぱりこれからいろいろと協議をしなければならぬ課題ではないか、こういうように思います。
○矢田部理君 量的にこれまで以上に拡大をしていくという考え方はわかりましたが、質的には何か考え方はありますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 質的にも、それぞれ審議会もありますし、内閣の審議会、また私、懇談会等の意見も聞かしていただき、また外務省でも今までの経済援助のあり方というものの反省の上に立って、量的な面だけであってはならぬわけで、やっぱり質的に開発途上国等の実態というものに応じた援助でなければならない、本当に日本の方針というものが貫かれた形での援助でなければならぬということで、質的な面でもこれはいろいろと検討する必要がある、私はそういうふうに考えております。具体的にこれをどうするかということについては、まだめどといいますか、そういう作業を進めておるという段階ではございませんが、基本的には質的な問題もやっぱり考え直す必要があるのじゃないかということは、私は率直にそういうように思っております。 〔委員長退席、理事亀井久興君着席〕
○矢田部理君 質的な問題で私から少しく提起しておきたいし、前にも言っておるのですが、人道的援助、相互依存だとこう言いながら、実際は戦略援助型になってきているのが一つ。それから、かなり独裁政権とか軍事政権的傾向が強い、そこに対する政権へのてこ入れ的な役割を担うような援助についてはやっぱり慎重であるべきだと。フィリピン援助などがその一つの事例でありますし、去年これは議論しました。 そこで、これらの国々に共通な問題点というのは、非常に貧困だということですね。そこで、その貧困からの解放や福祉にどういうふうに日本の援助が役立つのかという観点をひとつぜひ考えていただきたい。 それからもう一つは、日本の資源とか市場とかということから問題を提起するのではなくて、やはりその国の経済の自立にとって日本の援助がどう役に立つのかという視点を考えていただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も全く同じ認識を持っております。 おっしゃるように、やはりその国の政権を維持するということの援助というものに誤解されることは防いでいかなければならぬと思います。我々が援助している開発途上国というのは、残念ながら西欧型の民主主義国でなくて、非常に安定している国もありますけれども、やはりどちらかといいますと、何といいますか、独裁とまではいかなくても民主主義的な国でない国もあるわけでございますが、そういう国の態様は別といたしましても、やはり我々としてはその国の人たち、国民というものの、今の自立だとか、あるいはまた民生の安定とか、福祉とか、そういうものに重点を置いた援助というものを進めていかなければならない、こういうふうに思いますが、アジアにつきましては、これはフィリピンも含めて日本とは特別に深い関係がありますし、やっぱり日本もアジアの一国であるという関係から、アジアにつきましては今まで全体の七割近い援助をしておりますが、こういう基本的な援助というものは、これはやはりこれからも基本的には進めていかなければならない、こういうふうに思っておるわけであります。
○矢田部理君 外務省はある種の問題を既に固めて大蔵省と折衝中と言われておりますが、大蔵省の考え方を伺いたい。
○国務大臣(竹下登君) まず基本的な考え方は、今安倍外務大臣からお答え申し上げたこと、それから矢田部さん自身の御指摘なさったこと、私も全く同感でございます。 そこで今度、その進め方につきましては、いわゆるODAのグラントエレメントは五十八暦年実績という今日の状態でございます。しかし我々といたしましては、今安倍外務大臣からいわゆるOECDの閣僚会議のことが念頭にあるというお答えがございましたが、私も大体それは政府としても念頭に置くべき課題だろうという問題意識は持っております。したがって、折々は部内でも相談をしておりますが、どういう形で当局との協議に入るかということは今少しの時間をかしていただきたいというような感じでございます。
○矢田部理君 OECDの理事会が四月十一 日から開かれる、九日までにまとめるという話が、どうもまだ両者間の話も調っていない、まだ土俵にも余り上がった感じがないというか、薄い感じがするんですが、これは経済企画庁あたりは調整役だそうですが、どんなふうに考えておられるのか。また通産省としても意見があれば、両大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) 先ほど来外務大臣からるるお話しのございましたように、OECDではある程度の見込みを発表せざるを得ませんから、それまでに大蔵大臣にも話を詰めましょうやという、今そういう話の段階でございまして、三年計画でいくのか五年計画でいくのか、あるいは量的、質的にどこまで持っていけるのか、具体的な詰めが今行われておる最中と御了承いただきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 我が国が中期目標のもとで行っております政府開発援助、ODAの計画的拡充への努力ということは非常に国際的にも高く評価をしておると思っております。今後とも日本の経済力に見合ったODAの計画的拡充に対する国際社会の期待にこたえるべく引き続き最大限の努力を続けていくということであろうと思いますが、全般的に先ほど来外務大臣からもお答えがずっとございましたように、私どもは自由開放体制、新ラウンドということを中曽根内閣のもとで協力一致して推進をしておるわけでございまして、委員御指摘のいわゆる開発国、そしてまた今自由主義経済体制のもとで進んでおる先進国、それが大いに助け合ってやっていかなければならないということで全般的に進めておるところでございます。
○矢田部理君 量的拡大ということが言われておるわけですが、特に質の問題をあわせて今度は重視をしていただく、先ほども議論した視点をぜひ基本的に盛り込んでほしいということを特にお願いをしておきたいと思います。 あとは防衛庁を中心に伺っていきたいと思いますが、この間聞こうと思って落としましたのは、日米共同作戦計画が昨年末決められた。このシナリオについて御説明いただきたい。
○国務大臣(加藤紘一君) 日米共同作戦計画の研究でございますが、たびたび申し上げて申しわけございませんけれども、研究の性格上具体的な内容についての言及は控えさせていただきたいと思いますが、ある一つの設想をもって、それをもとに研究しているということで御理解いただきたいと思います。
○矢田部理君 この間も触れられておりますが、これは自衛隊が独力で対応する小規模限定戦争を想定したのではなくて、日米共同で対処する戦争というか、それを想定している、これはいいですな。
○国務大臣(加藤紘一君) この研究は、昭和五十三年に定められました日米防衛協力のガイドラインに基づいてやっておるものでございますので、その前提ということでございますので、限定小規模の事態に対処するということに限られておりません。
○矢田部理君 そこで、一つのシナリオというのは幾つかある想定のうち一番現在考えられる最も可能性の強いシナリオ、想定というふうに受けとめてよろしいでしょうか。
○政府委員(矢崎新二君) お答え申し上げます。 ただいま先生の御指摘の点は、まさに大臣から先ほど申し上げましたように、具体的にどういったシナリオを想定しているかという内容に触れる面がございまして、その辺はお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○矢田部理君 内容を聞いているのじゃない。可能性論を聞いている。
○政府委員(矢崎新二君) いろいろな可能性の中の一つを想定して研究をいたしておるというものでございます。
○矢田部理君 その一つは最も可能性の高いものを想定したのかと、こう聞いている。
○政府委員(矢崎新二君) この辺はまさにいろいろなものの中の一つというふうに申し上げざるを得ないわけでありまして、どういった事態が起こり得るかということはまさに千差万別でございまして、ただいまから予測することはできないわけでございますから、どれが一番高いとか低いとかいうことをここで確定的に申し上げることはなかなか難しい話であろうというふうに思います。
○矢田部理君 幾つかあるシナリオのうち可能性の低いやつをばかばかしく準備する人はいないわけですから、常識的に見たって可能性の高いものをやる。可能性が高いということになれば、日本とソ連の有事ということは一般的に考えられない。むしろ米ソが直接間接に背景となる有事、中東とか朝鮮ということが一応考えられるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(矢崎新二君) 日本の有事がいかなるシナリオで起こり得るかという点については、これもしばしばお答え申し上げているわけでございますが、それは単独の有事の場合もあり得るわけでありましょうし、あるいはいろいろな世界の変動というものが波及をして日本が有事になるという場合もあり得るわけでございましょうし、それが一体どういう形で起こり得るかということは、これは断定的には申し上げられないと思います。
○矢田部理君 ことしの秋にいよいよ本格的に日米の陸海空が参加をして演習をやるということですが、その計画と内容をお話しください。
○政府委員(大高時男君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の日米共同統合訓練でございますが、本年の秋以降実施する予定で現在諸般の準備を進めておる段階でございまして、まだ詳細御説明する段階にございません。
○矢田部理君 既にことしの予算で組まれているわけですから、もう少し具体的に言いなさい。
○政府委員(大高時男君) 日米共同の統合指揮所訓練でございますので、米国側につきましては在日米軍司令部、それから在日米軍の各陸海空の司令部がございます。これに対しまして自衛隊の方は三幕、陸海空自衛隊、これが参加するという形をとる予定で現在内容の詰めを行っておるというところでございます。
○矢田部理君 日米共同作戦計画とこの訓練との関係をお話しください。
○政府委員(大高時男君) 日米共同作戦の研究とこの日米共同統合指揮所訓練との関係は直接にございません。
○矢田部理君 関係ないことないでしょう。いろいろな想定をする。シーレーン防衛の想定も今作業中だ、その想定を前提にして訓練というのはやるのじゃありませんか。
○政府委員(大高時男君) 統合指揮所演習でございますけれども、先生御案内のとおりに、日米の幕僚でございますけれども、これの相互間の調整要領を演練するわけでございまして、この両者の調整のために、もちろん必要な想定は持つわけでございますけれども、この想定が直ちに日米共同作戦の研究のシナリオと連動をしておるわけではございません。あくまで当該訓練を効果的に実施するために必要な範囲で行っておるわけでございます。
○矢田部理君 実動訓練はいつごろ予定していますか。
○政府委員(大高時男君) ただいま先生御質問の実動訓練でございますけれども、日米統合実動という意味でございましょうか。現在のところまだその計画につきましては当面ございません。
○矢田部理君 いよいよ日米共同作戦のシナリオができた。訓練もそれぞれ別々に、あるいは陸は陸、海は海で積み上げてきた。これが本格的な演習に入るのが今度の指揮所訓練、そのことはことしの予算にも組み込まれているわけであります。この指揮所訓練を経て日米三軍の実動訓練に入る。この間フリーテックスの点についても指摘をしましたが、その方向はどう見たって……
○理事(亀井久興君) 矢田部君、時間が参りました。
○矢田部理君 はい、わかりました。 チームスピリット型の訓練になる危険性は極めて強い。これは日本の従来とってきた防衛論を超えるものであり、極めてアジアの緊張を高めるものであり、私はとるべきでない。その点シビリアンとして防衛庁長官がこの種の方向をやっぱりできるだけチェックする、こういう方向をここで対処していただきたいということを特にお願いし、一言返答を求めて私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(加藤紘一君) 私たちが訓練するとき、特に共同訓練するときに集団的自衛権の範囲に入るかどうか、その辺は私たちが訓練内容をチェックするときに一番注意するところであります。今後ともその点については十分なる注意を払って訓練を実施してまいりたい、こう思っております。
○矢田部理君 終わります。(拍手)
○理事(亀井久興君) 以上で矢田部君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○理事(亀井久興君) 次に、小笠原貞子君の一般質疑を行います。小笠原君。
○小笠原貞子君 まず最初に自衛隊の衛星利用についてお伺いしたいと思います。 科学技術庁長官の竹内さんを含めてこれまでの長官は、国会決議の「我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」の中の平和目的に限りという内容については、これは非軍事であると幾たびもお答えいただいておりますが、そのとおりでございますね。
○国務大臣(竹内黎一君) お答えいたします。 お示しのとおりでございます。
○小笠原貞子君 アメリカ海軍のフリートサットというのはどういう利用をされておりますでしょうか。
○政府委員(山田勝久君) フリートサット衛星はアメリカ海軍が所管をいたしております通信衛星でございます。一九七八年から八〇年に四つばかり打ち上げられておりまして、太平洋に二つ、インド洋に一つ、大西洋に一つ打ち上がっております。主としてアメリカの艦隊通信用に使われている衛星でございます。
○小笠原貞子君 科学技術庁長官にお伺いしますが、「宇宙開発ハンドブック」、おたくの方で監修してお出しになっていらっしゃいます。この九十四ページをごらんいただきたいと思いますけれども、その中で衛星についての区分が出ております。その九十四ページの上段の「目的及び内容」について、フリートサットのことは何て書かれているでしょうか。
○国務大臣(竹内黎一君) それじゃお読みいたします。 「計画」という欄に、まず「国防通信」としてございます。そして「目的及び内容」につきましては、「世界規模の軍用長距離衛星通信システムを完成させる。現在、DSCSII、FLTSATCOM、AFSATCOM等を利用しているが、今後十年間のうちにこれらの後継となるDSCSII及びLEASATシステムを導入する計画である。」と、こうなっております。
○小笠原貞子君 どうもありがとうございました。いろいろお読みいただきましたけれども、世界的規模の軍用長距離衛星通信システムということが明記されております。 それじゃついでに申しわけございません、四百九十五ページの人口衛星分類についてのフリートサトコム五号というのが下から三番目にございますね。そこの「備考」に何て書いてありますでしょうか。
○国務大臣(竹内黎一君) お尋ねのところの「備考」には「軍事通信」と書いてございます。
○小笠原貞子君 ついでに八十五ページに入ります。八十五ページのところを初めからちょっと四行ばかりお読みいただきたいと思います。
○国務大臣(竹内黎一君) それじゃ読み上げます。 「アメリカにおける非軍事的な宇宙活動は、主として航空宇宙局(NASA)が推進しており、NASAの予算は、アメリカの宇宙予算額の約半分を占めている。また、軍事目的の宇宙活動は、国防省(DOD)の責任のもとに進められている。一九七〇年代におけるアメリカ最大の宇宙開発目的であったスペースシャトル開発計画が、」。
○小笠原貞子君 もう結構です。どうも大変ありがとうございました。 今いろいろと確認をいたしましたことは、このフリートサットというのは国防省の計画の中で「軍用長距離衛星」だと、そして人口衛星の分類でも「軍事通信」と、こうなっております。 そして今お読みになったところでも、アメリカにおける非軍事的な宇宙活動はNASAの方だと、そして国防省の方は軍事目的の宇宙活動と、こうなっておりますね。そうしますと、フリートサットというのは明らかに軍事的なものである、こういう結論にならざるを得ないわけで、私が言うんじゃなくておたくのに書いてあるとおりなわけでございます。それは確認してよろしゅうございますね。
○国務大臣(竹内黎一君) フリートサット衛星は米軍所有の衛星であり、そのような意味から御指摘のハンドブックにおいて軍用通信あるいは軍事通信という表現がなされたものと理解をします。
○小笠原貞子君 と表現がなされているということは、おたくの方でこれは軍用の衛星であるということがはっきりしているわけでございます。そうしますと、この軍用の衛星というもの、これを自衛隊が利用するということは軍事利用ということになって、明らかに国会決議に違反すると言わざるを得ないと思うんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(竹内黎一君) 自衛隊によるこのフリートサット衛星の利用につきましては、先生御承知のように政府の方で統一見解を示しておるわけでございまして、私のお答えもそのとおりになります。
○小笠原貞子君 統一見解というのはいろいろと書かれているけれども、今あなたのところで出されたこれによって確認されたことはこれは軍用衛星である、軍事衛星であると、こう言われているわけですね。だから、あなたが今確認されたこれが間違っているのか。間違っているならまた問題は別なんだけれども、統一見解と明らかに矛盾していると言わざるを得ないんですよ。
○国務大臣(竹内黎一君) フリートサットの利用につきまして、私ども政府見解を申し述べておるわけでございます。もちろんその前提には、国会決議の有権解釈は国会にあるということを大前提に申し上げておるわけでございますが、国会決議の平和目的については非軍事用と理解をするという趣旨の答弁がなされていることは、私ども今日承知しておりますが、その利用が一般化している衛星の自衛隊による利用を禁止するまでを述べたものではないと理解をしておるわけでございます。
○小笠原貞子君 それはごまかしだ。軍事衛星でちゃんと分類して軍事衛星だということを認めたんだから、あなたの見解は違いますよ、納得できないですね。やっぱりごまかすから無理だと思うけれども。
○国務大臣(竹内黎一君) 同じ答えになって恐縮でございますけれども、私どもは国会決議に示すところの平和の目的については、ただいま申し上げましたように解しているわけでございます。 〔理事亀井久興君退席、委員長着席〕
○小笠原貞子君 苦しいところで、まさに矛盾しているわけです。あなたは一応軍事的だと認めておいて、そして国会決議や政府統一見解は守らなければならないということで大変苦しい立場にお立ちになっていらっしゃるということだと思います。 まさに偵察戦術情報を含め全面的に軍事利用されることになることは、どんなに弁解されても今の事実で明らかになっていると思う。だから、この政府統一見解というのは国会決議違反のごまかしにすぎないと、結論的には非常に簡単なんです、言わざるを得ないということを、時間がありませんので私は厳しく指摘して次の質問に移りたいと思います。 次に、国鉄のむだ遣いの問題に入るわけですけれども、東京湾を沿って千葉への京葉線の一区間である東京貨物ターミナル駅、大井埠頭駅とも言いますけれども、そこと新砂町間の工事の概要についてお述べいただきたいと思います。
○参考人(内田隆滋君) 本京葉線は、三十九年の九月に品川から木更津まで鉄道を敷きなさいという計画の指示がございました。線路規格としては複線電化ということでございました。その後、品川から川崎の塩浜というところに鉄道がございまして、その間をつなぎなさいという計画の指示が別途おりております。 先生も御承知のように、この当時は大変日本の国が隆盛の時代で、鉄道貨物輸送も大変盛んでございました。私の方としては、一応輸送量を千八十万トンというように見込んで、この計画に四十二年の二月に着手をいたしております。 ところがその後、御承知のように、石油ショックその他でいろいろと世の中の情勢が変わりました。そのために、五十八年の七月に新砂町から東京駅に乗り入れる新線路を新たにつけ加えて、そして蘇我から東京駅までを旅客線として扱いなさいというような変更の指示がございました。これに基づきまして現在、先生が御指摘になっております東京貨物ターミナルと新砂町の間が、貨物線としては現在のところちょっと需要が少ないということで工事を一時中止しておるというのが現状でございます。それが今の京葉線の概要でございます。
○小笠原貞子君 貨物線として初めは認可されてきたわけですね、そうですね。
○参考人(内田隆滋君) 当初は主として貨物線ということでございます。
○小笠原貞子君 それが工事ストップいたしましたその理由。
○参考人(内田隆滋君) ただいまも申し上げましたように、都市計画が非常に変わりまして、千葉の海岸線についての埋め立てが、工業地帯として造成したものが家を建てるというようなことから、旅客線にせざるを得ないというようなことで、貨物線としては需要が非常に少なくなったということでございます。したがいまして計画変更をいたしたということでございます。
○小笠原貞子君 大井埠頭―新砂町間のそのところは借入金で建設しておりますけれども、現在までの投資額、利子、どれくらいになっております
○参考人(内田隆滋君) 建設費が四百三十八億で、利子が二百四億でございます。
○小笠原貞子君 ここに、鉄建公団の内部資料というのを私持っておりますんですが、これは鉄建公団が会計検査院から指摘された事項が書かれております。公団側がどうして検査院の指摘を受けたかというのが書かれているわけですけれども、これは投資総額が今おっしゃったように四百四十億、そして利子が二百三十五億、そして今後年間利子だけで五十三億円が自動的に累増していく、こう書かれております。貨物線としての役割は今おっしゃったようにもう全くなくなりました。それじゃ旅客というふうに変えるかといいますと、これは東京湾の埋め立ての場所でございます。その上、この路線十一キロのうち六キロメートルは台場トンネルというトンネルになっているわけです。私は行って見てまいりました。立派なトンネルがもう既に御承知のとおりできているわけでございます。そして眺めますと、住宅が今一軒もない。これから旅客にするなんていうことはちょっと考えられないようなむだ遣い、本当にゆゆしきむだ遣いだという言葉を私あえて使わせていただきたいと思います。 そこで、会計検査院は何回も詳しく御検査なさったとは思いますが、会計検査院の中で、この資料を見ましても、これは国家的損失は大きい、こう指摘されているわけでございます。まさに国家的損失。これに対して会計検査院、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。 お尋ねの件でございますが、今先生お話しいただきましたように、会計検査院といたしましても公団の検査に当たりましては、従前から多額の投資が長期間遊休化するおそれがある、あるいはそれに建設利息等がかさんでいくというような事態について遺憾と思っておりまして、かねがね重大な関心を持って検査してきているところでございます。 ただ、しかしながら、今後の推移も見守らなければ、最終的にそれが全くのむだになるものであるかどうかという判断をする時期にはまだ至っていないというふうに考えておりまして、かねがね検査に当たりましては、私どもといたしましても何とかならないものであろうかという、そういう観点からの御注意は申し上げてきている次第でございます。
○小笠原貞子君 ちょっとなまぬるいですね。その後にまたおたくの方から出されているんですけれどもね。さらに、「財投等有償資金が投入されており、凍結された場合、投資効果が発現されないばかりでなく、利子も更に増えることになる。」ということでございます。今後とおっしゃったけれども、今後何百年先のことを言ってたって話にならないわけです。ここ二、三年のところであそこに住宅が建つかどうかということを考えたら考えられない。むだ遣いであるということはむだ遣いだ。国家的損失とおっしゃっているんだから、今おっしゃいましたけれども、大きな関心でもって臨んでいただきたい、いかがですか。
○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。 今申し上げましたように、まさに私ども重大なる関心を持って見ております。それから、公団の検査についてそういう検査をしてまいりました。今後は運輸省当局からも見解をたださなければならない、そのように考えております。
○小笠原貞子君 さて、国鉄総裁、これどうするつもりですか。
○説明員(仁杉巖君) 今、内田総裁がお答えいたしましたように、蘇我から新砂町、さらに東京というのは旅客の大きな輸送路となるわけでございますが、新砂町―大井埠頭間につきましては、昔の計画、二十年前の計画でございますが、貨物として使ったということで、どういうふうに使ってこれを生かしていくかということにつきましてただいま研究をいたしておりますが、まだ国鉄としても最終的にどうするという結論が出ておりません。一番卑近な使い方としては、その間に旅客電車を動かすかということもございますが、なかなか利子を負担するということでは輸送量がカバーできないだろうというふうに考えております。
○委員長(長田裕二君) 内藤功君の関連質疑を許します。内藤君。
○内藤功君 まさに国家的な損失だと思うんですね。 そこで、私はもう一つ例を出したいんですが、岡崎から新豊田へ向かう岡多・瀬戸線の問題であります。この当初計画を説明してください。
○参考人(内田隆滋君) 岡崎から新豊田へ至る岡多線の御説明でございますが、この線は、岡崎を出まして新豊田―瀬戸―稲沢・枇杷島に至る鉄道でございまして、全線が約六十六キロメートルでございます。 当初の計画といたしましては複線電化ということで計画をいたしておりますが、その後の輸送量の変化によりまして単線で開業ということで現在はいたしております。工事の着手は、岡崎―瀬戸間が三十九・六キロございますが、これが四十二年一月、それから瀬戸―枇杷島間、これが四十八年二月ということで着手をしております。そして、岡崎―北野桝塚間につきましては四十五年十月に貨物線として単線開業、それから岡崎―新豊田につきましては五十一年四月に単線旅客線として現在開業をいたしております。それから、新豊田から高蔵寺までの間、これは大体工事が完了をいたしておりまして、ただいまは高蔵寺の改良あるいは電化、軌道、駅の設備等を工事中でございます。それから勝川から枇杷島に至る線は、これはたまたま都市計画と一緒にやっておりますので、この区間につきましては、都市計画関連事業につきましてただいま工事を進めておるというのが現状でございます。 以上でございます。
○内藤功君 今お話しの既に開業している岡崎から新豊田の間ですね、この区間の鉄建公団から国鉄への貸付料の残高は一体どのぐらいになっていますか。
○参考人(内田隆滋君) ただいま御指摘の残高でございますが、約四百三十億ございます。
○内藤功君 それでは、今度は新豊田から高蔵寺の間の工事中の区間ですね。この区間を国鉄に貸し付けた場合の貸付料はおおよそどのくらいになるでございましょうか。
○参考人(内田隆滋君) 六十一年度開業ということで、年間約六十億ということになります。
○内藤功君 何年間ですか。
○参考人(内田隆滋君) 六十一年度開業で年間六十億ということになります。
○内藤功君 いや、何年間かかるかという……
○参考人(内田隆滋君) 四十年均等償還ということでございます。
○内藤功君 そうすると、四十年均等償還で六十億ですから二千四百億になるという計算になるわけであります。今私の言いました新豊田―高蔵寺間は六十年度の開業予定ということになっておりますが、国鉄としてはどうされるおつもりか、引き受けられますか。
○説明員(岡田宏君) 岡多・瀬戸線の新豊田―高蔵寺間につきましては、在来、国鉄線としての開業を前提に鉄道建設公団により工事が進められてきたところでございますが、国鉄といたしましては、開業後の輸送量が岡崎―高蔵寺ということで考えましても多くを期待できない。すなわち四千人を下回るであろうという事情がございます。一方、国鉄といたしましては、現在、地方交通線対策ということで、四千人未満の線区につきましては、バスあるいは第三セクターへの転換をお願いしているという事情もございますので、そういったことから考えますと、国鉄線として新たに地方交通線を開業できるような状況にないという判断をいたしまして、五十九年の七月、地元の愛知県と沿線四市に対しまして、既開業区間の岡崎―新豊田間を含めまして全線について、すなわち岡崎―高蔵寺間につきまして第三セクター方式による開業を要請して、現在折衝をしているところでございます。
○内藤功君 結局そういうことになるわけなんですね。この線は借入金で建設しているいわゆるCD線であります。この区間について、それでは無償で貸し付けるということはできますか、どうですか。
○政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘のように、これはCD線でございまして、有償資金で建設をいたしております。この線を第三セクターに貸し付けるという場合二つ考えられるわけでございまして、一つは、直接鉄道建設公団から第三セクターに貸し付けるという場合でございます。それからもう一つは、鉄道建設公団から予定どおり国鉄に一応貸し付けて、そして国鉄からさらに第三セクターに貸し付けるということでございます。いずれの場合でも、原則は有償でございますけれども、特別な必要があると認めるときには、運輸大臣が無償で貸し付けることができるという条文がございまして、この規定によって運輸大臣が判断をすれば、第三セクターへの無償の貸し付けというのは法律的には可能でございます。
○内藤功君 原則は有償であると、例外的に無償ということがあると、その法的な根拠は何でございますか。
○政府委員(棚橋泰君) 原則として鉄道建設公団は、鉄道建設公団法二十三条の規定によりまして、国鉄に有償で貸し付けるということになっております。ただ、二十三条にはただし書きがございまして、ただし、運輸大臣が特別に必要があると認める場合には無償で貸し付けると、こういうふうなことになっております。
○内藤功君 そうすると、原則はあくまで第三セクターの負担、沿線四市ですか、第三セクターの負担だと。この沿線四市を中心とする第三セクターなるものが先ほどお話の貸付料二千四百億円と、こういう金額の負担ができるとお思いになりますか、率直なところ。
○説明員(岡田宏君) 先ほどの岡多・瀬戸線の借損料につきましては、鉄道建設公団の総裁からお話がございましたように、極めて巨額に上がりますので、地元の第三セクターがこれを負担しながら経営をしていくということは極めて困難であるというふうに考えております。したがいまして、この資本費負担の取り扱いにつきましては、今後関係の機関といろいろ協議を申し上げなければいけないわけでございますが、国鉄と鉄建公団、運輸省・国、その三者で考えていく、第三セクターの負担には原則としてしないという方向で検討を進めていきたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 先ほど公団法二十三条のただし書きがCD線にも適用して、それを認可すれば無償で譲渡できるというのは、それは本当ですか、そう確認していいですか。
○政府委員(棚橋泰君) 公団法二十三条ただし書の規定は、特に必要があると認める場合と書いてございますので、法的には可能だと思っております。
○小笠原貞子君 じゃ、ABもCDも区別なし。
○政府委員(棚橋泰君) はい、区別はないと存じます。
○小笠原貞子君 そうしますと、これ初めてのことになりますね。今まで無償でということはできないということでやってませんでした。そうしたらこのCD線も無償で譲渡するという新しい問題が出てまいりますね。そうすると、みんな無償でもらいたいもらいたいと、次から次とそういう問題が出てくると、新しい問題になるということはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(棚橋泰君) 先ほど申し上げましたように、法律二十三条の規定は、特にAB線とかCD線とかいうふうに分類をいたしておりませんので、それは別に新しい問題ではなく、運輸大臣の判断の問題、有償資金で建設したか無償資金で建設したか、AB線であるかCD線であるかということは、必ずしも法律の要件になっておりませんので、特に新しい事態ではなく、判断の問題であるというふうに考えております。
○小笠原貞子君 そうしますと、うちの方もそれで適用してただで譲ってくださいということになりますと、これは大変なまたお金が出なければならないわけですね。さっきから遊休線で大変な負担になっている、関係省庁に相談するとおっしゃいましたけれども、運輸大臣、大蔵大臣、相談されたときにこんな莫大なお金出してもらえるでしょうかね。
○政府委員(棚橋泰君) 先ほどから申し上げておりますように、運輸大臣が特に必要があると認めた場合でございますので、本件のごときものが出てまいりました場合は、一件ごとにその必要性について、また国としての総合的な判断について慎重に検討した上で判断をしたいと、かように考えております。
○小笠原貞子君 いや、だからそうすると、たくさんお金を出さなければならない。大蔵大臣一生懸命締めているけれども。
○国務大臣(竹下登君) 正式な御相談はまだございません。仮に御相談があった場合には、現下の厳しい財政事情等、これまで国鉄線として工事を継続した建設経緯等々を踏まえて相談する問題でございましょう。まだ全く相談を受けてもおりませんので、余り予見をもって申し上げるべきではなかろうと、原則を申しました。
○小笠原貞子君 じゃ、運輸大臣どうしますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 今、基本的には政府委員が答弁申し上げたとおりでございますが、いずれにいたしましても、御指摘のとおり、大変なこれは経費もかさみますし、国鉄の負担となります。したがって、基本的には今年の中ごろ答申が出されます再建監理委員会の答申を待って新しい経営形態との関係もまた考慮しなければならぬかと思っております。
○小笠原貞子君 先ほどのお答えで、今動いている岡崎―新豊田間についても第三セクターにやってもらいたいということがございました。そこで、岡崎―新豊田というと、いわゆるトヨタの専用線だと、こう言われておりますけれども、一日当たりの輸送量密度を、例えば四十七年から五十八年まで、どうなっていますか。
○説明員(岡田宏君) 既開業区間の輸送密度について申し上げますと、今先生四十七年……
○小笠原貞子君 輸送量。
○説明員(岡田宏君) 輸送密度……
○小笠原貞子君 いや、量です。
○説明員(岡田宏君) じゃ、輸送人員について申し上げますと……
○小笠原貞子君 貨物よ。
○説明員(岡田宏君) 貨物について申し上げますと、貨物の輸送量につきましては、現在の時点では北岡崎駅にユニチカの専用線がございまして、五十八年度の時点で発着合計約十万トンの取り扱いをいたしております。五十八年度の時点でございます。なお、北野桝塚にトヨタ自動車の専用線がございまして自動車の扱いをいたしておりましたが、これは五十九年十二月をもって廃止をいたしました。
○小笠原貞子君 四十七年。
○説明員(岡田宏君) ちょっと四十七年の数値が出ておりません、まことに申しわけございませんが、四十七年の貨物の取り扱いの数字をちょっと手持ちで持っておりませんので。
○小笠原貞子君 そうしますとね、四十七年のピーク時というのはトヨタの自動車が八十七万五千トンと、そして九〇%占めていた。五十八年の中身を見ますとね、それが二十三万三千トンということになりますと、トヨタの自動車の量がまさに二六%に減っちゃったということなんですね。だから、トヨタのために線路つくって、そしてトヨタはもうやめたと言って貨物の輸送が減っちゃったと、それで赤字になっちゃった。そういうことで、先ほどもおっしゃったように、この岡多・瀬戸線というのは貸付残高が四百三十億、それに二千四百億、合計二千八百三十億というものが、これもうむだになってしまうというわけですね。そう考えると、非常に私は責任は重大だと思うわけですよ。そういうことを私はここで指摘せざるを得ない。 それで、第三セクターにするとしますと転換交付金が要りますよね。五年間の欠損二分の一払わなければならない。そしてまた、譲渡するというお金も出してもらいたいというのであれば、そのお金があれば国鉄さんに入れて、国鉄がそれを動かせばいいじゃないですか。第三セクターにすればOB使うから安いなんて言うけれども、一方で遊ばしておいた人数の給料払って、安くったってこれだけマイナスになるわけでしょう。だから、私はやっぱり国鉄の問題というものをもっと真剣に考えていただきたい。こういうむだ遣いを平気でずっと延ばして、いつになるかわからない、まだ相談も具体的にはできないというようなのはまさにむだ遣いの最たるものだ。国家的損失もここまできたら、幾ら竹下大蔵大臣苦労したってだめですよ、こんなしり抜けやってたらね。ということを指摘して次に移りたいと思います。 次は、農業問題で伺いたいと思います。 飢餓に苦しんでいるアフリカを見るまでもなく、国の食物の自給率というものは非常に大事だと思うんですよ。先進諸国はどんどん穀物の自給率を上げてきている中で、日本はどんどん下がってきている。 そこで、具体的に経企庁長官にお伺いいたします。六十年度経済運営の見通しで農林漁業の生産指数はどうなっておりますでしょうか。
○国務大臣(金子一平君) 六十年度の農業生産は前年度に比べまして〇・六%下回るものと見込んでおります。その理由は、高いウェートを占めておる米の生産が、御承知のとおり、五十九年度は水陸稲合計で前年度を一四・六%上回る千百八十七万八千トンという五年ぶりの大豊作でありましたために、四・一%程度の大幅な増加を見込んでいたのでございますが、六十年度は米の作柄が平年度並みになるという見込みで〇・六%に落としたと、こういうことでございます。
○小笠原貞子君 今までも減りっ放し、来年度も減ると、平年作なら減るという見込みだということで、これはゆゆしき問題と言わざるを得ない。 そこで、食糧基地と言われております北海道の問題についてちょっと具体的に伺いたいと思います。 農業基本法の一つの柱とも言える経営規模の拡大による生産性の高い農業、これの努力をやってきた典型が北海道だと思うんです。三十五年と五十八年の比較で、農家戸数と経営規模はどういうふうに推移しておりますでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 比較を申し上げますと、農家戸数では昭和三十五年が二十三万四千戸、これが十一万九千戸減少いたしまして、五十八年には十一万五千戸となっています。それから一戸当たりの耕地面積でございますけれども、これは三十五年に四・一ヘクタールございましたものが約二・五倍になりましても五十八年には十・二ヘクタールということで、北海道の土地資源を背景といたしました大規模化なり効率化というものはかなり進んでおるというふうに理解しております。
○小笠原貞子君 確かに戸数は二分の一になった、経営規模は二・五倍になった、そこで負債がなければ万々歳だけども、負債は一体どうなっていますか。稲作、酪農、単一、それから複合経営の負債の推移、五十年から現在お願いします。
○政府委員(田中宏尚君) 北海道農家の負債の状況でございますけれども、当方で行っております農家経済調査の結果で答弁申し上げます。稲作単一経営につきましては五十年度が四百万円、これが五十八年度には七百万円というふうになっております。それから、酪農単一経営におきましては、五十年度の八百四十万円から五十八年度には二千八百六十万円というふうにふえております。それからその次は畑作複合経営でございますけれども、これは統計処理上畑作複合経営という形での集計をいたしておりませんので、畜産なり畑作なり、これを全体通じます複合経営ということで見てみまして、五十年度が四百八十万円、それから五十八年度が一千百二十万円という状況に相なっております。
○小笠原貞子君 確かに規模は拡大されたけれども、今おっしゃったように稲作では負債が一・七五倍になっている、酪農の方では実に負債が五十年比三・五倍になっている、これは大変なことでございます。 私は、先般ずっとこの問題がありまして、特に米、酪農、畑作と全道にわたって調査に入りました。特に畑作の場合、私はきょう問題にしたいと思いますけれども、音更とか芽室とか標茶とか十勝管内が畑作の主要なところでございます。ここへ入ってみて、そしていろいろ調べました。音更農協の場合です、農協からの資料で言いますと、年度当初の計画と比べますと、小麦も小豆も金時も計画に比べて合計で十一億八千万円の減収、こうなっているわけです。そうしますと、もう年々いろいろな条件があって、そして急速に畑作農家も悪化してしまった。土地は売ってもうやめたいんだけれども、借金の方が土地よりも多いものだから、だから借金を返して出るという保証もないということだと。畑作でもついに億の単位の負債というものが出てまいりました。そういう実態を御承知でしょうか大臣、伺いたいと思います。
○政府委員(関谷俊作君) 畑作で十勝地方というお尋ねでございますが、十勝地方だけの畑作農家については調査をしておりませんが、農林水産省の農家経済調査の中で、北海道畑作農家、畑作単一経営でございますが、大体こうなりますと十勝地方が中心になろうかと思いますが、農業所得は五十八年度で三百十五万円、農外所得、被贈扶助等の収入を含めて農家総所得七百四万円でございますが、負債が五十八年度末に千二百三十四万円、前年千百六十五万円でございます。なお、貯蓄額は千六百八十七万円、前年千五百六十七万円となっております。
○小笠原貞子君 これは大変だというので、北海道でも六十年度予算通りまして、負債の実態調査をしておるということは御承知だと思います。国としても道と連絡して実態の調査をしていただきたい。そして実態の調査に基づいてそれをどういうふうに処理していくということができるか。畑作の人たちは、酪農負債対策で大変助かりました、だから畑作にも三・五分の金利で三十年間の返済にしてもらえればちょっと助かるんだと言っていました。その二点いかがですか。
○政府委員(関谷俊作君) 畑作農家の負債の実態でございますが、先生のお尋ねにもございましたように、六十年度に北海道庁では農家経営調査を実施すると、こういう計画でございますので、私どもとしましても、道庁と十分連絡をとり、これに協力しまして実態の把握に努めてまいりたいと考えております。 負債対策でございますが、これは従来でございますと貸付条件の緩和、自作農維持資金の活用等により対応してまいったわけでございますが、六十年度におきましては、自作農維持資金の中の再建整備の貸付限度額を引き上げる、これは特認で八百五十万円でございましたものを千五百万円に上げると、こういう予定をしておりますが、なお今後とも農家の実情等に応じまして対策を講じまして、農家経営の安定に努めてまいりたいと考えております。
○小笠原貞子君 今度は大臣に伺いたいんですけれども、北海道の場合は水田の減反が四四%、半分近くなんですね。それで、水田を減反にしますと今度は転作しなければならない。そうすると、転作をいたしますと畑作物に影響して畑作物が過剰になってくる。そしてその畑作物のてん菜とバレイショというのも今年度から作付指標面積というのが出されまして、これも制限される。牛乳の方は御承知のように、五十四年度から計画生産をさせられている。 そこで大臣に伺いたいのは、おれたち一生懸命日本の食糧を抱えて頑張る、だけど一体何をつくったら今後我々の農家はやっていけるのか、そして日本の食糧を守る立場に立てるのか、その点について具体的に畑作農民は何つくったらいいか、ちょっと大臣に聞いてこいと言われたものだから、ぜひ伺いたいと思います。
○政府委員(田中宏尚君) 北海道農業もいろいろ問題があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、いろいろ厳しい状況のもとで、需要の動向に即応しまして北海道農業が今後とも我が国の重要な食糧基地という役割を果たしていくものと我々は考えているわけでございまして、その中で特に現在自給率の向上というものが望まれております小麦でありますとか大麦、こういうものや、それから牛肉などのように需要がこれからも増大していくというふうに考えられているもの、こういうものを中心にいたしまして、北海道庁自体策定しております北海道農業の発展方策、こういうものの方向に沿いながら、それぞれの作物について北海道で適地適産ということでやっていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○小笠原貞子君 大臣に聞いてこいと言われたから一言。
○国務大臣(佐藤守良君) 小笠原先生にお答えいたします。 今、官房長の答弁したとおりでございます。
○小笠原貞子君 今、適地適作をすればいい、小麦や大豆をつくれば自給率向上にもつながると、そのとおりだと思う。私もそう言ったんですよ。つくってもらいたいんだと言ったら、何なんだと言ったら、価格の問題ですよね。臨調行革で価格はどんどん置かれていって、三年据え置きですよ、小麦も大豆もね。経営は成り立たないんです。損しなければならないものつくれと言う方が無理だと思う。その上日米諮問委員会で農業部分のところを見ますと、小麦や大豆は非効率だから野菜や果樹に転作せよというふうに指摘されていますよね。そうすると、今小麦、大豆つくればいいと言ったけど、これはもう価格の面からだめ、諮問委員会でもだめ、さてどうしたらいいんですか、政治的判断、大臣いかがですか。
○政府委員(田中宏尚君) 小麦なり大豆は、自給率の点からいいましても、あるいは北海道の畑作地帯という特殊性から輪作体系上欠かせないという重要な作物でございます。したがいまして、麦でありますとか、大豆の生産拡大とその安定等なり定着化ということが必要なわけでございまして、これからは規模拡大、それから技術革新、こういうものによりまして、一層の生産性の向上というものを図っていく必要があろうかと思っております。具体的には、一つには何といいましても生産の組織化でございますとか、拠点モデル、こういうものを育てていきたいと思っておりますし、それから十勝地帯のようなところでの土地基盤整備というものの緊要性が二つ目にございますし、それからさらに高能率な機械の整備でございますとか、集出荷体制の確立、それからさらには栽培技術なり品種の改良等、こういう幅広い施策を講じまして、麦なり大豆なりの定着というものに努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○小笠原貞子君 こうこうそうしたいという希望的観測は伺いましたけれども、今々の問題にならない。 それじゃ農水大臣、大臣として伺いたい。じゃ、いろいろなことやっているんですわ、もう研究して。そうしたら、心配するな、一生懸命やったら小麦も大豆も価格を安定できるような価格にしてあげるよ、アメリカからの輸入についてもこれはもう抑えるよと、そういう決意があるかどうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 小笠原先生にお答えいたしますが、総合自給力の強化に努めておりますが、やっぱり基本的には国内の生産性を高くしまして、国内でできるものを国内で買うという形の中に、当然足りないものはそれこそ輸入をやる、しかもこれは安定的に輸入を図るということにしております。また、価格につきましては先生御存じのとおりでございますが、適正な価格を決めてやりたいと、このように考えております。
○小笠原貞子君 もう時間がないからしようがないです。 それじゃ、資料を済みません。 〔資料配付〕
○小笠原貞子君 じゃ、その資料の①といいますのは、生乳の使用量が年々減っています。そして、バターと脱脂粉乳を水でまぜたいわゆる還元乳がふえているわけです。農水省は去年十八万トンの生乳を使うようにさせるとお約束されました。しかし、現実には三ないしせいぜい四万トンしか使われていないわけです。ことしも二十一万トン生乳をふやしましょうとおっしゃったけれども、果たしてそれは本当にやっていただけるのかどうか。通達などもお出しになっているけれども、どう取り組んでいただけるか。
○政府委員(野明宏至君) お答えいたします。 発酵乳等についてできるだけ生乳を使っていただくよう指導してまいりたいと考えております。
○小笠原貞子君 いや、具体的に今私聞いたじゃない。また同じことを言わせると時間とるのよ。具体的に聞いてくれないと困るんだわ。二十一万トンと約束できますかと聞いたのよ。去年十八万トンで四万トンぐらいしか使っていなかった。
○政府委員(野明宏至君) 去年二十万トンを見込みまして、ことしは二十一万トンを見込んでおります。去年の実績は四万トン弱のようでございます。これは年度も後半から始まったということと、去年の夏非常に猛暑がございまして、それから当事者同士の話し合いがまだふなれであったというふうなことによるものと考えております。ことしは二十一万トンを期待いたしておるわけでございますが、昨年のそういった経験を踏まえつつ私ども発酵乳等に生乳が使われるように指導してまいりたいと思っております。
○小笠原貞子君 じゃ、しっかりお願いしますよ。 それから、時間がなくなっちゃったんで、資料②を直接見ていただきたいと思います。安定指標価格というのがございますが、この安定指標価格の中にはメーカーの利潤というのが含まれているということになっていますね。それだからこの安定指標価格で売ってもメーカーはもうかる。ところが実勢はこの山形になっておりますように非常に回復したということで大きなもうけを上げている。五十七年九十三億、五十八年九十九億、五十九年七十七億と、安定指標価格でももうかっているのに、差益と申しましょうか、余得と申しましょうか、そういうだけのもうけになっている。これは当然農民に還元すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(野明宏至君) お答えいたします。 この表は、乳製品の市況が安定指標価格と比べてどうであったかということを示しております。ところが、過去においてこれとは逆に極端な場合には安定指標価格を一〇%以上下回る時期がございました。いずれにいたしましても、企業が市況との関連でどれだけの利益を得ておるかということは、そのときの市況もひとつ前提になりましょうし、いろいろな要因の中で下がったときも、できるだけの努力をするということで形成されておると考えますので、直ちにこれがそういうものであるというふうには見ることができるかということは、必ずしも当たってはいないのだろうと。 ただ、お話の指導をするかどうかという点でございますが、この点につきましては指定生乳生産者団体というのがございます。それとメーカーとの間のいわば話し合い、指定生乳生産者団体には一元集荷、多元販売を基礎とした交渉権が与えられております。したがいまして、そういった交渉権に基づいて両者の間で話し合いがなさるべきものであろうと考えておるわけでございます。実際に、こういった話し合いの中で一部生産者にこれまでも還元されているというふうに承知いたしております。
○小笠原貞子君 次の質問まで答えてくだすったのだけれども、次の下の図をごらんになりますと、これがさっき言った安定指標価格の中に含まれている政府算定上の利益と、それから市況の差益から出てくる利益、こういうのがそこに出ているわけです。上がったときもあるけれども、下がったときもあるよと。確かにそうなんです。そこで、有価証券報告書というのを調べますと、今おっしゃった五十三年―五十五年も落ち込んで損して大変だったみたいだけれども、報告書を調べると平均一・三七%の利益が上がっている。なぜこんなに市況が回復したかといえば、生産調整をやっているから市況が回復したんだ、だから当然農民に還元すべきであると。 そこで、今もおっしゃったけれども、大臣、そういうもうけが高くなった、調整したから一緒にこれだけ上がってもうけたのだから当事者間で話し合いをして、今までもやっていたけれども、だんだんもうけてないときにたくさん出して、もうけたこのごろになって下げているんですわ。だから当事者間で話し合って還元するようにと大臣としてもひとつ御指導を願いたいと思います、今おっしゃったこと。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたします。 今局長が答弁したとおりでございますが、この問題につきましては取引当事者間で十分話し合い、解決すべき問題であると考えております。 〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕
○小笠原貞子君 ぜひ御指導をすると、さっき指導していきたいという意味もおっしゃったけれども、時間がございません。もうかった分は農民に還元するという立場でしっかりお願いをしたいと思います。しっかりお願いします。いいですね。
○国務大臣(佐藤守良君) 小笠原先生に申し上げますが、先ほどもおっしゃったことでございまして、結局取引当事者間で十分話し合い、解決すべき問題だと考えている、こういうことでございますから。
○小笠原貞子君 じゃ、次の資料③のえさの問題について伺いたいと思います。 これ見ていただきますと、農水省の種畜牧場のえさの値段、それから一般の農家が買い入れる値段と比較があります。この資料は農水省からの資料をまとめたものなんですね。そうすると随分差があるなと、一トンについて一・五ないし二万円の差になっている。これはお認めになりますね、おたくの資料だから。
○政府委員(野明宏至君) これは農家の価格につきましてはいわゆる物賃の価格を基礎、物価賃金調査による価格を基礎に若干の修正をなさっておられるようでございますが……
○小笠原貞子君 いや、おたくの資料なんですよ。私が書いたんじゃないの。おたくの資料でこう出ているの。
○政府委員(野明宏至君) 私どもの資料で申し上げますと、例えば肉牛用につきましては、物価賃金調査による二十キログラムの袋物の値段は六万九千二百円でございます。それから例えば工場の出し値ということで見ますと、袋物とばら物で違いますが、袋物が五万八千百五十円、ばら物が五万五千五十三円というのが五十八年度の数値でございます。
○小笠原貞子君 じゃ、今いろいろ言われましたけれども、これは農水省のお出しになった資料なんです。確かに差があるわけなんです。差がないとおっしゃるんですか。
○政府委員(野明宏至君) 種畜牧場の購入価格とそれから先ほど申し上げましたような価格との間には差があることは事実でございます。
○小笠原貞子君 じゃ、そうしたら国の方のは安くて一般の方は高いと。だったらどうして安い方を農家が買えるように指導しないんですか。品質が違うわけでもないでしょう。栄養分が違うわけでないでしょう。
○政府委員(野明宏至君) これはいろいろな要因があろうかと思いますが、ばら買いとかあるいは大量買いとかその他いろいろな要因があろうかと思います。農家の方もばら買い、大量買いということになればこの値段とはまた違った値段が形成されているというふうに考えております。
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃいましたけれども、差があるということは認められたわけなんです。国だから安く買った、そして農家の方は高いものになっている。そのメーカーにとってみれば、国で安くした分は農家のために、農家の方に利益をかぶせていかなければならないわけですよね。
○理事(梶木又三君) 小笠原君、残念ながら時間が来ました。
○小笠原貞子君 だから、その辺のところ安い種畜牧場で使っているようなえさを農家にも買えるようにしていただきたい、その差の問題について質問したわけです。 〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
○政府委員(野明宏至君) 種畜牧場はばらで大量に買っておりますが、これはまた競争入札によって買っております。農家の方も同じような状態ならば、同様な競争の中で価格は形成されておるので入手ができるような状態になっておるのではなかろうかと思っております。
○委員長(長田裕二君) 以上で小笠原君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(長田裕二君) 次に、中村鋭一君の一般質疑を行います。中村君。
○中村鋭一君 先日のこの予算委員会で私は関連質問に立ちまして、中曽根総理大臣に北方領土返還についてどのようにゴルバチョフ新書記長に話をしたかということをお伺いいたしました。その節、総理の御説明によれば、ゴルバチョフさんの両隣にアジア問題の専門家とそれからグロムイコ外務大臣が密着をしており、気のついたことを時折耳打ちをしていたようであったというお話でございましたし、また具体的にはクレムリンの政策決定は深い霧に包まれていてよくわからないというふうに答弁をされたと記憶しております。 そこで、まず外務省にお尋ねをいたしますが、我が国の場合ですと重要な外交上の問題、政策決定等々は当然ながら国権の最高機関であります国会で審議の結果それが決定されますけれども、外務省が現在把握しておりますところのソ連という国の重要な政策決定はどのようなプロセスで、どのように手順を踏んで行われているか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(西山健彦君) お答え申し上げます。 ソ連におきます政策決定でございますが、これが実際にどういうふうに行われているかということは我々も実は断片的な情報を総合してしか申し上げることができない次第でございます。しかしながら、私どもがそういう形で承知しておりますところでは、やはり形式的な面とそれから実質的な面があろうかと存じます。 形式的あるいは手続的に申し上げますと、何といいましてもソ連邦最高会議、日本の国会に当たりますが、この機関が国権の最高機関でございまして、この会議は年に二回開催されることになっておりまして、その間はソ連邦のこの最高会議幹部会というものがその役割を果たすことになっております。したがいまして、この種の決定に形式的に最終的な承認を与えるのはこの最高会議ないしその幹部会でございます。現に我が北方領土がソ連領に編入されました際の国内手続を見ますと、これはソ連邦最高会議幹部会令によっております。これは我が国の法律におおむね当たると見てよろしいかと存じます。 しかしながら、じゃ、実際にはどうであるかということになりますと、これはソ連邦の憲法第六条で、ソ連共産党はソビエト社会の指導的かつ指向的な力であり、その政治制度と国家的及び社会的組織の中核である、こういう規定がございまして、ソ連の政策決定は事実上共産党の主導で行われているわけでございます。なかんずく最重要事項に関しましては、これは最終的に政治局員、書記に代表されますところの党幹部によって実質的に決定が行われている、かように解されております。
○中村鋭一君 とすれば、具体的に、例えば北方領土を返してもらいたいという話をする場合には、外務省としてはタクティクスといいますか、どの点をどういうふうに攻めれば北方領土を返してくれるというような決定に近づき得るとお考えでございますか。
○政府委員(西山健彦君) 北方領土の返還問題につきましては、先生も御承知のとおり、長い経緯がございます。その従来の経緯に基づきまして、この話は先方グロムイコ外務大臣と我が方外務大臣のいわゆる定期外相協議を通じて交渉されることになっております。したがいまして、クレムリンの中の政策決定のプロセスがどのようなものであれ、少なくともその両国間の外交交渉としての返還交渉はこの外相定期会議を通じて行われなければならないというふうに考えております。
○中村鋭一君 次に移ります。 二十七日に、いわゆるサラリーマン税金訴訟の最高裁の憲法判断が示されました。この中で、捕捉率が相当長期間にわたって下回っており、租税公平主義の見地からこの是正の努力が必要だと、このような判決が一つ。それから、実際の必要経費が給与所得控除額を超える場合は、その超過分に課税するのは違憲の疑いも免れ得ない、このような最高裁の判決でございました。大蔵大臣はこの判決をどのように受けとめ、実際に数千万人のサラリーマンが持っておりますいわゆる税の不公平感、それから我々の経費が正当に認められていないという不満について、現実に今後どのように対応していかれるおつもりか、お伺いをいたします。
○国務大臣(竹下登君) まず、大島先生の最高裁判所の訴訟に関しますところの合憲性を大法廷で争っていらしたわけですが、これは合憲の判断が示された。このことは、現行給与所得控除制度の合憲性ないし合理性が司法的に是認されたと、まず最初はそう申すべきでありましょう。そこで、今中村さんがおっしゃいました補足意見と、こういうことになるわけであります。 まず、補足意見の必要経費の是認についてという問題につきましては、給与所得者について、勤務に伴う経費が存在することは従来から税調でも、また政府としてもこれは否定しておるわけではもとよりございません。ただ、何が必要経費であるかという判断は難しいわけで、さればこそ概算控除の方式をとっている給与所得控除制度の合理性が是認されたと、これについてはそう思います。 それから、御指摘のありました捕捉率格差ですね。判決理由ないし補足意見として述べられております捕捉率の問題については、引き続き今後の課題として、これは謙虚に受けとめていかなければならないと考えます。 三番目が実額控除との選択の問題であります。給与所得者の必要経費の概算控除と実額控除との選択制については、これは税制調査会の指摘をちょっとお読みいたしますと、「給与所得控除の水準を維持する限り、実額控除との選択制を採用する実益も乏しいため、当面、現行制度を維持するのが適当である。」というふうに、これは税制調査会でもたびたびの質問等を正確にお伝えした答えが出ておるわけでございますので、したがって、やはりこのことについてはその税調の答申の考え方に沿ってこれからも検討していくべきであろう、こういうことが総合的な判断であります。
○中村鋭一君 大臣、ひとつそのサラリーマンの胸の中にうっせきしている気持ちをこの最高裁の判決を機として十分酌み取っていただきたいと思います。 それに関連して、先般四党が共同いたしまして予算の修正要求を出しました。その中に、いわゆる政策減税でございますけれども、これは例えば民社党の場合は、別居手当、帰宅旅費、こういった項目の非課税制度を創設してもらいたい。これは他党も一緒だと思いますけれども、これにつきまして今の時点での大蔵大臣のひとつ真率な御見解をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、今中村さん御指摘になりましたとおり、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、社会民主連合の幹事長、書記長会談におきまして、「いわゆる政策減税等教育費問題、寝たきり老人問題、単身赴任問題等については政調・政審会長会談において検討する。」という内容の話が自民党幹事長からあったと。したがって、原則的に申しますならば、政府としてはこれを尊重してまいりたい。 そこで、現段階のコメントということになりますと、これは要するに、これからその専門家の方がお集まりになりまして、そうしていろいろ議論をされる。我々はそれに対して正確な資料要求とか、そういうことに応ずる。そしてその結果を尊重する、こういう話になっておりますので、したがって政調、政審会長会談での検討状況を見守るという以上の答弁は差し控えるべきではなかろうかと。それまでにお答えいたしておりましたことは、過般の税制調査会の答申をもとにお答えをいたしておったわけでございますが、そういう方針、税調の答申というのは我々のテキストブックとしてございますけれども、今、段階がそこへいったとなれば、やはりそれを静かに見守るというのが現状でのお答えではなかろうかなと思ったわけであります。
○中村鋭一君 これはこの間、宅急便のパートタイムの仕事をしている奥さんが、最近の宅急便の中でどういうものが多いかということについて、単身赴任している人の汚れた下着が宅急便の非常に大きな項目の一つになっているし、それから奥さんの側からは食品類を送る人々が多いということです。だから、これは本当に重大な問題で、いわゆる単身赴任者がふえこそすれ、減りはしていないという現状でございます。労働大臣きょうはお見えじゃございませんけれども、その点も含めて大蔵大臣の今後ともの慎重な御検討をお願い申し上げておきたいと思います。 それから、今お触れになりました教育減税ですけれども、これは要求の方は高校の入学金までですけれども、実は大臣、私も大学適齢期の子供が二人おりまして、これ私立の大学ですと大体百万は要るわけです。ですから、これは将来の研究課題として、いわゆる教育費がサラリーマン家庭に占める比重というのは今物すごく大きくなっておりますので、この点につきましても、もう税調の答申等々を待たずに、実力者である大蔵大臣がこのような方向だということを当局にお命じになれば、ひとつ積極的に前向きに、それこそ実現はそう遠くない将来に可能であると思います。この点についても一言御見解をお願い申し上げます。
○国務大臣(竹下登君) この問題、従来公式的にお答えしておったのは、教育というのは助成政策の範囲内でこれを税制の中へ持ち込むということに対しては慎重な検討をしなければならぬということと、それからもう一つは、税金を納めていない貧しい家庭の父兄には、課税最低限以下の人には恩典が全く及ばないということ、それから義務教育だけを出て働いている諸君は九十七万六千円あれば税金は幾ばくかでも支払うわけでございますから、それらとの税負担のバランスがどうか、こういうような指摘を従来申し上げておったところでございますが、この問題も先ほど申しましたように、いわゆる政策減税等として政調、政審会長会談で検討するということの中身の一つでございますので、現段階におきましては、やはりそのプロの方の御議論を見守って、結論は尊重する、これに尽きるかと思います。
○中村鋭一君 おっしゃるとおりですけれども、私がお願いしておりますのは、ひとつ終始一貫して、いわゆる月給取りの、サラリーマンの気持ちを気持ちとして、その結論を待ってというのじゃなくて、大臣御自身がひとつわかっていただきたい、今後ともひとつよろしくお願い申し上げますと、こういうことを言っているわけでございます。 通行税ですが、これは奢侈税というふうに今も見ていらっしゃいますか。
○政府委員(梅澤節男君) 現行の通行税は、運輸サービス、特に質の高い輸送サービス消費に対する税負担を求めるということでございますけれども、現在の通行税のうち九四%以上は航空機、その他は大部分が国鉄のグリーン料金とA寝台料金でございますけれども、いわゆる奢侈課税というのは、いろいろ言葉の使い方があると思いますけれども、奢侈課税ということではない。ただ非常に質の高い輸送サービスに対する消費、それに担税力を求める、そういう消費税であるという認識でございます。
○中村鋭一君 四千万人飛行機を利用しているわけですね。だけれども結局奢侈税と思っているわけでしょう。何というか、質の高いサービスを提供しているというのは、やっぱりほかの乗り物に比較してぜいたくだから、そういう梅澤さん、認識じゃないですか。
○政府委員(梅澤節男君) 奢侈品という言葉の使い方によるわけですけれども、私どもは常識的に言う奢侈的な消費であるとは考えておりません。ただ、通常の輸送サービスよりも質の高いサービスであるということは否定できないと思います。
○中村鋭一君 同じことばかり言っておられますが、与党である自由民主党の交通部会も、これ廃止するとはっきり要望しておられるわけですね。運輸省もそのような御見解だと伺っておりますが、大蔵大臣、先日民社党の伊藤委員の質問に対しては否定的な御見解でございました。その後、心境の変化はございませんか。
○国務大臣(竹下登君) これは今梅澤局長からお話ししましたように、俗に言う奢侈税といいますと、やっぱりダイヤの指輪でございますとか、そうしたものを観念上指すでございましょう。したがって、いわゆる便宜、より高度なサービスに対して担税力を求めるわけでございますから、どこかに担税力を求めなければいけませんので。ただ中村さんおっしゃいますのは、かつては一般的な感覚で見たときにいわばぜいたくであったものが、これが普遍化してきたらそういう見方は成り立たないじゃないかという角度からの御発言だと思います。が、考えようによれば、かつてそうしたものを今普遍的になっただけ経済成長したとすれば、そこに何がしかの担税力を求めるのも、また一つの論理のあり方ではなかろうかなと、こういうことにもなろうかと思います。
○中村鋭一君 それは全くおかしいですね。最初これ特別会計に入っていたのが今一般財源に繰り入れておられますね。ということは大蔵大臣、国民が豊かになって、これは相当な金が取れるようになったから、これは奢侈税であろうがなかろうが、金の取れるところから当分取るんだ、与党の自由民主党が言おうが何と言おうが、大蔵省としてはこれだけの実入りのいいものを離すわけにはまいらないということになりはしませんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 個別的に通行税だけ取り上げてあえて申し上げたわけではございませんけれども、そういういわば通常より質の高い輸送サービスの消背に着目して負担を求める租税でございますから、他の同種の消費税との間のバランスのとれた合理的な今は存在である。したがって、これをやめることにしまして多額の減収を生ずることが出ますし、そしてまあまあ主要諸外国におきましても、輸送サービスの消費には一応負担を求めておるということでございます。したがいまして、この通行税といいますと昭和六十年度予算では七百七十億円ということにもなりますので、現下の財政状況から見た場合、これを今廃止するということはなかなか厳しい環境にあると申さなければならぬではなかろうかというふうに思います。
○中村鋭一君 それはやっぱりこれだけの実入りがあるから今やめるわけにはいかないというエクスキューズにしか私には聞こえませんけれども、税金というのは国民が納得できる形で取らなければいけないと思うんですね。それがどんなに減収になったって、国民がそれはもうこの洋服は体に合わないと思っているのだったら勇気をもってやめなければいけませんし、そこにまた新たな税収源が派生をしてくるということも世の中が移りかわるにつれてあるわけでございますから、そういう点は常に特に主税当局は気を配ってやらなければいけない。これ設定して、今たくさんの金が入っているからそのままにしておくのだというようなことでは、国民は絶対に私は納得をしないと思いますので、この点についても鋭意御研究をお願い申し上げておきたいと思います。 さて、先ほど来から言っております国民の税金の不公平感というものの大きな要素の一つに、免れて恥なしといいますか、いわゆる脱税ですね。この摘発が進んでいないのじゃないかというような気持ちがあると思いますが、これ、先日の新聞に報じられたところでは、国税庁なかなか頑張って、従来捕捉しがたかった絵画、宝石等について査察を徹底いたしまして、十六億円の申告漏れを摘発されたということでございますが、これは国税の資料調査課が調査手法の開発も兼ねて調べたということでございますが、この調査手法の開発も兼ねて調べたという点について、ちょっとこれまでの経過を御報告お願い申し上げます。
○政府委員(冨尾一郎君) お答えをいたします。 私どもとしては、課税を公平に負担していただくという見地から、一方で適正な申告をお願いすると同時に申告漏れの疑いのある納税者に対しましては徹底した調査を行っていくということでございます。ただ、調査を充実してまいるためには、私どもとしてはいろいろな資料、いろいろな情報に基づいて納税者の実態に迫り、調査の端緒をつかんでいくということでございます。 その場合、先生ただいま御指摘のように、例えば非常に高額な資産をお持ちになっているとか、いろいろな点を私どもとしては取っかかりといたしまして調査を展開していくということがやはり調査手法としては極めて大事なことでございます。そういう意味で、最近そういう面につきましても特に重点を置きまして、かつそういうことを企画をしてまいります担当として各国税局に資料調査課というのを設けてございますが、ここでそういうことにつきまして主としてやっております。その成果の一部であろうかと思っております。
○中村鋭一君 大臣、実は私、冒険小説が好きでございまして、アリステア・マクリーンとかデズモンド・バグリーの冒険小説をよく読むのですが、この主要なテーマは、例えばアメリカの連邦財務局の職員が身に寸鉄も帯びず世界各地を飛び回って、合衆国に対して脱税をしておるような不逞のやからを摘発する、これがその冒険小説の最近は大きなテーマになっているんです。もうちょっとナチスが古くなりましたので、これが大きなテーマになっているんですね。ですから私は、この国税庁がそういったいわゆる査察Gメン等を非常にスキルフルな、練達の手法を心得たGメンを充実されて大口の脱税をばんばん摘発する、こういうことには国民は喝采を送るだろうとこう思うんです。それは例えばその結果として大蔵省の人件費等々がそのために高騰をいたしまして、あるいは行革の本旨には反するかもわかりませんけれども、ということであれば、実りが多ければそれは国民は十分納得をしてくださる、こう思うんですが、そういった税務Gメン、いわゆるGメンの充実等々についての、すなわち脱税を摘発するという、国民の不公平感をなくするという点につきましての大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今、冨尾次長心得からお答えをいたしておりましたが、だんだん調査をいたしますと、率直に申しまして多少においのするところを対象にいたしますから、実調率は低うございますけれどもその低い中でかなりのものが出てくる。しかし、それがすべてその実調率掛けるいわゆる一〇〇%のものに対して、その率がそのまま当てはまるとは私どもも思っておりません。大部分の納税者はまさに正当な納税者であるという前提の上に立っておりますが、今の私どもに対する激励と受けとめる御質問であると理解させていただきますならば、歳入官庁でございますからこの増員問題、まずいつでも念頭にあるところであります。 あるいは本院におきましても毎年のごとく、これが増員に対しては積極的に取り組むべしとの附帯決議もちょうだいをいたしております。したがって一生懸命でやった、しかし何ぼだかと、こう言われますと、二けたですと言っても、それは十一名ですから、純増は十一名ですから二けたでもずっと少ない方だと、それじゃだめだ、もっと頑張れ、こういう御激励をいただいておる。使いなれた言葉で申しわけありませんが、行革だと、こう言うと、まず隗より始めよといえば大蔵省どうだ、こういうことになります。その中でやっぱりそれらの主張を貫いてこの純増をかち得るというのは、私はこの国会におけるそういう附帯決議等が背景にあるからこそなし得たことだというふうに思っております。 それには当然のこと、いわゆる国税職員の皆さん方の、なかんずく実調等に携わる皆さん方のいわゆる資質の向上というようなこともこれに伴っていかなければなりません。したがって、そういう資質の向上の教育とそれから国民全体に対する普及、啓蒙というものとを兼ね備えながら、これからも厳しい行財政事情のもとではございますが、実態に即してそうした御支援を背景に私も一生懸命やってみなければならぬ。長い間、大蔵大臣しておりましても、振り返ってみるとその実績の上がらざることみずからの非力をまさに嘆くのみ、こういう感じがしております。
○中村鋭一君 大いに頑張ってください。 自治省が自治体職員の高給与是正についての調査をおまとめになりましたね。簡略で結構ですから、その調査結果をお教え願います。
○政府委員(中島忠能君) お答え申し上げます。 五十九年四月一日現在で全地方公共団体平均いたしますとラスパイレス指数で一〇五・六でございます。一番高いときが四十九年四月一日現在でございまして、そのときに一一〇・六でございます。なお、私たちの方で非常に給与の高い団体を現在個別指導ということでいたしておりますが、それを選びましたのが五十五年四月一日現在ということでラスパイレス指数一一五以上、百六十五団体ございましたけれども、五十九年四月一日現在では六十一団体というふうに徐々にではございますが是正されてきているというふうに認識しております。
○中村鋭一君 この十年間、今、徐々にとおっしゃいましたが、具体的に平均とりますと、ラスパイレスが公表された十年以前と今日とは年平均にして何%ずつその指数は低下しておりますか。
○政府委員(中島忠能君) おおむね〇・五というふうに御認識いただいていいのじゃないかというふうに思います。
○中村鋭一君 これは非常に低率であるというふうに自治省は理解しておられますか。
○政府委員(中島忠能君) 一号昇給いたしますと大体ラスパイレス指数で二・八ということでございますので、その五分の一程度ということでございますので、低率といいますか高率といいますか、立場によって評価は違うと思いますが、やはりそれぞれの地方団体で職員が昇給を期待しておるという状況のもとにおいては、私たちとしてはそれなりの評価をしていきたいというふうに考えます。
○中村鋭一君 今一二〇以上は公表されているわけでございますね。一二〇以下一一〇以上という自治体は幾つぐらいありますか。
○政府委員(中島忠能君) いずれも五十九年四月一日現在で申し上げますが、一二〇以上が十六団体でございます。それから一一〇から一二〇の間の団体が二百九十二団体でございます。
○中村鋭一君 お尋ねいたしますが、一二〇以下の自治体の公表はその自治体に任せるという御方針は今も持続しているわけですか。
○政府委員(中島忠能君) そのとおりでございます。
○中村鋭一君 とすればこんなに〇・三パーセントですか、十年間平均が、年率にして。そういうような状況であって、今教えてくださいましたようにこれ一〇〇以上がそれだけたくさん自治体あるわけでしょう。だとすれば一二〇以下の自治体については各自治体の自主的判断に任せるという自治省の指導方針を改めるべきときに来ているのではないか。このように考えますが、大臣、ひとつその辺について明確なお答えをお願いいたします。
○国務大臣(古屋亨君) 今一二〇以上の団体は十六あるという御説明を事務当局からいたしました。そのとおりでございますが、去年は二十四あったわけでございまして、これは私どもの行政的な指導と地方団体の自律的なお考えによるものだと考えております。 自治省といたしましては一二〇以上は危険信号というふうに赤字のランプがついておる、早急に何とか具体的に個別にやらなければならない。大体一一〇以上のものが、私どもは実際に考えまして、一一〇といいますと、今ラスパイレスが大体一〇五・六でございますから、だから一一〇以上のものについては一般的な指導ということをやっておるとお考えいただきたいと思いますが、一一五以上のものはこれはだんだん減ってきておりますけれども、やはり個別的な指導ということも考えていかなければならない、大体の見当についてはそういうように考えております。
○中村鋭一君 ですから私は、大臣、これは指数が幾つ以上とかいうのじゃなくて国のベースを超える自治体は全部公表をして、そして強くその改善を迫るというような姿勢をとるおつもりはないかと、こうお伺いしているつもりでございますが。
○国務大臣(古屋亨君) 国のベースを超える自治体につきましては一般的にはそういうような、今申し上げましたような一般的な指導というものはしておりますけれども、私どもの考えでは一一〇以上というものはどうしても一一〇、一一五、一二〇という段階に大体考えておりまして、できれば国家公務員のベースと同じにすることが一番望ましいと思っておりますが、ただ、私ども、そういいましても実際大阪周辺の御承知のように富裕と申しますか給与が非常に高い団体におきまして、一律的になかなか下げることは難しいのでございまして、行政指導が足らぬのかもしれませんし、そういう点ももっとやらなければならぬかと思っておりますが、できれば国家公務員まで持っていきたいが、しかし地方の自律性ということを考えますと一一〇以上のものは何とか一般的な指導を行わなければならないというふうに考えております。
○中村鋭一君 大臣、私は大阪からお送りいただいている議員でございまして、大阪は富裕な市が多いわけです。皆さんこの委員会に注目していらっしゃいますよ。私がこういうことを言ったら、それは私個人についてはいい影響を与えるとは思いません。その私が言っていることなんですから、これは大いに指導力を発揮していただいて頑張ってもらいたいということを要望しておきたいと思います。 高校生とバイクの問題ですが、これは大きな社会問題になっておりますが、それについての高校側の姿勢と警察官の守秘義務について質問をさしていただきます。 現在千葉地裁と高知の地裁で高校生とバイク問題をめぐりまして、本人及び父兄が原告となって学校側を相手取った二つの民事訴訟が起こされております。いずれも生徒が学校に無断でバイクの免許を取得したという理由のもとに退学または停学処分を受けて、原告はこれを不服として争っているものであります。千葉の公判では、学校側の証人が、十六歳から十八歳の免許取得者名簿が毎月県から送られてくるので、それを利用して生徒の免許取得状況を把握していると証言をしております。 高知のケースでは、高校教師が県警察の免許センターに出向きまして、免許取得者の名簿を閲覧いたしまして、その中から自校の免許取得者をピックアップして処罰の対象にしているという事実があります。 そこで、警察庁にお伺いいたしますが、学校側が生徒の処分を目的として免許取得者名簿を閲覧していることを警察庁としてはどうお考えでございますか。この行為は合法的でございますか、それとも非合法でありますか。
○政府委員(太田壽郎君) 警察といたしましては、高校生の免許取得に関しまして、教育委員会あるいは学校当局からの求めがございました場合に、それに応じているという状況でございます。 この内容につきましては、ただいまお話しのは恐らく地方公務員法の守秘義務に違反するのではないかという趣旨かと思いますけれども、今申し上げましたように、教育委員会あるいは学校当局が自校の生徒に対しまして、交通安全の指導上必要がある場合に限ってそういう要求をしてまいる、それに応じてまいるということにつきましては、教育上の見地からも公益上妥当であろうというふうに考えておりまして、守秘義務には違反しないというふうに解釈をいたしておるところでございます。
○中村鋭一君 合法的であるというなら、その法的根拠をもっと明確に教えてもらいたいですね。どういう点が合法的なんですか。
○政府委員(太田壽郎君) ただいま申し上げましたように、公益上の目的でそういうことについての求めが発せられているというようなこと、それから特に学校の教育上そういう問題について端緒になる情報を求めてきておられるということでございますので、総合的に判断して地方公務員法のいわゆる守秘義務には当たらないというふうに解釈をいたしております。
○中村鋭一君 道交法で許された行為ですよ。十六歳になれば二輪の免許をとってよろしい、それから原付に乗ってよろしいというのは。それをまるで、あなたの言っておられることは犯罪行為であるかのごとく、そういう先入観念があって、だから教育委員会等に名簿を見せておられるわけでしょう。なぜそういうことをなさるんですか。何でそれが公益に合致するんですか。もう一度お願いします。
○政府委員(太田壽郎君) 教育委員会あるいは学校の方から教育上必要であるということでお話があったので、私どもはそれに応じているというだけのことでございます。
○中村鋭一君 そんな答えは答えになりはしない、こう思うんですが、実際にそれを見せることによって学校は免許を取った子供を処分しているんですよ、無期停学に。だから、裁判が起きているんじゃないですか。それが求めがあれば見せるということは、それは実にけしからぬことだと私は思わざるを得ませんし、そのことははっきりとここで指摘をしておきたいと思うのでございます。 文部省にお伺いいたしますが、警察庁がこれは合法であると、こう言っているわけでございますが、千葉や高知のような訴訟のケースは今各地で続発するおそれがございます。生徒及び父兄が学校側を訴える、こういうことは教育不信の典型的な例である、こう思わざるを得ませんが、文部省はこのことについてどのような御見解をお持ちですか。
○政府委員(高石邦男君) 高校生のオートバイ等の免許取得につきましては、親並びに学校はいろいろな角度から検討を加えて、この問題について規制を加えている学校があります。 まず第一のねらいは、そういう子供たちによる交通災害、これをできるだけ減少さしていきたい。生徒自身が被害者になるだけではなくして加害者になるというようなケースが多い。四十七、八年ごろの交通事故の状況を見ますと非常に多発をしたということで、各学校並びに教育委員会はこの問題にどう対処するか、そして親たちの意見も踏まえまして、この問題の対応を真剣に考えて一定の方針を出しているところがあるわけでございます。 高知県等における取り扱いは、そういう意味で、通学上どうしても距離的に許可しなければならないような場合は別として、原則的にその免許証取得を制限をするという教育上の配慮を加えてきたわけでございます。で、その取り扱いに違反するということで、学校もPTAを含めまして、この問題の取り扱いについては高知の場合は家庭謹慎という措置をとられているわけでございます。したがいまして、諸般の状況を勘案した上での対応でございますから、その点についてはそういう角度からの対応もあり得るというふうに理解しているところでございます。
○中村鋭一君 いわゆる三ない運動というのがございますね。大阪の教育委員会なんかは、どうもこの三ない運動は余りよくない、こういうので、むしろ積極的に高校の先生を対象といたしましてオートバイの運転の実技実習なんかを実施しておりますが、こういう動きに対して、文部省はこれを全国に押し広げていく考えはないか。言葉をかえれば、三ない運動というのはもうこれはこれまでが間違いであったので、むしろ正しい運転の実技を、これ十六歳から免許取っていいんですから、免許持っているから、オートバイに乗ったから無期停学だなんてけしからぬ話で、ですから大阪府の教育委員会もこのごろはその誤りに気がついた、こういうことでございます。 文部省はこれについて、いわゆる三ない運動をもうやめて、むしろ正しい交通安全教育を高校の先生や高校生に実施していくという考えはありませんか。
○政府委員(古村澄一君) 三ない運動は、学校側が子供の状況あるいは現在の交通事情等を見まして、三つのしない運動を展開したということから始まったわけでございます。私の方も調べますと、大阪の場合は余りその三ない運動の効果が上がっていないというところが見られますが、三ない運動によって非常な効果をもたらしている県もございます。そういった点では、三ない運動についての一定のそういったものが、生徒とかあるいは父兄の理解を十分得ながら三ない運動をやっていくことについては効果があるものではないかというふうに理解をしているわけでございます。 なお、抜本的に言えば三ない運動よりももうちょっと教育指導の面を徹底すればというお話でございます。したがいまして、私たちも交通安全教育というものを徹底するために、教師用の指導資料であるとか、あるいは生徒が使いますそういう教材というものの作成もやっておりまして、そういった、おっしゃるような正しい運転の仕方というものを中に織り込めた生徒の指導資料も作成して、現在その充実に努めておるところでございます。
○中村鋭一君 もう警察庁も、そんな教育委員会から求めがあったら学校当局に免許証取った子供の名前を教えるとか、そういう陰湿なことは本当におやめなさいよ。文部省も、もう体質に合わなくなっているんだ、三ない運動というのは。だから、今言ったように大阪府の教育委員会だって正しいオートバイの乗り方を指導しているんじゃないか。効果を上げているところなんか、そんなあったら教えてくださいよ。ないですよ。かえって事故ふえていますよ。高校生がちゃんと法律に基づいて免許証取っているんですよ。正しい乗り方を教えればいいじゃないか。それを、やれ三ない運動だ、免許証持っているから、だから無期停学だ、退学だなんて、そういうべらぼうなことは今日はもう実情に合わないので、そのことを文部省としても勇気を持って改めてくださること、警察庁当局にもあわせお願いを申し上げておきます。 国鉄当局は、去る一月十日に、国鉄改革のための基本方策を発表いたしました。当局は総裁談話の中で次のように述べております。 実務を扱う立場から激変緩和その他各般の状況を勘案して、「基本方策」において現時点における判断を述べたものであります。私どもといたしましては、この「基本方策」は現実的かつ効果的な方策として確信しております。 本年夏には、再建監理委員会の答申が示され、国の判断として最終的に、国鉄の事業の再建のための基本方針が確定する運びと聞いております。私どもは国の決定に従い、その円滑な実施のため責任ある当事者として総力をあげて努力し、国の機関としての責務を全うする決意であります。 と、こうおっしゃっておいででございますが、一方、その基本方策は輸送量や収入を過大に見積もっておいででございますし、民営にするという一方で労働基本権を制限したり、全国一本化と言いながら七十の地方交通線を切り離してみたり、実に矛盾に満ち満ちていると思いますが、この基本方策がなぜ最善の策と言えるのか、その理由を総裁お示し願います。
○説明員(仁杉巖君) 基本方策につきましては、先生も御承知のとおり、国会その他から国鉄の実務を預かる我々から意見を申し述べるべきであるというようなお話がございまして、実はそれを踏まえまして我々として考えたわけでございます。 その総裁談話にもございますように、私どもといたしましては、現時点におきまして現実的な案であるというふうに考えておりますが、いろいろ御批判あるいは御指摘等もあろうと思いますので、そういう点については謙虚にこれを受けとめるというふうに書いてございまして、私どもとして今先生が例示されました幾つかの点につきまして問題点があるということはその後聴取をいたしておりますけれども、我々としてはそういう意見も踏まえながら今後、監理委員会との対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中村鋭一君 監理委員会との対応はまだ聞いてやしませんよ。基本方策が最善のものと考えているかどうかを聞いたんです。最善のものと考えているんですか。
○説明員(仁杉巖君) それを発表した時点においては我々としては現実的な案であるというふうに信じておるわけでございます。ただ、今先生の御指摘のようなお話があるということも厳粛に受けとめておるわけでございます。
○中村鋭一君 いや、私が指摘したようなお話があるということもと、まるで人ごとのようにおっしゃっておいででございますけれども、今、最善とおっしゃった基本方策は中曽根総理大臣を初め非常に厳しい批判を加えておられるところなんですよ、そのことは御存じでございますね。
○説明員(仁杉巖君) いろいろ御指摘のあることは十分承知しております。
○中村鋭一君 だとすれば、今おっしゃいましたね。もしその矛盾に満ち満ちた点が指摘をされたならばそれは率直にどんどん改めていかれる御意思はおありですか。
○説明員(仁杉巖君) 私どもの基本方策は監理委員会に対して申し上げたわけでございます。それで最終的には、先生もよく御承知のとおり、監理委員会が国鉄再建の基本の案をつくられるということでございます。したがいまして、私どもといたしましては監理委員会の方でいろいろと御要望もある、あるいは資料要求もある、そういうことに対しては誠意を持って対応してまいるということでございます。
○中村鋭一君 じゃ、監理委員会が指摘をすればその最終判断に従う、すなわち国の最終判断に全面的に従うとこの席で明言をなさいますね。
○説明員(仁杉巖君) おっしゃるとおりでございます。
○中村鋭一君 当局のこの基本方策では昭和六十二年四月に民営化するとなっておりますけれども、この時点での経営はだれが行うことになりますか。
○説明員(仁杉巖君) 基本方策の中で少しそこの点がはっきりしておりませんが、私どもの考え方といたしましては、亀井委員長もよく言っておられますが、旧国鉄と申しますか、債務、年金その他を処理する機構が必要である、これは私どもの基本方策の中にも書いてございますが、何か別の機構が必要であるというふうに考えておりますが、そういうものを設けた上で、そこで長期債務あるいは年金問題、余剰人員問題等、その範囲はいろいろあると、考え方はあると思いますが、そういうものを処理されるということで、下につきます民営、下と申しますか、民営化された事業体においては運営を主体に考えていくというふうに考えておるわけでございます。
○中村鋭一君 ということは、現在の経営陣がやはりその中心になると理解してよろしいですか。
○説明員(仁杉巖君) 経営陣がどういうふうになるかということは、法律ができ国会を通りということで、その上で決められることでございまして、私どもが今とやかく言うことではないというふうに考えております。
○中村鋭一君 国鉄では、ことしの二月一日に、秋山機関というプロジェクトチームがつくられたと聞いております。しかし、国鉄は既に御存じのとおり経営計画室が存在しておりまして、何でこのような機関を新たにつくるか。その辺が私にはよくわからないんですね。 この点に関して、例えば三月二十日付の朝日新聞では「国鉄首脳、人事で「分割」に抵抗」、「反対運動の組織計画」と報道が行われておりますし、また同日付のサンケイ新聞によれば、この秋山機関を経営改革推進室に昇格しようとしたが、国鉄再建監理委員会や運輸省から拒否されて計画が宙に浮いてしまったと報道されておりますが、この辺の事情について御説明を願います。
○説明員(竹内哲夫君) 国鉄の経営形態の変更というのは、国鉄、公社制始まって以来の最大の変革であろうというふうに思っております。そのためには、現在国鉄の運営しておりますいろいろな仕組みあるいは規定を初めとしての適用されます法令も変わってまいろうかと思っております。そうした点をやはり根本的に見直す必要があるというふうに考えておりまして、実はどの点をどう見直すべきかということは非常に大きな問題でございます。 私どもといたしましても、むしろ今からでは既に遅過ぎるぐらいの感じを持っておりまして、焦眉の急であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、それらの点を検討し、今後のあり方というものを考えていくためには、従来そうした仕組みが私どもの中にございませんので、これを徹底して究明していく必要があるということで新たな検討機関が必要なのではないかというふうは思っておるわけでございます。ただ、その検討機関をどういうふうに位置づけていくのか、その内容を具体的にどう考えていくのかということにつきましては現在検討中でございまして、まだ組織的にどうするとかいう点については確定をいたしてございませんけれども、これは運輸省あるいは再建監理委員会といろいろ協議を進めながら今後の対応を考えてまいりたいということでございまして、決して新聞に報道されたようなものがそのまま事実であるということではございません。
○中村鋭一君 総裁、再建監理委員会に協力するとおっしゃいました。今御説明を伺いましたが、しかし、ちまたでは、この秋山機関では、去る二月七日、本社内の各総務課長を集めて分割させないための口実づくりを指示したと、このようなうわさがございます。これが事実とすればこれは容易ならぬことですね。総裁言っておられる答弁と、これは逆のことが実際は内部で行われ、指示されているということになりますが、この辺は真相どうなんですか。
○説明員(仁杉巖君) そういう事実があるということは絶対にないというふうに私は考えております。 事実、三月二日に監理委員会から国鉄要求事項というものが来ておりますが、それを見ますと、貨物事業の施設用地の問題、要員関係、関連事業の問題、大規模プロジェクトの問題というようなものに対して資料要求が参っておりますが、これらを担当いたしますのにやはり経営計画室だけでやれるというものではございません。要員の問題ならば職員局になるし、関連事業になれば事業局になる。いろいろなことがございますので、決してそういうようなことでなしに、こういう問題につきましても期限がついておりますので、私どもは誠実にこれに対応して資料を提出しているところでございます。
○中村鋭一君 総裁がそのようにおっしゃいますから私も言いたくないですが、申し上げますが、このいわゆる秋山機関のトップに起用された秋山光文さん、昭和五十二年、国会でも問題となりました、職場で暴力を働いたりして懲戒免となった者六十数名をひそかに再採用した事件の責任者の一人であった。このように聞いておりますが、これは間違いございませんか。
○説明員(竹内哲夫君) 再採用という事実があったことはそのとおりでございますけれども、ただ、今先生おっしゃいました秋山総裁室審議役のこれが一人の考え方でこれを処置したというものではないというふうに私は考えております。
○中村鋭一君 いま一つお伺いいたします。 ことしの七月に再建監理委員会が最終答申を出すという重要な時期に、これまで監理委員会の実務上の窓口として仕事をしてきた経営計画室の筆頭主幹を北海道総局に転勤させる、こういう人事を行われたと聞いておりますが、これは事実ですか。
○説明員(竹内哲夫君) 計画室の筆頭主幹が転勤になったということは事実でございます。ただ、これはあくまでも国鉄部内におきます人事といたしまして、適材適所という考え方で処置をしたものでございます。
○中村鋭一君 この筆頭主幹を北海道へ転勤させた理由について、某常務理事はこのように言ったと私は取材をしておりますよ。彼は課長のくせに総裁になったような大きな顔をしており生意気だ、彼は監理委員会が喜びそうなことばかり話をするので、監理委員会が彼を好ましいと言うのは当たり前だ、しかし、このように監理委員会に協力することは国鉄の利益にならない、これが筆頭主幹を北海道に転勤させた理由だと、こう言っているんですが、そのような事実は耳にされたことございますか。
○説明員(竹内哲夫君) そういうことを耳にしたことはございません。
○中村鋭一君 火のないところに煙は立たないと言いますから、根本的な、例えばこの委員会で総裁以下が言っておられることと現実に国鉄にお帰りになってからやっていらっしゃることが違うから、だからこういううわさが出るんだと私は思いますよ。 衆議院の委員会で民社党の塚本三郎代議士が質問をいたしました。園鉄頑張れ……
○委員長(長田裕二君) 中村君、時間が参りました。
○中村鋭一君 本社もう売ったらどうだ、こう言っておりますが、これについて、どこまでも国鉄が協力をしないようならけじめをつけるつもりだと、このように中曽根総理大臣はおっしゃいました。総理この席にいらっしゃいませんので、運輸大臣の、この問題につきましてのけじめをつけるということは、我々はこのように解釈しているんだという答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 国鉄改革が現内閣の非常に大きな使命であるということは、これはもう私ども十分理解しているところであり、また皆様方もおおよそ御理解いただいていることと思います。したがいまして、その使命に向かってそれぞれいろいろと最善を尽くしているときでございますだけに、これに逆らうようなことがあっては、当然けじめという問題が出てくるのは私は当たり前のことだと思っております。私は、理想とするところは、やはり再建監理委員会の答申のとおりに国鉄とそれから政府が一体となって共通の認識に立って一つの案をまとめるということが一番理想だと思っておりますから、当然国鉄は御協力いただかなければならぬ。 そういう観点からしますと、一月十日に出ましたあの基本方策というものは、出されたこと自体は評価すべきですけれども、内容においてはかなり遺憾の点が多いということはしばしば私も指摘したとおりでございますから、ただ、その一つの救いと申しましょうか、今も総裁御答弁になったように、しかし、そのことについては最終的に国の決定には従いますよということを談話でおっしゃっているわけです。私はそれを非常に大きく期待をいたしておりますが、もしもそうでない場合には、今御指摘のとおり、総理のおっしゃるけじめという問題が起きてくる。しからば一体けじめとは何かということになりますと、それはその時点において判断すべき問題だと理解します。
○委員長(長田裕二君) 以上で中村君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十五分散会