予算委員会 第12号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/03/22
会議録
○委員長(長田裕二君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 それでは、これより三治重信君の総括質疑を行います。三治君。
○三治重信君 午前中の審議がストップして午後になったんですけれども、ひとつ答弁余り簡略にしないでしっかり答弁をしていただきたいと思っております。 まず最初に、所得税、住民税の減税の問題を取り上げたいと思うんですが、その前に、総理が施政方針演説でも言われている税制改革の目的、これと最近言われている所得税の減税を先にやりたいということの関連をどういうふうに踏まえておられるのか。税制改革というものを言い出したその本意は、何といいますか、増税を企図してなくて税制、この税制のひずみを解決するんだと、こういうふうなことが基本のようでございますが、そうすればその所得税の減税とどういうふうに考えられているのか、その点をひとつお願いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) この席で申し上げましたように、シャウプ税制の改革が行われましてから三十五年たちまして、その間に多くのひずみやゆがみも出てきておる。シャウプ税制をつくったころは、非常に鮮度のいい画期的な民主的な新しい税制措置であったと思いますが、しかし、その後高度成長等を経ましてさまざまな変化がありまして、国民の側においてもあるいは所得層の側におきましても大きな変化がございました。そういう点から見まして、このゆがみやひずみや国民の不満感というものをほうっておくときではもうないと、そう思いまして、かねてから私はシャウプ税制の根本的な見直しも行い、税制の抜本的な改革というものを志しておったわけでございますが、いよいよそういうことを政治的課題として我々が対処するときに来たと、そう思いまして申し上げた次第なのであります。 それは国民の税に対する不満感とか重圧感とか、不公平、不公正感等々を是正することを大きな目標とすると同時に、思い切った減税もやりたい。国民の願いの大きな要素には減税という問題があり、与野党におきましてもこのことがいろいろ今まで論議されてきたところでございます。したがいまして、今まで言われておりましたような財政再建とかあるいは増収を目的としてするというよりも、不公正あるいはゆがみ等々を是正し、そして思い切った減税を行って国民のそれらの不満を速やかに解消するように努力したい、そういう念願で行っておるものであります。
○三治重信君 そこで、総理が今言われたいわゆるシャウプ税制のひずみということなんですが、確かに戦後の税制の基本はシャウプ税制で発足したんですが、そのどこが一番大きなひずみになっているんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは総理からも御発言がありましたように、いわゆるシャウプ税制というのは私どもは評価する点がたくさんあると思っております。 そこで、何がひずみで何がゆがみかと、こういうことになりますと、それについていろいろな議論がございますけれども、私どもとして考えておりますのが、おおむね分類をいたしてみますと、今までやっぱり税制調査会あるいは国会等で議論されたのをちょっと整理してみますと、まず一つとして所得再分配機能、この問題でございます。すなわち所得水準の平準化の動向等にかんがみて中堅所得階層の負担の緩和にも配意して、全体として若干なだらかな累進構造とする方向で見直しを行うことが適当である、こういうような指摘がまずはございます。 それから二番目には所得の捕捉の問題でございます。これは所得課税はこれまで執行面での把握差が生じやすい。言葉で言えばクロヨンでございますとか、いろいろな言葉がございましたが、そういうことについて制度及び執行の両面にわたって工夫しなさいと。それから所得の捕捉のところでは、もう一つは例の赤字法人に対してもやっぱり応益負担は幾らか求めてもいいんじゃないかと、こういう意見もあります。これが二つのくくりで所得の捕捉ということになりましょう。 それから三番目が課税ベースの浸食であります。これはいつも議論されます租税特別措置というものは政策目的、いわゆる政策税制であるが、税制の基本原則をある程度犠牲にして講ぜられたものであるからやっぱり個々の政策目的と、そして基本原則との調和を図る見地からいつでもこれは見直していかなければいかぬというようなこと。それから、今度の税制改正でも御議論いただいておりますいわゆる個人貯蓄残高の相当額を占める非課税貯蓄制度の取り扱いの問題。 そうして、その四番目、大きくくくりますと間接税の課税ベースと税率構造という問題がございます。それを間接税の課税ベースの問題で申しますならば、やっぱりいわば従来の酒、たばこ、自動車、揮発油等の特定物品に対する課税が従量税で行われておった。消費の態様が変化したから、やはりいわゆるサービスとかそういうものに対する点について勉強する必要がある。それから、五十九年度の税制で、ある程度手直ししていただきましたいわゆる酒税の問題でございます。すなわち、高級酒、大衆酒といった分け方の意味が薄らいできた、こういうようなのが指摘を受けておるゆがみ、ひずみということであります。それに加えまして、世上我が国の税体系が、結果的ではありますけれども、まさに結果的でありますが、直接税に偏り過ぎておるというところにまた一つのゆがみ、ひずみがあるのじゃないかと、こういうような指摘。 大体整理して言えば、このゆがみ、ひずみというものの大体整理したところ、そういうことになるのではなかろうかというふうに考えられます。
○三治重信君 そうしますと、結局直間比率の改正ということだけでなくて、その前に今挙げられた重要な公正を確保する、あるいは公平を図る、簡素化を図る、こういうようなことについてまだやるべきことが非常にあるんじゃないか、それが非常に直間比率の改正ということに直結しているところに今度の税制改正の大きな混乱があるんじゃないかと思うんですけれども、そういう直間比率の改正の前に税体系の公正を期する努力というもの、これについてはどういうふうに考えられておられるか。 例えば非課税所得の問題でも先送りになってしまっておる。それから課税ベースの直すというものもまだ余り手がつけられていない。こういうような問題と、それからいわゆる調査による脱税、逋脱の問題をどう解決するかというような問題がたくさん残っていると思うんですが、その中で特に、何といいますか、それと並行して所得税の減税というものがことしも問題になっております。来年は特に、ことしと含めて来年もその一兆円減税というものについて、そういう税制改正のほかにひずみ、不公正を是正する第一として減税というものを考えるという方向をしっかり打ち出せないものですか。
○国務大臣(竹下登君) これは総理から基本的な考え方をお述べになったわけでありますが、今私どもが税制調査会へまずは諮問しようということになっておりますのは、先ほど来申し上げております税制全般のいわゆる見直しの時期に来たということを税制調査会そのものから答申をちょうだいしたわけでございますから、そういう角度からのまずいわば検討をしていただこう、こういうことでございます。したがって、先ほど来御議論にもございましたように、いわゆる直間比率の見直し等によって例えば間接税の増税をするのが目的とかいう問題ではもとよりございません。税体系そのものを、先ほど来総理からのお答えがありましたように、三十五年間経た今日、そのものを基本的に見直してもらおう、そこには、そういう見直しの中で非常に国民の希望の強い減税等をやりたいという希望を総理としてお持ちになっておるのはこれは当然のことでございますが、諮問そのものはやるための財源をどうするかという諮問には私はならないだろうというふうに考えます。
○三治重信君 そこで、若干個別的に入っていくのですが、そうすると、大蔵大臣の答弁だと税制改正の問題で諮問したりやっていくのはあくまで税制改正そのものであって、総理が言うような所得税減税をやる、それで不公平税制を直す、そのために不足財源を間接税に求める、こういう非常にはっきりした論理というものが税制改正の一般を論議してもらうという諮問だ、こういうことになってくると非常にぼけてしまうと思うのですが、そのぼけ方の問題をしっかり直してもらわぬと我々としても後、質問に非常に困るわけなんですが、どうなのですか。
○国務大臣(竹下登君) 総理も国会の論議等を通じての受けとめ方の中に減税というものをやりたい、こうおっしゃっております。そして国会でももろもろの議論が出ております。これらのことはもとより正確に税制調査会に御報告して御審議をいただくということになるわけでありますが、私もいささか事務的でございますが、では、いわゆる諮問のあり方ということになりますと、所得税の減税をしたいのでその財源として俗に言われる不公平税制の是正とか、あるいは間接税の増税とかという点について議論をしてもらいたい、こういう諮問には私は諮問そのものはならないだろうと思いますが、そういうことを念頭に置きながらの御議論は、当然のこととして各層の代表であり専門家の税調の先生方でございますから、そういうもろもろの議論は出てくるであろうということは私もそのように理解をいたしておるところでございます。だから、やっぱり総理が申しておりますように、いわば既存税制に対しましても、公平、公正、簡素、選択、活力、こういう点からの御議論をいただこうということになろうかと思います。
○三治重信君 財界の方も法人税を減らすために大型間接税がいいというふうな発言があったと思ったら、二十一日の新聞では、またさらにそういう増税はだめだというふうな結論になりそうだというのが出ております。しかし、自民党の方の税調会では、来年度の予算の税制のためかもわかりませんけれども、税制改正に着手する、こう出ているわけなのですが、その自民党の政策というのは、総理がおっしゃるように減税のかわり財源を見つけるための税制調査会だ、こう理解していいのですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まだどういうふうに、いつ諮問するかということは未定であります。この国会中の与野党の議論等も十分踏まえまして、すべて総ざらえをした上で総合的に考えて時期及び諮問の内容というものは考えられる、そう思います。しかし、私が声を大にして申し上げておりますのは、シャウプ税制以来のゆがみやひずみ、あるいは不公平感あるいは重税感、そういうものを直す、そして国民がもっとすっきりとした気持ちで税というものを受け付けていただけるようにしたいし、御協力も願いたい。そういう意味では今大蔵大臣が申された五つの原則というものを考えながら、いかにして所得税、法人税の減税等の減税をまずやるかというようなことがまず第一に出てくる問題ではないかと思うのであります。そして赤字公債でそれを補てんするというようなことはこれはやってはならないことでありまして、前から申し上げているとおりでありますが、ともかく今のような考えに立ちまして、重点というもの、主力というものはやっぱりまず減税をどうするかということが第一ではないか、そう思うのであります。さまざまなやり方があり得ると思いますから、慎重によく検討していきたいと思っております。
○三治重信君 その減税の問題で我々が一番関心を持つのは所得税、住民税の減税なんですが、大蔵大臣、所得税をもしも減税するとすれば、どこに一番重点を置いた減税をやりたいと思われますか。
○国務大臣(竹下登君) そのことがまさに国会の論議等を正確に伝えて税調の場でそれこそ御議論をいただけることになるであろうと思っておりますが、従来の、今日私どもが税制を論議いたします際の基礎となっております例えば五十八年の暮れに出していただきました中期答申というところの税調の物の考え方を読んでみますと、いわば中堅所得層の負担軽減というようなことが税調の論議の結果として出ておりますから、その辺ではないかなと、こういう感じは持っております。
○三治重信君 その中堅所得層の減税をやる方法として、私は税率の緩和と所得控除のあり方の問題が二つ大きな問題だと思うんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(竹下登君) これは先ほどのを正確に申し上げますと、「中堅所得階層の負担の緩和にも配慮しつつ、全体として、若干なだらかな累進構造とする方向で見直しを行うことが適当である。」、これが中期答申でございます。その中期答申の私は精神は生きておるのだろうというふうに思います。 その際、されば今の十五区分を幾らにするかとか、あるいは累進税率をどうするか、そして基本となる課税最低限をどこに置くかということになりますと、これこそまさに国会等の議論を正確に報告した税調で詰めていただく課題じゃないかなと。方向としては、最初申し上げたような方向が一応出されておるというのが現状でございます。
○三治重信君 そこで、私は意見として申し上げておきますが、所得の把握にはやはり一般的に収入総額というものがしっかり把握されるべきだ、それがないと、とかく純利益、所得では非常に抜け道が多い。そこで、したがって収入の問題が所得税においてよく考えられなくてはならぬ。しかしその最高が三割程度、それから純所得になってくるとそれは五〇%を超えちゃおかしいと、こういう意見があるわけなんですが、まあ私個人のやつでも所得税を今度計算してみるというと四五%かかるような所得表になっているわけですね。ところが収入総額に対して見ると二二、三%になるわけです。その点が所得の課税率というものを非常に高く感ずるという、そういう性格を非常に持っている。こういうところも根本的に直してもらわなければならぬ。 それから法人税は、五〇%以上の法人というのはこれは法人の活力を非常に落とす、したがって、それは経費として非常に逃げる可能性がある。そういう意味において法人税も、ただ企業課税をすればいいということではなくて、やはりもっと法人税をアメリカのように下げていく、比例税的に下げる、こういう方向がぜひ欲しいと思うんですが、そういう方向はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今まさにおっしゃいましたように、所得税というのは国民の負担能力に最も適応した租税であることは事実であります。そして所得の再配分にも寄与し得るものであります。が、各種の人的控除と累進税率の組み合わせによって各人ごとの稼得所得に応じた負担を求めるものでありますから、まず基本的にそういうものでありますが、その所得税制は、控除の仕組みにつきまして基礎的な人的控除でございますとか、あるいは特別な人的控除でございますとか、生命保険料、医療費控除等々が認められておりますので、今おっしゃいましたように、いろいろさまざまな家族構成等によって違ってまいります。 したがって、今、三治さん自分のことを対象にしておっしゃいましたが、実際の総所得からするものと、いわゆる世間一般に言われる累進税率と見ると、納める者に与えるいわば税に対する感覚、それは確かに違います。したがって、この中にはあらゆる控除というのはできるだけ少なくして、フラット税制とかあるいはシンプル税制とか、そういうものにすべきだという議論ももとよりございますけれども、とはいえ、各種控除というのもそれなりの理由で今日歴史的に存在しておるわけでございますから、それらも含めて最終的には、今のような御議論も報告しながら、結局税調で御議論をいただく重要な対象になるのではなかろうかと、こんな感じでございます。
○三治重信君 もう一つ、所得の中で資産所得についての課税が非常に緩やか過ぎるし、逃げておるということがよく言われている。それの一番大きなのが非課税貯蓄の典型的なものですが、これは大きな問題として出ておるんですが、もう一つは、私は、同族会社なんかの資産の所得が、同族会社が赤字になっていると、それを、資産の課税をまたもとへ戻して返すようなことになっているんじゃないかと思うんですが、資産の所得で源泉徴収したやつを同族会社が赤字だからといって返すというのは、資産所得をさらに軽減するもとだと思うんです。こういうのは直すことはできぬですか。
○国務大臣(竹下登君) 同族会社の場合によく議論されますのは、一つは、今の直接のお話ではございませんが、家族従業員に対する給料の支払いを通じて所得の分割が行われておる個人事業者との負担の調整を図るべきじゃないかというような議論がよくございます。が、この場合には、いわゆる従業員としての実態を有していないものか、実際に有しておるものかというようなことは、これは大変いわゆる執行面におきましての是正に絶えずこれは努力しておるところでございます。 それからいま一つは、いわゆるキャピタルゲイン、すなわち資産、税金というのは所得か消費か資産かいずれかの段階に担税力を求めるわけでございますから、その資産の問題等につきましての問題も、結局はいわゆる税の問題からいたしますならば、基本的には法人税の、要するに法人が納めておりますその源泉分離は法人税が納めるものの前納だという議論になるわけでございます。が、いずれにしても、その種のいわゆる特別措置というのは、政策税制としてはその都度理屈が立っても、税の基本を少しでもゆがめていることは事実でございますので、そういう問題も含めて御議論をちょうだいする課題であろうというふうに考えます。
○三治重信君 自治大臣、次にお尋ねしますが、我が党は、地方税の住民税、法人事業税の徴収について、所得税、殊に源泉徴収の部面についてはもう一本徴収にしたらどうか、地方税を付加税にしたらどうかという議論が我が党では大体の大勢を占めておるわけなんですが、これをやることによって前年度を課税ベースにするという地方税制が直る、転任してもあるいは退職してから税金がかかってくるということが直る。それから税務の実際の徴収事務からいっても、税制さえ直してもらって付加税ということでやってもらえば一本できちんと源泉徴収者は徴収できる。こういう便利があると思うんですが、これに対する御意見はいかがですか。
○国務大臣(古屋亨君) お話しの点でございますが、基本的問題といたしましては、地方団体が独立税として地方税をみずから賦課徴収できるというところに地方自治の原点の一つがあるのでありまして、そういう点で、地方税、特に基幹税目である住民税、事業税については、国税の付加税とすることについては地方自治の本質から検討すべき問題がある、理論の上ではそうでございます。住民税も法人税もそれぞれ市町村や都道府県における独立税の根幹をなす極めて重要な地方税であり、応益負担の観点から地方自治の理念を実質に支える重要な税目でありますし、したがってこれらの税を国税の付加税とすることにつきましては、税務行政上の問題にとどまらず、地方自治と地方税制の基本的なあり方にも関連する問題でありますし、また地方税制の自主性の確保という見地からも問題があるように考えます。 また、付加税によります徴収の一本化につきましても、例えば個人住民税については特別徴収義務者であります企業等に新たな事務が加わり、また一括徴収側におきましても地方団体ごとに税額を区分する事務が生ずるなど、国民経済上から見れば必ずしも効率化の目的が達せられないような部分もあると思います。 いずれにいたしましても、この問題は地方自治制度の根幹にわたる問題であり、慎重に対処してまいりたいと思います。なお、地方税制の運用については、国税当局と密接な協力体制の強化を含めて一層の簡素効率化を図っていきたいと思っております。
○三治重信君 自治省は従来そういう答弁をしているんですけれども、付加税だからといって国税の方へ移管しろということで言っているわけじゃなくて、課税のやり方を付加税のやり方で地方税として取ったらどうか、こういうことなんです。これはどうもわざと問題を取り違えているような自治省の態度というのはおかしいと思うんです。ただ、この課税のやり方を所得税や法人税の国税のベースにあわせて付加税の計算で納められるように手続をしたらどうか。だから地方自治を何も侵害するとかなんとかいう問題とは全然別で、源泉徴収者やそれから源泉徴収される者が非常に便利になるんじゃないか。こういうことですから、ひとつその点も篤と事務当局に問題を提起しておいてもらいたいと思います。 それから所得税を減らすということになると、結局、所得税、法人税を減らすと地方交付税の減少になってくるわけですが、その地方交付税の減少について、大蔵大臣は、EC型の付加価値税であるとすれば、EC型の付加価値税は全部国税で、地方税はまたEC型の付加価値税の中から所得税、法人税と同じように一定比率を地方の交付税として入れる、こういう考え方ですか。
○国務大臣(竹下登君) 今の御質問に対しましては、残念ながら、いわゆるEC型付加価値税の導入ということ自身も、仮定の問題とでも申しましょうか、今後の税調の審議の中であるいは出てくるにいたしましても、初めからEC型付加価値税を前提として諮問し御議論いただこうという態度ではございませんので、その際のことを既に予測して、所得税、法人税が減れば、仮にその分の交付税率が一緒なら全体のシェアが減るから、それはEC型付加価値税の中でどうこういたしますとかいうようなことは、現段階ではまだまさに仮定の問題でございますので、私の方からお答えするには少し、何といいますか、距離があり過ぎるという感じでございます。
○三治重信君 そうすると、その議論は、所得税、法人税を減らして大型間接税に持っていく、大型間接税というだけで議論がとまっていて、所得税、法人税を減らせば地方交付税も減っていく。それじゃ地方の財政をどうするんだ、大型間接税の中で地方税の独自の財源を与えるのか、付加価値税の中で分けるのかという基本ぐらいはやらぬと、大型間接税の議論にならぬじゃないですか。
○国務大臣(竹下登君) 非常に三治さん、何といいますか、一つの予測を立てながらの議論の展開の中で、その可能性を考えながらの御質問でございますので、今は、言ってみれば、それらの問題もすべて含めて基本的な議論をしていただこうと、こういう段階でございます。国と地方の税源配分とか、そういう負担分任の問題ということになりますと、当然のこととして、これは税調のみでなく政治全体の問題として考えていなければならぬ問題でありますので、所得税、法人税の減税によって生ずる交付税に対しては、EC型付加価値税の場合はどのような手法でそれを埋めていきますというのは、そのまさに議論の後の問題ではないかなと、こんな感じでございます。
○三治重信君 もちろん議論の後の問題ですけれども、そういう問題が明示されぬと、減税、大型間接税の議論が中へ入れぬ。そこの問題になってくるところは伏せちゃうということになっちゃうと議論にならぬじゃないですか。まあ議論にならぬというならしようがないですが。 それから、最近、税務調査の結果、医師会、それからこの間は弁護士、またさらにはレジャー産業を中心にしていろいろの要注意業種がたくさん発表されておるわけなんですが、こういうのに対して、これだけの脱税があったという発表だけで、これが対応策がない。脱税を防止する対応策というものについて大蔵省はどう考えておられますか。
○政府委員(冨尾一郎君) お答えをいたします。 脱税防止という前に、私どもとしては、まず基本的には現在の申告納税制度のもとで的確にかつ正しく納税をしていただく、申告をしていただくということでございまして、このためにいろいろな機会をつかまえまして納税者の方々に納税及び税務に関する理解を求めるということを考えております。一方で、このようにきちんとした申告をしていただくとともに、問題のある業種や団体等の納税者に対しまして厳正な税務調査を行う。この両輪で私どもとしては適正な課税を求めてまいりたいと、このように基本的に考えております。
○三治重信君 そういう抽象的な議論はもう何遍も聞いているわけなんだ。 それじゃ、具体的に医師会に対して、お医者さんの脱税についてどういうふうな対策をとっておられるんですか。それからレジャー産業、パチンコとかほかの一般の産業に対してどういうふうな脱税防止の具体的な対応策をとっておられるのか。
○政府委員(冨尾一郎君) お答えをいたします。 医師会とパチンコと二つの業種を御指摘いただきましたが、医師会に対しましては、先般あのような新聞記事等が出ましたが、基本的には、私どもとしては、医師の方々に対しましても、医師会を通じまして適正な申告の呼びかけを行っておりますし、日本医師会の方でも、税に対する世論の高まりを踏まえまして、適正申告の推進を各都道府県の医師会に対して徹底をしておられます。私どもも機会あるごとにいろいろな説明会等を開催してこの動きをバックアップしております。また、あわせて、歯科医師の方にも同様に青色申告などを通じて適正な申告をしていただくようにお願いをしておりますし、会の方でも相応の動きを最近なさっておられます。 一方、パチンコに対しましては、基本的に私どもとしても、いわゆるレジャー産業的な部門として従来から極めて問題のある業種だということで、こちらに対しましては、いろいろな税務上の調査の重点を置きまして一般よりも極めて密度の高い調査を行い、徹底して私どもとしても力を入れまして、申告水準ないしは納税のそういう申告漏れのチェックにつきましては鋭意力を注いでいると、こういう状況でございます。 〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕
○三治重信君 ただ税務調査の摘発だけでは私は脱税はおさまらぬと思うんですよ。結局、利益団体があるわけだから、本当にその利益団体の幹部や各地区の代表者とそういう是正のタイムスケジュールというようなものまでしっかり詰めて、向こうに自主的にやらすような体制というような問題もぜひ検討してやっていかないと、不公平税制というもののいかに是正に努めても、税務の執行上でそれが脱税行為ということになるとこれは非常に問題だと、こういうふうに思います。 では、税の問題はその程度にいたしまして、次に厚生大臣にお願いいたします。 最近、国民健康保険が去年十月から改正されたわけなんですが、地方、市町村でえらい不足だと、こういうふうなことで大変な陳情なんですが、この原因はどこにあるのですか。
○国務大臣(増岡博之君) 昨年の制度改正に当たりましては、退職者医療制度の創設を行っております。と同時に、市町村個々の医療費適正化対策等についてもいろいろ考えた上、国庫補助制度の合理化を行ったところであります。その片一方の退職者医療制度の対象の把握が当初の見込みを下回っておることは事実でございます。その結果、対象者が完全に把握されますまでの間は一時的に負担が増大していることは事実だと思います。しかし、市町村国保すべてにわたりましてはその把握が十分に行われておるところもありますし、また医療費や保険料の水準、被保険者の高齢化の度合い、あるいはまた適正化対策の経営努力の有無など運営がさまざまでございますので、退職者医療制度のみによる赤字と言えるかどうかということは、多少これからの調査を十分やっていかなくてはならないというふうに考えております。
○三治重信君 大臣、そういうふうな通り一遍の答弁ではちょっと済まぬじゃないかと思うんです。おたくの方で出してもらった各県別の調査でも約一割のところがある。平均でも六・二%。もちろん今おっしゃるように一〇%に達しているところが一、二あるんですが、大体のところが六、極端なところは二%か三%のところもある。そういうようなことで、個別的にということでは私は承知できない。この制度の改正について退職者が一〇%はいなかったんだ、あと少しは出るかもしれないけれども、相当出ないということになると相当大きな赤字になる。その穴埋めにどういうふうに対処する予定ですか。
○国務大臣(増岡博之君) この退職者医療の人員の把握でございますけれども、一応ことしの三月ということをめどにいたしておるわけでございますが、しかし私どもといたしましては、その後に把握されました分につきましてもさかのぼって給付金を給付しようというつもりでおります。しかし、御指摘のように、それでもなおということはあるいはまた考えられるかもしれないと思うわけでございます。その時点におきましては、それに伴う適切な措置を行いたいと思っております。
○三治重信君 五十九年度はもう三月末で過ぎてしまおうとしている。しかも一〇%が六%という制度的な欠陥になってきている。これはどう処理しようとされているのか。それから六十年度ではまだ今から予算措置なり、あるいはやる対策があろうが、五十九年度と六十年度と区別してその対策をひとつ。地方の国民健康保険組合の保険者である県、市町村が心配ないと言えるのか、心配せぬでもやれるというふうに言うのか、もう自分でみんな負担せいと言うのか。その点はっきりしてほしい。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど申しましたようないろいろな要素がございますけれども、それらすべてを勘案いたしまして、市町村国保の運営が安定できるようにはしていかなければならないというふうに考えております。
○三治重信君 地方からの陳情では、激変緩和策について影響度を考えて三分の二を保障する制度をさらに続けてくれ、これが一番大きなねらいのようなんで、そういうふうな措置を特にとっていただきたいと思うわけなんです。厚生省にも若干の責任はあると思うんですが、ひとつよろしくお願い申し上げます。 もう一つは、国民健康保険の中で、市町村とは別に国民健康保険組合をつくっているのがあるわけなんです。これは医師会の開業医もそうですし、それから大工、左官等の組合もそうなんですが、これなんかを見ると、合理化によって七・一%補助金が減った、だから保険料を上げなくちゃならぬと、こういうふうにして説明しているわけですね。聞けば全部が全部そのようでもないようなんだが、元来、国民健康保険組合の方は退職者医療制度へかわる人はいないわけなんだから、補助金なんかでも従来と同じでなくちゃならぬのが、そういうふうに非常に補助金が減ったような感覚を持たれるというのはどういうわけですか。
○政府委員(幸田正孝君) 国民健康保険組合につきまして、退職者医療制度の実施と関係がないということは先生御指摘のとおりでございます。それではなぜ国民健康保険組合について補助の御指摘のような問題が起こるかということでございますが、今回の医療保険制度の改革の一環といたしまして、十割給付を行っております国民健康保険組合につきましては、十割給付によります医療費増を国庫補助の対象から外そうということで、これは市町村、国民健康保険組合、両者を通じましてそういったことを行いましたのが一つでございます。 それからもう一つは、国民健康保険組合のかさ上げ分の補助金につきまして、これは従来から行っているわけでございますけれども、この際、各組合の財政力をもう一回見直そうということで所得状況の調査をいたしました。その結果によりまして、国民健康保険組合の中にはかさ上げ分の補助率につきまして上がったところもございますし、また下がったところもございます。御指摘の組合の場合には、そのような調査の結果、所得状況が、五十三年以降初めての調査でございますけれども、かなり改善をされたということで恐らく補助率が下がったのではないかと、こう考えるのでございます。
○三治重信君 まあそういうことかもしれないけれども、実際の現地における説明はそういうふうに組合員に説明されておらぬところに僕は問題があると思う。そうならそうとはっきりわかるように、国民健康保険組合の理事者側が国民健康保険組合の組合員にちゃんと説明できるように指導しなければおかしいと思う。そうしないと、保険料を上げるのは、みんな国の制度の変わったことによって保険者に負担がかかってきたんだ、あなたたちは、国が財政改革で補助金を減らしたんだから保除料が上がるのを我慢してくれ、こういう説明になっている。私はそれを聞いて、おかしいじゃないか、国民健康保険組合で、退職者医療制度によって、制度改正によって上がるわけがないというふうに言ったら、そういうふうな答弁になっているわけなんです。もう少し第一線の理事者に対して筋をきちんと話してやらぬというと、第一線はみんな国保の補助金が減ったために我々の保険料が上げさせられるんだ、まあしょうがなかろう、こういうふうなことになってしまう。それはひとつ特に気をつけてほしいと思います。 それから今国民健康保険組合の、何というんですか所得調査なんかも全然組合へはいってないですよね、そういうことなんかの善処方をひとつよろしくお願いします。 それから環境対策の問題なんです。通産大臣、尾張の三河の染色工場で水をくみとったので地盤沈下になる、工業用水をつくれ、こういうふうになったけれども、いざつくるとなってみると、各利用者は何トン買うんだ、買ったパイプの大きさによって配給する。それだってバルブを閉めることもできない、垂れ流しで買う。そうすると結局夜はみんなそれをためておかぬと損しちゃうから、結局貯水槽をみんなつくっている。ただですら大変な繊維業界がえらい貯水槽をみんな工業用水をためるためにつくる。そのためにまた金を借りる、だから利子がかかる、こういうふうなこと。それからまた労働組合に対しては、深夜作業もたまには水が余ってきたらやってもらわなければならぬからそれを覚悟してくれなんというようなことでは、地盤沈下対策としての工業用水というのは何のことだかわけがわからぬが、それに対してどういうふうにお答えになるか。 〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
○国務大臣(村田敬次郎君) 三治先生にお答え申し上げます。 私はかつて愛知県で水道部長をやっておりまして、今御指摘になった事業は全部手がけておりますのでよく知っておるのでございますが、これは尾張工業用水道の第一期というので日量二十九万トンという事業でございます。工期が五十二年から六十二年まで、約五百億円という事業でございます。工業用水道からの工業用水の供給に当たりましては、一日について何立方メートル、同トンパーデーという計算で契約を行うのが通例でございます。これは尾張地域に限ったことではない、全県でございますが、河川等の水を平均的に供給することが水資源の有効利用の観点、あるいは工業用水道施設の規模の観点から最も効率的であるということからこういう水道料金制度がとられておりまして、また一方、各供給を受ける企業といたしましても、企業の生産状況等に応じて工業用水を合理的に使用するために平均的に受水できるように、今、先生おっしゃったように受水槽等を設けております。 なお、尾張地域におきましては、今御指摘になりましたように、地下水から工業用水道への水源転換を行うという企業に対しましては、地盤沈下防止といったような観点から、中小企業事業団からの無利子融資、一八%の特別償却制度といった措置を講じて、受水槽等の設置を促進し、円滑な水源転換を図っているところでございます。 御指摘のような点につきまして、また私どもで連絡その他することがあれば、通産省の工業用水課あるいはまた愛知県等とも連絡をとってまいりたいと思います。
○三治重信君 いや、制度的にはおっしゃるとおりでいいけれども、そういうふうに工業用水をつくって利用者が水をためる貯水槽をつくらなければならぬような工業用水の供給の仕方を問題にしているわけなんだから、これは再検討してくれ。そんなものは、バルブをちょっと閉めれば、はい、もう終わり、きょうはもう残業なし、こう言えばそれで水は出ぬで済むような工業用水の供給にしなければおかしいじゃないか、こういうことを検討してほしい。 それから今度は農水省にお尋ねしますが、アメリカの二百海里水域、経済水域に対して漁業が非常に圧迫されている。これは日ソ漁業条約においても日米漁業条約においても同じなんですが、こういうものに対する対抗策というものについて農林水産省はどういうふうにお考えになっているんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 アメリカから二百海里水域内での我が国漁船の操業についていろいろ不利益をこうむった場合に対抗措置を立法化してはどうかというお考えがあることは承知をいたしております。それで、まあ対抗措置のありよういかんにもよりますが、私どもといたしましては、何らかの意味で効果的な対抗措置を講ずるような立法化を行うといたしますれば、恐らくそれは何らかの形でガットの規定に抵触するおそれがあるのではないかというふうに考えておりますし、また日米関係全体に及ぼす影響ということもございますので、私どもとしては慎重にならざるを得ないものと考えております。
○三治重信君 そのガットの規定に触れるというのはどこに触れるか、ひとつそれを明示してもらいたいわけです。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもが考えておりますのは、まず、特定国に何らかの意味で通商上の不利益を課するということになりますれば、ガットの最恵国原則に反することになるのであろうというふうに考えられますし、不利益の課し方の手段といたしまして、例えば数量制限を用いるということになりますれば、また一般的数量制限の禁止の規定に抵触することになるであろうというふうに考えております。
○三治重信君 そういうガットの規定ならば、アメリカが国内法で決めていることすべて、日本に対する漁業規制をやっておることが全部ガットの規定に反することになりはせぬですか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 自国の二百海里水域内でいかなる漁獲割り当てを外国に対して行うかということにつきましては、ガットは別に何ら規定をいたしておりません。
○三治重信君 それから捕鯨問題が急に出てきたんですが、追加で一つ質問さしていただきます。 この異議申し立てをやめたというふうになっておるんですが、それの理由と、この異議申し立てをもしも撤回するということになってくると、捕鯨に従事した者に対する対策をどう考えておられるのか。
○政府委員(佐野宏哉君) 新聞紙上でいろいろ報道されておりますので御心配をおかけしておるのであろうと思いますが、現在のところ、私どもは商業捕鯨モラトリアムに対する異議申し立てを撤回するということを決めたということはございません。
○三治重信君 それじゃ撤回しないということで、新聞は誤報である、こういうふうに考えていいわけですね。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 商業捕鯨モラトリアムに対する異議申し立てを撤回する旨の決定が行われたとの報道は事実に反しております。
○三治重信君 じゃ、それで新聞報道が間違っていると、こういうことで理解をしておきます。 次に、公営競技の問題についてお尋ねをいたしますが、戦後の戦災復興でギャンブルをやって、そして地方財政を立て直したというようなこと、それがだらだら今続いてきておるわけなんですが、今や国民の中のそういうギャンブルをやるニーズが変わってきてしまっている。したがって、そういうものの観客数が非常に減るという、馬券なり何なりを買う者が減るということで経営が非常に困難になってきている。そういうものについて公営競技の赤字対策、また経営の実態に即してもっと合理化をやらぬというと、もうけと思っていたやつが赤字で持ち出さなくちゃならぬと、こういうことが予想されるわけなんですが、これに対して基本的にどういうふうな対処の仕方をしようと考えられておられるのですか。
○国務大臣(古屋亨君) 各競技別は関係者から御説明申し上げることにしまして、お話のように売上高が非常に減ったり、あるいは経費の増加等によって経営悪化の傾向にあることは事実と考えております。自治省といたしましては、関係省庁と協力して施行団体に対しましてファンサービスの充実なりによる売上高の増大や開催経費の節減等によって経営改善の推進について指導助言を行っておるところでございます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 公営競技につきましては競馬、競輪、競艇等ありまして、また担当大臣から御答弁があると思いますが、通産省では競輪関係を所管をしておるわけでございます。 御指摘のように、車券の売上高あるいは施行者の純収入、入場者数等、最近はずっと漸減でありまして、これは低成長になったこととか、委員御指摘のように国民のニーズが非常に変わってきた、趣向が変わってきたとかいろいろな理由があるわけでございまして、全般的には今自治大臣が申されたとおりでございますが、通産省といたしましては、入場者の増加を図るために施行団体等の協力を得ながら競輪場の施設及び周辺環境の整備を図るための施設改善競輪を実施をする、例えば五十六年度から。それから、場外車券売り場の問題がよく出るわけでございますが、場外車券売り場の設置基準を見直してこういうものの増設を認めることはどうか。それから興趣あるレースをつくるというわけで級班別の編成を変える等の番組制度の改革をしたらどうかとか、あるいは特別競輪、例えば日本選手権競輪だとか高松宮杯競輪だとかいろいろあるわけでございますが、そのほかにも新たに六十年から全日本選抜競輪を実施したらどうかなど、非常に施行者としては各般の対策を講じておるところでございます。
○国務大臣(山下徳夫君) お話がございましたように、公営競技というものは地方の財政に寄与し、あるいは社会福祉振興のために役に立てる、そしてまた関連する産業の振興というものを図るということでございますから、これはもうけがなくなってそういうことができなければ、特殊なギャンブルとしてこれは存在する価値がないのでございますから、何とかしてもうけなければならぬ、存続するならば利潤を上げなければならぬという、まずそういう気持ちでございます。 しからばどうするか。今通産大臣から話がありました、大体同じことでございますけれども、施設にいたしましても、何か酷暑酷寒のまるで我慢比べみたいなことでレースを見させるということは、これはやっぱりどうもよくないとか、あるいはレースにいたしましてもいわゆるその競技の内容のマンネリ化した競技に対して何かもっとおもしろいものはないかということをいろいろ考えております。あるいは事務費の節減、例えば切符の発売あるいはまた審判制度その他について、もっと省力化できないかということも今後考えて事務費の節減を図るとか、それから通産大臣から話がありましたように、前売り、場外、こういうものを拡充していく。それからもう一つは、のみ行為というのが非常にはびこっておりますから、これはひとつ自治大臣にもお願いして、広域警察行政というのですか、そこらあたりで大いにそういう非合法的に流れていくものを締め出して充実を図らなければならぬ。 以上でございます。
○三治重信君 ことに農林水産大臣にお願いしておくのですが、競馬というのは生き物を飼っているからたくさんの人が、何というのですか、センターでやっていて、そこに厩務員というのがいるわけなんですが、もうかってこないと厩務員も、全然この三、四年給料が上がってない。そういうことだから、ひとつ自治大臣も各省と相談して、そういう競馬なら競馬全体、競輪なら競輪全体を地方の各県ごとに一つにオーソリティーにして、それは事務組合にしてもいいし、公営企業にしてもいいし、だれか責任者をきちんと決めて、それが全部場外馬券もやったりいろいろな増収策もやったり、一人のオーソリティーの者がやれるような、僕は民営化を主張するのだけれども、そこまでいかぬにしても、役人でもいいからきちんと責任を、収入から支出から、関係者の管理を全部一人のもとでやれるように、これは関係省相談の上ぜひひとつやってもらいたい。そういうことをやらぬところの都道府県にはやるようにひとつ勧奨することをやってほしいと思うんですが、自治大臣どうですか。
○国務大臣(古屋亨君) こういうような非常に悪化の傾向にありますので、対策を考えていかなければならぬことは当然でございますが、今の御趣旨の点は十分検討さして目的達成に努力をいたしたいと思います。
○三治重信君 次に、中国残留孤児の問題なんですが、これは当方としても相当時事問題として、大きな問題として抱えておるのですが、先日厚生大臣が孤児の激励のパーティーに出た帰りにインタビューに引っかかってしまったんですが、この点について中国残留孤児問題全国協議会の方から、もう大臣のところに行っていると思うんですが、えらい抗議書が出ております。そして、この団体が大臣と会って孤児問題全体について篤とお話をしたいと、こういう要望が出ております。したがって、ああいうこともあったのだし、ひとつ孤児問題全国協議会の方と早急に会って、大臣のせっかく中国残留孤児について好意を持ってやっているその趣旨をよく説明してやってもらいたいと思うんです。そして、いろいろの問題や要求はたくさんありますけれども、基本的にはやはりベトナムとか何かほかの難民よりか低くないような、同じ日本人だから難民よりか低くないような厚い行政措置ができるようにひとつ配慮してもらいたいと思う。その二つの点についてよろしくお願いします。
○国務大臣(増岡博之君) 残留孤児の問題につきましては、従来から私といたしましてもでき得る限りのことはやって差し上げなければならぬという気持ちでおるわけでございますので、御指摘のような協議会の御意向も十分承らなければならぬと思っておるわけでございます。近いうちに日時を決めてお会いいたし、十分意向をお聞きいたしたいと思っております。 そこで、御指摘のように残留孤児問題は全く政府が、国が力を挙げて取り組むべき課題であると思っておるわけでございます。したがいまして、昭和六十年度におきましてはほぼ訪日調査、訪中調査あわせまして、現在把握しております孤児のすべてに一応の接触は済ませるような段取りでやっておるわけでございます。 訪日調査につきましては、昭和六十年度に残りました分も、昭和六十一年度に全部済ませることにいたしておるわけでございまして、その際、肉親がわかりまして帰ってこられました孤児の定着化対策を関係省庁等と協力を得まして、十分やって差し上げなければならぬと思っておるわけでございます。 そのほか、日本に訪日調査されました場合のいろいろな問題も御指摘のようにございますので、私どもといたしましてはできる限りの力を尽くして御協力を申し上げたいというふうに考えております。
○三治重信君 一つ最後に貿易摩擦の問題なんですが、総理、貿易摩擦というのは黒字の問題ばかりじゃないと思うんです。日本の輸入急増によって後進国との競争に耐えられないであっぷあっぷしたり、失業問題起こしたり、業界が傾いているところも、繊維とか、それからさっき言った水産庁なんかでも、ほかで締め出し食らっちゃうというとみんな船員が失業する、こういう問題が非常にあるわけなんです。全般的に見ると、そういう貿易摩擦は、個々の問題もさることながら、やはり大きな黒字があるわけなんで、それに対して対処の仕方ということで、うちの佐々木委員長なんかが代表質問で、政府のそういう貿易摩擦についての基本的な対策はどうかというふうにお尋ねしたのですが、どうも十分明確でない、こういうことでございますので、総理並びに企画庁からはっきりひとつお答えを願いたい、こう思います。
○国務大臣(金子一平君) 貿易摩擦に対する国内対策どうするのだ、はっきりしてないじゃないかという点でございますが、これはたびたび申し上げておりまするように、今日財政事情から十分な財政政策が活用できるような状況にはございませんし、また金融政策にもおのずから今日の金融緩和の状況では限界がございますから、やはり我が国経済の潜在的活力を十分に引き出すような内需中心の政策をしっかり的確に進めるということが大切なことであろうと考えるのでございまして、そのために一番大事なことは、やはり思い切った行政改革を徹底いたしまして、高度成長以来のぜい肉を中央、地方の行政につきましてしっかり洗い落とす、あるいは財政改革をしっかりやって歳入歳出の見直しをするとか、あるいはまたいわゆるデレギュレーションと申しますか、政府の許認可事務が余りにも民間活動にたくさんかけられ過ぎておりますし、政府のまた行政規制も、法的規制もたくさんございますので、そういったものを外しまして、民間活力が十分に発揮できるような環境整備をしっかりやるということが一番大事なことじゃなかろうかと思うのでございます。 これをやりますためには大変やはり時間がかかりまするけれども、一つずつ的確に永続的にこれを続けていこうということで、今これを中心にしっかりやっておるような最中でございます。と同時に、財政事情は大変厳しい中ではございましたけれども、六十年度におきましても、一般公共事業の事業費につきましても前年度を上回る三・七%の事業量を確保いたしましたり、基盤的な技術の促進のために投資減税をやったりして、内需が拡大できるような呼び水だけはしっかりとつけておるつもりでございますが、なお三治先生御指摘のような点につきまして、今後も十分にひとつ注意をしながら政策を進めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカを中心にする対日貿易摩擦あるいは東南アジア、ヨーロッパ方面からのいろいろな苦情、示唆をよく我々は検討して対策を講じておるところであります。 アメリカの場合を考えると、やっぱり強いアメリカ、ストロングアメリカ・ストロングダラーズと、そういう関係でアメリカのドルが非常に強くなってきておる。強いアメリカという意味の中には経済的な強さと、それからいざという場合に、万一の場合に金が安全な場所へ逃げていく場所、つまりセーフヘーブンという、そういう面もあるのだろうと思います。そして、ドルが強いがゆえに結局は輸入力がふえて輸出力が減殺する。そういうことで日本からも相当な輸出が行き、かつ資本がアメリカに吸着される、こういう現象も起きておるんです。ですから、基本的にはそういう問題が解消されていかないと、長期的には難しい面もあります。これからは、しかしお互いの努力でソフトランディングという形でやるようにしよう、そう私はレーガンさんにも言ってきたところであります。 当面の対策としては、いろいろ理由はありますけれども、ともかく四百億ドルに近い日本の輸出超過というものが出てきておりますから、これを何とかしないというと、アメリカ側の非常に大きなインパクトをつくっておる。現在、アメリカの内部の情勢を見ますと、ある人は私にアメリカから帰って言ってきましたけれども、非常に対日経済関係というものはよくない、感情もよくない、今までの過去の例で見ると、イランが人質をやったときに、日本がイランから石油を買いましたね、それで非常に対日感情が悪化したと。あれに匹敵するぐらい議会方面は悪くなっておる、したがってしっかりした対策も早くやらぬといけません、しかもそれを劇的効果をもってやる必要があると、そういうことを私に言ってきた人もありまして、海外電報等を読んでみますと、まさにそういう憂うべき事態でございます。 割合日本人の方は、おれの方には責任はないよ、これこれの原因があるのではないかと言っておりますが、確かにそういう面もありますけれども、現実問題として、かつてOPECの国々が石油を輸出して世界じゅうのドルを自分のところへため込んでしまった、それに負けないぐらいのものが今日本一国で起きているじゃないかという意味で、このインバランスは世界経済の正常な運行を妨げておる原因になっておるという指摘もあるわけです。こういう点は原因のいかんにかかわらずやっぱり直していく必要がある。 そういうことで我々も努力して、一番要求されておる市場の開放問題について、彼らに口実を与えないようにする。口実を与えていると、貿易法を発動していろいろな保護政策が実現される危険性がことしはもう出てきております。アメリカ大統領に授権されておりますから、議会筋から大統領なぜやらぬか、対日輸入品に課徴金をかけようとか、さまざまなものが出てくる危険性が現に今あります。そういう意味でも口実を与えないような措置をやる必要がある。 そういう意味で、今、当面の問題としては、四部門におけるアメリカとの摩擦解消、日本の市場開放に今全力を注いで、私自体も何回か閣僚の皆さんにお願いし、また担当の事務次官に来てもらいまして進捗状況を調べ、また自分でも直接これはどうか、これはここまでやれぬか、そういうことをお願いして今努力しておる真っ最中でございます。そういう意味で、市場開放の誠意を示しまして、当面この危機を乗り切るということで全力を注いでおる。国民の皆様方にもいろいろな御迷惑やら、あるいは正常な感情から見るとサービスし過ぎるじゃないかというようなお感じも出るかもしれませんが、ともかくそういう関係で今両国関係というものは憂いに耐えない事情も出てきておりますから、かなり政治としては決心をしてこれを乗り切らなければならぬ場でもあると思いますので、関係各省と一体になって今努力しておりますので、その点はよく国民の皆様方にも実情を御了知願いたいし、御協力を願いたい、そう思っておる次第でございます。
○三治重信君 企画庁長官、中曽根総理、対米関係の貿易摩擦の対処の仕方、非常に明瞭にはっきりされておるわけなんですが、どうも内需の振興対策については財政事情からいってはっきりした具体的なものがない。しかしそれは長い目で見るとやはり行政改革が一番効果があるだろう、こういう御意見については我々も全く同感なわけなんで、ひとつ民間活力の活性化、金でなければ制度の改革、意識の改革ということで活性化を図るようにして、内需の拡大対策にひとつぜひ努力をしてもらいたいと思います。 しかし、アメリカにばかり気をとられてしまわないで、やはりアメリカへどんどん輸出して黒字にうまいところ成長する業種もあるけれども、一面繊維とか水産とか林業とか、そういう国民生活に密着していて多数の中小零細企業の従事している産業が後進国からの輸入で圧迫される。また、これは悪いことに、後進国と日本との関係でいくというと、貿易黒字だというところからやりにくいところあるけれども、また国内の供給体制、国民生活というものを考えると、やはり日本がアメリカに対する集中豪雨的な輸出に対して非常にいろいろの貿易摩擦問題の解決へやったように……
○委員長(長田裕二君) 三治君、時間が参りました。
○三治重信君 そういう対処の仕方を、プラスの面とマイナスの面とあることを考えて、ひとつそちらの方も忘れないでやっていただきたい。こういうふうな対策をお願いしたい。
○委員長(長田裕二君) 以上で三治君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(長田裕二君) 次に、青木茂君の総括質疑を行います。青木君。
○青木茂君 与えられました貴重なわずかな時間をあえて割いて、━━━━━━━━━━申し上げておきます。 きょうは元来予算委員会は十時から始まる予定であった。それが二時間延びて、始まったのが十三時半なんですよ。その一体理由はどこにあるか、━━━━━━━━━━これだけにとどめておきますけれども、とにかくむだしないようにしてください。(「委員長答弁」「委員長説明する必要がある」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)説明してくれますか。答弁しますか、時間がたつだけですから。
○委員長(長田裕二君) いろいろな事情がございまして一時半開会に至りましたことは委員長としても遺憾に考えております。どうぞひとつ御理解いただいて質問に入ってください。
○青木茂君 本題の質問に入ります。 私は、前回の集中審議でサラリーマンの必要経費の問題につきまして大蔵当局に二つの担保をお願いいたしました。一つは給与所得控除、これはサラリーマンの必要経費を踏まえてはいるけれども、その他の要因、資産性の問題であるとか把握性の問題であるとか金利調整であるとか、そういうものも含んでいると、これが第一の担保でございます。それで、必要経費の中に入っているとするならば、大体一〇%内外であろう、これが第二の担保。これよろしゅうございますね。
○政府委員(梅澤節男君) 第一点についてはそのとおり御説明申し上げました。第二点の点につきましては、若干議論をさせていただきませんと、一〇%分が必要経費であるというふうに私どもは御説明申し上げていないわけでございます。
○青木茂君 その点、私確認をして言いましたから、一回議事録ができましたらよくお読みをいただきたいと思います。 それから、第三の担保は戦後財政の見直し、これは必ずしも間接税によって増収を図ろうとか、あるいはそれをねらっての議論であってはならないということを大蔵大臣に求めたわけですけれども、それはそれでよろしゅうございますね。
○国務大臣(竹下登君) 結構でございます。
○青木茂君 じゃ、ちょっと資料を分けます。 〔資料配付〕
○青木茂君 ただいま配付していただきましたところの資料は、総理府の家計調査から大体サラリーマンの必要経費と思われるものはこれぐらいのものであろうということを、国会に大蔵省の方が提出をいたしました資料を原資料に当たってさらに詳細につくったものでございます。そういたしますと、一番左側ですね。大体一〇・二%という数字が出て、これが一割内外の一つの根拠になっておると思いますけれども、これを一つ一つ見ながら検討をしていただきたいのですけれども、第一の背広というのが一年間に一万四千五百四十九円。これは三年に一回しか買ってない、こういうことですね。これが果たして常識的であるかどうか、現実的であるかどうか、これをまずとりあえず当局に伺いたいのです。
○政府委員(梅澤節男君) この資料は毎年国会にたしか昭和四十七年以降提出していると思うわけでございますが、これは毎年家計調査の実績で拾い出した数字でございまして、現実的であるかどうかという御議論はともかく、家計調査の実績の数字であるということでございます。
○青木茂君 しかし、サラリーマンの必要経費はこんなものであろうということを、これは私どもが要求したのじゃない、大蔵当局が家計調査の品目をピックアップしてお出しになったわけですから、それはそれなりに私は当局に責任があると思うわけなんですよ。とにかく背広が三年に一着だと、夏服と冬服とあるとすれば六年に一着ですからね。それとか、ワイシャツが一年に一枚であるとか、靴下が二月に一足であるとか、ネクタイが一年に一本以下であるとか、およそ違うのですけれども、とにかくお出しになったのだから何か説明があっていいはずなんですよ。家計調査だけだ、じゃ、なぜ家計調査から必要経費らしきものをピックアップしてお出しになったか、こういうことなんですが。
○政府委員(梅澤節男君) この作業は、昭和四十六年の税制調査会の答申をまとめられる際に初めてこの作業がされたわけでございます。その答申にも書いてございますけれども、サラリーマンの勤務に伴う経費というものと、いわゆる家事費の区別というのが非常に難しい、この区別が。例えば洋服とか背広、ワイシャツにいたしましても、事業所得者でもやっぱり使うわけですね。そういたしますと、サラリーマンの必要経費部分とは一体どの部分でどういうものかということは、結局基準が難しいから概算経費の控除という建前で現在給与所得控除というものができておる。その場合に、今の水準がいわゆるサラリーマンの勤務に伴う経費と見られるものと一体どれぐらいの水準にあるかという、いわばその物差しの意味で、その家計調査の中から普遍的にサラリーマンの勤務に伴う経費と目される費目を取り出したということでございますが、その税制調査会の答申にも書いてございますけれども、これが経費であるとか、そういうことを断定しているわけじゃない。家事費との区別も非常に難しい。いろいろ議論があるわけでございますけれども、そういう物差しとして提出をしておる。したがいまして、冒頭に、第二段目の御質問で一〇%部分が必要経費であるということを私ども申し上げたというふうにおっしゃいましたけれども、それはそうではない。先ほど申し上げましたのはそういう意味でございます。
○青木茂君 しかしながら、大蔵当局は事あるごとにこの数字をもとにして、サラリーマンの必要経費は一〇%内外であるということは当局の方が外で御発言なさっていらっしゃいますよ。一昨日のテレビでもそうだった。ですから、それは私どもが要求したのじゃない、みずからずっと連年国会にお出しになって、それでなおかつそうであるとかないとか言われたのでは少しこちらも困るんですけれども、現実の問題として私は背広は職場で使う以上これは立派な作業着ですから、サラリーマンの必要経費と目していただいたということは評価しますよ。横にも男子の洋服だとか上着というのを追加している。これは当然私はそれでいいと思います。 その次に、これを一つ一つやっておったら時間幾らあっても足りませんから飛ばしますけれども、「洗濯・理容」というところを見てください。この理髪ですね。年間七千四百十三円というのはどこから来ているのか。これは年に四回、一回に一千八百六十円というのが原資料なんですよ。幾ら家計調査でそうなっているといって、大蔵省が自主的にお出しになったのだから、こういうのを見ておかしいなと思わなければどうにもこっちは納得いかないんです。 そこで、ちょっと総理に伺いますけれども、総理は非常にファッショナブルなヘアスタイルですね。大変散髪代も高いと思いますけれども、そのお立場から見てどうですか。年間七千四百十三円、これがサラリーマンの散髪代である、どういう御印象ですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 東京あたりではちょっと低過ぎる、そういう気がしますが、しかしサラリーマンの方々も自分の家庭でヘアアイロンを持っておったり、シャンプーをやったり、また場合によっては奥さんがやってくれるうちもありまして、私なんかは大体一・五カ月に一回ぐらい行っております。ですから、人によってみんな違うのじゃないですか。
○青木茂君 本当ですか。そのヘアスタイル、一・五カ月に一回とは考えられないと思いますけれどもね。もちろん人によって違うと思いますよ。しかし一年にとにかく四回、単価が大体千八百六十円というのは、これは大体今そればかりでやれっこないんですから、そういう意味においてもこういう項目をお挙げになる以上は私は実態に即した数字を出すべきである、別に家計調査にとらわれなくたっていいのだから。そういうふうにまずこの問題については思います。 それから、その次の「新聞・書籍」ですけれども、この新聞、書籍は余り問題ない。むしろ新聞、書籍の問題につきまして私は非常に大蔵当局の考え方を高く評価したわけなんですよ。と申しますことは、この「新聞・書籍」の内訳の中に、教科書それから学習参考書、こういうものまで入っている。これは教科書、学習参考書ですから明らかに子供にかかる費用です。その子供にかかる費用まで大蔵省が自主的にサラリーマンの必要経費としてお出しになったということは、我々が望んでやまないところの教育費控除、これの芽生えがこの中に出ているということなんです。しかし、教育費控除を考えるならば、なぜ授業料まで入れないか、給食費まで入れないかという不満は残るわけだけれども、子供にかかる費用をサラリーマンの必要経費らしきものに大蔵省が自主的にピックアップなさった、これは大変いいことなんですけれども、そう理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(梅澤節男君) 大変御評価をいただいたわけでございますけれども、四十六年当時の作業では教科書とか参考書というのはそれ以上ブレークダウンしたものがないわけでございます。したがいまして、子供さんの教科書もあれば、やはり勤めているサラリーマンといえども職業上の勉強をし参考書を持っておるであろうということで、子供さんの教育費を必要経費という観点ではなくて、自己研修費の必要経費ということで、しかし内訳がとれないものでございますからなるべく広くとったということでございます。
○青木茂君 それはおかしいです。この数字は五十八年の数字でございまして、原典であるところの家計調査の第十六表、この数字ですね。この数字を原典で見るならば、教科書、学習参考書は教育の一項目として出ていますよ。サラリーマンの研修費とは全く別な項目で出ていますよ。見てください、それじゃ原典を。
○政府委員(梅澤節男君) ただいま御説明申し上げたとおりでございます。
○青木茂君 原典をここに持ってきておりますけれども、御説明申し上げましたとおりですとおっしゃったって、まさにはっきりと教育の一つの項目の中にこの数字はあるんです。説明も何もありゃしませんですよ。もう一回ひとつ。
○政府委員(梅澤節男君) 教育という大きい項目がございまして、授業料等とか、それから教科書、学習参考書、全部分けて書いてあるわけでございまして、これは子弟の教育だけのことに限定した費目ではない。例えば、今おっしゃったような議論に立ちますと、我々は授業料まで拾わなければならなかったわけでございますけれども、授業料は拾っていないわけでございます。
○青木茂君 だから、なぜ授業料を拾わなかったかということを伺っておるのでしてね。教科書千三百三円、学習参考書六千七百十三円、これは明らかに教育の一項目ですよ。そうして家計調査は後ろの方に、どういう費目をこの中に入れたかということが付録八というところに明らかにあるわけなんですよ。それを拾ってみますと「学習参考書、ドリル、ワークブック」「予備校の教科書、テキスト」、こう書いてある。サラリーマンの研修費なんて書いてありません。
○政府委員(梅澤節男君) これは先ほども申し上げましたように、サラリーマンといえども自己の職業上の勉強ということでいろいろ書籍を買うわけでございますね。そういたしますと、もう一つ「教養娯楽」の項目がございますが、例えば、そういうものの中にそういう費目が入ってないわけでございますから、やはりそういうものとして拾い上げるとすれば、この教科書なり学習参考書、それを丸々拾っておくという作業を四十六年当時からされたのであろうということでございます。
○青木茂君 どうもよくわからないのですね。教科書と学習参考書はこの表の原資料の中に丸々この金額が教育費の一項として入っているんですよ。全くもってサラリーマンの研修費というような教養娯楽的なところに入っているわけじゃないんですよ。昔はそうだったかもしれないけれども、これは五十八年の資料に基づいてお出しになったのですから、これをサラリーマンの研修費と言っちゃったらこの資料自体が僕はおかしくなっちゃうと思うんですよ。そうすると、非常に好意的に解釈しまして、お間違いであったということでよろしゅうございますか。
○政府委員(梅澤節男君) 間違いではございませんで、最初に申し上げましたように、これは家計調査の実績の中からサラリーマンの勤務に伴う経費と目されるもの、これは非常に家事費との区別が難しいわけでございますけれども、なるべく網羅的に拾おうという作業をされた結果でございます。
○青木茂君 なるべく網羅的に拾っていただいて子供に関する費用がここに出てきたと。問題はそこなんですよ。サラリーマン自身の教科書でもなければサラリーマン自身の学習参考書でもないんです。教育費の教科書と学習参考書に金額がずばりと合うんですよ。それをとにかく項目をピックアップなさったのは当局自体なんだから、すると、ピックアップするにはしただけの理由があると思うんですよね。だから、今の答弁じゃわからないです。
○政府委員(梅澤節男君) 何遍も同じことを申し上げておるわけでございますけれども、子供さんの教科書、子供さんの参考書、つまり教育費がサラリーマンの必要経費であるという観点から拾われたものではございません。
○青木茂君 じゃ、どういう観点からこの教科書と学習参考書をお拾いになったんでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) そのほかに他の項目で新聞とかいろいろございますが、通常のサラリーマンが目を通される書籍類等の中でやはり教科書とか専門書のようなものも、これはサラリーマンが買わないという前提に立つ方がかえっておかしいわけでございまして、職業上必要なものを購入されるという場合もあるわけでございますから、しかしそれが家計調査の中では区分がつかない、したがって網羅的に拾ったということでございます。
○青木茂君 区分がついているんですよ。家計調査の中ではこの教科書、学習参考書、ずばりこの金額が教育費の一環としてあるんですよ。だから区分がつくもつかぬもないんです。このものの中にサラリーマン本人の直接の学習参考書とか教科書というのが入っている余地ないんです。どう考えてもないんです。
○政府委員(梅澤節男君) 教科書というのは、この項目から見ても小学校から大学に至るまでのあらゆる教科課程の教科書のほかに専門書も入っているわけでございます。参考書も入っているわけでございます。したがいまして、子弟のためにそれが支出された部分もございましょうけれども、やはりサラリーマンで働きながら勉強される人もおるわけでございますから、そういったものを網羅的に含めようという意味で拾われたということでございます。
○青木茂君 子供の教科書であるとかドリルであるとかワークブックであるとか、そういうものを働きながら勉強しますかね。まあしかし間違いであったと言ってしまえばそれでいいんですけれども、こういう細かい問題で大論争をやろうとはゆめ毛頭考えておりませんから。しかし、やっぱり表を国会にお出しになるんですから、そこのところはひとつできるだけ細部にわたって吟味してお出しをいただきたいと思うわけでございます。 次へ移ります。小遣い。小遣いというのを必要経費に入れていただいた、これは大変ありがたいのですけれども、小遣いでももう一つ私ちょっと伺っておきたい。小遣いを入れるなら、いわゆる一般外食と申しますか、昼食といいますか、そういうものも入れてもいいのじゃないかと思いますけれども、この小遣い三十四万五千二百四十六円、この中には実はサラリーマン本人の小遣いだけでなしに世帯員の小遣い三万四千四百四十一円が含まれておるわけです。これも私は実は高く評価して前向きに言ったんですけれども、何かまたそうでもなさそうだな。つまりサラリーマン本人の小遣いだけではなしに世帯員の妻の小遣いまで入れてくれるということは、そこにやや二分二乗的な考え方の芽生えがあるのかなという気がしたんですけれども、そこのところはいかがですか。
○政府委員(梅澤節男君) これも先ほどの議論とやや類するわけでございますけれども、考え方はやはりこの表そのものがサラリーマンの勤務に伴う経費と一致してどういうものがあるかという作業で拾われたものでございますから、考え方はサラリーマン個人の小遣いということでございますが、これはいろいろなものが家計調査の中では区分されておりませんで、小遣いとして出ておるものでございますから、全体として計上しておるということでございます。
○青木茂君 そんなことないんです。家計調査の中では明らかに区分されているんです。区分されているから、私は世帯主本人の小遣いが三十一万八百六円、妻小遣い、家族小遣いが三万四千四百四十一円と数字までぴしゃっと言っているんだから。区分していないのじゃないんですよ、区分されているんですよ。だから、区分されてないからということは全くわからないです。
○政府委員(梅澤節男君) これも当時の作業の記録がございまして、世帯主の小遣いとその他の小遣いと書いてございますけれども、実際の世帯の中心になっている人が、世帯主が有業者であるのか、有業者でない場合もございますね。だから、そういうものを考えた場合に全部ひっくるめて入れた方が無難であろう、そういう作業経過でございまして、二分二乗とか奥さんの小遣いまでサラリーマンの必要経費で見るというような思想ではございません。
○青木茂君 しかし、これは家計調査、五十八年第十六表なんですよ。第十六表はわざわざ標準世帯として有業人員一人というやつをわざわざ拾っているんですからね。この中から、それはまあ髪結いの亭主ということもあるからあれですけれども、普通、世帯主というものと家族、つまり共稼ぎは入ってないわけです。だから、そういう意味におきまして小遣いというものは三十四万は挙げるということは、私はこれは、しかも区分されているのだから、当然何らかの意味があると思わざるを得ないんですけれども。
○政府委員(梅澤節男君) ただいま申しました作業上の理由で全部従来から含めて計算をしておるわけでございます。
○青木茂君 もう一回その作業上の理由というのを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) 世帯主の小遣いとその他の小遣いというふうに分けておりまして、世帯主の小遣いが圧倒的に大きい金額になっておりますけれども、やはり世帯の類型を見まして、それは世帯主でない方の有業者もいるかもわからない、したがって、厳密な分析というのは、集計表だけで議論されておるわけでございますからわからないわけですけれども、網羅的に拾うという観点からいえば、どちらかといえばこれを全部入れておいた方がいいだろうということで従来作業されておるわけでございます。
○青木茂君 よくわかりませんけれども、非常に好意的に考えましてそういうことにしておきましょう。 ただ、これで一つ言えますことは、これは有業人員一名の統計でございますから、そうすると職を持っている者が三十一万八百六円の小遣いを使い、家に残っておる者が三万四千四百四十一円であるということは、外に出ればそれだけの経費がかかるんだということの一つの証明であるということはいいですね。
○政府委員(梅澤節男君) これはまさに実績がそういうふうに出ておるわけでございますから、それは先ほど委員がちょっとお触れになりましたけれども、我々もそういう経験があるわけでございますが、外食費なんかはむしろお小遣いから支弁しておる。家計調査に出てきている外食費というのはむしろ家族で一緒にレストランへ行って使われるような費用というふうに分けた方がいいのじゃないかということでございます。
○青木茂君 この外食費の内容につきましても、詳細を、内訳を見ますと、必ずしもそうばかり言えない点がございます。 時間がたってきますものですから、今度は交際費に移ります。 交際費、つき合い費ですね。これ何ですか、一万二千一百四十七円が年間のつき合い費、これは一体どういうわけなのか。そして何で贈与、負担、冠婚葬祭費をあえて落としたのか。贈与というのはせんべつその他ですから、負担というのはまさに労働組合費が入っていますから、この負担という項目の中には。冠婚葬祭はサラリーマンであるから非常にたくさん要るんですよ。家計調査では三千三百二十四円なんて考えられない数字が出ていますけれども、つき合い費一万二千一百四十七円、これは金額は一万二千一百二十七円というのはミスじゃないかと思いますけれども、まあどっちでもいいですけれども、これを入れて贈与、負担、冠婚葬祭費というようなものをなぜお抜きになったのか。
○政府委員(梅澤節男君) つき合い費は家計調査そのものの数字を捨い出しておるわけでございます。 それから、冠婚葬祭に伴うものを一体どう見るのかということでございますけれども、これはサラリーマンに限らず慶弔というのはあるわけでございますし、それから慶弔ということになりますと直には結びつきませんけれども、税制上は例えば香典をいただいたり、それから結婚の場合の祝い金をいただいた場合に一応税の外に置かれているというふうな経費でもございますし、これがサラリーマン固有の経費であるかどうかということはなかなか問題ありということで、従来からこの慶弔関係の費用は含まれてないわけでございます。
○青木茂君 しかし、負担費の中には明らかに労働組合費が入っているのだから、それを落とすのはこれ今度は逆にその論理で言うとおかしいじゃないかと思いますけれども。
○政府委員(梅澤節男君) この家計調査の数字は、冒頭申し上げましたように、これが厳密にサラリーマンの必要経費であるという定義を下して拾い上げたということじゃございませんで、ざっとごらんいただいた場合に、どういう水準にあるのかということでございます。したがいまして、この中で例えば労働組合費のような負担はあるいは入れるべきである、大きな金額ではございませんけれども、あるいはそういう議論もございましょう。しかし、先ほど申しましたように、小遣いの中とか、あるいは教科書とか、そういうものについてはむしろサラリーマンの経費としては含まれているのがおかしいのではないかということも、委員の方からある。そういった全般的な作業の数字でございますので、これ自身をここに網羅しているものが厳密にサラリーマンの経費であるし、これに計上されてないものは必要経費でないというふうなことを目途にしてつくられたそもそも経過から見てそういうものじゃございません。 それから、全体を通覧してごらんいただきますと、この経費のうちおよそ四分の三を占めておるのは小遣いでございますね。先ほど背広が三年に一回おかしいではないかと、これは実際は平均でございますから、これを収入区分別に見ますと、上の収入階層ほど背広の買う回数は大きくなってまいります、この家計調査から拾いましても。あくまで平均の数字ですから、そういった全体の平均的なサラリーマンの家事費との区別が非常につきにくいわけでございますけれども、そういった物差しとしてわきに置いて見ていただきたい、そういう資料なんでございます。
○青木茂君 物差しとしてわきに置いてほしいとおっしゃいますけれども、サラリーマンの必要経費問題が起きましたときに、大蔵当局はとにかく一〇%、一〇%というのは再三にわたっておっしゃっておるわけなんですよ。一昨日のNHKのニュースセンター九時ですか、その中でも国税庁の方は一〇%内外だということは明確におっしゃっておるわけなんだから、今になって一つの目安だと言われてもちょっと私納得できないんですけれども。 例えば民間の冠婚葬祭費の調査を見てみますと、これは住友銀行が五十八年四月にやった調査ですけれども、日常交際費として四十九万五千六百円年間かかっている。冠婚葬祭費としてそのほか十六万一千九百円かかっている。それから小遣い、これは太陽神戸銀行がやった調査ですけれども、年間四十九万六千八百円かかっている。富国生命が五十八年六月にやった調査、日常交際費四十四万六千四百円事実かかっているのです。これはサラリーマンだけをとっての職場交際費です。 こういう民間調査があるから、もしそれならばせっかくここまで項目を拾い出していただいたのならば、民間実態に合わせて大蔵自身が実際サラリーマンがかかったと思われる数字を積み上げていただいて、それが一体収入の、年収の同%になるか、だからこれぐらいなものだと、だから給与所得控除の中に含まれているとか含まれていないとか、こういうやっぱり作業をやっていただかないと、必要経費に対しますところのサラリーマンの不平と不満というものは依然として残りますね。やっていただけますか、これはこれでいいから、これから。
○政府委員(梅澤節男君) 最初から申し上げておるわけでございますけれども、家事費とサラリーマン固有の必要経費をどこまで見るかというのは非常に難しい問題があるわけでございます。だからこそ、どこの国も背広とかネクタイ、冠婚葬祭というようなものを、所得税の実額控除を認めておる国でもそういうものを認めておる国はないわけでございます。本来そういったものだと思うわけでございます。 したがいまして、こういった家計調査を一つの参考にしていただきまして、しかも我が国の場合は概算控除の水準も諸外国よりは高うございますから、いわゆるサラリーマンの経費部分をカバーしているかどうかという議論、これは三〇%が今平均でございますけれども、そのうち一〇%部分は必要経費である、計量的にということを私ども申し上げることは毛頭考えていないわけでございますけれども、非常に高い水準にあるということだけはおわかり願いたいということを申し上げておるわけでございます。
○青木茂君 この問題は、いろいろな水かけ論になりますからやめますけれども、とにかく当局の方でこの数字をもとにしてサラリーマンの必要経費一〇%内外だということを各所で言っていらっしゃることは紛れもない事実なんですよ、私のうちにビデオありますから。私はとにかくこういうような項目を合計したら当局計算では一〇・二%である。私がそれを追加したら七・四%、同じ家計調査という平均データを使っても七・四%、それを民間のサラリーマンの実際かかっているところの必要経費を合計したらこれは三〇%に迫るか、これはるかに超えるわけなんです。そうすると給与所得控除というものは他のほかの要素もあるのだから、平均三〇%は足らぬと、こういうことになるわけです。この点につきましてひとつ大蔵大臣の御見解を承りたいのですけれども。
○政府委員(梅澤節男君) 大臣の御答弁の前に一言だけ補足させていただきたいと思います。 今委員が追加されておる費目でございますけれども、冠婚葬祭費との問題点については先ほど申し上げました。それから交通通信が入っておりますけれども、これは通勤手当というのは本来非課税でございますから、それから出張旅費なんかをもらった場合も、これは非課税でございますので、その辺は委員の御提出になったものについても私どもいろいろ言わせていただきたいことはたくさんあるわけでございますけれども、いずれにしてもサラリーマンの平均の給与所得控除の水準は収入に対して三〇%でございます。家計調査で積み上げました平均が一〇%でございます。委員が全部積み上げられまして、これ一七%でございますか、そういうことであるということでございます。
○青木茂君 そうなると、また局長ともう少しやり合わなければならなくなるのですけれども、いいですか、交通通信費はそういうこともあるだろうと思って私は実際の数字をあえて三分の二縮めました。サラリーマンが深夜業をやりますね。深夜業をやって、家が遠くて帰れなくてタクシーに乗って帰りますわ。あるいはビジネスホテルに泊まりますわ。そういうものは外国ではみんな必要経費ですよ。ですから、そういうものを含めて私は交通通信費としたわけで、これは今局長の御答弁はそれは聞こえませんと言わざるを得ない。遠慮してこちらは三分の二にしているんだから。一年間にはかなりのタクシー代使いますよ。そういうこと、まあそれはそれでいいわ。 大臣、ひとつ今一問一答をお聞きになっておりまして、御見解をちょうだいしたい。
○国務大臣(竹下登君) 今の一問一答で、みんなそれぞれ関心を持って聞いておりましたが、したがって、やっぱりそういう一問一答を聞いておると、まさにこの税調の答申を読んでみてもわかりますように、「給与所得にとって何が必要経費であるかについて具体的な基準を設けることは容易でなく、この問題を残したまま実額控除との選択制を採用する場合には、立証技術の巧拙によりかえって負担の不均衡をもたらすおそれも強い。」、なるほどやっぱり一生懸命議論していただくとこういうことになるものだなということを問答を聞きながら感じさしていただきました。
○青木茂君 大臣、容易でないからといって問題の本質を逃げてしまって、容易でないものにぶつかる作業をしなかったら、あなた、政治なんて要らぬ。コンピューターでいいですよ。機械で計算できちゃう。サラリーマンに必要経費があるということになって、しかも給与所得控除の中のどれぐらいを占めているか、つまり給与所得控除の内訳がそこで出てこなければ何もこれからできないじゃないですか。じゃ、例えば給与所得控除以外の資産性所得に対する担税力の差を調整する、それはどれだけでありますかと聞いたら、これもわかりませんと。把握の調整がある、これは給与所得控除の何%であるかと聞いたってわからないですわ。ブラックボックスになっちゃったんです、給与所得控除が。 だから、ぜひここでお願いしておきたいことは、給与所得控除というものは大体必要経費調整がどれぐらいの割合であり、担税力調整がどれぐらいの割合であり、把握力調整がどれぐらいの割合であるということの概算ぐらいはもう示さなきゃ、全くもって給与所得控除ですらすらすらと逃げる。こんな税制ないですよ、どこの国でも。この点、大臣いかがですか。
○政府委員(梅澤節男君) これはシャウプ勧告に有名な言葉があるのですが、いろいろな控除について計量的に正確な基準を求めることはできないと。これはどこの国の税制もそうだと思うんですね。人的控除についても概算控除についても、そういう具体的な積算基準というものが出ないからこそ税法で概算基準というものを設けておる。それは結局税率構造と組み合わせて終局的な税負担が一体どういう姿になっておるのか、それぞれの控除は税率構造等含めまして税負担を最終的に決める一つ一つのエレメントにしかすぎないわけでございます。税の議論というのは、私ども従来やっておりましてそういうことを痛感するわけでございまして、我が国の概算控除につきまして、この部分が経費部分、この部分が捕捉漏れの部分、あるいは捕捉控除の部分、あるいはこの部分は源泉徴収による金利部分というふうなものを計量的にお示しするということは性格上なじまないというふうに考えております。
○青木茂君 これは取る側の論理であって、納める側で給与所得控除がこれだけであると言ったら、それは一体どういう内容がどれぐらい含まれているのかを知らなければ自分の税金が正しいか正しくないかはわかりませんよ。だから、税というものはあくまで納める側の論理というものを中心に私は組み立ててほしい。徴収する側の論理一本で押したって、それは国民、特にサラリーマンは納得できないということなんです。しかも外国では全部実額と概算の選択は認めているんですよ。ドイツにしたってアメリカにしたって認めておるわけですよ。だから、取る側にそういう論理がおありになるならば、せめて外国の税法のように、実際かかった必要経費と、そして概算でやったものと納税者が好きな方をとるという、これは総理のおっしゃる選択の私は一つの内容だと思いますけれども、そこまでいっていいじゃないですか。
○政府委員(梅澤節男君) 外国の税制のことをおっしゃいましたけれども、先進国で実額控除の選択を認めている国が多いということは御指摘のとおりでございます。ただその場合に、実額経費として一体どういうものを認めているのか。例えば出張旅費、これは我が国の場合は経費と観念せずに頭から非課税にしているわけでございますね。それから通勤費、これについては我が国は限度を設けまして頭から非課税でございますけれども、イギリスやアメリカはこれは実額経費として認めていないわけでございます。それから、先ほど来議論になっております背広、ワイシャツ、ネクタイ、靴その他のたぐいというのは実額経費で認めている国はないわけでございます。 ただ一点、先ほど委員がおっしゃいました労働組合費につきましては認めている国があるというふうでございまして、実額経費といいましても非常に厳密な経費を特渇しておるわけでございまして、何でもかんでもサラリーマンだから領収証を持っていけば実額経費が認められる、これは非常に誤解になると思うわけでございます。したがいまして、先ほど大臣が引用なさいました税調答申にも、我が国の給与所得控除の水準は非常に高いから、実額経費そのものの基準が非常に難しいこともさることながら、そういったものを認めても実益がないという議論をされておるわけでございます。 したがいまして、その給与所得者の税負担の問題は、この国会でも総理なり大臣から中堅所得者階層の問題が提起されておりますけれども、それは先ほど申し上げました、あらゆる人的控除、税率構造を踏まえてトータルとしてどういうふうな議論をするのかということが問題でございまして、日本のサラリーマンが実額経費が税法上認められていないから非常に不公平であると、これは非常に私は一般サラリーマンの方の誤解を招く税議論であるというふうに考えております。
○青木茂君 誤解じゃなくて、サラリーマンの真情の吐露です。 例えば、それじゃ西ドイツの税法を考えてみますと、必要経費とは何であるか。収入の取得、確保、保持のための支出、勤務関係により惹起される被用者の支出を非常に広く包含しております。それから、今や世界的な傾向として、給与所得者の必要経費の費用収益対応の法則が崩れつつあります。例えば、転職するために職業紹介所に頼んで紹介料を払った、これまで必要経費に認めるという方向すらアメリカでは出ておるわけだから。 だから私はいいんですよ。概算と実額の選択でやってもらって、そして得な方を納税者がとる、そういう制度をつくることが問題であって、細かいことの内容はこれから詰めればいい。とにかく給与所得者の必要経費が天下りでぴしゃりと押さえられるというこの制度そのものに無理があるんではないかということを指摘しておるわけです。まあいいです。 企画庁長官に伺いますが、企画庁長官は、今は企画庁長官ですけれども、大蔵畑の大先輩ですから、今の議論をお聞きになっておりましてどんな御印象でしたか。
○国務大臣(金子一平君) これは青木委員なかなか本質をついた鋭い論戦を展開されましたが、古くて長い論争の種でございまして、なかなかやはり政府側として、これはこうですよ、ここまでは認めていいですよという結論は簡単に出せない問題だろうと、率直にそういう感じがいたします。
○青木茂君 じゃ、もう一回整理いたします。 とにかくサラリーマンにも必要経費があるということは認めてもらって、これは問題ない。そして、私が当局と同じデータを使ったら一〇%でなしに一七%まで広がった。民間の実態を使えばこれは二割をはるかに超えて三割に迫る。しかも給与所得控除は必要経費以外の内容も含まれているんだということになれば、三〇%というものがサラリーマンの諸控除、特有の諸控除として十分であるということは必ずしも言えないんですよ。つまりサラリーマンは、これは下手をしますと払わぬでもいい税金をずっと四十年払わされ続けてきたのじゃないかという疑問さえ私は出てまいります。サラリーマンの総元締めである労働大臣の御見解を伺いたいですね。
○国務大臣(山口敏夫君) 税の問題がこの予算の衆参両院でいろいろ論議されているわけでございますけれども、青木先生のような立場からの、視点からの論議も大いに必要なんではないか、こういう印象を持って今やりとりを承っておったわけでございます。 労働大臣としては、勤労者の減税とか、あるいはサラリーマンの必要経費の問題、それから労働福祉の立場からぜひ進めたい、こういう考え方に立っておるわけでございますし、特に中高年の方とか中小企業に働く労働者のための家計の問題は大変深刻でございますから、そうした措置というものは一層進めていきたいという考え方に立つわけでございますけれども、御承知のとおりの厳しい財政事情でございますし、いろいろ今そういう立場から、総理や大蔵大臣も減税ができるような税制改革にぜひ取り組みたい、こういうことでございますので、政府部内でも大いにそういう状況をつくるために努力をしたいというふうに考えております。
○青木茂君 労働省、労働者と申しますかサラリーマンの職場と生活を守る総本山なんだから、こういう問題を余りグローバルにお考えにならずに、本当にサラリーマンの立場でいろいろな諸施策を出していただきたいということをお願いいたします。 逆に、今度はちょっと方向を変えまして、通産大臣に伺いますけれども、通産省というのは大体企業関係を所管しているわけだけれども、しかし、その企業の活力を支えているものは、これはやっぱり従業員で、いわゆるサラリーマンだから、そういう意味において通産行政の中にも僕はサラリーマンレベルというのか、サラリーマンに温かい目を向けた施策というものが、今はないにしても、これからはそういう視点で村田通産行政が行われてもいいんじゃないかと思います、いかがでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 青木委員の先ほど来の御質疑承っておりました。ただいま御指摘になられた点は大変ごもっともな点であると思います。 通産省といたしましては産業政策の推進という立場から見るわけでございまして、企業に働くサラリーマンを初めとする勤労者の福祉の向上が重要であると認識をしております。企業に働くものは人、そしてまた企業を支えるのは人でありますから、その視点を忘れて通産行政が成り立つわけはございません。こうした観点から、各種施策の立案に当たりましては、審議会などの場で勤労者の代表の意見を十分聞くという姿勢でございます。例えば通産省の設置法に基づいて設置をしております産業構造審議会であるとかあるいは産業技術審議会であるとか、そういったところには労働組合の代表の方々が参加をされ、いろいろな御意見を賜っておるところであります。 また、通産省が関与しております勤労者福祉政策の例を一つ申し上げたいと思いますが、先ほど労働大臣がお答えになりました労働省の所管の法律に、特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する法律がございますが、これに基づく対象業種や地域の指定に当たりましては通産省から要請を行っておるところでございます。今後とも委員の御指摘のような立場から、関係省庁とも十分な連絡をとりながら所要の施策を講じてまいりたいと思います。
○青木茂君 最後に総理の御見解をちょうだいしたいわけですけれども、とにかくサラリーマンが最大多数の有業人口です。今まで完全なる優良納税者であるわけですね。ですから、そういう層に対して政府として、総理としてどういう愛情を持った施策を考えていただいておるのかどうかということを、総理のお立場から明確にお述べをいただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、青木委員の御健闘に対して敬意を表する次第であります。それから、サラリーマン諸君は日本経済を支えて今日までの発展をもたらした上の大きな功績者であり、労働者の皆さんとともに我々は深く感謝しておるところであります。それらの方々の生活の問題については、政治としても最大限配慮をいたすべきものであると思います。 具体的な問題につきまして、今いろいろ問答をお聞きしておりましたが、必要経費の問題あるいは生活費との区分をどういうふうにするかという問題等々、いろいろな問題があると思いますが、これらの問題についても、我々は篤とこれから勉強していかなければならぬと思います。いずれ、サラリーマン諸君を含めて、所得税あるいは住民税あるいは法人税等の減税問題を政府としては取り上げていきたいと思っておりますから、その際に十分参考にさしていただきたいと思っております。
○青木茂君 どうも大政治家の答弁というのは、概念はわかるんですけれども、内容はよくわからないんです。とにかく我々の方としては毎年毎年源泉徴収でフルキャッチされているという現実なんだから、そして一方において、毎日の新聞紙上に脱税がぱんぱん出てくる、こういうような状況ですから、やはり優良納税者、完全納税者であるところのサラリーマンの税体系というものをいいかげんに扱っていただいては困るということを、くどくも辛くも念を押しまして、この必要経費問題は終わります。 問題を少し変えまして、文部省にちょっとお伺いをしたいんですけれども、毎年、今はシーズンが終わったわけでございますけれども、入学試験がございます。そうすると、第二志望、第三志望をどうしても先に受けてしまって、受かりますと、第一志望に入れるか入れぬかわからぬうちに一カ月分以上の入学金をぽかんと取られちゃうわけですよ。何ら教育報酬を受けないのに、入学権を確保するだけで何十万、時と場合によっては百万近い入学金を取られて、第一志望に受かったらそれは本当にどぶの中へ捨ててしまうような形になってしまうという現状がある。これに対して文部省は何らかの制度的措置を講じていただけないかと僕は思うわけなんですけれども、いかがでございましょう、文部大臣。
○国務大臣(松永光君) 先生の御指摘は、入学に当たっての学生が納付する金額の中で、いわゆる入学金と授業料と、それから施設設備費、この三種類あるわけでありますが、最初の入学料の問題だろうと思います。 元来、こういう学生納付金というのは、大学側と入学する者の当事者間で決めるべき事柄でありますが、しかし入学料は別としまして、授業料や施設設備費、これは入学をしなかった場合には返してもらう、あるいは先のことを考えて授業料その他については延納してもらう。そうすると先に払い込まぬでよろしゅうございますから、まあそういったことがなされておりますが、問題は入学金のことでございます。 入学金についてどう見るかという問題でありますが、学校の側からすれば、実際に自分の大学に入ってくれる学生数を早く確保したい、それがはっきりしないというと、補欠をどうするかという問題もありましょうし、言うなれば、この入学金というのは、言葉が適当でないかもしれませんが、まあ手付みたいな感じとか、あるいは何と言いましょうか、保証金みたいな感じがありましょうか、要するにもう学校側としては定数確保のためには、その入学金を払うことがこれは確定ですからね。そういうことに実はなっておるようでありまして、もっと前は授業料や施設設備費等についても払わせる例があって、そしてなかなか返ってこないということがあったわけでありますが、その点につきましては文部省の指導によりまして直りました。ほとんどが入学金以外のものは返す、あるいはまた、しばらく余裕を置いてそして納めさせる、こういう仕組みでございましたが、先生御指摘のとおり入学金だけは残っているわけであります。 これはなかなか難しい問題でありまして、大学の側の事情もありますので、よく検討いたしまして、入る人の立場からすればわからぬ問題ではありませんので、よく研究をし、そして納得がいくような措置がなされるように努力をしてみたい、こういうふうに思います。国立大学の場合はほとんどその心配はないようであります。
○青木茂君 前向きな御答弁いただいてありがたいのですけれども、入学者の数を早く知る、確保するということより、これは私学財政の一番大きな財源として、何が何でも取っちゃえということの方が大きいんです。私学財政考えればそれはそれでわからぬことはないけれども、しかし、払う方としてはたまったものじゃないんですよ。そういう意味で十分払う側の立場に立ってお考えをいただきたいということ。 それで、私は大蔵省にもう一回お伺いしますけれども、これは捨てるにしてもせめて寄附金控除の対象にするぐらいの制度的な措置は講ぜられないものでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 所得税法上の寄附金控除というのは、公共あるいは公益的な事業に対して市民が善意もしくは任意でいわば浄財を拠出していただく、それを税制上手当てをするという制度でございます。今問題になっております二次入学金の問題でございますか、これがいいとか悪いとか、やむを得ないとかいう議論は外にいたしまして、こういうものを税制上手当てするというのは、かえって税全体の公平という観点から非常に問題があると考えます。
○青木茂君 ですから、文部省が非常に前向きに御検討をくださって、払う側の立場から何とかしてくださる。例えば入学金の支払いをほとんど全部の学校の合格者発表が済んでから全国一斉にやるとか、こういうことならこの問題は解決するわけですからね。そこら辺の私は行政指導というものはやっていただきたいと思います。それがどうしてもできぬ場合は寄附金控除の対象にしろとお願いしておきましたけれども、これは確かに税理論上いろいろ問題があることは私もわかっております。私自身、何もエゴイズムに立たずに、税理論上問題があることは強くは言いません。しかしながら、払う方は大変なんだから、文部省ひとつよろしくお願いを申し上げます。 次の問題に移ります。もう一回税制の問題にまた戻ってまいります。サラリーマンの税金の不公平というもの、これは今申し上げました必要経費の問題もさることながら、もう一つ、さらにあるいは大きいのじゃないかと思われるのは、事業経営者は、先ほども少し問題が出ましたように、家族に対して給料をかなり払って所得の分散ができる。みなし法人なんというのに至っては本人にも給料を払っちゃうわけです、三分割ができる。累進税率である所得税のもとにおいては非常に総税額が安くなってしまう。ところが、サラリーマンはそういうことできないからえらい高くなってしまう。そういう意味におきまして、もうぼつぼつサラリーマン世帯に二分二乗方式を検討してもいい時期だと思いますけれども、この点に対する大蔵大臣、御見解いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる所得税に二分二乗方式を採用すべきではないかと。これは確かにこれも先ほどの経済企画庁長官の言葉をかりれば古くて新しい問題、その新しさがもっと新しくなっておるというのが青木さんの恐らく御議論の根底にあるかと思います。いろいろな過去の議論の中で、そういうのが生かされているのが、相続税は精神的にはそんなものが背景に私もあろうかと思っておりますが、さて、この問題も、まさに税制調査会の中期答申におきまして、要するに夫婦合算二分二乗方式を採用すれば負担に大幅な変動を生じて、共稼ぎ世帯や独身世帯が相対的に不利になって、いわば中高所得者層に負担軽減の効果が偏るという問題点がある、したがって我が国では大部分の納税者が年末調整を通じて納税を完結する効率的な制度となっておる、したがって合算課税というのはやっぱり今日の時点では非現実的ではなかろうか、したがって、課税単位、世帯単位とか、いわゆる二分二乗の夫婦単位とかいろいろな議論がございますが、この課税単位の変更を行うことは、現在の日本の社会構造、給与構造等から適当でないというふうに税制調査会から指摘されておるのも、やっぱり私はそれなりの指摘の仕方だというふうに考えております。
○青木茂君 これは、やりたくないと思うと税制調査会が出てきて、やりたいと思うとまた税制調査会が出て、何か税制調査会というのがかつてのGHQとか、あるいはちょっと政府の紅衛兵みたいな感じがしないでもないんだけれども、確かに税制調査会というより、これはもう税の原点に関する問題なんだから、僕は国会で十分議論すべきだと思いますね。二分二乗をとりますと共働きは確かに不利になります。これ、そうしたら勤労主婦控除というやつをセットに組めばこの不利は僕は解消されるし、それから独身者も確かに不利、独身貴族という言葉があって独身者は評判は悪いんですけれども、独身者の中には未亡人もありますし、母子家庭もありますからね。そういう意味においてこれらの人が不利になることは避けなきゃならない。それを避けるために、二分二乗的な概念をとっているアメリカでは税率を複数にしていますね。ですから、僕は、共働きに対しては勤労主婦控除で逃げられるし、それから未亡人、母子家庭、独身者を含めた広い意味の独身者では複数税率でカバーできる。そういう意味において所得分散の不公平というものがサラリーマンに非常にプレッシャーをかけているんだから、方法はあるんだから前向きにお考えになるべきときが既に来たと思うわけですけれども、さらにもう一度。
○国務大臣(竹下登君) 私は、同族企業の方の執行の段階でそれらの方々の不満が起こらないような対応をしていくというのが今の現実的対処の方法ではなかろうかなと。二分二乗の議論になりますと、やっぱり今度は世帯単位の議論になって、嫁入り前の娘が、うちはちゃんとこの家計を守っておってくれるからおれが働けるのだとか、いろいろな議論が展開していきますので、やっぱり私は税の単位を今変えるのは、これは現実問題として適当ではないじゃないか。むしろそういう不平不満が出るいわゆる同族会社等のあり方についての執行体制というようなことで、不平不満というものが和らぐような姿勢をとるのが現実的ではないかなと、こんな感じでおります。
○青木茂君 税調の話出ますけれども、例えば政府が何年前でしたか、みなし法人というのをおつくりになったときに、政府の税制調査会は猛反対したんですよ。にもかかわらず、つくっちゃったわけでしょう。だから、所得の分散ができる人の便利がいい方向へ便利がいい方向へ僕は政治が流れていると思います。ところが、サラリーマンの方にはそういう配慮は全然ない。やっぱり不公平と言わざるを得ないんですよ。僕はみなし法人なんてめちゃくちゃな制度だと思いますよ。だから、そっちの方を再検討するといったって、そっちの方は所得分散がどんどんできるような方向に政治が動いている。こういう現実があるんです。これに対して大臣いかがでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) いわゆるみなし法人課税、あれはたしか四十八年にできた制度だと思いますけれども、これは専ら中小企業対策と申しますか、中小企業の近代化という観点から、企業と家計の分離を税制面から促進する、いわばそういう政策税制として制定された経緯がございます。今日のこの問題の評価につきましては、税制調査会でもいろいろ御議論がございますけれども、この所得分散の議論はみなし法人の問題のほかに青色の家族従業者の給与の水準の問題がございますから、これはこれ自体として検討すべきであろう。ただ、我が国の中小企業は、企業と家計の分離、近代化という方向で、ある側面で税制が一つの役割を果たしてきたという面も私は否定できないと考えております。
○青木茂君 税制が一つの役割を果たしてきた、その背景の中に不公平税制の中にあえぐ四千万のサラリーマンがある。もうそれを今や救済するときなんだということを私はくどくも辛くも申し上げておるわけでございます。 もう時間が来てしまいましたから、最後に総理にお伺いを申し上げますけれども、総理の公平、公正、簡素、選択、活力というものですね。それ、やはりアメリカの今度の税制改正で言われておる内容に言葉自体は偶然非常に似ている。ただ、アメリカの税制改正の中で非常に強く言われているところの中立という言葉、中立という言葉が総理の御発言に欠けているんですけれども、この中立という言葉について、税における中立ですね。これは総理どういうふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中立というと、特別控除とかそういうもの、いわゆる政策税制的な要素をなくして、税制自体が積極的要素は何もとらない、プラスもマイナスもしない、そういう意味で中立という言葉が使われていると思います。私はそういう必要のあるときもあるだろうと思います。しかし日本の場合には政策的考慮を必要とする場所もありますし、今やっているところをまた廃止する必要もある。そういうような面でいろいろさまざまな日本的な特性というものも考えつつやる必要がある。そういう面から見ますと、今おっしゃった五つの原則の方が重点としては強い、そう思いまして中立という言葉は入れなかったのでございます。
○青木茂君 中立というのは必ずしも特別優遇措置的なものでなしに、一方において減税があり、一方において増収がある、つまりプラス・マイナス・ゼロである、つまり減税と財源、これプラス・マイナス・ゼロであって、新しいものつくらないんだと、こういう意味がこの中立という言葉に含まれているというふうに理解しておりますけれども、そういう考え方で仮に中立という言葉を理解するなら、総理いかがでございましょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) そういう意味では中立という言葉は使わないのじゃないですか。収支とんとんとか、そういうようなとんとんという言葉が日本では使われておるので、中立ということになると非常に定性的な性格が出てきて、そして特別政策、インセンティブ的要素をなくす、そういう意味ではないかと思います。
○青木茂君 日本語ではとんとんですね。プラス・マイナス・ゼロということですね。ただ、アメリカの税制改正の中に中立という言葉が出てきていますよ。そしてその解釈はプラマイゼロというような定義がなされていると思います。だからとんとん、プラマイゼロ。中立という言葉はあえて避けて、とんとん、プラマイゼロで結構なんですけれども、総理のシャウプ以来の抜本的見直しの中にこのプラマイゼロというものは強く意識なさっていらっしゃるわけですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は臨調答申を尊重するということを申し上げておりまして、臨調答申にはそれに関する臨調の御見解が明示されていると思うんです。ここで何回も御答弁申し上げたのです。あの趣旨に従ってやりたいと思っております。
○青木茂君 時間来ましたからあれですけれども、すべて問題が起きますと、あるときは税調、あるときは臨調、そういうことで、何か政治、国会の場というものが第二義的な議論しかできないような印象が私は少しございまして、紅衛兵だとかGHQだとか大変失礼な表現を使ったわけですけれども、どこにどういう審議会があろうとも、税とは政治なりという言葉もあるのだから、それで基本的に国会で議論すべきじゃないかと思います。それを最後に承って終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調答申と申し上げたのは、当面の財政再建においては、国民所得に対する租税負担率の上昇をもたらすような税制上の特別の措置を原則、基本的には行わない、そういうことを意味しているということを申し上げたのであります。
○青木茂君 終わります。
○委員長(長田裕二君) 冒頭の青木君の発言に関し委員長より申し上げます。 本日の委員会の開会がおくれましたのは、委員会の円満な運営を図るべく理事会において総括質疑中に生じた参考人出席など懸案事項に関する重要協議を行っていたためであり、理事会協議がむだであるかの印象を国民に与えかねない青木君の発言は穏当を欠くものとも思われますので、委員長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な措置をとることにいたしますので、ひとつ御了承願います。
○青木茂君 どうも大変失礼いたしました。
○委員長(長田裕二君) 以上で青木君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(長田裕二君) 次に、野末陳平君の総括質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 年金とか税金とか地方の行政改革について質問したいと思います。 まず、官民格差をテーマにした地方行革なんですが、私が五十五年三月に地方公務員の行き過ぎた休暇とか特殊勤務手当について質問をいたしまして、当時の後藤田自治大臣から実情に合わないものは是正するように指導するというお答えをいただいた。そこで、その後どういうものが是正されたかという報告をいただきたいので、まず休暇について五つ、六つ是正されたもの、同時にどこの自治体が是正したかというようなことをお願いします。
○政府委員(中島忠能君) お答え申し上げます。 先生から御指摘いただきまして、私たちの方では関係地方団体に強力に指導してまいりました。その結果、例えて申し上げますと、特別休暇では市制記念日休暇というのがございますけれども、立川市外八市においてそれが是正されております。また、地方の祭り休暇というのがございますが、これも二市において是正されております。授業参観日休暇というのも下妻市において是正されております。また、特殊勤務手当の是正例といたしましては、東京都におきまして自動車運転特別手当、千葉県の流山市におきまして出納員手当、静岡県の浜北市におきまして映画上映手当というのがそれぞれ廃止された例として御報告申し上げることができると思います。それ以外にもございますが、その詳細につきましてはまた先生に後ほど資料を御提出いたしたいというふうに思います。
○野末陳平君 少しずつでも是正されているということは非常にいいんですけれども、現状でもまだ幾つもあるんですね。 そこで、自治省にお伺いしますけれども、民間にはない地方公務員独自の休暇ですね。これについて私、幾つか例を挙げますので、どんな内容の休暇で、どういう自治体がどのぐらい、自治体の名前は結構ですから、どのぐらいの数これが実施されているか、これ聞きたいんです。さっき廃止された中に地方の祭り休暇なんというのもありましたけれども、これから挙げる三つはどういう内容でしょうか。家族の祭日休暇、それから子の結婚休暇、それから墓参休暇、簡単な説明でいいんですが。
○政府委員(中島忠能君) 最初にお挙げになりました家族の祭日休暇と申しますのは、主として配偶者とか子供、そういう自分の身内の人が亡くなられたその命日に法要をするために休暇を与えているというものでございます。子の結婚休暇というのはそのとおりでございまして、自分の子息の結婚をするときに休暇を与えている。墓参休暇というのも墓参りの休暇ということでございますが、それぞれ家族の祭日休暇というのは六十七団体、子の結婚休暇は三十団体、墓参休暇は三十六団体において付与されております。
○野末陳平君 そのほかに私の知る限りで、廃止された中にも入っていましたが、清掃休暇とか銀婚式休暇とか更年期障害休暇とか授業参観休暇もあるわけですね。これはどういう内容でしょうかね。
○政府委員(中島忠能君) お答え申し上げます。 銀婚式休暇というのは銀婚式を迎えた職員に休暇を与えている、これは団体数は全国で三団体でございます。更年期障害休暇というのは、いわゆる更年期に障害があるということなんでしょう。その日に、そのときに休暇を与える。これも全国で三団体でございます。清掃休暇というのは、関西の団体に多いようでございますけれども、十四団体において一斉に清掃するときにその休暇を与えている。授業参観日休暇というのは、子供の授業を父親としても参観するということで、その参観の日に休暇を与えている、全国で十一団体でございます。
○野末陳平君 民間にも欲しいような休暇もありますね。授業参観日休暇なんというのは非常に父親にとっていいと思うんですけれども、それにしても全体的に聞きますとやはりちょっと幾ら地方自治とはいえ少し甘いという気がしますね。これら大部分は民間並みに有給休暇などで処理すべきで、特別に設ける意味はないような気がしますが、自治大臣にお伺いします。
○国務大臣(古屋亨君) 今お尋ねの地方公務員の休暇の問題でございますが、民間にないような例も確かにあると思います。私の方はいろいろ個別指導もやらしていただいておりますが、そういうような世間的に見ても非常識であるというような点につきましては、よく状況を話しまして、そういう極端なものについては是正を図るように留意をして指導、助言を与えるようにいたしたいと思っています。
○野末陳平君 地方行革については大きい問題たくさんありますから、こんな小さいような話で恐縮なんですけれども、わかりやすいですから、こういうところから始めてほしいと思いまして。 特殊勤務手当というのもあるんですが、現状で制度の趣旨になじまない手当が幾つかある。かなり全国的にあるんですが、どんな手当があるか、五つ六つ自治省にちょっと説明してほしいんですが。
○政府委員(中島忠能君) お答え申し上げます。 先ほど東京都で自動車運転特別手当が廃止されたというふうに申しましたけれども、そういう手当をまだ支給している団体、あるいは国民健康保険事務を行っておるということで特殊勤務手当を出しておる、あるいは窓口で仕事をしておるということで特殊勤務手当を出しておる、その他市民会館で勤務しておるということで特殊勤務手当を出しておると、そういうものがございます。
○野末陳平君 それがどうして特殊勤務なのか、ちょっとわかりませんけれども、それにしても今の国民健康保険の仕事だと特別手当がある、窓口に座っていると特別手当である、あるいは国民年金の事務特別手当というのもあるわけですが、そのどこが特別なのかがちょっとわかりにくいので、自治省なりに解釈して教えてほしいのですが。
○政府委員(中島忠能君) 私が先ほど申し上げましたのは、特殊勤務手当の本来の趣旨からいって支給するのがどうも納得がいかないというものを申し上げたわけでございまして、私たちの方ではそういう特殊勤務手当を支給している団体につきましては個別に説得いたしまして、議会で十分議論をしていただいて是正するように現在指導しておるところでございます。また、私たちの指導に従いまして廃止したところもございます。
○野末陳平君 やはりこれは強力な指導のもとに廃止していくのが地方行革、当然だと思うんですね。 ほかに戸籍事務従事職員特殊勤務手当などというのがあって、これは昔の名残だと思いますけれども、こういうのが今残っているというのがやっぱり当然おかしいと思うんですね。そこで、これからの地方行革、目玉になっておりますが、自治大臣に、こういうような休暇とか特勤手当というものを強力に是正していく、今までそういう姿勢だったけれども、現実にはなかなか是正の成果が小さくて目に見えない、さらに今後やっていただけると思うんですが、決意を。
○国務大臣(古屋亨君) これは地方行革は今まで大変進んでいるところと、また比較的実施していないで住民からいろいろの非難を受けておるところと両方あるわけでございますが、私の方はバランスを、とにかくこういう国に沿って地方も一斉に行革を進めていく、こういうときでございまして、その基準として給与の問題とかいろいろの問題出しておりますので、その一環として行革を推進するに当たってなじまないもの、非常識なもの、こういうものについてはこの際個別指導をいたしまして、十分御趣旨に沿うような必要な改定を行うように指導してまいりたいと思っております。
○野末陳平君 それから、官民格差で数年前から話題になっておりました例の地方公務員の退職金ですね。この退職金、最近の地方公務員における高額退職金の実例を自治省が把握している例で五つ六つ示してほしいんですが、あれだけ話題になったので非常に是正されたかなという気もしますが、どうでしょうか。
○政府委員(中島忠能君) 退職手当の是正につきましては、本年の三月三十一日に定年制が施行されるということに焦点を合わせまして、現在私たちの方で強力に指導しております。その指導に従いまして順次是正されておりますが、なお高額な退職金を出しておる団体もございます。 そこで、御指摘でございますので例を挙げますと、例えて言いますと東京都の局長で五千五百万ばかりの退職金が支給された、あるいは神奈川県の部長で四千万円の退職金が支給されたとか、横浜市のやはり局長で四千百万ばかりの退職手当が支給された、あるいはまた鎌倉市とか、横須賀市でもそういう例がございます。だんだんそういう団体は減ってきておりますが、なおそういう団体があるということを御報告申し上げたいと思います。
○野末陳平君 これは大体勤続年数にもよりますけれども、ある程度の地位になった地方公務員の人はみんな四千万、五千万なんですね。もちろん今是正をとおっしゃいましたが、地方行革大綱を見ても国を上回るものは強力に指導してということしか触れてないんです。私、思いますのにも、もちろん国を上回るのは当然ながら民間との比較も非常に大事なわけですから、その是正の方針が地方行革大綱に盛られているような程度だと非常に不満なんですが、自治大臣、どうですか。
○国務大臣(古屋亨君) 自治省としましては、従来地方公務員の休暇等の勤務条件につきましては、考え方といたしまして基本的には国家公務員の制度に準じて定め、運用を求めておるのであります。この趣旨に即した運用がなされてない団体につきましてはその適正化を図っていく、個別指導をしてまいります。退職手当については、今申し上げたような点で適正化を図ってまいります。
○野末陳平君 そこで、総理にも聞いていただきたいと思いますが、この退職金の問題ですね。これはただ公務員が高いというようなことで言っているんじゃありませんで、今後年金を一元化するに当たってこれが非常に重大な問題になってくると思うんですね。 ここで年金にテーマを移したいと思うんですけれども、一応七十年に共済年金も含めた一元化が予定されておりますが、それに向けて今までこの予算委員会などで議論になりました官民格差というものがどういうふうに是正されていくのか、およそのスケジュールのようなものをお答えいただきたいんです。
○政府委員(門田實君) 大蔵省の方からお答えいたします。 御承知のように、我が国の公的年金制度は七つの制度に分かれておるわけでございます。それぞれ歴史的な沿革、経緯もございまして、その間の調整が必ずしも十分に行われているとは言いがたいという状況にあるわけでございます。 ただいま御質問の一元化のことでございますが、昨年の二月二十四日の閣議決定に基づきまして、「公的年金制度の一元化を展望」しながらその改革を進めることとされておりまして、私どもは国家公務員等の共済年金制度でございますが、これにつきましても昭和六十年に基礎年金の導入を図るというようなことで鋭意制度の改正を行っていきたい、かように考えておるわけでございます。 この改正の過程の中で、その一環といたしまして、ただいまお話のございました官民格差等と言われる問題につきましても十分の検討をしてまいりたい、かように思っております。
○野末陳平君 じゃ大蔵大臣、まだ具体的に官民格差のどの部分を是正していくというところまでは今は何らお答えがいただけないということですか。
○国務大臣(竹下登君) 今、門田審議官からお答えしましたように、そこまではいっていないと。
○野末陳平君 これは、どうしても一元化と言うからにはその問題は避けて通れない、当たり前のことですが。その中で、共済年金には職域年金を設けるというような考え方があるやに聞いております。これは決して悪いとは思いませんけれども、ただこの職域年金の性格と予想される財源については、大蔵大臣、今お答えはいただけるのですか。
○政府委員(門田實君) 共済年金制度でございますが、これは公的年金制度としての性格、もちろんございます。それに加えまして、また公務員制度等の一環としての年金制度である、こういう性格もあわせ持っておるわけでございます。したがいまして、公的年金制度の側面からしますと、給付水準等の均衡、整合性、こういうことが必要でございますが、また同時に、公務員制度等の一環としての職域年金として、その面からも何らかの配慮をする必要がある、こういうものでございます。 今、共済年金の改正は国家公務員等共済組合審議会にかかっております。その場におきましてこういうこともあわせ検討中でございます。
○野末陳平君 だから、職域年金の性格的なものはわかりましたから、それにどんな財源を充てるということになりそうなのか、そこが知りたいわけです。
○政府委員(門田實君) 目下の検討の段階では、財源につきましては、これはあくまで社会保険でございますから、労使折半ということで進んでおるようでございます。
○野末陳平君 そうなると、国と組合員が折半だと、こう思いますね。そこで、この共済が一元化に当たって職域年金を設ける、これは構いません、民間にも企業年金のようなものがありますから。しかし民間の場合は、私の知るところでは、いわゆる退職一時金をこの企業年金の方の財源に回すというケースが多いようなんです。 そこで労働省に聞きたいのですけれども、民間の退職金と、それから企業年金の関係を示すデータですね、どんなものがあるか。一番聞きたいのは、企業年金を既に設けている民間企業がその財源として退職金を充てている、そういうところがどのくらいあるか、こういうことなんですが。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 五十六年の退職金制度調査によりますと、退職金制度がある企業のうち、企業年金制度を採用している企業は、一時金制度の併用も含めまして四四・七%となっております。それで、この企業年金制度を採用しております企業で、この調査から過去三年間で新たに導入した企業は調査企業の五・七%に当たりますが、その年金原資の調達方法をみると、退職一時金を原資とした企業が六七・〇%を占め、このうち退職一時金の全額を年金化した企業が三五・五%、一部年金化した企業が六四・五%でございます。
○野末陳平君 まだ民間のいわゆる企業年金は定着しておりませんからデータも中途半端なものだと思いますけれども、これから民間企業の場合は企業年金の財源に退職金を回していくという傾向が強まるのは当然なんですね。そうするとサラリーマンが退職時にもらう退職一時金というものは減っていくわけですから、そうすると官民格差で、言うなれば、やはり公務員との格差はますます開くであろう、こういう心配もあるわけですね。 そこで先ほど、まだ公務員の共済年金をどうするか、国家公務員、地方公務員ありますが、これの職域年金の財源に退職手当等を充てていくというような考えがあるのかどうか、その辺のことも聞きたいのですが。
○国務大臣(後藤田正晴君) 確かに、おっしゃるように民間では退職一時金を年金化するという動きがあることは承知しております。ただ、現実は、今の時点はこれは選択制になっていますね。そして、やはり年金としてもらわなくて、一時金でもらいたいと、こういうことの方が私は現時点においては多いのじゃないかなと、かように考えているのです。ただ、その場合、今それじゃ官民の比較、これはバランスをとらなければいけませんね。したがって、退職金の法律案をこの国会にお願いしているのですが、この官民比較の際は、年金化してある分は、これは一応退職金の方に現価で割り戻ししまして、その上で比較をする、こういう形になっておりますから、バランスは崩れていないと、かように思います。 ただ、これは将来、御質問になりましたように年金一元化の問題等との絡みもありますから、御説のような点は、今お答えするとすれば、勉強をしなければならない課題であるという認識を持っておるとかように御理解を願いたい、かように思います。
○野末陳平君 何しろ、まだ七十年という先の話をしておりますので、確かに今的確なお答えをいただけないのは当たり前ですけれども、大蔵大臣に改めて念を押しておくんですが、ただ、今言った退職金は官民格差というだけの問題じゃないのですね。これから十年後に年金一元化、厚生年金、国民年金、共済年金、これを一元化していくに当たって、この退職金における公務員と民間サラリーマンの差というものが、これをそのままにしておきますと、恐らく一元化に当たって難しい問題が感情的にも、財源的にも出てくるのじゃないかと、それを心配しているので、その点を今の後藤田大臣のお答えでは検討だとおっしゃいましたけれども、少なくも共済年金を預かる大蔵省としてその視点を持ってほしいと、こういうような意見なんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 昭和七十年の年金一元化に向けてのいわゆる官民格差を是正していかなければいかぬという前提の上に立って、そしてさらにその退職金の問題についての御意見を交えた御論議でございます。先ほど来論議になっております、いわゆる現在国共審で審議しておる改革案というようなものの基本にも、この諮問案の内容からいたしますと、いわゆる官民格差の問題というのは解消していく方向での諮問案であり、そういう議論がなされていくであろうというふうに期待をしております。 それから、退職金の問題もずっと問題がございまして、今総務長官の方から公務員給与の問題、そのものとの関連性において検討をすべき議論としての御指摘がありましたが、私どもも七十年とはいえ、そう先の話でもございませんし、そういう問題が、今言われているいろいろな官民格差みたいなのが、ずっと今後ともまた新しく発生していくようなことのないようなことは基礎に置いて議論をして進めていかなければならぬ課題だという事実認識は持っております。
○野末陳平君 よく検討していただきたいと思います。 そこで、総理にこの問題について私の意見をもう一度繰り返しておきますと、要するに年金の一元化に当たっては制度内における官民格差の是正というのは当然しなければいけないのですが、同時に、今の退職金の問題ですね。これをほうっておいては無理だと、この見直しをもあわせて、公務員の退職手当の見直しをも含めて一元化に取り組んでいかないと、これが大きなネックになる。大蔵大臣おっしゃった民間サラリーマンの新たな不公平がまたそこで出てくるという、そんな気がしてならないので、総理に方針をただしたいのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御趣旨に沿いまして、総合的、包括的な公平が成り立つようにいろいろ注意してまいりたいと思います。
○野末陳平君 今度はちょっと税金の不公平の中で幾つか質問したいと思うのですけれども、不公平税制という言葉は非常に抽象的、主観的に過ぎまして、なかなか議論が進まないんですね。イメージとしてはみんなそれぞれあるのですけれども、具体的にじゃ何が不公平か、その点でちょっと具体的に言ってみたいと思うのです。 まず大蔵省に聞きますが、税制面で優遇を受けているいわゆる公益法人、せんだっては休眠の公益法人がここで問題になりましたが、税で優遇を受けているいわゆる公益法人というのは、主としてどんな団体を言うのか、そして全国でどのくらいの数があるのか。まず基本的なことがわからないといけませんので、初歩的な質問ですが、そこからお願いします。
○政府委員(梅澤節男君) 公益法人等と申しますのは、民法法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人等たくさんあるわけでございますが、数で申し上げますと、五十九年十月末で約二十三万六千ございます。一番多いのは宗教法人約十八万三千、その次に社会福祉法人が約一万一千、その前に民法法人が一万七千、学校法人が約六千、労働組合が約五千といったような数字でございます。
○野末陳平君 この中でも民法法人にいろいろ問題があるのじゃないかと思うんですが、とりあえずいわゆる公益法人としてこれから質問していきたいのです。 今ちょっと漏れたわけじゃないんですが、いわゆるお茶とかお花の家元とか、それから大きな予備校とか、それから相撲協会とか、そういうものもみんなこの中の公益法人の中に入っていると見ていいわけですね。
○政府委員(梅澤節男君) そのとおりでございます。
○野末陳平君 そこで、これらの公益法人が普通法人と比べてどんな優遇を受けているのか、ここをまた確認しておきたいんです。 まず国税の面から優遇の面を具体的に。
○政府委員(梅澤節男君) 優遇と申しますか、普通の法人と課税関係が異なる点を申し上げますと、この種の公益事業部門の所得については課税されません。それから、この種の法人が収益事業を営みます場合には、公益事業部門に一定の資金を繰り入れた場合に、その部分は非課税でございますけれども、残余の部分については課税になりますが、その税率は非常に低い税率で設定されておるということでございます。
○野末陳平君 まず、収益事業の税率が低いということと、それからいわゆる損金算入というか、所得を寄附のような形にすれば損金に算入されるというその部分と、それからもう一つ公益面は全く非課税という話でしたよね、今のはそうですね。 そこで、収益事業と公益事業というふうに分けて、片や低い税率、片や非課税とこうなっていますが、これを学校法人とか宗教法人でいうと、これは大体どういうようなとらえ方をしたらいいのですか。
○政府委員(梅澤節男君) 平たく申し上げますと、学校法人とか宗教法人の場合は、本来の教育事業、宗教活動に伴う所得は、その法人本来の公益事業として非課税になるわけでございますが、たまたまその法人が一般の営利法人と同じような事業を行って所得を上げている場合に、これを収益事業と税法上言っておりまして、政令で三十三の業種が指定してございます。例えば物品貸付業とか、それから販売業、不動産貸付業、駐車業等具体的に事業が列挙されております。
○野末陳平君 国税においては大体わかりました。 次に、地方税においては普通の法人と公益法人にどのような課税上の差があるか、これをお答えください。
○国務大臣(古屋亨君) 恐縮ですが、今政府委員を呼んでおりますので、この問題はお許しを得ましてもう少し後に答えさしていただきます。
○野末陳平君 私言ってもいいんですけれども、待っていても時間むだですから結構です。 国税に関連するんですけれども、地方税も非収益部門の事業所税はないし、収益事業に関しては事業所税がある。あるいは公益の用に供する建物、不動産などの固定資産税は免除とか、地方税においてもかなりの優遇があることは確かなんです。 そこで、この話をわかりやすい例に当てはめて聞いていきたいのです。というのは、公益法人はみんな優遇を受けているというふうにとられがちなんです。そして、それが不公平であると言われがちなんですが、本当に不公平かどうか、どこが不公平かということをきちっとしないと、この問題は非常に難しいのです。わかりやすい例を当てはめますと、例えば神社などが営む結婚式場がありまして、神殿で挙式をしますね。そうすると、これにかかわる収入はこれはどうですか、課税上は。
○政府委員(梅澤節男君) 神社等で結婚式並びに披露宴等を事業としておやりになるわけでございますが、厳密に言いますと、その神前結婚の部分は本来の宗教活動でございますから、先ほど申しましたいわば非収益事業に入るわけでございますが、結婚式が終わって、たまたまその神社の会場で披露宴等を行われますと、これは一般の結婚式場と同じでございますので、収益事業として課税の対象になるということでございます。
○野末陳平君 要するに、ややこしいですけれども、二つに分かれるんですね。神殿で式挙げているところまでは非課税で、その後披露宴その他は民間の結婚式場と同じことをやるのですから、これは収益事業である、こういうことですね。そしてこの収益事業の税率は。
○政府委員(梅澤節男君) 現在二六%でございますが、六十年度ではこれを二%ポイント上げていただきまして、二八%に引き上げさせていただきたいという提案を現在申し上げておるわけでございます。
○野末陳平君 そこで、一般の結婚式場であれば、これは普通法人ですからいわゆる利益に対しては税金は四三・三%ですね。しかし、公益法人の場合はそれが収益事業を営んだとしてそこに所得が上がっても二六%である。この差がちょっと常識で説明しにくいのですよ。というのは、本来の活動である宗教面とか教育面とか、そういう部分に非課税の特典がもうあるわけですから、その後の部分はこれは平等でもいいと思うのですが、どんなものですか。
○政府委員(梅澤節男君) 現在のこの税率の差の沿革を申し上げますと、公益法人の収益事業に課税する制度ができましたのはシャウプ税制の昭和二十五年でございます。このときの基本的考え方は、公益事業部分は非課税であってもいいけれども、収益事業部分は民間の営利法人と競合するから税率は全く同じであってよいということで、当時の税率はたしか三五%でございました、普通法人の基本税率が。公益法人の場合も三五%でございますが、その後、朝鮮事変の法人税率の引き上げで一般法人が四二%になりましたときに、公益法人の税率はそのまま据え置かれました。その後、今日までいろいろな経緯をたどりまして、ただいま委員がおっしゃいましたように、現在、公益法人は二六%、一般の法人の場合は留保所得に見合うものが四三・三ということで、非常にこの差が拡大してきたわけでございます。今日までそれなりの役割はこの軽減税率は果たしてきたと思うわけでございますけれども、やはり昨今、公益法人あるいは協同組合等で収益事業が非常に活発に行われるようになりまして、例えば地域の中小企業と非常に業態が競合するというふうな問題も提起されておりまして、現在、中小法人の軽減税率が三一%でございますから、この税率との差がやはり五%くらいまだ低いということで、これは漸次引き上げていくべきであるという税制調査会の御答申も最近いただきまして、先ほど申しましたように、今回二%引き上げさせていただくという御提案を申し上げておるわけでございます。
○野末陳平君 過去のいきさつも説明聞きましたけれども、しかし、普通の事業者から見れば非常にこの辺は不公平税制であると映るんだろうという気がするんですね。 もう一つまたわかりやすい例を挙げて、くどいようですけれども、この公益法人の課税が果たして不公平なのかどうかを考えてみたいんですよ。たまたま今、相撲やっていますけれども、財団法人の日本相撲協会なんですが、この売り上げ、売り上げというのは興行収入ですね、それからテレビの放映権とか、国技館を貸しますね、そういうようなものの収益に対する税率は、これはもう当然収益事業だから二六%だと、そしてそういう納税の仕方をしていると思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(冨尾一郎君) お答えをいたします。 ただいま相撲協会についての御質問でございますが、個別の問題は本来御答弁を差し控えさしていただくべきでありますが、相撲協会の内容として一般的に皆さん方の御承知をされたところに即しましてお答えをさしていただきたいと思います。 相撲協会が行っております大相撲の興行は、収益事業の上では興行業ということで、これは収益事業に当たります。なお、これに伴います放送料の収入、パンフレットの売上収入、こういうものもこの興行業の一部に含まれるということでございます。二番目は、例えば売店等に施設を貸すという形でやっておりますと、これは不動産貸付業ということになります。それからまた、会館等を例えばボクシングの会場であるとか、歌謡ショーの会場等に貸しますと、これは貸し席業ということになります。それから、これらの収益事業に関連をいたしましてお金の出入りがございますが、これらのものを預金等にいたしました場合の利息、これも収益事業にかかわりますものにつきましては全体として収益事業になると、こういうことになっておりまして、申告の内容等につきましては御勘弁をいただきたいと思います。
○野末陳平君 それはいいんですけれども、それで税率は二六%。
○政府委員(冨尾一郎君) そのとおりでございます。
○野末陳平君 税率は収益事業とお答えになりましたから二六%でやっていると思うんですよ。 そこで今度は、同じく国民的人気といいますか、プロ野球がありますね。後楽園や甲子園で巨人・阪神戦などがありまして、この場合の興行収入から生ずる利益について、これはもう当然一般法人ですから四三・三%で納めると、こういうふうに理解していいですね。
○政府委員(冨尾一郎君) そのとおりでございます。
○野末陳平君 ここでまた素朴な疑問が出るだろうと思うんですね。つまり野球に比べて相撲の税率が低い、ともに大衆的なスポーツでありながら、これだけ税金面の扱いに差があるというのは常識ではわかりにくいわけですよ。そこで相撲だけを優遇する理由が知りたい、こうなるんですがね。
○政府委員(梅澤節男君) 公益法人課税の一般論から申し上げますが、相撲協会は、たしかこれは文部大臣が御許可なさった財団法人だと思います。やはりそれだけの公益性というものを認められてあの協会ができているわけでございます。したがって公益性部門につきましては、これは国技の普及とかなんとかあるのでございましょう、税金はかからない。収益事業については、ただいま国税庁から申し上げました軽減税率が課税されておる。それは相撲協会という公益法人の特殊性に着目して税制上そういう取り扱いになっておるということでございます。
○野末陳平君 資格からいうと、片や野球は普通の法人であり、相撲協会は公益法人である。だけど実態が違うんですね。公益性といったって相撲の公益性は今どんなものがあるか、そんなことは言いたくないけれども、僕は相撲も好きですから言いたくないんですがね、国技であろうが今や高い入場料を取りまして、一般の人には切符は手に入らない、テレビで見るだけである、そうして実に繁盛してもうかっている。そうしたら、こういうところに税の優遇を与える必要があるのかどうか、税金払えるんですから。増税はもう当然こういうところにお願いしたい、こういうふうに思うのが常識じゃないか。 さらに、その上にこの相撲協会は、相撲を目のかたきにするわけじゃありませんが、今たまたまやっていますからね、わかりいいから例にとっているのですが、この相撲協会には補助金も出るんですね。文部省、どういう名目で幾ら補助金が出たか、それちょっと言ってください。
○国務大臣(松永光君) 相撲協会の運営費については補助はいたしておりません。ただ、去年の十一月に新しい国技館が建設をされたわけでありますが、野末先生よく御承知のとおり、相撲というのは千数百年の歴史のある我が国で最も古い伝統的なスポーツでありますので、それの振興を図るための基本的な建物であるということと、その新しい国技館は、これも先生よく御承知と思いますが、土俵を下に下げる、それから桟敷も取っ払う、そして広いホールにして、そして各種のアマチュアスポーツの利用に供する、そういう広い国民的な施設であるということを考えまして、その建設費の一部の経費として一億円を補助した、こういうことでございます。
○野末陳平君 戦後の相撲が苦しい時期ならわかりますけれども、今や過保護の気がするんですがね。しかし、こんなことにけちをつける気はないんです。問題は野球と相撲の比較じゃありませんで、普通法人と公益法人の格差がもう現代では意味がなくなっているのじゃないか、こういうことを指摘したいわけなんです。主税局長の答弁もさっきありました。昔は同率だったというんですね。同率だったのがいつの間にかこうやって開いてきたわけですから、それなりの理由はあったんでしょうけれども、ここらで原点に戻れとは言いませんけれども、今回二%の引き上げの法案が出ておりますけれども、大蔵大臣、本来これはもっと上げて、格差を縮めるべきではなかったのか、こういう気がします。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今度いろいろ税調等の議論もあって、いわゆる二%でございますか、ということに結論的に落ちついたと。野末さんのおっしゃったような御意見もありました。
○野末陳平君 ところで、収益事業に関しまして、いわゆる公益法人が二十三万七千ぐらいですか、その中で申告をしている団体がどのくらいあるか、それから税額はどのくらいになっているか、それを参考までに。
○政府委員(冨尾一郎君) お答えいたします。 公益法人等のうちで収益事業があるということで申告した件数は昭和五十八年度で一万六千件でございまして、申告のあったものの割合は全体のおおむね七%程度でございます。また五十八年度の一万六千件につきましての申告の所得金額の総額は千五十億円、所得に対する税額は二百六十一億円でございます。 〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕
○野末陳平君 何か少な過ぎるような気がするんでね、一割にも満たないというのは。どうしてこんなに少ないんでしょうか。
○政府委員(冨尾一郎君) 公益法人につきましては、先ほどから御説明をさしていただいておりますように、本来の本業については法人税は非課税でございまして、収益事業をやっております場合に限りまして、しかもその収益事業が所得が生じた場合に課税されるということになっておりますので、まあ収益事業をなさっているところが果たしてどの程度あるかという問題はございますが、私どもとしてはいろいろな状況でいろいろな資料から収益事業を行っております公益法人の把握には努めておりますので、そういう状況から見て多いとか少ないとかいう状況ではないと思っております。
○野末陳平君 私は収益事業をやっているところは多いと思っておりましたので、申告を怠っている法人が多いのかなという気がしたのですがね。 それはおくとしまして、さて、この公益法人の優遇についてはほかにもっと実は大きいものがありまして、今までの収益事業に関する課税率その他も問題なんですが、いわゆる金融収益という部分なんですね。これについても、やはりこれが本当に不公平かどうかという点で検討する必要があると思うんですよ。最近はどの法人も熱心にいわゆる財テクをやっているわけですから、債券とか株式などの運用でかなりの金融収益を上げている。そこで、一般の法人がこの手の財テクで金融収益を上げた場合には、これはどういう課税を受けるんですか、そして税率は。
○政府委員(梅澤節男君) 金融収益ということになりますと利子配当ということになりますが、一般法人の場合受け取る利子は当然当該事業年度の収益、当然全額が課税対象になります。配当の場合には益金不算入制度がございまして、一定の割合は益金不算入ということで、税率は先ほど来申し上げております四三・三%の基本税率で課税されるということでございます。
○野末陳平君 配当だけは一部軽課があるにしても、これらは金融収益、つまりもうけですから、当然そういう課税があってしかるべきだと思うんですね。 そこで、今度は公益法人の金融収益はどうなっているかという問題ですね。例がまたまた重複して相撲には悪いんですけれども、相撲協会の決算書をとりますと、非収益にかかわる部分で基本財産運用収入として約八億五千万円、それから運用財産運用収入として四億八千万円、合計十三億三千万円余りが非収益にかかわる部分で計上されているわけです。これらの金融収益の課税というのはどうなるのでしょうか。 〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
○政府委員(冨尾一郎君) 個別の内容についてはちょっと差し控えさしていただきたいと思いますが、一般的には公益法人の場合、収益事業にかかわりますものとして区分をされ経理をされたものにつきましては、収益事業の他の収益と合体をして課税になりますが、収益事業以外の部分として区分をされております金融収益につきましては非課税、こういう取り扱いでございます。
○野末陳平君 そうすると、これは収益とは別に計上されていますから非課税、こういうふうになりますね。 それから同時に、この昭和五十八年度の相撲協会の決算書は、有価証券の売却収入が五十四億あるんですね。もう非常にお相撲さんも財テクにたけておりまして、いろいろやっているんですが、この有価証券売却収入ですね、この中に利益が当然あるわけですが、この利益に対してはこれも非課税扱いになるのですか。
○政府委員(冨尾一郎君) 有価証券の売却等に伴う収益につきましても、それが収益事業以外のものとして区分をされ経理されておりますときには非課税でございます。
○野末陳平君 そこで大蔵大臣、いずれにしても金融収益、一般法人は四三・三%の税率を受けるわけですが、公益法人の場合、どこも今こういう金融収益を債券運用、株式などで上げている。この方が非収益にかかわるという理由で、つまり公益性が高いという理由で税金がかかっていない、ゼロ。四三%とゼロというのは余りにも差があって、これが恐らく一般には知られていないかもしれないけれども、相当な不公平ではなかろうか、こういうふうに思うのですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる公益法人に対する課税のあり方というと、今も御意見を交えての御質問の中でそういう展開が行われておりますが、まずは先ほど来の議論の軽減税率制度の基本税率との格差の問題、それから二番目に出てまいりますのがいわゆる収益事業の範囲の問題、それから三番目に出てまいりますのが公益事業に属する金融収益に関する問題、この三つが大体出てまいります。それで、先ほどのお話しのありましたように、五十九年に収益事業の範囲の見直しをやって、それで今度お願いしている六十年でこの格差の縮小をやって、それで今度は金融の問題、これにつきましては税制調査会の答申の中でも、結局この問題については今後とも引き続き公益法人等の実態をも十分に勘案しながら検討を行うべきであるということでございますので、これは引き続き検討ということにした。その一番の理由は、やっぱり本当は学校経営者のあの育英資金問題というのが、一番問題点としては我々の方へも指摘した御議論がございます。
○野末陳平君 しかし、一般の人のマル優に税金をかけようというような議論が出てくる時代になりまして、ところがこの公益法人の金融収益は税金はゼロだというのは、もうどう考えても時代に合わないわけですね。 大蔵大臣の答弁に今出てきました税調ですが、主税局に聞きますけれども、税調答申ではもうこれについて、はっきりまずいと言っているのじゃないんですか。税調はどう言っていますか。
○政府委員(梅澤節男君) 公益法人の金融資産収益に対する課税の問題は、論点はこういうことでございます。 先ほど来申し上げておりますように、収益事業につきましては課税になっておる。その収益事業の中に金銭貸付事業とか信用保証事業というのは現在既に入っているから、経済的実質から見れば金融資産収益といえどもそういった現在収益事業に列挙されているものと非常に類似しておるので、何らかの課税をしてもしかるべきではないかという御議論が税制調査会で行われたわけでございますけれども、先ほど大蔵大臣の御答弁にもございましたように、引き続き検討となったわけでございます。と申しますのは、やはり公益法人のいろいろな事業体を見ましても、これも先ほど大臣がちょっと触れられましたけれども、育英財団とか年金財団とか、あるいは科学の研究財団というのは、まさにそのファンデーションの収益で公益事業をやっておるというようなところもあるわけでございまして、そういった公益法人のいろいろな実態を税制調査会においてももう少し勉強しよう、それで適切な課税のあり方について検討すべきであるということで、六十年度の答申では引き続き検討ということで結論が出されなかったわけでございます。
○野末陳平君 私も一般論としては、公益法人の課税問題は不公平であると、だけども実態に即してみると必ずしもそう簡単には言えないというところを言いたいんです。ただ、今の金融収益ですが、外国の場合だって課税の例があると聞きましたけれども、どの程度になっていますか。
○政府委員(梅澤節男君) 我が国の公益法人等というものと厳密にパラレルの制度ではないわけでございますけれども、一般にどこの国も、教育とか宗教とか慈善の団体については、我が国で言う公益事業についてはおおむね非課税の制度をとっております。一方、収益事業につきましては課税が原則でございまして、その税率も一般の法人の税率と大体同じであるという例が多いようでございます。 金融資産収益につきましては、一、二課税をしている例がございまして、一つはアメリカで民間財団といっておりますけれども、そういった我が国で言う公益法人の中でもさらにグルーピングをいたしまして民間法人、営利法人に近いというようなものにつきましては、これは非常に低率なものでございますけれども、二%のエクサイズタックスをかけておる。それから、フランスの場合は預金利子と公社債利子について一定率で基本税率とは違うもう少し低い税率で課税しておるという例はございます。
○野末陳平君 我が国も一律何%ということがあってもいいかなという気がしますけれども、まあ、総理お聞きになったとおり、公益法人の税金というのはそもそも全く非課税の聖域があるわけです。これに触れようとは全く思いません。これは当然大事だと思うんです、教育、信仰その他で。しかしながら、それがある上に幾つかの優遇がある、そこがまた民間の一般法人と競合する、こういう実態がありますと、まじめな納税者が見ると、これはやはり苦々しいだろう、こう思うんですよ。だから、税調答申に沿って、やはり総理が課税強化という線を打ち出さないと、総理のおっしゃる公正というか公平というか、その視点はなかなか深まらない、こういう気がしますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 引き続きよく検討さしていただきたいと思います。
○野末陳平君 今の答えだと、何となくよそよそしくてなまぬるいと思うんですよ。ただ無理もないんで、ここから私が自分の意見を言いたいわけですけれども、公益法人に対する一律の課税強化というのは少し無理があると思うのです。というのは、税の優遇を与える法人について、ここらでその適格性というものをきちっと整備して、いい悪いというのを選別する必要がある、こういう時代に来ていると思うのです。それを一律に課税強化、いや一律に優遇、こう言っているがそもそも間違いだという気がしまして、一口に公益法人と言いますが、大蔵大臣、公益性の低いものあるいは公益目的でない、何となく設立されちゃったというのがたくさんあるんですよ。その連中までが税の優遇を受けているといういいかげんな団体が多くて、中には休眠のもの、この間問題になりましたね、その実態というのは大蔵大臣御存じでしよう。
○国務大臣(竹下登君) これはこの前議論のありましたいわゆる休眠法人ですね、それもございますし、それから現実三十七万ぐらいでしたか、二十七万ですか、そのうち申告しているのは今申しましたような七%程度、いろいろな性質のものがございます。 先ほども御指摘があっておりましたが、大体シャウプ勧告のときはまさに一緒でございます。シャウプ以後これは格差をつけて、そしてそれは政策税制としての位置づけで格差がついてきた。それから今日に至って、五十九年度で収益事業の範囲の見直しを行って、六十年度では二%格差が縮んでいった。しかしながら、引き続きこれはまだその問題も、六十年度でこういう措置をしていただきながら、まだ引き続き問題意識としては持っておる。そこで、今度は、今の金融資産ということになりますと、まさにこれはいろんな形態がございますから、したがって、恐らく今の御意見等々を聞きながら、私どももかつてはシャウプのときの一律ということもあったわけですから、したがって、抜本見直しの中で、いわゆる税の優遇措置であるわけですから、そういう問題に対していろいろな形の選別がなされていくべき課題ではなかろうかという問題意識は等しくしておるような感じでおります。
○野末陳平君 公益法人というのは一般には非常にわかりにくいんですね、しかも何がゆえに税の優遇を受けているかというとなおわかりにくいというわけなんでして、何というのかな設立許可の審査、それとか、できてから後の監督、指導とかというものについて手が回らないだろうという、そういう実情はよくわかりますけれども、現実にもう完全に営利を追求するだけの法人、金もうけ法人ですね、これもありますね。それから、税の優遇を悪用している法人もあるんですよ。それから、補助金目的だけの法人もある。もうあれやこれやありましてね。税制上全く優遇しなくていいような、いわゆる公益法人らしからぬ公益法人があって、それらがみんないろいろな恩典を受けている。ここに不公平があるんだと、こう思うんです。ですから、一括して公益法人を優遇しているという現状がおかしいのであって、真に公益目的で活動しているところ、あるいは基本財産だけを運用してそれで活動しているところありますね。そういうところは優遇をしてあげなければまずいわけですよ。しかし反面、民間と競合するような事業でどんどん営利を上げてというところは一般並み、あるいは今よりもぐっと高い税率で税金を払ってもらうと、これがやはり当然のことだと思うんです。 そういう意味で、総理、私の提案は要するに今の公益法人の中身をきちっと洗って、優遇すべきものとその必要のないものを分ける作業の方が課税強化よりも先ではないか。もちろん同時進行が望ましいけれども、その作業をせずしてこの問題を論じても一向に不公平はなくなっていかないし、一般法人あるいは一般のサラリーマンなどが抱いている不公平感はなくなっていかない、こういうふうに思うのです。この問題についてはこれを最後にしますから、総理のお答えを。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御意見をよく参考にいたしまして、引き続き検討さしていただきたいと思います。
○野末陳平君 今度は角度をまるで変えまして、最近お年寄りをだます悪徳商法というのが非常に多くなってきたんですね。新聞の社会面などには出たりするのですが、ひとり暮らしとか留守番の老人をねらう。お年寄りが最近昔よりお金を持っていることも確かなんですが、そのお年寄りをねらって不当に高い品物を、まあ押し売りのようなものですね、あるいは危険な取引ですね、商品取引のようなものですね。そういうものに引っ張り込んでいくというような、こういうもう詐欺ですよね。だけれども、法的にはそういうふうにならないという巧妙なこういう会社が非常にふえてきたんですよ。これはもう御存じだと思います。 そこで、まず経企庁にそういう苦情とか被害の相談が多く寄せられると思うのですけれども、年寄りに限定しません、主婦でもサラリーマンでもいいですから、そういう被害者を含めて、この手の悪徳業者がどんな品物を主に扱っているのか。それから同時に、株、商品取引のようなどんな種類の取引を持ちかけているのか。その辺の実態をまず説明してほしいのですが。
○政府委員(及川昭伍君) 委員が御指摘のとおり、最近高齢者向けにいろいろな商法で被害を受けたという苦情が国民生活センターや地方の消費生活センターに来ております。 主な例を申し上げますと、二つくらい大まかに分けることができると思いますが、一つは利殖を目標としたものでございまして、例えば金の現物まがい商法であるとか、パラジウムみたいな商品相場に似たようなものであるとか、あるいは別荘地等について非常に高額なものを売りつけられたというようなそういう苦情があります。それからもう一つは、健康とか幸せとかをねらったものでございますが、印鑑であるとか大理石のつぼであるとかというものを五十万とか数百万とかで取引させられたというような苦情がありまして、その取引は大部分が訪問販売という形で、ひとり暮らしとか、あるいは留守番をしている老人向けに売られているという事例が最近多くなってきております。その中でも、特に金の現物まがい取引というのが最近では過半を占めるようになってきております。
○野末陳平君 恐らく今の金の現物まがいというのは、いわゆる金のファミリー証券とか、金のファンド契約とかいういろいろなことを言ってあれだろうと思いますけれども、そのほかに、いわゆる商品相場ですか、国内だけじゃなくてシカゴとかロンドンとか、そっちにつないで持ちかけるという、こういうのも多いんですね。 通産省にももちろん関係があると思うのですけれども、新聞広告に政府公報としていろいろな注意喚起の広告出てますね。そこで、最近は「マルチ商法にご注意を」というのが出ていますが、何しろこれだけじゃね、効果が上がらないような広告なんですが、通産省が把握して注意を促しているマルチ商法というのは、最近ではどういう品物を扱い、どういうやり方をするようになっているのか、それについてもちょっと説明してください。
○政府委員(矢橋有彦君) マルチ商法につきましては、昭和五十年前後に大変盛んでございましたけれども、その後訪問販売法の改正が行われまして法規制を行いました結果、いわゆるマルチ商法は大分下火になってきております。そしてこのごろでは法律で言うようなマルチ商法はほとんど姿を消したという状況でございます。それで、往時の話でございますが、健康食品とか車の関係の消耗品といったものが多く用いられたところでございました。
○野末陳平君 ですから、法律で言うマルチ商法はなくなって、形を変えてさらに巧妙になったこの手のものが今たくさん、特に年寄りや主婦をねらって出ているわけですね、それについて通産省はどういうふうな実態把握をしているか。最近こういう「マルチ商法にご注意を」の政府広報を出しているんですから、もし下火ならこんなものを出すのはお金のむだ遣いなんで、一体その辺はどうなっているのですか。
○政府委員(矢橋有彦君) マルチ商法でございますが、最近では委託販売とかあるいは紹介販売、そういった形態をとる商法が若干ございます。私どもに対しまして年間八千件程度の消費者相談が寄せられておりますが、その七割は契約の方法や内容をめぐる苦情ないし相談でございます。その中に今申し上げましたようなものも入っておるわけでございますが、全体を通じまして、金、教材、書籍、自動販売機、寝具、エクステリア商品、健康食品といったものが相談の多い商品でございます。
○野末陳平君 相談は実は氷山の一角である。というのは、政府に電話をしたり相談を持ちかける以前に、地方自治体の方にもすごいたくさん実例があるわけですね。それから同時に、新聞関係も多いわけです。 そこで、被害額が最近大きいんですよ。小金と言うけれども、やはりそれだけ日本人の懐が豊かになったこともあるんでしょうが、被害額が大きい。ですから、電話セールスとか訪問販売の形で来るわけですけれども、何しろ法律の盲点を巧みに突いているわけですよ。しかもセールスマンは巧妙かつ悪質ですから、これはもう主婦、お年寄りなどはイチコロですね。そのぐらいに本当は深刻な事態なんです。欲につられてだまされる方も悪いんですね。それは確かにそこも責められるんですが、しかし、政府がこの程度の広報を出したところで効果が上がるというようなものじゃなくて、実態は、特にお年寄りの場合、このままほうっておくのはまずいというふうに思えるんです。 それで、通産省にお伺いしますけれども、何しろその人たちが言うことは、通産省の許可をもらっているとか、農水省の認可を得ているとか、いろいろな言い方をしますね。それから同時に、紹介という話が出ましたが、どこそこで紹介を受けてと、こういうふうにして入ってきますので、もう政府が利用されちゃっているわけですよ。通産省として、こういう訪問販売業界などを通してこの手の被害がなくなるように積極的な監督指導などをしているのかどうか。あるいはすべきだと思うのですけれども、大臣どうですかね。
○国務大臣(村田敬次郎君) 野末委員にお答え申し上げます。 具体的にやっておること、また、通産省で受け付けた苦情処理等については、政府委員から御答弁申し上げたとおりでございます。また、例えばこういうリーフレットがあります。これは大変わかりやすく書いてありまして、四十五万部ぐらいつくって、そして通産省本省はもちろんでございますが、地方通産局の消費者相談窓口だとか、都道府県、市町村等自治体、あるいは消費者団体等にばらまいておりまして、これは相当の効果が上がっておると思うのです。 通産省としては、今御指摘になったような悪徳商法による消費者トラブルということは非常に困ります、何としてでもこれを防がなければならないわけで、また、老人等を対象にした悪徳の売り込みというものが多いわけでありますから、消費者保護行政という上で、また、商品の健全な流通促進という見地からも大変ゆゆしいことだ、だから、今後とも先ほど申し上げました訪問販売等の関係法の厳正な運用、それから消費者の啓発、それから業界の自主努力への指導などいろいろ各方面についてやっておりまして、法律でも、委員よく御承知でございますが、訪問販売等に関する法律、それからまた通信販売等その他いろいろ規制ができますし、割賦販売法、あるいは先ほど御指摘になりました海外先物取引規制法、こういったことについて規制の根本的な考え方は皆共通でございますが、極力消費者保護を強化してまいりたいと、こういうふうに思っています。
○野末陳平君 より積極的にお願いしたいと思います。 それで総理、この問題については、要するに消費者が目覚めるというか、利口になるのが当然一番いいことなんですが、それまで手をこまねいているわけにいかないというので、今通産省のお答えもありましたとおり、これからも啓蒙が行き届くことを期待しますし、それから地方自治体はそれぞれ独自に対策も考えながらやっているんですね。アメリカなんかの話を聞きますと、こういう訪問販売あるいは電話セールス、その他通信販売も含めまして、初期においてやっぱり当然ながらすごいトラブルがあったというのですね。しかし、そのトラブルも業者と消費者と政府が一体になって、法の整備、それから業者の資格選定の問題、それから大臣のおっしゃった消費者教育ですね、そういうことを何年かにわたって地道にやることによって落ち着いてきていると、こういう話も聞くのです。ですから、今過渡期というか、今非常に被害が目立っておりますが、これはやればできると思うんですよ。またしなければいけないと思うんですね。 総理にお伺いしたいのは、私、これは単なる新聞の社会面に話題になっているというようなところをもう過ぎまして、これから時代の流れは、広い意味における無店舗販売ですね、無店舗販売の方にもう商売のやり方が変わっているんですね。となると、無店舗販売になりますと、まともな業者の中にまじってこの種の悪どい連中がのさばりまして、必ず詐欺同然の商売をやることは目に見えているわけですよ。ですから、これは単に欲に駆られてだまされたとか、小金を持つ年寄りがねらわれたということじゃありませんで、無店舗販売というものがセールスの主流になってくるについて政治が追い着かなくなるとまずいんですね。ですから、それを先に見越して、業者の規制なども含めた新しいルールづくりというものをやらないと、通産省の仕事もそういう方向に踏み出さないとまずい、こういうふうに思ってお願いしているわけなんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 特にこれから情報時代ということで、無店舗販売というものがふえてくる可能性は十分あると思います。御意見を体しまして、関係各省でよく検討さして、対策を講じたいと思います。
○野末陳平君 では、残り時間でもう一度税の不公平に戻っていきたいと思うのですが、この予算委員会、あるいは過日の本会議でも大分問題になりましたけれども、税務行政に関する不公平感というのが、これが最近とみに強くなっていますね。ですから、不公平と一口に言った場合に税務行政のことをいうのじゃないかという意見の方が多くなってきているんですよ、税法の問題よりもね。それで、この税務行政に関するいわゆる成果が上がった、それが新聞記事に出ますけれども、最近十年ぐらいをとりまして、常に所得隠しとか、あるいは申告漏れとかいうことで調査を受ける、そういう常連の職業というのは大体どんなところになっていますかね。
○政府委員(冨尾一郎君) お答えをいたします。 私どもが税務調査をいたしておりますのは、各種の資料、情報を収集いたしましたり、また、過去の申告状況等を分析した上で、問題のある業種に重点を置いて、高額を重点にした調査を行っております。このような観点から調査をいたしました結果、一件当たり、つまり納税者一人ないしは一社というふうに申し上げておきたいと思いますが、一件当たりの申告漏れの所得の大きい業種として過去十年近くの間上位にランクされております業種というものをざっと申し上げさしていただきますと、申告所得税で個人の商売をされておられますものとして、病院、パチンコ、貸し金、土地売買業、これらの四つほどが挙げられると思います。また法人では、医療保健業、貸金業、こういったものが上位にランクされております。
○野末陳平君 最近目立ってきた業種で何かありますか。
○政府委員(冨尾一郎君) 最近私どもとして、新しい業種として意識をしておりますのは、一般的な言葉でございますけれども、ニュービジネスであるとか、またソフト産業というふうに呼ばれる業種でございます。例えばいわばレジャー関係としてパチンコ屋さんなどが代表的でございますし、それからカルチャーという関係で申し上げますと学習塾とか、いろいろなおけいこごと、それから個人、家庭サービスということで健康食品の販売とか訪問販売、それから企業サービスとしての人材派遣とかいろいろなもの、それから最近のコンピューター関連のいろんなソフトウエアの開発であるとか、それからアパレル産業といいますか、いろいろな洋服類の製造、販売、こういう新しいニュービジネスというべきものがかなり規模を拡大しております。私どもとしては、特にこういう新しい業種につきましては関心を払いまして資料収集をし、充実した税務調査を行ってまいりたい、このように考えております。
○野末陳平君 情報化時代になりますからそういう職業はなお出てくると思うんですが、それにしても毎年同じような顔ぶれが出るわけですよ。いわば常連ですね。これは一体どこに問題があると当局は分析しているのか。つまり、制度上に問題があるから、例えばお医者さんのようなものがいつも所得漏れとして出てくるのか、それともこれは人格上の問題なのか、あるいは徴税実務の上でどうしてもこういうことは出てきてしまうというのか、その辺の分析ですね。つまり、私言いたいのは、毎年のように新聞記事に出ている、それがどういう効果を与えているかというと、最近ではむしろ納税意欲の減退というマイナス効果を与えているようにも思うので、一体どういう分析をなさっていますか。どこに問題があって、こういう常連が出てくるのでしょうね。
○政府委員(冨尾一郎君) 大変難しい御質問でございますが、そのお答えをする前に若干コメントをさしていただきますと、先ほど過去十年近くの間脱税者として、脱税業種ということで上位にランクされているというのを幾つか申し上げましたが、これは私どもとしては金額として一件当たりの多いものを申し上げたわけでございます。したがいまして、どの程度の割合で脱税をしておったか、所得を漏らしておったかということになりますと、また大分様子が変わってまいります。私どもとしては、その相手の規模によりまして、例えば例は悪うございますが、先ほどの病院のような事例ですと、非常に収入金額は多うございますので、一%抜けても大変な金額になるというものもございます。私どもとしてそのような申告漏れが一体どのような動機、どのような背景で行われたかということにつきまして分析したものは詳細には持ち合わしておりませんが、調査事例をいろいろ拝見をさしていただきますと、やはり事業の将来を考えて財産をためるとか、それから私的な消費に充てるとかいろいろございますが、えてして急に商売の状況がよくなったとかというような場合にやはり問題が起きているかという気はいたします。 ただ、基本的にやはり私どもとしては、現在の申告納税制度のもとでは、これらの納税者も含めて、いろいろな業種も含めてすべての納税者に的確な申告をしていただくということがあれでございますので、やはり最後には税という問題に対する御認識、日本の社会の中で税がどういうふうに使われているかということの基本的な税に対する御認識をいただいて、そういう中で適正な申告をしていただくということに最終的には問題が帰着するのではないか。このような考え方を持っておりまして、私どもとしては、申告をしていただくということと、それをチェックするということのほかに、やはり税に対する認識を基本的に的確に正しく持っていただくという意味での広報その他の施策を充実してまいりたいというふうに考えております。
○野末陳平君 しかし、それはもちろん時間もかかるし、個人の自覚と言えばいいんですが、ここ一、二カ月脱税関連の記事が出てくると一番まずいのは、政府がこういう実態を知りながら何にもしないでほっているんじゃないか、こういうような印象を一般に与えることなんですね。現にそういう投書が新聞にも載るんですね。これの方がむしろ重大なんでして、ですから私は、こういうことになる原因はいろいろあると思うんですけれども、せんだってから各党の先生方が求められるように、やはり税務署の人手不足というものがこういう不公平を生んでしまった大きな原因になっている。もうそれしか思えないんですよ。ですから大蔵大臣に聞きたいのですけれども、今の人数で課税の公平が保てると思っているのかどうか。税務職員が一生懸命やっているからというんじゃないですよ、人数で課税の公平が保てるかどうかというこの基本的なところをどういうふうにお考えなんですか。
○国務大臣(竹下登君) これは非常に難しい問題でございまして、限られた人数の中で最大限の効率を上げていかなければいかぬというのが一般論としてのあるべき姿でございますが、したがって、いわゆる啓蒙、宣伝、教育、そういう面に力を注ぎながら、一方でやはり人的な充実を期していかなければならぬ。それには資質の向上の面が一つと、やはりもう一つは人数の問題です。人数の問題ということになりますと、毎年本院の大蔵委員会等で超党派の決議をしていただく。ところが、いよいよこの予算編成期になりまして人員の問題を論議することになりますと、まず大蔵省あるいは後藤田さんのところということになりますと、まず隗より始めよ、こういうことになって、なかなか増員問題に対して私どもも対応するときに悩みも感じます。しかし、ああいう超党派の応援というものが背景にあるということで、ささやかながら二けた、二けたといっても一番小さい二けたで十一名でございますけれども、増員を行うことによって、少しでもその方向の充実をもたらしていきたいというふうに考えておるところであります。 いろいろな問題がこれにはございますが、御趣旨を否定する考えは全くございませんけれども、さあどれぐらいがされば完全かということになると、これはまたいろいろな議論もあろうかと思うところであります。
○野末陳平君 これが最後になると思いますが、総理に。 私この問題は去年取り上げたときにも、やはり行革を推進する手前消極的だったわけですね。しかし、考え方を変えるべきだと思うのですよ。つまり不公平をなくす努力の一つとして、仮に税務職員の人員増があっても行革と矛盾しないだろう、しかも国民も理解してくれるだろう、こういうふうに時代は変わってきたと私は思っているんですよ。ですからここらで、大蔵大臣の御答弁もありましたけれども、今の人数では円滑な税務執行はなかなか難しいと思いますから、勇断をもって税務職員の増員ということを総理が決意なさってほしいと思います。 最後にそれだけを言って、お答えをいただいて終わりにしましょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 税務執行の公正を担保するという意味においてこの徴税体制を整備する、私は大変必要なことだと思っているのです。同時にまた、大蔵委員会等でも増員についての附帯決議が従来ずっとついているのです。私どもとしてはそれを頭に置きながら、と言いながらも聖域を設けるわけにいきません。したがって、やはり削減すべきものは削減をしていただく。増員を認めるべきものは認めていく。差し引き若干の増員も認める。その際、削減は一般の管理部門を中心に削減をしていただいて、第一線の徴税の職員についてはこれをふやすということでやっているわけでございますから、十分御趣旨はわかっておるつもりで、またそれなりの対応は政府としてはしておると。どうしても税務ということになれば大蔵省全体でひとつ対応していただきたいと、かように考えます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府として一番増員の要求が熾烈なのは、やっぱり大蔵関係の税務公務員と、それから外務公務員と、この二つの強化を要望する声がやはり党内におきましても、あるいは野党の側におかれましても非常に強いようでございます。今の御意見等もよく検討さしていただきたいと思います。
○野末陳平君 終わります。
○委員長(長田裕二君) 以上で野末君の質疑は終了いたしました。 暫時休憩いたします。 午後五時二十分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕