予算委員会 第11号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/03/20
会議録
○委員長(長田裕二君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 それでは、これより和田教美君の総括質疑を行います。和田君。
○和田教美君 私は軍縮問題、SDIの問題、防衛費一%枠の問題などを中心に御質問申し上げたいんですけれども、それに先立ちまして昨夜のイラン在留邦人のテヘラン緊急脱出についてお尋ねしたいと思います。 イラク軍が設定しましたイラン領空の安全航行のタイムリミットぎりぎりに、テヘラン在留邦人の大部分がトルコ航空機などによって無事脱出をできたということは大変結構で、我々もほっとしているわけでございます。しかし、政府は日航機を救援機に飛ばすというふうなことを言っておりまして、日航は十八日から救援機を待機させていたということですけれども、なぜか飛ばなかったわけでございます。テヘラン在留邦人の間には一時なぜ日航機が救援に来ないのかというふうな声も上がったと伝えられておりますけれども、どういうことだったのか、その辺の事情を外務大臣から御報告を願いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) イラン・イラク戦争が激化するに従いまして、政府としましては日本人のイラン、イラク在留の日本人の情勢あるいはまた日本人の脱出というものに対して重大な関心を持ちまして、テヘランに対するイラクの空爆等が行われる回数が多くなるという中で、いかにして脱出を図るか、政府がこれに対してどういうお手伝いをするかということでいろいろと協議し、方法を考えておったわけです。 それは実は現地の大使館と連絡をとりながら四つの方法で対応しておる。その一つは、実は日航特別機を早速派遣をするということでございます。それから第二番目は、イランに頼んでイランの航空機を出してもらえないか、こういう折衝を行う。それから第三番目としましては、周辺の友好国と話をして、友好国からの御協力を得て友好国の特別機をお願いする。第四番目としましては、もうそういう手段が尽きた場合は陸路でもって脱出を図っていく。その陸路をどういうふうにとったらいいのか、陸路の輸送手段はどういうふうにするのか、こういうことにつきまして実は外務省とそれからイランにおける日本大使館と密接な連絡をとっておったわけです。 そういう中で、まず日航機の派遣を政府としては、外務省としてはこれをまずひとつ用意をしようということで、実は日航側と話し合いをいたしまして、日航側も了承するということでしたけれども、しかし何といいましても日航機が飛んで向こうへ行ったときはイラン領空がもう戦争空域に指定をされるというときになるわけですから、やはりイラン、イラク両国に対して日航機の安全保障をしていただかなければならない、これを外交交渉でやらなければならぬということで、実はイラン、イラクに対しまして日航機の安全保障を求めておりました。残念ながらイラクからは確たるまだ回答に接してなかった、イラン側は検討しよう、それも前向きに検討しようということでおったわけでございますが、特にイラクの安全保障をとりたいということで鋭意折衝をしておりました。 そういう中で、実は現地の日本大使館が働きかけておりましたトルコから、トルコの大使から日本の大使、野村大使に対しましてトルコが特別機を提供しましょうという向こうのオファーがあったわけでございます。そこで、大変ありがたいことで、早速お受けをして、そしてトルコの特別機に乗せまして二百名脱出したわけですが、その他商業機で最後のエア・フランスが出るということで、エア・フランスにも乗せると。残念ながらアエロフロート、ソ連の飛行機の方は、これはまずソ連人優先だということで断られたということでございました。これはトルコ政府が日本に対しまして非常に、大変な配慮をしていただいたものと、この席をかりまして感謝をいたす次第でございますが、いずれにしてもそういうことで大半の、特に婦女子を中心としました在留邦人の脱出が行われることになりましてほっと一息したところであります。これでもって日航機の派遣というところまで至らないで済んだわけであります。 ですから、我々としましても四つの方法で考えておりましたこの友好国からのそうした好意によって在留邦人の救出ができたということは、返す返すトルコ政府に対して感謝にたえない次第であります。
○和田教美君 一部の報道には政府の対応がもたついたというようなことも書いてございますが、今の外務大臣のお答えですとトルコなどの好意によってやったということですけれども、いざというときには、こういう事態のときにはどうもやはり、今のアエロフロートの話もありましたけれども、自国乗客本位ということになりがちですから。ただ、とにかくほかの国の飛行機に頼るというふうなことではちょっと心もとないと思うわけでございますが、バグダッドの問題については、今はまだ引き揚げの問題は出てないようですけれども、将来こういう問題が起こるかもしれない。そういう対応は十分できつつあるのかどうか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) バグダッドにはテヘランよりも邦人数が多くて、千四百人ぐらいおるのじゃないかと、こういうふうに見ておるわけでありますが、イランも、まだ行われておりませんが、テヘランに対する無差別な空爆が行われれば報復としてバグダッドを無差別に空爆するということを言っておりますから、今は行われておりませんが、テヘランに対する無差別爆撃がイラク空軍によって行われるということになれば、非常な重大な事態になり得る可能性は私はあるのじゃないかと、こういうふうに思っております。 また同時に、イランの攻撃も事実バグダッドに向けてこれまで行われておる、こういうこともありまして、これらの邦人の脱出、救出につきましてはイランにおけると同様に、もうかねがね検討を進めております。ただ、イラクの場合は陸路の脱出がイランと違いまして、大変容易でございます。その辺は陸路で十分脱出できる、こういうことで、その方向で今ルートとかあるいはバスの手配だとか、そういうことに備えてのいろいろな準備は進めておるわけであります。
○和田教美君 政府はよく総合安全保障の問題と関連をいたしまして危機管理対策なんということを最近強調されますけれども、今度のケースなん かやはり広い意味の危機管理の一種だと思うんです。実際にこういう事態が起こった場合に敏速に対応するということが非常に重要だと思うんですけれども、そういう体制について政府部内の連絡調整あるいは日航も含めたそういう体制というものが十分できているのかどうか、その辺について総理あるいは官房長官のお答えを得たいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 中曽根内閣になりまして、中西前大臣の時代にいわゆる危機管理につきまして集中的に御研究をいただいてきた経緯などもございます。これは全くケース・バイ・ケースのことになります。今先生御指摘になりましたように、いろいろなケースがあり得るわけでございますけれども、そのときにやっぱり緊急にかつ非常に集中的に対応策が検討される、しかもそれが速やかに実施されるという体制をとることが大事である、こういうふうに考えておりまして、各省庁におきましても、あるいは内閣官房を中心にいたしましてもいろいろな角度からその検討を進めてきておるところでございます。それぞれどういう場合にはどういうふうに手を打つか、どういうふうに相談していくかということにつきましていろいろな角度から検討も行い、かつ自分たちでこういう場合にはこうしようというような考え方はいろいろ持っておるわけでございますが、それは定型があって、それをどうするかというようなことよりも臨機にどう対応するかということのむしろ心構えの方が大事である、こういうふうに考えておる次第でございます。 今回の場合も外務省が中心になりましていろいろな情報の収集に努めると同時に、日航などとも連絡をとって対処するという方針を立ててきたところでございます。経緯につきましては今外務大臣から御答弁があったとおりでございまして、今後ともいろいろな場合が起こり得ると思いますけれども、それに迅速に対応していくように平素からよく検討を進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○和田教美君 それでは、軍縮問題の質問に入ります。 それを考える前提といたしまして、ソ連のゴルバチョフ新共産党書記長の登場、あるいは十五カ月ぶりの米ソ軍縮交渉の再開など、変化の兆しを見せております国際政局について総理及び外務大臣は基本的にどういう判断をされておるか。つまり、ずばり言って世界はようやく米ソ対決の冬の時代から脱して、米ソ、東西の対話、さらに新しいデタントという方向に動くと判断されるのか、それとも今度のモスクワの弔問外交ぐらいで軽々に判断するのは間違いだ、やっぱり米ソ対決の状態は続くのだというふうにお考えなのか、案外早く米ソ首脳会談が開かれるのではないかという見方もございますけれども、そういう点について、お二人は直接ゴルバチョフ書記長とも会われたわけですから、その感触も踏まえて御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ソ連と米国との軍縮交渉につきましては、既にチェルネンコ前書記長が生存している時代から交渉再開ということに合意をして、その準備も進められておったわけでありますし、既にその会談も始まったわけでございますが、そういう中で新しいゴルバチョフ新書記長が登場いたしたわけでございます。 全体的な空気としましては、米ソの対立した関係が軍縮交渉再開ということで何か一つの明るさが出てきた、見通しといいますか、とにかくテーブルに着くということで何か一種の光明が出てきたという感じを世界も持ち我々も持っておったわけでございますが、このゴルバチョフ政権の誕生によりましてもこの基本的な客観情勢というものは変わりませんし、さらに総理とともにゴルバチョフ新書記長に会いましたときの会談の経過、あるいはまたゴルバチョフ新書記長が各国の首脳者と会ったときの会談の模様等をいろいろと分析してみましても、ゴルバチョフ氏はこの米ソの軍縮交渉に積極的である、現実的に対応していくという姿勢を示しておるわけでございますし、したがってこの交渉自体は既に始まったわけでありますし、そしてまだまだ米ソ間に大きな主張の隔たりはありますけれども、私は流れとしては、この交渉がこれから積極的に進められていく、そういう中で合意に達する可能性は私はあり得るのじゃないかというふうな見通しも持っておりますし、ぜひともそうした状況になることを日本としても切に期待をいたしておるわけであります。
○和田教美君 総理。
○国務大臣(中曽根康弘君) 外務大臣の申したとおりですが、薄日が漏れてきた感がややいたします。しかし情勢はやはり厳しさが続いておりまして、長丁場の、ロングランのジュネーブ交渉になると思いますが、片方は片方に優位を求めないと両方が言い合っておる、そういうところから見ますと、テーブルを離れて去ってしまうということはなさそうだ、あくまでも粘り強く話し合いをしていくであろう、またそれを期待しておりますが、そういうような長丁場の中に、薄日が差してもまた曇ったり陰ったりまた寒気が寄せたり、いろいろな場面があり得るだろうと考えております。
○和田教美君 総理は去る十一日のこの予算委員会の答弁で、我が国としてもこの軍縮交渉については許す範囲で成果が上がるように環境の醸成に努力したい、こういうことを申されました。また安倍外務大臣もジュネーブの軍縮会議における演説で、これは去年の六月だったと思いますけれども、「国民の平和への決意に立って」「軍縮の促進に務めることを以て、一貫して我が国外交の基本方針」としているというふうにおっしゃっております。そこで、総理のおっしゃるこの米ソ軍縮交渉への環境づくりとは一体具体的にどういうことを意味するのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 具体的には、ロサンゼルスの日米首脳会談の主題は、何といいましてもこれから始まる米ソの軍縮会議、いよいよシュルツ国務長官が出発するという状況のもとでの軍縮問題が中心でもありました。そういう中で、日本の米ソ軍縮会談の成功へ向けての強い期待を総理からも述べましたし、さらにレーガン大統領からも、この会談にアメリカも非常な強い決意を持って臨みたい、何としても成功させたいという意欲の表明もあったわけでございます。ですから、日米首脳会談において日本の立場というものを明確にアメリカ側に首脳間で伝えておるということでありますし、またソ連の今回の日ソの首脳会談におきましても、これまた日本の軍縮に対する立場、日本が広島、長崎で世界でたった一国の原爆の経験を持っておる国として、何としても核の絶滅に向かって努力してもらわなければならない、こういうことを総理からるるとゴルバチョフ書記長に述べられまして、何としても米ソが歩み寄ってこの軍縮交渉を成功させるようにという日本の立場を表明したわけでございます。 そうしたこと等が日本の軍縮への努力ということの端的な表現であるわけでございますが、しかし、さらにまた国連の場を通じて、あるいはまたジュネーブにおける軍縮会議の場を通じて、こうした日本の一貫した軍縮への決意をこれからも事あるごとに主張し、そうして説得をしてまいらなければならない、そういうふうに思っております。
○和田教美君 総理は、ことしは平和と軍縮の年だというふうにしばしば言われるわけですけれども、今度の軍縮交渉の問題に関しても西側の団結ということを非常に強調されるわけでございます。今のお話、まあ交渉を成功させるために西側の団結が必要だという考え方もわからぬことはございませんけれども、それだけでは軍縮交渉を成功させる環境づくりとしては私は非常に物足らない。今お答えございましたように、非核平和日本という立場から、他の非核国にも呼びかけて、積極的にやはり核軍縮を迫るというふうなことが必要ではないか、ただ米ソに働きかけるというだけではなくて。そういう点について総理の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) それは一般的に国際 世論をつくるという意味においては多少意味があると思いますが、現実に軍縮を推進するという実際的立場から見ますと、ジュネーブ会議を成功させるというところへ焦点が集まってきて、そしてそれをいかに推進するかということが現実の問題だろうと思うのです。そういう点から見ますと、ジュネーブ会議がなぜ行われたかということを見れば、これはやはり西側が結束していたからできたので、これが分裂しておったらジュネーブ会議まではいかなかったろうと思います。そういう意味において、その延長線上において、やはり西側が連帯と結束を図りつつ軍縮を推進するという基本的立場は現実的な実際的な立場であると思います。しかし、また一方においてはやはり世界的な世論の醸成ということも大事でありますし、また特に日本の場合は検証の実際的な推進の方策について貢献できる立場があると思うのです。そういう現実的な検証というものを中心にした実際的推進について、日本は自分の研究やら考えやら等で貢献していきたいと考えております。
○和田教美君 パルメ・スウェーデン首相を初めとする六カ国首脳が、ことしの一月にインドのニューデリーに集まりまして、ニューデリー宣言というものを出しました。これは宇宙軍拡の防止、地球上の軍拡競争の終結などを含めます核軍拡停止の呼びかけでございます。この呼びかけをどういうふうに総理は評価されるか。私は日本は日本の立場があるから、この呼びかけに参加しろなんということを言っているわけではございませんけれども、少なくとも非核日本としてこういう考え方を肯定的に受け取って、何かアジアの国々あるいは最近非核政策の機運が強くなってきております大洋州、そういう国々にも積極的に働きかけていくという姿勢が必要ではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今、パルメ首相等の気持ちというものはわからぬわけではないわけですが、しかし現実の世界の平和というのは、核戦力というものを中心にしたいわゆる抑止力によって現実的に平和が保たれておる、こういう状況でございますから、そうした立場から見ますと、今のただ核を凍結するということだけでは、かえってそうしたバランスといいますか、抑止のバランスというものが損なわれてしまう、こういうふうなおそれがあるのじゃないかというふうに日本としては判断をしておるわけです。
○和田教美君 世界の軍事費は今約八千億ドルという膨大な金額に上っております。一九八二年で見ますと、米ソの軍事費の合計額が大体三千億ドル、世界軍事費の大体半分でございます。私はどうも、軍事問題というのはともすれば政治的、外交的に論じられることが軍縮の問題は多いんですけれども、ここまで世界の軍事費が膨大になるということになりますと、その世界経済に与える影響などという経済的観点からの論議というものがもっと必要ではないかというふうに思う。そういう観点からの世論づくりというものも必要ではないかと思うわけですが、経済専門家でもあられる河本国務大臣はこの問題についてどうお考えになるかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 世界の軍事費が急膨張しておりますが、それと世界経済との関係いかんと、こういう御質問でございますが、今、世界経済の中でどういうことが大きな問題かといいますと、アメリカでは財政赤字と貿易赤字、それから来るドル高、高金利、こういう問題がございますし、ヨーロッパでは二千万人を超える失業問題を抱えております。それから、発展途上国では御案内のように巨額の債務累積がたまっておりまして、そのための金利払いに追われておりまして、経済に非常な圧力に今なっております。結局、貧困、病気、それから政治不安と、こういうことにつながっておると思うのです。その中でこれらの幾つかの世界経済全体の足を引っ張る現象に大きな影響を及ぼしておるのは、やはりアメリカの高金利問題だと、こう思います。この高金利問題のために、世界全体が金融政策を景気対策としてやれない、金融政策は今世界全体がお手上げだと、こういう状態になっておると思います。 今の米ソの軍事費についてのお話がございましたが、一九八六会計年度、この十月以降始まるアメリカの新年度の防衛費を見ますと、いわゆる日本でいう債務負担行為を除きましても、およそ三千億ドルに急膨張しております。アメリカの財政赤字はことしは若干節約して千八百億ドルということでございますから、万一軍縮が成功して、アメリカの軍事費が仮に二千億ドルとか千五百億ドルとか、こういうことになりますと、アメリカの財政赤字は一挙に解消しますし、それから高金利、ドル高という問題も解消します。世界各国が金融政策も一挙にやれるようになりますし、現在の世界経済の足を引っ張っておる幾つかの問題が解決すると思います。 したがいまして、今の軍縮問題というのは世界経済とまさに表裏一体の関係にございます。でありますから、非常に密接な関係がある、このように私どもは理解をいたしまして、この軍縮交渉がぜひ成功することを心から期待をいたしております。
○和田教美君 それではSDI、レーガン大統領が推進しようとしておりますSDI、戦略防衛構想について聞きたいと思います。 総理は、ことし一月初めの日米首脳会談で、レーガン大統領に対しまして、SDIについて若干の留保をつけながらもこの研究を理解するということを表明されました。そして理解を示された理由として、SDIが非核、そして防衛の兵器の研究であるということ、それから核兵器の廃絶のためのものだというふうなこと、そういうことを理由に挙げておられますが、今でもそういう見解に変わりはございませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 変わりありません。
○和田教美君 私は、米ソ両国が現在とっております相互確証破壊戦略、つまりMADの理論を支持するつもりは決してございません。安全保障を核攻撃力にのみ依存して、相手国の住民を相互に人質にとるような戦略を支持するわけにはいかないわけでございます。しかし、MADを否定する形で出てまいりましたこのレーガンのSDI構想というものを見ましても、どうもこれが人類を核の脅威から解放するものではない、むしろ核の軍拡、宇宙における核の軍拡競争を促進することになるのではないかという感じから、私はこの構想に賛成できませんし、これ以上の宇宙軍拡にも反対であります。 そこで、総理が今述べられましたSDIの研究を理解する根拠について順次御質問していきたいと思うんですが、まずSDIは純然たる非核兵器の研究かという問題でございます。それに先立って、一体核兵器とは何か、この定義についてまず政府の考え方を聞きたいと思います。
○政府委員(栗山尚一君) 核兵器の定義につきましては、従来から政府が答弁書等でお答えしておるところでありますが、その内容を申し上げますと、原子核の分裂または核融合反応により生ずる放射エネルギーを破壊力または殺傷力として使用する兵器、これが核兵器であると、こういう定義を従来から政府は申し上げております。
○和田教美君 私、衆議院の予算委員会の問答を速記録で見てみたんですが、今の公式見解、それに最近栗山さんなどは、破壊力または殺傷力という前に「直接」という言葉を盛んに使われるわけですが、これは見解が同じなんですか、違うんですか。
○政府委員(栗山尚一君) 衆議院で私御答弁しましたときに、従来から政府が申し上げている見解と特に変わったことを申し上げたつもりはございません。
○和田教美君 既に衆議院の予算委員会で公明党の神崎委員が指摘いたしましたとおり、去年公刊されました米議会技術評価局報告書あるいはその他の資料によりますと、SDI構想の一部には、敵のICBMを撃ち落とすために使われるレーザービーム、この兵器の中に核爆発を利用してレーザービームをつくり出すという構想があるということが明らかになっております。つまり相手のミ サイルを発射直後の段階で撃ち落とすために使われるというエックス線レーザー兵器、これがそれでございます。つまり、これは一メガトン級の水爆による核エネルギーを利用するということでございます。周りを多数のエックス線レーザー発生器で取り囲んだ装置の中で一メガトン級の水爆を爆発させて、その放射エネルギーでエックス線レーザーのパルスを発生させる、そして放出されたレーザービームがICBMを破壊するというものです。まあ原爆、水爆に次ぐ第三世代の核兵器というふうなことを、ほかならぬSDI推進派が言っておるわけでございます。 これは私、いろいろと専門家に聞いてみましたけれども、核爆発による放射エネルギーの一部をエックス線レーザーに変形をして、そうしてICBMを破壊するというのですから、まあ殺傷力に使う兵器とは言えないにしても、明らかに破壊力として使用する兵器であって、今の政府の見解に従いましても核兵器と定義すべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(栗山尚一君) 衆議院の方で御質問ありましたときに私から御答弁申し上げましたことでございますが、確かにいろいろな文献を見ますと、今、和田委員御指摘のような兵器の研究がアメリカで行われておるということは出ておりまして、その点は私どもも承知しております。 ただ、これが今後研究の進展によってSDIの中でどのような位置を占めるようなものになるのかということは、現段階では私ども全くわかりませんし、最終的にその種の兵器が仮に実用化したという段階になった場合に、これを一体核兵器として観念するのか、あるいはまたそうでないのかということにつきましては、私どもまだ技術的な内容その他わかりませんので、やはりそういうものは最終的に研究の進展に応じて判断すべきであろうと、最終的な判断は差し控えさしていただきたいということを私衆議院で御答弁申し上げましたが、ただいまの御質問に対してもそのようにお答え申し上げるよりほかないと思います。
○和田教美君 総理はレーガン大統領に対して、この問題についてはわからないところが多いから情報を下さいということを言ったというふうに言われておりますけれども、その後、外務省その他で情報を収集しておりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日米の首脳会談におきまして、少なくともアメリカの大統領が日本の総理大臣に対して、公式の場におきまして、この兵器は非核兵器であると、こういうことをはっきりと申しておるわけであります。そういう前提に立って理解を示したわけですが、同時にまた情報の交換、さらに場合によっては協議をしましょうということでアメリカとも合意を見ております。ただ、しかしまだ全くの研究段階でございまして、今日まだ依然、情報の交換というか、情報の提供というところまでは参っておりません。
○和田教美君 いずれにいたしましても、そういう報道が、要するに核兵器であるというふうな報道が盛んにあるのに、それについてまだはっきりわからないということだけでは説得力はない。いずれにしても、これを非核兵器だと断定するのはいかにも早計だというふうに私は思うわけでございます。 次に、原爆にしましても水爆にいたしましても、レーザー兵器の開発にそれが利用される場合に全く新しい型の核実験になるでしょうから、いずれアメリカの地下核爆発実験を行う必要があるのじゃないかというふうに思うわけです。ところが、日本はかねがね地下核実験の禁止を含めた核実験の全面禁止を主張して、それに至るまでのステップ・バイ・ステップの実験停止案というふうなものも提案をしておるわけでございます。仮にエックス線レーザー兵器というものの将来地下核実験が行われるというふうなことになりますと、この日本の主張と全く対立することになるわけですが、その場合には明確に反対をされますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 我が国は、核実験の全面禁止というのを国連においてもあるいは軍縮会議においてもしばしば主張してまいりました。この基本的な方針は現在も変わりません。ただ、全面禁止ということだけをスローガンに掲げても、どうしてもこれは理想的なスローガンになってしまう。どうしても核実験を全面禁止に持っていくには、やはり検証を伴ったステップ・バイ・ステップの方式による以外には全面禁止には持っていけないということで、実は昨年の軍縮会議におきまして私からステップ・バイ・ステップ方式の提案をいたしました。そして、恐らくこの提案につきましては、ことしも軍縮会議において審議されることを我々としても主張しておりますし、またその可能性は十分あると思っておるわけでございます。 そういう意味におきまして、日本としましてはこれまでもいずれの国の地下核実験に対しても反対を表明しております。したがって、今後の核実験については、いずれの国が行った核実験についても日本は反対であります。
○和田教美君 次に、防御兵器かどうかという問題でございますが、攻撃的兵器と防御兵器という区別につきましては、例えば昭和四十六年五月の衆議院の内閣委員会で久保防衛局長が次のような答弁をしております。「攻撃的兵器と防御的兵器の区別をすることは困難であるということは、外国の専門家も言っておりまするし、われわれもそう思います。なぜかならば、防御的な兵器でありましてもすぐに攻撃的な兵器に転用し得るわけであります」、こういう答弁をしておるわけでございます。政府自身が攻撃、防御という区別は非常に難しいということを言っているのに、SDIに関してだけなぜこれが断定的に防御兵器と言えるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは先ほど申し上げましたように、しばしば申し上げておりますが、アメリカのレーガン大統領がこれは防御的兵器である、非核兵器である、そして最終的には核絶滅につながっていく兵器であるということを日本の総理大臣に対して明確に申しておるわけでございます。特にSDIが弾道ミサイルを無力化する、こういうところにSDIの中心があるわけでございますから、そういう点から見ればまさに防御的なものであるということが言えるのではないだろうかと思っておりますが、しかしいずれにしましても、現在の段階におきましては全くの初歩的な研究段階でございます。これはまさに二十一世紀に向かっての長いこれからの研究開発の期間を要する構想ではないか、だから構想ということになっておると私は思うのです。 ですから、今後このSDIがどういうふうに研究が移っていくのか、それは見なければならぬ。その段階において我々は情報の提供も受け、また協議をするという留保もつけておるわけでございまして、現在の研究段階においては、先ほど私から申し上げましたような防御的なものである、こういうことは一般的にも言えるのではないか、こういうふうに見ております。
○和田教美君 今のお話ですと、レーガン大統領が言ったから信用するということのようですが、この点は総理にもひとつ確かめておきたいと思いますが、同じ見解でございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず第一は、ロサンゼルスの会談でレーガン大統領から直接聞いたので、米国の大統領から直接話されたということは重大な意味を持っていると思います。第二は、日本は日本独自の立場でSDIに対する情報を収集して、そして果たして非核兵器として全うし得るものであるかどうか、それらに対する科学的な勉強も、戦術的な勉強もしてみる必要があると思います。そういうこもごもの努力をしていくべきであると思います。
○和田教美君 今、安倍外務大臣は、SDIの中心のICBMを撃ち落とすためのシステムというものは完全に防御兵器だということをおっしゃいましたけれども、例えばここに三月七日付のニューヨーク・タイムズの記事がございますけれども、このニューヨーク・タイムズの記事によりますと、SDIによる宇宙兵器、レーザー兵器が完成すれば、正確に地上の目標を攻撃できる攻撃力 になるということが書いてございます。そして、この記事によりますと、SDIの開発に賛成、反対の両派の専門家がどちらも認めているというふうに言っております。この点から見ましても、今の外務大臣の見解は甚だ疑問だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 全くこれは初歩的な研究段階のことでありますし、そして研究を進めておるアメリカのレーガン大統領から正式に日本の総理大臣に対して、これは弾道ミサイルを無力化する防御兵器であるということを明言しておるわけでございますので、私たちとしてもこの大統領の発言というものを前提にいたしまして日本の理解を示したわけでございますし、我々は何らSDIに対してこれまで十分な知識を持っているわけではございませんが、しかし少なくとも今の大統領の発言、さらにあくまでも弾道ミサイルを無力化するというところにその焦点があるということならば、それはまた一般的に防衛的なものであると言えるのではないか、こういうふうに私は一般的に見ておるわけでございます。しかし、これからの研究がどうなっていくか、これからの問題であろうと思います。今の研究段階におけるアメリカの説明というものについては私たちもそれなりの理解を示すのは当然のことじゃないか、そういうふうに思います。
○和田教美君 それに関連をいたしまして一つお聞きしたいのですけれども、ASATですね、衛星攻撃兵器。これは防御兵器ですか攻撃兵器ですか。
○政府委員(栗山尚一君) 対衛星攻撃兵器というものがそのASATと言われるものであるというふうに理解しておりますが、全体の核戦略の中でそういう対衛星攻撃兵器というものが、今おっしゃられた攻撃的兵器、防御的兵器という分類の中でどういうふうに扱われるべきかというのは、これは一概には申し上げられないと思います。ただ、一般的に申し上げれば、早期警戒衛星のようなものは当然抑止力を維持するために必要な戦略体系の中のシステムだろうと思いますが、そういうものに対してそれを破壊するというような兵器体系が、全体の核戦略体系の中では比較的どちらかと申し上げれば非常に不安定要因になり得る兵器システムであるというふうには観念できると思いますが、厳密に防御兵器であるか攻撃兵器であるかという分類は、これはなかなか難しいだろうと思います。
○和田教美君 不安定的兵器ということは、攻撃的兵器というふうに解釈していいですか。
○政府委員(栗山尚一君) 先ほど申し上げましたように、特定の兵器体系がどういうふうな目的で使われるかということを、なかなか一般論で断定的に申し上げることは難しいだろうと思います。私が先ほど申し上げましたのは、早期警戒衛星あるいはその他の衛星というものを破壊しようという兵器であるという前提に立って考えれば、どういう局面でそういうものを使うかということによって非常に違ってくると思いますが、ごく一般的に申し上げれば、非常に不安定的な要因をもたらすということは申し上げられるだろうと思います。
○和田教美君 早期警戒衛星、これはICBMなどが飛び出した場合に、それをすぐ見つけてそして警戒警報を出すという衛星です。これをやっつけるという衛星攻撃兵器ですから、これはASATは攻撃兵器であることは明らかだと私は思うわけでございます。なぜこういうことにこだわるかといいますと、実はASATはSDIの一環である、一部であるということをアメリカの国防総省のバーチ報道官が言っているわけですね。ですから、そういうことから見ると、当然SDI計画の中には攻撃兵器的要素があり得るということがここでもわかるわけでございますが、その点はいかがですか。
○政府委員(栗山尚一君) 御指摘の国防省のバーチ報道官の発言は、非常に間違った発言だったのだろうと思います。結果的に後で国防省の方で補足説明をいたしまして、バーチ報道官の発言でASATというものがSDIの一部であるということはこれは間違っておるので、SDIとASATは全く別の計画である、同じ技術が、SDIに使われる技術がASATに使われるということはあるかもしれませんけれども、全体のシステムとしては全く別のものであるということを、バーチ報道官の先ほどの発言がありました後で国防省が訂正の説明をしております。
○和田教美君 次に、SDIが核廃絶のためのものであるかどうかということですが、SDIへの対抗手段としていろいろな方法が考えられておるわけですが、一番簡単なのは、SDIが仮にできるとすると、それを無力化する、相殺するだけのICBMをふやすということが一番簡単な対応だというふうに言われております。仮に、こういう対抗手段が開発されるということになりますと、そのこと自体が核軍拡競争を激化するということになるわけでございます。そして、ソ連自身がそういう場合にはそういう対抗措置をとるということを明言をしているわけでございます。そうなると、米国もこれに対して戦略核を増強しなければいかぬというふうなことになってまいりまして、核は廃絶されるどころか、ますます増強されるということが十分考えられるわけでございます。その辺のところはいかがお考えですか。
○政府委員(栗山尚一君) アメリカならアメリカが、一方的にそういう弾道ミサイルを破壊するようなシステムを展開していく、それに対して、他方でありますソ連がそれに対する何らかの対抗措置をとる、そういう関係になりますれば、確かに和田委員御指摘のような攻撃兵器、防御兵器の軍拡競争というものが起こる可能性があるということは十分言えるかと思います。 ただ、事実関係として御説明しておきたいわけでございますが、アメリカは今まで公表された資料によりましても、それからその他種々の機会にアメリカ側が発言しておるところによりましても、元来、もちろん対弾道ミサイルシステム、SDIにしましても現行のABM条約では禁止されておるものでございます。それで、研究より先の段階に、すなわち開発、配備の段階に入ろうとする場合には、これはいずれにしてもソ連と話し合わなければならない。他方において、核兵器そのものの、攻撃兵器であります核兵器の削減と防御兵器でありますSDIの配備というものとの組み合わせ、特にそういう防御的兵器を配備することによって攻撃的兵器である弾道ミサイルをどうやって削減するか、そういう話し合いをソ連との間にするのだ、その枠の中でSDIというものを、将来研究が進んでもし配備が可能だということになれば、そういう前提でソ連と話をするのだということを言っておりますので、アメリカも少なくとも現在の考え方でいけば、委員御指摘のような一方的配備によって発生するような軍拡のスパイラルというものはこれは避けなければいけないというふうに考えておるのであろうというふうに理解いたしております。
○和田教美君 SDIがもともと不完全なものであるということは、アメリカの政府自身も認めているわけです。 パール国防次官補が議会で証言したところによりますと、このSDIができても大陸間弾道ミサイル及びソ連の中距離ミサイルSS20、これを除いてはとにかく他の核兵器を阻止はできないのだということを言っております。事実、例えば巡航ミサイルというふうなものについての研究は、初めからSDIの研究から除外されておるわけでございます。こうなると、SDIが仮に完成しても、これによる核兵器の有効性というものは依然として維持されておるわけでございますから、核廃絶につながるとは言い得ないと私は思います。それからまた、軍縮会議のニッツ大統領特別顧問が、仮に、要するにSDIができても、このSDIが目指す核廃絶という究極目標に至るまでの時期は少なくとも数十年以上かかるというふうなことを言っておる。数十年というと気の遠くなるような話でございまして、その間、かえって核軍拡競争が続くというと全くやり切れないわけでございま す。 こういうことから見ますと、SDI計画を軽々に核廃絶につながる、まあ数十年あるいは百年先のことはともかくとして、当面の問題としてそれがつながるという言い方はいかにも無理があるのではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにこれは長期構想ですから、当面の問題として核廃絶につながっていくということにはならないと思いますが、しかし、この研究が確実に進んで、そして完全に今言われているような構想が実現をすれば、これは弾道ミサイルというのは無力化するわけでございますから、したがってこの弾道ミサイルの有用性というのが非常に減じてくる。そこにやっぱり核削減あるいはまた核廃絶への道が開かれてくるのではないか。そういう一つの判断もあって、やはり今の米ソの軍縮会議、軍備管理交渉というものがここに現実に開かれて、そしてこれから会議が三つの分野に分かれて進められようとしておるということであろうと思うわけでございます。 そういう意味では最近までのいわゆる軍拡的な競争、そういう中で自由諸国家群が一つの結束を示した、あるいはまたSDI構想というものがここに研究が進められておる、そういうこともやはりそこに背景としてあったのではないか。ですから、世界の状況というものは軍備管理交渉あるいは核軍縮の方向へ今テーブルに着いて進められるということですから、空気としてはむしろいい方向に進んでおるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。
○委員長(長田裕二君) 伏見康治君の関連質疑を許します。伏見君。
○伏見康治君 レーガン大統領がSDIのイニシアチブをとられてからもう丸二年になりますので、中曽根さんがレーガンにお会いになったときにはSDIについて相当御研究を重ねた上で行かれたと思うのでございますが、SDIのレーガンさんの持っている考え方は非常に文学的だと私は思うんですね。旧約聖書にゴリアスとダビデの戦いの模様が出てまいりまして、ゴリアスという非常に力の強い巨人に対して一少年であるダビデがつぶてを投げて、それをやっつけてしまうというお話があって、その物語を読むと大変気持ちがいいわけですが、レーガンさんの頭の中にあったのは、核兵器というそういう巨人に対して非常に簡単な対抗兵器をつくってやっつけてしまえれば非常にいいではないかという、そういう文学的構想というものが思想の中にあったと思うんですね。 ですが、実際の科学者の立場からそういうそれに匹敵するような具体的な構想を模索してみますというと、何かとにかく非常にややこしい装置になってしまって、なかなか動きそうもないというのは、例えばサイエンティフィックアメリカンにハンス・ベーテとかその仲間が分析している論文をお読みになりますとおわかりいただけると思うんですが、非常にややこしい機械になるわけです。宇宙の上にたくさんの鏡のようなものを並べておいて、地上から強力なレーザーを打ち出して、その鏡から反射させて相手をやっつけるという装置なんですが、そういう装置は、もしつくったとすると極めて脆弱な兵器体系であるということは非常に明らかであります。そういうものはちょっと一つの要素でも相手がかぎつけて壊してしまえば、それきりで何にも動かなくなる。非常に脆弱な兵器になることは明らかでありますから、べーテたちはそういうまじめなといいますか、真剣にSDIを研究した人たちは、まず大部分がそういう兵器は技術的に難しくてとてもレーガンさんの文学的な希望には沿えそうもないということを言っております。 それで中曽根さんにお伺いいたしたいのは、理解を示してこられたというのはどういう意味で理解を示してこられたのか。
○国務大臣(中曽根康弘君) レーガン大統領が、SDIというものは書いてあるように構想である、それで非核であり、防御兵器であり、核兵器を絶滅させるためのアイデアである、そういうことでありますから、それは我々が考えている非核、防御、核兵器廃絶、そういういい方向へ向かっていくならばその意図は理解できる、そういう意味で理解を示したということであります。
○伏見康治君 もう一つ伺いたいのは、理解を示したということは、その場では具体的には何もおっしゃらなかったのだろうとは思いますが、その後サッチャーさんと交渉してイギリスが何かSDIの研究開発に協力するとか、あるいはワインバーガーが日本の協力を期待しているとかいうような新聞記事を拝見いたしますと、何かアメリカから日本に対してSDIの研究に対して協力を具体的に求めてきているという感じがいたしますのですが、その点はあるのでしょうか、ないのでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは何分にも非常に長期的な構想でありますし、まだ現に研究のいわば緒についたばかりであります。そういうことでありますから、今日本に対して協力を求めるとか、そういう立場にはないと思います。また状況にもないと思いますし、事実その後何らそうしたアメリカからの要請は一切まだ来ておりません。
○和田教美君 次に、防衛問題に移ります。 総理は今国会で防衛費のGNP一%枠の問題についてこれを守りたいというふうにおっしゃっております。しかし、同時にまたGNP一%枠と同時期に閣議決定されました防衛計画の大綱との関連性については大綱の水準達成を最優先にする、そうして一%枠は達成の過程のいわば注意程度だというふうな認識を示されております。私は閣議決定の行われたその経過から見ましてこの認識は間違いであって、防衛計画の大綱とGNP一%枠とは明らかにワンセットだというふうに思うわけで、これは最近朝日新聞の論壇に載りました楢崎弥之助さんの報告を見てもそのとおりじゃないかというふうに思うんですが、総理はこの点はいかがでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは歴史的な経過を調べてみましても大綱が主であるということは歴然としていると思います。つまり四次防の後でどうするかというようないろいろな議論がありまして、そこで坂田君が防衛庁長官として大綱をつくり、その大綱の思想として基盤防衛力という思想をもとにして、そしてこれを進めるという形になった。これが今まで一次防、三次防、四次防と来たその関係を今度新しいそういう軌道に変えたわけですね。そして大綱というものがそこへ出てきている。これを達成するというのが本体であります。しかし、当時GNPの成長率は非常に高くて、あのときの五カ年計画によりますれば、年平均一三・三%程度の成長率が見込まれていた。そういう面からこれは金額的に見てもある程度抑制しておこう、そういう考えもあったのではないかと思います。そういう意味で一%を目途にというような閣議決定が一週間後になされたということであります。 ところが御存じのように、低成長時代に入ってこれだけ時間がかかったけれども、たしか坂田君のあのころの談話か、議長になってからこの間の回顧談か何かで、三、四年ぐらいで達成できると思っていたというようなのがたしか回顧談か何かに載っていたと記憶しておりますし、三原防衛庁長官、金丸防衛庁長官、その後の長官の考えも大体五年前後ぐらいで達成できるという考えを漏らしておりました。多少若干のぶれがありますけれども、大体そういう考えを漏らしておった。そういう事実から見ましてやっぱり大綱が本体である、そう考えていいと思うのです。
○和田教美君 五十二年の防衛白書というものがございますけれども、ここに今お話に出ました基盤的防衛力、この構想を大綱の中に取り入れた動機について次のように書いてございます。「「わが国の防衛力はどこまで大きくなるのか、際限のない増強を目指しているのではないか」といった声も一部に生じていた。今回の「防衛計画の大綱」は、このような声にも応えて、陸上、海上、航空各自衛隊ごとに具体的な目標を明示しようとしたものである。」、こういうふうに書いてあるわけでございます。 こういう書き方から見ますと、当時の考え方としては、GNP一%枠とワンセットであるだけでなくて、大綱の中の中心である基盤的防衛力構想そのものが一つの歯どめ、防衛力肥大化の歯どめというふうに考えられていたのではないかと思うわけですけれども、ところが、それから九年たって、今やこの防衛計画の大綱そのものが一%枠突破のにしきの御旗に使われておるということは大変な変わりようだと思うわけです。この突然変異というものは一体どういうところから起こってきたのか、防衛庁長官のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(加藤紘一君) お答え申し上げます。 基盤的防衛力構想というのは大綱の基本的な考え方でございますけれども、それは現在も私たちの防衛政策の基礎になっているものでございます。それから、どうして今日までに変わったかという御質問でございますけれども、一%等との関係につきましては、ただいま総理がお答え申し上げたとおりでございます。そういう経過をたどってきて、そしてその後の経済事情の変化、成長率の変化等いろいろな問題が、今総理が申し上げたような変化の要因が出てきたのだろうと、こう思っております。 それから、多分GNPとの関係、それから防衛力の整備との関係で、ちょっと質的にもいろいろ変わってきたのではないか、そういうようなことを五十二年度の防衛白書との絡みでの御指摘かなと思うのですけれども、その点につきましては、防衛計画の大綱設定当時から質的な弾力性は持たせる、特に防衛力というのは諸外国の動向との対比で考えていかなければならぬので、質的な面については当時からその弾力性は前提となっていたものと私たちは思っておりますし、過去もそういうふうに答弁し、またそういう方向で政策を運用してきたと思っております。
○和田教美君 今の御答弁ですけれども、私は、大綱の策定当時考えていた防衛力の体制のあり方というものと、その後政府が五三中業あるいは五六中業、そういうものを通じて進められてきました実際の装備計画というものは非常に違っているのではないか、そしてどんどん乖離しているのではないか、それが基盤的防衛力構想そのものを大きく変質させている最大の理由ではないかというふうに思うわけでございます。 例えば、基盤的防衛力構想というものにつきましては、昭和五十二年十月の衆議院内閣委員会における伊藤政府委員の答弁ですけれども、防衛費が急増しない前提に立って、調和のとれた、小さくても意味のある防衛力、均衡のとれた防衛力を整備して、すきのない体制をつくりたいと、こういうふうなことを当時の政府側は言っておるわけでございます。今のように、一機百一億円もするF15だとか、百十四億円もするP3Cだとか、こういう高い買い物計画をどんどん進めていくということが、果たしてコンパクトでしかも簡潔性のある防衛力というふうに言えるかどうか甚だ疑問だと思うんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 基盤的防衛力の構想を設定したとき、当時から、まずそのすべての分野においてバランスのとれた、それから後方支援も含めて配備とか組織においてちゃんと均衡のとれたものであることとか、それから十分に平時において警戒体制がとれるとか、それから最大に重要なことは、いかなる状態においても小規模限定のものには対処し得る、それからまた、事情の変更によっては移行し得るものと、まあ委員御存じのように、そういう基本的な構想を立てておったわけでございますが、その点につきましては現在も私たち変わっていない。そして特に数、量の面におきましては節度のあるものに限定されておりますし、それは大綱の別表の中に書かれているわけでございます。 ただ、そういう小さくても非常に意味のある防衛力とするためには、当時からもう考えておったと思うのですけれども、やはりその装備が科学技術の進歩、諸外国の防衛力の整備の質的な変化に対応したものでなければ、小さくてもぴりりと辛いということにはならないわけでございますので、そういう面につきましては質的な向上はそのときどきの状況に応じてやっていきましょうということは当時からの構想であり、その後累次政府が申し上げてきたところだと思います。五三中業、五六中業もそういう観点において、そのときどきの状況に合わせて整備されているもので今日に至っていると私たちは思っております。
○和田教美君 しかし、今、質的にも基盤的防衛力構想の考え方は続いておるんだとおっしゃいますけれども、戦力という面から見ると、五十一年当時より自衛隊ははるかに強大なものになっております。P2Jにかわる対潜哨戒機のP3C、これは一機で四国全域に匹敵する海域での潜水艦の捜査が可能だ、その能力はP2Jの二十倍だというふうにも言われておるわけでございます。当時からそういう最新鋭、最高価なものを買うというふうな考え方があったのかどうかということを重ねて念を押したいと思います。
○国務大臣(加藤紘一君) 詳しくは政府委員からまたお答え申し上げますけれども、その後私たちの防衛力が大綱設定当時よりも格段に大きくなったではないかという御指摘でございますが、例えば戦闘用航空機なんかの数にしてみれば、昭和五十一年、五十二年、五十三年当時より現在の方が数が少なくなっている、そういうのが実態でございます。古いものはだんだん使えなくなりますし、それに合わせて新しいものを投入する数が追いついていかないという状況でございます。そうなれば、一機一機がそれぞれ非常に性能の高いものになったではないかというような御指摘があろうかと思いますが、それは先ほど言いましたように、諸外国の動向に合わせた質的な向上は当時からも申しておりました。 大体防衛計画の際は二つの弾力性というものを考えておりまして、質的な弾力性、それから装備における弾力性、技術の変化に応じてそれぞれその部分は変えていくのだという当時からの発想でございまして、私たちは、防衛計画の大綱が前提としております節度のある防衛力という部分については、従来どおり方針はしっかり守られているものと確信いたしております。
○和田教美君 質が非常にいいもの、近代化されたものだから高くついて、だから量が足らないんだという今の御説明でございますけれども、質がよくなって前よりも二十倍も強力なものができるということであれば、防衛計画の大綱に書いてございます別表の、これは量だけしか書いてないわけですが、この量が絶対だという考え方は間違いだと思うわけで、その量を減らして質的に戦力ということを考えていくということが、量と質と両方考えて必要じゃないか。そういう点についてどうも防衛庁は、とにかくこの別表の水準を達成するのが目標だということばかりを強調して、それを一%枠突破の大義名分にしているという感じがするんですが、いかがですか。
○政府委員(矢崎新二君) お答え申し上げます。 御指摘の量の面と質の面と二つございますが、まず量の面から申し上げますと、先ほど大臣からも申し上げましたように、例えば海上自衛隊の作戦用航空機は、大綱の別表では約二百二十機となっておりますし、航空自衛隊の作戦用航空機は約四百三十機ということになっております。これは大綱ができた当時の勢力としては大体まあそのぐらいのものがあったわけでございますが、その後減耗が、その当時の飛行機が寿命が来ましてダウンをしてくるものが非常にふえました。その後も逐次新規装備はしておりますが、そういう関係で数はむしろ今はかなり減っておりまして、六十年度の予算での事業が完成したときの勢力で言いますと、海上自衛隊の作戦用航空機は約百四十機でございまして、大綱の約二百二十機に対して八十機程度不足をするというかなり落ち込んだ状態にございます。それからまた、航空自衛隊の作戦用航空機の六十年度完成時勢力は約三百六十機でございまして、大綱水準の約四百三十機に比べますと約七十機ほどこれもダウンをしておるというような状況になってきておるわけでございまして、 私どもはかねてから申し上げておりますように、この水準をできる限り早く大綱水準に回復したいということを考えておるわけでございます。 そこで、二番目の質の問題でございますが、質の問題といたしましては、先生御指摘のとおり、例えば海上自衛隊の作戦用航空機でございますとP3Cという性能の高いものを今整備をしつつございます。それから、航空自衛隊で申し上げれば、F15というものを今整備をしている途上でございます。これはどういうことかと言いますと、例えば海上自衛隊のP3Cが対象にいたしますのは、諸外国のいろいろな科学技術の進歩によりまして、例えば潜水艦が原子力推進の、高速で深く潜れるものが非常にふえてきておるというような状況の変化がございます。そういった状況を踏まえて考えますと、やはり我が方の能力というものもそれに対応できるような高性能のものを装備していかないと、これはやはり力が十分なものが持てないということでございますし、航空自衛隊のF15の問題にいたしましても、これは諸外国の航空技術の進歩はもう年々著しいものがございまして、大変高いところ、あるいは低いところを高速で飛行できるというふうなものがふえてきております。航続距離もどんどん延びてきております。そういうものに対応していくためには、我が方の航空自衛隊の要撃戦闘機等もそれに応じた能力を備えていないと十分な防衛力を達成できない、こういう問題があるわけでございます。 そういう点を勘案いたしまして、従来から質的な水準としては世界の一流のものにすべくこれは努力をしてきているわけでございまして、ただいま申し上げました量と質と両面が合わさって、初めて我が国を守るための必要最小限度の大綱水準の防衛力がそこででき上がっていくという関係にあるものと考えておる次第でございます。
○和田教美君 私は、なぜこの基盤的防衛力という当初の構想の実質的な変質が起こったかという問題について、今は専ら日本の自衛隊という立場からの説明がございましたけれども、私はアメリカの戦略の変化、日本に対する防衛肩がわり要求というものと密接に連関している、連動しているというふうに考える一人でございます。例えばシーレーン防衛問題の経過がそのことを端的に示しておりますし、さらに戦略の変化ということから見ますと、例えば一九八〇年の二月のブラウン国防長官のスイング戦略というのがございました。また一九八三年の国防報告にはワインバーガー長官の空母の柔軟作戦というふうなことが出てまいります。こういうふうに空母が機動部隊である、どこにでも、とにかく西太平洋だけでなくてどこにでも持っていけるんだという、こういうスイングの考え方が非常に出てくるということになると、日本側もやはり自分でとにかくふだんの防空能力をつくらなければいかぬとか、とにかく一千海里までは自分の庭だと思って一生懸命やらなければいかぬというふうな考え方が出てくるということでございまして、そういう米戦略の影響ということの方がいろいろな説明よりもより大きいのではないかというふうに思うのですけれども、その点はいかがでございますか。
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘のアメリカの特に海上におきます戦略構想でございますが、御指摘のように、アメリカは柔軟運用計画というのを持って、海上戦力の展開につきまして一層の柔軟性を与えようとしていると承知をしております。これは具体的に申しますと、地中海、太平洋におきます空母の展開水準を維持しながら、インド洋への展開は減少をさせて、これによりまして今まで空母が展開したことのない北西太平洋でありますとか、日本海とか、あるいはカリブ海などに空母を展開させようと、こういう計画でございまして、たしか一九八四年度の国防報告で公表されたというふうに承知をいたしております。 我が国の防衛力整備の問題でございますが、これはもう累次申し上げておりますように、我が国の海上防衛力の整備と申しますのは、従来から我が国の生存の維持あるいは継戦能力の確保のための海上交通の安全確保を念頭に置きまして、憲法及び基本的な防衛政策に従って自主的にこれを行っているということを、ぜひ御理解を賜りたいと思います。したがって、そういったいろいろな施策、私ども海上防衛力の整備のために今やっておりますけれども、これらはいずれも我が国の防衛のために必要最小限のものという観点から、先ほども申し上げましたように、防衛計画の大綱の考え方に沿いましてこれを充実増強するという観点から進めているものでございます。アメリカがどうのこうのということではなくて、我が国の自主的な判断に基づいて実施しているということを、御理解をいただきたいと思います。
○和田教美君 これは総理にお聞きしたいんですけれども、総理は一%枠の問題についてこれを守りたいということをおっしゃっておるわけですが、守るというためには具体的にどういうことをやってこの努力をするということでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) とにかくGNPの数量、それから防衛の金額、そういうものとの対比において一%以内におさまるようにいろいろ工夫したいということで、具体的にじゃどの経費をどういうふうに減らすとかなんとかという、そういう具体的なことを申し上げる段階ではありません。
○和田教美君 防衛庁長官は五十九年度の防衛費については節約努力によって一%枠を守ったというふうにおっしゃっておりますが、具体的にどういう経費を削って、どの程度節約したんですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 具体的な数字でございますので、政府委員よりお答えさせます。
○政府委員(宍倉宗夫君) 五十九年度の補正予算におきまして、全体で八十四億の節約及び不用によりまして、歳出の減をいたしております。そのうちの四十九億円は、いろいろな行政経費等を一般的な基準に従いまして算出いたしたものでございます。それから他の三十五億円につきましては、主として航空機等の契約の関係で出てまいりました余剰でございますとか、為替が契約時より円高になったことによります為替余剰等につきまして不用を出したものでございます。
○和田教美君 トータルで幾らぐらいになりますか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 先ほど申し上げましたように、八十四億円でございます。
○和田教美君 そのくらいでは六十年度の節約をしてもとても間に合わないと私は思うわけで、一%枠を本当にまじめに守るということであれば、私は単に不用額の節約ということだけでなくて、主要装備費も切り込んで、そして予算の削減ということが必要になってくるのではないかと、そのためには六十年度業務計画も見直すということが必要じゃないかと思うのですけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 私たちは現在政府原案で提出しております防衛関係費というのは、必要最小限のぎりぎりのものを提出いたしているつもりでございます。 確かに六・九%伸びておりますけれども、そのほぼ一〇〇%に近いもの、九六%はいわゆる人件費のアップ、退職手当、当然支払わなければならないもの、それから後年度負担のキャッシュ化というようなものでございまして、その他の面におきましても私たちは精いっぱい節約努力をいたしております。防衛関係費の分野だけが行政改革、節約からの聖域であるというようなふうには私たちは思ってもいないし、考えてもいけないことだと、こう思っております。したがって、現在御審議願っている費用の中である部分の装備を削るとか、そういうようなことを今私たちは申し上げられませんし、またそういう大きなところでそんな簡単に削れるような予算要求をし、またそういう政府予算案の提出は申し上げていないというつもりでございます。
○和田教美君 そういう考え、要するに主要装備なんかを削るという考え方は毛頭ないからこういう答弁になるんだろうと思うんです。 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいのですけれど も、このGNP一%枠を守ると、金丸幹事長も体を張ってやるなんてことをおっしゃっているけれども、財政当局としてこの問題をどう受けとめているか、本当に真剣に守らなければいかぬと考えているのか、その点はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) これは、五十一年の三木内閣のときの閣議決定は厳然と今生きておるわけでありますし、総理からも守りたいということを申されておる今日の時点におきまして、私どもとしてはこれはやっぱり守らなければならぬ課題だというふうな認識の上に立っております。
○和田教美君 時間もたってまいりましたので、最後に総理にひとつお聞きしたいのですけれども、今度の国会でも総理はいろいろな発言をされております。例えば、目立つのは共同対処中の米艦船が他に手段がない場合には米軍の核使用を日本側が排除する立場にないというふうなことをおっしゃった。それから、在日米軍基地内に米核戦略を支える機器通信管制システムが存在することに対して抑止論、これを盾に積極的な評価の発言をされました。すべて総理の考え方というのは抑止論、抑止と均衡という立場からそれを優先するという考え方に対する発言でございますけれども、それだけではなくて、どうも私は総理の発言を聞いておると、戦後政治の総決算ということを掲げておられるわけですけれども、防衛問題については今国会でとにかくタブー破りをやる、そうして政策の転換を図るという意図が非常に明確ではないかというふうに思うわけでございます。それがああいう積極発言にあらわれておるんだと思うんですけれども、少なくとも平和国家、非核三原則などを掲げる日本として、どうもそういう積極的なタブー崩しというふうな総理の姿勢は少し行き過ぎではないかというふうに思うんですが、その点についての総理の見解をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 別にそんなことは考えておりません。
○委員長(長田裕二君) 以上で和田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(長田裕二君) 次に、神谷信之助君の総括質疑を行います。神谷君。
○神谷信之助君 政治倫理の問題でまずお尋ねをしたいと思います。 法務省にお伺いしますが、藏内議員の二千万円詐欺事件の概略と現状を報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(筧榮一君) お答えいたします。 お尋ねの藏内修治参議院議員に対します詐欺事件は、本年二月十二日、警視庁から東京地検に事件が送付され、同地検でこれを受理して現在捜査中でございます。送付に係る被疑事実の概要は、藏内修治は、ほか四名と共謀の上、昭和五十八年二月五日ごろ、横須賀市内の土地約十六万二千平方メートルの防衛庁による買収を希望している不動産業者に対し、同庁が同土地を買収する予定がないのにこれあるように偽るなどした上、右買収のあっせん謝礼金等の名下に、同人から額面合計二千万円の小切手を騙取したものであるということでございます。
○神谷信之助君 そこで総理にお伺いしますがね。これは御承知のように中曽根事務所が利用されて、そこで一千万円の小切手二枚計二千万円の授受が行われたということですが、この問題について総理の見解をまずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) はなはだ遺憾な事態であると思っております。
○神谷信之助君 遺憾なことだけで済むんでしょうかね。 防衛庁に聞きますが、防衛庁はこの横須賀市近辺で土地を必要としていたのでしょうか。
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。 土地を必要としておりませんでした。
○神谷信之助君 御本人は、一問一答で施設庁長官に依頼をしたというように述べておられます。この点はどうですか。
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。 五十八年の春ごろ藏内修治氏が防衛施設庁長官を訪れまして、横須賀市西浦賀地区にある土地を自衛隊買わないかというお話があったのは事実でございます。土地の買収につきましては、施設庁は陸海空三自衛隊、あるいは防衛庁の必要があるかないかを検討いたしまして決めるわけでございますが、どこも必要としないということでございましたので、その次の機会にお見えになったとき、二回前後おいでになっていますが、必要としない旨申し上げ買収の計画もない旨お断りをしたと、こういう経緯がございます。
○神谷信之助君 総理、お聞きのように、防衛庁自身は必要としていない土地、それの問題の土地は防衛庁の通信施設の近辺です。だから、誤信しやすい話をもちかけて、そうして成功すれば一億五千万円、中曽根派と藏内議員に渡すと、これは御本人がそうおっしゃって報道されている。そういうことが行われているんですけれども、国会議員が土地のあっせんに議員の地位を利用して、そうして成功すれば政治献金として受け取ると、こういうことは許されていいんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私も、私の同志のいわゆる政策科学研究所、中曽根派というものも一切関知しないことでありまして、はなはだ遺憾な事態であります。
○神谷信之助君 遺憾なだけで済むんでしょうか。これだけ問題になっているのに、真相を明らかにし、その政治的、道義的責任を追及するという態度はおとりにならないんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 司直の手にわたって今捜査を受けていると、そういう状態でもありますから見守っております。
○神谷信之助君 法務省に聞きますが、一応示談が成立をして、告発を取り下げたということですが、この事件は犯罪容疑事実だけはちゃんとあるわけで、こういった問題について厳正に当然処理をされると思いますが、いかがですか。
○政府委員(筧榮一君) 御指摘のように、本件につきましては示談が成立し、告訴が取り消されておるわけでございます。しかし、詐欺罪は親告罪ではもちろんございませんので、今東京地検で鋭意捜査を継続中でございます。所要の捜査を遂げました上で適切な処理がなされるものというふうに考えております。
○神谷信之助君 刑事責任の有無は別にして、総理、もう一度聞きますが、国会議員の地位を利用して土地のあっせんをし、謝礼を受ける、政治資金として、あるいは政治献金として、このことはいいことか。どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 甚だよくないことです。
○神谷信之助君 その場合、国会議員の政治的、道義的責任はどうすべきですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは院においていろいろお考えになることであるだろうと思います。そういう意味において、今審査会をつくろうとして努力しておるところであります。
○神谷信之助君 その審査会がつくられれば、こういう問題はけじめがつくんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 審査会のでき方や内容、そういうことで各党がどういうふうな話し合いができるかによるだろうと思います。
○神谷信之助君 総理は総裁ですから、自民党が提示をしているこの審査会の要綱というのは御存じでしょうね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 前に話を聞いたことはありますが、詳しく記憶には残っておりません。
○神谷信之助君 自民党提案の要綱によりますと、三分の二の議員の賛成で対象となり、事実ありとしても自粛勧告をするだけですね、そして国政調査権に基づく証人喚問はできない。参考人にはその意見を聞くだけ、すなわち弁護論を聞くだけであります。そして、もし確定できなければ名誉回復を保証までする、こういうのが自民党の要綱案です。これではロッキード事件あるいは田中問題はもちろんのこと、今回の藏内問題のような そういう問題が起こっても、政治的、道義的責任が問われなければならぬような問題が起こっても、審査会で審査をすることさえできない、事実を明らかにすることもできない、こういうように思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 各党でよく御相談願いたいと思います。
○神谷信之助君 自民党自身がその点は責任を持たないということですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は内容はよく記憶しておりませんが、それぞれの機関が所定の手続を経て、各党で折衝しているものと思われます。
○神谷信之助君 これは、田中議員が総理の地位を利用しての犯罪が、一審が確定をしても何らけじめがつけられない。まして今度は二千万円ですから、だから当然そのままうやむやにされてしまう。しかも、総理は総裁でもあるんですが、自民党が政治倫理協議会に提案をしている内容についてもよく御存じなしに、出されている内容自身は、結局ロッキード事件も田中問題も隠れみのにするための政治倫理協議会であり、あるいは政治倫理審査会、これをつくるものだと言わなければならぬと思うのですが、第二、第三のこういう事件を起こさないためにも、私は、自民党自身の自浄作用もはっきりさせなければいかぬし、中曽根総裁自身ももっとこの問題では毅然とした態度をとらなければならぬと思う。この点はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行為規範やあるいは審査会の基準、我が党の考えというものをまとめるときに、いろいろ私も相談を受けて、私は私なりの考えも内面的には言った記憶があります。大分前の話であります。しかし、政治倫理を確立していくということは、国会としても大事なことでございますから、各党ともよく折衝して、そして努力をしてまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 それでは結局は政治倫理審査会もそういう隠れみのにしてしまって、うやむやにする道具にしかならぬというのが現在の事実、そして自民党自身もそういう政治的、道義的責任を追及されなければならぬその事件そのものをかばってしまう、こういう態度では国民が許さないであろうということを申し上げておきたいと思います。 次に、警察庁にお伺いしますが、二月二十四日施行の徳島市長選挙、これは阿波選挙と言われたり、あるいは札束攻勢の選挙という報道もあったんですが、今回の徳島市長選挙についての捜査状況について報告してもらいたいと思います。
○政府委員(金澤昭雄君) お答えをいたします。 徳島市長選挙におきます選挙違反事件の取り締まり状況でございますが、現在までに買収で四名、詐偽登録等で二名、合計六名を逮捕しております。
○神谷信之助君 私どもも現地へ行っていろいろ調査をいたしました。そこで大変ひどい、目に余る状況があるんですけれども、後藤田派の三木候補の陣営では、相手の戸井候補のポスターを破って持ってくれば一枚について五百円支払う、そういうことを私は確認をしているという報告を聞いていますが、いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) いろいろな新聞等の報道がなされておりまして、警察としましても新聞等による情報の収集も含めまして、幅広く情報収集を行って捜査をやったわけでございますが、その結果は今お答えしましたような状況でございます。
○神谷信之助君 不在者投票の用紙を買収をしたり、あるいは投票所の入場券を買収して詐偽投票を行う、先ほども詐偽投票で逮捕されておりますが、こういった点は、これは個人の判断ではできないわけですね。極めて組織的な犯罪と見るのが常識ですが、そういう観点で捜査をなさっていますか。
○政府委員(金澤昭雄君) いろいろな観点を含めまして、捜査を行ったわけでございます。
○神谷信之助君 うその転入届けで投票して逮捕された二人、これは候補者である三木候補の実兄の与吉郎氏が社長をしている徳島市内の商事会社、三協商事の社員です。会社ぐるみのそういう事件なんだけれども、これはまだ端緒に入ったところで、これから本物になるという、そういう状況なのかどうか、いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 具体的な捜査の中身、状況につきましては、現在も捜査が行われておりますので、差し控えさしていただきたいと思います。
○神谷信之助君 しかも、大変なのは、二月二十五日の朝日新聞ですが、いわゆる実弾をばらまく準備をして、札束をうずたかく積んでいるところの写真が報道された。カメラを向けても隠さないというふうに書いています。我々は取材をした記者にもその事実を確かめている。こういった点について、朝日新聞社の方に協力の依頼をしたのかどうか。いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 新聞に報道されておりますことは、私の方もそれなりに承知をしておりますが、具体的に捜査をどう行ったかという中身の点につきましては、先ほどもお答えをしましたとおり、現実の問題でございますので、答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○神谷信之助君 現地では、後藤田派と三木元首相派との阿波戦争で、後藤田派の三木陣営は十億円とか、三木元首相派の戸井陣営は二、三億円の金が動いたという報道もあります。後藤田長官、最終盤に応援にも駆けつけられたわけですが、こういう腐敗選挙について責任をお感じになりませんか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問のように、保守が二人出まして、それからおたくも出たのじゃないですか。それからもう一人、何かあれは右翼の人ですか、四人ぐらいが出た。県連は両方とも推薦はしない、したがって自民党の所属の者はどちらを応援してもよろしいということでございましたので、私は私なりに三木俊治君が適任であるということで応援はいたしましたけれども、御質問の趣旨はこれは私の答えることでない。あなた,だって応援するでしょう、共産党が出れば。同じことです。ただ、その選挙がどうであったかなんて私の知ったことじゃないわけですよ、これは。一々お答えはできません。抽象論、一般論でいえば、選挙は公正に行われるべきものである、こういうことじゃないですか。
○神谷信之助君 私が応援に行けば、買収選挙をしたり詐偽投票をするようなことは絶対に許しません。だが、あなたはそのことについてどう責任を感ずるのかと言うんです。 これは五十四年十二月六日の参議院の地方行政委員会であなたが自治大臣兼国家公安委員長になられたときに、まず最初の所信に対する質疑をやったときに取り上げました。四十九年の最初のあなたの選挙で大量の選挙違反者を出したでしょう。それだけじゃなしに、その後二回の衆議院選挙でも買収事件による逮捕者を出した。それに対してあなたは、四十九年の反省の上に立ちながらやったにもかかわらず再度こういった結果になったわけで、深くおわびをする以外にない、言う言葉がないというように答弁をされている。そして、そういうように警察庁長官をやり、自治大臣をやり、国家公安委員長をやられた、そういう経験を持つあなたが応援に行った陣営が買収選挙をやって詐偽投票までやる、そういう容疑者も出している。そのことについて、あなた自身、徳島県の選出の衆議院議員ですから、責任を感じないのかどうかと言っているのです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 選挙にそんなことをやっておることがわかれば、それはよせと言いますよ。しかし、これは私の選挙じゃないのです。四十九年の選挙その他は私の不徳のいたすところであったと、自今注意して選挙はやっているつもりでございます。一々徳島の市長選挙がどうだったからといって私に幾ら聞かれたって、それはお答えのしようのないことで、私の責任の範囲内以外のことでございます。
○神谷信之助君 そういう汚い選挙をやる候補者についてはもう応援をしないんだと、そうはっき りしないんですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) やっておることがわかっておれば私もとめると今申し上げたでしょう。今もうあなた、選挙済んだんだ、応援も何もない、それは。
○神谷信之助君 ごらんのように、何といいますか、ふてぶてしいといいますか、責任を感じない態度、私は本当に腹が立ちます。 そこで総理、あなたが総裁をなさっている自民党の派閥の対立からの選挙が行われている。そこで今度の事件のようなまさに遺憾な事態が起こっています。ここは徳島選挙と言われているんですけれども、小柱、中柱、大柱といって選挙ブローカーみたいなものが存在をして、常時買収ルートというのを維持しているというわけで、これを取材した記者諸君も予期した以上の事実が確認できた、現金や物品の受け渡し現場を直接確認をした、よもやと思った不在者投票用紙の現金による買い取りなどまで行われていると、こう述べているんですけれども、自民党の派閥対立のそういう選挙で買収選挙が行われ、詐偽投票まで行われる、組織的なこういう事態が起こっている。こういう状態について総裁としての感想、あるいは責任はお感じになりませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いかなる候補にせよ選挙違反が出るということは甚だ遺憾なことで、今後とも改めてもらいたいと思いますが、今お聞きすると両方無所属で自民党とは関係がない、そういうことだそうであります。
○神谷信之助君 まさに白々しい答弁だ。 国家公案委員長並びに警察庁長官に聞きますが、今度は、先ほど言いましたように徳島では非常に買収選挙というのが続いてきているんですけれども、いつもトカゲのしっぽ切りで一番大物はもういつも逃げられておる、こういう状況です。今度の市長選挙は前哨戦で、次は秋には知事選挙と、こういうことですからね、今回やっぱり根本の根っこを断つところまで警察がこの問題を重視をしてやる必要があるというように思いますが、国家公安委員長及び警察庁長官の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 警察は選挙違反取り締まりを通じまして選挙の公正確保に寄与するという責務を持っておるのでありまして、いかなる選挙におきましても不偏不党かつ厳正公平な立場を堅持して選挙違反の取り締まりに当たるべきものと考えております。今回の徳島市長選挙におきましてもそのような立場で違反取り締まりに当たっております。今後もそういうようにいたしたい。
○政府委員(金澤昭雄君) 徳島県警察におきましては、二月十七日に取り締まり本部を設置をいたしまして取り締まりに当たってまいったわけでございます。もちろんのことでございますが、今後も法に触れる問題がありましたら厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
○神谷信之助君 組織的犯罪についてはどうなんですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 全体を含めまして厳正に対処してまいりたいと思います。
○神谷信之助君 次の民間活力の問題に移ります。 総理にお尋ねしますが、西戸山の公務員宿舎用地、これは総理が非常に肩入れをなさっているのですが、民活第一号としてあくまで民間に払い下げるということでお進めになるんでしょうね。
○国務大臣(中曽根康弘君) ともかく新宿のあの貴重な土地に公務員宿舎があって、それが非常にかなり広い土地に昔の概念で古い建物がそんなに多くもない数で存在してもったいないと、したがって、公務員宿舎を統合して高層化して土地をあかして、そしてそこへ民間住宅を大いにつくって都民の皆さんに利用していただこうと、それをやるについても国家財政はお金がもうありませんから、民間資金を活用してやろうと、そういうような党の政策及びたしか内閣でもそういう方針を決めまして、民間活力でやっておることでありますから、推進してまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 昨年の九月の知事会議のあいさつの記録を見ますと、具体的には西戸山開発株式会社にやらせようというお考えのようですが、それはそうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これはやっぱり法規というものがありまして、その法規に従って妥当な政策で進めていく、そういうことであります。たしかあれはそういう国有地の処理の推進本部があり、官房副長官がまたそれを推進するための小委員会の長となってそして進めておったと。それを中西国務大臣が引き継いで推進した。中西さんはやめまして、また今そういう関係で進めているというわけであります。
○神谷信之助君 これは昨年の我が党の安武議員の質問でも明らかにいたしました。この西戸山開発ですが、東京興産の社長の、総理もよく御存じの野島吉朗氏、この人が取締役、それから田村専務が西戸山開発の代表権を持つ専従の、常勤の専務として参加をしてこの新会社の中心になっていることはもうよく御承知だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そういう報告を昔受けたことはありますが、それらはたしか六十何社ですか集まってコンソーシアムをつくって、そして公平に公正に行う、そういうことでそれらの人々が選任したことでありまして、こちらには関係のないことであります。
○神谷信之助君 それじゃ実際に常勤をする専務が、代表権を持つ専務が西戸山開発の専務をやっている田村さんであると。それが実際は中心になって野島社長に協力をし、あるいは支持を得てこの西戸山開発を現在動かしているというのが状況ですが、この二月の二十三日ですか、この野島東京興産社長、神谷松久社長、角田角栄建設社長という三人が総理官邸を訪問していますが、これは何か陳情があったんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 彼らは中小関係のデベロッパーでありまして、民活についてどういうふうなやり方で推進したらいいかということを私に助言をしてくれた人たちであります。今のこの民活を推進するには民間の知恵を使わなければなかなか進まない。特に国有地を活用するという場合に、今までの役所流のやり方ではどうしても不能率で、そしてややもすれば役所の方は今までのやり方に頼って自分たちがやっていることが一番いいことだと思いがちです。しかし、それはまた一方民間がやってきたやり方から見れば非常に不能率とか、あるいは非常にスピードの遅いことも多い。そういうところを批判してもらって、そして直すべきものは直そうと、そういうことで意見を聞いたわけであります。
○神谷信之助君 さて、話は変わりますが、建設省、大規模開発促進のための五十九年度の調査六地点について御報告願いたいと思います。
○政府委員(高橋進君) お答えいたします。 五十九年度六地区の大規模開発調査、六府県におきまして六地区の団地について調査をいたしたものでございます。 千葉県の君津市の君津団地、神奈川県の茅ケ崎市の香川、下寺尾地区、三重県津市安濃町の津市北部、奈良県奈良市、生駒市の登美ケ丘十一次、大阪府和泉市和泉ニュータウン、広島県広島市沼田地区、以上でございます。
○神谷信之助君 それは建設省が直接やったやつですか。
○政府委員(高橋進君) 建設省が都道府県に委託いたしまして調査をしたものでございます。
○神谷信之助君 調査結果の報告をされた地区というのは埼玉、千葉県、それから愛知県、大阪、奈良と、この五県から六地区出ている分、これはどうですか。
○政府委員(高橋進君) 先ほど申し上げましたのは五十九年度の調査でございまして、五十八年度の調査につきまして同じような調査をやっております。 それは、埼玉県の飯能市宮沢、千葉県の印旛村の平賀、同じく千葉県の佐倉市飯重、愛知県春日井市玉野、大阪府熊取町成合、奈良県大淀町薬水、以上の地区でございます。
○神谷信之助君 その今の五十八年度の六地区の主な土地の所有者はわかりますか。
○政府委員(高橋進君) 五十八年度について申し上げますと、飯能市の宮沢につきましては西武鉄道株式会社、千葉県の印旛村平賀地区につきましては星和住宅、佐倉市の飯重につきましては東急不動産及び大林組、春日井市の玉野地区につきましては名古屋鉄道及び住友建設、熊取町成合につきましては南海電気鉄道、大淀町の薬水につきましては近畿日本鉄道というふうに承知しております。
○神谷信之助君 今お聞きのように私鉄系の不動産業界がずらっと名を並べているわけです。十年余りにわたって市街化調整区域で凍結されていわゆる塩漬けになっているもの、これをいよいよ開発のお墨つきを出してもらって、しかも優遇措置をやってもらう、こういうことが進められようとしているんです。 そこで、自治省に聞きますが、都市開発協会加盟の正会員二十八社についての国民政治協会への政治献金、調査をお願いしておりましたが、御報告願いたいと思います。これは五十三年から五十八年、各社、二十八社の合計額、それから協会の献金額、それからそれの合計、これについて御報告していただきたいと思います。
○政府委員(小笠原臣也君) お答え申し上げます。 自治大臣に提出されました国民政治協会の収支報告につきまして、五十三年、五十四年、五十五年分につきましては官報により、五十六年、五十七年、五十八年分につきましては収支報告書により調べましたところ、あらかじめお示しいただきました二十八社の各社及び都市開発協会からの国民政治協会に対する寄附につきましては次のとおりになっております。 五十三年につきましては、各社分が二億八千七百四十五万一千円、協会分が六百万円、合計二億九千三百四十五万一千円。五十四年につきましては、各社分が二億六千五百七万九千円、協会分が二百万円、合計二億六千七百七万九千円。五十五年分につきましては、各社分が二億八千十七万九千円、協会分が六百五十万円、合計二億八千六百六十七万九千円。五十六年につきましては、各社分が二億六千六百五十三万一千円、協会分が七百四十万円、合計二億七千三百九十三万一千円。五十七年につきましては、各社分が二億六千六百十万一千円、協会分が六百万円、合計二億七千二百十万一千円。五十八年につきましては、各社分が三億三百五十万一千円、協会分が千三百十万円、合計三億一千六百六十万一千円と、このようになっております。
○神谷信之助君 今お聞きのように、五十八年度に異常にふえてきています。前年に比べて一六・三%のアップです。 それで、この都市開発協会の会長は東急の五島昇さんで、加盟会社というのは、電鉄と電鉄系不動産会社二十八社、これが正会員、その他の中小の私鉄、系列の不動産会社は賛助会員。この東急の五島昇さんは、これは総理もごじっこんの方でしょう。 ここに「都市開発協会十年史」があります。これはことしの一月に出たものですが、これの二百十ページを見ますと、調整区域がつくられて凍結されて以来、凍結解除のための、規制緩和のための努力を重ねていった経過がずっとあって、そしていよいよ五十八年に自民党の担当部門に陳情もし、政府にも陳情する。そうして調整区域の活用の方針が決定された、こういうことを得々と書いています。まさにこの政治献金の効果があらわれた、あるいはこれがあったから五十八年度は異様に一六%余りの政治献金がふえたと言うこともできると思います。いよいよそれで五十九年度も同じように、今あったように六地点が準備をされています。こういうことについて総理、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 別にその協会から陳情を受けたからどうしたというのじゃなくして、住宅政策の関係から必要な部分は見直しをやろう、そういうことで何回か見直しをしてきていると思います。その過程の話ではないかと思います。
○神谷信之助君 過程の話が実って、それで異様な献金がふえてきたのでしょう。だから、ここに政治献金と政策決定の関係というものに疑問を持たざるを得ないのです。 それで、建設省に聞きますが、今の佐倉市の飯重地区の土地所有企業が大林組と東急不動産、こういうことですが、その前の企業はどこですか、所有者は。
○政府委員(高橋進君) 承知いたしておりません。
○神谷信之助君 それじゃ、資料を配ってください。 〔資料配付〕
○神谷信之助君 これは千葉県佐倉市の飯重地区の、私ども調査をしていた内容であります。二枚目に「飯重地区について」とあります。ここに土地転がしの経過があります。三枚目にはそれを示すところの謄本が一緒にしてあります。これは農民の所有している土地を四十六年の十二月に東京興産がずっと買い占めました。そして、翌年三月に日本地所に渡りました。この日本地所は、いわゆる日債銀ですね、福島交通事件にも関係しておりました日債銀の子会社です。これが半分を大林組に渡しました。その後、その日本地所の半分残っていた分が五十七年の三月に東急不動産に渡り、現在に至っています。 私は、こういう状態なんかもちゃんと調べて促進地区の指定というものは考えなければならぬというように思うのです。総理に聞きますが、こういう土地転がしというのは土地価格のつり上げになる、そしてその中で莫大な利益を得るというのがいわば土地売買での一般的常識みたいになっていますが、いかにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この契約の内容は果たしてどういうものであるか調べたことも聞いたこともありませんから、何ともお答えすることはできませんが、正常な契約行為で行われるというものは資本主義社会においては当然これは認められると思います。
○神谷信之助君 建設省、こういう売買価格についてお調べになりましたか。
○政府委員(高橋進君) 私どもが行っております宅地供給の関係の調査、これはいかに良好な宅地が供給されるか、そのためのネックがどういうことにあり、それの解決策の方針がどういうことであるかという、そういう観点からの検討でございまして、こういった過去の売買の経緯がどうであるかということについては現在のところ調査のつもりはございません。
○神谷信之助君 優良な土地というのはどういう意味ですか。
○政府委員(高橋進君) 良好な環境の中で、適正な規模また内容なものの住宅宅地の供給というふうに考えています。
○神谷信之助君 土地転がしで地価が上がったのでは、優良な宅地の提供にならないのじゃないですか。
○政府委員(高橋進君) 私も今初めて見さしていただいたんですが、これが事実だとした場合に、その結果に土地が値上がりするのかどうかということにつきましては一応別問題でございまして、宅地供給というのは、民間事業者が宅地供給する場合にやはり買い手がなければ売れないわけでございますので、そういった意味での価格というものが基本的に設定されるでございましょうし、また、その一定の条件のもとでは国土利用計画法によるチェックもなされるものと考えます。
○神谷信之助君 ここに契約書のコピー、一連のやつがあります。契約書、それから覚書、念書、こういうものがあるんですが、これによりますと、一坪、田が一万一千円、畑が一万四千五百円、山林が八千円ということになっています。お手元の資料の二枚目に「土地ころがしによる差益」というものを書いていますが、こういう面積で、大体計算しますと約それぞれ十億円ずつ、約三十億 円で買収をしているというのが一番最初の農民、いわゆる土地所有者と東京興産との契約であります。それで、ここにあるように契約書に基づいて既に六割、約十八億円これが支払い済みで、残りの十二億円は開発許可がオーケーになって所有権の移転登記をやってからということになります。 その次にあります謄本の左側の二段目のところにちょっと出てきていますが、昭和五十六年五月に東急不動産が金銭消費貸借設定、五十二億二千三百万円行いました。それに基づいて五十七年三月に代物弁済をしています。これは二分の一であります。いわゆる日本地所の持ち分を東急不動産に売買をしたわけです。この代物弁済の額が五十二億二千三百万円、これが二分の一ですから、合わせますと全体で約百四億円、こういう価値になっているということが言えます。したがって、東京興産はずっといまだにこの問題にタッチしてやっていますが、この間で少なくとも数十億円の利益を得たということになるというように思うのです。 これは総理自身も野島さんよく御存じだということですから御存じだと思うんですが、東京興産という会社は昭和四十二年に株式会社として出発しました。これは資料の五枚目にあります。初めは野島吉朗氏夫妻ら同族の小さい会社で出発をして、それが佐倉を舞台にして一躍大会社といいますか、一億二千万円の資本金を持つ東京興産株式会社になってきました。総理はこういうことは御存じでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いや、知りません。
○神谷信之助君 私は、こういう中で、それだけではなしに、これは建設大臣に聞きたいのですが、東京興産の宅建業の免許、都知事免許及び大臣免許、これの取得年月日はどうなっていますか。
○政府委員(高橋進君) お答えします。 昭和四十三年の四月三十日に東京都知事の免許を取得いたしまして、その後昭和四十五年十二月十一日に建設大臣の免許を受けております。現在は更新をいたしまして、昭和五十七年の十二月十一日に更新の免許交付をいたしております。 〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕
○神谷信之助君 私の調査では、この佐倉市に事務所を構えまして営業活動を早くからやっていました。それはこの大臣免許を取得した昭和四十五年の十二月十一日以前であります。例えば、一つは四十一年から四十二年にかけての八幡台団地の地上げがあります。もう一つは、この飯重地区の売買交渉で、この契約書にもありますように昭和四十五年の八月一日の契約書の記述が出てきています。この点宅建業法の十二条一項の問題とも関連をしてくるのじゃないかと思うのですが、建設省いかがですか。
○政府委員(高橋進君) 宅地建物取引業法の十二条第一項では「第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。」という規定になっております。
○神谷信之助君 したがって、それに違反をしているのではないかという疑いがあるのですが、この点ひとつ建設省、調査をしていただけますか。
○政府委員(高橋進君) 都知事免許を持っていましてほかの県で宅地開発事業をやることが直ちに宅地建物取引業法違反になるものではございません。当然に宅地建物取引業法違反にはなりません。
○神谷信之助君 そんなことはわかっているのですよ。問題は、佐倉市に事務所を置いて、取引主任を置き代行権委任もされているという状態で活動をしていれば、これは明らかに十二条一項違反になっている。したがって、十二条違反になるのかならないのかについて建設省は調査をしたらどうですか。
○政府委員(高橋進君) 調査いたします。
○神谷信之助君 そこで中曽根さん、お聞きのとおりなんですが、野島吉朗氏と極めて懇意で、昨年の安武さんの質問では、東大出身で非常に若くて切れるんだと言ってほめておられましたけれども、本当に東大出身でしたか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私の記憶にそういうのがあったということで申し上げたので、自分で確かめたわけではありません。あるいは自分の記憶が間違っているかもしれません。しかし、ともかく非常に法規に詳しい優秀な人であると思っています。
○神谷信之助君 東京医科歯科大学の中退ですよ。別に学歴がどうのということは私は区別をするわけじゃないんで、違うんですが、もし野島さん御本人からお聞きになっておったとすれば、それは虚偽の、経歴詐称みたいなものですね。それで、確かに法律に詳しいです。ずっとこういう地上げ屋、不動産ブローカーもやってきておられます。したがって、この野島さんが今確かにのし上がってきておられるけれども、いろいろと業界の中ではそういう意味でもいろいろな意見のある人だし、私どもまだそのほかいろいろな問題を今さらに調べておりますけれども、こういう人を中心に総理が第一号としてやろうという西戸山開発ですね、この株式会社の中心でやっている人を重用するといいますか、これはぐあいが悪いのではないかと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ともかく、世の中のいろいろな人の意見を聞いて、政府や行政の間違っていることや、あるいはスローモーや、あるいは国民の意思に反するようなことをやっているのを直すというのは政治の仕事ですから、だれとでも私はよく話を聞きたいと思うし、共産党の人でも意見があればよく聞きたいと思っています。
○神谷信之助君 意見を聞いたらいかぬとは言ってない。西戸山の公務員宿舎をやろうというその事業の中心に据えるというのはいかがなものかと、こう言っているのです。 建設省、もう一遍聞きますがね、この西戸山の国有地を民間事業者が事業主体となるための方法というと都市計画法の五十九条の第四項しかないと思いますが、いかがですか。
○政府委員(松原青美君) お答えいたします。 五十九条の規定によりまして、知事の認可を受けて事業施行することができます。
○神谷信之助君 それはどういう場合ですか、民間業者にやらせることができるのは。
○政府委員(松原青美君) ちょっと都市計画法の五十九条の四項を読ましていただきますが、第四項で、「国の機関、都道府県及び市町村以外の者は、事業の施行に関して行政機関の免許、許可、認可等の処分を必要とする場合においてこれらの処分を受けているとき、」これは公益事業等の免許を受けているという意味でございますが、「その他特別な事情がある場合においては、都道府県知事の認可を受けて、都市計画事業を施行することができる。」こういうことでございます。
○神谷信之助君 その「特別な事情がある場合」というのはどういう場合ですか。
○政府委員(松原青美君) お答え申し上げます。 この「特別な事情」というのは事業の公益性、申請者の資力、信用等を考慮して、その事業が円滑かつ適正な執行が確保できると認められる事情を言うものと考えております。
○神谷信之助君 これが適用された事業はどれだけありますか。
○政府委員(松原青美君) お答え申し上げます。 ちょっと足し算をしてみませんと合計数が出ませんのですが、それぞれの事業の種別によりまして、過去六十数件かあるかと思いますが。
○神谷信之助君 新宿西戸山のこの問題のところですね、この国有地、これを民間事業者が事業主体となってやる場合は、これは「特別な事情」というのはどういうことになりますか。
○政府委員(松原青美君) これにつきまして都市計画決定が行われました後、民間の方がこの事業を施行したいという申請がありました場合に、その申請者の先ほど申し上げました資力、信用その他この事業の遂行能力等を審査しまして、知事が判断して認可するかどうか決めることになります。
○神谷信之助君 その場合は道路、駐車場いろいろずっとありますが、これの適用というのは一団 地の住宅施設という、そういうことになるわけですか。
○政府委員(松原青美君) ただいま東京都と新宿区におきまして、この新宿西戸山の住宅建設につきまして一団地の住宅施設としての都市計画決定を行うべく準備いたしておりますので、その一団地の住宅建設を施行する都市計画事業ということで特許を受けることになります。
○神谷信之助君 今までにこの項目では何件ありますか。
○政府委員(松原青美君) お答え申し上げます。 一団地の住宅施設につきましては十一件ございます。
○神谷信之助君 新法ではどうですか。
○政府委員(松原青美君) 新法と申しますのは都市計画法の新法という意味かと思いますが、新法になりましてからはまだございません。と申しますのは、新住宅市街地開発法という法律がその後できまして、従来ならば都市計画の一団地の住宅施設として行われた事業が、あらかたそちらの方へ移りました関係でございます。
○神谷信之助君 今度の場合、西戸山の場合も何で新住宅のあれでやれないんですか。
○政府委員(松原青美君) お答え申し上げます。 新住宅市街地開発法の施行要件には当たりません。
○神谷信之助君 それで今度は新法になって最初の事例としてこれをやろうというわけでしょう。それで総理、「特別な事情がある場合」ということになって、新法になってからはゼロなんですよ。ところがどうしても都市計画事業として認定をさして、そしてやらないことにはぐあいが悪い理由がある。それはなぜかというと、国有地の払い下げを随契でやる必要がある。随契でやる場合はそういう公共性のある事業であるということと、それでその施行をやるんだということが施行者として東京都で認められるということによって随契が可能になってくる。だから、国有地を西戸山開発の会社に払い下げるために、新法の五十九条第四項が今まで新法になってから一度も適用されたことがないのに、これの適用を図る、都市計画事業としてやらせようと。そうすることによって随契に持っていこう。まさにそういう点では、この点にも五十九条の法理を逸脱した疑いさえあることではないかと思うんです。 こうしたとんでもない会社の中心会長が今まで申し上げました野島吉朗氏。だから私は、こういう点を糾明して、東京興産がその中心としての役割を果たす、今やっているのをこれは改めるとか、あるいはやめてもらうということでない限り、この疑惑はとれないというふうに思うのですが、最後に総理の見解を聞いておきたいと思います。
○政府委員(松原青美君) ただいま一団地の住宅施設の都市計画として行うことが不適当ではないかという御趣旨の御指摘ございましたので、建設省の考え方を説明申し上げたいと存じます。 御承知かと思いますが、この地区は、東京都と新宿区にとりましては防災避難地等重要な地区でございます。当該地区の土地利用構想を具体化するに当たりましては、その内容が適切に都市計画、具体的には特定街区、さらに一団地の住宅施設の都市計画でございますが、都市計画として決定され、その都市計画の内容に即しまして制度的に事業が執行されると、将来ともそのような土地利用が担保されるということから、都市計画として決定することが望ましいことではないかと判断いたしております。
○国務大臣(中曽根康弘君) あの土地はたしか四万平米ぐらいあったと記憶しておりますが、そこへ公務員住宅がそれほど多くなく、相当膨大な土地を、しかも都心の一等地を占有していると、こんなもったいないことはない、そういう批判がかなりありまして、昔の戸山ケ原の練兵場ですか、そういう意味からこの際民活をやろうという政府の決定に基づいて、その一つの対象としてあそこが選ばれまして、大蔵省を中心にいろいろな努力が積み重ねられて、そして法律に従って適正に行う、そういうことで今まで進められてきた。そういう意味において、たしか六十数社の人たちが公募みたいな形で、みんな集まって、そして彼らが自分たちで役員なりその他を決めてその志願の母体をつくったと、そういうことであります。そういう、公務員用地を使うというようなかなり公共性のあることですから、一私企業だけでやってはならぬと、そういう意味で六十数社というものが集まって、そして公平に公正に行われるような母体をつくろうと、そういう考えで進められたものだと思っております。 それが適当であるか適格であるかということは、あくまで法律に基づきまして、区なり都なりが御認定になることでありますから、区なり都なりが御認定なさればいい。だれが重役であり、だれがその中で動いているかというようなことは私の関知したことではありません。それらの六十数社の人たちが会社設立のときに取締役なりその他を選任して彼らが決めたことでありまして、私がどうこうしたというわけではありません。どうぞ御疑念なきようにお願いいたします。
○神谷信之助君 火のないところに煙は立たぬのです。 終わります。
○理事(梶木又三君) 以上で神谷君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明後二十二日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会