本会議 第22号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1985/06/24
会議録
○議長(木村睦男君) これより会議を開きます。 日程第一 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長平井卓志君。 〔平井卓志君登壇、拍手〕
○平井卓志君 ただいま議題となりました女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。 この条約は、男女平等に関する基本的かつ包括的な条約として国連において作成されたものでありまして、国連憲章、世界人横宣言等に示されている男女平等の原則を敷衍しつつ、政治的、経済的、社会的、文化的その他あらゆる分野における女子に対する差別を撤廃することについて定めております。 委員会におきましては、中曽根内閣総理大臣の出席をも求めて慎重審議を行い、条約批准の意義と実効性の確保、婦人の政治的、公的分野への参加の促進、家庭科教育等教育の分野における男女同一の取り扱い、男女雇用機会均等法と条約との整合性、賃金等雇用の分野における女子差別の撤廃、女子の待婚期間等民法の規定と条約との関係、未批准の婦人関係ILO条約の批准の見通し等につき質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。 去る二十日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、委員会におきましては、政策決定の場への婦人の参加の促進、教育、雇用その他あらゆる分野における男女平等の確保等につき政府の努力を要請する決議案が自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、参議院の会各会派の共同提案として提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしましたので申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) 日程第二 日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長松前達郎君。 〔松前達郎君登壇、拍手〕
○松前達郎君 ただいま議題となりました日本放送協会昭和五十七年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 本件は、日本放送協会の昭和五十七年度決算に係るものでありまして、放送法の定めるところにより、会計検査院の検査を経て内閣から提出されたものであります。 その概要を申し上げますと、同協会の五十七年度末における財産状況は、資産総額二千五百二十四億一千五百万円、負債総額一千四十八億一千六百万円、資本総額一千四百七十五億九千九百万円となっております。 また、当年度中の損益は、経常事業収入二千八百七十七億四千六百万円に対し、経常事業支出二千八百六億二千八百万円であり、差し引き経常事業収支差金は七十一億一千八百万円となっており、これに固定資産売却損益等の特別収支を含めた事業収支差金は七十一億一千六百万円となっております。 この当期事業収支差金は、翌年度の事業収支不足額を補てんするための財源に充てております。 本件には、会計検査院の「記述すべき意見はない」旨の検査結果が付されております。 委員会におきましては、収支予算等が適正かつ効率的に執行されたかどうかを初め、公共放送としてのNHKのあり方、放送衛星ゆり二号の打ち上げ延期等の諸問題について、政府、会計検査院並びに協会当局等に質疑を行い、慎重審議の結果、本件は全会一致をもってこれを是認すべきものと議決いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 本件は委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本件は全会一致をもって委員長報告のとおり是認することに決しました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) 日程第三 昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案 日程第四 国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案 日程第五 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上三案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤井裕久君。 〔藤井裕久君登壇、拍手〕
○藤井裕久君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の 確保を図るための特別措置に関する法律案は、国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることにかんがみ、昭和六十年度の財政運営に必要な財源を確保するため、同年度における特例公債の発行、国債費定率繰り入れの停止及び政府管掌健康保険事業に係る厚生保険特別会計への繰入額削減の特例措置を定めようとするものであります。 次に、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案は、今後、国債の大量の償還が見込まれることにかんがみ、その償還に円滑に対処するため、年度内に償還される借換国債の発行及び償還を国債整理基金特別会計の歳入歳出外として行うこと並びに翌年度における国債の整理または償還のための借換国債の発行を行うことができることとするとともに、国債の償還財源の充実に資するため、日本たばこ産業株式会社及び日本電信電話株式会社の株式の一部を同特別会計に所属させようとするものであります。 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案は、産業投資特別会計の資本を充実するため、日本たばこ産業株式会社及び日本電信電話株式会社の株式の一部を同特別会計に所属させるとともに、一般会計への繰り入れ規定その他所要の規定の整備を行おうとするものであります。 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、公債残高縮減の方策と財政再建の具体的方途のあり方、減債基金制度における定率繰り入れの位置づけとその重要性、短期国債を含む公債の日銀引き受け禁止の確認、大量の借換国債発行下における国債管理政策のあり方と短期国債発行の金融・証券市場に及ぼす影響、会社の株式売却収入を国債償還費に充当することについての確認、株式売却のあり方と証券市場における対応策、産業投資特別会計編入の株式にかかる配当金の使途のある方等について、総理、大蔵大臣並びに財政当局等に対して質疑が行われたほか、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録に譲ります。 質疑を終わり、三法律案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して大木正吾委員より三法律案に反対、自由民主党・自由国民会議を代表して藤井孝男理事より三法律案に賛成、公明党・国民会議を代表して桑名義治理事より財源確保法案及び国債整理基金特別会計法改正案に反対、日本共産党を代表して近藤忠孝委員より三法律案に反対、民社党・国民連合を代表して栗林卓司委員より財源確保法案及び国債整理基金特別会計法改正案に反対、産業投資特別会計法改正案に賛成する旨の意見が述べられました。 討論を終わり、三法律案について順次採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三法律案に対し、昭和六十五年度を目標とする特例公債依存体質脱却の具体策の基本的考え方を明らかにすること等の五項目にわたる附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(木村睦男君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。大木正吾君。 〔大木正吾君登壇、拍手〕
○大木正吾君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する三法律案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。 冒頭に、私は、中曽根内閣が現下の我が国経済を取り巻く内外の厳しい諸情勢を的確に受けとめようとせず、依然として当面の糊塗策に固執し、その場しのぎの経済運営の基本姿勢を改めようとしないことを指摘しないわけにまいりません。 政府の経済見通しや経済運営の基本方針は、口先だけは内需拡大を唱えながら、これを現実に結びつける有効な具体策は何一つ実行することなく今日に至っています。その結果、海外から貿易や金融等の国際取引に係る市場開放要求だけではなく、純然たる国内政策である租税政策を含めた内需拡大策の実行を迫られる事態に立ち至ったのであります。我が国の世界経済に占める地位や立場、そしてその果たすべき役割からして、国内政策についての無策ぶりを海外から指弾を受けるがごときは、まさしく国辱的現象であるにもかかわらず、なお今日に至るまで内需拡大についての具体策を示そうとしていないのであります。このままでは経済の活性化の道が開けるはずはありません。我々が主張してきた自律型成長に基づく経済運営を土台にした財政再建も日の目を見ることはできず、財政の対応力回復の実現は空論に終わることが必至であります。 赤字財政を理由に社会保障費など国民生活諸費を圧迫し、その反面では防衛費のみを突出させていることを許すことはできません。しかも、後の世代や地方公共団体に負担のツケを回して、一般会計の数字合わせにきゅうきゅうとしているのであります。今重要なことは、事実上死に体となっている政府の財政再建計画を経済の実態に適合した実効の上がるものに組みかえ、その実現を着実に推進することであることをここに改めて強調するものであります。 以下、順次反対の理由を申し述べます。 第一は、特例公債の残高の残存期間に係る問題であります。 昨年度の財源確保法において、政府は「政策転換」の一言をもって何らの見合い資産の存在しない特例公債について借換禁止規定を一挙に削除したことにより、本年度よりその借りかえが始まったのであります。しかし、法律上、特例公債の借りかえが認められたとはいえ、特例公債を建設公債と同様に六十年にわたって借りかえを繰り返すことについて、国会がこれを認めたわけではありません。 しかるに、政府は、他に借りかえのルールがないとして六十年償還に固執し、本年度第一回の特例公債の借りかえにおいて既に六十年償還ルールを適用しているのであります。前回の財確法、そして今回の法案において規定されている特例公債についての借りかえに当たっての努力規定、すなわち、できるだけ借りかえないようにする、そして借りかえ後においては残高の減少に努めるとの条項があるにもかかわらず、審議の過程においては、その努力の具体的方策は全く明確にされませんでした。 反対理由の第二は、公債発行の歯どめについての政府の認識が根本的に欠落していることであります。 昭和四十年度において我が国財政に公債政策を導入してから、国民の合意のもとで設けられてきました公債発行についての数々の歯どめは、これまでの政府のたび重なる財政運営の失敗により次々に打ち破られ、現在残っているのは市中消化の原則のみであります。我が党は、今後累積し続ける借換債を含めた公債の発行について、この市中消化の原則が守るべき歯どめとなるような法的措置をとることを政府に強く要求してまいりました。しかし政府は、言を左右にして我々の声に耳をかそうとはしなかったのであります。 国債の借りかえは、今後、年を経過するごとにますます巨額に上り、しかも特定の月の特定の日に集中することになります。政府は、そのために短期国債を発行しこれを切り抜けるのだとしておりますが、市中消化ができないという理由をもって、財政法第五条ただし書きによる「特別の事由」にこれを該当させることはしないとの答弁を繰り返し続けたのであります。しかし、日銀引き受けを行わないという法的、行政的保証は全くありません。このような事態の中で、短期国債の日銀引き受けが中長期国債へと波及し、財政インフレをもたらす禍根となることを憂慮せざるを得ないのであります。 反対理由の第三は、五十七年度以来、四年連続いたしまして国債費の定率繰り入れが停止をされ、それによって減債基金制度が事実上崩壊の危 機に瀕している問題であります。 減債基金制度存立の根幹は、定率繰り入れによって維持されるものであります。本年度まで四年続いての定率繰り入れの停止により、国債整理基金の残高は枯渇寸前の状態にあり、もし六十一年度において財源難を理由に引き続いて繰り入れを停止するようなことになれば、国債の償還に六千億円の不足を生ずることになるのであります。ところが政府は、この危機的状況を無視して、六十一年度においても定率繰り入れの停止を予定していることをほのめかし、不足分を予算繰り入れで逃げ切ろうとしています。これでは国債整理基金は単なる一般会計からのトンネルとしての機能しか果たせないこととなり、減債基金制度は名実ともに崩壊することになると言わざるを得ません。 また、国債整理基金特別会計所属となる電電株式の売却収入を国債償還の財源に充てるとする内容の法案を審議している場において、六十一年度以降の定率繰り入れ停止の可能性を示唆しているのでありますが、電電株の売却収入により基金に余裕が生じたことを奇貨として一般会計からの定率繰り入れを停止することになれば、結果的には株式の売却収入を一般会計の財源に充てるのと同じ結果となるのでありまして、このような財政制度無視の法案には私たちは絶対に賛成できません。 以上のほか、巨額の短期国債発行による金融秩序への影響については、その解明は極めて不十分であり、今後、財政金融の混乱が深まることを憂えざるを得ません。さらに、政管健保に係る厚生保険特別会計への操入額の削減措置並びに産業投資特別会計から一般会計への繰り入れの道を開いたことは、これまた一般会計の収支じりのつじつま合わせを行うための手段を講じたものであり、これらの措置がもたらす弊害の重大性にかんがみ、断じて容認することはできないのであります。 最後に、日本電信電話株式会社の株式の売却方法と使途についてであります。 株式の売却と売却益の使途が今回の法案で決定されることとなるのでありますが、これまでの会社法案についての衆参両院逓信委員会の審議経過や附帯決議を無視しています。また、株式の売却の手段、方法は、これから検討されるという段階であります。しかも六十年度予算には売却収入が計上されておりません。にもかかわらず、売却収入の使途を不十分な論議の中で押し切ったことは許すわけにはまいりません。 私は、本会議の質疑に際しましても、株式の売却に当たっては、これが国民共有の資産であることにかんがみ、いささかも国民の疑惑を招くことがあってはならない、また利権を生じさせてはならない。広く国民一般が安定的に株式を保有し、真に国民共有の財産として信頼を保持しなければならない。しかも今回の電電株式の売却には、一般の会社のごとく、財務諸表や決算の状況等株式売却に要する要件が満たされておりません。私は改めて、売却を両二年凍結するか、具体的基準を国民に公開することを求めるものであります。そして、五兆一千億円に及ぶ会社の負債総額への対応策として、利子、償却等の経営上の負担軽減の必要性をここに強く要請するものであります。 以上で私の財確等三法案に対する反対討論を終わるものでありますが、本年度末には百三十三兆になんなんとする国債残高、年間予算の二割を超える国債費は、まさしく異常という以外にありません。財政インフレを引き起こすことは必至であります。中曽根内閣に対し、抜本的な財政経済運営の改革を要求して、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(木村睦男君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 まず、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案及び国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。 両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。 よって、両案は可決されました。 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) この際、日程に追加して、 国会法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長遠藤要君。 〔遠藤要君登壇、拍手〕
○遠藤要君 ただいま議題となりました国会法の一部を改正する法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。 本法律案は、議員の政治倫理確立のための措置について定めようとするものでありまして、衆参両議院の政治倫理協議会の答申に基づくものであります。 その内容は、国会法に新たに政治倫理の章を設け、議員は、各議院の議決により定める政治倫理綱領及び行為規範を遵守しなければならないこと、各議院に政治倫理審査会を設けること、並びに審査会に関する事項は各議院の議決により定めることとしようとするものであります。 なお、本法律案は、次の常会の召集日から施行することとしております。 委員会におきましては、提出者の小沢衆議院議院運営委員長から趣旨説明を聴取した後、原案のとおり可決すべきものと多数をもって決定した次第でございます。 なお、本法律案に関連する政治倫理綱領、行為規範及び参議院政治倫理審査会規程につきましては、議院運営委員会において、今国会閉会中にその案を取りまとめ、次の国会の冒頭に提出することといたしております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) この際、国民生活・経済に関する調査特別委員長から国民生活・経済に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 国民生活・経済に関する調査特別委員長対馬孝且君。 ───────────── 〔調査報告書は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔対馬孝且君登壇、拍手〕
○対馬孝且君 本調査特別委員会の中間報告の概要を御説明申し上げます。 本委員会においては、さきの第百一回国会の調査報告書(中間報告)の提出以後、同報告書に記載された今後の検討課題等を中心に熱心な審議が行われました。 すなわち、国民生活・経済の長期的課題に関連して、我が国と先進諸国等をめぐる経済摩擦及び内需拡大による諸問題を当面の緊急課題として取り扱うことといたしました。このため、経済摩擦と内需拡大に関し、安倍外務大臣、村田通商産業大臣、金子経済企画庁長官及び河本国務大臣の四閣僚と澄田日本銀行総裁等に対する質疑、学識経験者のほか、経済団体、農業団体及び労働団体の各代表者からそれぞれ意見を聴取する等の集中審議を行いました。 この集中審議の主な論議について申し上げます。 第一は、我が国の対米貿易収支不均衡は、本来、為替レートの変動を通じて調整されることが期待されるにもかかわらず、通貨の関係はむしろドル高現象を生じており、期待される米国の財政赤字是正による金利低下、ドル高修正の見通しは不透明であります。 第二は、対米貿易収支黒字に対する米国の対日批判は、我が国の対外経済対策の効果及び実績いかんにより再燃のおそれがあることであります。 第三は、具体的な不均衡是正の方向として、まず、ドル高・通貨問題に関しては、米国財政の赤字是正についての毅然とした米国への申し入れが必要であること等が指摘され、市場開放・輸入拡大等に係る諸問題のうち、農林産品については、農業が食糧生産等に重要な役割を果たしていることも配慮してなだらかに慎重な対応をしていくこと、直接的な外国製品購入の奨励策については、実際上の効果としては否定的な見方があることなどが論ぜられました。 次に、内需拡大に係る方策のうち、減税については、約三百兆円のGNPを動かすにふさわしい所得税等の大幅減税の合意がありました。ただし、その財源については財政再建との関連もあり、必ずしも合意に達しておりません。 さらに、社会資本の整備、労働時間の短縮、住宅ローンの利子負担の所得控除及び我が国の海外協力の拡充の必要性等についてそれぞれ指摘されたところであります。しかし、本問題は、国際経済全般の動向とも関連するため、今後とも内容充実に重点を置いて総合的に検討を進めたいと考えております。 なお、前国会に引き続き設置されました技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会、高齢化社会検討小委員会及び生活条件整備検討小委員会においては、それぞれ学識経験者等からの意見の聴取、各小委員間の活発な意見の交換が行われたほか、委員派遣に際し、関連施設等の視察を行いました。 これらの内容につきましては、梶木又三君、糸久八重子君及び亀長友義君の各小委員長より本委員長あてに第二次中間報告書が提出されておりますので、本委員会の報告書に付することといたしました。 最後に、本委員会の調査報告は、参議院改革の一環として設置された経緯等にかんがみ、最終的には国の施策に適切に反映されることを目的とするものであります。したがって、本委員会の調査の過程においては政府の施策の運営に対し国民生活・経済の課題についての問題提起も想定されるのでありますが、このためには各会派の寛容さと、委員相互間の積極的な意見の交換が望まれるところであります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────・─────
○議長(木村睦男君) この際、外交・総合安全保障に関する調査特別委員長から外交・総合安全保障に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 外交・総合安全保障に関する調査特別委員長植木光教君。 ───────────── 〔調査報告書は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔植木光教君登壇、拍手〕
○植木光教君 外交・総合安全保障に関する調査特別委員会における調査の概要を御報告いたします。 本調査特別委員会が設置されて以来、二年が経過いたしましたが、第一年度の調査の概要につきましては、昨年八月本議場において御報告申し上げたとおりであります。第二年度は、その成果を踏まえ、さらに詳細な討議を行うため、委員会に「安全保障問題」、「外交問題」及び「国際経済問題」の三つの小委員会を設置いたしました。これらの小委員会は、いずれも極めて精力的に、かつ充実した審議を行ってまいりましたが、その概要は次のとおりであります。 まず、安全保障問題小委員会は、調査項目として「自衛隊の現状と問題点」、「日米安全保障体制の現状と問題点」及び「軍縮問題とわが国の対応」の三つを選定し、これらについて、各会派推薦により、統合幕僚会議議長及び陸・海・空幕僚長の各経験者五名を含む十六名の参考人から意見を聴取した後、小委員がそれぞれ意見を表明いたしました。これらの審議の内容は、防衛計画の大綱、シビリアンコントロール、自衛隊の災害派遣、日米防衛協力のためのガイドライン、非核三原則、軍縮における検証問題、SDI等の具体的な問題に及び、これらは今後掘り下げた論議を行うための基礎となるものと考えます。 次に、外交問題小委員会は、我が国外交の現状と課題等について外務省当局から説明を聴取した 後、調査の主要項目として、「実効ある平和外交の展開」、「経済大国日本の外交戦略」、「国連外交その他国際機関を通ずる外交の活発化」及び「日本外交の基盤整備」の四つを掲げ、これらを中心に小委員がそれぞれ意見を開陳いたしました。次いで三名の参考人から意見を聴取し、最後に小委員間で自由討議を行いましたが、これらの審議において、我が国の安全保障のあり方、軍縮、協済協力、国連の平和維持機能、外交実施体制、外交に関する政府と国会との関係等の諸問題が討議されました。 次に、国際経済問題小委員会は、現在我が国が厳しい対応を迫られております経済摩擦問題を調査項目とし、五名の参考人から意見を聴取し、また政府当局に対し質疑を行いましたが、特に、ハイディ在日米国商工会議所会頭を初め、米国、アジア及びECを代表するものとして三人の外国人参考人から個別に意見を聴取し、我が国市場へのアクセス問題を中心に率直な意見を交換することができましたことは、この問題への適切な対応を探る上で有益であったと考えます。 一方、委員会といたしましても、これらの小委員会が調査を続けております間、経済摩擦について、大來対外経済問題諮問委員会座長及び堤西武セゾングループ代表を参考人として招致し、また、今国会における調査の締めくくりとして、当面する国際経済、外交、安全保障等の問題について関係大臣に対し質疑を行いましたが、特に、マンスフィールド駐日アメリカ合衆国大使を賓客として委員会に招き、日米間の経済摩擦問題について腹蔵ない意見の交換ができましたことは、意義深いことでありました。 かくして、経済摩擦について、当面の課題は、本年四月政府が決定した「対外経済対策」に基づいて策定される行動計画の内容を実効あるものとし、これを確実に実行していくことであるというのが大方の意見でありました。 以上が一年にわたる本委員会の調査の概要であります。いまだ各問題について最終意見を取りまとめるに至っておりませんが、今般、安全保障問題小委員長安孫子藤吉君、外交問題小委員長大木浩君及び国際経済問題小委員長大木正吾君よりそれぞれ小委員会における調査の中間報告が委員長に提出されましたので、これらの内容を中心に本委員会の報告書を作成し、中間報告として議長に提出した次第であります。 今日の激動する国際情勢下にあって、我が国がその平和と繁栄を確保し、平和国家、また経済大国として国力にふさわしい国際的責任を果たすことができるよう、国会が外交・総合安全保障についてさらに討議を重ね、その成果を国の施策に反映させることは極めて重要であると考えます。本委員会はこのような目的を達成するため、一層充実した調査を進めたいと念願するものであります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────・─────
○議長(木村睦男君) この際、エネルギー対策特別委員長からエネルギー対策樹立に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 エネルギー対策特別委員長田代由紀男君。 ───────────── 〔調査報告書は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔田代由紀男君登壇、拍手〕
○田代由紀男君 エネルギー対策特別委員会における調査の概要を御報告いたします。 本委員会は、エネルギーに関する諸問題を調査し、総合的かつ長期的な対策樹立に資するため、昭和五十四年十二月、第九十一回国会において新設され、昭和五十七年五月、第九十六回国会において、この間の調査の概要を中間報告として提出いたしました。 委員会は、引き続きエネルギー政策について政府から所信を聴取するとともに、当面するエネルギーの諸問題を初め、中長期的な施策の方向等について質疑を行い、また、広く識者の意見を聴取するなど、鋭意調査を進めてまいりました。 去る六月十九日、ほぼ三年にわたる調査の概要を取りまとめ、「中間報告」として議長に提出いたしました。 以下、「中間報告」における主な論議を申し上げます。 第一に、「長期エネルギー需給見通し」については、これが長期エネルギー施策の根幹をなす重要なものであるため、実態に即した長期需給見通しの策定、石油依存体質からの脱却と石油代替エネルギーの導入促進、セキュリティーとコストの調和及びエネルギー供給源の多様化等が論ぜられました。 第二に、「石油問題」については、長期安定供給の確保を図るため、中東依存度の低下等、供給先の分散化、五十八年三月、OPEC結成以来初めての原油価格の値下げと今後の見通し、石油製品の輸入政策のあり方、石油備蓄政策の進め方及び石油産業の構造改善対策と消費者保護等が論ぜられました。 第三に、「石炭問題」については、石炭鉱業の安定化対策、第八次石炭政策への取り組み方及び海外炭の開発輸入対策等が論ぜられました。 第四に、「原子力問題」については、原子力発電の安全性の確保と経済性、放射性廃棄物の処理・処分対策を含めた核燃料サイクル及び核融合の研究開発の現状等が論ぜられました。 第五に、「液化天然ガス」については、導入に当たって、石油等価となっている価格決定方法の弾力化や硬直的な引き取り条件の改善等諸条件の整備の必要性が論せられました。 第六に、「新エネルギーの研究開発」については、国家プロジェクトとしての研究開発を民間の協力を得つつ推進することの必要性及び地熱の開発利用の推進等が論ぜられました。 このほか、省エネルギー対策の推進の重要性、エネルギー対策の財源確保問題、国際協力の推進のあり方等について論ぜられました。 また、北炭夕張新炭鉱の閉山等石炭鉱業の現状を踏まえて、五十八年十月に「石炭政策の推進に関する決議」を行うとともに、三井三池炭鉱有明鉱、三菱高島炭鉱及び三菱南大夕張炭鉱の災害について現地調査を行いました。 以上が委員会の調査の概要であります。 申すまでもなくエネルギー対策の確立は、経済の発展と国民生活の安定を図るために不可欠な国家的命題であります。 本委員会は、今後さらにエネルギーに関する諸問題の調査を深めることにより、これを国の施策に反映させ、長期的観点に立った総合的なエネルギー対策の樹立に資する所存であります。 以上で報告を終わります。(拍手) ─────・─────
○議長(木村睦男君) 逓信委員長外九委員長から報告書が提出されました日程第六より第六〇までの請願を一括して議題といたします。
○議長(木村睦男君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
○議長(木村睦男君) 本件は各委員長要求のとおり決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 よって、本件は各委員長要求のとおり決しました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) この際、常任委員長の辞任についてお諮りいたします。 内閣委員長大島友治君、地方行政委員長金丸三郎君、法務委員長大川清幸君、外務委員長平井卓志君、大蔵委員長藤井裕久君、文教委員長真鍋賢二君、社会労働委員長遠藤政夫君、農林水産委員長北修二君、商工委員長降矢敬義君、逓信委員長松前達郎君、建設委員長本岡昭次君、予算委員長長田裕二君、決算委員長佐藤三吾君、懲罰委員長志村愛子君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。 いずれも許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 よって、いずれも許可することに決しました ─────・─────
○議長(木村睦男君) つきましては、この際、欠員となりました常任委員長の選挙を行います。
○名尾良孝君 常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することの動議を提出いたします。
○浜本万三君 私は、ただいまの名産君の動議に賛成いたします。
○議長(木村睦男君) 名尾君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 よって、議長は、内閣委員長に亀長友義君を指名いたします。 〔拍手〕 地方行政委員長に増岡康治君を指名いたします。 〔拍手〕 法務委員長に二宮文造君を指名いたします。 〔拍手〕 外務委員長に最上進君を指名いたします。 〔拍手〕 大蔵委員長に山本富雄君を指名いたします。 〔拍手〕 文教委員長に林寛子君を指名いたします。 〔拍手〕 社会労働委員長に岩崎純三君を指名いたします。 〔拍手〕 農林水産委員長に成相善十君を指名いたします。 〔拍手〕 商工委員長に下条進一郎君を指名いたします。 〔拍手〕 逓信委員長に大森昭君を指名いたします。 〔拍手〕 建設委員長に小山一平君を指名いたします。 〔拍手〕 予算委員長に安田隆明君を指名いたします。 〔拍手〕 決算委員長に丸谷金保君を指名いたします。 〔拍手〕 懲罰委員長に森田重郎君を指名いたします。 〔拍手〕 ─────・─────
○議長(木村睦男君) この際、お諮りいたします。 成相善十君、矢田部理君から裁判官訴追委員を辞任いたしたいとの申し出がございました。 これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 よって、許可することに決しました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) つきましては、この際、 裁判官訴追委員二名及び 北海道開発審議会委員一名の選挙 を行います。
○名尾良孝君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
○浜本万三君 私は、ただいまの名尾君の動議に賛成いたします。
○議長(木村睦男君) 名尾君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 よって、議長は、裁判官訴追委員に桧垣徳太郎君、瀬谷英行君を、 北海道開発審議会委員に対馬孝且君を、 それぞれ指名いたします。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) 今期国会の議事を終了するに際し、一言ごあいさつを申し上げます。 今常会は、昨年十二月一日に召集され、会期延長を含め二百余日にわたる長期国会でありましたが、重要議案を初め数多くの案件を処理し、円満のうちに会期を終わる運びとなりました。 特に会期末において議案がふくそうすることもなく、ゆとりのある審査を行うことができましたことは、参議院としてまことに喜ばしい限りであります。これひとえに各党各会派が互譲の精神を発揮し、円滑な運営に努力されたたまものでありまして、この御協力と御労苦に対し心から感謝を申し上げます。 また、この会期を通じ、参議院の重要課題として取り組んでいただいております参議院の改革及び国会議員の政治倫理の確立につきましては、各会派並びに関係協議会におきまして極めて精力的に御協議を重ねていただき、一部答申を得ておりますが、今後とも議員各位の御協力のもとに本院が独自性を発揮し、充実した審議を行い、二院制の使命を果たし得るよう、引き続き改革を進めてまいりたいと存ずる次第でございます。 各位におかれましては、向暑のみぎり、御自愛、御健勝の上、今後一層の御活躍をお祈りして、ごあいさつといたします。(拍手) これにて散会いたします。 午前十時五十九分散会