法務委員会 第15号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/06/11
会議録
○委員長(大川清幸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月三十日、山中郁子君、岡野裕君及び吉村真事君が委員を辞任され、その補欠として宮本顕治君、徳永正利君及び河本嘉久蔵君が選任されました。 また、去る五月三十一日、柳川覺治君が委員を辞任され、その補欠として石本茂君が選任されました。 また、本日、徳永正利君及び安井謙君が委員を辞任され、その補欠として岡野裕君及び松岡満寿男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大川清幸君) 工場抵当法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、発議者衆議院議員近藤鉄雄君から趣旨説明を聴取いたします。近藤君。
○衆議院議員(近藤鉄雄君) ただいま議題となりました工場抵当法の一部を改正する法律案についてその趣旨を御説明申し上げます。 近年、大規模にして、多チャンネル・多目的な有線テレビジョン放送事業の活動が活発化しており、地域の経済、社会、文化の発展に大きな役割を果たすものとして期待されているところであります。しかし、有線テレビジョン放送事業は典型的な装置産業であって、その施設を建設、拡張、更改する際には多額の資金を必要としており、今後、有線テレビジョン放送が高度情報社会における重要な社会基盤として順調に発展していくためには、多大の資金が円滑に融資されることが必要であります。この法律案は、有線テレビジョン放送事業に工場抵当法による財団抵当制度を適用し、もって有線テレビジョン放送の振興を図ろうとするものであります。 その内容は、有線テレビジョン放送の目的に使用する場所を工場抵当法における工場とみなすこととしようとするものであります。 以上がこの法律案の趣旨であります。 なお、本法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 本改正案附則における「日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下、「整備法」という。)の改正は、本改正案が整備法の施行期日である本年四月一日前に施行される場合に限り必要とする技術的な改正であります。 すなわち、本改正案が整備法の施行前に施行されますと、整備法において改正しようとする工場抵当法第一条第二項中の「又ハ」の字句が二カ所となり、整備法が施行されることにより、そのいずれもが「若ハ」に改正されることとなるため、これを改めようとしたものであります。 ところで、整備法は、既に本年四月一日に施行されております。したがって、本改正案附則における改正は不要となりましたので、これを削除したものであります。 以上が修正の概要であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
○委員長(大川清幸君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○寺田熊雄君 工場抵当法の改正が議員提案でなされたわけでありますが、この議員提案の本法案について郵政省としてはどのように考えておられるのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○政府委員(徳田修造君) 郵政省といたしましては、CATV、有線テレビジョン放送施設でございますが、このCATV施設の建設に当たりましてケーブルの敷設等に多額の資金を必要とするという状況でございますので、この資金の調達を円滑化するために工場抵当法の改正につきましていろいろと関係方面にお願いをしてまいってきたところでございますけれども、諸般の事情等がございまして議員提案という形になったというふうに私ども伺っておるところでございまして、郵政省としては、いずれにいたしましてもCATV施設に対する資金供給の円滑化の促進が図られるように一日も早くこの工場抵当法の改正が行われることをお願いいたしておる次第でございます。
○寺田熊雄君 有線テレビの現在における普及状況、それから将来はどういうふうにこれが推移するのか、また現在においては有線テレビの規模というのはどの程度のものか。今かなりな資金調達の必要があるというお話でありましたが、大体資本額はどのぐらいのものなのか、従業員数はどのぐらいか、加入世帯数はどれほどのものなのか、これが支配するエリアはどんなようなものなのか、そういう点をまず説明していただきたいと思います。
○政府委員(徳田修造君) CATVの普及状況でございますが、昭和五十九年三月末現在で見ますと、全施設数は約三万六千という数になってございます。しかしながら、この中で許可に係る施設、すなわち引き込み端子数で五百一以上の施設でございますが、この施設は三万六千のうち四百二十八施設となっております。残りは五百以下の施設ということになるわけでございまして、現在ございますCATV施設全体としては比較的小規模なものが多いというふうに申し上げられようかと思う次第でございます。また、CATVの受信契約者数でございますが、全体で約三百九十三万世帯となっております。日本の全世帯数の約一割程度を占めておるという状況になっております。このように我が国におきましてもCATVにつきましてはかなりの普及率を示しておるという状況にございます。 それから、CATVの将来はどうなるかということでございます。外国の例等も見まして、このCATVにつきましては通信衛星が将来番組の分配に利用される可能性がある。それから、CATVの発展のためにはやはり番組そのものの開発といいますか、これが非常に重要でございますけれども、そういう面の推進がなされますならば、このCATVというものは市町村単位程度の小さな地域を基盤とし、しかもその地域に密着した情報通信メディアといたしまして今後一層発展していくのではないか、そのように私ども考えておる次第でございます。このCATVというのは現在行われております放送と異なりまして、地域単位の情報網としてその地方における情報の質的充実に寄与するものになるであろう。現在の放送は全国画一的な放送を行うとか、あるいは県を単位にした放送でございますけれども、CATVというのはさらに小さな規模の市町村程度を対象とした放送として大いに重要な役割を果たすようになるのではないかと、そのように考えておる次第でございます。 それから、CATVは施設の機能の上で多チャンネルで、しかも多くの情報を提供できるものでございますので、多様化する個人の趣味あるいは関心に合ったきめの細かい専門情報サービスを提供するものとなるのではないかと、そのように考えておる次第でございます。さらに今後CATV施設を利用した双方向通信サービス、こういうものが本格的に展開されることによりまして、放送事業者としての性格に加えまして電気通信事業者としての性格も備えるものになっていくであろう、そのように考えておる次第でございます。 このようにCATVは種々の放送通信サービスを提供することが可能となりますので、その地域における基幹的な情報提供媒体となり、地域住民に対しまして大きな社会的な影響力を持つものになるのではないか、そのように考えておる次第でございます。 それから、CATVの規模でございますが、まず資本の額の面で申し上げますと、営利会社で行われますCATV施設の資本金の構成でございますが、最近許可をいたしました十施設について見ますと、平均の資本金額は都市型のものにつきましては約三億円でございます。それから地方で使われております私どもローカル型と呼んでおりますが、比較的小規模のものでございますが、これは約四千万円程度の資本になっております。それから株主の数でございますが、平均で申し上げますと約二十七名ということになっております。その株主の中で株式の占有率、一番大きい占有率でございますが、これの平均は二二%ということになっております。いずれも中核となる企業を中心といたしまして地元に密着した資本が結集されております。独占的な形態での資本集中、そういうものは見られません。それから従業員の数でございますが、ある出版社におきまして自主放送を行っておりますCATV三十三局について調査した結果がございます。これによりますと、大体三、四名の従業員で運営されている、そういうものがほとんどでございます。十名以上の従業員がいるところというのはごく少数でございます。 それから、CATVに加入しております世帯数でございますが、昨年の三月末現在で加入世帯数全体が約三百九十三万世帯でございますが、このうち端子数が五百一以上の許可にかかる施設でございますが、これの加入世帯数全体で約七十万世帯ということになっております。残りが五百以下の小規模の施設に加入している世帯ということになるわけでございます。それで、最近許可した施設のうち引き込み端子数の多いものは約五万加入という施設になっております。一番大きいもので大体五万ぐらいのものが日本にあるという、これからできるものでございますけれども、そういうものが現在今計画されているわけでございます。既設のもので最大の加入者数のものとしては約三万八千端子の施設がございます。これが最大のものでございます。 それから、このCATVのサービスをします範囲でございますけれども、難視聴の解消のみを目的とするものはいろいろ小さな規模のものがございますけれども、例えばビルの陰の部分の難視聴を解消するための小規模な施設もございますが、そういうものは別といたしまして、今後発展してまいりますこういう都市型といいますか大規模のCATVにつきましては市町村程度の地域、こういうものをその基盤として運営される、そういうような方向で私どもいろいろ指導をしてまいってきておるところでございます。
○寺田熊雄君 アメリカなどへ行ってみますと、新聞社も放送局もローカルのものが圧倒的に多いですね。日本のような全国規模というものは非常に少ない。いわばこのCATVも大体そういうような形になっていくものと思われますね。従業員数が極めて少なくてできるという点に非常に特色があるように思うんですが、今おっしゃった資金の調達の問題で、工場財団制度を活用するということなんですが、従来はどういうふうに金融の道を得ておったんでしょう。また、どういう金融機関から資金を調達した例が一番多いんでしょう。これ質問事項になかったけれども、ちょっとついでにお聞きしておきたい。
○政府委員(徳田修造君) これまではこういう工場抵当法の中に含まれておりませんために、CATV施設全体を財団抵当という形で抵当権の設定ができませんので、このCATV施設のうち建物であるとか土地は抵当権の設定が可能なわけでございますが、この分は全体の費用の中のほんの一部でございまして、ほとんどはケーブルの敷設工事費あるいはケーブル自体の費用ということになっておりますので、結局CATV施設そのものを抵当にして資金の調達をするということは極めて困難な状況にあるわけでございます。したがいまして、経営者あるいはその事業の役員の方々の個人の不動産、そういうようなものを抵当にして市中銀行等の金融機関から融資を受けるというものがほとんどでございます。
○寺田熊雄君 放送法の三条を見ますと、番組等放送内容に対する規制は、刑法に反するような場合は別として、それ以外は国の干渉を受けないというようになっておりますね。この有線テレビジョン放送法の十七条で放送法の三条を準用しておるから、CATVも全く同様だと思うけれども、聞いてみると将来はなかなか多方面にわたって特色のある放送内容を持つようにアメリカなどで言われておりますね。そういう放送内容についてもこれは完全な自主規制でいくわけでしょうか。それとも何らかのそういう点に対する高い見地からの規制というものを考えておられるのか。その辺はどうでしょう。
○政府委員(徳田修造君) 御指摘のとおり、CATVの施設に対しましても放送法の第三条が準用されておりまして、したがって番組編集の自由というものが保障されておるわけでございます。このCATV施設のみならず一般の放送も同じ扱いになっておるわけでございますが、一般の放送につきましても、番組に対してどういうふうに考えていくかということは一つの問題としていろいろなところで提起はされておるわけでございますが、郵政省といたしましては、あくまでも放送法第三条の番組編集の自由というものは将来とも守られていかなければならないのではないか、そのように考えておるわけでございます。 現実にいろいろな番組についての御批判等もございますので、こういうような自主規制のあり方といいますか、そういうものについて現状のままでよろしいのかどうかというようなこと等につきましては、郵政省の中に今年度からニューメディア時代における放送に関する諸問題を検討するそういう懇談会をつくりまして、そこで学識経験者の方々の御意見等もお伺いして将来の問題を検討しようということになっておりまして、そういうところでいわゆる番組審議機関というものが設けられることになっておるわけですが、そういうものが今の形のままでよろしいのかとか、そういうような問題点等につきましても御検討いただき、そういう御検討の結果をもとにして将来のそういう問題のあり方について私どもも検討してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○寺田熊雄君 私があえてお尋ねしたのは、政治的な見地やあるいは思想的な見地からの干渉であってはならない、ただ、余り露骨な裸踊りなんかやられては、やっぱり家庭にそういうものを持ち込まれても困ると思ったものだからお尋ねしたわけで、思想的、政治的などの干渉はあってほしくないという点はもう言うまでもありません。 それから、この事業に対する国の援助の問題はどうなんでしょう。かなり今局長のおっしゃった難視聴地域の解消などというもの、これは大変地域のニーズにこたえるものですね。いろいろなことを考えまして、この事業に対する国の援助はどうなっておるのか、必要性があるのかどうかというような点もちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府委員(徳田修造君) CATVは、御案内のとおり地域のニュースであるとか、あるいは伝統的文化の紹介であるとか、あるいは各種の行政情報を伝達するとか、あるいは議会中継を行う、そういうような地域情報メディアとして今後重要な役割を果たしていくものとして大いに期待されておるものであるわけでございます。郵政省といたしましては、このCATVの健全な発達を図るために財政投融資の活用であるとか、あるいは税制上の優遇措置、それから技術開発の促進、それから番組供給の円滑化であるとか、その他の育成振興策にこれまで取り組んでまいったところでございます。今後もさらにこのような施策を積極的に推進してまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。
○寺田熊雄君 先ほど局長に従来のCATV事業の資金の問題についてちょっとお尋ねをしましたが、これからかなり都市型の大規模な設備投資が行われるという可能性もあるわけですね。その場合も、そのために工場財団制度も活用するということですが、これは主として財政投融資資金によるのでしょうか。あるいは市中銀行などとの融資額の比率みたいなものを大体頭に描いておられますか。そういうものは全くないんでしょうか。
○政府委員(徳田修造君) この資金調達の方法でございますけれども、昨年度から郵政省では財政投融資の資金をこのCATV施設に振り向けることができるような、そういう施策の実現をいたしたわけでございます。日本開発銀行、北海道東北開発公庫から融資が可能な道ができておるわけでございます。ただ、残念ながら財団抵当権の設定ができないために現実に融資が困難な状況に現在のところあるわけでございますが、これからは、もしこの法律が通りますならばそういう道が開けますので、かなりそういう財政投融資の資金というものが利用されていくであろう、そのように考えますが、やはり主体は市中銀行、信用金庫等からの借り入れ、これが中心になろうかと、そのように考えております。
○寺田熊雄君 これは従来も既設のCATVは大体かなり収益を上げておるんでしょうか。その経営状況はどうなんでしょうか。
○政府委員(徳田修造君) ちょっと古い資料で恐縮でございますが、五十八年三月末現在の数字でございますけれども、営利を目的とした自主放送事業者が三十三事業者ございます。それで、この事業者の収支状況を単年度ベースで見ますと、黒字の事業者が二十事業者、収支ゼロの事業者が一事業者、それから赤字が十二事業者、こういう数字になってございます。半分以上は黒字になっておるわけでございますが、まだ三分の一程度は赤字の事業者である、そういう状況でございます。なお、施設規模の小さいものほど赤字になりやすい、そういう傾向に現在のところございます。
○寺田熊雄君 前からもそうだけれども、今局長は営利を目的とする事業体ということを言われましたね。営利を目的としない事業者というのは大体どういう種類のもので、よほどたくさんあるんでしょうか。
○政府委員(徳田修造君) 五十八年三月末現在で全部で五十八事業者ございますが、このうち営利を目的としているものが三十三ということでございます。したがいまして、二十五事業者は任意団体であるとか、あるいは国、地方公共団体がみずから持っておるものとか、あるいは公益法人、あるいは協同組合とか共済組合が持っておる施設、そういうものでございまして、これは当然難視聴解消が主体になっておりまして、それに合わせて自主放送もやっておるという施設でございます。
○寺田熊雄君 今度工場財団制度を設けた一面の趣旨は、設備投資に多額の資金を要する電線というのか、そういうものを担保の対象とするということにあるようですけれども、その線の延長というのは、これは事業の規模によって随分違うのでしょうが、大きな事業と小さな事業と、その平均でも結構ですから、一体どの程度の延長を持つものなのか。またその一メートル当たりの建設費というのはどの程度の費用を要するのか。そういう点ちょっと説明していただけますか。
○政府委員(徳田修造君) このケーブルの幹線というのが中心にございまして、それから枝葉のように分配線というのが分かれておるわけでございますが、この全体の長さ、亘長といいますか、これにつきましては先生御指摘のとおり施設によっていろいろなものがございます。規模あるいは対象によって大きなものもございますし、それから小さなものもあるわけでございますが、工場抵当法の適用上問題になるような大きな施設について申し上げますと、昨年度に許可しました自主放送を行う施設、これが全部で十五施設ございますが、これのケーブルの長さの平均といいますか、これが一施設当たり約二百五十六キロメートルでございます。これの一メートル当たりの建設費でございますが、これが約四千三百円というコストになってございます。
○寺田熊雄君 これは既設の日本電電であるとか、それから各地の電力会社の電柱であるとか、そういうものを活用する場合が多いと思うんですけれども、これはかなりな架線料というか、そういうものを余儀なくされるというふうに聞いておるのですが、これはいかがでしょう。
○政府委員(徳田修造君) 現在、NTTそれから電力会社が徴収いたしております電柱の共架料でございますが、この料金の年間一本当たりの費用でございますが、NTTにつきましては現在千円でございます。それから電力会社の方でございますが、これは各社によっていろいろ料金の単価が違っておりますが、高いところで千九百円、安いところで千三百十円、この間いろいろなばらつきが各社によってございます。一本当たりの費用はそういうことでございます。 先ほど御説明申し上げました十五施設の例でございますけれども、一施設当たりケーブルの長さが二百五十六キロメートルと申し上げました。この中に大体電柱が何本ぐらい入っておるかといいますと八千五百本ぐらい入るわけでございます。したがって、その分の共架料を毎年払っておる。つまり電力会社の線を使うとしますと、大体千五百円平均だとしまして千五百円の八千五百倍、年間料金を払っておるということになるわけでございます。
○寺田熊雄君 これはかなりの負担のように思えますが、そういう額というものが合理的なものなのかどうか、またそれに対して国が干渉をすることがあるのか、必要性はないのか、そういう点ちょっとお伺いしたいんですが。
○政府委員(徳田修造君) この電柱の共架料金につきましては、やはり各電力会社あるいはNTTにおきまして電柱の建設費、維持費、維持管理費とも含めたそういうコストをベースにして算出したものでございますので妥当な価格ではないか、私どもそのように考えております。ただ、こういうようなコストが確かに現在のところはCATVの経営上決して無視できるほど安いものではないことは事実でございますので、この費用が加入者の加入料であるとか、あるいは月々の利用料にはね返ってきておる、そういう結果になるわけでございますけれども、将来利用者がふえてくればCATV事業として十分経営が成り立つというものになってくるわけでございますので、この電柱の共架料自体が高いために事業の経営が難しくなるということにはならないのではないかと、そのように考えております。 郵政省といたしましては、この電柱の共架料につきましてはもちろん妥当な価格であるかどうかという、そういう検討はいたしておりますけれども、直接的には共架料がどうのこうのという指導できる立場にはございませんので、事業者と電力会社あるいはNTTとの間の契約関係に任せておるわけでございますけれども、CATV事業の経営という立場からそういうものがどの程度の影響を与えるか、そういう面では側面的にいろいろ調査もし、また必要があれば可能な範囲での指導もやってまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○寺田熊雄君 電電にしろ電力会社にしろ、CATVの誕生なかりせば、そういう収入は期待し得なかったことは当然なわけですね。たまたまCATV事業が生まれたので予期せざる収入が入ってきたというところが大部分であると思うんですね。初めからそういうものを予想して電柱を立てたというふうには考えられない。また一面CATVの方は難視聴地域の解消という比較的公益性の高い事業も営まれておるということを考えると、一本当たり千円とか千数百円とかいうものは棚からぼたもち的な収入だとも考えられる。したがって、やはり本当に合理的なものかどうかという点はもう少しやっぱり監督官庁としてお考えになって、今すぐというわけじゃないけれども、一応その検討事項とする必要があるように思いますが、どうでしょう。
○政府委員(徳田修造君) 難視聴解消の施設の場合には電柱共架料とか、あるいは道路占用の関係の料金も払わなければならないわけでございますけれども、そちらの方も含めましてかなり割引がなされております。これは難視聴解消というのはやはり公共性が非常に高いという趣旨からでございますけれども。 こういう営利を目的とするCATV施設の場合には先ほど申し上げたような共架料を徴収しておるわけでございますけれども、これはやはりそういうCATV施設の線を張ることによりまして電力会社としてもいろいろな保守の面での新しい問題が出てまいったりするわけでございますので、決してその線を引いたからといって従来とコストがほとんど変わらないというわけではございませんので、いろいろな費用もかかるわけでございますので、やはり会社なりNTTとしてはそれなりの必要なコストは負担していただかなければならないという趣旨であろうと私ども思っておる次第でございますが、先生御指摘のような意味合いにおきまして、この共架料というものがもう少しやはりCATVの公益性、公共性等から見て安くできないものかどうか、この辺につきましては私ども少し検討をさせていただきたいと思っておる次第でございます。
○寺田熊雄君 それから、これはおたくの方からいただいた資料だが、有線テレビジョン放送線添架に関する契約書というのでコピーいただいたが、これによるとNTTと大正地区東山テレビ共聴組合、これは恐らく難視聴地域の人々がCATV事業を営んでおるためにこういう線を引っ張った、そこでNTTと契約をしたというのだろうと思うけれども、随分NTTが高飛車にすべてのものを決めているなあという印象を免れない。そういう契約なんですね。まあNTTは公社であり国である、国の事業みたいなものだから多少やむを得ないかもしれないけれども、今はもう民間会社に移行してしまったし、余りその他位を利用して強圧的な契約をするというのも必ずしも好ましいことではない。これは後でお尋ねするけれども、そういう架線を担保にしてはいかぬというような規定もある。これは恐らく小さな極めてローカル性の強い事業体で、財団制度などをつくる余地がないので実際この法案との関係はないだろうと思うけれども、そういう規定もあるわけですね。 それから、添架料が今局長の大体言われたのと一致するが、年額九百円、こういうことになっておりますね。これは大正地区東山テレビ共聴組合という、これは地域住民のつくっている恐らく協同組合的なものかとも考えられるけれども、これなども非常に公益性の強い事業だけれども九百円というのはやはり妥当なんでしょうか。どうでしょうか。
○政府委員(徳田修造君) この九百円の額でございますが、先ほどNTTにつきましては一本当たり千円と申し上げましたのですけれども、一応物価上昇といいますか、そういうものに応じてある程度の値上げもされておるわけでございまして、当時は九百円のものは現在千円になったということでございます。その九百円、共聴組合でございますから共同受信が主体なわけでございますけれども、その施設によりまして、ある程度割り引いておるものも場所にもよると思いますがございますけれども、こういうふうに正規の料金をちょうだいしているところもある、そのように伺っております。額そのものが妥当であるかどうかというのは個々のケースについてちょっと詳細に当たりませんと何とも申し上げられないのではないか、そのように考えておる次第でございます。
○寺田熊雄君 これは将来かなり発展する事業であるというふうに思われますが、西欧諸国ではどうなのか、それから西欧諸国は国がどういう対応策をとっておるのか、その点ちょっと説明していただけますか。
○政府委員(徳田修造君) 諸外国におきましてもこのCATVの果たす役割の重要性というものを認識いたしまして、種々の育成振興策を講じておるというふうに私ども伺っております。 私どもの現在把握しております範囲で申し上げるわけでございますけれども、欧米諸国の主な動向につきまして御説明をさしていただきますと、アメリカにおきましては現在CATVに加入しております世帯が三千四百万世帯でございます。普及率で申し上げますと四〇・五%という非常に大きな数字になっております。アメリカは実はCATV発祥の国でございまして、相当前からこのCATV施設というものが出現いたしておりますので、いわば政府が育成振興するというよりは現実にニーズの方が先に発生してどんどんふえてきたという国でございますので、それほど政府が強力な育成振興はしておらないわけでございますが、しかしながら通信衛星を利用しまして全国のCATV施設に対しまして放送番組を伝送するという、そういう政策を打ち出しました。つまり通信衛星の利用の自由化といいますか、オープン・スカイ・ポリシーと呼んでおりますが、こういう政策をアメリカ政府では打ち出したわけでございまして、それによりましてCATVの加入世帯数が急激にふえたわけでございます。先ほど申し上げましたように、現在は四一%程度の普及率になっておるわけですが、一九九〇年ごろには五五%ぐらいまでいくのではないかと、そのような予測がなされております。 それから、カナダはアメリカに隣接いたしておりますために、アメリカのテレビを見ようということで、これもやはり地域の住民が自主的にどんどん施設をしていったということがございまして、加入世帯数で申し上げますと四百八十万世帯、普及率で申し上げますと約六〇%という数字になっております。カナダの場合はかなりアメリカの番組がどんどん入ってきたということで、カナダの政府が地域に密着したそういう番組を放送するようないろいろな指導をしまして、したがって、カナダのCATVというのは、かなりコミュニティーメディアといいますか、地域に密着したそういうような放送が積極的に行われておる国でございます。 それから、ヨーロッパの諸国でございますけれども、イギリスにつきましては加入世帯数が二百四十五万、普及率で申し上げますと一二・九%という数字になっております。これはやはり難視聴解消等が主体の施設でございます。大体普及率も日本と同じ程度になっておるわけでございます。イギリス政府では昨年の七月に一九八四年ケーブル放送法というものを制定いたしました。これによりましてCATV事業の振興を図るということで、現在十一事業者が本格的なこういう大規模のCATV施設を運用するということで準備いたしておるところでございます。そのうち四事業者につきましては既に許可が与えられたという状況にございます。将来は双方向のそういう情報サービスにも利用するという計画になっておるというふうに聞いております。 それから、西ドイツでございますが、現在西ドイツのCATVの加入世帯数は四百四十七万ということで、普及率で申し上げますと二一・三%という数字になっております。西ドイツ政府におきましても、このCATV網の敷設推進の方針をとっておりまして、当面四地域で実験をするという計画を進めておりまして、そのうち二地域につきましては既に昨年の一月以来実験を開始いたしております。いわゆる都市型のCATVというものはどういう将来使われ方をするかといういろいろな実験的なサービスを行っているわけでございます。 それから、フランスでございますが、フランスにおきましては既に六百五十万の加入世帯数がございます。普及率で申し上げますと三八・二%、これかなり高い数字でございます。これは八二年の十一月にミッテラン政権がプラン・カーブルと言いまして光ファイバーによる多目的広帯域通信網の全国普及計画というものを発表いたしております。このための投資額として八三年から八五年の三年間で総額百二十億フラン、約三千六百億円の資金を予定いたしておりまして、今世紀末までに千五百万世帯の規模の施設を設置するという、これはかなり国主導型で進めておるわけでございます。それからヨーロッパの放送衛星とも接続して有機的運用を図るという方針で推進いたしておる、そのように伺っております。 欧米諸国の状況は以上のとおりでございます。
○寺田熊雄君 法の第五条によりますと、外国人とか外国法人には許可しない方針のようにも思われる規定がありますね。これは外国でも同じように同様の立法をしておるのかどうか。この点、アメリカが非常に何もかも自由化の要求をしてきている。弁護士業務などでさえも、これは相互主義の立場を越えて強い要求をしているようにも見える。そういう点から考えると、この点については自由化の要求は全くないのかどうか。そういう点ちょっと御説明いただきたいんですが。
○政府委員(徳田修造君) CATVは放送としての社会的な影響力が極めて大きいものでございます。また、その施設の設置者は大量の情報を流す線を支配する、そういう地位に立っておるわけでございます。このような地位を外国人等に認めるということは各国におきましても通信政策上好ましくないという立場をとっております。しかしながら有線テレビジョン放送法の許可につきましては、現在の法律の許可は施設許可でございます。また、このCATVが地域に密着したメディアであるということから、地域によっては外国人等の施設を認めなければその地域における需要を満たせない、そういうケースもあり得るのではないか、そういうようなことからこの有線テレビジョン放送法におきましては「許可を与えないことができる。」という相対的な欠格条項になっておるわけでございます。 諸外国の例でございますけれども、アメリカにおきましては一般の放送につきましては日本と同じように外国性排除の規定がございますけれども、CATVに関しましては通信法等に直接の外国性排除規定というものはございません。しかしながら、アメリカでは地方自治体がCATVのフランチャイズというものを与えるようになっておりまして、この地方自治体におきましては道路占用等の公共施設の利用に関しまして外国性排除を行っているというふうに聞いております。実質的にはほとんど外国人が運用している施設というのはないのではないかと私ども考えておるわけでございます。それから、ヨーロッパにおきましては一般的に外国性排除が行われておる、そのように私ども伺っております。 なお、この件に関しまして諸外国からの自由化の要求というものは全く現在のところございません。
○寺田熊雄君 郵政省としてはそういうふうな諸般の見地から考えて、このCATVの利用の必要性を肯定して、また将来性も認めておるにもかかわらず、かつまた金融上の必要から本法案のごとき法案の必要性を是認しながら、なぜあなた方が政府提案としなかったのだろうかという疑問が生ずるわけですが、この点は郵政省としてはなぜ議員立法にゆだねたのだろうか。その点ちょっと御説明いただきたい。
○政府委員(徳田修造君) 郵政省といたしましては、このCATVを工場抵当法の対象にぜひしていただきたい、そのような趣旨から関係方面ともいろいろ協議を重ねてまいってきたところでございます。しかしながら、政府提案とするにはさらに長期の検討期間が必要であるという考え方が示されましたために、こういう議員提案という形になったのではないかと、そのように承知いたしておる次第でございます。
○寺田熊雄君 そのあなたのおっしゃる長期の検討であるとか、それから最初に提案者からおっしゃられたのか局長からおっしゃられたのか、今ちょっと私はっきりしないけれども、諸般の事情からというようなお話もあったわけですが、これは法務省としてはどういうふうに理解していらっしゃるのか。法務省がこの法案に対して進んで提案者とならなかったのはなぜかという点、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(嶋崎均君) 御質問の点でございますけれども、何しろこの工場抵当法というのは明治三十八年にできた法律でございまして、非常に歴史を持っておるわけでございます。しかも当時は製造業というのですか、第二次産業を中心にしまして事柄を考えて今日に及んでおるわけでございます。そういう中で法律の全面的な改正というようなことにつきましていろいろ検討しないわけじゃないんですけれども、なかなか非常に難しい点が多いのだろうと思うんです。というのは、その範囲というものをどういう範囲のものにするか、すなわち製造業以外のところにどれだけふやしていかなければならないのかというような事柄も問題でしょうし、それからそういうことを処理していく場合に、どういう財団組織というものを考えて事柄を対処しなければならぬかというようなことも詰めなければならぬというような問題もあるわけでございまして、そんな意味で、やはり改正をするとするならば相当しっかり念の入った検討をしなければならぬのだろうというふうに思うのでございます。 今問題になっているこの有線テレビの問題を考えてみましても、そういう背景の中から事柄を考えていきますと、この施設というのは、先ほど御質問にもありましたように、ある程度一定の状態における、すなわちある程度電柱を借りたり何かしなければならぬ施設、そういうものを借りているし、そういう一定の状況に配置された配線設備が非常に大きな価値を持っている。そういうようなことをまず念頭に置いていきますと、そういう一定の状態にあるということが非常にこの問題の処理というものを難しくしているのじゃないか。かつまた、この許可を受けるにつきまして郵政大臣の認可を受けなければならぬというような条件も一つかかっておるので、それをあらかじめ先に判断をするということもなかなか難しかろうというような問題もありましょう。かつまた、先ほども申しましたように、そういう施設をするときにはそれぞれ電電会社なり、あるいは電力会社なりの電柱との私的な契約というようなこともかかっておる。そういうことをいろいろ考えてみますと、その部分だけ取り出して議論をするというのは、そういう全体的な背景の中で考えていくということはなかなか難しいことじゃないか。 しかし、考えてみますと、やはり我々が頭の中で考えている以上に時代は変化しておるわけでございまして、どうしてもやっぱりこういうものにつきまして何か工場抵当というものを設けなければならぬというような強力なお気持ちがあり、またそういうことを背景に、政府関係の機関からも融資を受けるような対処をとってこられたというようなことを考えてみますと、そういう抜本的な改正より、これだけ急いで法案が出てきているわけでございますから、さきの放送法の政正の場合に準じて事柄を判断したらいいのではないか。また考え方によっては非常に難しい問題があるかもしれませんけれども、結果的には裏づけは金融で処理をする形になるわけですから、そういう過程を通ずることによってある程度適正な価格というか、工場抵当法の財団としての価値というのですか、そういうものが認定されていくというような事柄も考えられるではないか。そうなれば、ここで議員立法で処理していただくというのが一番適当な方法であるかもしれない。そういうぐあいな判断をいたしまして、この法案を提出されることについては異議がありませんということを申しておるわけでございますし、そういうことで、何というか、法律が出ていくということについて我々は反対をしてないというのが実態であります。 ただ、全体的な政正ということになりますと、先ほど来るる申し上げましたように、相当長い歴史を持ち、しかもその中で十二分にいろいろな配慮をして検討しなければならぬ、そういう意味では今後層一層幅広い慎重な検討というものをこの問題には考えていかなければならぬというようなことを考えますと、そちらの方はなかなか難しかろうというふうに思っておる次第でございます。
○寺田熊雄君 大臣の御説明で大体のことは私も理解できたわけでありますが、法律そのものが大変古い法律であるということも事実でありますし、その抜本的な改正を考えたいというその主管者である法務省のお考えも十分肯定できるところではあるんですけれども、しかし、それにもかかわらず部分的な改正は議員立法にゆだねて、うちの扱うところではないというのも、またこれ一面どうかなという気もするわけであります。もっとさらに法律技術的な問題がそこに潜んでおるのではないかという気もするわけでありますが、これは一番この法律の権威である審議官にちょっと聞いてみたいという気もするんですが、どうですか。
○政府委員(稲葉威雄君) このCATVだけに限って申しますと、今大臣が申し上げましたように、横並びでまだ対象にしなければならないというものがいろいろあるのではないかという危惧に加えまして、この主要な組成物件として考えられております電線でございますが、この電線の配置を受ける権利というのが必ずしも明確な権利として競落人に引き継がれるという状況にはならないわけでございまして、その辺が法律的な詰めとしては若干問題があるということでございます。 それは先ほど大臣も申し上げましたように、許可の問題とも絡むわけでございますが、許可も当然には競落人が引き継ぐことにはならないというようなことで、財団組成をした場合の財産としての価値というものについてはいろいろ検討をしなければならない問題もあるのではないか。ただしかし、郵政省のお考え、あるいは提案者のお考えでは、実際上はこれは問題はないであろう、法律家としては十分念には念を入れてという配慮もわかるけれども事実上は問題はないというお話でございまして、そういう要素もあろうかということで、その点について法律が成立するということについては依存はないというふうに申し上げているわけでございます。
○寺田熊雄君 大臣の御説明と審議官の御説明と合わして大体私も理解し得たわけでありますが、これはもっと詳しく後でお尋ねをしたいというふうに考えております。 技術的な問題になるが、工場財団の組成物件である電線であるとか、あるいは電柱や架線自体に設置される機器というようなものはどのように目録に表示されるのか。これは審議官にお尋ねしたいんだけれども、法第二十二条の一項、二項ですかにちょっとした規定があるようだけれども、不動産登記法の三十五条の一項に関連をしておる。これは私どもには全然これ見当がつかないんだけれども、どういうふうな表示によるんだろうか、それを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(稲葉威雄君) これはまず所在地を特定いたしまして、何々市何々町、何々町、あるいは電線でございますと長さがございますので、何々町、何々町、何々町にまたがるというような形で所在地を特定するようでございます。そしてその対象として導線であるとか、電柱であるとか、そういうふうに特定をいたしまして、あと延長何キロメートルというような形で電線の場合は特定する、こういうような形で今やっておるようでございます。
○寺田熊雄君 それから、その工場財団を組成する物件のうち、どれとどれとを目録に挙げるか、記載するかということは、これは完全に財団の所有者の選択にゆだねられるのだろうか。それとも法務局の方で、登記官の方で何らかの干渉する余地があるものだろうか。それとも法律できちっと決まっているのか。その辺はどうでしょうか。
○政府委員(稲葉威雄君) これは法務局ではそういう審査をできるような資料はございませんので、事実上はやはり所有者と、それから抵当権者と申しますか、将来その財団を抵当にとろうとする者との話し合いで選択がされるということになるだろうと思います。ただ、工場財団の趣旨から考えますと、工場財団というのは一体一つのものとしてそれを競落人に引き継ぐということでございますので、それが全体として一つの有機的な機能を持っているそういう組織としての工場でなければならないという要請はあって、そのためそういう見地からの選択が当然なされることになるであろう、そうでないと、また担保価値も大きくはならないわけでございますので、実際上抵当権者の方でも必要な限りのものは入れてくれという要請はするであろうというふうに考えております。
○寺田熊雄君 抵当権を実行すると競売が行われて、競落人が確定する、競落人に所有権が移転する。その場合、法第三条の郵政大臣の許可というのは当然にその競落人に与えられるものなのかどうか。これはどうでしょう。
○衆議院議員(近藤鉄雄君) 今度の工場抵当法の改正は法務大臣または審議官、そして郵政省放送行政局長からもいろいろ説明がございましたが、従来は有線放送事業者の施設、土地とか建物の個別担保の対象でしかなかったものを一括して工場財団として抵当権が設定できる、こういうふうにさせていただきたい、こういうことでございますので、当然一括して工場財団としての担保価値がばらばらというよりも高まるわけでございます。ですから、そういう形での抵当権の設定でございますから、これが競売されて競落人に所有権がかわるとした場合でも、引き続いて有線放送事業というものができないと当然その価値がなくなって、また元のばらばらの不動産の価値に戻ってしまうわけでありますから、それはこの法律の趣旨に反するわけでございます。 ただ、そうは申しましても、いわゆる有線テレビ放送法の中では許可の継続、承継という規定はございませんので、その事業者ごとに許可を与える、こういうことでございますから、それが工場財団として第三者に競落されて渡ったとしても、自動的に有線テレビの許可を与えられるものではございません。しかしやっぱり私たちがこういうことをお願いするゆえんは、有線テレビ事業というものが今後いろいろ事業として振興するであろう、その場合の金融的な裏づけというものができるような体制をつくりたい、こういうことでございますし、そして、そういう形で有線テレビの視聴者になった人たちが、例えばAという会社がだめになってもBという会社に引き継いで引き続いて有線テレビが見られる、そういう状況を何とかして担保したい、こういうことでございますから、自動的に許可は移りませんが、しかし郵政省もこういった局面に至りました場合にはいろいろ行政的な指導もするし、またいろいろな配慮もすることによって引き続いて有線テレビ事業が競落した者に引き継がれていけるような、そういう配慮が行政的にも講ぜられるもの、そういうことを私たちとしては期待をしている、こういうことでございます。
○寺田熊雄君 よくわかりましたが、一片の期待で、法務省の審議官が頭をひねるゆえんのものがそこにあると私は思うのだけれども、金融機関はそういう期待のゆえに、いささかのちゅうちょもなく金融をあえてするものだろうかという疑念もないではないんですが、何しろお金を貸す連中というのは石橋の上をたたいて渡るようなところがあるから、今おっしゃられたような期待で、果たしてああそうかと言って多額の資金を供与するものだろうかという疑念があるんだが、この辺、徳田局長はどういうふうにお考えになるんですか。
○政府委員(徳田修造君) 現在の有線テレビジョン放送法は施設許可でございまして、事業許可ではございません。したがいまして、施設としてのいろいろな法律に定める条件に適合している限り必ず許可が与えられるものでございます。したがいまして競落人としては新たな許可の手続が要るわけでございますけれども、しかしながら郵政省としては受信者保護の観点からサービスが継続されるように早期に許可を与える、そういう形で努力をしてまいりたい、そのように考えておるわけでございます。
○寺田熊雄君 郵政省がそういうふうにお考えになれば、今提案者の方から御説明のあった期待であっても事実上は問題を生じないと思うのですが、ただ、競売に参加して競落した人間が第五条に規定する資格を持たない人間であった場合はどうだろうか。これはどうなりますか。
○政府委員(徳田修造君) この欠格事由に該当する者に競落された場合には当然その方には施設許可は与えられないことになるわけでございます。しかしながら、そういう事態が生じないように事前にいろいろな指導をするとか、あるいはもしそういう事態が生じた場合には第三者に再譲渡するとか、そういうような形の指導を行って、受信者がそれによって不利益をこうむるということのないように、そういう指導をしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○寺田熊雄君 めったにないことてしようけれども、法律問題だから一応考えざるを得ないので、これは農地の場合、農地に関する競売などには農地取得の資格があるという証明を官からもらった人間でないと競売に参加させない。病院の競売の場合もやはりそのように聞いておるのだけれども、法務省としてはこういうものは競売の段階で競売に参加する者をチェックするというような手だてを講ずる必要はないとお考えですか。それともその方が望ましいとお考えになるか。その辺はどうでしょう。
○政府委員(稲葉威雄君) これは裁判所の競売手続におけるお取り扱いの問題であるわけでありますが、競売が円滑に行われることは当然望ましいことでございまして、今委員も御指摘のように、こういう物件の競売というのはそうしばしばあるわけではございませんので、もしこういう事態が起こりましたら事前に郵政省と折衝するように、あるいは事によっては売却条件としてそういう欠格事由に該当しないということを売却条件にする等の配慮も裁判所の運用の仕方によってはあり得ることではないかというふうに考えております。
○寺田熊雄君 よくわからないが、競売の段階で何らかの手だてを講ずると言われるのか。それとも起きたら起きたときに考えると言われるのか。どちらですか。
○政府委員(稲葉威雄君) これは今も申し上げましたように裁判所の実務の取り扱いでございますので、私どもがとやかく申し上げるのは適当ではないわけでございますけれども、裁判所としてはそのように取り扱われることになるのではないかというふうに考えております。
○寺田熊雄君 そうなると、これは裁判所の民事局長に出てもらわないといかぬことになる。しかし、それは制度の問題だから、制度の問題じゃなくて裁判所における実務の取り扱いの問題だと、こうあなたは言われるわけですね。
○政府委員(稲葉威雄君) 農地の三条許可、五条許可の場合は、あれは競落人が所有権を取得できないわけでございます。そうしますと、そういう競落許可決定をすること自体が非常におかしなことになるわけでございますが、この場合にはそうではなくて所有権は取得するわけでございますけれども、ただ、それを有線放送施設として利用することができない、そういう地位になるだけでございます。再譲渡もできるということになるわけでございますので、あくまで運用上の問題であって、法律上農地の場合のように、どうしても適格者を見つけなければならない、こういうことにはならないというように思っております。そこがちょっと農地の場合とでは違うのではないかということでございます。
○寺田熊雄君 なるほどね。所有権は取得するけれども、放送施設として所有することはできない、あるいは利用することもできない、こういうことになるわけですね。これはそうすると郵政省の方の解釈としては、第三条の許可というのは所有権の取得条件ではないというふうに考えておられるのか。しかし許可がなければ設置できないんだというのだから、何か設置できないものの所有権を取得するというのもおかしなように思うんだけれども、その点はあなたはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(徳田修造君) この有線テレビジョン放送法の第三条の規定は、施設を設置し業務を行うということを前提にして施設を設置するということでございますので、全く業務を行うことを前提にしない、ただ施設だけ設置するというものまで禁止はしておらない、そのように考えております。
○寺田熊雄君 だけれども、これを工場財団を組成して金融を受けるというのは、抵当権を実行して競売が行われ、競落人がそれを取得することもあり得るということが前提だから、ただ単に所有権を取得するということじゃなくて、その事業に用いられることもあるその施設についての所有権を取得するんだから、だから、その所有権を取得したってそれは何も事業と関係がないといって、だれが競落しても構わないということになると、やっぱり制度本来の趣旨とちょっと違うね。そうでしょう。それで事実欠格者が取得して、それで人に譲れといっても譲らなかった、そういう場合を想定すると、果たして担保価値ありや否やという問題にさかのぼってなってくる。その辺がちょっとやっぱりこの法律の問題点じゃないだろうか。これは局長どうでしょう。
○政府委員(徳田修造君) 有線テレビジョン放送法の第三条は、あくまでもこの事業を行おうとする者が施設を設置する場合の許可の条件でございますけれども、しかしながら工場抵当法で工場財団の対象にするということで当然競落人になろうという方は、それだけの担保価値のあるものを競落するわけでございますから、やはり事業として運営するということを前提で競落されるのではないかと、私どもそのように解釈するわけでございます。したがいまして、そういう方は、欠格事由に該当する場合は別でございますけれども、当然この有線テレビジョン放送施設者としての許可の手続をされるであろうと、そのように考えておるわけでございます。 ただ先ほど申し上げましたのは、あくまでも、例えばNTTが施設を設置するということもあり得るわけでございまして、NTTが一般の電話回線と同じようにケーブルを敷設して、それをCATVの事業を行いたい人に貸すという場合、これは電気通信事業になってしまうわけですが、そういう場合もあり得るわけでございますが、その場合にNTTはこの有線テレビジョン放送施設者になるかというとそうではございません。これは電気通信事業者としての業務でございますので、そういう意味では、みずからは有線テレビジョン放送の事業は行わないけれども施設を設置するということはあり得る、その場合にこの三条の許可は必ずしも伴わないという意味でございます。
○寺田熊雄君 なるほど。つまり競売に参加して競落しようと考えるような人間は恐らくそれはやはり引き続いて事業を営むであろう、営むことを欲する人間であるのが一般であるであろう、だから変なやつが飛び出してきて競落するというようなことは万々あるまい、そういうことであると、そういうことですね。それは一応そういうふうに伺っておいて、また今晩一晩寝て考えて、矛盾点があればまたさらにあさってお尋ねすると、こういうことにしましょうか。 今の結局許可が与えられないという場合を考ええると、人に譲れと言って、局長大いに行政指導を発揮するんだ、怪腕を発揮してちゃんとした人間に譲らせるんだと言っても、頑として聞かない場合はどうなるのか。また、それが制度の趣旨を損ないはしないかといういろいろなことを考えられておるわけですが、これはもう一遍私ども考えてみてお尋ねすることにして、次に、NTTや電力会社の電柱にテレビの架線を添架するといいますか、それを設けるという場合、この法律関係はどういうことになるんですか。これはどういう権利が、どういう契約によって発生するのか。これは局長でも審議官でもどちらでもいいから説明してもらいたいんですが。
○政府委員(稲葉威雄君) これは電電株式会社や電力会社とテレビの施設者との契約関係によるわけでございますが、その契約は、何といいますか、その電柱を使用するということの対価として一定の使用料を払うという賃貸借類似の権利関係になるのではないか、そういうように考えております。
○寺田熊雄君 賃貸借類似の契約である、まあ賃借権と類似した権利であるということなんでしょうね。そういうふうに伺っておきます。 それから、電線を敷設した場合、その電線、つまり工場財団の所有者と直下の土地の所有者あるいは道路の管理者との間の法律関係はどうなるんでしょう。これは全部やはりその直下の土地所有者なり賃借人の同意を得るんでしょうね。それからまた道路の管理者の同意を得てずっと電線を張るんでしょうね。これ、どういう契約を結ぶのでしょうか。
○政府委員(徳田修造君) 法律的には先生御指摘のとおり土地の所有権の及ぶところであるわけでございますが、慣行的には土地の所有者の了解を得て敷設するとか、あるいは公道の場合ですと道路管理者の占用許可を得て敷設する、そういう形をとられております。例えば私有地の場合などで了解が得られないという場合もあり得るわけでございますが、そういう場合には公道上を迂回して張るとか、そういうような措置をとっておるというふうに伺っております。
○寺田熊雄君 それはやっぱり地役権的なものだろうか、それともどういう権利なんだろうか。その所有者に対する権利というのはどういう権利なんだろうか。
○政府委員(稲葉威雄君) 普通は物権として設定するということはまれだと思います。物権というふうに構成するならば、地役権的なもの、あるいは地上権、空中地上権というあるいは非常に強い考え方もあるかもしれませんが、普通はその上を、その部分について所有地を横切ることを承諾するということでございますので、その部分について所有権による妨害排除等の権利を行使しないという、そういうような約束であって、余り積極的にその空間の一部の使用を許諾する権利、これも賃貸借であるというふうに強く言えば言えるのかもしれませんが、そこまで強く言わなくてもいいのではないかという感じがいたしております。実際の問題としては、例えば電柱を敷設することを許可した場合には、その上を電線が通るということも当然許諾しているというような扱いで処理がされているように思います。
○寺田熊雄君 電力会社の場合は何か地役権を設定しておるようですね。かなり所有権の半額近いものを所有者に払っておる。それに便乗するわけだから、何かよくその辺の権利関係がのみ込めない面もあるんですね。しかし土地の所有者の承諾を得るのだというんだから、まだ十分権利関係がぴたっとこない面があるわけであります。競落された場合に、一体その土地所有者が競落人の一種特別な権利というものを承認することを法律上は必要とするのだろうか、それとも必要としないのだろうか。必要とする場合に拒んだらどうなんだろうか。そういう疑問が生ずるわけでありますが、これはどういうふうに考えられますか。
○政府委員(稲葉威雄君) 所有権というのは空中から地下まで一応ある程度の範囲で及ぶわけでございますから、当然その所有者の承諾がなしで架線を張るということはできないというふうに思います。ですから拒んだ場合には架線を張ることができないということになるのではないかと思います。
○寺田熊雄君 架線を張る場合はあなたの言われるとおりだと思うんだけれども、既に張ってあるものを競落して所有権を取得した場合に、その土地所有者の承諾は要らないのかどうかということをお尋ねしているわけです。
○政府委員(稲葉威雄君) その土地の架線の使用は前の施設所有者に対して与えられていたわけでございます。ですから債権的な関係だというふうに考えるといたしますと、そういう債権的な関係というのは人と人の関係でございますから、新しい所有者に当然引き継がれるものではない。だから新しい所有者としては土地の所有者に改めて承諾を得る必要があるというふうに考えております。
○寺田熊雄君 それはわかっている。審議官、それはわかっているから質問したんですが、そういう債権的な関係だから、土地所有者が競落人の所有権に基づく架線を承認しない場合はどうなるかと言ってお尋ねしたわけだ。だから、それは電線を撤去しなければならぬことになりはしないか、そうすれば担保価値がなくなりはせぬかと、そう言って尋ねているわけだから。
○政府委員(稲葉威雄君) そういうお尋ねでございましたら御指摘のとおりでございます。収去をしなければならないということになると思います。
○寺田熊雄君 これは放送行政局長としてはどういうふうに考えられますか。法律関係としてはそうなるね。架線を張ったときはまさに所有者は承諾したけれども、これは法務省の審議官が言われるうえに債権関係だから、だから今度はもう競落人に貸しませんよと言って所有者が粘ったときは困るね。それは取らなければいかぬわ。どういうふうに考えられますか。
○政府委員(徳田修造君) CATV施設はほとんど全部公道上を利用いたしております。私道の上を走っているというケースはほとんどないと言ってよろしいかと思います。この公道上に立っております電柱に共架して事業を行っておるわけでございますけれども、その場合には当然道路占用の許可と、それからNTTなり電力会社との間で電柱の共架契約、これが結ばれるわけでございます。 道路占用の許可につきましては、郵政省としましては許可を与えるに当たって建設省等と、あるいは地方自治体の長といろいろ協議をして、その上で許可を与えております。したがって、道路占用の許可が与えられるという前提で私ども許可をしておるわけでございます。それから電柱所有者との間の問題でございますけれども、これにつきましても郵政省と電力会社なりNTTとの間で、郵政省が許可を与えた施設につきましては自動的に共架契約を結ぶ、そういうことになっております。したがいまして、そういう施設が競売に付されて競落人に所有権が移ったとしても、その競落人に対して郵政省が施設の許可を与えるということであれば、当然にこの道路占用許可あるいは電柱共架の契約を結ぶということになる、そのように私ども考えております。そういう形で支障のないようにいろいろと指導をしてまいりたい、また建設省等につきましては協議等をしっかりやってまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○飯田忠雄君 このたびの法改正につきましては、時代の要求によってこのような改正がなされるということ自体におきましては私は反対するものではないし、賛成をするものでありますが、ただ、書かれておること自体はそれほどの問題はないように思いますが、工場抵当法の改正だということになりますと、工場抵当法全体を見てみる必要が生ずるわけであります。このたびは有線放送施設を工場とみなす、こういうことで工場となったわけです。ところが、従来の工場法では、そういうものは工場ではなくて全然別個の管理のものであるわけですね。それが新しい形のものを工場として取り入れたために、旧来の工場法の条文そのものの内容をかえて読みませんと何のことかわからないということになってまいるわけでございます。 そこで提案者に、まあこれは法制局にお尋ねした方がいいかもしれませんが、お尋ねをいたしたいのですが、この法案を立案される段階で、この工場法全体について見直しをする検討をなされたのか、それともそういうことは今のところは必要ないからやらないで将来政府の施策に待つ、こういうお考えだったのか。その辺のことをお伺いいたします。
○衆議院議員(近藤鉄雄君) 提案者でございますけれども、実はこの法案を提案するに至りました経緯につきましては提案理由説明でも御説明してあるのでありますけれども、私ども通信ニューメディアの関係者が集まって、これからのニューメディア時代をどういうふうにして促進をしていくか、こういう中でその大きな役割のあるものがCATV事業であると、こういう考えを持っているわけでございます。しかし、この有線テレビ事業というのは大変な装置産業といいますか、放送施設だけでなしに有線の回線を必要とする。こういうことでございますから、これを現行ではいわゆる個別の不動産担保とか、そういう対象にしかならないので、大きな装備であるけれどもその担保価値はそう大きくない。そんなことで、工場抵当法に言うところの財団、工場財団としてこれを一括して評価していただいてしかるべき融資をしやすくさしていただきたい、こういうことでございました。 その中でいろいろ私ども検討したわけでございますが、この工場抵当法という法律は、法務大臣からお話がございましたけれども、相当古い法律でございましたし、これも大臣の御指摘にもあったわけでございますが、第二次産業と申しますか、いわゆる工場、製造工場というものを前提にしての、主な対象としての法律でございますので、いわゆる第三次産業を取り込むにはいろいろ法案の定義その他を含めて少し根本的に検討しなければならないなと、こういう考え方がこれは法務当局の方からあったわけでございます。 ただ、そうは申しましても、例えば無線放送、いわゆる普通一般の放送テレビも、これも放送法の改正の一環としては工場抵当法の中にこの項目を書き加えてもございますし、また線がある、有線という意味では似ているわけでありますが、いわゆる電力供給事業、これもこの中に対象として加えられている。そういうことでありますから、工場抵当法という法律全体を根本的に見直すという考え方は法務省の側に従来からあったというふうに私ども理解するわけでありますが、全般的な見直しは多少時間がかかるなと。しかし有線テレビを進めていく場合にはその全般的な工場抵当法の見直しを待っては時間がかかるので、さしあたって部分修正としてお願いいたしたい、そうすると、いわゆる政府提案よりも議員提案として改正をお願いする方がなじむのではないか、こんなことでお願いをしたと、こういうことでございます。
○衆議院法制局参事(和田文雄君) 今回の法案の立案に当たりましては、昨年来、何か自民党の方で有線テレビジョン放送施設を工場抵当法の対象に加えたいという方向で、各省庁とも御協議の上、そういう御方針をお決めになったというふうに聞いておりますが、私どもこの法案の法文化を進めるに当たりましてはそういう御方針に基づいて作業を進めてまいったわけでございまして、ただいま近藤先生のお話もございましたように、工場抵当法制度そのものをこの法案化の過程で全体として見直したというようなことは実はいたしておりません。ただ、もちろんこの施設を加えるに当たりまして、各条文との整合性その他の問題につきましては各省庁とも御相談申し上げましたが、制度全体についての見直しは実はいたしておりません。
○飯田忠雄君 制度全体について見直さなくても、各条文につきまして工場とあるところを有線放送施設ということに読みかえるわけでしょう。読みかえた場合に本当にこれ抵当権を設定するときに役に立つだろうかという問題はあると思いますが、その点はお考えになりましたか。
○衆議院法制局参事(和田文雄君) 実はそういう面につきましても、そういう選択をなさったことについての当否、あるいは制度としてそれは十分に機能するのかどうか、実はそこまで詳しくは追求していないところでございます。
○飯田忠雄君 それでは、私、実はこの工場抵当法を簡単に拝見いたしまして、読みかえた場合に生ずる疑問点が二、三ございますので、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、有線テレビジョン放送と通常テレビ放送との相違点でございますが、これは有線か無線かという点及び規模が大小だという点、それだけの問題であるのでしょうか。それともそれ以外にもっと根本的な区別があって放送法と有線テレビジョン放送法が区別されたのか。その辺のところがどうも明確でないので、これは一本でもよかったのではないかという気もいたしますが、いかがでございますか。
○政府委員(徳田修造君) 有線テレビジョン放送も、それから通常のテレビ放送も、公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信という意味では共通でございます。しかしながら、片方はいわゆる電波というものを利用しまして各家庭まで送り届けるものである、もう一つの方は有線で各家庭までつながっておる、この辺が明らかに相違するわけでございます。 電波の物理的な特性から申しまして、非常に広範囲に伝わるということから、電波によるテレビの放送というものはかなり広範囲にサービスをする、そういうような目的に非常に適しておるわけでございます。したがいまして、御承知のとおりNHKにつきましては全国にサービスをする、それから民放につきましては各県単位とかあるいは地域単位といいますか、こういうような形でサービスをさせておるわけでございます。それから一方、有線テレビジョン放送といいますのは線でつながるということで、いわゆるケーブルを各家庭まで敷設しなければならぬ。このコストが非常に高いわけでございます。したがいまして余り広い範囲のサービスには向かないということでございますので、どうしても地域といいますか、市町村単位程度の小規模な範囲のサービスに非常に向くという、そういう特質がございます。したがいまして、これらを一つの法律で規制するというわけにはいかないということがあるわけでございます。 それからもう一つは、そういう電波を使う方は電波というものに有限性がございまして、無限に電波を使うというわけにはいきませんので、どうしてもテレビジョンの放送局を免許する場合でも数が限られてしまうわけでございます。ところが、一方は有線でつながっておりまして、この有線は技術がどんどん進んでいきますと一本の線で今でも四、五十のテレビのチャンネルが一度に送れるわけでございますし、将来は百を超えるテレビの放送が一本の線で同時に行えるというように、かなりたくさんの情報量を同時に送れる特質を持っているわけでございます。片方の無線の方は一つの電波で一チャンネルしか送れない。 このように明らかにそういう特性の違いがございますので、それぞれその特性に応じた形でやはり管理する必要があるだろうということで放送法と有線テレビジョン放送法、こういうような二つの法律で分けて管理しておるわけでございますけれども、しかしながら、御承知のように近年技術が非常に進歩いたしまして、ニューメディア時代といいますか、今後かなりこういう情報というものの価値が高まってくるわけでございます。したがいまして、受信者の側から見ますと無線の電波による放送であろうとCATVを通じての放送であろうと、テレビの受像機で見る限りにおいては全く同じわけでございますので、そういう情報の伝送という面から見たときの放送行政なり放送のこういう管理のあり方というものが今の法体系のままでよろしいのかどうかという問題は別にございます。 これについてはこれから多少時間をかけて、そういう将来における有線テレビと無線放送によるテレビ、この相違あるいは特質をどのように生かしていくか、あるいはその共通性をどういうところに見出していくか、この辺の問題について検討を進めていかなければならない、そのように考えている次第でございます。
○飯田忠雄君 無線と有線とで、お話を伺っていますと、無線の方が規模が大きくて事業としては大きい。有線は小さいわけですね。そこで、抵当権を設定するという場合に、無線局を抵当権の客体にする、片方は有線局だということになりますと、有線局の方はいわゆる随分たくさんの回線が要りますから費用も相当かかるでしょう。ですから、抵当にとった場合に価値がそれだけの問題なら無線よりは有線の方が多いという気もしますが、ただ、無線局と有線局の違いは、規模の大きさということは営業権の差異であろうと思うんですよ。営業権を抜きにしたいわゆる施設だけを抵当にするということが一体どれだけ意味があるかということは疑わざるを得ないわけですね。普通の無線放送局、あれを抵当に入れてお金を借りる場合に、あの民間の無線放送局の設備でどのぐらい一体担保力があるかという問題、有線局と比べてどっちが大きいかという問題ございましょう。 ですから、こういう抵当権の問題については、私は実は疑問に思って御質問申し上げておるのは、放送局全体の設備から営業権から全部含んだものを抵当にするという新しい制度をお考えになることはなかったか、こういう質問なんです。いかがでございますか。
○政府委員(徳田修造君) 先生御指摘のとおり、確かに電波による放送の影響力というのは非常に大きゅうございます。有線によるCATVに比べてもはるかに大きな影響力を持っておる。それは先ほど申し上げましたようなそういう電波の特質から来るものと同時に、そういう施設を設置する場合のコスト、これが明らかに違いがあるわけでございます。無線によるテレビ放送の場合には視聴者一世帯あたりのコストが大体千円でございます。ところがCATVの場合には大体十数万かかります。つまり百倍以上違うわけでございます。そういう意味においてはその影響力という面で無線による放送の方がはるかに大きいということは言えようかと思います。 したがいまして、そういういわゆる営業的な価値、そういうものも含めての抵当権の設定という問題、確かに御指摘のような問題はあろうかと思います。こういう問題については今後その辺をどういうふうに取り扱っていくべきなのか、法務省とも御相談しながらいろいろ検討してまいりたい、そのように思っておる次第でございます。
○飯田忠雄君 それじゃ、次に問題を変えますが、有線テレビジョン放送に必要とされる送信線の施設はどういうふうにして行うかという問題です。つまり他人の電柱を借りたり、あるいは地下にケーブル線をだれかが引いているそこのところに一緒に引かしてもらうとか、いろいろな方法があると用いますが、そういう方法をとる場合に建造物使用権というものが当然なければならぬですね。電柱を使わさしてもらう、これも使用権でしょう。それから地下の埋蔵しておる施設を使う、これも使用権ですね。 この場合に、先ほどお話を聞いておりますと、寺田理事の御質問に対して賃借権だと、こうおっしゃったですね。その使用権というのは賃借権なんだ、こういう御答弁があったと思いますが、賃借権だといたしますと、賃借権に類するとおっしゃったか、賃借権のようなもの、こういうお言葉だったんですが、電柱ですね。電柱というものは一体土地と一体化したものと理解するかどうかという問題があるわけですね。土地と一体化するものであれば不動産でしょう。もし土地と一体化していないならば動産ですね。それで、電柱を一体動産と解するのか不動産と解するのかという問題が出てまいりますが、大きなものだし建物と同じだから不動産だということであれば、例えば借地法は適用になるのかという問題が起こってくるわけです。こういう点についてどのような御見解ですか、お尋ねいたします。
○政府委員(稲葉威雄君) 借地法は建物所有を目的とするものに主として適用になるわけでございまして、これは先ほども申しましたように、賃借権類似の権利だというふうに申し上げたのは電柱との関係、電柱の所有者である電電株式会社とか電力会社との関係で申し上げたわけでございますが、土地所有者とその電柱の所有者等との関係についてはまた別の法律関係、例えば先ほど寺田委員が御指摘になりました地役権というような関係もあり得るだろうというふうに考えております。基本的には不動産になって土地に付合するわけではなくて、やはり土地の所有権とは別に電柱の使用権は存在するというのが実態ではないかというように思っております。
○飯田忠雄君 他人が持っておる電柱、よその会社が持っておる電柱、そこに回線を張らしてもらうというわけなんですが、この場合の回線に抵当をつけたという場合は、抵当権を設定したとしますと、この場合の抵当権というのは電柱を使用しておる使用権ですね。これは賃借権とかそういうことを言うとちょっと混乱しますから使用権という言葉にしましょう。抵当権は使用権まで及ぶかどうか。
○政府委員(稲葉威雄君) これは工場抵当法八条以下の財団にした場合の話だと思いますが、その場合には電線の所有権には及びますが、その電柱の使用権には及ばないというふうに考えております。
○飯田忠雄君 そうしますと、先ほど寺田理事からも御質問がありましたが、抵当権を設定しても抵当価値というものは極めて低いものになってしまって、金融業者がそういうものに対して金を貸すだろうかという問題が起こりますね。特に金融業者というのは主として銀行でしょう。銀行が金を貸す場合に、回線だけ目的にしてやるという場合は撤去したそのスクラップの代しか当てにできぬわけですね。そうしますと、こういう法律をおつくりになっても余り利用価値がないのではないかという気がするわけですよ。こういう法律をせっかくおつくりになったならば、もう少し抵当権を設定しやすい、銀行が安心して金を貸すような法律体制にしないと困るのではないかと思われますが、その辺の御研究はなさっておりますか。
○政府委員(稲葉威雄君) その点が先ほど寺田委員の御質問にお答えして私どもがもう少し総合的に検討してみたいというふうに申し上げたゆえんでございます。ただ、事実上は問題なかろうという郵政当局のお話であったという点がその点に関係するわけでございまして、実際上その使用を許諾しているものは電力会社とかあるいは電電株式会社というようなところでございまして、そういう会社では一応一定の資格のあるといいますか、あるいは郵政省が許可したようなそういう有線テレビの事業者に対してはそういう架設なり使用を許可する、許諾するというのが今までの慣行であったし、今後もそういう扱いになるであろうということでございまして、その点そういう事実上の信頼に基づいて多分処理はなされることになるのではないか、法律上は若干問題あるけれども、事実上は問題はないのではないかという話はそういうところであろうというふうに考えております。
○飯田忠雄君 金を貸すのは恐らく銀行でしょう。銀行が抵当に取って必要な抵当権の執行をやりますね。こういう場合に、銀行がそういうものを取りまして、それをだれかに今度売らないことには困るわけですが、その見通しというものは相当あるんでしょうか。例えば郵政省でいろいろ保護対策を講ぜられて、銀行が抵当物をだれかに肩がわりしてもらうという、そういうような処置をできるように後押しなさる政策でもあるのかどうか。その辺はいかがでございますか。
○政府委員(徳田修造君) 先生御指摘のとおり、電柱の利用権といいますか、あるいは郵政省のそういうCATVの施設に対する施設許可の問題、いろいろ制度上、法上は問題があるわけでございますけれども、実行上は電柱の共架につきましても郵政省が施設許可を与えたものには自動的に共架契約をするということで今までやってきて全く問題は起きておりませんし、それから道路占用許可についても建設省との間でそういうことで話し合いをして現在まで進めてまいってきております。それから、郵政省としても施設許可を付与するに当たっては受信者の利益が阻害されることのないように十分な配慮をして許可、運用が継続されるような、そういう措置をとっていきたい、そのように考えておるところでございます。 したがって、競落された場合にも問題が生ずるということはまずないと私ども考えておるわけでございますが、CATVにつきましては非常に将来性というものに期待して、全国各地相当な申請が出てまいっております。そういう点から申し上げましても、もしそういう競売に付するという事態が生じたとしても、必ずその後を引き継いでやりたいという事業者がたくさん出てくるのではないか。それから、これはある金融機関に私ども直接伺ったわけでございますけれども、新しい施設の場合ですと大体それの費用の八〇%ぐらいは担保にして融資できるだろうというような話も伺っております。そういう意味ではかなりの担保価値を持っておるというふうに考えておる次第でございます。
○飯田忠雄君 私が少しわからないのは、お金を借りて金が返せないから結局競売に付されるわけてしょう。抵当権の執行を受けるわけですね。そうすると、その事業は金がもうからないということを証明しているわけだ。金がもうからないと証明されたその事業を引き継いでやってくれるのが本当におるだろうかということが疑問になりますね。銀行は私はそこを考えると思うんですよ。それで一回ぐらいは銀行をだますことができましてももう二回目からは少しだます材料としては困難になりはしないか、こう思いますが、特別に郵政省が特別施策、援護策を講ぜられるなら別ですよ。その点はどのように考えておられますか。
○政府委員(徳田修造君) CATVの事業の運営というのは現在のところはかなり苦しい面は確かにあるわけでございますが、しかし将来は非常に見通しは明るいという、そのように言われておるわけでございます。郵政省といたしましてもこのようなCATVの公共性というものを考慮いたしまして、財政投融資の面であるとか、あるいは税制上の優遇措置であるとか、あるいはCATVは何といってもやはり視聴者が見たがる良質の番組をたくさん提供する必要がございますので、そういう番組供給の円滑化のためのいろいろな施策であるとか、あるいは技術開発の促進であるとか、そういうようないろいろな振興施策をとりまして、CATV事業というものが円滑に行い得るようなそういう環境整備に努めておるところでございますし、今後ともさらにそういう努力をしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○飯田忠雄君 工場抵当法の第二条関係でお尋ねをいたしたいわけですが、これは読みかえますと、有線テレビジョン放送目的に使用する場所に属する土地上の設備はと、こう読めるわけですが、その場合の場所に属するという意味ですが、これは一体所有という意味なのか、あるいは所有権以外のものも含んだ権利を持っておるというそういう意味なのか。その辺のところはどういうふうに理解しておられますか。 これはなぜこんなことをお尋ねするかといいますと、有線テレビジョン放送局というのは必ずしも地上にあるとは限らない。例えば大きな建物の一室を借りておるとかということもございましょう。それで、問題になるのは、属する土地上の設備とあるので、その属するというのは、そんな場所にその所有になっておる土地があるのかということが問題になりましょう。借りておるということなら話はわかりますね。属するというところには賃借権も入っているとか、あるいは地役権もあるとか、いろいろのことがあればいいですが、この場合の属するという言葉が実はまことに不明確な言葉なので、どのように理解をしておられるでしょうか。これは郵政省でもいいですし法務省でもいいですが、御見解を承りたい。
○政府委員(稲葉威雄君) これは場所という概念が必ずしも明確ではございませんが、要するに土地とか建物を中心にしてそこに備えつけられた設備一切のものを称してこれ場所と言っているわけでございます。その場合に中心になる土地とかあるいは建物がないと少なくとも二条に言う工場という概念は成立しないわけでございまして、その物の上、その物から発展してその基礎になる土地あるいは建物を基礎にして工場という概念があるわけでございます。そういう意味で、その中心になる土地あるいは建物というものをここに言う「属スル土地」というふうに言っているわけでございます。
○飯田忠雄君 それはそうでしょうけれども、例えば大きなビルディングの上の方の一部屋借りまして、そこから線を引っ張って、そこで有線テレビ放送を行うといたしますよ。そういう場合に、これは建物の一室なんだから土地はないわけですね。そうしますと、抵当に入れ得る物の話をしておるわけですが、例えば回線をそこから引っ張って、どこかへ視聴者の家まで引っ張っていく。その場合に回線そのものはこれはその放送会社の土地にはない場合が生じますね。放送会社の土地ではなくて、また放送会社の建物の中にもない。大きなビルの一室から線を引っ張って、まあ空中を電線でいくか電柱を借りるか、あるいは地下埋設するか、それはわかりませんが、どっちにしろそう引っ張っている。その回線というものは土地とか建物の上にあるものではないわけですよ。つまりその放送会社の所有の土地とか放送会社の所有の建物のそれに付設した設備ではないわけですね、赤の他人のところを預っているわけですから。 そういうものに対する抵当権の設定ということになりますと、せっかくおつくりになった今度の工場抵当法によって抵当をつけるというわけにはいかないのじゃないか。結局民法による以外にないじゃないか、こういう疑いが生ずるんですが、この点いかがですか。
○政府委員(稲葉威雄君) 二条ですと、これはその「土地ノ上」あるいは「建物ノ上」というふうに書いてございますので、そういうふうに対象は限定されるわけでございますが、この工場抵当法は同時に工場財団という制度を設けておりまして、これは八条以下でございますが、十一条で書いてございますように、土地、工作物あるいは建物、そういうものを中心にいたしまして、その上にここに各号に掲げてあるものを一体として一つの財団を形成する、そして財団を形成したときはそれは一つの不動産とみなされる、こういう形になるわけでございます。CATVの場合にはこの二条が働くということはほとんどなくて、専ら八条以下の財団を組成した形で抵当権が設定されるということになるのではないかというふうに考えております。
○飯田忠雄君 財団が中心になるということになりますと、財団もこれは法律によりますと有線テレビジョン放送を必要とする送信線の施設、これを工場どいたしますから、これは工場なんです。工場によって財団がつくられるわけですから、結局有線テレビ放送をやっておる会社の団体が工場財団ということになってしまいますね。会社ではなくて会社が持っておる場所、設備、そういうものが工場でしょう。この工場にはいわゆる電電会社は入ってないし、それからほかの例えばケーブルを引っ張っている電信会社も入っていない。そういうものは工場には入らないんだ。工場に入り得るのはテレビ放送をする会社の場所だけが工場なんだから、そうしますと、今おっしゃったことはわけのわからないことになる。 工場にあるところの設備、そういうものについては抵当をつけることができるんだけれども、工場にないもの、つまり自分の放送局とかあるいはほかの放送事業をやっておるもの、そういうものでつくった工場財団、それに属さないところの土地とか空中にあるところの線は、これはこの現行法でいくとどうも工場抵当法に該当するとは思われませんが、そういうところに法律上の一つの何か欠陥があるような気がいたしますが、そういう点についてはやはり何らか手当てをしないといけないのではないかと、こう思われるわけですよ。もちろん抵当に入れることは民法の規定でできますよ。民法でできますが、民法じゃ困るので工場抵当法と、こうなったんですから、もう少し工場抵当法を安心して適用できるような条文にする必要はありませんか。
○政府委員(稲葉威雄君) 十一条の第二号は、ここに「電線、」「其ノ他ノ附属物」というふうに書いてあります。この電線、今先生が御指摘の送信所から出てきた電線というのはこの十一条の二号によって財団の一部にすることができる、こういうことになるわけでございます。
○飯田忠雄君 十一条に書いてある「機械、器具、電柱、電線、」、こういうものですか。
○政府委員(稲葉威雄君) はい。
○飯田忠雄君 これは「工場財団ハ左ニ掲クルモノノ全部又ハ一部ヲ以テ之ヲ組成スルコトヲ得」と書いてありますね。そうしますと、工場財団というのは、これは工場の所有者、ですから、いわゆる放送する場所の所有者は抵当の目的とすることができる「一箇又ハ数箇ノ工場」、これは放送をする場所について「工場財団ヲ設クルコトヲ得」とありますね。それで、この規定では賄えないので、十一条は別にそれを補う意味でつくった条文だ、だからと、こういうふうに理解をするわけですか。
○政府委員(稲葉威雄君) そのとおりでございます。八条のいう工場というのは二条を受けているわけでございますが、さらに二条の工場だけではなくて、十一条で、それに付随する物、あるいはさらに企業、その工場が使っている工業所有権等までも財団の一部にすることができるという、そういう規定でございます。
○飯田忠雄君 十一条をもっとわかりやすくこの次は書いてくださいよ。これ、誤解するんだ。八条と十一条の関係がどうも明確でない。だからこれ、ひとつこの次改正なさるときはもっと素人が読んでもわかりやすく、お願いしておきます。 それから次に、今度の改正では有線テレビジョン放送目的使用の場所、これを一括して抵当権の目的とすることは、そういう規定がありませんからできないわけですね。抵当権の目的となし得るのはその場所の所在場所ごとにだと、こういうわけですから、その場所の所在場所ごとに土地建物を分離して抵当権を設定することになるんだ、こういうことに法文は読まざるを得ないのですが、なぜこんなに分離して抵当権をつけなければならぬか、抵当権の目的をそう分解しなければならぬのか、その辺のところがどうも理解しがたいわけです。 有線テレビジョン放送というのは、その事業それ自体が元来価値があるはずではないか、こう思われますね。それ自体が価値があるなら、その放送に使用する場所が例えば高い建物の一室だとして、一室であることが価値があるのではなくて、その一室で放送設備を置いて放送しているから価値があるわけでしょう。そういう総合的な価値というものをなぜ抵当権の目的となし得ないのか。そういう総合的な価値を目的とすれば、そういうものをひっくるんだ競売が行われますね。ところが、そういうこともしないで、部屋ごとに、部屋だけを競売の対象にするとか、それから線だけを対象にするということになりますと価値が非常に低くなる。殊に部屋の場合などは他人から賃借権で借りているものでしょう。賃借権が果たしてどこまでこの抵当権の目的となし得るかという問題もこれは大変疑問だと思いますよ。その辺のところの御検討はなされましたですか。
○政府委員(稲葉威雄君) このたびの法案につきましては、いろいろさらに検討すべき点があるというふうに申し上げたのはそういう点も含めての話でございまして、要するに企業価値を担保にする、企業価値全般として担保を提供する、それをどのような形で行うかということも含めて検討をする必要があるのではないかという感じを持っているわけでございまして、その意味で今回の立法に際して特に私どもが検討したということはございません。
○飯田忠雄君 それでは、その問題はそれだけにしておきまして、次は第六条の三項関係でお尋ねをいたしたいわけですが、第六条の第一項と第二項によりまして抵当権が消滅する場合が書いてありますね。つまり「工場ノ所有者カ抵当権者ノ同意ヲ得テ土地又ハ建物ニ附加シテ之ト一体ヲ成シタル物ヲ土地又ハ建物ト分離シタルトキハ抵当権ハ其ノ物ニ付消滅ス」と、こう書いてあるわけですね。これ、ほかの道具についても二項で同じことになります。そこで同意を得てやれば消滅するんです。 それは当然のことだと思いますが、その次に第三項を見ますと、「工場ノ所有者カ抵当権者ノ為差押、仮差押又ハ仮処分アル前ニ於テ正当ナル事由ニ因リ前二項ノ同意ヲ求メタルトキハ抵当権者ハ其ノ同意ヲ拒ムコトヲ得ス」とある。そうすると、自分が権利がなくなることを強制されることになる。拒めないんですから法による強制ですね。この一項、二項、三項との関係がどうも私は意味が理解しかねるわけです。抵当権者を保護するというのがよく行われますが、抵当権の消滅を生ずる行為を抵当権者に義務づける、こういうことは抵当権保護に反しないかということなんです。それで、その立法理由はどこにあるのですか。なぜこんな立法をなさったのか。これはまだ古いやつですから、法務省でもおわかりになると思いますが。
○政府委員(稲葉威雄君) これは工場というものの特性から申しまして、そこに使われている機械、器具、機械は当然使ってまいりますと古くなってまいりまして、機械を更新しなければいけないという事態が当然予想されるわけでございます。そういたしませんと、これはまた担保価値がどんどん下がってまいります。古い機械をそのまま使っておりますと減価償却が進んで結局物の役に立たなくなるということになるわけでございまして、そういう場合に入れかえをする、新しい機械に入れかえるということは当然工場でございますと予想されることでございます。そういうような場合には古いものを放して新しいものを入れるということになるわけでございまして、そういうような場合が正当な事由でございまして、そういうような新しいものを入れるために古いものを放したいという申し出があったときには、これは抵当権者は同意しなければいけない、こういう趣旨の規定でございます。
○飯田忠雄君 そうしますと、いわゆる回線ケーブル、これを抵当に入れた、金が払えぬために抵当権の執行を受けたという場合に、その抵当権というのは物についているのか、それともその設備という抽象概念についているのか、これが問題になりますが、物についているのなら古い取りかえるやつについているわけで、それが目標になりましょう。そうじゃなしに設備という抽象概念についているのなら取りかえがきくことになりますね。抵当権というものは設備という抽象概念につくのか、あるいは物につくのか。
○政府委員(稲葉威雄君) 当然物についているわけでございます。そして新しく入ってきたものについてやはり抵当権が及ぶということになるわけでございます。
○飯田忠雄君 今のおっしゃったことで私もいいと思います。そういうことはしかし法的根拠が明確でないと困るでしょう。裁判で争いになった場合にあやふやじゃ困りますので、そういう点も法律で明確にしておいていただきたいんですが、お願いをしておきます。 それから次に、第八条関係の工場財団の設定ですが、数個の工場が各別の所有者に属する場合について決めた、こういうことになりますと、例えばそういう有線テレビ会社の余り成績の上がらない田舎の方のものもある、町の方の非常に有力なものもある、そういうもので一つ一つでは金を借りる担保になかなかならないので、全部ひっくるめて工場財団ということで金を借りようじゃないかということで金を借りたとしましょうね。田舎の方の金のもうからぬものが工場財団を担保にして銀行からどっさり借りたんですよ。そうしますと、経営の余り上がらないところの方は損ばかりいたしますから、その損害を利益のある方の会社で負担しなければならぬということになりますね、少なくとも今度のこの事業については。そういうような場合に、一体そういうものを工場財団としてまとめるということは抵当権保護になるだろうか、あるいは業者保護になるだろうかという疑念が生じてきますが、つまり弱い者を助けるために強い者を犠牲に供してやろう、こういうことじゃないですか。今日の経済概念でこういうことが成り立ち得るかという問題がありますが、どのようにお考えですか。これは郵政省でも法務省でもいいですが。
○政府委員(稲葉威雄君) これは工場財団というのは抵当権設定を前提として工場財団を設定するわけでございまして、抵当権を設定するという場合には、それの全体としての担保価値がどのようなものになるかということを考えて、最も有利なように抵当権を設定するということになると思います。その場合には、やはり一体として競落した方が、あるいは競売した方が価値が高いというか高く売れるという形で財団を組むということになるわけでございます。 この八条の趣旨は、例えばコンビナートをつくっている工場のように、Aという工場が生産するエチレンを使ってBという工場で化学薬品を製造しているというような場合に、AとBとを合わせて一つの財団を組成するというようなことを考えているわけでございます。そういう場合でないと抵当権者は高い担保価値を認めて金をたくさん貸してくれるということにはならないわけでございます。先生の御指摘のようなケースでございますと、むしろ全体としての担保価値は下がるわけでございますから、そういう場合にはそう簡単に銀行も金は多額には貸してくれない。むしろそれはもうかる会社、もうかる工場だけで金を貸したいということになるのではないかというふうに思います。
○飯田忠雄君 それはおっしゃったとおりのことになると思います。ただ、第八条を今度の法改正で読みかえるとそういうことになるのだがと、こういう意味でお尋ねをしたわけです。 そこで、ついでにこの工場財団の設定の問題についてもお尋ねをいたしますが、この「工場財団ノ設定ハ工場財団登記簿ニ所有権保存ノ登記ヲ為スニ依リテ之ヲ為ス」と、こうありますので、そうなりますと工場の所有権、これを財団に対する寄附行為によって財団の所有とする、そういう行為を行って保存登記をするのかしらぬと、こういうふうに読めますが、これ素人読みで読みますと、工場の所有権というものがある、財団ですからそれを財団に寄附行為で寄附しなければいけませんね。その寄附行為の内容が工場の所有権だ、工場の所有権ということは有線テレビ放送の放送する場所の所有権、それを寄附行為で財団の所有とする。財団の所有とすることが寄附行為ですね。そういうことによってやることのように思われるわけなんですが、それで結局所有権保存の登記をすると、こう書いたのかというふうに思うわけですが、その辺のところはそういう法解釈でいいのか悪いのか、どうもはっきりしませんが、どのように理解しておられますか。
○政府委員(稲葉威雄君) ここで言う財団というのは民法法人としての財団法人の意味ではございませんで、民法に言う財団法人というのは、これは権利の主体としての法人格を取得するというものでございますから、それについて寄附行為というものが要るわけでございますけれども、この場合にはそうではなくて、幾つかの財産を合わさって、それを所有権の目的とする、そういうものとして財団というものを使っているわけでございます。 これは例えば土地については土地の所有権保存登記があるわけでございますけれども、それに合わさって十一条で言います機械、器具、あるいはこのCATVの場合で申しますと、電線等を合わせまして一つの財産として、そしてそれをこのCATVの施設者の所有名義に保存登記をする、こういうことになるわけでございます。ですから、先生の御指摘の財団法人の場合とはいささかこれは違うわけでございます。
○飯田忠雄君 それでは、工場財団というものは、これは法人格があるのかないのか、まずお尋ねいたしたいんですが。
○政府委員(稲葉威雄君) これはあくまで「一箇ノ不動産ト看做ス」というのが十四条に書いてございまして、これは法人格はないわけでございまして、あくまで財産の客体でございます。
○飯田忠雄君 それでは、不動産とみなす、だから財団はこれは法人格はない、こういう御見解だということにいたしまして、それならば工場財団の「登記簿ニ所有権保存ノ登記ヲ為ス」と、こうありましょう。工場財団というのはこれは不動産なんだね。不動産登記簿に所有権の保存をするとこういう意味でしょうか。
○政府委員(稲葉威雄君) そのとおりでございます。工場財団を表示いたしまして、それに所有権者として、この場合でございますとCATVの施設者を記載する、そういうことになるわけでございます。
○飯田忠雄君 そうしますと、所有権保存登記をやった後六カ月内に抵当権の設定登記がない、こういう場合は無効とすると、こうありますが、工場財団というものはこれは不動産とみなすのでしょう。不動産とみなしたものが無効となるという意味なのか。それはそうじゃなしに、抵当権の設定登記がなければ所有権保存登記が無効となる、こういう意味なのか。どうもその辺のところがはっきりいたしませんが、これは法解釈上どうなりますか。
○政府委員(稲葉威雄君) これは財団としての意味がなくなるということでございまして、もともとはそれぞれ土地は土地として、建物は建物としての所有権の目的だったわけでございますが、それが一体となって、一つの不動産が一つのものについて一つの所有権が成立するということの例外として、幾つかのものに対して一つの所有権が成立するということになっていたのがもとの状態に復帰するということになるだけであります。
○飯田忠雄君 その点はその点てよく理解をいたしましたので、それで、もとにまた戻りますが、有線テレビジョン放送というものにつきまして、収支償う産業であるかどうかという問題につきまして、これまでに実態調査をおやりになったかどうか。おやりになっておれば、その結果はどうなっておりますか。お伺いいたします。
○政府委員(徳田修造君) CATVの事業というのは、経営が成り立つようにするためには受信者の獲得のために多大な営業努力が必要なわけでございますけれども、過去の例から見ますならば、大体十年程度の長期の期間を考えますと十分採算がとれる、そのように私ども考えております。この調査した結果を申し上げますと、大体単年度黒字に転化するのが事業開始後四年から六年目ぐらいでございます。それから累積欠損が全部解消いたしますのが十年目程度でございます。この点、産業形態が似ております電気通信事業、あるいは多額の設備投資を必要とします鉄道事業等、こういうものとほぼ同じような状況ではないか、そのように考えておる次第でございます。
○飯田忠雄君 法律問題、もう一つ法務省にお尋ねいたします。 これは今度の有線テレビジョン放送をするのは余り大きな会社じゃありませんので、大都市で放送局を設けるということになりますと、大体どこかの高い大きな建物の一室ぐらいじゃないかと思われますが、そこから視聴者のところへ線を引っ張る。そうしますと自己の所有する土地の上とか建物だけを利用して引っ張るというわけにはいかぬわけですね。そこで建物の場合を考えてみますと、大きなビルディングの上の方にある場合に、そこから線を引っ張る場合に他人の居住区なり事務所の外を通る必要性ができるのではないか。あるいは建物の外を線をはわせるとか、そういうことができるような法的措置、いわゆる建物使用権についての法的措置はどうもこの工場抵当法を見た限りではわからないのですが、この点について法務省及び郵政省のお考えをお聞かせ願いたいわけです。そして、その後で大臣にちょっとお尋ねいたしたいので、お願いいたします。
○政府委員(稲葉威雄君) 当然にはそういう権利はないわけでございまして、あくまでその建物の所有者あるいは土地の所有者の承諾が要るというふうに考えております。
○政府委員(徳田修造君) このCATV事業を行うためには、そういう建物、まあ土地がある場合ない場合がございますが、スタジオのある建物のところからケーブルを各家庭まで引っ張るわけでございますが、その場合に当然NTTあるいは電力会社の電柱を利用する。あるいはその電柱が公道の上に立っておるというケースがほとんどだろうと思うわけでございますので、道路管理者の承諾が要るということでございます。したがいまして、そういうような契約関係あるいは占用許可を得た形で運用されるということになる、そのように考えております。
○飯田忠雄君 特にお尋ねをしておきたいのは、テレビ会社の許可を得たのは特殊の地位にあるわけですが、そういう特殊の地位に立ったものが他人の建物とか、あるいは他人の敷設した地下の設備とか、電柱とか、そういうものを使用する場合に、相手方は特別の理由がない限り拒み得ない、そういう規定を、これを保護するのなら設けるべきではないでしょうか。 それから、御承知のように民法では袋地の場合に囲繞地通行権というのが決められておる。これと同じように、会社から外へ線を引っ張っていくに当たって、相手方にできるだけ損害を与えない場所を通らせる、通る権利があるという、そういう規定を設けるべきじゃないか。民法にはあるけれども、これは土地の話ですからね。今申し上げておるのは建物の話ですよ。隣の部屋を通り越して、よそへ行きたいという場合に、線を引っ張らしてもらうということができるような法的根拠を与えないと、せっかくのこの法律が十分効果がないじゃないかと、こう思われますが、こういう点についての御見解を承りたいと思います。
○政府委員(徳田修造君) これまでのところ、そのような電柱の利用あるいは道路の占用、または他人のそういう土地あるいは建物の上を通過するというような場合において、そういう法的な保護がなかったためにこの事業が円滑に行われないというような事例というのはございませんので、私ども現在の法体系の中で円滑に処理できるのではないか、そのように考えておるわけでございますが、将来もしそのような事態が発生するといたしますならば、どういうような措置を講ずるのが最も適当であるのか、検討してまいりたいと思っておる次第でございます。
○飯田忠雄君 時間が参りましたので、最後にひとつ大臣にお尋ねをいたしたいのですが、これまでいろいろ議論をしてまいりましたところから見ましても、現行法の条文をそのままにしておいて、有線テレビジョン施設を必要とする送信線とかその他の施設、こういう施設を工場とみなすとしただけではやはり問題点が非常にある。こう思われますので、これは工場抵当法を政府におかれましても御研究になって、できるだけ早い機会に手当てをしていただく必要があるのではないかと思いますが、こういう点につきまして大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(嶋崎均君) 御指摘のように、工場抵当法は非常に古い法律でありますし、世の中どんどん変わっておりますから、そういうぐあいなことに対応していろいろな検討をしなければならぬというような時期も来ているような気持ちもするわけでございます。 しかし、そういうような問題を議論するにはもっといろいろな意味で議論を詰めなければならぬというようなことが非常に多いような感じがするわけでございまして、さきに御質問にお答えしましたように、そういう意味で非常に最近多様化しておる状態であり、また将来もいろいろな変化が予想されるわけでございまして、現在問題になっている有線テレビのほかにもいろいろなことを考慮に入れなければならぬというようなこともたくさんあるだろうし、またいろいろな論議もありましたけれども、今後第二次産業以外の分野に相当広げて事柄を考えていくというようなことになりますと、財団抵当の目的とすることができるものをどういう範囲にしなければならぬかというようなことも含めて、この法律についてはもっと幅広くかつ慎重な検討を必要とするのではないかというふうに思っておるわけでございます。 今有線テレビ放送について問題点がありましたけれども、我々が提案をしなかったというような経緯につきましては先ほど御説明申し上げたとおりでございまして、何というか、免許にかかっておる事柄でありますし、かつまた特殊の施設に付加して使われるというようなこともあるわけでございます。しかし、そういうようないろいろな問題でいろいろな議論があると思うけれども、最後はさきにもお話し申し上げましたように、金融的な面でいろいろなこれらの問題の取り扱いについての論議が煮詰まって整理をされていくというようなことも考えまして、法務省としてこの法律案については特に異論がないということを申し上げたというのが経緯になっておるわけでございます。 そこで、御質問はさらにその先この工場抵当法の改正を早くやるべきではないかというような御議論かと思いますけれども、どうも今いろいろ法務省の抱えておる仕事も少なくないような状態であるわけでございますし、そんな意味でにわかにこれをすぐ整理するというような状況にもなってない。ただ、必要なことは、そういう法改正をやるためのいろいろな情報というものをどうして集めていくかというようなことが今必要なことじゃないかというふうに思っておるわけでございまして、そういうことで対処をいたしたいというふうに思っておる次第でございます。
○飯田忠雄君 終わります。
○委員長(大川清幸君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十四分散会