補助金等に関する特別委員会 第10号
- 発言数
- 387 件
- 登壇者
- 49 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1985/05/16
会議録
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 最初に、外国人登録の問題についてお伺いしますが、先日、和田委員からも抜本的な問題について法務大臣の意見を聞いたところでありますが、まず次のことについてお伺いをします。 先日、運用面で改善をすることにした、こういう報告があったわけですが、これについて、国際的な反応について外務大臣から、それから国内の状況、反応について法務大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 国際的の反応ということになりますと、韓国が特別な関心を持っております。そこで、韓国側の反応としましては、韓国外務部はこの改善措置に対しましては根本的な解決にはならないといった反応を示しておりまして、韓国内一般の反応にも厳しいものがあるように思います。近く東京で実務者レベルの意見交換が行われるわけですが、その際今回の措置を含めて日本側の立場等につきまして引き続いて韓国側の理解を求めていきたい、こういうふうに考えております。
○国務大臣(嶋崎均君) 何しろこの改正を行ったのが一昨日のことでございまして、その反応につきましては必ずしも十分我々の方に直接連絡のあるものは少ないわけでございますが、いろいろな意味でよく検討してやってくれたという意見も相当あります。反面、電話等でございますけれども、あれでは改正になっていないというような意見もあるわけでございます。新聞等の論調を見ますと、私たちのとった対策に対する評価がどちらかというと低いように思いますけれども、その内実は必ずしも過去の実態を十分御認識の上で論議されているのかどうかというようなことについて、我々はいささか心配をしているというような面もあるわけでございます。今後ともこの改正の趣旨につきましては十二分に宣伝をして努力していかなきゃならぬというふうに思っておる次第でございます。
○穐山篤君 この指紋の押捺が従来回転式であったものが平面式に、それもインクも今度は変えた、これで改善をしたというふうに自認をされているようですが、この反面、こういうふうに改善をしたのであるから指紋の押捺は完全にやってもらいたい、これが一つですね。それから反射的に出ますのは、押捺を拒否することはできないぞという意味合いが二つ目に含まれているわけですね。それから三つ目には、押捺を拒否した者は告発をするぞ、あるいは逮捕するぞというふうに問題を解釈するのはごく自然の姿です。どちらかといいますと、後段の問題が強化をされるというふうに新聞紙上でも意見が出されておりますし、また私どものところにも連絡があるわけです。こういう点については法務大臣どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(嶋崎均君) お答えいたします。 第一点の政令改正に伴う問題点でございますが、御承知のように指紋、従来は左の指の回転指紋でおったわけでございます。何というか、非人道的というような議論が非常に多かったり、あるいは犯罪者として取り扱うというような議論が非常に多いわけでございますけれども、御承知のようにそういう面に使うのには十指指紋、しかも回転指紋ということが非常に大きな意味を持つわけでございます。そういうようなことも考えまして、回転方式から平面方式に事柄を直しておる。それはある意味では、しかも平面ですから、今後、外国人登録法の運用につきましては、それで十二分に役割を果たされると我々は考えて改正を行っておるわけでございますから、そういうことは十分ひとつ御認識をいただきたいというふうに思うのでございます。 また、黒色のインクあるいは朱を使ったらどうかというような議論も途中でいろいろありましたけれども、その点は少しでも外国人のこれを登録をされる人のお気持ちというものを和らげたいというようなことでそういう改正を行ったわけでございまして、したがいまして我々この制度改正問題については従来いろいろな検討をしてまいりましたけれども、ぎりぎり政令改正をしてこういう対策をすることによって大幅な切りかえというものを乗り越えていきたいということでこの対策をとったことを在留の外国人の方々にも十分御理解願って御協力を願いたいと思うし、またそれを支持していただいておる地方自治団体の皆さん方にもそういう意味で応援をしていただきたいというふうに思っておるわけでございます。 二番目に、そういうことに伴いまして何か制度的に非常にやかましいことを言っているのではないかというようなことでございます。御承知のように、この問題を担当していただいているのは市区町村でございまして、全体で三千をはるかに超える。区まで入るわけですから、非常にたくさんの数の人にこれを取り扱ってもらっておるわけでございます。一部この問題についていろいろな議論をされる自治団体がないわけじゃありませんし、また組合等につきましてもそういう動きをされておるということを我々承知しておるわけでございますけれども、しかし一般的には、やはりこの問題について法務省としてきちっとした考え方というものを出していただかないと、地方自治団体が一斉に問題を処理する場合に非常に困るじゃないか、したがってぜひそういう通達を出していただきたいという声が非常に強かったわけでございます。そういうことを受けまして私たちはこの通達を出したわけでございます。 それに関連しまして、その通達の中身が何か告発を強制するというようなことを言われておりますけれども、御承知のようにこの問題につきましては、従来ともどこまでも勧奨、勧誘によって御協力をしてもらいたいということを本当に重ねて努力をしてやってきたというのが実情であるわけでございます。事案の性格によって、つい先ごろこの制度が始まってから、さきの改正、さきの場合で二回しかないと思いますけれども、極力そういう姿で対処をしてまいっておるわけでございまして、今後もそういう努力というものは積み重ねていかなきゃならぬ。 そういう意味で、今度の通達の中でも、三回に及んで念入りにひとつこの勧奨をやって、その上で、しかもこの指紋をやられぬと同一人であるかという最終的な判断はできぬわけでございますから、そういう段階を過ぎてもなおいろいろな意味で本人であるかどうかということを確認するという措置を講じまして、そして手続をやっている。こうした場合に、告発の問題につきましては御承知のように公務員の一般的な義務としてそれがあるわけでございまして、それをやっていただいたからストレートに、その判断の問題は警察なりあるいは検察庁等で問題を処理するわけでございまして、その告発自体が別に強権発動にストレートに結びつくことではありませんので、ぜひそういうことはきちっとやっていただきたいということをお願い申し上げたわけでございます。 また、そういうことを言っていく中で一年を超えた者について何かびしっと書いてあるではないかというようなことがあります。これを超えた者については、私の承知していたときは十五件でございましたが、最近新しいのでは二十五件ぐらいあると思いますが、いろいろな各国の皆さん方のものが重なってありまして、それらについても従来十二分の宣伝をしてやってきているというのが実態であるわけです。そういうことでこの問題の処理を図ったわけでございます。いずれにしましても、大量切りかえの時期を迎えまして、できるだけひとつ在留外国人の皆さん方にも御協力を願いたいじ、かつまた関係の自治団体の皆さん方にもこの問題の取り扱いについてきちっとした整備をぜひお願いを申し上げたいというようなことで今度の政令改正、運用の改善通達という段取りをしたわけでございますので、御了承願いたいと思っておる次第でございます。
○穐山篤君 この外国人登録法というのは、今も代表的に申し上げましたが、指紋押捺の義務がある、それから外国人登録証を常時携帯をしている責任がある、さらには提示を求められた場合には提示しなければならぬ、この三つが一つのものになっているわけですね。いずれもそのうちの一つを欠いてもならぬと、それが政府の態度であろうというふうに思うわけですが、さて国際化時代を迎えた今日、在留外国人に対する規制というものを理屈の上でどういうふうに整理をすべきか。これは金大中氏事件でも私ども主張したわけでありますが、主権に基づく管理規制という立場をとるのか、いやそれとも支配下にあります外国人の地位なり人権という分野で登録法を考えるのか、これは物の考え方によっては大いに登録のあり方が随分変わるわけです。その点について当初つくられました登録法と今日は時代が全然違うわけです。朝鮮人のみならず、アメリカ人その他気軽に日本においでになって住まわれる、定住をされるということは今後相当に及ぶ、こういうふうに考えるわけです。ですから、旧態依然たる物の認識で取り扱うことについて錯誤をしているんじゃないかという意見があるのは当然だと思うんです。その点はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(嶋崎均君) この指紋制度の問題が取り上げられたのはたしか昭和二十七年ですか、ぐらいから議論されまして、具体的に実施をされたのは三十年からでございます。それからたびたびの改正が行われてきておるわけでございまして、当初この指紋制度が取り入れられたような実情と最近の事情というのはやはり随分変わってきているということは私たちは十二分に承知をしているわけでございまして、過去における改正の中でもだんだん緩和の方向に向かって努力をしてきたということは事実であろうと思うのでございます。 今、問題になりました常時携帯の問題につきましても、従来は指紋をやらなければ登録証は渡さないという制度だったわけでございます。しかし、その時分は積極的に皆さん方が協力をしていただくものですから、そういうところはルーズに、ルーズというか、法改正してもいいだろうというようなことでそういうところを解除したわけです。そうしたらこういう事件が起きまして、登録証の交付問題というのが非常に厄介な問題になってきたという経緯もあるわけでございます。また、御承知のようにさきの改正、五十七年に行っておるわけでございますけれども、この場合は御承知のように十四歳から十六歳に直すとか、また三年で交付をやるというのを五年に直すとか、あるいは外国へ行かれるときにこの登録証を持って出てもよろしいとか等々といった改正を行ってきておるわけでございます。今回の場合もいろいろな議論があると思いますけれども、とりわけ考え方としては、回転指紋を平面指紋に直す、しかもできるだけインクが指に残らないような改善をしようという努力を積み重ねて今日までまいってきているというのが現実であるわけでございます。 どうも御意見によりますと、何か国際的感覚から外れたようなことをお考えなのではないかというような御質問に対しては、非常に私は、そんな感覚でこの問題を処理しているわけではありませんということだけははっきり申し上げられると思います。そもそも在留外国人の地位なりあるいは待遇なりにつきまして、その制度をどういうぐあいに検討すべきであるかというような問題については、やはり国内的な事情のみならず、国際的な感覚というものも十分持って対応していかなきゃならぬことは私は当然なことであろうと思います。しかし、御承知のように日本人の場合には、やれ戸籍抄本を持っていらっしゃいとか現住所を持っていらっしゃいとかいうような処置があるわけでございます。外国人にはそういうものがないわけでございますから、そのためにはやはり同一人で、きちっと整理をされた登録の処理というものをしなきゃいかぬ。しかも、それの確定的な決定をなすのには、いろいろな議論をしましたけれども、指紋制度というものがどうしても避けて通れないということになっておるわけでございます。そういう意味でこの制度ができておるわけでございます。 したがって、この規制の問題は開き直ってお聞きになられれば、本当に日本におけるところの外国人に対する待遇の問題として自主的に事柄を判断すべき性格のものである、私はそう思うんです。しかし、冒頭申し上げましたように、十二分に国内的な事情あるいは国際的な事情というものを勘案してこの問題は処理すべき性格の問題であるということは心得て対処をいたしたいと思います。なお、この制度につきましては、先ほど申し上げましたように五十七年の改正をやって、更新期間を五年に延ばした最初の実験がことしの大量切りかえで行われるというような事態であるわけでございまして、そういう事態も十分御認識になりまして、この問題について御理解を願いたいと思っておる次第でございます。
○穐山篤君 登録の事務の問題について、入管と自治省に伺います。 現在まで登録事務に関しますものは、たしか昭和五十八年十月の入管局発行の取扱要領というものが基本になっていると思うわけですが、ところが、とかく登録の原簿が警察の犯罪捜査のために利用されていたということも全国的にはかなり実例が挙がっているわけですね。それから、そのおそれがあるというのも当然であります。そこで、地方公共団体の窓口では非常にこれを苦慮しているわけですね。この閲覧であるとかあるいは謄写の申請というもののあり方であるとか、あるいはコピーをする場合に指紋の場所を抹消するしないというふうな事務的な混乱といいますか、そういうものが地方において現にあるわけですが、こういうものについて入管の考え方及び自治省の実際の窓口の取り扱いについての統一見解、統一指導というものがあれば、この際明確にしておいてもらいたいと思います。
○政府委員(小林俊二君) お答え申し上げます。 先生御指摘の昭和五十八年の文書は、最も新しい統一的な外国人登録事務に関する取扱要領でございます。その中でも私どもはこの取り扱いを明確にしたつもりでございますが、先ほど大臣から言及がございました今般の通達におきまして、改めてこの外国人登録原票の取り扱い、特に指紋の取り扱いについて統一及び徹底を期するために明記したわけでございます。 その取り扱いの要領といたしましては、特に登録原票の写しを関係の機関に交付する際には、指紋の部分を抹消してというか、指紋の部分の複写されていない写しを作成の上交付するようにということを徹底したわけでございます。さらにまた、正当な理由で指紋そのものについての照会があった場合には、法務省にその取り扱いについて照会をするようにということを通達いたしました。これによりまして、指紋の取り扱いを登録原票の他の記載事項に比してさらに慎重な取り扱いを行うという趣旨を徹底したわけでございます。 今日までも登録法に基づきます指紋は一般犯罪の捜査には利用させておりません。もっとも、外国人登録法及び出入国管理法そのものも一つの刑罰法令でございますから、これに違反する行為は犯罪行為でございます。そういう意味では犯罪の中に含まれるわけでございまして、これらの法律に違反する行為の捜査に関係がある、捜査に必要であるという場合には、指紋を含めて外国人登録法に基づく登録事項は照会に応じておるわけでございますが、これら二法を除きました一般犯罪につきましては、この指紋を利用するということは今日までもいたしておりませんし、今後ともそういうことはないということを明確にするために通達を出したわけでございます。 また、さらに申し上げれば、先ほども大臣がおっしゃられたことでございますけれども、一般犯罪に指紋を利用するというのは、通常、犯罪の現場に残された遺留指紋との照合でございます。そのためには十指の回転指紋がとられていなければその目的を達することはできないのでありまして、物理的にも一般犯罪に登録法に基づいて採取された指紋を利用するということは実際上ほとんど不可能であるということもあったわけでございます。
○政府委員(大林勝臣君) 自治省といたしましては、外国人登録事務というのはほかの機関委任事務と異なりまして極めて国家的性格の強い機関委任事務と認識しております。したがいまして、その窓口事務につきましての御指導も専ら法務省当局にお願いをしておるわけでありますけれども、第一線の市町村の窓口事務が混乱をする、非常にやりにくいということでは市町村行政全般から考えまして困りますので、できるだけそういった事務がスムーズに流れ、混乱が起こらないようにその都度お願いをしておるところであります。
○穐山篤君 登録法の問題が裁判に、法廷闘争で争われておりまして、第一審では押捺指紋というのは違憲ではない、こういうふうに判決が出まして、さらに係属中になっているわけですね。そこで考えられますのは、違憲ではないというふうに判例は出ましたが、それでは最良の政策であるかどうかということは少し検討をしなきゃならぬと思うんです。身分でも職業でも居住関係でも、日本人あるいは日本国民とほぼ同じような状況にある人が大多数の外国人ですよね。そういう人の立場から見ると、差別あるいは犯罪、そういう問題意識を持つのは当然であります。あとは意見になりますけれども、本問題でさらに紛争が拡大をするようなことにならぬように早急に抜本的な改正の方向をとってほしい、このことを意見として申し上げて、本件につきましては以上で終わりたいと思います。 次に、離島の問題を取り上げるわけですが、それに関連をしまして最初に農水大臣にお伺いします。 去年の十月に日本と北朝鮮との間に御案内のような漁業分野における協力に関する暫定合意事項、これが結ばれました。去年の十一月一日から来年の十二月三十一日までを漁期とすることになったわけであります。そこで既に日本側にも登録をし、北朝鮮側にも連絡のしてあります零細漁船の数ですね、これがどういう状況になっているかという問題、それからまた実際にはこれからイカが最盛期に入るわけですけれども、おおむね暫定操業水域でどのくらいの漁獲量を想定することができるかどうか、あるいは安全操業について農水省としてはどういうふうな配慮を現に考えられているかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(斉藤達夫君) お答えいたします。 昨年の十月十五日に日朝の民間漁業協定が再締結されたわけでございますけれども、昨年は年末に近かったこともございまして五百九十三隻が許可を取得いたしましたが、実際に出漁いたしましたのは二百七十八隻でございました。漁獲量は大体もうイカが南下をしてしまった後だったものですから全部で二千トンくらいでございました。本年九百二十九隻が許可を受けておりますが、この海域でのイカ、これは春から初夏にかけてまずイカの群が北上いたしまして秋に南下をしてくるということになります。 イカの漁況というのは非常に年によりまして変動するものでございますから、必ずしもその見通しを申し上げるのは難しいのでございますけれども、かつてこの水域で操業しておりましたときに、多い年には三万トンぐらいの漁獲がありました。ただ、この協定が切れる直前の五十六年には八千トン、年によってやはりその程度のフラクチュエーションがあるということでございます。そのほかにベニズワイかご漁業というのがございます。これは昨年は間に合いませんで出漁いたしませんでしたが、本年は十五隻が既に操業を始めております。 以上でございます。
○穐山篤君 国土庁にちょっとお伺いをしますが、竹島というのは、国土庁で考えられております島の種類からいうと何に当たるんでしょうかね、国土庁どうですか。
○政府委員(田中暁君) 我々の、離島を担当しております立場からの分類によりますと、外海孤立孤島ということになろうかと思います。
○穐山篤君 外海孤立孤島という場合、それは大型の中に入るんですか、小型の中に入るんですか。
○政府委員(田中暁君) 竹島は現在無人島でございますので、我々の主管しております離島振興法の対象の島にはなっていないわけでございます。その大型、小型という問題は、我々の方の分類でもそうはっきりした範疇があるわけではございません。
○穐山篤君 運輸大臣と防衛庁長官にお伺いしますが、今、竹島の現実的な姿ですね、韓国が不法に占拠しているわけですが、その状況について運輸省とすれば海上保安庁の立場から十分監視をされているだろうし、それから防衛庁は全く別な次元になりますけれども、運輸省以上にきめの細かい実情を把握されていると思うんですが、その具体的な状況についてお伺いします。
○政府委員(角田達郎君) 竹島につきましては、御案内のように二十九年から韓国が灯台等の施設を建設していまして、それとともに警備員を常駐させ不法占拠を続けております。海上保安庁では、外務省の要請によりまして、四十二年から毎年一回、巡視船による竹島の施設等の状況の調査を行っております。最近では、五十九年の十月十六日に私ども出先の境海上保安部所属の巡視船「おき」を竹島の東島周辺海域に派遣いたしまして施設等の状況を調査したわけでございますが、その結果は、従来から東島で確認されていた灯台一基、見張り所四カ所、兵舎棟大棟、鉄製やぐら二基、各種アンテナなど、そういったもの以外に五十八年確認されました鉄塔二基、それから東島—西島間連絡用ケーブル等のほか新たな施設等は認められておりません。それから東島に韓国の警備員と思われる者がその調査に行ったときに三名が視認された、こういうような状況でございます。
○政府委員(矢崎新二君) お答え申し上げます。 竹島の現況につきましては、ただいま海上保安庁が御報告されましたような内容を外務省に通報しておられるわけでございますが、それにつきましては防衛庁も伺っておりまして、ただいまのような状況については承知をいたしております。
○穐山篤君 東島、西島の状況は大ざっぱにわかりましたが、確かに機関銃座が設けてあると思うんですが、その点をお調べになっておりますか。それから韓国の警備員が複数単位で居住をしていると思いますが、その点どうでしょう。
○政府委員(角田達郎君) 機関銃等の火器については私ども具体的に視認はしておりませんが、警備員が、先ほど申しましたように、五十九年十月に調査しました時点で三名視認されております。そういう状況でございます。
○穐山篤君 農林水産大臣にお伺いしますが、この周辺はアワビだとかあるいはサザエ、ワカメ、岩ノリというものが従来はよくとれたわけですね。現在どういう状況でこの竹島周辺で操業をしているかどうか。あるいはその操業について、まああえて言えば非公式、暗黙のうちに韓国と日本との間に安全操業についての申し合わせがあるというふうに私どもは承っているわけですが、その状況はいかがですか。
○政府委員(斉藤達夫君) 竹島はかつてワカメ、アワビ等の漁場であったわけでございまして、戦後の記録といたしましては、昭和二十九年にたしかワカメが二千トンぐらい……失礼いたしました。二千貫でございますから七トンぐらいだと思います。それからアワビが五百貫というような数字がございます。その後はいそつきの漁業は行われておりません。そのほかに、竹島周辺におきましてはイカ釣りとかベニズワイ、大中型まき網等の操業が行われておりますが、現在十二海里の中での操業は行われておりません。私どもとしては、不測の事態が生じないよう注意して操業するようにという指導をいたしております。
○穐山篤君 大臣、政治的に韓国との間に安全操業について申し合わせが現に行われているんですか、行われていないんですか、どうでしょう。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたします。 先ほど局長が答弁いたしましたけれども、別に申し合わせはございませんで、外交ルートを通じまして安全操業の確保を要請している現状でございます。
○穐山篤君 外務大臣にお伺いしますが、昭和五十三年五月二十七日です。これは商工委員会で日韓大陸棚の協定が審議されておったときでありまして、その際に私は園田外務大臣に対しまして幾つか竹島の問題をめぐる諸問題について質疑をしました。要約をしてみますと、次のような約束が残っているわけです。 第一は、その当時、五月でありましたのでイカ釣りの問題を取り上げました。五月、六月は同島周辺海域でのイカ漁が最盛期なので、安全操業の確保を最重点とし、操業に支障が生じた部分については政府として補償問題を検討する、そういうお約束が一つあります。それから二つ目には、それとは別に韓国が既成事実を積み重ねている竹島の帰属につき平和的に話し合って、紛争地であることを認め合うようにする。三つ目の問題は、紛争解決に関する交換公文の線に立ち返り、なるべく早い時期に平和的に話し合うことを韓国に提案する。要約すると三つあるわけです。簡単に言えば、安全操業の問題についてお互いにしっかり話し合う。それから帰属の問題については、日本は主権を持っている、支配下にある、我が国の領土であるということを改めて確認して韓国との交渉に入りたい。当然のことでありますが、紛争に関する交換公文というのが残っているわけですから、場合によればその道を使うこともあり得る、こういうふうに答弁をされたわけです。 ところが、私はその後、この竹島周辺の諸問題について関心を持って見ているわけでありますが、朴大統領あるいは全斗煥大統領になりましても十分この問題が解明をされていない、具体的に日本政府が責任を持って交渉に当たっているという事実が全くない、甚だ遺憾に考えるわけです。その点について外務大臣の明確な答弁を要求します。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 竹島の国際的な法地位について申し上げますが、竹島につきましては、歴史的な事実に照らしても、また国際法上も我が国固有の領土であるということは明白であります。政府は、韓国側によるところの同島の不法占拠及び各種施設の構築をまことに遺憾であると考えております。こうした我が国の考えは、種々の機会をとらえて韓国側に伝えてあるわけでございます。政府としましては、竹島の領有権に関する日韓間の紛争はあくまでも平和的手段によって問題の解決を図るとの基本的な立場に立って、外交上の経路を通じて今後とも粘り強く紛争の解決を図っていく考えであります。 私が外務大臣に就任をいたしまして何回か日韓の外相会談も行ったわけでございますが、その都度私から韓国側に対しましてこの竹島問題を提起いたし、日本の領土であるということを主張し、平和的な解決を求めてきたわけでございますが、残念ながら韓国側は全く日本の立場とは見解を異にいたしておりまして、この点については真っ向から対立をして今日に至っておるということでございます。同時にまた、安全操業の問題についても、私からも韓国側に対して申し入れをいたしております。この点については、韓国側としては事を荒立てたくないという立場から、こうした問題については配慮といいますか、韓国側としても十分に日本側の要請に対してもこたえなければならない、こういうことで対応してきておるわけでございます。 したがって、安全操業という問題については多くの問題を起こしておりませんが、領土問題そのものについては基本的に対立して今日に至っておる。我々は今後ともこうした主張を変えるわけにいきませんから、あくまでも粘り強く韓国に対して返還を求める。同時に、これを平和的な手段によって貫きたい、こういうふうに思っております。
○穐山篤君 その竹島の帰属について基本的に議論をするとすれば、連合軍司令部の発表した覚書というところまでさかのぼらなければこれは具体的な議論にならないと思うんですね。それから当時の李承晩が勝手に海の上に線を引っ張ったという歴史的な事実が残っているわけであります。そうしますと、日韓の当事者の話し合い、外交交渉というものも当然でありますが、国際司法裁判所に対してきちっと問題を持ち込んで話し合いをするということがなければ、これは百年たっても問題は解決をしないというふうに基本的に思うわけです。 竹島が日本の領土であるということは当然我々はそれを自認しているわけですが、それが確定をしませんと、十二海里問題というふうなまた別のサイドの問題についても解決がおくれるという問題を含んでいるわけです。そういう状況から見て、今私が申し上げたようなルールを通じて問題の解決を早急に行うということはいかがなものでしょう。
○政府委員(小和田恒君) 委員が御指摘になりました竹島問題の国際法的な性格につきましては、政府としても、先ほど大臣からお答えいたしましたように、これが日本の固有の領土であって、国際法上我が国のものであることについて何ら疑いはないということははっきりしておると思います。他方、それではこれを国際司法裁判所に提訴をして法的な解決を図るべきではないかという点につきましては、政府もそういうふうに考えまして、御承知のように一九五四年にこの問題を国際司法裁判所に提訴することを韓国側に対して提議したわけでございます。これに対して韓国側は、この問題を国際司法裁判所で取り上げる理由はないということを言って拒否した経緯がございます。一九五四年の十月二十八日付の口上書で我が方にそういう回答をしてきております。 御承知のとおり、国際司法裁判所は、当事国が裁判所の管轄権を自発的に受諾するということがありまして初めて裁判所としてこの問題を取り上げることができる、こういう形になっておりますので、このやりとりの結果、我が方としてはこれを国際司法裁判所に提起することができなかったという経緯がございます。 その後、日韓国交正常化に伴いまして紛争解決に関する交換公文というものが結ばれまして、これによって外交チャンネルを通じて問題の解決に最大限の努力をする。それがどうしてもうまくいかないときには調停ということを考えるということが両国間で合意されたわけでございまして、政府としては今はこのラインに従って平和的に解決をするということに努力している次第でございます。
○穐山篤君 我が国はこの領土問題について、余分な領土まで手をつけるという気持ちは一九四五年に捨てたわけでありますが、少なくとも北方領土、オール千島の問題、それからこの竹島の帰属、尖閣列島、この三つの問題は同じ線上の問題であります。北方領土がウエートが高くて尖閣列島が低いという筋合いのものじゃないと思うんですね。したがって、私は一つ一つを、相手国が違うわけでありますが、丹念に外交交渉を継続して問題の解決を図るように特に注文をつけて、この問題は終わりたいと思います。 次に、離島振興についてお伺いをします。 状況を明らかにするという意味で、最初に、離島というのは数の上ではどれだけあるのか。それから離島振興の指定の離島というのはどういうものがあるのか。どれだけの指定をしているのか。それから三つ目に、先ほども竹島で孤島というふうな表現をされましたが、この性格でどういうふうに離島を区別されているのか。その点、三つをお伺いしたいと思います。
○政府委員(田中暁君) 我が国の離島の数でございますが、離島振興法対象外の島の数、正確には把握しておりませんが、無人島を含めまして約四千ぐらいあるというように言われております。そのうち離島振興法の対象として指定しております離島の数は二百八十七ございまして、人口は約七十万人でございます。 離島の性格による分類につきましては、これは現在の離島振興計画の中でその離島のタイプ、類型によりまして対策の方向が若干ずつ違うという意味で分類をしておるわけでございますが、一つは、まず航路が静穏で欠航が考えられるか考えられないかというような点が重要な要素でございますので、内海の離島であるかあるいは外海の離島であるか、こういう大きな分類がございます。それで、内海の離島の中でも本土に近接しているもの、まあ内海はほとんどが本土に近接しているわけでございますが、外海につきましては本土近接型の離島とそれから孤立型の離島というものがあるわけでございます。また、相当遠い、つまり本土からの距離が相当遠い離島の中でも群島型の離島と孤立型の離島がある。孤立型の離島の中で、人口規模によりまして、大体五千人以上を孤立大型離島と称している、こういうことでございます。
○穐山篤君 離島につきましては、補助金の問題では、今回の法案の中では大別して二つの影響を受けていますね。一つは、行革関連の今年度までの措置のかさ上げ部分について問題点が一つありますね。それから今回の法案の高率補助の引き下げの対象に離島の公共事業などが指定をされているわけでありまして、その影響は非常に大きい、こういうふうに思います。 そこで私は、ここ数年の間の離島関係の、指定をされました離島振興についての予算と決算をずっと調べてまいりました。ほぼ前年度同額を踏襲をしている、こういうふうに見ておりますけれども、内容的にはかなり変化があると思います。そこで、具体的に国土庁関係の離島振興について、実際の各都道府県からの要求と予算上のバランス、予算の対応というものについて、おおむねこれは一〇〇%でいっているのかいないのか、まずそういう点について国土庁、運輸省、文部省、厚生省、自治省、それぞれお伺いをしたいと思います。
○政府委員(田中暁君) 今、正確な数字は持ち合わせておりませんが、私の記憶によりますと、六十年度の都道府県から出てまいりました要望額は大体前年度予算額の五、六%増ぐらいであったと思っております。
○政府委員(服部経治君) お答えいたします。 離島航路の補助の点につきましては、離島側のといいますか、事業者側の希望どおりの額を予算要求し、かつそれを結果的に計上することになっております。
○政府委員(土田栄作君) 自治本省といたしましては、離島そのものに対しまして特別に配るといった補助金は持っておりませんけれども、過疎債、辺地債といったようなものにつきましては、御要請があります額についてはほぼこたえているという感じでございます。
○政府委員(小島弘仲君) 厚生省の児童福祉関係につきまして対象になる施設は保育所だけでございますが、保育所関係につきましては、大体御要望どおりの内容での補助を行っているところでございます。
○政府委員(竹中浩治君) 厚生省所管のうちの環境衛生施設、簡易水道等々でございますが、私ども離島、大変重要でございますので、できるだけ地元の御要望に応じて進めていくということでやってまいっております。
○穐山篤君 離島あるいは僻地を指定されているところを調べてみますと、人口も五、六年前は百万人の台であったわけですが、大体離島振興に指定されているところは約七十万人に人口が減っております。それから特徴は高齢化が非常に進んでいるということであります。 そういう状況の中で厚生省にお伺いをしますが、離島におきます中核病院だとか、あるいは医師の確保であるとか、あるいは医者のいない地区の保健指導、救急体制、そういうものについて私は離島のセンターの皆さんからも若干の意見を聞いているわけですが、この点についてどういう配慮をされているかどうか。 それから私もかつて離島振興の審議会委員をやったことがあるわけですが、電話の設備が非常に当時悪かったわけです。電話をかけるためにヘリコプターに乗って次の町まで行かなきゃならぬ、こういうばかばかしい事柄もあったわけでありますが、そういうことについて国土庁なり自治省としてはどういうふうにその点を押さえられているのか、まずそこからお伺いします。
○政府委員(北郷勲夫君) 離島の医療問題につきましては、従来から僻地医療対策の一環として医師の派遣でございますとか、場合によってはヘリコプターを使うとか、こういったような対策をずっと続けていっておるわけでございます。
○穐山篤君 十分な答弁ではありませんけれども、きょうは郵政をお呼びしておりませんけれども、毎回毎回私どもが主張をしておりました電話設備の問題について自治省は何か確認しておりますか、どうでしょう。
○政府委員(田中暁君) 現在、先生御指摘になったようなヘリコプターで電話をかけに行かなきゃならぬという島はなくなりました。内地離島におきましては全部電話は通じております。ただ、電話の普及率という点から申しますと、離島も現在五十五年度で三一・三でございまして、まあ全国平均とそう大きな隔たりはないというところまでまいっております。
○穐山篤君 運輸大臣にお伺いしますが、離島航路の場合には、事業者の申請に基づいてそれに補助金を与えるということになりますが、路線バスの問題につきましては、離島も人口が減ってきた、しかも高齢化が進んでいる。それで、当然問題になりますのは、生活路線をどうやって継続的に維持をしていくか。それから本土でも同様な事件、内容があるわけですが、乗車率が非常に悪いために事業者によりますバス運行を取りやめて、地方公共団体あるいは農協など特別な団体の車両購入に対して国は若干の援助をする、こういうことにかなり姿が変わってきたわけです。しかし、先ほども申し上げましたように、お年寄りが非常に多いということで、マイカーの実際の活用というのはこれから少なくなっていくと思うんです。その意味で、このバス路線の運行の問題についてこれからどういうふうな考え方をお持ちになっているのか、その点お伺いします。
○政府委員(服部経治君) お答えいたします。 離島に限りませんで、およそ過疎地帯におきますバス輸送の確保というのは大変に難しい局面を迎えておるわけでございますが、私どもそういった僻地あるいは離島におきます最後の公共交通機関でありますバス輸送の確保につきましては、できるだけ手厚い補助制度の確立と実施ということを通じまして、そういったバス路線のできるだけの維持を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○穐山篤君 離島振興は国土庁長官が担当しているわけですが、私、冒頭申し上げましたように、今回も高率補助を削られますね。それから行革関連でも、かさ上げの部分はこの三年間凍結をされていて、なおかつまた延長されようとしているわけです。そのことについて、例えば長崎県の知事であるとかいろいろな方々から私どもも注文を受けているわけです。国土庁としては、離島振興というのは単に島を何とか維持していけばいいというだけのことじゃないと思うんですね。離島が占めます領土的な意味合いという戦略的な位置づけというものを考えてみた場合に、離島はもう適当にしておけばいいということには絶対ならないと思う。そのことを含めて離島振興策を本格的に私はやってもらわなきゃならぬと、こう考えますが、いかがでしょう。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 離島は、その特殊事情によりまして非常な制約を受けておりますし、所得や生活条件等の面でも本土との依然とした格差があるわけであります。また一方におきまして、二百海里問題に象徴されるような海洋資源をめぐる国際情勢の変化、離島の重要性はますます高まっております。国土庁といたしましては、国土の均衡ある発展という見地から、ハンディキャップ地域の中でも特に離島につきましては予算の一括計上によりましてその振興に鋭意努めてきたところでございます。今後ともこの方針を堅持しつつ、また昭和五十八年五月に作成されました新しい離島振興計画に基づき、離島の振興に専心努力してまいる所存であります。
○穐山篤君 地方財政の一環として当せん金附証票、通称宝くじ、自治体の宝くじのことについてお伺いをいたします。 最近五年間の宝くじの発売の推移について資料をいただきました。大体二千五百億から二千七百億円の発売がある。高度成長のときにはかなり発売額が多かったわけですが、最近は横並びというふうな状況にあります。 そこで、幾つかお伺いをしますが、かつて政府が宝くじを主催したことがありましたが、法律改正で地方公共団体にかわりました。そこで、地方公共団体の総予算の中で何十%も占めるほどの上がりではないと思いますけれども、宝くじについて今後も存続をしていくのかしていかないのか。前々回の法律改正の提案の際に、政府側の説明によりますと、将来は全廃をしたらどうかと、しかしそうはいかぬので、とりあえずは漸減の方針にすべきである、したいと思うという提案理由があったわけですが、ところが歴史的に見ますと、この宝くじが逐次大型、ジャンボ化をしてきている。そういう歴史的な変遷があるわけですが、こうなりますと、大型、ジャンボ化になってきますと、そう簡単に全廃をするという空気にはなりづらいなというふうな感じを持ちますけれども、この宝くじの将来展望についてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(土田栄作君) 宝くじの将来展望についてでございますが、ただいま委員御指摘のとおり、昭和二十九年の二月の閣議決定におきましては、政府のくじを廃止いたしますとともに、地方くじについては、将来適当な機会において、なるべく早く廃止することを目途としつつも、地方財政の状況、その他の状況にかんがみ、当分の間発売を継続することとされたところでございます。そこで、そういうふうな閣議決定がありまして、今回、当せん金附証票法の一部改正ということで別途地方交付税法等の一部を改正する法律案の方で提案して、現在参議院の地方行政委員会で御審議をお願いしているところでございますが、この関係について御説明申し上げますと、今回の法改正は、地方財政の現況、それから宝くじが、ただいま委員から御指摘がございましたように、地方団体にとりましても貴重な財源でございますし、国民の健全娯楽として定着されているという状況から、なお当分の間、地方団体におきます宝くじの発売というものを継続していく必要があるという認識を持ちまして法改正というものをお願いしているところでございます。 なお、今回の法改正の閣議決定に当たりましては、自治大臣から特に閣議で発言を求めまして、今回の改正は、地方財政の現況及び国民世論の動向等を勘案して行うものであり、引き続き国民世論の動向等に配慮しつつ、健全な宝くじの運営を進めてまいりたいというふうに申し上げておるところでございます。そういうことでございまして、私どもといたしましては、地方財政が厳しい中で貴重な財源でございますので、国民の健全な娯楽という点に配慮しながら、今後も当分の間、この制度というものは維持してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○穐山篤君 宝くじも歴史的な変遷があるわけですが、僻地の医療だとか、あるいは交通安全設備であるとか、あるいは教育の器材であるとかいろいろな分野で有効に使われていることはよく承知をしておりますが、百円の単位で結構でありますが、百円の宝くじを分析をすると、実際に賞金に振り充てる割合、それから地方自治体に納入をされる割合、それから手数料そのほか細々したものがたくさんあるわけですが、この割合は最近どういう状況になっていますか。
○政府委員(土田栄作君) これはいろいろなくじがございまして、例えば全国宝くじといったようなものの方がそのコストが少なくて済むとか、それからあるいはブロックくしというのは余計かかるとかいろいろあるわけでございますけれども、当せん金の率といいますのは全体に対しまして大体四五%ということになっております。それから売りさばきの手数料でございますけれども、売りさばきの手数料、これは百円のものにつきましては一枚につき九円というようなことにいたしておりますけれども、二百円くじ、それから三百円くじというものは若干率を下げているというようなことでございまして、それが七%ございます。それからあと、地方団体の手取りとなりますのが大体四〇%、残りが普及宣伝費等でございます。
○穐山篤君 地方自治体も例えば東京都が独立してやっておりますくじもありますね。それから自治体が連合して協議会がやっているものもあるし、中部圏、近畿圏、いろいろあるわけですが、そういう地域に密着をしてきたという意味で、また別の要求、話題があるわけです。それは、現在はこの法律の第六条で、取り扱いにつきましては第一勧銀に業務委託をさしているわけですが、これは例えばブロックのものについては地方の銀行あるいは信用金庫なんかでやらしてくれと、そういうこともかなり出ているわけです。その点について自治省、それから大蔵大臣、御感想いかがでしょう。
○政府委員(土田栄作君) 確かにそういうふうな御意見というものがあることも承知いたしておりますが、宝くじの販売に当たりましては、その発行した宝くじをその地域だけで売るということも一つの考え方でございますけれども、継続的、安定的に長期間発行するということになりますと、その地域だけで売らないでやはり全国で売る、あるいは非常に余計売れるところで売るといった方が有利な場合が多いわけでございまして、現に科学万博のくじなんかにつきましても全国くじにのせて売るとか、そういうふうなやり方をやっているわけでございます。そういうことから考えますと、特別のくじで、そこだけのくじというのもかつてなかったわけじゃございませんけれども、今のように交通、通信、情報というのがナショナルワイドになってまいりますと、やはり全国的なネットワークのあるところで荒らしていただく。それからそういうふうなシステムというものが確立しているところで売った方がいいんじゃないかということでございまして、やはり私どもとしては現体制が一番いいんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
○政府委員(平澤貞昭君) 歴史的に申し上げますと、日本勧業銀行以来、第一勧業銀行がやっているということでございます。そして法律的な手続といたしましては、各自治団体等に対しまして受託をどこでやるかという申請が参りまして、その判断において処理しているというふうに聞いております。
○穐山篤君 宝くじにつきましては、ある意味でいえば庶民の楽しみといいますか、生活を破壊するようなことはないだろうと思いますが、健全なひとつ運営を要望しておきたいと思います。 それからその次に、これまた地方財政と表裏一体になっております事務組合の運営と財政の問題についてお伺いをしておきたいと思います。 事務組合にいろいろな形のものがたくさんあるということは資料でわかりました。それから同じ事業でも事務組合を結成をしてやっているところ、それとも直営でそれを運営しているところ、いろいろなことがあるわけでありまして、そのことは資料で承知をします。さてそこで、事務組合の収支の状況でありますが、全体の団体、それから黒字の団体、赤字の団体、この数字はどういう状況になっておりましょうか。
○政府委員(土田栄作君) 国の一般会計に相当いたします普通会計の一部事務組合の決算収支の状況を五十八年度について申し上げますと、まず、一部事務組合の数は二千四百四十七でございまして、その中で黒字団体は二千四百三十八、それから赤字団体は九団体と、こういうことに相なっております。
○穐山篤君 大体、健全経営ということに思います。 さてそこで、具体的なことをお伺いしますが、具体的な例を申し上げた方がいいと思います。例えば府中の競艇場に焦点を当てますと、あそこの近隣の市町村が集まりまして事務組合をつくっている。そこで上がってきます費用というものを事務組合であります地方公共団体が、その自治体の一般会計なりその他の会計に繰り入れて予算編成をしております。私の調べたところによりますと、高度成長のときには例えば秋川市の予算書、決算書なんかを見ますと、その予算の三分の一は競艇の上がりの金である。こういう裕福なところも現実にはあるわけです。最近は公営競技につきましても下り坂にありまして、そう期待はできないんじゃないかなというふうに思いますが、そこでお伺いします。 この事務組合が稼いだといいますか、運営をしたことによって上がってきます費用というものは、当然その地方公共団体が使うのは当たり前でありますが、ギャンブルに手をつけている市町村はもうかって、その他のところは財政的に非常に苦労しているということでは余りうまくないというふうに思います。当然なことでありますが、その上がりを事務組合に加入をしていない地方公共団体に若干のものを配付しているというふうに承知をしているわけですが、こういった財政上の問題について、自治省としてはどういうふうに現状を認識しながら、なおかつこれからどういう指導をされるのか、その点をお伺いをしておきたいと思うんです。
○政府委員(土田栄作君) 先ほど一般会計に相当いたします普通会計の関係の一部事務組合の御説明を申し上げましたが、ただいま委員御指摘のは公営競技関係の一部事務組合の問題であろうと思います。これは全体では五十三の一部事務組合があるというふうに私ども承知いたしております。収益につきましては、それぞれの加入団体に対して配分されるということでございます。 これはある意味ではその加入団体の数がふえるということによりまして、施行団体一つだけに収益が独占されませんで加入団体全体に対して均てん化が行われるという意味合いがあるわけでございます。つまり、施行団体が一つということではなくて、加入が五つか六つあればその五つか六つのところへ分かれていくという意味での財源の均てん化というメリットがあるわけでございます。それから一般的な問題といたしまして、これらの団体というところに非常に収益というのが偏るということは必ずしも望ましいことではありませんので、全国的なレベルでの収益の均てん化をしたらどうかということで、私どもは公営企業金融公庫に対する納付金制度というものを設けまして、赤字でありませんですればその売り上げの一%というものを納めていただく、さらに今回別途法律改正で将来的には一・二%にまで引き上げられるような許容を賜るという形での法律改正というものをお願いしているところでございます。そういうことで、全国で現在売り上げの一%を納めていただきますと、三百億弱といったものが公営企業金融公庫に納付されますけれども、これを利差補てんの財源というものに使いまして、公営企業の中で上水道とか下水道とかそういうふうなところに貸し出します資金のコストというものを下げ、金利を下げるということで公営競技の収益の均てん化というものを図っているということでございます。
○穐山篤君 先ほどお伺いしました宝くじで、発行の地方公共団体のところには大体千五百億近いものが入ってくる、それから公営競技の収益金についていえばこれが二千億を超える。両方にしますと三千五百億円というボリュームに相なるわけでありますね。これと補助金と相殺をするなんという意見を申し上げるつもりはありませんけれども、地方公共団体にしますと、宝くじと公営競技の事務組合からの上がりというものはかなりのウエートを持っている、こういうふうに考えます。ぜひこれは健全な運営をしていただくということを大臣に申し上げておきたいと思うんですが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(古屋亨君) 健全な経営ということにつきましては、私も今のお話のとおり全く同感でございまして、累次、通牒あるいは現地指導というものによりまして、その運営状況につきまして十分健全にやっていくというように指導をし、またその内容につきましても個別的に指導しているところでございます。
○穐山篤君 補助金の申請事務あるいは実績報告までの問題について伺いますが、当委員会の冒頭で各委員から補助金の事務手続が簡素化をされたのか、あるいは能率化が図られたのか、こういう御質問があって、それぞれの大臣からは、非常に簡単になりましたと、こういうふうに一般論が答弁をされたわけですが、よくよく点検をしてみますと、全部がそういう調子にうまくいっているとは考えられない向きのものもあります。そこで具体的に二、三お伺いします。 厚生大臣、国民年金の保険料の納入でありますが、これは御案内のように市町村が印紙をあらかじめ購入をしておき、被保険者が納入した保険料をまとめて印紙で社会保険事務所に納入する、こういう事務手続をとっていると思います。そこで、それぞれの市町村の意見を尋ねてまいりますと、印紙の取扱事務あるいは保管の事務、いろいろの点で注文がたくさんあるわけであります。これはもうほとんどの市町村といって間違いないと思うんですが、この批判に対しましてはどういうふうに改善をされるおつもりがありますか、まずそこからお伺いします。
○政府委員(長尾立子君) お答えをいたします。 先生の御指摘のように、国民年金の保険料につきましては、被保険者の方の利便ということを考えまして市町村にその納入の仕事をやっていただいておるわけでございますが、市町村には、国民年金の場合は国の事業でございますので、こういった事業を会計法上の規定がございましてできないということがございます。したがいまして、印紙というものを利用いたしまして保険料の納入をしていただいておるわけでございますが、被保険者の方が市町村から印紙を購入いたしまして国民年金手帳に張っていくということは、被保険者の方にとりましても市町村にとりましても大変な手間であるということでございますので、四十六年に、普通は具体的に印紙を市町村から被保険者の方が購入されるという方法は改めております。これは市町村の方からは被保険者の方に納入の御案内書を差し上げまして、金融機関等へ被保険者が納入していただきますと、市町村で印紙を事実上検認をするというような形で簡素化を図ったわけでございます。 したがいまして、事実上被保険者の方が印紙を一々お張りになるということはなくなっておるわけでございますが、市町村側にいたしますと、先生御指摘のように印紙を事実上持っておりまして、それを検認するということ自体を改善するということが次の課題として御希望が多くなっておるわけでございます。私どもといたしましても、印紙納付そのものを全く廃してしまうということになりますと、冒頭に申し上げましたように、市町村が国の、国庫の事務を行えるかどうかという会計法上の問題にかかわってくるわけでございますので、実務的に印紙を介在させない方法はないかというような方向で検討をいたしておるところでございます。
○穐山篤君 時間の都合で一々ネックになっている問題を私は申し上げませんけれども、大蔵大臣、今も指摘がありますように会計法上とのかかわり合いで大変な手間をかけているわけです。それから印紙というのは金券でありまして、これの保管ということについても神経を使うわけであります。こういうものが法律で非常に制約を受けて能率が上がらない、効率化が図れないというのはまことによくない、こう思うわけです。これは大蔵大臣、どうでしょうかね、この機会に抜本的な改正をひとつ考えてほしいなというふうに思います。どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 会計法改正ということになると、どういう角度から見ていくか、私もにわかにお答えする用意をいたしておりませんが、事務手続の簡素化、その中で会計法上可能なものがあるとすれば検討に値することではないかと思いますので、御趣旨を体しつつ、とりあえずは勉強をさしていただく課題として位置づけさしていただきたいと思います。
○穐山篤君 大蔵大臣、もう庁内では検討が始まっているんですよ。ところが、うんと手間がかかっている。検討の期間が長過ぎるんですよ。私、促進をひとつこの際要望しておきます。 それから同じく厚生大臣、厚生省ばかりで恐縮でありますけれども、廃棄物処理施設の補助なんですが、実際は各市町村がその自治体に合ったような様式で示方書をつくったり設計書をつくったりいろいろなものができているわけです。ところが、厚生省からはこの様式で報告をしろと。もし改めるとすれば全国的にもう最初から厚生省の様式に統一をする、そうなれば手間が省けて労力もかからない、こういう工夫ができるわけです。その問題が一つです。 それから水道事業の補助申請の手続というのは、最初の準備段階から実績報告まで十回あるわけです。これをもう少し短縮をして合理化を図る、簡便にするということはいかがなものでしょうか。その点についてお伺いします。
○国務大臣(増岡博之君) 事務的な面が大部分でございますので、担当局長から答弁させます。
○政府委員(竹中浩治君) 最初に、廃棄物処理施設の工事設計書の様式の問題でございますが、私ども厚生省といたしましては、特にこういう設計書について様式を定めておるわけではございません。ただ、保存等の必要がございますので、大きさをB5判で出してもらいたいということを言っておるだけでございまして、中身の様式については特に決めておるわけではございません。 それから水道関係の補助申請の事務でございますが、実施する事業体から私どもが直接ヒアリングをさせていただくのは、一つは要望時点、それから二番目は交付申請時、それから三番目は全部終わりました後の実績報告時と、その三回について直接実施事業体からヒアリングをさせていただいておる。ただし、簡易水道につきましては、一番最後の実績報告時のものは県に確定事務を委任しておりますので、市町村においでいただく必要はない。したがいまして、私どもといたしまして直接お出かけをいただくのは二回ないし三回ということが現状でございます。
○穐山篤君 こういう補助金事務について、総括的にこれは総務庁長官があずかっているんですか、それとも各主管のところでやっておられるのかよくわかりませんけれども、かなり簡素化を図るという努力は私ども十分評価をしますが、まだ十回以上も一事業について報告書を出したり直接上京する。上京するのはまあ三回にいたしましても、かなりの労力、費用だというふうに思うわけですね。もっと閣内で積極的にひとつこの問題は取り上げていただいて、今後この種の問題について苦情が地方から出ないようにぜひ努力を図ってもらいたい。これは総務庁長官でしょうか官房長官になるんでしょうか、その点ひとつお答えをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは本来は官房長官かもしれませんけれども、お留守ですからお答えをいたしますが、今おっしゃるように、大変補助の申請手続、交付、実績報告、これは余りにも複雑過ぎます。したがって、従来から各省にも御努力を願って改善措置を講じておるのですが、依然としてそういった苦情が絶えませんので、先般お答えいたしましたように、今、さらに私の方で監察をして、監察の結果が出ればそれに従ってそれぞれの省で善処していただく、こういうことにしたいと思います。 法律的にいえば今言ったように、私の方は二回でございます三回でございますと言いますけれども、実際はそんなものじゃないことをこれはもう穐山さん御案内のとおりでございます。しかもこれはブロック機関がございますから、厄介な手続であることは間違いない。こういった点については、政府としては御趣旨を体してできる限り簡素化に努力をしていきたい、かように考えるわけでございます。
○穐山篤君 この補助金の問題について、大蔵大臣、自治大臣、厚生大臣の三者によります協議ということが議論になりました。そこでまた改めてお伺いをしますが、厚生大臣、厚生大臣が三者協議をオーケーしたときの考え方ですが、何をどういうふうに協議をする、何が対象でどういう角度で協議をするというふうなことを想定しながらこの三者協議にオーケーを与えたんですか、まずそこからお伺いします。
○国務大臣(増岡博之君) この三省の協議につきましては、厚生大臣が参加したわけでございますから、もちろん社会保障制度についてのお話であろうということで参加いたしたわけでございます。
○穐山篤君 その点、自治大臣はどういう認識のもとにこの三智協議にオーケーを与えたんでしょうか。
○国務大臣(古屋亨君) 私どもの当初の考えは、御承知のように補助金の整理合理化は極めて必要でありますと、地方制度調査会からもそういう答申をいただいておりまして、そういう線でまいったのでありますが、予算編成の直前にまいりまして、予算編成上の必要あるいは国の財政が非常に硬直化しておるということからして、一年内の問題として、六十一年度の問題はこの一年内に検討するという覚書を交換したのでございますが、六十一年度に際しましては、私どもといたしましてはやはり地方制度調査会の御意見にありますような、補助金というのは国と地方との機能分担あるいはまた費用の負担ということも十分検討をいたしまして、地方の自律性ということも考えながら今後対処していきたいという私の考え方でございます。
○穐山篤君 厚生大臣、当然厚生省の担当として社会保障制度が協議の対象になる。これ一般論としてはそういう感想をお持ちだろうということはよくわかります。ただ、この社会保障というのは高率補助に係る具体的なものであるのか、それとも社会保障について国が持たなければならない本来的な仕事と、それから地方が受け持つ社会保障の一部分についてそういう仕分けを基本的にやるのかなという認識で、先ほどの社会保障制度が対象になったんだというふうに理解をされているのか、あるいはもう社会保障制度全般の問題について、高率であろうが高率でなかろうが、そういうものが全部含まれていると。いやそうじゃない、これは高率のものだけの国と地方の分担、あるいはそれの分担が決まった場合に、協議が整った場合に、費用の区分についてもそのテーブルの上にはのっかっているのかなと、そういうふうに想定をしてこの三省協議ということに理解をされたんですか。もうちょっと内容をはっきりしてもらいたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) このことにつきまして、その三省協議の前から高率補助の問題が話題になっておったわけでございますから、したがいまして私は、社会保障に係る高率の補助率引き下げの問題であるということは認識をしておりました。そして、私の腹構えといたしましては、どのような措置がとられようとも実際の福祉の水準が下がらないようにするということが私どもが対応できるための条件であるという心構えで参加いたしたわけでございます。
○穐山篤君 自治大臣、補助金の整理合理化、これはもう前々から自治省あるいは地方公共六団体が、定着をしたものはそれなりきにしてほしい、こういうふうなものを含めて広範な注文が地方公共団体なり自治省にはあるわけですが、三省協議の直接のテーブルの上には、自治省としての認識は何と何と何がのっかっていて、それが話し合いの材料だなと、その点はもっと具体的にお話ができませんか。
○国務大臣(古屋亨君) 三省協議の問題につきましては、実はその前にこの問題についての決定の場合に、つまり一割カットをどうするかということが一番基本の問題でありまして、それについてはどういうふうに補てんをするか。交付税と起債とによって処理をしておるのでございますが、そういう問題がございました。そうして社会保障の問題につきましては、特に地方でも一番関係が多い問題でありますし、また国の基本的債務ということもありますので、大蔵大臣と厚生大臣と私とで、特に社会保障関係についてはそういうような六十年中に検討しますということを覚書としたのでございます。たしかその際には、私の記憶では、国と地方との費用分担とか機能のあり方ということを考えるのは当然だと私は考えておったのでございます。 なお、私の記憶によれば、厚生大臣が、その他の省の問題はどうかということで、これも必要があればやるというようにそこで決められたと、私はそういうように判断しております。
○穐山篤君 大蔵大臣、厚生大臣と自治大臣からそれぞれ角度の変わったお話があったわけですが、大蔵大臣としてはどういう認識のもとに、それじゃ三省協議をしましょうということで納得をされたんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私の方の立場から申しますと、大筋、既に同化定着したというもの、これは義務教育関係、いろいろ議論のあった問題でございますが、これは一応合意に達したわけであります。それからその次の問題としましては、公共事業の二分の一超の補助率の問題でございます。この問題、最終的に暫定措置といたしたわけでございますが、事業費の確保という点からおおむねの合意に達した。それから三番目が、やはり行革関連法案でございます。その中身は、地域かさ上げと、年金の年度にわたるところの調整措置と申しましょうか、その二つが中身になるわけでございますが、これは五十九年のいわゆる財政再建の第一期とも言うべき赤字公債脱却を断念せざるを得なかったという状態の中で合意に達した。 それで、最後に残りますのが、今御指摘になっておりますいわゆる社会保障に係る高率の補助率の引き下げ、こういう問題でございます。この議論をいたしますに際しましては、要するに昭和二十一年以来のずっと哲学論争みたいなもの、憲法二十五条からきますところの哲学論争等もずっとあるわけでありますが、それらを踏まえた議論を行いまして、それで先ほど来のお話のように、それでは、これは申し合わせとして、「この措置は、昭和六十年度における暫定措置とする。」、二番目に、今自治大臣からもお答えがあっておりましたが、「六十一年度以降の補助率のあり方については、因と地方の間の役割分担・費用負担の見直し等とともに、政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得るものとする。」、こういう最終的な合意に達したわけであります。この問題につきましては、早期に結論を得べく国会の議論等を整理いたしまして、検討の場を設けてやろうという経過になるわけであります。したがって、社会保障に関しての三省覚書、こういうものは基本的には憲法二十五条からくる哲学論争、哲学論争という表現が適切かどうかは別としまして、基本的認識から議論を始めた課題であります。
○穐山篤君 そうしますと、もう一遍整理をしますと、社会保障に係る高率補助問題が柱で、それにまつわる国と地方との役割分担あるいは費用の負担というものが主たるこれは議題である、こういうふうに前段言われましたね。それから後段に、そうなんだけれども、そればかりではありませんよというニュアンスが残っているわけです。先ほど自治大臣が言われました、その他の省にも及ぶことがあるかもしれないと、こういうお話があったわけですね。余りいい例ではありませんが、例えば社会保障を理屈を立てて十分の八を十分の六にしましょうと、こうなると、同じような性格の義務教育の問題についてもそれじゃ援用をしよう、準用をしようと、こういうふうなニュアンスの残っている答弁ですが、大蔵大臣、私の理解でいいんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これはあくまでも三省党書というのは、社会保障ということについての議論をした結果、覚書にお互いがサインをしたものであります。他の問題、先ほど申し上げました義務教育の問題で議論をしましたのは、これはいわば定着しておるかどうか、これが議論の中心点であったわけでございますから、この半額補助の議論を、その補助率の議論をしたわけではございません。それから公共事業の問題につきましては、これはやはりお互いの議論の中心点は、戦後ずっと補助率が変わっていないわけじゃございません、公共事業につきましては。したがいまして、どうしてもこの議論の中心点は、今日の経済社会情勢の中における言ってみれば事業費を確保するということがやはり中心的な議論になりました。したがいまして、社会保障の議論の中で行われた補助率問題がどこかへ援用されていくという性格ではないというふうに御理解いただいてよかろうと思います。
○穐山篤君 事の正否は別にして、それは社会保障に限る、ほかには援用はしないと、こういうことはわかりました。 さてそこで、例えば外交とか防衛という話になりますと、素直にこれは国の業務と理解しやすいわけですね。社会保障についても憲法二十五条の一項、二項できちっとしているわけなんですけれども、中央、地方の役割の話になりますと灰色部分がたくさん出てくる、そういう感じがしてならないわけでありますが、少なくとも教育とか社会保障、社会福祉というものはナショナルミニマムとしての性格を持っているわけでありまして、いたずらに財政が非常に窮屈だから地方に転嫁をする、そういう思想でミニマムを考えてもらいますと大変禍根を残すと思うんです。 それからもう一つは、再三質問をしておりますけれども、今年度中におまとめになると、こういうお話でありますが、まとまらなかったらどうするかというふうなことを聞くつもりはありませんけれども、当然まとまるまでにはかなりの時間を要すると思うんです。その間に関係省庁との間で概算要求、あるいは我々から見ておりましてもそのことによって政治の不信を招くようなことがあってはならぬというふうに思いますので、その点はきちっとしておいていただきたいというふうに思います。 それから、もう時間がありませんが、総務庁長官にお伺いをします。 私は最初、国の権限移譲に係る問題として機関委任事務、国の関与、必置規制、このことを申し上げました。それぞれについて法案が準備をされております。十分でない、満足すべきものではないと思いますが、政府の責任として法案がしかるべきものが出ているということはわかりました。さて、残ります問題は基本的な権限の移譲、こういう問題ですね。その中には、国が直接地方の企業や法人に対しまして許認可権を行使をしている専管事項という問題も含まれているわけです。そこで、前段申し上げましたように、今回政府が責任を持ってこういう法律の改正案を出しておりますが、基本的に中央にあります権限を地方に移す、中央と地方の機能分担というものを明確にすることが早急な状況にあるというふうに思うわけですが、先日来の答弁では、これらの点についてどういう手順でどういうめどで作業を進めたいということが明確に御答弁になっていないんです。この点はいかがなものでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 本国会に、国の関与、必置規制、こういったものについて改正法案の御審議をお願いしているわけでございますが、これは行革審の個別の指摘事項ということで、五十六事項、四十数法律に関係する改正案でございます。もちろんこれで私は足りるものとは考えておりません。殊にお話の機関委任事務の整理あるいはそういったことに伴う権限移譲、さらには民間との関係における規制緩和、こういったものについては現在行革審で御審議を賜っておりますのや、引き続いてその審議の結果を待って改革をすべきものは改革をしていきたい。所要の法律改正があれば国会の御審議をお願いをしたい。その際の基本は、現在の国と地方の役割分担、これは身近な行政はできる限り地方に任せるというのが私は基本の考え方だろうと思いますが、そういった基本の憲法第八章に決めてある地方自治の本旨ということに沿って、現時点での国と地方の相互関係を見る、そういった視点に立っての考え方でできる限り推進したい。それがために、やはり中央各省庁において余りにも地方を縛り過ぎておるということは、これは実情そうなっているわけですから、そこらは中央各省庁においても十分御理解を賜った上で、国と地方が相協力しながら全体としての地方分権の推進、さらには経費全体の効率的な使用、こういう観点に立って改革をできる限り実施していきたいと、かように考えているわけでございます。
○穐山篤君 手順としては、行革審の意見というものを十分に聞いた上でしかるべく抜本的に検討していくと、手順はわかりました。 ただ長官、私は客観的に見ておりまして、第二臨調も行革審もいずれもそうでありますが、地方自治に非常に不信を持っている。その立場から第二臨調の主張というものは述べられている。これは非常に残念だと思う。もちろん地方自治体それぞれ三千もあるわけですから、足腰の強いところもあろうし、そうでないところもあろうと思いますけれども、底流にそもそも地方自治について不信を持っていて、そういう立場から地方行革を考えたりあるいは権限移譲を考えるということは、私は物差しが間違っているじゃないかと思うんです。結局あの地方行革大綱を見ましても、そういうものがちらちら見えるわけです。これでは行革審の答申なり意見を聞いてやるにいたしましても、私は地方と中央の信頼関係というものを混乱に陥れたり不信を増幅するという感じがしてならないと思う。 その点について私は別の意見を持っておりますけれども、きょうは時間がありませんので申し上げることは差し控えたいと思いますが、何といいましても、二十一世紀というのは高齢化社会でありますし、情報化社会でありますし、地方にしてみますと、町づくり、村づくり、生きがいのある町づくりというふうに質がどんどん深くなって拡大をしているわけです。そういうときに、従来の官僚機構の発想で物を考えたとするならば逆に地方自治を制約をしてしまう、こういうふうに感ずるところであります。具体的な意見はまた別な機会に申し上げますけれども、この権限移譲の問題については十分にそれらを踏まえて検討いただくことを注文をしまして、私の質問は終わりたいと思います。 以上です。
○委員長(桧垣徳太郎君) 午後一時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○桑名義治君 五十九年、昨年の十二月四日の地方制度調査会の答申の中には、国と地方の機能分担と費用負担のあり方を根本的に見直すことなく、国庫補助負担割合を一律に引き下げ、あるいは補助負担対象を一方的に縮小することは単に国の財政負担を地方に転嫁することにすぎないと。そこで、国、地方を通ずる行政改革の理念に反し、国と地方の信頼関係を損なうものと、こういうふうに答申をしているわけでございます。それと、五十九年の十二月二十二日には、これも前から論議をされておりますように、三大臣の覚書には六十年度の暫定措置であり、役割分担、費用負担の見直しをことし一年以内に結論を出すとされていますけれども、作業はどの程度進んでいるのか、また六十一年度予算にこの事柄は必ず反映をされるものかどうか、この点について大蔵大臣に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず、地方制度調査会からの答申がございまして、それについて私どもも大変気にしたことは事実でございます。したがって、その後地方団体、関係の皆さん方と特に自治省の方で中心になっていただいて、言ってみればやむを得ないと、こういうようなところまでの感じは得たのではないか。そこで今おっしゃったことにつながっていくわけでございますが、率直に申しまして都内では今どういうふうにして検討するかということをやっております。が、私も最初こういう形でやろうと思いますというふうに国会へお出しすべきかなと一時思ったこともございますが、やはりまずこの国会の議論を一遍整理さしていただいて、それを土台にして検討した方がいいんじゃないかと、こう思いましたので、折々今までこうして問答しましたことを速記録をとって赤線を引っ張ったり、そういう準備をしておるところでございますから、どの程度進んでいるかとおっしゃるとそういう漠然とした答え方にしかならないと。そしてやはり三省覚書にございますように、あのときからの一年以内でございますから、私どもは可能な限り早くその合意を得るように、しかも関係方面の意見を十分聴取しながら進めていかなきゃならぬ課題だと。したがって、本院で通過成立さしていただきました後、可能な限り早く方針そのものも閣議決定なんかしなきゃならぬなと、こういう心境でございます。
○桑名義治君 この問題につきましては自治大臣も非常に大きな関心を寄せられていることだと思いますけれども、この問題についてはどういうふうに受けとめられておられますか。
○国務大臣(古屋亨君) 国庫補助金の整理合理化につきまして、昨年の十二月地方制度調査会からの御意見、答申が示されまして、私どもは国、地方を通ずる行政改革の推進に際してはこれが基本だというように考えておったのでございますし、今考えておりまして、来年度の予算編成に当たりましてもやはりこういうような点は基本に変わりはないという考え方でございまして、極力こういう考え方を反映するように努めてまいりたいと。補助金の定率カット化、メニュー化とか、自治省ではこれの覚書と同趣旨のようなことをいろいろ考えておりますから、そういうような点につきまして、事本法案に当たりましては私どもも非常に厳しい財政環境下ということでやむを得ない措置で、一年のあれで措置をしたのでありますから、来年度におきましてはそういうように地方制度調査会の御意見、これは変わりないと思いますが、またいろいろこういう点もお伺いいたしまして、自治省の考えの基本といたしまして進めてまいりたいと思っております。 それから三大臣覚書の趣旨でございますが、これは今大蔵大臣がお答えになったとおりでございます。できるだけ早い機会に私ども具体的な方法につきまして、またこの場合に掃きましては地方六団体なり地方制度調査会の皆さんの御意見も十分このときに反映できるように、そして結論を得まして六十一年度の予算編成に反映できるようにしてまいりたいと思っております。なお、四月九日の閣議におきまして大蔵大臣から予算編成の問題についてお話がありましたので、特に私から発言を求めまして、六十一年度の予算編成についてはこれから概算要求基準の設定を初め種々の検討が行われるというふうに予想されますが、ぜひそういう場合には国と地方との機能分担及び費用負担の見直しが検討されることを踏まえて行っていただきたいと、配意をしていただきたいという旨発言をいたした次第でございます。
○桑名義治君 大蔵大臣の御答弁の中には、これが地方それから国との機能分担並びた費用負担について、六十一年度の予算の上に完全に反映をさせることができるという確とした御返事はなかったわけでございますが、この三大臣の覚書は一応社会保障にかかわる高率補助に限定をされているわけでございます。限定をされているわけでございますが、この限定された部分については見直しが完全に行われるのかどうか、まず限定してお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 三大臣合意というのは確かに社会保障に関してと、こういうことになっておりますので、これは覚書のとおりの方向で結論を得ていかなきゃならぬ課題だというふうに、それに限ってはそのように思っております。
○桑名義治君 そこで、この三大臣の覚書は、私も申し上げましたように、社会保障にかかわるいわゆる高率補助に限定をされているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、五十九年の十二月四日の地方制度調査会の答申の中ではこの部分に限っているわけじゃございませんで、全体を指しているわけでございます。さらに第二臨調も同じようないわゆる答申を出されているわけでございます。そうなってみますと、ただ単にこの社会保障に限定をされるだけではなくて、国と地方の全体の枠組みの中でやはりこれは検討していかなければならない問題ではございますが、この点についてはいつごろを大体めどに完全に見直しができるのか、これを大蔵大臣と自治大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今社会保障の問題、これはおっしゃいましたとおり、したがって社会保障の憲法二十五条からきます哲学論争も踏まえてこれは進めなきゃいけませんが、実際費用負担のあり方と、こういうことになりますと、まさに私の方で見ますならば地方財政計画をマクロでとかく見がちでございますけれども、そういう土俵でいろいろな議論をしていかなきゃならぬというふうに思いますので、したがって今度一年限りとなっております公共事業の問題等は、過去の経緯からするといわゆる事業量の確保というのにとかく話がいきがちでございますけれども、その場合も地財計画にどういう影響を与えるかというような議論もいたしましたので、それらにつきましても私どもといたしましては予算編成時までに結論を得るべき課題であろうというふうに思っております。 ただもう一つ、役割分担の中で権限移譲の問題とか、そんな問題も一つあろうかと思うのでありますが、それにつきましてはいつまでとできるものもございましょうし、まだ議論の残るものもあるいはあるかもしれませんが、その辺は私今つまびらかに必ずしもいたしておりません。
○国務大臣(古屋亨君) 第二臨調や地方制度調査会等におきます累次にわたる答申で指摘されておる事項全般につきまして、問題が大変広範囲にわたっておりますので、検討は時間をある程度要するのではないかと思っておりますが、できるだけ速やかに結論を得て関係省と折衝してまいりたいと思っておりますが、ただ、今大蔵大臣のおっしゃったような権限移譲の問題、これと非常に私は関係が多いと思います。それが七月ごろに予定どおり答申が出ることを期待しておりまして、今そこにいろいろ意見も申し入れておるところでございます、地方団体の意見等。これを踏まえまして、私どもはその点も含めまして、できるだけ早く結論を出しますように一生懸命努力してまいるつもりでございます。
○桑名義治君 大蔵大臣は六十一年度の予算に全般にわたりまして風と地方の費用負担の問題は何とかしたいというようなお答えがあったわけでございますが、それと同時に、いわゆる権限の問題は、これは非常に多岐にわたるし非常に時間がかかる問題だからいつになるかその予定はつかないという意味の御答弁をいただいたわけでございますが、しかし権限の問題あるいはまた役割分担の問題あるいは費用負担の問題というのは、これはやはり一つのパックになった問題でございますのと、果たして予算と一応の機能の問題だけをことしじゅうにめどをつけたとしても、機能が残れば大蔵大臣の言われたような事柄は、費用の負担等については作業ができないのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、その点どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 私、慎重を期して申しましたのは、原則的にはおっしゃるとおりだと思うのでございますが、行革審から答申をまだちょうだいする前でございますから、その答申を見ますと、中にはまさに業務分担と費用負担のあり方で予算までに解決されるものもあろうかと思いますが、中には年次的な問題もあるいは出てくるかもしらぬ、そういう不確定要素がございますので、この権限移譲の問題についてきちんとお答えをしなかったわけでございます。が、精神は今桑名さんおっしゃったとおりであるというふうに私も理解をしております。
○桑名義治君 そうしますと三大臣の覚書の問題、社会保障の問題については、きちっと六十一年度に一応反映をさせると。それからその他の全体の見直しの問題については、これは時間は特定はできない。一応特定はできないけれども、近い将来にわたってこの問題も明確にしたいと、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(竹下登君) 答申いただいた段階で正確にはお答えすべき問題でございましょうが、基本的な考え方は同じくしております。
○桑名義治君 この問題は古くからもういろいろ議論を尽くされておる問題でもございますし、また新しい問題でもございます。いつまでもこの問題は放置できない重要な問題でございますので、大蔵大臣も自治大臣も鋭意この問題については積極的に取り組んでいただきたいことを要望しておきたいと思います。 これも確認になるかとも思いますが、今回の処置については、参考人の皆さん方の意見の中でも地財法の二条あるいは地財法の十条に抵触するのではないかという非常に強い意見が交わされたわけでございます。したがいまして、この点について自治大臣がどういうふうな認識を持っておられるのか、もう一度確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 実は先般来申し上げておりますように、この一律カットの問題につきましては、その負担を交付税ないし建設地方債で補うということにしておりまして、地方財政計画土地方に余り負担をかけないようにということでやっておりますと同時に、今度の御審議願っておりますこの一括法案につきましても、私ども特に、これ一括法の六十条かと思いますが、財政金融上の措置を講ずる旨を明記していただいておりまして、そういう意味で、私その法案の意味とそれからやった措置とを考えまして、これは地方財政法による負担の転嫁では法律上はあり得ない、それだけの措置はしておりますということで転嫁ではないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○桑名義治君 自治大臣はそうおっしゃいますけれども、これは好ましい形でないという認識はございますか。
○国務大臣(古屋亨君) 大体先生御承知のように、この問題というのはやむを得ない緊急的な措置として私どもも了解したものでございますから、これが好ましいとは私は考えておりません。
○桑名義治君 二度とこういうことがないように、やはり冒頭から申し上げておりますように、国と地方の役割分担、権限のいわゆる配分の問題あるいは費用負担の問題等はここらで新しく明確にしておく必要があるのではないかと、こういうふうに思います。 次に移りたいわけでございますが、運輸省関係について伺っておきたいと思います。 補助金等の今回の一括法案につきましては、運輸省関係は大体港湾とそれから地方空港関係、こういったいわゆる高率補助の削減とそれから地域特例によるかさ上げ補助の六分の一削減及び自賠責保険に対する事務費の繰り入れの停止の大体三項目である、こういうふうに理解をしているわけでございますが、この法律による運輸省関係の国費削減額ですね、これがどのような額になるか、またこれに伴いまして地方の負担増加はどのような額になるか、お知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 六十年度の削減額は港湾整備事業で九十八億、空港整備で二十九億、自賠責で七億、計百三十四億円でございます。なお、地方の負担額は港湾整備事業及び空港整備事業に係る約百六十億円、かようになっております。
○桑名義治君 今年度は第六次港湾整備計画の最終年度に当たるわけでございますが、今年度の計画達成率を見てみますと大体七五%にすぎない、こういう経過になっているようでございます。で、第六次港湾整備計画の計画達成が不可能になったわけでございますが、このような状況で特定重要港湾や避難港の整備等極めて緊急度の高いいわゆる地方の港湾整備に対する補助率を削減することは、一時的には地方債等で財源手当てをするものになっておりますが、いずれは地方自治体の財政負担増となることは明確でございます。そこで、地方の港湾整備をおくらせることにならないかどうかということが非常に心配をするところでございますが、この点はどういうふうに認識なさっておられますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 今回の公共事業にかかわる補助率の削減問題につきましては、これは基本的には今日の厳しい国家財政の中で事業量をいかに確保するかということから出発したと思うのでございまして、そういう見地から、今御指摘の港湾整備につきましてはこれだけが特にいじめられたということでは全くございません。他と同様の措置でございますから、その点、私どもこれを了としなければならぬと思っております。同時に、確かに削減分につきましては地方にその分のしわ寄せがいくかもしれませんが、このことにつきましては別途また考慮がなされる、適切なる財政措置がなされると私は承っております。いずれにいたしましても、港湾というものは今後交通あるいは産業そうしてまたひいては国民生活の大きな基盤という立場から運輸行政の中でも非常に大きな分野でございますので、十分心して私ども最大の努力を傾けてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○桑名義治君 そこで、北海道、奄美、沖縄等の特定地域の港湾整備につきまして、かさ上げ処置の六分の一の国庫補助金をカットする処置もこれらの地域の港湾整備の重要性を無視していると、そしてまた財政力の弱い特定地域の自治体の実情を無視した処置と、こういうふうに考えざるを得ないわけでございますが、大蔵省、これらの特定地域の港湾整備の重要性についてどのように認識をなさっておられるのか、まず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 資源にも乏しゅうございますし、エネルギーや工業原料等の資源の多くを海外に依存する我が国のことでございますから、こうした資源を安定的かつ経済的に確保するということが重要でありますので、特定港湾施設もこのような認識のもとにおいてその整備がいわば促進されておるというふうに基本的には理解をしております。で、これらの事業に係ります高率補助につきましても補助率の引き下げを行いましたけれども、今回の公共事業に係る補助率引き下げの措置は、これはいわば厳しい財政事情のもとで事業費を確保しよう、それによって社会資本の充実整備を進めていこうという観点もありますことからして一律の措置としてこれを行わしていただいたということになるわけであります。したがって、基本的にこのいわゆる特定港湾施設というようなものの認識は持っておりますが、やはり今回の一律の中に入れました措置、もちろん地方財政対策は別途やっていただくことになっております。が、要はこの事業費あるいは事業量の確保と、それによって整備の促進を図ろうという観点が念頭にあったことはこれは事実でございます。
○桑名義治君 この特定地域は、先ほど申し上げましたように非常に財政力の弱い地域でもございますし、それと同時に、やはり他地域から比較をした場合には大変に開発のおくれている、あるいは全体の財政力も弱い、基盤も弱いと、こういうところでございますので、こういったところには特別な配慮が必要であるという観点から特別地域という指定がなされているわけでございますので、こういったところには特に今後とも手当てを続けていかなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、現在六十一年度以降の第七次港湾整備五カ年計画の策定の作業を進めておられるというふうに言われております。その中で「二十一世紀への港湾」ということでまとめたというふうに報じられておりますけれども、その概要を説明願いたいと思います。
○政府委員(藤野愼吾君) 「二十一世紀への港湾」と題しまして、先般、今後の我が国の経済社会の変化に対応した新しい港湾整備のあり方について取りまとめをいたしました。要約して申し上げますと、今後の港湾整備の目標を、第一点目は総合的な港湾空間を創造しようということと、二点目にはそれら港湾相互のネットワーキングと申しますか、ネットワーク化を進めていこうということとして考えまして、これらを実現をしていくための新しい港湾整備にかかわるいろいろなあり方ないしは主要な施策について取りまとめをしたものでございます。要約して申し上げますと以上のようなことでございます。
○桑名義治君 そこで、「二十一世紀への港湾」という中で、現在港格ごとに一律に定められております補助率を地方の財政状況に合わせて弾力化することも検討事項に入っているというふうに言われているわけでございますが、その具体的な内容はどういうふうになっているのか。あるいはまた、こういった手法をとれば補助率の引き下げや国庫補助額の削減につながるのではないかと、こういう危惧があるわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(藤野愼吾君) 港湾整備を今後進めていくにつきまして、今後の港湾の果たすべき役割とか、それからまた各種施設の性格とか、いろいろそういったものを総合的に勘案した上で補助体系というものについて長期的な視点に立った検討をしたいというふうに思っております。今お話しの中に補助率の切り下げになるんじゃないかというお尋ねがあったかと思いますが、それが結果的恒どういうことになるかということにつきましては今後の検討にまたなきゃならないということかと思っておりますので、ただいまのことについての現時点で御説明申し上げることについては差し控えさしていただきたい、かように考えます。
○桑名義治君 この点についても、港のいわゆる港格ですか、港格ごとに弾力的に検討をするということになれば、これはよほど注意をしておかないと地方負担の増大に重なっていくのじゃなかろうかと。今のいわゆる国家財政の立場から考えますとそういう危惧が十二分にあるわけでございますので、その点はやはり念頭に置きながら、今後この問題にはさらに検討を加えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。 時間も余りございませんのでどんどん進めたいと思いますが、次に航空事業者でつくっている航空政策研究会、これが空港整備法を改正して現行の第一種から第三種までの港格の再検討を求める提言を行っているわけでございます。また、運輸省としても空港整備法の改正を検討しているのかどうか、この点についても伺っておきたいと思いますし、さらに地方空港の整備についても民間資金の導入、あるいはまた最近盛んに行われております第三セクター方式、こういう方式も考えておられるのかどうか、この点も伺っておきたいと思います。
○政府委員(西村康雄君) 今お話がございました航空政策研究会というのは、民間の学者あるいは事業者等が組織している研究会でございます。先般、この研究会から一つの提言が出されたわけですが、それは一つの問題としては今問題となっておりますコミューター、このための空港をひとつ空港整備の中に取り込まないかということ。それからもう一つは、今後のあり方として、これまでは国と地方公共団体がそれぞれ空港の設置管理者になっておりますが、地方公共団体を原則として空港の設置者にして、国の空港の設置というのはやめていこうと、こういうのが第二の柱。それからもう一つは、今おっしゃった第三セクター等民間が空港を整備すると、こういうやり方を空港整備法の中に取り込まないかというようなことでございます。 そこで、空港の設置管理を原則として地方公共団体にするということですが、この点につきましては、現在の空港整備法がそれぞれの空港の性格、重要性に応じまして国と地方がそれぞれ負担率を決め、効率的な全国的な空港のネットワークをつくっていくということを使命としてきたわけで、そういった意味での基本的な枠組みは今後とも変わらないだろうというふうに思うわけですが、しかし今日の地方空港の整備状況を見ますと、地方地方でやはり空港というのは極めて戦略的なものになりつつあります。臨空港地帯の開発というようなことを地方の開発のプロジェクトの中心に据えるとか、そういうことで空港の機能に対する見直しがされております。そしてまた、現実にそれぞれの空港の整備というのがそれぞれの地方公共団体の政策の重要な問題になっていますので、地方を中心とした空港整備という体系が今後長期的な視点では検討されていかなけりゃならないし、あるいはそれに伴って国と地方の負担関係というようなものも検討していくべきことに漸次なっていくだろうというように考えるわけでございます。 それからまた、第三セクターの問題につきましては、現在でも航空法によりまして飛行場の設置者となることは可能でございますので、特別に空港整備法という中に入れる必要はないと。国がまた補助をするならそれは国の予算的な補助をすればいいというようなことで、必ずしも空港整備法の枠をどうするということではない。空港整備は、先ほど申しました国と地方との関係をどうするかということでございますので、そういう枠組みで物を考えていったらいいのではないだろうかと。いずれにしましても基本的な問題につきましては、空港整備法というのは今後とも今の建前を維持していくことになろうと。ただ、長期的な動向については将来の検討課題になるかなと。 それからなお申しおくれましたが、大きなプロジェクト、例えば関西空港のようなものは一種の第三セクターでございます。そういうものはそれぞれのケースごとに具体的なあり方に即して考えていくと、これも空港整備法の一般のあり方とは別個の問題として考えでいけば足りるのではないかと、そんなふうに考えている次第でございます。
○桑名義治君 今回の補助金一括法案の中で、自動車損害賠償保障法に基づいて政府が行っている自賠償保険の再保険事業に対する事務費の繰り入れを六十年度も停止をさせることにしているわけでございます。そこで、自賠償再保険の収支は最近は大変に悪化しているわけでございまして、本年四月に保険料の大幅値上げ、これは二九%値上げをしているわけでございますが、保険加入者に負担増を求めながら、一方で本来政府が負担すべきものとされている再保険事業の事務費負担を停止させているということはどうしても理解に苦しむわけでございます。自賠償保険が大幅な黒字を計上していたときにこのような処置をとられるならば一応理解ができるわけでございますが、保険収支が悪化をして保険料の大幅な値上げを実施しなければならない、六十年度も引き続いて実施をすることはどうしても納得がいかないわけでございますが、この問題について大蔵大臣はどのような御見解をお持ちでございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) この自賠責保険に対しましていわゆる事務費を従来繰り入れておりましたのは、極めて社会保障的性格の強い事業であって、それから受益の範囲が広いと、それが一般国民に及ぶという観点から入れていたわけでございます。しかし、御存じのように五十七年度から五十九年度まで、非常に財政事情が苦しいということでこの事務費の繰り入れを特例適用期間内は停止させていただくということにしたわけでございます。したがいまして、今回それを延ばさしていただくわけでありますが、金額的に言いますと七億円程度で、仮にこれを保険料の引き下げに使うといたしましても○・○何%と非常に低いわけで、自動車一台にすると年間三円とか四円という金額でもあるわけでございますので、そういう意味からいいましても引き続きこの措置を続けさしいただきたいということで法案を今御審議願っておるわけでございます。
○桑名義治君 では、この一時停止の問題は大体いつごろにこれは解除する予定でございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) これは法律的には一年、今まで五十九年までのを六十年度までということで暫定措置でお願いしておりますので、法律上はそういうことになっております。
○桑名義治君 法律上はそういうふうになっていることは私も理解をしているわけでございますが、果たしてこれ一年限りでこの繰り入れを解除するかどうか、この点については、これは大蔵大臣の意見を求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる行革関連法案に基づくものの措置ということで大きくくるめればそういうことになろうかと思っておりますが、この問題、いわゆる年金改定の問題等がございますので、それらは恐らく六十一年度から制度が変われば終わるであろうというものもございますし、その他の問題につきましては予算編成過程で今後やはり検討していくべき課題であるというふうに考えております。
○中野明君 補助金の整理合理化、これは行政改革の一つの大きな柱でありますが、私はまずきょうは大蔵大臣に補助金の定義あるいは性格、これについてちょっと確認をしたいんですが、財政支出として補助金以外に他の会計の繰り入れあるいは出資、貸し付け、いろいろな支出の方法がございます。そこで、この補助金というのは一体何かということです。すなわち、補助金とその他の支出と区分する違いはどこにあるとお考えでございますか、最初に。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる補助金等という言葉を使っておりますが、このよく使います補助金等とは、これは予算科目上の補助金、負担金、交付金、補給金、委託費、これを総称して補助金等と、こう申しておるわけでございます。
○中野明君 いろいろの定義の仕方があると思われますけれども、一般的に言われていることは、補助金というのは国が特定の事務事業に対し、国家的見地から公益性があると認め、その事務事業の実施に資するため、反対給付を求めることなく交付される金銭的給付である、このように言われております。その結果、一つとして特定の事業にまず公益性があるということ、二番目は事業の実施に資するものであるということ、三番目は財政援助の三つが補助金の要件でございます。これらの条件を具備している経費を補助金と呼んでいいのじゃないかと私は考えますが、大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) ちょっとお待ち願います。これ定義としては先ほど申し上げ、そして委員からもおっしゃいました、その他相当の反対給付を受けない給付金であって政令で定めるもの。ちょっと私が疑問に思いましたのは、いわゆる企業に対する研究補助の場合、その企業が将来にわたって利潤を生んだ場合に、反対給付とも言えませんが、返してもらえる仕組みがありますものですから、それだけのことを少し整理しようと思ってまいりましたが、およそおっしゃるとおりでございます。
○中野明君 大臣も大体私と一致したと思いますが、そういう観点に立って私は、今回この法律で補助金の削減が一括カットというようなことで問題になって、非常に連日我々も不満を表明しているわけではございますが、きょうはその補助金の範囲ということについてちょっとお尋ねをしてみたいと思いますが、具体的な問題を申し上げてみます。 それは農水省の予算に関係があるんですが、近年米の消費拡大、こういうことで六十年度予算では二百七十七億円の予算が計上されております。これは米の消費拡大ということはもう国策として大変な事業でありますので、私どもも効率のある消費拡大という運動はしなければならぬと考えております。この消費拡大のうちで地域における米消費の拡大対策、いわゆる地域米消費拡大総合対策というのがあるんですが、これの目的と内容を農水省、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(石川弘君) 今御指摘になりました地域の米消費拡大対策でございますが、先生も御指摘のように米の消費というのは大変農政上必要な政策でございますが、これは御承知の食糧管理特別会計、国の仕事としてやっているわけでございますが、そのうちに国自身が、あるいは国が他の団体等を援助しながらやるという、比較的国の高さといいますか中央でやっている事業と、特に五十四年ごろからそういう場合に地域の特質を生かして、市町村等でいろいろと創意工夫を凝らして米の消費拡大をやっているというようなことが米審の論議でも大変出てまいりまして、事柄は国の仕事ではあるけれどもそういう地域の創意工夫を生かして米消費に取り組むべきであるという大変強い御意見がございまして、私ども今御指摘の地域米消費拡大対策というのを食糧管理特別会計の事業として組みまして、都道府県あるいは市町村の段階におきまして、その地域地域に適合した米の消費拡大のための推進協議会であるとか、あるいは料理講習会であるとか、あるいはその地域の産米のいわば推進事業といったものを援助と申しますか、事業をやっておるのがこの事業でございます。
○中野明君 そこで、地域米消費拡大総合対策事業費というのは、今御説明がありましたように、都道府県及び市町村がそれぞれ行う消費拡大事業に必要なお金を交付することになっているわけです。ですからこれは区分として補助金とすべきじゃないか、私はこう考えるんですが大蔵省の考え方はどうなんですか。これは補助金等の中に財政的に区分されておらないようでございますが、何かわけがあるんでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) この対策費は、先ほど食糧庁長官が御説明申し上げたような趣旨で置かれているわけでございます。そして制度の仕組みといたしましては国が責任を持ってやるという事業として位置づけております。したがいまして、この費用は国で持つということから補助金に分類していないということでございます。それからこれは御存じのことではございますが、一般会計からではなくて食管から出しているということでございます。
○中野明君 多分そういう考えを述べられると想像しておったんですが、米は国が管理をしているということで、事業そのものも委託しているわけでないというようなことで補助金には分類していないと、こうおっしゃるんですが、事業の方法とか手続、これを見るともう明らかに補助金と同一であります。各地方自治体は、例えば都道府県事業には国費に県費、市町村事業については国費に市町村費の裏負担もそれぞれつけております。さらに、民間団体が参加する場合は民間団体が裏負担をする形をとった事業計画になっております。これが補助事業、補助金でなくて何であろうかと私は疑問に思うわけです。この点はどうなんですか。
○政府委員(石川弘君) この事業は御指摘のような裏負担を義務づけたり何らいたしておりません。都道府県あるいは市町村におきまして事業を実施します際にみずからの費用を積み足されている実例もございます。ただし、私どもはあくまでこれはそういう裏負担を予想してやる事業とは考えておりませんで、御承知のように、県段階で市町村の分も含めて一応こういうことをやりたいと、これは仕事の中身が何かこれをやれというのじゃなくて、いろいろな形のメニューでおやりいただくことを認めておりますので、そういう計画書を提出していただくという面におきましては、若干先生御指摘のような何か補助金の手続のようにお感じになる点があろうかと思いますが、これはあくまでそういう裏負担を必ず義務づけたりあるいはそういうことを前提として組んではおりません。しかし、御指摘のようにそういうものを積み足していただいている例が若干ございます。
○中野明君 若干どころか、全部のところが裏負担をしております。ですから、そういうことで交付手続を見ても補助金ともうほとんど同じであります。食糧庁が都道府県に総合対策費の交付予定額を内示、それを受けて知事の指定した市町村が実施計画を見積もりを県に出して、県が全体の実施計画書を食糧庁に出して承認を受けて予算の交付を受ける、補助金の申請手続とほぼ同じであります。政府がどうしても補助金でない、このように言われる理由は私はわかりません。 一番最初に大蔵大臣にも確認いたしましたように、補助金の定義と実体的に一体どこが違うんだろうか、特定の事業の公益性、事業の実施に要する問題、財政援助、その結果として地方自治体等の裏負担を考えると完全に補助金に当たるわけです。ですから、こういう補助金と同じことを地方自治体にやらして、手続もとらして、そして予算の区分では補助金になっていないということになりますと、何か補助金が今やり玉に上がっているので、なるたけこういう言い逃れできるのは補助金の分類の中へ入れまい、そういうような意図があるのじゃないだろうか、そういう心配をしますし、今食糧庁長官がおっしゃっておったようなことになりますと、どうしても補助金でないということになりますと、使い方が非常にルーズになって、そして安易な使い方になる心配があるわけです。 三年前でしたか、私これ一遍指摘をして、もっと効率的な効果の上がるようなやり方をなさったらどうかということを申し上げたんですが、その後一切変わっているような状態がありません。特に、都道府県事業の中で米飯の学校給食の推進事業というものがありますけれども、学校給食の米飯導入促進事業費交付金というのは補助金適正化法の補助金の範囲に含まれております。こういうことを勘案してもこれはまず補助金の中に入れるべきじゃないか、一応こう思いますが、大臣、どうでしょう。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほど食糧庁長官から御説明いたしましたようなことから、これは補助金ということではなくて会計上、予算上経理、整理しているわけでございます。しかし、実体的に徐々に補助金的性格、特に委託費的性格を帯びてきているという可能性はあるかもしれません。それにつきましては財政当局としてはまだ十分把握しておりませんけれども、しかし先ほど長官が御説明いたしましたような運用でございます以上は、やはり補助金ではなくて国の実施している事業というふうに考えるべきものというふうに言えるわけでございます。
○中野明君 どうもそこのところ、食糧庁から一応参考として資料を出していただいたんですが、これを見ますと、そっくりそのままというんですか、委託費、市町村がその事業計画を立ててそれをそのままそっくり委託しているというお金が随分あります。それから交付金という形で、いわゆる市町村から米消費拡大協議会にそっくりそのまま全額国から来た金を交付金として渡している、こういうような形があります。ですから、そういうことになりますと、これはもう全然補助金としてもはっきり性格的なものになってきているわけですから分類として補助金に入れなきゃいかぬと、私はこのように考えますので、ここではすぐ結論が出ないかもしれませんが、検討をしていただきたい。大蔵大臣、ぜひこれは調べて検討していただきたいと、こう思うんですがいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これは農水省当局と相談をいたして勉強さしていただきます。
○中野明君 そこでもう一点は、食糧庁長官にもお尋ねをしたいわけですが、この計画書をとられていろいろ交付の状態をごらんになって交付されているんですけれども、随分金額がばらまき的になってきておるわけです。それは御案内だと思いますよ。計画書をとっておられるんだからわかるわけなんですが、これを見てみますと、全国で実施をした市町村というのは二千三百五十八市町村。ですから予算金額で言えば六十年度は十四億、五十九年度は十五億、五十七年度は二十二億で、このときはちょっと多かったですが、これだけめわずかなお金を二千三百五十八団体、五十七年度は三千二百十七団体でこの事業を実施しているというんです。そうすると、一番少ないところは十六万円ですわ、一つの町か村で十六万円。これで事業をしなさいと、手続は今ちょっと一つの県だけでこれだけ書類が出てくるんです。事務量だって大変ですしね、そういうことをやっておったら。 それで計画書を見てみると、ひどいところは新潟県の横越村ですか、新潟県というのは大体いろいろ言われるところのようですが。これ国費四十八万円、その中で食糧費二十四万円。半分が食糧費です。この県の通達では食糧費というのは会議以外にはあかぬと書いてあるんです。そうしたら、これ会議ばかりして半分が食糧費で消えて事業は何にもできない。こういうばらまきになっている。これでは消費拡大にならないと思います。ですから、もう計画書を見てみますと、いや、だれやらが集まって会議をしました、協議会をしました、三人です、四人ですというのが多いんですよ。それでこれが全部会議費、食糧費。それは確かに米の消費拡大ですから米の飯を食べておればいいでしょうけれども、運が悪く、運が悪いというかなんか、言い方はどうかと思いますが、洋食でパンでも食われたらたまらぬですよ、これ。いや、笑い話じゃないんです。時々そんなのがあるんですよ。国元から米の消費拡大の陳情に来られてホテルで朝食会をしたときに、洋食でパンが出てくるんです。きょうの陳情の趣旨は何ですかと言うたら、米の消費拡大ですと言って。それでパンを食うておったんじゃしょうがないじゃありませんかと言うたら、うっかりしておりましたと、ただ朝食と言って頼んだものですからこんなことになりましたというような笑えないような話もあるんです。 ですから、どう言ったらいいんでしょうかね、こういうばらまき的なものは最近は行政改革で大分やかましくなってからは減ったと思いますが、しかしこれは完全にばらまき予算で、消費拡大というものの、地域の事業になってはもう十六万円ぐらいでは何もできませんので、まじめなところはそこから二十万円ぐらい持ち出しをしていますね。そして事業をして苦労しているわけですね。だから、こういうのは、全体が二百七十七億でかなりの事業をやっているわけですから、こういうことはもうやめて、もっと効率的な消費拡大の使い方をなさったらどうなんだろうかと、こういうふうに思うんですが、農水大臣、どうでしょうかね。実際現場へ行ったら大変なものです、これ。これ事業要らぬと言ったら、おどかされてほかの補助金も要らぬのかと、こう言われたらいやいやせにゃいかぬというこういうシステムになっているんですよ。お答えいただきたいです。
○政府委員(石川弘君) 私どもも極力効率的に使うという前提でやっているつもりでございますけれども、事柄の出発点といたしまして、先ほど私ちょっと説明いたしましたように、初めはどちらかというと国の段階を中心のいわば事業が多かったわけでございますが、特にこれ、町村会を代表する米審の委員の方が地域地域での取り組みが非常に大事だということを強調されまして、しかも例えば弁当持参給食だとか、いろいろなアイデアがございまして、そういうような中でそういう地域の盛り上がりというのも大変大事だということで組み込んできたことでございます。 おっしゃるように、結果的にだんだん広がってまいりますと一市町村当たりの金額が小さいものが出てまいりまして、平均的に申しますと一市町村当たり五十数万円でございますけれども、今御指摘のように比較的小さいものも出てきているということでございますので、私ども、これは補助金であろうがなかろうが、常々こういう経費のあり方については見直しております。財政当局ともよく相談して見直しておりますので、極力効率的な使い方ができるように検討してまいるつもりでございます。
○中野明君 いや、平均で五十万円とおっしゃっているんですからね、これは余りにも細切れになってはらまき的になっていると。だから、同じやるのならば、今の趣旨は私も否定いたしません、大事なことだと思うんです。それだったら、二百七十七億あるのですから、こんな十三億とか十五億と言わないで、もっとがさっとつけたらそれなりの効果はあると思います。ところが二十万とか十五万とか、農水大臣、これは地方公共団体のもう三千三百ある中で二千ぐらいやっているんでしょう。金額は小さくなりますよ。そうすると現実に見たらとてもむだ遣いになってしまう。 あるところでは、結局もう使い道にしょうがない、これだけの金じゃということで、たまたまおりてきたのが十月ごろでしたか、町民が運動会をしているので、そこへ握り飯を買うて配ったというのもあるんです。これもまあ消費拡大と言えば言えるでしょうけれども、そんなことのためにやっている事業じゃないんですよね。だから、金額が小さくなってくるとそんなことになってくる。それで何をしようかと相談するのに半分ぐらい金が消えてしまう、いよいよ何もできないということになるわけですから、検討してくださいよ。思い切ってやるのならば、これは田舎の方で生産者との話し合いもあるでしょうし、学校給食の問題、いろいろありますから私はいいことだと思うんですけれども、余りにも細切れじゃむだ遣いになってしまうと思います。ですから、その方法を検討していただきたいんですよ。二百七十七億の消費拡大の予算があるのでしたら、それの半分だったら半分でもばさっとつぎ込めばかなりの効果は出てくる、意識も高まると思いますけれども、今のようなやり方では私は効果は上がっていないと、こう言わざるを得ません。どうでしょう、大臣。
○国務大臣(佐藤守良君) 中野先生にお答えいたします。 実は、二つの問題点があると思います。一つは事務的手続の問題でございまして、これは簡素化するようにしたいと思います。ただ問題は、計画書等を出す場合にはどんな方法でどういうふうにやるかということで、米の消費拡大にふさわしいかどうかと、こんなこともございまして、恐らく高い立場から食糧庁が指導していると思うのでございますが、実は私はきょう初めて聞いたわけですが、各地からぜひこれをつけてくれという要望を大分受けたわけです。というのは、予算の金額がよくわからなかったんですが、各婦人会等におきまして大変これが有効であると。特に、実はつい最近食に対する感覚、非常に口が肥えてきたということで、御主人においしい物を食べさせたいということでライスメニューについてかなり勉強したいというようなことがございまして、各地におきましてこの予算を使いまして料理の講習会をやるとかあるいは展示会をやるとか等ございまして、かなり効果を上げておるという点を聞いておったわけですが、今、先生のおっしゃる点もごもっともな点もあるので、一遍実態をよく調査しまして、何といいますか、よく勉強さしてみたいと、こう思っております。
○中野明君 大臣、米の消費拡大を地方で浸透させるということについては賛成だと言っているんです。だけれども、この方法が余りにも細切れになって効果がこれじゃ上がらぬじゃないですかということですね。一部の人だけしか、ひどいところになったらもう会議だけで終わっているんじゃないかというような、あるいはチラシ広告をつくって配ったらおしまいと、こういうことになっているんじゃないかと思いますよ。二十五万とか、一番少ないところはたしか十六万だったです、ここに資料をもらっていますけれども。これではかわいそうですし、裏負担をするなと言っても全部せなきゃどうしようもないような事業になっているわけです。だから、国策に協力をして一生懸命にやろうとしている気持ちはとうといし、ありがたいと思いますけれども、かなりこれは地方に対して負担を強要しているようなことにもなっているんです。ですから、今大臣お答えになりましたように、手続の方法をもっと簡便になさるとか、あるいは効率的な使い方にするためには、一体最先端で幾らぐらいの予算が要るかという基本的な検討をしていただかないと、とにかく予算を配っておけばそれで消費拡大の役目は終わったという考えでは困るということです。よろしくお願いしておきたいと思います。 それでは大蔵大臣に一、二点ちょっと確認を含めてお尋ねをしておきます。 昨年の地方財政制度の改正に当たって大蔵大臣は、抜本的な改革であると、このように国会でも答弁されております。今回のこの補助金一括削減という措置も三千三首の地方自治体すべてに関係があります。国と地方の財政関係において五十九年度の措置に匹敵するあるいはそれ以上の影響を与える内容であると私は思います。そこで、今回の補助負担率のカットの対象、件数も多いんですが、特にその中でも生活保護、公共事業など地方行政の根幹をなす行政、これに影響が出てきているわけです。暫定措置とは言いながら、自治大臣がもうたびたびここで苦しい答弁をなさっております。そして、自治大臣が最終的に、去年の十二月二十二日までは頑張っておったと。けれども十二月二十二日にもうどうしようもなくなったということで判こを押されたようですが、これは自治大臣の答弁を推しはかってみますと、ひとえに国の厳しい財政状況をおもんぱかって最終的には自治大臣は判こを押したと、こう私は理解をしているわけです。大蔵大臣は、きのうも答弁の中で、地方財政富裕論というのにはくみさないと、そういう考え方をお示しになっておりますけれども、地方の大局的見地からの自治大臣の協力といいますか、これによってこの措置が実施できて、ことしの国の予算編成も可能になったと、このように私は私なりに見ているんですが、大臣、お認めになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 費用負担のあり方がいかにあるべきかと、こういうところから議論をいたしましたが、結果として中野さん御指摘のように、そのゆえをもって予算が組めたという御指摘は私もそのとおりだとお答えせざるを得ないと思います。
○中野明君 了解です。 それでもう一つ、今回の一律カットによって、先日も申し上げましたが、大蔵大臣には僕は聞かなかったと思ってもう一度ここでお尋ねするんですが、このことによって地方公共団体の間に大変な格差が広がる。現在でも格差はあります。一律じゃありません。一律にカットすることによって財政力の弱いところと強いところの差がますます広がるという、この事実はもう否定できないと思います。そこで、この地方間の格差を是正するに当たって、大蔵大臣も地方議員の経験があるんですが、この地方の格差を是正するのには何か方法はあると思いますし、また考え出さなきゃならぬと思うんですが、大蔵大臣として地方の団体間の格差是正について何か腹案がありましたらおっしゃってください。
○国務大臣(竹下登君) これは完全に竹下構想とでも言うべき腹案があるかと、こうおっしゃいますならば、私も残念ながらそこまで詰めた腹案を持っておりませんとお答えせざるを得ない。何分、基本的に税源配分の問題が偏りますから、不交付団体もできてまいりますし、したがって国とし、あるいは県とし、そういう地域格差ということを念頭に置いた、一例を公共事業にとれば傾斜配分でございますとか、そんな措置の中で可能な限りの地域格差というものを縮める努力を行政の上で念頭に置いてやっていかなければならない課題ではなかろうかと、こういうふうに考えるわけであります。
○中野明君 これ、いずれ地方行政委員会で自治大臣にもお考えを払お聞きせなきゃなりませんので、きょうは時間の関係でこれ以上は申し上げられないわけですが、どう考えても過疎地域というところは経済力が弱いということはもう御承知のとおりでして、そうなりますと過疎地域に対して一定のラインを設けて、それ以下のところはいわゆる基準財政需要額の計算の基礎の数字を改めるとかなんとかしてあげないと、もう行政のていをなさぬようになって地方行政の運営ができなくなるんじゃないかと、こう心配しておりますので、これは私見でございますので何も押しつけるつもりはありませんけれども、検討課題の一つにしておいていただいたらありがたいなと、こう思うんですが、この考えはどうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) いわば地方財政計画、私どもの側から見ますと、大蔵省は全体の地財計画の中でマクロの点で見がちな立場にございます。しかし、おっしゃる意味は、私が過疎の典型的なところに生まれ育ったから申し上げるわけじゃございませんが、共感を感ずるところが多々ございますので、引き続いてこれからも勉強さしていただかなきゃいかぬ課題だというふうに思っております。
○神谷信之助君 貿易摩擦と市場開放問題を中心に法案との関連で質問をしていきたいと思います。 アメリカの穀物の緊急輸入一千万トン問題です。これは三月にはアムスタッツ農務次官が来日をして農水省に話があったようですし、四月には外務大臣の代理といいますか、特命を受けて手島外務審議官が訪米をしたときにウォリス国務次官からも話があった。五月になって、今度はボン・サミットでシュルツ国務長官から安倍外務大臣にお話があったというように聞いております。 この問題について、まず農水大臣、どういう要請で、それに対して農水省としてはどういう同答をし、現在どういう対処の方向を持っているのか、こういった点についてまず聞かせてもらいたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたします。 外国産穀物を使っての食糧援助については、これは外務省が担当しておりますが、二つの大きな難しい問題がございます。その一つは、現在の我が国の食糧援助の中心となっていますKR食糧援助の規模をはるかに上回るものであること。それから二番目にはまた、KR食糧援助においては規約上開発途上国産の穀物を優先使用すべきだとされている。この二つの大きい問題がございます。
○神谷信之助君 だから、農水省としてはこの問題では対処は極めて困難だという見解でいいんですね。 それでは安倍外務大臣、外務省の方の見解はいかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今、先ほどからお話しのような、アメリカからいろいろのルートで一千万トン海外援助で使うべきだと、こういうふうな話がありましたが、そしてまた今度のボン・サミットにおきましてシュルツ長官からも重ねて要請が参りましたが、今農林水産大臣が答弁したようなことで、我が国は年間三十万トンぐらいしか海外に援助しておりませんし、それも開発途上国の穀物を主として使っておる。そういうことでございますから、一千万トンと言われてもそう簡単にはいきません。一千万トンでなくてもいいということでありましたけれども、しかし盤的に大変困難な問題であるということをお答えした次第です。
○神谷信之助君 農水、外務両大臣はそうおっしゃっているんですけれども、報道によりますと、通産省、大蔵省を中心にして商社金融での転売方式とか、あるいはアメリカ国内での備蓄方式とかというようなのがいろいろ検討されておるというように固いておるんですが、その内容について通産大臣の方から聞かせてもらいたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。 ただいまちょうど安倍外務大臣からお答えがあったところに入ってまいったわけでございますが、米国が日本に対して、飢餓に苦しむ諸国に対する無償食糧援助用として米国産の穀物を一千万トンを上限として購入するよう要請してきた。これは安倍・シュルツ会談でもあったということも聞いておりますし、その他の連絡等についても承知をしておるところでございます。新聞報道にあるような幾つかの構想につきましては、米国の穀物輸出に係る熱心な要請への対応、こういう観点からは検討に値するアィデアであると思われますけれども、今後必要があれば通産省としても関係省庁ともよく話し合いながら検討をしていく、こういった考え方でございます。
○神谷信之助君 大蔵省の方はどういうことですか。
○国務大臣(竹下登君) 今、村田通産大臣からのお答えに尽きると思うのでありますが、日本の民間銀行の円建て融資を提供し、そして米国農産物を第三国に直接販売するという構想、すなわち援助ではないわけでございますが、そういう構想を抱いておるという話は聞いたことはございます。しかし、その問題はやはりいろいろな問題がございますので、構想の詳細が明らかになりませんとなかなかすぐ飛びつく課題ではないというふうに思います。それも民間金融でございますから、当然考えられることとしては、政府の円借じゃないわけでございますから、いわゆるリスクの問題とかいろいろな問題もあるでございましょうから、そういう構想が表に出たらそれはもちろん勉強する課題ではございましょうが、今別に偉大なる構想を持っておるということではございません。
○神谷信之助君 これは四月の十六日の衆議院の本会議ですが、このときに一千万トンの問題が質問されていますね。それで中曽根総理それから安倍外務大臣あるいは農水大臣なんかの答弁は、大体今おっしゃったように非常に困難というか、難しいという趣旨だったんです。ところが、河本さんの答弁はちょっと違いまして、「第三風への転売等も含めてアメリカの穀物をひとつ処理してもらえないか、一千万トンにはこだわらない、こういうことも言っておるようでありますのでこと、前の十億ドル濃縮ウランを買ったような方法もある、向こうに預けておいた方法、そういう方法もある。したがって、「今我が国が世界に置かれております立場、日米関係、自由貿易を守らなければならないという、そういう大局的な観点から、」「できるかできないか、第三国へ転売できないか、そういうことについてもよほど研究してみる必要があるのではないか、」という答弁をなさっている、河本さんは。 そこで河本さん、あなたのこういう発想で、そして市場開放問題を含めて、今政府・与党の会議がありますね、その副本部長でもある河本さんの方で、そういう河本さん自身の構想を具体化するという方向で研究あるいは検討の指示というものをなさっているのかなと思ったりしたんですが、その辺はいかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在、日米間の貿易につきましてアメリカ側が基本的にどのように考えておるかといいますと、実は市場開放交渉の始まりました二月初めから三月前半までは、四分野における市場開放をやってもらえば十分だ、それでもしアメリカの輸出がふえなければすべてアメリカの責任だから文句は言いません、こういうことだったのですが、三月の後半から、議会筋の激しい議論も背景にあったのだと思いますけれども、言い方が変わりまして、四分野における市場開放だけでは評価できない、その結果、現実の貿易にどのような数字になってあらわれるか、それを見た上で評価をしたい、このように言い方が変わってまいりました。 そこで、やはり対アメリカ関係、よほど慎重に処理をしなければならぬという、こういう基本的な考え方を私は持っておるわけでございますが、たまたま今お説のような話が何回かアメリカ側から出まして、当初は食糧援助ということであったようでございますが、食糧援助ということになりますといろいろな条件がございますので、今外務大臣などから御答弁のように、なかなかそう解決はできない、こう思うんです。大変難しいと、こう思います。ただしかし、よく開いてみますと、どうも必ずしも数量にはこだわっていないようですし、それからとにかく処理するについて何か手伝ってもらえないか、どうもこういう感じのようでございます。それから一遍に処理できなくてもよろしいと、何年間かかってもいいとか、処理できるまでは預かっておいてもいいとか、こういうことで、当初の援助用にという話から大分変わってきたような感じもございます。 そういうことでありますので、私としましては、対米貿易対策の基本的な考え方からお手伝いできることがあれば何かお手伝いしたらよろしい、こういう今考えを持っておりますが、ただ、今御承知のように商社がいろいろ関心を持っておるとは思いますけれども、具体的にどのように動いておるのか私は承知をしておりません。今、伝えられるような方向で、商社介入等の方法によりましてこの問題が前進できればそれは大変結構だと、このように思っておりますけれども、具体的には今どうなっているのか、それは詳細承知いたしておりません。
○神谷信之助君 そうすると、河本さんの話ですと、何とかアメリカが困っているから手伝ってくれということで、何か方法はないかということを考えておるけれども、まだ具体的にはそういう中身といいますか、方法についての検討をやっておるということではないということになるわけですね。 ところで、もう一つ、これはきょうの昼のニュースで出てきたんですが、これは農水大臣の意見も聞きたいと思うんですが、アメリカのブロック農務長官が十五日議会で記者会見をして、政府の輸出促進策の第一弾として、総額二十億ドルに上る余剰農産物を輸出業者にボーナスとして与える農産物輸出特別奨励計画、BICEPを発表したという報道があります。これはことしの十月からいわゆる八八年までの三年間でアメリカの輸出業者が一定量の穀物など農産品輸出を特定の海外市場向けに達成した場合、政府が余剰穀物の一定量をその業者に無償で供与するというそういう内容らしいですがね。実際これこうなってきますと、高金利とドル高でなかなかアメリカの輸出が伸び悩んでいる。そこで、プレミアムつきで輸出を仲はそうというわけでしょう。ある意味では国際的なダンピングにもなってくる可能性もあるし、それからこれに基づいて日本にも農産物の輸入がざっとふえてくる可能性もあるし、あるいは国際的な農水産市場あるいは穀物市場、これにも大変大きな影響を与えてくるんじゃないかというように思ったりもするし、こういった点について農水大臣はどういうようにお考えでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えします。 実はそのニュースを私見ていなくてわからないんですが、ブロックさん、特にいろいろなことをおっしゃっておるわけでしてね。私は、ただそれをニュース、新聞で知りませんが、基本的にはいつも言っておりますけれども、我が国農林水産業を生かし、その健全な発展を図ることを基本にしまして、関係国との友好関係に留意しながら慎重に対処してまいりたいということでございます。
○神谷信之助君 それでは河本さん、日米関係を重視していろいろお考えのようですからお聞きしますが、これは、アメリカの議会でいろいろ農産物の輸出奨励計画というのが提案をされている、そういう議会の意向を取りまとめる形でブロック長官の計画公表ということになったというようになるんですけれども、これは苦境にあえぐ米国農民の救済と同時に、例のボン・サミットでのミッテランさんの農産物自由化に対する抵抗に対する対抗措置だという、そういうコメントもついて報道されているんですが、この辺についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) その辺のことは外務省に聞かないとわかりませんが、ただ私といたしましては、対米貿易の基本的な考え方は、大体アメリカ向けの輸出が六荷五十億ドルから七百億ドル近くございまして、しかも黒字が三百七十億ドルになっておる。先方は何とかもう少しこの黒字幅を改善するために日本にも協力してくれないかと、こういうことを言っておるわけでございますから、そして数字で効果があるように何とか工夫してくれ、こういうことでございますから、その大きな貿易の流れというものを背景にして、お手伝いできることがあれば力いっぱいお手伝いをしていくべきではなかろうかと、このように思います。ただ、今の具体的なお話につきましては、もう少し、私自身は正確な情報を知りませんので、それをよく調べまして検討したいと思います。
○神谷信之助君 今の一千万トン問題は、アフリカなどの飢餓地域に対する無償の援助ということになれば、これはもちろん丸ごと政府の財政負担になりますね。それから転売方式で商社が売るにしても、これはリスクもありますし、輸銀を使うということですが、これはこの間の輸銀法の改正で直接輸出しなくても貸せるようになりましたから、それを使えばことしの後半にはできる、そこからそういう案も出てきているんだろうと思うんですけれども、それにしても一定の利子補給なり、リスク負担というのは政府が考えなければならぬということになるんですね。いずれにしても、そうやってアメリカのそういう穀物の余剰農産物の処理に、日本の今日の財政状況からして、それほど積極的に日本自身が財政負担をしてまでこれに協力をしなければならないのかどうか。この辺についてはどういうようにお考えでしょうか、河本さん。
○国務大臣(河本敏夫君) 理屈の上からいいますと、それはしなくてもいいと思います。ただ、大きな流れといたしまして、日米貿易が今申し上げましたようなことでございますし、さらにことしはアメリカ全体の貿易が大幅に拡大する、そういうことも向こうは言っております。つまり、昨年はアメリカ貿易の赤字が千二百三十億ドルでございましたが、ことしは千五百億ドルぐらいの赤字になるであろうと。ということは、輸入がさらに昨年の三千四百億ドルから何百億ドルかは拡大する、そういうことだと思うんです。今、日本の経済自体が、アメリカとの貿易、それに基づく国内の設備投資、これが経済成長の大きな柱になっておる。こういう大きな流れというものを考えますと、御指摘のように財政資金云々という難しい問題もありますが、財政資金を使わないでやれるような方法があれば私は検討していっていいのではないか、このように思います。
○神谷信之助君 これは自由主義経済をやって自由主義貿易をやっていく、こういう条件の中では、ドル萬、高金利が解決しないとそう簡単に輸出は伸びないわけでしょう。だから貿易ベースというか、商業取引ベースで話が合えばどんどんできるのであって、政府が直接財政支出をするまでやる必要はないというように思うんですね。 その点で大蔵大臣に聞きますけれども、今我我、法案を審議しているように、財政上の理由から社会保障制度に至るまで一割カットして大議論になっているわけなんで、そういう国民を犠牲にしているような財政状況の中で、我が国の財政負担をしてまでアメリカの経済の困難を助けるという必要はないというように私は思うんだけれども、財政の責任者としての大蔵大臣の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 現在のアメリカ国内に抱える問題を日本の国の財政資金でもって対応するということは、これは基本的に考えられない話だと思います。が、ODAにしましてもあるいは経済協力にしましても、それがある開発途上国なり、中進国なりに行われる、それが間接的にアメリカのみならず先進国のいわばプラント輸出でございますとか、そういうことに影響していくということは、これはグローバルに見ました場合あり得ることでございますよね。したがって今、アメリカそのものに、例えば経済援助措置とかいうようなものを財政措置で直接持っていくというようなことはこれは考えられないことでございましょう。
○神谷信之助君 通産大臣にもこの点についての見解をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、財政的な立場から大蔵大臣がお述べになりました。したがいまして、例えば商社金融で輸銀のアンタイドローンへの保証といったような形ですることができるかどうかというような問題になると思うんです。ただ、この問題につきましては、先ほど安倍・シュルツ会談の模様や、あるいはもっと前に、四月早早にウォリス国務次官からの外務省への書簡等々いろいろ検討しておりますが、今後必要に応じて検討をする、そういった段階であるということを申し上げておきます。
○神谷信之助君 では次の問題に移りますが、通産大臣もう結構です。 農水大臣、七月じゅうにはっくるということになっています例のアクションプログラムの大きな柱の一つとして農水産物の市場開放問題があると思うんですが、これで現在輸入枠を設けている牛肉、オレンジ、小麦粉、落花生などの残存輸入制限二十二品目、これについて制限の緩和あるいは枠の撤廃、これらを含めての全面的な見直し作業を行うという方向になってきているというように報道されているものがありますが、これは事実かどうか、それに対する農水大臣の見解を聞いておきたい、こういうように思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えします。 今先生御指摘の市場アクセス改善のためのアクションプログラムの策定につきましては、我が省といたしましても四月二十二日に事務次官を長とする策定委員会を設置し、現在検討しておる最中でございます。
○神谷信之助君 現在検討しているということは、先ほども申し上げましたような点についての制限の緩和なりあるいは枠の撤廃、これの全体としての見直しをやろうということで作業しておるということですね。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。 そういうことについてはまだ承知しておりません。
○神谷信之助君 四月十九日の政府・与党対外経済対策推進本部の決定になるところのアクションプログラムの策定要領、これを見ますと、総理もよくおっしゃっていますが、原則自由、例外制限という基本的立場、農産物はその例外制限の中に入っているのか原則自由の方に入っているのか、この辺はどういうようにお考えですか。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。 我が国の置かれています現在の国際的立場からいいますと、市場アクセスの改善が強く求められている実情は先生御指摘のとおりでございます。そういうことの中で、他方、農林水産業というのは、生命産業として国民生活にとりまして最も基礎的な物資であります食糧等の供給を初め、国土とか自然環境の保全等極めて重要な役割を発揮しております。さらにまた、地域社会における就業機会の提供など地域経済社会の健全な発展を図ることでも非常に大切であると思っております。このような農林水産業の重要性にかんがみまして、アクションプログラムの策定に当たりましては、我が国農林水産業を生かし、その健全な発展を図ることを基本にしまして、関係国との友好関係にも留意しながら慎重に対処してまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 先ほど申し上げた決定に「例外として取り扱われる制限分野に属させるものは、国家の安全、環境保全や国民生活の維持・安全に関わるもの、その他国際的にも十分説明しうるものに限る。また、制限の内容も必要最小限のものに限定する。」ということですから、それに沿って今大臣は国家の安全にとっても国民生活の維持安全にとってもこれは十分例外の範疇に入るというおつもりでおっしゃったんだろうと思います。そうすると、これは例外制限という範崎に入るんだから今さら検討する余地はないということになるんじゃありませんか、いかがですか。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。 私は、農林水産業は先ほど言ったような重要性にかんがみまして、例外であると理解されるように努力をしております。また実は総理も、この間の九日の本会議におきましては、アクションプログラムにおける農業の取り扱いについては国際的に説明できるものでなければならないが、国民生活あるいは国民経済における役目等々も十分考えて、その特殊性に留意しつつ行うべきものであると考えておりますと、そう答えています。また、私が先ほど言ったようなことで、我が国の農林水産業を生かすという立場と健全な発展を図るということと、それから友好国関係等に配慮しながら慎重に対処するということでございます。
○神谷信之助君 今大臣おっしゃるとおりで、四月十九日の段階でこの決定のときに、農水大臣が農業は例外やという意見を言ったら、総理の方から聖域はないということだったけれども、サミット後の、先ほど言った五月九日の総理の答弁は当時とは変化をしているというように我々は見ているんです。 そこで、河本さんにお伺いしますが、今お聞きのように、農業あるいは農産物については農水大臣がおっしゃったような方向で対外経済対策推進本部としても考えているというように理解をしていいのかどうか、この辺はいかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先般の推進本部で決まりました方向は、農産物の中にも国際的に当然例外措置をとるべきである、こういう品目がたくさんあると思うんです。しかし、これごれしかじかしたものはその範疇外だ、こういうものもあろうと思います。そこで、農産物全部が例外の対象になるわけではない、例外を設けようとすればそれなりの理由というものがなければならぬ、したがって例外品目にしようとすればそれなりの理由をつけて説明できるものでなければいかぬ、こういうような趣旨で私は合意がされたと、こう思っております。
○神谷信之助君 たびたび言いますが、この推進本部決定を見ますと、大体私は河本さんのおっしゃるのが正しいんじゃないかと思うんですね。「自由化には時間がかかる分野や国内調整に困難性があるものについては、国際社会において十分納得されうる明確な理由を示すとともに、これらについても段階的に実施を図る。」と。だから、この方針でいくと当面仮に制限はあっても段階的には全部解除する、だから将来は全部開放してしまうという、そういう方向でアクションプログラムを策定されるということになるわけでしょうか。河本さんにもう一遍この辺を確認したいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いろいろな国内対策をやれば例外品目でなくなるような種類もあると思います。それには二年かかるか、あるいは数年かかるかわかりませんが、しかしながら幾ら対策をやりましても国際的に例外品目から外すということは無理だと、こういうものもあろうと思います。だから全部を外せる、こういう条件には日本の農業は今ないと思います。
○神谷信之助君 ところが、私は十四日の晩に衛星中継のテレビを見ておりましたら、ブロック農務長官が米の自由化について日本には当面要求をしないと。私は聞いておってえらい恩着せがましいことを言っておるなと思ってちょっとむかっとしたんですけれども、それを聞いて思ったんですが、農水大臣、米の自由化もこれは今までにも要求してきておったのかどうか、この辺はいかがですか。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。 我が農林水産省といたしましては、米国に対しまして米の重要性については十分説明しており、米国から米の輸入を要請されたことはございません。そして、いずれにいたしましても、国民の主食であります、しかも基幹作物でございます米については、国会における米の需給安定に関する決議等の趣旨を体しまして国内産で自給する方針を堅持していく考えでございます。
○神谷信之助君 ところで、大蔵大臣に聞きますが、六十年産米の生産者米価の決定について、昨年は豊作だったから生産者米価算出の基礎となる過去三年間の平均収量が増加をする、したがって生産コストは低下をするから生産者米価の引き下げを考える、あるいはまた消費者米価は引き上げて逆ざや解消をやりたいというような趣旨の報道がありますが、そういうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) その種の報道、観測記事があったことは私も読ませていただきましたから承知しております。が、いわゆる食管法の第三条に「政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ生産費反物価其ノ池ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」、こうきちんと書いてあるわけでございます。したがって、そのいろいろな指標がまだ整っていないであろうと思いますが、いろいろな指標が整えば今の三条の精神に基づいて農林水産省を中心にして検討が進められていくことであろうというふうな気持ちを今持っておるところでございまして、何らかの方針を決めたというようなことは全くございません。観測の域を出ておりません。
○神谷信之助君 では農水大臣、こういった報道もあって、いよいよことしの六十年産米の米価は引き下げの危険があるというそういう不安があるんですが、農水大臣としては一体どういうようにお考えですか。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。 本年の生産着米価の取り扱いにつきましてはまだ何も決めておりません。例年どおり食糧管理法の規定に従いまして、物価その他の事情に配慮しながら再生産の確保を旨として米価審議会の意見を聞いて適正に決定する所存でございます。
○神谷信之助君 先ほど、米は日本の国民の最も重要な食糧ですし、したがってこれはもう国産でやるんだというように強調されたんだけれども、実際毎年米価の決定のときには、農民の方から強い要求がありながら、結局生産費を償う米価の決定にならないという不満が毎年蓄積をしてきているわけです。先ほど言いました三年の平均収量というのも一つの算出の基礎になりますから、しかし豊作であったからといって実際に農家収入がよくなった、あるいはコストダウンになったかというとそうではない。このことは農水大臣は一番よく御存じだと思う。 それからもう一つ、結局そうやって生産費を償う米価が決定されぬということになると、農民は米作から撤退をしていくわけですね。現に米づくりの農家というのは減少してきているわけです。いや応なしにだんだんと国産だけでは貯えないという状況が生まれかねない。日米諮問委員会でも、米の問題を出したらこれは反発が強いから、長期的に米価を落としていって、そうしてやりなさいよというのも出ていますよ。そうなってきますと、これはまさに米の輸入という事態も起こりかねない。どれだけ先になるかわかりませんが、そういう危険さえあるおそれがありますね。だから、そういう点を考えると、米価の引き下げというのは私は許されないというように思うんですが、先ほどもおっしゃったように、少なくとも食管制度を堅持して、そして生産費を償う米価を確保するために全力を挙げて努力するというのが農水大臣の決意だろうと思うんだけれども、その辺ひとつ確認しておきたいと思うんです。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたします。 昨年の事情というのは、四年不作後の初めての豊作ということで特殊な事例だと思います。それからもう一つ、私の持論としまして、きのうも申し上げましたが、私はお米ほど安いものはないという持論を持っています。そんなことで、先ほど申したようなことで米価審議会の意見を聞いて適正に決めたい、こう思っております。
○神谷信之助君 さて、そこでまたもとに戻りますが、アクションプログラムの問題ですが、農産物に至るまでの市場開放を全面的に要求されてきているという状況があります。しかし河本さん、日本の関税というのは一九七九年時点で全産品の実行税率で言うと国際的にも低い水準になっているんですね。それから非関税障壁も欧米誌国と比べてそれほど遜色のある問題ではない。日本は閉鎖的だという批判があるけれども、これは逆にそういう点からいくと不当な言い分ではないかと私は思うんです。現にまた農産物の輸入額というのは世界最大であるわけですね、日本は。だから市場開放といっても、アメリカの方も例のガットのウエーバー品目、これが十三品目ですかありますし、アメリカの食肉輸入法による牛肉の輸入制限もまだ残っているし、こういう状況がありますね。 そこで、そういう状況にあるにもかかわらず全面的な市場開放を要求するというのは、農林漁業というのは極めて生産性がまだまだ低い産業ですから、しかもそれは国民の命にかかわる、農水大臣に言わすと生命産業である。これを保護するのは当然のことでもある。だから各国はそうなって しいるんじゃないのか。だからボン・サミットでミッテランさんがそういう点での抵抗をしたというのも、私は一面では当然の正論であって、その正論を押し崩すために日本が全面的な市場開放もする、アメリカの先ほど言いましたような制限も撤廃をする、そうしていわゆる新ラウンドへの移行の環境といいますか、条件をつくる、そういうことをねらったプログラムづくりではないのか、こういうように思うんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) アクションプログラムによりまして全面的に市場開放をする、そういうことではございませんで、やはり例外分野として残る部分があるということは先ほど申し上げたとおりであります。例外分野に属するものは何ぞやといいますと、先ほど例示しながらの御質問がございましたが、大体その三つの分野だと心得ております。また、日本の市場開放は他の先進工業国に比べまして決しておくれておるとは思いません。相当進んでおると思います。ただ、日本はやはり特殊な国でございまして、貿易立国によって成り立っておる、こういう国柄でございますから、これから国の発展を考えます場合には、やはり世界が平和で自由に貿易ができるというそういう前提条件がございませんと一億二千万の国民の生活水準の向上ということは不可能だ、これはもう当然の理だと、こう思います。 そういうことで、ややもすると自由貿易体制にひびが入ろうとしている現在、逆に申しますと、保護貿易が台頭しようとする現在におきまして、日本が世界に率先して自由貿易体制を守っていくというそういうリーダー役を大きく果たしていかなければならぬと考えております。それを背景にして、さらに東京ラウンドを一歩進めた新ラウンドが成功するんだと、このように思いますので、そういう大局的な見地から今御質問のような問題の処理に当たっていきたいと、こう思っております。
○神谷信之助君 しかし河本さん、私は思うんですが、これはお認めになるわけでしょう。貿易摩擦といいますか、アメリカの輸出が伸びない、そういう根本の問題は、膨大な軍事費の増大に伴うアメリカの財政赤字、それからドル高、金利高。片一方は、日本の商品がどんどん出ていくというのは、日本におけるいわゆる異常な国際競争力、この二つが基本的には根本的要因になっているのではないか。だからその点では、先ほどもおっしゃったけれども、我が国の未来は平和な環境のもとにおける自由な貿易の振興、平和な環境を維持するためにも我々は膨大な軍事費をふやす必要はない。こういった点は、やはり日本自身が率直に今日の憲法下で、憲法を持っている日本があるいは被爆体験を持つ日本がその点にメスを入れるといいますか、はっきりさせていくということなしにこの根本問題の解決はできない。 それは技術的に保護貿易の台頭を抑えるために一切の制限をやめて、そして自由貿易をやるんだといっても、これはそれぞれの生産力の差がありますから、生産性についても高低がありますし、進んだところは非常に結構な方針だろうけれども、おくれているところは困るという問題も起こるでしょう。だから、そういう点は、それらを踏まえてやるとすれば根本問題についてメスを入れるということなしには解決しない。だから、今のアクションプログラムというのは基本的にはその点が欠落をしているので、この点の根本的な転換が我々は必要ではないかというように思うんですが、もう一度河本さんの見解を聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(河本敏夫君) アクションプログラムというのはこれは市場開放のことでございますが、今のお話は市場開放だけしても対外経済摩擦は解消しないではないかと、そういう御意見だろうと思いますが、私もそのとおりだと思います。やはり、市場開放のほかに現在の為替相場というものが非常に大きな背景になっていると思うんです。現在のようなドル高円安というこの状態では、日本の商品は二、三割も安くなる、アメリカの商品は二、三割高くなっておると、そういうことでありますから、なかなか市場開放だけでは問題は解消しない。この点はアメリカも実は認めておるんです。現在の赤字の七、八割はアメリカに責任がある、こういうことをアメリカ政府は言っておりますし、大統領自身も経済報告でそのことを認めておりますから、それはそれなりにいいと思うんですが、この為替問題を解決するのには、やはりアメリカの財政赤字、高金利、それによる円の流出、円安、こういう流れがあるわけでありますから、諮問委員会からも、市場開放のほかに為替問題について抜本的に検討しなさいと、こういう指示を受けております。 それから同時に、市場開放をいたしましても、やはり国内に購買力がなけりゃどうにもならぬではないか、だから内需の拡大もあわせて考えていきなさい。また、内需の拡大をやって、日本の経済が外需だけによらない総合的な力による経済成長ということになりますと、そこでまた為替相場もある程度是正される、こういうことになるんだから、内需の拡大を、数項目の対策を例示しながら、しっかりやりなさい、こういうことも指摘を受けております。したがいまして、私どもは決してアクションプログラムだけで問題が解決できる、そのようには考えておりません。諮問委員会からは今申し上げました三つのほかに、なおもう三つ、合わせまして六項目をしっかりやりなさい、こういうことを言われておりますので、その六項目を並行して進めることによって対外経済問題はある程度是正される、このように理解をいたしております。
○神谷信之助君 そこで、河本さんが今おっしゃった内需拡大の一つの問題として減税問題がある。何か前例を挙げて、今の物価に換算をすれば五兆円余ぐらいの大幅な減税が必要だというような結構なお話をなさったようなんですが、問題はそれじゃその財源をどうするんだろうと、赤字国債の発行というのは許されないと思うんですね。この辺なんかの見通しはどういうようにお考えなんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) この問題につきましては、大蔵大臣から御説明があるのが筋道だと思いますが、私の方の担当する諮問委員会からも内需が拡大できるような税制改革ということを言われておりますので、その観点に立ちまして若干申し上げますと、先般のこの委員会における御質問は、どの程度の減税をやれば内需拡大に効果があるのか、こういう御質問がございましたので、その具体的な内容については、これはこれから税調が作業するわけでございますから、その作業の前に私から具体的な数字を挙げるのは差し控えますけれども、ただ昭和四十八年という過去の例がございまして、それを現在のGNPに直しますと、昭和四十八年のGNPは現在の三七%でございますから、あの時点において一兆八千億という減税をしておるので、その減税規模は現時点におけるGNPでは約五兆円に該当します。なお、当時の経済事情よりも現在の経済事情の方が悪いと思う。したがって効果を上げようと思えばそれ以上の減税が必要でしょうと、こういう趣旨のことを言ったわけでございます。 そこで、財源の問題でございますが、これまでの議論は、政府税調や党税調でも抜本的な税制改革、特に直間比率の見直しをすることによっての抜本的な税制改革をやりなさい、こういうことでありますから、私の承知しておる限りでは、これまでの減税議論というものは、一方で消費税を増徴する、増徴したものは全部所得税あるいは法人税によって還元をして、そしてスタートの時点においては税負担はふえない、このように私は理解しておりますが、そこらあたりにつきましてはこれからの税調の作業によるんだ、このように理解をいたしております。
○神谷信之助君 やはり私が想像していたとおりで、直間比率の見直し、あるいは大型間接税の導入等の消費税をふやすという形でいきますと、これは大衆課税が大きくなってくる、逆累進性がますますひどくなってきますから、これは国民の多数を占める勤労国民にとっては結局増税になって、国民の懐は豊かにならない、こうなるんです。 そこで、私は労働大臣に聞くのですけれども、やはり内需拡大あるいは購買力を強化するといえば勤労国民の懐を豊かにする以外にない。そのためには賃金収入ですね、基本的にはこれがうんとふえるということが必要である。ところが、今衆議院で議論になっている労働者派遣事業法、これも結局団体交渉権は現場へ行ってないんですから、あとは契約内容になってきますから、実際は低賃金や長時間労働にならざるを得ないし、あるいはまた企業合理化で身軽にせいといってどんどんやってきて、結局は臨時労働者やあるいはパート労働者がふえる。これも賃金は低いわけでしょう。雇用関係も不安定な状況にある。それからまた行政改革だ、地方行革だといって民間委託を進めていく。コストダウンはどこでなるかといったら、労働者の低賃金と長時間労働によってなる。だから賃金の安い労働者をどんどんふやす、そして労働時間の規制ができない、そういう臨時職員やら零細業者の労働者をふやすという方向をどんどんやっておるんですからね。だから、組織された労働者の賃上げが去年に比べことしは若干春闘で伸びたといっても、全体としての勤労国民の可処分所得の実質の伸びはほとんどないという、そういう状態がずっと出てきているんですよ。 働けばそれで生活ができるような労働賃金を保障し、時間短縮をやって、そして雇用労働者をふやしていく、安定的な雇用労働者をふやす、こういう政策を労働政策の基本に据えないと、内需拡大の基礎である国民の懐を豊かにするということにならない。現在やっている労働政策は逆になっているのではないかというふうに私は思うんですけれども、労働大臣の見解を聞きたいと思うんです。
○国務大臣(山口敏夫君) 神谷先生のお考えも一つの労働政策の大きな前進、改善につながると私も考えます。労働者収入の増加が個人消費、あるいは内需、労働条件の改善、こういうことにも当然つながると思います。今、春闘も大変厳しい状況でございますけれども、大枠五%ラインを超えるところで大筋の労使間の交渉も妥結しておる、こういうことでもございますし、日本の場合には必ずしも低賃金、長時間労働を労働政策として広げているということじゃなくて、高齢化時代に伴うあるいはME化時代に伴う労働人口が五百万、六百万規模で増加する、こういう人たちにいかに職場を提供するかというために派遣法等の問題についても今から十分準備しておく必要があるんじゃないか、こういう考え方で今国会で御論議をいただいておるわけでもございます。 いずれにいたしましても、河本大臣からも御答弁ございましたように、諮問委員会におきましても労働時間短縮の問題、週休二日制の問題、あるいは内需拡大の前提である個人消費の問題も十分政策的に取り入れ、具体化していかなければならない、こういうこともうたっておるわけでございますから、労働大臣といたしましては、七月までの具体的な施策と並行して、中長期的な問題であるこの問題もできるだけ早目に検討する政府の姿勢が大事であるということをいろいろな場所を通じて発言し、具体化していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○井上計君 最初に、建設省にお伺いをいたします。 本法案の成立がおくれているわけでありますけれども、そのために地域経済あるいは公益事業の執行等についてかなり支障を来しておるというふうに聞いておりますが、建設省はどのように認識をしておられますか。また、支障を来しておるとすればどのような対策、措置を講じておられますか。特に、地方へ参りますと、公共事業等のおくれによって中小の建設業者、土建業者等が大変困っておるというふうなととも聞いておりますが、どのような対策を講じておられますか、まずお伺いをいたします。
○国務大臣(木部佳昭君) 補助率の二分の一以下のものにつきましては、国費で一兆一千五百億ぐらいのものを、雪の地帯であるとか、それから今申し上げる二分の一以下のものについては先般内示を発表さしていただいたわけであります。その他の問題につきましては今審議中でございますけれども、国会を通過の場合に備えていろいろ設計協議とか、そういう準備はそれぞれの地域なりにいたしておるというのが現状でございます。
○井上計君 具体的なことについてはお伺いすることを差し控えますけれども、成立するであろうという前提に立っていろいろと既に準備をお進めいただいているということでありますが、どうかおくれを早く取り戻して、そうして実害ができるだけ少なくなるように格段のひとつ御努力をお願いいたしたい、こう思います。 そこで、公共事業費の上期の契約はやはりこの法案の成立あるいは補助金の一律カットによってかなり影響を受けていると思いますけれども、この上期の契約率はどの程度と予測をしておられますか、お伺いをいたします。
○政府委員(豊蔵一君) お答え申し上げます。 現段階におきますところの対応策はただいま建設大臣からお答え申し上げたとおりでございますが、現段階ではやはり内示をいたしましたものの金額が一兆一千億円程度のものでございまして、なお大半のものが準備段階にあるということでございますので、四月、五月の現在までの状況では正確には把握いたしておりませんが、昨年度よりは契約率は下回っているものと思います。しかしながら、もし仮に法案が成立いたしますれば、そのためにいろいろと公共団体においても準備行為等をしていただいておりますので、なるべく発注を急ぎましてこのおくれを取り戻したいと思っております。そういうことで、これから先のことでございますので必ずしも予測はできにくいところがありますが、何とか昨年度並みに近い程度の発注率を確保したいということで努力してまいりたいと思っております。
○井上計君 大いに期待をしておきます。 次に、本法案は、このような高率補助金の一律カット等は今年度限りというふうに私どもは承知をし、また理解しておるわけでありますけれども、建設省はこの点についてはどうお考えですか。来年もまたこのようなことになるのではなかろうかというふうな危惧を持っておられるのか、あるいは私たちと同じように今年度限りであろうというふうに受けとめておられるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(木部佳昭君) 法律案も一年に限るということになっておりますので、私どもはそういうことで受けとめさしていただいております。六十一年度の予算につきましてはこれからの問題でございますが、関係省庁と十分協議をしてまいりたいと思っております。いずれにいたしましても公共事業は、御承知のとおり社会資本の着実な整備というものが大変おくれが多いわけでございますから、そうした観点の事業費の確保というものにつきましては、これを念頭に置きまして対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
○井上計君 大蔵大臣もまた大蔵省の関係の方も皆さんお聞きでありますから、建設大臣はそのお考えで六十一年度の概算要求、予算編成等はぜひひとつ御努力をいただきたい、こう思います。 次にお伺いいたしますけれども、住宅金融公庫の六十年度の申し込みが先日から始まっております。今回は新しい制度によって行われておるわけでありますが、今度の新しい制度、貸付限度額を大体十万円一律に引き上げる、あるいは内地域を乙地域に統合して別にまた二十万円の引き上げ等と、その他拡充した制度になっております。これは大変結構であります。ところが、一方では貸付手数料制度が新たに設けられた。一件について新築四万円、中古住宅は三万円ということになっておるようでありますが、端的に言いますと、貸付限度が十万円引き上げられた、ところが手数料を四万円取られる、実際には六万円しかふえないのではないか、端的に言うとそういうふうな計算になります。まして貸し付けを受けた十万円は利息をつけて返済するわけでありますし、手数料の四万円はこれはもう取られつ放しということでありますから、よく考えるとちっともよくなっていないではないかという感情も起きるのではなかろうかという気がするのですが、せっかくの親心がこれでは台なしになるのではないかと、こんな感じを受けます。 そこで、お伺いしますけれども、この手数料四万円あるいは中古住宅の三万円の手数料収入はどれぐらいになると見込んでおられるか、これは政府委員で結構でありますからお伺いいたします。
○政府委員(吉沢奎介君) お答え申し上げます。 貸付手数料収入でございますが、私どもが予定いたしておりますのは、昭和六十年度で六十億円ぐらいの増ではないか、六十一年度以降はこれが平常化いたしまして各年度百五十億円程度ではないかというふうに見込んでおるわけでございます。この差がございますのは、その年に申し込みましても、現実に家が建つのが年度をまたがるというようなことがございまして、現実に貸し付けが行われるのが、あるいは手数料の徴収が行われるのが年度をまたいで行われる場合があるためによるものでございます。
○井上計君 大蔵大臣の前でありますが、私はこの金額が多いとか少ないとかというふうな論議を別にしても、内需の拡大、特に民間の住宅の建設というのは内需拡大のためには振興策として一番重要な、また効果のあることでありますが、これによっていささかでもそういう面について影響があるとするならば、いわばこの程度の金額と言うと失礼でありますが、平年度でも百五十億円程度、もっと大蔵省に対して建設省は強く主張されて手数料制度をとることをやるべきでなかった、こういうふうに私は感じますけれども、建設大臣どうお考えでありますか。
○国務大臣(木部佳昭君) お互いに政治家としての判断をする場合に、先生の御指摘の点は私ども率直に言ってそういう感情に打たれることは事実でございます。しかし、今財政が大変厳しい中でございまして、その中にありましても五・五の金利とか、また無抽選の四十九万戸というようなものが御理解によって確保されたわけでございますから、根幹は維持することができたんだと。しかし、今おっしゃるような点等は、私ども内需の拡大の問題や、またこれから人生五十年が八十年の時代でございますから、あるべき住宅政策の改善の問題というものにはこれからも重大な関心を持って、改善のためによりよく、またお役に立つために努力をしてまいらなけりゃならぬと、そういうふうに考えております。
○井上計君 やむを得なかったという御答弁についても理解できないわけじゃありません。ただ、今後はやはり御努力によって平年度百五十億円というふうなこの収入を、できれば手数料を減額するというふうな御努力をぜひしていただいて、そういう面から民間住宅の建設の促進にいささかでも支障が起きないように努力をしていただくことを特に要望しておきます。 次に、昨日大蔵大臣との間で質疑をいたしました。それは、特に公共事業費について言いますと、年度末近くになってまいりますとやたらその公共事業が、そういうふうな感じを特に持つのかもしれませんけれども、非常にふえてまいります。きのうも申し上げましたけれども、交通渋滞は大体道路工事が原因であると。タクシーの運転手さんに言わすと、とにかく年度末になると予算を使わぬといかぬからやらぬでもいいような工事がやたら始まりますし、一遍埋めた道路がまた掘り返されますと苦情をだらだらと言うのをよく聞きます。 それがすべてそういうふうな、一般国民が考えているような理由だとは言いませんけれども、しかし現実に年度末になって予算が余りそうだと、そこで予算が余ったものを返したのでは次の予算をまたカットされるということでこれは返すわけにいかぬ、だから本当は余ったものを繰り越して有効に使いたいというふうなことがやはりかなりあるのではなかろうかという、これは私の推察です。特に積算をして予算を出して、予算要求した段階と実際に工事に着工した段階とではあるいは資材費等々についての違いが起きるかもしれません。あるいは途中で実際に工事に着手してからむしろ計画を変更した方がいいという場合もあるでありましょうし、あるいはこれを次年度に繰り越した方がさらに有効な工事ができるということもこれはもう数の中だから当然あると思います。 その場合に、例えて言うと、そういういい方法がある、そのいい方法をとれば一億なら一億の予算が八千万で済むと、今年度は。だから二千万円を繰り越してというふうなことは現実では事実上できないということになっていますから、予算をとにかく使ってしまおうというふうなことで、往往にして言われているようなそういう悪弊が続いておるのではないか、私はそういう感じを持っておるんですが、建設大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(木部佳昭君) 先生御指摘のように、予算は単年度主義をとっておるわけでございます。そういう中にありまして今御指摘いただきましたようなことはやむを得ない事情なのか、年度末に集中するということも、いろいろな意見は私も耳にいたしております。やはり、何といってもこういう機会を通じて予算の効率的執行であるとか効果的な実績を上げるような努力をするとかというようなことは、財政が厳しいだけに一つの大きな戒めの時期であろうというようなことも率直に言ってこれは反省しなきゃならぬことだろうと私ども思います。いずれにいたしましても、繰り越しの制度の運用に当たりましても、地方公共団体等について適切な運営をするような指導を私ども建設省といたしましても前向きでいたしてまいりたい、かように考えております。
○井上計君 建設大臣、なかなかずばり本音のお答えではなかろうと思います、大蔵大臣もおられますし。ただ、私が推測、要約いたしますと、現在の状態ではやはり繰り越しが事実上できないので、やむを得ず年度末に集中したいわば予算の執行をせざるを得ないという例がある、こういうふうなことであろうと理解をして、そこで建設大臣にお伺いいたします。 昨日、竹下大蔵大臣に私は提言をし、質疑を行ったわけでありますが、現在の財政法は昭和二十二年、すなわち終戦直後のあのような情勢の中で、いわば占領下でつくられた財政法をこの際検討し、また見直しをすることが必要である。特に第十四条の三、繰越明許費、この法文からいきますと繰越明許費はもう事実上できないわけですね。「予め国会の議決を経て、」云々なんということはもう不可能でありますからこの条項、さらには四十二条、四十三条等の繰越使用の制限あるいは繰越使用の承認というふうなところを改正することによっていわば地方自治体並びに建設省等々の責任と権限によってこれはできるようにすべきだということを私はきのう申し上げた。大蔵大臣も、現在の単年度会計からいってなかなか難しいとか、あるいはまた財政法はいわば財政の憲法であるからそう簡単にいじれないとかということでありましたが、最終的には大臣も、いささか渋々であったかどうか知りませんが、心の中では必ずしも渋々ではなかったと私は推測しておりますけれども、ひとつ検討をすると、こういうふうな御答弁をいただいたわけですが、建設大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(木部佳昭君) 御指摘いただきましたように、恐らく財政法は財政の憲法であると私も理解をいたします。直接的には私どもの法案ではございませんが、私先ほど申し上げましたように、こういう厳しいときでございますから効率的、効果的にこの執行ができるような最大限の努力を国民の前に向かってしなきゃならぬ、これが行政の当然の姿勢でなきゃなりませんし、そういう点等を考えてみますと、どちらが先に努力することが実際に効果があるかないかというような問題等についても、私どもが先駆けて私見を申し上げるあれでもありませんけれども、そういう点等をよく研究はしていかなきゃならぬと、これを怠ってはやはり前進というものはありませんから、そういう意味で解釈をいたしております。
○井上計君 建設大臣それから建設省、大いに検討されて、財政法改正によってさらに貴重ないわば国民の税金が有効に使われる、さらに効率よくなるというふうなことになれば、建設省も大いに努力をされて大蔵省に対して積極的にこの改正等について働きかけをしていただく、さらに閣内においてもそういうふうな御努力をぜひお願いいたしたい。そうすれば、大蔵大臣も内心では、まあまあ改正する、見直しすることも必要だというふうにお考えのようでありますから、大蔵省も重い腰を上げていただけるのではなかろうか、このように考えますので、ぜひひとつ期待をしておきます。 文部省、文部大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 先日来、当委員会で同僚委員から教材費を一般財源にしたことによって起きる問題点等についていろいろと質疑が行われました。私、これを伺っておりまして、実はいろいろと感じたことがあるわけでありますが、教材費の父兄負担が大変ふえるということについても昨日文部大臣と同僚委員との質疑の中で大分見解が違うようでありますけれども、こういうようなことも聞きました。小学校あるいは中学校に通う子供を持っておる親の立場あるいは気持ちというのが、果たして学校の教材費を負担することについてどう考えておられるであろうかと、昨日質疑を聞きながらそんなふうな思いをめぐらしておったわけであります。 一般的に言えは、教育に関する費用は全部を国あるいは市町村が負担することが当然だと、このように言われてあるいは思われておりますけれども、しかし若干といいますか、ある程度、限度はあります。もちろん家計を圧迫するような金額では困るわけでありますけれども、私は、むしろ親として子供に対する教育の責任あるいは親の愛惜というふうなことから考えると、ある程度のものなら負担してもいいというふうに思っておる親が相当あるのではないかなと、こんな感じが、実は昨日も質疑を聞きながらそういうふうな思いがいたしたわけでありますけれども、文部大臣、お答えにくいかと思いますけれども、文部大臣はどういうふうにお感じになっておられますか、お差し支えない範囲で結構でありますから承れればと、こう思います。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。 一般論として考える場合に、子供の教育に関して親はできるだけ負担が少ない方がいいんだ、うんと収入があっても少ないほどいいんだというふうな考え方もあるかもしれませんけれども、しかし子供の教育についてやはり第一義的には親の責任ということだけは、私は世の中の考え方としてはなけりゃならぬというふうに思います。ただ、義務教育の場合におきましては、まず授業料はこれは徴収しないときちっと教育基本法に書かれておりますし、それはそうあるべきだと思います。それから学校教育の場合ではその他いろいろの経費がかかります。先生の給与あるいは事務職員、栄養職員の給与それから教材費、いろいろな経費があるわけでありますが、その経費の中で人件費等につきましては、これは授業料は要らないということの関連で、親の負担というものは公立の学校の限りございませんで、それはそうあるべきだと思います。 あとは教材関係でございますが、大変幅が広うございまして、学校に備えつけておくような教材は公費で支弁する。その公費を国の方でどれだけ持つか、地方の方でどれだけ持つかということで、今までは半額国の方で負担し、あとの半分を市町村負担と、こうなっておったわけでありますが、今回で、地方交付税で措置しながら市町村で持ってもらう、こういうような改正をしていただくわけであります。その教材の中には、学校に備えつける教材のほかに個々人が持って消耗したり使用したりする教材がございます。例えば鉛筆とか定規とか、そういったものがあるわけでありまして、そういうものはやはり親が負担するというふうな形になっておるわけでありまして、それはそういうものではなかろうかなと、こういうふうに思っておるわけであります。基本的には、子供の教育については親もやはりある程度の負担をするのだということにつきましては、私も先生とほぼ似たような考え方ではなかろうかな、こういうふうに思っておる次第でございます。
○井上計君 現在、小中学生の教科書は無償になっております。その費用としては、六十年度予算四百五十六億円が計上されております。それからいただいた資料によりますと、小学生一人当たり年間二千二百二十三円、したがって一カ月に直しますと一人当たり百八十五円となります。それから中学生は年間一人当たり三千三百七十六円でありますから、一カ月に直しますと一人二百八十一円という金額になろうかと、こう思います。この金額が親として負担することが、ううんというふうな金額ではなかろう、負担することによって家計を圧迫するとかあるいはどうとかというふうなことではなかろうというふうに私は思いますが、小学生一人一カ月分は親がたばこ一個を節約すれば、小学生の教科書というものは実はまあ有償であってもいいということになりますし、また中学生は一人一カ月二百八十一円でありますからビール一本節約すればおつりが来るというふうな金額、小学生と中学生を二人持っておる家庭であっても合わして一カ月四百六十六円という少額であります。 そこで私は、今教科書の無償をやめるべきだということを申し上げるのじゃ毛頭ありません。また、有償がいいということをきょう申し上げるつもりも毛頭ありませんが、ただこの金額から考えて私の感じたことを申し上げて、またお差し支えない範囲で大臣また文部省からお答えをいただきたいと、こう思うんです。教科書が無償であることによって起きる功罪といいますか、功罪という言葉がちょっと語弊があれば、適切でなければプラス・マイナスと、こう置きかえてもいいんですけれども、無償であることによってどういうプラスがあるのか、あるいはどういうマイナスがあるのかということについて文部省は今まで検討されたことはないんでしょうか。まずそれを文部省にお伺いいたします。
○政府委員(高石邦男君) ただいまの議論につきましては、ここ数年来いろいろな角度から議論が行われておりますので、文部省でも中教審に御審議をお願いしたわけでございます。そこで、中教審における御審議の内容といたしましては、一つは教科書無償という仕掛けが実は教科書の採択それから検定、そういうものとのかかわりが非常に密接であるということが一つと、それから憲法で規定する義務教育は無償とするという考え方をその趣旨に従ってより一層拡大していこうということで無償制度がとられた。 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕 その精神というのは現在の時点で変える必要はなかろうというような御意見等がございまして、現行制度の維持が適当である、こういう結論が出されたわけでございます。 一方、今御指摘のありましたように、子供たちが一般的に物を大切にしなくなっている。したがって、せめて親が買ってやることによって物を大切にする教育ということが取り返せるのではないか、こういう議論もございますが、これにつきましても、一般的に物を大切にしないのは現在の社会的な風潮でございまして、親が買ってくれるから大切にするとか、それから公の税金で給付されるから大切にしないというようなことよりも、もっと基本的に物に対する現代の子供たちの感覚、そういうものが非常に戦前と比べまして軽くなっているというような点がございますので、この無償制度の給付をする際には国民の税金によって、貴重な財源によって買われた教科書である、そして公の税金によってこういうようないろいろな施策が展開されていくのだということを子供たちに教える、こういうような指導をしているところでございます。したがいまして、いろいろな角度からの意見がございますけれども、よりその内容が的確にわかるように、そしてそれを通じてより生きた金として使用されるように、こういうことを考えまして具体的な給付事業を展開しているところでございます。
○井上計君 プラス面について私も全くないとは思っておりません。今局長からお答えがありましたけれども、ただ採択、検定とのかかわり合いからいうと、無償であることが必要だと言われるとちょっといささかどうであろうかという私は疑念を持っています。しかし、これはまた別の機会に意見を交換するといたしまして、憲法の規定からいうと義務教育は無償である、これはよくわかります。しかし、実は教科書まで無償にしなければ義務教育が無償であるという憲法の規定に反するのかどうかというと、ちょっとこれまた私も若干疑念があるわけです。しかし、これはさておいて、だからそのほかにもプラス面が全くないとは言いませんが、マイナス面は、今局長か言われましたけれども、物を大切にしないということについてのまず理由というお話がありました。 私どもの小学生時代というのは、国定教科書でありましたからまた若干現在とは状況が違いますけれども、まあ大切に使う。そうして、弟だとかあるいは親戚の自分より年下の者が使えるようにちゃんときれいに使っている。だから教科書を汚すと先生からもひどく注意をされ、また親からも大変怒られたということになります。ところが現在は無償でありますから、もう教科書を大切にするなんという考え方が、先生も余り指導していないようですし、子供にも全くないですね。教科書はもう使い捨てのノートと同じぐらいの扱い方をしておる。また同時に、無償でありますから親が子供に教科書を見せろということも言わない。したがって、子供がどういう教科書を使っておるか知らないという親が大半あるいは相当いるのではなかろうかと、こう思います。それから子供も、学校でただでもらってきた教科書だから、家へ帰って親にこういう教科書をもらってきたよということで見せる子供もまずほとんどないようであります。 それらのことが結局親子のいわば断絶の原因にもなっておるし、また物を大切にするという、まず学校で小学生から物を大切にするという基礎訓練、基礎教育をやはりされないこと、これがずっとそのまま成長して物を粗末にする、大切にしないというふうなことの大きな原因になっておるのではなかろうかと、こんなふうに考えますと、私は先ほど申し上げましたように、教科書を有償にすべきだということを今言うのじゃありません。無償がいけないということを今言うのじゃありません。厳しい財政状態でありますから、したがって財政面から見て教科書の無償をやめるということではなくて、私は、四百何十億というふうな予算をもっと教育に有効に、適切に使う方法があるのではないかなあという感じがするんですね。 先ほど、文部大臣は学校へ備えつける教材等については当然のことながら全額公費負担、こういうお話がありました。まだまだ十分でないものがたくさんあると思うんですね。今後さらに小学生あるいは中学生のときから、やはりある種の技術教育をしていかなくちゃいかぬような時代になってきたわけです、ハイテク時代。そういうための教育施設がますます重要になってくるわけでありますから、いわば有効に使うというふうな観点から考えてもいかがであろうかという感じが多分にしております。だから大臣、無償をやめるとか有償にすべきだとか、そんなことの議論は抜きにして、そういうことについて私はやはり真剣に考え、また同時に子供、生徒、児童を持つ父兄に対してもそういうふうな観点からもっと対話をして、広く国民の考え方を吸い上げるというふうなことも文部省としてお考えになる必要があるのではなかろうかと、こんなふうに考えますが、御所見、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 先生の御所見は一々ごもっともな点が多々ございます。例えば教科書無償、これは憲法二十六条の規定から当然にやらなけりゃならぬことだということには解釈上なっておりません。義務教育無償というのは授業料を徴収しないということであるということは最高裁の判例も言っていることでありまして、ただ教科書が義務教育無償の理念の上に、その延長線上にあることは間違いありません。その意味で、義務教育無償の考え方をより広めていくということからいえば望ましいことであることは間違いないと思いますが、憲法から当然出てくる結論だということには私ども考えておりません。そしてまた、先生からも御指摘ありましたように、私も先生と同じような経験がございます。早い時期に、死とか姉とかから先に教科書をもらって、そして非常な興味を持って自分で勉強した記憶もありますし、また大事に使って親戚の者に渡した記憶もありますが、あれなども子供の育成の上では私は効果のあったことだと思います。同時にまた、親が教科書に対して余り関心を持たないという弊害も無償ということから出てきているような感じもいたします。 しかし、いずれにせよ、我々の先輩たちが義務教育無償という精神をさらに拡大するという意味合いで相当な苦労をしながらこの制度を始めていただきました。そしてまた、先生のおっしゃったようないろいろな意見があることにかんがみまして、中教審の意見も徴してみました。そうしたところ、やはりこの制度は維持していくことが望ましいという実は意見をちょうだいしておるわけであります。しかし、維持していく以上は、この制度の持っている意義、そしてまたもう一つは、この無償給与という制度は次代を担う児童生徒の国民的自覚を深めるということにも資するんだという指摘を中教審からいただいておるわけでありまして、無償を維持していく以上は、この制度の趣旨、そしてまた国民の税金によって、次代を担う青少年としてしっかり勉強しなさいというか、しっかりした人間になりなさいと、こういったことをよく謝しながら給与する、こういったいろいろな配慮をしながらやっていかなきゃならぬことではなかろうかと、こう思っておる次第でございます。 なお、終局的には、現在の臨時教育審議会でも教科書制度のあり方につきましては、無償問題も含めて検討する一つの課題例として掲げられておることでございますので、臨教審でもいずれ議論がなされるものと考えております。そうした議論、その結果としての意見等を踏まえまして適切に対処していかなければならぬ非常に大きな問題だというふうに考えておる次第でございます。
○井上計君 文部大臣の大変明確なお答えをいただきまして、私も意を強ういたしました。ただ、無償を今後とも存続するのであるならば、私が申し上げたようなマイナス面、そのほかにもあろうかと思いますが、そういうふうなマイナス面ができるだけ払拭されるような、そういうふうな指導、教育をしていただく必要があろうと、こう思います。恐らくこの無償制度ができたころにはそういうふうなマイナス面については余り顧慮されていなかったと思うんですね。それが年とともにそういうマイナス面が大きくなってきておるとすれば、事実とすればそのマイナス面をなくしていく努力をあわせてしていかなければ、何か仕方がないんだというふうなことになっておるとは言いませんが、そういうふうなどうもムードがあるように感じますので、ぜひそれについては文部大臣、今後とも御努力をいただきたい、こう思います。 それから次にお伺いいたしますけれども、文部省は教育費控除制度について検討されたことがあるというふうに聞いております。概算要求には至らなかったようでありますけれども、検討されたのかどうか、まずこれが第一点お伺いすること。検討されたとすれば、その制度の概要等についてどういうふうなことを検討されたのかひとつお伺いをいたしたい、こう思います。
○国務大臣(松永光君) 教育費の所得控除につきましては、文部省としては昭和三十九年度から五十二年度まで十四年間、毎年のように大蔵当局に対して所得控除の対象にするよう睦要求をし続けてきたわけであります。しかし、大蔵省で認めていただけないまま今日に至ったわけであります。お認め願えなかった理由にもなるほどと思われる点が多々あるわけでございまして、その一つは、税金を納めていない低所得者層の人たちには恩典が及ばないということですね。したがって不公平ということも出てくる。二番目は、大学生等の場合でございますが、若年労働者の税負担とのバランスの問題がある。三番目は、税制上個別の事情をしんしゃくするには限界があるなどという理由から、もっともな理由も私はあるような感じもいたしますけれども、ついに認められなかった。 そういった事情を考えまして、この際むしろなかなか難しいことを要望していくよりは育英奨学事業の予算を確保する、あるいは私学助成に関する予算を確保する、こういった面の施策を充実していくことの方が実際問題としては父兄負担の軽減にもプラスになる、こういう考え方で、今申したような歳出面の施策の充実に力を入れることにいたしまして、五十三年度以降は要求をしなくなったわけであります。要求をしておった当時の考え方といたしましては、授業料等の学校納付金について一定の金額の範囲内で父兄の所得の中から経費として控除していただきたい、こういう趣旨の所得控除の特別措置の要求であったわけでございます。
○井上計君 大蔵省が認められない理由についてもわかるような気がします。今、大臣は大蔵省の認めない理由について幾つかお述べに、なりました。なるほどなという点もありますが、ただ私は高校教育の親の負担については、高校が事実上もうほとんど義務教育化しておる現在、高校教育についての控除制度というものがあってもそれほど不公平にならないのではなかろうか、事務的にも、税務事務面においてもそんな大きな問題はないのではないかなという気がします。 そこで、野党が共同で今国会で要求しております教育費の減税について文部大臣はどのような御所見をお持ちでありましょうか、ひとつお伺いをいたします。
○国務大臣(松永光君) この問題は大変難しい問題でございまして、教育費減税につきましては、教育費問題も含めて与野党の政調・政審会長会談あるいは幹事長・書記長会談で検討が進められるものと承知いたしておるわけでございまして、そうした公党間の検討の結果を踏まえまして私どもとしては適切に対処していかなきゃならぬ、こう考えておる次第でございます。
○井上計君 文部大臣、御努力を大いに期待いたしておりますから、よろしくお願いをいたします。 実は私の質問時間が、非常に明確に、簡単にお答えいただきましたから少し余っていますので、あと総括質問のときに大蔵省にお伺いしたいと思っておったんですが、今お伺いしておきたいと思います。 今衆議院で審議されておりますところの共済年金法の改正の中で所得制限のことであります。従来、前年の年金以外の給与所得が六百万円を超えて年金額が百二十万円以上の者に対する年金については、百二十万円を超える部分の二分の一を支給する、現行はこれであります。これも五十五年の改正でありますが、私は五十三年から当院予算委員会でこの年金等の問題について随分と発言をしてまいりました。その結果だとは言いませんけれども、五十五年からこのように実は改められておる。そこで、今回の改正案の中でさらにこれが、他の公的被用者年金制度の被保険者等となった場合、その者の年金以外の給与所得の額が一定額以上のときは、加算年金及び加給年金を除いた退職共済年金の一部を支給停止をするということに変わっておりますが、伺いますと、この具体的な数字は政令だそうでありますが、どのようにお考えでありますか。総括質問でお伺いするつもりでありましたが、時間も余ったので、総括質問の時間が短いので今お伺いしたいと思いますが、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 担当の審議官が参っておりませんので、締め総でお答えする予定のところ、私から説明させていただきたいと思います。 今回の共済年金改正法案においては、退職共済年金等の受給権者が再就職して厚生年金の被保険者等となった場合には、政令で定めるところにより退職共済年金の一部を支給停止することとしているという先ほどのお話でございますが、この場合の支給停止の割合は、国会議員を含めて、その者の再就職後の給与所得と共済年金の合算額が国家公務員の標準的な給与と均衡がとれ合よう定めることとしており、具体的には所得が低い者は年金の支給停止を少なくし、高所得者については年金の大部分が支給停止されるような仕組みを考えている、こういうことでございます。
○井上計君 とすると、今お答えの公務員の標準賃金が基準になるということですが、それはまだ標準賃金をどこに置くかということは決まっていないんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) その具体的な金額につきましては、今後の国家公務員の標準的な給与の動向を踏まえて設定していきたいということでございます。
○井上計君 わかりました。終わります。
○木本平八郎君 きょうも続いて農水関係の質問をさしていただきたいと思うわけです。これは決して私が農水関係ばかりにねらいをつけているということじゃなくて、やはり農水が一番補助金も多いし、いろいろバラエティーも富んでいるので、補助金問題を取り上げるとすれば一番適切じゃないかと思うからなんです。そういうことで少しおつき合いいただきたいわけです。 まず、最初に農業機械の問題についてお伺いしたいんですけれども、これちょっと統計は古いんですが、昭和五十七年度の農機の補助導入関係事業の予算が二千三百億円あって、そのうち総務庁が行政監査でいろいろ調べた結果は、農機分として把握できたのは百七十一億円だったどいうふうな数字があるわけですけれども、こういう事実を農水省としてはつかんでおられるかどうか、そしてこの数字の内容ですね、その辺の御説明をまずお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(関谷俊作君) ただいま先生のお挙げになりましたのは五十七年度の数字でございますが、このときは農業機械も導入できる補助事業、これはトータルで二千三百億円程度、うち総務庁におかれまして百七十一億円、約七・四%のものが機械導入に充てられておる、こういうふうな御調査がございまして、このことについて私どもも承知しております。 なお、その後の推移でございますが、この約二千三度億円に当たります機械を導入できる補助事業、この補助予算額は逐次補助金のいわば削減によりまして圧縮されてまいりまして、六十年度予算ではこの二千三百億円に当たるものが約千七百億円になっております。一方、この中で農業機械はどのくらいになるかということでございまして、これは予算の実行の中で現地において機械導入に充てられたものがどういうふうになるかという、結果的に決まるわけでございますが、実はこの間、農水省では五十七年、六十年度、この両年度にわたりましてかなり農業機械の補助対象を圧縮しております。一口に申しますと、個別経営になじむ機械と我々称しておりますが、例えば果樹園のスピードスプレーヤー、こういうようなものになりますと、もちろん共同でも導入できますけれども、個別経営の方がふさわしい。こういうようなものとかあるいは水田で使われます自説型のコンバインとか、こういうような個別経営になじみやすいものは補助から外してむしろ融資へ持っていくんだ、こういうようなことをいたしておりますので、かっては七%ぐらいが充てられておりましたけれども、恐らく六十年度の実行ということになりますと、機械に充てられる補助金の額というものは相当減ってまいりまして、結果的には共同で導入する機械でしかもかなりパイロット性とかモデル性という、俗に言う先駆的な機械技術導入に充てられるもの、こういうものが補助対象になろうかと考えております。
○木本平八郎君 それでまた、ちょっとほかの数字なんですけれども、これは同じように総務庁が行った調査で、昭和五十四年から五十六年の間で二千三十五台中で遊休化あるいはその利用が非常に低調だというものが四百四十三台、二一・八%ですね、五分の一ほどあったということなんですけれども、こういう状況をどういうふうに農水省としてはつかんでおられますか。
○政府委員(関谷俊作君) ただいま先生のお挙げになりました数字も、総務庁の同じときのいわば調査、指摘に基づくものでございまして、二千三十五台調査しましたうち四百四十三台、二一・八%が遊休化ないし利用低調、一種の最低限の利用規模に達していなかったもの、こういうことでございます。 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 このような事態は、補助金による機械導入過程でいわば現地の利用体制を整えつつ、相当早く機械導入されたということによるものと考えておりまして、その後、この調査を受けまして、いわば農業機械の適正利用規模のようなものを私どもも出しておりますので、そういうものにいわば合格する、最低限の利用規模に達するものに限り入れるとか、その他利用面におきましては、農業機械銀行の導入とか、あるいは利用の規模を共同で拡大する、こういうような諸措置をさらに強く指導しまして、ここに指摘されましたような事態が生じませんように極力指導をしている次第でございます。
○木本平八郎君 私がお聞きしたい答弁を先にしていただいたわけですが、もう一度しつこいようですけれども今の話を繰り返しますと、同じように総務庁のそのときの調査では、農業機械の導入計画六百六十二台に対してその機械の利用面積が下限未満、だから下限未満の農業機械が二六・三%あったと、約四分の一あったということですね。つまり狭いところに大量の機械を押し込んだ、持っていった、したがって使われなかったんだというふうな調査があるわけです。 私がこれ申し上げたいのは、要するにこういう導入の仕方というのは、経済性を考えて普通の採算を考えた場合には行われ得ない。これはやはり補助金だからもらっておいて、ただではないんですけれども、補助金だから入れるというふうなことがあったのではないかと思うんです。その辺はどういうふうに受けとめておられますか。
○政府委員(関谷俊作君) 御指摘のような利用規模に達しないものが相当あったという総務庁の調査についても、私どもこの調査の結果として承知しております。その後、機械のいわば先行的導入というようなことで非常にこういう事態が出てまいりますので、六十年の四月でございますが、機械導入に関係ございます省内の五局長の連名の指導によりまして、補助事業により導入する農業機械の利用面積の審査の適正化ということで、例えば農業機械でございますと、農業機械化促進法という法律がございまして、その農業機械導入の基本方針の中で利用面積の下限というものを機械の種目別に決めております。こういうものを従来も適用しておったわけでございますが、さらに厳正に適用しまして、利用規模に達しないような機械の導入が補助事業等によってなされることのないように強く審査を適正化する、こういう指導をいたしているところでございます。
○木本平八郎君 当然、審査を厳重にしてやっておられると思うんです。これは過去もずっと続けてこられたと思いますし、今後ともやっていかれると思うんですね。そういうやっていることに対して私はやっていないというふうな攻撃をするつもりは全然ないわけです。ただ、そういうふうなやり方をしていてこういう問題が果たして将来とも根絶できるんだろうかという疑問があるわけですね。私がかつて民間におったときの経験でも、こういうはっきり言ってお役所のやられることは非常に後追いが多いんですね。多いというよりもほとんどそうなんです。問題が発生したからそれに対策を講じる。そういうことでどんどん後ろを追っかけていっているという感じで、したがって問題が次々出てくる。この次々出てくるということを私は実はここで問題にしたいわけです。 要するに、この場合も当然こういう大型の機械を入れるためには圃場整備をして大きな田んぼにするということがまず並行的に、あるいは先行しなきゃいかぬ、あるいは農家の集約ですね、そういったことが行われなきゃいけない、これはもう当然だれでもわかっていることなんです。ところが、現実には片一方ではそういう計画があるんだけれども、今こういう大型機械に補助金が出るとなればとりあえずそれを申請しちゃうというふうなことでアンバランスが起こってくる。それで、農水省がチェックされても、全国のこれだけのものをなかなかチェックできないと思うんですね。そうすると、やはり農水省としてはいろいろ計画されていて、いわゆる圃場整備をやりながらそれに追っかけるように大型機械を入れていくというふうな計画を立てられているんですけれども、現場では必ずしも——必ずしもと言うよりも、そういうことが実行されるのは非常に難しいと、そういうところにやはり補助金の宿命みたいなものがあるんじゃないかという気がするんですが、その辺はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(関谷俊作君) 特に農業機械の場合でございますが、従来の導入の仕方というものが、先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、どちらかというと農業の機械化、省力化、生産性の向上を進めるということでかなり補助事業あるいは融資も含めまして相当急テンポで入れると、入れましたところを一つのモデル的な効果を発揮させまして周辺にもさらに波及させていくと、こういうようなこともございまして、かなり先行導入がされました結果として、いろいろ総務庁の調査等でも指摘されておりますような、十分に利用されてないあるいは利用規模に達してない、こういうものが多かったということがあると思います。 このほかに、基本的にはなかなか日本の農家の場合には、兼業農家あるいはそういうほかの面で所得を持っておられる方は、多少採算に合わなくても機械を相当先に導入しまして労力を省いていくということで、機械そのものとして見ますといわゆる過剰投資というような感じになっているものがかなりございます。これは機械貧乏というような言葉まであるくらいでございますので、こういう面を考えますと、一方において、先ほど申し上げましたように補助金の面ではやはり農業機械の中で個別の経営で入れるになじむようなものはもう補助よりもむしろ融資に切りかえていくということで、五十四年、五十七年、六十年、三度にわたりまして機械関係の補助金の補助対象を相当厳しく絞りまして、現在実際上個別経営的なものが利用する場合には補助対象になかなかならないというようなところまで絞っております。 一方におきまして、これは機械全般を通じましてこういう過剰投資を避けるような意味で、いろいろ利用面の効率化を図るということで、共同利用いたしましたり生産の組織で機械を持つ、こういうこととか、さらに利用の面ではいろいろ中古の機械の市場を育成するとか、あるいは部品を調えまして部品供給やアフターケア体制を整備しまして機械の利用のいわば寿命を長くする、こういうようないろいろな対策を講じまして、何とか機械の過剰投資というようなことを避けるようにこれまでも含めて指導をやってまいりましたが、これからもこういう点がますます機械導入の面では大事なことになると考えております。
○木本平八郎君 確かにそういうふうに指導していただかなきゃいかぬと思いますけれども、同時に先ほどやはり二十何%が使われ方が不十分であるという数字を挙げましたけれども、逆に残った七〇%は有効に使われていると思うんですよね。それは全部が有効に使われているかわかりませんよ。しかし、少なくとも七〇%のうちの半分ぐらいは有効に使われているんじゃないか。例えば大型の農業機械を考えた場合に、北海道なら北海道に入れたものは非常に十分に利用されている。あるいは東北でもそうかもしれません。ところが山国の段々畑の多いようなところへ入れたのは、やはりこの二十何%の中に入っちゃう。 そこで、やはりこういう状況というのは現地が一番知っているわけですね。そうすると現地としては本当に自分の欲しいものを入れたいと思うんですね。ところが、たまたま農水省がこういう大型の河馬力以上のトラクターでなきゃだめだと、ことしはだめとなれば、しょうがないから先行投資でとりあえずはそれを入れてみようかというふうなことでむだが多いんじゃないか。したがって、私は繰り返して申し上げているように、二千三百億が仮に一県当たり百億なら百億としても、それをむしろそこにぽんと県なら県、市町村なら市町村に与えてしまって、そこである県はトラクターをやるかもしれない、あるところはもっと別の倉庫をやるかもしれないというふうな、過去はいいんですよ、過去はいいんですけれども、こういうふうな低速経済になってきてどんどん補助金が厳しくなってくると、こういう時代はそれの方がやはり有効に使えるのじゃないかという気がするんですが、農水省の立場から見てどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(関谷俊作君) 補助金のような助成措置によります機械の導入の仕方について、先生の考え方につきましては基本的には私どもも同じような考え方に立っているわけでございます。ただ、繰り返しになりますが、従来の機械の中身によりまして、例えばトラクターというようなものになりますと、これは相当日本の農家に初め入ってまいります場合にはかなりモデル的、革新的な意味を持ったわけでございますが、現状においては経営で普通に入れるもの、こういうようなことになっておりますので、こうなりますとやはり補助金ではむしろ考えない方がいい、融資対象ではないかということで、こういうものは農業改良資金でございますとかあるいは農林漁業金融公庫資金、あるいは農業近代化資金の中でしかるべく取り上げていく、こういうような方向に持っていっております。 それからまた機械の種類につきましても、確かに例えば従来は、コンバインで申しますと外国で使っておりますような大変大きい普通型コンバインを多少行政的に画一的に入れることをいわば指導したような感じの時代がございます。これは相当前でございまして、現在は御承知のように稲作で申しますと三条、四条刈りぐらいの自説型コンバインが一番農家でこなしやすい。こういうものになりますと、まさに融資対象、補助よりも融資対象の方が、お話のございましたような地元の希望によって農家の自分が欲しい、使おう、こういうような気持ちによりまして入れていく、こういうことでございますので、全体を通じまして財政的な面からの機械導入については、こういういわば農家の実態に応じた入れ方の対応ということを今後も考えていかなければいけないと思っております。
○木本平八郎君 それで、ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、最後に食糧法というか、食管法の見直しのようなことを質問したいんですけれども、私の印象では食管法というのはもう相当行き詰まっているんじゃないか。きのうもちょっと申し上げましたように、山形県のああいう問題も起こるべくして起こったというふうな感じもあるわけです、その当事者がいいとか悪いとかは別にして。私はやはりこの食管法というのは、できた時分の事情はよく知りませんけれども、ああいう戦時中から戦後にかけての時代、あれが非常に機能を発揮した時代というのは、やはり生産傾斜で産業復興とか増産至上主義とかいう時代に非常に機能を発揮して、それが高度成長時代ずっと割合に生き延びられた。ところが今、現在のこういう飽食の時代になってきた、あるいは低成長になってきたということで、いろいろな矛盾が起こってきているんじゃないかという気がするわけですね。 したがって、やはりこの際、競争原理とか市場原理あるいは経済原理のようなものを導入しないとああいう食管法自身が活力を失ってしまう、生き延びられないというか、生命力を失うんじゃないかという気がするんですね。したがって、私はこの際、やはり供給中心から消費にその中心を移す、あるいは需給、両方をにらんだ食管法のようなもの、私はこれを食糧法と名づけているわけですけれども、名前はいいんですけれども、そういう両方をにらんだものに変えていく必要があるんじゃないかというふうに考えるわけですね。 これはちょっと時間がないですから私の意見だけ先に申し上げますと、現在のままでは消費者にとって非常に、少なくとも米に関しては物すごい不満がある。私は、こういうのがやはり非常に何というんですか、政治だとか国民の感情をゆがめているというふうに受け取っているわけです。したがって、少し消費者サイドに寄らなければいけないんじゃないか。 それで一説によると、今いろいろ水田利用再編対策、私きのう農用地の再建なんということを申し上げましたけれども、そういうことを的確にやっていけば、米の値段が今トン当たり三十万円が十五万円になるのはもうこれは割合に簡単になるということを言われているわけですね。他用途米なんかもそのぐらいの値段でお考えのようですけれども、私はこれは十万円ぐらいにもなるんじゃないか、そこそこ国際競争力を持つところまでは持っていけるんじゃないかという気がするんですね。したがって、この際やはり相当痛いかもしれません、過去のいろいろなうみがありますから。しかし思い切ってここで手術してしまえば、あるいは私はこういうことが割合に簡単に達成できるんじゃないかという気がするわけですね。したがって、これは将来できるだけ、まず前提としては五年後か十年後がいっかわかりませんけれども、米を自由化するんだという大きな目標をまず設定して、そのためにはどうすればいいかということで見直していただきたいと思うわけです。 それで私は、米というのは先進国の産業ですね、これは後進国じゃないわけです。それで農業というのは知識集約型の産業なんですね。これは案外労働集約じゃないわけですね。特に、日本の場合は農薬だとか肥料だとか、あるいは農業の技術というのは非常に発達しているわけですね。体制さえ整えば日本の農業は私はまた世界一位になっちゃうと思うんですね。私は米も輸出国になるだろうと思うんですよ。米まで輸出すると、またこれ貿易摩擦の問題が起こりますけれどもね。私は二十一世紀にそれを達成することは決して不可能じゃないと思うんです。この際、成り行きに征しておいたら農業は滅びると思いますし、国民の不満はますます高じてくると。したがってこの際、農水省としては、米の自由化というか輸出国、輸出まで目指したものを検討していただく必要があるんじゃないか。私はそれはできると思うんですけれども、この辺の御答弁をいただいて私の質問を終わります。
○政府委員(石川弘君) 最初に食管の法制でございますが、委員もよく御承知のように、十七年の、まあいわば戦時統制みたいな法制ではあったわけでございますけれども、その後いろいろと事情の変化に応じまして改正をしてまいりまして、特に昭和五十六年の食管法改正は、まさしくそういう不足のものを分けるというだけではなくて、物が過剰な場合でもこれがうまく流れるように、いわば過不足両様に働くような改正をしたわけでございます。例えば、配給の統制という言葉は消えておりまして、さらに流通の規制という前提、しかも現実の問題としましても、今政府が管理しております米のほぼ半分は自主流通制度という、いわばそういう経済原則も働きやすい形で流通しているわけでございます。したがいまして、私ども今の法制の運用の中で先生が御指摘のような過不足両様に対応するような形は十分とり得ると。ここ数年、作が悪うございまして需給の奥行き等が縮んでおりましたので、なかなか弾力運用も難しい時代がございましたけれども、そういう意味で集荷なり販売なりいろいろな面でそういう弾力化の努力はしていくつもりでございます。 それからいわば米価の水準というようなことでございますが、これは昨日来御説明いたしておりますように、農業者はいろいろな努力をいたしておりますが、どうしても土地利用型の部分については土地の広がりの狭さからくる制約がございます。今季負が御指摘のような半分とか三分の一というのは、これはなかなか難しい水準。したがいまして、私ども米価を決定いたします際でも、あの法に定めております再生産確保ということが、これは農家は農家でそれぞれ努力をしなきゃいかぬわけでございますが、そういうことも考えて水準をつくらして、しかもいろいろな形で経営の努力もさしているわけでございます。 したがいまして、私どもとすれば、やはり米というのは日本の国内における農業上の生産の中でも大変大きな地位を占めますし、それから消費サイドといたしましてもこれはやはり国内で自給すると。これは昨年の七月の当院の御決議にもございますが、そういうことで、いわば先生のおっしゃる意味は競争力をつけるという意味だと思いますけれども、いわば自由化というような性質に今の段階で向いている品物ではない。したがいまして、国内の生産者の努力をお願いしながら安定的に生産し、安定的に消費者に供給するという体制でいきたいと思っております。
○木本平八郎君 終わります。
○委員長(桧垣徳太郎君) 午後四時二十分に委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。 午後四時十四分休憩 —————・————— 午後四時二十二分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 質疑に先立ち、中曽根内閣総理大臣から特に発言を求められておりますので、この際これを許します。中曽根内閣総理大臣。
○国務大臣(中曽根康弘君) これまで本特別委員会における御審議の過程で提起されました問題について政府の見解を申し述べます。 第一に、去る五月十一日における特別委員長の御見解についてであります。 これまでの法案審議の経過において、政府の考え方を申し上げてまいりました。 参議院の審議権を尊重する立場をふまえた委員長見解のご趣旨にそい誠心誠意努力いたします。 第二に、高率補助率の引下げ措置及び行革関連特例法の延長についての問題であります。 今回の高率補助率の一律引下げ措置は、昭和六十年度限りの暫定措置であります。 昭和六十一年度以降の補助率のあり方については、国・地方の役割分担・費用負担の見直し等とともに、十分検討を進めて結論を得るものとしているところであり、これをふまえて、別途適切に対処して参る所存であります。 行革関連特例法の昭和六十一年度以降の取扱いについては、本特例法の趣旨、対象となっているそれぞれの制度の状況等をもふまえて、適切に対処して参る所存であり、このままの形の延長を予定しているものではありません。 第三に、退職者医療制度についてであります。 退職者医療制度の影響については、今秋までに実態を把握するとともに、財政調整資金の有効な活用等により適切に対処いたします。 また今後の制度のあり方等については、関連制度を含め国保財政安定化のため幅広い観点からさらに検討いたします。 以上であります。
○委員長(桧垣徳太郎君) それでは、これより中曽根内閣総理大臣及び関係大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤桐操君 補助金問題に入りまする前に、まず一つお伺いいたしたいと思うのでありますが、それは、きょうの朝刊に一斉に報道されておりました国鉄再建監理委員会の亀井委員長が国鉄総裁更迭の問題について民営化、分割化の問題と絡めて態度を表明いたしております。この問題についてまず総理の御見解を承りたいと思うのであります。 今までの民営化の中ではたばこ専売、電電、これらの二つの組織が臨調答申に基づいて、民営分割という答申ではございましたけれども、政府の検討、国会における審議等を経ましてそれぞれ一社民営化ということで終わったわけでございます。しかし、今回国鉄再建監理委員長の昨日の記者会見におけるところの表明によりますれば、分割民営を国鉄当局が認めないとするならば国鉄総裁の更迭もあり得るということを表明いたしております。これは私は驚いたのでありますが、いささかこれは監理委員長の職責を越える発言ではないのか、このように実は考えるわけでございます。まさに越権行為であろうと、こう思うのでありますが、これに対するところの総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府は、法律に基づいて今審議しておりまする国鉄再建監理委員会の答申が出ましたら、これを尊策いたしまして検討の上実行いたしたいと、そう考えております。 次に、国鉄総裁の人事権は内閣にあるのでありまして、監理委員長にあるのではありません。このことは監理委員長も十分承知だと思います。 いずれにせよ、国鉄監理委員会はその法律の命ずるところに従いまして審議を行い、そして適正な結論を出すことを我々は期待しております。その内容につきまして我々が今とやかく申し上げることは、審議の最中でございますし、法律の趣旨からいたしましても、政府が介入することは現在適当でないと思いまして我々は見守っておるという状況であります。
○赤桐操君 そういたしますと、私のお伺いしたのは、監理委員長のこの発言については総理はどのようにお考えになるかと、こういうお尋ねをしたわけでございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これはもう少し調べてみませんと、新聞の言っているとおりが果たして正確であるかどうかよくわかりませんが、先ほど申し上げましたように、国鉄総裁の任免権は内閣にあるのであって監理委員長にあるのではないと、私はそういうふうに確信しており、監理委員長もそれは知っているんじゃないかと思います。 ただ、仮にもしそういうことを知らないで言ったとすれば、これは勉強不足であると、そう思います。仮に知っているとすれば、それは自分たちの職責を、要するに審議している内容あるいは今後の答申の実現について非常に熱意を持っていたために、ややもすると国鉄の内部、一部においてこれに反対するというような見解が漏れてきたりしておるので、それが気にさわってあるいはそういう発言にもしなったとすれば、言わぬでもいいことを言ったと、そう思います。
○赤桐操君 私はこの問題でそう総理と争うつもりではないのでありますけれども、少なくともこれらの人事権については国会の同意事項でもあると思うんですね。そうした中でこのような発言がみずから職権を越えた形でなされるということについては、これは任免権者として総理にも責任があるんじゃないんですか。このまま放置することはできないんじゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 実情をよく調べてみまして、そうしてもし仮に法律に違反するようなことや不当なことがあるとすれば、しかるべき筋を通して注意を喚起するのにやぶさかでございません。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、各紙一斉に報道をしているところでございまするし、特定の新聞だけが報道をしたわけではないのでありまして、しかも昨日の記者会見で正式にこれは発表されておる、こういう状況でありまして、これはひとつ実情を速やかに調査の上御処置を願いたい、以上申し上げておきたいと思います。 それでは、私は今回の補助金一括法案について質問に入りたいと思います。 五月十一日の総括質問の再開に当たりまして、委員長見解が明らかにされました。これは委員長見解とはなっておりまするけれども、各党の了解の上に委員長見解としてまとめ上げられたものであると思います。したがいまして、委員長見解の重要性、さらにまた各党が賛成をしてつくり上げられたものであるという点からいたしましても、これは大変政府といたしましても重要かつ尊重をしていかなきゃならぬ立場にあろうと思います。そういう意味合いから、ただいま総理の御発言で委員長見解に対して尊重をされるということを大前提とした御発言がございましたので大変結構だったと思いますが、以下、お述べになられた問題の中で若干気にかかる幾つかの問題点がございまするので、これをただしてまいりたいと思います。 委員長見解では、「参議院としての審議権を確保する上で、このような多くの行政分野にわたる補助金を一括法とすることの問題点」ということで指摘をされております。この点について、委員長見解の趣旨に沿い誠心誠意努力をされるという御答弁でございましたけれども、具体的にはどういうことになるのでありましょうか。
○国務大臣(竹下登君) 委員長見解、今お述べになりましたように「このような多くの行政分野にわたる補助金を一括法とすることの問題点」、これが一つでございます。で、これにつきましては、これまでの法案審議の過程におきましていろいろ申し上げてまいりました。が、立法技術上の問題それから法案提出時期の問題、それらに係る難しい内容を含んでおるわけでございますが、参議院の審議椎を尊重する観点から、国権の最高機関たるハウスに対して行政府が何ができるか、そういうことを積極的に取り組んでいかなければならない課題であるというふうに受けとめております。したがって、この趣旨に沿って誠心誠意努力をしてまいりたい、まずこのように申し上げておきます。
○赤桐操君 総理の御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣が申し述べたと同じことでございますが、一括処理という考え方は、ここでも御答弁申し上げましたように、財政処理という共通目的、共通性格を持っておると、そういう意味においてお願いを申し上げた次第であり、かつまた審議に関しては院でお決めいただくと、そういうことであると申し上げてきたとおりでございます。しかし、ただいまここでお答え申し上げましたように、いろいろ御論議もあり、与野党いろいろな御意見もありましたので、それらのお考えをよく検討いたしまして政府としては適切な処理をすべきである、研究さしていただきたいと、そう思っておる次第であります。
○赤桐操君 四月十七日の本会議で私は、この法案の趣旨説明に対する代表質問で、冒頭に五十九本の改正法案を一括したことの矛盾をただしたところでございますが、これに対する総理の御答弁については、 このような法案の形で提案いたしましたのは、いずれも次の点で共通の趣旨、目的を有するからでございます。第一は、国の財政収支の改善を図る見地からとられる国の歳出の縮減に資する措置であること。第二に、財政資金の効率的使用を図るための負担、補助等の見直し措置であること。第三に、累次の臨調答申を踏まえた財政上の措置であること。立法趣旨、目的が共通の場合には、その立法趣旨を明確にし、各措置を総合的に把握する上で一括して御審議の便に供する、このように考えたものでございまして、と、これが大体総理の御答弁であったはずでございます。 私は、こういう状況の中で御答弁をいただいておるわけでありますが、この本会議での総理答弁は、委員長見解で申し上げてまいりまするというと善処すべきであるという形で出されておるわけでありまして、これはいわば先ほど冒頭に申し上げましたとおり、参議院から院の総意として意見が出されてきたわけでございまして、これをどのように総理はお受けとめになられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいまも申し上げましたように、本会議の赤桐さんの御質問に対しまして、財政処理という共通目的を持っておる、共通性格に着目してこういう処理もいたしましたと簡略に申し上げたとおりなのであります。また、院における扱い、処理の方法というものは院自体がお決めいただく、そういう形でお願いも申し上げた次第なのでございます。 ただいま委員長見解に対しまして私の所信を申し上げましたが、ここにおけるいろいろな御議論等もよく検討いたしまして、今後どういうふうにするかという問題については慎重に研究さしていただきたい、ただいま申し上げたとおりであります。
○赤桐操君 多数の多岐にわたる改正法案を一括して国会に提出することについては、これはよくないことではないのかということが委員長見解であると私は思うんですよ、結論的に。四月十七日の本会議答弁はもちろん、政府のやり方については修正すべきであるという考え方を打ち出していると思うのであります。したがって、この善処ということを少なくとも誠心誠意お受けとめいただくならば、これにこたえるという姿勢がなければならないと思うんです。したがって、私は今後はこのような一括的なやり方というものについてはこれを改めなきゃならぬという態度が表明されるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 同じような性格を持っておる諸種の案件を同一性格という点で貫いて一括処理をお願いするという例は今まで何回かあったと思います。ただ、今回の院におきまする御議論の大きな要素の中には、そう言うけれども非常に性格の違う水と油の要素があるではないかという御指摘が強くされておると、ということは度が過ぎているではないかという御指示でもある、そう私は解釈しておりまして、その辺もよく研究さして将来の我々の勉強材料として処理さしていただきたい、そう考えておる次第でございます。
○赤桐操君 重ねて伺いますが、善処をするということについて、これを素直に受けとめて善処される意思はありませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 将来の問題と受けとめまして、今回国会でいろいろ御議論になった趣旨等もよく検討を加えて、そして適切な処理を今後はいたしたい、その線に向かって努力したい、そういうことを表明申し上げる次第であります。
○赤桐操君 御答弁がどうもすっきりいたしません。大変不満でございます。 なお、委員長見解の中にはもう一つ重要な問題がございます。それは、参議院の審議権を確保するために、予算成立後の後追い審議となる法案提出時期を善処してもらいたい、これが二つ目の問題だと思います。こういうことを指摘いたしております。この点も私は十七日の本会議質問の中で、少なくとも制度改正は予算編成よりも前に完了しておく必要があるようなものについては手順、方法が逆であってはならぬということを申し述べたはずであります。これについても、総理も御記憶があろうと思うのであります。それで、これに対するところの総理答弁を今速記録で申し上げるというと、本法案は予算と表裏一体の関係にありますので、予算の円滑かつ適切な執行を期して、六十年度予算と同時に一月二十五日に国会へ提出し、予算と同時に成立することをお願いしたものでございます。衆議院におきまする審議が遅滞をいたしまして、参議院にお願いする時間が大変少なくなりましてまことに遺憾に存ずる次第でございますが、政府といたしましても、御審議には最大限の協力を申し上げたいと思う次第でございます。こういう内容の答弁をいただいております。しかし、委員長見解においては、少なくとも一月二十五日のこの提出の時期というものについては、これは適切でないということを言っているわけですね。こういうように、その提出の時期等が適切でなかったために結果的にいろいろの問題を起こしたと、参議院の審議権にまで影響を及ぼすような事態を発生したと、こういうことを指摘いたしておるわけでありまして、なるがゆえに善処すべきだと、こう言っているんですが、一月二十五日提出したからお願いをいたしましたという答弁ではこれはならぬということになりますが、この参議院における審議権確保の問題については今後どのようなお考えをお持ちになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 本会議でも御答弁申し上げましたように、予算関連の重大法案でございますから、予算と同時に提出して審議を促進したいと、そういうことで実行したわけでございますが、衆議院段階におけるいろいろな諸般の問題等もありまして、参議院における審議日数が非常に少なくなりましたことはまことに申しわけないと、そう思っておる次第でございます。 ただ、予算関連法案というものにつきまして、この前の行革特例法案みたいに秋の臨時国会で先に成立させるべきである、そういう御議論も本委員会においてよく承ったのでございますけれども、私は必ずしも、それが万全ではありましょうけれども、そうしなくてはならぬという性格のものではない。予算関連法案という場合には、予算と同時に提出してそしてこれを審議していただく。そういうことはずうっと帝国議会以来やってきたことで、予算を執行するための法律案というようなものは全部そういう性格も持っております。そういう意味におきまして、あながち臨時国会でこれをやらなきゃならぬと断定すべきものでもないと思います。しかし、より民主的という考えからすれば、あるいは事前にそういう法案は処理しておくのはよりベターであるかも知れませんけれども、しかし扱いとしてそうしなければならぬという性格のものではない、そう考えております。 これは、この大きな重要法案をまとめ、政府部内において議論の決着を見る、あるいはそのほかの諸般の手続を下するのに時間がかかった、そういう点がありまして、予算ぎりぎりまで時間がかかったというそういう性格がございましたので、そういうこともできないという理由もございました。そのような事情にあることをぜひ御理解いただきたいと思うのであります。
○赤桐操君 行革関連法案は前年の臨時国会で十分に論議がされました。今回のこの問題もまことに大きな法案であるし、多岐にわたった内容であります。これがこうした短期間の中で扱われてきているところに大きな問題があるのでありまして、私は少なくとも今の総理の御答弁では納得できません。 それでは、予算成立後の後追い審議にならないようにするための措置、善処はどのようになされることになるんですか、この点ひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは政治力をもって衆議院段階における審議を何とか促進して、参議院において十分時間があるように努力をすると。予算成立前に参議院段階へ持ち込むように努力する、そういうことは政府側において政治的に要請されていると、そういうことであると心得て努力してみたいと思うのであります。
○赤桐操君 総理は本会議答弁以来、一月二十五日予算と一緒に提出したんだから政府側はこれで十分だと、こういう御見解のようでありますが、しかしその結果が混乱しておるわけです。衆議院の方は衆議院の方の事情があって審議が長引いたと思うのであります。したがって、これはやはり衆参両院それぞれの事情の中で審議が進められるわけでありまするから、この経過を考えて、少なくとも、この次はこうしたようなことにならないような形がとられるべきだというのが普通の考え方だと思います。一月二十五日でなされた今回の措置については、時期的にもまずいと、これが参議院の全体の各党の合意であると言っても過言でないわけでありまするから、少なくとも総理はこれに対しては謙虚な姿勢で御答弁をいただくべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 参議院におきまして審議月数がこのように少なくなり、事後追いというような形になりましたことは甚だ遺憾でございまして、今後はできるだけこういう事態を起こさないように努力してまいるべきものと考えております。
○赤桐操君 大体、余りすっきりとした御答弁でないことは残念でございますが、いずれにいたしましても、この特別委員会を通じまして私どもは、参議院全体の意向として後追い審議というような形は絶対あってならないということの大きな一つの論議の内容であった、椎であったと思うわけでありまして、このことはひとつ政府もしっかりと腹に据えていただきまして、今後予算と改正法案とがずれ込むようなことのないように、これはまた、そういうことを起こさないように責任を持ってひとつ処置をしていただきたいと思います。総理の御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) できるだけ努力をいたして御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
○赤桐操君 次に、高率補助の一律引き下げの特例と行革特例法の一年延長について、ともに六十年度限りの措置であるという答弁が政府側からもよくなされておりましたし、ただいまはまた総理から御発言がございました。しかし、どうも私どもにいたしまするというと、それですかっとしないものがあるのであります。 そこで重ねてひとつ、くどいようでありますが締めくくり総括でもございますので、もう一度念のために申し上げますが、六十一年度以降の延長はないと、こういうように断言していただけますか。総理、大蔵、厚生、自治、各大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) あくまでもこれは暫定措置であります。したがって、六十一年度以降の補助率のあり方につきましては、国、地方の役割分担、費用負担の見直し等とともに十分検討を進めて結論を得るものとしておるところでございます。それがたびたび御指摘いただきました三大臣の覚書等がその証明であります。
○国務大臣(増岡博之君) ただいま大蔵大臣からお話がございましたように、本年度限りの措置でございますので、その後のことにつきましてはこれから検討をいたすわけでございます。
○国務大臣(古屋亨君) 昭和六十一年度以降の補助、負担のあり方につきましては、昭和六十年におきまして国と地方との間の役割分担、費用負担の見直しとともに政府部内で改めて検討を進める。一年以内に結論を得るように努力をいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 各大臣が申し上げたとおりでございまして、六十一年度以降の問題につきましては改めて各関係大臣におきまして協議して検討いたすと、そういうことにいたしたいと思います。
○赤桐操君 六十一年度以降、改めてということでありまして、いずれもこれは暫定、そして六十年度限りであるということでありまするけれども、その御答弁の中にはいずれも三省協議の問題、三大臣の申し合わせの問題が入っておりますが、このことはある程度延長の含みを持たせた言い方ではないかと常に私どもはひっかかるわけでありますが、この点について大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) あくまでもこの一年の暫定措置であります。したがって、予算の単年度主義というものが一つ存在しておりますが、六十一年度の問題につきましては、三大臣合意を含め検討をして予算編成時に対応すべき問題であります。
○赤桐操君 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案、これについての延長はないということは今の御答弁でわかりました。しかし問題なのは、次の問題なんですよ。高率補助切り下げというこの法律の内容、いわゆる国の負担を地方に転嫁することを延長することは、これは再びやらないという約束をしていただけるかどうか、このことなんですよ、伺いたいことは。
○国務大臣(竹下登君) 国の負担の転嫁という角度からではなく、業務分担そして費用負担のあり方、こういうことから検討をさしていただきたいと考えます。
○赤桐操君 私はやはり言葉のすれ違いで物をいろいろ解決することはできないと思うんです。現実に地方自治体は今回の問題でどれほど大騒ぎしたか。大きな問題を招来したと思うんです。明確に私は転嫁だと思うんです。そして地方それぞれが今回のこの処置についてはかたずをのんでその結果を見守っていると思います。厚生大臣、自治大臣の御答弁もいただきたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) 今後、十二月から一年間をかけて協議をいたすわけでございますけれども、厚生大臣といたしましては、その間にありまして福祉の実質的な水準が保たれるよう、そういう腰椎えで対処してまいりたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 六十年における検討の場合におきましては、行政の果たすべき役割、国と地方との間の機能分担の見直し等を行いまして、地方自治の確立と地方財政の健全化を図る方向で対処してまいりたいと思います。
○赤桐操君 私は率直に申し上げますが、野党各党が強く要請をして今日まで来ている、延長するなど、今年限りに抑えるということは、私が前段で申し上げた地方への犠牲のしわ寄せということであってはならない、転嫁をしてはならぬ、こういうやり方はやめなさいということであると思うんです。先般の、参考人をお招きして私どもがお伺いした際におきましても、参考人の意見聴取の中におきましては、一年限りの緊急避難にしてもらいたい、こういうことを切実に訴えておられました。どの参考人もそういうことを言っておられた。これは大臣もお聞き及びになっていると思うんです。高率補助の切り下げは少なくとも六十一年度以降もとに戻す、そして延長しないんだという約束をしてもらうところまで御答弁をいただかないというと、暫定、ことし一年限りでありますということは残念ながら実がないことになってくるように私は思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど来お答えをいたしておりますが、確かに赤桐さんも御理解をいただいたのは、このままの法律の単純延長はないということはわかったと、こういうふうな御感触のように受けとめました。確かに、この法律の組み立てを見てみますと、中身には恒久化された点もございます。そしてまた、具体的にこれを考えてみましても、例えば特例措置の中におきますところの厚生年金、共済年金、国庫負担の減額措置あるいは児童手当にかかわる特例措置等それぞれ六十一年度から制度自体の改革の実施が予定されておるということになりますと、この法律の中で、そのまま赤桐さんの言葉を使って状態を延長するということは、これは問題があろうというふうに考えます。 それからまた、具体的に申しますと、四十人学級等々六十一年度以降の取り扱いにつきましては、行革関連特例法全体としての今後の取り扱いとまた制度のあり方等を総合的に検討する中で結論を得ていかなきゃならぬ部分もあろうというふうに思うわけであります。そういうことを個々にわたって洗い直しをいたしまして、そしてこの六十一年度以降の取り扱いにつきましては三省で協議し、まさに国と地方の役割分担、費用負担のあり方という角度からこれに対する答えを出さなければならないと、このように考えております。
○赤桐操君 大蔵大臣の御答弁でも言われておりますが、三省協議でいろいろこれからの問題を御討議いただくことは、これは行政府の立場でありますから、私どもはどうのこうの申し上げる筋合いではございません。ただ、この協議そのものに対して、少なくとも衆参両院の論議の中で出てきた結論は、補助率の引き下げによる地方に対する犠牲のしわ寄せ、転嫁はしてはならぬということが国会側の方の意思の一つの大きな表現であったのではないかと思うんです。これは、例えば衆議院における附帯決議などにおいてもこのことが述べられている。参議院の論議の中では、先ほどの一般質問の中でも引き続いて各党から言われておる。こういう状況であるわけでありまして、この枠については少なくとも厳しく受けとめてもらわなきゃならぬ。この意思を無視して三者協議というものは存在しないと私は考えるのでございます。これが国会の意思であると、こういうように踏まえられるならば、少なくとも蔵相としても一定の限界を考えた御判断が出てくると思いますが、この点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これは本院に限って振り返ってみましても、本会議の趣旨説明そして赤桐さんの質疑から始まりまして、今の赤桐さんのまた総括締めくくりの質疑に至りますまで、私も約五十日間、そういう趣旨のお話は、しかもきちんとこの席で聞かしていただきました。したがって、その意のあるところは私なりには十分消化し尽くしておるつもりでございます。それらの国会の御意見等を念頭に置かずして六十一年以後の問題に対応する、そういう恐れ多いことは全く考えておりません。
○赤桐操君 そうすると、この意思を無視して三者協議を行うということはあり得ないと確認してよろしいですね。
○国務大臣(竹下登君) 国会でこのような意見を絶えず聞かされておったということは十分念頭に置いて対応してまいります。
○赤桐操君 いろいろ私も申し上げてまいりましたけれども、結局国会の方としては、いろいろと衆議院の方における附帯決議あるいは衆議院における法案の修正等が行われた中で参議院は検討を続けてまいりましたけれども、附帯決議について私どもは少なくとも衆議院でもこうであるし参議院でもこうであるということを申し上げれば、大臣はこれに対して今の御答弁のような形で体をかわされる。しかし一方、生活保護費を現行法に従って支払っていくべきではないかという私の当初の主張に対しては、それは衆議院におけるところの修正決議等を踏まえて大蔵省を中心とする答弁がなされてきたはずであります。これはやはり私は大変矛盾があると思うんですね、答弁に。この点はいかがお考えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 赤桐さんの御意見というのは、現行法によるところの補助率があるではないか、したがって本法律の国会における意思決定が行われるまでの間は現行法においての予算執行をすべきでないか、こういう御趣旨の御意見であったというふうに理解をいたしております。 私どもは国会の意思決定というものを今、期待権という言葉はもうやめますが、期待をしておるという状態にございます、その意思決定の決まる前に執行をするということはいかがかと存じて差し控えさしていただいております、こういう答弁で今日来たわけでございます。確かにこの問題については、確たる財政法上かくすべきであるという規定はございませんので、結局はこれは選択、判断の問題になろうかというふうに私も議論を積み重ねるうちに考えてまいりました。が、仮に赤桐さんがそれじゃこれでずうっと来年の三月までの間、そこまででないにしても、ずっと延びた場合この状態を続けることができるかと、こういう御質問に対しては、それはその時点でまた判断すべきでございましょうというふうにも申し上げてまいりました。そしていま一つ、これは一回だけ申し上げましたが、いわゆる現行の補助率に返した予算修正は院の意思としては否決されておるということも私どもはやはり重大に受けとめる一つのポイントではなかろうか、このように考えてひたすら御審議が進んでいくのをこいねがって、今もなおこいねがっておる、こういうことであります。
○赤桐操君 大蔵大臣の御答弁は終始一貫そういう御答弁でありますが、形式的にはこの法案の延長はないと、内容的には補助率引き下げの措置は六十年度限りだと、こういうようになるわけでありまして、この点は確認をしておきたいと思います。 それで、問題はこれからの問題でありますが、国の負担率を五十九年度以前の段階にこれは我々は当然それがなくなれば戻すべきだという考えを持っておりますけれども、この点については私どもの考え方をひとつきちっと受けとめていただきたいと思うのでありをする。そして、私どもが今地方に転嫁してはならないということ、これについては全国から私ども自身も各県の自治体の長やあるいは各市町村団体からも厳しく注文を受けましてやってまいりました。そうした中で、我々も実は国会でこういう審議の過程にあるのでということで、それぞれ協力を求めてきた経緯もございます。 そういう中で感ずることは、一年限りだからという形をみんな思っているんです。それをもし形式はともかく、内容的にこれが延長されるような事態が発生することになれば、これはそう簡単にいかなくなる。私どもが申し上げている地方への犠牲のしわ寄せ、転嫁、これについてはこれはあってはならぬと、これを今回のこの問題の中で一番私どもは強く主張してきているわけでありまするから、財政当局として形式的にこの法案を通せばよい、延長しなければこれはよろしい、こういう形の安易な考え方で、形式だけは別にして中身はとるという考え方をもしとられるとするならば、これは大変な大きな誤りになるということを指摘いたしたいと思うわけであります。そういう意味でもう一遍ひとつ大蔵大臣、自治大臣、厚生大臣の御答弁を願いたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) これは赤桐さんの御指摘、これの単純延長というような法律を出すことなく、別途な形式における法律であったならば内容が等しいものを出しても厚顔無礼な態度で堂々と国会に出てくるようなことがあってはならないぞという注意も含めた御指摘であろうと思っておりますが、私どもも、この委員会で議論されたものを正確に整理いたしまして、あくまでも国と地方との役割分担と費用負担のあり方という観点から議論を積み上げて、そして六十一年度に対応をすべきものであるという考え方をもって当たりたいと存じております。
○国務大臣(古屋亨君) 先ほども先生に申し述べでありますが、自治省といたしましては、これが検討に当たりましては、地方制度調査会等の意見もありましたような点をよく踏まえまして、国と地方との間における機能分担、費用負担のあり方ということにつきまして、今申し上げました地方自律の観点からいたしまして十分こういう立場を中心にして対処してまいりたいと思っております。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど厚生大臣の立場を申し上げましたけれども、先生御指摘の点につきましても十分念頭に置きながら対処してまいりたいと思います。
○赤桐操君 今回のこの問題をめぐりまして大分大蔵当局も大変な動きを示したようでありますが、私のところへもいろいろの情報が入っておりますが、いずれにいたしましても全国的にも大変な問題になりましたし、本院も非常に大きな迷惑を受けました。 そこで、補助金の整理特例法案関連予算の執行についての文書が出されておるわけでありますが、大蔵大臣はこれに対して誠実に実行していただくことができるかどうか、まずひとつその決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは資料として提出いたしましたように誠実に実行してまいりたい、このように考えております。
○赤桐操君 私どもといたしましては、申し上げてまいりましたように、全国からも相当の実は注目された中で今審議を続けているわけでありますが、この法案に対しては私どもも大変な責任を今負う形となっております。この予算の執行をどのように確認をしていくかということは大変重大な問題でございまして、私どもはその責任上少なくとも予算執行の監督、監視をしていかなきゃならぬ、このように今考えておるものでございます。 そこで、この予算執行の状況を六十年度が終了するまで毎月御報告を願いたいと思っているのであります。この点について、この特別委員会は会期が終了すれば当然解散となると思いますが、その後は現在の委員長初め私ども理事もおるわけでありまするから、ここへひとつ資料の提出を願いたいと思っております。この点ひとつ大蔵大臣にお約束をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今、赤桐さんの御要求になります資料につきましては、政府部内においてどんな資料が用意できるか等を十分に検討して御趣旨に沿ってまいりたいというふうに考えます。例えば九万カ所、箇所があるわけでありますから、その整理の仕方とかいうものについての勉強も含めまして趣旨に沿っていきたいという意味で申し上げたわけであります。
○赤桐操君 大臣の御答弁はわかりましたが、率直に申し上げますが、これはずさんなものであっては困りまするし、責任をきちっとひとつ明らかにしたものでないと困りますので、この点、大前提としてお願いをしておきたいと思います。 それでは、今の大臣の御答弁もございましたので、私の方の希望を申し上げたいと思いますが、具体的に報告していただくべき内容をこの場でひとつお願いをしておきたいと思います。 公共事業予算については、いただいてありまする報告書の二兆六百億円分がどのように進捗をしているのか、この点についてひとつお願いをしたい。さらに、今後これに加えて執行される公共事業予算の進捗状況、これが一つであります。 次に、公共事業の補助率引き下げ対象事業について、法案成立までの積雪寒冷地域等について特例扱いの進捗状況、法案成立後の該当地域別、事業別の予算執行の進行の状況をお願いしたい。また、積寒地域以外の補助率引き下げ分につきましては、法案成立後の公共事業別の準備行為、予算執行の進行の状況、これをお願いいたしたいと思います。次に、非公共事業予算についてでありますが、政府が地方公共団体の資金繰りとして資金運用部資金の短期融資制度で救済措置をとった状況の報告、都道府県及び市町村で融資を受けてしたところの県名、市町村名、融資額、融資条件、これらについての御報告を願いたい。 次に寸非公共事業予算の高率補助対象経費別の支払いストップ状況の明細な報告、過去三カ年間の上半期各月の国庫の支払い額と対比して地方への迷惑度を明らかにしてもらいたい。 次に、法案成立後の非公共事業予算の補助対象経費別の毎月の国庫の支払い状況の明細な報告、過去三カ年間の各月の支払い額と対比して増減を明らかにしていただきたい。これは全国各地が欲しいのでありますが、これはいろいろの行政の方の事務的な関係もあると思いますので、どの程度にするかは先ほどの大臣の御答弁もございましたので、それらとあわせてひとつ御相談をしていきたい、こう思っております。 次に、国庫支出金の前倒し執行について、補助対象経費別の各月ごとの前倒し執行状況、これをひとつお願いしたいと思います。 自治省関係といたしましては、大蔵省による支払いストップによって都道府県、市町村が受けた影響調査報告。次に、全国の全部の市ごとに、非公共事業の事業予算の支払いストップにどう対処したかの調査報告、この範囲については後でいろいろ御相談したいと思いますが、いずれにいたしましても、これらの立てかえのやりくりとこれに伴う負担の状況等について詳細な報告をお願いいたしたい、このように実は考えるものでございますが、これでよろしゅうございますか。
○国務大臣(竹下登君) 今の問題全部検討をいたしてみましたが、これは先ほど申しましたように、いかなる資料が用意できるか、これも検討、相談さしていただいて、その上で御趣旨に沿っていく努力をしてまいります。例示として何分九万カ所もあるものですからと、こういうことを申し上げたわけでありますので、提出方法、そして中身とでも申しますか、具体的手順等につきましては私どもとしてもこれから検討し、また相談さしていただいた上で、おのずから事務量にも限度もございましょうし、それから一例で申し上げますと、対象外のものと対象内のものと執行の場合は一緒になってしまうというような点もございますので、それからあるいは交付税等の、四月分交付税一二・五%増を出しておりますから、結果として資金運用部資金の用立てはあるいはないかというふうな期待感も持っておりますし、そういうことがございますので、それらも含めて相談をしながら誠心誠意努力するということでお答えの限界にさしていただきたいと存じます。
○赤桐操君 ただいまの私の要望はこれからの実は基礎になるものでございます、私どもにとりましては。また、私どもは議員としてこれからの任務を果たす上に必要な資料でありますから、誠心誠意ひとつお願いをいたしたいと思います。以上、要望しておきます。 続いて、私は最後に退職者医療関係の問題について御質問申し上げたいと思います。 先ほどの一般質問の中でも引き続いて出ておりました。今回の本院における論議の中では、この問題は極めて大きな問題として各党とも扱ってきておるところでございます。全国の町村会の動きによりまするというと、今回のこの退職者医療によるいわゆる財源不足の問題が町村の段階で多額なものに上ってきている。町村会の報告等によりますれば、その額は実に全国で五百億に上る、さらにまた市が入るならば莫大なものになるであろう、こういうことまで言われてきております。今回のこの改正によりまして、国保財政が非常に悪化を結果的に招くことになってきている。これは少なくとも悪化させないということを前提とした改正であったはずであるのに、これでは困る。特に、それは見込み違いが大きな原因ではないかということがそれぞれ地方自治体の言い分となっております。この点についてひとつ確たる御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) 私どもが退職者医療制度を導入するに当たりましては、各種の統計に基づきまして可能な限り正確に推計したのでありますが、ただ統計上の制約などにより予測し得ない見込みと実績との乖離が生じた面もあったのではないかと考えておるところでございます。いずれにいたしましても、厚生省といたしましては当初見込みを下回っていることによる市町村国保への財政影響のいかんについて現在実態を調査中でありまして、その結果を踏まえて国保財政の安定的な運営を図る上で所要の方策を幅広く検討してまいる所存でございます。
○赤桐操君 その調査はいつごろ終わるんですか。
○国務大臣(増岡博之君) 六月末まで調査が行われるわけでございますけれども、その集計その他に若干の時間を要するかと思います。
○赤桐操君 地方によりますれば、少なくとも対象者数において六割程度にとどまり、いろいろと掘り起こしをしようと思ってもこれ以上は伸びない、限界であるといって報道されているわけでありまして、こういう状況になりますれば、少なくともこれはもう取り急いで処置をしなければならぬ段階に来ていると思うのであります。調査の結果はいずれにいたしましてもわかると思いますが、これは見込み違いからきているものであることは間違いないわけでありまして、国がこれに対する負担をするということを明確にされるべきだと思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(増岡博之君) 現在、国保の財政上大きなウエートを占めますものは保険料の問題であり、医療費の適正化であり、さらには今回の退職者医療制度の影響があるわけでございますので、それぞれの面につきましてできるだけ早く調査の上結論を出して、その影響によるものにつきましては先ほど申し上げましたような幅広い対策を検討してまいりたいと思います。
○赤桐操君 これは何といいましても結局は大蔵大臣の御所見を伺わなきゃならぬと思いますが、今申し上げてまいりました全国の情勢等を見まするというと、市町村団体が受けておりまする影響はこれこそ大変なものになろうと思うのでありますが、国がこれはいずれにしても責任を負うという筋合いのものだと私は思うんです。対象人員実に四百万人、これを見込み違いをして実はその六割程度しか、これはもう現状どうにもならぬという状況になってきているようでありまするし、基本においてもう食い違いがあるわけでありまするから、これに対するところの措置は国が当然行うべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) まずはやはり厚生省の調査待ち、こういうことになろうかと思っております。その実態が恐らく個々の市町村によっていろいろ違う点もあろうかと思います。これは私の領域ではございませんが、そういう調査をいただいて実態を把握された上で、厚生当局として財政調整資金の有効な活用等で適切に対処しつつ、なおこの全体的な安定化のための措置としては幅広い措置が検討されるであろう。その際、私どもは十分その実態調査に基づいた厚生省の考え方に対して協議に応じなければならない課題だという考え方であります。
○赤桐操君 最後に、このことについてはぜひひとつ国において責任を負って善処されることを要望いたしまして、質問を終わります。
○中野明君 この法律案もいよいよ大詰めを迎えておるわけでありますが、まず先ほど総理がお答えになっておりましたが、私も今回のこの法律案の提出の仕方、手法について重大な疑問を持っておる一人でございます。 民主主義の大原則からいきますと、この種の法律というものは、行革国会のようにまず臨時国会で審議をしてそして予算編成に当たられる、これが大原則であろうと思います。そしてその次に、総理もおっしゃっておりましたが、予算関連法案というのはずっと出してきているということですから、それはそれなりに私は認めます。しかしながら、国会というものは委員会中心の審議でありますので、こういう九省庁、五十九法律、六十六項目にわたるのを一括してお出しになるというのは、これはもう異例中の異例といいますか、もう国会の審議権を無視しているのではないかということ。 ですから、この法律案の中身を見ますと、あえて総理が先ほど答弁なさっておる、いわゆる内容を財政的な立場で一本にしたと、こうおっしゃっているんですが、まず高率の補助金のカット、それから行革特例法の一年の延長、そして同化定着したものの一般財源化、こういうふうに大きく三つにはまず分けられると思います。そうしたら、やはり国会の審議ということをお考えになれば、三つにお分けになって出されるというのが一番許されるぎりぎりの線かなというふうに私どもは考えるわけですが、総理は民主主義の大原則から見たらちょっとどうかなというようなニュアンスで物をおっしゃっていましたが、この点、私が今申し上げたいろいろの手法がありますが、総理のお考えをおっしゃってください。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点につきましては中野委員に既にもう御答弁申し上げている次第でございますが、委員長の御趣旨、御指摘あるいは委員会における御議論等もよく検討いたしまして、将来の課題として研究さしていただきたいと思います。
○中野明君 今後こういう手法のやり方というのはぜひ僕は考えていただきたい、こういうことはもうやらない、やるのならば現在あるように各省庁別の法律にするか、それが余り数が多いということになると、今申し上げたような分類の仕方をして出していただくのが国会の審議というものを考えた場合一番行政府として正しいといいますか、親切といいますか、そういう出し方と違うだろうか。やはり立法府と行政府というのは、それこそ国と地方の関係じゃないですけれども、車の両輪としてお互いに理解し、協力し合っていかなければならないんです。それを一方的に予算関連で財政的な面が一致しているからというので一括してこういうのを、しかもいわゆる予算関連法案としてお出しになるという点については、ぜひ今後はこういうことはやらないというふうに私は総理にお約束してもらいたいなと、こういう気持ちで申し上げているわけです。 予算関連法案を出すなとかそんなことではありません、これはもう現在も出ているわけですから。そして各省庁別には大抵予算関連法案でもそれ相当の審議が行われてスムーズにいっているわけですから、今回なぜこんなに遅くなって、そして我が参議院におきましてもこれ大変な迷惑をこうむっているわけですね。こういうことになることを恐らく、総理も大蔵大臣も長年の国会の経験春ですから、あらかじめ想定できたんじゃないかなと、こういうふうに私は思うわけです。その点について再度総理からもう一度お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 委員会の御議論等もよく研究し、将来の課題として検討さしていただきたいと思います。
○中野明君 どうか私どもが申し上げていることをよく検討してみていただきたいと思います。 それから今回の高率補助金の一括一律削減というのは国が一方的に地方へツケを回すものである、ツケ回しであるということで参考人も口をそろえて言っております。後藤田長官もある意味ではそういうことが言えないでもないというようなことを当委員会でもおっしゃっております。それで、こういうやり方というものはもう臨調が言っております答申の精神には私はそぐわないやり方だ。臨調というのは、国と地方の機能の分担、財源配分の見直しといった行革本来のことを指摘して、要望をしていると思います。ですから、話し合いはもう三大臣だけで、一方的なこういうツケ回しというのは非常に問題があるということはもうずっと指摘をされてきたところでございます。ですから、今後はこういうやり方はもうやろうとしてもできないのではないかと私思いますが、大蔵大臣、提案者として今回のこれ、やむを得ぬぎりぎりの選択だったということでしょうけれども、こういうやり方はよろしくないということについて大臣としてお考えをおっしゃってください。
○国務大臣(竹下登君) 今、中野さんから御指摘なさいましたように、役割分担と費用負担のあり方というところから議論に入ってきたことは事実であります。ただ、その以前に概算要求基準というのを設けましたので、それとが一緒になってしまいまして、まず補助率ありきで役割分担が後追いをして議論されたじゃないかという印象を与えたと私も思います。しかし、私どもはそれを整然といわゆる役割分担と費用負担のあり方から入ってきて、結果としてこのような措置になっていくという方向をとるような部内でも努力をしました。しかし、その結論が、要するに一つ一つにわたる結論が出ないままに、では一年の暫定というところでこれの費用負担のあり方を合意したわけでありますので、この国会でこれだけの御議論をいただきましたので、やはりその議論を踏まえながらまずは費用負担のあり方、役割分担の角度から今後の検討、勉強が進んでいかなかったら、私どももこれだけ誠意を尽くしておこたえしてきた努力も水泡に帰すではないかというような気持ちで今の御意見にこたえていきたいと思います。
○中野明君 それで、もう今明日にもこの法律案は参議院を通過成立する見通しになってきておるわけでございますが、地方公共団体に迷惑をかけた、いわゆる生活保護費等一千七百三十二億円、先日御答弁がありましたが、これを立てかえてもらっているわけです。それに対して私どもは利子を面倒見てあげるべきじゃないかという意見を出しましたが、それも先日の大蔵大臣の見解で、利子負担と財政負担をなくすための努力をこの法律案が成立したら速やかにいたしましょうということで、私どもも一応一歩前進と受けとめておるわけでございますが、大体例えていえば、あした通るとして大蔵省としてはいつごろ地方に前倒し的にお金を渡せるめどを持っておられるか。日時的に見当がついたらこの席でおっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 技術的な問題ですので私の方からお答え申し上げますが、通例ですと交付申請がございましてから生活保護費の場合は七日ぐらい日がかかるわけでございますが、今回の場合はいろいろ準備をしておりますので、法案が成立いたしましたらできるだけ速やかに交付決定し、資金が渡るようにしたいというふうに考えております。
○中野明君 そうすると決定してから何日ぐらい、はっきり日にちでおっしゃっていただけませんか。何日ぐらいかかると見ていいですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 約一週間通例ですとかかりますが、四日ぐらいでやりたいと考えております。
○中野明君 地方は本当に困っておるわけでございますので、可及的速やかに、一時間でも早うにしてあげていただきたいと思います。 それで、その次の問題でございますが、三大臣覚書の第二項、これがもう非常にたびたび問題になったわけですが、さて、これ六十一年度の問題を政府部内で検討を進めて一年以内に結論と、こういうことになっているわけですが、この時期と手順、これをまず総理大臣に一度も聞いておりませんのでお聞きしたいんですが、総理大臣としてはどういうふうな相談の仕方を政府部内ですることが一番妥当だ、好ましい、こういうふうに思っておられるか、ちょっと御見解をおっしゃっていただきたいです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一括につきましては、性格の差がかなり強過ぎるではないか、度が過ぎるではないかという御議論が当委員会において野党側から強調されたと思います。そういう点等も踏まえましてよく検討課題として研究させていただきたいと思う次第でございます。
○中野明君 総理、地方の問題については地方制度調査会、あるいは地方六団体それから社会保障制度審議会ですか、こういうところが日ごろから熱心にそのことについて専門的に議論をなさり、いろいろ答申も方針も出してきておられるわけなんですが、そういうところと相談をぜひするべきだ、私はこう思うんですが、総理はいかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 法律等で定められた手続はこれを経由して国会にしかるべく提出すべきものであると思います。また、審議会がいろいろ内容的に対立した、もしそういうような場合、これは政府が裁量で決めさせていただく、そういうことになると思いますが、行政改革に関する審議会にしてもあるいは地方制度調査会にいたしましても、私は基本的にそう差があるものではないと、今回の処理につきましてはそのように考えております。
○中野明君 大蔵大臣はいかがですか。これは本当にこのままでもし地方の意見というものを正確に吸い上げていかなければ、今回で大変な地方としてはショックであったでしょう。地方制度調査会の十二月の答申はもうそれを端的に物語っているわけでありまして、それと逆のことになっちゃったわけですから、地方の期待にこたえてない法律になっているわけです。自治大臣もそれで随分苦しまれた、私はこう理解をします。ですから、これから地方制度調査会とかあるいは社会保障制度審議会ですか、そういうところの、全体というわけにはいかぬかもしれませんが、正確な意見の反映ができる場をやはりつくってそして結論を出さないと、これはことしの例がありますし、ことしのショックがありますから大変だと思いますし、地方公共団体も国の財政というものがこんな状況だということで、ある程度一年限りということでもうどう言うんですか、目をつぶったといいますか、一年限りということで渋々納得しているんじゃないかなという感じがするわけでして、そういうことを踏まえて、竹下大蔵大臣が大体これ提案者であり、将来も取りまとめのやはり中心になっていかれるんでしょうから、お考えをもう一度教えてください。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、中野さん御指摘なさいましたように、地方制度調査会から今御指摘のような御意見が出たわけでございますから、その後、それは自治省におかれまして六団体の方等に対して、いわばやむを得ざる事情の御説明をいただくだけでも大変だったと私も思います。したがって六団体、そして今おっしゃいました調査会あるいは制度審、社保審というようなのがございますが、どういう形で意見を求めるかという問題をも含めて、今の御意見の趣旨を体しながら検討をしていかなきゃならぬ課題だという問題意識は持っております。 それで、中野さんの言葉をかりて、仮にあした成立さしていただいたとする前提に立って申し上げますならば、可及的速やかに閣了はこのような形でやります、そして専門委員会とかいうような議論も出ておりましたが、具体的な検討はもう一つこうしたものをつくりますとかいうようなことをできる限り早い機会に発表できるように、これは恐らく閣議了解も得なければいかぬ問題でございますけれども、そのようにしなきゃならぬというふうに考えております。 それからもう一つは、やはり大蔵大臣はそれの中心的とおっしゃいましたが、あるいはそうでなく、官房長官とかいうようなのが本当は適切なのかというようなことも、いろいろ考え、思い悩んでおりますだけに、可能な限り国会の議論、今の御趣旨等を生かすこの検討会ができるような方向で努めてみたいと思っております。
○中野明君 厚生大臣も自治大臣もぜひこれは、ことしのような轍はもう二度とこれできないことでしょうし、お懲りになったでしょう。ずっと担当大臣でそこへ座りっ放しで大変だったと思います。えらいことに判こ押したなと思っておられるかもしれませんが、そういうことですから、よほどこれは、次の問題があるわけですから、慎重に手続だけをきちっとなさっておかないとえらいことになると、私はこう思いますので、改めて締めくくりの総括になりましたので、厚生大臣と自治大臣、この手続についてのお考え方を教えてください。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘の御趣旨をよく念頭に起きながら対処してまいりたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 今の中野先生のお話、私もそういうように思っておりまして、御意見を外しまして一生懸命に頑張ってまいります。
○中野明君 次の問題ですが、退職者医療制度の見込み違いについてであります。 総理は、先ほどの総括の冒頭でお述べになりました。非常に大きな地方自治体の問題になっております。それで、この国会で中曽根総理みずからも見込み違いということをお認めになりました。 そこで、どうするかという問題でございますが、この見込み違いによる市町村国保への影響というものは大変なものでありまして、大体全国平均で加入六五%というんですから見込み違いは三五%と、大変な見込み違いであります。それだけに、財政調整資金の活用等によって対処する、こう言われているんですが、調整資金の枠内でのやりくりということになりますと、他の国保へツケを回すというようなことになって、いずれにしても保険料の値上げは避けられないと思うんですが、厚生大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(増岡博之君) 国保は従来から高齢化に向かいまして重圧にあえいでおるわけでございます。したがいまして保険料の値上げも毎年行わざるを得ない、また医療費の適正化というものも行っていかなければならないということでございます。しかし私どもは、今回の退職者医療制度の影響に伴うものについては、できるだけそのようなはね返りがないように対処したいという考えでおるわけでございます。ただ、財政調整交付金の枠内でそれができるかどうかということでございますと、これはやはり調査の結果を見てからでないと的確なお答えはできないというふうに思うわけでございます。ただ、いかなる場合にも幅広い対策というものは今日から胸の内で考えておかなければならない。また、調査が済みました段階では早急に手が打てるようにしておかなければならないという考えております。
○中野明君 厚生省の当局に尋ねますが、昨年の十月から発足して大体半年で六百億円ぐらいとか言われています。あるいは一年間では一千二百億以上、そして医療費が上がってまいります。そういうふうなことが巷間言われておるわけですが、どういうふうな検討をしておられますか。
○政府委員(幸田正孝君) 市長会、町村会がまとめました調査の結果でございますと、市長会では、これは昭和五十九年度分でございますが、昭和五十九年十月からこの制度が発足をいたしておりますので六カ月分でございますが、全国六百五十一市で三百六十九億円の不足。それから町村分につきましては、町村会の調査でございますが、百九十六億円の不足、こういうことに相なっております。これが五十九年度の調査結果でございまして、半年分でございますが、私ども現在調査を進めていることは先ほど大臣から御答弁を何回か申し上げているとおりでございますが、市長会、町村会の調査の結果とそれほど大きな狂いはないのではないか。また、六十年度につきましては、これが平年度化をいたしまして十二カ月分ということになりますので、ただいま先生から御指摘のような数字にほぼ近いものになるのではないだろうか、こう考えておりますが、いずれにいたしましても、正確な内容につきましては現在調査をいたしている最中でございます。
○中野明君 先ほど厚生大臣は実態調査の結果をもとにということでおっしゃっているわけですが、全国市長会あるいは町村会ですか、そこの調査というものの資料を私も見せてもらいましたが、そういうところは自分の身に降りかかっていることですからうそを言っても始まりません、いずれもうすぐにはっきりすることですから。今、局長の答弁のように、大体正確なものに近いという、近いというより正確なものだとお認めになっているわけですが、そうなりますと、先ほど赤桐委員も厳しく指摘しておられましたように、総理みずからやはり国の見込み違いをお認めになった以上はどうしても国の責任できちんとすべきだ、こう思います。それには財政調整資金、現状の枠ではもうどうしようもないんじゃないか、このように思っております。ですから、大臣は幅広いというようなニュアンスで物をおっしゃっていますが、これは財政調整資金の増額ということを検討しなければもうどうにもならぬのじゃないか、私はこのように思っておりますが、厚生省からそういう要請が出た場合は、これは大蔵大臣、前向きに受けて、そして財政調整資金の増額措置等を講じるというふうにお約束をいただかないと、せっかく国はみずから責任を認めて、見込み違いを認めて——この法律成立の審議を私も随分議事録を見せていただきましたが、はっきりそう言っているわけですね、迷惑かけないと言って。ですから、その点について大蔵大臣とそして総理がここで認められたわけですから、お二方に明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) やはり一義的には、今厚生省で実態調査をきちんとしていただけるようでございますから、実態調査が把握できるのは大蔵省でなくあくまでも厚生省でございますので、厚生省で何らかの結論をお出しになって、その上で御協議に応ずるときにはこれは誠心誠意対応すべきものであると考えます。
○中野明君 総理どうでしょう、財政調整資金の枠内ではもうどうしようもないと私も思いますが、総理としてもこれの増額というものを、先日はうちの高桑委員は補正でも組みなさいというようなこともおっしゃっておったようですが、総理のお考えをおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 財政調整資金を最大限活用して迷惑のかからぬように努力してもらいたいと思います。それ以上のことが出ました場合には、実態調査を綿密にやりまして、それに対応できるような措置を大蔵省、関係各省で相談してもらいたいと思っております。
○中野明君 ぜひこれは責任を持って国の方で処置をしてもらいたい。国保税の値上げでもう小さなところは困っております。ですから、それが再びまた国保に大きな圧迫を与えるというようなことのないように、大蔵大臣、先ほどお答えいただきましたが、厚生省の方から要請が出た場合は、先ほどの答弁のように前向きに受けとめて国の責任で処置をしていただきたい、このことを重ねてお願いいたしますが、もう一度おっしゃっていただいて私の質問を終わります。
○国務大臣(竹下登君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、実態調査の結果、厚生省でいろいろなことをお考えになろうと思います。それに対しては十分真剣に対応してまいりたいと考えます。
○橋本敦君 私も、先ほど問題になりましたが、まず今日の臨調行革を含む体制の推進の過程で起こった一つの重要な問題という認識を持って見ておりますので、国鉄再建監理委員会の亀井正夫氏の発言について質問をしたいと思うのであります。 先ほど総理も、この問題については必要な調査の上しかるべき注意を含む処置をとるという御答弁があったのでありますが、まず第一に、これまで臨調あるいは行革審が国会の上にあるのではないかといったような問題も議論されたりしておったんですけれども、まさに今回の発言は、国鉄再建監理委員会が国会の上にも内閣の上にもあるという思い上がった様子が一つは象徴的に示されたのではないか。そういう意味で私は不当かつ重要な発言だと思うわけであります。 この問題について、大事に単に介入した不当な発言というだけではなくて、国鉄がみずから国鉄の中で再建の方針を考えて努力をしているそのことに、意見の違いがあるというならともかくですが、それを主張するなら総裁をやめてもらわねばならぬと言うようなことは、これはまさに言論封殺にも等しいことであるし、国鉄のみずからの再建の努力にも重大な抑圧的な状況を押しつけるものとして無視することはできないと思うのであります。そういう観点から見た場合に、国鉄みずからが再建に努力しているその問題にこういう不当な圧力的発言が加えられることについては、私は運輸大臣も一言あってしかるべきではないかと思うのでありますが、さきには総理の御答弁をいただきましたので、運輸大臣からも所見を伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(山下徳夫君) この問題につきましては、先ほど総理から御答弁になったとおりで、私も全く同じような立場をとっております。 ただ、今、私の手元に国鉄監理委員長からの真意を伝えるというメモがただいま参りまして、実は私、率直に申し上げて、けさ私もあなた方と同様に新聞を見ただけでございまして、朝からこの委員会にずっと出席いたしておりまして、会う時間がありません。したがって、早く会って確かめたいなとは思っておりましたが、今申し上げましたようにメモが参っております。 このメモの趣旨は、国鉄総裁はやめるのかという記者団の質問に対して、我々は国鉄総裁の人事についてとやかく言う立場にはない。現在、監理委員会としてはとにかく一生懸命この国鉄再建問題について再建案を作成中である。そこで、政府がこれを受けて決定したならば国鉄は国の機関である以上それに従わなきゃならぬだろうと、その時点においてそういった問題は考えるべきであると、このような趣旨であるというメモが届いております。 このメモ自体が、私は直接会っておりませんので、一言一句間違いないかとおっしゃると、これまた私もそこまで一言一句間違いないということは申し上げにくいのでございます。ただ、総理と全く同じと申し上げましたけれども、主管大臣として若干補足させていただきますならば、今申し上げましたように、その真意をまだ私確かめておりませんけれども、昨年の八月に、先生も御承知のとおり、この第二次緊急提言が監理委員会から示されております。これは臨調の線に沿って民営分割ということがはっきりとその提言には述べられておりますし、内閣といたしましてもこれを了とし、全面的に協力するということをはっきりと言っているわけであります。したがって国鉄も当然その線に沿って協力しなきゃならぬと、私もそう思っておりますし、監理委員会もそう思っていらっしゃる。しかるに、一月十日に国鉄からあのような答申と申しますか、中間的な答申が出されまして、その時点におきまして予算委員会等においても何回かあの答申の内容について、特に分割等については全く触れておらないということについてはまことに遺憾であるということを私は運輸大臣としてはっきり申し上げているのであります。 したがって、このことは監理委員会もよく御承知で、監理委員会はその後の国鉄の協力を期待し、ずっと見ておられたと思うのでございますが、そこらあたりは国鉄と監理委員会の間のことでございますから、どの程度の協力を得られたかということは私もつまびらかにはいたしておりません。しかしながら、もしも監理委員会が国鉄の協力を十分得られなかったとするならば、私は亀井委員長の気持ちがわかるような気がいたします。私が同じ立場なら、やはり全く同じだろうなと思うのでございますが、これも私の推定でございますからね。 しかしながら、きょう総理が御答弁になったように、それはそれとしても、やはり法というものがあって、ルールというものがある以上は、たとえどのようなお気持ちをお持ちでも総裁の辞任問題に触れるということは間違いであるということは私も全く同感でございますけれども、そういう気持ちがあったのかなかったのか。いずれにいたしましても、国鉄の協力を私どもも非常に大きく期待しておるわけでございますから、監理委員会も国鉄の協力を期待いたしておるわけでございますから。私は、ただここではっきり申し上げたいのは、この監理委員会の緊急提言に沿って政府もこれを子とし、協力しているのでございますから、国鉄も精いっぱいひとつ協力してもらいたいということをここで重ねて申し上げておきたいと思います。真意はさっき申し上げたとおり、このメモでもって御理解いただきたいと思います。
○橋本敦君 問題の所在を運輸大臣、若干そらされては困るのであります用意図がどうであれ、自分があたかも国鉄総裁の人事権を掌握しているがごとき発言をするということは思い上がりではないか、それ自体不当ではないかということはまずもって明確にするのは当たり前じゃないですか。もう一遍ここの部分についてはっきり言ってくださいよ。
○国務大臣(山下徳夫君) ですからそれは申し上げたじゃございませんか。それはそうであっても、法やルールの示すところに従ってきちんとしなきゃならぬという、私はさっき答弁したとおりでございます。
○橋本敦君 あなたが憤慨するのは、こっちに向かって憤慨する必要はないと思います。亀井氏に向かって憤慨すべきなんです。 それで、ここで伺いますけれども、御存じの国有鉄道法二十条では国鉄の役員になるには欠格条項が厳しく定められておりまして、物品の製造販売、工事の請負、こういうことについて国鉄と取引上密接な利害関係を有する者は役員になれない。そしてまた、これは監査委員会の委員についても同様であるということは二十二条で決められている。そこで、私はこの点に関連をして国鉄に伺いたいのでありますが、亀井さんが関係しておられる会社でありますが、住友電気工業、これが国鉄とどれくらいの額の取引関係にあるか、答弁をしてほしいのであります。
○説明員(石田勝君) お答えいたします。 住友電気工業さんとの契約につきましては、おおむね五十六年度で十億、五十七年度で十五億、五十八年度で十五億となっております。
○橋本敦君 かつて国鉄の仁杉総裁が自分の家族の関係する会社と国鉄との取引で、取引額約三千万円程度と思いますが、それで問題になっているということは記憶に新しいわけです。亀井氏は、今伺いました国鉄と毎年十億以上も取引がある住友電気工業、ここの役員で、五十七年まで代表取締役社長、五十七年六月以降今日まで会長という重職にあるわけであります。だから、そういう立場からすれば、本来国鉄とは重要な取引、利害関係がある人でありますから、国鉄法そのもので言えば当然国鉄の役員にはなれない人でありますが、国鉄再建監理委員会は残念ながらこれと同じ、国有鉄道法二十条に類するような法規定を置いていないわけですね。だから、したがって直接には関係がないということでなっているわけでありますけれども、国鉄の民営や分割ということについては、みずから取引する大きな相手である国鉄の関係では重大な利害関係がある。そういう意味で国鉄法の二十条の精神、これの本旨を類推して考えていくならば、亀井氏は今回の発言そのものが不当だということは今申し上げましたけれども、本来、国鉄の経営方針を論議する上で重要な権限を持つ国鉄再建監理委員会の委員長にはもともとふさわしくない、欠格条項に近いそういう立場の人だということを改めて私は認識せざるを得ないのであります。 したがって、この問題については、今発言の問題について議論になっておりますけれども、そういう面からいっても、亀井氏の発言については任命権者である総理としては重要な関心を持ってこの問題に対処されて、あなたが常々おっしゃる公平、公正という立場を貫くならば、今回の亀井氏の発言についてもきちっと公正な立場で処理されることが当然だと思うのでありますが、重ねてこの点について、先ほど御答弁がありましたけれども、私もお伺いしておきたいのであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど御答弁申し上げ、すぐ調査を命じましたところ、秘書官から報告が入りまして、国鉄再建監理委員長の真意が誤解されて伝わっているという由であります。国鉄再建監理委員長から積極的にああいうことが申し述べられたわけではなくして、新聞記者団の方から監理委員長に対して実行しない場合はどうかというような筋の質問があったので、その場合には、法律によってつくられた審議会の結論を政府は尊重すると言っているんだから、職にとどまることはできなくなるだろうと、そういう推定を申し述べた、そういう出だそうでございます。そういうものであるならば、質問を受けて監理委員長が法律の筋、解釈を述べたというようなもので、内閣の人事権を侵すものではないと、そう思います。
○橋本敦君 今総理から、また運輸大臣からもお話があった筋ですが、私はそういう推定であっても、結論として総裁はやめてもらわねばならぬというそういうことは、やめてもらうかどうかはかかって内閣の問題でありますから、そこまで発言するのは行き過ぎであるという考えには私は変わりませんので、さらにこの問題については検討を要求して、時間がありませんので次に参ります。 この法案に関連をしてどうしても確かめておかねばならぬ課題が幾つも残ったわけでありますが、その一つは、各党も言われております来年度以降本当にもとへ戻すのか戻さないのか、これがどうにもこの審議の中で決着がつかないという重大な問題であります。大蔵大臣はこの問題に関連をしてかねてその答弁の中で、いろいろ見直していくんだけれども初めに恒久化ありきだと、可能な限り見直しをして恒久的な処置にしていきたいという意味を含めて初めに恒久化ありきと、こういう発言をされたわけですが、その答弁を、裏を解釈するという意味じゃありませんけれども、素直に受け取りますと、まさに今度の高率補助の一括カットを含めて制度的に将来これを固定化していくということも含めて初めに恒久化ありきと、こうおっしゃったんだと受け取らざるを得ないわけですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 特に社会保障の点で見ますと、哲学論争はやってまいりました。そこで、今度の場合は制度改正であるのか暫定的な費用負担のあり方であるのかというと、結論的には暫定的費用負担のあり方と、こういうことになったわけでございます。もとより絶えず見直しはしなきゃなりませんのでこれをやってまいりますが、私も初めに恒久化ありきということを申しました。その後それなりに反省いたしまして、それがいいのか、時限を切るべきものなのか、仮に一つの結論が出た場合、あるいは当分の間とかすべきものか、それらも含めて検討の課題にしなきゃならぬなと。しかし、やはり可能な限り恒久的なものをつくった方が、将来にわたっての地方財政にしても国の財政にしてもあり方の見通しがつきますので、好ましいとは思いますが、初めに恒久化ありきというのは少し言い過ぎだったなと、こういう気がいたしておるところであります。
○橋本敦君 一定の反省的答弁をなさったわけですが、しかしそれは全部撤回されたわけじゃないんですね。したがって社会保障関係で言えば、今回の処置で国費の削減額が五十億を超える大きなものがいろいろあるわけですが、そういった関係で、児童福祉法関係あるいは身体障害者福祉法関係あるいは生活保護法関係、こういったところのもろもろの制度的な問題がそれぞれの法の持っている制度的な恒久化に向けて変えられていくということも、この一年の間では議論の対象として当然俎上に上るわけでしょう。
○国務大臣(竹下登君) そういう広範なことはおっしゃるとおりだと思います。
○橋本敦君 したがって、その結果まさに今回の補助金のカットを制度化し恒久化するということが議論の対象として出てくることは明らかであります。だから我々が幾ら聞いても、来年は必ずもとへ戻すということがどうしても答弁ではっきり出てこないということではありませんか。
○国務大臣(竹下登君) 来年暫定措置は暫定措置で終わって後は何にもしないということは、今日までも言ってきておりません。
○橋本敦君 何もしないんじゃなくて、すると言っておられるわけですよ。そのする方向を私は今言っておるわけですね。だから、仮にそのする方向が議論の結果、今も若干お認めになったような制度的な改正の恒久化ということで、結局高率補助金のカットが恒久化されたと、こうなりますと、これは自治体や国民の側から見ますと、一年限りの暫定というのはうそだったなと受け取らざるを得ないじゃありませんか。まさにそうなると、一年限り、暫定だというのは国民を欺いたと言われても仕方がないということになりはしませんか。そうなった場合に、私は、政府は重大な政治責任がある、こう思うのですが、その点については大蔵大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) まさに暫定措置でございますよ、六十一年度以後はこれから検討しますよ、こう言っておりますから、その検討の結果どういうものが出てもそれが直ちに私は国会の場を通じてだましたということにはならぬ、非常に正直に答えておるつもりでございます。
○橋本敦君 正直に国会の場を通じてだました結果になるんじゃないですか、そう私は言っているんですよ。しかし、それについてそうなった場合に政治責任をお感じにならないということならば、それは仕方がありません。私は重大な問題だと思いますね。 さて、時間がありませんから次に大急ぎで伺ってまいりますけれども、国民生活はこうして切り込んでいくんですが、それとの関係でどうしても指摘しておきたいのは、思いやり予算がどんどんふえてきたことです。例えば、五十三年度に始まったときは六十一億でありましたが、それが六十年度には実に八百六億、五十三年度に始まったときの十三倍強という伸びを示しているわけですね。 ここで、ひとつ防衛施設庁に伺いますけれども、この思いやり予算でつくられた嘉手納の米軍基地のF15の天候シェルターですが、米軍がつくったものは、その費用は五十基で四百六十万ドル、一基当たり九万二千ドル、約二千三百万円ということがアメリカの国会における米軍の建設プログラム関係の小委員会の資料で明らかですが、間違いありませんか。
○政府委員(宇都信義君) お答えいたします。 先生御指摘の一九八二年米国会計年度の米軍軍事建設計画によりますと、嘉手納飛行場における航空機用の天候シェルターの基数が五十基で、総額四百六十万ドルが計上されております。航空機掩体とは、地上にあります航空機を敵の攻撃から防護するために航空機を格納する構造物でありますが、米軍が一九八二年に計画しました嘉手納の飛行場のシェルターは、航空機が駐機場において駐機している場合、または通常の機器の点検をするような場合に雨や風を防ぐためにつくったものでございまして、構造上鉄骨づくり、それから鉄板ぶきで壁もないような極めて簡易なものと承知しております。これに対しまして、日本側の経費負担によりまして提供施設整備を行いましたシェルターは、抗堪性を有します構造のものでありまして、御指摘の米軍建設の天候シェルターとは質的に相違するものでございます。
○橋本敦君 ついでに、日本が思いやり予算でつくったのは一基当たり何億円か、費用を言ってください。
○政府委員(宇都信義君) 嘉手納飛行場につくりましたF15用のシェルター十二基分につきまして四十九億円、一基当たり約四億円でございます。
○橋本敦君 非常に重大な問題でありますから、総理、ひとつお聞きをいただきたいんですが、アメリカが自分の費用でつくったF15のシェルターは約二千三百万円、日本の思いやり予算でつくらせるシェルターは一基当たり約四億円、大変なものであります。もしも本当に軍事上必要なら自分の費用でつくればいいんです。ところが、思いやり予算ではこれだけつくらせる。こういうことを安易に受け入れていくから、思いやり予算が私が言ったように五十三年六十一億からどんどんふえて、十三倍の八百六億にも六十年度はなるということであります。 そこで、この思いやり予算というのは、国会で何度も論議をされたように、当時の金丸防衛庁長官が思いやり予算と言われたように、具体的な法律的根拠に基づく日本側の支出義務があるんじゃなくて、まさに思いやり予算ですよね。私ども共産党は、財政再建のためにも軍事費の思い切った大幅な削減が必要だと、こう言っているわけですけれども、それにもかかわらず思いやり予算がどんどんこれだけふえてくる。そして国の財政が苦しくなってきた。さあ今度は国民生活切り込みだと、地方自治体切り込みだと、これはまことに筋が通らぬ話であります。総理は税制の見直しでも公正、公平ということを何度も強調されたわけでありますけれども、こういった一括法で地方自治体に対する社会福祉その他を切り込むということをやる前に、もし総理が公平、公正ということを本当にお考えならば、法律の根拠がある、憲法の根拠がある補助金まで切っていくのですから、法律の根拠もない米軍への思いやり予算は徹底的にこれはメスを入れる、このことがなければ、まさに国民から見て片手落ちも甚だしい。総理の言われる公平、公正どころではないと、こう思うのでありますが、この思いやり予算について来年度以降厳しく見直していくということはぜひやってもらいたいのでありますが、総理いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 金丸元防衛庁長官のころから見ると増額していることは事実でございますが、これは日本をめぐる客観情勢の変化等々もあり、そういうようなものに対応する努力の一環でもあると、このように御了承願いたいと思うのであります。
○橋本敦君 今の総理のお話では、こういった国民に対する補助金カットが出てくるという状況の中では、私は到底納得することも理解することも絶対にできない問題であります。 そこで、最後に大蔵大臣にもお伺いしますけれども、大蔵省の立場として、防衛予算が毎年ふえていくということについては当然頭を痛めておられると思うんですが、この思いやり予算さえ、法的根拠のないこれさえ厳しく見直していけないという、全然ふえる、ことしも昨年に比べて一六%ふえていますよね、こういうことではこれは本当に国民が納得できないのではないか。まさに財政を預かる大蔵大臣としても聖域はないと常々言ってきたんですから、そう言いながら防衛予算はふえる、思いやり予算はふえる、これはまことに不当なことでありますが、厳しくこれはやはり見直すということを重ねて私は大蔵大臣にも要求したいのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 今思いやり予算というお言葉をお使いになりましたが、思いやり予算というのは、背偉大なる軍人は、ただ強いということだけではなく、ウェリントン公がそうであったように、兵士の靴まで思いやる。シンキング・オブ・シューズ・オブ・ヒズ・ソルジャーズでございましたか、そういう意味だというふうに私は聞いておりますので、今の掩体が思いやりの範囲がどうか、それは私にはちょっと理解ができませんが、いずれにしても、財政当局としては、防衛費というのは他の諸施策とのバランスの上に立ってぎりぎりの調和をとるべきものであると、このように考えます。
○橋本敦君 まだまだ議論をしたいんですが、時間が参りましたので終わります。
○井上計君 時間が余りありませんから、総理大臣にいろいろとお伺いをいたしたいと思います。 昨夜のテレビニュース、またけさの新聞によりますと、中曽根内閣の支持率は依然として高い水準にあると、このように報道されております。総理の支持率の高い理由は、はっきり物を言う、実行力、行動力がある、外交政策がいいなどが高い評価の理由だと、このように報道されております。私は野党の議員でありますから、この支持率についての論評はいたしませんけれども、しかし支持率がこのように高いという理由は、総理の今後に対する期待が国民の間に非常に強いことであると、このように考えるわけであります。 昨年であったかと思いますが、総理がどこかの席で言われたと記憶しておりますけれども、現在我が国の置かれておる状態は、明治維新の改革のとき、さらに戦後マッカーサー占領による改革に匹敵するような大改革を必要とする重大な大転換期にあると、このようなことを言われたと記憶しておりますけれども、そこで現在総理はどのようにお考えでありますか、御決意等々につきまして改めてお伺いをいたしたいと、こう思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 内外大きな転換期を迎えつつありまして、非常に我々の責任は重大であると思います。国際的に見ましても、米ソの核軍縮がどういうふうに展開していくか。実はきのうもアントノフ・ソ連副首相に会いましたものですから、私はボン・サミットでレーガン大統領に対して、ゴルバチョフさんにお会いしなさいと直接勧めたと、それは機がもう熟しているからだと。それで、あなたはお帰りになったらゴルバチョフさんに直接中曽根から次のことを伝えてもらいたいと。それはレーガンさんに会うということだと。もう時期は熟してきていると思うし、直接二人がお互いに肉声で話し、また相手の目を見て話すということは非常に意味があると。そういう段階になってきたと思うからこのことを伝えてもらいたいと、そう申し上げたのでございます。それぐらいに米ソ間というものを打開する一つの転機が今訪れつつあると私は思っております。世界的関心事でもあると思います。また国内的には、いわゆる戦後政治の総決算ということを申し上げまして、行革以下をやっておるわけでございますが、これもやはり二十一世紀を見詰めるときに、ここでどうしても苦しいけれどもやり抜いておかなきゃならないことであると、そう確信しておりますので、そういう考えに立って微力を尽くしてまいりたいと思います。
○井上計君 改めて総理の決意を伺いました。この総理の御決意からすると、私は今審議中のこの法案でありますが、財政の厳しい状態の中からやむを得ないというふうなことについての理解はできますけれども、しかし余りにも安易な方法をとり過ぎたと、この法案を制定する以前にもっともっとやはり政府としてはやることがたくさんあったのではないかと、こんな感じが強くするわけであります。率直に言いまして、政府の長い間の怠慢あるいは先見性の欠如等々によって起きた問題を国民にツケを回したと、このような指弾をされても仕方がないのではなかろうかと、こう考えます。したがって、今後はより一層総理決断によって、改善すべきものについては国民の期待にこたえてひとつ積極的に、慣例やあるいは既往にとらわれないで実行していただきたいと、これを要望します。 そこで、時間がありませんから、二点総理にひとつぜひお考えをいただきまして、改善、改正をしていただきたいという点を提案いたします。 年度末になりますと、予算を全部使い切るために公共事業が非常に集中する。あるいは急いで物品を購入する。まあ必要がないとは言いませんけれども、不急不要の物まで購入をするという弊害が過去これは国民の大きな批判になっておることは総理も御存じだと、こう思います。全部がむだだとは言いませんけれども、かなりそういうふうなむだに近いものがあるというふうに思いますが、なぜそのようなことになっておるかということであります。昨日も大蔵大臣との間でいろいろとこの問題についての質疑を行いました。また、きょうも建設大臣との間でいろいろと質疑を行ったわけでありますけれども、要は現在の単年度会計方式にある、財政法に原因があると、このように考えざるを得ないわけであります。予算が余っても簡単に繰り越しができない。あるいは、返還をすれば当初予算要求のときの積算が甘かったという非難をされる。さらに、その分が翌年度予算からカットされる。したがって、やむを得ず大切な国民の税金を、むだとは言いませんけれども、まあ不急不要のものに使ってしまうというふうな例が私は事実あるであろうと、こう思います。 したがって、このような弊害をなくし、より有効に税金を使っていくためには、財政法の第十四条の三、この繰越明許費の問題であります。それから第四十二条、四十三条、繰越使用制限それから繰越承認の項目を見直せば、もっと弾力性のあるものにしていけばこのような弊害がかなり防げるのではなかろうかというふうに思うわけであります。総理、御承知でありましょうが、財政法が制定されたのは昭和二十二年であります。総理が国会に議席を持たれた年であろうと思いますが、その年の一般会計予算が、きのうも大蔵大臣に申し上げたんですが、わずかにというとおかしいですが、一千百四十五億円です。六十年度予算は実に昭和二十二年度予算の四百五十九倍でありますから、このように膨大になった国の財政の中で、二十二年当時の制定された財政法を金科玉条的に守っておることについてはいかがであろうかというふうに考えますが、大蔵大臣も建設大臣もこれについては見直し、検討をする必要があるというふうな、そのようなお答えをいただいておりますが、総理ひとつ決断を持ってこの見直しをお考えになるという御意向はありませんか。お伺いをいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 繰越明許の問題は、旧憲法におけるような継続費という制度がないという、そういうような面もありましてああいうような制度がとられたと思われます。あるいは予算外国庫負担契約というようなものもそれに関連してできていると思います。しかし、おっしゃるように年度末現象というのはやはりあると私は思います。そういう意味において、そういうことの絶無を期するためにどういうふうにしたらいいかということは十分研究に値することであります。そのために必要あらば、財政法に欠陥があるならば改正するのも辞せずという気持ちで当たるべきである、国民のためのやはり政治であり財政である、そう思います。ただ、ああいう制度が設けられましたのは、財政民主主義という観点から、国会のコントロールを厳重にして単年度ごとに厳重にチェックしていこう、そういう思想が背景にあってできていると私思いますので、そういう面との調和点等も考えつつひとつ検討させてみたいと考えております。
○井上計君 もちろんそう容易に改正すべきではないということは私も考えておりますが、いずれにしても、財政上の問題だけでなくして、やはり国民の政治に対する信頼、残念でありますけれども、中曽根内閣の支持率は高いわけであります、しかし、まだまだ政治に対する信頼度というのは低いというふうに思います。国民の政治への信頼を取り戻すためにも、やはりこのようなものは有効に使えるように、そのためには、従来のそのようないわば固定的な考え方をなくして、ぜひひとつ改正について御検討をいただきたいと再度要望をしておきます。 次に、私は五十三年の三月、当院の予算委員会で提言をし、質問を行ったことがあります。それは、国家公務員並びに地方公務員共済年金並びに恩給法等を改正すべきであるという提案をいたしました。時間がありませんから、詳しいことは、細かい点は省略いたしますけれども、その内容を簡単に申し上げますと、国及び地方自治体あるいはまたそれに準ずるようなところから給料等を得ている公務員のOB等の人たちは、その在職中、年金及び恩給の支給を停止したらどうであるかという提言であります。これは私が言い出したのではありませんで、昭和五十年、国家公務員共済組合審議会の会長である今井一男さんが文書ではっきりとこのことを意見書として提出されておるわけでありますが、一向にその後改善をされておりませんでした。私は、その後さらに五十四年にも提言をいたしました。 その当時、大蔵大臣は今の金子経済企画庁長官であったと思いますし、当時の田中六助官房長官にも予算委員会で提言をいたしました。まあ、そのせいかどうか知りませんが、五十四年末に一部改正になりまして、現在のような所得制限がかなりきつくなりまして、年金以外の給与所得が六百万円を超えた場合は、年金額が百二十万円以上の者に対する年金につき百二十万円を超える部分の二分の一の支給を停止するというふうに変わりました。今審議を衆議院でされておりますところの共済年金法でさらにこれがもっと制限がきつくなるということも先ほど大蔵省から伺いまして、私大いに評価をしておりますけれども、まだまだこの程度では私は十分でないという感じを持っております。五十五年の二月に、やはり当院の予算委員会で当時の自治大臣であります後藤田総務庁長官にもこのことについて提言をし、検討をお約束いただきました。それから同時に、大平総理にもそのことを実は提言をしたわけであります。 そこで、まず隗より始めよということがありますが、衆参両院の国会議員の中で、当時百七十五名であったと思いますけれども、国家公務員並びに地方公務員の共済年金あるいは恩給等々を受給しておられる方があると、こういうふうに当時調査をいたしました。最近調査しておりませんが、その後ふえておると、こう思います。さらに、そのほかに軍人恩給あるいは厚生年金、あるいは地方議員年金等を加えるともっとそのようないわば受給をしておられる議員が多くおられるのではなかろうかというふうに考えますが、私は、まず国会議員が先にそういうことについて率先して辞退をするというふうなことを考えたらいかがであろうかということを、五十五年の二月、大平総理に提言をしたわけであります。それにつきまして、五十五年の三月の二十六日の当院の予算委員会で再度大平総理に答えを求めましたら、そのときに大平総理はこのような答弁をされました。私は恩給を年額八十九万九千円余り受給いたしております。井上さんの御指摘もありましてその後いろいろ考たわけでございますが、辞退をすべきじゃないかといろいろ専門家とも相談してみたんですが、恩給法上、辞退いたしますと、今度復活——妻子が路頭に迷いましても復活できないそうですね。それで、こいねがわくは恩給受給権は行使してもらいたいというのが、恩給局なんかの考え方もそのようでございますので、私は約九十万円ちょうだいいたしておりますので、これは私が自分でそれに頼らなくとも生活ができる間は何か社会公共のために寄付すべきであると存じまして、社会福祉法人の母子愛育会というのに五十四年度分として九十万円を三月十三日に寄付させていただきまして、これも毎年度私が能力のある間はやらしていただきたいと考えております。 以下略します。 こういう御答弁をいただいたわけであります。これはすなわち自分が元気で働いておると、あるいは自分のことだけ考えると年金、恩給等は実は辞退をしていいけれども、将来自分が仮に働けなくなったとき、あるいはまた妻子のことを考えると、辞退すると復活できませんから、現在の恩給法あるいは年金法等々は。したがって、私は国会議員の方も、大勢の方も、あるいは一般民間人でもかなり、必要が特にない、辞退してもいいと思っておられる方が相当あるのではないかと思うんですね。したがって、私はその一部を改正して、そういうふうな辞退をすることができる、そうして復活することができるような方法を考えたらいかがであろうかというふうに思います。 年金とか恩給というのは、それがなければ生活に困る人、それに頼って生活をしておる人等々にはできるだけ手厚くすることはもう当然でありますけれども、それがなくてもいい人については、私はもっと政治がそれらのことが考えられるよううなことをこの際思い切ってとるべきであろうと、こう思います。過去何回かにわたって当院の予算委員会で提言したことでありますけれども、まだまだ十分でありませんし、またそれらの法律の、そのような辞退ができるような改正の機運が全くないと思いますので、総理にひとつお考えをいただきたい。きょう、せっかくの機会でありますので、特に要望をしておきますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 恩給権というものは、公務員として在職している間に自分も恩給の費用を出しまして、そして退職した後の保障として国家がこれを面倒を見ると、そういう制度であると思います。中には自分が在職中に支払ったお金の分も入っていると、そういう性格もあると思います。したがいまして、やはり国家が約束した保障というものは国家としては尊重しなけりゃならぬと、そう思いますが、政治家のような場合とか、あるいは公務員にいたしましても、政府関係機関に再就職している者とか、そういう特殊のような場合には、これはやはり相当な給料が入っているという場合には、大平さんのようなお考えをお持ちになるというのは称賛さるべきことであると、私は個人的にそう思います。 ただ、この問題は、そういう生活権に関する部分でございますから、やはり一律にどうこう強制するということが果たして適当であるかどうか、そういう点も検討を要すると。今回そういう意味もありまして所得制限を厳しくしていくと、ある程度以上の所得のある方については金額を少なくしていくと、そういう形で合理的調整を行ったのが共済の関係法案なのでございまして、でき得べくんばこの法律を可及的速やかに成立させることがまず第一歩であると、そういうように考えておりますが、井上さんが指摘されたことは非常に公務員、中でも特殊の者については大事な点の御指摘ではないかという気がいたします。
○井上計君 恩給あるいは年金等の趣旨については私も十分承知をいたしておるつもりであります。また、総理が今おっしゃったように、したがっていわば国との約束ということでありますから、それを国が一方的にどうのこうのということについてはもちろん問題があります。しかし、あくまでも現在我々が置かれておる社会は相互扶助のいわば社会、相互扶助の精神が必要であります。特に、最近のように厚生年金法が改正されてかなり近い将来年金の支給価額が減るというふうなこと、あるいはまた当委員会で当法案についての審議の中で同僚委員から随分言われておりますけれども、国民にツケを回して国民の負担増というふうなことが盛んに言われておる中で、私は、恩給法あるいは年金法等の精神は精神でありますけれども、また考えるやはり重大な時期に来ておるということであえて総理に申し上げたということであるわけであります。 また同時に、生活権の問題でありますから、総理が今おっしゃったように一方的にこれを停止するとかどうとかということについては、これは適当ではありません。そこで任意に、自由の意思で辞退ができるようにする、本人がだれであろうとも、自分は現在少なくともこの何年間かもらわなくてもよろしいというふうな人はあるわけでありますから、それらの人が辞退できる、そうしてまた必要なときには復活できる。そうなってくると事務的に辞退、復活が繰り返されて厄介だというふうな事務当局のお考えもあろうかと思いますけれども、それはそれなりのまた規制をすればいいわけでありますから、そういうことが考えられないであろうかと、こういうことでありますから、再度要望をしておきます。もう時間がありませんから御答弁は結構でございます。ぜひひとつ、こういう重大な時期でありますから、思い切った改善を考えていくということを、総理、くれぐれもひとつお考えをいただきたい、こう思います。 総務庁長官にはサンセット制度等につきましてお尋ねをしたいと思って質問通告しておきましたが、お聞きのようなことで時間がなくなりました。また別の機会にお尋ねしたいと思いますが、いずれにしても、サンセット制度をもっとやはり厳しく拡充をしていくことが必要であろうと思います。でき得れば私はこれを制度化、立法化することによってさらに広範囲な面で国の大切な税金の使途というふうなものを国民に明らかにできる方法、それらも考えていくべきであろう、こう考えますので、以上総務庁長官に要望いたしておきまして、私の質問を終わります。
○木本平八郎君 締めくくり総括ですから、この委員会において私いろいろ質問申し上げたいことを踏まえて、最後に二、三お伺いしたいわけです。 まず、今回の委員会に出ておりまして、この審議の経過をずっと聞いていて私が感じましたのは、小林一茶の句で「雀の子をこのけそこのけ御馬が通る」という俳句があるわけですね。どうも何か今回の補助金カットで地方に肩がわりというような、これはツケ回したとか押しつけだとか、いろいろ議論がありましたけれども、率直な感じはやはりお上風が吹いているという感じがするわけです。それで、「泣く子と地頭には勝てぬ」というふうなことを参考人の方もおっしゃっていましたけれども、やはり何か切り捨て御免みたいな感じで、国の方が非常に困っている、したがって地方に冬の最中に着物を一枚脱げというふうな印象が非常にあるわけですね。そのかわり洗いざらしの浴衣を一枚やるからと。ここに二千八百億円とか、これに対してどういうふうに補てんするかとかあるんですけれども、これまさにこのとおりで本当に地方がいいのだろうか。まあ私、地方の経験がありませんからよくわかりませんけれども、これではやはりちょっと地方としては納得できないんじゃないかという感じがするわけですね。 私はずっと商社におったものですから、普通我我の商社の感覚では、こういうことを何かやろうとすれば、やはりコンペンセーション的なことを考えるわけですね。補助金をこれだけ削除する、そのかわりこういうメリットを与えるという交換条件といいますか、取引というのを考えるわけです。そして、やはり質は違っても満足感というもの、ちゃんとすり合わせをやっていくというのが普通のやり方なわけですね。で、そういう点から、私は先ほども農機の関係で申し上げたんですけれども、同じそういう補助金、同じ金額をもらうにしても、地方によってニーズがいろいろ違うわけですから、やはりその地方にお金だけやって使途なんかを少し任じてやる。今まではこういうふうにやってきたけれども、今回こういうふうにして一割なら一割カットするんだから、あとは用途についてはおまえさんのところに任せてやるからというふうな条件があってもいいんじゃないか。あるいは給食の問題で申し上げたんですけれども、給食というのを本当に必要としている地方とそれほど必要じゃないという地方の格差ができてきているから、その辺もやはり任した方がいいんじゃないかということを御提案申し上げたわけですね。で、今後こういうふうな考え方を導入していかなきゃいかぬのじゃないかと今現在もやはり思うわけですけれども、その辺、大蔵大臣あるいは自治大臣のお考えをお聞きしたいわけですがね。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいました議論が一つございますのは、第二交付税構想というのがありますね。これはただ公共事業費を地方に配分して、その地方の自主性の中で使っていく。これができていない問題点は、これはいわば国道の整備計画とか河川の治水計画とかいうものがあるから、一貫性がないといかぬから難しい、こういうことでそれはできていないわけですが、その他、非常におっしゃるので小さいので言えば、道路の譲与税は道路に関して言うならば維持費に使おうと何に使っていいとか、そういうようなものがあるにはございます。 だから、一つの問題として、農業の金をやったら、それは中身はその地方で御自由にしなさい、こういうような発想でございますけれども、一つの民間のいわゆる自主的経営主体の中からお出になった先生方の議論としてはよくある議論ではございますが、それを財政法の中で仕組んでいくというのはなかなか難しい問題であります。基本的に地方にいわゆる自主財源を与え、そして地方の自主性が助長されるような形というものは、これは地方自治の本旨にのっとり、好ましいことだというふうに考えます。
○木本平八郎君 それで今回の措置は、先ほども総理から、いわゆる昭和六十年度の臨時というか、ことし限りだと。来年以降については白紙で臨むのだというふうな説明がありましたし、当委員会でもこの問題についてはもう何回も繰り返して議論されたわけですね。ところが、国民の率直な感性、受けとめ方とすれば、多分これはまた来年も厳しいだろうと、だめだろうと。またやはり補助金の問題はカット、あるいはその率を減らすということが当然出てくるんじゃないかと推測するわけですね。現在の日本の財政状況を考えますと、そうそう一年でそんなにうまく好転するわけないだろうというのが率直な国民の受け取り方だと思うんですね。 それで私は、そこでやはり自分で感じますのは、補助金行政というものがもうそろそろ行き詰まりに来ている、あるいは終えんに近いんじゃないか、根本的に見直さなきゃいかぬじゃないかというふうに感じるわけですね。言葉は悪いですけれども、小手先でことし一時逃れで終わってもこの問題は解決しないんじゃないか。やはり抜本的に考え直す必要があるんじゃないか。それで、先ほどのように補助金を一応交付税化するというふうなことも考えて、地方も納得させながらやっていかないとなかなかいかぬのじゃないかという気がするわけですね。そこで、ことし急にそれをやるといってもなかなか大変なんですけれども、私が先ほど申し上げましたように一部分だけでも、これ全部というのはやはりいろいろ問題がありまして、今大臣がおっしゃったように財政法上の問題がいろいろあると思うんですけれども、一部分そういう規制を緩めて包括移譲のようなものを少し、トライアルでもいいんですけれども、実施していくというふうなことについては、技術上の難しさはあると思いますけれども、考え方としてはいかがか。もう一度お伺いしたいんですがね、意見を。
○国務大臣(竹下登君) 先ほどお答え申し上げましたように、政府部内で勉強したことのありますのは、公共事業に限っての問題ではございますが、いわゆる第二交付税的なものを勉強したことはございます。しかし、それは先ほど申し上げました理由によってトライするまでには至らなかったと。
○木本平八郎君 それで行政とか政治というのは、私もまだよくわからないんですけれども、確かに一つの性悪説みたいなものを基準にしてやっていかなければいかぬ面はあると思うんですね。ところが性悪説というのは、ある最低レベルをクリアするまでは確かに効率がいいわけです。しかしそれを超えますと、どんどんコストが高くなっていくというのが普通の実態じゃないかと思うわけですね。そういう点から、やはり今の考え方では地方に任せるとあいつら価するかわからないとか、何に使うかわからないというふうなことがあって、中央政府の方でがんじがらめに条件とか方法とか、ルールとかやり方とかを決めて、これしかだめだというふうにして押し込んでしまっていると、それが何かの事件があるたびにどんどんどんどん規制が激しくなってきて、地方は身動きができなくなってきて、それでついついわかっていてもどうしようもない。例えば補助金が細切れになっちゃったとか、そういう状況も発生してきているんじゃないか。したがって、この辺で地方行政についても性善説に返って、思い切って地方に任せるということがいいんじゃないか。これは今、中曽根内閣ではデレギュレーションということをやかましくおっしゃっていますけれども、まずこの面から地方に対するデレギュレーションを外して住していくということをトライされてみてもいいんじゃないかと思うわけです。 次に、実はこれはこの委員会でも申し上げたんですけれども、経済性観念の導入という点なんです。どうも今の補助金の感じは、取ってしまえばもう後はそれでいいんだというふうなことで、どうも取るまでは一生懸命にやられるけれども、各省庁も大蔵省から予算を取ればそれでいいと、地方も中央から補助金をもらえばそれでいいということで、もらった後の使い方というものが非常に何か薄いんじゃないか。したがって、もう少しその使い方というものに対する責任感みたいなものですね、これはやはり貴重な税金を使っているわけですから、その辺の感覚が非常に少ないんじゃないかという気がするわけですね。したがって、普通の場合は、例えば一億円投資したら幾らもうかるかということはすぐ考えるわけですね。ところが、補助金行政に関してはどうも受け取る方でそういう感じが薄いんじゃないかと思うわけですね。 そこで、先日私申し上げましたように、自己監査制度をぜひ入れるべきじゃないか。自己監査といいますと、すぐ検察あるいはおかっぴきみたいな摘発するという感じにとられがちなんですけれども、そういうことじゃなくて、自分の自治体の中でチェックしてみて、それで反省材料にしていって、それで総務庁とか会計検査院にやられる前にやはり自分で反省してやっていくというふうな考え方を植えつける必要があるんじゃないかという気がするんですね。その辺、自治大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(古屋亨君) 今の先生のお話を聞いていまして私の感じましたことは、相当地方に自由に使えるように、ということは、私も趣旨としては、地方の自治体の自律的な考えでどういうふうにでも使う、これは私もそういうことはおもしろいと思っておりますが、ただ、今の行政の上では各省の権限というのが相当強うございまして、こういう補助金を整理する場合でも一つ一つ大変難しいわけで、そういう点を大局的見地から考えて可能な分についてはぜひ私も権限移譲の問題と同時に、こういう問題を別個の問題でありましてもあわして考えていくべき問題であるという、先生のお話を聞きまして考えます。 同時に、監査の問題につきましては、御承知のように今県でも市町村でも監査委員というのはございますが、これは今の制度では国からの金については監査できないというような制約がございますので、そういう点もやはり考える一つの私、大きな問題だろうと思いまして、機会あればぜひそういう点も考えまして、やはり自己監査といいますか、そういう点の拡充といいますか、制約を外すという点はぜひまじめに検討していく問題であるというような感じを持っております。
○木本平八郎君 いろいろ難しい面もあると思いますけれども、こういう時代だし、こういう状態に追い込まれてきているわけですから、多少のことというか、相当のことを政府として克服していただいて、こういう金が有効に使われるようにぜひ処置をとっていただきたいと思います。 最後になりますけれども、これも繰り返して申し上げましたように、やはり納税者の立場に立ってみれば国が負担しても地方が負担しても同じことなんですね。それで、その上に私が申し上げたいのは、これ一番初めのときにも申し上げましたけれども、こういうふうに補助金が厳しくなってくると、陳情だとか申請の書類が煩雑になったり説明が複雑になったりということで、やはり地方に経費がかかってくるわけですね。したがって、陳情を少なくするように、あるいは事務手続を思い切って簡素化するようにことしから、ことしというか来年度の申請からぜひこれは実行していただきたいと思うわけです。私は具体的にはこういう経費は半減するぐらいのつもりで御指示いただきたいと思うわけですね。 それで、最後に私のこれ提案なんですけれども、全部が全部一遍にというわけにはいかないと思いますけれども、例えば来年度の予算編成の補助金関係、これを地方自治体の陳情だとか説明とか申請を待たずに、一応ある部分、これ全部の省庁はだめかもしれませんけれども、ある省庁、あるカテゴリーに属するものは自治省で事前に各省庁と打ち合わせていただいて、その方針を持って逆に地方に府県単位で出張していただいて、そこで説明会をしていただいてというふうなことを少しでも導入していただけないだろうかと、一挙にこれはだめですけれども。それによっても相当地方の負担とかなにが違ってくるんじゃないかという気がするんですけれども、最後にこれに対する御所見を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 御提案の点につきましてはひとつ正面から十分検討をして、私も大変おもしろいアイデアであるという感を持っておりますので、失礼な言い方でございますが、検討さしていただきます。
○委員長(桧垣徳太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○穐山篤君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案につきまして、反対の立場から討論を行うものであります。 本法律案の内容は、補助規定の削除に係るもの、行革関連法の一年延長に係るもの、高率補助金の補助率一律引き下げに係るもの等々、大きく分けても五項目に及び、さらに五十九法律にも及ぶ法律改正を織り込み、しかも大蔵大臣の財政調整権限と称し安易に一括法案化した政府の暴挙は絶対に許されるものではありません。参議院におきましては、我が党からの強い要求もあり、特別委員会における審議方法を採用するなど本院の独自性を少なからず発揮したところでありますが、今後は異質の内容を持つものを一括法案化して国会提出を行うことがないよう、再度政府に対し、強い警告を発しておきたいと存じます。 以下、順次反対の理由を述べます。 反対理由の第一は、予算編成と本法律案の提出時期に関する問題であります。 言うまでもなく、今回の法律案の内容は、国と地方のあり方をめぐる行財政の基本的かつ制度上の重要な問題を提起しているのであり、まずもって国会での論議を踏まえ、その上で六十年度予算編成を行うことが常道であったはずではないでしょうか。現に、五十六年度の行革関連法案審査に際しては、予算編成前の臨時国会において法案提出が行われ、法案の賛否は別といたしましても、その結果に基づいて五十七年度の予算編成が行われた経緯があるわけであります。しかし、今回はこのような本来あり得べき姿を一方的に無視したものであり、法案の提出時期を誤った政府の責任はまことに重大であると言わざるを得ません。 反対理由の第二は、政府が憲法第七十三条に規定する法律の誠実執行義務を怠っていることであります。 本法律案が本院に付託されましたのは四月の十七日でありますが、既に五月も半ばを過ぎようとしております。しかし、この間政府は補助金の交付決定をいたずらに引き延ばし、生活保護費を初めとする経費がすべて地方公共団体に肩がわりされ、その費用は生活保護費だけでも千七百三十二億円にも達しております。政府は法案審議中との理由で交付決定は差し控えたいとしておりますが、現実にある現行法に基づいた交付決定を行わなかったことは憲法違反の疑いが強く、地方財政法第十九条で規定する補助金の支出時期にも明らかに違反するもので、断じて許されない行為であります。 反対理由の第三は、本法律案が一年限りの暫定措置としているにもかかわらず、政府が六十一年度以降はもとに戻すと明確に言明していない点であります。 本委員会でも行われました地方三団体からの意見聴取におきましても、今回の措置は六十年度限りであると信じ、厳守してほしいとの切実な要望が出されております。しかるに、六十一年度は単純にもとに戻るということではない、六十一年度予算編成時に改めて考えるべきことだと再三大蔵大臣は言っておりますが、三者協議を行うという申し合わせの背景には、六十一年度は補助金の引き下げを制度化し、地方にその費用の転嫁を考えているのではないかと懸念を持つものであります。地方自治の本旨を尊重する意味からも、また国と地方の信頼関係を維持するためにも、政府の不明確な態度は納得できないのであります。 反対理由の第四は、国と地方との機能分担のあり方など各制度、施策の根本的な見直しを先送りし、単に国の一方的な財政事情のみを理由に補助率の一律削減を断行し、国の財政負担を地方に転嫁している点であります。 国庫補助金などの整理合理化は、あくまでも地方分権の理念にのっとり、地方団体の自主性と自律性を強化する観点から行うべきものであります。今回のような国の一方的な押しつけ措置は、国と地方との本来あるべき機能や役割を崩壊せしめるものであります。しかも、補助金削減の大宗を占める生活保護費など社会保障関係の補助金は憲法第二十五条が規定するナショナルミニマムの保障であり、その究極的な実施責任が国にあることは言うまでもないことであります。こうした背景があってこそ、国の高率な負担割合が定められたのであり、機械的な一律削減は到底容認することができません。 最後に、国と地方との間に残っている国の関与、必置規制、権限移譲の問題を放置したまま地方の人件費攻撃や地方財政富裕論を振りかざすことが大きな誤りであることを申し添え、私の反対討論を終わります。(拍手)
○井上裕君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対し、賛成の討論を行います。 国民生活向上のため、また景気の下支えのためやむを得ず発行された国債の残高の累増により国債費が増加し、他の歳出を圧迫するなど、我が国財政は極めて厳しい状況にあります。この上、国債の発行を増加することは後世代にますます負担を残すことになり、また国債費の増加によって新たな財政需要への対応を一層困難なものとします。財政再建はもはや一刻の猶予も許されないと言っても過言ではありません。このためには、安易な増税に頼るのではなく、まず歳出の徹底した見直しによりできる限りの歳出の節減合理化を図ることが必要であり、国民もそのように期待しているところでもあります。 今、国の歳出を見ますと、一般歳出予算額の約四割に当たる額が補助金と呼ばれるものであり、これに手をつけることなく歳出の節減合理化を図ることはもはや困難であります。この補助金等のうち約八割は地方公共団体に向け支出されており、国の厳しい財政事情から見て、この際、地方公共団体向けの補助金等を見直すことは必要な措置であります。 本法案の今回の高率補助率の一律引き下げ措置は昭和六十年度限りの暫定措置であり、昭和六十一年度以降の補助率のあり方については、国、地方の役割分担、費用負担の見直し等とともに十分検討を進めて結論を得るものとしているところであり、今回の暫定措置はやむを得ないところであります。 なお、このような措置をとるに当たって、その地方財政に与える影響につきましては、地方財政の円滑な運営に支障が生ずることのないよう極めて適切な対策が講じられているところであります。 また、人件費補助を全面的に見直し、交付金化の措置及び一般財源化の措置あるいは目的を達成したと認められる補助金については廃止の措置がとられるなど、本法案の中では、従来から懸案となっている補助金の整理合理化を前進させ、また地方の自主性を尊重する措置がとられているのであります。 なお、本法案によって行政改革のための三年間の特例措置とされたいわゆる行革関連特例法が一年延長されることになりましたが、これは当初予定した特例適用期間中に第二次石油危機に端を発する世界経済の停滞の長期化という予期せざる事態が発生したため、財政収支の改善を図る見地から、今回所要の継続措置を講ずる必要が生じたものであり、現下の財政状況にかんがみやむを得ないものと考える次第であります。 以上申し述べましたように、本法案は我が国の財政再建にとって必要不可欠なものであり、また地方財政への影響につきましても適切な対策が講じられており、賛成いたす次第であります。 今後とも、政府が行財政改革に向け補助金等を初めとする歳出の節減合理化に努められるよう希望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○中野明君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 反対の第一の理由は、国の財政悪化による歳出削減を一方的に地方自治体の負担に転嫁する責任逃れの措置だからであります。 今回の措置により、生活保護を初めとする経常経費二千六百億円、投資的経費三千二百億円、合わせて五千八百億円に及ぶ多額の国民生活に直接関連する歳出を削減し、これを地方にすべて肩がわりさせているのであります。こうした措置は、国と地方の機能分担、財源配分の見直しといった行革本来の精神を全く忘れ、地方独自の行革、財政健全化への努力を踏みにじるツケ回しであり、地方の行革に取り組む意欲を損なわせ、国の手により地方財政を再び泥沼化へ引きずり込む暴挙と言わざるを得ません。さらに政府は、こうした地方への負担転嫁に対し、全国の都道府県、市町村の議会が反対決議を行ったにもかかわらずこれを無視し、地方に負担を押しつける行為は、地方の国に対する信頼を破り、車の両輪と言われる関係を国みずから崩すものであり、断じて許すことができないのであります。 第二に、補助金削減の対象の中心が福祉、文教予算に置かれ、国の責任を放棄した弱者切り捨ての措置だからであります。 生活保護、義務教育などが本来国の負担として行うべき義務であることは、国の基本法たる憲法にも明確に規定されております。しかるに、今回、高率補助率のカットによる削減分二千九百億円のうち、二千七百億円が生活保護費、児童保護費など社会保障関係費で占められていることからも明らかなように、国はみずからの責任を放棄し、それを地方に押しつけ、地方財政を圧迫していることは断じて許すことができません。こうした地方へのツケ回しはやがて国民への負担転嫁に結びつく可能性が十分にあり、福祉水準の低下、住民負担増加など、まさに弱者切り捨ての措置と言わざるを得ません。 第三に、本法律案を表面上一年限りの暫定措置としながらも、六十一年度以降の取り扱いが不明確であり、補助率削減恒久化の意思が見え隠れする点であります。 厚生年金への繰り入れを削減するなど、行革特例法も五十七、五十八、五十九年の三カ年度限りであり、それ以上延長しない旨かたく約束したにもかかわらず公約を破り、一年延長を企てているだけでなく、本法律案についても表面上単年度立法としているものの、六十一年度以降の措置については、委員会審議中一貫して白紙の答弁に終始し、この一年限りを明確にしておりません。こうしたことは、地方自治体や国民の信頼を裏切り、不安を助長し、政治不信を今まで以上に拡大させるものであります。 最後に、本法律案は九省庁五十九法律六十六項目にも及ぶ内容をすべて一括したものであり、極めて違法性が強いと言わざるを得ません。 本来、趣旨の異なる事項は別個の法律として提案しなければならないにもかかわらず、すべてを財政関係法律との理由だけで一括法にしようとするやり方は、国会の審議権をも無視したもので全く納得できな小のであります。また、六十年度予算は既に成立し、現行法があるにもかかわらず、政府は衆議院での法案修正により、予算執行ができないとの理由をこね回し、生活保護費補助金等の交付を行わないために、本法律案審議中において地方自治体では生活保護費など約千七百三十二億円を立てかえ支給しており、その影響は極めて重大であります。政府が現行法を無視し、みずからの責務を果たそうとしないのは、まさに法治国家にあるまじき行為を行っていると言わざるを得ず、厳しく糾弾されなければなりません。 このように、本法律案審議にかかわる異常事態はひとえに政府の責任によるものであり、今後二度とこうした過ちを繰り返すことのないよう強く警告し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、反対の討論を行います。 反対理由の第一は、七十数本にも上る多数の法律に係る国の負担・補助率を一括して引き下げる等のこういった措置を講じようとしていることであります。 しかも、今回一括処理の対象とされた法律制度のほとんどは、社会保障、文教、農業、生活密着型公共事業など、憲法の定める生存権や教育を受ける権利の実現を初めとして、多年にわたって国民が暮らしを守る運動を進め、努力をしてきたそのことを反映して築き上げられてきたものであります。これらを財政収支の改善という名目で一挙に一括して後退させるなどというやり方は、国民の反対世論を封殺し、さらには、それぞれ担当の常任委員会で慎重な審議を遂げるべきであるという本来の国会の審議権を著しく制約し、悪法をごり押しする以外の何物でもないのでありまして、まさに議会制民主主義の本旨を踏みにじるものであります。 第二は、軍拡と財界奉仕のツケを結局は国民と地方自治体にしわ寄せしようとしていることであります。 臨調行革路線が軍拡と財界奉仕、国民犠牲、財政危機拡大の道にほかならないことは、八二年度以降のこれまでの予算が如実に示しております。そして、中曽根内閣は、レーガン政権の核戦略に呼応して歯どめなき大軍拡を進め、財界要求に沿って大企業補助金を温存する一方で、いよいよ地方自治と自治体行財政を反動行革の次の主要な攻撃目標の一つとしてきたのであります。この点で、本法案はまさに中曽根臨調行革路線の新たな段階の危険な国民に対する挑戦である、その典型であると言わねばなりません。 第三は、国の財政責任を放棄し、国民生活に重大な打撃を与えるということであります。 政府が国と地方の負担区分の調整だけで国民には直接影響はないといかに繰り返し強弁しても、今回の措置による地方負担増が自治体の独自財源を圧迫し、それがサービス低下と住民負担増に直結することは明白であります。そればかりか、具体的には法案に盛り込まれた生活保護に係る国庫負担の引き下げが非人道的な受給制限や上乗せ給付削減に拍車をかけ、老人保護施設保護費に係る国庫負担の引き下げが福祉有料化を目指す制度改悪に道を開き、小中学校の教材に係る国庫負担規定の削除が教材整備の後退と父母負担増を惹起し、砂防・地すべり防止や離島・沖縄振興開発計画などに対する負担・補助率の引き下げが生活密着型社会資本整備の後退を来すおそれがある、こういったことは本審議の中で相次いで明らかになったはずであります。このようにして、本法律に基づく措置が憲法や生活保護法、教育基本法等の理念と原則に反し、国民生活の各分野での重大な施策の後退と国民犠牲をもたらすことは絶対に許せないところであります。 第四は、今回の措置が地方財政危機に一層の拍車をかけることであります。 政府は繰り返し地方には万全の財源措置を講ずると強弁してきましたが、しかし国が確実に財源手当てをするのは、高率補助・負担率引き下げによる地方負担増六千四百億円のうち、わずか一千億円にすぎないのであります。これでは地方への負担転嫁を禁じた地方財政法の原則をじゅうりんするとともに、現在でも深刻な地方財政危機に一幅の拍車をかけることになるのであります。しかも政府は、本法案による補助金のカットは一年限りの暫定措置だとしていますが、これが国民と地方自治体を欺瞞するものであることは、幾ら追及しても六十一年度以降はもとに戻すとここで政府がはっきりと約束できないことでも明白であります。 以上が本法案に反対する理由の大要であります。 最後に、我が党は、国民の望む方向と全く逆行する道を走る当面の臨調行革を直ちに中止させ、行政改革を真に国民本位の民主的行革として進める方向への根本的な転換の実現を目指して今後とも奮闘することを明らかにして、反対討論を終わります。(拍手)
○井上計君 私は、民社党・国民連合を代表して、反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、高率補助率の原則一割カット、負担の地方転嫁は行政改革の精神に反する措置と思わざるを得ません。 補助金は真に必要なものに限り、必要最小限とすべきであり、そのための手続は簡単にして効率よくすべきことは当然であります。しかし、現在の補助金行政のあり方は、むしろ民間企業や地方自治体の自主性や創造性の発揮を妨げ、さらに国、地方の放漫財政を助長し、その上、補助金の交付をめぐる利益誘導の政治が行われるなど、速やかに是正しなければならない点が多々あります。しかるに、政府は国の財政上の理由だけを考え、高率補助金の原則一割カットのみの措置を講じたのでありますから、納税者の負担は全く変わらず、しかも補助金問題の解決を先送りするものであり、国民の期待を全く裏切り、行革逆行の措置と断ぜざるを得ません。 反対の第二の理由は、高率補助率のカットは六十年度限りの措置と言いながら、その裏では既に六十一年度以降も継続し、さらにこれを強化しようと企図していることが明白であります。 政府が公約した増税なき財政再建路線を堅持し、その実現を図るためには厳しい歳出の抑制が不可欠であり、そのためには一般歳出の約半分を占める補金助の削減こそ実現のための絶対条件であります。このことは、政府が増税なき財政再建を決定した段階において明白であったのでありますから、政府はその時点で補助金の抜本的な整理合理化を断行すべきでありましたのに、それをやらなかったとすれば、補助率の引き下げ以外に方法がなかったことは至極当然の結果であります。いわば政府の怠慢によって地方自治体の行財政運営をいたずらに混乱に陥れたわけでありますから、厳しく批判されてしかるべきであります。 反対の第三は、補助金の整理合理化のためには国と地方との行財政制度の見直しが不可欠であるにもかかわらず、その見直しを行わずして、ただ負担のみを地方へツケ回ししたことであります。 高齢化社会の到来を迎え、物より心重視の高度福祉社会を建設するに当たって、地方の役割はますます重要となってまいります。このような時代の変化に合わせ、今日の国に偏った税源配分の現状や機関委任事務等の事務配分の現況は根本的に見直す必要があります。それはとりもなおさず、地方公共団体への交付がその八割を占める国庫補助金制度を見直すことにほかならないのであります。この見直し作業を行わず、負担だけを地方に転嫁した政府の措置は余りにも安易な方法であり、無責任な態度と言わざるを得ません。 以上のほか、厚生年金に対する国の負担削減を柱とする行革関連特例法について、期限が来たら利息をつけて返すと約束しておきながら、これを一年延長する措置を講じた約束違反、さらに縦割り補助金の問題、公共事業関係補助金の総合化の問題、膨大かつ複雑な事務手続の問題等々、補助金にかかわる問題は何ら解決しておりません。 政府は、以上申し述べた点について十分留意し、今後は行財政改革を決定した当時の初心に立ち返り、補助金制度の整理合理化に真剣に取り組むべきであります。それを期待し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(桧垣徳太郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、穐山君から発言を求められておりますので、これを許します。穐山君。
○穐山篤君 私は、ただいま可決されました国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案に対し、自由民主党・自南国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び参議院の会の各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨 時特例等に関する法律案に対する附帯決 議(案) 政府は、次の事項について十分配慮すべきである。一、今回関係予算の執行が遅れたことにより、 地方公共団体に金利等について実質的な財政 負担を生ぜしめることのないよう措置するこ と。一、本法律に関連する公共事業予算の執行が地 域経済に与える影響を勘案し、公共事業の発 注を促進すること。積雪寒冷地域等について 特段の配慮を行うこと。一、本法律の高率補助率の一律引下げ措置と行 革関連特例法の延長措置は昭和六十年度限り の暫定措置とすること。一、国と地方の事務配分及びこれに伴う費用分 担について、地方公共団体の意見をも踏ま え、早急かつ抜本的に見直すこと。一、制度施策の根幹にかかわり、かつ予算執行 に関連する法案については、参議院の審議が 制約を受けることのないよう国会提出の時期 等の問題点に留意すること。一、予算と表裏一体の関係にあり、かつ国民生 活や地方公共団体との関係が深い法案の本院 審査が予算成立後の後追いとなる場合、予算 と法律の執行について、混乱を招かないよう 善処すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいま穐山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 多数と認めます。よって、穐山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては十分検討し、配意してまいりたいと存じます。
○委員長(桧垣徳太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(桧垣徳太郎君) 一言ごあいさつを申し上げます。 ただいま議了いたしました補助金等一括法案は、改めて申し上げるまでもなく、去る四月十七日に本特別委員会が設置されまして以来、いわゆる連休中の間を除き、連日にわたり委員の皆様方の御精励により充実した審議が行われ、本日、議了するに至りました。 この間、委員長といたしましては、至らぬ点が多々あったかと存じますが、会派を超えた委員の皆様方の御協力に対し、ここに衷心より厚く御礼申し上げ、ごあいさつといたします。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後七時二十四分散会