補助金等に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 350 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/05/14
会議録
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○菅野久光君 初めに、行財政改革に対する各界の評価をどのように受けとめておられるのか、また政府は国がこれまでとってきた措置に対してどのような自己評価をしておられるのか、そのことをお伺いいたしたいと思います。 というのは、行革審会長であります、「土光敏夫氏に聞く」という四月五日付の新聞で、「行革によって曲がりなりにも四年間の予算の一般歳出は横バイになった。だが、歳出カットの仕方は大部分が一律方式で、構造的な改革はほとんど成功していない。」という質問に対して、「その通りだ。構造的改革はほとんどできていない。まず政府が構造改革をやる精神になっているのかが問題だが、とくに国会が全然だめだ。地方自治体もなにをやっているのか。政治家、議会がいまのようだと、構造改革など進むはずがない」、このように土光さんが答えられております。私も今回のこの補助金一括法案は非常に大事な問題だということで、当初三時間とか、あるいはそれから二時間とか九十分、そしてきょうは七十分という質問時間で、十分この点についてただせないのは残念で、国会が全然だめだと誉われながら、何か自分たちはやっていることがむなしいような気も少しするわけでありますが、先ほど申し上げました行革に対する政府のこれまでとってきた措置についての評価、それをひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 政府としましては、第二臨調の答申、さらにはまた行革審からの累次にわたる御提言を受けまして、大変これは困難な仕事でございますけれども、私は着実に異体化が進んでおると、かように実は一般的に評価をいたしておるわけでございますが、ただこの問題は、去年の秋、行革審御自身がお調べになって、そして一定の評価を下されたわけですね。その評価の中身は、行革は大体五合目ぐらいまで行っておるのではないか、こういう御評価であったわけです。ただ、私自身はそうは受け取っておりません。これはむしろ、これからが大変厳しい段階に入るから、政府としては従来も努力はしておることは認めるけれども、今後が大変だよという御激励の評価であろうと、私自身はさように判断をしたわけでございます。 振り返ってみれば、やはり行財政の改革というのは制度そのもの、つまり構造そのものにメスが入らなければなかなか成果が上がりません。しかし、その構造そのものに私はいろいろな、例えば医療の問題であるとか年金の問題であるとか、あるいは公企体の民間会社への移行であるとか、あるいは本庁なんかも十省庁にわたる従来の、いわゆる本来中央官庁がやることがどうであろうかと、やはり中央官庁というのは企画、立案、調整、統制の機関でございますから、政策を中心の役所にならなければなりません。そういう意味合いにおいて、政策官庁への脱皮ということもこれは手をつけたわけです。あるいはまた、厳しい話ではございますけれども、肥大化しておる組織そのものの簡素化、これはやはり構造に踏み込まなければそれはできないわけですから、それにも踏み込んで、中央、地方、出先機関すべてにわたってそれなりに今日までやってきておる。それに伴ってのまた増員要求、これは厳しい査定をすると同時に、過剰と思われる人間を削減していくということでネット減も相当やってきておるわけです。これらを考えますと、私は、政府の努力というものはそれなりにひとつ国民の皆さん方にも御理解をしていただきたいと、かように思います。 しかしながら、行政改革というもの全体を見た場合に、それじゃこれは五合目かというと、私はそうは思っておりません。やはりまだ国鉄という大問題を抱えておりますし、あるいはまた地方の行革の問題もあります。あるいは一番行政改革で厄介な仕事は許認可の改革の問題があるわけです。これは非常に厄介な問題でございますが、従来やっておりますが、その程度で規制緩和は私はできるとは思わない。もう少しこれからやらなければなりませんし、先行きを考えますと、これからが本当の意味での厳しい行財政改革の逆ではないか、何としてでもこれには取り組んでいきたいと、こう考えておるのです。 それと同時に、行政の改革というのは、第二臨調は全般にわたっての改革意見でございますが、仮にこれが一〇〇%できたとしても、それじゃ行政改革はそれで終わりかといいますと、これは私は考え方が違うんです。行政の組織運営というものは、どうしても時勢の変化についていかなければいけない、絶えざる改革が必要なわけですよ。ところが、民間であれば、ほうっておいたらこれは企業が倒産になるわけですからいや応なしに合理化、変化への対応をやるわけですけれども、役所というものは必ずしも行政の成果の評価という客観基準が企業のように数字で出てくるわけじゃありませんからね。いわんやこれは税金でやっておるわけですから、倒産がないわけですからどうしても現状になじみ過ぎる。これを考えますと、昔と違って世の中は急激に変わっておりますから、調査会の御提言を全部やったとしても、絶えざる課題として組織運営の見直しは必要であろう、これは私の基本的な考え方でございます。 こういうようなことで、現状に私は必ずしも満足しておるわけじゃありませんが、これからも政府としては全力を挙げまして、要するに何よりも肝心なことは、国民の負担、納税者の負担というものをできれば減少させたいし、しかし近代国家の政府の役割というものはそう簡単なものじゃありません。しかし、少なくともそれなら増高をできる限り抑制をしていくということが国民に対する務めではないのかと、こういう意味合いにおいて今後とも全力を傾けたいと思っておりまするので、どうぞひとつ国会の皆さん方にも格別の御叱正をお願いを申し上げたい、かように考えておるわけでございます。
○菅野久光君 大変大きな課題でありますので、答弁も非常に多岐にわたって懇切に御答弁をいただきましたが、いずれにしろ行政改革は財政再建の問題とも絡んできている問題だというふうに思うんです。今、土光さんの新聞記事のことでちょっと申し上げましたが、その中でまたこのようなことを言われているんですね。 「直接税と間接税の比率是正を中心とした税制改正の検討を開始するようだ」ということについて、これは「行革審としても文句はないわけか」という質問に対して土光さんは、「あれは大蔵省がどうしてもというので盛り込んだ経過がある。われわれは直間比率をすぐ変更しなければいけない状況とは思っていない。まず、いまの所得捕捉のゆがみをきちんと正すことから始めるべきだ。財政再建のためには結局、増税が必要だ、という議論はどうみてもおかしい。そもそも政府税調は増税に甘過ぎるよ。会長もしっかりしてくれないと困る。国民も増税反対なら、もっとはっきり意思表示すべきだ」ということを申されておりますが、この土光さんが発言されていることについては、大蔵大臣、お認めになりますか。いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 臨調の財政再建の基本はいわゆる増税なき財政再建と、こういうことを理念として政府も今堅持しておるわけであります。したがって、当然その精神が生きておる限りにおいては、いわば増税ということが行革の手段として使われるということは、それに対しては非常に臨調、行革審側から見ればこれは適当なことではないという御意見のあるのは当然のことではないかと思います。 それから直間比率という問題は、実は税の専門の議論の中には直間比率というのは結果として出てくるものであって、初めから直間比率を設定して議論すべきものではないというのが最近の通説になっておりますが、一番最初の臨調の答申に直間比率の見直しということが書いてあります。だから、大蔵省は税の専門家でございますから、直間比率という書き方を専門家の立場からお願いしたということはなかろうと思いますが、税体系の見直しとでも本当は言うべきものであって、直と間とは結果として出てくる数字でありますので、その問題は少し議論の外にある、評価の外にある議論であるのかなと。税体系の見直し、これは絶えずやっていかなきゃならぬし、土光さんのおっしゃっております所得をもっと正確に捕捉すればという御意見も税体系の見直しの中に大きくは含まれる問題じゃないかなと、こういうふうに考えております。
○菅野久光君 直間比率の問題を大蔵省が盛り込めという直接的な言葉ではなくて、今お話しになったようなことで土光さん自体が受けとめておられるようだということに理解をしてよろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) そういう理解でいいんじゃないかと思います。
○菅野久光君 実際はどうであったかは別にいたしましても、何かやはり行革審と政府との何というんですか、地下水脈がつながっているというのか、何かそういうことがこういう中でやはりはっきりしてくるのではないかというふうに私は思います。 それで、本法案が国の補助金整理を掲げていますので、まず国の補助金の過去の、年間の年次別の総額がどのように推移をたどってきたのか、この点をお伺いをいたしたいというふうに思います。これは五十六年からやっておられますので、五十六年からお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) それでは一般会計における補助金総額の五十六年度以降の推移を申し上げたいと思います。 まず、五十六年度でございますが、総額で十四兆五千六十七億円、対前年度六千万百四十七億円の増となっております。続きまして五十七年度、十四兆七千六百五十八億円、対前年度二千五百九十一億円の増。五十八年度、十四兆九千九百五十億円、対前年度二千二百九十二億円の増。それから五十九年度、十四兆五千六百四十五億円、これは対前年度四千三百五億円の減というふうになっております。それから六十年度、十四兆四千三百一億円、対前年度千三百四十四億円の減ということでございます。
○菅野久光君 今お答えになりましたように、五十六年度から始まっていながら、五十六、五十七、五十八年と三カ年は補助金が逆に増額になっているんですね。これは一体どういう理由でふえたのでしょうか。また、行政改革の趣旨からいっても、もうすぐにこれは取り組まなければならない課題だったというふうに思うわけですけれども、その辺について、行革の趣旨ですね、それからどうしてこのようにふえたのか、そういったようなことについて、大蔵大臣それから総務庁長官からひとつお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 五十六年から五十八年でございますよね、補助金の総額がふえております。五十六年度の対前年度の増加額六千五百四十七億円のうち、やはり大きいもので見ますと社会保障関係費が三千三百七十五億ふえておるわけであります。これは医療給付そのものがふえたということと、年々傾向的に出てまいりますところの高齢化社会への逐次その進行がございますのでこうなります。それから文教及び科学振興費、これはちょうど、うち義務教育費等の国庫負担金が千二百二十五億でございますから、ほとんど生徒数の現実に対応をしたものがほぼ義務的にふえたものということになります。それから公共事業関係費、これは三百六十七億円、比較的小さいわけでございますが、これはまさに住宅金融公庫の補給金、これは義務的なものがふえておるわけであります。それから食糧管理費は、これは三百九十四億円のうちの三百九十二億円が水田利用再編奨励補助でございます。この四つの主要経費で大体八五%ということになります。 それから五十七年度は、社会保障関係費の中では先ほど申しました老人医療給付がやはり千四百二十五億ふえております。それから文教、科学の方は義務教育費の国庫負担金でございます。したがって、この二つで八八%になります。それから五十八年度は、これはやはり社会保障関係の三千二百七十二億、このうちの老人医療給付が千七百三十二億等になるわけでございますが、これは減のものもほかにございますから、丸々がこの問題であるということになるわけでございます。この五十八年度で減のものが出たというのは、これは五十六年度、五十七年度増加いたしました文教、先生の数とかいうことがございますから、それが二百十五億円減になりましたし、それからもう一つはベアを凍結したということが結局は負担金等が増加しなかったという理由になるわけでございます。 したがって、いわゆる社会保障とそれから文教関係は、人件費あるいは年金部分にしましてもスライド分、これは数がそう減るわけじゃございませんから、ふえていくというのはやむを得ざる趨勢ではないか。したがって、そうでないものの中で減らそうというわけでございますから、いつも申しますように、公共事業と文教とそれから社会保障とでほぼ十四兆円の八割ございます。それから法律に基づくものが八割ございます。それから地方自治体を通じて交付するものが八割ございますから、その分を仮に聖域といたしますならば、その後から残るものは非常に薄いものが残ってまいりますが、そういうところへメスを入れながら、なおいわゆる義務的に伸びていくものに対しては制度改正ということがありませんと、結果としては、高齢化社会はますます続いていきますし、よかれあしかれ世界で一番上がらないとはいえ消費物価の上昇率もございますし、そういうスライドからしてふえていくという傾向にあるわけであります。したがって、五十九年から若干落ちてまいりますのは、いわば医療費の一割負担などという制度改正が入ってきまして初めてそういう大どころにメスが入れられると、こういうことになるわけであります。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今、大蔵大臣からお答えしましたように、今日の補助制度というものは法律によるものがおおむね八割、社会保障、公共事業、文教、これがおおむね八割、市町村とか県を通じて出しておるものが八割。つまり、日本の行政を考える場合には、いわゆる補助制度というものが大きな分野を占めておるわけでございます。しかも大宗が今言ったような社会保障とか公共事業とか文教とか農林とかこういう関係なんですね。だから、これはやはりそのままにしておきますと、これはどんどん、どんどんふえていく一方なわけですから、最近の五十八年まで、六、七、八ですか、多少ふえておる、その後は減ってきておりますね。これは私はやはり行財政改革の一つの成果であろうと。しかし、それなりにこれは痛みを伴っているわけなんですね。みんな弱い立場にある人とかいろいろな人にどうしてもしわ寄せがいかざるを得ないという面がある。といって近代国家の役割を考えれば、これは減らすというわけにはなかなかいかないわけですから、私はこの行財政改革をやることによって、放置しておいたならば一体どういうことになったであろうということから、ぜひひとつ評価をしていただきたいなと、かように思うわけでございます。 したがって、補助金というものがどんどんふえておるのはおかしいじゃないかという御意見はよくわかりますけれども、私は仕事の中身、それからどういう仕事に対して補助が出ておるかということをお考えいただければ、行財政改革というものが大きな役割をしておる。しかし、さればといって、それじゃ切り捨てていいのかといえばそうはまいらない面があるんだと。ここらを御勘案願って御評価をしていただければありがたいと、かように思うわけでございます。
○菅野久光君 総務庁長官、何か御予定がおありだそうで、結構です。 五十六年度から五十八年度までは、言えば当然増といいますか、そういうことでふえて、五十九年度から、言えばまあ痛みを一番感ずるところにメスを入れたといいますか、そういうことで補助金総額が減ってきたと、そういうことでありますが、しかし国からの補助金の総額は減っても総体的にそこに支出する金は減っていないわけですね。結局、ここで国と地方との責任分担という問題が出てくるんだろうというふうに思います。これらの補助金等の整理については、法的な問題などを含めていろいろ御論議がございましたが、私は、ある新聞の社説にも出ておりますが、やはり補助金の整理というのは国民的な合意を得た、言えば正しい手法、何が正しいのかということはまたいろいろ議論のあるところでありますけれども、そういう方法でやるべきだというふうに思うんですが、今回の場合も政府の主張の中に、政府の財政難に比較すれば地方は府県も市町村もまだ余裕がある、こういったようなことが政府としての考え方の中に大きくあるようでありますが、この点についてはそのようにお考えでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは私は一般論として地方団体富裕論というものはとるべきでないと思っております。いずれも厳しい財政状況にあるという事実認識のもとにお互いが行財政の改革をしていかなきゃならぬというのが基本にあるべきだと思うわけでありまして、よく議論されますのは比較論でございますけれども、例えば後年度、まあ推計をしますと、仮に我が国の名目成長率を六ないし七の中間値の六・五をとって、それに租税弾性値の一・一を掛けたものを国税の収入と考えますと、この国税三税の三二%に当たりますところは恐らく一・二ぐらい弾性値がかかってくる。そういう伸びを考えますと、仮に名目成長率どおりの税収が入って、そうしていろいろな歳出に対する一つの基準を当てはめていけば、地方の方が国よりもいわゆる財政体質からすれば少し早く回復する可能性があるじゃないかと、こういうように数字上では出てまいりますでございましょう。 それと、国は赤字公債を発行しているけれども地方は赤字公債はないとか、あるいはそれの残高の額が違うじゃないかとか、そういう部分的な現象をとらえて数値を見ればそういう比較論はできますけれども、私は、国が貧しくて地方が富裕だからこの肩がわりをすべきだという議論にくみしたら、いわばツケ回しの思想だけが私どもの方に残って、これは最も戒むべき方向へ行くから、あくまでも役割分担と費用負担のあり方という観点から、そこに焦点を置いた検討を行っていかないと間違うと思います。地方の中に、それはわずかはラスパイレス指数がたれが見ても高いとかいろいろなことがあるでございましょうけれども、それらの是正を指導するとかいうことはあり得たにいたしましても、相対的にいわば地方団体富裕論という前提に立つべきものではないと思っております。
○菅野久光君 自治大臣、いかがですか。
○国務大臣(古屋亨君) 今のお話でございますが、私は、特に国も厳しいが地方も厳しいという考え方でございます。その根拠といたしましては、やはり地方に大体今五十七兆程度の借金があるわけでございます。これを何とかして早く返していかなきゃならぬ。 それから地方というのは大体三千三百近くの県市町村、こういうものがありまして、こういう間におきましては、それはたまには、たまといいますか一部には、ごくわずかでございますが裕福に見えるような、例えば神奈川県がこの前三月に年度末手当、普通の国家公務員に出している以外に一人二万円余の金を出しました。私、知事さんにお目にかかりまして、こういうような条例はいかがでしょう、今やはり国も厳しい、地方も行革をやっておるときですから、そういう点はぜひ負担者の気持ちというものを考えていただきたいということをお願いしたのでございますが、全般的に申しますと、三千三百のうちでいわゆる公債負担率といいますか借金の負担率が二〇%以上、私ども危険信号と言っている、それが三千三百のうちで四分の一程度、つまり八百二十団体ぐらいあるというのが現状でございます。それから財政構造におきましても、大体地方の税収、財源というのは義務的なものが割合に多うございます。自由裁量の範囲が国と比して非常に少ない法体系になっております。 そういう点からも考えまして、私は、地方財政は国と同じようにやはり非常に厳しい。国会でよく御議論になりまして私どもお答えしておりますが、百万円の借金と二百万円の借金とどっちが金を持っておるか。まあ預金のことも考えるといろいろ問題がありますが、そういう御質問も受けたことがあるのでございますが、要するに地方も極めて厳しい。だから行財政改革を積極的に国もやっておるが地方もやっていかなければならない。 問題は、私考えておりますのは、今法案が出ております。国が地方に対していろいろの関与とかあるいはまた必置規制、これだけ補助をやるから何人置きなさいというような、これは行革審の答申に基づきまして今法案が国会へ出て審議されておりますが、一番大きい問題はやっぱり先ほど後藤田さんがお話しになった許認可の問題や権限移譲の問題だと思っております。これが大体目標としては行革審で七月ごろまでには答申が出るようでございます。これが出ないと、本当に地方の行革というのもそういう点が邪魔されておるというような状況に私はあると思っておりまして、そういう意味で私は地方も行革はうんと進めていかなければならぬという考え方でございます。
○菅野久光君 いずれにしろ補助金整理の問題について、政府は自分たちの都合を優先させるのではなく、どの補助金を削るか、府県、市町村の意向をこれは重視すべきだというふうにこの社説の中でも書いているわけで、私もそういうふうに思います。そして補助金などを受けている自治体が一番効果のない補助金などの実態をよく知っているわけであります。市長会などがかつてこの補助金等の問題についての整理すべきものというようなことで何かリストまでつくったというようなことが出されておりますし、全国市長会からも昭和五十五年の七月十六日にこういうのが出されていることは御存じだと思いますが、いかがでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) そういうことは私も承知いたしております。なかんずく去年、いわば補助金の一割削減などということをしないで、その所掌事務をどうするかとか、この点は一般財源化した方がいいじゃないかといろいろな自治省のメモというようなものもございましたが、それらはやはり大いに基本的に参考にすべきものであるという事実認識は私どもも持っていなきゃならぬということであります。 それから強いて両者の話し合いということになりますと、やはり歴史的に見まして、例えば先生の北海道でございますと、背、黒田清隆さんの、北海道の開発は全額国費をもって行うべしという太政官布告がございますが、それが私は今日の北海道がある一つの要因であると思っております。しかし、そういう問題につきましてもだんだん、だんだん全体が均等化した場合には、かさ上げ率を多少減らしていただくとか、あるいは個々の問題によって似たようなものに対する補助率を設定しておりますが、それも個々の話し合いの中で増減が行われていくというようなことは実施団体との話し合いの中で絶えず心がけていかなきゃならぬ課題だろうというふうに思っております。
○菅野久光君 時間もございませんのでできるだけ簡潔にひとつお答えをいただきたいというふうに思いますが、いずれにしろ国と地方との責任分担のあり方、そこのところがあいまいになっているというところが非常にやはり問題で、例えば生活保護費の問題なんかがよく引き合いに出されるわけでありますけれども、本来もともと国の仕事であるから国が負担するのが当然で、そこのところを国の財政が大変だからといって地方に課するのはおかしいじゃないかという論議なども出てくるので、これはやはり国と地方との責任分担というものについてもっと論議をしていかなければならない問題だろうというふうに思います。 今回、高率補助の削減ということでありますが、補助率については低率なものから高率なものまでいろいろあるわけでありますが、その補助率を決定する基準的なものはあるのでしょうか。その基準決定に当たってのお考えをひとつ簡潔にお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これはもう個々の補助率はそれぞれの補助金等が創設されました際、あるいはその後さまざまな事情によって相互のバランス等を踏まえて、そしてそのときどきの国と地方の財政事情、地方公共団体の行政能力、当該施策の緊要性等さまざまな要因を総合的に勘案して、結果として決められてきたというふうに言わざるを得ないと思います、率直に申しまして。したがって、全体の補助率体系につきましては、財政審で去年の十二月二十一日に、「現行の補助率がそれぞれの水準に定められた背景は区々であるが、実際の補助率は、性格の類似した補助金等の間においてはそれなりにバランスを保ちつつ定められ、相互の関係についてみれば安定的な体系をなし定着してきている」。ですから、結果としては割にバランスはとれているという評価はあるだろうと思います。この役割分担と費用負担のあり方でどう変更していくかという問題は別といたしまして、比較的似たものは似たもののようなバランスはとれておるというのが今日まで行革審等からいただいた一応の評価でございます。
○菅野久光君 それで、今回高いものを一律にカットするということは、それぞれの事業なり何なりの性格なり、いろいろな歴史的な背景なり政治的な事情も加わるのでしょうが、そういう中で決められただけに私はここのところが矛盾しているのではないかというふうに思うんです。財政事情等により何を緊急なものとして考えるのか、何を重点的なものとして考えるのか。ここのところが私は補助率を例えば下げるにしても大事なところだというふうに思うわけですけれども、なぜこの高率の補助だけを下げようとするのか。一番いわば目につきやすいところであるごとだけは間違いがないわけでありますが、しかし事の性格上そうであってはやはり困るというものがたくさんあるわけでありますが、そこのところをどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) おっしゃいますとおり、まず行財政改革、そうすると十四兆、四割に達するわけでございますから、そこへどうしても眼が集中いたします。そこで、先ほど申しました高率補助とか自治体を通ずるものとか、そういう当然増的な経費を除いて薄いところからそれはやはりとっかかっていったものでございます。そしてたびたびの行革審の答申等からすれば、いわゆる高率補助というのは一つには富裕団体も、まあ貧乏団体という表現はいけませんが、その富裕でない団体に対しても同じような補助率がかかってまいりますと、富裕団体の方で見れば、それの負担区分が低ければ低いほどむやみにその事業が増高するというと、アンバランスになってくる、こういう問題も出てくるというようなことが一つ。それからやはり高額補助であればあるほど、自治体としては政策選択のときにどうしでもそれに飛びつきやすい、これは公共事業等が主体になるでございましょうけれども。そういう欠点も指摘されたということから、今日の状態でいわば高率補助の率というものに着目してお願いしたのは今回が初めてだと。あの行革国会のときからいえば二度目だと。もっと古いのでいえば昭和二十九年にやっておりますが、そういう率に着目したわけでございます。
○菅野久光君 自治体側がその補助事業について高率なものに飛びつくといいますか、そこの方に目がいくというふうなことを今、大臣が言われたわけでありますが、全国市長会のこの中でも、そういうことについてはみずから戒めて、補助金の活用は地域住民の行政に真に有効なものであるかどうかということを判断してやらなければならないということをやっているわけで、そこのところは従来はそういう部分があったと思いますけれども、今は国も地方も含めて大変な状況でありますから心配はないんじゃないかと思いますが、そういう意味で私は高率補助だけにやはり絞ったところに非常に問題があると思いますし、例えば補助率の高いものでも単価差とかあるいは数量差、対象差によっては実質補助率が下がっているものもあるというふうに思うんです。それが超過負担となっているわけでありますが、そういったようなものが物によってはあるということはお認めになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 超過負担問題というのは、これは古くて新しい問題でございましょうが、逐年これが解消される方向で行政実態は行われておるというふうに私どもは理解をいたしております。個々の問題になりますと、とかく我が省はマクロだけで見ますものですから、必ずしも適切なお答えになったかどうかはわかりませんが、そのように考えております。
○菅野久光君 個々のところはいろいろそれぞれの具体的な問題でまたやらなければこれは出てこない問題ですし、また考え方の違いもいろいろあろうかと思います。 時間が大変短いのでちょっとはしょったような形になってしまいますが、特に今回の補助金一括法案の中で一番被害を受けているといいますか、削られているのは農林水産省の予算なんですね。 農林水産大臣にちょっとお伺いをする前に、実は昨日の外務委員会で、今回の協力協定の審議の折に、私は日本の二百海里内における小型サケ・マス漁船の出漁だけでも何とか認めるように努力をしてもらえないかということを申し上げましたが、早速そのようなことをしていただいて、けさのニュースで聞きまして、何か漁民の方々が本当に喜び勇んで出漁しているのが目に浮かぶような気がいたしまして、大変大臣御努力いただきましたことにこの席をおかりして心から厚くお礼を申し上げます。 そこで、農林水産省の予算の中でこの補助が一番削られているわけでありますけれども、このように削られて、しかも今外圧が非常に大きい。昨年の牛肉、オレンジのあの輸入枠拡大のときにも、足腰を強くしなきゃならぬというようなことを含めて、これは総理も大蔵大臣もその点はひとつ踏まえてやろうというようなことで言われたということが会議録にも載っているわけでありますが、この際こういったようなことについての大臣の認識といいますか所見、そういったようなものについてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 菅野先生にお答えいたします。 先生御存じのことでございますが、農林水産予算というのは、国民生活にとりまして最も基礎的な物資であります食糧の安定供給にかかわる重要な予算でございます。そんなことで、実は六十年度の我が省所管の予算については、先生御指摘のとおり残念ながら各省庁の中で最も大きい減額になっておりますことは御指摘のとおりでございますが、内容面におきましては、農林水産業をめぐる諸情勢に対処しまして、先産性が高く土台がしっかりした農林水産業の実現とかあるいは活力ある村づくり等を図るため、限られた財源の中でございますが、予算の重点的かつ効率的な配分によりまして各施策の質的充実を図っているところでございます。今後とも農林水産行政の円滑な推進を図る上で必要な予算の確保に最大限努めてまいりたいと考えております。
○菅野久光君 諸外国の農林水産予算や農業に対する手厚い保護措置は諸外国ともほぼ共通しているのではないかというふうに思うわけです。特に、食糧は国の独立と安全保障の基盤をなすものであることは論をまたないところであります。したがって、我が国においてもこの効率化を図ることはもとよりでありますけれども、その趣旨を踏まえた農林水産予算、これに十分の措置をとっていただきたいというふうに思うわけでありますが、この点について大蔵大臣それから農林水産大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 農林水産予算ということになりますと、これは言ってみれば食糧安全保障、これは私ども最も大切なことであるとして念頭に置いております。しかしながら、もとより聖域を設けないということで、これに対していろいろなお願いをしてきているわけでありますが、一口に予算の性格から申しますと、補助から融資へというような、スローガン的に申しますならばそういう印象を私は持っております。そういうことからいたしまして、助成方式の見直し等を行ってきたというふうな内容になるではなかろうかというふうに思っております。したがって、補助から融資へという一つの流れがございますが、また一方、質的な充実に配慮した重点的な予算を志向していかなきゃならぬというふうに思います。私も農山村出身でございますので、いつも見ながら思いますのは、三百億程度の申告の納税で予算が三兆円だと、百倍だというようなことを他の業種の人が言うときには心なしか抵抗を感じておる一人でございます。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたします。 竹下大蔵大臣が大変農林水産業につきましては特別の御理解を賜って、いつも感謝しておりますことを申し添えておきます。 我が省の予算につきましては、先ほど先生にちょっと申し上げたとおりでございまして、大変重要な予算でございます。そんなことで、今後とも農林水産行政の推進上必要な予算についてはこれを確保すべく最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○菅野久光君 農林水産予算についても補助から融資へということでやられていることは私もよくわかります。そしてまた、実際に農業者の中にも、いたずらな補助金は何というんですか生産意欲なりあるいは経営意欲というものを失わせるそういう部分がある。ただ、今いろいろ農業の種別によっても違いますけれども、大きな赤字を抱えているところは超長期の超低利の資金の融資というものを求めているわけであります。これはいたずらな補助金をやるよりは、その方がよほど何というんですか効果的に生産意欲あるいは経営意欲というものを沸かしていくのに非常に大きく役立つということを実際生産農民の方々が言われているわけであります。したがって、補助金についてはある程度の抑制、補助金から融資へということはわかりますけれども、その超長期、超低利の融資、これは何としてもやらなければ日本の農業というものをこれから足腰の強いものにしていくということは困難じゃないかというふうに思いますので、肩がわりということは適切でないかもしれませんが、そういうことにひとつ大蔵大臣も意を用いて今後の国の予算編成については特段の配慮をしていただきたい。これは農林水産大臣と同じような気持ちで私も申し上げざるを得ないわけでありますが、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 農林水産大臣は何か御用だそうですのでこれで結構です。たくさん予定したわけでありますが、時間がございませんので次に移らせていただきます。 次は、文部大臣にちょっとお伺いをいたしますが、何回もいろいろ言われているわけでありますけれども、特に今回大きいのは義務教育費の国庫負担にかかわる問題だろうというふうに思うわけです。それで、この義務教育費国庫負担制度というのは義務教育の根幹にかかわる重要な制度ではないかというふうに私は思いますが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(松永光君) 義務教育費国庫負担制度というのは、全国的なレベルで、都会であろうと地方の僻地の方であろうと教育水準が一定の水準に維持されるように、そういった考え方で明治以来創設されておる制度であると考えておりまして、しかし問題はどういう経費について国が負担をするのかという点があるわけでありますが、歴史的に言っても実態的に言っても義務教育費国庫負担制度の中核をなすものは教職員の給与費等の人件費である。その後になりまして、そのときそのときの事情で教材費などが国庫負担の対象に取り入れられたという経過があるわけでありますが、いずれにせよ義務教育というものを全国的なレベルで平準化していくということの立場から大変重要な制度が義務教育費国庫負担制度であるというふうに私は認識いたしております。
○菅野久光君 そこで、これだけ重要な制度だというふうに認識されているものが、結局今度のやつでなくなるわけなんです。だから、非常にこれは重要な施策に関する問題だというふうに思うわけであります。これについては例えば中央教育審議会令では、「教育、学術又は文化に関する基本的な重要施策について調査審議し、及びこれらの事項に関して文部大臣に建議する。」、もちろん「文部大臣の諮問に応じて」ということなんですが、これだけ重要な問題について、今教育審議会は実質的にはまだ任命されていないわけですが、これにかわるものとして何か臨教審ですね、臨教審が今設置をされております。臨教審の第一部会でも「国・地方公共団体の教育に対する役割」、そしてこの中で「教育条件の整備」ということが第一部会の中にあります。今度のこのことについて臨教審の第一部会なり何なりの御意見を聞いたということがございますか。
○国務大臣(松永光君) 先ほど御答弁申し上げましたように、この義務教育費国庫負担制度というのは長い歴史があるわけでありますが、この制度の中で国がその経費の一部を負担する。その中核的な負担の対象は教職員の給与費等の人件費である。昭和二十八年から教材費について一部負担、三十三年から二分の一負担という制度に変わったわけでありますが、それはこの制度が取り入れた当時の財政事情や、あるいは教材については公費をもって整備を進めていかなければならぬことに法律上はなっておるわけでありますけれども、必ずしもそういうことが実施されずに、父兄に対する割り当て寄付などということで父兄負担に転嫁をされておったというふうな事情がありましたので一部負担の対象になった、こういう経過があるわけであります。その後三十年たちまして、もうずっと前からでありますけれども、教材につきましては学校の設置者である市町村が公費をもって教材の整備をしていくという状況が定着をしてまいりました。 一方、先生御承知のとおり、国の財政事情は極めて厳しいということがございまして、年々教材費についての国庫負担額が減らされてきた。したがって、今度はその裏をなす交付税の方も減らされてきた。ちなみに昭和五十七作は一〇%減、五十八年も一〇%減、五十九年はさらに一五%減というふうなことになってきておるわけでありまして、そういう国の財政状況、それからさらには地方財政当局と相談いたしましたところ、地方財政措置として……
○菅野久光君 諮問したかどうかということだけ言ってください。
○国務大臣(松永光君) そういう事情がありましたので、地方財政当局の方では前年度を上回る財源措置をしてくれるということになりましたので教育委員会関係者等の意見も聞いたわけでありますけれども、総合的に判断して今回の措置をお願いするというふうにしたわけであります。 なお、臨時教育審議会は、先生御承知のとおり、二十一世紀を展望した日本の教育の基本的なあり方について御審議をしていただいておるわけでありますが、今回の措置は義務教育費国庫負担制度の一部改正ではありますけれども、根幹、基本にかかわることではないということもありまして、別段諮問はしないまま今回の措置をお願いするというふうにした次第でございます。
○菅野久光君 私は、根幹をなす部分の中で、言葉は適切でないかもしれませんが、いわば枝葉の部分だ、だから諮問もしなかったというふうに受け取らざるを得ないわけなんです。しかし、いずれにしろこれは必要があって、経過はどうあれ、現在国庫負担制度としてきちっとなっているわけでありますから、それを変えるというときにやはりそういう手続というものは私は必要ではないかというふうに思うんです。ですから、きょうの論議でも、やはりその手続というところが今回の場合一括ということで省かれているのではないか。そこに地方団体からもそれから野党からも反対をする、そしてこういう根幹にかかわるものまで一括法の中に含めることの論理的な間違いといいますか、そういったようなことを正していこうとしているわけです。 ですから、これをばらしてそれぞれの委員会で審議をせいというのはそういうところにもあったわけでありますが、いろいろなかかわりでこの特別委員会になっているわけなんです。私はそういう意味で今回こういうような措置をとることについて一定の手続というものをきちんとやっていく、そういうことがやはり国民に対する政治家の役割ではないか、任務ではないか、そのように考えておりまして、今回のとられた措置について、都合のいいときには審議会だとか何かというところに持っていって、そこで都合のいい答申をもらう。都合の悪いといいますか、そういうときにはそういうところにやらないで、あっちこっちちょっと話を聞いて出していく、いわば便宜主義ということになるんじゃないかというふうに思わざるを得ません。それで今回の、手続的にはやはり私は間違っているのではないか、足りなかったのではないかということをこの点については申し上げておきたいというふうに思います。 次に、もう時間が大分切られましたので、申し上げますが、失業対策事業の問題について労働大臣にちょっとお伺いをいたしたいと思います。 具体的な質問に入る前に、今後の質問とも非常に関係することなので労働大臣の基本的な認識を確認しておきたいというふうに思います。労働大臣は、大臣就任後、国会の内外で労働時間の短縮を中心にかなり長広舌な答弁や演説をされております。だが、その具体性についてはなかなか言われているようにはなっていかないということで疑念を禁じ得ないわけであります。そこできょうは、労働大臣として失業問題をどのように認識しておられるのか、それをお尋ねしたいわけです。私は失業とは社会の諸悪の根源であると基本的には考えております。失業の防止が労働政策の最重要課題であるとも認識しております。大臣は抽象的な答弁でなく、きちっとこの問題に答弁をしてもらい、次の質問に移ることとしたいので、まずこの点について所信を述べてもらいたいと思います。私の持ち時間が十一時十分までですのでひとつ簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(山口敏夫君) 労働時間短縮の問題につきましては、基準法研究会で今いろいろ論議をいただいておるわけでございまして、また私どもも労働階間短縮とか休暇の問題をいろいろな機会を通じて必要性を訴えておるわけでございますけれども、これは遅々として進まないということよりは、現在国会において各政党閥の責任者会議で結論を出す、こういう段取りまで国会でもお進めいただいておるわけでございますので、その点を含めて国会の立場あるいは政府の立場相まって、一歩一歩ひとつ中小零細企業にも十分取り入れていただけるようなその過程を経て雇用の安定にもつながるわけでもございますので進めていきたいというふうに考えておりますし、失業の問題につきましては、現状は幸いに求人が求職を上回っておる、こういうことでございますが、これからは高齢化時代の問題あるいは省力化を含めた雇用構造の変化等も出てまいりますので、先生の御指摘のとおり、私も雇用の安定と失業を未然に防ぐということが国民生活、日本経済の安定の不可欠な要件である。こういう立場でなお一層今の状況を守り、かつ今後の雇用問題にも対処していくということが大きな責任であろうというふうに考えております。
○菅野久光君 失業者は合ふえてきているのですね。一月が百五十二万、二月が百六十四万、三月が百七十四万と約十万ずつふえてきている状況にあるわけですから、その辺は今のお話からちょっと認識が違うんじゃないかというふうに思います。 この失対事業の問題でありますが、このことについて、労働大臣のたしか私的諮問機関だと思いますが、失業対策制度調査研究委員会が五十五年の十二月に、失業対策制度のあり方について検討して労働大臣に報告書を提出しています。この報告書は、失対事業の存続にとって重要なものとなっているようでありますが、そのポイントを説明していただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) この失業対策事業制度につきましては、五年ごとの制度検討を行うことになっておりまして、前回、昭和五十五年にこれが行われたわけでございます。五十五年の検討結果といたしましては、一つには失対事業の紹介対象者を六十五歳未満の者にすることが適当である。しかし、これを円滑に実施するために五年程度の経過措置を設けるということが一つでございます。それからもう一つのポイントといたしまして、今後これが地域社会の環境整備や福祉の増進に本当に寄与し得ないようなそういう非効率、非経済的な事業は計画をしない。あるいは作業効率の維持確保を図る。あるいはまた、そういうようなことを通じて労働政策としての事業としての性格を明らかにしていく。さらにまた、六十五歳以上の高齢者や病弱者の早期自立、引退の促進を図るために特例援助措置を設ける、こういうようなことの御提言があったわけでございまして、その報告を受けましてこれまで事業の適正運営に努めてきたわけでございます。ことしもこの五年目の制度検討の年に当たるわけでございますので、近くこの失業対策制度調査研究会を発足させるという予定でおるところでございます。
○菅野久光君 今、報告がありましたが、失業対策制度調査研究委員会、五年前のやつを受けてこの五月に何か失業対策事業制度委員会を発足させて具体案の検討に入る、十月には報告をまとめて六十一年度から実施する方針だと聞いていますが、こうした失対事業の改悪の方向は事実として受けとめていいかどうか、ちょっとお伺いいたします。
○政府委員(加藤孝君) 先ほども申し上げましたように、五年目の制度検討の年に当たっておりますので、近く失業対策制度調査研究会を発足させる予定でおりまして、その研究の成果の取りまとめがいつになるのか、その辺は今後の研究の進め方、あるいは取りまとまりがいつになるか、これは必ずしも明らかではございませんが、できるだけ早く、こういうことでお願いをしていくということになろうと思います。その研究の成果が出ました場合には、政府としてはこれを受けとめてその実施に努めていく、こういう基本的な構えでおるところでございます。
○菅野久光君 失業対策制度調査研究委員会はまたことしやるということなんですが、それを受けて失業対策事業制度委員会を開いて来年度からのやつを何か検討するというふうに聞いているんですが、この新たな委員会を発足させるということを考えているのかどうか、そこのところだけお答えいただきたい。
○政府委員(加藤孝君) 失業対策制度調査研究会は発足をさせますが、おっしゃいます研究委員会といいますか、失業対策事業制度委員会というのは、私どもと多分同じものを何か言っておられるのではないかという気がいたします。そういう別のものを特に考えておるとか議論されておるということはございません。
○菅野久光君 それじゃ報道関係者があるいは間違ったことで書かれたのかもしれません。しかし、いずれにしろ失業対策制度調査研究委員会というのはこれは私的諮問機関ですね。 そこで、時間がございませんから言いますが、大臣の私的諮問機関が、労働行政の重大な施策の変更ないし法律の改正を伴う事項について、合議体として一つの結論なり方向を示すということを決定するのはこれは逸脱である、これはもう国会でもしばしば問題となっております。昨年の本院の予算委員会でもこのことについては指摘をされて、注意を喚起するという趣旨の官房長官あるいは総務庁長官の答弁もあるわけですが、非常にこれは問題だというふうに思いますが、その点はどのようにお考えですか。
○政府委員(加藤孝君) これは失業対策制度調査研究会と俗称いたしておりますが、正式には失業対策制度についての研究をこの先生方に委託をする、こういうような形のものでございます。そういう意味では、特に研究会という形で会がオーソライズされた形であるわけではなくて、座長のような形でだれかがその研究の討議の場で取りまとめを行う、こういうような仕組みでございます。これにつきましては、正式のものといたしましては雇用審議会におきまして、こういう制度の大きな改革を伴うものについては検討をする、審議をしていただく、こういうものがあるわけでございまして、もし仮にそういう制度の改革を伴うというようなことであれば、雇用審議会において正式にお諮りをする、こういう性格のものと考えております。
○菅野久光君 いずれにしろ、何か伝えられるところによると、こういう私的諮問機関で報告をまとめる、その報告をまとめるということ自体が本来的に私的諮問機関としてやるべきではないんだということが国会でたびたび論議をされ、しかもそういう答弁がなされているわけであります。特に、聴取しました意見を合議機関の意思決定と紛わしい形で取りまとめることのないよう留意すべきものでございますということですが、この私的諮問機関でいろいろやられたことが、もう既にそのことをにしきの御旗にして、正式な雇用審議会等にかからないでこういう形に持っていこうとするのが今までのいろいろな行政側のやり方だった。これは、首相がそうでありますからほかの省庁もそういうことになるのかもしれませんが、首相の私的諮問機関を利用するのはまことに巧みといいますか、そういうことでいろいろこれは国会でも問題になっているわけでありますから、その点はやはり私的諮問機関は私的諮問機関、それから正式な八条機関は八条機関としての役割にのっとったそういう対策というものをやはりきちっとやるべきだというふうに思うわけであります。これは先ほどの義務教育費国庫負担の問題もそうですし、この失業対策の問題についても、やはりこの手続といいますか、そういうものをやはりきちっと紛わしいことにしないでやっていただきたいというふうに思います。 先ほど申し上げた中での答弁で、今言っている失業対策事業については、六十五歳定年とかなんとがということで将来これをなくすというそういう方向で何か検討されているようでありますけれども、先ほど言いましたように今失業者がふえてきている、そういう状況の中で失業対策費というものは極めて大きな意味を持っているというふうに思うわけですけれども、この失業対策事業をなくしていくということと、失業者がふえていく、こういうような事態をとらえて労働省としてはどのように対応されるのか、その点をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 失業対策事業は、戦後最高時には三十五万人の失業者を事業で抱える、こういうことで失業者の生活の安定のために大きな寄与をしてきたわけでございますが、その後日本経済の発展の中で失業者も逐次民間企業への就労の場を得まして、そういう失業対策事業というものについての大きな見直しも必要になるというような中で、昭和四十六年に、新たに失対事業には就労させない、こういう措置がとられ現在に至っておりまして、現在は六万五千の就労者が就労しておるということでございますが、既に平均年齢は六十五歳になっておる、あるいはまた六十五歳以上の方が六割を占めておる、七十歳以上の方も三割おられるというような非常に高齢化しておるわけでございまして、そういう意味ではこの研究会の報告は失業対策事業については基本的には終息の段階にある、こういう認識を私どもも持っておるわけでございます。ただ、円滑なその終息を図る、こういう観点からのいろいろ配慮もしながらやっておるということでございまして、今後の失業者に対する対策といたしましては、中高年の就職促進措置であるとか、あるいはまた不況業種、不況地域の離職者対策であるとか、さらにはまた雇用保険制度による失業の未然防止、あるいはまた失業者に対する早期再就職のための手当制度の活用というような制度において、この失業の未然防止と再就職促進というものを今後は図っていくべきものでございまして、こういう失業対策事業という形で、事業方式による失業者への対応ということは今後は新たにやるべきものではないだろう、こんな考え方をいたしておるところでございます。
○中野鉄造君 今回のこの法案審議は、そのもとをたどれば、しょせん国の財政逼迫ということに起因するわけでございますけれども、本法案は、結果としてやはり国民に、それも特に弱い立場の方々に対する影響が多い上に、さらにこれがひいては国と地方自治体との信頼関係にも悪影響を及ぼす要素を多分に含んでおる、こういうように私は思うわけでございますが、その辺のところは大蔵大臣どのようにお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 今回の措置というのは、基本的には国と地方との役割分担、費用負担のあり方ということに最終的には尽きるわけでございますが、御指摘なさいました趣旨を勘案いたしますと、従来はいわば法律補助、あるいは社会保障、公共事業、文教、これが八割を占めるものでありますが、それには当然増経費等を認めながら、それに属さないものに対する終期を設定したりあるいは廃止したりと、こういうところから補助金に目を向けておったことは事実であろうと思います。したがって、今度は高率補助という立場から目を向けたわけでございますので、その対象となりましたのは、まさに今おっしゃいますところの文教、社会保障、そして公共事業というようなものがその大宗をなした仕組みの法律になっておるということは私も否定するものではございません。ただ現実問題といたしまして、末端の給付そのものは、これが不利益を受けないような配慮はいたしておるつもりでございます。
○中野鉄造君 そこで、この法案に盛られたような措置に至らざるを得なかった今日までの財政の運用あるいは財源対策について順次お尋ねをいたしていきたいと思いますが、まず補助金の整理合理化の方法は財政的抑制効果のみをねらった削減ないしは地方一般財源化によって行われるべきではない、このように私は思うわけでございます。すなわち、地方自治体に対する補助金はその多くを使途に対する地方自治体の裁量権を拡大した配分方式による包括ないし総括補助金を中心にこれは改革すべきものであると私は思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 補助金整理の今日までとってきた段階的手法といたしましては、今中野さん御指摘のような手法からアプローチしてきたわけでございますが、今日の段階でお願いしておるのは、いわば費用負担のあり方というところに帰一いたしてきておるわけであります。したがって、今おっしゃった手法をとるべきだという基本理念はこれからもやっぱり堅持して対応していかなけりゃならぬ、これで済んだというわけではもとよりございませんので、そのように考えます。
○中野鉄造君 そこで、例えば補助事業の箇所づけ、これを例にとりますと、これらは当面都道府県に任せ、補助金は策定された事業計画など客観的な公開された基準によって決定し、機械的にこれは配分すべきではないか、こういう一つの案を私は持つものでございますが、それはなぜかといいますと、そうすることによっていやしくもうわさされるような特定の政党や特定の政治家の政治基盤を培養するような、いたずらに疑惑を招く不明朗な補助金の配分を是正するということになっていくのじゃないかと思うんですが、こういう考えについては、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 今の中野さんの論議を進めていきますと、地方に対する第二交付税的な考え方に進んでいくと思います。その第二交付税的考え方というのは、一つの意見として私どもも存在していることは十分承知しております。が、これはその基準の策定の仕方も難しいかもしれませんが、それはそれとしてできたといたしますと、今度は公共事業に例をとった場合に、いわば国には国としての治水五カ年計画でございますとかあるいは道路整備五カ年計画でございますとか、そういう国全体の整合性の中でつくられた計画がある。それとその地域の計画をどう調和さしていくかということになりますと、第二交付税的な考え方で出すことは地方の自主性をより膨らましていくことには役立つわけでありますが、中央から見ましたところのそういう各種公共事業の基本的整備計画等からの整合性に問題がございますので、たびたび議論はしますものの、その第二交付税的考え方に対しては今日、絶えざる勉強は必要でございますが、それをとりますと言う段階には至っていないというのが現状でございます。
○中野鉄造君 そこで、地方自治体の財政負担を伴う制度の改正が仮に行われる際には、地方自治体の意向を十分に反映させるための事前協議制度、こういうものを確立させる必要があるんじゃないかと思いますが、地方負担を伴う制度の改正について、国の一方的イニシアチブによって決定されるというような現在の仕組みはやはり改めるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) まあおっしゃいます議論がありますだけに、今度の問題もこれは正直に申しまして、地方制度調査会等からは、このやり方が簡単に言いますとけしからぬ、こういう答申もいただいたわけでございます。その後自治省等との協議の中で、自治省の方で御努力をいただきまして、それらを構成する地方六団体等との意見調整、やむを得ないというところまでではございますけれども、話し合いが行われたということについてこういう措置を行うことにしたわけでございますので、制度的に事前調整というものがどのようにしてあるべきものか、これは私も今にわかにこのような仕組みでやっていきますというお答えするだけの準備はいたしておりませんが、とかく私どもの立場からいえば、行革審でございますとかあるいは財政審でございますとか、そういう立場だけの意見を聞いて物を進めてはならぬということは絶えず自戒していなきゃならぬことだと私の側でもそのように考えます。
○中野鉄造君 自治大臣にお尋ねいたしますけれども、今私がお尋ねしたことは、すなわち地方財政法第二条の二項においても、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を打ってはならない。」、こういうように規定されているわけですが、今大蔵大臣からも御答弁がありました。自治省としては当局の今後における改善策について具体的に検討される、あるいは大蔵省ともそこいらのところを討議されていくおつもりはございませんか。
○国務大臣(古屋亨君) 地方団体の要望する点、いろいろさっきお話をお伺いいたしました。実は、地方の側といたしまして、これは地方制度調査会もそうでございますが、補助金というものの整理合理化はぜひやってもらいたいと。ただ、簡単に言いますと、一律カットは、ぱっと切ってしまうと大事なものががっと減る。それから要らぬ――要らぬと言うのは悪いんですが、それほど地方にとって必要ないものも残る。こういうことだから整理合理化は必要だという考えで、私どもも昨年九月に自治省としてはメモをつくりまして、どういうものが合理化でできるかという地方団体の意見を聞きながら、そういうものをメモとして大蔵省に提示したところでございます。 それで、予算編成の折衝のありました十二月の二十二日になりまして、どうしても財政環境は極めて厳しいからこの補助金の一割カットは国の立場からぜひ受けてもらいたいという要望がございまして、私どもはそれにいろいろ考えたのでございますが、国の財政も非常に厳しい、地方も厳しいことはもとよりでありますが、一年限りであり、しかもその減額した分は国においてちゃんと補てんをしますというお約束をいただいた暫定的な緊急的なものとしてこれを受けざるを得なかったということでございまして、その点は地方団体におきましても形においては非常に御不満でございましたが、いろいろ御了解を得るべく努力いたしまして、一応一年限りでそれを補てんするということで御了解をいただいたところでございまして、今度の御提案申し上げておるような法律の中にも財政上の措置を講ずる、つまり交付税一千億あるいは建設地方債四千八百億というようなことも財政上の措置を講ずるということでございますので、私どもはそれが直ちに地方に負担を転嫁するものではないという地方財政法の考え方をいたしておるわけでございます。
○中野鉄造君 今の自治大臣の今回の単年度の暫定措置に関しての問題についてはこれからまたお尋ねしてまいりたいと思いますが、そこで、その前に六十一年度の社会保障予算における問題といたしまして、人口の高齢化やあるいは物価の上昇などで少なくとも六千億から七千億の当然増が今後見込まれるわけですが、六十一年度においては抜本的な制度改正による大きな財政効果の上がる制度改正はこれは仮にできないと、まあ次に六十一年度から新しい年金制度が発足して従来とられたような年金の国庫負担への一部繰り延べがやりにくくなった、こういうような理由から社会保障費における歳出抑制策はもう既に限界に来ている。したがって、四年連続のゼロないしマイナスの概算要求基準による予算編成を明年度予算においても続けることは、これはもうここに至っては不可能になったんじゃないか、こういうように判断するんですが、まず厚生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように、いよいよ本格的な高齢化社会を迎えるわけでございますので、いわゆる当然増と言われる費用がふえてくるということは否めない事実であろうかと思います。まだ正確に試算したわけではございませんけれども、かなりな額が見込まれるわけでございますので、その問題につきましては、厳しい財政事情の中ではありますけれども、いろいろ財政当局にもお考えをいただきたいということは申し入れてございますけれども、しかし今おっしゃいました制度改革がもう種がなくなったというような意味合いでは私は考えておりませんで、今後もやはりそういうものをできる限り探求はしていかなければならないというふうにも考えておるわけでございまして、これはまだ確たる自信を持っての御答弁でもございませんので、その点は御了承願いたいと思います。
○中野鉄造君 大蔵大臣いかがですか、今の問題について。
○国務大臣(竹下登君) 確かに医療制度、制度施策の根源にさかのぼってひとつ実施さしていただいた、そうして六十一年からのいわゆる年金問題が一つございます。そのほかに大きな制度、施策の根源にさかのぼった改革案があるかとおっしゃいますと、今厚生大臣からのお答えのとおりになるわけでありますが、私どもも寸時たりとも制度、施策の根源にさかのぼった制度改正を念頭に置きながら対応していかなきゃならぬという気持ちは持っておりますが、今日現在このようなものが中野さん、存在しておりますと言うだけの準備は私にはございません。
○中野鉄造君 そうしますと、予算委員会でもこのことについては触れたわけですが、これはもう本当に単年度限りであるということを明言できますか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる制度改正の問題、そうしてまた今度御審議いただいている法律の中に入っております恒久措置につながるもの、これは別といたしまして、そうでない暫定の一年限り、すなわち暫定措置というのは法律上まさにそのとおりでございます。 ただ、三大臣の申し合わせにございますように、されば六十一年どうするかということにつきましては、予算編成時までに協議をしてそのあり方、費用負担のあり方等についてさらに検討を進めて結論を出さなきゃいかぬというふうに考えております。
○中野鉄造君 そこでまた厚生大臣にお尋ねいたしますが、今お話にもありましたように、どうしても明年度はさらに当然増経費が見込まれるということになれば、もうすぐ概算要求の時期になってまいりますけれども、少なくともこの高率補助金の一割削減という措置を明年度はこれはもうとらないという方向で、その具体的な額といいましょうか、そういうものはもう明示すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか、厚生大臣。
○国務大臣(増岡博之君) まだ現在の法案を御審議いただいておる最中でございますので、来年度のことにつきましては、先ほど申し上げましたように確たる数字を挙げて議論をしておるわけではないわけでございます。したがいまして、来年のことをとやかく申し上げるということもいかがかと思いますけれども、かなり厳しい予算編成にならざるを得ないという、いわゆる印象的なものは持っておるわけでございますけれども、何しろその数字の裏づけがございませんので、まだ先生にいろいろこうだということを申し上げかねるという状況でございますので、御了承をいただきたいと思います。
○中野鉄造君 それで、その問題についてはこれから少しまた論議してまいりますが、まず違った角度から大蔵大臣にお尋ねいたしますけれども、財政再建と行政改革に名をかりたこれまでの政府の財政政策は、常にその年度年度の予算編成において、単に一般会計の収支じりを合わせるために国民や地方公共団体に負担を肩がわりさせて、後年度に先送りをしたようなことで今までやってきた。このことについてはもうつとにほかの議員からも指摘されているところでありますが、そこで私は昭和五十年度以降において政府がとってきた財源対策の歩みを拾ってみたわけですが、そうしますと、実に多種多様にわたる一般会計の収支じり合わせの措置がとられておりまして、例えば特殊法人や特別会計の積立金を取り崩して一般会計に繰り入れさせる、あるいは税収の年度所属区分を変更して税金を前取りする、あるいはまた法定されている特別会計への繰り入れを停止し、あるいは削減して後年度に穴埋めをする、こういったようなことがしばしば行われているわけでございますが、これらの各種特例措置のうち、従来、各特別会計に繰り戻したり、あるいは特例措置によって支出しなかったことによる分、それを将来埋め合わせしなければならない金額がどのくらいであるか、お尋ねいたします。これは、できれば特別会計における逸失運用収入金も含んだものをお願いしたいと思うんですが。
○政府委員(平澤貞昭君) 突然のお話ですので、この資料といたしましては、前に予算委員会に御提出したのがございますので、その数字を申し上げたいと思います。 まず一つが、厚生年金等への繰り入れでございますけれども、これを四分の一、財政再建期間中カットしてきているわけでございます。これにつきましては、五十七年から六十年度まで合わせまして一兆四百九十億円という数字がございます。それから特別会計といたしましては、国民年金特別会計への繰り入れ分、これを年度間で調整しているわけでございますけれども、これが五十八、五十九、六十年度で八千九百五十七億円ございます。それから自賠責特会からの部分でございますが、受人部分二千五百六十億円ございます。それからこれは今後この法案の御審議をお願いを予定しておりますけれども、厚生保険の健康勘定への繰り入れの九百三十九億円等でございます。
○中野鉄造君 私の質問の順序が非常に不自然な形になりますけれども、ただいま河本国務大臣がのっぴきならない国際的所用のためにお急ぎのようでありますので、河本大臣にお尋ねしたいと思いますが、さきのボンサミットの経済宣言では、米国経済が減速傾向を示している中で各国がそれぞれ世界経済拡大に果たす役割を分担すべきである、そういう考えが打ち出されました。我が国としては、市場の硬直性とその規制を取り除いて、内需主導の潜在成長力を掘り起こすという役割を担っているのでありましょうけれども、市場開放を仮に一〇〇%実施したとしても、我が国と欧米諸国との貿易構造は異質なものである、このように私は思うわけでございまして、日本側の輸出超過はこういうことでは解消されないのではないかと思うわけでございますが、この辺についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 一連の市場開放措置をとっても、ほかの幾つかの条件があるから、それだけでは問題の解決にならないのではないか、こういう御質問でございますが、私もそのとおりだと思います。やはり対外経済問題を解決するためには幾つかの課題がございまして、先般も政府の諮問委員会から答申を受けておりますが、緊急の市場開放のほかに日本としてやるべき課題を合わせて六つ挙げられております。 その一つが、さらに今後、緊急市場開放のほかに、原則自由それから制限は例外だ、こういう基本方針に立ってさらに中期的に抜本的は市場開放措置を講ずべきである、こういう課題が一つでございます。それからもう一つは、内需の拡大をやらないと、つまり国内の購買力の拡大を考えないと問題の解決はできませんよと、こういう指摘も受けまして、内需拡大について四項目を挙げて、こういう方法でやりなさい、こういう問題点を指摘されております。それから産業協力、技術協力。それから為替問題が今のような状態ではなかなか貿易収支の改善は難しいので、為替問題にメスを入れなさい、こういう指摘も受けておりますし、それからODAを拡大する、そういう方向で検討しなさいと。こういうことを今後政府の取り組むべき中期的な課題として指摘を受け、政府の方もこれらの諮問委員会の答申を全面的に尊重してその方向で進んでまいります、こういう約束をいたしましたのが先月九日の対策だ、こう思います。 特に、私どもが重大に考えておりますのは内需の問題でございますが、内需の問題は、一つは国内の購買力の拡大という観点から貿易不均衡に役立つと思いますが、同時に内需の拡大、特に個人消費とか個人住宅とか、こういう分野での拡大が進みますと、現在の日本の経済はアメリカ向けの輸出の拡大それからそれに伴う設備の拡大、これが中心で経済が動いておるわけでございますから、そうじゃなしに、それも一つの柱として結構だけれども、個人分野での内需の拡大、こういうことが進みますと本格的な私は景気の立て直し、景気の回復になろう、こう思うんです。 そういたしますと私は円、ドルの関係、為替にも相当いい影響が出てくると思います。と申しますのは、今円が弱いのは、一つはもちろんアメリカの高金利もございますが、高金利だけではない、こう思います。やはりアメリカ経済は全体として非常に強くなっておる、しかるに日本はいびつな形で経済成長をしておる、つまり日本経済は本当に強くなっていないのではないか、こういうような経済全体に対する分析と評価というものが私は円安の一つの背景になっておるのではないか、こういう感じがいたします。例えば、アメリカの経済でもちょっと成長がスローダウンいたしますとドル安になります。そういうことを考えますと、日本経済の体質を改善する、外需中心の成長ではなくして内需中心の成長に切りかえていく、そういうことになりますと為替問題にも好影響が出てまいりまして、これは御案内のように、昭和五十三、四年ごろの前回の石油危機後の立ち直りの時点におきましては、日本の円は二百円前後になっておりまして大変やりやすかったのでございますが、現在の二百五、六十円という円安の状態もある程度改善されるのではないか、このように思いますので、二つの意味から、つまり国内の購買力の拡大、それとそのこと自身が為替にいい影響を及ぼすであろう、こういう二つの観点から先般の諮問委員会の内需の拡大というその問題点の指摘については真剣に取り組んでいかなければならぬ、私はこのように理解をいたしております。
○中野鉄造君 大筋においては私も河本大臣の考えと同じでございますが、いわゆる日本の場合は経済成長に対して輸出弾力性が非常に高い、経済成長を仮に一といたしますと輸出の弾力性が一・六というぐらいなものじゃないかと思いますが、それに比してアメリカの場合は輸入弾力性が高い。そういう貿易構造の面で既にハンディがある。そういうようなところからなかなか貿易摩擦というものが単純な施策では十分な成果が上げられないんじゃないかと思うんですけれども、しかしそれはそれといたしまして、御案内のようにアメリカ議会に象徴される輸入超過による我が国へのいら立ちを静め、要らざる摩擦を避けるためにも、やはり少なくとも我が国の経済政策の姿勢を対外的に示すべきときではないか、こう思うわけでございます。 もちろん、先ほどもお話がありましたように、市場開放への努力は真剣に取り組んでいかなくちゃいけ狂いですけれども、それにも増して今大臣おっしゃったように必要なことは、外需依存の経済政策を内需依存のそれに切りかえるということであると思うわけでございますが、それにはまずやはりどうしても思い切った減税が必要じゃないか、こう思うわけでございます。例えば、五十九年度八千三百億程度の減税がございましたけれども、この程度のものでは結果的には消費支出を期待するというようなことは無理であった、困難である。したがって、それでは消費支出を刺激するに足る減税ということになるとどのくらいのものが妥当であるか、河本大臣、この辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 具体的な数字を挙げて私が説明するのはいかがかと思いますが、ただ御参考までに申し上げますと、昭和四十八年に本格的な減税をやっておりますが、そのときは約一兆八千億の所得税の減税でございます。そのときの経済規模、GNPは百十四兆であったと思うんです。現在のGNPのおよそ四割、そのときに一兆八千億の所得税の減税をやっております。それを現在のGNPに直しますと約五兆円ということになります。 それからアメリカ経済が本格的に立ち直りました背景には、レーガン大統領の大減税政策と規制緩和ということがあることは御案内のとおりでございますが、アメリカの減税の規模を日本の経済に引き直しますと大体十兆円ぐらいだ、所得税減税に直しますと大体十兆円ぐらいだ、こう思います。しかし、今の段階では十兆円の所得税減税をするということは現実問題として、幾ら一方で間接税の増徴等をしましても大変難しいと思いますが、現在の経済規模を考えますと昭和四十八年の所得税減税が一つの参考になるのではないか、そのときよりも経済の状態は厳しゅうございますから、だからやるとすればそれを若干上回る規模が望ましいと私は思いますが、しかしこれはこれからの政府税調や党税調がそれぞれ作業されるまだ前の今時点でございますから、それ以上数字を挙げて議論することはかえっていかがか、こう思いますので、一つの例として御参考までに申し上げました。
○中野鉄造君 大臣、結構でございます。ありがとうございました。 では、先ほどの補助金の問題の質問に戻りますけれども、そうした特別会計から一般会計への繰り入れといったそうしたようなこと、同じようなことがいろいろ行われておりまして、この件につきましては過日の予算委員会でも払お尋ねしたわけですが、例えばこの補助金整理法案についての私の質問に対して予算委員会で大蔵大臣は、この単年度の暫定措置、これは単年度だけであるかという私の質問に対してですけれども、このことについて大臣は、「今後にその検討課題は、なかんずく可能な限り一年以内という期限つきの中でこれが残されておるわけでございますので、それを都内で議論をしてそれの結論が出たならば、あるべき姿としての暫定でない制度に変わっていく可能性を抱合した措置である」というように理解していただきたい、こういう答弁があったわけでございます。 しかし、あのときは先を急ぎましたので重ねてお尋ねするということもしなかったわけですけれども、どうもきょうに至りましても何だかわかったようなわからないような気がするわけですが、そこで再度お尋ねいたしますけれども、「それの結論が出たならば、あるべき姿としての暫定でない制度に変わっていく可能性を抱合した措置である」、これはどういうことでしょうか、わかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 言葉を選んで申し上げますと、言葉正確、意味不明、こういうことになりがちでございますが、私が申しましたのは、とにかく議論をいたしましたが、暫定で一年でお願いをしなきゃならぬようになりました、したがってこれから一年かかって、去年の十二月の時点からの一年でございますが、予算編成までに三者で協議をいたしますと、そしてその協議をしたものは可能な限り恒久措置のいわば補助率にしたいという意味を申し上げたわけであります。事によっては当分の間とかいろいろな議論を今までもしてみました。あるいは財政再建期間中とか、物によりましていろいろな議論をしてみましたが、可能な限り一体ごとに御審議いただくという状態でないものにしたいという意味で申し上げたわけであります。
○中野鉄造君 あれから既にもう三カ月が経過しようとしておりますけれども、もう既に今五月も中旬になりました。先ごろの新聞等でも来年度の概算要求基準は七月下旬には閣議決定される予定と、このように報ぜられておりますけれども、これは厚生大臣にもお尋ねいたしますけれども、その三者でいろいろ討議はされておると思うんですけれども、そろそろこういう概算要求基準の時期でもありますし、結論に近いようなものが出てもいいのではないか、それがなければまだ結論が出ません、まだ結論が出ませんと先送りして、また先送りになるんじゃないかというような、そういう危惧をするわけでございますが、いかがでしょう。
○国務大臣(増岡博之君) お尋ねの御趣旨は、概算要求の基準ができるまでに三省間の協議をやったらどうかというお尋ねだと思うわけでございますけれども、 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕 まだこの問題は、御承知のように大変大きな問題でございますので、それぞれの胸の内でもいろいろなことを考えておるわけでございますけれども、現在のところではどういうふうに検討していくかというその方法等について相談をしておる程度でございます。したがいまして、概算要求の基準を定める時期にあるいは間に合わないかもしれないということも考えられますけれども、その際にはいろいろどういうふうに対応するかということは今後真剣に検討をしていかなくてはならないと思うわけでございます。何にしましても、厚生省といたしましては、来年度予算というものは本当に福祉の水準を守ることができるかどうかという際どいぎりぎりの立場に立っておると思うわけでございますので、今後もそういう立場から真剣に検討してまいりたいと思います。
○中野鉄造君 大蔵大臣、お願いします。
○国務大臣(竹下登君) 今、大要厚生大臣からお答えがありましたとおりでございます。率直に申しまして私もそれを念頭に置いての御質問だと思いますが、概算要求というのは一つの頭の痛いところでございます。ただ、概算要求というのは、法律でもって概算要求ということは決まっておりますが、その基準はいわば閣議決定で決めますので、その場合はあるいは現行どおりとかあるいはもとに戻したとか、そのときはそのときの基準はまあ決まるのかなと。そうしますと、今度はいよいよそれから予算編成作業に入るわけでございます。それと並行して仮にこの作業が行われるということになりますと、いわば関係方面の意見はどういう形で聞くかというようなことを事務当局で折々協議をしておると私も思います。 が、私自身が感じましたのは、やはりこの問題の土台の議論はどこに求めるかというと、結局この国会の意見を集約して、それを土台として議論をした方がいいんじゃないかということになると、この国会の議論等をまず整理しまして、そうして本格的作業に入るという手順になるのではないかな。これは相談して決めたわけではございませんが、私なりにはそんな感じを今持っておりますことを率直に申し上げます。
○中野鉄造君 そうしますと、この一年以内には三者の閣議決定でやっていくという 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 何だか非常にそういう当初のお約束がどうも危ぶまれるような気がしてならないんですが、その辺のところはいかがでしょうか。絶対にそういうようなことはない、近々結論を出すというように理解してもいいんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) やはり覚書にございますように、「政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得るものとする。」と、この方針は堅持していかなきゃならぬ。どういう手法でやっていくかということについて私が最近感じておりますのは、国会の議論を全部整理して、これはまた別に税調があるわけじゃございませんから、それを土台として各方面の意見を聞きながら三省で議論をし、そして最終的には閣議決定、こういうことになるわけでございましょうが、そういう手順ではなかろうかというふうな気持ちを持っております。
○中野鉄造君 実は、私がこういうことをくどく聞くのは、事ほどさようにその場その場を何とかくぐり抜けてやがてそれが置き去りにされる、やがては忘れ去られていくというような、そういう可能性が出てくるんじゃないかということを危惧するからでございますけれども、例えば国民年金の一般会計からの控除額が、昭和五十八年度から六十三年度までの合計が一兆二千二百九十億円、そして六十五年から七十二年度までの加算額がやはり同額の一兆二千二百九十億円と、一般会計より繰り戻しをするということになっておりますけれども、先ほどもちょっとお尋ねいたしましたこの間の逸失運用収入を、利回り仮に六%と仮定いたしますと約一兆円、これを仮に七%とすると約一兆四十四億円程度となるわけでございますが、これについては七十二年度以降平準化の趣旨にのっとって返済していく、こういうように九十八国会で大蔵省は答弁しております。あるいは同じく特別会計の、今も答弁がありました自賠責から五十八年度に二千五百六十億円が一般会計に繰り入れられておりますけれども、これは六十一年度から六十七年度までに繰り戻すということになっておりますが、これまた各年度別の返済計画というものはないのではないかと私は理解しておりますが、すべてこれらがこのようにして後年度負担となっていくと私は思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今日までとってまいりました措置、今代表的なものとして自賠責それから年金の問題を御指摘なさったわけでございますが、ぎりぎりの努力を払って限られた財政事情のもとでいろいろな工夫を行ったということでございます。これを、言ってみれば後年度ツケ回しというべきものか、あるいは私の側に立って申しますならば、いわゆる年度間の調整、こういう言葉を申し上げておるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、自賠責、これは五十八年度において一般会計の厳しい財政事情にかんがみて、財源確保のための特別措置の一環として特会運用益の一部を一般会計に繰り入れたと。この会計の繰り入れ相当額は後日予算の定めるところによって一般会計から自賠責特会に繰り戻す、これは財確法でございます。これは申しておりますように、確かに五十八年五月十日の参議院大蔵委員会において多田省吾先生からの御質問に対し、大蔵省が正確に答えておるところでございます。 それからもう一つの問題につきましては、国民年金特会、これは昭和五十八年度から国民年金特会への国庫負担金の繰り入れが、老齢福祉年金等の経過的年金のため、当面は減少しその後は増加していくことにかんがみて、特会への国庫負担金の繰り入れのいわゆる平準化を行った措置である、こういうことを伸し上げておるわけであります。したがって、この平準化措置の趣旨からもわかりますように、返済額が法律上定められておるということになるわけでございます。したがって、この問題につきましては、私どもも従来のお約束を申し上げておりますところの措置は、私どもとして今日もなお変わっていない。ただ、まさにことし一年限りの措置としてお願いしております国民年金問題というのは、御案内のように、制度が変わってまいりますのでこの法律の外へ当然出てまいりますが、どういうような措置にしていくかというのは来年度予算編成までに考えなきゃいかぬ課題だという問題意識は持っておるところでございます。 いささか二つのことについて私の答弁は不十分であったと思いますので、正確を期する意味において事務当局から補足した方が適切であろうかと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 今の大臣の御答弁に尽きるわけでございますけれども、補足的に申し上げますと、一般会計が非常に苦しい状況にあるわけでございまして、それとの関係で自賠責あるいは国民年金特会との間で財源の調整をお願いしているということでございます。その場合に、自賠責特会あるいは国民年金特会に対して御迷惑はおかけしないようにしようということでございますので、例えば国民年金の場合には、老齢福祉年金等の実施等によりましてある時期におきましては国民年金に余裕が生じるわけでございます。それを一時的に一般会計で使わせていただいて、後年度、必要な時期において法律で定める額をきちっとお返しするということで、これは大臣もお話ししましたように、年度間の財源調整としてやらせていただくということでございます。それから自賠責特会につきましては、過去の積立金の運用益が生じておりますので、その運用益のたしか二分の一でございますか、これを一時的に一般会計で使わせていただくという措置でございます。したがいまして、それぞれの特会との関係では十分にいろいろな点を検討した上で行っているわけでございます。
○中野鉄造君 いろいろお答えがありましたけれども、しょせんこういったようなことは先送り先送りしてほとぼりをさましながら、その時期が来れば下手するとまた先送りといったような、こういうような糊塗策は結局国民に何らかの形でしわ寄せになってくることは、どういうように言い繕われようともこれはもう明白であると私は思います。 大臣、いろいろ工夫をして財政の操作をやった、こう言われますけれども、その返済の時期が来たころには総理もかわっておりましょうし、大蔵大臣もかわっておりましょうし、主計局長だってかわっているし、既に二代、三代もこれはかわっていると思います。そして今申しますように、こうした国民へのしわ寄せと並行して、いま一つは後代への財政、行政への責任の先送りでもあるし、あるいはもうこれは転嫁であり、これは本当に無責任なやり方だと思うんですけれども、この点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) この問題は確かに、まず自賠責で申しますと、そのときも私は大蔵大臣でございましたが、本当にこれは一遍こっきりだから勘弁してくださいと、簡単にはそういう答弁をしてお願いしてきたわけでございます。ただ、幸か不幸か、今日私がそのまま続いているわけでございますけれども、これにつきましては、これはお約束でございますから、これは何としても財政事情等を勘案しつつ、毎年度の予算編成においてこれは適切な対処をして約束どおりなことはちゃんとしなきゃいかぬと思います。 それから国民年金、これも五十八年度からのいわゆる私どもが考えました一般会計と特別会計とのいわば財源の調整措置である、だから後世代へのツケ回してはございませんと、こういう答弁をして今日に至っておるわけでございます。したがって、これもお約束どおりのことをきちんとしていかなきゃならぬ課題だと、いやしくも幸い、こういう国会の答弁は残りますから、これが平準化措置を行いまして、今御指摘なさいましたとおり、控除額、加算額等をやってみました場合に、これがピークを迎えるころになりますと、それは年齢的にもあるいは私ども男子の平均寿命よりは少し下でございますけれども、ずっとそれを守り続けていかなきゃいかぬ約束事でございますから、これは我が党が政権の座にございましょうとも、政権の交代がございましょうとも、やはりこれは国権の最高機関たる国会へのお約束でございますから果たしていかなきゃならぬ課題だというふうに考えます。
○中野鉄造君 ついでと言ってはなんですが、ちょっと参考までにお尋ねしておきたいのですが、同じ特別会計の中で国年の特会と自賠責の特会、片方はそういう利息がつく、片方は利息がつかない、これはどういうわけなんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 国年の場合は長期の保険計算に基づいて年金制度ができております。したがいまして、そこにございますお金は常に収益を生むという前提ですべて計算されているわけでございます。他方、自賠責の場合は、御存じのように自動車の事故等に伴う保険をやっているわけでございますけれども、これは単年度ごとに保険収支を締めておりますので、いわゆる長期的に資金を運用して利子を賄い、それをまた給付に充てるという計算にはなっておらないわけです。しかし、結果的にはその収支の上で収益がある時期に生じるということもあるわけでございますので、その収益を一般会計で繰り入れ、繰り戻しの関係でお借りするということから利子は付さないということでお願いしたということでございます。
○中野鉄造君 少し論点を変えてお尋ねいたしますが、ところで大蔵大臣は、財政金融に関する政策運営の最高責任者として、国民の今日現行税制に対する不満だとかあるいは憤りといったようなものがあるわけですけれども、これをどのように認識しておられるのか。先ほど私、河本大臣にもお尋ねいたしましたけれども、五十九年度に実施された八千三百億円の所得税の一般減税で五十三年度以来の物価調整がなし得られた、このように理解されているのかどうか、そこのところもあわせてお尋ねいたします。
○国務大臣(竹下登君) 我が国の税制そのものに対してシャウプ勧告以来、シャウプ勧告というのは読んでみますと私はそれなりにきちんとしたものだと思います。それが長い間かかっている間にむしろゆがみ、ひずみが生じたということと、それから所得の捕捉が必ずしも、私の方からクロヨンがございますとかトーゴーサンがございますとかは言えませんけれども、結果としてそういう言葉が出るような不公平感というものがそれぞれに存在しておる。したがって、この際、国会の議論等を正確に報告して政府税調で抜本的な議論をやってもらおうじゃないか、こういう考え方に立っておるわけであります。したがって私は、今日はそういういろいろな不公平感の問題等が国会の議論等で出てまいりますものを土台として、それこそ総理の言葉をかりますならば、公平、公正、簡素、選択、活力という税体系というものが論ぜられ、つくられていくことを期待しておる、こういうふうなところがまず原点にございます。 それから今度は不公平感とは別に所得税の問題で申しますと、もとより所得税減税をすればこれはそれなりに消費の拡大につながる、これは原則的に私もそう思います。なかんずく、今日物価が超安定でございますからそれはそうなろうと思います。ただ、この議論をしますときにいつも矛盾を感じますのは、先進国の我々のグループの会をしますと、されば所得税負担率が一番低いのは日本じゃないか、それで財政赤字、財政赤字生言わないでもっと増税してちゃんと財政赤字を埋めた方がいいんではないか、こういうお互いの仲間の中ではそういうディスカッションも率直に起こってまいります。しかし、それはそれとして、我が国が国民負担率も、今ヨーロッパもところによっては五五%、我が国は三五%でございますから、それは将来は高くなるであろうと、高齢化社会が来るに従ってとは言われようとも、ヨーロッパよりかなり低いところでこれを抑えていくための努力はこれからもしていかなきゃなりません。 そして税の問題というのは今三つ問題があると思います。一つは、今申しました抜本改正をやろうということになっておる。それからもう一つは、与野党の幹事長・書記長会談で議論しておられるという舞台がもう一つあると思うんです。それからもう一つは、内需拡大のためのということだけを念頭に置かれたところのいわゆる対外経済問題諮問委員会の答申というのが政策提言でございます。報告書でございまして、「内需中心の持続的成長に役立つ税制の見直しが重要である。基本的には貯蓄・消費・投資のバランスを図る観点から検討を行う必要がある。」という、この三つあるわけです、そういう今世間に浮き彫りにされておる要素が。それをどういうふうに調整をしながら進めていくかというのが政策選択の課題だなというふうに私は考えて、今日時点でそういう考えをしております。そこで、私の場合はまさに税当局そのものでございますから、したがってあらゆる予見を挟まないようにできもだけお答えをしておるわけでございますけれども、その三つをどういう形で調整してこの検討を進めていくかということは、そう投げっぱなしにしておくわけにはいかぬ課題だというふうな問題意識は持っております。
○中野鉄造君 それで、ちょっと今お尋ねいたしました、明確な御答弁がなかったんですけれども、五十九年度の減税が果たして物価調整がこれによって行われたことになるかどうかということなんですが、私はそういうふうには思いませんで、これについてのいろいろな事例を挙げてお尋ねすると時間が長くなりますからやめまして、はしょってお尋ねいたしますと、例えば大蔵大臣は多少の減税をしても貯蓄に回ってしまうので消費刺激にはならない、こういうようなお考えなのかどうか。そうではなくて、実質所得がプラスになる減税をして初めて消費を喚起し、内需拡大につながる、こういうように私は思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私も所得税減税というのは結果として消費の拡大につながると思います。貯蓄性向は確かに高こうございますが、貯蓄がなぜ高いかと言われる問題では、私どものサミットを初めとする国際グループでの会議のときにいろいろ議論をいたしますけれども、ただ、どこの国も面と向かって指摘できないのは、おまえのところは貯蓄率が高過ぎるというのは、これは言えない議論だと思います。それじゃあなた方ももっと勤倹貯蓄の思想をお持ちなさりゃいいじゃないですかという反論も成り立つわけでございますから。ただ、相手方がいろいろ議論される中で、国民性における貯蓄性向というのはなかなか日本語で説明しても向こうにはわかりませんが、これを通訳を通じてやっても割合にわかりにくいようでございます。だから、それは所得税減税すれば貯蓄もそれはふえるでございましょう。しかし、消費拡大にもつながる。 ただ、それが輸入にどれだけ影響するか、こういうことになりますと、今、一応つくった資料では、五兆円減税しますと大体七億ドル程度ふえるんじゃないか。それからふえ方だけで言いますと、三兆円の公共事業の投資をやれば十三億ドルふえるんじゃないか。ただ、七億ドル、十三億ドルというと余り金額が小さいものでございますから、それは先ほど中野先生おっしゃったように、構造的な問題がありますから、内需は拡大しましょう、しかしそれがトダに輸入に金額的に多量につながるということにはならぬじゃないかなという感じは私も持っております。所得税減税が消費の拡大につながることは、これはもちろん事実でございますが、大きく輸入につながるという状態には、これは結局のところ何もかんも日本の方が安くていいわけでございますから、なかなか難しい議論だと。その議論、三日間、大蔵大臣会議というのはそんなことばかりやっているわけでございますから、私も感じました。 これは先生、別に冗談で申し上げるわけではございませんけれども、ちょうどアジア開発銀行の総会からサミットへ参りますと、アジア銀行におりますと、日本のように働こうと、日本のように貯金しようと、日本のように勉強しようという大体環境の中におりまして、今度サミットへ行きますと、日本よ余り働くな、余り貯金するな、余り勉強するなど、何かそんな感じの中に自分を置いておったような自己矛盾を感じましたことを、少し長くなりましたが、素直にこの際、感想として申し述べさしていただきます。政策論争じゃこれはございません。
○中野鉄造君 ところで、今も大臣おっしゃったように、最近、我が国の高貯蓄率活用による米国からの内需拡大要求もあって、自民党の首脳の中には内需拡大のための所得税減税の六十一年度実施、そしてそのための財源としての非課税貯蓄を撤廃して、利子配当所得に対する低率分離課税を行うべきであるといったような、こういう声もちらほら聞かれるようですけれども、こういったいわゆる財政当局としては、貿易黒字は米国経済の拡大やドルの独歩高といった海外要因によるところが大きいとして、減税など財政面からの内需拡大には否定的見解を明らかにしているということも一面ではうかがわれますけれども、このような減税による内需拡大論の動きに対する大臣の見解、今もお話がありました。しかし、そういったような意味から非課税、低率分離課税というこの一連の動きについては、大臣、どのように構想を持っておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 非課税貯蓄の問題につきましては、一応税制調査会等でいろいろな議論があったわけでございますが、政府が選択いたしましたのは、いわゆる非課税貯蓄の問題等につきましては、これは新たにまた利子配当所得の持つ特殊性とか、金融の国際化とか自由化というような進展も今日あるわけでございますから、我々の姿勢は引き続き検討というのは残っておるわけでございます。今日の措置としては、いろいろ議論をいたしましたが、きょうその政令を出しまして十四種類、私も十四種類並べてみました。健康保険証がありましたり住民票がありましたり、あるいは運転免許証がありましたり、そういうもので本人確認をするというような政令をきょうの閣議で決めさしていただいたわけでございますから、今日の場合は来年の一月から実施される限度管理というものを進めていくわけです。で、非課税貯蓄そのものはいわばこれは引き続き検討という課題にはもちろん入っておると。税調の答申で低率分離をやるべきだという筋の答申が一遍は出たことがあるわけでございますから、それは残っております。が、いろいろな問題点がございますので、きょう、私なりの見通しを申し上げる段階にはないというふうに思います。 最近この議論が出ておりますのは、先ほど申しましたいわゆる貯蓄がなぜ多いかというのに、いや国民性があると。もう一つは、かつては老後対策ができていなかったから、そこで老後のために貯蓄する。それが慣習として続いておる。近ごろは結構年金制度等ができておるとはいえ、その慣習が続いておる。それから三番目はボーナス比率が高い。だから、十二分の一じゃなくして、公務員でも一六・四でございますから、したがってそれが貯蓄に回る傾向があるとか。それから四番目は日本の銀行は倒れないと、郵便局もちろんですが。そういうものが貯蓄が高い要素だろうと言うと、外国の人がその次に言いますのは、やはり税が低いからそれで貯蓄が多いんじゃないか、こういう議論が一つ出ます。それからもう一つの議論としては、私どもの国では余り例がございませんが貯蓄優遇税制というのがございます。そうですねという質問が、これは皮肉じゃございません、勉強のために出てくるわけでございますから。そういう議論がもう一通いわゆる非課税貯蓄の問題として議論に出てくる背景にあるのかなと、客観的にそう見ておるだけでございまして、我かく思うということを申し上げたわけじゃございません。これはすべて国会の論議を正確に報告し、政府税調等で議論をして決めてもらう問題だろうというふうに思っております。
○中野鉄造君 こういう案が出てきたその背景には、先ほどちょっと大臣も触れられましたように、所得税減税の見返りとしての大型間接税導入が非常に困難になるような状況である。そこで少々の減税をしても、それが個人消費に図らずに貯蓄に回ってしまうため利子配当に低率分離課税を行う、こういう意図があるのではないかというようにも受け取れるのですが、そこのところはいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今先生おっしゃったような議論も私もないではないと思います。しかし、そういう問題をまさに正確に報告して、これから議論していただく問題でございますので、私自身そう思いますという断定するだけの自信もございませんし、また一つの議論としては存在するだろうという程度にとどめさしていただいた方が無難がなと、こんな感じでございます。
○中野鉄造君 それで、仮に所得税減税との抱き合わせで利子配当の低率分離課税を行おうとしているとするならば、予算委員会で政府が意図していたようなああいう大型間接税の導入というものはこれはもう今では完全に断念した、こういうように考えてもいいのかどうか、その点いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) やはりいわゆる、いわゆる間接税でございますが、この定義は難しいにいたしましても、いわゆる大型間接税と申しましょうか、そういう問題を今断念したという状態に置くことはいけないんじゃないか。一方に福祉目的税としてそれをやることによって一方所得税減税した方がいいんじゃないか、こういう議論も国会の論議の中であった議論でございますし、やはりそれらを総合的に報告して、プロの世界でもう一度議論をしてもらうべきことではないかな。消費一般にかかる税制そのものを税制として否定するわけにもまいりませんので、やはり今の段階で、これは取り上げます、これは断念しましたという環境には、大蔵当局そのものでございますので、私からはそういう予見を申し上げるわけにはいかぬじゃないかなというふうに考えます。
○中野鉄造君 この税制問題につきましては、先ほどからおっしゃっておりますように、もう戦後税制の抜本的見直しとして大上段に振りかぶっているわけですけれども、仮に所得税減税を六十一年度から実施するとともに、早日に何らかの形での税制改革というものを行うとされるならば、少なくともその改革内容というものを国民の前に早く明らかにする必要があると思いますけれども、そこいらのスケジュールについてはどのようにお考えになっているのか。短期間で税率構造を初めとした抜本的改革はこれは無理であると思うんです。国民に非常なやはり反発を買うんじゃないかと思いますが、そういうシャウプ以来の改革を行うという以上は、国民の合意を得るようなそれなりの期間というものも必要ではないかと思うんですが、そういう時間的な問題も含めてどのようにお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) まず政府税調がどこから動き出すか、それに対してはどういう諮問をするかということから検討しなきゃならぬなと思っております。したがって、この委員会、そして今度は大蔵委員会で財確法等々がございますので、その辺が税論議が一番集中してくる時期ではないかなと思います。それらを整理します、国会が終わりましてから。それで今度は税調にどういう諮問をするべきか。今までのように国税、地方税のあり方についてお願いしますではちょっと芸がないような気もいたしますし、前文もきちんと考えなきゃいかぬじゃないかなと、気持ちなりにはそういうことを考えております。そうしますと、御苦労なことでございますが、あるいは夏休み返上みたいな形でやっていただけるかもしれませんし、これは相手様のあることでございますけれども、それをやはり税調でございますから、期限を切って諮問するということはできないだろうと思うのでございます。 したがって、その後は税制調査会の推移を見なくちゃいかぬ。どうなるであろうということで申し上げるわけじゃございませんが、従来の経験からしますと、三年経過した段階で抜本的答申を出していただく場合、あるいは次の六十一年度税制のあり方についてのときに出していただく場合とかいうことが、従来の慣例からすればそういう場合があるなというふうに思いますが、いわば国民の理解と協力を得なければどんないい税制だって実際問題として動かないわけだから、そして税務当局そのものも準備期間もあるであろう、だから少しゆっくり構えてやれよという議論も確かにございますし、そうは言っておられないから六十一年度税制までにある程度の骨子は答申してもらうようにしなきゃいかぬという議論もございますが、この辺はもう少し議論の推移を見て税調さんとの相談になるんじゃないかなと、こんな感じがしております。
○中野鉄造君 こういう問題になりますとすぐ税調に逃げ込まれるわけでして、見方によっては何かしら調査会政治といったような感さえあるわけですけれども、大蔵大臣として、少なくともスケジュールというかあるいは大まかな構想というか、そこいらはやはりお示しいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) とかく私の方、私自身性格的にもそうでございますが、我かく思うということができない性格でございまして、皆さん方の英知を承りながら、その中でみずからが頭を整理し消化していくという習慣が自分自身にあるなあという、これはその都度反省をしておるところでございます。したがって、およそこのようなというものは、国会の議論をまとめれば、それに対するある程度の私なりの評価とかいうことは全くなしに、国会の議論はこうでございましたので、どうぞこの議論を参考にしてやってくださいだけでは、これは幾ら私が謙虚であったといたしましてもそれは許されないんじゃないかなという気はいたしております。
○中野鉄造君 もう時間もございませんので最後になりますが、厚生大臣にお尋ねいたします。 例の国立病院の統廃合についてのその後の経緯はどのようになっておりますか。
○国務大臣(増岡博之君) 国立病院、療養所につきましては、ことし一年かけて統廃合問題について考えをまとめて、その後の十年間で実行しようとするものでございます。したがって、その対象とか箇所づけというものはこれからでございます。
○中野鉄造君 どういう点がこうであるから統合する、どういう点がこうであるから廃止するといったようなそういう基準というものもあろうかと思いますが、それをひとつ教えていただきたいのですが。
○国務大臣(増岡博之君) 基本的な考え方を申し上げますと、現在二百五十余りございます病院、療養所のいわば従来から持っております一般的な病気に対する治療機関という面での全国的なシェアといいますか、各種医療機関がたくさん出てまいりましたので、いっときはベッド数でも三割ぐらいでございましたのが今一割ちょっとぐらいになっておるというところから、そういう一般的な病気を治療する機関というよりも、もう少し国立てあるからには高度な先進的なもの、あるいは難病でありますとかというような政策的なものというような観点から、それにつけ加えて研究でありますとか研修でありますとか、そういう意味合いからかなり広域にわたる高度な病院にしなければならないという考え方が中心でございます。それに基づいて今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 それに伴いまして、その場合に現在の職員の方々の今後の身分というものについてはどういうようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(増岡博之君) この問題を処理しますにつきましての一つの大きな課題であり問題点であると思います。私どもはできるだけ職員の身分は尊重する、あるいは配置転換ということもあるかもしれませんけれども、よく労働組合とも協議しながら、十分な対策は考えてまいりたいというふうに思っております。
○中野鉄造君 次に、老健法見直しの中心課題になっております中間施設構想についてお尋ねいたしますが、御承知のように特例許可病院というものが発足してまだ日も浅いわけですけれども、この特例許可病院の内容充実というようなものがまだまだ十分にその緒にもついていないといったようにときに、またしても中間施設というようなものがここにできてくる。そうすると特例許可病院との違いというものは、それはいろいろ無理に理由づけようとすればあると思いますけれども、こういうものの充実というものを棚上げにして、そしてまたすぐに中間施設構想というようなもの、こういうようなものの発想というか、そういうものはいかがなものかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘の特例許可病院というのは、やはり私どもは病院というふうにとらえておるわけでございます。今後考えてみようという中間施設につきましては、病院と福祉の中間、あるいは施設と在宅との中間というようなものについてのニーズが高くなってきた。お年寄りがいわば治療を要する病気といいますか、またそういう種類の病気と、ある程度安定をした病気、そういうふうな面と、したがいまして看護と介護という二種類に分かれてくると思いますけれども、そういう組み合わせ方をいろいろ考えてみようということでございまして、したがって病院に類するような施設というものは現在これからやろうとする構想の中には入ってこないものと考えておるわけでございますので、特例許可病院というものが今後もやはり持続して維持されなければならないというふうに考えております。
○中野鉄造君 最後に、ちょっと大蔵大臣のお考えをお尋ねしておきたいと思うのですが、これから高齢化に向かいまして老人の保健、医療というものが非常に重要になってくるわけでございますが、その中でのこれに関連した費用負担の公平化ということについて、いわゆる老人医療を保険の対象にするのか、それとも保障の対象にするのかというものが、これが今は混沌としているというような気がして、これはやはり老人一般についてではなく、保険料の支払いに応じ得る所得が得られる老人についてはこれは保険の枠組みに入れる。それ以外は保障の対象へとグループ分けをするべきではないかという、こういう論議もあるわけですけれども、費用負担の公平化ということについて、この辺のところについてはどういうようにお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 今中野さんおつしゃったような意見があることは私も承知しておりますが、いささかこれは専門分野の問題でございますので、私の立場からコメントするには少し私の能力が不足しておると思いますので、それはやはり当局からお答えするのが正確ではなかろうかと思います。
○中野鉄造君 では厚生大臣。
○国務大臣(増岡博之君) 大蔵大臣がお答えになりましたように、その分野を調整すると申しますか、大変難しい問題であり、特にそれぞれの場合によって、お年寄りでありますとか若い人あるいは障害者の方々という対象別にもいろいろ考え方が決まってこようかと思うわけであります。しかし、基本的には保険で賄うべき医療と福祉政策でやるべき医療とは大まかに言って常識的にはやはり分野が違ってくると思いますから、依然として福祉的な分野での医療というものは残ってくるというふうに考えております。
○中野鉄造君 終わります。
○委員長(桧垣徳太郎君) 午後一時四十分に委員会を再会することとし、これにて休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 ―――――・――――― 午後一時四十二分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 日本信販について昨日に続いて若干質問を続けますが、まず警察庁、松建住宅に名義を貸した人物が括弧つきの被害者同盟をつくって、暴力団を使ってみずからの名義を消したという事実、これは確認をされましょうか。
○政府委員(金澤昭雄君) 昨日もお答えをしましたように、いろいろな事実を含めまして、この種の関係の情報収集に現在努めておるところでございます。今お話しの点も含めまして、今後もいろいろと把握してまいりたいと思っております。
○和田静夫君 この日本信販の不正融資は、長野にとどまらないようでありまして、長野でもまだ明るみに出ていませんが、東日本開発、松建住宅以外にもこの種不正融資がどうも行われているように私の調査の結果は出ているわけですが、通産省、東京の立川支店で住宅ローン名義貸しで百億円の融資を行って、その半分の五十億円が焦げついている事件は御存じですか。
○政府委員(矢橋有彦君) その件については承知をいたしておりません。
○和田静夫君 この事実は、実は社内の監査で判明をして支店長以下五名が既に静岡へ左遷をされているという状態でありますから、けさの通告で今まで調査が間に合わなかったんでしょうが、引き続いて警察並びに通産省の調査を求めておきます。よろしいでしょうか。
○政府委員(矢橋有彦君) 住宅ローンにつきましては、昨日も申し上げましたように通産省の所管外の問題でございますので、どこまで正確な調査ができるかわからない点も正直申し上げでございます。しかし、会社に問い合わせをしてみようと思っております。
○和田静夫君 通産省、千葉でも同種の事件が発生をしている情報があります。東京の歯科医師がうまくごまかして三千万円余の融資を返済せずにやっているということになっているわけですが、その間日本信販は何もやっていないわけですね。取り立てもしなければ法的対抗手段もとっていない。これはなぜかおわかりですか。
○政府委員(矢橋有彦君) まことに申しわけございませんが、先生がただいま前提としてお述べになりました事実そのものを承知していないわけでございまして、したがいましてコメントもできかねる状況でございます。
○和田静夫君 警察庁、これは一般論ですが、会社の方針として住宅ローン名義貸しを行わせる。本来、業務貸し付けができるにもかかわらず住宅ローンによる融資を行う。その結果、非常識な名義貸し融資を行う。その損害は、会社そのものの責任として、あるいは責任者の刑事上の責任を生み出すというふうに考えるんですが、一般論としてはどうでしょう。
○政府委員(金澤昭雄君) 名義貸し一般論がどうかということになりますと、これが警察的に問題になるかどうか、これはちょっと難しい問題があると思います。ただ、警察といたしましては、住宅ローン契約におきまして、その過程におきまして不正の融資があったかどうか、こういう点に着目して私どもの方の問題にしたい、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 通産省、過去の住宅ローン名義貸しによるトラブルは何件あったか、全体として。大手七社さらには日本信販、これはわかりますか。
○政府委員(矢橋有彦君) 承知をしておりません。
○和田静夫君 これは改めて調査をしてみてください。 問題は、通産は住宅ローンは大蔵の問題である、その他の答弁をされると思うんですが、大変難しい行政の谷間にあるこれらの問題をきょうは実は論議をしようと思っているのであります。 一昨年の五月、決算委員会で日本信販絡みの住宅ローン名義貸付事件を実は私は取り上げています。東京の建設会社が茨城県稲敷郡江戸崎で宅地開発を行って、宅地を購入した人々に頼み込んで住宅ローンをつける。だが、それは実質的には日本信販による建設会社への融資であった。その結果、建設会社は夜逃げをして行方をくらます。頼まれて名義を貸した人々は次々に日本信販から催告されて、土地を手放したり銀行から借金をしたりして返済をした。もちろん名義を貸した人々が軽率であったということは否めませんが、しかし日本信販は損をしなかった。一見、日本信販は被害者のように見えるわけですが、実は名義人という担保を確保した上でのリスク回避を担保した事業融資であった。私は一昨年、信販による不適正融資の一例として問題を提起して行政の立ちおくれを指摘したのですが、そのときに行政の側がきちんと受けとめていれば今回のような事件というのは未然に防げたと思うのであります。 そこで通産大臣、この巨大な融資機関となった信販に対して現行法制では十分な対応ができないことから今回の事態が発生したと私は思っているのですが、現行法の不備を見直す必要があるということについてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 和田委員にお答え申し上げます。 まさにこの問題は、谷間にあると申しますか、住宅ローンについては通産省の所管ではないわけでございますが、ただ、御指摘の統一的な消費者信用法制という問題になりますと、これは例えば経済企画庁の消費者信用適正化研究会の報告などで提言をされておりますように、消費者に対する信用供与という同一の経済効果を有する取引に対して統一的な法規制を行うといったことを指すものだろうと、こういうふうに考えておるわけでございます。そこで、例えばこうした提言については、異なった業態の取引を共通的にどのように規制をしていくかなど種々の難しい問題を含んでいるわけでございまして、当然非常に慎重に検討をする必要があると考えております。 いずれにいたしましても、通産省としては、消費者信用に対しては、例えば通産省の所管に属します割賦販売あるいは他の省の規制になります貸金業規制法等によって、それぞれの分野ごとに業態に応じたきめ細かな規制を行うことが重要である、このように現在の段階では承知をいたしております。
○和田静夫君 信販というのは実は制度の谷間に今あるんですが、大蔵、通産の間でキャッチボールをしている状態。で、今回のような不祥事が起こる。昨日大蔵大臣からも御答弁いただきましたが、信販が巨大な融資機関となっているにもかかわらず、その経理をだれが監督指導するのかということになると、ここのところが問題なんですね。ここは要するに制度的不備からこういうような事態が発生しているのでして、しかも事件が明るみに出ても責任を負うべき行政官庁がはっきりしないわけですよ。経済企画庁長官、この点をどうお考えになるのか、消費者信用行政の一元化が私は必要だと思っているんですが、大蔵大臣、お二人から答弁をいただければ幸いだと思うんです。
○国務大臣(金子一平君) 大変難しい問題で、まさに行政の谷間にある問題が残されておるのではなかろうかという感じがいたすのでございますが、昨日来伺っておりまするところでは、日本信販は片や割賦販売の面においては通産省の監督下にある、片やクレジットの面、つまり貸し金関係につきましては大蔵省の指導監督下にあるということでございまして、こういった金融機関と申しますか、どう監督していくか、これはひとつ研究を十分さしていただきたいと考えておるのでございますが、経済企画庁として今消費者保護の立場からいろいろ取り上げておりまする問題は、実は現在のような特定種類の取引形態や特定の業態の事業者だけを規制の対象としておったのでは、規制の対象に引っかからない事業者が生まれてそのために消費者が迷惑をする。その消費者の保護をどうやってやるかとか、それから最近消費者金融に関連いたしまして消費者のプライバシーが相当大っぴらになるようなケースがまま見えますので、その取り締まりをこれからどういうふうに持っていくかというような点に重点を置いて、企画庁内部でもそれから関係各省との連絡会でもいろいろ問題を取り上げておる次第でございます。今先生御指摘の問題につきましては、十分ひとつ検討さしていただきたいというふうに考えます。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、貸金業規制法ということになりますと、これは大蔵省でございます、まさに。だから、それの立場からすれば指導監督をしてまいるべきものであります。刑事事件として刑法に触れるということになりますと、例えば背任でございますとか詐欺でございますとか、これは司法当局の処理ということになるでありましょう。したがいまして、いわゆる貸金業の資金需要者等の利益の保護に関する規制違反、これはまさに大蔵省として指導監督をするところである。おっしゃるとおり、ちょっと谷間という表現が適切でございますやら、問題あると思います。そこで、昨日お答えいたしましたように、いわゆる金融制度調査会にお願いをしてここで検討を進めていただいておる。だから、これは当然のこととして我が省だけで金融制度調査会で議論してもらって結論を出すべき課題ではなかろうと思いますので、関係各省とも協議をしながら金融制度調査会で議論をしてもらうという対応の仕方であろう、我が方から見ればそういうお答えにならざるを得ません。
○和田静夫君 金融機関それから生損保、農協などが五十九年三月末で長期四千八十三億円を日本信販に貸し付けています。農林中金もその中にあって三十四億円を日本信販に融資しています。私はこの農林中金融資というのは問題ではないかと実は思っているのであります。さらに問題なのは、ほとんどの融資が割賦売掛金を担保にとっているのですが、生損保については、有価証券報告書をずっと見てみましたが、担保不明です。そうすると、割賦売掛金にしても焦げつきのおそれがないとは言えません。こうした諸機関の融資が回り回って不正融資に使われているということが実態なんです。そこで、農水省と大蔵省のこれに対する見解をちょっと求めておきたいんですが。
○政府委員(後藤康夫君) お答えを申し上げます。 農林中央金庫の日本信販に対します融資につきましては、これは農林中央金庫法の第十四条の三という規定がございまして、いわゆる関連産業貸し出しとして行っているものでございます。これは農林中央金庫の本来の使命、すなわち農林水産関係の系統団体に対します資金の安定供給あるいは資金の調整という業務を行いました後の残余の資金につきまして、本来業務を妨げない範囲内におきまして農林水産業の関連産業に貸し出すことによりまして農林水産業の健全な発展にも役立てよう、こういう趣旨でございます。 今お話がございましたように、昨年三月末で約四千億の借り入れのうち一%弱、三十四億程度を農林中金は融資をいたしておりますが、御案内のとおり日本信販は、食料品でございますとか農機具、それから木製の家具でございますとか農業トラック、こういったものの流通販売に係る資金決済を業務にいたしておりますので、農林水産業に関します事業を行う関連産業貸し出しとして適格なものとして農林中金でも融資を行っているというものでございます。 債権の保全状況でございますが、債権の保全につきましては、今お話ございましたように、農林中金の貸し付けております金額の二〇%増しの割賦販売代金の債権を農林中金が押さえているということでございますし、日本信販全体としての現在の営業成績というようなものから見ましても、特段これによって非常に債権の保全に心配な状況にあるというふうには私ども考えておりません。
○政府委員(吉田正輝君) 生損保の融資いかんということでございますけれども、保険会社はその余資の運用につきましては他の金融機関と同様貸し付けることができるということになっておるわけでございます。しかしながら、保険会社につきましても保険契約者の保護ということがございますので、その融資の適格性につきましてはいろいろの規制をしまして健全性を保つようにしておるわけでございます。 今回の場合につきましては、結局その融資対象機関の担保あるいは信用力等を総合的に判断して、民間金融機関たる保険会社の責任においてなされたものであるというふうに承知しておりますが、保険業法上では先ほど申しましたようなことで貸し出しはできることになっておるわけでございます。ただし、先ほど申しましたように、健全性を保つために生損保の財産利用方法書上その信用貸し付けができる範囲を定めておるわけでございます。信用貸し付けは無担保でございます。その信用貸し付け基準のうちで生保は二五%以内とか、そういうふうに制限を設けている中での貸し出しというふうに承知しておるわけでございます。
○和田静夫君 一遍その辺の点検をされてしかるべきだと思うので、これは大蔵大臣に強く求めておきたいと思うんです。 それから大蔵大臣、きょうも投資顧問会社を舞台に詐欺事件が報道されているわけです。かなり大きな報道ですが、この投資顧問会社への規制も法的に整備される必要があると考えるんですが、いかがでしょう。
○政府委員(岸田俊輔君) 現在、我が国の投資顧問業に関しましては法律が存在をいたしておりませんので、だれでも自由に業務を行えるという状況でございます。かねてより、その業務のあり方それから法的規制の必要性について議論がされているわけでございます。特に、最近「投資ジャーナル」とか「誠備」とか、いろいろ社会的な問題が発生をしてきているわけでございます。従来から、こういう悪質な投資顧問業につきましては、証取法なり刑法を適用するということで対処してまいりましたわけでございますが、これでございますと、やはりすべてが事後制裁的な形になるわけでございまして、悪質な行為を事前に防止するというのは現在の法律のもとではなかなか難しいという状況でございます。 最近、これらの事件を契機に、何らかの法的規制が必要であるという御議論が高くなってきているということは十分承知をいたしております。また一方、最近個人、法人の金融資産というものが非常にふえてまいりまして、さらにいろいろな投資の活動が国際的になり、活発になってきているという状況から、資産の運用につきまして専門的な助言を行うという機関につきまして大変一般の投資家からのニーズも高まってきているという状況でございます。 私どもといたしましては、こういう制裁といいますか規制の面と、それから正しい投資顧問業を育成していくという両面を踏まえましてこれから検討していかなければならないというふうに考えておりますが、現在のこういうふうに多岐にわたります投資顧問業の実態の把握、また投資顧問業務のあり方について掘り下げた検討を行うために、昨年末から証券取引審議会の中に投資顧問業務に関する特別部会というものを設けまして、こういうものをどういう形で法律的に規制することが必要かどうか、その可否も含めまして議論をいただいているわけでございます。もう既に四回やっておりますが、現在相当密度の濃い議論をいたしておりまして、私どもとしては夏までにと思っておりましたんですが、どうも秋口まではかかるのではなかろうか。この結論を待ちまして、法律を制定するかどうか、その点までの御結論をいただき、慎重に対処してまいりたいと考えております。
○和田静夫君 これは昨日残したものですからきょうあれですが、外務大臣、指紋押捺ですが、韓国との間で外交問題にも発展しているわけでして、早急に人道的立場に沿う方向で解決する必要がある、糊塗策にとどまってはいかぬ、抜本的な改善措置を今後早急に関係省庁で詰める必要があると考えているんですが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 実は、きょうの閣議におきまして、政令改正という形で平面指紋の採用など早急に実施可能な運用改善措置を講ずることにしたわけでありまして、早速これは、非常に関係を持っている、関心を持っております韓国側にも説明をいたしまして、日本が自主的に努力した措置についての理解を求めておるわけでありますが、韓国政府からの反応はまだ返ってきておりません。しかし、これはこれとして、日本政府として努力したわけでございますから、韓国側にも評価をしてもらいたいと思っておりますが、これでもってなかなか完全解決ということにもならないと思いますし、やはりもっとこれからも研究を要する問題であろうと思います。この点は、これからも日本政府として自主的に研究をしながら、韓国側に対しましても日本の誠意というものを理解せしめてまいりたい、こういうふうに思っております。
○和田静夫君 今の答弁は、今後さらに抜本的な改善措置に向かって外務大臣としては努力をされるという意味でしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは法務省が中心といいますか、法務省が主管をされまして、警察、治安当局とも相談をされた上で検討を進められておる法務省の問題でございますけれども、しかし一面、また外交的にも非常に大きな問題をはらんでおるわけでございまして、今回の措置で韓国側に対して十分ひとつ日本の努力というものは説明をし、そして理解をしていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございますが、同時にまた在日韓国人のいわゆる待遇改善という問題については、これは日本側としても、日韓の首脳会議においても在留韓国人の待遇改善は今後とも最大の努力をしていくということを言っておるわけでございますから、状況を見ながら我々としてもやはり検討をしていかなければならない課題ではないか、こういうふうに思っておりまして、韓国政府のこれからの反応というものがあると思いますが、そういう中で法務省その他関係当局とも相談をして、やはり検討といいますか、研究はしていかなければならない課題であろう、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 法務大臣、今の外務大臣答弁を受けてどういう見解ですか。
○国務大臣(嶋崎均君) 外国人の登録制度の問題につきましては、今までも委員会でたびたび御答弁を申し上げておったところであるわけでございます。現在の外国人登録法につきましては、御承知のように昭和五十七年に改正を行っておるわけでございますので、制度的な改正を行うということはいかがかというような面も多いわけでございます。しかし、この問題をめぐりましていろいろな議論があることは私も十分承知しておるつもりでございます。かつまた御承知のように、昨年の日韓共同声明で、在日韓国人の法的地位及び待遇改善問題につきましては、総理が引き続き努力をする旨申しておられるという経緯もあるわけでございます。 そういう事態を踏まえまして、今回、政令の改正という形でございますけれども、従来は一本の指でございますが、左の指の百八十度回転の回転指紋というのをずっといただいておったわけでございますけれども、それを直接拇印を押すと同じように押す平面指紋というようなやり方に変えるということで政令の第二条を変えたわけでございます。それのみならず、御指摘にもありましたように、何か人道的な感覚、そういうようなことからの反発というようなことを心配いたしまして、従来は黒色の指紋インキにつけまして押捺をしていただいたわけでございますが、今回は透明な液をここへつけていただいて押していただく、特殊印紙を貼付しておきまして、その上へ押してもらうというようなやり方で問題を解決したらどうだろうかというようなことを含めて今回の改正を行ったわけでございます。 いずれにしましても、先ほど来申し上げましたように、この問題を議論する場合に、地位あるいは待遇の問題につきましては、国内的な問題のみならず国際的な問題というのも十分踏まえて検討していかなきゃならぬことはもちろんでございますけれども、我々が苦労して一つの案をつくって、今度の政令改正及びその実施方法の改善を図ったわけでございます。したがいまして、外国人の方々もこのような政府の努力を理解されまして、外国人登録業務の円滑な実施のために十分協力をしていただきたいと思っておる次第でございます。とりわけことしは、七月から九月、十月にかけまして非常に大きな大量切りかえというようなことになるわけでございます。そういう事態も踏まえまして我々もそういう対策を講じたわけでございます。そういうことを理解されまして、今申し上げましたように、外国人の方々に御協力願うとともに、またそれを実施していただく地方自治団体の皆さん方においても、ひとつ円滑な運用を期していただくように御努力を願いたいと思っておる次第でございます。
○和田静夫君 抜本的な改正、外務大臣の答弁の中ではそれをにおわせる御答弁がございましたが、法務大臣にもさらに努力を求めておきたいと思います。 行政改革に関連して国立病院の統廃合ですが、まずスケジュールは一部これは早まるわけですか。
○国務大臣(増岡博之君) スケジュールにつきましては、本年じゅうに大体の計画を考えまして、その後の十年間でございますので、従来どおりでございます。
○和田静夫君 なぜこの統廃合、再編成を行うのか。厚生省はいわゆる疾病構造の変化その他いろいろもっともらしい理由を挙げていらっしゃるのですが、これはずばり言って国の医療費負担を軽減するための措置ですか。
○国務大臣(増岡博之君) 医療費の問題ではなくして、医療の中身の高度化を図っていこうと、一般の病院との関係におきまして先進高度な医療を行っていこうという考え方でございます。
○和田静夫君 その移譲の場合に、今厚生大臣がお答えになったようなことをねらいとするならば、今のような状態で移譲をするということだけでおさまっていくとお思いになりますか。
○国務大臣(増岡博之君) 私どもはまず統廃合を考えておるわけでございます。なお、移譲の場合もあり得ると考えておりますけれども、現在の移譲に際しましてのいろいろな会計法規上の問題点はあり得ると思いますから、その際にはいろいろ考えなければならぬと思います。
○和田静夫君 そのことは国の負担は従来水準を原則として維持されるということでよろしいですか。
○国務大臣(増岡博之君) 国の負担とおっしゃいますのは国立病院、療養所の赤字の問題かと思いますけれども、できれば赤字は少ない方がよろしいわけでございますけれども、現在考えておりますのは赤字、黒字の問題ではなくして、質的な向上ということに主眼が置かれておるわけでございます。
○和田静夫君 しからば、国立病院、療養所の規模別に見た経営状況ですね、収支率九〇%以下は幾つ、また平均収支率は何%ですか。
○政府委員(大池眞澄君) お答え申し上げます。 国立病院全体におきましては九九%ぐらいになっておりますし、また国立療養所におきましては全体として八三%ということでございますが、規模別についてはちょっと今手元の資料で詳細なものがございませんので、後ほどお届けさせていただきます。
○和田静夫君 規模別収支率、経常収支率、おたくから全部出してもらって全部点検させていただきましたが、かなり経営状態が悪いものがあるわけです。経営状態が悪いものを地方に移譲しても地方財政を圧迫することにしかなりません。これはもう補助金一括法案と一緒ですよ。地方移譲については納得できない。仮にやるとしても国の財政補助をきちんと保証すべきだ。それをにおわすような厚生大臣の答弁は今あったんですが、これは自治、大蔵両大臣いかがですか。
○国務大臣(古屋亨君) 国立病院の再編成の問題につきましては、私ども地方の立場から言いますと、国の行財政改革の一環として行われるならばその理由はわかるわけでありますが、ただ経費の節減だけでこれを行うということは納得できないところでありますが、この問題は厚生省の所管の問題でございまして、私ども恐らくことしじゅうにはどこ倉どうするかというリストアップができると思いまずから、そのときに地方団体移譲という問題につきましては十分協議いたしまして、そのねらいはやはり、地方も赤字病院が随分ございます。また赤字のものが出まして余計に地方財政を困窮せしめるということになってはならないということを観点として御協議申し上げるつもりであります。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、厚生省生局で量的充実の時代が過ぎ去って質的充実の観点からの再編統合が行われる、それで六十年度中にその計画とでも申しますか、それを検討しておられる。したがって、厚生省のその検討された結果で恐らく相談しなきゃならぬ問題ではなかろうかというふうに考えております。
○和田静夫君 もう一つ伺いますが、経営移譲は地方自治体のみ考えていらっしゃるのですか、それとも地域医師会のオープン病院あるいは日赤その他の公的病院の移譲、こういうことも当然考えていらっしゃるんですか。
○国務大臣(増岡博之君) 当然そのようなことも考えなければならぬと思います。
○和田静夫君 そこで、ちょっと戻るんですが、大体自治大臣が言われたことに私も同意。なんです。もし地方ということになってきますと、これは人をつけたままというようなことにはならぬでしょうし、それから赤字要因を含んだままということにはなりませんし、よって大蔵大臣がかなり踏ん張ってこの裏づけをしませんと――私は原則的には移譲反対ですよ。反対ですけれども、仮にそういうことが行われたとしてもそこらの保証がなければなりませんよ。大蔵大臣、それに対応できますか。
○国務大臣(竹下登君) この問題、具体的にまだ勉強しておりませんが、実は私の選挙区にもびざいまして、そういう角度から医師会の方やそれから市長さんから相談を受けたことがございます。そういう観点からのみしか、今私の勉強の度合いがそこまでしか深まっておりませんけれども、これはいろんなことが考えられるなど私なりには思いますものの、基本的には厚生省で六十作度中におつくりになるその計画を見て対応すべき問題であって、ただ素人目に考えても、同じ赤字のものがただ経営者そのものがかわって移行していくというだけで済むものじゃないなという感じは私にもないわけじゃございません。ただ、非常に詳しい勉強をした上の答えではございませんので、いささか無責任と申しますか、きちんと原点を踏まえての議論でないことは御了承いただきたいと思います。
○和田静夫君 時間がありませんからこれ以上触れられないんですが、実はことしの予算委員会の地方公聴会のときに、兵庫県知事に対して、もしこういう事態が起こった場合にはお引き受けになりますかと私は問いを発しました。そうすると、いわゆる赤字要因などというものがきれいに整理をされたものならば喜んで地域の状態に合う限りにおいては受けたいというお話がございました。この辺がやはり非常に強いこれからの意向になると思うし、厚生大臣のお言葉ではありましたけれども、私の知るところでは、統廃合それから移譲というスケジュールは事務当局で非常に早まっているわけでありまして、今年度いっぱいなどという悠長なことを言っておられる状態にはないようでありますのであえてこの委員会で取り上げたわけです。 もう一つは、最近、ペットから感染する病気、ペット病が問題になっていますね。この検疫体制に問題はないかということを思うんですが、このオウム病の病原を持ったインコはどのくらいでしょうか。
○政府委員(竹中浩治君) お答え申し上げます。 私ども、昭和五十八年度に日本獣医師会に委託をいたしまして、これは全国八地区十都道府県市において調べていただいたわけでございますが、セキセイインコ百二十一羽中三十二羽、二六・四%にオウム病の病原体であるクラミジアが分離をされておる。インコにつきましては、八羽検査をいたしましていずれからも分離をされていないということでございます。
○和田静夫君 そこで農水省、このオウム類の輸入羽数はどれだけですか。
○政府委員(野明宏至君) お答えいたします。 小鳥の輸入は、五十九年で申し上げますと全体で九十六万羽程度になっておるわけでございますが、その中でインコを含みますオウム類は約十四万羽ということになっております。
○和田静夫君 データがはっきりしませんが、厚生省、潜在的可能性としてはかなりの輸入オウムが病原を持っているということは否定できませんね、これで。 そこで農水省に伺うのですが、オウムの検疫というのはどうなっていますか。
○政府委員(野明宏至君) お答えいたします。 オウム類につきましては家畜伝染病予防法上の指定検疫物には指定されておらないところでございます。ただ、輸入されるオウム類につきましては、指定検疫物になっておるニューカッスル病につきましては鶏ということで、非常に重要視しなければならない家畜伝染病でございますので、そういったような家禽の伝染性の疾病の国内への侵入を防止するために家畜防疫官によります臨床検査を実施しておるわけでございます。検査の結果、オウム類につきましてもこういったような疾病にかかっているおそれのある場合には防疫上必要な措置をとる。ただオウム病については、家禽との関係で申し上げますれば、感染いたしましても発病しない例が多いわけでございますのでチェックが困難である、また家畜衛生上もこれまで特に問題となるような疾病となっていないというふうなことで、オウム病それ自体を対象とした検査は実施していないということでございます。
○和田静夫君 一言で言えば、鶏のためには検査をしているけれども人間のためには検査をしていないということなんですね。ここで私が言いたいのは、厚生、農水両大臣、人間よりも鶏優先という検疫体制なんですよ。これは早急に法の整備を含めて改める必要がある、そういうふうに取り組まれるおつもりがありましょうか。両大臣、一言すつ。
○国務大臣(増岡博之君) 検疫につきましては従来から努力をいたしておるところでございますが、今後いわゆる伝染病が減ったということで油断が出てはならぬということで対処してまいりたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 和田先生にお答えいたしますが、先ほど局長が答弁したとおりでございますが、この病気につきましては先生御存じのとおりでございますけれども、実はオウムによって感染しても発病しない例が多いのでチェックは困難である、あるいは家畜衛生上これまで特に問題になったことはないというようなことでございますが、よく実情を調べまして検討してみたいと思っております。
○和田静夫君 これ、早期に肺炎のような状態を発見をすれば治癒は可能であるけれども、こじらせると生命に及ぶという代物ですから、そこのところをよく踏まえて人間のための検疫体制というものを、どうもこれは日本だけがないような報道もありますから、その辺のことをよくお調べになって対処していただきたい、そういうように要望しておきます。 さて残された時間、きょうの主題として地方財政を中心に質問をいたしますが、地方財政硬直化の最大の要因というのは公債費の増加であります。公債費の比率というのは昭和五十年度には四・五%だったわけですが、六十年度には一一・二%に達しているわけです。 自治省、財政硬直化の最大の要因は公債費の増加にあるという私の主張は、これは自治大臣、お認めになりますね。
○国務大臣(古屋亨君) お話しのように、現在におきましては公債費の負担率が非常にふえておるということが硬直化の大きな要因であると考えております。
○和田静夫君 そこで大臣、地方の借金残高。地方債現債高だけでなくて交付税特会借入金残高、既往債のうちの普通会計負担分の残高、加えてトータル、けさ私は数字を申し上げておきましたが、地方債四十一兆七千六百四十四億、交付税五兆六千九百四十一億、既往債八兆九千四百五十三億、計五十六兆四千三十八億。よろしいでしょうかな、これは。
○政府委員(土田栄作君) 御指摘のとおりでございます。
○和田静夫君 そこで、地方財政は好転していると言われるわけですが、この膨大な借金残高を抱えているわけです。かってに比べますとよくなってきてはいますが、なお公債費という硬直要因を抱えている。したがって手放しで好転したというような状況ではない。私は借金返済はかなり大変だろうと思うんですよ。 自治省、一九九五年度までの向こう十年間のトータルの借金返済見積もりを出していただけますか。既往債の普通会計負担分を含んでできるだけのことを出してください。
○政府委員(土田栄作君) 一定の前提を置いた想定でございます。これは昭和六十年度と同額地方債を発行した場合にどうなるかという想定でまいりますと、六十年度が五兆六千七百億でございますが、六十一年度は六兆百億それから六十二年度は六兆二千億、それから六十三年度は六兆二千三百億程度になるものと推計されます。
○和田静夫君 今のはマクロの地財計画ベースの話なんです。個別団体で見ますと公債費負担比率の高い自治体がかなりある。公債費負担比率が一五%以上の自治体は、都道府県で五十八年度で十七団体、市町村で千七百七十一団体、何と市町村では五四・四%が警戒ラインを超えているわけであります。こういう状況のときに本来国がやるべきものを地方に押しつける。それに起債をつけるからといっても、それはせっかく好転しつつある地方財政を後退させることになるのであります。こういうやり方というのは政府としてやるべきことではありません。官房長官、そうお思いになりませんか。
○国務大臣(藤波孝生君) いろいろ御指摘のように御心配をいただいておることかと思います。 それぞれ財源措置につきましては手当てをいたしまして、また今後の償還などにつきましても国として必要な措置を講じていかなければならぬ、こういう気持ちで将来にわたって支障のないように適切な措置を講じていきたいと、こう考えているところでございます。 問題は、今回の法案として御審議をお願いいたしておるところでございますが、地方公共団体の事務事業として同化定着をしている補助金などの整理、人件費等に係る補助金等の交付金措置への移行、高率補助率の引き下げなどの措置について法案の中で御審議をお願いしてきておるところでございます。その中で国と地方との役割の分担、そして経費、いわゆる費用負担のそれぞれ分担、役割について見直しを行うという趣旨のもとに御厄介になっておるところでございまして、御指摘のような御心配にならないように国としても十分考えつつ今後ともこの問題に臨んでいきたい、このように考えておるところでございますが、こういう非常に厳しい時代を国も歯を食いしばって乗り越えていく、地方自治体もそれぞれ大変であろうと思いますけれども、国と一緒になって、一心同体になってひとつ乗り越えていっていただきたいということを心から念願をしておる次第でございまして、法案の趣旨について深い御理解を賜りますようにお願いを申し上げたいと思う次第でございます。
○和田静夫君 そこのところはなかなか理解することはできないんで、国の政策上の執行の失敗のツケを地方に回すということですからね。 その論議は別にしまして、大蔵大臣、地方は苦労して赤字減らしをやっているわけですね。その結果やや好転してきた。そうした地方の努力というものを後退させるということは問題でして、したがって国の財政運営の失敗のツケを地方に回すというようなことはやるべきじゃありませんが、少なくとも地方の公債費負担を上昇させるような措置はとるべきではない、このことはお約束できますか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもどうしてもマクロで見がちでございます、率直に申しまして財政当局としましては。そうすると、いわゆる公債費負担率の問題等についても、それぞれの自治体においての相違はございますが、私どもはいわば今日国の公債費負担率というようなものが議論する場合にいつでも念頭にあることは事実でございます。したがって、個々にどのような数値になるかは私は存じませんけれども、基本的に去年よりもいわば地方債が減っておる。そういう状態から見て、今度の場合適切な措置として御理解をいただける許容の範囲内にあるのではないかということでお願いをしたということになろうかと思われます。
○和田静夫君 そこで今回の財源の補てんですが、経常経費系統の千六百億円を建設地方債で穴埋めをする。これはどう考えても私は合点がいかぬ。何よりも経常経費を建設債で見るということが、法制局長官、地方財政法から許されますか。建設地方債は公共事業費、つまり投資的経費系統に充当するものでしょう。経常経費に充当するものじゃないわけでしょう。したがって極めて法の趣旨をないがしろにする処理。それを自治大臣、恐らく抵抗されたんだと思うんですが、専門家ですからね。しかし、いやいやながら屈服させられたと思うんですよ。屈服させられた法的な論拠というのは恐らく法制局長官がお考えになったんでしょうからね。どうなんです、これ。
○政府委員(茂串俊君) ただいまの問題でございますけれども、委員十分御承知のとおり、経常経費系統の地方の負担増加分につきましては、これは地方交付税の総額に特例加算された千億円を除きまして、その残りの千六百億円につきましても、これはいわゆる一般財源化するという形で処理しておるわけでございまして、ただいま御指摘のありましたようないわゆる投資的経費、これは地方財政法五条によりまして投資的経費であれば起債の対象になし得るということはもとよりでございますけれども、その投資的経費の分につきましていわば起債に充当するということで処理しようということでございますから、その意味では法律的には何ら問題はないのではないかということは言えようかと思います。
○和田静夫君 何でもないんではないかというふうに言えると思います程度の答弁しか、いつもはっきりしている人がそれぐらいのことしか言わぬわけです、きょうは。投資財源を経常経費に振りかえる、投資的経費系統に建設債を増発する、やり繰りですね。そういうものが地方財政法第五条の地方債原則禁止という規定に対して、法の趣旨に対してかなうものでないということはこれは私は釈迦に説法だと思うんですね。このことは強く主張しておきますよ。 それから、しからば今のような御答弁がありましたけれども、建設地方債を増発しようにも適債事業がない自治体というのはどうなっていくんでしょうかね、これは、大蔵大臣。自治省はいいですよ、大蔵省に聞いているんです。
○政府委員(平澤貞昭君) 今回交付税措置をとっておるわけでございます。片方で適債事業のあるところは建設地方債を出しているということでございますから、したがいまして個々の地方団体にとりましては、適債事業のない地方団体を例えば取り上げた場合に、交付税の基準財政需要額には入っておりますので、その分は十分に財源措置されているということになるわけでございます。
○和田静夫君 これちょっとお答えになっていないんですが、限られた時間ですから。 この一般会計債の調整というのはこれは何でしょうかな。
○政府委員(土田栄作君) 経常経費系統の一千億を除きました千六百億円とそれから投資的経費系統の地方負担の増の千二百億円と合わせました二千八百億円、これが全体としての地方財政の財源不足に当たりますので、その財源不足を埋めるための地方債というものになるわけでございます。
○和田静夫君 それで、大蔵省さっき答弁ありましたが、適債事業がなければ財源不足を自治体がもろにかぶるということに私はなるんじゃないだろうかと思うんですがね。無理に適債事業をつくっても自治体の借金財政の拡大になるだけであって、経常経費系統の穴埋めにはならない。 適債事業を持たない自治体数、その影響額というのはこれは今出ますか。
○政府委員(土田栄作君) 三千三百団体ありますので、個別に一つ一つ当たったわけではございませんけれども、例えば起債制限団体の中で一番比率の高いものとかそれから財政再建団体とか、そういうところについて当たってみたんですけれども、今まで調べた範囲では見当たりませんけれども、三千三百団体ありますので絶無であるというふうには申し上げられません。
○和田静夫君 絶無ではない。適債事業を持たない団体に対する財源保障はなされていないんですよ。大蔵大臣、この保障をどうなさいますかね。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほども申し上げましたように、個々の地方団体をとった場合に、地方負担の増加分につきましては基準財政需要額にその分を算定いたしますので、それは交付税として財源措置がとられておるわけでございます。
○和田静夫君 どうも答弁でないんですがね。提案理由を読んでみましたよ。「引き下げの対象となる地方公共団体に対し、その事務または事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずる」。これはきちんと財源保障されるということでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 私、最初念頭にありましたのは再建団体などが念頭にありました。再建団体などで適債事業のないところはないということになりますと、いわゆる交付税の末端の市町村に対する配分の際の基準財政需要額の中で充当されておるならば、適債事業がなくてもその不足分そのものはそれによってカバーされるというふうに理解をいたします。それでその場合、そういう適債事業のないある町村において補助率カットによる影響というのがどう出てくるかということを一つ一つ見ると余りないような気がするのでございますが、私の考え方は正確を欠きますので、あるいは担当からお答えさせた方が適切かと思います。
○和田静夫君 どっちみちこれは具体的に詰めていかなければならぬことですが、委員会を先へ進めさせていただきますが、いずれにせよ建設債で経常経費を見るということは地方財政法からして極めて異常脱法的なのであって、こういうような脱法状態を二年も続けるということはやはりしちゃいかぬ。少なくとも竹下大蔵大臣ぐらいの立派な人がそんなことをやるということにはならぬと思うんですが、これは意見として述べておきます。強く求めておきたいのです。 昨日、大臣、時間がありませんでしたからあえて申しませんでしたが、予算の後に予算関連法案を提案することが違法なら違法だらけになってしまう、したがって違法ではないという、これは全く竹下さんらしくない解釈をされて、いただけないのでありますが、まあ苦し紛れにそう言われるのはよくわかりますよ、立場は。開き直りという感じがするんですが、形式論になぜか非常に流れ過ぎているのではないだろうか。税法のように毎年改定されるものは予算と一体のものですから、予算と同時期であれば多少おくれてもそれは構わない。しかし、今次一括法案のような制度発足以来の大再編を含むような法律は、これはもう予算よりも早く国会に提出をして、国会の意思を見定めた上で予算を提出すべきだと私は申し上げているわけであります。 なぜならば、予算も一つの法規範でありますが、立法手続的にいっても憲法、財政法体系からすれば法律が予算の優位に立つということを昨日私は申し述べたからであります。したがって、この一括法案のような法律は、予算審議に先立って国会が審議できる時間的余裕を持つ、そして政府が提出する、その意味での義務がある、私はこういうことだろうと思うんです。この点は委員長見解で「予算成立後の後追い審議となる法案提出時期の問題点」とあるわけです。こういうふうにあるわけでありますから、簡単に私はすり抜けるわけにいかぬわけでありまして、この辺の御認識をもう一遍簡単に承りたい。
○国務大臣(竹下登君) あるいは正確には法制局長官からのお答えが適切だと思いますが、二十九年の一括法のときの私も議論を読んでみました。そのときに、今の議論がわずかな時間でございましたけれども基本的に闘われておる議論でございます。したがって、私はこれが違法なりとすれば今までやったのが皆違法になるという趣旨のことを言いましたが、これは開き直ったのじゃなくして、現実そうなればそうならざるを得ないという意味において申し上げたわけであります。したがってこの問題は、私はいずれが違法であるという判定を下すことは今の法体系の中では困難な問題ではなかろうかというふうに思います。 したがって、従来使っておる言葉としては、通例の形で御審議をいただく、がしかし、姿勢をあらわさなきゃならぬから一緒に出したというのが限界であって、こいねがわくは、私もこれだけのものであったとすれば、あの行革国会のような形の方がより国会に対して政府としての姿勢を示す意味においてはそれがなお適切であったのかなあという感じは持っております。しかし、違法であるとはもとより思いませんけれども、その辺のいわば政治判断の問題じゃないかなと、こんな感じがしております。
○和田静夫君 法制局長官からも答弁いただきたいところですが、時間が詰まっていますからあれしまして、委員長が見解をお出しになったのでありまして、予算成立後の後追い審議となる法案提出時期の問題点をそういうふうにして指摘された以上、これは委員長、私は、政府側はこの委員長見解に対して善処をするという前向き答弁がなければこの委員会はこれ以上進まないと思うんです。大蔵大臣、委員長見解についてやはり善処をするぐらいの態度は明らかにされるべきだと思いますが。
○国務大臣(竹下登君) これはたびたび申し上げておりますが、委員長見解ということに対しましては、それを踏まえて今日いろいろな御答弁を申し上げておるわけでございますが、今の点につきましても、私どもは十分これは尊重をすべきものであるという理解のいたし方はいたしております。
○和田静夫君 これは委員長、理事会にお預けしたいんですが、今の大蔵大臣答弁を少し詰めていただきたい、この法律案をこの委員会で議了するまでの間に。こういうふうに思いますが、預けたいと思いますが、よろしいですか。
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。 ただいま和田君御要求の件につきましては、その取り扱い方を後刻理事会において協議することといたします。
○和田静夫君 一年限り問題なんですが、どうも大蔵省の立場はいろいろなことを想像させるに十分な答弁が続いてい呑んですが、大蔵大臣、この異常事態というのはやはり私は避けるべきだということを申し述べましたから、これは強く意見として言っておきます。今答弁いただきましてもきのう以上に出ないでしょうから。三省協議にどういう立場で臨むのかということが非常に気にかかります。 厚生大臣、先日もお尋ねしましたが、厚生省の姿勢に私は問題があると思っているんです。高率補助金になっだのにはそれなりの理由があったんです。これはもう多くの人が触れたから繰り返しません。国の責任というのは、厚生大臣、事務の内容だけではありませんよ。これはもう明確に財政面でも責任を負うということですね。そこで、来年度以降一割カットを続けるということは許せないわけですが、厚生省、三省協議においてどういう立場をおとりになるんですか。
○国務大臣(増岡博之君) 厚生省といたしましては、三省協議の際にもやはり福祉の水準が下がらないようにするということが最大の目的であろうと思います。したがいまして、そういう態度で終始一貫いたしたいと思います。
○和田静夫君 高率補助金問題で学識経験者を中心とする専門委員会を設置するということが言われていますが、それは大臣、そういう方向ですか。
○国務大臣(竹下登君) 今のところまだそういうことは考えておりません。と申しますのは、国会の議論を全部整理してみよう、そうするとおのずから私どもとしても判断がつくではないかということを思ったから、今のところまだ専門委員会を検討しておるという状態にはございません。部内でそんなような議論はいたします、率直に言って。しかし、まだそういうところの検討には入っておりません。
○和田静夫君 厚生大臣、時間がなくなってきましたから私は意見を述べておきますが、社会保障、福祉政策を推進すべき官庁が厚生省である。国がやるべき政策を放棄して地方に負担を転嫁する、そんなことで高齢化社会の福祉を責任を持って遂行することができるだろうか。これはもう厚生省の責任放棄になりますから、そういう立場をおとりにならぬことをこの機会に強く求めておきます。 要するに、私はあなた方には理屈がないんだと思うんです。国の財政事情のみということだけが理屈なんです、本当のところを言うと。しかし、国の財政事情ということであれば、五千八百億円の経常経費系統に限定すれば二千六百億円程度のものは工夫すればこれは捻出可能ですよ。そうした努力を国が行わずに地方に負担を転嫁しているというわけですから、高率補助金の補助率引き下げというのはずばり言ってそういうことなんですね。これはもうせっかくお残りになったので答弁いただきたいんですが、私の持ち時間がなくなってきましたから、厚生大臣、理屈は何もないんですから六十一年度はもとに戻す方向で三者協議に臨む、そして文部大臣それから農水大臣、同様の立場を堅持してもらう、自治大臣も当然である、こういうふうに強く私は要請をいたしておきます。 ひとつ、ちょっと気にかかる問題だけ詰めておきたいのでありますが、生活保護の二百億円の臨時財政補助についてですが、率直なことを言ったらきのうまでの答弁で言っているところはわかりました。わかりましたが、一言で言えば人数割りで均等に配分するということに承っておいてよいでしょうかね。
○国務大臣(増岡博之君) 単に人数割りではなくして、もちろん保護率が大きい少ないということは考慮に入れますけれども、その地方公共団体の財政力のことも十分勘案しながら配分しなければならないと思います。
○和田静夫君 ちょっと細かいことで恐縮ですが、例えば交付税交付金の動向と照合してみるとか、いろいろな手法が生まれてくる感じがするんですね。あるいは不交付団体にはどうするんだというふうな問題も残るでしょう。簡単にいきますか。
○政府委員(正木馨君) 臨時財政調整補助金の趣旨につきましては、ただいま大臣からもお答えがありましたように、また先生御案内のとおりでございますが、端的に交付税不交付団体の問題でございますが、これはやはりこの補助金創設の経緯や趣旨にかんがみますと、財政力の脆弱な普通交付税の交付団体を対象とするのが妥当だというふうに思いますが、そうは申しましても、個別的に見た場合にいろいろな違いがあると思います。個別的に見た影響、それから生活保護制度の円滑適正な運営の確保といった総合的な観点から交付税不交付団体についてどう取り扱うか、これも今後財政当局ともよく協議をしてまいりたいというふうに思っております。
○和田静夫君 不交付団体も検討の中に入るということですね。
○政府委員(正木馨君) この問題についても十分協議をしてみたいというふうに思っております。
○和田静夫君 財源保障の問題に戻りますが、自治大臣、建設地方債の調整信二千億の元利償還費ですがね、これは八〇%でなくて一〇〇%基準財政需要額に算入すべきであると私は思っていますけれども、それはそれでいいわけですね、大臣。
○国務大臣(古屋亨君) 経常経費の千六百億の分につきましては一〇〇%見る。それから三千二百億のうち二千億は半分を交付税で国から入れてもらって、あとの半分は交付税措置といいますか、普通の措置をする。それからあとの一千二百億、これは起債で八割は国が持ちます。最初は千六百億と千二百億につきましていろいろ検討をしたのでありますが、千六百億については交付税で全部見ます。それから千二百億につきましては八〇%ということで検討をして、そういう線で進めたいと思っております。
○和田静夫君 交付税交付金にゆだねる部分が多いわけですが、不交付団体分どうするのか。また、交付税の総枠は三税の三二%ですから、新たに基準財政需要額に算入する部分がふえるだけ既存部分にしわが寄るわけですね。そうすると交付税総枠というのは問題に当然なってきますね。総枠問題というのは、これは自治大臣、大蔵大臣の間に何か合意がありますか。
○政府委員(土田栄作君) 先ほどの大臣の御答弁をちょっと敷衍して説明さしていただきますと、まず国庫補助負担率がカットされましたことに伴いまして地方負担がふえる分、この起債が二千億ございます。これの元利償還につきましては一〇〇%算入するということにいたしております。それから二千八百億のいわば財源不足対策債ということになりますけれども、この二千八百億の財源不足対策債のうち経常経費のカットに伴います分が千六百億ありますので、こちらの方については考え方としては一〇〇%にする。それから残りの千二百億については考え方としては八〇%にするという考え方で対応したいというふうに考えております。いずれも六十一年度以降元利償還が始まりますので、その時点において決定さしていただくということでございます。 それからこれらのものを含めました財源対策がどうなるかという問題でございますけれども、今回の補助率のカットに伴います地方負担の増のうち、委員御案内と思いますけれども、経常経費系統の一千億につきましては暫定的に昭和六十六年度以降の地方交付税に加算する。それから投資的経費のうちの国の補助金カット二千億のうちの半分に相当する額の一千億の元利償還については昭和六十一年度以降の地方交付税の総額に加算するということで、この二つにつきましては、経常経費の一千億というのはややペンディングでございますけれども、この二つの系統は一応三二%の外で処理できるものというふうに考えております。残りのものにつきましては、昭和六十一年度以降の地方財政計画の中で勝負ということになりますけれども、これについても地方財政計画では穴をあげない、収支均衡した形でやりますので、地方財政計画総額の確保の場というものを通じて地方財源対策をやってまいると、こういうことでございます。
○和田静夫君 最後ですが、法人税について大臣に少し伺っておきたいんですが、中曽根総理は一方で所得税減税というムードを冷やして、他方では法人税減税は強調するというビヘービアをおとりになっているようですが、これは大蔵大臣、少なくとも六十一年度については一・三%上乗せ分というのはそのままですね、これは。
○国務大臣(竹下登君) 主税局が来ておりませんので、今秘書官から私の記憶を呼び戻してみますと、期限は確かに切れるはずでございます。したがって六十一年度税制の中でこれは検討する課題だというふうに申し上げて今日まで来ております。
○和田静夫君 いえ、実は大蔵大臣がどこかで講演なされまして、六十一年度については一・三%というのはそのままだという講演を速記で読んだものですから、期限が来てもなるほど大蔵大臣のお考えはそういうことだろうと思って今確認を実は求めたわけであります。今御答弁にはなれませんか。
○国務大臣(竹下登君) ちょっと記憶しておりませんが、ずっと衆参両院の税制の議論を通じたときに、その時点で考えるという答弁をしておりますが、よく講演に出かけますので、まあでたらめを言ったわけじゃございませんが、あるいは間違ってそういうことを言ったことがあるかもしれません。
○和田静夫君 いや、私は、間違っていないし、そのことはそれでいいんだろうと思うんですがね、お続けになることが。 さらに、主税局はお見えになっていませんということですが、退職給与引当金はどうされる何かおつもりありますか。
○国務大臣(竹下登君) これも引き続き検討の課題の中に残っておるという理解の仕方ております。
○和田静夫君 大蔵大臣、中曽根総理と財政当局が減税論議を抑えているという報道が一斉になされ出しました。これは国会での約束があって、そうして政府も減税に努力すると委員会その他で公約されている問題でありますし、中曽根総理は私にも、官房長官、しっかり公約されているんです、これは。 それがきのうぐらいから消され出したというのは不思議でしょうがないんですがね。これが事実とするならば公約に背反するものであります。しかも、きょうから総理がお見えにならぬということを見越してこういうことが出てくるというんじゃとてもたまったものじゃないと思っているのでありますが、十三日の竹下・藤波会談で何か合意がこれらを裏づけるものとしてあったんですか。
○国務大臣(竹下登君) 十三日というのは、東京証券取引所で開館式でございますか、がありまして、それでインドのお客さんがインドの国情からしまして来れなくなって十分ほど時間があきまして、それで本委員会に立ち寄る間に十分間、官房長官室へ私が訪ねて行ったわけです。そのときに決してそういう問題を議論したわけじゃございませんが、かねて私なりに本委員会でも申し上げたことがございますけれども、今三つの問題がある。 一つは、正確にこの国会の議論を伝えて税調で抜本議論をするという問題がある。もう一つは、与野党の幹事長・書記長会談でいわば継続して税問題を論議する問題がある。それからもう一つは、内需拡大についての対外経済諮問委員会の答申にこの税の問題が書かれておる。この三つをどういうふうな手順で進めていくかということは、私自身非常に関心のある問題であります。 総理がかねて申し上げておりますのは、やりたいという願望、気持ちは持っておる、減税をしたいという。が、赤字公債でやるわけにはいかぬ。したがって、税制の抜本的な審議にそれはゆだねなきゃならぬだろうと。が、一方、各党間の申し合わせの作業が進んでおることは知っておるし、その結論は尊重しなきゃならぬというふうに整理して申し上げておりますので、急に水をぶっかけてトーンを冷やそうというような愚かなことは考えませんよ。
○和田静夫君 では、これで終わりますが、大蔵大臣、せめて六十一年度に向けて所得税減税の実施に努力するということをやはりここでは最後に羽音されるべきだと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、今の三つの組み合わせがございますので、税の当局者としての私がそれを明言するという立場には残念ながら今のところないではなかろうか。総理そしていろいろな閣僚がそういう意向を持っておるということは明らかになっておるわけでありますが、税の組み立て自体をこちらはやらなきゃならぬわけでございますので、それを申し上げる環境には残念ながらないということで御容赦をいただきたいと思います。
○和田静夫君 官房長官、中曽根総理を代理してどうですか、今のこと。
○国務大臣(藤波孝生君) 減税をしたいと総理は思っておりますし、たびたび予算委員会あるいはその後の補助金特別委員会等でも御質問に答えてきているところでございます。 ただ、大蔵大臣から今お答えがございましたように、今後の税制のいろいろな見直しの中でそのことをどう位置づけていくかというような問題がございますので、その部分だけぽっと出てしまいますと言葉が一人歩きするのではないかというふうに思います。そういう意味では、総合的に考えましてこれからやはり減税に向かって希望もし、努力もしていきたいという気持ちを持っておることは事実でございます。広い立場でそのことを御理解をいただきたいと、こう思う次第でございます。
○近藤忠孝君 この法案の対象となっております生活保護などの仕事は、既に論じられておりますように、憲法の規定に基づく国の最重要の責務であります。その点の指摘に対して、政府の方は今回の措置では自治体への影響や市民生活への影響はないという答弁を繰り返してまいったけれども、果たしてそうかということで具体的に指摘をしたいと思うのであります。 厚生省の資料で、都道府県別の一割カットによる影響額が東京の百六十六億円を最高に福岡、大阪と続いています。今回私は新潟県下の状況を調査してまいったわけで、それに基づいて質問をしたいと思うんです。 まず、新潟県の一割カットの生活保護費への影響額は十五億一千六百万円であります。このうち新潟市だけをとってみますと、一割カット影響額は四億九千四百七十一万円、市の持ち出し分が四億五千六百二十二万円、残りは県の負担。額が大したことないではないかというのはこれは間違いでありまして、実際現場では大変な事態が起きております。これは厚生省が昭和五十六年に出しました「生活保護の適正実施の推進について」という通達が出た後、生活保護の受給制限やあるいは被保護世帯への締めつけがいろいろな形で強まっておるわけです。 そこで厚生大臣に伺いますが、そういう現場の生活保護行政の実態、あちこち行き過ぎが出ておると思うんですが、そういう状況については調査しておりますか。
○政府委員(正木馨君) 生活保護は申すまでもなく国民の生存権の保障の最後のよりどこうであるということで、これについては漏れがあってはならないと同時に乱れもあってはならないということで、これは国の機関委任事務として県あるいは市の福祉事務所が実施しておるわけでございますが、生活保護の実施状況につきましては直接私どもが監査指導に当たり、また県を通じまして随時的確に把握をしておるつもりでございます。
○近藤忠孝君 余計に取ってしまうことを心配する余り、実際救済すべき人を救済していないという事例が実際出ているんじゃないかと思うんです。これは新潟県の事例でありますけれども、特に郡部が問題だと思うんですね。これは県の生活保護関係の予算でありますが、世帯数で八%、人員で一二・四%、それぞれ大幅に減っておるんです。都市部は人口の集中などから絶対数が多くなる傾向があるかもしれません。しかし県が直接実施している町村部の生活保護世帯数、人員の大幅減少、これは別の理由があるんじゃないか、こう思うんですね。 そこで厚生省にお伺いしますが、昭和五十五年から六十年までの新潟県の予算です。当初予算額、それから決算額。これは決算額が減っておりまして、相当の予算の使い残しがあるんですが、この状況はつかんでおられますか。
○政府委員(正木馨君) この点につきましては、昨日先生の方からお話がございまして新潟県に照会をいたしたわけでございますが、当初予算額と決算額でございますね。五十五年度当初予算額が、これは県分でございますから市分を除くわけでございます。新潟県分で当初予算四十五億五千万円、決算が三十九億四千三百万円。五十六年度が当初予算四十九億四千六百万円、決算三十九億九千二百万円。五十七年度、当初予算五十四億一千万円、決算四十億三千六百万円。五十八年度、当初予算五十四億四千百万円、決算四十一億三千万円。五十九年度、当初予算五十四億四千百万円、決算額、これは見込みでございますが、四十一億八百万円。六十年度、当初予算五十四億四千百万円。以上でございます。
○近藤忠孝君 これは各年度で見てみますと相当の予算の使い残してあります。五十五年度が一三・三%、五十六年が一九・三%、五十七年が二五・八%、五十八年が二四・一%、五十九年に至ってはこれは四四%ですね。となると、農村部が裕福で生活保護対象が減っておるのかどうなのかですね。減っておればそれは大変結構なことでこれはいいんですが、果たしてそういう状況なのか。これは国民の常識にも反するわけなんです。 そこで厚生大臣、こういう現象はその背景にどういう事実があるのか。このことは一新潟県ですけれども、全国に大変共通する面があると思うんですよ。こういう実態はこれは異常ですよね。これをどう認識し、どう対応するのか、まず認識をお聞きしたいと思います。
○政府委員(正木馨君) ただいまの新潟県の予算と決算の額を述べよということでそのまま申し上げたわけでございますが、決算ベースで見ていただきますと大体五十五年度から五十九年度まで横ばい、やや微増程度の保護費予算になっております。問題は、当初予算に比較いたしまして十数億の残を出しておるということでございますが、これも県の方を通じて調べたわけですが、新潟県の場合、五十八年度、五十九年度ともに当初予算では五十四億を計上しておりますが、その後補正で減をいたしておるわけでございます。要するに当初予算の組み方の問題でございます。 生活保護の予算は被保護人員と単価の見込みによって算定されるわけでありまして、各県が独自の予算編成方針のもとに編成されるわけでございますが、私ども見ましても、この当初予算というのはやはり生活保護の性格上余裕を持って予算を組むということは必要だと思いますが、従来の傾向から見て、少し余裕を持ち過ぎていると言っては何でございますが、の感じもしないわけではないわけでございます。そこで、くどいようでございますが、生活保護というのは最低生活の保障ということで、予算によって制約をされるという筋合いのものではないので、その点は先生十分御理解を賜りたいというふうに思います。
○近藤忠孝君 まさに予算によって制約を受けるものではないんですが、ただ当初予算で見てみましても、五十七年以来ずっと五十四億、横ばいなんです。そしてそれに対して使い残しがどんどんふえていると。そこが問題だと思うんですね。しかも使い残しがどんどんふえてきたのは、先ほど指摘をした適正実施推進の通達が出た後これが顕著になっている。となりますと、意識的な切り捨てあるいは却下あるいは保護打ち切り、そういったことが系統的に行われている結果ではないのかと。その点どうですか。
○政府委員(正木馨君) 生活保護の実施につきましては漏れがあってもならないと同時にむだになってもならないと、要するに適正な実施が図られなければならないということでございます。そこで、予算的に余裕があるからいわゆる乱給が行われるということも避けなければなりませんし、それから仮に予算が不足すれば補正予算を組んででも適正な実施を行うということ、これが生活保護の真髄であると思います。そういう意味合いから国も指導しておりますし、県も市も同じような気持ちで実施に当たっているというふうに思っております。 ところで、五十六年の十一月に「生活保護の適正実施の推進について」という通知を出しまして、それ以後どうも締めつけが厳しい結果ではないかと、こういうことを先生おっしゃっておりますが、五十六年の十一月、これは実はそのころ、非常に残念な事例でございますが、いわゆる暴力団関係者の事例等が出まして、生活保護の乱れについて国民的な批判を招いたわけでございます。乱れがあってはならないということでその辺はきちんとしなければならないということで、特に五十六年十一月の通知、私ども百二十三号通知と言っておりますが、やはり何といっても生活保護の適正な実施を行うためには要保護者の資産、収入の状況を的確に把握するということがまず第一でございます。そういった意味合いから資産、収入の状況についての詳細な申告書を出してもらうと。それから場合によって関係先に照会するということがあるのでその場合についての同意書を提出してもらうということで、こういう実施要領をつくりまして実施をするということで、これはいわばこの五十六年をまつまでもなく、適正な実施を従来から図っておるものをさらに念を入れてやっておるということで、現在生活保護の先生言われますような状況というものがこの五十六年十一月を契機として締めつけが厳しくなったとか、そういうことは私どもとしては考えておりませんし、またそういうことはないというふうに思っておるわけでございます。
○近藤忠孝君 暴力団とか悪質な不正受給者に対してきっちりと対処する、これは当然のことだし、それはもっともっと厳しくやるべきだと思うんです。ただ問題は、そのことがごく通常の生活保護者に対して大変きつく当たっているんじゃないか、乱れを防ぐためにその辺が全面的に及んでいるんじゃないかという苦情が現に来ておるんです。その苦情を聞いておって、そして先ほどの予算と決算の状況ですね、これを見ますと、やはり苦情が実際本当だったんじゃないかということを考えざるを得ないんです。現に我々が聞いている苦情は、例えば申請を取り下げなさいとかそれからもう受給は辞退しなさいとか、そういうようなことが現に実際行われています。実際保護が必要で本当に大変だと思うような人のところにも現に行って、それが本当に精神的にも実態の上でも深刻な状況になっているということで二、三事実を引用したいと思いますので、厚生大臣、これをお聞きになってそれについての所見をお伺いしたいと思うんです。 これはやはり新潟の例ですが、亭主がサラ金倒産で、その関係で大変ひどい目に遭って離婚して、そして郷里に帰って内職をやっておったわけですね。で、まあもちろん生活保護を受けておった。そうしますと、内職じゃ金が安いから勤めなさいということで、ケースワーカーから言われて今度はパートになる。そうすると、今度また来まして、パートでは安いからさらに正社員になりなさいということで、だんだん一生懸命仕事をするようになるんです。ただ一面、体が弱いので休まざるを得ない。当然法定最低生活費は、まあ低いわけですから生活保護の対象になっています。それに対して、ケースワーカーが来るたびに生活保護を辞退しろと、こう言われるので病気になってしまったと。それで我が党の地方議員の方にそういう相談がありまして、地方議員が立ち会ってどうかと聞きますと、いや、努力してみたらどうですかと言ったにすぎないということを言うんですが、実際は他の人がいなければそういうことが起きるわけなんです。 これは一つの例ですが、もう一つは、常識的に見て当然保護対象になってしかるべきだというのが、形式的な面にひっかかってなかなかこれが保護にならない。で、三回申請して三回とも棄却されたという例があるんですね。最初は、これは適正実施の推進の中の基準になっていますが、資産をよく見なさいと、この人は働けないんだけれども田畑があるわけです。そうすると田畑があるからだめだと。そのうち、生命保険が七十万円ばかり残っているから、それを解約して使ってしまってからでなければ対象にしないということで却下の決定が来る。で、第二回目、大変なんでまた申請したんですが、これも今言った七十万円ですね、生命保険の七十万円を全部使って、それでもやっていけなくなったのでまた申請しましたら、今度は農協に愛妻貯金があると、愛妻貯金ですね、これでだめだと言うんですね、わずか十九万。ついうっかりと愛妻貯金なんかしてしまったためにこれは却下と。で、三回目は、今度は田んぼを売れば百八十三万円もの収入が見込まれると、だからだめと言う。この人の場合には、いろんな将来の悲観から一度自殺も図ったような人ですから、とても田んぼなんか売る状況じゃない。そういうようなことが現実に起きておるんです。 ですから、改めて大臣にお伺いしますけれども、実際影響はないと言い、そういったひどいことはしないと言いながら、現にこういう事態が起きており、苦情が起きておると。この事態に対して大臣としてはどのようにお考えになりますか。
○政府委員(正木馨君) 個別、具体的な問題についてのお話でございましたので私どもからちょっと答弁さしていただきたいと思いますが、具体的な事案についてはそのものは承知しておりませんが、しばしばそれに類似した事例が国会でも御論議されたわけでございます。 まず第一点のケースワーカーの指導の面でございますが、ケースワーカーは保護の要否を判定するために資産、収入の調査を行うと同時に、被保護者についての自立更生の指導をするわけでございます。要するに、できるだけ早く自立して生活保護から脱却していくことが本当に御本人のためにも幸せであるという面でいろいろ指導をするということは事実でございます。そういったことで、しかしながら生活保護の受給というのはもちろん御本人の請求権というものがあるわけでありますから、その点はケースワーカーと十分話し合い、それから御自分の状況というものを十分話していただいて、適正な保護の実施が図られるようにということが肝要だというふうに思うわけでございます。 いろいろ先生が例を出されましたが、生活保護の場合にはまず他方、他施策を活用し、そしてまた御本人の資産能力その他あらゆるものを活用してなおかつ最低生活の維持ができないという場合に公的扶助たる生活保護が行われるわけでございます。したがって、例えば生命保険であるとかあるいはいろいろな形での資産の保有というものがあれば、それをどうするかという問題がまず出てくるわけでございます。 長くなって恐縮ですが、例えて申しますと、生命保険なんかで申しますと、生命保険の場合には解約をすると普通の預金よりも不利になるという場合がありますので、むしろそれはしばらく置いておいて、そして戻ったところで六十三条による費用返還というような形でやるという、いろいろきめ細かい指導というものを行っておるわけでございます。また、収入だけじゃなくて資産につきましても、これはいろいろな他世帯とのバランスから見まして、また最低生活を維持するために必要なものであるのか、普通の生活をするために必要であるのか、それを超えるようなものであればその資産の活用というものをまず図るというようなことで生活保護の実施が行われる。こういった生活保護の基本的な性格については十分御理解をいただきたいと思いますし、さればといって病気の方に対してただ単に就労するようにといったような指導をすることは適切なやり方ではない。やはりお医者さんのいろいろな意見を聞かなきゃならぬ。 それから先ほど先生からお話ありましたように、内職よりもパート、パートよりも常勤。これはやはり一般的に見ますと内職よりもパート、パートよりも常勤の方が収入が高いわけですから、そういうチャンスがあれば、それからまた御本人に向いておればできるだけそういったような指導をしていく。これもやはりケースワーカーの自立更生指導の手法としては決して間違っていないというふうに思うわけでございます。
○近藤忠孝君 過ぎたるは及ばざるがごとしと言って、それは一生懸命そういう点で自立のためにやったと言うけれども、個々の例を見ればそういうふうに行き過ぎになって本人は病気にまでなってしまうという例もやはりあるわけですから、その辺ではもっともっときめ細かい指導をさせるべきだと思うんです。 そこで、さらにたくさんあるんですが、これも形式的に見れば、例えば農協への出資金がまだある。すると、それがあればやっぱりだめだというんですね。ということは、農協を退会してこいと。農村部に住んでおれば、例え農作業をしていなくたって農協をやめればそれは村八分になってしまうのです。そこまでやはり要求されているというこういう事例です。 そこで大臣、何も事実に対する答弁でなくていいので、私の指摘したそういう実態について大臣の所見を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(増岡博之君) 生活保護者といえども国民の貴重な税金をお預かりし、それを使っておるわけでございますから、厳正な基準を設け、それを守っていただくことは当然のことだと思います。しかし、必要な人が必要な保護を受けられないということは、これはまた法の趣旨に照らしましてもいけないことでございますので、その間の運用につきまして、これまでもケースワーカーにいろいろ注意をしていただいておるところでございますけれども、今後もそのような姿勢で臨みたいと思います。
○近藤忠孝君 そこで、ちょっと話が変わりますが、国税庁に答弁願いたいのですが、標準生計費という一つの数字があります。これは各税務署あるいは局管内で使われているものですが、それの大阪と新潟と金沢の額、標準の四人世帯、そしてこれが実際税務の現場ではどのように使われておるのか、まず御答弁いただきたいと思うんです。
○政府委員(冨尾一郎君) お答えをいたします。 国税庁では、毎年一般の商売をしておられる方につきまして申告納税という形で所得税を納めていただいているわけですが、その納税額を御自身でチェックしていただく一つの目安といたしまして、総務庁統計局が行っております家計調査年報に基づきます数字をいろいろと使わしていただいて、これによっていわば生計費の面から納税者御自身の所得をチェックしていただきたいというお願いをしているわけでございます。各国税局にょりまして若干データの使い方に差はございますが、もとはすべて総務庁統計局の家計調査年報に基づくデータでございます。 大阪国税局で使っておりますのは昭和五十八年の全国の全世帯の標準生計費でございまして、世帯人員別のデータがございますので、それを使わしていただいております。それから関東信越国税局の中では、新潟県下の税務署で使わしていただいておりますのは、新潟市におきます一世帯当たりの標準生計費の金額でございます。それから金沢国税局では五十八年の全国の個人の御商売されておられる方、そういう方の世帯の一カ月平均の標準世帯生計費を先ほどのデータから出しまして、それを一つの目安として申告内容の観点検をお願いしたい、このようにしております。
○近藤忠孝君 これを見てみますと、大阪と新潟を比べてみますと大阪が四人世帯で三百二十二万、それから新潟が三百二十八万、これは昨年の予算委員会でも指摘したんですが、現場ではこれより低い所得では生活できるのですかという点で、実質的に税務署の方から言われて事実上修正に応じさせられる場合がある。そんなことに使われておるという面もあるのですが、きょうはそれは問いません。 これはむしろ厚生省にお伺いしたいのですが、大阪よりも新潟の方が生活費がかかっておる。それで実際税務の現場では今言ったようなことが言われているわけです。となれば、生活保護の級地が大阪が一級、新潟など、これは大体日本海各都市みんな二級以下です。税金を取る方は高い水準でもっと入るはずだと、こういうぐあいに言っておいて、今度福祉で払う方はおまえのところは二級だと、田舎だから二級だと、これはちょっと不合理じゃないかと思うんです。そこで厚生省、それから大蔵大臣もちょっとお答えをいただきたいと思うんですが、どうですか。
○政府委員(正木馨君) ただいまの標準生計費でございますが、これはただいま国税庁からもお話のありましたように、税務行政を実施すん一つのメルクマールといいますか、尺度として設けられておるというふうに理解をしておるわけでございますが、生活保護基準につきましては、その性格、目的、算定方法、当然のことながら標準生計費とは違っておるわけでございます。申すまでもなく、生活保護上は現在二十三区それから十大都市並びにそれに準ずる市を一級地とし、いわゆる中都市を二級地とし、その他の市町村を三級地と三分類にしておるわけでございますが、それぞれの地域の最低生活需要に即して設けられておるわけでございまして、その観点からしましてやはり標準生計費とは別な見方がされてしかるべきだろうというふうに思うわけでございます。
○近藤忠孝君 別な見方はしましても、税金を納めるあるいは保護を受ける、これはやはり同じそこに住んでいる人間ですよね。それが税金を取られる方はどうも日本海側なり中都市以下は損をして――損というか、新潟なんかの場合には大阪より高いんだから。生活保護の方ではまたこれ損をする。これはちょっとやはり不合理だと思うんですよ。 そこでもう一度厚生省にお伺いしますが、厚生省の目から見るとこの標準生計費というのは余り実態に合わないということなんですか、厚生省がそれを採用しないとなると。その点は。どうですか。
○政府委員(正木馨君) 私どもの理解としては、この標準生計費は税務行政の一つの目安というか、尺度として総務庁の家計調査をもとにしてつくられておる。大きな大阪管区とか――管区と申しますか地区と申しますか、それから北陸の地区とか、大きなくくりを国税局単位に設けまして、一つの尺度として設けられておるということで、それ自体意味合いはもちろん持っておると思います。ただ、生活保護の場合の最低生活基準というのは、先ほど来申しますように、対象者が資産その他いろいろなものを活用して、そして最低生活に必要な基準は何だということをそれぞれの地域あるいは年齢、性別――性別は今度男女格差の解消がされたわけでございますから、性別は抜きますが、年齢とか地域別とがそれぞれの需要に応じた最低生活基準というものを設けておる。これが最低生活費であり、それからそれについて地域的にどう見ていくのかというのが級地区分であるわけでございます。
○近藤忠孝君 まさにいろいろな言い方はあるでしょうけれども、ただ、実際にそこに生活しておることは変わりないんですよね。それが特に二級地になっておるところ、実際標準生計費では大阪より高くて、そういう意味じゃ余計税金を払いなさい、こういう対象になっておりながら、今度は保護をもらう段階では別の基準で低くなっちゃう。国民の目から見たら納得できないんです。厚生省から見たら、これは厚生省の立場だ、大蔵省は大蔵省の立場だと、縦割りでそう言っているでしょうけれども、その対象になる国民から見ますと納得できないんですが、どうですか、大蔵大臣。
○政府委員(冨尾一郎君) 一言先ほどの御答弁に補足させていただきたいと思いますが、私どもが標準生計費と申しておりますのは、先ほど申し上げた総務庁統計局の方で一般の家計の消費支出の内容を調査をいたした数字でございまして、これは私ども標準生計費とややおこがましく申しておりますが、そういう調査に基づいた一般的な平均値でございまして、これはあくまでも、納税をいたします際に所得の金額を計算いたしますが、その所得でいわば生活しているわけでございますので、所得金額を計算していただく真として、チェックをするデータとしての生計費を納税者の方々で御検討いただきたいということでございまして、この総務庁の調査に基づきます生計費が即課税に結びついているとか、そういうことではないということだけ念のために補足をさせていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 一応のメルクマールの程度で、それをもとに課税したらそれは大変な話ですよね。それは実額は全然違うんですから大変な話ですが、しかし一応メルクマールにしろ正式に使っており、実際納税者のところにはこういう文書で、こうやって計算しなさい、こう言っているんですからこれは正式の数字なんですよ。私が言っているのは、国民の納得という面からいきまして、税金を取る、これはやはり消費に着目しておることは間違いないんですから。それが、しかし生活保護では今度は低い、この辺がどうも納得できない。となれば数字に間違いがあるのか、大阪と新潟の例を比較しましたけれども、新潟の方が高いというこの数字に間違いがあるのかということにもこれなりかねないんですが、それらも含めてどうですか。
○政府委員(冨尾一郎君) 先ほどの総務庁の家計調査の数字につきましては、私どもがお答えする立場にございません。ただ、私どももいろんな中でこれを使わせていただいておりますので、どういうデータがあってそれをどのように使ったかという意味でお答えをさせていただきたいと思いますが、先ほど先生御指摘のように、全国の四人世帯の標準生計費を申し上げているわけですが、これが大阪市の場合が年額で二百九十万円ほどでございます。それから新潟市が三百二十八万円ほどでございます。それから金沢市が三百二十万円ほど、このように総務庁の統計上はデータとして出されており、公表されております。
○近藤忠孝君 いつまでたっても大臣の答弁がないのでこれで打ち切りますけれども、金沢の場合は若干低いけれども、これは一般の平均ではなくて自営業者中心の統計のようです。ですから、もう少しこれは金沢でも大阪並みぐらいにもっと高くなってほぼ同じぐらいになるんじゃないか、しかし生活保護の面は違う、納得できないということを重ねて申し上げて、次の質問に入りたいと思うんです。 次は保育料の問題ですが、これも今回の一律カットによって総額三百八十億円が削減されて地方への負担、そして実際にこれは保育料に影響があります。これも新潟の具体的な調査の結果ですが、今度の補助金削減によって保育措置費は六十年度事業費で県費、市費の持ち出しが約七千八百万円になって、これがやはり具体的に影響が出ているんです。どういうぐあいに影響が出ているかと申しますと、新潟の場合は五十八年それから五十九年にかけて市が八千三十四万円を増額したおかげで保育料の引き下げが実施されたんです。そして三歳児未満で四万七千百円が三万九千円に下がったわけですね。現に今、定員割れとかいろいろ言われていますけれども、保育料を下げれば具体的に入所見はふえるんです。それだけやはり要望はあるんですね。その結果百四名ふえたという、こういう実態があります。市の方は昭和六十年度も保育料は据え置く、そういう約束をしておったんですが、今回の一割カットによって七千八百万円の新たな市費持ち出しが出ましてこれはどうしても据え置きができない、平均で二・九%の保育料値上げになりました。これはいろいろな計算がありますけれども、最も不合理な例の場合は、父母の負担額が月に五千九百円値上げになるという、こういう状況なんですね。 そこで大臣、地方へ迷惑かけない、ましてや市民生活に影響ない、こう言っておったけれども、現実にこのように一割カットの結果据え置きができないで保育料値上げ、こうなっておるんですね。この事態に対して、それでも市民には影響ない、こうおっしゃるのかどうか、その点どうでしょうか。
○政府委員(小島弘仲君) 先生お示しのように、新潟市が五十九年度は引き下げて六十年度は二・九%の引き上げをしておることは事実でございます。これは引き下げの経緯についてはいろいろな関係団体の要望等もあったようでございますが、六十年度は引き上げておりますが、これは補助金カットということではなくて、むしろ保育単価が上がっております。全国的に大体四%未満ぐらいの、三%から四%ぐらいの引き上げが行われている例が多かろうと思いますが、新潟もその保育単価の引き上げ分に対応しての引き上げというふうに理解しておりますので、カッ十分の影響というようなものではなかろう、保育単価そのものが人件費のアップ等によりまして上がってきておりますので、その見合いのこういう措置であろうと考えております。
○近藤忠孝君 新潟の場合は六十年度も保育料は据え置くということは、今指摘したようないろいろな問題も考慮しで、その上で据え置きます、そういう約束をしておったのが、一割カットによって七千八百万円の負担増、これでどうしてもできなくなってしまったというそういう経過なんでして、決してそれは影響ないというのじゃなくて、これがカットにならなければその程度の負担増ぐらいできたはずなんです。それは当然予測できるから約束しておったのに、できなくなった、これはもう明らかに今回の一割カットの影響なんですが、こういう事実を前にして、これでも影響がないと、こう言い張るとすれば、やはり事実をよく調査してもし影響があればないようにするという、そういう措置をとるべきだと思うんですが、大蔵大臣でも厚生大臣でも結構ですが、お答えいただきたいと思うんです。
○政府委員(小島弘仲君) 先生お示しのような、新潟市がそういう意思表示をした、約束をしたという事実はまだつかんでおりませんので、なおその辺については詳細調査してみたいと思います。ただ一割カット、十分の八が十分の七になっておりますが、直接保育料の補助金という形でいくものは少なくなっておりますけれども、必要な財源は地方交付税の算定基礎に入れる等の措置によって措置されておりますので、特別の富裕団体を別にすれば、これによる財政影響というものはまず一般的には出てこないだろうと考えております。現に、今まで把握しておる限りでもその引き上げは例年並みの引き上げということでございますので、その影響はあるとは考えておりません。
○近藤忠孝君 一般には影響はないというのはないはずだということで、私が今指摘をしたように、具体的に保育料の値上げに響いておって因果関係があるんですから、そういう点ではどうですか、こういう実態は調査をし、もし実際影響が出ているとなれば影響が出ないような措置はとりますか、御答弁いただきたい。
○政府委員(小島弘仲君) 保育料の、御父兄と申しますか、本人から拠出願っております徴収基準につきましては、所得階層区分別にきめ細かに徴収基準を定めましで、それによって保育者が預けることが決して困難にならないような配慮をしております。ただ、これも一般財源と申しますか、税金を財源とする措置でございますので、やはりいろいろな観点から適正な御負担をお願いするという形で国の補助金としては徴収基準を定めております。ただ、それにつきましていろいろな地方公共団体、市町村の御判断で、特別に地方単独事業という形でその軽減措置を図られている市町村が多いことも事実でございます。ただ、それはいろいろな施策との兼ね合いとかなんかでやはり絶えず見直されているものだと思いますので、国の徴収基準を上回って徴収するという事例はまず絶対あり得ないものでございます。それにどれだけ市町村が単独事業を積み足すかということは、いろいろな御判断で、それぞれの行政需要あるいは福祉の他の施策の兼ね合いもございましょうし、一概にその徴収金にかかわるいわば市町村の補助みたいなものが減ったからといって、一割カットの影響だというふうに即断することは困難であろうと考えております。
○近藤忠孝君 今の例は、補助が減ったんじゃなくて、補助をふやしたんだけれどもそれでもなおかつ値上げせざるを得ない、こういう事例なんですから、そういう事例をよく調べて、実態をよく調査して、市民生活に影響がないなんということでなくてあればあったで対応する、そうであってしかるべきだと思うんですが、どうですか。
○政府委員(小島弘仲君) いずれにいたしましても、国の示しております徴収基準につきましては、保育所に預けて生活が困難になったり、または高いために保育所に預けられないという事態のないように配慮して適正な額を定めておりますので、仮に市町村の単独事業による補助金がなくなってもそれによって保育の目的が達せられないというような事態はないと考えております。現に補助金があればそれだけ現実の、一般の保育所に預けておられる方々の負担が減るわけでございますので、それは負担が軽くなるということは家計上足しになっていると思いますが、国の徴収基準は決して無理な数字でなくて適正な数字だと考えておりますので、国とおりの徴収をしていただいたところで市民生活に影響が出て一般の生活が困難になるというような事態は生じないものと考えております。
○近藤忠孝君 時間がないので次に進みます。 今まで指摘してきた補助金の問題は、これは憲法上の要請である、そして元来園の仕事である問題についてなんですね。それについて今指摘したように現場では厳格かつ場合によっては大変冷たいとさえ思えるような状況が現に起きているわけなんです。こういう措置をとる前に、大蔵大臣に伺いたいのは、もっと検討し見直すべき補助金の分野があるんじゃないか。それは今言ったような憲法上の国の責務の分野じゃなくて、政策的に国が企業等に援助をしている補助金の分野、こういう分野について特に厳格な点検を行ってきたのかどうか、この点まず端的にお答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) 財政改革、されば一般歳出の四割に当たる補助金、こういうところから見てまいりますとそれは例外はない。今、近藤さんおっしゃるのは、憲法二十五条から引いてきた措置ではないかと。しかし、厳密に言いますとその負担割合が憲法で規定されておるわけじゃございませんよね。その責任の所在を明らかにしておるということであろうと私は思っております。だから、それと場合によっては法律に基づかざる奨励的補助金というようなものを一概に対等に置いて議論するということはなかなか難しい問題であります。それぞれの補助金は随分削減、縮減してまいりましたものの、残っておりますのはそれなりのやはり社会的必要性があって残っておるわけでございますから、それを同列に論ずることは必ずしも適当ではないというふうに考えます。
○近藤忠孝君 同列でなくても結構なんだけれども、具体的に中身に入ってみたいと思うんです。 そこで、二つの制度について、まずその制度の趣旨をお伺いしたいと思うんです。一つは、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づいて公害の防止に関する事業が行われ、それに対する国の財政特例がありますね、この制度の趣旨。それからこれは通産大臣に質問しますが、民間企業に対する研究開発助成などの補助金について収益納付制度があります。この制度を設けている趣旨。それぞれお答えいただきたいと思います。
○政府委員(井上喜一君) お答えいたします。 公害防除特別土地改良事業につきましては、現に土壌が汚染をされているという状況でございますので、そういう公害を受けました農用地を改良していくということとあわせまして、国民の健康と生活環境の保全に資すると、こういうことで事業を実施しているわけでございます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 近藤委員にお答え申し上げます。 通産省は、かねてから相当の収益が見込まれる事業に対する補助金であって、その交付の目的に照らし適切と考えられる場合においては収益納付制度を設けるように努めておるということでございまして、現在、例えば民間輸送機開発費補助金でありますとか重要技術研究開発費補助金でありますとか、あるいは新鉱床探査費補助金でありますとか、工業技術院、資源エネルギー庁あるいは中小企業庁等の補助金十種類について収益納付制度を設けておるところでございます。
○近藤忠孝君 最初に、汚染土壌復元問題についてお伺いします。 公害に関する問題で環境庁長官にまず質問いたしますが、こういう公害対策の実施に当たってはPPP、いわゆる汚染者負担の原則にのっとって行うことが必要だと思いますが、それについての見解。特にこの関係でお伺いしたいのは、結局国から補助金が行くわけですから、国庫からの援助が政策的にもちろん必要だと思うんですね。しかし、その範囲とか補助率、こういうものについては不要、不当な支出、特にこの場合には加害企業に特に利益になるようなそういうような支出であってはならないと、こう考えますが、長官の御見解をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(石本茂君) お答えいたします。 このことにつきましては、もう先生十分御承知いただいているところでございますが、事業活動によって生じた公害を防止するためには、国または地方公共団体が事業を実施する場合は、公害の原因事業者が応分の費用を担当することとするのが公害対策基本法の定めるところでございます。これを受けまして、公害防止事業費事業者負担法が定められておりまして、公害防止事業につきましては本法に基づいて原因者負担が行われているところでございます。
○近藤忠孝君 私はこの事業が本当に被害住民の立場に立って速やかにしかも完全に実現されるべきだと思うし、国もその立場で全力を挙げるべきだと思います。 ただ問題は、具体的にこれを神通川流域に限って見てみますと、この対象地域は千五百ヘクタールの汚染農地がありますが、第一次が九十六ヘクタール、ことしから始まる第二次が四百五十ヘクタール、合わせても全体の三六%しかまだ進んでおりません。あと九百五十ヘクタール以上残って、いつ完成するのか住民は大変不安に思っておるんです。今まで第一次には約十一億円余、第二次については六十六億円余の公費が投じられてまいったんですが、これだけの金をつぎ込んでも対象範囲が、こういう実際行われた地域がこの程度。問題は、どんどん国庫からの補助金はふえているんだけれども、企業負担分が年々大変減ってきているんですね、これは全体的に。特に神通川流域では極めて低い状況です。 全体の事業費とそれから企業負担割合、これは先ほど農水省から資料をいただいたのでこちらで言ってしまいます。四十六年から始まって年々ふえてまいりまして、五十九年には五十七億になっていますが、そのうち企業負担額が十八億、国庫補助額二十五億、そのほかにこれは地方負担分もあります。四十七年からの企業負担割合を見てみますと、四十七年には六六%、四十八年には七九%、四十九年に六二%であったのが、五十一年から二八%。ずっと二八%が続いて、五十五年にまあ批判も強くなって三二%、五十八年三四、五十九年三二%、三二%というのがもうほぼ固まってきておるんですね。 ここで大臣にぜひお聞きいただきたいのは、ということはその分公費からの支出、国の補助率は大変高いですから、企業負担が低ければそれだけ国の補助金が出ていくんです。これは先ほど環境庁長官からも御答弁いただいたけれども、やはり本当に企業の汚染に対する負担をしっかり見てそれに対して決めていくべきだと、こう思うんですが、実際はそうなっておりません。神通川流域では昨年が三五%、ことしが三九・三九%で、三九・三九%というのはもうこれは我々から見れば異常に低いんですよ。企業の方は、本当は第一次分に対する批判が強かったものだから、もっと企業負担は高くなると思っておったのが三九・三九%に済んだものだから文字どおりサンキュー、サンキューと言っておるようなものですよね。 そこでお聞きしたいのは、このように負担割合がずっと年々低くなってきたその理由は一体何なのか、まず御答弁いただきたいと思うんです。
○政府委員(山崎圭君) 御指摘のように、事業者の負担割合が年々むしろ低下しているというような御指摘でございますが、これは先生十分御存じのことでございますが、公害防止事業費事業者負担法、これに基づきまして事業を実施する地方公共団体、この神通川について言えば富山県でございますが、要するに、このケースにおきましては三井金属鉱業がやってまいりました事業活動、それによる汚染の寄与度といいますか、そういうものなりあるいは地域の特性なり、それから公害の原因物質が蓄積された期間なりとか、こういうものを総合的に検討しまして客観的に決定する、こういう仕組みになっておるわけでございます。 したがいまして、総括的に言えば原因企業がその企業の汚染の程度、これに応じまして費用負担割合というものが決定されるわけでございますから、その対象事業の種類によっても違いますし、それからその地域におけるさまざまなあり方によっても随分と違うわけでございまして、それが例には最近では、先生御指摘のようなことをおっしゃっておられまするけれども、最近でも八割程度の負担をさせたような事業もざいますし、また当初においても二〇%台程度の負担でしかなかった、こういうようなこともありまして、いわばまちまちなのでございまして、つまり農用地の問題についであるいは先生の御指摘のようなことが当てはまるかもしれませんけれども、それはたまたまそうなったということにすぎない、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
○近藤忠孝君 最近の事例では、恐らく群馬県安中の場合だと思うんですね。この場合には東邦亜鉛の負担は七五%ですが、これは当然なんですよ。もともと何もなかったところに東邦亜鉛が来て、そして東邦亜鉛からどんどん公害が出て農地がだめになって、その農地をまた買収して企業がふえている。大きくなった企業からさらにまた汚染がいってそして今日に至った。何もないところに企業が来たんだから、これはもう私に言わせれば七五%でも少ないくらいだと思うんです。 それで問題は、神通川流域で言いますと、今度の第二次の場合は三井金属による汚染が五九%、不存在企業によるものが一四・九五%、自然汚染が二五・九六%、その結果、三井金属の汚染度合いが五九%ありながらも実際の負担は三九・三九%、こういう状況ですが、問題はここにある自然汚染とか不存在企業による汚染というものが考慮されたと思うんです。 そこで、この考え方をお聞きするんですが、自然汚染では例えばイタイイタイ病は発生しないと思うんです。それがどうか、まず一つ。発生しなければ復元事業をする必要はないんですから、自然汚染の状況ならば何もする仕事はない。したがって国から金を出す必要はないんです。竹下さん、一体なぜ自然汚染について国から金を出すのか。きょうのこの議論は単に一事業の問題だけじゃない。片や生活保護、福祉に対して大変厳しく見直していく。実際は本当に現場では厳しくなっていますよね。それで本当に一割カットまでせざるを得ない。憲法上の仕事に対してそうやっていくんですから、政策的な問題について、客観的に言いまして元来自然汚染に対してはほうっておけば何もそんな事業をする必要ないんだから。しかし、それに対しても国があるいは地方が金を出す。これは補助金に対する見直しの基本的な視点だと思うんです。先ほど竹下さんは同列には論じられないと言ったけれども、同列でなくてもいいんですよね。こういう政策的な補助金について、しかも自然汚染に対してなぜ国が補助金を出すのか、地方が。この点について、これは国民がわかりやすいように、片方で生活保護を削られている人々がわかりやすいように御答弁いただきたいと思うんです。
○政府委員(山崎圭君) これは法律の仕組み自身でも十分先生御案内のとおりだと思うわけでございますが、事業者の事業活動によりましてその原因となる何らかの悪い影響が出てくる、それにつきまして全額負担させるという仕組みになっているのではなくて、その事業活動によって、事業活動が何らかの公害防止事業をさせる、その場合にその公害についてその原因となると認められる程度に、その程度に応じた額だと、こういうふうに法律上明定されておりますので、よって例えば自然汚染度、カドミウムというようなものは企業活動以外のものでも自然にある、そういうものでございますので、そこの部分は当然この事業者負担の対象から除く、これはむしろ自然に私どもそういうふうに考えておるわけでございます。 なお、自然に賦存しているカドミウムによって人体に影響があったというようなことは、今までのところは少なくともそういうものはございません。
○近藤忠孝君 今の議論は環境特別委員会でやればいいんです。ここは補助金特別委員会だから補助金の見直しですよね、そうでしょう。今地方に一律一割もカットしちゃおうというそういうときに、ほかの補助金がこのままでいいのかどうかという場合に聞いたので、あれは制度の問題ですから。となれば、今のそういう制度のあり方でいいのかどうか。自然汚染という、元来あるし、また元来それだったらば復元事業をやる必要はない。また自然に重金属は存在するんですから、仮にやったとしてもまた自然にほかから土を持ってくればまたあるんですよね。こんなむだなことには国の金、税金は元来使う必要がないのではないか。それなのになぜこの制度では補助金を出すことになっているのか、これが私の質問の趣旨なんです。だから環境庁はあれ以上答弁できません。これはむしろ財政当局から、なぜ自然汚染分についてまで国が金を出さなきゃいかぬのか、これについての答弁をいただきたいんです。
○国務大臣(竹下登君) 比較して論ずるということではなくして、補助金一般についての対応の仕方を申し述べますならば、これは十四兆もある、そうなればその中で私どもは聖域を設けることなく、それに一つ一つ対応していくわけであります。その結果、なお制度、施策の根源にさかのぼった問題として、今度のいわゆる一括法で御審議いただいたものがあるわけであります。したがって、これはひど過ぎるがこのものは甘過ぎるとかいうのは、これは第三者によってそれぞれ見解を異にするところでございましょう。だから制度、施策の根源にさかのぼってなおあらゆる補助金の見直しをやっていくという姿勢は今後とも持ち続けるわけでありますが、現状でこれとこれを同一の舞台に乗せて議論するということは、それは防衛費をやめてこっちへ持ってきたらどうだという議論と大体同じような議論じゃないか、こんな印象で聞かしていただきました。
○近藤忠孝君 問題をすり違えちゃいけないと思うんですね。軍事費じゃなくて補助金でしょう、同じ補助金。やはり必要な補助金には私は大いに出すべきだと思うんです。この農地復元事業につきましても私は必要な公費の負担があってもいいと思うんです、一定の程度について。例えば原因者がわからぬとかいろいろありますよね、そういう面について出すのは大いに結構なこと。そしてそのことによって事業を進めるというんですが、ただ今全般的な補助金の見直しが起き、そしてこのような法案が出ているそのときに、今私が指摘したような自然汚染について、なぜ公費から、しかも多額の、先ほども指摘したように、もう国と地方を合わせれば六八%負担するわけですから、その出す根拠、これが明確でなければいけないんじゃないか。私は何もこれは環境庁だけ、大蔵省だけでなくてもよろしい、これは農水省でも結構ですよ、通産省でもいいですよ。どこでも結構だからこれだけ省庁そろっているんだからどこか一つ、とにかく自然汚染についてなぜ補助金を出す合理的な根拠があるのか。これだれか明らかにしてくださいよ。明らかにしなきゃ国民は納得できませんよ、こんなもの。片方でこんなに削るんだから。その答弁を求めているんです。
○政府委員(平澤貞昭君) 財政当局の立場からでございますが、制度の仕組みといたしまして、先ほど来お話がございましたように公害防止事業費事業者負担法というのがございます。その第四条で、「費用を負担させるすべての事業者の事業活動が当該公害防止事業に係る公害についてその原因となると認められる程度に応じた額とする。」というふうに法律で規定されているわけでございます。したがいまして、これを念頭におきまして、第六条でいわゆる費用負担をどうさせるかということを決めるわけでございますが、その場合に審議会に諮ることになっておりまして、第二十条にございますけれども、都道府県公害対策審議会というところでこれを決めることになっておりますから、そういうところで決まったもの、それは公平な立場でお決めいただいていると思うわけでございます。その残りにつきましてそれでは国と地方がどう負担するかという仕組みになっておるわけでございます。そういう中で、我々としては制度に従って財政負担を行っているということでございます。
○近藤忠孝君 制度の問題になりましたから、本当はもっとその問題を指摘したいんだけれども、制度となれば、県が決めてきた、だから中身はどうも不合理だと思うけれどもしょうがない、国の負担分を出そうと、こんな制度はほかにありますか。まあ若干あるそうです、若干。しかし例外中の例外で、大体今問題は、地方に対して補助金を出す、その機会に風が口を出し過ぎるんじゃないか、地方への介入じゃないか、これが言われていることです。ところが今度の場合には県が決めてきた、あと今私が指摘したような自然汚染分、全く私は根拠は何もないし、何も今だれも説明できないんです、これだけ人がおりながら。しかしそれについて出してしまう。こんな制度が実際あるのかどうか。 そこで、時間が来ましたので会計検査院、見えていると思うんですけれども、こういう問題につきましては、こういうのがほかにあるのかどうかという、私は極めて異例だと思うんですが、そういう制度の問題。そしてもう一つは、こういう問題については会計検査院としても重大な関心を寄せて対応すべきだと思うんだけれどもその点どうかと、この点をお聞きして、あと質問通告しておりましたけれども、時間が来ましたので、おってもらって大変申しわけないけれども、これで失礼したいと思います。
○説明員(疋田周朗君) お答え申し上げます。 農林水産省が行っております国庫補助事業につきましては、毎年度私どもも重要な検査項目だということで、その計画実施及び経理につきまして検査を実施しているところでございます。 公害防除特別土地改良事業におきましては、ただいま先生が御指摘になられましたように、事業費総額の一部につきまして事業者の費用負担分が含まれておりますという特異性がございまして、この事業者の負担割合に応じまして国庫補助金の額が異なってまいる、こういうような関係にございますので、この負担割合につきましては特に関心を持って検査に当たってまいったところであります。 本件公害防除特別土地改良事業につきましては、今後も引き続き実施されるものでございますので、事業者の費用負担割合につきまして、都道府県の公害対策審議会の審議内容に立ち入っての検査という点につきましては困難な面もございますが、先生御指摘の点も踏まえまして、他地区の事業におきます負担割合の決定状況、こういったものとあわせまして検討を進めてまいりたいと思っております。
○近藤忠孝君 終わります。
○田渕哲也君 まず初めに、自治大臣にお伺いしたいと思います。 我が国の国と地方との関係あるいは地方自治制度、こういうものについていろいろの論議もあるわけでありますけれども、我が国の地方自治制度の問題点というものについてどう考えられておりますか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) いろいろの観点からこの問題は申し上げた方がいいと思うのでありますが、私は、地方制度のあり方というものにつきましては、根本的な概念といたしましては、地域の住民の意思というものが自律的に尊重される、自分らの町は自分らがやるというような形が一番根本にあるかと思っております。しかし、現在におきましてそれがいろいろの点でゆがめられておりまして、本当の地方自治という問題につきましては財政上の問題、行政上の問題、制度上の問題、いろいろの制約があるわけでございますが、 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕 私どもといたしましては、何といっても財政的には今の補助金カットの問題も、いずれこれは申し上げることがあると思うんですが、その一環でございますが、地方の制度のあり方につきましては地方六団体の意見というものを相当私どもは検討いたしまして、その意見に基づきましてある程度まで進めていかなければならない。でございますので、例えば補助金のカットというような問題から申し上げますと、補助金も地方と国との役割分担、費用負担の割合、そういうことから考えまして、補助金というのは本当に整理合理化を考うべきものでありまして、これを一律的にカットするようなことは、私は地方の側から見ますと、補助金の本質といいますか補助金をただ減らして地方に転嫁するだけにすぎないような場合が多いというふうに考えておるわけであります。 また、そういうような意味において、制度的には現在の地方団体はいろいろの仕事をやっておるし、また機関委任事務も大変多うございますが、何といっても、例えば今の地方自治制度の問題につきましていろいろ地方行財政改革ということもやっておるのでありますが、その場合におきましてもやはり国が地方自治の本来あるべき姿を邪魔しているような、例えば必置規制だとか国の関与とか、権限移譲とか許認可の問題、こういうような問題につきましてもやはり私は早急に、今行革審で一部は審査されておってこの七月ごろに答申が出るように聞いておるのであります。そういうような点も考えていかなければならない。同時に、地方交付税制度というものもありまして、この三二%の問題についてはいろいろ言われておるのでございますが、やはり地方は三千三百の団体の集合体である、まあ二言に言えばそういうような形でありまして、したがってその構造というのは国の場合と異なって大変義務的なものも多いし、また国の関与、先ほど申しましたそういうような場面も大変多いのでありますから、こういう問題も解決していかなければならない。 それで結論といたしましては、やはり心豊かな地域社会をつくるということが一番基本であると私は考えておるのでありまして、それは国の方においても、あるいは地方自身の場合においてもそういうことを頭に置いて努力しなければならぬ。そういうことの邪魔になっているようなものにつきましては、私どもはできるだけこれを排除するように努めていかなければならぬ。一面から見た地方団体の問題点でございますが、そういうような点が基本的には私ども考えておるところでございます。
○田渕哲也君 自治大臣の方からいろいろ多岐にわたって御説明をいただいたわけでありますが、それらの問題点の基本にあるものは一体何だろうか。一言で言うならば、財源の面とか権限の面、その他あらゆる面で集権的である、非常に中央集権的色彩が我が国の制度においては強い。それからもう一つは、全国非常に画一的な自治制度だ、こういうことが言われておると思いますが、この点についてはどう考えられますか。
○国務大臣(古屋亨君) お話しのような点は、これからも地方独自の構想に基づくその地域の自律性を発揮して、地方自治を考える場合には画一性とかそういう問題はやはり相当チェックすべき場合、またしなければならない。住民が自分らの意思に基づいて地域の発展を図っていくということを基調といたしまして、画一的な国の施策、そういうようなものは個々的な地方団体の特性からいいますと画一的な指導ではどうにもならない、やはり地域、地域の特性を生かして対処していかなければならないという点は、今先生のお話と全く私は同感でございます。
○田渕哲也君 今回の補助金の問題でも、それに至る国と地方あるいは政府部内における大蔵省、自治省の話し合いの経過を見ても、やはり地方の意見というものが十分に反映されにくい仕組みになっておるということが言えると思うんです。第二臨調とかあるいは行革審でも、国の縦割り行政をなくし地方分権を推進するためにいろいろ改革案を出しております。しかし、これらの改革案は決して目新しいものではありません。従来から地方六団体あるいは地方制度調査会で繰り返して指摘されたことばかりであります。今までさんざんそういうことが指摘されておるのにこれが国政に反映されなかったその原因はどこにあるとお考えになりますか。
○国務大臣(古屋亨君) 根本的には、今お話しのような結論から、結果から見ると地方の意思が必ずしも中央の政治に反映されていないという点でありまして、私どもは地方六団体とは緊密に連絡しながらやっておりますが、これは自治省としてそういう意見も聞く、あるいは地方制度調査会というようなものもあるわけでございまして、そういう点においてはいろいろのことが最近新聞等でもこういうふうに改めたらいいじゃないか、社会経済的な面から地方自治の問題がいろいろ言われておりますが、それ等を見ましてもなるほどなと思うこともありますし、今一挙にそこまでは難しいなという点もあるわけでございまして、そういう点につきましては、今後この補助金の問題と相まちまして私は地方制度調査会等において十分ひとつ御審議をいただくように考えております。
○田渕哲也君 地方制度調査会で何ぼ審議して意見を出しても、それが実現されていないわけですね。そこに問題があるわけです。 それから私はやはり自治体と国との関係でもう少し仕組みを改善すべきではないかという気がするわけです。現在は、地方自治体の意見が国政に反映するには自治省を通して国政に反映されるという場合が非常に多い。それ以外では、地方の自治体の方が国会議員等に陳情に来てそれを通じて反映される。もちろん全国知事会議とかなんとかはありますけれども、法律の裏づけを持った地方自治体の意見反映という制度というものはないのであります。 第十七次地方制度調査会、これは昭和五十四年の九月に答申を出しておりますけれども、「都道府県及び市町村の全国的な連合組織は、地方公共団体の利害に関係する法令の制定改廃について国会又は関係行政庁に意見を提出することができる」、そういうようにする。こういうように地方公共団体の意向が国政に適切に反映されるような方途を講ずべきだ、こういう答申が出まして、自治省の方ではこの趣旨を受けて地方自治法の改正等を進めようとされたわけですけれども、結果としてはこれは日の目を見ておりません。実現されなかったわけであります。その経緯について説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(大林勝臣君) 御指摘のとおり、第十七次の地方制度調査会におきまして、おっしゃいましたような答申が出ました。これに基づきまして第九十四国会、昭和五十六年だったと存じますが、答申の趣旨に即した地方自治法の一部改正案を提出すべく準備を進めたわけであります。残念ながら、一部関係省庁との間におきまして意見の調整のめどが立ちませんで、提出を見送った経緯がございます。ただ今後、国と地方の協力協同関係を維持するためにはぜひとも必要な改善であると私ども考えておりまして、機会を得てさらにこの答申の趣旨に沿った改革に向けて努力してまいる所存でございます。
○田渕哲也君 関係省庁の反対があったということですが、その内容はどういうものでしょうか。
○政府委員(大林勝臣君) 答申の内容が、地方の施策に関する法律、政令あるいは財政負担に関係する改正につきましては内閣あるいは国会に対して意見を申し出る、そして内閣におきましてのその意見の遵守義務というものが明示されておうたわけであります。そういう法律改正をいたします場合に、当時におきましても国自体といたしまして特定の施策についてやはり義務づけられるというような拘束を伴う法律条文につきましてはなかなか調整がつきにくかった、こういうことでございます。
○田渕哲也君 私は何らかのそういうものが必要ではないかと思うのですね。例えばヨーロッパなんかは、二院制度のところの上院は地方自治体の代表者で構成するというような例も見られるわけであります、我が国の参議院はそういうことではありませんけれども。したがって、そういう形がいいかどうかは別にしまして、何らかのそういうものがないと、国と地方は車の両輪だなんと言ってもやはり意思疎通を欠くことになるのではないかという気がするわけであります。したがって、もう既に自治体の少なくとも全国的な連合組織が、いつも自治省が代弁するのじゃなくて、直接国政に意見を表明し得る道を講ずべきではないかと思うのであります。 御承知のように、社会経済国民会議はこの点について次のことを提唱しております。まず第一は、地方六団体の権限を強化して、法案の審議準備の過程で地方自治体に関係のあるものについては意見が述べられる、さらにその結果についても国の方はその処置について報告する義務がある。それからもう一つは、地方財政法二十一条には地方公共団体の負担を伴う法令については自治大臣の意見を求めるというのがありますけれども、これは自治大臣の意見だけでなくて地方六団体の意見も求めるというふうに改正をすべきではないか、こういう提言をしておりますけれども、この点について自治大臣はどう考えられますか。
○国務大臣(古屋亨君) 私もこの間からその提言を見まして、合いかにすべきか検討中でございますけれども、私どもは今のような一部御意見のうちのある部分についてはこうやりたいというような点も随分あるのでございますが、ただこの前の法案を出した経緯等でできなかったようないろいろの事情もありまして、連絡調整ということも相当考えていかなきゃならない。だから率直に申しますと、私どもは六団体の意見が一番中心でありますが、その意見を自治省を通じていかずに、委員のお話は直接そういう意見を正式に国に申し出るというか、そういう考え方を考えたらどうだろうかという御意見だと私は考えておりますので、ひとつ私もこの問題は前向きに慎重に検討してまいりたいと思っております。
○田渕哲也君 それとあわせて、自治体行財政委員会というものをつくって、地方六団体の代表、政府の代表、それに学識経験者の三者で構成をして、中央行政にかかわる制度改革、重要施策、予算編成、地方財政計画、こういうものの企画、調整、勧告、そういうものを行うようにしたらどうか、あるいは自治体に重大な影響を及ぼす中央官庁の政策については事前協議をするというようなことをも提言しておるわけであります。もちろん、これは自治大臣だけがかかわり合いがあるわけではありません。特に財政当局の責任者である大蔵大臣にも非常に関係の深い提言だと思いますので、大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) やはりそのつかさつかさに立ったところの御提言というのは尊重すべきものであると思っておりますが、私も今ちょっと探してみておりますのは、自治省設置法の中でどういう位置づけになるのかなと、こんな感じで実は今ちょっと勉強しようかと思ったという程度の認識しか率直にございません。
○田渕哲也君 国と地方との関係の改善の一つは、やはり何らかの形で地方と国とが面接あるいは対等に協議できるような場をつくった方がいいのではないかということが一つであります。それからもう一つは、何といいましても地方の自主性というものを強める意味で自主財源の充実をしなければならないだろうと思います。 昭和五十九年度の地方財政白書によりますと、五十七年度の歳出の純計決算額は国が二十九兆七千九百十四億円、地方は五十一兆一千三百三十三億円、約二倍近い仕事を地方がやっておるわけであります。ところが税収は国税が三十二兆七十三億、地方税が十八兆六千二百八十六億、比率で言うと六二%と三七%というふうな比率になっております。これは自治体の歳出の中で地方税で賄える分は約三分の一にすぎない。あとは地方交付税と国庫補助金で補てんされておるわけであります。言うならば、国民から吸い上げた税金は国の方にたくさん吸い上げて、それを交付税あるいは補助金という格好で地方へ還元する、この迂回的な制度というものが非常に問題だ。これはこの補助金の制度だけでなくて、機関委任事務とか許認可行政、必置規制、こういうものが現在の地方自治というものに大きなひずみをもたらしておるのではないか。同時に、これが利益誘導政治を生む土壌にもなる。また、この迂回する経路においていわゆる各省庁の組織や人員が張りついて膨大なむだと非効率を生んでおる。みんながみんな不必要とは言いませんけれども、そういうものを生ずる一つの要素になっておる。さらに、中央官庁の縦割り行政が地方自治体に持ち込まれて自治行政の総合性、自主性を損なっておる。こういうことも社会経済国民会議では指摘をしておるわけでありますけれども、この考え方についてまず自治大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 今私は検討すると申し上げましたが、社会経済国民会議は、一つにおきましては、地方六団体が意見を述べることができる、さらにその処理について地方団体に明らかにするよう法令の改正を行う。それから第二番目は、自治体行財政委員会を設けて重要施策の立案や予算の編成、地方財政計画についての企画、調整、勧告、さらには自治体に重大な影響を及ぼす中央官庁の政策に関する事前の協議を行うというようなことを提言されておりまして、この二つの点は私も地方団体の意見を国政に反映させ地方分権の一層の推進を図る立場からなされたものと考えておりますが、その内容をどういうふうに実現していくかということにつきましては、今申し上げましたいろいろの観点から私もひとつ十分検討して勉強していかなければならないと思っております。このうちどれがいい、どれをやった方がいいというような点についてはひとつ検討、勉強する機会を与えていただきたいと思っております。
○田渕哲也君 現在、いわゆる陳情政治というものの弊害ということ造言われておるわけであります。陳情というものを減らす、もうちょっと合理的にやる最良の策はやはり自治体に財政自主権を確立することである。この意見はいわゆる自治体の首長あるいは地方議会の議長の約七割の人がこういう意見を言っておるわけであります。 現在、行政改革も政府は非常に力を入れて取り組まれておるわけでありますけれども、国の一般歳出の四四%が補助金である。しかもその補助金の八割が国から地方自治体へおろされるものである。だから私は、この国と地方の関係の改善なくして本当に行政改革も成果が上がらないのではないかという気がするわけですけれども、総務庁長官はこの点はどうお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほど来の質疑応答を承っておりまして、私はやはり中央政府と地方政府の相互信頼関係というものが基本にならなければいけない、こう思っているんです。それで御提言の中に、もう少し地方団体の意見というものは国政の上に反映させるようにすべきでないかという点については私はいささかも異論はございません。しかしながら、お読みになっておる社会経済国民会議ですか、読ましてもらいました。なるほど地方自治という観点に立てはこれは私一つの御提言だと思うけれども、全部が全部遺憾ながら賛成はできません。 なぜこうなったのかということを考えますと、御案内のように地方自治というものは国政民主化の基盤であるということで、憲法の第八章で九十二条から四カ条わざわざ設けたわけですね。これは私は非常にいいことだと思うんです。それに従って戦後の自治制度というものはまるっきり戦前とは違った制度になった。しかし、遺憾ながらこれは占領時代の産物であったということからくる、中央政府としては地方に一体これはどうなるんだろうという不信感があったと思いますね。ところが、地方の方はどうなったかというと、今度は逆に何でもかんでも地方は中央に依存する、まさにこの陳情行政は私はその一つだと思いますね。こういったような関係が背景にありますからね。 それともう一つ、私は日本の地方自治を考える場合に、田渕さんおっしゃるように外国と比べまして、それでこれはおかしいではないか、こういう御議論もあろうかと思いますよ。しかし、日本の場合には私は日本流に非常に効率的な制度ができておると思うんですよ。それは改革すべき点は幾らでもありますよ。あるが、仕組みとしては、国の仕事はあくまでも末端まで国の機関が全部やる、地方自治は地方自治で自分のことはやる、こういうような仕組みには日本はなっていない。これは私は日本的知恵だろうと思うんですよ。やはり地方団体の長に委任するなりあるいは地方団体に委任するなりすることによって、その間の縦割りで二本立てでいくことに対する調和が私は図られておると思うんです。 そこで、この調和をどのようにして生かせば一番納税者の負担が軽くて国全体の行政を進めることができるのか、こういう観点で私は是正すべきは是正したらよかろう。ところが先ほど来御質問のように、財政の自主権、つまり財政的にある程度独立していなきゃいけない、これはよくわかるんですよ。わかりますが、いかんせん日本の国は外国と違う。外国はともかく地方団体が先にできておったわけですから。そこで、地方がどんなに小さい団体であってもそれなりの特色がある行政をやっておる。日本は住民のニーズというものは、隣村で公民館を建てればおれの村も建てるんだと、何もかも全く全国一律になっておる。ところがその財政の基盤はどうなっているかといえば、財政基盤は新しい税源をよこせという地方団体の主張、残念ながら税源を幾らやっても均一化している行政のニーズにこたえられないことは極めて明確なんです、経済力が地域によってまるきり違うわけですからね。そうすれば、富裕団体の方はまるきり富裕団体になって、貧乏団体の方はもうどうにもならない。 こういうようなことが背景にありますから、そこらは日本の実態をよく踏まえた上で私は地方自治は非常に重要だと思っておる。しかし、それなりのやはり考え方に立つし、同階に政府は地方行政をいろいろな面で拘束し過ぎておりますよ。そこらにメスをどう入れていくかということがこれからの本当の意味での国政全体を効率的に運営をする道だろうと、私自身はさように考えているわけでございます。
○田渕哲也君 もちろん我が国には我が国の経緯や歴史もあるし、また特性というものもあるわけで外国と同じようにはいかない、それはもうおっしゃるとおりだと思うんです。ただ、現在問題になっておる点は、やはり今の行政が国、地方を通じて本当に効率的に行われておるかどうかという面があろうかと思います。それと、おっしゃるように、地方の行政能力とかあるいは地方自治体における民主主義の定着度とか、そういう問題もあったと思うんです。しかし、現在では地方の行政能力もかなり水準が上がってきておる。それから民主主義というものも定着してきておる。そういうことを踏まえてもう少し地方に自主性を持たせる方向で改革を進めたらどうか、そういうことだと思うんです。 何もかも財源も皆おまえたちが勝手にやれと言っても、それはやれるわけではないということはおっしゃるとおりだと思いますけれども、ただ非常に財政の中の大きなウエートの部分が国から地方へ還流していく。それも補助金という格好で還流していく。その過程でいわゆる利益誘導政治が行われる、もたれ合いもできればたかりもできる、そういう弊害がやはりできておるわけです。一方、その経路においてたくさんの組織と人員が必要となってむだも生んでおる。私は行政改革を進めるにはこの点にメスを入れなければ本当には進まないんじゃないかということを申し上げておるわけでありますけれども、この点についてはどうお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は一般論としての考え方には田渕さんの考え方にいささかも反対する点はございません。問題はそれをどのように具体化をしていくのかと、その具体的手段、方法については先ほど私が申し上げたような立場に立って慎重なる検討をしないといけないのではないか、私はかように考えます。
○田渕哲也君 それからもう一つ大事なことは、やはり高度情報化社会を迎えつつあることだということも指摘されておるわけであります。この高度情報化社会の進展が地方自治にどういう影響を与えるか、これも見方はいろいろ分かれております。中央集権がますます進むのではないかという見方もあれば、逆に地方分権が確立されるという見方もあるわけですが、この点について自治大臣はどのような見解を持っておられますか。
○国務大臣(古屋亨君) これは大体今私どもがいろいろ考えておりますが、現実には地方の市または町村の一部におきましてはニューメディアとかいろいろそういうことも自分で考えざるを得ないというような状況で、そういうのを各地の点といいますか、線じゃなくて点という意味で申し上げておるんですが、実際に行っておるところも相当ございます。私どもは、やはり高度情報化社会というのは、もう非常に急速に日本の高齢化社会と一緒にそういう時代が来ているわけでございますから、自治省としても、こういうニューメディアあるいはそういうような方向につきまして高度情報化社会を育成しつつも、これはとめるわけにもいきませんので、進んでいる情勢に対処しまして地域におけるこういうような新しい方策というものをぜひ助長していくような私は扱い方が大切ではなかろうかというふうに考えております。
○田渕哲也君 私は、今回の補助金の問題でも見られるように、最終的には力関係というものが非常に大きな影響を持つ。国と地方、国の財政当局と自治省、こういう関係で見た場合に、そういうことでやはり自治省の意見とか地方の意見が押し切られていくというような感じを持たざるを得ないわけです。それから高度情報化社会が来た場合でも、中央政府の持つ情報量というものがやはり圧倒的に優位に立つわけでありまして、だから下手をするとますます中央集権化が進んでいくという危険性もないではない。したがって、私は高度情報化社会に備えても本当の意味の地方分権という制度というものを確立しておかなくてはならないのではないか。その意味で先ほど申し上げた地方自治体の国政に対する意見反映の道を開くとか、あるいは財政面においても自主的な面をふやしていくとか、そういうことが不可欠だと思いますけれども、 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 この点について大蔵大臣、総務庁長官のそれぞれの御意見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる自主財源問題、こういうことになりますと、結局は、かつてから振り返ってみますと占領下、今、後藤田長官からお話がありました新憲法第八章、そうしてそれに基づくところの、幾らかGHQの間接統治下にあったという感じはいたしますものの、地方自治というものの発展が図られていき、そして平衡交付金制度それから交付税制度というような変化を遂げたとき、私もそのころちょうど地方議会におりましたが、だんだんよくなるなという感じを素直に持っておりました。 しかし、しょせん問題は税源配分の問題になってまいりますと、これだけ税源の集中しております地方と、例えば東京都内で収納される国税の還付倍率がたしか一〇%を下回って九・何%だったと思いますが、少し古い資料になります。私の島根県が四四〇、それから沖縄が四三〇と、まあ随分差があるものだなあと思って情けなくなったことがございますが、その間にそういう状態の中で、いわゆる適正な税源配分というのはやはりこれは問題として言うはやすく行うは難しい問題じゃないかなと、こういう考え方を基本的に持っております。したがって、そういう自主財源というものをどうするかということになりましたならば、その税源配分から補助制度のあり方から交付税制度のあり方から譲与税その他ございますが、全体をひっくるめて考えてみなきゃならぬ課題である。しかし、一刀両断の妙案というようなものは私は非常に難しい問題であるというふうに考えます。 そこへもう一つ議論が発展してきておりますのが、公共事業等においていわゆる陳情政治等の弊害を幾らかでも直すために第二交付税的な発想というものが一つ提言されております。これに対しては、一つの物の考え方としていろいろな勉強が行われて今日に至っておりますが、さてそれをどう組み合わせていくかということになりますならば、国全体の治山治水計画とかあるいは道路計画とか、そういうようなことの一貫性と整合性の中にこれを位置づけてまいりますならば、これも現実問題として、なかなかそれを第二交付税的な考え方で適用することは難しいということから勉強倒れに終わっておるというのが現実であろうというふうに考えるわけであります。 要は、我々自身の自治体に対するいわゆる対応する姿勢、物の考え方、それがやはり主体になって対応さるべき問題であって、いわば自主財源というものを可能な限り与えていく、あるいは補助金等の同化定着したものを自主財源の中へ組み入れるとか、いろいろな工夫はしていきますが、一挙に税源配分というものから考え直して、これだけの税源の所在がアンバランスである国内において均一的に近い形の自主財源の配分をするということは結局は議論倒れに終わる場合が多いと、素直なそんな感じを持っております。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問の御趣旨は、高度情報化社会を迎えていよいよ中央集権になるんじゃないか、だから今からそれに備えた意味において地方分権の立場に立って対応を考えるべきじゃないか、こういう御意見ですが、これは今的確な御答弁はいたしかねるんです。というのは、中央の役所は中央の役所なりに、高度情報技術の発達に対応しながらそれぞれの立場でみんなどうすれば経費の節減ができるのかと、効率化できるのかということを今ようやく着手をしたばかりなんですね。それと同時に地方団体は、先ほど自治大臣がおっしゃったように、地方団体それぞれこれは三千三百ありますからいろいろな格差がありますけれども、それに取りかかろうとしておる。これが先行きどうなるんだろうということについて今にわかに私はここで的確なお答えはいたしかねるわけでございますが、いずれにせよ現在の国と地方の関係ということを考えた場合に、率直に少しやはり中央政府の縛り方がきつ過ぎると、これは。これはやはり中央の各省のお役人の方々も意識の変革をしてもらわなきゃならぬ、私はさように考えているわけでございます。しかし同時に、地方も考えてもらわなきゃならぬ点が幾らでもあるんですよ。それはつけ加えさしていただきたいと思います。
○田渕哲也君 次に、行政改革の問題について若干御質問したいと思います。 先ほど同僚議員の質問の中で総務庁長官は、行革審は行革の道程はなお五合日という評価をしたけれども、とてもそんなものじゃない、まだまだやらなければならないと。私はその御意向を聞いて非常に心強く思っているわけであります。今後の行革のタイムスケジュールは一体どうなるのか。今国会に上程されておる共済年金の改正の問題あるいは秋に予定されておる国鉄の改革の問題、さらには機関委任事務の整理合理化などが今のところスケジュールに上がっておるわけでありますけれども、それ以降の行革のスケジュールは一体どうなるのか、大まかな点についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(古橋源六郎君) 今後の行政改革の大まかな方向という御質問でございますけれども、今まで私どもといたしましては、臨調答申を受けまして、あるいは行革審から答申を受けまして着実にその都度閣議決定をいたしましてその推進方策を決めてまいったところでございます。 今後の課題といたしましては、まず第一に、この七月に国鉄の抜本的再建という大変大きな問題がございます。それから第二番目に、今問題となっておりますけれども、地方行革の推進ということも今後実施いたしていきます場合に非常に大きな問題でございまして、特に機関委任事務の整理でございますとかあるいは許認可権限の地方への移譲という問題が六十年の七月に行革審から出てまいります。これに対します対処方針というものを決めてそれを着実に実施していくということが二番目に大きな問題でございます。さらに、今行革審で議論しておりますけれども、規制行政に対する緩和、国がいろいろ民間の事業に対しまして規制をいたしておりますけれども、これも七月に行革審から意見が出てまいります。これに対します対処方針ということもまた決めていかなければなりません。さらにまた、行革審において現在内閣の総合調整機能の強化という問題について御議論をいただいております。その場合にいろいろな国の緊急処理の問題も含めまして内閣の総合調整機能の強化というものを図る。それからさらに科学技術行政、こういうものに対する総合調整の問題も今行革審で御検討いただいておるわけでございまして、これらの御検討が決まりますれば、私どもとしましては今後それに的確に対処していくという問題がございます。 したがいまして、今後これらの行革審等からの意見が出てまいりますれば、それを私どもとして慎重に検討いたしまして、今までやっております機構の改革であるとかあるいは定員の削減ということを含めまして検討をしてまいりたい、こういうところでございます。
○田渕哲也君 行革審の任期は来年の三月までということになっておるわけでありますけれども、三月になって行革審がなくなりますと、臨調答申の実施状況を公的に監視する機構もなくなってしまう。それまでに行革は全部あらましできるのかどうか、できない場合はどうするのか。この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御承知のように、来年の六月でこの行革審の任期は終わるわけでございますが、今後の審議のスケジュールは今古橋局長からお答えしたとおりでございます。来年の六月以降どうするかということは、これは私としてはやはり慎重な検討課題であると、そういうような考え方を今持っておりまして、今たちまちどうするというようなことは考えておりません。いずれにせよ、当面しておる問題を何とか解決したいということで最大の努力をいたしたい、かように考えております。
○田渕哲也君 それから先ほど中央省庁の調整機能ということもちょっとお答えの中にありましたけれども、この中央省庁について臨調が答申した事項でまだ未実施のものがかなりあるわけであります。国土庁と北海道開発庁、沖縄開発庁、これの統合ということはいつ実施するのか。それから総合企画会議というものが言われておりますけれども、これはいつできるのか。さらに、地方機関で財務局など地方支分部局のブロック単位機関の八ブロック化というのはいつ実現するのか。この見通しをお聞きしたいと思います。
○政府委員(古橋源六郎君) まず第一の点の中央省庁の統廃合の問題でございまして、国土庁と北海道開発庁、沖縄開発庁の統合という問題がございます。この問題につきましては、五十八年五月の新行革大綱におきまして、国土開発行政関係三省庁の連絡会議というものが設置されまして、よくお互いに三省庁で話し合いをしろという臨調答申の趣旨を実質的に果たしますために、その会議をつくりまして協議が進められているところでございます。しかし、実際に具体的にそれを今後本当に統合するのかという話になりますと、この三省庁で持っております各機関の地域におきますいろいろな特殊性もございますので、今後各方面の意見を伺いながら検討を進めてまいるという状態でございます。 第二番目に御指摘のございました総合企画会議という問題でございます。臨調答申のこれは最終答申でございますけれども、総合調整機能の強化対策の一環といたしまして、政府の各種の計画の調整を担保するため、総合企画会議の設置を提言しておることは今委員御指摘のとおりでございます。この問題につきましては、五十八年五月の新行革大綱におきまして臨調答申の趣旨に沿って「政府部内における総合企画機能を整備する観点から、経済計画、国土計画等各種行政計画の立案に当たって関係機関相互の連携を密にする」ということを決めまして、その調整の円滑化を図るものとしております。もし必要があるならば関係審議会の会長等にお集まりをいただきまして懇談の場を設けよう、こういうことで政府の対処方針を決めているところでございます。しかし、今まで開いたことはございません。 その次は第三番目の全国八ブロック制に統一するという点での対処方針でございますけれども、今まで臨調答申におきましては各種の答申がなされております。まず、「防衛施設庁の名古屋防衛施設局と大阪防衛施設局とを統合する。大蔵省の北陸財務局と隣接財務局とを統合する。運輸省の近畿海運局と神戸海運局とを統合する。運輸省の新潟陸運局と隣接陸運局とを統合する。郵政省の信越電波監理局及び北陸電波監理局と隣接電波監理局とを統合する。労働省公共企業体等労働委員会の沖縄地方調停委員会及び事務局沖縄支局と九州地方調停委員会及び事務局九州支局とを統合する。」という御提言をいただいておるところでございます。 私ども今まで五十九年度におきまして、運輸省の九陸運局と九海運局を統合いたしまして九つの地方運輸局をつくりました。その際、神戸海運局を近畿海運局に統合いたしております。それから労働省の公共企業体等労働委員会事務局沖縄支局は九州支局に統合いたしております。六十年度におきましても名古屋防衛施設局を大阪防衛施設局に統合いたすこととしております。それ以外のまだ残っておりますのが大蔵省の北陸財務局と隣接財務局を統合するということ、郵政省の信越電波監理局及び北陸電波監理局と隣接電波監理局とを統合するというのが残っておりますが、これにつきましては五十九年行革大綱におきまして昭和六十年度末を目途に具体的結論を得るということで現在検討中でございます。
○田渕哲也君 さらに臨調の最終答申の中に地方改革の中長期的課題というのがありまして、現在の内閣制度及び一府十二省体制、こういうものの改変を要する可能性をはらんだ行政課題も出現しつつある。つまり、中長期に見たら今の一府十二省体制を考え直す必要も出てくるだろうということも言っておりまして、七つの機構というものを例に挙げておるわけであります。もちろんその中に徴税機構ということもあるわけでありますけれども、この問題についてはどのように手をつけていくのか、またどれぐらいの期間でこれを検討していくのか、この点についての見通しをお伺いしたいと思います。
○政府委員(古橋源六郎君) 最初に事務当局の意見を申し上げたいと思いますが、中央省庁の統廃合というものは行政改革の重要な柱であるというふうに私どもも認識をいたしております。ただ、お尋ねの臨調最終答申で指摘しております徴税機構等七点の行政機構の改革という問題は、答申でも現段階ではまだ機が熟しておらない、したがって中長期的な課題として今後検討すべきであるということでございますので、私どもは今後の周囲の状況の推移を見て検討を進めてまいりたい。そして今後その周囲の状況というものがその機が熟せばそれをやってまいりたい、こういうふうに考えております。 ただ、七点の機構の中におきましては、総合安全保障に関する機構というような問題、こういう問題につきましては今行革審でも御検討いただいておりますし、科学技術行政機構の問題についても今行革審で御検討いただいております。あるいは将来、文化行政機構というような問題も出ておりますけれども、これももし臨教審の方で御議論があればこういう問題も出てくると思います。こういうふうに世の中がいろいろとこういう問題をめぐって議論がされておりますので、そういうような状況等の推移を見ながら私どもとしましては機が熟すればそれを検討してまいりたい、こういう状況でございます。したがいまして、いつごろまでにやるかというふうな御質問につきましては、現在のところお答えできる段階ではない、こういうことでございます。
○田渕哲也君 この中の徴税機構という問題は、でれば大蔵省、自治省並びに地方公共団体というものに関連するわけでありまして、「国税及び地方税の徴収事務の総合化・効率化のための徴税機構の在り方を検討する。」、もちろん中長期の問題でありますけれども、私は先ほど申しました地方、国の財源のあり方ということに密接な関係を持ってくる問題だと思います。もちろん具体的なことを言える段階ではないと思いますけれども、大蔵大臣の構想というものがありましたら聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この問題に関しましては絶えず御指摘のあるところでございます。臨調の第二部会の報告におきましても「国税、地方税の徴収事務の総合化、効率化のための徴税機構の在り方を検討する。」ということが言われたわけでございます。それから第五次答申においても指摘がございます。これもまた「効率化のための徴税機構の在り方を検討する。」ということではございますが、同じ文章が引き続き使われておるところでございます。したがって、この問題につきましては、これは確かに国税といい地方税といい、結局は同じ納税者の負担に帰するものであることでございますだけに、行財政の効率化、納税者の事務負担の軽減等の観点からは検討に価すべき問題であるということはだれしも感ずることでございます。 ただ、いわゆる国と地方とのあり方、その関係の面からいろいろな問題が指摘されておりますので、答申でも検討すべきだとなっておりますが、我々も今後幅広く勉強してまいりたい課題だというふうに思っております。しかし、その精神に少しでも沿わなきゃいかぬということから、いわゆる効率化を図るという面からいたしまして、国と地方団体の間の税務行政の運営上の協力関係、この拡充強化を今日まで進めてきておるところでございます。いろいろな意味におきましての協力関係、私どもの方にとりましても大変効率化に資することでありますので事務次官通達等が出ておりますが、現実問題としてその効率化といわば情報提供をも含めたお互いの協力関係を一層強化していくべき課題であるという認識を持っております。
○田渕哲也君 次に、補助金の使い方の問題ということで、あるいは縦割り行政という問題ということでお伺いをしたいと思いますが、複合施設ですね、多目的複合施設の問題です。これは最近、一カ所にまとめて複合施設をつくった方がいいというようなことで進んできておるわけであります。まず土地が有効に利用できる、共通部分を共同利用にすれば経費も安く上がる、それから施設の効率利用が図れる、管理費が低下するなどのメリットがあるからだと言われておりますけれども、ところが実際つくってみると縦割り行政でこのメリットが非常に減殺され、発揮できないという例が多いわけであります。例えば、各省庁によって玄関、出入り口を別々につくらぬといかぬ、あるいは事務室、図書室、料理室、トイレなども別々につくらぬといかぬ。さらに、管理運営、主体も別々に置いて館長も二人置くというようなことが義務づけられるという苦情が地方自治体から来ておるわけでありますけれども、まずこの点について関係各省庁の御見解をお伺いしたいのであります。いろいろ省庁は多いのでありますけれども、特にこういう複合的な施設を多く持っておられる労働省、文部省、厚生省からそれぞれ御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(赤松良子君) お答え申し上げます。 労働省では、働く婦人の家、勤労青少年ホーム等に対しまして国から補助金を出しているところでございます。その目的等は他の省庁の施設とかなり違っているわけでございまして、以前はかなり厳密に分けて建物も建て運営もするというふうに指導をしてまいっておりますが、最近では、先ほど先生の御指摘のような見地から、弾力的に複合的なものを認める、また複合的な施設については別々の施設を、その中で共通のものがあれば図書室、ホール等は共通に使う、また玄関その他を別につくらなければならないというようなことがないようにというような方向で指導をしておりまして、その点では以前とは非常に変わってきたというふうに御理解いただきとうございます。
○国務大臣(松永光君) 複合施設の問題でございますが、文部省所管の社会教育施設などと他の省庁の類似の施設との複合施設の建設につきましては、従来から施設の目的や性格などを考慮しながら、設置者がその判断によって建設することを文部省としては認めてきているところでございます。 管理主体でございますが、社会教育施設の場合は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして教育機関ということになっておりますので、したがいましてその管理は教育委員会が行うことになっておりますけれども、実際の運営に当たっては十分市町村長部局、そういった部局と協力が行われることが望ましいということで、そういう指導をいたしております。 それから管理者でございますが、国庫補助を受けておる公立図書館の館長、これにつきましては専任というふうに法律で書いてあるものですから兼任が難しいわけでありますが、その他のもの、兼任が可能な業務については実情に応じて合理的な人員配置あるいは兼任等ができるような運営が望ましいということで指導しているところでございます。 それから利用方法でございますが、これも本来の利用に支障がない範囲内で目的外の利用を認めるということで利用効率を高めるというようなことを私どもとしてはやっているところでございますが、今後とも施設の目的に即した合理的な設置や運営がなされるように努めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○政府委員(小島弘仲君) 厚生省におきましても昭和五十六年度から施設の複合化を認めてまいっておりまして、特にその地域の不特定多数の児童等が利用いたします児童館あるいは母子福祉センター、母子休養ホームというようなものは逐年複合化の傾向が進んでおりまして、毎年大体設置数の二五%程度が複合施設として設置されておるところでございます。また、その管理体系につきましても、当然合理的な一元化の体制をとるようなことを容認しております。
○田渕哲也君 時間があとわずかになりましたのでまとめてお尋ねをしたいと思いますが、こういう施設は各省庁ごとに補助金が出されるといっても、そのお金というものはもともとは国民の税金であります。住民にしてみたら、自分たちの税金でつくった建物がこういう使い方したらけしからぬとかなんとかかんとか言われるのはちょっと腑に落ちないという面もあるわけでありまして、またそういう規制が厳しいと利用率も低くなってしまって効率的に使われない、こういうことも出てくるわけであります。最近、大分改善のための努力はされておるようでありますけれども、やはりこういう施設関係の補助金は、補助金の削減のときにこういう施設関係は地方に一般財源化をすべきだという自治省の対案が出ておりましたが、そうした方が住民のニーズにより身近なものになるし、効率的に使えるのではないかという気がするわけですけれども、大蔵大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 一般財源化ということになりますと、これも税源配分の上でなかなか問題があろうと思われます。したがって私どもとしては、一番近いところで申しますと行革審意見がございまして、これは五十八年の臨調の第五次答申を受けた形で五十九年の七月に出た行革審意見でございます。これでもちまして、いわゆる今おっしゃいました箱物でございます。その箱物の施設整備費ともう一つは運用と、二点においての指摘がなされたわけであります。それで「類似関連施設の複合化を基本とする。」というところに、「その際、政府は、関係省庁間で連絡調整のための会議を設け、複合的な施設の設置及び利用の基準を明らかにすることとし、特定の省庁(たとえば総理府)がその連絡調整の中心となって推進する。個々の複合的な施設の新設に当たっても、当該施設に係る省庁のうち特定の省庁が中心となって、他の省庁と密接な連携を図るとともに、関係省庁、都道府県、市町村間の連絡の強化等を図るべきである。」と、こういうことが出ておるわけであります。 したがいまして、各省庁に計上されました施設補助金の交付を受けて地方公共団体がいわゆる梅合施設という形で設置するということから、本当は五十六年以降から予算執行面についていろいろな共有可能となるようなところの工夫をしましたり、そういうことをしてきたわけでありますが、六十年度予算におきましても、効率的な資源配分という観点から各施設等については厳しく抑制しながら、そうして先ほど行革審の答申にもありましたような形でもって総合補助金、いわゆる複合施設が効率を上げるような予算配分を行うという方針をとっております。それで、今おっしゃいました一般財源化の問題ということになりますと、やはりおのずから先ほど申し上げましたように限界があるということでございますので、今後とも極力統合メニュー化を進めていくべき課題だろうというふうに認識しておるところであります。
○田渕哲也君 終わります。
○上野雄文君 私はきのうもいろいろお尋ねをいたしましたが、きのう残った問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。五時を過ぎてまいりまして大分お疲れだと思うのでありますが、今度の補助金一括削減で地方自治体が悲鳴を上げているわけでありますから、ひとつ私は自治体の立場に立って元気を出してやっていきたいと思いますが、皆さん方もそういう立場でお聞き取りをいただきたいと思います。 さて、最初に厚生省にお尋ねをいたしたいのでありますが、生活保護制度の沿革、それとそれに伴う国と地方の負担の経緯、このことについてひとつお話を願いたいと思うんです。
○政府委員(正木馨君) 現行生活保護法は昭和二十五年に施行されたわけでございますが、過去の経緯ということでございますが、先生御案内のところだと思いますが、生活保護法の前身、昭和七年に救護法ができまして、これが昭和二十一年三月まで実施をされております。このときは国の負担割合は二分の一、都道府県が四分の一、市町村が四分の一と、市町村が実施主体であったわけでございます。戦後間もなくでございますが、GHQの示唆、指導のもとに戦後非常な混乱時代、引揚者が多いあるいは戦災者が多いという中で生活困窮者緊急生活援護要綱というものが出まして、これが二十一年の四月から九月まで六カ月間続いたわけでございますが、救護法のもとにおきまして、戦後間もなくの事情にかんがみまして、全額国の負担で生活援護が行われた一時期がございます。 その後、これもGHQの示唆のもとに旧生活保護法が昭和二十一年十月に実施をされまして、ここで国が八割の負担、都道府県が十分の一、市町村が十分の一ということになりました。その後、昭和二十五年に新生活保護法ができまして、同じく負担割合につきましては国が十分の八、都道府県が十分の一、市町村が十分の一ということになったわけですが、その後昭和二十六年に社会福祉事業法が発足をいたしまして、ここで福祉事務所制度ができると。福祉事務所の設置主体は都道府県または市、町村も任意に実施できることになっておりますが、原則として県または市ということで、したがって負担割合につきましても国が十分の八、県または市が十分の二ということで今日に至っておるわけでございます。
○上野雄文君 それで戦後の制度としては、とりわけ二十五年、二十六年の改正以降は、これは地方自治体に対する機関委任の事務であるというふうに確認できますね。
○政府委員(正木馨君) おっしゃるとおり、生活保護法は国の最終的責任のもとに機関委任事務として実施をされておるわけでございます。
○上野雄文君 それで昭和二十五年に現行生活保護法ができてから、その当時の課長が解説をした本があるんですね。それを読ませてもらいますと、国と県や市の負担の問題については、「この事務処理の適否が地方公共団体の財政に影響を及ぼすようにしておく方がその取扱いを慎重ならしめ、濫救が自己抑制される点において効果的である」、こういう立場から地方自治体の二割の負担というのを決めたんだという趣旨が述べられているんですね。 実は私、今度の一括削減の問題を考える場合に、いろいろ政府の言い分を読みましたし、あるいはまたお聞かせも願ったりしたのでありますけれども、昭和二十五年といったら三十五年前ですね。三十五年前に負担の割合がそういう考え方に立って決められたものを、こういうものも同化定着という政府がお使いになる言葉が当てはまるのではないかな。当てはまるとすれば、それを簡単に組みかえをするということは、これは簡単にやるべきことではないのではないかということを思うのでありますけれども、厚生大臣、このことについてどういう所感をお持ちですかね、今回の負担割合を変えるということについての心の痛みというのは。厚生省が生活困窮者を救うという立場のお仕事をおやりになっているわけですから、きのうからきょうにかけても自治大臣から地方自治体の財政が大変厳しいというふうに言われている。そういう困っている人を救う仕事をおやりになっているその所管大臣がこの問題についてどんなふうにとらえておられるのか、どうしても一遍心の内を聞いてみたくなったということでお尋ねをしたいと思うんです。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように生活保護は国が最終的な責任を持っており、またその事務を機関委任しておることで、そのとおりでございます。と同時に、従来からその一部を地方公共団体も住民の福祉を守るという立場から負担をしていただいて長年を経過いたしておるわけでございまして、したがいましてその負担割合が定着をしておるといえば定着をしておるわけでございますけれども、しかし一般的には補助率等についてはやはり社会経済情勢の推移あるいは政策の緊要性等を踏まえる必要があると思うわけでございます。生活保護もそういう建前論からは例外ではないと思うわけでございます。しかし、今回の措置につきましては、私どもやはり生活保護の水準が低下することのないようにということが最大の願いであり願望であったわけでございますので、最後までいろいろ検討したわけでありますけれども、地方団体に対しましては別途対策が講ぜられるということでございましたので、私どももこのような負担割合の変更について、特に本年度限りということでございますので承諾をいたしたわけでございます。
○上野雄文君 これは厚生省の政府委員で結構でありますけれども、先ほど私が申し上げた二割負担についての考え方ですね。乱数にならないためにはやはり持たせた方がよろしいんだということについてはそういう考え方を今もお持ちですか。
○政府委員(正木馨君) 生活保護につきましては地方財政法で国と地方公共団体相互の利害に関係ある事務というものが列挙されておるわけですが、生活保護もその一つでございます。大臣のお話にもありましたように、国が最終的責任を持つものであるけれども、生活保護の実施というものは住民福祉の観点から非常に関係の深い仕事であるということで、地方も従来から負担を願ってきておるわけでございます。そこで、これは乱救防止ということがねらいではないので、やはり地方公共団体が住民福祉の観点から機関委任事務として実施をすると、実施責任との裏腹との関係において地方においても一部負担を願って今日に来ているというふうに私ども理解をしておるわけでございます。
○上野雄文君 ずばりお答えにならないんでしょう。 ただそこで、先ほど来適正化の問題が出ておりましたが、やはり各自治体、この間のいわゆる百二十三号通知、五十六年十一月の通知でありますけれども、この通知が出てからたまたま暴力団ということが通知の第一番目に挙げられてきておりますけれども、果たしてそういうような成果を上げることができたのかどうか。この通知以後の我々に知らせることのできる範囲内で結構ですけれども、生活保護法の二十八条の規定によって保護申請を却下する、そういった件数あるいは通知の2の(5)にある刑事事件及び新聞、議会等で問題になることが予想される等の不正事件については、その概要、対応方針を速やかに本職あてに報告しろと、こういう通達の中身でありますけれども、そういうものが一体どのぐらいあってどういう成果があったのかというようなこともここでお知らせをいただきたいと思うんです。
○政府委員(正木馨君) 生活保護は最低生活の保障ということで、先生御案内のとおりでございますが、保護の補足性の原則と言っておりますが、保護は生活に困窮する方がその利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用するということが前提である。また、扶養義務の履行といったものも前提にあるわけでございます。そういったことで、保護の要否を判定するに当たりましては資産の調査それから収入の認定といったことをきちっとやるということが当然のこととして前提になっておるわけでございます。ただいま百二十三号通知をお取り上げになったわけでございますが、これは五十六年十一月に出したわけでございますが、要するに保護の開始時に当たって詳細な申告書を出してほしい、また関係機関等の調査のための同意書を提出してほしいということで、その五十六年十一月のちょっと前にいろいろ不適正事例というものが、これはもうごくまれな例であったことは間違いございませんが、国民的な批判も招いてきたということで、従来からやっているものをさらに念を入れて実施をしようということでこの通知を出したわけでございます。 そこで、この五十六年、百二十三号通知が一体どの程度によって却下とかそういったものがなされたか。その辺の因果関係ははっきり明確にはっかむことはできないわけでございますが、従来からの適正実施という面でいろいろ不適正ケースにつきまして監査指導を行い、適切な処置をとってきております。ちなみに申し上げますと、五十七年度におきましては不正受給件数八百十三件、不正受給金額が七億九千万余りでございました。五十八年度におきましては不正受給件数七百八十九件ということで、不正受給金額七億八千万円で、これらにつきましては返還その他所要の措置を講じたところでございます。
○上野雄文君 大上段にかぶってこういう通知を出したんですね。出して総額一兆五千億のうちでほぼ八億程度の不正の問題が出てきたわけでありますけれども、私はそれほど大きな成果を上げたという評価にはならないのではないかなと、こう思っております。 ただ、こういうことをやりますと地方自治体ではいろいろな問題が起こってまいります。先ほど厚生省の方がお見えになりましたから、私は治療材料のうちの眼鏡の再支給に関する取扱方針という北九州市が決めたのを差し上げました。これを読んでいきますと、実に眼鏡のことについてもこんなに細かいことまで決めてがんじがらめにして、なかなか眼鏡の取りかえすらできなくするようなやり方が行われているんですね。私は金額もさることながら、ケースワーカーや福祉事務所の相談員の方々、担当者の方々がやはりこういうことによってかなり締めつけをされてきておりますし、その上今度の補助金の自治体の上積みということになってくれば、きのうも私は総理以下各大臣からお聞きをしたわけですが、地方自治体を一個の法人として、戦後の一番大きな変わり目でこれが今日まで発展をしてきたわけでありますが、そうしますとそれはそれなりに自治体の中に大蔵省が出てくるんですね。財政当局から現場の職員一人一人に今までより以上に、三割負担になるわけだから、これは自治体に換算すれば一割ふえるというのは今まで二割で済んだのが五割もふえることになるわけですから、おまえさんらもっと厳しくやらなきゃだめじゃないかという追及をされてくるわけですね。その結果がこの眼鏡の支給のこういうようなものにもあらわれてくるんだろうと思うんです。 私は今度の生活保護、一連のただ単に国の措置としては一割カットでありますけれども、これは生活保護者全体にとっても大変なことになってきているのではないかと、こういうふうに思うんです。とりわけ先ほど私が読み上げた昭和二十五年当時、今の生活保護法ができたときに、当時の課長はやたらめたらに勝手なことをさせない、濫救という言葉が使われていますが、それをさせないためには二割負担が必要なんだ、それをもっと今度は上積みさしてやろうと、こういうことがこの面からあらわれてくるのではないかということを心配するわけです。その辺の心配については、今度は大臣、広い立場に立ってどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(増岡博之君) 今回の措置はずうっと以前のそのようなことをおっしゃった方がおられるというような考え方でスタートしておるわけではございませんで、臨調並びに行革審の高率補助の一律カットのその建前の中から政府が一斉に行った措置でありまして、御指摘のような意図を持っておるわけではございません。しかし、御指摘のような行き過ぎということがあるいはあり得るかもしれませんけれども、なかなかその点の適正化ということと行き過ぎということとの使い分けといいますか分別というものは、ケースワーカーの方々が大変御苦心なさることと思いますけれども、しかしいずれにしても生活保護が必要な方に行き渡るようにということは今後も行っていかなければならないわけでございますので、適正化に際しての心得べき問題につきましてはこれからも指導してまいりたいと思います。
○上野雄文君 北九州市のこの眼鏡の再支給に関する取扱指針というようなものについて局長はどうお考えになりますか。
○政府委員(正木馨君) お答え申し上げます。 先生御指摘の点は、北九州市で眼鏡の再支給に関する取扱指針を定めておるわけでございますが、これは適正化対策ということよりむしろその生活保護の制度の、何といいますか、性格からきているものだというふうに思うわけでございます。と申しますのは、この眼鏡の再支給に関する取扱指針といたしまして定めておることは、災害などのため紛失した、あるいは盗難に遭ったとか、不可抗力の場合には再支給をいたしましょう、それから自己の不注意による場合にはよく理由を確かめる、そして何度も何度も不注意を繰り返すということのないようにその辺のチェックをいたしましょう、それから眼鏡の枠と眼鏡そのものとどちらかがまだ使える場合には使えるものを使うようにしましょうといったようなことを基準として定めておるわけでございます。 その眼鏡の支給につきましては、これは治療の一環として、医療扶助における治療材料として出しておるわけでございますが、例えば白内障手術後の場合に支給するといったのが一番典型的な例でございますが、そういう治療の場合だけでなくて、日常生活に著しい支障がある場合にも治療材料の一つとして出すということで、最低生活の保障という面からやはり必要度の高い場合に出すというのが原則であることは、これは制度の性格からしてそうあるべきではないかというふうに思うわけでございます。そういった意味合いから再支給の取り扱いの基準につきましてもいろいろ定めておるわけでございますが、要はきちっとした取り扱いをしなければならない、しかし一方におきまして、大臣も言われますように本当に必要な方に支給が行われなかったということがあっては困るわけでございますから、その辺は実施機関として十分心をして乱に流れることなく、また漏れがあって本当に必要な人にそういう支給が行われないということがないように十分配慮をしていかなければならないというふうに思うわけでございます。
○上野雄文君 重ねてお尋ねしますけれども、局長も眼鏡をお使いのようであります。それから今市町村役場窓口に行きますと、自分の目に合った度数の眼鏡を使えるようにみんな窓口に置いてありますよね。それで局長は一体四年間も一つの眼鏡をずっとお使いですか。私はそんな長いこと、大体まあ年齢も五十をあるいはお過ぎになっていらっしゃるか、あるいは直前かもしれませんが、やはり個々人の差もあるとは思いますけれども、私だってもう老眼になっておりますけれども、二年に一回ぐらいはこれはやらなきゃいかぬわけですよ。ところが無条件でよろしいというのはこれは四年、現品支給後四年を経過している場合はいいですよという、何かこんなことを私は一々やらなくても極めて常識的に対応できるようなものであっていいのではないのか、こう思うんです。これなんかは私はどうしても少し行き過ぎていやしませんかということを申し上げたいんですが、どうですか。
○政府委員(正木馨君) 先生今おっしゃいましたのは、確かにこの中に現品支給後四年間を経過している場合云々と、その場合には無条件であれしましょうと。しかし、先生おっしゃいますように、四年たたないでもあるいは度が進んで一年二年で必要な場合が出てくる場合があるわけでございます。そこで、この基準におきましても、現在使っている眼鏡ではなかなか日常生活に支障が生ずる、こういった場合にはお医者さんに一度診てもらって前の眼鏡と比べてみて、そして本当に日常生活上必要であるというチェックをさせてもらう、やはりその程度のことは最低生活の保障という面から見て、ある程度の手続をとっていただくということは私どもとして必要ではないかというふうに思うわけでございます。
○上野雄文君 あくまでも抵抗される御意思のようですね。しかし、非常に冷たいんじゃありませんかということは、これはだれしもが私はうなずくことじゃないかなと思うのですね。しかも、検査に行くときは自分の眼鏡を持っていくように指導しろ、全く人間としてその人の人格を認めていない、こいつはのっけからうそをつく人間だ、こういう思想に立っているんじゃないかと私は思いたくなるような中身が書かれているわけです。私はこういう点についてはこれからもきちっと対応していただかにゃ困るというふうに思っておりますので、そのことについては申し上げたいと思うのです。 それから全国的な生活保護の実態というものについてひとつお知らせを願いたい、こう思うのです。さっき、できれば都道府県別というようなことも資料の話をしたのでありますけれども、私の手元には参っておりませんが、全国の状況についてそれを知らせてください。
○政府委員(正木馨君) 生活保護の実施状況、一番端的なメルクマールとして保護率でございますが、全国平均で申しますと千分の十二・二ということになっております、五十九年十二月、昨年末の保護率でございますが。しかし、これは地域によって非常に開きがあるわけでございまして、最高は福岡県の場合には千分の四十四・二になっております。それから愛知県の場合には千分の三・三ということになっております。その原因は一体どこにあるのか、なかなか難しい問題でございますが、地域別の保護率の差というものは、やはりそれぞれの地域の景気の動向とか雇用動向というものも一つ関係すると思います。それから人口構成、非常に老齢の方が多いとかあるいは世帯の構成がどうであるとか、それから収入や資産の分布とか都道府県における単独施策の状況、それからさらにはやはりその県における生活保護行政の実施水準というものも微妙に影響しておるというふうに思うわけでございます。 福岡県の場合が非常に高い保護率になっておりますが、それはやはり石炭産業合理化後の産業構造の転換が必ずしも十分進んでいないというようなこともございましょう。あるいは労働市場が慢性的な不況状況にあるといったような産業構造的な影響もあると思います。それから福岡県を中心とする地域におきましては、若年労働人口が流出して、老人とか障害者等低所得階層が比較的多いというような状況もございます。一方におきまして、保護率の低い代表的な愛知県等の状況を見てみますと、県下地域において安定した地場産業構造に支えられているとか、有効求人倍率が平均よりも高いとかいったような状況が見られるわけでございますが、やはり保護率の上下というものはいろいろな諸要因が絡み合っておるということは間違いないというふうに思うわけでございます。
○上野雄文君 そこでさらに、きのうも触れたわけでありますけれども、生活保護率を下げるといえば厚生省独自の仕事ではできないわけでしょう。この点は、先ほど大蔵大臣は地方議員の経験もおありでというお話をされておられましたけれども、やはり自治体にとって地域ごとのいろいろな仕事、事業をセットするということが必要なんだろうと思うんですね。そういう面での今回の措置と同時に進行されていることについて、きのうは厚生大臣から聞いたわけですけれども、大臣どういうふうにお考えですか、具体的にこんなことをやりたいというようなお気持ちはおありですか。
○国務大臣(竹下登君) 私は、五十三年の統計を一遍見さしていただきましたときに、千人当たり四十・一が福岡県で、ちょうど四人が岐阜県でございましたか。それで県民一人当たり所得を見ましたら、岐阜県が二十七番で福岡県は五番でございます。どうしてだろうと素朴な疑問を持ちました。今聞いてみますと、四十四・二になり平均が十二・二になり少ないところは三・三になりということでございます。だから私が途端に感じたのは、総合的な施策がやはりそういうところには社会保障以外にも必要じゃないかなという感じも素朴に持ったわけでございます。それは、それぞれの自治体でいろいろなことを計画なさっておりますし、それから最も代表的によくテレビにもお出になります田川市長の滝井義高先生、私ども国会の先輩でございまして、この間もお会いいたしましてみますと、いろんな総合施策をやらなきゃそれは竹さんなかなか端的に減るものじゃないよと言われたことが印象に非常に残っております。ただ、特定な市町村に対する今度の措置による財政的な措置、これはお約束しておりますように遺漏なきように対応していかなきゃならぬ課題だというふうに考えております。
○上野雄文君 厚生大臣に強い要請をしておきますけれども、こうされたときにはそれなりの役所としたって攻勢に出てもらわなきゃいかぬじゃないかと思うんですね。自治体のやはり悲鳴にこたえてもらうというのをどんどん積極的な政策として提言をしてもらうように、そのことを強い要請をしておきたいというふうに思います。 さて、次に移りますが、実は大蔵大臣も地方議員の経験があるというふうに言われ、私もまだまだそちらの経験の方が長いわけでありますが、自治体で予算の審議をしながら一番頭にくるのは直轄事業の負担金なんですね。この直轄事業、自治省から出していただいた資料によりましても年々自治体の負担率が上がってまいりました。まさに昭和六十年度は従来の国費、地方費との関係では地方が三一、さらに国がその残りということで、そこまで直轄事業の負担金が上がってきたんですね。 自治大臣、私どもは直轄事業、国が仕事をおやりになって地方から金を取るというのであればそんな煩瑣なことはやめにして、問題は国と地方の仕事というのはきちっとするようにしていったらいいんじゃないんですかという多年の主張、簡単に言うならば直轄事業負担金はやめるということを原則にしてスタートしていったらいいんじゃないかと、こういうことを主張してきているわけでありますが、この点についてはどうお考えですか。
○国務大臣(古屋亨君) 国の直轄事業につきましては、それが本来国家的な政策に基づく事業でありますことから、国が直轄事業として、受益者負担の観点から地方は法令の定むるところによりまして負担金を支出するものとされております。だから、この改廃の問題ですな、今先生のお話は。これはやはり国、地方間の財源配分のあり方や公共事業制度の基本にも係るところでありますので、本当は廃止したいのでありますが、慎重に検討いたしますということをここで答えさしていただきたいと思うんです。廃止するというとこれは建設省と相談せずにそういう話をすることはできませんので、私は引き続き慎重に検討いたしますということを申し上げてありまして、そのうちにおきまして、地方公共団体の負担金のうちで維持管理に関するものというものは、その維持管理費については補助制度がないことにもかんがみまして、直轄事業と補助事業との間で負担関係の均衡を欠いておるというようなことも指摘が行われておるところでありますので、根本的には廃止したいという考えでございますが、関係省と協議しまして慎重に検討してまいります。
○上野雄文君 農林大臣それから建設大臣はこの直轄事業負担金についてどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(佐藤守良君) 上野先生にお答えいたします。 農林水産省関係の公共事業におきましても、地方分担制度のもとで土地改良、治山、漁港等が国の直轄事業で行われておりますが、これは事業の公共性、公益性や高度の技術性等を勘案し国がみずから実施する一方、地域レベルでの利益効果も生ずることを勘案し地方公共団体等に応分の負担をいただくこととしておるものであります。このような現行の方式は、農林水産関係公共事業においてその円滑な推進を確保する上で適切な方式であると考えております。今後とも地域との連携のもとにその円滑な推進に努めてまいる所存でございます。
○上野雄文君 大体同じですか。
○国務大臣(木部佳昭君) まあ基本的には余り変わりませんけれども、私の方の建設省の方は、今聞いてみましたら、河川は明治二十九年に発足したそうであります。それから道路の方は昭和二十九年の揮発油税というものが、制度ができてからの歴史的な経緯があるようであります。地方とのいろいろな関係があるわけでございますから、そういう意味で負担の一部を相応に負担していただくというようなことで定着しておるというような、そういう率直に言って感じでございます。
○上野雄文君 今建設大臣から御答弁があったように、明治二十九年からというお話があったところに端的に実はあらわれているんじゃないかと思うんですね。戦後の地方自治制度がスタートして、国と地方との機能分担を考えましょうと、こういうのに、明治二十九年ごろからの話で、それが一つの歴史ですと言ったって、それは仕事として流れていたかもしれませんが、新たな角度から物事を考えていかなきゃならないと思うんです。私は地方議員のときに決算委員会でこの直轄事業負担金の中身を細かく検討したことがあるんです。そうしましたら、出張旅費もそうですね、長靴がそうですね。それからびろうな話になって恐縮でありますが、トイレットペーパーから便所のくみ取り料まで全部精算で自治体からお金を取るんですね。人件費もそうですね。建設大臣ね、うちの方に国道事務所がありますよ。そこに働いていらっしゃる方々も何人かいらっしゃいますね。年間を通じて精算して、はい、あなたの県が負担すべきものはこれこれですと言って金を取ってくるんですよ、人件費までですから。ガードレールから走り回っている自動車、一切合財しょわされているということについて、これは農林水産省の問題なんかについても同じです、大臣方はどうお思いですか。
○政府委員(田中淳七郎君) 御指摘のように、人件費等の事務費でございますが、これは例えば先生御指摘の、現場の直轄の工事事務所が工事を実施するために必要とする間接経費でございますので、改築事業費の一部として直轄負担金の対象としているものでございます。また、それ以外の補助事業におきましても、人件費等の事務費を改築等の費用の一部としてこれも補助の対象にしております。以上が現状でございます。
○上野雄文君 だからそういう事務担当の方々は、今までそういうルールが決まっているんだから、そのとおりやるのは当たり前なんですよ。そういう実態の中で今回のこういう措置でまた負担金が上がるわけですから、大臣方は恥ずかしいとか、これは大変なことだと、自分だけで考えていきましょうとか、何かお考えがあるはずだと思うんですよ。事務屋さんの方は今やっていることが間違いだなんということを私は言っているつもりはありませんから。国と地方とのお互いの分担し合うというものを整理しようじゃありませんか、自治大臣はそういうことを言っておるわけですね。そこのところの所感を述べてみてくれませんか。それがこれから我々が取り組むべきことなのではないかと思うから申し上げるのです。
○国務大臣(木部佳昭君) 河川法なんかの場合でも先生御存じのとおり昭和三十九年に大改正がありまして、砂利の採取料とかそういうようなものは都道府県があれするという総理大臣の裁定もあるわけであります。そういう意味で、私は余り勉強もしておりませんのでわかりませんが、それはそれなりにやはり改善して地方にもそういうふうな一つのあれを与えておるという私は努力はされているんじゃないかなと。それはもちろん、自治大臣が先ほど答弁されたように、全部あれしてくれれば結構なことでございましょうが、そういういろいろな歴史的経緯というものを積み重ねてあるのであって、特に考えてみますと、道路なんかというのは戦前舗装した道路なんて我々通ったことはありませんから、そういうふうないろいろな経緯があってきょうを迎えておるであろうと、そういうふうに今思っているわけです。ですから、基本的にはそれはもう負担金がなくて園がそのまま全部やっていけば結構なことでございましょうけれども、そういういろいろな先人が積み重ねた経緯もあるということを我々は忘れてはいけないと、そういうふうに思っております。
○上野雄文君 大蔵大臣、この直轄事業負担金についてこれはやはり整理、検討すべき事項だと思うんですね。私は基本的には今度のこの法案について、本来国の仕事、地方の仕事というものを整理して、それでその方針が決まった上で予算が決まってくるという形のものであってほしい。そうでないことはおかしいという立場に立っているわけでありますけれども、しかしこの直轄事業負担金もやはり国と地方との関係、とりわけ都道府県と市町村の間にもあったわけですよ。直轄事業負担金という制度ではないにしても、例えば県立高校をつくるときに市町村が用地を買ってそこに建物をつくりましょうとか、県道の補修の場合にも何%ぐらい取りましょうとかというのは、それは大体大方の都道府県では整理してきたと私は思うんですようちの県なんかも、それはやいやい言ってようやくお互いの財政秩序というか、そこのところだけははっきりさせるようにしてきたわけですね。そういうものが国と自治体との間にあってしかるべきではないかというふうに私は思っているのでありますけれども、大臣どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 確かに従来とも、まあ話し合いで敷地は全部地元が提供しますとか、あるいは道路等でしたら、突角剪除だったら市町村が用地費は負担しましょうとか、いろいろな問題があってそれが逐次整理されてきておることは事実であります。私は、直轄事業と補助事業というのは、負担ということにおきましては質的な相違はないと思います。これは補助事業でも地元負担がありますし、直轄の場合も負担金があるわけでございますから。ただ、そのときには、今も農林水産大臣からのお答えにもあっておりましたが、技術的に大変高度なもの、あるいは河川であろうと道路であろうと他府県にまたがるものでございますとか、あるいは特に重要な、国が直接事業主体になることが重要なものとかいうようなことから直轄が決まっていきます。そしてまた陳情がよくありますと、何とかうちの前の方は直轄にしてもらえぬだろうかというような、まあ地方議員をしておりますとそういう陳情も受けて、むしろ直轄を好むようなところも確かにございます。 それから負担率の問題につきましては、これは総合的な、勘案して決められたものであろうと思っております。したがって今、直轄事業というものは一つの、一級河川であっても直轄部門とそうでない地帯とがあるわけでございますから、私は負担そのものはその地域の利益もあるという意味においては、それは合理的な理由があるというふうに考えるべきではないかと。それこそ負担していただくこともまた車の両輪としての一つのあり方ではないかなというふうに感じております。 そうしてもう一つは特会、道路特会とかいう特会になっておりますと、人件費部分も特会の経費から出るわけでございますから、私も不敏にしてトイレットペーパーの話までは知っていなかったわけでございますが、いわゆる特別会計職員ということでそれが位置づけられた場合は、それが当然また負担金の対象になるべきものであるというふうに考えます。それからもう一つよく議論がございますのは、そこまではそれじゃいいと、上野先生いいとおっしゃいませんけれども、仮にいいと言ったとしましても、維持費ぐらいはと、こういう議論がいつでもある議論でございます。維持費の問題ということになりますと、それもまたその地域に全く関係のない、利益をもたらさないものではないと。よくダム等になりますと、実際問題として下流の者が利益しておって上流の者は余り利益がないじゃないかと、こういうような議論もございますので、維持費の問題についてはもう一つ別の観点から、よく直轄の場合においても議論のあるところでございますけれども、これは自治大臣からのお答えもあっておりましたが、慎重に検討を要する問題だというふうに考えております。 つれないお答えのようでございますが、真心を込めてお答えしたわけであります。
○上野雄文君 このことについては、この法案の審議のときに限らず、これからも私は自治体の立場に立って毎回毎回実現するまで言い続けるつもりでありますから、ひとつその点についてはですね。ただ後半、せめて維持費の問題ぐらい決めるというのは、大臣に先にしゃべられてしまったわけでありますけれども、これはもうぜひひとつ慎重に検討していっていただきたいというふうに私は強い要請をしたいと思うのであります。 さて文部大臣、きのうお尋ねをしたかったのでありますけれども、今度の国の財政再建のあおりをもろに厚生省と同じ程度に受けている一つだと、私はそう認識しているわけですけれども、きのうからのずっと御答弁で、やはり人件費補助というのは根幹だと、だからこれに手をつけさせるようなことをさしては大変だという大臣のお話を私も承っておりました。そこで問題は、教育職員だけではなくて事務職員それから栄養職員など、これも実は今度対象にねらわれたわけですね。これは大臣がずっとかねてから答弁をされ続けて、これは文教委員会でも繰り返し御答弁になっていらっしゃると思うのでありますけれども、この場でも、何としても六十一年度以降もそこに手をつけさせるようなことだけは断固避けるという決意を御披瀝していただきたいと。そうでないと、学校全体の管理運営の中で働いている人たちの問題でもあるわけですから、私はこの人たちに対しても温かい気持ちを示すことが必要ではないかというそういう立場から申し上げているわけでありますが、御決意のほどを伺わしていただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) しばしばお答え申し上げておりますように、義務教育費国庫負担制度の中で国が負担をする経費の中核をなすものは教職員等の給与費、いわゆる人件費であるというふうに認識いたしております。そしてまた、学校というものは直接教壇に立つ教員だけで成り立つものではないのでありまして、事務職員や栄養職員も学校の基幹的な職員であるというふうに認識をいたしております。そういう立場から、義務教育費国庫負担制度の中核をなす人件費の関係につきましては、これを国庫負担の対象から外すということは極めて困難なことなんでありますから、その中核的な事項につきましてはあくまでもこれを守っていくように最大限の努力をしていく決心でございます。しばしば申し上げておるところでございます。
○上野雄文君 一つ聞きたいなと思っておったのでありますが、時間がなくなってしまいまして、大蔵大臣、これは御答弁は要りませんが、お聞きいただきたいと思うのでありますが、今度の場合に補助金も削られてくると。そこへきまして建設省が河川情報センターというのでコンピューターを導入して情報を提供する。これは大変いいことであろうと思うんですよ。それから農林水産省がふるさと何とかセンターというもの、それからこれは自治省が直接おやりになるわけじゃありませんけれども、地方自治体のいろいろな情報センター、このことが自治体で話題になっているのは、全部出指金や何か、また金を自治体から集めるわけですよね。建設省のものは別にして、自治省のと農林水産省のと、何か別々につくらなくても、同じ金を集めるなら、一つできちっとやれるようなものにならぬかというのが関係者の声なんですね。市町村に至るまでお金集めをやるというやり方になっているわけですね。これは国がお金を出しているわけですから、大蔵の方でも全然話がなかったということではないんだろうと思うのでありますけれども、今度の審議を通じて、私なんかまるきり地方自治体の立場でのお話を申し上げておりますけれども、何でもかんでも地方自治体は絞れば何ぼでも金が出るなんというふうに思われたのではとんでもない話なんでありまして、こういうことについてはひとつ十分気をつけてお取り扱いをいただきたいということを申し上げたいと思うのであります。 時間が参りましたから失礼いたします。
○委員長(桧垣徳太郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 明十五日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十分散会