補助金等に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 409 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1985/05/13
会議録
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田渕哲也君 一昨日の委員会の冒頭に、委員長の方から法案の提出の方法と時期、さらに参議院における審議の確保の点について御発言がありました。今回の補助金の整理特別法案をめぐって予算と法律の不整合の状態を招き、そして政府はこの法案に関係する補助金について予算の執行ができない、予算の執行をとめるという事態になっておるわけであります。そして地方自治体に多大の迷惑をかけることになったことは極めて遺憾だと思います。まず、この点について政府の見解を求めたいと思います。総理大臣。
○国務大臣(竹下登君) さきの当委員会におきまして委員長の見解を承りました。それに対して私どもといたしましては、公共事業予算につきましては事業配分にかかわりますので、全般的にその執行を差し控えているところでありますが、事業全体が実施できないことによる影響も無視できない事態となっておりますことから、種々な問題はございますが、現在引き下げ対象外の事業を振り向けて執行に入るべく努力しておりますということ、さらに積寒地帯等につきましては、本法案成立後直ちに交付決定、発注ができるよう設計協議等の準備行為を進めておりますということ等をお答えいたした次第でありますが、今の問題は言ってみれば、いわばこういう事態に至ったところの政治的な責任の意味についての御発言であろうかと思います。 これにつきましては確かに、私どもといたしましても大きな制度改正でありますだけに、先例としては五十六年の行革特別委員会等によりまして特例措置を講じた後予算編成を行った、こういう先例もございます。したがって、私どもがもっと政府部内の議論が早く結論がついておったならばそうした手法もあるいはあり得たではなかろうかというふうに思います。 しかし、今回の問題につきましては、率直に申しまして社会保障の問題等ぎりぎりまで政府部内の調整がつかなかったわけであります。そこで精いっぱいの私どもの努力のあかしといたしまして、法律案を国会に対して予算書と同時に提出したということでもって一つのあかしを立てるべきだという結論に到達いたしたわけであります。しかしながら、今日結果として予算は既に成立しておりますにもかかわらず、この法律の関連部門につきましてその執行が円滑にできていないということにつきましては、好ましい姿ではないが、政府の側から言えば、予算書とそしてそれの執行のあり方についての国会の意思が決定する以前にいわばこれを執行するに至らなかったという点について、やむを得ざる措置として御理解をいただかなければならない問題だというふうに認識をいたしておるところであります。
○田渕哲也君 法律の提出の時期その他について政府の諸般の事情というのはいろいろあったと思うのであります。ただ、私がこの際確認をしておきたいというのは、予算が四月の初旬に既に成立をしておる、ところがその裏づけとなる法律が参議院に回ってきたのが四月の十七日でございました。つまり予算は通ったけれども法律は通っていない、そういう場合の措置は今回のやり方が果たして妥当なのかどうかという点であります。予算と法律は表裏一体の関係と言われておるわけでありますけれども、今回のようにそごを来した場合の両者の関係について法律的にどう考えたらいいのか、まずこの点を法制局長官にお伺いしたいと思います。
○政府委員(茂串俊君) 私からは立場上予算と法律の関係についての一般論を申し上げたいと思うのでございますが、ただいま委員御指摘のとおり予算と法律とは表裏一体をなすものである、そうして国政運営の基礎をなす重大な規範であるということは申すまでもないことでございます。両者はいずれも国会の議決によって成立するものでありますから、予算どこれに対応する法律とが内容的に相矛盾したり、あるいは不一致を来すというようなことは本来的には予想されないことでございます。 しかしながら、両者の不一致を来す場合が全くないとは言えないわけでございまして、典型的な事例といたしましては、予算が成立したのにその予算執行の前提となる法律が成立していなかったり、あるいは予算を伴う法律が予算措置を講じていないのに成立したような場合を挙げることができようかと思います。そうして、このような場合には予算執行の前提となる法律が成立施行されない限り関係予算の執行ができないということになるわけでありますし、また予算の面で所要の措置が講じられない限りは当該法律の内容を執行することができないという問題が生ずるわけでございます。このような事態が生じた場合には、行政府といたしましては、今申し上げた事例のうち前の方の例であればその法律の速やかな成立を図るべく国会の御審議をお願いする、また後の方の例でありますれば予備費の使用その他の予算上の措置をとるというように、両者の不一致を解消するための所要の対応策を講ずべきであるというふうに考えられます。 なお、今回の場合のように特定の国庫負担率の引き下げを前提とする予算が既に成立しているのに、その予算に対応する法律の改正案、すなわち国庫負担率の引き下げ措置を内容とする改正法案が国会で審議中のような場合におきましては、政府としては法律と予算をともに誠実に執行すべきであるという立場に立ちまして、法的に問題がない限りその法律の成立を待って処理するというのが妥当な対応策ではないかというふうに考えておるわけでございまして、より具体的なお答えといたしましては、先ほど大蔵大臣が御答弁になられたとおりでございます。
○田渕哲也君 法律そのものが日切れ法案ということで、日切れ法案というのはそれが予算との関連でその日までに成立をしなければ予算の執行に支障を生ずる、そういう法案だと思います。したがって、日切れ法案というのは大体予算と一致させて成立させるというのが本筋だと思いますけれども、しかしその法案がもう既にその期日内に成立するという見通しが全くない場合、今回の場合はそうです。参議院で予算が成立する時点ではまだ衆議院で上がっていないわけでありますから、そういう成立するという見通しがない場合の措置として私はひとつ法制局長官にお尋ねしたいと思うのであります。 内閣の予算作成に関連しては、国費の支出を伴う法律が現存しておる場合、内閣はその法律を実施するため必要な経費を予算に計上する義務があると思うんですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(茂串俊君) 一般論として申し上げますれば、例えば法律で一定の給付金を支給すべき義務があるというような規定がございました場合に、その裏づけとなる予算が組まれていないということであれば何らかの方法で予算的な措置を講ずる必要がある、これは一般論としては当然のことでございます。
○田渕哲也君 そうしますと、今回の場合、補助金等については現在の法律がまだ継続して生きておるわけであります。そしてそれを改正する法律が予算執行時期までには成立することが困難であるという見通しが立っておる時点においては、やはり政府も国会も法律と予算というものはできるだけ整合させるという義務を負っておると思うのでありますけれども、そうすると予算成立の際あるいはその直前にでもそういう見通しがあるならば予算修正をすべきではなかったかと思うんです。この点はいかがでしょうか。
○政府委員(茂串俊君) その点につきましても、角度は違いますけれども、今まで大蔵大臣初めいろいろと御答弁を申し上げている点でございますが、いずれにしましても今回の一括法が成立しない時点におきまして、それでは今お話があったように、その見通しがはっきりした場合には予算を修正すべきではなかったかという点でございますけれども、今回の場合を具体的に見てみましても、一括法が成立していないことはおっしゃるとおりでございますけれども、現在の段階でそのような予算をもちろん修正することはできませんし、また先ほど大蔵大臣からもお話がありましたように、予算と法律をともに誠実に執行するという立場に立って政府としては一刻も早くこの法案を成立施行していただくという方向で努力を続けておるわけでございまして、そういうような形で法律と予算の一致を来す、法律と予算の一致が結果として実現するという形で努力を続けておる次第でございます。
○田渕哲也君 私のお伺いしておるのは、衆議院から法案が回ってきたのが四月十七日ですから、常識的に考えてもう五月も半ばに近づいておるわけですね。だから、常識的に考えると四月中に上がるという見通しはまず立たないと思うんです。そうすると、少なくとも四月一カ月間は予算と法律の不一致の状態は存在するということになる、こういうことは本来好ましくないことである。とするならば、六十年度予算が成立する前にあらかじめ法律が成立するのが先に延びるという見通しがあるならば、政府は予算をやはり修正すべき、修正案を出すべきじゃなかったかと思うんです。少なくとも現行法で四月の一カ月間は執行できるようにすべきではなかったかと思うんですけれども、この点についてお伺いをしておるわけです。
○政府委員(茂串俊君) 予算と法律の不一致の事態は好ましくないことは明らかでございますが、その不一致をいかにして解消するかという手だてにつきましてはいろいろな方法があるわけでございまして、理論的には今先生のおっしゃったようなやり方もあろうかと思いますけれども、見通しの問題も絡むことでございますし、またこれはすぐれて政府並びに国会の運営の問題に絡む点でございまして、私ども法律的な見地からいたしますれば、今委員のおっしゃったようなやり方でなければ違法になるとかあるいは法律上の問題が生ずるというようなことではなくて、これはあくまでも政治的な判断で解決すべき問題である、かように考えます。
○田渕哲也君 大蔵大臣は今の点についてどうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 今法制局長官からお答えがありましたように、そういう姿であることは違法であるという断定は確かにできないと思います。したがって、一つの選択の方法としては、今、田渕さんのおっしゃったただ予算修正でこれに応ずる場合はいわゆる見通しの問題になろうかと思うのでございますが、見通しということになりますと、いま一つ、私が毎度申し上げますいわゆる国会に対する政府側の持つ期待権というのがまたありますから、可能な限り早く成立さしていただきたいという期待権というものはある時間持ち続けることができるんじゃないか。それからもう一つは補正、いわゆるその時点において仮に期待権を持っておったとして予算が通っておったとしたら、現段階ではいわば補正を組んで新たに対応する方法はあるではないか、こういう議論も生ずるであろうということで種々議論をいたしたわけであります。 この問題は、やはりいろいろ考えてみますと、いわば先ほど来議論のあります、政府としてはいずれも国会の議決をいただく法律と予算をともに誠実に執行しなければならない責務を有する立場にある。そこで、一方は御議決をいただき、これと表裏一体の法案については御審議を合いただいておるという状態である。したがって、法律と予算の不一致をもたらすような状況をできるだけ回避して責任ある財政運営を行うためには、政府としてはいわばぎりぎり対応する姿勢としましては、御審議中の本法案に対する国会の御判断をひたすらお待ち申し上げる、言葉が丁寧なだけでいいというものじゃ。ざいませんけれども、そういうことがやはり一つのとるべき姿勢ではないかというふうに考えるわけであります。 それからこれはまたぎりぎり議論すればいろいろな問題も起こるところでございますが、いわゆる六十年度の地財対策、これは補助率引き下げによる影響を織り込んだ上で講じられたものであって、各地方団体ともそれを前提とした予算も既に組んでいらっしゃるということになるわけでありますので、したがって他にとり得る手段をいろいろなぎりぎりの工夫はしなきゃならぬ、執行の面において。しかし、最終的には法律と予算をともに誠実に執行するという責務を有する立場にあるということを考えるならば、今日の事情、今日とっておる措置によってひたすら後はこいねがう姿勢を持ち続けていくということしか今選ぶべき方法はないなと、こういう感じがしております。 従来もございます例としては、あるいは健康保険法のときに一つございます。要するにそのときから結果として執行できなかったわけでありますが、それはいわば給付、負担両方が国民の側にあるわけでございますので、それが執行されなかったことによって生じたところの歳入欠陥というものは補正でやらなきゃならぬこともあったわけでありますが、それとて予算と一体の法律であり、結果としてそれだけずれて成立いたしましたが、事後的にそういう措置をとったと。今度の場合は、いわば負担と給付両方の問題が対国民との問題とは別の問題でございますので、今お願いしておるようなのがぎりぎりの線ではなかろうかというふうに考えたわけであります。
○田渕哲也君 私は実際的な運営の面あるいは事務の面を考えると、今の方法が一番混乱が少ないということは言えると思うのですけれども、しかしながら支障がないかというと支障は現にかなり出ておるわけであります。特に公共事業のおくれなどというのは明らかに出ておるわけでありまして、だから予算が成立するまで予算の執行をとめてただひたすら待つというのは非常にやはり問題がある。例えば予算が成立をして現行法があるわけでありますから、現在の予算で決められた範囲内で現行法を適用して執行するということもこれは法律的には可能であると私は思うのです。この点は法制局長官はどうお考えですか。
○政府委員(茂串俊君) ただいま委員御指摘のとおり、一括法が成立していない時点において、現行法に基づきまして現行法による補助負担率で国庫支出金の交付決定を行うということが法律上違法になるということはないわけでございますけれども、先ほど大蔵大臣からもお話がございましたように、現行法による補助負担率で交付決定を行うことにつきましては、まず第一に、政府としては予算と一体のものとして一括法において補助負担率の引き下げを御提案申し上げて御審議をいただいておるわけでございますし、また既に成立した予算はこの一括法案の成立を前提として組まれていることもございます。また、一般に国庫支出金の支出の根拠となる法律にその支出金の支出時期についての特段の定めもないということ等もありまして、そのような事情を総合的に考慮いたしますときに、予算と法律の不一致をできるだけ避け、責任ある財政運営を行うという見地に立ってその交付決定をしばらく差し控えるという立場も認められるものであると考えられます。
○田渕哲也君 予算の執行を遅延させるというのは、これは地方財政法十九条というもので規定してあります。やはり今回の措置はこれに違反しておると思われるのでありますが、この点は法制局長官はどう考えられますか。
○政府委員(茂串俊君) 地方財政法十九条一項は、「国の支出金は、その支出金を財源とする経費の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。」と規定しておりまして、国の支出金の支出時期についての基本的な原則を定めておるわけでございますが、これは地方団体における円滑な資金繰りを確保し、当該事業の執行に支障が生じないように配慮するという趣旨のものであると考えられます。したがいまして、いかなる場合においてもいささかの遅延も許さないという趣旨の規定ではございませんで、国の支出金の支出時期が従来の支出時期に比べておくれたからといいましても、その遅延の程度が合理的な範囲内のものである限りにおきましては、そのような遅延をもって直ちに同項に違反するというのは当たらないと考えられます。 これが一般論でございまして、今回の政府のやり方につきましては、大蔵大臣初め大蔵省御当局の方からたびたび御答弁申し上げておるような事情によりまして措置がなされておるわけでございまして、この措置が地方財政法十九条に違反するということにはならないのではないかというふうに考えております。
○田渕哲也君 大蔵大臣はこの委員会でも遅延が合理的範囲内のものである限り法に反しないという答弁をされておりますけれども、それなら合理的範囲内というのはどう見るのか、この点はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 合理的範囲内とは、やはり合理的な理由が説明し得る状態と、こういうふうに私は理解しております。
○田渕哲也君 今回の場合、合理的な理由は説明し得ますでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) それがたびたび申し上げておる問題でございまして、言ってみればいま一つ私は、この議論はいずれのときかもう一つの議論になりますのは、補助率を現行どおりに戻すべきであるという、いわゆる予算本体の修正案は院の意思として否決されておるわけであります。そうすると、この法律に基づいて執行すべきであるという予算本体が通って、そしてこの法律が諸般の事情によりおくれておると。しかもそれによって、いわばこの十九条の指しますところの地方団体における円滑な資金繰りを確保し、当該事業の執行に支障を生じないよう配慮するという趣旨であるということからすれば、それの配慮がなし得るということは、やはり私は合理的な理由の説明し得る根拠ではなかろうかというふうに考えております。
○田渕哲也君 この特別委員会で審議に入る前に理事会でもいろいろ論議をしまして、その中で、地方自治体の業務の執行に支障を来さないような暫定的な措置、例えば一時払いとか内払いの措置をとるべきではないかという意見もあったわけであります。それができない理由はどこにありますか。
○国務大臣(竹下登君) これは正確には事務当局から申し上げますが、交付決定ということそのものを行うことができない。したがって、一時払い、いわば概算払いというものができない、こういうことになりますが、言葉の整理をしてお答えする私には事務的能力がございませんので、これは事務当局からお答えをさせます。
○政府委員(平澤貞昭君) 今の大臣の御答弁に尽きるわけでございますけれども、概算払いあるいは前金払いあるいは一部払い等々を行います場合には、交付決定行為を伴って、その結果、債務が明確になりませんとそういう行為ができないわけでございます。したがいまして、先ほど来の御議論のように、交付決定ができるかどうかというところに問題があるということでございます。
○田渕哲也君 交付決定を行うことは違法ではないと思いますが、いかがですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 法律的には直接違法というわけではございませんが、それが適当かどうかという点は、従来、御議論していたように、政府といたしましては現段階においては適当ではないのではないかということで差し控えておるわけでございます。
○田渕哲也君 適当ではないと言われますけれども、現実に地方では公共事業等の執行ができない、それから生活保護費にしましても立てかえ払いをしなくてはならない、そのために運用部から資金を借りなくてはならない、こういう事態が生じておるわけであります。 そうすると、やはり法律に従って可能な措置はとるのが私は政府の義務ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) ちょうど、いわゆる暫定予算の問題と同じような議論が私はこの問題の議論の中には存在しておると思います。旧憲法のように、仮に予算が成立せざりし場合は前年度予算を執行すべしと、こういう規定がなくなった後の暫定予算、したがって暫定予算については大変な政治的な判断というもので、ハウスと内閣との間で結果としては相談をして出したりしておるわけでありますが、この予算と裏腹になります法律というものは、これは明確に違法であるというものがどちらのサイドに立って見たときにもないわけです。私も初めて勉強さしてもらいました、率直に申しまして。そうなると、適切かどうかという判断になりますと、確かに私が本委員会でお答えしておりますように、非常に政治的な答弁に勢いならざるを得ないというふうなことが事実であります。 そこで、政治的背景を踏まえて申しますと、私なりに感じましたのは、自治省の御配慮で去年の一二・五%でございましたか、四月分交付税が支払われたというと、私なりの頭で考えると、言ってみればその間の利子の負担分を、結局その分だけ国もまだ税が入っているわけじゃございませんから、国がその分を負担することによって、余計それだけ出したものによっておおむね措置されるのではないか、これは社会保障関係につきましては。そんな感じを率直に持ちました。 しかし、本委員会等で議論をされておりますところによると、それでもなお地域によっては、いわば地方自体がそれぞれ地方の議会の議決した範囲内における資金繰りのいわゆる借金をしなきゃならぬ場合もある、まあどれほど出るかその辺は私はわかりませんけれども。そうなると、やはりそれをより円滑ならしめるためには、自治省の方あるいは都道府県にお願いをして、いわば資金運用部資金を手当てするということを我が方の所管としては協力するのが妥当だなと。その実どれぐらいなものが私は不足するかということを正確に理解して正確な数を持って申し上げておるわけじゃございませんが、そういう形においてこれは措置することができると。そういたしますならば私はやはり適切な理由の範囲内ではないか、こういう判断の上に立ってお願いをしておるということでございます。
○田渕哲也君 実際問題としてはなかなかややこしい事務上の措置が必要になると思いますけれども、ただ法律的に物を考えてみますと、やはり現行法が生きておる、それから予算は修正はされないにしても一応予算というものも成立しておる。予算というものは政府が支出し得る与えられた権限の金額を決めておるわけですから、その範囲内では支出ができるわけであります。そうしますと、やはり法律に従って事を処理するのが本来の筋道であって、いつまでも政府が地方に対する補助金の執行を差しとめるというのはどうもおかしいのではないか、こういう気がしますけれども、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これもやはり幾らか政治論になりますが、私もこれ議論してみました。仮にこのままで継続審議になったとしまして、そうして来年の三月までこのままの状態が続いたときにずっと執行しないでこれを眺めておることができるかどうか、これはもちろん私は常識的にできないと思います。がしかし、そこで私どもとしては国会に対して、支障のないぎりぎりの範囲を縮小した中で議了していただけるという期待権というものはあるわけですから、結局期待権と国会の審議権との中にどのような調和をしていくかということになると、今時点においては私は期待権の中でお願いをするということは政府としての立場からすれば可能ではないか、こういうことでひたすら御期待を申し上げておると。たびたび言うようでございますが、たびたび申しますように、言葉が丁寧ならいいというものじゃございませんけれども、ひたすら期待をしておるという状態が続いておるということであります。
○田渕哲也君 とにかく今回の措置は、法案提出に至るまでは先ほど大蔵大臣から説明があり、いろいろ事情はお伺いしたわけですけれども、やはり予算と法律がそごを来して、つまり四月以降の措置について非常に疑問が残るわけであります。期待を持たれるのは結構でありますけれども、しかしだからといって地方に対する予算の執行をとめたままというのはやはり法に照らしておかしい。 それから地方財政法十九条にしましても、合理的な理由があればいいというあれですけれども、実際にも地方はそれを財源とする支出をしておる。あるいは公共事業の方は補助金の交付がないからおくれておる。これは重大な影響を及ぼしておるわけですね。だから、この法律がおくれておるがためにそういう支障を来してまで法の執行をとめるというのは私は極めて不当であり、あるいは不法ではないかという気がするんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど来法制局長官からお答えもございましたように、私が今お願いしておる立場でなく、非常に中立的な立場でおったらどこかどちらかに違法だと、こういう状態になればその趣旨に伴った措置をすればいいと。が、今回の問題は、私はいわゆるその立場立場によって不適切だと、あるいは不適当だとこの論議はなされると思いますが、それは違法だという論議がなされないから私はこういう議論が続いておるような印象を私なりに受けております。 したがいまして、そういう意味においては私は許容される範囲、いわゆる合理的な理由として説明のつく範囲というもの、これがどこかと。先ほども申し上げましたように、三月までこのままでいってずうっと執行しないでおくという状態は、私はこれは現実問題としては政治的判断の範疇をも含めてあり得ないことであろうと思いますが、現実、今日やはり私どもはそういうことが期待し得る状態にある。それと、これもまた現実論として考えましたのは、あの補正予算でお願いをして、いわゆる俗称我々がゼロ国と言っておりますが、債務負担行為で公共事業等の契約を許容するところの限度を広げたと。あれがあって、契約の継続性が多少おくれておりますが、いわば継続性が保たれておるんだなという幾らか心の中の甘えがあることも事実であります。
○田渕哲也君 暫定予算の問題でもしばしば論議が出るわけですけれども、本来なら四月一日を越えれば暫定予算を組むべきである。それから今回の問題についてもそうですけれども、予算と法律が不整合でそれを理由として執行をとめたまま一カ月以上も経過する、こういうことはどう考えても許されないことだ。それと便宜的な措置として、今回の措置が不法でなくてもかなり不当である面もあるけれども、便宜的にとられておる。私はこういうことは余り野方図になってはいけないのではないかと思うのです。暫定予算の問題にしろ、あるいは今回のこの措置にしろ、私はちょっとそれがルーズになり過ぎではないか。やはりけじめというものをきちんとしておかないとまずいのではないか。今回はそれはかなりもうルーズになり過ぎてけじめという面からは極めて問題があると思います。この点についてどう考えられますか。
○国務大臣(竹下登君) 私は今おっしゃった感じを持たないわけではございません。国会の論議でございますから確かに違法性はありませんと、それは申します。が、適切であるかどうかと言えば、今の環境のもとではやむを得ずこれを適切と理解していただくようにお願いしたい、こう言わ ざるを得ないから申し上げておるわけであります。 ただ、その議論をしますと、これは部内で十分な議論をした問題じゃございませんので、私見であるという前提を置いて申し上げますが、いわばこの暫定予算の際の財政法の問題あるいはこういう事態におけるいわば通過した予算とその執行の中身を決める法律が時期的にずれができた場合の措置、それは物によっては法律を公布の日からと変えることによって、そうしてその前の問題は補正で措置したというような例もございますにしても、その辺については今回私はもう一度財政法をも含めて私ども部内でまずは勉強を始めてみなければいかぬ問題であるという問題意識は私も持っておるところであります。
○田渕哲也君 次に、今回の起きた事態に対処して「補助金整理特例法案関連予算の執行について」という便宜的な措置がとられております。この文書の第二項の非公共事業予算の第二号、「更に、今回関係予算の執行が遅れたことにより、地方団体に金利等について実質的な財政負担を生ぜしめることのないよう、国庫支出金を前倒し的に早期交付することにより、弾力的かつ適切に対処してまいりたい」、こういう方針が出されておるわけでありますけれども、これのもう少し具体的な説明をお願いしたいと思うんです。例えばどの範囲に適用されるのかということですね。
○政府委員(平澤貞昭君) 例えば生活保護費の場合でございますけれども、既に通例ですと国から交付されているべきものが交付されてない金額が発生しているわけでございます。その結果といたしまして、地方公共団体において積立金を取り崩して資金繰りをするか、あるいは借金をすることによって資金繰りをしてそれを生活保護費その他で交付しているわけでございます。前者の場合ですと、そこで何らかの形で運用しておりますので本来なら得べかりし利益があるわけでございますけれども、その部分が損として考えられる。それから借金しております場合にはその金利等があるわけでございます。したがいまして、それにつきましては、今後交付いたします国からの補助金等につきまして繰り上げて交付することによって地方団体に一定の金利面での利益を得させることによって、先ほど申し上げた損失と結果的には相殺して実損をなからしめるという措置をとることを考えているというのが具体的内容でございます。
○田渕哲也君 ただいまの御説明によりますと、この前倒し早期交付というのは地方自治体全部に適用されると解釈していいわけですね。
○政府委員(平澤貞昭君) 実際に、具体的には生活保護費ですと生活保護費の支給に当たって一定の損が生じているわけでございますから、それに対応するように仕組みを考えていきたいということでございます。したがいまして、市町村の中で生活保護費を支給してないところもあるわけでございます、町村等は支給してないわけでございます、原則的に。そういうところにはそういう措置はおのずからとられないということでございます。
○田渕哲也君 私がお尋ねした意味は、例えば借金をして資金繰りしたところは金利負担が損になる、その分はこういう措置で埋め合わせができるようにする。別に借金はしなくても積立金を取り崩してやったときには得べかりし利益を得られないことになる、それもやはり含めて面倒を見るというふうに解釈していいわけですね。
○政府委員(平澤貞昭君) そのような方向で検討いたしております。
○田渕哲也君 それでは次の問題に移りたいと思います。 財政再建というのが極めて重要な課題で、その財政再建に絡んで今回のような措置もとられておるわけでありますけれども、財政再建のための基礎条件として重要なのは何といっても安定した経済成長だと思います。そして我が国の経済の安定成長のためには、これは日本の国だけが独自にそういうものを達成することは不可能でありまして、国際経済というものを離れて我が国だけの経済の安定成長はあり得ない。先日サミットにおきましても種々論議がされ、経済宣言とかあるいは国別の対応策等が出されたわけでありますけれども、現在の国際経済、ひいては我が国の経済の運営、そういうものの将来の支障といいますか暗雲といいますか、そういうものになり得るものとしてはどういうことがあるか、この点について総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) これはサミットの経済宣言に盛られている点がおおむね妥当な考え方ではないかと思っております。国際経済全般を見ますと、物及び金の順調な流動性あるいは循環性というものが要請され、それが拡大均衡に向かって進むということがまず要請されておる。それがインフレのない持続的発展の方向に向かっているということがやはり大事であると思います。そういう面から見ますと、日本について言えば輸出の大きな超過という問題も言われておる。また、アメリカについて見れば高金利とか財政赤字という問題が言われておる。あるいはヨーロッパについて見れば失業やあるいは産業調整の不十分、産業近代化の不十分とも言えましょう。あるいは労使問題もございましょう。あるいは一部の発展途上国における累積債務の超過問題という問題もございます。 こういうような問題が現象面において見られることでありまして、これらの問題を今最初に申し上げた方向にいかに誘導して調和のある発展に向けていくかということが我々の課題ではないかと思っております。
○田渕哲也君 私はその中の、特に日本が外国から非難されたり攻撃されたりする問題として、やはり貿易収支めアンバランスという問題があると思うんです。今回のサミットにおきましては、この貿易収支、日本の過大な黒字というものが非難の集中攻撃の的になるということは何とか避けられたと言われております。これはSDIとかあるいは新ラウンドに対する各国の対立がむしろ表面に出て、あるいは各国それぞれもいろいろ事情があって日本に対する集中攻撃は避けられたけれども、しかし私はこの問題が解消したわけではないと思うんです。やはり今後火種になり得るし、またこういうアンバランスが続く限りにおいては保護主義の台頭を生むし、またそういうものが我が国の経済の成長の足を引っ張るということにもなりかねないと思うのであります。この貿易のアンバランスの解決策として、総理、具体的に何を考えておられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは四月九日に決定いたしました諸般の政策を強力に我が方としては推進する。また一方においてアメリカ等につきましては、高金利あるいは高いドルの値打ち、こういうようなものを順次是正していく。そういうような両方の努力によって解決していくべきものではないかと思うわけです。
○田渕哲也君 いろいろの対策が今までにも打たれてきたし、今回もいろいろ対策を出されておるわけでありますけれども、私はその効果はどうかということになると余り期待できないのではないか。といいますのは、やはり経済の構造的な面が非常に強いわけでありまして、また構造を変えるとなればそう短期間に変わるわけはない。アメリカのシュルツ国務長官は四月十三日の日米外相会談において、日本の高い貯蓄が国内投資に有効に使われていない、むしろそれは輸出強化等に使われておるという日本の経済の構造的な問題を指摘しておりますし、またサミットにおいてイギリスのサッチャー首相も、日本は財政状態が悪い悪いと言っておるけれども貯蓄率は高いではないか、中曽根総理は十分に選んだ資料、統計数字を発表するその能力は大したものだという、これはまあ皮肉だというふうに新聞に書かれておりましたけれども、やはりアメリカやイギリスからも日本のこの構造的な問題というのを指摘されておるわけであります。外国からだけではなくて、政府の経済審議会の企画委員会が五十九年の十二月二十日に提出した昭和五十九年度リボルビング報告においても、内需中心の成長と国内投資の促進という必要性を強く訴えておるわけであります。このような構造的な問題を解決する解決策というものはどう考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず私の分野から言えば、貯蓄率が高いと、こういう問題でございますが、これは先進五カ国なり十カ国なり、あるいはサミットの場で我々大蔵大臣同士の間ではこれはいつも議論される問題でありますが、明快に何がその理由がと言われたときに、私は大筋次のようなことを申しております。 一つは、貯蓄率が高いということはこれは国民性であろうと思います。だが、この国民性というのはなかなか説明がしにくうございます。子供のころから二宮尊徳先生、勤倹貯蓄というふうなことを習いましたと言っても向こうになかなかわからないことでありますが、しかし悪いことではないという印象は十分受けておると思います。 それから二番目は、老後に対する備えの仕組みというのが日本はやはりほかの国よりもおくれておったではないか、このように申しております。しかし、それも今日の時点の水準からすればおくれておるとは言えぬではないかと、こういう反論がありますが、そういう慣習が依然として定着しておると、こういうふうに私はこれを説明しております。 それから三番目の問題は、給与体系がいわゆる十二分の一でなく、十二カ月の給与のほかにボーナス比率が非常に高いと。例えば公務員でも四・九カ月はボーナス比率であるということに対する、いわば本給で生活給と考えボーナスを消費、貯蓄に充てるというそういう体系がおたくの国らとは違うのではございませんかと、こういうことを申します。 それから四番目には、金融機関が倒れないと。イギリス等はそう金融機関は倒れませんけれども、他には金融機関が例えばアメリカにしても銀行だけで一万四千五百ございますし、日本は百五十六しかございませんし、言ってみれば金融機関に対する信用ということもあるではないかというぐらいまで僕が、僕と申しますか、私の方から申しますと、向こうが言うのは、やはり租税負担率が低いから貯蓄が多いではないかと、こういう議論がもう一つは出てきます。 それからもう一つは、貯蓄優遇税制という我々の知らない税制があるそうじゃないかという質問も出てまいります。それについても私は正確にこれにお答えをいたしておりますが、結論から言うと、貯蓄が多いというのはいいことであって、その貯蓄が多過ぎるということを批判するというのは、むしろそれをお互いがまねるべきではないかというところまで大体議論は私としてはそこまでしておるような気がいたしております。ただそれを、少し長くなりましたが、投資の方へ振り向けるためにいかにするかという問題でございますが、これについては、今日まで多額の公債が発行できましたのも、率直に育って私は日本の貯蓄率があったからこそ発行できたというようなことも申しておりますが、しかしそれにしても、既にその公債発行といういわば後世代の納税者にツケを回すような問題についてはおのずから限界に達しておるというようなことも十分理解されておるではなかろうかというふうに考えるわけであります。 したがって、先ほども経済運営、貿易の問題等について、いわば決めることは決めたが効果がどう上がるかという問題だとおっしゃいましたが、私どももそのとおりだと思っております。この効果がどう出てくるかということをこれから我々は七月のアクションプログラムの作成、そしてそれが実行についてまさに政府一体となって対応していかなければならない課題だというふうに考えます。そのほかは、私どもはその都度説明いたしますが、絶えず緊密な連絡をとることによって、それらの相互の理解というものがより濃密になることによってお互いの立場を理解し、お互いが自分の国の経済を自己評価しながらお互いが相互監視をして進めていくというような場に、サミットもあるいは五カ国も十カ国もそういうふうな場になることが一番好ましいではないかというふうに今考えております。 話が長くなりましたが、貯蓄のことがありましたものですから、生々しい話でございましたから申し上げた次第であります。
○田渕哲也君 貯蓄率が高いということそのものは悪いとは思いませんが、それが国内に有効に使われていないと、そこが非常に大きな問題だと思うんです。先ほど言いました経済審議会の企画委員会でもそれを指摘しておるわけでありまして、日本の高い貯蓄率というものがあるけれども、国内に投資機会というものはなくなっておるわけではない。ところが、現在はその高い貯蓄はどんどん海外へ資金が流れてアメリカなんかの投資にじゃんじゃん使われておる。これはやはり内需拡大策というものが欠けておるからではないかというふうに考えるわけであります。 先日の委員会で河本対外経済対策大臣の方から説明がありました。内需拡大策として重要なのは、税制改革それから規制の緩和、社会資本投資、労働時間短縮、特にこの四点を挙げられたわけでありますけれども、このそれぞれ四点のポイントについてかいつまんで御説明いただけたらと思います。河本大臣お願いします。
○国務大臣(河本敏夫君) まず、対外経済対策を考えます上におきまして、基本的に私どもが留意をしなければならぬ課題は、先ほど来いろいろお話が出ておりますやはり為替の問題が最大の課題だと思います。現在のような円安ドル高と、こういう状態では市場を開放いたしましてもなかなか実効は上がらない、こういう感じがいたします。しかし、そんなことはかり言っておりましても問題の解決にはなりませんので、そこでアメリカに対しては、このドル高の背景になっておる幾つかの諸問題の解決を求めますと同時に、我が国におきましても国内の購買力の拡大を図っていかなければなりませんし、市場の開放も約束どおり進めていかなければならぬ。この三つを並行的に進めると、そういう意味から内需の拡大という問題が起こってきたわけでございます。諮問委員会からこういう方向でやりなさいという具体的な事項を挙げまして言われておりますので、その方向でこれから具体的に詰めていきたいと、こう考えております。項目は今お述べになりました四項目でございますが、これから詰めるわけでございまして、今具体的にこうするという、そういうことを申し上げるまだ段階ではございません。
○田渕哲也君 私は総理にお伺いしたいのでありますけれども、この税制改革について、総理はシャウプ以来のひずみの改革、そしてその理念は公平、公正、簡素、活力というようなことを挙げられております。確かに、税制改革をして日本の社会経済に活力をもたらせば、内需拡大につながることは事実であります。しかし、一般的なそういう観点からの税制改革というのは極めて重要ですけれども、特にこの内需拡大あるいは日本の経済構造というものが貯蓄過多で投資が少ない、あるいは内需が非常に弱い、こういう構造改善との関係もこの税制改革の一つの要素として考えられますかどうか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一般的に財政学的な観点からは考えられると思うんです。しかし、日本の現実的処方せんとして政治的にとるのが適当であるかどうかという問題は別であります。現在の国家の財政状況を見まして、赤字公債で税制改革の後を補充してやるということはちょっと難しいと、これはできません。じゃ何でやるかと、そういうような問題等との絡みもよく研究してみる必要はあると。しかし、一般的に見まして、先ほど申し上げたようにシャウプ以来の税のゆがみやそのほか不合理性というものを直すという必要から私はこれを課題として受け取ってやりたい、特に減税をやりたいと、そう申し上げておるのであります。
○田渕哲也君 減税につきましては、大蔵大臣もあるいは河本大臣もそれぞれ今までも何らかの形で触れた発言をされております。やはり内需拡大のために減税が重要だということは各党とも主張をしておるわけでありますけれども、この減税財源というものはどうして生み出すか。今までのいろいろな政府の発言を聞いておりますと、赤字国債を出して減税をすることは絶対にしない。ということになれば、減税財源は他の増税によって生み出すということにならざるを得ないのではないかと思います。この点についてどう考えておられるのか。 それから減税をやるとすれば、その実施崎期についてどう考えておられるのか。大蔵大臣並びに河本大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) いわば財源の問題でありますが、よく小さな政府という議論等がサミットの場においてなされます際には、これは租税負担率、国民負担率を見ますと、ヨーロッパの皆さんから見れば日本のこの低さはもう恐らく不思議だろうと思います。したがって自分たちも減税をしたいという発言が多いわけでありますが、その際聞いておりますと、やはり租税負担率の高いヨーロッパの諸国の人は、その減税財源は歳出カットで見出そうという意見の方へどうしても傾斜してまいります。それから比較的国民負担率の低いアメリカと日本は、そうなりますと、増減税ちゃらと申しますか、いわゆる中立性ということで物を考えがちでございます。そうすると、その財源をどうするかという問題が出てくるわけでありますが、これらの問題こそ、まさに総理の言葉をかりますならば公平、公正、簡素、選択、活力ということを基本として、国会の議論等を正確に報告し、税制調査会等で議論されていくその推移の中で煮詰まっていくものではないか。最終的には国民の選択でございますだけに、その財源の問題については慎重に対応せざるを得ない問題だと思います。 それから時期の問題ということになりますと、これは大蔵大臣として、今、いつをめどにというまだ煮詰めた議論を都内でもいたしていないということであります。ただ一方、与野党の幹事長、書記長さんの方での議論というものがあるということは十分承知しておりますが、いつをめどにというところまでの結論は部内で議論をまだいたしておりません。
○国務大臣(河本敏夫君) 一九八二年、マイナス二・七%という惨たんたる状態であったアメリカ経済が見違えるように活力を回復してまいりました一番大きな原動力は、私は税制改革、特に所得税の減税と投資減税にあったと思います。これは最大の私は原動力であったと思うんです。そういう意味で、我が国におきましても大幅な減税をするということは、経済に力を回復する一番大きな私は柱になるであろう、こういうことを痛感しておりますが、これまでの国会の議論では、税制の抜本改正をするということはある分野では増税が当然行われる。その増税によって得た財源を全部減税に遠方をする、そういう議論が行われたわけでございますが、さて、それじゃその内容をどうするかということは税制調査会でこれから議論をされる、こういうことになっております。私は、先ほど申し上げました税制改革、特にこの減税による効果が非常に大きいということを考えますと、これはやはり一刻も早くやった方がよろしい、このように考えております。
○田渕哲也君 ことしの予算委員会等で税制の論議がされた場合に、こういう考え方が割に新聞等で報道されておりました。例えば大型間接税で増税をする、それを所得減税に回すというようなこともあったわけです。ただ、これはじゃ内需に与える影響はどうかというと、やはり間接税増税はマイナスだろう、それから所得税減税はプラスである、プラスマイナスで余りこれ内需拡大につながるのかどうかやや疑問だという気がするわけであります。私は、貯蓄というものと消費あるいは国内投資というものとの関係を見ると、やはり大型間接税じゃなくて資産課税というものをもう少し考えるべきではないか。これは、日本のシャウプ以来の税制のひずみの中でも資産課税の面が比較的欠落してきた。これが所得税の累進度の非常に高くなった一つの要因でもあるし、そういうことも言えるわけでありますけれども、だから資産課税というものをもう少し見直すべきではないか。そしてそれを消費に向けるならやはり所得減税、それから国内投資に向けるなら住宅減税とか設備投資減税とかあるいは公共投資、そういう方向に向ける必要があるわけであります。こういう考え方について大蔵大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かにおっしゃいますように、最初のシャウプ勧告というものを見てみますと、いわゆる資産課税というのはそれなりに指摘を受けて、ところが、むしろそれが徐々にそういうことが軽減され、あるいはなくなり、そして所得の累進税率の方へ経過的にシフトしてきた、こんな感じが私もいたしております。したがって、これは税調等からも答申を受けておりますように、引き続き検討すべき課題だということが本筋でございますので、今のような意見というものは、正確に税調へお伝えすることによって議論が展開されていく一つのファクターではないかなというふうに私も考えております。 それで、おまえどう思うかとおっしゃいました場合に、それが問題一つことの私は御指摘は決して間違ってはいないと思いますけれども、それにはどういう組み合わせになるかという問題もあるでございましょうし、言ってみれば税調に対して一つの予見を与えるようなことにもなろうかという感じもないわけでもございませんので、税調の今日までの指摘等々を踏まえた一つの立論のあり方として、田渕さんがおっしゃったような問題は私自身も受けとめておりますというお答えに限らしていただきます。
○田渕哲也君 それから次に、社会資本投資の問題があるわけであります。六十年度予算においては、公共事業の量を確保するために国から地方への補助金、公共事業の補助金の率を引き下げた。そして引き下げたことによって浮いた分を予算に加えて、さらに地方の方では建設地方債の発行増額という苦肉の策をとられたわけであります。私は、国内投資の増大というのは、民間の住宅投資とか企業投資だけではやはりアンバランスであって、公共投資、社会資本投資というもののニーズはまだまだ我が国においてはあると思うんです。だから、これは兼ね合わせて考えなくてはならない問題ではないかと思います。ただ、一方におきまして、財政赤字の削減、公共支出の抑制、これはサミットにおいても合意がされたということを聞いております。もちろん、この場合は公共支出の抑制は公共投資のみに限ったことではないわけでありまして、私は内需の拡大のためには国内投資の増大、民間、公共両方ともやはりふやしていかなくてはならないだろう。それと財政赤字の削減ということとの兼ね合いをどのように考えていかれるのか、大蔵大臣にお伺いをします。
○国務大臣(竹下登君) これはなかなか難しい問題でございますが、私も過去を振り返ってみて、昭和三十九年までは、これは一銭もいわゆる公債発行によるところの財源は我が国の政府予算はこれを用いていないわけであります。オリンピックの翌年の昭和四十年の補正予算のときから、三千億でございましたか、初めていわゆる建設国債、四条公債を出しました。そうしてその後十年間、建設国債のみの累積が九兆七千億、それで五十年で第一次石油ショックの影響を受け、初めて赤字国債、特例債に踏み切って今日に至ったわけであります。 今、田渕さんの議論というのは、赤字国債は別として、建設国債というものが今日果たしてきた役割というものも念頭に置きながらの御発言であろうと思いますが、確かに一兆円、非常に大ざっぱな話で申しわけありませんが、いわゆる公共支出ではなくして一兆円公共投資をいたしますと三年間にわたって四千数百億円税収のはね返りがございます。がしかし、問題はその一兆円というものが六十年間にわたって三兆七千億の負担を後世代に回すという点についての問題が議論の焦点となるわけでありますが、今おっしゃった論理は私は間違っていないと思います、正しいと思いますので、いわゆる財政が公債の形において出動する分野をいかにして少なくして、しかも今おっしゃったような問題を政策選択の中に組み込めるような工夫というのがこれからしていかなきゃならぬ重要な課題ではなかろうかな、公共投資についてはそう思っております。 それから御指摘なさいましたとおり、サミットで公共支出の抑制というのは、大部分の国はいわば国民負担率が高くなり過ぎて困ったというところから、公共事業に対する問題ではなく、他のいわゆる安い政府という意味の公共支出の抑制が共通課題としていつも認識される問題でございますので、おっしゃるとおり公共投資そのものではありません。ただ、公共事業への投資そのものを比較してみますと、対GNP比でいくと五・数%で日本が他の先進国の倍以上になっているということは事実でありますので、この近似、いわば先後とでも申しますか、そういうところへ重点が傾斜した、おくれておったからといえばそれまででございますけれども、歳出がなされ続けて今日に至っだということも一同が一応は認識するところでございます。
○田渕哲也君 河本大臣は公共投資のあり方についてどうお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 六十年度予算では社会資本投資を拡大するためにどうすべきかという議論が随分熱心に行われました。その結果、地方債の増発ということになったんですが、もっとも地方債の増発にはいろいろな条件がついておりますけれども、私はやはり何らかの工夫によりまして我が国のおくれております社会資本投資を拡大するということは必要だと思います。六十年度のようなやり方を継続するということも一つの方法でなかろうか、このように考えます。
○田渕哲也君 私は、行政改革の推進と社会資本投資の合理的な継続というものとは矛盾しないと思うわけです。行政改革の推進によって一面では規制緩和を進める、これは当然経済の活力というものにつながるわけであります。それからもう一つの面では不要経費を節減する、できるだけむだを省いて経費を切り詰める、これは財政に寄与するわけであります。それと同時に、社会資本、公共投資というものを、行政改革だから公共投資を何でも切ればいいというものではないのではないか。一般には公共事業を余りふやすと行革の推進にブレーキがかかるからというような論議もされますけれども、私は公共投資というものはそんな時期時期によって、今は財政が厳しいからあるいは行革の推進中だから切り詰めるんだなんという考え方をすべきものではないのではないか。日本の場合はまだまだ社会資本投資が西欧諸国に比べたらおくれておるわけでありますから、やはり継続的に少なくともGNPの実質成長率ぐらいの事業量の伸びというものは確保すべきではなかろうか、継続的にこれは確保していくべきではなかろうかと思うわけであります。この二つを両立して進めることが内需型経済への転換にも資すると思うのであります。この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは一つの試算でございますけれども、仮に現在十五兆ぐらいの所得税があるとしまして、その三分の一の五兆円を減税したら輸入が何ぼふえるか、これはあくまでも試算でございますので、絶対的にこれ以上正しい統計数字はないという意味で申し上げるわけではございませんが、これは七億ドルふえるだろう、こう言われます。一方、今の公共事業を三兆円ふやした場合にどれぐらいになるかというと、今度は十三億ドルふえる、そういう意味において、いかなる議論をされる場合においても消費とそれからそういう公共投資の両面から内需問題が議論されていくというのが、これはお説のとおりであるというふうに我々もまたそんな議論をしておるわけであります。 したがって、今おっしゃいました実質GNPの伸び率程度は事業費が確保されるべきである、こういう議論でありますが、ただその中身を、今のような現実の手法で、いわば公共支出の中でそれを補うのか、あるいはデレギュレーション等によってそれを補い組み合わせしていくのかという問題は、財政状態等も見ながら議論を進めていかなければならぬところであると思っております。が、確かにほかの国よりも、いわば倍ぐらい対GNP比で見るとございますけれども、それだから高過ぎるなどという考えで申し上げたわけではございません。実質成長率程度というのも一つの、私どもいつでも議論するときの指標として使わしていただいておる数値であることも事実であります。
○田渕哲也君 大蔵大臣は来年度予算も厳しいマイナスシーリングを引くんだと、それが行政改革を進める上で私は効果はあることは否定いたしませんけれども、しかし現在日本の経済が置かれた環境からいうと、やはり内需の着実な増大というものがないと国際的にもひずみを生ずるし、それから日本の経済の持続的安定成長もできない、ひいてはこれはまた財政的に失速状態になりかねないということがあるわけでありまして、私はやはりこの内需拡大について、特に構造的なものを変えるというのはなかなか容易なことではない、これは総合的な政府の政策がその方向に向かわないとだめだと思うんです。 例えば、税制の改革も先ほど述べたとおりでありますし、それから財政面においてもこの公共投資の扱いというものをやはりそういった方向で考えていかなくてはならないだろうし、それから規制の緩和とか労働時間の短縮などについても、整合性のある一つの方向に向かってあらゆる政策が協力し合っていくという体制を組まないとなかなか構造的なものは変わらないんじゃないかという気がします。この点についてお伺いをすると同時に、来年度予算編成についてやはりそういう点を加味すべきではないかと思いますが、御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 確かに私は、先般通過さしていただきました予算の予算編成作業が昨年の暮れ終わりましたときに、これはもう絞ってもなかなか水の一滴も出ないじゃないかという印象すら受けたわけで、瞬間的にそんな感じがいたしましたが、待て待て、せっかくいわゆる六十五年赤字公債脱却という第一目標を明らかにしておる限りにおいて、一たびそういう気持ちになったときに歳出抑制の士気が落ちるとでも申しましょうか、そういう関係で反省をいたしまして、引き続き厳しい姿勢で臨まざるを分ないということを発表もいたしたわけでありますが、いわば財政状態自体から見ましたときに、今日よりも大変変化が生じてよくなるという環境には確かにございません。世界の先進国全体を見た場合は、それは物価も超安定でございますし国民負担率も少ないし、それはどこから見たって経済は優等生だと思われておりますものの、現実今度は財政の面で見ましたときにいい状態であるとは私も思っておりません。 したがって、やはり行財政改革を進めていく場合には、今も引例なさいましたように、いわば経費の節減ということを念頭に置く限りにおいては歳出削減の姿勢というものを持ち続けていかなければ、一つ一つ聖域なり例外ができた場合に、私は整合性のとれた国家予算も組め得なくなるんじゃないかという心配がございますので、これからもなお制度、施策の根源にさかのぼって議論をしていかなきゃならぬ、そしてまた、本日お願いしておりますような国と地方の費用負担のあり方ということにつきましてもなお議論を進めていかなきゃならぬ課題が多いという問題意識を持って対応しておるところであります。
○田渕哲也君 次に、今回のこの補助金引き下げ法案というものについて、これは国と地方あるいは大蔵省と自治省の間に折衝が行われ、いろいろのやりとりがあったと思うんです。これについての国と地方あるいは大蔵省と自治省との間の折衝の経過というものをかいつまんでお伺いしたいと思うのであります。これは大蔵大臣、自治大臣両方からお願いをしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私の方からまず申し上げますと、六十年度予算は極めて厳しい環境にありまして、臨調答申等の指摘を踏まえて補助金等の徹底した整理合理化が不可欠の状況というまず前提の上に立ったわけであります。そして、補助率につきましても、このような整理合理化の一環として、社会経済情勢の推移等を踏まえ、見直しを行う必要があって、特にとりわけ高率補助率につきましてそのあり方についての問題の指摘もありましたので、その引と下げを図る必要があるということを踏まえまして、そこでその意味において地方公共団体に対する高率補助率についてもその引き下げを行うということが適当であると考えて、これをまず案をお出ししたわけであります。 この問題につきましては、やはり私どもの立場は、各省庁より臨調答申、行革審意見等の趣旨に沿って非公共事業に係る二分の一超の補助率についておおむね一〇%程度の引き下げが行われました、概算要求時点におきまして。また、公共事業につきましても、概算要求の際に制度改正要求として引き下げを検討する旨の各省から意図表明という形で行われたわけであります。しかし一方、自治省そして地方制度調査会等からは、補助金等の整理合理化は事務事業の廃止、縮減を基本として行うべきものであって、補助率の見直しについては国と地方の役割分担及び費用負担のあり方とあわせて検討することが必要であるという主張がなされました。 そこで、各般の意見を踏まえましていろいろ議論をして、御審議いただいておりますように、今回の措置は当面は六十年度における暫定措置とする、そして六十一年度以降の補助率のあり方については国、地方の役割分担、費用負担の見直し等とともに十分検討を進めて結論を得るものとするという最終的には三大臣の申し合わせも行いまして、そして法律とし、それに基づいて予算を編成して国会に御提出を申し上げたというのが私側からの、サイドの経過でございます。
○国務大臣(古屋亨君) 自治省におきましては、六十年度の予算編成の概算要求におきまして国庫補助金の一〇%の引き下げに対しましては、自治省の考え方、一律カットは地方の意見としては承服しがたいという意見のメモを昨年九月大蔵省に出しました。そのメモの内容等につきましては、必要あれば後ほど審議官から御説明申し上げます。 地方の側といたしましては、国と地方との費用負担あるいは機能分担、そういうことを根本的に見直すことなくして補助割合を一律に引き下げることはただ国の財政負担を地方に転嫁するにすぎない、そういうことは国と地方の財政制度の基本的な枠組みを揺るかして信頼関係を損なうことになるので、ぜひこれは厳にこういうことは行うべきでないというのが地方側の意見であったわけでございます。 それから国の立場におきましては、今大蔵大臣がお話しになりました、暫定的に引き下げてしかる後引き続き検討を行うという考え方でありまして、自治省としては地方団体の意見を外しまして国と地方との機能分担を見直すべきであるという立場で折衝を続けてまいりました。先ほど申し上げましたように、その折衝過程におけるどういう面を出し……、もし必要がありましたら、これは審議官から御説明を申し上げます。 そういう意味で両者の立場は食い違いがありましたことから、予鈴編成のぎりぎりまで並行線をたどらざるを得なかったわけでございますが、最後に、極めて厳しい財政環境のもとで、一つは引き下げ措置に伴う地方負担の増加分に対しては万全の措置をとる、国庫補助負担の引き下げは六十年度限りの暫定措置とすると、六十一年度以降における社会保障等に関する補助負担のあり方につきましては一年以内に結論を得るということを前提といたしまして、これを受け入れだというのが自治省の考え方でございます。
○田渕哲也君 この折衝の経過というのは、昨年の七月の概算要求の時点から起こって年末まで続けられておるわけであります。約半年近い間延々と続いておるわけでありますけれども、この経過をずっと聞いておりますと、私はずっとこれは並行線をたどっておるような気がするわけです。自治省の方は一貫して国庫補助金の整理合理化は事務事業の廃止、一般財源化等によって行うべきだ、いわゆる行政改革によってそういうものをやるべきだという主張であります。そして単なる国から地方への負担の転嫁には反対だと。ところが国の側というか、大蔵省側はどうかというと、全くそういうものには耳をかさずにしまいまでいって、それでぎりぎりの段階になって六十年度予算はこれじゃ組めないじゃないかということで、財政上の理由から無理やり押し切った。無理やり押し切る場合に、この一年限りの措置とするという条件つきで押し切った。この経過をずっと見てみましても、どうしてもそれ以外の何物もないわけですね。もうちょっとこの中身についての詰っ込んだ協議とかあるいは妥協とか、そういうものがあるべきだと思うんですけれども、ほとんど何もない。 それどころか、途中から義務教育費国庫負担の問題、さらに公共事業に係る負担率の引き下げの問題が追加されております。この追加された経緯というのは、いわゆる人勧による公務員給与の引き上げを三・四%実施したと、ますます財政が苦しくなったから従来の社会保障を中心とする非公共事業の補助金の引き下げに加えて、義務教育費国庫負担制度の改革と公共事業の補助金の引き下げを出しておるわけです。だから、この経緯を見ると、あくまでこれは財政上の理由にすぎないということが明らかな気がするわけですけれども、大蔵大臣はこの点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) まず一つ御指摘の問題といたしましては、やはり財政事情の問題が大きな要因であるということを否定するものではございません。この今回の措置というのは、先ほど申しましたように、六十年度予算のいわば概算要求のときにさかのほってくるわけでありますが、その際までに出ました行革のサイドからの意見というのは、臨調答申あるいは行革審意見というもので、言ってみれば地方と国との費用負担のあり方についての議論の中で二分の一超の補助率について検討をすべきだ、こういう議論があったわけであります。したがって、概算要求時においておおむね一〇%程度の引き下げが組み込まれて出てきたわけでございますから、その際は、やはり背景にありましたのは行革審意見、臨調答申等が大きな背景であったと思うわけであります。 それから公共事業につきましては、概算要求の際には制度改正要求として引き下げを引き続き検討する旨の――金目の問題は昨年とほぼ同額にしておいて、あとは制度改正をデクレアすることによって概算要求がなされたわけであります。そのことはいわゆる補助率の引き下げに結果としてはつながっていったわけでありますが、そこで問題として感じましたことを率直に申し上げますと、公共事業というのは従来も補助率の変化があったことがございます、そのときどきの財政事情等によりまして。したがって、この問題については、事業費確保というある意味におけるメリットも一方にあるかもしらぬというところで、結果として哲学論争のちょっと外にあったような、そんな感じがしております。やはり哲学論争というのは社会保障関係であったと思います、憲法二十五条から来ますところの国の果たすべき役割。しかし、その役割とは金目だけで議論すべきものではないじゃないかとか、いろいろな議論をいたしました。昭和二十一年以来の、またGHQの間接統治下にありました当時からのいろいろな議論、時の厚生事務次官安井誠一郎さんの時代の論争とか、そういうものを随分読ませていただいたわけでございますが、やはり一番の問題点は、引き続き検討をする課題として残っております社会保障関係費という問題であったというふうに、私は振り返ってそのように自己評価をしております。
○田渕哲也君 この論議の経過を見ますと、やはり財政事情というのが非常に強いものだと。強い強いというのは、発言力も強いんで、力関係も強いのかもしれませんけれども、行革の立場から自治省がいろいろ言っておるけれども、全くこんなものには耳をかさずに財政の事情で大蔵側が押し切ったという印象をこの経過を見ると否めないんですね。 それから九月に自治省が、それならということで、補助金の整理合理化は国、地方を通ずる行政改革のために必要だという立場から、それならこういう案でしたらどうかという対案を出されております。これはいわゆる職員設置費に係る補助金とか、あるいは地方に定着しておる事業とか運営費あるいは会館など箱物公共施設の整備に係る補助金、こういうものについては一般財源化をしよう、補助金そのものを削ろう、こういう案を自治省が出されたわけです。 そこで自治省にお伺いしますけれども、この自治省対案における国費削減額はどれくらいと見積もられたわけですか。
○政府委員(土田栄作君) 細かい積算をいたしているわけではございませんけれども、このメモの趣旨に即しまして大蔵省及び関係省庁が国庫補助金等の整理合理化を行いますれば、大体二千億近い額というものが捻出できるであろうというふうに当時推算いたした次第でございます。
○田渕哲也君 大蔵省がこの自治省の対案を受け入れられなかった理由というのは何なんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) この五十九年九月の自治省の「国庫補助金等の整理合理化の方策について」という対案につきましては、大蔵省といたしましても真剣に検討をしたわけでございます。予算編成の段階で各省と折衝いたします場合に、やはりこの点につきましては各担当主査、主計官は念頭に置きながらいろいろ予算査定も行ってきたわけでございます。したがいまして、今回成立いたしました予算の中に、いろいろなところにこの考え方は生かされているのではないかというふうに考えております。
○田渕哲也君 地方公共団体はとにかく一律引き下げには反対だということを言っておるわけですね。これは国の負担を地方に押しつけるだけだから反対だと。そこで、この地方公共団体の意向を受けて今のような対案を出したわけです。これは一律カットではなくて、項目別に削れるものを削ろうと。それから地方公共団体の側からこういうものは削ってもいいという案を出しておるわけです。だから、なぜそれが、じゃそのようにしようということにならなかったのか。ちょっと今の説明ではもうひとつわかりにくいと思うんですがね。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほど申し上げましたように、予算編成の過程でいろいろ検討をいたしました。したがいまして、例えば現在御審議いただいております法律案の中にも補助金の廃止の規定もございますし、それからいわゆる人件費補助につきまして交付金化の規定も入っているわけでございます。その他、法令の改廃を必要としない部分におきまして、いわゆる予算補助の部分につきましても、この自治省の対案につきましてはいろいろ生かすべく努力をしたということでございます。しかし、それぞれ自治省から言ってこられました補助金の整理合理化の中でも、六十年度予算編成の際に、まだいろいろ検討する必要があるというようなことで六十年度予算ではその考え方が生かされなかった部分はこれまた残っていることも事実でございます。
○田渕哲也君 確かに、人件費その他の補助金のカットとかあるいはいろいろありますけれども、非常にその部分が今回の法律では少ないわけです。法律の中の金額にしてもほんのごく一部にすぎない。大部分はこの一律カットでやっておるわけですね。ということは、本来なら自治省の言うように項目別によく整理をして検討すべきであったけれども、とにかくそれは六十年度予算には間に合わなかった、だからとりあえず必要な額を絞り出すためには一律カットでやらざるを得なかった、こういうふうに理解していいわけですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほど大臣からもお話がございましたように、補助金の整理合理化につきましては、従来から臨調あるいは行革審でいろいろの答申等をいただいているわけでございます。したがいまして、その答申等を踏まえて六十年度予算編成も行ったわけでございますので、そういう観点から申しますと、高率補助率の引き下げもこれらの答申等に御指摘を受けておりますので、その一つとして行っているということでございます。
○田渕哲也君 それはちょっとおかしいと思うんです。確かに高率補助金は問題だから引き下げを考えるべきだ、これはもう答申の中のごく一部ですよ。大部分はやはり事務事業というものを見直せ、国、地方のあり方を見直せということが大部分であった、骨であった。その中の一部が法律案の中の一番これは大きな部分でしょう。これはちょっと、都合のいいところだけをとって財政上の理由からこういうことをやったとしか考えられないわけです。 大蔵大臣にお伺いしますけれども、自治省との折衝の過程で、とにかく六十年度には間に合わないから一律カットしたのか、あるいはもともと一律カットは臨調の答申にも書いてあるから、これは当然やるべきことであるからとりあえずそれをやったというのか、どちらなんですか。
○国務大臣(竹下登君) それは結果としては御審議いただいている法律案のようになるわけでありますが、まず自治省におかれて国庫補助金等の整理合理化の方策について基本的な考え方を示されたわけであります。したがって、その観点をも踏まえまして補助金等のすべてについて洗い直し、徹底した整理合理化を積極的に推進いたしまして、人件費補助等の見直し、それから補助率の引き下げ、その他廃止、一般財源化、統合メニュー化等の方策を幅広く行った結果が今御審議をいただいておるような法律になったわけであります。補助率につきましても、とりわけ二分の一超の高率補助につきましては、いろいろな指摘もありましたので念頭にあったことは事実でございます。それらの組み合わせが結果として御審議いただいておるようなものになったと。 確かにおっしゃいますとおり、予算は各省からの概算要求、そして大蔵大臣には調整権限とでも申しましょうか、そういうものがあるわけでございますが、ぎりぎりの調和点を模索して最終的には内閣一体の責任において編成するものでございますから、経過はいかにあれ、結果としては今お出ししておるものがそれらを総合したものとして答えとしてお出ししておるということになるわけでございます。確かに、あの中で御指摘のあっておりました交付金化及び一般財源化を行った人件費補助というようなものも、一般財源化が三十五億六百万円とかあるいは交付金化したもろもろのものが三百十四億四千三百万とかというようなものはそういう考え方に沿って行ったものだと、さらには整理合理化をしましたもの、これは金額で言いますと六十年で五十二億八千九百万円になるわけでございますが、それらは統合メニュー化したもの、終期設定したもの、それから定員の削減を行ったもの等々の組み合わせが、結論として今御審議いただいておる法律になっておるということでございます。
○田渕哲也君 この法律は一年限りの暫定措置でありますね。臨調の答申に従ってやったということなら、暫定措置じゃなくてこれからいろいろ進める行革の中の一部である、一環の中の一部である。暫定措置にしたというのはどういう理由ですか。
○国務大臣(竹下登君) 中には、例えばこの法律の中で恒久化されるものも確かにございますが、基本的に暫定措置にいたしました最終的な考え方というのは、やはり特に先ほど申し述べました社会保障等につきましていわば哲学論争をいたしまして、個々にわたってどのようにあるべきかという答えというのが哲学論争に終止符を打つことができなかった、こういうことであります。されば、きょうの時点の費用負担のあり方は、それではおおむね一割カットということにおいてお互いが妥当と認めようと、しかし恒久的な議論は今後一年かかって、去年の十二月からでございますが、議論をしようという申し合わせによってしたがって一年限りの暫定措置とした、こういうことになるわけであります。
○田渕哲也君 つまり、基本的なあり方の問題について地方と国あるいは大蔵省と自治省との間で完全な詰めができていないということですね、だから暫定措置にしたと。そうすると、来年の予算の編成までにもう一遍またそれをやり直すということですね。そのように理解していいですか。
○国務大臣(竹下登君) 当時の三大臣申し合わせにいたしましても、まさに来年度予算編成までにこのあるべき、私の方から言えば費用負担のあり方についての結論を得ようということになっておるわけであります。
○田渕哲也君 三大臣の申し合わせによって再検討するというのは、社会保障に関する国庫負担率のあり方についてということが書いてありますね。だから社会保障のあり方については、基本的な哲学論争も含めて、意見の一致を見ていないからもう一遍やり直すんだと、それ以外のものはどうなりますか。
○国務大臣(竹下登君) これ以外のものについても引き続き検討をすべき課題であるという問題意識は持っております。行革関連特例法の中に厚生年金等の問題がございますので、あれらは六十一年度からいずれにしてもこの法律の外に出てくる問題になりはしないかということになると、行革関連法案もそれならば一年にしておいた方がいいのかなと、こういう形で一年ということにしたわけであります。 それから他の公共事業につきましてもそれぞれ問題点、あるべき姿がございますが、今の六十年度予算については公共事業の問題はこれで決着をつけておりますものの、将来の問題はやはりこれは議論をすべき課題だという問題意識は持っております。ただ、厚生大臣と自治大臣と私との間で申し合わせになったのはぎりぎりもめました社会保障であって、申し合わせの文書にサインしたものが残っておるということであります。
○田渕哲也君 これは自治省側の資料でありますけれども、ぎりぎりの段階まで調整がつかずにやむを得ず次の三点を条件としてこれを受け入れることにした。一つは地方財政措置を講ずること。それから第二が国庫補助負担率の引き下げは昭和六十年度限りの暫定措置として行うものであること。ただし社会保障に関しては三大臣覚書の線で一年以内に見直し結論を出す。だから、この文章を素直に読みますと、社会保障についてはもう一遍論議をやり直す、ところがそれ以外のものについてはこれは一年限りであとはやめるんだ、このようにこの文章からは理解されますし、また先日、地方公共団体の代表の方に参考人として出席いただいて御意見を聞いた場合も、これは一年限りのものであとはなくなるという理解のもとに我々は渋々受け入れだということを言っておりました。この点はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) 特に公共事業のあり方の問題でございますと、先ほど申しましたいわゆる特例のかさ上げ問題を含んでおりますところの行革特例法案等もございますので、それらともあわして議論をしていかなきゃならぬ課題だというふうに思っております。単純に現時点におきまして、これは一年限りで補助率は全部来年になったら、この法律の期限が過ぎればそうなるわけでございますけれども、新たにどういう措置を行うかということについて全部もとに返すべき性格のものでありますというふうには私どもは考えておりません。
○田渕哲也君 時間がなくなりましたので、最後に確認だけしておきたいと思うんです。 もとに返すべきものでもないというのは今大蔵大臣が思っておられる見解でありまして、とにかくこれは一年限りのものでありますから、来年度からどうするかということについては、社会保障についてはこの三大臣の申し合わせがあるからもう一遍哲学論争から見直す、それからあとのものについては一年でこれは白紙に戻る、したがって来年度からどうするかというのは新たな論議として始まるというふうに理解していいわけですね。
○国務大臣(竹下登君) 社会保障に関するものはおっしゃるとおりでございます。その他のものについては、今の場合やはりおっしゃるとおりになろうかと思います。六十一年度以降のあり方については新たな論議になる、方針が今決まっておるわけではないということであります。
○田渕哲也君 終わります。
○委員長(桧垣徳太郎君) 午後零時五十分に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ―――――・――――― 午後零時五十五分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○上野雄文君 最初に、私、国家公安委員長にお尋ねをしたいなと思うんですが、ここのところ新聞、それから週刊誌、田中元総理大臣の入院先の問題をめぐりまして大変な数の報道がなされております。実は補助金等の特別委員会であり、さらに地方自治体の問題に絡むことでありますから、考えてみると、田中元総理についているSPの方々は警視庁の職員ですね。そうしますと、人件費は自治体が払っているわけです。 そこで、そんなことからお尋ねをしてみたいなと思うのでありますけれども、おいでにならないところにSPが警護の任に当たるというのは、だれがどう考えてみても正常な状態ではないだろうと思うんです。そういうこと。さらに突っ込んでみますと、ここにけさの日経があるわけですが、「政界の実力者の場合は、カムフラージュ役をもつとめるというのでは、民主主義国家の警察としてこれほど国民を馬鹿にした話はない」ではないかと、こう書いております。私もそういう感じを持つわけであります。一体どういうことをおやりになっていらっしゃるのか、その辺のことについてお聞かせをいただきたいなと、こう思うんです。
○国務大臣(古屋亨君) 私から一般的に申し上げますと、警察はその判断に基づきまして厳正公平な所要の警備警護措置を講ずるということは当然警察の職務であると考えております。したがいまして、警護上どういう措置をとっておるかということはひとつ警備局長から答弁をいたさせます。
○政府委員(柴田善憲君) 今お尋ねの点でございますが、お話にSPというのが出てまいりましたけれども、通常、身辺警議員というふうに理解されておりますために警護対象の方のそばにいつもいる者と、こういう御理解があるわけでございますが、実はSPと申しますのはそういう狭い意味ではございませんで、警護対象者の警護全般にいろいろな角度で従事する者と、こういう総称として使っておるものでございます。 そこで、具体的な警護のやり方につきましてはいろいろな方法でやっておりまして、そのときどきの増勢あるいは警護対象になられております方の御意向等も考慮して最も妥当と判断されるやり方をやっておるわけでございます。そこで一番大切なのは、何と申しましても安全の確保ということになるわけでございますが、まず一般論的に警護対象者が仮に一時的にその居場所を離れられるというようなことがございます場合ですが、その一時的なものでありまして、間もなくもとへ戻ってこられるというような状況にあります場合には、不在中にその場所に不審者が接近して潜むというようなことがあってもいけません。あるいは何か危険なものをそこへ設置されるといったようなことがあってもいけませんので、必要な警護警備等の措置を続けるのが通常でございます。したがいまして、今回の場合におきましても同様の情勢であると判断されましたものですから、今回のような所要の警護警備を続けておると、こういう状況でございます。
○上野雄文君 私は、このことでそんなにしつこく話を聞くつもりではなかったんですけれども、今の話を聞いていますと、何かこうやっぱりこじつけの答弁というふうにしか聞こえないんですね。これは私だけではないだろうと思うんですよ。今になって、あそこにずっといない、それからさらに、何かこれも新聞報道だけで私もその真偽のほどはわかりませんけれども、再び病院にはお戻りにならないのではないかというようなことも言われているわけですね。結果的にどう言ってみても、どの人と、どういうグループとどう御相談をされたのか知りませんけれども、あの病院にいない事実をひた隠しに隠す片棒を担いだそういうやり方を警察がやったんだというふうに受けとめられても仕方がないんじゃないですか。こういう一時的に離れて間もなくお戻りになるでしょうとか、あるいはいない間に何か変なものをやられては困るとかというお話は、話としてはそれなりに聞けることかもしれませんが、しかしまた戻るときにはまた徹底的にお調べになればいいはずなんですし、どうももう一つ説得力に欠けるのではないんだろうかと思うんですけれども、じゃこういうことを今後もこういう大義名分が立てはまた同じようなこともやるんだということなんですか。
○政府委員(柴田善憲君) 私どもが判断します場合に一番大切なことは、やはりお守りする方の安全であろうと思うわけでございます。御承知のように、元総理の場合にはこれまでも身辺にいろいろ不法事犯等が発生いたしておりまして検挙もいたしております。またあの病院でも不法事犯が発生いたしまして検挙もいたしておるわけでございます。 そこで、今回の場合はきょうにもお戻りになる、あるいは今にもお戻りになるという状況が続いておったわけでございまして、したがいましてやはりお戻りになる場所の安全はずっと確保する必要がある、こういうように判断をいたしたわけでございます。なお、十一日の夕刻以降につきましては、逓信病院には当分お帰りにならないということが明らかになりましたので、その時点で病院におきます警護警備態勢は解除をいたしておる、こういう状況でございます。
○上野雄文君 これは冒頭申し上げたように、民主主義国家の警察としてそんなことはまさかやるまいと思っておったことをやられたという感じはだれしもが持つと思うんです。しかも、元総理でありながらも、しかし有罪判決を受けた人でもあるわけです。目白の田中邸についてあんなに警備をしなくてもという声もたくさん出ていることは御存じだと思うのでありまして、これがまた政治全般について国民の間に政治不信につながるようなことがあってはならないことだろうと私は思うんです。公安委員長、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(古屋亨君) 一般的には、先ほど申し上げましたように、警察は中立の立場において厳正に警備をするということでございますが、今回の場合におきましては、私の報告を受けたところでは、右翼の連中が大分病院に参っておりまして、いろいろの事態が起こっておるということから考えまして、いつお帰りになるかわからぬということで警備態勢だけは残しておいたのでありますが、十一日にそういうことがはっきりしたということを聞きまして警備態勢は解除したものと考えておりまして、先生のお話のように、警察がそういうことに、警備警護という点に重点を置いておるのでございまして、そういうような考えは持っておりませんのでひとつ御了承をお願いしたいと思います。
○上野雄文君 ひとつ政治不信を起こさないように気をつけてやっていただきたいというふうに私は思います。 さて、そこで本論に入りたいと思うんでありますが、今回の補助金等の一括整理の問題を考えてみる場合にどうしても基本のところをお尋ねしてみなくてはなるまい、こういうふうに思うんです。 ひとつ総理、戦後の地方自治というものについて、戦前、戦中との比較の中でこれが日本の戦後の政治で一番大きく変えたものの一つだと思うのでありますけれども、自治体を、都道府県や市町村というものについて新しい憲法のもとであの規定のとおりきちっとお考えになっていらっしゃるのかどうか、そこのところをどうしても聞いてみたくなってしまうんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 旧憲法と現憲法の差の一つの大きな点は地方自治の本旨に基づいて地方自治行政が行われているという点であると思い、これは非常に貴重な成果であると考えて尊重してまいりたいと思います。
○上野雄文君 ところで、今総理から、そういう地方自治の本旨に従って地方自治体が日本の制度として認められているわけでありますが、都道府県や市町村というものについて仕事の面で国の仕事と地方の仕事がふくそうしておりますから、ちょっと国の出先機関みたいに見えるような面もないではありません、実態の面から言って。しかし、私は地方自治体を国の出先機関と見るような、まさかそんな考えはないんだろうなということを念を押して聞きたいなと、こう思うんですが、大蔵大臣、さらに自治大臣、両大臣の立場からこの点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) これは行政上の中においては委任事務とかそんな問題がございますけれども、それは行政上の措置であって、私は出先機関のような考え方を持つのは最も戒めるべきだと。私も大分前になりますけれども、建設大臣に就任しましたときでございました。もう十年も前の話でございますけれども、国家公務員たる者、都道府県職員に対していささかも優越感を持ってはならぬ、また、都道府県職員、また市町村職員に対してそのような考え方を持ってはならぬということを戒めとして申し上げた一つの私の経験もございます。
○国務大臣(古屋亨君) おっしゃるとおり、私は地方自治というものは地方住民の意思を中心にして自律的に行うべきものと考えておりまして、国の出先機関は国の機関でございまして、これは全然関係ないものと思いまして、私は国の機関がどういうものでありましても地方としては地方自治の根本方針は変わっていないという考え方でございます。
○上野雄文君 それで安心をして改めてお尋ねをしたいと思うんです。 地方自治体はもう御存じのように自分で議会まで持って自分の仕事をこうやっていこうではないかというようなことからいろんな事業計画や何かも立てているわけです。ただ残念ながら、戦後、三割自治という言葉がまだまだ消え去りません。おとついでしたかの総括質問の中で、穐山委員があるいは高桑委員の質問だったと思いますが、大蔵大臣は何かの質問に対して、幼少のころからこの問題についてはというような御答弁がありました。私も実は昭和二十二年に地方自治法ができて以来この問題に取り組んでいるわけですが、私も言うならば幼少のころからこの地方自治にずっと関係をしてきた一人として、どうもさっぱり地方自治の機能が強化をされてきたという方向が見られない、そういう感じを持っているんです。ただ、今度の一括削減の問題を見ますと、どうも国が余りにも一方的におやりになり過ぎていはせぬか。 先ほどの午前の質疑のやりとりを聞いておりましても、国の財政最優先というのが御答弁としてもあったように私も聞いておったわけでありますが、地方自治体を一個の人格あるものとして、そういうふうに憲法の規定に従って地方自治体を見ておられるならば、今回の場合の補助金一括削減について、その集団というか、都道府県や市町村というものに対してどういうような接触を持ちながらこの人たちの理解を求めるようなことをされたのか。その点をこれまた大蔵大臣と自治大臣にお尋ねしたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) これは御指摘の点でございますが、私どもといたしましては高率補助率引き下げということがやっぱり一番念頭にあったというふうに思うわけであります。したがって、初めに国費の負担を減じて地方にその負担分を持ってもらおうという考え方よりも、臨調、行革審等で指摘されております高率補助のあり方についてというところからの議論を展開してきたと、こういうことになろうかと思うわけであります。 確かに上野さんおっしゃいますように、昭和二十年、二十一年、これは地方財政まだあってなきがという感じでございました。しかし、昔の話になりますが、平衡交付金制度というのができて私はいいことだなあと思っておりました。それがなかんずく今の地方交付税制度になったということは、地方自治の本旨に沿ってそれなりに国会等で工夫された結果がそういうふうに進展してきたんだなあというふうに思います。そしてそれができたからといって地方と国とのいわば税源あるいは財源の力関係はまだかなり国の方にあったと私は思います。しかし昨今、私の立場からいえば、マクロの立場だけから見がちでございますけれども、マクロな立場で見ますときに、いわば地方がそれなりに自主財源を持ち、力がついてきたということも一方に認識いたしつつも、行革審、臨調等の指摘によるところの高率補助というもののあり方についてという角度から検討をして、結果を今御審議いただいておる、私の立場からすればそのようなお答えになろうかと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 御承知のように、地方の立場といたしましては、補助金の整理、見直しということは極めて重要であります。やらなければならないと思っておりますが、私どもは今度の一律カットということは、国の負担を地方に回すだけで効果のないものであるという考えをずっと抱いたのでございまして、これは昨年の秋の地方制度調査会の答申にもあるいは地方財政審議会の答申にもそういうことをいただいておりました。 ただ、私どもが地方の立場を貫けなかったということは、極めて厳しい財政事情のもとにおいて不足分は国で補てんをする。それから地方のこういう問題は一年限りで検討するということでありましたので、私どもは国全体の立場からこれを了承せざるを得なかったというような経緯でございますが、なお、先生のお話のように、これからの地方自治の問題については、やはり今までの事務分担の見直し、費用負担のあり方等を基調といたしまして、これは整理合理化につきましては臨調の答申も出ておりますので、そういうことを私どもは主張してきたので、そういう点は今後も一層強く主張いたしますと同時に、この一年間の検討期間におきましてもやはりそういう問題については地方の立場を十分考え、また御意見を聞きながら適正に対処してまいりたいと思っております。
○上野雄文君 国と地方との関係について、この前の総括質問のときには車の両輪論が展開されましたし、土曜日の質問の際には総理からも、お互いに相助け合うという関係にありたいものだと、こういう御答弁もありました。 私も、国全体の仕事を進めていく上にやっぱり国と地方とが協力し合うということは当然のことだと思っている一人です。そしてまた、協力し合うということはお互いにやっぱり信頼関係というものが生まれてこなければこれはどうにもならないことなんだろうと思うんですね。この信頼関係という立場からいたしますと、今の両大臣からの御答弁では、何か国の財政再建が最優先で、そこからスタートしたのが今度の問題なんだという大蔵大臣のお話であり、そうされては地方自治体の方がもたないから、自治省の方としてはそれなりに抵抗をして、一年限りだからという話がついたのでということなんでありますけれども、まあしかし自治省はどう言ってみてもやっぱり国の機関ですね。肝心かなめの都道府県や、まあ一口に地方六団体とこう言っておりますけれども、こういう人たちとの接触といいますか、それをどこまで了解してもらえるような、その面での取り組みというものはどんなふうにされたのかというのを実は聞きたかったわけです。 それはそれとして、じゃ今の日本の制度の中で地方自治体が今回のような措置を国からの一方的な措置によって、簡単にいえば負担の転嫁をされるようなそういうやり方をされても、ただやられっ放しというんでは少しびと過ぎやしませんか。我々の意見もそれなりに聞いてもらわなきゃいかぬし、また法律制度的にも国が勝手に、同化定着したというのは仕事だけではなくて補助制度だって、補助制度そのものも同化定着しているはずだと思うんですけれども、そういうものを簡単にさっと国の財政事情からばさっと切り捨てられる。これを法律制度の面から担保しようとしたのが自治法にある国と地方との関係の条項であり、さらに地方財政法ではないかなというふうに私は思っているんですけれども、この点について自治大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(古屋亨君) 私は、先ほど申し上げましたように、地方の立場は地方制度調査会あるいは知事会、町村会、六団体と密接に連絡をしまして仕事をさしていただいて、そういうような状況はしはっちゅう頭に置いておるのでございます。 ただ、今回の昨年末の予算編成までの時期におきましては、申し上げましたように、自治省の考え方は、補助金の整理合理化は必要なことである、しかし一律カットは費用の転嫁にすぎないから私どもはのめないということでございましたが、国の非常に厳しい財政環境下におきまして、一年限り、しかもこれを補てんをするということでございますので、私どもはこれを引き受けざるを得なかったというのが率直な私どもの見解でございますが、なお今後におきましても地方六団体あるいは地方制度調査会あるいは財政審議会とも十分連絡をとり、御意見を承りながら、また国会におきましては委員会等におきまして、実は昨年も、私、十一月一日に自治大臣を拝命いたしまして、十二月の二十日まではそういう考えを私の信念として申し上げてきたわけでございます。国の予算編成という大きな立場で私が国の方針に従わざるを得なかったというのが率直な私の立場でございます。なお、地方団体に対しましては、そういうような意味におきまして、今後の負担、影響等の問題につきましては、財政的な面におきましては地方財政計画、交付税を通じまして十分措置をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○上野雄文君 それから審議官から、今私がお尋ねしたようなことについてお答えを願いたいと思うんです。
○政府委員(土田栄作君) まず、今回の補助率の一律カットに伴います対応の問題につきましては、これはこの問題が提起されました当初から地方六団体と密接な連絡をとりまして、意見交換をしながら対処いたしたところでございます。そういうことで、本来的に私どもの考え方は、補助金の整理は縦割りと申しますか、補助金の中で要らないものから切っていく。それで、横割りということで補助率を切るというやり方では公的支出総量が減るということにはなりませんので、公的支出総量というものを規制するためにはやはり要らない補助金から切る必要があるというのが私どもの基本的な考え方でございますし、それから地方団体もそういう考え方でございますので、そういうことに基づきまして私どもがそのメモを提出し、財政当局を通じまして各省との調整をお願いしたところでございます。 ただ、補助金の整理は総論的に言うことは非常に易しいわけでございますけれども、現実の問題としては一つ一つの補助金につきましてそれぞれ沿革があり、あるいはプレッシャーグループスがあるわけでございまして、なかなか簡単にできないということで、十二月の時点まで至ったわけでございますけれども、そういうことでございまして、どうしても時間切れになりまして決着がつきませんために一年限りの暫定措置ということでお願いをするということにしたわけでございます。もちろんこの問題を許容いたします際には六団体側とも十分相談をいたしました。六団体側といたしましても、それは基本的には賛成はできないけれども、一年限りということと、それからもう一つは、それに伴います地方負担の増というものについては国において万全の財政措置をしてくれるということであればやむなしということで六団体も了承したということで、今回の措置を受け入れるということに至った経緯でございます。 それからもう一つ、国の補助金、負担金、その中で特に負担金というのは、ある意味では国と地方とのコストアロケーションということでございますので、これは国の財政事情ということだけで一方的に変えれる性格のものではないというふうに考えております。ただ、そういうことでございまして、こういうものを簡単に変えられないということから地方財政法の十一条に規定がございまして、「第十条から第十条の三までに規定する経費の種目、」、この経費というのは国の負担金でございますが、国の負担金の種目、「算定基準及び国と地方公共団体とが負担すべき割合は、法律又は政令で定めなければならない。」ということになっております。国の都合だけで、予算だけで決められない、変えられないということになっておりまして、法律あるいは政令改正というものを通じまして国会の御審議をお願いし、あるいは閣議決定をするという手順を経ているものでございまして、私どもといたしましては、この問題につきましては法律案の閣議決定に際しいろいろ意見を申し述べ、法律で決めますものについては国会の御審議をいただく、政令案につきましては閣議決定に際しまして自治省としての意見を申し上げ、適正な対処をするということでこれまで対処をしてまいっているところでございます。あくまで地方自治を守るという立場から、この立場というのは今後も堅持してまいりたいということでございます。
○上野雄文君 地方自治法の二百六十三条の三というのがありますね。これは長と議会議長の連合組織の設置をした場合は代表者の名前を届け出ろというふうに書いてありますね。こういう規定があるというのは、ただ単にその団体が存在すればいいんだというのではないのだろうと思うんですね。やはりこの規定は、後からだと思うんですね、これが入ってきたのは。国と地方との信頼関係をいろんな面で担保をしていこうという配慮もあったんだろうと思うんです。地方六団体と十分な話をしたというお話でありますから、そしてまた、そこで完全に穴埋めをしてくれるならば我慢しましょう、こういうことなんですが、それにしても私は一つ疑問に思うのは補助金のカットによって穴があいた、穴があいたところの埋め方の問題について建設地方債で埋めるというやり方で、それも穴埋めの仕方かもしれませんけれども、恒常的な制度になっていかないではないか。言い方を変えれば、また文言は同じなんですけれども、六十年度限りの措置ではないか。そういうことであれば、これはどう言ってみても地財法の二条の二項に言う負担の転嫁のしっ放しであって、それは本来の意味での財政措置ということにはならないのではないか。短期で物事を見るのではなくて、やはり長い目で地方自治体と国との関係というものをきちっと位置づけていくべきではないかというふうに私は思うんですけれども、この点はどうですか。
○政府委員(土田栄作君) 地方自治法の二百六十三条の三がございまして、これで全国知事会でございますとか、それから全国議長会とかいろいろな組織がございまして、そういうグループとしていろんな議決をしいろんな御意見の開陳も申し上げる、あるいは当委員会におきましてもその代表を参考人ということでお招きいただきまして意見を申し述べる機会をつくっていただくというようなことで、それだけではありませんで、いろいろな形でこれらの団体の発言力というのはかなりあり、それからそれらの御意見というのはかなり国政面に反映させていただいているというふうに考えているわけでございます。 それから第二点の、委員おっしゃられますように、補助金の問題というのはやはり抜本的に考えるべきであると思いますけれども、これにつきましては、一つ一つの補助金をとってみますとやはり非常に長い歴史もありまして、そう短時日の間にできないというのも私どもの実感でございます。昨年の八月から十二月まで三カ月ほどやったわけでございますけれども、その結果というのは、補助金の整理というのはいわば端緒についたという程度のことでございまして、なかなかこれを抜本的にやりますためには時間がかかるということから三大臣覚書を設けまして、三大臣覚書によりまして自治、厚生、大蔵三省間で社会保障関係の問題について検討するということにしたわけでございますけれども、ある意味で考えますと、それ以前におきましてはそういうふうな場もなかったということでございまして、そういう場をつくったということは一歩前進であると思います。それからもちろんこういうふうな閣僚会議を設けますと、その下部機関として恐らく有識者の意見を聞くというような場が出てくると思いますけれども、そういうふうな場につきましては、これらの代表の方の意見というものも十分反映できるような組織にするということで私どももいろいろ工夫してまいりたいということでございます。 そういうことでございまして、六十年度はまさに暫定的な措置ということで時間切れのためにそういうことになったわけでございますけれども、六十一年度以降におきましては、あるべき地方に対します補助負担金制度のあり方というものを具体的に真剣に検討してまいる。そのためには六団体というものの意見も十分反映できるような仕組みというものも考えてまいりたいと存じている次第でございます。
○上野雄文君 今、三大臣の覚書の話が出ましたけれども、これはどうも今までのやりとりを聞いておりまして、前段に一年限りと書いてあって、これから一年間、福祉、社会保障関係は一年間研究します、こういうことで、どっちが後先というよりも、まさに一年限りの措置をしましたという、そういうような答弁ばっかりで、普通素直に考えるというのは、特例措置といえば、一年限りだということになれば、来年はもとに戻りますよというふうに考えるのが普通の考え方なんだろうと思うんですね。ところが、どうもそうでないような答弁ぱっかりがあるような気がいたしますので、ここのところをもう少しはっきりさせてもらいたいなと思うんです。社会保障関係は一年間研究しますということですが、その他のやつはもとに戻しますということでよろしいんですか。これは大蔵大臣と……。
○国務大臣(竹下登君) 法律が一年間の暫定措置である限りにおいては、この法律の適用期間が過ぎました場合にはこれは現行法に返ると、こういうことになるわけであります。申しておりますのは、社会保障は引き続いて一年勉強します、だから公共事業等々につきましては六十一年度予算編成の際にまたあるべき姿としての問題意識だけは持っておるということを申し上げておるわけであります。
○上野雄文君 そこで自治大臣、角度を変えてお尋ねをしてみたいと思うんですけれども、ことしの地方財政計画を見てみますと、あるいはまたそれに対する解説、あるいはまた今度の地財計画をつくり、一連の地方の問題について自治省が出された内節なんかを見てみますと、ようやく昭和六十年度で地方財政は収支バランスのところまでいったと。ところが、今度この五千八百億しょわせられることになったがためにいろんな操作が必要になってしまったんだと、こう述べているわけです。国は百三十三兆円もの借金をしょっているものですから、財政再建、財政再建でやいやい、やいやい大変な状態であるだけに、収支均衡した地方財政というものは何かどうも非常にうらやましく見えるということなのかどうか私にはわかりませんが、どうもそういう立場からだろうと私は思っていますが、相次いで新聞で地財計画が発表されるころからどんどん、どんどん来年は交付税率そのものに手をつけますよとか、引き続き地方自治体に対するいろんな補助の問題やなんかについても、本来国の負担すべきものなんかについてもまた、ことしより以上の負担を地方に背負わせるというような話が出続けているわけですね。ある新聞によりますと、大蔵の地方財政富裕論、自治省論外と反発というような記事もありますけれども。 そこで、現状、地方財政の実態、どういうふうにとらえておられるのか、ここでひとつ明らかにしてもらいたいと思うんです。
○国務大臣(古屋亨君) 先生御承知のように、今度の地財計画では大体五十二兆という歳出関係の地方の計画になっておりますが、実際地方団体の借金といいますか、起債その他の借金というのは大体五十七兆に及んでおるわけでございまして、そういう意味で、よく私も言われるのでありますが、国は百三十三兆、地方は五十七兆だから地方の方が楽じゃないかと、こうおっしゃいますけれども、そういう議論がありますが、私どもは地方にとって五十七兆という借金はこれはもう大変なものでございまして、といいますのは、三千三百の地方団体の総合でございます、その計画というのは。その中にはある程度富裕なものもあるでしょうし、それから大変困っているような町村もあるわけでございまして、現在、危険信号と言われます、地方債のどのぐらい、その町村自体において赤字信号と言われる二〇%以上の危険信号というのは大体四分の一、八百二十団体あるという状況でございまして、これは数字の上でございます。それから地方財源の上にいたしましても、大体地方の財源というのは義務的経費というものが相当国と比べまして多いわけでございまして、地方団体というのは義務的経費というものにある程度縛られておるというような実情でございます。 それから今先生が交付税のことをおっしゃいました。そういうことは新聞でも私見ましたが、これは地方財政を知らないと申しますか、私どもPR足りませんと申しますか、とにかく交付税のうちでもまだ借りて返さなければならぬものが六十六年までに五、六兆の金があるわけでございまして、それで今この補助率をどうかということは、私はとてもそんなことは言えるところではないという認識でございますし、今後もそういう議論に対しましては今申し上げた点を十分整理いたしまして、私どもとしましては、地方は国と同じように厳しいものであるということを前提にして今後施策を推進してまいりたいと思っております。
○上野雄文君 大蔵大臣は地方財政についてどう受けとめておられますか、現状。
○国務大臣(竹下登君) 私も地方財政富裕論というものにくみする考え方はございません。確かに人件費の問題でございますとか退職金の問題でございますとか、私より以上にマスコミの世界で取り上げられて、ところによってはあるいはあるかとも思います。がしかし、基本的にはこの車の両輪たる両者がともどもに財政改革をしなければならない環境にあるという事実認識の上に立っております。 よく富裕論が出てまいりますのは、やっぱり一つ一つの問題につきましてのいわゆる公債依存度がこれだけ違うとか、あるいは公債費比率がこれだけ違うとか、残高がどれだけ違うとかということであって、両方が苦しいがおまえの方が少し苦しさが数字の上で少ない、だから富裕だという考え方の基本には立つべきものではないというふうに私も考えております。
○上野雄文君 そこでまた、一年限りの措置、今後の検討という問題に関連してですが、冒頭、地方自治体が戦後の制度の最大の変わり目の一番大きな問題なんだという話をされたわけでありますが、地方自治体が国と同じように予算を組んでそれを執行してという国と地方との予算の面でのつながり、それから考えてみますと、今までのこの場でのやりとうをいろいろ聞いておりますと、まさに一年限りでありますから十二月末までに三省の間で相談をして結論を出しますという御答弁がありましたですね。十二月まで、自治体がみずからの予算を組むのに、ことしはまさに異例中の異例のことでありますから、それは初めてのことだっただけに成り行きを見守っていてじっと辛抱しておったでしょうけれども、六十一年度の予算編成に向けて各自治体が自前の振興計画やらいろんな計画を立てるわけですが、しかも、それも自分のところの議会の議決をもらうという手続まで経てやるわけですね。 少し十二月末までに結論を出すというのでは遅過ぎやしませんかと私は思うのですけれども、自治大臣はさっき、十二月の二十日までは自治体の側に立った立場で頑張ってきました、それ以降は内閣で決められましたから、一体のものでありますからということで方針を変えたというのです。自治大臣はくるっと変えられるかもしれませんけれども、地方自治体側にとっては大変なことだと思うんです。大体私の県会議員をやったいろんな経験から言ったって、国の予算編成の方針が決まってくれば、その段階からいろいろの動きを起こしてきているわけですね。情報もたくさん集めます。そういう段階でこれから自分たちの県や町や村や市で自前でやれる仕事の金、一体どれだけ残すことができるかというところに、そこに焦点が合ってくるわけです。ことしのようにばさっと暮れが押し詰まってから決められたのでは、自治体の側にとってはたまったものではないと思うのです。こういうことについて、一体所管の大臣として、また同じことをやってそれでいいというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(古屋亨君) 本年の六十年度、先ほど申し上げましたが、五十九年の暮れの予算編成に当たりましては、国の財政環境ということからの厳しさからいたしまして私どもは内閣の方針に従ったということでございますが、これはあくまでも一年限り、それを国で補てんするということでございます。だから、私どもはこの一年間におきまして十分地方団体の意見、こういう場合、今度はまだ数カ月ありますので十分意見を聞き、それを頭に置きながらやはり地方の自律性あるいは費用分担、あるいはまた事務分担の見直しとかそういうことを頭に置きまして、また地方制度調査会等の御意見も聞きながら今後の問題に対処してまいりたいと思っております。
○上野雄文君 自治大臣、ことしの一月の二十二日に財政局財政課長小林実の名前で内節を出していますね。この内節というのは、地方財政計画ができて、地方自治体がこういうことで来年度の予算編成上御注意くださいよという意味で毎年、ことしはどういうものが出てくるだろうか、攻める我々野党側にしてもどんなことを言ってくるのかという非常に関心を持つ内節なのであります。 この内節でずっと国の予算の編成過程やあるいはまた経済分析やらいろんなことも書いてありますが、「地方財政対策」の中で、「国の一般会計予算における一般歳出の前年度同額以下への圧縮、公債発行額の一兆円減額など国の財政規模の抑制のため、異例の措置として行われた」のが「国庫補助負担率の引下げと地方財政」、こう書いてありまして、「今回の国庫補助負担率の引下げは、経常経費、投資的経費を通じて、昭和六十年度限りの暫定措置として行われ」るということも、それから「地方財政対策」の中では、地方交付税の一千億の上積みと建設地方債の四千八百億の増発で完全に補てんをし、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう措置したというようなことや、それから私がさっと見たところで、国庫補助負担率の引き下げについては昭和六十年度限りの措置とされていることというようなことで、六十年度限りということがこの内節を通じて強調されているわけですね。これを、やはり課長名の内節ではありますけれども、自治省がずっと一貫して行ってきているものであるだけに、課長の名前ではあるけれども、自治省全体としてこれを担保してやるというそういう責任があるのじゃないかと思うんです。大臣はこの内節のとおり貫かれるように来年度も頑張ることができますか。
○国務大臣(古屋亨君) 今の財政課長内節の趣旨は自治省全体の考え方でございますので、もちろん私どもも当然のことといたしましてその線に沿って頑張ってまいります。
○上野雄文君 また一般質問で自治大臣にさらに細かいところもお尋ねする機会があると思いますからきょうはこの程度にして、ひとつ厚生大臣にお尋ねをしたいと思うのであります。 退職者医療制度の問題について触れてみたいと思います。 本来、生活保護の問題もお尋ねしなきゃいかぬわけでありますが、最初に厚生大臣、これ、読みますからちょっとお聞きになっていただきたいと思うんですが、私はきょうの質問をするに当たって役場や市役所を歩いてきました。それで、退職者医療制度についてひとつあなたが上野雄文になったようなつもりで物を書いてみてくれないか、こう言ったんです。そうしたら、それはできないけれども、私は今、私の悩みというものをそれじゃ書いて送ります、これはやはり現場の担当者の悲痛な叫びだと思うんです。ちょっと読んでみます。 退職者医療制度の創設についてはそれなりの評価が出来ると思いますが、同時に国庫補助率の引下げが行われたことにより、国保会計にとっては大きな打撃となっております。国の説明では、国保被保険者のうち該当する退職被保険者の占める割合が一〇%程度あれば、財政面には影響なしとのことでありましたが、当市の場合、その該当者が一二%近くに達しておりながら、しかも退職者特別調整交付金三分の二で算出しても五十九年度九百十三万円のマイナスであり、平年度換算では千八百二十六万円と更に負担増になる訳であります。 この退職者特別調整交付金の交付は、六十年度で三分の一、六十一年度では〇になると聞きおよんでおりますが、もしその様な事態になるならば正に国保会計の危機でありますので、少なくとも五十九年度同様退職者特別調整交付金三分の二の現状維持の措置を継続的に実施されたいこと。こういうふうに言っております。 さらに、全国町村会や市長会が集約したものをずっと見てみますと、大変な見込み違いであって、えらい赤字が予想できる。この市長会や町村会の試算、これを厚生省ではほぼこの数字は間違いないなというふうにお思いですかどうですか、その点からまずお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(幸田正孝君) 市長会、町村会の退職者医療制度による影響額の調査の結果でございますけれども、市長会につきましては全市でございます。それから町村会につきましては、約半分の町村の調査の結果を全体に当てはめたというふうに承っておりますが、国保財政の実態の影響額とそれほど大きな違いはないのではないか、こういうふうに考えているところでございます。いずれにいたしましても、私ども現在全市町村につきまして調査を進めている段階でございまして、六月の末までにはもう少し詳細な実態を把握をいたすつもりでございます。
○上野雄文君 それからもう一つは、一〇%でバランスするよというふうに厚生省は言ったはずです。そして各市町村の国保担当者が必死になって被保険者集めに駆け回りました。補助金が削られて、退職者の被保険者を集めなければ国保財政がとんでもないことになるわけでありますから必死になるのは当たり前なんでありますが、私が先ほど読んだのは小さな市でありますが、これがまたさらに小さな町になりますと、二五%まで退職者制度による被保険者を集めたにもかかわらずなお穴があくという実態があらわれているんですね。一〇%という物の言い方は誤りであったんだということはお認めになりますか。
○政府委員(幸田正孝君) 市町村国民健康保険の財政の問題は、その市町村の医療費の高さでございますとか、あるいは保険料の高さの問題、あるいは被保険者の年齢分布といいますか、老齢化がどの程度進んでいるかということによってさまざまでございます。私ども退職者医療制度を設計をいたしました際には、大体全国的な数字からいたしまして申し上げますと、六十歳以上の退職者の医療費というのは一般の被保険者のおおよそ二倍かかるであろう、こういう推計をいたしまして、その結果、一〇%程度の被保険者があるという場合には今御指摘のようなことを申し上げたわけでございます。 御指摘の市なりあるいは町村の実態がどうなるか私ども詳細に把握をいたしておりませんけれども、例えば今申し上げました例でございますが、医療費のかかります額が退職者が一般に比べまして二倍までいかないというような町村の場合におきましては、一〇%以上あるいは二〇%近くの退職被保険者がおりましても、見込まれておりますような財政的な効果が上がらないというケースもあり得るものと考えているわけでございます。
○上野雄文君 そこで、多額の赤字が出ることが予想されますね。土曜日は総理まで答弁をされたようでありますけれども、大臣、六月までに実態がわかったらどういうふうにこれを措置をされていくのか、そこのところについて詳しくお聞かせをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(増岡博之君) 国保財政につきましては一昨日も申し上げたわけでございますけれども、赤字の原因として保険料の合理化あるいは医療費の適正化、さらには高額医療の発生率等のことがあるわけでございまして、そういう面で今回の退職者医療の場合にも医療費の適正化はやはりやっていただかなければならない。と同時に、退職者医療の制度でこうこうでございますということは申し上げておったわけでございます。しかし、御指摘のような傾向にあることは承知いたしておりますので、現在退職者医療制度の見込み違いによる影響というものを調査中でございます。したがいまして、まずその調査の結果を踏まえまして、みずからの自助努力でできるもの、あるいはできないもの等の判断はそれからいたしまして、その結果に基づいて国保財政が安定的な運営ができるような措置は講じてまいらなければならない、そういうふうに考えておるわけでございます。
○上野雄文君 今、大臣、自助努力というお話をされましたが、自分のことですか。いや、そうは私は聞かなかったんですけれども、軒並み今でさえも一般会計からの繰り入れをやってバランスしているわけですね。それがさらに退職者医療制度の問題もひっくるめてこういう状態になってきているわけですから、もう一般会計の負担の限度に来ている、したがって保険料の引き上げをやらざるを得ない、保険税の引き上げをやらざるを得ない。国は増税なき財政再建、こう言っています。今の自助努力という話になると、おまえさんら保険税を上げて何とかやれということになるんでしょうか。増税なき財政再建は地方には関係なし、こういうお考えなんでしょうか、その辺のことについてお尋ねをいたしたい。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど自助努力と申し上げましたのは厚生省のことであるわけでございます。 なお、保険料の面につきましては、これは高齢化社会に向かっておりますので、ある程度毎年の増加ということは自然発生的に避けられない面もあるわけでございますけれども、私どもはそれ以外の今回の措置によって生じた影響についての調査を行い、その結果に対応いたそうとしておるわけでございます。
○上野雄文君 大臣、厚生省の自助努力というお話になりますと、それなりの助成をするということしか私には考えられないわけなんですが、その中身はおおよそこんなものだと、それはお話しできませんか。
○国務大臣(増岡博之君) 主として財政調整交付金の配分の問題でございまして、それ以外の面については、現在、先ほど申し上げましたような検討をいたしておるところでございます。
○上野雄文君 ひとつ積極的にその面での御努力をお願いをいたしたいと思います。 それから生活保護の問題について、これも質問があったわけですが、十分間では恐らく大臣、最後まで頑張られちゃうと思うんですけれども、二百億の例の臨時財政調整補助金について、その使い方についてどうもはっきりしないんですね。あれは六十年度の予算編成に向けて補助金カットの問題や何かでごちゃごちゃになって、最終的には、どうですか、これで、つかみ金二百億であなたの方で何とかできませんか、こういうことにしたんですか。それとも、かくかくしかじかの根拠で二百億でございます、こういうことなんでしょうか。私は、まさか国の予算でありますから、税金を勝手気ままに使うなんということはなくて、それなりの理屈が積み重ねられておると思うんですが、そのことをひとつ根拠をお教えいただきたいと思うんです。
○政府委員(正木馨君) 今回の高率補助金の補助率の引き下げに当たりまして、生活保護もその例外ではなかったわけでございますが、八割から七割に国庫補助を引き下げると、これに伴いまして地方負担の増が出てくる。これについては基本的には地方財政対策を通じて措置をされるわけでございますが、先生御案内のように、地方公共団体によって保護率の違いがある、それから歳出規模に占める保護費の割合の違いがあるということで、影響の度合いがいろいろございます。そういうやはり生活保護の円滑適正な実施という面から、その地方公共団体の影響の度合いというものをよくつかんだ措置というものもあわせて考えるべきではないかということでこの二百億円を計上いたしたわけでございますが、御案内のように、現在、生活保護の保護率は、全国平均で申しますと一・二%強でございますが、それよりも平均的に高いところが一体どの程度あるのかというようなことを概算いたしまして、二百億円の臨時財政補助金を通じまして、それぞれの特に財政力の脆弱な地方公共団体に措置をしようということで最終的に計上させていただいたわけでございます。
○上野雄文君 だから、二百億の額はどうして二百億になったんですかということを、二百億の積算の根拠を聞いているわけです。私なんかが地方におって、予算を組むときに、あの二百億はどういうふうになって配分されてくるんだろうと思うのは、だれだって思うことでしょう。それが今になっても明らかにならないというんじゃどうにもならぬでしょうし、じゃ逆に、その積算の根拠を聞けばどのぐらい来るかというのをおれの方で勝手に計算できるなということから聞いているんですよ。それをやってくれなきゃわからないじゃないですか。
○政府委員(正木馨君) 先ほど申しましたように地方団体によっていろいろ違いがありますので、基本的に地方財政対策を通じて措置されたものだけではなくてこういった臨時財政補助金の手法を使いたいということでございますが、二百億につきましては、先ほど申しましたように平均保護率が全国平均では一・二%強でございますが、その平均を超える地方公共団体、特に市につきましてはどの程度の額が影響額として算定されるかと。それにつきましての大体二分の一程度を見込むと二百億円程度ということになりますので、この二百億円をもとにいたしまして、各地方公共団体の状況を十分つかみまして、そして実施体制等もつかみました上で具体的な交付基準を策定しようということで現在、七月には具体的な交付基準を定め、十月中には第一回の交付を行いたいという心づもりでおるわけでございます。
○上野雄文君 生活保護費の扱いの問題をめぐっては、たしか五十六年ですか、五十六年の十一月かに適正化に関する通知を出しましたよね。暴力団関係の支給の問題や何かについてもう少し厳しくやれと。ところが、これはまたいずれ一般の審議の際にさらに詳しく聞かせてもらうことにいたしますけれども、何か別な方向へ流れでいっている嫌いがなしとしないんです。そういうようなことから、そもそも国の八割負担を七割にしたというのは、この生活保護費が生まれた当初から、地方自治体にも金を持たせないと、負担をさせないと、やたらめたらに金を配っちゃうから、そういう面からも地方自治体に負担をさせるということは必要なことで、有効なことなんだということが物の本に書いてあるんですね、当時の課長さんが書いた解説書に。それも一つの理屈かもしれません。これを二割を三割にふやしてやればなお厳しくやるだろうと。そうすると、一生懸命厳しくやって平均を下回るようになると、お金が来ないということにこれはなりそうな話になってしまうのではないかと私は思うんですね。一生懸命努力したところがどうもお金ももらえないというのは何か変な不公平なやり方になりやしないかなと、こう思うんですけれども、大臣、ここは全体の問題でありますから、政治的な立場からも配慮を加えてひとつ答弁してみていただけませんか。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘の不正受給防止のための保護の適正化ということは、今回の措置とは別の次元で従来から行っておるところでございます。今回は国と地方との負担区分ということでございまして、したがって今回の措置はそのために真に生活に困窮する者に対して必要な保護ができないということはぜひともなくしなきゃならぬ、確保していかなきゃならぬ、そういう立場をとっておるわけでございます。御承知のように、生存権保障の最後のよりどころでございますので、本当に困っておられる方々に対しては必ず保護が確保されるよう努めてまいりたいと思います。
○上野雄文君 もう最後になってしまうと思うんですが、大臣、こういうことをやられて、これは大臣だって地方自治体に対して申しわけないという気持ちで私はいっぱいなんだろうと思うんですね、こんな減らしてしまうということは。そこで、問題は生活保護で対応するだけでなくて、生活保護世帯をなくするような施策が同時に行われていかなきゃならぬはずではないかと私は思っているんですが、ほかの省庁に対してどんな要求をされておりますか。
○国務大臣(増岡博之君) あらゆる機会をとらえなければならないわけでございますけれども、例えば母子世帯でありますとかあるいは高齢者に対しましての雇用の機会をふやすということは、常に労働省にお願いをいたしておるところでございまして、そのような観点から各省にできるだけのお力添えをいただいて、生活困窮者が少なくなるという、御指摘のような趣旨に沿ってやってまいりたいと思います。
○上野雄文君 最後に、大蔵大臣、この間地方制度調査会をやったんです。私もそこに出ました。それで、ある委員さんが、地方財政の問題に手をつけてこれだけのことをやったんだけれども、最終的に全部財源措置をしたんだからこれでよろしいというのであれば何もやらなくたっていいじゃないか、どうしてあんなことをおやりになったんですかという質問をされた方がおられました。私、地方行政委員会で自治省に聞いたら、それはうちの方に聞かれても困ります、よそに聞いてくださいと言うので、これはどこかで一遍聞いておかなきゃいけないなというふうに思っておったんでありますが、なぜそんなにまでおやりになるのかということについて、大蔵大臣の立場からわかりやすくお話しをいただければありがたいなと思うんです。 これを最後にいたします。
○国務大臣(竹下登君) 上野さんの御質問の中で私はそれがポイントになりやしないかと思って、あらかじめ用意をしておきました。いや、これは本当のことでございます。 さあ財政改革と、こういうことになりますとどこへ目を向けるかといいますと、やはり四割にもなるところの補助金と、こういうことになりがちなものであります。そうすると、今度はその補助金からいたしますと、その中には自治省のメモでいただきましたようにいろいろ整理しなきゃならぬものがございますが、それをさらに進めていきますと、かつてのように法律補助、それから地方自治体を通じて補助するもの、それから公共事業、文教、社会保障に関するもの、それを除いたらほんの薄いものしか残ってきません。そうなると、そのところは率でなくして額で、額に対する率で一割カットをお願いして、優先順位はこの所管省でやってもらおうかと、こういろんな工夫をしながら最終的に今度はいわゆる高率補助と、こういうことに眼を向けたわけであります。したがって、あくまでもこれは高率補助というものに焦点を当てての措置である。 そこでもう一つは、その削減分については、しかしさはさりながらいろいろなもので措置したと。そうなれば、言ってみればメリットはないじゃないか、こういう議論が一つ出てくるわけであります。これも国から地方へどういうふうに財源が移っていったということではなく、費用負担の本来あるべき姿を模索しておる段階においてこのような措置に相なったということでありまして、いわば地方と国との負担転嫁というところからのメリット、デメリットを論ずべきでなく、本来あるべき、かつてと違う今日の時点においてあるべき費用負担のあり方というところからこのような措置をとったと。したがって将来にわたって、ただ我々が上野さんと幾らか物の見方が、私も絶えず反省しますが、違うのは、どうしてもマクロの地方財政計画から見がちでございますよね、財政当局は。それを三千三百二十五引く二十三区でございますから、市町村数にすれば三千三百二の立場から見る見方というものをやっぱり調和させるだけの努力は私どもにもあらなきゃならぬというふうに思っておるわけであります。
○委員長(桧垣徳太郎君) 本会議散会後に委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。 午後二時十三分休憩 ―――――・――――― 午後二時五十分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中野明君 外務大臣が用事があるようですので、最初に外務大臣にお尋ねをします。 前任の大臣が国会で答弁なさったことについては、当然後を引き継がれた大臣がその趣旨のもとに努力をされると私どもは理解をし、それがまた行政府と立法府のあり方だと思います。そういう点について外務大臣にお尋ねをするわけですが、五十六年に行革特別委員会の席で、私、沖縄における米軍占領下のいわゆる沖縄の戦後史をつづる上で、米軍が占領している期間の貴重な資料というものが米国の方へ持ち帰られまして公文書館に内蔵をされている。非常に日本の歴史また沖縄の歴史をつづる上において大事な問題でありますので、ぜひこれは早期に返還を求めてもらいたいということを言いましたところ、当時の外務大臣が、全力を挙げます、こういう答弁をいただいているわけですが、その後の様子を私、漏れ伺いますと、何ら努力していないような気配が感じられてならぬのです。この点について外務大臣からその後どういうアメリカとの折衝をなさったか、まず御返事をいただきたいわけです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かに、五十六年の参議院行財政改革特別委員会の速記録での中野さんの御質疑に対しまして、当時の園田外相から、「きわめて大事な問題でありますから、全力を挙げてやりたいと考えております。」こういう答弁がございます。後を引き継いております外務大臣としましても、こうした答弁の趣旨に従って力を尽くしていかなければならないことは当然であると、こういうふうに存じております。 そこで、今御指摘の問題でございますが、沖縄における米軍占領期の民政府関係文書の収集等につきましては、まず専門知識、経験を有するところの国立国会図書館が実施する方向で検討をすることとなっていると承知しております。同図書館では現在、連合国最高司令官総司令部関係文書の収集を行っておりまして、米国の民政府関係文書については現段段では具体的な収集計画を立てるには至っていないと、こういうふうに承知もいたしておるわけであります。同図書館としましては、連合国最高司令官総司令部関係文書の収集の終了を待って民政府関係文書を収集する計画を立てる予定である、こういうふうに承知をいたしております。外務省としましては、同図書館における収集に際し、必要に応じまして米国政府と折衝する等の措置を講じる考えでございます。
○中野明君 今の大臣の答弁は、私、国会の答弁の実行としては非常に不満足であり、それが外務大臣がここで全力を挙げると言われたお答えかということについて甚だ不満であります。図書館は何ら外交権も持っておりません。外務省が結局外交権を持っているわけですから、全力を挙げると言われた以上は、いつ、どこで、だれと、どういう折衝をなさったかということをまず教えていただきたいわけです。その点どうですか。
○政府委員(栗山尚一君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、外務省といたしましては、園田外務大臣の御答弁の基本方針に沿いまして国立国会図書館の方と御相談を申し上げておる次第でございますが、先ほど安倍大臣から御答弁申し上げましたような次第で、国立国会図書館の方の資料収集の御準備と並行いたしまして、図書館の方の体制が整うに応じてアメリカ側との折衝を行いたい、そういうふうに基本的に考えておる次第でございます。したがいまして、これまでの間におきましては、いまだアメリカ側との間に具体的な資料収集についての折衝というものを行うには至っておらない次第でございます。
○中野明君 どうもおかしいですね。図書館は私が今申し上げているように後の問題でありまして、図書館に能力があるないはこれは別の問題でありまして、外務大臣が全力を挙げると言われた以上は何らかの形でアメリカに、現実になくなっているかもしれませんし、あるやらないやらの確認も必要でしょうし、保管の状態も心配です。特に酸性の洋紙であると、余り日にちがたちますと、それこそ使用に耐えぬようになって、戻ってきたときにはもう使い物にならぬというようなことになっても大変です。そういうことをせめて確認をして、確かにアメリカの公文書館でこのような状態で保管されております、しかしながら返ってくるのはいつごろの見通しですとか、あるいは向こうは返さぬと言っているとか、そういうことの返事ができるようにしていただかないと、これは三年も四年もたって、しかも国会図書館の都合がどうのこうのと言われるけれども、私は図書館に頼んだ覚えはないわけです。この席で外務大臣にお願いをし、外務大臣は全力を挙げると言われた。その全力を挙げた結果が、図書館がどうのこうのと言われたのじゃ納得できませんね、どうでしょう。たびたびアメリカへ行って、あるいは会っておられるわけですから、今まで一言もそれを言われないということは国会の議論というものを全然軽視しておられると言う以外にありません。その点を非常に私疑問に思って申し上げておるわけでして、大臣、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) よく中野さんの趣旨はわかりました。国立国会図書館とももちろん相談する必要もありましょうが、しかし今お話しの点も十分私としても理解できましたので、私自身の責任におきましてアメリカ側に確かめます。この文書がどういうふうな状態になっておるのか、どういう取り扱いになっておるのか、日本に対してこれを提供していただけるかどうかというような点について、早速アメリカ側に確かめまして御返事を申し上げたいと思います。
○中野明君 前回のようなことにならないように御信頼を申し上げますので、ぜひ可及的速やかに折衝していただいて、いずれまた機会がございましょうから、そのときに改めてお尋ねをしたいと思います。きょうは本題でありませんので、以上今までの外務省の怠慢といいますか、不満を述べてこの問題は留保しておきます。 それでは、総理にお尋ねをしますが、去る十日の日に本特別委員会で、もともと衆議院ではこれは大蔵委員会で審議をしたんですが、参議院は事の重要性にかんがみまして特別委員会がつくられました。そして特別委員会の理事会等で非常に問題が浮かび上がりました。ついに異例の委員長の見解というものが発表されて、総理もここでお聞きになったわけです。この委員長の見解について総理はどのように受けとめておられますか、最初にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 委員長見解は二つの要点があったと思います。それは審議の遅延、時間が短いということと、それから一括法のやり方という問題であったと思います。これらにつきましては、委員長御見解の御趣旨を体して、将来そういうようなことを、御迷惑をかけないように極力努力いたしたいと思います。
○中野明君 それでは提案者の大蔵大臣、委員長見解に対して、受けとめ方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 総理からもお答えがございましたが、委員長の御見解において触れられました意見、問題点等につきましては、これまでの法案審議の過程において政府の考え方を申し上げてきたところでありますが、なお御意見の御趣旨を踏まえ今後とも配意してまいりたいと存じます。 そこで、具体的なお答えになりますと、やっぱり予算成立後の後追い審議として結果なっております。この問題についての考え方を申し述べます。まず、たびたび申し上げておりますが、一般歳出の約四割を占める補助金の徹底した整理合理化を積極的に進めることが不可欠である、これが第一の認識点でございます。そこで、予算編成過程を通じまして関係各省庁間でぎりぎりの協議、調整が行われた結果、決定を見たところでございます。そうした事情でございましたので、私どもといたしましては六十年度予算と同時に一月二十五日に国会に提出して、予算と同時に成立することをお願いしたいという気持ちのあらわれ方をそこにおいて行ったわけでございます。しかし、さはさりながら、今日のような状態になっておりますことにつきましては、やはり私どもといたしましては、今日の時点では一日も早く本院においてこの法案審議を促進していただくことに対して心からなる期待と願望を抱いておるということに尽きるではなかろうかというふうに考えます。 ただいま一つやはり私は先ほどもお答えいたしましたことをやや整理して申し上げてみますと、五十六年におきましては行革特例法案として秋の臨時国会で審議していただいたというこれは前例がまさにございます。これはちょうど臨調の第一次答申を受けた直後の問題でございましたので、言ってみればその一次答申を政府としてできる限り速やかに行財政改革の具体化のための第一歩を踏み出そうという考え方が緊要であるということでお願いをしたわけであります。したがいまして、今度の問題につきましては、それとてこのような考え方でもっと早目に提出すべきであるという御議論は依然として私は残る御議論であると思っておりますが、先ほど申し上げましたように、六十年度の極めて厳しい予算編成の過程を通じてぎりぎりの協議、調整が行われた結果、決定を見たということでございますので、何とぞ御理解を賜りたいという一念に尽きるわけであります。
○中野明君 今それぞれの見解を述べていただいたわけですが、もともといわゆる日切れ法案というものがあることは私どももよく承知しておりますが、この法律というのは、もうかねがね皆議論になっておりますように、八省庁にわたって五十九法律ですか、しかも関係大臣は十人に及ぶ、こういうような日切れ法案を予算と一緒にお出しになって、しかもそれが予算関連だということになるということは、長年総理も大蔵大臣も政治家として議会のことはもう大ベテランで、我々以上によく御承知の人たちがこういう法律の提案をされるということは、既に今日あることは当然予想されておったんじゃないだろうか、私はこのように理解をするのが素直じゃないか、こう思います。それを、衆議院が通ったのがもう既に予算が済んでから十何日もたって四足の半ばを過ぎているわけですから、こういう状況になっておるということを百も承知でこういう無理な法律の出し方をされているというところに問題があるんじゃないだろうか。だから、最初からもうそうわかっておれば、当然施行日を七月なら七月一日とされておった方が一番自然じゃなかったかな、こういう感じを持つんですが、この辺は大蔵大臣どうお考えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 今日までも法改正を前提として予算を編成し、その予算と関連法案を同一の会期の国会に提出するということは、まあ物によってはこれはままあることでございます。しかし、今中野さんおっしゃいましたのは、言ってみれば、例えば社会保障でいうならば昭和二十二年以来堅持されてきた補助率を変える、こういうようないわば制度、施策の根源にさかのぼった措置であるだけに、例えば五十六年の行革国会の際に行われたような措置が妥当であろうし、そしてまた常識的に見れば、いかに同時に国会へ提出したとはいえ、衆参それぞれ予算委員会等で国会がその間なかなか他の委員会の審議に手が回らない、こういうこともあり得るから、初めから施行日をあるいは七月一日とかあるいは政令で定める日とかいろいろな方法はございますでしょうが、その方が現実妥当じゃないか、こういう趣旨のお尋ねだと思います。 前段につきましては、その考え方おございましょうが、言ってみればぎりぎりのときにやっとその調和点に達した予算編成でありましたということでございましょう。それから二番目の点につきましては、やはり予算との整合性を持った場合に、同時に提出するならばいわばその日から適用されるという整合性の上に立った予算でもってお願いする、結果としてそれが公布の日からになるといたしましょうとも、それが一応法律を提出する場合の筋論としては、私どもあらかじめその成立がおくれることを前提にしてという考えは必ずしもなじまないではなかろうかというふうに政治論としてはわかります。
○中野明君 それで、けさほどから議論になっておるわけですが、いずれ順を追ってお尋ねをしていきたいと思っておりますが、まず総理にお尋ねをしたいんですが、昨年の十二月に地方制度調査会が答申を出しました。総理もお聞きになったと思います。自治大臣も当然でございます、出てあいさつをされているんですから。この地方制度調査会の答申はもともと総理も尊重するということをたびたびおっしゃっているわけですが、この答申の結果出てきたのがこの法案である、こういうことでありまして、答申の趣旨とはおよそかけ離れていることになったわけですが、その点の総理の釈明と言ったら語弊がありますか、総理として、この答申とこういう結果になったことについてどうお答えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その前に、今竹下大蔵大臣がお答えになった点について私の考えをまた申し上げさしていただきたいと思うんですが、まあ一括法案というのは今まででもよく出してきたことであります。中野委員のお話は、これは度が過ぎるではないかという御趣旨かもしれません。我々の方は、財政関係処理と、そういう点におきまして共通する性格がありましたのでこういう形でお願いをしたわけでございますが、そういうような点で無理があるのではないかという御指摘であるやに私は伺っておりますので、そういう点については我々の方も今後よく検討さしていただきたい、そう思う次第なのでございます。ただ、そういう一括法案というものは必ずしもいけないものであるとは私は考えていないのであります。 それから審議時間について、こういうふうに時間が非常に少なくなったということは申しわけないというふうに考えておりますが、やはり予算関係法案で一体になっている場合には、予算成立時にはもうそれが執行できる、そういうふうにするのが政府側のやっぱり心組みであり責任である、したがいまして整合性を持ったものを出さないと、かえってそっちの方が無責任になるというふうに指摘されると思うのであります。でありまするから、結果的にずれることはよくあることでございますが、そういう整合性を持って出すというやり方は、政府としては建前として御理解いただかなければいけない、そう思っておる次第でございます。 それから地方制度調査会の答申につきましては、行革の臨調答申あるいは行革審の答申というものも片一方にはございまして、それを両方ともよく総合しつつ政府の責任において処理をした、それが結果でございまして、政府といたしましては、中野さんのお気に沿わない点があったかむしれませんが、財政改革をやっておるという情勢等からいたしまして、万やむを得ずと思って提出した次第なのでございます。
○中野明君 政府の側から、要するに財政運営ということ、これが余りにも優先して、この委員長の見解も、私どもの審議権まで制約されてきたというところから大変異例の見解も出てきたわけですが、こういうことを繰り返しておるようなことでは困りますので、こういうことはもうことし限り、こういう無理なやり方はことし限りで、もう将来はこういう無理な提案の仕方はしないということをやはりこの際明確にしておいていただきたいなと、私はこう思うわけでして、中身が余りにも省庁、膨大にわたり過ぎて、どう考えてもこういう性質のものは、先ほど大蔵大臣が言われましたように、先にやはり制度改革をして予算をお組みになみというこういうシステムをおとりにならないと、ことしこれで済んだからということでまた同じようなことが繰り返されたのでは国会というものの審議権にまで我々は疑問を持つようになりますので、そういう点はこういう手法はもう二度とやらない、そういうことをやはりこの際明確になさった方がいいんじゃないだろうか、とう思うんですが、提案者どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 今度の法律で、随分私ども部内で議論をし、そして法制局とも議論を重ねました。財政上の措置であるということで一括措置をしたわけでございますが、その際の議論の中でも、例えば行革関連法は行革関連あるいは公共事業関係法は建設委員会とか、そんな議論もいろいろしてみた結果、やはり財政縮減にかかわるということで共通した土俵があるということから一括法としてお願いをしたわけであります。したがって、これからどうなるかという点につきましては、私は、もとよりこのままのものが引き続きとは、いろいろな中身を見ても恒久化してしまうものもございますし、あるいは制度改正が別の角度からなされるものもございますので、どのような形の法律に将来なる可能性があるかないか等も国会の問答等を聞きながら私なりに、先のことでございますから不確定な問題が多いといたしましても、いろいろなことを考えて、この場で御審議を賜っておるわけであります。だが、いずれにいたしましても、この際、委員長見解として御指摘を受けましたことを十分底意に置いて、どのような形でお願いをするかということは、やはり私どもの重大な検討課題であるという事実認識は持っております。
○中野明君 そこで、これは当委員会も大変苦しい審議ということになっているわけでして、総理以下もこれは土曜日も月曜日もということで審議をしている状態でありますが、この法律案の成立がおくれているために、地方公共団体に、非公共部門ですね、生活扶助費等、これが巷間いろいろ言われているわけですが、成立のおくれのために地方に交付できない、実質的に地方に迷惑がかかっている金額というのは正確に、きょう現在で幾らになるのか。この点は厚生大臣でしょうかね。
○政府委員(正木馨君) 生活保護の関係でございますが、先生お尋ねの点、四月分、五月の支給分というものがまだ補助金が出ておらないわけでございますが、例年ベースで昭和六十年度予算で計算いたしますと、約千七百三十二億円ということになろうかと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは非公共全体で申し上げるべきであろうかと思うのでございますが、国の個々の経費の国庫負担のおくれがどの程度であるかということは、その経費経費によって執行の時期が異なっておりますものですから、それを取りまとめて今申し上げることは残念ながらこれはできません。地方公共団体の負担が生ずる経費については、本法案の成立次第直ちに執行の任に当たっておる各省庁からの御相談を受けて補助金の交付を早めることについては具体的な措置をとるようにしなければならぬという考え方でございます。
○中野明君 それで、今厚生省の方から、生活扶助費等で千七百三十二億円ですか、それがまだいろてないということで、この審議の冒頭に大蔵大臣から、地方に迷惑をかけた、その利子等のことについての見解が述べられて一応私どももそれなりに評価をしているわけですが、この利子というものはこれは大変な金額です。千七百三十二億というんですから、一日に計算してもそれこそ大変な額になっておるわけです。 そういうことをいろいろ考えてみますと、けさほど田渕委員が御質問になっておりましたから了解はいたしておりますが、ぜひ地方に迷惑をかけた分はきちんとやはり処理をされて、それが地方に対する信頼を増す一つの理由にもなりますし、今回こういうことになったというのも責任はやはり財政当局の方にあると、こういうふうにやっぱり感じてもらいたい。結局、地方に何も迷惑をかけていない、予算の中身でいえば手当てをしたんだからと、こうおっしゃっているわけですけれども、しかしながら地方はこれは犬迷惑な話で、やみくもに、予定していなかったのにいきなりカットされて出てきたということですから、それだけでも大変なことなのに、まだおくれて、しかも立てかえまでせなけれはならぬ、こういう状態ですからこれはもう迷惑をかけないところじゃありません。しかも、なお詳しく申し上げれば、補助金は確かに一割カットされた。けれども、地方としてはいただく金は減った、減ったけれども手続とか事務量というのは一つも減っていない、この分もまた迷惑になってくるわけですね。そのように、地方に迷惑をかけないところか、二重三重に迷惑をかけているということでございます。ですから、こういうやり方というのはよくないというのが結論からいって私の考えてあります。 そこで、今回の高率補助金等、これが一律一括カットになったわけですが、この高率補助金を一割一律にカットするという基本原則というのは、これはだれがお決めになったんですか。
○国務大臣(竹下登君) だれが決めたかと、歴史的に申して、歴史的といっても何百年の歴史じゃございませんが、昨年から、昨年度年度当初開始からのことを振り返ってみますと、まずこの六十年度予算の概算要求、これを決めなければならぬかったわけであります。その際、臨調答申、行革審意見やそれから概算要求基準に係りますところの閣議決定、これを踏まえまして、各省庁におかれてまず概算要求の際に一〇%引き下げを織り込んで出していただいたということになるわけであります。今度はその概算要求の内容を踏まえまして、その後の予算編成過程におきましてさらに各省庁と財政当局が協議をした上で、国の財政事情及び地方財政や事務事業の執行に与える影響等を総合的に勘案して、そして補助率間のバランス等にも配慮しておおむね一割程度ということに最終的にはなったわけであります。 概算要求のときはどちらかといいますと、いわゆる掛け算の一割でお出しになった省が多かった。それでは端数がついてまいりますので、最終的には十分の十の補助は十分の九にするわけですが、十分の九・五の分は十分の八・五にして、したがって削減率から見ればそれは一〇・五になりますし、また十分の七のものは十分の六・五にしておりますのでこれは七・一%、こういうことになりますので、したがって最終的にはおおむね一割。すなわち、各補助金の補助率が設定された経緯、沿革はまちまちでありますものの、現行補助率として、全部が端数のついた一〇%ということではなく、それなりの体系を持っておりますので、それを崩さないという考え方で行ってきたわけであります。
○中野明君 どうも何か思いつきでやられたんじゃないかというような感じがして私は不安てしょうがないからお尋ねをしているわけですが、この高額のいわゆる生活扶助等は、これは先ほどから話が出ております三大臣の覚書で一応六十年度における暫定措置として決まったのではないか、このように思いますが、それでよろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) まさに社会保障につきましては三大臣の覚書が基礎になっております。
○中野明君 そこで、今大臣が答えられたように、この三大臣の覚書なんですが、一項目として、「この措置は、昭和六十年度における暫定措置とする。」、こう明確に書かれております。 そこで、まず自治大臣にお尋ねをいたしますが、この六十年度における暫定措置というのは、自治大臣としてはどう受けとめておられますか。
○国務大臣(古屋亨君) 自治省といたしましては、補助金のカットそのものについては一般的に私どもは賛成をしておったのでありますが、一律カットということは、先ほど申し上げましたように、負担の単に転嫁にすぎないという考え方で私どもは対処してきたところでございまして、三大臣の覚書という問題は、こういう問題で一年の間において三省において検討する、それによって六十一年度の方針を決めるということでございまして、考え方といたしましては、先般の地方制度調査会の意見等にもありましたような点あるいはまた費用分担のあり方あるいは機能のあり方というようなものについて検討いたしますと同時に、社会保障の国家的責務というようなことについても十分考えまして協議に臨むつもりでございます。
○中野明君 自治大臣、私が聞いているのは、六十年度における暫定措置というものをどう受けとめておられるんですかということ。第二項はこれは後の問題になってきます。
○国務大臣(古屋亨君) 六十年度は補助率カットの精神に従います、しかし、問題が問題でありますので、三大臣で今後六十一年度は協議をしてその協議の場を踏まえまして決定をしてまいりたい。だから、六十年度というのは私どもはあくまで暫定的なものであるというふうに考えております。
○中野明君 そうしますと、この法律というものはこれは時限法律ですから、一年たったらもう自動的にこの法律は効力をなくする、こういうふうに第一項目は受け取っておられる、こう理解をしていいですか。
○国務大臣(古屋亨君) さようでございます。
○中野明君 それじゃ厚生大臣、第一項貝の見解を教えてください。
○国務大臣(増岡博之君) 大蔵大臣、自治大臣からお答えのとおりでございます。
○中野明君 大蔵大臣はここのところを少しぼやかしておられるように私は思うから聞いているのであります。この措置というものは六十年度における暫定措置ですから、六十年度が終わったらもとに戻る、こういうふうに考えてお決めになったんですかと聞いているんですが、もう一度。
○国務大臣(増岡博之君) 今年度、六十年度につきましては六十年度限りのことでございまして、なお二項目に六十一年度以降のことを付言しておるわけでございます。
○中野明君 だから、二項目はまだ聞いていないんですよ。一項目を決めたときにあなたは、これで暫定措置だからというので納得されたんですかと言っているんです。
○国務大臣(増岡博之君) 私といたしましては、実質的な福祉の水準が下がらないようにということが中心でございまして、その覚書につきましては全体として了承いたしたわけでございます。
○中野明君 厚生大臣、これを約束することによって今日これほど議論になって地方にも迷惑をかけているわけです。そのことを考えたときに、安易に両方で一緒に納得したというような言い方はけしからぬと思うんです。ことし限りだからこれでよろしい、そして来年からはもう一度白紙に戻って現時点から相談を始めるということで納得したということでなければ私はいただけません。もう一度お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) お話のような筋書きによりますと、先ほど申し上げましたように一年限りのことでございますから、一年限りでございまして、その時点から来年のことはまた別の折衝として考えてやるわけでございます。
○中野明君 それなら最初からそう言えばいいじゃないですか。いつも二項目とひっつけて話をされるから私どもは疑問に思うわけです。一応本年度限りでこれは消滅するわけです。それで納得されていなければこの覚書を書いたあなた方の責任は重大だと思うんです。大蔵大臣は財政当局ですから願望を込めていろいろ答弁をなさっています。それは財政当局の立場でそういう願望があるということはわからぬでもありません。けれども、自治あるいは厚生両大臣が財政当局の願望まで含めて一緒に合意しましたというようなことを言われたんでは私どもは納得できないわけです。ですから申し上げているのでありまして、そうしないと、この第二項目はおかしくなってくるわけです。 だから、私の申し上げたいのは、第二項目は現行法に戻った時点で交渉が始まるといいますか、話し合いが始まる、これでなければおかしい、こう言っているわけです。自治大臣どうでしょうね。
○国務大臣(古屋亨君) 私どもの考え方は一年限りのものであり、そうして今度はことしじゅうに、つまり来年の予算前にどういうふうにするかということを十分検討いたします、こういうことを申し上げておるのでございます。
○中野明君 ですから、この法律で提案されている高率補助のいわゆる一割カットというのはことし限りの措置でございますと、そこで一遍切れているんです。さてそこで、来年はどうしますかということになると、ことしで切れているんですから、来年の相談をする出発点というものは現行法で出発が始まらないとおかしいでしょうと、こういうことを言っているわけであります。その辺をお聞きをすると、いつも一緒に言ってしまわれる。そうすると、六十年度におけるこの暫定措置が出発点になって来年から後の相談をされたのじゃたまらぬということを申し上げているんです。意味おわかりでしょうか。厚生大臣も二つ一緒にしないで、わざわざ一、二と書いているんですから、一項目のときにはこうでしょうと、そしてそれはそれとして大事な問題だから、二項目目はこれから白紙に戻って現状のところから相談を始めましょうというのが筋道と違いますかと、こう申し上げているわけです。その辺をもう一度厚生大臣はっきりしておいてください。
○国務大臣(増岡博之君) 物の考え方はそのとおりであろうと思いますけれども、先ほど私が一緒だと申しましたのは、時間的経過が一緒であるという意味でございますので、御了承願いたいと思います。
○中野明君 いや、物の考え方をはっきりしておいてもらわぬと困るのでありまして、結局一年間の暫定措置となっているんですから、これが終わったら当然この法律はなくなってしまうわけですので、来年の話は、法律が生きている期間であろうとも、話し合いというものは現行法に戻った時点が出発点ですよと、これだけははっきりしておいてほしいんです。そうしないと、これは暫定措置が出発点になってどうするこうする言われたら次はどうなってくるかという不安がありますし、地方も計画が立ちません。恐らくこれは本年の例を見たっておわかりのように、なかなかまとまるような代物とは違います。だから、第二項目に入りますけれども、「政府部内においで検討を進め、今後一年以内に結論を得る」と、こう書いていますけれども、自治、厚生両大臣は、政府部内における検討というのは、どういうところでどういうやり方をあなた方は考えて覚書に判こを押されたんですか。
○国務大臣(古屋亨君) これは事務的にはもう検討しかけておると思いますが、この法案が通りましたところから、私どもは大蔵、厚生、自治三大臣においでこういう問題の協議を始めますが、協議のやり方等につきましては閣僚会議というものになりますかどうか。それからどうしてもその際私どもは地方の団体の意見を聞く、そういう機構的措置というものもぜひその間に考えたい。例えて申しますと、閣僚の懇談会等の場合には、それに対していろいろの専門の委員会等で事情等について申し述べる機会、そういう懇談といいますか、発言の機会をぜひつくってもらうようにいたしたいというふうに私は考えております。
○国務大臣(増岡博之君) ただいま自治大臣からお話しのとおり、今後相談をするわけでございますけれども、その際には本委員会の御意見等も踏まえながら厚生省としても真剣に検討をしてまいりたいと思います。
○中野明君 大蔵大臣はどういうふうにお考えになっていますか。この二項目ですね、「政府部内において検討を進めこと、こういうことになっておるんですが、いつごろから、どういう機関で、どういう方法、参加人員なんかも含めてどういうことを想定しておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘のように、「政府部内において検討を進め、」、こう書かれであるわけであります。具体的な検討の方法、見直しの内容、これは関係省庁間で検討しておるというか、勉強しておることは事実でございます。が、私自身この法案の審議を通じ考えましたことは、これはやっぱり本委員会の場における御意見等をまず土台に置いて、それでこの検討の場というのを考えた方が適切であろうという考え方に立ちましたので、したがって今どのような場を設けるという結論には達していない。やっぱり一番大事なのは国会におけるこの法律審議、めったにない法律でございますだけに、その間の問答というものを判断材料の大きなウエートにさしていただきたいものだというふうに考えております。
○中野明君 そうしますと、この法律がいつ通るか見通しはなかなか難しいと思いますが、この法律が通る最終の段階までに構想として発表されますか。これは関係が非常に大きいものですし、制度の抜本的な根本的な問題になりますので、一番心配しておりますのは「政府部内において」という言葉の中に、今回のように社会保障の補助率のあり方について自治、大蔵、厚生の三大臣の会議がこういう基本的な問題を検討する場所になってしまったら大変なことだと。それだけに、地方制度調査会もあり、あるいは厚生省には社会保険審議会ですか、そういうものもあるわけですね。そこらとの関連をどうお考えになるのか。そういうことがはっきりしないと、これはもうなかなか話が進みません。恐らく三大臣だけで制度の抜本改正というものは私はできないと思います。そういう点を考えましたときに、ぜひそれははっきりしておいていただきたい、こう思うんですが、それは無理でしょうかね、これが終了するまでということで。
○国務大臣(竹下登君) 当然のこととして、各方面の意見を聞くということになりますと、今、中野さんおっしゃいましたように、社会保障関係で見れば制度審とか社保審とかというのがございますし、それからいわゆる地方制度調査会もございますし、私の方でいえば財政制度審議会でございましょうかそういうもの、それからなお、恐らく自治省におかれては地方六団体、こういうようなものもあるわけでございますので、それらの御議論、それにかけなければならないとかいう窮屈な考えは別といたしまして、聞くべきは国会の問答の中でも、これは当然そうしなきゃならぬじゃないかなという問題意識は持っております。したがって、やっぱりこれだけの議論でございましたので、これだけの議論を整理させていただきまして、そしてこのような形で検討を進めてまいります、最終的には恐らく三大臣が集まり、そしてその後閣議決定、こういうようなことになろうかと思いますけれども、そういう各方面の意見は徴さなきゃならぬが、このような仕組みでこのようにやりますということは、やっぱり国会の議論を整理させていただいた後決めることでございますので、これが可能な限り早く通していただくことを期待しておりますが、その最終段階でこのように決めましたというお答えをするのはいかがなものかなと、もう少し議論を部内でも詰めさせていただいた方がいいのではないかなと、こういう感じで、今話をお聞きしながら感じたことをそのままお答えいたします。
○中野明君 これは昨年の例がありますから、よほどそこの合意を得ておかないと、またこのままでいったら恐らく来年も同じことの繰り返しになる心配もあるし、あるいは私が申し上げているように、一年限りですから、ことし話がつかなかったら来年はもう現行法でやらなきゃしょうがない、こういうことになるわけです。それだけに、ある程度の全体の合意を得るような検討の仕方というものをやっぱりお考えになっておかないと、これは大変なことにならないかと心配をして申し上げているわけです。まだきょうあすということでありませんので、ぜひ御検討をいただいておきたいなと思います。少なくともことしのようなこういう緊急避難的なやり方、予算が組めないから何としても協力してくれというので三大臣で、大蔵大臣が財政当局の立場から自治大臣と厚生大臣をねじ伏せてしまうようなやり方だけはやめてもらいたいということです。 時間の関係で次の問題に移りたいと思いますが、今回は参考人の意見を全部総合してみますと、やはり参考人は、知事会とかあるいは市長会、町村会の意見も聞いたわけですが、各一様に国のツケ回しといいますか、国は地方に転嫁をしたという受け取り方をしているわけです。確かに財政的にはいろいろ手当てをしましたと、けさほどの議論にもありました。これは後ほど私疑問がありますので申し上げますが、地方の受け取り方というのは、国のツケ回しと違うか、我々に転嫁した、こういうふうに受け取っております。そうなりますと、地方の行革大綱、国の行政改革とともに地方も行政改革をもっと推進していこうということで、自治省も行革大綱なるものを示して、地方も行革に協力していこうという姿勢をとっておるわけです。ところが、こういうやり方というものは結局、地方で行政改革をまじめに一生懸命にやって財源に余裕が出たら国の方のツケ回しでやられるということになると、地方の行政改革に水を差すのじゃないか、こういう心配が出てくるわけです。現実に今回でも財政的な手当てをしたとおっしゃっているけれども、やはり地方にはそれだけの負担がかかっていることは事実であります。 この点、行政改革はこれは総務庁長官だと思うんですが、こういうやり方、こういう手法というものは地方の行政改革に水を差すのじゃないかという議論が現実にあります。こうなったらこれは大変なことですので、地方と国の不信感からそういうことが出発すると思いますが、今回限りのこの措置について、行革を担当しておられる立場からどうごらんになりますか。これがもう一番よかったんだと思われるのか、その辺御感想を。
○国務大臣(後藤田正晴君) 行政改革は国と地方双方が相並んでやらなければ成果が上がりません。それがためにはやはり国と地方団体の間に何よりも相互の信頼、そしてお互いの協力、これが私は肝心なことであろう、かように考えるわけでございます。 そこで、今度の措置は一体どうなのか、こういうことになるわけでございますが、今度の措置は行革審等でも、やはり補助金の問題の整理というものはお互いに基本的な問題がありますから、それらを踏まえてやるべきである、これは大原則であります。しかし同時に、高率補助等については、第一次の答申であれば高率補助とは別に総枠一割という御意見がございましたけれども、今回のこの問題については、高率補助については補助率の見直しをなさい、こういうことになっているわけでございますから、主としては財政上の見地からこういった処置がとられたものである、私はさように理解をしておるわけでございます。 そこで、この問題をめぐって地方団体はツケ回しである、こういう議論がある、これは私はその理論は必ずしも否定するわけにはまいらぬと思います。補助金というものは基本に立ち返って、そして削減すべきものは削減をする、基本的にいえばやはり納税者の負担が場合によれば軽減する、しかし今日の実態から見て軽減できないにしてもむやみに増高していくことは抑制ができる、これが本当の意味での補助金の削減であろう、こう思います。しかし同時に、今日の補助金を見ると、物によっては国、地方の財政状況を見ながらだんだん補助率が高まってきたものもあります。それから同時に、同じ補助金として一くくりになっておりますけれども、奨励助成の補助金と生活保護のごときものとは性格が違いますから、そこらはやはり真剣な検討をしなければなるまい、こう思っているのです。 そういった点で、この委員会でもしばしば御議論になるように、生活保護等についてはもう少し基本的な議論が必要ではないか、私はそのとおりだと思います。なるがゆえにこそ、大蔵、自治あるいは厚生、三者の間、あるいはまた党の方もこの問題をめぐっては議論が煮詰まらなかったから、一年間ともかく、今回は一年限りの処置ですよ、しかし今後どうするかについてはこれはお互いに話し合いをしようではないかと、こういうことになっているわけです。そのときに基本にさかのぼって議論をして、明年度の予算編成のときまでに結論を出せばよろしい、その際にそれじゃ生活保護について八割、二割というものが不磨の大典かといえばそれは無理であろう、それはやはり基本に立ち返って合理的な結論が出ればいいのではないかと、私は基本的にさように考えておるわけでございます。したがって、いずれにせよ、今回の措置は主としては財政上の理由から暫定措置としてとったものである、これはぜひひとつ御理解をしていただきたいと、かように思うわけです。
○中野明君 だから、行革を推進しておられる立場から見て、こういう措置をすることによって地方の側から見たら行革に逆行しているわけです。負担が課せられて、補助金は一律カットされたけれども、一割カットされて来る金は減るけれども実際の仕事は同じやということになると、これはかえって行政改革と逆の方向ですね。金は減らされた、仕事は変わらぬ、地方はたまったものじゃないんです。そういうことを考えたときに、行革を担当しておられる長官として、今回のこの措置というのは行革の上から見たら好ましくないと、私はそう言えるのじゃないかと思うんですが、もう一度。
○国務大臣(後藤田正晴君) 中野さんの御意見もようわからぬじゃありませんけれども、やはり国と地方はお互いに協力し合わなきゃいけません。そうなりますと、地方はこれは行革に反するんじゃないか、ツケ回しじゃないかと、こういう御議論も出ると思いますよ。思うけれども、今日のお互いの財政状況を見るならば、やはり今回の措置はやむを得ない措置ではないのか、しかしそれだけでいつまでも暫定措置を継続したらいいのか、それとも不磨の大典じゃありませんから基本に立ち返ってもう少し検討して妥当な結論を出したらいいのか、これらを真剣に政府として検討すべき課題であろうと、私はさように考えるのです。だから、この処置が行財政改革の趣旨に反するとまで言うのはちょっと言い過ぎではないのかと、かように考えております。
○中野明君 時間に限りがありますのであれですが、結局こういう財政的な立場で緊急やむを得ぬ措置をとるならばとるように、地方にやはり迷惑のかからぬようにやる。いろいろ手当てはしておられますけれども、現実に今申し上げたように補助金だけ切られて仕事は変わらぬ、これだけでも大変なことです。今回の場合は財政的な見地で緊急やむを得なかったという御趣旨はわかりますよ。けれども、こういうやり方は好ましいやり方じゃないということをやはり行革の立場で見ていただかないと、地方が行革をこれからやろうとしているのに国の方がそういう考えでおったら地方の行革は推進が妨げられてくるんじゃないか。行革をまじめにやったところは損をする、こういうようなことでは行革は進みません。その辺をしっかり踏まえていただきたいなと、こう思うわけです。これは本当に地方は国よりも住民に身近なところでやっておりますので、行革という点についてはある意味では私は進んでいると思います。それをまたこうやられると、地方としてはこれはもう納得できないということで不満が出てくる。 ですから、先日の参考人でも、ここへ来て言うのに、もう絶対反対だ、けれどもここまで来た以上泣く子と地頭に勝てぬというような言い方を参考人がするわけですね、地方の首長さんが。そういう思いをさすような法律というのはこれはよくない。民主時代において泣く子と地頭という時代劇みたいなことを言い出したんではこれはよろしくない。そういうことを感じさせるような法律であるということをまず承知しておいていただきたいと思います。 それで、これは時間が追ってきましたので総理大臣に一言考え方をお聞きしておきますが、こういうふうに一律にカットするということは、地方の一番今心配しておるのは、必ず地方の公共団体の中に格差ができる。財政力の弱いところは一割でももうすごい影響を受けます。その格差というものを是正しなければ地方はもたないようになってくると思います。地方公共団体間の格差がさらに今回でまた大きくなるんじゃないかと私は思います。これについて総理として何か手当てをお考えになる気持ちはないのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 地方公共団体間の格差是正は私も必要であると思います。ただ、是正の方法についてその財源をどう調達するか、富裕団体と富裕でない団体との関係もございます。自治省もいろいろ今まで努力もし、地方の富裕団体あるいは富裕でない団体との間の調節等も考慮しておるようでありますが、これは将来の課題として我々は考えていきたいと思っております。
○中野明君 ぜひこれは精力的にお願いをしたいと思います。 それから、これで最後になると思いますが、先ほど来問題になっております退職者医療制度。これは土曜日も、総理も一応見込み違いということもあるというふうにお認めになっておるんですが、厚生大臣もいずれそれについては手当てをしなきゃならぬようなニュアンスで物をおっしゃっていますが、全国の市長会あるいは町村会が調査をしておりまして大体のことはわかってきたわけですが、同じようなことを厚生省もやっておるようです。非常にこれもむだな話だろうと思うんですが、それはそれとして、こういう事態になってきたんですから、政府のいわゆる見込み違いなんで、この点は大蔵大臣、見込み違いということをもう認めざるを得ぬような状況になってきましたので、やはり財政的に措置をしなきゃならぬと思います。厚生省が自主的に努力すると言ったって限界があると思うんですが、大蔵大臣、この見込み違いがはっきりしてきたら手当ではお考えになりますかと、こういうことです。
○国務大臣(竹下登君) 私も本院における問答等を聞いておりますが、今日の時点において特別財政調整交付金でございますか、その措置によって対応できるというふうなお答えのやに聞いております。したがって、今後の問題につきましては、これは厚生当局が所管でございますから、それの意見をよく聞いて対処していかなきゃならぬというふうに考えます。
○中野明君 町村会の調査でも、とりあえず国保税を値上げしたところがもう軒並み出てきておるわけです。私の国元なんかでもひどいところはもう大変なんですよ。だから、そういうことを考えますと、これは調整金だけじゃどうしようもないと私は見ております。そういうことですから、その時点がはっきりしてきたら財政当局としてはしかるべきことをお考えにならないと、これはやはり国の責任だろう、こう思ってお尋ねをしているわけですので、いま一度お答えいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) 恐らく、原局におかれまして、そういうことの実態の調査をおやりになっておると思っております。したがいまして、その実態調査の上、担当省から御相談があろうかと思います。その際十分検討さしていただくべき課題だと思っております。
○和田静夫君 まず初めに、昭和六十一年度の予算編成について伺いますが、総理は、サミットの場で内需拡大、税制改革などを発言をされたわけですけれども、これは国際的に公約をされたというふうに承ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 公約したというものではありません。各国が自分の国の財政状況、経済状況等話し合いいたしまして、我が国の場合の私も数字を挙げたりして説明をいたしまして、私は将来の検討課題して税制の改革ということも考えておりますが、ということで申し上げたので、それは外国に対してそれをしたいとか、するとかということを正式に約束したものではありません。自分の個人的な考え方の方向を参考のために申し上げたと、そういう程度であります。
○和田静夫君 どういうような手法で内需拡大を図られるのか、あるいは内需拡大と増税なき財政再建がどういうふうに絡んでくるのか、ずっと委員会で興味深く聞いておりましたが、どうもはっきりしません。これは私の理解が悪いかもしれませんが、これまで過去三年間にわたって超緊縮予算が組まれてきた、増税なき財政再建とは一般歳出削減方式であったというのがこれは通説だろうと私は思うのですが、それと内需拡大とがどういうふうに一体結びつくだろうかということについてはっきりしない。 そこで、六十一年度はマイナスシーリングに始まる超緊縮路線を転換をするのか、あるいはマイナスシーリングを取らないのか、この点はどうなんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 来年度予算編成方針はまだ固まっておりません。前から議会で申し上げているとおりであります。しかし、臨調の答申をいただき、行革審の意見書もいただいておりまして、また国会でも私が御答弁申し上げますように、六十五年赤字公債依存体質からの脱却あるいは増税なき財政再建、そういうような考え方も申し述べておりますから、やはり六十一年度、来年度の予算編成についても財政環境は極めて厳しい、それに対応する考え方を持たざるを得ない、そういう趣旨のことを申し上げておるわけであります。
○和田静夫君 内需拡大に私はいろいろの手法があると思うのですが、内需拡大政策としては、財政による内需拡大政策が大きなウエートを占めるでしょう。総理としては財政による内需拡大政策というものをとるおつもりというのはありますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 経済というのは生き物ですから、また財政の運用自体についても経済と同時にこれは動いていくものでありますから、常に生きた目で、そして変化に対応する、そういう心構えは政治として必要である。国際的にも国内的にもそういう景気の動向、経済変動の動向については注意深く見守りながら対応していくべきである、そういうことを基本方針として今まで申し上げてきており、この考え方は変わっておりません。これを施政方針やあるいは答弁においても経済運営については機動的な対処を行いたい、そういうことも申し上げているのと符合するものでございます。そういう考えに立っておりますが、財政が発動して公共事業費を大きく伸ばしたり、あるいはそのほかの方法により、いわゆる減税政策というものを赤字公債を用いてやるというような形でやるということはこれはできない、このことも申し上げている。結局、民活であるとか規制解除であるとか、あるいは財政収入を得んとすれば税外収入の確保であるとか、さまざまな手法の組み合わせ等によりまして対応力をつくっていくという形でやらざるを得ないと思います。
○和田静夫君 総理がサミットでお述べになったことの視点というのは、先ほどお述べになりましたからわかりましたが、公約でないということでありますから、そうなのかなと思ったんですが、どうも国内で御発言になっていることと違ったような気がした。それは何かというと、サミットでは景気対策、内需拡大策としての税制改革という面が強調されたと私はとったからなんですが、それはいいですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 強調したことはありません。むしろ我が国は非常に厳しい財政環境にあると。それを公債依存率、公債の累積率等々の数字を挙げて申し上げたら、サッチャーさんが、数字の運用はなかなか巧みですねというような調子の冷やかし的な――冷やかし的というと言葉がちょっと過ぎますから、参考意見的な考え方をお述べになったということでありまして、むしろ財政環境が厳しい、そういう状況であるということを申し上げてきておるのであります。
○和田静夫君 そこで、ずっとこの委員会の論議で内需拡大がかなり問題になっているんですが、内需拡大ということになりますと、ゆっくりしておるわけにいかぬと思うんですね。河本さんが言われましたように、六十一年度には、これは何らかの形で所得税の本体部分の減税が行われませんと、国際的に言ってもどうもおかしくなるんじゃないだろうか。自由民主党の幹事長が所得税の大幅減税を六十一年度にも実行したいと発言をされておるわけでありますが、総理はこの見解はどうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、本院におきましても、将来税制の改革をやりたい、また所得税、法人税の減税もやりたいということは申しておるのですが、いつ、どういうような態様によって行うかということはまだ申し上げておらないので、これらは課題として受け取っておる、そういうふうに申し上げておる次第であります。
○和田静夫君 いや、総理が述べられていないことがわかっていますがゆえに、六十一年度説について総理の見解をただしているわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは議会でも終わりましたら、よくじっくり考えさしていただきまして、そしていずれ政府税調あるいは党税調等とも相談をし、党の皆様方ともよく相談をして腹を固め、見通しをつけて行う、そういうことでございますので、まだここで申し上げる段階には至っておりません。
○和田静夫君 自由民主党の税調の会長も副会長も大体六十一年度説をこの数日かなり強調されていますね。総理はまだ少し考えたいということですが、大蔵大臣、これを受けてとっくにお考えになっていると思うんですがね。
○国務大臣(竹下登君) 今、総理からお答えがありましたとおりでございまして、やはり二つの面があると思います。それで、一つは、与野党の幹事長、書記長会談で、六十年度中に結論を出すというような申し合わせのもとで、一方議論が進められていくという背景が一つあります。それからいま一つは、国会で議論をされたものを正確に整理して、抜本改正の問題を税調で御審議いただこうと思っております。この二つの面が存在しておると思いますので、したがって現段階で所得税減税をいつ実行するということを申し上げる段階にはないというふうに考えております。
○和田静夫君 今も言われましたが、総理は民活、民活と言われるんですが、行革審の提起する規制緩和措置で貿易黒字が幾らか減って、そして内需がどの程度増加するのかという見通しがなければ、民活、民活ということにもならぬと思うんで、そういう見通しは、総理、具体的にお持ちですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは一つの例を申し上げますと、関西空港のような場合でも民間の資本力を活用する、あるいは電電公社の民有化と申しますか民間化に基づきまして、これによって規制解除は随分有効にきいていろいろな企業活動は活発になってきております。こういうようにデレギュレーションというものは資本主義社会においてはかなり有効にきいてくるものである、それを思い切って実行したい、そういうことも考えておるわけであります。
○和田静夫君 今と同じ質問になりますが、経済企画庁長官、貿易黒字が幾ら減って、内需がどの程度増加するという見通しを示すことができますか。
○国務大臣(金子一平君) お答えいたしますが、今のデレギュレーションによって、あるいは民間活力の導入によって幾らどうなるかという計数的な計算をまだする段階に至っておりません。
○和田静夫君 どうも答弁だけの感じがずっとするんですが、例えば大蔵大臣、財政面での内需拡大を考える、そうすれば設備投資に重点を置くのか、個人消費に置くのか、あるいは住宅建設に置くのか、そういう方向性というのはやっぱりきちんとすべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもの方の立場からすれば、今のおっしゃる意味は私も理解できますが、財政が出動した場合に内需刺激によって今度は対外経済の面から見たらどれだけの輸入がふえるのかとかいうような勉強はさしていただいております。それから消費を刺激するための所得減税を行った場合にはどれだけの輸入がふえるのかとかいう勉強はさしていただいておるわけでございますが、住宅の問題等につきますと、いわゆる財政の出動なしに、恐らく和田さんはいろんなことを組み合わして考えておられるかとも思いますが、それに対しての勉強は部内では、もちろんこれは建設省も中心になられるでしょうし、経済企画庁も議論されるところでありましょうが、部内で今正確な一つの前提に伴ってどの程度という数字は、まだ私は把握をいたしておりません。 それから設備投資による問題でございますが、設備投資の対象によってこれが輸出産業に結びつくものとかそうした問題もございますので、食料産業なんかとはまた全然別に、そういうものの個々の分析は勉強はしたことはありますけれども、今数字として申し上げるような準備はいたしておりません。
○和田静夫君 厚生大臣、厚生省は六十一年度予算において、社会福祉の三つの領域、老人ホーム、生活保護、結核等の公費負担について国の負担を軽減する、そして地方と自己負担をふやす、こういう方向で検討が始まっていると言われるんですが、これらは社会福祉制度の根幹に触れる問題でしょう。安易に手をつけるべきではないところですが、どういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(増岡博之君) そのことにつきましては、いわゆる国と地方との役割分担ということについて検討をいたしておるわけでございます。その間、自己負担のことについても、当然その負担の公平を図るという見地から見直しを行うことがあろうと思いますけれども、現在のところ、そのような方針をはっきり決めたわけではございません。
○和田静夫君 六十一年度に向かっては、まあやらないというふうにとっておいていいですか。
○国務大臣(増岡博之君) 今後の検討の結果によると思いますので、今、いずれとも申し上げかねると思います。
○和田静夫君 私は、反対だという意見をはっきり申し上げておきます。 そこで、ずっと連日、国民健保の退職者医療制度なんですが、もう一点だけちょっと私詰めておきたいんですが、まずこの問題は政府の見込み違いから起きた問題であります。これは総理大臣も、いみじくも一昨日がお認めになりました。私は実はこのことは昨年の予算委員会のときにちゃんと言ってあるわけですからね、見通しについては。私の見通しどおりになったわけです。そこで、見通しどおりに、私の言ったとおりになったんですから政府は責任をとってもらわなきゃなりません。厚生大臣はおかわりになっています。しかし、内閣総理大臣、大蔵大臣はそのままなんです。それから厚生省の中の当時のスタッフだってまだずっと残っていらっしゃるわけであります。どういう責任をおとりになるのかということが第一であります。
○国務大臣(中曽根康弘君) この制度が発足いたしまして、こういう事実、こういう内容、こういう利便というものに対するPRの不足があったと私は思います。そういう意味においてもう少しPRも徹底するように努力もして、そして参加、加入を促進する、そういうことが大事ではないかと思っています。まだ発足したばかりでございますから、これからの努力によりましてはある程度の回復も可能ではないかと思います。そういう諸般の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○和田静夫君 第二は、これは被保険者や自治体の負担をふやすものであってはならない。厚生大臣、ここははっきりしておいてください。これは約束なんですから。
○国務大臣(増岡博之君) 先生御承知のとおり、国保の財政は、年々高齢化現象によってふえていく医療費の増大に対応していく、やむを得ない面での保険料の増額ということがあるわけでございます。また、私どもがこの退職者医療制度というものをお願いをしましたときには、あわせて医療費の適正化ということも同時に並行してやっていただきたいということを申し上げておるわけでございます。しかし、なおそれらのことを考えた上での影響調査というものを現在やっておるところでございますけれども、多少の影響が出ることは傾向として明らかでございますので、できるだけ財政調整交付金の範囲内でおさめたいと考えておるところでございますけれども、調査の結果によりまして適切な判断を下してまいりたいと思います。
○和田静夫君 今、中野委員からも御発言があったばかりでありますが、もうそれだけじゃ間に合わない、これは明確であります。そこで、天井にまで保険料を持っていくというような指導がもし行われるとすればこれは許せません。約束違反ですからね、健保の長い論議を通じて。これ、ありませんね。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど申しました諸般の事情も考慮しながら、できるだけ低い程度でおさまるような努力はいたさなければならないというふうに思っております。
○和田静夫君 当面、保険料の値上げなどという措置は必要としないぐらいのことを喚起する通達ぐらいは増岡厚生大臣のお名前でお出しになったらどうでしょう。
○国務大臣(増岡博之君) 厚生大臣としての通達を出します以前には、やはり先ほど申し上げた調査の結果を見なければならないと思いますけれども、そのような精神では私はおります。
○和田静夫君 厚生大臣はそういう精神で臨まれるそうでありますから、自治大臣の側からもひとつ政府部内で強くこの辺のことはちゃんとけじめをつけさせてもらいたいと思いますね。
○国務大臣(古屋亨君) 退職者医療制度に関する人数の見込みが狂ったということから、この一月ごろから町村会、あるいはこの間は指定都市の責任者の方が皆来られまして、非常に困った状況にあるという御連絡をいただいておるのでありまして、私どもは保険料が相当高いようなそういう引き上げをしなきゃならぬという事態にならぬように、そういう資料を厚生省の方と十分連絡をいたしておりまして、ぜひこれは主管省においてそういうようなことのないよう、私どもも十分協議をしてまいるつもりでございます。
○和田静夫君 第三、今までの論議を踏まえて、結果的には大蔵大臣が政府の責任で赤字補てんをやる、こういう結論を出さざるを得ないと思うんですが、そういう御用意は当然おありでしょうね。
○国務大臣(竹下登君) 私どもも退職者医療制度の創設に伴いまして、長期的に見れば市町村国保財政は大幅に安定するものだという考え方の上に立って今日もなおおるわけでございます。したがって、先ほど来の議論でございますが、いわば財政調整交付金の配分等の国保の運営面においての工夫をまず第一義的におやりになるだろう。それで私の期待はその中で解決する問題であってほしいものだなと、こうは思っております。したがって、これから実態調査をなさるということでございますので、したがってその実態調査の結果に基づいて当局にはいろいろなお考えがあろうかと思いますので、その際は十分話し合っていかなきゃならぬ問題だという問題意識は現在のところそこまでしか持っておりません。
○和田静夫君 いや大蔵大臣、それは困るんです。これは約束でして、もうずっと議事録を読んでもらえばわかりますように約束になっているわけでして、もしこういう事態が起こった場合には大蔵省はちゃんとしっかり対処するということになっているんですから、したがって両省の大臣がああいうふうにお答えになっているわけですから、結論が出た場合には大蔵大臣は昨年の約束に戻ってちゃんとやってもらわなければならぬ。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、確かに、制度制定時の経緯を顧み、そうして市町村国保の負担増とならないようにしたい、こういう政府答弁があるという御指摘でございます。私自身もそうならないことを期待しておるわけでございますが、実態として今そうなるのか、あるいは退職者医療制度の創設に伴って最初考えておりました長期に見た市町村国保が安定していけばそれでいいのか、そこのところいま少し私に勉強の機会を与えていただきたいと思います。
○和田静夫君 大蔵大臣、予算委員会それから健保の社労の論議等を通じた前後、それはちゃんと約束がありますから、ここへきてまた大蔵大臣、これからまた勉強と言われても困るんで、十分に勉強されて、そうなった場合はこうしますよということになっているのをここでまた延ばしてもらっちゃ困りますよ。したがって、両大臣から出てきた場合にはしっかりちゃんとそれを受けてやると、一言でいいことです。
○国務大臣(竹下登君) 両大臣から話し合いがあったときには、これは十分それに対応すべき姿勢を持っておるつもりでございます。
○和田静夫君 ちょっとまだぼやけていますけれども。法律と予算の関係で若干お尋ねしますが、まず大蔵大臣、予算の法的性格ですが、予算行政説あるいは予算法律説あるいは予算法形式説いろいろありますが、学説上定まっていないとの印象を受けないわけではありませんが、多数の学説を含み、また今日までの日本政府がとってきたところの過去をずっと考えてみますと、有権的な解釈としては行政説だと。よろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) 私の耳ばかりでなく、法制局長官の方もちょっと正確に言葉がわからなかったものですから、もう一度ちょっと言ってください。お願いします。
○和田静夫君 一言でいえば予算行政説でよろしいんでしょう。
○政府委員(茂串俊君) 突然の質問で的確な答弁になるかどうかわかりませんけれども、ただいま委員がおっしゃいましたように、予算の性格につきましては純学理的にはいろいろな説がございます。いろいろな説がございますが、現在日本の憲法下における予算の性格をどう見るかということの点でございますけれども、それにつきましてはやはり予算というのはいわゆる法律とは違う、別な形式である。したがって、国法形式の一つではあるけれども法律とは違った形式である、そういう意味ではいわゆる法律そのものではないということは言えようかと思います。 しかしながら、予算はあくまでも単なる歳入歳出の見積もりにとどまるものではなくて、いわゆる歳出権を行政府に付与するという意味合いにおきましていわゆる法規範的な性格は兼ね備えておるものであると、かように考える次第でございます。
○和田静夫君 訓令、承認、それらのことを含んで予算行政説というのはずっと日本国政府がとってこられた立場だと思うんですが、これを今否定はされませんでしたね。
○政府委員(茂串俊君) ただいまの御質問、私十分にまた自信を持ったお答えができかねるような気もいたしますけれども、先ほども申し上げましたように日本の憲法のもとにおける予算というものはあくまでも法規範性は持っておる、そういう意味で行政府を拘束するものではございます。しかしながら、これが法律とは別ないわゆる法形式である、こういう点もまた事実でございまして、これは制度的に考えましても、憲法のもとでその提案の手続とかあるいは成立の手続、こういったものにつきましてそれぞれ別個の取り扱いがはっきりと規定されておるわけでございまして、そういった意味では形式的には法律とは違った法形式である。しかしながら、先ほどからたびたび申しますように、行政府を拘束するという法規範的な性格は持っておるということで御理解をいただきたいと思います。
○和田静夫君 これはやはり片道の質問の時間の方がいいんですな。ここでどうもはっきりさせないままに進むわけに本当はいかぬのですがね。 ちょっと角度を変えて言いますけれども、政府の予算編成権、提案権は法律の拘束を受ける、仮に法改正の作業をしていても、改正法が公布される以前であれば政府の予算提出は現行法によって行われるべきである、行政説をとるということになればそういうことだろうと思うんですがね。ここまでいくとまた変な答弁になるんでしょう。
○政府委員(茂串俊君) ただいまの御質問につきましては、私どもはこう考えております。法律の提案権というものは政府にまずはございます。これは憲法七十二条とかあるいは内閣法を引用するまでもなく確立された解釈であり、また運用でございます。また、予算の編成並びに国会への提出権、これはもう憲法に明示されておりますように内閣の専属的な権限として与えられておるものでございます。その意味におきまして、内閣なり政府の立場といたしましては、法律の改正につきまして案を作成して国会に提案するという機能は持っておるわけでございますし、また予算も先ほど申し上げましたようなことで提案権を持っておるわけでございますから、その両者につきまして、国会に対しまして御審議の素材という意味合いもいわば比喩的に言えば含めまして御提案を申し上げ、そして御審議をいただくということでございまして、その意味で、先ほどお話のございましたように、現行の法律どおりに予算を編成しなければならないという言葉は、若干ある意味では、何と申しますかはっきりしない点が私はあるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、法律の新規制定あるいは改正の案を政府として作成し御提案申し上げるとともに、それに対応するところの予算の案を組みまして提案するということは当然に許されてしかるべきであるし、また今までの運用、慣行におきましてもそれは確立したやり方であると、かように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 大臣、私素直に考えてみて、法律は予算より効力が優位である、これはそうでしょう。
○政府委員(茂串俊君) その優位だということの意味合いでございますけれども、仮に予算が成立いたしました場合に、当該予算の中で法律の制定あるいは改正、そういったものを当然の前提にして予算が組まれておるという場合に、その法律がもし国会で通らないということになりましたらその予算は執行ができない、そういう意味では優位という立場にあるかもしれませんけれども、先ほど申しました国法形式としての法律と予算がいずれが概念的に優位かということになりましたら、これは必ずしも、相並ぶ、いわば表裏一体としての法規範であると、かように考えられておる次第でございます。
○和田静夫君 私は素直に考えるに当たって、私みたいな者の頭じゃどうにもなりませんから、杉村教授の「財政法」をずっと読んでみればもう明確に書いてあるですな。多くの皆さんそれで高文を受けて通ってきたんだと思うんですが、それでそこへ座っているんだと思うんだけれども、まあこれは古い人たちの話ですが、総務庁長官なんかそうでしょう。これを否定されますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) もう何十年も前のことでございまして難しい議論のお答えはいたしかねるので、法制局長官の答弁のとおりであると、かように思います。
○和田静夫君 私はやはりどうも、皆さん間違っているという言い方は変ですけれども、大蔵大臣、非常に無理をされている答弁がずっと続いていると思っているものだからあえて問題提起をしてみたんですがね。 国会の意思に従って成立している法律に基づいて予算の概算決定、査定、作成が行われなきゃならぬ。それはそうでしょう、大蔵大臣、そういうふうにお考えでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 今の法制局長官からお答えのありました問題につきまして、私どもも議論はいたしました。その議論は、私の角度は、いわゆる暫定予算論議のときに、実は法律上旧憲法のごとく前年度予算を執行すべしという条項がない、よっていろいろ疑問を生ずるというときに、私どもとして部内でいろいろ議論をした問題でありますが、基本的には私は、後藤田さんほど昔の話じゃございませんけれども、私もよく理解できなかったのは、予算というものは異なった議決をした場合両院協議会が行われる、そういう仕組み上からすると予算と法律とどちらが重いかとかいう勉強会はしたことがありますが、しかしそれ以上の知識の持ち合わせはございません。ひたすら法制局長官のお答えのとおりという答えが私の能力の限度でございます。
○和田静夫君 私は憲法の指示する財政民主主義に基づく予算編成というものは今私が主張をしていることなんだということを実は確認したいんですよ。 大臣、あえてけさもちょっと衡定予算に触れられたから、私非常に気になるのは、午前中も田渕委員の質問にそういうふうに言われたんですが、暫定予算と同じものだという大蔵大臣答弁というのは私は性格が全く違っていると思っているんです。そういうことをもし言われるのなら、むしろ衆議院の段階で、この法律が通るまでは予算委員会の論議が終結をしても採決を待たせる、そしてそれで暫定予算が必要になったら暫定予算を正々堂々と組んでそしてこの論議を保障する、こういうことが先行すべきだったですよ。そのことをおやりにならなかった国会の問題じゃない。本来、国会対策としてもそう考えるべきであったかもしれないけれども、それが筋道じゃないですか、暫定予算ということを頭に描かれるのならば。
○国務大臣(竹下登君) 私が申しましたのは、暫定予算論議をする際に、いつでもきちんとした法律的な根拠に欠けておる。したがって判断というものの基準が非常に難しくなる。同じように、この法律を出した後予算を審議していただくべきか、従来やっております、予算を出して同時並行的に法律を出して御審議をいただくべきか、どちらが正しいかというのはちょうど暫定予算の時期の判断と同じくらいに難しい。こういう角度から勉強しただけのことを申し上げたわけであります。
○和田静夫君 暫定予算の解釈は僕は別に難しくないと思うし、竹下さんも昨年私に対して予算委員会の席上でそのことをお認めになったんですから、そういう論議になりますと、予算もないのに限りなく違法に近い支出を行ってきた。これは昨年の予算委員会で政府の意思として大蔵大臣は私にああいう形で整理をされて答えられたことでありますから、予算もないのに限りなく違法に近い執行をしておいて、他方では予算があり法律があるにもかかわらず改正案が通るまでは執行しない。なぜですか。これはとても理解できませんね。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、随分部内で議論をいたしましたのは、さればやはり予算を提出して、それのいわば使い方を決めた法律案を提出して国会の意思決定というものがいずれもなされなければ、執行することは違法ではないわけですが差し控えるべきである。そこで、その場合は違法であるという法律規定が一つあればこれもまた一つの考え方かなというような部内議論はいたしました。したがって、そこらは判断によるべき問題ではなかろうかと。 例えば、この間もちょっと申し上げましたが、仮にこの状態がもう二カ月も先あるいは三カ月も先の状態であった場合、今のような私どもの判断が国会で通るものかどうなのかということになると、やはり選択の問題になってくるのではなかろうかと。そして、その間にまた交付すべき日時を法律で明記されたものも既存の法律の中であり得るわけでございますから、それはおのずから限界があるということはわかりますが、今日の段階で私どもは違法ではもちろんない、しかしやはり交付決定そのものができないという状態からすれば適切ではないというので差し控えるべきだというお答えに終始しておるわけであります。
○和田静夫君 そのお答えに終始しているのがどうも間違っているので、私は非常に苦しい答弁をされている心境はわかっていますからあれですがね。例えば司法試験を竹下さんがお受けになれば、これはだめですよね。落第ですよ。今あなたの重い脳みそのほとんど大半が天下取りの図式にあるからあれでしょうけれども、どうも天下取りの図式を考えてみてもこれは失敗されるんじゃないかといって心配になってくるぐらい、答弁がいつもの竹下さんらしくないと私は思っているんですがね。こじつけをおやめになって、素直に頭を下げるべきところは頭を下げるということもまた私は大蔵大臣として、あるいは政府としてとってよい道だと思う。そして国会が一緒にその立場に立って考えるというようなことがあってもよいと思う。 そういうふうな態度をおとりになった方がいいと思うんですが、百歩譲って、法の改正を提案することを前提として改正案に即して予算を組むことを認めたとする。その法律改正案は予算よりも早く国会に提出されるべきだと、こうなる。政府は憲法によってそういうような義務を負っているわけだと私は思う。私に言わせれば、予算関連の法改正というのは秋の臨時国会なり通常国会の冒頭に提案をされるべきである。それが法律に予算が拘束されるということだと私は考える。今のやり方は予算が法律に優先するという逆転編成であって、そういう逆転提案というものを断じて私は認めるわけにはいかぬわけです。 大臣、憲法が内閣に予算の編成権をゆだねているからといって、内閣が好き勝手なことをやってよろしいということにはならないですよ、これはどう考えてみたって。予算関連法は予算に先立って国会が十分に審議できる余裕を持って提案をされる、これは当たり前のことだと思うんです。そこのところはひとつ合意しましょうや。
○国務大臣(竹下登君) 仮に今の議論は、これは私よりも、司法試験を受けようと思ったこともございませんし、もちろんとても通るわけもございませんが、法律的な問題は法制局長官にあるいは私の後追いでお答えしていただいた方が適切かと思いますが、私どもは、今の和田さんの理論をはいそうですと言ったら、今まで全部違法をしておったと、こういうことになるわけであります。毎年大体提出法案の約五割が俗称予算関連法案であるわけです。しかも予算書と少なくとも同時に提出した法律なんというのはごくレアなケースであって、今度のこの法律などがそのケースであって、普通の場合大体お許しをいただいて二月の第四週の火曜ないし金曜を提出のタイムリミットと定めておるというのが通例、これも今までも通例という言葉は使ってきておりますが、通例になっておりますので、今の和田さんの議論をちょうだいすれば、今までやったことは全部違法をしておったという論理につながるんじゃないかなと、こういう感じで承らせていただいたわけであります。
○和田静夫君 今回の一割カット問題、六十年度限りのものなのかということを中心として、自治大臣、厚生大臣それぞれの御見解を先ほどずっと表明されていました。余り重複はしたくありませんが、そこで六十一年度にはもとに戻すということは、これは自治大臣の見解でかなりはっきりしているんですが、農水大臣どうです、これ、一年限りでしょう。
○国務大臣(佐藤守良君) 和田先生にお答えいたします。 地方公共団体向けの高率補助率の引き下げの措置は六十年度限りの暫定措置であると理解しております。
○和田静夫君 文部大臣もよろしいですね。
○国務大臣(松永光君) 文部省関係の高率補助金の一割カットの点につきましては、六十年度の暫定措置として理解をいたしております。
○和田静夫君 厚生大臣は、先ほどの答弁を聞いていると自治大臣ほどはっきりしなかったんですが、厚生大臣よろしいですね、今のお二人の大臣と一緒。
○国務大臣(増岡博之君) 六十年度の措置は今回限りということでございますけれども、なおその上六十一年度以降については三大臣が協議をするということに署名をいたしておるわけでございます。
○和田静夫君 どうも厚生大臣、署名されていることはわかりましたが、六十一年度の方針が立たずに概算要求をあなた出せますか。
○国務大臣(増岡博之君) 概算要求の場面でまだ合意が成立していない場合には、その際どのような要求を出すかは財政当局とも相談いたしたいと思います。
○和田静夫君 時間が気になるものだから突っ込みが足りなくなるんですけれどもね。それは厚生大臣、そういうことにならぬですよ。六十一年度の概算要求を何に基づいてやるのかというのは非常に重要でございまして、これからぼちぼち協議をしますなんというものじゃありませんでしょう。
○国務大臣(増岡博之君) できれば概算要求までの間に六十一年度の結論を出すことが最良でございますけれども、なかなか難しい問題でございますので、その間の状況についてはいろいろ政府部内で相談をいたしてまいりたいと思います。
○和田静夫君 厚生大臣、政府部内で相談するなんという生易しい態度じゃ困るんです。 自治省の財政課長通達というのが出ておりまして、内簡、一月二十二日、異例の措置として行われるもの、暫定的に実施されるもの、国庫補助負担率の引き下げについては昭和六十年度限りの措置、明言しています。これがほごになるようであったならば自治体を全部だまかすという形の内簡ということになりますよ。これは政府の責任ですよ。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほどから申し上げておりますように三大臣の合意というものがございますので、その趣旨にのっとって対処してまいりたいと思います。
○和田静夫君 農水大臣、どういう概算要求をされますか。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えします。 厚生大臣と同じでございます。
○和田静夫君 それはもう大臣、だめよ。さっきの答弁と違ってきたんだから。
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
○国務大臣(佐藤守良君) 和田先生にお答えします。 先ほど申しましたようなことでございまして、高率補助率の引き下げについては六十年度限りの暫定措置であると理解しております。そういうことで、暫定予算につきましては十分検討してこれを決めたいというふうに考えております。
○和田静夫君 大蔵大臣、私、別に皆さん方に何か変な意味で言っているんじゃないんですが、憲法、財政法の指示するところによれば、現行法によって概算要求を組み立てていかなきゃならぬわけでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 概算要求というのは確かに法律で決まっております。そこで、従来どうしてやっておるかと言えば概算要求基準、これは閣議決定でもって合意したらその基準に基づいて予算の概算要求はすると、こういう手法を今日までとってきておるわけであります。
○和田静夫君 私が言いたいのは、結果的にこの法律が成立しても一年限りでありますから、概算要求というのはもとに戻った形でもってやるということになるんでしょうということですよ。
○国務大臣(竹下登君) 概算要求というものは、その時点において概算要求基準というものを作成するわけでございますから、その場合は、仮にもし閣議決定で今年度同額とかそういう決め方はあり得ようかと思いますが、法律に基づくいわゆる補助率等の問題につきましては、その時点では来年度の分は決まっていないわけでございますから、概算要求基準作成の場合はおよそ金額の総枠というものが焦点になって議論をされる課題だというふうに考えております。 例えて申しますならば、今年度におきまして補助率が決まっておるわけではございませんが、いわゆる公共事業関係等につきましては五%の削減、そして非公部門につきましては例外は除く一〇%削減ということで基準を決めたわけでございますから、それは補助率と関係を持って決めたということではなく、金額に対する概算として決めたという内容のものであります。
○和田静夫君 各大臣いろいろのことを言われていますけれども、例えば三省協議だとか四省協議という、それが成立したとしても実はだめなんですよ、本当は。なぜなら、あなた方行政府は現に生きている法律に従って予算を編成する義務があるんですよ。このことを無視しておいて三者協議がどうだった、あれがどうだった、調印しているからなんというのは話にならぬわけですよ。百歩譲って、三省協議の全過程を国会に報告する、秋の臨時国会で法律を提案する義務を負う、こういうことになると思うんですね。大体三省協議とは一体何か、たかだか行政都内の意見調整にすぎないではないですか。三省協議でなどという答弁は大臣答弁としては許しがたい答弁ですよ。もしそういうふうなことに固執されるのならば、三省協議のもとになったところの事務次官メモを出してください、ここへ。
○国務大臣(竹下登君) 三省の申し合わせは、最終的に事務次官の手を通すことなく、あの場で作成をいたしたものでございます。
○和田静夫君 後段余り時間をとるわけにいきませんが、事務次官のメモがなくて、大臣が突然そこで三人でもって自分のペンでお書きになったなんというのは通りませんよ。通りませんが、総理、ちょっと気になったのは、昨日でしたか、大蔵大臣の御答弁の中に、これ以上答弁をすると臨時国会の約束をしなきゃならぬというようなことが頭の中をよぎるので云々という意味のことがあったんです。六十一年度も今回と同様の措置をとるのであるというふうに大蔵大臣の御姿勢の中から判断ができるのならば、そういうときに秋の臨時国会に法案を提出する、こういうことですか、総理。
○国務大臣(竹下登君) 私がお答えいたしましたことを総理が皆覚えていらっしゃるわけじゃございませんから、私が本委員会においてお答えをいたしましたのは、いわゆる五十六年の行革国会方式をとりますというふうなお答えを私がしたとすれば、それはまさに臨時国会をアナウスするようなもので、これは私一人で決めるべき課題ではないというふうな意味で申し上げたわけであります。 あの行革国会のときは、四カ月間かかって、第一次の臨調というところの答申をいただいて、それで第一歩を踏み出すということで、しかも行革国会と銘打っておりましたが他にも議題がございました。そこであのような措置をとらしていただいた。あのような措置は私は適切な措置であったと今でも思っておりますが、今回の場合は、そこのところは一括法にしたのがいい悪いの議論はあると思います。見解の相違もございましょう。がしかし、今後すべて制度改正に伴うものは事前にやりますということをいたしましたならば、これもかつて勉強した一つとして申し上げましたが、通年国会のような形式にならざるを得ないという議論をしたこともかってございます。したがって、いわば行政の選択のあり方としては、今日のような法案の提出の仕方というものがまあ妥当なものではなかろうかというふうに申し上げたわけであります。
○和田静夫君 総理、やはり今度のこの国会でこの問題については大変な論議がございました。この論議を踏まえるならば、ちゃんと臨時国会なら臨時国会で時間かけてこういう措置については論議を保障する。総理の立場として当然だと思いますが、そういうふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点はいろいろここで論議が交わされた点でございまして、野党の皆様方のおっしゃる点も一つの御見識であり、財政民主主義等に沿ったお考えであるとは思います。しかし、政府にはまた政府の立場がございまして、法制局長官や大蔵大臣が御答弁申し上げておりますように、予算と法律との連関関係という面から我々には我々の実際的立場もまたあるわけでありまして、その点も御理解いただきたく思うわけでございます。
○和田静夫君 これは理解をするわけにはいきません。財政民主主義がしっかり守られるような保証というのをやはり常に我々は求めなきゃなりませんし、政府側だってそのことをしっかりお考えにならなきゃならない、こういうふうに思います。 ちょっと資料を…… 〔資料配付〕
○和田静夫君 補助金と公益法人ですが、政府は補助金整理を進めることを大方針とされているわけですが、依然として改善されていないのが公益法人への補助金です。生活保護のような福祉の根幹をなす補助金をカットしつつ、他方ではわけのわからぬ公益法人の補助金を温存する、こういうような事態を放置しておくわけにはまいりません。私の調査結果は配付資料のとおりですが、八省庁で三百四法人に補助金が出ており、それら公益法人は与党の政治家、元高級官僚そして財界人が代表して名を連ねているわけです。政治家は八省庁で三十九、未調査官庁分を加えれば四十を超えます。これらの補助金にはそれぞれもっともらしい理屈がつけられて、中には重要な役割を果たしている竜のがあるかもしれません。そのことは私は否定をいたしません。重要な役割を果たしているものもあるでしょう。しかしそれにしても数が多過ぎる。まず総理、この一覧表をごらんになっていかなる感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今、渡されたばかりで数字を見ておるところでございますが、公益法人あるいは特殊法人の整理というものを行革の一つの柱としてやっておりますが、なかなかおっしゃるように整理が困難な状態で速度が遅いなということを感じた次第であります。
○和田静夫君 稲山経団連会長が代表をされている五法人に通産、農水、建設の三省から五十八年で約二十四億円の補助金が交付されています。それから土光敏夫氏が代表に就任している財団法人国際開発センターには農水、外務、建設、運輸の四省庁が合計約二億円の補助金を出しています。 大蔵大臣、これ民間活力民間活力と総理も常日ごろおっしゃっているし、このお二人の方々も例えば今度の臨調等を通じて民間活力民間活力と言われてきた主要な方々ですが、まさに民間活力でこれらの法人活動をおやりになればよいのであって、何も政府が財政難の折に補助金を交付する必要は私はないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 具体的な問題につきましては各省の方から御答弁があろうかと思いますが、一般論といたしましては、民間に対する補助金のみならず、あらゆる補助金につきましては整理合理化の対象として大蔵省としても予算査定に当たっては厳しく今まで処理してきておるところでございます。
○和田静夫君 農水大臣、政治家の問題は別としましても、片柳さんあるいは中野さん、これはもうそれぞれ次官を経験された方ですよ。公益法人の代表をおやりになっているわけですが、そのうち幾つの法人にそれぞれ幾ら補助金が出ているかということを大臣すっとおわかりになりますか。
○国務大臣(佐藤守良君) 和田先生にお答えいたします。 お尋ねの公益法人数及び補助金の額でございますが、国会議員が代表者となっている公益法人はことしの二月一日で三十八法人ございます。そしてそのうちで補助金等が交付されているものは十法人で、その額は五十八年度決算額でおよそれ億八千四百万円でございます。それから財界人が代表者となっています公益法人は十法人で、うち補助金等が交付されているものは四法人で、その額は二億二千百万円でございます。それから農林水産省の局長以上の元職員が代表者となっている公益法人は七十五法人ございます。そのうち補助金等が交付されているものは二十六法人で、その額およそ百六十二億でございます。
○和田静夫君 農水大臣だけに質問しても悪いですから、運輸大臣、秋山龍元次官の関係のやつ。労働大臣、松永元次官の関係のやつ、すっとわかりますか。
○国務大臣(山下徳夫君) ちょっと今調べておりますから……
○国務大臣(山口敏夫君) 基本的には和田先生の御指摘の方向に沿って改善されるべき一つのあり方だと思いますが、労働省の関係は産業医学振興財団に九五%、公益法人ということで予算を出しておるということでございまして、今指摘されました松永さんの問題につきましては、日本ILO協会に四千五百万、これは国会でもたびたびILO条約の批准に対して大いに政府は督励して批准すべきだ、こういう問題を取り扱っておりますので、予算的にも有効にこれを活用しなければならない、かように考えております。
○国務大臣(山下徳夫君) 秋山さんが入っております海外運輸コンサルタンツ協会、これが二千七百万程度であります。それからもう一つの、同じく秋山さんがやっている日本観光開発財団、これが三千百万でございます。
○和田静夫君 総理、大臣クラスまで全然おわかりになっていなかったんです。私はこの調査を始めて――これはもう政府の資料をみんなもらっていますから私は全部わかっていますが、政府側でまとめていただいたわけです、後で結論を申し上げますが。 そういう状態で、先ほど感想を述べられましたが、感想は全く当たっているわけです。もともと整理をされようという意思で動いておられない。もちろん大事なあれがあることは否定をしませんから、全部が全部を指しているわけじゃありませんが、例えばもう一つだけ例を挙げますが、厚生大臣、財団法人三悪追放協会、これは菅原通済さんがかつておやりになった法人ですが、千三百万ほどの補助金が出ていますけれども、この目細の名称は向精神剤実態調査等委託費、政府からもらったものではそうなっているんです。内容は実態調査などではなくて、ボールペンやらチラシやらポスター等の製作、頒布でしょう。そうすると目的外使用ですよ。私がもっと興味をそそられるのは、この補助金交付の結果どんなすばらしい効果を生んでいるんだろうということ。厚生大臣、どうお思いになりますか。
○国務大臣(増岡博之君) この三悪追放協会に対します委託費のお尋ねでございます。その内容は先生御指摘のとおりでございます。 ただ、特に今麻薬の撲滅活動に中心を移しておりますので、年々委託費は漸減いたしておるわけでございまして、その他の問題は完全ではございませんけれども、改善されつつあるということからそのような実態になっておるものと思います。
○和田静夫君 時間がなくなってきましたからあと通告してあるのを飛ばしますが、通産大臣、外交の関係で席を外されましたが、ちょっと一言だけ聞いておきますが、軽金属協会、五十八年二十万円の補助金、この内容は一体……。 それから通産省の公益法人の補助金の多くは業界団体への補助なんです。民間活力が叫ばれ、規制緩和が進められようとしている今、これらの補助金は全面的に見直されるべきだろうと思うんですが、本当は大臣に答弁をもらいたかったんだが、どういうふうに考えていますか。 それから外務大臣、国際協力活動をしているNGOですが、補助金リストを提出いただきました、随分時間がかかりました。どれも政財官の人が代表をしております。しかもほとんどが行政補助的団体で、政府から独立した本来のNGOというのは二、三にすぎません。政財官とは限りなく有意義な活動をしているNGOはたくさんあるわけですね。むしろこれらの団体にこそ財政的な支援が行われるべきだというふうに考えるんですが、どういうふうに思いますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かに二十一ばかり政界、財界の偉い人が幹部になっております。それぞれ外交政策の推進のための団体として補助金を受けて活躍しているわけでありますが、おっしゃるようなこのNGOにつきましては、まだまだ私自身も最近のアフリカ救援等いろいろと振り返ってみまして十分でないし、またこれは非常に必要な、これから政府としていろいろと協力を求め、あるいはまた援助をしていかなければならない団体ではないかと、こういうような認識を持っております。これからのひとつ関係を強化してまいりたいと考えております。
○政府委員(児玉幸治君) 先生御指摘のように、軽金属協会につきましては五十八年度に二十万円の補助金が出ているのは事実でございます。今詳細なる資料を私手元に持っておりませんので、まことに恐縮でございますけれども、軽金属関係のいろいろな近代化、合理化関係の補助金であると承知しておりますけれども、後ほどまた詳しく御報告をさせていただきたいと思います。
○和田静夫君 外務大臣、時間がなくなってきましたから少し一方的にしゃべりますが、財団法人外務精励会には現職公務員が役員として名を連ねています。会計課長が理事長、文書課長が理事です。これは既に四十六年に行管勧告でやめるべきだと勧告されているんですね。その後同様の活動をしている他省庁の団体、例えば防衛庁の弘済会、あるいは商工協会は兼務をやめた、あるいは事務所も役所の外に移した。それなのにその後十四年間にわたって行管の勧告は外務省に限っては無視されてきている。総理府の調査によりますと現職公務員が公益法人の役員に就任しているのは七法人。法務三、外務二、文部一、労働一ですが、外務精励会以外は、好ましくはないんですが、まあまあある程度の理屈はつくんです。しかし、この外務精励会については、他の役所は是正をした、にもかかわらず是正をしないということについては、これはどうも疑問です。総務庁長官、十四年も前の勧告が是正されていないことがこういうふうにはっきりしてきている以上、再監察が必要と考えるんですが、いかがでしょう。監督指導をする立場の者が役員につくというやり方、これはやはりまずいんじゃないでしょうかね。外務大臣と両方。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 総務長官の前にお答えをいたします。 私も今実は調べてみました。確かに御指摘のように旧行政管理庁からの勧告を受けております。しかし、旧行政管理庁の勧告は、法人の事業内容から見て、他に役職員の適格者が得られない等の場合が例外的にある程度あり得ることまで否定しておるものではないと、こういうふうな解釈を外務省としてしておるわけでありまして、精励会の内容をいろいろと実は私も聞いてみましたけれども、現職の役人が会費を出し合って相互福祉等の関係にこれを使っておるわけでありまして、どうしてもそういう立場から現職の公務員が役員の中に入っておるということのようでございまして、補助金をもちろん受けているわけではございませんし、その性格から見まして、行管の確かにあれは受けましたけれども、別にこれは現職の役人がおってもそう間違ったことをするわけではないと、こういうふうに実は思っておるわけでございますが、しかしよくまた私も調査をしてみまして、ほかの官庁との関係でやはり外務省としてもそういうことはきちっとすべきであると、こういうことならば考え直さなきゃならぬと、こういうふうに思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 公益法人について和田さん御指摘のようないろいろな批判があることは事実でございます。ただ、私は基本的にはこう思っているんです。これはやはり公益目的でつくるわけですね。ならば、その目的に沿って十分な活動をしているのかどうかと、その中には眠り法人であるとか、あるいは人件費補助まがいの、OBが天下っていてそこへ経費が出ているとか、いろいろな批判がありますから、これは私は直すべきだと思いますけれども、本来民間の発意で公益目的にやるんだから数が二万が多過ぎるとかといったようなことは、私は基本的には賛成しないと。これはやはり改めるべきところを改めたらよろしいと、こう思っているんです。 その監督はそれぞれの所管行政庁がおやりになっていただいているわけでございますから、私どもとしては、その所管行政庁の監督指導が十分であるかどうかと、こういう観点で時に監察をしたり調査をしたり、それに基づいて勧告をしておる。そこで四十六年に勧告を申し上げて、このときは実際は大変数が多かったんです。しかも補助金をもらっておる。そこに現職の公務員が役員をやっているというのがありましたけれども、今日非常に整理をせられまして、先ほど和田さんがおっしゃったように、たしか七法人ぐらいに減っております。これはやはりそれぞれの所管庁がごらんになって弊害はなしと認定をしていらっしゃるんだろうと、こう思いますから、そこらはそれぞれの所管庁において、和田さんの御意見もございますから、十分お考えをいただいて検討せられればいい問題ではないのかと。改めて私の方からその七法人についてだけ監察をするという、そこまでやる必要はないのではないかなと、かように私は考えております。
○和田静夫君 あと残された時間、いろいろ通告してありますが、後日一般質問に譲るといたしまして、一つだけ日本信販ですが、日本信販によるずさんな融資が明るみに出ているわけですが、行政改革の一つの課題として縦割り行政の典型例でこの問題を取り上げるのですが、日本信販が絡んだ住宅ローン名義貸しについては、以前昭和五十八年に私は取り上げてあります。あのときにきちっとやっておれば今日のような状態になっていないと思うんですが、それぞれ放置されてきた。今回の長野支店の融資事件は極めて大規模です。通産大臣がいらっしゃらなくなりましたが、東日本開発グループに約二十四億円、松本市の松建住宅への約八億五千万の住宅ローン名義貸し。警察は、この長野支店の同様の融資は東日本と松建のほかにもあるようですが、そこがつまびらかになっているでしょうか。 それから松建住宅に関して、名義を貸した人物が暴力団を使って松建に名義を外させたという事実が実は私の調査では報告されているのでありますが、そういう事実関係はあったのでしょうか。 それから既に長野県警が事情聴取をお始めになっているようでありますが、警察庁はその捜査の展望をお示しになることができましょうか。 それから今回の事件は、一見日本信販が被害者のように見えますが、私は日本信販そのものの融資姿勢にも問題があると実は考えるのでありまして、一営業所長代理、三十四歳の若い人がこれだけの大きなものを動かせるというのはどうも解せないので、特別背任に発展する可能性があるというふうに素人なりに思われますが、警察としてそういうような感触についてどういうふうに考えられましょうか。 通産省ですが、事務局の答弁でいいんですが、一件当たり五千万円という住宅ローンのつけ方というのは、本来住宅ローンとしては全く不自然でしょう。そうすると、日本信販の住宅ローンのつけ方がおかしいということを事前にはちゃんとお知りになっていたんじゃないだろうかと。もし住宅ローンは大蔵省の管轄だと言われるのならば、大蔵省は同じ質問に対してどういうふうにお答えになりますか。 さらに信販業界のトータルな与信額を割賦販売、消費者ローン、住宅ローン別にきょう示すことができますか。 それから通産省、そのうちどれだけ不良債権化しているかということはきょうわかりますか。もしこれが大蔵の管轄だというなら、大蔵省、同じような質問でおわかりになりますか。事前に通告してありますから報告ができるのかもしれません。 そこで、今回三十三億円という巨額な焦げつき債権が発生したわけですが、通産は日本信販のトータルな債権分類は把握をされていますか。 これらを踏まえて大蔵大臣、通産大臣にも同じ質問をしたかったんですが、今回の事件というのをずっと見ていてどういうコメントをされますか。常識では考えられない乱脈融資が生じた制度的理由というものを大蔵大臣はこの機会にお考えになってしかるべきだと思っているんですが、いかがでしょう。順次……。
○政府委員(金澤昭雄君) 警察関係につきましてお答えをいたします。 現在私どもの方は大きな関心を持って情報収集中でございます。いろいろお話が出ました点を含めまして現段階収集中でございますので、具体的な内容につきましては答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○政府委員(矢橋有彦君) 通産省に対しまして三つの御質問がございました。 まず第一の、五千万円もの住宅ローンという日本信販の融資の姿勢についてどう考えるかという御質問でございますが、住宅ローンは当省の監督が直接及んでおりませんので、そのものにつきましてはコメントする立場にはないわけでございます。ただ最近、一般に消費者信用の分野におきまして業者間の競争が激化しつつあることは事実でございます。ともすれば無理な融資も行われる危険は若干高まっているのではないかと思うわけでございます。 次に第二点でございますが、信販業界全体の与信頼及び不良債権の状況でございます。社団法人日本割賦協会の調査によりますと、信販会社六十五社の五十八年度新規信用供与額は合計七兆六千三百三十五億円でございます。その内訳を申し上げます。いわゆるクレジットが六兆四千百六十三億円、消費者ローンが五千五百二十億円、住宅ローンが三千四百五十億円などとなっております。なお、信販会社六十五社と申し上げましたが、全国で百二十八社の信販会社があるわけでございますが、そのうちただいま申し上げましたのは六十五社についての調査でございます。ただ、クレジットに関しましてはこの六十五社でほとんど全部を占めるという実情にございます。 それから不良債権でございますが、実際の不良債権がどの程度あるかということについては私ども正確には承知できておりません。ただ、大手信販会社七社、これは上場七社でございますが、この七社につきまして五十八年度におきます貸し倒れ償却額を申し上げますと、七社合計で三百五十七億円でございます。そしてこれは期末割賦売掛金残高の〇・八六%となっております。この貸し倒れ償却額は趨勢的には増加しつつある状況でございます。 それから第三点でございますが、日本信販株式会社の債権分類がどのようになっているかという御質問でございます。同社の五十八年度有価証券報告書によりますと、同社の割賦債権、つまり割賦売掛金の残高でございますが、これは二兆六百四十九億七千万円となっております。その内訳でございますが、信用販売事業、これはいわゆる物品の販売にかかわる例えば割賦購入あっせんといったものでございますが、これが一兆七百十三億七百万円で全体の約五二%を占めております。次に消費者ローン事業でございますが、これが一千八百四十六億九千三百万円でございまして八・九%を占めております。それから住宅ローン事業でございますが、八千六十七億六千六百万円でございまして三九・一%、それから不動産開発事業が、これは小そうございますが、二十二億四百万円で比率が〇・一%という内訳になっております。
○政府委員(吉田正輝君) 今通産省がお答えになったうちで、日本信販の一件当たり五千万円の住宅ローンは不自然と考えるということについての補足的な御説明をいたしますと、実は日本信販の監督につきましては私ども貸金業規制法の面で監督しておりまして、資金需要者の保護というのが目的になっておりますので、その経営内容とか貸出内容について個々に把握する立場にはございません。しかし、一般論として申し上げますと、住宅ローンは通常住宅等の不動産を担保とし、かつ当該不動産の担保価値を限度に貸し付けが行われるというのが常識でございますので、返済能力を超える貸し付けが行われるようなケースは比較的少ないと思われます。したがいまして、これが不自然かどうかということにつきましては、貸し付けの担保の状況、貸し付けの資力等の状況いかんによりまして過剰融資かどうか判断されるべきでございまして、一件当たり五千万円であるということで直ちに過剰融資かどうかは申し上げかねるわけでございます。この点は個々に日本信販の貸し付けの内容を当たらなければいかぬわけでございますけれども、その点私どもについては調査する権限はございませんということを申し上げさしていただきます。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる大蔵省の立場から申しますならば、先ほど局長からお答えいたしましたとおり、貸金業規制法の問題から見ますならばおのずから限界がございます。したがって、恐らく和田さんのお考えというものはそういうものでなく、統一的な消費者信用法とでも申しますか、そういうことについての政府としての考えはないか、こういうことではないかというふうに考えます。この問題につきましては統一的な消費者信用法の制定、これを望む声がございます。そのことは承知しておりますので、大蔵省としては今後金融制度調査会の審議を踏まえて、これは関係省庁と協議して進めなきゃいかぬ課題であるというふうに事実認識をいたしておるところであります。
○神谷信之助君 まず総理にお尋ねをしますが、今度の補助金カットに対して万全の財源措置をしたというように答弁をなさっていますが、私はこれは実態に合わないというように思うんですね。実際の国の措置の実体というのは、一千億円を一般会計から交付税特会に出した、 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕 あとは地方債の増発で投資的経費の直接カッ十分の二分の一の一千億、これの元利償還は六十一年度以降に交付税特会に入れるんだというそういう措置で、全部結局地方の借金に肩がわりをするというそういう状況になっていると思うんですよ。カットされた地方負担増を見てみますと、経常経費分で二千六百億、投資的経費分で三千二百億、それから公営企業分が一千百億、それから補助廃止分が四百二十億で、合計七千三百二十億というこれだけの膨大な地方負担増に対して交付税特会に一千億とりあえず現ナマは入れた。しかし、これもよく考えてみますと、従来からのお約束で、既往の臨持分というようなもの、臨時特例交付金を六十年度は千三百五十五億円交付税特会に入れなきゃならぬ分を六十六年以降に先送りをしているわけですから、逆に三百五十五億円負担はふえると。初めの約束と違う状況になってきているわけですね。だから、これは結局地方団体への借金の肩がわりだと、この間知事会、市長会、町村会の代表が来ていましたが、ツケ回しにすぎぬ、何がこれが行政改革だというのが共通して出ていた意見ですが、この点について総理はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大変細かい数字にわたる問題ですから、政府委員から答弁させます。
○政府委員(平澤貞昭君) 今回の措置に伴う地方公共団体の負担増は五千八百億円あるわけでございます。先ほど委員もおっしゃいましたように、千億円については特例加算、残りが四千八百億円ございますが、それぞれにつきましては、先ほど委員がおっしゃいましたように、地方財政の運営上皮陣のないように自治省と相談いたしまして配慮いたしております。そういう意味では地方団体にツケを回しているということではないと理解しておるわけでございます。
○神谷信之助君 いや、地方債で穴埋めをしていることは間違いないでしょう、地方債は国が借金するんじゃなしに地方団体が借金をするんで。だから、借金を認めてやるから借金をしなさい、そういうことであって、園のツケをそっちへ回したわけでしょう。赤字国債の発行を減らした分だけ逆に言ったら地方債に振りかえたというだけ、結局そういうことになっているわけでしょう。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほどの答弁をさらに申し上げますと、四千八百億円につきましては建設地方債の発行によって措置しているわけでございます。その四千八百億円につきましては、交付税措置によりましてその元利償還について遺憾なきを期しているわけでございます。委員のおっしゃいますのは、恐らく、交付税というのは全体として地方の財源だから、それで措置してということではないかと、こういうお話でございますが、さらに細かく申し上げますと、その四千八百億円のうち、それぞれいろいろ議論いたしましたが、理由のあるものにつきましては後に国がその元利償還の二分の一を見るとか、あるいは、六十六年度以降でございますけれども、交付税の調整措置を考えようじゃないかとかいう措置をとっているわけでございます。しかし、それでもなおそういう措置をとっていない部分もあるわけでございますけれども、それは全体の地方財政の財政対策を今後、これまでもやっておりましたように、毎年度やっていくわけでございます。そういう場合に、最終的に地方の歳出と歳入を算出いたしまして、その結果財源不足額が出ている場合には、国といたしましては毎年毎年財源措置をするわけでございますので、結果的には地方団体に対してはその財政運営の上で遺漏がないように措置できるということでございます。
○神谷信之助君 地方に対する借金の押しつけですよね。昭和五十年以来地方財政危機対策の中でどんどん借金をふやしてきています。これで交付税特会の借入金残高は今五兆六千九百四十一億円、こうなっています。この利子を既に五十九年度は三千六百三十八億、六十年度は三千六百九十四億と、来年以降も続くわけです。さらに六十六年以降になると、今度は元金の返済をせにゃいかぬ、こうなってきますね。七十二年に至っては七千二十五億九千万円、これだけの元金を返さにゃいかぬ、こうなります。六十六年以降毎年三千六百億、四千六百億、五千億、五千四百億と、ピークが七十二年になるんですけれども、片一方で交付税会計からはそれをどんどん返していかにゃならぬでしょう。交付税はもう皆さんも認めておられるように地方団体の固有財源なんだ。だから人の懐を当てにして、それで金を貸したらそれで借金返せと。それは国は一銭も痛まぬですわね。国が本来出さなきゃならぬ、あるいはなければ借金をしてでも出さなきゃならぬ分を地方に借金を肩がわりさせていくことは事実なんです。これがもう大変なことになってくるわけでしょう。 それから今度六十年度の対策でも財源対策債がとられますけれども、これを見ますと、今まで財源対策債の償還分については、御承知のように地財計画で見て基準財政需要額に算入しています。例えば五十九年度だけでもこれが九千七百七十四億円、約一兆円になる。だから、交付税計算の中に計算をしてちゃんと見てありますよと言うけれども、自由に使える交付税の自治体の金というものは、そのうち一兆円ほどは政府から無理やりに押しつけられた借金返しに食われてしまうわけです。だから五十九年度といいますと、交付税率は今三二%ですけれども、実質この分を引きますと二七・七%にしかならない。もう先にその分は取られるわけですからね。これがさらに六十年度から八十年度にかけて元金は七兆八千九百三十億円、利子が三兆九千三百三十六億円、合計十一兆八千二百六十六億円というものを返さにゃいかぬ、こういう状態になっていますよね。そうすると、これはもう地方団体が自分の固有財源だと言っておる財源自身がないという状況ですね。 そこで総理、総理は去年の地方制度調査会の第一回総会ですね、第二十次の。そこであいさつをなさって、地方自治の本旨に基づいてこれからの行政改革、財政改革、教育改革を進めなきゃならぬという趣旨の発言をなさっているんですが、この地方自治の本旨がそれに必要な財源保障なしては絵にかいたもちになるわけでしょう。地方団体の固有の財源というご上で国税三税の三二%、これは地方団体が自由に使いなさいよといって法律で決まっているものを、政府が借金を押しつけていってその借金の償還も全部そこから出させてしまう。これでは実際には地方自治の本旨に基づいて地方行政を指導するということにならぬというように思うんですが、この点はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中央と地方は車の両輪のごときもので、お互いが唇歯輔車の関係にあって助け合わなければならない、そういうこともその際は申し上げてきたつもりでおります。中央が困っているときは地方が助け、地方が困っているときは中央が助け、長期的に見てバランスのとれた助け合い関係が成立する、そういう関係にあるというふうに御理解願いたいと思います。
○神谷信之助君 助け合わにゃいかぬと言うんですが、兄貴の方がどんどん戦争のおもちゃを買って極道をしておる、あるいは大企業に対して赤字国債を発行して仕事をつくってやる、そこでつくり出した借金の返済まで弟が見なければならぬというばかな語はないと思う。片一方の方は大もうけをして内部留保もふやしているわけですからね。だから、本当に両方が相まって協力し合っていくという状況じゃなしに、国が強大な権限を持ってどんどんやっているわけですよ。だから、この間の知事会、市長会、町村会の代表も、先ほども話がありましたように、ただ泣く子と地頭にはかなわぬ、無力感、絶望感を強くしていますと、こういうように言っているわけです。 自治大臣、よろしいですか、先ほど言いましたように、交付税特会の方もどんどん借金の返済、先の方までずっと先食いされているといいますか、借金返済が約束されている。こういう状況で五十九年度は実質交付税率三二%とはいっても二七・七%という、そういう実際自由に使えるなにはそうなってしまった。こういう状況になっているんですが、その上に六十一年度予算編成では交付税率に手をつけるといいますか、切り込んでくるということも報道されたりしているんですが、この点について自治大臣はどういうようにお考えですか。
○国務大臣(古屋亨君) 自治省といたしましては、地方団体の自主性、自律性ということを尊重しながら必要なる税源の確保、また財源の確保には努めてまいる所存でございまして、いやしくも今お話しになりました交付税の三二%問題につきましては、今の地方団体が五十七兆以上の赤字を持っておりまして、交付税会計において返すべきものも五兆以上あるという状況でございますので、とてもそんな余裕はございません。特に四分の一の地方団体は二〇%以上の公債負担率という赤信号を出しておるような状況でございます。そういう意味におきまして、私どもはこういう点で地方財政富裕論というようなことはとんでもないことだと思っております。ただ一部の団体で、御承知のような大阪付近とか、そういうところで特別の財政措置を講じておることが一部富裕論になりかねないということを私どもは懸念をしておりまして、今後とにかく地方団体としては国の厳しい財政状況、地方も極めて厳しい財政状況であるという認識を頭に持ちながら、関係各省と十分析衝いたしまして、地方財源の確保につきましては全力をささげたいと思っております。
○神谷信之助君 総理大臣、六十一年度予算編成に当たって交付税率三二%に手をつけるという考えはおありにならぬだろうと思うんですが、今自治大臣もおっしゃったような状況です。三二%を下げるというような考えはないということははっきり明言できますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 来年度予算編成については、まだ概算の関係についても明確な考えを固めておりませんので、今ここでどうこうと申し上げる段階ではございません。
○神谷信之助君 そうすると、四十二年以来ずっと続いている今の国税三税の三二%という税率も国の財政状況、予算編成の状況いかんでは切り下げることもあり得るということですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まだ方針が決まっておらぬわけでありまするから何とも申し上げる段階ではないということです。
○神谷信之助君 しかし、これは交付税率三二%、この財源というものが地方団体の固有の財源として地方自治の本旨を保障する、そういうものでしてね、交付税法に基づいてやられてきておるわけなんで。だから、方針は決まっていないとおっしゃると、財政需要いかんによっては交付税法そのものを改正してでもやらざるを得ない場合もあり得るということも含まれるわけですか。この点もう一度明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) まだ決まっていないということでありますから、そういうように御了解願いたいと思います。
○神谷信之助君 大蔵大臣はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) この交付税率の問題というのは、議論するということになると国庫支出金のあり方それから税源配分、それらを全部含めて議論すべき問題でございますので、軽々に今この問題をいわゆる税率を引き下げますという前提で議論する課題ではないというふうに思っております。
○神谷信之助君 これは今、大蔵大臣のおっしゃるように、国と地方の事務の再配分なりあるいは機能分担なり、それに伴う財源をどういうように分けるか、国税、地方税の割合、そしてそれに伴って国庫支出金をどうするかという全体として見なければ交付税率はそう簡単にそれだけを上げ下げするという問題にはならぬ、そういう意味に理解をしていいわけですか。
○国務大臣(竹下登君) 元来交付税というのはそんなものだろうと、すべてを総合した中の地財計画全体の中で位置づけるべきもので、神谷さんおっしゃいますように、これ下げるか下げぬかというだけの議論をする問題ではないというふうに私は理解しております。
○神谷信之助君 そうすると、六十一年度予算編成に当たって、地方財政あるいは地方行政、財政を含めて特に交付税法の六条の三の二項に基づく抜本的な、根本的なといいますか行政改革、財政改革というものを規定していますけれども、六十一年度予算編成の際にはそこまで踏み込んでやるという、そういう環境には現在まだない、そういう意味で理解していいですか。
○国務大臣(竹下登君) 総理からもお答えがあっておりますように、まだ予算編成方針というものも決めていない、これが大前提にございます。そうしていま一つは、聖域というものは設けないという限りにおいて、これだけは別でございますという手法はとらないということであります。
○神谷信之助君 聖域はとらないけれども、部分の食いちぎりはやらないということははっきりしているのですよね。部分的な食いちぎりはやらない。交付税率だけ動かすとかどうとかするより地方財政全体の枠組みの中でどうするかということを考えるのであって、先ほどおっしゃったように交付税率を上げたり下げたりという部分の食い荒らしみたいなことはやらない、そういう意味でいいのですか。
○国務大臣(竹下登君) 交付税というものが、いわば今おっしゃいましたように費用負担のあり方、国庫支出金、税源の配分、そういうものと総合的に論ぜられるべき性格のものであるという問題意識は持っております。
○神谷信之助君 それではその次の問題に移ります。 自治大臣にお伺いしますが、自治、大蔵、厚生の三大臣の覚書で、社会保障関係の方は一年限りの暫定で、そして一年の間に検討する、こういうことになっている。その他のカッ十分についてはこれは一年限りでやる。したがって一年たてばもとへ戻るという趣旨に理解をしていいのですか。この点まずお伺いします。 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕
○国務大臣(古屋亨君) いわゆる公共的な投資の問題についての御質問だと思っておりますが、法案にははっきりと一年ということで出ております。それで、これは恐らく大蔵大臣から話してもらった方がいいと思いますけれども、私の考え方を言えば、こういう公共投資についても場合によっては三大臣とはいかなくても相談することあるべしというような考え方であろうと私は考えておりまして、とにかく法案ではことし一年ということで出ておるわけでございます。
○神谷信之助君 自治大臣、そうすると公共事業関係の分も一年限りであるけれども、それ以降の分についてはもとへ戻るのではなしに協議の対象にするということですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる高率補助率に関する物のあり方というのはずっと検討課題として指摘されてきておることでございますから、検討課題というものは今日もなお続いておるという状態にあるわけでございます。法律のつくり方は暫定措置でございますから、まさに一年限りと、こういうことであります。
○神谷信之助君 その点はもう一遍後ほど聞きます。 それで普通会計の投資的経費、公共事業等についての地方負担の増加分に対する措置というのは、特例債の増発やあるいは二分の一の元利償還分の一般会計への繰り入れとか、いろいろな措置がありますね。それから企業会計の方も今度カットしていますね。特に中心は下水道の補助率カットですけれども、直接減額分が五百億、事業量確保による地方負担増加分が五百億、これもやはり普通会計の投資的経費に対する措置と同様の措置をするというように理解していいのかどうか。この覚書には企業会計の分は載っていませんからね。だから、普通会計の投資的経費に対する措置と同じ措置を企業会計についても行うというように理解をしていいのかどうか。この点はいかがですか。
○政府委員(井上孝男君) ただいまお尋ねの公共事業関係の問題でございますが、例えば下水道事業の国庫補助率の引き下げによる国費の減額相当額につきましては、臨時財政特例債五百億円を地方財政計画に計上してございます。その他の部分も含めまして企業債関係では総額六百億になるわけでございますが、これらの臨時財政特例債の発行を予定いたしますとともに、その元利償還金につきましては、昭和六十一年度以降地方財政計画におきまして公営企業繰出金として計上をいたす予定でございます。また、この元利償還金につきましては、地方交付税におきまして全額基準財政需要額に算入いたしますとともに、その二分の一に相当する額は国の一般会計から交付税特会に繰り入れるということになっておるわけでございます。したがいまして非公共関係と同じ取り扱いがなされる予定でございます。
○神谷信之助君 これは大蔵大臣、自治、大蔵両省にまたがりますね。今自治省の方からそういう説明をしているんだけれども、いわゆる覚書には直接明文化されていないわけなんで、したがってその点でひとつ確認をしておきたいと思うんですが、大蔵大臣、今の自治省の説明どおりでよろしいんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今自治省から御説明のあったとおりの措置をとることといたしております。
○神谷信之助君 それではその次に移ります。 自治大臣にお尋ねしますが、社会保障関係についてこれから三大臣協議といいますか、三省協議をやるんですけれども、その協議に臨む自治省あるいは自治大臣の立場ですね、この点はどういう立場で臨まれますか。
○国務大臣(古屋亨君) 御質問は、三省協議の際に自治省としてはどういう態度をもって臨むかという御質問だと思っておりますが、自治省といたしましては補助金の整理合理化は必要である。ただ、今までのような一律カットは困るという考え方が基本でございまして、同時に、特に社会保障関係につきましては社会保障の憲法に言う国家的責務ということを考えまして協議に臨む考え方でございます。
○神谷信之助君 ということは、憲法二十五条並びに生活保護法の第一条に態法二十五条の理念に基づいて国の責任を明確にしていますが、その立場は崩さない、具体的にはそれが現在は八対二の費用負担割合になっていますけれども、その立場から費用負担の問題も検討していくというように理解をしていいですか。
○国務大臣(古屋亨君) お話しのとおりです。
○神谷信之助君 厚生大臣、同じ点ですが、いかがですか。
○国務大臣(増岡博之君) 三省で今後の役割分担、費用負担の協議を行うのでありますけれども、厚生大臣といたしましては、最後のよりどころでございますので、実際の福祉の水準が下がらないようによく熟慮しながら協議を重ねたいと思います。
○神谷信之助君 もう一度聞きますが、厚生大臣、憲法二十五条及びそれに基づく生活保護法の第一条の原則というのは堅持をして協議に臨まれますか。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど実際の福祉の水準を維持したいと申しましたのはその趣旨でございます。
○神谷信之助君 厚生大臣にもう一つ聞きますが、これは地方財政法第十条の国庫負担事業の一つで、生活保護事業はその対象になっていますけれども、国庫負担の割合を八割としたその原因といいますか、根拠。これは具体的に最低生活を保障する責務を国が果たしていくためには、それぞれの地方の経済的条件の相違によって異なってはならないし、一定の水準というものをちゃんと保障せにゃいかぬ、あるいはまた自治体の財政力いかんによって多いところ少ないところができてはいかぬ、こういった趣旨から、とりわけ経済の場合は国の責任が大きいわけですから、不況地域とかいろいろ出てきますからね、景気の浮動で。そういうものについて自治体の財政力なりその地域の経済的条件によって差異を生じてはいけないという趣旨で今の八割負担というものが生まれているというように思うんですが、この点は間違いありませんね。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど御指摘のような憲法の理念に基づいておるわけでございますので、国がその最終的な責任を負うことはもちろんでございますけれども、同時に従来から、今先生も御指摘のように、二割というものは地方に負担をずっとしていただいておるわけでございます。もし仮に一般的にどの程度の負担がということにつきましては、生活保護のことを離れて一般的に考えました場合には、事務の性格、国と地方の行財政事情等の社会経済状況を勘案しながら判断をする必要があると思うわけでございます。 以上申し上げましたが、ともかく生活扶助というものは憲法に規定しております最後の国民のよりどころでございますので、いかなる場合にもその福祉の水準は下がることのないようにすることが厚生省の任務であろうというふうに考えております。
○神谷信之助君 大蔵大臣は、この社会保障関係の問題は一年間協議検討することになりましたけれども、大蔵大臣の立場から言うと、これは財政上の見地からこの協議に参加をするといいますか、協議を行うというそういうことになるわけですか。それとも憲法並びに生活保護法の第一条の原則というものは堅持をしながら、その中で問題を提起していくということになるんですか。財政が優先をするのですか、それとも社会保障を重視するという考えに立つのか、この点はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これは大蔵大臣という役目柄、財政を抜きにした議論はできませんけれども、今度の大体三省の申し合わせができましたことそのものも憲法二十五条から来ます昭和二十一年の議論、それから二十二年の議論、二十三年の議論等を踏まえて議論をした結果ああいう申し合わせになったわけでございますから、当然のこととして過去の経緯をなお念査、勉強しまして検討していくことが当然のあるべき姿ではなかろうかと。社会保障の問題はおれの担当じゃない、おれは金目だけだという態度ではやはり国務大臣としての資格がないじゃないかなと自分自身にそう言い聞かしております。
○神谷信之助君 財政担当をしてはおるけれども、財政ばかりでこの問題を考えようとは思っていない、閣僚の一員として全体として考えるというお話は非常に結構なんですけれども、しかしねらいは、今度カットした分がそのままできれば六十一作度以降も継続すればありがたいと、財政担当者としてはそういうお気持ちはやはりあるんですね。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる業務分担と費用負担のあり方ということで議論するわけでございますから、費用負担のあり方が出てくれば、合意をするものが出てくればそれはもっともだというふうに思います。
○神谷信之助君 これは財政担当の大蔵側の方は今言ったような考えがどうしても出てくるのは当然でしょうが、したがって自治大臣と厚生大臣はひとつこの点はしっかりしてもらいたいと思うんですが、特にもう六十年度は押し切られだというのが地方団体の側の率直なこの間の見解。それで無力感をいやというほど味わったというのが知事会、市長会、町村会の代表の意見です。しかし、絶対にもう今年限りにしてもらいたいというのが自治体側の強い意見で、これを代表して自治大臣は奮闘してもらわなければいかぬということになるんだけれども、この点は大丈夫ですかね、自治大臣、もう一度決意のほどをはっきり聞いておきたいと思う。
○国務大臣(古屋亨君) 六十一年度の問題につきましては御趣旨の点に沿いまして十分頑張ってまいります。
○神谷信之助君 総理大臣にお伺いしますが、これ一年間協議の問題になりました。戦後、憲法二十五条に基づく最低生活保障の原則を制度化してずっと今日まできたものですよね。それを途端に六十年度予算編成のときに、強引に一遍に変えようと思ってもこれはなかなか無理があることははっきりしているんで、したがって六十年度予算編成のときには結論を出すことはできずに一年間協議ということになった。しかし、これは単に一年間協議で事済む問題ではなしに、財政力の非常に格差のある地方団体にとっては重大な問題になってくるし、法のもとにおける平等も損なわれる危険さえある。そういう重大な内容を持っているので、この点については一年限りの検討だけれども、いろいろな先ほども話がありましたが、社会保障制度審議会の問題もあれば地方制度調査会の意見もあるでしょうし、あるいは六団体の意見もあるでしょうし、それぞれの関係者の意見なんかも十分聞かなければいかぬ問題ですが、一年で検討が終わらない、結論が出ないという場合はどういうことになるんですか、総理大臣。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一年で結論を出すように努力いたしたいと思っております。それ以外のことは考えておりません。
○神谷信之助君 大蔵大臣、一年で検討の結論が出なければ、これは一年限りの措置ですからもとへ戻るという以外ないわけですね。
○国務大臣(竹下登君) それはそのとおりです。結論が出なきゃそれはどうにもしょうがないことでありますが、だから結論が出るように努力をいたします。
○神谷信之助君 それではその次の問題へいきます。 自治大臣、先ほどもおっしゃっていましたが、今度のような一律カットという方式は自治省としては反対なんだと、それは負担の転嫁にすぎないというようにおっしゃったように思うんですが、そのとおりでよろしいですか。
○国務大臣(古屋亨君) 昨日の予算編成の前、九月ごろから、この問題は中央の側を言いますと、補助金の整理合理化の一環としてはやはり事務の分担、費用のあり方、そういうことを十分考えて検討すべきものでありまして、一律カットということはかえって地方に負担を転嫁するだけですという考え方でおったのでございまして、非常に厳しい財政環境下においてやむを得ない一年限りの措置として、そうしてそれを国で補てんする措置を考えるということで私どもこれを了承したような次第でございます。したがいまして、そういうような意味におきまして、地方制度調査会あるいは地方団体の意見というものは十分聞きまして、そしてこの問題に対処してまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 地方への負担転嫁だということになりますと、地方財政法の第二条の二項で地方公共団体への負担の転嫁を禁止していますね。だからこれに違反をするということになりませんか。
○国務大臣(古屋亨君) これは法律のうちに「財政金融上の措置を講ずる」という一項を入れていただいておりますので、そういうような私は心配はないと考えております。
○神谷信之助君 そこで自治大臣がその辺で心配がないとおっしゃると困るんですよ。財政金融上の措置を行うと言っても、実際の中身は先ほども言いましたように一般会計から一千億の特例交付金が来ただけで、あとは交付税で見たりあるいは地方債の借金。だから結局国が借金をするか地方団体が借金をするか、あるいは国が千億だけ出してあとは自治体の財源である交付税を使ってやりくりしなさいと押さえ込んでしまうというだけですから、これは財政金融上の措置をしたということにはならぬわけでしょう。国自身が交付税特会に入れる、あるいは借金をして交付税特会に入れるなりするならまた別ですけれども、国が措置するのは一千億にしかすぎない、後の問題は先延ばしですから。しかも、先ほど言いましたように交付税特会は先食いばかりして大変な状況ですね。だから、そういう点を考えると財政金融上の措置をしたということにはならぬのじゃないですか。人の懐を当てにして、おまえの財布の中に何ぼあるはずだ、それを使えと言っているのと同じでしょう。
○政府委員(土田栄作君) まず昭和六十年度について申しますと、一千億円の地方交付税の特例加算とそれから四千八百億円の建設地方債の増発ということでございますので、六十年度の地方団体の負担というものにつきましては一応きちんと片をつけているということでございます。 委員の御指摘は、六十一年度以降の建設地方債の償還に対して十分でない、財政措置がないんじゃないかという御指摘だろうと思いますが、この四千八百億のうち一千六百億は経常経費系統のものでございますけれども、そのうち交付団体に相当いたします一千億といいますのは、これは昭和六十六年度以降の地方交付税に暫定的にではございますけれども加算するということにいたします。それから三千二百億の建設地方債、投資的経費に係るものの分でございますが、このうち国庫支出金のカットの二千億の半分の一千億というものにつきましては、元利償還につきまして六十一年度以降国で財政措置をするということでございまして、そういうふうなことで、それらのものについては地方交付税の三二%の枠の外で処理いたすわけでございますし、それからこれらの四千八百億の建設地方債の元利償還費というのは地方財政計画に計上されますので、地方財政計画上計上されました地方債の償還費というのは、それに見合う歳入が確保される、つまり地方財政計画を赤字で組まないという形での財政措置が担保できるわけでございまして、委員御指摘のように、借金をふやしたという面はあると思いますけれども、現在の非常に厳しい財政状況のもとでは、私どもとしては地方団体に対して何とか御納得をいただける財政措置を講じているというふうに存じている次第でございます。
○神谷信之助君 いや、それはそろばん勘定を合うようにせぬとぐあい悪いからそうおっしゃるだけでね。だから歳出の方をぐっと抑えれば、六十年度は五千八百億以外は収支とんとんになりましたというようなことはどうでもできますよ。だから、どういうように歳出を切り込んでしまうのかということによって、それはどういう地方財政計画でもつくれるわけです。現に、既に五十九年度で、先ほど言いましたように、財源対策債の償還を基準財政需要額に見込んでいますね、九千七百七十四億、約一兆円見込んでいるでしょう。これをあなた見込んでいて、そうしたら交付税はそれだけ減るわけですよ、実際に地方公共団体が使うのは一兆円減っているわけ。だから先ほど言いましたように実質二七・七%ぐらいにしかならぬ。こういう状態が、五十九年度でもそうだし、六十年度でも同じようにやられる。 だからあなた、三二%をさらに上回って出てきますと言うけれども、実際に出てくるのは一千億しか来ないんだ、これはね。ですから、あと一千億六十六年度以降に暫定的に加算をするようになっていますと言うけれども、これも今の話で、補助金カットを六十一年度以降どうするか、そういうことになって、それでパアになるというそういう危険も多分にあるわけでしょう。だから不渡り小切手になる公算が強いんだよ。だから、そうやってずっと圧縮をしていくという状況がこの六十年度以降も続いてくるというように見ざるを得ぬわけです。その上に六十一年度以降さらにこのカットが続くということになれば、ますます地方団体の財政状況というのは厳しいものになりますね。国の方は借金をしても六十年償還だけれども、地方団体の方は大体今最高でも二十五年まででしょう。普通十五年から二十年。だから借金は急いで返さなきゃいかぬというそういう状況が地方団体ですね。 だから、どこから考えてもことしのこのカットというのは、地財法の二条の二項に言う負担転嫁の禁止に違反をする措置を、帳面づらはうまいこと合わしているように見えるけれども、実際には財政金融上の措置がちゃんと担保されているということになってないんだ。私はそう思いますよ。いかがですか。
○政府委員(土田栄作君) 委員御指摘のようなお考えもあろうと思いますけれども、私ども地方財政を守る立場から申しますと、地方財政計画ではやはり必要な歳出、地方行政水準というものを保ちますための歳出というのはきちんと守ってまいるという考え方でございまして、昭和六十年度の地方財政計画の全体の伸びは四・六%、それで私ども都道府県の予算編成状況というものを調べてみますと四・七%ということでございまして、大体合っております。それで、この伸びといいますのは、五十九年度は一・七%でございましたので、これに比べましてかなり高い伸びになっておりますが、中身といたしましては、投資的経費で全体で一・五%の伸び、その中で補助事業で一・三%の伸び、単独事業で一・七%の伸びというものを確保しているわけでございまして、私どもとしては、厳しい財政事情のもとでございますけれども、地方財政を守るという立場から投資的経費も確保する、それから経常経費系統の一般行政経費の単独の関係も守ってまいるということで所要額の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。 それから委員御指摘のように、財対債の償還というのがだんだんふえていくということも事実でございますけれども、これは御案内のように、その分を基準財政需要額に算入いたしますと、今度は基準財政収入額の方、これも地方税というものの伸びというものが確保されればその分だけふえますので、基準財政収入額の伸びプラスいろいろな財政需要の伸びというもので基準財政需要額の伸びというものはつくれるわけでございますので、ダイレクトにお考えになって、国から出る金ということで考えれば財対債と地方交付税の増でチャラになるというお考えもあると思いますけれども、交付税制度本来から考えますれば、交付税の増プラス地方税の増で必要財政を賄っているわけでございますから、そういうことで私どもは財源対応できるというふうに考えている次第でございます。
○神谷信之助君 もう時間がありませんからなにですが、土田さんは今そうおっしゃるけれども、例えば一・七%ほどの地方単独事業は伸びを見て地方財政計画をつくっていると言うけれども、これは今までも地方単独事業は計画どおりやれてないでしょう。そう簡単にいかぬわけだ、自分のところの自主財源がないんだから。だから、計画上は何ぼ地方単独事業をふやしてみても、伸びを見ても実際はそうはいかない。あるいは、もう時間がありませんから細かく言いませんが、例えば下水道事業でもそうですよね。あるいは計画を今度は逆に低く抑えてみても、実際の実績ははるかに上回っていますね。一生懸命地財計画で抑え抑えても実際の実績は相当乖離して出さざるを得ない。そうしなければ環境汚染から暮らしを守ることができないという状態になってきているわけですね。 だから、計画では何ほそろばんの上でやられても、実際上の地方自治体の財政運営というのは結局仕事を切り詰めていかなければいかぬ。これは本会議で私も指摘をしましたけれども、下水道料金は七倍余りにこの十年間でふえているし、保育料も六倍余りにふえていますし、地方負担というか住民負担に転嫁せざるを得ないんだ。だから、総理は盛んにこれは国と地方との負担割合の問題であって直接住民に影響は出てきませんとおっしゃるけれども、直接六十年度にストレートに出てくるというのはまだ少ないでしょう。しかし、これからずっと、じわじわと上げざるを得ないという状況が必ず起こってくるということを申し上げて、もう時間ですからこれで終わります。
○木本平八郎君 私はまず石炭産業について質問したいんですけれども、通産大臣が何か御用がおありになるようなんでとりあえず進めていきたいと思います。 それで、初めにお断りしたいんですが、私ここで取り上げるのは、決して石炭産業をつぶせとか石炭産業はけしからぬというふうなことを言うんじゃなくて、むしろ将来の日本経済全体にとって産業構造の転換あるいは構造変革を進めるべきじゃないかという一つの例としてまず石炭産業を取り上げていきたいと思うわけです。 それで、先日も不幸なことにまた炭鉱の爆発事故がございました。この問題につきましては商工委員会で別にその質疑があるようなんで、そこで詳しくはやりたいと思うんですけれども、一応私、率直な意見を申し上げますと、あの事故を聞いて、あ、またかと。あ、やっぱりという感じがあるわけですね。これは非常に不謹慎な言い方なんですけれども、どうも日本の炭鉱、これはまあどこでも坑内掘り全部そうだと思いますけれども、ああいう状況ではメタンガスの発生だとかあるいは炭じんの問題とか、こういうものはもう避けられないんじゃないかという気がするわけですね。特に日本の場合は炭質が悪くてそういうガス発生が非常に多いということが言われているわけですね。そうしますと、事故のあるたびに国会でも問題にするし、それから監督官庁、通産省もやかましく言って対策を講じられる、それで会社の方は会社の方で平身低頭で謝る。皆けしからぬけしからぬと言うのですけれども、その時期を過ぎてしまうとそれで終わって明くる年またやっている。 それで、私ここにもらった資料がありますけれども、昭和五十年からずっと毎年あるわけですね。五十一年はなかったようですけれども、五十六年なんかは四件、五件ぐらいこういう事故があるわけですね。こういうものが起こって、ここで犠牲者の数は死亡された方だけでも年間四十九人ですか、けがをされた方を含めると大体五十人ぐらい毎年犠牲になっておられるわけですね。これだけの犠牲を払ってまで石炭産業をやる必要があるのかどうか。私はちょっとまたこれも不謹慎な言い方ですけれども、人身御供か人柱を立てて石炭を掘っているという感じさえあるわけですね。その辺をどういうふうに受けとめておられるか、まずお伺いしたいわけです。
○国務大臣(村田敬次郎君) 木本委員にお答え申し上げます。 先般の高島炭鉱の事故は非常に痛ましい事故でございまして、私ども本当に遺憾に思っておるところでございます。私は通産大臣就任以来、石炭産業の保安問題というのは最も大切な課題であるということを常に考えておるのでございますが、ああした事故が発生をいたしまして本当に遺憾に思っております。 ところで、木本委員の御指摘になりました石炭産業についての今後のあり方、こんなに犠牲を払ってまで続ける必要があるかという御質問でありますが、御承知のように我が国は一次エネルギーの約六〇%を石油に依存をしております。石油依存度の低下、それから石油代替エネルギーの導入開発というのが御承知のように国家的な課題であります。国内炭でありますが、これは国産の石油代替エネルギーでございまして、昭和五十六年八月の石炭鉱業審議会のいわゆる第七次答申、これも国内炭はエネルギー供給の安定性と安全保障機能を高める役割を果たし得るものであるというふうに位置づけておるわけでございます。政府としても、こうした考え方に立って保安の確保を図りながら現存炭鉱について現状程度の規模の生産維持を図っていくという方針にいたしております。 我が国は、御承知のように世界最大の石炭輸入国でありまして、また生産は現状程度の規模で推移するものと予想されますところから、石炭需要の増加というのは海外炭の輸入増で賄われるということになりまして、引き続き輸入炭市場の拡大に貢献をしていくものと考えておる次第でございます。そういった考え方で石炭行政を進めてまいりたいと思っております。
○木本平八郎君 その点を念のためにもう少し突っ込んでお聞きしたいのですが、仮定の問題ですけれども、石炭産業を日本でやめてしまうということになると、将来のエネルギー保障の面でどういう支障ができてくるだろうかという点なんですが、いかがですか。
○政府委員(柴田益男君) 現在、石炭はエネルギーの中で全体で一八%のシェアを占めておりまして、国内炭はその中で四%程度ではございます。しかしながら、石炭は代替エネルギーの中の大きな柱の一つでございまして、我々としてはぜひこれを将来伸ばしてまいりたい。そういうことで国内に石炭産業がある場合には海外から輸入、開発してくる場合に一つの技術のもとになりますし、あるいはネゴシエーションの場合の一つの道具になります。あるいは、もちろん安定供給上一番手っ取り早いものでございまして、現在千七百万トン程度でございますけれども、これは最たる安定供給のもとでございまして、そういうことを勘案いたしまして、シェアは小さいわけでございますけれども将来の代替エネルギーの柱としての石炭供給、そのまたもとをなすものとしてぜひ大事にしていきたい、そういうふうに考えているところでございます。
○木本平八郎君 そういう政策というのはもちろんあると思うんですね。私はそのエネルギー政策や将来のエネルギー保障をそういった点から考えますと、必ずしも石炭にスティックする必要はないんじゃないかと。これは例えば今石油備蓄をやっておりますし、それからそういう備蓄をやるなら石炭よりももっといいものがある。石炭は地の底に備蓄されているわけですから、そういう意味においては非常に備蓄性という点はいいと思うんですね。ただ、エネルギーとして考えた場合に、例えば自然放射能なんかは原子力発電所なんかよりもよほど多いし、それから粉じん公害の問題もあるし、一時は石炭石炭と騒がれましたけれども、こういう狭い日本列島の中でぼんぼん石炭をたいていいのかどうかという疑問もあるわけですね。 その面はちょっと別にして、一つ今言われました中で、将来エネルギー危機が来た場合にまず石炭を掘る。そのためには今坑道を閉めてしまったらその技術が残らない、技術が絶えるから細々でも残しておかなきゃいかぬという議論もあると思うんですね。しかし、それならそれでやはり坑道だけを保持していくというふうな方法もあると思うんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(柴田益男君) 現在国内炭は千七百万トン供給されているわけでございまして、単に坑道維持、技術涵養という観点からでなくて、量的にもそれなりの安定供給源でございますので、そういう意味でこれはぜひ保持してまいりたい。御案内と思いますけれども、ヨーロッパにおきまして、イギリスもそうでございますしドイツもそうでございますし、あるいはフランスもそうでございまして、いずれも割合コストの高い国内炭を政府の大幅な助成で維持しているわけでございまして、これも基本的にはエネルギーの安定供給という観点からやっているわけでございまして、我々としては量的にはこれは確保してまいりたい、そういうふうに思っている次第でございます。
○木本平八郎君 それで、普通のときならそういう議論も十分に成り立つと私も思うわけです。しかし、この後で申し上げるんですけれども、今の日本の状況というのは非常に特殊というか、異常な状況になってきているんで、その場において果たしてこれだけ無理をしてやらなきゃいかぬかどうか。例えば五十九年度の石炭関係の補助金は特別会計全部で九百三十二億円あるわけですね。この年の生産が全部で千七百万トンぐらいですから、トン当たり二万円として約三千四百億円ぐらいですか。それからこれはいわゆる後ろ向きの費用もありますから、前向きに石炭産業を続けていくための補助金というのはことしで大体三百億円ぐらいですね。そういうものをつぎ込んで年々五十人ずつの犠牲者を出して、私はこれは不謹慎な言い方ですけれども、来年、再来年度もやはり出てくると思うんですね、石炭産業の宿命として。そういうことまでやってこれを続けていかなきゃいかぬという点に私は非常に疑問を感ずるわけです。 したがってこの問題は、わずか千七百万トンですね、八千万トンぐらい輸入しているわけですから約二割ぐらいですか、十何%ですね。このくらいで金額にして三千四百億円なんです。今貿易摩擦が非常にやかましく言われて市場開放を言われているときだから、それは確かに日本は最大の輸入国かもしれません、しかしこれはわずか輸入しても三千四百億円なんですね。一ドル二百四十円に換算して約十四億ドルぐらいですか、それは大した金額じゃないんですけれども、やはり世界に姿勢を示す、日本が市場を開放してわずかながらでも黒字幅の削減に努力しているということを示す意味からも、私はこれは市場開放というふうに、輸入というふうに転換してもいいんじゃないかと思うんですが、その辺いかがでしょう。
○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。 世界の石炭貿易で日本の占めている位置というのは、委員も御承知のように一九八二年で七千九百万トン、それから八四年で八千七百万トンという量で相当膨大な量でございます。比率としては、今手元にありますのは、八二年の世界貿易の中で石炭貿易は日本が二九・七%という相当膨大な量を占めておるということがわかっています。 国内炭の場合は、先ほど私がお答え申し上げましたように、なるほど三百七億円の補助金をいただいて、そして石炭産業の振興のために努力をしておるわけでございますが、これは石炭を掘るという事業者、それから石炭を買っていただくというユーザー、電力会社その他それから政府の後援、こういう三位一体のような形で協力をしておるわけでございまして、これ以上これをふやしていくことは確かに木本委員御指摘のようないろいろな保安上の問題点もあろうということで、これをさらにふやすということではなしに、現状の規模程度は何としても維持をいたしていきたい、これは国内産業振興の意味でもそうしていきたいということでございまして、例えばオーストラリアでございますとかカナダでございますとか、最近話が出てまいりましたアメリカのアラスカ炭でございますとか、これからいろいろな世界の石炭の供給国と協議をいたしまして、対外貿易、石炭貿易というものはふやしていきたい、それがまた政府の開放努力にも沿うものである、こういう考え方でございますので御理解をいただきたいと思います。
○木本平八郎君 今石炭は相当輸入されているわけですね。それで今大臣のおっしゃったような方針でずっと進んできていると思うんです。私は正常の状況としてはこれは非常にいい状態だろうと思います。しかし、一応市場開放という点からなにしますと、石炭は割り当て品目になっていますね。規制品目になっているというのが少し格好が悪いんじゃないかという私は気がするわけですね。 それからもう一つ私が非常に気になるのは、日本が、よく私なんかラーメンからミサイルまでと言われたんですけれども、ラーメンからミサイルまで何もかも全部世界のナンバーワンになってやっていくと、世界の目から見ますと日本はそんなに無理して石炭まで掘らなくてもいいじゃないか、少しでもオーストラリアのものを買ってくれよという気持ちはあると思うんですね。こういう気持ちが問題だ。日本が普通のときは何でもいいんです。しかし、貿易摩擦がこれだけあって、市場開放を言われていて、それでしかも今私が実は問題にしているのは、わずか三百億と言われるかもしらぬけれども、これだけの補助金をつぎ込んでいるわけですね、直接の。全体としては九百億円もつぎ込んでいるわけですね。ここまで財政が苦しいときに無理して補助金をつぎ込んでまでやらなければいかぬのかどうか。 これは急につぶせとかなんとか言うんじゃなくて、やはり働いている従楽員は全部で二万六千人ですか、その人たちの職業転換の問題その他ありますから、そういうものに補助金を使うというのなら私も非常にいいと思うんですね。しかし、このままずっと毎年毎年三百億を続けていって果たして日本の石炭産業の採算がとれていくといったらおかしいけれども、浮上していくのかどうかという点は私は実は悲観的なんですけれども、その辺どういうふうに通産省ではお考えになっていますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 非常に大事な御指摘だと思います。実は委員も御指摘のように、石炭の産出量というのは国内炭の場合は非常に年々縮小を続けておりまして、現在ではこれ以上減らせないというところまで来ておるわけでございます。そしてまた、石炭関係の経営者にいたしましても極力経営努力をし、そしてまたユーザーにも御協力をお願い申し上げてきておるわけでありまして、輸入炭の問題につきましては、実はエネルギー供給の価格でございますね、石炭のエネルギーとしての何と申しますか、有効性といいますか、そういった点では大変将来性があるわけでありまして、石油の原油の価格も上がってまいりますと、今後石炭は安定供給源として原子力その他のエネルギーとともに共存をさせていくことが必要である。 そうなっていけば、例えば今御指摘になったオーストラリア炭だとかあるいはカナダ炭だとか、そういったものは大変重要なエネルギー源でございます。現に中曽根総理が一月にオーストラリアを訪問された際にも、ホーク首相から真っ先に石炭の話、牛肉の話が出たということでありまして、私どももそのことをよく認識をしておりますので、やはり重要なエネルギー供給源として外国旗を考えていきたい。そして国内炭についてもこれ以上の縮小を考えることでなしに、経営者の努力を高く評価をしながら、保安問題には最も大きな配慮を払いながらやっていきたい、こういう気持ちで対応しておるところでございます。
○木本平八郎君 歴史的に見てもどんどん産炭量が減ってきている、それから企業もどんどん炭鉱自身も閉鎖されていっている。そういうところのグラフを延ばしますと、いずれゼロに近づいていくだろうということはわかるんですけれども、こういう時期ですから、少し前向きの施策を考えていただいた方がいいんじゃないかという感じはするわけです。大臣、どうぞ退出していただいて結構です。 そこで、話題を少し転換したいんですが、これ同じようなことなんですけれども、通産省の補助金の表を私は素人なりに繰ってみたんですけれども、その中に例えば民間の輸送機開発に補助金が昭和四十三年から十四億円ついている。それから民間の航空機用ジェットエンジン開発費が四十億円ついている。それから絹製品の新需要開発促進費というのが、わずかですが二千八百万円ついている。雑貨産業振興事業費というのが、これはデザインの補助みたいなものなんですが、これがわずかですけれども三億四千万円ぐらいついている。 私は民間輸送機の開発というのはどういうことかわかりませんけれども、外国に十分にあるんじゃないかという気がするんです。むしろこういうものに補助金を出して開発するよりも買った方がいいんじゃないか。例えば民間航空機用ジェットエンジンというものも、むしろ日本で普通のときなら自主技術で開発するということは非常に大事だと思いますけれども、しかしもうこれほど貿易摩擦も起こっているし、向こうにあるものならどんどん買う方に向いた方がいいんじゃないか。国内産業の保護という観点ももちろん担当省庁としてはあると思います。あると思いますけれども、先ほどの石炭もそうですけれども、しかしながら国民経済全体を考えた場合に、やはり積極的に買えるものは買う。それで、わずかな補助金だけれども、こういうようなものはむしろ積極的に削っていくべきじゃないかという気がするわけです。あるいは通産省の担当の方おられないかもしれないけれども、おられたら御意見を承りたいんですが。
○政府委員(柴田益男君) 先生今御質問の、航空機の育成費の関係でございますが、事前に御質問いただいておりませんので担当者がおりませんので、答弁は差し控えさせていただきます。
○木本平八郎君 いや、物の考え方として、大蔵省としてこういうふうな向こうにあるものはできるだけ買う、まして民間が自主的にこういうものを開発したいとかそういうようなものはいいと思うんです、自分の研究開発費を、RアンドDを投じてやるというのはいいと思うんですけれども、補助金を出してまでこういうことをやる必要はないんじゃないか。この件についてはもちろん御存じないと思いますけれども、一般論として、今後の物の考え方としていかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 国家安全保障問題という一つの別の観点からの議論はあろうかと思いますが、いわゆる今日の国際経済社会におけるいわば役割分担というような形の上で議論していくならば、木本さんの論理はそれなりに成り立つ論理だと思っております。ただ、いろいろな研究開発の場合、それぞれそういう問題、その議論とは別に、国内の産業の中でそういう研究、なかんずく基礎研究などによって、それにインセンチブを与えることによってそれが国際的な役割の一端を果たすという場合の予算も我々査定のときに散見を時にいたすものではございます。
○木本平八郎君 私もこういうものを改めて今度の補助金の問題で自分でも発見したわけですけれども、補助金のこういう問題があるときには、こういう点からも検討していただく必要があるんじゃないかという気がしたものですからちょっと取り上げたわけです。 次に、文部省に学校給食の問題についてお聞きしたいわけです。 学校給食というのは昭和二十二年ぐらいに始まって、実際に完全に実施されたのは二十七年だそうですけれども、私の了解しているのは、戦前は別にして戦後は非常に悲惨な栄養状況で学童の体位も非常に下がっていた。これをユニセフからの脱脂乳ですか、そういうものの放出を機会に学童の体位向上のために行われたのが始まりだと思うんですけれども、そういう時代からもうはや四十年近くたって、文部省からいただいた資料でも十歳ぐらいの子供で身長はもう十センチ高くなっている、それから体重も五キロぐらいふえているということで体位はうんとよくなっているわけですね。むしろ今は肥満だとか栄養過多の方が問題になっているという時代なわけですね。こういう時代になおかつ五千億円近いトータルの補助金を使ってまで給食を続けなきゃいけないのかという疑問があるわけなんですが、その辺はどういうふうに受けとめておられますか。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。 先生申されましたように、我が国の学校給食は、戦後食べ物が不足し、また国民の多くが貧しい状態のときでありましたので、子供たちに栄養のある物を食べさせて、そして体位の向上を図りたい、あるいはまた家庭によっては弁当を持ってこられない家庭もある、昼食だけは貧しくともあるいは豊かな人であっても同じ食べ物を食べるというようなことからスタートしたことでありまして、そのことが国民の理解と共鳴を受けて、今日におきましては小学校で九九%も普及しておるわけでありまして、中学校は八三%ぐらいでございますか、そういう経過があることは事実でございます。 そこで、先生もおっしゃいましたように、最近のように豊かになってくれば、むしろ昼食は母親がつくって子供に食べさせることの方が子供が母親の愛情、親のありがたさといったものを実感として感ずるわけでありますから、そのことの方が教育上はよろしいんだという有力な意見があることを私も承知いたしております。しかし、より深く研究してみますというと、なるほど豊かな時代になりました、飽食の時代と言われておるわけでありますけれども、そういう面はありますけれども、むしろ豊かであるけれども、子供の食べ物は今先生も御指摘になりましたが栄養のバランスがとれていない。かつては、子供がピーマンは嫌いだ、トマトは嫌いだといった場合にはお母さんがしかって食べさせておった。今ではなかなかそういう厳しいお母さんは少なくなったということもありますし、あるいはカルシウムが不足だ。結局、我々の時代には魚といえば目刺し、小魚を骨ごと食べておったわけでありまして、知らず知らずのうちに十分なカルシウムの吸収ができておったわけでありますけれども、今では魚といえば骨のない魚でありますから、そういったことで栄養のバランスがとれていない、ビタミンが不足しておる、あるいはカルシウムが不足しておる、こういったことで、この際、やはり豊かにはなってきたけれども、学校給食の場で専門の栄養士の献立によるバランスのとれた昼食を子供に食べさせることの方が望ましいという点が一つあるわけであります。 それからもう一つは、昼食の時間に先生と一緒に昼食をとることを通じて正しい食習慣を身につけさせる。これもまた本当を言えば家庭において母親がしつけることであるかもしれませんけれども、なかなかそうはいかない家庭も少なくないようでありまして、やはり教師が生徒に食事のマナーを身につけさせるという教育効果が一つあるわけであります。同時にまた、食事の時間を通じて教師と生徒、あるいは生徒同士の心と心のつながりをより深めていくという効果もありますし、また学校給食の場合には食べ物を配る、後片づけをする、これは生徒みずからがするわけでありまして、その体験を通じて勤労、共同、責任、こういった教育がなされておるということなんでありまして、そういった点を考えて、総合的に言って豊かになってきたけれども、学校給食というものは学校教育の場で大きな教育的な効果を発揮しておるというふうに我々は考えるわけであります。そういうことから、今後とも学校給食は継続をしていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。 ただ、学校給食を継続するにいたしましても、経費につきましてはむだがないようにしなきゃなりません。そこで、経費についてはむだを徹底して省くように、そのやり方としては民間委託をして、学校給食の本旨に反しないという部門であれば民間委託も結構、あるいは職員につきましてはパートタイマーを適宜活用する、こういったことを通じて経費の節減合理化を図るようにということで、先般、体育局長が各都道府県の教育委員会に通達を出して合理化を図っていただくようにお願いをしたところでございます。
○木本平八郎君 文部省の方にお伺いしたいんです。お願いしておいたんですが、外国で給食をしているという例がございますでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) 今資料を持っておりませんが、私の承知いたしますところ、いわゆる学校で食事を出すという形態ではフランスとかあるいはアメリカとかというところでなされているように聞いております。
○木本平八郎君 それは要するに、小学生、児童の体位向上とか健康維持だとか、そういう目的なんですか。それとも先ほどのような、例えばマナーだとかあるいは仲よしの――日本でもよくありますね、茶話会みたいなのをやりますね、ああいうふうな形式のものなんですか。その辺は。
○政府委員(古村澄一君) 今資料がありましたので……。 まず、先ほどのことについての御説明をいたしますと、アメリカでは五六%の学校、イギリスでは六九%の学校、フランスでは二二%、スウェーデンでは九四%という学校でやっておりますが、その学校での、いわゆる日本のように学校給食法である程度給食の目的というものを明確に出してやっているという形ではないんではないかというふうに思います。
○木本平八郎君 それは、日本の戦前と同じようにいわゆる貧困児童対策でやっているんではないんですか。
○政府委員(古村澄一君) 貧困児童対策ではなくして、大体学校の食堂で食事をさせることが多いわけですが、そういった形でやらせているはずでございます。
○木本平八郎君 私は、自分の子供もおったんですけれども、ちょっと不幸にしてそういう経験がないものですから、本当に日本のような給食の形態というのは日本だけじゃないかなという理解をしているわけですけれども、しかしそれは大した問題じゃなくて、先ほど大臣が給食の意義ということについて言われまして、これ非常にそのとおりだと思うのですね。また、そういうことをやれる日本というのは確かに豊かだし、経済力もあるからなんですね。そこまでのことを教育でやれるというのは大変なすばらしいことだと思うわけです。 ただ、それと同時に、今きょう現在もこうしていろいろ問題になっておりますが、補助金の問題があるわけですね。これはいわば国の財政が非常に苦しくなってきているから補助金をカットしなきゃいかぬというところに追い込まれてきているわけですね。こういう状況において、なおかつそれだけの理想的なことを、私は逆に学校給食をやめてもそんなに児童の体位が落ちるとは思えないし、カルシウム不足になって、くる病が出たりということには私はならないと思うんですがね。 その辺で、例えば父兄が半分負担しています、約五千億円負担しているわけですね。国と市区町村、全部で五千億円の補助金の負担でしょう。これだけで学童一人当たり一食にすれば大体三百三十円ぐらいですか。それで千五百万人ぐらいの人たちが定時制も含めて恩恵を受けているわけですけれども、これをもしもやめても私はそんなに体位が落ちるとは思えないわけですね。それから先ほどの後片づけをするとか何とかというのは、これは我々も廊下を磨かされたり掃除をさせられたり、便所掃除も者やったわけですね。そういうことで、給食をやらないとしつけられないとか、仲よしになれないというのも、あの殺伐な終戦後のときは別ですけれども、今の状況になったらもっともっと他の教育方法があるんじゃないか。私は、そういう教師のなにはわかりませんけれども、もっともっとあるんじゃないか。給食でなければそういうことが保てないというのは、ちょっと過信みたいな、錯覚みたいな感じはするわけですけれども、もう一度その辺をお聞きしたいんです。
○国務大臣(松永光君) 先生のようなお考えがあることは私も承知いたしております。しかし、私もまだ大臣になりましてそれほど長くありませんので、幾つも視察したわけではありませんけれども、地方に行っても都会におりましても、学校に行ったり、あるいは町長さんやそういう人たちと会った場合に私がよく聞きますことは、今、小学生等で朝御飯を食べないで学校に来ている子供が数%じゃなくして、その上の台の例えば一〇%とか、そういう台でおるようでございます。 また、これは私が前に自分で聞いたことでありますが、教師が生徒に対して、君たちは給食の時間は行儀よく食べておる、朝御飯はどうして食べているんだ、その絵をかいて持ってこいと、こういうふうに宿題を出したところ、お母さんが寝ているところで、自分が一人で朝御飯を食べているという絵が出てきたという話を私は聞きまして、非常にショックを受けたことがございます。事実として考えますと、大部分の家庭はしっかり子供を育て、また食事も食べさせ、そしてまた学校給食がなくなればお母さんが手づくりの弁当を持たしてくれるという家庭だと思いますけれども、事実として残念ながらそうでない家庭もあるようであります。 その場合に、学校給食をやめたならばどうなるだろうか、こう考えますと、私は二つ予想されるわけです。一つは、家の方でお金を渡して、これで何か買って持っていけというふうな家庭もあるかもしれません。あるいは弁当を持ってこないままの子供もまだおるかもしれません。あるいは学校の前に弁当屋さんが出てくるというふうな状態があるかもしれません。そういったことを想像いたしますと、現在の学校給食、これは総合的に考えてみればやはりやるべき仕事である。そしてまた、教育的な効果を発揮しているというふうに結論としてなるわけでありまして、そういう意味で今後とも学校給食は続けてまいる考えでございます。
○木本平八郎君 この場は学校給食の是か非か、あるいはそれをどうこうという問題じゃなくて、補助金の問題ですから話を戻しまして、私、先ほど申し上げましたように、大臣も私のような意見を持っている人もおるとおっしゃっていたわけですから、こういうときですから、一方では肥満の問題で困っている場合もあるし、それから例えば栄養が過多で若年性高血圧だとか、何かいろいろな問題もあるわけですね。先ほどの飯を食ってこないというのも、これはひどい言い方ですけれども、動物的に考えたら、食いたくないから食わないということがあるわけですね。 そういう点からいきまして、結論的に申し上げたいのは、この際もう学校給食法というのを一応廃止したらどうだ。廃止したらどうだということは、政府として学校給食をやれとか続けろとかいうことじゃなくて、むしろ自治体に任せる。それで五千億円の補助金の中で自治体が四千二百億円負担しているんですね、この数字のなには別にして。国が九百億円ですか、それから都道府県が三百億円と、一応私のなにではそのくらいなんですね。父兄があと半分負担している。これほど地方自治体が大きく負担しているわけですね。地方自治体によっては確かに山間僻地でいろいろな問題もあるでしょう。それから例えば飽食で、栄養過多で困っているところもあるでしょうし、体位が水準までいかないというところもあるでしょうし、あるいは例えば日本は総中産階級だと言われますけれども、所得格差が大きいところとかいろいろあると思うんです。 そういうことで自治体が自分で判断して給食をやるかやらないか、あるいはどういう給食をやるか、例えば郷土食を食わせることが非常に教育上いいんだということでもう脱脂ミルクなんかやめて、牛乳をやめて郷土食を食わせるようにするところがあるかもしれない。あるいは国際的に、姉妹都市があるからその姉妹都市の物をもらってあるいは交換してそれを教育に使うというところがあるかもしれない。あるいは自分のところはもう給食は要らないからほかの、何というんですか、体育館か何かそういう教育施設をつくりたいというところがあるかもしれないですね。そういうふうに思い切ってこの際補助金がこれだけ問題になっているときだからむしろ自治体に任せてあげたらどうかと思うんですけれども、私は地方自治体のことはよくわかりませんけれども、その辺、まず文部省としてはどうでしょうね。
○国務大臣(松永光君) 学校給食を実施するかどうかということは、最終的な判断は市町村に実はゆだねられておるわけであります。といいますことは、学校給食法に次のように規定されております。「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない。」と、こうなっておりますので、言うなれば努力規定あるいは奨励的な規定でありまして、最終的な実施するかどうかの判断は市町村に任せられておるわけであります。それが今日まで、先ほど言いましたように小学校で九九%、中学校で八三%実施されておるということは、国民の支持があるからあるいは市町村民の支持があるから実施されておるものだと思います。そしてまた、その経費でございますが、先生も先ほど御指摘になりました総経費は約一兆円でありますが、材料費これは保護者負担、設備費とそれから人件費等々が国または地方公共団体負担、こういうことになっておるわけでありますけれども、それぞれの市町村でこれはいいことだということで、望ましいことだということで理解をされ、支持をされているんだというふうに私どもは判断をするわけであります。 さようなわけで、最終的には市町村の判断によるわけでありますけれども、文部省の考え方としては、先ほど来申し上げておりますように学校給食、飽食の時代であるけれども、教育的な効果をいろいろ発揮しているということでありますので、そういう方向で今後とも実は指導していく方針なんでございます。
○木本平八郎君 ところが、実際ここに法律がありまして、これは努力規定だと言われても、やはり文部省の通達があり監督があればなかなか市町村ではやめるというのは簡単にいかない。したがって、私はやはりこの際文部省としてこれはもう自由にしてよろしいというふうな姿勢を示していただかないと市町村としては対応できないんじゃないかと思うわけですね。これがやはり日本の一つの政治風土だと思うんです。 この点、自治大臣にお伺いしたいんですが、給食を地方に任せる、その内容とかいろいろな工夫、それを大幅に地方自治体に任せるということにつきましては何か支障が出てきそうでしょうか。
○政府委員(土田栄作君) この問題は自治、文部両省でまだ話し合ったことがありませんので、ちょっと気のついたことを申し述べさせていただきますと、やはり努めなければいけないという法律の規定でございますと、将来的には行政指導としては一〇〇%を目指すということになろうと思います。そういうことで戦後四十年やってまいったわけでございますけれども、そういうふうな方向づけがいいのかどうかということについては、やはり広く民間の意見もまとめまして結論を出す必要があるだろうというふうに思います。 それから現在学校給食の実施方法につきましては、何といいますか、給食を全部の方をフルタイムでやった方がいいのかどうかといったふうな御意見もあるわけでございまして、もうちょっと地方団体が自主的に実施できるようにということでの方向づけが必要であろうというふうに考えております。
○木本平八郎君 こういう時代ですから、学校給食は四十年近くやってきたとか、先ほどの石炭のようにエネルギー上どうしても必要なんだと。私はあえて申し上げますけれども、思い込みみたいなことじゃなくて、あるいは惰性じゃなくて、この際白紙に戻して本当にこれが必要なのかどうか、やめたらどうなんだろうかという検討がされてしかるべきじゃないかと思うわけですね。 次に、少し話題を変えたいんですが、今回の補助金の削減問題ですね、これはもうずっといろいろ皆さんから議論があります。これは小学生じゃないですけれども、私の非常に純真など言うとおかしいんですが、純粋、直観的に考えますと来年もやはりこの問題は起こるのじゃないか、なかなかそんなに簡単にはもう復活しないだろう、日本の財政状況から考えた場合に。そこを皆さん大蔵大臣の言質をとろうと思っていろいろなことをやっておられるわけですけれども、私は率直に言って、だんだん厳しくなることはあってもそう簡単に改善はされないだろうと思うわけです。そういうことになりますと、ただ単に二千億円をどうしてことし引っ張り出すかという問題も大事でしょうけれども、基本的に補助金行政のあり方、あるいは論者によってはもう補助金は全廃した方がいいというなにもありますし、あるいは私の今申し上げたように、まさかとんでもない、給食なんかやめるのはとんでもない、あるいは石炭をやめるのはとんでもないというところへ戻って考え直す必要があるのじゃないかという気がするわけですね。 それで話を少し変えさしていただきまして、次にこういう例があるんですね。これは何も運輸省に答弁いただかなくてもいいんですけれども、ある港湾をつくる、そのために二十億円ぐらいの補助金をもらってちゃんと港湾を整備した。ところが、実際にオープンしてみたら、全然出船入り船がなくて砂利の船とかスクラップの船しか入ってこなかったということがあるわけです。もくろみ違いもあると思うんですけれども、こういうものに対する監査ですね。先日言いましたけれども、補助金の不正使用ということについては会計検査院が非常にチェックしているわけです。ところが、私が申し上げたいのは経済効果のチェック、監査ですね、業務監査といいますか。例えば二十億円の港をこしらえた、ところが百億円の効果があるはずだったのが二十億円しかなかった、あるいは五億円しかなかったという場合の監査がやはり重要じゃないかという気がするわけですね。 これが今まで会計検査院の会計監査だけが行われて業務監査的なものが行われていなかった。したがって、オンブズマン的というのですか、そういうものをやはり強化して、本当にそれだけのものが効果があったかどうかチェックする必要があると思うんですけれども、これはあるいは総務庁の方の御担当かもしれませんが、こういうふうな自治体の行政について業務監査をするということについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 補助金行政というのは国政全体の上に非常に大きな分野を占めておるわけでございます。予算面だけでも三十二兆数千億のうち十四兆五千億が補助金でございますから、これが会計法に準拠してやられなきゃならぬのは当たり前の話で、これは会計検査院がおやりになるでしょう。ただ、やはり行政の中で重要な役割を果たしているわけですから、その役割を果たしておるのかどうかということは、これはそれぞれの主管庁はもちろん十分指導監督なさるでしょうし、同時にまた、私ども各省行政を監察調査する立場の者としては、補助金の効率的な使用がうまくいっているのかどうかということについてはもう私どもとして常時やらなきゃならぬと思いますが、さて、その補助金行政全体を一遍にやってしまえということになりますと、これはなかなか容易な仕事ではありません。 というのは、補助金の行政というのは社会福祉から教育、文教、農林水産と、ほとんど補助金行政でございますから、そこで私どもの現実的な手法としてはそれぞれの問題点についてその事項を調査監察する、その対象の中にやはり補助金がその面についてあると、これは不適切であるということであればこれを指摘していく、こういう現実的手法で今日までやっておりますが、私はそのやり方がむしろ合理的なのではなかろうかなと、かように考えておりますが、いずれにせよ重要な課題でございますので、私どもとしては補助金の効率的使用という観点に立って今後とも努力をいたしたい、かように思います。
○木本平八郎君 自治大臣の御意見をお伺いしたいわけですが、私は民間の経験しかないわけですけれども、民間では監査室の監査もありますが、それ以外に自己監査をやるわけですね、毎年、あるいはテーマを決めて。それで内部で監査報告を出して、出したくないうみもしょうがないから出すと。それで怒られるということが裏腹にあるわけですけれども、それでもあえてそういう制度をとって非常に効果を上げているわけですね。それ以外に監査室からの監査がありますね。それで、こういう問題で自治省として各地方自治団体に自己監査を少し行政指導なさるということはどうかと思うんですね。 これはある一つの東京の区の例なんですけれども、区の行政監査で区長さんが監査委員を任命されるわけですね、区会議員の中から一人とか区の職員の中から一人とかOBの中から一人とかとね。これは自分で自分を監査しているようななんで非常におかしいという指摘はあるわけです。役所の監査になると、同僚の足、あらを余り引っ張り出せないからなれ合いみたいな監査になるかもしれません。なるかもしれませんけれども、こういう事態になってきて、先ほどの補助金の使いでとか経済性あるいは効率の問題を非常に真剣にチェックしていかなきゃいかぬというときですから、やはりこれはとりあえずは自己監査制度みたいなものを導入してやることによっても多少は効果があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(古屋亨君) 補助金の監査、あるいはまたお話しのようにちょっとありましたが、補助金の手続の簡素化ということは当然考えていかなければならない大きい問題でございます。今、私ども地方自治体におきましては、監査委員というのを、例えば県におきましては県の議員がう二人とかあるいは民間から二人監査委員を任命しております。市町村もそういうような例でございますが、ただ、これは国の補助金等の効果の監査にはちょっと及ばないという法の建前になっておりますので、適切な地方自治法の改正によってそういう点も入れるようにして、そうじて補助金の有効活用、本当に乏しい補助金でも有効に町民のために、県民のために活用するということは私はやっていかなければならない一つの大きい問題であると考えておりまして、先生のお話には賛成でございますけれども、ただ、今の制度で補助金等についての地元での監査がそういう制約がありますので、そういう点の改正をひとつ検討しておりますが、進めながら今の御趣旨の点は十分考えてまいりたいと思います。
○木本平八郎君 自己監査というのは、監査という言葉が悪いんですけれども、むしろ自分で自分の反省材料を見つけて自分たちで考えるということですから、国からもらった補助金でも、本当に我々の使い方がよかったんだろうかという反省会みたいなものをぜひこの際進めていただきたいと思うわけです。 時間がなくなりましたので、最後にひとつこれはお願いかたがたなんですけれども、今度二千億円の補助金カットというか、それを浮かそうとなさっているわけですね、国ベースでは。ところが、これは先般も申し上げましたように、二千億円こっちで節約したのはいいんだけれども地方の方でかかる、あるいは間接的に申請が複雑になるとかあるいは陳情の回数が多くなるとか、そういうことで地方でまた二千億円経費がかかってしまうと同じことなんですね。タックスペイヤー、納税者の立場としては国で使われても地方で使われても同じことなんですね。そういう悪循環みたいなことが非常に起こりやすいと思うわけです。その点はぜひそういうことがないように考えていただかなきゃいかぬじゃないかということと、それからしつこいようですけれども、繰り返しますけれども、やはり今一つの時代が変わってきつつある、国が変わっている、社会が変わってきつつあるんじゃないかと私は思うわけですね。そういう点から、補助金のただ単に目先の二千億円じゃなくて、全体を考えた中の位置づけというふうなこともぜひ御検討いただきたいと思うわけです。 最後に大蔵大臣の御所見を承って、私の質問を終わります。
○国務大臣(竹下登君) 後段の部分は私も同感でございます。したがって、各種補助金というのは長い歴史的経過に基づいて、その中にはそれこそ事業そのものが地方に同化定着したものもございましょうし、ある意味においては奨励的意味を失ったものもございましょう。それらに対して逐年の努力を重ねておりますが、いっそのこと、この制度、施策の根本にさかのぼった議論をする時期に来ておるという認識は私も等しくいたしておるものであります。 それから前段の部分に対しましても、タックスペイヤーの側から言えばおっしゃるとおりでございます。したがって、いわば税源配分のあり方とか、そういう総合的な中で検討すべき課題だというふうに考えます。
○委員長(桧垣徳太郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 明十四日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時二分散会