補助金等に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/05/11
会議録
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 質疑に先立ち、去る四月二十二日の委員会において本法案の審議に当たって問題となった点に関し、理事会において協議決定した結果をこの際委員長の見解として私から申し上げます。 今回の補助金整理特例法案の参議院における審議が、予算成立後、かなりの日数を経過した後になったために法案の審議が内容的にも、期間的にも著しく制約を受けることとなった。 このために法案審議の過程において「法案成立までの期間は、現行法があるのであるから、これによって執行し、国民や地方公共団体に迷感を及ぼさないよう、配慮すべきである。」との意見も出されているところである。 このことは、参議院としての審議権を確保する上で、このような多くの行政分野にわたる補助金を一括法とすることの問題点、予算成立後の後追い審議となる法案提出時期の問題点等を指摘しているものである。 本特別委員会としては、このような問題点に留意し、今後政府の善処を要望するものである。 以上であります。 それでは、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 最初に、この特例法に関連をいたしまして、予算の執行の問題が理事会に預かりとなりました。その点について、委員長としても御努力をされたわけですが、政府の統一見解をまずお伺いをしたいと思っております。
○国務大臣(竹下登君) 公共事業予算につきましては、去る四月二十二日の当委員会において私から所見を表明さしていただきましたが、地域経済に与える影響等を勘案し、次のような措置を講ずることといたしました。 一、四月末から担当各省において箇所別内示を行ったものについて、所管ごとに事業実施額、これは国費でございますが、を申し上げますと、建設省一兆一千四百億円、農林水産省六千三百億円、運輸省二千七百億円、通商産業省百四十億円、厚生省三十億円、計約二兆六百億円となっております。 二、引き下げ対象分のうち積雪寒冷地域等につきましては、数字的に把握することは難しい問題でありますが、先日の私の発言を受けて、各省において地方公共団体と相談しながら鋭意必要な準備行為を進めております。 また、非公共事業予算につきましては、政府は、関係予算の執行のおくれにより国と車の両輪の関係にあります地方団体の財政運営に支障を生ずることのないよう十分配慮すべきであると考え、適切な措置を講ずることとしております用地方交付税の交付につきましては、厳しい国の財政事情のもとで早期交付に努め、四月分として対前年度一二・五%増の約二兆二千億円を交付しておるところでありますが、なお資金繰りに問題が生ずる地方団体に対しましては、その実情に応じ、資金運用部資金の短期融資制度の活用等により十分配慮してまいることとしております。 さらに、今回関係予算の執行がおくれたことにより、地方団体に金利等について実質的な財政負担を生ぜしめることのないよう、国庫支出金を前倒し的に早期交付することにより、弾力的かつ適切に対処してまいりたいと考えております。
○穐山篤君 補助金に関連をする問題は後刻本格的に質疑をしたいと思いますが、せっかくの機会でありますので、総理並びに外務大臣にお伺いします。 それはボン・サミットの問題であります。昨日、本会議場で我が党の野田委員からも質疑が行われたわけですが、若干補足をしてお伺いをします。 中曽根五原則というものが新聞でも発表になりましたが、これをよくよく私どもなりに読んでみますと、従来総理が言っておりました理解という程度を超えるのではないか、そういう心配が一つあるわけであります。 それからもう一つの懸念は、従来総理は抑止均衡という説を述べられていたわけですが、この五原則の意味を十分考えてみますと、均衡抑止の域を出るおそれがあるのではないか、そういう心配があります。 それから三つ目の問題として、本来SDIはアメリカが提唱した問題でありまして、他国が、第三者がアメリカの真意を誤解してと言えば適切でありませんが、何も積極的にその解説をして歩く必要もない、それは本来アメリカ側が行うべきものである、こういう問題意識が三つ目にあります。 第四の問題点としましては、なるほど東西の緊張緩和のために世界の首脳がそれ相当の努力をしているわけでありますが、SS20あるいはEC諸国に配置されておりますアメリカの核の問題を考えてみますと、これは米日欧対ソ連という関係よりも米欧対ソ連圏とのかかわり合いが非常に強いわけでありまして、その圏外にあります日本があえてこの問題について主導的な立場をとることは東西の緊張を逆に混乱をさせる、この懸念も十分にあると思うんですが、それら四つの点について総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私がいわゆる五原則というものをアメリカ大統領との会談で話しましたのは、先方が今までいろいろ言ってきたことを整理いたしまして、それをまとめて、そしてそれを先方に確認をしたと。というのは、ある意味におきましては、我々が理解をしているということの背景にある考え方というものを確認した、そういう意味もあるわけであります。 均衡抑止を出る以上のものではないかというあれですが、一方的優位を求めないということはあくまで均衡である、それからこれが研究を出て開発して展開するという場合には、我々にも事前に相談もするしソ連との話し合いをする、そういうようなことはあくまで相互間の理解というものを中心に考えておるわけであります。 私がまたいろいろ申し上げましたことは、すべて今まで理解と申し上げたその根拠、背景というものを確認したと、それ以上を出るものではありません。大体、あの内容は、サッチャーさんと米国大統領との会談、あるいはアメリカ側の発言等を整理したものでありまして、先方の考えの背景をただしたということなのであります。 それから最後の末日欧対ソ、米欧対ソという問題でございますが、これはウィリアムズバーグ・サミットの政治声明におきましても、安全保障というものは世界的規模で考える、グローバルベースで考えなければならない、そういう言葉もありまして、特にアジアを犠牲に行ってはならない。これはSS20の展開等を考えてみてそういう発言をし、そのために私も努力したわけでございます。自乗、やはり今の核兵器というものは移動可能なものが出てきておるわけでもあります。そういう意味において、アジアや日本の犠牲においてこれらの問題が片づけられてはならない、そういう観点からも我々は世界的関心のもとに話しておる。これはオーストラリアに参りましたときにも、ホーク首相との間で、やはり安全保障というものは世界的関心の問題であり、世界的な関係において考えなければならないと、そういうことも申しておるのでありまして、一貫した態度を申し上げておる次第なのであります。
○穐山篤君 現在までの抑止均衡の考え方は変わりないと、こういうふうに言われておりますが、過日、ゴルバチョフ書記長の発表によりますと、アメリカがスターウオーズ計画を研究あるいは具体的に推進することになればソ連としても対抗措置をとる、こういうふうに言明をしているわけです。言いかえてみますと、ソビエトの認識としてはさらに緊張が激化をする、あるいは宇宙におきます軍拡が結果として拡大せざるを得ない、そういうふうにとれるような言明が行われているわけです。 アメリカや今回のサミット諸国が一方的に、これはソ連への一方的優位を求めるものじゃないというふうに言いましても、相手側があるわけです。相手側の理解としては、サミット諸国がそれだけ宇宙戦略に力を入れるとすれば具体的な対抗措置をとる。言いかえてみれば、研究も始めるでありましょう、あるいは実験の段階に入るかもしれないという問題を含んでいるわけですね。そのことを非常に私どもは懸念をするわけですが、その点についての認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる宇宙兵器の問題については、ソ連も随分研究して先行している部分もあるようであります。いわゆるABM条約の実施については、ソ連はモスコー周辺に相当数のものを配備して、そして既にこの問題においても先行しておる、アメリカはまだやっていないと、あるいはキラー衛星、そういうような問題についても、ソ連側は実験がかなり進んでいるという情報もかなり我々のところに西欧筋からも来ておる。そういうようないろいろな情勢を見ますと、ソ連の方がある程度研究が進んでいる部分もあるのではないかと思われます。 西独の首相が正当性と言った背景には、ソ連がこれだけやっているんだからアメリカが研究するのも正当であるという意味が西独の首相の場合にはあった。私が言った場合は別の意味でありまして、これは非核、防御あるいは核兵器廃絶という意味において道義的正当性を認めている。私の場合とドイツの首相の場合とはそういう基本的な考え方の差がありますが、しかしいずれにせよ、その方にソ連側がかなり進んでおる。また一面において、研究という段階においては検証はなかなか難しい、そういうような面からアメリカ側も研究をする、しかし研究してこれを展開するという段階には相談する、こういうことなのでありまして、ソ連側がいかなるお考えをお持ちであるか確認したことではありませんけれども、そのように両方が話し合って大量核兵器を削減する、低いレベルに減らしていってついにはこれを廃絶する、そういう方向へ進む一歩となるならば私はこれは考うべきものであると、そう考えておる次第なのであります。
○穐山篤君 外務大臣にお伺いしますが、外務大臣は今回のボン・サミットの帰りに、東西の緊張というのは従来の認識から言えば緩和されてきたというふうな報道をされているわけですが、これはどういう根拠でそういう言明になったのか、その点が一つ。 それからもう一つは、例えばサッチャー首相とゴルバチョフ書記長との間に書簡の往復がある。非常にユニークな外交だというふうに思うんですが、非常に弾力性のある、創意性のある外交関係がヨーロッパ、ECの中には、特にイギリスにしろフランスにしろドイツ、それぞれニュアンスは違いますけれども、独創的なものを持っているわけですね。その点について我が日本の外交というのは非常に硬直的である、そういうふうに非難をされてもやむを得ないというふうに思いますが、その点についてどういうふうにこれから対処をされていくのか、二つについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 東西関係につきましては、これは御承知のとおり行き詰まっておりました米ソの核軍縮の交渉がジュネーブで再開されるようになりましたし、また米ソの首脳会談というものがこの秋に行われる可能性というものが開けてまいってきております。そして、これを今回のサミットにおいても推進すべきであるという議論も出されておるわけでございますし、またソ連自体もゴルバチョフ書記長は首脳会談に対して前向きの姿勢を示しているように判断をされるわけであります。そうしたことから、東西関係、米ソ関係に一つの明るさが出てきたということが全体的に言えるのではないか、こういうふうに思っております。 しかし、核軍縮交渉そのものは第一回が終わりまして第二回に入っていくわけでございますが、米ソの間にまだまだ大きな開きがあるわけでございますし、また、いろいろな世界情勢から見てそれでは一挙に東西間、米ソ間が展開をするかといえばなかなかそう簡単にも見通しが立てられない。ですから、一つの明るさというものは出ておりますが、状況としては依然として厳しい面もあるというのが私の認識でございますし、同時に、やはり東西間の緊張緩和、米ソ間の対話というものを推進していかなきゃならないというのが今日の世界に与えられた課題であろうし、また日本としてもそのために努力を傾けていかなければならない、こういうふうに思っております。その点につきましては、中曽根総理もサミットにおいて積極的な発言をしておられるわけでございます。 同時にまた、日ソの間について言えば、残念ながら昨年までは大韓航空機事件等がございまして、非常な冷たい関係にありますし、あるいはまた、日ソ間には領土問題という基本的な対立があるわけでありますし、同時にまた、極東におけるソ連の軍事的な態勢というものも依然として強化されつつあるというのが今日の偽らざる実態ではないかと思うわけでございます。しかし、全体的にそうした明るさが見えてきておる今日でございますから、やはり日ソ間といえども、この際にそうした空気の中で対話を進めていって何とか改善の道を探らなければならない、そうして最終的には、日ソ間で領土問題についても話し合える、そういうテーブルに着くような状況に持っていかなければならないと私は思っております。 そのためには、日本としましてもできるだけの対話の努力をしたいということで、実はチェルネンコ前書記長の葬儀のときの日ソの首脳会談も踏まえまして、日ソ間で今いろいろと対話につきまして話し合いを進めておりまして、ソ連の要人も、副首相を初めとして文化相、その他が続々と日本にやってこられるという状況も出ております。あるいはまた、日ソ間の高級事務レベルの会談というものも今準備もされておるわけでございますし、そういう中で、何とか懸案となっておりますグロムイコ外相の訪日を求めていきたい。幸いにいたしまして、ソ連側もこれまでと違った柔軟な姿勢を示しておるようでございまして、近く日本としても文化協定についての日本側の案をソ連に提案することにいたしております。 その他のいろいろな面でのソ連との経済あるいは文化、人的交流、そうした具体的な面でのこれからの交流も具体的にひとつ進めてまいりたいと、こういうことでありまして、今の状況からいいますと、日ソ間はだんだんと改善の可能性というものも出てきつつあるのではないか、この機をやはり外してはならない。こうした米ソの首脳会談が行われるという状況にあるわけでございますから、やはりこの間に日ソ間の関係改善というものも進めていくべきではないかということで今準備を進め、努力を重ねておるわけであります。
○穐山篤君 総理並びに大蔵大臣にお伺いしますが、今回のボン・サミットで、昨日総理も言われておりましたが、三十何年ぶりに大型の税制改正をやりたいと考えている、こういうことをサミットの中でも言明をされているわけであります。それから先日、九日の日でしたか、与野党の代表間におきまして減税の問題を含みます合意が行われているわけであります。したがって、党もそうでありますが、なかんずく政府としては、このボン・サミットで説明をされたその精神を具体化する必要があるだろうし、それから与野党合意の減税についても具体的に着手をしなければならぬ、そういう段階に来ていると思うんです。 そこで、もう一つの条件を加えるとすれば、今度の経済宣言をよく読んでみまして、それぞれの国の努力もあると思います。しかし、米国にいたしましてもあるいはEC諸国にしてみても、短期的にこの構造的な問題が解決をする、あるいは効果を上げるということは非常に期待が薄いと思うんです。勢い、その部分が日本にかぶさってくる、このことは大いに考えられることであります。アメリカもあるいはECも減税というものを考えつつ民間活力を引き上げていきたいというふうな構想のようでありますが、日本の立場からいいますと、今財政の出番がなかなかないわけです。 そこで、昨日言明されました大きな税制改正、それから与野党間の減税という問題について具体的に政府自身が取り組まなければならぬ段階にあると思うんですが、最近の大蔵省の態度は非常に消極的であるというふうに懸念をしております。どういうふうにその点を対処されますか、具体的に明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず私から申し上げます。 まず、経済宣言の基礎になりますのは、集まりましたその日のワーキングディナー、これは大蔵大臣だけでございます。それから翌日の大蔵大臣だけの会議、昼飯、午後に全体会議がございます。そしてその後がまた大蔵大臣だけ、そして翌日の午前中がまた今度は全体会議と、こういう経過をたどってこの宣言に最終的に至るわけでありますが、私どもがその会合の中で話し合いますのは、大蔵大臣と申しましても七人でございますので、毎度会っておりますから各国の事情はそれなりに相互理解はできておるという前提の上で議論をするわけであります。 そこで、税の問題ということになりますと、今穐山さん御指摘なさいましたが、今各国が税に対するどういう考え方を持っているかと、こういう説明から始まるわけであります。今の場合は、私が一番古くなりましたので、日本の大蔵大臣から説明をするわけであります。 したがって、国会で論議を重ねてまいっております、いわばシャウプ以来の抜本的税制改革を、日本としては中曽根総理が公平、公正、簡素、選択並びに活力というような基本的考え方を示して、国会の議論等を正確に税制調査会に報告することにより抜本的幅広い検討に入っていくという経過になっておるというのがおおよそ私の説明の大筋でございます。それからアメリカは、御案内のとおりの考え方でございます。ただ、これは増減税ゼロといいますか、中立てあると、こういう考え方でございます。それぞれの国の置かれておる状況を正確にお互いが議論し合う、こういうことがコミュニケにつながっていくわけでございますので、税制の基本に対する考え方というのは、今まで国会で申し上げておることを正確に披露しておるわけであります。 一方、与野党の問題というのは、これは当然のこととして存在しておりますので、総理からお答えしておりますとおり、今日の状態では、この合意の推移を見守っておって、それを尊重するのは当然のことであります。政府側としては、いつものことでございますが、その場合、こういう問題点に対する資料を持ってこいとか、見解を出せとか、そういうことに積極的におこたえしていかなければならぬというのが与野党の合意に対応する政府の姿勢であると思っております。 それから日本にいわば機関車、ちょっと表現は違いますが、そういう期待があるかどうかという思いを込めての御質問であろうと思いますが、機関車論というのは、先進国ともに失敗だった、あれによって高金利をもたらし、財政赤字をもたらした。したがって、まず他にその機関車の役を求めるよりもみずからが抱えておる問題をいかにして解決していくかというのが先進国としての各国のあるべき姿ではないか、これは私は最大公約数であったと。 したがって、最大公約数的に節度ある財政金融政策の維持強化、あくまでもインフレなき持続的成長を求めていくというのが最大公約数であり、日本がみずから心していかなければなりませんのは、これは四月に発表しました対外経済対策を誠実かっ着実に実施していくということと、そしていわばデレギュレーション等による内需の喚起に対しての努力をしなければならないという自己認識をも含めたことを宣言として発表した、こういう経過になろうかと思うのであります。
○穐山篤君 私の質問に正確に答弁をされていません。しかし、ここの場で論争しておりましてもらちが明きませんので、別な場所で減税の問題についてはもっと専門的にやりたいと思います。 さてそこで、冒頭委員長が委員長見解として政府に善処を求めたわけですが、これについて総理大臣、どのようにお考えでありましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一言で申し上げますれば、この委員長見解の御趣旨を体しまして今後とも努力してまいりたい、そういう考えでございます。
○穐山篤君 今回の補助金整理特例法といいますのは、大筋を言いますと、補助金にかかわる諸問題を内容とするものが一グループであります。それからもう一つは、五十九年度限りでありました行革関連を内容とするものがもう一つのグループであります。全く性格的に違うものをまとめて一本で出してきた、そういうところに法案提出上の問題点がまず第一にあるわけですね。 それから二つ目の問題は、予算成立前に具体的に補助金をカットするというふうな内容の法案として審議をして、あらかじめ決めて、それを予算の中に編成していく。これは昭和五十六年に行革特別委員会が行われまして、行革関連の諸問題が審議をされて、事のよしあしは別としまして、決定されたものが昭和五十七年、八年、九年の予算の中に編成をされているわけです。これが通常の手順だと思いますが、今回はそれが逆になっているわけですね。予算は通ってしまった。法案はいまだに審議をしている。こういう二つのものについて政府に要望しているわけです。 ですから、総理はごく精神的な受けとめ方をされたわけですが、大蔵大臣、委員長が要望されたものは、少なくとも今私が申し上げた二つの問題が要望の柱になっているわけです。具体的に御答弁をいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) 委員長見解を分析してのお尋ねでございますが、委員長見解は私も大筋今おっしゃったとおりの見解だと受けとめております。 まず、法律の出し方については私は二つの問題があるのかなと思います。 一つは、全く性格を異にする行革関連法の延長とそれから補助金を内容とするものとを合併した内容をもって法案の提出を行っておるという問題と、それからいま一つは行革関連法案で五十六年に措置していただきましたときのように、まず政策ありき、その後予算が登場する、これが考え方としては正しいではないかと。法律の問題ではこの二つであろうと思っております。 この点については部内でも十分たびたび議論をいたしました。要は、この二つの内容そのものを見ますと、いわば国の歳出の縮減に資する措置であるということからいたしまして、二つの性格を持つ法律を一本にして提出することについての合理性とでも申しましょうか、そういうことを私どもは整理をいたしたわけであります。 それから二番目の問題は、確かに私は五十六年度のときのやり方というのは、よかったと言うと表現が適切でないかもしれませんが、一つのあるべき姿であったと思っております。ただ、予算編成に当たりまして、とにかく一般歳出の四割を占める補助金というものにまずは集中をいたしまして、私どもはこれをどうしてカットするか、ぎりぎりの段階で合意を見たという事実が一つは御理解をいただきたいところであります。 そうなりますと、せめて今の御趣旨に沿うにはどうするべきかというところで、平素は予算案が提出されまして、それの関連法律案というものは二月の第四週の火曜ないし金曜というものを提出期限とするわけでございますが、今回は予算書と同時に国会へ提出するということにおいてその誠意をお示し申し上げるべきだということで提出をさしていただいたと、こういうことになるわけであります。 したがいまして、これらの問題のあり方につきましては、私はいわゆる違法でないからいいじゃないですかとかいうような開き直ったお答えをしようなどということは毛頭考えておりません。そういう経過を御説明申し上げますと同時に、やはり今度の委員長見解に示されましたところの冒頭にございます「予算成立後、かなりの日数を経過した後になったために法案の審議が内容的にも、期間的にも著しく制約を受けることとなった。」と、そういう前提を踏まえての委員長見解につきましては、今後あらゆる機会、政治姿勢としてその御趣旨を体しながら対応すべきものであるというふうに考えております。
○穐山篤君 私は、しばしば法律案の提出について、特に大蔵委員会では指摘をしてまいりました。ことしも去年もおととしもすべてそうでありますが、財源確保の法案というのを見れば一目瞭然であります。その手法が今回もとり行われておりまして、まことに私は遺憾、残念だと思うんです。 確認をいたしますが、今後全く次元の違うもの、内容の違うものを合併して法体案として提出するようなことはないですね。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今後に対する問題でございますが、この委員長見解、そして穐山さんの御趣旨というものは絶えず念頭に置いて対応すべきものであると考えております。ただ、これはいわば一本の法律として御審議いただくべきものかどうかという判断基準によっては、そのときどきの主機の相違もあるいはあろうかなと、こういう感じがいたします。
○穐山篤君 すっきりしていない答弁でありまして、まことに遺憾であります。 それと同時に、二つ目の問題は、先ほども指摘しましたが、五十六年の行革特別委員会の審査のようにオーソドックスな手続をとって、政策があらかじめ決められて、あるいは方向が出されて、その後で予算に組み込んでいく、こういう手順がごく常識的でありますし、また同会の審議を行う場合もその方が妥当だというふうに思うんです。今後は今回のような方法はとらないというふうに言明をしてもらえますか。
○国務大臣(竹下登君) 委員長見解並びに穐山さんの御趣旨は十分体してこれからも対応していきたいと。ただ、言明しろと仮におっしゃいますと、いわばあり方につきまして来年度予算編成時までに協議を重ねて結論を出そうと、こういうことになっております。そうなると、現行の財政法の十二月中に予算を提出するというのは、許容されて一月に提出さしていただいておるにいたしましても、その前にいわば補助率関係の法律を審議していただくということになると、ちょっと今日の段階で臨時国会をあらかじめ予測しなきゃならぬというようなこともあり得るような、今とっさに聞きましてそういう印象も受けましたので、その点について、今後補助率の大きな改正にかかわるものについてはすべて五十六年の行革関連特例方式をとりますということを断言するにはいささからゅうちょを感じております。
○穐山篤君 戸惑いをするのはこちらの方でありまして、政府の方は正規なルールで国民の信頼を欠かないようにしなきゃいかぬ。これはまだ詰めなきゃならぬと思いますが、先に行きます。 それからその次に、大蔵大臣と自治大臣にお伺いをしますが、今回の内容は列挙してみますと五つあるわけです。原則今年度限りと、こういうふうに言われているわけですが、具体的にひとつ一項一項大蔵大臣、例えば補助規定の削除については終期はこういうものである、高率補助の終期はこれであるというふうに、具体的に今年度限りという意味合いを説明してもらいたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは本年一年限りの暫定措置であるという意味においては、すべてを含めてこれは暫定措置でございますから一年限りと、こういうことになります。ただ、三大臣間での申し合わせもございますので、いま一度次の予算編成までに予算のあり方について徹底した議論をして結論を出そうと、こういう申し合わせがございますので、言ってみれば暫定措置で、そして今後補助率は単純にもとに返りますということを申し上げるわけには、三大臣申し合わせがありますからこれは言えないというふうに思っております。 それから終期の問題、ただ中に一つ、その暫定措置の中で法律が改正されておる内容で、いわゆる一年というものでないものがあったと思いますので、その問題につきましては事務当局からお答えをさせます、定かにすらすらと覚えていないものでございますから。
○穐山篤君 大臣が言われました前段については問題が非常に大きいので後ほどに譲りますが、では一つ一つお伺いしていきましょう。 第一の補助規定の削除、これは今年度限り。今年度限りのその意味はどうなのか。 それから二つ目の補助規定の交付金規定への改正、この七つの法律が来年三月三十一日になるとどういうふうに衣がえをするか。 それから補助金臨時法の措置の恒久化、六つの法律について来年三月三十一日どういう姿になるのか。 行革関連については一年延長でありますので、これは来年三月三十一日になればもとに戻る、こういうふうに理解をすべきものと思いますが、いかがですか。 高率補助につきましては、先ほど大臣から三者の話し合いという問題がありましたが、ここの部分は非常に重要でありますので別途お伺いをしますけれども、事務当局としては来年三月三十一日になった姿をどういうふうに考えているか具体的に答弁をいただきたい。
○政府委員(平澤貞昭君) 今委員がおっしゃいましたように、今回の法案の中身は五つに分かれております。そのうち最初の三つの項目につきましては、これは法案に恒久措置としてお願い申し上げているわけでございまして、あとの二つ、そのうち四番目にありますのが行革関連特例法の一年延長、それから最後に、五番目にございますのがいわゆる二分の一超の補助率の引き下げの特例、これにつきましては暫定的なものとして法案の御審議を願っているということでございます。 そこで、この恒久的措置の部分につきましては、補助率の規定の削除及び補助規定の交付金化あるいは補助金臨時法の措置の部分、いずれもそれぞれ制度といたしまして定着してきておる等の理由から、これを恒久化するのが適当であるということで法案に盛っておりますので、したがいまして来年の三月三十一日までの一年限りではなくて、引き続き恒久的なものとして今回御審議をお願いしているものでございます。 そこで、四番目の行革関連特例法の一年の延長の部分でございますけれども、この中にはいろいろのものがございます。そのうち特に厚生年金、共済年金の国庫負担の軽減措置、これにつきましては現在抜本的な改正をお願いしているところでございますので、したがって一年延長後、その改正と絡んでどうなっていくかということになると思います。その場合には現行のこの行革関連特例法による特例措置をそのまま延長することはやはり問題があるので、その際に改めて考えていくということになろうかと思います。この範崎に入りますのは、児童手当に係る問題につきましても現在制度改正を検討中でございますので、同様の取り扱いになろうかと思うわけでございます。 その他の部分で細かく申し上げますと、いわゆる農林公庫とかあるいは住宅公庫の貸付金利の問題でございますけれども、これにつきましては、既に制度改正等が現在行われておりますので、六十一年度以降につきましてはそれに吸収されていくということになるわけでございます。 その他細かい点につきましては省略させていただきたいと思います。
○穐山篤君 自治大臣、この五つの項目の中の一、二、三は恒久化するものであると、そういう答弁がありましたが、その認識と同じでいいですか。
○政府委員(土田栄作君) 同じ認識でおります。
○穐山篤君 さてそこで、高率補助の問題について三者の申し合わせ、了解があるというふうに承っているわけですが、これは本来国と地方の役割なり機能、そういうものがしっかり議論をされて、その上で費用の問題あるいは行政システムの問題というものがきちっと整理整とんをされなければならぬと思うわけです。大蔵大臣と自治大臣と厚生大臣だけで話の済む仕組みのものではない、臨調も行革審ももっと広範に物を指摘しているものと私は認識をいたします。その点について総務庁長官いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 国と地方の間の役割、機能分担、それに伴う財政負担の問題、これはおっしゃるように、やはり基本的には身近な行政といいますか、これはできる限りは地方に任せていくべきである。こういう問題は国と地方の基本的な関係にわたるものですから、十分論議を尽くしてやるのが望ましいということは申し上げるまでもありません。ただ、今回の措置については、厳しい財政状況を背景にして予算編成の過程において出てきたということでございますから、それだからこそ昨年ああいった最終決着は、ともかく一年間の処置で、ことし一年十分三者の間でそういった点を踏まえて協議をして結論を出そう、こういうことになったものと、かように私は理解をいたしております。
○穐山篤君 三者で特に協議をしなければならない分野もあることは承知をします。しかし、今臨調や我々やあるいは地方の公共団体が言っております中央と地方の機能あるいは費用の分担というものはそんな狭いものを指摘しているわけじゃないですね。現在ありますものを見ましても、岡の行政を知事に委任しております機関委任事務であるとか、あるいは自治体行政に国が監督権限を持つ国の関与というものもあります。それから法律で自治体の機構、職員の配置を義務づけた必置規制という問題もあります。そのほかに、いうところの専管事項というのも存在をしているわけです。 したがって、私は三者で部分的に協議することは否定をしませんけれども、少なくとも補助金の問題に手をつける以上、中央と地方の行政の機能のあり方、システム、あるいは費用の分担、そういう基本的な問題が整理整とんをされなければ、これは部分的な話だけで済むものじゃない、そういうふうに思いますし、また、ことごとく臨調もそういうふうに指摘をしているわけです。くどいようですけれども、その点について、所管の後藤田長官、それから総理としても、去年はいろいろな地方公共団体の会議に出て十分説明をされているわけです。また地方からの、知事からの意見も受けているわけです。したがって、それらを踏まえてお二人からお伺いをしたいと思うんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるように、やはり基本的にはそういった機能分担、役割分担、こういったことからきちんと整理すべきである、これはもうおっしゃるとおりだろうと思います。ただ、厳しい財政状況を背景にして、やはり補助金全体についての合理化といいますか、あるいは高率補助等の見直し、こういう点については予算編成に関連をして行革審からも御意見が出ておりますから、そういったようなことで今回の処置はとられたものであろう、私はさように理解をしておるわけでございます。 おっしゃるように、もちろん国と地方との関係については、許認可権限の移譲であるとか、あるいは国の関与、必置規制、あるいは機関委任事務の整理、こういった点を従来からも国会にお願いをし改正をいたしておりますけれども、これで十分だとは考えておりません。したがって、機関委任事務の合理化の問題であるとかあるいは権限移譲、こういった問題は依然として行革審に審議をしていただいておって、本年の七月ごろに答申が出るはずでございますから、それらを受けて政府としては所要の改善措置を講じたい、かように考えておるわけでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 総務庁長官の答弁のとおりでございます。
○穐山篤君 総理にもうちょっと具体的にお伺いしますが、中央と地方は機能も機構も分担も役割も違いますけれども、中央と地方を考えてみますと、それは信頼関係でもっている、そういうふうに思うわけですね。さらに地方にしてみますと、高度成長時代と違いまして、最近は健常者も身体障害者もともに生きられる町づくり、あるいは豊かな生きがいのある町づくりというふうに非常に独創的になってきたわけですね。したがって規制や規則に縛られることが地方の地域住民の福祉を向上する上にとって非常に阻害を現に受けているわけです。 そこで総理、お伺いをしますが、補助金カットというのは、これは地方への財政的な犠牲の転嫁でありまして、国も財政が厳しいから地方もひとつ協力してくれというふうなことだけで責任を転嫁したり、あるいは費用分担を転嫁することは非常に信頼関係を失うことになるわけです。現に、知事会議の議事録を読んでみますと、東京都の知事も同じことを言っております。埼玉県の知事もそうであります。滋賀県の知事も同様のことを異口向背に述べているわけですね。信頼関係を壊すということは機能が麻痺するおそれがあるわけです。 したがって、今回の補助金のカット問題というのは、例えばどうしても財源上の協力をしてくれということならば、節約をする枠を示して、中身、どれをどういうふうにするかを地方に任せてもいいじゃないかというふうな説が地方自治団体の長からあったわけですが、そういうふうな方法もとれなかったのか、とる意思がなかったのか。逆に言いますと、信頼関係を壊してまでも補助金カットを推進する、そういう気持ちで昨年の夏から進めてきたのか、その辺のありようについてしっかりお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中央と地方は、穐山委員お示しのとおり信頼関係であくまでいかなければならぬと思っておりますし、私は信頼関係は持続しているものと考えております。要するに国民生活を分担し合っておるものでございますから、両方とも責任を持っておるわけでございまして、国が分担するか地方が分担するか、法律等によりましてそれが決められておるわけでございます。そういう場合に両方で助け合う。地方がうんと困っているときには国の方で手助けするとか、国がうんと困っているときには地方の方で便宜措置を講じてあげる。しかし、その場合でも、お互いの間で助け合いをやって過重な負担を一方にかけないように、長期的な見通しの上に立って両方が共存していけるような方途を講じていくということが正しい姿であり、そういう姿のもとに今回の措置は行われている。 それで基本的には、穐山さんのおっしゃったようにふるさと論であるとか、あるいは独自の町づくりとか、そういう方向が顕著になってきたことは私は非常に前進であると評価しておるものでありまして、地方公共団体がその独自性を発揮するように中央としても御協力申し上げる、この基本精神は私は守っていきたいと考えております。
○穐山篤君 総理のそういった認識に立つとするならば、補助金カット、高率引き下げという部分について言いますと、来年三月三十一日はもとに戻す、これは今年度限りの措置であると。なお、どういうふうにするかは全く別の次元で、別の舞台で議論をして整理してかかるべきものと思うんですが、大蔵大臣どうでしょう。三月三十一日になりましたらもとに戻すと。三者協議というのは、もっと大きな中央と地方の機能分担の議論の中の部分的な話でありまして、大きな話をやり、部分的な話もやって、それはそれとしてそれが十分に合意ができたときに考えればいいことである。その意味では、今年度限りというのは来年四月一日にはもとに戻る、こういうふうに我々は理解をしたいし、そうなければ信頼関係はもっと壊れてしまう、こう思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 国と地方との間のいわゆる信頼関係、これが何よりも大事である、この認識は私も等しくしております。したがって、補助率のあり方については国と地方との間の役割分担、費用負担の見直しということで、私どもは費用負担の見直しという観点からこのたびも議論をいたしまして、ではというので現状においては暫定として一年と。しかし、やはりこの問題は議論を詰めていかなきゃならぬということについての三大臣合意がなされたわけでございますので、いわば補助率、費用負担のあり方についての政策論議はこれから各方面の意見を聞きながら、国会、行革審、あるいはそれぞれの所管の団体等々の意見を聞きながらこれを詰めていくわけでございますから、今の、まずは一年限りの措置にして、その後新たにスタートしてもっと広範な角度で国と地方との役割分担、費用負担のあり方をやるということになりますと、ちょうど私どもが去年の八月時点でやった議論をもう一年先送りして議論を展開するということに結果としてはなろうかと思うわけでございますので、やはり私どもとしては来年度予算編成までにあるべき姿についての議論を詰めていこうと。もとより三大臣だけで詰めるというのはもっと問題が大きいではないかと。そのとおりだと思います。したがって、各方面の意見を聞きながら、最終的には内閣一体という形におきまして閣議決定をしてそういう方向を打ち出さなきゃならぬ課題ではなかろうかと思います。 それから先ほど貴重な御意見でございました、地方自治団体に、言ってみれば総額抑制の中で自治体の自由裁量というものを大きく生かした方がいいんじゃないか、こういう御意見を交えた御質問がありましたが、その問題を議論いたしますと、時に富裕団体としからざる団体との相違、それから第二交付税的な物の考え方の議論にも通じますので、議論としてはいつでもある議論でございますけれども、現状の仕組みの中ではなかなか一概にその手法をとることは難しい課題であるというふうに考えております。
○穐山篤君 大蔵大臣の答弁は纏の下に何かあるという感じが非常にするんです。推測をしてみますと、今年度限りというものをもう一年延ばすという意図もないわけではないと。それから新たに枠をもっと広げてつけ加える、そういう意図もあるような感じがするわけです。それから今十分の八あるいは十分の七、そういう計算の補助がグループをなしておるわけですね。これを少し格差をつけながら節約を求める。なおかつ、最近出ております地方財政富裕論というものに藉口をして、そこから金を召し上げるためにもこの手の法律というものを残しておく、そういう意図もあるやにどうも推測ができます。そうなりますと大蔵大臣、ますます中央と地方の信頼関係というのは崩れますよ。協力なんかしなくなりますよ。そこで、もう一度もとに戻りますけれども、今年度限りというのは来年三月三十一日までである、この法律に関する限り。思い切ってそういうふうに決断はできないでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、中の法律で恒久化するものを除けば一年限りの暫定措置であります。したがって、このままであればいわば恒久措置以外の問題は一年でもとに返る、こういうことになるわけでありますが、この議論はいわば役割分担と費用負担のあり方についてという角度から入った議論でありまして、今穐山さんがおっしゃいましたように、基本論をまず一年かけてやったらどうだ、その先で六十一年度予算から実施に移したらどうだという角度からの議論もしたあげく暫定措置としての結論に達し、そして今後の問題は三大臣合意等で詰めていこう、こうなったわけでございますから、私といたしまして、これはまさに一年で、来年はこの種の法律、いわゆる補助率の改正あるいは補助率をいらうような法律をお願いする考えはございませんという言明をすることは、私はこれはできないことではなかろうかというふうに思います。
○穐山篤君 今回の法案にかかわらず、その他でも今年度をもって廃止する、あるいは廃止するものとする、今年度限りとする、いろいろな表現が使われた法律がたくさんあるわけです。 それで、私は先ほどいろいろ推測をしながら大蔵大臣の腹の内を申し上げたわけですけれども、そういうふうに勘ぐられないようにして整然と財政再建なりあるいは中央と地方のありようについて議論をするとすれば、きちっとけじめをつけて信頼関係の中から論争をすべきもの、私はそう思います。しかし、これだけやっておりますとあれですので終わりますが、私は大変不満です。いいところまでは言明しておりますが、なお余韻を残しておるところが非常に懸念であります。これは十分に後から追及をしてもらいます。 それから行革関連でありますが、昭和五十六年十一月十日、当参議院の行革特別委員会で私の質問に対し、渡辺国務大臣あるいは村山国務大臣、いずれも答弁をしております。財政再建期間ということを当時は指定をしまして、五十九年度までに赤字国債依存体質から脱却をする、それが過ぎたならば財政事情を考えながら返済も十分にしたい、こういう趣旨の答弁でありました。これも各党から相当追及を受けました。既に赤字公債依存体質五十九年脱却というのは六十五年になりましたから、私はもうそのことを追及することはしませんが、しかし当時の答弁の趣旨から言えば、いろいろな努力をして返すように最大の努力をするという精神がその当時はあったと思う。そうでなければ、財政再建後返済をしますということは口が腐っても言えないはずだと思うんですね、ところが、この三年有半を見ておりますと、努力をしなかったとは言いませんけれども、効果は全く上がってない。財政基盤はますます悪くなっているというふうに思うわけです。その点、大蔵大臣、今になってどういうふうにお考えですか。 それから財政再建期間、もう六十年を過ぎているわけですが、どういう努力を払って厚生年金などの返済について努力をされるおつもりであるかどうか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは穐山さん御指摘なさいましたとおりです。五十九年に赤字公債依存体質から脱却しよう、こういう第一期目標があった。これが世界同時不況のもとで不可能になって変更せざるを得なくなった。そして、六十五年に新たにこれを設定さしていただいた、こういうことになるわけであります。したがって、私はあのときに約束したものは、その精神は今日も依然と続いているというふうに考えております。すなわち、そういう体質が取り戻ったら、これは可及的速やかに正確に返済していく、こういうことの精神はそのまま継続しておるというふうに考えております。 ただ、この問題でも、おまえはそう言うけれども、一年限りの措置として法律は出しているんじゃないかと、確かにそうであります、六十五年の財政再建まではという出し方はもちろんしていないわけでありますが、これについて六十一年度以降どうなるかということになりますと、厚生年金と共済年金の国庫負担の減額措置と児童手当にかかわる特例措置、これにつきましては六十一年度からそれぞれ制度自体の改革の実施が一応予定されておるわけでございます。したがって、六十一年度以降において現行の行革関連特例法によるところの特例措置をそのまま延長するということは、私はこれは問題があろうというふうに考えます。 それからその他の措置でございます。すなわち公的保険事務費、いろいろの問題がございますが、これは行革関連特例法全体として、今の三つは除きまして、全体としてどうあるべきかという取り扱いにつきましては、総合的な検討をする中で結論を得ていかなきゃならぬ課題だというふうに考えます。したがって、今までにお約束しておる問題につきましてその基本的考え方は変わっておりませんが、単年度の措置としてお願いしておりますから、六十一年度以後の措置というものは、先ほど申しました三つ等は除いて他の問題をどうするかということは、今後いましばし総合的な検討の中で結論を出していかなきゃならぬ課題だというふうに思っております。
○穐山篤君 十分ではありませんが、前に進みます。 自治大臣と厚生大臣にお伺いしますが、国民健康保険の改正が行われ、退職者医療制度が導入をされました。昨年の論争をするつもりはありませんが、それぞれの省庁、あるいは地方公共団体でもいずれも財政が結果として赤字処理になる可能性が強い。それも膨大な赤字になるという推計が出ているわけです。その数字的に見通しが立っているかどうか、それからこの赤字の処理をどういう形で国が責任を持って負うのかどうか、それから根本にさかのぼりますと制度そのものに問題点ありというふうになるわけですから、その手直しをどういうふうにどういう計画で進めるか、この三つについてお二人の大臣からお伺いします。
○国務大臣(古屋亨君) 今先生の御質問の問題は、知事指定団体あるいは全国の町村会から非常に強く要望をされておるところでありまして、私も大変強い関心を持っておるところでございます。それで、国庫補助制度の変更に当たりまして、退職者医療制度——その当時は四百六万程度見込まれておったものが、御承知のように所管省の説明では本年二月未で二百六十四万程度と見込みよりも少なくなっております。適用者数の見込み違いと申しますか、見込みが四百六万程度というのが二百六十四万程度になったということによります国民健康保険に及ぼす影響は非常に大きいものでありまして、今申し上げましたように、この一月の終わりごろから、全胴町村会を初め地方団体におきましては国保財政の急激な悪化を非常に懸念されていることは先生も御承知のとおりでありまして、私どもといたしましては、厚生省が実態調査をされるということで、厚生省にその対策をできるだけ早くやってくれということを求めておるところでございます。 自治省といたしましては、退職者医療制度の創設等の制度改正によりまして、市町村国保の全体として大幅な保険料水準を上げる、こんなような、今おっしゃるような事態が生じないように——案は現実の問題として非常に高い保険料を上げざるを得ないようなところもあるのでございまして、こういう事態が生ずることのないように市町村国保の実態を踏まえまして所要の措置が講ぜられるべきものであると考えておりまして、健全な国保財政の運営が確保されるように所管省に要請を行っておるところでありまして、その適切な対策が講ぜられますよう最善の努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○国務大臣(増岡博之君) 数字につきましては先ほど自治大臣からお答えになったとおりでございまして、この対象者数を何人に見るかということにつきましては、年金受給者の数やその方々が国保に加入しておる状況等につきまして既存の各種統計に基づいて可能な限り正確に推計したものでありますけれども、しかし現実の問題として、当初見込みを下回っておることは事実であります。したがいまして、市町村国保への財政の影響のいかんにつきましては、現在五十九年度の実績に基づきまして調査を行っておるところでございまして、その結果を待ちまして退職者医療制度そのものの正確な影響額の実態を把握する所存であるわけでございます。統計に頼ったため、それが既存のものでありましたためにかなりの差を生じておるわけでございますけれども、この問題につきましては、実態調査の結果を踏まえまして国保財政の安定的な運営を図る上で所要の方策を検討してまいりたいと思っておるわけでございます。 なお、制度自体についてのお尋ねでございますけれども、この退職者医療制度は、サラリーマンのOBが国保に加入することによって、医療の必要が高まっておる高齢者になったときに入るわけでございますので、その問のいろいろな是正、改善を考えたいということから発足をいたしておるわけでございます。すなわち、端的に申しますと、この人たちの医療費については被用者保険全体でこれを幾分か負担をしていただきたいという立場でございまして、医療保険制度の公平を図るという立場からは妥当な措置であったというふうに思っておるわけでございます。 しかし、考え方としてはそうでありましても、対象者数が当初見込みを下回って国保財政の負担が増大する結果となっておるわけでございます。これはこの制度そのものについての問題点ではなくして、その数字の把握あるいは、運用の面での問題があったと思っているわけでございます。この制度そのものにつきましては各方面から多少なりとも評価を得ておるものと考えております。したがいまして、今後、先ほど申し上げました実態調査の結果を踏まえまして、市町村国保の安定的な運営に支障が生じないよう方策を検討してまいりたいと思っております。
○穐山篤君 念を押します。 保険料を猛烈に上げないと始末がつかないということで現実にかなりの引き上げを行っている、検討しているところも現にあるわけです。それから五十九年度分についてまだ概況しか私はつかんではおりませんけれども、これも数百億、数千億円に近い赤字が出るわけです。これは単に見込み違いというふうなものでなくして、これはこの退職者医療制度を導入する場合の全く検討不足なんであります。 そこで、結論だけ申し上げますと、国の責任において財政的なものは処理をする、市町村は自分のところの一般会計を取り崩してこの赤字を埋めるというふうなことをしない、させない、そういう処理をすることを私は期待しますが、その点いかがですか。
○国務大臣(増岡博之君) この国保財政につきましては従来からいろいろ問題点があるわけでございまして、すなわち保険料並びに給付であります医療費の適正化、こういうことも過去の歴史というものをこの数年間にわたって考えてみなければならないと思っておるわけでございますけれども、今日の退職者医療制度そのものの影響につきましては、調査の結果、十分に対応してまいりたいと思っております。
○穐山篤君 終わります。
○高桑栄松君 それでは質問をさせていただきますが、最初に総理大臣にお願いをいたします。 行政改革は、合理化によるチープガバメントを目指しているというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) それも一つだろうと思います。
○高桑栄松君 もう一つ総理大臣に。地方自治体にも行革を勧めておられる、これも同じような目標であるというふうに考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) それも目的の一つだろうと思います。
○高桑栄松君 それでは次に大蔵大臣に質問をさせていただきますが、これは前の第百一国会の本会議で私が大蔵大臣に教えていただこうと思って質問をいたしましたことでございますが、予算というのはどこの会社でも、どんなところでも事業計画をまず審議して、それを承認したところで予算が決定する。事業計画というのは国の場合これは法案ということかと思いますけれども、それが常識、常道である。しかるに、健康保険のときもそうでございますけれども、予算案がまず先議をされて、それから事業計画、つまり法案が後で審議されるというのはどうしても私は腑に落ちないので、これに対する合理的な説明というか、これは僕はやはり合理的でないと思うものですから、もう一度これを説明していただきたいと思うのです。
○国務大臣(竹下登君) これは高桑先生が健保の法律改正のときに、そのような意見で本会議で御質問いただいたというふうに記憶をいたしております。元来、今おっしゃいます企業における株主総会等を通ずる手続からいうと、おっしゃることは非常にわかりやすい論議だと私も思っております。今までそういう例が全くなかったかとおっしゃれば、ございます。五十六年に、まずは行革関近法案として政策のあり方、補助率のあり方を先ほども問答しておりましたように決めて、そしてそれに基づいた予算を組んで国会で御審議をお願いした。でございますが、従来からの今度は経緯で申し上げますと、私もちょっと今調べてみましたが、例えて申しますと、今度の同会では提出しております法律が七十九件ございます。その中でいわゆる予算の使い道を決める予算関連法案というのが三十五本あるわけでございます。 これは過去この十年ぐらいさかのぼってみますと、大体予算関連法案がまず多いときで六十六本なんというときもございますけれども、そのときは法案自体が百二十本あったわけでございますが、半分ぐらいが予算関連法案でございます。したがって、それは従来から国会で御審議いただきます場合には、予算を提出し、そうしてその予算の使い道を決めたその法律が一緒に提出されないのはおかしいじゃないかというところまでがおおむね議論の限界だったかなと。それはその議論はわかりますということで、たしか昭和四十五年か六年からだと思いますが、では予算関連法案についてだけは二月の最終の週の火曜日か金曜日がどっちか、週末により遠い方と申しますか、そこのところで初めから決めて、それならばよかろうと。ちょうどその時期は、常識的に申しますと、衆議院で予算が審議され、おおむね総括が終わって一般ぐらいなときに常識的にはなるわけでございますが、そういうようなときで、いわば話し合いでそういうのが、だからあのとき通例という言葉を使いましたが、そんな慣例とでも申しましょうか、慣行になってきております。が、しかし、したがってこういう手法をとらしていただいておりますが、今度の問題になると、いわば五十六年の行革一括法のときぐらいなタイミングで出して、十分政策論議をした後になすべきではなかったかという趣旨は私も理解できます。 そこで、このことにつきましては、まず予算編成に際して、一般歳出の約四割を占めます補助金というものを、勢いやはり予算編成する立場からはそこへ焦点をまず当てます、我々といたしまして。そうして各種答申のいわゆる高率補助率の引き下げということ、そして整理合理化ということをやれということに基づいて予算編成を行って、今度の問題は関係各省庁ぎりぎりの調整が行われた結集、それがまさに予算編成の最終日にまでこの問題はかかったわけでございます。したがいまして、そういう状態にできなかったからせめてものという表現は国会の答弁語録としては適当でないかもしれませんけれども、一月二十五日に、じゃ予算と同日に出すことによって我々の姿勢をお示ししようじゃないかということで提出したという経過にあるわけでございます。ただ、今おっしゃった社会人としての企業等の総会等からする常識は私どもにも理解できますが、国の予算ということになりますといろいろ問題点もございまして、すべてその手法で、まあ言ってみれば一つは来年、次の年度の政策を決める国会とそれからそれに基づく予算国会という議論はプロの間でもなされた議論でございますが、通年国会になっちゃうのじゃないかという議論も一つはございます。そうすると、もう少しがらがらぽん——まあがらがらぽんといいますか、崩してみまして、例えば予算は十二月提出するを常例とすると書いてございますけれども、一遍も提出されたことはございません。すると、それらは変えるべきじゃないかとか、いろいろな議論がございまして今日に至っておりますが、この種のことを客観的にどう見るかは別として、大改正は行革特例法の国会のときのようにやった方がよかったじゃないかと言われれば、その議論は私はいただける議論だというふうに思います。したがって、ぎりぎりまでやりましたのでその手法がとれませんでしたというのは事情の説明であり、ある意味においては弁解とおとりいただいてもこれはやむを得ないと思います。
○高桑栄松君 今、大臣言われた財政法、十二月に出すことになっているけれども、二月だと。これはこの前もそういう御答弁がありまして、あのときは一問一答でなかったのでお伺いしただけだったんですが、議会の召集日に絡んでこれがまた議論があったように新聞には出ておりましたけれども、私はやはり法律に書いたからには十二月に出すべきものではないか。幾ら話し合いといっても、これは法律にあるのだから守らなきゃいけない。もしどうしても二月というのであったら、召集日とは別に予算案の提出は二月なら二月までにとか何かそこは書いておくのが本当ではないだろうか。つまり、法に決めたものを国会自身が守らないで話し合いをしていくというのは、まあ大きく言えば政治不信の一つのポイントみたいなものじゃないだろうか。私はやはりどっちかにしておいた方がこんな議論はなくなるだろうと思うんです。ただ、通例というのは、私は答えにはなってないと思っているんです。何にもそこには理論がない。ただ、そういう通例になっているというだけでございますから。ですから、そこのお考えはどうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、通例という言葉でお答えしておりますし、従来もその言葉を実は使って、ほかに言葉がないから恐らく使ったのでございましょう。私が発明した言葉じゃございませんけれども、そういうふうな姿が定着しておる。が、むしろ例外的に行革国会のようなことがあったということでございますから、違法性の問題は別といたしまして、今高桑さんおっしゃる議論でいきますと、今度は国会の論議で詰めてみると通年国会にならないかという議論も確かに出てくるわけでございます。今、常会が、これは国会法で定められて百五十日ございますね。それはまあ会期延長等がある。そうしてそれがあれだけの法律案を審議し、予算を審議する期間で相当な日にちがかかっておる。 今、現実問題としての話でございますけれども、かつて議論されたことがございますが、そのときの議論を拝見すると、まさに通年国会みたいになりはしないか。そして時々議会が議決してその間休会期間を決めていくというようなことにもなりはしないか。こんな議論が衆参両院のまさにプロの先生方で行われたことがあるやに幼少のころから私ども知らされておりますが、確かにそれは難しい問題でございます。 それから今おっしゃいました、おまえ、さはさりながら財政法の担当をしているじゃないか、それが、十二月提出するを常例と書いてありながら、常例でございますから、ねばならぬとは書いてありませんから違法ではございませんとは私も申しません。それは違法ではないでございましょうけれども、常例でないことは事実でございますから、提出したことはないわけでございますから。したがって、この議論は古くて新しい議論でございますけれども、いわば今度は、参議院の過去のプロの方でなく現在のプロの先生方が今議論なすっておるやに承っております。私どもも時をしてそういうお話を聞かされておりますが、まあ私の方から申し上げるのはいかがかと思いますが、お互い国会議員としての立場も持っておりますので、国会法、そうしてあるいは憲法の問題もクリアしなきゃなりませんが、クリアする方法はございますが、そういうものも含めて議論されるべき課題ではなかろうか。 だが、そうは言わないで、じゃ十二月に出す努力をしてみる、その問題は別にと、こうおっしゃった場合には、結局予算の開始年度の問題になります、四月でございますから、日本の場合は。そうすると、可能な限りいわば税収の見通し等を見定めるということになると、やはり年末に近いほどその基礎となるげたと申しますか、そのげたの数値が判明するのは、可能な限り年度末に近い時期が適当だということで今日のような状態になっておるわけでございますので、まあ難しい問題だと私も思っております。
○高桑栄松君 それでは次に自治大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、今度の補助金一括カットにつきまして自治体側の言い分を私は現地の方からも聞いたわけですが、要するに行革検討のための経費が新しく要るようになったと、これは今年度ということかもしれませんが。次に、仕事の進め方に合理化ということがない、見られないということです。三番目は、この一括カットで、特に非公共部門というのは手抜きができないから、これは地方財政へどうしてもしわ寄せを強いられることになるということを言っておりますが、以上の三つの点は自治大臣もお認めになるでしょうかり。
○国務大臣(古屋亨君) ただいまの先生の御意見は、地方団体からも私そういうことを聞いておりまして、その内容等につきましては、大体先生のおっしゃったとおりでございます。
○高桑栄松君 そういたしますと、先ほど総理大臣からの御答弁もございました、お話もございましたが、合理化によるチープガバメント、これは行革の目標の一つであると。一つといっても大変大きいのじゃないかと思いますけれども。ナショナルガバメントはチープになるけれども、地方財政に影響するとなると、ローカルガバメントはエクスペンシブになるわけです。そうすると、地方行革とは相反する結果にはならないかということなんですが、自治大臣、どうお考えでしょう。
○国務大臣(古屋亨君) 国が小さいガバメントであるということは、先生も十分御理解。地方も大変厳しい財政状況でございますので、やはりいろいろの問題はありますけれども、歳出の方はできるだけ抑制をしていかなければならない。ただ、そうかといって地方が、その地域だけがしょぼんとしてしまうということは私ども考えられませんので、やはりそういう活性化を図っていくということは必要でございますので、そういう意味で単独事業等に対しまして私ども地方債を出しておりますと同時に、あるいは地域の活性化対策事業、地方債を中心にいたしましてそれを交付税によってある程度補完をするということで、八十数カ所を今大体広域圏のうちから指定いたしまして地域の活性化措置を講ずる。 それからまた、潤いのある市町村あるいは町づくりのために、例えばここに大きな地域で何とかリージョナルプラザというようなものをつくりたいというときにつきましては、やはり自治省といたしましては、そういうことにつきましてはできるだけの配意をいたしたいと思っておりますし、また現実にもそういう点はできるだけ努めておるところでございます。
○高桑栄松君 地方債のお話がございましたが、その割合がどれくらいになったか今、私忘れちゃったのですけれども、地方債の枠もずっと締められてきているんじゃなかったでしょうか、いかがでしょうか。
○政府委員(土田栄作君) 地方債につきましては、交付税総額あるいは地方税が足りませんために、その地方財政対策として財源対策債として出しておりました地方債の方は圧縮をいたしておりますけれども、本来、地方公共団体が行うべきために必要な地方債につきましては、その所要額の確保を六十年度についても行っているということでございます。
○高桑栄松君 それでは総理大臣にひとつ伺いたいのですが、概算要求のいわゆるシーリングというのはこれで三カ年続いているわけですが、昭和六十一年度もシーリングは継続をされる見込みでございましょうか、いかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 多分そうなると思います。
○高桑栄松君 そこで、補助金一割カットの暫定措置なんですけれども、一年限りの暫定措置というのは国の予算のマイナスシーリング継続と深くかかわっているのではないかというふうに考えられるわけで、これは何人もの方が質問をされたことではございますけれども、ほとんどすべての自治体が、一年暫定という意味は少なくとももとへ戻るんだという、そういう意味合いに受け取ってこの保証を求めていると思うんです。つまり、一割カットというものが検討を経るとはいいながら、そのまま定着していくのではないかという不安を公聴会においてもやはり提出されておりましたし、また総理大臣、大蔵大臣もその継続を示唆しているということが毎日新聞の社説、四月十七日に載っておるんですけれども、総理大臣、大蔵大臣、この定着化への不安に対してどうお答えになるでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 恐らく高桑先生おっしゃいますのは、いわゆるシーリングというのは昭和三十六年からございまして、そのときは前年度より五〇%増しまでの天井でございます。それからだんだん小さくなりまして、今おっしゃいましたのは、俗称マイナスシーリングが続けば、それとの関連で一割削減措置は常識的に考えて定着させる意図でとりあえずは一年で審議をお願いしているのではないか、こういう意見をも含めた恐らく御質疑であろうと思うのであります。 実はこの問題、特に社会保障と公共事業とそれから同化定着したものとあるわけでございますが、同化定着したものは別といたしましょう。公共事業は長い経過を見ますと、国と地方のそのときどきの力関係によって補助率が変わってきたり、ずっとしております。そうしてまた今度の場合も、言ってみれば国費ベースでは若干三角でございますけれども、事業費ベースではそれがふえておるというところにあるいは地方自治体の別の角度からの理解も得られやすい問題であったかもしらぬ。だが、社会保障ということになりますと、戦前は生活保護は五分五分でございまして、それからGHQの占領下でいろいろな議論がありまして、とにかく八、二というものが出まして、ずっとそれがいずれにしても途中で制度の改正があった場合も定着して今日に来ておる。したがって、その当時の、昭和二十二年当時の議論を読んでみますと大変な議論が行われております、憲法二十五条から説き起こした議論が。だから、少なくともこの点については一年かけてまずはこれから議論をして、その上で費用負担のあり方というのが決まるべきではないか、こういうことで自治大臣、厚生大臣、そして財政当帰の私どもとして何回もこれは議論を重ねたわけであります。 したがって、結果としては今お願いしておりますように、では現状における車の両輪としてのいろいろなことを考えれば、それなりの現状における妥当性として一年の暫定というものでこれはやろう。先ほど来指摘した基本的議論というのは、では一年かけて、すなわち去年の十二月からの一年でございますから、ことしの十二月までに結論を出すように検討しようという申し合わせで今日に至っておるわけであります。したがって、いわゆる単純に一年限りの措置で、前提としてはもと戻りする措置でございますという認識ではなくして、いわば役割分担と費用負担のあり方を根本的に議論をして、もう一度六十一年度以降は考えましょうという考えの上に財政当局が立っておるということを、少し長くなりましたが素直に申し上げたわけであります。
○高桑栄松君 それでは引き続きまして大蔵大臣、地方自治体の不安というものの一つは、定着化しないかというのと同時に、もう一つは何というか、どうなるのかわからないのじゃないか。もとへ戻るという希望があってもどうなるかわからないという、つまり決まってしまえばそれなりの対応というものも片一方も対応策は固めることができる、それが不安なままでいくんじゃないか。したがいまして、私が今お伺いしたいと思うのは、検討中であるということでもう一年そのままいくということはないのか。つまり、六十年度いっぱいで結論が出るというそのめどがあってのお話か、それともそこへいってもなお議論は沸騰しておるので、六十一年にも一割カットはそのまま継続されるのではないかというような不安が一つあるかと思うんです。その件についていかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 先生御案内のように、 社会保障に係る高率の補助率の引下げ措置を講ずるに当たり、次の通り申し合わせる。 一 この措置は、昭和六十年度における暫定措置とする。 二 昭和六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方の間の役割分担・費用負担の見直し等とともに、政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得るものとする。 先生がおっしゃるのは、一年議論してみた、しかしその結論は出なかった、したがってもう一年単純延長と。それでは結論が出ればそれなりの対応を自治体も考えるであろうと。が、その不安な状態のままがそれこそエンドレスに一年一年で続いていったらこれは大変だ。私もそのようなことがあってはならぬと、だから一年以内に結論を得るものとするとされておりますから、この予算編成時までには。これは今、じゃどういうふうに検討するのかと言われましても、それはどういう角度から検討したらいいかという検討のあり方について部内で議論はしておりますけれども、やはり国会でのいろいろな議論を聞いてそれを土台にして構築すべきだと思いますので、今こういうふうなスケジュールで議論をしますということを申し上げる段階にはございませんが、一年、当時から言う一年以内には結論を出さなきゃならぬ課題だと思っております。
○高桑栄松君 大変御丁寧な御説明でよくわかりました。それではこの件は六十年度で結論が出るというふうに理解いたしまして、次に移ります。 一律一割カットというのは問答無用型の押しつけであって、そこには合理性がないと私は思うので、そういう点もやはり政治のあり方としては問答無用というのはよくないので、それなりの本来説明があるべきだと私は思っておりますけれども、これくらいにいたしまして、その次に入ります。 自治大臣にお伺いをしたいんですけれども、この経常経費にかかわる国庫補助率引き下げによる都道府県への影響の推計がございまして、その影響額の推計を払いただいたので計算をしてみますと、一応人口十万当たりの三億超の影響の都道府県を挙げますと、非常に明らかにグルッピーレンしているんですね。大変明らかに出ているので、これについての御説明を承りたいと思うんですが、挙げますと北海道、青森、つまり道と東北の北ですが、北海道、青森それから四国、九州、これはほとんど全県です、それに沖縄と。これに集中をしているんですが、これに対する要因分析というか、なぜそこに集中したのかということを伺いたいと思います。
○政府委員(土田栄作君) お答え申し上げます。 経常経費系統では補助率の一段階引き下げがいろいろあるわけでございますけれども、その中で大きいものを申しますと生活保護費の補助金、この関係の生活保護費の臨時財政調整交付金の二百億の配分が未決定でございますので、この分も含めますと千五百十億ございます。それから児童保護費の補助金が六百六十七億ございまして、それから老人の保護費の補助金が三百二十二億といったところがビッグスリーという形になるわけでございます。したがいまして、これらの経費支出、それに対します国庫補助負担金というものを余計受けている団体というのがこの影響というものを大きく受ける。 さらに、そのほかには失対といったものの影響もあるということでございますが、何と申しましてもこの中では生活保護費というのが五〇%ございますので、生活保護費の支出の大きいグループというのが大きい影響を受けるということでございまして、ただいま委員から御指摘を受けましたようなグループといいますのは、全国平均に比べまして生活保護費の保護率が非常に高い地域、そういうところにつきまして今度の負担の影響が大きく響いている、こういうことでございます。生活保護率が高くなるという要因はいろいろあろうかと思いますが、一つは例えば産炭地域、炭鉱地域におきまして、閉山に伴いまして生活保護に移行したというような事情もあるわけでございます。 それ以上さらに詳しいことがありましたら、厚生省なり何なりからお答え申し上げる方が適切かと存じます。
○高桑栄松君 今御説明のようなことかと私も思っておりましたが、生活保護費が非常に大きなウエートを占めている。それが、十分の八が十分の七になると、そのしわ寄せが、手抜きができないということで、やはり地方財政へのしわ寄せになってくる。そうすると、自治体の財政力の格差そのものが都道府県の中で大きくなってくるわけで、今挙げた地方はそれなりに生活保護の補助金が多いとすれば、非常に大きな地方財政への影響を受けてくるだろうということが言えるわけです。 そういたしますと、事業の見直しが当然あるわけで、その事業の中で福祉切り捨てというようなことがやはり懸念されないかということでありますが、朝日の二月二十七日の社説を見ますと、政府の主張はということで、財政的影響を受ける地方自治体は査定基準を厳しくするだろう、こういうことが社説に載っております。これは政府も期待しているということ、つまり福祉切り捨てにつながっていくのではないかということが推定されるわけで、厚生大臣、これに対してはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(増岡博之君) 私どもは、生活保護につきましては、従来から給付の適正ということは考えなければならないけれども、しかし必要な方方には何としても財源対策を講じなければならぬ、そういう立場でおるわけでございます。したがいまして、今回の補助率カットにつきましても一応地方財政に対する国からの援助ということもございますので、私どもといたしましては、生活保護につきましては従来からの福祉の水準を下げることは避けることができるというふうに考えておるわけでございます。特に、今回臨時財政調整補助金を二百億円計上いたしておりますので、ただいまお話のありましたような生活保護者の多い、しかも財政基盤の弱いそういう地方自治体に対して格段の配慮も加えていかなければならないというふうに考えております。
○高桑栄松君 今の激変緩和という二百億の件に触れられましたけれども、これはもう出す項目というのは決まっているんでしょうか。厚生大臣いかがでしょう。
○政府委員(正木馨君) ただいま大臣からの御答弁がございましたように、今回の地方負担の見直しに伴います措置につきましては、基本的には地方財政対策を通じて措置をされておるわけでございますが、生活保護を全国的に見ますと、生活保護の保護率は一・二%強でございますが、それぞれ非常に開きがございます。それから生活保護の実施は都道府県と市、それから一部町村も実施をしておりますが、保護率の違い、それから当該地方公共団体の歳出規模に占める保護費の割合といったようないろいろ違いがあるわけでございます。基本的に地方財政対策を通じて措置をされておりますが、そういったような地方公共団体によりまして影響度の違いというものがございます。なかんずく財政基盤の脆弱な地方公共団体というものに対しましてはその適正運営という観点からも措置をとらなければならない、こういう趣旨で臨時財政調整補助金二百億を計上いたしておるわけでございます。 現在この調整補助金の配分につきましては、法案成立後におきまして財政当局とも協議の上決定いたしたいと思っておりますが、基本的な考え方としては、先ほど申しましたように保護率の状況、財政規模に占める生活保護費の割合、それから財政基盤の脆弱といいますか、度合いといったものを勘案しながら、地方公共団体の方からのデータを集めまして、私どもとしては大体十月ごろまでには配分できるような方向で進みたいという心づもりでおります。
○高桑栄松君 次の質問は、大蔵大臣と厚生大臣にお伺いしたいと思うんですが、今までの臨時行政調査会の答申であるとか、古くからの生活保護法の成立過程を見てまいりますと、その補助金というのはどんどん上がる方向で来ております。これは生活保護法という憲法第二十五条の人権にかかわる最も基本的な福祉の基本にあるものですから、今度これをカットの対象に繰り入れたという理由は大蔵大臣、どんなふうなことだったのでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 一つには、臨調等々の答申でいわゆる二分の一超の俗称高率補助というところに着目をして見るべきだと。最初はまずは一般歳出の四割を占めるこの補助金、そしてその中で二番目には、そういう答申等をもとにして二分の一超の高率補助というのを対象にして議論を始めたわけであります。そこで、先ほども申しましたように、公共事業の点については結果として事業費がふえていくとかいうこともあったが、今おっしゃいました憲法二十五条、それから昭和二十一年、一時期、日本が敗戦直後は全額国費の時代もほんの一時期でございますけれどもございます。が、その後GHQの間接統治下にあったとはいえ、八割が定着して今日までやってきた。したがって、この問題はそう軽々に結論を出すべきでない、こういうことと、いや高率補助であるから、社会保障といえども制度、施策の根本にさかのぼって役割分担と費用負担のあり方で議論をしよう、こういう議論でずっとやってきたわけでございます。 したがって、やはり社会保障といえどもそれはいわゆる聖域ではない。そして基本的に我々として考えましたことは、末端のサービスそのものは低下してはならぬ、法律に基づきまして物価上昇分でございますとか、そういうのはスライドするようになっておりますので、それは低下してはならぬ。が、そこは車の両輪たる費用負担のあり方で、憲法の精神は八割でないといかぬとは書いてないわけでございますが、両輪の負担のあり方で結論を出していこう、こういう経過で議論が進んでいったということでございます。
○高桑栄松君 今のは財政的見地からもっぱらお話があったと思うんですが、主管官庁としての厚生省、厚生大臣のお考えはどうでしょうか。
○国務大臣(増岡博之君) ただいま大蔵大臣からも多少お触れになりましたけれども、私どもといたしましては、やはり現実の生活保護に関します福祉の水準が低下してはならないということが基本的な姿勢であるわけでございます。したがいまして、今回の補助率を改定されようといたしております過程におきましていろいろお話を申し上げました。自治大臣とも御一緒に大蔵大臣とあのような合意をいたしたわけでありますし、またその背景には地方財政計画に対しましての支援というものがあったわけでございます。さらに先ほど申し上げました臨時財政調整補助金の制度も認めていただいたわけでございますので、その結果、福祉水準が落ちる可能性はないというふうに判断いたしまして、現在の財政状況でございますので対応をいたしたわけでございます。
○高桑栄松君 この問題については、まとめて総理大臣にひとつ伺いたいと思うんですけれども、今の憲法第二十五条に基づく福祉の最も底辺にある人たちと言ってもいいかと思うんですが、その生活保護の今回は高率補助金の一律カットということで十把一からげでなったにしても、今の生活保護の流れを見てくると、これはやはりもとに戻さなければならないのではいなか、むしろ上げていかなければならないのではないか。つまり、一年の検討の中で生活保護に対してはどうあるべきかということを総理大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 生活保護は、やはり憲法二十五条め前段の方にかかることで、我々としては政府としても責任を感じてやるべきことである、そう心得ております。ただ、その負担区分というようなものにつきましては、国及び地方公共団体と分担し合ってやるという面もございまして。それらは両方で話し合ってやっていく。ただ、直接その給付を受ける皆様方に迷惑を及ぼさないように配慮するということは大事だと思います。ただ、今まで申し上げましたように、不正受給であるとかそのような問題は、これは起こさないように今後とも規律していかなければならない、そう思います。
○高桑栄松君 次に、老人保護費の問題ですけれども、高齢化社会というのは非常に急速にやってきたわけで、これに対してどう対応するのかというのは本当に新しい実験的な段階であろうかと思うんですが、しかしその老人福祉に対する流れが少しずつ変化してきておるんじゃないか。今までの流れを見ますと、いわゆる受益者負担というものが拡大強化されつつある傾向が見られるというふうに私は思うのであります。 厚生大臣に伺いたいと思いますが、社会保障害議会の建議等を受けて、厚生省は二月二十一日に「「老人に関する新医療・福祉施策体系構想」を固めた」と、日経新聞のことしの二月二十二日に出ております。これはどういうものなんでしょうか、御説明をお願いします。
○政府委員(吉崎正義君) 先生からもお話がございましたように、人生八十年時代が到来しようとしておるわけでございまして、いろいろな需要が新しく起こってきておるわけでございます。そのときに今の体系、病院の体系は適切な医療を実施いたしまして一刻も早く社会復帰を図るための施設の体系でございますし、老人ホームの体系はいわば生活の場としての施設の体系でございます。そこで、こうして新しく起こってきた大きなかつ多様な需要に今の体系ではこたえられなくなっておると考えるのでございます。そこで、いろいろな点から研究をする必要があると考えておるわけでございますけれども、御指摘のございましたものはその研究の過程における一つの案でございまして、まだ厚生省として、もちろんこの間懇談会を発足させたばかりでございますので、厚生省としての案というわけではないのでございます。
○高桑栄松君 これも新聞情報でございますので、どういうものか伺いたいんですが、その中で、老人医療介護費は今度は医療保険から出すようにする、したいというのかな、そういう検討をするというふうに載っておりましたが、もしそうだとすると、現行の各医療保険からそのまま出ていくのか、あるいは老人保健法を見直してその中で賄っていこうとしているのか、それはどうでしょうか。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほどからお尋ねのことは、私どもが考えておりますいわゆる中間施設ということに関しましてのお尋ねであろうかと思います。実はこの問題につきましては、先ほど健康政策局長からお話を申し上げましたように、従来からいろいろなことを厚生省の中で考えておりますけれども、その考え方をまとめる機関として四月二十四日か五日に懇談会を発足したばかりでございまして、その御意見を伺った上でいろいろ判断をいたしたいと思っておりますので、現在の時点では費用をいかなる形で行うか等については全く白紙でございます。
○高桑栄松君 そこで、在宅看護の問題なんですが、考えてみますと、きょうは人の身あすは我が身というように、私たちも高齢化社会の中ではやはりそれなりの在宅看護が必要になってくるのではないか。これは大変大きな問題だろうと思うんです。そこで私は、高齢化社会への対応の中では在宅介護対策というものを強化していく必要がある、充実強化していかなければいけないのじゃないかと思うので、その中で新しく私が提案をしたいと思うのは、ホームヘルパーが非常に大事な役割を果たしでおりますけれども、絶対数が不足していることは明らかです。といって、これが全部ボランティア活動ということになりますと、やはりいろいろな意味で、まあ善意を持ってやれる人はかり期待していてもそれは絶対数を補うわけにはいかないということで、私が提案をしたいのは、福祉切符といったようなものを考えてはどうか。 つまり、全部ボランティアではないけれども、ホームヘルパーで行ったときのサービスのお金、幾らだか今覚えておりませんが、仮に半額にすると、そうすると費用の面では倍の人数がカバーできる。そしてその半額のもう一つは福祉切符であると。福祉切符というのは、その方が何枚かたまると特養ホームに先に入れる、そういう優先的な招待券であるというふうなことがあると、善意とそれに報いる方法と、それからアルバイト料も入るということでうまくいくような気がするので、そういった福祉切符みたいなことについての提案をしたいと思うんですが、いかがですか、厚生大臣。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように、今日、我が国ではボランティア活動が諸外国に比べて最もおくれておるのではないかという御指摘もあるわけでございますから、大変貴重な御提言であると思うわけでございます。ただ、そのことをもって特養老人ホームに優先予約というような格好になるわけでありますけれども、私どもの方から考えますと、その年齢に達し、そういう状況になられた方々、そういう状態に着目をして、本当にひどい方々からお入りいただくということも一つの基準になるわけでございますので、大変難しい課題かと思います。しかし、ボランティア活動を振興させるということではいろいろ知恵を絞って考えてまいりたいというふうに思います。
○高桑栄松君 いや、福祉切符を全く優先せよと言っているのじゃなくて、一つの希望といいますか、そういったものを与えるわけだし、そういう人はきっといつまでも健康で長生きをしていく人かもしれないので、そういった意味で優待券と申し上げたわけでございますが、まあひとつお考えをいただきたいと思います。 次に、長期療養者の問題に入りたいと思うんですけれども、病気をすれば貧乏になる、貧乏になるとまた病気が重くなるというか、発生する。この病気と貧乏との輪廻は昔からの予防医学の重大なテーマで、どこでこのチェーンを断ち切るのかということがあるわけです。その中で、私が前国会でも申し上げましたけれども、健康教育であるとか予防給付の問題であるとか、こういったことが非常に重要な一つのポイントではないかと申し上げてきたわけであります。予防給付については、幸い健康保険法第二十三条の改正に盛り込んでいただきましたので大変うれしいと思っておりますが、この今の長期療養を含めた疾病からの救済、これが福祉の最優先課題であろうかと思います。問題は、結核はどんどん減ってきておりますけれども、もちろん感染性の結核患者も年々新発生を見ておりますけれども、数の上では療養患者も新発生患者も減ってきているということではありますが、問題は精神衛生法に基づく患者の問題ですが、措置入院患者と公費負担の通院患者の年次的な推移を簡単にわかりやすく説明していただきたいと思います、厚生省。
○政府委員(大池眞澄君) お答え申し上げます。 各年の六月末現在で掌握しております措置入院患者の数は、ここ数年減少を続けているわけでございまして、昭和五十五年に四万七千四百人でございましたのが、逐年減少いたしまして五十九年には三万四千八百五名となっております。また、通院患者につきましては年間の公費負担承認件数ということで掌握しておりますが、通院医療費の公費負担年間承認件数は、昭和五十五年三十二万三千七百八十四件、その後逐年増加を見ておりまして五十九年には四十三万五千二百九件となっております。なお、この公費負担承認は六カ月で更新することにしておりますので、公費負担を受けております通院患者の実人数はほぼこの半数に相当するものと考えられます。 以上でございます。
○高桑栄松君 もう一つ引き続きまして伺いたいのは、精神病のベッド数が今どうなっているか、それからその利用率がどうなっているかも説明していただきたいと思います。
○政府委員(大池眞澄君) 精神病床数につきましては、近年わずかながらでございますが増加を続けております。昭和五十五年には三十万四千四百六十九床でございましたが、逐年増加いたしまして五十九年には三十二万九千七百二十三床となっております。また、その利用率についてでございますが、昭和五十五年一〇二・三%、五十九年は一〇二・五%、これは年によりまして増減が若干ございます。
○高桑栄松君 今のお話で数字的な面でいろいろなことがわかるわけですが、措置人院患者、つまり強制入院を命ぜられている患者が年々平均で三千人減ってきております。これは私はどういう理由なのかなと思うんですが、措置人院患者のうちの約七割が精神分裂症でありますから、精神分裂症がそんなに減っていくのかなと思うんですが、この理由はどうでしょう、御説明していただきたいと思うんです。三千人ずつ毎年減っているということですね。
○政府委員(大池眞澄君) 先生御承知のとおり、措置入院を行います際には二人の精神衛生鑑定医によりまして医学的に判断を行うわけでございます。医療の進歩あるいは患者さんの病状の変化等等が総合されて、結果としてただいまのような減少傾向につながっておるものと私どもは判断しておるわけでございます。 なお、措置入院の患者さんにつきましては、この措置の適正な運用ということも重要な視点でございまして、その運用の適正を確保するために病状報告をチェックする、あるいは鑑定医によります実地診査を行う等々の措置を行っておりまして、措置症状が消退しておる患者さんにつきましては措置解除を行っていること等によりまして、措置入院による患者数は結果として減少傾向を示しておると、このように理解しております。
○高桑栄松君 措置入院患者が毎年三千、実数で減ってきている、それから通院患者が一万四千人ぐらい毎年ふえているんですね。つまり、患者だけの増減でいくと、措置入院と公費負担とを合わせますと毎年一万人ないし一万一千人くらいの患者が実数としてふえてきているという、これは公費負担ですが、勘定です。ところが、ベッドは毎年数千ぐらいずつふえているんですね。ある年には六千とか七千、あるときには三千とかというふうに数千ふえておりまして、しかも利用率が一〇〇%を超えているということですので、いずれにしても入院患者が非常に多いということはもうはづきりしているわけです。 患者の数が先ほどお話ありましたが、年間で措置入院が三万四千ぐらい。ベッドが三十二万ですから、措置入院で占めるのはほぼ一割、あと九割はそうでないのが入っているわけで、やはり患者がふえつつあるということを示している。ベッドもフル回転をしているということになっているわけです。これは結局、措置入院患者、公費でない者については、つまり九割ですが、この負担はほとんど全部国保ということでしょうか。つまり、国保であるとすればそれなりにまた地方財政の負担が非常にふえているのではないかということなんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大池眞澄君) 御指摘のように、公費負担制度以外の入院患者につきましては、国保を初めとします保険諸制度もございますし、生活保護による援助措置、これも大きな部分を占めておる実情にございます。
○高桑栄松君 伝染病と違いまして、精神性疾患というのは予防という面で、私も予防医学者の一人のつもりでございますけれども、大変難しいということはよくわかりますが、これに対してどうするかという問題も現代社会では大変大きな問題です。通院患者のうちの約四割ですか、ノイローゼ、神経症ですね。そんなじゃないんだな、通院患者のうちの約二割ぐらいですね。ですから、こういった問題は社会医学的な意味での対応ができるのではないか、こんなふうに思います。 いずれにしましても、精神病患者のベッドが今、御承知のように三十二万がフル回転をしているということでありますので、これに対する対応は、高齢化社会を迎えるに当たって我々としても真剣に取り組んでいただきたい、こういうふうに厚生大臣にひとつお願いをしておきたいと思います。 次に、文教関係のお話を伺いたいので、最初に文部大臣にお伺いしたいと思います。 義務教育というのは、その言葉の意味からいいまして、その経費は本来的にどこが負担すべきものであるかということを伺いたいと思います。文部大臣。
○国務大臣(松永光君) お答えいたします。 義務教育につきましては「これを無償とする。」という規定があるわけでございまして、その規定の厳密な法律的な解釈から言えば、授業料を徴収しないという意味であるというふうになっております。これは最高裁の判例でも明らかになっておるわけでありますが、要するに国が責務として行うのであるからできる限り父兄には負担をさせない、公費をもってこれを賄う、こういうことになっておるものと理解をいたしております。
○高桑栄松君 文部大臣の御答弁は大変明快で私と全く一致いたします。 ところで、義務教育費の国庫負担というものが明治以来国と地方と父兄の間、この三者の間で大変いつも重大な問題として議論されてきた。そしてその議論の行方は、教材費なんかは一部負担から現在は二分の一負担になった。その二分の一負担になったのは昭和三十三年であったということを承っておりますが、この昭和三十三年、教材費二分の一にしたときの文部大臣はどなただったでしょうか、文部大臣にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 松永東という文部大臣でございました。
○高桑栄松君 そうでございますか。そういたしますと、松永元文部大臣のおやりになったことを現文部大臣が今度は一般財源化の方に回そうとする。やはり先人の非常に大きな業績を無視なさるようなことはお子様としては、お子様でいらっしゃいますね、どういうことになりましょうか、御心境を承りたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 先生よく御承知のとおり、昭和二十八年に業務教育費閥庫負担法が復活をいたしまして、そのときに教材費につきましても国でその一部を負担するという仕組みになり、そして昭和三十三年から一部負担が二分の一という定率負担に実はなったわけであります。 それはなぜそうなったのかというと、その当時は市町村の財政が苦しかったからでございましょう。本来、学校の経費は設置者がこれを負担するということが学校教育法第五条に定められておりますのに、教材の整備につきましては割り当て寄附などということで父兄に負担が転嫁されておったという事情がございます。そういう事情がありますので、一部負担となり、そして昭和三十三年から二分の一負担と、こうなったわけでありますが、その後二十数年たちまして、学校で整備する必要のある教材につきましては公費をもってこれを整備するということが定着をしてまいりました。一方、国の財政は五十五、六年ごろから大変厳しくなってまいりまして、これも先生御承知と思いますが、実は教材の国庫負担関係の予算が、五十七年は一〇%減、五十八年はまた一〇%減、五十九年は一五%減というふうに削減を余儀なくされるという厳しい状況になってまいりました。 そういった事情等がございますので、地方財政当局ともよく相談の上、市町村の事務事業として定着をしていることであるので、それに対する交付税措置をきちっとやってもらうことによって、減額をせずに将来とも財源措置がなされるならば教材の整備は進むであろうという判断のもとに今回の措置をお願いする、こういうふうになってきたわけでございます。 教材の整備につきましては、要は国の負担があるいは地方の一般財源による措置にするか。いずれにいたしましても、全体としての公費の額を減額しない、ふやしていくということが大事なことであろうと思うのでありまして、その意味で今後とも教材整備にかかる地方財源措置につきまして、これが減額されないように、できればもっとふやしていくような努力をすると同時に、市町村に対しまして、県の教育委員会を通じましてその一般財源化された財源をもって教材の整備を進めていくよう適切な指導助言を進めていくというのが私の使命であると考えております。
○高桑栄松君 今の国庫負担制度は、さっきちょっと触れましたけれども、やはりそのままひもがはっきりついているわけですけれども、一般財源化の方にされると地方財政の力によってはどうなるかわからないということが本音だろう、本当だろうと思うんです。ですから、こういった国庫負担制度の根幹にかかわるような法改正は、やはり一方的に結論を出すのではなくて、広く民意を問うべきではなかったのかなというふうに私は思いますが、文部大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(松永光君) 先ほどから御答弁申し上げておりますように、我が国の義務教育費国庫負担制度の根幹をなすものは教職員等の給与費すなわち人件費であるわけでありまして、教材費につきましてはその当時の地方財政の状況等から国庫負担の対象に組み入れられたものでございます。それが、先ほど申したとおり、国の財政が大変厳しい。そして一方、義務教育の学校における教材につきましては、市町村でこれを整備するということが定着をしてきておるということも考えまして今回の措置をお願いすることになったわけでありますが、地方交付税で積算をする場合に、教材費としてこれだけの積算がなされて交付税として交付されるということが示されるわけでありますから、その額につきまして、教材の整備に充てられるよう我々の側としては適切な指導をしていくということが大切なことであると考えております。 同時にまた、初等中等教育は先生御承知のとおり地方分権という建前をとっておりますが、これは地方も国と同じように、あるいはそれより以上に自分の身近な教育でありますから、熱意を持って真剣にやっていただけるという、そういう前提のもとに地方分権というものは成り立っておるわけでございます。私は、今日におきましては地方の方も国と同じように小学校、中学校、高等学校等の教育につきましては大変熱心であると考えておりますので、適切な指導助言によって教材の整備は支障なく進むものというふうに考えておるわけであります。 なお、一般的な民意を聞くべきではなかったかという御意見でありますが、先ほど申したとおり、義務教育費国庫負担制度の根幹をいじるものではございませんし、そしてまた一方、我々といたしましては都道府県教育委員会の関係者等の意見も十分お聞きをいたしまして、そして財政状況等を勘案して今回の措置をお願いするというふうにした次第なのでございます。
○高桑栄松君 文部大臣の御答弁は御答弁といたしまして、総理大臣にひとつ伺いたいのですが、長期展望に立って今行われている臨教審への国民の期待というものはそれなりに大きいと思っておりますが、それと現実の教育、文教関係の補助金カットというのは、現実との落差が非常に大き過ぎるのではないかと思うのです。これについて総理大臣の教育に対するお考えを、今の現実、カットの問題と絡めてのお話を承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨教審におきましては戦後の教育制度全般、それから二十一世紀に向かっての日本の向かうべき、歩むべき教育のあり方等について包括的に今議論していただいておるのでありまして、今政府は毎年毎年の仕事として教育の政策を実行しておりますけれども、いずれはこれらの臨教審から出される答申に総括された政策を我々はよく検討した上で実行していくべきものである、そう考えております。
○高桑栄松君 それでは科学技術教育について文部大臣に伺いたいと思うのですが、今の高度情報化社会、技術革新に対応する教材整備はどうなっているかということでありますが、諸外国ではどうなっているか。例えば学校にマイコンを持っているのが英、米、何%になっているのか、日本はどうか、その辺を伺いたいと思います。
○政府委員(阿部充夫君) ただいま手元に具体の数字を持っておりませんけれども、記憶をたどって申し上げますれば、諸外国の場合には四〇%ぐらい、アメリカ、イギリスでございましたでしょうか。フランス等はぐっと落ちて日本と同じように〇・台ぐらいの数字であろうかと思います。
○高桑栄松君 今私はマイコンを例に挙げてお伺いしたのでありますが、英国が一台以上マイコンを持っている学校が四三%、アメリカが四二%と書いてありました。日本は〇・六%、数字を間違ったんじゃないかと思うくらい少ない。そういうことで我が国が技術立国と果たして言えるのだろうかということを私はコンピューターを例に挙げて申し上げたのですが、急速に進展していく技術革新の中でどう教育をしていくのかということが問題であります。 また、個性化とかいろいろなことが言われておりますが、少なくとも個性を伸ばすという意味でのそれに対応するソフトの開発など積極的に技術を取り入れていかなければならない時代に入ってまいりました。これに対する基本的な文部省の対応というものはどうお考えでしょうか。文部大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 御承知のように各種の教育機器等も出てまいりまして、これらの機器は、一つには子供たちの能力、適性に応じた、個性個性に応じたような個別の学習指導に役立つというような点もございますし、あるいは豊富な教材の提示という面でも大変有益だというようなこともあるわけでございます。そういう点もございますので、最近の新しい教育機器をどういうふうに導入していくか、さらにはコンピューター関係の教育を学校でどう取り上げていくかという問題につきまして、文部省といたしましては、ことしの春から関係の協力者会議を設けまして具体の検討にただいま入ったところでございます。 なお、それとあわせまして六十年度の予算におきまして積極的に、実験的にと申しますか、こういう問題に取り組んでいきたいという学校に対しまして、そのための設備費の補助をいたしたいということで総額二十億円の金額も計上しておるわけでございます。そういった各種の実験も重ね、そしてまた委員会等での御検討をいただきながら、教育に関することでございますので慎重な歩みが必要だと思いますけれども前進を図っていきたい、こう考えておるところでございます。
○高桑栄松君 今の新教育方法の実験的な設備のために補助金を出すことにしたと、約二十億くらいでしたですね。学校からの申請に基づくということでありますが、総括的に先ほどから私が申し上げていることの一つは、地方の自由裁量で教育に対応する場合にはやはり教育格差が生ずるのではないか。つまり、お金だけの問題ではなくて、理事者の考え方にもかなりなバラエティーがあるわけで、そういう意味で教育の平等というものが図られるだろうか、格差がもっと広がっていくのではないだろうか。こういう私は危惧を持ちますので、やはり国庫負担制度という方向が必要なのではないのか、こう思っておりますが、文部大臣、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 今までも義務教育費国庫負担制度の中で国庫負担の対象となる教材というのは、いわゆる教材基準に示された教材であったわけであります。今お話がございました新しい機器等につきましては、これは今、局長がお答えいたしましたように、児童生徒の能力、適性に応じた個別指導その他が極めて効果的にできるというそういう指摘がございます。しかし一方、余りに先走りますというと、例えば自分で計算する、自分で暗算するなどということを省いちゃって頭の訓練がおろそかになるということも一方においては指摘をされております。したがいまして、新しい機器の導入につきましては、やはりそういう点等も考慮して専門家の検討を十分いただいて、その上で一般化していかなきゃならぬ問題じゃなかろうかというふうにも思うわけであります。 さようなことで、新機器を活用した教育方法を実際にやってみたいというところがあればそういうところに、ある意味では実験的な意味もあるわけでありますけれども、やっていただいて、その結果等を見きわめながら一般的に広げていくというふうなやり方でなければならぬのじゃなかろうかというふうに思っている次第でございますが、いずれにせよ、新しい機器を活用した教育というものは、先ほど申したような弊害を排除できるならば私は望ましいことであると思いますので進めてまいりたい、こういうふうに考えておりまして、そういうことから二十億円、別に教材関係の予算として文部省の方に計上がなされた、こういうことでございます。
○高桑栄松君 時間の都合もございますので、質問ではなくて私の意見を述べさしていただきたいと思いますが、教材に関して言えば、教材整備十カ年計画は第一次が終わって第二次、第二次もやや終わりに近づいていると思うんですが、その整備率は四八%、つまり二十年かけて目的の半分しかいってない。だから、この時点で今の一般財源化の方に持ち込まれると私は教育の格差が起きるのではないかと、これを心配しているのでございまして、したがって教材そのものも恐らくは二十年たってなおかつ半分だという意味は、既に旧態依然たるものがいろいろあるのではないか。その旧態依然たる教材から新しい教材へと脱皮をしていくための努力というものも文部省にとっては私は非常に重要な課題ではないか、つまり教育効果にどのような影響があるかということになろうかと思うんです。それから旅費については、質問を省きまして私の意見として申し上げさしていただきますが、よい教師の条件の一つとしては、よく勉強する教師であるということが入っていると思うんです。それには教員研修、それから自主的な学会への参加などが求められるわけでありまして、私なんか大学の先生をしましたので、大学は業績発表が非常に大きなウエートを占めますので自費でも参りますけれども、それは小中高の先生方に自費参加というのは難しい士思うんです。そういう意味ではやはりひもつきの方がよかったのではなかろうかと、こんなふうに思うんですが、いずれにしても勉強する教師のためにその道を開いてやるという条件整備を私は期待して、私の希望とさしていただきたいと思います。 次に、地方行政改革その他で二、三の問題をとらえて御質問さしていただきます。 まず、行政簡素化なんですけれども、これは自治大臣と総務庁長官にお願いをしたいと思うんですが、地方側の意見を聞きますと、合理化合理化と言うけれども、判この数は同じですよと言っているんですね。ですから、お金だけ一割カットじゃなくて事務量も一割カットするという処置がとれなかったのだろうか、こう思うのでありますが、自治大臣、総務庁長官、御見解をお願いします。
○国務大臣(古屋亨君) 地方の行政改革、行政の簡素化ということは私どもも地方の自律性のもとで行われることを期待をしておるのでございますが、自治省といたしましては、先般の行革審あるいは地方制度調査会等の御意見をもとにいたしまして地方行政改革大綱というのを策定いたしました。これは大綱と言っておりますが、一応のこういうような問題がある、基準を示したのでありまして、これは地方の自律的なこういう問題、これは触れない問題ならこれは触れないというように項目を六、七項目出しておりますけれども、これはあくまでも基準でございまして、そういうものを地方の独自の方向でやってもらいたいということでございますが、ただ先生御指摘のように、国が地方の行革を邪魔していると申しますか、そういうようなものにつきましては臨調の答申で、後ほど総務庁長官から話があると思いますが、国の関与とか必姓規制とか、そういうものにつきましては今法案を提出中で御審議をいただいておるところでございまして、これによりまして相当数の国の関与あるいは必置規制ということが改められると思います。 最も大きい問題は国の権限移譲あるいは許認可の問題でございまして、これはこの七月ごろには答申をいただけるということで、事務的に自治省としても行革審の方にいろいろ申し上げておるところでございますが、それによりまして私どもは、それがなければ本当の地方の行政簡素化ということはできない、やはり国がそういうような地方の行政簡素化を、地方もやっておりますが、本当にやるにはそういうような邪魔になる点を排除していかなければならぬということで、私どもは早くこの答申をいただき、それによって地方の今申し上げております行革を地方の自律性のもとでぜひ進めていきたいというふうに考えておるわけであります。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今、自治大臣からお答えしたとおりだと思いますが、判この数はちっとも減っておりませんよと、これちょっと意味がよくわからないんですけれども、まさにそれは地方団体みずからが判この数を減らすようにお願いをすべきことではないのかなと、こう思うのですが、恐らく御質問の趣旨は、補助金の申請あるいは交付の手続、これらが大変厄介で、人手も食うし書類も多過ぎる、これらをもう少し簡素化したらどうだ、こういう私は御意見ではなかろうがと、こう思いますが、この点はおっしゃるとおりでございます。 過去、たしか昭和五十三年でございましたけれども、そういう要望が非常に強いものですから、各省の事務次官会議で申し合わせをしまして相当整理をいたしました。その整理の結果がどうなっているかということを五十六年に私の方の監察局で調査をしまして、そしてさらに改善すべきものは改善をしてもらいたいということで今日に至っておるのですが、依然として私は確かに補助金の申請事務等が煩瑣過ぎる、こう思います。そういうことで、いま一度ひとつ今度は私の方で改めて行政監察をやろう、その行政監察の結果、改善すべき点については各省に勧告をして、直すべきところは直していただこう、こういう計画で間もなく監査結果が恐らく出るのではなかろうかと、かように考えております。
○高桑栄松君 それでは次に農水大臣にお話を伺いたいと思うんですが、これも地方の私の生まれ故郷の町長さんから聞いたものでありますが、米の検査員が国の臨調行雄で年次的に減らされてきている。減らされているものだから検査が進まないので出荷ができない。米は庭先に山積みでございます、保管が悪いと品質も低下いたします、何とかならぬものでしょうかというお話がございました。私は、これには例えば予備検査員制度というふうなものを用いられないのかなと。つまり、資格のある公職にある人だけではなくて、例えばかつて資格のあったOBを臨時にお願いをする、あるいは訓練をした農協の職員がそのときにその処理に当たる。 確かに、米の検査というのは収穫期だけで、そのある期間だけですから、一年間、用がないといえばないわけで、通年ではないんでしょうからたくさん置けないんでしょうが、ただ検査の仕方というのは、本人が全部をやらなくても予備検査員のやったサンプルをサンプリング調査をするという方法はあるわけです。牛乳の検査なんかそんなふうにやっているんで、確率的な統計的な処理で信用度をはかることができるわけで、そういった方法は農水省では考えておられないんでしょうか、農水大臣。
○国務大臣(佐藤守良君) 高桑先生にお答えいたしますが、農産物の検査官につきましては、食管運営管理機関として業務の効率化を図りつつ、計画的に削減しております。また一方、近年、先生御指摘のとおり米の出荷事情としましては、兼業化とかあるいは機械化の進展で出荷が短期間に集中化する傾向にあります。そんなことで、こうした状況を踏まえまして生産者の要請にこたえまして的確な検査を行いますとともに、三つの施策を中心に実は検査業務の合理化を図っております。 その一つは、抽出検査及びばら検査の拡大。もう一つは、今、先生が言われた検査官OBを初めとする民間活力を食糧検査士として活用しております。三つ目は検査場所の集約整備、こんなことを中心に改善合理化を図っております。また、検査現場におきましては、農協職員等の協力も得て円滑な検査の実施に努めております。五十九年におきましては、特に好天に恵まれたこともあり、出荷が一時期に集中したため、一部の地域におきましては土曜、日曜の検査も実施する等、極力農家の出荷に支障を生じないように実は努力してまいったところであります。いずれにいたしましても、今後とも検査の効率化、迅速化を図り、生産者の要請にこたえるよう万全を期してまいりたい、こう考えております。
○高桑栄松君 時間もございませんので、あと二問お願いしたいと思うんですが、一つは、ラジオ・ジャパンの機能強化ということで郵政大臣に伺いたいんです。 私も学会等でしばしばヨーロッパあるいは中国等々に参っておりますけれども、かなり優秀な短波の受信機を持っていっても日本の放送はとても聞こえません。私はそんなに堪能ではありませんが、必死になってドイツ語と英語を問いておってもなかなかニュースはよくわかりません。やはり日本のNHKのラジオ・ジャパンが聞きたいと思うんです。旧満州国に行っても入ってこないんですね。日本語が入ってきたらソ連ですよ。一体、国際化社会の日本のあり方がそれでいいんだろうか。あるいは中国では随分日本語を勉強している人がいるんです。日本のニュースが入っていったら、日本のニュースを聞きながら勉強するということもできるわけで、これはもう大変外国との差があると思いますが、この諸外国との差、つまりトランスミッターの出力とリレーステーションの数等について、外国との比較をひとつお示し願いたいと思います。
○政府委員(徳田修造君) お答え申し上げます。 我が国の国際放送でございますが、国内の放送所の送信出力は現在最高が二百キロワットでございます。それから海外の中継局を二カ所利用させていただいております。放送時間は一週間当たり二百八十時間という規模になってございます。それに対しまして、論外国の主な国の国際放送の状況でございますけれども、送信の出力、最高は日本の大体二倍半というところでございます。それから海外の中継所の利用状況でございますけれども、アメリカは十三カ所使っております。それからイギリスが七カ所、フランスは日本と同じ二カ所でございます、数だけでございますけれども。西ドイツは五カ所、スウェーデンは海外の中継所なし、そんなような状況でございます。 それから放送時間でございますけれども、アメリカが一週間で九百六十時間でございまして、我が国の三倍半の規模、時間数でやっております。それからイギリスが七百十六時間で二・六倍という数字になってございます。それからフランスが約三百六十時間で、日本よりちょっと多いといいますかその程度、一・三倍程度の規模でございます。西ドイツが二・八倍、時間数で七百八十八時間。スウェーデンは日本の約半分の時間でございまして約百五十時間、そのような規模でございます。
○高桑栄松君 私が見ましたのはジャパンタイムズの社説で、四月十九日でございますけれども、ラジオ・ジャパンがそれには出力百キロと書いてありましたが、今は二百キロとおっしゃったが、諸外国は今は二百五十から五百キロ。それからリレーステーションの数が問題にならないわけです。日本はヨーロッパと中東に各一カ所で、南半球には一つもない。ですから、やはり移民をなさった方々も日本の放送、生の声を聞きたいだろうと思うんですが、私は少なくとも外国旅行をしている間に大変寂しい思いをするわけです。 一番よく聞こえるのはボイス・オブ・アメリカ。これは割合わかりやすかったし、一応それを聞いて、めったに日本は出てきませんけれども、外国人と一緒にいたら、突然びっくりして、今おれの国に革命が起きた。親と子供、家内はどうしているだろうかと言っておろおろいたしました。我が国には革命はめったに起こらぬようでありますからそういう心配はないと思うんですが、それでも内閣はどうなったろうかとか、やはり気になりますよね。そういうときにラジオ・ジャパンが要ると思うんです。出力は少なくともアップしてもらわなければ聞こえません。意味がない、こんなもの、ない方がいいくらいです。神経を使って一生懸命入れて、皆さん聞いておられるかどうか知りません、やっとひっかかったと思ったら、ぱっとだめになるんです。いらいらしまして、外国から帰るとストレスになるんじゃないか、こう思うのでありますが、ステーションを南半球にも置かなきゃいかぬし、少なくとも旧満州のあの辺には日本語が入らなきゃいけませんわ。北朝鮮か南朝鮮かは日本語が入ってきますよ。だからだめですね、日本はこのPR、だめですね。中曽根首相がサミットであれだけPRなさっても、それは年に一遍の何時間しかないんだから、毎日のPRが私は必要だと思います。これは郵政大臣、ひとつ御返事を願いたい。
○政府委員(徳田修造君) 先生御指摘のとおり、今日ほど我が国の考え方あるいは事情というようなものを正しく諸外国に理解していただく必要性の高い時期というのは、過去にもなかったのではないかと思う次第でございます。その意味におきましても、国際放送の重要性というのは非常に高まってまいっておりますし、その放送の充実を図るということは極めて重要な課題であると私ども認識いたしておる次第でございます。 このような観点から、実は海外における受信改善を図るために、五十九年度から四カ年計画を立てまして国内の放送所の整備を実は開始いたしております。先ほど申し上げましたように、国内の送信所の送信機の電力は百キロワットでございますが、最大の出力を出すときには二台を一緒に使って二百キロワットで放送いたしております。百キロワットの機械が現在八台、それから五十キロワットの機械が二台で、これはかなり老朽化いたしておりますので、これを新しい機械に取りかえるために今いろいろと工事を進めておりまして、三百キロワットの機械を四台と百キロワットの新しい機械を四台、これを設置するように計画を進めでございます。これによりまして、かなりアジアの日本周辺部の地域の受信改善がなされるのではないか、そのように期待いたしておるところでございます。 それから海外の中継局でございますが、先ほど御指摘ございましたように、現在ポルトガルのシネスというところから中継放送、一時間時間をかりまして放送を行っております。それから五十九年度からアフリカのガボン共和国のモヤビという中継放送所、これから六時間時間をかりて放送いたしております。この放送している時間中は中東からヨーロッパ、非常に良好に受信できるようになったというように私どもいろいろ受信報告で伺っておるところでございますが、御指摘のようにまだアジアの一部地域とそれから南北アメリカでございますが、受信状況が必ずしも良好でございませんので、これらの地域、米州とそれからアジア地域についても中継施設の確保についていろいろ検討を進めておるところでございます。今後とも受信改善等の国際放送の充実につきまして、精力的に多角的に取り組んでまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○高桑栄松君 それでは最後の質問を、時間もございませんので総理大臣にお願いをしたいと思うんですが、退職者医療制度を私は先ほど申し上げた生まれ故郷の小さな町に問い合わせてみましたところ、退職者医療制度のいわゆる加入者が六五%であるので、その減った分、補助金カッ十分がどれくらいかというと、この小さな町で三千万がこの影響分であって、したがって来年度国保税は一六・三%引き上げざるを得ないだろう、こういうふうに書いてありました。しかし、全国町村会の調査ですと、二〇%以上の値上げを考えているのは三割あるというふうにレポートが出ております。 いずれにしましても、政府が見込み違いをしたからには、健保のときは法案がおくれたので補正予算になったわけですが、見込み違いということは、天気予報なんというほどでは困るかもしれませんが、いやいいのかな、天気予報、大分当たるようになりましたから。やはり予測というのは予測であるからには一〇〇%合うことはないので、かなりな差異が出たらこれはやはり補正予算をするのが本当なんじゃないか、これはだんまりで逃げ込むわけにはいかないんじゃないかと僕は思うんです。総理大臣は団十郎の名誉後援会長をしておられるというのでありますが、しばらくという声は、天井桟敷の方から総理大臣にしばらくという声がかかっていると思うんです。ここで今の退職者医療制度を一つの材料に挙げましたが、大きな予測の違いが出たときには補正予算でいったらどうかというのは、これは僕は政治のあり方でないかと思うんです。それと今のラジオ・ジャパンの国際放送につきまして、総理の口上をお伺いいたしまして私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) ラジオ・ジャパンにつきましては、いろいろ御指摘もあって今強化に努めておりまして、御期待に沿うようにできるだけ早く改善していきたいと思います。 それから国保の問題につきましては、PRが不十分であったとかいろいろな面もございますが、見込み違いもやはり否定できないという点もあります。これらにつきましては適切な措置をしてもらうように検討してもらいたいと思っております。
○高桑栄松君 ありがとうございました。
○委員長(桧垣徳太郎君) 午後二時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時二分休憩 —————・————— 午後二時一分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 最初に、大蔵大臣、補助金整理特例法の目的と国の立場からの財政効果についてわかりやすくちょっと説明をしてみてください。
○政府委員(平澤貞昭君) まず、本法案の立法の趣旨でございますけれども、昭和六十年度の予算編成に当たりまして、国の財政収支の改善を図る見地から、累次の臨調答申の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図るため、国の負担、補助等について見直しを行い、所要の措置を講ずることにより国の歳出の縮減に資するものとするというのが本法案の立法の趣旨でございます。 そして、これに伴いまして国費の節減額がいかほどかということでございますが、この特例法に伴うものが四千四百八十一億円ございます。このほか、これに伴う政令予算措置によるものが千七億円ございます。したがいまして、合わせて五千四百八十八億円が高率補助に伴うものでございます。その他一般財源化関係でこの法律に伴うものが三百七十八億円、それから政令予算措置が五十億円、合わせまして四百二十八億円。それから三番目の柱といたしまして行革関連特例法の延長関係、これで三千五百六十一億円ございます。 以上でございます。
○久保亘君 この問題について少し今法律の目的とその財政効果について説明がありましたが、これで詳しくあとお尋ねいたします前に、一つだけまず河本国務大臣に伺いたいのでありますが、今度の十三日の日には政府・与党の連絡会議が開かれると聞いておりますし、また十七日には対外経済対策推進本部の第二回会合をお開きになると伺っておりますが、この中で内需の拡大についての具体的な対策として所得税減税を主張されるお考えがおありでしょうか。かねて河本大臣の御主張は報道等を通じて伺っておりますが、この場で少しお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 減税問題につきましては、先月九日に一連の対外経済対策を決定いたしましたが、その中で諮問委員会から答申を受けました六項目を政府としては採択をいたしまして全面的にこれを推進すると、こういう基本方針を決定をいたしましたが、その中に内需の拡大という一項目がございます。 それでは内需の拡大というのは一体何をするかといいますと、第一番に内需が拡大できるような税制の改革、それから第二には規制の緩和を促進するということ、それから第三には社会資本投資を重点的かつ効率的に推進するということ、それから第四には労働時間の短縮、週休二日制と、こういう四つの項目が挙げられておりまして、その中でも一番重要な項目は、第一の税制の改革と第二の規制の緩和と、このように私どもは理解をいたしております。 今、我が国の経済の状態を見ますと、昨年来上昇に転じておりますけれども、その一番の大きな原動力は輸出の拡大とそれに伴う設備投資の拡大、この二つが大きな柱になっておりまして、GNPの六割強を占めております個人消費とそれから個人の住宅投資、これがおおむね三百二十兆のGNPのうちおよそ二百兆ございますが、この分野は比較的力が弱い、こういう状態になっております。しかし、この分野が強くなりませんと経済全体の本当の力は出てこない。現在のような輸出に伴う設備投資が中心の成長ということになりますと経済の成長はいびつになりますので、どうしても個人関係の消費と住宅投資、これがもう少し伸びる必要があろうと思います。 そういう観点から諮問委員会も内需の拡大ができるような税制の改革を急ぎなさいと、こういう趣旨の答申をいただいて政府もその方向でやりましょうと、こういうことになったのだと考えておりますが、それじゃ具体的にこれをどう進めるかということにつきましてはこれからの議論でございますので、十三日にどうするかあるいは十七日にどうするか、そういう日程は組んでおりません。
○久保亘君 最近、私ども野党の側からの所得税減税の要求だけではなくて、与党の方でもそれぞれ重要な立場におありの方々が内需拡大のために所得税の減税を実施すべきだという御主張をなさっているやに伺っております。言ってみれば、国会の側からはほとんど一致して所得税減税をやるべきだ、それが内需拡大につながるんだというかなり強い主張があると思うのでありますが、政府の側として中曽根総理大臣はこの問題についてどういうふうに対応なさるおつもりでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私も国会では、将来所得税、法人税等の減税は行いたい、ただし赤字公債を発行してやるようなことは避けなけりゃいかぬ、税制の根本的、抜本的改革の一環としてそういうことも考えてみたい、そういうことを申し上げておるのであります。 短期的な問題としては、与野党で書記長・幹事長会談もあり、政審会長・政調会長会談等もございますから、それらの推移を見守ってまいりたいと思う次第でございます。
○久保亘君 減税の手段については、所要財源の措置についてはいろいろな方法が考えられると思うのでありますけれども、所得税減税を内需拡大のためにやるべきだということについては総理のお考えもわかりましたが、大蔵大臣はそのことについてはそうすべきだということで別に御異論はございませんか。
○国務大臣(竹下登君) 別に異を挟む考えはございませんが、今までの経過から見ますと、要するにシャウプ以来の公平、公正、簡素、選択、そして活力ということで税体系の見直しをやろうと、それを国会でお約束しているわけです。それで国会の論議を通じたものを土台として、それを税調でやっていただこうと。一方、今御指摘がありましたように、与野党の幹事長、書記長の話し合いも継続しておると。そうしてそれをどう調和さすかというのは、なかなかこれは中身もいろいろ議論を詰めてみなきゃなりませんので、だからしたがって、いつの時点でどのように調和させて実現に向かって作業をしよう、税制当局としてそういうところまでは詰めていないということが現状でございます。
○久保亘君 そうすると、例えば六十一年度に本格的な所得税減税を行うという方向で、そのためにどういうふうな財源を求めればいいのかということで御検討になるというふうに考えればよろしいんですか。
○国務大臣(竹下登君) やはりそれ以前の問題じゃないかと。税体系そのものの見直しを始めよう、こういうことになっておるわけですから、六十一年度に本格的減税を行いましょうというところまでは私ども議論は詰まっていない問題ではないか。これは従来の経過からしてみましても、本格的減税ということになりますと課税最低限、それから一方出てまいります税体系の見直しからすれば、いわゆる区分を何区分にするかとか、そういう大変な本格的減税でございますので、六十一年にまず減税ありきと、そしてその前に、さればその財源は何に求めるかという議論のもう一つ前の議論がこれからこの国会の議論を集約して税調等で行っていただく課題ではないか、こういう事実認識をしております。
○久保亘君 河本国務大臣が主張されております内需拡大の考え方ということは、今大蔵大臣が言われたことよりも少し積極的な、テンポを速める考え方で御主張になっているのではありませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の政府税調の答申、それから自民党の税調の答申、それから衆参両院の予算委員会における議論、総理の御発言、大蔵大臣の御発言等を受けまして、一方で相当大規模な増税をするが、それを全部所得税あるいは法人税の減税に回す、こういう基本問題を中心に議論が展開したわけですから、私は大変いい方向に行っているなと、こう思って大きな期待を実は持っておるんです。 今、日本の力を十分発揮するためには、やはり何をおいても税制の抜本改正を急ぐということが必要だと思うんです。ところが、これがいつのことかわからないということになりますと、せっかくの大きな柱があるのにそれを立てることができない、大変残念に思いますので、その基本方針は今総理と大蔵大臣がお述べになったとおりで私は結構だと思いますが、後は時期の問題でございまして、できれば一刻も早く進められることを期待いたしております。
○久保亘君 大蔵大臣のお立場からは非常に慎重におなりになるのはこれはわかると思うんですが、経済摩擦の問題、内需拡大の問題ということをやらなきゃならぬという全体的な責任の立場に立ては、総理大臣としてはこの所得税減税に対して非常に積極的な取り組みをしなければならないとお考えになっていると理解をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) シャウプ以来の税制のゆがみ、ひずみ等を是正するために、ただいま竹下大蔵大臣が申された五原則等を中心に将来これを課題として取り上げたいと国会でも答弁申し上げておりまして、その中には所得税、法人税の減税も含む、むしろこれを積極的に考えている、そういう要素があるのであります。 しかし、これはいずれ税調に諮問をして、政府税調等でいろいろお考えを承ってやるということでありますが、いずれ将来ということで、いつやるかということはまだ未定であります。
○久保亘君 いつやるかというのは未定だというのはそれはよくわかりますけれども、総理のこの所得税減税による内需拡大が必要だという立場に立っていくならば、いつやるかということについても、例えばこれがいろいろな準備によって可能であるならば六十一年度にはそういうことを実行したいという、その意思をお持ちになるかどうかということは非常に重大だと思うんですね。いつやるかということを非常に消極的なとらえ方の場合と、できることならばなるべく早い時期にという考え方を持つ場合とは、非常にその取り組み方は違うと思うのですが、そこをお聞きしたいわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 所得税減税、法人税減税というのは、内需拡大のためにと私は言っていないんです。シャウプ以来の税制のゆがみを直すために、税に対する不満感が非常に強いようですから、これを直す必要がある。そういうことで一貫して申し上げておるのであります。 しかし、対外政策に関する諮問の答申に基づくものは、内需拡大という面で税の問題を論じていることは事実である。その税が果たして所得税がいいのかあるいはそのほかの税がいいのか、よく論ぜられるように住宅関係がいいのか投資減税がいいのか、そのほかのものがあり得るのか、そういう問題はまた別個の問題として検討すべきものでありますが、財政学の今までの例から見れば、レーガンさんの例等から見ると、所得税減税というのは消費拡大には効いてきている、そういうことは言えるとは思います。
○久保亘君 総理のお考えはわかりましたが、あなたの与党の四役の方々も所得税減税を早急に行うべきだというお考えを表明されておるやに聞いております。この問題については、今それぞれの大臣のお考えも伺いましたので、積極的にひとつ今後御検討をいただくようにお願いをいたしておきます。 先ほどの問題なんでありますが、補助金整理特例法による国の立場からの財政効果について五千四百八十八億円という御説明がございましたが、これは補助金という立場で見た場合にはそうでありますけれども、実際には本年度、この特例法に基づく削減のしわ寄せというのは、それじゃどこへいくわけですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほど申し上げましたように、補助金の引き下げによりまして五千四百八十八億円の国費の節減になるわけでございます。そういたしますと、地方団体の立場から見ますと全体といたしまして五千八百億円の負担増が、地方財政計画上でございますけれども出てまいるということでございますが、それらの点につきましては、各般の措置をとることによって地方財政の運営上支障ないように配慮しているということでございます。
○久保亘君 国の方の財政上の削減額が五千四竹八十八億になって、地方が五千八百億負担して、そしてそれは所要の措置をしたので地方自治体に財政運営上の支障は来さない、こういうことになると、結局この特例法が節減したその金額というのはだれが負担するんですか、そこをはっきりしてください。結局、この五千四百八十八億でも五千八百億でもいいが、その金額をだれが負担するのか、それをきちんと説明してください。
○政府委員(平澤貞昭君) 細かいお話になりますが、先ほど申し上げましたように地方団体といたしまして五千八百億円の負担増になるわけでございますが、これにつきましては、一つは交付税の特例措置で千億円、交付税に特例加算いたしております。そうしますと残りが四千八百億円ございますけれども、そのうち非公共部分、いわゆる経常経費関係は総体で二千六百億円ございますので、先ほどの千億円を引きますと千六百億円というのが残るわけでございます。これにつきましては、いわゆる富裕団体である交付税を受けていない不交付団体、これの分が六百億円、それ以外に千億円が、いわゆる交付団体分というのがあるわけでございますけれども、これについては後ほど自治省から詳しいお話があるかと思いますが、これは自治大臣と大蔵大臣との覚書で将来しかるべき措置をとるということになっております。 それから投資的経費関係の部分が三千二百億円あるわけでございますけれども、このうち、いわゆる補助率が公共事業について引き下げられたことに伴いまして国費が浮いてまいりますのは、またさらにそれを公共事業で使うというふうにいたしております。その千二百億円部分相当の地方負担の増につきましては、これは建設地方債の増発によって措置しております。それからさらに残りの二千億円につきましては、これはやはり大臣同士の覚書で元利償還に要する額の二分の一に相当する額を、将来この分は基準財政需要額に元利償還部分を算入することにいたしておりますので、それが現実化する場合には二分の一国で見るということで処理するということでございます。
○久保亘君 素人によくわかるようにやってもらいたいんだが、結局、この特例法が節約した分をずうっと最終的に帳じりを合わせていくと、これを交付税の中で見たとか見ないとかいう話はどうでもいいんだけれども。最終的に五千八百億円というのは一千億は国が見た、六十年度について。残りの四千八百億円は地方交付税の中で見られるということに国が措置するということになれば、三二%の外枠でやるわけではないんでしょう。それだから、そうなれば地方の財源の中で処理されるということに最終的にはなるんじゃないですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 基準財政需要額に結果的に算入されるわけでございますけれども、そのうち六百億円は不交付団体の部分でございますから、結果的にはそれは措置されないということは事実でございます。 それ以外のものにつきましては、先ほど申し上げましたように、各般の措置をとっているわけでございますが、その中で、また技術的になりますけれども、いわゆる公共事業の事業費がふえた部分、これにつきましては基準財政需要額には算入しますが、元利償還分について将来措置するというふうにはなっておりません。
○久保亘君 ここに鹿児島県知事が五月の七日に記者会見をされた報道の記事がございますが、この中で「一括法案は地方への負担転嫁だと反対した立場上、国に対して早く法案を成立させよとは言えない。しかし、現実は厳しい。知事会など地方団体も動かざるを得ない。」と、こういうことをおっしゃっているんです。結果的にはこの特例法によって地方自治体に負担が転嫁されるということは間違いないんでしょう。運営上支障を来さないようにすると言われているのは六十年度の運営上のことを言っておられるのであって、そのツケを国が将来全部面倒を見て地方自治体には一切迷惑かけません、負担転嫁はいたしませんと言っているんじゃないでしょう。
○政府委員(平澤貞昭君) また技術的になりますが、六十年度につきましては千億円とそれから建設地方債で見るわけでございます。したがいまして、その限りでは地方財政の運営上問題がないわけでございます。したがいまして、おっしゃいます建設地方債の部分は、結局将来六十一年度以降元利償還の問題が出てくるわけでございますけれども、それにつきましては、先ほど御説明いたしましたように、措置を将来するものと、それから先ほども申し上げましたように、公共事業の事業量が増加する部分等につきましては、これは措置しない部分と、それぞれ将来にわたっては分かれてまいるわけでございます。
○久保亘君 結局この特例法によって地方自治体に将来、六十年度分についても負担が転嫁されていくということになるわけでありまして、その点について、今地方自治体からはこのことについて非常に強い反対があるわけですね。ただ、現実に今年度の地方自治体の行財政運営上これが通らなければどうにもならぬというあなた方のやり方によって自治体がジレンマに陥ったというのが実情なんです。その点についてこの委員会からいろいろと強い要望を出しているわけです。それに対してきょうここへ政府側からの措置についてお答えをいただいているのでありますが、特にこの中で非公共事業予算について前倒し早期交付金によって財政負担を生ぜしめないようにする、こうなっておりますが、これは具体的には今までおくれた分を今度は逆に早くやることによって、その財源の運用益によって今まで使った利息を埋めさせる、こういうことだろうと思うんですが、前倒し交付金の運用益というのは全体でどれぐらいになるんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 正確な数字は出ませんが、概算的に申し上げますと、この四月までにまだ生活保護費その他で交付されない部分が千三百億程度あるわけでございます。したがいまして、この部分をそれでは地方公共団体がどのように資金繰りを賄ったかという場合に、二つのやり方があろうかと思いますが、一つは積立金等を取り崩してそれに充当するというやり方、それからもう一つは、資金繰りがつかない部分について資金運用部あるいは金融機関等から借りることによって資金繰りをつける部分等がございます。 そういたしますと、前者の場合は積立金等を恐らく金融機関に預け入れておりますので、その利益を失う、得べかりし利益を失う部分がある。それから後者の場合は、借金をいたしますので、その借金の金利が出てくるということでございます。したがいまして、それぞれ金利がいろいろ違っておる部分もありますので、ずばり幾らぐらいになるかということはなかなか出てまいりませんけれども、概算的に申し上げますと、一カ月恐らく十億円前後の金利負担が出てくる可能性がございます。
○久保亘君 それが今度の前倒し措置によって全部補てんできる、こういう意味だろうと思いますので、それはそういうふうに理解をしておきましょう。 それから大蔵大臣、午前中も穐山委員との間にいろいろと議論がございましたが、この特例法の一年限りの時限法の部分、この部分についてはこれを来年度はもう現行法に戻るのであるというふうに言ってしまうのはちょっとぐあい悪いというような御答弁をいただいておりますが、そんなことはないんじゃないですか。それはこの法律で特例法の時限の部分は一年限りとなっておるんですから、当然にこれは六十一年度には適用されない、六十一年度の予算編成に当たっては適用されない、これが当然の状態ではないんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 結果的に言えば、久保さんの御発言のとおりまさに一年限りの法律でございますから、それは六十一年度には適用されないわけであります。中で恒久措置として整理されたものはこれは恒久措置として続くわけでありますが、その一年限りの暫定措置のものはそれで今の法律の適用期間は終わる。したがって、申し上げておりますのは、六十一年度以後どうするか、こういうことについてはこれから一年かかって、去年の十二月からの一年でございますから、ことしの予算編成までにそのあるべき費用負担のあり方を基本的に議論をして、それで対応していきますと、こう申しておるわけであります。
○久保亘君 そうすると、これから一年かかってということになりますと、来年もまた予算と特例法が一緒になってくる、こういうことになってことしと同じような問題を起こすわけですから、この問題はもう今からわかっているわけだから、私は概算要求が行われる前に結論を出すべきものだと思うのです。私どもの党と自民党の政調会の役員の皆さんと六十年度予算について協議をいたしましたときに、私も出席をしておったのでありますが、そのとき自民党の政調の責任者の方々の方からも、できるだけ概算要求の前には来年度の方針をきちんとするように努力したい、こういうようなお考えも表明をされておりますが、一年かかってという意味は、来年度の予算の概算要求が出される前には出すという意味ですか、それとも予算編成の前に出すという意味ですか、それとも来年度の予算を国会に示すときに一緒に出してくるという意味ですか、これはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) まず二つありますが、政調関係の方々と、私もそういう立場にあったことがございますが、話をしますときには、何としても大蔵原案が出た後で与野党の協議をしますと、もう入り込む余地がないと言うとちょっと表現が適切でありませんが、なかなか実を結ばない、したがって概算要求の前から話し合いしていくのが妥当だという議論はよくある議論でありますし、私も本当は与野党協議というものはそうあるべきだなと何度か思ったこともございます。 ただ、今の問題につきましては、私ものどにつかてえおります。おっしゃいますとおり、予算編成の手順としては、まずは国会が終われば概算要求の基準をおまえさんら決めるじゃないか、そうして八月末に法律に基づいて概算要求が出てくるじゃないか、その前に勝負をつけておかぬことには実際問題としてずるずると行ってまた十二月そのものの勝負になるじゃないか、こういう懸念というものを私も感じないわけではございません。 ただ、そうは言っても、概算要求までにそれじゃ今後の費用負担のあり方がすべてにわたって結論が出るような状態であろうかということになりますと、これはなかなか難しい問題だと思います、なかんずく社会保障等の過去の議論の経緯をずっと読んでみますと。そうすると、さあ概算要求のときにどういうひっくくり方をするか、これはよほど知恵を出してみなければいかぬなと、しかしそう言えば、やはりそれまでに間に合わすぐらいなスピードで勉強してみる、こういう意見も当然出てくるだろう、そういうものを考えながら対応していかなければいかぬが、率直に申しまして、概算要求の際に、概算要求基準を決めるときに補助率の点について完全に政府部内で合意に達するだけのスピードでもって進めていくというのは私は難しいんじゃないかな、こういう感じがしております。 そうすると、十二月になればまたぞろ、いわばまず政策ありきの後の予算じゃなく、予算と一緒に出てくる可能性があるんじゃないかという御指摘があります。なるほどその可能性もあるかもしらぬなという感じも率直しないわけじゃございませんが、中で何ぼか外れていきますですよね、恒久化した分やあるいは六十一年度から変わっていくであろう年金等が何ぼか外れていきますと、今の法律よりは少しく整理されたものになるのかな、こんな感じを、もう率直に申し上げた方がいいと思いまして、あえて感想をも含めて申し上げたわけであります。
○久保亘君 いろいろ難しくなりますと大蔵大臣の答弁というのは非常にわかりにくくなるのでして……。 それで、結局のところは、ことしこれだけ問題になったことをまた来年も同じようなことをやるぞというようなことなんで、来年はこの特例法は廃止してもう問題はございませんというなら、それはもうどうということはないんですね。しかし、またこれを延長するかもしれぬような口吻を漏らされるから、非常に私どもとしては問題に思うわけです。それも、ことしと同じようなやり方でされるということになれば、来年は私どもはこれは黙っておるわけにはいかぬだろう、こう思っております。きょうは時間がありませんから、また機会があるごとにやりたいと思います。 それからこのような特例法に一括してやるというやり方、非常にこれは悪いやり方だと私は思うんです。きょう午前中にも意見がございました。こういうことが許されると、将来は、政府がだんだんファッショ化すると、予算に関連する法律を全部まとめて特例法ということで国会に出すということだって可能になってくるわけなんですね。特に私が問題にしたいのは、この一括法案の中に義務教育費国庫負担法の改正が恒久的な法改正として含められていることです。これは予算委員会でも大蔵大臣に申し上げました。これは明らかに義務教育の制度の改正にかかわる問題、だからこのような問題を一括法に含めて出すということは非常に問題だと思う。これは議論をしても仕方がないと思うので、私の意見を繰り返し強く申し上げておきます。 そして、その際予算委員会等で文部大臣も自治大臣も大蔵大臣も述べられたと思うのでありますが、例えば教材とか旅費とかいうものについて一般財源化しても、決して現状よりも下回るような結果が出てくることはない、こういうことを言っておられたのでありますが、私がある県について調査をしてもらいましたところ、この県の三十七の市町のうち、例えば教材費で今度の六十年度の市町の予算において前年を上回ったものは九市町であります。あとの二十八市町は前年よりも下回り、最も低かったところは前年比三九・一%という市がございます。このようなものは、予算委員会で一般財源化するに当たって御説明になったことと実態が著しく食い違うものではないだろうかと思うんですが、これは自治大臣に聞きましょうか。
○国務大臣(古屋亨君) 教材費と旅費についてのお話だと思ってそういう点からお答えいたしますが、大体地方団体の現状から見まして、地方の行う仕事として定着をしているという観点から、私どもは大蔵省あるいは文部省と話し合いまして、こういう定着しているものについては今後補助から外して交付税措置をもって見るということにしておるのでございます。 今お話しのように、ある県では先生の御指摘のように交付税が大体前よりも減っているというお話でございますが、これはまた私文部省とも話しまして、これは地方の市町村が交付税のうちでどういうふうに配分するか基準を示している。その基準を恐らく、どういう理由かわかりませんけれども、いろいろの理由によって減らしておるのではなかろうかという私は感じがしているのでありますが、そういう点は、また先生にその県等は後から教えていただきまして、私どもは十分、この地方交付税というのは、御承知のように市町村に大体国が単位徴用とかそういうものを決めまして指示しておるのでございますが、地方が自主的に、消防なんかでもそうでございますが、国の要望に沿って決めるということでございますので、そういう自主的な決め方について、もしそういうような点があれば私の方の総計の数字、単位費用等におきましては、教材費は物価の上昇等を考慮いたしまして二・六ですか三%、ちょっと数字は忘れましたが、ふやしておるわけでございます。旅費は前年どおりということにしておるのでございますが、そういうようないきさつもありますので、もし差し支えなければ後ほどそういう県、市町村を教えていただきまして、私どももそういうことがないように市町村にもよく連絡をいたしたいと思っております。
○久保亘君 文部大臣、やはり国庫負担制度がつくられた精神に照らせば、この一般財源化を行う特例法の措置によって、つまり義務教育費国庫負担法の改正によって実際にはこの負担制度が目指していたものが後退する傾向が現実にあらわれているとするならば、この点については文部省としては非常に重大な問題だと受けとめなければならぬと思うんですが、そのことと、もしこのようなことをさらに拡大をして人件費に及ぼす、こういうことになりますならば、そして今のような結果が現実に起こってくるということになれば非常に大きな問題だと思うんですが、文部大臣の意見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 六十年度の市町村の予算編成の中で教材徴について五十九年度よりも減少しておる市町村があるという御指摘でございましたが、どういうわけで少ない額を予算計上したのか、その理由等を私どもは市町村につきましてまた先生が掌握していらっしゃるものがあればそれを教えていただいて、それに基づいて調査をして適切に対処したいと、こう考えておるわけでありますが、教材費の関係で一般的に言えば、国庫負担制度のときには毎年毎年同じような額で画一的に整備が進められていくだろうと思うんです。しかし、一般財源化いたしますというと、今年は少なくするが来年は多くするとか、あるいは再来年はうんと多くするとか、そういうその市町村市町村のいろいろな事情に応じて多少というか、ある程度の増減をしながら計画的な整備がなされるというそういう面はあろうかと思います。 教材はその性質上一年こっきりでなくなるものではなくして、やはりある程度の耐久力もあるものもありますし、また新しく学校ができればうんと要る。しかし、一回整備すればあと何年かはもつというようなこともあろうかと思うのでありまして、どういうわけで六十年度が減ったのか、そういった点も勘案しながらよく調べた上で適切な指導その他もしていかなきゃならぬ、こういうふうに思っているわけであります。 なお、人件費の関係でございますが、毎度御答弁申し上げておりますように、義務教育費国庫負担制度の根幹をなすものは人件費についての国の負担だというふうに私どもは考えておりますので、これが国庫負担制度の根幹だと考えております。したがって、その根幹は今後とも守っていくように最大限の努力を私どもはしてまいる所存でございます。
○久保亘君 今の文部大臣の人件費に関する見解については、大蔵大臣としても今後十分に尊重をする立場でお考えいただくと、こう理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(竹下登君) 今文部大臣からお答えもありましたし、そしてなかんずく人件費の問題で栄養職員のお方、事務職員のお方等々の問題についてこれを外すようなことがあってはならないという強い意見があることは、十分私は承知をいたしておるつもりでございます。 ただ、私の立場から申しますならば、あらゆる予算に対していわゆる聖域を設けることなくという大きな大義に包んだ場合、これだけは久保さん、初めから考えておりませんという立場には立ちたくても立てない立場にあるということであります。
○久保亘君 わかりました。今、そういう大蔵大臣の全体を見る立場からはそうは言えぬけれども、まあよくわかっておりますと、こういうふうにおっしゃったものだと理解をしておけばよろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) 久保さんがそういうふうに御理解をいただいたとすれば、それが間違いでありますと言う考えはございません。
○久保亘君 それでは、きょうはもう一つちょっと。 これだけ国民に対して補助金削減というような厳しい行財政改革が進められる中で、最近金融機関の公共性を疑わせるような問題が社会的な問題としてマスコミに連日登場をいたしておりますが、今日、平和相互銀行で起きている不良債権の問題とかあるいは内紛の問題とか、こういうものは相互銀行法の目的から見た場合に、預金者の保護とか金融機関の公共性という立場から見るならば、著しくこの目的にもとる状況にあるのではないかと思うんですが、平和相互銀行に対する大蔵省の検査の結果はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 平和相互についてのお尋ねでございますけれども、金融機関の検査は預金者の保護と信用秩序の維持等のための金融機関の健全経営を維持して金融機関の公共的機能の円滑な発揮を図ることを目的といたしておりますので、二年ないし三年の周期で定例的に実施しているわけでございます。このような観点から平和相互銀行についても定例検査を行っておるわけでございます。 その内容でございますけれども、個々の金融機関の検査でございますので、具体的に述べることは差し控えさせていただきたいと存じております。
○久保亘君 この平和相互銀行については、現在、新聞や雑誌等で報道されるところでは、不良債権が貸出総額九千億前後のうち三千億とも四千億とも言われている。これがもし事実であるとすれば非常に重大な問題だと私は思うんですね。 だから、大蔵省が銀行等の検査を行われます場合の着目点の最も重要な課題というのは、不良債権の分類率がどうなっているかと、こういうことだと思うんですね。今あなたは社会的ないろいろな問題もあるからその個々の結果については言えないとおっしゃるけれども、今日ほどいろいろな報道がなされておれば、むしろ明確にこうであるということを大蔵省が正確なものをおっしゃることが国民の不安をなくするものだと私は思うんです。だから、不良債権の分類率とか、検査に当たってこういうことを問題としたというようなことについてぜひ報告をしてもらいたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど申しましたように、個々の金融機関の検査結果につきましては、信用秩序の維持という見地がございますので、従来から具体的に述べることは差し控えさせていただいているわけでございます。 そこで、この平和相互銀行、特定の個別金融機関について検査はいたしているわけでございますけれども、不良債権がどのくらいあるか、あるいはいわゆる分類額がどの程度あるかというようなことを申し上げるわけにはまいりませんが、私どもといたしましては、従来、当該銀行についての検査を通じましては、例えば融資体制の改善とか経営姿勢の厳正化等の問題については厳しく指摘しておりまして、今後とも引き続きその徹底を求めてまいりたいというのが私どもの態度でございまして、御指摘の信用秩序の維持、預金者保護については十分注意をいたしているところでございます。 したがいまして、この相互銀行につきまして、その内容について申し上げるわけにはまいりませんけれども、預金者保護については十分注意しておりますので、預金者保護を附審するほどの経営内容ではないというふうに存じているわけでございます。これがただいま精いっぱい申し上げられるところでございます。
○久保亘君 それでは私の方から聞きますが、大蔵省が検査をされた結果、平和相互についてはいろいろ内部に問題等もあって、また経営にも問題があるために資金量が伸び悩んでおる、それから融資の面では逆に大口融資が増加をしたり、無担保融資が粉飾されていたり、それから資産の内容が悪くなっている、収益が著しく悪くなっている、不良債権の分類率が高くなっている。このようなことについて、私が今申し上げたようなことについて、検査の結果、平和相互銀行に対して大蔵省が注意を喚起されたことがございますか。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま資金量、融資量の伸びについての御質問でございましたけれども、資金量は過去を通じまして大体九から十数%の伸びを示しておるわけでございます。最近に至りましては、一般に相互銀行の資金量の伸びは低下しているわけでございますけれども、六十年三月末で前年比七%ほどの増加は示しているわけでございます。 どのような指導をしているかということでございますが、例えば不良債権の額などをお尋ねのようでございますけれども、私どもとしては、先ほど申しましたとおり、検査を既に大体二年ごとの間隔で行っておりまして、その都度経営姿勢の厳正化、融資体制の改善強化あるいは大口信用集中の排除等々、先生の御指摘の問題につきましては厳正に指導し、預金者保護に遺憾なきを期するようにしているわけでございます。
○久保亘君 この平和相互銀行の不良債権が三千億以上あるというようなことが報道されておりますが、これらのものは特に関連企業等に対して大口融資をされている、また元利の償還ができなくなると融資をして返還させるというようなことをやっているためにだんだん累積されてきたものであるという報道等がありますが、不良債権が三千億円以上あるという指摘については大蔵省としては否定されますか、それともそのような報道があることはやむを得ないとお考えになりますか。
○政府委員(吉田正輝君) 繰り返すようで恐縮でございますけれども、個々の銀行の資産内容、特に銀行の場合には、資産内容を検査した内容につきましては、信用秩序の維持という問題もございますので具体的に申し上げかねるわけでございますし、不良債権がそもそも何であるかという議論もあるわけでございます。その不良債権を、例えば不良の程度などによりましてもいろいろの概念の違いがございますので、一概にその先生のおっしゃっている額がどうであるということも申し上げかねるわけでございますけれども、私どもといたしましては、先ほども申したように、厳正に指導してまいり、預金者保護に遺憾なきを期してまいりたいということでございます。御理解をいただきたいと思います。
○久保亘君 不良債権の性格についてはいろいろあると言われておりますが、大蔵省は検査されるときには不良債権が幾らあるかということを調べられるわけでしょう。だから、あなた方はそれを知っておられるわけです。ただ、言えないと言っておられるのであって、性格上何が不良債権かわからぬというようなことで検査されますか。
○政府委員(吉田正輝君) いろいろあるというふうに申し上げたのは、例えば担保が十分に入っているか、少し足りないか、あるいは貸し付けた場合に利息を完全に回収しているか、あるいは事業がうまくいかなかったときに回収可能があるいは回収不可能であるか、あるいは徹底的にこれは不良で回収できないものであるかとか、いろいろなものがございます。そういうものを指して全体としてその不良の程度、そういうものがあり、なるべく健全なように私どもは指導しているわけでございますけれども、そういう意味でやや、私、余計なことを申し上げたようでございますけれども、不良の程度についてもいろいろあるというふうに申し上げたわけでございます。
○久保亘君 程度の差はあっても不良は不良ですね。それだから、不良が何ぼあるのかと、こういうことで言ってもらえばよいんです。 それで、そういう不良債権を口実にしてというか、それを理由にして、今この平和相互銀行では内部紛争を起こしているわけでしょう。関連企業に銀行の株券の担保として提出を求めたり、あるいは持ち合いになっている企業の株をそれて支配しようとしたり、ほとんど例のない銀行側が会社更生法の適用を裁判所に申請をしたり、いろいろなことが起こっているわけです。そうすると、その中に今度は突然もう私どもが目を回すような百八十億円というような金をぽんと貸してくれるようなのが出てきたり、そういうようなことで、大変社会的に国民の間には、一体この相互銀行は何をしているんだろうかなという不安があるようなことが毎日出てくると、やはり大蔵省はしっかり検査をし監督官庁として指導されておりますかという疑問が残るんです。 だからそのことにはきちっと答えてもらわないと、お答えできませんとどこかの偉い人がここで言ったこともありますけれども、そればかりやっておられるとわからぬわけですし、それで私は、信用秩序を回復するというか、信用秩序を保持するためにも、今報道されているようなことはどうなのかということを大蔵省は明確にすべきだと思うんですが、大蔵大臣、平和相互銀行などのような相互銀行は最近あちこちで問題が多いけれども、特にこの平和相互銀行のように、伝えられるところでは九千億の融資のうちに三、四千億が不良債権だと言われているような状況になって、そして外から見ていると、何か昔の何とか屋敷のお家騒動みたいなことが報道されたりいたしますと、これで法律に基づく金融機関の公共性を保持しているのであろうか、これで預金者の保護がきちっと行われているのであろうかということで疑問が残ってくるんですが、これをやはり定例の検査に任しておいていいというふうにお考えでしょうか。このような金融機関については大蔵省は監督官庁として特別検査で厳正な指導を行うべきだと私どもは思うんですが、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(竹下登君) 二、三年周期で行います定例検査、これはあるわけでございますが、こういう問題につきましては、いわゆる個別の問題での論評は差し控えさしていただくとしまして、一般論として申し上げますならば、金融機関が健全経営の確保についての問題がないかどうか、そしていろいろな動きに注意を払っておりまして、今後とも信用秩序の維持、預金者保護の観点から必要に応じて指導監督を行ってまいりたいということが、個別問題は別としての、一般論としてお答えする限界ではなかろうかというふうに考えます。
○久保亘君 何かどうも長期に大臣をやっておられるせいか、ますます難解な答弁になりまして、やはり国民の方にわかりやすくきちっと答えてもらいたい。これだけ問題があると、監督官庁はきちっと検査をして、そして国民の間に信用秩序の混乱を来すようなことがないようにちゃんと指導する、そのためには必要な特別検査もやりますと、こういうことにはどうしてならないんでしょうかね。
○国務大臣(竹下登君) 信用を最も基本といたします金融機関のいわば個別の問題を引用しながらの御質問ということになりますと、やはり一般論としてお答えをするということが限界ではなかろうかな、私はこういうふうに考えます。 したがって、いろいろな動きについては十分注意を払っておりまして、今後とも信用秩序の維持とか預金者の保護とかいう観点から必要に応じて指導監督を行っていきたい、こういう姿勢をお答えすべきではなかろうかというふうに思ったわけであります。
○久保亘君 法務省にお尋ねをいたしますけれども、銀行が、ダミーとしてつくっている関連企業に対して不良債権を多額に抱えていることがわかっていながら、なおここに大口融資を行うということは、これは刑事責任を伴うようなことにならないのかどうかということ。 それから一般論として、銀行の役員が関連企業に融資をしたものを低利でもって逆融資を個人的に受けるということがあった場合には、これは背任罪を構成するものかどうか、この点について伺いたい。
○政府委員(筧榮一君) まず最初の点でございますが、具体的な事実関係が明らかでございませんので、刑事責任があるかないかということを断定的にお答えすることは難しいかと思います。ただ、一般論といたしまして、不良債権を多額に抱えておって、そこに大口融資をしてもその回収が不能になるというような状況下で行われ、さらに商法の背任罪の要件でございます図利加害の目的あるいは任務違背、損害発生あるいは損害発生の認識という要件が備わりますれば、商法上の特別背任罪というものが成立する場合も考えられるということでございます。 二番目の、銀行の役員が銀行から融資をしそれを個人的に低利でまた借り受けるといいますか、融資を受けるという場合、直ちにそれが背任になるかというと、これも事実関係いかんによりますので、今御指摘の点だけでは背任ということは難しいかと思います。やはりその間に入った会社の状況あるいはそういう大口融資をした銀行の役員の認識あるいは地位、その場合の状況というものを勘案いたしまして特別背任罪の成否が検討されるべきものというふうに考えております。
○久保亘君 大蔵大臣もこの平和相互銀行の現状については十分な関心を持って適切な強い指導を行うべきものという考え方を表明されておりますので、その結果を待ってさらに払お尋ねをしたいと思うのでありますが、自治大臣、赤字会社が政治献金を行うことは政治資金規正法二十二条によって禁じられておりますね。
○政府委員(土田栄作君) ちょっと担当政府委員が参っておりませんので、至急調べまして御返事申し上げます。
○久保亘君 こんなのは常識だから、自治大臣はわからぬが、総務庁長官あたりはよく御存じのようで。 それでは、私はお聞きしたいんだけれども、中曽根総理大臣は、山王経済研究会というのはあなたに関する政治資金団体だと思うのですが、間違いございませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私に関係していた政治資金団体にそういうのがあったと記憶しております。
○久保亘君 この山王経済研究会というのは、私が調べましただけても、五十六年、平和相互銀行の関連企業であります旅友開発から四回にわたって百二十万円、それから五十七年は十回にわたって百四十万円、五十八年は同じく十回にわたって百十万円の献金を受けております。ところがこの旅友開発というのは、これは設立以来黒字になったことはありませんで、累積赤字は三十億円を超えております。これは明らかに政治資金規正法に違反する政治献金だと思うのでありますが、自治大臣、このような政治献金は違法ではありませんか。
○国務大臣(古屋亨君) 今のお話の点は、ひとつ至急調べまして、違法であるかないかお返事いたしたいと思います。
○久保亘君 調べなくても、私が言ったことは、これは自治省に届けてあるんだから間違いないんですね。旅友開発というのは、膨大な赤字を抱えて今やはり平和相互銀行の関連企業として平和相互かう融資を受けて、いろいろとゴルフ場や不動産関係の仕事をやっている会社なんですが、この会社から総理大臣にかかわる政治資金団体に政治資金規正法に反する献金が行われるということは、これは総理大臣が一々御存じになっているわけじゃないと思うんですけれども、私は非常に遺憾なことだと思うんです。 また、各年次にわたって、平和相互銀行からのかなり多額の利息がこの経済研究会に収入として報告されております。ほかの銀行ございませんから、山王経済研究会というのは口座は平和相互銀行のみにお持ちのように感じておりますが、総理大臣はそういう意味で平和相互銀行とはかなり深い御関係がおありでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そう深い関係はございません。私、経理の内容はよく存じませんが、そういう後援会の中の会費としてあるいはいただいておるのかもしれません。よく調べてみます。
○久保亘君 これは調査していただいて、自治大臣、もし違法な献金であればしかるべき措置をなさるべきだと考えております。 それから平和相互銀行と深い関係はないということでございましたが、今、平和相互銀行の内紛に絡んで、川崎定徳という会社の社長さんが平和相互の株式の取得その他で非常に御活躍のようでございますが、この社長の佐藤茂さんという方は総理大臣は懇意な方でございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 知っております。
○久保亘君 あなたを総理大臣にする会のメンバーと伺っておりますが、そうでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 別にそういう会があるわけじゃありませんが、そういうしたい人のグループの一人におったと記憶しております。
○久保亘君 それで最後に伺いたいのでございますが、今、総理大臣の政治資金団体等におきましても、平和相互銀行とかなり深い関係がおありだと私は思っております。また、これにかかわっておられる川崎定徳の社長さんも、今申し上げましたような中曽根康弘を総理にする、何か康さんの会とかいう、これ私的な会だと思いますが、それのメンバーのお一人だと伺っております。こういう方々をめぐって平和相互銀行が今社会的に非常に問題となっているわけでございますけれども、このような相互銀行のあり方に対して総理大臣として一言御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 佐藤氏がそういうことで今動いているかどうか私全く知らないことで、今初めて承った次第でございます。いずれにせよ相互銀行が、内紛のためであるかどんなためであるか知りませんが、世間を騒がすようなことがあって信用を落とすようなことがあることは適当でないと、できるだけ速やかにそれらのものが収れんされて、そして預金者や一般の人たちに安心を与えるようにすることが必要であると思っております。
○佐藤昭夫君 今回の法案による国民生活への重大な犠牲、打撃、これを隠すために政府はしきりに、一年限りの措置だとか、自治体には万全の財源措置をしたとか、国民生活には直接の影響はない、こういう言い方をしておりますけれども、これらは全く国民をだますうそであります。具体的な例を通して明らかにしてまいりたいと思いますが、第一に、同僚議員からも少しありました福祉切り捨ての実例としての特別養護老人ホームの問題であります。 まず、現状について聞きますが、現在、全国での寝たきりなど要介護老人の数、そのうち特別養護老人ホームに入っている数、これは幾らか、それらが今後どういうふうにふえる見込みか、厚生省、お答えください。
○政府委員(正木馨君) 要介護老人についてのお尋ねでございますが、寝たきり老人につきましては、厚生行政基礎調査、これは毎年やっておりますが、三年ごとに寝たきり老人の調査を行っております。五十九年の調査によりますと、在宅の寝たきり老人、それから入院されておられる寝たきり老人は約三十六万六千人と言われております。このほかに、特別養護老人ホームに五十九年現在で約十一万二千人の方が入っておられます。 ところで、寝たきり老人につきましては将来の推計というのがなかなか難しいわけでございますが、先生御案内のように、高齢者の割合がピークになるのは西暦二〇二〇年と言われておりますが、現在の寝たきり老人の割合で推計いたしますと、約百十万人くらいにはなるのではないかと言われております。そういった意味合いからも私どもとしては、できるだけ寝たきり老人にならないようにということで、その発生の予防といった面についても力を入れていかなければならない。また、現在特別掩護老人ホームは千五百二十二カ所、定員は先ほど申しましたように約十一万二千と言われておりますが、今後ともそういった要介護老人の実情を踏まえながら整備を図っていかなければならないというふうに思っております。
○佐藤昭夫君 今回、特別養護老人ホームに対しても補助率が引き下げられるわけでありますが、これは六十一年度には必ずもとへ戻す、こういうことですか、厚生大臣。
○国務大臣(増岡博之君) お答えいたします。 社会保障関係の補助金の一律カットにつきましては、今回の措置といたしましては六十年度限りの暫定措置であるわけでありますけれども、六十一年度以降につきましては、従来からいろいろ御論議のありますように、国と地方の役割分担、費用負担の見直しを行いますことを政府部内で検討いたしておるわけでございます。その検討の結果を踏まえまして適切に対処してまいりたいと思います。
○佐藤昭夫君 今の厚生大臣の答弁もまことにあいまいでありますが、きょうも同僚委員がこもごも大蔵大臣にも尋ねておりますが、今中座しておりますけれども、まことにあいまいであります。 総責任者としての総理に確かめたいのでありますけれども、いろいろわかりにくいことを言っておるけれども、財政再建の見通しも厳しく、政府としての本心は一年限りでは済ませたくない、これが本心なんじゃないですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは本年の暫定措置として、法律として明記してお願いしているわけなのでございます。
○佐藤昭夫君 しからば聞きましょう。それならば六十一年度は必ずもとへ戻すというふうに明言をしてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点も、党の最後の調整の段階におきまして三省大臣においてよく検討して将来のことを考える、そういうことに処置してあるのであります。
○佐藤昭夫君 そういう言葉が続いてくるんですから、依然として不安はぬぐえないということであるわけであります。いろいろな言い方でもって、この一年限りだから、暫定だからひとつ我慢をしてもらいたいと、こういう問題として済む問題では決してない。今回のこの特別養護老人ホームの関係でいけば、補助率を十分の八から十分の七へ引き下げるどころの問題ではない。今後国庫の支出を最大限削るために、制度そのものの大改悪の準備を来年に向けて政府は着々と進めているんじゃないか。厚生省は中間施設に関する懇談会なるものを設置して、老人ホーム入居費用のうち生活費などは本人または家族の負担、介護費用は社会保険で賄うと、こういう新方式を鋭意検討しているんですね、大臣。
○国務大臣(増岡博之君) この中間施設のことにつきましては、高齢化社会になりまして疾病構造が変化いたしまして、長期慢性の疾患を有する、しかも生活の介護を必要とする、そういう方々がふえてきまして、したがってその方々のニーズが多様化することに対応するために考えられておるものでございまして、決してほかの要素から手がけておるものではございません。したがいまして、意見をまとめていただきますために学識経験者に集まっていただきまして四月二十四日に懇談会をスタートしたわけでありますから、その具体的な方向、内容、費用の点等まだ全く白紙であるわけでございまして、これから検討する問題でございます。
○佐藤昭夫君 全く白紙だと言うのですが、例えば本年の一月二十四日の社会保障制度審議会の総理に対する建議でありますが、この中で今私が引用したような、そういう新方式に変えていったらどうかということを提起しておる。当然これを土台にして懇談会なるもので今厚生省が検討しておるということでしょう。ですから、夏には中間報告をまとめて、そして年内には大体まとめをする。そして六十一年度からこの新方式を実施するという、こういう考えでおるんじゃないんですか、大臣。
○国務大臣(増岡博之君) 懇談会の日程につきましてはおっしゃるとおりでございますけれども、その中身につきましてはこれから御審議いただくわけでございまして、あらかじめ想定をしてやっておるわけではございません。
○佐藤昭夫君 少なくとも法に基づいて設置をした制度審が建議した内容でありますから、これを重視し、これを土台にしていくというのは当然のことでしょう。にもかかわらず、まだ論議を始めておるところだから白紙で何とも言えぬ。しかし、そういう言い方で事を隠し通す、こういう形はもう通用いたしません。この隠し通せない証拠があるわけです。厚生大臣も総理もよくごらんください。この「りぶる」という御婦人向けの自民党の機関誌、本年の四月号の十四ページですね。その一面を使って、問題の特別養護老人ホーム問題が書いてある。 この中にはっきりと「六十一年度から実施したい」と。そして厚生省は構想を固めたと書いてあるんですよ。そして「次期国会に関連法改正案を提出する方針」だと、もう極めて具体的、明確に書いているじゃないですか。何が一体まだ議論を始めたところで、海のものとも山のものともわからぬ、白紙でございますと、そんな言い方がどうして通用するんですか。自由民主党、大臣の皆さん方の所属をする政党の与党、その機関誌にはっきりこういうふうに書いておるんですから、これでも隠すというんですか。大体このことを知っていますか、こういう機関誌が出ているということ。大臣、総理大臣、それぞれ御承知がます聞きましょう。
○国務大臣(増岡博之君) 機関誌につきましては、その内容につきましては私どもは相談を受けておりませんけれども、いろいろ新聞記事その他に予測的なものが出ておりますから、そのようなことをもとに判断せられたのだと思います。まだその内容を読んでおりませんので論評は差し控えたいと思いますけれども、大方の経緯はそのようなことではなかろうかと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣と同じ答弁です。
○佐藤昭夫君 少なくとも中曽根さんは自由民主党の総裁でありますから、いや相談を受けていません、そういう言い方で通る問題じゃありませんね。この機関誌の内容については党の総裁が責任を持つんでしょう。当然国民はそういうふうに見ますよ。それならば、あなたこれお貸ししましょう。——いいですか。私が今引用したとおりです。問題箇所、こういうふうに赤線を引っ張っておきましたけれども。海のものとも山のものとも決まっていないというんですから、本当にそういうことであれば、この内容については撤回、修正する、文字どおり白紙に戻す、こういうことを総裁の責任で考えますか。どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 予想記事というのは時々書かれるものであります。
○佐藤昭夫君 あなたのところの党の記事です。
○国務大臣(中曽根康弘君) よく調査してみます。
○佐藤昭夫君 そういう言い方で逃げ切ろうとすればするほど、いよいよ怪しいということになるわけです。 そこで総理、言うまでもありませんが、お年寄りは今日の日本社会の発展を築いた功労者、恩人であります。しかるに、国から出すお金を極力減らすために、私が引用いたしましたような形でせっかくの特別養護老人ホームをつぶして、いわばお年寄りに命を切り裂くような思いをさせる、こういうことが一体政治と言える一でありましょうか。この点についての総理の所見はどうでしょう。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほどからお話し申し上げております中間施設は中間施設として考えようとするものでありまして、従来からの特別養護老人ホームにつきましても、この数年間、毎年八千人ずつふえておるわけでございまして、特養老人ホームにつきましても、今後も数をふやしていこう、収客人員をふやしていこうということでございますので、これまでの政策と矛盾するものではないと考えております。
○佐藤昭夫君 特別養護老人ホームを今後ともふやしていくというのは、現に私がもう幾つかの角度から指摘をしておるように、この制度を変えようということで今準備をやっているじゃないですか。総理、私が言いました日本社会発展の功労者のお年寄りへの対処としてこういうむごい措置をとるということが政治かと、どうですか、御意見。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣が今までるる申し述べたとおりであります。
○佐藤昭夫君 それならば、厚生大臣のああいううその答弁を天下の総理大臣も確認をした、こういうことにしておきましょう。とにかく、この問題一つをとっても一年限りの我慢、国民に直接影響はない、こういう言い方は真赤なうそであるということが明瞭になったということを強調しておきたいと思います。 次の問題でありますが、教育に対する影響の問題で聞きます。 まずお尋ねしたいことは、さきに発表されました臨教審の審議経過の概要その二、これは端的に言って、いわゆる教育自由化の問題については少な目に見ても、私勘定してみましたけれども十一ページ、二百五十行にわたって詳細に述べておる。ところが、教育条件整備の問題ではわずか半ページ、十六行、この程度にしか触れないということになっています。教育の充実発展の焦眉の課題として受験地獄解消のための高校増設や私学助生拡充、すし詰め学級やマンモス学校の解消など、切実な国民の要求を全く軽視してこれに背を向けるものであると言わざるを得ないわけでありますが、この教育条件整備の課題について政府としても臨教審と同じような位置づけ、考え方なのかどうか。この臨教審は特に中曽根総理の肝いりで発足をしたのでありますから、この点についてまず総理の御意見を聞きましょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨教審は今各委員が懸命に議論をなされましていろいろな考えを持ち寄っている最中でございますので、その過程における議論についていろいろ論評することは差し控えたいと思います。
○佐藤昭夫君 念のため文部大臣に聞きましょう。私の尋ねているのは、自由化の問題については十一ページ、二百五十行にわたって延々と述べている、しかし教育条件整備の問題についてはわずか半ページ、十六行しか触れていない、こういう臨教審の考え方、これを是とする立場が、どうですか。
○国務大臣(松永光君) 臨教審が先般公表いたしました審議経過の概要その二は、今日までの臨教審における極めて精力的な審議の経過を国民の皆さん方に公表いたしまして、そうしてそれについての国民の御意見をいろいろ聞かしてもらいたい、こういう趣旨で出されたものでありますが、私は、そのことは、教育改革について大変な期待を持っていらっしゃる国民に大きな関心を深めたという意味においては有意義なことであったと思うのでありますが、しかしこれは審議経過の概要でございまして、これからさらに審議を深められて意見のまとまったものが答申という形で出るわけでありますので、私どもとしては国民の期待にこたえる答申がなされることを期待しておるわけであります。 教育条件の整備のことでございますが、先ほど先生が触れられました高等学校の建設等につきましては、先生も既に御承知と思いますが、今日におきましては高等学校進学希望者の九九%以上が実際に進学しておるわけでありまして、ただ人口急増地帯等につきましてはまだ高等学校の建設が必要な面があるわけでありますが、これにつきましては国の補助等もいたしまして鋭意その条件整備を進めているところでありまして、我々の責務においてなすべき教育条件の整備は、今後とも一生懸命その整備のための努力をしてまいるつもりでございます。
○佐藤昭夫君 臨教審の報告を余り弁護されますと、結局あなた方大臣も教育条件整備の課題についてはあんな程度の触れ方でよろしいという軽視の思想のあらわれだ、こういうふうに見ざるを得ないわけです。 今回の補助率のカット、これをめぐって、さっきも言いましたように、政府がしきりに一年限りだというようなことを言っておりますけれども、教育の分野の関係で見ますと、現に昨年学校事務職員や栄養職員の給与費を義務教育費国庫負担法から外そうという動きがあった。このことが示しますように、これも一年限りどころか、もっと広範な教育費についての切り込みが六十一年度に出てくるんじゃないかと予想されるのであります。いやそうじゃない、こうしたことは断じて再燃させない、もう決着済みの問題で検討の対象外だというふうにはっきり約束できるなら約束をしてもらいたい。まず責任者の文部大臣、どうですか。
○国務大臣(松永光君) 六十年度の予算編成の過程で栄養職員、事務職員の給与についての論議がなされたことは私も承知いたしております。何回もこの委員会でお答えいたしておりますように、義務教育費国庫負担制度の根幹をなすものは教職員の給与費等の人件費の国庫負担ということでありますので、その根幹は今後とも守るように最大限の努力をしていく決心でございます。
○佐藤昭夫君 守るべく最大限努力をすると言っても、もうそういうことは金輪際起こり得ませんというふうには言われない。なぜならば、さっきも大蔵大臣は、経過は承知しているけれどもいかなる聖域もつくらない、こういう言い方を依然としてされておる。したがって、その同じ御答弁をまたここで繰り返して聞いても始まりませんから、こうなると総責任者の総理大臣に聞きます。 大臣のニュアンスが違うんです、文部大臣と大蔵大臣。総責任者総理の見解は、教職員人件彼をカットの対象にするという論議は、もうこれは二度と浮上しないというふうに約束できますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 所管大臣たる文部大臣の考えのとおりに思っております。
○佐藤昭夫君 その文部大臣の答えがあいまいなんであります。最大限努力をすると言うんですけれども、そういうことはもう二度と表には出させません、こういうふうには言わないんですから総理大臣に聞いているんです。どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど申し上げたとおりで、所管大臣を信用しております。
○佐藤昭夫君 それなら私は、あなたがそう言われてもその中身については信用できないというふうにお返しをしておかざるを得ない。 もう一つの問題です。今回の法案によって、小中学校の教材費が国庫負担対象から恒久的に外されることになったのに伴って、政府は、衆議院での審議の中で例の昭和五十三年からの第二次教材整備十カ年計画はしたがって文部省の責任は外れる、棚上げになる、こういうことを述べているわけでありますけれども、今後は地方自治体の自主性に任す。でありますから、都合によっては教材整備が後退するところが出てもしょうがない、こういうのが文部省の見解ですか。
○国務大臣(松永光君) 教材の整備がおくれても構わないなどという気持ちは全くございません。国庫負担の対象から外れまして一般財源化いたしましたから、今まであった整備十カ年計画は形式的にはなくなるけれども、教材の整備は大事でありますから、今後とも都道府県教育委員会を通じて市町村関係部局に対する指導助言を適切にやってまいりまして、教材の整備を今後とも進めてまいる所存でございます。
○佐藤昭夫君 適切に指導を徹底して、そういうおそれが出ないようにやっていくのだ、こう言っても、そういう自治体があらわれないような、それを保証する法的な措置、財政的な措置、この担保がないじゃないですか。しかも、現に今までももう二十年近く教材整備長期計画をやられてきたわけですけれども、話に出ていますように、その整備率は今に至るも四八%。そして国がこういうふうにお金を出して、それに基づいて市町村や学校がどういうふうに教材の整備をされてきておるかという整備状況、これを逐年掌握するということを文部省はやってきでいない。今までさえそうなんですから、今後もっとひどいことが起こるだろうという心配を持つのは当然じゃありませんか。私は幾つかの問題を挙げました。しかし、本当に教育費の問題を通してみても、一年限りの措附だ、あるいは万全の措置をしているとか、国民に直接の影響をもたらすことはない、こういう言い方でこの法案を押し通そうというようなことは許されるものじゃないということを改めて強調しておきたいと思うんです。 そこで、次の問題ですが、去年の八月、国立教育研究所は四部から成る大部の報告書、「校内暴力事例の総合的研究」というものを発表しました。そこでは問題校の共通原因として、大規模校に校内暴力が多発している。生徒数一千人以上、教職員が四十五人から五十人以上のところではどうしても教員間、生徒間の意思統一を欠く。したがってマンモス校の解消は急務だということを強調しておるわけであります。しかし、こうしたマンモス校の解消は遅々として進んでいません。ようやく近年、文部省もマンモス校解消の方針を打ち出して一定の財政措置を始めていますけれども、一体マンモス校解消はどれくらい進んでいますか。
○政府委員(阿部充夫君) いわゆるマンモス校をどの程度のものとしてとらえるかということが前提にあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、各地方の実態等から見まして、三十一学級以上の学校を対象として種々検討等も行ってきておるわけでございます。 先生御案内のように、毎年文部省といたしましては国庫補助、用地費の補助あるいは建築費の補助ということをいたしまして、三百校程度の学校が新設されてきておるわけでございますけれども、他方、小学校、中学校が急増期にかかっていたというような事情もございますので、学校をふやすけれどもまた子供がふえるというようなイタチごっこのような感じがあったわけでございます。最近に至りましてそのピーク時を小学校は通過いたしまして、中学校もややそれを通過せんという時期に来ておるわけでございます。そういったようなことから、例えば五十八年度と五十九年度を比較いたしますと、五十八年度二千百三十校であったものが、約三百校減りまして千八百三十八校というようなところまで来ておるというようなところが現状でございます。
○佐藤昭夫君 今もちょっとありましたように、文部省の調査で、昭和五十九年五月段階、三十一学級以上のマンモス校が千八百三十八、文部省は五十九年、六十年で五十校解消する、こういう方針を立てて取り組んできたのですけれども、結果としては、この措置に乗って解消したのは二校、こういう姿でありますから、マンモス校解消の措置というのは全く大海の一滴であります。これさえも今回の学校建設補助金のカットによって一層おくれるのではないか、こういう心配が生まれている。この際、文部省としてマンモス校解消のための抜本的方策を確立する。さっき紹介をいたしました国立教育研究所の報告は、文部省の設置している研究所の権威のある、とにかく四部作の膨大な実例研究報告で、その中に、生徒数一千名以上、これは四十人学級で割り算すれば二十五学級以上ということになろうと思いますが、そういうマンモス校の解消方針を訴えているのでありますから、ぜひこの方向に沿って、文部省として必要な財政措置を確立することを含めてこの問題に対する取り組みを一段と前進させてもらう必要があるというふうに思いますが、文部大臣どうでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 先ほど局長が答えましたように、マンモス校の解消については文部省としては鋭意取り組んでおるわけでありますが、マンモス校が存在するところはほとんどが大都市でありまして、そして地価の高いところでありますから、一番の問題は実は用地取得難、これが一番の大きなマンモス校解消の障害であったわけでありますので、五十九年度から、マンモス校の解消のための学校の分離につきまして、その用地を取得する場合には、児童生徒急増用地取得費補助という制度が前からあるわけでありますから、その制度をマンモス校解消のための用地取得についても一定の条件のもとに適用するという措置をして、マンモス校解消に取り組んでおるところでございます。 なお、文部省の一応の標準としては二十四ないし二十五学級を標準としておりますので、三十学級以下であっても、分離、新設する場合には優先的に国庫補助をつけ、標準的な学校になるような措置もいたしておるところでありまして、今後ともこの問題には鋭意取り組んでまいる所存でございます。
○佐藤昭夫君 マンモス校問題の悩みは養護学校の場合特別に深刻であります。昭和五十四年に養護学校義務化が実施されて以降、養護学校のマンモス化、そのもとでの教育指導上の大きな困難について文部省は実態を調査しているでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 突然のお尋ねで、担当政府委員がおりませんのであるいは正確を欠くかもしれませんけれども、できるだけ状況の把握等には努めておりますが、形式的にと申しますか、文書等で調査をするとかいうようなことはいたしておらないようでございます。
○佐藤昭夫君 私は最近、私の地元の京都の養護学校の実情をいろいろと調べてみました。何しろ児童生徒数で百五十人以上、教職員数で五十人以上、これは先ほどの国立教育研究所の研究報告で、教職員五十人以上のところはなかなか難しいということも言っておる。その関係でありますが、そういう学校が京都では分校を含めて十四校のうち六つあります。全国的にも五百ほどのうち百五十ぐらいが百五十人以上の児童生徒数というところじゃないでしょうか。そこで、スクールバスが満杯で、乗りおりに時間がかかって通学時間に余計な時間を食われ、本来の授業がどうしても欠けがちになる、教室の過密をさばくために図書室や特別教室をつぶさざるを得ない。障害児にとって体育は欠かせないのですが、過密のために体育館の割り振りがまことにうまくいかない、子供がひしめいて廊下でのけがが多い、こういう実情をいろいろつぶさに聞きました。 京都は障害児教育の割合進んだ県でありますが、多くの県では教職員の定数減趨勢のもとで、大規模校になるほど教員一人あたりの児童生徒数がふえておる、教育上の困難が倍加するということになっています。ところが、養護学校については適正規模を示す基準が今日に至るも全くないという状況でありますので、この際私は提言をしたいわけであります。養護学校について正常な運営、行き届いた教育指導ができるよう学校の適正規模基準を早急に文部省として検討してもらいたいというふうに思うのですが、どうでしょう。
○政府委員(阿部充夫君) お話にもございましたように、養護学校につきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたような十二学級ないし十八あるいは二十四というように、普通の小中学校について設けておるような適正規模の基準と申しますか、標準というものをつくっておらないわけでございます。これは先生も御案内のように、養護学校につきましては児童生徒の障害の種類も非常にさまざまでございますし、またその程度もそれぞれ非常に多種多様であるというようなこともございます。また、それぞれの地域の実態等もいろいろ違いがあるだろうと思うわけでございますので、そういった点からはむしろそれぞれの地域の設置者がみずから適切な規模を判断して措置するのが適当であろう。全国一律の標準をつくってそれを縛るというような方式が適当かどうかというような点もございまして、現在までのところ、そういうものをつくっておらないわけでございます。御指摘もございましたので、今後なお一つの課題として念頭に置いておきたいとは思いますけれども、そういう事情でつくっていないということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○佐藤昭夫君 とにかく、こうして地方自治体に対する補助金もカットされる、ますます自治体の財政は苦しくなる、しかし養護学校義務化で入ってくる子供の数もふえるということで、とにかく学校をふやすわけにはいかぬということで、どんどんどんどん養護学校がマンモス化いたしますと大変な教育上の困難が生まれる。こういうことで、念頭に置いてという程度じゃなく、本当にひとつ真剣に、文部省としてこの養護学校の適正規模基準を定めるという問題を検討に上せてもらいたいということを特に文部大臣に要望しておきたいと思います。いずれにしましても、今回の法案によりますと、養護学校建設の補助金までカットされるということでありますから、こうなりますとマンモス校解消という焦眉の課題にますます逆行する、こういう点からいっても、ぜひこの法案は撤回されるべきだということを改めて強調しておきたいと思うのであります。 ところで、福祉教育など、国民生活分野には耐えがたい犠牲を押しつけながら、片や軍備拡張、大企業奉仕の政治がますます強まっているというこの中曽根政治については断じて承服できないわけでありますが、そういう角度からもう少し幾つかお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一、いわゆる軍事費のGNP一%枠の問題で質問をいたします。 まず総理、先日の当委員会で我が党の橋本議員の質問に対してあなたは一%枠を守る、こういうふうに答弁をされていますが、この考えは変わりませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 守りたいと思います。
○佐藤昭夫君 その後の新聞やテレビの報道によりますと、五九中業の策定が近づいてくる、そのこととかかわって、五九中業期間中の軍事費総額が十九兆円にもなり、一%枠突破は必至だと、こういうもっぱらの報道であります。 そこで、今も再確認をいたしました一%枠を守りたいという答弁に照らして、あなたは五九中業期間中もGNP一%枠を守るべく努力する、こういうことですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 私たち政府としましては、ただいま総理大臣が申し上げましたとおり、一%の閣議決定は守りたいと思っております。 五九中業と将来の期間内のGNP一%との関係でございますが、五九中業につきましては現在作業中でございますので、その総額がどの程度のものになるのか明確に申し上げられる段階ではございません。
○佐藤昭夫君 防衛庁長官は何を勇んでか、私が答弁も求めていないのに早々と答弁に立たれたのでありますが、今五九中業については作業中だと、同時に閣議決定については守っていきたい、こういうことを言われた。ここではそういうことを言われても、よその場所では違ったことを言っているという重大なことが今起こっているのじゃないですか。 先日の七日の日本工業倶楽部での講演において、あなたはその講演の中で、一%枠の中で五九中業をつくり上げることは容易じゃないと強調して、一%枠遵守の閣議決定には関係なく中業の作業をしている、こういうふうに話をしたと伝えられていると思うのですか、事実とすればこれは重大発言、撤回をしてもらわぬといかぬ。どうでしょう。
○国務大臣(加藤紘一君) ただいま申しましたように、五九中業につきましては作業中でございますので、明確な数字を申し上げられる段階ではございません。個々の装備をどうするか、そういうものの議論をやっている段階でございますので、明確に申し上げられないという前提でございますけれども、では、あなたの作業を見ている印象はどうかというふうに問われますと、いろいろな状況から見て、個々の議論から見て、私の直観的な感じではGNP一%の中でこの五九中業をまとめ切るのは容易なことではないなと、ただ、それを本当に明確な形で、どういう数字になるのか、何兆円になるのか、何%になるのかといったら、なかなか今申し上げられる段階ではないということでございます。 工業倶楽部における講演は、委員御指摘のとおり、まさに今御指摘のような発言をいたしました。
○佐藤昭夫君 いや重大になってきたんですよ。前段で言われました印象として、まだ数字まで詰められるという局面じゃないけれども、防衛庁長官の印象として、一%枠の中で五九中業をつくり上げるということは難しい、こういう印象を述べた。それはそれとしておきましょう、そのことについて私は意見はありますが、それとしておきましょう。しかし、トータルにおいて私の指摘のそういう話をしたとおりでありますと。私がもう一つ言ったのは、一%枠厳守の閣議決定には関係なく中業の作業をしていますというふうに加藤さんは講演で言った。こうなると、つい今も私が確認を求めたらあなたは、閣議決定は守ってまいります、こう言ったんだから、守ってまいりますということと関係なく作業をやりますということ、これは明らかな矛盾、食い違い、責任をとってもらいたい、こういうことにならざるを得ないですね。もう一遍答弁してください。
○国務大臣(加藤紘一君) たびたび衆議院、参議院で申し上げているところでございますけれども、中期業務計画というものの性格についての御判断の差があるのではないかと思っております。中期業務計画というものは防衛庁の内部資料であって、そして概算要求をする際の基準となる資料であって、そして五年間にわたるものであって単年度のものではない、そういうような性格のものであります。五十一年度の三木内閣におきます閣議決定というものは、政府が決定いたしました予算案の段階におけるGNP比ということになるのではないかと思います。現実に五九中業の一つ前の計画の五六中業を見ていただきますとこれまたひとつ明確なのでございますけれども、五六中業の段階でも上限と下限がありまして、上限というとこの程度の金額かな、下限だとこの程度になるのかなとこう言われておったわけですが、その上限の数字におきましてはGNP一%の見通しを超えておったわけでございます。しかし実際は、予算が策定された段階ではGNP一%の天井との間にはかなりの差があったということがその後の客観的事実でございます。
○佐藤昭夫君 GNP一%枠という閣議決定方針、これは当然大臣としての遵守業務があると、守りますというふうにきょうもそのこと自体の問いに対してはそう答える。ところが、中業の作業についてはその枠に拘束されることなく、あなたの講演では関係なくいろいろ作業をやっておるというこの言い方は、遵守義務をもうみずから突き崩すような発言だとして、私は許されないことだというふうに思うのでありますが、そこを合理化する理屈として、あなたは中業というのは防衛庁の内部資料作成だからこれは閣議決定方針といわば関係ないんだというような理屈を言われるわけですね。 それならば総理に、結局総責任者に聞きましょう。あなたは今のあの加藤大臣の論法と同じ考え方ですか。中業の作業というのは閣議決定方針と関係なくいろいろやったらいいんだ、こういう考え方ですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中業は、専門家が集まって正面装備をどうするとかいろいろそういう専門的な分野でおのおの局部的に議論し合って、それが最終的に積み上がってくるものが中業でしょう、多分。今その局部的ないろいろな議論の最中であって、最終的な積み上がりという段階には来ていないことは明らかだろうと私は思います。そういう意味において今測定する、判定するということは難しい。しかし、今政府といたしましては守りたいと申し上げておるのでありまして、これは正式の予算決定を行う、毎年度毎年度の予算決定についてあの一%というのは言っておるわけであります。そういう意味におきましては私は守りたい、そういうことを申し上げておるのであります。
○佐藤昭夫君 政府としては中業についても一%枠のあの方針、閣議決定方針を守っていきたい、しかし中途経過の中業の作業、これはいろいろあるでしょう、こういう言い方かと思うんですが、念のために聞きます。中業を積み上げるんだと、いよいよ中業策定の結論を出す、このときには一%枠のこの方針を遵守するという立場で積み上げをやるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中業は私がやっているんじゃないので、今防衛庁の専門家がやっているので、それがだんだん上へ上がってきて内局であるとかいろいろな面で北上がっていく、まだ局部的な段階で作業中でしょうと、そういう意味で申し上げておるんです。私が申し上げているのは、政府は三木内閣のあの閣議決定の方針を守りたいと申しておるので、そのことを申し上げておる次第なのであります。中業の作業とは別の話として申し上げておるのであります。
○佐藤昭夫君 中業の作業は防衛庁のやることで、総理大臣のやる仕事じゃないということで責任の回避をされようとするわけですけれども、聞きましょう。 昭和五十六年十一月二十七日の参議院の行革特別委員会、この特別委員会で——当時は五六中業でした。五六中業見積もり作業をめぐって我が党の山中都手議員がいろいろ質問したのに対して、当時の大村防衛庁長官の答弁は、来春をめどに作業進行中の問題であり、一%枠におさまるかどうかは打かりません、こういう言い方をして紛糾しました。結局、総責任者、当時め鈴木総理大臣は、五十一年の閣議決定であるGNP一%以内という方針をもとに防衛計画大綱の水準を達成しようという方針は堅持する、こういうふうに答弁をされたわけであります。 中曽根総理に伺いますが、この鈴木総理答弁にあらわれておる考え方を踏襲するのか、それとも変えるのか、どっちでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まだ作業中であって、局部的な段階で専門家がやっている最中でありますし、また経済、GNPがどういうふうに動くか、あるいは給与の問題、ベースアップの問題がどういうふうに動くか、そういう諸般の条件が不安定でございますから、今ここで即断して申し上げる段階にはないと思います。
○佐藤昭夫君 五九中業はまだ作業中の段階であるのでしかとは言えない、しかし、私が今引用いたしました昭和五十六年十一見の行革特別委員会、この時期は五六中業が翌年なんですよ、決まるのは。まさに作業中のそのときに論議があって、当時の鈴木総理大臣が、さっき私が紹介をしたような五六甲業についても一%枠方針、これは堅持するというふうに答弁をした。同じ作業中なんですよ。今この時期になぜ言えないんですか、総理。総理、いやもう私ちょっと持ち時間ないので、総理。
○国務大臣(加藤紘一君) 僭越でございますが、答弁さしていただきたいと思います。 そのとき申しましたように、閣議決定を守りたいということは私たちも今総理大臣以下申し上げているとおりであります。そして、もう一つそこに、鈴木内閣のときのその議事録はちょっと私の手元にございませんが、委員の御指摘のとおり、防衛計画大綱の水準を達成したいということが鈴木総理のお言葉の中にあったとすれば、まさにその点も私たち今達成したいと考えております。その達成したいという基準で五九中業の正面装備だけをいろいろ見てみますと、作業の状況では一%の中におさまるのは難しいかなという感じがいたすということでありますが、いずれにいたしましても、中期業務計画というのは防衛関係費の中の二六%しか占めません正面装備についてのみ正確に作業するのでございます。ほかの部分の、残りの七四%につきましては、過去の傾向を見て概算でやるものでございます。したがいまして、そういう意味で、私たちはこれは防衛庁限りの予算要求の資料の一つであると、そういった意味での性格をよく御理解いただければと志う次第でございます。
○佐藤昭夫君 またぞろ予算要求の資料の一つだという論を出されるわけでありますけれども、そうなればなるほどいよいよ例えば六十一年予算に向けてどういう動きになるかという心配が出てくる。 それで総理は、作業中だからしかとは今言えないというそういうあいまいな答弁で逃げ切ろうとなさるのは、結局、五九中業決定の時期はこの同会が終わっての夏ですね。そうなると、国会が閉会中だというのをいいことにして、必ずや一%枠を突破する、これがあなたの腹の内じゃないかというふうに私は思わざるを得ないのです。そういう意味で、今はしかと言えないというそういうひきょうな答弁で逃げようというのじゃなくて、もう一遍しかとここで答えていただきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御想像は自由でありますが、私は守りたいと申し上げておるのであります。
○佐藤昭夫君 これで終わります。
○委員長(桧垣徳太郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 明後十三日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十四分散会 —————・—————