補助金等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 340 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1985/04/22
会議録
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 本案の質疑に入るに当たり、私から一言申し上げます。 理事会において、本法案の審査の終了までの間、補助金等の執行を抑制したままにすることは問題であるとの指摘があり、委員長としても、事業全体が実施できないことによる影響を無視できないことにかんがみ、政府において特段の配慮が必要と考え、善処を求めてまいりました。 この際、大蔵大臣の所見を承りたいと思います。大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) 公共事業予算につきましては、事業配分にかかわる問題ですので、全般的にその執行を差し控えているところでありますが、事業全体が実施できないことによる影響も無視できない事態となっていますことから、種々困難な問題はありますが、現在、引き下げ対象外の事業を振り分けて執行に入るべく努力しておるところであります。引き下げ対象の事業につきましても、積雪寒冷地域等につきましては、本法案成立後、直ちに交付決定、発注ができるよう設計協議等の準備行為を進めるなど、ぎりぎりの工夫をしてまいりたいと存じます。
○委員長(桧垣徳太郎君) 本案の趣旨説明は前回の委員会において既に聴取しておりますので、これより直すに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤桐操君 私は去る本会議におきましても代表質問において取り上げてまいりましたが、法案が国会で審議中であることを理由に、四月初めに国が支払うべき生活保護費を支払わなかったり、あるいはまた公共事業費の執行も箇所づけ等をストップさせたり、地方に大変な迷惑をかけている事実がございます。少なくとも、このように法案を人質にとるようなやり方での法案審議というものはあってならないことだと思うんです。許されないことであると思いますが、この点についてまず私はお伺いしたいと思うのであります。 今、大蔵大臣から所信の表明と申しますか、見解の表明がございましたが、残念ながらこれでは私は理解することができません。再度御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 予算は成立しておりますものの、それと表裏一体をなします補助金整理特例法につきましては、いわば風会において鋭意御審議を今お願いしておるところでございます。政府としては国会の御判断の結果を待たずに交付決定を行うことは差し控えるべきものであると考えております。 なお、そういう場合、いろいろな議論がございます。内払いとして交付すべきではないかと。それで、内払いとは前金払いのことでございますし、これは資金交付の一態様でありまして、その前提には支出負担行為としての交付決定が必要でございます。交付決定、これはつまり支出の根拠となる原因行為でございますから、これなしに前金払いを行うことは困難でございます。 したがって、重ねて申しますようでございますが、予算は成立しておりますものの、それと表裏一体をなす補助金整理特例法につきましては、今まさに国会で鋭意御審議を願っておると。私どもの立場からすれば、それが可能な限り早く御結論をいただくことを期待しておる段階でございます。したがって、国会の意思決定前にこの法案の成立を前提として交付決定を行うということは、行政府としてはやはり差し控えるべき課題であろうというふうに考えております。
○赤桐操君 その御答弁は納得できません。たとえ改正法案を国会に提出して審議中であるといたしましても、これはまだ案でございます。そして国会を通過しなければこれは法律にはならない。憲法の七十三条に明確でございますが、少なくとも政府の態度というものは法律を誠実に執行しなきゃならぬ、こういう規定に反していると思うのであります。 そして、法案に忠実でありたい、法案をぜひひとつ上げてもらいたい、こういう願望についてはわからないことはないのでありますが、少なくとも現行法というものが存在する以上はこの現行法があくまでも基準であるわけでありまして、成立するまでは現行法が存在するわけでありますし、個人であろうとも政府であろうとも現行法に従って処理していかなければならない。個人は現行法に抑制をされる、政府は抑制されない、政府は何をやってもよい、こういうことには私はならないと思うのであります。この点ひとつ、もし拘束されないというならば、その根拠を示してもらいたいと思うのであります。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる国会の御判断を待って執行に入るのが行政府のとるべき道だと、こう申したわけであります。六十年度予算におきましては高率補助率の一律引き下げ等が織り込まれておりますので、仮に現行補助率で交付決定をいたしますと、これまさに予算との不一致を招くことになります。したがって、これは適当でないというふうに考えておるわけであります。まさに六十年度予算と表裏一体のものとして、ぜひその実現をお願いしなければならないという立場をとっておるわけでございます。責任ある財政運営を行うという見地から申しましても、引き下げ前の補助率で執行に入ることは差し控えざるを得ないということが考え方の基本でございます。したがって、この根拠法につきましては、概算払い、前金払い、部分払い等の問題があるわけでございますが、この点につきましては正確を期するために事務当局よりお答えをさせることにいたします。
○政府委員(平澤貞昭君) 今大臣からお話がございましたように、前金払い、概算払い、あるいは部分払いというような払い方があるわけでございますが、いずれの場合にもそういう支出を行うためには交付決定が前提でございます。したがいまして、この場合の御議論といたしましては、やはり交付決定をするのが適当かどうかという御議論がまずあるわけでございます。その上でそういう仕組みを使ってどう払っていくかという議論になろうかと考えるわけでございます。
○赤桐操君 今の御説明では説明になっていないと思います。大蔵大臣の先ほどの所信、見解の表明の中では、公共事業費の予算の執行について全般的に差し控えている、こう言っておるのでありますが、この法案に関係のない公共事業費まで実はとめられているわけですね。それで国会審議に圧力をかけてきている。具体的には新聞などにも田でおりますし、私どもの方へもそれぞれの地方公共団体からもいろいろと電話がかかってきたり、申し入れが来ておる、こういう状況であります。 そこで、この間の理事懇あるいは理事会等でも各党からのいろいろ厳しい指摘がありまして、ようやく対象分と対象外の分との振り分けに入っておる、こういう話になってきておるわけでありますが、この振り分け執行などというのは、これは率直に申し上げて、四月五日に予算が参議院において成立しておるわけでありまするから、当然これは直ちに作業が開始されてよろしいはずであります。こんなことはもう当たり前の話であります。 そこで私は、各省別に引き下げ対象外の公共事業、これについてどんなぐあいに現実に執行の努力が行われているのか、その状況。それから引き下げ対象公共事業については、いろいろと設計協議等の準備行為を進め、ぎりぎりの工夫をしておる、こう言っておりまするから、具体的に府県別にその設計協議の進行状況を毎週初めに提出してもらいたい、こういうふうに思うのであります。全委員にひとつ報告をしてもらいたいと思うのですが、この点は約束していただけますか。
○政府委員(平澤貞昭君) この問題は、委員が今おっしゃいましたように、各省執行官庁の問題でございます。したがいまして、先ほど大臣が最初に御答弁申し上げましたように、その仕分け等につきましては我々としては今精力的に取り組んでおります。しかし、個々の公共事業ごとにその態様は極めて複雑でございます。したがいまして、それを細かく御答弁あるいは御報告申し上げるのは、事務当局の考えで申し上げますればかなりいろいろ問題があり、困難な点もあろうかと考えるわけでございます。
○赤桐操君 事務的に困難があるかどうかわかりませんけれども、大体この対象外のものまで抑え込んできておって、それでこれが上がらなければ地方の方へ交付することができないから早く上げてくれ、こういう言い方でもって辿ってきているんでしょう。こんなあなた思い上がったやり方はないですよ、大体が。最近の大蔵省の態度はすべてそうじゃないですか。そういう物のやり方で我々に迫ってこられても我々の方も審議できない。だから私が今申し上げておるとおり、少なくともそういうことであるならば、これから我々の方でもきちんとした物の判断をしながら、見詰めながらやっていかなきゃならぬということになりますので、対象外のものと対象のものとを区分けして、それについての努力状況について説明してもらいたいと、これは当たり前じゃないですか。それが出てこなければ私どもの判断はできないでしょう。大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 正確に日ごとに一週間ごとにとかということは私も事務的にあるいは難しい問題もあろうかと思いますが、それぞれの執行官庁でぎりぎりの努力をした現状報告、これは私は院に対しての要求にこたえるべきである、最大限の努力をこの点はいたそうと思っております。 そこで、私どもの立場をこの際申し上げますならば、大蔵省が町村長さんに手を回して、先生方に早く上げてください、そうでないと困りますというような愚かなことはすべきでないと思っております。厳密に言えば、それは町村長さん等にも請願陳情権はあろうかと思いますけれども、それをこの国権の最高機関の意思決定を行政府の意思において手を回してやらすと、に対して促進を図るような教唆扇動を行うというようなことだけは、これは差し控えるように私も絶えず厳にみずからを含め、心に言い聞かしておるところであります。
○赤桐操君 それでは、その約束をひとつ実行していただきたいと思います。 次に、大蔵大臣の発言の中には、残念ながら非公共の補助率引き下げについては一言半句も入ってないんですよ。非公共の補助率引き下げの経費についてのくだりは何も入っておらない。これは一体どういうことなんですか。私は納得できません。生活保護費等の支払いで末端市町村が非常に困っておると、きょうの新聞にも出ていますね、これ。当然こちらの方が本来なれば公共事業よりも優先して扱われるべきものだと思うんですね。ところが、このような一言半句の回答も出ておらない。大蔵大臣の今の発言の中で、国会の私どもの理事会や理事懇で十七日にこの委員会が発足して以来真剣に実は委員長を先頭に申し入れてきた考え方というものに対してどのような判断を持っているんだろうか、本当にこたえようという判断があるのかどうなのか、こういうことについて大変私どもとしては疑うものであります。 理事会でもいろいろ突っ込んでお伺いいたしましたが、与党の理事の御説明によりますば、非公共の補助率引き下げの対象経費の執行については差し控える、しかし、非公共の補助金は全体で十一兆五千億円に上っておると、そのうち高率補助引き下げの対象分が二兆一千億円、九兆四千億円が別になっておるのでこれは執行できます、こういう説明でございました。九兆円のこれが執行されるのは当たり前の話でありますが、問題は、そういう九兆円の金が回っていったときに一体この抑え込まれている二兆一千億の方へ流用することができるのかどうなのか。これはできないんでしょう。そんなことを大蔵省がオーケーを出すわけないでしょう。それができないということになれば、地方自治体は金の融通に大変困るんですよ。したがって、まさに二兆一千億という金をぴしっと抑えてしまってこれは動かさない、こういうことになるんですから、これは人質にとられたということになるんですね。この点とういうことですか。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘にもありましたように、非公共の部分につきましても、これは政府としては国会の御判断の結果を待たずに交付決定を行うことは差し控えて今日来ておるわけでありますが、非公共予算につきまして全面的にストップされておるわけではもとよりございません。御指摘になりましたとおり、今回の引き下げに関係しないものは本法案の審議とは関係なく執行し得ることとなっておることはもとよりのことでございます。補助率引き下げ対象のうち、従来四月中に執行しておりましたが今回差し控えておりますものの主なものとしては、今赤桐さん御指摘になりました生活保護費補助金などがございます。これらにつきましては、地方公共団体が立てかえて現実に当該事務を遂行しておりますので、国民生活に直接の支障が及ぶようなことはないというふうに考えております。 この場合、地方公共団体の資金繰りの問題が当然ございます。この点につきましては、政府としても厳しい国の資金事情のもとで地方交付税の早期交付に努めておるところでありまして、あるいはここのところは私からの答えが必ずしも適切でないかもしれません。自治大臣からのお答えが適切かとも思いますが、対前年度比一二・五%増、二兆二千億を四月分として交付しておるという状態でございます。このことは御理解をいただきたいと思います。 また、資金繰りのために必要があれば資金運用部資金によりますところの地方公共団体に対する短期貸し付けの制度、これを生かしまして、政府資金の貸し付けによって政府としても十分これに対応していかなければならぬと思っております。先般自治省でもいわば通達等をお出しいただいたというふうに私も承っておるところでございます。したがって、要は資金繰りに支障を来さないようにということは非常に大事なことであるという私も問題意識を持っております。
○赤桐操君 仮にそういう処置をとられたとしても、問題は各それぞれの市町村団体で資金不足が発生したときには、これはやはり借りなきゃならぬでしょう。借りなきゃならない。そのときは何か財務局の方に申し出ればあっせんをする、こういう指示も出しているようでありまするけれども、借りた金は返さなきゃならないし、しかもその金には利子がつくわけですよ。生活保護費の関係が大体四百二億円、これは四月の初めに払われている。それから医療関係の補助費がありますね、生活保護医療関係の補助費、これが四百七十六億円、両方で八百七十八億円で約九百億近いものが事実上あるわけですね。これが政府から出ていないからどうしてもやりくりしなきゃならない。この利子計算をやりますと、国債利子の利子相当で計算しても四億九千万円、約五億近いものがある。それから一般市中銀行並みの金利で計算しますと、五億六千万から七千万近いものになってぐる。いずれにしても五億円前後のものは利子として出てしまうのですね。こういう勘定になってくるのでありますが、この五億円前後になる利子の面倒はどこが見るのでしょう。地方自治体負担になるのですか。
○国務大臣(竹下登君) これは私の方からお答えすることが必ずしも適切でなかろうかとも思いますが、御案内のように年初でございますから、どこでも税収がまだ入らないわけであります。国が一二・五%増の交付税の四月分を支払うということになりますと、私どももこの議決いただいております範囲内において、いわば蔵券等を利用いたしまして金利はこちらで負担をして交付するということになるわけであります。各地方自治体におかれても、議会においてその年度間のいわば短期借入限度額は議決なさっておる。その範囲内で議決なさるというのは、年初来はどこの地方自治体にもあるいはあり得ることであるかもしれません。したがって、それは個々の自治体のケースでございませんと、私どもはどちらかと言えばマクロな地方財政計画の中だけで物を見がちでございますけれども、それらの個々の市町村の問題につきましては、それぞれ私どもは詳しくお答えする範囲の外におるわけでございますけれども、やはり国と地方との車の両輪論の中で、いわば早期交付でございますとかあるいは借入限度内におきますところの資金運用部資金の手当てでございますか、そういうことを要請に応じて一生懸命行っていくというのが私は財政当局の立場ではなかろうかというふうに考えるわけであります。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、借りた金には利子がつくわけでありますから、これはやはりどこかで面倒を見なきゃならない。そうすると、これは国が必ずしも面倒を見るということにはならないのですか、大臣。
○国務大臣(竹下登君) 個々の問題になりますと私がお答えする範囲外になろうかと思いますが、マクロの中では私は地方財政計画全体の中で消化され得る問題ではなかろうかというふうに考えます。
○赤桐操君 資金の手当てが仮にできたと仮定しますと、当然これは生活扶助を受けている、そういう保護を受けている方々に対しては自治体が支払ってまいります。その場合、国から後払いで金を受け取るようになりますね。この受け取る金額についての問題になりますが、現行の補助率で計算されるのか、それとも補助率引き下げ後で計算されるのか、どちらになるのですか、この場合は。
○政府委員(平澤貞昭君) 今御審議願っております法案が成立いたしました後にお支払いするときは、生活保護につきましては十分の七の補助負担率でお払いするということになるわけでございます。
○赤桐操君 そうすると、重ねて伺いますが、公布の日以前の分についてはどうなりますか。
○政府委員(平澤貞昭君) 公布いたしましたときに初めて予算を執行するわけでございますので、そのときから十分の七ということになるわけでございます。
○赤桐操君 そうすると、その前は十分の八なのですか。もう一遍御答弁ください。
○政府委員(平澤貞昭君) したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、十分の七で法律成立後支払われるわけでございます。その支払われものは四月分の生活保護も含めて払われるわけでございます。
○赤桐操君 十分の七で。
○政府委員(平澤貞昭君) 十分の七でございます。
○赤桐操君 そうしますと、この法案については衆議院から回ってきているわけでありますが、四月一日から支払うということに原案ではなっておったようでありますが、これは改められて修正されているわけであります。そうして政府の考え方が今の御答弁のような形になりまするというと、国会の修正を無視して行政府、大蔵省がやることになりますね。いかがですか、この点は。
○政府委員(平澤貞昭君) 現在御審議願っております法案の附則の部分に、六十年度予算から執行するというふうになっております。したがいまして、それに基づく補助率で執行するということになるわけでございます。
○赤桐操君 ちょっとおかしいんじゃありませんか。予算執行に関連するこの法律が「公布の日から」というふうに決まって「四月一日」は訂正されているということになるんですから、四月からは入らないでしょう。これがもし仮に五月から六月になって臨時国会が開かれてそこで決定されるということになったときはどうなりますか。あくまでも四月分から十分の七になるんですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 先般衆議院で法案が成立いたしました際の修正案がございます。その附則の改正規定がございますが、その一項には「この法律は、公布の日から施行する。」ということになっておりますが、その後の修正案の中に「この法律による改正後の法律の規定(昭和六十年度の特例に係る規定を除く。)は、同年度以降の年度の予算に係る国の負担若しくは補助」、いろいろ書いてございますけれども、「並びに同年度における事務又は事業の実施により」云々というふうに書いてございまして、先ほど私が御答弁申し上げた内容をここに規定しておるわけでございます。
○赤桐操君 いずれにしても、そうすると「公布の日」と修正したこととは異なり、四月一日からの補助率引き下げを行うと、こういうことになるわけであって、国会が修正したことと相反することになりますよ。これは遺憾ながら我々は認めることはできない、このことについては。それで、同時にまた地方自治体としては、非公共の高率補助金で支払った場合に、国からの後払いの補助金が補助率引き下げ後で計算をされることになると大変な損をすることになる。そういうことになるわけであって、自治体がやったことであるし、我々の方としてもそこまでは負えないと、こういうことになってくるように思うんですね。大蔵大臣、そういうことでよろしいんですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かにおっしゃいますように「公布の日から」と、こういうことになっておりますが、赤桐さんがおっしゃっておりますのは、いわゆる地方財政法第十九条で「国の支出金は、その支出金を財源とする経費の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。」という規定があるわけであります。したがって、このいわば「支出時期に遅れないように、これを」、だから支出の時期というのは四月。それが仮に四月何日が後払いということになるわけでございますから、その点につきましては、いわゆる地財法の十九条第一項というのは、「国の支出金は、その支出金を財源とする経費の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。」という支出金の支出時期についての基本的原則を定めたものであって、いかなる場合においてもいささかの遅延も許さない旨の規定とは解されていないと。これは法制局の見解でございますが、したがって合理的な理由がある場合には、国の支出金の支出時期が従来の支出時期と比べておくれたからといって、その遅延が合理的範囲内のものである限り、そのような遅延をもって直ちに、いわば院の意思なりあるいは地財法そのものに触れるということには当たらないというふうに考えられて、そういうふうに理解をいたしておるところであります。 したがって、この問題につきましては、現に予算は十分の七になり、そしてその予算は通ったがそれとの整合性の問題と、現に法案を国会に提出して御審議をいただいておるという状態ということを考えてまいりますならば、生活保護費に係る国の交付決定を差し控えておるということによりましても、いわば地財法の範囲内で許容されるものであろうという議論をいたした結果でございます。
○赤桐操君 これはいただけませんな。少なくとも何のためにこの法律改正案を提出しているんですか。現行法があるんですよ。その現行法を修正するために出しているんでしょう。しかし、これは成立していないんです。法案なんですよ。だから理事会を通じて私どもはいろいろのことを政府に申し入れてまいっております。その回答についても大変大きな矛盾を来してきた。それからまた政府の対処方式についても、非常にこれ我々が審議に入ろうとしている法案自体がまだ成立もしていないのに、もう既に成立をしているような形でもってこれを扱っている。法律になったという立場でもって扱ってきている。この範囲から一歩も出ていないんですね。これは、私はこれからの審議を進めるにおいて大変問題があると思うんですよ。 また同時に、大蔵省の見解についてもちょっといささか思い上がった見解ではないんですか、これは。参議院におけるところの我々の審議やそういうものはもう必要なくなってしまうんじゃないですか、そんなことを言うなら。この法案はいつできたっていいということになってしまうんじゃないですか。それでは余りにも議会制民主主義を無視することになるわけでありまするし、これから審議を進めていくについても、残念ながら我々はこれは協力できない、こういうことになってまいります。この法案のこれからの扱い方について、どんなふうにこれの対処をしていくかについて、これはひとつ理事会で協議してもらいたいと思うんです、委員長。
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。 ただいま赤桐君要求の件につきましては、その取り扱い方を後刻理事会で協議することといたします。 質疑の続行をお願いします。
○赤桐操君 私は今の問題についてはいずれまた検討していただくことにいたしますが、少なくとも政府のこうした行為については当然根拠法がなきゃならぬわけでありまして、裏づけのない一つの解釈やそういうものだけで行われるということは許されることではないと思うのであります。法律の根拠もなしにやるということについては、これはもうそうなれば国会も要らなくなるし、我々は法律でいろいろなことを定めることも必要ないし、制度や仕組みももう必要なくなってしまう、こういうように考えるわけであります。これでは少なくとも法治国家として国民に法律を守れというようなことは言えることにならないわけであるし、中曽根総理御自身も情に法の秩序というものについては強く求められてきているはずでありますが、政府みずからがそれでは法を犯すことになるのではないんですか。この点、総理はどうお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の一括法案の成立が遅くなりまして、いろいろ地方自治体に御迷惑をおかけしておりますことは甚だ遺憾でございます。 大蔵大臣の御答弁でも申し上げておりますとおり、高率補助金等に関しては法律事項として特に御審議を願っておる状況でもございますので、立法権尊重という意味もありまして政府としては控えておるわけで、それはやはり政府のあるべき姿であるだろうと思います。しかし、法に抵触しない範囲内におきましては行政の範囲内でできるだけのこともやり、また地方自治体に御迷惑をおかけしないという意味におきましては、今回は交付税の第一期の配分につきまして特別に政府としてもそういう面の配慮もいたしまして、自治体にできるだけ御迷惑をおかけしないように例年よりも多額の交付税第一期を配賦していると、そういう処置もいたしておりますので、事情は御了承をお願いいたしたいと思う次第でございます。
○赤桐操君 いずれにしても法案がまだ審議中でございまして、根拠法となる法律は現行法でございますから、これは動かすことのできない事実だと私は考える。 それで、本会議における総理の御答弁の中では、一月に法案はもう出してあるんだと、これがおくれたのは国会の審議がおくれたんだというような私は実は印象で受けとめたのでありますけれども、これはちょっと総理、おかしな話じゃないんですかね。そういうように国会に責任があるんだとお考えになっていらっしゃるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは予算と一体でございますから、予算提出時にこのような重要法案は提出しなければいけないという考えでもちまして、たしか一月二十五日、予算提出と同時に提出を申し上げた次第なのでございます。しかし、予算という重要案件を審議するという関係から日数をとられまして、これらの重要法案の審議につきまして日が大分少なくなりまして、参議院に御迷惑をおかけしていることは甚だ遺憾でございます。
○赤桐操君 予算編成をした大蔵省の立場として、補助金の一括法案で地方に出す金を削る、それからまたこれを前提に組んだ予算の執行上とのギャップが出てくるわけでありまして、この食い違いを何とか起こしたくないということについては、事務当局の立場としては当然そういう立場をとるようになるかもしれませんが、これはもう食い違ってしまっておることは間違いない事実ですよ。そうだとすれば、こういう場合にはどういう法的な処置をおとりになるのがオーソドックスなやり方だと思いますか、大蔵大臣の御見解を承りたい。
○国務大臣(竹下登君) これはケースによって違うと思いますが、今回の法律の議論は、今総理からもお答えがありましたように、一般的に、予算を提出する、そして予算関連法案というものでその予算の使い方を決めていただくと、こういう性格のものでありましょう。 そこで、行革国会のときが一度ございますのは、大きな転換をするために事前に秋の行革国会においてもろもろの補助率というものを定め、そしてそれに基づいて次年度の予算を組んでいったと、これが一遍ございます。昭和二十九年の問題は別といたしまして、それ以外のときはおおむね予算関連法案というのは、予算が仮に一月二十五日に提出されたといたしますならば、二月の最後の火曜ないし金曜日を最終提出予定日と定めてもろもろの作業を行っていくわけであります。が、今度はしかし、やはりまさに表裏一体だからということからして同日に提出したと、こういう意味で申し上げておるわけでございますので、国会の審議がよかったとか悪かったとか、そういうことは政府が論評すべき範囲外のものであるというふうに私どもは考えております。 したがって、結果として御迷惑をかけておるわけでございますが、従来、この法律は御案内のように、私は先ほど地方財政法の十九条の解釈からすればいわば不適切であると、こう申しましたが、法律の中身自体は確かに修正は「公布の日から」と、こう書いてありますが、六十年度予算から適用するというふうな本文はこのまま生きておるわけでございます。したがって、それなりには私は法律的にもまたそれに関する地財法の解釈においても適切な措置であるというふうに考えます。が、例えば給付と負担とがたまたま一緒になります、昨年で申しますと健康保険法の改正等がございました。拠出と負担と両方の問題になりますと、その施行がおくれたことによりますところの、あれは月約五百億円でございましたか、それは補正予算で措置をしたと、そういう措置をした先例はございます。したがって物によって、給付と負担等についていわばそれがその予算の範囲内において措置できない問題が生じた昨年の例などは、そういう補正によって措置した点があるというふうに考えます。 今回の高率補助に関する問題につきましては、公布の日から施行されるわけでありますが、その適用は六十年度予算から適用されるわけでございます。そういう内容の法律でございますので、今ひたすらその公布決定のいわば土台となる国会の判断をいただくように精いっぱいお願いをしておるという現状認識であります。
○赤桐操君 いずれにしましても、とにかく予算施行とそれから出されておる法案は食い違っておるわけでありますから、これは実際問題として法的に何らかの措置をしなければ私はできないと考えるんですよ。それで、財政法二十九条にはこれはもう明確に出ておるんです。今回のこの対象となっておる各それぞれの費用というものは国の義務的経費ですよ。国がもうどうしてもやらなきゃならぬ経費です。したがって、この一括法案で削ろうとしているこれらについては、仮にこの今の法案がおくれて、いつできるか私はわからないけれども、とにかくいずれ決まることになると思いますが、その間には当然時間的な経過があるはずであります。それで無理にそういうこじつけた物のやり方をしなくても、当然それに対しては、不足分については財政法二十九条で処理すればできるはずでありまして、このことはきちっとあらかじめもう補正予算ということで決められているやり方であります。前例も今御説明のとおり幾つもあるわけですね。そういう形でこの扱いはなさるべきだと考えますが、この点はいかがですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今の二十九条は補正予算の規定でございます。「内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。」ということで、その一号でございますが、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか」云々と、それから第二号が、「予算作成後に生じた事由に基づいて」云々というふうに書かれておるわけでございます。 したがいまして、今回の生活保護の問題でございますけれども、これにつきましては、予算が成立いたしました、しかし御審議願っております法律がまだ成立しない段階で、その間に国会の御意思が一致してない段階であるわけでございますので、交付決定を行うのは適当でないということで政府としてやむを得ず執行を差しとめているということでございます。したがいまして、法律が成立いたしましたら、その法律の規定に従って交付決定を行うわけでございますので、補正予算の先ほど申し上げました事由には該当しないことになろうかと我々は期待しているわけでございます。
○赤桐操君 少なくともこの法律が審議をされて推移していくこれからの過程を考えてみてくださいよ。予算は決まっているかもしれぬけれども、予算は一割、一〇%カットでもって決められてしまっておるわけですよ。しかし法律は、現行法では一割カットになっていないんです。そういう場合において、この改正案ができるまでの間はこれは何カ月かかかるわけだ。このどん詰まりへ来て成立するとはだれも考えてないでしょう。恐らく臨時国会が召集されてそこで決定されるか、何らかほかにこれに準ずる形がとられるかわかりませんが、ただいま現在の日程の中でできると思っている者は一人もいないと思うんですよ、正直に申し上げて。そうすれば何カ月か先になる。その間とうするんですか、これは。執行を差し控えていくんですか。できないでしょう、そんなばかなことは。四月分だけを見たって大体九百億近いものになる。これを抑え込んでおる、また次々と抑え込んでいく、そんなことができますか、現実の問題でできないと思う。 そうすれば、当然四月分は現行法規に基づいて行われる。五月分は現行法規に基づいて行われる。それで、その後ぐらいにこれが決定されたとすれば、その辺から始まることになるんじゃないですか。そうすると予算は足りなくなりますよ、確かに不足しますよ。だからそうなれば、堂々と財政法二十九条で補正の原則が決められているんですから、それで行えば全部きれいに終わるんじゃないですか。それをあたかも法案を法律であると同じような扱いをしながら国会に押しつけてきているということについては、これは私どもとしてはいただけないですよ、納得できませんね。 また、こういうことは前例にしてならない問題だと思う。大蔵省がそういうことでもって抑えておるとするならば、まさにこれは越権ですよ、どう考えてみても。これは、バッジをつけている国会議員だったら常識じゃないのかね、こんなこと。もし大蔵省がそれが当たり前だと思っていれば、こんな思い上がった行政機関はないと私は思っている。こんなことは許されると思いますか、大蔵大臣どう思いますか。
○国務大臣(竹下登君) これは、政治論として赤桐さんのおっしゃったのは私とて理解できますが、法律論の上から出しますと、確かに四月一日から施行するのが時期がおくれましたので「交付の日から」となっておりますが、その法律そのものは六十年度予算から適用されるわけでございますから、俗な言葉で言えば、遡及の可能のあるこの法律そのものになっておるわけであります。そうして行政府から言えば、これは可及的速やかにという期待権というのは幾らでも持ってると思います。これは常識上、バッジをつけておる者の常識という吉葉がございますから、私もバッジをつけておる者の常識という問題もございますが、政府から見れば、国会の御審議というものに対しては可能な限り速やかな御決定を賜るという期待権だけはこれは猛烈に持っておる——猛烈というのはちょっと表現がおかしゅうございますが、猛烈に持っておると思うのであります。 だから、期待権を持って心から審議の促進をお願いし、その審議に際してばいい答弁をしなきゃいかぬと思って一生懸命にいい答弁をして御協力を申し上げておる。いい答弁か憩い答弁かは人によってその批判は分かれるところでございますが、したがって私は、不測の事態を、赤桐さんはさらに、それじゃ竹下君この国会が幕が引かれて廃案になった場合はどうするかとか、そういう議論になりますと、それは政治論としての議論が出てくるであろうと思います。それは三月三十一日までに成立すれば全部遡及してこれをやって、その間の資金等については手当てしますなんというような不見識な答弁は私はできないと思いますが、現段階においては、やはり行政府の持つ国会に対する最大限の期待権というものでお願いし、その審議に対しては積極的な協力をするというのがお答えする限界ではなかろうかというふうに思います。
○赤桐操君 いや、いろいろと物の言い方はあるかもしれませんけれども、少なくとも現行法がきちっと存在をし、仮に予算が法案に基づいて編成されているとしても、現行法が生きている以上はこれを超えた処置ということはあり得ないと私は考える。 したがって、どうしてもそういうことでもって双方の間に食い違いがあるとするならば、私はこれ以上残念ながら審議を進めるということはできなくなります、大蔵大臣。国会というものの存在を無視されることになるんですよ。法律より法案の方が上位になるんですよ。安易な期待感とかそんなものの問題ではないんですよ。それは大蔵当局が原案作成の当事者としていろいろ期待を持つことも当然だろうと思いますし、これを通そうということで努力されることについても、これは行政府としては当然だと思いますよ。それは当たり前でしょう。そのくらい熱がなければまたならないと思う。しかし、そのことと国会の審議の過程におけるこの問題の処理の仕方というものは別だと思う。現行法というものが無視されて、期待される法案だけがその上に存在していく、こういうことはあり得ますかね。もしそれがどうしても政府の態度であるということであるならば、残念ながら私はこの審議についてはこれ以上進めることできません。
○国務大臣(竹下登君) 確かに「この法律は、公布の日から施行する。」、こういうふうになされておるわけであります。しかし、「この法律による改正後の法律の規定は、同年度以降の年度の予算に係る国の負担若しくは補助又は交付金の交付について適用する」と。でございますから、現行法はございますが、今審議していただいておるのは、この法律が遭ったら六十年度予算からこれは適用するんだという法律を審議していただいておるわけでございますから、その国会の意思が決まらない前に、私は、いわゆるこの種の支出、地方財政法第十九条関係の支出ということになりましょうか、これに関しては、今日我々が期待権の範囲内においてお願いするという立場は私はとり続けるべきものであるというふうに考えます。
○赤桐操君 私は残念ながらこれ以上審議に協力することはできません、率直に申し上げまして。少なくとも現行法というものがあり、そしてこれに基づいてすべて行われてきている、現場ももうこれで動かされておる、こういう状況の中で少なくとも法案というものをその上位に乗せて国会の審議を求めるというやり方、こういうことについては私どもには受け取ることできません。これ以上私は進める意思がありません。
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。 ただいま赤桐君御指摘の件は、先ほどの問題と密接な関係のある問題でありますので、あわせて刻後理事会で協議することといたし、質問の続行をお願いします。
○赤桐操君 私は率直に申し上げて、こういった問題が発生するということは、かつて行革の場合においても、先ほど大蔵大臣も述べておられましたが、あれは五十六年の秋に開かれたと思いますね、その臨時国会で行革関連法、一連の法案が全部のせられたわけであります。この後を受けて五十七年の予算で全部決められたわけでありますが、今回のようなこういった改正法律実に五十九本、関係省庁九省庁に及んでおる。こういう状況の中で大変国民の皆さんにも影響を与える、自治体にも大変な影響を与える、こういう大きな影響力を持つ重要法案をなぜ昨年の臨時国会あたりでやらなかったのか、臨時国会を召集してやらなかったのか。これはもう私だけでなく、皆さんみんな大変疑問に思っておるところだと思うのです。これだけの大きなものを予算と同じく一月二十五日に出したと、こう言われるけれども、行革法案のときにはその前にきちっと整理をつけておられるわけですね。これは一体どういう考えでしたのか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今の御意見は、まあ表現が適切ではないかもしれませんが、オーソドックスな物の考え方の一つだというふうに私は思います。行革委員会というものを臨時国会で五十六年の秋にやって、五十七年からその補助率を適用さしていただいたという、まさに行革のシンボリックなものとして、諸般の審議会でございますとか、すべての手続を整えてあの時期に、しかも年次を当時考えておりました赤字国債依存体質からの脱却の五十九年ということまで切ってお願いしたわけでありますから、あれは一つのやはりオーソドックスな物の考え方と赤桐さんに指摘していただくとすれば、私もそう思うのであります。 それで今回の問題は、要するに、多年にわたっていろいろな答申等の指摘がありまして、補助金というのは十四兆数千億ございますから、歳出カットを三年も続けてマイナスということになりますと、どうしてもそこへ焦点を注がざるを得ない。それで、いろいろなことをやってまいりました、投資的経費は五%とかあるいは経常部門は一〇%とか、そういう中でいろいろな工夫をしてやってきましたが、やはり一方、今度新しく出た答申というものは、いわゆる高率補助というものに焦点を合わした考え方をしてみたらどうだというので、我々はそれに取り組んだわけです。 したがって、今度の問題で三大臣合意などというものができておりますのもそのゆえんのものであって、結局、例えば社会保障ということになりますと、昭和二十一年の議論以来とにかく八対二がずっと続いてきているんじゃないか、したがって、どうしても地方と国との費用負担のあり方ということで議論するならば、一年かけて議論していく、あるいは今おっしゃったように、秋までかけて議論していく、そういう議論もいたしました。が、まさにこういう事態になりますと、やはりその議論は今後一年かかって続けるけれども、今日の時点では、費用負担のあり方としてはアバウト一割補助率カットというところで合意しようじゃないかというので、ぎりぎりの合意をしたわけでございますので、したがって、あの当時の法律体系と違いますのは、暫定的な措置にしよう、すなわち一年限りの措置にしようということと、そしていわば法律と予算が同時提出というところで我々の部内の物の考え方が一致した、こういうことに相なるわけであります。
○赤桐操君 私は少なくとも、いろいろな言いわけを大臣もしておられますけれども、前例も行革法案のときにはちゃんとあるわけでありまして、まさにそれに匹敵する大法案でございまするから、当然もうその前に結論をつけてあるべきだったと思うんですよ。そういうことでもって、出てしまったんですから、これはまあ出ておるわけでありまするから仕方ありませんが、しかしいずれにしても、こうした重要な法案についてこれからもおやりになるのかどうなのか。 去年財確法の問題で、「等」の字で大分論争になりましたけれども、これもやはり一括なんですよ、結局は。発想は同じなんです、本質的には。この種のものをこれからその都度出してきて、さあこれが通らなければ予算の執行はできませんよ、この辺が困りますよ、地方が困りますよ、こういう人たちが困りますよ、こういう物の言い方で迫られるようなことでは、私どもは残念ながらこれはもう審議に協力はできない、率直に申し上げて。これからはこういうことをやらないんですか、どうなんですか。「等」というようなもののやり方や、一括でものをやってしまう、そうして、さあこれでもって間に合わなかったら後はできませんよという、こういう国会を無視するようなやり方でこれからもおやりになるんですか、どうなんですか。この点、ひとつしかと御答弁願いたいと思うんですよ。
○国務大臣(竹下登君) 行革国会の際の議論は、五十九年という一つの年次も定めて、そして予算編成前にやった。だからそれはそれなりに一つの考え方だといたしますと、この種のことをいつやったかといいますと、昭和二十九年に補助金一括がございます。あのときはまだ一兆円予算のときでございますから、要するに九千九百九十億かなんかに抑え込めというようなことから一括してお願いをしたことがある。ただ、あのときは、どうしたことでございますやら、審議を見ますと、各省とも予算担当課長が出て答弁をしております。言ってみればあるいは当時の環境と今日は随分進うんじゃないか。あのときは、昭和二十五年度予算までGHQの間接統治下にあった予算であって、そして恐らく諸般の情勢からあの一兆円予算というのは国民的、何といいますか、コンセンサスを得たような、これで組まなきゃならぬというような環境の中で審議されたのじゃないかという感じはございます。 そういう例はございますが、臨時とか暫定とかという場合にあるといたしましても、毎度やるべきものじゃないなと私も思います。それは、答弁に当たります私自身の立場からしても、これは毎度こんなことをやったら大変なことじゃないかという感じはいたしております。ただ、暫定とか臨時というのを、これまた未来永劫やりませんといいましても、臨時とか暫定とかという措置はそのときどきによってあるわけでございましょうから、だが、こういう問題については、好ましい姿ではないということは、私自身も今度の法案作成の過程、審議の過程を通じながら感じておることは事実でございます。
○赤桐操君 いや、ですから私はあなたにお伺いしておるんだけれども、それはいろいろ予算編成とも関係がありますから、すべてがすべてというわけにいかない場合も、今のような例もあるかもしれぬけれども、少なくともこれは大法案ですよ、この問題は。だからこのような特別委員会の設定までしたと思うんですね。こういう大騒ぎをしなきゃならないような大問題なんですよ。こういうものまで少なくとも今のような形でもって出してきているわけですね。一括でもって、しかもまことに、参議院における審議日数なんというのは、十七日に委員会が開かれて今月中に上げてくれなんという、こういう言い方になるわけですから、これはもう本院としての審議権は全く制約されておると言わなきゃならぬ。地方にもぎりぎりまで来てしまって迷惑をかけておる。こんなような大法案をちょいちょい出されたんじゃこれは大変なことになるんです。今後はこれはやらないということでなきゃならないと思うんですね。場合によってはあるなんということは許されないと思うんです。この点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 臨時とか暫定とかいう措置は物によってはあり得ると思いますが、この種の問題を、この機会をとらえていわば当たり前のこととしてどうか定着せしめようなどという大それたことは全く考えておりません。
○赤桐操君 この種のものは今後はもう断じてやらぬということでひとつ確約をしてもらいたいと思います。 次に、この補助金の問題は、何といっても地方自治体に大変大きな影響を持つものでありますから、自治大臣に少し伺っておきたいと思うのでありますが、今、大臣との間のお話の中でも、今回の生活保護費等非公共の補助費については、まさにこれは義務的経費である、国におけるところの当然負担責任があるものである、こういうことで今日までの実績も出ておるわけでありますが、そうであるとすると大変大きな問題が一つあると思うんですが、地方財政法の第二条に少なくとも述べられておりますることは、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を打ってはならない。」と書いてあるんですね、明確に。これは地方財政法第二条の二項に出ております。こういうことが述べられております。これとの兼ね合いはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(古屋亨君) お答えいたします。 地方財政法二条で、当然国が地方に対して負担を転嫁してはいけないという規定は今先生のおっしゃったとおりであります。 今度の補助金の一律カットの問題につきましては、一つは、今度の法案の中で「財政金融上の措置を講ずる」という規定を入れておるといいますか、入れていただいたというんですか、まあ入れだということが一つでございます。 もう一つは、この三者覚書のときにありましたように、こういうような措置は一体限りで、そうしてこれによる経費につきましては地方交付税と建設地方債で補てんするということでございますので、その二点からいたしまして、私はこれが直ちに地方財政法に反するということは考えておりません。
○赤桐操君 いずれにしても、先ほど来の大蔵大臣の御答弁等もありましたけれども、大蔵大臣はどういうようにお考えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、自治大臣からお答えもございましたが、いわば私の方で見れば、マクロの形の地方財政計画の中ではそれぞれ財政的な措置がしてあるという意味で違反しない、こういう理解の上に立っております。
○赤桐操君 先ほどの金利の問題その他も出ていますね。それから見解の相違もございました。そうすると、場合によってはこの法案の成立いかんによっては地方自治体に大変大きな負担を負わせることもあり得るわけですね。これ、転嫁ではないんですか。自治大臣、転嫁でないとあなたはおっしゃるけれども、転嫁でないんですか、これは。
○国務大臣(古屋亨君) お答えいたします。 「財政金融上の措置を講ずる」という法文上の規定があると先ほど申し上げました。それが一点。 それから三者の覚書をつくりましたときにも、これによる地方への負担については交付税と建設地方債によって補てんし、そうして、それにつきましては地方財政上の措置をとるということを言っておりますので、私は直ちに地方財政法に違反するとは考えておりません。
○赤桐操君 そうすると自治大臣、利子やその他も全部見るんですか。起債をすれば利子がかかりますよ。
○国務大臣(古屋亨君) この問題につきましては、ちょっと私の見解を申し上げますが、法律の成立がおくれまして、地方では事業の着手に困っており、また生活保護費などは支出をおくれさせることがあってはならないという点におきまして、地方団体においては既に実施しているところもあります。あるいは一時借入金というような措置を講じておるところもございます。したがいまして、地方団体における資金繰りや事業に支障を生じないよう私どもとしては関係省に御配意をお願いしておりますと同時に、率直に申しますと法案を早く成立、これは国会は国権の最高機関なんでございますが、どちらかといえば私どもは早く成立さしていただければありがたい、そういうことでございまして、今お話しになりました点について、地方債などどういうふうにしているかという問題でございますが、自治省といたしましては、地方交付税のことは四月分を払わなきゃならぬということで、法案は審議中でありますが、その許容される枠の中で本年の配分をこの四月の八日に市町村分、十二日に都道府県分を交付した次第でございまして、これは二兆二千億、前年比一二・五%の増でございます。 それから当面地方債の許可予定額の配分等をできるだけ早めるという見地から、地方単独事業等を適期に実施するように配意方を地方団体にもお願いいたしました。 また、資金繰りに窮する地方同体があればその実情をよくお聞きしまして、必要あれば政府資金の融資等を関係方面に要請したいと考えておりまして、この点四月十九日に財務調査官の内節によりまして地方団体に通知したところでございます。
○赤桐操君 まあそういう処置をされたと思いますが、地方に交付された資金については、地方には地方のそれなりの使い道があっての予算がもう既に組まれていますよ、地方自治体は全部。それで四月からもうスタートを切っているわけですよ。みんなそれぞれの項目が決められておるはずなんですね。そこへもっていってこれがストップかけられているわけなんです。 先ほども伺いましたけれども、地方には結局は借金をする以外やりくりの方法はないということになるんですよ。これは私も現実に聞いていますよ、そういうことを。私の出身の千葉県の各地域からも言ってきておる、そういうことは。ですから私も丹念に伺うんですけれども、そういう状況の中では当然借金もするんです。地方債も起債しなきゃならぬ場合もあるでしょう。そうすると金がかかるんですよ。その金には金利がつくんです。当然その金利も負担するんですか。負担しないということになれば、これは地方の負担になってしまうでしょうと、このことです。どうするんです、これは。
○国務大臣(古屋亨君) 今度のような一時借入金をもしやりました場合に、利子の問題、利息の問題につきましては、今回初めてのこういう問題でございまして、地方交付税を配りましたことは、御承知のように地方でも、まだ年度初めでございまして、非常に資金繰りに因っておられるということもありますので、これは毎年やっておることでございますが、今申し上げましたように、交付税は四、六、九、十一ですか、四回に分けることになっておりますので、その四月に交付すべき分をさっき申し上げましたようにお配りしたのでございます。 ただ、地方が資金繰りで借入金をし、その利子をどうするかという問題でございまして、これは地方財政計画でできるかできぬか、これは十分地方団体と相談いたしまして、こういうような利子が大変多くなれば、そして地方財政計画上の数字でできなければ、例えば特別交付税というものもありますけれども、私はそういう場合には財政当局と協議して、地方の利子の負担をそのまま地方がかぶらないように措置をしたいと考えております。
○赤桐操君 そうすると、それは明確に確認してよろしいんですね、自治大臣。地方に利子はかぶせないというように確認していいんですか。
○国務大臣(古屋亨君) はい、その過程におきまして私の方は、地方財政の計画へ入る、あるいは特交でその利子が余り多くならなきゃ負担できると思いますが、それがおくれて莫大な利子になりますと、これは私は大蔵省とまた協議をして私の方の地方財政計画、あるいはまた大蔵省と協議をして地方に迷惑のかからないように措置をいたしたいと考えております。
○赤桐操君 どうも明確でないですね。 これは大蔵大臣にひとつ御答弁を承りましょう。
○国務大臣(竹下登君) お答えしにくい問題は、要するに地方財政計画というのは、我が方は地方財政計画に対して全体、オール地方を対象にしたマクロの立場から歳入、基準財政需要、基準財政収入等をもとに対応するわけですから、今の赤桐さんの議論に私が引き込まれていきますと、今度は個々の自治体の問題が恐らく問題になるんだろうと思うわけであります。 それで、私も問答を聞きながら、先ほど申しましたように、合いずれにしても地方交付税を仮に前倒し的に出せば、それは年初でございますから国に歳入として入っていないから、いわゆる短期大蔵証券を国が発行してそれで財源の裏打ちをしておれば国がその分の利子負担をしておることになるわけです。しかし、それでなお不足するものは、年初でございますから恐らく地方もまたそれぞれの議会で議決された範囲内における短期借り入れをして泳がれる。その資金繰り全体は、私は法律の上がる時期によって、今私は我々が期待する今日の時点においてその問題を抜き出して個々の自治体の議論をするのは難しいのかなと。しかし、今自治大臣がおっしゃったのが地方自治体に対する自治大臣としての物の考え方としては当然の正当な御判断ではないか。ただ、どういう時点でそういう事態が発生してきて我々が協議にあずかるかということを今予測する段階にはないわけです、今は猛烈に期待をしておるわけでございますから。答弁になったようなならぬような話でございますけれども、恐らくその辺は心の中ではわかっていただけたのじゃないかという感じがします。
○赤桐操君 大体大蔵大臣はいつもそういう答弁で乗り切ろうとするのでありますけれども、これは率直に申し上げまして、地方はそう簡単にわからないですよ、この問題は。それで、少なくとも地方で借金をすれば利子がかかるんですよ。その利子を私は端的に質問しているんですよ、国が見るんですかと、こう言っているわけですよ。だから大蔵大臣が、それは見ますと、こう言えば語はわかるんです。だけれどもそう言わないですよ。いろいろの事情がどうのこうの、それぞれの個別の市町村によってどうのこうの。当たり前ですよ。個別の市町村がみんな借りるんですから当然だと私は思いますよ。だからその場合においては見るか見ないか、こういうことなんです。見ると言われればそれで話は終わりなんです。見ないというなら見ないというようにはっきり言ってもらいたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) それがなかなか難しいことになるわけでございまして、恐らく個々の町村によって非常に違うと、そこまで私が勘ぐるのはおかしいかもしれませんが、したがってどこの市町村でも年初およそこれぐらいの借り入れがあるとか、どこの市町村でもこのときに集中して入るとか、それぞれの市町村の痛みたいなものもあると思うんです。だから、補助金の交付がおくれたことによって厳密にこの町村は幾らの利子負担ができたという計算というのは難しいんじゃないかなという、私は非専門家としてそういう感じを持ったものですから、したがってこれは明確なお答えをするのはいかがかなと。その時点に立って、自治大臣が今基本的な考えをお答えになったわけですから、それに対して誠意を持って協議に応じますと、これが限度かなと、こういう感じで今承っておりました。
○赤桐操君 地方自治のいわば擁護をしなきゃならない、そしてまたその当の責任者である自治大臣の考えと腹を伺いたいんですが、地方には負担をかけませんと、断じてそれは大蔵省と話し合って取りますというなら話はまた別になりますけれども、その点あなたは首かけて言えますか。
○国務大臣(古屋亨君) 首かけて言えるかと言われますと、これちょっと金額の問題とか数量の予測されないいろいろの状況もありますので、私は地方に負担を課するのは自治省としては考えておりませんが、何とかしなきゃならぬという場合において、地方財政上の計画の中で特別交付税とかそういうものでもし見れることがあれば見るし、莫大なものになれば大蔵省と協議して交付税をどうかしてもらうとか、いろいろの財政上の措置を講じなければならぬ。そういうように努力いたしまして、利子はなるべく地方に負担させないという私の考え方でございます。
○赤桐操君 そうすると、やはりあなたも大蔵大臣も余り変わらないのだ。結局、地方に利子負担は場合によっては仕方がないと考えているわけだ。これは結局、国のこうした立場というものを地方に転嫁することですよ、そのことは。そうでしょう。あなたはこの問題が発生する前に、大蔵省との間で相当抵抗されたと思うんだよ、自治省は。その抵抗の根本は、少なくとも国のこうした考え方で地方に不利益を転嫁されては困るということでもって頑張ったんだろうと思うんですよ。しかし、全然解決されてないんじゃないですか。結局は転嫁することになりはしませんか。転嫁されるかされないかひとつ伺いたいと思うんです。あなたは自治大臣なんだから逃げちゃいかぬですよ。大蔵大臣と同じ答弁をされたんじゃ困る、こっちは。
○国務大臣(古屋亨君) もちろん転嫁されないように努力はいたします。ただ私が必ず、自分が金を持っているわけじゃありませんから、自治省が。責任を持ってこれは措置しますというにはちょっとこれは、この法案がいつ通るか、その利息がどのくらい出るか、地方の状況によって御承知のようにいろいろ違いますので、財政計画上の交付税措置でできればそういたします。それが余りたくさんでできぬ場合には財政当局と相談していかなければならぬ、できるだけ私はそういうように努めますという私の決意を述べたのでありますが、じゃこれができなかったときに自治大臣はうそを言ったかと言われると、それは私も一生懸命でそういう補てんについては最大の努力をいたします。ただ、その時期とか金額というものによりまして、私どもで非常に大きな額で措置し得ないような場合にはやはり財政当局と相談していかなければならないということでございますので、私どもといたしましてはなるべく地方には負担させないようにやるが、最悪の場合には、利子が非常に多くなりましたときには財政当局に相談せざるを得ない、そういうことを申し上げたわけでございます。
○赤桐操君 何遍も同じことを繰り返すようになりますが、少なくとも大蔵大臣は今のような答弁をしているんですよ。自治大臣がこれはもう私が責任を持ちますと言うなら話はまた別になる。自治大臣も大蔵大臣が頼りなんだな、結局は。そうでしょう、今の答弁は結論から言えば。いろいろごちょごちょ言われるけれども、結局は大蔵大臣の腹を待っているわけだ。それでは地方の方はたまらないですよ。私が質問していることは、どうなんだと、少なくとも地方自治を守らなきゃならぬ自治法の番人であるあなたが、そういうおそれがあってはならぬということでもって全責任を負いますと言うなら話はまた別だ。そうでないならば、少なくとも大蔵大臣が言明するか、どっちかですよこれは。そうでなければ重大な問題になるんですよ、これは。 地方財政法第二条の二項には明確に出ている、転嫁してならぬと書いてあるんですよ。しかし、転嫁するんだ、結果的には。あるいはまた、転嫁しないと言い切れないことになってくる。それではあなた、大蔵省と自治省がこの問題が発生する事前にいろいろやり合いをやった意味がなくなってしまうでしょう、何も。あなたが大蔵大臣にいろいろと自治省の立場で申し入れした内容はなくなってしまうじゃないですか、それでは。転嫁されることになりますよ、それは。これは地方財政法からいっても大変な問題になる、私はそう思うんですが、どうですか、この点は。
○国務大臣(古屋亨君) 私としては転嫁されないように最大の努力をいたします。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、これは自治大臣のお話だけではどうにもならぬ。もう一遍大蔵大臣ひとつ答弁してください、明確に。
○国務大臣(竹下登君) 私どもが自治省と対応しますときには、御承知のようにいわゆるマクロの地方財政計画の作成の中でやるものですから、可能な限り早期に成立するならばその利子負担などはその中で消化されるであろうという私にも期待感がありますが、今自治大臣のお答えになりました、最終的に問題が起きた場合、財政当局に対して十分な措置を行うように自分としても努力すると、それに対しては最大限尊重して協議に応ずるというのは、これはあるべき姿であると私も思います。
○赤桐操君 いずれにいたしましても、地方財政法に抵触するおそれのあることだけは間違いない、こういうように考える。大蔵大臣も明確な回答を避けておられますけれども、私は率直に申し上げて両大臣の御答弁では納得できません。したがって、このような法案は本来もう成立さすべき問題ではないと思いますけれども、これはどういうことですかね、政府も高率補助一律引き下げと行革関連法を一年見直す、こういう問題でありますが、この点については厳格に一年限りということは言明されるんですか。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、先ほど来申しておりましたように、例えば社会保障については二十一年以来の議論の経過もある、あるいは公共事業補助率については事業費そのものが増してくるというメリットもあるかもしらぬ、そして過去にもいろいろ変わったことはある。が、いずれにしてもこれは一年間かかって本当のあるべき姿を国と地方の仕事の分野と費用負担のあり方についてしっぽりと議論をしよう、そして結論を得ようということにいたしまして、だから一年の暫定措置だ、こういうことでお願いをしたわけであります。
○赤桐操君 これからそういうことであるというと一年限りで後はやらぬと、こういうことになると思うんですけれども、この間の対処の仕方、これからまたいろいろ見直すということが出てくると思いますが、この見直しはどういう場でやりますか、まず自治大臣に伺いたいと思うんですがね。
○国務大臣(古屋亨君) 先生御承知のように、この問題は予算編成の直前までは財政当局と私どもの考え方は全く相反しておったのでございますが、厳しい財政状況の現状を考えまして一年限りとしてその補てんをやるということに話がつきましたというか、そういうようになりましたので、私どもはこの一年間には地方の補助金の整理ということは当然自治省としては考えておりますが、ただ、この一律カットということについて私どもは同意できないということであったのでございますが、今のような事情でございましたので、この一年間には事務の見直し、費用の分担のあり方ということを基本とし、またその対象となる事業の性格を十分考えながら地方団体とも連絡して措置をいたしたいと考えております。
○赤桐操君 自治大臣に重ねて伺いますが、検討の場所をあなたは地方財政審議会に求められますか、諮問されますか。
○国務大臣(古屋亨君) 地方財政審議会やあるいは地方制度調査会というのは、私どもの考え方の基本のいろいろ御意見を伺うところでありますから、私はこの間におきましては今先生のお話のありましたことは当然いたす考えでございます。
○赤桐操君 その場合に、あなたはその答申については尊重をされますか。
○国務大臣(古屋亨君) もちろん自治省としては諮問したからにはその答申というものを十分尊重してまいります。
○赤桐操君 今回の転嫁の問題についても両審議会は明確に指摘をいたしておりますね。もう既に明確に指摘しているんですよ。これはお忘れにならないようにこの点ひとつ念を押しておきたいと思うんです。
○国務大臣(古屋亨君) お話しのとおり、今回の大蔵省との話し合いにつきましては、一年限りそれを補てんするということで私ども了解しておるのでございますが、明らかに地方財政審議会や地方制度調査会にはその以前に、そうではない補助金の整理は必要であるが、事務の分担、費用の負担を考えてやるべきだという御答申をいただいておりまして、それを私どもは一生懸命努力いたしましたが、国の財政事情の現状からいたしまして一年限りの間に再検討をするということでありますので、両審議会には今申し上げましたように十分意見を聞き、これを尊重してまいりたいと思っております。
○赤桐操君 今自治大臣の御答弁がありましたが、総理はどういうようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり中央と地方は唇歯輔車の関係にございまして、地方自治法の規定におきましても、第二条を中心にして、中央は地方を尊重しまた地方は中央のいろいろな政策に理解と協力を示す、そういうふうな規定がございまして、予算編成のたびごとに相協調していくべきものである、このように考えます。
○赤桐操君 地方財政審議会等にいろいろこれから諮問をすると自治大臣は言っておりますが、この結果について尊重されるでしょうな、総理は。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御答申、御意見書をいただきましたら、十分検討いたしまして尊重してまいる努力をいたします。
○赤桐操君 質問を終わります。
○委員長(桧垣徳太郎君) 赤桐君の残余の質疑は保留することといたします。 午後一時三十分に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時四十七分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○桑名義治君 本日の委員会の冒頭に大蔵大臣から発言がございました。その発言の中で、現在引き下げ対象外の事業を振り分けて執行に入るべく努力している、こういう発言があったわけでございますが、なぜ今までこの予算の配分をやらなかったのか、その理由を御説明願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは、いわゆる法律に対する国会の意思が決まる前に作業を開始するということについて行政府としては差し控えるべきだという考え方に基づいておったわけでございます。ただ、当然のこととして言えますのは、いわゆる箇所づけでございますとか、そういう問題については、厳密な意味において国会の意思決定後内示するわけでございますけれども、それぞれに対する準備行為というようなものは、なかんずく都道府県との関連もございますので、それぞれの担当の方で準備行為は恐らくそれなりに進めておられたのではないかというふうに考えます。
○桑名義治君 午前中の議論の中でいろいろとあったわけでございますが、公共事業の中で、特に今回の場合を考えてみますと、いわゆるカットに値する二分の一以上の補助率の分については、百歩譲ったとして考えた場合、一応納得できるわけですが、しかしそれ以外の分についてはなぜ今までこうやって放置しておったのか。それは今の御答弁の中では私は納得できませんよ。
○国務大臣(竹下登君) いささか具体的な問題になりますと私も必ずしも正確に把握しておるわけではございませんが、一つの工事がありました場合に、それを総合してとらまえた場合、補助率カッ十分に対応する部分、それの関連部分は補助率カット外である、それを総合した中で箇所づけをしていくという場合、やはり関連部分等についてもその影響を受ける。ただ、おっしゃいますように、純粋に全く独立しておると申しますか、そういう問題につきましては、私はそれなりの準備作業が行われておったのではなかろうかと推察しておりますが、よく聞いてみますと、まずはしたがって単独事業から施行に入るような準備をお進めいただきたいというようなことを地方団体に対してそれぞれ要請をしておるという事実は私も承っておるところであります。 それからもう一つ、その地域全体を考えた場合に、公共事業費についてそれぞれの地域とのバランスをとった配分を行う場合、いわゆる補助率に関係のない今度の対象外のものから進んだ場合に、場合によって後からバランスを失することがあってはいけないというような議論も私は聞いてはおりましたが、正確を期するためにはあるいは事務当局からお答えした方が適切かと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 公共事業につきましては、御存じのように事業箇所が極めて多数にわたっております。したがいまして、その中で補助率の引き下げられるものと引き下げられないものとが非常に混在しでおるのが現実の姿であるわけでございます。 例えば、具体的に申し上げますと、道路の下にあわせて下水道工事を行うという箇所が多々あるわけでございますけれども、道路が引き下げ対象にならない、しかし下水道が引き下げになるという場合に、これはやはり一体として考えませんと、片方だけ執行するというのが非常に困難なわけでございます。その他公営住宅がある場合に、これは補助率の関係はございませんが、そこへ取りつけ道路を引くような場合とか、それから道路によりまして市町村道と県道なり国道等が交差するような場所等々多々ございまして、これの引き下げのものと引き下げられないものとの仕分けの作業が非常に膨大になっているということがあったわけでございます。
○桑名義治君 今の御答弁では私は納得できません。 では、その対象外の事業については繰り上げて執行に入るような努力をすると、今になって何でこういうふうな大臣の発言が出てくるわけですか。どうもその点については大蔵省がとめていた、この案件はどうしても促進したい、そのために地方からのいろいろないわゆる声が上がってくる、そういったことを人質にとりながらこの法案を促進していくという意図がもうありありと見えている、こういうふうにしか言いようがないわけでございます。 そこで、そうするとこの執行に入るべく努力するというふうに大蔵大臣が発言をなさったわけでございますけれども、これはいつをめどにして配分をする予定でございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) 既に、この点につきましては各省と相談して、具体的に仕分け作業その他を行っているところでございます。しかし、具体的に何日までということを確実に申し上げる段階には至っておりませんが、先ほど申し上げましたように、政府としてはぎりぎりの努力をして今作業を急がせておりますので、できるだけ早く各地方団体あるいは地元に影響が少ないようにあらゆる努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○桑名義治君 大変に複雑多岐にわたっているということでその作業が延び延びになってしまって、とうとう法律が通ってしまった、じゃ一括で出してしまえというようなことをねらっているんじゃないかというふうにもこれ読み取れるわけですよ、努力ですから。大臣、どうですか、これ大体いつごろまでにめどをつけようとお思いになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(竹下登君) これは今、平澤次長からお答えしましたように、できるだけ早くということで私の手元で勉強してみますと、なるほど少し込み入ったところは問題によってはかなり時間のかかるところもあるなと。それで私の方へ、実は二十日までにやれないかと、こういうお話もございましたが、私の念頭にはそれを置いて議論をさせてみておりますが、ただ私どもの主計局といわば原局との間で話が完全に詰まっておりませんので、私が当初私なりに念頭に置いた二十日までに可能なものはどれぐらいあるかというようなことが現在まだ明らかにはなっておりません。
○桑名義治君 大臣の要求事項としては、大体二十日までにこの作業を終えてもらいたいというのが大臣の大体腹組みでございますね。
○国務大臣(竹下登君) 腹組みと申しますより、二十日までに作業の終えられるのはどれぐらいあるか、それを調べてくれと、こういうことを申しておるところでございます。
○桑名義治君 これは期日がおくれたのではまた何にもならないわけですよ。そういう意味で、極力二十日までというふうに、大臣自身がそういうふうに大枠で腹組みは一応あるならば、その方向に向かって全力投球でやっていただきたい、こういうふうに思います。 そうすると、概算だけで結構でございますけれども、金額は大体どの程度でございますか。
○国務大臣(竹下登君) これは正確な打ち合わせをしておりませんから、まだはじけないかもしれませんが、私が申しましたのは二十日ぐらいまでに出せるものがどれぐらいあるかをひとつ検討しておけと、こう言っておりますので、あるいはまだきちんと申し上げる状況にはないかもしれません。
○政府委員(平澤貞昭君) 数字的の、マクロの数字でまず申し上げますと、公共事業の国費が六兆六千億円あるわけでございます。このうち七千億円が補給金、出資金等々でございまして、いわゆる事業ではない国費でございます。したがいまして、事業向けの国費はこれを差し引きました後の五兆九千億円となるわけでございます。このうち、いわゆる対象にならないものが三兆二千億円あるわけでございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、今いろいろ鋭意あらゆる努力をしているという状況でございます。
○桑名義治君 作業がまだ完全に煮詰まっていない段階ですから、概算で結構だというふうに申し上げたわけでございますが、五兆九千億から三兆二千億差し引いた概算で話しますと、その数字がいわゆる大体の数字だと、概算だと、こういうふうに認識してよろしゅうございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) そういうことでございます。
○桑名義治君 それから「積雪寒冷地域等」となっておりますが、「積雪寒冷地域」というふうにくくっていない。この「等」は何を意味しているんですか。
○国務大臣(竹下登君) これは例えばでございますが、一番わかりやすいのは、積雪地帯であろうとどうであろうと、海の仕事は冬はできないというようなものは当然のこととして入るなあと。それから台風常襲地帯とかいろいろなものがございますので、ちょっと整理しておきましたが、この「等」という意味はまさにそうした意味で申し上げたわけでございます。港湾、漁港でございますね、やはり特に台風常襲地帯、これは台風シーズンまでに完了しなければならない。それから河川事業の中では、出水期までに終了していなければならぬ。それから農業基盤事業の中には、これもいろいろございますけれども、田植え期までに終了しておかなければならないものがあるというように、地域によって準備行為を進めておく必要なものがございますので、そこでこの「等」ということにしたわけでございます。
○桑名義治君 次に、ずうっといきたいと思いますが、まず建設大臣にお伺いしたいんですが、今回のこの法案はまだ審議が続いているわけでございますが、非常に地方自治体に対する影響度というものは大きいものがあると思います。新年度に入ってもう既に二十日以上を経過している現在、自治体は補助金の地域配分が行われないために公共事業の上期契約率は大幅に落ち込んでいる、こういうふうに見ていいと思うんですが、要するに景気の抑制型の場合を考えてみると、大体六五%という一つのラインがあるはずでございますが、その六五%のいわゆる発注のラインも割り込んでいくのではないか、こういうおそれが出てきているわけであります。」 そこで、現在の日本の経済の立場というものを考えてみますと、折しも米議会では対日の黒字に係る対日批判が生じておりますし、我が国としては市場開放の対応はもとより、内需拡大への政策転換が図られなければならない重大な時期である、こういうふうに我々は考えるわけでございますが、その点については、今回のこういった措置というものが非常に公共事業に対する影響度が大きい、こういうふうに我々は考えるわけでございます。 そこで伺いたいのは、本法律案の成立がおくれたことによりまして公共事業の上期の契約率がどの程度落ち込むと見通しているか。そしてまた、経済に対する影響がどの程度なのか、この点について伺っておきたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) お答え申し上げます。 六十年度の上期におきます、景気全体とすれば拡大基調にあると私どもは理解をいたしておるわけであります。しかし、法案が成立しない現状というものを考えてみますと、御指摘のように昨年と比べても契約率が下回っておるものと、そういうふうに思っております。したがいまして、この法案が成立いたしました場合には、上半期の契約率が落ち込まないように最善の努力を尽くさせていただきたい、かように考えております。
○桑名義治君 だから、落ち込まないように努力すると言っても、こういうような状況にあるわけですよ。したがって、現段階においてはどのくらい落ち込みがあるかというふうにお尋ねしているんです。
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど申し上げましたように、まだ私どもそこまで数字的に細かく詰めておりませんで、先ほど大蔵大臣からも御答弁ありましたように、積雪寒冷地帯等の場合には設計協議を進めるとか、そういう努力は合いたしておるところでございます。
○桑名義治君 答弁になりませんけれども、こういうように公共事業費が大幅に配分がおくれているということになりますと、これは景気に対するやはり大きな影響があると思うんですが、河本大臣、どのようにお考えでございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 相当な影響はあると思いますが、先ほど来大蔵省、自治省の御答弁を聞いておりますと、その中にありましてもいろいろな工夫をしてその影響を最小限に食いとめると、そのようなことを言っておられますので、影響が少なくなることを私どもは期待をいたしております。
○桑名義治君 いずれにしましても、このような予算執行の状況のもとでは、公共事業は大きな影響を受けてくることは事実だと思います。これは現在の日本の置かれている経済の状況の中では大変な事柄だ、こういうふうに思うわけでございますが、仮に貿易摩擦の問題にもこれは波及してくる問題だというふうに考えなければならないわけでございますが、この際、総理もおいででございますので、この関連についてちょっとお尋ねをしておきたいと思うんですが、米国の速報値、いわゆるGNPの速報、この暫定推計値が二・一%だったものが今回の発表によりますと一・三%の下方修正をしたということが十八日、米国の商務省のGNP統計で明らかになったわけでございますが、これによって米国の経済というものが今後どういう方向にいくというふうにお考えになっておられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 余り短期的な問題で一喜一憂する必要はないと私は思います。やはりアメリカ経済の底力というものはかなり強いものもありますし、それに最近の消費あるいは住宅あるいは設備投資等々の動向、あるいは各国の経済がアメリカ経済を信用している信任の度合い、あるいはいわゆる安全地帯としての意味を持っておる、セーフヘーブンと申しますか、そういういろいろな要素を考えてみますと、そう急にアメリカ経済というものが退潮に向かうものではない。大体言われていますように、本年度におきましても三・五%から四%にかけての成長は維持できるのではないか、そう考えております。ただ、最近の為替の動向等を見ますというと若干動いておりますが、我々として一番注目を要するのは、上がったり下がったりというものが乱高下しないように、その点は我々としても注意を要する点である、そう考えております。
○桑名義治君 この事柄につきましては、最近の新聞紙上で報道されているのは、いわゆる来年度のアメリカのGNP、経済成長率というものは恐らく二%から三%の間を上下するのではなかろうか、大体この辺ではなかろうかというのが定説のようになっているわけでございますが、今総理は三・五%から四%程度というふうなお考えのようでございますけれども、しかし最近の情報、アメリカ自身の言っている、大学の教授が言ったりいろいろな方々が言っている情報は大体そういうところでございますけれども、三・五%から四%程度という見方は少し甘いんじゃないですか、どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私が申し上げたのは、アメリカの当局筋あるいはアメリカの金融筋が予測している数字が大体そういう数字になっております。ですからそれをまだ崩すという判断を示すところまではいっていないと、そう私は思いまして一応アメリカが発表している数字というものをそんたくして申し上げた次第なのでございます。経済は生き物でありますから我々としても非常に注目は要すると思いますが、アメリカ経済というものの本質を考えてみますと、やはりまだかなり強いものがあると私は考えております。
○桑名義治君 いずれにしましても、現在の世界の経済というものがドルを基軸にしながら動いているわけでございますので、したがってアメリカ経済の動向あるいはドルの動向、こういったものが世界の経済に大きな影響を与えていくということで、最近の新聞紙上を眺めてみましても、再び日本の国で内需拡大への声が大きくなってくるのではないか、こういうふうに至言われているわけでございますが、この点はどういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(竹下登君) そういういろいろな新聞報道等があることは私どもも承知しております。ただ、私は個人的にいつも考えるのでございますが、一昨年のウィリアムズバーグそれから去年のロンドン・サミット、それから一番近いところではことしの一月の私どもの五カ国蔵相会議、そういう一連の動きというのは、言ってみればかつて日本に求めた機関車論というのは結果的には失敗であったと、それは日本もそれによって大きな財政赤字ができたかもしらぬが、あるいはヨーロッパの国々はかつて宗主国であったと、英領何々とか仏領何々とかございますから、そういうところから一斉にそれが求められて結果として残ったものは財政赤字と、いわば高金利によって開発途上国が余計債務累積問題などを起こしてきた。だから、おのがじしそのところに従い、いわゆるインフレなき安定成長というものにお互いが経済政策の調整をとりながらやっていこうという筋がまだ貫かれておるわけであります。 したがってその限りにおいて、サミットの場合におきましても財政当局者だけの会合もございますでしょうが、そこで一挙に今までの主張が変わって機関車論が出てくるという環境にはないではないかと。したがって、私は出席できませんでした十カ国大蔵大臣会議、そしてきょう帰ってくるはずでございますが、IMF暫定委員会等でも、結果的にはお互いの内需拡大というのはいわば財政が出動するという考え方ではなくして、デレギュレーションであるとか民間注力であるとか、そういう形でお互いが内需の拡大を図るべきであるという基調のように私は送ってきた報告で受けとめておるわけであります。 だから、財政の出動によるところのいわば機関車論というのは、私は従来の流れからして出てくるというふうには必ずしも考えていないという、もちろんいわゆるサミットの議題が決まったわけでも何でもございませんけれども、我々の大蔵大臣会議の分野の中ではそのような形で議論は進んでいくんじゃないか、ただお互いが持っております黒字問題あるいは財政赤字、ドルの独歩高問題、ヨーロッパの構造問題というものはもちろん双方が議論いたしますけども、いわゆる機関車論的な考え方は私は出てくる環境には必ずしもないというふうに私なりに理解しておるところであります。
○桑名義治君 いずれにしましても、日本の黒字問題は、あるいはまたアメリカの経済に多少陰りが見え始めたということになれば、これは当然ながらサミットの議題にもなってくるのは、やはり日本の内需の拡大を図れというような方向が非常に鮮明に打ち出されてくるのではないか、こういうふうに思わざるを得ないわけでございます。 これは四月の十三日ですか、このときのシュルツ国務長官と安倍外務大臣の会談の中でも、いわゆる内需拡大を促しているという報道がなされているわけでもございますし、それと同時に、その後にこういったいわゆるアメリカのGNPの下方修正が行われたということになれば、しょせんこれ内需の拡大というものが大きく求められてくることは火を見るよりも明らかである、こういうふうに思うわけでございますが、そういった立場から考えますと日本は、これはもう財政が内需の拡大に果たす役割というものが非常に比率が落ちたとか、あるいはまたそういった方法というものはいわゆる古典的な経済論だというようなことを除いて、やはりなすべきものはきちっとやっていく、打つべき手はきちっと打っていく、この立場を私たちは堅持していかなければならないと思うわけでございます。 今回のこの法律案が通過しないことによってこういう公共事業費が抑えられているということは、なすべきことをやらなかったということに通ずるのではないか、こういうふうに私は思うわけでございますが、大蔵大臣、この点についてはどういうようにお考えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 公共事業の結果として契約がおくれておることは事実でございますから、それは我々の努力不足もあるいはあったのではないかと思います。 これも非常に荒っぽい議論でございますけれども、私も心配で、しかし非常に荒っぽく考えてみますと、幸いにして昨年の補正予算でいわゆる契約をさしていただいた、そういう措置というものが今日はつながっておるんじゃないか。そこで、その後出てくるものがいわゆる地方単独事業であり、そうして今度は補助事業の法律の対象外のもの、そして対象内のもの、こういう順番で出てくるんじゃないか。ただ、桑名さん、私の最近感じますのは、かつては七〇%というとかなりやいのやいの言わなきゃできませんでした。ところが自然体でやりましても、結局地方団体がなれてきたということもあろうと思うんですが、相当な契約率が上半期に出てくる、そういう習慣がついたというと少しオーバーかもしれませんが、非常におなれになってきたということは言えると思いますので、そういうことを幾らか心の支えにしておるわけでございますけれども、おっしゃるように、法律案がおくれたということが内需拡大にいささかでも影響を与えておるということは、これは紛れもない、否定することのできないことではないかというふうに考えます。
○桑名義治君 今回のこの法律がこういうふうにおくれているということに対しては、審議がおくれているというふうにお考えになられますか。
○国務大臣(竹下登君) 国会の審議がおくれておる、スムーズにいっておるということは、これは行政府として国権の最高機関たる国会に対してはいささかのコメントを申すべきものでないということも、私も国会議員になってからその方のサイドから聞かされておることでございますので、そういうことを申し上げようとはゆめゆめ考えておりません。
○桑名義治君 私は、今回このようにこの法案がおくれたということは、法律の提出のあり方に問題があったのではないか、こういうふうに思うわけでございます。 政府は、例年衆参の国会における予算委員会等の日程等も十分に熟知をされているわけでございます。それに日切れ法案を多数抱えている大蔵委員会に付託されることを希望していたようでございますけれども、衆議院ではそのようになされたわけでございますが、本法案が三月末に国会を通過することはそういうことをいろいろと考えますと不可能に近いこと、これを承知で国会に提出した、こういうふうに私たちは言わざるを得ない、こういうふうに思うわけでございますが、この点はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる行革特例法のように、秋にでも大改革ならばそれをやっておいて、それに基づいて予算を組む、これは一つのオーソドックスな私もやり方であると思っておりますが、今度の場合は、いわば概算要求が終わりまして以来、こうなれば高率補助率に手をつけざるを得ないという結論に到達した後、ぎりぎり十二月の予算編成作業が終了いたしますまでこれを議論してきたわけであります。 しかし、私どもとして平素予算関連法案というのは二月の大体下旬のあるときの金曜日、火曜日を提出のタイムリミットとするわけでありますが、しかし、これはやはり不可分なものであるからということで、せめて真心を示したということは、一月予算書と一緒に提出したということが我々としてのぎりぎりの努力の結果であったというふうに振り返って私もそのような理解をしておるわけであります。 そうして、これも法制局等とも協議いたしまして、いわば所管大臣は大蔵大臣であるということで提出したわけでありますが、どの委員会に付託されるかということになりますと、これはまた国会の御意思で決まることでございますので、私どもがどうありたいと希望しておったということも表現すべきことではなかろうと思うのでありますが、私どももいろいろなことを考えます。これは国会議員として、また国務大臣の今責任ある立場におるわけでございますから、いささか御勉強いただいて、あるいは予算委員会終了後にあるいはお風の時間に、あるいは予算委員会が始まりますまでの三十分間とか、そういう時間を活用していただきながらやりましたが、やってちょうだいしましたわけですが、結果としてこういうふうに遅延をしたということになったわけであります。決して審議がおくれたからという表現もいたしませんが、我々としても精いっぱいの努力が、予算案と同時に提出したというところまでが限界ではなかったろうかなというふうに思っておるわけであります。
○桑名義治君 今回は、冒頭に大蔵大臣が述べられておられますように公共事業の部分、これは現在引き下げ対象外の事業を振り分けて執行に入るように努力する、あるいは積雪寒冷地域等についても云々というふうに特別な措置をということで御発言がなされておるわけでございますが、しかし実際に今回の法案の中で一番影響を受けるのは、やはり生活保護者を大量に抱えている地域だ、こういうふうに思うわけでございます。全体を通していわゆるこのカット法案がこういうふうにおくれて、それぞれの予算の配分が非常におくれて地域が困っているわけでございますが、これは前払いというような形とか、あるいはまた現法律が生きているわけでございますので、この法律に戻って配分をし、その後返還すべきものは返還するというような方法がとれないものかどうか、この点について伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 後から事務当局からこの支払い方法について正確にお答えいたしますが、私どもいわゆる前払い、概算払い、そういう問題を考えますに至りましても、必ずそこには一つの交付決定をするための基準そのものはあらなければならぬ。その基準というものが今、国会の意思がまさに決定していない今日でございますので、したがってそういう措置ができない、こういうことになるわけであります。したがいまして、補助金そのものが十四兆数千億のうち八割が自治体を経由して出るわけでございますから、そういう関連の問題につきましては、いわば資金繰り等に対する配慮は行わなきゃならぬという考え方で対応しておるということであります。
○政府委員(平澤貞昭君) 今の大臣の御答弁を補足して申し上げることになるわけでございますけれども、概算払いとかあるいは内金払いとか、あるいは前金払いとかいうようなものは資金交付の一つの形態であるわけでございますけれども、そのような資金交付をいたしますためには、その前に前提として支出負担行為としての交付決定が必要であるわけでございます。したがいまして交付決定、つまり支出の根拠となる原因行為がまずあって初めて行われるわけでございますので、それがなしに概算払いあるいは前金払い、内金払い等は行えない、こういう法律構成になっているわけでございます。
○桑名義治君 では、ちょっとお尋ねをしておきたいわけですが、地方交付税法の一部改正法案の成立時期とその間の交付税交付の取り扱いについては、大体五十一年から五十九年までの間を眺めてみますと、交付はもうほとんどが五月に食い込んでおるわけでございます。そして実際には、先ほどからもちょっとお話があっておりますように、概算払いとして四月から支払いを続行していると、これはどういうところに根拠があるわけでございますか。それと今回の場合とどういうふうに違うわけですか。
○政府委員(土田栄作君) 地方交付税法の十六条に地方交付税の交付時期に関する規定がございます。そしてそれは四月と六月と九月と十一月、この四回に分けまして普通交付税を交付するわけでございますが、この交付額をどういうふうに交付できるかということが法律上決まっておりますので、この法律の規定に従いまして、さらにその実施については自治省令があるわけでございますが、その両方の定めによって交付することにいたしております。それで、補助金の場合と違いますのは、これは例えば四月ならば四月の交付額は幾らであるかということが、この時期にこの法律及び自治省令によって確定できるから交付するということになっております。 なお、この時期に法律上確定できない分がございます。それは、ただいま委員御指摘の、改正法案の中で幾らふやすというような規定があるわけでございますけれども、こちらの方につきましては法案成立後追加交付するということで、四月交付の状態では留保して交付するということにいたしておる次第でございます。
○桑名義治君 いずれにしましても今回の場合、生活保護費の場合を考えてみましても、一応現法律は死んでいるわけではございません。現法律はあるわけでございます。そういった立場から考えますと、いわゆる公布の日からというふうになっている現法律が、今回の改正法案というものが成立はしておりませんけれども、現実に法律は生きているわけでございますので、そういった仮払い方式、概算方式というものをとってしかるべきではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 先ほども御答弁申し上げましたように、概算なり前払いの場合は債務が決まっておりまして、その上で初めて交付が可能ということになるわけでございます。したがいまして、今回の生活保護費の国が負担する部分につきましては、その交付決定、支出負担行為がないわけでございますので概算払いが法律上できない、こういうことになるわけでございます。
○桑名義治君 その問題についてはどうしても了解できません。 そこで内閣法制局にお伺いするわけでございますが、これは一般論としてでございますが、予算の成立内容と法律内容とが不一致の場合には行政府としてはどのような対応をなすべきかという法律的見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(茂串俊君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問、法律と予算が不一致となった場合には行政府としてはどのような対応をすべきかという御質問と承りましたが、私の立場上一般論として申し上げますと、予算と法律は国政運営上のいわば二大規範でありまして、ともに国会の議決により成立するものでありますから、予算どこれに対応する法律とが内容的に相矛盾したり不一致を来すというようなことは本来的には予想されないところであると思います。 しかしながら、両者の不一致を来す場合が全くないとは言えないわけでありまして、典型的な例といたしまして挙げられますのは、予算が成立したのにその裏づけとなる法律が成立していなかったり、あるいは逆に予算を伴う法律が予算措置を講じていないのに成立したような場合を挙げることができるわけであります。そして、前者の例でございますれば、予算の裏づけとなる法律が成立、執行されない限りは関係予算の執行ができないことになります。また、後者の例でありますれば、予算の面で所要の措置が講じられない限り当該法律の内容を執行することができないという問題が出てくるわけでございます。 そこで、このような場合に行政府としてはどのように対応すべきかということでございますが、前者の例でございますれば、その法律の速やかな成立を図るべく国会の御審議をお願いする。また、後者の例でありますれば、予備費の使用その他の予算上の措置をとるというように、両者の不一致を解消するための所要の対応策を講ずべきものと考えております。 なお、今回の場合のように、既に予算が成立しているのに、予算に対応する法律の改正案、それも歳出予算の縮減を伴うような改正案が国会で審議中のような場合でございますと、政府としては法律と予算をともに誠実に執行すべきであるという立場に立って、法的に問題がない限り、その法律の成立を待って処理するということも是認されるのではないか、むしろ適当ではないかというふうに私どもは考えております。
○桑名義治君 次の問題に移りたいと思いますが、昨年の十二月四日に地方制度調査会から答申が出されたわけでございますが、これによりますと、「国と地方との間の機能分担と費用負担のあり方を根本から見直すことなく、国庫補助負担割合を一律に引き下げ、あるいは、補助負担対象を一方的に縮小するなどは、単に国の財政負担を地方に転嫁するにすぎず、国・地方を通ずる行政改革の理念に反するものである。」と、こういうふうに言っているわけでございます。要するに、まず機能分担と費用負担を見直すべきであると言っておりますけれども。政府は臨調と同様の総理の諮問機関である地方制度調査会の答申を無視して、一年限りとはいえ、一律カットだけを実施したというのはどのような理由なのか、まず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) お答えいたします。 昨年十二月の四日に地方制度調査会から当面する地方行財政問題につきまして貴重な御意見を伺いました。私たちも、地方行財政の自主性の確立という観点からいたしまして、誠心誠意その御意見の実現に努めておったところでございます。ただ、まことに遺憾ながら、国庫補助率の一律引き下げにつきましては、この地方制度調査会の御意見の趣旨に反し、非常に厳しい財政事情のもとで六十年限りの暫定措置として起債が行われることになりましたが、これに対しましては、地方財政対策におきまして地方交付税の増額と建設地方債の増発によりまして地方財政の運営に支障が生ずることのないようにしたというところでありまして、御了承をいただきたいと思っております。
○桑名義治君 私が特にお聞きしたいのは、こういうふうに機能分担というところを明確にした上でというふうになっているわけでございますけれども、しかし、それが明確にならない前にこういうふうに一律カットという法案が提出をされた。その理由はどこにあるのか、これを聞いている。
○国務大臣(古屋亨君) 自治省といたしましては地方制度調査会の御答申を誠心誠意尊重しておったのでございますが、国の厳しい財政状況で一年限りの措置とし、そしてその補てんについては地方交付税と建設地方債によりましてこれを補てんするという条件のもとで、遺憾でございましたが、これを採用せざるを得なかったというような状況でございます。
○桑名義治君 そうすると、いわゆるその一律カットの補てんについては建設地方債で補てんをする、交付税ももちろん入りますが、そういうことでございますね。
○国務大臣(古屋亨君) お話のとおり、一千億は地方交付税それから四千八百億は起債でございます。
○桑名義治君 では起債の利子はどうなりますか。
○政府委員(土田栄作君) 利子の発生いたしますのは昭和六十一年度以降でございますけれども、昭和六十一年以降の地方財政計画にその分の利子を計上する。それから個別団体につきましては地方交付税で措置をするということで財源措置をしてまいりたいというような考えております。
○桑名義治君 そこで、とにかくこのようなやり方というものは、先ほどもお話がございましたが、国の財政の収支じりを合わせるためにとった手段だと、自治大臣の御答弁も大体そういうことでございます、要約しますと。地方団体にそのツケを回すだけになるわけですが、しかも一年だけの処置だと、こういうふうに言われておりますけれども、これでは地方自治団体の財政を混乱させるだけで行財政改革とは全く無縁のものである、こういうふうに言わざるを得ないのでございますが、六十一年度にはこれらの処置をとらない、こういうふうにとってもよろしゅうございますか。
○国務大臣(古屋亨君) 御質問にお答えいたします。 六十一年度以降の補助負担率のあり方につきましては、六十年度におきまして国と地方との間の役割分担、費用負担の見直しとともに政府部内であわせて検討を進めまして、この一年内に結論を得るということになっておりまして、これをいかに結論を出すかということはその検討の結果にまつということでございまして、私どものそのときの態度は、今申し上げましたように、役割分担、費用負担あるいは地方制度調査会あるいは地方財政審議会等の御意見を承りながら決めていきたいと考えております。
○桑名義治君 そこで、昨年の十二月の大蔵大臣、自治大臣、厚生大臣によるいわゆる社会保障に係る高率の補助率の引き下げ措置を講ずるに当たっての覚書によりますと、第二項の「昭和六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方の間の役割分担・費用負担の見直し等とともに、政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得るものとする。」と、こういうふうになっているわけでございます。いわゆる六十一年度の予算に間に合わせることとする、こういうふうになっておるわけですが、この六十一年度の予算に間に合わせるためにはこの夏ぐらいにある程度の方向づけができていなければならない、こう思うわけです。十二月までというわけにはいかないわけです。そこで、十分検討する時間があるのかどうか私は大変に疑問なんですが、いわゆる大蔵、自治、厚生大臣、この三者会談の覚書というのは空文に等しいのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点はどういうふうにお考えになっておられますか。
○国務大臣(竹下登君) 三大臣で申し合わせをいたしたのは御指摘のとおりであります。それで恐らく桑名さんは、そうは言っても手順としてまず概算要求基準を決めなきゃいかぬじゃないか、それから八月になれば概算要求があるじゃないか、そうすると十二月まで待っておっては、事実上その前にある程度決まってないことには現実問題としてきちんとした予算編成方針も出せないじゃないかと、こういうことの御懸念を前提に置いての御質問じゃないかと思います。 私も実は概算要求というのは気になっております。だから、仮にもしそれまでに出なかった場合、それでも例えば公共事業でございますとデフレーターだけにしておくとか、何か勝負は後に残してやる手があるかもしれません。社会保障関係はどういうふうにして概算要求のときやるかというのは、その時点で結論を出さなきゃいかぬ問題でありますが、実際、これからどこで、どういう方法でこの議論をしていくかということも、今、国会のまず議論を聞いてから決めようと、こういうことになっているわけですから、それから相談してやりますとその概算要求のときまで間に合うかなということになりますと、私も同じような懸念を持っております。が、しかし、それに仮にもし間に合わなかったといたしましても、十二月までにはきちんとした結論は出さなきゃいかぬ課題だという問題意識で物を進めてまいろうというふうに考えます。
○桑名義治君 今大蔵大臣もお話しになりましたように、実際にこういうふうに補助率のあり方、国と地方の役割分担、費用負担の見直しが来年度の予算までに間に合うかどうかということは、私は今の大臣の御答弁をお聞きしても無理だというような気がいたしてならないわけです。そうなってくると、いわゆる三者の覚書というのは全く空理空論になってしまうんじゃないかというふうに思うんですが、これどうですかね、間に合いますかね、実際に。間に合うとも間に合わないとも大臣はお答えにならなかったわけでございますが、どうでしょうかね。
○国務大臣(竹下登君) これはやはり間に合わせなきゃいかぬという覚悟で臨みたいと思っております。
○桑名義治君 自治大臣、間に合うと思われますか。
○国務大臣(古屋亨君) 私も間に合わせなければならないと思って一生懸命にやります。
○桑名義治君 では厚生大臣、どうですか。
○国務大臣(増岡博之君) 大蔵大臣や自治大臣がお話しになりましたように、ぜひとも間に合わせなきゃならぬと思っております。
○桑名義治君 それは希望的観測であって、絶対に間に合わせるということではないわけですね、大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) いや、願望であってはならぬと。これはもうどうでも間に合わせるということで臨まなきゃいかぬというふうに私は思っております。
○桑名義治君 そこで自治大臣、今回の補助金カット、これは国にとっては確かに一割カットです。しかし、地方にとりましては負担から考えると五〇%の増の負担があるわけですね。例えば生活保護費の場合は二〇%今まで負担をしておったのが、今度は三〇%負担するようになりますから、五〇%負担になるわけですよ。五〇%増になるわけですね。そうすると地方のいわゆる福祉、教育などの水準低下につながるんじゃないか、こういう心配があるわけですが、どうでしょうか。
○国務大臣(古屋亨君) お尋ねの点は、経常経費につきましては一千億の交付税の上積みと、あと千六百億、これは六百億は富裕団体の分でございますが、一千億。一千億につきましては、この一年の検討によりまして、場合によりましては六十五年より先の交付税に追加するということでございますが、とにかくこれは建設地方債ということで形の上でやってまいりたいと思っております。
○桑名義治君 どうも歯切れが悪うございますが、そういう仕組みについてはある程度私もわかっていますよ。わかっていますけれども、実際にこういう補助金のカット、カットがずっと後押し後押しになっていっているということは間違いないわけでございまして、起債をやれば当然これまた利子負担がかかってくるわけでございますので、そういったところを考えるとこれは好ましいことではない、こういうふうに思うわけです。 五十八年度の自治体の決算状況を見ますと、歳出に占める公債比率が要注意ラインと言われている一五%を超えている市町村が五四・四%もあるわけですね。それらの自治体については起債のもう余裕はない、こういうふうに見なきゃならないと思うんですが、今回地方債で補てんするとしてはおりますけれども、結局は住民サービスの格差を拡大するものになるのではないか、こういうふうに危惧するわけでございますが、この点はどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(土田栄作君) まず、今回の補助負担率の引き下げに伴います地方負担の増は地方交付税と建設地方債でマクロ的には全部埋めますし、地方交付税の配分とそれから地方債の配分でそれぞれの団体に財政措置をいたしますので、私どもの考え方では六十年度の地方財政の運用に支障を生ずるというようなことはないと考えるわけでございますが、委員御指摘のように、どんどん地方債がふえてまいると、それからさらには公債費負担比率の高い団体がふえてまいりまして、それで財政運営が非常に困るんじゃないかという問題が確かにあるわけでございますけれども、この問題につきましては、私どもといたしましては昭和五十年代は非常にたくさん財源対策債というものを出しまして、公債費がどんどんふえてまいったわけでございますが、昭和六十年度の地方財政につきましては、国庫補助負担率の引き下げを行わないという前提では地方財政は収支が均衡する、収支差がゼロになるということで、五十年代を通じまして発行してまいりました財源対策債の発行を必要としないということになったわけでございます。 そういうことで、今回国庫補助負担率の引き下げに伴いまして四千八百億の建設地方債の増発を行うことになったわけでございますけれども、これを入れましても、地方財政計画全体として見ますと五十九年度に比べまして六十年度は八千百二億円だけ地方債の発行を縮減するということが可能になりました。したがいまして、地方債の依存度は五十九年度は地方財政計画で九・九%でございましたものが七・八%というふうに地方債の依存度を大幅に引き下げるということができるようになったわけでございます。 それから建設地方債の償還につきましては、元利償還が行われます昭和六十一年度以降の年度におきまして地方財政計画に算入し、また個々の団体に対しましては地方交付税の基準財政需要額に増額算入するということで財政措置を行ってまいりますので、私どもはマクロとしては地方財政がやっていけるというふうに思いますけれども、ただ、委員御指摘のように、個別の団体でその地方債の負担が非常に多いと、しかも財政力が非常に弱いということで財政運営に困る団体も出てくるかもしれません。それを私どものところの財政局に実は財務調査官というのが四人おりまして、これが全国の地方課を通じまして適時適切に情報を収集し、財政運営の指導に当たるというふうにやってまいりたいというふうに考えております。
○桑名義治君 今お話し申し上げましたように、地方においては五四・四%の各市町村がもう大変な起債可能なぎりぎりのラインまで来ているわけでございます。それで、マクロでやはり一切の論議を進めていくと大変な危険なところがあるんですね。だからそこら辺のことを考えてまいりますと、今回のこの処置というものが非常に私は不安になってならないわけです。 補助率カットはいずれにも補助金そのものは残すことになるわけでございますが、今回の法律、結局国の地方団体に対する関与の道は残っていると。この補助金を整理せよという声が非常にあるわけでございますし、また臨調の答申の中にもそういう方向性が示されているわけでございますけれども、しかし今回の処置の中ではこれと全く無関係であるというふうに見れるわけでございます。結局、今回のこの法律案というものは地方に負担を押しつけたにすぎない、こういうふうに思います。 そこで、臨時地方特例債の二千億円の補てんの仕方を見ますと、昨年好ましくないとして廃止をした交付税特会における借り入れ措置の復活とも言える、こういうふうにも思えるわけでございますが、自治省の方針として一貫性に欠けるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点どうですか。
○政府委員(土田栄作君) ただいま委員の御指摘にございましたように、五十八年度までの交付税の特別会計におきます借入金の場合も、今回の補助負担割合の引き下げに伴います地方負担増加の補てん措置の場合も当面借入金で賄いまして、将来の償還ベースで国が二分の一相当を負担するということでは国の財政措置としては類似性がある、よく似ているということでございますけれども、交付税の場合は、地方財源が全体として足りなかった場合に、主としてこれは経常経費系統が足りなかったという場合におきます不足分につきまして地方交付税の交付税率の引き上げを行いますかわりの措置としてとられているものでございます。 そういう場合におきまして、交付税特別会計において経常経費等を含めました地方財源の財源不足というものを賄いますために交付税を借りると。それからそれについては折半負担という考え方をとったわけでございますけれども、この交付税の折半負担といいますのは国と地方との一般財源の配分割合、これは税だけでございませんで、交付税で地方の方へ回るものも考えますと大体五〇対五〇、一対一になっているということから、交付税については折半負担という考え方を決めたものでございます。 今回の場合の措置でございますけれども、今回の場合の措置は主として投資的経費に係るものについてのお尋ねだろうと思いますけれども、国庫補助負担率の引き下げに伴います地方の負担増加額のうちの投資的経費に係る分については、当面個々の地方団体における建設地方債の増発で賄う。それからその元利償還が行われる年度において国が二分の一相当を負担するということにしているわけでございますけれども、これは行革関連特例法で特定地域におけるかさ上げ補助率の縮減を行いました場合、これは投資的経費系統が主体でございますけれども、こういうときの財政金融上の措置が国が二分の一という措置でございましたので、これと同じものと考えまして、この系統での財政措置ということで二分の一にしたわけでございます。そういうことでございまして、財政措置の中身としては同じでございます。性格的には異なるものであるというふうに考えております。
○桑名義治君 次に、五千八百億円の補てんについては大部分が将来交付税で処置する。結局は交付税の先食いですね。自治体のいわゆる自主財源を圧迫することになり、これで自治体に対して万全の処置をしたと言えるのかどうか。あるいは単年度の財政のつじつまを合わせただけにすぎないのではないか、こういうふうにも思えるわけでございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(土田栄作君) これは、五千八百億円の財源措置をすることによりまして、六十年度については一応完全に補てんしたということになろうかと思います。 それで、六十一年度以降その利子償還、さらには据え置き期間が過ぎますと元金償還というものが始まるわけでございますが、これらにつきましては六十一年度以降の地方財政計画に算入して収支の均衡をさせる。つまり地方財政計画を赤字にしないという形での国の財政措置をとりますし、それから個別団体につきましては、交付税の基準財政需要額の算入を通じて対処してまいりたいというふうに考えますので、国としてはそれぞれの団体の財政運営に支障を生ずることがないような財政措置を行い得るものというふうに考えております。
○桑名義治君 今も御答弁ございましたけれども、これはやはり単年度の財政のつじつまを合わせたにすぎない、こういうふうに思わざるを得ないわけでございます。 そこで次に、生活保護の問題についてちょっとお尋ねをしておきたいと思いますが、生活保護についての国の負担が大きいということは、これは最低生活、言いかえれば国民生活の保障の基本であると、生活扶助基準や各種の加算制度についても級あるいはまた地域別に国がその基準を定めて市町村が実施しているわけでございますけれども、これは市町村独自で定めるものではないわけでございまして、このように国民最低生活の保障をするという国の責任から高率補助というふうになっているわけでございます。だから国の負担割合をその財政状況により勝手に動かし得ない、こういうふうに私は思うわけでございますが、法令上は補助金ではありますけれども、実質は国の補助率引き下げが許されない分担金というふうな性格の方が強いのではないか、こういうふうに思います。そこで国の役割の検討のないままに補助率の引き下げはおかしい、こういうふうに私は思うわけでございますが、大蔵大臣、厚生大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 確かに生活保護の問題、社会保障の問題、これにつきましてはいわば国と地方の最終的には費用負担のあり方ということで、生活保護に限って言えば七対三という結論に暫定措置としてお願いすることになったわけでありますが、私どもが議論しております間におきましても、昭和二十一年に厚生省がたしか七億、八億でございましたか、大蔵省が二億ぐらいが大体この予算のおさまりどころだろうと、こう考えておった。そうしたら進駐車から三十億と、当時はGHQの関接統治下でございますから。したがって、そういう思い出話を書いた時の事務次官安井誠一郎さんの書物なんかがずっと残っておりまして。その後、それまでは地方と国とが半々で、それで一時期大変敗戦直後の貧乏な状態のときは全額国費のときもございますが、二十一年以来、そして二十二年また議論され、そして二十六年にもう一遍議論されて、それが今日まで八対二ということは崩れないでこれは来ておるわけでございます。 したがって、今の御議論にもありましたように、一年間かかってまずは補助率いかにあるべきかということをやって、憲法二十五条からの議論を引いてみますと、国の責任の最低保障でございますから、そこで地方の負担のあり方の議論は一年やってからやったらいいじゃないか、そういう議論もいたしました。が、しかし、今日の時点においてやはり高率補助率の問題等がこれだけ指摘されておるならば、さればことしは費用負組のあり方とはすなわち一割カットだと、具体的に生活保護で言えば七、三だということで暫定的合意をしたということでございますので、その精神は今後——先ほども願望じゃないかとか希望じゃないかとか言われたわけでありますけれども、この予算編成期までに十二月までかかって本格的な議論をして詰めよう、こういうことになっておりますので、そういう議論はその中間において私どももやってきた議論であるということをつけ加えてお答えといたしておきます。
○国務大臣(増岡博之君) 生活保護につきましては国が最終的な責任を持っておるわけでございますので、御指摘のような性格を持っておることも御指摘のとおりでございます。ただ、それと同時に、生活保護費は国と地方公共団体相互の利審に関係する事務に関する費用ということで、従来から一部を地方公共団体が負担されておりまして、住民福祉の観点から見ても国のみが負担すべきものとは考えていないわけでございます。今回の措置をとりましても、地方の負担につきましては地方財政対策を通じて適切に対処されているところでございますので、私どもといたしましては生活保護の水準そのもの及び内容には影響を与えないものであると考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○桑名義治君 生活保護者そのものへの影響というものはないことはそれはもう当然わかっています。それだけに、それより以前の問題として、各地方自治団体の負損の問題が今論議になっておるわけでございますので、その点は立て分けておいていただきたい、こういうふうに思います。 生保の実態を見てみますと、地域的には北海道、東北、九州が保護率が高く、最も高いのは九州であります。福岡県では保護率は四四・五パーミル、沖縄二六・二、北海道二一・二、高知二五・九、青森二〇・九、低いところの二倍の生活保護者がいるということでございます。また、福岡県では福岡市が二七・九、北九州市が三七・七。生保については、今回、地方の激変緩和ということで二百億円の臨時財政調整補助金が措置されているわけでございますが、その交付基準は決まったのかどうか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) 交付基準につきましては夏ごろまでに決めたいと思っているわけでございます。
○桑名義治君 臨時財政調整補助金の交付概要はまだ言えないようでもございますけれども、当然生活保護者が多いところであろうし、また生活保護の適正化に熱心に取り組んでいるところ、こういうふうになっているわけでございますが、人口十万人以下の市ということになり、地方交付税の不交付団体には交付されない方針と聞いているわけでございますが、本法案によって一割地方負担になることによって、都道府県、指定都市への影響額は東京が最高で百六十五億円、次いで福岡が九十六億円、これだけ地方の負担がふえるわけでございます。全国でその額が一千五百億円でありますが、福岡県の場合ですと福岡市、北九州市は政令市でありますから、これは当然人口が十万人でありますから、保護率が高いのに臨時財政調整補助金の交付対象にはならないことになります。 臨時財政調整補助金が措置された趣旨は、産炭地を抱えるなどのように急激に負担が増加するためにその激変緩和を図るということでありますから、十分にその趣旨どおり措置されなければならない、こういうふうに思うわけです。このようなケースについて厚生省はどう対処をされるのか。また、地方負担増から必要以上の生活保護の適正化を行い、低所得の生活保護受給者に生活保護切り捨ての心配をかけないようにすべきと思いますが、この点について伺っておきたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) 臨時財政調整補助金につきましては御指摘のような趣旨でございますので、したがいまして、生活保護者が多い、そうしてそのために財政規模に占める割合が高く、かつ財政基盤の脆弱な団体ということが重点になろうかと思います。そういう考え方から、今後生活保護の適正な運営に支障のないように関係省庁と相談して基準を作成いたしたいと思います。
○桑名義治君 先ほどもちょっとお話も申し上げましたように、産炭地域というものは非常に生活保護荷が多い地域でございます。それで、生活保護者が多い地域というものは、各地方の財政が非常に脆弱であるということにつながっておるわけでございます。ところが、今回の激変地域における措置というものが生活保護の適正化に非常に熱心なところというふうによく言われているわけでございますが、この熱心なということはどこを意味するのか。地域によって随分とその地域事情というものが違うところがございまして、これは非常に厳しい問題があるんですよ。そういうことをやはり考慮しながら配分するのかどうか、その点も伺っておきたいと思います。
○政府委員(正木馨君) 大臣からもお答え申し上げましたように、生活保護の臨時財政調整補助金は基本的には地方の負担については地方交付税等で措置をされるわけでございますが、先生おっしゃいますように、保護率は全国平均でいたしますと一・二%程度でございますが、産炭地等において非常に高い、それからまた低いところもあります。保護率が地域的に非常に差異がある、また歳出規模に占める生活保護費の度合いというものも非常に違います。そういうことによって、基本的には地方財政対策で措置をされましても地方公共団体によっては影響度の違いがある。そこで、保護人員が多いところ、あるいは財政基盤が脆弱な地方公共団体というものに対しては、やはり生活保護の適正運営という面からも措置をする必要があるということで二百億円を計上いたしたわけでございます。 そこで、この配分でございますが、先生おっしゃいますように、その地方公共団体の財政に対する影響というものをまず重点的にやはり考えなければならない。そういった意味では、事例に挙げられました産炭地域等の地方公共団体については非常に影響も大きい、そういう点が一つ考慮しなければならない点でございます。 ただ、適正運営というのは、やはり生活保護というのは漏れがあってはならないと同時に乱れがあってはならないということで適正実施ということに努めておるわけでございますが、具体的に申しますと、例えば郡部におきましては六十五世帯に一人のケースワーカーを置くように、市部においては八十世帯に一人置くようにということで収入認定等もきちっとやるということをやっておるわけでございますが、率直に申しまして地方公共団体によってその努力の度合いというものの違いもあることも事実でございます。配分に当たりましては、やはり適正運営という面についても一つ考えていかなければならぬのじゃないかということで、基本的には財政に対する影響というものを重点的に、そうして結果的に生活保護の適正運営というものが期せられるようにということで、私ども具体的な交付基準をよく検討していきたいというふうに思っております。
○桑名義治君 次に、教育の問題をちょっとお尋ねしておきたいんですが、臨時教育審議会では二十一世紀を展望した教育改革に非常に熱心な議論が展開されているわけでございます。この二十四日にも中間報告が提出されようとしております。こんな中で、今回補助金の一括削減法案が提案をされて、教育関係予算については一応大なたが振るわれようとしております。そこで総理自身が、この臨教審の答申は内閣を挙げてこれを尊重して検討の上実施をしていきたい、こういうふうにしているわけでございますが、その中で莫大な予算を必要とする教育改革を推進しようとしている、こういうふうに思うわけですが、他方では教育条件の低下を招くような補助金あるいは負担金の削減、廃止を断行しようとしている、この間に非常にギャップがあるのではなかろうか、こういうふうにも思えるわけでございますが、この点は文部大臣としてはどういうふうにお考えになっておられますか。
○国務大臣(松永光君) 先生ただいま御指摘のように、臨時教育審議会では、我が国の高齢化の進行その他社会の変化、文化の発展、そして国際化の進展等々の事態に主体的に対応し得る能力を持った人間育成をなし得る学校その他の教育機能の整備を考えまして、長期的な展望に立って教育の各般について審議をお願いしておるわけでありますが、その審議がまとまりまして臨時教育審議会から答申等が出た場合には、先生も御指摘のように、私どもとしては最大限これを尊重してそれが実施をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。 今回の補助金の削減の対象となった公立文教施設等につきましては、先生も既によく御承知のことでございますけれども、地方財政計画の中で所要の財源措置をして、そうして事業の執行につきましては支障がないということになっておりますので、教育条件の低下につながるものではないというふうに考えておるわけであります。そういう意味で矛盾といったものはないというふうに考えております。 なお、臨時教育審議会の答申、これがどの程度の財政措置が必要であるかどうかということは、これは答申を見た上でなければわかりませんけれども、教育の改革即財政措置が必要ということにもならぬ面も実はあるわけなんでありまして、答申が出た時点でそういった点は十分検討して対応してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○桑名義治君 そこで文部大臣にお聞きしておきたいんですが、本案の具体的内容についていろいろと検討してみますと、義務・養護教育費国庫負担金の旅費、それから教材費が一般財源化されているわけでございます。しかし、単に地方交付税で措置すればよいといった問題ではないのではないか、こういうふうに思います。なぜなら義務教育費国庫負担制度は「教育の機会均等とその水準の維持向上とを図る」、こういうことが目的になっているわけでございまして、いわば義務教育の根幹をなすものでございます。義務教育制度の根幹にかかわる改正については、一方的な財政的問題の見地からだけではなくて、教育的見地から関係者の意見を聞いて慎重に時間をかけて検討されるべきものである、こういうふうに思うわけでございますが、今回はこのような慎重な検討は全く行われていなかったのではなかろうか、こういうふうに思われるわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 義務教育費国庫負担法の国庫負担の対象から教材費を外しまして一般財源化した問題でございますが、この点は私どもといたしましては、義務教育費国庫負担法という制度はその沿革からいっても、また実態からいっても、教職員の人件費の二分の一を負担するというのがその根幹をなすものであるというふうに考えております。教材費につきましては、これを国庫負担の対象に取り入れたのは、その当時の地方財政状況等を考慮して、そうして国庫負担の対象に取り入れたというふうに理解をしておるわけであります。 なぜそうなったのかと言えば、これが取り入れられた昭和二十八年でございますか、その当時は必要な教材につきまして市町村がこれを支弁せず、割り当て寄付等々の形で父兄負担に転嫁されておったという時代がございまして、これでは義務教育は無償であるという精神に反するということから、地方財政の状況等も勘案して、そうして国庫負担の対象に取り入れられた、こういう経過が実はあるわけであります。 今日におきましては事情が変わってまいりまして、必要な教材費については市町村等公費においてこれを調達するというそういうことが定着をしてまいりました。一方、国の財政は極めて厳しいということでございましたので、自治省、大蔵省等財政当局とも十分協議をし、かつ県の教育委員会等関係者とも連絡をとりながら、教材費につきましての財源措置は地方財政計画の中で前年度をやや上回る財源措置をしていただくというそういうことになりましたので、今審議していただいておりますように、国庫負担法の対象から外したということになってきておるわけでございます。 なお、義務教育費無償との関係でございますが、これはそういうふうに義務教育費国庫負担法に書いてあるわけでございますけれども、一つの精神は、やはり義務教育は無償でありますから、その負担者は国の場合もあれば地方公共団体の場合もあるわけでありますけれども、教材費の場合は今申したとおり父兄負担であったということが相当あったわけでありまして、それじゃいかぬということで、義務教育費は無償であるからということで国が半分、地方が半分、こういったことであの条文はできたものと私どもは解釈をいたしておるわけであります。 さようなわけで、問題は将来にわたって財政当局にきちっとした財源措置をしていただけるかどうかということが問題なんでありまして、私どもは教材費というものは義務教育の水準を維持向上する上で極めて大事なものであるという認識のもとに、財政当局に今後ともきちっとした財源措置をしてくれるよう強く要望してまいるという考え方でございます。
○委員長(桧垣徳太郎君) 午後五時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午後二時五十七分休憩 —————・————— 午後五時二十六分開会
○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案審査のため、来る二十四日及び二十五日の両日、参考人の出席を求めてその意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(桧垣徳太郎君) 休憩前に引き続き、質疑を続けます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○橋本敦君 私は、本法案に関連をして、財政再建にかかわっての政府の基本姿勢について質問をしたいと思うのであります。 その一つの問題は、臨調行革で国民生活関連予算が切り詰められていく、そして本法案で、補助金カットの一括法案ということで自治体なり国民に大きな影響を及ぼすというそういう状況がつくり出される。ところが、一方で防衛予算が削減されるどころかふえ続けていく。ここのところで、一体基本的に今後どう踏まえていくかという大きな問題があるはずであります。 そこで、それに関連をして防衛庁長官にまず伺いたいのでありますが、いよいよ来年度から五九中業がその期間に入るということでありますが、これに関連して、新聞報道によりますと、対潜哨戒機P3Cは七十五機の予定を百機に、最新鋭戦闘機であるF15J、これが百五十機ということになってきておりますが、さらに四十機ほど上積みをして約百九十機にと、こういう方向で策定作業が進められていると伺っておりますが、それは間違いございませんか。
○国務大臣(加藤紘一君) お答え申し上げます。 昨年、前栗原防衛庁長官が指示を出しまして、五九中業で防衛計画の大綱の水準の達成を目指して作業をするようにということで、現在五九中業の作業を進めております。これは水準の達成を考えておりますので、委員御指摘のように、いろいろな装備、機数等について現在のものよりはアップはいたします。しかし、それがどういう数になるのか、どういう数字になるのか、現在作業中でございますので、明確に申し上げられる段階ではございません。
○橋本敦君 大体の構想というのが私はあるはずだと思うんですね。だから、明確にP3Cが九十何機とか百何機とかいう細かい数字でなくても結構ですが、これが大体百機の方向、あるいはF15が大体百九十機台の方向というような、基本構想程度のことは議論されているのではありませんか。
○国務大臣(加藤紘一君) 現在、陸海空各幕と内局との間で、まさにその点いろいろ論議をし、また調整をやっている段階でございますので、ここで数字を申し上げることは御勘弁いただきたいと思います。
○橋本敦君 もし仮にP3Cが百機台に、こうなりますと、こういった高価な対潜哨戒機P3Cをこれだけそろえているのは米国以外では日本だけだ、こういうふうに言われておりますし、仮にF15、これを約百九十機にと、こうなりますと世界で最強の戦闘機を二百機近くそろえているというのはこれまた米国を除いては日本だけだという状況になると思うのですが、いかがですか。
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のF15なりP3Cにつきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、大綱水準の達成を期するということで増強の方向は検討しておるわけでありますが、具体的な規模がどの程度になるかということは今の時点で明確に申し上げられる状況ではございません。諸外国の数字、ただいま具体的に正確な数字は手元にございませんけれども、F15にいたしましてもP3Cにいたしましても、日本の場合は、我が国の防衛のために必要最小限の防衛力を整備するという大綱の基本的な枠組みの中で整備されるものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○橋本敦君 私の設問に面接のお答えがないようでありますが、事実問題として調べてみますと、大体私が指摘している方向は状況として間違いないはずであります。 そこで、防衛庁長官に重ねて伺いますが、増強の方向で五九中業を策定した場合に防衛費の総額は大体十九兆円台の後半に乗るだろう、こういう方向が出て、内々総理に防衛庁長官からもお話を申し上げたという記事も報道されているのでありますが、事実はいかがですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 五九中業に要します経費につきましてはまさに今作業中でございまして、どの装備をその計画の中に入れるか入れないか等につきまして議論の真っ最中でございます。したがいまして、その総額が幾らになりそうかということは現在申し上げられません。ただ、私がいろいろな作業の様子を見たり、部分的に報告を受けたりしている感じでは、GNP一%の中でそれをやり遂げるのはもしかしたら容易なことではないのかなという直観、そういう印象を受けておりましたので、先日衆議院の委員会でそういうことは申しました。
○橋本敦君 長官が今答弁されたように、GNP一%は難しいのではないかというそういう直観をされたというのは、作業状況をごらんになって大体そういう概算で出てくるならばというやはり具体的な試算の一定のめどをお持ちになった上で、だからこそ直観的にと、こうなったと思うんですね。だから、それは大体大まかに言って、この策定作業が今の方向のとおりいくならば十九兆円台は超えるだろうということをお考えになったから、だから直観的にしろ一%台は超えるのではないか、これを超えない範囲でやることは容易でないとおっしゃったのではありませんか。何の根拠もないわけじゃないでしょう。
○国務大臣(加藤紘一君) 作業をいろいろ見ての印象でございまして、具体的にどういう基準でどういうものが入りそうだからそんな印象を持ったのかというようなことは、特に個別、区分けして申し上げられる状況ではございません。私のそういう印象で申し上げたのでございます。
○橋本敦君 長官の印象にしろ、漠とした全く無責任、無根拠な印象だというようには受け取れません。いやしくも長官として五九中業を策定しておるまさにその中での御発言でありますから、それはそれなりに長官として根拠があってそういう直観を得られたというように私は理解するのが当たり前だと思いますね。だからそういう意味では、五九中業はGNP一%の範囲内でやるのは容易でないというこの直観は、全然何のデータも数字も構想もなしの全く根拠のない空想的直観じゃなくて、現実的な状況に裏打ちされた直観だ、はっきりこう言っていいんじゃありませんか。そうでなければ無責任な発言になりますよ。
○国務大臣(加藤紘一君) 作業を見ての印象と申しました。したがって、それぞれの作業を個別的に見ての感じでございます。個々を判断しながらそれを全体まとめると幾らになるかということは、まだ国会において責任ある発言はできませんので、印象としてと申し上げたというふうに御理解いただければと思う次第でございます。
○橋本敦君 印象として一%内でやるのは容易でないとすれば、長官としてどうされるんですか。その印象に基づいて五九中業の策定はどういうように指導し、また指示されるんですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 五九中業の作業は、これから私たち防衛庁に限らずほかの部分での政府関係の御意見もまたいただく過程になるだろうと思いますし、最終的にどういうような取りまとめにいたしますかは、これからまたいろいろ考えてまいりたいと思っております。
○橋本敦君 本年度でもGNP一%問題が大きな政治問題になりました。私ども共産党は一%は守ればよろしいと言っているんじゃなくて、思い切ってもっと削減すべきだとかねがね言っているわけでありますが、その一%さえ守れないというのは大問題でありますが、五九中業を策定してこれからだというそのときに、防衛庁長官が五九中業では一%枠を守るのは困難だと言わざるを得ないという状況は実に重大ではありませんか。 防衛庁に伺いますけれども、防衛庁内部での策定作業は、GNP一%枠を考慮に入れず、枠をはめずに防衛大綱水準の達成ということいちずに作業をやっているという状況ではありませんか。長官いかがですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 昨年度栗原長官が出されました指示、すなわち昭和五十一年につくられました防衛計画大綱の水準の達成を期するようにという、そういう基準で作業をいたしております。 GNP一%との関係でございますけれども、これは累次委員会でも申しておりますように、GNP一%というのは毎年の、そして予算の段階におけるものであろうと思っております。そういう意味で閣議決定は書かれておると思います。五九中業は、今後政府部内でいろいろ御意見もいただきますけれども、やはり基本的には防衛庁内部の、防衛庁限りの概算要求の基準であるということでございまして、五九中業、中期業務計画のものと、それから政府全体の閣議決定にありますGNP一%の問題とは直接関係はないというふうに理解いたしております。
○橋本敦君 それは長官、無責任じゃありませんか。あなたは政府の一員じゃないとでもおっしゃるんですか。あなた自身は、まさに政府の一員として予算段階でGNP一%を守るという、そういう立場でやらなくてはならぬでしょう。それが五九中業は直観的に超えそうだ、その範囲でやるのは容易でない、こう直観をされて、何の指示もされずに将来の予算段階だと。これは無責任じゃありませんか。そういう状況じゃなくて、五九中業も一%以内でやるように策定し直せとか、概算をやり直せとか、そういう指示がなぜできないんですか。簡単に言ってください、なぜできないのか。
○国務大臣(加藤紘一君) 重ねて申し上げますけれども、中期業務計画と申しますのは、もちろん政府の一機関であります防衛庁のものでございます。ただ、これは防衛庁が概算要求の基準にいたすものということでございまして、それと最終的に決定される概算というものはちょっと違うと思います。 それからもう一つは、これは正面装備が中心でございまして、御承知のように正面装備は、本年度三兆一千億台の防衛関係費の中で、正確には政府委員から申したいと思いますけれども、現在で二四、五%、四分の一と見ていただきたいと思います。残りの四分の三につきましては、過去の経験等から概算でいたすものでございます。したがいまして、これは予算そのものというよりは、やはり正面装備につきまして防衛庁が概算要求するときの参考資料と、それも五年間にわたってのものというふうに御理解いただきたいと思います。
○橋本敦君 そういう形式論はわかっていますよ。わかっていますけれども、あなたが直観的にしろ五九中業では一%枠を守ることは困難だという認識をお持ちならば、それなりにやり方があるじゃないか、それをやるのがあなたの責任ではないかと言っているわけですよ。 ちなみに伺いますけれども、防衛庁としては防衛計画大綱の水準の達成が大事なのか、あるいはGNP一%枠、これを守ると、その枠内だということが大事なのか、こう二者択一となったときにどちらをとるという立場ですか。長官の考えを聞きたい。
○国務大臣(加藤紘一君) 昭和五十一年に防衛計画大綱が定められ、そしてその後、歴代の内閣総理大臣は、そしてまた歴代の防衛庁長官は、その目標を達成するということを予算委員会でできるだけ早くというふうに公約いたしているわけでございますね。そしてGNPも当時の内閣の決定でございました。これが現在、当時の経済成長率との関係で矛盾してきているんだと思いますが、防衛庁といたしましては防衛計画大綱の水準の達成ということを中心に考えさせていただきたいと思っております。
○橋本敦君 重大な問題じゃないですか。防衛庁はどちらをとるかといえば、一%枠よりも防衛計画大綱の水準をとるんだとはっきり言われた。そうすると、政府が政府の責任で一%枠を守る、最大限の努力をするというのは、あなたは政府の一員としてそれをどう考えていますか。 ここに「国防」という雑誌がありますが、これは五十七年十月号の雑誌です。この中で、当時防衛庁防衛局計画官であった宝珠山昇さんですか、大変難しい名前ですが、この方がお述べになっている記事があるんです。こういうことを言っておられるのですね。「経済財政事情等が厳しいからGNPの一%以内の経費枠をはめるべきだとする意見に対しては、「現下の厳しい国際情勢にかんがみ、大綱に定める防衛力の水準を達成すること」が重要であるから、あらかじめGNP一%の経費枠ははめず」この水準達成のために計画大綱を「「作成」することを明らかにしていると申し上げられると思います。」と、こう言っているのであります。 だから、まさに初めから一%枠などというものは問題になっていない。これで果たして防衛庁の姿勢としていいのであろうか。こういう策定の仕方でどんどん概算要求を出してくる、そして今あなたがおっしゃったように、どちらをとるかという二者択一になった場合に、計画大綱の水準の方をとるのだと防衛庁が言ってくるとなれば、これは一%枠を守るなんというのはまさに空文にすぎなくなるではありませんか。これで果たして国会に対する約束、国民に対する約束、シビリアンコントロールが守れるのであろうか。長官と総理に私はこのことを聞きたいのですが、まず長官いかがですか。
○国務大臣(加藤紘一君) シビリアンコントロールが守られるかということでございますが、私たちもシビリアンでございます。それで、そういう観点から内局と各幕との今大変な、時には徹夜をするような論議をしながら詰めております。私たちも防衛関係費というものが聖域であってはならぬと思っております。行政改革からの聖域ではないと思っております。そういうわけで、必要最小限のものを私たちは達成したいというふうに考えております。したがって、その作業はまだ正面装備だけについてのものでございますけれども、真剣にやっておりますので、そういう中での印象を申し上げた次第でございます。 そして、繰り返して申し上げたいと思いますけれども、中業というのは政府概算の参考資料であって、五年間のものであって、そしてそれは四分の一の正面装備についてであって、残りの四分の三は必ずしもしっかりとした積算の上のものではないということは繰り返し申し上げておきたいと思います。
○橋本敦君 それにしても、私が指摘したように防衛計画大綱の水準を先行さして、経費枠一%は無視して策定するというその姿勢が問題じゃないか、こう言っているのに答えになっていませんよ。そういう防衛庁内の業務見積もり計画の経費枠一%を無視した策定をやるということ、それは長官お認めになるんですね。それでいいということですね。確認しておきます。いいか悪いかだけ。
○国務大臣(加藤紘一君) 私たちは、防衛計画大綱の水準を達成するということも歴代の内閣総理大臣等が申している重要な公約の一つであろうと思っております。
○橋本敦君 総理いかがでしょうか。GNP一%枠を守るといったびたびの総理の公約がありますが、防衛庁内部は業務見積もり計画の策定については初めから一%枠の経費にはとらわれないでやるんだ、こういう方針を持っているし、そして長官もそれを是認するということで、一%杯かそれとも防衛大綱水準の達成かと、二者択一を問われたならば大綱の水準の達成、これをとると。これではまさに一%枠問題というのは、中曽根内閣の公約にもかかわらず、これはもう事実上内部的に無視されたも等しいと私は言わねばならぬと思うんですが、シビリアンコントロールというのはまさにこういうものをチェックする場合に機能しなくちゃならぬと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) シビリアンコントロールは守ってまいりたいと思っておりますし、一%も守ってまいりたいと思っております。
○橋本敦君 防衛庁長官の答弁と総理の答弁には私は食い違いに近い問題状況の認識があるように思いますよ。こういうことをやっておるならば、防衛予算はどんどんふえていくという一途をたどるに違いないことはもう目に見えております。現に五九中業はあなたは直観的にしろ一%枠は超える、踏みとどまることは難しいということを今からおっしゃっているという状況であります。私は、こういうような防衛予算の増大に向けて歯どめをしっかりかけられないような状況の中で、国民に対して財政危機を理由に補助金カット一括、こういったことをやるというのは、これはまさに私は国民に対して今の政府の政治姿勢として第一の大きな問題だと思うわけであります。 ちなみに、教育の問題について防衛予算との関連で見てみたいと思うのでありますが、長官お急ぎのようですから、長官に対する質問は以上で終わっておきますので、御退席いただいても結構でございます。 松永文部大臣に伺いたいのでありますが、一体教育予算はどうなっていくか。今回の法案との関係で伺いますと、国庫補助率が引き下げられる問題について、「要保護及準要保護児童生徒援助費補助金」、これがあります。「へき地児童生徒援助費等補助金」、これもあります。「高度へき地学校児童生徒パンミルク給食費補助金」、これもあります。これが補助率が引き下げられていくわけであります。こういう補助金はそもそもどういう目的で設けられたのか、そしてまた、この補助金は五十九年度額から比べて六十年度は補助率が引き下げられる結果、金額にしてどれくらい削減をされるということに今年度予算でなったのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘の件でございますが、要保護、準要保護の援助費の関係でございますけれども、これは経済的理由によって就学困難な児童生徒について、学用品でございますとか学校給食、医療費等についての援助を行う、そういう市町村に対しまして国が半額の国庫補助を行うという仕組みでございます。これにつきましては産炭地、僻地につきまして費目それぞれいろいろございますけれども、若干その地域の特殊性に基づいてその二分の一を上回るかさ上げ措置が講じられております。 それから要保護、準要保護とは全く別に、高度僻地関係につきまして修学旅行費の補助あるいは給食費の補助の仕組みがあるわけでございまして、これにつきましてもほほ同様の趣旨でかさ上げ措置と申しますか、それが講じられておるわけでございます。 前年度に比べまして減少した金額という御指摘でございますが、員数の若干の前後がございますので、その調整をいたしました数字でこの補助率の一割程度のカットによって減らした金額ということで申し上げさしていただきますが、要保護、準要保護の方で四千九百万、それから高度僻地の給食費の関係で五千四百万、それから高度僻地の修学旅行費の関係で二千四百万、合計いたしまして一億二千九百万円程度の減ということに相なっております。
○橋本敦君 防衛庁に伺いますが、今年度予算で導入を予定して予算化したパトリオットの二つのユニット、予算は幾ら組んでおりますか。
○政府委員(山田勝久君) 三百二十六億円を契約と申しますか、国庫債務負担行為として計上いたしております。
○橋本敦君 続いて伺いますが、これはやがて全部で六個高射群、全部で二十六ユニット導入するということで三菱重工とのライセンス契約に近く入るというように聞いておりますが、その総金額はどれくらいになりますか。
○政府委員(山田勝久君) まだ国防会議その他で御承認を得ておりませんけれども、私ども防衛庁といたしましては、今先生おっしゃいましたように、二十六ファイアユニットを目指すと申しますか、前提といたしております。その総額は現在の金額で約六千七百億円に上るものと承知いたしております。
○橋本敦君 装備の購入については本当に重大な問題がありまして、例えば今お話しをした最新鋭戦闘機のF15も五十三年度当時、国会で一機が六十一億円と言われておった。そしてこの価格は、防衛庁の説明によりますと、厳密に評価した価格だからもうとんでもない異常な事態がない限りはこの数字で十分やっていける、こう言ったのでありますけれども、その後五十八年度価格になりますと百億を超えるというようになってきた。大変なことであります。 だから、パトリオットが今お話しのような六千七百億程度でおさまるかどうかさえ将来とも危ういということはこういう例からも考えられるわけですが、私はきょうここでそれを問題にするのではなくて、パトリオットで三百億を超えるそういう予算を組んでいる傍ら、今年度予算で子供たちに対する今私が指摘をした補助金のカットによる削減が一億幾らやられておる。たった一億幾らですよ。しかもこの補助金というのは、財政負担能力が極めて乏しい産炭地あるいは高度僻地、こういったところの子供たちに対する学用品の補助金であり、あるいはパン、ミルクの補助金であり、あるいは山の中から修学旅行に行く、それに対して国が援助の手を差し伸べてやるという金ですよ。片方でパトリオットで三百億という金をつぎ込みながら、こういう子供たちの補助金にさえ手を突っ込んでたった一億二千万でも取り上げてしまわなきゃならぬのですか。問題はこういう政治姿勢なんです。松永文部大臣のお考えを伺いたい。
○国務大臣(松永光君) 先ほど局長が答弁いたしましたように、二分の一を超える高率補助率につきまして一部カットをしたわけでありますけれども、その分につきましては地方交付税で措置をされておりますから、直接のこの人たちに対する影響は及んでない、こういうふうに考えておるわけでありまして、この事業の執行には何ら支障はない、こういうふうに考えております。
○橋本敦君 何ら支障がないという結果についてあなたは確信を持てますか。地方交付税で見るといっても、結局地方自治体が、国から金が来ないんですから、それを持ち出さなくちゃならぬということじゃないですか。そして私は考え方として、こういう程度のものまで国が補助金カットをするというその姿勢について文部大臣はどう思うか、こう聞いたわけであります。あなたは、こういう子供たちに対して本当に情がないという一語に尽きるのではないかとさえ思いますよ。 教材費について伺いますけれども、義務教育費国庫負担法、これは先ほども問題になりましたけれども、この法律の目的は一体何だったのか、もう一遍はっきりこの原点から議論をしてみたいと思うのです。この目的はどういうように把握されておられますか。
○国務大臣(松永光君) 先ほどの高度僻地学校児童生徒のパンとかミルクの給食費の補助金、それから要保護児童及び準要保護児童に対する援助の補助、カットされた分につきましては、その分交付税の方で措置されるわけでありますから、したがってその分はプラスしていくわけなんです。その意味で、この事業の執行については今までと変わりはない、援護を受ける立場の人から見れば、と申し上げたわけであります。
○橋本敦君 自治体が予算を組んでみないとわからねじゃないですか。
○国務大臣(松永光君) いや、自治体の方も国と同じように、こういう方々に対する措置は十分やるというそういう姿勢であるわけでありまして、私どもはそれを信頼いたしておりますし、またそうでない場合があるとするならば、我々は責任を持ってその自治体を強力に指導していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 なお、教材費の関係でございますが、この教材費が義務教育費国庫負担法の国庫負担の対象に取り入れられた当時の状況が、地方財政が厳しいという状況がございまして、学校で使う教材、本来ならば学校設置者がこれを整備すべきところを、市町村の財政が苦しいがために割り当て寄附などという形で父兄負担になっておったという事実がありましたので、当時の財政状況等から、これを父兄に負担させるのは義務教育の無償という考え方からいっても望ましいことではないということから、義務教育費国庫負担の対象として国が半額を負担する、こういう仕組みに実はなったものと理解いたしております。 今日におきましては、先生も既に御承知と思いますが、学校の教材費につきましては市町村でこれを支弁するということが定着をしてまいりましたから、国の財政が極めて厳しいということと、それからさらに地方財政当局で国庫負担を外した分につきましては、必要な財源措置を地方財政計画できちっと見るということになってまいりましたので一般財源化をした、こういうことなんでございます。
○橋本敦君 少し大臣、原点の問題について認識の若干のずれがあると思います。 地方財政危機という状況のもとでやむを得ずやったという趣旨のお話が重点でありますが、しかし地方財政危機のもとにあってもなぜこれをやったかというそこのところの問題は、まさに義務教育が憲法上保障された無償の原則であり、しかも教育の機会均等という大事な原則があり、こういう理念の実現のために義務教育費国庫負担法が制定されたということでありますから、地方財政が苦しいからというだけの問題ではないはずであります。 その証拠に、義務教育費国庫負担法案が提出をされたときの提案理由説明を調べてみますと、はっきりと「義務教育費のように、憲法上国がその最終的責任を負うことが要請されており、しかも地方財政において極めて大きな地位を占めている経費につきましては、どうしても平衡交付金制度とは別に、国庫がこれを補償する制度を確立し、義務教育の妥当な規模と内容とを国民のすべてに対して保障する」という、このことが大事だと提案理由ははっきり述べているわけですよ。 今あなたは今日の地方自治体は財政的にも随分改善されたと言いますが、自治大臣にお伺いしたいのであります。自治省が地方自治体の財政危機ラインと考えておりますのは公債比率が一五%、このラインでありますけれども、既にこれを突破している市町村は全市町村の何%ぐらいになっておりますか。
○政府委員(土田栄作君) 五四%でございます。
○橋本敦君 お聞きのように、地方財政はまさに窮迫しておるのであります。その上にこの補助金の一般財源化ということで教材費補助を全部カットするということになりましたら、いかに文部大臣がおっしゃられようとも、まさに地方自治体は大変であります。父母負担を重くするか、それとも思い切って教育予算をカットするか、こういうことにならざるを得ない。もしそうなった場合に、文部省は強力に指導すると言っても、財源手当てを積極的にしてやらないで、国が補助金をカットして強力に指導すると言ってもそれは片手落ちそのものではありませんか。 私は、ちなみに埼玉県を調べてみますと、県下で十五の市町村がこの補助金カットに伴う予算措置として既に教材費関係予算を削減しているという状況が出ているのであります。この点について文部省は調査をなさっておるでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 各市町村、全国で三千余りあるわけでございますけれども、そのすべてについて正式に調査ということは現時点ではまだ行っておりません。しかしながら、これまで私どもも機会を見ては幾つかの市町村について状況等を耳にするように努めてまいりました。子供の数の変化等もございますので、前年度を上回るあるいは下回るケース、おおむね同じようなケースというところが大部分でございますけれども、中には前年度に比べてかなり減額をして措置をしているという状況のところもあるようでございます。 これらにつきまして、私どもが聞いた限りにおきましては、国会で関係の法案等が審議をされているという状況もあるので、とりあえずある程度の額を計上しておいたというようなことでもあるようでございますが、いずれにいたしましても、たびたび大臣からもお答えしておりますように、この法案が成立を見ましたという時点におきましては、この法律、新しい制度の仕組み等につきまして十分都道府県教育委員会を通じて指導を行い、適正な額の予算が確保されるように指導を行いたいと思っておるところでございます。
○橋本敦君 私が今指摘をした埼玉県下で予算削減をやった市町村は、本庄市、久喜市、北本市、深谷市、越谷市、草加市、横瀬村、妻沼町、寄居町、騎西町、杉戸町、皆野町、長瀞町、荒川村、江南村という市町村名が出ているわけですから、一層調査をしてもういたいのでありますが、このうち、越谷市の問題について私の調査をもとにさらに質問をしたいと思います。 越谷市では、五十九年度教育振興費、この中身は教材関係、これが主でありますけれども、この予算は六千七百十四万でありましたが、六十年度は五千三百三十万というように千三百八十四万も削減をして予算を組まざるを得ない状況になっているのであります。そのうちの具体的な教材購入費を見てみますと、五十九年度で小学校は二千七百万、それが今年度は千八百万と、九百万円減りました。中学校は千五百八十五万円であったのが千五百万円と、八十五万円削減しております。特に私が重大だと思うのは、障害児学級用の備品購入費に至っては五十九年度で小学校九十六万あったのが三分の一になって三十三万、中学校では三十三万であったのがゼロになっているのであります。これは大変なことではありませんか。 文部省に伺いますが、地方の教育現状は教材の関係では文部省が企画をした十カ年整備計画は十分達成されておるんですか。十分達成されていない事情のもとでこういう事態が起こっている。この問題について文部大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 第二次教材整備十カ年計画が現在までのところ五〇%ちょっと下のところにとどまっておるということなんでありますが、これは主たる理由は、国の財政状況が厳しいので五十七年度一〇%減、さらに五十八年度一〇%減、五十九年度は一五%減という削減した国庫負担の予算を組まざるを得なかったということが主たる理由だと私は思っております。 そこで問題は、義務教育学校における教材費の整備は全体としての教材費整備の財源を確保することが大事なんでありまして、六十年度の予算では国庫負担の対象から外しましたけれども地方交付税で措置することにして、その財源の総額は実は五十九年度よりも二・八%ふえた措置がなされることになっておるわけでありまして、その意味では全体としての教材費の経費は減少に歯どめがかかってやや増額ができたというふうに見ておるわけであります。 問題は、国が負担するか市町村が負担するか、市町村が負担する場合でも交付税で措置できるならば公費による全体としての金額はふえることになっていくわけでありまして、今後とも地方財政当局に強く財源措置の強化を要望してまいりまして、そして教材の整備を図ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○橋本敦君 それがまさに机上の考え方にすぎない状況になるという一つの事実として、私は越谷の事実をお話しをして質問をしておるわけです。 今大臣もおっしゃったように、数村の整備計画が五〇%しか進まなかった最大の原因は国の補助金が低くなってきたことにある。今度こうなったら一層それがひどくなるというのが常識的な考え方であって、そのとおりこの越谷では事実としてあらわれているじゃありませんか。それが今あなたのおっしゃった二・八%の地方財政計画の中での見合いを問題としても、そう簡単に自治体は国から補助金が来ないのに踏み込んでいけませんよ。 文部省に伺いますが、今私が指摘した越谷がこういう実情になっている事実は知っていますか。
○政府委員(阿部充夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、全体の市町村の状況については承知をいたしておりませんので、越谷の問題につきましては先生から御質問があるということで、ただいま県の方を通じて問い合わせているところでございますけれども、まだ回答に接していないわけでございますが、できるだけ早急に事情は聞いてみたいと思っております。 ただ、それにいたしましても、前年度との比較ということにつきましてはかなり実は計算上問題があるわけでございまして、児童生徒の数が昭和五十七年度をピークに減少してまいりまして、特に子供、学級数等に応じてこの金額の整備が行われるということもございますし、また新設校が随分減ってまいりましたので、新設校につきましてはいわばどかっと最初に整備をするという必要がだんだん減ってきているというような状況等もございますので、それぞれ市町村の実際の学校の状況によって随分波があり得るものだと考えておるわけでございます。 そういう意味で、状況は子細に調べてみないとわからないわけでございますが、いずれ状況はよく聞いてみたいと考えております。
○橋本敦君 文部大臣、それではあなたがこれからもいろいろ指導を強めるというお話もございましたが、まず教材費カットによって現場がどうなっているかということも含めて、本年度の教材関係予算を各自治体がどう組んでいるかということを調査していただかなければ、今のお話のように具体的な指導もできないでしょう。したがって、この際、私が指摘をした教材費カット、一般財源化に伴って各自治体の教育予算がどうなったか、そして削減されたとすればその原因がどこにあるか、これを知るために調査をしていただいて、その結果をしかるべき機会に国会に報告してほしい、こう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(松永光君) 橋本先生、義務教育、初等中等教育は、我が国の制度としては地方分権という原則が一つあるわけであります。地方分権ということはどういう哲学の上に成り立つか——哲学というとちょっと言い過ぎですけれども、考え方の上に成り立つかというと、地方公共団体、地方も自分たちの身近な教育でありますし、自分たちの子弟の教育だから、国と同じように子供の教育は熱心にやるという前提があって初めて教育における地方分権という理論が成り立つのだというふうに私は思います。そしてまた、現実に地方公共団体も国と同じように初等中等教育については熱心に取り組んでいただいておるというふうに私は確信いたしております。 ただ、個々の具体例として、前の年よりも教材費関係のそれぞれの地方公共団体、市町村の予算が少なくなるということもあり得るでしょう。しかし、それは先ほど局長が説明したような事情も実はあるわけでありまして、直ちに、教育不熱心だから交付税として来たものを教材費に使わないで外に回してしまうんだというふうに私は思っておりません。しかし、三千三百も市町村はありますから全部が全部調べることはできませんけれども、抽出的に調査をいたしまして、そして適切な措置をとってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○橋本敦君 大蔵大臣は今回の法案に際して、国と地方との負担割合の問題であって直接国民に影響はないということをいろいろな機会にお述べになっていらっしゃいますけれども、私はそれが実際に具体的にどうあらわれてくるか、これはまさに事実を調べてしっかりと把握する必要があると思うので、今教育の問題を一つとして出したわけであります。 まさに国と地方の負担区分の変更だけなのか、やはり国民生活関連公共事業、社会保障それから非公共事業にいたしましても、その他もろもろのこの法案の対象とする部分で、実際に国民に影響が一切ないと断言できますか。直接その分の手当てがされても、地方自治体が財源確保のために住民税の引き上げ、公共料金の引き上げということで一般的に財源を一層住民負担で確保しなきゃならぬという状況だって予想されるわけですね。それはやはり国民に対する、住民に対する一つの影響のあらわれ方である。そういうことも含めて本法案の影響は一切ないと断言できるのかどうか。改めて今の教育論議も踏まえて大蔵大臣の御見解を聞きたいのであります。
○国務大臣(竹下登君) 私はマクロの立場から地方財政計画というものを見ていくわけであります。その限りにおいては、すべての措置はいわゆる末端におけるサービスの事実上低下はもたらさないという財政措置がなされておるというふうに考えております。個々の問題につきましては、それはある市町村は教材費が、言ってみれば従来からのストックという言葉はおかしいのでありますが、従来からの整備水準が高くてたまたま減るということもあるいはあろうかと思いますが、私は総体的に見ていわゆる文教にいたしましても社会保障にいたしましてもサービスの低下をもたらすことのないよう、まさに今おっしゃいましたとおり、地方と国とのいわば役割分担、なかんずく費用負担のあり方という点に着目して今度の法律を御審議いただいておるということであります。
○橋本敦君 私はそれは事実に著しく相違してくる状況が日ごとにこれから深まると思いますよ。そんな単純なものじゃないですよ。大体、今日の財政破綻の原因は何か。それは言ってみれば、もう言うまでもありませんけれども、巨額の公債の残高がたまってきたというそのことにもあらわれているように、まさに赤字公債の発行、ここにあったはずであります。 ところで、こういう問題で、財政再建をやっていかなきゃならぬという土壇場になってきた場合に、国民に社会保障関係費や教育費やあるいは国の補助金をカットするという方向じゃなくて、そもそもこの赤字国債の今日まで百三十兆を超える累積になるその原因をつくった責任はどこにあったのか、まずこれを明らかにしていくというのが私は考え方の根本として必要ではないかと思います。 そういう点から見た場合に、今日まで景気対策として赤字国横の増発を一貫して強く主張してきたのは日本の財界であったという事実は明白ではないかと思いますが、大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる国債政策、これは機に応じまして景気対策と後年度に資産を残すという意味において建設国債というものに踏み切ったのが、名前は違いますが、四十年度補正予算からであります。そして、俗称赤字国債を出しましたのは、これは昭和五十年度予算からであります。したがって私は、その昭和五十年度予算というものの背景を見ますと、言ってみればいわばドルショックの後の第一次石油ショックということから世界同時不況というものがもたらされて、言うなれば景気に直接影響のあるところの公共事業等ではなくして、諸般の国民のサービスに対するところの財源そのものが不足してきたというところから赤字国債というものにやむを得ず踏み切らざるを得なかったという背景にあろうかと思うわけであります。したがってこの問題は、財界からの要請という御指摘は私は特例債の発行と直接結びつくものではないというふうに理解をいたしておるところであります。
○橋本敦君 全く論外だと私は思います。例えば今おっしゃった七五年、二兆二千九百億円の赤字国債を発行したまさにそのときに、経団連は三十年史でどう言っておりますか。財政支出の拡大、財源対策としての赤字国債の発行によって不況の打開を図るべく政府・自民党に対する働きかけを行った、こう書いていますよ。その働きかけのとおり七五年に発行された。さらに、赤字国債がまさに国債依存度三割を突破する、こういう状況の七七年度暮れ、七八年度にかけて土光氏はどう言っていますか。国債増発や国債依存率三〇%にこだわるべきでない、もっとやっていいんだ、こういうことも言っているではありませんか。さらに、それだけではありません。ついに国債依存度が三九%、四割近い、こういう状況に七九年度は入っていくわけでありますけれども、このときに土光会長はさらに重ねて、少なくとも十五ないし十六兆円のこの年度の赤字国債の発行は避けがたい、こういうように公然と言いまして、まさに財政再建よりも景気対策としての赤字国債の発行という形で推進してきた。この事実が明白ではありませんか。 だから今、大蔵大臣がおっしゃったように、財界の要求ではないというのは私は事実に反するし、今の答弁は国民のだれもが納得できるものじゃないと思いますよ。そして、臨調行革ということで今度は一転して赤字国債対策ということになってくると、赤字国債を発行せよと旗を振ったその張本人の土光さんを臨調行革の委員に据えてやっていくというのですから、私はここにも政府の政治姿勢が全く不当だということの一つのあらわれがあると思う。 そうなってくるとどうなってくるかといいますと、今度は土光さんは、財界への火の粉が降りかからないような方向で財政再建をやるということで、財界が主導で出した赤字国債のツケを国民に回すという方向になってこざるを得ないのは、私どもが厳しく指摘してきたところであります。その証拠に、この行革が始まった四年間をとってみましょう。この四年間を見ても、まさに日本の資本金十億円以上の会社の経常利益はずっとふえ続けているじゃありませんか。この点、通産大臣——大蔵大臣の方が御正確でしょうか、経常利益の伸びは間違いないということは、これは数字が示していますから問題ないですね。大蔵省当局でも結構です。
○政府委員(岸田俊輔君) お答えいたします。 一九七五年、昭和五十年でございますが、資本金十億円以上の会社を見てまいりますと約二兆でございます。それが御指摘の一九八一年でございますと約七兆九千、八二年で七兆八千、八三年で約九兆という状況でございます。
○橋本敦君 今答弁があったとおりであります。まさに臨調行革に入っても大企業は利益を上げ続けておる。 それでは大企業は内部留保にどれくらいの金をためているか。私は大蔵省から資料もいただいておりますけれども、十億円以上の企業で、大蔵省の計算の社内留保ということで経常利益から特別損益や役員賞与、配当金や法人税、これを差し引いて、もちろん退職手当引当金や貸倒引当金、これものけてしまって、それで社内留保金ということで数字をいただきますと、臨調行革が始まった八一年から一兆円台から二兆円台にと社内留保もふやしている。大蔵省、これも間違いありませんね。
○政府委員(岸田俊輔君) 企業の内部留保は、先生御指摘の計算でまいりますと八一年一兆八千、八二年二兆、八三年二兆三千でございます。
○橋本敦君 大蔵省の計算でも臨調行革の四年間に内部留保をふやしておる。今お話しの内部留保に大蔵省が計算に入れない各種の引当金、特別損益や役員賞与、退職引当金等を入れて計算しますと、今日、大企業が内部にため込んでいる内部留保の金は四十六兆円に達するというように私どもは試算しているのであります。 それはともかくとして、大蔵大臣、このようにまさに赤字国債の発行で景気対策を国の主導でやってもらって、大企業は、今お話ししたように、多くの内部留保も含む利益をため込んでいる。しかも経常利益を上げ続けている。こうなりますと、財政再建ということで今後やっていく根本的な問題として、これを野放しにして国民にいろいろな補助金のカットや、あるいは社会保障その他の予算の削減ということを押しつけていいのであろうか。私はここが根本的な政治問題として大事だと思うんです。 例えば、臨調の第四部会長であった加藤寛さんは、こういう問題を取り上げて、「青臭いと言われるかもしれませんけれども、李下に冠を正さすて、五大企業も」——五大企業というのは東芝、日立その他でありますが、「多少そこら辺は考えるべきじゃないか」、補助金をもらい続ける、委託費をどんどんもらい続けるというのは問題じゃないか。「国のために必要ならわれわれは自分の金でやりますというぐらいのことを言ってほしかったなあという気持ちが、私、ないわけじゃありません。」と、こう言っている。それからさらに、「自由民主」の機関誌を見てみますと、その九月号で藤尾政調会長は、やはりこの問題をとらえられて、今後政府は赤字国償からの脱却、これでやっていくわけだけれども、例えばこの問題について言うならば、「経済界の方々がお持ちになっている国債の利子といったものについても「こういう非常事態だから、私どもにも協力させてくれ。我々が受け取る利息は半額でよろしい、三分の一でも結構。場合によっては利息分はいらない」というくらいの協力態勢を経済界も、あるいは国民の立場からも言っていただくような空気が出てこないものであろうか」「そういうことを考えてみますと、いま言われている、すべてのことを抑えつけて「歳出をチョン切れ、無駄が多すぎる、行政改革を徹底せよ」という一本ヤリではちょっと困るのであります。」と、こう言われておるのでありますが、私はまさに聞くべき言だと思うのであります。今日、こういう立場で政策の思い切った見直しが必要ではないか。 具体的に言うなら、大企業優遇税制の見直しをかねてから私どもは言っており、軍事費の削減を言っておりますけれども、さしあたってこれだけの大企業が得た利益を財政再建と国民の利益に還元させる、こういう措置をとらなければ、この法案で一方的に自治体や国民に犠牲を強いるなどというのは政治姿勢として間違いではないか、私はこのことを厳しく思うのでありますが、大蔵大臣、せめて今年度見送った退職引当金や各種の準備金、これに対する税制上の見直し、外国税額控除の見直し、こういったことぐらいは来年度でも早々に手をつける方向で検討するということをはっきり言明されてはいかがですか、このことをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 一連した橋本さんの論理の展開について私はあえて時間もございませんので反論はいたしませんが、当時の状態は、まさに国民のサービス水準を現状のまま維持するならば、受益者も国民であればまた負担するのも国民でありますから、いわゆる国民負担率というのを大変に上げなきゃならぬという状態の中で貯蓄率の高いところに着目した公債発行政策というものは私は決して悪ではなかったというふうに思っておるところであります。それが、惰性において残高あるいはいわゆる公債依存率というのが高まったところが、あえて私どもが財政改革を推進しようと唱えておるところであります。 また、企業そのものの存在は、言ってみれば大衆株主構成から成っておる今日、私は企業の活力というものが国、国家経済全体の活力の源泉の一つであるという理解の仕方を持っておるわけであります。しかし、今御指摘ありましたもろもろの税制問題につきましては、税調等からも御指摘があっております今日、それこそ総理からも公平、公正、簡素、選択、活力という点から見直す時期に来ておるという明言がたびたびあっておりますように、税制調査会等において適当な時期にこれを検討してもらうということは当然のことであると考えております。
○橋本敦君 時間が参りましたのでこれで質問を終わりますが、基本的に私どもは今の御見解にはいろいろ納得できない問題がありますが、時間が参りましたのできょうはこれで終わります。
○田渕哲也君 総理もせっかく来られておりますから、まず総理を中心にして質問をしたいと思います。 第一は、今回提出されたこの補助金等の一括引き下げ法案、この法案の目的あるいはねらいというのは一体どこにあるのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調答申の線に沿いまして一面において行革の理想を追求する、それと同時に歳出歳入の見直しを行って予算編成上ぜい肉を切り離す、そういうような意味の点もありました。そういうわけで、割合に締まった予算をつくろう、そういうことで野党の皆さんからも随分補助金の処理をやれという御注文もございまして今のような予算を行ったわけでございます。
○田渕哲也君 行政改革の一環として、補助金の整理合理化というのは極めて重要なことでありますし、それは我々も大賛成ですけれども、私は、今度この委員会にかかっておる法案を見た場合に、我々が望んでおる趣旨とは全く違うやり方をされておる。果たしてこの法案が行政改革の一環の法案であると言えるのかどうか、行政改革の一環としての位置づけができるかどうか、これがまず第一点。行政改革ではなくて、単に財政の問題で国と地方の負担を変えるというための法案か。それでもやや疑問があるんですけれども。第三番目として、これは六十年度予算編成のための一時逃れの緊急避難的な措置か、この三つのうちのどれかだと思いますけれども、総理はどうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) これ、総理から先ほどお答えがございましたが、この法律案の趣旨、目的は、六十年度予算編成に当たりまして国の財政収支の改善を図るという見地から、累次の臨調答申の趣旨を踏まえまして、そこでいわゆる国の負担、補助等についての見直し、すなわち国と地方との役割分担と費用負担のあり方という点から提出して御審議をいただいておるところでございます。 したがって、まずは一時的な緊急避難という問題は適当でなかろうかと思っております。ただ、一時的なと申しますか、五十九年度を時限としておりました行革特例法には、一時的とは申しませんが、そうした性格が、その財政再建年度がずれたというところにそういう批判があるとすれば、これは一つの批判のあり方であろうというふうに思うわけであります。いかにいたしましても、そもそもがいわゆる行革推進の臨調答申等に基づいてこれが起案されたものであるという意味においては、私は行革路線そのものを継承したものであるというふうに理解しております。
○田渕哲也君 一時逃れの措置ではないと言われますが、この法案に含まれた中にはそういうものもあるでしょう。補助金を廃止して一般財源化するものとか、あるいは交付金に変えるものも含まれてはおります。しかし、行革関連法の一年延長という問題、それからさらに一番主体をなす高率補助金の一律カットという問題、これも一年限りの措置だということが言われております。こういう点から見ると、六十年度予算編成のための暫定的な措置だという色彩が強いと思いますが、大蔵大臣の見解、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは一年限りであるという意味におきましては、確かに御指摘のとおり暫定措置であります。したがって、法律も暫定法という考え方に基づいておるわけであります。ただ、その後いかにするか、こういう問題につきましては、社会保障に対しては三大臣の申し合わせがあり、そして他の問題については引き続き国と地方との費用負担のあり方について検討を続けていこう、こういうことに相なっておるわけであります。 それから重ねて申し上げますようでございますが、いわゆる行革特例法につきましては、中には年金制度の改革等の問題もございますので、そのそれぞれの問題についてはやはり今後一年かかって結論を出すべき問題もあろうというふうに考えております。
○田渕哲也君 総理にお伺いしますが、総理は行政改革ということを非常に熱心に進められてきたと思います。しかしながら、現在の行政改革の進捗状況をどう判断されておるか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一生懸命やっておりますが、必ずしも国民の御期待を十分に満たし得ず、甚だ遺憾に思います。
○田渕哲也君 今まで進んできた行革というのは、一つは公社の民営化という面では電電公社、専売公社の民営化がそれぞれ進められておる。それから、あとの分野というのは健康保険の改正あるいは現在法案がかかっておる厚生年金の問題、こういう問題が進められておりますが、これは言うならば国民の負担をふやすことによって政府の負担を減らそうという色彩が非常に濃いわけであります。 私は、行政改革の一番大事なものは何かというと、いわゆるお役所仕事の簡素化、効率化ではないか、こういう点では余り進んでいないと思いますが、総理の判断をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調答申にはいろいろな要素が盛られております。今田渕さんがおっしゃいましたようなお役所仕事の簡素化という面もございますし、能率化という面もございますし、また官のものを民の方へ移行する、あるいは中央のものを地方へ分から、相ともに担っていくという形にする、あるいは人員の縮減を行う、あるいは補助金の整理をする、そういういろいろな面がございまして、それらの問題について今一生懸命各方面について取り組んでいる、そういう状況でございます。
○田渕哲也君 総理はこれからは地方行革が大事だということも言われておりますが、総理が考えておられる地方行革の具体的内容はどういうものか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり小さい地方政府というようなものを一つの目標にして思い切った体質改善をやっていただきたい、そう思っておる次第でございます。
○田渕哲也君 国と地方は車の両輪という言葉もあるわけですけれども、行政の国民へのサービスというのは国と地方が共同で行っておるという部分が多いわけであります。したがって、地方行革というのは私は国の行革と密接不可分である、そういう部分が非常に多いと思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) それはそのとおりでございます。臨調の答申をつくるときにも、臨調が及ぼす範囲内においては国の仕事と関係のある分野について臨調はまた助言、我々に対して意見を発表する、そういうことであったと記憶しております。
○田渕哲也君 地方自治体の意見あるいは報告書、そういうものをいろいろ見てみますと、国が地方の行政改革を阻害しておる例が非常に多い。具体的に言いますと、職員とか組織の必置規制の問題、あるいは国の許認可権、これは国がぎゅっと握ってなかなか地方に移譲しない、あるいは地方が民間委託をしたいと思っても国の方がそれを制限しておるとか、さらには縦割り行政によるむだとか重複ということが地方に押しつけられる、さらには国庫補助金によるむだとか不合理もいっぱいある。例えて言うと事務が非常に煩雑である、都道府県では大体四五%が国から補助金をもらうための事務である、さらに国からの調査依頼等を含めると大体六割が国との関係の事務である、市町村ではこれが約四割だというふうに言われております。あるいは補助金にまつわって非常に不当、不合理な押しつけが行われる。例えば業者を選択することについても国が口を出す、さらには協会に対する負担金を強制的に押しつける、こういうことが言われておるわけであります。また、補助金をもらうと細部にわたる干渉によって地方とすればなかなかやりにくい。言うならば地方の行革を進めるといっても国の行革が進まなければ何にもならないと思いますが、この点についての御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 田渕さんのおっしゃるとおりの面があることは事実でございます。だから、私どもはそういう線に沿って従来から許認可とかいろんなことをやってきたつもりですが、しかし地方行革というのはそういう面もありますけれども、やはり地方団体みずからがそのつもりでやっていただかなきゃならぬ点があることも事実ですね。例えば、国民の中で今批判の非常に強い給与とか退職金とか、いろんなこともあるわけですから、だから両々相まってやらなきゃならない。それで私は、地方行革については自治省が指導なさっておるわけだけれども、今のままでいいとは一つも思っておりませんから、今地方があなたが挙げたようなことをおっしゃっておるわけですから、地方もそのつもりになっていただきたい、かように思います。
○田渕哲也君 もちろん地方の給与の問題とか退職金の問題とか、その他いろいろ地方自体が努力しなければならないこともあるでしょうけれども、しかし肝心の行革をやれやれと言っている国自身が地方に対して行革を阻害することを押しつけておる、こういった面がたくさんまだあるわけです。これをまず改めるのが先決ではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) その点は両々相まってじゃないでしょうかね。今日までだって実際は相当やっておるつもりなんですよ。しかし、先ほどから申し上げますように、これで十分とは思っておりませんし、この国会にだって国の関与とか必置規制、こういうものも法案として御審議を願うことにしておりますし、あるいは人件費の補助で縛っておるから、そういう補助金は廃止をするなりあるいは交付金化するとか、いろいろなことをやっております。が、それでも不十分でございますから、さらに機関委任事務の見直しの問題であるとかあるいは許認可の整理の問題であるとか、これから取り組むべき課題も多いし、そしてこういった事務こそがなかなか中央官庁の抵抗も強い面である、これはしばしば私が申し上げておるとおりでございます。こういった点に政府としましては全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えております。
○田渕哲也君 今回の法案に盛られておる高率補助率のカットという問題ですけれども、これをやるに当たって地方自治体の意見というのはどの程度取り入れられたのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これはまず私の方から申し上げるといたしますならば、地方自治体関係の審議会、調査会等からのいろいろな答申もあることは十分承知いたしております。したがって、それらの問題につきましては、それを代表される立場にある自治省当局でいろいろな御工夫があったことだと思っております。私どもは自治省と協議をいたしまして、その結論として、今年はまさに暫定ではあるがこのような措置が費用負担のあり方として適当であろうという合意に達して法律案をお願いしておる、こういうことになるわけであります。
○田渕哲也君 地方自治体は次のような理由を挙げて非常に反対しておられたわけです。 例えば、生活保護費などはこれは国の責任において実施するものであって、地方は機関委任事務として実施しておるにすぎない、それを一方的に負担割合を下げるというのは地方への負担の転嫁である、国の責任放棄ではないか。あるいはこの一律カットは国、地方合わせて公的支出の合計は変わらないから、行政改革、財政改革には役に立たないことではないか。あるいはこういう一律カットのしわ寄せが地方財源に来て、つまり地方の自主財源が非常に圧迫される、これは地方の自主的な事業や施策を圧迫することになる、こういうような意見がたくさん出されておったわけでありますけれども、これについてどう判断されますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) そのような意見があったことは私どもも承知をしておるところであります。結論から申しますと、それらの意見も総合勘案いたしまして、確かに社会保障の問題は昭和二十一年以来、あるいは憲法二十五条の定めからこれを引き継いでまいりますと国の責任であるという議論は今日も存在しておりますし、事実そのとおりであろうと思っておるのであります。ただ、両者がどのような費用負担をするか、こういうことはやはり国、地方、車の両輪の中におきましてそのときの財政事情に応じてこれを議論し、そして足らざるところはもとより地方財政計画全体のマクロの中でこれを措置していくということにおいて合意を見たというわけであります。
○田渕哲也君 昨年の九月に自治省が「国庫補助金等の整理合理化の方策について」というメモを出されました。この基本的な考え方について自治大臣のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(古屋亨君) 昨年の九月にそういうような施策につきまして自治省の見解をまとめておりますが、この基本的考えといたしましては、国の補助金の整理合理化というのは、国と地方を通ずる行財政の簡素合理化、地方団体の自主性、自律性の尊重という観点から事務事業の廃止、縮減を行いますと同時に、本来、地方の自主性に任してやるべきものは一般財源に移行するなどを基本として推進さるべきものであるというふうに考えておるのでございます。 したがいまして、国と地方との間の機能分担のあり方を見直すことなく国庫負担率の割合を一律に引き下げるということは、国の財政負担を地方に転嫁するにすぎず、国、地方を通ずる行政改革の基本的理念にもとるものであるということを自治省としては考えておったのでありまして、このメモにおきましては、国庫補助金の整理合理化に当たりましては、職員設置費に係る補助金等の廃止、地方団体の事務事業として同化定着しているものにつきましては補助金の廃止等を基本として推進してしかるべきものであると、私どもはそのように考えておったところであります。 それで、財政審議会も、あるいはまた地方制度調査会におきましても、そういうことをやるべきであるという御意見を承りまして、私どもはそれを尊重してやってまいったのでありまして、したがいまして予算編成の直前まで、考え方におきましては、国と地方との考え方、つまり国は一律カット、私の方は内容によって事務分担、そういうことによって考えるべきであるという考えを持っておりましたところ、極めて厳しい財政状況のもとにあり、一年間に限りこの問題につきましては地方への負担を国において十分考えるというような話のもとに、私どもは、この裁定と申しますか、予算の厳しい状況ということからいたしまして一律カットというものを受けざるを得なかったというような事情でございます。 したがいまして、これらの問題につきましては、この一年間協議をし、六十一年度にはどうするかということは、私どもは地方財政審議会あるいは地方制度調査会の意見を十分聞きながら、また今最初に申し上げましたような補助金の整理合理化に関する考え方を基本として 〔委員長退席、理事伊江棚雄君着席〕 大蔵省と十分析衝をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○田渕哲也君 私は、国、地方を通ずる行財政改革の基本理念に基づくならば、この自治省のメモの方がその線には沿っておると思うんです。この一律カットというのは、どう考えてみてもこういう考え方には当てはまらないものである、自治省のこういう考え方について大蔵大臣はどう思われますか。
○国務大臣(竹下登君) 自治省財政局が国庫補助金等の整理合理化の方策について基本的な考えを示されたことは十分承知しております。そこで我々は、予算編成過程において、まず示されたような観点を踏まえて補助金等のすべての洗い直し、そして整理合理化、これを進めてまいりまして、人件費補助の見直し、補助率の引き下げ、そして廃止、一般財源化、統合メニュー化等の方策を幅広く講じてきたわけであります。 そこで、今申しました一つ一つの例もございますが、なかんずく補助率の問題につきましては、極めて厳しい環境にあってやはり財政改革を実現することになりますと、いわゆる一般歳出の四割強を占めますところの補助金の徹底した整理合理化をやらなきゃいかぬ。それで、今申しましたようないろいろなものをやって、やはりなおその上に補助率ということにつきまして、とりわけ指摘を受けております二分の一超の高率補助の分について、現下の容易ならざる国の財政事情ということから引き下げるということをお願いをしたわけであります。 そこで、その過程におきましては、言ってみれば昭和二十一年以来のいろいろな伝統もあるから、もう一年、まずその費用負担のあり方を先に議論してその後で措置すべきではないかという議論もいたしました。しかし、その問題につきましては、今後一年間かかって——昨年の十二月から一年間という意味でありますが、結論を出すことにして、当面は一年の暫定措置といたしまして、すべてが一律じゃございませんけれども、多少の変化はございますけれども、俗に言われる一律カットという形において費用負担のあり方が今年度に限ってはこれが妥当であろうという結論を得てお願いをしておるということになるわけであります。
○田渕哲也君 臨調の最終答申によりましても、補助金の整理合理化はやはり一律カット方式というのはなじまないと思うんです。まず第一に、不要または効果の少ないものはその事業を廃止し、補助金そのものをなくしていく。それから第二は、やはり地方へ権限を移譲し、一般財源化することにより補助金をなくしていく。第三は、零細補助金の整理を進める。こういうような趣旨が盛られておるわけであります。そういう点からしますと、大蔵大臣も触れられましたけれども、こういうことをもっとじっくり検討して、例えば一年後からこういうことをきちんとやって補助金の整理をすべきものである。それを、財政事情の厳しさからとにかく一年間は一律にカットしてしまえということになると、これは行財政改革とかなんとかというものとは全く無縁である。ただ単に六十年度予算の編成のためにやむを得ず緊急的にやったんだということになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今、田渕さんから御指摘のありましたような順序を経て補助金削減、合理化ということはやってまいりました。第一次答申等からずっと見ますと、最初はやはり法律に基づくものが八割、しからざるものが二割、地方公共団体を通ずるものが八割、そしてしからざるものが二割、あるいは文教、社会保障、公共事業、これを足して八割、しからざるものが二割。そうして非常に幅の狭いものを対象にして今度はいろいろ個々にわたって議論をいたしてみました。もう必要のなくなったもの、これを奨励的必要のなくなったもの、その意義を達したものを廃止するのは当然のことであります。 そこで、一つの手法として心がけましたのは、各省においてどうでも奨励的な意味においてつくりたいものがあればそれに見合うスクラップをしなさいとか、やはり補助金そのものの意義というものを一番よく知っていらっしゃるのは原局の皆さん方でありますから、そこで総枠の中でひとつ工夫をしてもらいたい、総枠の額において工夫をしてもらいたいというのが私は一時期の手法だったと思います。 そこで、今度は一つ一つの率においてやっていただこう、こういうことになりましたが、その率を一つ一つ念査して議論するに至らなかった、その問題はそれでは一年かけてやりましょう、だからことしはその限りにおいては暫定措置でございますということで結論に到達したわけでございますので、いわばそれによって国の負担が減ったということが六十一年度の予算編成に当たっての緊急避難だ、こういう批判は、田渕さんの論理を展開していきますとそれは一面言える批判だと思っておりますが、私どもは総合した一つの補助金の体系をつくるための一年間の暫定措置である、こう理解して御審議をお願いしておるというところであります。
○田渕哲也君 私は、財政再建の問題に当たりましても、どうも政府のやり方というのは非常にこそくな面が多いと思うんです。いわゆるツケの先延ばし的なことが非常に多い、あるいはツケ回しということが非常に多い。本会議でも質問しましたら、大蔵大臣はそうではないと反論されておりましたけれども。例えば、今回の高率補助金の一律カットにしても、これは一部は結局また国が埋めなきゃならないわけです。例えば、特別交付税で埋めるとか、あるいはあとは地方債で手当てをするわけですけれども、地方債の中でも一部は六十六年度以降の交付税で面倒を見るとか、あるいは公共事業の二千億分の半分は元利の償還について国が交付税で面倒を見るとか、だからこの中のある部分は結局国の負担の先延ばしである。しかし、それでも全部がカバーできない部分は地方へのツケ回しである。そういうことになっているんじゃないですか。
○国務大臣(竹下登君) マクロで見ました地方財政計画、こういうものでまいりますと、今年度はこの措置なかりせば地方財政計画は収支とんとん、こういうことになるわけであります。将来の姿は、それは社会経済の変化によっての相違もございましょうが、私どもが申しておりますのは、地方財政計画の中で今お約束をしておるような将来にわたっての措置を行うわけでございますので、そのものは必ず不足を来して国が別途一般会計から埋めていくということをあらかじめ断定することはいかがなものかな。やはり毎年毎年のマクロの地財計画の中でお約束をしておりますことを埋め込みながら地財計画を見ていくわけでございますから、初めからその地財計画の中に欠陥を生じて、そこで後年度の一般会計負担にそれがなるであろうという論理は、必ずしも一般論として議論する論理ではないではなかろうかというふうに考えております。
○田渕哲也君 今回の措置で、例えば高率補助金のカットで国が助かった財源が四千四百八十一億、それから地方がそれによって、高率補助だけじゃありませんけれども、今回の法案による措置で地方の負担増が五千八百億、そのうち一千億は交付税の特例加算で処置をする、あとの四千八百億は建設地方債の増発で対処をする。もしこの措置がなければ国の財政は四千数百億円足りなくなる。足りなくなるというか、国債発行の減額がそれだけ減るのか何か、増税をしなければいわゆる国債発行で賄わなければならなくなる。だから国債発行の減額を大体一兆円規模やるためにつじつまが合わない、だから結局その分は地方債で発行させてつじつまを合わせているのと同じことになるんじゃないですか。この点はいかがですか。
○政府委員(平澤貞昭君) まず、国の方から今委員がおっしゃいましたように四千四百八十一億補助率引き下げがあるわけでございますけれども、そのうち公共事業につきましては、その分国費を節減というか、減らしませんで、その一割相当分程度のお金をまた公共事業に充てまして、事業費をふやすことによって現在の経済に何らかのプラスを与えようという措置をとったわけでございます。したがいまして、残りの非公共部分につきましては、先ほどおっしゃいましたように千億円をプラスで特例加算したわけでございますが、残りにつきましては、これは自治省からも御答弁がございましたけれども、千六百億円あるうち六百億円、これにつきましては不交付団体、富裕団体の部分であると。さらに千六百億円の残りの千億円につきましては、おっしゃるように建設地方債の増発といたしましたけれども、この分は将来元利償還に当たって交付税で措置するという措置をとっておりますので、したがいまして、それぞれにつきましては、地方団体にとっては財源が措置されておりますし、国の場合もそれぞれ理由のある処理をしているわけでございます。
○田渕哲也君 いずれにしても、やはり国の財政再建を進めるために、国と地方と比べた場合に地方の方がまだ財政事情がいいからというので、そのツケを回したというだけのものだと。もちろん、補助金そのものの国と地方の分担の問題とか、いろいろ行政改革に盛られたこともあるけれども、今回の措置というのはそういうものと余り関係がなくて、国の財政再建を進めるためにツケを地方に回しただけにすぎない、そういう感じがするわけであります。この点はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる国と地方との役割分担の中で費用負担を見直そう、これは一つ根本にあるわけであります。さて、国と地方とがどっちがいいか、こう言いますと、それは一つの議論としては、一億円借金しておる者と三億円借金しておる者と、同じどちらも借金しながら一億円の方が裕福だと、この論理は私は余り通らない論理だと思っております用地方も苦しければ国も苦しい状態にある。が、もろもろの答申、指摘等を読んでみますと、両者ともに苦しいが国の財政はなおまさに危機的状況にある、こういうふうな大体文筆が書かれてあるわけであります。 しかし、かといって、確かに公債残高等から見てみますと、それは少のうございます、地方が。そしてまた、いわば中には、富裕団体という表現が悪ければ財政状態のいい団体とでも申しましょうか、そういうものも個別に見ればあります。したがって、国が地方に比べてなお苦しいというのは、数字的に公債残高とか依存率とか、そういうものから見たら確かに苦しい状態にありますが、国が苦しいから地方へツケを回したということでなく、車の両輪たるものが本来施策、制度の根幹にさかのぼって、さて費用負担はどうが一番いいかというところから決まったというふうに御理解をいただきたい。しかし、それが正確に個々に決まらなかった場合は、今年は暫定措置としてまさに一年限りということで、これが当面の費用負担のあり方としては妥当であるという結論に達したというふうに御理解をいただきたいものだと思っております。
○田渕哲也君 現在、地方団体の最大の関心事といいますか、この措置が本年一年限りということにはなっておるわけですけれども、これがこの先どうなるか、これが非常に心配な点だと思います。また、これがはっきりしないと先の事業計画というものもなかなか立てられないわけであります。 この点についてお伺いしたいのですけれども、例えばこれから国と地方の財政負担とか、あるいは権限、役割のあり方というものを見直すにしましても、これは大変な事業だと思うのですね。もし六十年限りという場合、六十一年度の予算からはこれをもとに戻すということは大蔵大臣の説明を聞くとあり得ないというような感じがするんですが、この点はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) どういう結論が出るかということは、仮定の事実でございますので、もとに戻るということはあり得ないということを断定するのは私は必ずしも適当でなかろうと思っておりますが、要するに、先ほど来申しましたように、今回の措置は当面六十年度における暫定措置とする、そして六十一年度以降の補助率のあり方については国、地方の役割分担、費用負担の見直しを、今までも継続してきましたが、それを徹底的に見直しを行うことによって十分な検討を進め、結論を得るものとしておるところであります。したがって、いわば来年は補助率をすべてのものについて今までどおりに戻すというような考え方を前提に置いてこれから検討を進めていくという考え方は持っておりません。
○田渕哲也君 これは自治省作成の資料でありますが、「昭和六十年度地方財政対策の概要」というのに「国庫補助負担率の引下げは、国の深刻な財政状況の下において、経常経費系統については暫定措置として昭和六十年度に限り行われる。また、社会保障関係については昭和六十年度において国と地方の役割分担等を検討することとなった。」と、こういうのがあるわけです。それから三大臣の覚書では、社会保障の補助金については六十年度における暫定措置とし、六十一年度以降の補助率のあり方については検討を進める、こういうことが書いてありますけれども、これは経常経費系統についてはもとに戻すという意味ですか。
○国務大臣(古屋亨君) 今お話しになりました経常経費の不足分といいますか、地方へ回した分で足らなくなった分が二千六百億でございます。そのうち一千億は交付税の積み増しということで措置をし、あとの千六百億につきましては地方財政上の、つまり六百億は富裕団体でございますのでこれには交付税の方は参りませんけれども、 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 ここは起債でいくよりしょうがない。それからあとの一千億につきましては、この一年間の検討の結果によりまして調整するものとし、六十六年度以後の交付税に加算をしますが、その取り扱いにつきましては自治省と大蔵省が話し合う、こういうことになっておるわけでございます。
○田渕哲也君 この文章によりますと、経常経費系統についてはあくまで暫定措置として六十年度限りのものである、ただし社会保障関係については今年度中に役割分担等を再検討するというふうにとれるわけです。そうじゃないわけですか。
○国務大臣(古屋亨君) 経常経費の二千六百億につきましては今申し上げましたように考えておるのでございますが、さあことしはそういう措置をとったが来年以降どうなるかという問題につきましては、社会保障を中心としまして、この一年間に、三大臣の協議のもとにおきまして、やはり私ども自治省といたしましては、先ほど補助金の整理合理化の問題で申し上げましたような地方の意見、あるいは地方財政審議会あるいは地方制度調査会等の意見を十分承りながら、この一年間にどうするかということを三大臣で検討していきたいということでございます。
○田渕哲也君 公共事業関係のいわゆる投資的経費についてはどういうことになりますか。
○国務大臣(古屋亨君) 投資的経費の不足分というのは三千二百億でございますが、これは建設地方債によって措置をするということになっておりますが、そのうち二千億の分につきましては、従来の臨時特例でやっておりましたように、六十一年度以降におきまして、その二千億の半分は国が地方交付税の方へ入れてもらうということを考え、あとの分につきましてはやはり地方におきまして交付税措置を講じていく。それから残り、二千億のほかに千二百億ありますが、これは地方の事業がそれだけふえるわけでございますので、交付税措置によりますが、若干は地方も持ってもらうということで、大体私どもの検討では八割を、その千二百億におきましては財源は交付税等をもって見ていく、こういうような考え方でございます。
○田渕哲也君 私が聞いておるのはこれから先の話でありまして、ことしの処置はそういうことでしょうけれども、これから先の処置として社会保障関係については三大臣で負担を検討するということ、これはわかります。それから経常経費系統については、これはもとに戻すという趣旨だと思います。公共投資関係はどうなるかというのはこれに書いてないんですけれどもどうするのか、その辺をお伺いしたいのであります。
○政府委員(土田栄作君) これはちょっと時間の経過のある問題でございますので、十二月の二十二日時点では経常経費系統については暫定措置、一年限りということが決まっていたわけでございますけれども、投資的経費についてはこの時点ではまだどういう取り扱いにするか、期間をどうするかということははっきり確定しておりませんでしたので書かなかったと、こういうことでございます。それからこの時点におきましては、社会保障関係については三大臣覚書に書きまして、これで検討するということが決まっていたわけでございますけれども、そういうことで投資的経費につきましてはその期間の問題も決まっておりませんでしたし、また決まっておりませんのでそこまではこのメモに書き込めなかった、その後どうするかということを各省で今後相談すべき問題であると、こういうことでございます。
○田渕哲也君 大蔵大臣も六十一年度の予算編成までにそういうことを全部見直すのだということでありますけれども、今言った問題も含めてこれはどういうふうな措置をとるのか、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今、いわゆる非公共の生活保護問題につきましては一年かかって結論を出そう、こういうことになっておるわけであります。その他の問題につきましては、やはり従来からの公共事業あるいは非公の、公立文教は非公の中へ入っておりますが、ある意味では投資的経費かもしれませんけれども、そういうものも含めた問題につきましては、今後六十一年度予算編成までの間に検討しよう、こういう考え方で予算編成に臨まなければならないだろうというふうに考えておるところであります。
○田渕哲也君 建設大臣にお伺いしたいと思いますが、ことしは先ほどのお話のように地方への補助金、公共事業関係の補助金を二千億カットして、そしてその二千億をさらに事業をふやすためにつけて、またそれに付随する地方の必要な経費が千二百億、こういうふうな苦肉の策で公共事業の量というものを確保したわけでありますが、来年はどうなるのか。来年も、もしこれをもとに戻すとすれば、かなり予算をふやさないと事業量は確保できなくなるということになりますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(木部佳昭君) 建設省所管の公共事業につきましては、大変厳しい財政のもとでございますが、国費を有効活用しよう、そしてこれによりまして事業費の拡大を図っていくというようなことで臨んだわけでございます。しかし、先ほど来大蔵大臣からも御答弁がありましたように、ことしの高率補助率の問題につきましては暫定的措置である、そういうふうに私ども理解いたしております。 前々からよく機会あるごとに、田渕先生から道路の公共事業予算の確保というようなことの陳情を私も何回も受けたことがございますが、御承知のとおり目的税というようなことでございますのでそうした措置をとっていただいたわけでございまして、六十一年度の予算編成につきましてはそれぞれの省庁とよく相談をして、そして私ども対処したい、こういうふうに考えております。
○田渕哲也君 大蔵大臣にお伺いしますが、四月九日でしたか、閣議で六十一年度の予算編成も非常に厳しい概算要求枠というものを設けなくてはならないという発言をされたようでありますが、六十一年度の予算編成の枠というものは、六十年度並みの、経常経費では一〇%マイナス、投資経費では五%マイナス、大体そういう方向に従って行われるおつもりかどうか、お伺いします。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、予算を成立さしていただきました後の閣議におきまして、そのお礼を申し上げると同時に、六十一年度予算編成に対する今日の時点における私の心構えについて申し述べたわけであります。しかしながら、これから概算要求基準をまず設けなきゃなりません。その後、また概算要求そのものを受けなきゃならぬという現段階において、昨年、一昨年やりました経常部門の一〇%、公共部門の五%というような数字を今確定したわけではございません。 それから予算審議の際に手がかりとしてお出しいたしました後年度負担推計というようなものは、経常経費で今度の法律にかかわるものはもとへ戻した形、それから公共事業関係はデフレーターをかけただけ、こういうようなことでお出ししておりますが、いずれにしても、私も予算編成が終わりましたときに、本当にもう搾っても一滴も出ないというような感じを素直に持ちました。しかし、言うや否やこれではいけない、やはりいま一度原点に返って厳しく対応せざるを得ないという延長線上で、六十一年度予算も厳しいものになるでございましょう、今から制度、施策の根源にさかのぼったこの点について、各省におかれて事務当局に検討方を指示していただきたい、こういう趣旨の発言をしたことは事実であります。
○田渕哲也君 大蔵大臣の御答弁を聞いておりますと、今まではいろいろなやり方で経費を詰めてきたけれども、六十年度予算でもうぎりぎりのところまで来た。そして六十一年度は増税ができるかというと、これはまずできませんね。この点をまずお伺いしたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 税の問題というのは、まさにシャウプ以来、総理のお言葉をかりますならば、公正、公平、簡素、選択、活力という点において基本的な御論議をこれから賜るわけでございますので、国民に負担増をどうして求めるかというのはその先の議論でございます。したがって、今日の時点で、いわば何らかの形の増収措置をお願いするとかいうことの言える段階ではないというふうに考えます。
○田渕哲也君 そうしますと、どうして予算編成をするかとなると、国に比べたら比較的財政状態のよい地方へツケをさらに回すのじゃないかという心配をやはりするわけです。この点はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これらもこれからの問題でございます。やはり制度、施策の根源にさかのぼってまず隗より始めよということで、国自体の責任における地方負担を伴わない補助金等についても、先ほど来御指摘のありましたとおりの手法でもって対応していかなきゃならぬと。そして国と地方の役割分担、費用負担のあり方というのは今後の検討課題であるわけでありまして、ツケを回すのではなく、両者の適正な費用負担の配分をどこに求めるかと、こういう苦労をこれからもしていきたいと思っております。
○田渕哲也君 財政制度審議会の第一特別部会が昨年の十二月に「補助金等の整理合理化の考え方及び方策について」というのを発表いたしました。この中に、国と地方の間の機能分担、費用負担の見直しは、税源配分、交付税交付金、補助金などあらゆる角度からの検討が必要である。補助金というのもそのうちの一つでありますけれども、私は、やはり国、地方の間のそういう分担の問題を抜本的に見直すならば、まずその権限の問題、機能の分担それから税源配分とか交付金とか補助金、こういうものをひっくるめて見直さなければならないと思いますが、こういう基本的な見直しも含めて来年までに行われるつもりでありますか。
○国務大臣(竹下登君) 今の問題になりますと、私は基本的考え方は否定するものではございません。十分に参考にすべき意見であると、財政審の報告でございましたか、それはそのように思っておりますが、その問題がそのままトタに議論をいたしますと、交付税率の引き下げとかそういうところにつながっていくんじゃないかということになりますと、現時点で私はこれはいわば議論が別の方向へ展開していくんじゃないかと。が、基本的には役割分担というものを考え、そして税源配分、国庫からの支出金、交付税、全体から検討すべき問題であるというその報告の基本認識は、私もそれはそのとおりだろうなという意見は持っておりますが、交付税率をいじるということを前提に検討に入ろうということを現時点で私は考えておりません。
○田渕哲也君 いずれにしても、この財源分担の問題を適正に進めるに当たって、私はやはり行政改革の推進ということがそれに付随するというか、行政改革が進められる中でそういうものが行われなければならないと思うんです。そういう意味で今回の一括引き下げというのは全くおかしいと思うわけです。補助金の整理合理化も、行政改革を進める中で国の補助金をどんどん整理していく、要らなくなったものをカットし、新しい需要のものをつくっていく。それからもう一つは、地方への権限移譲、地方の自主性とかあるいは自治とか、そういうものを進める段階でそういうものを行わなくてはならない。ただ単に国の財政が苦しいから今までの補助金率を見直すのだというだけでは私は余り意味がないと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは本来そうあるべきものだと私も思っております。権限を移譲して、さればその財源はどうするかと、いや既に同化定着しておるからそれはいいという議論も出るでしょうし、なおそれは特別な形で対象に、交付税の算定基準とか、あるいは別途補助金とかいう問題で残すべきだというような議論も出るでございましょうし、基本的には国と地方とのいわゆる業務分担の中から費用負担のあり方が出ていくという議論には私も賛成です。
○田渕哲也君 最後に、生活保護費の問題について少し質問したいと思いますけれども、生活保護費も、先ほど申し上げましたように、これは国の責任において実施するものである。それで、またこれに対する地方の反対が非常に強いわけですね、生活保護費のカットについて。それにかかわらずあえて行われた理由というのは一体どこにあるのだろうかと思いますけれども、一部には、地方の負担を重くすればそれだけ生活保護費の支給についても適正化が行われるであろうというような考え方もあるように聞くわけであります。 しかし、私はこの考え方は全くあべこべだと思うんです。生活保護費そのものが非常に運営の問題で問題がたくさんあるということが言われております。不正受給の排除とか、あるいは長期入院患者の社会復帰の促進とか、あるいは生活扶助基準の設定方式の問題とか、いろいろありますけれども、これは制度の問題であって国が改めなければならない問題であります。だから、こういう問題を国が改めずして地方に負担を転嫁することによって適正化を求めるというのは全く順序があべこべではないかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 確かに臨調、行革審の指摘等におきましても、今田渕さんが前段おっしゃったような問題があることは事実であります。ある県はそれこそ千人当たり四十三人である、ある県は千人当たり四人弱であると、こういうような十倍以上のアンバランスもございます。そこからしていわば制度上の問題を議論すべきだという指摘があることは事実であります。それで、このたびの補助率引き下げの問題につきましては、言ってみれば制度は制度として機能するような努力を引き続きいたしますとともに、この問題は、あえて答申、指摘から申しますならば、いわゆる高率補助率の検討というところから国と地方との役割分担の中に八、二を七、三と、こういうことに、暫定措置ではございますが、御審議をいただいておると、こういうことであります。
○田渕哲也君 終わります。
○木本平八郎君 私は、まず補助金に関して、特に農業に関連して質問したいと思って準備しているわけですけれども、きょう大分時間が遅いものですから、一応補助金というものの物の考え方だけお聞きしたいと思います。 それで、まず農水省にお伺いしたいんですが、全般的に、昭和五十八年の会計検査院報告によりますと、彼らが八・四%の件数を調べた調査の結果だけで税金のむだ遣いが百七十一億円あったと、そのうちに補助金のむだ遣いと見られるものが六十二億円あったという報告をしているわけですね。これが八・四%ですから、これ一〇〇%に一応換算しますと約二千億円がむだ遭いされていて、補助金も七百四十億円ぐらいむだ遣いされているということが推計できるわけですね。この中に特に営農集団育成事業補助金ですね、これは昭和五十一年度の五十一億円を最後に廃止されたようですけれども、これが大体四千集団中八二%、三千三百八十一集団ですかが不適切に補助金を使っていたと。それでこの金額が五億一千七百万円、約一割ですね。どうしてこういうことが行われているというふうに農水省としてはお受けとめになっていますか。
○政府委員(田中宏尚君) ただいま御指摘がありました会計検査院から指摘のあった集団育成事業でございますけれども、これは中核農家の経営の規模の拡大でございますとかあるいは高能率の生産組織、こういうものを育成します際に、どうしても農村社会なりあるいは農業経営の特殊性、こういうことから言いまして、いろいろと集落段階での話し合いでございますとか、いろいろな手続関係が必要になってくるわけでございます。そういうものにつきましてある程度の助成をやっていたわけでございますけれども、非常に多種多様な組織というものがございましたために、こういう大切な事業ではございますけれども、その中身についての的確な理解なり適切な対応というものが、地域によっては若干手抜きなところもございまして、特に事業の経理というものがこういう集落段階での事業であったために適正に行われてないということがございまして、いろいろな御指摘を受けましたことは我々としてもまことに遺憾に感じている次第でございます。 こういう指摘を受けまして、我々もその反省に立ちまして、昭和六十年度予算におきましては従来行っておりました集団育成事業、こういうものは廃止するということで方針を決めまして、それから五十九年度の執行につきましてもできるだけ事業の趣旨が徹底するように、あるいは経理が適正になるようにという事前指導もいたしまして、五十九年度分につきましては十分な執行というものができたというふうに理解しているわけでございます。
○木本平八郎君 そういう御説明だろうと思うんですけれども、そこで、会計検査院から不正だと言われているわけですね。それでその補助金の目的というか使用用途、名目ですね、それはどういうふうになさったわけですか。
○政府委員(田中宏尚君) こういういわゆるソフト事業と称されているものでございまして、会議費でございますとか研修費でございますとか、いろいろな補助項目があるわけでございますが、そういう補助項目に従って金を適切に使うようにという是正方指導をいたしますとともに、きちんと行いました事業につきましては経理処理というものを的確にさせたところでございます。
○木本平八郎君 きのうきょう農水をやられたわけじゃないでしょう。長い間農水をやられて、農村というのはどういうふうな組織になっているか、そういう社会がどういうふうになっているかというのはよく御存じのはずですね。出しておいて、八二%でしょう、それがこういう不正なことをやっているというのは、経理がずさんだというのはちょっと今さら知らなかった、八二%ですからね。これはどうも理解できないんですけれども、その辺はどうなんですか。
○政府委員(田中宏尚君) この事業に類した事業としては、過去若干やったことがございますけれども、会計検査院から指摘された事業につきましては五十八年度からスタートした事業でございまして、第一年目でございましたので、事業の趣旨の徹底等につきまして我々としても若干手落ちがございましたので、先ほど言いましたような事後処置を講じたという経緯になっております。
○木本平八郎君 私の理解は、私は農村のことはそんなに詳しくはないんですけれども、私の知っている限りでは、こういう補助金は大体飲み食いに使うものだというふうな認識を持っているケースが多いんですがね。これ何も飲み食いを彼らは悪いことだと思っているわけじゃないんですよ。ただ、やはりコミュニケーションをやらなきゃいかぬというふうな目的意識を持っていることは確かなんですけれども、しかしこういうものを流用すると私はあえて思うんですけれども、流用することについての余り抵抗感がないんじゃないかと思うんですが、その辺は日ごろ指導なさっていてどういうふうに受けとめておられますか。
○政府委員(田中宏尚君) 従来こういう事業につきましては、市町村を大体事業主体にいたしまして、市町村が主体的に事業に取り組んできたわけでございますけれども、ここのところの農業組織の育成でございますとかあるいは農用地の流動化、こういうものに取り組むためには、市町村段階だけじゃなくて、集落段階でもう少しきめの細やかな話し合いなり計画の作成ということが必要であるということで、五十八年度から少し集落を中心にしてこういう事業を組み直したわけでございますけれども、残念ながら第一年目でもあったということに加えまして、集落というものを補助対象にしたということからこういう問題を起こしたということでございます。
○木本平八郎君 それで、この営農集団一件当たり大体幾らぐらいの金額になっているんですか。
○政府委員(田中宏尚君) 平均的には約二十万程度でございます。
○木本平八郎君 少ないところでは十万円から大体二十万円ぐらいまでの間というふうに出ていますね。ところが問題は、やはりそういうコミュニケーションを図るための費用なら初めからそういうふうな項目で出してもいいんじゃないかと思うんですね。これは私よくわかりませんけれども、民間の会社なんかでは社員の厚生とか慰労のために堂々と費目をつけておるわけですね。これはちゃんと税金の控除もされているわけです。そういうふうなまやかしとは言いませんけれども、何か表面だけを繕って、それで実際はこういうふうな流用をされるというのが大体慣習になっているんじゃないかという気がするわけです。 その問題はその辺にしまして、ここで問題は十万円から二十万円というその金額なんです。この補助金のために多分、この集団は先ほど経理の問題がずさんだとおっしゃいましたけれども、要するに、県や国へ監査の報告をしなきゃいかぬ、あるいは帳簿をつくらなきゃいかぬ、事業報告しなきゃいかぬ、収支報告しなきゃいかぬ、活動報告しなきゃいかぬ、いろいろなことがあると思うんですね。これはどのくらいの手数になっていると思われますか。
○政府委員(田中宏尚君) こういう集落に対する助成でございますので、主に市町村が代行して一括してということになっておりますので、必ずしも手続としてはそう錯綜しておりませんで、こういうものにつきまして補助金の申請なり決定に相当のコストがかかるということがございましては問題でございますので、手続関係はかなり簡素化した形でやってきているわけでございます。
○木本平八郎君 簡素化し過ぎてこういう不正が行われるようになったのかもしれませんけれども、また別の資料によりますと、一般的に国の補助金に対して都道府県の事務が非常にヘビーになっているという、ロードがかかっているという資料もあるわけですね。 例えば、都道府県の職員の業務で国庫補助金関係、直接の業務量が四四・六%だと、その上に国から調査依頼を受けているのは一九・三%ぐらい業務量があって、トータルすると六三・九%、約六四%がそういう補助金関係に使われている。したがって、あとは住民に直接、そういう仕事が一一%ぐらい、あるいは自分が企画したり勉強したり、本来の仕事をやるのは約一五%、その他が一〇%ぐらいあるわけですね。こういうふうに仕事のうちの六四%がそういう補助金関係に使われているわけですね。これは大変な問題だと思うんですよ。市町村になると、これやっぱり少なくなりまして四一%だと。ところが自分の自主的な業務というのは四〇%だから、それよりも多いわけですね。こういうふうな国の補助金行政に対して非常にこういう業務量が、ロードがかかっているということは農水省関係では御存じですか、農水省が一番多いようですけれども。
○政府委員(田中宏尚君) 過去においてはそういう御批判もあったわけでございますけれども、今度補助金関係の手続を合理化するということで、例えば事前の協議のヒアリングにつきましては市町村長が同行することをやめさせるとか、あるいはいろいろな交付申請書でございますとかあるいは実績報告書、こういうものの提出部数を少なくするとか、それからさらには交付決定時期につきましても従来より平均的に一カ月ぐらい繰り上げるということで、過去言われておりましたような不経済なり、問題というものは相当解消しているというふうに我々としては考えておる次第でございます。
○木本平八郎君 相当とおっしゃいましたけれども、大体何割ぐらい、あるいは半分ぐらいにしたとか、その辺ですね。これはもう前から言われている問題ですから、取り上げるからには相当具体的に突っ込んで検討されていると思いますけれども、感覚として、例えば事務量、繁雑さを半分にしたとか三分の一にしたとか、その辺のなにはどうなんですか。
○政府委員(田中宏尚君) なかなか定量的にどの程度あって、どの程度削減できだということは言いがたいわけでございますけれども、少なくとも都道府県職員なり、あるいは市町村職員、こういう者が東京に来る回数というものは、それぞれによって違いますけれども、相当削減できたと思っております。
○木本平八郎君 今おっしゃいましたけれども、陳情とかこれに使っている時間とそれから費用と労力というのはもう大変なものだと思うんですね。そういう点で、後でその点を私は問題にしたいわけですけれども、それでこれは一つの例で、私の友達が言っていたんですけれども、定年退職してテニスコートをつくったと。これ何か五万円ぐらい補助金があるらしいんですね、年間。ところが、これに対して領収書から事業報告、収支報告その他を非常にたくさんつくらにゃいかぬと、それでもう面倒くさいのでこんなもの要らないと言ったらしいんですね。そしたら、いやそれはもらっておいてもらわないと後ほかのことで困るから、とにかくもらってくださいと言われたということがあるんですね。これどこまでが事実がわかりませんけれども。 私どもの計算では、大体こういう書類をつくるのに、人件費一時間当たり二千円という計算をしているわけですね。二千円が高いか低いか別ですけれども、大体普通は二千円かかると見ているわけですね。五万円なら二十五時間でしょう。三日ぐらいですよね。やっぱり三日ぐらいはこれ女の子でもかかるんじゃないかと思うんですよね。そうすると、それだけで全部なくなっちゃうわけです。そういうふうな経費効率ですね、それの考え方というのがないんじゃないかと思うんですけれども、その辺は補助金を出される側としてはお考えになっていますか。
○政府委員(田中宏尚君) 零細補助金の基準につきまして、ここのところ一件当たりの補助額というものが先生も御承知のとおり都道府県別あるいは市町村別に規制されてきておりまして、五十八年度以降市町村単位では百万円、それから都道府県単位では一千万円ということになっておりますし、それから我々といたしましても補助金について効率的な使い方をするということで、メニュー化でございますとか統合化ということでできるだけくくるということを行ってきておりまして、手続的には相当簡略化ができたんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○木本平八郎君 こういう国の政治というのはどうしても性悪説に立たざるを得ないと思うんですね。だから、ほうっておくと何するかわからない、流用するかもしれないというふうなことで、金額の多寡にかかわらず一定の決まった手続でやらざるを得ない、それはわかるわけです。しかしながら、性悪説がそこまでいきますと、非常にもう社会的なコストが高くなってしまってどうしようもなくなって行き詰まってくるということなんで、民間の活力利用とかなんとかよくおっしゃいますから、この際はぜひひとつそういう効率というものを非常に重視して考えていただきたい。したがって、補助金を出すときに、これに伴ってどれだけの労力のインプットが要るのかということをぜひお考えになっていただきたいと思うんですが、農水大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 木本先生にお答えいたしますが、今お話を聞きまして、実は私も役所というのを入りましてよく見ておりまして、役所というのは実は公平で正しくまじめにやろうとしております。民間の場合は経済効率を中心にやると。そこら辺の感覚の差があると思うんです。したがって、先生のおっしゃる点はよくわかります。国民の大切な税金を預かってどう使うかという場合、やはり公平に正しくという点に重点を置いて効率よくと。特に、今財政が厳しい折ですから、その辺がございますから、先生のおっしゃる点をこれから加味して努力させたいと思っております。
○木本平八郎君 それで補助金というのは、そういう点でやはりだんだん財政が厳しくなってきてどんどん削られていく、それで零細化していくわけですね。そうすると、もう先ほどのように使いでがないから一杯飲むかということになっちゃうわけですね。これがもう二けたぐらい違うともっともっと有効な方法を考えると思うんですよ。ところが、やっぱり二十万円じゃもうどうしようもないからというふうになっていくと思うんですね。その辺で、去年九月に自治省が出されたなにで、不要だとか余り役に立たない補助金をもうどんどん削ろうと。今それだけでも二千億円ぐらい浮くというふうななにもあるようですけれども、やはりこういう少額の補助金というものはもはやその効果が非常にないというふうな前提でもって一度御検討をいただく必要があると思うんですね。私は、むしろそんなものは一時金でやってしまうとか、あるいは地方交付税交付金にしてしまうとか、そういう考え方が必要なんじゃないかと思うんです、これはどなたに答弁を求めたらいいのかわかりませんけれども。
○政府委員(田中宏尚君) 農林水産省関係の補助金で一件当たりの補助額が比較的小さいもの、これはその大部分が先ほど来御議論になっておりますいろいろな計画を樹立する際の樹立費でございますとか、あるいは農業経営の育成指導というようないわゆるソフトのための経費でございます。こういうソフトのための経費につきましては、土地改良事業等の基盤整備でございますとか、いろいろな施設をつくるハードな事業を行うための前提要件なり、あるいはそういうものを円滑に行うというために不可欠な事業でございますけれども、こういうものにつきましていろいろと御批判もございますけれども、今後とも必要なものは必要でございますけれども、一定の基準によりましてこういうものを一律にやめるということにつきましては、我々といたしましてはいろいろと問題があるんじゃないかと考えております。 それで、先ほど大臣からもお話ありましたように、やはり補助金につきましては厳正に執行するということと、それから手続を簡素化、効率化するというそういう両方の調和点というものをどこに求めるかという難しい仕事があるわけでございますけれども、こういう財政状況の中でございますので、我々といたしましてもできるだけ厳正にしてしかも効率的な補助金の出し方、使い方ということに心がけてまいりたいと思っております。
○木本平八郎君 それで、大蔵省にちょっとお聞きしたいんですけれども、補助金というのはどういうケースで、どういう目的で、どういう役割で出す性質のものかという基本的なことをちょっと教えてほしいんですがね。
○国務大臣(竹下登君) 補助金というのは、「補助金等」と今度の法律で名前がついておりますのは、俗に交付金とか、言葉によっていろいろな問題がございますが、要するに法律にそれぞれ目的が定められて補助されておるものと、いま一つはやはり奨励的な意味と、こういう二つにおよそ区分ができるのじゃないかというふうに思っております。
○木本平八郎君 その奨励的な意味という点なんですけれども、私なんかが考えると、ある事業がある、ところがこれは余りもうからない、採算が悪い、あるいはリスクが非常に大きい、あるいは資金的に足らないというふうなことで、政府が助成しないとこの事業がプロモートされないというふうなケースに使われるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これは奨励的な意味というのは、いわば企業等にとってみますとリスクの伴いますところの研究開発とかいうようなことに使われる問題が多かろうと思っております。 それからそういう企業の問題から果ては新生活運動とか、そういうことになりますと、まさにそれそのものを奨励する意味であって、ソフトの面といえばソフトの面でありますが、多くのものがやはりある時期に来ますとその奨励的意義が次第に薄らいできて、いわば同化定着したものというようなものから切っていくということになるわけであります。 したがって、今木本さんおっしゃっておりました零細補助金というのは、もう一つ零細補助基準というのを設けまして、五十八年からでございますけれども、そういうものは逐次切っていく、こういう方向で今日努力しておるところであります。
○木本平八郎君 そういうふうな一つの目的があって補助金というのは設定されると思うんですけれども、そういう前提があるとすれば、常に本当にそういう目的が必要なのかどうかということをレビューするということが非常に大事だと思うんですね。 例えば農村にテニスコートがいいと。これはレクリエーションの少ないところだし、そういったところだからいいと。かつてはそうだったと思うのですね。しかし、もう今は非常にそういうレクリエーション的なものが整って、海外旅行も農村の人たちの方が余計行くという時代ですから、もうそういうものはなくなっているんじゃないか。そうすると、そういうものというのはもう要らないんじゃないか。補助金を出してまで奨励することはないんじゃないかということが言えるわけですね。その辺のレビューがどうも非常に少ないんじゃないかという気がするんですね。 何となく過去のしきたりとか習慣とか、行きがかりじゃないけれども、二十年続けてきたこういう補助金だからことしもやる。ところが、金がないから少しこれをカットして額を少なくするというふうなことで、びほう策のようなものをどんどん重ねてきて、そしてもうここへ来て財政が逼迫してきてどうしようもなくなって、それじゃしょうがないから高額の補助金を一割カットしようとか、不要不急になったものを一応とりあえず二千億分はやめようとか、そういう発想になってくるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の考え方はどうなんですか。
○国務大臣(竹下登君) これはいつも申し上げますように、補助金というのは十四兆幾らある。そうすると、財政改革ということになるとそこへ眼を置かなきゃいかぬ。その八割が法律補助、しからざるもの二割、それから地方公共団体を通じて出すものがまた八割、しからざるもの二割、そして文教と社会保障と公共事業でこれが八割、しからざるもの二割。そういう中から、年々経常部門はいわば一〇%カットとかいうようなことで逐次進めて、レビューをしてきているわけです。したがって、今後ともレビューというのは、これは一時期を決めてではなく、毎年レビューはやっていかなきゃならぬ課題だと。いわば零細補助金にいたしましてもちりも積もれば山となるわけでございますから、そういうものに対するレビューというのはいつも続けていかなきゃならぬ課題だという問題意識だけは十分持って対応していくつもりであります。
○木本平八郎君 私の感覚では、やっぱりどんどん時代が変わっていって社会が進んでいっている。先ほどの農村のテニスコートの問題じゃないんですけれども、そういうときで、補助金を見ていまして、もう補助金の時代じゃないんじゃないか。これは農業関係について特に突っ込んでいきたいんですけれども、補助金よりもむしろ融資の方がいいんじゃないかというケースがいっぱいあるわけですね。そういうわずかなものを補助金でもらうよりも、もっと潤沢に融資してもらった方がいいという面もあるわけですね。その辺も実態に即応した考え方が必要なんじゃないかと思うわけです。 それで、大蔵大臣に少しこれ、私のアイデア、提案みたいなものなんですけれども、今、補助金、これ非常に先ほどからのなにで行き詰まりつつあると思うんですね。財政的には締められてきているし、それからどんどん額が低くなってきて、零細化して余り使いでがなくなっている。こういう際に、一応サンセット方式でこの二年なり三年なりで全部の補助金を一切やめる。この二年間で国会でどういう補助金が必要なのか、改めて必要なものを設定していくというふうなことも一つの方法じゃないかと思うんですね。そうしないと、これを削りあれを削りと個々にやっていると、いや、これはもう昔からのいろいろの行きがかりがあってとか、しがらみがあってとかいうことでなかなか切れないと思うんですね。むしろ逆にもう三年後に全部やめる、それで必要なものは改めてここで国会でセットしていくというふうなやり方もあると思うんですが、これ、私見で結構ですが、御所見を承りたいんですけれども。
○国務大臣(竹下登君) これはだれしも一度は感ずることだと思うんです、ガラガラポンにして、それで三年ぐらい本当にしっぽりと議論してと。そうなりますと、それは数にして大変な数でございますから、気をつけなきゃいかぬのは、一本一本にまた応援団がついてきてどれにも手がつけられないことになる。そうなると、やはり一番原局が詳しいわけですから、そこへまずは額で一割やってみないかとか、あるいは率でやってみないかとか、そういう工夫の中で総合的な調整を図っていく。ガラガラポン方式というのはわかりますけれども、現実問題としてはなかなか難しい問題であります。
○木本平八郎君 あと私は農業問題でいろいろお聞きしたいんですけれども、あと四分ぐらいありますが、一応きょうは少し、四分だけでも早く終わらしていただきます。
○委員長(桧垣徳太郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 明後二十四日は午後一時二十分に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時五十五分散会