文教委員会 第13号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/06/20
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十一日、関嘉彦君が委員を辞任され、その補欠として小西博行君が選任されました。 また、昨十九日、中村哲君が委員を辞任され、その補欠として糸久八重子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事一名が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に久保亘君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案及び女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○安永英雄君 障害児の教育を受ける権利、これが実質的に保障されているかという問題は、これはまた教育の中でも非常に重要な問題であるし、長い間いろいろ検討を加えられたところでございます。 そこで大臣にお聞きしますが、障害児教育についての大臣の所見をお伺いしたい。
○国務大臣(松永光君) 心身障害児の教育につきましては、その障害の種類と重さの程度に応じて適切な教育を行って、そしてその子供の能力を最大限伸ばして、できる限り積極的に社会に参加できるような人間に育て上げるということが心身障害児の教育の基本でなければならぬというふうに思っております。そのためには障害の程度の重い児童・生徒については盲学校、聾学校、養護学校、程度の軽い児童・生徒につきましては小中学校の特殊学級あるいはより軽い場合には一般の学級でそれぞれ適切な教育を行うことが適当であるというふうに考えておるわけであります。 そしてまた、盲・聾・養護学校の児童・生徒が一般の小中学校の生徒と交流を行うということが、私は心身障害児の側にとっても、また一般の学校に通う子供の側にとっても大変意義の深いことであるというふうに思います。一般の学校に通う児童・生徒が自分と同じ年代の障害児と交流することによって、やはり心身障害者に対するいたわりとか思いやりという心が大きく芽生えて育っていくということは私は大変有意義なことだと思うんでありまして、そういう交流も考えていかなけりゃならぬというふうに思っているわけでございます。
○安永英雄君 今、大臣は現在文部省がとっておられる障害児教育についての施策を主としてお述べになったわけですけれども、当初に申しましたように、障害児の教育、この受ける権利というものを保障していくという、これが現実に、大臣として今施策を述べられたそれがいっぱいだとお思いになりますか。いわゆるこれらの障害児が教育を受ける権利というものが十分に保障されている現行の施策なんで、それ以上のものはないというふうにお考えですか。私はどうも障害児教育についての文部省の力の入れ方というものについてはまだまだだと、こう思っているわけですが、そういった保障というものは、これはまた随分行政の上でも考えていかなければならない面がたくさんあるというふうに思いますが、そういった点の今後の障害児教育についての行政の果たす役割というものについてはまだまだ余地があるというふうに思いますが、そういった点をお聞きしたかったわけです。
○国務大臣(松永光君) 私は文部大臣を拝命いたしまして学校現場を幾つか回りましたけども、一番最初に見せていただきましたのは養護学校でございました。その養護学校の教育の現場を見まして、私の訪問をした養護学校が関係者が特に熱心にやっていらっしゃるということであったのかもしれませんけれども、関係者が児童生徒に対して実に親切に熱心に教育をしていただいている姿を見まして頭の下がる思いがいたしました。同時に、その関係者のこれは人間愛というんでしょうか、崇高な精神を持った人でなければなかなか行き届いた教育はできないなという感じも持ったわけでありまして、いい人に養護学校の先生になってもらいたいものだという感じも私は持ったわけであります。今後とも心身障害児の教育につきましては、基本的には先ほど言ったようなことで、障害の種類、程度に応じまして、軽い人については特殊学級あるいは一般の普通の学校、重い児童生徒については盲、聾、養護学校で教育をさせる、するということが私は適当であるという基本的な考え方でございますが、その教育の内容につきましてはさらに一層充実をしていくように今後とも真剣に努力をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○安永英雄君 前向きの発言ございましたけれども、具体的には出てこないんでありますけれども、これは今からいろいろただしていきたいと思います。 本改正案が提案をされております趣旨等もお伺いをいたしましたけれども、今大臣がおっしゃったようにまだまだ今後障害児教育については行政面でも力を入れていかなければならないというその一環として、その一部分として学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案が提案をされておるものと私は思います。そこで、大臣も御検討願っておると思うのでありますけれども、教職員と寮母が協力して教育に当たって初めて子供の全面的な教育が期待できる、教育専門職としての位置づけをこの改正案は提案をされておるわけであります。したがって、寮母の名称を変更する、あるいは身分の確立を図る、こういう目的でこの提案を提案者は出されておるわけでございますが、ここで大臣にお聞きしたいと思うんでありますけれども、本法案についての所見をお伺いしたい。今から審議はしますけれども、この前も提案の理由等で明確になっておりますし、今私が申し上げたことでもおわかりと思うんでありますが、この改正案についての大臣の所見をまずお伺いしてからいろいろ質問を続けていきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 久保先生、盲、聾、養護学校に学ぶ児童生徒の教育がより充実するようにという心情から提案なさった法律案だというふうに思っておるわけでありますけれども、しかしその内容につきましては私どもとしてはにわかに賛成しがたい点が多々あるわけでございます。 例えば寮母の問題でございますが、寮母の職務はやはり寄宿舎におる児童生徒の日常生活のお世話をする、あるいは生活指導をするというのが主たる職務でありまして、いわゆる養育なんでございます。したがいまして、それは教諭がつかさどる教育とは質的に異なるというふうに考えるわけであります。 したがいまして、その寮母の任用に当たりましては、特に教諭のように資格要件は設けずに本当に熱意を持って心身障害児の養育に当たってくれる人を広く求める、この方が寮母には適材が得られる、こういうふうに考えるわけでありまして、教諭ということにしてそしていろんな資格条件をつけるということは、かえって寄宿舎におる児童生徒のお世話、いわゆる養育の面からいえば適当でないというふうに私は考えるわけであります。そういうことでありますので、寮母の仕事の内容、そういった点を考えますときに、それを教諭とする、そのために一定の資格要件を設ける、こういったことは必ずしも適当ではない、むしろ資格要件よりは本当に熱意があるかどうか、しんからのお世話ができるかどうかということが中心になるべきであって、そういう観点から適当な人材を確保するのが望ましいというふうに私は考えるわけであります。提案されたお気持ちはわからぬでもありませんけれども、私どもとしてはそう考えておるわけでございます。
○安永英雄君 この法律案の含む検討の範囲というのは非常に広いわけでありまして、一言でこれが必ずしも賛成できないという態度につきましては、これはまた今からじわじわとひとつお聞きをしていきたいと思います。 しかし一言言っておきますが、先ほど大臣は障害児教育というものについては非常に力を入れていきたい、熱意を持ってやっていきたい、こう答えられておって、しかも教育という問題について今の障害児教育の中に欠陥がある、その欠陥は何かといえば、今あなたがいみじくも言った、ある程度反対の意向を示されたそこらあたりが一番これは行政面でも考えていかなければならない問題なんです。それは以下今から聞いてまいります。 そこで障害児教育の寄宿舎、寮母について今からお伺いをしたいと思うんでありますが、現行法で寄宿舎設置についてはどうなっていますか。
○政府委員(高石邦男君) 学校教育法七十三条の二で「盲学校、聾学校及び養護学校には、寄宿舎を設けなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、これを設けないことができる。」ということで、原則として盲、聾、養護学校には寄宿舎を設置するという建前をとっているわけでございます。
○安永英雄君 寮母についてはどうです。
○政府委員(高石邦男君) 同じ学校教育法七十三条の三で「寄宿舎を設ける盲学校、聾学校及び養護学校には、寮母を置かなければならない。」、「寮母は、寄宿舎における児童、生徒又は幼児の養育に従事する。」と規定されております。
○安永英雄君 全国の盲、聾、養護学校の設置の実態をお聞かせ願いたい。
○政府委員(高石邦男君) 学校数で申し上げますと、盲、聾、養護学校含めまして九百二学校がございますが、その中で寄宿舎を設置している学校が三百七でございます。
○安永英雄君 時間がありませんから提案者の方に一つお聞きをしたいと思うんでありますが、学校教育法七十三条の三を改めようとしておられますが、その理由をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○久保亘君 ただいま文部大臣の方から養育という御説明がございましたけれども、もともと障害児学校の寄宿舎における寮母の職務は、世話並びに教育となっておりましたものを、その後「養育」と改正をされたものでございまして、私どもはこれを「教育及びこれに必要な世話」と、こういうことにすることによって、寄宿舎の持っております障害児教育における教育的機能、その教育的な立場を明らかにしなければならない。そのことに基づいて寮母を寄宿舎教諭として身分を位置づけて、障害児教育における寄宿舎のあり方というものを法律上明確に定める必要がある、このように考えて提案を申し上げている次第でございます。
○安永英雄君 文部省にお聞きしますが、ごく最近、非常に寄宿舎に入る人が多くなっていますが、大体今までは、遠距離だから寄宿舎に入ろう、家庭的な事情があるのでこれは寄宿舎に入れよう。こういうふうな事情が非常に多かったんでありますけれども、ごく最近は、教育的に見て本人の自立、それから生活習慣の確立、こういった必要な時期に来ておるので、どうしてもやっぱり教育的な観点から入舎を希望する人が非常に多いというふうにお聞きしますが、その実態わかっていますか。
○政府委員(高石邦男君) 本来寄宿舎が通学困難な児童生徒のために設けられたのが本来の寄宿舎を設置することになった背景でございます。したがいまして、その寄宿舎に入っている子供たちの内容を分析して、通学はできるけれども寄宿舎に入れている子供、それから通学が不可能だから寄宿舎に入れているという子供、そこまでの内容の区分け、分析の調査をしておりませんので、一般的な傾向として、いろんな状況、家庭の状況その他から、寄宿舎があればそこに入れたいという父兄の気持ちがある方がいらっしゃることは事実だと思います。
○安永英雄君 これはもう少し文部省としても実態を調査されたらどうかと思います。この点は非常に大きな変化ですし、寄宿舎に入ってくる意味あるいは受け入れをする教育側という点については、非常にその実態は必要ですから、これは調査を願いたいというふうに思います。 次に、提案者にお聞きしますけれども、先ほど大臣の方はどうも世話をすればいいんだと言わんばかりの大体ことであって、それに資格を与えるとかどうというのは賛成しかねるという意向が表明されましたけれども、世話の部分はどういうふうに提案者の方はお考えになっていますか。
○久保亘君 お答えいたします前に、ただいまの障害児学校における寄宿舎のあり方という問題につきましては、文部省の方は御調査がないようでございますけれども、東京都等におきましてはいろいろと詳しく調査をされ、その結果も出されているのでございまして、東京都都立学校整備委員会心身障害教育調査研究会の報告書は大変注目すべきものだと考えております。この中では明確に寄宿舎の教育的機能、教育上入舎させることが必要であるというようなことについていろいろな具体的データ等にも基づいて報告をされておりまして、私どもはこのような現場の実態に即して今回法の改正を提案をいたしておるのでございます。 世話ということになりますと、教育及びこれに必要な世話という立場をとるのでございまして、世話活動がやっぱり教育活動の一環である。しかし、具体的にどんなことがその世話ということになるのかといいますと、例えば起床、就寝の世話とか食事や薬の服用の世話、入浴や登下校の際のいろいろな世話であるとか、そういうようなものがあろうかと思うのでございますが、これらのものも寄宿舎における教育活動の一環というふうに理解をいたしておりまして、そのほか直接に遊びの指導であるとか、あるいは自習、学習の指導であるとか個別の生活指導であるとかそういうもの全体を含めて、今やこの障害児教育における寄宿舎の存在というのは教育の場として理解しなければならない状況になっており、また、教育の場として寄宿舎を規定していくことが障害児教育を確立していく最も重要な基盤である、このように理解をいたしております。
○安永英雄君 次に、続いて提案者にお聞きしますが、法律案の内容についてお聞きします。 二条別表第二の二、これで寄宿舎教諭一級及び二級普通免許状を取得するための最低取得単位数をそこで定めてあるようでありますが、具体的にはどのようにお考えですか。
○久保亘君 これは教育職として位置づけてまいりますと、やはりそれにふさわしい免許制度を決めなければなりませんから、この免許状を取得するために必要な単位として、一級の場合に特殊教育に関するもの二十単位、教職に関するもの十単位等を定めているものでございますが、この二十単位というのは、例えば障害児教育概論とか障害児心理概論とか障害児の生活指導、看護、これらの単位を取得する必要があろうかと考えております。
○安永英雄君 続いて寄宿舎教諭免許状という特殊免許状にしておりますその理由をお聞かせ願いたいと思います。
○久保亘君 これはやはり一般の教科の指導に関する教職免許資格とはまた違った専門的な立場、つまり教科指導よりも寄宿舎における生活指導を中心とする教育活動ということになってまいりますから、それにふさわしい免許資格をつくった方がいい。こういうことで寄宿舎教諭の特殊免許とするものであります。
○安永英雄君 文部省の方にお聞きしますが、一九七九年の養護学校教育の義務制が施行されまして、重度重複児の入学が非常に急増しておる。そして寄宿舎による重度重複児がだんだんふえてきておる。こういうふうにお聞きしますが、その実態はどういうふうになっていますか。
○政府委員(高石邦男君) 昭和五十四年度の養護学校の義務制実施以来の比較で見ますと、昭和五十三年度は一八・九%であったものが昭和五十九年度は三六・二%というふうに重複障害児の就学率がふえているわけでございます。
○安永英雄君 そこで、重度重複児のいわゆる寄宿舎に入る入舎というものが増加をして宿直回数が多いという現状の中で、寮母の健康が非常に破壊されている、こう聞いています。私も現地に行って、たびたびこの事情は見ています。大変な仕事であります。先ほど大臣も行かれたと言われましたけれども、恐らくこの重度の障害児というものに対する関係者の仕事というのは大変なものであるんでありますが、そういった実態というのを文部省としては全国的にまとめて持っていらっしゃいますか。
○政府委員(高石邦男君) 寮母の職務遂行上に関連しての健康上の問題というのはこれは極めて留意していかなければならないことでございます。したがいまして、学校における定期の健康診断等を通じて、そういう場合に異常が発見された場合には、できるだけ就労の形態を変えるとか、そういうことを考えながら対応していくというのがとられている措置でございますが、具体的に、要するにそういうことに関連しての病気がどの程度かというところまでの分析はちょっと体育局で所管しておりますので、今ここでちょっと答弁がしかねるわけでございます。
○安永英雄君 寮母の勤務はどのようになっていますか。勤務時間が週四十四時間、宿直回数が非常に多い、こう聞いていますが、提案者の方、この問題について把握されておりますところをお述べ願いたいと思うんです。
○久保亘君 私どもは、現在法律の上から申しますと、寮母の勤務は週四十四時間、そして、宿直は週一回を原則とするものだと思っておりまして、この点につきましては労働省も国会において明確にそのような立場を示されておると思うのでございます。 しかし、現実には、文部省が国会で御答弁なさいましたものによりましても、一月に宿直が五回以上となっておりますし、現場の実態をそれぞれの団体等で御調査になりましたところでは、月に七回を超えるところもございますし、四十四時間の勤務が五十時間を超えているようなところもあるやに伺っておりまして、これらの点は速やかに改善をせられなければならないと理解をいたしております。
○安永英雄君 これは提案者の方にお聞きしますけれども、この法案で、現在、今の時点で寮母であるものについてはどのようになさるお考えか。舎監についても同様にお答えを願いたいと思います。
○久保亘君 現在、五千名に近い寮母の方がおられるわけでございまして、これらの方は非常に多くの方がそれぞれ保母の資格あるいは幼稚園から高等学校に至る学校の教諭の資格、これらを持っておられる方が非常に多いのでございます。したがいまして、そういう実態等も十分に理解をした上で、現在の寮母の方は一応新しい寄宿舎教諭のこの免許制度が成立いたしました場合には寄宿舎助教諭として任用し、そして、経験年数とその後の単位の取得等を得られるようにして移行措置をとる中で、できるだけ速やかに寄宿舎教諭として任用をしていくということにすべきものであると考えておりまして、この改正法の上ではその移行措置の期間を十五年といたしております。
○安永英雄君 舎監の方はどうなっていますか。
○久保亘君 舎監につきましては、これは兼任の舎監ということになろうかと思うのでございますけれども、将来は寄宿舎の教諭の制度が確立をいたしました場合には、舎監の制度はなくしてもよいのではないかと考えておりますが、現在は既に寮母という名称のもとにありながら、数百人の男性の寄宿舎の教諭に相当する職務についておられる方もおられるわけでございまして、これらの方々の男女の配置をどういうふうにしていくかというようなことも念頭に置きながら、舎監制度については検討をしていくべきものと思っております。
○安永英雄君 持ち時間終わりましたので、この法案は今国会で審議尽くせないような気もいたしますので、私はさらに質問をたくさん持っていますけれども、次回に譲ります。 終わります。
○糸久八重子君 産休補助教員確保法の改正案につきましてお伺いをさせていただきます。 女子教職員の産休代替制度につきましては、一九五五年の制度創設以来一九六一年には幼稚園教員、一九六四年には実習助手、さらには一九七八年には事務職員及び学校栄養職員へと適用対象が非常に拡大をされてきたわけでございますけれども、やはりそれなりの意義があって適用の拡大があったわけでございますが、この辺につきましての文部大臣のこの産休補助教員確保法案についての意義をお伺いをさせていただきます。
○政府委員(阿部充夫君) ただいま御質問にもございましたように、昭和三十年に制定されて以来、逐次拡充を見てまいりまして、昭和五十三年に学校栄養職員と事務職員に拡大されたことによりまして、いわば学校教育法等の規定によって原則として学校等に置かれる職あるいは定数法、標準法等によって定められているような職については全部適用になるというようなところへきたわけでございます。この結果、この産休代替の臨時的任用を義務づけたということによりまして、具体に産休者が出た場合にその後任が臨時的任用ということで採用されるということで、結局学校教育の正常な実施を担保していくという面で大変役に立っている制度だと思っております。
○糸久八重子君 本制度の行使状況について簡単に御説明いただきたいのですが。
○政府委員(阿部充夫君) 最近のデータをちょっと持っておりませんので、昭和五十六年度のデータを最新のものとして持っておるわけでございますけれども、産休代替教職員の発生件数及び代替措置状況の調査を当時いたしております。その昭和五十六年度中に産休をとりました職員の合計が二万九千七百八十三人、約三万人ということでございますが、これが産休をとった女子職員でございます。これに対しまして、代替の手当てを臨時的な任用措置ということで行いました者が二万九千六十一人ということで、全体の九七・六%が臨時的任用という形で代替職員が行われている。それから同じく産休法の三条の二項には、既にその必要な教職員が用意されている場合にその人を充ててもいいという規定がございますけれども、残りの七百二十二人部分はそれによって充てられたものと、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
○糸久八重子君 大変古いデータのようですけれども、確かに一九七〇年あたりからこの制度については定着をしてきたと私も思うわけでございます。今任用のお話が出たわけですが、この代替教員の任用はどのように行われておりますでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) それぞれの都道府県やり方があるのかと思いますけれども、いわば要員を名簿等の格好で用意をしておきまして、その中の方から適宜必要な方について期間を定めた、これは地方公務員法上の臨時的任用の制度によるわけでございますけれども、臨時的任用として雇用しているもの、こういうふうに考えております。
○糸久八重子君 臨時的任用ということでございますけれども、これではやはりいつ任用されるかもわからないし、また任用されても産前産後の休暇中の三月ないし四カ月というその勤務状況でしかないわけですね。やはり代替教員の身分というのはこういうわけで非常に不安定な状況と言わざるを得ないわけです。代替教員を常勤の形で学校現場に分散配置をしておいて、校務を分担してもらって、そして産休があった場合にその学校へ派遣するというような、いわゆるプール制と申しますか、そういう形をとれば身分の安定が得られるのではないかと思いますけれども、この辺の御見解についてはいかがですか。
○政府委員(阿部充夫君) ただいまの御提案、大変理想的な御提案だと思うわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、それだけ多数の教職員を抱えておくということになりますと、やはり数万という人数の教職員定数増が必要となってまいるわけでございますし、またそれらの方々を常時運営上ある学校に組んでおいて、必要な場合に抜いてくるということができるかどうかというような問題も具体には出てくるだろうと思います。いずれにいたしましても、現在のように大変財政事情が厳しい中で、現在言っております第五次の教職員定数改善計画、これに載っております数字を完成するだけでも大変難しいというような御指摘もいただいているような時期でもございます。私どもとしては、現段階で御提案のようなことを考慮するのは難しかろう、こう思っております。
○糸久八重子君 次代を担う子供の教育のことですからね、やはりたくさんの予算をとって、それなりに教育の充実を図っていっていただかなければならないわけですけれども、来年度の予算編成も間近いわけでございますが、そういう意味では文部省の大きな力を期待をしたいと思います。 現在、この産休代替制度の法律の適用対象となっているのはいわゆる教員と呼ばれる一般の教員と事務職員、栄養職員、実習助手、寮母等々でございますけれども、学校現場に働く人々の中で現在の法律に該当しない職種にはどんなものがございますか。
○政府委員(阿部充夫君) 現在の法律で適用対象としておりますのは、標準法、定数法等で定められております職種ということになっておるわけでございますが、それ以外に学校現場に、これは学校教育法の規定によりますと、設置者の判断によって置くことができる職員という規定に該当するものであろうかと思いますが、例えば学校図書館の事務員、それから養護職員、それから学校給食の調理などに従事しておられる方々、それから用務員の方々、それから実習工場でございますとか、練習船でございますとか、そういう関係に担当しておられます技術職員の方々、それから警備員等の方々、非常に多種多様な方々があると理解しております。
○糸久八重子君 提案者にお伺いいたしますけれども、ただいま文部省がお答えになったこれらの職種の人たちにも今度の一部の改正案の中では適用させようとするのが提案されている改正案の中身でございますか。そしてまた、この本改正案を提案をした理由について簡略に御説明をいただきたいと思います。
○粕谷照美君 今御質問のとおり、先ほど御説明のありました、つまり今産代法から取り除かれている、入れることが、入ることができないでいる職種の皆さんにこの法律を適用させていきたい、こう考えて提案をしているものでございます。その理由は何か。提案理由の中に詳しく申し上げているわけでありますけれども、大体教職員に産休代替の制度が必要であるということは各会派一致をいたしまして、今までにも幾つかの職種の方々に法律が拡大され、適用されてきたというふうに考えております。しかし、技術職員、現業職員については今だに実現をしていないわけでありまして、学校教育というのは、教員のほかにこういう方々が有機的に支え合いながら教育を大きく発展をさせていくということがなければならないわけでありまして、この産代法の中にこの人たちが適用されないということは、業務の面でも、また学校の一体的な運営の面でも非常に支障があるわけでございます。特に母体の面でも、また生まれる子供の面でもこれは支障があるわけでありまして、きちんとその制度が現業職員の皆さんに適用されるということを心から望んでの提案でございます。
○糸久八重子君 文部省にお尋ねをいたしますけれども、今提案者が説明をいたしました、今までの制度から除外をされておりました職種の人たちが仮に産休に入った場合、今までどのような措置がとられておりましたでしょうか。また、どういう実態があったか、その状態をどう把握されていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 現在話題となっておりますこういった法律の対象外の方々、多くは給食の調理員というような方々が非常に数としては多いわけでございますけれども、こういった方々につきましてはすべて、もちろん労働基準法の適用があるわけでございますから、基準法に基づき、そしてまた設置者である都道府県あるいは市町村が定めた条例に従って産前産後の休暇はとられるということになるわけでございまして、その休暇の権利と申しますか、それそのものは当然保障されておるわけでございます。 具体にそうなった場合のあとの代替の職員のことでございますけれども、給食の調理員の例をとりましても、調理員の方がいなくなってはたちまち給食業務に差し支えがくるわけでございますから、もちろん各都道府県におきましては必要な対応の措置をとっていられるはずでございまして、私ども、全体の県について明確な調査というような形でとっておる数字はございませんけれども、幾つかの県についていろいろ事情等はこれまでも聞き、照会をして確かめておるわけでございますが、予算上の措置を行いまして、こういう長期の、例えば病気休暇なんというものがほかにあるわけでございますけれども、そういうケースと同じように、賃金支弁職員を採用してその穴埋めをするというような形の措置をこれは大体ほとんどの府県でとっておるんではないかと思っております。
○糸久八重子君 ただいまの答弁のように、当然代替の措置を各都道府県ではとっているということになりますと、やはりとらなければならない、代替をしなければならない教員というのは法律できちっと決めておいた方がよろしいのではないかと私は思うわけでございますけれども、提案者にお伺いいたしますが、これらの職種の人たちが産休に入った場合にどのような不都合があったのか、そしてまたどういう実態が生じたのかというようなことの把握をしていらっしゃいますか。
○粕谷照美君 現業職員の多くは、それぞれの学校に一名あるいは二名という極めて少数しか配置をされていないわけであります。しかしながら、必要だからこそ配置をされるというふうに私どもは考えておりますので、この方々がお産のために休むということは学校運営上非常に大きな影響がある、これは事実であります。例えば図書館、先生がいらっしゃったとしても、その授業時間が終わった後の整理とか、あるいはその間の準備とかというものにどうしても司書というものは必要になってくるわけです。この司書の専門的な仕事というのはだれでもいいというわけにはまいりませんで、やっぱりその後を確保するということは非常に困難なことであります。また、養護職員などもそうですが、二千人もいる大きな学校であってもほとんど養護教員というのは一人、複数配置というのはほとんど数えるほどしかないというふうに判断をしております。そういう中で養護職員の方々の果たす役割というのは大変大きいわけで、この方が産休に入るというと、またこれ大きな支障が出てまいります。そういう実態であるからこそ、ぜひ産みたい、こういうふうに考えておりましても制度上の保障がないためにあきらめざるを得なかった、こういう例が私どもの調査の中でも一つの県で十一名も出てきた。せっかくの子供を産むことができないであきらめていくというような残酷な実態が出ておりまして、今阿部局長の方からお話がありましたけれども、代替、賃金職員として後が補充をされている、こういうふうにお話がありましたけれども、休めば補充されるということはあったとしても、その前に産むことができないであきらめているという実態があるのではないか、私どもはそういう意味で、ぜひとも安心して子供が産める条件をつくることが大切だというふうに考えて、これを提案しているわけでございます。
○糸久八重子君 提案者にお伺いいたします。 対象に加えようとする具体的な職種と人数についてお教え願いたいのですが。
○粕谷照美君 五十九年度の学校基本調査によりますと、国公立校におけるその人数は、技術職員で千百十一名、うち女子が五百八十九名、学校給食調理員五万二千八百八十六名、うち女子が五万一千三百七十七人、学校図書館事務員二千五百九十九人、同じく女子が二千五百十五人、養護職員千三百三十二名、女子が千三百三十名、用務員が五万三千四百三十三人、女子が二万九千九百三十八人、警備員その他が一万八千百九十三人、女子が八千四百六十三人で、合計十二万九千五百五十四名、うち女子職員が九万四千二百十二名というふうになっております。 〔委員長退席、理事杉山令肇君着席〕
○糸久八重子君 法律の改正案で見ますと、提案者にお伺いいたします、具体的な職名を規定せずに、「事務職員その他政令で定める職員」、それから「学校栄養職員その他政令で定める職員」という規定の仕方をしているわけですけれども、その理由はどういうことでございましょうか。
○粕谷照美君 この方々の職種、職名というのは歴史的な経緯もあります。それから各県ごとにいろいろな違いもございます。また、学校で言いますと、農業高校、工業高校、水産学校、盲学校、聾学校、養護学校など、それぞれに違うわけであります。例えば実習夫にいたしましても、農業高校では農務員、農牧夫、あるいは工業高校では工務員、水産高校では甲板員、操機員、司厨員、機関員、養護学校、盲学校、聾学校などではバス添乗員あるいは介助員、いろいろ名前があるわけです。用務員という名前でなくて管理員などという県もございます、市町村もございます。そういう意味で非常に職名がいろいろと違ってきている。それから、学校の仕事の内容もまたそれぞれ違うわけでありまして、名称や職務内容が法律で明確でないものですから、学校教育法の中では必要なときに置くことができる職員、こういうふうになっているわけであります。したがって、その法律で明記をするということよりは、もっと実態を十分に調査をいただきまして、政令の中で定めると、このように委任事項にしておく方が適切ではないかというふうに考えて提案をしている次第でございます。
○糸久八重子君 ただいまの説明の中で学校教育法の中の必要なときに置くことのできる職員という御説明があったわけですけれども、この方たちは学校の中でどういう仕事に携わり、そしてまたどういう役割を果たしておられるのでしょうか。
○粕谷照美君 御質問の趣旨は私はよくわかるわけでございますけれども、十分御存じで御質問なさっていらっしゃるのではないかということも含めましてお話をしたいと思いますが、つい二、三日前の新聞にあれは天声人語ではなかったかと思っているのですが、ある学校の用務員さんが退職をされた。そしてその用務員さんの退職を惜しんで学校の子供たちや先生方が非常にすばらしい送別会をやられたということがありました。用務員さんのお仕事を認めての上だというふうに考えているわけであります。学校教育がその目的を達成するためには、児童生徒の教科、課外活動、生活指導等のほかに、財務だとか、会計だとか、あるいは図書館における学習だとか、生活環境整備、健康、安全と福祉、もうさまざまなことにかかわる活動が一体として機能していかなければならないというふうに思います。こういう職員の方々は学校の教育機能を息づかせるためのいわば環境づくりを一手に担っていらっしゃるというふうに判断をしているわけでございます。例えば調理員の皆さん、子供たちの体や健康が今大変問題になっておりますけれども、喜んで食べるための豊かな給食をどのようにしてつくるかということに一生懸命努力をしていらっしゃるわけです。先日も随分マスコミに取り上げられましたが、指が曲がっている、あの曲がっているほどの重労働に耐えながらやっぱりおいしいものをつくって子供たちにおいしかったよ、おばさんと言われるのが楽しくて働いているのだというふうに思うわけでございます。また、用務員の方々の中にも、今荒れている学校が非常に多くなっているわけですけれども、机だとかあるいはお便所の扉など壊されるとすぐそれを直していくとか、あるいは植物の手入れをしていく。そういうことによって花が開いたね、おじさんというような子供たちの心を大きく豊かに育てていく上で非常に大きな仕事をしていらっしゃるというふうに考えておりますし、また、警備員の皆さんもそうでございます。今民間委託されて警備が行われております。機械警備なんかもありますけれども、しかし、現実に最近は学校開放ということが地域の要望で実現をしていく、学校が開放されれば当然警備員を置かなければならない。そういう学校開放は夜だとか、あるいは休日だとかに行われるわけでありまして、こういう方々が地域の文化を育てる意味で大きな役割を果たしているのではないかというふうに考えております。しかし、こういう職種の重要性、必要性というのは必ずしも十分に認識をされておりませんし、地位や待遇なども極めて劣悪であります。同じ学校の職員でありながら片方には産代が適用される、片方は同じことをやっていて適用されないというこの差別感というものは大変なものがあると思います。学校教育上の重要な役割を認識していただき、この法律を適用させるということが極めて緊急の課題ではないか、こう考えております。
○糸久八重子君 ただいま提案者からお話がございましたとおり、文部省にお伺いいたしますけれども、学校現場というのは非常に多様化し、複雑化し高度化している、そういう学校教育の中で学校に期待される役割もかなり大きいわけです。そして教員のほかにいろいろな職務に従事している職員が現実に必要とされている現在、いろいろな職種で働いている人たちの立場、職務内容を明確に位置づけていかなければならないのではないかと思いますけれども、この辺については文部省、いかがでございますか。
○政府委員(阿部充夫君) ただいま提案者の粕谷先生からもるる御説明があったわけでございますが、私もそのとおり大変大事な仕事だと、それぞれが重要な仕事をやっていただいていると思うわけでございます。しかしながら、粕谷先生のお話にもございましたように、非常に多種多様な職がある。それは地域の実態、学校の実情、それぞれの学校の性格、いろいろなことによって違っておるし、それを一々調べるのが大変難しいというお話もございました。まさにそのとおりでございますし、さらにそれを調べ上げてそれを法定化をしてしまう、ある標準的なタイプで法定化をしてしまうということが、学校現場の弾力的な運用、それぞれが必要があって置かれておった職なり職の中身、そういうものとの関係で果たして適切なことであろうかどうかという疑問も感ずるわけでございまして、そういった点から、これまで学校教育法が、ある部分まで法定をしておきながら残りの部分は設置者の判断に任せたというのも、それなりの意味があることだろうと思うわけでございます。 〔理事杉山令肇君退席、委員長着席〕 そういう意味で、せっかくの御指摘ではございますけれども、現段階で一つ一つ法定をしていくことがいいことかどうかということについては、かなり疑問を持っているとお答えせざるを得ないと思うわけでございます。
○糸久八重子君 これらの職種の人たちは地方交付税の積算基準によって充足されているわけだと思いますけれども、人数の充足率はどうなっておりますか。
○政府委員(阿部充夫君) ただいま手元にその関係の資料を持っておりませんし、また交付税との関係で率をはじくというのは、これはまあ交付税制度そのものが非常に、何と申しますか、標準的な団体についてのことだけを決めておる制度でございますので、私どもとしてはちょっとにわかにはじきようがない点があるということも御理解いただきたいと思うわけでございます。
○糸久八重子君 私、調べましたところが、生徒六百七十五人に対して四人というような、そういう割合になっているということを調べてあるわけですけれども、かなりこの数に見合っていない状況があるやに思われます。これはまた後ほど、この数値についてはお伺いをさせていただきたいと思います。 それから、もう一つ文部省にお伺いしたいことは、障害児学校の介助職員設置補助金、これを今年度から一般財源化してしまったわけですけれども、この理由は何でしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 介助職員につきましては昭和四十九年以来、その設置を奨励するという意味で、国の人件費に対する補助金として補助制度をつくってきたわけでございます。で、十年たちまして各地方における実態も落ちつきましたので、今後は地方交付税によって十分に対応してもらおうということで一般財源化したわけでございます。なお、一般財源化する際には、従来の国庫補助制度で国が財政措置を講じた以上の財政措置を十分に講じまして対応していただくようにお願いしているところでございます。
○糸久八重子君 先ほどの学校現場にいるその他の職員も、地方交付税でということで大変充足率がお粗末になっていると。そういうことから考えますと、やはり一般財源化してしまった場合のこの介助職員の設置数の影響というのは非常に危惧されるわけですけれども、そういうことのないようにお願いをいたしたいと思います。 以上お伺いいたしました中で明らかになったことは、学校現場には教員以外に非常にさまざまな職種の人たちが働いていると。そしてその中で職種が明確でない方たちがたくさんいるわけですね。だから、やはりそういう場合にはきちっとその職種を明確にする必要もあるし、また学校教育という同じ目的で同じ職場で働いている方たちの身分の違いがあってはならないと思います。 で、ここで論議されました産代法の一部改正案の問題につきましても、産休で休んだ場合に片や代替教員が来てきちっと休めると、片や子供を産みたくても産めないという状況もあるというような状況は、どうしてもこれは不都合でありますし、本改正案の必要性を私は重要だと思うわけでございます。そういう意味で本改正案は特に必要があるということを強調いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○高木健太郎君 まず提案者の方にお伺いいたします。 お知らせしておきましたテーマの中で、もう既に質問されたものもございますが、重複を省みずお聞きいたしたいと思いますが、今度の提案者の改正の趣旨とこれまでの経過をまずお話し願いまして、現在の寄宿舎教育というのは障害児のみに限っておりますけれども、それを将来は拡大をされるような意思をお持ちかどうか。例えば特殊な指導を必要とするような子供を預かる、あるいは、現在よく行われているように、母親がパートで出ていると、子供はうちに帰れないというような場合に、放課後どこか一カ所に集めて世話をしておられると、そういう話も聞いておりますが、それは寄宿舎とは言えませんが、そういうものまで拡大されるような意思はお持ちかどうか、そういうこともあわせてまずお伺い申し上げます。
○久保亘君 高木先生は医学の御専門で、また教育者でもいらしたわけでございますので、私よりもあるいはいろいろなことお詳しいのかと思いますけれども、今回提案をいたしておりますこの法案は、障害児の学校教育における寄宿舎の教育的重要性を明確にして、その教育機能を果たすために働く寄宿舎の現在の寮母さんたちを寄宿舎教員として教育職に明確に身分を定める、そのことによって既に義務化されてまいりました障害児教育を充実発展をさせる、こういうことをねらいとするものでございますが、本来この義務化されます前から戦後障害児学校が設置充実されていきます過程で、学校教育法は寮母は寄宿舎における児童、生徒の世話及び教育に当たるというふうに定められておったのでございます。 しかし、その場合にはどうしても寮母の仕事が世話の方に重点が置かれて、寄宿舎の教育的機能というものが明確になっていかないという欠陥がございましたので、第七十一特別国会に私どもの方からこの法律を改正をするように提案をしたのでございます。世話及び教育を保育及び教育と定めるように、そしてその教育的機能を明確にしようとしたのでございますが、そのとき政府の側からは世話及び教育の教育を削って養育という言葉にまとめる、こういうことで対案のような形になりまして、この政府案が七十二国会で成立をして、寮母の職務から教育という文字が消えて養育という言葉が使われるようになったのでございますが、私は養育という言葉は文部省が御説明になりますよりももっと教育的な意味を持っている言葉ではないかと思っているのでありますが、非常に不明確な言葉に変えられたことによって、寄宿舎の教育の場としてのあり方が、その後確立されないまま、今日まで世話に重点を置く形で寮母という制度がずっと続けられてきた、こういうことであると思っております。 しかし、先ほども申し上げましたように、既に各都道府県の教育委員会等では、障害児学校における寄宿舎の教育的な機能、その教育的な責任というものを非常に重視をされるようになってまいりました。で、障害児教育の義務化に伴い、一層そのことが現場の実態に即して強調されるようになってまいったのでございまして、そういうような歴史的な経過も踏まえました上で、私どもとしては、この際寄宿舎の生活指導を中心とする教育的機能を明確にしながら、その教育に携わる寮母の身分を寄宿舎教諭として明示をすることによって、この教育職に携わる現在の寮母の方々の身分並びにその待遇を改善をしていかなければならない。そうすることによって、この障害児教育を一層発展させるべきであるという立場に立ってまいったのでございます。 なお、今先生が申されました障害児学校以外の寄宿舎とか、あるいは俗に言われてまいりましたかぎっ子の教育の問題であるとか、こういう問題は、一応今回提案をいたしておりますこの法律で対象といたしておるものではございませんけれども、私は広く教育の、家庭教育、学校教育、社会教育の連携ある発展を進めてまいるためには、今先生が申されましたような御趣旨に沿って別途これらの面についても配慮をしつつ、この寄宿舎の制度、あるいはかぎっ子教育の制度を整備、充実していかなければならないと考えておりまして、先生の御質問の御趣旨には私は賛成でございます。
○高木健太郎君 いわゆる学校の荒廃ということが言われておりますが、それには現在の家庭の荒廃ということもある。子供がかぎっ子になるというような中からそういう子供が生まれてくるのではないかとも言われております。 こういうものに対応するために、寄宿舎とは言わず、何か文部省としてもそういう方針を、あるいはそういう考え方を今からひとつ計画しておくことが大事じゃないかな、こう思いましたのでお聞きしたわけです。 第二番目には、助教諭というものをしばらくの間、いわゆる経過措置として十五年は任用してもよいということですが、十五年というのは余りにも長過ぎるのではないか。これは、後のそういう教育をする暇が、時間的余裕がないという意味で十五年ということを置かれたんでしょうが、十五年の空白というものを空白と考えれば、これは余りに長いのではないかと思いますが、何かもっとよい方法をお考えになることはできないかということが一つです。 もう一つ、第三番目に申し出ておきましたように、教育ということは、今お聞きしました。 しかし教育には、人間の教育も、教諭としての資格を与えることも大事でしょうけれども、それに必要な設備あるいは施設あるいは医療体系、給食、その他種々のものが付き添っていなければならないと思いますけれども、まず、さしあたり医療体制と、その教育施設、設備というものはどういうふうにお考えでございますか。今はそれが完備しておりますか。
○久保亘君 まず最初に、この移行措置といいますか、経過措置の問題でございますが、これから新しい寄宿舎教諭という免許資格を制定をしてまいりますと、これに対応する、教育系の大学が中心となると思うんでありますが、養成の課程をつくっていかなければならないと思います。例えば養護教育の教師養成課程というものも全国の各教育系大学にございますけれども、寄宿舎教諭を養成をしていく教育の課程というものが必要になってくるだろうと思いますが、何しろ新しい制度となっていくのでございますから、そのような課程、教育課程を通って正式な免許を持って、初めからこの寄宿舎教諭として任務につく方々が生まれてくるまでには相当の年月を要するわけでございます。 それから、現在の制度を変えていきます場合に、今おられる寮母の人たちをどうやってこの教諭の資格を取得させるかということを考えなければなりませんが、これには経験年数その他いろいろ条件を付しておりますけれども、これらを充足してまいりますためには、やはり相当ゆとりのある年限を設定をした方がよかろうと思っております。なぜかと申しますと、現在も寄宿舎における教育、生活指導を中心とした教育の営みは続いておるわけでありまして、その仕事の傍ら、免許を取得して新しい制度に対応するということもやっていっていただくわけでありますから、これは早くそういう制度に乗れる人もありましょうし、時間のかかる方もありましょうし、また、そのことを急がせる余りに、現在の寄宿舎における教育が十分に行われにくくなるということでも困ると考えておりまするので、ゆとりを置いて助教諭の資格を与えた上で、その教諭資格を取得をしてもらう。そのために夏季認定講習会等も文部省の側で十分配慮をしていただく、そういうことがよろしかろうかと考えておるのでございます。 それから、教育における必要な設備ということでございますが、障害児学校の場合には、特に先ほどお話もございましたように、重度重複の疾患を持つ児童生徒も非常に多いわけでございますから、そういう障害の子供たちに対して十分な教育を行いつつ、その障害児教育の目的を果たしてまいりますためには、その子供たちに対応する医療の体制というものが整備をされなければならぬと思っております。それは寄宿舎にも必要なものは整備をされなければなりませんし、また、その寄宿舎と医療機関との連携をどうやって充実さしていくかということになってまいりますと、寄宿舎教諭としてその任務についていただきます方々には、それらの面での必要な知識といいますか、必要な力をつけてもらう、こういうことも重要になってくるのではなかろうかと思っておりまして、先生が申されました医療機関の整備というような関係等については、今後十分に配慮していかなければならぬ問題だと思っております。 もともと障害児学校は、義務化になります前から、寄宿舎を置かなければならないというのが本体となってきたのでありまして、それが今日、なお三分の一しか置かれていないということに障害児教育の非常な私は立ちおくれがあると思っておりまして、その意味では、今申されました医療機関との関係等の非常に難しい問題等も介在をしておった面もあろうかと思いますから、それらの面も今の御質問の御趣旨に沿って早急に整備をしていく必要があるものだと考えております。
○高木健太郎君 この法案によりますと、寄宿舎教育としての専門性のいわゆる教育として二十単位ということがありますが、特殊教育として二十単位、こういうものをどこかに設置しなければ、その人たちは免許が取れないということになります。そうすると、それを受け入れる高等教育の方の学校がこの準備をしなければならぬ。その先生や設備もまたしなければならぬ、こういうことになります。 また、今申し上げましたような設備や施設もやらなければならぬ。そのほかに、これは文部省にお尋ねいたしますけれども、寮母であるのを今度は教諭ということにしなければならぬ。全体で今かなりの教官がおられるように聞きました。寮母が五千名ぐらいおられるということも聞いておりますが、その人方の待遇をまた変えなければならない。これに要する、現九百二校、三百七寄宿舎あるということですが、これに要する大体の予算というものをはじかれたことがございますか。これは阿部局長にちょっとお聞きいたします。どのくらいの程度の予算を見越しておられますか。
○政府委員(阿部充夫君) ただいまの寮母を教諭にした場合の問題でございますけれども、寮母と教諭の待遇は現在教育職俸給表を適用されているという点は同じでございますが、教諭の場合には二等級、寮母は三等級、こういうことに位置づけがなっておりますので、そこに待遇の差は当然あるわけでございます。 これは非常に概算でございますけれども、現在おられる寮母の方々が全部教諭になったと仮にいたしました場合の推計でございますが、概算で金額としては約八億、二分の一国庫負担ということで、国庫負担ベースで言えば四億という程度でございますけれども、これは個々人の位置づけやなんか全部セットしないといけませんし、それからまた今の提案者の御説明にもございましたように、すぐに教諭にするわけではなくて、助教諭にしてそれからしかるべき時期に教諭に上がっていくというようなことをお考えのことだと思いますので、直接予算面で非常に大きく響くというようなことにはあるいはならないのではないかと思っております。
○高木健太郎君 それから、設備やあるいは施設も変えなければならないと思いますので、かなりの予算を見越しておかなければならないと私は思います。 この法案が通る通らないは別として、ある一種の理想の姿としては、一応ははじいておく必要があるのではないか、こういうふうに思うんです。 なお、今の寮母ということになりますと、女性の方が多いわけでございますけれども、今度、教諭となられますと、その教諭はどういう勤務体制になるんでしょうか。もう二十四時間その寄宿舎におられる。その方が家庭を持たれるとか子供があるとかという場合に、その教諭そのものの勤務条件あるいは環境というものについてはどのようにお考えでしょうか。これは提案者にお聞きいたします。
○久保亘君 この問題につきましては、別途公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律案を衆議院の方に提出をいたしておりまして、それともかかわりがございますけれども、これは教諭ならずとも労働基準法に基づいて勤務時間、それから宿直の制限等は明示されておるわけでございます。それに従ってやってまいらなければならぬと私は思っております。 ところが現在では、先ほど御質問ございました舎監の立場にいたしましても、文部省では舎監で宿直をした場合には翌日の四時間の勤務を免除するといいますか、そういうような指導をされておりますけれども、実際は定数の関係などでなかなかそれが守られないというようなこともございますので、これは勤務が過酷になるかあるいは勤務の状況がどうなるかというような問題ではなくて、労働基準法に従ってきちっとその勤務が行われるように保障をしていくかどうかという問題であろうと思っておりますが、その寄宿舎教諭の配置について十分そういう意味で労働基準法に基づく勤務が保障されるような定員を配置していかなければならぬのではなかろうかと、こう思っておりまして、私どもは寄宿舎の定員の配置につきましては、一つの部屋に児童の場合には五人、高等学校の場合には三人を限度とし、重複障害児の場合には一人を三人とみなして計算をしなければならない。そして寮母の数は、それぞれの一部屋について小・中課程の場合で三人、幼稚園の場合で四人、高等学校の場合で二人を配置をしなければならぬ。こういう定員を確保することによってこの寄舎教諭の方々の勤務が十分に労働基準法に基づいて保障されることになっていくだろう、このように考えております。
○高木健太郎君 単純計算しましても三百の寄宿舎があって、そして五千人の寮母の方がおられる。一つの寄宿舎に大体十六人ということになるわけですね、これは単純計算でありますけれども。しかし、今おっしゃったように、重度障害者であるとか、あるいは軽度の人とか、いろいろ違いますからして一概には言えないでしょうけれども、今度、教諭というものを置かれて、そうすると、教諭のこの数がどのように変わっていくのか、勤務条件というものを十分これひとつ考えておかないと、法律だけつくってもなかなか実施ができにくくなるんじゃないかという気もするのでお聞きしたわけです。 それじゃ、文部省の方にお尋ね申し上げますが、今度は産代補のことについてお尋ねします。 女子職員あるいは女子教員が産休で休まれるというときに、その代替職員がその学校の中にはなかなか得られないという場合はほかの先生の勤務に非常に大きく響いてくる、これはそうでございますね。私、間違っておるかも、私は余りよくここのところわからないですけれども、どなたかがその教官のかわりをされる、そのためのプールというものは各学校には置いてないわけですね。それはどうなんでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) ただいま教職員について教員と現在産休法の適用を受けております女子の教員等に関しましては、それぞれの学校にプールをしてあるということではなくて、県の教育委員会がその産休代替教員の候補者を登録のような格好で名簿として持っておりまして、それで現実に休まれるケースが出た場合にその中からどなたかを指定してそれぞれの学校へ派遣をするというような任用の仕方になっておるわけでございます。
○高木健太郎君 どちらの方へそれプールしていますか。それは一般家庭の方でございますか、あるいはプールしている間に働いていないでもある程度の基礎給与というようなものを支給しているんでございましょうか。
○政府委員(阿部充夫君) これはいわば名簿上登録をしてあるということでございますので、それぞれの方が具体に今、家庭の主婦である方もあるでしょうし、いろいろあるだろうと思います。特に、教員の試験を受けて正規の教員の試験に合格してない、しかし、教員になりたいので待っている、あきを待っているというようなケースの方も相当入っていることだろうと思いますが、いずれにいたしましてもそういうことでございますから、勤務していない期間というのはもちろん公務員としての身分は持たないということで給与等の手当もないわけでございます。
○高木健太郎君 そのような方法で、これ現在は十分に代替教員というものは得られているわけでございますか。これはいろいろの種類が多いわけですけれども、そういう種類をすべてそういう教育委員会なりでプールしてあるわけでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 現在適用になっておりますのは教員がほとんどでございますけれども、そのほかに養護教員、養護教諭でございますね。それから事務職員、栄養職員というような部分、これは数としては少ないわけでございます。 私が申し上げておりますのは、主として教員について申し上げているわけでございますが、ですから、その他の職員について具体にどうやっているかということは私どもも十分つまびらかにしておりませんけれども、しかし、有資格者というのはかなりたくさんおるわけでございますから、これは各県で適切に対応しているものと、特に代替職員が得られなくて困ったという話は聞いておらないわけでございます。
○高木健太郎君 今度問題になっているのは、例えば学校給食、用務員あるいは学校図書、警備員とか、そういうことが問題になっているようなんですね。だから単に教官ではなくて、そういう種類のいろいろの方々のいわゆるプール制といいますか、そういうものをやはり政府としても指導なさるべきではないんでしょうか。現場としては非常に困るんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 現在適用になっております職種の方は、例えば教員なら免許状を持っていなければならないとか、養護教諭もそうでございますし、栄養士も栄養士の免状を持っていなければいけないというような特殊な職でございますので、そういった登録等をしたり何かプールをしたりというような形の措置が必要かと思いますけれども、これから、現在話題になっております追加をしてはどうかと言われております職種の場合には、用務員さんでございますとか調理員さんでございますとか、そういう方々でございますので、これは固定的にある人を登録しておくということよりは一般に求めるという方がむしろ得やすいんではなかろうかと、そう思うわけでございます。現実に、具体にどう行われているか私どもも十分把握をいたしておりませんけれども、先ほども申し上げましたように、そういう形で、そういう調理員の方などが産休ということになりました場合には、賃金支弁のいわば非常勤と申しますか、そういう方々をそれぞれの市町村で採用して穴埋めをしているというふうに聞いておるわけでございまして、そのやり方も恐らく一般から適宜求めるという方式でやっているのではなかろうかと、これは想像でございますが、そんなふうに思っております。
○高木健太郎君 今の文部省側のお答えについて、何か提案者側としてお考えがございますか。御意見がありましたらひとつ同わしていただきたいと思います。
○粕谷照美君 確かに学校給食調理員のような職種ですと、ある程度の経験を持っている方であれば仕事ができるという部分はあろうかと思います。しかし、図書館事務に当たる方だとかあるいは養護職員というような方は専門性があるものですから、どなたでもよろしいというわけにはいかないのではないだろうか、難しさもあろうかと思いますけれども、しかし、今非常に高学歴化しておりまして、そういう資格を持った方々も大勢いらっしゃいますし、家庭にいらっしゃる方々もおられますし、退職をした方々で学校のためならばということで無理をして出てきてくださるというような方々もいらっしゃいますので、何とかなるというふうに判断をしております。
○高木健太郎君 これ、何とかなるならばそのようにしてでも、皆さんお困りですからして、これを補充していくようなことをひとつお考えいただきたいと。今のような学校図書館とかそういうところは特殊のものであろうと思いますので、そういうことの対応をぜひ考えていっていただいたらどうかと、そういうふうに思います。 これで私の質問を終わります。
○吉川春子君 六年十三日、私は川越市の埼玉県立盲学校を訪ねて、児童、生徒の様子を見、資料をいただき、先生方やお母さん方からさまざまな要求を聞いてきました。第一は寄宿舎の位置づけや寄宿舎の寮母さんの職務内容です。就寝、食事、入浴などの指導もありますが、話し合いや学習、遊びなどの指導が多く、主な職務内容は生活指導を中心とした教育と考えられますし、寄宿舎も教育の場であると私は実感いたしました。 局長はさっき御答弁で、どういう子供が入っているか詳しくつかんでいないと言われましたが、提案者の説明にもあったように、東京都教育委員会の都立学校整備委員会心身障害児教育調査研究会の報告でも、入舎の理由が、一、通学困難のためというのが一四%、二、家庭的事情が二一%、三、教育上寄宿舎入舎が必要な子供というのは六五%になっています。病虚弱養護学校では医療保障、健康回復機能、そういう役割を持っています。 ところで、イギリスでは、教育・科学大臣によって設置された心身障害児の教育に関する調査研究委員会には、寄宿舎について次のような記述があります。一、重度もしくは重複した障害を持って家庭や通学制の学校では対処し得ないような医療、セラピー、教育、保護の統一的な保障をする場合、二が、全生活が一貫した継続的な教育的働きかけのもとに置かれる必要がある場合、三が、重度の障害を持ち、他の兄弟や家庭生活の犠牲なしには両親が家庭で持続的な世話を行えない場合、四として、劣悪な社会的条件、崩壊的な家族関係が子供の教育上の困難の一因となっていたり、あるいはそれを悪化させている場合というふうに四つを挙げています。 寄宿舎には教育的機能、通学保障的機能、福祉的機能、医療保障的機能の四つがあるということは、日本だけでなくてイギリスでも共通した認識として確認されているわけです。 ところで、大臣にお伺いしたいわけですけれども、この四つの機能が養護学校の寄宿舎にあるという点は大臣もお認めになるでしょうか。そして、この四つの機能のうち中心的な機能はどういうことだというふうにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 私どもといたしましては、寄宿舎における寮母の仕事というものは養育、すなわち起居その他の日常生活の世話、それから生活指導など、こういったものであると思っております。したがいまして、その職務の内容は、いわゆる教育をつかさどる教諭などとは質的に異なるものがあるというふうに認識いたしております。
○吉川春子君 寮母の仕事の内容というよりは寄宿舎の機能という角度から今お伺いしたわけですけれども、提案者に続いてお伺いいたしますけれども、青森などにおいて指導員という名称にしていると聞いていますが、寮母という職名が仕事の内容など、実態に合わなくなってきていて、地方自治体でもそれなりの対応が迫られているというあらわれではないかというふうに思いますが、私は、寄宿舎の機能、それからその仕事の中身から見て、実態に即した名称に改めるべきであると思うんですけれども、その辺について簡潔に見解を聞かせてください。
○久保亘君 御指摘のとおりだと思います。そして、この点については、前に田中文部大臣が衆議院で、そのように適当な名称に直すべきじゃなかろうかということも文相当時、お答えになったこともございまして、青森で指導員といたしておりますのは、やはり教育上の寄宿舎の機能というのを重視するという面も非常に重視されたものだと思っておりますし、もう一つは、寮母に既に三百名を超える男性の方々がいらっしゃる、こういうこともあろうかと思っておりますが、いずれにせよ教育上の機能にふさわしい名称に改めることは当然のことだと思っております。
○吉川春子君 もう一点、この件で大臣にお伺いしたいんですけれども、寮母と呼ばれる人の中には大変男性もたくさんいらっしゃって、例えば結婚式などのときに寮母というふうに紹介されて非常にショックだったというようなことも言われていますが、この名称をもう少しふさわしいものに変えていくということについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 「寮母」という字が法律に規定されておるわけであります。しかし、一部ではありますけれども男性もいわゆる寮母の職についていらっしゃることも事実でありまして、どうも男性であって母という名前が下につく職というのはおかしいじゃないかということもわからぬではありません。また、そういうこともありますので、法律の用語は用語として、実際上、じゃどういう名前で呼ぶかという、そういう解決の仕方もあろうかと思いますが、一般的に言えば寄宿舎で心身障害児の生活面の指導をする、面倒を見られるという、そういう仕事の内容が日本の伝統的な用語としては母親がわりみたいな感じのことから寮母という名前をかつて法律で定めたと、それが今日に至っておるということであろうと思います。したがいまして、どういう名称にすべきか課題として研究をしてみたいなと、こういうふうに思います。だから、法律の用語を変えるかどうかという問題と、もう一つは実態に合った名称が、いい名称があればこれまた実際問題としてそれを慣用語として使用するということもあり得るわけでありますが、いずれにせよこの問題については勉強してみたいというふうに思います。
○吉川春子君 お母さん的な側面もあると同時に教育的な側面も強くなってきて、また特に男子の舎生などにとっては、やっぱり男子のいわゆる寮母が必要ということもあるわけですので、ぜひその点文部省として積極的にこの法案の意図を酌んでいただきたいと思います。 それから、続きまして、六月一日現在の寮母の健康調査表を私は持っております。埼玉県の盲学校一校二十八名、聾学校二校二十一名、肢体不自由児養護学校二校二十八名、計七十七名の寮母のうち、三カ月以内に自覚症状があるものとして朝起きにくい三十四名、四四%、首、肩、背中がよく凝る、五十二名六七%、腰に痛み、凝りがある三十三名四三%、根気がなくなった三十二名四一%となっています。極めて高率であります。そのうち医師の治療を受けた者は腰痛症が二十三名三〇%にも上っています。現在通院している者が十九名となっています。職場の中で健康を害する原因を三つ挙げてもらったところ、気が休まらないというのが四十七名で六割、仕事が多過ぎるというのが三十一名で四割となっています。そして毎日超過勤務が一時間以内二十九名、二時間以内十六名、計四十五名、約六〇%が超過勤務になっています。これからも明らかなように定数の改善がぜひ必要です。義務化に伴って重度化が非常に進んでいます。県立盲学校の寄宿舎では舎生百十七名、職員数二十八名です。職員一人当たりの舎生数は四・一人です。これでも県担で四名が多配されているわけなんです。学校の方は九人の子供を六人の先生が見ています。宿舎、寄宿舎に来ると重い障害の子供ほど発達が著しいとのことですけれども、先生の方は新任の人以外すべて腰痛、頸肩腕などの何らかの健康障害に悩んでいるわけです。 私はそのために次のことをまとめて三点要求したいと思います。 第一に、盲学校、聾学校等への寮母定数増を図ること、第二点として週一泊を限度とするように宿直回数の超過勤務をなくすこと、そして第三点は、職務にふさわしい賃金、給与が与えられますように教育職(二)表三等級該当では極めて問題があると思います。この三点について文部省側と提案者側からそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(阿部充夫君) 寮母の定数改善の問題につきましては先生既に御案内のことでございますけれども、五十五年度を初年度とする第五次の教職員定数改善計画を立ててその実現に努めておるところでございます。全体の計画そのものが、大変国の財政が非常に厳しいというようなこともあって、おくれぎみでございますけれども、昭和六十六年度までにこれを完成するという方針を明確にして実施をしているわけでございまして、その中で寮母定数の改善の中身といたしまして、主として小規模寄宿舎にウエートを置きまして、最低保障八人から十人に引き上げる、さらに肢体不自由児の養護学校について、四人につき寮母一人となっておりますのを、三人に寮母一人という線まで引き上げるということをその内容としておるものでございますけれども、これを計画どおり何とか全力を挙げて達成をしたい、こう思っているところでございます。 御指摘の夜勤の回数の問題も、定数改善を行っていく中で逐次改善されていくものと、こう期待をしておるところでございます。 なお、待遇につきましては、御案内のように教育職俸給表の(二)の三等級格付ということになっておるわけでございます。三等級か二等級かという問題につきましては、これは職の性格に応じて等級が設けられておるものでございますから、私どもとしては三等級格付というのは、それは適切なものであると、こう思っておるわけでございますが、ただ、それにいたしましても現在の教育職俸給表(二)の三等級につきましては、一つは長年御勤務をいただく方の給与表としては号俸が早く頭打ちになり過ぎているという問題がございますし、それからまた教諭等の昇給曲線と比べますと昇給曲線が寝過ぎているというふうに私ども思っておるわけでございまして、この点につきましては改善の方につきまして、かねてから人事院に御要望を申し上げてきているところでございまして、できるだけ近い機会にそれが実現することを望んでおりますし、またそのためにさらに努力をしてまいりたいと、こう思っておるところでございます。
○久保亘君 ただいま御質問ございました三点につきまして、その趣旨について私も全く賛成でございます。特に寮母の勤務の実態に照らして、その健康管理の面について文部省として十分な調査を行った上で必要な改善の措置をとるべきものと考えております。その勤務の条件につきましては、先ほども申し上げましたとおり、労働基準法の基準以内の勤務状態が具体的に実行されるように、必要な定数を十分に確保するということをやるべきものであると考えておりまして、私どもは標準定数法自体にもっと積極的な改善を加えて、御趣旨のような方向で進められるようにすべきものと考えております。 それから、俸給表につきましては、本年の五月二十四日、衆議院の文教委員会で、人事院の方でも実習助手に関連をして、この(二)表三等級の三十五号打ちどめになっている状態を改善をすべきことについて、その積極的な趣旨を述べられております。今文部省の方からもそのような努力の意思が表明をされておりますから、ぜひ本年の人事院勧告においてそのような改善の措置が出されるよう文部省としても一段の努力をされるよう望んでおりますし、人事院に対しても強く文部省からも要請すべきものと、私はそのように考えております。 御趣旨には賛成でございます。
○吉川春子君 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 両案に対する本日の質疑はこの程度とし、午後十二時五十分まで休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ─────・───── 午後零時五十一分開会
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 ただいま、糸久八重子君が委員を辞任され、その補欠として中村哲君が選任されました。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 最初に家庭科の問題について伺います。 家庭科教育に関する検討会議は、婦人差別撤廃条約の批准に関連して出しました勧告、一つには、複数の家庭科科目を男女の選択必修とする、二つ目には、「家庭一般」と他教科の科目をセット、いずれかを選択必修とするという二つの案を挙げました。そして、どちらを採用するかは今後の教育課程審議会に判断をゆだねておりますが、この検討会議の報告に対して、中学校、高等学校の教科書を出版しております一橋出版はアンケートを現場の先生に対してとっているわけであります。このアンケートは全国約五千の高校家庭科教師を対象にして、七百二校の七百五十二名から回答をもらっております。このアンケート調査の結果で言いますと、「履修形態は「男女共学で必修」」というので、これがトップで六二・四%、「報告はどういう方向を打ち出しているのかあいまい」だというのが四〇%、非常に手厳しいことを言っているわけですね。それから、「条約批准のための体裁を整えたに過ぎない」、こういう批判をしているのが三〇%もあるわけであります。とにかく二十六日に臨教審の第一次答申が出されて、今度いよいよ教育課程の審議会をつくると、発足させるということになるのだと思いますが、それはいつ発足をさせるのでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 先生よく御承知のとおり、家庭科の取り扱いが女子差別撤廃条約批准の妨げにならないように改革をしなきゃならぬわけでありまして、そういうことから去年の十二月に家庭科教育に関する検討会議の報告をいただいたわけであります。 で、報告はいただきましたが、これに基づいて教育課程審議会の発足をさせまして、専門の立場からいろんな論議をしていただいた上で教育課程が改革される、こういう手順になるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはなるたけ早くそうした改革を進めなきゃならぬという考え方でございますので、教育課程審議会の発足につきましては、年内に発足をさせたいというふうに考えておるわけでございます。
○粕谷照美君 年内といいますとまだあと半年もあるわけですね。そんなに悠長なものでなければならないという理由は一体どこにあるんですか。
○国務大臣(松永光君) 一番けつは半年もありますけれども、そんなには考えておりません。秋口には大体できるものと思っております。
○粕谷照美君 秋口には発足をさせたいと、こう考えていらっしゃるということはわかりました。大体、この教育課程の審議会から、教育が、施行されるまでの期間というのは、今までの文部省の御答弁で言えば五年か、長くて八年もかかったと、こういうことになっているわけですね。ことしで国連婦人の十年が一応終わって、まだあと二十年を設置しようではないかという声が上がっているように、なかなか女性差別というのはなくなっていかない、こういう実態も含まれている中で、教育における差別を撤廃していくということは非常に大事なことでありますので、私はこのことを急がなきゃならないというふうに思っているわけですが、一番短くてどのくらいの期間でやり通せるものですか。
○政府委員(高石邦男君) 教育課程審議会を発足させまして、その審議内容の、審議の仕方にもよりますけれども、通常は全体的な見直しをやれば二、三年の歳月をかけてやっております。それから、それができて方向が決まりますと、今度は教科書を新たにつくるということになると、教科書はどうしても三年はかかるわけでございます。したがいまして、大体数年というのが通常の常識的な期間でございます。
○粕谷照美君 この教育課程審議会の中で改訂の基本的な考え方をまとめると思いますけれども、審議メンバーだけで改訂の基本的な方向をまとめるのでしょうか。というのは、今私が冒頭に申し上げましたように、検討会議の報告に対して現場の教師が非常に厳しい批判をしていらっしゃる。審議メンバーだけでこの方向をまとめるということに対して大変不安を感じるものですから、例えば具体的に言えば、アンケート調査をやったりヒアリングをやったりという、こういう現場の意見を吸い上げてくる、もう当然専門家の意見も吸い上げなければならないと思いますし、国民的な世論なんというものも吸い上げなければならないというふうに思いますけれども、そういうことをやって、二、三年というのをもっと短くできないかということとあわせてお答えいただきたい。
○政府委員(高石邦男君) 教育課程審議会の委員の定数に制限がございますし、したがいまして実際上、審議をしていく場合には専門家による協力者会議であるとか専門家から御意見を承ると、こういうような作業の方法をとらなければならないと思っております。 それから、今回の教育課程審議会では、幼稚園から高等学校までの全体的な見直し、それから全体の教科の構成との絡みというのは当然出てまいりますので、ただ家庭科の問題だけに決着をつけるということになると非常に難しい問題になりますので、そういうことを考えますと、どうしてもある程度必要最小限の審議日数は必要であろうというふうに思っております。
○粕谷照美君 大体今まで五年から八年五カ月ぐらいかかったいわゆるサイクルといいましょうか、そのサイクルは崩すことができない、こういうふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。
○政府委員(高石邦男君) 年数を決めているわけではございませんし、できるだけ時代に対応できるように、早くやれるものは早くしていきたいと、こう基本的には思っているわけでございます。ただ、家庭科の場合の1のところで述べてありますように、現行の「家庭一般」のほか、新たな男子も選択しやすいような領域を取り込むということになると、これは先生、専門ですから、そういう教科書、どんなものをつくったらいいか、どういうものを取り込んだらいいかということは、相当やっぱり慎重に検討してやらないと悔いを千載に残すということになりますので、急ぎながら、なお将来に悔いを残さないような形での十分な審議を得て答申をまとめていただきたいと思っております。
○粕谷照美君 教育課程審議会で審議をされる項目が臨教審答申の中に含まれるというように考えてよろしゅうございますか。それはどうでしょう。
○政府委員(高石邦男君) 第一次答申が出てまいりますと、伝えられるように、例えば六年制中等学校とか単位制高校、こういう問題が出てまいりますと、当然教育内容をどうするかということは論議していかなければならない。それらの関連もございますので、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、年内に発足さしたい、それから、あわせて幼稚園から高等学校までの教育内容については、時代の進展についての対応も考えていかなきゃならないというふうに思っておりますので、その際に臨教審としても教育内容についての審議を願うということになっておるわけでございますので、それの答申が例えば来年の段階でまとまりますれば、その内容をにらみながら審議会は審議をしていくということになろうかと思います。
○粕谷照美君 六年制といいますか、中高一貫教育の問題と非常にこのことは関連してくる、確かにそうだというふうに思いますね。そうしますとと、今までの家庭科のあり方よりはもっともっと複雑で、しかも意義の重いといいますか、そういう審議内容にならざるを得ないのではないか、教育課程審議会が。そうしますと、今までよりももっと時間的にかかるのではないか。逆に言えば、差別撤廃条約を批准するということは、同一の教育課程でやりますよということをきちんと早くとらなきゃならないということとの間には大変難しい問題があるというふうに思いますね。そうすると、私もその辺はちょっと自信がないんですけれども、中曽根総理が衆議院の外務委員会で土井たか子委員の質問に対して、とにかく「五年や三年とか、そんな長いことを考えておるものじゃありません。」と、こういうふうにお答えになっていらっしゃるんですね。文部大臣の御答弁とは食い違いがあるように思いますけれども、文部大臣はその辺はどうお考えでございますか。
○国務大臣(松永光君) 総理が五とか三とかという数字をおっしゃったそうでありますけれども、これは要するにできるだけ早くやりたいという気持ちを率直に述べられたものと思うのでありまして、私もできるだけ早くやってもらいたい、こう思っておりますから、表現方法に多少の食い違いはあるにいたしましても、早くやりたいという面においては一致しておるわけなんでございます。 ただ、今度は、具体に入って事務的に考えますというと、なかなか大変なことだなということなんでございまして、大変なことでありますけれどもできるだけ早くやらなきゃならぬ、こういうふうに私どもは思っておりますし、そういう意味で先ほど申し上げたような私の答弁をしておるわけでございます。
○粕谷照美君 私は、文部大臣は非常に正確だと思うんですよね。できるだけ早くやりたい、これで終始をしていらっしゃるわけですよね。ところが、総理は三年とか五年とか、そんな長いことを考えていらっしゃらない。明確に数字を挙げていらっしゃるんで、文部大臣は総理を大事にされて、できるだけ早くやりたいという言葉なんだろうと今おっしゃったけれども、私どもはそういうふうには受けとめていないわけです。現職の総理大臣がいやしくも三年、五年かかりませんと、こうおっしゃったんですから、今までの五年ないし八年五カ月かかったというこのサイクルをもっと縮める、あるいは二年半でできるんではないんだろうか、こういう期待を持つわけですが、それはいかがですか、絶対にできませんか。
○政府委員(高石邦男君) これは、どういう状態になったことをとらえて年数を考えるかによると思うんです。したがいまして、例えば、新しい教育課程審議会で家庭科の問題については小・中・高を通じて全体的な内容検討を進めていくわけでございますが、その方向を打ち出すというのであれば、三年もかからないで今から発足を図れば可能であろう、しかし今度は、それを打ち出した後、具体的に作業をして、現場に実施をしていくという段階になりますと、先ほどの御指摘もありましたように、教科書をつくったり、それから現場の条件整備をしたり、いろいろなことをやらなきゃいけないので、それなりの時間がかかるということになりますので、教育課程審議会で答申を出していただくのが早ければ早いほどその時間は縮まっていくというふうに思っております。
○粕谷照美君 同一のカリキュラムで男女ともに学ぶという条件を後退をさせるということは絶対に考えられませんね。差別撤廃条約の批准ということを今文部省は約束をしていらっしゃるわけですから、後退をさせて女子のみというようなことが起きるというふうには、もう絶対に後退しない、これだけは確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(松永光君) 女子のみというようなことは考えられませんね。したがいまして、調印をし批准をする以上は、先生御指摘のような事態は起こらぬだろうというふうに思います。
○粕谷照美君 先ほど文部省は、人数に限りがありますから、審議についてはどうしても専門家の協力をいただかなければなりませんと、こういうお話がありました。私は、そこにおいでになるということも非常に大事ですけれども、臨教審がいろいろと公聴会なんかもやっておりますね。予算が伴うかどうかはわからないんですけれども、アンケートをとるとか、騒然たる論議をやっぱり巻き起こしていかないと。普通の教育課程の審議会とは違ってくる、本当に世の中が変わっていく大きな思想的なものを持った教育課程の審議会になるだろうというふうに私は思うんですね。そういう意味で、騒然たる教育論議ができるようなことを保障していただけますでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 教育課程審議会が全体的に幼稚園から高等学校までの全体の見直し作業を進めていく以上は、各方面の意見を相当聞いたり、各方面の状況を判断して対応しなければならないと思っておりをす。したがいまして、一部改正というときよりももっといろんな手当て方法を考えて、国民的合意が得られるような、将来の見通しを誤らないような対応にしていかなければならないと思っております。
○粕谷照美君 私は要望があるんですけれどもね。現場に行ってみますと、家庭科研究部会、いろいろな研究部会がありますね。そういう研究部会の部会長というのは大体校長さんなんですね。校長さんというのは九九・何%男性なんですね。家庭科なんかやったことのないような人が家庭科の部会長をやって、その県の方向をまとめる、その地域の方向をまとめるということにどうしても納得がいかなかった、そういう経験を持っております。今でもそういう声が非常に強いわけです。だから、現場の人がどういうふうに考えていらっしゃるのか、生徒がどんなことを考えているのか、本当にそういう生の声が反映するようなそういう審議の過程というものを保障していただきたいということを要望しておきたいと思います。 では次に、文化庁長官においでいただきましたので長官にお伺いいたしますが、先日、私の宿舎に東京・強姦救援センターなるものから手紙が来まして、松永文部大臣、それから三浦文化庁長官あてに抗議文を送りましたということの内容が入っているわけですね。私もこの内容を見まして非常にびっくりしたんですね。早速救援センターに電話を入れまして、部分だけ読んだのではわからない、前から後ろまでのずっと続きを見なければ、その書いている方がどういうことでお書きになっているかよくわかんない。しかし、それにしてもこの部分だけ読んだの、大変問題あるなと思ったんですね。 当文教委員会には長官、前においでになって、仲川理事の質問に対して文化というものについてのお話を伺った。そのときの、私はもう本当に真摯な長官が、こういうことをお書きになるのかと思って唖然としたわけですけれども、これを書かれた趣旨ですね、それをまず御説明いただきたいと思います。
○説明員(三浦朱門君) 問題になっておる雑誌は二つございまして、一つはジョギングの、つまりスポーツの雑誌でございまして、もう一つは若い女性向きの雑誌でございます。そして、スポーツ向けの場合に、私は、男性として女性を暴行するのは最も恥ずべきことだけれども、できないのもまた恥ずべきことである、さらに恥ずべきことであるという意味のことを書きました。そのために、まるで暴行するために体を鍛えているのではないかというふうな非難を受けたのでございますけれども、私といたしましてはそれは目的ではなくて、つまり程度を示すものなのですが、つまり暴行できる体力というのはどういうものかということはほとんどこれは客観的にはかることはできません。ですから、これはせいぜいが体を丈夫にしろという程度の趣旨でしかないと私は思っております。例えば人にののしられてちくしょうと思ったと言いましても、本当に相手を動物と思っているわけではなくて、ちくしょうというような形容詞というのはどんどん古びていきますから、文章を書く人間としては次々に思いつきのような新しい表現を書こうといたします。そういうふうな一種の駄じゃれのつもりでございました。 それから「SAY」という雑誌にも細かいところいろいろございますけれども、趣旨を全部読んでいただければわかりますように、あれは女性が不当な暴力の犠牲になった場合に、その暴力を行うような男性というのは本当にくだらない人間なんだ。そういうくだらない人間によって心身ともに立ち直れないぐらい傷つくのは愚かなことなので、無意味なことなので、できるだけその被害を少ないものだと思ってほしい。そういう趣旨において書いたものでございます。 もっとも私たち文章、この場合は文化庁長官でございますけれども、文章を書く人間といたしましては、一つの文章がどのような読まれ方をしても仕方がない、あるいはいろいろな読まれ方をすることがむしろ望ましいとさえ言い得るかと思います。その点で、趣旨から外れますけれども、国語の教育の指導などで作者の意図というものをすべての生徒なら生徒に一つのものとして回答を求めるようなやり方は、売文業者としていささか疑問に思うことがございます。したがって、私の書いた文章を、これが女性に対する暴行を奨励するものであるというふうな読み方をする人がいましても、それは私の文章の至らないところであり、仕方がないと思っております。ですけれども、私の意図といたしましては暴行云々というのはあくまでも駄じゃれのつもりでございましたし、もう一つの趣旨といたしましては、そのような状況に立ち至った女性の傷をできるだけ少なくするような文章を書きたいと思ったわけでございます。
○粕谷照美君 ジョギングの雑誌の「シティランナー」は一九八四年の十二月号ですからね、文化庁長官になる前、確かに御自分で今売文業者とおっしゃったけれども、文学者三浦朱門氏のお書きになったことだというふうに思います。しかし私は、やっぱり何も体を鍛えなきゃならないジョギングをするというときに「女性を強姦するのは、紳士として恥ずべきことだ」とか、「女性を強姦する体力がないのは、男として恥ずべきことである」などということを書かれるということがもうやっぱり駄じゃれでは済まないことだというふうに思っているんですよ。しかし、そのときに長官は何も長官になりたいなんて思っていらっしゃったわけじゃないですから、そういうことなお書きになった方を任命なさった方がやっぱり私は問題があるというふうに思っているわけでありますけれども、この「SAY」の方は長官になられてからお書きになったわけですね。「SAY」の方も私、ずっと読んでみました、これですね。確かにこれ最初から最後まで読みますと、何か身の上相談に答えていらっしゃる。どうしたらそういう被害を受けた人の心を立ち直らせてやるかということを目的として書いているのではないかというふうに思いましたけれども、しかしそれにしても適切な言葉ではないと思います。 ついこの間、六月の十四日の日に、小学校の二年生の子供が高層マンションのエレベーターに乗った。そのときに、いつも母親としては男の人一人のところに乗っちゃいけないよと、こういうふうに言っていたのだけれども、たまたまいたずらをされそうになった、暴行をされそうになった。しかしたまたま被害がなかったけれども、そのことを警察に届け出たところが大騒ぎになって、学校で上級生に変な目で見られたりからかわれたりするようになってきた。学校にも行きたくないようだ。悩んで悩んで悩んでいらっしゃる投稿があって、それに対して具体的に学校の先生から身の上相談に対してこういうふうにしなさいというあれがあるんですね。でも、ちょっと長官ののはそういうことではないんですね。そしてその中で特に「レイプ犯人が犠牲者としてこういう、貞操についてルーズな思想の持主を襲ってくれればよいのです。彼女たちはそういうことにあっても、水溜りで転んだ程度にしか考えないでしょうし、」——中略ですね、「これも自分が魅力的だからこんなことになったのだと、かえってお得意になってくれるかもしれないのです。」。じゃ、どういう人がそうかといいますと、週刊誌などに乳房やパンティーをさらす女性は貞操観念がルーズであると、こういうことを書いていらっしゃるわけですね。 最近確かにそういう週刊誌などでもなくて普通の本でもたくさん載っていますよね。それで国民の目の中にはそういうことが嫌らしくないような写真も当たり前になってきている。文化庁長官はそういう人はみんな貞操についてルーズな考え方を持っていらっしゃるというふうにお考えなのかな、これを読むとそういうふうに思うんですね。その辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(三浦朱門君) 私が公務員になる前に書きました文章も、結局は現在の私と同じ人間が書いたものでございますから、前のものは私としては責任がないとは申しません。今まで書いたすべてのもの、私の今までのすべての原稿はやはり現在の私が責任をとるべきだと思います。そのようにいたしました上でも細かいところで文章の誤りはあるかもしれません。誤りが、筆が走った場合があるかもしれませんけれども、確かにすべての週刊誌のその種の写真のモデルになっている人たちがそういう人だというふうに決めつけたのは間違いでございますけれども、私といたしましてはそれは男性の中で婦女暴行をしようとするのは非常に特殊な男性であると、恐らく女性の中にもそのような特殊な女性がいるだろう、そのような人同士がもし会うことができれば別に大きな問題にはならないのだろうというふうに思ったのでありまして、このようなことにつきましては、売文業者としては女性を怒らせたり、ある場合にはからかったりすることも許されるというよりも、むしろ常識でございましたけれども、現在このような地位につきましたことになりますと、やはりいろいろな点において書き間違った部分があると反省しております。
○粕谷照美君 書き間違った部分があると反省してくださるのはいいことでありますけれども、私は本当に言いたいと思いますね。 例えば、売春をやっているという女性であってもレイプをされるということについては絶対に許せない、そういう気持ちを持つんですよね、持っているんです。長官もお書きになっていらっしゃいますよ。アメリカでは確かに夫婦の間で夫が妻をレイプをした、こう訴えて裁判所がそれを認めた、こういうのもあります。それほど女性にとって自分の意にそまない性を暴力で行われるということは人権を侵害されるということになるんですね。 そういう観点から見て、今の国連婦人の十年は、この世の中から売春というものはなくならないかもしれないけれども、そういう売春をさせることを管理をしてやっていくという、そういう人たちは絶対に許すことができないんだという観点に立っての条約が入っているわけなんで、その大事な年に長官のこのような文章が発表されたということは本当に私ども残念で仕方がないんです。世界の会議に出ても恥ずかしくてしようがないです。 国連経済社会理事会に売春問題報告書というのがありまして、世界で今大変な状況になってきているんだということが報告をされているんですね。その中で、「統計でみれば、ほとんどの娼婦は崩壊した家庭出身であり、多くの者が、強姦や近親姦の犠牲となった経験を持つ。」と、こう書いてあるんです。だから、どんなに言葉で慰めようと、励まそうと本当にその人が立ち上がるようになっていくためには、こういうことはいけないことなんだということを徹底的に国民に教えるということではないだろうか、私はそういうふうに思っております。だから、教育の中で男性が女性の人権を尊重していく、女性も男性の人権を尊重していくんだという、そういう教育をやっていかなければならないときに、文化庁長官がこのようなことで告発を受ける、抗議文をもらったということを非常に残念に思っております。私は、先ほどの長官のお言葉を反省の弁ととらえておりますけれども、いま一度長官のお考えをお聞きして、時間も来ましたので、私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(三浦朱門君) おっしゃるとおり、女性が望まない性行為を強制することは誤りであり、そして基本的には、たとえお金を使おうとも基本的に愛情も情熱もない女性にそのようなものを強いるということは罪深いことだと、男としては恥ずべきことだと考えております。
○粕谷照美君 終わります。
○安永英雄君 大臣にお伺いしますが——文化庁長官、座っておってください。 今の文化庁長官のいろんな答弁を聞いていると、文化庁長官として何ら恥ずべきことではないんだ、反省なしというふうな私は印象を受けた。まず大臣に聞きたいと思うんですが、大臣はどう聞きましたか。
○国務大臣(松永光君) 今の御質問は、ただいまの文化庁長官の発言をどうお聞きになったかということでございますか。——私は、この文章を書いた趣旨につきまして、女性に対する暴行は男として恥ずべきことであるということをまず文章の中で表現しておる、しかし今考えてみると、表現の上で適切を欠いておるととられる面もあるので、その点は反省しておるというふうに私は全体としてとりました。
○安永英雄君 文化庁長官は今さっき、反省ということを言われたけれども、どういう反省をされておりますか。もう一回はっきりお聞きしたい。
○説明員(三浦朱門君) 公務員になる前でありましたらば、文章を書くということは仕事でもあり、楽しみでもあり、したがって自分の本当のテーマが、趣旨がきちんと書かれたならば、その周りのことは一種の修飾といたしまして割と気軽に書いていたということを今になったら思います。しかし、公務員といたしましては、殊に責任のある地位にありましては、自分の文章、意見が生で出ます評論とかあるいは論文につきましては、人の感情を害する危険のあるようなことを書く場合には、よくその責任をとり得るかどうかを考えてから書くようにしたいと思っております。
○安永英雄君 私が読んだわけじゃないから、私の質問もあれですけれども、駄じゃれとあなたは先ほど言ったですね。そういった気持ちで駄じゃれというふうな気持ちも随分あったんだと言う。私はどう読み返しましても、駄じゃれじゃないですよ、あれは。そこらあたりの表現はどう考えますか。
○説明員(三浦朱門君) 英語で昔習った教科書で、現実的な冗談といいますか、プラクティカルジョークという題の文章がありまして、それによりますと、あるとき王様が戯れにささいなことで自分の家来の首を切るという命令をした。それで、その家来がいろいろ哀訴嘆願いたしましたけれども、王様は許さない。だけれども、本当に殺すつもりではない。目隠しをしまして、そして断頭合の上に置きまして、上から首切りのまさかりを構えさせたところで首の上に一滴の水を垂らした。その一滴の水のショックでその家来は死んでしまったわけです。つまりこれは、王様としてはしゃれのつもりだった。しかし、死刑を宣告された人にとっては命がけの問題であったわけであります。したがって、しゃれであるか、あるいはそれは真剣な本当の侮辱であるかということは、その場合により、その言葉、あるいはその事件を経験した人の立場により、あるいは同じ人間であっても、別の状況によって違う意味を持ってくると思います。ですから、私はしゃれのつもりで書いたと申しました。そして、読者の中では、ばかばかしいしゃれと思った読者もいたかと思います。しかし、これをしゃれではなくて重大な女性への侮辱だと思った人もいた。ですからこのような抗議文を受けたと思っております。売文業者といたしましては、どのような批判を受けようともそれをそのままに受けとめて、そしてそれから後の自分の著述活動の上の参考にすればよろしいわけでございます。しかし、今の私はやはりプラクティカルジョークを犯してはならないと思っております。それが私の反省の内容でございます。
○安永英雄君 これ以上聞きませんけれどもね、最後に聞きますが、文化庁長官として、この件について何か公式に表明されるとかあるいは何といいますかね、今の心境を何らかの形で国民に知らせるとか、そういう手だてはとるおつもりはございませんか。
○説明員(三浦朱門君) 私は文章を書いて生きてきた人間でございますけれども、文章というのは、先ほどから繰り返しておりますように、いろいろな読まれ方をするものでございまして、例えば私が今ここで申し上げたことも言葉としてはむなしいものであるかもしれません。ですから、私は自分の生活と自分の役所での仕事と、それからもう一つの文筆活動の上で、私が今まで申し上げたことの真意を実証していくことが一番であると思いまして、今ここで国民の前に自分の真意を改めて表明するという自信も覚悟もございません。
○安永英雄君 この点については以上で私の質問は終わります。長官、どうぞ……。 臨時行政改革推進審議会の科学技術分科会、ここは山下勇さんが主査ですね、これは三井造船の会長さんであります。で、この分科会で産学官の提携の強化という面から一つの報告を出す、これは二十四日に予定されておるというふうに聞いております。で、いろいろ情報を聞いてみますと、日本の科学技術政策、こういった大綱をここで考えている、こういうふうに報道されて、具体的には、国立研究所職員が民間との共同研究のため休職しても退職金などで不利に取り扱わない、各地で開かれる学会に勤務時間中でも参加できるようにする、国との委託あるいは受託研究で特許権が生じたときに民間企業が共有か優先使用できる権利を与える、こういった研究交流促進交流法というふうなところまで考えていっておる。よくよく聞いてみると、日本全般的な科学研究についてはこういったところで握る、したがって、予算等も一括そこで握って、大学の研究内容も科学技術会議が大まかな方向でこれは勧告、提言できるようにする、大まかに言ったらそういうことが二十四日の答申で出るというふうに報じられております。これはここで論議すべき問題じゃないと思いますけれども、行革審あたりの一つの分科会が、臨教審なら多少わからぬこともないですけれども、この大学関係の研究、こういったものまで踏み込んで、そして大学もある程度拘束できるような形にする、研究を、こういう態勢をつくろうという考え方で、これも具体的にそろそろ二十四日には出てくるという状態を聞いておりますが、この点について大臣、どんなふうに思われますか。
○国務大臣(松永光君) ただいまの先生のお話でございますが、先生も御承知のとおり、行革審の科学技術分科会で科学技術の振興と総合調整機能のあり方、言うなれば科学技術に関する行政のあり方を中心にした形で審議がなされておって、近々その報告がなされるというふうに聞いておるわけでございますが、 〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕 その中には産学官の協力推進の観点から、現在の法律制度、行政のあり方について改善すべき点はないかというふうなそういう観点からの審議がなされておるというふうに私たちは承知しておるわけであります。そして、審議の内容等は産学官の研究の交流あるいは協力について、現在の制度、仕組みについて障害はないか、障害があるとすれば、そういった障害となっている諸制度を改善しようという観点から審議が進められておるというふうに聞いておるわけでありまして、研究活動を規制するんじゃなくて、むしろ研究活動をより効率的に実りのあるものにするためにはどういう制度、仕組みであるべきかと、こういう観点から議論をなされ、そういう観点からの報告がなされるだろうというふうに私たちは承知しておるわけであります。
○安永英雄君 二十四日に出たものを見なきゃ私も大した質問もできないんですけれども、しかし、今まで報じられたところで、特に私は目を引くのは、このことで大学の研究のテーマの設定とか予算の問題等も大枠ではここでやっていく、これは大学の研究が相当拘束をされるという、しかもその考え方が産学官の提携というその発想から出てくると、しかもその審議してあるところは、そういわゆる教育関係その他のところじゃなくて、そして造船会社の会長、いわゆるあそこはもう企業で、しかもその人たちは特にこの産学官の中に実業界、企業、法人と、こういったものが入っていかなきゃならぬという、日ごろから主張してある人たちの提案であるということから、非常に私は危険な感じを受けるものですから聞いておるわけで、したがって大学の自治、学問の自由、こういったものがそういった面で非常に侵されやしないかという心配があったものですから、大ざっぱにそこらの心配について大臣、どう受けとめておられるだろうかという気持ちで質問したわけです。したがいまして、今の大臣の御答弁は、そうまあ今から見直していろんなむだがないかとか、いわゆる行革審の観点から提案があっているだろうというふうな、何か至極今からだというふうな感じを受けたんですけれども、ここらあたりの大学の自治、学問の自由、こういったものに、それでなくてさえ私は、後で申しますが、産学協同ということは私は否定はしないけれども、ちょっと進み過ぎてここのところでは一応のやっぱり枠をはめておかないと大学の自治、学問の自由というのは侵されやしないかという心配が私どもはあるものですからそういったことをお聞きしたわけです。 局長、こういったところには文部省、特にあなたの方あたりは呼ばれたことありますか、ここの審議に。
○政府委員(大崎仁君) 学術の振興の現状等につきまして説明を求められまして、私参りまして御説明をしたことがございます。
○安永英雄君 余り時間がありませんので一言だけ私は大臣に産学協同というもののあり方、これについての大臣のお考えをお聞きしておきたいと思うんです。
○国務大臣(松永光君) 大学における研究というのは言うなれば基礎分野の研究が主たるものなんでありますけれども、しかし応用の分野もある程度ありますし、また応用の分野について研究を進めることが逆に基礎の研究にも関係がしてくると、こういうことでありますので、次代の科学技術の進歩発展等々考えますと、やはり応用技術の分野等に積極的な研究をしておる産業との間の研究の協力、これは我が国の科学技術を進歩発展させていく、あるいは学問や科学の研究をさらに深めていくという意味においては大変意義のあることだというふうに思います。 先生先ほどの行革審の科学技術振興に関連したこの報告のことでございますが、私はこの報告というものが大学における自治とかそういったものを制約するようなことは全くないと思っておるんです。むしろ逆に今、産業界等々と協力して研究をしていこうとする場合に、大学の教授さんが国家公務員でありますから、その方面からのいろんな制約があるわけですね、法的な意味での。そういう制約の中でそれほど必要ないものはむしろ取っ払って、そしてもっと縦横に研究活動の中で産業界との共同、協力ができると、こういうふうにすべきじゃないかと、その方が日本の科学技術を伸ばすことになる、こういう視点からの私は報告になるだろうというふうに想定をしておるわけであります。ましてや大学における研究テーマの設定等々について云々というようなことは、私はあるもんじゃないというふうに思っております。
○安永英雄君 ちょっと私は、これは大臣考え方が甘いんじゃないか。今まあ基礎研究と応用研究のお話が一部出ましたけれども、長く話しておると時間がありませんけれども、大体やっぱり今の日本の大学の研究というもので基礎研究というよりもむしろ応用、開発、こういった面の研究の方に夢中になって基礎研究をおろそかにしている、これが大体科学技術庁あたりの正式の文書ですよ。 〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕 私はそういった考え方から、企業は何を望んでいるかというと、やっぱり企業自身の発展、利潤、こういったものを産学協同についてはねらってきていることはもう事実ですね。片や大学の方といいますと、これは質問しようと思ったけれども時間がありませんが、第一研究費その他はない、あるいは研究の器具、そういったものは大学よりもむしろ今のところ企業の方に優秀なものがある。したがって、予算、資金、こういった面から急速にこの産学協同の動きが出ている。そこでいみじくも利害が一致する、こういうのがごく最近のこれは模型じゃないですか。私はそんな気がするんですがね。また、とにかく大学の方はカモがネギ背負ってきた、こう言う。企業の方は帰りがけには金の卵を産む、こう言う。こういう形が続いていきますと、またそのほか就職その他の問題もありますが、応用技術、すぐ直ちに役立つもの、こういったものにひた走りに今大学の研究が進んでおるとするなら、これは全部じゃない、それはいろいろ方面、方面違うと思いますけれども、大体もう産学協同がごく最近この深みに入っていっておるというふうな感じがするわけです。 時間がありませんから、一番端的に文部省の態度についてお聞きしたいのです。 これは五十八年五月十一日に国際局長名で各大学に出された通知があります。この通知以来、拍車かけていますよ。極端に言うなら、各大学のカリキュラムもへったくれもないんですよ、今。産学協同で申し込んできた研究テーマ、これが全部金がついてきますからね、これ。すべて大学の方のテーマに入れられておる。これは現地を調査してごらんなさい、泣いている人もおりますよ。この通達が出て以来、激しくとにかく産学協同は深みに入っておるというふうに私は思います。その中の特別なところをちょっと見てみますと、「特許権等の実施」というところがあります。ここで「共同研究の結果生じた発明につき、国が承継した特許を受ける権利又はこれに基づき取得した特許権を民間機関等又は民間機関等の指定する者に限り、共同研究完了の日から五年を超えない範囲内において優先的に実施させる」、こういう有利なものがついておるわけです。もちろん、共同研究の結果生じた発明について、民間機関との共有に係る特許権、これも同じく民間機関あるいはそこで指定する者に限ってこの五年を超えない範囲内において優先的に実施権をこれに与える、これあたりは、そうですね、数年前まではこれが起こると私どもはもう国会で随分取り上げてやっておったものですね。共同研究の結果大学がこの発明をし、そこに特許権が生じたものというものを優先的にその共同研究した法人なり、あるいはそこが指定する会社なり、それにもう実施権を渡してしまう、これあたりは私は行き過ぎじゃないか、ここあたりが企業が一番ねらっているところですね。受託研究の取り扱いは「受託研究の結果、工業所有権等の権利が生じた場合には、これを無償で使用させ、または譲与することはできない」、これがまだ生きているわけですから、これが多少解釈一つでは共同研究というのとこの受託研究というのは違うようでありますけれども、ここのけじめがはっきりしないと、これは大学の自治とか学問の自由とかいう、こういったものはここらあたりから現実に侵食されていくのじゃないかというふうな私は感じがしてならない。そういった面で、なぜ特許権というものが今みたいな形で通知で出されたのか、そのいきさつ等についてお聞きしたい。
○政府委員(大崎仁君) まず共同研究に関連します特許権の取り扱いでございますが、共有の場合について申しますと、これはいわば民間の研究者と大学の研究者の共同作業による産物でもございますので、それぞれがいわば持ち分を持った共有財産ということになろうかと存じます。ただ、その特許権を現実に実用開発に結びつけるということが、国が直接行うことはこれは非常に難しいことでもございますので、具体的には企業がそれを開発に結びつけるということにならざるを得ないわけでございます。その場合に、やはりその特許権のもとになる発明に貢献したところにその優先的な実施を認めるということが筋ではなかろうか、こういう考え方が基本にあるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、これは貴重な国有財産でございますので、それを相手方に国の持ち分の実施を許諾する際には当然適正な実施料を取るということで指導をいたしておるところでございます。
○安永英雄君 これは時間がありませんが、学術審議会の答申が出ていますが、この中で受託研究の問題について今の件に触れておるわけですが、「受託研究により発明が生じ、特許を受ける権利を国が承継した場合については、国が特許の実施許諾を行うに当たり、資金負担の度合いなどからみて、委託者である企業等の寄与が十分認められる場合には、当該企業等に対し、一定の期間に限り、優先的に実施させることができるものとする。」、こういうことで調べてみますと、受託研究の場合、これは依然として四十五年四月三十日の通知が生きているということでありますからここまでは言っていないのですが、こういう答申を受けて受託研究の場合はやっぱり堅持されますか。
○政府委員(大崎仁君) 受託研究の場合につきましては、現在までの取り扱いといたしましては、特許権あるいは特許を受ける権利自体を受託をした相手方に譲渡するということは、これは従来いたしておりませんし、問題があるわけでございます。ただ、やはり先ほど共同研究で申し上げましたように、ある研究についてその研究に要する相当の経費を負担をして受託をした相手方というものにはそれ相応の配慮というものがあることはあってしかるべきではないか、こういうことで工業技術院等の制度の状況等も勘案をいたしまして、御指摘のように優先的な実施権というものを認め得るという道を開いたということでございます。もちろん、当然先生御指摘のとおり適正な実施料はいただくということになるわけでございます。
○安永英雄君 時間もありませんが、先ほど大臣の産学協同のあり方についてお話がありましたし、私はもちろんそのとおりだと思います。しかしやっぱり、現在科学技術の進歩等があって、大学が象牙の塔であってはならないということは、これはもう当然わかりますけれども、しかしそれだからといって、大学の自治や学問の自由を侵していくような、私は先ほど疑っておるわけですけれども、臨行審あたりの造船会社の会長あたりが支配して、文部省が行って説明はしたとは言うけれども、あそこらあたりで日本のすべての科学技術の研究、こういったものを大局的に握って、その結果大学まで拘束をしていくという構想は、非常にやっぱり基本的に大学という立場から文部省としては見ていただかないといけないと思う。疑えとかなんとか、抵抗せいとかなんとか、そんなことはないけれども、常にやっぱり末端のところを見ていただきたいと思います。何か視学官とかそれから視学委員ですか、いろいろ文部省の中にあるそうでありますが、いろいろの面で見られると思いますけれども、私はやっぱり学校格差は随分あると思いますけれども、この共同研究、委託研究、これをめぐって、いいことだということで深みに入っていって、学校の研究体制が食われていくような状態があってはならない。そういった点をひとつ十分私は監視していただかなければ、基本的には大学の研究はそれは自由な発想でなければならぬし、創造的な研究活動の発展というところに初めて独創的な先駆的な成果というものが出てくるわけですから、私はその点はなかなか大学の研究の中まで入っていって、そこのところを産学協同の癒着しておりはせぬかとか、そういった形でなかなか難しいとは思うけれども、つかめぬことはないと思うんですよ。そういうやっぱり危険な時期に来ているということを私は申し上げて、そういう点の注意を喚起したというふうな意味で意見を申し上げて終わりたいと思います。
○久保亘君 最初に、この前の文教委員会で北九州病院グループと国立大学との関係について、特に病院グループの不正請求事件をめぐって話題となっているようなことについてお尋ねいたしましたが、その際文部省側から、今名前が挙がっている大学について文部省としても調査を進めてその結果を見たい、こういうことでございましたが、その後関係の大学と連絡をとられてどういう結果になっているのか、文部省の承知されていることを御報告いただきたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 先般御指摘のございました北九州病院問題に関連する調査についてでございます。 関係大学に対しまして事実関係を早急に調査するよう指示をいたしまして、これを受けまして、広島大学においては六月七日、長崎大学においては六月十日、九州大学においては六月十一日、島根医科大学においては六月十三日に、教授会に調査委員会を設けて鋭意調査に取り組んでいるところでございます。 これまでの調査で、報道のございました広島大学、長崎大学、九州大学、島根医科大学及び千葉大学について次のような状況を確認をいたしたところでございます。 一つは、現に大学に所属しております医師の名義貸しの問題でございますが、現在までの調査では、その事実はないと聞いております。 それから第二点でございますけれども、兼業の許可を得て北九州病院グループ関係に行っております者の数でございますが、広島大学では五十九年度以降九人、九州大学では五十九年度以降三人、千葉大学、長崎大学及び島根医科大学については兼業している者はないというぐあいに聞いております。なお、報道にございますような兼業の許可を得ずして行っている者につきましては、さらに調査をいたしているところでございます。 それから第三点でございますけれども、大学を辞職してから北九州病院グループ関係に就職をしている者の数でございますけれども、広島大学で十三人、九州大学で五人、長崎大学で十四人、千葉大学及び島根医科大学については現在のところないというぐあいに聞いております。 それから第四点でございますけれども、北九州病院グループ関係からの奨学寄附金についてでございますけれども、広島大学で二千四百四十万、長崎大学で九百五十万、千葉大学、島根医科大学及び九州大学については受け入れをしていないというぐあいに聞いております。なお、北九州病院から研究助成金として受け入れました寄附金を、一部奨学寄附金としての手続を経ずに講座の研究費等に充てていたものについては、島根医科大学、広島大学、九州大学及び長崎大学にあったということを聞いておるわけでございますけれども、その点については、詳細についてさらに調査をいたしているというようなことでございます。 以上のような点を確認をしたわけでございますが、一部に奨学寄附金の手続等について、手続を経ないまま医局等に入れていた事実があるということはまことに不適切な事実でございまして、遺憾に存ずる点でございます。大学医学部及び附属病院に対する国民の信頼を損うことになるということはまことに残念でございまして、今後とも事実関係の調査を急ぐとともに、関係大学が適切な措置をとりますように私どもとしても強く指導してまいりたいと、かように考えております。
○久保亘君 大体、今御調査になったところでは、報道されているような、大学が北九州病院グループの事件にかかわってといいますか、関連して、司法当局の捜査を受けるようなことはないと、こういうふうに文部省はごらんになっているんでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) 先ほども申し上げましたように、現在までの調査では、いわゆる名義貸しについての事実はないというぐあいに聞いておるわけでございます。そういうようなことはないものと考えておりますが、ただ、お話のございました、報道もされておるわけでございますけれども、研究助成金として入れました寄附金を一部奨学寄附金としての正規の手続を経ないで充てていたケースがあるということが、この点は言われているわけでございまして、あるいはそれらの点についての事実の確認その他のことは私どもももちろん対応するわけでございますが、警察当局なりそれらの方においても、それらの点の確認というようなことはあるかもしれないということは想像されるところでございます。
○久保亘君 わかりました。 それでは、次に臨教審に関する問題で二、三お尋ねをしておきたいと思います。 最初は、総理大臣と臨教審の会長など幹部との懇談が六月の五日の夜に行われたと報ぜられておりますが、この懇談には文部大臣も一緒に御世席でございましたでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 私は出席いたしておりません。
○久保亘君 この際、文部大臣が主務大臣として御出席になっていないところで、内閣総理大臣が臨教審の幹部に対して一次答申にかかわる意見をいろいろお述べになるということは、これはいかがなものかという感じがするのでございますが、新聞に報道されたような事実があるのでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 先生の御指摘の会合というのは、総理が臨教審の会長さん方の日ごろの精力的な御審議に対しまして慰労をしたい、慰労の意を表したい、こういうことで持たれた会合であったわけでございます。その会合で——会合というよりも食事をされたわけでありますが、その席では、審議の内容等についていろいろ総理が意見を言ったとか、あるいは議論をされたとかということではなくして、会長さんあたりから大体こういうふうな方向だということでお話があり、それについて総理としては、大変なことでしたね、御苦労さまでございましたと、こういう慰労の言葉や、そしてまた、国民が期待するようなものにぜひなればありがたいなと、こういった一般的な感想、それから今後もしっかり取りまとめてもらいたいという一般的な要望、こういったものが食事の間の話にあったというふうなことなんでございまして、具体的に何かを指示をしたとかそういったことではなかったというふうに私どもは承知しております。関係者にいろいろ当たってみましてもそうであったようでございます。
○久保亘君 えらい、御出席でないのによく詳しく御存じで、結局、文部省のどなたかまた御列席であったか、あるいは総理大臣の出席ですから官房長官でも御一緒だったのかもしれませんけれども、私どもは報道をもってしか知ることができません。その際、自由化のあり方とか、共通テストの問題とか、いろいろ総理が御意見をお述べになって、何か臨教審の自由化論争を取りまとめられたような感じを受けるものですから、今文部大臣がおっしゃったようなことが普通であろうと思うんですけれども、そこまでいきますと、私たちが臨教審設置法の論議段階で、審議の段階でいろいろ憂慮いたしましたようなことにだんだんなっていくんじゃないかなという感じがするものですからお尋ねしたんですが、この際の出席者というのはどういう方でしょうか。
○政府委員(齋藤諦淳君) その際の出席者は、会長の岡本先生並びに会長代理の石川、中山両先生並びに総理とともに官房長官、この五名の御懇談であったと聞いております。
○久保亘君 非公式な懇談の席の出来事でありますから、私もそれを深くいろいろお尋ねしても仕方がないと思いますけれども、臨教審の自由な審議ということを建前にされておりますので、報道されるようなことがあるとすれば、この点については留意をすべきことではなかろうかと思っております。 もう一つ臨教審の運営で大変気がかりなことは、専門委員の存在であります。事務局次長にお尋ねいたしますが、設置法では臨教審の委員の資格はどうなっておりますか。それから、専門委員の資格はどうなっておりますか。法律の条文に基づいて両者の相違点を言ってみてください。
○政府委員(齋藤諦淳君) 「委員は、人格識見共に優れた者のうちから」「総理大臣が任命する。」という、そういうことで、「人格識見共に優れた者」、こういうことになっております。専門委員は、「専門の事項を調査審議させるため、専門委員を置くことができる。」「専門委員は、学識経験のある者のうちから、文部大臣の意見を聴いて、内閣総理大臣が任命する。」こういうことになっておりまして、委員というものは全体に人格、識見そのものからくる全体の審議に参画される。専門委員は専門の事項を調査、そういう任務を帯びた専門委員である、こういうように考えておるところでございます。
○久保亘君 そのとおりですね。臨教審の「委員は、人格識見共に優れた者のうちから、文部大臣の意見を聴いて、内閣総理大臣が任命する。」となっております。専門委員は別に人格には触れてございません。学識経験のすぐれた者ともなっておりませんで、「学識経験のある者」、こういうことなんでございまして、それは別に私は皮肉なことを言ってるんじゃなくて、専門委員には限定された任務を与えるために制度がつくられている。だから、専門委員というのは法律によっても特定の専門的事項で調査や研究を委嘱されて、その任務が終わったら解任されるようになっておるんです。 ところが、今の専門委員は、臨教審の委員として振る舞っておるんじゃないか。何を専門にやっておるんですか、あの人たちは。臨教審が専門だと言えばそれまでですけれども、どうやら教育改革に関する専門というような漠然とした任命のされ方をしておって、そしてなぜ臨教審の総会におれたちは入れやせぬのか、おれたちの言うた意見がなぜそのまま答申に出てこぬのだというようなことで随分抗議を申し入れられたという報道もございますが、専門委員の人たちというのがそういうようなことを運営委員会に申し入れたりした事実があるんですか。
○政府委員(齋藤諦淳君) 専門委員は各部会に所属して部会の審議に参加していただいているところでございますけれども、去る六月四日に、その総会の運営委員と専門委員の懇談会が開かれたわけでございます。そこで、総会と部会との関係等のそういう連携のあり方についての意見交換がなされました。率直に意見が交換された、意思疎通が図られたわけであります。そういうような意思疎通を図る段階で自分たちの職務を確認するという、そういうことが行われたわけでございますが、その間のやりとりについて後に記者会見の際に会長から御披露がなされた、そういう状況が新聞にも出ておったわけでございますけれども、お互いに任務を確認するという、その過程でのいろんなやりとりがあったことは事実でございます。
○久保亘君 答申を間近にして、任命されてから何カ月もたって臨教審の委員と専門委員が相互にお互いの任務を確認し合うなんというそんなおかしな話はないと私は思う。いかに専門委員が法律で定めた専門委員の職務に照らして任命されなかったかという証拠なんです。結局専門委員というのは、臨教審の委員の選考に漏れて臨教審の委員としてどうしても入れたかった人たちを総理の方で任命をされて、文部大臣や臨教審会長の推薦した者でない人たちを何人も何人も入れているから、今ごろになってそんなことが出てくるのだと私は思うんです。 それから、専門委員の任務に忠実に自分の職務を知っておって、そして任命をされたことについて、自分の立場に照らしてきちんと仕事をしているのならばそういうような問題は出てこない。もし専門委員が臨教審の総会に自分たちも出席させると言うのなら、私どもが言うたように全公開にしてもらわぬと困るんです、臨教審の専門委員だけが秘密主義になっている総会を聞く権利を持っているというようなことは法律上はどこからも出てこないんだから。だから、そういうようなことを専門委員が今ごろ主張されるというところに私は大変問題があると思っているんですが、これ大臣どんなものですか。
○政府委員(齋藤諦淳君) 確かに専門委員は各部会に分かれて仕事をされているわけでありますけれども、部会相互間で関連するといいますか、境界領域の問題もあるわけでございまして、その間の意思疎通が必ずしも十分図れない。これは総会中心主義ではありますけれども、その前提として各部会で審議をしているという、そういう運営上のところからくるわけでありますけれども、その運営を円滑ならしめるために運営委員並びにそれぞれの専門委員が一堂に会して意見交換を行いたいという、そういう趣旨で開かれたものでございまして、ちょっと私の方から説明させていただきました。
○国務大臣(松永光君) 今、齋藤次長から話がありましたように、専門委員というのは専門的な事項を審議するという意味合いで各部会に所属して議論をしていただいておったわけであります。相当熱心な議論がなされて、部会の意見がまとまっておったわけでありますが、しかしその部会のまとまった意見も今回の臨時教育審議会では、総会でもう一回改めて論議をして、そしてそこで決定するというふうな審議の方式をとっておられるわけであります。普通は部会で意見がまとまれば総会ではその部会の意見を了承するというような形の審議の仕方をするという審議会があるわけでありまして、むしろそちらの方が通例かもしれませんけれども、今回の場合は総会中心主義、委員で最終的には論議をして決める。部会の決定には必ずしも拘束されないという形の総会中心主義をとっておられました。 したがいまして、部会に属しておった人が、部会では大体こういう方向であったのに、どうして自分たちの部会で大体まとまりかけたことがそのとおりにならないのだろうかという気持ちがおありであったかもしれません。そういうことから臨教審の円満な審議をしていこうということの意味合いで、先ほど次長が御報告申し上げましたように、運営委員会の人と専門委員の人との間の意思疎通を図る会合が持たれて、その席で臨教審の審議のあり方として総会中心主義をとっておる。だから部会でいろんな議論をして一応取りまとめられたものでありましても、総会で改めて議論をし直して、そしてその結果決められたことがこれが総会の意見となるのだと。 したがいまして、部会である程度まとまりかけたものであっても総会で改めた論議の末決定をするということになることは、これは臨教審の運営の仕方として総会中心主義をとっている以上、これは当然のことであるというふうな説明があって、そして専門委員の人もそういうことは了承されたものだというふうに私は受けとめておるわけであります。 いずれにせょ熱心な論議の余り、一部新聞に報道されたような、総会に出させてもらえないのかという意見も出たというふうに受けとめておるわけでありまして、それは熱心さの余りだというふうに私は思っております。
○久保亘君 専門委員の制度そのものが大体初めから非常にあいまいなところがあるんですね。 私は、今度は具体的なことでお尋ねいたしますが、本来ならば、共通一次を共通テストに変えていくというような事項を検討されるときにこそ、そういう各論の問題について必要な専門家を集めてきて意見を聞いて、部会なり総会でまとめていくということでないと、専門委員と臨教審の委員との区別というものがつかぬような形で任命されているところに問題があるように思うんです。 ところで、臨教審は今度の答申のたたき台となる「審議経過の概要(その2)」に、共通一次について、大学の序列化が一層徹底し、いわゆる輪切り現象が進んだという評価を下しておるんです。ところが、文部省の指導のもとにある大学入試センターの方は、研究部の清水教授の論文を「大学入試フォーラム」に掲載をして、大学の序列化や志願者の輪切りは共通一次によって促進されたとは言えない、こういう報告をされておるわけです。文部省が共通一次のために専門的に研究をさせた大学入試センターはそういう結論的な報告を出している。臨教審は、これは何を根拠にどういうデータに基づいて大学の序列化が共通一次試験によって一層徹底し、いわゆる輪切り現象が進んだという評価を下されたんでしょうか。あの専門の委員の人たちがこれをおやりになったんですか。
○政府委員(齋藤諦淳君) 第四部会では、高等教育制度のヒヤリング等も行いながら審議が行われたわけでありますけれども、入試につきましては谷田閲次大学入学者選抜方法の改善に関する会議会長でございますが、そういう方とか、あるいは芝祐順東京大学教授とか、そういう方からヒヤリングをしたわけでございます。あるいは、予備校の状況等について駿台学園の理事長である山崎春之氏でありますとか、あるいは学歴と雇用問題について江副浩正氏でありますとか。そういうことを行った上で、六十年の一月二十八日に大学入試センターを視察しております。そのほか、入試について再三ヒヤリングを行っているところでございますが、そういうような全体の検討の上でこういう結論を出されたところでございます。
○久保亘君 私ども文教委員会としても、大学入試センターを先般視察いたしました。それで、その際入試センターの教授陣と懇談をする機会がございました。それで、入試センターの側からはこの「大学入試フォーラム」に掲載されたような立場で御説明がございました。政府の大学入試センター、共通一次に関する調査研究の正式な機関とも言うべき大学入試センターの意見と臨教審の意見とがまるで食い違って出てくるというのは、これはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(齋藤諦淳君) そういう専門的な分析もあろうかと思いますが、また別の専門のそれぞれの職責に応じた専門の立場からの説明も受けて、総体的に第四部会としてはこういう考え方になったもの、こういうように理解しております。
○久保亘君 文部省は、そうすると大学入試センターというのは自由におやりくださいと言って放任されているんでしょうね。だから、今度は大学入試センターの中からもまるで今度はまた反対の論文が同じ研究部門の助教授によって発表され、そしてこの追跡研究部門を担当している荒井という助教授の発表は、今度はぐあいが悪いということで論文が掲載された紀要二千部が日の目を見ないままお蔵入りになっていると言われておるんです。これは一体どういうことなんでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の、入試センターの助教授の論文の問題でございますが、これは五月末の一部の新聞で報道されたわけでございますけれども、共通一次試験によって大学の序列化、受験生の輪切りが進行したことを指摘した入試センター研究部の助教授の論文が非公開となっていることに対して、片やこれの進行を否定した教授の論文が公表された、論文の公表に関して入試センターの姿勢に問題があるのではないかということが掲載をされたわけでございます。入試センターの説明によりますと、前者、つまり助教授の論文でございますが、これは五十八年三月にまとめられたものでございますが、それを非公開としました理由は、その研究結果に問題があるということではございませんので、その当時では、共通一次試験のデータを使った論文の取り扱いとしまして、個人や各大学のプライバシーに関するものは公表しないという考え方をとっておりましたために、その抄録を公表しまして、全文を非公開としたといういきさつが説明をされております。しかしながら、入試センターとしては、その後の経験も踏まえまして、個人的データにかかわるものについてもできるだけ公表する方がよいという考え方をとるようになりまして、御指摘の研究成果についても次の機会、つまりこの「大学入試フォーラム」の第七号でございますが、六十年の秋ごろ発行予定でございますが、それにはさきの教授の論文と同様に一般に公表することとしているというぐあいに経過を聞いております。研究の成果が公表され、それをめぐりまして多くの意見が交わされるというところにも意味もあるわけでございまして、入試に関する種々の研究が展開されまして、活発な論議が進められるということそのものが必要なことではないかと私ども考えております。 なお、御指摘の入試センターの教授の論文の方で、輪切り序列化は進行していないという論文の点でございますけれども、これは「入試フォーラム」の第五号に掲載をされておりますものでございますが、この論文は五十四年度から五十七年度までについて志願者、合格者の共通一次試験の得点分布を統計的に比較したものでございまして、それによれば、仮に輪切りが精密化しているとすれば各大学学部における得点分布の幅は狭くなるが、実態はその幅は大きく動いていないこと、また序列化についても大学学部の得点分布集団の間の広がりは統計的に見ると五十四年度以降は変化をしていないというようなことで、輪切り、序列化の程度がより精密化する方向へ進んだということはないというような表現になっているわけでございまして、輪切り等がないということを断言したものでは必ずしもないわけでございます。いずれにいたしましても、これらの実情についてはさらに研究が進められることも必要でございますし、いろんな各方面の御議論を十分集約をしてそれらについて対応すべきもの、かように考えております。
○久保亘君 私は、入試センターの中で学者の違ったそれぞれの意見が発表されて大いに議論される、それはそれで結構なこと。だけれども、この前私ども行きましたときに、入試センター側は、私がたしかそのときにこの問題をわざわざお尋ねした。そうしたら、そのとおりに入試センターとしては考えておるというような御説明を私は承ったように思うんです。その後、全く違った意見を発表しようとしたら、どうも余り入試センター側のお気に召さなかったのか、文部省が気に入られなかったのか知りませんが、それは押さえられて発表されなかったというようなことが報道されたものだから、私もまたいろいろと調べてみました。そうしたら、今度はまた次の第七号の「フォーラム」にそれをまた掲載されるということで、どうも外側のいろいろの意見によって出したり引っ込めたり、それで今度は臨教審の方は入試センターの研究結果とは関係なく入試センターの答申の考え方の土台となるべき概要の中身を固められた。これは私はこの際は臨教審が言われている方、それから荒井助教授が言われている方が一般的な常識としてはどうもそうではないかなという感じがするんですけれども、入試センターの一般的な意見としては全く逆のものになっているだけに、どうもいろいろ不可解なことが多いわけです。 それから、臨教審は、しかし、専門的な立場の人たちの意見を聞くというならば、共通一次について最も専門的にあれだけのデータをそろえてやっておられる大学入試センターあたりこそこの臨教審が専門委員として呼んでやらなきゃならぬ問題で、どうも専門委員の選定の仕方というのは設置法の趣旨に沿っていないんじゃないか。そしてその専門委員がえらく忙しくて臨教審が振り回されるというようなことになっているような印象をしばしば受けるのは、極めて私どもにとっては理解しがたいことなので、今は入試センターを例にとってお尋ねしたわけです。 きょうはこれで私の制限時間いっぱいですから終わりますけれども、いずれ臨教審が一次答申をお出しになりましたら、できるだけ早い機会に臨教審の責任者の皆さんに御出席願って十分論議をさしていただきたい、こう思っております。 終わります。
○杉山令肇君 最近、頻繁に報道されておりますが、高等学校におきましていわゆる三ない運動、二輪車について買わない、乗らない、免許を取らないという内容のようでありますが、関係者の御努力にもかかわりませず必ずしも期待どおりの成果が上がっていないと聞いております。調査によりますと、少年の免許取得者数は十六歳から十九歳まででありますが、原付二輪車、昭和五十四年は百五万九千八百人、年々増加をいたしまして昭和五十八年には百十二万六千八百三十三人となっております。また一方、無免許運転の摘発者数をこれまた少年を調べてみますと、五十三年は八万二百三十八人、それが年々増大をいたしまして昭和五十八年には十一万四千三百八十四人とトータルが出ているようであります。この内容は全無免許運転者数の約五〇%が十九歳以下の少年に該当していると統計は出ているようであります。 さて、そうなりますと一つの不自然なことに疑問を持つのでありますが、高等学校は中学校の九〇%前後の生徒が高校に進学をしておる状況の中で、同じような年齢期の免許取得者数が年々多くなっていくということは、三ない運動の実効が上がっていないことに考えられるのであります。これについて大臣の所見をまずもって伺いたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 三ない運動というのは、高校生等による二輪車による交通事故、みずからが運転を誤ってみずからが大けがをして、そして取り返しのつかないようなことになったり、あるいは第三者に被害を与えるなどという悲惨な交通事故が非常に多くなってきた、これを何とか減少させたい、そのことのための一つの方策として三ない運動というものが地域で始められ、そしてそれが学校やPTA等で了解されて採用された、こういうふうに思うわけであります。その場合に、今度は逆の立場からすれば、高校生でも家の手伝いをしなければならぬという人もおるかもしれませんし、そのために二輪車はどうしても必要だという人もいるかもしれません。そういう場合にはやはり学校長その他適当な人の許可を得て、家の手伝いのためにならば、これまでも許されないということになってきますというとちょっと問題も起ころうかと思いますが、いずれにせょ悲惨な交通事故を防止するということからの運動なんでありまして、それはそれとして結構なことであるというふうに思うわけでありますが、ただ、であるにかかわらず先生御指摘のとおり二輪車の運転免許を取る人の数が各年度の年齢層別で見て減ってない、むしろふえているというのは、いま一つこの三ない運動の効果が出てないということでありますし、同時にまた一番遺憾に思うことは、無免許運転者が非常にふえているということはなおさら遺憾なことであります。 文部省としては、交通安全教育に携わる教員により一層の努力をしていただくと同時に、必要に応じて都道府県教育委員会を通じて交通安全の充実にさらに一層力を入れた措置がなされるように指導してまいりたいというふうに考えているわけであります。
○杉山令肇君 文部省も交通安全教育のために指導者中央研修会を開催されるなど、前向きな姿勢は評価しておりますけれども、もっと規模を広げて、例えば都道府県単位で回数を多くするなどの計画はどうであろうか、あるいは交通教育の指導者づくりのための予算もふやしたり、交通指導教員には正式な資格や身分制度を確立してやるべきだと考えられます。もっと積極的に交通安全実技指導等に取り組む考えはどうであろうか、御意見を大臣から承りたいと思います。
○政府委員(古村澄一君) 文部省が五十七年度から御指摘の交通安全教育指導者中央研修会を実施しているわけでございますが、その受講者であります教員が各都道府県に帰りましてその各都道府県の指導者となって地方研修会を実施するということに相なっているわけでございます。そういった形で中央から地方への伝達講習という形での指導者養成をやっておりますが、今後ともなお一層努力をいたしたいというふうに思っております。
○杉山令肇君 ここで警察庁に伺いたいと思います。 このところ若年者の二輪、四輪の事故死者、無免許運転、無免許による事故死が毎年増加をいたしております。一説によりますと、三ない運動の影響とも言われている説もあるようでありますが、警察庁はこれら少年らの死者の増加することと三ない運動との関連はあると思われるのでしょうか、御見解を賜りたいと思います。
○説明員(徳宿恭男君) 御指摘の若年者による交通事故発生の状況を見てみますと、十九歳以下の若年者の交通事故死者数は、二輪運転中につきましてはここ数年御指摘のように増加傾向にありまして、五十九年中には八百十人が死亡し、前年に比べまして二十人の増加、二・五%の増加となっております。一方、四輪の運転中につきましてはここ数年むしろ減少しておりまして、五十九年中の死者は二百三十三人で前年に比べ五人の減少、二・一%の減少となっております。 また、十九歳以下の若年者の無免許運転取り締まり件数でございますが、ここ数年おおむね横ばいの状態にございまして、五十九年中の検挙件数は十一万二千二百七十九件で、前年に比べまして二千百五件の減少となっております。なお、十六歳から十八歳の年齢層の者の無免許運転による死亡事故の件数でございますが、これはやや増加しておりまして、五十九年中は百七十一件発生しまして、前年に比べまして二件増となっております。 そこで、十九歳以下の若年者が第一当事者となりました交通死亡事故をその原因となりました違反別に見てみますと、最高速度違反によるものが約五九%、次いで安全運転義務違反となっていることなどから、若年者の未熟性による無謀運転が主な原因と考えられます。 また、三ない運動を実施している学校とこの運動を実施していない学校の交通事故の発生状況等のデータは把握しておりませんので、三ない運動と交通事故の関連性というものにつきましては、残念ながら確認できないというところでございます。
○杉山令肇君 三ない運動のような禁止的な指導も方法としてはありますが、やはり根本的な解決方法としては、交通マナーや技術を教えていくような交通安全教育、とりわけ二輪車においては実技教育も含めた方法をとることが不可欠のように思うのであります。これら少年の二輪車事故の減少を図る具体的な施策について御意見を承りたいと思います。
○政府委員(古村澄一君) 高等学校におきます二輪車、そういった交通安全教育というものにつきましては、教員全体がこれについての理解を深めるということが必要でございまして、その理解を深めて、そして年間の指導計画の中に明確に位置づけて適切な指導資料あるいは教材を活用しての指導を充実することが重要なことであると思います。したがいまして、先ほど申し上げましたような中央研修会あるいは中央研修会を受けました人が講師となって地方へ行きまして、地方研修会を各県でやるというふうな研修会とあわせまして交通安全教育に関する指導資料というものをつくっておりますが、なお、こういった指導資料の充実に力を入れていきたいというふうに思っております。
○杉山令肇君 最近、岐阜県の高等学校で相次いで教師の体罰に関する不祥事件が発生をしたことはまことに遺憾であり、体罰が教育の手段として許されないことは言うまでもありません。 内容に若干触れますと、一件は、クラブ活動の指導の問題がありまして一生徒が自殺をした事件。もう一件は、岐陽高等学校でありますが、修学旅行の出先で生徒指導の体罰を加えたことが原因で死亡をした事件でございます。この体罰の事実は今後きちんと究明をし、関係者に対する厳しい措置が講ぜられなければなりませんが、これは学校の設置者である県教育委員会の責任でありますから、文部省としては県教委の主体性を尊重しながら連絡を密にして適切な指導をしていただきたいと思います。特に岐陽高等学校事件におきまして、加害教員の行為は教育者としてはもちろん、人間として許すべからざる異常な行為である。突如として狂気のさたに及んだものと考えられるのであります。もとより多くの教員は堅実な実践を行っていると思いますが、この際教員の採用の改善、研修の一層の充実を通じて教育愛に燃えた人格、識見豊かな教員を確保することが大切であると考えますが、文部大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 私も先生と同意見でございまして、教育は人なりと言われておりますように、学校教育の成果が上がるか否かは、実際に教育に携わる教員の資質、能力、そして教育愛と教育熱に燃えて熱心に指導していただくかどうか、これによって教育の成果は決まるというふうに思います。したがいまして、教育の現場で直接教育に当たる教員の養成、採用、そしてその後の研修、こういったものにつきましては、より一層意を用いて教員にふさわしい人材を養成すること、そしてまた、採用に当たりましては、その人材につきまして適切な評価をして採用すること、そしてさらにその後におきましても不断の努力をしていただいて、生徒から信頼を受け、そして教師側は生徒に対する真の教育愛に燃えて熱心に従事していただく。こういう施策をより一層強く進めていかなければならぬと思っているわけでございます。 なお、具体の岐阜県岐陽高の問題は大変遺憾なことでありますが、このことにつきましては既に裁判所に事件は移っておりまして、そこで厳正公平な裁きがなされるものと思っております。 なお、岐阜県教育委員会を通じてさらにいろんな事情につきましてはお聞きをし、また適切な対策を岐阜県教育委員会を通じて指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○杉山令肇君 今日、教育の現場でさまざまな問題があることは周知の事実である。もちろん学校、家庭、社会、おのおのの立場で努力しなければなりませんが、教員の役割は実に大きいものがあると思います。したがって、教員の資質の向上は国民的要望であることを踏まえて、臨教審の答申を待つまでもなく、勇断を持って改革推進をしていただきたいと考えます。 教員の採用に当たっては、例えば第一次は全国的に学力レベルアップを図られるような措置がないのであろうか、あるいは第二次試験は人物評価を中心に面接や小論文等々を重視をいたしまして、人格的にも教育者としてふさわしい人を採用する等積極的な検討をすべきではないかと思います。教員採用方法や改善についてどのように考えておられるのかお伺いをいたします。
○政府委員(阿部充夫君) 先生のお話まことにごもっともだと全く大賛成でございます。私どもの方といたしましても、特に教育的な愛情を十分持った先生というようなことを考えますと、何といっても採用の段階というのは大変大事なことだというふうに考えておりまして、これは五十七年の五月でございますけれども、各都道府県に対しまして教員の採用及び研修についてのいわば指導通知のようなものを差し上げたわけでございまして、教員に対する豊かな人間性、深い教育的愛情、教育者としての使命感、すぐれた指導力といったような面について要請が大変高まっているということから、そういう点に十分配慮をした採用等の方法を講じてほしいというような指導をいたしました。具体的には実技試験、体力テスト、適正検査等の多様な方法を取り入れるとともに、面接とか実技試験等を一層重視をする、クラブ活動とか社会的奉仕活動等の経験、教育実習の履修状況というようなものを積極的に評価をするようにというような指導を行っておるわけでございます。 最近の状況で申しますと、一次試験、二次試験に区分している県、市においてはほとんど二次試験におきまして面接を実施をするというようなことになってまいりましたし、また、個別面接だけのところ、集団面接だけのところ、いろいろございますけれども、個別面接と集団面接と両方を行ってより一層人格的な面の判断をしたいというようなところも多分にふえてきておりまして、大多数のところがそういうことをやるようになってきつつあるところでございます。また、クラブ活動、社会的奉仕活動歴等につきましても事前に本人の申告を求め、あるいは面接の時点でいろいろ状況をお聞きするというようなことで、そういうようなことを判断の内容に入れていこうというようなことも逐次進んでおるわけでございまして、こういうことが今後さらに一層充実して行われるようになりますれば教員に対する社会的な要請に逐次こたえていけることになるのではないかと、かように思っているわけでございます。 なお、教員の免許制度、養成制度の問題につきましてはかねてからいろいろな方策を講じてきたわけでございまして、昨年の国会には、大変遺憾ながら成立を見るに至らなかったわけでございますけれども、免許基準の引き上げ等を主な内容とする免許法の改正案の御提案も申し上げたわけでございます。 また現在、ことしの四月からはすぐれた社会人を教育界に迎え入れる、それによって教育界の活性化を図るという方向を考えまして、具体の方途について現在学識経験者の御協力をいただきながら検討を続けているというような段階にあるわけでございます。 他方、臨時教育審議会での御検討というものも教員の資質の問題というのを大変重要な事項として御検討いただいておるわけでもございますので、文部省といたしましてもそういった御検討の状況というものも横目でにらみながら、また文部省自身としても十分検討を重ね、対応策をとるように努めてまいりたい、かように思っておるところでございます。
○杉山令肇君 今回の事件に関して、一部に学校における体罰の実態調査を行うよう求める動きがあります。しかし今最も大事なことは、将来に目を向けて十分な生徒理解に努め、愛情と信頼に基づく教育を確立することであり、また万一問題の発生した場合には速やかに的確な指導措置をとることが大切であると考えます。このため学校の全職員が萎縮することなく、積極的に取り組むよう指導援助することが教育行政当局の責務であると考えるのであります。 また、今回の事件の背景に、管理主義の教育があるとする主張があります。管理主義という言葉の意味が私にはよくわかりませんが、学校は国民の負託にこたえ、公教育になっているのでありますから、校長を中心とし、教員の一致協力体制を確立するという組織体としての秩序は当然必要であります。 私は、今日、教育現場においてこのことが極めて重要であると考えていますが、今回の事件に学ぶべきは、教員の資質の向上や生徒指導の具体的方法の確立にあり、一部の主張は問題の本質をすりかえることによってみずからの主張の材料としようとするものであって、到底是認することはできません。文部省においては、このような主張に惑わされることなく、教育の正常化と青少年の健全育成のために、従前と同様最善の努力を尽くしていただきたいと思いますが、文部大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(松永光君) 私は、学校というところは教育の場にふさわしい秩序あるいは雰囲気というものがなければならぬと思っております。そうした秩序と雰囲気の中に、教育熱に燃えた教師が生徒の教育指導に当たって初めて教育の効果は上がってくる、こういうふうに確信いたしておるわけでありまして、そのためにまず学校現場というものは校長を中心にして教職員が一体となって生徒の指導を行う、そういう体制を整えることが必要でありますし、かりそめにも規律が乱れ、秩序が破壊されておるという状態があってはならぬというふうに思うわけであります。そうした学校の秩序の回復、そして校長を中心にした教員の指導体制、そういったものを確立することが大事であると思っております。そうした条件、雰囲気の中で、各教師が生徒指導に当たって教育熱を持ち、毅然とした指導を行っていくことが重要であると考えます。同時にまた、先ほど来話がありますように、すぐれた人材を教育の場に迎え入れる、そしてまた教師になった方はみずから研修をすると同時に、あくまでも生徒や父兄から信頼を受け尊敬される、そういう立場で教育活動に従事してもらいたい、こういうふうに考えるわけでありまして、私としては、今後ともこうした観点から県の教育委員会を指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○杉山令肇君 現在、学校は、基本的生活習慣すなわちしつけの徹底や非行対策などで大変苦労をしておられますが、その背景にはやはり家庭教育の弱体化があると思います。家庭は子供の成長の基本的な役割を果たす場であり、その教育機能の向上を図るよう教育啓蒙に努めることが急務と思いますが、大臣の所信を承りたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 人間が健全な成長発展を遂げていく上で最も大事なことは、私は幼いときにおける家庭における正しき養育、そして基本的な規律規範、あるいは生活慣習、そういったものについてのしつけをしっかり家庭でやっていくということがまず第一に必要だと思います。そうした過程を経て学校の教育を受けていくわけでありますが、やはり家庭におけるしつけが、幼少時におけるしつけがきちっとなされてない場合に、学校において非行とかあるいはいじめとか、そういった問題となって出てくる例が最も多いようであります。 例えば、この間も新聞に載っておりました東京都葛飾区立の中学校における教師が自殺をした事件でございますが、自殺と必ずしも警察では断定をしていないようでありますけれども、その疑いで調べているようでありますけれども、一方それにかかわる問題として新聞に出ました児童の状況を調べますというと、やはり問題を起こした生徒の家庭はいずれも親の監護能力が十分でないという状況であったようであります。また幼少時における育てられ方も必ずしもこれもきちっとした育てられ方をされていなかった、こういったことがその背景、遠因にはあるようであります。こういった点を考えますというと、家庭におけるきちっとした家庭教育、これが極めて大事だというふうに私は思っておりまして、そしてその家庭教育がきちっとなされて、その上での学校教育でなければこれはもう教師に大変な負担を強いることにもなりかねないわけでありまして、しかしさればといって教師がその責任を放棄するわけにはまいりません。やはり児童、生徒のいろいろな実態に応じて適切な学校における指導をしていかなきゃならぬと、こういうふうに思っておるわけでございます。
○杉山令肇君 多くの教員は、堅実に現場で御努力をしておられるわけでありますが、一面から考えますと教育の原点は褒めることでないかと思うのであります。他の人より特に努力をしている人を認め、表彰することは本人のみならず他の人への理解と奮起につながり、励みになると考えられるのであります。教員を対象とした表彰はどんなものがあるのでありましょうか、御説明を賜りたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 一つは教育者表彰でございまして、これは長年学校教育の振興に功績顕著な者に対して与えられるものでございます。これは毎年十一月に表彰が行われるわけでございます。 それからそのほか、文部省所管では学校保健及び学校安全表彰ないしは学校給食優良校の表彰等を行っているわけでございます。 その他、文部省所管の法人がいろいろやる表彰につきまして、一定の基準で文部大臣表彰を認めるというような形にしているわけでございます。
○杉山令肇君 ただいまいろんな表彰の御説明をいただきましたが、ひとつ、もっと発想を拡大をいただいて、枠を広げて、局でも各県市町村でも結構でありますが、独自の表彰があってもよいのではないかと思うのであります。例えば夏休みの水泳行事に力を尽くしたとか、テーマを持って研究しているとか、地域活動で喜ばれているとか、教え方が上手であるとか、また校内暴力やいじめで困っていた学校が立ち直ったとか、各地それぞれ特色を持たせ、特に日ごろ目立たないが一生懸命努力している教員や関係者を表彰するというような方法をもっと積極的に取り入れてはどうかと考えますが、御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 文部省の表彰は先ほど局長が答弁したとおりでありますが、私も先生も、同じように政治家の立場で見ますというと、文部省だけではなくしてよその省もそういう感じをしないわけではありませんけれども、どうもただ無事に長くその分野に従事していたという、それが非常に重視された形の表彰のような感じがしないでもありません。これはまあ役所というところでやる仕事はそうなりがちだと思うのでありますが、そこで先生の御指摘のように地道な教育実践を積み重ねた教員、あるいは先ほど先生御指摘のような生徒指導に当たって特に立派な効果を、成果を上げた先生、生徒指導等の面で、こういった教員を顕彰し広く紹介を行うということは、本人だけではなくして他の教員にとっても教育活動の充実の上で大きな励みになるわけでありまして、大変意味のあることだというふうに考えます。 現在でも一部の教育委員会等においては教育者の表彰に際してこうした観点を踏まえて実施をしておる例があると聞いておりますが、今後とも教員等の表彰については、御指摘の点をも十分踏まえてさらに検討をし、指導をしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○杉山令肇君 学校教育は、教職員のやる気にかかっていると言っても過言ではありません。どうか文教行政の指導的立場にある文部省の一層の御活躍を期待いたしまして質問を終わります。
○高桑栄松君 それでは、私、前に福島医科大学の問題を人権及び医学教育の問題として取り上げましたが、今度は北九州病院グループのことも出てまいりましたので、あわせて改めてまた医学教育の問題として質問をさせていただきたいと思います。 前の私の質疑のときに資料の調査をお願いしましたが、そのときに文部大臣は、大学あるいは学長が一方の当事者であるというふうに思われるので、大学を通すんじゃなくて県を通して調査をする、こういうふうに言われておったわけです。その県の総務部長名での回答が四月十六日付で出てまいりまして、私のところへも文部省から届けていただきました。これを見ますと、報告はすべて今まで大学側から一方的に発表されていたものオンリーでございまして、私の要求にこたえるような点はすべて外されていたということであります。 それは、当時、総務部長がマスコミに対してインタビューで答えていたことからわかっていたことなんです。つまり、総務部長の談話というのは、もう既に教授会ですべて結論が出ているので自分の方ではそれ以上のことはない、解決済みである、再調査はしない、こういうふうにマスコミに答えているわけです。したがって、私が要求した資料はそれ以上には何も出ていない、全部私が知っていたことであったということであります。 それで私は、再調査をお願いいたしました。三点ございまして、その三点の再調査を四月から五月の連休明けに欲しいと申しておりました。それが今だに出てまいりませんが、これについて文部省はどういうことになっているんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 一つは宅直の問題に関連するお話であろうかと思いますが、その点については五十六年四月から十月までの間に福島県立医科大学の産婦人科の助教授及び講師が宅直と称しまして不正に宿直料を受領したとされている問題の点でございますが、福島県からの回答によりますと、その額は七十五万五千円ということで聞いております。まあ事務局長が六十万円程度であると発言したことは事実のようでございますが、その間の事情のことについては、事務局長によりますと、新聞記者から聞かれました際に、一回当たりの手当の額、宿直の回数、問題とされている期間等から判断して六十万程度であると考えられるがどうかと聞かれたので、その程度であると答えたものである、したがって、正確に六十万であると認めたものではないというぐあいに答えたということが一点でございます。 それから第二点は、七十五万五千円で、そのうち十五万円を返却させたということで、その根拠の問題でございますけれども、大学からの報告によりますと、算定根拠としては、五十六年四月から五十九年十月までの期間に助教授及び講師が宿日直命令を受けた回数が七十五回で、この間に受け取った宿日直手当の総額が七十五万五千円ということでございますが、宿日直命令がございまして宅直という形で義務感を有しながら身体を拘束されていた事実はあるが、正規の宿日直の場合と宅直の場合とは拘束の程度に差があるので、宅直の形で宿日直手当を受けた総額の二分の一相当額を返納すべきものと考え、この期間内に時間外出勤及び勤務を行っていたことが確認をされまして、これを宅直の一部と考えていたことと想定されるわけでございます。そこで、その一回の勤務時間を三時間とし、大学の予算上の制約その他を考えてその六〇%が支給されるのが妥当ということで計算をいたしまして、十五万円の返納を命じたという点でございます。 それから、第三点として全額七十五万五千円を返却させなかった点で、これは超過勤務の実態を考慮したためということでございますが、超過勤務は別途手当が支給されているはずであるが、それとの関係はどうかという点でございますが、県及び大学からの報告によりますと、返却すべき金額の算定の際に考慮した超過勤務の実態というのは、当該期間中に深夜の急患等に対応するため両名が実態として時間外勤務を行っていたものでございまして、これらについては具体的な時間外勤務命令が出されていないために手当は支給されていないということでございまして、以上が私ども県並びに大学当局から事情について承知をしている点でございます。
○高桑栄松君 今の文部省のリポートは、私、初めて伺ったんですけれども、ほとんど新聞に出ていることですけれども、そういうことを僕は言ったんじゃないんですよね。 まず第一点は、七十五回というのは四月十六日付ので来ておりますから、これはだから宿直簿をちゃんと出してもらいたいと言ったんですよ。それなら何にも返答になっていませんですよ。 それから、事務局長の答弁というのもおかしいと思いませんか。今のお話伺っていますと、これはマスコミが強力に追及しているんですよ。マスコミがどうして六十万ぐらいですかって、知らないのになぜ聞くかと。 今、局長はそうおっしゃる。どうしてマスコミが、この人が六十万ぐらいですかって、どうして聞きますか。そんな聞くわけないではないかと。向こうから言ったから六十万ですかと、そして十五万返させたと、二月の時点です。文部省へのレポートは七十五回、七十五万五千円で十五万円を返したと言っているわけです。そんなでたらめなことを言ってもらっちゃ困るんだ。ここだけは大きな違いですよ。いいですか、新聞記者が聞くはずがない。朝日の記者が僕に言ってました、そんなばかなことはありませんよと言ってますよ。 それからもう一つ、事務局長が答えたのは支離滅裂、私、精神料の医者じゃないから判断が——どういう病状かわかりませんけれどもね、七十五万五千円と言ったのは、前に六十万と言ったのはおかしいではないかと言ったら、金額は七十五万五千円と初めからわかっていた、正確に言う必要はないと思った、うそだと言われれば仕方がない。こういう答弁になってます。新聞に載ってますから。これ、どう考えてもおかしいじゃありませんか。七十五万五千円と言った。わかっていたけど六十万と言っちゃったと言っているんですね。 それから、今局長のお話ですと、六割支給と言いましたね。六割支給して残額を返させたんですね。いいですね、今そうおっしゃったね。六割といいますと、七十五万の六割は四十五万ですよ。なぜ三十万返させないんですか。六十万のときに十五万返させて、七十五万五千円のときも十五万返させた。その算定の根拠を私は第二点で問うていたんです。 第一点は、これは内部告発で、女性の事務職員が、本人もいる、全教室員のいる前で内部告発をしたわけですよ。助教授は出勤簿の取り扱い責任者である、全く関係ないのに、自分たちを入れろと言ったので断ったら、それならやめさせるぞと言った。それで、仕方がないから書いた。そして、昭和五十九年度は月一回、それ以前の三年間は月四、五回と言っているんです。女性の言っていることですよ。月四、五回と言っているのが七十五回になるわけないですよ、計算してごらんなさいよ。大体倍になりますね、百四十回ぐらいになります。そういうでたらめなこと言ってもらっちゃ困るんですよね。ですから、そういうことを僕は再調査を要求したんです。今のは再調査の返事になっておりません、全部。全部最初のことだけであって、ですから私は、宿直の名簿を拾って出してもらいたいと言ったんです。ですから、ここの間が、計算をしますと、全く愚かなんですよね。昭和五十九年度は月一回になってます。それ以前が月二回にすると七十五回なんだ。余りにも機械的に計算してますよね。私は、そういうことはあり得ないと思っていますけれども。ですから、月二回が四回になったら一年間で二十四回、二年間で四十八回となるんです。ですから、五十回以上違っているんだ、もうこれで。そんな、だから七十五回じゃないんです。百回を超えるんですよ。ですから、そういうことで、そのままうのみにしているようでは困ると僕は思うんです。事務局長というのは、僕は支離滅裂だというのはそこですよ。うそだと言われれば仕方がない。そのほかに新聞記者会見にもそう出ておりますし、「財界ふくしま」にも載っています。何を聞いても、都合の悪いことは全部ノーコメントで押し通している、事務局長ですけれどもね。そういうことをそのまま通してもらっちゃ困るんだな。私は、女性の二人の職員が全教室員、本人いる前で月四、五回やったと言うのは本当だと僕は思いますので、大きな県側のうその報告があるのではないかと私は疑っています。ですから、そのことについて私は調査を求めたわけであります。ですから、三点をもう一度調べていただきたい。 三点目は、超過勤務というのは助教授、講師には支払われているはずだというんです。だから、払われているかどうか、それを調べてもらいたい。 それを言ってあるのに、この三点については私は本日までちゃんとした答弁は受け取っていないということを今申し上げておきたいと思います。 それで、福島医大をよく知っている某医科大学の学長が、割に最近ですが、二週間ぐらい前かな、私に言ってましたよ。福島教授をやめさせるなんという理由は全くありません。 ただ気に入らないだけなんですよ。いじめの構造ですねと言ってました。きのう法務大臣は全国何とか会議でいじめについての訓辞をなさったそうでありますが、私はいじめが教授会にまで上陸してきたのかなと、今度大学の教授会に対して法務大臣の訓辞をもらった方がいいんじゃないか、僕はそんなふうに思いますね。 ここで「財界ふくしま」の四月号をちょっと引用させていただきます。「財界ふくしま」は、初めは、二月号くらいでは大学側の発表をそのままやっぱり載せておったようですが、三月号から次第に福島教授擁護の方に変わっていったんですね。四月号が劇的ですよ。これは魔女裁判であると書いてあります。いけにえをつくって魔女裁判にかけて火あぶりをした、これだと言ってます。そして、その記者の書いているのは、余りひどいのに、感情の高ぶりを抑えるのに涙したと。その記者が私にちゃんと署名で手紙をくれております。そのとおりのようなことを書いてきました。先生しっかりやってくださいと頼んできてます。私はやっぱり本当だと思うんです。見れば見るほど、聞けば聞くほど余りにひどいと、こういうことを書いています。そして、この「財界ふくしま」の指摘によりますと、三月号ですが、四件の業者との癒着が指摘されているんです。その四件はいずれも名前を伏せているだけで、調べればだれだかわかるようなものです。その一件に例の阿部教授が入っていると思います。なぜかというと、逮捕されたその状況が新聞報道を見ますと、載っているのと同じなんだ、一件は。だから僕はそうだと思う。私は本当にそうだと思いますよ。これは四月号ではX教授と書いてあります、学長一派の有力メンバーである。それは福島教授を追放するのに加担をしていた一人である。そして、四月号によりますと、一昨年と昨年二人の医局員を自殺に追いやったと書いてあります。事務局によれば失恋だと言っていますよ。ここですね。同じ大学の同じ教室の医者が失恋で自殺をするのが連続続くというのは、高桑確率論でお話をしたとおり、あり得ないと思う。そういうことをしているX教授というのはどういう人だろうかという問題、その人のことが——四月号というのは三月に書いているんですよ。逮捕されたのは五月ですから。私は阿部教授だと思います。内容を見るとそうだと思います。そういうことをしている大学であるということをやっぱりここで指摘しなければいけないんじゃないかと私は思います。 そこで、次の医の教育モラルのことを触れさせていただきますが、県のマスコミへの発表、これまた不思議なんですよね。変な話だけれども、何ということのない教室の一教授がやめると、一身上の都合でやめると、何にも、これ裁判にも逮捕にも何にもなっていない、行政監察が入ってもシロだったという人がやめるというのに、一々マスコミを呼んで記者会見をして、告知などというものを出してやっているということ自体がもう極めて異例なんですね。そういう状況で、二月の告知にもそうだし、四月十六日の県の報告にも載っておりますけれども、助教授と講師は二人とも不正取得をしたことは明らかだということを認めています。それが今日まで教職におります。学長がこれを認めたのは昨年の十二月なんですね。文書がありますから、学長発の文書がありますから、これははっきりしている。今日まで既に半年以上、現在も教職についております。ある法律学者の御意見伺いましたが、この助教授は、つまり宿直簿の取扱主任であって、部下に命じて偽造をさせて、これは公文書偽造教唆罪または共同正犯に当たるのではないかと言っております。大臣はこの前の私の質問のときに、それがもし事実だとすれば教職にあることははなはだ不適切であるということを言っておられました。しかも、県側の処置というのは、新聞ですかな、何かによりますと、後任教授が決まったら助教授と講師はその時点でやめさせると言っているんです。不正してなきゃやめさせることはないんだな。なぜやめさせようとしているのか。やめさせるとすれば、それまでの間なぜ置いておくのか、このことについて私は大臣の御意見を承りたいと思う。
○国務大臣(松永光君) 大学の助教授、講師、いずれも社会的な信頼ないし信用の高い地位でありますから、それだけに高いモラルが要求されると思います。そうした立場の者が公金を不正に受領したということが事実であるとすればはなはだ遺憾なことでありまして、大学自体及び大学の教授、助教授、講師といったような大学陣の信用、信頼を著しく傷つけるものであるというふうに思います。したがいまして、任命権者がしかるべき措置をすることが妥当であるというふうに思います。
○高桑栄松君 先ほどちょっと触れましたが、北九州病院グループの件をちょっと承りたいと思うんです。 六月十六日の朝日新聞によりますと、ほかの新聞も同じでございますけれども、北九州病院グループから大学へ払われたお金が二つに分けられて、医局への研究費という寄附と、もう一つは教授個人に渡ったお金と、こういうふうに分けられておりました。当然だろうと思うんです。 その最初の医局寄附金でございますが、少額寄附金は正規のルードであると私は思っておりますし、そうであるかどうかももう一回承りたいと思いますが、私の聞きたいもののもう一つは、北九州病院グループというのは不正な病院に対する補助金を取ったわけですね。そういう不正を行っていた病院なわけです。水増し定員だとか水増し看護婦だとか、そういうことをやっていたわけですよ。そういう悪いところ、悪いことをした、不正なことをして得たお金が寄附をされたということに対して、国立大学としてはどうなるのかな。返すのか、それとも、国としてはどういうふうにこれ指導されますか、これを承りたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 少額寄附金を受け取った時点において、そのお金が不正なことをして得られた金であるということを承知しておったならばこれははなはだ遺憾なことなんであります。しかし、これは恐らくでございますけれども、大学側がそういったことを承知しているはずはないと思います。病院として適正な医療活動をした結果得られたお金の中から、大学における研究のより一層の充実発展を期待をして、そうして寄附された善意のお金である。そうだと思って受け取った場合でありますから、返させるということは考えておらないわけであります。
○高桑栄松君 そこで伺いたいんですが、現在もし残っていたらということがあるんですよね。現在もう悪いことをしたのはわかっているわけです、北九州病院グループが。二千数百万円もらったと。一千万円使ったとすると千五百万円ぐらい残るわけですよ。あっちこっち散らばっているでしょう。それを今ストップかけましたかと。文部省としては国立大学に対して、不正な金だから、使ったのはしようがないとして、どうか知りませんが、残った部分はストップかけましたかと聞きたいんです。
○政府委員(宮地貫一君) 正規の手続を経ました少額寄附金につきましては、それぞれ年度が異なるわけでございますが、年度ごとに受け入れられたものについては一般的な使途として、設備備品の購入費なり、あるいは図書購入費その他に使われるわけでございます。 なお、先ほどもお尋ねがあってお答えしたわけでございますけれども、正規の手続を経ていないものが一部医局に研究助成費という形で受け入れられたことが言われておるわけでございまして、これももちろん年度をまたがって受け入れられたものがあるように聞いておりますが、その個別の具体のことはなお調査中でございます。もちろんこれらの、お尋ねの点は、北九州病院の経理において保険料の詐取に類するようなことが報道されているわけでございまして、社会的に疑惑を招くようなことのない、寄附者との関係では、そういうことが基本的には必要なことは当然なわけでございます。私どもとしては、出されたものが善意の自発的な意思で寄附がなされて、教育研究の振興のために寄附をされたものを受け入れるという前提に立って事柄の処理が行われているわけでございます。 いわゆる北九州病院の行いました不正な行為との関連その他については、私どもとしてもそれをただいま究明する手だてがないわけでございまして、それらの金の趣旨についてはなお司法当局の解明を待たなければならない点があろうかと思っております。
○高桑栄松君 少額寄附金というのは、文部省の予算と違いまして年度で締め切ることはないので、余れば翌年に回していますからね。ですから余っているかもしれないんだな。ですからこれは、やっぱり私はチェックすべきだと思うんですよね。不正とわかっていて使うのはやはりモラルに反するのではないか。武士は食わねど高ようじということは必要だと思うんです。それから寄附というのは善意であるか悪意であるかというのの判断というのは非常に難しいと思うんですよね。鼠小僧次郎吉はやったことは泥棒であっても、善意でばらまいたに違いないんだから、やっぱりうまくないんですよ、寄附というのが善意とか悪意とかと言ってみたところで。やっぱりもとが不正であったら善意も悪意もなくなるのじゃないのかなと、僕はそう思いますので伺ったわけですが。しかし新聞によりますと、国立大学の教授で個人的にお金をもらったのが十五人と書いてありますよ。ですから、その中で高額なもの、悪質なものについては数件と書いてありましたな、たしか、立件の予定でいると、そう書いてありますよ。そこで僕は奇妙だと思っているのですけれどもね。いや奇妙というより承りたい、特に文部大臣に承った方が明快かなと思うんだけれども。高額というのは何となくわかるのですが、少額の場合はいいのかな。立件されないのか、しないのか、しなければいいのか。つまりモラルですね。 もう一つ申し上げますと、もうちょっと前の話ですが、政治家に道義を求めるのは八百屋で魚を求めるようなものだという、政治家にとって極めてショッキングな発言を記憶しておりますけれども、私にとっても大変ショッキングでした。それは政治家である大臣は、教育者にはどの程度の道義を要求されるかという意味なんです、今の少額というのはどの程度なのか、僕もわからないものですからね。立件というのは高額で悪質という意味だ、そう書いてありますね。どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 立件という意味は、被疑事件として事件を立ててそれを調べるという意味だと私は理解いたしますが、いかなる場合にそういう意味の立件をするかはまさしく捜査当局がお決めになることでございます。少額とか高額という新聞報道あるいは捜査当局の発言の意味でございますが、私は次のように理解をいたします。 金銭を提供した人とその金銭を受領した人との人間関係からいって、社交上の儀礼の範囲を超えているかどうか。超えている場合には少額にあらず悪質ということで立件なさるんではなかろうか。超えてない場合には大学の教官といえども人間でありますし、人間としてのいろいろなつき合いはあるわけでありまして、常識的に言ってつき合いの範囲として許される範囲のものを少額というふうに言ったのじゃなかろうかというふうに私は理解をするわけでございます。
○高桑栄松君 私は北九州病院グループの問題を通じて、それから福島の問題を通じて思われますのは、私は大学紛争時代に、昭和四十五年から五十一年まで医学部長をいたしまして、大変なときでしたが、私が教授会に求めたのは、医の倫理が云々されている時代に医の教育倫理が前にあるんだと、先生方どんなことがあっても学生を甘やかしてくれるなと、我々が自信を持って提供できる医師の養成が必要なんだから、ですから医の倫理の前に医の教育倫理がある。これが私が一番大事にしていた一つの教授会への私の強調した点でございましたが、今のあちらこちらで指摘されて摘発されているのを見ますと、私はひょっとしたら医者がそういうのが一番多いのかという非常に不安な、嫌な、不愉快な気持ちでございますけれども、みんなで渡れば怖くない、あいつもやっている、ここでもやっているからおれもこれくらいいいだろう、そういうことが大学医局の中に蔓延しつつあるとすれば、つまり犯罪意識が鈍化しているとすれば、私はこの医の養成に当たっている我々の責任はもちろんでありますけれども、非常に重大な問題だと僕は思うんです。これ、文部省はどう対処なさいますか。これはもうここだけの問題じゃないと僕は思う。いかがでしょう。
○政府委員(宮地貫一君) 医の倫理の問題に関連をしまして、医学教育の基本的なあり方について、医学教育全体の質の向上のためにどういう対応策をとるべきかということは、かねてこの委員会においても何度か御議論をいただいたところでございまして、私どもとしてもそのための努力を常日ごろいたしておるつもりでございます。 特に、具体的な施策としましては、かねて申し上げておりますように、医学教育改善会議をことし一月から発足をさせまして、医学教育についての特に質の向上というような観点から医学教育の関係者の方々にお集まりをいただいて調査研究協力者会議をお願いをしたところでございます。 具体的には、社会的要請にこたえる医学教育のあり方の問題、基礎医学の充実振興、あるいは国際化への対応、大きな項目でいえばそういうような問題があるわけでございますが、もちろん基本的に医学教育の質の向上のことがまず第一であって、そのために医の倫理の問題を含めました課題をそれぞれ専門家の御意見を十分伺いながら、私どもこれからの改善にそれを具体的にあらわしていきたい、かように考えております。その中には、先生御指摘のような医学教育、特に臨床にかかわる問題に関して、いろいろ国会等の機会に、まあ北九州病院に関連する問題もその一つかと思うわけでございますけれども、具体的に、特に臨床にかかわっておる方々のモラルの問題を含めまして、具体的な改善策をどのように対応すべきか、もちろん関係者の御意見を十分伺いまして、それを各大学附属病院の現場にどのように徹底させるかということがこれからの課題ではないかと、かように考えているわけでございます。 私どもとしても、医学教育の質の向上、医の倫理の向上のために、実際に具体に教育の行われております現場が指摘されるようなことのないように行われるということがまず第一に必要なことではないかと、かように考えております。そのための具体的な方策は、今後御意見をいただいた上で、現場に定着させるように私どもとしても努力をしてまいりたい、かように考えております。
○高桑栄松君 ところで、法務省に伺いたいと思いますが、私が前にこの問題で質問をしたとき、福島医科大学というのは三千分の一の二乗で九百万分に一回起こるような極めてベリー・スペシャル・ワン・パターンだと、VSOPだというお話をしておったんですが、あれはこの大学を特に知らないで僕は言ったんです。 しかし、確率論というのはおもしろいですね。それがずばりとこの大学で出てきたということは、私はもうびっくり仰天いたしまして、これから今度講義に使う資料になるのではないかと。予言ができたということで非常におもしろいケースリポートができると僕は思ったわけです。そういう異質な中で産婦人科の問題が起きてきたんだと私は理解しているわけです。 それで、この阿部教授逮捕事件というのは一体どうなっているのか、法務省に伺いたいと思います。
○説明員(東條伸一郎君) 福島県立医科大学の阿部教授に対します収賄事件でございますが、本年の五月の七日に大阪地方検察庁で認知、立件をいたしまして阿部教授を逮捕いたしました。そして、その月、つまり五月の二十七日に収賄罪で公判請求いたしております。現在審理中でございますが、公訴事実を簡単に申し上げますと、大学附属病院におきます臨床検査の業務委託先業者の選定等の仕事に従事していたわけでございますが、株式会社スペシアル・レファレンス・ラボラトリーというところの取締役から業者の選定等について有利な取り計らいを受けたということの謝礼の趣旨で、五十八年の二月から五十九年の十二月までの間に、前後五回にわたりまして他人名義で開設した預金口座に、これは約三百六十万円の送金を受けてこれをわいろとして受け取った、こういう事実で現在起訴されて公判継続中でございます。
○高桑栄松君 この事件に関しまして大学側の報告は、事務局長から文部省へ来た報告を私いただいたわけですが、これによりますと、突然の逮捕でと、寝耳に水であったと書いてありましたね。ところが、先ほど来お話ししておりますが「財界ふくしま」三月号、二月に書かれたものでございますが、四件指摘されているんですね。もう明らかに名前わかりますよ、これは調べればすぐわかる。名前だけが伏せてあるんで、もう行動がぴたり、いろんなことが書いてありますから。その中の一件が阿部教授だろうと思われる。こういうぐあいでございますが、こういう業者との癒着だから寝耳に水じゃないはずなんで、本人たちは戦々恐々としておったと思うんです。こういうことについてどのように把握し、どう対処しようとなさるのか、このデータをお持ちだと思いますが、法務省いかがでしょう。
○説明員(東條伸一郎君) まあ問題の本質、つまりこのような事件がいかなる背景でどのようにして起こってきたか、あるいはそれをどのように防止するかというようなことにつきましては、私ども法務当局といいますか、検察当局の問題であるよりも、まずもって大学当局あるいは関係行政当局でその具体的な施策を講ぜらるべき問題だと思いますので、ちょっと私どもでこれをどうするかと言われましても、私どもは犯罪があればそれを捜査をして適正な裁判を求める、こういうことしかちょっと私どもとしては手段はないわけでございます。
○高桑栄松君 これはどうも文部省に申し上げてももっと緩い答弁になりますし、よくわからないんですけれども、私は同じマスコミでもそれなりに責任を持っておられるところは相当なデータを持って言っていると思うんです。したがって、四件のうちの一件がはっきりそうらしかったということを見ますと、三件もはっきりしているんだと思うんです。中には昭和四十八年というのもありますから、承るとこれは時効のようですね。しかし、時効は犯罪形成でありまして、教育のモラルは大臣がおっしゃっているように一段と高いモラルが要求されるんだから、もしこれが既に時効であったとしても、事実であれば大変なことになるべきであると、僕はそう思いますよ。 それで、ついこの二、三日来マスコミの方から私に知らせが幾つかございました。きょうの質問にということだったと思うんです。私はその中で私なりにふるい分けまして、私ではとうてい手が届きませんので、確度の非常に高いと思われるものをここで取り上げて一応お話をしてみたいと思います。 特に、松川現学長に係るうわさでございます。きのう実は「刑事コロンボ」というのがございまして、あれを夢中になって見ておったらきょうの質問の準備が少しおくれてしまいましたけれども、あれを見ておったら推理趣味というのに駆られまして、これを並べたらどうなるかということをちょっとお話をさしてもらいましょう。 十三、四年前に、松川学長が某エックス線系統のトップメーカーから多額の収賄があったという疑いで地検の事情聴取を受けたといううわさが相当周知の事実となっている、教授方がうわさしている、そうだと言っている人もいる。しかし、随分古い話なものですから、いろいろ聞いてみたけれどもこれは確証得られませんけれども、確度は非常に高いということ、これを一つ申し上げておきます。 二番目は、それから三、四年後、大学病院内に放射線及びCTですね、コンピューター等の、CT等のメンテナンスの民間会社が常駐した、十年ぐらい前から今日までですよ。民間会社が大学病院の中におってメンテナンスを扱っていたということでありまして、地元業者の間では松川レントゲンと言っているそうです。これがさっきの地検事情聴取から三、四年後ですね。 それから、ことしの五月七日、中央臨床検査部長の阿部教授が逮捕をされた、手入れがあった——日にちのことを今申し上げているわけですけれども、ところがこの五月二十日に、十年続いたさっき申し上げたメンテナンスの会社がなぜか突如閉鎖されたということをマスコミが知らせてきました。 これを並べてみると大変、刑事コロンボ級の推理がいろいろとあるわけで、推理は推理でございますから、事実関係について若干伺いたいのは、文部省に伺います。公的病院に、これは県立でございますけれども、特定の講座または教授に利害関係の深い民間の会社が常駐することがいいのかどうか伺います。
○政府委員(宮地貫一君) 先生御指摘になりました事実については私ども承知をいたしておりません。 一般論として、特定の業者が大学の構内に、例えばメンテナンスその他のことに関して常駐することがいいのかどうかというお尋ねでございますけれども、メンテナンスというような事柄になりますと、その保守管理その他について人手を要する問題その他があるいはあるのかもしれませんが、特定のどこか業者が常駐するというようなことなどは通例は余りあり得ないことではないか、かように考えます。
○高桑栄松君 それは私も今の文部省の局長のお答えと全く同じで、私も長年官庁、大学におりましたので、もしメンテナンスに人が必要であれば人を公式に雇うべき問題でありますから、一般の会社にやらせるということはないということは、もうそれは明らかだと私も思いますが、その会社があることは御存じなかったとすると、突如五月二十日に閉鎖されたことも御存じありませんね。
○政府委員(宮地貫一君) 承知いたしておりません。
○高桑栄松君 それでは、先ほどから申し上げておりましたが、地元業者間で松川レントゲンと言っている会社が何という名前か私は急いで調べようと思ったけれどもわからないんです、調べてほしい。それからいつから始まっていつまでおったか、何人いたかというようなことを私は調べてもらいたいと思います。 そういうことをお願いして、その次に、私はこの問題について、やはり権力構造の中で福島教授排斥事件が起きたのではないかということを、さっきの「財界ふくしま」にこういうことが書いてあるんですよね。「財界ふくしま」五月号でありますが、四月に書かれたものでありますね。これは産婦人科の元スタッフY医師と書いてあります。何とか市に開業と書いてありますが、これもはっきりしているんだと思う。それが、関本という助教授は法律に詳しく、それを利用して自分のねらうポストの人間がいにくい状況をつくっていたようだ、こういうことを言っているんですね。そしてその一連の記事の中に、前の教授貴家さんという人が、青医連かな、追い出された後、助教授も今度はそのときにいた関本に追い出された、迫害されて追い出されたと書いてあります。今度新しく来た教授をいにくいような状況、つまり集団の辞職という問題を出した、法律に詳しい男だということでありますから、そういう行動をとったんだなと、私は今その記事から、これも推定でございますが、しておったわけです。しかし、こういった問題がこのような形で進展していったということは、彼が単独でできるわけないですものね。つまり彼の要求を受け入れる権力構造がある。権力構造とは何か、私は学長及び教授会だと思います。教授会がちゃんとしていればこういうことはないのであって、事実、県の総務部長の報告にも、教授会で決定したことだから解決済みだと言っております。その教授会のメンバーに既に逮捕された人がいる。それから、多分指摘されるあと三件間違いなくある。そういう人たちが構成している教授会ですからね、その教授会というものの決定というものはどういう意味を持つんだろうか。私はやっぱり大学人で長くいただけに、本当にこれは腹が立つですね。こんなばかげたことがあるんだろうか、こんなふうに私は思っているんです。したがって、教授会の責任も私はうやむやにできるものではないと思うんです。 ここで、福島医大に国費はどれくらい補助金が出ているか伺います。
○政府委員(宮地貫一君) 福島県立医科大学に対する経常費等補助金の額でございますが、五十九年度の補助金額は三億四千百八十九万五千円でございます。
○高桑栄松君 なるべく過小評価なさったようだと思うんで、私がいただいたのは、五年間でございまして、五十五年から五十九年、平均すると三億六千百七十一万二千円です、三億六千万ですね。先ほどの高木先生の御質問の中で聞いておったら、寮母を全部職員にすると八億かかって、国費が四億だという返事がありましたが、この一大学の補助金が全寮母を教員にできるということがわかりました。だから、やっぱり少なくはないんだな、これは、国費が出ておりますから。 それから、もう一つ伺うのを忘れたんですが、業者との癒着には億単位の金が、もう全部書いてあるんです、二億だとか一億二千万だとか。例えば阿部教授もそうですが、このときに学長あるいは事務局長はその契約に判こを押しているんですか、いないんですか、知らなかったら調査してもらいます。
○政府委員(宮地貫一君) ただいま御指摘の点については承知をいたしておりません。その点については調査をさしていただきます。
○高桑栄松君 今お留守でございますが、これは高木先生に伺ってあるんです、学長しておられましたから。数万円でも判こを押されているそうです。億で押されていない手は僕はないと思っていますのでね。そうすると、阿部教授逮捕事件にも、学長、局長の責任は免れないと思います。それを私は今指摘しておきたい。 それで、 国費が出ておりますので、これだけのVSOPの大学なんですから。それから、さっき刑事コロンボ推理を申し上げましたけれども、この調査をやっていただいて、そういうことを通してどのように福島医大に対処されるのかということと、最初申し上げた三つの点の再調査の再々調査ですね、お願いいたします。出勤簿から助教授、講師がどういう出勤状態であったか。それから七十五万五千円と六十万のこの金額の差はどうして起きたのか。どちらも十五万円を返納させた積算の根拠は何か。この二人には超過勤務が出ている。それも明白に、明らかにしていただきたい。これはお願いです。 最後に、この大学の責任について文部省はどうお考えかをもう一度承って私の質問を終わります。
○政府委員(宮地貫一君) 補助金の問題についてでございますけれども、補助事業でございます教育研究にかかわる事業に関して不正、怠慢、その他不適当な行為をした場合には、交付決定の全部または一部を取り消しできる旨の規定はあるわけでございます。 現在、大学においては教育研究、診療に支障が生ずることのないように努めておりまして、補助金打も切り等の措置については今のところ考えておりません。 なお、県及び大学当局の今後の改善に向けての努力を見守りながら適切な指導を続けてまいりたいと、かように考えるわけでございます。 なお、先生から御指摘の点の調査に関する件でございますけれども、私ども大学の正規の機関のものからの報告を受けまして、それについて先ほど来お答えを申し上げていることでございまして、なお改めて御指摘のありました件について、新たに調査を要する件については私どももそういうことで対応いたしたいと考えておりますが、先ほど御答弁申し上げました事柄についての調査は、恐らくそのこと自身については私どもとしては改めて大学側に念を押しましても、大学側からは正規のお答えとしては先ほど御答弁申し上げた以上のことは返ってこないのではないかと、かように考えております。 なお阿部教授にかかわる問題に関しましては、大学当局としても五月八日に臨時教授会を開催をいたしまして、学長から事件の報告をし、服務規則の確保について注意をいたしたことを大学側から伺っております。 なお、五月十四日にも臨時教授会を開催をいたしまして、大学の管理機構全体について見直しを行うために学長を委員長とする福島県立医科大学運営機構検討委員会を設置することを決定したということを伺っております。既にこの委員会では五回ほどの会合も持たれておりまして、臨床検査の外注システム、教員の服務、勤務体制、奨学寄附金受託研究の取り扱いにつきまして改善策を検討をいたしているということを承知をしております。私どもとしても、大学当局に対して関係者に対し適切な措置をとるとともに、今後の不適正な事態の発生を防止するために必要な改善策を講じるよう指導している点でございます。 いずれにしましても、まずはこういう問題に対する対応としては、大学みずからが襟を正すということが第一に必要なことでございまして、そのための対応策は、私どもとしても福島県立医科大学においてもそのための対策をとっているものと考えております。 いずれにいたしましても、正規の機関においてしかるべき検討がなされて、指弾をされますようなことがないように改善が図られるということを私どもとしても期待をしております。
○吉川春子君 まず、前回の委員会でも伺いました臨時教員に対する雇用保険の適用問題でさらにはっきりさせておきたい点を最初に二、三点伺います。 労働省お見えになっていますでしょうか。——産休代替教員など任用期間が六カ月未満で、一年間を振り返ってみれば全体としては八カ月あるいは九カ月働いていても、四カ月ぐらいでぶつぶつ採用期間が切れていて、退職手当条例が適用されない場合、これらの教師に雇用保険の適用の道はないものでしょうか。
○説明員(佐藤勝美君) 退職手当の条例が適用されない職員につきましては、雇用保険の被保険者になります。
○吉川春子君 文部省にお願いいたします。 臨時教員が雇用保険の適用になってない場合が、今のような例があるわけです。労働省とよく連絡をとって、こういうものが適用になるんだという通達をぜひ出していただきたいと思います。いかがですか。
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘の点は、教員の場合に限らず公務員、国家公務員、地方公務員全体、そういうたぐいの採用の仕方をされた者については関連する問題であろうと思いますし、そういう意味で教員についてだけそういう指導をするのがいいかどうかという問題、私どもでも少し検討しなければならないと思います。ただ、いずれにいたしましても、この公務員に関する退職手当の制度と、それから社会保険の一種としての雇用保険の制度とのいわばつなぎ目のところの問題ということにも相なるわけでございます。なかなか難しい問題だと思いますが、私どもも少し各県の実態などをよく調べて、まず実情を把握をしてみたいと、かように考えております。
○吉川春子君 労働省は明確なお答えをいただきましたので、もう結構です。 二番目は、失業者の退職手当のことですが、退職者に関する退職手当条例の中には、失業者の退職手当という条文があります。埼玉県条例では十三条なんですけれども、勤続六カ月以上で退職した職員が、その翌月から起算して一年の期間内に失業している場合、一定の要件のもとで当該退職手当のほか、雇用保険の適用による基本手当が受けられることが規定されています。臨時採用の教員にもこれは当然当てはめるべきでありますけれども、実際には知らされていないんです。三十二年間学校事務主事をしたベテランの人が私に話したことによれば、この規定を全く知らなかったということです。各県教委がこれを学校によく知らせるように、これも文部省として指導していただきたいわけですが、いかがですか。
○政府委員(阿部充夫君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、労働省所管の問題でもあり、それから公務員全体の問題でもございますけれども、いずれにいたしましても、とりあえず各県の実態を調べた上で対応を検討したいと思います。 〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕
○吉川春子君 まあよく実態を調べて本当に、この次の国会でも続けて聞きますので、指導していただきたいと思います。 それから、前委員会でも通告しておきました愛知県における実態なんですが、こういうことを仮に臨採の教員が知っていて、失業者の退職手当を受けようとすると、今度はこういう者に妨害がかかる、圧力がかかるという例があります。受給資格書交付願の提出を、退職手当決定通知——これは退職後一カ月半から二カ月かかるわけですけれども、それまで提出できないと市教委の担当者や校長に押さえられている例もあります。これではせっかくの失業者の退職手当が受給できない結果を招くと思いますけれども、この点についても文部省は正しく対応していただきたいんですが、いかがですか。
○政府委員(阿部充夫君)退職手当の支給は各都道府県の条例によって要件が決まっておるわけでございますが、その要件に該当する限り速やかに支給すべきものだと考えております。まあ、名古屋市の事例というのを私ども承知しておりませんけれども、一つの想像でございますが、その退職等の任免権が名古屋市にある、それから退職手当の支給等に関する財源の負担が県の方にあるという指定都市の非常に特殊なケースでもあるわけでございますので、あるいは県と市の間の連絡等の問題もあるいはあるのかもしれないと思うわけでございますが、いずれにしろ市の側、あるいは県の側からよく実情を聞きまして、さような条例にのっとった交付が適切に行われてないという事例があるとすれば適切に行うべく指導いたします。
○吉川春子君 まあ、臨採教員というのは身分も不安定で、その中で教師と同じように教育を支えている方々ですから、現にあるこういう制度さえ受けられないということがないように、ひとつ文部省でよろしく御指導のほどお願いしたいと思います。 引き続きまして、学校事故の防止と救済の点について伺います。学校事故の件数ですけれども、教育基本法は第一条「教育の目的」で「心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」としていますが、学校の授業、クラブ活動等における事故件数が著しく増加し、不幸にも死亡あるいは障害者となる例さえ少なくありません。文部省が把握しております学校事故の件数の最新の情報を教えていただきたいと思います。
○政府委員(古村澄一君) 学校事故につきましては日本学校健康会からそれぞれの給付がなされるわけでございまして、その日本学校健康会が給付をした件数という角度からお答え申し上げますが、昭和五十九年度におきましては死亡について二百五十六件、障害につきましては千三百九十一件、負傷または疾病につきましては百三十五万六千三十八件というふうになっております。
○吉川春子君 非常にたくさんの事故が学校で発生しているということがその数字からわかるわけです。 私はこの三月に大分県の日田市へ参りました。この市立小学校で昭和五十六年に小学校六年生の身長百六十一センチの男の子が体育の授業で教師の指導のもとプールサイドから水深八十五センチのところに飛び込み重傷を負いました。両親から市が訴えられておりましたが、ことし二月、大分地裁で三千三百万の損害賠償の支払いが命じられました。裁判記録を読むと、市は文部省の基準どおりにプールをつくり、教師も文部省のカリキュラムによって指導したので責任はないと主張しています。私も上手ではないんですけれども飛び込んで時々泳ぐんですけれども、その日田市の小学校のプールサイドに立ったときに、私はこのプールはとても怖くて飛び込めないと思いました、浅くて狭くて。水深八十センチ以上というのは文部省が安全基準と考えて示された数字なんでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) 水深の基準というのを昭和四十一年に文部省がつくりました「水泳プールの建設と管理の手びき」という中で示しておるわけでございますが、これはちょうど昭和三十年代の後半からプールが非常にたくさん各学校でつくられてきたという中で、プールの構造等についてある程度のものを示してほしい、参考的なものを示してほしいという各地方公共団体からの強い要望があったわけでございます。それによりましてこういったものをつくりまして、当時の日本水泳連盟でそれぞれのプールの深さ、年齢に応じますプールの深さというものをある程度基準的に決めておりますので、それを引用して全国に示したというふうになっております。
○吉川春子君 文部省の示している基準どおりプールをつくってもそうすると必ずしも安全ではないということになるわけで、市町村では何を基準にしてプールをつくったらよいのかということになると思うんです。安全なプールは各市町村教育委員会が自分で責任を持てということになるんでしょうか。この「水泳プールの建設と管理の手びき」で文部省は、これは昭和四十一年に発行されておりますが、当時の西田体育局長はこの手引を水泳プール建設のために活用してほしいというふうに書いています。これに沿ったプールを全国で当然つくっているわけですけれども、いざ事故が起こると文部省は知らないと、強制力はないんだとか安全基準ではないんだというふうにおっしゃるわけですけれども、プールの事故というのは頻繁に起こりますので国の責任でやっぱり安全基準をつくるべきではないんでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) プールにつきましては、ただいまの事例は飛び込みの問題から発生した事故でございますけれども、プールというのはたくさんの子供が入るわけでして、身長の高さ等によって随分個人差があるもので、したがって飛び込みに都合がいいように深くすれば今度はおぼれるという問題も両方あるわけでございます。したがって、そういった形でいかなる場合にでもたえ得るという安全基準的なものはなかなか困難であろうというふうに思うわけでございます。 今の飛び込みの問題で事故が起きたわけでございますが、そのときの飛び込みについての先生の指導あるいは本人の飛び込むについての、どういうことで飛び込んだのかといろんな状況があって事故が起きたと思いますが、一言で申し上げれば、なかなか全体に通用するプールの深さを示す安全基準というのはつくりにくいんではなかろうかというふうに思います。
○吉川春子君 深過ぎるプールでおぼれたからこのプールの浅さは八十センチ以上にした、そういう経過が確かにあります。しかし今文部省は、全国の学校でプールをつくることは望ましいとしながら、その安全基準を示していないんですよね。それはどういうわけなんですか。やっぱり、それは人間のやることですから不可抗力でいろんな事故は起きましょうけれども、しかしこういうプールをこういうふうにつくれば教育上かなり安全ですよということを法律、法律というか責任を持って示すべきじゃないかと、それが今ないということが一つ大きな問題だと思いますが、その点重ねてお伺いいたします。
○政府委員(古村澄一君) ちょうど三十年代の後半からプールが続々と学校でつくられてきたわけですが、現在まで相当のプールについての、いろんな構造を持ったプールができております。深いところと浅いところのつなぎ方とか、あるいは深さについての問題も含めていろんな格好で各地方公共団体が工夫したプールができている、そういった点で一律に深さを何センチというふうな基準を今ここで文部省として決めることが適当であるか、 〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕 そういったことについてのノーハウは十分各地方公共団体は持っているというふうに理解いたしておるわけでございます。
○吉川春子君 日田市のその問題の起こった小学校の校長先生とかまたそのほかいろんな校長先生にもお話を伺ったんですけれども、やっぱり文部省の示したのが安全基準というふうに受けとめている節があるんです。国の言うとおりにやっているんだからそこで事故が起きたとしても責任はないんだ、こういうお考えなんですね。だから、それだったらもっと各自治体で責任を持って安全基準を考えてプールをつくれというんだったらいいですけどね、こういうのを示しておいて、そしていざ事故が起こると、これは文部省が責任を負える基準じゃないんですよという形ではやはり末端にいる方がお気の毒ではないか、安心して学校の教育にも当たれないんじゃないかということを私は思うわけです。こういう安全基準はほかにもいろいろあるんですけれども、ぜひプールについては国が決めるべきだと私は重ねてそのことを申し上げておきたいと思います。 いろいろな安全基準が設けられてもなおかつ事故というものは起こり得るわけで、そこで学校事故が起こった場合にどうやって救済するかというのが次の問題になってきていると思います。 現在、学校健康会で事故の場合にいろいろなお見舞い金が支払われているわけですけれども、これがなかなか、不十分で重症のけがをしてもやっぱりこれは年金じゃなくて一時金で終わってしまうとか、医療費は一定の期間で打ち切られてしまうとかいろいろな問題があるわけですけれども、学校健康会について文部省はつくられた理由とそれから今後どういうふうに持っていこうとしているのか、ちょっと見解をお聞かせください。
○政府委員(古村澄一君) 学校健康会がつくられましたのは、学校健康会の前身であります日本学校安全会でございますが、昭和三十年代の中ごろだったと思いますが、当時学校でいろんなけがをしたり、あるいはそういった、ひどいときは死亡事故までいくというときに、子供の過失があったのか、学校側に責任があったのかというふうなことで大変学校全体でのもめる事案が多かったという経緯がございます。したがってそういったときに医療費につきまして補てんをするとか、あるいは死亡したときには何らかの見舞い金を出すとかというふうな制度があれば学校の教育が円滑にいくんではないかという発想から日本学校安全会ができたというふうに承知いたしておりますが、そこで全体ずっとやってまいりまして、昭和五十三年でございますが、いわゆる障害見舞金あるいは死亡見舞金といった大きな事故に対する手当てが十分でないということからこれを大幅にアップをいたしたわけでございます。そのときにも年金的な考え方というものも論議されたわけでございますが、いろんな角度から年金的な方法というのはとりにくいということから見舞い金という制度を維持し、その給付水準を上げるということで、昭和五十三年に現在の金額まで上がったわけでございますが、障害見舞い金について、その後もなお重度については低いのではないかという強い御要望がございました。したがいまして、昨年、重度の方につきまして大体二〇%アップぐらいの水準をもちまして給付水準を引き上げたということに相なっております。
○吉川春子君 この学校安全会、学校健康会ができる前あるいは非常に給付水準が低い時代にけがをされて何の補償もなく苦しんでいる方もたくさんいます。私は一月に大宮市内の病院に入院中の大谷君という方を見舞いました。彼は、昭和三十六年五月、柔道練習中に右後頭部を強打して意識不明となり、病院、診療所を転々とした後、昭和三十九年から現在の病院にずっとおります。入院当時、植物人間のようだったということですけれども、関係者の必死の努力で十年後には歩行器により歩行訓練ができるようになり、また、本人の努力、周囲の協力によって、中学入学後十六年後に中学修了証書を受けたわけです。大谷君を親身になって見ているこの病院の理事長はこういうふうに訴えています、「大谷君のお父さんや、我々が死んだ後、あの身体の大谷君が、どんな職業で生きていけるでしょうか?」。こういう人たちに対して現在何の補償がないということは余りにも不合理ではないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(古村澄一君) この点、おっしゃるとおり、そういうふうなお話そのものにつきましては大変同情を禁じ得ないわけでございますが、しかしながら、それを何かの制度にのっけていく、例えば日本学校健康会の制度にのっけていくということについては大変難しい問題がある。むしろ、考えるとすれば社会保障の分野で検討すべき問題だというふうに考えます。
○吉川春子君 大臣にお伺いいたします。大谷君のお父さんはこの事件を実は裁判所に訴えなかったんです。これは将来ある先生を傷つけたくないということでやられたわけです。当然裁判に訴えて争っている例もあるわけですけれども、教師の過失の認定などが非常に困難で、敗訴したりあるいは泣き寝入りしたりしている例も少なからずあります。教師と生徒が裁判で争わなければならないという現実、この点について大臣としてはどう思うでしょうか。学校教育の中で発生した事故、その賠償が不十分だということで、本来信頼関係にあるべき教師が過失があるとか、いや、ないとかいうことで争うということは教育に物すごいマイナスの影響を与えると思うんです。やはり、その教師の過失を云々せずにこういう事故についての補償が行われたら、どれだけ教育もやはり行き届いて安心してお互いにできるかと、こういうふうに思うんですけれども、大臣のお考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松永光君) 実際に事故が起こった場合に、その事故が教師の指導上の過失によるものであるかどうかという点につきまして一々裁判所で認定を受けにゃならぬということになりますというと、障害を受けた子供の救済措置が極めて困難になります。そういった点から日本学校安全会という仕組みができたと、こういうことなんであります。しかし、だからといって、教師が体育、スポーツ等を指導する場合にその責任を免れるわけじゃないわけでありまして、適切な指導はして、少なくとも生徒側からあるいは世間一般から過失があるなどと言われないような適切な指導はしていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
○吉川春子君 教師に過失がある場合もありましょうし、ない場合もあるんですけれども、それを裁判で争うということになりますと、まず長い年月がかかり、救済されるまでに、本当に事故に遭った人も大変な思いをするし、とにかく学校の先生を敵に回してやるわけですから、これは精神的な苦痛も大変なものですし、大体は孤立することになる。それから、最初は先生も事故直後は泣いて謝っていたんだけれども、しかし、現在の法体制のもとで、過失責任主義ですから、過失を認めれば自分の損害賠償責任も負わなければいけないということで、それでもってその後は断固否定して自分に責任はなかったと言い張る例があるとか、さまざまな困難な問題があるわけなんですね。それで私は、きょうの時間の制約の中で最後にもう一つどうしても言っておかなければならないのは、無過失責任制による新たな立法を求めるということをどうしても申し上げておきたいと思います。 それは、国費主体の学校災害補償制度を早急につくる必要性という問題です。学校健康会もさまざまな団体とかいろいろな人たちの努力によって補償額は確かにひところよりは物すごく上がってきました。しかし、何よりもこれもやはり過失責任制を前提にしておりますから、やはり根本的な解決にはならないし、それから共済保険制度でありますから、資金の面でも十分な救済ができないという問題があるわけです。そこで、やはり国費を主体とする補償制度というのがどうしても必要になってくるわけです。当面、学校安全会として発足したこの制度を充実させていくという必要は十分にありますし、そのことをしながらやはり抜本的に救済することが必要だというふうに思うわけです。 それで、教育学者として知られている兼子仁教授は、憲法二十六条の教育を受ける権利は、安全に教育を受けることの国家による条件整備的保障が含まれている、したがって国民は、学校災害について法律に基づいて完全な補償を求めてもよい、というふうに指摘されています。学校災害法制定の運動は、さきの大谷君の事件をきっかけにいたしまして大宮市で起こりました。市議会には学災法制定促進特別委員会を設置し全国の市議会にも呼びかけています。日本母親大会連絡会、日本弁護士連合会の取り組みなどを経て、日本教育法学会学校事故問題研究特別委員会で学校災害補償法の要綱がまとめられ、国会でも衆議院の文教委員会には学校災害に関する小委員会が一九七七年に設けられました。理論的にも可能であり、運動もかなり古くから、しかも広範囲に進められてきておりますけれども、文部省に伺いますが、この学校災害法制定について今どういうことが障害になっていてできないのでしょうか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(古村澄一君) 学校事故の発生というのは、実際は非常に複雑な態様でございます。その原因あるいは責任の所在という面から見ましても、学校側に責任がある、あるいは不可抗力的なもの、あるいは子供の不注意というふうに、あるいは心臓死とかいうようなこともあるわけでございますが、そういった複雑な事故を、学校で起きたすべての事故を対象としてそういった無過失責任主義というふうなことで処理をするのは、現在の法体系上困難であるというふうに考えております。
○吉川春子君 私はこの次の国会で引き続きこの問題を取り上げますけれども、やはり事故は起こるわけですね。不可抗力でも事故は起こる。そしてそれを救済しなければならない。それから私たちは、義務教育を受けるということはやっぱり責任としてあるわけですね、強制をされているわけです。だから、そういう中でやはり必然的に起こる事故について国が全面的に補償していかなければ、本当に行き届いた教育というのはできないんじゃないか。そのことを強く主張して私の質問は終わりたいと思います。
○小西博行君 私は先日の質問におきまして特に海外の留学生の問題、あるいは教育費が最近は非常に上がっておるものですから、それに対する減税措置という問題についてお尋ね申し上げたところでございます。きょうは時間の関係もありまして、特に最近は海外へ出ていく日本人が非常に多いものですから、それに関係いたしまして海外子女教育という問題あるいはこちらへ帰ってきた場合の帰国子女の問題、こういう問題についてお尋ねしたいと思います。 日本は経済大国になってまいりました関係で、どの国へ行きましても日本人が常に活躍されていると。そういうことは非常に喜ばしいことだと思います。 また、先日私、ヨーロッパをずっと回ってまいりまして、その辺の実感をつぶさに感じて視察してまいったわけでございます。 まず、海外の子女教育という問題で、日本から海外へ行きまして、そして子供さんが大勢当然いらっしゃるわけでございます。その数が三万六千二百二十三人という現在時点における数字が統計として出ております。これ文部省の調査でいただいたものであります。大体年間に二千人前後ぐらいがふえていると、こういう実態でございます。特にその中で日本人学校に在籍している者というのが、国によってそれぞれ違いますけれども、平均的に大体四三%前後、それから土曜日だけ日本語の勉強なんかしているいわゆる補習授業学生といいますか、これが大体三七%、残りの二〇%というのが現地校などに通っていると、こういうのが大体の数字だと思います。もちろんこれ、国によってもいろいろな具体的な統計がございますが、これを見せていただきますと、どうしてもアメリカなんかの場合は現地の学校へ大勢入っていらっしゃると、それから東南アジアなんかになりますと、日本人学校が非常に盛んであると、こういうような数字が出ているわけであります。 そこで、特にこの日本人学校についてまずお伺いしたいわけでありますが、日本人学校ということになりますと、当然日本から選抜された先生方が外国へ行って、そして日本の学校と同じような教育制度でもって教育していく、これが原則になっているというように私は思うわけであります。ちょうど私も、今、予算編成の時期をそろそろ迎えつつあるというようなことがございまして、その予算編成の時期だからこそこの問題でぜひ大臣に頑張っていただいて、そしてこういう海外へ行っておる子供さんが有効な勉強をして帰っていただきたいと。国内の子供さんに比べてずっと劣るというようなことでは困るんだと。そういう観点をまずお願いしたいわけであります。 この数日前だったでしょうか、国立大学の授業料がそろそろまた値上がりするんじゃないかと。今度は値上がり必至だと。そうなりますと、当然これまた私学の方もそれについてくると。そういうこともございますので、文部省としてはどういう方法でこれから予算獲得する場合に闘っていかれるんかなと、どういう戦略なんかなと、そういうこともちょっと心配になりましたものですからお伺いします。 特に私は先生の数、これが現在ではこれ九百九十名という数になっております。六十年度は百四十七億円、前年に比べて大体五億円ぐらい増加という実績も出ているわけでありますが、この先生の数というのは実は八三、四%ぐらいの達成率と聞いておるわけです。何としてもこれを九〇から一〇〇という数にふやしていただきたい。その金額そのものは本当に微々たる、全体の予算からいいますと微々たる予算だと思うので、その先生の獲得に対する文部省の考え方ですね、これをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松永光君) まず一般的な私の考え方を申し上げて、あとは局長から答弁をさしてもらいますが、我が国が今後とも世界の中で信頼を受けて活躍をしていかなきゃならぬわけでありますが、その場合に、海外に出て働いていらっしゃる方々は、言うなれば日本の大きな意味の国益のために仕事に従事していらっしゃるわけであります。その方々の一番の悩みは何かと言えば、その地における子供の教育の問題、そして帰ってからの今度は子供の日本の学校への転入学の問題、これが一番の悩み事だという関係者の世論調査の結果も実は出ておるわけであります。そういった点を考えまして、私はこれからの文教政策、当面は来年度の予算編成に向けて、私としては最も重点を置きたい項目の一つが、海外にいらっしゃる日本人の子弟の教育に関する予算、それからその方が日本に帰ってこられた場合の、あるいは子供だけ帰ってくる場合もあるでしょうけれども、そういう子供の国内の学校への受け入れの関係のための施策、そしてその予算、これに特に重点を置いていきたいというふうに私は考えております。 今までも相当の努力をしてきたところでありますけれども、まだまだ十分とは思っておりませんので、これから特に力を入れていきたいと、こう考えておる次第でございます。
○政府委員(阿部充夫君) 大臣のお答えに補足をいたしまして、六十一年度予算に向けてというお話がございました。 現段階で申し上げるのは大変しんどい時期でございますけれども、先生のお話にもございましたように、日本人学校の特に教員の数につきましては国内の公立の小中学校と同じぐらいのレベルにぜひ持っていきたい、これが私どもの希望でございます。と申しましても全員を日本から派遣した教員で充てるかどうかということになりますと、やはり現地の言葉でございますとかあるいは現地の事情等をよくわかった方に若干は現地採用のような格好で入ってもらうということも望ましいことだろうというようなことを考えますと、明確に決めておるわけではございませんけれども、大体九割ぐらいのところを日本から派遣できたらと、こんなことで現在八三%というところまでいったということでございます。毎年これの予算獲得については私どもも必死の努力をしておるわけでございますが、大変国の財政厳しい状況の中に入ってまいりまして苦戦を強いられておりますけれども、それにいたしましても文部省全体の経費あるいは他の各種の経費が一〇%、一五%というカットに適っております中で、若干なりともこれについては増額をしていただくということで、財政当局の理解をいただきながら進めておるわけでございまして、来年度の予算につきましても、数字の点はお許しをいただきたいと思いますけれども、最大限の努力で増額に向けて努力をするということをお約束させていただきたいと思います。
○小西博行君 単純計算ではちょっと難しいと思うんですが、せいぜい十億ぐらいアップしてもかなりこの計算からいけば満足すべき方向にいけるんではないか、そのように考えます。 それからもう一点は、この日本人学校が非常に発展していきますと、また逆の作用が出てくるんではないか。できれば現地校へ入って現地の方と一緒にやっていくといるのは非常にいいんですけれども、どうしても日本の現在の進学やその他の就職の問題なんか考えますと、どうしても外国へ行っても日本人的な教育をしてもらいたい。そうして日本の高等学校へ進学したいと、こういう親御さんが非常に多いと思うんです。そういう意味で特にこの日本人学校が充実すればするほど逆にその問題点が出てくる。こういうものに対して何か文部省として日本人学校に新しい機能を持たすべきではないか、そのように考えるわけですが、その問題についてはいかがでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) せっかく外国に子供たちが行っておるわけでございますから、そこでぜひ外国のいろいろな雰囲気等を身につけ、言葉等を身につけて帰ってきて将来国際的に開かれた日本人になっていく、そういう力をつけてほしいと思うわけでございます。そういう意味から申しますと、それぞれの現地におきまして現地の学校に通う、そして足らざるところを補習校のような格好で補うということが基本的には望ましい姿であろうと思うわけでございますが、ただ何と申しましても発展途上国等の場合になりますと、日本の国内の小中学校と余りにも差があり過ぎるというような問題等もございますし、あるいはいろいろ政情不安とかいうようなことで子供をばらばらで現地の学校へ通わせるのはどうかというような問題もないわけではございません。そういうことからどうしても日本人学校ということに形としてなっていかざるを得ないという、これもやむを得ない点であろうと思うわけでございます。こういう場合にこれだけでとどまらずに、単に日本人学校でそこの学校へ入ってみれば日本の学校にいるのと全く同じだというのでは意味がないということもございますので、私どもとしては、なるべく子供たちをいろいろな形で現地の子供たちとの交流をさせるというようなことを図っていくべきだと、こう思っております。 私、具体に見た例といたしましては、シドニーの日本人学校を見てまいりました。これは国際学級というのを特につくっておりまして、現地の子供さんで希望する人は入れてあげますと、こういう仕組みでございまして、シドニーにもいろんな、アングロサクソン系ばかりじゃなくていろんな人たちが入っておりますが、そういう人たちがこの国際学級に入りまして、日本人の子供と一緒に仲よく勉強しているのを見てまいりまして、これは大変いいことだと思っておりまして、またそのほかに現地の学校といろいろコンサートやなんか、学芸会のようなものを一緒にやるとか、それぞれの学校でいろいろ工夫をしているようでもございます。こういうことを今後とも大いに続けてほしいと希望し、また指導もしていきたいと思っているわけでございます。
○小西博行君 つまり私は、そういう日本人学校が充実すればいいんだけれども、現地の子供さんと離れてしまうというのが非常に危険だと、一体あれ何やっているんだという感じを持たれないように、学校をやはり開放していくという、そして日本の文化も同時にそこから伝えていく、そういう形を考えるべきではないかということを申し上げたかったわけでございます。 それから次に、補習授業校について少しお尋ねしたいと思うんです。 この補習授業校というのは、大体これ百人に一名以上のいわゆる日本の先生が担当するということですね。ですから、人数としては非常に少ないわけです。あとの先生方は現地で採用するといいますから、当然これ日本人を中心にして現地で働いていらっしゃる方を採用して、その方が先生になって教育を進めていく、こういうことだと私は思うわけですね。その場合に、その現地の先生というのは必ずしも教育に携わった経験があるわけではないと思うんです。この百人に一名というのは、実はこれ日本人学校の学生、生徒が非常に多い場合はいいんですけれども、これ非常に少ないような国々ですね、こういう国々では非常に私は問題が出てきはしないか、そのように考えますので、この比率の問題というのはどうなんでしょうか、今後、例えば五十人以上の場合はこういう国々では認めようじゃないか、こういうような働きはございますか、何か考えていらっしゃいますか。
○政府委員(阿部充夫君) 補習授業校へ教員を派遣いたしますその派遣の性格でございますけれども、これについては普通の日本人学校の場合とはやや違うという位置づけをしておりまして、その補習授業校の性格ということから、できるだけ現地の先生方を登用する、そして日本から送ります先生は大体私ども教頭クラスということで考えておりますけれども、現地に校長さん等がおられるケースが多いので、それぐらいの格の方をお送りをいたしまして、学校全体の教育課程の編成でございますとか、学校のマネージメントでございますとか、そのほか個々の、現地のいわば素人で雇われた先生方に対する指導でございますとか、そういう役割をやっていただくということを中心に今送っておるわけでございます。そういう意味で、当面百人に一人といった程度のところで考えておるわけでございますが、もちろんこれで十分だと思っているわけでは決してございません。財政事情が許せば、もっと補習校の水準を上げるためにはこちらからも送り込みたいという希望は強く持っておるわけでございます。今の段階ですぐに来年度から要求いたしますとかいうことを申し上げるだけの余裕がないということは大変残念でございますけれども、目標としてはさらにこれを改善をしていくという目標を心の中に持ちながら、いつの時点で取り上げるかということを考えていきたい、かように考えております。
○小西博行君 大臣にちょっとお伺いしますが、このさっき申し上げた三つの学校のスタイルがございますね、日本人学校、それから補習校、これは当然、現地でかなり日本でおる場合よりも金がかかるわけですね。その場合に、国庫の負担の割合が全然違うわけです。これは私は何か、小学校、中学校義務教育ですから、かかった費用ぐらいは同じように見てあげたらどうだろう、こういうふうに思うんですけれどもね。そういうその改善措置はとれないんでしょうか。例えば補習校の場合は大分金が余分にかかるわけですね。国からの補助の仕方というのはまるでパーセンテージが違うわけです。そういう問題に対してはどうでしょうか。
○政府委員(阿部充夫君) 予算をとって現地の学校に援助をするということを行っておるわけでございます。日本人学校の場合には、教員の人件費等いろいろひっくるめますと、大体全体の学校運営経費の六割ぐらいが日本政府から援助ということで行っているという格好になっておると思います。補習校の場合には、実はこれは外務省所管になっておりまして、外務省の方からやはりその現地採用の教員の給与費についての一部補助という制度が行われておりまして、その補助が行っておるわけでございますけれども、これは他省のことでございますので、私ども詳しくは承知をいたしておりませんが、全体の金額としては必ずしも十分ではない。先生おっしゃるように、その日本人学校の場合と差があるだろうと思います。もちろん外務省におきましても、特にその配分をいたします場合に、小規模校に傾科をかけて配分するとかいうようなことで、実態を見ながらの努力をされていることと思いますけれども、今後とも外務省とも御連絡をとりながら、できることならばさらにふやす方向で努力をしていただくようお願いをしたいと思っております。
○小西博行君 外務省というのは、私も予算押さえてないんですが、非常に微々たるお金が入っているというふうに聞いておるんで、余りこれを計算の中に入れてどうだこうだということはできないほどの金額だというふうに聞いておりますが、大臣、今のお話を聞いていただきまして、私は、補習校だから国から余り援助しなくていいというのはあり得ないことだと思うんですよ。これは外務省の管轄ということになるかもしれませんが、子供さんに、子供さんというより、父兄が払わなければいかぬ、この負担をしなければいかぬのですね。この金額は、毎月三万とか四万とか、随分高額な話も聞いておりまして、これを何とか解消できるような方法をとっていかないと私は問題が残ると思うんですがね。いかがでしょうか。
○国務大臣(松永光君) 先生も御承知のような国の財政事情でございますから、国のお金を大幅にふやすというやり方、そういうやり方の方向だけではなかなか難しい問題があります。補習校があるようなところには数十あるいは数百の日本の超一流企業が大体行っているところなんです。そこで民間の力を何とかうまく引き出す方法はないかな、とにかく知恵を絞って対応しなければ、現実的なこの推進策はなかなか現実問題としては難しい、大いにこれは知恵を絞ってみたいというふうに私は考えます。
○小西博行君 そこで、特にデータでも出ておるわけですが、中南米とかあるいは後進国というような国々ですね、これは非常にパーセンテージはもちろん少ないわけですね。この辺の実際の教育の実態、これ、もしおわかりでしたら教えていただきたいと思うんです、アフリカだとか中近東、中南米、こういうところが非常に私は問題があるんじゃないかという感じがするものですから、もし情報がありましたら。
○政府委員(阿部充夫君) 詳しいことを私も承知しておりませんけれども、大部分日本人学校方式でやりたいということでやっておるわけでございますが、そういう地域におきましても。ただ、非常に数が少ないところがございます。そういうところなんかの場合でございますと、日本人学校の発生が最初からそうだったわけでございますけれども、大使館の中などにちょっとした教室のようなものを設けて、そこへ集めて指導しているというような形のようでございます。それも一応補習校と称しておるわけでございますけれども、大変規模の小さいものであろうかと思います。
○小西博行君 いや、つまりそういうところをよく調べてもらいたい、そのように思うんです。大使館とか、あるいは子弟の塾みたいな格好で多分やっておられるんじゃないかというのは私も想像がつくわけですけれども、どういうものは不自由しているというのも当然あると思うんで、そういうきめの細かいところの方がむしろ文部省としては考えておくべきだと。アメリカその他先進諸国の場合はいるんな対応ができますから、日本人も大勢いらっしゃるから、それはできるんじゃないかと思うんですね。そういうことを特にお願いしたいと思うんです。 それから、帰国子女の問題について少しお伺いしたいと思うんですが、これは以前、海外で数年勉強して、そしていろんな習慣になれてこちらへ帰ってくる、ところが日本の学校へ入ってみますと、なかなか順応しにくい、いろんな問題がある、そういうことで、その後の帰国後のフォローですね、どういう状態に子供さんが育ったかということを大分前にお聞きしたことがあるんですが、それは余りわかりませんということでございました。しかし、いろいろ調べてみますと、これ、東京学芸大学の中に海外子女教育センターというのがございまして、四名の専任の先生もいらっしゃる、そのほかの協力の先生もいらっしゃる、そういうことでいろんな研究をやっておられるということを聞いているわけでありますけれども、どういう内容の研究をされているのか、あるいはその結果何か新しい論文なり考え方が出てきているものか、成果ですね、それをひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(阿部充夫君) 学芸大学の海外子女教育センターでございますけれども、昭和五十三年に設置されたものでございまして、海外子女に関する、それから帰国子女問題も含めて担当ということになっておりますが、その教育内容や方法等についての実践的な調査研究をやるということ、それから専門的研修、関係の先生たちに対する研修をやるというようなことをねらいとして設置されたものでございまして、現在センター長のもとにフルタイムの専任の、教授が欠員になっておりますが、その分助教授で埋めておりますので、専任の助教授が四名、そのほかに併任等の格好で来ている先生方が七名というような組織で研究活動をやっておるわけでございまして、具体的にはかなりの成果を上げておりまして、私も全部読んだわけではないのですけれども、在外教育施設の教育課程、教育方法に関する研究として、「日本人学校におけるカリキュラム開発」、それから「カリキュラムモデル」、それから「補習授業校カリキュラム開発のための基礎的調査研究」というようなものを刊行しております。また、在外教育施設の教材の開発研究ということでビデオ教材、解説書等をつくっているとか、あるいは海外子女教育担当教員の専門的研修ということでセミナーとかシンポジウムを開催する。バイリンガル・バイカルチュラル教育というような面の研究として、「日本におけるバイリンガリズム」というようなものも刊行いたしております、等々かなりの活動は行っておるわけでございますけれども、こういうふうにかなり手広くいろいろやっておりますが、そろそろそういう手広いところから少しずつ問題をもっと深めてそれぞれの問題について突っ込んでいっていただきたいというような希望を私どもは持っておるわけでございますが、大変よく活動はしていただいておる、こう見ております。
○小西博行君 活動の成果はできるだけ海外で頑張っておられる先生方に伝えて、あるいはこちらで研修して向こうへ出られると思いますので、そういうところへ十分生かしていただきたいと思います。 それからもう時間がありませんから、もう一点だけ申し上げたいんですが、私は広島出身でございます。広島も結構自動車を中心にしまして大型の産業が幾つかあります。そういう意味では海外へ出る機会が非常に多いわけです。その子供さんが帰ってきましてどこの学校へ入れようかということで非常に苦慮をされております。いろいろ調べてみますと、指定校みたいなものがございまして、指定校がございますでしょうというお話をしますと、これは都道府県の方で決められてやっているというのですが、一名もそこへ入っていないというのです。どうしたのかと調べてみますと、えらい山奥でして、しかも、あんまり評判のいい高校じゃないものだから、県立高校の高宮高校と言いましたが、そこへは入れませんなんというような言い方をされているわけです。ですから私はいろいろな指導をしてもらうのは結構でありますけれども、そういう状況を十分把握していただいて指導してもらわないと現実は皆さん方が全然いかないような学校、山奥のそういうところへ指定してもらっても何にもなりませんので、そういうこともあわせて考えていただきたい。そして東京であるとか、大阪という都会はそれなりの対応はだんだん進んでおると思うんですが、少し中都市ぐらいになりますと本当に子供さんの教育で困っておられるというのが現実でありますから、そういう細かいデータも全部私持っているわけでありますが、そういう問題も十分配慮して帰国子女の問題について文部省、本気で取り組んでいただきたい、そのことを要望させていただきたいと思います。 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時四十四分散会