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102回国会参議院1985/03/28

文教委員会 第3号

発言数
315
登壇者
24
会派数
6
開催日
1985/03/28

会議録

真鍋賢二自由民主党・自由国民会議

○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二月二十六日、関嘉彦君が委員を辞任され、その補欠として小西博行君が選任されました。     ─────────────

真鍋賢二自由民主党・自由国民会議

○委員長(真鍋賢二君) 教育、文化及び学術に関する調査のうち、文教行政の基本施策に関する件を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

久保亘日本社会党

○久保亘君 きょうは最初に、今度総理が日本文化研究所をおつくりになるということで、文部大臣の方にもそのことでいろいろと指示があっているという報道ございますが、この日本文化研究所構想についてどういうふうに総理の方からは、総理と文部大臣の間では話し合われているのか、ひとつその概要をお聞かせいただきたいと思います。

西崎清久文部省大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) ただいま久保先生からお話のございました日本文化研究所の件でございますが、この点につきましては予算上の経緯といたしまして、大阪にあります国立民族学博物館における来年度の調査事項といたしまして、日本文化研究に関する調査研究というものを昭和六十年度予算に計上しておるわけで、約二千万あったかと思いますが、この調査研究において、ただいま久保先生からおっしゃいました日本文化研究所も含めたあり方についての検討を進めようというのが文部省における今後の研究の手順でございます。したがいまして、今お話ございましたきょう新聞等で報ぜられました内容につきましては、現在役所といたしまして明確に御説明できる段階ではない、こんな現状でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 そうすると、今の問題については総理と文部大臣との間ではまだ具体的な構想などについての話は全然ないわけですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 具体的な話はまだいたしておりません。今官房長がお答えいたしましたように、これから検討していこう、研究していこうということなんでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは、またこの問題は改めて文化研究所設置の目的やその構想などについてお聞きしたいと思いますが、次に私がお尋ねしたいのは、文部省は教育改革の理念について臨教審の側と意見の相違は残っておりませんか。というのは、もうあと一月もしないうちに教育改革の理念を含めて一次答申の内容となるべき審議経過の概要が発表されると聞いております。特に、自由化論争では、文部省としても臨教審に対して見解を述べてこられた、そういうような経過を踏まえて今教育改革の基本理念のところにおいては文部省と臨教審との間には意見の相違は残っていない、こういうふうに考えていいかどうかですね。

西崎清久文部省大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 臨教審のあり方とそれから各行政機関の一つとしての文部省のあり方の両者の関係の基本にかかわるわけでございますが、臨教審は独立の審議機関といたしまして総理大臣の諮問に基づき審議をし、その審議の過程において理念なり教育課題なりについて種々の結論を出すべく現在プロセスにあるというのが現状でございます。文部省の立場といたしましては、文部大臣が審議担当機関として審議にかかわる資料を提出し、あるいは臨教審からヒヤリングとして出席を求められ、意見を求められた場合には意見を申し上げる、こういうふうな関係にございまして、ただいま先生のお話のございました基本理念にかかわる自由化論議について文部省が意見を申しましたのは、お呼びがありましてヒヤリングの機会に文部省としてこの点について意見はということで申し上げた、こういうことでございまして、基本的な見解が臨教審と文部省で一致しているか一致していないかということではございませんで、臨教審の求めに応じて、お求めの事項について意見を申し上げた、こういう段階であるということでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 いや、その経過はよく承知しております。ただ、臨教審の第一部会を中心にして論議をされました自由化にかかわる論争、それから個性主義という表現に改めつつも自由化の理念を生かしていくという臨教審の考え方というものが発表されてきておりますが、少なくとも文部省が臨教審の求めに応じて発表された、報告された内容というのは、この考え方とは私はかみ合っていないと思います。文部省は文部省として教育改革の実施機関としての文部省の立場でかなりはっきりした意見を述べられたはずです。だから、その意見の調整がつかないまま教育改革の理念が臨教審で決められて、方法論が審議されていっても無理を生ずるのではないかと思うんですが、その点について文部省はもう言うべきことなし、すべては臨教審にお任せしてありますから、臨教審が答申を出しましたらそれを法律に基づいて尊重いたします、これで貫かれるおつもりですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) いわゆる自由化論争とマスコミ等で表現されているような議論というものが臨教審の部会の中で論議があったことは私どもも承知いたしておりますが、しからばその自由化論争というのはどういう部門をどういうふうに自由にしようとするのか、これは論者によってまちまちでございまして、まだその内容は定かでなかったわけであります。そういう段階を経て自由化という言葉は使われなくなって、個性主義ということに第一部会において第一部会としての考え方が出てきたように私どもは受け取っております。その個性主義の中身というのは、これはもう新聞にも出ておりましたが、審議メモということで出てきておるわけでありますけれども、そこに書かれていることにつきましては、何といいましょうか、今までの我が国の学校教育の中で画一主義に過ぎる面あるいは余りにも硬直化しているという面、こういったものの改正をすべきであるということが指摘をされているようであります。そしてまた、先ほど先生がおっしゃいましたように、教育の実施機関である文部省としては、現在よりもある程度自由にできる面もあるかもしれませんが、なかなか自由にはできない面も実はあるわけでありまして、そういうことにつきましては、ヒヤリングに応じて十分文部省としての考え方は申し上げてきたわけでありますから、これからの話でありますけれども、文部省として実施できないようなそういう改革案というものは私は出てこないんじゃなかろうかと、実現可能な改革意見が出されるものと私どもは期待をしておるわけであります。  例えば、学校選択の自由などということが標語として出ておりますけれども、少なくとも義務教育段階等で選択の自由が、ある程度選択の幅を認めてくれということであるならば現実的に対応できる面もあろうかと思いますけれども、自由というほどのことまで教育の実施機関としてやれるかやれないかということは、これは臨教審の先生方も御理解いただいておると思いますので、文部省として対応できないようなそういう改革意見というものは出てこない、やはり実現可能なものが出てくるものと私は期待をしておるわけであります。

久保亘日本社会党

○久保亘君 文部大臣のお考えはわかりましたけれども、しかし、実際の動きとしては、まず第一部会の部会長代理を務めている香山委員が、臨教審の発足当初から、文部省の従来のやり方、中数審を含めて、このことに対して、運営等にまでかかわってかなり手厳しい批判をやられましたですね。そして、その香山意見が下敷きになって運営委員会が設置され、そして運営規則が決められていったといういきさつがあるように聞いております。  そして、その後、自由化論が提起されて、これに対して文部省側はかなり詳細な意見書を出された。この意見書を受けて香山委員の方は「文部省改革の必要性に関する考察「反自由化論」批判」というのを一月の三十日に発表されているんです。これを見ますと、文部省の現在の考え方と臨教審の改革の理念というのは、どうもかみ合っていないという表現よりも、もっと厳しく言った方がいいぐらい、かなり教育改革の理念が両者の間には大きな隔たりがある、こういう感じを受けるわけです。  そういう中で改革の方法論が検討をされていきます場合には、どこかでこれは私は無理を生じて動けなくなる、こう思うのであります。答申が出ますと、この答申は法律の規定するところに従って尊重義務を政府は負うわけです。そこで、その前の段階において改革の理念というものについては、文部省を含めて臨教審はきちっとした方向を出して、これを国民が合意するということでなければ方法論の審議というのはできないんじゃないか、こう思うんですがね。その点については何にも支障はありませんか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生御指摘の臨教審の委員の方の御意見が文書の形等で出たことを私も承知いたしております。私もざらっと読んでみたのでありますが、委員の先生が個人的にどういう意見を持っていらっしゃってもそれは御自由なんでありますけれども、しかし、その方のお書きになっているものを見ましても、よほどの、何といいますかな、強いことを言わぬというとなかなか硬直性、画一性は打破できないんだ、硬直性、画一性を打破するためのインパクトとしてこの自由化というのを主張しているんだと、こういったことがその先生のお書きになったものの中にも私は出ておったように覚えております。ぐっと曲がっていることを元に戻すというか、するためには、向こうまで行くような強い力で押さぬというと望ましい状態にまで直すことはできないと、そういう意味で強いことを言っているんだということでありまして、それもそうかなと、こう私は思ったこともあるわけでありますが、しかし、公表された審議会メモでその個性主義——画一主義の打破という立場に立っての具体的な方策を例示すれば云々ということで、十項目ぐらい指摘がなされておりますが、これらのことであるならば、例えば学校選択の問題にいたしましても、義務教育の段階でも過度の画一化を戒め、少なくとも学校選択について配慮するというふうなことに、非常に現実的な表現になってきておるわけでありまして、この審議会メモにあるような検討事項、こういったことは必ずしも実現不可能なことでもないわけでありまして、もっともこれが最終的にはどうなるか、まだ審議の途中でありますから何とも言えませんけれども、当初言われておったような激しいといいますかな、非常に大変な自由化じゃなくして、やはり現実に即した改革に私はなってくるものと思うのでございます。  というのは、画一主義の打破であって、そしてまた実際の画一主義打破の場合にも配慮するとか、あるいは研究するとかいうふうになってきておるわけでありまして、その意味では実現不可能な、あるいは現実性のないような答申なるものが出てくるとは私どもは思っていないわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 今、文部大臣がおっしゃったことが重要なんです。というのは、それほど極端な意見を持ってやらなければ打破できないほど画一性、硬直性が今の文部行政にあるということを指摘されているわけでしょう。だから、それに対して文部省側が、なるほどごもっともでと言うんならそれでいいですよ。それで文部省はそれに対して反論されたわけでしょう。反論された。だから、私は意見の食い違いがあると言っているんですよ。大体、私は何もここで香山委員の意見を問題にしようとしているんじゃないんです。香山さんが代表して言っておられる意見というものが一体臨数審の中でどういうふうに位置づけられてきているのかということは非常に重要だと思う。この方は個性主義となっても自分の自由化論は生かされていると主張されているわけです。だから全然違うんですよ、あなた方が言われるのと。非常に極端な御意見をお吐きになる方だというのはわかります。それは例えば審議会の公開を求めることに対して強く反対をされておりまして、議事録公開にも反対をされておりまして、その反論の中で、このような愚かで無原則的な公開の主張をする組織は、みずからの内部機関の討論等をすべて公開することを一度でも真剣に考えてみたことがあるかと、こういう反論をされている。全く違った次元のものでおやりになっておるわけです。こういう議論というものがしかし臨教審の中で生かされてきているのかどうか、ずっと段階的に第一部会長代理の意見を読んでいきますと、おれの主張したことは生かされてきたのだと、こうなっている。そうすれば、文部省がヒアリングで出された意見書というのは、これは臨教審としては改革に当たって全体的にといいますか、基本的な理念としては受け入れがたい、こういうことになっているんじゃないかなと、こう思うものですから、文部省と臨教審と基本理念のところで非常に重要な不一致を生じたままやったのでは問題ではないか、こういうことを私は申し上げたかったわけです。しかし、きょうは時間をたくさん持っておりませんから、この問題はまた議論をする機会があると思いますし、また委員長にもお願いをして各党間で合意をされました臨教審会長の御出席についても今国会中にひとつぜひ御配慮いただきたい、こう思っております。  その次にお聞きしたいのは、今の問題と関連して臨調で言うところの民活論、民間活力を使うというそういう考え方が、義務教育の段階で、この民活論というものがどの程度考えられるのか、一般論としての民活論を義務教育にそのまま適用するという考え方は非常に無理ではないか、こう私は思うんですが、文部省はどう見ておられますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 義務教育の場合には、先生よく御承知のとおり、国の責務において行うべき教育が義務教育でありますので、その観点から教育の機会均等の確保とか、あるいは教育水準というものは全国どこであっても均一な水準が維持されなきゃならぬとか、あるいは知育、徳育、体育のバランスのとれた人間形成に向けてなされなきゃならぬとか、いろんな大事な基本理念というものがあるわけでありまして、その意味では経済活動の場合の民間活力とはおのずから教育の場合には違う分野があるというふうに私は考えております。ただ、一部の論者等が指摘なさいますように、高等学校あるいは大学等で民間活力と言うべきかどうか、私学が大変大きな役割を果たしておりますので、義務教育の場合でも一部には私学が大きな役割を果たしている分野もありますけれども、それらをもう少し取り入れることができないかという、そういう御意見なら、これまた参考にすべき意見ではなかろうかと、こう思います。しかし、冒頭申し上げましたように、義務教育の本質というものに基づきまして幾つかの維持すべき基本的な原則があるわけでありまして、それを踏まえた上での意見でなきゃならぬ、議論でなきゃならぬというふうに私は考えておるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 義務教育の課程における民活論というのをどういうふうに考えていくかということについて、文部大臣の考え方はよくわかりました。  そこで、この問題について、きょうのところで、ひとつ私が確認をさしていただきたいと思っておりますのは、皆さんの方でも、文部省の方でも取りまとめておられます戦後教育の基本的な原則、そしてその評価というべき教育の機会均等、それから義務教育九年、男女共学、それから教育における地方自治の尊重、これらのものは今後の教育改革に当たっても原則としてこれは尊重されていくべきものだと、そういうことは文部省は戦後教育の評価の中からきちんとしておられると考えてよろしゅうございますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 教育基本法を私どもは尊重し、これを変える意思はないわけでございまして、その意味でも先生の今御指摘になりました機会均等の確保、教育水準の全国的な維持、そしてまたそれをさらに向上させていくという考え方、知育、徳育、体育の調和のとれた教育、あるいは政治的中立の確保、地方自治の尊重、こういった事柄は今後とも義務教育の基本的な原則として維持していかなきゃならぬというふうに考えております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 今私が申し上げた中で、一つだけ文部大臣が故意か偶然か落とされた男女共学……

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) ああ、それももちろん入ります。

久保亘日本社会党

○久保亘君 そうですね。そうすると、この男女共学ということについて、どく最近経済界の方から、この見直し論が提起されましたですね。こういうことは、これはもう憲法や教育基本法に基づく戦後教育の原則を崩す意見であって、これはもう文部省としては到底このような意見は受け入れられない、こういうことで理解してよろしゅうございますね。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 教育基本法五条に明記されておるわけでありまして、これは変える意思はございません。維持してまいります。

久保亘日本社会党

○久保亘君 それでは次に、大臣が所信表明の中で述べられております教科書無償制度についてお聞きしておきたいのは、教科書無償制度は継続してまいりたい、こう申されておりますが、これは六十年度の予算において述べられたのではなくて、義務教育の基本理念として教科書無償は継続すべきものである、こういう立場をおとりになって所信をお述べになったと理解をしてよろしゅうございますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 教科書無償給与制度を継続してまいりたいというのは、今後ともそういう私の意思である、こういうことでございまして、六十年度だけのものではございません。

久保亘日本社会党

○久保亘君 よくわかりました。  それからもう一つ、「豊かで魅力ある学校給食の推進」ということを述べられておりますが、これは学校給食は教育である、学校給食は教育であるという立場にお立ちになったものと理解をしてよろしゅうございますでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 率直な話、私、学校給食についていろんな意見があることを承知いたしております。もう、これだけ豊かになったんだから、子供の弁当はお母さんかつくってそして持たせてあげる、これはお父さんがつくっても結構ですが、持たせてあげる方がむしろいいんだというような有力な意見があることを私承知しておりまして、ある程度その意見に魅力を感じておったことも事実であります、大臣に就任するまでは。しかし、大臣になりまして関係者の意見を聞きますというと、なるほど豊かになったと言える、しかし今まで継続してきたことによって随分教育的な効果が出てきておると。  まず第一に、豊かにはなったけれども、そのことがかえって、子供の栄養のバランスがとれているかどうか。昔は貧しかったがゆえにかえって小魚をうんと食ったりしてカルシウムを吸収できていたけれども、このごろは魚といえばもう骨のないものだと、そのためにカルシウムが減っておると、そういったものは専門的な栄養士が研究した献立、それに基づいてカルシウムその他ビタミン類等吸収をさせる必要がある、そういう面。あるいは学校給食の場で教師と生徒が一緒に食事をしながら時間を過ごすことが非常に教育的な効果がある。あるいは生徒同士の間の心の交流も大変深まっていく。あるいはまた自分で給食を運びかつまた後片づけもするなどということも大変教育上意味がある。さらにまた食事をする場合のマナーの問題もこれまた学校給食で教え込むことができる等々、大変すばらしい教育的な効果があるということを私も知りましたので、そこで今後ともこれを発展させていきたいという考え方に立っておるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 この問題は、学校給食に関する最近の文部省の指導通達などもございますので、また改めていろいろお尋ねしたいと思います。  きょうは、その次にもう一つお聞きしたいのは、教員採用に当たっての国籍条項ですが、長野県のお嬢さんと言っていいのかな、女の先生の採用をめぐって文部省が随分それこそ地方自治に介入されたような印象を受けるんでありますけれども、この文部省が外国人教師の採用をいけないと言っている法的な根拠は何でございますか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) 外国人の公務員への就任能力につきましては、法令上明文の規定があるわけではございませんけれども、従来から公務員に関する当然の法理ということで、公権力の行使または公の意思形成への参画に携わる公務員には外国人を任用することはできないと解されておるわけでございます。公立の小・中・高等学校等の教諭の場合は地方公務員でございまして、公権力の行使という面ではございませんけれども、公の意思形成という面で、校長の行う校務の運営に参画をするということで公の意思形成へ参画をしていくということがその職務の内容であるということから、これは日本国籍を有する者のみがこれにつき得るというのが、戦後の憲法のもとでございました昭和二十年代からずっと引き続き政府としてとっております解釈でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 しかし、文部省は全国的にそういう既に外国人教師を採用している事例についてそのまま黙認されてきたものもたくさんあるわけでしょう、たくさんあるわけですよ。今度の長野県の場合に、なぜ法的な根拠もないのに教育委員会が採用を決めようとするものに対して文部省がこれ待ったをかけられたのか。  それから、今あなたがおっしゃったような理由ならば、この教師を講師なら採用していいという論拠はどこにあるんですか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) これまで採用された実例があるではないかというお話でございまして、確かに実態として調べてみますと、三十一件全国で存在するわけでございます。もちろん、これらの点については、この法理に反するということは私どもは申しておるわけでございますけれども、しかしながら、具体に現実に採用されている方々の、まあ何と申しますか、生活上の問題その他いろいろな点があると思いますので、これについて文部省がぎりぎり即日やめさせろということを申すのもいかがかということで、今後適切な対応をお願いするということで、まあ、黙認という言葉は正しいかどうかはわかりませんけれども、即日解雇というようなことを強制的に指導するというようなことは行っておらないわけでございます。  また、今回のこの件につきましては、昨年の十月ごろでございましたか、従来申し上げておりました件はすべて文部省の承知しておらない間に、あるいは採用する教育委員会等でも十分承知しないままに採用がされたというケースのようでございますけれども、今回の件につきましては、昨年の秋にこういう採用が行われるということが大々的に新聞で報道されまして、事前に文部省としてこの問題を承知することになったわけでございます。しかも、新聞の報道も、これは文部省は望ましくないと言っているけれども云々というような形で、県教育委員会の方にこの点についての文部省の考え方の誤解があるのではないかという点がございました。私ども望ましい望ましくないというような、いわば価値判断のようなことで申しているのではございませんで、先ほど申し上げましたような法理の関係から、それは法理に反するという見解をとっておるわけでございますので、その点につきまして県教委の方々に御来省いただきまして事情聴取すると同時に、従来から政府全体としてとられておりますこの考え方についての説明を申し上げたということでございまして、これは文部省として教育行政について、教育事務についての都道府県教育委員会に対する指導助言を行う権限と責務とを持っております文部省としては、事前に承知した以上それについての発言をするのは当然のことであるだろうかと思っておるわけでございます。  なお、今回教諭でなく講師云々ということについての御指摘があったわけでございますけれども、講師として採用するとかいう場合に、教諭につきましては、まさに学校における最も基幹的な職員として、学校教育法によりまして児童生徒の教育をつかさどるという基幹的な職員としての職務が規定されておるわけでございまして、それに対しまして講師につきましては、先生御案内のように、法律上特別の事情があるときに採用するという形の特別な職でございますし、その職務の内容も教諭または助教諭に準ずるというようなことで、教諭と比べますと、その職務内容あるいは責任等も軽度なものだという位置づけがなされております。また、具体の講師と申しますものの任用の態様を見ましても、これも御案内のように常勤のものもあれば非常勤のものもある、あるいは産休代替等として期限つきで任用されているものもある。いろいろなものがあるわけでございますので、これらのものをすべて直ちに法理に違反する、教諭と同じように法理に抵触をするということは言えないということで、法理に抵触するというふうには解されないということで、教育委員会が任命することも不可能ではないというのが私どもの判断でございまして、先般教育委員会の側からお話がございました際にも、そのようなことを文部省の意見として申し上げたところでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 まことに矛盾したことじゃありませんか。あなた方は法理によって採用してはいけないという指導をされてきた、法律とは言われぬのですよね。そこが問題なんだ。法理というのは、あなた方が勝手に法律の解釈をつけてやっておるんだ。法律上採用してはいけない根拠はない。むしろ、今文部省の硬直性を糾弾されている。その中の一つには、今こそ教育の国際化が必要である、こういうことがあるのであって、そういう点に古いしきたりにこだわって文部省がかたくなにやっているから矛盾が起きるんです。  じゃ、この先生が講師として小学校に勤められた場合と教諭として勤められた場合と、あなたがさっき公的意思形成ということを言われたけれども、そのことで子供と接触していく上にどこに変化があるんですか、区別があるんですか。講師でこの人が子供を教育するのと教諭で教育するのと、どこに違いがあるんですか。それを説明してみてください。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) 具体に教育を行います教育活動について申しているわけではないわけでございまして、先生御承知のように、学校には講師のほかにまた助教諭というような職もございます。それぞれが子供に対しては一人の先生として接触をしていくということが行われるわけでございますけれども、私どもが公の意思形成への参画と申しておりますのは、校長が例えば教育課程を、あるいは指導についての方針と申しますか、各学校でいろいろ言っておりますけれども、そういうたぐいのものを決める、あるいは校則を決める、あるいは児童生徒の、高校などの場合には入学の許可あるいは懲戒、退学を命ずる、そういうようなたぐいの、いわばそういった学校の運営管理と出しますか、そういう面についての参画という点の部分を取り上げておるわけでございまして、その場合に、教諭の場合には児童の教育をつかさどるという基本的な職務を担当しておりますので、もちろんそういう面で校長と一緒になって相談をしてやっていただくという性格のことが予想されている、こう解釈をしているわけでございます。講師、助教諭の場合には、いわば教諭に準ずる、あるいは助教諭は教諭を助けるというようなことで、教諭そのものと同格のものではない、臨時的に採用されたりしているものでございますから、そういう意味で教諭と同じような内容の仕事に当然参画をしていただくということを予測しておらない、こういうことで区分けをしておるわけでございまして、子供に対する教育の関係では同じようなことであろう、これはそう思うわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 何ですか、助教諭は臨時的に採用している——そんな筋の通らぬことをあなた方がやられるから、だんだんだんだん矛盾の深みにはまっていって、どうにもならぬのですよ。この人が講師であろうと教諭であろうと、日本の義務教育において子供を教育するということについて何の変わりがありますか。  それじゃあなた方、何か注文をつけられたの。担任をしてはいけないとか、職員会議に出てはいけないとか、何かそんなこと注文つけられたんですか。講師というのはそういうことは禁止されておりますか。ただ、これは採用のときの一つの身分にすぎないのであって、学校教育における活動においては教諭と講師が小学校で区別されておりますか。何の区別もないはずですよ。どうですか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) 先ほど来申し上げておりますことを繰り返すことになるわけでございますけれども、先生おっしゃいましたとおりに、子供に対する教育という面で違うことはないと、これは私どももそのとおり申し上げておるわけでございます。校長が行っております校務についての処理、それに参画する仕方について本来の職責の上から違うであろうということを申し上げておるわけでございまして、なお御指摘にございましたような具体のやり方につきまして例えばどうこうとか、職員会議に顔も出しちゃいけないとか、そんなようなたぐいのことにつきまして指導したことはございません。まさに任命権者の判断によってどういうふうに働いていただくかは考えていただければいいことと、こう思っております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 要するに、梁さんが長野県の小学校の先生になるということについては変わりはないんです。変わりはないんですよ。それを文部省が今までのあなた方の時代おくれの指導にこだわって、メンツを保つために、教諭じゃ困るから講師でやってくれと、そんな指導をするところが問題なんです。あっさり、やっぱり今までのそういう国籍条項で教員の採用について条件をつけてきたことは、もう今日の時代においてはふさわしくない、だから日本の学校の教師として資格を持ち、ふさわしい人であれば、採用することに何も問題はないという指導をするのが文部省の指導としては正しいんじゃないですか。文部大臣どう思われますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 公務員の採用の原則というものでございますが、これは教育にかかわる公務員だけじゃなくて、ほかの公務員も共通の事柄だと思いますけれども、先ほど局長が申しましたように、公の意思の形成に参画する公務員については日本の国籍を持っておる者でなきゃならぬという、これは法律以前の当然の法理ということで、新憲法下においても行われてきたことでございますし、そしてそのことは先年の大学の教員についての特例法ができたことによってもなおかつ明確になったわけでございます。すなわち、大学の場合には世界共通の真理の探究あるいは学術の研究、こういった分野であるわけでございまして、そういうことから特例を設けたと。特例を設けない分野については、従前どおり、先ほど局長が言いました当然の法理が適用されるということでこの問題は考えていくべきものでございます。  なお、そういうことが我が国だけではなくして、ほかの多くの国でも行われておるということなのでございます。でございますから、教育公務員だけじゃなくして、公務員任用に関する基本的な原則だということでひとつ御理解を賜りたいわけであります。

久保亘日本社会党

○久保亘君 ちょっと違った話で、文部大臣ね、私はあなたの感じを聞きたいんだけれども、戦後、日本の皇太子はアメリカの婦人に教育を受けられた。あなたは覚えておられるでしょう。あれはやっぱり間違いでしたか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 間違いであったとは私は思いません。そのことと国公立の初等中等教育の場合とは私は違うと思うんですが、公立の小中学校等につきましては、先ほどちょっと問題にもなりましたけれども、父兄の側に学校を選ぶ自由などというのがないということでもございますので、やはり公立の場合の教員の任用につきましては、先ほど来申し上げておるような法理がやはり適用さるべきものだというふうに考えるわけでございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 あなた方、法的根拠はないと言われたんだからね。法的根拠はないんですよ。ただ、あなた方が法律上どうもこれは法律以前の問題としてぐあいが悪いと、こう言っておられる。ところが、教育の現場における教師の役割というのを考えてみると、義務教育の場合、これは子供と教師との関係なのであって、それを説師ならいいが教諭ならいけないという理屈は僕はもう成り立たぬと思うんだよ。どんなにあなた方が、法理上無理があるとか、法律以前の問題だと言われても、さっき局長も言われたように、教育そのものについて言うなら問題はないんだと、教諭と講師と変わりはないんだと、こういうことなんだな。しかし、それでもやっぱり外国人が公的意思形成にかかわるような格好に教諭ならなりそうだから、ぐあいが悪いから講師としておけ。しかし、学校の中でやることは同じなんだと。こんなのは悪い言葉で言えばまことにへ理屈というわけです。それこそ文部省の採用してはいけないという指導をやったことがどうも間違いだったというふうなことになると面目丸つぶれである。じゃ、ことしのところは講師としておくかと、こういうようなやり方であって、こんなものを大岡裁きとは言わぬのであって、こういうのはへ理屈をつけて自分の体面を保つために教師を犠牲にしたと、一人の梁さんという人間を犠牲にしたということになるんじゃありませんか。しかも、私が聞いているところでは、この方はこれまでも条件つき採用か臨時採用で実際に教壇に立っておられた方なんですよ。そういう実績を評価した上で長野県の教育委員会は教諭に採用を内定をしたという経過があったんじゃありませんか。それを文部省が新聞で見たら、新聞に載らぬのはもうおれたちは知らぬのだから、三十一人全国におろか、これはしょうがない、しかし、偶然新聞に出たから、これをやっつけろと、こういうことでやったとすれば、まことに非国際的な、前時代的な文部省のやり方ということになりはしないか。これは私は率直に文部省が改めるべきことじゃないかと思うんですよ。教諭で採用しても差し支えない、それはあくまでも各県教育委員会の判断に待つところである、こういうことでそれ以上文部省は介入しない、そういうことでやるべきことじゃないかと思うんだけれどもね。その辺は文部大臣、あなたの文部大臣在任中にきちっとおやりになることがいいんじゃないですか。甲子園できょう始球式ができないで残念でしたけれども、それ以上の効果があるんじゃないかと私は思うんだけれどもね。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) この問題は、先ほど来申し上げているように、新憲法下におきましても公務員任用の基本原則として、公の意思形成にかかわる、参画する公務員については日本国籍を有する者ということ、当然の法理が働いて今日に至っておるわけであります。そして、先ほども申し上げましたけれども、大学の教員についての特別立法したときに、その特別規定がないならば原則が働くわけでありますから、その意味でさらに念を入れて各部道府県の教育委員会に、五十七年であったかと思いましたが、この公務員任用、教員任用の原則というものの通知をして、そして指導をしたわけであります。で、三十一名任用されておるわけでありますけれども、これは先ほど言ったようなことで、教育的な配慮を考えて直ちにやめていただくというようなことの指導はしてないと、こういうことなんでありますが、この公務員任用の原則の問題は、これ国際化が進んでおるということはありますけれども、やはり公立の学校の場合には、日本国民の大部分の意思というものもやはり国民教育といいますか、そういう分野についてはそれぞれの国があって、国籍というものがある以上、日本国籍を持った方に教育は受けたいというのが私は大部分じゃなかろうかと思うのでありまして、今こういう任用の原則を変えるという意思はないわけでございます。また、これは教員だけの問題じゃなくて、他の公務員にも適用される原則なんでありまして、法制局等とも十分意見を聞いての考え方でありますが、私どもの担当する教員につきましても、その任用についてはこの原則というものを変えるわけにはまいらぬというふうに思っております。

久保亘日本社会党

○久保亘君 じゃ最後に今のお答えに対して聞いておきますが、講師は公務員ではありませんか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) もちろん公立学校の講師は……

久保亘日本社会党

○久保亘君 いやあるかないかだけ答えればいいよ、あなたは。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) 公務員でございます。

久保亘日本社会党

○久保亘君 公務員だろ。その辺はあなた、はっきりしておいてくださいよ。  時間が来ましたので終わります。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 臨教審の問題について主として大臣にお伺いをいたします。予告をいたしておりましたので簡潔に答えてください。  先ほどの臨教審に触れた久保委員の答弁等も聞いておりますと、やはり釈然としないものがあるわけです。この臨教審における文部大臣の任務、仕事というものは何ですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 臨教審は総理大臣の諮問にこたえる審議機関として置かれておるわけであります。文部大臣の職務権限の問題でございますけれども、法律に書いてありますように、委員の選任について意見を述べる、専門委員の任命について意見を述べるということが法律に書いてありますが、そのほか審議会の発足する場合に、文部大臣には教育を所管する国務大臣として審議会の審議に関し政府の適切な対応が確保されるよう格段の尽力をすべしという使命がありましたので、審議が適切に行われるよういろんな面で協力をしていくという、そういう立場にあるわけでこざいます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 所信表明をされました中で、臨教審に触れたところがあります。そこで私は所管大臣としての文部大臣の任務というものを自分で目覚されて書かれたものと思います。  したがって、これはもう時間がありませんから趣旨だけ申し上げますと、あなたの言っておられるのは、審議会の審議が円滑に進められるようにあなたはやらなきゃならぬという任務を持っている。それから、答申を受けた場合、これを尊重して教育改革の推進に全力を挙げていく、こういう任務を持っていらっしゃると私は思うわけです。  そこで、時間がありませんから、現在の臨教審のあの混乱したといいますか、何言っておるのかわかりませんが、そういった運営についてのことはまた改めてお聞きをするとして、少なくとも今おっしゃったように、設置法の中にはっきり出ておりますあなたの任務は、委員の選任、専門委員の選任、これについては法規ではっきりしておる、あなたの任務は。  そこでお聞きしたいのは、これはもう森前文部大臣のときに、委員を任命しましたから、これはあえて聞きませんけれども、これはたくさん教育基本法を無視したような委員を出したという、そのことについては触れませんが、あなたは少なくとも専門委員の選任についてはタッチしておられる、任務としてタッチしておられる。聞くところによりますと、この専門委員というものの中に私どもとしても不満があるんですけれども、教育の現場の経験がある者が一人もいない、委員を含め、専門委員を含めて。したがって、現場の事情を知っておる者が一人もおらないという、こういったことに私どもは外部からこの人事については不満を持っておりますが、少なくとも文部省の方は、伝えられるところによりますと、二十九名のリストをつくって、そのほか予備候補も若干加えて、そして文部大臣が総理の方に進言されたというふうに承っております。それが結局出したので十二人が含まれておって、八人は切り落とされた、こういうふうなことを、これは人事の微妙なところですから、私はあえてここでそういったことは聞きません。だれかどうだった、どれがどうだったということは聞きませんが、所管大臣として、法律の中にはっきり文部大臣が人事にタッチするという責任の上からいって、文部大臣と総理との間でそごがあったのかどうか、現在の専門委員の選出の結果については満足をされておるのかどうか、文部大臣として。お聞きします。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 専門委員の選任に関して総理に対して意見を述べたわけでありますが、その前に事柄の性質上、また今までのいろいろないききつもありますので、臨教審の会長さんの意見をまず聞きまして、それを参考にしながら総理大臣に専門委員選任についての意見を申し上げたわけであります。  じゃ、どういう中から選んだのかというと、高等学校教育の関係者、教育学者、教育行政の学識経験者、それから人文社会関係の関係者、それから教育と社会とのかかわりについて学識経験を有する者、こういった者の中から二十名をやや超える人を意見として総理に申し出たわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私はもう時間がありませんから端的に言ってください。あの人事について文部大臣としての立場からいえば満足すべき人事であったかどうかということです。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 私は、適切な任命であったというふうに考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは後でまたゆっくりやります。  そこで、臨教審の方で四月の二十四日に、いわゆる審議経過の概要というものを発表する、公表するというふうになっているし、六月の末には第一次の答申を行うというふうに、もうこれは六月ですから間近である。この答申を受けたときは、この法律に基づいて「国会に報告するものとする」というふうになっていますが、こういう手続はどういうふうにお考えになっていますか。二つあります。要するに、中間的な経過の概要というものと答申と、これはもう一緒に具体的にどういうふうにしますか。例のように報告は、私どもの机の上に、どこからか聞きはしませんが、ぽんぽんと印刷物が並ぶようなやり方をするのですか。あるいは答申というのは国会でどういう形でこれが公表をされるのか。例のようにいろんな審議会のときには総理官邸に行って、書類をこう渡して、写真ぱちぱちと撮って発表になってそれで終わるようですが、今度は国会への報告ということになっているが、手続上のことですから余り詳しい説明は要りません。この中間の報告と第一次の答申、日にちは間近になっているが、このときの手順、こういうものについてお答え願います。

齋藤諦淳総理府臨時教育審議会事務局次長

○政府委員(齋藤諦淳君) 臨時教育審議会におきましては、四月の下旬に審議経過の概要ということで決定をして公表をしたいということでございますが、これはあくまでも答申ではございませんで、今までどういうことが審議されてきたか、それを知らせたいということでございますので、答申のような扱いにはならないわけでございます。(「どうするの」と呼ぶ者あり。)これについては新聞等に発表いたしますし、関係のところには資料を配付させていただきたい、このように考えておるわけでございます。  それから、答申につきましては、仮に六月に出された場合には、内閣総理大臣に答申をいたしまして、内閣総理大臣の方から国会に報告される、こういうようになっておる次第でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 六月の答申が出たときに、総理大臣にこれを、答申書を渡すでしょうが、国会の報告はその時期といいますか、これは次期国会が開催されておるところで総理がやるんですな、これ。臨教審の会長がやるわけじゃないですね。総理が国会で報告をするということになるんですね。

齋藤諦淳総理府臨時教育審議会事務局次長

○政府委員(齋藤諦淳君) これは適例の、慣例どおりに行われることと思いますが、国会に資料をお出しするという、そういう形で報告をされているようでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 この答申を受けた後の取り扱いについてお伺いいたします。  これは、例えば六月の末ということで答申を受けて、国会の方もこれを報告を受ける。しかし、所管大臣である大臣は忙しくなると思うんでありますけれども、これは法律、政令あるいは予算、こういった形で国会の中に出てくるわけですね、この実施のときには。間違いありませんか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 答申の内容によりますけれども、答申が出た場合にはこれを最大限尊重し、その実現に向けて努力をするわけでありますから、答申内容の具体化をしていかなきゃならぬわけであります。その場合には、立法あるいは政令あるいは予算もあろうかと思いますが、しかし、いずれにせよ、出てみないというと、いかなる時期にいかなる立法あるいはいかなる政令を、措置を講ずるかどうかというのは出てからのことなんでございまして、出た場合にはその内容を具体的に検討して速やかにその実現に向けて努力をしたいと考えているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 今までのこの設置法の審議の途中でも出てみなきゃわからぬ、何が出るかわからぬ、出てきてどうするかというのはそのときに決めるというふうな答弁が多いんでありますけれども、大体第一次の答申が四月の二十四日に出てくる、中間報告が。六月の末には具体的に出てくる。こういったときに出てきてみなきゃわからぬと言いますけれども、私もう少し聞いてみたい。答申を受けて、これが予算に伴う問題もあろうし、法律あるいは政令でさばかなきゃならぬという問題もあろう、いわゆる、実現には、あなたは全力を尽くすという今度のあれでありますけれども、答申が出て、そうしたらこれはどうですか、閣議でも開いて、そしてそれぞれ取り上げるもの、セレクトするもの、あるいはそのままであるもの、こういったものを決定するのはどういうところでやりますか、答申を受けて実施に移すという、その実施に移すときの手順はどうなりますか。これは所管大臣ですから、あなたのところでやりましょう、それは。

菱村幸彦文部省大臣官房審議官

○政府委員(菱村幸彦君) 具体的にどのような手順でやっていくかということにつきましては先ほど大臣の方からお答えがございましたように、立法または行政上の措置をどのように講じていくかということは答申の内容によって決まってくるわけでございますから、それを見た上で実施することになろうかと存じますが、文部省の関係、これは各省にわたります審議でございますので、文部省に関しますことにつきましては、文部省内に既に教育改革のための省内の連絡会等を設けておりますが、そういうところで具体的に検討しながら施策を進めていくということになろうかと存じます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 出たのを見なきゃわからぬと言っておるけれども、そんなものですか、文部省の立場は。  それでは聞きますが、総理は本会議の答弁の中で、答申が出てきた、こういったときには国民世論、国会の動向を見て判断したいという答えが出ております。だから、答申が六月末に出る、そして最も近い国会でこれが報告をされる、そしてそれからいろいろ今答弁があったように作業が行われる。その間には国会の動向という形もありますから、これは答申が出たらもう直ちにやりますか。法律やら予算やら政令という形でこれが国会の中に出てくるというのは相当期間があると見ていいですか、その点は。

菱村幸彦文部省大臣官房審議官

○政府委員(菱村幸彦君) 答申の具体的な内容によって異なってくると存じますが、早急に取り組むべきものは早急に取り組むし、それからなお行政部内での検討を要するものにつきましては、しかるべき検討を加えて取り組むという形になろうかと存じますので、恐縮でございますが、繰り返しになりますが、出てまいります答申の内容によって個々具体的に施策を検討し進めていくということになろうかと存じます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それでは、後でまた文部省のこの点についての態度は一つ一つ具体的に取り上げて聞いてまいります。  そこで、文部大臣の立場は所管大臣という形の先ほどのような任務を持っていらっしゃるのと、文部省固有の事務をいわゆる遂行していくという文部大臣の任務が二つある。先ほどの答弁見ますと、この答申というのはどんなものが出るかしらないけれども、少なくとも実現可能なものがある、出るであろうというふうに確信を持ったような答弁が先ほどありました。期待されておるようです。これは期待はいいけれども、先ほど久保委員からも言ったように、何が飛び出すかわからない。期待したんだったら、今さっきの答弁むちゃですよ。およそ今何か出るぐらいはわかっているはずだ。何が出てくるかわからぬから、出てこなければわかりませんと言っておるわけでしょう。そういうふうにして出てきた答申、これを所管大臣としてこれが実施できるかどうかとかセレクトしなきゃならぬ立場にこれは当然逢着すると思うんですよ、所管大臣としては。そのときに大臣の仕事というのはどういうふうに文部省の——例えばこの前出ました、一月の二十三日ですか、文部省の方で高等教育局長と初中局長が出て文部省の立場を第一部会にやったというんですけれども、あれが文部省の今の立場ですね。その立場は文部大臣として、所管大臣として食い違った、こういったときには大臣の立場としてはあくまでも、答申が出てくる、それをセレクトするときに、あなたの立場は、例えば今の自由化という問題について、大学教育についてあるいは初中教育についてという、あの述べられたあの線でセレクトされますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生が今おっしゃいましたこの四月ですか、審議概要その二、これは概要を国民にお知らせして、そしていろんな方々の意見が出てくるでしょう、これをいろいろ参考にしながら最終的な答申がまとめられるというふうに私は理解いたしております。その意味では審議経過の概要その二が出ますれば答申が大体どういうものになるだろうかという予測は実際問題としてはある程度つくと私は考えておりますが、そういうこともあって審議経過の概要その二というのが答申の一、二カ月前に出るんだというふうに私は理解しております。その段階である程度のことを予測できるわけでありますが、いずれにいたしましても、先ほど先生の御指摘になりました臨教審の求めに応じて文部省としてヒアリングをした、そのことは基本的な事柄でありますから、十分臨教審の方でも理解をした上での答申になるものと私は考えておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 あなたは非常に人がいいと思うんですよ。答申、何が出るかわかりません、それは。あなたの言葉を聞いておると、四月の二十何日でしたか、終わりに中間報告が出るときには、大体文部省なり我々自身もびっくりするようなものは出てこない。大体、皆各層の意見を聞いて出てくるので、答申が出てから文部大臣が、さあこれは落とすか、これは予算つけるか、これは執行不能というふうなセレクトはしないでいいような状態が必ず出てきますか、答申の中に。それは自信を持っておっしゃっているようですが、どうですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) どんな答申がなされるかということは、これは臨教審みずからがお決めになることでありますが、今申したとおり、審議経過の概要その二というのは、臨教審の中でいろいろ議論されたものをまとめられたものが一応出るわけですよね。それは国民世論の動向その他各方面の意見をさらにそれをもとにしてお聞きしたい、そうした上で第一次答申そのものはまとめたいということで、そういう手順でなされるようであります。そういたしますと、その二の中に出ている事柄が第一次答申の中に絞り込まれる素案じゃなかろうかなというふうに私は思っておるわけでございまして、その中を見れば、大体実現可能なものあるいは実現ができないものも出てくるかどうかわかりませんが、私はそんなものは余り出ないんじゃないかな、こう思っておるわけでありまして、その意味でそれほど私は答申の中身を実現することに意見の食い違いからの無理、困難というものはないものと考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 臨数審の会長呼びたかったんですけれども、そこらあたりはっきりしたいと思うんでございます。マスコミ等で出ているのは、相当詳しいものが出てますよ。そして、恐らく今度第一次にはこういう項目が出てくるだろうという予測までずっと出ている。それを今言えと私は言いませんけれども、時間がないから、大臣の方でおっしゃるようなことを私は信用しますけれども、少なくとも所管大臣として、答申が出てびっくりして、それからこんなものが出たら、これは国会の論争の中で、法律できるか、予算がつけられるか、こういうふうな大騒ぎがないように、あなたは楽観しておられるようですけれども、そんなものじゃ決してないということだけ私は言っておく。  したがって、もう一つ聞きますけれども、この答申については、今までの例からいって所要経費はつきますか、つけさせますか、つけぬ方がいいですか。これも一切臨教審の方の考え方に任せますか。文部省としては、答申が出たら必ず予算が裏づけされなきゃならぬ、それについてはこれだけの経費が要りますという経費の提示、答申の中に入ることが好ましいと思いますか、所管大臣としてどう考えられますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 教育改革を実行する場合にどういう項目あるいはどういう事項についての改革かによっていろいろ差はあると思いますが、全部が全部予算措置を伴うものとは限らないと思うんです。しかし、予算措置が必要なものにつきましては、教育改革を実現する以上、その予算確保について全力を挙げたいというのが私の立場でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私はその先のことは言っていないんですよ。それは、あなたは一生懸命頑張らなきゃいけない。私どももまたこれはいろいろ意見は言うが、予算が出たら。  臨教審の答申ですよ、その答申した裏づけの予算というものはつきますかということです。まだこれは何が出るかわかりませんから、わかりませんでは済みません。しかし、わからないでも、文部省としては、文部大臣としては、好ましいかどうか、そこまで答申するなら経費をつけてするのが本当だ。今まで中教審でも何でもやりましたね、経費は幾らかかるか。こういうところまで答申を求めますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 臨教審の審議の中でいろんな改革に関する審議はなされておるようでありますが、それを改革するための予算が幾ら必要かという議論はまだなされているとは聞いておりません。しかし、これから必要なものについては、それらに対する議論もなされるだろうというふうに思ってはおります。しかし、まだ予算のことについての議論がなされているとは承知いたしておりません。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 所管大臣として、その予算まではっきりつけて出してもらいたいという要望があるのかどうかということです。あなたの立場からどうですということですよ。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) これは審議会の方では改革の意見を求めておるわけでありまして、政府の側は。それを実現するのは政府の責任でありますから、必要な予算につきましては政府の側で積算をして、そして必要な予算は確保する、こういうことになるんだろうと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それは重大ですよ。そうすると、この臨教審の答申というのは考え方がいろいろ述べられて出しっ放し、あと、その中でいろいろ予算の要るもの、それは政府の方でやる、こんな無責任な答申がありますか、今まで。

菱村幸彦文部省大臣官房審議官

○政府委員(菱村幸彦君) 臨教審におきまして御審議いただくときは、その審議の内容によりまして当然予算的な観点からの検討も踏まえて御審議いただけるものと思います。ただそれにつきまして、そうした予算にわたることまで答申の内容に記入されるかどうかにつきましては、これは臨教審の立場でお考えいただける問題だと考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 だから、私は所管大臣として、特に他の省にもかかわるところもあるかもしれませんけれども、大部分の予算を執行していくという場合には、これは文部省が一番大きい。その所管大臣の文部大臣として、予算までつけてはっきり出してくださいよというふうに望むのか、あなたがさっき言ったように、言葉だけとにかくいろんなものをずっと出してみて、後は、予算が要るならそれは私の方で考えますというのか、どっちかということです、出てみなきゃわからぬということじゃなくて。もうすぐ出るんですよ。そういうことですよ、私の聞いておるのは。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) これから個別的な具体的な教育改正案の審議が深められていくわけでありますが、その審議の過程で財政的な側面等についての論議がなされることもあり得る、ころ考えております。そういう論議がなされた上で仮に答申が出てきたとする場合に、幾ら要るかという金額面まで書いて持ってきてくださいというふうに私の方から言うことも必要でないような気がするわけでありまして、幾ら要るかなどという計算等は、まさしく実施官庁である政府・文部省が積算しても私は十分であるというふうに思っておるんですけれども。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 ことで時間とりたくないんですけれども、予算という、いわゆる答申をするときに、その裏打ちとしてやるときの過程の中で、文部省が、設置法の八条ですか、これに基づいていろんなデータを出していって、最終的に答申の中には、これは臨教審としての考え方だ、それに裏づけされる予算というものは出してしかるべしと私は思うんだけれども、それを私は聞いているんです。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 臨教審の側でヒアリングを求められる場合にはもちろんのこと、それを実施する場合にはどの程度の予算が必要である、こういったことは必要がある場合にはもちろん文部省側で臨教審に対して申し出て、そして、それも参考にしながら論議をしてもらうと、こういうことになるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 どうも歯切れが悪いですね。私の聞いておるのにはっきり答えてください。  答申というものについていろいろ出ましょうが、これは必ず事業が伴うものですよ、どんなことでも。教育基本法を変えようというふうな答申が出ているときには案外これは印刷代ぐらいで済むかもしれない。しかし、今でもいろいろあるでしょう、小・中・高の一貫とか、これはもう今度の六月には出すと、こういうときには金が必ずかかる。その審議の過程で文部省からいろいろ援助をしたり資料を出したりはじいたりというのは、これは審議会の中の活動なんですよ。出てきたものが、この中には予算がない。ないというよりも、あなたに先ほど言ったら、そういうものはばあっと出してください、あとは文部省がやりますからと、こういう立場じゃ相済まぬのじゃないか。あくまでもそうなるのならそれでいいんですよ。私もまた今後の対処の仕方もある。予算をそこまで審議されるなら、途中では文部省としていろいろ援助なり資料なり計算もしてあげましょうが、所管大臣として答申の最後のところに、その答申に要する経費というものがこれこれこれだというふうに出しますか。そういうふうにすることが望ましいのか望ましくないのか、端的に言ってください。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生の御質問の趣旨は、臨教審の出す答申の中には、予算を伴うものについてはこれだけ予算が要るぞということも書いた上で出してもらうように働きかけなさいと、こういう……

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 いやいや、あなたの考え方を聞いているんだ。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 私の方は、どういう内容の答申になってくるのか、それは臨教審の側でお決めいただくことでありまして、審議の過程では、先ほど先生に申し上げましたように、こういう事項をやるためにはこの程度の予算が必要ですよということは十分臨教審の方にも申し出て、それらのものを参考にした上での最終的な臨教審としての意見の取りまとめにしてもらいたいというふうに思っておるわけであります。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 もうすぐですから期日はないんですよ。今ごろのこの段階で出てみなきゃわからぬとか、予算がつくかっかぬか、そういう答申が出るか出ないか、それは臨教審の方でしょうというふうなことじゃいかぬのじゃないですか。私ども随分この設置法の反対したけども、総理大臣の直轄でいったら文部省はとんだことになるぞということはここの委員会で随分私は言った。しかし、そのときの文部省なり森さんの意向というのは、総理直轄でいけば、文部省に金がないけれども、予算なんというのは随分とれるんじゃないかというのがやっぱり裏にはあったわけですよ。予算の獲得ということ、あのときには一つの大きなこれは魅力だったわけでしょう、あなたたちの立場からいけば、私どもは反対したけれども。  予算の問題であとはこれはじいてみて、後で質問しますけれども、どれだけ出てくれかわからない。この際とっておこうと思えば大いにやるべきであって、出てみなきゃわかりません、出てきてからやりましょうなんというようなことじゃ、これいかぬのじゃないか、私はまだ後で質問いろいろしますけれども、予算の経費の問題についても敏感に反応していってもらいたいと思うんです。  先ほどから臨教審と文部省との関係ですが、ヒアリング、ヒアリングという言葉が盛んに出てくるわけですけれども、この前の初中局長と高等教育局長お二人が行きました一月二十三日は、資格としては、立場としてはどういう立場ですか。ヒアリングという形で行ったんですか。ある新聞では参考人として呼ばれたというふうに書いてあるところもある。こう何とかいろいろなところ、ずっと次々に教育団体とか、いろいろ呼びましたね、あれを称してヒアリングと言う。その中の一つとして文部省の意見を聞いてあげるから文部省来て文部省の言い分を言いなさいというふうな立場で行ったのか、あるいはこの八条のあの趣旨に従って行ったのか。これは簡単ですけれども、あの立場というのははっきりしておかなきゃならぬ、今後の問題もあるから。私はただ単に経済団体の代表が行った、どこから行った、ここから行ったと、その中に文部省で局長が二人呼ばれて、そこに行って文部省の立場を強く述べたとか、それに対してまた反撃したとか、これははっきりしてくださいよ、今後も。  それからもうこれはあわせてやりますが、文部省の考え方というのは今後もああいった形でやりますか、まだ三年間ありますけれども。文部省の意向というのを臨教審へ伝えるというのは、これは私も聞いたんですけれども、事務局長あたり文部省から出しているけれども、このごろ一向に文部省の意向をあそこで出すわけにいかぬような立場に全くなっているというふうなことも聞く。初め張り切っておったんだけれども、何だか本当の事務局になってしまって発表をやるときでもその作文を事務局がやったところが、さんざん怒られて、お前たちに任せられぬと言って総会中心主義に持っていったというようなさんざんなところですから、私はどうも事務局の方から文部省の意向を反映させるというのはちょっと無理じゃないかと。人事も失敗しています、あなた、はっきり言って。専門委員の人選間違っているんですよ。そういうところから出る意向一つもない。そうすると、文部省の意向を臨教審に伝えるというのにヒアリングのようなあの姿では私は哀れだと思うんですよ。ヒアリングなんてみずから言うもんじゃないですよ。その点いきさつちょっと聞かせてください。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 文部省の初中局長、大学局長等が臨教審で説明をいたしたのは臨教審設置法第八条の規定に基づく「資料の提出、意見の開陳、説明」等に当たるものでございました。これからもそういうきちっとした仕方で資料も提出し、意見も開陳するということでやっていきたいと思います。先生のお話にありました一般的な経済団体の代表その他から意見を聞くという場合とはちょっと、もっと重みのある第八条の規定に基づくものであったというふうに御理解願いたいんです。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 森文部大臣の時期に私は随分ここで質問をしたんだけれども、    〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕 私は今少なくとも臨教審がある三年間は教育界は混乱だと思う、混乱すると思う。大臣のおっしゃるようにあそこに任せておったら非常識なものは出てこないだろう、実施不可能なようなものは出てこないだろうというふうに安閑として私はあの臨教審を待っておっては大変なことになる。  そこで私はお聞きしますが、臨教審の中間で資料が出てみたり、いろいろな便りが出たり、いろいろしてますけれども、大臣はときどきあれに相づちを打って、それは検討に値するとかいうコメントをときどき出したりしている。文部省はそれを聞いて既に準備に入っているという報道あたりも聞いたり、右往左往しているというふうな感じを私は受ける。そこで、この三年間、また延長になるかもしれぬけれども、臨教審がある三年間、この間の文部行政というものと臨教審との関係、これについて多少聞きたいと思うんですけれども、この前の森さんは、文部省固有の事務ということで臨教審は学校教育のみならず、ゼロ歳から生涯にわたる教育全般について二十一世紀を展望した長期的視野で検討していただく機関であり、文部省固有の事務として進められるべき施策、例えば四十人学級、育英奨学制度の見直し、私学助成のあり方、こういうものは審議会とは切り離して実施していく、こういう考え方ですよね、変わりありませんか、大臣。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) そのとおりでございまして、文部省としては文教行政上当面する諸課題については積極的に取り組んでおるところでございます。今先生の挙げられましたことなどもその一部なんでございますが、そのほかにもいろいろ積極的な取り組みをしてきているところでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 この次に聞きますが、詳細に私は文部省の固有の事務として、臨教審の方でダブっておろうと何であろうと、とにかく文部省は自分のこれは固有の仕事としてやっていく項目について、これ資料を後で出していただきたいと思います。委員長の方で……。出しますか——それじゃ飛ばします。  それじゃ一つだけ例を引いてみますが、新高等教育計画というのが出されて、私はこれは重要な問題だから臨教審で当然審議されるであろうというふうに思っていましたが、文部省は十八歳人口の急増に伴う大学等の入学定員の増員という量的な問題については文部省固有の事務、そうしてそのときに既に計画の中に入っておった「開かれた高等教育機関の整備」、「高等教育機関の国際化の推進」、「特色ある高等教育機関の整備」、こういう大きな項目でいわゆる質の面の問題を取り上げておった。    〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕 ところが、この質の面についてはこれは臨教審の方でどうぞ、こういう大体立場をとっておられるように私は思うんですが、詳細にずっと聞けばあれですが、局長の方でその考え方ですね、入れ物だけはとにかくどんどん固有の事務としてやっていきます、教育の質の面、内容の面等についての改革はこれは臨教審でどうぞというふうになっているんですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 新高等教育計画についてのお尋ねでございますが、考え方としては、その「まえがき」にも述べておりますように、我が国の高等教育をめぐる全体の情勢が大変現状では不確定な要素が多くて、現段階で高等教育について長期的な見通しを持って明確にその整備の方向を定めるということは非常に困難だけれども、先生御指摘のような六十七年度をピークとする十八歳人口の大幅な増減、それから質的充実の必要性等について適切に対応することは緊急な問題であるからということでまとめていただいたものでございます。したがって、もちろん量的な問題についての対応策のことも内容的にはございますが、質的充実の必要性という観点についても検討をいただいているところでございますし、基本的な考え方としてはそのような線に沿って私どもとしてもいろんな具体的な施策において、例えば放送大学を現実に充実整備していくとか、そういうような具体の施策のことも私どもとしては取り組んでおることでございまして、そのこと自身はただいま臨教審でも御議論いただいておりますような高等教育全体の整備の問題の事柄と決して矛盾しているようなものではないと私どもは考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 時期的な問題は私はわかるからあれですけれども、そう言い切られると私もちょっと開き直らなきゃならぬ。矛盾はないと言う。矛盾大いに出てきますよ。今大学教育の問題についてこれは臨教審として大きく取り上げますよ。これはまたとんでもない意見やら、およそ文部省が考えているような大学教育の内容の改革と質的な問題については相当思い切った問題が出てくると私は思うんです。そうすると、いわゆる時期が忙しい、差し迫っておる、入れ物もというものと必ずこれは三年間のうちにそぐしてくる、後で取り返しのつかぬようなことが私は起こってくると思うんですよ。あなた方も随分考えていらっしゃるようですけれども、大学と短大、大学と専修学校の連携協議、いろんなことで今の入れ物がちょっと違った形で入れ物をつくらなきゃならぬというふうな形になってくる、そのときに急遽切りかえられるかという問題を私は非常に心配しておるんですよ。その点で私は聞いておる。これはよほど、臨教審の中で第一部会からいろいろあるけれども、一番早く、できれば今度の六月の答申の一番真っ先に一番険しい大学の改革の計画というものを出してもらいたいぐらいに私は焦っておるわけですよ、私自身は。あなた方どうですか、入れ物さえつくっておけば後で変わったのはどうでもいいというふうにはならぬですよ。矛盾は感じないと言いますけれども感じます、これは必ず。私はそういった意味でこれは所管大臣として十分考えておられると思いますけれども、早くやらないと、六十一年から六十七年までのあの急増のあの中で、今度は急減したときのことも考えながらやるとすれば、やっぱり臨教審でこの大学問題を取り扱うならば早く結論を出さないと必ず三年間のうちで今のこれはそごしてきます。これは要望ですが、審議を早く進めないといけないと思うんですよ。自由化の何の言う段じゃないです、これは。早くこれは進めてもらいたい。必ずこれは私は、局長がおっしゃったけれども、局長自身も要望されておると私は思うんですけれども、早くしないと矛盾だらけになってきて、入れ物と中の内容、質の問題がかかわってきてにっちもさっちもいかないということになります。何回も言いますけれども、六十一年から六十七年までのいわゆるこの十八歳人口というのは二十一世紀の中心的な、もう十五年ほどしたら来るんですから、この連中は。これは中心的な者が、その間お粗末な大学教育を受けておるというふうなことになったら大変ですよ、これは。文部省としては質的な問題よりも量的な問題がまず大変だからということで今ぎゅうぎゅう私学やらやっておられるようですけれども、これは一つ要望です、矛盾はしないと言いますけれども矛盾はします、矛盾が早く来ないうちに内容の問題、質の問題、これを審議会で取り扱うなら早く結論出せよというふうに要望しておきます。  もう時間がありませんが、たくさんあったんですけれども、もう一点お伺いしますが、これは初中局の方にお聞きしたいと思うんですけれども、四十人学級という問題について、これは大臣も相当努力をされまして、私どもから見ればまだまだ足りないんですけれどもね、これが臨教審の中で取り上げられておるということは私も聞いています。これは臨教審の委員に個人的にも私はやったんですけれども、これは急ぐというふうなことも言っておるようです。大臣も御努力いただいて、ことしから四十人学級に向かって働き始めるわけですが、個々の臨教審の中における審議なり気迫というのはいろいろ出されていますけれども、三十五人学級というものについてぜひ実現したいという希望が非常に強い、これは必ず三十五人学級というものが答申に上がってくるというふうに私は期待しています。今度の小中学校の教育問題について論議、第三部会ですか、やっていますけれども、何といってもやっぱり一学級の人数を減らきなきゃならぬと。これは当たり前の話で、これはぜひ私は強力に進めてもらわなきゃならぬ。文部省のいわゆる今の固有の事務という形では四十人学級というので私は進んでいくと、やっと今ここまできたという形なんだということなんだけれども、この三年間のうち私は一年でも二年でも、場合によっては今度の六月の第一番目の答申の中に出してもらいたいと思うんだけれども、そういった答申が出てきたときには、あなた方の四十人学級の完成というのは随分幅がある、また随分先になる。これをとにかく推進してもらわなければならないけれども、三十五人学級といういわゆる答申が出たときには、この点については現在あなた方がやっておられる四十人学級の推進とかかわってくるわけですが、その際のあなた方の決意といいますか、切りかえは必ずやると。そういう答申が出ればやるというふうなことは臨教審とのかかわりの中で言えますか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) 四十人学級あるいは学級編制問題についての臨教審の中での御議論でございますけれども、学級編制のあり方ということで何回か話題にのっているということは承知しておりますが、まだ例えば先生ただいまおっしゃいました三十五人学級というふうな方向に固まりつつあるというようには承知をしておらないわけでございます。いずれにいたしましても、昭和五十五年度から六十六年度までの十二カ年計画ということで進めております四十人学級の実現、これが国の財政事情等からかなりおくれているということは御案内のとおりでございますので、これを六十六年までに完成をするということが、私どもの現在のいわば最大の課題であると思っておるわけでございまして、臨教審の答申がどうなるかということを想像して今の段階で申し上げるのは適当でないと思いますが、いずれにいたしましても、この四十人学級計画どおり完成するということに全力を注いでまいりたいというのが私の気持ちでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 大臣に最後にお聞きしたいと思うんですけれども、先ほどから私も随分文部省という立場と文部大臣という立場と所管の大臣という立場といろいろあると思うんだけれども、その出処進退、自分の位置というものははっきりやっぱり明確にしていただきたいと思います。これは要望です。先ほども言ったようにこんがらかっていますよ。これこんがらからせると少なくとも三年間混乱しますよ、文部大臣の立場は。文部大臣として言うべきことははっきり言わなきゃならぬ、所管大臣としてやらなきゃならぬこともやらなきゃならぬ。ここらあたり非常に難しいことですけれども、毅然としてやってもらいたい。それから、思うことは臨教審に対して言ってもらわなきゃなりません。円満な運営というだけをやっておったってだめです。出てきたものについてあなたはこれは誠心誠意実行していくということは、これはどんなものが出るかわからぬけれども、それの決意だけは表明されておられますけれども、その過程が一番大事なことでありますから、ぜひひとつやってもらいたいことと、それから大臣、所管ですから、中間の報告が出るといった場合はこの国会の中における文教行政の私どもはこれは責任者ですよ、やっぱり。文教委員会と臨教審とのかかわり、文教委員会と国会とのかかわりという問題についても十分に私は配慮していただきたいということを申し上げておきます。法律や政令や予算が出てきて、さあこれから国会の皆さん方の御意向をというふうな枠外に置くような立場を絶対にとらせないように所管大臣として進めていただくことを要望して終わります。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 幅広いそして奥深いものを持った文教行政について文部大臣が実に簡潔な所信表明を発表されました。その簡潔な所信表明の中に五十三語でありますけれども、婦人問題についても触れられております。非常に期待するところが大きいわけでありますけれども、大臣の触れられた問題は、「本年は「国連婦人の十年」最終年に当たり、これまでの成果を踏まえ婦人の地位向上のための施策を推進してまいります。」こういうものであります。この婦人の地位の向上というものは一体どういうことを具体的にお考えになっていらっしゃるかということです。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 婦人の地位を向上していただくためには婦人自身がいろいろな機会に学習していただき知識を広めていただき、そして社会でも活躍していただく、そういった条件を整えることに施策の上で協力をしていくということであるかと思いますが、そういう考え方に立ちまして婦人問題に関する学習機会を提供する、婦人学級の拡充あるいは国立婦人教育会館の充実、そして四月一日から授業が始まる放送大学の整備充実、ありがたいことに放送大学で学習をなさる方の約半分は婦人でいらっしゃるわけでありまして、こういった放送大学の整備充実も婦人の地位の向上につながるものとこういう考え方でございまして、今申し上げたようなもろもろの施策を今後とも一生懸命推進してまいりたい、こう考えておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 今の大臣のお考えは、学習する条件をつくっていきたい、そしていずれ女性が社会で活躍する力をつけたいと、こういう考えだと思います。私はそのことは賛成なんです。しかし、もう少し具体的に婦人の地位を向上させるということはどういうことなのかということに関しては、例えば今学校現場には婦人教師が非常に増大をしていますね。小学校なんかも半数を超えているわけです。こういうことを一体どのように見ていくかという問題が一つありますね。それから例えば、諸外国においてはこの女性の地位を向上させるという意味では、管理職にある程度の人数は必ず女性を採用していく。あるいは新採用をやるような場合には必ず女性を入れていく。また、今までも国会の中でも随分討議になってまいりましたが、審議会のメンバーに必ず女性をふやしていく。  こういう具体的なことが指摘をされてきたわけであります。こういう面についてどのようなことをお考えになっていらっしゃるか、ということを伺いたかったわけであります。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 教員その他教育にかかわる人の採用等につきまして、性の別による差別はもちろんのこと絶対にしてはならぬ、こういうふうに私は考えております。  それからまた、審議会等に女性の委員が少ない。この問題につきましては、これは速やかに女性の委員が一定のレベルまで率を上げるということを目標にして進んできておるわけでありますが、こういったことも一生懸命努力をしてまいりたい、こう考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 文部省は審議会にどの程度女性を入れておりますか。非常に成績のいい審議会というのはどのくらいありますか。

真鍋賢二自由民主党・自由国民会議

○委員長(真鍋賢二君) どなたがお答えになりますか。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 事前にそういう細かいことを通告しておきませんでしたので、資料をお出しになる間、私は別の質問をしたいというふうに思います。  文教委員会で去年だったか、おととしでしたか、調査に行きましたときに、香川、徳島——四国行ったんですけれども、そのときに、こんなところでも非常に子供たちの非行、暴力問題が増大をして困ると、こういうことの報告がありました。たまたま夜、懇談をするチャンスがありまして、公の場所ではありませんでしたけれども、教育長さんがこういうことを言われました。どうも婦人教師がふえたから、女の先生がふえたからこういうふうな条件になったのではないかと。私は非常に残念なことだというふうに思うんですけれども、文部大臣はいかがお考えですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 私は非行の増大問題と、それから教師に婦人が多くなったという問題とは関連性はないというふうに思います。しかし、よく世間では、厳しくしかってくれないから云々と言う人がおりますけれども、これはどちらかというと部外者の方の一方的な見解じゃなかろうかなと。やはり男の先生、そして婦人の先生、いろいろ特色もあるわけでありまして、場合によっては、婦人の先生がやさしく懇切丁寧に指導することによって非行に走ろうとするのがとまるという例もしばしばあるんでなかろうかと思うんでありまして、教師に婦人がふえたから中学生の非行がふえたなどということは私はないというふうに思っております。

西崎清久文部省大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 失礼いたしましたが、文部省所管の審議会における婦人登用の数と割合でございますが、先生御承知のように、五十二年に婦人問題企画推進本部決定で、婦人の登用について一割を目途にというふうな趣旨でございますので、私ども努力をいたしまして、この決定以前の五十一年度における審議会の全登用数が十五人でございましたが、昭和五十九年度におきましては二十七人に達しております。割合から申しますと政府全体の審議会の婦人の登用率が五・二%でございますが、文部省におきましては、先ほど申し上げました二十七人は五・七六%になっておりまして、全体平均よりは努力をいたしておるというふうな実情でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 しかし、一〇%になってないわけなんですね。一割にも達していないというところに私は、文部大臣がおっしゃった言葉を具体的に事務局の方で実践をするという姿勢がないということを批判をしたいと思います。  さて、今文部大臣が婦人教師が増大しているけれども、立派にやっているという言葉はお伺いできませんでしたけれども、きちんと仕事をしているということの意味を含めた御回答がありましたので安心しているんですが、例えば結婚しながら、子供を持ちながら働いている、そういう婦人教師が非常に多い。そういう条件をつくるものは一体何かといえば、一つには、育児休業という制度をつくって、そして安心して本人も休める、そして学校の方もその間かわりの先生が入って安心して子供たちもいい条件のもとに教育が受けられるという、こういう幾つかの制度を私は文部行政はやってきたというふうに思います。ところが臨教審のメンバーの中に女教師を廃止せよということを堂々と公言をしていらっしゃる、本に書いていらっしゃる方がいるわけでございます。先ほど久保理事からの質問に対して、文部大臣は男女共学は守っていきますと、こういうふうにおっしゃいましたので安心しておりますが、同じその方が男女共学を廃止せよと書いていらっしゃるわけですね。なぜこんな人をわざわざ臨教審の正委員に入れているのか。私は総理の考え方自身がわからないというよりも、もう不信感でいっぱいなんですね。  具体的に言えば「現代」にあります。渡部昇一さん、上智大学教授でありますね。この方は塾も学校にした方がいいんだなどというようなことを書いてもいらっしゃいます、同じ「現代」に。さっきの香山さんの話ではありませんが、文部省の硬直した姿勢を直すには物すごい圧力をかけて、そうして若干直すというこういう目標を持った発言と考えても、私は非常に問題がある人だというふうに思います。  どんなことを言っているかといいますと、例えば「学科を女の先生に習いたいという気持が親や子にあるだろうか。」、それから自分自身の体験で言えば、あるいは自分の「身近に知っているいろいろな家庭の例でまとめると、女の先生はいい先生も困った先生もいた一方、男の先生の場合、子供から見て悪い先生はいなかった、」などということを書いているのですね。私なんかもう顔を見るのも嫌だ、廊下の向こうにその先生が顔を出しただけで身の毛がよじられるような思いをした男の先生いらっしゃるのですけれども、男の人から見るとこういうようなことを思うものかなというふうなことを考えているのですね。「産休・生理休その他で労働量が男の先生よりずっと少なくとも、賃金は男女完全同一で平等である。」というふうなことを書いていますね。何よりも恐ろしいと思うものは、「子供の間の秩序感覚の崩壊が、ガキ大将もつくれないような男の子、ある日突然親を殴るような子供をつくるということにつながっているらしいことである。」——「らしいことである。」というふうに逃げていらっしゃる。この辺は非常に巧妙な逃げ方だというふうに思いますが、こういう人をなぜわざわざ選んで臨教審メンバーにするのか。しかも文部大臣のお言葉によれば、国連婦人の最後の年で女性の地位を向上しなきゃならないというときに、こういう方を出してくるのかということについて、私は非常に不満を持っております。  それから、男女共学についてこの方はどういうことを言っているかといいますと、思春期には男と女は別にした方がよろしいのだ。「もし男女共学を学問と矛盾しない形でやりたいならば、女の子は六歳、男の子は八歳で就学させなければおかしい。」と、こういう何が科学的なのか知りませんけれども、堂々と書いているわけですね。大体この時期に男女を一緒にすると「互いに対するロマンチックな感情が育ちにくいのである。」なんと言ってね、小学校三年、四年からもう分けた方がよろしいなんということを言っているわけですが、これは教育基本法から言うと、どういう判断をしたらよろしいのですかね。文部大臣のさっきの御答弁では男女共学だと、こうおっしゃるのです。よりもよって何でこんな人を臨教審メンバーに出したのですか。大変不満を持っているのです。しかもそういうことをしていくと、比較が嫌らしいですね。雄と雌のゴリラを一緒に育てた例が、ある動物園であった。雌の方が早く生まれたので力が強かった。雌ゴリラが雄ゴリラをいじめたので成長した雄ゴリラはもうだめだったと、こういうことを書いているわけですね。売文としては売れるかもしれませんが、しかし、まじめな教育を審議しようというときにこんな人をわざわざ正委員に出してくるということについて、私は非常に憤りにたえないわけであります。それはまた別といたしまして、先ほどの男女共学の問題で久保理事も触れられましたけれども、日経連が労働問題研究委員会の報告を出しておりますね。この中に家庭教育の中で離婚の増加傾向を憂えてこういうことを言っております。我々は男女雇用機会均等法案の審議過程において何回かの児童福祉のことを頭に置くように要望してきた。この法律の施行後離婚が増加し、児童に不幸をもたらすというようなことが起こらないことを切望せざるを得ない。離婚がまるで女だけに原因があるような報告を日経連が出しているということについて、私は非常に問題があるというふうに思います。  先ほど久保理事が触れられたのは、「二十一世紀に向けて教育を考える」という題のもとに財界の調査機関である日本経済調査協議会が三月の二十五日に発表したものであります。この中に、岡本臨教審会長、石川会長代理、それから木田宏専門委員ですね。それからそういう臨教審関係が七人も入っていらっしゃる。そして、官界のOBも含めて二十五人。三年がかりで出したというにしてはちょっとお粗末ではないかと思いますが、男女の知的、肉体的発達段階に即し、中等教育での男女共学のあり方の再検討が必要だと、こう言っているわけです。教育における家庭の役割の項では、教育における母と子のきずな、母親の役割は、生物学的に見ても教育上からも軽視ができない。母親となる女性には母親としての教養、知識が必要であり、これを母親になる前段で施すことが必要だ。そしてまた、外で働くことこそ女性の自己表現と満足するのは早計だというふうに言いまして、女性の社会進出に対する疑問が出されております。財界の意見というのは非常に大きく労働行政にも、またこの文教行政にも私は影響してるというふうに思っておりますので、こんなことを財界が言うということは気になってならないんですね。文部大臣は、先ほどおっしゃったような意味で教育基本法の男女共学を守っていらっしゃる。そして、女性が社会進出がちゃんとできるような条件を文教行政の中でやっていくということを、こういう私の今報告をいたしましたようなことを聞きながらもまたお考えでいらっしゃいますか。お考えは変わりませんか。その辺はいかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 男女共学は教育基本法第五条に明記されているところでありますから、私は教育基本法を守っていくという立場を何度も申し上げておるわけでありますけれども、そのことに変わりはございません。  先ほどのいろんなお話の中に極端なことをおっしゃっている人の例をお挙げになりましたけれども、言論は自由でありますから、私どもの方でその言論について制約を加える立場ではございませんし、自由に言論をなさって結構でありますが、しかし、臨教審の中ではいろんな議論がなされた上で意見がまとめられて、そして答申という形で出てくるわけでありますので、私は別に心配はしておりません。それのみならず、やはりこの審議会とか、そういったものは同じ物の考え方の者だけが集まって議論することよりは、たまには別な議論をする人がおっても私は構わないというふうに思っているわけでありますが、ただ、結論から言えば、臨教審の委員さんというのは、教育基本法の精神にのっとって今度の改革はなされるわけでありますから、結論としては教育基本法の精神にのっとって出てくるものと私は期待をいたしておりますし、そう思っております。  それから、子供を育てる上での母と子のきずなというのは大事なことであると思いますが、しかし、全体としての家庭は、これは子供と母親の関係もありますが、同時に子供と父親の関係それから父親と母親、すなわち夫婦の関係、いずれもが円満にいくことによって初めて望ましい家庭環境というものはでき上がるものだというふうに考えます。  離婚の問題にいたしましても、何も女性だけの責任じゃないわけでありまして、当然男の側にも、社会を構成する単位が個人であり、個人が結び合ってできた家庭なんでありますから、男性も女性も協力し合って家庭を維持していくということが大事なことであろうと思います。夫婦というものはやはり努力をし合い、あるいはたまには我慢もし合い、そして時にはある程度あきらめもし合って、そして維持されていくものだというふうに私は考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 わきで、結婚式のあいさつみたいだというお話もあったんですけれども、非常にユニークな御回答をいただいておりますが、このごろ本当に家庭が、いろいろな家庭がありましてね。何も両親そろっている家庭の子ばかりじゃなくて、片親の子もおりますし、親を亡くした子供もおりますし、家庭とは何か、家族とは何かということを本当に考えさせられるような教室の中の教育だというふうに私は思いますが、今私が問題にしたのは、私たちから見れば、そんなでたらめなことを言うような人を、国会の法律でつくった、しかも国会の承認を得なければならないという、そういう臨教審メンバーに持ってきた、もうめちゃくちゃな任命をやっているということを今問題にしたかったわけであります。  しかし、今大臣の答弁の中で、特別な考え方というよりも、かなり違った考え方の人を入れるということは非常に議論が沸いていいことだということね、これ私はちょっと問題にしてみたいと思うんです。  家庭科の教育に関する検討会議が報告を出しておりますね。これについて文部省がどのように対応されていくのか、伺いたい。私は、この検討会議が八対八、まさに男子八、女子八、対等の立場で男女を出したという点は、これは評価をいたします。そういう立場に立ってこの内容をひとつ見て質問していきたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 家庭科の履修の取り扱いにつきまして、条約との関係で問題が指摘されておりますので、今後は条約との抵触をしないような改善をしていかなければならないということが動機でございます。ただ、基本的な考え方は、男女それぞれの役割が家庭生活にもあるわけでございますから、今後そうした家庭一般の教科、ないしは家庭に関する領域、そういうものを勉強をする際に、男にももう少し履修ができるような工夫をしながら、男女ともに学べるような形の改善を図っていきたい、これが検討会議の基本的な考え方でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 この検討会議をつくったというその経緯は、文部省がやりたくてやりたくてつくったのじゃないですね。外務省の方から、何とかしなければ差別撤廃条約批准できませんよと、その批准できない条件の一つに、女のみ高等学校において家庭科を習わせるという、このことがひっかかりますよと言われて、ようやく重い腰を上げたのではないですか。その辺はどういうふうに理解していらっしゃいますか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 動機は、条約批准の際に、高等学校の家庭一般が女子のみに必修となっていることは、やはり男女平等の原則に反するということが動機になったことは事実でございます。したがいまして、その内容を改善するについては、教育全体、教育課程全体の問題でもございまして、その全体の改善の際に基本的に改革していかなければならない、しかしそれまでの時間的余裕がないということで、検討会議で将来の方向を示していただくということで、検討会議による検討をお願いしたわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 局長、私はずらっと歴史的に文部省にこの問題の交渉にも行っているわけでありましてね。その時代の文部省の姿勢というのは実にかたくて、本当に硬直して、このままでよろしいんだ、家庭科はもう女子教育のためにどうしても必修させなければならないんだ、男子に必修は必要ないんだという態度を堅持してきたと思います。しかし、世論に押されてこういう検討会議をつくったのは、遅かったとはいえ、私は評価をいたします。そして、出されたこの内容についてですけれどもね。女子のみ必修が外された、これはよろしいと思います。そして、中学校にも技術と家庭の検討の方向が示された。これもよろしいと思います。しかし、家庭一般が選択必修で、選択必修に二通り出ているわけです。これで婦人差別撤廃条約の第十条のb項はクリアしたと思います。しかし、c項をクリアしたかどうかについては疑問を持っておりますが、文部省どうでしょう。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) c項は「教育のすべての段階及びあらゆる形態における男女の役割についての定型化された概念の撤廃。」を、というようなことが書いてありますが、履修の形態のb項については御指摘のとおりでございますが、c項についても教育の場ではそれぞれの男女の役割が差別につながるような形での教育をしないという方向で戦後、今日までずっと続けてまいっておりますので、そのこと自体はそう問題にならないと思います。  ただ、現実的に日本の社会の中で男女の果たしている役割分担がそれぞれ歴史と伝統、そして今日までの社会的な形勢の中に存在することは事実でございます。したがいまして、そういうものもやはりある意味で現実的にあるということを教える。そして、その役割分担があって補い合って一つの立派なものをつくっていくということを教えるということも一方において必要なことではなかろうかと思うわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 現実にあるということを教えるということはこれは大事なことであります。そして、歴史的なことも教えるということは非常に大事なことでありますけれども、条約そのものは「定型化された概念の撤廃。」と明確に入っているわけです。だから目標は、撤廃をするという方向で結論をつけなければ私はクリアしないというふうに思いますが、その辺はどのようにお考えですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 今までの教育方針は、およそ、こういう分野は女だけの仕事であるとか、この分野については男は進出できないとか、そういうような形の教育を特にやっておりませんので、現在の戦後今日までの教育の方針で徐々にこの内容は男女平等の精神に従って教育が展開されていると理解しております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 どうも私の質問がまずいんでしょうか、答えがどうしてもぴたっとこないんですよ。「定型化された概念の撤廃。」、男は仕事、女は家庭、こういうことだとか、男は管理職、女はひら、働きバチ、そういう、何というんですか、概念を撤廃するということが基本にならなければならないと思うんですが、この検討会の報告は二通りありますよという報告を出しているわけでしょう。こういうふうにしたらどうですかというのじゃなくて、両論併記しているわけです。この両論併記というのは私は問題があるというふうに思いますが、時間がありませんから、いずれこの内容については詳しくやります。それで、ちょっと伺いたいことは、教育課程の審議会はいつごろ発足をいたしますか。ゆだねるというふうに報告書がなっておりますので。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 臨教審の審議の動向もございまして、その動向を見ながら教育課程審議会の発足を考えたいというふうに思っております。時期的にここ一、二年の間にはそういう審議会は発足させて、教育内容についての検討を進めていかなければならないのではなかろうかというふうに思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そうしますと、その臨教審の動向を見ながらと、こう言われますけれども、臨教審が動かなかったらどうされますか。動かなかったら、三年後ぐらいのときに動いたというようなときにはここ一年ぐらいの間に発足させるということはできませんですね。臨教審が動かなくても動かしますか、どのようにしますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 臨教審の期間はもうあと二年ちょっとしかないわけでありまして、もう少し見れば、臨教審が、この問題について専門的に検討していただくかどうかはっきりするわけでありますが、もし、ここ一年かそこらの間を見て、この問題についての審議がないというのであるならば、その時点では審議会をスタートさせるというふうにしなきゃならぬ、こういうふうに思うわけでありまして、その意味で今局長はここ一、二年と、こういうふうに申したものと思うんです。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 国際的な条約批准の条件のわけですから、ぜひ早急にこの問題は発足をさせていただきたいと要望いたします。  それで、教育課程審議会が開かれても、学習指導要領改正などというまでの間は結構手続もあるわけですが、この辺の見通しはどのくらいかかりますでしょう。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 通常、学習指導要領の改定は十年刻み程度で今まで行われてきているわけでございます。したがいまして、現在の高等学校の学習指導要領の改定が五十九年に完了するというようなことでございます。そこで、中学校、高等学校、小学校、それぞれの段階で発足するわけでございますが、若干、十年前後の差は出てくると思いますけれども、おおむねそういうインターバルで考えていきたいと思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 この教育課程審議会のメンバーですね、女性が随分入っているのではないかと思いますが、どうでしょう。何人ぐらい入っています。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 多分、私の記憶では六十名のうちに四人の方が入っていらっしゃると思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 六十人のうちに四人なんですか。男女共学だというときに男社会で教育をやっていきましょうという文部省の姿勢が私は本当によく見えるなと思います。しかし、これ直していくんですから期待してるんですよ。先ほど文部大臣が、いろんな意見を言う人が審議会の中に入ると議論が沸いてよろしいと、例えばさっき言ったような女教師は要らないとか、男女共学はあれだとかいって、そんな人が入ってもよろしいというような、そういうことを私は御答弁をいただいて、ぜひ家庭科共修に積極的な運動をずっと展開してきた人たちもいるわけですね、それから実践もされてきたすばらしい人たちもいるわけですよ。それで、そういうことについての評論をなさっている方々もいるわけであります。メンバーがいませんなんということを私は言わせませんよ。ぜひ討論が巻き起こるような人をこの審議メンバーの構成員に選んでいただきたい、差別撤廃条約の精神を酌んだ人がそういう中に入らなければ本物の私は改革にはならないというふうに思うんですが、文部大臣、いかがでしょう。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 一般論になるわけでありますけれども、この分野について知識、経験、豊富な学識等をお持ちの方で立派な方が選ばれてしかるべきだというふうに思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 女性の問題を含めて私は申し上げたつもりでありますけれども、その中に十分私の質問の意図は含まれているというように解釈をいたしまして、次に進めます。  現行の枠内でも男女共学、共修を進めているという人たちもいるわけですが、今そんなことは好ましくないという圧力が上の方からかかってきている。それで次々につぶされているという部分もありますし、未熟の中から挫折をするという事実もまたあるわけでありますけれども、しかし現行でも、この男女共学、共修を進めていくような条件整備というものを進めてよろしいか、それはいかがですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 現在の学習指導要領の基準の中でも、女子だけではなくて男子も家庭一般等についての選択の道を開いたわけでございます。そして一部の学校ではそういう選択をしている男子もいるわけでございます。したがいまして、これについてそういうのがおかしいということを言うこと自体が実はおかしいので、それは与えられている条件の中で最大限に自由な選択をしていただきたいと思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、そういう条件整備を文部省からやっぱり積極的に指導してほしい、こういうふうに考えているところであります。  最後にあと二点お伺いをいたします。  一つは、スポーツ担当の文部大臣でありますね。本年は大学スポーツの祭典であるユニバーシアード大会の開催を予定しているけれども、国際競技力の一層の向上に努めていきたいという所信表明があります。このユニバーシアード大会の目標というものは一体どのようなことでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 大学スポーツが振興されていくわけでありまして、そうした大学スポーツの振興に寄与すること、そしてまた、このユニバーシアードに参加する意向を表明した国は九十カ国以上にもなっておるようでございまして、この大学生のスポーツを通じての国際的な交流、相互理解、友好親善、こういったものが深められていくということで大変意義のあることだというふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私もぜひ、国際青年年を記念して開かれますこのユニバーシアード大会でありますので、成功させていただきたい、いかなければならないというふうに考えておりますが、このユニバーシアード大会を前にいたしまして、柔道界の一本化をということで山下選手らが要望書を出しておりますね。大臣のところに届いているのではないかと思いますけれども、どのようなことになっているんでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 柔道の関係で全日本学生柔道連盟、それに全日本大学柔道連盟、こういったものの対立の問題が実はあるようでありますけれども、詳細は局長から御答弁を申し上げますけれども、速やかに関係者の間で円満な話し合いで解決されることを実は希望しておるところでございます。

古村澄一文部省体育局長

○政府委員(古村澄一君) この問題は、昭和五十八年一月に開かれました第一回の正力杯国際学生柔道大会の運営をめぐりまして、全日本学生柔道連盟とその上部団体であります全日本柔道連盟の間での対立ということから端を発したわけでございます。  そこで、全日本学生柔道連盟が全日本柔道連盟を脱退するということが起きまして、そのときに脱退に反対いたしました大学側が全日本大学柔道連盟をつくった、ここで二つの団体ができたわけでございます。  ここでユニバーシアード大会に関連いたしまして、ユニバーシアード大会にこの二つの団体に属している学生が、一方の団体に属していなければユニバーシアードに出られないということになりますと大変な問題でございますので、そういうことは絶対にないようにということで、現在、強力に御指導申し上げていることでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 東京地裁に提訴しているんじゃないんですか、これは。

古村澄一文部省体育局長

○政府委員(古村澄一君) 東京地裁の提訴の問題はございますが、これはユニバーシアードとの関係での提訴ではございません。八月のユニバーシアードでございまして、四月中ぐらいには選手選考しなきゃならぬということでございますので、選手選考の権限は全日本柔道連盟が持っております。したがって、全日本柔道連盟に対して脱退をいたしました全日本学生柔道連盟に属している学生であっても、これは平等に扱うようにということで、大体そういう方向になっていくものというふうに思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 柔道界が一本化されなくても、ユニバーシアード大会に選手として出られる人たちは支障なく、どの連盟に入っているということにかかわらず選考されるし、出席できるということでありますが、国際的な試合をやりましょう、スポーツの祭典をやりましょうというときに、国内の問題でがたがたしているなんて、そんなものにまた文部省もお金を出したりなんかしなきゃならないわけですからね、相当の決意を待ってこれは一本化して、本当に安心してスポーツができるような条件を私はつくっていただきたいと思いますが、文部大臣いかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) スポーツの社会でグループごとの対立があったり、ごたごたがあったりするということは甚だよくないことであると思います。そこで、関係者の間で胸襟を開いて率直な話し合いをして、そして円満に解決、処理されることが望ましいわけでありますけれども、私の方としてもそうした方向に向くように指導をし、助言をしてまいりたい、そういうふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 あと、幼稚園の問題について、あるいは保育園と幼稚園の問題、それから期限が来ます学法志向園の問題について質問しようと思いましたが、三分ぐらいしかありませんので、予算の委嘱審査のときにやることにいたしまして、終わりたいと思います。

真鍋賢二自由民主党・自由国民会議

○委員長(真鍋賢二君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ─────・─────    午後一時三十二分開会

真鍋賢二自由民主党・自由国民会議

○委員長(真鍋賢二君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査のうち、文教行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 今、思い出しますと、昭和三十二年から三年にわたられまして、松永光文部大臣のお父さんの松永東大臣が文部大臣として御就任されました。そのときに、当時復古調、復古調という言葉で大変、一方でしかられながら、独立した後の日本のこれからの教育を、特に教育内容につきましてどうあるべきかということの審議がなされました。ちょうど松永文部大臣の御就任のときにおまとめになられました中数審から教育課程の改定の御答申がなされました。そのことによって今日の戦後教育の大きな教育の基盤がつくられたわけでございまして、再び親子二代にわたりまして松永文部大臣が誕生されました。時あたかも臨教審を中心にしてこれからの二十一世紀を目指した教育はいかにあるべきかという大変な大事なときの大臣に御就任されました。松永文部大臣の二代にわたる御就任に心からの敬意を表しつつ、また御苦労の中の御努力に対して謝意を表しつつ質問させていただきたいと思います。  予算のことはこれから委嘱審査がありますが、大臣の所信表明をお聞きさしていただき、また六十年度の予算案を見ますと、財政当局からは前年度に限りなく遠く、低くということの厳しい財政当局の姿勢でございました。それに対して文部当局初め関係者が、前年度に限りなく近くという合い言葉で編成の努力をされたというのが実感であろうと思うわけでございますが、その所信表明あるいは予算の内容を見ますと、乏しき中に励みあり、新しい事項が将来にわたっての教育、学術、文化、スポーツの充実のための芽が出されておるというように感ずる次第でございまして、まずその点につきまして、新しい課題としてどのような事項、どのような内容が盛り込まれたのか、その辺につきましてお聞きをいたしたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 三年間いわゆる足踏み状態になっておった四十人学級、これがいわゆる凍結解除という形になりまして、実現へ向けて踏み出すことができたという点が第一。  二番目には、私学助成につきまして、減額をされ続けてきたわけでありますけれども、いずれも厳しい財政状況の中で前年同額の確保ができたこと。  三番目には、科学研究費補助金の十五億増額の予算が確保できたこと。  それから、留学生の大幅拡充のためのスタートが切れたということ等々でございまして、欲を言えば切りがありませんけれども、関係者の協力のもとに、厳しい財政状況の中で、まずまずの予算の編成ができたと、こういうふうに考えているところでございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 よく行政官は、予算編成の闘いが済みまして、人生の喜怒哀楽を感じ、そこにごろ合わせの言葉づくりをいたしまして、みずからの足らなさを反省し、またあすへの努力を誓い、またある面で自己満足して、次の立法等の作業に入るという道筋をたどるわけでございますが、会計課長、何か今度の予算でごろ合わせができたんと違うか。

坂元弘直文部省大臣官房会計課長

○政府委員(坂元弘直君) 来年度の文教予算は、先ほど柳川先生も御指摘のように、大変厳しい状況下で編成いたしたわけでございますが、幸いに前年度より二十一億円増の四兆五千七百四十一億二百万円ということで、現在国会で御審議をいただいておるところでございます。いろいろ、私どももこれで決して満足している予算じゃございません。まだまだ足りない点はあるわけでございますが、先ほど大臣が申し上げましたとおりに、主要な事項についてはそれなりに対応ができたかな、これも国会の与野党の先生方の御叱正、御協力のたまものであるというふうに感謝いたしているところでございます。  ごろ合わせということになりますと、どうしても手前みそになってしまいまして、そんなにいい予算じゃないのに何だというふうにおしかりを受けるかもしれませんけれども、さらにこれは省内で稟議をしまして、文部省全体でオーソライズしたごろ合わせじゃございません。会計課内で幾つか、二十ばかり候補を出しまして、みんなで投票いたしまして、その中の上位のものを御紹介いたしたいと思います。  四兆五千七百四十一億コロ二ということでございますので、四、五、七、四、一、〇、二をどうやってごろ合わせするかということでございますが、一番評判がよかったのは、「よくこなし、遠くをにらんだよい予算」というのがございます。それからその次に、「よい子になれよ、人は不断の努力だよ」というのがございます。それから、争点となりました四十人学級と私学助成が一番大きな争点でございましたが、これを読み込んだものとして、「四十人いななき、私学とうとう踏みとどまる」というのもございます。それから、先ほど柳川先生も御指摘のとおりに、私ども親子二代の大臣にお仕えしたわけでございます。松永大臣の就任した後すぐ予算編成に当たったわけですが、松永大臣の指摘のもとに四兆五千七百四十一億二百万円を獲得できたということで、それを読み込みまして、これこそ手前みそで、何事かとしかられるかもしれませんが、「四兆をこなして父さんと二度目の文教予算」。トウサンというのは、「父」という字と松永東先生の「東」という字を兼ねて、「父さんと二度目の文教予算」というのがございます。  幾つか手前みそのごろ合わせを、たって紹介しろということで、あえて紹介さしていただきましたが、いずれにしましても、六十一年度以降も恐らく深刻な財政事情のもとで大変厳しい予算編成に迫られるというふうになると思いますが、今後とも与党の先生初め野党の諸先生方の御指導、御叱正を得ながら、私ども文教予算の獲得のために松永大臣のもとに最大の努力をする所存でございますので、ひとつよろしくよく御指導のほどをお願いいたします。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 ありがとうございました。以下、幾つかのことにつきまして御質問させていただきます。  まず、先ほども安永先生から御質問ございましたが、四十人学級の問題でございますが、三年間の凍結から解除されて再び四十人学級の実現への走りをされたわけでございますが、六十年度は一体どういうような四十人学級につきましての前進を見るのか、局長からお答えください。

阿部充夫文部省教育助成局長

○政府委員(阿部充夫君) 四十人学級につきましては、ただいま大臣からも触れてお答えを申し上げたわけでございますけれども、昭和五十五年度を初年度とする十二カ年計画で実施をしてまいり、五十七年からいわば凍結と申しますか抑制という厳しい時期に入りましたために、これまで実施をしてまいりました児童減少市町村内の一部の小学校の学年進行分だけが従来認められてきたというような状況であったわけでございますけれども、今回、昭和六十年度につきましては、こういった既に取りかかっておりましたものの学年進行の最終年次の六年生の分を措置いたしますと同時に、同じ児童減少市町村の中で、これまで抑制措置によって手がつけられておりませんでした小学校につきまして、全校一学年から六学年まで一気にこれを処理をするというようなことにいたしまして、千八百三十五人の教職員定数増をこのために措置をいたしております。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 そういたしますと、六十年度は一歩踏み込みまして、児童減少市町村全部にわたって一年から六年までということでございますから、六十五年目標の四十人学級の実現についての取り組む基盤整備ができたというように感じておるわけでございますが、財政事情大変厳しい中で、引き続き厳しいと思いますけれども、この四十人学級の六十五年実現につきましての御努力、それから第三次改善計画でございますから、この中には教育の条件を整える、また先生方の負担をできる限り軽くしていくというような面も含めまして、養護教諭の方々、学校栄養職員の問題、事務職員の方々の定数改善が計画されておりますが、これも含めまして、第三次改善計画の実現につきまして大臣の御決意をお聞きいたしたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生御指摘のとおり、財政状況は依然として厳しさが続くわけでありますけれども、そうした状況を踏み込えながら、全力を挙げて計画達成年度までに円滑にこの第三次定数改善計画が実現できるように、最大限の努力をしてまいる所存でございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 ありがとうございました。  昨年の三月、本委員会におかれまして参考人の方々を交えて留学生問題につきましての各先生方の大変御熱心な御討議がございました。その際、参考人として出席された留学生の方が申された、なぜ日本では宿舎について敷金が、そして礼金を払わなくちゃいかぬのかという、その面等を含めた経済的負担の問題、あるいはアメリカから来た留学生の方が、みそ汁の味がしないという、そういう言葉で彼らの生活環境あるいは留学生を取り巻く社会環境についてのお話がございました。そのことが私も今耳にこびりついているわけでございますが、その後この本委員会で御論議が、的確な御指摘がございました。そのことを踏まえつつ留学生の問題につきましてお尋ねをしてまいりたいと思う次第でございます。  現在、留学生の数が大体我が国で一万人、やがて二十一世紀を目指して十万人の留学生の受け入れを実現しようということが文部省の懇談会、また省内の連絡会でもそのことが検討されましたわけでございますが、この面での数の上からの進展はどのような状態になっておられますか。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 先生御指摘のように、昭和五十八年度におきます我が国での勉学中の留学生数が一万強の数でございましたが、五十九年五月一日現在で一万二千四百十人ということで、一年間で約二千人というような増加の状況を示しておるわけでございます。一応、二十一世紀初頭を十万人ということで想定をいたしますと、大体年率一四%程度の増ということに、単純に計算をすればなるわけでございますけれども、最近の伸びの状況は非常に日本に対する関心の高まりということと相まちまして急増をいたしておりまして、それだけに私どもといたしましては、御指摘のように受け入れ態勢の整備ということにさらに力を注がなければならないというふうに考えておる次第でございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 一万人から十万人と言われますから、かなり十倍の計画でございますので、二十一世紀初頭ということではございますが、国民の間には果たしてそういうことが実現するのかという疑問もあるわけでございますけれども、今お聞きしますと、国費につきましても来年度は二百三十人でございますか増を見たということで、新規の受け入れが千五百八十五人でございますか、そういう新規の国費の留学生の受け入れが実現したと。この二百三十人の伸びが毎年加算されていけば、大体十万人の中で国費留学生の予定されておる、あれ二万人でございましたか、その面は実現するものになるのでしょうか、その辺をちょっと数字の上でお話いただければありがたいと思います。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 私ども受け入れの拡大を図るに当たりましては、一応前期、後期と二期に区分をいたしまして、前期を全体の高等教育計画との関連も考えまして、我が国の十八歳人口がピークに達します昭和六十七年を一応の目標にしておるわけでございます。その時点で国費留学生の数を四千名にいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、明年度予算の拡充、新規の拡充二百三十人ということで累積を図ってまいりますと、ほぼその目的を達し得るのではないか、こういうことで予算をお願いし計上しておるということでございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 あれですか、今十万人の、ちょっと私間違えましたが、十万人の国費と私費との見込みはどのようなあれになりますか。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 最終段階の想定といたしましては、これは欧米諸国を見まして、最も国費の比率が高いフランスが大体八、九%程度が国費ということでございますので、私どもとしましては最終的には二十一世紀初頭に国費の割合を約一割というふうに想定をいたしております。したがいまして、私費九万、国費一万ということを昭和七十五年度の数として一応の想定をいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、前期の段階では全体として四万人、そのうち、これは先ほど言葉が足らなくて恐縮でございましたが、国費四千と申し上げましたものは、今までのものに四千プラスという意味でございまして、トータルで申しますと約六千人ということでございます。国費六千人、私費三万四千人ということを想定をいたしております。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 この六千人というのは、一年で帰る人、二年三年滞在する人おられますから、トータルでいくと一万人ぐらいになるわけですか、六千人の採用をすれば。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 六千というのは在留数でございまして、これも種別によりまして在留年限が異なりますし、またどうしてももう一年延長したいというような場合もありますので、正確な計算は難しゅうございますが、非常に大ざっぱに考えますと、ほぼこの半分が新規受け入れ数というような感じになるのではないかと思います。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 そうしますと、九万人が私費の留学生ということになりますが、これについての大体日本の、先日の参考人の方々の御意見の中でも、なかなかに障害を留学生が乗り越える、その障害の中にまず第一に言葉の問題、日本語教育の問題が言われておりますし、また宿舎あるいは物価等の関係からの経済的負担、これに対する国内援助体制等のまだ希薄な面がある、そういう経済的負担の問題。あるいは留学生がせっかく学んだその効果について、必ずしも学位の授与が容易になされない。また学位を授与されても、それが自分の国へ帰ったときに、それなりに相当の評価されるという面について、なお問題を残しておるというような面。あるいは日本の社会の閉鎖性、必ずしも国際社会に開かれていない日本の風土、その中での留学生の受け入れのなお問題を残しておるというような点。それらの点が指摘されたと記憶しておるわけでございますけれども、この私費留学生九万人につきましての見通しはどのようにお持ちでございますか。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 国費、私費を通じまして、我が国に留学をされた方々が充実した留学生生活を送ってお帰りいただくということが非常に重要であろうと考えておるわけでございまして、それだけに受け入れ態勢の整備充実に努力をしなければならないと思っておるところでございます。  大きく分けますと、受け入れ態勢といたしましては、先生御指摘の宿舎の問題、それから日本語教育の体制の整備の問題、それから大学における学位その他教育体制の問題という三つに大別できるかと存じますが、宿舎につきましては、明年度予算におきましても国立大学での留学生宿舎、これは国費、私費を通じましての留学生宿舎の整備を進めるとともに、日本国際教育協会という中心的な留学生の世話団体がございますが、そこで新しい留学生会館を建設するための基本設計費用を計上するというような形で努力をいたしておるところでございます。ただ、これは国の努力だけではなかなか多量の需要にこたえがたいわけでございますので、一方、関係の方々のお力添えをいただきましたおかげさまで、税制上の措置といたしましても、現在、明年度の税制改正の中で、留学生宿舎の建設に伴う不動産取得税の免税措置というようものも盛り込んでいただくというようなこともございますし、また日本国際教育協会で広く公共広告機構という団体にお願いをいたしまして、無償で留学生への御協力を呼びかけていただいたわけでございますが、大きな反響がございまして、宿舎の提供あるいはホームステーをしてもいいというようなお申し出がありまして、ここにちょうど持ってまいっておりますが、こんな形で善意の申し出が寄せられておる。こういうものを各大学に御紹介をして御活用いただくというようなことで、多角的に生活条件、宿舎等の整備を図らせていただきたいと思っておるわけでございます。  それから日本語の問題につきましては、これも基本的にまず教員養成が重要であるということで、明年度筑波大学に新たな日本語・日本文化学類というようなものをスタートさせるとともに、東京外国語大学のコースを改組充実をする。あるいは日本語教員の資格検定制度の準備費を計上させていただくというようなことで、本格的な体制づくりに着手をさせていただいたというところでございます。  それから大学内の教育体制ということにつきましては、学位の問題は日本人学生に対する学位授与の姿勢ということとかかわりまして、文科系につきましては直ちに大きい改善を見るということが率直に言って困難な状況ではございますが、全般的に各大学とも留学生受け入れに非常に積極的な姿勢を最近示していただいておりますので、大学側に対して今後とも十分協力を呼びかけてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 留学生課でお出しになっている「二一世紀への留学生政策」、この中で宿舎の受け入れ態勢について、大体二〇〇〇年のときには十万を、下宿、アパートで六万、それから大学附置関係の学生寮あるいは留学生宿舎で二万、それに民間財団法人等の公益法人等による留学生宿舎を二万というように一応見込んでおられますが、この辺を目途にこれからやはり取り組まれるということでございますか。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 現在の状況で申しますと、留学生に特に配慮をいたしました宿舎あるいは学生寮というところで生活をしております者が三割に満たないという状況にございますので、やはり二十一世紀の初頭におきましては、何とかこれを四割まで持っていきたいというつもりで努力をいたしてまいりたいと思っておるところでございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 そこで、この「政策」の中でも幾つか掲げられ、あるいは先日の参考人の方々からの御意見もございましたが、学校自体で用意するもの、またあるいは国際学友会あるいは国際留学生教育協会でございますか、そちらの方で公益法人等で用意するもの、それ以外に、この計画によりますとやはり六割は一般の下宿、アパートあるいはホームステー等の善意のところに依存するということでございますが、そのためには必ずしも公益法人でなくて、個人あるいは事業所が善意によって留学生の宿舎をお引き受けいただく。そういうためには、公益法人であれば不動産取得税の免税問題があったり、いろいろな便宜があるわけでございますけれども、個人とか会社等ですとその辺の便宜がないということ、その面に少し隘路がありそうでございますね。ですから、その面につきまして住宅金融公庫の特別融資、あるいは私学振興財団からの何らかの形でどっかを通過さした形での融資とか、あるいはまた、せっかくございます国際教育協会あるいは国際学友会を通しての何か指定の施設に対しては特別の恩典をと申しますか、善意に報いる何か形をとってこの面の推進をしていただきたいと思いますが、具体に住宅金融公庫とか、それらの点等の展開はその後ございますですか。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 広範な方々の御協力、御支援というのが、ぜひ御指摘のように必要なわけでございます。  ただいま具体的なお尋ねがございました住宅金融公庫につきましても検討はいたしておるわけでございますが、ただ、その設立の目的が国民大衆に対する住宅環境の改善というようなところに法律上定められておるというような事情もございまして、留学生のみを入居対象とする宿舎建設のための貸し付けというのは現状では難しいということがこれまでの検討の結果ではございます。  ただ、どういう形でそういう善意の御努力あるいは試みというものを私どもとしてもお願いをし、かつそれが発展をしていただけるようにするかということは大事な問題でございますので、引き続きいろいろ御指導もいただきながら頭をひねってまいりたいと思っておる次第でございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 それから、日本語教員の養成でございますが、先ほど東京外語、筑波大学等の拡充を図れたと、大変結構でございますけれども、資格制度とも絡みまして、認定行為と絡んで大学での養成にすべて依存するのか、日本語教育につきましては、かなり専修学校で日本語教育実際にやってくれておりますね。その専修学校での養成、教員養成ということも期待されますか。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) これは今後かなりの、これは留学生だけでございませんで全般的に日本語教育に対する需要が諸外国の間に高まっておりますので、到底、大学で幾つかそのためのコースをつくるというだけでは需要にはこたえられないと考えますし、また、事柄の性質上、大学等を卒業した方が志を立ててそれに専念、勉学をされるという意味では専修学校の果たす役割は非常に大きいのではないかというふうに考えております。  この一、二年来、そういうようなことも考えまして、一部の専修学校にいろいろ日本語教育の改善についての研究をお願いするというようなことも始めておるわけでございますが、これから検討いたす予定にしております日本語教員の資格制度というようなものを考えますときも、そういうこれまで努力をしてこられました外国人に対する日本語教育を目的とする専修学校の充実と、それの充実のめどとなるような形での制度ができないかということも一つの視点といたしまして検討を進めさしていただきたいと思っておるわけでございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 なお留学生の問題、多々お聞きしたいと思いますが、時間がありませんので、とにかく十万人の受け入れということはフランス並みのことを期しておられるわけでございますが、これには新たな国際社会における日本の国際社会への貢献と同時に日本の今までの閉鎖性を持った日本の中での課題でございますから、各方面の御協力、御支援なくしてはこのことは私は実現がなかなか難しいと存ずる次第でございまして、大臣、折に触れて各省、各界の御支援を賜りますよう御指導いただきたいと思う次第でございます。  それでは、この今の留学生の問題とも絡みまして、日本で学んだ学問の効果、成果についてなかなかに素直に評価されないというような悩みも訴えておりまして、それは一にかかって学術研究のより高きを、深きを求める世界の問題であろうと思う次第でございまして、その面でこのたびの科学研究費の予算が四百二十億ですか、要求どおり実現されたということに心強さを感ずる次第でございます。  その中で新しく若手の研究者のためのフェローシップの制度が設けられたというように聞いておりますが、この面につきましてちょっと御説明を賜りたいと思います。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 明年度の予算につきまして、新しく特別研究員制度というものを発足させるための経費が日本学術振興会に計上をされておるわけでございます。  この趣旨といたしましては、将来の日本の研究界の指導者となるべきすぐれた若手研究者に、若い、研究が最も能力の発展します時期に研究に専念をしていただくという意味で研究奨励金を原則二年間差し上げるということが骨子でございますが、特に従来にない特色といたしましては、博士課程後期在学中の者もこの対象とするということが一つでございます。  それからもう一つは、これらの博士課程後期在学中あるいは常勤の職についていない方々でございますが、こういう方々に科学研究費補助金の申請の資格を認めまして、特別研究員に採用される場合には科学研究費補助金をあわせて交付をし、その研究計画が十分達成できるようにするという考えで現在準備を進めておるところでございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 若手の研究者の大いに活躍が期待されるわけでございますが、これを受け入れる側ですね、受け入れ側に、これは先端的な、あるいは極めて基礎的な研究の分野でございましょうし、学際的な意味もあるわけでございますから、受け入れ側で統合された研究活動、それに大いに研究費の助成措置をして、そこで受け入れてもらうというような今まで総合研究あるいは基幹研究という形で行われておりますが、これらの面をできれば拡充して、これと絡めていただくということは大変意味あることだと思いますが、御工夫をいただけばありがたいと思うんです。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 特別研究員につきましては、先ほど申し落としましたが、ただいまの先生の趣旨とも合致をするのではないかと思いますが、大学院在学中の者は別といたしまして、そうでない者は自分の出身研究室以外のところにむしろ積極的に研究の場を求めて、そこで研究することによって視野を広げていただくということが一つの希望条件にはなっているわけでございます。  それで、先生の御指摘の点は、実は一年前からがんにつきまして、がん特別研究員制度というのを「対がん十カ年総合戦略」との関連でスタートさせているわけでございますが、これにつきましては、まさに重点課題にその特別研究員は参加をしていただくということを条件といたしておるわけでございます。  新しい特別研究員につきましては、これは学問の性格によりまして、あるいはその研究員に選ばれる方の研究の種類、内容によりまして、あるいは単独でおやりになる方がいい場合もあろうかと思いますが、選考あるいは運用の過程ではできるだけ先端的なすぐれた研究グループに参加をして一緒に努力をしていただくというようなことも十分考えながら運用に当たっていくように学術振興会とも相談をしてまいりたいと思っております。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 世界を挙げて科学技術の振興が大いな国策の中心課題になっておるわけでございますが、高さへの挑戦においておくれをとった民族は滅びるということが言われておりますし、そのゆえに文教行政の大きな柱は国民全体の教育水準を高めると同時に、この高さへの学術研究の推進にあろうと思うわけでございまして、その面から、スポーツの世界で金メダルをとりますと、次の続く者は自分の身近の人が金メダルを先輩がとられましたので、この先輩に勝てば自分は金メダルとれるんだということでこれが大きな励みになって国民スポーツの振興が進んできております。この学術の研究の世界におきましても金メダルに相当するものにノーベル賞があるわけでございますが、福井先生が化学のノーベル賞を受賞されまして、本当に日本人にまた大きな励みを与えられたわけでございますが、福井先生が化学反応のあの発表をしたのは昭和二十七年であると。それで、それがアメリカでもしあったらもっと早くノーベル賞に当然なっていたであろうというような意味のことも言っておられるわけでございますが、日本で今までノーベル賞は四つしかないと思いますけれども、各国でのノーベル賞受賞の状況おわかりでしたらちょっと御発表いただきたい。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) ノーベル賞で先生のお尋ねに即して申しますと、一応、文学賞、平和賞は除きまして学術関係だけで申しますと、一番多いのがアメリカでございまして、学術関係の四賞合わせまして百四十七でございます。それからイギリスが六十四、ドイツ五十、フランス二十二、スウェーデン十七、ソ連十一等々とございまして、日本は御指摘のように四ということになっております。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 アメリカ等でユニバーシティーといいますと、そこには必ず我が大学にはこういうノーベル賞のオーソリティーがおるんだということがまた大学の存在そのものをあらわす意味になっておるわけでございますが、日本はまさにこれからではございましょうが、独創性あるいは創造性の発揮、そのことによって世界人類に貢献していく日本人ということが言われておるわけでございまして、それには地理的条件あるいは国際的な交わりもなかなかにこの国にいてはその機会が、便りも少ないというような問題ございます。私も昨年アメリカ行きましたら、こういう言葉が言われました。数学は日本人のためにあるのかということが言われまして、今アメリカで数学界で日本の方々が最もオーソリティーとして御指導になっておられる、そういう事実もあるわけでございますので、政府が国挙げて外交チャンネルでやるべき課題ではないと思いますけれども、それだけに学術研究の成果として、またこれが将来の若者への励みにもなることであります。せっかく学術国際局が誕生して十年たつわけでございますから大いにこの面につきまして、何か、例えば文部省のアタッシェが各国にまだ十分行っていない。スウェーデンにもアタッシェが行っておりません。やはりスウェーデンなどに文部省からアタッシェの人が出られまして、この学術研究の分野でのいろいろな情報、あるいは交流の機会を大いにセットしていくというようなことが大変大事じゃないかと思いますが、ノーベル賞をぜひ獲得するための方策と申しますか、その辺を官民挙げて御検討いただくとありがたいなということを感じる。大臣、どうですか、その面について。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 柳川先生の御説、大変すばらしい発想であると思います。  学術の面での国際交流を一層深めていくと同時に、日本の学術を進歩発展させるという意味合いでも、言うなれば学術面を中心にしたアタッシェをもっと数をふやし、そしてより一層その方々に活躍をしていただくということが日本の学術、科学技術の進歩発展にもなりますし、そして先ほどのお話にありましたようなノーベル賞の受賞者がまだ四というのはちょっと——ちょっとどころじゃない、大変寂しい思いもいたしますので、先生の御指摘まことにごもっともと思いますので、関係省庁とも相談をし協力しながらできる限りそれが実現をするように頑張ってまいりたいと、こういうふうに思います。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 所信表明の中で新しいことが幾つかあるわけでございますが、今年度から始められた自然教室のことにつきましてお願いをいたしたいと思う次第でございます。  自然教室、人生は劇場、自然は大学、まさに自然の中で子供たちが本当に育つということのこの企画は大変いい企画だと思いますので、現在の状況と、来年度以降どういうような発展をしていくのか、初中局長から。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 子供たちに自然との触れ合いをもっと深めさせるということは、子供の人格形成を図っていく上に大変重要なことであると思っておりまして、五十九年度から自然教室として新しい予算で発足さしたわけでございます。五十九年度では約千校を対象にいたしまして四億一千七百万の予算を計上したわけでございます。来年度六十年度は千百七十校に伸ばしまして、一七%増になりますけれども、四億八千七百五十万の予算を計上して実施をしようとしているわけでございます。  ただ、自然教室の分野の授業の拡大だけでは十分ではありませんので、それらの拠点になるようなものもあわせて整備していきたいということで、山間僻地における廃校になった跡を利用する廃校利用の予算もあわせて計上するということをしているわけでございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 その際に学校ではありませんけれども、民家で昔から坊とか先導師の家とかで多くの人々が活用されていたそういうものが文化財的にも残っておる、そういうようなものを活用するとか、あるいは社会教育あるいは体育の方でいろいろの野外活動あるいは公民館等のあれがございますので、それらのものも活用した形でこの面の運用を取り計らっていただけますか。そこら辺ちょっとお聞きしたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 御指摘のとおりでございまして、子供たちをいろんな場所で自然と触れ合いをさせるということは非常に重要でございまして、社会教育施設として整備されております青年の家、少年自然の家を初め、先ほど申し上げましたような廃校利用の整備、あわせて民間のそういうような諸施設をフルに利用いたしまして、学校、社会教育を問わず、そういう効率的な施設の運用を図りながら整備していきたいと思っております。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 学校の機能の中で、ある学者が学校というのが自然な社会単位として十分機能しない。それには共通の生産という作業かないからだというようなことを言っている学者がおりましたけれども、こういう自然教室等の中で学校植林という昔から行われた、学校植林というのが、我々は戦時中に報国造林という言葉で植林を勤労奉仕させられたわけでございますが、報国造林なるがゆえに戦後これが否定されたような形であれしておりまして、今、木が四十年近くなりましたので、これを今どうするかということを私どもも同窓会で相談しているわけでございますが、現在学校植林は各学校でそれなりに進んでおるのか、その辺わかりましたらお教えいただきたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) これは戦前との比較で、昭和十三年に約五万ヘクタールが学校林としてあったというふうに言われております。現在昭和五十八年度は二万九千で約半分程度に減っているわけでございます。したがいまして、子供たちの勤労体験学習というものは非常に重要なことでございまして、単に働かせるというだけではなくして、こうした学校林等を利用しながらそういう機会を拡大していく、あわせてそこで育った木を活用して自分の校舎をつくっていくとか教室を整備していくというようなことは非常に有意義なことであると思いますし、今後もそういう面での、農水省ではそういう森林についての造林、そういう計画をもっと進めていきたいということを言っておりますので、学校教育の場でもそういう機会の拡大を図っていきたいと思います。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 戦前の学校植林等大いに活用して学校の施設に、あるいは同窓会館等にこれを活用したというような例がありましたら後ほどお教えいただきたいと思う次第でございます。  時間がありませんので、恐縮でございますが、最後に今これからの教育が、科学の進歩する、ある面では不透明な時代あるいは多様な情報社会、そういう中において人間はしっかり考える人間というものが言われておるわけでございまして、それぞれが考える人間であるべきだ、また機械文明が、あるいはエレクトロニクスの進展でロボットが、あるいはオートメーションで物は無限に生産されるというような状態の中で、果たして人間は何をするのかというようなことが問われてきておる時代でございます。そういう中で、日本人は世界の人々から好まれて、好意を持って迎えられる人のよい人間をつくるべきだ、好かれる人間をつくるべきだというようなことも言われております。そういうような面から、学校の教育は人にあり、先生のもちろん御指導によるものでございますけれども、私は学校の建物、設備、学校の施設そのものが生きて子供たちを育てるという、施設が教育するという感じを持っておるわけでございますけれども、そういう面でこれからの学校建築につきまして大学、小・中・高あるいは幼稚園も含めてでございますけれども、これからの教育の変化、また教育のよりよき向上のための学校施設のあり方というのはかなり大きな課題だろうと思います。小中局も取り組まれました新教育機器の導入という問題もございます。これとの対応で、ハードの面から施設はどうあるのかという問題も、これまたソフトの開発と同時にこの面の開発も必要かと思いますが、施設部長さんから、今までかなり新しい仕組みを取り組んでおられますので、この面につきましてこれからの見通しを、あるいは研究課題をお示しいただければありがたいと思います。

佐藤讓文部省大臣官房文教施設部長

○説明員(佐藤讓君) 公立学校と大学とに分けてお話しいたしたいと思います。  まず、公立学校につきましては学校機能というのが近ごろ大変複雑、多様化してまいりました。例えば学校開放をするということで、社会とのかかわりが学校が大変強くなっているという問題もございますし、また教育形態、教育方法、学習方法が新しいものを取り入れるということで施設もそれに十分対応する必要がある、こういう面も出てきておりますし、最も大事だと考えられますのは、学校が今までは教育を行う場である、こういう考え方から、一面的な考え方から学校は子供たちが自分で勉強する場だ、充実した楽しい学校生活を送れる場所である、こういう形に、考え方に変わってきておりまして、できるだけ豊かな人間性を持った学校の姿、こういうものに変えていく必要がある、こう考えております。  大学の施設につきましては、今まで大変大量な整備に追われてまいりました。戦後、戦災復旧それから学生増募、そして新大学の創設ということで大変な大量な施設の整備をせざるを得なかったために量的な整備だけで済ましてきた。もうそろそろ質的な、今先生がおっしゃられた内容のある学校というものをつくる必要があるんではないか、こういうことも考えまして、ただいまそういうことについての検討を進めておるところでございます。

柳川覺治自由民主党・自由国民会議

○柳川覺治君 時間がありませんので、あとの問題は省略させていただきます。ありがとうございました。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 きょうは私は医学教育の問題を取り上げさせていただいて、時間があったら教育改革の問題を質問させていただきます。  最初に総論的なことをお伺いしまして、最近起きております福島県立医科大学の問題について少し立ち入って質問をさせていただきたい、こういうふうに思っています。  まず、文部大臣に伺うんですけれども、文部省は我が国の教育行政の最高責任機関でありますので、所管をする国立大学はもちろん言うまでもありませんが、公立、私立大学についても必要に応じて指導、助言、管理運営等についての、教育研究等についての適切な指導、助言が行われることになっているというふうに理解しておるわけですが、ちょっと確認をさしていただきます。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 つきましては、特に公立、私立大学は直轄ではないという意味で、間接的ですから若干難しい面があろうかと思うんですが、今の適切な指導、助言が十分になされてきたか、文部大臣いかがでしょう。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 文部省の権限としては一番はっきりしているのは設置基準の決定あるいは大学の設置、廃止の認可、それから大学運営に対する一般的な指導、助言等でありまして、こういった指導、助言につきましても適切になされるべきものと考えておりますが、ただ大学等の場合にはそれぞれ大学自治という、何といいましょうか、尊重しなきゃならぬ伝統的な制度もありますので、それを尊重しながら、かつできる範囲の指導、助言をする、こういうことでやってきておるつもりでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 つきましては、これも文部大臣に総論ですから伺いたいと思うんですが、医の倫理というのがしばしばいろんな事例を通じて問題になってきております。人間の生命、健康を扱う、そしてまた病気というものはその患者にとっては一つの負い目みたいなこともありますので、非常にこれは学問、研究のレベルだけではなくて、人格が医学教育に携わる人間にとっては教育者として特に大事であろうかと思うのであります。これはそのとおりでございましょうね。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 医師として大事なのは医学及び医療技術についての知識そして技術を身につけているということが大事なことの一つ。もう一つは、その方の倫理の問題があろうかと思います。私、先般ある大学の講師をしながら医院を開設する人とじっくりお話をした機会がございましたが、知識とか技術というのは何といいましょうか、長い間やっておればおのずから身についてくる、しかし倫理というのは適切な時期にきちっと指導し教え込まにゃいかぬ、一たん間違った考え方や倫理観を持っている人の場合には、その人の技術があればかえって危ないという話すら聞いたことがあるわけでありまして、その意味で医師にとって大事なのは、両方面あるわけでありますけれども、特に倫理の方が大事だというような話を聞きましたが、私も同感でございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 ところで、昭和五十六年に徳島大学医学部耳鼻咽喉科におきまして、教授が教室員のボイコットによりましてとうとう講座主任のポストを追われたという事件がございました。そして現在、福島県立医科大学の産婦人科教室では教授ボイコット、そしてその事件が現在進行中でございます。  教室員による教授ボイコットというのは、私は医学部の教授を長いこといたしましたし、医学部長を六年もいたしましたのでいささか知っているつもりでございますけれども、臨床の教授が部下に全くそっぽを向かれたんではこれは診療できないわけです。ですから、これは大変な事件になるわけで、教授の身分保障が一方ではございますが、しかし身分の保障がなされなくなるおそれがあるということがございます。  そこで、教授会でございますけれども、教授会が教授を決定する、その教授会が教室員の教授、つまり管理責任者、主任教授をボイコットするということを教授会がもし認めざるを得ないようなことであったら、逆に言うと、教授会が決定するときにあらかじめ教室員の承認が要るのかという問題だと僕は思うんです。というのは、こういうのが幾つか起きているようでありますので、今後の教授の身分と、それから教授会の責任といったようなことを念頭に置いてこれは質問をさせていただいております。文部大臣、よろしゅうございますかな、あるいは文部省でもよろしゅうございますけれども。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 基本的な教授の任免のことについては、先生長年大学で教官をやっておられた御経験が豊富でございますので十分御承知のとおりでございまして、教員の選考は教授会の議に基づき学長が行うということになっておりますし、また大学の教員は大学管理機関、単科大学の場合でございますと教授会でございますけれども、審査の結果によるのでなければ意に反して免職されることがないというのが基本であることは当然のことでございます。したがって、教授会として助教授等の意見を参考として聞くことは可能でございますけれども、もちろんその場合でも教授会が主体的に判断、決定をすべきものというぐあいに考えております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 つまり教室員の承認をあらかじめ得ないと、人事は——今おっしゃったのはあらかじめ参考とおっしゃるけれども、候補者がいて、これはどうだこれはどうだといった人事というのは全部漏れてしまいますから、これはできないんですよね、普通は。だから、つまり聞いてはいないというのが現実だと思うんです、いかがでしょう。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 基本的には御指摘のとおりかと思います、人事に関する問題でございますから。選考に当たりまして、候補者の教育研究上の業績等を慎重に検討して、教授就任後も問題を生じることのないように責任を持って教授会が選考すべきもの、かように考えております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 全くそのとおりで、私の経験というか、皆さんの言っていることと一〇〇%一致しております。  もう一度復習をさしていただきます。  医科大学ではほかの学部との違いは、すべての大学で公募しているということです、教授を。ほかの大学は、場合によると公募していない場合があるかと思います。いや、一、二公募しない大学がございます、医科大学でも。しかし、八十の大学のうちの九十数%は全部公募いたします。したがいまして、挙がってきた公募者、応募者を、業績それから人格等厳密な審査を経まして、そして、かなりな時間を経て厳密な審査の結果投票して決めるということになっています。つまり、公募に応じた人は、人を押しのけて入ってくるということはあり得ないわけです。全く関係のない場所で、教授会という舞台で決定をいたします。したがいまして、この人がやってくるということの責任は公募した側、つまり教授会にあるということなわけですが、確認を一遍さしていただきましょう。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 先生御指摘のような教授の選考に当たりまして、公募をして後任を決めるということについては、公募をしました大学側において教授の選考について責任を持って決めるということが基本にあろうと思います。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 そこで、論理の行き着くところということで私申し上げるんですが、教授が部下である教室員によってボイコットされる——管理責任は今は別にします、管理者がどっちであるかということがあるわけですけれども。ボイコットされる、しかし、ボイコットされた教授は教授会が責任を持って呼んだ人である、その教授会がボイコットを認めたとすると、逆に言うと、教授をボイコットした教室員に教授会の決定が否定されたことになると僕は思うんです。もちろん年限のタイムラグがありますけれども、論理的にはそうなると思いますが、局長さんいかがですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 一般論として、先生がおっしゃっているような点について申せばそういうことが言えるかと思います。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 そこで、今総論として申し上げているんですから、総論的なお話で伺うんですが、私は大学の教授をして——大学の教授というのは非常にオーソリティーを与えられているんですよね。身分を保障されておりますし、ありがたいと思ってきました、私は。だから、月給が少ないなんて思わなかったです。身分が保障されているなんということは、これは金では買えないですよ、大臣。私は本当にありがたいと思っていました。ですから、それが教室員、部下によってボイコットされるということは、もうこれは異例中の異例なんですよ。今までそういう事例は医科大学で、文部省がとらえた事例は何例ございましょう。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のようなこと自身がまことに異例なことでございまして、本来そういうことが大学の教育研究の場においてあってはならないことだ、かように考えております。人事に関する事項、特に教授の人事に関する事項というのは、先ほど大臣からもお答えを申しましたような、大学の自治のいわば根幹にかかわる問題でございます。したがって、各大学において責任を持って処理すべきものというぐあいに私どもも考えておるわけでございます。したがって、従来、国立大学の教官にかかわる人事についても、大学からの上申を尊重する建前を基本的にとっております。したがって、個々の教授の辞任の背景になった具体的な事情というようなことについては、私どもとしては的確に把握をしているということではございません。  しかしながら、ただいま非常に異例なケースということで、徳島大学医学部耳鼻咽喉科の講座の教授の問題について先生から御指摘があったわけでございますが、これは大変異例なケースとして、国立大学の医学部にそういう事柄が実際問題として起こったことがございます。昭和五十六年に医学部附属病院の難聴診療部に配置がえとなったことについては、配置がえ以前に講座の教授と他の教官との関係が非常に悪化した、ただいま御指摘のような教授とその講座の助教授以下とのいわば対立といいますか、そういうようなものが大変関係が悪化をしてそれが長期間にわたった、そういうことで教授が本務を遂行し得ない状況になった、まことに異例なケースでございますけれども、そういうことで教授会が配置がえを提案して、最終的には教授がそれに同意をして決着を見たというケースがございますが、先ほど先生も御指摘のように、そういうことはまことに異例なケースであろうか、かように考えております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 それでは、今ここでひとつ統計学というので推計をしてみたいと思います。  私は北大の教授を二十四年いたしましたが、北大は医学部開設以来六十数年、まあ六十年といたします。二十年教授一代で講座は三十ありますから、三十掛ける三倍ですから九十講座が延べあったわけです。この六十年間一回もこういうことは見ておりません。つまり、今局長言われたように九十分のゼロです。今医科大学八十あります。一大学三十講座といたしますと、三、八、二千四百講座でございます。北大のような四十年、六十年、東大、長崎のように百年というので延べ講座で入れますと三千なんてもんじゃないと思うんです、もう八十大学掛ける三十で三、八、二千四百なんですから。今のお話だと一回しかない。まあ、そんなようなもんだと思うんです。あってはいけないし、そんなことないんですよ。つまり、大ざっぱに三千の講座で一回あったとします。同じ大学で同じ講座で——同じ講座なんですよ、実は。前教授が教室員にボイコットされてやめたんです。その後へ現在の教授が北大の講師で赴任をしていったんです。公募でございます。講師四十二歳。若いんですね。若いということは業績が抜群であったから教授会が認めたんですよ。それが赴任して同じ講座で二度起きたんです。まあ、もちろん大臣おわかりでしょうけれども、あえて説明さしていただきますと、さいころが一が出る確率というのは六回で一回です。連続二回出る確率は六分の一の自乗です。三十六回に一回です。統計確率論です。三千分の一の事件が自乗されるわけですね、連続起きた。九百万分の一なんです。文部大臣おわかりでしょう、あり得ないんです、これ。これを文部省はどうとらえておられましょうか、お伺いいたします。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の福島県立医科大学の産婦人科の講座において教授ボイコットがあるということについての御指摘でございますが、私どもも、つい最近のことでございますが、実は昨日でございますけれども、大学の学長から関係課におきまして辞表の報告を受けたわけでございます。昨年九月から十月にかけまして助教授、講師を含みます七名から教授に対する不満等を理由として辞表が提出をされたということでございます。大学では、十二月に調査委員会を設置し、問題点の解明に努めてきたわけでございますけれども、その間、本年の三月十六日に講座の教授から辞表が提出をされて、そこで教授会は調査委員会の報告及び辞表を受けまして十六日の教授会において教授の辞表について受理をし、助教授等の辞表については、学長において教育、研究、診療への影響を考慮して、それらの点を十分考慮した上で処理をするということになったというぐあいに報告を聞いております。その後、ところが二十二日になりまして同教授から辞表は取り消す旨の通告がございまして、教授会で二十五日その取り扱いについて検討したところ、辞表の撤回は認められないというのが教授会の結論であったというぐあいに私ども聞いておるわけでございます。  この問題についてはそんなことで昨年来いろいろ講座の内部でのいろんな問題点があったように伺っておるわけでございますけれども、私どもとしては、ただいまのところ大学側から事態についてそういう報告を伺っておるわけでございますが、先生御指摘の前回の教授の件についてもというお話がございましたが、私どもが大学から伺ったところでは、前回の教授が空席になりましたのは、まあ、いわばそういう問題と申しますよりも、むしろ大学紛争当時、基本的にはその問題に関連して教授が辞任をしたというぐあいに報告を伺っておりまして、ただいま先生が御指摘をなさったような形というぐあいには必ずしも伺ってはおりませんけれども、いずれにいたしましても、今回の教授の、助教授以下の講座内でのいろいろ教授とのあつれきの問題については、本来まことにあるべき事態でない異例なケースだと考えておりまして、本件について私ども、もちろん福島県立医科大学でございますので、当事者がそれぞれ最善の努力をして解決のための努力をしなければならない事柄ではないかというぐあいに考えております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 私が伺いましたのは、事件の概要、これはお伺いするつもりでおりましたので、今伺ったことについてまた質問さしていただきますけれども、私が伺ったのは三千分の一の自乗であると。九百万分の一の確率というのは前の教授のボイコット、私が知っている範囲では学園紛争の余波を受けて、それを教室員が利用して、そして教室員の内部告発によって教授が追い出されたということです。私は当時現役の医学部長でございますから大分よく知っております。ですから、ともかくやめさせられたと。同じ事件が起きたと。ブランデーにVSOPというのがありますよね。僕はあれはベリー・スペシャル・オールド・プロダクトと言うのかと思っておりましたら、話聞いたらベリー・スペシャル・ワン・パターンというのがあるそうで、だから、いやぁ、なるほどこれはVSOPなんだなと思ったんです。やっぱり、随分高いブランデーだと思うんです、これは。そのVSOP、九百万分の一というのは、私やっぱりこういうことの起きる大学は、私は恨みも何にもありませんよ、何度か訪ねています。医学私学委員としても福島県立医科大学は査察に参りました。知っています。ですけれども、スペシャルパターンだということですよ。ベリースペシャル、このペリーを何ぼつけてもいいぐらいだと思うんです。九百万分の一。ですから、そういうワンパターンというのは統計学的に見て有意の差ということは極めて歴然です。もう危険率はゼロに近いぐらい。いや、もう一〇〇%ですよ。もう、本当の有意だと思うんです。それくらいのところなんだから、これはやっぱりそういう大学は統計学的に疑いもなく異質ではないかということを僕は文部省はどう受けとめているかと、統計学的に僕は聞きたいんです、むしろ。内容の問題言っているんじゃないんだ、内容はお困りだと思うから。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) その点は先生十分御事情御承知の上でのお話かと思いますが、私どもが大学から伺ったところでは、前任の教授の辞任の問題については大学紛争に巻き込まれた形で辞任をしたということを伺っておるわけでございます。今回のケースと全く同じパターンでこのことが起こったかどうか、そこのところについては必ずしもつまびらかにいたしておりません。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 真偽のほどを余り争っていてもよくないと思いますけれども、少なくとも学生にやめさせられたんではなかったということです。しかし、僕は学園紛争時代の学部長を六年やったんです、昭和四十五年から五十一年です。そういうことで、こういう事件を起こすこと自体、教授会というものがいかに無責任であるかと僕は思うんです。私は、六年間紛争を全部相手にして、全部団交を通じてやってきましたよ。言わしてもらえば、僕は警察を入れませんでした。六年間です。それは論理の場なんだから、大学は。知的集団の学生ですから。暴力団集団じゃないんです。ですから、理論が通ればもう大丈夫なんです。私は、六年間全部大論争をやって生き抜いてきたんです。六年間です。聞いていただいたらいいと思うんです。あの当時、六年学部長を続けた人は何人いたか伺ってもらいたいと思います。後で調べていただいてもいいですよ。ですから、私はこれに対してはある意味では非常に、医学教育だけではなくて、まあ特に医学教育ですが、憤慨しているんです。こんなことがあっていいのかということなんです。  それで、今の辞表を提出した助教授と講師が昨年の九月と十月に辞表を出した。そして助手が七名。告発をされた、内部告発があったんです。教授に学長から言われて、学長はだれが、学長にだれが出したんですかと、教えてくれないと言うんです。教えてくれなきゃ、だれが出して、どんな理由かわからない。教えてくれないと言うんです。自分の教室だからわかるんじゃないかと言ったと言うんです。それじゃ、一人一人真偽のほどを確かめるんですかと。不信感だけが募ってきます。教えてくれなかったそうです。内部告発というのはどういう理由でしょうか、局長伺います。  わからなければ僕が教えますから。全部持っていて……。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) お話しの内部告発はどういうものであったかということについては私承知しておりません。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 それじゃお教えいたします。というのは、後で理由になるんです、これが。大事な問題だと思うんです。  内容は、一つは教育、研究、診療の指導性に対する不信感です。これはどこでも言うけれども、非常に評価が難しいですね。いや、私はその言われた教授の側で幾らでも僕は証拠を挙げて反論ができますけれども。  もう一つは、教室に配賦された旅費を流用したということなんです。そして、教授が勝手に使って私たちのところには来なかったというんです。この二つです。  問題になったのは、法律的に問題にしようとしたのは旅費の流用ということであります。後でもう少し突っ込んでいきますが。ところが、この告発者、助教授と講師、この二人、九月と十月に出したんですよ。これが実は昭和五十六年四月から五十九年十月の三年半にわたって婦人科の宿直を空宿直をして全部ポケットに入れていたということなんです。これは証拠が十分にございますから、本人が認めております。こういう空当直、公費を不法取得をしたという事実が明快になっているんです。局長、これが処分されていないで今日までいるということについてどう思われますか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) いろんな事案が本件についてはふくそうしておるかと思いますが、私ども大学からの報告によりますと、今先生御指摘のいわゆる空当直でございますか、その問題については大学側からの報告によりますと、産婦人科教室では夜間の緊急手術あるいは重症患者に対応するために二人が宿直することになっておったわけでございますけれども、実際には一名が当直をし一名が自宅待機という、宅直と言っておりますけれども、自宅待機のような形で行っておりまして、宿日直手当を受領しておったということを伺っております。  そして、本件については、このことについては教授から学長への告発がきっかけとなりまして、調査委員会で調査の結果明らかになったということを伺っております。そして、その結果、助教授と講師に対しては既に支給をいたしましたものから実際に勤務をした分を相殺した差額各十五万円の返還を命ずるとともに、病院長から口頭の訓告がなされたというぐあいに伺っております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 これは教授が告発したんじゃないんですよ。これは宿日直の出勤簿取扱主任が助教授と決められているそうです、規則で。その彼が部下に命じて空宿直の名簿をつくらして判こを押した。一回も出ていない。いいですか、昭和五十九年度は月一回だそうです。五十八年、五十七年、五十六年については四、五回だそうです。その申し立てた講座の職員二人がたまりかねて教授に言ったらしい。そして全数室員が集まって、その二人も入れてはっきりさしたらしい。したがって、調べてもらえば、何回空の判こを押したかわかって、一回も泊まってないそうです。そして、朝日新聞三月二十一日には、空宿直料をポケットに入れたのは千二百万と書いてありますよ。証拠あります、新聞ですよ。財界ふくしまという雑誌にも千二百万と書いてあります。たった十五万だけ出さしたと言っていますよ。そういうことがあるんですね。それが適正な処置ということなんでしょうか。学長は適正な処置をとったと言っておりますが、適正とはそういうことでしょうか。ちょっと困るかもしれませんが、いかがでしょう。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 新聞報道その他の報道のことについては私も十分承知をしておりません。  先ほど申し上げましたように、学長からの報告を受けましたところ、先ほど御答弁申し上げましたような内容で報告を受けたわけでございます。さらに、その点が真実であるかどうかのことについては、なお大学側にも十分問い合わせをすることも必要であろうかと思いますけれども、そのこと自身の調査なり対応なりは、それぞれ県立医科大学のことでございますので、設置者たる県なり、福島県自体、あるいはそういうところで、まず事実の把握なり、そういうことをいたしまして、そのことについて適正な措置がとられるということが、まずとられるべき第一の手段ではなかろうかと、かように考えているわけでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 出勤簿がずっと押されているんですね。三年半というのは、押さされた職員二人が言ったことであって、それ以前もやっていたということらしいです。それで判こを押しているんですから、何回かわかるんです。調べてもらいたい、これは。そしてもし学長がうそを言ったら学長の責任は重大だと思いますよ。  それから、これ文部大臣に伺いますが、教育というのは師弟の信頼関係の上に成り立っております。これは御承知のとおりであります。  私が学園紛争を通じて私の持っていたフィロソフィーを申し上げますと、医の倫理の前に医の教育倫理がある。これが、私が医学部長として六年間やってきたときの私の大事なフィロソフィーです。教授諸候には医の教育倫理を徹してもらいたい、おたおたしてもらっちゃ困るということであります。  いわば、公金横領の事実が明白になった助教授、講師、こういう人は教官に値すると思われますか。大臣、いかがでしょう。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 仮定の話になりますが、先生御指摘のような不正を働いておる者があるとすれば、その方は教育の立場にある人としては不適格のように思われます。  なお、先ほど局長も言いましたけれども、福島県立医科大学というのは設置者は福島県でございますので、まず設置者が管理運営の責任の立場にあるわけでありますから、この福島県が大学側に対して真相の調査をし、把握をして、そして適切な措置がとられるのが妥当であるというふうに思います。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 文部大臣ね、やっぱり文部大臣初めて聞かれりゃ仮定の話だと思われるでしょうけれども、仮定じゃない、事実です。松川学長が教授にあてたレターで、五九医大総第一〇四号と書いてあります。ちゃんとした公文書です。これに「相当金額の返納を命じ、」と書いてあるんです。着服しないものを返せって言うでしょうか。ちょっとこれを大臣に差し上げていただきます。これちょっと見ていただけばわかります。  ですから、仮定じゃないんです、事実なんです。そして、この両名の辞表が今日まで数カ月間そのままになっていた。そして、教育に従事しているんですよ。これは管理者というものの感覚を僕はやっぱりどうなっているんだろう、ベリー・スペシャル・ワン・パターンじゃないんでしょうかね。  これは、文部大臣、もう一度いかがに思いますか、事実なんです、それ、仮定じゃないですよ。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) まさしく先生は、みずから何というか確認をされて、そして、先生は事実だと、これおっしゃっていることだと思います。先生のおっしゃることでありますから大体間違いないと、私は思うんでありますけれども、私自身が事実であるかどうか、私自身が確認してないもんですから、そこで、先生のおっしゃるとおりであるとするならばと、こう申し上げたわけでございまして、繰り返し申し上げますが、先生がおっしゃるとおりであるとするならば、それは大学において教育に当たる立場の方としては適格性がないように思われます、こう申し上げたわけでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 まあ、文部大臣としてはごもっともだし、文部大臣としても大分積極的な御意見を出していただいたと思って私は大変よかったと実は思っているんです。文部大臣はやっぱり正直というか率直に御意見を出してくださると思っておりますが、全部信じられなくても仕方がないかもしれません。これは学長の手紙だということなんですけれどもね。学長の公文書的なもので言っているんで、まあまあ九九%本当でも一%どうかという程度かもしれませんが、そうしたら一体文部省としては、指導助言の中でどうなさるんでしょうかね、局長いかがでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 先ほども申し上げたわけでございますけれども、先ほどの病院長からの口頭の訓告ということが適切であったかどうかというようなことなどについては設置者たる福島県において判断をされるべき事柄と私どもはまず考えておるわけでございます。したがって、もちろんこういう講座の中における教官、教授と助教授以下の内紛問題ということは非常に事柄そのものが異例なケースでございまして、私ども一日も早くこういう事態が解消されまして教育研究、診療に支障のないような形で対応されるということが大学教育としてはぜひとも必要なことでございますので、そのことを大学当局並びに福島県当局に対しても、一日も早い解決策を希望するものでございますが、事柄としては、まず設置者たる福島県において事柄の真相を把握し、それについて適切な措置がとられるということが必要ではないか、かように考えます。  それからもう一点、先生の御指摘の助教授、講師らの辞表の方が、提出されて、それがいわば預かったままになっておるではないかというような御指摘があったわけでございますが、その点については、大学からの報告では、昨年九月から十月にかけまして助教授、講師を含む七名から教授に対する不満ということを理由に辞表が出された、それが預かられたままになっておるという状況でございます。それについては、一つは、辞表について調査の必要があるということで先ほども御答弁しましたような調査委員会を設けて調査を行うということになったわけでございまして、その調査の結果が明らかになるまで辞表は預かるということになったというぐあいに大学から報告を受けております。そこで、調査を終了し、教育研究、診療に支障を生じることのないような形で、つまり一時に講座の相当数のものが空席になるということではその点が問題でございますので、そういう支障の生じることのないような形で、その取り扱いについては検討中であるというぐあいに伺っております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 これは内紛ではございません。僕は内紛だと思わない。感情じゃないんだもの、これ。感情だったのは、助教授と講師が九月に辞表を提出したのでありまして、その次の教授から報告したのは十二月八日の公文書みたいな、何だか内容証明かな、何かで学長に出しているんでありまして、十一月の二十七日かに教室で申立人が会ったわけだ。いいですか、申立人が自分がやめさせられるかもしれない危険を冒して教授のところへ言っているんですよ。そして、教室の全員の中でやるというのはよほどの勇気が要ります。はっきり言えば、このまま悪い人間が生き残れば、悪い人間というのははっきりしたからですよ。これはもう申立人の運命は目に見えていますよ。そういうことを僕は言っているんです。ですから、もう一度言いますと、仮に泥棒が、見つからなければ着服する、見つかったから返せばいい、そうなんですか。そういうものでしょうかね。泥棒をした、はっきりわかった。しかも、公金ですね、公金です。公金というのは税金です。国費も入っていますね、補助金が行っているんだから。それを着眼したのを返せばいいというものじゃないと思うんだな。僕は十五万円というのはうそだということは明快にわかっていますけれども、まあ、わからないことにしておきましょう。一回で一万円だそうですからね。僕の計算百十九万円であります、三年半でね。まあ、いいや。細かいのいいです。十五万円というのは返したってだめなんじゃないかと。このことで私は法務省に伺いたい。刑事事件に該当すると僕は思っております。取り上げていただけるかどうかです。法務省に伺いたい。

東條伸一郎法務省刑事局刑事課長

○説明員(東條伸一郎君) 今までお話を伺っておりまして、私どもも地元の福島地検におきまして情報は報道等において入手しておるわけでございますけれども、今までの先生のお話しにありますように、一つは、一種の学内の問題であるということ、それから刑事事件として取り上げるかどうかということは、刑事事件として立件できるかどうかという前提になるわけでございますが、その点についてはまだ私どもの立場で具体的な事実関係を全部把握しているわけではございませんので、これが、例えば横領になるとか、窃盗になるとか、背任になるとかということはなかなか言いがたいような状況でございますが、いずれにいたしましても、事態の推移を見ながら地元の検察庁としても適正に対処していくものと思いますけれども、事件をどのようにやるかということにつきましては、検察庁がやるか、あるいは第一次捜査権を持っておられます警察当局がおやりになるか、これはまたいろいろ具体的な対応は別問題になると思います。今の段階で刑事事件として取り上げるかどうかと私にお尋ねでございますけれども、その点については今の段階で必ずしもはっきり申し上げることはできないんじゃないだろうかということでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 まあ、大変いいお話で、非常に論理的であったと思うんです。あなたのような人が福島大学の事務局長であったら、私がこれから述べるようなことはないと思います。  もう一度、これから今度、福島教授——福島教授と言うんです。福島県立医科大学福島教授と言うんですよね。その人の問題に移りますけれども、助教授、講師両名が辞表を出したのが昨年の九月と十月でございますが、教授会に調査委員会ができたのは十二月の十日で、この期間に——いいですか、僕は内紛でないと申し上げたのは、一方的に彼、教授が告発を受けた。結果論、不正はなかったんです。シロなんですよ。いいですね。これは結果論です。今の時点でわかってないわけだ。そして十一月の末に初めて告発者が公金を、千二百万円というのはどういう分け前か知りませんが、千二百万円です、入っていたというんだ。そこでその一部を返還さしたんだと思うんです。返納というのは間違いなく入ったということです。入らないのを入れるわけないんだから。そうですね、法務省、そうでございますね。でしょうね、きっとね。いや、いいですよ、それじゃ、まあ。それで、ところがこの三カ月くらいの間に学長、事務局長、県の出納長を通じて、しばしば彼に辞任を迫られた。全部証拠があります。僕、証拠を持って言っている。全部証拠がある。手紙のやりとり、公文書、すべてあります。教授会に提出した書類全部あります。明快に載ってます。反論がないんです。ですから、このとおりだと僕は思う。どうして学長が、事務局長が、そして出納長が彼に辞任を迫ったんでしょう。これ僕不思議で不思議でしようがないんだな。このしばしば辞任を要求されたということを文部省は把握していますか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) そのことについては私は直接報告を聞いておりません。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 そこでこの証拠が物を言うんで、これからお話しいたしますから。例を挙げます。全部書いてありますから。いいですか。助教授が出したのが十月十一日。事務局長メモというのがメモとして出ているんですよね。十月十七日ですよ。もうすぐですよ。そのメモに学長発言が伝えられているんです。それで、学長と教授とのやりとりを事務局長がメモをとって、それを教授に渡しているんです。明快な証拠ですから。それには学長発言、学長が教授に十月十七日のメモに載っているんですから、よくお考えいただきたいんですけれどもね、ほんの数日しかたってない。それなのに、あなたの身分上のことを私は事務局長を通じて言ったけれども、ことで撤回をいたしますと言っているんですよ、もう身分上のことを。ひどいと思いませんか。  次の例、局長発言、十一月十七日、教室の旅費流用の内部告発を取り上げて何と言ったか。あなたがやめなければということだと思うんですけれどもね、あなたを刑事問題として告発をする、告訴だ。告訴と書いてあるから。私は公金横領と考えるので、いいですか、私がですよ、局長がですよ、県の行政監察を入れて監査する、刑事問題として告訴する、こう言ったというのだ、十一月十七日。出納長、出納長には三回会っている。そして十月二十九日、教授会の調査委員会、十二月十日にできたんですよね。だから、何にもないときの話ですよ。こういうことを伝えているんです。学長はあなたを分限免職だと言っている、局長は告訴をすると言っている、あなたはとてもいられないわ。この際、依願免の方がいいのではないか、こう言われている。まだあるんだな。何ぼでもあるんだけれどもね。十二月十日に臨時教授会があって、この日、調査委員会が設置されたんです。そのときにマスコミを教授会に入れて開会直前五分間写真を撮らしているんだ。もちろん当教授を撮らしている。教授会にマスコミを入れるなんて異例のことですよ。しかも、もう犯人扱いじゃありませんか。断っておきます。シロだったんですから。いいですね。そういうことをやっているんです。  もう一つ、教授会の調査委員会が十二月十日にできました。学長がこの委員会に、私は分限免職をさせる意向だといって伝えたそうです。どういうことなんですか。僕はこれはひどいと思う。私はもう、正義の味方で頑張る気なんだ、これ。冗談じゃありませんよ。調査委員会というものはニュートラルではないということです。結論に指向され、誘導されているわけだ。そんな権限というのは学長にあるんかな。僕はこれはひどいと思う。そして、行政監察を入れることについて県の行政監察何とか基準というのがあるんだわ、持っています。行政監察事務運用基準というのがあります。それには、教育機関ですから、教育公務員特例法によって行政監察の対象ではないと除外してある。にもかかわらず、局長は、私の権限で行政監察を入れ、刑事問題として告訴するということを彼に言明した。その証拠は教授会に出してある。そして、どうなったのかだ。十一月三十日、臨時行政監察が行われた。  自治省に伺いたい。こういう権限というのがあるんですか、どうでしょう。つまり、行政監察の対象からは教特法によって除かれている対象に対してどういう権限か知らないが、行政監察をさせた、いいんでしょうかね。

柳克樹自治省行政局公務員部公務員第一課長

○説明員(柳克樹君) まず一つ申し上げられますのは、福島県の行政監察規程と申しますのは、あくまでも県の内部規程で内部県政のためでございます。したがいまして、これは直接教育公務員特例法等と関係なく、内部組織の問題としてそういう規程を置くということはできるかと思います。  ただいま先生御指摘の点でございますが、行政監察事務運用基準のもう一つ大もとになります福島県行政監察規程というものがございまして、これで拝見いたしますと、監察というものが通常監察と臨時監察と二つあるということになっておりまして、通常行う定期的なものについては運用基準の方で除いている、こういう趣旨ではなかろうかと存じます。  なお、細かいことは存じておりませんので、あるいは間違っているかもしれませんが、この運用基準及び監察規程から見る限りではそういうふうに受けとめているわけでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 そこで、十一月三十日に行政監察が行われた。その前に事務局長は、あなたは公金横領だと、この言葉はそのとおりに使っているんです。僕は法律用語であるかどうか知りません。公金応領だ、刑事問題として告訴すると事前に言っていますよね。それは十月の段階で言っているんだわ。十一月三十日に入った。彼は不安だと思うんですよ。幾らシロだと思っても、本当はお金はポケットには入れなかった。四十五万円ですよ、年間ね。やっぱり大金ですよね。一千二百万から比べるとはるかに少ないけれども、それはそのとおりきちっと帳簿に出ているから、全然大丈夫だったらしいんだ。その結果が三月になって初めてわかったんだから、彼は知らされてないんだわ、ずっと。そして、十二月十日に調査委員会が開かれる。それでも知らないわけだ。教えてくれなかったそうです。知らされていない。そして彼は、おまえは懲戒免だ、分限免だ、おまえは応領だと、こう言われてきたわけだ。監査結果というのを公表する、あるいは少なくとも本人に知らせる必要があったのではないか。どう思いますか、自治省。

柳克樹自治省行政局公務員部公務員第一課長

○説明員(柳克樹君) 先ほど申し上げましたように、この監察規程は県の内部規定でございまして、それについて自治省としてとやかく見解を申し上げる事項ではないというふうに考えておりますが、この行政監察規程で見る限りでは、そういう、公表をしなければいけないというようなところまで縛ってはいないようでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 私は常識人として、僕は人権問題だと思ってこれは言っているんですよ。人権だと思うんだわ。これは何か、おまえ泥棒だと言われている、公金応領だと。そして書類上やっぱり流用したんだな、確かに。だからそれだけで分限免、懲戒免になるかと思ったわけだ。彼はもうどうにもならないわけだ。そういう状況で、常識的に、結果が起こったら、何か理由があってやったわけでしょう。だから、それは知らせるのが普通の常識だと僕は思うんです、特別な意図がなければ。ですから、私は、自治省が権限がないということは知らなかったんです。僕はあるんだと思っていた。なぜか。国費が入っているんだから。自治省は自治体に対する指導助言、監督、助言じゃなくて、むしろ指導する責任もあると僕は思います。国費を持っているんですからね、国費が行っていますから。ですから、そういう意味で、僕は、自治省がわからないんだとすれば、この二点、どういう理由で行政監察を行ったのか、それから、なぜ三月の時点までずっと数カ月間その結果を本人に知らさなかったのか、これを調査して、次の機会に私は伺いたいと思います。  この事件の経過を続けます。  教授は、ことしの三月十五日、三月末日付で依願免を提出いたしました。三月十六日教授会が開かれて、受理いたしました。三月二十日午後二時公表されました。私が、医学部学部長として考えてみても、辞表が出て、翌日受理して、四日後に公表するというのは、ペリースペシャルケースですよ。そんなことはあり得ないですよ。  自治省よろしゅうございます。  僕は、これは驚異的スピードだと思う。助教授と講師が辞表を出したのが九日と十月。公費を着眼したことがはっきりしたにもかかわらず、今日までほってある。これと対比していただきたい。そして、この三月二十日の告知の中で初めて、行政監査の結果、不正はなかったと書いてあります。ちゃんと書いてある。しかし、彼は十五日に辞表を提出したんだ。依願免の方がまだいい。退職金も出なくなるんだ、戸籍には何かがつく、そう思ったわけですよ。当たり前だ、それは。ところが彼は法律専門家に相談したところ、そんなばかなことあるか、分限免、懲戒免、そんな簡単にできるものじゃない。私が国会で質問しようということになった。それなら本人は辞職を撤回する必要がある。それでその人のお力をかりて、そして三月二十日にわかりましたんで、二十一日休みでした。何遍も連絡をとって彼は二十一日付で知事あてに学長経由で辞職取り消しを出しました。民法第九十五条によります。  法務省、民法第九十五条というのを説明してもらいたい。

濱崎恭生法務省民事局参事官

○説明員(濱崎恭生君) 民法九十五条というのは、司法上の法律行為、司法関係における司法上の法律行為につきまして、その法律行為をした者に、法律行為の要素に錯誤があって、しかもその錯誤に陥ったことについて本人に重大な過失がないという場合には、その法律行為については無効とされる、要するに法律行為としての効力はないものとして取り扱われる、こういう趣旨の規定でございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 もう一回法務省に伺います。  出したからには、三月三十一日が辞職なんで、まだ発動してないんですが、有効なんですね、取り消しは。念を抑しておきたいんです。

濱崎恭生法務省民事局参事官

○説明員(濱崎恭生君) この法律関係というのは、私つまびらかではございませんけれども、恐らく公務員としての地位にある方でありまして、公務員としての任用関係に関する法律関係であると思うわけでございまして、その法律関係につきましては公務員法、地方公務員法、その他公法上の法律関係の規定、解釈の問題になるわけでございますので、直接民法によって規律されるという法律関係ではございません。したがいまして、この関係について直接民法の立場からお答えをできる立場にはないわけでございまして、その点御理解いただきたいと思うわけでございます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 私は法律家ではありませんので、飯田忠雄参議院議員、神戸学院大学法学部長をなさったお方に相談をして、錯誤ということの法律的な有効性をちゃんと承認を受けてやってもらったわけですよ。つまり有効かどうか、取り消しの宣言がですね。つまりこれ依願退職なんだから、依願退職というのは一遍出したら絶対に下げられないのか、それとも有効なのかということを聞いているんですけれども。

濱崎恭生法務省民事局参事官

○説明員(濱崎恭生君) これが民間企業の雇用関係でございますと、それはその関係については直接民法の規定が適用されるということになります。したがいまして、民間企業における従業員の退職の申し入れがあったという場合に、その申し入れという法律行為に錯誤があればそれは法律行為としての効力を生じない、要するに申し入れはなかったということになるわけでございますし、またいわゆる雇い主と被用者との間の合意によって雇用関係を終了させる、そういう解約の合意の申し込みとしての従業員からのそういう解約の申し入れがあったと、それに対して雇い主の方でその申し入れを承諾して契約関係を終了させるという意思表示をする前に最初の退職の申し入れを撤回したという場合に、その撤回がいつまで、どういう場合にできるかということにつきましては、民法の解釈問題がございまして、その点については必ずしも解釈は確定しているわけではございませんけれども、雇い主の方でその申し込みを承諾するという意思表示がされるまでは、特別の背信的な事情がなければ撤回ができるという解釈が最近の裁判例あるいは一般解釈としては強いように承知しております。  しかしながら、この関係が公務員の任用関係、そしてその辞職願に基づく辞職の承認という関係についてそのまま妥当するのかどうかということについては、これは民法自体の問題ではないわけでございますので、その点については法務省民事局としてその答弁をする立場にはないということでございます。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) 国立大学の教授の辞職の場合について一般的な原則的なことで申し上げますと、教育公務員特例法十条の規定によりまして、学長の申し出に基づいて任命権者である文部大臣が発令をする、これは国立大学の場合でございます。そしてまた、教授の辞職願でございますけれども、通例、教授会の了承を経まして各部局長から学長あてに上申がなされ、学長が文部大臣に上申をするというような手続で行われることになるわけでございます。  お尋ねの点は、辞職願提出後これを撤回することが許されるかというようなことについてのお尋ねのようでございまして、撤回することは許されないとする根拠は別にございません。ただ、手続終了後撤回等までを無制限に認めるということでございますと公務の上に支障、混乱をもたらすということも出てまいりますし、こういう場合においては辞職の申し出は任命権者の同意なくしては撤回することはできないと考えるのが、従来過去において人事院等において先例として言われている点でございます。  また、辞職願の撤回が行われた場合の具体的な取り扱いでございますけれども、撤回の理由なり撤回の時期、手続の進捗状況等、大学管理機関及び任命権者において個々に判断をすべきものだと、具体のケースについては慎重に判断をすべきものと考えるわけでございます。  なお、本件は福島県立医科大学の件でございまして、それらの点につきましては基本的には設置者たる福島県において判断をすべき、個々の具体の案件についての判断は福島県当局において判断をする問題であるかと、かように考えます。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 これは教授が、さっきから申し上げたように、助教授、講師が辞職願を、辞表を出してから十二月までの間に、しばしば分限免、懲戒免、告訴、刑事問題と言われて依願免に追い込まれたという客観情勢が証拠として歴然としてある。したがって、よく聞いてみたら、依願免、懲戒免の対象ではないということを法律家さんに聞いて、それが錯誤というものですよ。それを言っているんですよ。だから、それはいろんなケースが挙げられます。しかしこの場合は、錯誤というのは明瞭な証拠を挙げて言っているんだから、ただ簡単に思い違いしたんじゃない。しかも辞表が、助教授、講師が公金をはっきり横領した、この言葉は事務局長が使ったから言っているんですよ。公金を横領したことが明白なのにこれはほうってある。教育に従事している。この教授はそれは不正はなかった。どうして辞表を出した翌日教授会で認めるか、この異例のスピード、ベリー・スペシャル・パターンだと思うんです。それを僕は取り上げて言っているんです。これは人権問題なんだ。ですから私は、この福島の大学がどうこうというよりも今挙げているのは、この教授が敬けんなクリスチャンだと書いてあります。この福島のこれをごらんになったと思うんですよ、僕はお渡ししたんだから。これには、福島教授——どうも福島が続くからダブル福島になるんですけれども、同教授は敬けんなクリスチャンという人柄から、弁解をしないで、調査委がいい返事を出してくれるだろう、答えを出してくれるだろう、こう思ってきた。ロータリアンのある開業医は「同じ外科医として学ぶべき面をたくさん持っている」、「あの人に、医療技術上の疑問があるなんて、それは中傷だ。」と財界ふくしまに載っています。彼は先ほど申し上げましたけれども、四十二歳で講師から抜てきをされているんですよね。だから、これだけの優秀な人を、その助教授以下がどういう人間だったかという、僕はちゃんと学問業績持っているんだ。だから学問業績で勝負するならこれまた改めてやってもいい。この教授は指導論文二百編以上出しています。年間二十編ぐらいの論文を発表しているんだ。学士院会員の牧野先生の直弟子ですよ。細胞遺伝学という今バイオテクノロジーで、非常に大事な最も早いころに我が国の産婦人科学界に細胞遺伝学を導入した最初の人なんです。こういう人で、こんなばかげたことで何をやっているかというんです。確かに、地方自治体だから文部省も自治省も法務省も何となくさわりたくないという気持ちが私はひしひしと伝わりますけど、国費が入っているということを忘れないでいただきたいんだ。国費の適正な使用というのがある。それから証拠は僕は歴然だと思っていますから、これだけの証拠ってめったに集まらぬと思うんだ。全部僕は日付書いてあります。そして、日付のないというか、私の文書的なものを捨ててあります。公文書的な証拠が歴然としたものを持っています。向こうも、県当局も持っているはずです。ですから、こういうことをずっと見てきたら私はとてもこれたまらないんだ。教育改革、臨教審も大事でございますけれども、もうこれよりも今医学教育の問題であり、そして個人の人権問題であり、そして公金横領をしたことがこういうものにもはっきり出ている人が今なお教育者としてそこにいるということが、その教育を受けた人たちが社会に出たときに、めっからなきゃ悪いことをしてもいい、めっかったとき返せばいい、そういう教育になりますよね、文部大臣、そうでしょう。僕はそうだと思う。これはやはり正義の味方としてどうしてもこれは追及してもらいたい。  まず第一に、この人権擁護の点から責任の所在を僕は追及してもらいたい。それは第一にこれを取り上げたのは、辞表を出した時点で既に教授にやめると言い出しているんですから、局長なのか、教授会なのか、学長なのか、それとも県の当局なのか。これはやっぱり自治体を指導する自治省も、法律、人権に関与する法務省も、医学教育の責任を負う文部省も、これについてははっきり、第一に取り上げたのはだれなんだ、どんな証拠に基づいたんだ。しかも不正はなかったとちゃんと書いてあるんだ、学長の告知に。読んでみますよ、ここまできたんですから。なお「また、」「併せて旅費の問題」——教室の講座費です——「行政監察員をわずらわせて、調査までお願いいたしましたところでありますが、」学長告知です、「支出された旅費の講座内での取扱いについては、適切を欠く点はありましたものの、決して不正な費消はなく、教育、研究のためあてられていたものでありました。」三月二十日。こういうことを知らぬ顔していた。私はやっぱり人権だけでも大変だと思うんだ。彼はもう住むうちがないみたいよ。そんなばかなことありますか。文部大臣、僕、コメントいただきたいなあ、大臣として困るかもしれませんけどね。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほどの先生の御発言の中は、横領した人が仮におったとして、その金を戻せばそれで相済みになるものじゃないと、それはそのとおりだと私も思います。  本件につきましては、先ほど来局長も申し上げましたが、福島県立医科大学でございまして、そしてまた、今先生の御発言の中にも学長さんの、教授会の処理の仕方等も非常に極めてまれな大変なスピードでなされているなどということの御指摘もあったようでございまして、まず私どもとしては事の真相をより正確に把握するのが先だと思うんでありますが、普通の場合ならば、学長さんの方に連絡をしたりして真相把握という手があるわけですけれども、どうも先生の御発言の中からも、学長さんに文部省の方からお尋ねするというのは必ずしも適切じゃないような感じもいたします、本件の場合は。それにまあ冒頭に一般論として申し上げましたように、福島県立医科大学でありますから、設置者が福島県であるわけでありますから、福島県を通じて福島県にこの詳しい真相をこちらの方でお尋ねをして、その上で指導をすべき点があれば指導しなきゃならぬ、こういうふうに思うわけでありますが、いずれにせよ、まず真相を知ること、真相を知るルートとしては福島県を通じて知るというふうにするのが妥当ではなかろうかと、こういうふうに思っております。

高桑栄松公明党・国民会議

○高桑栄松君 まあ、文部大臣は精いっぱい言ってくださったんだと僕思います。しかし、証拠を私持っておりますんで、県が出してきたのと合わせて見ればいいですから。どういう程度に出してくるか、僕は持って申し上げておりますから。しかし、やっぱり県の問題だ、県の問題だといって人権からすべて個人の負担で追い込まれているのをほうっておけませんよ、それはできない。ですから、私はこれが決着がちゃんとつくまで、つまり告発した人が公金を横領して、そして今までのうのうとしているんであれば、これはもうゆゆしき問題ですよ。それは指導なんてもんじゃないと思うんだ、強力なというのがついていいと思うんです。ベリースペシャルな指導してください、ベリースペシャルな。そうでなかったら、これは悪い人が、悪い奴だけよく眠るということですよ。しかし、文部大臣、僕はあなたに期待いたしますよ、お願いします。  あと三分ございますんで、一つだけ文部大臣に、この前の総括のときに私が申し上げたのは、文部大臣が、私の説明不足で御理解がいかなかったというのが一つあるんだ、共通一次の問題です。  僕が、共通一次というのを入試のパスポートにしてやったらどうだと言ったら、文部大臣は、高校卒はすなわち大学入試の資格なんだと、二つ試験というのはできませんというお話だった。僕のは違うんですよ。それは科目が多くて共通一次というのは偏差値が問題になるわけですね。平均点とプラスマイナス、スタンダードデビエーションみたいなものが問題になりまして、この大学はプラスマイナス何点ないとだめだと。プラス一のところへいけばぐっと確率高いと、それは加算されるからなんです。加算を外せば偏差値はなくなるんですよ、加算しませんということになれば。ただ通っただけでいいと、通っただけ。それを僕は言ったんです。加算をするんじゃないんです。加算をすると偏差値になるんだ。確かにそうです。東大ならば九百点以上でなきゃだめよと、プラスマイナスだよと。八百五十ならよっぽど二次ができなきゃだめよと。北大なら八百点でなきゃだめよと、八百五十なら、九百点なら完璧だと、七百五十ならよっぽど頑張らなきゃ、プラスマイナスの偏差値なんです。そこで輪切りなんです。ここまではこっち、ここまではだめ、これは問題ですね。加算するからですよ。ちゃんと点数を足すからなんですよ。それで文部大臣、返事僕要らないかも知れないんだ、僕の意見で、この間のことありましたんで、三十秒ぐらい答えがあれば結構ですから。ですから、私が申し上げたのは、高等学校側でいいますと、科目が多くて、そしてそれをみんなやるから負担になると。しかし、それを少なくすれば対象外の科目を勉強しなくなるわけですよ。ですから、私の言うのは、レベルを下げて大学を、試験を受けるにはこのレベルだけは要るよと、そしてこれを通った人があとさあ第二次は東京工大なら数学だけだ、第一、第二、第三の数学だけ頑脹れと、こう好きなこと一生懸命やってあとは力入れなくてもいいんだ、そうでしょう。芸術大学は力を入れないでいいんだわ。これだけやればいいということになるわけだ、僕それ言ったんです。高等学校卒業は僕はでこぼこでいいと思うんです。そして就職資格だと思えばいいと。でなかったら高等学校で落とすことがありますか、落としていないんだな、まず。  ちょっと御感想ありますか、文部大臣、これで僕、質問終わります。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生のおっしゃらんとするところ私もわかるわけでございます。要するに大学の入学試験というのは、各大学がその大学の特色に応じて試験をやればよろしい、そういうことでございますね。それも私もそういうふうに思うわけでありますが、問題は共通一次の問題があるわけでありますが、先生のおっしゃろうとすることもわかるんです。わかるんですが、やはり高等学校卒業者が大学の入学試験を受ける資格が与えられておるわけでありますから、今先生のおっしゃった高等学校の落第はないじゃないかという話になるわけですけれども、高等学校でそれぞれの科目について単位を取って卒業するわけでありますね。そうすると、先生のおっしゃるような仕組みの試験ならば、もう高等学校卒業だけであとは要らぬというふうに、あとは各大学がやる現在の二次試験だけでよろしいというふうに論理としてはなるんじゃなかろうかなというふうに私は実は理解したわけであります。その意味で、高等学校卒業者には入学試験を受ける資格があるんだと、なのにもう一回なぜその程度の試験をする必要があるんだろうかなと、そこの整合性はどうなんでしょうかなというふうに実は申し上げたわけでございます。  まあ、これはしかしこの大学の入学試験の改善問題は国大協でも慎重に論議をしていただいているようでありますし、臨教審でも論議をしていただいているようでありますので、先生のような専門的な立場の人も含めて、多くの人がなるほどと思っていただくような改革案が出されることを私は期待をしておるわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 学校教育で戦争をどういうふうに子供たちに教えるかということについて質問いたします。  文部大臣は、伺うところによりますと長崎の御出身だそうですけれども、広島や長崎の被爆地をごらんになってどんな印象をお持ちでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 二度と原爆などが落とされるようなことがあってはならぬ、日本だけじゃなくてどこの国においてもと思っております。  実は、私の家内は原爆が落とされた長崎にその当時住んでおりまして、被爆者手帳を持っておる女性であります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私は、昨年四月に広島に何度目かに参りまして、今はもう平和公園の中には数十の遺跡がありますし、それから広島市内にもわかっているだけで百四十九の犠牲になられた方を知る遺跡があるということを知りまして、人々の怒りや悲しみは四十年を経てなお消えることがないという事実に改めて心が動かされたわけですが、広島県あるいは中で各教育委員会が独自の平和教育をいろいろ工夫して行っておりますけれども、その内容について文部省は御存じでしょうか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 昭和五十九年広島県教育資料として、小学校、中学校の子供たちの教育のために県教育委員会がそういう資料をつくって県下の小中学校に配付している事実は知っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ことしは被爆四十周年の記念すべき年に当たりますけれども、こういう広島あるいは長崎のような平和教育の努力がやはり被爆地のみならず全国で行われるようなことは大変意義のあることだと思いますが、大臣いかがでしょう。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 学校教育で平和の必要性、それから日本国憲法が平和主義を大原則の一つになっておるということ等を通じて、平和主義の原則に立っておるということなどを学校教育の場において児童生徒の発達段階に応じてそれぞれ指導をしておるわけでありまして、戦争のもたらす惨禍あるいは平和を維持していかなきゃならぬということ、そういったことは適切な指導をしておるというふうに私は思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 この問題はちょっと導入で簡単でいいんですけれども、ことし各県教委などがいろいろ工夫して行事をやるというようなことは大変意義あることではないかと思うんですが、いかがですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) それぞれの地域の実態に応じて、それぞれの教育委員会の責任と判断でいろんな教育計画を立てられることは結構だと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」というのがユネスコ憲章ですが、そういう意味でも教育が世界の平和のために果たす役割は非常に大きいと思います。各国とも平和教育に力を入れ、広島、長崎の被爆についてもいろいろ教えております。  大臣に伺いますが、昨日、西ドイツ、東ドイツ、オーストラリア、アメリカなどの学校の教科書で広島を教えている部分について資料を差し上げてあるんですが、お読みになられて御感想いかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 実は急な話でありまして、まだ読んでおりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そのことで質問したいからということであらかじめお渡ししたんですけれども、非常に魅力的な記述で広島、長崎のことを教科書で書いているわけなんですね。これは、日本でこういう教科書が検定を通るかどうか、これは局長で結構ですけれども。    〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 私も詳細に読んでいるわけではございませんし、日本で著者がいろんな客観的な事実に基づいて記述をされてくるのが学習指導要領の基準に適合しておれば通りますし、適合していなければ通らないと、ちょっと抽象的なことを御返事せざるを得ないかと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私は前の日に質問通告をして、これを読んでおくようにというお願いをしたんですけれども、それが読んでおられないということになれば、これ以下の質問はできないんです。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 私もいただいたのは夕方でございまして、先生のほかにたくさんの質問がありますし、きのうもし十時近くまで勉強をしておりまして、大体の斜め読みはしておりますけれども、詳細に一宇一句にわたってわずかの時間で読めとおっしゃってもそれは無理な話じゃないかと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 読んでないとこのあとの質問もできないんですよね。そのことについて質問するからと言って、そんな膨大なものじゃないんですよ、せいぜい十分もあればお読みになれることですよ。これは時間に入れないでくださいね。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 十分とおっしゃいますけれども、かなりのページ数のものでございまして、全部読めばやっぱり少なくとも二時間程度は、一時間から二時間程度はかかる資料であろうと思うんです。だから、十分程度でのお答えできる範囲内の横の読み方はしているわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 できないんですよ、この後いろいろ聞かなきゃならないから、それ読んでないということで答えられないと言うんですから、日本の検定通るかどうかは。

仲川幸男自由民主党・自由国民会議

○理事(仲川幸男君) 非常に難しい判断ですから。高石局長、答えられるだけ答えてください。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 御質問に対してはお答えするということで、それは読んでいないから質問できないと言われても、どういう御質問に答えられないかを言うてもらわないと、ちょっと私も答弁のしようがないわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その教科書が日本の検定通るかどうかって聞いたら答えられないとおっしゃったでしょう。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 教科書検定は、私個人がやるわけではなくして、教科書の審査会にかけまして、そしてそれぞれの専門家が二カ月も三カ月もかかって最終決定をするわけですから、わずかの文書を斜め読みにして、ここで検定が通るか通らないかということを私に言われてもお答えできないのは当然だと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 全く時間が少ないのに困りますね、そういうことでは。  それで、日本では核の問題の記述について非常に厳しい修正意見が教科書検定でつけられていて内容の変更を迫られた例がたくさんあります。例えば、全世界の人類が生き残るためにという項目で、アメリカやヨーロッパの平和運動に言及したところ、いろんな意見が指示として付されていて、日本文では、人間社会と決まりという全く異なる内容に書き改めさせられた事例があります。これは文部省も見解発表しておられますのでおわかりと思いますが。その中で、修正意見の中で、平和運動がヨーロッパの核不均衡が原因で起こった歴史的な事実を明示せよとか、米ソ間の交渉でしか核軍縮の道がないということを補えとか、とんでもないことを言っていますが、そういうような偏った一検定官の考えを教科書という子供が広く使うべき中身として押しつけてよいのかどうか、教科書は核均衡論の立場で書けということなのか、その点はどうですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 教科書を検定する際に、まず、特に歴史的な分野の教科書でございますと、それが客観的な歴史の事実であったかどうかということが一つ、それから、その取り扱われている内容が特定の立場に偏らない公平なものであるかどうかというのが次の問題、それから第三番目に、子供たちの、小学校から高校までありますから、発達段階に応じて子供が十分そしゃくできるような内容であるかどうかというようなこと、そういう基準で教科書検定をやるわけでございます。したがいまして、検定官がいろんな意見を述べる際にも審議会の議を経て、しかもその承認を得て意見を述べるわけでございまして、一個人の意見を述べるわけではないのでございます。ですから、立場によっては検定官の言い方がどうも気に食わないということがあるかもしれませんが、それは先ほど申し上げました三つの原則に従って意見を述べているというふうに御了解いただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 じゃ、文部省が公表したメモと検定官の意見と両方で共通している問題について伺いますけれども、核廃絶はすべての人の願うところであるが、現実にはなお平和は核戦力の均衡の上に維持されておる、こういうことを文部省は公表しているんですけれども、こういう見地をなぜ教科書の中身として押しつけるんですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) それも立場の差があると思いますが、核をなくするということは人類共通の願いであるということは事実でございますが、それが、なお核の問題が両方の巨大な力関係によっていろいろな形で均衡上の問題としてあるわけでございまして、それがやっぱり歴史上の事実であると思うんです。ですから、ただ一方的に核は絶対に悪いからやめるというだけでは正しい真実を教えないということになるからそういう記述にしているわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 核均衡論という立場で教科書を書かないと検定が通らないというのはなぜなんですか。そこだけ端的にお答えください。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 核均衡論を書かなければ教科書は通らないというのではなくして、核の問題について、そういう一つの現実的なバランスの問題が存在しているということでは、歴史的な事実であるわけですから、それを教えるのが悪いと。それを教えない方がむしろ現実の世界の状況について正しい教え方をしないということではないかと思うんです。    〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 核均衡論というのも一つの立場じゃないんですか。それを普遍化して教科書の中身で、これでなきゃだめだというふうに押しつけるのはなぜかと聞いています。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 核均衡論という学問的な論があるわけではなくして、核の問題については絶廃するのが人類共通の悩みであるという前提に立ちながらも、核がそういう基本的な願いであるにもかかわらず、なかなか地球上からなくならない理由は何かという際にその説明をつけ加えるのは当然であろうと思うんです。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 時間がないんですけれども、要するに核均衡論も一つの立場なんですよね。それをこれでなければ教科書は認めないというところに問題があるんです。国連の軍縮特別委員会の七八年の最終文書ではこういうふうに言ってますね。「永続する国際の平和と安全は、軍事同盟による兵器の蓄積の上に築き得るものではなく、また、不安定な抑止力の均衡又は戦略的優越の教義によって支えられるものでもない。」、またワルトハイム事務総長の報告でも均衡論を否定しているわけなんですけれども、だから文部省の検定の立場が核均衡論の立場に立って、しかもその平和運動というものを不可能なことを目指すものだというような決めつけで教科書の中身を変えさせて特定のまた偏った考えを子供たちに教えるというのは非常にけしからぬことだと思うんです。原爆の恐ろしさとか核廃絶については重要なんだと今局長は言われましたけれども、なぜ小学校の教科書の中で核を教えるような指導要領が入ってないのか、その理由はどういうところにありますか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 先ほども申し上げましたように、小・中・高のそれぞれの発達段階で教えなければわからないのでございます。小学校一年ないしは小学生ぐらいに核の問題という難しい話を教えたところでやっぱり消化できない。したがって、それを中学校、高校の段階で教科書の中に取り上げて教えるという、そういうような手順をとらなければ、何もかも全部一緒に小学校のときに教えると言われても、それは子供が消化不良を起こすだけであるということで精選されているわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 なぜ小学校一、二年生という例を挙げるんですか、六年生まであるんですよ。そうして六年生では、政治の問題とか、国会見学だって来るじゃないですか。なぜ核の問題を殊さらに小学校の社会科の指導要領から除くのか、そういうことの説明にはなっていないわけですね。  とにかく、そういう特定の立場で今の教科書検定がやられているということはけしかるぬことだと思うんですけれども、その特定の立場を教科書検定の中身として押しつけるという、その一般論で伺いますけれども、そういうことは好ましくないんでしょう。そこはイエスですね。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 戦後の日本の教育は平和主義に立って、しかも相当徹底して小学校、中学校、高校の段階で教えられていることは国民ひとしく認めていることだと思うんです。ただ、問題は小学校、中学校の段階のいずれの段階で教えることがより妥当かということを専門家で練り上げた上で学習指導要領の基準が決められるわけでございます。したがいまして、小学校では、平和を願う日本人として世界の国々と協調していくことが大切であるというのが学習指導要領の中に教えることになっているわけです。そして中学校では、具体的に核の問題、そういうものも取り上げるようにというふうにしているわけで、決して義務教育段階でそれを一切教えてはならないということは言ってないし、小学校の段階で教えることが妥当かどうかというのはそれぞれの見方があろうと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 それぞれの見方があるわけですから、局長が言われるように、いけないという立場だけを強調して、それを教科書検定に持ち込むのは全くまずいと思います。  それから、きのうお配りしておいた資料の中にもう一つ、アジアの教科書の記述があるんですけれども、第二次世界大戦で日本は加害国であったという立場もあるんですが、そのことを非常に詳細にアジア各国の教科書が子供たちに教えています。その中身は読んでみてどうですか。一般的な感想なら言えるでしょう。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) それぞれの国では、その一つの教育として、いろいろな背景のもとに教えられるわけでございまして、だから、そういう内容についてかなり詳細にそれぞれの国の立場で教えられるということは当然あり得るだろうと思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちょっと斜めでもいいですけれども読んでみて、これは事実と全く違うことを子供たちに教えているか、あるいはまあ大体歴史的な事実に沿った内容だと思うのか、どちらですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 諸外国の教科書でございますから、諸外国の教科書について私がこの場で論評することは適当でないと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 全くそういうことで逃げを打たれるということはけしからぬことだと思います。今後、質問の通告についても十分工夫もしたいと思いますけれども、今後は、そういう資料も読んでおかないで答えられないなんということは私はこれからは認めませんから。  社会科の学習指導要領の中において、一九六八年から七〇年版の教科書で、それまであった戦争の反省という点をなくした理由はどういうことですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 昭和三十三年、四十四年、それから五十五年と大きな改訂があるわけでございますが、確かに学習指導要領の中からは戦争についての反省という表現は直接用いていないのでございます。しかしながら、現行の学習指導要領、社会科の歴史的分野における第二次世界大戦などの学習の際、戦争が多くの人々の惨禍を及ぼしたことを理解さして、また公民的分野においては、日本国憲法の平和主義についての学習の際、戦争を防止し、平和を確立するための熱意と協力の態度を育てるというふうにしているわけでございます。過去の戦争への反省に立った適切な学習が行われるよう配慮されているところでございまして、戦争について反省するという趣旨は現行の学習指導要領の中にも十分含まれているし、そういうような教科書がつくられているのが現実であるわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その戦争に対する反省ということをその教科書の中で教えるという趣旨であるならば、学習指導要領の中に今まであったものを削る必要はないと思いますから、それはぜひ指導要領の中に明確にそれまではあったわけですから、戦争の反省ということも教えなさいということを書き込むべきなんですね。そこを強く要望しておきます。  大臣に伺いたいと思うんですが、戦争の放棄ということについて子供たちに、やっぱり、平和憲法の中身でもあるし、戦争放棄しなければならないという人類の理想もあるわけですから。そういうことを子供たちに教えるべきだと思いますが、いかがでしょう。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 日本国憲法は平和主義を先ほども申し上げましたように大きな原則の一つにしておるわけでありまして、その関係で子供たちにその発達段階に応じて適当な時期に戦争放棄のことも教えるべきだと思います。  しかし、それはいずれの段階で、どういう教え方をすべきかというのは、これは専門家の検討の結果によって現在の学習指導要領できておると思うんでありますが、専門家の意見に基づいて具体的な時期、方法等については決められるべきものだというふうに思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 戦争の放棄ということについても小学校の教科書から削られているわけですけれども、指導要領から。こういうことについてもやはりきちんと子供たちに小さいときから戦争の放棄とか、あるいはその戦争に対する反省とか、こういうことを教えていくべきなのであって、この問題については引き続き今後も、私は文部省の姿勢をただしていきたいと思うわけです。  アジアの人たちが日本の侵略行為についてどういう気持ちを持っているかということを相当子供たちに教えないと、真の意味での国際人というのは育たないんじゃないかというふうに思うわけです。だから、日本の教科書は戦後一貫して加害の歴史、加害者としての歴史ということを避けてきたわけですけれども、具体的にやはり日本もこういうことをしてきたということを、そのいろいろ配慮はあるにしても、やはり指導要領の中で教えようということを明記すべきだというふうに思うんですが、この加害者として子供たちに教える問題については大臣はどうお考えですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 日本の長い歴史の中で、相手国の立場から見れば、日本が加害者で相手国が被害者という、そういった事実もあったでしょう。しかし、だからといって、常に日本は近隣諸国に対して加害者の連続であったというふうなことを子供の小さい段階から教えるのが妥当であるとは私は思いません。ただ、今次の戦争の時点において、近隣のアジアの諸国との間に不幸な関係があり、かつまた加害者的な行為があったことは私も事実として認めるわけでありまして、それらの点については、これも先ほど言ったように、児童、生徒の発達段階に応じて適当な方法で教えていくということは必要なことであるというふうに思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 発達段階に応じてとか、必要な形でとか、便利な言葉ですけれども、要するに、今の教科書の中で、戦争について、核の悲惨さについて、戦争放棄について、加害者の問題について、だんだん教えない方向にいくというような傾向がある。これは全く好ましくないことだということを私は指摘しておきたいと思います。そして、ユネスコの勧告にもありますけれども、近隣諸国間でやっぱり相手国への認識を理解させ、友好の精神を目覚めさす教育を発展させるべきだということを言っております。ポーランドと西ドイツ、侵略された国とした国という関係の中で、教科書をともに充実したものにするという努力も行われておりますけれども、こういう国際理解ということを今後やっぱり進めていくべきではないか。侵略、進出問題などのように、国際世論から総だたきに遭って、そしてようやく少し手直しするというようなことは、今後はやっぱりまずいんじゃないかと、このように思いますが、一言で結構ですけれども、教科書の国際理解というか、教科書の交換とか、こういうような問題について大臣、いかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 日本の教科書は、日本が教育的な配慮、あるいは客観的な事実に合致しているかどうか、あるいはほかの論点とのバランス、そういったことを考えて、日本独自の立場で検定がなされ、そして採択さるべきものと思いますが、前段申されました、近隣の諸国はもちろん、世界のあらゆる国々との間の友好関係あるいは協力関係を維持し発展さしていくことが大切であるという、そういうことは今後とも、子供の発達段階に応じて適切に教えていくべきであるというふうに思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちょっと時間の関係がありますので、次に、家庭科の男女共修問題について伺います。  大臣は、男は仕事、女は家庭、こういう性の役割分業を認める考え方についてはどういう考えをお持ちでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 家庭の中で夫婦がどういう役割をやっていくかというのは、文字どおりその夫婦で話し合って決めればいいことだというふうに思うんであります。ただ、過去の日本の歴史を見ますというと、多くが、婦人は主として家庭の整理その他をやり、男の方が外に出て仕事をして収入を得るというふうな形で、夫婦の共同による家庭生活が行われる例が、行われてきたという例が多かったということは事実でありますが、現在及びこれから家庭の中で、どちらが主としてどちらを担当するかというのは、これは夫婦が相談の上決めていくことだというふうに私は思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 固定的に役割分担を決めるという考え方には大臣も否定的なように受け取りました。家庭の中だけで私は聞いたわけじゃないんですがね。国会議員のアンケートでも、国会議員は一般国民より少し意識が進んでいるようで、七割は固定的な役割分担があるということは否定しているわけですね。これは去年日本女性学研究会議というところでやられたアンケートです。  今日非常に社会の変化に伴ってさまざまな要因から家庭基盤が脆弱化しているといわれていますけれども、家庭は社会生活の基本であり、大臣もお答えになりましたように、夫婦が協力して築いていかなくてはならないと思います。今日、学校教育において家庭生活の基本を学ぶ家庭科の必要性というのが改めて指摘されているわけです。人間が生活する上で基本となる事柄を教える教科だという点で、家庭科は英語や数学に比べてもまさるとも劣らない実に大切な教科だと私は思うんですけれども、大臣いかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 子供がだんだん成長して大人になって家庭を持つわけでありますが、いい家庭を持つためには家庭に関する事柄について男女とも立派な知識を持っておるということは大事なことだろうというふうに思います。しかし、いずれにせよ家庭の中で夫と妻がそれぞれどういう役割を分担して家庭を維持していくか、これは夫婦間で決められるべきものだと私は思っておるわけでありまして、私、自分の場合を言って恐縮でございますが、男性にも女性にもそれぞれ能力もあれば適性もあります。私の家の場合は、私の見るところ、私の家内は外に出ていろんなことをするのはその能力はない、家の中で家庭のことをやるのが、そしてまた子供を専門的に育てるのが適しておるというふうに私思いますし、そのことを家内に言いましたらそのとおりだと、こう言うものですから、円満に話し合いの上で、特に政治家の場合には、夫が、男の方が家庭のことについてはかかわる時間が非常に少のうございますから、その意味できちっと役割分担をいたしまして、家内は専ら家庭の整理と育児、子供の教育、夫である私は専ら政治活動というふうに分けて分担をしてやってきましたが、これからもそうしていくつもりでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 大臣の御家庭にまで私干渉する気は毛頭ないんですが、家庭科という教科ですね、これは数学や英語に比べてもまさるとも劣らない大切な科目だと思うんですけれども、どうでしょうか。一言でいいです。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 大切な科目であるというふうに私も認識いたしております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 現在の教育課程で中学校では女子には家庭科のみを、男子には技術教育のみを事実上課しているわけなんですね。それで高校では女子のみが必ず家庭科四単位を履修するのに対して、男子は体育四単位を履習している。結局女生徒の場合は体育が四単位少ないわけなんですね、男性に比べて。こういうことが行われていて非常に男女不平等になっているんですが、このことは早急に改善されなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 中学校では「技術・家庭」という教科の中で、男性の方が技術を主とし、家庭を相当少なく、女性の方はその逆という形に現在なっておることは事実でありますし、また高等学校においては「家庭一般」について女性必修、男子選択となっていることも事実でありますが、これは改善をしなけりゃならぬということで検討会議が持たれまして、その結果意見が出されておるわけであります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちょっと重ねて伺いますが、要するに教育課程において男女が差別されるような教科というのは今後は好ましくないんじゃありませんか。どうですか。局長で結構です。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) そのとおりでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 これが男女差別撤廃条約の精神、そして第十条の(b)、(c)にも反するのではありませんか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) そういう問題の指摘がありましたので、そういう抵触しないように改善していかなきゃならないということで、検討会議を設けてその方向を出していただいたわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 教育課程において男女差別を撤廃すべく家庭科教育のあり方を検討中ということなので、その方向について伺いますが、家庭科教育検討会議の報告の大きな二の1の(1)、(2)の場合のように家庭科のいろいろな分野を選択必修にした場合に、その結果として、相変わらず家庭科領域に女子が集中して、技術領域に男子が集中するというような教科の設定をするのは好ましくないと思いますが、いかがでしょう。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 今後、具体的にどういう内容にするか、教育課程審議会でその具体的内容を固めてもらうわけでございますが、要するに平等にチャンス、機会を与えるというような仕掛けにしなければならないと思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 平等にチャンスと機会を与える。技術も家庭科も例えば三単位ずつとか、そういう意味でやっぱりアンバランスになってはならないという意味ですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) この検討会議の内容をちょっと御紹介しますと、二つありまして、一つは、現行の「家庭一般」のほか、例えば衣・食・住及び保育などの内容のいずれかに重点を置いたり、家庭生活に必要な知識・技術に重点を置いた新しいタイプの家庭科、ですから今までの「家庭一般」という科目よりも、もう少し男性も家庭に関する基本的な知識、そういうものを身につけることができるような領域を広げたものをやっぱり設定していこう、男女ともその中から選択してもらうということが一つでございます。それから二番目は、もう一つは、家庭科と、例えば美術だとか音楽だとか体育とかいろんなものがあると思うんですが、その中から男も女も同じように好きなように選択するというような形、どちらの方向をとるかは教育課程審議会で具体的な議論を詰めてもらいたい、こういうことになっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 今局長の言われた二番目の方ですけれども、家庭科と美術、体育それから音楽ですか、こういうものを仮に選択にしたような場合、家庭科を選ばない女の子も出るでしょうし、男の子が家庭科を選ぶということは、今までの経験からいうとそういうことはごくまれな例になるんじゃないかというふうに指摘する先生方も多いんですが、これでは全然家庭科を選ばない生徒も出てきちゃうということで、家庭科が大切な教科だということ、差別撤廃条約の精神ということからも反するんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) この(1)、(2)の発想は条約に反しないようにしたいということから出てくるわけでございまして、具体的に、現実的にこういう教科の分野を女性がたくさん選んだ、男性が少なく選んだというのはこれはいたし方のない、条約はそこまで、全くとるのも平等、勉強するのも平等というようなことを言っているわけではないと思うわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 (1)の場合で、「家庭一般」と幾つかの被服とか保育とかいろんなことから選びなさいというのであれば、男の子も女の子も一応家庭科はやるわけですね。ところが二番目の選択の方法でいくと、家庭科のかわりに美術を選んじゃう、音楽を選んじゃうということが可能なわけで、全然家庭科を履修しない生徒も何%か出てくる。こういうことはやはり条約の精神、あるいは家庭科が非常にこれから子供たちにとって大切な教科だという立場からは認められないというふうに思うわけです。  「技術・家庭」料における条約との矛盾をできるだけ早く解消すべきなんですけれども、具体的にいろいろ検討を始めて新しい教育課程で授業が始まるのは何年ぐらい先になりますか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) これも午前中に大臣からもお答えしたと思いますが、教育課程審議会をいつの時期に発足させるか、それは臨教審の動向も見て一、二生年の間に発足をさせたい。そこで審議をしていくわけでございまして、通常教育内容の改定は十年置きぐらいをめどにして改正をずっとしてきているわけでございます。十年置きの改正をやるためにも一、二年の間に審議会を発足しないと間に合わないというふうなつもりでおりますので、現実的に各高等学校等においてそれが実現していくということを逆算していきますと、やっぱり数年以上の歳月はかかってくるであろうと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その数年あるいは八年とか十年とかということも言われているわけですけれども、そういうことでは非常に条約あるいは憲法の立場からいったって好もしくないわけですね。憲法、教育基本法の立場からいっても好もしくない。こういう状態ができるだけ早く解消するように努力すべきだと思うんですけれども、その一つの方法として、現在の教育課程の中で現場では制約を受けながらも男女の共修の実践を中学校の段階で進めているところが幾つかあります。私は埼玉県の上尾市の中学校の授業を実際に見てきたんですけれども、男の子と女の子が同じ授業で、あれはよもぎだんごをつくっている授業を見たんですけれども、非常に有意義なことをやっているなという感想を持ちました。それで、中学校で技術課程の相互乗り入れ、高校で男子の家庭科選択といった、現在の指導要領の範囲で共修の努力をしている学校が埼玉のほかにも幾つかあるわけですけれども、そういう現場の実践をまず第一に評価すべきではないか、これが一つですね。  で、そういう中で今男女共修に踏み切ろうということをやろうとしても、具体的にいろいろ県教委などから圧力がかかってこれができない。今の枠の中でさえできないという実情があるんですけれども、やはり、こういう方向が文部省も今までとは違って一歩踏み出されたわけですから、今の枠の中でとにかくやろうという教師の努力に対して圧力をかけるような、こういうことはやるべきではないし、むしろそういう方向に近づけて、過渡期の問題として近づけてやれるような、そういう配慮をすべきではないかと思うんですけれども、その二点について最後にお伺いします。

真鍋賢二自由民主党・自由国民会議

○委員長(真鍋賢二君) 吉川君、時間が来ております。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 現行制度を、御指摘のように中学校の相互乗り入れ、そして、高校においても男子も家庭一般を選択できるという仕掛けにしているわけでございます。したがいまして、その制度は国みずからがつくったものでございますし、その制度の中で最大限に利用されるのは結構なことでありますし、文部省とか国がそれについて圧力をかけるということは適当なことではないと思っております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 大臣の所信ということで、それに対する質問をさしていただきたいと思います。  まず、所信表明に対する質問ということでございますから、きょうはできるだけ大臣中心型でお答え願いたいと思いまして、そのように配慮さしていただきました。時間が非常に少ないものですから、一応四つの柱を考えさしていただきましたが、あるいは一つだけで終わるかもわかりません。また次の機会に時間がいただけるようでありますから、そのときもあわせて質問さしていただきたいと思います。  まず第一点なんですが、今後の我が国社会の展望と文部行政のあり方、このように大きなタイトルでまとめさしていただきました。二番目は、既に各委員から相当質問もございましたように、臨時教育審議会の答申の実施について。それから三番目は教育費減税。これ我が党の方で要求をしておりますが、教育費減税など教育費の対策について。四番目は大学入試改革。こういう四つでまとめてみましたので、それぞれの分野で質問さしていただきたいと思います。  まず第一点でありますが、これは新聞、雑誌、あるいは専門家の方からも相当この問題について議論がありますように、これから先の文教行政のあり方ですね、この問題が非常に私は大切ではないかと思います。  その理由は、まず第一点は、どうしても二十一世紀に向かって社会の変化というのが相当激しく変わってくる。それに対して当然のごとく高齢化社会というのが一つございますね。それから二つ目には情報化、技術革新の問題、それから三つ目が国際化。こういう三つの非常に大きな、しかも避けられない問題があると思いますので、文部行政の対応の仕方につきまして大臣の考え方を御披露していただきたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生御指摘のように、これから我が国をめぐるいろいろな条件は変化をしてまいります。二十一世紀に向けて変化が大きくなり、かつまたスピードアップしてくるんだろうと思うんでありますが、二十一世紀はどういう社会かいろいろ言われますけれども、今先生御指摘ありましたように、日本の社会が高齢化社会になるということ、それから技術革新が一層進むということ、そしてまた国際化がさらに進むということ、これがまあほぼ間違いないと言われているところでありまして、そういう社会の変化に対応して主体的に対応できる人材を育成していくということが一つ大事なことであろうと、こういうふうに思います。  もう一つは、高齢化社会になりますから、お年寄りの方々も生きがいを感じていただきながら暮らしていけるような、そういういわゆる生涯教育というものをこれからより一層推進をしていかなきゃならぬ。もう一つは、高齢化社会になりますと、今より以上にお年寄りを支える若者がお年寄りに対する思いやり、いたわり、そういった温かい豊かな心を持った人間として育成されなきゃならぬという問題があろうかと思います。  国際化が進むわけでありますので、国際社会でそれぞれの国の人から信頼をされ、尊敬をされて活躍できるような、そういう日本人の育成ということも極めて大事なことであろうと、こう思うわけでありまして、そうした基本的な考え方でこれからの文教各般の施策を進めていかねばならぬというふうに考えているわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 いずれの問題をとらえても非常に大きな問題でありますから、順次簡単に質問さしていただきます。  まず、高齢化社会の対応についてお聞きしたいんですが、当然生涯教育というのは、これは文部省も盛んに言っておられますし、その中で特に放送大学、ことしは随分大勢の方が応募されたそうでございまして、一万八千六百五十人が合格したと。そのうちで二百人が七十歳を過ぎていると。そのうちでも十七、八名だったでしょうか、八十歳以上の方もいらっしゃると、こういうようなことになっておるわけなんですが、これは非常に大切なことだというふうに私は考えておるわけです。しかし、この放送大学だけでは十分カバーできないんではないか。一般の大学でもこういう問題については真剣に取り組むべきだと。特に、地方の町に参りますと、なかなかこういう放送大学の放送は当然まだ見られませんから、もっと具体的に各大学の協力というものも必要になってくると思うんですが、その辺もあわせて大臣の考え方を聞かしていただきたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 生涯教育の問題でございますが、これは基本的には各人が学習意欲を持っていただいて、そうしてもろもろの施設や制度を利用していただきながら自己の啓発、向上に努めていただくと、こういうことになろうかと思うんですが、今まで文部省としては公民館とか、図書館とか、そういったいわゆる社会教育施設の整備を図ってまいると同時に、そうした社会教育の拠点的な施設を活用してのいろいろな老人大学とか、あるいは何とか講座とか、そういったものを設けてそうして生涯教育に対応してきたわけでありますが、今先生御指摘の放送大学、これは極めて有意義なことがいよいよ四月一日から授業が始まるわけであります。御指摘のように、当面は関東の東京、千葉、埼玉、神奈川及び群馬程度でありまして、その他の県にはその放送が届かぬわけであります。当面この放送大学については、ことしスタートするわけでありますから、二年、三年、四年となって初めて第一期計画の全体が終わる。第一期計画の全体を確実に整備すると同時に、私の考え方としてはいろんな工夫をしてほかの地域でもこの放送大学の講義が受けられるような状態をなるべく早く設置したいものだと、整備していきたいものだと、こういうふうに考えております。もちろん、御承知のように大変国の財政事情厳しゅうございますのでいろんな工夫をしなきゃならぬと思っておりますが、そういったことを通じて生涯学習というものが進行するように施策を進めてまいりたい、こういうふうに考えます。  それともう一つ、先生のおっしゃいました各地方における大学の公開講座というやつですね、こういったものも大事なことでありますので、それをさらに積極的に進めてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。

齊藤尚夫文部省社会教育局長

○政府委員(齊藤尚夫君) ただいま大臣からお答えしました公開講座の状況につきまして簡単に御説明さしていただきたいと存じます。  昭和五十八年度に公開講座を開設しております大学は、国公私立合わせまして二百九十一大学、四年制大学総数の六三・二%ということでございます。それから、講座数でございますが、千八百九十五講座。これに約二十一万六千人が受講しておるわけでございます。これは六年ほど前の五十三年度と比較しますと、開設の大学数で一・七倍、それから講座数では二・五倍、受講者の総数では約一・八倍、かなり急速な勢いで公開講座が増加しておるという状況でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 これは通告しておりませんけれども、実は放送大学の法案がいろいろ論議されたときに私なんかは反対の方で実はあったわけであります。当初は反対だという表明でございましたが、いろいろ聞きまして、これが順次郡部の方にも拡大していくんだということがございまして、これはいいことだと、そういうことで御支援申し上げた経緯も実はございますが、しかし、ことし初めて学生を採るということでありますから、まだ今から具体的な計画は当然ないと思いますが、これは大臣の考え方だけで結構でございますが、将来むしろ郡部の、大学の少ない、あるいはテレビが非常に映りにくい、これは衛星を使ってやるということで成功することだと思いますが、そういうことは一体どのように大臣はお考えでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 初めての大学でありますから、現在関東の中心部だけしか放送が届かないという状況でありまして、大変放送が届かない地域の方には申しわけないことでありますが、初めてのことでありますので、きちっとしたものを四年間の間に整備をしていくということが当面大事なことであると思いますが、しかし同時に、やはり教育の機会均等というやつがあるわけでございますから、そこでいろいろ工夫を凝らしてやっていけばそう長い年月たたずにほかの地域にもこの放送大学という仕組みを私は現実のものにすることが可能ではなかろうか。その一つの方法は放送衛星を使う方法でありますが、これは非常に大変なことのようでありますので、これが一つの方法であります。  もう一つの方法は、現在の放送大学の教授陣の方々が、まあ地域が限られておりますけれども、放送なさいますね。それを全部ビデオに撮ると仮定しますね。そのビデオを活用すればまた別の仕組みができはせんだろうか。その場合には、各都道府県にあれが必要ですね、学習センターというものが。学習センター的なものについては、各都道府県がまた協力をしていただければ、国の財政状況厳しゅうございますけれども、各地域の生涯学習の場が提供されるという意味合いにおいては、都道府県の方でも協力していただければ、そのビデオと、それから学習センター、そしてその地域にある大学の先生、こういったものも協力していただくということが可能になってくれば、私はその放送衛星を利用する方法でなくとも、私は近いうちに各地方でもこの放送大学という仕組みの生涯学習の機会をつくることが可能ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでありますが、しかし、これはいずれも検討をしている段階なんでございまして、これから大いにひとつ勉強をし、できるだけ早い機会に各地方にもこの放送大学のシステムを活用しての生涯学習の機会が得られるような状態にしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 当初の文部省の予想と現実に一万九千何ぼも応募があったというこの予想が果たして正確に当たったのか。期待が一つありますね、大勢来ていただきたいと。それが一万八千何ぼも採るほど、あれ一万九千幾らという応募者があったわけですね。それ厳選というか試験なんかをやられて、科目によって違うんでしょうけれども、一万八千幾らという人が合格した、こういうことになっておりますね。それは、文部省が当初放送大学つくるときにいろいろ予測データ出しましたよね。私は、その予測データというのは非常に甘いんじゃないかということを再三ここで質問したわけですが、それに対して文部省の方は今度やってみてどうだったと、また現実に今から続くことですから、何年それが学生として残って勉強してくれるかというのは、これはまだわかりませんが、その予測と現実、これに対してどういうふうなお感じを持っておられるのか、これが一点。  それからもう一点は、今さっき申し上げた各地方の大学でも開放講座というようなものを開講していただくように努力しなきゃいかぬというんですが、一体この需要と供給の関係ですね、学生が勉強したいという、これをどのような、パーセンテージでも結構ですが、どのように押さえておられるのかお聞きしたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) まず放送大学の関係ですが、詳細は後で局長が申し上げますけれども、私の大まかに承知しているところは予想を超える入学希望者があってくれたというふうに私は承知いたしております。

宮地貫一文部省高等教育局長

○政府委員(宮地貫一君) ちょっと手元に放送大学学園法案の審議の当時の資料持ち合わせておりませんので正確なことは申し上げかねるわけでございますけれども、ただいま大臣がお答えしましたように、今回現実に放送大学の志願者が、これ一月末で締め切りをしたわけでございますけれども、発足当初は一万人が目標でございまして、完成年次で一万七千でございますかにふやしていくということでございましたが、当初からいわば完成年次とほぼ同規模のものが応募をしたということ、しかも全科履修生が大変多かったというようなことは予想をはるかに上回っておったというのが現実であろうかと思います。  そしてまた、既に一月末で締め切りをしまして、現実に入学手続ということで申込金を、現実に手続を進めている人も実際に予想している数よりも非常に多いということでは、放送大学に対する期待といいますか、そういうものが大変関心も高い。しかも全科履修生ということで、一部の科目の選科履修生よりはむしろ全科履修生が多いということは大変放送大学を大学卒業の資格ということで受講したいという人が強いということが言えるんではないかと思います。  そういう意味では、非常にこれは一般のほかの民間の、いわゆるカルチャーセンターでございますとか、そういうようなものについても大変今日希望が強いわけでございますけれども、そういうことともあわせまして、放送大学の志願者の状況から見れば、学習意欲というものは非常にまじめな形で意欲が高いものというぐあいに、これは当初考えておりましたよりもはるかに高いということは言えるんではないかと思います。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 非常に結構なことだと思います。ただ、私はこれは大臣に申し上げたいんですが、いろんな心配する問題があるわけですね。と申しますのは、私も教壇に立った経験者なんですが、画面でもって授業をするという、NHKの教育テレビを見ていただいたら結構なんですが、もう少しかたい講義内容になるんではないか。つまり大学を卒業するということになりますと、いわゆる一般教養的なものもやらなきゃいかぬ人も大勢いらっしゃるわけですね、全科履修するということになりますとね。そうして大学の資格を得ると。最初だけにすごい実験だと私は思うんです。ですから、いい形での講義の仕方というんですか、画面を通じての講義の仕方といいますか、これもある意味では初めてじゃないかと思うんです。そういう意味でこの面について相当やっぱり研究もしていただきたいし、大臣も関心を持っていただきたい。大学入学だけはどんどんしたい、しかし実際こういう聞いてみてテストみたいなことをやると、これはとんでもないことだということになって、二、三年後には没に近くなる、こういうことのないように各地方がぜひやっていただきたい、こういう形の放送大学にしなければ大変私は国費のむだ遣いであるという感じがいたしますので、特にその点お願いしたいと思います。  それでは、次に移りますが、二番目に先ほど申し上げました情報化と技術革新への対応について、最近は日本も世界の先進諸国の中でいい位置を科学技術で占めているだろうと私は思います。特に最先端技術なんというのはいろんな分野で大活躍だというように思うんですが、例えば一つ、ハイテクとよく言われますが、コンピューターの問題ですね。コンピューターの導入というのが各学校教育で非常に私は大切になってくるんではないだろうかという感じがするんです。そういった意味で諸外国のいろんな事例も文部省の方では相当調べていらっしゃると思うんですが、どうもそういう面で日本がかなりおくれているんじゃないか、そういう感じがいたしますので、その辺の実態について御理解願っておればお聞かせ願いたいと思います。

齊藤尚夫文部省社会教育局長

○政府委員(齊藤尚夫君) 諸外国との比較でございますが、まず我が国の小学校から高等学校までのコンピューターの保有の状況でございますが、小学校では全体の〇・六%、それから中学校では三・一%、高等学校では五六・四%という状況でございます。  諸外国の例として、一つはアメリカでございますが、これは昭和五十八年の一月現在でございますが、初等教育の段階では四二%、それから中等教育の段階では八五%の学校にコンピューターが導入されておるということでございます。それからイギリスでは、初等教育の段階で四三%、それから中等教育の段階でほとんどの学校に導入されておるという状況でございます。それからフランスでございますが、フランスでは今国が計画的に導入を図っておりまして、五十九年六月末までに小学校に二千台を導入する、それから中学校に八十四の指定校を設けてこれに導入をします。それから高等学校につきましては、約千校に導入をするという方針が決められてそれが実施されているという状況でございます。こういう欧米の状況を見ますと、我が国に比べて高い国もあり、またフランスなどはちょっと低い状況にあるというふうに考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 子供がマイコン、パソコンというものに非常に親密感を持って、あるデータによりますと、もう四〇%ぐらいはあれをいじったことがあるというようなデータが出ておるぐらい盛んにやっておるんだけれども、日本の教育の現場にそういうものが全然入っていない。これは比較にならぬですね、四二%、〇・六だというこんな比較は全然できませんが、どうして学校教育の現場の中にコンピューターが入りにくいんでしょうか。何かその理由はございますか。

齊藤尚夫文部省社会教育局長

○政府委員(齊藤尚夫君) 大変難しいお尋ねでございます。さまざまな理由が複雑に絡み合っているんではないかと考えますけれども、一つには、コンピューターのソフト面といいますか、コンピューター言語が日本語になじみにくいという技術的な側面も一つあるんじゃないかということもございますが、我が国の初等・中等教育が一般的に申し上げまして欧米諸国のような実際的な学習というよりも、むしろ一般教養を大変重視する、そのことは大変いいことでございますが、そういう側面を持っておることもまた一つの理由になるのではないか、これもまた一面の理解かもしれません。この問題についてはまだ定説がございませんので、そのようにお答えをさせていただきたいと思います。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 大臣、今お答えを私も聞かしていただきまして、例えば各学校単位で先生が熱心に、例えばコンピューター関係をいろいろな形で入れていくということを考えれば当然私は入るんではないかという感じがするんですが、その考え方は間違っていますか。学校単位でコンピューターを導入して、これも、高いやつから安いからピンからキリですから、私の事務所なんかにあるぐらい小さいやつもあるわけですから、いろいろな分野が私は考えられると思うんですが、そういうことはなかなか難しいんでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先ほど局長の方からコンピューターの導入数の報告がございました。私は、コンピューターと学校教育との関係につきましては二つの側面があると思うのでありまして、コンピューターを活用してどういう教育をするかという、あるいはどういう教育に関する事務を手際よく処理するかという、そういう形でのコンピューターの利用の問題と、もう一つは、コンピューターに関する利用のテクニックというか、そういったものを子供に教えていくという二つの側面があろうかと思います。アメリカの教育改革の報告書を見ますというと、ハイスクールでコンピューター科学は半年間義務として教えろ、こうなっておるようでありますが、先ほど局長が言いましたように、日本の小中学校は基礎的な学力を身につけさせるということが土台になっているようであります。コンピューターの最も初歩の段階の電算機などというものを余り早くから使わせ始めるというと自分で計算をしたり頭を使うということがややともすればおろそかになるそうでありまして、そういった点も十分配慮しなきゃならぬ問題だろうかと思いますけれども、いずれにせよ、文部省の中で、コンピューターに関する学習をどういう方法、どういうやり方で進めていくべきか、研究会ができたようでありまして、そこらで研究していただいて、そうして今先生御指摘のように子供はコンピューターを使っていろいろなことをしていることも事実なんでありますから、適当な段階でコンピューターの利用に関する基礎的なことを教えるという必要もあろうかと思いますので、研究会の研究の結果を見て適切に対処していかなきゃならぬというふうに思っておるわけであります。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 確かに、学校の中で、例えば先生方はいろいろな成績を処理したり何かしますね。こういうものでコンピューターを使っていくということは日本でも私はかなりやられているのではないか。実際に子供の教育についてコンピューターをうまく導入していく、これは諸外国では相当やっておるんです。私も調べているんです。ですから、そういう分野を私は文部省の中でもぜひ研究してもらいたい。担当しておる人がほとんどコンピューターがわからぬではこれはどうしようもないものですから。特に今民間ですと入社のときにどんどんやりますからね。大学でも経営工学なんかを出ますと大体コンピューターを使えるようになっておりますので、世間全体がだんだんそういうふうになっておるのに学校教育の中が一番おくれているということに私は非常に心配な感じがするものですから、ぜひ、文部省として、どういう形でコンピューターを導入すると青少年の教育にプラスになる、また生きがいを感じる、こういう面を私は強調しているわけです。確かに計算機なんかがはやった時代、あるいはもっと前には計算尺というのがありましたでしょう。あの当時私も統計学なんか教えていますと、初期のやつはまだ足し算、掛け算だからよかったんですよ。だんだんだんだんこれプログラムが入りまして、標準偏差の計算なんといったらデータ入れるとぱんと出てくる、だからそれは禁止だというようなことをいろいろ言ったんですが、やはりそういう時代の先端をいくものに対して学生というものは非常に興味を持っていますから、とめる方は一生懸命なんですけれどもやる方は簡単にそれを覚えてしまう、購入してしまう。そういう現状がございますから、その辺もよく考えられれば私十分対応できると思います。だから、その辺について大臣の、ぜひそういう面について研究したいというようなお言葉があれば助かります。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 先生の御指摘、御意見もっともだと思いますので大いにひとつ強勉していきたい、こういうふうに思います。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 これはどうなんですか、私さっき民間という話をちょっとしたんですけれども、省庁関係がややおくれてついていくという感じがすべての行政を見まして何となくそういうふうな感じがしてならぬのですが、私はせめて文部省というのは知性の集まりですから、その分野の省庁だけでもひとつコンピューターについては十分理解して、そしてどういう教え方をしたらいいんだということをもう堂々と言えるような体制というのは内部での研修をやれば十分私できるんじゃないか、このように思いますので、十分理解しているのとしていないのとでは物事を見ても全然私は判断が違ってくるんじゃないか、そういう感じがいたしまして、そういう前向きな対応の仕方をしないと過去のことばっかりいろいろやっても前向きになかなかなりませんので、その点をぜひやっていただきたいと思います。

齊藤尚夫文部省社会教育局長

○政府委員(齊藤尚夫君) 文部省内におきますこの問題に対する作業の状況について簡単に御説明さしていただきますが、昭和五十八年に社会教育審議会の教育放送分科会でニューメディアに対応するためのニューメディアの教育利用に関する調査研究を開始をいたしまして、その第一としてマイクロコンピューターの教育利用の問題を手がけておるわけでございます。これに関しまして二つの中間まとめが出ておりまして、あした本報告が出される段階でございます。これは、現在教育の場におきますマイクロコンピューターについてその利用に関する研究はまだ十分でない、そういう認識に立ちまして、教育とマイクロコンピューターとのかかわりについて総合的、具体的に検討して、その結果を取りまとめたものでございまして、関係学校、社会教育の関係者その他に配付をし、御検討をいただくという素材を提供したわけでございます。  それから、先ほど大臣からもお答えございましたように、学校におきますコンピューターの利用の問題につきましては、本年二月に「情報化社会に対応する初等中等教育の在り方に関する調査研究協力者会議」というものを設けまして、この作業に入っている段階でございます。この問題に積極的に取り組むという態度で臨んでおります。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 たまたまそういうコンピューターという話でこういう展開してきたわけですが、私が一番今関心を持っているのは特に小学生の教育という、これは非常に私は大切な教育だと思うんです。いろいろなデータを見てみますと、小学校三年生ではかなりの数がもう落ちてしまう、つまり理解できない、授業についていけない、そういうような話もあります。そこで、さっき申し上げたのは、たまたまコンピューター、子供さんがそういうものに非常に興味を持っているというのはこれ現実だと思うんですね。ですから、私は教育全体についても、特に小学校の低学年の教育について最近は非常に行動科学ということを言われているんですよ、企業でも言われているんです。ビヘービアサイエンスという言葉で出ておりますけれども、人間というのは何かいい条件にめぐり会えば必ずやる気がする。それから、おもしろくなってくるというようなことが言われますね。だから、著名な例えば数学者にしましても絵かきにしましても、小さい子供のときの何かの出会いとか刺激が将来の自分の職業を決めるまでに発展するということが言われていますね。そこで、今のこれはたまたまコンピューターというお話ししたんですが、いろんな視聴覚教育というのも、これも前から随分言われておるんですが、学校によりましても相当それは上手に対応している。ところが、現実は全部が全部そうでもないという問題があると思います。だから、今の子供さんというのは目に訴えるということが非常に私は理解しやすいんではないか。物事を一つ一つ何もないところから考え出していくというのも非常に教育の大切な問題だと思いますが、そういうことも含めてこれは私はうまくそこをカリキュラムで編成して教え方なんかを十分工夫してもらう。そういうことをぜひ、いろんな分野で私は実験されていると思うんですが、特に附属学校なんかでは相当やっているんじゃないかと思うんですが、その辺についての大臣の実際の認識はございますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○国務大臣(松永光君) 実は私も幾つかの学校見てまいりまして、私の承知しているある私立の高等学校、これは商業系の高等学校でありますが、そこの学校では、実際社会に出た場合には経理その他の事務も随分コンピューター化しておりますから、そこで民間の企業とタイアップして、そしてコンピューターをたくさん入れて、それの操作を教えて、そしてそこの学校出の人が民間の企業に就職した場合には非常に経理関係も新しいやり方での技術を持っているというわけで大変重宝がられているということも承知しておりますし、またこれは個々の名前言っちゃ恐縮ですが、埼玉県に伊奈学園総合高等学校というのが実はあるわけなんでありますが、そこは膨大な数のコンピューターを導入してそのコンピューターを使って個々に生徒が勉強できるというシステムにしておりますし、同時にまた、あれは何というんですか、予定表をつくったり出席を管理したりする事務がありますね、そういう事務も全部コンピューター化しているというところもございます。さようなわけでありまして、私なりにいろいろ、まだまだ微々たるものでありますけれども、勉強を始めているところであります。  それから、六十年度の予算では、コンピューターなど新しい教育機器を使った教育方法開発のための設備をするところに対して国が補助をしようという新たな予算をとりまして、六十年度二十億円でありますが、そういうことも六十年度から始めることにいたしております。  それから、先ほど先生のお話にありました、非常に興味を持つ分野があれば、そしてそれを子供に習わせるということによって、ややともすれば学校を嫌いになっている子供が学校が好きになる、こういったことでそういう分野に特別の能力を発揮するような、そういう子供が育ってくるという例もしばしばあると聞いております。そういう意味でコンピューターの教育の分野における活用、あるいはコンピューターに対する基礎的な知識を教える、非常に大事なことであると思います。そういう考え方で今後とも施策の上に反映をさしていきたい、こう思っておるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 時間がもう余りありませんし、特に大臣に最後にお願いしたいのは、森前文部大臣も非常に精力的に文教行政についてやっていただきました。私どもも非常に期待しておったわけです。そういう意味で、松永文部大臣になられましても、ちょうど今時期的に教育の転換の非常に大切な時期だと私は思いますので、前向きにこれから先の教育についてぜひ積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げて、実はもう次入ったら時間がなくなりますので、これで終わりたいと思います。

真鍋賢二自由民主党・自由国民会議

○委員長(真鍋賢二君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後四時五十九分散会

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