農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 349 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1985/04/18
会議録
○委員長(北修二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農業改良資金助成法及び自作農創設特別措置特別会計法の一部を改正する法律案、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金助成法及び漁業近代化資金助成法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議論とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田譲君 農林三法に関係しますいろいろな細かい問題もたくさんありますけれども、その問題については、かなりおとといの当委員会において審議もあったようでありますから、なるべく重複を避けて私もいろいろ質問していきたいと思います。 ただ、その前に、やはり金融あるいは補助というふうな問題をめぐって、おとといも我が党の稲村委員からもかなり質疑がありましたけれども、私もその話を聞いておりまして、まだどうも理解できないというふうな点もありますので、まず、そういった問題からいろいろとお尋ねをしていきたいと思います。 まず最初にお伺いしたいのは、従来の日本の農政というものを考えてみますと、その中で補助金行政というものが相当大きなウエートを占めていたということが言えるんじゃないかと思います。 そこで、参考までにお伺いしたいのは、従来の農水省の予算の中に占める補助金というものの率、これはどのぐらいであったか、あるいはどういう傾向をたどって現在に至っているかということを、まず最初にお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(田中宏尚君) 現時点で申し上げますと、昭和六十年度予算では農林水産省所管の補助金の総額が一兆八千四百三十一億円になっております。これは過去と比べてみますと、例えば今から五年前の昭和五十五年度には一兆九千七百二十八億円ということでございましたので、この間に約千三百億円ほど補助金がトータルとして減額になっているという形になっております。
○山田譲君 トータルもさることながら、農水省予算の中で占める補助金額のシェアといいますか比率ですね、これは幾らかということを聞いているわけです。それがどういう変遷で来ているかということです。
○政府委員(田中宏尚君) 五十五年度に六二・一%でございましたものが、六十年度では逆に六三・二%という形になっております。
○山田譲君 その細かい点を聞けばまたいいんでしょうけれども、時間がありませんからその程度にしておきますが、そういうことになりますと、日本の少なくとも農政の中、まあ大体農水省がやっておられるわけですけれども、農水省の予算の中で六割近くが補助金になっているということは事実である。しかも、それは減るどころか最近に至ってむしろ今お聞きしたとおり若干ふえているくらいである、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 農水省の補助金の場合には、普通の物的な施設なりに対する助成のほかに、価格政策でございますとか、あるいは年金とか金融とか、こういうものが大体補助金という行政手段を通じて出ておりますので、そういう点では確かにふえていることは事実でございます。
○山田譲君 確かに単純に補助金といっても、その中身はいろいろありますから細かく子細に検討しなければならないわけでありますが、ごく大ざっぱに言って、農水省予算の六割、これは補助金であるということは言えると思うんですね。そうしますと、日本の農政を論ずる場合に、補助金というもの、補助政策といいますか、それを論ずることなしに日本農政を語ることはできないのじゃないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがなものですか。
○政府委員(田中宏尚君) 我が国農林水産業の場合には、一般に自然条件に非常に左右されやすくて経済合理性だけではなかなか割り切れないという特殊性を持っておりますし、特に農林水産業の場合には規模が小さいなり、あるいは収益性が低い、それからさらに、いろいろ多様な経営形態があるというようなことで、どうしても全国的な視野に立ちまして地域的な均衡を保ちながら発展を願いたいということで、どうしても補助金というようなことで一定の政策方向に誘導していくということが必要でございまして、こういう農林水産業の特質から言いまして、補助金というものは有効かつ実効性のある行政手段というふうに我々としては考えておるわけでございます。
○山田譲君 そうしますと、日本の立地条件あるいは農業のいろいろな問題点、そういうふうなものを考えますと、やはり補助金というものはどうしても必要なものである、そうして一定の政策に誘導していくということ、中身はもちろんいろいろ違ってくると思いますけれども、全体としてそういう条件というものは今もそう変わりないというふうに私は思うんですけれども、あるいは今後も変わらないと私は思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 補助金の中には、余り長く続きますと硬直化するなりという問題もございますけれども、基本的には、先生の御指摘になったような方向と我々も考えております。
○山田譲君 したがって、最初に申し上げましたとおり、日本の農政と補助金行政というものは切っても切れないものである、そして今後もやはりそういう行政というもの、あるいは農政の基本というものは変わらないであろうというふうに言っていいでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 御指摘のとおりだと思っております。
○山田譲君 私もそういうふうに思いたいわけでありますが、そこで次に、臨調の考え方に入りたいと思うんですが、臨調は、補助から融資へというふうなことを盛んに言っておられる。それで、一番最初の答申でも補助から融資へということを言っておりまして、この辺では必ずしも農業について細かいことは言っておりませんが、やっぱり全体として補助金は融資に切りかえていくべきだという考え方は臨調の最初の答申から出ているのではないかというふうに思うんですが、そこで最終の答申を見ますと、それがさらに具体的になっていきまして、特に「新農業構造改善事業費補助金」というふうなところにおいては、「今後、補助対象を、高能率な生産組織により効率的に利用される場合に限定し、原則として融資制度に切り換える。」、こういうことを言っております。その他いろいろな政策があって、必ずしもそこでは言っておりませんが、非常に具体的に「新農業構造改善事業費補助金」のところでは「原則として融資制度に切り換える。」というふうなことをはっきり言っているわけですね。 そうしますと、こういった臨調の考え方について農水省としては、今、官房長おっしゃったように、今後も今までのような補助行政というものを進めていかざるを得ないであろうとおっしゃっていたわけですが、それに対して、こういう臨調の考え方が食い違っているんじゃないかというふうに思いますけれども、そこのところはどう理解していらっしゃるか、それをお伺いしたいと思います。
○政府委員(田中宏尚君) 臨調では確かにそういう御指摘があったわけでございますけれども、我々といたしましては、特に構造改善事業を推進するに当たって一定のものにつきましてはあくまでも補助制度ということが重要と考えておりまして、臨調答申に従って、我々が今まで行ってきた補助の中でも個人経営になじむいろいろな機械であるとか施設、こういう必ずしも補助じゃなくても融資という形でも円滑に導入できるというような費目につきましても、過去構造改善事業の補助体系の中でやってきたものがございましたので、そういうものにつきましては若干整理をし融資への道を歩むことになりましたけれども、基本としては、やはり国費による補助という形で新農業構造改善事業も推進していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○山田譲君 今、官房長おっしゃったように、基本としては、従来どおり補助金というものを必要なところに出していく。もちろんその中身は実際に検討して、要らなくなった補助金をやめるのはそれは当たり前で、あるいはまた融資の方がいいというものは融資にするということだろうし、既に従来から融資でもやってきているところもあるわけですね。しかしながら、従来とってきた六割以上を占めた補助金行政というふうなものを今後とも続けていく。したがって、臨調は補助から融資へというふうなことを言って補助金はなるべくやめていけという方針を出しているわけでありますけれども、それについては農水省としては必ずしもそのとおり考えていないというふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(田中宏尚君) 対象事業といたしまして、融資でも十分に対応できるものはともかくといたしまして、補助でなければ対応できないものにつきましては、こういう厳しい情勢ではございますけれども、あくまで補助額の確保ということに全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○山田譲君 そうすると、臨調が言っている補助から融資へという考え方について、臨調はやはり日本の農業あるいは農政というものを必ずしも正しく理解してないというふうに考えているんですか。
○政府委員(田中宏尚君) 補助から融資へと臨調が指摘しておりますけれども、これもすべてをそうせいということでございませんで、補助金を全体として見直しまして、先ほど言いました個人経営になじむようなものでございますとか、そういう必ずしも補助じゃなければ十分な効果が出ないというものでないものにつきましては融資を活用するということでございまして、臨調で指摘している補助から融資へということと我々との考え方の間には、それほど開差はないというふうに思っております。
○山田譲君 補助から融資へということを盛んに臨調は言うんですけれども、しかしながら、その考え方の基本は、余り農水省が考えていることとそう差はないんだというふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(田中宏尚君) 臨調と我々との立場がそれほど乖離しておるとは思っておりません。
○山田譲君 臨調はかなり思い切ったいろいろの提言をしているというふうに思うわけですけれども、事、農政に関しては、従来の補助金についての考え方で、農水省のそれと臨調の考え方とはほとんど変わってないんだ。ですから、今後も臨調の答申もあるけれども今までのような考え方で基本的に貫いていくことが必ずしも臨調の言っていることと食い違ってはこないんだ、今までどおりで今後もやっていっていいんだというふうにお考えでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) それぞれの助成目的に応じまして補助金と融資、これは車の両輪となって初めて全体の助成体系というものができると思っておりますので、基本的には従来の線に立ちながら、補助金で硬直化したり陳腐化してきたようなものにつきましては、いろいろ機会あるごとに見直すことはもちろんでございますけれども、基本的にはどうしてもやっぱり補助金に頼らざるを得ないという我が国農業なりの特質というものがございますので、そういう基本線で今後とも進んでまいりたいというふうに考えております。
○山田譲君 実は私も去年の暮れにヨーロッパへ旅行しまして、特に農村地帯をいろいろ見てみたいという考え方で、リヨンの郊外のかなり奥へ入っていったところのある農家を訪ねていろいろ聞いてみたわけです。その農家というのは百十ヘクタールくらいを経営しておりますから、フランスの平均が大体三十ヘクタールそこそこのようでありますけれども、それに比べたらかなり大きい方の部類に入る農家ではないかというふうに思いました。そこへ行って気がついたことは、それだけのフランスとしても平均よりはるかに大きい経営面積を有している農家でありますけれども、やはりかなりそういう農家に対しても、例えば牛を飼う場合とか、あるいは機械を導入する場合には、相当手厚くフランスでいろんな補助を出しているということを農家の人から聞きまして、それでまた農家の人も、そういうものがなければ我々としてもこれだけしているのだがやっていけないのですよというふうなことを率直に言っておられました。 もう一つ感心したのは、牛舎が非常にぼろであるということなんですね。私はこれは非常に感心したのですよ。ぼろで感心したというのは変な言い方であるけれども、日本の牛舎は実に立派なんですよね。百十ヘクタールどころか一ヘクタールそこそこのところで、えらい牛舎だけはびっくりするほど立派な牛舎になっている。聞いてみますと、こんな立派な牛舎は我々は必要としないのだけれども、どうも補助金をもらうときに、これだけのものを建てなければいけない、そうしなければ補助金を出さないというようなことを言うので、身分不相応ではあったけれども、こんな立派な牛舎にしたんですということを言って、そうしたら私どもを案内したある農協の人が、これが日本の補助金行政の非常に悪いところですよというふうなこともそのとき言っておられたのです。そういうのを見ておりますから、私はリヨンの郊外の農家の牛舎のぼろであるということに非常に感心をしたわけであります。だから、そういうふうな何か身分不相応な重装備のことをやたらに補助金行政としてやっている。こういうふうなことは、やっぱりちょっと問題があるんじゃないかというふうに思いましたね。 だから、私は二つのことを感じたのです。一つは、フランスみたいなああいうところでもかなり補助金をやっぱりやっているんだなということと同時に、補助金政策というものが、日本の場合はちょっとどこか間違っているんじゃないかという感じを受けたのです。これだけ立派なものをつくれば地震のときに大丈夫だというふうなことを言っていたけれども、普通の人間の家でさえ危ないというのに、牛の家がそんなに立派に地震に耐えられるようにする必要があるかどうか。牛は余りそんなことを望んでいないと思うのだけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(田中宏尚君) 建築基準法等との関係もございまして問題がございますし、それからあと、農民の方も補助金をもらってつくる以上は立派なものをということに流れがちだった時期もあったわけでございますけれども、少ない金で効率的に補助をするという建前から、例えば構造改善事業を初めといたしまして、いろんな補助事業でも古い材料を使って建て直したやつでも補助対象にするというような方向にここ数年間転換してきております。最近におきましては農家経営自体も苦しくなってきておりますので、そういう資本装備、設備投資につきましては、できるだけ低廉で効率的なものという方向に志向してきておると思いますし、我々としてもそういう方向に今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
○山田譲君 補助金行政を今後とも続けていくからには、やっぱり中身をよく検討していただきたい。機械的にまず建築基準法と言うけれども、大体あれは人間用につくった法律であって、牛のためにつくった建築基準法じゃないと思うのだけれども、余りそんなことにこだわらないで、むしろ農家が本当にやりやすいようなところに金を出す、有効に使っていくというふうなことで、今後の補助金行政をぜひ充実さしていっていただきたいというふうに思います。 今もう一つ私が質問した、外国においてやはり相当補助金行政を農政についてやっているんじゃないかと思うのです。今フランスの一例を私挙げただけだけれども、全体を知っておるわけじゃありません。ついでですから、先進諸国のいわゆる補助、保護行政といいますか、補助金行政というか、そういうものについて大まかで結構でありますから、ちょっと説明していただけませんか。
○政府委員(田中宏尚君) 外国ではいろんな制度がございますので、具体的に補助金なり補助体系がどうなっているかということをここでにわかにお答えできる資料を持ち合わしてございませんけれども、トータル、予算額という点で比べてみますと、例えば農業総生産額に占めます農業予算の割合というようなもので見てみますと、日本の場合は二九・三%という形でございますけれども、ただいま先生から例示がありましたフランスでは三八・九%、それから西ドイツでは二〇・一%ということで、それぞれの国の制度の違いはございますけれども、諸外国におきましても相当の農業予算というものを組んでいるということは事実かと思っております。
○山田譲君 もちろんいろんな制度、仕組みの違いもあると思いますけれども、いずれにしましても、先進国の農業関係についての補助金政策あるいは保護政策というふうなものは、日本にまさるとも劣らないようなことをやっている、こういうことは断言してよろしいんでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) それぞれの仕組みの違いはございますので、にわかには言えませんけれども、諸外国におきましても、第一次産業の特殊性というものは日本と同様にございますので、それぞれの国で、それぞれの歴史は背負いながら、多額の助成をしているということは御指摘のとおりでございます。
○山田譲君 私どもはそういうことだと思うんですね。ですから、農業というものはほかの産業と基本的に違うんだ、やっぱり人間の食い物をつくる産業だということになりますと、テレビをつくったり自動車をつくったりする、そういう産業とはやはり基本的にどこか違うんじゃないか。そういうところはやっぱり国の安全保障の立場から、あるいはセキュリティーといいますか、保障の立場から、これは保護じゃないと考えてみれば、それは必要なことだというふうに思いますけれども、それをやっていかないとだめなんだということを私どもそのとおりに思うわけです。ですから、臨調が補助から融資へと言っていることは、必ずしもそれは中身ははっきりしませんけれども、基本的にやっぱりそう簡単に融資へ切りかえられるものではないというふうに私は思うんですけれども、その点どうでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 補助金でなければ効果の出ない部面というものはたくさんございますので、そういうものにつきましては、補助金という基本は守るべきだというふうに、同様に考えております。
○山田譲君 そうしてみますと、今度の金融三法ですね、これを変えようとしているわけであります。それでまさしく今審議しているわけだけれども、この金融三法の改正のねらうところは、やはりあれですか、臨調の補助から融資へというふうな考え方を一部取り入れて改正しようとするものであるというふうにお考えか、それとも臨調とは関係なく、金融三法は現在の農業の実態からしていって、どうしてもやっぱりこういうふうに変えていかなければいけない、こういうふうに考えて改正なさるのか、臨調との関係はどうでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) 今回の農林漁業関係の制度資金の改正、見直しでございますが、率直に申しまして、現下の非常に厳しい財政事情とか行財政改革というようなものと全く無縁だということを申し上げてはうそになると思います。 ただ、私ども制度金融全般を見直すに当たりまして、例えば臨調の農林漁業金融公庫についての指摘の中にも、公庫補給金の抑制ということが書かれておりますが、同時に、「農林漁業の近代化と体質強化に留意しつつ」という文言が入っているわけでございまして、私ども、農林漁業をめぐります近年の諸情勢の変化に対応いたしまして、足腰の強い農林水産業の育成のために農林漁業投資を積極的にどう推進をしていくか。そのために、現在あります各種の制度金融につきまして、法律事項、政省令事項、あるいは業務方法書まで 全部含めまして、各種の団体の御要望も伺いながら全体的な見直しをし、そしてその中で財政の効率的な運用等を図るために効果的な助成手段をどうやって確立していくかという観点も含めながら見直した、こういうことでございます。 その中で、先ほど来、官房長からお答えがございますように、農林漁業者の自主性なり創意工夫なり、そういうものを生かすことができるという制度金融の特徴を発揮させながら、農林漁業の資本装備の高度化を着実に進めていくという観点に立って充実を図りますと同時に、構造政策等の推進の方向に即した重点化を図った、こういうことでございます。
○山田譲君 そうすると、何だかはっきりわかりませんが、要するに臨調と全然無縁ではないと。臨調の言っている補助から金融へですか、融資へというような考え方と無縁ではない。そしてまた財政再建との関係ですね、これはやはり関係はあるんですか、ないんですか、今度の改正は。
○政府委員(後藤康夫君) 現下の財政事情というものも背景にいたしまして、やはりできるだけ効率的な助成の手段、あるいは農政の誘導策というものを考えていくとしたらどういうふうになるかということを頭に置いて検討をいたしたことは事実でございます。
○山田譲君 そうしますと、具体的に聞いていきたいと思うんですが、今度どのくらい補助金の方が減って、そして融資の方がどのくらいどうなっているか、そのプラス、マイナスはどうなるのかということですね。これはどんなものでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) 補助から融資へというふうに申し上げましても、例えば総合助成のメニュー事業の中から、個人経営の施設であって補助よりもむしろ融資になじむものを融資の方に移すというふうにいたしました場合、それに対応しました、得ていたはずの補助金が幾らかということと融資の枠との間に、一対一の対応というのをつけることがなかなか難しい面がございます。 それから、金融について申しますと、近代化資金の場合は、利子補給の助成金、それからまた公庫の場合には公庫に対する利子補給金というものがございますが、これは融資の性格としまして毎年補給をしていくということになりますので、初年度には比較的財政負担が少なくて、後年度にずっと負担が連続してかかるというふうなことでございますので、仮に金利を若干引き上げるというようなことをいたしましても、効果は後年度にあらわれてまいりますので、六十年度予算でどのくらいどうだったかというふうなことはなかなか申し上げにくいわけでございます。
○山田譲君 それはなかなか具体的に、プラスが幾らでマイナスが幾らだ、合計ですから、マイナスになるからこれが財政再建に役立てたことになるんだという、そこまではっきり言えないにしても、やはり財政再建ということを考えてやっていることでしょうからね。だからやっぱり今度のこのやり方によって、国家財政からいうと少しマイナスになっているんです。そうすることによって臨調の答申なり政府の基本的な考え方に沿っているんだということがなければ、わからない、わからないじゃ、それじゃ本当に何もわからないかということになっちゃうんです。
○政府委員(後藤康夫君) そこで、農林漁業金融公庫資金について申し上げますと、今回、融資の重点化ということで一部金利の引き上げが行われる部分がございます。一部引き下げ部分もあるわけでございますが、今度の制度改正全体をひっくるめまして、これまで公庫の平均貸出金利というのは、加重平均いたしますと五%程度でございますが、これが制度改正後その効果を全部織り込みまして、六十年度の貸付計画枠を前提にして試算をいたしますと、制度改正後における今後の新規の貸し付け、今後貸し出されるものについての平均貸付金利は五・二%程度ということで、〇・二%程度の上昇になる。 これが公庫の補給金にはどのくらい今後影響してくるかということでございますが、これも今後の貸付規模なり、あるいは資金のコストになっております財投金利の公庫が借りてまいります場合の金利、こういうものによって不確定要素がいろいろあるわけでございますが、仮に六十年度予算のいろいろな諸元というものをベースにいたしまして、これを将来に引き延ばして推計をいたしますと、十年後の六十九年度におきまして補給金が約百五十億程度節減をされまして、補給金の総額が千六百七十億程度になる。しかしながら、六十年度の補給金の総額が約千四百億でございますので、なお補給金は増加を続ける。しかし、今度の制度見直しをしなかった場合に比べますと、十年後で百五十億程度の節減が行われるというのが、私どもの試算をいたしました結果でございます。
○山田譲君 さっき言いましたとおり、そう単純に比較ができない。それは私もよくわかります。今、局長おっしゃったところによると、十年後に今の計算、すべてを今の現状のままだというふうに仮定して計算すれば、百五十億円くらいは減っていくであろう。補給金といいますか、そういった融資の方に使う金は全体的に計算して減っていくであろう。しかし、今年度、来年度くらいはそう急に、なるほど節約したというふうなことにはならないと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) 先ほど申し上げましたように、過去の約五兆円近い公庫の融資の残高がございます。これはもう過去の金利で貸し付けておるものでございます。長期でございますから今後にそれがずっと響いてまいりますので、ことしの約千四百億の補給金と申しますのは、今後十年間やはり毎年少しずつふえてまいります。ただ、そのふえ方が、今度の見直しをしなかった場合に比べて若干少なくなる、こういうことでございます。
○山田譲君 そうすると、すぐ幾ら幾ら減ったというんじゃなくて、将来を見通した場合にふえ方が少し減るという程度に考えていいんでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) いろいろ制度金融の見直しをいたしましたけれども、やはり基本的に例えば三分五厘資金というものは守らなきゃいかぬというのが私どもの省内の検討の結論でもあり、財政当局と折衝した結果での結論でもございます。そういうことで、今おっしゃいましたような増加の仕方が少なくなる、こういう結果に相なっております。 なお、臨時行政調査会の答申でも、公庫補給金の抑制ということを申しておりまして、縮減というところまでは言っておらない。この辺のところは臨調も、その辺の農林漁業の制度金融の性格なり今後の見通しということを頭に置いてそういうふうに書かれたんではないかというふうに思っております。
○山田譲君 この前、おとといですね、私の方の党の稲村委員が融資と補助金の関係で質問したときに、私は非常に局長のおっしゃったことで印象深く聞いたのは、補助金といいながらも、例えば三分の二の場合、三分の一は自分で見なきゃならないんだと。また、融資とはいいながら、補給金その他を考えるときに、相当の金額を本人にやったと同じような結果になるんであって、その点、補助も融資も余り変わりないんだというようなことをおっしゃられたのが、私非常に印象深くいまだに残っているんだけれども、その考え方は今も変わりませんか。
○政府委員(後藤康夫君) 変わりはございません。いずれも、補助にいたしましても融資にいたしましても、その程度は異なるにいたしましても、低利融資をやります限りは財政負担を融資でも伴うものでございます。性格として、しかし補助金の場合は事業を実施する年にぼんとお金が出るわけでございますが、系統原資にしましても公庫資金にいたしましても、制度金融の場合には、貸付残高が残っている限り後年度まで薄く長く財政負担が続くという点が、性格として違っているわけでございます。
○山田譲君 金を出す方といいますか、財政的な見地から見れば、確かに国から出す金はどっちも大して変わりないんだという話になりますから差はないということもある程度言えると思うけれども、やっぱり借りる立場からしますと、今まで三分の一は自分が負担してあとの三分の二はこれはもらったんだという感じと、それからずっと、利子補給金で実質的には同じような金をもらうことになるけれども、しかし、金を借りたんだ、いつかは返さなきゃならないということはこれは事実なんでしてね。ですから、やっぱり借りるなり、あるいは補助金をもらう立場の方から言いますと、やはり補助と利子補給とは違うんだという方が実感として当然だと思うんだけれども、その点どうでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) これはそういうことが確かにあると存じます。要するに補助と融資と申します場合に、本来やはり補助でなければいけない分野、それから本来的にだれか考えても融資だ、それからまたその中間には補助でやった方がよろしいか融資でやった方がよろしいか、いろんな分野があろうかと思いますが、例えば土地改良のようにある面的な広がりでたくさんの人が一度に同意をしなくてはいけないというような事業というようなものにつきましては、やはり個別の経営の施設とか機械を購入するという場合に比べて、今おっしゃいましたような受益者の方の受け取り方ということから考えますと、土地改良などはやっぱりどうしても補助金でやった方がよろしいんではないか、またやるべきだという分野に属するんではないか、こういうふうに思っております。
○山田譲君 そこで、農水省の補助金の内容を見ていきますと、私はよくわからないから敢えてもらいたいと思うんですけれども、利子補給というふうな金融の分野のやつは、農水省予算からいいますと補助金等の中に入ってしまっている。つまり構造改善なんかやる、今おっしゃったような意味での補助金ももちろん補助金に入るけれども、もう一つ金融として利子補給する分も、これまた補助金等の中に入っているというふうにこの予算書上から読めるんだけれども、そこは間違いないでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) いろいろと予算の整理の際の約束事みたいなことでございますけれども、金融の場合にも、補給金でございますとか、あるいは近代化資金につきましての利子補給でございますとか、こういうものにつきましても、財政的な手法といたしましては補助金であるという点では変わりませんので、補助金等の中に一括して整理されてございます。
○山田譲君 すると、年金なんかも補助金等の中に入るわけですね。
○政府委員(田中宏尚君) さようでございます。
○山田譲君 そうしますと、これは非常に問題だと思うのは、例えばことし六十年度の補助金等のうち、構造改善、これは文字どおり補助金だと思いますが、これが千三百三十億ある。そして金融の利子補給金の方が千七百九十五億になっておりますね。公共事業関係はこれは七千七百三十七億と、両方で合計をして一兆八千四百三十一億ですか、こうなっているようです。 そうすると、この補助金等の中に、公共事業はしばらくおくとして、構造改善とそれから金融、年金、これはみんな補助金等の中に入っておりますから、先ほど一番最初にお伺いしたように、当然六十何%かのシェアをこの補助金等が占めているとすると、その中で例えば金融、年金というふうなものは黙っていればこれは自然増で当然ふえていくという問題があると思うんです。ふえていくと、絶対額の補助金等の方はこれから財政再建でそう簡単にふえない、むしろ減るような調子であるわけですから、そうすると、ただでさえ減る補助金等の枠の中で年金と金融の利子補給に占める金額は、これは黙っていてもふえていくわけですね、嫌でも、義務的な経費と言わざるを得ませんから。そうすると、本来やらなきゃいけない構造改善に要する経費というふうなものがだんだん狭まっていくというふうに考えるのですけれども、その辺は間違いないでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 補助金という形式的な項目で整理しますと先生の御指摘のとおりでございますけれども、ただ、金融経費の中で大口をなしておりますのは農地等取得資金でございますとか、あるいは構造改善事業に関連する補助残であるとか、融資単独事業でございますとか、機能別に見ますと構造政策なり構造改善、こういうものに結びつく金融というものが大宗を占めているわけでございまして、金融費がふえていくから構造改善がなおざりになるということではないんじゃないかというふうに我々は理解しているわけでございます。
○山田譲君 その理解が私にはわからないんだけれども、従来の経過を見ましても間違いなく金融、年金というものが毎年ふえていっているわけですよね。これは数字は言いません、わかっていると思いますから。それは当然、逆に今度は、本来非常に補助金をやってやらなきゃいけない構造改善の事業の方の経費がだんだん減ってきているのは事実なんですよ。それは当然でしょう、全体の補助金の枠が狭くなるんだから。そして、その中でもって義務的な年金だとか、そういう利子補給の経費がふえていけば、それは嫌でも本当の意味での補助金というやつが減っていかざるを得ない。これは当然そういうことになると思うんですけれども、そうでないんですか。
○政府委員(田中宏尚君) 構造改善事業が全体として補助金として減ってきておりますのは、先ほど来議論が出ておりますように、補助金から融資へといいますか、個人的な施設で従来から構造改善事業で助成してまいりましたものを一部構造改善事業の補助対象から外しまして、公庫資金なり近代化資金に回したというようなものもございまして、若干減ってきているわけでございます。 それから、先ほどもお話しした点でございますけれども、こういう補助金の区分は、構造改善と金融というのは実は同じ次元の区分ではございませんで、金融とか年金というのはいわば金を出す手段としての区分でございまして、それからあと構造改善でございますとか合理化でございますとか、こういうものは性格といいますか機能といいますか、補助金の目的別の区分になっているわけでございます。それで、正確には金融関係費につきましても、この中でどれだけ構造改善に向かっているかとか、あるいは価格関係に向かっているか、そういうふうに機能別に公庫補給金等も分ける方が正確かとは思いますけれども、こういうものにつきまして予算段階では必ずしもはっきりしませんで、結果として何に使われたという形になりますので、予算の制度としてはたまたまこういう構造改善事業という機能別と、それから金融、年金という手段というものが混在したような制度になっておりますので、若干理解するのに妨げになる点があることは事実かと思っております。
○山田譲君 官房長が言ったことはわかるようなわからないような、どうもわけがわからないんだけれども、私の言うこともわかっていただけると思うんですよ。少なくとも予算的にだけ考えますと、あるいは大蔵省的な感覚で、きょうは大蔵省は来てないから大蔵省に聞くことはしませんけれども、大蔵省的な考え方からすれば、とにかく補助金は減らさなきゃならない。それでやっぱり農水省の予算が非常に問題があるとして、農水省の補助金等の予算が少し、全体もそうでしょうけれども減っていく。そうすると、これは減らさざるを得ないだろうと思うんです、今の現状の中で。そうすれば、同じ補助金等の中に入っている年金あるいは金融の方が、当然これはもう黙っていてもどうしてもふえる金額ですから、ふえていく。そうすると、補助金等の方に出す大蔵省の目というのは、やっぱり構造改善の方を減らさなきゃつじつまが合わなくなってくるでしょう。
○政府委員(田中宏尚君) 全体のトータルがゼロシーリングであるとか、そういう厳しい中で年金、金融というものが、後年度の負担というものがふえることは事実でございます。そういう点からいいますと、通常の補助金に対する風当たりと いうものが強くなってくることも事実でございますけれども、ただ、その金融経費にいたしましても年金経費にいたしましても、いずれも構造政策なり構造改善、こういうものに直結している助成でございまして、そちらがふえるのはけしからぬというわけでもございませんで、トータルとして構造政策なりにどれだけ寄与するかという観点から判断すべきかと思っております。
○山田譲君 そうしますと、臨調などが言っている補助から融資へというのは、文字どおり財政再建の意味も含めて、当然むだなところへ補助金を出している、こういうものは減らせという考え方が基本にあると思うんですけれども、少なくとも農水省関係の補助金等の予算を見る限り必ずしもそうは言ってない。つまり構造改善の方が減ってもその分は金融の方にふえるんだから、そうすると構造改善の方で減った分というのはむしろ金融の方でもって利子補給金としてふえていくという格好になる、そういうふうに考えていいでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 先ほど冒頭に御質問がございまして答えましたとおり、補助金トータルとしてもこの五年間で一千数百億減っているわけでございまして、金融経費の場合には、先ほど後藤経済局長から申し上げましたように、薄く長い国家支出というものが必要になってまいりますから、後年度負担というものはふえることは当然でございますけれども、これもそれなりに必要な経費でございますので、こういう金融経費につきましても厳しい中でしかるべく予算はつけてまいりたいというふうに考えております。
○山田譲君 私は、今この際、農水省をいじめようとして言っておるんじゃなくて、だから頑張りなさいということを言おうとしているわけです。だから私が言うのは、黙ってこのままいきますと、当然それは大蔵省ですから補助金等のところに目をつけて、ただでさえ農水省は補助金が多過ぎるなんて言っているところでしょうから、だから補助金等を減らせ減らせとくるでしょう。だけれども、今何回も言うように、年金なり金融の方は減らすどころか、当然黙っていればふえていきますわね。黙っているというよりも、むしろ義務的にふやさざるを得ない金になると思うのです。そうすると、当然ただでさえ全体が減るところへもっていって片方がふえていけば、構造改善はどんどんどんどん減っていってしまう。そういうことがあってはいけないから、だからひとつ構造改善の方にも減らないように頑張ってもらいたい、私はそういうことを言っているのだから、ひとつ本音を聞かしてくださいよ。
○政府委員(田中宏尚君) それぞれ必要な経費でございますので、トータルとしてどれだけ頑張るかということがなければ、先生御指摘のとおり、片一方ふえれば片一方減るという関係に残念ながらございますので、トータルとしての予算額の確保ということに我々も全力を傾注してまいりたいと考えております。
○山田譲君 ですから、ここらあたりのところは非常にいろいろ問題があるところで、もっとやらなければいけないんでしょうけれども、そういう意味で私も申し上げているわけですから、ひとつ頑張ってもらいたいというふうに思うわけです。 それから、さっきの補助と金融は財政的な面からいった場合には余り変わりないのだというふうなお話でございました。しかし、借りる方の立場からすれば、やはり借りたものは必ず利子が全然つかなくても返さなければいけない。補助金の場合は、もらったものですから返さなくてもいい。もちろん、三分の一例えば自分がそのとき全部出すにしても、将来に借金を残すようなことにはならないと思うんです。だから、そういう意味で、やはり財政的にはたとえ同じであっても、借りる側からすれば、もらうのと借りるのでは何十年たっても借りたものだけは返さなければいかぬということが残るわけですから、そういう立場からいって、そう簡単に財政的に同じことだからいいじゃないか、こういうふうには言えない代物だと思うのだけれども、そこはどうですか。
○政府委員(後藤康夫君) お話のとおり、融資の場合には必ず償還の義務が伴うという意味におきましてはそのとおりでございます。
○山田譲君 そこで、最終的にこの問題についてお伺いしたいのですけれども、結局そうなりますと、今までずっとお話を聞いてわかったんですが、農水省としては今までのような補助金政策、農水省予算の六割以上を占めているような補助金政策というものはこれからそう変えようとは思わない。もちろん、中身はいろいろ変わるでしょうけれども、全体として見た場合は、あるいは外国と比較してみてもこれだけの保護は当然必要である、こういうことは将来も今までのような考え方でいきたいと思う。しかし、もちろん補助金等の中でのいろいろな操作もあって、金融あるいは年金の関係の補助金等がふえていく、ふえていくけれども、今度の金融三法のやり方でいくとふえ方が少し減るというふうな考え方であって、基本的には余りそう農政の大転換であるというふうなことにはなりません。こういう話で、それが結論的にそういうことはできるかどうか、これはどうですか。
○政府委員(田中宏尚君) 基本的には、先生の御指摘のとおりだと思っております。
○山田譲君 もう一つ念を押しますけれども、金融の方へ行ってしまうと、さっきのように構造改善、これは非常に主流的な補助金だと思うんですけれども、これがどんどん少なくなるようなことのないように、ひとつ農水省、ぜひともこれからも頑張っていただきたいと、こういうふうに思います。 それから、農水大臣、最後で恐縮でありますけれども、今のいろんなお話を聞いていておわかりかと思いますが、いわゆる補助から融資へというふうな単純なものじゃないということについて、農水大臣のお考えをひとつお伺いしておきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(佐藤守良君) 山田先生にお答えいたします。 先ほどからいろいろ御議論をお聞きしておったわけでございますが、農林水産行政を推進するに当たりましては、やっぱり基本的には体質強化とそれから農山漁村社会の活性化を進め、農林水産業に携わる人々が意欲と生きがいの持てるようにすることが大切だと思っております。 そんなことで、補助と融資というのはいわば車の両輪みたいなものでございまして、これをうまく、厳しい財政のもとでございますが、効率的に活用運営し、そのようなために頑張りたいと、このように思っております。
○山田譲君 それから、例の借財の対策の問題ですね。さっきから言っていますように、財政的にはそれは補給金も補助金も同じだとはいうものの、借りればさっき言ったように返さなきゃならない。それが返せなくなって困っているという人が、今そういう農民が非常に多いわけです。これはもう御存じのとおりであります。 この間もある北海道の人から聞いたんですけれども、宗谷の近くの畜産関係の組合で、百十くらい組合員がいるそうですが、その中で七戸がこれはどうにもならなくなってしまった。やっぱり農協としては、仲間ですから倒産なんかさせたくないということで、できるだけの援助をしていった。そのうちに、金融機関がその農協に対して、あの七戸をやめさせない限り農協に対する融資も一切やめるというふうな、そういうことでどうにも困っている農協があるというような話も聞きました。この間も、実は私の方の党で、赤城山のふもとのある村へ行きましてそういう事情をいろいろ聞いてみたんですが、その農協でも同じように、組合員の中で借財がたまってしまってどうにもならなくなっている。これは、しかし極端な例をそこで話したんですが、そういった傾向は大体三割くらいが同じような借財で困りに困っている。農協としては、もちろんただ単に金融面だけから考えますと、それはもうやめてもらおうと言うこともできるけれども、同じ仲間ですからそう 簡単にやめてもらいたくない。また、やめてしまえば今度は元も子もなくなってしまいますから、どうにもしようがないので、農協としては無理しながらもその人にまだ援助を続けていっているんですと。ちょうどその稚内の方の話と逆なような話なんですけれども、そういう話がございました。 そういう事情で、これは決しておまえたちは経営のやり方が下手だからしようがないんだというふうに言い切れない問題、かなり国家の政策に協力しよう、あるいはまた、言うことを聞いてひとつ畜産で頑張っていこうというふうにやった人たちだと思うんだけれども、その結果がこういう状態になってしまうということになると、これは政策としても何か考えざるを得ない問題じゃないかというふうに思うんですけれども、その点、どういう対策を考えておられるか、お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(後藤康夫君) 全国を平均的に見ますと、農家の借入金よりは貯蓄の方が上回っているわけでございますが、地域によりまして、あるいは作目、あるいはまた経営規模によりまして、非常に厳しい負債の問題を生じているところがあるということは私どもも承知をいたしております。 やはり中でも、畜産農家が、いろいろな事情からこういった負債の問題に悩んでおられる方が多いということでございまして、この点につきましては、酪農につきましての負債整理資金というのを五十六年から開始をしておりますし、それからまた、ことしの畜産物価格の決定と関連をいたしまして、肉用牛経営につきましての合理化資金ということで、負債に対します低利の融資の措置もとることにいたしたわけでございます。そういった畜産関係の負債問題対策のほかに、一般的には私どもそういった償還が難しくなっておられるような農家が、特に災害なんか受けたというような場合の既貸付金の償還猶予等の条件緩和、それからまた自作農維持資金の活用等の一般的な対策もとっておるところでございます。 今度の制度改正の中では、自作農維持資金の特認の貸付限度額の八百五十万というものを、これは再建整備資金でございますが、千五百万まで限度を引き上げまして、負債に苦しんでおられる方々が自創資金をもう少し余計借りられるようにするというような措置でございますとか、これはまた関係団体からも非常に強い要望がございまして、近代化資金の中に肉用牛の経営規模を拡大する際の購入及び肥育の資金がございますが、これの据え置き期間なり償還期限を延長するというようなこともことしの改正の中に予定をしておりまして、こういうことによりまして肉用牛の経営規模拡大をされる農家の償還条件を緩和をしていきたいということも考えておるわけでございます。
○山田譲君 それに関連してひとつ具体的なお話をして、こういうことをどう考えればいいんだというふうなことでぜひともお考えを聞かしていただきたいわけですが、具体的な話で恐縮ですけれども、スキーで有名な苗場という山がありますね、スキー場が。あの少し向こうに苗場の広大な高原があるわけですけれども、それを今、国が直轄事業でもってかなり大がかりな農用地の開発事業を進めているわけです。その中で一期、二期とありまして、既に一期の方は終わったようですけれども、二期がこれから今始まっている、こういうことのようですが、その開発に関連しまして、そこに入った人たち、あるいは町、津南という町ですけれども、その町も、国がせっかく造成してくれたわけですけれども、すぐそこでもって畑をやるわけにいきませんから、そのところにいろんな堆肥をつぎ込むとか、あるいはまた足らない土をさらに足すとか、あるいはまたせっかくつくってもらったんだけれども、排水が完全でないから町がそれをやらなきゃならないとか、そういう開発事業が現に行われているわけです。 そういうところに農家の人たちが入っていくわけですけれども、そうしますと、とりわけあそこら辺は有名な積雪地帯で、三月くらいまで三メートルくらいの雪があるようなところでありますから、そういう除雪にもかなり金がかかる。そういうふうな、せっかくつくってはくれたものの、まだまだ自然のそういう条件から言って非常に厳しい環境の中でやっていかなきゃならない。当然それはもう相当な金を借りるなり何かしてつぎ込んでいかなければ、せっかく造成した畑がうまく使えない、こういうふうなことになってきますと、乗りかかった船ですから、どうしてもやっていかなきゃならない。だけれども、借金はどんどん重なっていってしまう。当然返すのはこれは何年後ですか、相当後から返すようですけれども、いずれにしても、借りたものですから返さなきゃならない。もう既に今から、これはとてもじゃないけども、これだけの使った金を返す当てかないというふうな状態の中で、しかも働かなきゃならないというふうな人たちが非常に困っている、困っていながらも一生懸命やっているわけですけれども、そういうことを思いますときに、単純に補助から融資だ、あるいは財政的には同じことだなんということは言っちゃいられないような場面が既に出てきているんじゃないかと思いますけれども、その辺どんなものでしょうか。これはお考えだけ示してもらえばいいんですけれども、どなたかお願いします。
○政府委員(井上喜一君) 国営農用地開発事業の苗場地区の御質問かと思いますけれども、これはただいまお話しのように、第一の地区の方が順位は先行いたしまして、第二の方が後からくっついている、こういう状況でございます。第一の方の事業の進捗率が大体四分の三ぐらい、八割程度のところまで進捗しているわけでございますが、まだ最終的に事業が完成をいたしまして地元負担がどうなるかというのはこれからのことでございます。 地元負担の一般的な考え方といたしましては、国費の補助のほかは県、市町村、それから地元の受益農家が分担をして負担するわけでございます。負担金の徴収につきましては、国は県から負担金を徴収をするということになります。県の方は土地改良区を通しまして地元の方から徴収をしてくる、こういうことに相なるわけでございまして、その具体的な中身につきましてはこれから決められていくというふうになるわけでございます。 いずれにいたしましても、農家の償還が円滑に行えますような形で最終的な負担が決められるものと我々は考えているわけでございます。
○山田譲君 最初の計画によると、広さが何へクタールのうち、何は畑をつくり、何は田んぼにするんだとかいう計画があるようですが、これは私がちょっと奇異に思うのは桑園、桑ですね、桑をかなりつくるような計画ができております。ですから、これもこの間さんざん議論があったように、ただでさえ減産を強いられている養蚕業について、これからわざわざ苦労して桑園をつくらなきゃならない必要があるかどうか、その辺はどんなものかということと、お伺いしたいのは、そういう場合に需要の変更、変わってきたんだからこの計画を変更しようじゃないかということはできるのかどうか、そこら辺を教えてください。
○政府委員(井上喜一君) 事業計画を定めます場合に、同時に営農計画というのを定めているわけでございますが、事業計画は事業の実施の前提になるものとして我々考えているわけでございます。したがいまして、具体的に農家がどのような営農をするかというのは、この営農計画に定められたこととは必ずしも一致しないのが実情でございます。 本地区におきましても、計画では桑などが一部入っているわけでございますが、昨今のような状況でございますので、そういう状況を十分考えまして地元の方でも対応していくと思いますので、それに沿いました営農計画をつくり営農指導を行っていく必要があるかと考えております。
○山田譲君 ぜひ実情に合ったような、せっかく金を使って広大な農用地を開発していくわけですから、ぜひとも現状に合ったような計画にできれば直していっていただきたいというふうに思います。それと、そこへ入って営農している人たちの 苦労というふうなものもこれは十分おわかりでしょうけれども、一層いい相談相手になってやるように指導していっていただきたい、かように考えます。 それでは、この辺の問題はここでやめにしまして、今度、例の経済対策閣僚会議のこの間の発表がありましたけれども、あの問題についてお伺いをしていきたいというふうに思います。 その前に、全然関係ない話でもないんですが、新聞で伝えられて、あるいは外務大臣も本当にそうだったということをこの間の本会議でも言っておられたんですが、例の一千万トンをアメリカが買ってくれと言ったという話がありますね。それに対して一千万トンは、これは日本の国内に入れるものじゃなくて海外援助のために使うんだと、アフリカ援助ですか、そういうふうなものであるから、これは別に日本に入ってこないんでそう心配するに値しないというふうなことのお話があったようでありますけれども、この辺はどうですか。事は外務省だと言わないで、穀物の問題ですから、ひとつどなたか答えていただきたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) 今回の米国の提案は、一千万トンの米国産穀物を援助用として我が国が買い付けてはどうかという趣旨というふうに伺っております。 我が国の食糧援助につきましては、これは外務省の所管でございます。一部予算計上の関係で大蔵省も関係をしてまいりますけれども、外務省の所管でございますが、仮に一千万トンのアメリカの穀物を我が国の食糧援助に使用するということについて農林水産省としてどう考えるかということでございますれば、私ども一つは、現在の我が国の食糧援助の主体はケネディ・ラウンドのときにできましたKR食糧援助の規約というものがございますが、これによりまして我が国が年間小麦換算で三十万トン相当のものを拠出をする義務があるということになっておるわけでございますが、今回のこの一千万トン、仮に四年間分としましても年間二百五十万トンというようなことでございますので、ちょっとけたの違う大幅なものでございます。 したがいまして、これを実施するには新たに巨額の財政負担が必要になるだろうと思いますし、また、このKR食糧援助におきましては、規約上、開発途上国からの食糧を相当な部分買い入れるということが一般的な目標にされておりまして、いわば先進国は金を出してほしい、開発途上国で輸出余力のあるところから食糧を買って、食糧不足の開発途上国に持っていくのが原則だというようなことになっておりますので、アメリカ産の穀物を多量に援助用として我が国が使用いたします場合、開発途上国の中の穀物輸出国に対する配慮というものがどうなるのかというような問題がございまして、いろいろ難しい問題があるというふうに率直に申しまして考えております。
○山田譲君 アメリカとしては、穀物をあっちこっちどこでもいいからとにかく買ってもらって輸出をしていきたいというねらいがあるわけでしょうから、今度の一千万トンについては、今お話があったような、あるいは本会議でも外務大臣もおっしゃいましたようなことで、直接的にすぐに日本の国内に入ってくる話ではなさそうですから、ぜひこれからも十分そういう点を注意して見守っていっていただきたい、こういうふうに思います。 それから、この間九日に、例の諮問委員会の方から、あれは報告というんですか、報告があって、それを受けた形で対外経済対策ということで経済対策閣僚会議が一つの対策の方向を示されたわけです。これは当然だと思うんですけども、この閣僚の中には農水大臣は入っていらっしゃるわけですね。
○国務大臣(佐藤守良君) 入っております。
○山田譲君 それでは、この問題について主として林野庁長官の方にお伺いしていきたいんですが、この中で大きなⅠというのは、「対外経済問題諮問委員会報告への対応」ということで、これからアクションプログラムをつくってやっていきますというふうなことが出ております。Ⅱとして、これは直接は答申にこたえるというふうな問題じゃないかもしれませんけれども、「当面の措置と政策プログラム」ということで書いてある。その中で、例の関税の引き下げ問題として合板のことを非常に大きく取り上げて具体的に示されているわけですね。これを見ますと、合板の輸入関税を引き下げるということについては三年後をめどにやっていきたいというふうなことで、しかしながらそのかわりに「森林・林業及び木材産業の活力を回復させるため、」、つまり林業関係の足腰を強くさせるために五年間ばかりかけて相当徹底した総合的な対策をやっていくんだ、こういうふうなことが出ております。 この前、大臣が、これについてうちの稲村委員が聞いたときに、「五か年にわたり特に講ずることとし」というこの「特に」を特に強調されたわけですけれども、私たちは「特に」の意味が特にわからない。だから「特に」ということだけじゃなくて、もう少し「特に」の意味を、これは大臣にぜひ、この前そう言って特に念を押されたわけですから、これについてもう少し具体的にお話をお伺いしたいと思うんですが、大臣にお願いします。
○政府委員(田中恒寿君) 今回の決定におきまして「特に講ずる」とされましたことは、現在の森林、林業は極めて不振をきわめておりますので、その活力を取り戻すためにこの問題に特に前向きに取り組んでいくという姿勢が示されたものであるというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(佐藤守良君) 今の長官の答弁は役人的答弁でございます。 実はこの問題につきまして一番大切なことは、そこに問題ございましたようなことでございますが、今、山田先生が読まれたようなことでございまして、「森林・林業及び木材産業の活力を回復させるため」というようなことでございまして、「財政、金融その他所要の措置を当面五か年にわたり特に講ずることとし、その進捗状況を見つつ、おおむね三年目から針葉樹及び広葉樹を通ずる合板等の関税の引下げを行うべく前向きに取り組む。」ということでございまして、実は基本的にこれは別枠ということで話しておったわけです。 ところが、財政当局も今現在厳しい点もございますが、率直に言いますと、治山治水とかその他別枠の要望が出てくると。そんなことで、私と河本長官、金子長官、大蔵大臣と四者会談をやりましたときに、別枠ということについては勘弁してもらいたい、ただし別枠と同じような扱いにするというふうな了解をとりまして、「特に」という言葉を入れたわけでございます。したがって、私はこの総合対策は別枠と理解しております。また、そのことにつきまして、実はこれから六十一年度予算案のシーリングが八月から始まるわけですが、農林水産省の一般予算には影響を与えないというふうな、実はいろんな了解もとっておるというのが現状でございます。
○山田譲君 よくわからないんです。大蔵省とは別枠と今おっしゃいましたけれども、それはどういうことでしょうか、具体的には。
○国務大臣(佐藤守良君) 今言ったようなことでございますが、実は「特に」ということは私は別枠であると理解しておると、こういうことでございます。
○山田譲君 少なくともこれは経済閣僚会議として出した報告ですから、私はとおっしゃられてもなかなかそのとおりになるかならないかわからないように思うんです。現に新聞なんかでもいろんな報道がなされていることは御存じのとおりでありますけれども、そういうことで、しかも三年間に関税を引き下げるというふうなことを具体的に言っているんですから、しかもそれと、その前にともかく、これは私もこの前合板の問題で御質問したときに言われたんですが、必ず足腰を強くさせるんだ、その後でなきゃ関税なんか引き下げはさせないという大見えを切られたわけで、大体そ の線がかなりここに盛り込まれていることは私も認めますけれども、せっかくですから私は考えているなんておっしゃらないで、政府が考えているということをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えしますが、私はそんなことで政府がそう理解しておると、このように考えております。
○山田譲君 じゃ、三千億とか二千億とかいろいろ言っていますけれども、あの金額については、これは今のところは何とも固まっていない、こういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(佐藤守良君) 総合対策につきましては三つの点を中心に今いろいろやっておりますが、鋭意検討中でございまして、できるだけ早く答えを出したいと、このように考えております。
○山田譲君 いずれにしても、相当なことをやろうということなんでしょうから、やっぱり金の裏づけがなけりゃこれはどうにもならないわけで、そのことで最初から二千億とか三千億とかという話が出ていると思うんです。ですから、ぜひとも、これは早急といっても大体いつごろをめどにしておられるか、この三カ年の方は、関税引き下げの方はかなりめどがはっきりしているけれども、その対策の方はめどがはっきりしていないようじゃやっぱり困るわけでして、その点みんな心配もしているわけですから、もう少しはっきりと大体のめどくらいはお知らせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(佐藤守良君) 金の問題につきましては、だれが考えてもかなり多額の金が要るというのは常識だと思っております。 それからもう一つ、対策につきまして、実はいろんな問題がなかなか大変ございます。八項目としてもございますが、税制まで含めてどうするかということを研究したらどうかという点もあるわけでございます。そんなことで、できるだけ早くということで、今作業を急いでおるわけでございます。
○山田譲君 できるだけ早くとおっしゃいます。これはまあこれ以上聞いてもおっしゃらないと思いますけれども、本当にできるだけ早く、予算の問題も、それで特に予算要求ももうぼつぼつ来年度のやつが始まるわけですから、それにおくれをとるようなことの絶対にないようにぜひとも早く対策を決めて、そしてそれに対する費用というふうなものも相当大幅なものを我々期待していますから、ぜひ大臣に頑張っていただきたいというふうに思います。 続いてで恐縮ですけれども、これはくだらないことのようで、私はくだらなくないと思うんだけれども、閣僚会議のこれを見ますと、私はやたら英語が多いのが非常に気になるわけですね。諮問委員会の方は、これは大来さん以下英語ぺらぺらの人たちばかりだから英語を使う。特に最近、海外の輸入品をなるべく愛用しようということが言われているから、その率先で英語をなるべく使おうとしているのかどうか、そういうことを言いたくなるくらい、やたらに経済閣僚会議の方も英語が出ている。 例えばアクション・プログラムなんということが諮問委員会の報告には出ているけれども、わざわざそれをまねして経済閣僚会議まで言わなくてもいいんじゃないか、こういうふうに思うくらいアクション・プログラムだとかフォロー・アップするだとか、あるいは何ですか、ほかにもあったな、レビュー、レビューなんて我々はダンスかと思ったら、どうもそうじゃなさそうであります。それからインポート・フェアなんて、私は大学を出ていますけれども、私で辛うじてわかるかわからないかという程度の言葉が、普通の農民の人にわかるわけがないわけでありますよね。あるいはまた、最後にいってプログレスリポートですか、こんなのは私もよくわからない、はっきり言って。 だから、皆さんわかってもちろんやっていらっしゃると思うんだけれども、皆さんみたいに立派な人ばかりじゃないわけですからね。とりわけ農民の人に、私これを持ってこの間行って農協の青年部の人たちに説明し始めたところが、本当に僕自身もこの言葉がわからなくて困ったわけですよ。だから、輸入品を使えという考えはいいけれども、言葉くらいはやっぱり日本語をちゃんと、ほかに技術的な言葉で訳せない言葉なら仕方ないけれども、そうじゃない限り今のレビューだとかプログレスリポートだとか、この辺は何とか日本語に訳すことができるんじゃないかと思うんです。それをわざと海外輸入品を使っていらっしゃる。これはどうしても納得できないわけで、今度ひとつ経済閣僚会議のときに大臣にぜひこれはおっしゃっていただきたいと思うんです。経済企画庁もけしからぬと思うんです。自分たちがわかるからといって一億二千万の国民はわかりませんよ、こんなものは。だから、そこら辺をもうちょっと考えていただきたいと思います。農業とは余り関係ない話ですけれども、ぜひともお願いしたいと思うんです。 それで長官、木材対策、林業対策というのは大体どんなことを考えておられるか、まず具体的にお示しいただきたいと思うんです。大体今もお話を聞いたところですけれども、もう一遍はっきりと言ってもらいたい。
○政府委員(田中恒寿君) 大きい三つの項目でございまして、木材需要の拡大、木材産業の体質強化、三番目が間伐、保育等の森林、林業の活性化、大きくこの三つの柱でございますけれども、これに盛り込まれる内容につきましては、現在庁を挙げて鋭意検討中でございます。 以上でございます。
○山田譲君 問題は、今さしあたり問題になっているのは合板の問題ですね。日本の合板産業というんですか、それに対してはこれからどうしようとしておられるわけですか。
○政府委員(田中恒寿君) 合板ではございますけれども、合板の関税引き下げという問題が、小幅板とか下地板とか、そういうふうな日本の製材全般の市場に関係が多いということから、合板のみならず一般製材、それがひいては林業というようなことで、いわゆる川上、川下を一貫した対策の中で考えておるわけでございます。したがいまして、木材産業の体質強化の中に合板も位置づけて考えておるということでございます。
○山田譲君 その川下から川上とかいう話は、もう何十回も聞いているからそれはそれでいいんですけれども、さしあたり合板が問題になっているんですから、合板に対してどうするかという考え方が当然あってしかるべきだと思うんですけれども、そうすると何もないわけですか。僕がどうしてそういうことを言うかというと、何か合板の問題になっているのにもかかわらず、それを川下から川上までというふうなことで全体的に薄めていってしまう。そうすると、合板は一体どうなんだということが、一番肝心なところがわからなくなっちゃうわけですよね。そこら辺どうですか。
○政府委員(田中恒寿君) そういうふうに広範に関連する問題だということで作業はいたしておるわけでございますけれども、発端と申しますか、重要性、合板にあるということは、先生おっしゃいますように当然でございます。しかし、その具体的な措置の内容にまで、いろいろ検討はいたしておりますけれども、まだ御説明できるような段階に現在ないというわけでございます。
○山田譲君 では、検討はしているということですね。そのうちに合板対策ははっきりと示されるわけですか。
○政府委員(田中恒寿君) 合板産業対策も重要な内容でございます。
○山田譲君 合板についてもうちょっとお伺いしたいんですが、合板はかなり日本からも輸出しているんじゃないですか。日本から輸出している合板の状況はどうですか。
○政府委員(田中恒寿君) 日本から輸出いたしておりますのは、北海道産の広葉樹などを上に張りました高級な合板でございまして、金額的には三千万ドルまでいかないかと思います。
○山田譲君 それはやっぱり主としてアメリカで すか、その他の国ですか。
○政府委員(田中恒寿君) アメリカが主でございます。
○山田譲君 アメリカはそれに対しては関税はどうしているんですか。
○政府委員(田中恒寿君) アメリカは、これは八%でございます。
○山田譲君 日本からも若干行っているけれども、その合板に対してはアメリカは八%の関税をかけている、こういう話ですね。質的、内容的には同じものなんですか。
○政府委員(田中恒寿君) これは大いに違っておりまして、日本から輸出しておりますのは大変高級なものでございますし、アメリカから入っておりますのは針葉樹の合板でございますので、非常に節もありますし、あるいはでこぼこもありまして、ただ非常に耐久力がございますので、見えないところへどんどん使われる可能性はあるわけでありますけれども、今のところはそういうわけで余り国内で需要されているという状態にはございません。しかし、非常に耐久力その他の点での特徴はあるものでございます。そういう点では、こちらから輸出いたしておりますものとはちょっと比較できないかと思います。
○山田譲君 そうすると、今度の合板の問題に関連して、日本から輸出している合板については全然問題にはなっていないわけですか。
○政府委員(田中恒寿君) 日本の広葉樹資源が非常に限られてございますので、たとえアメリカ側で関税を撤廃いたしましてたくさん入れると言われましても、こちらの資源事情がありましてそうはふやせない。したがいまして、向こうからの関税引き下げという提案がありましても、余り魅力がある提案ではないというような現状にございます。
○山田譲君 日本へ入ってきている合板、これはアメリカから相当来ているんですか。
○政府委員(田中恒寿君) これは量的には非常にまだ少ない状態でございます。まだ総消費量の一%にまでいかない微々たる量でございます、アメリカの分は。
○山田譲君 そうすると、今度の関税引き下げをもしアメリカが言うとおりやったとすると、相当アメリカの合板が来るということは覚悟しなきゃならないんですか。
○政府委員(田中恒寿君) これは非常に競争力を増すということと、先ほど申し上げましたように、耐久力その他でいろいろすぐれた点もございますので、国内市場に対しましてはこれは相当大きい影響を与えるようになってくると考えておりますが、なかなか計量的と申しますか、定量的に見通すことはまだ困難でございます。
○山田譲君 当然アメリカの関税を下げれば、東南アジアあたりの方から来るやつもそういう問題が起きると思うんですけれども、東南アジア方面から来ている合板の質といいますか、それに対する関税、それから東南アジアの方から今でも関税を下げてくれというふうなことを言ってきているのかどうか、そこら辺の見通しはどうですか。
○政府委員(田中恒寿君) 日本に入っております主力は、東南アジア、特にインドネシアからの製品でございまして、関税は六ミリ以下の薄いものが一番多いのでございますけれども、これが二〇%、六ミリより厚いものにつきましては一七%の関税率でございます。 しかし、インドネシアが国是といたしまして自分の国の丸太を禁輸いたしまして、それを全部合板に加工して外貨を獲得するという、これを大変大事な国の施策にいたしております。合板工場の資材もほとんどが日本から輸出してつくったものである。今のところは製品のサイズが日本と異なっておりますが、そういう状態であっても五十九年は五十八年よりも六倍も輸入がふえております。非常に何といいますか、輸出に大変な力をインドネシアは傾けております。本年に入りましてからでも、一、二月でも、ふえました昨年よりさらにテンポの速いふえ方をいたしておりますので、インドネシアの合板は大きさは別といたしますと製品は全く日本と同じでございますので、これは大変脅威的な存在だというふうに私どもは考えております。
○山田譲君 アメリカから来る合板に対しては、今一五%という話ですけれども、東南アジア、インドネシアですか、から来ているのは何%ぐらいかけておるんですか。
○政府委員(田中恒寿君) 六ミリより薄いものが二〇%で、これが主力でございます。それより厚いものが一七%でございます。これが国による差だというふうに言われまして、またそう印象づけられておりますのは大変残念なことなんでございますけれども、これは製品と用途の画然とした差、針葉樹、広葉樹という差によりまして分けられたものでありますけれども、世上には国による差別というふうなとらえられ方がしておりますので、非常に問題をまたそういうことから論ぜられる点がございます。実際は、そういう製品、質の差でございます。
○山田譲君 そうだとすると、例えばアメリカから今問題になっておるのは針葉樹のようですけれども、例えばの話、インドネシアと同じような合板がアメリカから日本へ来る場合には同じ二〇%、そういうような関税がかけられるということになるんですか。
○政府委員(田中恒寿君) これは国の差ではございませんで、広葉樹と針葉樹の差でございます。 したがいまして、もしアメリカから広葉樹が入りますと、やはりインドネシアと同じ一七、二〇というのがかかります。インドネシアからもし針葉樹が来ますと、これは一五というふうに、国の差では全くございません。
○山田譲君 ただ、圧倒的に量的に針薬樹はアメリカで広葉樹の方はインドネシア、こういうことは言えるわけだと思うんですね。 ところで、インドネシアあたりは、やっぱり関税を下げてくれという要求をしているのかどうか、また同時に、アメリカが今度下げてくれと言っているので、当然インドネシアとしてもおれの方のやつも下げてくれと、国ではないとはいうものの大半がそうだとすると、当然そういうことになると思うんだけれども、そういう要求は出てくる可能性はあるというふうに考えていますか。
○政府委員(田中恒寿君) インドネシアの関税引き下げの要求は、つとにと申しますか、ずっと前からございまして、今回アメリカとの間でこういう問題になっておりますからその関心の持ち方も大変なものがございますし、昨年の経団連の使節団が参りましたときも、大統領のお話の大半がこの関税引き下げの問題であったということで、現在持っております関心は非常に深いものがございます。それが、樹種の差ではなく国による差であるというふうなとらえ方から判断しておりますので、そういう意味での深刻さも内容となっておるわけでございます。
○山田譲君 さっき最初に大臣とお話ししました例の閣僚会議の関税引き下げの問題というのは、その東南アジア、インドネシアあたりのものも含めての話ですか。
○政府委員(田中恒寿君) これはやはり受け取られ方が国による差であるというふうな受け取られ方でありますから、これは将来にわたってはそういう点につきまして誤解を解き理解を深めるようなことにしなければならないと考えておりますし、やはり合板の問題につきましては、針葉樹、広葉樹あわせまして施策をとりまして、それに対応する体質改善を業界にとらせていく必要がある、あわせた考え方で進めております。
○山田譲君 針葉樹と広葉樹の関税の率が違うというのは、一体どういう理由なんですか。
○政府委員(田中恒寿君) 確かな年数はちょっと私申し上げられません。前はこれは同じであったわけでございますが、累次のいろいろ関税引き下げ交渉の中で、やはりできるものは幾らかでも下げて対応していきたいという検討をいたしました際に、国内への影響が比較的少ないものについてはやはり大きく下げてもいいんじゃないかというふうな内部検討があったように聞いております が、その結果、製品の質からいいまして針葉樹の方が比較的影響が少ないと当時考えられましたので、針葉樹の方を下げたというふうな経緯があったというふうに私は判断をいたしております。
○山田譲君 木材産業全般ということを言っていますけれども、そうしますと合板以外に外国から来る丸太というんですか、こういったものは相当やはりアメリカなりインドネシアから来ていますか。
○政府委員(田中恒寿君) 日本は世界一の丸太輸入国と申しますか、丸太に限って申しますと世界貿易量の五〇%近いものが入っておるわけでございますが、その中ではやはり南洋材、北米材、北洋材、これが大きな割合を占めております。 ただ、アメリカの輸出施策の中でちょっと差がございますのは、連邦有林、州有林、そういう公的な森林からの丸太輸出は禁輸になってございます。私有林からは入っておるわけでございますが、これもアメリカからは七百二十万立方という相当な量が入ってございます。 それから、インドネシアはかつては日本に対して大変多量の丸太を輸出いたしておりましたが、国内産業育成ということから丸太は完全禁輸になっておりまして、今では南方からはマレーシアが日本の丸太の有力な供給国と変わってきております。丸太は資源事情がございますので、いろいろ国の施策によりまして変転がございますけれども、トータルにおきまして、日本は丸太は関税もゼロでございますし完全に自由化しているわけでございますが、大変な輸入国となっているわけでございます。
○山田譲君 この経済対策閣僚会議の点でもう一つお伺いしたいのは、これは林野庁長官ではないと思うんですが、対策として当面の措置ということで今の合板のことが出ておりますが、③として「その他の個別品目の関税引下げに係る決定は、本年前半中に行う。」、こういう文言があるわけです。これはどなたに聞いていいか、どなたでもいいんですが、「個別品目の関税引下げに係る決定」と言っておりますけれども、その他のやつは一体何を考えているか。具体的に私が聞きたいのは、農産物はこの中に入っているか入っていないか、その点はどうですか。
○政府委員(後藤康夫君) これは農産物も工業製品も入っております。現在、我が国が非常に大幅な貿易黒字を持っておるものでございますから、この際、日本に要望しておくものはみんな要望しておけというようなことで、いろいろな要請が各国から来ておるわけでございます。この経済対策をまとめるに当たりまして、何かそういうものの品目を例示をするしないというような話もあったわけでございますが、いろいろ調整をいたしました結果、どういう範囲のどういう品目について、どういうふうなことを考えるのかというようなことにつきましては、本年前半中をめどに検討を進めるということで期限だけが決まった、こういう経過になっております。
○山田譲君 そうすると、「また、その他の」というやつのその他の中には農産物も入っていますと。さらに細かい、一体どういうものということはまだ全然わからないんですか。
○政府委員(後藤康夫君) これから検討するところでございます。
○山田譲君 これは非常に大事な問題ですから、これまたぜひ、決まってから決まったというようなことではなくて、事前にひとつ十分我々にも教えていただきたいというふうに思うんです。 ついでで恐縮ですけれども、この中で「関税の引下げ等」という(1)のところで最初に言っているところを見ますと、我が国の関税水準というものは諸外国に比べて低い状況にある、こういうことを言っていますね。これは経済局長、本当ですか。
○政府委員(後藤康夫君) 累次の多国間の貿易交渉、また近年何回かにわたりまして対外経済対策ということで、いわば一方的な関税引き下げというようなこともやってまいってきておりますので、関税水準全体としては、今おっしゃったような状態になっておるわけでございます。
○山田譲君 次に、これはぜひ大臣にお伺いしたいんですが、諮問委員会の報告ですね、この中で原則自由、例外制限ですか、という言葉がところどころ出ております。農産物が当然我々の考えとしてはこの制限の方に入っているというふうに考えるわけですけれども、これは大臣もお答えになったことが既にあるようでありますけれども、もう一遍ぜひお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(佐藤守良君) 私もそのように理解して主張しております。
○山田譲君 経済対策についてはこの辺で終わりたいと思いますけれども、非常に大事なところですから、ぜひその点で頑張っていただきたい、かように思います。 それから合板の問題も、三年後というようなことを言っているけれども、その前に、大臣が前から言っておられるように、何といっても木材産業の川下から川上までの足腰を強めていく、これがないうちにやったりしたら大変なことになるということは大臣もよくおわかりだと思いますから、ぜひその線で頑張っていただきたい、かように考えます。どうぞよろしくお願いします。 それでは、もう余り時間もないわけですが、ひとつ多少細かいことになりますけれどもお聞きしたいと思います。 金融三法全体を通じる一つの問題点として非農家、農家でない人がこれからやろうというふうな場合に、今度の制度金融の手当ては一体どういうふうにできているか、これをまずお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(後藤康夫君) これは今度の金融制度の見直しの中で特別にどうこうするということではございませんけれども、一般的に非農家の新規参入、非農業者だった方が新しく農業を始めようという場合に制度金融の手当てがどうなっているかということにつきましては、営農経験がなく新たに農業経営を営もうとする方でありましても、その方の経営計画なり資金計画なりそういうものが適切と認められ、また将来ともに農業経営を継続して営もうという意欲なり能力をお持ちの場合には、他の農業者と何ら差別することなく貸付対象にいたしておるわけでございます。 今回の公庫法の改正の中で総合資金制度の改正を予定しておりますが、この総合施設資金について申しますと、五十八年度の例でございますが、年間で二千四百件ぐらいの貸付決定を行っておりますが、そのうち、これまで農業収入がなかった方でこれから農業をやるという新規就農者の方が、数が少のうございますが、二十六件ほどございます。そのうち、非農家出身の方というのが七件ほどございます。 そういうことでございますが、ただ、非農家が農業に新しく新規参入をしようといたします場合に、土地利用型の農業でございますと、農地の権利を新たに取得をすることが多いわけでございまして、そのために農地法上の要件等を満たす必要がございます。そういう意味で、農地法上の要件を満たしませんとこの土地利用型農業については難しいということになるわけでございますが、したがいまして、金融で融資をします場合にも農地法上の要件を満たすかどうかという確認をいたすことになっておりますが、金融制度そのものとしては、今まで農業をやっておられなかった方が新しくやりたいという場合に、特に制限を金融制度の面でしているわけではございません。 先ほどの総合資金で、新規参入の方で特に非農家出身の方というのを経営部門で見ますと、施設園芸とかやはりブロイラーの方でございますが、七人おられます。そういうことで、施設型農業の場合には全く支障なく制度融資が借りられる。それから、土地利用型の場合には、どうしても農地法上の権利の取得が可能かどうかというようなことが関係をしてまいるということはあろうかと思っております。
○山田譲君 よくわかりました。 次にお伺いしたいのは、私のいるところは群馬ですけれども、あちこち農家を歩いてみまして、 農協の金が非常に金利が高いじゃないかという声を至るところで聞くわけです。いろいろ聞いてみますと、かなり資金はだぶついている、かなり多くあるにもかかわらず高い利子を払わされるのはどうも納得できない、こういう声があちこちにあるわけですけれども、お伺いしたいのは、そこで今の系統資金の関係についてはどういう状況になっているかどうか。それから、普通の金融機関に比べて利子は果たして高いのか安いのか、それに対して今後どういう対策というか考えで農協に指導しようとしておられるのか、そこら辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) 制度金融においてというのは、ちょっと御質問の趣旨がつかみかねたんでございますが、農業近代化資金で利子補給をいたします場合に、農協の基準金利と申しますか、例えば五分五厘で個人農業者にお貸しをするという場合に、利子補給の幅を幾らで見ているかということにつきましては、国と県合わせまして三%、すなわち農協の基準金利を八・五%というふうに見てやっております。 農協を初め各金融機関の貸付金利等の貸付条件でございますが、これはなかなか一律に比較することが難しゅうございます。貸付先の信用度とか調達コスト等々、貸付案件ごとに違うものでございますのでなかなか一概に比較することが難しいわけでございますが、統計等によりますと、農協の平均貸付金利が銀行等よりも相対的に高いというような数字もやはり出ております。五十八年度末現在で、農協が八・五八%、都市銀行が六・五三%、信用金庫が七・八七%というような数字があるわけでございますが、農協の場合でございますと、資金が定期性の預貯金の比率が高いというようなことから直接的な調達コストが割合高いというふうな問題がございますし、それより何よりも、貸し出しにおきまして、銀行の場合には運転資金で法人貸しが多い、農協の場合は小口で長期資金の割合が割合高くて個人が相手だというふうなことで、そういった事情もやはり考慮をして比較をする場合に考えてあげないと、ちょっと公平を失するのではないかというふうに考えております。 そういう意味で、農業協同組合の信用事業も今貸し出しの促進ということを努力しておりまして、そのために系統の統一ローンというようなことで、住宅ローンでございますとか、クローバーローンでございますとか、いろいろ全国統一のローンの開発をやっております。こういった全国統一ローンの貸付条件などを見ますと、例えば、カードローンについて申しますと、農協が基準になっておりますのが一〇・二%、銀行が一三・五%、それから教育ローンが、農協の場合は九・〇%、銀行が一〇・五%、住宅ローンはこれはもう完全に横並びでございまして、ことしの三月現在でございますが、農協も銀行も七・六二%というようなことで、個人のローンというようなことをつかまえてみますと、銀行とほぼ横並びか、むしろ種類によっては若干安いというようなことになっているわけでございます。 いずれにいたしましても、やはり協同組合、金融機関としての本旨を踏まえまして、組合農家のニーズに応じた適切な融資の種目なり金利の設定をやっていってもらう必要がある。特にこれから金融自由化というようなことを控えまして、農業協同組合も他の金融機関との関係でかなり厳しい競争条件にもいろいろ立たされてまいるわけでございますから、業務の運営、執行の面でもいろいろ合理化の努力もしながら、また他の銀行等と違いまして、個人金融機関で地域に密着した総合経営の農協であるというところのやっぱり強みを生かした、よく組合員を把握する形での信用事業の運営ということがやられませんと、なかなかこれからの厳しい状況にも私は農協の経営というのは健全に発展していくことは難しいのではないかと思っておりますので、そういう方向で農協を指導してまいりたいというふうに考えております。
○山田譲君 資金がだぶついているという話をよく聞きますけれども、その点いかがですか。
○政府委員(後藤康夫君) 確かに近年いわゆる貯貸率と申しますか、預貯金に対します貸し出しの比率が非常に低下をいたしてきております。預貯金の伸び率もかつてほどは伸びてないわけでございますが、貸し出しの方が近年の農業をめぐります非常に厳しい状況あるいは連年の災害、それからまた田植え機でありますとか、自脱コンバインでありますとか、ああいう機械投資が一巡をしたというようなこともありまして、貸し出しがやはり非常に停滞をいたしております。五十九年に、昨年豊作でございましたので若干資金需要がまた上向いているという傾向が最近見えておりますが、いずれにいたしましても、やはり資金需要に的確にこたえていくために、今やっておりますような業務運営なり融資のやり方がニーズに本当にうまくこたえてないというような面は直していかなきゃいけませんし、それから今度の御提案申し上げております法改正の中でも、そういう意味で農業近代化資金の貸付限度額を二倍にするというようなことで、近代化資金の融資をよりやりやすくするような改正も御提案を申し上げているわけでございます。
○山田譲君 確かに普通の信用金庫とか銀行なんかに比べていろんな違いがありますから一概に言えないと思いますけれども、参考までに大まかなところでいいから教えてもらいたいのは、いわゆる貯貸率ですね、これはどのくらいになっていますか。
○政府委員(後藤康夫君) 貯貸率でございますが、昭和五十五年には貯貸率が農協信用事業全体、農協の信用事業でございますが、四二・三%でございましたが、五十七年は三八・六%、五十八年は三七%というふうに低下をいたしておるという状況でございます。
○山田譲君 今言いましたように、銀行と単純比較はできないけれども、いずれにしても三〇%台というのは、これは普通の銀行じゃどうもつぶれちゃうような貯貸率だと思うんですね。だから、もったいないですから、ぜひとももっと活用するように御指導をお願いしたいと思うんです。貯金が非常に多くて借金も非常に多いということの理由はよくわからないけれども、いずれにしても、せっかく皆さんが集めた資金ですから、有効にもっともっと活用するようにしていただいていいんじゃないかというふうに思います。 時間も来ましたから最後の質問になると思いますが、資金を全国調整ということにしましたわけですね。これについて、どういう事情でそうしたか、あるいはまた、資金需要の把握をどういうふうに今後はおやりになろうとしているか。そしてまた、国への自主納付ということを言っていますけれども、自主納付というのは一体どういうことかですね。また、事務の簡素化という点で非常に心配があって、かえって複雑になってきやしないかというふうにも考えられるんだけれども、この辺のことについて一応説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(関谷俊作君) 農業改良資金についてのお尋ねと存じますが、第一の全国調整あるいは自主納付という問題につきましては、従来補助方式によりまして農業改良資金、県の特別会計で融資をしてまいったわけでございますが、実態を見ますと、やはり県によりまして資金の過不足がございまして、かなりお金を余している県がある一方で、片一方では県単による資金造成まで含めまして融資を活発にやっておられる、こういう県がございます。今回の改正では、自主納付という道を開きまして、これはあくまでも自主納付でございますので、県の資金事情あるいは今後の資金計画によりまして余っているお金を国に入れていただく。その場合に、一般会計に入りますとこれはなかなか運用が難しいものですから、国の方は特別会計にいたしまして、その特別会計で受け入れまして、そこで資金調整をしてまた貸し付けをする、こういうことで、簡単に申しますと、県も回転資金でございましたのを国の方も回転資金とする、こういうことにしたのが今回の改正の趣旨及び仕組みでございます。 それから、資金事情、資金需要の把握につきましては、従来もこれは非常に改良普及事業、御承知のように密接に運営しておりますので、その改良普及事業組織を通じます資金の需要動向の把握と、最終的には県の主務課におきまして十分当面の貸付需要を把握して、それを国の段階と調整をしながら資金の配分を図っていく、こういうようなことを考えている次第でございます。 なお、さらに貸し付けの仕組み、手続が非常に複雑化するのではないかと、こういうお尋ねでございますが、これは今回の改正によりまして改良資金の内容、多少いろいろなものが出てまいりますが、これは貸し付けを受ける方の便宜を考えまして、やはり原則として農業協同組合を窓口にする。ただ、県の事情等によりまして、農協だけでは十分対応できないという場合には、市町村など、そういう一種の公的機関を窓口にする、こういうようなことによりまして、利用者に十分この資金の趣旨も周知徹底を図り、また借り受けに際しましては非常に不便を受けることのないようなふうに指導してまいりたいと思っております。
○山田譲君 県によって非常に需要のアンバランスがあるというのは、これはどういうことですか。
○政府委員(関谷俊作君) やはりこれは補助金配分による資金造成の段階では各県の事情をよく考えて配分したのでございますけれども、それが一たん特別会計に入りまして、資金造成をしまして、それから現在までに至りますまでの間、相当期間を経ているわけでございます。そうしますと、当初造成した資金の使い方において、やはりその後の事情変化により、どうもこの資金の貸り受け需要が少し落ちてくる、こういうようなことがございますと、どうしても資金が余ってくる、こういうようなことがございます。その辺で、やはり従来の補助方式でございますと、県の特別会計に国からもお金を入れた段階から、ある程度時間がたってくるとどうしても需要とのずれが県によって出てまいる、こういうことがどうしても出てまいりまして、具体的には五十八年度末で約六十億円余りのいわゆる貸付未実行による剰余金的なものが県の特別会計全体の合計で出ておる、こういうような状況にございます。
○山田譲君 時間も来ましたから、あと一問だけ簡単に御回答いただきたいと思うのは、よく農業経営に意欲的な農業者という言葉が出てきますけれども、これが中核的な農家、こういうことだと思いますけれども、これを中心にして貸し付けをやっていくというふうなことになりますと、おとついも大分稲村委員が心配しておられましたように、いわゆる選別というふうなことになって零細の農業者がかえって借りられないというふうなことになるとこれは問題だというふうなことも言われましたけれども、私もそういう心配があるんですが、その点どうですか。
○政府委員(関谷俊作君) 農業改良資金につきましては、これは従来も、この改正後もそうでございますが、普及事業と密接な関係をとりまして、かねてから申し上げておりますようなこういう生産方式改善の導入に意欲的な農家、またそういう能力のある農家に対して貸し付けをするわけでございます。その場合に私どもは、あくまでもいわゆる貸し付けを受けるスタート台におきまして、一定の規模が小さいからとか、そういうような規模の一律的な要件を設ける考えは全くございません。専らその農家の生産方式改善に取り組む能力、意欲、そういうものを重点としまして、本当にこの資金を必要とする方に融資がされるように指導してまいりたいと思っております。
○山田譲君 あと一分ばかりありますから、最後に私の結論的に、一番最初に申し上げましたとおり、金融も結構でしょうけれども、やはり何といっても従来農林水産省が頑張ってこられたいわゆる補助金、補助制度というふうなものをどうかひとつ今後も堅持していっていただきたい。ですから、補助から融資へなんて簡単に言いましても、なかなかそんなものじゃない。しかも、現在でさえ農家はもう借金で困っているという状態のところに、これ以上融資というふうなことを、それも融資の道を片っ方で広げることもいいでしょうけれども、そのためにこっちの方が減るというふうなことのないように、ぜひ御要望申し上げまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(北修二君) 三案に対する質疑は午前はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(北修二君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、三案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○刈田貞子君 質問させていただきます。 私は、金融三法の一部を改正する法律案を審議するに先立ちまして、ただいま特別委員会をつくって審議が始まっておりますところの国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案の問題について、いささかお尋ねをしたいというふうに思います。 九十六本の法律の中で当農水委員会が十四本の関係法案を抱えているというふうに思いますけれども、私どもはこの十四本の中身を見ていろいろ申し上げたいことがありますが、それはまた特別な機会を得てさせていただくといたしまして、申し上げたいことは、私どもがこの一括法案に反対いたします理由は、行革関連特例法の一年延長の措置でございまして、二年後には利息をつけて返すといった当初の約束が不履行になっているというような点、あるいはまた高率補助の引き下げ特例は自治体の負担に非常になるものではないか、したがって賛成しかねるというような点が反対の理由でございます。 ところで、この法律案の中で見てみますと、一般財源化によって措置されるもの、あるいは交付金化するもの、あるいは高率補助率の引き下げ関係等々、整理をすればあるかというふうに思いますが、お尋ねをしたいことは、この一括法案を昨日本会議でも審議が行われたわけでありますが、各大臣がお答えになりますことは、これは六十年度限りの暫定措置であるというふうなお答えが返ってきているわけでございますけれども、農林水産委員会では、このたび六十年度でとられました措置が六十一年ではどのようになるのかを、お伺いさせていただきたいと思います。
○政府委員(田中宏尚君) 特に高率補助の引き下げ等につきましては、今年度限りの措置ということで予算編成の段階で政府としての決定がされたわけでございまして、六十一年度にどうなるかということにつきましては、これから概算要求のやり方でございますとか、そういう全体の財源状況等の推移もございますので、そういうものも見きわめながら、政府全体としての方針に従って我々も対応してまいりたいと思っておりますけれども、あくまでも一年といいますか、昭和六十年度の特例的な措置というふうに我々としては理解しておるわけでございます。
○刈田貞子君 他省庁との関係、今、国の方針というふうにおっしゃいましたけれども、その関係でこの補助金の問題について考えるというようなことはございますか、兼ね合いで。
○政府委員(田中宏尚君) 他省庁で一番大口の厚生省であるとか文部省でありますとか、こういうところが我々の補助金よりもいろんな形で今回の特例の対象になっておりますので、そういうものの推移等ももちろん関係することは十分あろうかと思っております。
○刈田貞子君 そこでお伺いをいたしますけれども、このたびこの十四本の措置について、補助と融資という今回審議いたしますところのこの金融三法との絡みで、基本的な考え方としてはどういうふうにこのことを考えればよろしいか。一括法案の中にある十四本の補助金削減あるいはカットという問題について、この補助と融資という基本的な路線の中からどういうふうに物を考えればよ ろしいかということです。
○政府委員(田中宏尚君) 今回の特例措置は、一般財源化するものでございますとか、そういう特殊といいますか、それぞれの個別的な性格に応じてとっている措置でございまして、ただいま先生からございました補助から融資へというような一般的な流れとは、今回の特例法というものは格別具体的な関係はないと思っております。
○刈田貞子君 それでは、今回のこの金融三法改正に補助から融資へという方向がどういうふうに盛り込まれていますか。
○政府委員(後藤康夫君) これは例えば今回の農業改良資金制度の内容の再編拡充というものの中に、従来補助の対象にいたしておりましたものを無利子資金の対象にするという形であらわれておるというふうに考えております。
○刈田貞子君 午前中にも補助と融資の問題というのが出ておりましたけれども、補助金と融資の問題について少しお尋ねをしてみたいというふうに思います。 最近の資料を読ませていただきますと、農林漁業投資の動向、あるいはその資金調達の推移のようなものの中で、補助金に対する依存度というのは非常に高まっているように思います。これは午前中も話が出ておりました。その資金調達部門を見てみますと、いわゆる政府資本の補助金に依存している部分が四十五年当初は二三・七%程度であったものが、これは私大変資料が古いんですけれども、五十七年になりますと四〇・三%というふうに非常に高まっている。一方で、自己資金というようなものは非常に落ちているということですね。それで補助から融資へという方向を打ち出しながら、しかしこういう現実があることをどのように考えればよろしいのでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) ただいま先生御指摘ありましたように、農業投資の資金の源泉というものをよく見てみますと、政府資本によります補助金、これの率というものは上がっておるわけでございますけれども、実は実額ではほぼ政府資本系統は横ばいでございまして、その他の自己資本でございますとか、あるいは借入金に依存する部分、これが減った結果、率としては政府資本部分がふえているという形になっているわけでございます。 その要因でございますけれども、政府資本系統に依存する割合の高い土地改良投資というものがほぼ横ばいで推移してきておるのに対しまして、自己資本や借入金によるものの割合が高い農業用建物でございますとか、あるいは機械施設、こういうものにつきましては、残念ながら昭和五十五年以降の四年連続の米の不作というようなこともございまして、農家の投資意欲というものが若干低迷したということが響きまして、自己資本でございますとか借入金で購入をし、あるいは投資しておりますシェアというものが少し減ってきているというふうに理解しておるわけでございます。
○刈田貞子君 補助金への依存度が非常に高いという現実を持ちながら、しかし融資への道を考えていくという今回の流れについて、私は素朴な疑問を持つわけでございます。要するに補助金に対する依存度があるということは、裏を返せば、日本の農業はまだそれに頼らなければ立っていけないという部分があるのではないかというふうに非常に素朴に思うわけですけれども、この点はどうなのかということをお伺いしたい。
○政府委員(田中宏尚君) 御指摘のとおり、日本の農林水産業の場合いろんな特殊条件がございまして、そういう特殊条件が続く限りは、補助金に対する依存というものは依然として続いていくし、続いていかなければならないというふうに考えております。
○刈田貞子君 それでいて、政策としては徐々に融資への道を開いていくということで、補助金の額あるいは件数というものをどんどん減らしていくことですね。
○政府委員(田中宏尚君) こういう限られた財政状況の中でございますので、必要不可欠な補助体系につきましては、これはあくまでも我々としても守っていくつもりでございますけれども、補助金の中で余り長期化いたしましてマンネリ化してきたようなものも中には一部ございますし、それからどうしても補助金ということになりますと創意工夫なり自発性というものを損なうというような点もございますので、そういうものにつきましては個々によく精査いたしまして、補助でなくても行政目的が十分に達成し得るものについては融資の活用の道も図るという、先ほど大臣からもありましたように、車の両輪として補助と融資というものを活用してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 融資制度がこれまで果たしてきた役割についてはこれから後でお伺いをするわけでございますが、それぞれの立場の評価があろうかというふうに思いますけれども、今農林漁家で非常に問題になっている負債を考えるときに、私はこれも非常に素朴な物の言い方なんですけれども、特に酪農とか、あるいは施設型農業等の方々においては大規模経営を中心に非常に負債が固定化しているという現実があろうかというふうに思います。そうした固定負債の中身を見ると、四十八年以降の借入金によるものが多いというふうに思うわけでございますが、いわゆる四十八年以降の低成長あるいは安定成長というふうに言われるものの中で、しかし一方では大型設備投資というようなことが必要に迫られ指導されてきた、いわゆる経営上そういう指導をなさってきたということになりますと、これまでありました制度金融のようなものがいわゆるこうした低成長下の農業に対して耐え得るというか、効果を上げてきたというふうには私、素朴に思えないんですけれども、その点はどういうふうに考えればよろしいのか、やっぱり補助金でしばらくは行かなければならないというふうにお思いでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) 地域によりまして、また作目なり経営部門によりまして、また階層によりまして固定化負債という問題があることは私どもも承知をいたしておりますし、それなりに畜産関係あるいは一般的に自作農維持資金というようなものでの対応も図ってまいってきているわけでございますが、今までの制度金融の運営がすべてこれは固定化負債ということになって失敗をしたものだというふうには私ども必ずしも認識をしてないわけでございまして、そういうケースもあろうかと思いますけれども、やはり過去十年、二十年の間、公庫なり、あるいは農業近代化資金が果たしてまいりました資本装備の高度化等の効果、実績、そしてまた、例えば総合施設資金の借り受け者の経営の動向というようなことを見ましても、総合施設資金を通じましてやはり経営の規模拡大と経営そのものの改善に役立っている例も非常に多いわけでございます。 なお、やはり低成長の中での金融の面での対応ということでございますが、そういった点につきましては、今回の制度改正の中でも、例えて一例を申し上げますれば、かつてのように農業投資の所得効果というようなものが短期間に一挙に期待できるというふうなことが状況として難しくなってきているというようなことから、例えば総合施設資金にいたしましても、一挙に規模拡大を図るということではなくて、ひとまずは自立経営の七割方ぐらいのところまで行く方にも借りられるようにして、いわば着実な規模拡大というふうなことを図っていく、あるいはまた、肉用牛の経営規模の拡大のための近代化資金の融資につきまして、低成長でありますとか、あるいは規模拡大に伴うリスクというようなことも考えて償還期限を延ばしますとか、個々の資金ごとに今の厳しい状況に即したやはり見直しというものを個別にやっておるつもりでございます。
○刈田貞子君 私は、融資ということは借りることで返さなければならないということになるわけでありますけれども、農家の負債というものの考え方ですが、これだけは借りても何とか返済能力があるというような安全圏みたいなものを農水省としてお考えになっているのかどうなのか。粗収入というか、粗収益に対する比率みたいなもの、 あるいは返済能力みたいなもの、どんな尺度でこういうものをはかっておられるのか。御指導がやはりなされるにはそういう物の考え方をお持ちだろうと思うんですが、そういうものの基準はどんなふうに考えておられますか。
○政府委員(後藤康夫君) これもなかなか一律には申し上げにくいわけでございまして、画一的なまた基準というようなものをつくりますと、それがまたいろいろ制約になる、あるいはまた、借入者の方のニーズにうまく合わないでそごを来すというようなことも起きかねないわけでございますけれども、今お話ございましたように、やはり融資、特にかなり大規模な施設などに投資をするというための融資の際には、事業計画、それからまた、それに必要になります資金の計画、そしてまた、その投資の結果生まれます収益からどういうふうに償還をしていく計画かというようなものをつくっていただきまして、融資機関あるいは総合施設資金のような普及なり指導と密接に結びついているものにつきましては普及組織なども入りまして、事業計画が健全なものかどうか、そしてまた、借入金が経営にとってプラスになり償還が可能かどうかということを十分審査するような仕組みなり指導を、資金の種類ごとにそれぞれやっておるわけでございます。
○刈田貞子君 先ほども補助は創意工夫を損ねるというようなお話がありましたけれども、融資ということになれば、私はやっぱりこれから一番大事なのは経営指導というようなことが大変自立営農というようなことからも大事ではないかというふうに思うんですけれども、その指導というようなものについてどのようにお考えになっていらっしゃるか。 それから、先ほど午前中の論議の中で、非農家の人たちが新規参入の形でこの資金をどう借りるかというようなお話が出ておりましたけれども、そういうものを含めて、要するに資金力のない人たちに対して、補助でなく融資という立場を考えるときにいろいろ問題があろうかというふうに思いますが、その点、二点お伺いいたします。
○政府委員(後藤康夫君) 金融が農林漁業者の自主性なり創意工夫を生かすことのできる政策手段だというこの特徴を生かして、しかも制度の目的を達成いたしますためには、まさにお尋ねにありますように、一つは、経営者の経営能力なり技術能力の向上ということを一般農政の中で図っていかなければいかぬわけでございますけれども、金融に関して申しますれば、やはり必要な資金が融資機関の的確な審査のもとに適時適切に融通をされる、そしてまた、融資後にも目的に即した適切な経営指導が行われるということが大事なわけでございまして、融資という分野、政策誘導手段に重みがかかればかかるほど、御指摘のように融資後の経営指導なり、あるいはまた事前の審査というものが重要になってくることは私どもも当然だというふうに考えております。 そのために、融資機関の職員の研修等によります審査能力の向上といったような面も含めまして、私どもまた今回の金融制度の見直しを実際に実施いたします際には、そういった指導なり審査の面での充実強化ということにつきましても意を用いていく必要があるというふうに考えております。
○刈田貞子君 大臣にお伺いいたします。 先日、私もこういう金融関係のものが現場でどんなことになっておるのか、いろいろ調査をしたくて現地をいろいろ回りました。そのときに生産者の方々から言われたことは、日本の農業に農業政策はあるというふうに思う、こう言うわけでございます。しかし、それがなかなか自分たちの経済に連動してこないんだ、この辺が非常に歯がゆい、こういう話が出ていたわけでございますが、こういうことも含めて、大臣、今後の日本の農業をどのようにお考えになられますか。
○国務大臣(佐藤守良君) 刈田先生にお答えいたします。 現在の日本の農業というのは内外ともに厳しいのは御存じのとおりでございますが、近年、食糧消費の伸び悩みとか、あるいは農産物需給の緩和等の状況のもとで、一般に価格上昇により農業所得の増を図ることは難しくなってきました。そんなことで、我が国農業の健全な発展を図り農家経済を活性化させるためには、まず一番大切なことは、やはり経営規模の拡大等による生産性の向上に努めていくことだと思っています。 そんなことで、地域の実情に応じまして、各種作目を効率よく細み合わせた複合経営の確立、あるいは消費者のニーズに対応した特産物の生産振興、付加価値を高めるための農産加工業の育成等を進めていくことが大切であり、行政としてもきめ細かい指導や支援を行ってまいりたいと考えております。
○刈田貞子君 そこで、今回審議されますこの金融三法の中のそれぞれの制度が、今まで農村あるいは日本の農業に果たしてきた役割について一つ一つ伺ってみたいと思います。 まず、農林漁業金融公庫資金から御説明いただきたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) 農林漁業金融公庫資金制度は、農林漁業者に対しまして農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通するという目的を持ちまして、昭和二十八年に、それまで特別会計で行っておりました仕事を引き継いだ形で発足をいたしました。以来、農林水産施策の展開の方向に即しまして、逐次資金の創設等、拡充、改善を図ってまいりました。土地改良、造林等の生産基盤の整備、それから土地取得等の経営構造の改善といった目的のための資金を安定的に供給をいたしまして、農林漁業の振興に大きく寄与をしてまいったというふうに考えております。 若干数字に即して申しますと、融資残高は五十八年度末で四兆八千四百億に達しておりまして、十年前に比べまして三倍強の規模という状態になっております。 農林漁業に対します各種金融機関の融資残高に占める割合という点で見ますと、農業では約二割強、林業では六割強、漁業では二割弱というような比重を占めております。また、農業投資に対します寄与という点から見ますと、土地改良、農地購入、あるいは農業用施設、機械の導入といった農業の固定資本に対します投資額、これは五十八年度中に三兆八千五百億円ございますが、制度資金は約二割の七千億円ということになっておりまして、その約六割の四千二百億円が農林公庫資金ということに相なっております。 公庫の農業関係資金の融資の中では、土地改良資金が過半を占めておりまして、次いで農地等収得資金ということになっておりまして、両方合わせて七割、こういった特に土地基盤に結びつきました、しかも長期低利を必要とする資金の分野におきまして、非常に重要な役割を果たしてまいったというふうに私ども考えております。
○刈田貞子君 近代化資金についてお伺いします。
○政府委員(後藤康夫君) 近代化資金制度は、系統資金に対しまして利子補給を行いまして、またこれに別途債務保証の制度をつけまして、資金の農業部門への還流を図りますと同時に、農業者等の資本装備の高度化なり経営の近代化に寄与しているということで、昭和三十六年に発足をいたしたものでございます。これも施策の展開に沿いまして制度の改善、拡充が累次図られてまいってきておりまして、今回の改正におきましても貸付限度額の引き上げを御提案申し上げているわけでございます。 融資実績について申しますと、五十八年の十二月末の融資残高が一兆二千九百二十八億円ということで、十二年前の二倍強になっております。制度の発足以来、五十八年度までの累積の貸付額が四兆二千六百七十億という多額に及んでいるわけでございます。 なお、近年の制度資金貸し付けに占めます割合はおおむね四〇%程度ということになっておりまして、このように農業者等が比較的容易に使いや すい身近な制度資金として、資本装備の高度化なり経営の近代化に役割を果たしてきたというふうに考えておるところでございます。
○刈田貞子君 続いて農業改良資金の御説明をお願いします。
○政府委員(関谷俊作君) 農業改良資金でございますが、これは三十一生発足当時は現在の新技術導入資金、これで発足したわけでございます。その後やはりこの資金が農業改良資金の大宗、中心を占めてまいりまして、五十八年末までに千八百九十一億円の貸し付けを行っているわけであります。内容的にはそのときに応じました一つの新しい技術導入ということを推進してまいったわけでございまして、例えば水稲を例に挙げますと、制度発足当時は御承知の保温折衷苗代、こういうものを中心としました一種の健苗育成技術の導入、この辺が中心になったわけでございますが、その後田植え、収穫、そういう面の機械化の促進という意味で生産性の向上に寄与してまいりましたし、また五十年代からさらに中苗移植栽培技術の導入、あるいは米麦作一貫栽培技術の導入、こういうような新しい技術動向に対応しました技術導入の役割を果たしてまいっております。それから、三十九年の改正によりまして、農家生活改善資金と農業後継者育成資金が設けられまして、それぞれ六百三十億円あるいは千三百六十二億円という貸し付けを行っております。 農家生活改善資金の面では、これも一つの変遷がございまして、当初は例えば太陽熱利用温水装置とか炊事場、浴場等の改善というような個別農家の生活環境の改善のためのものが多かったわけでございますが、その後、いろいろ農村集落で共同で生活環境の改善のための資金を加えるとか、さらに五十二年から高齢者活動資金、こういうものも対象に加えまして、高齢者の生きがい、社会的連帯感を持つことを助長する、そういう機能を発揮しております。 農業後継者育成につきましては、これは新しい部門経営開始資金、この辺が中心になっておりますが、これまでに十万九千人の後継者の方々に貸し付けを行いまして、これからの日本農業を支える後継者の育成確保に機能を発揮してまいった次第でございます。
○刈田貞子君 それでは個々の問題についてお伺いいたします。 今の改良資金の中の無利子資金の再編についてお伺いをするわけですが、まずこの無利子資金が四部門に選定されておりますね。この問題について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(関谷俊作君) これは従来の技術導入資金が簡単に申しますと個別技術というか、そういう技術導入でやってまいっておるわけでございます。今回、これを拡充する一 つのポイントとしまして、やはり一連の技術を組み合わせて一つの生産方式と言えるようなものを導入する必要がある部門はどういう部門かということで検討したわけでございます。畜産、果樹、野菜、養蚕、四部門につきましては、御承知のそれぞれの部門をめぐります情勢の推移等に対応いたしますと、一連の技術導入によりまして合理的な生産方式を導入しまして、それぞれの部門の当面の問題にこたえる必要がある、こういうことで、いわばそういう部門の生産の再編成なり経営体質の強化、こういうことが緊急に必要な部門であろう、こういう判断のもとに、この四つの部門を対象とすることにいたしたわけでございます。
○刈田貞子君 その四部門それぞれが、どんな需要があるというふうに見ていらっしゃいますか。
○政府委員(関谷俊作君) これは、それぞれの部門によりまして多少事情も異なるわけでございます。それで、それぞれの部門に応じまして考えますに、全体として申しますと、それぞれの地域におけるモデル的な役割が期待できるようなもの、こういうことで生産方式を考えたわけでございまして、例えば畜産振興資金で申しますと、農業者が共同して、一種の集団的な取り決めに基づきまして酪農、肉用牛生産を行う、その場合に飼料自給度の向上とか肉用牛の飼養規模の拡大それから飼養管理方法の改善、こういう面に総合的に取り組む資金ということで、五十九年度に発足しました畜産振興資金を継承発展させるということで考える必要があるというふうに判断しています。 次に果樹でございますが、これは御承知のような需給事情と、また品質に対する要求が非常に高度化しておりますので、その動向に応じました果樹の樹種の転換あるいは品質向上のための品種の転換、更新、こういうことを行うことを中心にしましてこの資金を考える必要があろうと考えております。 野菜につきましては、いろいろ気象上の原因により野菜の生育が阻害されますので、そういう生育条件を総合的に調節、管理する、こういうことをポイントにしました資金として考えています。 さらに養蚕でございますが、これは桑の栽培、主に桑園の改植による品種の導入、こういう関係の資金と、それから特に大事でございますいわゆる育蚕、蚕を飼うところの段階、収繭作業も含めましてこれを省力化する、この辺のところをポイントに置きまして、必要な資金を今後無利子資金として融資する必要があろう、こう考えた次第でございます。
○刈田貞子君 方針はよろしいんでございますけれども、どのぐらいの需要があるかということがちょっと伺いたかったわけです。というのは無利子ですよね、これは生産者にとって魅力があろうかというふうに私は思うんです。それで、その需要が殺到するということがあろうかということを思うから、どのぐらいの需要があるというふうにお考えですかと聞いておるわけでございますが、このたびの資金枠を見ますとそう多くはない。これを都道府県に全部割り当てて、そして市町村当たりそれがおりていったときに、どのぐらいの人が今回のこの無利子資金を使うことができるのか、あるいは農業の活性化に役立てることができるのかということを私は非常に疑問に思うものですから、これをお伺いしているわけでございますけれども、その点いかがでしょうか。
○政府委員(関谷俊作君) これはそれぞれの新しい部門の資金が今申し上げましたようなポイント、技術のポイントあるいは生産方式のポイントに合わせまして融資するわけでございますので、なかなか全体として何人ぐらいの方がと、こういうような見通しを立てるわけにはまいりません。したがいまして、私どもとしましては、昭和六十年度につきましては、新資金関係では四つ合わせまして百五十億円、そういう資金枠を設定しているわけでございますが、これにつきましては従来のそれぞれの経営の動向と、それから新しい資金に対応した生産方式の取り入れる需要の度合い、この辺を総括的に判断をしたような次第でございまして、もちろんこれは新資金が発足しまして、これに対応する需要の動向を十分また見きわめながら、今後とも資金計画につきましては、本当にこういう資金を必要とする方々の需要にこたえるような枠の設定をしていく必要があろう、こう考えております。
○刈田貞子君 需要の動向をつかむのは難しいというお話でございますけれども、むしろ需要の動向を正確に把握することによって、こうした大事な現場で必要とされるような資金についてはやはり枠を極力設けるべきであるというのが、私思うところでございます。 借りる側からいけば、何しろ金利の低いもの、そして無利子というようなことであれば非常にこれは助かるわけです。こういうものを借りる人について、だれが、どうやってチェックするんですか。
○政府委員(関谷俊作君) 貸し付けの決定は、これは県が貸し付けるわけでございますので、最終的な決定は県の主務課の決定になるわけでございますが、ただ従来から農業改良資金、特に技術導入資金、それから今回の生産方式改善資金も同じでございますが、これにつきましては農業改良普及事業との連携と申しますか、これを非常に重視しておりまして、これまでも貸付決定に当たりましては普及所長等の普及事業の面から見た意見、 これを尊重しまして貸し付けを行う。さらに、貸付後の営農指導についても普及事業の中で対象農家について重点的な指導を行っていく、こういうようなことで、今御質問の中にございましたような、本当に需要の動向にこたえながらこの資金の目的が達成されますように運用してまいりたいと考えております。
○刈田貞子君 それは不公平が起きるといけませんので、しっかりとその辺のところをお願いしておかなければいけないというふうに思います。 それから、本当はこの各資金について一つ一つ細かく、これは私がわからないからだろうと思うんですが、伺いたいことがたくさんあるわけですね。このたび、とにかく三資金一把からげてお伺いしなければならないというのは、私のように知りたくて仕方がない者にとっては、大変時間もございまませんし不都合であろうかというふうに思います。 これは一把からげた理由なんかも伺いたいところでございますけれども、それはやめまして、次に先ほど局長の御答弁の中に生きがい農業の話が出ていました。これは私考えておりまして、非常に大事なことだが、一体どこの資金が手だてするのかなというふうに思っていたんです。この中でそういうことが対策されているとすれば大変にありがたいことだというふうに思いますけれども、農村は高齢化が進む一方でございまして、中核農家の育成だけをしているわけにはいかないという現実がだんだん出てこようかと思います。そういう高齢者対策として、これは社会的対策ですよね。そういう問題について、この生きがい農業への手だてというのがこの資金でなされるということについては大変ありがたく思うわけですが、その点の実態等、どんなふうに把握していらっしゃいますか。
○政府委員(関谷俊作君) これは当面、先ほどお答えしましたのは、生活改善の資金の中に高齢者活動の資金がございまして、これはもちろん高齢者関係の対策につきましては、関係のそれぞれの局におきまして今お尋ねのございましたような生きがいという観点から、例えば牛を飼うとか、そういうようなそれぞれの個別の地域に即しました活動の中で生きがいを見出していただくような対策をいろいろ講じております。 この生活改善関係におきましては、この面の無利子資金という面から、高齢者の方々が生きがいを感じ、またその地域における位置づけ、自分の役割の発揮と、こういうような面に重点を置いているわけでございまして、具体的にはいろいろ、ちょっと言葉がおもしろいのでございますが、趣味と実益を兼ねたと、こういうようなことを私どもは言っておりまして、この資金の対象としまして高齢者の活動として出てきているものの例示を申し上げますと、例えば漬物づくりとか山菜加工、ジャムづくり等の農産加工、あるいは民芸品づくり、わら細工、竹細工等、あるいは花卉、花木、盆栽づくり、それからニンニク、フキ等の特産物づくり、あるいはウズラ、地鳥等の飼養、そういう小動物の飼養とか養魚、これも鯉とか金魚、ニジマス、こういうような飼養、こういうような関係につきまして設備費、器材費、資材費、教材費、こういうものを高齢者の活動資金の中で貸し付けるということで対応してまいっております。
○刈田貞子君 次に、公庫資金の方のことでお伺いいたします。 このたび、公庫資金の中で、卸売市場近代化資金の拡充について策をなされましたが、まずこのことについて御説明をお願いします。
○政府委員(塚田実君) 公庫資金法の改正の中で私ども御審議をお願いしておりますことは、地方卸売市場の仲卸業者に対する融資措置でございます。 私ども、全体の卸売市場を通じまして、中央卸売市場の方はかなり整備が進んでまいりましたけれども、確かにまだ東京とか大阪のような巨大都市における中央卸売市場の整備はかなり問題がありますが、地方卸売市場の整備は私ども今後重点的に進めなければならないというように感じておりまして、その中で仲卸業者の役割が大事でございますので、このような御提案を申し上げたわけでございます。
○刈田貞子君 そこでお伺いをするわけですが、卸売市場の役柄といいますか、そういうものをどのようにお考えになっているかお伺いしたいわけですけれども、卸売市場というのは生産現場の者にとっても、それから消費地における消費者にとっても、やっぱり生鮮品の流通対策ということについては大変重要な役を務めているであろうというふうに私は思っておりますし、近年、生産出荷の大型化、あるいはまた組織化というんでしょうか、そういうふうなもの、あるいはまた消費地における消費者意識の多様化というような変化に対応しながら、この食品市場というのも随分変遷をしているというふうに思いますけれども、今日におけるこの卸売市場の役柄、役割についてお伺いをいたします。
○政府委員(塚田実君) 確かに御指摘のように、卸売市場は生鮮食料品の流通、生産者から消費者に渡りますが、その流通の大宗を担っております。青果物及び水産物につきましては、流通量の約八五%が卸売市場を経由して流通しているわけであります。 卸売市場と申しますと中央と地方がございますが、中央卸売市場は昭和六十年、ことしの三月現在で五十六都市に九十一市場が既に開設されております。生鮮食料品の流通、消費の上に特に重要な都市や、広域にわたる生鮮食料品の流通の中核的な拠点として中央卸売市場は重要な役割を果たしているというふうに考えております。ちなみに、五十八年度の取扱金額は五兆五千億円というふうになっております。 それから、次に地方卸売市場でございますが、これは昭和五十八年の四月現在で千七百五十二市場がございます。地方卸売市場は、地域におきます生鮮食料品の流通の重要な拠点というふうになっております。五十七年度の取扱金額は中央卸売市場と大体同じでございますが、四兆九千億というふうになっております。 このように、卸売市場は多種多様な生鮮食料品を迅速に集荷したり、あるいは荷分けしたり、分荷でございますが、したり、競りを主体とした取引を通じまして生鮮食料品の円滑な流通の確保と、需給に見合いました公正な価格の形成に資するという面で重要な機能を果たしているというふうに考えます。 このような卸売市場の重要性にかんがみまして、農林水産省といたしましては、昭和四十六年に制定されました卸売市場法に基づきまして卸売市場の整備の基本方針を策定し、これに即して卸売市場施設の整備や取引の合理化などを図ってきているところでございます。
○刈田貞子君 卸売市場の重要性をおっしゃられるわけでございますが、卸売市場近代化資金の融資枠を見ますと余り伸びていないという実情があろうかと思いますが、その必要性、重要性が問われている中で、なおかつ、この資金が伸びていかない理由は何でしょうか。
○政府委員(塚田実君) 確かに御指摘のように、卸売市場近代化資金の貸付実績を見ますと、近年、貸付枠に比べまして、その消化が低いというのが実態となっております。 この原因はいろいろあろうかと思いますけれども、地方卸売市場につきましては、都道府県の卸売市場整備計画に基づきまして統合整備が進められてきているわけではございますけれども、しかし、統合整備というようなことがなかなか難しいわけであります。関係業者の御意見がいろいろ違っておりますし、そういうものを取りまとめることも時間がかかるというようなこと、それから卸売市場をつくりますと、一定の広がりの土地が必要でございますけれども、用地取得の面で地権者がかなり多くいるというようなことから、その地権者間の意見の取りまとめというのもまたなかなか問題が難しいということでございます。 そのような面で、統合整備は必ずしも十分に進 捗していないということによるものではないかというふうに考えておりますが、私ども先ほど申しましたように、この地方卸売市場につきましてもやはり統合整備を進めてその機能の強化を図る必要があると考えておりますので、卸売市場近代化資金の活用につきましてはさらに特段の指導をしてまいりたい、このように考えております。
○刈田貞子君 そういたしますと、このたびの法改正によりましてこの地方卸売市場の、今非常に統合整備が難しいというお話をなさったわけでございますが、統合整備というようなことについて効果が上がるのでしょうか。
○政府委員(塚田実君) 御指摘のように、地方卸売市場の仲卸業者というのは、やっぱりどんどん変わってまいります消費者のニーズの多様化に対応して多種多様な生鮮食料品を取り扱うということでございますが、そういう意味で、この仲卸業者の生鮮食料品の流通を確保する上での役割は重要でございます。そういう意味で、今回新たに融資対象として仲卸業者の追加をお願いしているわけでございますが、私ども仲卸業務に必要な施設整備、例えば冷蔵庫なり運搬用の機械なり、こういうものを融資対象にしまして、卸売市場の仲卸機能を強化していきたいというふうに考えております。そういう意味で、この措置を通じまして地方卸売市場全体の機能強化に役立ててまいりたいと考えております。
○刈田貞子君 昨年の春でしょうか、これは第四次ですか、第四次卸売市場整備基本方針を策定するための作業が始まったというふうに私聞いておるわけでございますが、長期的な視点に立って卸売市場をどんな形に持っていこうということでこういう委員会をおつくりになりましたか。
○政府委員(塚田実君) 御案内のように、卸売市場の整備の基本方針は、卸売市場の適正な配置の目標など卸売市場の整備を図るための基本的な事項につきましておおむね五年ごとに農林水産大臣が定めることとされております。本年は、昭和五十五年十一月に策定されました第三次の卸売市場整備基本方針の改定をする年になっております。私ども農林水産省としましては、したがいまして今度は第四次の卸売市場の整備の基本方針を策定するわけでございます。 卸売市場整備の基本方針と申しますと、整備の中身といたしましては、やはり施設の整備といういわゆるハード面もより重要というふうに考えておりますけれども、しかしながら、先ほども御指摘ありましたように、最近におきます卸売市場をめぐる環境の著しい変化、例えば情報化の進展、市場外流通の増大、そのようなことも考えますと、取引方法とか情報化の進展への対応とか、そういうソフトと申しましょうか、そういう面の取り組みも大事であるというふうに考えております。 そこで、このような見地を踏まえまして、昨年七月以降、卸売市場審議会に専門調査会を設置しまして、本年じゅうをめどに第四次の基本方針、そして目標年次は昭和七十年度でございます。一九九五年ですから二十一世紀の直前になりますが、それを目標年度とする基本方針を定めてまいりたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 そこで局長、その二十一世紀に向けての新しい市場のあり方というようなことの御審議をなさっておるわけでございますので、私も流通の問題等いろいろかかわってきた立場で少し懇ろにお伺いをしてみたいというふうに思うんでございますが、教えていただきたいと思います。 この市場については、消費地から絶えず出ているいろいろな問題がたくさんございますのは局長もよく御存じだと思いますのですが、三点ほどお伺いをしてみたいというふうに思います。 私が競り取引のことをどうかということで申し上げましたらば、そんな大正時代の古い論議はあかんというふうなことでございましたので、今その競り取引を一つ飛び越えた相対取引ですね、こういうようなものが既に諸外国では実施されているところもたくさんあるわけでございますけれども、我が国でこの卸売市場において予約相対取引のようなものが実現していく可能性というか、どんなウエートでこういうものが伸びていくというふうにお思いですか、その所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(塚田実君) 私どもの考えでは、卸売市場における取引のあり方を見ますと、確かに古い慣行でありますけれども、やはり競り取引というものが卸売市場における価格の公正を確保するというようなこと、それから迅速な集分荷というようなことで考えますと、やはり基本であろうというふうに思いますけれども、しかしながら、やはり御指摘のように取引をめぐる、あるいは市場をめぐる情勢は刻々と変わってきております。量販店の進出もそうでございます。それから市場外流通の増大ということもそうでございますが、そのようなことを私ども考えますと、やはり予約相対取引というようなことで長期的に安定的な取引体制を確保するということも大事であろうということから、私どもは予約相対取引を競りとともに制度化しておりますが、この取引は一定数量を安定的に仕入れる大口需要者、量販店等の需要に合致する取引方法でありますけれども、価格が変動しやすいとか、生鮮食料品について事前に価格を設定することに伴う価格変動にリスクがございます。そういうリスクの負担をだれがどのようにとるのかというようなこと、そういうことがございまして、予約相対取引は私どもの考えでは必ずしも十分に活用されていない、ウエートがかなり低い実態にございます。 しかし、小売形態の先ほど申しましたこの変革というのは、これからもどんどん進んでいくわけでございますから、私どもといたしましては、その予約相対取引の活用が低いからといってこれを否定するのではなくて、長期的に見て安定的な取引がどんどんこれから拡大されることが望ましいわけですから、従来のやり方、価格の設定の方法なり取引の期間なり、開設者に対します証人申請の期限とか、いろいろ私ども一つの規制を設けておりますが、そういうことを弾力的にする必要があるのではないかというふうに考えておりまして、これもまた審議会で御審議をいただかなければいけないわけでございますけれども、やはり取引形態の変革というのはこれから二十一世紀に向かってますます動きましょうから、それと合った取引方法を何とか開発していきたいというふうに考えているわけでございます。
○刈田貞子君 局長の今のお話、私も大変賛成なんでございますけれども、私も市場外流通とか、あるいはまた産地直結取引というようなものは卸売市場取引に対してある種のインパクトを与えるというふうに思っております。ですから、やっぱりこうした種類のものについては、現時点である種の位置づけをしていってよろしいのではないかというふうに考えているものでございますけれども、今おっしゃられたように、経営上の問題とか、あるいは取引上の問題とか、あるいはまた物流の関係の問題とかいろいろあって、確かに難しいことは難しいんですが、この市場外流通、そして産地直結取引というようなものを、現時点での卸売市場取引にどんなふうに位置づけて考えてみたらよろしいでしょうか。
○政府委員(塚田実君) 市場外流通、それからただいま御指摘がありました産直、このような取引が行われている品目を卸売市場の中で多少卸売市場の立場から見てみますと、やはり企画性があり貯蔵性があって定型的な取引が可能な特定の品目なり、あるいは鮮度の高いもの、それから低農薬、まあ健康野菜とか、そういうようなものは卸売市場では通常取引されにくいものですから、こういうものについていわゆる市場外流通なり産直が行われているというふうに考えております。しかし、これらについてはやはり問題点もありまして、品ぞろえなり値決めなり集分荷等の面から見まして、かえって産直なり市場外流通をやるとコストが高くなるとか、そういう場合も少なくないのが現実だろうと思います。このために生鮮食料品等の流通につきましては、生産者なり消費者双方が納得いく価格の形成それから迅速確実な集分 荷それから品ぞろえ等の機能の発揮という点から、卸売市場を経由する流通というのが大宗を占めているのもそれなりの理由があろうかと思います。 しかし、やはり消費者ニーズの変化というようなことを踏まえたからこそ、市場外流通なり産直が増大してきているわけでありまして、私どもはこうした市場外流通や産直を、卸売市場を経由する流通を補完するものとして位置づけております。そして、それを評価して、それらに必要な施設の整備については農協なり生協なり、そういうものに対して現に助成を行ってきておりますけれども、このような姿勢で今後とも臨んでいきたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 それから、卸売市場の話が出るとき必ずと言っていいほど出るのが例の転送の問題でございますけれども、これについては本当に古くて新しい話と言いたいところなんですが、そのほかにぐるっと回って地元へ帰ってくる輸送の仕方を何と言うのかと昨日ちょっと消費者団体に尋ねましたら、Uターン輸送と言うのだということですが、転送及びUターン輸送、こういうようなものが今まだあるということで、私は転送等についてはある種の必要悪というようなものを感じておりまして、これを一概に責めるわけにはまいらない部分のものがあることを知っておりますけれども、消費者の間からはやっぱり転送はあかぬ、コスト高に必ずつながっておるということで話が出るわけでございますね。 この点についてのお伺いをするわけですが、二、三年前、業種別懇談会で千葉県の小売及び卸の人たちと生産者が入って話し合いをしたときに、千葉県の青物が出荷したはずのが、黙ってまた次の日の夕方ぐらいに手元に戻ってきているのがあるということで非常にこれを憤慨しておりまして、私どもは業者の方々に注文をつけるつもりで業種別懇談会を開いたのが、逆に業者から頼まれて、消費者の方からこのUターン輸送をやめてくれという運動を起こしてくれというようなそういう話が出てきまして、逆に頼み込まれた記憶があるわけでございますけれども、この卸売市場で転送あるいはUターン輸送というような問題を解決していくことができるのかできないのか、これはどうでしょうか。
○政府委員(塚田実君) 御指摘の点はなかなか難しい問題でございますが、生鮮食料品についていわゆる転送は確かにございます。数字的に申しますと、昭和五十八年では数量ベースで野菜は七%、果実の場合は八%というふうになっております。 それで、転送についていろいろ考える場合にまず考えなきゃいけないのは、集荷能力の高い大都市の市場がそばにある一方で、資力なり信用力の点で制約がありまして産地から直接集荷することが難しい小規模な地方市場というのも一方にあるということから生じてきていることも考えられます。また転送について、これも御案内のように、産地の大型化がどんどん進んでいきますと、その中で産地から大きなロット、大きな荷口で一たん大規模市場に出荷しまして、それから小規模の市場へ分荷、もとへ戻していく、こういうことが行われておりますが、一面、これはすべてではございませんけれども、経済的な理由もあるというふうにも思いますけれども、要するに小規模にロットを分けていくこと自体がコストがかかるわけですから、そういう意味で一面評価できる面もないわけでございません。しかし、転送をやりますと問題もありまして、品質が落ちるというような問題も確かにあります。そこで、小規模市場の集荷能力を向上させるということが、そういう意味では私もまず第一に必要だろうというふうに思います。 そこで、やはりこのように考えていきますと、原点に戻るわけではございませんけれども、千七百五十二ある先ほど申しました地方卸売市場の整備等も、それもなかなか難しい面もありますけれども、やはりこれを着実に進めていくことが、問題の解決に近づく一歩であろうというふうにも思っております。
○刈田貞子君 よくわかりました。 私がここのところを極めて細かくお伺いいたしましたのは、これからの農業というのは、生産面だけの政策ではなくて、こうした流通面の政策にも力を入れていかなければ、やはり農業の活性化には結びついていかないであろうということを考えておりますものですから、こういう部分についてお伺いをしたわけでございます。よろしくお願いいたします。 それから、同じ公庫資金の中で、新規用途事業等の資金についての問題についてお伺いいたしますが、このたび新規用途事業に新たに資金を割り当てた、拡充したということについての意味を、まずお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(塚田実君) 御案内のように、近年の農林水産物の需要の動向を見てみますと、全体としては伸び悩んでいるんですけれども、食生活の変化を反映しまして、加工食品なり外食向けの需要が増大しているわけでございます。 この資金は、こうした加工需要、外食向け需要の増大という動向を踏まえまして、その中でも国産の農林水産物、我が国で生産されます農林水産物の需要の増進を図りたいと考えて、そういうことから、需要の増進を図るにはどうしたらいいかということで、特に新規用途の開発なり加工原材料用の新品種の育成ということが大事でございますので、これを推進しようとしたわけであります。 本資金は、そこで特に過剰基調にあることなどのため需要の増進を図ることが特に必要であると認められる農林水産物を原材料として使用する加工業者に対しまして、新規用途の開発等に必要な施設の取得等に必要な長期かつ低利の資金を融通するものでありまして、対象の農林水産物といたしましては、特に農産物については米なりミカンなり生乳といった過剰基調にあるものを対象としてまいりたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 今の話にもありましたけれども、加工原材料用の新品種を使用する製造加工業者も本資金の貸付対象となるというようなことですね。この加工製造業者のことについては、先回も同僚委員の方から話が出ておりましたけれども、これは例えばどういう製造業者のことですか。
○政府委員(塚田実君) 私ども、融資貸付対象者といたしましては加工業者を考えておるわけでございますが、この資金としては農業者でも、あるいは農協でも借り受けることができるわけでございますけれども、ただその場合は、農業者なり農協の場合は、農業近代化資金等もっと有利な資金がございますので、それを使っていただくことになるでありましょうから、結果的には私どもの資金は民間の企業によって利用されるというふうに考えております。
○刈田貞子君 そうしますと、中小企業庁が所管しているところの中小企業金融公庫資金というのがありますね。あれとの兼ね合いでどんなふうになるのかということと、素朴に言って、民間企業の方々が使う費用を農林水産の予算に盛り込んであるような感じがするんですけれども、どうですか。
○政府委員(塚田実君) その点、私ども理解できないわけじゃないんですが、ただ、私どもの資金のねらいといいますのは、国産の農林水産物について、その新規用途開発を通じまして需要を増進していこうというのが基本的なねらいでございます。中小企業の金融の場合は、ただ単に中小企業の振興ということでございます。ですから、いわゆる中小企業金融公庫資金とは趣旨が異なっておりまして、それで、例えば貸付条件を見ましても、中小公庫の場合は一般貸し付けが七・七%であります。私どもの新規用途開発資金は開発段階七・一でございますが、そのようにして趣旨は私ども根本的に違っているのではないかというふうに考えております。
○刈田貞子君 そこで、国産農産物をより多く使う道を開くためにと、こういうことでお話があったわけでございますけれども、この国産農産物の 加工利用の問題については私も前々からいろいろ機会があるごとに関心を持ってまいったわけでございます。これも先日お話し合いをした中でいただいた資料なんですけれども、バレイショによる食品加工ですが、私はいただいた数字で計算をしてみましたらば、五十八年度のベースで見てみると、国産品が七に対して輸入品一ぐらいの割合で、やっぱり外国のバレイショ、これは冷凍バレイショ、マッシュポテトあるいは芋の粉というような形で入ってきておりますね。それを総量で換算すると五十八年度は約六万、五万七千六百五トンですか、そういう形ですけれども、これを国内の総量と比較してみますと、やっぱり七対一ぐらいの割合で外国の素材を使っているわけですね。私、これは、輸入問題が大合唱されている中で、大変恐縮ではありますけれども、やっぱり北海道のバレイショの加工領域が狭まっているのではないかなというふうに思っているんですね。 むしろ私は、この種のものは何か政策的にマッシュポテトあるいはバレイショの粉が輸入されているように思われて仕方がないわけですよ。最近スーパーなんかを見ますと、子供のお菓子のコーナーのほかにスナックコーナーというのが必ずあるわけでございまして、お菓子ではないんですね、スナック風菓子なんですね。そのスナック風菓子のコーナーにはあらゆる形のスナック菓子がありまして、ポテトチップス類を中心としたこれが一つの大きなコーナーをつくるようになってしまった。私は、「アイダホのポテトが東鳩のポテコになった」というコマーシャルがかつてありましたけれども、子供はあのコマーシャルを聞いてそれでスナック菓子が好きになっていくんだというふうに私たちはずっと言ってきたわけです。そうしたら業界の方では、子供さんが好きだからスナック風菓子、ポテトチップス類をたくさんつくるんですよと、こういう話が出て、いつも水かけ論ではございますけれども、こうした芋の粉がアメリカ、カナダから一番多く輸入されております。 これをやっぱりとらなければならない国際的事情があって、これを消化しなければならないから、だからスナック風菓子ができ、成形分のポテトチップスがたくさん出てきたというふうに思ってみたりもするんですけれども、こういう事情が実はバレイショの問題だけではなくてたくさんあるわけで、私はきょう申し上げませんけれども、スイートコーンなんかも数量を見てびっくり、がっくりするほどの数字を持っております。きょう、ここのところで、加工用のための新規用途開発のために資金を充ててくださるというようなことは、もちろんそういうことを考えられて国産の農林水産物を多く使っていこうということが大きなねらいであることはわかりますけれども、こうした現状に歯どめをかけるような事柄にはつながらないのではないかというふうに思うのですが、その辺の御所見はいかがですか。
○政府委員(塚田実君) 確かに御指摘のように、バレイショだけではありませんが、バレイショに即して申しましても、私ども今大きな課題の一つは、国産の芋でん粉を完全消化するという意味のためにも、やはりバレイショの加工利用を高めていくということが必要だと思うわけであります。そういう意味で、確かに輸入もされております。それにはそれなりの理由もありまして、いわゆる国産のバレイショが加工になかなか向かないという、大きさなり形なり、そういう面もあるようでございます。ですから、そういうように現在の芋でも、うまく新しい加工技術ができれば長いポテトチップもできるかもしれませんし、あるいは新品種を開発すれば外国のものとうまくいくようになるかもしれません。そのような気持ちも踏まえてこのような資金を、バレイショだけではありませんけれども、考えてきているわけであります。 例えばお米についていえば、アルファ米というのが今開発されつつあります。お米にあるベータでん粉をアルファでん粉に変えますと、熱湯を注いだだけで御飯が食べられるようでございますが、そういうような需要もどんどん出てきておりますので、そういう新規用途を開発して、過剰基調にある国産の農林水産物需要増進の一助にしたいというふうに考えておるところでございます。
○刈田貞子君 時間がなくなってきましたので、持ってきたものをあと最後の時間の中でお伺いしてみたいと思いますが、一つは、今回の法改正の恐らく伏線になっているであろうと思われる金融の自由化の問題との絡みでございます。私、日本の金融市場というのは、既成金利体系の中で守られてきて安定的であったというものがあるわけですけれども、金融の自由化という時代を迎えて各種の金融機関の垣根がだんだん低くなってくる。そして、各金融機関の間における競争というものも非常に激しさを増してくるということが予測され、現にそういう現象も起きてきているわけでございますが、こうした実情に対して農業金融というものがどのように対応していくのか、あるいはこうした動きが農業金融に与える影響のようなものについてお伺いします。
○政府委員(後藤康夫君) 金融の自由化と申しますのは、大きく分けまして金利の自由化と金融業務の自由化と、二つの面があるわけでございますけれども、昨年、この金融の自由化につきましての方針が打ち出されまして、現在そういう方向に各般にわたりまして状況が推移をしていると、こういう状況にあるわけでございます。 農協系統信用事業にとってみますと、やはり一つは金融自由化、中でも預金金利の自由化、これは大口からだんだん小口へということで、漸進的にということではございますが、これが小口まで及んでまいりますと、調達コストのアップあるいはまた、利ざやの縮小というようなことを通じまして金融機関に影響を及ぼしてくる。特に系統金融事業におきましては小口預金が中心でございますけれども、おいおい小口預金まで金利が自由化されてまいりますと、現在総合農協でいろいろな事業をやっておりますが、何と申しましても、その収益構造を見ますと、信用事業なり、あるいは農協が行っております共済事業といったような部門に非常に大きく依存しておりますので、金融の自由化が農協の経営基盤を脅かしてくる可能性があるということで、私どももこの問題、大きな問題として受けとめているわけでございます。 農林水産省といたしましては、この系統信用事業が金融の自由化に円滑に対応して今後も健全な事業展開が図られますように、実は昨年の夏から行政関係団体の実務者レベルによりまして検討会を設置いたしまして、金融の自由化と今後の経営環境の変化に即した系統農協の取り組み方につきまして調査検討を進めております。また、この問題は信用事業だけではございませんで、農協全体の事業運営にもいろいろ響いてまいるものでございます。三年に一度全国の農協が農協大会という形で集まりまして、その後の三年間の農協の運動なり事業運営の基本方向について方針を議論をし打ち出すということをやっておるわけでございますが、ことしの十月がその農協大会にも当たるということで、系統の内部におきましても今この問題についていろいろ議論が行われております。そういうものと私どもと一緒になりながら、適切な対応をしてまいりたいというふうに思っております。 基本的には、一つは、やはり他の金融機関に劣らないような金融機能というものを身につけていく。そういう意味では、やはり新商品の開発一つにしましても、機械化というようなものと密接に結びついている面がございますので、そういったことへの対応、あるいはまた、昨年の八月に全国銀行内国為替制度に加入をいたしましたが、こういうことによりまして振替とか振り込みというようなものにも広く対応できるようになってきております。しかし、それだけではなくて、やはり系統農協の特質を生かした今後の事業展開ということを考えていかなければいけないわけでございまして、この点になりますと、本当に今後の農協の事業全体のあり方をどうするかという点にも関連をしてくる問題だというふうに思っております。
○刈田貞子君 私も私なりに考えたのは、農家所 得を分析してみると、いわゆる農外所得が占める比率というのが非常に高くなってきておりますね。これが要するに、かつてのようにストレートに所得が農協に入ってこないという事情に、まことに顕著につながろうかというふうに思うわけでございますね。銀行預金とか生保とか郵貯とかいうようなものを、農家自身が選べるようにもなってきた。あるいはまた、兼業農家では、給与がじかにそういう市中銀行等に振り込まれてしまうというような現実があるわけですね。それからまた、郵貯等に関しては税制上の有利な面なんかもありまして、これは私はよほどしっかりした御指導をいただかないと、非常にこの農協系統信用事業というのは、これからこうした自由化の波にさらされていくのではなかろうかというふうに思うわけでございますが、こういう現実についてはいかがでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) ただいま申し上げましたようなことでございまして、一つは、他の金融機関に劣らないような金融機能を身につけるということで、既に振替とか振り込みというようなことにつきましては、東京の例えば虎ノ門の銀行から全国ほとんどの農協に振り込みとかというものもできるような状態になっております。ただ、それだけではなくて、やはりほかの機関にまさる特色なり機能というようなものを、何と申しますか地域に根差した協同組合組織、しかもそれが総合経営をやっているという特色、そしてまた、それが全国の系統機関という組織を持っているということを生かした対応の仕方。そしてまた、その中で組合員農家の方々に対します相談なり指導機能というものも強化をしていくという形で、必ずしも銀行の後追いというふうなことだけではない、独自性のあるやっぱり知恵を出していかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。
○刈田貞子君 それから近代化資金の貸付対象の追加として、政令改正で農業用の生産情報処理機具あるいは管理情報処理機具あるいは情報処理施設、通信施設というようなものに対して今度新たに枠を拡大したというようなことがあるわけでございますけれども、近時の農業、農村における近代化と情報収集というようなことについての御見解をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(田中宏尚君) 最近の情報処理技術でございますとか、あるいは電気通信技術、こういうものの発達というものは非常に目覚ましいものがあるわけでございまして、農村なり農業でもこういう面での活用というものが徐々に進んできているわけでございます。 例えば、パーソナルコンピューター等も農家段階にかなり入っておるようでございますけれども、土壌診断に使いますとか、あるいは乳牛のいろんな検定に使い、そういうことを通じまして効率的な飼料給与体系を確立するというようなことが行われてきておりますし、それからさらに施設園芸等でいろんな制御のためにコンピューターが使われるというような形もあるわけでございます。こういう動きは今後ますます強くなってくると思っておりますので、農林水産省といたしましても、こういう情報処理機器というものがスムーズに入っていきまして、しかも過剰にならない、むだにならないという形で入っていきますように、いろんな情報システムの開発整備でございますとか、あるいは電算機の高度利用のための研究プログラムの作成というようなことにつきまして、地道な研究なり指導というものを行ってまいりたいと思っておるわけでございます。
○刈田貞子君 それから、これは先ほど午前中、山田委員の方からも出ておりましたのですけれども、手続上の問題の簡素化ということ。地域農業総合整備資金等で近代化あるいは公庫資金等三資金を編成し直したというようなことの中で、手続の簡素化とか、あるいは融資の迅速化のようなことが配慮されているかどうか。これは過日やはり地域を回りましたときに、非常に煩瑣な手続が苦になるというのは担当窓口、所管の窓口の人たちも言っているわけですね、当該農家の方たちばかりでなく。こういう問題を、このたびどのように御配慮なさったかというようなこと。それから手続はとったがなかなかお金がもらえないというような問題について、どのような改善策がとられておりますか。
○政府委員(井上喜一君) 地域農業総合整備資金でございますけれども、今御案内のようなこれまでの三資金を統合いたしまして造成する資金でございますけれども、この資金の借入手続につきましては、ただいま御指摘の簡素化、迅速化ということを念頭に置きまして、我々としても対応してまいる考えでございます。 具体的には、貸し出しの窓口でございますけれども、農業近代化資金、農林漁業金融公庫資金も原則といたしまして農業協同組合から一括して貸し付けたいと考えておりますし、また農業近代化資金、農林金融公庫にどのように振り分けをしまして貸し付けを行うかというような問題もあるわけでございますが、これも市町村段階に設置をいたします融資協議会におきまして、あわせまして一括して審査を行うというようなこと。さらには、資金の借り入れの場合に、従来農業団地資金とか営農団地資金につきまして知事の承認を必要としていたわけでございますが、この新しい資金では、原則的に市町村長の認定で足りる、こういうことで極力借り入れ手続を簡素化し、また貸し出しについても迅速化をする、こうしていきたいと、このように考えるわけでございます。
○刈田貞子君 それからもう一つは、農村の都市化が進む、あるいは混在化が進むというような現状の中で、農村集落生活環境整備事業といったようなものが、要するに非農業者も受益者になってくるというような場合が農業関連投資で出てくるんじゃないかと思うのですが、こういうふうな問題についてどのように考えればよろしいのか。単なる生産段階の投資というものだけではなくて、生活環境整備に関する投資というようなものについて、制度金融は今後どういうふうに対応していくのか。
○政府委員(井上喜一君) 農村集落の排水事業につきましては補助事業の方で実施しておるものもございまして、非常に需要が強いわけでございまして、昭和六十年度におきましては、たしか対前年六〇%ぐらいの予算の増を行って対応しているわけでございますけれども、融資におきましても近代化資金等で対応できる道が開かれているわけでございます。農村地域でございますので大部分が農業者でございますけれども、こういった事業は非農家と一緒に計画をして実施をするというのが効率的でございますし、またそういう目的にも沿うものでございますので、そういう地域全体として作成いたします計画に即しまして資金の貸し付けをしていく、このようになろうかと思います。
○刈田貞子君 一度も大臣にお尋ねしていなかったので、お伺いいたします。 金融三法改正の後に新しい制度が発足いたしますと、また農村の活性化に大きな一つの要因ができるのではないかと私は期待をしているわけでございますけれども、それについてはやはり指導体制というか、むしろ助言体制と申し上げたいのですが、助言体制を強化していただきたいというふうに思いますけれども、大臣の抱負を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 刈田先生にお答えします。 御指摘のとおりでございますが、最大限努力してまいりたいと思っております。
○下田京子君 最初に、農業改良資金助成法の問題でお尋ねいたします。 今回の農業改良資金の拡充改善、このこと自体は結構なことだと思うのです。ただ、一方で農業補助金の大幅削減が実施されているということは、臨調指摘の補助から融資へというふうなことで安上がり農政を進める、これは大変問題であり許せないというふうなことだけははっきりしておきます。 具体的に質問に入りますけれども、六十年度の 農蚕園芸局関係予算の中で、特に新地域農業生産総合振興対策というのがございますね。これは臨調指摘のこともありまして、五十七年度ですか、いわゆる目玉という格好で統合メニュー化した予算の中身だと思うのです。この予算が六十年度は前年比で総額にして五十四億九千五百万円、一四・八%マイナスになっております。削減率が大変大きいわけですね。内容的に言いますと、例えば養蚕産地総合整備対策事業は三八・二%の減、果樹・花き総合振興対策事業は二二・六%減、野菜産地総合整備対策事業二〇・三%減、こういう格好で軒並み減、それが入れかわったような格好で、改良資金の部門に例えば養蚕産地総合整備対策でしたらその見合いで十五億円が新設されたというふうな感じになるんですけれども、いずれも補助から融資へという格好でこういうことになったんでしょうか。
○政府委員(関谷俊作君) これはいわゆる補助から融資への考え方でございます。これは一つの補助事業については、従来からやはり一つの補助事業としての目的を達したもの、あるいは個別経営になじみやすいもの、こういうものは逐次補助から外していくという方針がございまして、これは六十年度だけではなくて、従来から例えばトラクターとか、いろんな施設については今のような考え方で補助事業から除外をしてまいりました。具体的に六十年度につきましては、ただいま先生のお尋ねがあったような関係があるわけでございますが、これは従来から行ってまいりました、特に機械施設関係につきまして、例えば例を挙げますと、スピードスプレーヤーでございますとか、土壌消毒機でございますとか、そういうような今申し上げましたような基準で補助から除外した方がいい、こういうものはこの際整理をしていくことはやむを得ない、こういう方針で対応しまして、一方そういう状況であれば、ますます無利子資金が拡充が必要であるということで、生産方式改善資金を仕組んだ、こういうような次第でございます。 したがいまして、融資を仕組むために補助を削減したというよりは、むしろ補助を削減せねばならない、こういう事情がありましたので、これではそのままでは手落ちであるので、融資措置について拡充を図る、こういう考え方で今回の改正をお願いしているような次第でございます。
○下田京子君 補助と融資のそれぞれの持つ意味合いは別である、また関連もしているという点から見ますと、補助はやはり充実させ、なおかつ金融でも充実させていただくというのが、今の農政をめぐる事情の中で対応すべき観点ではないかということだけは指摘しておきます。 次に、改良資金の貸付枠なんですけれども、経営規模拡大資金を除いた、今度新たにできた生産方式改善資金、それから農家生活改善資金、農業後継者育成資金、総額で四百五十億円、五十九年度の場合ですと、改良資金は三百五十億円、それに畜産振興資金七十四億円を加えましても四百二十四億円、ですから資金枠としては前年比でいって二十六億円、五・八%増、こういうふうな考え方でよろしいでしょうか。
○政府委員(関谷俊作君) 予算上予定しました資金枠に即しましては、先生のお尋ねのとおりでございます。ただ、実行につきましては、必ずしも三百五十億円という枠まで実行できてないということは、今回の資金枠設定に際して考慮をしております。
○下田京子君 その実行の問題なんですけれども、弾力的な運営ということが大変大事なんではなかろうか、経営規模拡大資金十億円以外の、いわゆる改良資金で見ますと、例えば畜産振興資金の需要が一番強いということを考えても、もう既に九十億というふうになっておりますけれども、さらに需要が強いということになりますと、それを超えて、一方果樹の方が資金需要が少ないという場合も考えられますよね。国の段階でも県のレベルでも相互の融通、これは当然可能だと思うのですけれども、縦割り行政だなんということで全国枠は変えない、こういうものであってはならないと思うのですけれども、念のため伺いたい。
○政府委員(関谷俊作君) 制度上、運用上も含めまして、お尋ねございましたような畜産、果樹、野菜、養蚕についてのそれぞれの枠の間の運用上の調整、これは可能でございます。
○下田京子君 ところで、それでは生活改善資金、これは五十九年度五十億円、これが六十年度四十億円と十億円減額になっています。農業者後継資金の方も、百二十億円から百億円ということで二十億円減になっておりますね。これで資金需要がもし不足したというふうな場合に、これも相互に融通可能だと制度上思いますが、よろしいですね。
○政府委員(関谷俊作君) これも同様でございます。
○下田京子君 制度上が同様だということだけでなくて、実行もそういう格好で対応をしていくことが今後大事ではなかろうか、特に融資のあり方としてなんですが、補助も、それから融資も、農家の自主性ということがやはり事業が成功するかどうかという一つのかぎだと思うんですね。上から押しつけちゃならない、今さら言うまでもないんですけれども、この観点というのが特に大事だと思います。法律の目的の中に、この農業改良資金の場合に、農業者が、「自主的に能率的な農業技術又は合理的な生活方式を導入する」と、こう書いているというところがまた大事な点だと思うんです。そういう点から、この改良資金、あくまでも農業者の自主的な取り組みということを何よりも大事にして進められていかなければならないと思うんですけれども、この点は改正後もお変わりはないわけですね。
○政府委員(関谷俊作君) 御質問のように、法律の目的に自主的なということを特に掲げておる、大変そういう意味では特色のある法律でございます。この点につきましては、従来も留意してまいったつもりでございますが、改正後も農業者の自主性を尊重するということで運用してまいる考え方は変わりございません。
○下田京子君 そうしますと、私、具体的に聞きたいのが養蚕技術総合改善資金なんです。 先般、福島にも行ってきましたが、福島県は御承知のように養蚕の主産地でもございます。五十八年度の場合に、技術導入でも養蚕分野が第一位なんですね。後継者育成資金の部門経営開始資金でもやはり養蚕が第一位になっております。中には、木造飼育室技術導入資金というのがございまして、木材需要拡大を進める林野庁が喜ぶようなお話なんですけれども、木造の飼育室づくりを進めてもおります。これは何で対応してきたかというと、技術導入資金の中にあります地域農業技術導入資金というのがありますね、これを活用して、その地域の実情に合った新技術の導入ということで進めてきて大変喜ばれております。だから、これはぜひ残してくれという御要望がありました。 それからもう一つは、新たに取り入れられるこの養蚕技術総合改善資金というものが、桑園改良整備施設等資金の場合二つに分かれています。その場合に、品種改良と土壌改良、それから条桑刈り取り機というこの三点セットが基本で、ばら売りはというふうなお話を聞いているんですけれども、農家の自主性尊重ということを考えれば、それからもう一点、そのうち既にやられているということがあれば、こういうものに対してもばら売りは当然考えていいと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(関谷俊作君) お尋ねの第一点の地域技術導入資金でございます。これは御承知のように、県が大臣と協議して指定するということで大変幅広く活用されておりますし、その中で養蚕その他各地域の相当実態に即しました資金内容が融資されているわけでございまして、例えば一つの県で十三種類指定をと、こういうようなことできめ細かく対応していただいているような県もございます。この資金につきましては、改正後におきましても従来と同様に存置し、かつ、今申し上げましたような意味で、地域の実態に即した運用を 図ってまいりたいと考えております。 それから第二点の、今回設けます養蚕技術総合改善資金の内容の問題でございます。これにつきましては、まさにお尋ねにございましたように、桑の栽培については、桑園の改植、それから収穫作業の省力化、こういうことを含めました一連の技術導入ということで、これを一つの生産方式ということでとらえまして、それに必要な施設、事業費等について融資をするわけでございまして、この方式を設けました意味は、あくまでも一連の技術ということでございます。 ただ、お尋ねにございましたように、現実に実際の借り受け農家がこれらの資金の中、必要な対象施設の中で既に設置をしているというようなものについてまで、いわゆる過剰投資のような意味でどうしてもそういうものを一緒に入れなければだめだと、こういうようなことは適当でないと思いますので、これは実際に運営に当たります養蚕技術の指導所、そういうもの等の十分な検討を経まして、全体としましてそういう生産方式の改善が図られるならば、個々のものについては、既に必要がない、そういうものがある、こういう場合には、セットを強要する、こういうような考え方はとらないことにいたしたいと考えております。
○下田京子君 セット方式が基本だけれども、全体として、そのうち一つ既にもう対応しているということになれば、あくまでもセットでなくともいいということなんですが、私、この考え方は逆にすべきだということで、例えば育蚕総合技術改善資金というのがあるわけですけれども、この場合を例にとって、やはりこれからやる場合にも、何年かの経過の中に全体としてはこれが達成されたというふうなもので、あくまでも農家の経営実態、地域の実情、自主性という格好でやっていかないと大変だということを指摘して、改善をいただきたいわけなんです。 具体的に申し上げたいんですけれども、十箱当たりの規模でどういうようなものになるかという計算は、既に農水省はされていると思うんですよ。私が計算しましたところによれば、十箱当たりの規模、セットにしますと、その金額はざっと三百八十六万円の投資になります、一農家が十箱当たりでね。その内訳で、一つは中蚕飼育施設、これを一式入れますと約五十万円です。それから、蚕病防除施設、これが一台二十万九百円。それから移動式給桑施設であるとか、何やらかんやらずらっとこうなって、合計で三百八十六万円、こうなるんですね。これを今度の資金で七年間で償還するのだというんですが、無利子であっても、大臣も言っていますように、これは返すわけですよ、当然。そうしますと、単純に計算いたしますと、一年間四十四万円返していかなければならないんですね。一方、収入の方はどうかといいますと、十箱で収繭量平均三百三十キログラムとして、繭価キログラム当たり千七百五十五円、こうやりますと、粗収入で五十八万円にしかなりませんよね。五十八万円から償還分四十四万円差し引いたら、残りは十四万円でしょう。そこから諸経費を引いて、一体やっていけるかということなんです。これは当然考えなきゃならないと思うんですよ。ですから、機械的なセット導入ということになっちゃいかぬというふうに思いますし、徐々に整備していく、まさに自主的に進めていくべきだと、こう思います。
○政府委員(関谷俊作君) 大変詳しい経営の試算についてお尋ねございまして、私どもも、もちろんこの資金を設けます以上、こういう資金で一つの施設導入をした場合にどういうような所得増があり、それによって償還可能かどうかということの試算等も鋭意やっておりまして、これにつきましては非常に議論が具体的になりますけれども、今お尋ねのございましたような施設全体を入れますと、これは一連のセットでやはり三百八十何万円とお話ございましたが、桑の栽培の面は大体二百万円ぐらい、それから育蚕の方はやはり三百七、八十万円ぐらい、こういうことになるわけでございます。両方入れますと、これで合計で六百万円ぐらいの導入になりまして、その年間償還額が大体今の条件、融資率八割、それで六年償還、こういうことになりますと、八十万円見当になりますので、それも掃き立て箱数で三十箱の増加、こういうようなことを見込みまして、我々の生産合理化も入れました諸元を入れますと、八十万円ぐらいのカバーをしますような増加所得は見込まれる、こういうような試算もしております。 これが少し甘いという御指摘もあるいはあろうかと思いますが、いずれにしましても、これと融資の実行との問題につきましては、この資金の趣旨があくまでも個々の施設を一つ一つ入れるという、こういう趣旨ではございませんので、あくまでも全体の技術的な相当の経営向上を図られます場合に、現実の農家の実態に即してもう既に入れておって必要がない、こういうものがありますれば、それはそれとして考慮しまして、それも含めて新しく入れるもの全体を含めて生産方式が改善される、こういう考え方に立ちまして融資を行ってまいりたいと思っております。
○下田京子君 最後にこの点で大臣に一言だけ。 足腰の強い農業、それから効率的財政の活用、それは言うまでもないんですが、今話しましたように養蚕は、前にも大変法案審議でも厳しい事情にあることを大臣も御承知だと思うんですけれども、せっかく無利子資金をつくって、借りても、本当に返していくことができないような状況にならない、そういう活用ということを十分考えた対応を考えていただきたい。一言でいいです。
○国務大臣(佐藤守良君) 下田さんにお答えします。 今、農蚕園芸局長の言ったとおりでございますが、そのようなことで大いに対応したいというふうに考えております。
○下田京子君 次に、融資といいますと、やっぱり経営問題を切り離して考えられません。今やっぱり大きな貿易摩擦の焦点になっておりますこの木材関税引き下げの問題でお尋ねしますが、大臣、前回質問したのが四月三日でした。そのとき大臣は何と言ったか、林業等の活性化対策が前提でこれが先決である、こうお述べになりました。しかし、去る九日発表されました経済対策閣僚会議の発表文書によりますと、森林、林業及び木材産業の活力を回復させるため所要の措置を特に講じ、その推移を見つつ、おおむね三年目から合板等の関税の引き下げを行うべく前向きに取り組むと書いてあるわけですね。ですから、林業の活性化、これが先決というふうには書いてないわけです。大変あいまいになっております。だから、大臣にはっきりとお答えいただきたいのは、「進捗状況を見つつ」ということは、逆に言えば、活性化されない場合、関税の引き下げはないというふうに受けとめてよろしいですか。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。 これはまさしく書いてある趣旨のとおりでございまして、今回の措置は林業、木材産業の深刻な不振の中で、森林、林業及び木材産業の活力を回復させるため、木材需要の拡大、木材産業の体質強化、間伐、保育等、森林、林業の活性化等を中心に、財政、金融その他所要の措置を当面五カ年にわたり特に講じようとするものである、関税問題につきましてはおおむね三年目から関税引き下げを行うべく前向きに取り組むこととしておりますと、こういうことでございまして、国内対策の進捗状況を見つつ行うこととしている、このとおり文章を御理解願うとありがたいと思います。
○下田京子君 だから、あいまいなので、進捗状況を見つつ、とても活性化できなかったらこれはだめよというふうに受けとめていいかと私は聞いたわけですね。大臣、最初この木材関税引き下げ問題が焦点になってきたとき、一切応じられない、こう言われていましたよ。その後、林業活性化がまず先決なんだというふうに一歩後退しました。今回の閣僚会議の発表だと活性化対策の進捗状況を見つつと、さらに二歩後退しているんです。三年目から関税引き下げに取り組むというのは、これは前向きに取り組むと、こうなっているんですよ。ですから、六十二年四月からもう関税引き下げを実施する、これが大前提になってい て、活性化対策は講ずるといっても、活性化対策によって活性化されるかどうかではなくて、活性化しているからだから関税引き下げたというふうなことになるんではないかと皆さん心配しているわけです。 といいますのは、実際に活性化対策の今言った三つの分野での金融、財政その他の措置をとるよといっても、六十年と六十一年ともう二年間しかないわけでしょう。三年目というのはもう目の前なんですから、だからことしの予算はもう決まっています。予備費で別枠でということを含めても、来年と二年ぐらいしかないんです、実際に。ですから、今の木材や森林の状況がたった二年で活性化できるなんて思っていませんよ。そういうことで、私たちは今までも市場開放のことでいつも問題になりますと、歴代農水大臣、最近では田澤さんも金子さんも山村農相も、みんな問題が出てきますと、自由化もできない、枠の拡大もやりませんよ、こう言っているんです。それが現在はと、こうなって、だんだん結果としては応じていった。佐藤農相、あなたもですかということで、みんなが見ているわけなんで、大変これは問題だということ。 私は、本来的には林業の活性化というのは関税引き下げと無関係で対応しなきゃならないことだと思うんですよ。しかし、大臣が本気になって農林水産関係の予算と別枠でこの活性化のために対応するんだと、こうお述べになっています。それはそれで重要でございますから、その問題でお尋ねしたいわけですけれども、活性化の最大のポイントは何かといったら、やはり木材の需要拡大だと思います。その点でも、先般福島の森林組合連合会や木材協同組合の幹部の皆さんも申されておりました。ところが、この需要拡大というのは、言うは簡単だけれどなかなか大変なんですね。特に今日の需要減が、長引く不況とそれから土地の高値安定、そして持ち家対策というのがますますもうおくれていって庶民にとっては高ねの花、こういうことで住宅建設が落ち込んでいるわけですから、経済的な不況というそういう重大な構造になっているわけです。ですから、林業白書の中でも「新設住宅需要の大幅な増加は期待し難い」、こういうことまで言っているわけですね。そんな中でやろうということですから、特別講じないといけません。従来どおり民間活力ということだけではなくて、一戸建ての公営住宅建設だとか、国がやれるところから、もちろん国産材を活用してやっていくという、そういう具体策をとるべきだと思うんです。どうでしょう。
○政府委員(田中恒寿君) 先生お話しございましたように、だんだん木材はこれまで占めておりました地歩が失われておりますので、ことでひとつ十分腹を据えまして需要拡大に取り組んでいかなければならない。木材の持つ本当の本質的なよさ、本来的なよさは国民の皆さんもよく御存じでありますので、その啓発普及に努めながら、まず先生お話しございましたように、公共施設とか補助事業等の施設に木造を推進する。これにつきましては、公営住宅なども逐年木造住宅がふえております。それから、もちろん各省の補助事業におきます施設につきましても木造を拡大してもらうように、これは先日、政務次官会議におきましても全省庁の政務次官に農林水産省の次官の方からお願いをいたしまして、いろいろ前向きの取り組みのお約束などを得ておるところでございます。 それから、もちろん今後は内装材へ木材を使うことを推進するということ、それからやっぱり新製品をつくりませんと特に間伐材の販路が安定いたしませんので、薄く積み重ねる板でありますとか横に継ぎます幅継ぎ板でありますとか、これは完全にまだ市場性を持っておりませんけれども、一生懸命と申しますか、必死になってこういう需要開発にも取り組んでございますし、また民間の団体も中央レベルに需要開発の協議体をつくりましたが、これが各県レベルにも随分出てまいりました。そういうことの結果から、各県のとられております施策の中にも、木材あるいは県産材を使うことによって補助、融資を上積みをするとか、そういういろいろな各種の施策が積み重ねられるようになっているところでございます。これは大いに進めたいと思っているところでございます。
○下田京子君 私がお尋ねしましたのは、今までとっている対応、これはさらに充実させることは必要です。そうではなくて、さっき大臣がお答えになった特にという部分というのは、官僚答弁だと特にそこに重点的にという話だが、特別に予算でやるという話のところを強調されましたよね。そこが大事だということを私は指摘して、具体的にこれらがその対策の中身に入っているのかと聞いたんです。それは後で大臣にお述べいただきますが、その前に、既に今やられていることでの、文部省おいでいただいていると思うんですけれども、具体的には需要拡大の一つとして、学校建設にもっと国産材を活用するということが大変大事だと思うんです。 私は、これをなぜ文部省で取り上げるかというと、消費が落ち込んだから需要拡大にという、そういう単純なものではなくて、むしろ教育的観点から重要であるというふうに受けとめておるからなので、私が五十三年の四月に屋内体育館の床がコンクリート張りだとかトップ工法という特殊な工法をやっていて、いろいろ調べてみたら子供のひざや何かに体育の時間で支障を来しているという話もあって指摘して、現在では体育館の新築、改築等は補助申請の際ほとんど床張り、いわゆる木に変わってきているというふうに聞いておりますし、またそれらが学校の設計指針の中にも手直しし、生かされているということは聞いております。同様に、林業白書にも紹介されております静岡県の安西小学校、それから私が住んでおります福島県の郡山の安積第三小学校なんかでも、今、林野庁長官が言った、ただ内装に木材をというだけじゃなくて、もっと積極的に木材を活用しているというふうな事例が挙がっていまして、この郡山の安積第三小学校の場合ですと、五年生の一学級に地元の木材を使った木製の机及びいすを実験的に導入しているというふうな報告も聞いております。なぜこれらを導入したのかというと、一つは、温かみのある机といすを使わせたい、それからもう一つは、地元が木材の産出地であり地域の学校として地域性を反映した環境としていく上でも大変大事だということで、つまりそういう地域の中の学校という点での教育的効果という点も配慮していたと言われているんですが、文部省としてはこの辺をどういうふうに教育的にとらえられていますでしょうか。
○説明員(吉田茂君) 木材につきましては、建築材料といたしまして火災に弱いとか、あるいは腐りやすいというような面もあるわけでございますが、一方、感触のやわらかさ、あるいは何といいますか温かみ、あるいは吸湿性があるというようなすぐれた性質を一方で有しているわけでございます。 今御指摘がございましたように、学校の床だとか、これは体育館の床も含めてでございますが、あるいは壁あるいは天井、こういったところに木材が使用されるということは、教育の場においてこういったすぐれた性質を生かすことができるということで、文部省といたしましては結構なことであるというふうに考えておるわけでございます。
○下田京子君 そういう特性を持って教育的にも効果がある。ただ問題は、しかし財政的な問題だと思うんですね。文部省としては木を使った場合の単価加算等で対応しているというお話も聞いているのですけれども、その辺はどのようにされておりますか。
○説明員(吉田茂君) 今申し上げましたような観点から学校の床、壁、天井、こういったところを木仕上げでやる、木を使うということなどの特別の要因がある場合、そういった場合に、学校を建設するというような場合には予算単価のおおむね一〇%程度を限度といたしまして、そういった要因について補助単価の加算を行っているところであります。通常、木仕上げにかかる部分といたしましては、実際的には補助単価の二%前後が加算 されるという例が多いようでございます。
○下田京子君 文部省、ありがとうございます。 大臣、お聞きのとおりで、問題はやっぱり予算のことだと思うんです。さっき大臣が特別にと言ったのはそこに意味があるんだと私はそう理解しているし、絶対やりたいと、大変これは期待したいところなんですよね。特に学校における木造あるいは木材を使用したという場合には、今お話聞いていておわかりだと思うんですが、健康面、情操面、社会教育的にも大事だというふうに思います。ですから、活性化予算を特別に確保して、文部省ともきちっと、つまり文部省の今までの予算の中じゃできなくなるわけです、シーリングの網がかぶっているわけですから。そういうことを考えて、関係する大臣と協議を進めていただきたい。 これは文部省を今例にしましたが、文部省に限りません。例えば老人ホームとなったら、厚生省にもなりますでしょう。新聞等にも出ていましたけれども、地下鉄の手すりが冷たいということでアルミから木に変えたとかいろいろあるわけですから、そういうことで積極的に大臣が音頭を取って、関係大臣と協議をしてほしいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。 実は先ほどちょっと林野庁長官が申し上げましたが、そういうことで各省政務次官と今話し合っているということで、よくお願いしてございます。特に私が総合対策という中に、大きな柱が三つございます。一つは木材需要の確保、二番目が木材産業の体質強化、三番目が間伐、保育、森林、林業の活性化等を中心とするものでありますが、基本的には、実は率直に言いますと、木材が高いんです。これをどうして安くするか、そういうことを含めて特に対策を講じようと考えております。
○下田京子君 明確に答えてください。関係大臣にも積極的に働きかけてくれますね。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。 既に働きかけております。
○下田京子君 そうすると、実効あることを期待します。そして木材需要拡大が外材の輸入促進というようなことにならないように、もちろん私は国産材の復権と活性化、そのことを頭に置いて需要減退を何とかして切り開いていきたい、大臣がお考えになっていると思うのですけれども、これは確認するまでもありませんね。そうですだけで結構ですから、一言答えてください。
○政府委員(田中恒寿君) 外材の持ついろいろ流通面での優位性がありますので、それに引けをとらないような国産材の体制の整備、これをあわせて行って需要の拡大に努めたいと思っております。
○下田京子君 必ず今のように御説明がつくのですが、外材輸入をどう規制するかという気持ちがきちっとないと、なかなかできないんですね。白書でも国産材は外材や代替材との競合の中にあって従来の分野から後退した、代替材とともに外材との競合が需要減をもたらしたと、こう言っているんです。ちょっと大臣ごらんください。(ポスターを示す)これを電車のつり広告でごらんになったことはありますか。
○国務大臣(佐藤守良君) 私は、電車に乗っておりませんからわかりません。
○下田京子君 それをテレビやなんかでおやりになっているのですが、私、通産省からもらってきたのです。これをいただいてきたのは「手を結べ輸入で世界の国々と」ということでいろいろ言っていますけれども、「このために、今日ほど製品輸入の拡大が重要なときはありません。」、こういうふうに書いてあります。これを見て、大臣どう思いますか。
○国務大臣(佐藤守良君) これは、中曽根総理は日本の現在の置かれている立場を認識して、友好国との関係をどう配慮するかということで、しかも例えば日米経済問題でも三百七、八十億ドルという日本の黒字、そんなことで、その摩擦をどう解消するかというふうなことでそういうことを国民に呼びかけたと、こう思うんでございますが、ただ、我が農林水産省とすればややそれには見解を異にすると、こういうことでございます。
○下田京子君 見解を異にして私は当然だと思うんです。今こういった「製品輸入の拡大が重要なときはありません」と、この輸入製品には合板も入っているんですよ。農林水産は含んでいませんなんて括弧書きはないわけですからね。これだけじゃないんです。中曽根さんは、例えで言っただけじゃなくて、一人二万五千円、四人家族で十万円の外国製品をもっと買えもっと買えということで宣伝されまして、総理のこれは音頭でだと思うんですけれども、通産省がとられているこの対応というのはもう大したものですね。今のポスターがこれは地下鉄関係に約十万枚だそうです。それからポスター掲示、「手を結べ輸入で世界の国々と」という大型のポスターがあるそうですけれども、これが二千枚。それからデパート、スーパー、官庁に、農水省の前にも垂れ幕、これをやるんですか、百枚。それから外国、海外へのpRで英字新聞による広告、国内にあっては活字媒体だということで新聞広告全国紙五紙、ブロック紙三紙、地方紙四十紙、全部載せるそうです。五段広告ですと一紙約四百万ぐらいかかるそうですけれども、それをだあっとやるそうですよ。さらに電光掲示板にも入れるということです。テレホンサービスにも入れる。 こういう格好になってきますと、今アメリカが輸出競争力を持っているのは何かといったら、これは農林水産物しかないわけですから、輸入促進ということになりますと、もっとアメリカの農産物を買うようにという格好になるんですよ。大臣、どうですか。
○国務大臣(佐藤守良君) 今おっしゃった点につきましては、私はやっぱり総理大臣は大変だな、やっぱり日本と日本国民の将来を考えていろいろ御苦労されていると、このように理解し、その勇気に敬意を表しているわけです。 今私は、特に輸入につきましては、むしろ農林水産物じゃなくして鉱工業製品、そんなものを中心にお考えになっていると、こう思います。 それからもう一つは、今の農林水産物関係、穀物等について若干いろんなお話がございますけれども、やはり私は一番はっきりわかりやすいのは衛星とか、例えば一個二億五千万ドルぐらいですか、こういったものが一番わかりやすいと、このように思っています。
○下田京子君 私は、農水大臣として、今アメリカが競争力を持っているのは何かといったら農林水産物であるという認識を踏まえないで物を語るというのはいかがなものかという点を申し上げて、総理の勇気が一体何をもたらすものか、それに対して農林水産大臣は一体何をしているのかと、こう申し上げたいわけです。 それはどうしてかといいますと、この二十二日、来週の月曜日に産業界代表六十社を集めまして輸入拡大の協力要請をするということ、御存じでしょう。その中には、例えば乗用車メーカー、トヨタ、日産などが九社入っていますし、電子企業関係が松下、日立など十四社、さらに三菱商事、三井物産などの大手商社が九社含まれているんです。こういう大企業に対して製品輸出の見返りに輸入拡大の協力を訴えると、こう言っているんです。これは現在は原料輸入でありますけれども、農産物の製品輸入も含めてさらに農産物市場開放を一層進めていくことになると私は思います。こうした動きに大臣が手をかすんではなくて、逆にこういうメーカーに向けまして、あるいは国民に向かって、もっと国内の農産物が消費されるように、あるいは国内の農産物の自給率を向上するためにというようなことをやっていいんじゃないですか。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。 先生も御理解されながらいろいろな話をされていると思っておりますが、やはり私は日本の置かれた立場を認識した場合、一億二千万の国民を抱え、この狭い島でどうして飯を食っていくかというようなこと、そこにいろんな我が国の置かれた立場が実はあるわけであります。そんなことを配 慮しながら中曽根総理もおやりになっているわけです。私も閣僚の一員としてそのことを理解しながら、実は特に農林水産物につきましては、中曽根総理を含めて関係閣僚とも実によく理解していただいております。そんなことで、中曽根総理の言っていますそのポスター、輸入には農林産物は含まれてないと、このように考えております。 それからまた、先般、安倍外務大臣等の話を聞きましても、安倍・シュルツ会談等におきましても、今度の四月九日の経済対策につきましては非常に高く評価しておる、ただ、議会側がいろんな難色を示していると。そんなことで、やはり私はこの際ある意味においてよく言われているような衛星、たしか一個二億五千万ドルだったと思います。そんなものを買ったらどうだろうか、こんな今意見があったという段階でございます。
○下田京子君 何度もお見せしますけれども、この製品輸入の拡大のここのポスターの中には合板と農産物は入ってないと思うと、大臣がどう思おうと、実際上これは通産サイドに聞いてもそういう断定的なことは言えない、もちろんあらゆるものが入っています、こう理解していると言われておりますよ。今、通産、外務がおりませんから、聞くことはできません。しかも、大臣が、我が国の置かれた立場がどうこうということを言われました。我が国の置かれている立場は何かといったら、それはアメリカの言うがままではない、日本の国民の経済のあり方、生活のあり方、将来に対する具体的な見通し、施策、それにどう政府が責任を持つかということだと思いますよ。ですから、総理はいつアメリカのセールスマンになったんだと、こう言っていますでしょう。ああいうことを言い出した総理に対して、本当にもう怒りで胸いっぱいで眠れなかったという投書も出ていますよ。(「だれが言っているんだ、余計なことを言うな」と呼ぶ者あり)今、だれが言った、ふざけたことを言うななんて言われていますけれども、念のためにじゃ申し上げましょう。 これは日本経済新聞の四月十六日付なんです。いいですか。「「日本国民ニ告グ」。酒は飲め飲め、飲むならばアメリカ一のバーボン・ウイスキー、飲みとるほどに飲むならば、これぞまことの日本武士。」ちゅうハイでやっているなんていうのは、これはとてもじゃないけれども貧乏だ、けちくさいと。国際人になりたかったら、舶来のウイスキー、ワインを飲めと、こういうふうに日経は書いています。それから「牛肉食え食え、食うならば最高級のステーキを、財布気にせず、貯金はたいて、英語のゲップが出るまで食い尽くせ。クジラを食うのは野蛮人、牛肉食うのは文化人。牛肉食らえば知恵いきいき、力もりもり。二十一世紀にはノーベル賞学者が続出、オリンピックで金メダルが倍増すること確実と思え。」、これは日経新聞なんですよ。だれが言っていると言うから御披露しました。 そういうことで私は申し上げたいのは、国民が国産物を買おうと外国物を買おうと、本来それは国民の意思、それからなぜ貯金に回すかというと、教育や事故や老後のことや、そういうことが心配で生活を切り詰めて幾らかでも蓄えをというのが実態、そういう状況の中で、木一つをとっても、本当に国産材を愛用し、あるいは国内のものがもっともっと買えるような状況、それから第一次産業を発展させる、これはもう大事なんだということは、念のために申し上げます。 次に移ります。負債問題でございます。 今回の金融三法改正の中で大事な視点、これは低成長下と言われる今日の経済状勢のもとで、農林水産業が大変厳しい局面に立たされているという、こういう観点からの対応が大事だと思うんですね。収益性の悪化に対しては、これはもちろん価格対策であるとか需要拡大等生産対策など、総合的な対応が必要でございます。借金にしても投資ですから、返済可能にしていくという点で、金融政策上より長期のもの、そしてより低利の資金というものが求められていると思うんですけれども、これはそうですね。
○政府委員(後藤康夫君) 低成長下あるいはまた農林漁業をめぐる状況が、かつて四十年代に比べますと厳しくなってきているというようなことは確かにございます。そういうことから、例えば今回の制度見直しの中におきましても、一方では自作農維持資金の貸付限度額のアップを行うとか、あるいはまた近代化資金の中の肉用牛の経営規模を拡大いたしました場合の資金の償還期限の延長をするというような形で、償還条件の緩和を図るようなことも織り込んでおるわけでございます。
○下田京子君 長期低利の農家負債対策ということで、今お話しになりましたように、確かに自作農維持資金の経営再建整備資金がございます。問題は、全国的な枠がやっぱりまだ少ないと思うんですね。福島県の場合なんですが、再建整備資金が五十四年、これは五十一件で二億円でございましたが、年々拡大いたしまして五十八年二百四十八件、十一億円という格好で増額されてきております。枠が少ないということで、本来特認の八百五十万円も利用したいんだけれども、そうなりますと件数で減らさなきゃならないということで、一律五百万円限度いっぱい枠で対応しているんだというお話をされておりました。県独自でも福島県の場合には、中核農家経営改善資金というのを実施しておりまして、十年償還で利率三・五、個人限度が二千万円、特認については中核農家経営改善委員会が決めた額というもとで、限度額を設けないということで対応されております。 ですから、こういう県の実態なんかも、あるいは全国の状況なんかも見まして、来年度一応五十九年比で十億円ふやして枠で二百六十五億円、限度額も八百五十万円から特認で千五百万円と伸ばしているんですけれども、今後ともこの改善は大変大事だという点で、御認識をお伺いします。
○政府委員(井上喜一君) 今のお話しのとおりでございまして、経営再建整備資金につきましては資金需要に対応いたしまして年々増額をしてきているような実情でございます。昭和六十年度におきましても前年度の貸付計画枠に対しまして十億円を増額いたしまして二百六十五億円ということになっておりまして、私どもといたしましては、貸し付けの実態から申しますと大体これで需要に対応できるのではないかというふうに考えております。
○下田京子君 経営再建整備、今のあれなんですが、全国枠の中で約四割が北海道ということになっていますね。その北海道の需要の現実なんですけれども、五十七年の場合には需要額の方が実は百九十二億円ございました。実績はというと、九十三億円です。五十八年の場合には需要額が百六十億円ございました。実績が百四億円、こういうふうな状況であります。ですから、今後とも努力していくということなんですけれども、確認したい点は、六十年度特認が一千五百万円と拡大されましたね。これは限度既に八百五十万円借りている農家が、追加的に負債対策として経営再建のためにあと残りの六百五十万円借りるということは制度上は可能だと思うんですが、どうでしょう。
○政府委員(井上喜一君) この経営再建整備資金につきましても内容をよく御存じかと思いますけども、五年以内を目標にいたしまして農業経営の再建整備を図る、そのために必要な資金を貸し付けるものでございます。そういうことで一応五年というのがめどになっておりますので、既往の貸し付けにつきましては、その期間内に経営再建ないしはそのめどができるものと考えておりまして、したがいまして原則的には今回貸付限度額が特認の場合八百五十万円から千五百万円に引き上げられるわけでございますけれども、その引き上げられた金額をさらに追加して貸し付けるということはないのではないか、その必要はないのではないかというふうに考えております。
○下田京子君 必要があるかどうかというのは、個々の農家の経営実態を見て対応することであって、制度上可能ですねと聞いているんです。
○政府委員(井上喜一君) 制度上は、一応五年というのをめどにいたしまして再建計画のめどが立つということで貸し付けているわけでございますので、原則的には、拡大されました特認枠の追加 融資をするというのはできないのではないかと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、状況が非常に変わりまして著しいそういう環境条件といいますか、経済条件の変化があるような場合には、またそれはその時点で検討する必要があろうかと思いますけれども、原則的な考え方は、先ほど申し上げましたように、追加融資をするということはないのではないかと思います。
○下田京子君 局長がないのではないかなんて言ったら、一体だれがちゃんと答えるのですか。それはないですよ。制度上は考えてみたら、追加枠ですから全体でやれるんです。どういうふうにするかということは個々にやって考えていきたい、だから原則論と実態とでは幅があるということでお答えされていますから、そういうことで対応していただきたいと思います。 こうした経営再建整備資金の問題なんですけれど、なぜに借金がふえていったかということなんです。いろいろありますけれども、はっきり言ってわかるのは、酪農がいい例だと思いますね。ゴールなき規模拡大だという格好であれこれ言われますけれども、とにかく酪農の負債対策のための特別な資金をやってきました。効果も出てきました。私は今聞きたいのは、酪農以外でも稲作、畑作の中でもかなり深刻な負債が出てきている。畑作の農家の負債状況をつかんでいますか。
○政府委員(関谷俊作君) これは農林水産省の行っております農家経済調査の結果でございますが、昭和五十八年度北海道畑作農家、これは畑作単一経営でございますが、負債が昭和五十八年度末で千二百三十四万円ということでございまして、前年が千百六十五万円程度でございますので、若干の増加を見ておる、こういう状況でございます。
○下田京子君 全体でも若干ふえているという話がありましたけれども、今のお話で平均だけでは実態というのはつかめないと思うんですよね。具体例として十勝音更農協の場合なんですけれども、これは千三十三戸の組合員中、高額負債者ということでもって特別指導農家が三十戸あります。要指導農家が四十三戸。これらは酪農負債対策の農家は除いております。ことに資料もいただいておりますけれども、特別指導農家の場合、一戸平均の負債が四千二百五十八万円です。これは五十九年当初でですよ。その同じ五十九年の総収入は幾らかというと、二千五百五十八万円です。ところが、支出は支払い利息も含めて三百四十四万円、この支払い利子ですね、それを含めて全体で二千八百六十五万円なんです。だから差し引き残が三百七万円の赤字という格好になりまして、結局五十九年度末には負債額が百五十六万円増加したという資料であります。要指導農家の場合にはどうかというと、負債額が二百六十六万円前年比でふえている、こういう実情なんです。 ですから、私が申し上げたいのは、こういう実態を踏まえて、やはり酪農負債対策をとられたような格好でのそういうものが必要だろうということです。特にこの点で言いますと、音更の隣にあります鹿追町で、単年度収支で赤字になったということで農協に駆け込んでいったら、連帯保証人を出せと言われて、そのショックで自殺された、こういう話が出ています。ですから、酪農対策と同じように限度額なし、それで毎年度計画を見直して必要な資金を手当てしていく、もう本気になって検討していただきたいと思うんです。
○政府委員(関谷俊作君) ただいまお挙げになりましたような、地域により、また農家により大変大きな負債を持っておられる農家があるという実態については、農協系統からのいろいろな資料に即しまして私どももそういう実例については慎重にこれから検討してまいりたいと思っておりますが、当面、畑作農家につきましては、我々としましては、当面先ほど御議論になりました再建整備資金の限度引き上げで対応されるということでございますが、さらに実態に即した検討は必要であろう、こう考えておりまして、北海道庁で昭和六十年度に稲作、畑作、酪農等も含めました七千戸の農家を対象にしまして農家経営調査を実施するということで既に予算計上して取りかかるというふうに聞いております。また、北海道農協中央会でも独自に全畑作農家を対象に負債実態調査を行う、こういうことでございますので、この道庁なり中央会なり十分連絡をとりながら実態の把握に努めまして、今後とも必要な負債対策については十分検討してまいりたいと考えております。
○下田京子君 いずれにしましても、北海道も新たに調査をするし、踏まえて今の酪農のみならず稲作、畑作、すべての分野で大変な実態、それに対応した対策をとるという方向で検討ということですから、ぜひ実効あるものを期待いたします。 最後に、水産庁に漁業経営の負債問題でも詳しくお尋ねしたいと思ったんですが、時間がなくて大変恐縮ですが、まとめて二点だけお伺いいたしますので、長官よろしくお願いします。 これは農林水産省統計情報部の六十年三月に出した漁業経済調査報告書の中にも述べられておりますが、その十四ページの中で漁業種類別規模別の収支状況が出ているんですけれども、いずれも全部もう赤字、赤字なんです。しかも四年連続赤字。ただ、そういう中で、あぐり網という五十から百トンクラスのみが若干いいけれども、他はすべて赤字だ。これは福島県も同じでして、マグロはえ縄なんかも、これは二百から五百トンクラスなんですけれども、五十八年度で何と三千五百四十八万円赤字が出ていると、こういう状況であります。 ですから、第一点は、こういう危機打開策、今までも燃油資金だ何やかんやとやってきたと思うんですけれども、新たにやっぱり漁業の今の経営状況、負債状況をつぶさに調査し直していただきたい。 それから同時に、二点目には、それらの中で今まで個別緊急対策でとってきた資金対応だけでなくて、長期低利のそういった資金対策というものを考えていただきたい。 二点について。
○委員長(北修二君) 簡潔にやってください、もう時間が過ぎましたから。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 前段の話につきましては、損益の話と金繰りの話とは別個の話でございまして、融資対策というのは金繰りの面をつないでいくという効果はございますけれども、損益の話については、やはり構造的な再編成によって対処していく以外に方法がないものというふうに認識をいたしております。 それから後段の点につきましては、現在行っておりますいろいろな緊急融資制度は、それなりに借り受け者のニーズに見合った償還条件を用意しているものというふうに私どもは思っておる次第でございます。
○田渕哲也君 まず初めに、先ほどからもいろいろ議論が出ておりましたが、補助から融資への切りかえの動きというのが出てきておるわけですが、この考え方が出てきた理由、背景、意味、そういうものについて、まずお伺いをしたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) 先ほど来いろいろ御議論があるわけでございますが、補助金は対価を伴わずに対象事業の実施に対して交付されるものでございまして、一般に事業主体の自己負担、これは補助率にもよりますが、軽減の度合いが高い、そして強力な政策誘導が可能でありまして、その反面、財政負担が一般に制度融資に比べて大きいし特定年度に集中をするというようなことで、同じ事業で考えますと、この対象数が限定をされるというような面があるわけでございます。したがいまして、補助は基本的に公共性の強い分野あるいは農政の推進上重要性が高く、特に強力に推進すべき分野を対象にするということであろうかと思います。 これに対しまして、制度融資は、財政資金の低利融資あるいは民間資金貸し出しに対する利子補給というようなことで、設備投資等につきまして資金の円滑な融通を図ることによりまして、基本的には農林漁業者の自主的な意欲を尊重しながら近代化投資等を推進するということで、政策誘導 効果とか機能という点では補助金ほど強力ではない。しかし、一般的には、当面の財政負担が少ないために対象を広げ得るメリットというのが反面ございます。そういうことで、制度融資は、補助の対象になっております分野におきましての補助残融資というようなものがございますけれども、それを除きますと、個別経営の近代化のための投資と、いわば私的な資本の形成というような分野で主として使われている。 近年、補助から金融へというふうに議論が行われておりますのは、やはり一つは典型的な補助の分野、典型的な融資の分野の中間の分野につきまして、一つは財政資金の効率的な利用ということ、もう一つはそれぞれ補助、融資、メリット、デメリットがございますが、それを総合勘案した場合に、特に農業者の自主性なり創意工夫というものを生かすというふうな観点を踏まえて補助の対象分野というものを見直す、そういう中から補助から融資へという動きが出てきているというふうに考えております。
○田渕哲也君 そうしますと、今後の制度金融というものの拡充ということは非常に重要だと思いますが、その方向で当然進まれると思いますが、いかがですか。
○政府委員(後藤康夫君) そのときどきの状況に応じまして補助と金融、融資との分担関係というものは見直してまいらなければいかぬ問題だと思っております。従来からも既に何回かにわたってそういう見直しが行われておりまして、その方向としては、補助から融資へということで進んでまいっておるわけでございます。
○田渕哲也君 この制度金融として農林漁業金融公庫、これは昭和二十八年に制度化されたわけであります。それからさらに農地改良資金、これが三十一年、農業近代化資金の創設が三十六年、それぞれできてから大体二十五年ないし三十年余りたっておるわけでありますけれども、この三つの制度の役割と位置づけはどうなっておりますか。
○政府委員(後藤康夫君) 大変大ざっぱに、大づかみで申しますと、公庫資金の場合にはやはり非常に長期低利の資金で、しかも極めて政策色の強い分野、どちらかと申しますと生産基盤というようなものにかかわる分野を融資対象にしておりまして、土地改良の関係の資金というのが最近年の貸し出しの過半を占めている。これに農地取得資金を合わせますと、七割くらいになるというようなことでございます。 それに対しまして農業近代化資金の方は、個別経営の資本装備の高度化なり経営の近代化というようなところが主たるねらいになっておりまして、運営につきましても、公庫資金に比べますと系統金融機関の融資機関としての自主性というものがより大きいといいますか、そういう運営になっておりまして、一定の政策性の範囲内で中長期の設備資金等を供給する、こういう役割分担になっておろうかと思います。 農業改良資金につきましては、地域におきますモデル的な役割が期待できるような生産方式あるいは技術等の導入につきまして、農業改良普及事業との綿密な指導と連携しながら、こちらの方は中短期で無利子で改善資金を貸し付けるというものでございまして、いわば補助金と他の制度資金との中間的な役割、無利子融資というものをよく償還条件つきの補助金というようなことも言うわけでございますが、そういった補助と他の利子を伴います制度資金との中間的な役割を担っていると、こんなふうに大ざっぱに考えております。
○田渕哲也君 最近、それぞれの制度金融の需給動向を見ますと、いずれも減少ないし停滞の傾向を示しておるわけであります。その理由は何ですか。
○政府委員(後藤康夫君) 公庫資金について申し上げますと、公庫資金の資金需要は、近年におきます農産物価格の伸び悩みでございますとか、冷害等災害の多発、それからまた機械施設等の設備投資の一巡というようなものに加えまして、国の公共事業予算の抑制によります基盤整備関係事業の停滞、これが基盤整備関係の補助事業の補助残を、やはりこれは非常に長期の資金でございますので、補助残の事業費を公庫が融資しておるわけでございますが、公共事業の補助事業が抑制されますと、その分の補助残融資も停滞をしてくるというようなことから、全体として伸び悩んでおります。ただ、かつてのような伸びは今後期待できないと思いますけれども、私どもやはりこれからの農林水産業の体質改善ということを考えますれば、依然今後とも相当な需要はあり、公庫資金についての需要はなお底がたいものがあるというふうに考えております。 それから、近代化資金でございますが、これも近年貸付計画額を下回るというようなことで、たしか五十二、三年ごろをピークにいたしまして停滞をいたしておりますが、これの背景といたしましては、農業をめぐりますいろいろな環境条件の厳しさ、あるいはそれに伴います投資の慎重化、さらには災害の多発というようなことが影響をいたしておると思いますが、五十九年度につきましては、稲作が非常に豊作であったというようなことから、ごく最近の働きといたしましては資金需要が少し上向いてまいりまして、近代化資金につきまして五十八年を上回る資付実績が五十九年度は見込まれるような情勢になってまいってきております。
○田渕哲也君 農林公庫法を初め、制度金融の制度ができてから四分の一世紀ないし三十年余り経過しておりますけれども、この間、農業基本法も制定されておりますが、この間の我が国の農業の推移をどのように評価されますか。
○国務大臣(佐藤守良君) 田渕先生にお答えいたします。 農業基本法制定後、その考え方に基づきまして農政の展開をしたわけでございますが、我が国農業は、先生御存じのことでございますが、多様化しつつ増大する食糧需要にこたえ、畜産物、果実等の生産の選択的拡大や施設型農業部門を中心とする生産性の向上を実現してまいりましたが、これらの面で農政の果たしてきた役割は大きいと考えておりますが、また実はそういう形ながら農業をめぐる内外の状況の変化の中で、麦、大豆、飼料穀物等、大幅に自給率が低下した品目がある一方、米など供給過剰基調にある品目もございます。また、稲作などの土地利用型部門において、経営規模の拡大や自立経営農家の育成等が所期のとおりには進んでいないことなどの面がございます。 そんなことでございますゆえ、今後の農政の展開に当たっては、このような状況を十分踏まえて、総合的な食糧自給力の維持強化を基本とし、農業の体質強化に努めてまいりたいと考えております。
○田渕哲也君 いろいろな指標で見ましても、私は決して芳しい評価を与えられないと思うんです。食糧自給率は、大臣も言われましたように九〇%から七三%へ低下、これは三十五年と五十七年の比較。それから一戸当たりの耕地面積も〇・九八ヘクタールから一・二一ヘクタール、ほとんど規模拡大は進んでいない。現在でも都府県の農家の七割が一ヘクタール未満。それから農業生産指数は一〇〇から一三五、農産物生産者価格指数は一〇〇から四三五・五、価格だけは上がっておるわけです。それから一戸当たりの農家総所得は四十五万から六百二十一万円、これは非常に伸びておりますけれども、所得に占める農業依存率は非常に低下して五〇%から一五%。それから世帯員一人当たりの可処分所得は、勤労者と農家と比べた場合、三十五年は勤労者に対して農家は六九%しかなかったけれども、現在は農家の万が多くて一一三%。つまり一言で言うならば、農家経済は非常に好転しておる、しかし農業というものは決して発展していないし農業経営も育成されていない。それから農家の所得の中に占める農業所得も比率は減っておる。 こういう点から見ますと、過去の農政の果たした役割というのは非常に問題ではないかという気がしますが、いかがでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 先生から御指摘ありましたように、農家世帯の所得はその後農外所得と いうものが増加してまいりまして、勤労者世帯の所得を上回るという水準にあるわけでございますけれども、残念ながら農業所得につきましては、御指摘のとおり三十五年に比べて四・五倍ほどにはふえておりますけれども、他産業従事者に比べますと相対的にかなり低くあるわけでございます。 こういうものの背景には、農業の生産性向上というものが非農業の生産性向上のテンポに、残念ながら高度成長でございますとか、地価問題でございますとか、こういうことを背景といたしまして、追いつかなかったということかと思っております。 いずれにいたしましても、農家経済だけが好転して農業経営なり農業生産というものが発展しないということでは、せっかくのいろんな施策なり投資というものが無になりますので、いろいろと厳しい情勢ではございますけれども、何とか、特に問題のございます土地利用型農業、こういうものを中心にいたしまして、少しでも生産性の高い農業に向けまして体質改善をするということで、例えば技術、経営能力にすぐれました中核農家を少しでも育成強化していく、あるいは特に基本になります優良農用地を確保するなり、あるいは公共事業をてこといたしまして農業生産基盤を計画的に整備していく、さらには飛躍的な生産力の発展を願うためには、どうしても農業技術の開発なり普及、若干地道ではございますけれども、こういう各般の施策を今後とも充実してまいりまして、農家経済だけではなくて農業経営そのものが少しでも前進するように努めていきたいと考えております。
○田渕哲也君 つまり一言で言うと、我が国の経済の全般的な発展の中で、農家経済はよくなったけれども、肝心の農業はちっともよくなっていない。その大きな原因はやっぱり構造改善が進んでいない。ほとんど兼業所得がふえておるわけでありまして、農業所得というものはそれほど充実していない。その理由は、やっぱり構造が変わっていないからだと思うんです。構造が変わっていないということは、今までの政策誘導の面で極めて問題があったということになるのではないかと思いますけれども、やっぱりそういう過去の農政の問題点ということを十分にえぐり出さないと、これからの正しい農政はできないのではないかと思うのです。その点、どのようにお考えですか。
○政府委員(田中宏尚君) 特に構造改善がおくれています面は土地利用型農業について多いわけでございますが、これだけ狭い国土で、しかも高地価というものが実現してしまった後で、なかなか規模拡大なり農地の流動化というものは難しい点があるわけでございますけれども、そういう過去の反省に立ちまして何年か前にも農地三法というような形で、単に農地の所有権の移転というようなことで、こういう狭いしかも高い土地というものを動かすわけにはなかなかまいりませんので、利用権の集積を通じての規模拡大ということに法律も整備いたしまして取り組んでいる次第でございまして、そういう効果がここのところ着実に発揮されてきているという感じもしておりますので、そういう方向で今後とも施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田渕哲也君 私は、この金融三法あるいは三つの金融制度の抱えている問題点も、やはりそこに大きな問題があるような気がするわけです。過去二十年間を見てみますと、経営規模は拡大が進まない中で資本利益率がどんどん減ってきておる、特にこれは一へクタール未満の小規模の農家においては三分の一程度に資本利益率が落ちておる、それから一ヘクタール以上でも半分ぐらいに減っておるわけであります。このように投資効率が悪くなっている原因は何だとお考えですか。
○政府委員(田中宏尚君) 農業の資本利益率でございますとか、あるいは資本効率、こういうものは直接的確に把握している資料というものはないわけでございますけれども、その一つのメルクマールといたしまして、農業固定資本一千円当たりについて農家の純生産額がどうなるかということが一つのめどとなるわけでございますけれども、こういうものを見てみますと、確かに先生御指摘のとおり、この二十年間で半減近くなっていることは事実でございますけれども、ただ全体の数字を年を追って眺めてみますと、長期趨勢的に低下傾向にあるということでは必ずしもございませんで、農業投資の資本効率というものは、いろいろ年々の豊凶でございますとか、それから投下します資材品の値段でございますとか、こういうものとも密接な関連がございまして、特に急激に下落しましたのは五十年代の中ごろからでございまして、特に昭和五十五年の不作、あれを反映いたしまして、五十六年に比べてがっくり落ちているという形に相なっているわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、土地利用型農業について御指摘ございましたように、特に規模が小さくなればなるほど農業投資の効率が悪いという点がございますので、繰り返しになりますけれども、少しでも農地の流動力なり、あるいは地片そのものは動かなくても、農業生産の組織化というようなものを通じまして実質的な規模拡大というものを何とか図りまして努めてまいりたいと思っておりますし、それから特に規模の小さい兼業農家につきましては若干農機具等の過剰投資というものも散見される点もございますので、こういう点につきましては十分反省をいたしまして、機械設備の効率的な利用、そういう総体的なことを考えて、できるだけ投資効率が上がるような経営というものを志向してまいりたいと思っております。
○田渕哲也君 資本装備率が高まれば高まるほど、適正規模というのは拡大するものだと思うんです。これはもう農業に限らず一般的にそういう傾向がありますけれども、農業においても例外ではない。したがって、制度金融ができて資本装備についていろいろ援助してみても、肝心の構造改善が進まないと、投資効率がどんどん悪くなって負債の固定化が起こる、こういうような現象になっておるのではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(田中宏尚君) 制度融資につきましては、先ほど来議論がございますように、農家の自主性と創意工夫、こういうものを生かしながら一定の政策方向に誘導していくということで行ってきているわけでございまして、それなりの効果はもちろん発揮しているわけでございます。特に制度融資の中で補助残融資というものはかなりのウエートを占めておりますけれども、こういうものは補助事業の補完的役割というものも担いながら、個別経営の資本形成というものに寄与いたしまして、農林水産業の足腰を強化するという面につきましてもそれなりの効果は発揮してきていると思っておりますけれども、先ほど来先生から御指摘ありますように、どうしても土地利用型農業につきましては規模拡大の難しさというようなことがございまして、十全な効果を発揮してない点もあろうかと思いますけれども、今後できるだけ効率的な助成なり融資というものに努めてまいりたいと思っております。
○田渕哲也君 それから農業の設備資金と金利水準の問題ですけれども、農業と他の産業との違いというものがありまして、農業の方はやはり投資資本効率というものは他の産業に比べて悪くなるという傾向にあるわけですか、これはどうでしょうか。
○政府委員(後藤康夫君) 農業関係の設備資金、あるいはまたさらに、設備ではございませんが、農業がその上に乗って営まれます農地というようなものの投資効率というようなものは、他産業に比べてやはり低いものだというふうに考えております。したがいまして、例えばよく政府関係金融機関の中で農林漁業金融公庫の金利というのが平均をいたしまして五%程度というようなことで著しく低いというようなことが言われるわけでございますが、農地取得資金の三分五厘でございますとか、あるいは総合施設資金の五分でございますとか、この辺はやはり農業のそういった実態を反映したものでございまして、これは農業の専門金 融機関としてはやはりこういった貸付条件を、基本的には他産業に比べて金利が低いというような貸し出しを、今後ともやはり行っていく必要があろうというふうに考えております。
○田渕哲也君 今の御答弁のように、特に土地取得の場合は、全国の平均価格で見ましても、田んぼで十アール百五十六万円が平均価格だと言われておりますが、ところが十アール当たりの水稲の所得は五十七年度で七万円余り。そうすると、三・五%資金で借りても、この所得を全部返済につぎ込んでも三十年ぐらいかかる。だから、三・五%でも土地をどんどん買っていくということは非常に無理だということになるわけであります。それから、施設型農業にしましても負債の固定化が問題となっておりますけれども、特に四十八年以降の低成長に入ってからその傾向が強い。高度成長のときには何とか資本の元利払いができても、低成長になるともうついていけない。基本的に、やっぱりかなり金利水準が低い資金でないと農業投資は進まないのではないかということが考えられるわけであります。 ところが、今回の金融公庫法の改正では、三・五%資金の一部は五%資金へ移行する、それから四・五%資金は原則的に廃止される、さらに法定上限金利の引き上げ、こういう措置が行われるわけでありますが、これによって平均貸付金利がどのように変化するのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) 公庫の過去の貸し出しの加重平均の金利と申しますのは、大体ほぼ五%というようなことで推移をいたしてまいってきておりますが、今回の制度の見直しによりまして、一部金利の上がるもの、あるいは一部金利の下がるものがございますが、これらをひっくるめまして、全体として制度改正後に六十年度から貸し付けられる資金の平均貸付金利ということになりますと、約五・二%ということで〇・二%程度の上昇になります。
○田渕哲也君 このように例えわずかでも、〇・二%でも引き上げるというのは非常に問題であるし、それから補助から融資へという考え方とか構造改善の考え方から見ても逆行ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(後藤康夫君) これは先ほど申しました〇・二%程度の上昇と申します中には、例えば今回、国産農林畜水産物の新規需要を開発するための新規用途等の事業資金を今までの新規用途を拡充をして新設をするというようなことがございますが、これは対象として農林畜水産物の加工の事業を営む者という関係もございまして、金利が通常の農業者そのものに貸し付けられるものよりも高い金利になっているというようなものも含めての平均の話でございまして、なお農地取得資金等構造改善政策の方向に即しまして一部重点化を図ったわけでございますが、これは現在の厳しい財政状況の中で、今回のいろいろな改善充実とあわせまして全体として制度融資を見直しました際にとった措置でございまして、三分五厘資金の中でも一割程度のものを五%に移行するということでございまして、三分五厘資金の基本は維持をしているわけでございます。 それから、先ほど農地価格と十アール当たりの所得との関係のお話がございましたけれども、そういう比較も確かにあるわけでございますが、もう一つは、我が国の農業経営は機械とか施設に比べまして農用地面積が相対的に不足をしている、あるいは逆に申せば過剰投資ぎみであるということでございますと、農地を買い足しますとその限界的な経営規模の拡大によりまして、例えば今まで非効率に利用されていた機械なり施設が有効利用されるということでこざいまして、平均ベースの計算とは違ったまた限界的な土地の追加的な取得に伴います効率というものを考える必要があろうかと思っております。
○田渕哲也君 それから、農林漁業金融公庫の貸付平均金利と借入平均金利の差というのがある、大体二・二%程度逆ざやになっておるわけですが、これは将来どのような方向に持っていかれる方針なのか、逆ざやを縮める方向で行かれるのか、あるいは現状程度をずっと維持されるのか、あるいはその逆なのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) この問題は、金融制度のあり方と申しますものも、一つは農林漁業の動向、それからもう一つは、それを取り巻きます一般金融情勢も含めました経済状況といったようなことを踏まえて、常時やはり見直されていかなければいけない問題でございますので、例えばコストでございます財投金利の現在七分一厘というものが今後どうなっていくかということによりましても、その金利の逆ざやの幅というものがすぐ違ってまいるわけでございまして、なかなかこれは一概に今後の方向を見通すということは大変難しいわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、先ほどおっしゃいましたように、インフレ時代というのはいわば物価がどんどん上がってまいりますので、借り手が常にインフレの利益を得るというような時代でございますが、そういう時代が過ぎたということを前提にいたしますと、貸付条件というものを非常にこれから年々厳しくしていくということはなかなかこれまた難しかろうと思いますので、必ずそういった金利の逆ざやが今後縮小する方向に行くというふうには私ども考えにくいというふうに判断をいたしております。
○田渕哲也君 次に、近代化資金の問題でお伺いしたいと思いますが、農業近代化資金は政策金融の中でも農林公庫資金に次ぐ地位にあるわけでありますけれども、これも先ほど言ったように融資実績は減ってきているわけであります。今後の見通しはどうですか。
○政府委員(後藤康夫君) 先ほど申し上げましたように、五十九年度が近年にない稲作が豊作であったというようなことから、特に北海道、東北などでは連年の災害が続いた後でございましたので、やや農業経済も明るさを取り戻しているというようなことがございまして、これまで抑制気味でございました農業投資にも影響いたしまして、恐らく五十九年度の近代化資金の貸付実績は前年を上回るものと見込んでおります。 今後どうかということでございますが、今回、農業近代化資金につきまして貸付限度額を引き上げるというような措置もとっておりますし、また貸付対象につきましてもコンピューターなどを追加いたしておりますので、今後の融資動向いかんにもよりますけれども、ある程度の資金需要の増が見込まれるのではないかというふうに思っております。
○田渕哲也君 それから、貸付限度額が二倍に引き上げられたわけですが、これは卸売物価の上昇率から見ると、二倍に引き上げても実質的な引き上げにはならない、その点はいかがですか。
○政府委員(後藤康夫君) 確かに物価も、これは建築資材というようなもので見るか、あるいは農機具というようなもので見るかということによって違ってまいりますが、二倍前後上昇をいたしております。それとともに、技術革新に伴います高性能の農業機械の導入等によりまして資金需要が大型化をしているというようなこともございますので、今回、貸付限度額の引き上げを御提案申し上げているわけでございます。 この限度額を判断いたします場合に、一つは、法律、政令上の限度額のほかに、どうしてもその限度額におさまり切らないということで大臣の特認という制度がございますが、昭和四十八年に前回限度額の見直しをやったわけでございますが、このころは特認の件数が大体二、三百件の水準でございました。それが近年になりますと五、六百件に増加をいたしております。こういったことから、やはり限度額の頭打ちの状況が少し重くなってきたという判断のもとに、今度限度額の引き上げをお願いしているわけでございまして、これはまた逆に申せば、特認のためのいろいろな申請認可の手続を簡素化するという効果も持ち得るものというふうに考えております。
○田渕哲也君 次に、漁業近代化資金についてお 伺いしますが、これも同じように限度額が二倍に引き上げられております。ところが、漁業近代化資金の方は、農業の方に比べて従来から大臣特認件数というのは非常に多い。さらに、漁船の建造価格の上昇率は、この十年間をとってみても三倍を超えるものもある。こういう中で二倍というのは、ちょっと引き上げ方が足りないのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 四十九年度を基幹点といたしまして五十八年度までで上昇率を見てみますと、五十八年の段階で漁船が一八八、漁船漁具保管修理施設二一八、それから養殖用施設二三五、それから養殖用の種苗の購入、育成が一六九、これは四十九年度を一〇〇としての数字でございます。こういうことで、大体二倍前後であるということで二倍ということにしたわけでございます。私どもとしては、これで大体物価との関係では四十九年当時に比べて平行移動的に移したつもりでおるわけでございますが、御指摘のように、一部の漁船について引き上げ後の貸付限度でもなお足りないというケースがあり得ようかと思っておりますが、これにつきましては大臣特認制度の運用によって処理をしてまいりたいと思っているところでございます。
○田渕哲也君 それから漁業緊急融資資金についてお伺いしますが、これは第一次石油ショックを契機に五十一年に設けられたということであります。ところが、その後、引き続いて五十二年には二百海里ショック、五十三年には第二次石油ショック、相次ぐショックで漁業経営の危機が長期化しておる、したがって今日にまで続いておるわけでありますけれども、しかし、これは本来は緊急避難措置として設けられたものだと思います。今後の見通し並びに方針をお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、緊急融資の資金と申しますのは、オイルショックにいたしましても二百海里にいたしましても、元来、構造的再編と由しますか、構造的調整で対処をすべき問題に直面をして、それでそのような構造的な再編が行われるまでの間、そのような構造的再編の効果が発現するまでの間の過渡期をどうやってつないでいくか、そういう趣旨の資金でございます。そういう認識につきましては全く先生御指摘のとおりでございますが、率直に申しまして、現在二百海里体制の制約条件はますます厳しくなっておりますし、あるいは燃油価格の高水準安定というような状況の中で相変わらず魚価の低迷は続いておりますので、本来ならばこういう過渡期はできるだけ早く切り上げるべきものだろうと思っておりますが、少なくとも当分の間、この種の緊急融資制度は引き続き継続していかなければならないものというふうに認識をしております。 それで、これがどういう状況のもとで手じまいができるかということになりますと、それはやはり漁業の省エネ化あるいは減船、そういう形で漁業の構造的再編成が行われるということを通じてしか手じまいのしようのないものというふうに考えております。
○田渕哲也君 終わります。
○喜屋武眞榮君 私は、初めに農林漁業金融公庫法に関係して質問をいたします。 まず初めに、大臣にお伺いいたしたいと思いますが、農林漁業が他の産業に比べまして特質を持っておる、特質がある、こういう見地からも国の財政資金を原資とした長期低利資金の融通制度を持つということは、これは不可欠なものであると私は思っております。そういった観点から、今回の改正後も公庫資金制度の運用方針は変わらないと察せられますが、また変わってはいけないと思うわけですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 喜屋武先生にお答えいたします。 臨調の最終答申は、農林公庫につきまして、利子補給金抑制の見地から、融資の重点化及び貸出条件の見直しを求めていますが、同時に農林漁業の近代化と体質強化に留意する必要性を認めているところでございます。そんなことで、今回の制度改正につきましては、農林漁業経営の育成強化及び農林漁業の構造改善等を促進するとともに、財政資金の効率的利用を図るとの観点から所要の改正を行ったのでございます。 今後の農林公庫の運営につきましては、その効率的な運営に努めつつ、公庫資金が農林漁業の経営基盤整備にかかわる重要な施策であることを踏まえて、その基本を維持し、必要な補給金を確保して、農林漁業者の期待にこたえてまいる所存でございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、利子補給金の抑制方針を打ち出しております第二臨調の方針と結びつけた場合に、私はそこにどのようにバランスをとるか、調整していくかということが大事な問題になってくると思うんですが、その第二臨調方針とのつながりで、どのようなバランスをとって運用していかれる方針であるか、そのことをお聞きしたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) 先ほども大臣からお答え申し上げましたように、臨調答申におきましては、補給金抑制の見地から、融資の重点化なり貸付条件の見直しをしろということを提言いたしておりますが、同時に農林漁業の近代化と体質強化に留意しなければいけないということも言っておるわけでございます。私ども、今度の改正におきましては、この農林漁業の近代化と体質強化というものに留意をいたしながら、財政資金の効率的な利用を図るという観点も含めて制度の見直しをやったわけでございます。 実際、それではこれによって公庫の補給金はどうなるのかということにつきましては、今後の貸し付けの規模なり、あるいは財投金利の動向といったようないろいろ不確定な要素がございますが、六十年度予算のいろんな諸元というものをベースに推計をいたしますと、六十年度におきまして補給金が千三百九十八億ということでございますが、これが十年後、六十九年度には千六百七十億円程度に増加をする。ただ、今回の見直しを行わずに、従来の傾向をそのまま引き延ばせば、補給金は恐らくこれよりも百五十億程度多い千八百二十億ぐらいになるだろう、こういうふうな結果に相なっているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 最近における農政の特徴としまして、この法案の改正もその一つでありますが、補助から融資へと、こういうことでありますが、そこでその政策転換からうかがえることは、今回の制度改正によって国の要する経費負担について、いわゆる改正以前と改正後、去年に比較して、昨年度に比べてふえるのであるか減少するのであるか、まずそのことをお聞きしたいと思います。
○政府委員(後藤康夫君) ちょっとお尋ねの御趣旨をもしかすると取り違えておるかもしれませんけれども、金融関係について申し上げますと、農林漁業金融公庫の補給金につきましては、先ほど申し上げましたように、約五十億程度引き続いて公庫の補給金は五十九年度に比べまして六十年度増加をいたしております。他方、農業近代化資金の利子補給助成金につきましては、これは先ほど御質疑の中にも出ておりましたように、五十二、三年ごろが貸付実績のピークでございました関係で、その後、年々の貸し付けが停滞をいたしておりますので、近代化資金の利子補給の対象になります残高が減少しております。そういうところから近代化資金の利子補給に必要な予算につきましては若干の減少を見ておる、こういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 今お尋ねしましたのは、配分のそういったことでのアバウトで、この法改正によって結局国の負担がふえるのであるか少なくなるのであるかという大まかのことをお聞きしたかったわけなんですね。あれではふえる、これでは減るというようなことなんですが、差し引きしてどういうことになりますか。
○政府委員(後藤康夫君) どういうふうにお答え申し上げたらよろしいかわかりませんが、近代化資金につきましては貸付限度額を引き上げるとい うことでございまして、貸付金利なり、あるいは利子補給のもとになります基準金利というものをいじっておりませんので、国の財政負担の度合いということについては変化がないわけでございます。 それから、農林漁業金融公庫につきましてはこれまで三分五厘資金、五分資金あるいは七分一厘資金、いろいろございますが、これらをひっくるめまして全体の貸し付けの金利の平均というものは大体五%程度で推移をしてまいりましたが、今度の全体の制度改正によりまして上がるもの、下がるものひっくるめまして五%程度の平均貸出金利が五・二%程度に、六十年度制度改正以降新たに貸し付けられるものにつきましては五・二%程度になるというふうに御理解いただいたらよろしいかと思います。
○喜屋武眞榮君 大体わかりました。 次に、最近の農林漁業制度金融における貸付実績といいますか貸付実績を見ますと、低迷といいますか、そういう状態にあると、こう見ておりますが、その低迷しておる原因はどこにあると認識しておられますか。
○政府委員(後藤康夫君) これは農林漁業をめぐりますいろいろな諸情勢、例えば需給が緩和基調にあるものが多い、あるいは価格が低迷をしているというようなこと、あるいはまた漁業について申しますれば、二百海里の規制がますます厳しくなってきているというようなことがございますし、それから五十五年から五十八年まで農業におきましては災害が打ち続いたというようなことがございまして、全般的に投資につきまして非常に態度が慎重になったということがあろうかと思います。 それからまた、公庫資金につきましては、公共事業の抑制によります補助残融資のやはり停滞ということも影響をいたしておろうかと思っております。そういったいろいろな事情から、近年、制度融資につきましての貸付実績が低迷をいたしておるということでございます。 それから、農業近代化資金について申しますと、農機具の投資が主体でございますが、これがかつて例えば田植え機でございますとか自脱型コンバインでありますとか、いろいろな新しい機械が出てまいりました場合に、近代化資金がその普及の非常に大きな手段になったわけでございますが、そういった新しい機械の投資が一応一巡をしたというようなことも影響しておろうかと思います。
○喜屋武眞榮君 今述べられた認識に立って、じゃ今回の改正が、これから後の制度金融資金の需要にどのような影響を及ぼしていくだろうかという点を伺いたいんです。
○政府委員(後藤康夫君) まず公庫資金についてでございますが、総合施設資金、それからまた林業経営改善資金、新規用途事業資金、卸売市場近代化資金といったものにつきまして、今回の法案の中でそれぞれ改正をお願いいたしておりまして、内容の貸付対象の拡大等々の措置を考えておりますし、そのほかにも農林漁業金融公庫の業務方法書レベルでいろいろ規定しておりますようなことにつきましても改善を加えることにいたしておりますので、そういったことによります需要の増加が見込まれると思っております。もちろん、農林水産業の全体の借り手の方々の投資意欲というようなことがひとつどうしてもベースになりますので、数字でどのくらいというようなことを申し上げるのは非常に難しいわけでございますが、公庫の資金需要は今回の改正の要素も含めまして底がたい動きを示すものだろうというふうに思っております。 それから農業近代化資金につきましては、貸付限度額の引き上げということを考えておりますし、またコンピューターなどの貸付対象の追加ということも考えておるところでございますし、農家経済そのものに五十九年の稲作の豊作ということで明るさも見えておるところでございますので、これにつきましてもある程度の資金需要の増が見込まれるというふうに見ております。
○喜屋武眞榮君 改正の目的は、今述べられた方向に軌道に乗って前進しないといかぬ、こういうわけでありますので、どうかひとつこの所期の目的が間違いなく実っていきますように頑張ってもらいたいことを要望します。 次に、総合施設資金の貸付対象範囲の拡大と申しますか、その点についてお伺いいたします。 読んでみますと、目を通してみますと、自立経営農家の七割程度という一つの目標をされておられますね。ところが、これは中核農家の中でもかなり上層の農家に貸付対象の限度を当てておられると私は見ております。これは中核農家についても政策的にさらに中核農家の中で選別をしていく、こういう基本的な考え方があるんですか、ないんですか、いかがでしょうか。
○政府委員(関谷俊作君) 今回の改正で総合施設資金の貸付対象農家を育成して、自立経営になる程度の経営を目標にして経営改善をするということで、お尋ねの中にございました従来の自立経営の目標の七割程度の経営を目標とする場合、これを対象にするということで拡大したわけでございますが、これはあくまでも目標でございまして、この資金を借ります際に、総合経営改善計画というものをつくりまして、これによりましてそういう規模に到達する、こういうことでございますから、現状がその七割程度であるとか、あるいは現状が中核農家である、こういう限定をする趣旨ではございません。したがいまして、現状の規模とは別に、その農家が総合経営改善計画によってこういう段階の目標に達する、そういうことが確実だという、またそういうだけの意欲、能力を持っているという場合には対象にするという趣旨でございますので、お尋ねのような中核農家に限定するとか、あるいはさらにその中を選別する、こういうような考えではないわけでございます。
○喜屋武眞榮君 では、固定化した一つの目標ということではないわけですね、今の七割ということは。といいますのは、七割なら七割ときちんと限定した場合に、果たして予定しておった効果が得られるだろうかどうだろうかと疑問を私は持っておったわけなんですが、今の弾力的なめどといいますか、そういう動かすべからざる固定的なものじゃないということがわかりましたので安心したわけですが、そういうふうに理解していいですね。
○政府委員(関谷俊作君) 固定、弾力ということではございませんで、私の申し上げましたのは、七割程度という所得なり目標規模がこれが目標である、現状は多少小さかったり、中核農家であったりなかったりすることもあるかもしれませんけれども、そういう目標に一定期間後に経営改善されるという場合に融資対象にするということでございますので、固定、弾力というよりは、むしろ現状で選別するというよりは、目標に達するかどうか、こちらの可能性の方で判定をする、こういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、総合資金制度についてお尋ねしたいんですが、総合資金制度の貸付実績を見ますと、例えば農林公庫資金が九九・四%、農業近代化資金が〇・四%、運転資金が〇・二%、バランスの上から果たしてこれでいいのかなという疑問を持たざるを得ません。一面、このバランスを保つところに総合資金制度の意義がある、意味があると、こう思うんですけれども、ところが余りにも農林公庫資金に偏し過ぎておる、こう思われてならないんです。そのことは、一経営体に総合的に融通するというこの趣旨からしますと、必ずしも趣旨に沿っておらぬじゃないか、こう判断されます。 そこで、その実態と今後の見通しといいますか、その実態と今後の運用方針について伺いたいのですが、いかがですか。
○政府委員(関谷俊作君) 総合資金は、お尋ねございましたように公庫の総合施設資金と、これに合わせて必要な資金について農業近代化資金及び系統資金としての運転資金、これを合わせて総合的に貸し付けるというのが総合資金でございます。 実態は、今全体との比率で御質問ございましたが、確かに公庫資金の融資の中で、全体に占める割合の中で件数で申しますと、近代化資金が貸し付けられた割合がやはり三%前後ぐらい、運転資金の方の貸し付けられた件数が二%を少し切ると、こういうようなことで大変低うございます。これは総合資金ということのねらいから言いますと、やはり本来のねらいに沿ってないわけでございますので、私ども本来のねらいに即したような総合的な融資がなされるということについては、これからも留意してまいりたい。 また、そういう指導もしたいと思いますが、ただ、言いわけになるようでございますが、総合資金の方は言ってみればその経営にとって一生に一回あるかどうかという大変大きな大幅な経営改善をする資金でございますが、近代化資金なり運転資金の方は、農家から見ますと、やはり農協から比較的回数多く必要に応じて借りられる、こういうような実情にあるわけでございますので、どうもその関係から、総合資金のときに近代化資金や運転資金が一緒に融資されない、こんな実態になるのではなかろうかと思います。こういうこともありまして、現実に見ますと、農家から出てまいります総合経営改善計画の中に近代化資金なり運転資金という、そういう借り受けの希望が一緒に出てまいりません。そんなことで今申し上げたような実態になっているわけでございまして、制度の趣旨としては、やはり総合的な貸し付けについてはこれからも留意してまいりたいと思いますが、全体として見ますと、この仕組みが今申し上げたような事情で、なかなか一緒に貸し付けるということが現実的には難しい。近代化資金、運転資金の方は農協との関係で比較的回数多く需要に応じて貸し付けされている、こういう実態との関係ではなかろうかと思っております。
○喜屋武眞榮君 重ねてお聞きしたいのですが、その前に、二%、四%とおっしゃったと聞いておりますが、〇・四、〇・二ですよ。農林公庫資金九九・四、農業近代化資金が〇・四、それから運転資金が〇・二、こういうことで私は余りにもアンバランスじゃないか。 そこで、今のお話で、これまではそういったおっしゃる方針でやってきたが、私が重ねてお聞きしたいことは、今後の運用方針をどのように進めていかれるか、今までの方針を踏襲されるのであるか、その改正を踏まえて、これからどのように進んでいくかという、今後の運用方針についてお伺いしたいのです。
○政府委員(関谷俊作君) これは融資でございますので、総合経営改善計画の中に借り受け希望額が出てまいるわけでございます。そのときに、私どもとしましては制度の建前からすれば公庫資金と近代化資金と系統資金とみんな出てくることが望ましいのでございますが、農家の方で近代化資金、系統資金の融資を希望を出してまいりませんときに、どうしてもこちらがないと公庫資金も融資しないのだというところまではなかなか指導いたしかねるという事情もございます。 これは、いずれにしましても、県に設けられております融資協議会の場で、県と公庫、農林中金、信連、こういう関係金融機関が協議をして対処をしているわけでございますので、そういう場でそもそもの総合資金の趣旨に沿って、いわゆる協調融資と申しますか、関連融資が一緒にできるだけなされるように、これからも指導を十分してまいりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 ぜひ実際の実情に即した運用をということについてひとつ再検討してもらいたい、あるいは十分配慮してもらいたいということを要望しておきます。 次に、開発庁関係に問いますが、沖縄における農業金融政策についてお聞きします。 復帰を時点として、復帰後の沖縄の農業金融は復帰前と比較してぐんぐん伸びてきたという表現もしたいわけでありますが、それは一つには、農協系統の金融の充実が一つ、それから二つには、沖縄振興開発金融公庫の発足、三つには、農業近代化資金制度の発足、四つには、農業改良資金制度の実施、この柱に支えられて復帰前と復帰後を比較した場合にうんと伸びておることも事実なんです。 ところが、率直に申し上げますと、問題は、沖縄なりには復帰前と復帰後を比較した場合に伸びておる、これは当然であります。当たり前のことでありますけれども、眼転じて全国的水準に比べて見た場合に、農家の資金需要度がまだ非常に低い実情であります。二つには、農協の零細性、これももう否めない事実であります。三つには、特に農家の運転資金需要に十分対応できないということが実情であります。そして、農地等取得資金あるいは土地改良資金、この資金需要も非常にニードが高い、大きいですけれども、それから土地基盤整備の積極的推進という意欲からも非常に欲しい欲しいという実情でありますけれども、なかなか手が届かないです。 そこで、今後の沖縄県に対する農業金融政策についてどのように考えておられるか、その所信と申しますか、方針と申しますか、そのことをひとつ伺いたいと思います。
○説明員(草木一男君) ちょっとお答えにならないのかもしれませんが、私どもの方では沖縄公庫を持っておるわけでございます。それで、沖縄公庫におきます農林漁業資金、これは最近の利用状況を見てみますと、ここ二、三年のところ、およそ貸付額で六十億前後というようなことで推移してきておりまして、いろんな資金需要にできるだけ沿うように公庫としては取り組んでおるつもりでございますが、今お話しのような零細な資金等につきましては、沖縄の小規模な農林漁業者の方々の経営改善というようなことにつきまして、公庫としても沖縄独自の制度として農林漁業経営改善資金というのがございますので、それによりまして経営規模の小さい方々のための資金需要にこたえることにいたしております。 今後とも公庫のそういった資金面でのことにつきましては、今のような趣旨を踏まえて十分対応できるような方向で努力してまいりたいと思います。
○喜屋武眞榮君 特段の御配慮を願いたいという要望を含めて、繰り返すようですが、復帰前に比較して、いわゆる諸条件が復帰前はなかなか手が届かなかった。また、日本政府もこたえてもらえなかった。復帰後は息を吹き返すようによくなった。これは当たり前な話であります。だから、沖縄なりに比較すれば、ぐんぐん伸びてきておることは事実。ところが、他県と比較した場合に、基盤整備にしてもその他の条件にしても、うんとまだ差があって、本土はさらに先を行っておる、こういうことなんですね。そういうところから第一次振計、十年で話にならぬどころか、さらに引き延ばされているから、第二次振計が打ち立てられて、今そこに四年目を迎えようとしておるわけなんですね。 それで、この金融面に対しても、今おっしゃったことをさらに確認したいんですが、公庫の今度の改正と沖縄開発公庫との関係になるわけですが、これが改正されてもストレートで沖縄には届きませんね、金庫が別でありますから。そこで、沖縄振興開発金融公庫が置かれておるその特殊事情から、今回の農林漁業金融公庫法の改正に伴って、金融制度の見直しについては、沖縄開発公庫をどうしてもつないでもらわぬといかぬ。それは政令でまた改めてつないでもらわぬといかぬでしょうね。そうしますと、そのことでこの開発金融公庫の融資についても同様の内容で政令改正が行われなければいけぬと思うんですが、そのように行われる予定でありますか、どうなんですか、伺いたいんです。
○説明員(草木一男君) 今の点でございますが、沖縄公庫は、農林資金につきましては基本的には本土の農林公庫に相当する業務を沖縄において行っているわけでございます。したがいまして、今般の農林公庫法の改正に伴う貸付制度の改正につきましては、沖縄公庫の農林資金につきましても本土に準じて同じ内容の貸し付けができるように、政令等、これは法律の仕組みがちょっと変わ っておりますので、政令そのほかで所要の改正を行うこととしております。
○喜屋武眞榮君 それでもう一つ、今の問題に関連して確認しておきたいんですがね。といいますのは、現在の公庫も、プラスアルファといいますか、配慮されておりますね。配慮されておる。沖縄においては、本土に比較して、いわゆる特別措置によって若干有利な貸付条件になっておりますね。ところが、その点は改正後もその有利な点は維持されるかどうか、また、そういう腹であるのかどうか、そのことを伺いたいんですが。
○説明員(草木一男君) 沖縄公庫は、貸付金利などで、今お話しのように本土との格差を設けるなどいたしまして、沖縄の経済社会の実情に応じた貸付条件により対応してまいったところでございます。 今般の本土における農林公庫の制度改正につきましては、沖縄公庫の農林資金におきましても同じように準じた改正を行うこととしておるわけですけれども、貸付条件につきましても、沖縄の社会経済の実情に引き続き配慮して、今後とも沖縄農業の振興という観点から適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 先ほども申し上げましたこの改正は、プラスはあってもマイナスの結果になったらいけない、前進を期待しておるという私の期待はそれとも結びつくわけでありますので、どうかひとつ政令による路線を早くつないでもらうということと、それからその中身の現状、新しい路線につないでも、さらに前進はあっても後退がないようにということを重ねて申し上げておきます。いかがですか、その点もう一遍確認したい。
○説明員(草木一男君) 今のできるだけ早くつなぐというお話、それから後退はしないで前進をするということにつきましては、全く私どもそういうつもりでおりますので、できるだけ早い、同じような時点で可能な内容で貸し付けができるようにしていくようにしたいと思います。
○喜屋武眞榮君 次に、沖縄の水産業の問題について関連してお尋ねします。 沖縄の水産業は、はしょって申し上げますと経営規模が非常に零細である。なお、はっきり申し上げますと、九九%は個人経営であるという実態ですね。二つには、多獲性の魚種が少ない。大量にとれる魚の数が他の漁場に比較して少ない。三つには、沿岸漁業に従事しておる者が本土に比較して、その比率が全国平均と比べて著しく高い、すなわち多いということなんです。 こういう実情を踏まえて、実際の漁獲高は、船一そう当たりその生産量が全国平均を大きく下回っておるという、これも事実であります。さらにその上に、基地に阻まれて、軍事基地との関連でまた沖縄の水産業も影響を受けておるわけなんです。こういったもろもろの条件があるわけでありますが、さらには近代化のための設備投資が特に必要とされておるけれども、零細なために十分な資金の借り入れが難しい状態にあります。 そこでお尋ねしたい点は、制度資金の役割がより重要であるということを強調いたすわけでありますが、政府は沖縄における漁業金融政策についてどのように考えておられるのか、その点お伺いします。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 先生御指摘のございましたような沖縄県の漁業の実情は、私どももそれなりに承知をしておるつもりでございます。そういうことでございますので、水産金融の面におきましても、沖縄県の漁業の実情を踏まえまして金利等の面で沖縄振興開発金融公庫の資金は農林公庫に比べまして有利な貸付条件が設定され、そういう資金が融通されておりますし、さらには沖縄県の沿岸漁業の生産力の増強を図るために貸付利率三%の沖縄沿岸漁業振興特別資金の融通なども行っているわけでございまして、こういう点で沖縄県の実情に応じた水産金融対策を講じているつもりでございますが、今後ともこれらの資金制度及び今回拡充することといたしております漁業近代化資金制度を活用いたしまして、先生御指摘になりました沖縄県の漁業の振興が図られるよう努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 沖縄の人々は怠け者ではありません。非常に意欲はありますけれども、諸条件に阻まれて、しかも一人二人や、ある一部の力ではどうにもならない。このどうにもならないという点は、裏を返せば国の犠牲が積もり積もって、そして行き先もなお閉ざされているという暗い不安な気持ちもいっぱいあるわけなんです。そういった政治的な、あるいは経済的な、あるいはその他の諸条件が、みずからつくった原因ではなくして他によって強いられた犠牲というものが、今日までそのような状態に置いておるんです。非常にどの面をとらえても低い水準にあるということ、例えば貯金の残高といいますか、全国平均の約四〇%だと統計は示しております。貸付残高がまた約四五%。このことからも零細性がうかがえるわけでありますが、そこで、系統金融機関の強化充実を早急に図らねばならないという、こういう状況に迫られております。 そういう実情を踏まえて一刻も早く、一日も早くそれを立ち上がらせるという政府の配慮がなければいけない。ところが、こう申し上げますと、沖縄を救ってください、沖縄を救ってくださいと、こういう気持ちというよりも、いつも私が主張しております沖縄の自然環境、亜熱帯の特殊な気候環境、だから日本一億二千万余の国民の生活資源の生産の土地として踏まえてほしいということをいつも私は強調しているわけでありますが、そういった配慮から、国土開発の一環というこういう立場から、陸も山も畑も海も最高度に生かしていただきたい、こういう願いを込めて、政府はこの点についてどのような対応をしようとしておられるのであるか、これは大臣にお伺いします。
○国務大臣(佐藤守良君) 喜屋武先生にお答えします。 沖縄におきまするいろんな差については十分理解できましたので、十分先生の御趣旨を踏まえて対応いたしたい、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 次に進めてまいります。 次には、法改正と結びつけて沖縄における漁業近代化資金の消化状況、中身を率直に申し上げますと、漁船漁具に大半を使っておる、大半を占めておる、これが実情であります。最近、養殖関係の資金需要もふえつつありますが、なお沖縄における漁業の近代化あるいは合理化は本土に比べて非常に立ちおくれておる。このことは十分認識しておられると思いますが、実情であるわけなんです。 そこで、水産庁に答えてもらう前に、ぜひひとつ大臣にまずお聞きしたいことは、水産庁は活力ある漁村づくり、こういうことを強調しておるわけです。漁村の活性化に力を入れるということをたびたび強調しておられる。先ほど来私が強調しております立ちおくれの著しい沖縄の漁業振興のためにも、その地域指定等に当たって、このような沖縄の地域の事情を本当に実態を把握していただく、十分にそしてそれに対応する、配慮すべきだと私はここでもまた強調いたしたいのですが、大臣、ぜひお答え願いたい。
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたします。 活力ある漁村の形成を図るため、新規事業については現在その具体的な内容等について詰めを行っておるところでございます。今後これらの内容が固まり、事業を実施するに際しては、先生御指摘のような沖縄県の実情を十分踏まえ、特に要望に配慮し、対処してまいりたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 それでは次に水産庁、答えてください。
○政府委員(佐野宏哉君) 先生御指摘のとおり、沖縄は我が国の中でも特異な温暖な気象条件に恵まれておるわけでありまして、そういう条件を活用して栽培漁業の推進あるいは沿岸漁場の整備開発を促進することによりまして、先生御指摘の増養殖漁業を推進してまいりたい、そう考えておるわけでございまして、これとあわせて新沖縄県の 水産業構造改善特別事業等もこういう仕事のお役に立ててまいりたい、こう思っておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 次の問題に入りますと、また途中で打ち切られると困りますので、残りは二十三日にまたまとめていたします。 これで終わります。
○委員長(北修二君) 三案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会