P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
102回国会参議院1985/02/21

農林水産委員会 第3号

発言数
6
登壇者
2
会派数
2
開催日
1985/02/21

会議録

北修二自由民主党・自由国民会議

○委員長(北修二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨年十二月二十一日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。     ─────────────

北修二自由民主党・自由国民会議

○委員長(北修二君) 農林水産政策に関する調査のうち、昭和六十年度農林水産省関係の施策に関する件を議題といたします。  農林水産大臣から所信を聴取いたします。佐藤農林水産大臣。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(佐藤守良君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。  我が国の農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食糧の安定供給を初め、活力ある健全な地域社会の形成、国土・自然環境の保全など我が国経済社会の発展や国民生活の安定のため重要な役割を果たしております。  農林水産業を取り巻く経済情勢について見ますと、先進国を中心とする世界経済が緩やかな景気回復に向かう中で、我が国経済は、次第に景気拡大過程に入ってきておりますが、財政は依然として不均衡の状態にあります。また、対外的には大幅な貿易収支の黒字等により経済摩擦が生じているなどの諸問題を抱えております。  このような情勢の中で、我が国農林水産業は、食糧消費の伸び悩み、農林水産物の価格の低迷、経営規模拡大の停滞、労働力の高齢化などの諸問題に直面しております。また、行財政改革の一層の推進が求められるとともに、諸外国からの市場開放要求が依然絶えないなど極めて厳しい状況にあります。  このような状況のもとで、一億二千万人に及ぶ国民に食糧を安定的に供給するためには、国会の食糧自給力強化に関する決議等の趣旨を踏まえ、国内で生産可能な農産物は極力国内生産で賄うという方針のもとに、農業生産の担い手の育成、農地や水資源の確保、技術の向上を含めた総合的な食糧自給力の維持強化を図ることが肝要であると考えております。  この場合、我が国農林水産業の体質強化を図るとともに、農山漁村社会の活性化を進めることが重要でありますが、私は、特に次の三点に力点を置き、施策を進めてまいりたいと考えております。  すなわち、第一には、生産性の高い、土台のしっかりした農林水産業を実現していくことであります。  第二には、二十一世紀に向けて、バイオテクノロジー、ニューメディアなどの先端技術の開発・普及による魅力ある農林水産業を築くことであります。  第三には、農林水産業に携わる人々が意欲と生きがいを持てるような「活力あるむらづくり」を進めることであります。  特に昭和六十年は、二十一世紀まであと十五年という節目の年でもあり、新たな決意を持って農林水産行政に取り組んでいきたいと存じます。  以下、昭和六十年度における主要な農林水産施策について申し上げます。  まず、農業の振興についてであります。  第一は、土地利用型農業の体質強化を中心とし て、経営規模の拡大、生産基盤の整備、技術の開発普及等を通じて生産性の向上を一層推進することであります。  このため、農地等の有効利用や担い手の育成と土地基盤の整備等を地域の実情に即して一体として行う地域農業整備総合対策を実施することとしております。  また、農業者の自主的な創意工夫に基づき、経営基盤の強化を図るため、農業改良資金制度を再編拡充して、畜産、果樹等の生産方式の改善を図るための資金及び借地による経営規模の拡大に必要な資金を設けることとしております。  生産基盤の整備につきましても、事業の着実かつ効率的な推進を図る所存であります。  国民の期待の高まっているバイオテクノロジー、ニューメディア等先端技術につきましては、産・官・学の連携強化による総合的なバイオテクノロジー等先端技術の開発普及を強力に推進するとともに、その発展の基盤となる農林水産ジーンバンクの整備を進める考えであります。また、ニューメディア等の情報化対策につきましては、農林水産業等の各分野における情報システム化のための調査・設計、ソフトウエア開発等を総合的に推進してまいる所存であります。  第二は、需要の動向に応じた農業生産の展開を地域の実態に即して図ることであります。  まず、水田利用再編対策につきましては、今後の農業生産の基本方向に即し、米の生産を計画的に調整するとともに需要の動向に安定的に対応し得る農業生産構造の確立を期するため、水田利用再編第三期対策を引き続き実施することとし、地域の実態に即した転作の定着化の一層の促進を図ってまいります。  国民の主食である米につきましては、国内において自給する方針を堅持し、水田利用再編第三期対策の枠組みのもとでゆとりある米管理の確保と三度の過剰発生防止の両面に留意しつつ、その生産及び供給の確保に努め、計画的な在庫積み増しを図ることとし、需給の安定に万全を期してまいる所存であります。さらに、他用途利用米の円滑な生産流通の定着を図ることとしております。  また、地域の主要農産物について総合的な生産対策を実施することとしております。特に、果樹につきましては、最近の情勢を踏まえ、需給の安定を図ること等を旨として、所要の制度改正を行うこととし、また、畜産につきましては、酪農及び肉用牛生産の振興を中心とした畜産対策の総合的な推進を図り、国際競争力も念頭に置いた体質強化に努めることとしております。  さらに、現下の蚕糸業をめぐる情勢にかんがみ、繭及び生糸の価格安定措置等に関し、所要の改善を図ることとしております。  第三は、多様化している食糧需要に適切に対応しつつ、国民の健康的で豊かな食生活を保障することであります。  このため、我が国の風土に通した日本型食生活の定着促進を図り、各般の消費者・食生活対策を推進するとともに、農水産物の消費拡大と価格の安定に努めることとしております。  また、食品産業におきましても、地域食品の振興や技術水準の向上を図るとともに、情報システム化等を通じた食品流通の効率化を推進することとしております。  第四は、農林水産業に携わる人々が意欲と生きがいを持ち、農林水産業の振興が一層図られるよう、農山漁村社会の活性化を進めることであります。  このため、農山漁村社会の高齢化、混住化等に対処しつつ、農林水産業の振興と生活環境の整備を一体的に行うほか、地場産業の育成、都市と農山漁村の交流の促進等により、「活力あるむらづくり」を進めてまいる考えであります。  以上申し上げました各般の施策のほか、世界の食糧需給の安定に貢献するため、長期的観点に立って、開発途上地域における農業開発への協力を一層推進することとしております。特に、近年食糧問題が深刻化しているアフリカ諸国につきましては、その自助努力により食糧増産等が図られるよう支援してまいる所存であります。  また、国土資源に制約のある我が国として輸入に依存せざるを得ないものについては、その安定的輸入の確保を図るとともに、輸入障害等の事態に備えて、備蓄の確保を図ることとしております。  農林漁業制度金融につきましては、農業改良資金制度の再編拡充のほか、農林漁業金融公庫資金につき、総合施設資金の拡充、新規用途事業資金の充実等制度の改正を行うとともに、農業近代化資金及び漁業近代化資金につき、貸付限度額の引き上げ等を行うこととしております。  また、農業者年金制度につきましても、国民年金等の改正案を踏まえ、給付と負担の適正化、農業構造の改善を促進するための措置等を講ずることとしております。  さらに、農業災害補償制度につきましても、農家の保険需要の実情等に対応して、制度改正を行うこととしております。  林業につきましては、木材需要の減退、経営諸経費の増高、担い手の高齢化等極めて厳しい情勢にありますが、近年、木材等の生産のみならず、国土の保全、水資源の涵養など森林の有する公益的機能の高度発揮に対する国民の要請は一段と高まってきております。  また、戦後営々と造成されてきた森林の大半は、現在間伐期を迎えており、二十一世紀に到来が予想される国産材時代に向けて、林業生産活動の活性化とこれによる適切な森林の整備を図ることが重要な課題となっております。  特に、本年は「国際森林年」とされていることから、これを契機として我が国のみならず世界の森林資源の保全・涵養に積極的に取り組んでまいる所存であります。  このような状況を踏まえ、外材にも対抗し得るよう、広域の林業主産地における国産材の大量安定供給体制の整備、担い手の育成確保を図るとともに、間伐対策の拡充、新製品、新技術の開発等による木材の需要拡大対策の強化、流通対策の充実強化等を図ってまいる所存であります。  さらに、造林・林道事業等生産基盤の整備と治山事業、水源林の整備等を図るとともに、農林業の一体的振興等により活力ある山村の形成に努めてまいる所存であります。  また、国有林野事業につきましては、新たな改善計画に基づく経営改善の一層の推進を図ってまいることとしております。  水産業につきましては、二百海里体制の定着化、漁業用燃油価格の高水準での推移による経営の圧迫、水産物需要の伸び悩みなど厳しい情勢にありますが、動物性たんぱく質の安定供給という重要な役割にかんがみ、その振興を図ることが肝要であります。  このため、漁港等生産基盤の整備を進めるとともに、我が国周辺水域の漁業を振興するため、栽培漁業の振興、沿岸漁場の整備開発等により「つくり育てる漁業」を推進することとしております。  また、沿岸漁業における適正な漁場利用を推進しつつ、活力ある漁村の形成を図ることとしております。  さらに、厳しい漁業経営の現状にかんがみ、漁業生産構造の再編整備や漁協信用事業の整備強化を図るとともに、国民の健康栄養面で注目されている水産物の消費拡大対策や流通加工対策等を推進することとしております。  なお、遠洋漁業につきましても、粘り強い漁業外交を通じてその存続に努めてまいる所存であります。  これら農林水産施策を推進するため、厳しい財政事情のもとで、農林水産予算につきましては、各種施策について優先順位の厳しい選択を行いつつ、我が国農林水産業に新たな展望を切り開いていけるよう必要な予算の確保を図ったところであります。  また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきまし て、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  最後に、農林水産物の市場開放問題につきまして申し上げます。  経済の相互依存関係が深まる中で、我が国農林水産業が国際化の要請に対応し得るよう生産性を向上し、体質を強化して、その健全な発展が図られることが重要であります。  このため、今後とも市場開放問題に当たっては、国内農林水産業との調和を図りつつ、諸外国に対してこれまで行ってきた市場開放措置の経緯や我が国の農林水産業を取り巻く厳しい実情について十分説明し、理解を得ながら、慎重に対処してまいる考えであります。  以上、所信の一端を申し上げましたが、私は農林水産業に携わる方々に明るい希望を持っていただけるよう我が国農林水産業の発展のため全力を傾けてまいる覚悟であります。  委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。

北修二自由民主党・自由国民会議

○委員長(北修二君) 本件に対する質疑は次回に譲ります。     ─────────────

北修二自由民主党・自由国民会議

○委員長(北修二君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  去る一月、当委員会が行いました農林水産業の実情調査のための茨城県への委員派遣については、派遣委員から報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北修二自由民主党・自由国民会議

○委員長(北修二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗