農林水産委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/10/09
会議録
○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 今般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。北君。
○北修二君 委員派遣の調査の概要を御報告申し上げます。 去る九月二十五日から二十七日までの三日間にわたり沖縄の農林漁業の実情を調査してまいりました。 派遣委員は成相委員長、浦田理事、村沢理事、藤原理事、坂元委員、それに私、北修二の六名であります。なお、大城委員、喜屋武委員が現地参加されました。 現地に到着しますや県、市、町を初め地元関係者から農林漁業の実情を聞き懇談を行いましたが、その熱意の高いのに一驚した次第であります。 御承知のように、沖縄県は我が国唯一の亜熱帯地域でありまして、その特性を生かしてサトウキビ、パイナップル、野菜、花卉等を初め肉用牛、豚等の畜産の振興に懸命の努力を続けております。 漁業においても、熱帯性水域という地理的特性を生かした栽培漁業が推進されております。 農業基盤の整備についての強い要望がありましたが、現地の実情を見ると、整備の進んだ地域は極めて高い効果を上げております。復帰後、積極的に進められ、予算額で見ても六十年度は四十八年度の八・六倍という高い伸びを示してはおりますが、全国に比べてまだ低い状況にあり、圃場整備率では全国の二分の一の水準にとどまっているとのことでありました。必ず一人前になるからいましばらくの間援助をお願いしたいという声を各地で聞いたのであります。確かに地理的、自然的条件を生かした沖縄の農・漁業は速いテンポで伸びていることを肌で感じたのでありまして、近い将来、我が国の食料基地として大きな役割を担うことを待望する次第であります。 以下、調査日程に従って御報告することにいたします。 まず肉用牛についてであります。沖縄におきましては地域特化が進んでおりまして、八重山及び北部地域で畜産基地等の大規模畜産団地の造成が行われていること等から飼養頭数は順調に増加しており、南部地域でも肥育経営の拡大が進んできていることから大幅な飼養頭数の増加が見られております。これら地域の中核として設立された石垣市の沖縄県肉用牛供給公社においては地域に適した、資質のすぐれた沖縄の銘柄牛の作出のための努力が続けられておりました。また、畜産基地建設の要望を受けたのであります。 栽培漁業については、モスク、クルマエビ等について地域的特性を生かして生産の振興が図られていますが、特にクルマエビがモスクと並ぶ有望品種として期待されています。石垣市においては栽培漁業センター八重山事業所を、沖縄本島においては板馬くるまえび養殖センターを視察しました。いずれも、沖縄の漁業の今後の発展のために大きく期待されているものであります。 農業基盤整備事業については、沖縄の耕地の大部分が畑地であるため畑地を対象に進められていますが、既に触れましたように、現地においてその促進に強い要望がありました。石垣市においては宮良川土地改良事業を調査しました。この事業は四十六年、大干ばつに見舞われ農作物が壊滅的な打撃を受けたことを契機として始められ、五十七年に真栄里ダムが完成し引き続いて事業は進められております。この事業の地元農業に与えた好影響は極めて大であったとのことであります。 沖縄本島におきましては東風平町の土地改良区を訪ねました。この地域では従来より積極的に土地改良に取り組んできましたが、農業の生産性も他地域より高く、国及び県に感謝しているとのことでした。ただ、近年は財政事情等もあって事業が伸び悩んでいるので、事業の早期完成について強く求められました。 沖縄では、冬春期の温暖な気候を生かした花井生産が年々増加しており、作付面積で見ても五十九年産は五十五年の三倍となるなどサトウキビ、野菜に次ぐ重要な作目として成長しております。生産は切り花が中心で電照ギク、サンタンカ、洋ラン等が伸びているとのことであります。その実例としてラン切り花の本土出荷団地を目指して努力している糸満市の高辻農園を訪れました。この農園のメンバーは平均三十三歳と若く、経営も安定しており、ラン栽培の先駆的役割が期待されております。 沖縄には、ミカンコミバエ、ウリミバエ等の特殊病害虫が存在しているため、農作物の本土出荷が規制されており、これが農業振興に大きな障害になっております。 我々は、那覇市にあるウリミバエ根絶防除事業の実情をつぶさに見ることができました。 ウリミバエの防除は、不妊出放飼法により行われております。この手法は、久米島での実験事業の成功により確立されたものであります。沖縄県全域を対象とする本格的な根絶防除は、五十九年から六十六年にわたって年次計画で実施されるとのことであります。この事業所の施設をつぶさに視察し説明を受けたのでありますが、ウリミバエ等の根絶は我が国だけでなく世界的にも大きく影響することと思います。 また、那覇市にある沖縄県中央卸売市場を訪ねました。県民の待望する中で昨年業務開始の運びとなったもので、今後の順調な発展が期待されます。 サトウキビについては、沖縄では本土の米と同様の地位を占めており、栽培面積も全耕地の七〇%に達しており、視察したほとんどすべての圃場でその生育の状況を見たのでありますが、本年は雨にも恵まれ作柄は良好のようでありました。含みつ糖の保護育成策、サトウキビ価格対策等について各地で要望を受けたのであります。 なお、沖縄の農林漁業に関する県、市、町及び関係団体の要望の詳細については、会議録の末尾に掲載したいと存じますので、御了承を賜りたいと思います。 最後に、今回の調査に当たって、非常な御配慮をいただきました方々に対し深甚の謝意を表しまして、報告を終わります。
○委員長(成相善十君) これをもって派遣委員の報告は終了いたします。 ただいまの報告にありました関係団体からの要望につきましては、会議録の末尾に掲載することといたします。
○委員長(成相善十君) それでは、これより農林水産政策について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○菅野久光君 本題に入る前に、北洋漁業の救済対策の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 この件につきましては、業界から何度も陳情がありましたし、また、私ども社会党も、現地調査を踏まえて早急に救済対策をされるように要望してきたところでございます。冬を間近に控えてせっぱ詰またっ漁業者の救済のために、つい先日も陳情書が私の方にも届いておりますし、大臣や水産庁長官の方にも行っているというふうに思いますが、このことについてどのように思われるのか、この機会にひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 菅野先生にお答えいたします。 北洋漁業の救済に関する要望書につきましては私自身も拝見していましたが、これにどのように対処するかは現在財政当局と協議中でございまして、その検討状況につきましては水産庁長官から逐次報告を受けておりますが、できるだけ速やかに結論を得るよう最善の努力をしてまいりたいと考えております。
○菅野久光君 日ソ漁業交渉について私もこの委員会で何回か取り上げてまいりましたが、とりわけ今回の政府間交渉から外されたカニ、ツブ、エビの救済対策についてでありますが、私がこの救済対策について質問をしたときにも、その都度、ソ連との民間交渉の結果を見てから対処したいということでありました。もう既に四カ月以上たっているわけであります。結果がはっきりした今日でもまだその措置がされていない。 何か仄聞するところでは、大蔵との交渉が大変難航しているやには聞いておるわけでありますが、とにもかくにも一刻も早くこの漁業者の方たちは五十二年の二百海里ショックのときの例にならって交付金の交付などの措置をとってもらいたい、そして窮迫している漁業者を救済してほしい、こういうふうに言われていて、もう待てないというのがこの方たちの実情だというふうに思うわけであります。救済措置の発動がおくれている理由をこの際やっぱり明らかにしていただかないと、漁業者の方たちも何というのですか、納得できないといいますか、そういうことになるのではないかというふうに思いますので、その理由、それからおよそいつごろまでに実施できるのか、ひとつこの際、明らかにしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。
○説明員(佐野宏哉君) お答えいたします。 私どももカニ、ツブ、エビについて関係の業界の皆さんがソブルイブフロートとの交渉を断念するのやむなきに至られてから既に相当の日時を経過しておりまして、もはや時間的余裕のない全く差し迫った事態であるということは十分承知をいたしております。 したがいまして、今日に至るもまだいかなる対策を講ずるかということについて決着を見るに至っておりませんことは、私も大変遺憾に存じておるところでございますが、御理解を賜りたいと存じますのは、関係の漁業者の皆さん方、ただいま先生からもお話がございましたように、五十二年の先例を踏襲した対策ということを主張しておられました。また、財政の側から見ますと、五十二年のときのように、青天のへきれきのように二百海里時代が到来をしてしまったという事態に対していかなる対策を講ずるかという問題と、二百海里が定着して既に相当の時間経過しておる現時点においていかなる対策を講ずべきかということは、おのずと判断の基準が異なるべきものであるという考えが非常に強いわけでございまして、その中でできるだけ漁業者の皆さん方のお気持ちに近い線で決着を見ることにいたしたいということで、大蔵省とも粘り強く協議をしておるものでございますので、そういう事情で決定が遷延をしておるということを御理解を賜りたいと存じます。 ただ、冒頭申し上げましたように、私どもも既に時間的余裕がないということは十分認識しておりますから、大急ぎで結論を出すようにしたいというふうに思っております。
○菅野久光君 大急ぎ大急ぎ、いつも、いつの場合にも早急にという言葉が出るわけでありますが、どの辺までが一体早急にということになるのか。その辺がいつも不明確で、一般的に言えば早急にと言ったら相当やはり早くというふうに受け取るわけでありますが、もう何カ月もたっているわけですよ。やはりどこかに、大蔵との交渉ですから、だからある程度の時間がかかることもわかるんですけれども、しかしおおよそのめど的なものも持たないでやるというわけにはやっぱりいかないのじゃないかなというふうにも思うんです。ただ、余り事を急いで、言えば不満足な形で決着されても困るわけでありますが、その辺おおよそというようなことで、今ここで明らかにできませんか。
○説明員(佐野宏哉君) この点は、ただいまいみじくも先生から御指摘のございましたように、本当に急ぐというのならば大蔵省にべたおりにおりてしまえばすぐ決まるわけでございますが、そういうことをしたのでは漁業者の皆さん方の御納得がいただけないと思うものでございますから時間がかかっておるのでございますが、いつまでということにつきましては、相手のあることでございますから特定の日にちを申し上げるわけにはまいりませんけれども、今の私どもの気持ちとしては、月をもって数えるというのは論外である、週をもって数えることさえ、もはやそういう時間的余裕がないというふうに思っておりますので、そこら辺で私どもの気持ちをお酌み取りいただければと思います。 ただ、大蔵省との関係で、農林水産省はもうおりる直前であるというふうに思われたくないという事情が、断定的に一応申し上げることをためらわせておるわけでございます。
○菅野久光君 大蔵の方に私も行っていろんな状況は聞いておりますが、さっき言ったように本当に大変なところに来ている。ちょっと間違えばこれは漁業者たちから大変な不信を招くといいますか、そういう状況にもなりかねないような今の大蔵当局の態度ですか、対応のように私も受けているわけであります。 しかし、何かいろいろ話の中に、先ほど長官からもお話がありましたが、二百海里の問題があってから約十年近くたっている。ある意味で言えば、こういったようなことが予測されたのではないか的なことが何か大蔵当局にあるようにも思うわけでありますが、しかし、そういったような、よもやこんなに急激にということは恐らく漁業者も考えてなかったでしょうし、また水産庁も予測していなかったのではないかというふうに私は思うんですね。予測していたとすれば、やはりそれに対する対応、例えば税の問題だとか積立金だとかいろいろなことがあると思うのですが、そういう構えがなしにこういったような事態を招いた、そうすればとりあえず今回の問題は今回の問題、今後の問題と切り離してこの問題についてはやっぱり対応するということでなければ、何かずるずるずるずる大蔵ベースに引き込まれていってしまうのではないかというような心配がされるわけです。 これはカニ、ツブ、エビの問題は、もう交渉が終わった途端から、もうやめた、一部やるというものがはっきりしちゃったわけですね。サケ・マス交渉の場合には、これは時期はおくれたけれども出漁した。それは漁の結果を見てということで、カニ、ツブ、エビよりは、以東船だとか、あるいは中型サケ・マス船の救済の問題については若干時間的な差があったということは私も認めるわけでありますが、それにしてもやっぱり相当時間がたっている。しかも、サケ・マスの場合もカニ、ツブ、エビの場合も同じでありますけれども、加工業者だとか地域の関連企業、関連の中小企業にまで広くその影響が及んでいるわけであります。 政府としても十分にその点についてはわかっているはずで、現地の苦しみを知りながらこの問題についてはまだ解決を見ていないということで、カニ、ツブ、エビの業界はもとより、サケ・マスの関係についても非常に何か意図的におくらせているんじゃないかなんというようなことさえも出てきているわけで、極めて残念に思っているわけでありますが、いずれにしましても北海道はもう間もなく雪が降る、そういうときを迎えておりますので、月をもって数えるんじゃなくして週をもって数える、極めて長官、何というんですか、大変文学的な言葉というんでしょうか、そういうふうに言われたわけでありますが、この状況といいますか、そういうことを十分に踏まえて、とにかく不退転の決意で頑張ってもらいたいというふうに思いますし、とりわけこの問題については特定の道と県に集中しているわけですね。 何か聞くところによれば、大蔵はかなり該当する道や県に、救済対策について応分の負担をしてもらいたいような話もあるようでありますけれども、特定の道や県にそういうものを持たせるなんということは今まではやっぱりなかったことでありますので、あくまでも今回の措置は今回の措置として、今後の問題については新たにやっぱり基本的にどういうふうに考えるんだ、ほかの産業とかいろんなそういうものとのかかわりがありますから、そういうことでやっていくことはいいとしても、将来のことまで踏まえて今回のやつをということは、私はどうも納得できないわけです。その辺、十分に理論構成をなさりながら対応されていると思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○説明員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、二百海里体制下における外国二百海里内での操業に伴うこの種のリスクにいかに対処すべきものであるかという一般論と、それから本年のとりあえずの今、目前の問題の処理ということは、これは私どもも仕分けて考えるべきものと、そういうアプローチで大蔵省とは話をいたしております。そもそも外国二百海里内操業に伴うリスクというのはいかに処理されるべきものであるかということを大上段にかぶって議論をしたのでは、とても皆さん方の御要望のような時期に決着がつくとはとても思えませんので、その点は切り離して処理すべきものというふうに私どもも考えて対処をいたしております。
○菅野久光君 とにかく時間的に見ましても、早急にひとつこの救済対策についての意思決定をされて救済対策が発動されるように心からお願いをして、また内容についても期待をしながら、この問題については終わりたいと思います。長官、どうも……。 それでは本題に入らさしていただきますが、いろいろ畑作物の支持価格の問題について、畑作振興の立場から、特に北海道、九州、沖縄などの日本の食料基地で基幹作物となっておりますのでお伺いをいたしたいというふうに思います。 まず、この畑作関係の支持価格の問題でありますが、農家の手取り価格が五十七年産以降五十九年産まで、連続三年も実質的に据え置いたままになっているわけでありますが、その理由。そしてその結果、畑作地帯の農家とその地域経済に大きな影響を与えているわけでありますが、その影響をどのようにお考えになっておるか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(関谷俊作君) 私の方から大豆についてお答え申し上げますが、大豆については、御承知のように生産物につきましては、大豆なたね交付金暫定措置法に基づく基準価格はお尋ねのようにこのところ据え置いております。それと生産の状況等の関連でございますが、これは全体的に見ますと、大豆は畑作物として、また水田の転作作物として両方の面で見ますと、作付面積としましては大体横ばいのところで近年は推移をしておりまして、この価格の影響というものは、私どもとしては直接生産にいわばブレーキをかけるような形では作用しておらないというふうに見ておりますが、最近、特に全体として田作大豆中心に単収が比較的上がっておりまして、そういうことから見ますと、全体の大豆の収穫量としてはむしろ二十二、三万トン水準というようなところでやや増加傾向を見ておる。また、地域の状況を見てみましても、特に畑作について申し上げますと、これが大体輪作体系の中でほぼ適当なシェアを占めながら一つの畑作農業の安定にも役立っておる、こういうふうに見ております。
○説明員(鴻巣健治君) バレイショについて見ますと、やはり単収はかなり上がっていまして、五十八年、五十九年ともに御承知のとおりヘクタール当たり大体三十六トンとか三十五トンぐらいでございますから、十年間に大体三割ぐらいは上がってきているわけです。 一方、労働時間の方は、十年ぐらい前ですと十九時間とか十八時間ぐらいでございますが、現在は十時間ぐらいでございますので、これはもうほぼ六割ぐらいに減っているということでございまして、そういう単収なり、あるいは労働時間の減少といったような生産性の向上などを総合的に勘案いたしまして、パリティ価格を基礎に決めたわけでございます。
○菅野久光君 三年ずうっと据え置いたけれども余り農家経済には影響がない、ある意味で言えば収量は上がっていること等も含めて余り影響がないようなこと、あるいは地域経済にも余り影響がないようなことを言われておりますが、そんなことはないんじゃないですか。 それではちょっと細かいことでお尋ねいたしますが、確かに収量が上がった、あるいは労働時間が少なくなったということは認めますが、農薬だとか肥料だとか、それから農機具費だとか、そういうものはかなりの値上がりを見せていますね。そういったようなものとの関連はどのようにお考えですか。
○説明員(関谷俊作君) 農業生産資材につきましては、この二年ないし三年間を見ますと、農薬、肥料、農業機械ともむしろ横ばいないし物によってはごくわずかでございますが、価格を決めるに際して少し下がるというような傾向も見られている物もございます。しかし、いろいろ労賃というか家族労賃の評価の問題等を考えますと、確かにこの三年間、コスト面から見た上がる要因がないということではございません。 ただ、私どもが先ほど申し上げましたのは、全体の価格の据え置きというか横はいの中で、生産面にあらわれた面積なり、あるいは単収なり、こういう面から見ますと、いわば生産を減退させるとかいうふうな形での影響というものは必ずしも見られていないというふうに考えておるということを申し上げた次第でございます。
○菅野久光君 三年間価格を据え置いて、そして全然影響がないのではないかという見方はやはり甘いのではないかというふうに思います。この論議をしていると時間がなくなってしまいますので、いずれまた別な機会にやりたいというふうに思いますが、今申し上げましたように、農家の手取り価格を据え置く一方で、農林水産省は昨年の四月に局長通達を出してカンショとバレイショについて適正な生産、別の言葉で言えば生産調整を指導したというふうに思います。一方、北海道では、北海道の農協中央会と農協畑作対策本部が本年一月に「昭和六十年産畑作物作付指標面積の設定について」、これを発表して作付の指標を示しました。その内容は、五十九年の実績に対しててん菜が四%、バレイショが七%、豆類五%をそれぞれ削減、麦類のみ三%の増加というものでありました。この指標は農協が自主的に示したものであるとはいえ、その背景にはでん粉、原料芋の計画生産を指導した政府の意向があったことは論をまたないところであると思います。 北海道においてはてん菜とかバレイショ、それから大豆は文字どおり畑作地帯の基幹作目であります。同時に、輪作体系の維持に欠かせない作物であります。したがって、畑作農家の所得はこれらの作物に大きく依存していることは間違いがない。北海道は、水田面積の半分にも及ぶ過酷な減反を強制されてまいりました。このために、既存の畑作二十七万ヘクタールの上に六万ヘクタールの稲転の畑作が加わりました。すなわち、北海道の農民は畑作物に依存せざるを得ない状況に追い込まれたといってもいいと思うんですね。そして、このように畑作物に依存せざるを得ないような状況に追い込んでおいて、今度は畑作物の農家手取り価格を据え置いて、さらに生産調整を指導したり、自主的に調整せざるを得なくしたわけですね。 常識的に考えても、農家手取り価格が据え置かれれば物価上昇分だけ農家の収入は減少する。それに生産調整が加わったのではさらに大きく減らざるを得ない。俗な言葉で言えば、踏んだりけったりということはこのことではないかというふうに思います。もちろん、これは九州や沖縄の畑作農民にも共通するものだというふうに思います。 今や農政とは、まじめに生産に励んでいる農民たちの所得を減らすための施策を次々に打ち出すことが農政かというふうにさえ思えるほどであります。当局は何か一生懸命やっているつもりでありましょうが、これでは農民の納得は得られないのではないか。このような現状に対して大臣どのように思われるか、その御見解をひとつ承りたいと思います。
○説明員(関谷俊作君) ただいま御質問の中にもございました生産面でのいわゆる指導の問題でございますが、五十九年四月に出しました私どもの通達は、バレイショでん粉と雑豆についてのものでございまして、これはそれぞれのものの需給事情等を考えると、やはり生産の面積については相当調整というか慎重な配慮が必要であるので、道知事におかれては、そういう一種のこれらのものについての目標面積を決めて協議してほしい、こういうような趣旨のことでございます。 なお、お尋ねの中にございました北海道の農業団体、中央会を中心に決められました六十年の指標面積でございますが、これは今の二品目だけではなくて、全体として作付面積の指標を決めておられるわけでございます。これについては、あくまでも性格は農業者団体の方における自主的な措置でございますが、ただ、私ども、実際上いろんな形での決める過程での御相談は受けております。全体は、先生もよく御承知のとおり、若干需給事情等も配慮しつつてん菜について面積の減少と、それから大豆については若干伸ばす、こういうようなことをいたして、これが大体今年の作付の中でほぼその線に沿って作付がなされておる、こういうふうに承知しております。 こういう状況でございまして、全体としてはやはり北海道における畑作物の重要性は、畑地帯とそれから水田転作両面で大変大事でございますので、一方、それぞれのものの需給事情なり、それから畑作の中では合理的な作付体系の維持、こういう両面に配慮しながら考えているわけでございまして、全体として畑作物の生産をいわば非常に抑え込む、こういうような形の指導よりは、むしろ畑作物の中のバランスと申しますか面積配分と申しますか、そういうような考え方で私どもも指導を申し上げ、また調整も農業者団体の方においてされておられる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○菅野久光君 今も申し上げましたけれども、価格は据え置いている、そして需給事情に見合ったような生産をということでその面積も抑えていく。単位面積当たりが上がってもそれを抑えていくということは、それだけ結局農家の収入が少なくなるということですよね、端的に言っていけば。相談に見えたと言われましたけれども、相談に見えたでなくて相談をしなさいという通達なんですね。 ですから、そこのところは何か自主的にやられたような形だけれども、形は何か一応そういう形をとっているけれども、実質的には農林水産省が指導して、そういうふうにしなきゃだめですよというふうに指導したわけでしょう。それは自主的にやらざるを得ないような形に持っていったといいますか、非常にそういう意味では何というんですかね、うまいやり方というんでしょうか、巧妙なやり方というのか、そういうものではないかというふうに思うんです。ですから、農家の手取りということからいえば、ちょっとやっぱり今の説明からいくと明らかにこれは矛盾している、そういうふうに思うわけなんですが、そこら辺はどうでしょうかね、これを聞いていて大臣。
○説明員(関谷俊作君) 大変細かい話になりますと、バレイショでん粉と雑豆については一つの需給事情の問題なり、それからこれはこう申し上げるとなんですけれども、特に雑豆についてはいわゆる輸入制限との関連等も配慮しますと、やはり国内生産についてはかなりの制限と申しますか、調整という体制をとっていかなければいけないところもございまして、これは申し上げましたように道知事が作付の目標面積をつくって協議する、こういうことをしていただいております。 生産者団体の方は、これら二品目も含めて畑作物も含めた全体についての指標面積をお出しいただいたわけでございまして、これは今、実質的には指導しているというのと同じことだということですが、内容的に細かく申しますと、これは一〇〇%それを承認するというような形まではなかなかまいりませんで、率直に申しますとこの団体で決めました指標面積については、簡単に申しますといろいろな需給事情等を考えてかなり努力していただいておるこういうふうな意味で私どもこれは評価できるというふうに見ておりまして、では具体的にそれぞれの品目についてその指標面積に出ました作付面積が役所の立場から見て一〇〇%それでオーケーが出せるのかということになりますと、これは多少見方が私どもの児方と団体の方の見方と少し違ってくるわけでございます。 そういうことと先ほどの価格との関連の問題については、先ほども申し上げましたように、あくまでも全体を抑え込むというよりは、やはり作目間のバランスの問題というものを非常に重視をして考えておるわけでございますし、特に今回の価格決定に持ち込まれます大豆につきましては、私どもとしては生産の面積を制限するというふうな指導を今までのところは一切行っておりませんで、現に指標面積の中でも大豆については若干の面積増がされておるわけでございます。 そういうことでございますので、価格面では先ほど申し上げましたように据え置きという傾向をたどっておりますけれども、これが生産面での抑制ということに実際的にも結びついているものではない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○菅野久光君 作付の指標面積の関係については、道知事が農業団体にお願いをしてというようなことを言われました。これはあくまでも農林水産省から道知事に行って道知事が農業団体にという、そういう筋道をたどっていく。道知事が自主的にそういうことをやって、そしてそれを農林水産省に相談をしているということではない、そこら辺の関係だけはひとつはっきりしておいてください。
○説明員(関谷俊作君) 繰り返しになりましてまことに恐縮でございますが、バレイショでん粉、でん粉用バレイショと雑豆類につきましては、先ほど来申し上げましたように、知事に目標面積を決めてもらってそれを協議する、こういうことにしておりますが、団体の方では全くこれは自主的に全体の品目について全体のバランスを考えながら指標面積をお出しになったわけでございまして、この関係は、やはりイニシアチブは北農中央会を中心とします北海道農業者団体の自主的な措置として全体の作物についての指標面積をお決めになる。六十年についてはある意味では初めてのこととして、全作物についての指標面積をお出しになると、こういうことでございますので、その特に需給上重要な二つの品目の問題と、それからすべての主要作物についての問題、この取り組み方は違っておるわけでございます。
○菅野久光君 取り組み方は違っても、農林水産省の意図といいますか、そういうものがあって、そしてそれに対応しない限りなかなか全体の対策はうまくいかないということもあって、自主的な形でやらざるを得ないということになったんだというふうに私は理解せざるを得ないわけであります。このような財界と大蔵当局主導の、言えば臨調農政をとり続けていく限り畑作地帯はだんだん疲弊をしていく、そして畑作物の自給率はだんだん落ち込んでいかざるを得ないというふうに私は思います。 農産物の自由化だとか、あるいは枠の拡大に狂奔している財界、あるいはもっと言えば、中曽根首相には願ってもないことではないかというふうに思います。国民の食糧の安全保障は果たしてこれでよいのだろうか、また、農民の生活はどうなっても構わないというのだろうか。今、本当に農政を考え直すときに来ているのではないかというふうに私は思います。 そこで、まず手初めに、六十年産の畑作物の支持価格の決定に当たっては、過去三年間の農家手取り価格の据え置きをカバーするような大幅な引き上げをすべきではないかというふうに私は思います。特に大豆については、財政当局が交付金の増大を理由に制度そのものの改定をもくろんでいて、農林水産省側も無傷では済みそうにないというようなことを言っているというふうにこれは農業新聞に出ているわけですが、ひとつ弱腰にならずに畑作農民のために全力を尽くして現行制度を守ってもらいたい。大臣も、そういう意味では率先して交渉に当たってもらいたいというふうに思います。 大豆のことについては後から改めて質問しますが、まず畑作物の支持価格についての基本的な姿勢と覚悟のほどを、これはぜひ大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。 大豆とてん菜、バレイショにつきまして私の考え方を申し上げたいと思います。 大豆の基準価格は、先ほど局長も言ったようなことでございますが、大豆なたね交付金暫定措置法に基づきまして農業パリティ指数に基づいて算出されました価格、それに生産事情その他の経済事情を参酌して決定することとしておりますが、その際に三つの点に配慮いたしたいと思っております。その一つは、やはり現下の厳しい財政事情、それから栽培技術の高位平準化による生産性の向上、それからまた、もう一つは、他の畑作物とのバランス等を総合的に勘案しまして慎重に決定してまいりたいと思っております。 また、てん菜、バレイショの生産者価格につきましては、生産面での単収の増収あるいは労働時間の短縮等、生産性の向上を総合的に勘案してこれまで決定してまいったわけでございますが、本年度の生産者価格につきましても、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準としまして、やはり財政事情及び需給事情、これら畑作物の生産性が向上していること、他の畑作物とのバランス等をも総合的に勘案して決定してまいりたいと思います。 実はそんなことでございますが、御指摘の点はよくわかります。そういうことで、できるだけ生産者の方の不利益にならないように最善の努力をいたしたい、このように考えているわけでございます。
○菅野久光君 何にしても、財政事情というやつが言葉に入ってきますとすべてのことが財政事情、それが第一義的になってしまうわけですね。財政事情はともかく、やっぱり本来こうあるべきだということできちっと主張していただかないと、それは財政当局のペースにはまってしまうんじゃないかというふうに思いますので、農家の状況等を踏まえ今後の畑作振興という立場からも、大臣しっかりひとつ頑張っていただきたいというふうに思います。 どうも政策をいろいろ立てられるんだけれども、その政策と実際にやられることとの間に整合性がないんではないか。計画だけ、あるいは政策は何か立派に立てられるんだけれども、後からだんだんだんだんその政策を実行するような段階になっていくと、それがゆがめられていってしまうということがどうも最近多い。そういうことがある意味で言えば猫の目農政、こういうふうに確立されたからこう行くんだというふうに思って一生懸命それについていくと、途中ですぱっとはしごを外されるようなそういうことがある。そういうことから行政に対する不信というものが起きてくるわけでありますが、大豆についてもやっぱりそういうことが言えるんじゃないかというふうに思うんですね。 「農産物の需要と生産の長期見通し」、これは昭和五十五年の十一月七日に閣議決定によってオーソライズされているものであります。そこで示された各種の指標、これは単純な見通し数字だけではない。農政審議会は、五十四年の八月に公表した「農政の今後の検討方向」の中で、生産見通しについては、単に量的な見通しにとどまらず、生産政策の総合的目標として設定する必要がある、このように述べております。さらに、「長期見通し」は、単に作目別の需給見通しにとどまらず、農地面積、農業就業人口等を含めて、今後の我が国経済社会の中での農業の位置づけを明らかにできるよう農業の全体像について将来のビジョンを明らかにするものとする必要があるとも述べております。「長期見通し」では、このような考え方に基づいて大豆についても生産の位置づけをしているというふうに思うんです。 したがって、大豆なたね交付金暫定措置法に基づく価格支持制度の運用に当たっては、「長期見通し」において描かれた大豆需給の姿を実現することを念頭に置いて運用されなければならないのは当然だというふうに思います。 ところが、その現実の姿は、四十二万トンにははるかに及ばない二十数方トンの生産しか行われていない中で、今度は交付金の対象数量を絞り込むとか、あるいは財政負担の軽減を第一義とした運用が行われているのではないか。これは明らかに政策の矛盾だというふうに考えますが、これはどのように説明されますか、お伺いいたします。
○説明員(関谷俊作君) 「需要と生産の長期見通し」の中における大豆の扱いについては、先生のお尋ねのとおりでございます。 これは食用大豆の大体六割ぐらいを自給するという考え方のもとに、四十二万トンという数字が出ているわけでございます。従来までの足取りから申しますと、二十二、三万トンの生産量というのはほぼそのラインに向かって増加しつつある段階で、まだかなりすき間があるわけでございますが、ただその過程で、交付金制度の方に出ました幾つかの問題があるわけでございまして、その一つは、やはりこうやって生産数量、それに伴う出回り数量、生産者の販売数量がふえていきます過程で、従来予想した以上に、生産者の中で生産数量から販売の方に回されるものの割合が非常に高まってまいりました。いゆわる制度の対象になるものの割合が高まってまいりました関係で、販売価格の面でもかなり下がってまいりました関係で、交付金制度の対象になるものの割合、それから交付金のいゆわる単価、そういうものがふえて、そこに数量の増加が全部重なりまして、大変交付金額が実行上多く塗ってきまして、六十年度につきましては五十九年産に対する交付金の額がかなりの額になってくる、こういうような状況になりましたので、我々としましては今回価格決定をするについて、先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、この辺の事情というのはどうしても考慮の問題として一つ入ってくるのじゃないかということをお答え申し上げた次第でございます。 ただ、これはあくまでも大豆なたね交付金暫定措置法という制度がございまして、その制度の枠の中で、この制度の建前を維持しながら運用の問題としてどういうことが可能であるかという問題、さらに将来になりますと制度のあり方の検討にも入るかと思いますが、現在の問題としては、この枠組みの中における運用の問題として我々はどういうことを考えなければならないかということで、この交付金額の非常な増加という問題が、こういう財政事情の中では価格決定をする場合の一つの問題として出てくるということでございます。その辺はやはり制度の建前、それから需給見通しにあらわれた考え方、こういうことをあくまでも前提にした上でこういう交付金額の問題についての配慮をなすべきじゃないか、こういうふうに考えている次第でございます。
○菅野久光君 大豆なたね交付金暫定措置法、これに基づく交付金の対象数量、これは昭和五十三年度に水田利用再編対策がスタートした時点から急激に増机をしてきた。五十九年産の大豆については十二万三千トンとなった。同年度の交付金は百九十四億三千万円に上ったということですね。このような大豆交付金対象数量の増加は、転作作物として大豆の生産量が増加したこととともに商品化率が上昇した結果でもあるわけです。このことは、従来の自給的な生産体制を脱して大豆の近代的な生産体制が何か軌道に乗ってきたんじゃないかという証左でもあるというふうに思うんです。このような傾向を一層推進して四十二万トンの必要量を確保することが、今日の大豆生産政策の最重要課題だというふうに思うんです。 ところが、この六十年産大豆の価格決定を目前にして、大豆の海外相場が軟調であること、あるいは六十年産大豆の豊作が予想される、当初予算における五十九年産についての二百六億円の財源では対応できずに、約八十一億円の補正が必要になるというふうに見込まれているところから、政府は交付金対象数量の圧縮だとか基準価格の引き下げ等を考えているのではないかというふうに言われております。このようなことが事実だとすれば、私も今日の国の財政が置かれている状況を理解しないわけではありませんけれども、これは大豆の生産振興と転作大豆の定着を図るという方向に明らかに矛盾している、逆行している。それどころか、先ほど申し上げました「長期見通し」において示された国産大豆の生産見通しを具体化するという政策の基本にも反することになるのではないかというふうに思っておって、これは断じて行うべきではないというふうに考えますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
○説明員(関谷俊作君) この制度が発足しましてから、まさに先生の御質問の中にございましたように、五十三年産、具体的には水田利用再編対策の年から特に田作大豆、いわゆるそのものからいえば転作大豆でございますが、大変増加しまして、生産数量もふえ、一方交付対象割合もだんだんふえてきた、いわゆる商品化率的なものがふえてきたということで、全体の見方としては、これはまさに先生のお尋ねのとおり、日本における大豆生産のいわば回復というか、こういう見方ができるわけでございます。 ただ、現状においてつけ加えて申しますならば、北海道では大体少し前の数字ですが、二戸当たりの大豆の収穫面積は、五十五年ですが、平均八十アール程度でございますが、都府県の場合にはこれが五アール、昔の言葉でいいますと五畝、こういうようなことになりまして、大変少ないという意味ではまだまだいわゆる商品生産的な意味で本当の大豆生産が定着しつつあるというところまでは参っておらないのじゃないか、こういうふうに思っております。こういう中で、大豆については、かなり生産のいわば規模拡大あるいは団地化という道によりまして生産性の向上、コストの低減を図っていく必要があるというふうに考えております。 こういう中での交付金制度の運用の問題としましては、今、先生のお尋ねにもございましたが、我々としてはやはり一応問題として検討すべき事項としては、基準価格の水準について、これは中に含まれておる奨励金の部分も含めて、今回六十年産についてはどういう水準であるべきか、それから数量については、これはもちろんいわゆる数量に限度を設けることが実際の措置あるいは制度上の問題として可能であるかどうかという問題もございますけれども、数量の問題についても一応検討の課題とはしてみよう、こういうような時期に来ているというふうに考えております。 このほか、若干実行上の問題として、販売価格の問題あるいは流通経費の問題等ございますが、いずれにしましても今の大豆の需給事情から見ますと、交付金額のかなり増加のもとでは、価格、数量等の問題について今回の決定の際に検討する課題としては取り上げてみたい。ただ、その結論をどういうふうに出すかは、これから慎重に需給事情あるいは生産状況、こういうことを考えました上で結論を出すべきではなかろうかと考えておる次第でございます。
○菅野久光君 検討の課題にするということで、検討によってはどうなるかはまだもちろん結論ということにはなっていかないんでしょうが、検討の課題にすること自体がこれは大変な問題だというふうに思うんです。 もしも先ほど言いましたように交付金対象数量を圧縮したり、あるいは基準価格の引き下げ、こういったようなことを行った場合にこの大豆作についてどのような影響が出るというふうにお考えか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(関谷俊作君) 価格の問題でございますが、こちらの方は従来、価格の中に織り込まれております奨励金部分について生産性向上の傾向を見てこれを圧縮するということを行っております。こういうようなスタイルで生産性向上効果を織り込んで、奨励金を圧縮するということによる価格のいわば抑制というか、そういうことが即そのまま生産に悪影響を及ぼして、先ほど申し上げましたようなこれからの生産性向上の意欲あるいは団地化の意欲、こういうものを阻害するようなことがあってはならない、こういうふうに考えておりまして、価格決定についてはこの辺の生産に対する悪影響がないように、この点は十分考慮しながら決定すべきであろうというふうに考えております。 数量につきましては、これは仮に数量に限度を設けるというようなことを考えました場合には、その数量というのは一体どうやって導き出すのか、こういう問題が出てまいりまして、あるいは現在の暫定措置法のもとでこういう措置が制度上可能かどうか、こういう制度的な検討もしなければなりませんので、今、私ども数量制限みたいなことが可能かどうか、あるいはそれをした場合にどんな影響が出てくるかというようなところまでは検討が及んでおりませんけれども、仮にそれをいたしますれば、それなりに生産のいわば頭を抑えるというようなことにはなるわけでございまして、そういう意味では大変慎重な検討、配慮を要する、こう考えております。
○菅野久光君 今の御答弁のように、仮にそういうことが行われるとすれば、やっぱり相当大きな影響が出てくる。そうすると、先ほど言いましたあの「長期見通し」とのかかわりの政策との関係、これが出てくるわけですね。だから非常に難しい問題が出てくるわけでありますから、難しい問題が出てくるようなことは手をつけないようにした方がやっぱりいい、そうすべきだということを、この際申し上げておかなきゃならぬというふうに思います。 交付金対象数量の問題ですね、これは今後の大豆生産にとっても極めて重要な問題でありますから重ねて伺いたいと思いますが、そもそも大豆の国内生産は、米が単年度需給で潜在的には過剰基調にある実情とは異なって、自給率はわずかに四%にすぎない。食糧安全保障の観点から見ても、これは貴重なたんぱく源ですね。不測の事態に対応するためにも一定の生産レベルと生産技術、そして増産が必要となる場合に備えて十分な種子を確保しておくことが必要だというふうに思います。 ところが現在、大豆の生産を辛うじて可能にしているのは、大豆交付金制度による価格支持と転作奨励金の存在だというふうに思うんです。これらのいずれか一つが切られたときには、我が国において大豆の生産が行われる余地は残されていないのではないかと言ってもいいと思うんです。また、夏作大豆は、耕地の高度利用と土壌管理の上からも極めて重要な役割を果たしております。 以上、申し上げましたような大豆の我が国農業における位置づけを考慮して、政府は水田利用再編対策を推進するに際しても大豆を特定作物として指定をし、その生産振興に力を入れているはずなんです。政府のこの積極的な生産奨励に協力してというか、こたえて、他作物よりは収益性が劣る大豆に取り組んできた農家にとって、やっと軌道に乗りかけてきた途端に今度は生産抑制的な政策がとられたのではたまったものではない。養蚕の場合が典型的だったように、これは農政に対する信頼というものも失われるに違いがない。このような観点から、私は大豆作農家の生産意欲を失わせるような交付金対象数量の削減は絶対に行わないように、重ねてこれは主張をしておきたいというように思います。答弁は要りません。 そこで、基準価格の決定方針でありますが、大豆なたね交付金暫定措置法は、この第一条の目的において、「この法律は、大豆の輸入に関する事情の変化が国内産の大豆及びなたねの価格に及ぼす影響に対処するため、国内産の大豆又はなたねにつき、販売の数量及び方法等を調整してその販売事業を行なう生産者団体等を通じその生産者に交付金を交付する措置を講じて、その生産の確保と農家所得の安定とに資することを目的とする。」と規定しております。ところが、六十年産大豆の基準価格決定を目前に控えた今日のこの時点において、交付金の額をふやさないという財政サイドの要請から、基準価格の引き下げ、基準価格に織り込まれている奨励金部分の一部カット、あるいは交付金対象数量の引き下げを行うといったいろいろな情報が流れております。しかし、大豆の基準価格は昭和五十六年に一俵六十キログラム当たり一万七千二百十円という価格が決定されて以来、今日までこの支持価格は据え置かれております。農家にとっては、これは生産量をふやすか生産のために必要な投入経費を節減するかする以外に所得をふやす手だてがないという状況に追い込まれております。 このような大豆作の苦しさをあらわしている最もよい例は、転作との関係だというふうに思います。昭和五十八年以降、この転作目標面積が緩和されたことによって、第三期対策に入った五十九年以降は、大豆の作付面積が約一万ヘクタール弱ではありますが減少しております。恐らくこのかなりの部分は収益性の高い稲作に転じた、稲作に復帰した、そういうふうに考えられます。このことから私が言いたいのは、大豆作は畑作経営の基幹作物として定着しているとは言えないのではないかということで、反当収量の面でも作付規模の面でも一層の改善が図られない限り不安定に揺れ動いて、悪くすれば輸入大豆に押しつぶされかねない状態にあるということだと思うんであります。このような状態にあるから、大豆なたね交付金暫定措置法は、交付金の交付という手法によって大豆生産の確保と農家所得の安定を図ることを目的としているのだと理解をしております。 ところが、さきにも述べましたように、財政の観点を優先させるような最近の制度運用、これによって明らかに制度本来の趣旨に反していると言わざるを得ない。六十年産大豆の価格決定に当たって政府はどのような考え方で臨もうとしているのか、そこを明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(関谷俊作君) 現在の大豆生産が、お尋ねのように非常に水田転作とのかかわり合いが深いというのはもうそのとおりでございます。五十三年から大変作付面積が現在のような水準に近いくらいにふえましたのも、結局、水田利用再編対策の中で転作目標面積が増加する中で大豆にかなり転作を持っていこう、こういうような結果が大豆作付面積の増加になっているわけでございまして、先ほどお尋ねのございました六十五年見通しの四十二万トンというものも、結局六十五年時点で相当の転作をする場合にかなり大豆に生産を持っていこう、こういうようなこととのかかわり合いでそういう目標が出ているわけでございますので、私どもは認識としまして、御質問の中に繰り返しございましたように、現在の大豆政策というのは、北海道畑作地帯のような畑作地帯における作付体系の重要な一環としての大豆、それから全国の水田で転作により作付される大豆、この二つで、量的には後者の方が非常に大きいわけでございます。 そういう意味で、今回価格を決めますについても、この問題を全く考慮しないということじゃなくて、あるいはむしろこのことを重点として考えながら価格については決定をすべきであるというふうに考えておりまして、内容的には奨励金部分の問題等が検討の対象になるわけでございますが、あくまでもこういうことによって転作の重要な部門として大豆の生産を伸ばしておる、あるいは位置づけておる、こういうことについて悪影響の及ばないような、あるいはそれと矛盾しないようなことを考えながら価格を決定すべきであるということは、私どもも今回の価格決定について、先ほど財政事情をいろいろ申し上げましたけれども、そちらの面について重要な配慮をしながら決めることだと考えております。
○菅野久光君 重要な配慮をしつつということでありますからこれは結果を見てということになるんでしょうが、どうも今までの状況を見ますと配慮のなさばかりが目につくということで、極めて遺憾な状況がここずっと続いているわけでございますから、今、御答弁のように、なお一層、言葉だけではなくて実質的に重要な配慮がなされるように、私は心から結果を期待していきたいというふうに思います。 それから、五十九年産の交付金の不足分約八十一億円ということで、これは農林水産省もびっくりしたのかもしれませんし財政当局もびっくりしたのかもしれませんが、この財源措置はどのようになさるおつもりなのか、そこのところをお聞きしておきたいと思います。
○説明員(関谷俊作君) 五十九年産については、昨年価格を決めておりますので、価格についても決まっておりますし交付の仕方も全部昨年決定をしておるわけでございますが、その後、当初予算で二百六億円余り計上したわけでございますが、大変生産数量も多くて、また交付対象数量もそれに従ってふえ、また交付金の単価も若干広がった、こういう幾つかの要因が重なりまして八十一億円余りの財源不足になる見込みでございまして、これは私どもとしては、もちろん制度の運用として当然支払うべき金額でございますので、今度の臨時国会に出される補正予算の中で計上するように、今、財政当局と折衝をしておるところでございます。
○菅野久光君 今、私は、大豆なたね交付金暫定措置法の目的と価格決定に臨む政府の方針についてお伺いをいたしました。この制度は、海外の極めて安価な大豆が大量に輸入されることによって国産大豆の生産が成り立たなくなる事態に対処するための制度であるわけですね。しかし、漏れ聞くところによると、最近における大豆の国際相場は昨年の豊作の影響によってかなり低水準にある。それを反映して標準販売価格が昨年よりは低くなる可能性があるところから、この交付金単価が上昇し予想以上の財政支出になるという可能性があるために、財政当局としては交付金の単価を引き下げたいという意思があるというふうに聞いておるわけです。しかし、私はこの考え方は本制度の基本を否定することにつながる。 なぜかといえば、もしもそのような論理で基準価格が決定されれば、目的規定にあるように輸入大豆から国内生産を守ることができなくなる、本制度を有名無実化してしまうことになるからであります。六十年産大豆の基準価格の決定に際しては、このような制度の目的に反することのないように慎重に対処していただきたいというふうに思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○説明員(関谷俊作君) この問題は、基準価格から差し引かれます農家手取りを算出する上でのいわゆる販売価格の問題でございます。これは五十九年産については五千百円余り台の水準になるというふうに見込まれておりますが、今一つの問題として出てまいりますのは、まさにお尋ねになりましたとおり輸入品の増加による影響をカバーするための制度でございますが、実際の販売価格が輸入品の影響を受けたとはいえ大体このぐらいまでならば最低限売れるだろう、こういう一種の下隈の価格みたいなものがあってもいいのではないか。幾ら安く売れても全部補てんをするというようなことではなくて、輸入品と国産品との品質差等を見ますと、従来からすればこのぐらいの価格までなら売れるじゃないかと考えてもよかろうという価格を一つ考えまして、それ以下に売れた部分についてはその考えられた一定価格で売れたと、こうみなしまして、その部分は交付金の対象としないというような、はっきり申しますとそういう形になるわけでございますが、こういう考え方が導入されてもしかるべきではないかというような議論があるわけでございます。 これは基準価格の問題というよりは、むしろ制度の期待する一つの販売価格としての下の方の限度と、こういうようなことてございますので、何かそういうような考え方についての一つの検討も、今回の価格決定に際して運用上の問題として、またこれはもちろんこれによって大豆生産に非常に悪影響を与えるようなことではならないわけでございますが、検討課題としてはもう一つ入ってくるのではないか、こういう趣旨で今検討事項に含めて、これからの決定の時期までに結論を出したい、かように考えているところでございます。
○菅野久光君 いずれにしろ、目的規定にあるように輸入大豆から国内生産を守ること、これが一番大事なところなんですね。ですから、検討、検討はいいんですけれども、そこの目的を外れたような検討をするなんということはこれは許されないことでありますから、その点はひとつ十分踏まえてやってもらいたいというふうに思います。 それから、大豆作の特徴ですが、先ほど局長からも言われましたけれども、非常に作付規模の零細性にあるわけですね。五十五年の例を出されましたが、全国平均では七アールというふうに私どもは聞いておりますが、北海道でも八十アールにすぎないというようなことで非常に収穫面積が小さいわけでありますが、北海道における畑作大豆の収穫面積がそう大規模ではないという背景が一体どこにあるのか、また、この規模の零細性が生産性を高める上での大きなネックになっているというふうに思われますが、これについてはどのような対策をお考えでしょうか。
○説明員(関谷俊作君) 大豆の作付規模の問題でございます。これについては、畑作経営の場合と水田、いわゆる転作の場合で若干問題が異なるかと存じますが、畑作の場合には、先ほども申し上げましたような一つの作付体系、輪作体系の中の一つとして大豆を組み込むということでございますので、やはりこれはおのずから、ある程度の規模の畑作経営であれば大豆に振り向けていく分というのはその規模に応じてある程度の団地化は可能であるにしても、都府県よりは大きいわけでありますけれども、そうそう大きくなるものではございませんで、この部門についてはできるだけ経営の中の輪作体系としても合理的であると同時に、できるだけ集団的な作付が可能な方向に誘導していくということではなかろうかと思います。 ただ、問題としては、やはり田作大豆の方がどうしても非常に規模が小さくなりまして、少し前で言えば自給的生産にほぼ近いような形のものがどうしても多くなる傾向がございます。したがいまして、これは水田利用再編対策の中でも、集団的に作付けた場合には奨励金を加算する、こういう制度を設けまして、現に団地化の割合は、大豆の場合で大体四分の一ぐらいはこの加算金をもらって団地化をしている、こういうような状況であります。こういうようなことで、水田作について特に転作の一つとして大豆を考えていくというふうに指導をしたいと思っております。 なお、補助事業等の面でも、こういうような機械導入なり基盤整備なり、あるいは共同利用施設の導入、これを組み合わせました一つの営農集団を育成する、こういうような形で、その中で技術を高い水準に平準化していく、こういう観点に立ちました大豆生産対策の補助事業を行っておりまして、これらを通じましてできる限り大豆の作付規模拡大によるコスト低減、あるいは収量の安定、こういうことに努めてまいりたいと考えております。
○菅野久光君 大豆の関係について最後にお尋ねいたしますが、現在の大豆の基準価格は一俵六十キログラム当たり一万七千二百十円、いわゆる六十年産米の政府買い入れ価格の一万八千六百八十八円と比べてもそう遜色のない水準だというふうに思います。にもかかわらず、十アール当たり所得水準になるともう大幅に異なります。 それで、そのためには幾つかの理由がありますが、その中で最も大きいのは大豆における単収の低さ、これが問題なわけですね。豊作年であった昨年でさえ、全国の大豆の十アール当たりの収量は二百六十六キログラム、都府県に至っては百七十五キログラムという低い水準にすぎません。これが大豆の宿命かと思っていたら、昭和四十七年から開催されている全国豆類経営改善共励会に出品された優秀な農家の事例を見ますと、四十七年以来五十八年までの十二年間における受賞者の十アール当たり平均収量は三百九十三キログラムであります。年間では過去最高であった五十七年の例では四百六十四キログラムという記録があるわけですね。これは米に大体負けないくらいの収量が上がっています。 このような例を見ると、一般的な経営においても単収向上の余地はまだかなりあるのではないかというふうに思いますが、多収穫品種の育成だとか栽培技術の開発あるいは普及、そういう問題への対応、これが非常に大事だというふうに思いますが、それについてはどのようになっているのか、ひとつできるだけ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○説明員(関谷俊作君) 大豆につきましては、確かにおっしゃいますとおり、全体の平均というか、大多数の、特に連作の場合の農家は昔の自給的生産からそれほど向上していないという農家が多い一方で、今お尋ねのような大変収量の高い専業に近い大豆作農家が育っている、こういう状況ではなかろうかと思っておりまして、我々は先ほど申し上げましたような集団的な大豆作ということで技術の高位平準化を図っていくということが一つと、それから多収品種の育成については全国六カ所の試験研究機関におきまして品種の育成に取り組んでおります。これらのことをいろいろ組み合わせながら、特に単収の安定かつ向上、こういうことがやはり大豆作の合理化のひとつ決め手であろう。たまたま都府県におきましては全国平均ではこの数年でかなり上がってきております。北海道ではまだ単収が不安定とかいろいろな問題がございます。これからも大豆作の合理化の上で、一番重点的に取り組むべき課題であるというふうに考えております。
○菅野久光君 それじゃ、豆にかかわる問題でもう一つ質問をしたいわけでありますが、雑豆の関係なんですが、昨年の四月二十七日に日米農産物交渉の事務レベル協議で、十三品目のうち雑豆は八四年、八五年度、毎年最低枠五千五百万ドルまたは十二万トン、このように決定をいたしました。雑豆の消費量は二十四万トン、国内産は大体十五万トン、そういうことでありますから、国産優先ということになれば残は九万トンだから十二万トンには満たない。また、輸入優先ということになれば、国産十五万トンに達せずということになる。したがって、これはどのように処理をなさるおつもりなのか、その辺をひとつお伺いいたします。
○説明員(関谷俊作君) 雑豆の輸入の割り当てでございますが、これは日米交渉におきます一つの最低輸入枠というものがございますが、これは五千五百万ドルまたは十二万トンといういずれかの水準をクリアすれば一応最低輸入枠に達したということになるわけでございまして、今年、特に下期についてはこれからの検討でございますけれども、この辺の当面の需給事情全体として考えると同時に、特に小豆のような相当注意を要するものについては、種類別の枠の設定と申しますか、割り当ての面で十分配慮をしてまいりたいと考えておりまして、全体はこれは一つの輸入枠を守りつつ、やはり基本は国産優先あるいは国内の価格安定が優先ということでございますので、輸入についてはそれに対する影響をできるだけ小さくするような形で輸入をしてまいりたい、かように考えております。
○菅野久光君 国産優先ということでやる、そういうことで対応していくということで確認をしてよろしいんですね。
○説明員(関谷俊作君) これはやはり最低輸入枠というのはもちろん守らなければならないわけでございますが、それの割り当ての仕方として小豆等種類別の配分の仕方ということでかなりの効果を上げることでございますので、基本的な考え方は国産優先あるいは国内の価格安定が優先、こういうことでございますので、輸入についてはその影響を最小限にとどめるような形での運用をしていきたい、こういうことでございます。
○菅野久光君 言葉では何かいろいろ言われるんですが、数字的に言うと、先ほど言いましたように、大体雑豆全体の消費量が二十四万トン、国内生産が十五万トン、そうすれば残りは九万トンしかないわけですよ。だから、あと、そうすると三万トンはどうなるのかということなんです。足し算、引き算の問題なんですが、ひとつ三年生ぐらいでもわかるような御答弁をいただけますか。そこら辺、はっきりできますか。
○説明員(関谷俊作君) これは現在の、今、御引用になりました数字については、私ども当面の生産の状況、それから在庫の状況、これを豆の種類別によく見まして、その上でもちろん国産にしわ寄せをするというようなことのないように、国産小豆等雑豆類の供給状況を見ながら割り当てをするわけでございまして、その中で輸入による影響はできるだけ小さくしていくというような配慮をしていきたいということでございまして、具体的な数字については今まだ、需給関係のもろもろの数字を突き合わせてみまして、また在庫の状況等をもっと確認をいたしましてから割り当ての問題を決定いたしたいと考えております。
○菅野久光君 なかなかこれははっきり言えない部分があるんだろうというふうに思いますが、問題はこれからですと六十一年上期になりますか、の発給というか発券といいますか、その時期がやっぱり問題になるのではないかというふうに思うんですね。ある程度国内産のものを優先的に回すといいますか、その状況を見てぎりぎりのところで発券をすれば、あるいは国内産のものは守れるといいますか、そういう状況になるということで現在の状況を見ているというふうに理解をしてよろしいですか。
○説明員(関谷俊作君) 当面の問題は六十年度下期の割り当てをどうするかという問題でございまして、六十年上期は割り当てを既にしておりますので、いわば最低輸入枠から見ますと、それと上期、下期合わせて最低輸入枠に達しなければ約束上の問題になるわけでございますので、その場合にお尋ねのように下期割り当ての時期をどうするか、そのときに総体の数量、あるいは輸入枠、それから豆の種類別の配分をどうするか、こういうことはいろいろな生産地方面でも大変今心配をされている向きもございますので、十分そのことも考え、また需給状況、在庫の状況もよく判断をして、影響の少ないように決めていきたいということでございます。
○菅野久光君 いずれにしろ、このIQの問題で国内生産に何か大変影響をもたらすということになれば、生産者にとってもこれは大変な状況になるわけでありますから、その辺についてはひとつ十分な配慮をしながらやっていただきたいと思います。 時間が余りございませんのでちょっとはしょって申し上げますが、てん菜の問題でありますが、てん菜の最低生産者価格及びてん菜糖の事業団買い入れの価格の問題について、五十九年産の場合のてん菜糖の事業団買い入れ価格は原料価格プラス集荷製造経費、それを歩どまりで割るというようなことで、五十九年産の場合には一トン当たり二十四万二千七百円、こういうことで決められたわけですね。そこで、五十九年産については最低生産者価格トン当たり二万二百六十円、このほかに糖分取引推進費、これは従来は奨励金であったものですが、トン当たり七百六十円、これが名前が変わって糖分取引推進費ということで交付されております。この七百六十円という金額は買い入れ価格のどこに位置づけられているのか、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(鴻巣健治君) 製造経費の中に見られているわけでございます。
○菅野久光君 集荷製造経費、その中にこの七百六十円が見込まれているということでよろしゅうございますね。
○説明員(鴻巣健治君) そのとおりでございます。
○菅野久光君 糖分取引推進費は、これは六十一年からてん菜糖の糖分取引を円滑に推進するためにこれは設けられているというか、奨励金をこれに変えてきたということですから、六十年産のてん菜生産者価格の決定に当たっては、この七百六十円というものは全額当然これは六十一年から移るわけですから、その準備といいますか、そういうことも含めて全額確保を図るというふうに、何でも今切られる時代ですが、図るということで考えておられるように受け取ってよろしゅうございますか。
○説明員(鴻巣健治君) その糖分取引推進費、トン当たり七百六十円、うち一部の二十円は農業団体の推進指導費に充てられているわけでございますが、総額で約三十一億円近い金になっておりますが、これが今既に現在の折衝では、六十一年産から糖分取引に移行するんだからそのころはもうやめたらどうだとか、もう思い切って圧縮したらどうだというようなことがいろいろあってかなり厳しい状況にございますが、私どもとしては、やはり最近のてん菜を取り巻く事情なり財政事情なりを十分考慮しながら慎重に決定をいたしたいと考えております。
○菅野久光君 余りこのことに慎重であってはならぬのじゃないでしょうか。当然来年度からこれは移行するための準備のためのあれですから、余りこのことに慎重になったのでは、移行することも慎重にやるということになってしまうんじゃないかというふうに思いますから、この七百六十円は全額ひとつやって、来年度からスムーズに移行するように、私の方から特に要望をしておきたいと思います。 時間がございませんが、てん菜の関係で育種対策の問題でありますが、これは非常にこの関係はおくれているといいますか、極めて貧弱な状況になっております。非常に何か二年生作物で一年生のものより育種に期間と費用がかかるということだとか、糖の分析という複雑な作業が必要なことだとか、何か他殖性作物のために純系ができにくいなど多くの困難な条件があるようなんですが、しかし、ビートはやはり畑作の基幹作物で大変大事な作物でございますので、しかもこれらのものは西欧に比べて雨量が多いだとか、あるいは自然条件がかなり西欧とは違うということ等を含めて、自国に適した品種の開発というものは何としてもやっぱり必要だというふうに思います。 そこで、北海道農試のてん菜部、ここの整備充実、こういうことにもっと力を入れるべきだというふうに思いますが、価格を下げることばかりじゃなくて、生産費を引き下げるための条件整備、そういう中でもこの育種の問題は極めて大事だというふうに私は思っておるんですが、その辺のところについてはどのようにお考えでしょうか。
○説明員(櫛渕欽也君) ただいま先生御指摘のとおり、特に北海道の畑作地帯でのてん菜につきましては輪作体系の基幹作物の一つとして非常に重要な作物であるということで、この品種改良については私ども極めて重視をして進めておる次第でございまして、現在北海道農試が中心になりまして道の関係の試験場の協力のもとに育種を進めておりますけれども、昨今御案内のようにモノホープを初めとしまして、その後優良品種を育成してまいっておりますし、五十七年に育成しましたモノヒカリにつきましては、非常にその優秀性がヨーロッパ諸国でも評価されているようなものでございます。 ただ、いろいろと求められる特性が非常に多い中で、例えば糖の含量あるいは収量性あるいは病気、褐斑病という病害に対する抵抗性、こういう点では非常にピカ一の作品でございますけれども、何せ一つだけ抽苔しやすいという弱点がございまして、北海道の中のある地域ではなかなかこれを普及に持っていけない。そういう状況の中で、実は現在育成途上にありまして、もう間もなく新品種として世に出し得るような有望な系統の中にこのモノヒカリの弱点をさらに改良したものが出つつある、そういうのが現在の我が国のてん菜の、特に北海道農試を中心にした育種の現状でございまして、今後ともその品種改良につきましては一層力をかけてまいりたいと考えております。
○藤原房雄君 最初に、七月ですか、委員会が開かれましたときにいるいろ申し上げたことについての経過について、調査をいたしますということで終わっておりましたので、まずその問題からちょっと入りたいと思います。 実は、我が党の刈田委員から当委員会におきまして、カドミ米の問題についていろいろ議論がございまして、富山県の問題でございますが、その実態をよくひとつ把握していただきたいということでお願いをしておりました。米価審議会等で長官もいらっしゃいませんで、次長さんがいらっしゃっていろいろお話をいただいたのでありますが、詳細については後日報告ということでございましたので、富山県の問題についてのその後の経過について御報告をいただきたいと思います。
○説明員(石川弘君) 昨年の十一月に本委員会におきまして、刈田議員から婦中町のカドミウム汚染地域の他用途利用米等の取り扱いということで御質問がございました。当時私どもといたしましては、田先の食糧事務所を使いまして、富山県それから婦中町の両方と一緒に実態を調査いたしまして、十一月二十六日でございますか、私どもの方に報告がございまして、十二月に刈田先生にその他用途利用米がカドミウム汚染地域で生産されているという事実はないという御報告をいたしたわけでございますが、その後いろいろと、さらに地域は別でございましたけれども、カドミウムの問題等が出てまいりまして、先生から再度これもよく調べるようにという御指摘がございました。大臣からもお話がございまして、七月の二十二日と二十三日、本省から担当官を派遣しましてもう一度現地を調査いたさせました。 その結果を御報告いたしますと、まずカドミウム濃度が一ppm以上の米がとれる可能性のあるところは全部休耕いたしておりますので、そこでは生産が行われていないわけでございます。それから一ppm未満で〇・四ppm以上、こういうものができます米につきましては、これを政府が買い入れまして、食用以外の用途、これはのりでございますが、こういうものに充てるということをやっておりますので、まず主食の世界でそういうものはこの地域では全くないということでございます。 他用途利用米のことでございますが、これにつきましては、五十九年産につきましては、実は当初カドミウムの汚染地域にも生産予定量が配分をされたわけでございますが、やはり問題があるということがございまして、共補償をいたしまして、その生産を汚染されてない地域の生産者に引き受けていただいた。結果的には、そういう他用途に流れる可能性はなかったわけでございます。それから、そういうこともございまして、六十年産は当初から非汚染地域の生産者だけにつくっていただくという指導をいたしております。 以上が婦中町の件でございます。 その後、七月になりまして、これも先生御指摘がありましたように、これは富山市農協が種子用に生産いたしておりました種もみがございますが、その売れ残りました公約四十六トン、それから管内農家で販売用として別に購入しましたもので販売残となった種もみ五トン、その二つ、そういうものをもとにしまして約四十一トンの玄米を富山市農協が富山県経済連に譲り渡した。その中に、〇・四ppmを超え一ppm未満のカドミウムの準汚染米というものが混入をしていたということがございました。 私どもこれは重要なことだということで、これにつきましての調査、それからいろいろと指導をいたしまして、その結果、こういう米が現実に市中に流れることはなかったわけでございまして、実は経済連が譲り受けました準カドミウム汚染米も経済連が保管しまして、八月三十日に譲渡承認をしまして合板接着用のりに販売させた、そういうことになったわけでございますが、この間の種もみの取り扱い、それからそれに絡みますいわば米の売り買いということに食糧管理法に違反する行為がございました。 すなわち、市農協が販売残の種もみを富山県経済連に譲り渡しました行為とか、それから富山県経済連が富山市農協へ精米約三トンを譲り渡した行為、これはいずれも食管法の施行令九条、米穀の所有者の有償譲渡の制限に違反する行為でございましたので、これらの件につきまして、こういうことを行いました富山市農協の組合長、それから役員、それから富山県経済連の会長及び参事という関係者は、これに対する責任をとりまして全員辞任をいたしました。関連しました職員につきましても降格とか、あるいは配置転換といったような形でこの仕事から手を引くようにということにさせたわけでございます。それと同時に、市農協、それから経済連に対しましては、まず一次集荷業者と小売業者であります富山市農協、それから卸売業者でございます富山県経済連に対しまして、八月二十四日から八月三十日まで一週間の業務停止の処分をいたしております。それから二次集荷業者である富山県経済連に対しましては、農林水産大臣より業務改善措置命令というものを発しまして、今後の業務を適正に行うようにということをやったわけでございます。 この二件、いずれも既にそういうことで処分その他の指導をいたしましたけれども、こういうことが万に一つも起こってはいけないということで、こういうことに、何と申しますか、関係しましたような行政あるいは経済連その他の団体等につきましても、今後のこの問題の取り扱いをさらに慎重にするようにという一般的指導も加えたところでございます。
○藤原房雄君 経過についてはただいまお聞きいたしましたが、こういう問題のいろいろと起こる原因といいますか、刈田委員もいろいろな農村の実情等の中から、いろいろなお話の中からそういう可能性というか実態については十分な調査もないから調査をお願いしますということになっておったわけでありまして、今回はただいま報告いただいた分については市場に出回ったということじゃないわけですからこれはこれでよかったわけでありますけれども、とかくに米が不足ぎみになったり、またいろいろな状況変化がありますとそういうところでいろいろ動きがまた出てくる。そういうことで、今回富山市の問題につきましても、これは報道するところによりますと、内部告発というようなことも言われておるようでありますが、監督官庁であります農水省がいち早くこういうような状況等につきましても厳しく見定めていく、また他用途利用米の婦中町にいたしましても、割り当て配分等につきましても事前に十分に御検討いただいて憂いのないような政策というものは必要ではないか、こういうことでぜひ今後このようなことのないような監視体制といいますか、そういう政策、管理を十分にひとつしていただきたいということを要望いたしておきたいと思います。そのことについては以上で終わります。 ところで、過日沖縄に参りまして、沖縄でいろいろな農業事情を視察させていただきました。先ほど報告の中にもございましたように、沖縄では長い間地理的条件の中で亜熱帯地域に適した作物また農業ということでいろいろな御努力をいただいておりました。そういう中で、やはり農業の基盤整備というものが非常に効果を上げて、営々と今日まで努力してきたもの、そういうものをさらに生産性の高いものにしていく、これは当然のことなのでありますけれども、今日までそういうものが非常におくれておったということなんでしょう。今日非常に効果の大きいことに、異口同音に国、県が基盤整備に力を入れてくれたということに対しての称賛の声があったのであります。復帰以前と今日を比べますと、生産性というのは相当な大きな違いがある。先ほどの御報告のとおりであります。 特に、離島地域におきましてそういう要望が非常に強い。何といいましても、漁業とか農業とか一次産業に依存する度合いというのが非常に大きいだけに、今後も農水省としてぜひ沖縄県に対しての基盤整備、全体からいいますと、全国比率からいいますとまだまだ低い比率になりている現状であることはよく御承知のとおりでありますが、力を入れていただきたいということの強い要望がございましたが、大臣及び局長さん、こういう問題についてどのように考え御認識なさっていらっしゃるか、まずそこをお聞きします。
○説明員(佐竹五六君) 沖縄における農業基盤の整備につきましては、先生御指摘のございましたように、全国的に見て相対的に大変おくれている状況にございます。五十八年度末の状況で申しまして、整備率が全国平均では四割弱であるのに対して、沖縄では二割弱である。全国の大体半分程度の進みぐあいであるというような状況にございます。私どもといたしましても、このような状況を踏まえ、採択基準、補助率それからまた予算の確保については、沖縄に対し特段の優遇措置を講じ積極的に事業の推進を図っているところであります。 具体的に申し上げますと、例えば事業のうちで比較的ウエートの高い畑かん、排水、農道等を一体的に整備いたしますいわゆる畑総事業につきまして、内地では県営の採択基準が百ヘクタールであるのに対し、沖縄では五十ヘクタールにこれを切り下げ事業が実施しやすいようにしているところでございます。また、これに対する国としての補助率につきましても、内地では畑総、県営畑総五〇%に対し沖縄では七五%の補助をしている。これにさらに県の上乗せが加わるわけでございまして、このように事業が進めやすいように努力しているところでございます。 さらにまた、六十年度予算におきましても、全国の農業基盤整備の対前年比は公共事業の抑制ということもあって対前年比九八・五%というような状況にございますが、沖縄に対しては私ども特に一〇一・八%と約三%ぐらい進度を前年よりも伸びを図っているわけでございまして、私どもは今後とも沖縄農業の振興のために水資源の開発、農地の整備等を重点に、各種農業基盤の整備を積極的に推進いたしてまいる所存であります。
○藤原房雄君 もう土地改良したところとしてないところはサトウキビの成長の姿というのは歴然と違うということを、私ども、委員長初め見てまいりまして本当にびっくりいたしました。そういう点で、三%の伸びだということですが、パイが小さいのだからパーセントで言われてもあれですけれども、そういう配慮をしているということはよくわかります。また、地元でもそれなりに感謝をいたしておりましたが、ぜひひとつ、そういうことで全国的におくれている現状、圃場整備なんか二分の一補助も言われておるわけでありますけれども、せっかく農業に非常に若い人たちが意欲を持って取り組んでおるという、こういう息吹を、意欲をそぐようなことのないように力をつけてあげていただきたい。予算面でもひとつ配慮していただきたい。これは大臣にぜひひとつ御要望いたしたいと思うのであります。 さて、先ほどのお話にもございましたように、石垣島に参りましたが、あの小さい島でありますが、その中でダムをつくり、それで河川整備をしておりました。それから大干ばつ、四十六年ですか、それ以来、農産物の壊滅的な打撃を受けたことにかんがみまして、それをどう克服するかということで土地改良を初めとしまして水利、ことにダムをつくる、それからスプリンクラーをつくる、こういうことで非常に意欲的に取り組んでおるわけであります。そこで地元でお話があったんですが、このスプリンクラーを動かす電気のことについて、一般の需要家と重なって、需要期になりますとスプリンクラーを十分に動かし得ない時間帯があるということで、時間をもっと十分に運転、運営のできるようにしてもらいたいというお話がありました。 これは料金とかいろんなことの中でのことだろうと思いますのであれですが、そういう中身のことは別として、電力事情がどうなっているのかということで、石垣島の発電容量、それから一般的な消費状況、現在の電気の需要についてはどうなっておるか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。これは電気事業法からいって供給義務があるわけでありますから、そう不足を来すような、不足といいますか、最近こういう農業に真剣に取り組んでそしてダムをつくる、かんがい用水やスプリンクラーやいろんな施設をつくるということのために、今までの発電容量で不足を来すということではないのだろうと思うんでありますけれども、ちょっとこの電力の事情について石垣島の現状をお聞きをしておきたいと思います。
○説明員(関野弘幹君) 八重山諸島の電力需要につきまして御説明いたします。 八重山諸島の電力需要、これは夏に最大の電力が出ますけれども、五十七年度で二万三千キロワット、五十八年度二万五千キロワット、五十九年度二万七千キロワットと、かなりの勢いで伸びてきております。ただ、今年度につきましては、夏のちょうどピークの出る時期に台風が重なった等の要因がありましたために、昨年度と同様二万七千キロワットということで昨年度と同じレベルになっております。五十六年から六十年の平均で見ますと四・八%程度の電力の需要の増加になっておりまして、これは九電力全国平均が四・一%でございますから、これに比べると若干高いという伸びになっております。 今後、同地方の電力需要につきましては、家庭用電気機器が今後さらに普及するというような事情が見込まれますので、年平均三%程度で増加していくのではないかと見られると予想しております。 これに対しまして供給の方でございますが、夏の最大電力二万七千キロワットに対しまして現在石垣島には十二基、合計三万七千キロワットの発電施設がございます。したがいまして、当分の間は電力の安定供給に支障はないというふうに考えております。 ただ、沖縄電力株式会社といたしましては、この地方におきます今後の電力需要の増大に対応するために石垣第二発電所の計画を進めておりまして、この石垣第二発電所は出力一万キロワットでございますが、昭和六十四年度に運転開始する予定と聞いております。この石垣第二発電所ができますれば、さらに電気の安定供給につきましては、当面の間、全く心配ないものと私ども判断しております。 以上でございます。
○藤原房雄君 全国平均より伸びているということも事実のようでありますし、また、地元で新しい産業を興そうと若い人たちが非常に意欲的に取り組んでいるということからいたしまして、やはりこういう高い伸びが続くのではないかというような、私ども、視察したわずかの時間ではありますけれども、そういう感じも受けとめております。全然動かされないということでは決してないわけでありますから、料金体系との関係のこともいろいろあるんだろうと思いますけれども、十分ひとつ、地元で村おこしといいますか、島おこしといいますか、新しい産業、いろいろなものに取り組んでいこう、そういう中で水守りをし機械も動かすということでありますから、全国的な伸びよりも今後もさらにまた高い伸びを示すような状況が続くのではないかという気持ちがしておりますので、その辺、要望の中にスプリンクラーの運転の時間をもっと延ばしてもらいたいというようなこともございましたので、よくひとつ地元と御協議いただきまして、どういうことになっているのか、また今後の対策について、二期工事も計画されているということですからあれでありますけれども、そういうことともあわせて、離島ということで他からすぐ供給ができるという現状にないだけに、ひとつ心配りをしていただきたいものだと思うのであります。 大臣、今申し上げたように、若い人が一生懸命ひとつ新しい事業を興そう、農業に取り組もうという、こういう気持ちは非常にとうとい。委員長も本当に絶賛しておりましたが、ぜひひとつ、沖縄の農業に対する深い思いやりといいますか、配慮といいますか、この点については十分に御検討いただきまして、今後、先ほども申し上げました基盤整備を初めといたしましての力になっていただきたい。私も、本を読んだり人の話では聞いておりましたが、現場に行きまして、本当にそういう息吹といいますか、肌に感じて帰ってきたものですから一言申し上げるわけでありますが、大臣の御決意といいますか、感想をひとつお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 藤原先生にお答えいたします。 実は私、沖縄特別委員会の委員の一人であったということで、沖縄の復帰に大変熱意を持ち、また、その後沖縄につきましては最善の努力をしておるわけでありますが、基盤整備等につきましては、先ほど局長の答弁したとおりでございまして、若干の配慮をしております。 ただ、問題は、実は基本的に、これも先生御存じと思いますけれども、基盤整備につきましては予算が毎年厳しい、大変厳しい財政の状況にございます。 そんなことで、私はこんな提案もしたんです。と申しますのは、実は毎年新規を三千ちょっとぐらいしておりますが、逆に新規を数年ストップして継続に重点を置く、そういう形の中で継続の方を選択して優先的に早くやったらどうか、実は先般も知事会議でそんな提案をしましたら、率直に、言いますと、継続は延びてもいいから新規をやってもらいたい、こんな話があったということでございます。そういう形の中で、実は伸び率は少ないですが、沖縄のいろいろな面につきまして、先生のおっしゃるとおり最重点の施策を講じたいということでございます。 今後とも先生の御趣旨を踏まえまして、さらに努力したいと思っております。
○藤原房雄君 沖縄各地に参りまして、農業団体を初めといたしまして、やはり特産でありますサトウキビの価格の問題が出ましたし、また、本島におきましては農業団体の方々もいらしておりました。最近の厳しい財政事情やいろいろなことについては十分わかっておるわけでありますが、しかし沖縄の問題に限りますと、沖縄県における作付面積六九%、全農家の八五%が携わっているというようなことからいたしますと、これは本当に沖縄の経済全体を支える基幹的な産業というように言わざるを得ない。この価格決定が沖縄の経済、こういうものにも大きな影響を及ぼすというふうに見なければならないだろうと思うのであります。 今、貿易の自由化問題とか財政、こういういろいろな諸問題の中にありますが、沖縄または離島、群島の特殊な事情等の中で最大限の努力をしなければならない。特に先ほども申し上げておりますように、若い方々が土地改良をして一生懸命生産性を上げよう。加工業と違って、一年や二年ですぐそれが実を結ぶわけじゃございません。ある期間ひとつ面倒を見てもらいたいというのは、血の叫ぶような思いで私どもに訴えておりました。 これは今日までの経緯をかんがみますと、財政的な面から見ますと容赦なくということなのかもしれませんが、しかし今日までの経過をかんがみまして、また、ただいま申し上げたような観点からいたしますと、やはりある期間は十分な配慮をしなければならないのではないか、そういう基盤を確立するということに力をそそぐ必要があるのではないか、このように私は思うのでありますけれども、この点についての御認識はいかがでしょうか、大臣。
○説明員(鴻巣健治君) 御指摘のとおり、沖縄ではやっぱりサトウキビづくり、サトウキビをつくる農業は極めて重要な位置にありますので、その辺を念頭に置いてことしも六十年産サトウキビ価格については適正に決めてまいりたいと考えて作業をしておるところでございます。
○藤原房雄君 先ほどの報告にもございましたように、年々生産性の上がる、収量、こういうものも上がるように努力を重ねてきておることは御存じのとおりであります。非常に機械化がおくれているということで、今日までもいろいろ御研究になられて、非常に高価なものでまだ実用化はしないということでありますけれども、それから平たん地ではなくて、サトウキビはほかの作物とは違って機械化というのは非常に難しいことでありますが、しかし、そういう中でいろいろ御努力をなさっていらっしゃるようであります。そういうこと等もあわせまして、やはり干ばつ、台風、こういう気象の非常に激しいところ、こういうことからいって大規模の基盤整備事業という、こういう計画的な推進が大事だと思います。そういうことから、今、大臣がおっしゃっておりましたように、今、着工しているやつについてはできるだけ早くそれを完成してそれが実効あるものにするという、工期が長くてなかなか実効の上がらないような、ちびちび予算で物事を進めていくというようなことでは、これは効率的とは言えないだろうと思うのであります。 それから。病虫害についても先ほどございましたように、いろいろ対策を講じてウリミバエ防除の対策等もとられております。そういう中で、やはりどんなに規模拡大とか、また大規模整備事業を進めるといいましても、しょせんは限られた面積の中のことでありますから、やはり小規模経営といいますか、そういう中でいかに生産性を上げるかということ、そういうことからいいますと優良品種の開発、育成ということがとても大事なことなんだろうと思います。この問題については今までも喜屋武先生が一生懸命機会あるたびに叫んでおりましたけれども、優良品種の開発、研究促進、こういうこと等につきましても十分なひとつ研究体制と推進をぜひこれは進めていただきたいと思いますが、どうですか。
○説明員(関谷俊作君) これは沖縄県につきましては特に一番基幹作物はサトウキビでございまして、サトウキビ関係の特にお尋ねのあった育種の問題については、沖縄には熱帯農業研究センターの石垣支所がございまして、そこで比較的基礎的な部門、品種改良等も含めました基礎的な部門の研究をする一方で、沖縄県農試に対しまして助成もいたしまして、特にサトウキビ中心にいろいろ品種改良問題について取り組んでいるわけでございまして、従来、今一般に作付されておりますものの中で、まだまだなかなか作付上の不安定というような問題もございます。こういうことから申しますと、特にサトウキビの育種についてはこれからも相当重点的に取り上げるべき課題ではなかろうか、かように考えております。 なお、このほか沖縄県の農業上の非常に独特の条件に応じましたいろいろ熱帯性の果樹でありますとか、あるいは花卉類でございますとか、将来は今のウリミバエ根絶ができますと、これの関係によって出てまいります野菜あるいは果物類、こういう関係も含めましてかなりこれからのいろいろな多品目向け、あるいは沖縄の条件を生かしました本土へのいわば出荷という面では新しい品種の導入、作物の導入ということが大変期待の持てる分野でございますので、引き続きこれらの点については、お尋ねのありましたような観点から品種改良あるいは栽培の改善、こういうことに取り組んでまいりたいと考えております。
○藤原房雄君 最後になりますが、これは地元から今日までもずっと要望のあったことだと思うんでありますけれども、含みつ糖生産振興について、含みつ糖につきまして分みつ化の困難な離島地域でやっぱり含みつ糖を生産するわけでありますけれども、非常に海外相場の変動等で大きな影響を受けやすい現状にあり、そういうことで砂糖の価格安定等に関する法律の支持価格対象外になっていて、そして臨時の財政措置、こういうことが図られておるわけでありますけれども、そのときそのときの相場に左右されるということで非常に不安感を持っておりまして、やっぱり長期的な農業、また次年度の、先々の再生産ということからいいますと、長期的な保護措置を確立してもらいたい、こういう安定したものでないとなかなか何をどうするかということ、また自分の一家の家計、こういうことを見ていく上において、ほかの加工業や何か}違って農業の場合は特にその先々の見通しというものは立たない、こういうことで臨時の財政措置ばかりでなくて、長期的な保護措置を確立してもらいたいという要望が強く出されておりましたが、この点についてはいかが当局としてはお考えでしょうか。
○説明員(鴻巣健治君) 今のお話の中にありましたように、含みつ糖自身はその品質もまちまちでございまして、菓子とか、あるいはしょうちょっといったような固有の用途に多く使用されておりまして、一般の砂糖とは異なる独自の価格形成が行われておりますので、今は蚕糸砂糖類価格安定事業の売買による価格支持がどうしてもなじまないということで今やってないわけでございます。 それは御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、やはり沖縄県の離島での製糖事業の実態から見ますと、なかなかここで分みつ化は難しいだろうと考えておりますので、こういうところでやりますときに、やはり離島経済の安定あるいはサトウキビ生産の安定ということを図るために、今お話しのように助成金といったものを出しておるわけですが、これにつきましては、やっぱり沖縄の離島の環境条件の厳しさといいますか難しさ、それから反面、また厳しい財政事情というのがございますけれども、そういうものを総合的に考えながら、これからも所要の予算の確保に努めていきたいと考えております。
○藤原房雄君 昨年、大臣に就任なさったときに、農業というのは、外務大臣、大蔵大臣、これはもう三期も努めていて、本当に内閣、政策の一貫性といいますか、そういうことから非常に困難な時代でありますからということでその意味もわかるんですが、それと並んで農水大臣というのは非常に長期的に見定めなきゃならない大事な位置にある。佐藤大臣がせっかく御就任なさった以上は少なくとも三期ぐらいはお務めいただいて、そして日本農業というもののかじ取りをしっかりしていただきたいと、私は就任時に申し上げたところであります。この先ほどういうふうになるかわかりませんが、ひとつ私はそのような強い気持ちを持っておるんです、農業という立場からしますと。もう一年ごとにかわられたんじゃ困る。大臣は謙遜して、しかし優秀な官僚がしっかりおりまして、こういうお話でありましたけれども、私は大臣のこの一年間を見ますと、本当に精力的に一生懸命農業の困難な問題に御努力いただいたと私は思います。 今、農産物の価格決定という大事なときを迎えまして、これは農家の方々の一年間の働いた収入がどうなるかということでありまして、これは会社ではことしも四%、五%、六%ベースアップをいたしておりますし、昨年もそうであります。本年もまた公務員についてもベースアップが言われておる。額に汗して一生懸命働いて、同じ面積からとるものの手取りが一つもふえないというのは一体これはどういうことなのかという素朴な、農民としてだれもが考えておることであって、いろいろ難しい計算をしたけれども手取りはだんだん減っていくんですという、こういうことで、そうでございますかというわけにはこれはいかぬだろう。私は素人だなんて謙遜しているけれど、農業のことをこの一年間、また今日まで身近にいろいろ体験なさった大臣は、よくその点についてはこれはもう御理解いただけると思うんであります。 畑作につきましては、三年間実質的に据え置かれてきたということはもう事実でございます。しかし、国際的な厳しい情勢の中にありますから、もうどんどんどんどん畑作価格を上げればいいというそんな状況にないことは農民がよく知っております。日本は貿易で一番もうけた金持ちの国だと、こう言われております。しかし、それはどこかの企業にお金が行っているんであって政府にはお金がない。おやじはさっぱり金がなくて貧乏をしておりまして、長男息子か次男息子か知りませんがお金を持っておるという、そういう状況にある。日本の国は金持ちだ、一家と見ればそういうふうに見られるのかもしれません。しかし、政治には、公平さというものを欠くとそこに政治不信が起きる基があるだろうと思います。国民の大事な食糧を生産する農家の方々が、毎年面積がそう急にふえるわけじゃありませんから、営々として自分の畑を起こして手に入るお金がさっぱりふえないところか、出費がかさんでかえって減っていく。三年、四年とそれが続くということは、それはもう政治に不信を抱かせる大きなもとになる、私はこう思うんです。 それで、この価格決定に当たりまして、米価のときもいろいろ申し上げましたが、この決定に当たりまして、まず初めに財政ありきということで、財政は大変なんだぞ、こういうところから始まりましてどうするかということを決めるみたいなもので、大蔵省主導型というか一大臣に言うと、いやもう中曽根総理も大変に農業を理解して労りましてと、本当にもうそれは閣僚の一員ですから総理のことをいろいろおっしゃるのはよくわわりますけれども、総理が悪いと私は言っているんじゃないんですが、大臣が今日までやはり財政の厳しい中にありながら日本農業を守っていこうという情熱、今日までもそういうことでは一生懸命頑張っていただいたと私も思うんでありますが、このたびの畑作の価格支持制度の価格決定に当たりまして、やはり三年間据え置かれたものが、今までと同じようなことで、初めに財政ありということで、頭が押さえられた中での議論とか押さえられた中での価格決定という、こういうことで手取りが結局はふえないという形で、年々手取りが減っていくというようなことであってはならぬと思うんです。 お米や麦につきましては中立機関であります食糧管理法によりまして米価審議会がございまして、そこでいろいろ議論になることになっておりますが、畑作作物につきましては、農林水産大臣は基準価格等の決定に当たっては「政令で定める生産者団体等の意見を聞かなければならない。」という規定があって、生産者団体の意見を聞くという形式をとることになって、そして大臣が決めると、こういうことになっておるわけであります。 まさしく大臣の決定権といいますか、主役といいますか、中心になっていろんなことを勘案して決めるのは農林水産大臣である。大蔵大臣が決めるんじゃないんです。いろんなパリティやなんかの計算指数、そういうもので現状というものを分析しなければならないのは当然です。これは法にのっとって法治国家としてそれらのものはしていただかなければなりませんが、生産団体の意見を聞かなければならない。意見を聞くというのは、トップの方の二、三人の方のお話を聞くなんというんじゃなくて、やっぱり生産者の真の、現場で額に汗して苦労していらっしゃる方の声を肌に感じながら価格というものを大臣がお決めいただくようにしていただきたいものだ。 これは審議会でやるというのでないわけでありますから、そういう点では、今日まで農政に一年近く一生懸命なさった大臣を私は信頼をしておりますけれども、ぜひひとつ畑作支持価格決定に当たりましては、大臣の深い洞察力と先見性といいますか、こういうもの等をかみ合わせて、政治家として、初めに財政ありきということじゃなくて、大臣のひとつ温かい、農政の将来に展望の開ける価格をお決めいただきたい、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 藤原先生にお答えいたします。 サトウキビの生産者価格につきましては、いつもの最低生産者価格に加えて、四十九年産以降奨励金を交付することにより農家手取りの確保に努めてきているところでございます。そんなことで、六十年産のサトウキビ生産者価格につきましては、農業パリティ指数に基づき算出されました価格を基準とし、物価その他の経済事情等参酌して決定したいと思っております。 それにつきまして特に参考とする点は、やはり基本的に砂糖全体をめぐる需給状況、事情、他の畑作物とのバランス、それに先生御指摘がございますように、やはり現下の厳しい財政事情、こんなことを含め、総合的に勘案して適正に決定してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○藤原房雄君 その適正でありますが、法にのっとってきちっとしなきゃなりませんが、初めに財政ありきと、大蔵大臣の方を見い見い、遠慮しいしい、財政は厳しいんだぞという、そういう天の声を聞きながらというんじゃなくて、大臣として胸を張って農家の方々が再生産できるぞ、こういう説明のできる価格決定であってもらいたいということを私は申し上げているわけであります。これは財政が伴うわけでありますから、それで先ほどの議論もありましたから、一々私ぶり返しませんけれども、確かに補正といいますか、今のこの状況からいいますと措置をとらなきゃならぬことも出てくるわけでありますけれども、それはそれとして、そのぐらいのことはやっていこうというひとつ太っ腹、政治家らしいひとつ御判断をしていただきたいものだ、こう思います。 それから、そのほか各畑作それぞれについて申し上げたいんでありますが、時間もありませんからあれでありますが、今一番大事なのは、大豆生産とそれから輪作体系ということで、私もちょうど戦時中中学生で援農に行きましたが、田植えから畑作、北海道で田んぼ、それから十勝の畑作で、まあ半年か一年ぐらいの経験ですから大したことはないのかもしれませんが、田んぼはこれは同じところに毎年水稲を植えれるということで、先祖というのはすばらしい作物を選んでくれたものだなと思います。畑作はそうはいきません。もう大臣も十分御存じだと思いますが、同じ作物を同じ畑で毎年つくるわけにいかぬ。十勝の方に私行きましたところ、二十何町歩、戦前ですけれどもありまして、それで輪作体系をつくっておりまして、二年に一遍、三年に一遍かえなきゃならぬ。そういうわずかの経験ですけれども、そういうことがございました。 そういうことからいいまして、親戚にも農家の方がたくさんいるんですけれども、畑作の場合は稲作と違いまして全体の輪作体系というものがありまして、一つ狂いますと、一つがだめだということになりますと、一家の営農全体がだめになる、だめになるというか、そのバランスが崩れる、収入減につながる。こういうことで、非常に畑作の場合は難しい。輪作の体系、何だかんだと簡単に言葉では言っておるんですけれども、現場で私も馬のしりをたたきながら畑を起こしたことがありましたけれども、本当になぜ去年と同じものを植えないのかと不思議に思った、子供のころですから。農家の方々は^特に北海道の場合は転作で四十数%の転作、そういうことで畑作に転換する。そのために、今まで畑作でやっておりましたところが、どんどん畑作作物が転作したところでできる。こういうことで減反の影響といいますか、そのときそのときの価格決定、これをまた数量制限、こういうことで思いつきというわけにはいかないかもしれませんが、需給バランスが崩れたという、大義名分でそういうことをいたしますと、全体のこの体系が崩れて、じゃ一体何をどうすればいいんだということになる。 今、農家の方々にお聞きしますと、もうだんだんだんだん生産制限や価格抑制、こういうものに追い詰められて、一体我々は今日まで父祖以来、営々と築いてきたものをどうすれば農家としてやっていけるのか。今、農水省も規模拡大というのが最大の、そして生産性を上げるということが一つの大きな柱になっているはずです。北海道はまさしく、またそれはアメリカやヨーロッパに比べますと小さいのかもしれませんけれども、それなりの規模のところが多い。そういうところで何をつくったらいいのかということで、営農の計画が十分に立てられないということであったならば、じゃどこで農業の確立ができるのか、農水省の目指すものは一体何なのかという、こういうことになるんだろうと私は思うんです。 そういう将来に対する不安、人間、先々不安を抱いて暮らさなきゃならないなんというのは一番大変なことでありまして、これは農家の方のそういう不安感というのは、先ほど来お話ございましたように、交付金制度にも限度数量を導入するのではないか。それから基準価格等につきましてもやっぱりある数量を設けて、こういうことでなし崩し的にそういうものが導入されますと、非常に全体の輪作体系というもの、年々つくっていく体系に大きなしわが寄る。営農計画というものが立てられなくなる。こういう農業全体、畑作全体の観点の上に立って物事をぜひひとつ考えていただきたい。 これはもう今、大豆の需給バランスがどんどん崩れてきたからとか、そういう個々の産品で物事を考えられると営農計画、実際働いておる農民の方々はそういうことでは仕事をしているんじゃないわけでありまして、農産物、輪作体系というその体系の中でのことでありますから、それを補う別のことがあるならいいんですけれども、こういうことで今、財政当局から言い寄られております何点がありますけれども、こういう制限措置みたいなことについては、交付金のことや、また数量制限のようなことについては、農水省としてはひとつ断固としてこれは畑作農業を守るために対処していただきたいと思いますが、お考えはいかがですか。
○説明員(関谷俊作君) 大豆につきましては、現在の交付金をめぐります財政事情あるいは大豆の需給関係等から、価格問題、数量問題について、この際いろいろな観点から検討しなければならない、そういう検討を迫られていることは事実でございますが、ただ、お尋ねの中にございましたような畑作地帯における輪作体系の一つとしての位置づけ、それから特に大豆においての作付の大部分を占めております水田の転作、この円滑な推進、両面については、こういう生産面における悪影響がありませんように、十分その点を考慮しまして慎重に決定いたしたい、かように考えております。
○藤原房雄君 大臣はいかがでしょう。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。 実は先ほどからいろいろなお話を聞いておるわけですが、先生のおっしゃる趣旨はよく理解できるわけで、私も農家の皆さん方にできるだけ再生産のできる最善の努力をいたしたい、こういうように考えております。
○藤原房雄君 言ったことは必ず実行する佐藤大臣でありますから、もう信頼をいたしておりますが、非常に難しい曲面にあることもよく私どももわかっておりますが、もう財政当局に押されっ放しで、この間の概算要求を見たって、年の初めに私言いました、もう年々下がる財政。農業は確かに補助金とか何かの問題で行政改革のやり玉に上がっていることはよくわかっておりますけれども、それにしましても、かつて総予算の一割ということで日本の農業確立のために頑張っておった時代があったのに、もう七%を切るような状況では、一体これから農業政策に対してどれだけのことができるか。まず体制が整って基盤が確立して、そうした上で諸外国との競争ができるようならいいですけれども、公共事業がどんどん抑えられて、事業が中途半端で、あっちでもこっちでもまだ未完成のところが転がっておるというような、そういうところで生産性を上げるといってもできないわけでありますから、ひとつ予算、財政、こういう厳しい中にありますが、農業という非常に重要な産業であることにかんがみまして、大臣のひとつ一層の御努力をいただきたいと思います。 大豆のことについてでありますが、「農産物の需要と生産の長期見通し」、六十五年度を目標年度にしますこれからいきますと、二十一万ヘクタール、四十二万トンというこういう試算をしておりましたですね。六十五年度を目標年次とするこの見通しは、達成しようという努力をするんですか。それとも、もうこれはなかなかそうはいかぬぞということなんですか。どうなんでしょう。 もう一つは、六十五年度見通しにおける大豆の食品用としての需要ですね。これは六十九万トン、このうちの六一%の四十二万トンは国内自給という、こういう計画を立てておりましたが、立てた時点ではこういう試算をはじいたんでありますが、現在としては一体どういうふうにこれは農水省としては見ていらっしゃるんですか、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(関谷俊作君) 六十五年見通しの中における大豆関係の数値は、御質問の中にあったとおりでございます。 大体食品用の六割程度を自給という考え方でつくったわけでございますが、これは基本になりますのは水田転作面積の中でかなりの部分を大豆による、こういう考え方が基本になっているわけでございまして、現在私どもは六十五年見通しについてはこの建前で進むということでございますが、これはいろいろほかのものも含めまして、全体の推移も含めましたその後の需給事情の変化等がいろいろございますので、この改定という作業がいずれ進められると思いますけれども、その場合におきましては、基本的にはできるだけ大豆を国内でつくる、こういうような考え方に立ちまして、また水田の有効利用という考え方に立ちまして、基本的にまた改定しました新しい見通しをつくりたいと考えておりますが、現在時点ではやはりそういう目標というか見通しがございますので、その線に沿って生産対策も考えていく、かようなことでございます。
○藤原房雄君 大豆は、御承知のとおり自給作物ということで、自家消費する一面、相当な量ございますね。それと商品作物ということとの、最近は農村なんかでは農協の単位でみそをつくろうとか、こういうことでいろいろやっております。大豆の生産が、ある相当量は農家の自給作物ということで消費されている面が非常に大きかった、ある点に達しますとこれはもう商品作物ということで出荷をするような形になる。そういうほかの作物とは違った一面があるだろうと思うんです。 最近は耕作面積もだんだん大きくなって、特定作物ということで出されておるわけでありますから、転作作物としての奨励からふえてきておるわけです。最近、国産大豆の商品化率が上昇したという、こういうことで、非常に慌てふためいてどうするかという、ちょっと需給バランスがというようなことが言われているようなんですけれども、大体今日の生産の中で自給農家、そのほか自給的に使用されているものがどのぐらいと見ていらっしゃるのか。農水省としてはどういう試算をしていらっしゃいますか。
○説明員(関谷俊作君) 現在、農家経済調査等による調査等で、昔の言葉で申します商品化率を調べる方法もございますけれども、私どもは今全体として、ナショナルベースで全体として見ますならば、生産量が二十二、三万トンあるうちで、この大豆交付金制度に乗っておりますものの対象の割合というもので見ますと、五十九年産については大体五三%ぐらいが対象になっておりますので、大ざっぱに見ますと半分ぐらいが流通、販売に出回らないで自給的に消費されている、こういう状況でございます。 ただ、これは恐らく北海道のような地域と、それから都府県で比較的自給的生産の中からだんだん商品化の方に進んできた、こういう地域ではかなり差があると思いますが、全国平均ではおおむね半分半分と考えていただいてよろしいかと思います。
○藤原房雄君 時間もありませんので詳しいこともあれですが、農水省の統計情報部で八月二十三日ですか公表した六十年産夏作の豆類作付面積、これは速報では北海道では六十年産大豆の作付面積が二万一千三百ヘクタール、前年に比べて四二%という大きな伸びを示したと、こういうことでありますが、その原因についてこの速報では、関係機関による作付奨励が行われていることや、ほかの豆類に比べて価格が安定していることから、小豆、インゲン、てん菜等から転換されたことによるものである、こういう説明をしているんです。これは統計情報部の分析ですけれども、こういう考え方はやっぱり農水当局としてもそういうふうに見ているわけですか。
○説明員(関谷俊作君) 六十年産の北海道におきます増加は、ことし九月一日の予想にもございますように増加分は六千三百ヘクタールでございますが、そのうち田作が二千五十ヘクタール、そのほかの四千二百五十ヘクタールが州と、こういうことになるわけでありまして、これらを見ますと、大体原因としては、やはり北海道農協中央会が中心になりまして六十年の場合には畑作物全体についての融資の作付指標を出したわけでございますが、そのときにてん菜等については若干減らす、大豆の方に少し増加を見込む、こういうような指導をいたしたわけであります。そういう指導の効果がこの辺の数字に影響してあらわれているのではないかということで、統計情報部の見方は大体大筋において当たっている、かように考えております。
○藤原房雄君 そのことについても、こういう価格決定の段階になっていろんなことを言い出すので、いろいろ反論したいことがございますが、時間がありませんからあれですが、国産大豆と外国大豆との品質の比較、こういうことについてことしの食糧管理月報二月号に大豆供給安定協会の土屋さんという人の論文が出ているんですが、「国産ダイズは物理的・化学的組成の何れの点からみても、食品用にふさわしい品質適性をもち各用途への汎用性・適応性の広さを備えている」とし、「コメとともに長い歴史を生きてきた伝統食品、国産ダイズの天性は、この調査によっても他を圧して光っている」という、こういう論文が載っております。 こういうことで大臣、国産大豆のこういう優秀性というものを大いにひとつ、また今日までの伝統的な日本の食品の中での大豆ということでありますから、安易な価格で外国から輸入するとか、そういうことを抑制し、財政、こんなことだけじゃなくて、優秀な大豆の歴史的な経過も十分に踏まえて対処してもらいたいと思います。 以上で終わります。
○下田京子君 最初に、問題の畑作物価格でお尋ねいたしますが、今回決められます大豆、てん菜、バレイショというものは、麦とともに北海道の輪作体系に欠かせない作物ですね。それからカンショ、サトウキビというのは南九州、沖縄農業の文字どおり基幹作物である。大豆はまた水田転作の重要作物です。そういう状況ですから、積極的な振興策を図るならいざ知らず、価格据え置きなんということはこれは許せないことだと思うんです。 お尋ねしたい点は、大豆の交付金制度をきちっと守っていけということなんです。これは、昭和三十五年に自給率が二八%だった大豆が現在四%に落ち込んでいる、御承知のとおりです。この大豆なたね交付金暫定措置法というのは、申すまでもありませんけれども、第一条の「目的」の中に、「その生産の確保と農家所得の安定とに資する」というふうなことが入っております。ですから、そういう点でもその目的をきちっと踏まえていくのが大事ですね。実際は、昭和三十五年の生産量は四十一万七千六百トン、五十九年は逆に、豊作だったにもかかわらず二十三万八千トンというような状況ですから、二十年前に比べて約半分というような実態なので、本当にこの制度をしっかり守っていくということは、今必要欠くべからざる最低限やらなきゃならないことだと思うんです。その点でどういうお考えをお持ちですか。
○説明員(関谷俊作君) 大豆の価格決定等につきましては、大豆なたね交付金暫定措置法、これに基づきまして適正に決定をするということで、お尋ねの中にございましたような畑作における重要性、それから転作大豆としての重要性、これらも踏まえ、この制度の枠組みの中で適正に決定してまいりたいと、かように考えております。
○下田京子君 その枠組みの中でというのがくせ者なんですよね。いろいろと価格の引き下げの問題だとか、あるいは交付金の限度数量の設定問題だとかありますけれども、きちっと守って、むしろ振興をということを申し上げておきます。 次にお聞きしたいのは、でん粉抱き合わせ販売問題なんですけれども、この抱き合わせ制度がスタートしたのが四十三年ですね。その当時、カンショでん粉一に対してコーンスターチが〇・六六だったと思います。それから、バレイショでん粉は一に対してコーンスターチが一・五〇です。現在どうかといいますと、カンショ、バレィショでん粉とも一に対してコーンスターチは七・八、つまり国内産でん粉を売るためにそれだけ大量のコーンスターチを輸入しなければならないというような矛盾が出てきているわけですね。ですから、これ以上抱き合わせの比率を引き上げるというようなことはこれは絶対にしてはいけない。 同時に、今問題になっております関税の問題ですけれども、コーンスターチの関税の二次税率の引き下げですか、これは行うべきではない。そのことをやっぱり考えて対応すべきではないかと思うんです。
○説明員(鴻巣健治君) 大豆の方は、やはり今までのでん粉の需要の枠の増大に伴ってやってきたわけですけれども、そろそろもうでん粉全体の国内需要の伸びも頭打ちになっているわけでございますが、その中で国内産のでん粉の優先消化というのを基本として、これからもこの関税割り当て制度を運営していきたいと考えております。 それから、二次税率の方については、私どもの方としても今のあれをむしろ上げたいぐらいなんですけれども、これはなかなかむずかしゅうございまして、今の趣旨も踏まえながら、これからも基本を維持してまいりたいと思っております。
○下田京子君 大臣にお尋ねしたいんですけれども、この自由化あるいは枠拡大問題というのは、繰り返しアメリカから執拗に要求されているんですね。今、当面問題になっているのが雑豆、でん粉、ブドウ糖の自由化枠拡大だと思うんですけれども、これはきっぱりノーというふうな態度で臨んでいただきたいと思うんです。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えします。 小豆とかインゲン等の雑豆は、北海道等の畑作地帯において輪作体系を構成する基幹作物で、農業経営上不可欠のものとして、また水田地帯においても転作作物として重要な地位を占めておるのは先生御存じのとおりでございます。一方、雑豆の輸入先国は、経営規模が大きいこと、労賃水準が低いこと等により生産コストが低く、輸入雑豆の価格は国産雑豆の価格と比較して極めて安価なものとなっております。こうしたことから、自由化した場合には大幅な価格低落を招き、雑豆の国内生産が極めて大きな打撃を受けるとともに、適切な輪作体系の維持にも悪い影響を与えることになりますので、農林水産省といたしましては、現状では自由化することは極めて困難であると考えております。 また、雑豆の輸入枠につきましても、現在以上に最低輸入枠の拡大をしない姿勢で臨む所存でございます。
○下田京子君 現在では輸入なんてとんでもないと。その現在がわからないので、もう二、三カ月後になんということがたびたび過去にありましたので、重ねて申し上げておきます。 それから、これは水稲共済の問題なんですけれども、きょうも北海道の上川地区の共済組合の組合長さんや参事さんも見えておりましたが、ことしは九月十五日現在で水稲作況が北海道で一一〇、大豊作だということで喜んでいたやさきに、どうも七月低温とウンカ被害が原因ではないかと思われるんですけれども、かなりのくず米が出ておりまして、実際には十アール当たり五、六俵しかとれない。ですから、三ヘクタール当たりですと、今まで二百二十俵ぐらい買い入れ限度予約していたんですが、百八十俵を割るというような実態になっておりまして、これは重大だ。 そこで、お願いは、とにかく現状把握に努めることは言うまでもありませんが、くず米が多いというこの実態の中で、損害評価の特例措置を速やかに実施していただけるように検討をお願いしたいんです。
○説明員(後藤康夫君) 北海道の本年産の水稲につきましては、今もちょっとお話ございましたが、八月十五日の作況が一〇七、九月十五日では一一〇というふうに、全体としては非常に良好に推移をしまして豊作でございますけれども、一部の地域においてヒメトビウンカ等による被害が発生しておることは聞いております。 損害評価の特例措置を講ずるか否かにつきましては、被害の程度や態様、地域的な広がり等について十分把握する必要がございますので、現在、被害の状況については農業共済団体等を通じて把握に努めておるところでございます。その結果を踏まえて適切に対処したいと思っております。
○下田京子君 これは当然やられるんです、過去もやってきたんですから。 次にお聞きしたいのは、ワインの有毒ジエチレングリコール混入問題です。 今回の事件というのは、食品の安全性をめぐって国民に大きな衝撃を与えました。同時に、国産と表示されていたワインが実は輸入バルクワインによるブレンドワインであったということ、さらに原料生産に取り組んでおりますブドウ生産農民にもまた不安を与えている。 そこで、厚生省にまず聞きたいんですが、簡潔にお答えいただきたいんです。このジエチレングリコールというものは一体どういうものなのか。厚生省よりいただきました「産業中毒便覧」によりますと、人間一キログラム当たり一グラム、つまり体重五十キログラムの人でしたら五十グラムのジニチレングリコールを口から入れると半数が死亡に至る。過去にアメリカ南部の諸州を中心に、このジエチレングリコールを薬として飲んで五十九名の死亡例があるというようなことが指摘されております。ですから、こうしたものがワインに混入するということはあってはならないことですね。イエスかノーか、答えてください。
○説明員(大澤進君) 先生のおっしゃるとおり、食品には入れてはならないもの、こういうことになっております。
○下田京子君 ところで、この間輸入された瓶詰のワイン、これも七十四銘柄からジエチレングリコールが検出されているんですね。中には、フェルサシリングスベルクというオーストリア産のワインからはリッター当たり十三・九グラムも検出されている。ですから、これは三、四本飲めば死亡事故にまで至りかねない問題がある。 そこで厚生省なんですが、この七十四銘柄の輸入ワインですね、国民の口に入らないように回収を徹底する、これは当然だと思うんです。そのためには、返品したければどうぞというような消極的な姿勢ではなくて、きちっと輸入業者を指導しまして、輸入量がどうなのか、出回りはどうなのかということで徹底した回収に努めていただきたいと思います。
○説明員(大澤進君) 先生今御指摘のように、現在我が国において、いわゆるジエチレングリコールの混入が確認されている輸入ワインの銘柄数というのは七十四銘柄に至っております。これにつきましては、食品衛生法に基づきまして現在当該ワインの輸入業者、この業者を管轄している都道府県、関係県があるわけでございますが、そこにおいて、当該ワインの輸入業者に対しまして輸入数量とか販売数量等、必要な報告を聴取し、なおかつこれらの当該ワインについての回収等を指導し、当該ワインを市場から排除するよう努めているところでございます。 本件が輸入食品というものに起因したわけでございまして、全国的な広がりを持つということで、厚生省としても関係県を今の観点から指導あるいは必要によって事情を聴取しているところでございます。
○下田京子君 私は、厚生省みずからが、輸入業者を場合によっては呼んででもやりなさいと言っているわけですよ。 次に、事実関係についてお聞きしたいので、確認してくださいね。 問題の毒入りワインなんですが、マンズワイン社が今、山梨県の方から営業停止処分を受けておりますけれども、問題のマンズワイン社がジエチレングリコール入りのワインすりかえを行った、その点なんですけれども、このジエチレングリコール入りワインというのは、オーストリアのステファンハーラー社から三菱商事を通じて輸入したもので、国産にもブレンドして販売していたということなんですね。 その事実関係で、まず一つは、七月末から八月末までマンズワイン勝沼工場内にステファンハーラー社製ワインというのは幾らあったかといいますと、問題のすりかえられたタンク、丁五〇四五タンクですね、これには七・八キロリットルあった。ほかのタンクに十一キロリットルと八・二キロリットルがあった。それから回収した瓶詰の分が六・四キロリットル、合計三十三・四キロリットルのものがありましたね。まずこれが一つ。 それがどういうふうに流れていったかということなんですが、七月二十六日に七・八キロリットル中、国産ワイン六・九キロリットルと一つはすりかえをやりましたね。そして八月二日に十一・五キロリットル、八月七日に七・三キロリットル、計十八・八キロリットルを三菱商事にマンス社が返還しましたね。それをマンス社はこっそりと十日に焼却手続をとって二十日完了ということになりますね。そして八月二十九日、十四・六キロリットルをマンス社が自社でもって廃棄したというふうになっておりますが、この事実関係は間違いないですね。
○説明員(大澤進君) これらの当該ワインの流れにつきましては、今、先生がお話しされたとおりでございます。
○下田京子君 大変申しわけないんですけれども、時間がないんですよ、だから簡単に。 ここではっきりしたことは、八月二日に国産ワインは安全と厚生省が発表しましたね、つまり安全宣言と言われているものですが。このことによりまして、厚生省食品衛生行政というものは一体何なんだということで、大変国民から不信の声があったと思うんです。 それから、八月八日にマンズワイン社が安全宣言をやっているんです。次に確認してお聞きしたいんですけれども、こういう悪質な食品衛生法違反事件に対して、実はバルクワインを輸入していた業者である三菱商事も深くかかわっていたんではないかという疑いを私は大きく持つわけなんです。 なぜなら、三菱商事のお話ですと、七月二十六日にステファンハーラー社のバルクワイン、これにはジエチレングリコール混入の疑いありということでの情報が洋酒輸入協会から入っているんですね。その報告を受けて、すぐにマンス社に連絡した。その連絡を受けたマンス社は、その夜、七月二十六日、ひそかにタンクの入れかえをやったわけでしょう。その後、今言ったように八月二日と七日、二回にわたってジエチレン入りワインは三菱商事に返還されているんですよ。しかも、その間に八月八日、問題のジエチレン入りワインがまだ三菱商事のもとにあるにもかかわらず、マンズワイン社が安全宣言を出しているわけですから、それを傍観していたということになるわけですね。 私が聞きたいのは、そういう状況の中で当然三菱商事はこういう処理をマンズ社と協議してやっていたんではないか、焼却処分にしてもですね。これが一つです。 それから、焼却処分の費用というのは一体どちらが負担したんだろうかということが二つ目。 それで、三つ目に聞きたいのは、問題が発覚してから輸入されたバルクワイン、五十九、六十年分、これはステファンハーラー社にすぐ返還したと言われているんですが、その事実関係はどうなっているのか、それからまた、実際にバルクは検査などをしたのかどうか、まとめてちょっとお答えください。
○説明員(大澤進君) 今の御質問でございますが、若干その前に御説明いたしますが、八月二日に厚生省が安全宣言された、こういうマスコミ等に報道があるわけでございますが、それにつきましては七月下旬から八月初めにかけまして、関係県において輸入ワインの関係でジエチレングリコールが混入していると疑われているものの輸入バルクワインにつきまして調査したものについてはジエチレングリコールは検出されなかった、こういうことでマイナスだったという発表はしたところでございます。 いずれにしましても、後段の御質問につきましてお答えいたしたいと思いますが、三菱商事関係でございますが、三菱商事に関する問題につきましては東京都から報告がこちらに来ておりますが、これによりますと、同社は、ステファンハーラー社製バルクワインを昭和五十七年から輸入しており、その全量をマンズワイン社に納入しております。そうして同社の当該バルクワイン輸入量は五十七年に三十二キロリットル、五十八年三十二キロリットル、それから主十九年は十六キロリットル、六十年も十六キロリットル。ただし、五十九年及び六十年については、先生御承知かと思いますが、輸入の状態になってない、すなわち外貨の状態でそのままオーストリアに返品している、こういう状況になっています。 そこで、このマンズワイン社が使用したオーストリアワインの関係についての協議の件でございますが、これらのワインにつきましては五十七年、五十八年輸入されたものですから、それらがいわゆる疑惑業者と判断されたステファンハーラー社製のものである、こういう理由から、マンズワイン社より三菱商事に対しまして返品の要請がありました。それに基づきまして当該ワインの処置方法等につき両社協議を行った結果、同社からステファンハーラー社に返品した、こういう状況でございます。 さらに、この返品されたステファンハーラー社のバルクワインとブレンドされました、先ほど十八・八キロリットルの話がありましたが、これにつきましては八月十日に処分されております。
○下田京子君 簡単に答えてください。
○説明員(大澤進君) さらに六十年に入港した分でございますが、これはステファンハーラー社バルクワイン約十六キロリットル、このうち、それぞれ先ほど申しましたように積みおろしたわけですが、六十年分については三つのドラム缶、これが一部破損しまして、それが残りまして、これは九月十一日に処分されております。それ以外は返品されている、こういう状況でございます。
○下田京子君 簡潔に答えてないじゃないですか。焼却の費用はどっちが持ったんですか。 それから、今のお話しになりました残ったドラムのものは検査したんですか、しないんですか。
○説明員(大澤進君) お答えが残っておりまして申しわけございません。 この処分に関しての費用につきましては、三菱商事が負担しております。 なお、破損して残った三ドラム缶につきましては、九月十二日検疫所においてジエチレングリコールの混入を確認しております。
○下田京子君 そうしますと、かなりこれは三菱商事も絡んでいるというようなことで疑惑が大きくなっておりますけれども、警察庁、この事件について捜査していると聞いておるんですが、状況はどうでしょうか。
○説明員(上野治男君) お答えいたします。 ただいま御質問のありましたマンズワイン社によるすりかえ事件につきましては、現在、山梨県警において捜査中でございます。 国民の安全を守る、また国民の口に入る可能性のある食品についてということでもって、警察としては重大な関心を持って鋭意捜査している段階でございますが、現在は会社の関係者あるいは県の職員等から事情聴取している段階でございます。 現在、まだ捜査中でございますので、これ以上の答弁は差し控えさせていただきたいところでございますが、いずれにしても、国民の不安感を解消するためにも、一刻も早く事案の真相を解明したいと考えているところでございます。
○下田京子君 食品衛生法十七条違反容疑ということで理解してよろしいでしょうか。
○説明員(上野治男君) そのとおりでございます。
○下田京子君 最後に、公正取引委員会にも国税庁にもおいでいただいているんですが、残念ながらもう時間がないので、せっかく大臣もいらっしゃるからお聞きしたいのは、公正取引委員会あるいは国税庁と相談いたしまして、次の幾つかの点について対応方お願いしたいんです。 一つ、今回の問題で明らかになったのは、とにかく毎日飲んでいるものが国産だというのに実は輸入物。しかも、それがブレンドされているものというようなことで、消費者が非常に表示問題で何とか改善すべきだという声があります。それから同時に、この表示問題というのは、原料を供給しているブドウ生産農民の中からも強い要求になって上がってきております。同時に、生産農民のところにもずっと回って、また国産ワイン、ふるさとワインづくりをしている地場産業的な加工メーカーも回ってきたんですけれども、大変皆さんがショックを受けておりまして、今かなり消費が伸びてきたんですよね。 そういう状況の中にあって、ぜひ一つはウイルスフリー、無菌の苗、そういうものも開発し、それから醸造技術も含めて農水省側はもうちょっとイニシアチブをとって、今回の事件を教訓にして振興策に努めていただきたいというようなお話でございました。 それら表示それから生産の振興寺含めて、公正取引委員会、国税庁とも協議した上で農水省に対応方をお願いして、御答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 下田先生にお答えいたします。 先ほどの表示の問題でございますが、実は先般、私、フランス、ドイツを回ってきました。それで、表示について非常に各地域が誇りを持っているということで、こういう問題につきましてはまた検討してみたいと思います。 それから、ウイルスフリー等の優良苗は全くそのとおりでございまして、この苗によってブドウのいい、悪いができるわけで、これも果樹品種等更新事業を実施しておるわけで、これをますます進めながら苗木のいい供給体制を持ちたい、こう思っています。 また、先ほど御指摘ありました点につきましては、国税庁、公正取引委員会とよく相談しまして、ひとつ国産原料ブドウ取引円滑化及び生産農家の経営の安定に一層努めてまいりたい、このように考えております。
○委員長(成相善十君) 本調査に対する質疑は本日はこの程度といたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時三分散会 ————◇—————