内閣委員会 第16号
- 発言数
- 348 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/06/13
会議録
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨六月十二日、稲村稔夫君及び丸谷金保君が委員を辞任され、その補欠として小野明君及び野田哲君が選任されました。 また、本日、野田哲君及び矢田部理君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君及び久保亘君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大島友治君) 地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 私は、議題となっております地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案について、主に建設省並びに国土庁関係の事項について若干お伺いいたしたいと思っております。 まず、総務長官にお聞きいたしたいと思うんでありますが、この法律案は、地方公共団体の自主性を尊重いたしまして、事務運営の簡素化を図る観点から、地方公共団体の事務に係る国の関与、必置規制、それから許認可等の整理合理化を行おうとするものでありますけれども、全体像を把握する意味から、国の関与並びに必置規制、許認可等が国全体でそれぞれ何項目あるのか、そのうち行革審等で廃止あるいは緩和すべしと指摘されたのがそれぞれ何項目あるのか明らかにしていただきたいと思うのであります。
○政府委員(竹村晟君) 国の関与、必置規制のまず総数の問題でございますが、地方公共団体に対します国の関与と申しますのは、地方公共団体が事務を行うに当たりまして、個別の法律あるいは政省令あるいは通達等によりまして国の認可とか許可、承認あるいは届け出等を義務づけているものでありますが、いろいろ根拠も多岐にわたりまして、現在のところ国全体としての国の関与の総数については実態をつかむまでに至っておりません。この点につきましては今後実態の把握に努めたいというふうに考えております。 それから必置規制の方でありますが、これは地方公共団体が事務を行うに当たりまして、法令によりまして、例えば小学校でありますとかあるいは警察署、こういった行政機関などを義務づける、あるいは薬事監視員でありますとか麻薬取締員、こういった職員を義務づける、あるいは県の防災会議、こういった附属機関を義務づける、こういったものでありますが、現時点でその総数は百三十五でございます。 それで、行革審の答申との関係で言いますと、関与と必置規制合わせまして八十五事項でありますが、現在のところ基礎数字のわかっております必置規制の関係で言いますと、今回の法案が成立いたしますと、必置規制の廃止あるいは任意設置、こういうことによりまして十七の必置規制が減少することになりまして、その結果、必置規制は百十八ということになります。
○青木薪次君 国の関与等の総数がきちっと把握されていないようでありますけれども、各省庁で精査すれば簡単にこれはつかめる数字ではないかというように私は思うんですよ。そうでなければこのような法案を権威づけて提案する価値が非常に薄められてくるというように考えておるわけてありますが、何ゆえ実態が把握されないのか、これは総務長官が答弁すべきですな。
○国務大臣(後藤田正晴君) 青木さんと同じような疑問が私も実はあるんです。ところが、これは実態を調べますとなかなか容易でないんです。それは法律、政令あるいは省令、それから日本特有の行政指導といったようなことで、いわゆる国の関与ということになりますと、現実はなかなか各省自身も容易に調査しても結果が出てくるというような実態ではないようでございます。しかし、さればといってこれを放置するわけにいきませんので、私どもとしては何とかこの総数を今後各省にお願いして調査したいと、こういう考え方を私は持っておるわけでございます。 そこで、今回こういったような法律でお願いしておることは、これは従来から各方面でいろんな御議論があり、第二臨調あるいは行革審等でも御検討なさって、各方面の意見を取り上げて、少なくともこの程度のものはとりあえず整理したらどうだと、こういう御勧告をちょうだいした、その勧告の個別の事項を取り上げて法によって改正しなければならぬものを今回改正しようと、こういうことで御提案を申し上げておる次第でございますので、諸般の事情はぜひひとつ御理解を賜りたいと、かように思うわけでございます。
○青木薪次君 どうも全体の実態が把握できていないようだ。これは非常に残念でありますけれども、それでは行革審で検討の対象となった、今ちょっと長官も触れられたわけてありますが、国の関与、それから必置規制、それぞれ何項目ありますか。
○政府委員(山本貞雄君) 行革審におきましては、この検討に当たりまして、数次の全国知事会の御意見等々地方団体の御意見、あるいは地方制度調査会その他の既存の意見、要望等を一応集めまして、トータルでは二百三十数件あったと存じますが、そのうち既に実施済みというものを除きまして、大体百八十件前後のものを調査の対象にいたしたわけでございます。そして、それを個々に検討いたしまして、整理合理化を適当とするものにつきましては、今回トータルで八十五項目の整理合理化を御答申申し上げたということでございます。
○青木薪次君 検討対象では、私の調査によれば、国の関与が八十八件、それから必置規制が八十三件、合計して百七十一件という数字になっているんですが、あなたの言った数字とは実は違うんだけれども、どうなんですか。
○政府委員(山本貞雄君) ただいま、実は手元にその正確な数字を持ち合わせておりませんので、これにつきましては、大体私の記憶では、百八十件前後であったというふうに記憶いたしておりまして、そう申し上げましたが、これにつきましては、その途中におきまして個々に整理してまいりまして、既に実施済みとかいうことが順次判明してまいりまして、若干数字は変わってまいっておりますが、今手元に正確な数字を持っておりませんので、現段階におきましてはもう少し正確に確認いたしまして御報告さしていただきたいと存じます。
○青木薪次君 六十八回の行革審議会、一九八四年十二月十四日、出席者は土光さんと大槻さん、柴田さん、瀬島さん、谷村さん、槇枝、宇佐美さん、これらの皆さんが出ておりまして、事務局は山地さんと山本さん、重富さん、田中さん、新村さん、井上さん、地方行革小委員会報告が議題となって行われておりまして、この中でいろんな討議の経過がありますが、全体では必置規制八十三件、国の関与が八十八件、計百七十一件を対象に検討し、最終的に必置規制三十六件、国の関与四十九件、計八十五件について廃止または緩和することとしたと、こういうこと。これはおたくの方で関与したあれじゃないんですか。その点について、私はこの辺はちょっと調査しておくように質問とりのときにも言ったはずなんだけれども、どうなんですか。
○政府委員(山本貞雄君) 恐縮でございます。ただいま手元に正確な数字が届きましたので、正確な数字を御報告申し上げます。 先ほど申し上げましたように、当初二百数十件の既存の意見、要望を集めまして、そしてそのうちから整理済み、措置済みというものを除きまして約百八十件、先ほど私が申し上げましたように約百八十件につきまして検討の対象といたしたわけでございます。その後、ある参与から十八件の追加がございまして、最終的には二百二件の検討をいたしました。
○青木薪次君 先ほどの説明では、行革審、臨時行政改革推進審議会で廃止または緩和すべしと指摘された事項は、国の関与が四十九件、それから必置規制が三十六件、総計八十五件ということであったはずであります。そういたしますと、検討対象事項百七十一件の約半分であるわけだけれども、総務庁としては、整理合理化すべき事項はこれで全部出尽くしたという考え方に立っているのかどうなのか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(山本貞雄君) ただいま申し上げましたように、検討対象は既往の意見、要望等を集めまして、そしてこれを個々に詰めてまいったわけでございます。そして、そのうち整理合理化を適当とするもの八十五件を御答申申し上げたわけでございます。したがいまして、その他の事項につきましては、個々に検討した結果、現状維持が適当であるというふうに判断いたしたわけでございます。 例えて申し上げますと、例えば意見、要望の中に、県が精神病院を必置するという現行規定になっております。しかしながら、これは知事が強制措置入院をするわけでございますから当然精神病院は必要でございます。しかしながら、民間にしかるべき病院がございますれば、これを指定病院として県が設けなくてもいいということになっておりますので、御意見、要望としては必置をやめるとなっておりますが、そしてこれにつきましては現行制度が適当である、あるいは教護院につきましても必置をやめるという御意見がございましたが、これはそれぞれの理由で現状維持が適当であるというふうに行革審としては判断したわけでございます。
○青木薪次君 行革審の答申では、整理合理化を個別に指摘した事項以外に、「引き続き整理合理化を推進する必要がある。」としているんでありますけれども、どのような方針で今後引き続き整理合理化を進めるつもりなのか、私はそこを聞きたいわけです。
○政府委員(竹村晟君) ただいまの御質問にもありましたように、昨年の行革審の答申は八十五の個別事項の整理合理化をしております。現在その措置を逐次とりつつあるわけでありますが、それ以外のものにつきましても、ただいまお話しにありましたように、今後引き続きその見直しをする必要があるという趣旨の答申があるわけであります。 それで、地方団体に対します国の関与とか必置規制、これは全国的に一定行政水準を確保する必要があるとか、あるいは全国的な統一ないしは広域的な調整を行う必要があるとか、こういったもので行われているわけでありますけれども、本来、地方公共団体における行政の執行につきましては、できるだけ地方公共団体の自主性を尊重いたしまして、地域の実情に合った簡素で効率的な行政が行われるようにすべきでありまして、国の関与、必置規制につきましても、社会経済情勢の変化でありますとかあるいは地方公共団体の事務の能力の向上、こういったことに伴いまして常に見直しを行いまして、真に必要な場合に限定していく必要があろうというふうに考えております。このような観点から一時的にはそれぞれの所管庁において見直しを行うべきであるべきだというふうに考えますが、当庁におきましても、今回の整理合理化で足れりとすることなく適当な時期に改めて見直しを行う必要があるというふうに考えております。
○青木薪次君 そこで、建設省、国土庁について順次お伺いいたしたいと思いますが、まず国の関与についてであります。これには法律に基づくものとそれから政令、規則、要綱に基づくものなど広範多岐に実はわたっていると思うのであります。したがって、正確に全体の件数を把握するのは非常に難しいということを言うかもしれませんが、自分のところのものぐらいは精査していかなければならないと私は思っているわけであります。総務庁長官は笑っていますけれども、総務庁で全体を把握しなければならぬけれどもそれも無理なようだということで、日本の特殊事情というところで逃げられたんでありますけれども、建設省、国土庁から自分の所管の全体の件数を示してもらいたいと思います。まず建設省からお願いいたします。
○政府委員(豊蔵一君) 私の方におきます国の関与につきまして、一般的な法律、政省令あるいは通達等で指導等をやっている総数は現在のところ正確なところが把握されておりません。ただ許認可ということで整理いたしますと、現段階で約六百件程度の件数を持っております。それ以外に通達等で個別の指導がありますので、そこら辺のところをもう少し精査してみたいと思っております。
○政府委員(永田良雄君) 国土庁における国の関与の数につきましても厳密に幾つというところまでは把握いたしておりません。と申しますのは、何をもって国の関与と言うかという定義も明確にされなきゃいかぬという面もございますので、そこら辺は今幾つということは申し上げられませんが、まあ数十ぐらいかなという感じはいたしております。
○青木薪次君 総務庁長官、こういうものなんですよ。だから私もきょうの質問は実に嫌だった、本当に雲をつかむようなものだ。しかしやらなきゃならぬということてありまして、臨時行政改革推進審議会で廃止あるいは緩和すべしと指摘された事項は何件あるのか、それをひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) 私ども建設省関係で申し上げますと、国の関与につきまして廃止または改善すべきものとされましたのは十四件でございます。それから必置規制につきまして廃止または見直しを行うべきとされたのが二件ございます。
○政府委員(永田良雄君) 国土庁関係で国の関与に関して廃止すべきものとされていましたのは一件でございます。それから必置規制に関しましても一件でございます。
○青木薪次君 国土庁の永田官房長、私の資料では国の関与の関係では国土庁は三件、それから必置規制の関係では一件というように調べた数字があるんですが、これは見方、考え方の相違ですか。
○政府委員(永田良雄君) 私が今申し上げましたのは、廃止すべきものとされたのが一件でございます。国の関与では指摘されたのは二件ございますが、廃止すべきものとされたのは一件でございます。そういう意味でございます。
○青木薪次君 本法案で建設省が三件、これはいいですね。それから国土庁が二件が措置されている。その他のものはどのように措置する方針か実は聞こうと思ったんですけれども、この辺の数字が違うんであります。政令改正とか要綱改正でこれはきちっと整理するのかどうなのか。その点についてはいかがですか。
○政府委員(豊蔵一君) 国の関与につきまして廃止または改善等いわゆる整理合理化を行うこととされまして、昨年十二月十八日に臨時行政改革推進審議会から答申がありました項目は、私どもの方で先ほど申しました十四項目でございます。そのうち今回法律によりましてお願いをいたしておりますのが三件ございます。そのほか政令、省令あるいは通達等々でいろいろ改善を行っておりますが、現段階では、現在申し上げました法案でお願いしているものも全部含めまして十四件のうち十二件はそれぞれ措置済みまたは法案で提出しております。二件残っておりますが、これは都市公園及び街路につきましての措置でございますが、若干の時間をちょうだいいたしまして検討することといたしております。 なお、必置規制につきましては二件御指摘をいただいておりますが、そのうち地代家賃統制令の中におきますところの地代家賃審査会でございますが、この審査会は、本体であります地代家賃統制令を廃止する方向で現在検討しておりますので、これが法案として提出されましたらその中で自動的にこの審査会というものも取り扱っていただけるということで、これはもうしばらく時間をちょうだいしたいと思っております。 もう一件の水防協議会につきましては、指定の見直しにつきまして指示をいたしたところでございます。
○政府委員(永田良雄君) 先ほどお答えしましたが、私は廃止すべきもの一件と言いましたが、厳密に言えば、同じ性格の首都圏及び近畿圏における工場制限に関する法律に基づく承認事項の廃止というのは、法律が二つの法律になっておりますので、勘定すれば二件になるわけでございます。 なお、運営を改善すべきものとして国土調査結果の承認の件が一件ございます。したがって、厳密に言えば、廃止ないしは運営を改善すべきものというのは三件でございます。
○青木薪次君 これは調べていきますと、我々素人だと迷っちゃう。本当にこれは困ったものだと思うんです。これをまとめて、束ねて全部検討対象にしたわけですから、それはもう全く大変な作業だと実は思っているのであります。例えば行革審の答申では、「都道府県知事が二級河川に係る河川法に基づく改良工事年度実施計画を定める場合の建設大臣の認可は、廃止する。」とあるのでありますが、これは政令事項であるから政令改正で対処するんであろうけれども、廃止しても治水上の安全性は十分に確保できるのかどうなのか。この点は大変問題のところだと思うのでありますが、この点はいかがですか。
○政府委員(井上章平君) 従来から二級河川につきましては、河川改良工事あるいはダム事業の全体計画、それと毎年度の年度実施計画の双方につきまして、建設大臣の認可にかからしめておるものでございます。今回このうち年度実施計画の建設大臣認可を廃止するわけでございますが、廃止しても安全性が確保できるのかという御質問であります。河川改良工事やダム事業の着工に際しましては、ただいま申し上げました全体計画につきましては、従来と同様建設大臣の認可にかからしめることといたしております。この審査の過程で事業の全体像につきまして同種同規模の河川の管理の一般水準と安全性が確保できているかどうか、あるいは水系一貫した計画内容となっているかどうかについて十分チェックされるものでございます。 また、各年度の工事内容につきましては、補助金の交付申請時に、工事の進捗状況が上下流と整合性がとれているかどうか、安全性が確保されている施行計画となっているかといった観点につきまして十分安全性の確認を行って、その上で補助金の交付決定を行うことといたしますので、年度実施計画の大臣認可を廃止いたしましても、御心配のような支障は生じないように処置できるものと考えておる次第でございます。
○青木薪次君 工事の実施の基本計画とか、あるいはまた改良工事全体計画の知事決定に当たりましては、建設大臣の認可が必要であるから、それで十分というような意見もあると思うんですね。 例えば認可した後に大きな工事変更が必要だというような場合もあろうと思うんです。そういう場合についてはどう対処されますか。
○政府委員(井上章平君) 全体計画につきましては、これが完成いたしますまで、計画上の重要な変更についてはすべて建設大臣の変更申請をまって認可にかからしめるということになっております。
○青木薪次君 同じように、行革審の答申では、「知事が、排水区域が二以上の市町村の区域にわたる公共下水道に係る都市計画を決定し、又は変更する場合の建設大臣の認可については、廃止する。」ということになっているわけでありますが、これは実態的に事例が非常に少ないということで、知事に判断をゆだねても支障がないんじゃないかということが理由のようでありまするけれども、建設省としてはどのような計画を持っておられますか伺います。
○政府委員(牧野徹君) お尋ねの排水区域が二以上の市町村にまたがる公共下水道に係る都市計画は知事が決めることになっておりまして、その際に三大都市圏に係るもの等重要なものは大臣の認可という法律の仕組みになっております。これは流域下水道と同じような仕組みになっているわけでございますが、このたびこのような公共下水道について検討しました結果、非常に広域的な流域下水道に比べまして一般的には都市計画上の重要性も比較的小さかろうということで、今回、建設大臣の認可を廃止することといたしました。 今先生おっしゃいました件数等でございますが、公共下水道の件数というのは全国で七百八十四件ございますが、この二以上の市町村にわたるというものは全部で十七ございます。その十七のうち、もともと大臣認可が不要のもの、三大都市圏以外とかそういうものが七カ所ございますので、もともと七百八十四のうちで大臣認可に係るものは事実として十件程度あった、そのようなものでございます。
○青木薪次君 わかりました。 そこで、行革審には指摘されていなかったんでありまするけれども、従来から指摘されていた問題に、耐用年数を経過した公営住宅の譲渡等に係る建設大臣の承認の廃止という問題があるんですけれども、これは国の関与を廃止してもよいのではないかと思うが、その辺は非常に微妙だと思うんですけれども、建設省の見解はどうであるか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 公営住宅は、先生御存じのとおり、低額所得者を対象とした賃貸住宅でございまして、この建設費のうち二分の一とか三分の二とか、こういう大きな部分を国の費用で賄っており、残りは建前として受益者が負担する、こういう形になっておるわけでございます。このように国の負担が非常に大きいということもございまして、公営住宅法の規定によりまして、この建設管理につきましては、主として国の指導監督に従って行うということにされております。したがいまして、公営住宅の譲渡につきましても建設大臣の承認にかからしめられているところでございます。 ところで、今お尋ねは、この公営住宅が耐用年数を経過した場合にはその承認をやめてもいいんではないかというお話でございました。そういう御議論は確かにいろいろございます。ただ、耐用年数というのは、これはいろんな例えば償却年限を決めたり、あるいはどのくらい経過したら建てかえしてもいいとか、そういったいろいろ技術的な意味合いで設けられている制度でございまして、この耐用年数が過ぎましても公営住宅としての機能を果たしている住宅はたくさんございます。そういう意味から申せば、公営住宅が公営住宅として機能している限りにおいて、譲渡に関する建設大臣の承認制度というものは維持すべきものではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○青木薪次君 次に国土庁にお伺いいたしたいと思いますけれども、首都圏、近畿圏の工場などの制限区域における制限施設の新設等の許可を知事が取り消す場合の国土庁長官等の承認を廃止することになっているんでありますけれども、これは廃止する理由は何かお伺いいたします。
○政府委員(永田良雄君) 首都圏、近畿圏での工場を制限するために一般的に一定規模の工場新設、増設は禁止されました。ただ、特定の場合に条件を付して知事が認可することになっております。今御指摘の点は、知事が許可をしたにもかかわらず一年以内に正当な理由がなくて工事に着手しない場合に知事がその許可を取り消すことができるとなっている条項のことでございます。そもそもこの取り消しにつきましては、公益的な見地から個々の事情を判断するわけでございますが、基準の統一をする必要があるということで国が承認することによってそういう統一を図ってきたわけでございますが、発足以来かなり日数もたっておりますし、なれてまいりましたので、現在この承認を廃止しても差し支えがない、かように判断いたしたわけでございます。
○青木薪次君 次に必置規制なんでありますが、これは国の関与より私は実態が把握しやすいと思うんです。したがって、必置規制について建設省、国土庁も全体数を把握していると思うんでありますけれども、どの程度なのか説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) 建設省関係のいわゆる必置規制とされております項目は、建築主事、建築審査会、土地区画整理審議会等名称でいきますと十件でございます。そのうち行革審の方から御指摘をいただきましたのが二件、このようになっております。
○政府委員(永田良雄君) 国土庁関係の必置規制の数は全体で四件でございます。内容は、土地利用調査員、国土利用計画地方審議会、土地利用審査会、それから新産業都市建設協議会、以上の四件でございますが、行革審で必置規制を廃止すべきものとされたのは一件でございます。
○青木薪次君 都道府県の地代家賃審査会の廃止と水防協議会の設置が義務づけられていると思うんでありますが、水防管理団体の指定の見直しだと思うんです、これは。いずれもこの法案には盛り込まれていないんでありますけれども、先ほど建設省豊蔵官房長の話によりますと、地代家賃審査会の廃止等の問題は将来考えたいというようなことを言っておられたんでありますけれども、この点は非常に微妙な点があるんですね。その点についてどう考えているのか。
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほど官房長からもお答え申し上げましたように、地代家賃審査会につきましては、今回の五十九年十二月の行革審の答申におきましても廃止すべきであるという御指摘をいただいております。しかしながら、昭和五十七年の臨時行政調査会の御答申あるいは住宅宅地審議会の御答申におきましても、既にその統制令自体を廃止すべきであるという御意見をいただいておりまして、そういうところから、この統制令を廃止すれば当然にこの審査会もなくなるということでございます。私どもは統制令の廃止について今検討を進めているところでございまして、これと一緒に措置いたしたいというふうに考えているところでございます。
○青木薪次君 地代家賃統制令についてはいろいろ意見が分かれております。実態にそぐわないと言われればそういう面もあるでありましょう。しかし、まだそこまで踏み込んでいないのにこの委員会でやれ廃止するなということも、これは早計のそしりを免れない点も実はあると思うんですよ。ですから、その点については実情は理解はいたしますが、ここでその点について余り言い切らないようにして、関係諸団体とのいろんな話し合いも進めていく、こういう柔軟な姿勢でいく必要があるというように考えます。 それから水防協議会であります。設置が義務づけられている水防管理団体の指定を見直すとされているんでありますけれども、指定水防管理団体の数はたくさんあると思うんですね。主な活動状況はどうなっているのか、その数と活動状況についてお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(井上章平君) まず指定水防管理団体の数でございますが、昭和五十九年四月一日現在で、全国千九百四十一団体、これは全水防管理団体の数が三千二百六十二団体ございますから、それのおよそ六〇%が指定水防管理団体となっております。 また活動状況でございますが、昭和五十八年度の指定水防管理団体における水防出動の状況は、八百四十六団体におきまして延べ二千四百八十七回で、延べ出動人員は二十五万五千人となっております。
○青木薪次君 これからいよいよ梅雨に入ったわけでありますから、雨期を前にいたしましてこれらの関係等については大変役割が大きくなってくると思うんでありますが、水防法の二十六条では「指定管理団体に水防協議会を置く」ことが義務づけられているわけであります。これを見直すということになりますと、水防協議会が減ってくるということにイコールしてくると思うんです。今井上河川局長の答弁によりますと、千九百四十一団体すべてに現在水防協議会が設置されているのかどうなのか、いないとすればその理由は何か、この点の説明を願いたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 指定水防管理団体数千九百四十五団体のうち、水防協議会設置済みのものが千四百十六団体でございます。したがいまして設置率は七二・八%となっております。この残余につきましては、ただいまのところ都道府県を通じまして速やかに指定水防管理団体におきましては協議会の設置を行うようにるる指導をいたしておるところでございますが、諸般の事情から七二・八%にとどまっているということでございます。 一方、指定水防管理団体のうち水防協議会の設置がなかなかできないというような事情のあるものにつきましては、むしろ指定を外すというような指導をいたしておる段階でございます。
○青木薪次君 総務長官にお伺いしたいんですが、今もお話しになりましたように、必ずしも私は水防協議会という形が完全なものに定着していると思わない。しかし非常に役割を大きく担っていらっしゃると思うんです。この行革審の答申では、水防管理団体の指定の見直しを実施せよとあるんです。そういたしますと、どのような方針で見直すのか。我が国は水害多発国ですから、去年はひでりで、ことしは偶数の年で、予言者によれば大変な雨が降るだろうというように言われております。したがって極めて重要な役割を果たすというように考えているんでありますけれども、やみくもにこの指定を見直すということになりますと、住民の水防意識の低下にもなるし、水防体制の弱体化を招くということを心配しているのでありますけれども、これは長官の偽らざる考え方をお聞きいたしたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほど来の質疑応答で明らかなように、国の関与、つまり許可、認可、承認、届け出、微に入り細をうがって義務づけておる。あるいは必置規制、これもこれまた大変たくさんな法律で多くの組織なり人員あるいは名称を持った職員を必ず置けとなっている。こういうような国は恐らく日本ぐらいではないかなと思う。なるほど地方団体の行政能力が必ずしも国民の十分な信頼を受けがたいといったような時代もあったと思いますが、今日行政処理能力が非常に上がっているわけですね。また地方団体の長なり地方の議会というものは、それぞれ自分の地方団体としてやるべきことはこういうことでないかといったようなことも十分わかっておりますから、基本は私はもう少し整理して地方自治体の自主性に任すべきものであって、国は法律でやるときに個々具体的でなしに、一般的な基準といいますか、そういうようなものを決めて、そうしてその基準に従って地方団体が自主性を持って行えるようにすべきである、こういうように、基本的な一般論でございますが、私は考えているわけでございます。 御指摘の水防関係等について見れば、これは極めて重要な役割、殊に日本は災害の常習国でございますから、そういったような関係で果たしてその水防関係の団体が現在どういうような指定をせられ、そうしてそれがどこまで浸透してそれがどのような活動をやっているのかというようなことについては、私は中央において十分指導すべき筋合いのものであろう、かように考えているわけでございます。ただ、そこでその際にそういう水防団体を必置に法律でするのがいいのか悪いのか、そこらは今後の検討の課題ではないのか、私はかように考えているわけでございます。
○青木薪次君 我が国は特に山地国であって、非常に急流で急峻な地形にあるわけでありますから、しかも今日都市開発が民間デベロッパーがいいとか悪いとか別といたしまして、非常に必要以上な開発を進めた、そのことが例えば山林を伐採する、あるいはまた非常にそういった意味における雨水の涵養といった面においては全く厳しい状態になってきた。行革審の立場というものは初めから何%カットせよというようなことである場合が非常に多い。ところが今長官の話を聞いてみても、一律に何%カットというようなことでなくて、内容で、しかも基準をつくってと。この必置規制に伴う問題等については、それ相応に役割を果たしてきたわけてありますから、どうしてもそういう点を考えませんと大変なことになってくるということになりますし、特にこの水防関係等については法律事項とすべきである、私は基本的にそう考えているんであります。そうでないと予算的にもあるいはまた権威の点からも、いわゆる水防意識と先ほど私言ったんでありますけれども、それの低下を招く。ある意味ではこれから水防団にかわる消防団のような役割も果たすことが現実として行われているわけでありますから、そういう点を考えて、長官、私は水防関係については非常に懸念を持っているのでありますけれども、もう一度決意をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問のように、行革審の御答申の中に一律一〇%どうこうしろといったような御指摘のある事項が相当あるわけですね。これは便宜的なお話であろう、こう私は理解をしているんです。ならばその一〇%の中で各省庁としては、自分の役所の中で具体的な検討を行ってこういうものを改革しよう、こういうようなことでお考えになるのが当然でございまして、したがって政府がいよいよ法律を改正する、あるいは省令を改正するといったような場合には、個々具体的な事項で改廃の必要性の有無というものを十分検討して、これは国会にお出しすべきものはお出しするし、政令以下で改正すべきものは各省にやっていただく、こういうことでございまして、やみくもに一〇%というのはなかなか——先ほど来お答えしておりますように関与なんといったって、その総数さえわからないわけですね。 しかしながら、民間なりあるいは国に対する地方団体の側からは、こういうものはひとつやってもらいたいということはたくさん出てきておるわけですね。したがって、そういうものについては行革審としては具体的にそれじゃこの程度でやってください、こう個別指摘になるんですね。それはそれで今回のように処置をしてやる。ところがそれ以外にも、どうも常識的に考えて、いかにも煩瑣な、不必要な関与、あるいは必置規制を置かしているんじゃないかというのが常識的にあるわけです。ならばそれは、この程度の目安でひとつ政府の責任において取捨選択をしなさい、こういう御答申でございますから、私どもとしては、これは個別に一つ一つ見ませんと、一割を目安にしておるからといってやみくもにということではいけない、こう思います。その中の一つに今の水防関係があるんじゃないかと思いますね。だから、水防関係というものについては今回の改正には入れてない、こういうことで個別の政府としての検討の結果、これはやはり入れるべきではなかろうということで今回処置してない、こういうように御理解を願えればありがたい、かように思う次第でございます。
○青木薪次君 それはぜひそういうように一律一〇%カットというようなことでなくて、その県によって、私は静岡県ですけれども、この水防関係なんというのはそれこそ命の問題ですよ。ところが、余り関係のないところも実はあるんです。それが地方から来たからといって、よしきた、それわかったということでは困る。しかも知事の政治的な姿勢、あるいはまた地方行政の立場というものもありますので、そのことを考えて、私はこだわるようでありますけれども、水防関係はよろしくお願いいたしたい。今長官の話を聞いてみて少しは安心したんですけれども、あなたもお役所の出身ですから、頭から天引き、切り捨てということにならぬようにひとつやっていただきたいというように思います。 それから国土庁関係では、本法案に盛り込まれているとおり、土地調査員の必置規制を任意設置とするように措置されることになっているんでありますが、その理由は現状において必置するだけの行政需要がないということであるけれども、現状はどうなっているのか、あるいはまた任意設置とした場合にどの程度が廃止されるのか、これもお伺いいたしたいと思いますし、土地調査員はどのような仕事をしているのか、改めてひとつ説明してもらいたいと思います。
○政府委員(永田良雄君) 五十九年現在で、都道府県、指定都市に約九百人ぐらいの土地調査員が配置されております。この土地調査員といいますのは、年間約二十万件の土地取引があるわけでございますが、これの届け出、事前確認といった行為があるわけでございますが、その際に価格が適正であるかどうか、それから土地の利用目的が適正かどうかということを審査するために立入検査などの現地調査を行うという役割を持っているわけでございます。それらの調査をすることによって国土利用計画法の土地の取引規制制度の的確な運用を図ってきているわけでございます。 私どもといたしましては、これは現在非常にうまくいっているというふうに考えております。これが設置された目的は、土地の取引は非常に貴重な財産である土地でございますので、法施行時においては、一定の資質を持つ職員の中から都道府県知事が必ず任命しなければいけないということとされたわけでございます。ただ、法律が施行後十年を経過いたしてきております。毎年数十万件の土地の取引についての事務を行ってきておりますので、現在各都道府県ともかなりその事務に習熟してきているというふうに考えております。したがいまして、これらを今必ず都道府県が置かなきゃいかぬということまでする必要はない、知事の任意判断を許しても土地の取引の適正化の問題には心配がない、かように考えて必置規制から外したわけでございます。私どもといたしましては、必置規制から外しても土地の取引そのものについては十分やっていける、かように考えております。
○青木薪次君 実勢価格もあるし、それから市場経済ですから、その点は不当な価格とか土地取引が行われるというようには考えませんけれども、これも重要な課題ですから、カットの対象にしたら後をよく調査してということでお願いします。 同じように必置規制を見直す必要ないものとしてありますのがいろいろあるんでありまするけれども、規制をとにかく一般的に加えることがいいもの、ある意味ではまた反面設置を拡大することも必要だというものもあるように思っております。その点で規制を加える必要がまた新たに生じてきたというような場合があるわけでありますが、長官その辺はどうなんでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えになるかどうかわかりませんが、基本的に必置規制というものは地域によりまた地方団体によって必ずしも一律でないんですね。だから、時勢の変化で廃止すべきものは廃止しなきゃいけませんし、同時に地方団体がここまで育ってきた以上は、何も法律で三千三百の地方団体に一律に、事情を異にするところに全部置いてしまえというのはこれはいかがなものか。これは地方団体の事情が違いますから、基本は地方団体の自主性に任せるという意味で必置規制をやめて、これは任意設置にするとか、そういうようなことにして、本当に法律で必ず三千三百の地方団体全部置けというものは、これはだれが見ても各地方団体なべて同じように置かなければいけないという最小限にとどめるべき筋合いであろう、こう考えているんです。したがって私は、今回のこの法律で全部済んでいると思いません。ここはやるべきことはそれぞれの省庁でまずやっていただくし、そうでなければ私どもの方からまた調査して各省庁にお願いすべきこともあるので、今後とも私は課題は残っていると思いますが、基本的な物の考え方は国と地方との関係においてはそうういう観点でないと、何もかもともかく法律で必ず三千三百の地方団体に置けと言われますと、地方団体の組織はどんどん膨大になるし、人員は膨大になってくる。こういうことでございますから、そこらは、ただいま言ったような地方団体、必ずしも一律ではありませんから、地方の自主性ということが十分生かし得るようなやり方にすべきではないのかと、これは私の基本の考え方でございます。
○青木薪次君 私がなぜ今この質問を長官にしたかというと、例えば建築確認に対する事務をつかさどる建築主事というのが、建築基準法の第四条の規定で、人口二十五万以上の市においては必置しなきゃならぬ。それ以外の市町村では、今長官の言われたように、任意ということになっているんでありますけれども、任意設置の市町村ではどの程度が設置されているのか、この点についてひとつお伺いいたしたいと思っております。
○政府委員(吉沢奎介君) お答え申し上げます。 必置になっていない、つまり人口二十五万未満の都市におきまして設置されている数は百十九市町村でございます。
○青木薪次君 百十九市町村が設置されていないということですね。
○政府委員(吉沢奎介君) 百十九市町村において設置されているわけでございます。
○青木薪次君 そういたしますと、市町村の数からいえば、まだ極めて少ないと言わなきゃならぬと思うんですけれども、この面で行政需要に十分対応できるかどうか、その点お伺いしたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 私ども、なるべく建築主事を広く置いた方がそういう需要に対応できるというふうに考えておりまして、現在の段階ではまだもう少しふやしていただいた方がいいんではないかというふうに考えておるわけでございます。 例えば県庁所在市につきましても、まだ二つの市において設置されていないところがございまして、そういう県庁所在市は極力建築主事を置いていただきたいというふうに考えております。また県庁所在市でない市で、地方の中心的な役割を果たしている市におきましては、なるべく建築主事を置いていただきたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、それにつきましても、一律にどこにどれだけ置けばいいかということを判断するのはなかなか難しゅうございますが、概してそういう大きな市においては、まだ置いていないところも置いていただきたいと思うところがかなりあるというふうに思っております。
○青木薪次君 私がさっき聞きましたのは、任意で設置されているのは四十八カ所と私は聞いたもんですから、その点を再度聞いたわけであります。 例えば静岡県を例にとりますと、二十五万以上の都市が二つある、これは必置規制。それから二十五万以下で置いてあるのが清水市と富士市と沼津市の三市ある。そういうことから考えて、今吉沢住宅局長の説明によりますと、県庁所在市でも必置してないところがあるということは、二十五万以下の都市であろうというように思料されるわけであります。建築確認申請がうず高く積もっているんだけれども、とにかく建築主事が来ないもんですから、仕方がない、県から来てもらう。県の方だってそんなことを一々やっているわけにいきませんから、結局住民は建築確認申請がおりないまま、毎日どうか、どうかで不安な日を送っているということになろうかと思うんです。その点いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 数字につきましては私、申し上げたとおりでございまして、あるいは先生のところでは、十万以上の市におきまして任意に設置されているのが四十八ありますので、それを先生今お述べになったのではないかと思っております。 それで、問題の方でございますが、確かに建築確認件数というのは、一年間に百万ほどございますので、これを建築主事日本全国で千三百人程度で処理するというのはなかなか容易なことではございません。そういう意味におきまして、実は建築基準法を改正いたしまして、一定の建築物については建築確認の手続の中で、資格のある建築士の申請に係るものについては建築確認の事務を一部省略するとか、あるいは検査に行くことを省略することができるというような改革をいたしたところでございまして、そういうことで対応したいというふうに考えておったわけでございます。 そういう意味で、非常に楽にはなってまいりましたけれども、先ほど申し上げましたように、そういう建築主事を置くべきところはまだかなりあるんではないかというふうに考えている次第でございます。
○青木薪次君 次に許認可等の整理合理化でお伺いいたしたいと思うんであります。許認可等の整理合理化については、教次にわたる臨調答申の中で二百五十三項目が具体的の提案として出されております。今日、既に百八十項目が措置されていると聞いておりますが、この法案でも六項目などが措置されていることになっているんでありますが、まだ相当数が未措置であるようであります。建設省、国土庁関係の措置状況はどうなっているのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(豊蔵一君) 建設省関係の許認可等の事務につきまして、臨時行政調査会の答申で数次にわたりまして御指摘をいただいておりますが、それの総計は、建設省関係といたしまして十五項目ございます。これらのうち、建築士の試験事務の民間団体への移譲等十一項目につきましては、既に措置をいたしております。残りの四項目につきましては、これらの具体的な実施のため必要な条件の整備を図りながら早急に措置をいたしたいと考えております。
○政府委員(永田良雄君) 第二次臨時行政調査会の答申におきまして、国土庁の許認可等に関しまして整理合理化について指摘された事項は国土庁はゼロでございます。
○青木薪次君 臨調の第五次答申で、民間移譲が指摘された建築士の試験事務ですね、これは昭和五十八年でありますけれども、第九十八回国会で、建築士法を改正いたしまして、民間の指定試験機関に移譲しているんでありますが、そのときの委員会審議においても、宅建取引主任の資格試験の民間移譲は、都道府県知事と相談しながら前向きに対処すると建設省は答弁しているんでありますけれども、それから二年ぐらい過ぎております。おくれの原因はどこにあるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(高橋進君) 宅地建物取引主任者の試験事務の民間団体への移譲、これは今御指摘のとおり、臨調答申で指摘なされたものでございます。基本的には、現在試験事務を行っております都道府県の意見も参考にしながら、その準備を進めているところでございます。今までおくれておりますのは、実際に実施しておられる都道府県の体制その他財政上の問題等もございますものですから、今までおくれておりますが、積極的に前向きに近い将来に移譲のための促進を図りたいというふうに考えております。
○青木薪次君 それはいつごろまでに大体予定していますか。
○政府委員(高橋進君) はっきりしたことは申し上げられませんが、できるならば、早いものであるならば来年度、あるいは遅くとも再来年度ぐらいにはその実現を目途にしたいと考えております。
○青木薪次君 次に、建設機械施工技士の技術検定についても、移譲団体の整備及び諸条件の調整を行って改善措置を図るとあるけれども、いつごろまでに措置するのか見通しを明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(高橋進君) 建設機械施工技士の技術検定につきましては、直轄で実施してきたところでございますが、これにつきましては、実は技術検定の実地試験に使用する建設機械が大型でまた機種も多いという特殊の事情があるのでございます。しかしながら、そういう臨調からの提案もございましたものですから、来年度、昭和六十一年度からの移譲を目途として、移譲団体の選定及び諸条件の調整等を検討しているところでございます。
○青木薪次君 この建設機械施工技士の関係等については、学習の関係、技術習得等の関係については、今も経済局長のおっしゃったようにいろいろな機械の種類があるものですからなかなか大変なんです。そこで、私どもも学校をつくってやろうというようなことで、いわゆる特殊学校のような学校を努力しておるし、今自主的に進めているのであります。これは大変な人気があるんですが、この点について建設省としてももっとその意味で民間から盛り上がるような勉強の機会を与えてもらいたいというような声に積極的に指導援助する気はありますか。
○政府委員(高橋進君) 一般的に民間のそういった御要望につきまして、この建設機械施工技士に限らず、積極的にそういう活力を受けとめてまいりたいと思っております。今具体の問題につきましては、そういった具体の御提案に基づきましていろいろ検討させていただきたいと思います。
○青木薪次君 この法案とは直接関係ないのでありますが、行革審で検討が進められています規制緩和問題について若干お伺いしたいと思います。 新聞報道によりますと、行革審の規制緩和分科会で鋭意検討中で六月末までには取りまとめ作業を終わるということであります。検討段階であるから具体的なことは発表できないかもしれぬけれども、建設省関係の規制緩和対象項目は何項目あるのかぐらいは明らかにしていただきたい。運輸関係は百二項目と新聞報道されております。これは長官、総務庁の関係だと思うのでありますが、御答弁願いたいと思います。
○政府委員(山本貞雄君) 規制緩和問題につきましては、行革審におきまして二月末に規制緩和分科会を設けまして、関係省庁のヒアリングあるいは関係団体のヒアリングを行いまして現在審議中でございます。 検討対象といたしましては、金融、運輸、あるいは石油等のエネルギー、あるいは都市開発等々、十数の分野につきまして検討対象といたしております。このうち都市開発等を除きまして総務庁に調査を御依頼いたしておりまして、その調査の結果は既に聴取いたしたわけでございまして、これらを参考にしながら目下審議をいたしておる段階でございます。したがいまして、この総務庁の調査の結果のうち具体的にどの項目を取り上げるか、あるいは総務庁が御調査された事項以外につきましてどのような事項を取り上げるか、今後週二、三回ペースで審議を進めまして七月早々には分科会の意見を取りまとめたい、かような段階でございます。
○青木薪次君 私の聞きたいのは、関係省庁との調整を総務庁は行うのかどうなのか、調整は行わないで独自案として総務庁としてつくっていくのか、その点を聞きたかったわけです。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは行革審御自身も独自のお立場でそれぞれの省庁、関係団体等から御意見を聞いたりして、そして行革審としての御意見をまとめられるわけです。そのうち、行革審自身のお集めになっておる調査資料等で御判断をなさるものもありますが、それだけでは足りないということで、行革審の方から私の方の監察局にこういう項目について実態を調べてもらいたいということで御依頼があった事項もございます。それは行革審の方に私の方から資料としてお出しをします。その上で行革審としてまた各方面、各省庁等からも十分ヒアリングして答申案がまとまるわけでございますが、その答申を受けますれば、私どもとしては改めて各省庁との十分な話し合いをした上で政府の責任でまとめて改革案をつくっていきたいと、こういうプロセスを経るわけでございます。
○青木薪次君 モチはモチ屋に任しておけという言葉もあるのでありますが、いろいろその意見ばかり聞いておられないという総務庁の意見もあろうと思うんです。しかし意見を聞かないで進めていくということになりますと、今度は実態にそぐわない規制緩和という事態を招来いたしまして非常に問題があるし、危険な状態が出てくるということも心配するのでありますが、今後の総務庁の方針といたしまして、私が冒頭申し上げたように、モチはモチ屋に任しておけというような立場で少なくとも意見なり実態というものは調査すべきである、検討対象にしたら調査すべきであるしまた意見を聞くべきである、こう思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 本来この行政改革なんという問題は、これはモチはモチ屋に任して、実際言えば、第二臨調とか行革審なんかなくたって、当然各省庁みずからが時代の変化に対応できるような自己改革を基本的にやるべきだと思いますけれども、今日の各省庁の実態、必ずしもそれではできないのも客観的な事実でございます。そういうことでああいう調査制度をつくってやっておるわけでございますが、もちろんその過程において十分各省の意見も聞き、また関係の団体からの御意見も聞き、そして行革審が意見を決める、その御答申を受ければ私どもとしては改めてまた各省庁の意見を十分拝聴しながらやっていきたい。 その際に、もちろんモチはモチ屋に任せろというのは当然なんですが、任しておいたらできないということもこれまた客観的な事実でございますので、そこらは猟師が山の中へ入って山を見ないといったようなことにならぬように、全体を政府としてはよくにらんでやるべき改革はやらなければならぬと、かように考えておるわけでございます。
○青木薪次君 私がなぜそう言うかと言えば、臨時行政改革推進審議会の規制緩和分科会における審議が六月末の分科会報告取りまとめに向けて本格化するにつれて、現行規制で保護されている業者や規制緩和の権限を握る役所の側の抵抗が強まってきた。これは建設省のことを言っているんですよ。いろんなことがありまして、そこでこの規制緩和の対象と内容が具体的に明らかになるに従って各論反対の声が出やすくなったし相当組織的になってきた。そこで、実力大臣である後藤田総務長官は、このまま置いたんじゃなかなか困るということから、中曽根総理大臣やあるいはまた自民党幹部を軒並み訪問して、これじゃ困るじゃないかといってあなたが大喝をくれたと。 規制緩和反対の動きが非常に組織的になってきたというのは例えばトラック協会。広域運賃にする、そして運賃は自由化するということになった場合、私も長い間運輸委員会に所属しておったんですけれども、今非常に心配いたしておりますのは、荷主が非常に力を持っておって、運送業者にこれでなければおまえのところには荷物は送らぬ、こう言うと、ようございますと言って、担ばねを太くしたり、あるいはまた過積み、運賃ダンピング、それからスピードは物すごいスピードで走るという問題が実は起きているんです。こういう問題に拍車がかかる。私は冒頭申し上げましたのは、こういうことがあっちゃ困るんだ。それからハイヤー、タクシーの関係等についても大阪のMK問題の判決等も関連いたしまして、運輸省でいろいろ関与して、そして運賃の基準を決める、これはカルテル行為に通ずるというような問題が起こった。おたくの政党の運輸関係の皆さんは物すごい御執心なんですよ。 そういうようなこともあって、私はこれから後藤田行革は正念場を迎えると実は思っておるものですから、この機会にそれらのもろもろの、今日横たわってきた、過熱した状態についてあなたはどのような御所見を持って臨まれるつもりか。これは国政の分野に非常に重要な課題でありますから御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるように規制の緩和という問題は各省庁の権限にもろに響く。それと同時に、今の許認可制度のもとで既得権を持っている人がいらっしゃる。こういうようなことでその団体の方からの反論も厳しくなるということで、大変難しい課題であるということは重々承知しておりますが、私はあくまでもこの問題は国民的な広い立場に立って考えるべきものである、基本はそういう考え方でございますが、いずれにいたしましても、対民間のいわゆる許認可だけをとりましても、今一万件超しているんです、許認可事項が。民間に本当はもう少し任せるべきものは任せばもっと民間の創意工夫が出てくる余地が多分にあると思うんです。そういうようなものはこの際思い切って緩和すべきである。 こう考えているんですが、ただいわゆる規制の緩和といいましても、私は一口にはいかぬよと。これは実は行革審の会合に出まして私は委員の先生方にお願いをしてあることがあるんです。それは規制の中には大きく分けて経済規制ともう一つは社会規制と二つあるわけです。経済規制の方はできるだけ民間の活力の活性化という意味において取り外すべき筋合いのものであろう。もちろん残すものは残さなきゃなりませんけれども、基本はそういう考え方でやるべきものでしょう。ただ、社会規制つまり国民の生命あるいは健康、社会の安定、こういうようなものに寄与しているような規制については、これは経済規制と同じ扱いでは困るんではありませんか。ただ、社会規制といえども、ともかく役所が縦割りなものですから、同じ対象に対して四つも五つもの役所から同じような規制がかかっておる。こういう不合理な面がございますから、これは合理化をする、社会規制についても。そういう観点でやっていただく必要があるんじゃありませんか。つまりプリンシプルは違うようなお取り扱いをしていただければありがたい。こういうことを行革審の方には申し上げてありますが、私の基本の考え方はそういう立場に立ちましてやっていきたい。しかしいずれにせよ、幾ら何でも一万件を超す民間を縛り上げたんじゃこれはどうにもならぬではないかというのが私の考え方でございます。
○青木薪次君 この辺は長官は経済規制については原則として取り外せ、社会規制については問題があるので慎重配慮が必要だと、こういう御答弁かと聞いたわけでございますが、この両方とも非常に問題がある。この自由主義経済の根幹をなしている、ある意味では市場経済というものについて、この辺についてもパイが非常に少ないというような場合には、これは非常に価格が上がる、パイが多過ぎた場合にはこれは下がる。その間にいろんな不行き届きな経済行為が、今私が申し上げたダンピングとかいろんなことがありますが、これが起こった場合にこれを規制する力もなければならぬ。私はここを先ほど時間がありませんから端的に申し上げたわけでありまするけれども、非常に過熱する、悪い方向に行く、かえってそのことが安全に危険が生じたりすることがある。社会規制という面にまで連動する可能性というものが今現在出てきているんだというような点を考えてひとつ対応していただきたいというように思います。 それから都市開発を促進するための規制緩和策については、既に昭和五十八年七月に建設省は規制緩和等による都市開発の促進方策を発表して実施しているんでありますが、この程度では不十分というのか、行革審側の姿勢、特に総務庁の姿勢をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(竹村晟君) 実は行革審との関係で申しますと、都市開発の関係につきましては私どもの方で調査をしておらないわけでございます。実態をつかんでおりませんので、今の段階で都市整備関係についての規制緩和問題、これにつきましてはちょっと御意見を申し上げるのを差し控えさしていただきたいと思います。
○青木薪次君 この点については主管的な立場の建設省はどう思っておるんですか。
○政府委員(松原青美君) 建設省といたしましては、住宅都市整備の分野におきましては従来から民間活動に担われている部分が非常に大きいわけでございます。そういうことで、ただいま先生御指摘のまず規制緩和策を発表したわけでございますが、その後昨年四月に第一次の民間活力検討委員会の報告、それから本年四月に第二次の民間活力検討委員会の報告を取りまとめまして、現在その方向で進めているわけでございます。 そういう考え方を先般行革審の規制緩和部会にも、三月でございますが、建設省の考え方のヒヤリングの機会がございましたので十分御説明申し上げまして、各委員の御理解を得たところと考えておるところでございます。
○青木薪次君 最後でありますが、規制緩和による民間活力の活用という問題はこれは重要なことかもしれない。しかしながら、その内容については、おとついも私は建設大臣に篤と言ったのでありますけれども、建設大臣もわかってはいるけれども総理の方針があるからやめられないという気持ちがあるのじゃないか。私はそういうように理解をいたしておりますが、慎重に検討を重ねる必要があると思います。 建設省が中曽根総理の要請を受けて検討して実施してきた規制緩和等による都市開発の促進方策ですら、乱開発の防止、住環境の保持のため、自治体や日本弁護士連合会等が言うように、今日までの行政努力と矛盾するんだということで、そして各方面から多くの批判のあったことを実は伝えているんであります。 私は、これらの行革審が検討を進めている規制緩和の内容についても多くの反対意見の出ることが予想されると思っているのでありますが、総務長官、どのような態度でこの問題を受けとめられるか。言っていることとやっていることが違うという点が非常に見受けられる場合があるわけですよ。特に民活の関係等について、無理な国公有地の払い下げをして、そして似ても似つかないような宅地開発を進めたり、そういうようなことなどとも符合いたしまして相当問題点があるやに見受けられるし、新聞やその他の関係団体等も非常に心配をしている向きがある。だから、総務庁長官として私の申し上げた点についてどのように考え対処されるのか、決意と御所見をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(松原青美君) 先ほど私説明が不十分でございまして、長官の御答弁の前に私どもの基本的な考え方を改めて御説明さしていただきたいと思います。 都市計画、建築規制の見直しにつきましては、いわゆる規制緩和でございますが、良好な市街地環境の形成を図りながら土地の有効利用を促進するということを基本といたしまして、経済社会の実態変化に即応して必要な見直しを常に行うべきものと私ども常々考えておるわけでございます。したがいまして、建設省といたしましても、都市整備分野におきます規制につきましては、良好な町づくりという社会的目的を達成するための合理的なものとなるように指導いたしておるつもりでございます。そういうことを先ほど御答弁申し上げました三月の行革審の規制緩和部会のヒアリングの際にも申し上げたわけでございまして、大方の委員の御理解を賜ったものと考えておるわけでございます。
○国務大臣(後藤田正晴君) 民間活力の問題は、民間の事業部門、あるいは公的な事業部門、あるいは個人の生活部門、各分野にわたって実施していく必要がある、かように考えておるわけでございますが、民間に対する許可、認可等の法的規制の緩和、これはそういった民活の中の一つの方策でございます。それらについては余りにもがんじがらめにして一部のもののみ既得権化して、その結果全体としての経済活動が十分に行われていないという面があることは、これはもう否定できないわけでございまするので、民間活動の制約要因を取り除くという観点に立って、私はこれはいろんな御意見等も拝聴しながら、やるべき整理はやらなければならない、かように考えておるわけでございます。基本は、要するに民間の創意と工夫を十二分に発揮できるような体制にしたい、こういうことでございます。しかし、もちろんレッセフェールの昔に返るわけではありません。そこらは私どもとしては基本はちゃんと心得てやっていきたい、かように考えているわけでございます。 同時に、この民間活力の一つの方策としていま一つ挙げられているのは国公有地の活用の問題でございます。これとても何もかも国公有地を民間に払い下げたらよろしいなんというような考え方は持っておりません。しかしながら、何の活用をする目途もなきままに、付近住民からもいろんな意見の出ている国有の土地がたくさんあるわけでございますから、それらについては大蔵省が過般調査した資料がございますが、その資料に基づいて私の方でさらに調査をいたしまして、これは行革審にも御報告を申し上げて、そしてこの際民間に払い下げをして、そして国内の内需の拡大に寄与することができる面が相当あるんではないか、こういう点については私どもとしてはやってまいりたい、かような立場で仕事を進めさしていただくつもりでございます。
○青木薪次君 終わります。
○久保亘君 それじゃ最初に長官に、法案の内容についての質疑に先立って、感想をちょっと伺っておきたいことがあるんですが、総務庁という役所は戦前の内務省を超える非常に強力、強大な官庁になっているというお話がありますが、長官として総務庁という現在の役所をどういうふうに感じておられますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これはそういうお考えを言われる声を私も聞かぬではありませんが、これは基本的に大間違いでございます。第一、憲法が変わっていますということが基本にございます。そして戦前の内務省というのは、御案内のように内務大臣がおって、その下に土木ですね、今で言う建設省、それから今で言う自治省の地方行政、それから国家公安委員会、警察庁の前身である警保局、あるいは計画局とか、ともかく大変な強大な権限で、しかも都道府県知事が官選で、この任命権を一手に握っておったという強大な役所でございます。しかし今日総務庁なんというのはそれから見れば、これはもう九牛の一毛。 ただ、総務庁というのはなぜできたかといいますと、今各省割拠の弊害が随所に出過ぎていますよ。これは総合調整というものをもう少ししっかりしなければいかぬじゃないか。その総合調整の手段として考えられるのは、一つは大蔵省がやっていらっしゃる財政調整ですね。もう一つはプランニングによる調整、これは国土開発等について国土庁ができていますね。それから経済の問題については経済企画庁。もう一つは人事による調整がございます。その人事による調整は労働三権の代償措置あるいは役人の不利益処分に対する補償の措置、あるいは政治的な中立確保といったようなことで中立機関の人事院がございます。しかしそれ以外に政府としては雇い主としての責任を持たなければならない。そういう意味合いにおいて人事行政を通じた調整。私は大体プランニングと財政と人事、この三つが調整機能だと思います。これが余りにも今弱体化してしまって、財政調整だけが目に立っておるといったような状況でございますから、それらをうまくあんばいをしながら、各省割拠の弊をなくするという意味において昨年の七月に総務庁ができたと思います。 そういうようなことでございますので、私は基本的には内務省の復活なんて、たまたま中曽根総理大臣が内務省の役人で、私もやっぱり内務省の役人だったですから、そういうことで人様がそうおっしゃるんで、それは実態とははるかにかけ離れておる、またそんなことをやれる筋合いのものでもないし、今日の時代にそんなことをやっちゃいけないと、私はこう考えております。
○久保亘君 私がそれをお尋ねいたしましたのは理由があるんであります。総務庁は、規制緩和とか民間活力とかあるいは地方自治体への権限の移譲とか、そういうような問題を調整される、あるいはいろいろ企画をされるとかというようなお立場というのはわかりますが、そういうような規制緩和など、つまり各省庁の権限に触れることを変更する権限を持つ、それから地方自治体に対してそういうことについての権限を持つということによって大変強い役所になっていくこともまた事実だと思うんです。だからこそ補助金の場合とは少し性格を異にして、なぜこの国の関与等の整理合理化に関する数省庁にまたがる法案を一まとめにして出してきたのか。これは総務庁なればこそこういうことがやれたんであって、本来ここへ出された法案はそれぞれ各所属関係省庁が提案すべきものだと私は思っているんであります。そういうふうに各省庁にまたがる法案を一まとめにして国会に出す権限を持ち、しかもにっこり笑って人を切ると言われる後藤田さんを長官に配してやっておられるので、これは内務省の復活ではないかと懸念されるような権限を手中におさめつつあるのではないか。そのまた具体的なあらわれとして最近、人事院の職務を総務庁に合併する、部分的でありますけれども、そういうことが伝えられておるんでありまして、これを長官はどういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今行政改革という課題を政府全体が抱えてやっておるわけですね。第二臨調をつくり、そして行革審をつくって行革を推進していく、その行革を担当しておるのが私どもの役所である。こういうことでやっているわけでございまして、だから私どもの方で行革審の御意見が出ればそれを取りまとめ、取りまとめる際に各省と十分調整をしながら案をまとめる、まとめられれば、物によっては各省庁の法律案の中に盛り込んでいただくし、あるいはまた今回のように地方行革ということで、各省庁に関係の広い問題でございますが行革答申の推進という趣旨目的を一つにしておるという立場で私の方で御提案を申し上げておる、こういうふうに御理解願いたいと思うんです。私どもの方で別段、規制緩和をこれから先、行革審と別の立場で私の方がそれを担当してやるなんということにはならぬと考えておりますが、そこらは区分けして御理解をしていただきたいと、かように思います。
○久保亘君 この問題はまたいわゆる権限の問題として少し議論してまいりたいと思いますが、きょうは提出されております法律案に関係してまず基本的なことからお尋ねしたいと思います。 憲法の九十二条以下に地方自治に関する定めがございますが、この地方自治に関する憲法の規定に照らして考えた場合に、国と地方公共団体との関係はどのようにあるべきだというふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これもしばしばお答えしておるんですが、国と地方の関係は現在、国全体の統一組織を見ますと、国と地方がそれぞれ役割を分担して全体としての仕事をやっているわけですね。したがって、これは日本特有のやり方ではありますけれども、国の仕事は末端まで国の機関で全部やってしまう、地方はまた別の仕事をやるという仕組みではないわけです。団体に国の仕事を委任する、あるいは地方団体の長に委任する、機関委任といったような形で複雑に絡み合ってやっておりますから、ここら国と地方の間というのはお互いの相互信頼、そしてお互いの相互の協力、これがうまくいかないと歯車が回らぬのではないかと、かように考えておるんです。 そういう立場に立って今日の地方自治というものを見た場合に、中央の各省庁もよくお考えいただいておることは間違いありませんけれども、どちらかといえば地方自治のあるべき姿というものに対する認識の度合いが中央省庁の側に比較的薄いのではないのか。地方団体の行政改革というのは当然車の両輪ですからやってもらわなければならない。しかしそれを制約している要因は、まず地方団体にやってもらわなければならないのだが、制約の要因が中央の各省庁の物の考え方に色濃く残っておりますから、そこらは地方自治に少し重点を置いた考え方で、もう少し国と地方との関係をお互いに信頼し合ってやってもらうようにする必要がありはせぬかというのが私の基本的な考え方でございます。
○久保亘君 今のお考えには私も大筋において賛成ができるんでありますけれども、しかしそれならばそのような立場に立って考える場合に、国の地方公共団体に対する、地方自治に対する関与というのは、非常に抽象的に使われておりますけれども、この関与という言葉の概念をはっきりしておかなければならぬ、こう思うんですが、国の関与という場合の関与とはどういう意味に解したらいいんですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは国と地方との関係において国が、許可あるいは認可あるいは承認あるいは届け出あるいは通達行政、そういったようなことで地方に対していろんな指図をするわけです。それを関与と広く称しているわけでございます。しかしながら今回御提案申し上げておるのは、たくさんのそういった国の地方団体に対する関与の中で、いろいろな地方の民間団体あるいは地方団体そのもの等から御意見等が出てきておるわけでございますから、それらを取り上げまして、そして第二臨調なり行革審で個別に指摘を受けている事項があるわけで、その中で政省令の関係は政府内部でやっていただくし、同時に立法措置を要するものはその個別指摘事項について法の改正をお願いしようということで今回御提案を申し上げておる。こういうことでございますから、関与という言葉は大変幅が広いんですけれども、ここでお願いしているのは立法事項のみ、しかもそれは個別指摘事項だけである。だから数は大変少ないんです。 国の広い意味での関与が何ぼあるのか、これは先ほどの御質問にもありましたけれども、私も実際は全貌を知りたいんですが、各省みずからがなかなか自分の省庁の中でもわかりにくいという現状でございまして、これはいずれにせよ、私どもとしては、今後の課題として総数を把握しなきゃいかぬと思います。そうしませんと、せっかくここでやりましても、形の変わったのでまたやられたんじゃどうにもならぬわけですよ。しかもこれを放置しておきますと、毎年毎年数多くの法律ができていくわけですから、そうするとこれはいよいよその数がふえていきますから、整理すべきものは整理をするし、任せるべきものは任してもらう、地方団体にですね。こういうやり方で、これは絶えざる課題であろうと、私はかような認識でございます。
○久保亘君 今度出されております法改正の中身の中にも、私はそういう関与という言葉についてなかなか納得しかねるものを感ずるわけです。関与と言っておりますが、実際には国全体にわたって最低必要な教育や福祉に関する基準を法律をもって示している。こういうものを設置すべきであるということを法律で規制しているということがこれが関与だということで退けられるというのは、私は問題があると思うんであります。 したがって、行革審から答申を受けたからといって、それを直ちに法案に移しかえて国会に出すということではなくて、行政府の責任においてこの行革審の答申を十分に検討した上で法案は提出されなければならぬ、こう思います。答申を受けたから、それを整理して法律にかかわるものをここへ出したんだ、そういうことでは行政府の責任を果たすことにならぬ、こう思っているのでありまして、午後具体的なこのことの問題について、特に文部省にかかわっておる問題でお尋ねをしたいと思っております。 私は国が地方公共団体に関与するという場合には、行政全般にわたって見てまいります場合に、関与ということに値するものは何かというと、これは一つは人事に対する介入です。もう一つは、地方財政に対する介入、支配、これが国の地方に対する関与であって、国と地方の先ほど長官が言われたような関係をつくっていくために、そのような関与こそ是正もしくは排除されていかなければならぬ問題だと思っておるのであります。 その中で、最も象徴的なものとして申し上げたいのは、一つは人事に対する関与でありますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の中に、都道府県の教育長の任命に当たっては文部大臣の承認、つまり国の承認を必要とすることが規定されております。しかし、このことについては、知事会などからもこの承認を必要とするということはやめてもらいたいという陳情があるはずであります。これらの問題が、なぜそれじゃ国の関与等の整理の対象として取り上げられてこないのか。私は人事に関する国の地方に対する関与が行き過ぎる場合にこそ問題が起きてくるのであって、この問題について検討をなすったのかどうか。これはこの法案を提出された長官のお立場から、それから直接その承認の任に当たっておられる文部省の立場からお答えを願いたい、こう思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今御質問の中にありました国の関与、これは基準をつくってやっていくのが当たり前でないかと、こういう御意見でございますが、私そのとおり先ほどもお答えしたんです。基準をつくって、その基準の範囲の中では自主的にひとつやってもらいたい。一々許可、認可を中央に仰がなきゃいけないということは必要ないものがたくさんあるんではないか。そういう意味で私どものこの関与の改正の考え方に立っているわけですから、その点はひとつ御理解をしておいていただきたい。 もう一つは、行革審の意見をうのみにしておるのはおかしいと、こういう御質問でございますが、もちろん私どもとしては、先ほど来お答えしているように、行革審から御意見が出れば、これはまた改めて政府の責任において各省庁と十分協議して、そして改正すべきものは改正していくと、こういう基本の立場でございます。もちろん法律に書いてありますから、第二臨調あるいは行革審の法律の中に政府はこれを最大限に尊重すべしという基本がございますから、その枠を私どもとしては守っていかなければならぬと、かように考えておるわけでございます。 それから、いわゆる関与は人事と地方財政への過度の介入ではないか、それが一番肝心だと、こういう御意見。国の出過ぎた関与ということは、これは適当ではない、私はかように考えますが、しかし必要な最低限のものは国としてもこれは持たなければならぬ面があることは当然でございます。 そこで問題は、教育長の任命の問題でございますけれども、これは御承知のように、昭和三十一年、大達文相それから清瀬一郎文相のときに戦後の教育の大改革で教育委員の公選制がしかれましたね。その後、これは行き過ぎであるといったようなことで、国会で大変な大問題、大議論を経た結果、改正になったわけですね、公選制をやめた。この際にたしか教育長の任命制度というものができたように記憶しているんです。これを地方団体からは地方に任してもらいたいという意見があることも承知しておりますし、その後佐藤さんの第一次の臨調の中で、これを廃止すべきであるという意見が出ておることも私は承知をしております。今回の第二臨調それから行革審でも、この問題は多少論議があったようでございますけれども、この問題については既に政府の内部それから自由民主党等とのいろんな折衝の結果、これは現行制度がよかろうという結論が実は出ておった問題でございますので、第二臨調なりあるいは行革審も、この問題は多少の論議をしたやに聞いておりますけれども、答申の中からはこれは外れておるわけでございます。 これがなぜ必要かということにつきましては、ちょうど文部省の局長がおりますから局長から答えてもらいます。私も文部省の局長と同意見でございます。
○政府委員(阿部充夫君) 教育長の任命承認制についてのお尋ねでございますけれども、教育行政は戦後、他の一般行政と同じようにできるだけ地方分権ということで、戦前の制度とはかなり変わってきたわけでございます。ただ、それにいたしましても、教育という行政の特殊性と申しますか、特に憲法の二十六条で国民の教育についての権利義務の規定等もあるわけでございますけれども、こういうことを的確に実施していくためには、市町村あるいは県等に任せ切りではなくて、国、市町村、県三者それぞれが共同で責任を負って実施をしていくんだという体制が必要であるというふうに考えておるわけでございます。その運営をしていきます際に、さらに教育委員会制度で運営をしていくわけでございますけれども、その行政の中心は何といっても教育長というのは大切な役目であるというような点を配慮いたしまして、教育長に非常にふさわしい人間を選ぶことができるように、国と県、県と市町村で協力してその点を努力していこうということでできている制度でございまして、ただいま長官からお話がございましたように、昭和三十一年に制度が設けられまして、以来三十年間その機能を果たしてきた。こう思っておるわけでございまして、そういう意味で私ども今後とも必要な制度である、こういうふうに考えているところでございます。
○久保亘君 じゃ長官、このことを答えておいていただきたいんです。今の問題は、教育長を文部大臣の承認人事にしているということは国の地方公共団体に対する関与ですね。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは私は広い意味においてやはり関与だろうと思いますね。しかし、今文部省の局長が御答弁しましたように、今日教育の責任はだれが負っているんだということになると、教育の制度あるいは枠組み、これは私は文部省が負っていると思いますね。政府が持っていると思いますね。そうして教育の実施については国、それから県、市町村がお互いに協力しながらやっておるのではないのか、こういうように私は理解しているわけでございます。ならば、その意味において教育長の任命という問題は教育の基本にかかわる、根幹にかかわる問題だ、こういうことで今日文部大臣の承認ということになっているわけでございまして、やはりこの制度は維持すべき筋合いのものであろう、私はかように理解いたしております。
○久保亘君 法制局にお聞きして、あと午後にいたしたいと思いますが、今の問題を午後続けるためにあなたにぜひ聞いておきたいのです。 憲法九十三条の後段には、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」、こういう定めがございますが、ここに言う「法律の定めるその他の吏員」というのは何を指しておるんですか。
○政府委員(関守君) 御指摘の憲法九十三条二項の規定の趣旨でございますけれども、今お話しになりました「法律の定めるその他の吏員」と申しますのは、地方公共団体の長、これは地方公共団体という点につきましていろいろ学説もございますけれども、長あるいはその議会の議員のほかに、住民によって直接に選挙される吏員、つまり地方公務員を法律で設けることができるという旨を定めたものであるというふうに考えております。
○久保亘君 あなた何答えておるのかね。 法律で定める吏員というのは何を指しておるかと僕は聞いておるのですよ。選挙をする法律で定める吏員がある場合を言っておるのだというような、そんなことなんて聞かぬでもわかる。何を指しておるか。例えば戦後教育委員が住民の直接選挙で選ばれた時代があります。その時代に、法律で定める吏員というのはその教育委員も含んで憲法の九十三条の条文に当てはまると考えてよかったのかどうかということを聞いておる。
○政府委員(関守君) ちょっと言葉が不足のようで恐縮でございましたけれども、何がこの法律で定める吏員であるかという点につきましては、憲法は専ら国権の最高機関でございます国会が制定する法律によって具体的に決めるということにしておるわけでございまして、当時は、今御指摘のございました教育委員が公選制だった時代のその教育委員につきましては、この九十三条二項の「法律の定めるその他の吏員」に当たるものであるというふうに考えられます。
○久保亘君 それでいいですね。公選の教育委員が選ばれていた時代は、教育委員は憲法九十三条の定める住民の直接選挙によって選ばれるその他の吏員であった、そういうことはよろしゅうございますね。
○政府委員(関守君) そういうふうに解釈されるところでございます。
○久保亘君 ではあと午後やります。
○委員長(大島友治君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 ─────・───── 午後一時三分開会
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 午前中に法制局の見解をお伺いしたわけでありますが、都道府県、市町村の教育委員会の委員が戦後公選の制度になっていたのは、地方自治に関する規定を定めた憲法九十三条に基づく地方公共団体の住民の直接選挙の対象としての法律に定める吏員であったからだと、こういうことであります。であるとすれば、教育委員会というのは地方公共団体の住民の直接選挙によって組織されるものであったわけでありまして、これこそ憲法の定める地方自治を具体的に実施していたものと見ることができるのであります。その後、いろいろな経過をたどって任命制となり、そしてやがて教育長に関しては、都道府県は文部大臣、それから市町村教育委員会の教育長の場合には都道府県教育委員会の承認を得る人事と変えられていったのであります。これは戦後定められた憲法の地方自治の精神からするならば、次第に遠ざかっていった、こう考えざるを得ないと思うのでありますけれども、長官はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御承知のように、戦後の教育の大改革は、私の記憶では、アメリカから調査団が来て、教育の地方分権化ということをいま一層推進すべきである、こういうような趣旨で教育委員の公選制が決められたと思うんですね。それでしばらくやったわけですけれども、その結果は、率直に言って、教育の中立性という観点から多少の行き過ぎがあったんではなかろうかと、率直に私はそう思います。 そういったことで、教育の重要性といいますか、中立性を確保しなければならないと同時に、教育は国の基本の存立にかかわる重要課題である、こういったようなことで三十一年にああいった改革が行われたのではなかろうか。これは教育の特殊性といいますか重要性といいますか、それと地方分権ということとの接点をどこに設けるのが国全体として適切かといったような観点でああいった改革が行われて今日に至っておるのではないのか。今日までもう既に三十年に及ぶ経過を経た中でこの制度は定着しておるのではなかろうか、かような私は認識をいたしておるわけでございます。
○久保亘君 それでは文部省に伺いますが、都道府県教育長の任命に当たって、都道府県から承認を求められたものについて文部省がこれにクレームをつけたり承認に反対したりした例がこれまでありますか。あればその例を説明してください。
○政府委員(阿部充夫君) 結論から先に申し上げますと、これまでに承認申請がありましたものについて文部省からノーとお答えをしたケースはないわけでございます。しかしながら、先生も御案内のように一、二若干問題となる事項があったというケースがあるわけでございます。これは京都府の教育長人事と大分県の教育長人事であったと記憶いたしておりますが、いずれにつきましても、文部省としてもう少し実態を知りたいということで、いわば保留のような状態にしておりましたところ、それぞれの教育委員会当局の方から候補者を差しかえたいということで別の候補者が出てまいりまして、それを承認したというケースが二件合わせてございます。 したがいまして、先ほど最初に申し上げましたように、承認を拒否したというようなケースはないわけでございます。
○久保亘君 これは総務長官が言われることとちょっと逆の立場から物を見ることになるわけですけれども、私は教育に対して国が権限的に介入するということは教育の中立性を脅かすおそれが非常に強いと思っておるのでありまして、そういう意味で、今文部省が答えられるように、この承認権に基づいて拒否した例はない、こういうことでありますけれども、この承認権が現実には教育長の人事に大きな影響を与えていることは、私も教育界に身を置いていた者として否定できないと思っております。この承認権を文部省が持っていることによって教育長の人事が影響を受けていくということは、これは私は非常に多くあると思うんであります。国の関与が地方公共団体に及ぶ、これをあしき例と言い切ってしまうのがいいかどうかは別として、私は問題のあることだと思っているのであります。 この承認権が文部大臣に法律によって付与されてから、地方公共団体の教育長に文部省から教育長として天下る例が非常にふえております。それから教育委員会の主要な人事権等を掌握するポストに文部省から出向する例が非常にふえてきております。こういうことは、逆に国が地方に関与することによって問題を引き起こしているものであって、こういうものが是正されていくことが必要なのではないか、こう考えているのであります。これは教育委員会だけに限らず、地方公共団体に中央官庁から出向人事が行われる例は非常に多い。今、大体全国の地方公共団体に中央官庁に籍を置く職員がどれぐらい天下りといいますか、出向しているとお考えになっておりますか。地方事務官は別で。
○国務大臣(後藤田正晴君) 詳細な数は専門家がおりませんのでお答えできませんが、自治省それから大蔵省、建設省、農水省、文部省それぞれ中央官庁に籍を置いておった者が地方に相当数行っていることは事実でございます。これはいわゆる天下りと、こう言っているんですが、人材の効率的な活用という意味においては、あえてこれは否定すべき事柄ではなかろう。しかし同時に、私はかねがね言っているのは、お互いの仕事の立場を中央政府それから地方団体それぞれ理解し合うという意味において、もう少し地方の職員が中央官庁に勤務を交互にすることによって人事交流をもう少し活発にしたらどうであろうか。ただ、避けなければならないのは、そういったいわゆる天下りを通じて過度な縦割り行政の弊害を地方団体に及ぼしていくということは、これは中央省庁によほど考えていただかなきゃならぬ一つの課題であろうと、こういう私は認識でございます。したがって、人事交流そのものを否定することは、人材の活用、中央、地方の相互理解という面から見て一概に否定することは適当ではなかろう、かように思います。
○久保亘君 私も人事交流ということならば異議はありません。しかし、地方公共団体から中央へ研修で来る人はおりますが、交流人事で来るという人はそうたくさんはないと思っております。しかも今日の実情はどうかといいますと、一たびどこかの県に中央官庁がポストを取得いたしますと、これは中央官庁のポストの数の中に入るんです。そのポストに地方公共団体出身の者が座りますと、どこかの同等のポストを一つあげなきゃならぬ。そうしないと中央官庁の方は今度はあぶれるわけですね。そういうふうになって、次第にそういう出向天下りの人事が組み込まれていく。 しかも中央と地方との関係を見てまいりますと、中央から地方公共団体に出向する人の場合には非常に若い年齢で地方公共団体の重要なポストに出向してくるわけです。全く同等の経験年数を持つ人、同じような経験年数を持つ人の場合には、県庁へ行きました場合には大変な差ができるんです。ひどい場合には自分のおやじさんのような年齢の人を課長補佐に据える課長のポストへ来るんです。それが全部悪いということではないかもしれませんけれども、そういうような人事に対する国の関与によって地方と中央の関係というのは上下の関係、完全な垂直的な上下の関係に置かれてしまう。こういう国の人事的な関与を是正していかなければ、地方自治の確立、地方分権の確立というようなことはなかなかできぬのじゃないか。ただ規制緩和だと言って、今まで必置、置かなければならないとなっていたものを、置くことができると直すことによって国の関与が整理合理化される問題ではない、こう思っております。それで私はその人事の問題を特に国の関与の例として、最も重要な側面として申し上げたわけであります。 その中の最たるものは教育長にある。知事会がなぜ教育長を文部省の承認人事であるのをやめてくれと言っているか。やめてくれと言っている知事会が今度は都道府県教委の承認人事にしている市町村の教育委員に対しては余り発言しない、こういうところにいろいろ問題があるわけです。しかし、教育委員会の存在、教育長の職が地方自治、地方分権の中での教育行政の責任ある立場としてつくられているのならば、ここはその自治体が自主的に決すべきものである。もとはと言えば、これは住民の直接選挙で決めるぐらい重要な地方自治に関する部門であった、私はこう思うのであります。こういう点について国の関与をどのようにして是正していくかということは、今後検討すべき重要な課題だと思うので質問をいたしたわけでありますが、長官の今後どういうふうにこれらの問題をお考えになるか所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、この人事の問題は久保さんが御指摘のような面があることを否定はいたしません。この点は中央と地方の間ももちろんのこと、同時に各省の間においても、人事交流という観点に立ってもう少し活発なお互いの交流を図っていくことが全体としてはいいのではないのか。ところが地方と中央各省との間は、とかく一方的に一つの下部みたいになっている面は、これは私否定いたしません。しかし、これは将来の検討課題として、もう少し人事行政全般にわたって政府としても考えなければならぬ面があるのであろう。要は国と地方との間の問題は交流という観点に立って、今のやり方については節度の問題ということを考える必要もあるだろう、こういうように私は認識をいたしておるわけでございます。
○久保亘君 教育長の承認権の問題については、これは文教委員会でまたいろいろと議論をする機会もあると思います。きょうはその問題の指摘とその根拠を申し上げるにとどめておきます。 それからもう一つは、私が申し上げました国の関与という立場から考えなければならない財政の問題でございますが、地方自治法の二百五十条は地方債について許可制をしいておりますけれども、この二百五十条に定める起債の許可制というのは、法律によっては「当分の間」ということになっておったんでありますが、いまだにこの許可制というのが地方財政に対する中央政府の非常に強い関与、規制力になっておる。この点については自治体の自主権というものを保障してよいのではないかと私は思っている。 それともう一つは、交付税とか補助金とかいうのは、本来これは国に所属する財源を地方に分けてやっているものなのか、もともと地方自治体が持つべき財源を全国的な公共団体間のバランスをとるために国がプールをして均衡ある配分をやっているだけのものであるか。その辺のところで、今までどちらかといえば、交付税にしても補助金にしても、国が地方に面倒を見てやっているという考え方が強かったのではないか。地方公共団体が国に対して陳情して交付税や補助金をもらう、こういうやり方になっておったんじゃないか。この辺の交付税や補助金の性格に対する理解というものを国と地方との関係において明確にすることも、財政上の国の地方に対する関与を是正していくことになるではないか。私はこう思うんですが、長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問が全部私の所管でないことばかりで、大変間違いもあるかもしれませんけれども、この地方債の問題は、確かに「当分の間」と、こう書いてあってまだ今日続いている。これは地方事務官制度も同じでございますね。だから当初、立法当時はまさにおっしゃるような趣旨であったんだろと思いますけれども、今日の地方財政の実態から見て、本来地方が自主的に自分のところで借金するならする、これは基本かもしれませんけれども、財政秩序ということの面から見ますと、これはそう簡単に地方に任せ切りというわけにはいかぬ面があるのではないか。それと同時に起債市場、金融情勢、こういうものを全般的に把握しなきゃならない。そうなれば中央政府の判断ということが要るんじゃないか。こういう気がするもんですから、今直ちにこの許可制をやめてしまうというわけにはまいらぬのではないかと、かように理解をいたします。 それから交付税は国税三税に対する今三二%ということですが、これは戦前から財政調整交付金とかいろんな名前で今日に至っているわけですが、基本は地方団体の住民の行政に対する需要というものはどんな団体でも同じような需要が出てくる。それに対応するための歳入が、地方の経済の力が団体ごとで違いますから、だから独立財源を与えてみたところで、どこを基準にして独立財源を与えるかによって、いわゆる経済力の豊かな団体はそうなったらうんと余ってくるし、それから貧弱団体は全部マイナスが出ると、こういうことでございますから、国としては標準的な行政を頭に置きながら、それに対する財政力の過不足を調整するという意味においてこの制度があると思います。ならば、この交付税というものは本来的に三二%地方の自主財源であると、こういう見方をいたしております。 それからもう一点の補助金の方は、とかく補助金論議のときに補助金性悪説があるんですけれども、それは間違いだ、補助金というものは性善のものであると、こう私は考えておりますが、しかし補助金の中にも国全体の立場において推進していかなきゃならない助成あるいは奨励、こういうような補助金と、あるいは社会保障の負担金あるいは分担金といろんな名前で言っておりますけれども、これとは性格が違うなと。そこらは別の観点でなければならない。補助金は本来的には私は地方のものであるとは考えておりません。しかし性格がいろんな性格がありますから、これはその性格に応じて違った物の見方をしないといけないのではないのかと、こういうのが私の考え方でございます。
○久保亘君 私が交付税や補助金の性格について伺いましたのは、これは本来地方の財源を国が調整するものであると、こういう理解に立って考えていきます場合には、今回提案されているような国の関与等の整理合理化に当たっていきます場合にも、この整理合理化によって国の負担を軽減するという立場に重点が置かれて、そして本来の地方分権を確立していくという立場ではない整理合理化が行われる、これは趣旨に逆行するものである、こういうことを申し上げたかったからであります。この問題は、先般成立いたしました補助金の一括法案ともかかわって、私はそういう視点から検討していかなければならぬ問題だと思っているのであります。 法案の文部省にかかわる四法の中身について質疑を申し上げます前に、もう一点だけ、これは地方自治体との関係ではございませんけれども、法律が廃止になったものがなぜ整理されないでそのままになっているのかという問題について一点だけお尋ねしたいんであります。有名な大学管理法と呼ばれた法律がございます。大学の運営に関する臨時措置法で、昭和四十四年の八月七日に公布されたものでありますが、この法律は法の条文の中に「五年以内に廃止するものとする。」ということが明文化されております。五年というのはこの施行の日からでありますから、四十九年の八月十六日をもって五年が経過しておるのでありますから、既に十年以上前にこの法律は失効しているはずなんであります。ところが、法律は「廃止するものとする。」という明文がありましても、この法律の廃止を提案しない以上は法律は死なないのであるという妙な理屈がついておりまして、この法律は今日も死に体のような生きているような形で残っております。そしてこの法律に付随して文部省設置法には臨時大学問題審議会がなお今も制度として残っておるのであります。 このような法律というのは当然に私は整理せらるべきものだと思うのでありますけれども、これが今日なお残っているというのはどういうわけであるか。そして、このような既にその法自体としては法律みずからの手によって廃止されているものが、今も法律条文だけは生き残っているというものが何件ぐらいあるのか、もしおわかりでしたら説明をしていただきたい。
○説明員(前畑安宏君) 最初に、私ども文部省の方から大学の臨時措置法の問題についてお答えをさせていただきます。 先生御指摘のとおり附則五項に規定がございまして、既に五年以内という期間は四十九年八月十六日で到来いたしておるわけでございまして、その当時からその規定にかんがみまして何らかの法的措置をとるべく努力を続けてまいっておるわけでございますが、結果的に法律を提案するに至ってない、こういうことでございまして、私どもといたしましても、大変その検討がおくれて申しわけないと思っておる次第でございます。
○国務大臣(後藤田正晴君) まず最初に、今回の私どもの御提案申し上げておる法律案は国の負担軽減という観点だけではないのかと、こういう御質疑でございますが、それは私どもとしては大変残念に思うわけでございまして、そうじゃなくて、国と地方との関係において地方の自主性というものをもう少し発揮してもらう必要がある、それがためには国がもう少し譲るべきものは譲ったらどうだと、こういう観点で御提案申し上げておるわけでございますので、そこは御理解をしていただきたいと思います。 それから大学の臨時措置法ですか、実効性を喪失した法律というものは、これはときどき整理しませんとこれまた法律の数がどんどんふえていきますから、過去においても五十七年でございましたか整理をしたことがあるんですが、そのときもこれは恐らく検討なさったんではないかと思います。「廃止するものとする。」と、こう書いてあるわけですから、これは後で法制局から法律的な見解はお聞きいただきたいと思いますが、私の理解で申し上げますれば、新しい廃止の新規立法をしない限りはその法律は形式的には生きておると、こう理解せざるを得ません。 それからもう一つは、それじゃこの法律の実効性はどうだと、こういうことになりますと、今日大学は一時と違いまして平穏化しておりますけれども、その平穏化した状態を維持していくという上においてはそれなりの効果を果たしておるんではないのかなと、こういう理解を私はしておるんです。ただ、あの法律の中にたしか罰則もあったように思います。私、当時たしか警察庁の長官をやっておりまして、官房長官から意見を聞かれたことがあるんです。これは罰則がその当時たしか入っておると思います。あるいは権限規定が入っていると思いますね。これらについては私はその運用はよほど慎重にしなければならぬのではないかと、こういう理解でございますが、こういった専門的な事項は法制局からひとつお聞きをいただきたいと、かように思います。
○久保亘君 いや、これは非常に法理論上も議論のあるところだとは思うんです。「五年以内に廃止するものとする。」という規定があって、廃止を提案しない以上は「五年以内に廃止するものとする。」という条文も生きたままこの法律全体が生きているという解釈はどうしても不可解な解釈だと私は思うんですが、しかし現実にはこの法律は六法の中にちゃんと存在しておりまして、生きておるということになっておるんだと思うんであります。実効性が法律上争われた場合には五年経過後はないものだ、こういう気がいたしますが、それを争った実例がありませんから裁判所がどういう判定を下されるのかわかりませんけれども、しかし私はこういうものについては、もし政府が必要だと考えられるならば堂々とこの法律の延長を提案すべきであって、その「五年以内に廃止するものとする。」という規定を残したまま廃止を提案せずに生きておるのだという主張をしていることは、これは法治国家における行政府の態度としては極めて遺憾なことだ、こう思っております。これらの問題についてほかにも例がないのであれば、この異例な法律について速やかに処理をされるよう強く要請をしておきたいと思っておりますが、いずれ文部省にもまた見解をただしたいと思っております。 時間が短くなりましたので、本日審議をされておりますこの法律案の中で、特に私はきょう文部省にかかわる四つの法律についてこれから質問をしてまいりますが、一つは産業教育振興法の改正であります。この産業教育振興法の改正の中身というのは、地方産業教育審議会を必置から任意にするというものでありますが、その理由にこの「審議会の所掌は他の審議会等において代替可能なものがあり」、こういうふうに書かれております。地方産業教育審議会の所掌を代替する審議会とは何か、それをまずお聞きしたいと思う。
○説明員(菊川治君) 先生御指摘の産業教育振興法の中での地方産業教育審議会につきまして、このたび国の負担金の交付を受けた都道府県については必置制から任意設置に改める法案でございますが、その理由といたしましては、現在地方……
○久保亘君 いやいや、その代替する審議会を言えばいいんだよ。
○説明員(菊川治君) その場合の理由としまして、代替する審議会があるということでございます。それは高等学校教育審議会あるいは県立学校教育振興計画審議会といった中でその産業教育の、職業高校につきましての配置計画等も定めておりますので、そういった審議会で代替できるというふうに見ておるわけです。
○久保亘君 今言われたような審議会は各県にありますか。
○説明員(菊川治君) 各県にすべてあるわけではございませんが、そういうものがもう既に設けられておるところもございますので、このたび地方産業教育審議会を任意設置としますと、その地方の実態に応じまして、場合によっては地方産業教育審議会を設置せずにそういった代替の審議会で職業高校等の配置を考えるということもあろうかと考えております。
○久保亘君 この地方産業教育審議会というのは、文部省からそういうお答えを聞こうとは私は思いません。私はこの審議会の委員を務めておりまして、これが職業高校の配置などをやるだけの審議会ではないんですよ。 じゃ、あなたにお聞きしますが、産業教育振興法に定める目的は、既に地方産業教育審議会を置かなくてもいいほど達成されたという理解をしておられますか。
○説明員(菊川治君) 産業教育振興法におきましては、産業教育の振興の観点から、国の任務、国の補助規定等を書いておるわけでございます。その中にも地方産業教育審議会の規定もあるわけでございますが、この産業教育振興法のその目的が現在におきましてすべて達成されたというふうには考えておりませんで、現在も補助金等を毎年措置しまして、それの振興の趣旨に沿って充実を図っておるところでございます。
○久保亘君 教育の分野においては国と都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会と三者が一体となっていろいろと連絡を密にしながらやらにゃならぬから教育長も承認をせにゃならぬのだとのさっきの説明。ところが、国の負担を伴う都道府県の産業教育に関して、その振興のためにこれまで役割を果たしてきた地方産業教育審議会があってもなくてもいいというような理解をされるほどの状況にはなっていないと私は思うんですね。この地方産業教育審議会の設置を法律に定めておくことがどうして国の地方自治体あるいは地方の教育に対する関与になるのか、そこが私はなかなか理解できないところなんです。むしろそういう地方産業教育審議会を置かなくってもいいということを決めることによって地方の産業教育というものがよくなっていくのかどうなのかという視点から文部省としては物を考えてもらわないと、権限的な関与については一歩も譲らぬぞ、教育長の承認をもう知事がなくしてくれと言ってもそんなもの絶対に譲れぬぞ、ところが産業教育審議会のようなものはもう面倒くさいからどうでもいいよと、こういうやり方は、これは私は国と地方との関係を整理合理化するという名前のもとに国の負担を軽くするものじゃないか、こういうことを言っているんです。なぜなら、地方産業教育審議会は国の負担を伴っている都道府県に設置が義務づけられていたからです。そういうことを私は申し上げているんですが、そうじゃないですか。
○説明員(菊川治君) 任意設置にする理由といたしましては、現在、地方産業教育審議会は確かに産業教育振興法で設けられておりますけれども、義務的な付議事項がないということが一つでございます。それからまたそれに関連しまして、現実にそういうこともありまして、都道府県で必ずしも地方産業教育審議会が活発に運営されていない事例もございまして、五十四年から五十八年にかけましての五年間に答申とか建議等がなされていない審議会が十六審議会ございますような状況もございます。一方、先ほど先生も御指摘ありましたように、そういった産業教育の総合的な計画を含みます審議をする代替審議会としまして、高等学校教育審議会とか県立学校審議会があるというふうな実態もございますので、そういう状況でございますので、この際任意設置といたしました方が産業教育の振興の上でより効率的な計画等ができるのではないかと考えたところでございます。
○久保亘君 あなたお若いからこの産業教育審議会が生まれてきたいきさつを余り御存じないかもしれぬ。地方の方から強い要請があってこの産業教育振興法というのは生まれてきた経過があるんです。そして中央の方からこれをだんだん廃止していくわけです。最初は、この産業教育振興法というのには地方産業教育審議会に対応する中央産業教育審議会というのがあったんですよ。ところが、この中央産業教育審議会というものを振興法の条文から削ってしまって、そしてこの産業教育審議会は理科教育審議会の端っこにくっつけたんです。そういうことをやって中央がまず熱意を失ったんだから、中央が熱意を失う中で地方産業教育審議会があなたが言われるように活動が非常に不活発になっていったという歴史があるんで、これは産業教育の振興に対する国の取り組む姿勢を一つ示すものだと私は思っております。歴史的経過の中でそういうことがあるんで、私はそういう点からこの法改正について一つの意見を申し上げておくわけです。 時間が非常に少なくなりましたから、次は社会教育法の一部改正について申し上げますが、社会教育法の四十条の二項というのは国と地方自治体との関係なんでしょうか。これが国の地方公共団体に対する関与を整理するものに該当するのかどうか、それをお伺いしたいと思う。
○政府委員(齊藤尚夫君) この勧告の制度は国の機関委任事務として都道府県の教育委員会が執行しているものでございます。したがいまして、都道府県の教育委員会が国の委任を受けて行う機関委任事務を廃止するということで、国の規制の緩和ということに当たると考えております。
○久保亘君 条文上は今の説明はどこから出てきますか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 今回廃止します規定は社会教育法の四十条の二項の規定でございます。これは地方自治法の別表第三の中に規定があるわけでございまして、機関委任事務として規定されているものでございます。
○久保亘君 そうするとこの問題は、義務規定でなく勧告制度でなく、今度はこれを指導するということになるんですか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 当該勧告の制度を廃止いたします。したがいまして、問題が生じた場合には指導助言という機能を充実させまして制度的な担保をいたしたいということでございます。
○久保亘君 それじゃ国の機関委任事務として規定されていた市町村教育委員会に対する都道府県教育委員会の勧告義務に基づいて今日まで勧告が行われた事例というのはどれぐらいありましょうか。
○政府委員(齊藤尚夫君) この制度ができましたのは昭和二十八年でございますが、それ以降今日までこの勧告の制度が適用されたケースは一件もないわけでございます。
○久保亘君 じゃ、もうこういうものは無用の法律が今日まで存在しておった、こういうことなんで、言ってみれば、文部省がこういう今度の一括法の中で考える問題じゃなくて、もう以前に処理しておかなければならなかった法律の一つだということになりますね。
○政府委員(齊藤尚夫君) いろいろの御判断はあろうかと思いますが、文部省といたしましては、この勧告の制度が存在するということ自身が、公民館の公正公平な運営を現実に担保する力になっておったというふうには考えておるわけでございまして、法律の規定があったこと自身は大変意味のあったことだと思っておるわけでございます。
○久保亘君 そんならおかしいじゃないですか。公民館の公正な運営を担保する力になっておったということであれば、その力を今はもう外しても大丈夫な状況になったという判断をされたということですか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 公民館という制度ができまして相当の年月もたっておりまして、運営の方法についてはかなり充実してまいったというふうに考えておるわけでございます。そして今回の行政改革推進審議会の答申もございまして、この勧告の制度にかえて一般的に行われております指導助言という制度を運用することによって実質的に問題の生じた場合の解決が図られる以上、この制度は現時点では廃止することが適当である、そういうふうに考えたわけでございます。
○久保亘君 それはいいでしょう。そういうことであなたの方の見解をお聞きしておきます。 それから次は図書館法の一部改正ですが、今度改正されようとする十二条に基づく報告、つまり公立の図書館の設置や廃止や設置者の変更などについて文部大臣が報告を求めた場合には報告しなければならぬようになっておりますね。それを今度は廃止されようとするものでありますが、この十二条に基づく都道府県教委からの図書館に関する報告はどれぐらい年間にあるものですか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 結論から申しまして、報告を最近求めておらないのでございます。 といいますのは、昭和三十年度から統計法に基づく指定統計で社会教育調査というのを実施いたしておるわけでございます。この調査の中には、図書館を含めまして社会教育施設の実態の詳細な調査を行っておるわけでございまして、図書館の設置、廃止、設置者の変更以外のきめの細かい調査をその中で実施するということになりましたので、重複を避けるという意味でこの報告は求めておらないわけでございます。
○久保亘君 今、公立の図書館というのは全国にどれぐらいあって、そして蔵書の数というのはどれぐらいでしょうか。私は前もって言ってなかったから、もし資料をお持ちでなかったら結構ですが、大体どれぐらいあるものですか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 都道府県立が六十九館、それから市立が千百二十四館、それから町村立が四百十七館でございます。
○久保亘君 蔵書数はわかりませんか。
○政府委員(齊藤尚夫君) 一館当たりで申し上げたいと思いますが、都道府県立の場合は千九百三十七万三千冊で、一館当たり平均で二十七万三千冊ということでございます。それから市立でございますが、七万一千冊、町村立では二万二千冊という状況でございます。
○久保亘君 この際そういう報告の義務を解除されるということなんでありますが、行政指導の立場から公立図書館の有機的な連携利用、利用者の立場から見た場合、そういうことについて文部省としては報告を求めなくなったということで、この図書館に対する関心が薄くなってはいかぬのでお尋ねしておくんですが、何か検討されておりますか。 例えば、ヨーロッパあたりに行きますと、私が田舎におりますと、私の住んでいる町の図書館に行きまして読みたい本をそこで話をしますと、ここにはないがどこにあるから取り寄せてやる、こういうことでカードに書いておきますと、そのしかるべき図書館から送られてくる。そして利用を終わったらそこへ返せばよい。また例えば、私が東京の図書館で本を借りて、しかしそれを私が自分の郷里へ帰って読んだ。郷里の図書館に返せばその本はもとのところへ返る。こういうようなことをやっておる国が幾つもございますね。 日本の場合には、そういう点で利用者の立場に立った図書館の利用というので相当まだこれから改善、改革されていけばよくはないかと思うような問題がたくさんあると思うんですが、図書館の実態というものはそういう意味では十分把握されておかなければならない。その事務そのものについて言えば関与という言葉が当たるかもしれぬけれども、図書館の状況の報告を求めることが国の公共団体に対する関与という言葉に当てはまるのであろうか。私はそういう点でちょっと疑問も持ちましたのでお尋ねをしたわけです。全体を通じて、どうも関与という言葉にふさわしくないものもあるのではないかという感じがいたします、広く解釈すればそうでないのかもしれませんけれども。 そういうようなことで、今度のこの法改正が文部省の団書館行政について今後の努力や責任というものを軽くするものではない、こう思いますので、局長に少し図書館問題について見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(齊藤尚夫君) 図書館の役割というのは非常に重要でございまして、またこれからは生涯学習を進めていかなければならないという段階でございますから、なお一層重視されていかなければならないものでございます。 先生御指摘のように、ある国では先生が御指摘のような形で図書館のサービスが行き届いた形で行われているものが多いわけでございますが、我が国の現在の段階では、設置者別でございますとそのような工夫をいろいろとっているケースはございます。ある市では幾つかの分館を通じてそのような取り扱いをしているというケースはございますが、全国的にそういうネットワークをつくるというところには至っておらないわけでございます。今後、情報化あるいはメディアも進展してくるわけでございますので、その辺のところを図書館協会が中心となりまして現在その振興方策について検討いたしておるわけでございますし、また社会教育審議会の中に社会教育施設分科会というのがございますが、そこでもこれから図書館の問題について手をつけていこうという段階でございますので、先生の御趣旨に沿って振興方策について検討してまいりたいと考えております。
○久保亘君 最後に、学校保健法の第十五条にかかわる改正でありますが、教育委員会に学校保健技師が必置制度になっていたものを任意制度に改めるということなんてありますけれども、私は学校の職員、生徒、児童の健康管理、それから学校の保健教育、そういうものを考えてみました場合に、これが法律で必置を決めているから国の地方に対する関与だといっていいものかどうか。むしろ置かなきゃ置かなくてもいい任意制にすることは問題があるのではないかという感じがしておるのでありますが、文部省としてはどういうふうにお考えですか。
○説明員(下宮進君) お答えいたします。 学校保健技師を任意設置とした理由についてでございますが、昨年の臨時行政改革推進審議会の答申で、地方公共団体に置かれている職員機関の必置規制についての見直しを行い、その中で「職員の資質確保等のためには有効であるが資格要件の緩やかなものは、任意設置とする。」ということになったことと、学校保健技師の配置状況から見まして、学校保健技師という特定の職名の使用を法律で一律に義務づけなくとも、学校における保健管理に関する医学的、専門的学識経験者は確保されるのではないかということから今回学校保健技師を任意設置に改めることとしたわけでございます。
○久保亘君 これは今の御説明によっても明らかなように、学校保健技師というのは将来もう廃止していこうという考えですね。そうじゃありませんか。
○説明員(下宮進君) 今回の改正では、先生御指摘のようなことは考えておりませんで、現在学校保健技師は四十七都道府県中四十都道府県において学校保健技師という職名で設置されております。また残りの七府県においては学校保健技師という職名は使っておりませんが、例えば課長とか技官あるいは技師等の名称で、いずれも医師が置かれておりまして、すべての都道府県におきましてこういった方々は専門的な立場から学校保健行政の企画、立案に参画しているわけでございます。 今回の見直しで、学校保健技師が任意設置という形になった場合におきましても、各都道府県において学校保健行政を推進する上で、医学等の専門的な知識を持っている人の確保というものは必要でございますので、各都道府県におきましては、引き続きそれらの職員は置かれることになるんではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、この改正によって都道府県からそういった職員がなくなるということはなかろうかと存じます。
○久保亘君 文部省が学校保健技師というものは必要なんだ、そして各都道府県の教育委員会から、そのような名称は違っても、そのような立場の人がなくなることはないだろう、こうおっしゃるんであれば、これは学校教育行政上必要なものであるということなんだから、何にも必置制を任意制に変えなければならない理由はなかったんではないか。 私は、今あなたはそういうふうに言われたけれども、ここでもらった資料によりますと、「学校保健に関する指導業務は県立病院の医師によっても対応可能であり」と、こう書いてあります。県立病院の医師によっても対応が可能であるということなら、要らぬということじゃないですか。それでこれはもうできるだけ廃止していこうという伏線のもとにやられたのではないかという懸念があるんです。そういう説明がこの理由のところに書かれている、参考資料に。 そこで、厚生省にちょっと聞いてみたいんですが、学校保健に関する指導業務あるいは学校における健康管理とか保健教育とか、そういうものを全体的に見ていくような立場というのは厚生行政の立場から考えた場合には、そういうような職務につく者が必要であるとお考えになっているかどうか。それからこの理由に書かれているように、公立病院のお医者さんで対応が可能ですよということなんだけれども、公立病院のお医者さんが、今学校保健技師がやっているような職務を兼務して対応していくことが可能であるかどうか。病院の行政に当たっておられる立場からどういうふうにお考えでしょう。
○説明員(近藤健文君) 私ども児童の健康の保持増進を図る上で学校保健というものは極めて大きな役割を持っていると考えております。しかしながら、その学校保健技師につきましては、その配置状況等から、教育委員会の事務局に学校保健技師の設置を法律で一律に義務づけなくとも、学校における保健管理に関する医学的、専門的学識経験者は確保されるというように聞いております。今回、学校保健技師を任意に改めるということになったというふうに聞いておりますので、特段の問題は生じないと考えております。 病院については私の所管でございませんけれども、学校における保健管理に関する医学的、専門的な経験者として県立病院の医師が兼務をされるということもあり得ると思いますけれども、学校における保健管理に関する専門的、技術的指導が十分行われるのであれば特段の問題はないと考えております。
○久保亘君 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、どうも今の説明を聞いていると、これはただ行革審の答申もあったので必置制を任意制に変えるというだけであって、必要なんだ、これがなくなったら困るんだという意見だし、そしてたとえこれが必置制でなくなってもそういう人は必ず確保されるものと思うとかいうような回答を聞いておりますと、何か意味があるのかなという感じがしてならぬ。むしろこの種のものは学校保健の立場において必要な職種として必要なものとしてきちっと法律で決めておく方が、都道府県やそれから負担に対する国の責任等についても明確になっていいんじゃないかな。必ずしも法律で置くものとするとか置くとか決められているから国が地方に関与しているということにはならない。むしろ国と地方との相互の責任を明確にする場合もあるんだ、こう考えておるんでありまして、何かどうも余り説明からは理由が明らかにならないようなものもございますが、全体として余り適用例もなくなってきた法律の整理とか、そういうものが多いように見受けます。しかし個々の問題についてはいろいろ意見があります。 そこで、総務長官に最後にお願いをしておきたいのは、この種の法律案については確かに大きな表題を掲げまして地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化、こうなってきて一括できるんでありますけれども、しかし個々の法律改正案を取り上げてみますと、その法律に固有の問題がある。固有の問題として議論しなければならぬ問題があると私は思う。したがって、この種の改正案については極力丸めて出すということではなくて、それぞれの法律の改正について提案して審議を行うという措置を今後おとりになるよう、私の希望を強く申し上げて質問を終わりたいと思います。
○原田立君 法案の具体的な問題に入る前に、行政改革について基本的姿勢を長官にお伺いしたいんであります。 昨年十月、行革審が「臨時行政調査会答申の推進状況等について」を発表しておりますが、この問題についてはこの前も一遍質問したことがありますが、その中で、「全体的評価」として「道程のほぼ五合目程度」との評価をしているわけでありますが、これは行革の中身について言ったんじゃなくて、つまり入り口での評価が五合目程度というふうに言ったのだと思うのです。「増税なき財政再建の基本方針に基づき、臨調答申以降の予算において厳しい概算要求枠を設定し、制度・施策の見直しを逐次進めてきている。」という、このことについての評価であろうと思うんであります。中身から見た場合には、この前長官もこれからなんだというふうなことをしきりに強調しておられたけれども、中身の面からいくとまだまだ、それが緒についたというふうに私は思うんであります。 この基本姿勢について、長官の御意見をお伺いしたいんでありますが、ある新聞では五合目ならば富士山でも自動車で今行ける時代なんだ、行けるところ、手の届くところだけのことをやっているにしかすぎない、こういうふうなことを言っている向きもあります。長官の基本的姿勢についての御所見をお伺いします。
○国務大臣(後藤田正晴君) 行革については各方面からそれぞれの立場でいろんな御批判があることは十分承知しておりますが、去年の秋の行革審の御意見はかねがねお答えをいたしておりますように、第二臨調の答申あるいはその後の行革審の意見を受けて政府はそれなりによくやっておる、こういう評価を腹に置きながら、しかしこれからが大変ですよという、むしろ私どもに対する厳しい御激励といいますか、そういうお言葉ではないかなと、こういう私自身は考えのもとにあの行革審の御意見を拝聴しておるわけでございますが、今後のことを考えましても、国鉄の改革であるとか、あるいは地方の行革であるとか、あるいは規制の緩和であるとか、あるいは内閣の総合調整機能の強化の問題とか、あるいは特殊法人の活性化の問題であるとか、これからの課題が実はなかなか容易でないなというのが率直な感じでございます。しかし、これはどうしてもこれだけではやり抜かなければなりませんので、政府としては全力を挙げて行政改革の実績が上がるようにやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
○原田立君 今後のいろんな問題が山積していると私は思うんです。長官自身も言われるとおりであります。国土庁を含めた中央省庁の統合等の行政組織の改革あるいはまた国鉄改革、特殊法人等の整理合理化、さらには今回の改正を含めて国と地方との関係改善など、臨調の答申を踏まえて今後の行政改革に対する具体的推進について衆議院の方でも長官、若干答えておられますけれども、中長期的展望をお示し願いたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) 第二臨調の答申全体を見ますと、行政全般の広い範囲に及んでおりますし、それを受けて行革審が我々いろいろなまた御提言をちょうだいするわけでございます。私どもとしては、緩急順序、優先序列、それらをよく考えまして、いずれにいたしましても、第二臨調の答申の完遂に向けてやっていきたい、こういうように考えているわけでございます。
○原田立君 国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁、これらについて、中央の省庁でありますけれども、ここら辺も十分手をつけていかなければならないと思うんでありますが、沖縄については沖縄振興開発法が来年法律が切れるから、その時点で撤廃するというような方針なのかというふうなことが言われておりますけれども、そういうふうな含みがあるんですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 中央省庁の統廃合も行革の一つの課題でございますが、昨年七月、総務庁ができたわけですけれども、御質問の国土三庁の問題も行革審の御意見も相当慎重なお考えを持っていらっしゃるように私は理解をしております。これは北海道、あるいは特に沖縄、こういうようなところにはまだまだそれなりの特殊事項がございますから、その特殊事情を頭に置きながら慎重に検討していく課題である、今当面直ちの課題ではない、中長期の検討課題であろうと、こういうふうな私は理解でございます。一部新聞等で、行革審で、振興計画云々、だから何年度なんというようなことを議論せられておるという記事も見ましたけれども、これは私は承知をいたしておりません。いずれにいたしましても、行革審でどういう御意見が出るか、それらを拝聴しながら、政府としてはこれは慎重に検討しなければならぬなと、こういうように理解しておるわけでございます。
○原田立君 私、沖縄振興開発計画、来年と言いましたけれども、これは六十六年のことですよね。ちょっと訂正しておきます。 問題は、長官、ことしは地方行革の年だと、こういうふうなことを言われていることを聞いておりますけれども、中央省庁は終わったんや、これから地方行革だというようなとらえ方であったんでは、本当の行政改革にはならぬと思うんです。そういう意味で、いわゆる中央省庁の、先ほどの国土庁、沖縄開発庁、北海道開発庁等の中央の問題もまだ残っているんだ、だからそれはまずこっちへ置いておいて地方だけだというようなことであってはならないという指摘だけはしておきたいと思うんです。 それから、これから進めていくに当たって、許認可の撤廃とか緩和とかいうようなことも大変重要な問題になってくるんだろうと思うんでありますが、きょうの新聞などで見てみますと、行革担当の後藤田総務長官は首相、自民党の金丸幹事長ら三役に規制緩和の重要性について説明に回ったと、こういうことが新聞に出ておりました。だけれども、問題は、省庁側から、要するに既得権を取られちゃうということに対して物すごい抵抗がある。自民党の議員の中に、その関係の団体の所属している顧問の人たちが物すごい圧力もかけてくるであろうというふうなことが言われているんですけれども、御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(後藤田正晴君) いわゆる規制緩和というのは、これはどうしてもやらなきゃならない。その基本的な考え方は、先ほどお答えしましたけれども、経済規制と社会規制はおのずから基本方針は別の観点、しかし進めなければならぬ。これは既得権益に切り込んでいくわけでございますから、当然中央省庁としてもそれぞれのお立場もあるし、現在の制度のもとで既得権をもっていらっしゃる方にもいろいろな御意見がある。これは私は当然だろうと思います。それを否定するわけにはまいりません。しかし、さればといって、それにとらわれておったんでは、改革の推進、合理化ということはできないわけでございますから、それは国全体の立場に立って、各方面の御協力を得ながら合理的な改革を進めていきたいと、かような考え方でございます。
○原田立君 今回の国の関与等に関する整理合理化案では、地方行革を推進するに当たっては、いろいろ功罪ありますけれども、全然必要のないものを外したという面、あるいは無理無理外しちゃった面、いろいろ功罪はあると思いますけれども、それなりに一歩前進だろうと思うんでありますが、この地方行革については、今後の課題として機関委任事務の問題、それから許認可事務等の見直しや整理合理化の問題、あるいは補助金制度の改善など、具体的な問題はたくさんあるわけでありますが、いつごろを目途に推進するのか。あるいは青写真がもうでき上がっていると思うんでありますけれども、これらの今後の展望をお聞かせ願いたい。地方行革については約五千件、許認可事務等については約一万件ぐらいあるように聞いておりますけれども、いかがですか。
○政府委員(竹村晟君) まず、許認可の整理でございますが、民間に対する許認可の整理合理化につきましては、従来も、社会経済の変化に対応いたしまして、不断の見直しをしてまいったわけでありまして、累次にわたりましてその整理合理化を推進してまいってきております。現在は臨調答申で指摘のありました二百五十三事項、これについての個別の推進を図っております。現在のところその約七割が措置済みでございます。残ったものにつきましても、条件整備を図りながら順次実行してまいりたいというふうに考えております。 それから一般的な規制緩和の中で許認可の整理についても行われることになるわけでありまして、例えば民間活力の助長あるいは国民負担の軽減あるいは行政事務の簡素化、こういった観点から現在行革審で審議中であります。七月に答申が予定されておりますので、それを待って政府としては対処してまいりたいというふうに考えております。 それから補助金の問題でございますが、これは財務当局を中心にいろいろ整理が進められております。総務庁の立場で言いますと、私どもの関係しております監察の中でその整理合理化を進めてきております。最近では個別の行政施策分野、この中で補助事業などがありますと、これについての整理合理化も見ていくというふうなことをやっております。今後もそういったことでやりたいと考えております。 なお、補助金そのものではありませんけれども、地方行革との関係では補助金の事務手続の簡素合理化、これが大事なことになっておりまして、これも本年度の事業としてやることにしております。 それから機関委任事務の関係でありますが、これは現在行革審で審議中でございます。七月に答申がなされることになっておりまして、その答申をいただきましてその実行に努めたいというふうに考えております。
○原田立君 長官、他の委員からもしばしば指摘されるんですけれども、臨調の答申がなければ法律の改廃等をやらないというその姿勢は私もおかしいと思うんですよ。だから中身は、先ほども申し上げたように、功罪いろいろあるというふうに申し上げたんですが、国の権限は地方自治体に移譲するものとなっておりますけれども、法案の中身から見ると、今さら地方に移譲するのは遅きに失しているという、そういうふうな面もあるでしょう。むしろ当然と言えるものもあるわけでありまして、臨調からの答申がなければ改正できないということでは非常に弱い。実力大臣と言われる後藤田長官がおりながらそういう姿勢はよくないと思うんですよ。これはぜひ改めていくべきではないか。また、今久保委員からも、こういう重要な問題は各省庁別に法案を提案してやるようにすべきだというお話もありました。僕はもうもっともだと思うんでありますが、答申がなければ改革できないというふうな姿勢は改めるべきだ、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これはもう全くおっしゃるとおりなんですね。自分自身が、自己改革をやるというのがもう基本の姿勢でなきゃならぬと思います。ただ、それができないというのがこれまた客観的な事実でもあろうかと思うわけです。そういったことで、昭和三十八年には佐藤喜一郎さんが委員長なさった第一次臨調の答申があり、これが中途にして挫折をした。しかし今日のような客観情勢になると、この問題は、いよいよ行政の仕組みあるいは仕事のやり方、複雑多岐にわたって国民の負担がどんどんふえるではないか、この際やるべきことをやろうではないかということで第二臨調が設けられたわけでございますから、したがって、第二臨調の答申を受け、それの推進のための行革審ができたわけです。したがって、政府としてはその答申を受けてやっている、こういうことでございます。 ただ基本的には、行政改革なんていう仕事は、これは各省みずからの立場において改めるべきところは改めていくというのが基本でなきゃならぬことだけは申し上げるまでもありません。ただ何せここが民間と違うところなんですよ。民間はほっといたら、世の中が変わっていくと、これは破産するわけですから、いや応なしに改革合理化をやるわけです。ところが政府とか地方団体というのは、税金なもんですから、こういうことを言って甚だ恐縮に思うんだけれども倒産がないんですよ。そうしますと、どうしても自己改革というのは、痛みを伴いますから、それで勢い肥大化していく、結果として国民の負担にはね返っていくということでございますね。だからなかなか、自己改革をやるべきだという考え方はわかっておっても、その踏み出しが難しいのも事実なんてすから、したがってせっかく第二臨調を設けてこういう改革に取りかかった以上は、これが所期の目的が達成できるまで政府としては粘り強くやっていく。しかし片方、同時に臨調、行革審の御意見があろうとなかろうと、やるべきことは各省それぞれ独自の立場でやっていただく、こういうことでなければならないのではないか、かように私は考えているわけでございます。
○原田立君 それで、ちょっと追い打ちをかけるような物の言い方になりますけれども、今度は国の関与二十六、必置規制二十四の五十事項と許認可等の六事項、合計五十六事項が出ているわけでありますけれども、今回の改正が地方行革に果たす役割については甚だ少ない、効果が乏しいと私は思うのです。 五月二十八日の衆議院内閣委員会の会議録をちょっと読んだんですけれども、それに参加している全国知事会の石見事務総長さんは、今回の法律案についてどういう評価をなさっていらっしゃいますかとの質問に対して、残念ながら私どもの期待からはほど遠いと言わざるを得ない、こういう答弁をしている。長官、その席に同席しておられたんですからお聞きになっているだろうと思いますけれども、この点についての長官としての受け取り方をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) 当日、石見君は、従来から知事会等からいろんな御意見、改革意見が出ているわけですけれども、それを必ずしも十分中央政府では採択してない、こういうお立場でああいう御意見を述べられたと思うのです。それはそれなりにこれらの御意見は尊重しなきゃならぬと、こう考えております。私どもが今やっていることで私どもも足れりとしているわけではありません。 ただ、申し上げたいことは、地方団体も少しは考えていただかなきゃ困る面があるわけでございます。これは全体の仕組みの中でどのような仕組みがいいのかということを配慮しませんと、必ずしも知事会の意見どおりにやらないからこれはまことに不十分であるという批判は当たらない。これは双方の立場を十分お互いが話し合い詰め合って、そしてあるべき姿に持っていくのが国全体の立場をあずかる者としての考え方でなければならぬ、こういう私は理解でございます。もちろん今の段階でこれで十分とは思っておりません。もちろんこれからやらなきゃならぬのは、それは許可、認可の整理もありましょうし、それから肝心な機関委任事務、これまた厄介な問題ですが、こういうような点についてはこれからやっていこう、こういう考え方でございます。
○原田立君 石見参考人はその立場で言われたというふうに言うけれども、「抜本的な見直しをお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。」とか、あるいはまた「現実にその結論としてとられました措置といいますものは、率直に申しまして、私どもからいたしますれば、まことに残念ながら不十分であると言わざるを得ないというふうに私どもは感じておるわけであります。」、「私どもがかねがね強くお願いをしてまいっておりますものとはほど遠いと言わざるを得ないというふうに思っておるわけであります。今後、引き続きこれらの許認可あるいは機関委任事務の整理合理化につきましては御検討いただきまして、私どもの希望ができるだけかなえられますことを強くお願いをし、期待をいたしておるところでございます。」、また、「私どもといたしましては、何といたしましても地方の自主性、自律性あるいは住民の利便と行政の効率性という、この観点からの改正をぜひともお願いしたいというふうに存じておるところでございます。」。ちょっと飛び飛びに読んだわけですけれども、もう一度これらについての御所見をお願いします。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えをいたしましたように、石見君が述べた知事会を代表しての御意見、これはそれなりに私どもとしては尊重してできるだけ努力しなきゃならぬと、これは基本的に私はそう思っておるわけでございます。ただ、しかし地方団体みずからもやるべきことはやってくれなきゃ困りますよということも私ども政府の立場としては言わざるを得なしい、知事さんがおっしゃるとおりの改革は、これは国全体の統一性の確保の問題あるいは広域的な調整の問題、いろいろございますから、知事会のおっしゃるとおりにはまいらない面もあるということは、これまた地方団体側は御理解を賜らなければならぬ、かように考えております。
○原田立君 個々でケースがあるというような意味のこととして受け取っておきます。 必置規制の総数は百三十五事項と伺っておりますけれども、今回小委員会の答申では三十六事項、残り九十九事項は手つかずとなっておりますが、石見参考人も、この必置規制については百三十六事項のすべてについて廃止をし地方に任してほしいというこの要望については、全国知事会を初め地方六団体からの強い要望でもあったものでありますが、この点についてどのように推進、処理されておりますか。
○政府委員(竹村晟君) 必置規制につきまして、今図御審議をいただいております法律案に盛り込んでおりますのが二十四事項でございます。行革審においては必置関係で三十六事項について具体的な整理合理化の指摘が行われておりますが、ただいま御質問にありましたように、指摘してない事項が九十九ございます。 それで、必置規制というのはどのような趣旨で設けられているかということでありますが、全国的に一定の行政水準を確保する必要がある、あるいは全国的な統一を要するもの、こういったものについて設けられておるものであります。残りの事項について例を挙げて申し上げますと、例えば小中学校でありますとかあるいは警察署でありますとか、あるいは職員の関係では医療監視員あるいは麻薬取締員あるいは建築主事、それから県に置かれております防災会議、こういった種類のものでございます。そういったことでございますけれども、地方団体でやっております行政の執行につきましてはできるだけ地方団体の自主性を尊重すべきであるということから、今回措置していないものについても、例えば社会経済情勢の変化、そういう中で必要性が乏しくなっていくもの、あるいはその他方団体の事務能力の向上、こういったことに伴いまして自主的な判断に任せることが適当なもの、こういうものも出てくるのではなかろうかというふうに考えられますので、これからも見直しを行いまして、本当に必要なものに限定していくべきだろうというふうに考えております。
○原田立君 国の関与について衆議院でも問題になっておりましたけれども、関与の総数の把握、整理合理化の推進をどうするのか、具体的対応についてお聞きします。
○政府委員(竹村晟君) 国の関与の総数につきましては、その根拠が法律、政省令あるいは通達等、非常に広範囲にわたっております。そういったようなことで、現在のところ全体数を把握するに至っておりませんけれども、しかし今後国の関与等の整理合理化をさらに進めるためにはその実態を把握していく必要があろうかというふうに考えております。 それで具体的には例えば先ほども申しましたけれども、社会経済情勢の変化あるいは地方団体の事務能力の向上、こういった中で常に見直しを行いまして真に必要な場合に限定すると、こういったことで、担当省庁はもちろんでありますけれども、我々の方におきましても適当な時期に見直しをしていきたいというふうに考えております。
○原田立君 総数はわからないんですか。
○政府委員(竹村晟君) 国の関与の総数については、現在のところ把握しておりません。 それで、今回の四十九事項のもとになりました関与の数でございますが、これは従来から地方団体等から出ておりました改善意見、これが全部で百三十七ございました。このうちで既に整理合理化の済んでいたもの、こういうものを除きますと約百事項が改善意見があるというふうなもので、今回はそれを中心にして整理合理化を進めたものでございます。
○原田立君 さっきからも問題になっておるように、さっきも建設省あるいは国土庁もよく数がわからないというような答弁があった。それであなたからもまた今全体のものはわからないという話があった。だけれども、これはわかろうとして調べたんですか、それとも全然手がつけられないほど膨大でわからないんですか、どっちなんですか。後藤田長官、行革を一生懸命やろうとするならば、そこいら辺ぐらい真剣に各省庁のしりたたいても調査させて、全体の状態はこんなふうにあります、このうちここだけはこういうふうにしますと、こういうようなことになっていかなければ前進とは言えないんでしょう。まずその全体の把握ぐらいは、早急にと言ったってなかなかいかぬだろうと思いますが、いつごろをめどとしてお調べになるんですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これはおっしゃるように、国の関与の現状がどうなっておるのか、できるだけ調査に努力しなきゃならぬと、こう考えておるんです。従来からその点事務当局ともいろいろと話し合っているんですが、何せ現状は、それぞれの省自体がまだ全容がわからぬという状況でございます。政省令等でやっているのは、これは調べたらわかると思いますけれども、何せ日本特有の行政指導というのがありますから、恐らく各省の各局ごとに調べるということになると容易でないんだろうと、こう思います。しかし、さればといって、国の関与をできるだけ見直して少なくして地方に自主性を持たせる、あるいは民間との関係においても民間に任せるものは任せるという基本の方針で臨む以上は、何とか最大限の努力をしまして全数を把握しなければ、これはどんどんふえる一方ですから、そういう意味で今後ひとつ政府としても努力をさせていただきたいと、かようにお答えをさせていただいて、今日のところは御理解をしていただきたいと、かように思います。
○原田立君 そのぐらいでしょう。了解というとちょっと言葉はおかしいけれども、よくわかりました。 ところで、要するにこの国の関与の問題が遅々として進まない。昭和三十八年十二月の第九次地方制度調査会が、「行政事務再配分に関する答申」の中で、「地方公共団体に対する国の関与の限界」として、「地方公共団体に配分された事務については、地方公共団体の責任に基づいて処理すべきであり、このような事務については、国の関与をてきる限り排除し地方公共団体の自主的処理に委ねるべきである。地方公共団体に対する国の関与は、行政の均等性及び広域的調整の確保等の見地から必要な最小限度の範囲にとどめるべきである。」。こういう答申が三十八年十二月に出ているわけでありますし、またこの地方制度調査会ばかりでなく、地方行政調査委員会議あるいは地方制度調査会、こういうふうに数次にわたり改善の勧告が行われているんでありますけれども、今回の改正に当たってこれらの答申をどう反映させてきたかが問題であるわけです。御所見はいかがですか。
○政府委員(竹村晟君) ただいま御指摘をいただきました第九次の地方制度調査会、このときの答申は、基本的な考えを述べるだけで抽象的な表現になっております。それを受けまして第十次の地方制度調査会、これは昭和四十年ころだろうと思いますが、ここで具体的に改善を要する事項として国の関与に関しまして三十事項を指摘しております。この三十事項につきましては、今度の整理を行います直前まで、一部措置を含めて十六事項が措置されてきております。今回の国の関与の整理におきましては、これも一部措置も含めてでありますが、十二事項を措置しております。これは一部措置がありますので、合わせて純計をいたしますと、三十のうち二十四事項を措置済みということにしております。それから残りの事項は六事項でありますけれども、このうち二事項につきましては、それぞれ条件が整備され次第所要の改善措置をすると。一つは、例えば次の通常国会に送っております牧野法の関係の改正、こういったものでございます。したがいまして、残る事項は四事項となるわけでありますけれども、これにつきましては、内容として、例えば慎重な判断を要するもの、こういったことで残っておる次第でございます。
○原田立君 五十七年四月の全国知事会から「地方に対する権限の移譲、関与の整理について」というのが出ておりますが、その中で「地域住民の生活に直接影響を及ぼす行政についての権限の移譲、国の関与の整理をすみやかに断行すべきである。」。非常に強い言葉ですよね。このときに八十数項目に及ぶ提言を行っているわけでありますが、今回の法案ではこれらの提言が反映されたのかどうか、地方公共団体からの意見を聴取したのかどうか。その点はいかがですか。
○政府委員(竹村晟君) 五十七年四月の全国知事会の意見によりますと、国の関与に関するもの五十八事項、それから権限移譲に関するもの二十六事項で、合わせて八十四事項につきまして意見、要望を出しております。このうちどれだけを措置したかということでございますが、国の関与につきましては、今までに措置が済んでいるもの、それから臨調答申等で措置済みのもの、これが十項目ございます。今度行革審で改めて指摘されたもの、これが二十四事項でございます。ですから、この二十四事項については、今回の法案を初め逐次実施していくということになりまして、残りの事項が、国の関与に関しましては二十四事項ということになっております。 それからもう一つの権限移譲に関するものでありますが、ただいま行革審で機関委任事務のあり方、こういった問題とあわせて議論しておりますので、我々といたしましては、そこで答申が出たところによりまして適切な措置をとりたいというふうに考えております。
○原田立君 知事会の提言の中で、民生委員の委嘱について具体的な指摘が、「例えば」ということで指摘されているんですけれども、五十九年度現在十七万四千六十五名の民生委員が生活保護等の円滑な実施を図るために市町村に置かれているわけでありますが、この民生委員は、まず一つには市町村民生委員推薦会が都道府県知事に推薦し、二番目に都道府県知事は都道府県民生委員審査会の意見を聞いてこれを厚生大臣に推薦する、三番目に厚生大臣は都道府県知事の推薦に基づいて委嘱を行うという手順を経ることとされておりますが、「今日においては、このような繁雑な手続を経て約十七万人におよぶ民生委員を厚生大臣が自ら委嘱することの意義はもはやないのではなかろうか」、こういう指摘をしております。簡素化あるいはこういう煩雑な点の改善を図るべきであると、こう思うんでありますが、これは一例として報告が出ています。 この法案でも、「民生委員の指導訓練に従事する吏員を廃止する」というような一項がありますけれども、他の整理事項についても当然配慮されてしかるべきであると思うんですがいかがですか。
○説明員(造酒亶十郎君) 御説明申し上げます。 ただいま、民生委員の委嘱は、市町村段階の推薦、県段階の審査、そして厚生大臣の委嘱とこういうことになっているのを、もう少し簡素化し、厚生大臣が委嘱しなくてもっと知事あるいは市町村長におろしてはどうかと、こういう趣旨の御質問がございました。 民生委員のお仕事というのは、もう先生既に御案内のとおりでございますけれども、管内住民の生活状態について把握いたしまして、福祉事務所その他の関係行政機関に協力をいたしまして、公的な保護あるいは援護を必要とする方々につきましては適切な保護あるいは生活の指導を行うという大変重要なお仕事でございます。しかも、この民生委員の方々は、そういう大事なお仕事を社会奉仕の精神をもちまして第一線で担当しておいでになるということでございます。大変重要なお仕事で、非常に御苦労の多いお仕事であるわけでございます。 そういうことで、私どもといたしましては、社会福祉行政につきましての責任者である厚生大臣から直接民生委員としてのお仕事をお願い申し上げるということが、日ごろの御尽力に報いるためにも適当であろう、このように考えているわけでございます。
○原田立君 そうすると形式を重んじたと。要するに、そういう大事な仕事をやってもらうんだから大変ありがたい人や、だからせめて厚生大臣の任命書があればお喜びになるだろうと、こういうことですか。
○説明員(造酒亶十郎君) 単に形式を重んじているというわけではございませんで、私ども誠心誠意民生委員の方々に日ごろの御労苦にお報いをするということが必要であろうと考えておりますし、また同時に地味なお仕事を第一線で担当しておいでになる方々も、大臣から委嘱を受けたということでお仕事の励みになればということでございまして、そういう意味合いから厚生大臣が委嘱を申し上げるという現行の仕組みを続けさせていただきたい、かように考えているわけでございます。
○原田立君 「このような繁雑な手続を経て約十七万人に及ぶ民生委員を厚生大臣が自ら委嘱することの意義はもはやないのではなかろうか。」、こういう提言をしているんですよ。それでもまだやるんですか。
○説明員(造酒亶十郎君) 知事会の方でいろいろ御意見があることは私どもも承知いたしております。しかしながら、私どもといたしましては、ただいま申し上げましたような趣旨で、厚生大臣から直接委嘱を申し上げるということにさせていただきたいと思っているわけでございます。 ただ、ただいま非常に複雑な選任手続というようなお話がございましたが、今回の法案の中で、民生委員審査委員会というものを廃止いたしまして地方社会福祉審議会の中に民生委員審査専門分科会というものを設けるということにいたしているわけでございます。ただいま申し上げましたように、民生委員の方々は社会的に弱い立場にある方々に対しまして必要な指導あるいは助言というものを行うという職務に従事しておいでになるわけでございまして、したがいまして、その適格性は特に十分に審査するということが必要になってくるんじゃなかろうか、このように考えているわけでございます。 そこで、ただいま申し上げましたように、専門分科会を設置するということにいたしたわけでございますが、これは民生委員審査会とそれから地方社会福祉審議会の委員さんの間に一部には委員の兼任が見られるというようなこともございまして、独立の審査会を設けるということは廃止いたしまして地方社会福祉審議会の中にこれを分科会という形で吸収して統合するということにいたしたわけでございます。 それからまた統合いたしました後の地方社会福祉審議会委員の定数でございますが、現在は地方社会福祉審議会の委員の定数が三十名、それから民生委員審査会の定数が十名、これを単純に足し合わせますと四十名ということになるわけでございますが、今回の統合に当たりましては、単純に足し合わせるということじゃございませんで、合計四十名のところを五名定員の削減を図りまして三十五名以内ということにいたしたわけでございます。そういう意味で地方行革の推進にいささかなりとも資するところがあるのではなかろうか、このように考えているわけでございます。
○原田立君 それはあなた、おかしな議論ですよ。民生委員法第五条の民生委員審査会を地方社会福祉審議会に統合する、そしてその隣に今度は民生委員専門分科会を置く。これは統合でしょう。だからそういうふうなことはもうやめましょうというふうな方向に進むべきなのに、また社会福祉審議会の方に分科会をこさえるといったら同じことじゃないですか。こっちの枠をこっちに持ってきただけの話じゃないですか。インチキじゃないですか。
○説明員(造酒亶十郎君) ただいま申し上げましたように、民生委員の方々は、お仕事の性格からいたしまして、その適格性ということを特に十分審査さしていただきたい、このように考えているわけでございます。 それから右のものを左に持ってきただけではないか、こういう御指摘でございますが、単純に足し合わせたということじゃございませんで、ただいま申し上げましたように、民生委員審査会とそれから地方社会福祉審議会の委員さんの中には委員の兼任が一部に見られるというようなこともございまして、一番その最寄りの地方社会福祉審議会に統合する。ただ、ただいま申し上げましたように、資格審査も的確に行う必要があるということから専門分科会を設けることにいたしたわけでございますが、統合後の定数は従前の審査会と地方社会福祉審議会の定数を単純に足し合わせたものよりも減員を図ったと、こういうことでございます。
○原田立君 五十五年十二月、全国知事会からの答申で出ているんですけれども、「民生委員に関する事務は、市町村の事務とすることを基本として、制度を次のように改める。(一)民生委員の定数の決定は市町村の事務とする。(二)民生委員の委嘱、解嘱、指揮監督に関する事務および民生委員協議会に関し必要な事務は、市町村の事務とし、委嘱、解嘱の際第三者の意見を聞くか否かは当該市町村の任意とする。これに関連して、民生委員推薦会および民生委員審査会制度は廃止する。」、こういう報告が五十五年十二月、全国知事会から出ているんですけれども、御承知ですか。
○説明員(造酒亶十郎君) 承知いたしております。
○原田立君 それならこれは参考になさらなかったんですか。
○説明員(造酒亶十郎君) そういう御意見が地方自治の関係者の間にあるということも私ども確かに承知いたしておりますが、私どもの立場で福祉行政というものを円滑に遂行していく、あるいは社会的に恵まれない方々のお世話を十分に申し上げていくという立場で考えました場合に、冒頭に申し上げましたような趣旨で厚生大臣から直接委嘱申し上げることが適当である、こういう結論に達しているわけでございます。
○原田立君 地方団体が意見を出しても、もうみんなあなた方はこういうふうに拒否している。そんな姿勢では行革が進まないんじゃないんですか。あなたはここへ来てそれ以上のことは答弁できないでしょうよ。厚生大臣でなければ言えないだろうと思う。だからしようがないというふうにするけれども、報告書は出ているんだよ。そういうことを抜きにして、私の方はこう考えますという頑固一点張り、ちょっと言葉は悪いけれども、頑固一点張りのような意見は私は了解しがたい。だけどあなたがここでそれしか言えないということだけは了解しておきましょう。 長官、どうですか、こういうようなところも直さなきゃいけないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) そこが難しいところでございます。民生委員の仕事が重要であるということは、これはもう間違いのない事実でしょう。 そこで、今厚生省の事務当局は厚生省のお立場でいろいろお答えをしたわけでございますから、それはそれなりに私どもも耳を傾けておかなければならぬ、こうは考えるんですけれども、全国十七万人の人間を一々厚生省が審査できるのかということをお考えいただければ、この問題をどう改革すべきかということの結論はおのずから明らかであろう、こう思います。この点については行革審で許認可事項の整理の一環として恐らくや御意見が出るであろう、その御意見を承った上で政府としては最終の態度を決めたい、こう思います。
○原田立君 五十九年四月から六月にかけて国の関与及び必置規制に関する実態調査を総務庁が行い、その結果を去年の九月からの行革審での審議に提起したそうでありますが、実態調査の内容、また調査件数を具体的にお知らせ願いたい。
○政府委員(竹村晟君) まず国の関与についてでありますけれども、これは我々が作業を始める前に行革審の方で既存の地方団体等の意見を集約しております。これが、先ほども申し上げたところですが、百三十七件ございます。それを素材といたしまして私どもの方で、既に措置済みのもの、そういったもの除きまして、その中でさらに実態調査になじむもの、こういうものを選びまして調査をしたわけであります。それが六十七事項でございます。 それから必置規制につきましては、我々の方で調査した時点で把握しておりましたのが百三十五でございます。このうち地方団体等から改善意見のあったもの、これを中心といたしまして六十五事項を重点的に調査したところであります。 その内容という話でございますが、例えば今回の法律案あるいはこれから並行して行っております政令の改正案、こういった中にあるところでありますが、例えば漁港管理規程についての農林水産大臣の認可、こういった問題、あるいは都市計画関係で公園緑地の都市計画、これに係る建設大臣の認可の廃止、こういったことについて関与の関係では調査しておりますし、それから必置規制の関係では、これも措置されたところでありますけれども、例えば国土庁の関係で言いますと土地調査員、あるいは農林関係で言いますと病害虫防除所、あるいは文部省の関係で言いますと学校保健技師、こういったものについて調査を行ったところであります。
○原田立君 ちょっと時間がなくなっちゃったもので、前もって御連絡しておきましたけれども若干飛ばしまして、農水省に伺います。 今回、農業改良普及員とか生活改良普及員は既に役目が終わっているんじゃないかと、こう言われておりますが、まだ継続されているんですが、これは今後どういうふうになさるんですか。
○説明員(坂柳迪夫君) 農業改良普及員あるいは生活改良普及員についてのお尋ねでございます。 私どもいわゆる普及事業につきましては、これまでも農業あるいは農村を取り巻く情勢の変化に即応しながら進めてまいってきたところでございますが、現状におきましては、御案内のとおり、農業を取り巻く情勢は今大変難しいものがあるわけでございまして、例えばお米の問題に象徴されますように、需要の動向に応じた農業生産の再編成でございますとか、あるいは生産性の向上、農業経営の体質強化、こういったような問題が幾つか緊急な農政上の課題になっておるわけでございます。 そこで、農業の現場におきましては、例えば稲にかわります転作作物の栽培技術の指導でございますとか、あるいはコストダウンを図るための新しい技術でございますとか、最近はまた農家に対しまして経営診断等、そういった技術、経営上の指導というものが一層重要になってきておる、こういう状況にございます。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕 それからまた、生活改良普及員についての点でございますが、確かに農家生活の現状を都市と比べますというと以前に比べまして改善されておる部分もあるわけでございますが、実は依然としまして、生活環境の問題でございますとか、それから農村あるいは農家特有といいますか、そういう幾つかの難しい問題が残っておるわけでございます。 一、二の例を挙げて御説明いたしますというと御案内のとおり、農業というのは自然あるいは生き物相手の仕事でございますから、どうしても収穫なり病害虫の防除なり、そういった面で労働が季節的に一に集中する、その場におきまして労働過重の問題、あるいは健康の問題が出てくる、こういう問題がございます。 それからさらに全国的に高齢化の問題がございますが、統計資料によりますると、農村におきましてはとりわけ高齢化が進んできておる。そういう中で、おばあさん、おじいさんを抱えました三世代世帯というものの割合も際立って高い、こういう問題もございます。 それからさらに近年労働力がいわゆる女性化といいますか、基幹的な労働力が他産業に流れていく、その結果といたしまして、婦人の方々が家庭の管理運営と同時に農作業にもタッチしなければいけない、こういうような状況が年ごとに深まってきておるわけでございます。 そういう中で、農業というのは先生御案内のとおり、家族経営が基本的な経営形態でございまして、生活と農業生産というのが密接不可分な関係にあるわけでございまして、そこで生産性の高い農業というものを実現していくためには、ただいま申し上げましたような生活面におきまして持っておりますいろんな制約というものを一方では取り除いていく、こういうようなことも必要であるわけでございます。そういった意味におきまして、私どもは今後ともそういった今日的な問題をとらえまして高度な技術なり知識を持った普及員というものが活躍していく必要があるんではないか、こう思っておるわけでございます。そういう意味におきまして今後とも必置規制というようなものは必要であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○原田立君 建設省河川局に伺います。 二級河川については、河川管理者は都道府県知事であるわけてありますが、工事実施の基本計画、あるいは全体計画についての認可権は国が握っておって、年次計画については届け出制に切りかえておるわけでありますけれども、二級河川についてはその権限をもっと都道府県知事に移譲していいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○説明員(萩原兼脩君) お答えをいたします。 二級河川についてでございますが、御指摘のように管理は県に委任しておるわけでございますが、先ほど来御議論の国の事務を機関委任しているわけでございまして、全国のそれぞれの二級河川につきまして、例えば計画の規模でございますとか、その点について全国的に同種同規模の河川に関しましては同じ水準で管理される必要があると考えておるわけでございます。そういうわけで、ただいま御指摘の工事実施基本計画並びに全体計画の認可につきましては、今回も行革審で御議論もいただきました上、そのまま存置させていただくということにしておるわけでございます。
○原田立君 自治体側は、地方財政負担増という結論から導かれた権限分与は本末転倒である、こういう意見がある。またそのわずかな権限移譲の見返りに負担を押しつけられるのは納得できない、こういうふうな意見もあります。いかがですか。
○説明員(萩原兼脩君) 私ども、全体計画を大臣の認可にかかわらしめておりますが、現在認可にかかわらしめておりますものは、国の補助事業として採択が決定いたしましたものについてだけやらしていただいておりますし、また件数につきましても、例えば全体計画の認可などと申しますものは年間で全国で多いときで五十件以下、少ないときですと十件前後でございます。それに比べまして今回廃止することにいたしました年度の実施認可と申しますものは、変更認可まで加えますと八百件あるいは七百件というような年々実数を持っておりますものでございますので、今回の措置で相当の合理化が図れたと私どもは考えておるわけでございます。
○原田立君 これで終わりにしますけれども、局長、今回の法案が提案されて、実際にやってみて、それで一体人員削減がどこいら辺まで見られるのか。その見通しは、やってみなきゃわからないといえばそれきりなんだけど、いかがですか。
○政府委員(竹村晟君) 今回の関与等の整理合理化のねらいといいますのは、地方団体の事務に関します国の関与等を整理合理化するということで、地方団体の自主性を尊重して地域の実情に合った総合的、効率的な行政が実現できる、そういうねらいのものでございます。したがいまして、人員削減というものを直接に目的としたものではございません。また必置規制から任意設置にする、そういった措置によって地方団体がどう対応するか、あるいは職員の配置基準を廃止する場合に、廃止後にどのような措置をするか、そういったことで今後の地方団体の対応いかんにかかわる面もございます。そういったことで現時点で人員に関します数量的な把握は困難であろうというふうに考えております。しかし国の関与や必置規制の整理合理化をすることによりましていろんな手続や内部管理事務が簡素化されます。そういったことで職員の事務負担は軽減が図られるというふうに考えております。
○内藤功君 環境庁にお尋ねしたいと思います。 水質汚濁防止法第二十一条の改正で、都道府県水質審議会を都道府県公害対策審議会に統合するという内容であります。私は大変疑問に思うところ、あるいは不安を感ずる点もありますので御質問したいと思うんです。 そもそもこの水質汚濁防止法は、それまでの旧水質二法、すなわち水質保全法及び工場排水規制法の二本を、昭和四十五年の公害国会と言われた第六十四国会におきまして一本にまとめられたわけであります。しかも旧二法は、環境庁水質保全局監修の「水質汚濁防止法の解説」を読みますと、まず第一に、排水基準の遵守のための規制が不十分であった、二番目に法体系が多元的であった、三番目に汚濁問題が全国規模で急テンポで広がりつつあった、四番目に水準汚濁の因子が多様化していた、五番目には絶えず後追い行政であった、こういう理由をこの本の中で挙げまして、そういう反省から水質公害に関する法制の整備を図る必要が生じてきたと、こう書いてあります。今日の汚濁防止法は水質公害行政の十二年にわたる経験と反省から旧二法の法体系の欠陥を具体的に是正して成立したと、この本にはそういうふうに書いてあるんです。 まず最初に、現行の水質汚濁防止法がこのような経過を経て成立したということを環境庁御自身から確認しておきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(小林康彦君) お話のございましたとおり、現在の水質汚濁防止法は旧水質二法、すなわち公共用水城の水質の保全に関する法律及び工場排水等の規制に関する法律を廃止いたしまして、昭和四十五年十二月に制定されたところでございます。新しい水質汚濁防止法ができました背景につきましては、ただいま先生お話ございましたような事情、旧二法で問題になっておりました、既に問題が発生している水域を中心にいたしまして指定水域制で規制をするのでは当時の状況に対応できない、こういう検討をいたしました上で、全公共用水城を保全の対象にする、対策の充実強化を図るという目的で制定されたものでございます。
○内藤功君 これまで環境庁発足後水質汚濁防止法をつくって、行政当局としては水質を守るために一定の努力をしてこられたということは評価いたします。環境庁がしばしば言っておられるように、総体的には改善の方向にある、少なくともカドミウムやシアンなどの有害物質による汚濁は著しく改善された、これは「水質汚濁を考える」という環境協会というところから出したパンフレットですが、それにもそう書いてあります、確かに。 近年国民の水に対する関心、健康に対する関心というのはとみに高まっておる。水を売る商売も出てきておりまして、富士山の水だとか、それから信州の水だとか、六甲山の水だとかというやつがデパートやスーパーでも売られておるようであります。このように国民が水について関心を持つ、考えるということは非常に好ましいことであって、行政としても今以上に啓蒙する必要は大いにあると私は思いますね。 ところで、こういうキャンペーンに幾ら予算を持っていますか。
○説明員(小林康彦君) 環境庁といたしまして、水質保全に関しましても、環境保全に関する広報、教育活動あるいは研修活動の一環として行っておるわけでございますが、環境庁全体の六十年度のこれらの予算額は三億四千六百万円でございます。
○内藤功君 昭和四十六年に施行された水質汚濁防止法は、その第一条を見ますというと、「工場及び事業場から公共用水城に排出される水の排出を規制すること等によって公共用水城の水質の汚濁の防止を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し」云々と、こうあるわけです。我が国の公共用水城の環境基準が利水の目的によってそれぞれ決められておるわけでありますが、有機性汚濁の指標となるいわゆるBOD、生物化学的酸素要求量、それからCOD、化学的酸素要求量の数字で見ますと、水は現在どんな状態にありますか。つまり前進しているのか横ばいなのか、あるいは後退なのか。こういう点いかがでございましょうか。
○説明員(小林康彦君) 五十八年度のCODあるいはBODに関します環境基準の達成率は、河川におきまして六五・九%、湖沼におきまして四〇・八%、海域につきまして七九・八%でございます。全体といたしましてはわずかずつよくなっておる状況でございますが、湖沼につきましては横ばいないしはわずかに下がっているという状況でございます。
○内藤功君 現在、この汚濁法の二十一条第一項によりまして都道府県に水質審議会が必置されるという建前になっております。これらの各都道府県の審議会は一年間に何回ぐらい開催しておりますか。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 また、もう一つ聞きますが、また都道府県の条例はそれぞれ独自性があって、審議会の構成員は人数の多いところ少ないところいろいろあろうと思いますが、一番多いところで何名ぐらい、一番少ないところで何名ぐらい、平均すると何名ぐらいか。 もう一つ、これらの委員の方々はそれぞれが水問題あるいは水質汚濁問題に関する専門家であると思いますが、この点はいかがでございましょうか。
○説明員(小林康彦君) 都道府県水質審議会の開催状況につきましては、昭和五十五年四月から昭和五十九年九月までの開催回数を一年当たり、一都道府県当たりで平均をいたしますと、年一・六回という平均値でございます。それから委員の数でございますが、定員で申し上げますと、多いところで四十名、少ないところで十名、全国を平均いたしますと二十名でございます。委員の顔ぶれでございますが、専門家及び水質汚濁に関係をいたします団体の代表等によりまして構成されております。
○内藤功君 東京都は何名ですか。
○説明員(小林康彦君) 東京都は定員二十五名でございます。
○内藤功君 水質汚濁に関して公害対策審議会があるにもかかわらず独立して水質審議会が設置されておるわけなんです。そこに特別の意味が今まであったと思うんですね。昭和四十六年に現在の水質汚濁防止法が施行されるのと同じころに、これは環境庁が発足したころと言いかえてもいいんですが、それまで中央にあった中央水質審議会が中央公害対策審議会に吸収、合併されております。中央の段階では早い時期に公対審に吸収されておりますが、都道府県の段階ではあえてこの水質汚濁防止法が施行された際に水質審議会の設置を必置事項として立法しているわけです。私はそれなりに理由があったということ、さっき示したこの環境庁の解説というのを読んで一層深まったわけですね。 この解説によると、公害対策基本法に基づいて設置された都道府県公害対策審議会と本法の都道府県水質審議会との関係が、いずれも公害防止行政に関する重要事項を調査するという点ではその役割の重複が問題となった。しかし、都道府県の公害対策審議会が、より一般的、総合的な立場から公害問題を調査するのに対して、都道府県水質審議会の方はより専門的、技術的な事項を調査するとともに、測定計画の策定といった国の行政機関との調整の場とするという役割も持っている、そのために専門の学識経験者だけではなく、河川管理者などを審議に参加させるということも考えられているんだと。要約しますとこういうふうに述べているんで、確かにこれは一つの独立の存在理由があると思うんです。私はこれは非常に重要な観点だと思うんであります。 そこでお尋ねいたしますが、現在中央公害対策審議会の委員は定員何名であるか。そのうちで水質汚濁等の問題はどこで審議されておるか。いわゆる水の専門家というのは何人おられるか。こういう実情をちょっとお示しいただきたい。
○説明員(小林康彦君) 中央公害審議会の委員は七十九名でございます。その中に、水に関します問題を専門的に御審議いただくということで水質部会を置いておりますが、それに属しておられます委員の方は十五名でございます。
○内藤功君 十五名ですか。いわゆる水問題の専門家は何人いるのかということですよ。
○説明員(小林康彦君) 専門家の範囲のとり方がなかなか難しいところでございますが、一応この十五名の方が水に関する専門的見識をお持ちの方というふうに御理解いただいて結構かと思います。
○内藤功君 ただいま御答弁を伺いましたが、中央公害対策審議会には水質部会というものが設けられていて、少なくとも十五名の水の専門家がおられるということてあります。 都道府県段階になりますと、水質審議会は水の専門、ほかの公害は公害対策審議会で取り上げると、こういうシステムになるわけでありますが、今回のこの法案で統合されることになりますと、既存の都道府県公害対策審議会で審議されることは非常に難しくなるんじゃないか。公対審には水に関する専門家は非常に少ないと私は思うんです。 環境庁は、水質保全行政について次のようにさっきの解説書で言っているんですね。水質保全行政は、多部門にわたる行政分野に直接、間接にかかわり、各分野において解決しなければならない幾多の困難な課題を抱えている。したがって、この問題に対処するためには、多方面にわたる高度な専門知識と広い視野に立った洞察力、判断力が要請される。このようなことから、都道府県の水質保全行政が適正、円滑に実施されるように都道府県に都道府県水質審議会を設置することとしている。こういう面から説明をしているわけであります。 先ほど申しましたように、水は人間の生きる上で欠くことのできないものである。あらゆる産業、農業などの基本であります。一たんこの水が汚染されると取り返しのつかないことになるということは、イタイイタイ病の問題、カドミウム汚染、水銀中毒、水俣病と幾つかの痛切な歴史的教訓が何よりも雄弁にこれを物語っているわけであります。ところが、今回の統合法案は、水の専門家がほとんどいない地方の公対審に統合するということになるわけでありまして、私はどう考えてもこれは水行政の後退としかとらえようがないわけであります。現在のままでは水に関する審議は極めて不十分にならざるを得ないという憂いをせざるを得ないんであります。 そこで、こういう事態に対応して環境庁といたしましてはどのような対策をとるか。国民が安心して使えるような監視機構、水行政の信頼の確保など、将来の我が国社会にきれいな水を残すためにも国会や行政の果たす役割は大きいと思うんですが、所管庁としてどういう認識また対策を考えておられるか、行政指導を考えているのかということを環境庁に最初に伺っておきたいと思います。いかがでしょうか。
○説明員(小林康彦君) 水質汚濁防止法制定後十五年たちまして、その間幾つかの状況の変化もあったろうというふうに思っております。都道府県水質審議会及び都道府県公害対策審議会の構成メンバーを調べますと、現時点では定員二十名のところ八・五人の方が重複して委員として任命されておられましたり、あるいは両審議会を合同で開催する都道府県があるなどの実態も見られるところでございます。この間、各都道府県におきましても経験を積んでまいりまして、水質汚濁の処理の方式につきましてもある程度定式化されてきたというような面がございますので、このたび臨時行政改革推進審議会の答申をも尊重いたしまして、一元的に調査審議が行うことができるようにと、こういうことにしたわけでございます。 水質問題につきましては、昨年成立いたしました湖沼水質保全特別措置法の施行を初め、今後とも重要な案件が予想されるところでございます。したがって、今回の統合後におきましても水質問題について引き続き円滑かつ適切な調査審議が確保されることとなりますよう、都道府県の協力も得ながら必要に応じまして水質に関する部会等を設置し、専門的な御議論をいただける場所をつくるように、それから現行の都道府県水質審議会の場合と同様に、水質保全対策に関連いたします国の地方行政機関の職員を初め、必要な委員の参加を求める等の措置を講ずることによりまして、水質保全対策が後退することのないように努力していくことにしております。 水質保全全般につきましては、最近都市内の中小河川あるいは湖沼、内湾、内海等の閉鎖性水域での水質が環境基準の達成率が依然として低いという状況にございますので、なお今後とも改善を要する点が多いというふうに判断をしております。 また現象にいたしましても、水域の富栄養化に伴います赤潮、アオコ等の発生の問題など、水質汚濁問題は複雑化している状況にございます。これら水質汚濁に対します対策といたしまして、これまで公害対策基本法に基づきまして環境基準を設定し、これを維持、達成いたしますために排出水の排出の規制、下水道の整備、各種開発計画の事前の環境評価、あるいは水質の監視測定体制の整備、調査研究の推進等を行ってきたところでございますが、今後はこれらの施策を総合的に推進することとあわせまして、特に湖沼の水質環境保全対策の推進、富栄養化防止対策の推進、あるいは閉鎖性水域における総量規制の実施などに重点を置き施策を進めていきたいというふうに考えております。
○内藤功君 官房長官にお伺いしたいんですが、いわゆる豊田商事の問題です。これは純金ファミリー契約という契約で、私は被害者の方からいただいたコピーをここに持っておりますが、大体お年寄りをねらう、定期預金を解約させて何百万円取る、豊田商事が契約者に対して純金を販売して、その純金を契約者が豊田商事に賃貸する、豊田商事が契約者に賃貸料を払うということを骨子とする、そういう内容であります。 私はきょうは、この内容を深くここで追及するのは別の機会に譲りますけれども、金(きん)を所有してない、購入も保管もしてない。金(きん)はここにはないがスイスやアメリカの銀行に預託している、こんなことを申し向けて金(かね)を集める。私の調査によると、この豊田商事というのは全国至るところ調べても銀行預金は一銭もないんですね。そういうふうなところであります。けさの新聞報道によると、この会長なる人は商売には道徳は不必要だと、こう開き直っているといいます。個々の弁護士は仮差し押さえをやったりいろいろ努力していますけれども、そういう個々の努力だけじゃどうしようもないところへ来ている。通産、経企、法務、警察それぞれやっていますけれども、これは内閣全体として官房長官が取り仕切ってこの調整をやる、統一的な政策に真剣に取り組むという姿勢をひとつお示しいただくべきじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 事実関係でもし必要がありますれば後から、政府委員が参っておりますので詳しく説明する必要があればお答えをいたしたいと思いますが、金(きん)などの現物まがい取引に対する対応につきましては、消費者保護の観点から、昨年の十一月二十日に消費者保護会議で決定をいたしまして、不法事犯の取り締まりの強化など各種法令の厳格な運用を行うこと、また随時迅速な情報提供を行うことなどを決定いたしまして、関係省庁連携のもとにその実施に努めてきているところでございます。 今回の豊田商事問題につきましては、大きな社会問題となっておりますことから、政府といたしましても可能な限りの対策を講じていかなければならぬ、このように考えておるところでございます。具体的にはその対策といたしまして、現在関係六省庁、経済企画庁、公正取引委員会、警察庁、法務省、大蔵省及び通産省で会議の場を設けまして鋭意対策を検討中でございますが、今委員から御指摘がありましたように、特に老人に対する働きかけというようなことが今回の問題の非常に大きな部分を占めておるということもございまして、特に老人に重点を置いた啓発活動に取り組んでいかなければならぬ、そんな協議を進めておるところでございます。いずれにいたしましても、非常に社会問題化いたしております中で、政府全体としていろいろ連絡を取り合いながら取り組んでいくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○内藤功君 鋭意取り組んでいただくことを要望いたします。 ちょっと質問を行革審の事務局にお願いをしたい。 行革審の内閣機能等分科会が六月中旬に報告書を提出されるというふうに伝えられておりますが、いつごろ提出される御予定か、またその内容の骨子は現在のところどの程度まで詰められておるか、それを伺いたいと思います。
○政府委員(山本貞雄君) 内閣の総合調整機能の問題につきましては、行革審におきまして内閣機能の問題及び緊急事態対処の問題につきまして分科会を設けまして現在検討中でございます。分科会におきましてはこの二つの問題につきまして、来週をめどに審議会に御報告をしたい、そして審議会といたしましては、今後他の問題とあわせまして週三回ペースで審議を行いまして、七月中をめどに政府に答申を御提出したい、このように考えております。
○内藤功君 私、前回の委員会でも質問したんですが、その内容として人事院の基本的な権限、特に人事に関する諸権限ですね、等級別の査定権限、研修、任用の権限を含むこういう権限についてのお取り扱い、そういうものを報告書の中に織り込むかどうかという御議論があったやに私は伝え聞いているんですが、今おっしゃった来週提出見込みの報告書の中にはこれは含まれておるんですか、おらないんですか。
○政府委員(山本貞雄君) 分科会におきましては、政府の要請並びに臨調答申の趣旨を踏まえまして内閣機能の問題を検討中でございますが、その中には内閣機能の総合調整の一環といたしまして、人事管理のあり方に関する問題も検討の中に含まれております。現在審議中でございまして、来週中をめどに分科会報告を御提出する予定でございますが、現段階におきまして具体的にどのような結論に達するかということにつきましてはいまだ結論には達していない、そのような状況でございます。
○内藤功君 非常に重要な問題ですので、前回も私はこの委員会で私見を述べておきましたが、人事院が各種の政治的な圧力から独立して、人事行政の専門技術性の要請に応じて、かつ公正に行われる、こういう必要から現在の諸権限は法律によって定められておるのであります。その意味で人事院の独立性が保障されなければならない必要は非常に大きいと思います。私はそういう意味におきまして、この人事院の諸権限の他への移譲というような伝えられる問題については強く反対する意向をここで表明しておきたいと思います。まだ内容が未確定だというので、この点はこれにとどめておきます。
○委員長(大島友治君) 時間になりますので簡明に。
○内藤功君 最後に官房長官にお伺いしたいんです。 本法案は、参議院について言いますと、内閣委員会はもちろんですが、内閣委員会初め七つの委員会に本来またがる内容を持つ法案なんです。今質問した水質審議会の問題一つとっても、非常に小さな問題のように見えますが、これだけの論議があります。私より専門の方がやればもっと深く論議があるでありましょう。各常任委員会、特別委員会はそれぞれの経験と蓄積を持っており、委員会中心の運営というのが今日の国会法のもとでの議会制民主主義の骨格をなすものだと思います。もちろん内閣委員会は、付託された案件について充実した審議を尽くすのは当然でありますけれども、本法案の審議に限って言えば、これは内閣委員会を初めとするそれぞれの所管の委員会に分けて十分に審議を尽くす方がよりベターであったと私は思うんです。国会全体、国民全体の立場から見てそのように思うわけです。私は、今後もこういう同じやり方が繰り返されるということは、議会制民主主義のあり方から見て非常に問題をはらむのじゃないかということを実は憂うるわけです。 官房長官においては、各会派一致の賛成法案という場合は格別でしょうが、大きな論議のある、特に反対のある法案については、今後かようなやり方については十分に慎重に対処するという御配慮を官房長官のお立場にある方としてはされるべきじゃないか、私は率直にこういうふうに意見を申し上げておきたいと思うんです。要望申し上げておきたいと思うんです。いかがでございますか。
○国務大臣(藤波孝生君) 政府は国会を何よりも大事な御審議をいただく場所として考えておりまして、その国会の中でそれぞれ常任委員会がありまして適切に御審議をいただくという機会を得ることを非常に大事に考えてきておるところでございます。 ただ、今回の法案につきましては、法案に盛り込まれております各事項を見てみますると、一つは地方公共団体の事務に係る整理合理化事項であること、また地方行革の一環としての臨調答申、行革審の答申の推進にかかわる事項でありますことなど、非常に趣旨、目的が共通をいたしておるということにかんがみまして、むしろばらばらに御審議いただきますよりも、これを一本にまとめて焦点を合わせていろいろ御審議をいただくということの方が効率的ではないかと、こんなふうに考えまして法案を取りまとめた次第でございます。地方行革の一環としての国の関与等の整理合理化措置を総合的に把握して御審議をいただくというようなお立場で、ぜひ深い御理解をいただきまして、御審議の上、御可決をいただきますように心からお願いを申し上げたいと存じます。 なお、ただいま委員が御指摘になられました国会の常任委員会等のそれぞれ権能を大事にするようにということにつきましては、今後法案を取りまとめます際に十分頭に置いて進めていくようにはいたしたい、このように考える次第でございます。
○柄谷道一君 地方公共団体の人件費は、言うまでもなく、定員と給与の総和でございます。私は前回、地方公務員の数の適正化の問題について、一昨日提言を含めて質問いたしましたので、本日は給与についてまず自治省にお伺いいたします。 不適正な給与制度を改めて、住民が納得できないような高い給与水準を是正するために自治省が何回か通達を流して指導しておられることは承知しておりますが、余り実効は上がっていないと残念ながら受けとめざるを得ません。そこで我が党は、今国会に地方公務員の給与の適正化に関する臨時措置法案を提出いたしております。これは給与等の公開、給与の適正化に関する自治大臣の勧告、給与適正化計画の決定と報告、公開、財政措置等の法制化を目指すものでございます。これに対しまして一部に、地方公務員給与の自主決定権を奪うということは地方自治の本旨に反し、財政措置は地方自治体の財源調整、財源保障の機能を否定するものではないかという議論があると聞いております。しかし私は、地方公務員法はその給与決定の根本基準として職務給の原則、均衡の原則及び条例主義の原則を定めております。我々の適正化法案は、一部の地方公共団体においてこれらの根本基準に合致しない給与制度運用が行われている場合その給与の適正化を図ろうとするものであって、何ら地方自治の本旨に反するものではない。また一時的には給与等の公表を通じ給与が住民、議会によって是正されること、すなわち地方公共団体の自律的機能の発揮による是正を期待するものであって、このような是正機能が有効に発揮されないような事態に至った場合に限り初めて自治大臣が権限行使する余地が出てくる。したがって、国が関与するのは二次的なものであって、かつ不適正な制度を是正し得ない等やむを得ない場合に限られておる。したがって地方自治の精神に反するものではない。このような認識を我々は持っているわけでございます。法案は国会において審議されますが、今私の述べました基本的な認識について自治省はいかがお考えでございますか。
○説明員(池ノ内祐司君) ただいまお話ございましたような考え方、つまり現行地方自治のもとにおきまして給与の著しく不適正な団体につきまして適正化をするための特別措置を講ずるということにつきましては、現行地方自治のもとにおきましても立法措置で可能であるというふうに私どもは考えております。しかしながら、先ほどお話ございましたが、私どもといたしましては、現在の段階におきましては、給与の指導の強化というような方法によりまして給与の適正化を進めてまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 行政指導によってと言われたんですが、納税者である住民が求めているものは、あくまでも当該地域における民間準拠という意識が強いわけでございます。中小零細企業の多い地方の自治体では、それが仮に国並みであっても、地元民間企業に比べれば給与水準が上回っているという場合が多いわけでございます。例えばこれは新聞報道でございますが、自治省の地方公務員給与実態調査で島根県庁職員の平均給与は、これは本俸でございますが、月額二十四万四千六百円、これに対して県内民間企業の平均給与は諸手当込みで十九万二千二百円。ところが、県人事委員会はこれでも県職員の方が九千三百円安いという結論を得て五十九年度のベア六・四%を勧告した、県民感情を逆なでしているという報道がなされているわけでございます。 私はきょう島根県の是非を問うわけではございませんが、こうした例を見ますと、人事委員会の調査の仕方、民間との比較の仕方にも問題があるのではないだろうか。行革審は昨年七月二十五日に、「人事委員会は、当該地方公共団体の職員の給与水準と国家公務員及び民間事業の従事者の給与水準を的確に把握し、それに基づいて給与勧告を行うべきであること」、その際いわゆる公民較差について、すなわち地方公務員と民間との賃金比較を住民に明らかにすべきである旨を指摘いたしております。自治省は行政指導によって云々と言われたわけでございますが、人事委員会の対民間比較の調査のあり方、比較方法を地域の実態に合ったものにするように具体的な基準を示して指導する、それが行政指導のまず第一歩ではないか、こう思うんですが、いかがですか。
○説明員(池ノ内祐司君) 地方公務員の給与につきましては、御案内のとおり、一貫いたしまして国家公務員の給与に準ずるということを基本といたしまして、あとは民間の給与であるとかあるいは組織規模等を勘案して決定すると、こういうことで指導してまいっておるところでございます。したがいまして、人事委員会を設置しております団体、都道府県、指定都市でございますが、におきましては、毎年国の人事院と同様に各人事委員会におきましてそれぞれの団体の給与とそれから民間の給与の比較をするわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、一部の団体におきましては民間の給与、いわゆる公民較差というふうに申しておりますが、公民較差とそれから人事院の実際にする勧告の率というものが必ずしも一致しておらないという状況がございます。その原因としましては、ただいま申し上げてきましたように、基本的には国家公務員の給与に準ずるという面からそういう団体もあるのではないかと思います。しかしながら、一般的なお話で申し上げますと、ただいまお話ございましたように、給与の勧告に当たりましては、公民較差それから国家公務員との較差というものを的確に把握する、それに基づきましてあるべき給与水準を設定いたしましてそれぞれ勧告するように、しかもその内容につきましては住民の前に明らかにするように、こういうような観点に立ちまして、毎年人事委員会の事務局長等の会議がございます、そういう会議におきまして現在指導をしておるところでございます。
○柄谷道一君 官房長官にお伺いいたしますが、指導しておるところである、そういう答弁から一歩も出ないんですけれども、的確な調査が行われておればこのような新聞報道がなされるはずがないんですね。仮に民間に比べて低いのか高いのか、その問題については住民がわかるように公表すればいいことでございます。 私は行革を推進していくために、一昨日もいろいろ指摘したんでございますが、臨調答申、行革審の意見等を受けて、何も私は低ければいいという考えではございませんが、住民の納得できる給与水準の確立というために、これは自治省だけの問題ではなくて、政府全体が真剣に取り組んでいかねばならぬ問題であろうと、こう思うのでございます。御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(藤波孝生君) 従来も臨調あるいは行革審などのいろいろな意見を受けましてそれぞれ推進をいたしております事柄は、それぞれ関係省庁が責任を持って進めておりますことでも、政府全体の方針としてただそれぞれの諸官庁で窓口になって推進している、こういう考え方できておると心得ておるところでございます。この問題につきましても、全国それぞれいろんな事情がございます。それらの中で住民の納得のいくように政府として適切に指導していくということは非常に大事なことかと、このように考える次第でございます。当然政府全体が推進しているという構えの上に立ちまして、それらの意を受けて自治省が窓口になって強力にこれを指導し推進していくという構えのものではなかろうかというふうに考えておりまして、今後とも自治省を中心にいたしましてさらに強く指導していくようにいたしたい、このように考える次第でございます。
○柄谷道一君 決意や姿勢だけではそれで十分と言えるわけじゃなくて、いわば実効が上がらなければ何もならないわけでございますので、ひとつ十分行政の強化を願いたい。 そこで、次に私はしばしば公益法人の改革について本委員会で取り上げてまいりました。昭和四十六年の十二月に時の行政管理庁で公益法人の指導監督に関する行政監察を行いました。そしてそれを受けて勧告いたしておりますが、「公益法人の会計経理に関する事務処理の基準を設け適切な指導を行なうことについて」という中の項目で、「公益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業から生ずる所得に関する経理との区分経理の具体的要領など、会計・経理に関する事務処理の基準を示し、的確な指導を行なう必要がある。」、これが勧告内容でございます。これを受けて、政府は五十二年三月に公益法人会計処理基準に関する各省申し合わせを行っております。にもかかわらず、本日の新聞報道によりますと、日本科学技術振興財団が五十七年から五十九年にわたって公益事業と収益事業の経理区分が十分でなかったために一億円の申告漏れを生じたということが大きく社会面をにぎわしております。まことに遺憾と言うほかはございません。私は官房長官として各省庁がそれぞれ所管する公益法人において二度とこのような不祥事が生ずることがないように行管庁の勧告、これを受けての各省庁申し合わせが厳正的確に実施されるように督励する必要があると思いますが、官房長官の御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 公益法人につきましては、本来の公益事業については非課税とされ、収益事業についてのみ課税されることとなっておるわけでございます。このために公益法人の経理について法人税法施行令第六条に基づきまして収益事業とこれ以外の事業を区分することとされております。また収益事業の範囲については、施行令第五条により三十三の事業が定められておりまして、これの執行については各公益法人において厳正に経理する必要がございます。‐ なお、公益法人会計基準は公益法人の会計についてそのよるべき基準を定めたものでありまして、昭和五十二年に公益法人監督事務連絡協議会におきまして申し合わせを行い、昭和五十三年度から各省庁において指導に努め、実施を促進しておるところでございます。 今御指摘のように、今般の日本科学技術振興財団、いろいろこの経理の取り扱いについて、これは意識的にやったものではないというふうに思いますけれども、基準に照らして経理事務をやるということについて稚拙な点がありますことを内外に示したものというふうに考えておりまして、まだ最近の事件でございますので詳しく聞き取っておりませんけれども、非常に遺憾なことだというふうに考えておるところでございます。 公益法人の取り扱いにつきましては、国会におきましてもいろんな角度から再三御質疑をいただいてきておるところでございますので、例えば休眠法人の扱い方などにつきましても、政府部内で厳正に対処するようにと最近特に注意をいたしまして、関係省庁の各担当官を集めまして指示をいたしてきておるところでございますが、六月十日に設けました公益法人指導監督連絡会議の場を通じましてこれらの経理の扱いにつきましても強く指導をいたしまして、今後二度とこのような間違いの起こらないように指導をしてまいりたい、このように考える次第でございます。
○柄谷道一君 次に、特殊法人は本来行政機関の持つ公共性また民間の企業の効率性、この双方の特質を兼ね備えたものとして設置されたというのがその趣旨であろうと思います。ところが、現実には逆に双方の悪い面を兼ね合わせたものになっているのではないかという批判が行われているところでございます。私は、行政改革を推進する上で特殊法人の改革は今後避けて通れない重要課題であると認識をしております。したがって、臨調もその答申で指摘し、政府もこれを受けて五十九年一月二十五日の閣議決定で特殊法人の統廃合の方針を定めておられます。その進捗状況が余りよくないと思うんでございますが、どの程度進んでいますか。
○政府委員(古橋源六郎君) 今御指摘のとおり、臨調答申におきましては、特殊法人の統廃合につきましてまず四件について指摘をいたしております。国立競技場と日本学校健康会との統合、それから国立教育会館と他の教育研修機関との統合、それから医療金融公庫と社会福祉事業振興会との統合、それから四番目に農業信用保険協会、林業信用基金及び中央漁業信用基金の統合でございます。そのほか既に五十五年行革のときに日本鉄道建設公団、それから日本原子力船研究開発事業団、東北開発株式会社、それから沖縄電力株式会社についていろいろな政府としまして統廃合の方針を決めておりますけれども、これにつきましても、臨調答申は着実にそれをやるようにという御答申をいただいております。 そこで、今委員御指摘のように、政府は行革大綱におきましてこれについての対処方針を決定したところでございますが、現在までのところの実施状況について御説明申し上げますれば、国立競技場と日本学校健康会との統合につきましては、今国会に統合法案を提出しているところでございます。今衆議院におきまして御審議をお願いしておるという段階でございます。医療金融公庫と社会福祉事業振興会との統合につきましては、昭和六十年の一月一日にこれは社会福祉医療事業団として統合いたしまして発足済みでございます。それから日本原子力船研究開発事業団につきましては、昭和六十年の三月三十一日に日本原子力研究所に統合したところでございます。また民間法人化を指摘されました日本自動車ターミナル株式会社につきましては、これは関西国際空港株式会社を新設するときにスクラップ・アンド・ビルドの原則から廃止いたしまして、民営移行をいたしまして既に措置をいたしました。 その他の法人につきましても現在それを推進中でございますが、具体的な点について若干申し上げますれば、国立教育会館につきましては、そのあり方について検討を進め、昭和六十一年度予算編成時を目途に結論を得ることとしております。それから林業信用基金等の三法人につきましては、昭和六十一年度を目途に統合を図るため条件整備を進めるという閣議決定をいたしておりますし、東北開発株式会社につきましては、昭和六十一年度までに民営移行すべく五十七年の十二月に民営移行計画を策定しておりまして、現在国土庁において検討中でございます。それから沖縄電力株式会社につきましては、早期に民営移行すべき地元の意向を踏まえまして今通商産業省において検討中でございます。また日本鉄建公団につきましては、青函トンネルの本体の工事完了時点、今私どもの伺っておるところでは、昭和六十二年度というふうに伺っておりますけれども、その時点において他との統廃合を図るべく運輸省において検討しているというところでございます。
○柄谷道一君 ぜひ強力に推進を願いたい。 ただ、そういう統合ばかりでなくて、特殊法人は国から膨大な融資や補助が行われております。したがって、その会計処理は当然のことながら適正かつ明瞭であることが要請されるわけでございます。ところが、総務庁が調査して昨年十一月二十九日に特殊法人の会計処理基準の標準化に関する調査結果を発表されておりますが、それによると調査対象法人の三分の二が利益を各種引当金に内部保留したり、本来発生しない費用や収益を計上しているなど、民間企業では考えられないようなずさんな利益隠しの実態があったと指摘し、これが新聞に報道されているわけでございます。私は、公益法人の経理処理の各省申し合わせによる厳正な仕組みの確立とその実施とともに、特殊法人についても総務庁の調査結果を受けてその是正が急がれなければならない、こう思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(竹村晟君) 特殊法人の会計処理の問題につきましては昨年の十一月末に関係省庁に勧告をしております。その内容は、特殊法人の会計は企業会計の基準を適用することを基本といたしまして、わかりやすい財務諸表を作成すること、それからただいまも御指摘がありましたけれども、諸引当金の計上あるいは減価償却の適切な計上というふうなこと、要するに会計処理を適切にやってくれということです。それからもう一つは財務諸表を公表するというふうな内容で、その改善措置をとるように求めております。これらの措置を講じまして特殊法人を通じます会計処理の標準化を図る。それからさらにその状況を踏まえまして特殊法人の会計処理基準を策定するということを内容として勧告しております。この実施に当たりましては、各省に関係することもありまして、特に大臣から閣議で御発言をいただきましてその促進方をお願いしております。 私どもの方といたしましては、勧告の推進につきまして、まず関係省庁から勧告に基づく改善措置状況についてその回答をいただくことにしております。現在それをやっておるところでありますが、回答をいただく過程でさらに改善を推進するということをしております。さらにその状況を見まして適当な機会にその後の改善措置の状況を求める予定にしております。こういったことを通じまして改善を促進したいというふうに考えております。
○柄谷道一君 官房長官、勧告を行った、そして今その回答を求めておる、これは総務庁として当然の職掌でございますから、これも政府が本気になってその勧告というものが完全に実施されるように各省庁を督励するという強い姿勢がないとこの是正はなかなか難しいと私は思うのでございます。この点につきましても、これは私の意見として申し上げておきますが、それはもう総務庁の仕事だというような姿勢ではなくて、政府全体が各省庁を督励してこれに向かって真剣に取り組むという姿勢をぜひお示しいただきたい、これは要望いたしておきます。 次に、特殊法人の天下りの問題でございますが、これも国会で何回も議論されており、また政府も五十四年十二月十八日の閣議了解を決定しておるわけでございますが、その役員の選考基準について、民間人の起用の促進、役員のたらい回し的異動の排除、長期留任の抑制、閣議了解は極めて当然のことを書いているわけでございますが、なかなか閣議了解が完全に守られていない、こういう実態だと思いますが、これに対する対応の姿勢を改めてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 特殊法人の役員の選考につきましては、今委員が御指摘になられましたように、五十二年十二月の閣議決定及び昭和五十四年十二月の閣議了解によりましてその運用を図ってきておるところでございまして、随分厳しくこれは取り組んできております。 そういうことから少し時間をいただきまして例を申し上げたいと思いますが、まず国家公務員出身者、いわゆる天下りと言われておるものにつきましては閣議了解で、「国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者」の数を全特殊法人常勤役員数の「半数以内にとどめることを目標とする。」ということになっておりますが、国家公務員出身者は昭和五十五年一月には常勤役員七百八十八人のうち四百六十七人でありまして、この数は約六〇%でございますが、本年四月には常勤役員七百八人中三百七十九人で五三・五%に減少いたしておりまして、ほぼ目標に到達しているというふうに考えております。 また、たらい回し的な異動と俗に言われておることにつきましては、閣議了解で、たらい回し的異動は原則として行わないこととし、真にやむを得ないものについても一回限りとするということになっておりますが、このような異動は昭和五十五年一月、三十二人ありましたものが本年四月には二十三人と九人の減少になっておるところでございます。 高齢者の問題につきましては、閣議決定で、「高齢者の起用は努めて避ける」、役員の在任は原則として理事クラス六十五歳、総裁、副総裁クラス七十歳に達するまでを限度とするということになっておりまして、それぞれ役員人事のあります季節になりますと、これら非常に厳正にこの基準が当てはまるかどうか、違反しないかどうか、よほど特殊な例でなければこの規定に反することはできない、こういうふうな態度で取り組んできておりまして、高齢役員の数は、昭和五十五年一月、三十四人でありましたものが本年四月には十九人と十五人の減少になっておるところでございます。 また、長期留任の役員につきましても、閣議決定の線で非常に努力を進めてきておりまして、昭和五十五年一月には六十二人でありましたものが本年四月には十七人と四十五人の減少になっておるようなことでございます。 特殊法人役員の人選につきましては、以上少し時間をいただいて申し上げたとおり、それぞれ厳正に閣議決定の線に沿うかどうかという審査をいたしまして取り組んできておるところでございまして、まだ胸張って物言えるようなことではありませんけれども、今後ともこの特殊法人の役員人事につきましては十分留意をいたしまして、閣議決定の線に沿うように努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○委員長(大島友治君) 時間になりましたので簡明にお願いします。
○柄谷道一君 あと数間予定しておりましたがあと一問だけにします。 それは臨調以前の五十四年十二月二十八日に、政府は「日本鉄道建設公団については、上越新幹線及び青函トンネルの本体工事が完了した時点(昭和五十八年度)において、他との統合等を図る。」、閣議決定でございます。既に上越新幹線は開通し、青函トンネルも完通したわけでございますから閣議決定は当然守られるべきものと、こう思いますけれども、運輸及び官房長官の簡潔な御意見をお伺いして質問を終わります。
○政府委員(中島眞二君) 御指摘のとおり、「他との統合等を図る。」ということになっておりますが、六十二年度の青函トンネルの完成の時期に合わせまして、それまでの間で鉄道建設に対します今後の需要の動向なり、それから公団が現在保有しております鉄道建設技術の承継を具体的にどうやっていくか、それから公団の職員をどうするかということ、また国鉄の経営形態等について現在、再建監理委員会において検討が進められておりまして、近く国鉄経営再建の答申が出されることになっておりますが、そういうものとの関連など多角的な視点から判断すべきであるということで、こういう点を踏まえまして現在検討をいたしているところでございます。
○国務大臣(藤波孝生君) 運輸省の検討を待って対処いたします。
○委員長(大島友治君) それでは、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
○穐山篤君 締めくくりに当たりまして若干の質問を行いたいと思います。 最初は行政の果たすべき役割、国と地方の間の機能あるいは費用の分担の問題であります。 さきの補助金特別委員会でも特に指摘をいたしましたが、最近、国と地方との間の機能分担について抜本的に見直しをすべきではないか、こういう意見が非常に強く出ているわけであります。政府側の答弁としましても、補助金問題に関連しまして三大臣の覚書に基づいて見直しを行いたい、それも年内に行いたい、そういう答弁があるわけですが、これは単に三大臣という狭い範囲でなくして、もっと大きい国と地方という広い舞台で見直しをすべき段階に来ているというふうに考えますが、総理、その点についてどういう認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中央と地方の関係の調整につきましては、臨時行政調査会及び現在の行革審設立以来つとに検討していただいてきているところであり答申もいただいております。 なお、現在は行革審におきまして、国と地方との費用分担あるいは事務事業の分担の再点検をやっていただいております。機関委任事務であるとか権限移譲であるとか、そういう点についてやっていただいておりまして、その答申をいただきましたらさらに一歩前進した措置をとっていきたいと考えております。 私は、行革の精神というものは中央集権から地方分権へ、あるいは官治行政から民の方へ力を移行さしていく、そういう方向で一つの基準ができていると思いまして、そういう方向は正しい方向であると思ってこれを支持しておるものでございます。
○穐山篤君 基本的には総理の考え方は了解ができます。 さてそこで、具体的な検討に当たっての問題でありますが、国と地方と言えば車の両輪であるし、信頼関係がなければならぬと思うんですね。ところが最近、地方行革でいきますと、すぐ高い給与の是正であるとか、機構の縮少、議員定数の削減、民間委託あるいは事業の抑制というふうに、どちらかといいますと消極的に短絡しやすい傾向を持っているわけであります。 私は、前回も申し上げましたが、最近の地方公共団体の町づくりというのは従来の考え方から随分変わってますね。例えば生きがいのある町づくりと典型的に言われておりますように、かなりその方向が変わってきています。歴史的に言いますと、新産業都市づくりの当時から見ますと、最近はテレトピアであるとか、あるいはテクノポリス構想というふうに、産業もあるいは研究機関も居住地も、総合的になおかつ自然環境なり文化環境を十分に維持しながら町づくりをしようと、こういうふうに積極的に変わってきているわけです。 そこで、総理に念を押したいと思いますのは、補助金の一律カットのときのような手法でなくして、地方自治体の意見を上から聞くんじゃなくて対等の立場で十分意見を聞く。それから地方が意欲をなくするような規制をしたり制限をするようなことは絶対に避けてほしい。あるいは失望するようなことは避けてほしい。また場合によりますと、大きな基本的な問題で国と地方公共団体と意見の違いがあります。その食い違いをそのままにして中央で押しつけるようなことがあったんではこれは本来の趣旨にもとると思うんです。この進め方の点についての総理の考え方をもう一度お伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 憲法によりまする地方自治の本旨に基づいて、地方公共団体の仕事は地方公共団体住民が自主、自律的に行うというのが原則であると思います。 国の仕事につきましては、機関委任とかそういうことで中央からお願いをしてやっていただいている。そういう関係にありまして、主体性は、あくまで住民の意思というものが中心に動いていくものではなかろうかと思います。中央におきましては、全国的な水準を維持するとか、あるいはアンバランスを是正するとか、そういうような意味でいろいろな仕事もやっておりますが、それは必要最小限にとどむべきものである。一言で申し上げれば、身の周りの仕事は身の周りのところでやってもらうという精神が原則的に正しいと、そう思いまして、そういうような考えに立ちまして今回の行革審の答申をいただきましたら積極的に努力してまいりたいと思う次第でございます。
○穐山篤君 今の話に続いて、今総理は地域住民のところまで話を持っていきましたのでよもや心配はないと思いますけれども、国と地方の機能分担、費用分担を検討する際に行政の主体ということが常に議論になろうと思うんです。従来は国あるいは地方、あるいは国、地方公共団体というだけである意味では整理ができたわけです。ところが、最近の状況を考えてみますと、その上に公社、公団というふうなものも行政のパートナーとして非常に大きい役割を持っているわけです。それから時代の趨勢、変化に応じて最近では第三セクターという問題も新たに脚光を浴びてきたわけですね。加えて民間活力という意味で民間事業者という大きな集団があります。さらに民間委託という関係も出ているわけです。民間委託は行政そのものではありませんけれども、最近の地方公共団体の行政内容を見ておりますと、行政のパートナーとしてかなり大きなウエートを持ってきているわけです。したがって、この機能の見直しなり費用の分担を検討する場合に、単に国と地方公共団体という狭い範囲でなくして、今私が申し上げたところまでスペースを広げて検討していただけないだろうか、またそうしないと問題をさらに残してしまう。こういう感じがしますが、その点いかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) おっしゃいますように、国と地方公共団体とそれから民間あるいは住民、そういう総合的に眺めて行うことは正しいと思います。
○穐山篤君 今総理が言われましたことにつきまして、内閣委員会側としては十分総理の今の御答弁を整理して、後ほど決議で政府に要望したいというふうに申し上げておきたいと思います。 次の問題は、大幅に会期を延長しました第百二国会もあと十日余りになってまいりました。言ってみますと、百二国会の最終の段階であろうというふうに思いますが、総理、百二国会、まだ早いとは思いますけれども、翻ってみて御感想をひとついただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) まだ法案を通すために全力を注いでいる最中でございまして、感想などを申し上げる余裕はございません。
○穐山篤君 それでは最終段階に問題になっております課題について総理の考え方を伺いたいと思うんです。 御案内のように、与野党幹事長・書記長会談におきまして合意した問題があります。それは減税であります。それから休日・時間短縮、政治倫理なのであります。これは単に国会の論議ということもさりながら、国民はこの行方を非常に注目しているわけです。今日までのところ、この休日・時間短縮の問題につきましてはある程度与野党の合意が整う段階になってまいりました。ところが、残念なことでありますけれども、政策減税、所得減税、政治倫理の問題について、最終段階に至ってもまだ十分な合意が得られない。得られないというよりも、まだそこまでの段階に至っていないという状況にあるわけでありまして、まことに残念であります。 特に申し上げますと、政策減税は今国会中に実施規模、方式を決定するよう政調・政審会長会談で協議し、次期国会の冒頭に処理する、こういう合意がなされているわけでありますが、依然としてこの政策減税や所得減税について政府・与党側の態度が消極的であります。政治倫理についても同様であります。非常に残念至極に思うわけでありますが、総理、総裁として、この段階でどう善処されるのか、その決意についてお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) いずれにつきましても与野党間で合意を形成するべく、我々の方の代表、専門家も今懸命の努力をしておるところで、成果を生むように私も努力いたしたいと思っております。
○穐山篤君 念を押しておきたいと思いますが、総理はよく予算委員会あるいは本会議でも減税をやりたいということについて非常に熱意を吐露されております。我々もその真意を十分に受けとめたいと思いますけれども、なかなか抽象論です。簡素、公平、選択、活力というふうな何か意味がありそうでなさそうな言葉を羅列しているわけです。国民は、いつ、どの程度のものが、どういう内容でということをすぐ問うわけであります。そういう点からいいますと、まだ政策減税及び所得減税についての政府・自民党の行動は積極的でない。意欲はわかるような感じはしますけれども、意欲だけでは、これはなかなか政治としては効果は出ないわけであります。その点についてもう少し突っ込んだ総理の見解をお伺いしておきたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 意欲は大いにあるのであります。ただ、どういう段取りでやっていくかという点につきましては、国会でも申し上げましたように、議会が終わりましたら、適当なときに大蔵省や党とも相談して、いずれ政府税調あるいは党税調に諮問するとか、何らかのそういう行動に出るようにいたしたい。そこでいろいろ案を練っていただき、国民の声も聞いていただく。その前に、この国会で行われました与野党の議論をつぶさに税調に知らせまして参考にさしていただく。そういうような段取りを終えまして、逐次成案を得るように努力していきたいと考えております。
○穐山篤君 政治倫理問題についての取りまとめについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点につきましても、今、党内の諸機関を動員いたしまして懸命の努力をいたしておりまして、与野党の合意が形成されるように一生懸命努力してまいりたいと思っております。
○穐山篤君 きょう現在、第百二国会に提出されました法律案は八十四本のようでありまして、既に成立、処理された法案は六十三本。法律案だけで言いますと打率七五%であります。まだ審議は継続しておりますし、会期もまだ若干残っているわけでありますが、予算審議の段階以降に内需の拡大、貿易摩擦に関する諸問題の論議、さらには減税というふうないろんな角度からの論議がありまして、一部ではありますけれども、今月二十五日で会期が切れましても、いずれ臨時国会は開くであろうなという声もあるやに聞くわけであります。総理は、どういうような条件、環境の際は臨時国会召集ということをお考えになるんでしょうか。その点についてお伺いしておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今国会における法案の審議の結果あるいは秋におけるいろんな答申に対する取り扱い、いずれ人勧等も出てくるだろうと思います。いろいろそういうものをすべて検討した上で開くか開かないか、そういう点を判断したいと思いますので、まだ条件が出ておりません。したがいまして、まだ白紙でおるという状態でございます。
○穐山篤君 まだ会期中てありますから、臨時国会召集の話はある意味から言いますと見識を欠くことになろうと思います。気持ちはよくわかるわけでありますが、どういうふうな条件が整備されれば臨時国会を召集するか。今総理は人事院勧告、国鉄問題というふうなことに限定をされましたが、もう少し立ち入った話はできないですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 通常国会会期中に臨時国会のことを言うのは不見識であると前から申し上げておりますが、ともかく通常国会に全力を注ぐべきでありまして、最後の最後の瞬間までそういう精神でやっていきたいと思っております。
○穐山篤君 わかりました。 次に、米国の対日防衛要求問題についてお伺いしますが、一つは加藤防衛庁長官が訪米しました。その訪米の状況につきましては御報告を受けていると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 詳細に受けております。 ワインバーガー長官等と会いまして、こちらの防衛に関する見解を伝え、先方の防衛に関する見解を聞き、いろいろ意見交換を行った、極めて有益な意見交換であったというふうに考えております。
○穐山篤君 報道によりますと、加藤防衛庁長官とワインバーガー国防長官の会談が友好的に行われた、こう報道されておりますが、その内容は二つあるというふうに言われております。日米防衛協力関係が良好な状態にあることを確認した。それから具体的なことで言いますと、シビリアンの交流を発展させることについて合意がされた。こういうふうにも報道されておりますが、総理はこの点は確認をされますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そのとおりでございます。
○穐山篤君 ワインバーガー長官が日本側に加藤防衛庁長官に注文した点も報道されておりますが、総理はどういうふうに受けとめているんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 注文がましいことは言っておりません。ただ、先方の関心事項に関する若干の話はあったというふうに報告を受けております。
○穐山篤君 関心があるといえば幾つかあるんでしょうけれども、国会の中で常に議論をされておりますのは、例の夜間離着陸訓練の飛行場の移設、移転の問題ですね。三宅島に持っていくか、いかないかというようなことが当委員会でも質問されたことがあるわけですが、この点について米国側からは強い要求が公式に出ておったんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 要求はございません。ただ、当方は三宅島を目指して懸命の努力をしているという状況を説明した、そういうことでございます。
○穐山篤君 加藤防衛庁長官は幾つかのことをお話になったようでありますが、報道によりますと、洋上防空について日本側は非常に真剣に検討しているというようなことが報道されておりますが、これも事実なんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆるシーレーン防衛という問題は、単に航路帯という話ではなくして、海峡から港湾から、あるいは周辺海域全般の警備活動等を含むものであります。その中には当然空の分における防衛というものも入っておりまして、現在のいろいろな作戦行動等を見ますと、航空優勢をとられた場合には甚だ防衛がしにくくなる、こういう状況でもありますから、航空問題というものも重要な分野である、そういうような発言はしておると思います。
○穐山篤君 今月の十一日、十二日の新聞、国内の報道機関によりますと、アメリカの上院の決議というものが大々的に報道されております。この内容について私どもとすれば、新聞報道でその内容、事実を確認する以外に方法がないわけですが、政府としては具体的にどういう情報なりを受けているのか、その点について確かめておきたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの上院においてあの決議が突如出てきたのに実は驚いたところでもあります。しかし、事ほどさように日本の防衛については、アメリカの上院において大きな関心を持っておる、その関心の表明である、そういうふうに解釈しております。
○穐山篤君 防衛庁側としては具体的にどういうことが上院で決議されたのか、この点を確かめておきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(栗山尚一君) 私ども外務省の方で入手いたしましたテキストによりますと、事実関係を申し上げますが、これは上院におきまして国務省の予算権限法案が審議されておりましたときに、その予算権限法案のいわば修正案という形で提案をされ、八十八対七ということで上院の本会議において一応採択されたという結果になっております。今後上院、下院の間でどういうふうに扱われるかということにつきましてはまだ決まっておりませんので、ただいまの段階でこれが最終的に国務省の先ほど申し上げました予算権限法の中にどういうふうに残るかということは、判然といたしません。 内容につきましてごく簡単に申し上げますと、前段におきまして、上院の議会の認識としまして若干のことを言っておりまして、その中におきまして、新聞で報道されておりますように、防衛計画の大綱の見直しでありますとか、五九中業の実施に関連いたしまして、継戦能力の向上を求めるとか、それから在日米軍経費の日本側の負担増を求めるというようなことが前段に書いてありまして、法案といたしまして、行政府に対して実質的な意味があるところは、後段におきまして、日本の防衛努力、防衛力の改善、それから具体的にはシーレーン防衛等の若干の項目につきまして行政府に対して毎年報告を求める。第一回の報告は、遅くも来年の二月一日までに報告を求める、そういう内容でございます。
○穐山篤君 最近アメリカの上下院のその審議の特徴を見ますと、防衛予算について六十億ドル上院の決議よりも下院の方が削減をしなさいと、こういう決議が行われておる。日本の衆参両院で言えば、両院協議会にかけなければならぬ、そういう状況が発生したわけですね。従来、防衛力増強のために費用がどんどんふえてきたのが、ことしのアメリカの議会では、政府の要求の予算よりも削減したという意味では、歯どめと言えるかどうかわかりませんけれども、特徴的な変化だなと、こういうふうに認識をしなければならぬと思います。 それから今回のアメリカの上院の決議でありますが、今総理は、突如とした印象が強いと、こう言われました。一般国民もそうでありましょう。ところが、加藤防衛庁長官が訪米中にこの決議がなされたというところに一つの意味があるわけですね。それから二つ目に、突如として出したものだとは言いながら、この内容を少し勉強してみますと、用意周到な準備のもとにこの決議が行われているわけです。三つ目の問題としては、外務省が言いましたように、三つの事柄が年度ごとに費用の問題まで具体的に決議をされているわけです。勝手な決議だと言えばそれまででありますけれども、この声明にもありますように、鈴木・レーガン会談の日米同盟から事が説き起こされているということを私ども十分注意しなければならぬというふうに思うんです。当時、鈴木総理大臣は本会議報告で、この日米同盟の中には軍事の側面は一切入っていないというふうに公式に答弁をされましたが、現実はそうではなく、軍事同盟であるということは依然として明白であります。 そこで、アメリカのこの防衛を考える立場と日本とでは全く立場が違いますね。アメリカというのは西側のリーダーであるし、常に仮想敵国を持っているし、現実に紛争の当事者の一方であるわけです。我が日本は憲法もきちっと持っておりますし、仮想敵国も、個人は別にいたしましても、国として持つような状況にはないわけです。アメリカと同じ次元で防衛力の問題を議論することが甚だナンセンスであろうと思うんです。 そこで、私は最後に意見を申し上げて総理の考え方をお伺いしたいと思うんですが、私が指摘しましたように、防衛に関する立場、見方、置かれた位置、全く違うわけです。そのことを同じ次元で物を考えるような米国に対して、改めて節度ある注文をつける必要があろう、こういうふうに私は思います。 それから二つ目には、これは明らかに日本に対します内政干渉であります。それは日本の国内において、あるいは政党それぞれ意見の食い違いはありますけれども、アメリカから具体的に期限をつけて予算の割合までも明示されたものを突きつけられたとするならば、これはもう内政干渉であります。 三つ目に言えば、これは日本国民に対する恫喝というふうに言わなければならぬと思います。 おどかされてまでもアメリカの言うなりにならなきゃならぬかということになりまと、第四の問題として指摘をしたいと思いますのは、せっかく我が党も含めて日米関係について良好な状態にしたいと思っているやさきにこういうものが出るということは甚だ遺憾であるし、けしからぬというふうに言わざるを得ないと思う。 私どもの党としては、この今回のアメリカの上院の決議につきまして不満の意を表せざるを得ない。総理は今いみじくも突如とした印象が強いと言っておりますが、私どもの研究からいうならば、用意周到な準備のもとに行われた、こういうことについても政府は十分に認識してもらわなければ困る、こういうふうに意見を申し上げ、これらについての総理の考え方を具体的に明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の防衛は日本の国民の意思において自主的に自立的に行うべきものでありまして、外国から干渉を受けるべきものではない、これははっきりしておりますし、我々はそういう考えに立って厳然として行っていくつもりでおります。ただ、アメリカにおきましては、バンデンバーグ決議がございまして、アメリカが援助を行う、軍事援助等協力を行うという場合には、相手方が自助の努力をする国でなければならない、そういう国会の定めがあるわけでありますから、そういう意味からも、税金を納めているアメリカの市民に対する関係においてアメリカの国会がそういう懸念なりあるいは考え方を表明したということは、議会の活動としてはあり得べきことでございます。それはそれなりに理解さるべきことであり、アメリカ側の関心の表明として私は受け取っておるところでございます。 国の独立と平和を守っていくという意味においては日本もアメリカも同じであります。つまり防衛の一つの基本的な大事なポイントにおいては、国家の存立を守っていくという意味においてそれは同じであると思っております。ただ、向こうの憲法とこっちの憲法は違います。日本は日本人の意思に従って自主的に国の防衛をやっていけばいいのである。しかし日米安全保障条約という条約を結んでいる以上は、憲法でも条約を尊重しなければならないと書いておるのでございますから、憲法に従って条約を尊重するという形で運用していくべきである、そう考えております。 アメリカ側における軍事予算については、三千億ドルの中の五十億ドルぐらいを削るという話ですから、日本の防衛費は大体百二十五億ドルぐらいです。アメリカのGNPの約半分ぐらいのGNPを日本は持っておりますから、防衛費に至っては三千対百二十五ぐらいのところで、いかにアメリカ国民が大きく負担しているかということがわかるし、逆に見れば、日本の防衛費は、世界的水準から見ると、一%にまだ至っていない、GNPの一%に至っていない。NATOの国でも、大体四%前後はいっておる、アメリカは六%、ソ連は一二%と言われております。そういう点から見ますと、日本の防衛費というものが割合に安上がりにいっているということは世界的に言えるのではないかと、そう思います。しかし、我々はあくまで日本の国情に沿って、そして自主的判断に立って、国民大多数の意向をよく考えて防衛をやっていくのでございまして、そういう点について外国の干渉がましいことを受けるというようなことは毛頭考えてはおらないつもりでおります。
○太田淳夫君 この法案の審議の最後に当たりまして、行革にも触れたいと思いますが、今同僚委員から質問のございましたところの米国の上院の決議案につきまして、総理からもいろいろと今お話がありましたが、これは非常に残念な遺憾なことだ、私もこのように思っております。総理からもいろんなお考えがございましたが、なお何点かお尋ねしておきたいと思います。 先ほど外務省からも上院の認識について四点ほど挙げられましたが、総理は上院が日本の防衛力につきまして非常に関心を持ち、そしてその表明であるというようなことでございましたけれども、関心はあったとしましても、この認識を見ますと、認識の程度が非常に低いんじゃないかという感じがするわけです。対政府間では加藤防衛庁長官が行かれまして、それぞれ友好的な雰囲気の中で話し合いが進められたのかもしれませんけれども、上院を構成されている方々は日本の現在の防衛力の増強のあり方あるいは日米間の協力の仕方、この四点を見ましても、我々としては認識が非常に低いんじゃないかという感じがしますが、その点外務省どうですか。
○政府委員(栗山尚一君) 上院の個々の議員が、我が国の基本的な防衛政策でありますとか、そういうものの背景にあります我が国の国情等につきまして必ずしも十分に理解をしていないという面は確かにあろうかと存じます。外務省といたしましても、在米の大使館等を通じ、あらゆる機会に個々の議員あるいはその議員のもとで実際にこのような決議案でありますとか法案を起草する、起案する立場にありますいわゆるスタッフの連中というものに対しまして常時接触いたして、機会あるごとに我が国の防衛努力ないし基本的な防衛政策というものについて正しい理解を得るように努めておるところでありますが、全体といたしましてまだ、そういう面においての認識と申しますか、理解が不十分な面があるということは事実であろうかと思います。
○太田淳夫君 総理、この決議によりまして日本政府に対していろいろな答弁を求めているわけでございますが、今後これによって日本へのいろんな防衛努力についての圧力がさらに強まってくるようなおそれがあるんじゃないかという心配もいたしておりますし、今回の決議案というものは日本における防衛力増強の不満、あるいは圧力をかけるというような一つのあらわれではないか、こういう感じもするわけです。せんだっても貿易摩擦につきましてここで決議がありまして、その後日本でもいろいろとその対応をしているわけでございますが、しかしこの問題につきましては、総理が今おっしゃった、防衛力増強というのは自主的にやっていくんだ、そういう外国の干渉を受けるべきではないというこの方針は貫いていくのか、その点どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本国憲法に基づきまして、日本の防衛に関することは日本国民の意思に従って自主的に実行してまいります。
○太田淳夫君 今後も防衛政策につきましては影響は何ら受けないという御方針で進まれる、こういうことでございますね。 ちょうど時期的には加藤防衛庁長官も訪米をされているときでございましたが、ここでいろいろと話し合いをされているようでございますけれども、その中で、伝えられるところによりますと、五九中業で大綱水準の達成をするんだ、あるいはレーダーシステムについてのいろんな話をされているようでございますけれども、かつて鈴木総理が訪米をされて、記者会見でシーレーンの発言をされたことが政府のこれは公約というふうにとられました。それと同じように、今回の加藤防衛庁長官の訪米によりますいろいろな話し合いのことはすべて中曽根内閣の公約である、このようにとられてくるんじゃないかと思いますが、その点どのようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 発言がすべて公約ということにはならないと思います。
○太田淳夫君 それでは今現在の日本の状況を見ておりますと、私たちは日本の防衛努力というものはかなりの水準である、このように認識しております。予算の審議の中でもそのことはいろいろと論議をされました。財政再建の中にもかかわりませず、福祉を切り下げ、そして公共事業費を抑制するなどしながら、あるいは特別会計のやり繰りをしながら、そういう中で防衛費というものは突出させてきたわけですね。しかも予算の審議の最後の段階で明らかになりましたように、最終的な段階では総理自身による上積みさえもされているわけです。あるいは米軍のための思いやり予算、これも年々増額する一方ですね。考えてみますと、先進国サミット、あそこへ参加されましたあの先進国の中で、米軍が駐留している国はあると思いますけれども、横須賀のような母港を提供している国はないんじゃないかと思うんですね。母港を提供し、そして思いやり予算をふやしているということは相当な努力じゃないかと思うんですね。その点どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日米安全保障条約に基づきまして施設を供与しておるということは、日本側としては相当なサービスである、そう思っております。
○太田淳夫君 そういう相当なサービス、これは安保条約があり、そのもとにおいてこういうサービスを提供しているということでありますけれども、これは先進国として、文化国家として相当な問題だと思います。そういった点の認識というものをしっかりと政府としてもアメリカ側に対してなすべきだ、私はこのように思いますが、この点どうでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) そのかわりNATOやその他の条約と違いまして、アメリカは日本を守る義務がありますけれども、日本は有事の際にアメリカ本国を守ったりするそういうような義務は負っていない。もちろん日本防衛のためにいろいろなことをやっているというアメリカの艦船その他については、ある程度前からここで答弁申し上げている範囲内におきまして日本の自衛隊の活動もあり得る、そう思っておりますけれども、NATOと日米安全保障条約の性格は非常に違っておるところであります。個別的自衛権の問題と集団的自衛権の問題の差もございます。そういう意味におきまして、どっちかといえば、アメリカ人からすれば日本は虫がいい、日本だけは守られているけれども、自分の方に対するサービスはほかの国の場合に比べて薄いじゃないか、そういう苦情がアメリカ議会にはかなりある、アメリカ国民にもあるということも我々は知っておく必要があると思うのであります。
○太田淳夫君 それでは次の問題に入ります。 自民党からせんだって議員提案をされましたスパイ防止法案でございますけれども、この問題は、国民の知る権利とかあるいは表現の自由というこういう人権まで侵しかねない危険な法案じゃないかと私は思うんですけれども、自民党総裁として総理はどのように考えられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本はスパイ天国であると言われておりまして、いろいろな事件がございました。自衛隊の中にまでそういう者が侵入したというケースもございます。先般は、国籍不明の船が宮崎県の沖まで来て、追っかけられてどこかへ姿をくらましたというようなことがあります。あれはまだスパイであるかどうかわかりませんが、そういうことが頻発しておる、そういうような状況もありまして、やはり防衛の機密というものを守るということは大事であると思っております。それが現在の法体系だけで完全であるかというと必ずしも完全でないところもある、それは外国の水準と比べてみるとそういうことで、外国以上に激しいスパイ活動が行われている日本においてそういう法的規制というものが外国以上に浅いということを心配した自民党の皆さん方が、これではいかぬから何とかしよう、外国水準ぐらいまで持っていこうじゃないかというのでいろいろ研究、御苦心なすってつくった法案が、あの法案でございますが、あの法案についてはいろいろ御議論もあると思います。ですから、国民の皆様や与野党の皆さん方のお話をよく承りまして、よく御相談もして所期の目的を達するように努力していきたいと思っております。
○太田淳夫君 あの法案は慎重に審議しなきゃならないと思いますが、これは自民党としても提出すべきではなかった、このように思います。 スパイというものは、他国の利益のため国家のいろいろな秘密というものを探り、そしてそれを提供する、そういう行為は許されるべきではないと思うんですね。しかし、その中で嫌疑を受けた場合にだれがそれを晴らしていくか。主観的な立場と申しますか、本人でもなかなか晴らすようなことができないような場合も起き得るんじゃないかと思うんです。そしてあの法案を見ますと、公務員の皆さん方、国家、地方あるいは外務公務員の皆さん方については規定もあるし、また一般の人の場合にもあるわけですね。それが拡大解釈されて、ただスパイという名前だけでひとり歩きしていくようなことがあってはならない、このように思うわけですが、その点どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国家も大きな機能を果たし、存立の意味を持っておるのでありまして、国家も自分を守り、自分を全うしていくだけの権利と責任を持っているだろうと私は思うのです。そういう意味において今のようなスパイに関する問題が外国に比べて非常に野方図になっているという状態は、これは憂うべき状態ではないでしょうか。そういう国家機密というものを略取せん、これを奪い取ろうとか、あるいはひそかに盗み取ろうとかという、そういう行為をそのまま認めておいていいか、あるいはそれが公然と行われている、非常に緩い法規のもとにそれが行われていていいかどうかという問題はあるんです。普通の物を盗んでも盗人になって犯罪行為として行われる、重大な国家機密を盗もう、あるいは取ろうという行為があった場合にそういう緩やかな状態であっていいのか、ずさんな状態であっていいのかということを自民党の皆さんは心配をなすった。私は理由があると思っております。 ただし、それが知る権利とかあるいは一般の国民の人権にどう響いてくるかという問題は、これは慎重によく研究しなければならぬところでありまして、その間の調和をどうとるかという問題が大事な問題である。自民党としては一つの考え方をあそこへ提示いたしましたが、これからはいわゆる知る権利であるとか、人権の擁護というものとの調和点をどういうふうにとったらいいか、野党の皆さんの御意見や国民の皆さんの御意見も十分承ってそしてコンセンサスを形成するように努力していきたい、そういう意味においては慎重に扱っていきたいと考えておる次第であります。
○内藤功君 アメリカ上院が六月十一日に防衛力増強に関する決議を八十八対七という差で採択をいたしました。総理は先ほど米上院の対日関心が大きいということをおっしゃいました。これはそれだけにとどまらない問題だと思うんです。この内容は一般的な軍事力増強要求にとどまらず、日本の国家政策、防衛政策の基本、それから日本の財政、歳出にまで及んでの要求であります。しかも財政負担を何%上げてくれという増加の要求率、それからいつまでという期限をも付しての要求というふうに理解をいたします。私が報道によって理解したところでは、例えば防衛大綱を改定せよ、シーレーン一千海里防衛のための十分なる国防費、それからシーレーン防衛のための五九中業策定の実施、それから同中業では弾薬、兵たん、継戦能力を毎年二〇%ずつ不足を減少させろ、二〇%ずつという数字も入っているんですね。そして在日米軍の新しい施設建設の支出の増加、それから在日米軍支援財政支出の大幅な増加、そして最後に八六年二月一日までに報告書を出せ、その後も毎年一回出せ、極めて具体的なことが書いてあります。私はこれは内政干渉と言うに値するものだと思うんです。これは従属国に対してでなければなし得ない要求じゃないんでしょうか。しかも一国の防衛庁長官がワシントンDCに滞在中に何の連絡もなしにこういう決議がその国の議会でやられたということは、これはやり方からいっても非常に高圧的な、また非礼とさえ言えるんじゃないかという感じがいたします。 一国の総理としての御認識とこれに対する対応を伺いたいわけですが、特に先ほどからの御答弁で、総理御自身これを内政干渉と考えておられないのでしょうか。考えておられないとすれば、それはどうしてなんでしょうか。それからこの決議に対して特に総理としてこういう姿勢でいくという具体的な対応はお持ちなんでしょうか。以上お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカにありまするバンデンバーグ決議に基づきまして、アメリカの税金を納めている市民というものを念頭に置いてアメリカの上院が日本の防衛に関する関心の表明を行ったと、そういうふうに解釈しております。アメリカの議員としては、税金を納めている市民、あるいは既にあるバンデンバーグ決議というものとの関連においてああいうものをつくったと、そう私は理解しております。日本の防衛政策自体については、日本国憲法に基づいて日本政府は日本国民の意思によって自主自立的に実行していくものであります。
○内藤功君 内政干渉と認識しておられないという御答弁と承りました。総理のバンデンバーグ決議に基づく御説明は、アメリカの議会のあり方についての一つの御説明であると思うんです。しかし、総理は言うまでもなく日本の総理でございますから、日本国民にとってはどうか、日本国にとってはどうかが最大の問題ではないんでございましょうか。日本国憲法の精神と条項、それから我が国の現在の財政状況、それからことし被爆四十年を迎えますが、三百十万人のとうとい生命をなくしたこの戦争に対するアメリカ人とはまた異なった日本国民の民族感情、こういうものに基づいて、このような議会決議に対して毅然とした態度をおとりになることが総理としてなされるべき姿ではないかと私は思うのでございますが、総理、この点についてはいかがお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ですから、日本の防衛は日本国憲法に基づき日本国民の意思を基礎にして自主自立的にやります、そう申し上げておるのであります。
○内藤功君 これは甚だ私としては遺憾な答弁だと申し上げるほかございません。総理と私の感覚が非常に違っているのかなとも思います。 次に御質問申し上げたいのは、本年五月二十二日にアメリカ国務省が非公開の外交文書を発表いたしました。この中に一九五二年日米安保条約に基づく行政協定の締結交渉に際しまして、当時の米ラスク長官から、当時の吉田総理、岡崎外相らに対して、米軍司令官の日本軍隊に対する指揮権を要求した。日本は明文にすることは拒否したが、結局妥協して旧行政協定二十四条のごとき文言になった。しかし協定成立後の六月十六日付の極秘文書、七月二十四日付のマーフィー駐日大使の国務省あて秘密文書によると、吉田総理と岡崎代表は連合司令部設置と米人司令官任命に同意した。しかしこの同意を公表することは総選挙で敗北するおそれがあるので、当時の自由党ですね、これを明らかにできない。あるいは吉田総理は連合司令部の設置に応ずる旨確認、その後の吉田・岡崎会談でも改めてこれを秘密にしておくことを決めていると。非常に重大な公文書の発表だと私は思うんであります。 これで一つは、米側は日本政府に軍隊の指揮権を要求していたという事実が米側資料で明らかになった。もう一つは、対応する当時の日本政府は表向きはこれを拒否したけれども、裏では認めておったということが米側から明らかになったわけであります。これに対する反証はいまだない。政治家として、また総理としての中曽根総理は、この問題についての御所見をお持ちだと思いますが、どうお考えになるか。自来二十四年たっておりますが、この間基本的なこの日米のパターンについては、これが変わっていないのではないかと私は思われるわけですが、これらの点について御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 米側の資料について私は詳細にまだ見ておりません。そういうものは原典に基づいて詳細に正確に調べないといけないと思っております。しかし、想像でありますが、当時は占領中でありまして、米軍が日本を支配しておったと言い得る状態にあった。そういう異常な状態のもとにアメリカ側がいろんなことを考え、そういう過去のいろいろ考えたことが資料として出てくるということはあり得ると思います。しかし、果たしてそれが正確な事実であったかどうかということはまだ検証しておりませんから、私はここではそれは申し上げられないと思います。 しかし、いずれにせよ、日本が独立して、そして日米安保条約が運用されるという段階に至りましては、指揮権はおのおの独立で行う、そういう形になり、また過去の行政協定も一九六四年の安保改定のときに大幅に根本的に改革もされて、最近におきましてもそれは確認されて、たしか五十三年の日米間の取り決め、ガイドラインに基づいておのおのの指揮系統というものは独立に行う、そういうふうに明記されておると自分は記憶しております。そういう心配はありません。
○内藤功君 この際、米上院の決議が出たとき、改めて日米の防衛協力の姿勢を改め、はっきりとそのけじめ、限界を設けるべきだとの論は内外に今多くなっているように思います。 今おっしゃった日米共同作戦下での指揮調整問題について、今までの政府答弁で必ずしも明らかになっていない一点があると思います。それは指揮は別だ、調整はやるんだという答弁は繰り返し私も承っております。しかし、調整とは何かという問題、それから調整というものをやって日米両軍が一致しないときはどうなるかと、アメリカの要求、例えば米空母を直接護衛せよという要求が仮にあったとして、応じない場合はどうなるのか。それから日本側のノーと言った場合に、米側はそのノーという意向に従うのか、かような諸点について明確にされてない点が多々あると思うのです。 先ほど自主自立の防衛ということを言われましたが、これらの点が非常に不明確だと思います。総理御自身のお考えについて明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今申し上げましたようなガイドラインに基づきまして独立の指揮系統をおのおのが持ってやる、しかしその間における調整を行う、これは当然のことで、共同防衛ということをやっているわけでありますから、調整なくして共同はあり得ないと思うのであります。だから調整を行う、そういうことであると思います。その中における調整についてあるいは意見の食い違うこともあるでしょう。しかし、それは過程の話であって、途中の話であって、最終的には意見は一致する、それが共同行為である、そう考えております。犬や猿との間じゃない、同盟条約を結んで日本を守ろうという点において一致している間ですから、そういう御心配はないと考えております。
○委員長(大島友治君) 時間ですから簡単にお願いいたします。
○内藤功君 時間になりましたので、最後に確認をしておきますが、そうすると、この日米の調整においては意見の一致しないことはあり得ない、常に一致するというお考えと今理解をいたしました。アメリカは集団自衛権を持っていますから、核を持っていてオフェンシブな戦力を持っている、日本は個別自衛権ですから、専守防衛ですから、これが一致するということは、集団自衛権への巻き込まれというのがまずこの中に大きく含まれてくると私は思うのでございますけれども、その点についてはいかがお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そういうことは明確にないと申し上げます。日本防衛ということは憲法に基づいて行うんだと前から申し上げているのでありまして、そういうような基本精神を持って今の防衛というものは行われているのであります。
○柄谷道一君 さきの質問に対して、総理はまだ会期は残されているのであるから法案成立に全力を尽くす、今から臨時国会云々ということは不見識である、どうするかは白紙である、こういう趣旨の御答弁をなされました。しかし行革関連法案として最も重要な共済組合年金法は、今まだ衆議院で趣旨説明も行われていないわけでございます。通常国会でこれを審議するとすれば、予算審議もございます。参議院には重要法案については最低二十日間の審議を必要とする慣行もございます。とすれば、明年四月の実施は現実に困難視されると判断せざるを得ません。さらに七月末には行革審からの答申もございます。また国鉄監理委員会の答申も行われます。人事院勧告も行われます。これらの行政改革の推進は中曽根内閣の至上命題であるとかねがね総理は申されておりました。今現実のこの状態から見て、総理はいつどのような方法でこれらの問題を処理されようとする決意をお持ちなのかお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) ともかく通常国会開会中は、最後の最後の瞬間まで重要法案を成立させることに全力を尽くすつもりであります。そのほかのことは、終わってからそのときの情勢においてゆっくり考えてみたいと思います。
○柄谷道一君 ゆっくり考えるということですけれども、それは臨時国会の開催の適否も考慮に入れて検討する、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 何をなすべきかということを慎重にゆっくり考えたい。時間もかなりあることですから、考えさしていただきたいと思うわけであります。
○柄谷道一君 その配慮は、行革重要関連法案は期限に間に合わせる、それが重要な要素である、こう御認識でございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ともかく今国会が終わるまでは、今国会の重要法案成立を目指して努力あるのみであります。
○柄谷道一君 十分の質問でこれ以上の押しくらまんじゅうはやめておきます。 問題を次に移しますが、行革審は明年六月二十八日をもって期限が参ります。まだまだ行革の重要法案は残っているわけですね、重要問題は。その後の、行革審以降の行革推進体制についてお考えをお持ちでございますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) まだ行革審そのものが一年余りございますから、今その後の状況がどうなるかといったようなことを論議するのはいささか早過ぎるんではないか、かように考えます。
○柄谷道一君 全部問題の先送りでございますが、それでは臨調答申の中で、中央省庁の改革につきましては、総務庁の設置以降、これがまだ前に進んでおりません。今後どのような決意で、中央省庁の臨調答申の実現に向かってこれの歩を進める決意をお持ちか、総理のお考えいかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 中央省庁の統合問題も臨調でもさらに御審議なさる面があるのではないかと思いますので、その御審議の結果、答申を待って、政府としては対応していきたい、かように考えます。
○柄谷道一君 それでは国鉄監理委員会の審議、間もなく答申が出されます。細部は別として、その方向が民営分割というものを根幹とするものであることはほぼ骨格が明らかになっておると思うのでございます。そのような答申が行われた場合、いろいろ法制化の準備を進めなければならない。一体その準備はどのぐらいかかるとお考えなのか。また総理としてどのような指示を各省庁にされておるのか、いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 再建監理委員会から恐らく七月ごろには御答申が出ると思います。その答申の内容を見なければわかりませんが、いずれにせよ政府は監理委員会の答申を最大限尊重するということは、これは法律で決まっていることでございますから、その線に沿って各方面の意見を聴取しながら改革案を取りまとめていきたい。 その際、どの程度の時間がかかるかということは、答申の内容にもよりますが、相当数の多くの関連法律の改正も必要になろうかと思いますが、いずれにせよ、この改革は六十二年の七月までということの期限が切られていることもございますから、政府としてはその時期までに何とかひとつやっていきたい、かように考えております。
○柄谷道一君 そのような法案が出されますと、これはいろんな形での抵抗が出てくることは当然予測されるわけですね。総理は最大限尊重でございますから、その答申を実現するために、もちろん国会内では十分議論しなければなりませんが、国鉄人事の刷新等を含めて、これをお考えでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず国鉄の改革というものは全国民が非常に高い関心を持って見守っておるところでございまして、内閣が持っておる政治課題の中の最重要課題の一つである、そう考えております。 したがいまして、答申をいただきましたならば、政府・与党全力を傾けて、内容を点検すると同時に、これが実施を図る、全精力を投入してもこれが貫徹を図る、そういう非常な決意で取り組んでいくつもりでおります。そういう意味におきまして、それが実現できるような体制を整備していくということが大事である、そのように考えております。
○柄谷道一君 八月中旬ごろに人事院勧告が行われます。例年の場合でございますと九月に公務員給与の取り扱いについて閣議決定が行われておりますが、本年はいつごろ閣議決定をされる予定でございますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは人事院の勧告がいつ出るか、今の段階で私どもとしては確かなお答えはいたしかねるわけでございますけれども、常識的には従来の例に徴すると八月上旬ぐらいが想定せられるわけでございます。その出た段階で、政府としては給与関係閣僚会議を開いて政府の対処方針を決めてまいりたい、かように考えております。
○柄谷道一君 最後に、これは質問通告しておりませんでしたが、総理にお伺いしたいんですけれども、行政改革、これは許認可事項の整理合理化とか、民間活力を助長するための施策とか、いわば国としての仕事は仕事減らしですね、そして簡素な行政機構をつくって新時代に機動的に対応する、こういうことだと思うんです。 ただ、例えば行政監察では仕事減らしはできませんが、ますますこれは重要性が高まってくる。公平な税制、税制の執行を的確にするためには税務職員というものは確保しなければならない。これも仕事減らしをすれば実調率を下げるだけですね。会計検査院の業務も手抜きはできません。したがって、行政改革というものの中に機構の簡素化を行い得るものと、しからざるものとの識別をして行政改革を進めていくという基本的な姿勢がなければ、私はある面において最も重要な行政監察、会計検査院の機能強化、さらには税務執行における公正の確保、これの手抜きが生まれてくるおそれすらあると思うのでございます。識別してこれらの問題は対応する必要がある。これは私の持論でございますけれども、これに対する総理の明確な御見解をお伺いいたしたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政の対象の重要性あるいは国民の関心あるいは国民からのニーズ、そういうものを全般的に考えまして、重点主義によって緩急自在、スクラップ・アンド・ビルド、そういう精神でやりたいと考えております。
○柄谷道一君 ということは、画一的な人員削減等の方式はとらず、そのニーズによって弾力的に考えるお考えである、こう受けとめてよろしいかどうか。 以上をもって質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今でも毎年度の人員削減につきましては、そういうような重点主義でやっておりまして、割合に緩やかな余裕のあるところから忙しいところへ人間を配置する、外務省の外務公務員であるとか、あるいは国税庁の職員であるとか、そういう点は今までも重点主義で総務庁において取り計らってきたところであり、今後もそういう考えでいくつもりでおります。
○委員長(大島友治君) ほかに御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案に対し、反対する立場から討論を行うものであります。 本法案の内容は、文部、厚生、農林、運輸、建設、通産など、十省庁に係る四十一の法律五十六事項という非常に膨大な内容を持つものであります。 本来ならば、参議院の対応する七つの委員会に分けて提出するのが筋であると思います。しかるに政府はこれを一括提出するという取り扱いをしているのは、はなはだ不当であると思うのであります。これは国権の最高機関である国会の委員会中心の運営の原則を軽視する結果となり、強く批判されるべきものと言わなければなりません。 私どももこの法案に対して、五十六事項四十一法律の一つ一つについて検討を加えました。五十六事項中三十一項目には賛成できる点がありますが、他の二十五項目には反対であります。その二十五項目一々申し上げる時間がありませんが、四十一法律中二十法律には賛成できますが、他の二十一法律には反対である、こういう立場を表明いたします。 この法案は、福祉、教育、環境衛生など住民から拡充が求められている行政分野の後退に結びつくものだと思います。例えば市町村の社会福祉施設、児童福祉施設の休廃止の知事認可を事前届け出にする、知事の市町村に対する児童福祉施設設置命令の廃止、社会福祉主事、民生委員の指導訓練に従事する吏員の必置規制の廃止、学校保健技師、公害相談員、統計主事、土地調査員などの任意設置化、家庭用品衛生監視員、毒物劇物監視員などの他職との兼職化などはその典型的事例であります。これらは福祉、教育、環境衛生などの行政分野で施設の拡大や行政水準の確保のため指導的役割を発揮してきました。また公害や土地投機、食品衛生の監視に当たってきたのであります。現場の第一線で住民の暮らしを守る職務を果たすために仕事をされてきた方々であります。これらの必置規制を緩和せんとするのが本法の最大の特徴であります。 本法案につきましては、さきに成立した補助金一括法などと同じように、福祉、教育など国民生活に大きなしわ寄せを行うことに通じるもので、私たちとしてはこれを全体として認めることができないのであります。 以上、反対の理由を述べて討論といたします。
○委員長(大島友治君) ほかに御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 原田君から発言を求められておりますので、これを許します。原田君。
○原田立君 私は、ただいま可決されました地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、検討の上、善処すべきである。 一、国と地方の間の事務配分及びこれに伴う費用分担について、地方公共団体等の意見も踏まえつつ、積極的に見直すこと。 また、地方への権限の委譲に当たっては、地方自治の本旨にのっとり、地方公共団体の事務・事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないように適切な措置を講ずること。 一、国の機関委任事務について、地方に同化・定着したものは地方公共団体の事務とするなど引き続き見直しを行うこと。 また、機関委任事務に対する地方議会の関与、監査委員による監査の在り方についても検討すること。 一、地方公共団体の事務処理に対する許認可、承認等国の関与については、その全体像の把握に努めるとともに、現地性、効率性及び総合性という基本的視点に立って今後とも不断の見直しを行い、必要最小限にとどめるよう整理合理化を図ること。 一、法令等により地方公共団体に設置を義務付けている行政機関、附属機関及び特別の資格又は職名を有する職については、今後とも不断の見直しを行い、地方公共団体の自主的な行政改革の促進に資するように配慮すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(大島友治君) ただいま原田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 多数と認めます。よって、原田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、後藤田総務庁長官から発言を求められておりますので、この際これを許します。後藤田総務庁長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を踏まえて今後検討してまいりたいと存じます。
○委員長(大島友治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十五分散会