内閣委員会 第15号
- 発言数
- 326 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/06/11
会議録
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る六月七日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。 また、昨十日、野田哲君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大島友治君) 地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案を議題といたします。 趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 官房長官がおくれるといいますので、質問通告の順序を変えて帯広空港問題に、最後というふうに言っておったんですが、入りたいと思います。 先般、決算委員会でも質問したのでありますが、その当時、外務大臣は、条約上は断れないけれど、前提として地元との円満な話し合いが行われることを期待すると、こういう答弁をしております。その後に帯広の市長から米軍に対しまして、地元との話し合いがいろいろあるんで乗り入れを待っていただきたいというふうに連絡をしたそうでございますが、新聞等の報道によりますと、安保条約では事前予告だけで乗り入れ可能だから、当面、冒頭申し出た十四日以降乗り入れするのかどうかということが地元では非常に心配されていると、こういう報道がなされています。確認したところ、このことにつきましてはしばらく待っていただきたいということを米軍横田基地の本部に対して帯広市長から申し入れをした、こういうことでございます。 それで、先般の外務大臣の御答弁にもありましたように、円満解決する前に安保条約に基づいて強行乗り入れができるんだろうか。私はそのことは非常に疑問だと思うんです。といいますのは、先日も御質問申し上げたように、C130というのは二十四トンをオーバーする、しないという問題があります。運輸省は、当時二十四トンをオーバーしないから差し支えないんじゃないかという答弁をしておりますね。ところが、その後の調べでは、地元が危惧しているように、荷物を積んだ最大積載量からいうと二十四トンをオーバーする機種だということなんだが、その点、前の答弁がやや正鵠を欠いている嫌いがあるんですが、運輸省、いかがですか。
○政府委員(山田隆英君) ただいまの御質問ですが、米軍が今使用予定しておりますロッキードC130の機種につきまして私どもが承知しておりますところでは、最大離陸重量で使用する場合には、単車論荷重が二十四トンをやや上回るんではないかというふうに考えております。
○丸谷金保君 どうもこういう問題は正確に答弁してもらわないと困るんだな。前回はこう言っているんですよ。C130は重量二十四トン以内で許容範囲内と考えていると。これは対して私は、それは空の状態の重量ではないかと言ったんですが、そうでないということなんだが、実際は荷物を積まないで飛ぶことはないんですから、そうすると最大積載量二十四トンを超えるじゃないですか。超えないなんていうのはうそじゃないか。
○政府委員(山田隆英君) 最大積載重量と申しますのは、燃料を満タンにして、それから貨物もかなりの貨物なり人員を積んで飛ぶ場合の重量でございまして、私どもの計算では、最大離陸重量で使用する場合の単車論荷重は二十四トンをわずかに上回るというふうに考えられますので、若干でも燃料を減らすなり貨物量を減らせば二十四トン以内になるというふうに考えております。
○丸谷金保君 減らせばそうなるというふうに考えているということでしょう。私の前の質問はそうでないんです。おたくの答弁も違うんだよ。許容範囲だから差し支えないと言っているじゃないの。減らさなきゃ差し支えあるんでしょう。そうすれば減らしてこうやって飛ぶんだというふうなことは、事前に空港管理者との間で十分な協議をなされなきゃならぬでしょう。無条件で二十四トン以内だからいいということにならぬじゃないですか。どうなんですか。
○政府委員(山田隆英君) 私どもの考えでは、使用者の方が重量計算をいたしまして二十四トン以内で飛んでくればこれは差し支えないと考えておりますが、先生御指摘のように、空港の使用につきましては、安全上使用できるかどうかということを十分検討する必要があると思いますので、最大積載重量で使用する場合に二十四トンを超えるおそれがある場合、事前に管理者とどのような条件で飛ばすのがいいかどうか、安全上の見地から十分話し合いがされることが望ましいと考えております。
○丸谷金保君 前回はっきりそう言えばいいんだよ。こういういいかげんな答弁しちゃ困るんだな。質問に対する答えになっていないんだよ。私のは積んだものも入れてどうなんだと言っているのに対して、許容範囲だというふうな——それはわずかだからそんなことないだろうと言うかもしれぬけれども、しかし、ないだろうか、あるだろうかということは別な問題で、そういうことに対する空港管理者との話し合いをきちんとしなきゃならないということだけは、この機種を飛ばす場合には当然のことでしょう。おたくの方はこの間差し支えないと言いっ放しだったんだ。そんなことないじゃないか。 それから外務省の方にお聞きするんですが、同じく先般申し上げましたけれども、五者協定というものがあるんです。現在の帯広民間空港ができるときの用地取得に対して、帯広近郊の農家というのは非常に土地をたくさん持っていますから、一部提供しても全員が離農するわけじゃないんです。残って残りの土地で営農をやっている人も何人もいるわけだ。この人たちが、我々が土地を提供したことによって、土地を提供しない近隣の住民、仲間の農民が、例えば飛行機がたくさん飛んできて牛の乳の出が悪くなったとか、いろいろな心配をすることによって孫子の代まで恨まれたら困る、おまえたちが空港の土地を売ったために空港に何も関係のない我々までこんな迷惑しているというようなことを言われたら困るんで、地域が了解しなければ土地の提供ができない、こういうところから行われた協定なんです。そして、そういう協定の中で農協の組合長あるいは農民同盟の委員長とか、空港設置反対期成会の会長とか、こういう地域の五者がこれだけの条件をのんでくれれば我々が了解するから土地を提供することは差し支えないといって、市長とこの五者が結んだ協定なんです。 この協定の中で、自衛隊機及びそれに類する飛行機の乗り入れは原則として行わせないとなっているんですよ。そうすると帯広市長としては、この地域の方たちと話し合いをつけないで米軍乗り入れオーケーを出せないんです、うそ言ったことになりますからね。この管理者である帯広市が待ってくれと言っているのに安保条約で強行乗り入れできますか、外務省。それを黙って見ているんですか。どうなんですか。
○政府委員(栗山尚一君) 地元の方々と空港の管理者である市との関係につきましては、私どももただいま委員御指摘のような事情等につきましてお話を伺っておるところでございます。基本的には先般外務大臣より御答弁申し上げましたように、地位協定上一般的に空港に対する米軍機の出入を認めておるところでございますので、政府といたしましては、アメリカに対して協定上の権利を認めておるわけでございますから、その権利を行使しないようにというふうに政府として米軍に申し入れる立場にはございませんけれども、他方におきまして、委員御指摘のような地元の種々な事情がございますので、そういう意味におきまして地元の御理解というものを得ずして飛行機の出入が行われるということにつきましては、これは非常に困難を伴うことであろうということは外務省としてもよく理解をいたしておるところでございます。したがいまして、そういう地元の事情につきましては十分配慮して事を進めるようにということを米軍の方に対しては話しておるところでございます。 他方におきまして、市の当局の方に対しましては、外務省として安保条約地位協定の趣旨を御説明いたしまして、米軍機の出入について地元の御理解が得られるようにお話を申し上げておるところでございます。
○丸谷金保君 新聞に報道されているように十四日強行乗り入れということはあり得ないと考えてよろしゅうございますか、話がつかない場合には。
○政府委員(栗山尚一君) お答えを申し上げますが、十四日の件につきましては、先ほど申し上げましたようなことから、私どもとして確実にどうこうということを現在申し上げる立場にございませんが、一般論として申し上げれば、アメリカ側も地元の事情に対しては十分配慮して事を進める必要があるということについては基本的には認識しておるようでございますので、実際問題として、そういう地元の方の、地元の市当局の御理解なくして物事が進むということは、現段階私どもの心証といたしましては、そういう事態にはならないのではないかというふうに考えております。アメリカ側もそういう地元の事情については十分配慮しながら事を進めたいということは、一般的には申しておる次第でございます。
○丸谷金保君 これは念のために外務省からアメリカ側の方にも通じてもらいたいと思うんですがね。 大体この申し入れが電話で、ロランCの隊長というのは中尉さんです、中尉さんから、帯広空港管理者の帯広市長でなくて帯広空港事務所の責任者、管理者ですわね、空港事務所の責任者に再三あった。こういうことというのは、ちょっと軽々し過ぎるというか、十分注意してもらわなければいけないことだと思います。それで、たまりかねて文書で市長あてに出してくれと言われて出てきたのが、もう五月の二十日、六十年五月二十日です。ですから、初めて出てきたのは六十年五月二十日ということです。いいですか。これで十四日乗り入れたなんて、常識的に考えたって、安保条約にどういう規定があろうとこういうばかな話はないんですね。それまでは電話で何回も言ってきているんです、空港の事務所に。釧路まで今は来ているんです、釧路は距離が遠くて何か事故を起こしたから、帯広からの方が近いし、いいから乗り入れさせてくれというふうな理由で。釧路は二種でもA空港ですから、国が直接管理していますわね。それとはB空港ですから違うわけです。こういう点も地元とかいろんなことに対する配慮、安保条約があるからといって何でもやってもいいんだというような調子でなく、慎重に事を進めていただかなきゃならないということを十分注意していただきたいと思います。いかがですか。
○政府委員(栗山尚一君) 確かに委員御指摘のとおりに、地元の事情につきまして十分配慮してもらう必要があるというふうに考えております。基本的には先ほど冒頭申し上げましたとおりに、安保条約の地位協定というものがございます以上、米軍機の出入というものを拒否するというわけにはまいりませんが、他方、出入を円滑に実施するためには地元の御理解がなければいかぬということは、これはもう事の当然でございますので、本件につきましては、またほかにも種々問題と申しますか、似たようなケースというものは十分あり得るわけでございますから、そういう点につきまして十分いろんな場所の現地の特殊事情というものに留意しながら、できるだけ円滑に協定上の権利の行使というものが行われるように、私どもとしては米軍に配慮を求めておるというのが現状でございます。
○丸谷金保君 それから外務省にもう一つ聞いておきます。お答えできるかどうか。 米軍機が乗り入れた場合に、これはロランCに物資を運ぶんですから、軍事使用ですね、軍事目的の使用になりますわね。この場合、いわゆる交戦権の問題で協定されたハーグ協定というのがありまして、要するに、軍事施設に対する交戦国の攻撃を相互に協定しておりますが、これの対象になりますかどうですか、ハーグ協定の。これは質問通告してなかったのであれですが、お答えできましたらひとつ。
○政府委員(栗山尚一君) 突然の御質問でございますので、十分勉強してまいりませんでしたので、この場で法律的なことを十分お答えいたしかねると思います。 ただ、一般論としてちょっと御理解いただきたいんでございますが、安保条約の趣旨は、委員重重御承知のように、そもそもそういうような事態に至る、すなわち我が国自身が他国からの攻撃という、そういう他国からの攻撃という事態が起こらない、そういう事態を未然に防止するために安保体制というものを政府としてはとっておるわけでございまして、万が一にもそういう抑止体制というものが破れた場合に、たまたま特定の地域が軍事的に使用されているとかいないとかということでの地域的な区別というものを想定して考えるということは、適当ではないんではないかというふうに一般論として考える次第でございます。 具体的な交戦法規の適用の問題については、ちょっと研究させていただきまして、別途御報告させていただきたいと思います。
○丸谷金保君 それじゃ結構です。 行革審の設置法二条の後段で、「内閣総理大臣に意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申する」、この「ほか」という言葉がございます。そうすると、これは前段の審議会設置の目的、所掌事務、それらのほかに総理大臣が諮問すれば何でも答申する、こういうことのできる審議会だというふうに理解してよろしいんですか。
○政府委員(山本貞雄君) ただいまの点でございますが、御案内のとおり、行革審の所掌事務は、臨調の行った行政改革に関する答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項、これにつきましてその意見をまず述べる。それから、「ほか」と言っておりますのは、そのほか内閣総理大臣が、ただいま申し上げました臨調の行った行政改革に関する答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項、これについて総理の諮問に答えるということであると理解をいたしております。
○丸谷金保君 答申に基づいた重要事項については前段でできるんじゃないんですか。
○政府委員(山本貞雄君) 御指摘のとおり行革審が自主的に当該事項についてやれるわけでございますが、それはあまたある中から行革審がイニシアチブをとって重点的に意見を述べるわけでございますが、一方そういった事項に関しましても、政府サイドといたしまして別途の観点から取り急ぎ答申を求めたいということもあるわけでございますから、政府の方からそういった事項について諮問することができる、そういうことになっているのだろうと解しております。
○丸谷金保君 要するに政府の方がこういうこと、こういうことをと言えばいろんなことができるというのが「ほか」という文言ですね。
○政府委員(山本貞雄君) 先生御理解のとおり、あくまで臨調答申が指摘した行政改革、それを受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に関する重要事項について政府が諮問をするということでございまして、それ以外の何事でもという意味であるならばそれではございませんが、前段の趣旨であれば先生の仰せのとおりでございます。
○丸谷金保君 臨調答申が非常に広範にわたっているだけに、設置法は、総理がこういうことだ、こういうことだと言えば、随分相当広範囲にわたって諮問に応ずることができるというふうに理解できるんですね。 そうしますと、第七条で「その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、行政機関及び特殊法人の運営状況を調査し、又は委員にこれを調査させることができる。」。そうすると、これはもう政府の各機関挙げて協力させることができるわけです。これは協力しなかったらどういう罰則がありますか。
○政府委員(山本貞雄君) 御案内のとおり、行革審設置法七条二項におきましては、調査につきましてその実効性を担保するための罰則規定は設けられてはおりません。 ただ、この調査と申しますのは、御案内のとおりあくまで審議資料を得るという目的に限定されておりますし、かつまた調査の対象というものが、ただいま仰せのとおり行政機関及び特殊法人という公的な機関であるわけでございますから、特に罰則の規定を設けませんでも一般的に相手方の適切な対応が期待できる、そういったことで特に罰則は設けられていない。また現実にこういった関係機関からの資料の提出や説明というものも数多く求めてまいったわけでございますが、いずれも円滑かつ誠実に対応されてきたというふうなところが実態でございます。
○丸谷金保君 今長官は笑っておられましたけれども、巷間伝うるところでは、各省庁がなかなか抵抗が強くてそう簡単でなかったというふうなことが言われておりますね。それでもまあ、それはいいです。 もう一つ、間違った報告、間違った対応をした場合に罰則規定はないんですか。
○政府委員(山本貞雄君) ただいま申し上げましたように、まず七条二項の調査につきまして罰則規定は一般的にはございません。 それで、先生ただいま御指摘のように、間違った報告、間違った事実の陳述があった場合にどうなのか。これはもちろんその説明を行った当該機関においてあくまで誠実に真実を、実態を御説明いただくというべき性格のものでございますが、同時に私ども行革審といたしましてもできるだけ実態を把握するための努力はしなければならない、このように解しております。
○丸谷金保君 設置法でそういう罰則を決めていないのは、これはこの種法律には官吏はもう当然全面的に協力するという前提があるわけですわね。そして非協力であったり、間違ったことをした場合には、この法律にかかわらず一般的な服務規定の中でそれぞれの処分ができるということがあるので、そういう罰則規定というふうなものは必要ないんでないかと思いますが、いかがですか。長官、さっき笑っておられたようだけれども、いかがですか。任命権者として当然いろんな処分ができますから、そういう罰則規定必要ないんだと。
○国務大臣(後藤田正晴君) この種の規定の場合は、政府各省また公団等は当然協力していただけるという前提のもとにこういう規定があるので、すべてに罰則で担保するという必要はもちろんないわけでございます。 御承知のように、行政改革というのは役所にとっては大変厳しい仕事でございますから、間々苦しい立場に立たされることもこれは否定し得ない。しかし今日までの実態を見ますと、私は各省は今日の行政改革という国政上の重要課題ということについては十分認識して協力していただいておるもの、こう私は確信をいたしております。 もちろん見解の相違その他がございますから、そういった際に、さらに行革審としてどうしてもこういう点を調査してもらいたいという御要望が間々あるわけでございますが、そういったときは私の方に行政監察局がございますから、したがってそういう際には行革審の御要望に応じて私どもとしては監察の機能でもって当該事項を調査して、そして行革審に御提案を申し上げる。こういうことでやっておりますので、私は比較的、難しい仕事でありますけれども、順調に審議は行われておるものである、かように考えておるわけでございます。
○丸谷金保君 難しい仕事は認めますけれども、順調に行われているかどうかということについてはいささか見解を異にします。 もう一つ、行革審を設置するに当たって臨調の第四次答申に大変気になる一項があるので、これについての長官からの見解をいただきたいと思うことがあるんです。 といいますのは、第四次答申の中で、行革審の任務として、3の(2)項でですね、「委員会の任務」、「その他行政改革に関する重要事項について高い立場から提言を行う。」、こうなっています。私どもは国会は国権の最高機関だというふうに理解しております。この高い立場」というのはどういう立場なんでしょうか。これは長官でしょうね、この御答弁は。いかがでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私、今初めてそういう御意見を聞いたんですが、法律上のことでございますれば、これは事務当局から先にお答えをさして、その後で私の所見を申し述べたい、こう思います。
○政府委員(山本貞雄君) ただいま御指摘の臨調四次答申が行政改革推進審議会の所掌事務につきまして高い立場から」と申しておりますのは、先生御案内のとおり、いわゆる大所高所からという私どもは意味に解しておりまして、したがいまして、それは細目的な事項というよりは基本的な重要な事項、したがいまして、この四次答申を受けまして、行政改革推進審議会設置法の所掌事務におきましても、先ほど御指摘のようにそういった施策に関する重要事項について審議する、大所高所というのはまさにこれに対応する意味合いであるというふうに私どもは解しておる次第でございます。
○丸谷金保君 長官、これは法律事項じゃないんです、今答弁を聞いてもね。事務局の答弁じゃだめなんです。まして高い立場というのと大所高所というのじゃ日本語の意味が全然違うんですよね。高い立場というのは、大所高所から物を見る、あるいは大所高所から判断するということと意味が違う。高い立場から見るんでなくて提言を行うというんですから、これが臨調を貫いている一つの姿勢だとすれば、これはこれなりに議会制民主主義という立場から大変重要な問題であり、思い上がりも甚だしいんじゃないか、こういう表現が出てくることがですよ。大所高所から物を見るという意味じゃないんです、高い立場というのは。いかがですか。今まで問題にならなかったそうですけれども、実際に臨調答申を読んでみて、臨調答申の中で行革審をこういう立場でつくれというのは、これは大変な問題だと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は余りそういうことをそう難しく理解はしていないんですよ。要するに、高い立場に立ってごらんになって、行政の組織運営についての重要な事項を取り上げて答申をするんだと、こういうことに私はすらっと理解しておるわけでございます。
○丸谷金保君 言うなれば形容詞だと、こういうことですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 形容詞かどうかは別としまして、私が今申し上げたように、重要な事項について行革審としては高い見地に立って議論をしていただいて御答申をいただくんだと、かような私は理解の仕方でございます。
○丸谷金保君 その行革審の調査の罰則の問題に絡んで、国会の中における答弁、これもあれでしょう、こういう設置法で明記したのと違う意味で、これは法で明らかなとおり義務がありますわね、間違った答弁をしないように。いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問の趣旨がちょっとわかりかねますが、要は高い立場に立って云云というのは、私は私なりに高い見識を持って、重要な事項について個別的な利害にとらわれないで公正な意見を出すんだと、私はさようにすらっと理解をしておるわけでございます。
○丸谷金保君 そういうふうに御理解なさっておるということで、私の御質問申し上げたことはそのことでないんです、別な問題です。 前段に申し上げました、調査に対して政府の各機関は誠実に協力する、これはもう当然の義務です。同じように、国会の質疑においても質疑に間違いなく答えていくという義務は罰則のいかんにかかわらずあるし、国家公務員としてそれらに不忠実であった場合には任命権者として考えなきゃならない問題だと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(後藤田正晴君) もちろん国会は国権の最高機関で、政府の行政のあり方について監視せられる重要な役割があるわけでございますから、政府としては国会における質疑応答等については誠意をもって最大限の努力をすべき筋合いのものである、誠実に対応すべきものであると、かように考えております。
○丸谷金保君 そこで、法制局長官、先日の委員会で私は同じ質問を四回やっているんです。本当は全部読み上げようと思ったんですが省略します。特別交付税についていわゆる開示義務禁止規定がありますか、開示しなくてもいい、あるいはいいという禁止規定があるかというのに対して、長官は長々と何遍も別な答弁をしましたね。こういうことはこれから十分注意していただきたい。四回同じ質問させた。簡単なことなんです。最後に、開示をする必要がないという規定はございません、ここまでくるのに私に同じ質問を四回させた、たったこれだけのことで。こういうことは法制局長官だけでなくてしばしばあることです、質問に答えないということは。こういうことは今後十分御注意を願いたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(茂串俊君) ただいま御指摘のありました先般の決算委員会における私の答弁ぶりの問題について御批判いただいたわけでございますが、私当時実は委員の御質問を、考え過ぎと申しますか、思い過ごしがございまして、いわば明文の規定があるかないかという御質問に対して、ありませんと答えればよかったところを、規定がないのにかかわらず義務があるとかないとかということが一体言えるのかというような突っ込んだ御質問というふうに私思い込んだものでございますから、そこでそのような理解のもとで御答弁を申し上げてしまったわけでございます。確かに御質問は、今お取り上げがございましたように、明文の規定があるかないかということについて、単にありませんというお答えをすればよかったかなと今では考えておりまして、反省をいたしております。今後気をつけたいと思っております。
○丸谷金保君 これからこの法案に入るわけですけれども、一言で言うと、大山鳴動してネズミ一匹、こういう感じを深くするんです。 具体的な問題について少しく質問しますが、厚生省。都道府県知事が行っている理容、美容、クリーニングの試験を今度民間に移行することになりましたね。この結果こういうことが起こるわけですね。例えば美容一つだけ取りましょう。美容を取りますと、学校を出て、あるいは実地で勉強を一定の期間して、それから学科試験を受けて、それからまたインターンをして、それから実地試験を受ける、こういうシステムになってましたね、従来は。今度、法文を見ると、そこのところが変わっているように思うんですが、どうなんでしょう。
○政府委員(竹中浩治君) 美容師の試験でございますが、従来は、お話がございましたように、養成施設を出まして実地修練を一年以上やりまして、その後で学科と実地と両方の試験をするというのが従来の制度でございます。今回改正をお願い申し上げておりますのは、養成施設を出ました後すぐ学科試験が受けられる、それから実地試験は実地修練を一年以上やりました後で実地試験が受けられる。つまり従来は学科と実地をインターンが終わった後一緒にやる。それに対しまして今度は、養成施設を出たらすぐ学科、インターンが終わったら今度は実地ということでございます。これは関係の方々の大変強い御要望で、特に受験者の方々の利便と申しますか負担の軽減と申しますか、そういう観点から非常に強い御要望がございましたので、今回の改正をお願いいたしておるわけでございます。
○丸谷金保君 もちろんこれは通信教育も入ることだろうと思いますが、結局、そうしますと、学科試験前にインターンがあったのが、今度、学校出るとすぐ受けられる、インターン期間がなくなりますからね。そうすると、町の美容師さんたちは、この法案を見せてそういうことになるんだと言ったら、あら困ったわねと、こういうことを言われるんです、現に。これはいろいろ問題はあると思いますよ。あると思いますけれども、今までは、要するに学科試験を受ける前にどうしても実地の勉強をする期間があったけれども、それがなくなったら、学校だけがいいねと。というのは、今度民間に移行した場合の試験は学校単位に行われるだろう、この法文からも。そのほかには考えられない。学科試験が終わってから実地試験までの間のインターンと、インターンをある程度やってから学科試験を受けるのとでは随分意味が違うんです。 ですから、私はそのことがいいとか悪いとかということじゃないんです。あるいは一歩前進とも思います、その点では働く人たちの立場に立てばですよ。しかし、こういうことを町の相当しかるべき美容院の方たちは全然知らないんですよ、こういう法改正があるということを。通常こういう業界に関係する法案が出ますと、いろんな形で組合を通して下部におりるものです。下部の意見というものがいろいろ出てくるものです。今回だけはそういうことが全くないんですが、どういう形でこれは下部に理解をさせ、今度はこういうふうになるというふうなことの厚生省としてはPRをしたんですか。
○政府委員(竹中浩治君) この問題はかなり前からいろいろそういう御要望もあったわけでございますし、また第二次臨調の期間、試験の移譲とともにかなりの期間にわたりまして議論のあった点でございます。最終的に業界の方でも今回の改正案について賛成ということになりまして、私ども特に試験、インターンの問題でございますから、養成施設それから受験者の方々に非常な変革になるわけでございますから、その点で美容の環境衛生同業組合の幹部と十分話をし、かつまた末端まで十分この点が周知できるように実はお願いをいたしてまいっておるわけでございます。もし、先生がおっしゃいますように、必ずしもその点が十分でないということでございましたら、再度組合と早急に話をいたしまして、十分間知徹底がされるように努めてまいりたいと考えております。
○丸谷金保君 かつて東京都の試験委員なんかやった方でさえも知らないんですよ。現役ですよ。そうして組合の幹部というのはもう学校をみんなやっているから、結局そこら辺で決めちゃったんでしょうねと、こういうことなんです。 それともう一つは、この法案を見ておりますと、都道府県知事から民間に権限を移譲したようですけれども、厚生省の権限は逆に強くなりますわね、厚生省の指定した者がやるんですから。これは都道府県知事が指定した者が行うんじゃないでしょう。そうすると、これはちょっと逆でないんでしょうかな。確かに表面だけ見ると、都道府県が行っておった試験を民間にやらせるんだと。ところが、その民間は厚生大臣の指定する者に限るんですよね。そうすると、これなんかもまさに逆でないんですか。都道府県知事がやるんじゃなくて民間がやる、民間では厚生省が指定する者と。単純でないんですよ。逆に中央集権へ絞っているんです。これは臨調に逆行しませんか。
○政府委員(竹中浩治君) 美容師、理容師とも相当数の受験者がございまして、これを従来各都道府県知事さんが試験を実施していただいておったわけでございますが、大変負担になっておる。この点についてできれば何か民間移譲等の方策を考えてもらいたいというのが都道府県からの強い要望であったわけでございます。 先生の今のお話でございますが、厚生省といたしましては、今度の改正案でお願いを申し上げておりますように、指定試験機関を指定するというのは厚生大臣の権限になるわけでございますが、これについて、厚生大臣が指定した者についてその全部または一部を実際に委任する、お願いをするかどうかというのは、これはまたそれぞれ都道府県知事の御判断になるわけでございまして、今回あるいは昨年から出ております行革関係の試験の民間移譲のいろいろな制度につきまして、今回と同じような形でどの制度も改正が行われた、あるいは行われつつあるということであろうかと思います。
○丸谷金保君 私は、臨調なり行革審の一つの流れから言えば、都道府県知事が行っていたものを民間に移譲するんだから、その民間の試験を行う者については、厚生省が指定するんでなくて、都道府県知事が指定すればいいじゃないですか。それが逆なんですよ。こういうところがどうも私としては納得できない。幾つかこういう法案の中にはございますが、一例としてこれを挙げておきます。 それから農水省、農業委員会法の改正の問題ですが、これは今度農地主事の資格ほどうなりますか。
○政府委員(吉國隆君) 今回御提案申し上げております法律改正におきましては、農地主事の任免手続に関しましての規定を改正いたしておるわけでございますが、農地主事の資格に関します規定については何ら修正を行うこととしておりません。
○丸谷金保君 もう一回言ってください。
○政府委員(吉國隆君) 今回の法案の中で改正をお願いしております点は、農地主事の任免手続につきまして、あらかじめ都道府県知事の承認を受けるという手続をやめまして、事務の簡素化を図るという趣旨の改正でございます。農地主事の資格、農地主事たるべき者の資格は農業委員会法の施行令におきまして具体的な定めがございますが、この点につきましては、今回の改正は全く手を触れておらないということでございます。
○丸谷金保君 従来の都道府県知事の承認を得るというのはなくなったと。そうすると、今度は市町村の農業委員会が任命すればもうそれだけで足りるということですね。
○政府委員(吉國隆君) 任命に関する手続はそのとおりでございます。 ただ、先生御案内のように、農地主事の身分の安定を図るということは、農業委員会の職務が公正かつ適正に行われるといった点から非常に重要であるというふうに考えておるわけでございまして、御案内のように、免職などといった身分上不利な取り扱いを受けたというようなことが万一発生をいたしました場合には、農林水産大臣に対しまして事情を述べまして、農林水産大任が意見を述べることができるという制度が別途ございまして、この制度はそのまま残るという関係になっておるわけでございます。
○丸谷金保君 実は、そういう制度が残っているからといって、そういうことになった例はほとんどないんですよね。構造改善事業、これは本来農地を集約化してもう少し合理的に生産性を高めるというねらいがあったはずなんです。実際は農水省が考えたように農地の集約化はされないで、兼業農家群をふやすことにとどまるような推移になってきておりますわね。構造改善事業が最初意図したようなところにいかなかった。これは農地の問題が基本にあるんです。農地の流動化、農地をどこへ帰属させるか。地域の農業政策上は当然、後継者のある別な農家に、農地を手放すより、持たした方がいいし、そうすることを承認するしないという権限を農業委員会は持っているけれども、これが作動しなかったために今日のような状態になっているということは御了解できますわね。
○政府委員(吉國隆君) 農業経営の規模拡大なり農用地の流動化につきまして、農業委員会がいろいろな形で積極的な役割を果たすべきであるという点は私ども全く同様に考えておるわけでございまして、各種の制度等でまたそれを裏打ちしてまいってきておるつもりでございますが、御指摘のございましたように、規模拡大がなかなか遅々として進まないという実態があるわけでございまして、これにはいろんな背景があるというふうに私ども考えておりますけれども、一方で農地の所有者の意識といたしましては、資産的な保有意識が強いといったこともございますし、また雇用機会が地方に分散してきたといったようなことから兼業化を志向したといった事情もあるというふうに考えておりまして、なかなか強権的に中核農家同様の規模拡大を進めていくという手法はとりにくいわけでございますので、農業委員会の貸し手、借り手の掘り起こし活動でございますとか、あるいは制度的に農用地利用増進事業という制度を設けまして、地主の方が貸しやすい、安心して貸せるという仕組みのもとで農用地の賃貸借を進めていくといった制度上の改善等を通じまして今後可能な限り御指摘のような課題に向かって前進をしてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
○丸谷金保君 まあ前進はできないと思いますけれどもね、今のような姿勢では。従来もできなかった。構造改善であれだけうたい上げていながら実際にはそういう専業農家群をつくって合理的な農業経営ができるような体制の方に日本農業は進まなかった。しかし、農業委員会、特にその中での農地主事がしっかりと背骨を立ててそういう方向に進んだところだけはうまくいっているんですよ。 私たちは、そういう意味で農業委員会がその権限、役割を十分に担っていわゆる専業農家群を守って、農業の合理化というふうなものを進めていった幾つかの事例を知っております。調べれば、ほとんどそういうところは農業委員会がしっかりしたところなんです。そういう農業委員会の中心になるのは何といったって市町村へおりれば農地主事なんですよ、農地主事はプロなんです。都道府県知事の承認がなければ簡単にかえることができないということが農地主事の一つのバックボーンだったわけです。これを外しちゃったんでは、そういう点で私は農業の合理化を進める上での柱を一本抜いたという感じ。構造改善事業をあきらめたのかなと。 そのことはいわゆる「民間活力の発掘推進のための行政改革の在り方」、この中で農業問題に触れているので、それとの関連で今明らかにしておかなきゃならぬと思う。 農業に関しては、これはもう確かにそういう点では行政の簡素化にはなるでしょう。しかし簡素化すべからざるところをしたんじゃいけないんです。どこか出さなきゃぐあいが悪い。いろいろ農水省の中でも考えた末に、直接本省に及ばないところで、どうせ農業委員会が農業委員会法の目的を達するように機能していないなら、ここら辺で簡素化しておきゃいいだろうと。何にもこのことによって実益がないんですよね。さっきの厚生省の試験の問題とはやや違うんです、これはただ、しなくなったというだけのことで。 そういう点について私は、農地主事というものをもう少し大事にしないといけないなという点から、この条文に対してもにわかに替成できないものを持っています。 各論では、そういう点で条文の中身を一々拾っていきますと、何週間もかけてでき上がった答申に基づいて出てきた法案ですから、わずかな時間でこれを審議していくということは無理なんですよ。わずかな持ち時間、わずかな委員会の時間の中でこの膨大なものを審議するというのには問題があります。本来それらの問題について徹底的に質疑を重ねながら法案そのものの誤りなさを練り上げなきゃならぬのに、なかなかそうなっていかない。非常に残念ですが次に入らせていただきたいと思います。 まず三月五日の日経で、「行革の最終目標が民間活力を高めることにある」ということを行革審の内部の事務局の人が語っております。また「行革審が解散時に政府に提出する”卒業論文”は民間活力を中心にしたものになる」、こういうことも言っております。だから、これらから考えると、行革審の最終的な卒論は民間活力だ、こういうふうに理解してよろしいんですか。
○政府委員(山本貞雄君) ただいまの御指摘の点でございますが、行革審の本年二月の報告書におきましても、我が国の活力ある福祉社会の建設のためには民間活力を基礎とすべきであるというふうな考え方に立っておりまして、臨調答申が行政改革の諸種の提言をいたしております場合も、やはりそこに民間活力の活性化という観点に立った考え方をとっておることは事実でございます。一方、ただいま御指摘の行革審の最終答申が民間活力の活用ということになるのかという点につきましては、まだ行革審は来年の六月二十七日まで一年有余を残しておりまして、いまだ卒業論文というふうな議論は行われていない状況でございます。
○丸谷金保君 最終的には来年ですけれども、民間活力の問題についてはもうこの六月か七月中くらいにはさらに答申がまとまって出てくるというふうに伺っていますが、そうでないんですか。
○政府委員(山本貞雄君) 行革審における民間活力の問題について申し上げますと、先生御指摘のように、本年の二月に民間活力問題研究会におきまして、民間活力を基礎とした行政改革のあり方という総論的な考え方を研究会リポートとして提出したわけでございます。そしてこれに基づきまして、諸種の分野があるわけでございますが、ただいま行革審の分科会でこれに関しまして二つの問題を具体的に検討中でございます。一つはいわゆる規制緩和、ディレギュレーションと言われている問題、それからもう一つは国有地の有効活用の問題。この二つにつきましては、御指摘のとおり六月末から七月初めにかけまして分科会報告をまとめまして、七月中には政府に答申を提出するという状況でございます。しかしながら、民活の問題というのはこれにとどまらないわけでございまして、昨年の五月におきましても政府の方から特殊法人の活性化の問題、こういった問題につきましても行革審で検討するようにという御要請がございまして、これは秋以降行革審として取り組んでいきたい。その他の残余の問題につきまして今後どのように取り組むかという点につきましては、秋以降行革審において今後の課題の中で具体的に取り上げる事項を検討してまいりたい、そのような状況でございます。
○丸谷金保君 そういうふうに逃げられるとちょっと質問がしにくくなるんです、秋以降に検討するというんじゃ。しかし結局、民間活力を生かしていくということが最終的な目標であるというこの日経の記事には今の答弁を聞いていても余り誤りないような気がいたします。例えば今御答弁のありました「行政改革の在り方」、この中で六ページに「受益と負担の対応を明確にする意味からも、租税負担よりは社会保障負担の方を重視していくことを求め」ると。これは行政としては私は非常におかしいと思うんです。応益分担を進めるというのですが、本来行政というのは負担分任のものなんです。応益分担をやっていくんなら税金が要らなくなるんじゃないですか。地方とあれしておりますが、国民所得に対して五〇%前後だというふうなことで欧米との比較等いろいろやっていますけれども、そのことよりも、憲法に保障されている国民の権利義務の中で、税というのは本来負担分任のもの。負担分任のものを何かその思想が悪くて応益分担に切りかえていくんだというようなこの六ページの書き方を見ると、税金が要らなくなるんじゃないですか。この話だとこうなるんですが、いかがなものですか。
○政府委員(山本貞雄君) ただいま御指摘のございましたように、ことしの二月の民活の研究会報告におきまして、租税負担と社会保障負担を合わせた国民の負担率は、長期的には高齢化社会の到来等によりまして上昇することとならざるを得ないわけでございますが、現在の欧米諸国の水準、つまり五〇%前後よりはかなり低位にとどめ、その際、受益と負担の対応関係というものを明確にするという意味から、租税負担よりは社会保障負担の方を重視するという臨調の答申の考え方を引用しているわけでございます。 このように臨調答申が考え方を提示いたしましたのは、国民負担の増大ということが無限に続いてまいりますと国民の活力が失われる。そういうことによりまして先進国病に陥る危険性がある。したがいまして、国民負担率が高齢化社会によりましてやむを得ず上昇いたします場合も、受益と負担との関係が比較的わかりやすい社会保障負担の方で極力対応する。もちろん行政の種類によりましてこれは一般の租税で対応せざるを得ないものもあるわけでございますが、御案内のとおり、これからはいわゆる相互扶助と申しますか、そういった社会保険、そういったものを中心とした社会保障の費用というものが非常に増大してまいりますので、そういった観点から受益と負担の対応関係が明確である社会保障負担の方でできるだけ対処していく、こういった意見を申し述べておる次第でございます。
○丸谷金保君 民間活力ということが応益分担にウエートを置くということとつながっていく、これはそういうことだと思うんですがね。しかし、この「在り方」を見ていて、至るところで私はこんなことでできるのかと。例えば先ほどの農業の問題。「国際化の進展の下で、産業として自立し得る農業を確立」する必要がある。先ほど申し上げたように、そういうふうな方向に行ってないんですよ。農業委員会の質疑のときに申し上げたように、実際には農水省は認めているでしょう、行ってない。行革審の中でこういうふうにうたい上げたって、行きますか。第一、国際化の進展の中でアメリカに太刀打ちできるような農業できますか。一体今の大企業の人たちはできると思っているんですか、こんなことが。反別も違うし、問題にならぬでしょう。どうやってやるんですか。
○政府委員(山本貞雄君) この行革審の農業に関する意見は臨調答申を踏まえた意見でございまして、臨調答申は、先ほど御指摘のように、国際化の進展のもとで需要に即した農業生産の再編成を行うとともに生産性向上を図り、内外格差を縮小して産業として自立し得る農業を確立するということが重要である、少なくともそういった方向で各種の改革と取り組む必要がある、このように提言いたしておりまして、この行革審の報告もそういった答申を踏まえまして、「中核農家の育成を中心として、農業者の自主的な生産性向上意欲が十分報われ、農業生産の再編成を促進するような改革を行っていく必要がある。」ということで、基本的に現在農水省が取り組んでおる基本政策というものをできるだけ効果的に達成する努力をする必要があるという指摘をしておるわけでございます。
○丸谷金保君 臨調で言ったからどうこうという——私はこの「在り方」中心に聞くんで、臨調答申までさかのぼると、これはきょうのものにならなくなっちゃうので、臨調に逃げ込まないでください。できないでしょう、農水省の今の「在り方」で中核農家をつくってそういうことが。第一、考えてごらんなさい。九百三十万キロヘクタールですか、アメリカの六割は農耕地可能なんです。三十七万キロヘクタールの日本のうちで農耕地可能一七%です。だから農業だけとってみたら百対一なんですよ。どうしてこれがこの「在り方」で言うように太刀打ちでき自立できるような農業になりますか。逆にアメリカの人を日本に連れてきて日本で農業させて、日本人がカリフォルニアでやれば今のアメリカのよりもっと上手にやりますよ。できないことをうたい文句でこんなことうたったって、みんな腹の中じゃできないと思っているんでしょう、こんなこと。太刀打ちできるはずがないでしょう、だれが考えたって。長官、どうやって太刀打ちするんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) アメリカの農業と日本の農業を比較して太刀打ちできるはずはないじゃないか、これはおっしゃるとおりだと思います。そこで、日本の農林漁業、こういったような弱い産業については必要最小限の国が保護の手を差し伸べるということは、これは当たり前のことなんだろうと思いますね。しかし、さればといって……
○丸谷金保君 さればは要らないから。
○国務大臣(後藤田正晴君) いや、それを言わなきゃだめなんです。さればといって、それじゃ何でもかんでもやっていいのか。せめて今の政府の方針は、私の承知している範囲では、EC並みの何かレベルに持っていきたい、こういうことでせっかく施策を推進しているわけですね。だから私は、その過程においてやれることはやったらよかろうと、こう思うんですよ。しかし、丸谷さんのおっしゃるのと行革の基本的な方針とは、どうも物の考え方というか、やかましく言えば哲学の開きがあるんじゃないかなと思うんですよ。 それは高度成長のさなかに何もかもともかく国にさえ頼っていけばよろしい、国がどんどん金出せと言って今日に至ったわけですよ。ところが今日それが果たしてできるのか。これはできないことも私は事実だろうと思うんですね。だから行革審としては、行政の改革というのは、この際自主自立の立場を重要視しろとか、あるいは応益負担の考え方を取り入れなさい、あるいは民間の活力ということをもう少し考えて、民間に任せるべきものは任していく、そして国は必要な面について手当てをしていく、こういう基本に立たないと納税者の負担というのはいつまでたったってどんどん上がりますよと、こう言っているわけですよ。 したがって、納税者の負担をある程度抑えなきゃならない。しかし、それには税は、先ほどもおっしゃったように、大体基本の原則は応能の立場ですね。しかし社会保障の面について言えば、これは応益のおよその考え方に立っていますね。これらをもう少し適切なあんばいを考えたらどうだと、こういうことです。それが国全体の活力の維持につながるのではないのか。こういう基本の考え方に立っておるわけですから、多少そこは、現状を踏まえて考えれば、行革審のような考え方に立たないと、やかましく言えば西欧病になりますよというのは、私は当たっていると思うんですよ。そこが丸谷さんと基本の哲学が少し違うなと、こう理解している。私の哲学は丸谷さんと同じというわけには残念ながらまいらない、こういう考え方です。
○丸谷金保君 哲学の違いの問題と言われるとちょっと言いたくないけど言わなきゃならぬですがね。いいですか。長官の考えというのは、私の哲学を全く理解していない。例えば私は講演なんかに行って質問を受ける。十勝ワインはどうしてうまくいったんですか。農水省から一銭も補助金をもらわなかったからだと。自分でやれることは自分でやるべきなんだと。違うんですよ。 それから福祉の問題にしても、きょうはこれを長官にも読んでもらおうと持ってきたんですが、もう十五年も前に「老人福祉の池田方式」。これは「ワイン町長奮戦記」というんですが、この中でヨーロッパのような福祉の方式はだめだと。元気なうちは働くことに生きがいを求めさせなければいかぬというので、生きがい課というふうな課までつくってお年寄りに焼き物をやらしたりいろんなことをした。詳細書いてありますから、後で私の哲学をよく読んでもらいたい。そんな答弁というのはないですよ。冗談じゃない。第一、私たちがお年寄りにただ何でもかんでも食べさせていけばいいんだというふうなことにして、働かなくても元気な人でもなんでも年金だけふやしていくようなことをやっていくとヨーロッパのような福祉社会になる、これは大変だよということをもう十五年も前に書いているんです。私が生きがいセンターというところで焼き物をやらしたら、当時、老人福祉センターなら補助金を出すけれども、生きがいセンターでは補助金を出さないと言われたんです、国から。補助金は要らないと言って私は生きがいセンターというのをつくったんです、仕方がないから。焼き物の工場の建物なんかでも小学校の要らなくなった屋体壊すやつを持ってきて古材で建てた、補助金もらえないんですから。 大体生きがいなんて、生きがいという言葉は私が一番最初に老人福祉に使った言葉なんです。それを当時の斎藤厚生大臣が大変いい言葉だと言って私と会ってから使い出した。いいですか、哲学が違うなんて、逆な方向に違うんだよ。とんでもない。私は今長官が言ったようなそういう判断のもとにずっと質問してきたんじゃないんですよ。そこのところはひとつ十分考えていただきたい。残念ながら時間がなくなってきてあれですが、哲学論争をやればこれだけでも二時間くらい欲しいんです。理事、ひとつこの次またこの法案を審議さしてください。私はもう二時間くらい要求しますよ。こういう話になってきたら、とてもじゃないけれども、こんなことあと十分やそこらでおさめるわけにいかない、そういうことを言われたら。私と逆なんですよ。なるたけ国から補助金をもらわないようにすべきだということを終始言ってきているんです。言ってきたし、実際にそういう立場で仕事もやってきたんです。それに今の言葉はちょっといただけない。 それで、官房長官が来たから次の問題と入ります。 民間活力というようなこと、いろいろなことを言いますけれども、国家公務員と会社の社員とじゃ本質的に違うことをごっちゃまぜにしたような論議が今横行している。とんでもない話なんです。年金の問題だってそうです。国家公務員や地方公務員の方が高い、格差だと。しかし企業は企業年金が自分でできるでしょう。そういうことをみんな言わないんだ。もうかればボーナスだって余計出せるでしょう。第一そういう問題で言いますと、ラスパイレスの問題を前に自治大臣とやったことがあって途中で切れちゃいましたけれども、ラスパイレスの問題だってそうです。いいですか、全国一律に国家公務員になるたけ合わせなさいというようなことから、どうして優秀な人材を集めて、特に田舎の不便なところで活力のある地域社会づくりが自治体を中心にしてできますか。例えば、例としては余り適切でないかもしれませんが、百三十六億の予算の執行を五百二十人でやっている自治体と百四十億の予算の執行を二百十人でやっている自治体とがあるんです。片方はもうぎりぎり行政改革をやっているんです、四十年代に管理職を三分の一にしたりして。そうしてそこがラスパイレス高くてどうしていけないんです。平均の全体の予算に占める給与ははるかに少なくて個々のラスパイレスが少しくらい高いくらいのことが何でけしからぬことになるんです。そんなところから国家公務員や地方公務員の活力の問題を抑え込むようにしておいて民間活力、民間活力と言っているのが今の行革審の物の考え方だと思う。どうですか、同じでいいはずないでしょう。いろんなほかのファクターもありますからそれだけで比較もできないかしらぬけれども、一事それをとってみても、みんなならして平均にすれば働いても働かなくても同じようなならしの制度にしておいて、働かないのはけしからぬと言う方がおかしいですよ。信賞必罰、よくやるところはそれなりのことがあるような仕組み、こういうものを考えていかなきゃならないのに今それと逆行しているじゃないですか。 それからもう一つついでに言います。国家公務員、地方公務員が勤務時間中にたばこをのむのは職務専念義務違反になりますか。会社ならこれは職務専念義務違反なんてものはありませんから、企業では。どうですか。
○政府委員(藤井良二君) 国家公務員法は、「職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」として職員の職務専念義務を規定しているところでございます。勤務時間中に喫煙する行為がこの規定に違反するものであるかどうかについては、当該行為の具体的対応を踏まえて社会的通念に従って判断することになると思いますけれども、通常はそれが直ちに職務専念義務に違反するものではないというふうに考えております。
○丸谷金保君 そうすると勤務時間中にたばこをのんでも違法ではないということですね。
○政府委員(藤井良二君) 例えば禁煙というような表示のところでたばこを吸えば服務規定違反になると思います。禁煙のような表示のないところでのむのは差し支えないと思います。
○丸谷金保君 そうしますと酒はどうです。禁酒という表示のないところで酒を飲んだら。
○政府委員(藤井良二君) おのずからそこで社会通念をもって判断すべきことであって、これは法律の規定の問題というよりもむしろ社会常識の問題だろうと思います。
○丸谷金保君 社会常識と法律と違うんですよ。職務専念義務というのは社会常識じゃないんです。だから聞いているんです。社会常識に逃げたらいけませんよ、専門家が。どっちかなんです。あなたの答弁からいえば、禁酒と書いてないところで酒を飲んでもいいことになるでしょう。
○政府委員(藤井良二君) これはけさの東京新聞あたりに出ているわけでございますけれども、都の人事委員会がこの禁煙問題について判定を下しておりまして、この判定の中で言われていることは、禁煙の必要性があるところでは禁煙の表示をしたらどうかというようなことと、それから喫煙をする職員が禁煙とされていないところで喫煙をしない職員と同室する場合には、喫煙が健康に及ぼす影響について十分認識し、喫煙をしない職員に配慮するように職員の自覚を促すことが必要だというようなことを言っております。こういったようなことは法律の問題というよりも、むしろ社会常識の問題として考えていくのが妥当ではないかというふうに思っております。
○丸谷金保君 法制局長官が来ておりますんで法制局長官に、法律事項を社会常識だけで、社会常識で逃げてシロクロつけないことができますか、法律の規定を。
○政府委員(茂串俊君) 法律の規定と申しますのはいろいろございますけれども、ただいま問題になっておりますような、いわゆる公務員の服務の面での義務規定でございます。このような義務規定につきましては、もちろんその法律のいわゆる法規範としての中身、これを十分に検討し、そうして見きわめた上で判断をすべきものだと思いますが、今御答弁がありました点につきましては、これは法律の内容を十分に見きわめた上でそれを事実関係に当てはめる、ある特定の具体的な事実に当てはめる。その当てはめる場合に、いわゆる常識と申しますか社会通念と申しますか、そういうものが働いて、それで判断が下るという意味でお答えになったのだと思います。 したがって、法規範としてはあくまでも抽象的な意味で、あるいは法規範としての中身、これを見きわめなくてはいかぬことは当然でございますが、その見きわめた上での法規節を具体的なある事件に当てはめる場合に社会常識が働く余地がある場合がある。この場合はまさに働く余地がある場合に当たるのではないかというような御答弁をされたのだと私は考えております。
○丸谷金保君 実は官房長官にほかのことで御質問したいと思ったんですが、きょうはちょっとできなくなってきておるんですけれど、今法制局長官が言われたとおりだと思うんです。ただ、それは例えば、原則として職務専念義務という法文規定上は違法だけれども、社会常識上任命権者としてはそこまでは許容するんだというような意味で社会常識がそこに働くんであって、法文の規定としては適法か違法かというふうなことしかないんじゃないですか。私が質問しているのは法文規定として適法か違法かを聞いているんです。社会常識はもちろん知っていますよ。私たちだって人をたくさん使ってきていますから、知っています。ただ、法文規定に照らしてみて、勤務時間中に禁煙の表示がないからといって喫煙してもいい、禁酒の表示がないから飲酒してもいい。これはどっちも同じことになりますよ、こうなれば。そういうことになるかと、法律的にですよ。その上での社会判断です。いかがです、もう一回答えてもらわぬとね。
○政府委員(茂串俊君) 先ほど申し上げたのがいわば法律解釈の一般原則でございますけれども、ただ具体的に委員が御提起になっておられます執務時間中の喫煙行為でございますが、これはいろいろな見方もございますでしょうけれども、我々としては、それが職務専念義務違反にもろに直接的に違反すると申しますか、そういうような行為ではないんではないかというふうに私は考えております。
○丸谷金保君 そうすれば違法でないと。
○政府委員(茂串俊君) 違法ではないということでございます。
○丸谷金保君 国家公務員や地方公務員というのはそういうことがいろいろ問題にされるんです。いいですか。今違法でないと言ったけれども、市役所のやつらいつ行ってみてもたばこ吹かして天井向いて遊んでいるとか、批判の対象になっているんですよ、社会常識上は。今長官が違法でないというふうな判断を下されましたけれども、しかし世間の見る目はそれだけ厳しいんです、公務員に対しては。これは民間の企業とは違うんですよ。そうしますと、そういう厳しい目で見られている一方では、給与その他の面でも企業であれば利益を上げれば何らかの形で働いている人たちに分配されますでしょう。公務員はそれがないんです。ここで同じような考え方の民間活力を充てんして行政をスリムにしていく。スリムにするのはいいですよ。私どももやってきました。その点ではこの法律なんて大山鳴動してネズミ一匹、冒頭申し上げたようなもんですから、いいんですけれども、民間活力というものが何かそういう違いを無視して進みつつあることに対しては非常に心配するんです。応益分担だけが先行して負担分任の行政の本質的な精神を忘れちゃっている、忘れ去ろうとするような空気がとうとうとして今流れているんですよ。これはどうですか、そういうあれはないんですか、長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほどお答えしましたように、高度成長時代は何もかも国がやれ、地方がやれと、こういったことの見直し、つまりは負担の分任といいますか、それを基本に置いてもう少し身軽にすべきものは身軽にしたらどうだ、こういうのが基本に流れておりますから、別段丸谷さんのおっしゃるのとそう違ったところはないんじゃないかと、かように考えております。
○丸谷金保君 官房長官、最後になりましたけれども、実は一月二十一日の参議院の決算委員会で、諮問機関の問題について経費その他については、後藤田長官は、建前上資料をまとめたりするというふうなことは、これは幸い長官がお見えになったからということで、長官の方に問題を移しましたが、長官はこう言っているんです。「各大臣やそれぞれ行政の責任者がいろんな判断をしてまいります場合に、広く各方面の御意見を聞いて、これを行政に資していくという姿勢というのは非常に大事なことだというふうに考えておりまして」「国費をそこに充当いたしましても決して間違っておるとは思わない」と、こうおっしゃっているんですよ。それはそうだと思うんです。 ただ、これが私的諮問機関というのはどうかというんです。私的諮問機関というのは公的な金を使っても差し支えないという。昔はいわゆる私的諮問機関というふうなただし書きがついていたのが、いつの間にか各大臣のあれ、全部私的諮問機関です。しかし、今官房長官の言うように、国費を出しても差し支えのない各種のこういう機関を私的諮問機関という名前で呼ぶことは間違っていませんか、どこが私的なんですか、公費を出して。これを今後内閣の統一見解として私的諮問機関なんという言葉を直してください。
○国務大臣(藤波孝生君) いつごろから使われるようになったのか詳しく今勉強しておりませんが、先生の御指摘のように私的諮問機関という呼称は決して正しくないというふうに思います。これはいわゆると先生御指摘のように、八条機関と区別して懇談会のことを考えております間に、だんだんその呼称が私的諮問機関という名で一般的に通用するようになったのかと、こういうふうに思うのですが、十分従来の経緯もどういうふうになっているのか一回勉強もしてみますけれども、正しい表現ではない、適切に行政を運営するための懇談会等と申しますか、呼べばそういうような呼び方が一番正しいのではないかというふうに思いますが、よく研究いたしまして、政府といたしましても、統一して何かこの懇談会に対してのこれから政府の側からお話を申し上げる際の表現を研究させていただきたいというふうに思います。
○丸谷金保君 これは大蔵大臣にも申し上げておきましたけれども、ひとつ統一してこんなばかな言葉がひとり歩きしないように。資料提供問題をこれからやろうと思ったんですが、資料提供その他でも私的だ私的だということで逃げてきた。これがありますので取り上げたかったのですが、時間ですからやめます。
○委員長(大島友治君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時四十分まで休憩いたします。 午前十一時四十六分休憩 ─────・───── 午後零時四十四分開会
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○太田淳夫君 それでは、今回いろいろと審議されておりますこの法案につきまして最初に、趣旨説明はこの前お聞きしましたけれども、概要を簡単に御説明願えますか。
○政府委員(竹村晟君) 今回の法案の提出の趣旨でございますけれども、国、地方を通じます行政改革の推進の一環といたしまして、地方公共団体の事務に係ります国の関与等の整理合理化を図りまして、地方公共団体の自主性を尊重して地域の実情に合った総合的、効率的な行政の実現及び事務運営の簡素化を図ることがこの法案を提案した趣旨でございます。 法案の概要でございますけれども、この法律案におきましては一つは、地方公共団体が事務を行うに当たりまして、法律によって義務づけております許可、認可、承認等の関与の整理合理化、これが二十六事項でございます。それから第二番目の内容といたしまして、地方公共団体が事務を行うに当たりまして、法律によって設置を義務づけております特別の資格または職名を有する職員及び附属機関の必置規制、この整理合理化が二十四事項でございます。それから三番目の内容といたしまして、民間に対します地方公共団体の許認可、この整理が六事項でございます。合わせまして十省庁、四十一法律にわたります五十六事項につきまして整理合理化を図るという内容でございます。
○太田淳夫君 ことしは地方行革の年と言われているわけでございますけれども、最初に総務庁長官に、今後も地方行革を推進していくに当たりましての基本的な考え方を伺いたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今日の国と地方団体の関係を見ました場合に、何よりも重要なことは、お互いの信頼関係をいま一段と進めていく必要があるのではないのか。もう一つは、その間国が余りにも細かな点に至るまで地方団体に対して指示なり許可なりがんじがらめに縛り過ぎておるんではないのか、それらは信頼の上に立ってもう少し自主的な行政ができるようにする必要があるだろう。それからもう一つは、戦後四十年近い間にいつとはなしに、地方団体はすべて中央へ依存するといったような物の考え方が色濃くあるわけでございます。ここらは、地方団体は地方団体として自分たちの任せられている仕事は自分たちでやるんだといったような物の考え方に立って行政を推進していただく必要があるだろう。こういう点を基本にして見直す必要がある。その際に現状を分析しますと、地方みずからがやってもらわなきゃならぬことは、これは当然の話ですけれども、何といっても少も国が地方を縛り過ぎておる面が強過ぎる。中央の各省庁はもう少し地方自治というものに対する理解を深めて努力をしてもらう面がより多いのではないかな。こういう観点に立って今後の国と地方との関係を整理していきたい、これが基本的な考え方でございます。
○太田淳夫君 今長官からお話ありましたが、私は同感でございます。自治省に伺いますが、今長官からもお話ありましたけれども、地方団体は、こう見てみますと、国、地方の財政悪化が始まった昭和五十年ごろからもう既に自主的に行政改革に取り組んできているわけですね。昨年秋の都道府県を対象としました自治省の調査でも、昭和五十七年から五十九年度の間に組織の統廃合などの簡素合理化に四十一団体、それから事務事業の整理簡素化が四十四団体、補助金の整理合理化が四十七団体、これはすべてです。あるいは定員削減でも三十九団体、こういった積極的な措置が見られるわけでございます。国の場合は臨調を設置しまして五十七年度から行革を本格化してきたわけですけれども、地方はそれよりも早く行革に取り組んできているということがそれからもわかるわけです。この成果は決して小さくないと思うんですけれども、自治省としての現在までの地方行革に対する評価はどのようなものでございましょうか。
○政府委員(石山努君) 行政改革は国、地方を通ずる当面の重要な課題でございまして、私どもとしては、国の行革に合わせて地方の行革を推進するということが何よりも必要なことであるというように認識をいたしております。 地方団体の取り組みについてでございますが、ただいま御指摘もございましたように、国に先駆けて行政改革に相当の数の団体が取り組んできておりまして、かなりの成果を上げてきているというように認識をいたしております。ただ、地方団体の中にはまだ必ずしもその努力が十分でないというような団体も見られるところでありまして、そういうような状況から、これまでの実績を踏まえてさらに行革を推進するということが必要であろう、かように認識をいたしております。
○太田淳夫君 今回提出されていますこの整理合理化法案も地方行革推進の一環と思うわけですけれども、現在政府は地方行革を推進するための方策としてこのほかにどのような対策をいろいろと検討されているのか、また今後どのような方策を講じようとしているのか、その概要をお伺いします。
○政府委員(古橋源六郎君) 地方行革を推進いたしますための方策といたしましては、現在御審議をお願いしております地方公共団体に対します国の関与、必置規制の整理合理化のほかに、現在、行革審に対しまして機関委任事務のあり方の見直し、それから許認可権限の地方への移譲ということについて御検討をお願いしておるわけでございまして、これが本年七月の答申が出てまいりますればできるだけ速やかに実効ある対策を講じてまいりたい、こういうふうに考えております。そのほか、政府といたしましては、これらの方策によりまして地方が行革を推進してまいります場合の環境整備を図っていくということがありますとともに、あわせて地方公共団体に対しましても、今後給与でございますとか、定員であるとか、事務事業の合理化に積極的に取り組んでいただきますよう、自治省において地方行革大綱を策定していただいておりますので、これに従って地方公共団体におきます自主的な行革を推進していただくよう要請しているところでございます。
○太田淳夫君 今地方団体の自主的な行革の推進というお話がございました。また後ほど触れますけれども、住民に身近な行政は住民に身近に接触をしている地方公共団体において処理されることが、国、地方を通ずる全体としての行政の簡素合理化につながると私たちも思っておりますけれども、こういう視点から行革審においても機関委任事務の見直し、あるいは民間に対する許認可権限の国からの地方団体への移譲等検討されているわけですが、今答申が七月に出されるということでございましたけれども、行革審の審議のスケジュールはどのようになっておりますか。
○政府委員(山本貞雄君) 御指摘の機関委任事務のあり方並びに国、地方を通ずる許認可権限等のあり方、この二つの問題につきましては、現在行革審に地方行革推進小委員会というものを設けまして審議中でございます。現在の予定では、この小委員会が六月中に報告をまとめまして、そして七月中には行革審としての答申を政府に御提出するという予定でございます。
○太田淳夫君 このような問題は網羅的に検討しませんと、中途半端なものに終わってしまって意味がないと思うんですけれども、行革審は、この機関委任事務あるいは権限移譲についての検討に当たりましては、どのような観点からこれを検討対象として取り扱っているわけですか。
○政府委員(山本貞雄君) ただいま御指摘の機関委任事務及び権限移譲の問題、これにつきましては、行革審といたしましては、数次にわたる全国知事会の意見あるいはその他地方関係団体の意見、要望、さらには地方制度調査会の答申等々、既存の意見、要望を一応すべて洗いまして、これにつきまして実態を調査いたしました。また特に権限移譲問題につきましては、総務庁の行政監察局にこれらをお渡しいたしまして御検討をいただきまして全国的な調査の結果を先般聴取いたしたところでございます。そのような事項を対象にいたしまして、行革審といたしましては、地方自治の尊重という観点、それから国、地方を通ずる行政の簡素合理化、こういった二つの観点からそれぞれ具体的な検討をただいま進めておる、そういう段階でございます。
○太田淳夫君 大臣が見えませんので。別な問題に入ります。 郵政省が見えていると思いますけれども、郵便事業についてお尋ねしたいんです。郵政省が昨年十月からサービスを始めました電子郵便の利用が非常に好調だということでございますが、現在までの取扱実績はどうなっていますか。
○説明員(小島健史君) 今御質問の電子郵便につきましては、昭和五十六年七月からサービスを開始いたしまして、昨年十月からサービスの全国拡大を行ったところでございます。利用状況につきましては、サービスを開始した昭和五十六年七月から昨年の九月までで約十五万通でございましたが、それ以降、全国拡大いたしました昨年の十月から本年の五月末までの通数は百二万通となっておりまして、取扱物数がふえておる状況でございます。
○太田淳夫君 またこの七月から都内で超特急郵便のサービスを開始する、こういう報道もあるわけですが、構想はどのような構想ですか。
○説明員(小島健史君) 超特急郵便は試行サービスとして行うものでございますが、東京二十三区内におきまして電話でお客様から御注文をいただきました場合に、自動二輪車でお客様のところまで赴きまして、そこで配達すべき郵便物を受け取りまして、そこからそのままあて所まで速やかに配達する、そういうサービスでございます。
○太田淳夫君 一般に国民の利便のために行政サービスというものが向上することは好ましいと思うんですけれども、他方、公営事業でありますところの郵便事業というのは、本来ナショナルミニマムとしての信書の配達手段を確保するということが重要であって、無制限にサービスを高度化するということが適当かどうか疑問もあろうと思うんです。特に近年民間の宅配便とかあるいは書類運搬業ですか、これが飛躍的に今伸びている状況のもとで、これらの分野と競合するような形でサービスを拡大するということは問題じゃないかと思うんです。 去る二月の行革審報告書の中でも、郵政等の現業につきましては「臨調答申の趣旨に沿って、民業を補完しつつ適切な役割を果たすことを基本として事業の在り方を見直し、民間委託の推進等により、事業運営を合理化、効率化する必要がある。」、このように行革審の報告でもあるわけですけれども、郵政省はむしろ現在の業務処理体制を見直してより一層簡素合理化を図る方向で検討するのが一つの方向じゃないかに思うんですが、その点についてどのようにお考えですか。
○説明員(小島健史君) 今先生御質問されました郵便事業の経営でございますが、御承知のとおり、信書の送達は郵便事業の独占でございまして、信書の送達を中心といたしまして全国あまねくネットワークを形成しているわけでございまして、そういうネットワークを通じて郵便サービスを提供しているわけでございますが、せっかく全国横築されました全国ネットワークをできるだけ有効に活用して、それが結果的に国民利用者の利便の向上に資するものということであれば、積極的にいろいろなサービスを提供していくことがよろしいのじゃないかなと私ども思っているわけでございまして、このたびの超特急郵便とかその他のサービスにつきましても、そういう考え方に基づいていろいろ検討し、提供しているということなんでございます。 また、今の合理化につきましては、当然のことながら国民から負託された重要な事業でございますので、これまで各種の経営万般にわたる効率化、合理化施策を行ってまいりまして、できるだけ利用者の方に御負担をおかけしないように努めてまいったつもりでございます。
○太田淳夫君 去る五月二十一日に公表されました、郵政大臣の懇談会、郵便局の将来ビジョン懇談会の報告によりますと、郵便局のサービスの高度化、多様化というのを提言しているわけですけれども、この内容はどのような内容ですか。
○説明員(正幡浩久君) 郵便局の将来ビジョン懇談会につきましては、実は、現在のような急激に変化します社会経済環境の中で、二十一世紀に向けまして郵便局がどのようにあるべきかというようなことを中心にいろいろ学識経験者に検討いただいたものでございますけれども、その内容といたしましては、先生御指摘のように、この五月二十一日中間的に取りまとめました報告書をちょうだいしたわけでございますけれども、その内容といたしましては、まず第一に、郵便局は従来どのような役割を果たしてきたかということがございまして、郵便局は地域に親しまれる存在として役立ってきた、しかもこうした郵便局は全国的なネットワークを持っている、こうしたネットワークを今後の社会の変化に伴ってこれを利活用していくということが国民の利益につながるんだというような御指摘がまずございました。そして現在、社会情勢がどのように変化していくかというようなことがいろいろ述べられておりまして、さらにそうした社会情勢の変化に伴いまして郵便局がどのように対応していくか、例えばサービスをどのようにしていくか、あるいは情報通信というようなそうした高度な技術をどのように利用していくかというようなことにつきまして、いろいろ基本的な対応をこうするべきだというお考えが示されました。さらに将来の問題といたしまして、郵便局は総合的なサービスセンター、あるいはコミュニティーセンター、あるいは情報センターとしての役割を果たしていくべきだ、そのような報告をちょうだいしているわけでございます。
○太田淳夫君 それに対しましていろんな業界からの民間圧迫だという声がいろいろ上がっているというような報道もされているわけですけれども、その点はどのようにとらえていますか。
○説明員(正幡浩久君) 私、この郵便局の将来ビジョン懇談会の事務局を担当しておるわけでございますけれども、実のところ、私は従来そうした民間業界の方々からこうした中間報告書につきましていろいろ何か苦情というような種類のものをちょうだいしたというようなことを承知しておりませんでございます。そのような状況でございます。
○太田淳夫君 そうすると、地域のコミュニティーセンターというようなことになりますと、いろんな業務が含まれてくるわけですね。それはあれでしょうか、特定郵便局、普通局すべてがそういうような立場でもってやっていきたい、こういう構想なんでしょうか。
○説明員(正幡浩久君) 先生御指摘のように、コミュニティーセンターというようなことでいろいろなサービスにつきまして中間報告書の中では述べられておるわけでございますけれども、お願いいたしました先生方の御議論では、こうしたサービスをすべての郵便局についてすべての地域で行えるものではないということの御指摘もあわせてございまして、それぞれの地域の特性あるいは郵便局の状況に応じてそれぞれそうした問題は今後考えていくべき問題だ、そんなふうに御指摘をいただいているところでございます。
○太田淳夫君 わかりました。いろんな業界からの直接的な声はお聞きになっていらっしゃらないと思いますが、そういうことがいろいろと報道されてはきていますね。そういうのをごらんになっておるわけですね。その点で何かお考えになっていますか。
○説明員(正幡浩久君) 実はこの中間報告書をちょうだいいたしましたのが五月二十一日でございますが、五月二十二日には各紙に報道された記事がございます。その中に、例えば記事の中でございますけれども、生保業界、民間の生命保険の業界からこうしたものはどうかというようなことがあるというような記事は拝見したことがございますけれども、先ほど申し上げましたのは直接私として聞いたことがないということで申し上げたのでございます。そうした記事を見たことはございますけれども、こうしたいわばサービスのあり方といいますのは、一つには、国民の立場に立ちまして、あるいは利用者の立場に立ちましてどうかということが一つの問題であろうかと思うわけでございますが、この懇談会の諸先生方は主として利用者の立場に立たれまして、いろいろこうしたサービス、郵便局の地域におけるサービスのあり方というものを御議論いただいてこのような中間報告の取りまとめになったというふうに承知しておるわけでございます。
○太田淳夫君 わかりました。 そうしますと、中間答申があって、これからいろいろとその報告をどのように取り扱っていくのか検討されてくると思うんですね。今お話がありましたように、どの特定郵便局あるいは普通郵便局でも対応できるということではないかもしれませんが、住民の利便になるようなことはこれから郵政省としてもいろいろと考えて進めていかれると思います。例えばどこかモデルケースをつくって試行的にそれをやってみるとか、そういうようなこともお考えになっていらっしゃるんですか。
○説明員(正幡浩久君) この中間報告をちょうだいいたしまして、郵政省といたしましても、この中間報告の内容は非常に貴重な御示唆を含んでいるというふうに考えているところでございまして、今後なお、しかしサービスの形態その他いろいろ含まれておりますので、細部的な検討などを経まして、できるものにつきましては、これを施策に反映していきたいというふうに考えているところでございます。
○太田淳夫君 大臣見えませんけれども、次は自治省の方にお聞きいたしましょう。 ことしの四月に社会経済国民会議が「地方改革に関する提言」を提出されたわけですが、その概要はどのようにとらえてみえますか。
○政府委員(石山努君) 御指摘のございました社会経済国民会議は四月二十五日に「地方改革に関する提言」というものを発表されました。「地方六団体の権限強化と「自治体行財政委員会」の設置を通じて自治体に国政参加の道をひらく」というようなことを初めといたしまして、自治体の行財政自主権の確立、全国画一的な市町村制度の大幅な自由化、さらに中央官庁の許認可官庁から政策官庁への脱皮、高度情報化社会の進展による新たな集権化を防ぐための調査委員会の設置、そういうような非常に幅広い課題につきまして提言がなされております。
○太田淳夫君 これは極めて重要な提言がこの中に含まれていると思います。その中に、後ほどまた御質問します問題もありますけれども、この提言に関連しまして同会議から自治省に公開質問状が出されておりまして、これに対しまして古屋自治大臣が回答するということが新聞には報道されておりましたんですが、この回答というものはどのように扱われているんでしょうか。既に回答されたのか、回答したとすればその内容を示していただきたいし、回答してないなら、いつごろ回答される予定なんでしょうか。
○政府委員(石山努君) この提言についての回答をどうするのかというお尋ねでございますが、自治省といたしましては、これまでいろいろな提言がございますけれども、それぞれの提言について公式に見解を申し上げるということはこれまでいたしていないところであります。 先ほど申し上げましたように、この提言は制度の根幹にかかわる非常に幅広い問題を含んでおりまして、今後地方制度調査会等で十分に検討をいただくべき内容のものも含まれております。また問題によりましては、自治省だけでこれに対する見解を申し上げるというのはどうかというようなものも含まれておりますので、今後の取り扱いにつきましては、公式な自治省からの回答ということではなくして、これらの問題についての考え方といいますか、そういうものをお話をするというようなことを考えておりまして、機会を得てそのような形で対処をしたいというように考えているところであります。
○太田淳夫君 正式な回答ということでなくても、いろいろと問題について考え方をお話したいということでございますが、これまた新聞報道によるわけですけれども、自治省もこの会議の提言の内容の幾つかについては似たようなものを考えているということを報道されているんですが、どういうところが似たようなものなのか、あるいは検討状況、そういうものは具体的にお話できるわけですか。
○政府委員(石山努君) この提言、先ほど申し上げましたように非常に幅広い見地からいろいろな提言がなされておりまして、私どもとしては、この提言が今後の地方分権の推進と地方自治制度の多様化、個性化を進める、そういう観点からなされたものというように認識をいたしておりまして、地方分権の一層の推進を図るという立場からなされたものという理解をいたしているわけでございます。 この提言の中を見ますと、先ほど申し上げたような項目について、さらに細目にわたっていろいろな御提言がございますけれども、この提言の中には既に地方制度調査会から指摘をされている、そういうような事項もございますし、機関委任事務の問題、その他行政改革の一環として現在取り組みがなされているものも含まれているわけでございます。 そういうことで、これらの提言につきましては、今後地方制度調査会等でいろいろと今後のあり方等について御論議をいただきます場合に参考になるものという理解をいたしております。
○太田淳夫君 この提言の中に、先ほどお話はされてませんでしたけれども、私たちいただいた資料の中にありますけれども、自治省からのあるいは各中央官庁からの地方団体への出向の、あるいは天下りと申しますか、それが指摘されているわけですけれども、自治省では各省庁からの地方公共団体に出向している人の人数を把握しているんでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(森繁一君) お答え申し上げます。 自治省といたしまして、各省から地方団体に対する出向者の数につきましては、これは把握いたしておりません。ただ、私どもから地方団体との人事交流によりまして地方団体の幹部職員として在職しております職員の数は、特別職を除きますとおおむね百五十名でございます。
○太田淳夫君 特別職を含めるとどのぐらいになるんですか。
○説明員(森繁一君) それに三十数名を加えていただければいいと思います。
○太田淳夫君 三十数名ということでございますけれども、この提言の中の記載によりますと、これは自治労が調査されたと書いてございますが、「昭和五十五年の調査によると、都道府県に対する中央官僚の「天下り」の総数は七二〇名にまでおよんでおり、官庁別では自治省二四二名、建設省二〇二名、厚生省・社会保険庁九五名、農水省六八名といった内訳になっている。」と、こうなっていますが、その点どうですか。
○説明員(森繁一君) 先ほど特別職を除きましておおむね百五十名程度と申し上げましたが、これは地方団体の幹部職員として在職しておる者の数を申し上げたわけでございます。幹部職員でない職員を含めますと大体お示しの数字に近いような数字になろうと思いますが、調査の時点でかなり増減をいたしております。
○太田淳夫君 それは増減があろうかと思いますが、この中の記載を見ますと、「ことに自治省は、定員の六〇%を超える職員定数外のキャリア組の職員が、一定のローテーションのもとに恒常的に自治体へ天下り、指定席ポストを占めている。自治省からの出向者が総務部長や財務・地方課長といった自治体の管理・監督的な役職を独占し、自治体職員がこうしたポストになかなか就けないといった例はけっして珍しいことではない。」というふうに記載もされているんですが、その点はどのように認識されていますか。
○説明員(森繁一君) 自治省の地方公共団体に対します人事のあっせんはすべて地方団体の要請に基づいて行っておるものでございます。任命権者が当該職員を地方団体の行政運営に当たって活用したい、こういう判断に基づくものであろうかと思います。したがいまして、私どもから出向しております職員のポストにつきましても、任命権者の考え方などによりまして、その都度変わり得るものであろうかと思います。中には同一ポストという例があろうかと思いますが、任命権者の考え方によりまして、その都度現に変わっておりますし、変わり得るものであろうと、かように思っております。
○太田淳夫君 あなたが言われたようなこともここに書いてあります。大体「自治体的捕われて出向するのだと主張」していると書いてありますね、ここに。 そのうち、大体同じ省庁の人がついているポストというのがあると言われておりますが、それについては調査をされていますか。
○説明員(森繁一君) 先ほど申し上げましたように、任命権者の考え方によりましてポストもその都度変わり得るものだろうと、こう思っておりますので、私どもの方で代々続けて出向しておりますポストにつきましての集計はいたしておりません。
○太田淳夫君 それはおたくの自治省の分でもわからないんですね。
○説明員(森繁一君) さようでございます。
○太田淳夫君 こういった中央官庁からの地方公共団体への出向というのは、地方公共団体からの要請と今おっしゃいましたね。あるいは人事交流とかいう、そういう名のもとに行われているわけですけれども、実際はこれは中央官庁からの天下りじゃないかと思うんです。しかも、既得権益化した悪習があるものが多いと、こうも言われて、今までもいろいろと論議をされてきたと思います。また各省庁からそれぞれの関連部局に行っている例が多くて、そのために中央省庁間のいろんな縦割りによるいろいろな問題を地方公共団体に持ち込む結果になっていることが多い、こういう指摘もされているわけですけれども、こういった天下りにつきましては原則的に禁止すべきだと思うんですが、自治省の見解はどうでしょう。
○説明員(森繁一君) 先ほど来申し上げておりますとおり、私どもの地方団体に対します人事のあっせんは、すべて地方団体の要請に基づいて行っておるものでございます。それぞれの地方団体の任命権者の判断によりまして職員をそれぞれの適切なポストに配置いたし、地方団体の行政運営あるいは住民福祉の向上のために役立っているものと考えておるところでございます。天下りの問題につきましての議論があるということは承知をいたしておりますけれども、こういう形での人事交流というのは、全体として見た場合、例えば地方団体の職員と交流することによりまして相互に切磋琢磨し、資質の向上が期待できたり、あるいはフレッシュな感覚を地方行政に生かしたり、こういうメリットもあるんではなかろうかと思いますし、国と地方の双方にとりましてメリットがある制度だと、私どもはかように考えております。
○太田淳夫君 国と地方それぞれがメリットがあるというお話ですが、いろいろなメリットもあろうかと思いますけれども、いろいろとこの提言の中でも指摘されておりますように、地方自治の本旨にもとるような措置ではないかと思うんです。またこの問題につきましては、自治省だけで調整できる問題じゃないと思うんです。官僚の皆さん方の特殊法人等への天下りにつきましてはいろいろと審査も受けてますね。そういったように、総務庁のような総合調整機能を持ったそういう役所で統一的にこの問題については調整を図るべきじゃないかと思うんですが、その点、長官はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 中央の各省庁と地方団体との人事交流、これは地方団体と中央の省庁のお互いの協議で今実施をせられているわけでございます。総務庁としてそれに直接タッチするという立場ではございません。ただ、人事交流そのものは、人材の効率的な活用であるとかあるいは中央政府各省と地方団体との間の相互の理解を深め、協力関係を深めていくという意味において私はいいことだと思っております。これは別段中央各省庁と地方団体の間だけでありません。今日のこの中央各省の縄張りを解く意味においても、中央省庁の相互の間も、若いときあるいは中堅時代あるいはもう少し幹部になってから、もう少し人事交流が活発に行われるべきだ。さらに一歩進めて言えば、場合によれば民間人との相互の交流だって私はやった方がむしろプラス面が多いんじゃないかなと、これぐらいに考えているんです。 御質問の中央と地方との間については、これはやらないといけないのではないかなというぐらいの考え方でございます。ただ、自治労等が天下りけしからぬという意見を前から言っておる。私はそれを百も承知しておりますけれども、職員組合の諸君ももう少し気持ちを大きくしていただいたらどうだろうか、むしろ相互の交流をやったらどうだろうか。中央政府から一方的に地方団体へ行くんでなくて、同時に地方団体の職員を中央省庁も取り入れてお互い交流することが全体の行政能率を上げる意味においてはやらなきゃならぬことだと、かように私は実は考えておるわけでございます。もちろんそれに伴う、今太田さん御指摘のような弊害面が絶無とは思っておりません。そこらはきちんとけじめをつけるという必要があることは申すまでもないと、かように考えております。
○太田淳夫君 今長官からお話がありましたけれども、どうですか、そういう考えありますか。
○説明員(森繁一君) 長官からお話のあったとおりでございますが、私ども、先ほど長官の話の中、地方団体の職員も私どもの方は受け入れております。お互い人事交流でありますから、地方団体の職員を自治省の職員として受け入れて、何年かたったらまた地方団体に帰る、こういうやり方も現に、ごく一部分ではありますが、手がけておるところでございます。地方団体の職員が自治省へ参ります場合に、例えば子弟の教育の問題だとか住居の問題だとか、幾つか解決しなければならない問題があろうかと思いますが、そういう意味のお互いの交流人事というのは今後積極的にふやしてまいりたい、かように考えております。
○太田淳夫君 地方へ参りまして立派に職務を遂行されている方がおみえになるわけでございますから、一概にはそれは言えないと思いますけれども、いろいろと指摘されておりますように、地方自治という問題も戦後もう四十年たってきているわけですね。地方団体そのものもそれぞれ問題の解決能力あるいは処理能力等も随分できているわけですから、その中でまた育ってきた、地方自治の中で育ってきた人材も多いわけですから、そういう人を大きく育てる意味におきましても、先ほど長官もおっしゃったように、何でも国ががんじがらめにしていかなきゃならない、縛りつけておくことが多いから仕方がなくて中央から受けなきゃならないというような、そういう、今もそんなことは各委員会で指摘されていましたし、前回の補助金一括法案のときもいろいろ指摘されておりましたけれども、そういう地方自治本来の趣旨から外れたようなことは早く全体的に解決していかなきゃならない点じゃないかと思います。そういった意味で、今回のこの法案も、それは十分ではないということは後ほどまた指摘しますけれども、さらに地方の改革を進める立場から、長官は、いいことだ、いいことだということじゃなくて、ひとつ改革を図っていただきたいと思うんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、太田さんおっしゃるように、マイナス面がないとは申してないわけですよ。だから、そこらは是正すべき点は是正しなきゃいけませんけれども、さればといってそういうデメリットの分と人事交流によるメリットの分、これは比較考量して、デメリットのところだけを声高に言って、だから禁止しろといったような考え方は、これは私は避けるべきではないのか。もう少しデメリットの面がどこにあるんだ、これの弊害をなくするという立場に立って、そして人事交流というものを私はお互いの間でやるべきものではなかろうかと、かように考えているわけでございます。
○太田淳夫君 それではその論議を終わりまして、法案の中身に入らしていただきます。 今回の行革審答申事項と法案に盛り込まれました事項の関連について説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(竹村晟君) 行革審で答申されました国の関与あるいは必置規制の整理合理化事項は御承知のように八十五事項でありますが、このうち法律事項が五十四事項ございます。今回の法案には関与と必置規制の関係では五十事項が盛り込まれております。今回の法案は、これに民間団体に対します都道府県の行っております許認可関係を六事項加えまして、五十六事項が今回の法案の内容でございます。
○太田淳夫君 今回の国の関与、必置規制の整理合理化関係につきましては、行革審答申事項が八十五事項で、一括法案にも盛り込まれました法律事項が五十事項であるということですが、残りが三十五事項あり、三十五事項のうち四事項が法律事項で、三十一事項が政令事項であるということですけれども、四法律事項につきましてはなぜ今回の法律案に盛り込まれなかったのか、その点について総務庁からお答え願いたいと思います。
○政府委員(竹村晟君) 法律事項は先ほど申し上げましたように五十四事項でありますが、このうち四事項が今回の法案に盛り込まれておりません。 それは一つは、都道府県が牧野管理規程をつくる場合に農林水産大臣の認可が必要でありますが、これを届け出等にするという内容であります。それからもう一つは、福祉事務所の設置基準あるいは職員の配置基準、この法定制を廃止することというのが第二の事項でございます。それから第三の事項といたしまして、優生保護相談所を廃止の方向で検討する。それから四番目が都道府県の地代家賃審査会を廃止すると、こういうことになっております。 これらにつきましては、行革審の答申でもそういうふうに述べてあるわけでありますけれども、まず牧野法の関係で言いますと、牧野法の法全体を見直す、その際に措置するということになっております。それから福祉事務所の関係で言いますと、社会福祉体系全般の見直しを早急に進めまして、その際所要の措置を講ずるということになっております。それから優生保護相談所につきましては廃止の方向で検討する。それから都道府県の地代家賃審査会、これにつきましては地代家賃統制令の廃止とあわせて措置する。こういうことで、いずれも所要の検討を経た上で措置するということになっております。
○太田淳夫君 いろいろと四法律事項につきましての理由が述べられましたけれども、牧野法典係につきましては、農水省にお尋ねしますけれども、なぜ法全体の見直しが必要なのか。あるいは六十年度行革大綱におきましては、次期通常国会に所要の改正案を提出するとありますけれども、その方針に変更はないと考えていいんですか。
○説明員(山本康太郎君) 牧野法につきましては、近年大家畜の生産におきまして飼料の自給度が非常に下がっておりまして、この向上を図ることが大きな課題となっているわけでございます。この課題に対応するためには、国土を効率的に活用いたしまして、安い優良な草を中心にえさをつくり、これを給与していくということが非常に肝要であるわけでございます。このため、優良な草資源の確保などに資するよう現行の牧野法の全面的な見直を行うことといたしまして、次期通常国会に改正法を提出すべく諸般の準備、調整を進めているところでございまして、方針には変更ございません。
○太田淳夫君 福祉事務所につきましては、「社会福祉体系全般の見直しを早急に進め」ると、こうありますけれども、これはなぜ見直しを早急に進める必要があるんですか。また具体的に何を見直そうとされておるのか。どうでしょうか、厚生省。
○説明員(造酒亶十郎君) 御説明申し上げます。 昨年末、行革審から御答申が示されまして、その中で福祉事務所につきましては設置基準、それから職員の配置基準、これにつきまして法定制の廃止を含めまして所要の措置を構ずべき旨の指摘がなされているところでございます。 また、これを受けまして、昨年末に行政改革の推進に関する当面の実施方針が閣議で決定されております。これにおきましても、この行革審の御答申と同じ趣旨の方針が決定されているわけでございます。 ただ、福祉事務所は社会福祉行政の第一線機関でございまして、福祉行政の一番根幹をなすと言ってもいい機関でございます。そのような意味から、行革審の御答申におきましても、単に必置規制の見直しというだけの観点ではございませんで、社会福祉体系の見直しとあわせて検討を行う必要があるという御指摘をいただいたわけでございます。このために、福祉事務所の設置基準及び職員配置基準につきましては、そのような趣旨で福祉行政全体の見直しとあわせて検討するということにいたしているわけでございます。
○太田淳夫君 社会福祉体系全般の見直しの中でということでございますけれども、過日、これも報道されたところによりますと、福祉補助金の本格的見直し、これを厚生省が行いたいという考えをお持ちのように報道されておりましたけれども、このこととかかわりがあると考えていいんでしょうか。またこの見直しはいつまでに行うつもりですか。
○説明員(造酒亶十郎君) 現在の社会福祉制度は、その基本的な骨組みは戦後間もなく組み立てられたものでございます。ところが、戦後四十年を経た今日になりますと、当時に比べまして人口の高齢化は非常に急速なテンポで進展いたしております。それからまた各種の社会保障制度が整備されてくるとか、そのほか社会経済状況が大変に変わっっきておりまして、福祉を取り巻きます周辺の環境と申しますか、状況と申しますか、これが非常に大きく変わってきているわけでございます。 したがいまして、これから来たるべき高齢化社会に備えまして、社会福祉制度につきましても見直しを行う必要があるということはこれまた事実でございます。 ところで、他方、社会保障制度につきますいわゆる高率補助金の問題が、昨年末、六十年度予算編成時に大変大きな問題になりましたが、その予算編成時に、高率補助金のあり方につきましては、国と地方の役割分担などを含めまして政府部内において検討するということになりまして、このための関係閣僚会議が先般設置をされたことは御承知のとおりでございます。 厚生省といたしましては、社会福祉を取り巻きます社会経済状況の変化を踏まえながら、また国と地方の役割分担につきましての関係閣僚会議の検討状況、こういうものにも留意しつつ、高齢化社会を迎えるに当たりまして望ましい社会福祉のあり方というものは一体いかにあるべきかということを検討してまいりたい、かように考えているわけでございます。 そういうことでございまして、ただいま最後に、いつまでにという御質問でございましたが、端的にいつまでにと明確に時点を申し上げることは大変難しいわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、閣僚会議の検討状況に十分留意をしながら、なるべく検討を急いでまいりたい、このように考えている次第でございます。
○太田淳夫君 最近の傾向としまして、福祉の見直しという名のもとにだんだん福祉の切り捨てということが、切り下げということがされてきているわけですけれども、そういうことで行政機構やあるいは職員にまで圧縮が及ぶということになりますと、私、問題じゃないかと思うんです。政府みずからが今、金からサービスへと、こう言っておりまして、きめ細かな住民への行政サービス、この必要性を主張しているときに、その住民サービスの主体となります福祉に関する事務所というものがやみくもに整理されるようなことがあってはならない、このように私も思うわけですが、この問題については慎重に対処してもらわなきゃならない、こう思いますけれども、その点どうでしょうか。
○説明員(造酒亶十郎君) ただいま先生の御指摘の点は、私どもまことにそのとおりだと理解をいたしております。社会福祉のあり方を検討いたしますに当たりましては、福祉の水準あるいは福祉サービスの水準、これを低下させないということを第一義として考えていかなければならないというふうに考えております。ただいま先生の御指摘の点は、十分念頭に置きながら対処してまいりたい、このように考えております。
○太田淳夫君 次に建設省。 先ほども出ました地代家賃統制令についてですけれども、これは第一次臨調以来何度も廃止の答申が出ているわけですけれども、一つは、なぜ今日まで廃止できないのか。第二点は、地代家賃統制令の廃止については、建設省は現在どんな検討を行っているのか。これもいつまでに措置をする所存なのか、この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(鹿島尚武君) お答え申し上げます。 地代家賃統制令は、先生御指摘のとおり戦後の著しい住宅難のもとで制度化されたものでございます。今日におきましては経済社会情勢が変わってまいりましたし、住宅の需給も緩和してまいりました。私どもとしても早急に廃止すべきものと考えておるわけでございます。 しかしながら、地代家賃統制令は御承知のとおり一定の住宅及びその敷地につきまして地代家賃の上限を定めましてこれを統制するというものでございます。その廃止に当たりましては、統制対象入居者への影響等につきまして慎重な配慮を必要とするというふうに考えておるところでございます。 このため、建設省といたしましては各種の調査を今日まで実施してまいりました。また、それによりまして統制の実態の把握に努めてまいったわけでございます。同時に、地方公共団体とも協議をいたしまして、廃止に伴います現在の統制対象入居者への影響がどうなるか、またそれにどのように対処したらいいかというようなことで、所要の対策を含めまして現在検討をいたしているところでございます。 私どもこの検討を鋭意進めさしていただきまして、入居者への配慮といったもので統制令廃止のための条件整備を進めまして、早急に廃止をさしていただきたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 それでは総務庁にお尋ねしますけれども、政省令等の三十一事項につきましては、原則五十九年度中に措置するものが三十事項、六十二年度末までが一事項と聞いておりますけれども、五十九年度中に措置すべきものはすべて措置を終わったんでしょうか。あるいは未措置のものがあれば、総務庁としてもっと督励すべきじゃないかと思いますが、その点どうですか。
○政府委員(竹村晟君) ただいまの三十事項についての措置の状況でございますけれども、現時点におきまして七割近くという措置の状況でございます。残っておりますものにつきましては、今御審議いただいておりますこの改正法案、あるいは職業訓練法の改正、別に出しております法律ですが、その法律の施行に合わせて措置するといったようなものでありまして、そういう条件が整い次第成案を得ていきたいというふうに考えております。 ─────────────
○委員長(大島友治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として稲村稔夫君が選任されました。 ─────────────
○太田淳夫君 細かくなりますけれども、必置規制につきましてこれまで整理合理化をした例がありますか。あるいは第二点としましては、必置規制は現在幾つあるのか、また今回の整理によって幾つになるのか、その点をお伺いします。
○政府委員(竹村晟君) 地方団体に対します必置規制の整理の状況でございますが、具体的に申しますと、最近五カ年間の状況を見ますと、例えば繭検定所、あるいはトラホームの予防、治療に関する施設、こういった五つの必置規制を廃止しております。それからもう一つのグループは社会教育主事補あるいは電気工事士試験委員、こういったものにつきまして五事項ばかり任意設置とするといったような措置を講じてきております。そのような措置を行いまして、現時点では百三十五の必置規制があることになっております。 それから次に、今回の一括法案が成立した場合の状況でございますけれども、今回の法案で廃止したりあるいは任意設置にする、あるいは統合等の措置によりまして十七の必置規制が減少いたします。したがいまして残りは百十八ということになります。
○太田淳夫君 そうしますと、まだまだたくさんのものがあるわけでございますが、今回の必置規制の整理合理化されたもの以外に百十八事項が残っておりますが、これについてはどのように整理されていく方針ですか。
○政府委員(竹村晟君) 残っております必置規制につきましては、例えて申しますと、小学校とか中学校とかどうしても必要なもの、こういうものがほとんどでございます。したがいまして、それら残ったものの中で現在改善意見、こういうものがあるものもありますけれども、その辺につきましては将来さらに検討していきたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 国の関与と言われておりますものの法令を見ますと、許可、認可、承認という言葉が用いられていますけれども、これはいわゆる許認可一万件とも言われておりますその中に含まれているのかどうか。もし含まれていないとすればその数はどのようになりますか。
○政府委員(竹村晟君) 現在国の関与と言っておりますのは、地方団体の事務に対します国の許可、認可、承認等でありまして、一般に許認可と言っておりますのは国や地方団体の民間に対する許認可ということでございます。一万件と言われておりますものの中にはこの関与の件数は入っておりません。 それで、それが幾つかというお尋ねでございますけれども、関与の実態が法令あるいは通達など非常に広範にわたっております。そういうこともございまして、現在のところその総数は把握しておりません。
○太田淳夫君 国の関与の総数というのはわからないということでございますけれども、確かに通達によるところまで調べますとこれは大変なことになると思いますが、法令による許可、認可、これはどの程度であるのかということだけでも調べられるんじゃないですか。どうでしょうか。
○政府委員(竹村晟君) 残念ながら今そこまで調べておらないわけでありますが、これから調査するに当たりましてどの範囲でとらえたら適当か、こういうことは十分検討してまいりたいと思います。しかし、国の関与の整理合理化を進めるにつきましては、なるべく全貌を把握するということが必要ではないかというふうに考えますので、これからの調査の中でその辺は検討してまいりたいというふうに考えます。
○太田淳夫君 国の関与の総数というものもつかんでおりませんと、全体としてどの程度整理されたのかという評価ができないことになってしまうのじゃないかと思うんですけれども、総務庁としては今回の整理合理化についてはどのように自己評価されていますか。
○政府委員(竹村晟君) 今回の関与の整理につきましては、これは行革審の審議も前提になっておるわけでありますが、従来地方六団体あるいは地方制度調査会、こういったところから改善意見が出ております。それが百三十七件ございまして、この中から既に改善されたもの、こういうものを差し引きますと百件程度になります。その中から四十九件について今回整理合理化をしたということでございます。
○太田淳夫君 地方公共団体における事務の簡素化になるということで、今回民間に対する許認可等が一括されているわけですが、これまで地方公共団体の事務の簡素化につながるような許認可等の整理を行った実績はあるのでしょうか。あるいは許認可等の整理合理化については今後どのように進めていくつもりなのか、その点お答えいただきたいと思います。
○政府委員(竹村晟君) 従来許認可等の整理で、地方団体の関係でございますが、今まで法律の回数で言いますと、一括法で十回ばかり許認可の整理をしております。この中で地方公共団体の事務の簡素化に資するもの、これが約百九事項ございます。その中で、例えば許認可の事務を廃止するもの、これが四十九件、それから事務の簡素化を図るもの、これが五十四件、そういった内容になっております。これは法律で整理をいたしました四百二十五事項、これの約四分の一に当たります。 こういったことで、今後におきましても、地方公共団体の事務処理の簡素合理化を含めまして許認可の整理を進めてまいりたいというふうに考えます。
○太田淳夫君 それでは、この一括法案が審議されておりますけれども、行比推進ということでございますので、この法案の財政的な効果あるいは定員的な効果、そういうものについてはどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(竹村晟君) 今回の一括法案は、最初の提案理由の説明でも申しましたように、地方団体の自主性を尊重するといったようなことを主体にやっておるわけであります。そういったことで、財政とか定員効果、これを直接の目的としておりません。また必置規制で任意設置にするといったようなことは、これからの地方団体の対応いかんにもよるということもありまして、数量的にはそれを把握することは現在困難でございますけれども、例えば関与の関係で申請事務の手続がなくなるとか、あるいは必置規制の整理によりまして内部の管理事務が簡素化される、こういったことで経費の削減には資するんではないかというふうに考えております。
○太田淳夫君 次に厚生省。 理容師試験、クリーニング師の試験、美容師試験、これにつきましては民間の指定試験機関についてということでございますが、これはどのようなものを考えておりますか。
○説明員(瀬田公和君) 理容師、美容師、クリーニング師の試験事務の民間移譲でございますけれども、現在各業界の団体と移譲先としてふさわしい団体の選定を行っているところでございまして、法案成立後速やかに決定したいというふうに考えております。今のところ業界関係として候補に挙がっておりますものには、理容業、美容業等の環境衛生関係営業全般にわたりまして経営の指導、情報収集、調査研究等行っております全国環境衛生営業指導センターというものがございます。また理容師、美容師となるための通信教育、養成施設における教育についての研究等を行っております理容美容教育センターというものなどがございますけれども、いずれにしても一部組織の改革等が必要だろうというふうに考えておりまして、関係方面との調整を行っている、こういうことでございます。
○太田淳夫君 民間の指定試験機関に移譲されるということで今いろいろお考えが示されましたけれども、またその試験機関そのものが厚生省の天下り先確保の対象となるようではこれは問題だろうと思うんですね。今までもいろいろと国会で審議されてきてできましたそういう機関につきましては大体そういうことが多いわけですが、そのようなことにならないようにきちっと厚生省としては対処していただけますね。
○説明員(瀬田公和君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、私たちといたしましては、こういった移譲先の機関というものが天下り先になることのないようにしていきたいというふうに考えております。また試験実施事務を適切に遂行するためには、スタッフの選定というものは、それぞれ指定された移譲機関で行うべきものだろうというふうに考えておる、こういうことでございます。
○太田淳夫君 農水省もお見えになっていると思いますが、改良普及所あるいは生活改良普及員ですね、今回の法案に取り上げていませんけれども、これについてはいろいろと不要だという意見が多いように承っていまして、これは少なくとも必置規制は廃止すべきじゃなかったかと思うんですが、その点どうでしょうか。
○説明員(坂柳迪夫君) 農業改良普及所あるいは生活改良普及員についての御指摘でございますが、普及事業につきましては、これまでも農業あるいは農村を取り巻く情勢の変化に応じまして推進してきたところでございますが、ただいま私ども農業、農村を取り巻く状況を見ますと、需要の動向に応じた農業生産の再編城、これは米の生産調整の問題等でございますが、そういった問題なり、あるいは生産性の向上、農業経営の体質強化、こういったような緊急な課題が山積しているわけでございます。このため、農業の現場におきましては、例えば米から他の作物への転作作物の栽培技術でございますとか、あるいは省エネルギーのための技術指導、そういった生産コストの低減技術でございますとか、さらには水田の高度利用技術、また最近では農家の経営診断、そういったような面でも技術経営の指導が一層重要となっておるわけでございます。 こういった課題に的確にこたえてまいりますためには、今後におきましても、高度な技術、知識を持っております普及職員が現地で的確な指導を農家の方々に対して行っていくことが必要であるわけでございまして、そういった普及員が総合的なあるいは統一的な指導を行う、効率的な指導を行う、こういうことのため、いわば活動の拠点として設置されておる農業改良普及所につきましては、私どもの方といたしましては、これを廃止する考えは持っておらないわけでございます。 それからまた生活改良普及員につきましてもいろいろな御指摘がございますが、確かに現在農家生活の現状を見ますと、以前に比べまして改善されている面もあるわけでございますが、依然といたしまして、農村の現実を見ますというと、生活環境の整備が立ちおくれておる。こういう問題もございますし、それから農家なり農村に特有の特徴的な大変困難な問題があるわけでございます。 その二、三の例を挙げますというと、御案内のとおり、農業は自然相手の仕事でございますから、労働が大変一時的に集中する。そこで健康の管理、こういったような問題も出てまいります。それからもう一つ、これは国全体で高齢化が進んでおりますけれども、とりわけ農村では高齢化が著しい。したがいまして、例えば三世代同居率というようなものをとってみましても農村の方が群を抜いて高い。こういうような状況もございます。さらには最近労働力が都会へ出ていく。こういうことの中で実際に農家の主婦が農業就業者の中で過半数を占めていく、かなりの割合になってきておる、こういう状況がございます。 そういう中で、御婦人の方々がただいま申し上げましたような家庭の農家特有の問題を抱える一方で、化事を積極的にやっていかなければいけない、こういう困難な状況があるわけでございます。一般の工場等と違いまして、御承知のとおり、農業はいわゆる家族経営ということで生活と生産が密接に関連し合って行われておるわけでございますから、高い生産性の農業というものを実現する際にはそういった生活の面でのいろいろな制約というものもできるだけ取り除いていく、こういうことが必要ではないかと思っておるわけでございます。そういうような観点から、私どもの方といたしましては、今後におきましても、さらにこの高度な技術なり知識を持った生活改良普及員が現地におきましてより適切な指導を行うことが必要ではないかと考えておるわけでございまして、こういったようなこと等からいたしまして生活改良普及員の必要性というものは依然としてあるのではないか、こういうふうに思っておる次第でございます。
○太田淳夫君 今いろいろと必要性についてお話がありましたが、そういう中でなおかつ廃止すべきじゃないかというような意見が各所に出てくるということは、今の実態に合わないような面がいろいろあるんじゃないか、あるいは役目を逸脱しておるような点が非常にあるんじゃないかという点があるわけですが、さらにこの点につきましても調査を進めていただいてきちっとしていただきたい、こう思うんですが、その点どうでしょうか。
○説明員(坂柳迪夫君) ここ数年来そういった時代の変化に即応した普及活動のあり方ということで私どもせっかく努力をさせていただいておるわけでございます。 五十八年の五月になりますが、普及事業の新しい展開ということのために、この根拠法でございます農業改良助長法を改正いたしまして、国と県が協議いたしまして十分地方の実情を踏まえながら事業の運営ができるように措置しておるわけでございまして、今後ともそういう方向で努力してまいりたいと思っております。
○太田淳夫君 最近、地方公共団体の情報公開あるいはプライバシー保護の動きが活発化しているわけですが、臨調答申は、国における情報公開あるいはプライバシー保護制度の確立の必要性を述べております。この情報公開とかあるいはプライバシー保護の問題は、多様化する行政の統制あるいは国民の行政参加のために、また情報化社会の進展に伴う個人の権利の保護のために今後一層の重要性を帯びてくることになろうと思うんですけれども、国の検討状況が地方に比べておくれているような感じがするわけですが、その点についてはどうでしょうか。
○政府委員(古橋源六郎君) 行政機関の保有いたします個人データの保護につきましては、国民の権利利益の擁護でございますとか、あるいはまた行政運営の一層の効率化という観点から重要な課題でございます。また今委員御指摘のように、情報公開につきましても、一層公正でかつ民主的な行政運営をやっていくということのためにやりまして、行政は対する国民の信頼性を確保するという観点からも、私どもといたしましては、重要な課題である、こういうふうに認識をいたしております。したがいまして、いずれの課題につきましても、臨調最終答申を踏まえまして、新行革大綱あるいは五十九年行革大綱あるいは六十年行革大綱におきまして、その検討の推進ということについて閣議決定で盛り込まれております。これに基づきまして現在政府部内において鋭意検討を進めているところでございます。 御指摘のように地方公共団体におきまして個人のデータ保護あるいはその条例化というようなことが進んでおりますが、これは当該団体におきます電子計算機の利用の実態、特に住民基本台帳というようなものも非常に電算化されておりますので、そういうことに伴いますいろんな問題点あるいは住民意識というものがございまして、そういう地域の実態を踏まえまして現在条例化が進められておるというふうに考えております。また情報公開の制度化というような問題も、これは地方公共団体でもまだ緒についたばかりというふうに私どもは考えておりますけれども、これは地方公共団体におきまして、特に住民に密接な関係のある情報が多いというようなことから条例の制定が進んでいるというふうに私どもは考えております。 いずれにいたしましても、総務庁におきましては、これらの地方公共団体におきます動向、あるいはそれに伴いますいろんな問題点もこれから出てくると思います、御議論も出てくると思いますが、こういうものを踏まえまして今後検討してまいりたい、こういうふうに考えておる状態でございます。
○太田淳夫君 この問題につきましては大分前の内閣委員会でも御質問申し上げた点があります。そのときも慎重に検討しようということでございまして、前局長でございましたと思いますが、依然としてプライバシー保護の問題につきましても進んでいないというような感じがするわけですが、総務庁長官どのようにお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) プライバシー保護の問題と情報公開、これは裏表になるわけです。これは第二臨調あるいは行革審等からも御提言をいただいているわけです。総務庁は怠けているんじゃありません。いろんな検討会をつくりまして、あるいはまたプライバシーの問題は、局長にヨーロッパへ行ってもらって視察をさしたり、準備は鋭意進めておるわけでございます。ただ何といいましても、この仕事は非常に広範囲に影響の及ぶ仕事なわけです。また日本としては初めての取り組みの仕事ですので、これは相当慎重な配慮のもとに進めなきゃ私はいかぬと思います。余り過早に、新聞等がこう言うからというようなことでやるべき仕事のものではない。慎重な調査をしましてその上に立ってしっかりした国の仕組みを考えなきゃなるまい、こう考えておるんですが、本来基本的には、裏表ではあるけれどもプライバシーの保護の方が先行すべき筋合いのものではなかろうか、そしてそれに接着して情報公開、こういう段階でいくべき筋合いではなかろうかなと、かような考え方のもとに今総務庁では真剣な準備を進めておる、かように御理解をしておいていただきたいと思います。
○太田淳夫君 確かにプライバシー保護の問題は、いろんな幅広い問題ですから立法化となりますと各省との折衝等もあろうかと思いますが、もうどんどん機械化が進んでまいります。先だってもテレビで放映されておりまして、この前もちょっとお話しましたけれども、いろいろなデータが各所いろんなところに売られている。テレビで放映されたのは、地図と情報ということで住宅地図が出てきて、その中のAさんという家にぽんと当てますと、その家の主人が何歳で奥さんが何歳と全部出てくる。車はどこの車か、車検がいつで、全部あらゆるものが出てきちゃう、趣味まで全部出てきてしまうというような、外から見たらみんな裸同然だ。皆さんの家庭も全部そうなっています。一人の人について何億というデータが入るというぐらいに押さえられているという状況の中で、もうちょっと手おくれになっているような感じもするわけですけれども、その点はどのようにお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 現在の作業の進捗状況を局長から答弁させます。
○政府委員(古橋源六郎君) 民間におきます各個人データにつきまして、信用機関でございますとか銀行、あるいはいろんな割賦販売であるとか、そういうようなところがいろんな情報を収集しておるということは私どもも聞いております。この問題はそれをどういうふうにデータプライバシーの関係からやっていくかといいますときに非常に難しい問題がございます。私ども総務庁というのは行政情報ということをやっておりますものですから、私どもが現在考えておりますことは、総務庁といたしましては、行政情報、国が強権力を持って、かつ多数集めてきて電子計算機に入れたもの、そういうふうにして電算機に入った情報についてはどういうふうに保護していくかということについて検討しておるわけでございます。 それでは民間にあるものについてはどうしたらいいか、こういう問題につきましては、例えば経済企画庁が国民生活審議会でございますか、そういうようなところで、その信用機関がやっております保護についていろいろ今検討いたしております。また大蔵省におきましても金融機関の情報について検討いたしております。そういうような検討状況を私どもは踏まえまして、お互いに各行政機関の中でそういうデータ保護についてどうあるべきかというようなことを今後検討していただく、そういうことを期待いたしておるという段階でございます。
○太田淳夫君 問題はちょっと変わってしまったんですが、先ほど申し上げましたように、地方公共団体の情報公開あるいはプライバシー保護に対する動きが活発化しているということは、問題をまたもとへ戻しますと、地方公共団体が時代の変化に伴います新しい問題の把握能力あるいは問題の解決能力、こういうものが決して国に対して劣っているものではない、こういうことを証明しているんじゃないかと思うんですが、その点を自治省はどのようにお考えになりますか。
○政府委員(石山努君) 御指摘のようないろんな問題に対する地方団体の取り組み、これは団体によってそれぞれ違いがございますけれども、一般論として申し上げますと、近年地方公共団体の行政能力もかなり向上してきておりまして、時代の変化に対応して積極的な行政を展開する団体が多くなってきております。その点につきましては、私どもとしては評価に値するものという理解をいたしております。
○太田淳夫君 今回のこの関与あるいは必規制の是正につきまして何となく中央所管省庁が消極的であったということを指摘する向きもあるわけですけれども、その一因としましては、地方団体の行政能力に対する不信があるんじゃないか、こういうことも言われるんですけれども、こういうような考え方というのは終戦直後の地方自治制度誕生のころはともかくとしまして、四十年たっているわけですから、先ほど申し上げましたように時代錯誤というような考え方じゃないかと思うんです。国の各省庁は、地方公共団体のそういった面での行政能力というものがないんじゃないかという点における意識革命というのをする必要があるんじゃないかと思うんですが、総務庁長官どのようにお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今おっしゃるように、終戦直後の地方制度の大改革は、ああいった環境の中で行われましたのでその当時から相互不信という概念が残っているわけですね、今日でも私は残っていると思います。それじゃ困るんで、お互いの信頼関係、そしてそれを裏打ちできる地方公共団体の行政の処理能力は大変向上してきております。ただ中央省庁の諸君から見れば、依然としておれたちは上だ、おまえらはおれたちの言うとおりやるんだ、こういった間違った考え方が残っていると思いますから、これはだんだん変えなきゃいけません。しかし、率直に言って、最近そこらは中央省庁の諸君もだんだん意識が変わりつつあるんで、そう心配したことはないだろう。今回政府自身が国、地方を通ずる行政改革の仕事に取り組んだ、これを契機によほど変わってくるんではなかろうかなと、かような私自身は期待を持っておるわけでございます。 もちろん今まで握っておった権限を地方にやるとか、いろんなことをやるわけですから、中央省庁の諸君としては自分の仕事が一番大事だ、おれのやっていることは間違いない、こういう考え方は、まじめな諸君であるほどなおそう考えるわけです。しかしそれが今の時代に合わないんだというふうに考えを変えていただかなきゃならぬ時期が来ておる。かように考えて、何といっても、先ほど申しましたように、基本は地方自治というものに対する中央省庁の諸君がもう少し理解を深めていただかなければこういった改革というのはうまくいかないのではないか、そういう線に沿って政府としては努力していきたいと、かように考えております。
○太田淳夫君 わかりました。 それでは大蔵省。法律によらない国の地方公共団体に対する関与を見ますと、いわゆる補助金が最大のものじゃないかと思うんですが、臨調答申は地方の自主性、自立性の尊重の観点から見直すべきだと、こういう指摘をしているわけですけれども、その後の補助金問題を見ますと、国の補助金の額の削減に終始している、こういう思いがするわけです。先ほどの一括法案の方におきましても、五千八百億円の地方転嫁を生んでいるわけでございます。大蔵省は昨年の夏の昭和六十年の概算要求についての閣議了解、このときに毎年度決定します補助金の整理合理化の方針を改正しているわけですね。特にその中で「著しく高率の補助、人件費補助等の見直し」と、それからもう一つは「交付手続の改善」、この二項目を新しく追加しているわけですね。そして、この閣議了解を盾にとりまして高率補助費の一律引き下げは進めましたけれども、どうでしょうか、現在まで新しく追加したもう一方の交付手続の改善については何ら手をつけられていないような感じかするんですが、その点はどのようにお考えですか。
○説明員(西澤裕君) お答えいたします。 去年の概算要求の閣議了解の中に、お話のように新しく交付手続の改善、合理化をやるということを図ることとするということをはっきり明記したわけでございまして、これにつきましては、それぞれの補助事業の内容を見ながら具体的にその補助金の手続をできるだけ簡素にしていくということをやるわけでございますので、これはそれぞれ各省庁に御努力をいただくことになるわけでございます。 そこで、実際に内容はどんなことがあるかと申しますと、いろいろ出さなければならない提出の書類の部数を減らすとか、それからヒアリングの回数を減らすとか、そういうことがそれぞれの補助金の補助事業の内容によりまして具体的に各省庁で検討していただいているところでございます。 ただ、私どもといたしましても、毎年三月の末にこの簡素合理化を図るために補助金等適正化中央連絡会議というのがございます。これをことしも三月二十九日の日に開きまして、各省庁には、そういうそれぞれの補助金の補助事業の中身を見ることでございますので、それぞれかなり地道に進めていただかなければならない話でございますので、その中央連絡会議を通じて各省庁にはぜひその中身の工夫を凝らしていただくようにお願いいたしたところでございます。
○太田淳夫君 この問題につきましては予算委員会等でも取り上げられておったわけでございますけれども、地方公共団体の側からしますといろんな不満の一つになっているわけですね。国は財政負担だけを押しつけて地方の要望する関与、必置規制あるいは機関委任事務、権限移譲、こういった国と地方の間の関係の改善には何ら手を打たない、そして地方行革の一層の推進でせっかく余裕をつくったところを地方転嫁で国に吸い上げられてしまう、こういうような不満も聞かれるわけです。負担だけを転嫁された地方公共団体に対しまして、せめてもの見返りとして、これは人も時間も金もかかる大変なロスがあるわけですから、この補助金の交付手続の改善ぐらいは国として政府として真剣に組織的に取り組んでいかなきゃならない問題じゃないかと思うんです。これは地方の中央不信の観念を払拭するためにも行革審で検討するとか、そういうきちっとした大きな立場でこれは推進する必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点長官どのようにお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 国と地方との間で御審議願っているこの必置規制とか国の関与の見直しはこれで終わったわけではございません。これは時代の変化に応じてときどきの見直し、改善をやらなきゃならぬ、これは当然のことであろうと、かように思いますが、一番肝心なのは、今行革審で七月に出していただくことになっております対民間との関係における許認可の整理、これはそれの中身によっては国のものを地方に下げるものも出てくるかもしれません。あるいはまた国と民間、地方と民間の関係を緩和するという問題も出てくるかもしれません。いずれにせよ規制緩和の問題ですね。それから権限移譲の問題がございます。それから何よりも機関委任事務の整理、これは思い切ってやらなきゃなりません。これが一番また厄介な問題になるわけでございますけれども、こういった一連の施策を推進して、そしてその中で今まで地方からいろんな御要望が出ておりますから、これは全部が全部というわけにもちろんいきません。いきませんが、取り上げるべきものは取り上げて、そしてできる限り政府としてはそういうものの整理をやっていこう、こういう立場で今作業が進捗しつつある段階でございますから、七月の御答申等を見まして、政府としては基本方針を立ててやっていきたいと、かように考えております。
○太田淳夫君 最後になりますけれども、今いろいろと大臣からお話がありました地方行革を推進するための障害を除きます今回の処置、あるいは機関委任事務の問題、あるいは権限移譲の問題も、地方公共団体のものですけれども、何といっても国の行革そのものじゃないかと思いますね。ですから、そういった意味でいろんな是正がされていく中で、地方と国との不信感というものが払拭されていくことが肝心であると思いますし、あるいは中央官庁がもっと積極的に行革そのものに取り組んでいくことが必要じゃないかと私は思います。 そういった中央官庁の行革に対するいろんな抵抗——福祉の見直しですか、すなわち福祉水準の切り下げということはどんどん進んでまいりますけれども、先ほどから話がありました地方自治の推進とか、あるいは中央省庁の機構の改革とか、許認可の見直しの分野では依然として多くの課題が残っている、これが現状ではないかと思うんです。ですから、今いろいろとお話がございましたが、この問題にもっと真剣に取り組んで、中央、地方がともどもに行政改革の実を上げていくことが、中曽根総理はよく戦後政治の総決算と言われますが、それに当たるんじゃないか。このように思うわけですが、最後に御意見を賜って終わりたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるようにたくさんの課題が残っておりますので、太田さんの御趣旨のような線に沿って政府としても全力を傾けてまいるつもりでございます。
○稲村稔夫君 私は、ただいま審議に付されております地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案、少々長い題名でありますけれども、これを審議するに当たりまして、これからいろいろと御質問を申し上げていく中に、あるいはもう既に出た質疑であって重複する部分もあるかもしれませんけれども、これは地方自治あるいはその地域の住民等にとっていろいろと関連のあることでございますので、そこはひとつお許しをいただいてお答えをいただきたいというふうに思うわけでございます。 最初に地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理合理化、こういうことになるわけなんでありますから、地方公共団体の事務に係る国の関与というのは一体どういうものなのであろうかというようなことの理解を深めていきたいというふうに思うわけであります。 そこで、ただいまも同僚議員からいろいろと御質疑があった中で、必置規制について、百三十五ほどあったけれども、今回のこの法案が成立すれば十七ばかり減って百十八になるというような御答弁がございました。そういたしますと、この必置規制というものの中には、要するに地方公共団体が設置を義務づけられるという機関の問題と、それから専門職員、資格を持った職員というようなことで配置を義務づけられるもの、こういうものが一緒になっているんだと思うんでありますけれども、機関とそういう人員との関係ということになりますとどういうふうになりましょうか。
○政府委員(竹村晟君) ただいまお尋ねの必置規制の種類でございますが、行政機関または施設、これが一つのグループでございます。例えば警察署でありますとか、あるいは小学校、中学校、これがそれに当たりますが、この行政機関または施設が二十四ございます。それから職員の関係では、例えば薬事監視員あるいは建築主事、こういった特別の資格でありますとかあるいは職名を有する職員、これが五十八ございます。これらとまた別に私立学校審議会でありますとか、あるいは都道府県の防災会議、こういった附属機関、これが五十三あります。以上で今回の必置規制の全部の数が現在百三十五ということでございます。
○稲村稔夫君 必置の機関とか職種についてはわかりました。 そこで次に、地方公共団体の事務等に係る国の許認可ということがあるわけでありますけれども、こうした国の許認可というものが条件になっているもの、これは先ほど民間等についてのことも出ておりましたけれども、地方公共団体との関係の中ではそれほどのくらいあるということになるのでしょうか。
○政府委員(竹村晟君) 国の関与と民間に対します許認可、これを一応分けております。国の関与の場合は地方団体の事務等に対します許認可ということになるわけでありますが、お尋ねの幾つあるかということにつきましては、この関与の根拠が法令でありますとかあるいは通達など非常に広範囲にわたっております。そういったことで現在のところ全貌を把握するまでに至っておりません。
○稲村稔夫君 広範にわたるということは私もよくわかるのであります。しかし先ほどもお答えがあったようでありますけれども、要するにこうした国の関与の整理合理化をやるというからには、それらの実態というものをある程度把握していただかなければならない、そういう問題でもあろうと思います。それからまた補助金等の申請に伴いまして、一方では補助金の申請は手続をいたします。しかしもう一方では、起債がありますと、その起債の方もまた別に手続をとらなければなりません。こういうようなこともあるのですけれども、これらのことはこの国の関与という範囲の中ではどんなふうに考えたらいいのでしょうか。
○政府委員(竹村晟君) 国の関与の場合は、地方団体の行います事務につきまして、国が許認可でありますとか、承認を与えるとか、あるいは届け出をするということでございまして、その中に補助金の交付申請あるいは起債の申請が入るか入らないか。一般的には起債の許可というふうなものは関与の中に入れて、地方団体などの改善意見でもそういった中に含めて言っております。補助金の手続につきましてこれが入るかどうか、その辺余り議論を今までしておりませんが、一つの申請でございますから、広い意味での関与の中に入るのではなかろうかというふうに考えております。
○稲村稔夫君 この点はこれからまたいろいろと各省庁にもお伺いをしていくことともかかわりを持っているわけでありますけれども、いずれにいたしましても、こうした国の関与と言われるものの中で、例えば起債の問題にしましても、特別な場合というのを別にいたしまして、普通の補助事業を行っていく場合には大体起債がどのくらいつくということはほぼ決まっているといっていいわけでありますけれども、そういうものがありながら一々手続をしなければならぬ。こういう問題というのは整理されなければならないそんな問題の一つではないか、大事な問題の一つではないか。これは国の立場でやれることなのでないかというふうに考えるのですが、その点はいかがでありましょう。
○政府委員(石山努君) 地方債の許可制度の関連でございますが、地方債というものは、当然将来におきまして元利償還を伴いますために、個々の地方団体としても、あるいは地方財政全体としても、その適正限度を保持する、それによって地方財政の健全性を確保する必要があるということもございますし、そのほか地方債の元利償還につきましては地方財政計画に所要の財源措置を講ずる、そういう観点からいたしましても、地方債発行の適正限度を保持するという必要があるわけでございます。そのほか現行の財政金融制度のもとにおきましては、国、民間などの資金需要との調整を図って限られた資金を適正に配分する必要がございますし、また団体によりましてそれぞれ財政力の違いがございまして、必要な資金が確保できないというようなことがあってはならないわけでございまして、そういうそれぞれの地方団体の財政力のいかんにかかわらず必要な資金を確保する必要がある、こういうような理由から許可制度がとられているわけでございます。ただ、その許可制度の運用に当たりましては、できるだけ地方団体の自主性が確保できるように、許可手続の簡素化でありますとか、あるいは枠配分の推進ということでこれまでその改善に努力を重ねてきているところでございまして、今後におきましてもそういう方向で引き続き改善に努めてまいりたい、かように考えております。
○稲村稔夫君 私の通告していたことにはなかったんでありますけれども、先ほどの同僚委員の御質問を伺っていながら国の関与について改めていろいろと考えさせられてくることがありまして、そしてその中で確かに中央と地方との不信感みたいな話も出ていたわけであります。そうした中央と地方の不信感解消の方向へ来ているし、地方の行政能力も向上してきておると、こういう御判断が示されていたわけでありますけれども、そうであればあるほどこうした自治体の起債等についての関与の仕方というのはいろいろと今後改正していく工夫が必要なんではないかというふうに思うわけであります。 それは例えば自治体の側から優良な起債の財源として政府の関係機関のあれを分けてもらいたいとか割り当ててもらいたいとかいう希望もかなり当然あります。それから同時にまた縁故債であるとかなんとかというような形で対処する場合もいろいろあります。その辺のところになりますと、それぞれ自治体を運営している立場からいけば、それこそ行政能力もついてきている、ついてきたと評価されるのも私はちょっとじくじたるものがないわけではありませんけれども、そもそも私は持っていたんだと思っているわけでありますが、そういう自治体の運営に当たっては当然自治体財政を破綻に導くような財政運用をやろうとしているものはないと思うんです。そしてまた議会等のチェックもあり、いろいろな形でみずからも規制をしていくという作用もあるわけでありますから、そうすると、私はすべてを全部同等に扱えと言うんではありませんけれども、こうした起債等についての取り扱いについては大幅に改正していくべき一つの課題ではないだろうか。 その点を私は省庁ごとにそれぞれ言っているとなかなか面倒なものがありますので、そこで言ってみれば、総務庁がひとつ旗を振っていただいて、これは各省庁に全部かかわるものなんでありますから、そういう方向を御検討いただけないものか、こんなふうに思うんですが、いかがでありましょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御趣旨はよくわかります。必置規制とか国の関与というのは本来国全体の立場に立ちましてある程度の統一的な行政の水準を確保しなきゃならぬとか、あるいは広い範囲で調整を必要とするとかという立場に立って必置規制とか関与とかいうのはあるべきなんですね。ところが現状はそうではないではないか、余りにも細かなところまで任すべきものを任さない、あるいはそんなものを廃止したって差し支えないじゃないかというものが色濃く残っておりますから、それをなくしていかなければなりません。そういう立場で必置規制とか国の関与といいますか、こういうことは一体どういうことなんだということになれば、稲村さんおっしゃるようは、先ほど来の起債許可の手続とか、あるいは補助金申請とか、これは国の関与が少し行き過ぎておると私は率直に思います。だからこういう点は直さにゃならないんですね。 そこで、過去もしばしばこの点が問題になって、政府としては各省の次官会議でこういう点は直しなさいというような話し合いの措置もとりまして直したこともあるんですよ。しかし、これは依然として私はそれで改善が全部済んでいると思いません。そこで相変わらざる批判が多いですね。ほとんど地方団体の事務の何割かはこんな仕事ばかりやっている。それに伴う人員と組織とお金は大変なものじゃないかという非難があるんです。これは私はそういう非難は当たっていると思いますね。だから、それならばもう一度私どもとしては監察をやらしてもらいますということでこれから監察をやるそうです。その結果が出れば、それによって、今こういう行財政改革のさなかですから、これは真剣に政府として取り組んでできる限り必要最小限度のものにそういうものは直していきたいと、こう考えておりますので、精いっぱい努力さしていただくつもりでおります。
○稲村稔夫君 今長官の御答弁を伺いまして、そうした国の関与というもの全体のあり方というものを正していく、こういうことをぜひお願いしたいというふうに思います。 これから私が各省庁にお伺いしていくことも、言ってみれば、そうした手続上の問題やら何やらの実態をいろいろと、その一面を伺っていきたいというふうに思っておりますので、その辺もまた参考にしていただきたいと思いますので聞いていていただきたいと思うのであります。 その前にもう一つ確かめておきたいんでありますが、国の関与と言われるものの中で、そうした許認可とか何かの許可、起債の許可とか補助金とか、そういう問題とはまた別にいろいろな形で、指導という形で行われているものが随分あるんですね。これらの指導についての実態というのは、数字ではなかなか難しいかもしれませんけれども、どういう形で掌握をしておられましょうか。
○政府委員(竹村晟君) 関与の総数をどうとらえるかという場合に、その辺の行政指導みたいなものを入れるかどうかという問題が出てこようかと思いますけれども、行政指導の実態が、例えば通達などで行政指導をするというふうな場合には、通達を調べればその辺は出てくるということになろうかと思うのですが、そういうものを離れまして、いろいろ法律の運用の中で実際上の指導を行うということになりますと、その辺について全体的な調査をするということはちょっと困難ではないかというふうに考えております。
○稲村稔夫君 わかりました。これはまた後の方の御質問ということで、どう今後対処していかれるのかということの中でまた伺いたいと思っている点でございます。今の関与ということについての総務庁の考え方というのはほぼ理解ができました。 そこで、今度は国の関与とのかかわりで幾つかの省庁に現状について幾つかの点についてそれぞれお伺いしてみたいというふうに思いますのでよろしくお願いしたいと思います。 最初に農林水産省にお願いしたいと思いますが、今回のこの法律改正によりますと、幾つかの農林水産省関係の必置規制の部分で廃止あるいは緩和というような形のものがあるわけでありますが、その中で最初に農地主事の問題についてちょっと伺いたいと思うんであります。 農地主事というのは各農業委員会に必ず置くということになっているわけでありますが、その任免についてこれまで都道府県知事の承認ということになっていたものを今度は廃止する、こういうことであります。これは私は評価するわけであります。農地主事そのものは、これは農地という個人の財産にかかわる、あるいはその売買だとかいろんなことにかかわって、あるいはトラブルの仲裁とかいろんなことをやっていったときに、農地主事というのはそのときに役割を果たしますけれども、農業委員会で気に食わぬから首にしてしまえというようなことが起こらないようにという装置としても、農林水産大臣に申告ができるというような資格があるとかなんとかということが非常に大事でありますから、そういうものが、権限、資格というのがそのまま生かされた中で手続が省略される、これは大いに結構なことだと、そう思うんですよ。 だが、同時にこの農地主事は、実は必層規制になっているんですけれども、市町村農業委員会、特に町村農業委員会ではまだ置いていないというところもある、そういうふうに聞いておりますけれども、そうすると必置規制でありながら置いてないというところがどのくらいあるんでしょうか。これはおわかりになりますか。
○政府委員(吉國隆君) 農地主事を置いておりません農業委員会の数についてのお尋ねでございます。農業委員会数が五十八年の時点で三千三百四ございまして、そのうち農地主事を設置いたしております委員会が二千六十六となっておりまして、この比率が六二・五%、したがいまして、残りの三七・五%程度が農地主事を置いておらない市町村という状態になっております。 なお、私どもといたしましては、この農地主事を必ず置くようにしてほしいということを今までもしばしば市町村の方にお願いを都道府県を通じていたしてきておりまして、五十五年に先生よく御承知のような農地三法の改正がございました機会に、農業委員会の体制整備ということでまた改めてお願いを申し上げまして、若干改善をされてきた結果が先ほど申し上げましたような数字になっておる、こういう実情でございます。
○稲村稔夫君 私はそういう手続を簡素化するということは非常にいいことだと思うけれども、同時に今の例のように手続を簡素化したときに、今度はそういう農地主事を置くことをそのままずっとサボってしまう、こういう町村が出てくるのではないだろうか。要するに、今まで知事の承認というのがありましたから、ここはちょっと今の方向とは逆の心配をして申しわけありませんけれども、知事の承認というのがあったから、知事から、県から農地主事を早く置きなさいよという催促みたいなことは常にやられていたと思うんですね。しかし今度はそういう手続が要らない、自分のところだけで、農業委員会だけでやれます、こういうことになってまいりますと、かなり市町村長の意向というのがこの農業委員会に強く働く、こういう格好になるのではないでしょうか。そのときに農地主事というのは置かなくてもいい、そういう意識を固定させてしまうという危険性はありませんか。
○政府委員(吉國隆君) 御承知のように、農地主事を必ず置くべきものであるということは農業委員会法上実は明記をされておるわけでございまして、手続上、今先生おっしゃいましたように、任免の際に都道府県知事に相談が来るということがなくなると督促のしようもなくなるじゃないかという点は、確かにそういうこともあろうかという気がいたします。 私どもとしては、あくまで各市町村の農業委員会におきまして自主的にそういった農地主事を置くという御努力をお願いするということが基本でございますし、またけさほども別の先生から、こういう手続を変えることによって農地主事の重要性というものが軽んぜられるということがあってはならないという御指摘があったわけでございますが、私どももそういう考え方に立ちまして、農業委員会は構造政策の上でますます重要な役割を担っていくべき時代であるというふうに考えておりますので、そういった誤解の生じないように農業委員会の全国組織等とも御相談をしながら、そういった誤解を払拭し、また農地主事の必置についても法律に沿って励行していただくように改めてお願いを申し上げてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○稲村稔夫君 ぜひそういう指導を強化していただきたい。それこそ関与の中のあれになりますけれども、これは個人の財産とのかかわりを持ったそういうものの処置に当たる人でありますから、非常に大事な役割を果たします。 それからもう一つ私どもが心配をいたしますのは、自分の県のことですといろいろと差しさわりがありますから、ょそのある県の私の知っているある町村長ということなんでありますけれども、かなり個性が強い方でありますので、農業委員会というものも、言ってみれば、自分の部局と同じだという感覚で取り扱っておられる。それで現実に農地主事を置いておられないわけでありますけれども、そういうときに私は非常にその点心配になります。こういうことがあるんです。言ってみれば、農地主事の任免の手続の簡素化ということよりも先に、きちっとしていただかなければならなかったと思われる農業委員会の体制の問題というのが一つあるのではないか、こんなふうに私は思いますので、その点についての見解を伺いたいというふうに思うわけであります。 というのは、農業委員会でなぜそういう首長の感覚というものが非常に強くなるかということになりますと、大変残念なことなんでありますけれども、農業委員会は本来は市町村という行政からは独立した機関のはずであります。委員はみんな一定部分は選挙で、一定部分は職能代表で出てまいります、学識経験者が入ります、こういう形になってまいりますからね。ところが委員会を運営するに当たっての費用の面でいきますと、大体どこの農業委員会も同じなんだと思いますけれども、大体二〇%から二三%ぐらい程度しか国の方からは見ていただいていない、こういうことになるわけであります。例えばその中でも、このごろはこういう時代でありますから、そういう行政機関の委員さんをということになりますと、委員さんにも手当を出すということになるのが当然でありまして、またそうしなければやり手がいなくなってくるということにもなります。そうすると、その委員の手当なんかについて見れば、大体その一〇%から一二、三%ぐらいにしか当たっていないのではないだろうかというようなことなど、費用的にいきますと、それぞれかなり細かくこれでいいんだろうかなというような形になっております。そういう中で職員も、言ってみれば、市町村の職員が大体出向みたいなそういう形になってきています。こんなことになりますと、結局その費用の大半は自治体が受け持っておる。こういう感覚になってまいります。そして職員も自分のところから出向定員が出ている。こういうことになってまいりますから、勢いその市町村長というのは自分の部局と同じような感覚に陥っていく、そういう可能性というものを多分に持っている、こんなふうに思うんです。 したがいまして、私はこうした農業委員会のあり方というものについて、私は費用の面だけで申しましたけれども、費用のことを含めて農業委員会のあり方というものをきちっと明確にしていく、御努力はしておられると思いますけれども、もっとより一層明確にしていくことの方が先なんではないかというふうに思うんですが、その点いかがでしょう。
○政府委員(吉國隆君) 農業委員会は、先生御承知のように、任務としては大きく分ければ二つございまして、一つは法令業務というふうに通常呼んでおりますけれども、農地法でございますとか農用地利用増進法、あるいは土地改良法、そういった法令に基づきまして、一定の法令執行上の役割を担うという部分と、それから任意業務というふうに通常呼んでおりますが、農地の利用関係についてのあっせんでございますとか、あるいは農業技術の改良なり、病虫害防除なり、その他の農業生産の増進、農業経営の合理化、そういった面についての活動、それから調査研究でございますとか啓蒙宣伝、そういった法令の執行機関としての任務以外の部分との二つになるわけでございます。 今まで政府の方で財政的に政府が負担してまいっておりましたものは、前者の法令執行の業務にかかわります部分につきまして人件費を政府が負担してまいっておった。本年の補助金一括法におきまして交付金化という措置が講ぜられましたけれども、基本的には考え方は同じ考え方で法令業務についての人件費手当をする。 市町村と農業委員会との関係につきましては、先生もいろいろ御心配をされたわけでございますが、特にこの法令業務につきましては、お話にございましたように権利義務にも直接関係をいたしますし、行政という立場とは一歩離れた適正な運営が不可欠であるという性格は特に強いわけでございまして、そういった独立性を確保するという見地から国の財政負担が行われておるということであろうというふうに思うわけでございます。 また一方で、農業の振興関係に関します先ほど任意業務として申し上げました諸活動につきましては、これはある意味では市町村と、いろいろ市町村の産業行政というものとよく連携を取り合って進めるということがある意味では理想であろうということがあるわけでございまして、こういった農業委員会は多面的な性格を持っておりますので、その両方を通じまして農業の振興なり構造政策の推進に役立つように、今後とも制度面、運営面を含めまして私ども研究を重ねていく必要があろうというふうに考えておる次第でございます。
○稲村稔夫君 おっしゃることはよくわかるわけでありますが、しかし現実の問題としては、そうした農業委員会という一つの組織がありますと、それはそれで独自に動いて活動しているというわけであります。それを今の法令処理の部分がどうで、それからその市町村とのかかわりの業務がどうでということで、ようかんでも切ったようにきちっと切って分けて、農業委員会の職員まで全部そうなふうに分けるというわけにはいかない、そういうものなわけですよね。 それだけに私は、農業委員会のあり方というものを一方では権威をもっと高めていくという努力、そういう活動のあり方、組織のあり方というものを工夫していただきたい。そして市町村に任せるべきものは市町村に任せるということで、そこからまた切り離していくことも考えてもいいのじゃないか。そういうことも含めて農業委員会についてそうした検討をしていただかないと、実は農地主事の問題なども今後いつまでたってもなかなかある部分については、市町村については変わらない、こういうことになるんではないか。そんなふうに思いますので、ここは要望になりますけれども、今農地というものも非常に難しい段階に来ていると私は思っておりますだけに、農業委員会の役割というものは非常に大事だということを認識すればするほど、何か今実態の中ではある場所では農業委員会といったって農地転用委員会みたいなことを言われたりするような状況になっているところもありますし、それだけに今後の農業委員会のあり方というものに一層工夫をいろいろと加えていただきたい、こんなふうに思うわけであります。 次に農林水産省の関係でありますけれども、農道とかあるいは農業用排水というような形で、一般的な農業ではないいわゆる公共といわれる建設省所管のそういう仕事と同じような仕事が農業というサイドでされている部分があります。そういう中で、例えば農道の場合は、大きな基幹農道でなければ、あるいはないことかもしれませんけれども、小さな町村道との関係なんかでいけば結構できるでしょうし、それから排水関係でいけば、かなり建設省の河川との共用みたいな形のものが出てこざるを得ないことが起こります。こういったときに、建設省とそれから農林水産省のやる仕事ではいろいろと設計上とか単価の計算の仕方だとか、いろんな点で違いがあるのじゃないかと思いますけれども、その辺どんなところが違うか、ちょっと大ざっぱなことで結構ですが。
○説明員(須藤良太郎君) 確かに先生おっしゃいますように、混住化の進む中で、農道なり排水の問題は非常にいろいろの問題を抱えておるわけでございます。排水につきましてはこちらでやる、例えば河川と競合するようなものはあるわけですけれども、こちらの基本的な考え方といたしましては、農地の排水改良が緊急を要し、しかも頻繁に農業排水に使う、こういうもの、それから河川改修計画が樹立されていないか、あるいは計画があっても当面工事実施が望めないもの、こういうものをやっておるわけでして、その基本は、土地改良事業の施行令等の基本的要領を満足する範囲で実施する、こういうことにしておるわけでございます。
○稲村稔夫君 建設省とのかかわりの中で、どう違うかということを私が伺いたいということと少しずれているような感じもするんですが、私は言ってみれば、住民の立場に立ったときに、農道をつくるという場合にあるいは農業用の排水水路というものを整備していくというか、それから普通の一般公道をつくるという場合とか、中小河川を改修するとか、そういう場合、こういう場合に住民の立場に立ったら何か違いがいろいろとありますかということをお聞かせいただけますか。
○説明員(須藤良太郎君) もう先生十分御承知でございますけれども、土地改良事業というものは、一般の河川と違いまして、農地という私的財産の向上に資する側面があるわけですから、受益者負担の原則というものに立つわけでございます。したがって、特定受益というものがありますから、そういう面はまずどうにもならない一つの事実はございます。しかし実際問題といたしましては、農道にいたしましても、あるいは排水にいたしましても、県なり市町村から相当負担をいただきまして、地元の負担は相当軽減しているわけでございます。
○稲村稔夫君 住民の立場からすると、今お答えがあったように、一番大きな違いというのは受益者負担がついているかついていないか、こういうことだと思うんですね。そこで、受益者負担ということについていろいろと私は問題があるのではないかというふうに思うわけであります。特に、今の農家の置かれている厳しさというものを考えていったときに、今の御答弁でいけば、それは個人の財産を一定程度よくしていく、こういう側面を持っているから、こういうお話なんでありますけれども、しかし同時に農業というものが今まで果たしてきた大きな役割ということでいきますと、もうそれこそ国民食糧の生産ということを分担してやってきたわけでありますし、それからまた現在の状況からいけば、例えば労働者は賃金が少しずつは上がっていっておりますけれども、農業収入、特に収益ですね、所得に当たる分の収益は低下の傾向にあります。こういう状況の中でしょう。そういう中で、さらに今ここのところは外国から盛んな圧力がかかってまいりまして、そしてそのうち米まで要求されるんじゃないだろうかと戦々恐々としているような状況。そういう中で今辛うじて農家が何とか生計を保っているのは、むしろ兼業収入ということを中心にしてどうやら生計を保っています。ところが、この兼業収入の道についても、将来に対する見通しということになればかなり厳しいものがあるんじゃないでしょうか。 例えば経済企画庁が発表された二〇〇〇年の就労についての予測というものを見てまいりましても、二〇〇〇年というのはもうあと十四年半で来るわけですから、この時期になったらいわば団塊と呼ばれている年代層の子供たち、団塊二世などと呼ばれているようでありますけれども、その就労の場を確保することは大変なことだということで、もうまさに就労の場確保が非常に大変なんだから、今から労働時間を短縮したり休日をふやしたりというようなことをいろいろと工夫しながら、全体に広く薄くみんなで分け合おうじゃないか、言ってみれば、そういう内容の今あれが出てきているような状況でありますから、そういう状況を考えていきましたときに、単純に財産、自分たちの住むうちを持つための土地と、その他の普通の生産手段としての工場なんか、商店なんかが確保するそういう個人の資産というものとこういう農地というものとは、一つは国民食糧の生産という基本的な違いがあると同時に、それとかかわりを持つ人たちの状況というのが、言ってみれば、これは今の国の政策でそういうふうになってきているという面もあるわけでしょう。そうすると、受益者負担というのが財産の部分があるからついているのは当然だというふうに簡単に言われるのは、ちょっとどうかなというふうに思うんですけれども、その辺はいかがですか。
○説明員(須藤良太郎君) 混住化の実態から見ますと、確かに非農用地あるいは非農家というのは非常に多いわけですけれども、基本的には農業の振興という事業で受益があるわけですから、この受益者負担の原則というのは、土地改良事業にとっては切り離せないことだと思います。ただ、例えば排水にいたしますと、最近ではいわゆる受益者でない員外負荷の問題ですね、これを相当真剣にやっておりますし、また市町村協議等、知事裁定も加えまして、非農家、非農用地から負担していただけるような対策を講じております。また非常に低平地で防災に重点を置く地区におきましては、農地防災排水事業というようなものをつくりまして農民の負担を軽くする措置をとっておるわけでございます。
○稲村稔夫君 私は、農林水産省の現在の観点からいけば、そういう御努力というのは精いっぱいしていただいていることでこれはわかります。しかし同時に行政全体ということでいきますと、そうすると、言ってみれば、今の受益者負担の原則の問題も果たして住民全体の中で公平なんだろうか、どうだろうかと、こういう議論もいろいろと出てくるんではなかろうかと、こんなふうにも思います。そして例えば農道であっても、まさに公道として活用する度合いがもう大方であるというようなものもかなりあるわけですね。そうすると一方では、建設省の方で進められるものには受益者負担はついていません、しかし片一方では、受益者負担がついて実際に使われている公道としての役割の方がずっと大きい。こういうようなことになってくると、何か不公平感というものもそういう住民の中には出てくる。こういうこともあるだろうと思います。 ですから、私がそういう例を今お聞きしたのは、さらにそこからもう少し進んで、例えば道路の場合は公道に編入すればいいということ、手続上はそういうことがあるでしょうが、水路の場合などは供用しなければならないというような問題等も起こり得ると思うんですけれども、その供用する場合には建設省との間ではどういう相談というのがされるんでしょうか。
○説明員(須藤良太郎君) 河川の供用ということでアロケートというのを余りやっておりませんので、こちらの必要性でやる場合に、いわゆる受益者負担と原因者負担、こういう形で今までやってきておるわけであります。
○稲村稔夫君 先ほど手続の簡素化の問題などがありましたけれども、地方六団体の五十六年でしたかに出された行革についての意見というのを見てまいりますと、その中にも例えば農道整備事業についての手続にどんな書類が要るかまで載っていますね。これで見ていくとかなり膨大なものを出さなければなりません。さらに人員がどれだけ要るかということの計算もされています。従事延人員というのは、これは県営の農道の場合で平均して大体千八百十八人要る。こんなふうに書かれて提起されているわけであります。後で私は建設省の方にもその手続上のことはちょっと伺おうと思っておりますけれども、要は農林水産省の方でもこれだけ膨大な仕事がありますし、それから建設省の方でもまた同じように膨大な仕事があります、それだけそれぞれの仕事で。そして今の例でも、例えば設計の基礎の問題から、水路でいけば水量計算の仕方から何からみんな違いがいろいろとあるわけですね。その辺のところをみんな調整しなきゃならぬわけです。そうすると、その手間というのが結構また新たに加わるんではないかというふうに思うんです。そこで今どういう協議をされますかということを伺ったんです。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕
○説明員(須藤良太郎君) 主に河川なり道路の協議が多いわけですけれども、これは県段階でいろいろな作業を進める段階で調整しておりまして、私の方ではそう大きな負担にはなっていないと、こう考えておるわけでございます。
○稲村稔夫君 いや、あなたのところが直接という意味じゃないんですよ。県段階が忙しくなるじゃないですかということを言いたいわけなんですけれども、その辺をどう考えていますか。
○説明員(須藤良太郎君) これは十分都道府県の方を指導していきたいと思います。
○稲村稔夫君 あなたも都道府県におられていろいろと指導に当たられたわけですから、その辺のところは十分によく御承知なんだと思いますけれども、私が今問題にしておりますのは、地方公共団体の事務に係る国の関与の整理合理化、こういう観点で今審議をしているわけでありますので、その手続きの煩雑さというものが非常に大きな問題の一つでしょう。そういうものを今後何とかして解消していく努力をしてもらわなきゃならない。特にそういうふうにして、そういったときに所管の省庁が違う、それでいて似たような仕事あるいは共通しなきゃならない仕事、かかわりのある仕事というものが出てきたときには、さらにそういう手続上の問題を複雑にしているんではないだろうか。その辺のところをもっと簡素化するという方向でのお考えはないんですか。
○説明員(須藤良太郎君) 簡素化はぜひしたいと思っているわけでして、本省段階では大きな基準については建設省とも調整しておりますし、あとは県を十分指導するということになると思います。
○稲村稔夫君 どうもまだ私が伺いたいと思うこととのかみ合いにはなっていないのでありますけれども、少し無理かもしれません。といいますのは、省庁を超えた対応策というものについては、これは後ほど私は意見として申し上げて、御見解も総務庁から伺いたいと思っているんですけれども、そういうあれはそれぞれの省庁の自助努力ということの限界の枠を超えるものが結構あるんではないだろうかというふうに思います。そういう中で、例えば今のお話で簡素化する努力をする、そしてその調整というのを県に任せます。県とかあるいは市町村に任せます。でもその県、市町村は縦割りの一つの枠の中でまたお互いに話し合って調整していかなきゃならぬという手間があるんですよ。ですから、その辺のところは今後の課題ということにもなりますので、その辺はひとつ主管省庁の方でも、それは問題意識として持ちながら、今後の御検討をいただきたいという要望にとどめておきたいというふうに思います。 以上で、農林水産省を終わりたいと思います。ありがとうございました。 続いて建設省にお願いをしたいと思います。 建設省に最初にお伺いしたいと思いますのは、行革審の規制緩和分科会で用途地域の見直しについて何か見解が出されてきたというようなことで新聞等に報ぜられておりますけれども、この用途地域の見直しということについてどのように受けとめておられるか、最初に伺いたいと思います。
○説明員(鈴木政徳君) ただいまの用途地域の見直しにつきましての行革審の議論につきましては、私どももまだつまびらかなことは承知しておりません。新聞で仄聞する程度でございます。用途地域全般につきましての一般的な考え方としましては、用途地域と申しますのは、一たん指定しましても、その後の土地利用の状況等を加味しましてだんだん変化するものでございますので、適切な対応が必要かと思います。そこで都市計画としましては、おおむね五年ごとに都市計画に関する基礎調査というものを都道府県がやっておりまして、その後人口動態がどうなったか、公共施設の整備がどうなったか、商業あるいは業務施設がどのように進出しているかというような詳細な調査をいたします。その調査に基づきまして適切な用途地域の見直しということをすることになっております。 それが一般論でございますが、現在規制緩和という観点から問題になっております点は幾つかございます。 一つは、第一種住居専用地域の見直しというような問題でございます。東京のような本来もっと高度利用してもよろしいようなところで、まだ第一種住居専用地域があるではないかというようなことが従来から言われているところでございます。ちなみに東京都で申しますと、環状七号線内に第一種住居専用地域——第一種住居専用地域と申しますのは、高さが十メーターに制限されている、あるいは容積率も二〇〇%以内になっているということで一番厳しい制限がかかっているところでございますが、この第一種住居専用地域が環状七号線内に八・二%ございます。 これにつきまして見直しということになるわけでございますが、この第一種住居専用地域を全部見直せということではないわけでございます。現在東京都で進めております見直しと申しますのは、何点かの観点から進めているところでございます。例えば東京都では現在避難地とか、その避難地に至る避難路、そういうものの周辺は防災不燃化したいということでいろいろ手段をとって進めておりますが、こういう避難路の周辺などは、第一種住居専用地域から第二種住居専用地域に変えることによって不燃化の促進になるのではないかというような考え方もございます。 それから第一種住居専用地域以内に新しい道路が通る、あるいは従来の道路が拡幅されるというような事態が起きますと、当然土地利用の変化が起きてまいりますので、このような道路の沿線についても用途を見直すべきではないか。例えば今申しましたような観点から、東京都は現在第一種住居専用地域の見直しを都と区との間で続けているところでございます。 そのほか、用途地域の見直しとしましては、例えば駅の周辺に国鉄の貨物ヤード跡地がある、これが使われなくなって再開発の用地にしなければいけないというような場合には、国鉄の貨物駅などは通常準工業地域というものが指定されておりますが、これを商業的に利用するということになれば、容積率もさらに上乗せするというような形で商業地域に見直す必要が出てくるわけでございます。そういうものにつきましても積極的な見直しをするように現在指導しているところでございます。
○稲村稔夫君 今の出ている意見に対する対応というのはそれで大体わかりましたが、問題はまだ正式に提起されるというのがいつになるのかわかりませんが、要するに全体として規制緩和という形で用途地域の見直しが行われるということになりますと、いろいろと問題が出てくるのではないだろうかというふうに思うわけですね。特に第一種居住地域については、それこそ日照権であるとかなんとかといろいろとうるさい問題が起こってきた。そういう経過の中でこの第一種地域というのはかなり大事な、そういう面でいったら大事な意味を持っている。これを一般的に緩和すると、またいろいろと問題が起こってくるのではないだろうかというふうに思うわけです。 そこで、今のもう一度確かめるようで恐縮でありますけれども、建設省としては、何というか、実態に合わせてそぐわない部分というのは、それはもちろんいろいろと出てくることはありますが、そぐわない分については、いろいろとあるいは色塗りを変えるとか、あるいは違った形での対応を考えるとか、いろいろと工夫する、こういうことであって、総体的にこれを見直すということはないと、こういうことになるんでしょうか。
○説明員(鈴木政徳君) 基本的には先生のおっしゃいましたような考え方かと思います。ただ、全体として都市がどう発展していくべきかというような観点から見まして望ましいように変えていくのが用途地域の見直しだということでございまして、例えば例に出ました第一種住居専用地域だから全部見直すということではございませんで、その中の必要な部分について見直しを進めていくということで、現在地方公共団体を指導しているところでございます。
○稲村稔夫君 わかりました。時間のこともありますので、ちょっと急ぎます。 次に、同じく建設省関係で伺いたいと思いますのは、直轄事業についての負担金制度の問題でございます。これは地方六団体の意見でもかなりはっきりと言われているわけでありますが、原則としては直轄負担金制度を廃止してもらいたいというのが地方の要求ということになっています。 まず第一に伺いたいのは、こうした直轄事業に負担金があるということはおかしいと思いますから、廃止ということは可能なのでしょうか、そこからまず伺いたいと思います。
○政府委員(望月薫雄君) 直轄事業につきましては、道路改良あるいは河川改修あるいは維持修繕等々の実態で御賢察いただけますように、国の方としてのメリットもさりながら、何よりも地元地方に相応の受益をもたらすというのが現実でございまして、そういった観点から受益に見合った御負担を地方の方にお願いするということでやらしていただいておるところでございます。
○稲村稔夫君 そうすると、先ほどの農林水産委員会で出てきた受益者負担という考え方と共通だということですね、考え方としては。
○政府委員(望月薫雄君) 基本的には受益を受ける地方公共団体に負担をいただくということでは、個人と公共団体の違いはあろうかと思いますけれども、相通ずるものがあろうと思います。
○稲村稔夫君 私はぜひ廃止してもらいたいというふうに思うわけでありますけれども、それができないというふうにおっしゃったとしても、この直轄事業の中で事務費の比率というのが地方公共団体がやる事業に比べてかなり高い、高いものでまた負担をさせられる。こういうことになるわけですけれども、この辺は地方と同じにはならないんですか。
○政府委員(望月薫雄君) 地方負担をいただくときのルールというのは、先生も御案内のとおり工事費ばかりでなくて、事務費等も含めたいわゆる事業費、これに対して一定の負担率を掛けていただく、こういうルールになっておるわけでございまして、その際に内容を細部にわたって見ますると、補助事業の場合のいわゆる補助対象に若干の違いがあるわけでございます。率直に言いまして、ただいま先生御指摘のように、補助に比べまして直轄の方がいささか事務比率が高うございます、高い傾向がございます。これは補助事業の場合には一般的な維持修繕等は補助対象にいたしてないわけでございますが、直轄事業としてやっている中で維持修繕業務はかなりの人件費を伴っているということも一つの理由でありまするし、あるいは細部にわたって恐縮でございますが、職員の退職金なんぞも直轄の場合分担金を対象にして積算しておる。これは補助事業の場合には、公共団体の職員はどちらかというと長い県庁生活の中でいろいろな職場を歩かれる、経験されるというのに対して、地建の職員の場合には直轄の道路改良なり河川改修に専念していただく。こういったことの違いが背景にあるものというふうに理解していますが、そういった中で、御指摘のような面での違いといいましょうか、差異というものは避けられないものというふうに理解しておりまして、これを直ちに補助事業と同じように扱うということについて私ども現段階で踏み切れない事情があるわけでございます。
○稲村稔夫君 その理屈もわからぬわけではありませんけれども、しかし地方公共団体のやる事業と余りにも事務費の比率というものの違いは大きいんですよね、現実の問題として。だから、地方六団体が出した書類の中でもそれがありますけれども、例えば河川については事務費の構成比が直轄事業の場合には一二・一%、これは金額的に大きな違いがありますけれども、都道府県が実施する事業の場合には五千万円以下のものは八%というような形になっていますというようなこともあって、私は国の事務費の比率が高いということが、先ほどのお話じゃないけれども、国と地方との間の不信感をなくそう、不信感というのは言葉が悪いかもしれませんけれども、信頼関係をもっと強めようと、こういうことでいきますと、それを阻害する要因の一つでもあるというふうに思うんですね。 それから今退職金も含まれているというお話がありました。いろいろと国と地方との職員のあり方の違いというようなものについてもわからぬわけではありません。しかし私の体験でいきましても、新たに区画整理事業を初めて手がけようというそういうときがありました。そうすると、区画整理事業の経験をした職員がいません。職員がいないから、そこでぜひ何か月かそういう堪能な職員のどなたか建設省なり県なりから来てノーハウを伝授してもらいたい、ノーハウを伝授してもらえば自分のところで全部一生懸命やりますと、こういうことだったんでありますけれども、しかしそのノーハウを持った人は元建設省の職員の方で退職されて今別の区画整理組合に勤めています。そうすると、あなたのところへ行けば何カ月ということでノーハウを伝授してまたそれで終わりですよというんじゃだめです、その事業が終わるまで雇ってくださいと、こういう話になってくるわけですね。そうすると、今の体制の中では、流れの中ではやむを得ないということになるんでしょうけれども、しかしその市町村のそういう立場からすれば、今の話のようにノーハウさえきちっと身につけることができれば、あとはそうするとむだな投資みたいな形になるわけですね、非常に極端な言い方で申しわけありませんけれども。 そういうようなことがいろんな格好で周囲にずっとありますから、私は今市町村の立場で物を言いましたけれども、いろいろとありますからこの比率を変えるということはできかねるというような簡単な御返事では、なかなかみんな納得しないんじゃないかと思うんですけれども、その点は御検討いただく意思はないんですか。もう一度念を押して恐縮ですが。
○政府委員(望月薫雄君) 先生の御指摘は、補助の場合と直轄の負担金の場合の食い違いについて是正すべきだというふうに受けとめさしていただきますならば、おっしゃるとおり、補助については事務比率なんかについても一定の上限といいましょうかルールを決めている中で、いわば限度ルールをしいているというのに対して、直轄の場合にはいわば必要なものは負担金で対処さしていただく、こういったことでございまして、合わせるとすれば直轄の方を落とすか補助対象の方を上げるか、こういうことになろうかと思うわけですが、私ども直轄の分担金に関しましては、必要なものについては必要な応分の御負担をお願いしたい、こういうふうに現在認識しているところでございますのでよろしくひとつお願いします。
○稲村稔夫君 今簡単に建設省が引っ込まないことはよくわかりました。 それで、これは要望であります。要するに、そういった地方と国とのいろいろなやり方の違いというようなものも今後は国の関与の問題として調整していかなければならない問題の一つだというふうに思います。その辺のところはひとつ意識を持って今後の対処をひとつお願いしたいというふうに思います。時間の関係もありますので、直轄事業については以上で終わります。 最後に、建設省関係では道路と河川等で先ほど農林水産省に伺いましたけれども、道路の場合は先ほどちょっと言っているように大きなところでないと特別ないでしょうし、またそれは公道への編入という形で処置をされると思いますが、河川では供用だとか何かがいろいろと出てまいります。いずれにしても、道路にしても河川にしても、それぞれ建設省と農林水産省とのやり方の違いというようなものがあると思いますけれども、それらの点はどういうふうに調整を現在しておられますか。
○説明員(萩原兼脩君) 私どもがやらしていただいております河川改修事業は河川法に基づくものでございますので、特定の方というよりも、いわゆる公利公害にかかわりますもの、ですから田んぼでありましょうと住家でありましょうと災害低減効果のあるものを扱っておるわけでございます。先ほど来農水省さんがおっしゃいましたように、構造改善局の方でおやりの事業は、同じように雨が降りますものから災害を守るにいたしましても、田畑を主にされるもの、あるいは同じ防災ダムをつくられますにしましても、その主たる防災効果が上がりますものが田畑だけに及ぶものというようなところに線を引きまして、実際は私の方と農水省の方で年度当初あたりにそれぞれ事業計画を持ち寄りましていろいろ調整をさしていただいて、できるだけそういう事業がどちらがやるかという意味でのそごがないようにいたしておるわけでございます。
○稲村稔夫君 そこで、これも手続上は非常に膨大なものがヒアリングから始まっていろいろとあるわけでありますけれども、本省庁間の協議という段階では、それは会議とかなんかである程度のものが済むでありましょうが、実際の現場を担当する部分ではいろんな点で一つ余分な、一つと言うよりもかなり余分な手間をいろいろとかけなきゃならぬ、協議をしなきゃならぬ、こういう問題があると思うんです。ですからそういう面ではできるだけそういう自治体等の、特に自治体等が受ける場合、直轄事業ではなくて補助事業、失礼しました、特に農林水産省の方が私は念頭にあるものですからすぐあれなんですが、直轄ではなくて県営とか団体営とかというようなものがいろいろとあって、それがまたその河川とのかかわりというのを持つ場合が非常に多うございますね。そういう点での協議だとかなんかでいろいろと手間がかかっているということがあります。これらのことができるだけ簡素化されて対応が早くできるように、こういうことをぜひ今後の問題として御努力いただきたいというふうに思うわけであります。その点は要望として申し上げておきます。 時間が私は四十一分までだそうでありますから、建設省さんはもうこれで結構でございます。 続いて、文部省さんと厚生省さんに、ちょっと共通する部分もございますのでお伺いをしていきたいというふうに思います。 最初に文部省さん。ちょっと細かい手続上の問題を伺って恐縮でありますけれども、地方六団体等の指摘の中では、公共事業としての建設省関係の仕事であるとか農林水産省関係の農道であるとかというようなものについての手続上の問題がずっと載っておりますけれども、学校建築をするに当たって、申請から完成までの手順、手続といいますか、そういうものは大体どんなふうな形になるでしょうか。その構造と書類の種類といいましょうか、そんなものをお聞かせいただきたいと思うんです。単純に新設をする場合もあるし、建てかえをする場合もあるしといろいろとありますけれども、多少複雑になるという例が結構多いわけでありますから、その例をひとつ伺いたいと思うんです。例えば一部危険校舎であとは危険校舎になっていませんというようなこと。そうすると補助率が違ってきますね。そういうことで手続上一番複雑な口、一番でもないでしょうけれども、複雑な口の方に入るだろうと、そう思いますので、そこのところをちょっと教えてもらいたいと思うんです。
○説明員(遠山耕平君) 公立学校施設の負担金の申請手続と申しますのは、義務教育諸学校施設費国庫負担の方と、それから局長通知で一応決まっているわけでございますが、具体的にはこれは児童生徒数をもとにする学級数を基礎にしておりますので、毎年度五月一日現在の児童生徒数に基づきまして学級数を算定して、それに基づいて必要面積というのが具体的に出てくるわけでございます。それで各市町村で認定申請書というのを作成しまして都道府県に提出しまして、都道府県がそれを審査して文部省に提出する、こういう形になるわけでございます。文部省ではその各都道府県から事情聴取を行いまして、これは各県ごとに予算の範囲内で一応仮枠の配分を行いまして、その範囲内で各県で一応箇所づけを行うわけでございます。それを文部省としましては聞きましてそれを認定すると、いわゆる箇所づけを行っているわけでございます。その認定の後は、今度は補助金の適正化法の規定によりまして交付申請をし交付決定を行う、こういうことになるわけでございます。 お尋ねの不足面積がある場合、いわゆる新増ですね、新増築の場合と、それから危険改築の場合、これが一緒になっている場合、文部省としましては、それぞれ一応別の事業というぐあいに考えておりますので、新増築があれば新増築について申請をしていただく、それから危険改築があれば危険改築について申請をしていただく、両方あれば両方について申請をしていただく、このようにしていただくわけでございます。それは、先生がおっしゃいましたように、補助率も違いますし、それから危険改築には老朽度、耐力度点数が何点であるかというものについて事前に調査して、それも書類として出していただく必要がありますので、そういうことで別々の事業として扱っているわけでございます。
○稲村稔夫君 申しわけありません、時間がなくなってしまいましたので……。それぞれに伺いたいと思っていたんですけれども、時間がなくなりましたので、文部省も厚生省の方もせっかく座っていただき、聞きたいと思っていたんですけれども、時間がなくなりましたので申しわけありません。 私が今それぞれに伺ってまいりましたのは、今の文部省の学校のことでも書類の数まで私は伺いたかったんですけれども、書類の数は別々でいけば膨大な数になります、こういうことにもなるわけであります。 これらの実態というものをあれしてまいりますと、私は今回のこの法律の改正というのは、各省庁にとってはまだ大した影響がない部分だけが出てきたにすぎないんじゃないかというふうに思うわけでありまして、本来の国の関与のあり方というもの、これを合理化し整理していくということは大変なことだと思いますし、今それぞれ言われた問題も各省庁に今度はわたるものということになると、これはさらに何か特別な機構でもつくりながらやっていかなければそれこそ整理し切れないような、そんな感じのするものでもあるわけであります。こういう点を今後どういうふうにお進めになるのかということもお伺いをしたいわけであります。これが第一点であります。これは総務長官にまず伺いたいと思います。 それからもう一つは、こういう行き方が一つは臨調、行革審という形でいろいろと提起されてそれが具体化されてくる、こういう格好になっていますけれども、私は言ってみれば、臨調、行革審の指摘をまつまでもなく、それこそ地方からもいろいろと出ていたことなんでありますから、何もかも行革審のことですという神様の命令みたいな形にはしないで積極的に取り組んでいただきたいと、こんなふうにも思うわけでありまして、最後に、時間がなくなってちょっとしり切れトンボになりましたが、総務庁長官のお考えを聞かしていただいて、終わりたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 稲村さんから、広い意味での関与の一つとして非常に重要な手続上の、何といいますか、地方側から見た非効率といいますか、むだといいますかね、そういう点についての御指摘がございました。各省それぞれ長い歴史の中でそれぞれのしきたりがあるわけですね。それからもう一つは、同じ仕事であっても、先ほど御質問の直轄事業と補助事業とでこれまた積算の中身が違っているとか、いろんなそれぞれの性格に応じての違いがあるわけなんですね。それが地方に非常な迷惑をかけている面は、これは私は率直に言ってあると思います。 そういう認識の上に立ちまして、おっしゃるように、何も一々行革審で、そこまで私は実際は審議していらっしゃるのかどうか承知しておりませんけれども、これは政府みずからの手によって、それぞれの性格の違い、歴史的な沿革の違いということの認識の上にも立ちながら、できる限り、地方団体のいろんな苦情が出てきているわけですから、それらを取り上げて政府としては勉強していかなければならぬ課題であると、こういう認識を私は持っておるわけでございます。 大変貴重な御意見、ありがとうございました。
○稲村稔夫君 よろしくお願いします。
○内藤功君 まず、結核予防法に基づく結核審査協議会の設置基準の緩和についてお尋ねをしたいと思います。 現行法では、結核予防法第四十八条に基づいて各保健所ごとに結核審査協議会の設置が義務づけられております。この審査協議会で審査される件数は年間どれくらいありますか、最新の数でお答えいただきたい。
○説明員(窪木外造君) 結核審査件数でございますけれども、これは全国平均一保健所にいたしますと年間三百五十九件になっているところでございます。昭和五十八年度のデータでございます。
○内藤功君 全国でどのくらいですか。
○説明員(窪木外造君) 年間の総件数で申しますと三十万七千六十五件でございます。それを一保健所当たりの年間の数にしますと三百五十九件ということになります。
○内藤功君 年間で全体で三十万件を超える結核審査があったと。数字は大変大きいという感じがいたしました。確かに終戦直後から比較すると大幅にこの数字は減っているのであります。しかし、まだこれは撲滅されておりません。そこで、この審査会で年間どれくらいの新たに発病された患者さんが確認されておりますか。また現在の結核登録患者の方の総数はどれくらいでございますか。
○説明員(窪木外造君) まず五十八年末、五十八年十二月現在でございますけれども、新たに登録されています患者さんが六万二千二十一人でございます。それから五十八年十二月末で登録されている患者数は三十五万六千三百七十七名でございます。
○内藤功君 次に、結核の集団発生の最近の現象についてお尋ねしたいんですが、報道によりますと、一度に四人以上の集団発生が過去三年の間に頻発しておるというんですね。その原因についてはまだ十分に解明されたとは言えない部分があると思いますが、一つの原因として、結核菌に対する人間の集団の抵抗力が低下してきたということがあるのじゃないか。厚生省当局の御認識を伺っておきたいんです。 関連して特に問題に思うのは、感染経路として幼稚園というのが一つ、中学が二つ、高校が四件、大学の学生案というのが一つ、事業所が三、こういうぐあいに多発しているということであります。集団発生の再発防止に向けて厚生省としてどのような対策をとっているか、明確にしていただきたい。 それから外国でも同様の現象が発生しているというんですが、そこらあたりもお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(窪木外造君) まず、先ほど申されましたように、過去三年間の間に十一件報告を受けているわけでございます。その集団発生が最近増加しているという傾向にあることは事実でございます。その原因は何かということは、今先生のおっしゃられましたように、結核患者の免疫力が低下しているということが推定されるわけでございます。これは結核の罹患率が減少するということで、患者さんが減りますと、結核による自然感染というものによる感染者が減るということで全体的な免疫力の低下。特に先ほど御説明ありましたように、学校、学童あるいは大学、それから事業所でもそうですけれども、青少年の若いところの層にそういう免疫力の低下があるということで、そこのところで集団発生を起こすというのが強いものでございます。そういうために排菌者と接触すると従来よりも感染しやすくなって、その結果集団発生になろうというふうに考えているわけでございます。 外国では、数は手元にございませんけれども、こういうふうに結核患者の発生率が低下している地域では集団発生という形で起こっているのが事実でございます。 それで、こういう今申しました状況を踏まえまして、今後とも結核予防法に基づきまして、健康診断あるいは予防接種それから医療に至るまで、また患者管理を一層徹底して結核対策の推進に努力していきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○内藤功君 そういう状況だとしますと、予防のために保健所に期待するところは大きいし、また地域住民の方々の健康相談や保健指導を初め公衆衛生の向上が非常は大きな役割を担ってきていると思うんですね。 そこでお尋ねするわけですが、我が国における結核による死亡率は全体でどんな位置づけにありますか。それからまた人口十万人当たりの有病率はどのくらいでございましょうか。
○説明員(窪木外造君) 五十八年度の結核による死亡者数でございますと、これは五千三百二十九人でございまして、死亡順位からいきますと第十五位でございます。これを人口十万対の死亡率で計算しますと四・五ということになるわけでございます。諸外国に比べますと、先進国のオランダ、デンマーク、アメリカ合衆国、それからイングランドウェールズ、そういうふうな先進諸国に比べまして、まだ依然として日本の結核の死亡率は高いというふうな状況にあると思います。
○内藤功君 医学の進歩や医薬品の発展、衛生思想の向上等が一方にありますから、昭和二十年代に比べますと前進している点は私も認めた上での質問なんですけれども、今のお話のように、この病気は、一たびかかると非常に感染の危険が大きい、広がると大変なことになるという病気であり、現状も決して楽観を許さない。そういうことだから、保健所が設置されると、その保健所ごとに一個の結核診査協議会を設置するということを義務づけていたわけなんであります。今回の改正法案は設置基準の緩和でありますけれども、何カ所かをこのように一つに統合いたしましても何ら差し支えはない、こういうふうな厚生省の御判断でありましょうか。 また、改正の一つの理由に、結核専門医の先生の減少もある、保健所管内から委員を選任することが難しい地域も出ている、かようなこともお聞きしておるわけでありますが、 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 それでは一体、現在全国的に結核専門医と言われる先生はどれくらいいらっしゃるんですか。以上二点につきまして明確にお答えいただきたいと思います。
○説明員(窪木外造君) お答えいたします。 今の先生の御指摘のように、まず結核の専門医の数でございますが、昭和六十年の四月現在結核病学会に加入していらっしゃる先生の会員数が二千四百三十三名でございます。昭和三十四年ごろですか、ここにデータがあるのを見ますと、そのころは四千人ぐらいということで、その当時に比べて減っているということも事実でございます。 それからもう一つは結核診査協議会の数でございますけれども、先ほど申しましたように、全国平均一カ所三百から四百程度になるわけでございまして、診査件数の極めて少ない保健所もございます。そういうふうな地域がございますので、そういう地域の実情に応じまして、その結核診査協議会の現行規制を実態に応じた形で複数の保健所で設置することができるようにしたものでございます。いずれにいたしましても、患者管理につきましては、従来どおり各保健所で行うということで、結核予防対策に支障を来さないようにするということで変わりません。
○内藤功君 私は全体から見まして、結核対策の後退につながるおそれがあるという感じがぬぐい切れないわけであります。 この点はこの程度にいたしまして、次に、同じく厚生省所管でありますが、保健所運営協議会について質問をしたいと思います。 保健所は、今の質問でも申しましたように、これまで当該地域住民に密着して、健康の増進並びに疾病の予防など公衆衛生の向上に職員が一丸となってその社会的使命を来たしてきた、非常に重要な役割を果たしてこられたという点を私は評価するわけなんであります。厚生省にお尋ねしたいのでありますが、元来、保健所の所管区域ごとにおいて運営協議会が置かれるようになった趣旨はどのように認識されておりますか。また歴史的な経過も含めて御説明願いたいと思います。
○説明員(古市圭治君) お尋ねの保健所運営協議会は、保健所の運営が地域住民の民意を的確に反映しまして、国民に親しまれ、また日常生活に直結した行政サービスができることを目的として設置しているものでございます。現在までに保健所数には異動があったわけでございますが、都道府県では六百四十六の保健所に保健所運営協議会がございます。また保健所法におきまして設置を義務づけている三十一の政令市では百五十六、それから東京都の二十三区につきましては五十三、合計八百五十五の保健所に保健所ごとに運営協議会が設置されている状況でございます。
○内藤功君 今の御答弁にありますように、今回の改正は、三十一の政令市及び東京二十三特別区の運営協議会についての設置緩和であります。現在、これらの地域は、東京の二十三区においては五十三、政令市においては百五十六、こういうお話です。 そこで、最初に述べましたように、保健所の目的は保健所法第一条にうたってありますが、改めて確認をします。「公衆衛生の向上及び増進を図るため」、こうなっています。同法二条によると、保健所は地域住民に対し指導や必要な事業を行うということが定められております。つまり、比較的狭い地域で住民に密着した保健行政を法は求めておる、こういうふうに私は解するのでございます。 そこで私は、今回の規制緩和が、これまでの一保健所に一運営協議会という制度を改めまして統合を図る、こういう今回の措置については疑問を呈するのでございます。本改正法案の趣旨は、とりあえず政令市三十一市及び東京二十三区の特別区に限っているわけであります。そしてそのうち対象となるものは二百九カ所の保健所運営協議会である、こういう御答弁でありますが、これを一つのてこにして他の市町村にもこういうことを順次拡大していく、その次は今度は保健所そのものの統廃合へと進む、そういうふうに進んでいくのではないか、こういうふうに私は思うし、また関係者の中にもかなり、その布石ではないかという心配をされる向きが現実にたくさんおられるんです、この法案が出てからいろいろ聞いてみましたが。ここらあたりの御見解、また私の今提起した懸念に対する御見解はいかがでございましょうか。
○説明員(古市圭治君) 今回の法改正の趣旨につきましては、保健所のうち、政令市と特別区について、その地域の実情に応じまして運営協議会を統合することができる、このようにしたものでございます。これは都道府県の場合と異なりまして、政令市、特別区にありましては保健所一カ所当たりの所管面積が比較的小さい、それから各保健所管内の社会経済的状況もほぼ均一である、それからまた、通常、関係団体が市または区を単位として設置されて委員が任命されているもので重複している例がある、そういうことから今回の改正に踏み切ったわけでございます。したがいまして、保健所運営協議会が統合されました場合におきましても、地域の状況を踏まえて関係者の意見を十分に摂取する機会が担保されている、このように考えたわけでございます。 また、御懸念の他の都道府県における保健所運営協議会の統合につながるのではないか、さらには地域を所管する保健所全体の統廃合につながるのではないか、こういう御懸念でございますが、この改正の過程におきまして、行革審及び総務庁の関係の方とも十分協議をいたしまして、地域における保健所の役割また都道府県における保健所運営協議会の役割ということについては十分御了解、認識を賜って、現段階でこの政令市と二十三区、これについての統合を地方自治体の自主的判断にゆだねるということで条文を改正する、これが妥当であるということにしたわけでございます。そういうことで、厚生省といたしましては、これがさらに波及して、他の保健所の統廃合また保健所運営協議会を道府県においても統合するということは全く考えていないところでございます。
○内藤功君 先ほどは面積の狭小な点などを挙げられましたが、私は人口の非常に多い密集したところで病気にかかる方の率も多いというふうな面から、ただいまの御説明には納得できない点が多多まだ残っております。 現在の制度は一つの保健所がありますと、その管轄区域の公衆衛生について責任を持っているわけですが、守備範囲が狭いほど地域の特殊性や要求がはっきりつかめるという点があるんじゃないでしょうか。運営協議会が余りにも広い範囲で統合されますと、細かい点についての配慮というものが欠けてくるものじゃないでしょうか。さらに運営協議会が廃止された地域の側は保健所の機能が後退する、さらに当該自治体そのものの公衆衛生全体のおくれが生じるというふうな懸念はいかがなんでしょうかね。厚生省としてはそういう一種の一時的にせよ穴があくことはお認めになるでしょうが、そういう手当てを何かされるおつもりか、あるいは全くもう手当てはしなくてもよいというところまでのお考えか、最後にその点だけお聞きしておきたいんです。
○説明員(古市圭治君) 従来から現行までの保健所法の規定は、厚生省といたしましてそのような懸念もあり、各保健所ごとに運営協議会を設置を義務づけていたわけでございます。しかし今回の行革審の検討等を通じまして、そのような保健所法が制定されました二十三年当時とは事情が変わり、地域住民の保健医療に対する熱意は非常に高まっております。そういうことから国が法律で各保健所ごとに必置規制をかけるということではなくて、地方公共団体の自主性を尊重して地域の実情に合った総合的、効率的な行政を行っていただく、それにゆだねるということにしたわけでございます。 ただ、全般的にこれを緩和するという形では問題がございます。それは御指摘のように都道府県は非常に広範囲、各数カ市町村を管轄しております。そういうことから政令市、二十三区に限って地方自治体の民意それからまた団体の意向にゆだねよう、このようにしたわけでございます。ゆだねた以上、これをどうこうするという考えは厚生省では現在ございません。
○内藤功君 納得のいかぬ点がありますが、次に国土庁に質問を移したいと思います。 土地調査員の必置規制の廃止ということがこのたびの改正法案にありますわけですが、その土地調査員の仕事というのは、国土利用計画法第四十一条に基づいて、土地の取引に関し開発会社等に対して立入検査及び質問をするとか、書類や帳簿を見ることができる、こういう権限を与えられておるわけでございます。これらの土地調査員は知事が発行した身分証明書を携帯しておりまして、関係者から請求があった場合はいつでも提示しなければならない、かように定められておるわけでございます。この土地調査員はどこの都道府県でも少人数で業務を遂行しているようであります。これまで立入検査等に行きましても、企業側もこの制度についてある程度心得ておりまして、比較的スムーズにこの検査等が執行されるというふうに私は理解をし、承っております。かように現行法では土地調査員の身分保障がありまして、きちっとした形で定められておると思うんです。 ところが、今回改正法案によりまして、この土地調査員の必置規制というものを廃止してこれから任意設置ということにされる意向でありますが、これはあくまでも任意であるから結局、将来は廃止してもよいということを含みにしているというふうに普通これは理解されるんじゃないか。また現実に任意にして次は将来実情に応じて廃止してもこれはいいですよということをねらいにしておるんじゃなかろうか、私はそういうふうに思わざるを得ないわけです。 そこで国土庁に御質問でありますが、現行法ではこの土地調査員という明文の規定に定めた職名によりまして、相手側に信頼感、安心感を与えているというメリットがございます。しかし今度の法改正がもし仮に行われた暁には、土地開発業者の中にはごく一部に悪質なものも現実にありますから、そういうものが出てくるおそれがある。それからこういうものがいろいろとのさばってくる危険はないか。それらの業者から立ち入りが拒否されるというふうな場合も考えられないか。いろんな無用なトラブルがこの関係で起きる可能性も考えられないかどうか。こうした場合に今までのような十分な対処ができなくなる、そういうおそれがあるのではないか。私はこの点を心配するのであります。関係者の中にもそういう声があります。これらの点につきまして国土庁としてのお考えをひとつ伺っておきたい、こう思います。
○説明員(山崎皓一君) お答えいたします。 ただいまの現行制度におきまして、国土利用計画法に基づきます土地取引の届け出等が都道府県知事に対してございました際に、都道府県知事はその職員に命じまして、この届け出のありました土地でございますとか、あるいは当事者の営業所、事務所等に立ち入って検査をいたしましたり、あるいは質問をしたりすることができることになっております。これにつきましては必ずしも土地調査員である必要はないわけでございまして、都道府県知事が命令をいたしました職員であればだれでもいいわけではございますが、実際問題といたしまして、この調査と申しますのは非常に重要な職務でございますので、一定水準の資質を持ちました職員が行うのが適当であるということがございまして、政令をもちまして、土地利用または不動産の評価に関して経験を有している職員の中から都道府県知事が任命するということに現行はなっているわけでございます。 しかしながら、法施行後十年を経過いたしまして、都道府県あるいは政令指定都市もございますが、土地取引の届け出に関しますいろんな事務というものに習熟をしてきておりますので、必ずしも土地調査員の任命を義務づけなくても、そこは都道府県知事あるいは政令指定都市の長の自主的な判断によってよろしいのではないかという判断から、今回任意設置に改めたわけでございます。 ただ、その場合先生が御引用になりました土地調査員でないから立入検査を拒むというようなことは、法律上は土地調査員であるから立入調査権を持っているわけではなくて、都道府県知事が命じた職員はすべて立入検査権を持っているわけでございますが、土地調査員という名前を持っていた方がスムーズにいくというようなことを都道府県知事が判断をすれば、当然従前どおり土地調査員としての任命を行っていくことになると思っております。 現在この制度の改正につきまして、こういう改正案が国会に提出されているということにつきまして都道府県等にも説明しておりますが、都道府県の感触といたしましては、当面直ちに現在の体制を変えるというようなことは考えていないようでございまして、そういった意味におきましても、別に任意設置にするということが法の適用上大きな影響をもたらすというふうには考えておりません。
○内藤功君 これはいろんな見方があると思いますが、こういう開発会社というのがこれからいろいろふえてくるだろう、いろいろなトラブルもふえてくるだろう。そういう場合に、一般論ですけれども、どこのどういう人かわからぬ人が来た場合のトラブルというものはあるものです。その行った人の肩書、それから知識がどれぐらいあるか、もう一つ言えば人柄がどういうふうだというのは大分響くんですね。これは天下国家の大問題の中の小さなことじゃないかで僕は済まされない問題もあると思うんですね。私はそういう意味で、今言われたように現体制を崩さないでいくという郡道府県が多いのであれば、これは必置規制を置いといていいんじゃないかということで、私はそういう立場からお尋ねをしたわけであります。多少国土庁のお考えと私は違う見解を持っているということをここでもう一回確認的に申し上げておきたいと思います。 次に、総務庁長官にお伺いをしたいと思います。 許可、認可に関連しましてお尋ねしたいんですが、報道によりますと、総務庁は行革推進の課題の一つである行政手続法制定に向けて法案の内容を検討する、学識経験者、民間有識者など十人余りで構成する行政手続法研究会、これは仮称だそうでありますが、これを六月にも発足させ、六十一年度末を目途に報告書をまとめる方針である、かように報道されておるのでございます。これによりますと、大分具体的なお話が進んでいるように見えますが、どうなっておるのか、その詳細をお答え願いたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 行政手続法は、日本の法体系の中で私は欠落しておる面ではないか、こう考えておるんですが、臨時行政調査会それから行革審からもこの必要性を指摘しておられますので、私どもとしては、新聞に出ておりましたように専門家の方にお願いをしまして、行政手続法の研究会を開催するということで準備を進めております。ただ大変難しい課題なんです、これは。 そこで、専門的な検討、それから行政運営の実態調査、諸外国の立法例及び運用の調査、こういうことを題目として勉強していきたい、こう考えておりますが、いつごろまでに結論を出すのか、こういうことになりますと、この研究会は大体現在の時点では二年間ぐらいはかかるんではないかな、かように考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、大変難しい課題ですから相当な準備期間が要る。そして慎重な、綿密な勉強をしませんと、いきなりこういう課題があるからといって結論を出すべき筋合いでもないし、またその結論はそう簡単に出るものとは考えておりませんが、最初申しましたように、日本の法体系の中では私はこれは手をつけなければならぬ課題ですから、政府としては慎重な準備のもとに進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
○内藤功君 これはおっしゃるように、このこと自体がいろんな問題、批判も起こると思いますね。当面はもう研究以上には恐らく出ないんだと思いますが、しかしそのねらいというものをずばり言えば、処分基準とか聴聞その他の処分手続に統一的な基準をつくるということを模索するわけでしょうから、そして一方、現行の法令にありますいろんな処分の手続には、それぞれの法令ごとにそれがつくられたいろんな理由、歴史的経過があるんだろうと思いますね。明治にできた法律もあるし大正にできた法律、戦前戦後いろんな法律があって、いろんな法律の聴聞手続とか不服審査というのが千差万別分かれているけれども、聞いてみるとそれなりの理由があるのですね。そういうようなことで、統一基準をつくるということ自体に非常な強い批判、反対もあり得るし、そういう批判は必ず出てくると思うんですね。今後この問題は少し系統的に私も意見をほかの機会に申し上げたいと思うんですが、一応今の報道による事実を長官から確認をさせていただきましたが、これはきょうこのくらいにしておきたいと思います。 もう一点、許可、認可の法律でありますので関連してお聞きをしたいんですが、許可認可等臨時措置法のことなんです。これは昭和十八年三月十八日の法律だそうであります。大臣はそのころもう役所に来ておられたが、我々にはこれはわかりませんです。これは法律第七十六号で昭和十八年三月十八日に制定されたもので、その第一項にはこう書いてあるんです。「大東亜戦争ニ際シ行政簡素化ノ為必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ法律ニ依リ許可、認可、免許、特許、承認、検査、協議、届出、報告等ヲ要スル事項ニ付左ニ掲グル措置ヲ為スコトヲ得」として一から六号置いて、認可を要しない場合とか、許可にかえて届け出で足りる場合とか、許可の申請後一定期間の経過により許可があったとみなす場合とかを決めておるわけですね。 私がきょう指摘したい根本問題は、この法律の冒頭に「大東亜戦争ニ際シ行政簡素化ノ為」という本法律の目的、性格を公然とうたっておりますが、これはどう考えても、日本の今の憲法のもとでこういうものが存在する合理的な理由がないんじゃないかという点を私は指摘したいんですよ。憲法で戦争というのは放棄した。憲法前文にあるように、この憲法の原理に反する一切の法令は排除するという憲法のもとで、繰り返しますが、「大東亜戦争ニ際シ行政簡素化ノ為」という性格、目的を明文で公然とうたう法律が存在する理由はどう考えても見出せないと思うんです。 行政手続の整理とか合理化とかおっしゃって勉強されるそうなんですけれども、真っ先に許可、認可の問題ではこの臨時措置法というものを廃止するという措置をまずとっておく。どういうわけでこれは残ったんですか。こういう点をちょっとお伺いしたいと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 実効性を喪失した法律というのは、これは廃止すべきなんですね。そこで、昭和何年でしたか、昭和五十七年に政府としては、今恐らく千五百ぐらい法律があると思いますが、いろいろ検討した結果、実効性を喪失した法律の廃止を国会にお願いしてやりました。その際にもこの法律は当然検討されたんですが、当時はこの法律は実効性を喪失していない。なぜかならばと言えば、これは御承知のように、民法三十四条に基づいて社団法人とか財団法人は設立の承認の権限が各省大臣にありますが、それを昭和十八年のこの臨時措置法で都道府県知事に委任したんです。その委任が省庁によって違うんですけれども、依然として地方の知事さんに委任していないという省もありますし、物によっては委任している省もある。今日そういうことで私は委任をする法律はいいことだなと。何もその都道府県内でしかやらないようなそういった公益法人を一々各省大臣がやる必要ないので、知事さんに任したって一向差し支えないと思いますので、この法律は実効性を失ってないのみならず、私はあってしかるべきだと思うんです。 ただ問題は、おっしゃるように「大東亜戦争ニ際シ」という、この立法の契機といいますか、動機が書いてあるんですね。だから戦争遂行のために必要だという目的ではないので、契機をあれは書いてあるにすぎないんです。ただ、確かに内藤さんおっしゃるように気にさわる方だっておると思いますね。だから、用語を整理するという意味において、この契機として書いてある「大東亜戦争ニ際シ」というのはこれはやめた方がいいのかな、こう私は思うんですよ。しかし法全体は依然として必要な法律であろう、私はかように考えておるわけでございます。 先般、どの委員会でございましたか、これを御質問がございましたが、私は同じような趣旨でお答えをしたつもりでございます。いわゆる戦時立法で戦争遂行のためにこの規定をと、こういう目的ではなくて、契機を書いてあるにすぎないのであって、今日の時代から見ても中央の各省大臣が必ずしもすべて握っている必要はないので、都道府県知事に都道府県内のやつは任した方がよかろう、これは私の認識でございます。用語の点については先ほど言ったような私の考え方を率直にお述べしたわけでございます。
○内藤功君 用語の点は大臣のおっしゃったのを理解できますが、これは単なる用語ではなく、もはや法律の性格と不可分になっておりますからね。私はこの法律自体を廃止して、そうして後、手続法が必要であれば、それは別途すっきりした形で、日本の今の憲法のもとでの法律が必要であれば、それは国会に諮るというのが本当の筋じゃないかと思うわけなんです。その点が少し大臣の言われるのと違うところであります。ただ便利だからというだけでは私はこれは納得できない問題があるんですね。どうなんですか。これは所管省庁がはっきりしなかったので廃止されなかったというふうにも言われておりますが、そういうことはないんですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は五十七年の経緯は実は承知していないんですよ。承知していないんですが、この問題はほかの立場から、この予算委員会その他を通じても随分やかましい議論が内藤さん御案内のようにあったんですね。公益法人についての所管庁がどこかわからないじゃないか、だから眠り法人があるし、その法人を人に売ったりしているのがおるじゃないか、もう少ししっかりやれ、こういうふうなことでおしかりも受けまして、今これの各省の連絡は総理府本府の管理室の所管になっているわけですから、現在官房長官のもとで、つい数日前でしたか、これは対応しなきゃいけないということで、公益法人の指導監督をもう少し徹底させるということで、各省の連絡協議会を設けまして検討するということになっておるわけでございます。 したがって、御質問の、所管庁がなかったんでこれを云々ということではないんじゃないか、これは私の推測でございますけれども、さように私は現時点では理解しております。いずれにせよ、公益法人全体の問題として政府としては対応していかなければならない、こういうことになっておるわけでございます。
○内藤功君 もう一点、昭和四十年の衆議院予算委員会で、当時大問題になりました防衛庁の図上研究があります。三矢研究というのが国会で大問題になりまして、このときの議事録をずっと今見てみますと、その中に、今後防衛庁の統合幕僚会議がつくるべき戦時立法の参考資料として大東亜戦争中の法令がずっと並んだ一覧表が出て、参考資料として会議録に添付されています。この中に、いわゆる総動員法とか徴用令とか軍機保護法とか国防保安法とかいうものと並んで、今私が言った許可認可等臨時措置法が参考にすべき大東亜戦争中の法令として挙げられているんですね。ですからこれは杞憂じゃない。戦時立法そのものとしてでき、また戦時立法としてこれを将来参考にするという向きがあるという場合には、なおさらこれは一たん廃止の措置はとるべきだ、こういうことを強く思っているわけです。 先ほど字句はよくない、この点は私は別に異論はありません。ただ字句だけじゃなくて、この法令そのものをなくすということが大事だと思うのですね。これは官房の担当だそうですから、別途また官房長官、法制局長官にも問いただしたいと思います。 それでは次に人事院に伺いたいと思います。 人事院にお伺いしたいのは、まず先日、昭和五十八年度の一般職国家公務員の死因調査結果が発表されたようでございますが、この中で在職中病気で死亡された職員の方の数及び死亡原因別の人数、パーセンテージを上から五番目ぐらいで結構ですからお示しいただきたい。
○政府委員(叶野七郎君) 人事院が実施いたしました国家公務員の死因調査の結果によりますと、五十八年度中でございますけれども、病死者の総数は千二百六十九名、順番に申し上げますと第一位ががんでございます。がんが六百五十三人、脳卒中が二百二人、心臓病が百九十八人、肝硬変が五十九人、それが大きい数字でございます。
○内藤功君 今の順位で言いますと、五十七年度に比べて何か特徴はございますか。
○政府委員(叶野七郎君) ここ数年変わっておりません。たしか私の記憶では、脳卒中と心臓病の入れかえがあった程度じゃなかったかというように記憶しております。
○内藤功君 脳卒中の方が二位になって、心臓病が三位になったと、こういう変化が前の年に比べてあると思いますね。この調査結果に基づく人事院としての職員の健康管理への結論は、端的に言うとどういうことですか。
○政府委員(叶野七郎君) 例年定期健康診断なりあるいは特別健康診断というものを各省庁でやるようになっております。その定期健康診断の中にどういう項目をはめるかということは、予算上の関係もありまして、いろいろ悩んでいるところでございますけれども、最近の成人病の増加傾向に対応して例えば肝硬変に対する診断項目をふやすとか、あるいは心臓に対して心電図の検査を行う、そのような項目を追加して行ってきております。
○内藤功君 こういう死亡の増加、特に脳卒中、心臓病による死亡の増加は私は休暇、休息、休養が十分とられてないというところに原因があるように思うんです。 そこで、人事院に休暇の問題について御質問したいんですが、最近の一般職職員の休暇の取得状況は、大ざっぱで大きいところで結構ですが、どんな状況ですか、取得状況。
○政府委員(叶野七郎君) 休暇の取得状況、年次有給休暇のことと思いますけれども、五十八年中に我々が調査いたしました結果によりますと、二十日の年次休暇が与えられているわけでございますけれども、一人平均十二・四日、大体六二%という取得率になっております。これは大体民間におきましての取得率の約六〇%とほぼ同じではなかろうかと、かように思います。
○内藤功君 四月二十三日の当委員会で、私の質問に対して人事院総裁が、脳卒中及び心臓病の公務災害認定基準の検討につきまして、「そういうふうな病気と勤務の実態というものをにらみ合わせて的確な認定ができるように、その基準というふうなものについては決していたずらにこだわることなく、いろいろな資料、ただいまお示しくださったような判決例なども参考にしまして、今後最も適切な基準を得るような検討もいたしたい」、こういう前向きの答弁をしていただいたわけであります。私は当然のことだと思うんですが、人事院としてその後一カ月半ほどたちましたが、この検討作業は始められておりますでしょうか。どういう方向で具体的におやりになるか、一応御報告を求めたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) この基準の経緯につきましては先生も御承知のことと思います。既に昭和三十六年に労働省の方が基準を発し、そして我我といたしましても、最近の脳卒中あるいは心臓病の増加傾向に伴いまして五十四年でしたか、一応の指針等に対しますところの、これは通達じゃございません、指針として各省庁に示したわけでございます。ただ、これはあくまでも基準でございまして、我々が実際に認定する、あるいは我々が実施機関の認定について協議を受けるという段階におきましては、基準は基準としてそれなりにそれに応じてやってもらうということでございます。ただ、基準はあくまでも基準でございまして、準拠してもらうことは当然といたしましても、実際の事例の認定に当たりましては、補償法であるとか、あるいは労災法であるとかの過去の事例であるとか、あるいは最近の事例、さらに最近の判例ほも十分目を通しながら、最近の傾向をつかみながら実際の認定をするようにというような指導、研修を行っております。
○内藤功君 検討作業を始めていただきたいということをお願い申し上げたいと思うんですね。基準そのものがもうあの基準じゃやれないような実態なんですね。それからあの基準と非常に両離している判決例、裁定例が非常にふえてきているんですよ。ですから、基準は基準として認定が合理的ならいい——それはそのとおりですけれども、同時に基準ももう合わなくなってきているということを含めてひとつ御検討いただきたい。私は非常にせくようですが、大事なことでありますから、ぜひこの御検討の作業をお始めいただきたいということを要望したいと思うんですが、いかがでございましょう。
○政府委員(叶野七郎君) 脳卒中にしろ心臓病にしろ、医学的な見地からも非常に難しい困難な問題があるというふうに我々専門家にも聞いております。そういう点を踏まえまして今後とも専門家によく相談して、もし基準として改めるべきものがあるとすれば改めていきたい、このように考えております。
○内藤功君 これは時々状況をお尋ねいたしますので、ぜひひとつ前向きに作業をお始めいただくように、くどいようですが、ひとつお願いをしておきます。 次に、国家公務員の休暇に関する根拠法は何ですか。明治六年の太政官布告第二号や太政官達三百十八号や大正十一年の閣令六号なんというのも今生きておるんですか。
○政府委員(叶野七郎君) 実はこれにつきましては、国家公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律、いわゆる官吏任免法というのが昭和二十二年に出ております。昭和二十二年のこのような経過法によって先生が今おっしゃいました太政官布告なり太政官達あるいは大正十一年の閣令六号等々が現在まで生きているというふうにして休暇を運営しております。
○内藤功君 近代的な労使関係でちょっと考えられない。これには休暇を賜るという言葉があるわけですから、無定量の忠誠義務を持っているような天皇の官吏の時代のがそのまま残っているんで、私最近調べて驚いた次第です。 そこで、申すまでもないですが、憲法の第二十七条二項「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」。これは逆に言いますと、勤労者は勤労条件の最低基準を法律によって保護される権利があるというふうに読むべきものだと思うんですね。このような明治六年などなどでやられているのはこれはもうこれだけで憲法違反になると私は思うんです。憲法と相入れない。人事院は、この一般職給与法二条五号によると「休暇に関する制度を調査研究して、その過当と認める改定を国会及び内閣に同時に勧告すること。」、こういう年次有給休暇についても勧告権限を持っておりますね。私はこの際人事院に強く要望したいのは、こういう休暇に関する法律を制定するように努力をしていただいて、要すればこの国会と内閣に対する勧告権、賃金だけじゃありません、この休暇についてのきちんと法律をつくるべきだという勧告権をこの際行使していただくべきじゃないか、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。 なお、時間がありませんのでもう一点あわせてお尋ねします。 それからその休暇に関する法律の内容については日数が現在二十日ですが、これをさらにふやすのか、今のままでいくのか、あるいは今実際やられている結婚休暇、それから配偶者出産に伴う休暇、こういったものをちゃんと法律制度できちんとしていただく必要があるんじゃないかと僕は思うんですが、ここらあたりの点、それからいわゆる完全週休二日制の条件づくりのためにどういうふうな内容をつくっていくか。一遍にはいかないにしても、そこへの方途をどうするか。こういうふうな点がありますが、私はそういう細目についてはきょうここで述べる気持ちもありません。またこれは関係職員団体が存在しますから関係労働組合と使用者たる政府あるいは第三者機関である人事院、特に人事院との間で十分に協議をしていただきたい。十分協議をして、この職員の死因調査で見るようなこういう死亡事故がふえないように環境づくりをするということが大事じゃないかと思いますね。その二点いかがお考えか、ひとつ明確に御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 現在の休暇制度が先ほど申しましたような状態になっているということにつきましては、人事院といたしまして長年にわたる懸案の問題として取り組んでまいってきたところでございます。 休暇というのは、先生がおっしゃるように労働条件の基本的な事項でございます。法律でこれを規定すべきであるということも全く同感でございます。それからいま一つは、これが法律で規定してございませんで、今のように「従前の例」と、こういう格好になっておりますと、新しい経済情勢の変化なりあるいは社会生活の変化に対応して新しく必要とされる休暇があるといたしましても、これが追加できないというような法体系になっているわけでございます。そういうような二面的なところから、我々としても早急にこの法律化を図らなければならぬということで、現在具体的に検討に入っております。 それに関連いたしまして、年休の日数並びに結婚休暇、配偶者出産休暇という問題でございます。年休の二十日間というのは、これは大正十一年から現在にわたって我々公務員に与えられてきたものでございます。ただ、これをふやすかいかんということにつきましては、これは民間との均衡もありまして、これを現段階でふやすというようなことは私は考えるべきではないというふうに思っております。 ただ、結婚休暇であるとか配偶者の出産休暇というようなものは、これは民間でも十分に行われておりますし、また地方公共団体等々、他の公務員にも具備している制度でございます。こういうようなものは我々国家公務員の非現業の職員にも考えていかなければならない問題ではなかろうか、かように考えております。 それから二日制の問題ですけれども、現在四週五休制を採用しております。これも既に四年ばかりその状態になっております。民間の動向等を見ましても、完全週休二日制あるいは月三回の休暇等々のかなり進んだ対応をとっているところがかなりございます。二日以上のところが大体半数以上というのが我々の統計数字でございます。そういう点から見まして、近い将来に国家公務員につきましても四週五休から一歩進めて四週六休制の方へ進むべき時期が来るのではなかろうか。そういうように考えまして、現在いろいろと内容についてどのようにして進めたら具体化するかということについて検討を進めているという段階でございます。
○柄谷道一君 行革推進という立場に立ちまして御質問をいたします。まず、本法案に関連して行政監察についてお伺いいたします。 私は、地方の行革を推進するためには国からのさまざまな拘束を廃止または緩和することが肝要である、こう考えるものでございます。しかし、そのためには地方側の意見に十分耳を傾けるとともに拘束や事務負担の実態を実証的に把握する必要があると思うのでございます。そうした意味からも、本法案の基礎として行政監察を行ったことは適切な措置であったと思いますし、また当局の努力に敬意を表するものでございますが、今後行革を一層推進するため国、地方を通ずる諸改革問題について積極的かつ効果的な行政監察を実施し、事務負担等の実態を的確に把握する必要があると思うのでございます。総務庁として今後この問題に対してどのような分野について監察を実施しようとする計画をお持ちか。そのテーマとスケジュールを含めて御説明願いたい。
○政府委員(竹村晟君) 政府は現在、国と地方を通じます行政改正を当面の重要課題といたしまして、その推進に取り組んできております。今お尋ねにありましたように、現在の御審議いただいております法案に関連いたしまして、国の関与の問題あるいは必置規制の問題、こういったものも調査いたしましたし、それから現在行革審で御審議いただいております権限移譲の問題、こういったものについても調査したところであります。 それで、行政監察におきましては、地方行革を進めるという方針のもとで、現在、昭和六十年度の行政監察計画といたしまして、一つは類似関連施設の複合化を進めるために会館などの公共施設の設置運営につきまして監察を現在実施中でございます。それから四半期の来期ぐらいになろうかと思いますが、地方団体の事務負担の軽減を図ると、こういった観点の一つといたしまして補助金の事務手続の簡素合理化に関する監察の実施を予定しております。監察におきましては、年度が始まる前に大体その年度の計画を立てることになっております。したがいまして、今決まっておりますのはこの二テーマでありますが、今後におきましても、国、地方を通ずる行政の簡素効率化に資する、そういったことで必要に応じまして監察のテーマを選んでいきたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、行革推進のために行政監察によって実証的に問題点を摘出してこれに対応する行革を進める、これが基本であり、その意味における行政監察の意味は極めて重要であると、こう思うわけです。そこで、ただいまの御答弁にございましたように、中央計画監察テーマの中に会館等公共施設の複合化、多角利用等の推進という視点からこれを監察の対象にしておるということは私は適切であると思います。この問題は国の縦割り行政の弊害があらわれている典型的な例であろう。そして地方の側からも国の拘束を弾力化してもらいたいという声を聞いております。この問題についてどのような視点に立って行政監察に取り組むつもりなのか、さらにその具体的姿勢について御説明を願います。
○政府委員(竹村晟君) 地方公共団体におきます会館等の公共施設につきましては、昨年の七月に行革審の御意見もありまして、そこでも指摘されておるところでありますが、できるだけ多角的な利用を進める、それからもう一つは、設置に当たりまして他の類似施設と複合して設置する、そういう観点からの指摘をしておられます。現在行っております行政監察もそのような趣旨を酌みましてその観点から行っておるところであります。 それで、現在の視点といたしましては、そのようなことで複合化の推進状況でありますとか、あるいは多角的な有効利用の状況、その実態をまず調査したい、そういうことで調査結果を踏まえまして、関係省庁にこれらの施設の複合化等の推進を働きかけていきたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 視点、問題を変えます。 臨時行政調査会は、五十八年三月十四日の第五次答申の中で、オンブズマン制度につきまして行政監視・救済制度の必要性を強調して、一つは現行制度における改善措置として、苦情相談体制の活性化等行政苦情の行政運営への反映の推進を求めております。さらにあわせて、オンブズマン制度の導入について具体的な組織、権能、運営等の検討を行うように提言いたしております。政府はこれを受けて五十九年十二月二十九日の閣議で、行革推進に関する当面の実施方針の一項として、その臨調答申を具現する方針を決定しているところでございます。このオンブズマン制度の導入というのは我が党の早くから提唱してきた問題でございますけれども、現行制度に対し臨調答申以降どのような改善措置がとられたのか、またオンブズマン制度に対する現在の検討状況はどのようになっているのか、この二点についてお伺いします。
○政府委員(竹村晟君) 二つの事項のお尋ねのまず最初の問題であります。現行の行政苦情の問題の現在の措置でございますが、これにつきましては、昨年の暮れに閣議決定をいたしました六十年度行革大綱、これによりまして、各省庁の苦情相談制度の運用に当たってはその連携強化を図る、それから民意の反映等の措置を講ずる、そういうことによりまして活性化を図るという方針を決めております。この方針に従いまして、当庁におきましては、行政苦情の例えばたらい回しの防止、あるいは複数の行政機関に関連するような行政苦情、こういったものを共同処理するために、これは地方が主体でありますけれども、ブロックあるいは県単位で官公庁苦情相談連絡協議会というものを開催いたしまして、その連携強化を図ってきております。それからこれはまだ一部でございますけれども、ブロックあるいは県単位の事務所におきまして、苦情の処理に当たって民間有識者の意見などを聴取する、そういう目的で行政苦情救済推進会議、こういうものを開催しております。こういった機会を通じて苦情の処理に当たりましてその民意を参考にするということを行っております。さらに行政苦情の効果的な解決を図る、そういったようなことで行政苦情と地方監察を積極的に結びつけまして監察を通じて解決をするということを行っております。 それからもう一つのオンブズマン制度の問題でございますが、これも六十年行革大綱におきまして、我が国の実情に適合したオンブズマン等行政監視、苦情救済制度のあり方について、苦情事例でありますとか既存の諸機能を踏まえた具体的検討を行う、こういうふうに閣議で決めております。当庁といたしましては、この閣議決定に沿いまして、学識経験者からなりますオンブズマン制度研究会を開催しております。それで現在救済困難事例、こういったものを研究いたしまして、最初は行政相談における救済困難事例という研究をしてまいりましたけれども、引き続きまして現在は、行政不服審査制度、この運営状況を研究しておるところでございます。
○柄谷道一君 その検討は大体いつごろを目途とされているんですか。
○政府委員(竹村晟君) 現在まだ具体的な事例の検討を続けておる段階でございまして、いつごろその見通しがつくか今の段階では申し上げるまでに至っておりません。
○柄谷道一君 私は臨調答申でもあり閣議決定をされておるわけですから、何も拙速を求めるわけではございませんけれども、しかしこれは行政改革の一つの大きな柱であることは間違いありません。長官としても積極的にその検討を促進されて、早くその結論が出るように、ないしはその中間においても中間報告を立法府に行ってそれぞれの意見を聴取するということもまた有効ではないか。こう思うんでございますが、ぜひその点については長官の方の御配慮を求めておきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) この点は先ほどの内藤さんの御質問の中の行政手続法とか、なかなか非常に幅が広くて難しい問題があるんです。今のオンブズマンというのはそもそも何やと、こういうことがあります。そうすると国会には国政調査権があるんです。それから行政訴訟の制度があります。行政不服審査があります。それから我が庁の監察があります。それから行政相談がある。若干立場は違いますけれども監察救済ということになると会計検査院の機能も一つに入るかもしれません。大変幅広い分野なんです。これは各国だってなかなか実際は容易でない制度です。そこらがありますので、私どもとしては、専門家を集めましていろいろ検討して一応の中間的な御意見はちょうだいしているんです。それを頭に置きながら、これは重要な課題でございますから、政府としてはこの面に真剣に取り組んでいかなければならぬ、こういう認識を持って作業にかかっているんです。しかしそれを、それじゃいつまでだと、こう言われますと、これはなかなかこの席で大体この付近でしょうといったようなことをお答えできる課題ではない、もう少し政府に基礎的なひとつ勉強の時間を与えていただきたい、これは私の認識でございます。
○柄谷道一君 この問題は非常に幅広い検討を要することは私も十分承知しております。しかし我我としては、立法府における国政調査権、現在の行政監察、行政相談、こういったものとの関連においてオンブズマン制度の内容はこうすればそれらの整合性を持った一つの制度ができるんではないかという案を既に提示いたしておるわけでございます。これらも難しい難しいと言っておればもう玄関先で入れない。我々の意見も大いに参考とされて、今、昭和何年何月までにということは難しいということはわかります。しかし極力これを促進願いたいということの希望を表明いたしておきます。 次に長官にお伺いいたしますが、私は今まで数問行政監察の重要性を認識するという立場で質問してまいりました。しかし、これをさらに今後充実するために次のような考えを私は持っておるわけでございます。 まず第一は、この行政監察は過去四十年に近い歴史の中でその視点を行政組織や事務事業の経済性、効率性、合目的性に置いてそれなりの成果を上げてまいりました。しかし、率直に言って、これが政府部内の評価機関であるということから監察テーマの選択についても、また監察の実施、勧告についても政府部内における気兼ねがあるのではないか、こういう批判をよく耳にするところでございます。そこで、私はその過程に民意を反映させるという意味で、少なくとも監察テーマや勧告は立法府に公式に報告する。さらに今後検討が進められているオンブズマン委員会の意見を聴取してテーマを選定していく、こういう配慮が必要ではないかというのがその第一点でございます。 それから第二には、この行政監察はサンセット制度の一翼を担うべきではないか。すなわち行政組織や事務事業の見直しに当たって一定のもの、例えば組織でいえば政令以上のもの、許認可等、補助金等のうち一定金額以上のものの評価機関として機能させる。そしてサンセットの発想に基づいて一定期間後行政監察により見直しが行われるという機能を与え、強化していく必要があるのではないか。 第三には、このように行政監察を強化していくとすれば、それに伴う行政監察体制の整備充実ということが必要になってくるのではないか、このように思うわけでございます。 私は、より的確な行政監察によって行革が推進すべきであるという視点に立って以上のような提言を行うものでございますけれども、長官の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 貴重な御意見は拝聴さしていただきました。 ただ、行政監察、これについて政府部内の評価ということで、政府各省からのいろんな制約があって気兼ねしておるんじゃないか、こういうお話でございますけれども、そんなことはありません。これは役割が行政の効率を確保するという観点で、会計検査院の適正に国費が使われているかどうかという観点の会計検査と、それと効率面を担当する私どもの監査と、これは極めて重要な政府機能の一つでございますから、私どもとしては何らのそういう気兼ねなんかは持っているつもりはございません。ただ、御意見の中の民意を反映しなきゃならぬということ、これは当然でございますね。 だから、私どもの行政監察は当初計画を立てるわけです。その計画を立てるときに、いろんな各方面の、民間を含めて御意見を聞いている。こういうところに何か問題があるんじゃないかという指摘があるよというようなのがたくさんありますから、それらの中から選びまして、そして毎年の行政監察の計画を立ててやっているわけです。今日はそのほかに、御質問の中にありました行政改革は実態を見なきゃなりませんから、行政改革を推進する観点からどの分野についてメスを入れるかということで監察をやる、これが大体今のところはそれが大きな中心になっているんです。しかしながら、同時に例えば対外経済摩擦がありますね。そうすると基準・認証制度についての大変な不満があるわけです、要するにアンフェアだと言うんです。アンフェアであるかどうかを私どもは見なきゃなりません。そういうようなそのときどきの民意の存するところを見ながら、同時にまた国際的な批判、これらを受けながら私どもとしては監察計画を立てる、同時に行政改革推進に役立つような計画もそれに入れていく、こういうやり方をやっておるわけでございます。 ですから立法府にそのテーマを報告しろ、こういうことでございますけれども、それは幾らでもお答えいたします。いわゆる公式の報告と、そんな余りやかましゅうおっしゃらないで、私も幾らでもお答えしますし、それから監察の結果というものは委員会とかに全部御報告申し上げているんですから、そこらでひとつお許しをいただきたいなと、こう思います。 それからサンセットの発想でやったらどうだと。これはまさにその一つのあらわれとして今日の私どもの監察の対象の中に必ず入れておるのは、新規施策について五年ごとに必ずその成果を見直していくということで、新規施策は全部五年ごとの見直し計画に、行政監察計画の中に入れておる。この点ひとつ御理解をしておいていただきたい、こう思います。 それから三番目の監察体制を強化しろ。これは大変御激励でありがたいんですけれども、しかし私の方は、まず隗より始めよということがありますから、これは厳しい行政の改革をやっているさなかに、おれのところの監察の仕事は大変重要だからおれのところはひとつ別であるよというわけにはまいりません。これは私どもの役所の中の配置の転換なり仕事のやり方なりということで最大限の努力をして成果を上げていきたい、かように考えているわけでございます。
○柄谷道一君 私は現在の行政監察についてこういう欠点がある、こういう欠点があるということを指摘するのが私の本旨ではないわけです。むしろこれからの我が国の政治にとって行政監察というものの重要性がますます大になってくるだろう。とすれば、現行のまま行政監察をやっておればいいんだというだけにとどまらずに、オンブズマンの制度が検討されております。これといかに連動させることによって行政監察の効果を上げるか、さらに現在のサンセットの発想をどのようにさらに強化する余地があるのか、それから長官は隗より始めよということで、お気持ちはわかりますけれども、このことによってトータルとしての行政コストというものが適正に使用されるということであれば、余り遠慮ばかりされる必要もない。これは私の一つの提言でございますから、ひとつ長官としても監察行政の充実という方向に向かって十分の御努力を願いたい。今後藤田大臣のような実力大臣がおればいいんですけれども、遠慮する大臣が出てきても困りますので、苦言を呈したような次第でございます。 次に、若干法案の内容について御質問いたします。 本法案に盛り込まれている事項数ですが、これはたしか行革審答申事項は八十五事項あったと承知いたしております。ところが、本法案には国の関与関係二十六事項、必置規制関係二十四事項、合わして五十事項が盛り込まれているだけでございます。行革審の指摘と比べますとなお三十五の問題点が残っておる。こういうことになるんでございますが、一体これはどう処理されるおつもりなのか。もしそれが政省令事項であるということであれば、その措置状況はどうなっているのかお伺いします。
○政府委員(竹村晟君) 行革審の答申が八十五事項で、今回の一括法に入っておりますのが関与、必置規制合わせまして五十事項でございます。 残りの三十五事項でございますが、このうち四事項は法律でございます。これは行革審の答申においてもそうだったんですけれども、関連制度等の見直しを踏まえて所要の措置を講ずる、そういうことになっておりまして、例えば牧野法の関係で、牧野管理規程を県がつくる場合に国の関与があるわけでありますが、これについてはその牧野法全体の見直しをしてそれで次の通常国会に提出する、そういうふうな方針を決めておるところであります。残りの三事項についてもその関連制度とあわせて検討するというふうなことに基本的にはなっております。 それから残りは政省令、通達でございます。これが三十一事項ございまして、六十年行革大綱におきましては、一つの事項を除きまして、原則として五十九年度中に措置するということで、現在までにその七割近くが措置済みになっております。残る事項でありますけれども、これは例えば通達等でありますと関連する法案の施行に合わせてやるというふうなこともありますので、一つは今御審議いただいておりますこの法案、これの成立の暁にその施行に合わせて措置するもの、あるいは別の法律でその法律の施行に合わせて措置する、そういったようなことで、条件が整い次第残ったものについては成案を得たいというふうに考えております。
○柄谷道一君 さらにこの法案には許認可事項が六事項含まれておりますね。これらはすべて臨調答申事項ということでございますが、臨調答申の許認可関係の指摘数は第一次答申で九、第二次答申で二十四、第五次答申で二百二十二、合わせて二百五十三事項でございました。ところが、本年一月二十二日現在の措置済みはうち百八十、臨調答申に対して七一%、未措置事項が七十三残っているわけでございます。これらに対する措置予定についてお伺いいたします。
○政府委員(竹村晟君) 御指摘のように残余の事項が七十三事項ございます。このうち六事項は今回の一括整理法に含めております。それからほかに二事項ありまして、これは司法書士の登録事務を民間に移譲する、あるいは土地家屋調査士の登録を民間に移譲する、そういったもので、これは別途単独法で御審議をいただいておるところであります。 それで、残りが六十五事項になるわけでありますが、この措置につきましては、六十年行革大綱でその方針を決めておりまして、「改善のための必要な条件整備を早急に図る」ということで、その整理合理化を今後も努力していきたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 長官、実はこの法案を見ますと、例えば地方公共団体が漁港の修築計画を定めるために他人の土地に入って測量するとき、これは一一農林水産大臣の認可が要る、こういうのがあるんですね。もちろんこれは今回廃止することとしておりますけれども、こんなことさえ行革審の答申がないとできないということはちょっと問題ではないかと思うんです。臨調もしくは行革審の指摘、これは鋭意行政監察と相併用しながら問題点の是正に努める、これはもう当然の政府の責務でございますけれども、私はもう一度政府みずからが、きょう時間がありませんので一々指摘はやめますけれども、現在のあり方をみずからが見直して、今後第二段、第三段、もう指摘されるだけ片づければこれで事足りるというんじゃなくて問題に取り組んでいく、こういう決意が必要ではないか、こう思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) まさにおっしゃるとおりで、何も第二臨調とか行革審の答申を待つまでもなく、政府としては時代の変化に対応できるような行政の仕組みあるいは仕事のやり方、自己改革を自分の手で、人様に言われなくてもやるべき筋合いのものだろうと思います。したがって、私が今いろんな箇所で申しておることは、現在はなるほど第二臨調の答申の線に沿ってそれを促進するという意味で行革審ができ、行革審で審議を願っておりますから、それを中心に我々はやっているんだ。それじゃ、これが全部完成した後一体どうなるんだといえば、それで行政改革というものは終わりでない。行政改革というものは、絶えざる政府としての国民に対するなさねばならぬ重大な課題である、こういう認識で今後ともやっていかなければならない。そうでないと、民間であればこれは倒産が出ますからいや応なしの自己改革をやりますけれども、政府は倒産がないわけです。したがって、どうしても現状になじんでしまって、みずからの手でみずからを改革するという努力を怠りがちだ。それでは国民に対して言い開きは立たないよと、こう私は申しておるわけでございますので、おっしゃるような趣旨は全く私は同意見でございます。
○柄谷道一君 次に厚生省にお伺いいたしますが、本法案の内容を見ますと、福祉関係の事項が多いように把握いたします。しかし、本法案の趣旨は地方行革の推進であって、福祉の切り捨て、後退であってはならない、これはもう当然のことであると思うのでございますが、いかがですか。
○政府委員(正木馨君) 先生今お話のございましたように、この法案の趣旨は、行政改革推進の一環として地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理合理化を図る、そして効率的な行政の実現、事務運営の簡素化を図るということにあるわけでございます。 そこで、福祉関係につきましても、その趣旨に沿いまして今回の改正を行うこととしたものでございますが、先生おっしゃいますように、このことによりまして福祉行政に支障が生ずるということがあってはならないことは申すまでもないことだと思っております。そこで、本法案の策定に当たりましても、その点については十分配慮したつもりでございますし、今後ともその点について十分心していかなければならないと私ども考えております。
○柄谷道一君 当然そうあるべきだと思いますが、例えば必置規制について見ますと、これは例でございますが、民生委員審査会の統合、社会福祉主事の廃止等がございます。これらによって福祉行政サービスの低下をもたらすという心配はないのかどうかお答えをいただきます。
○政府委員(正木馨君) 福祉行政サービスの低下があってはならないということは、まず第一に考えなければならない点でございます。 そこで、お尋ねの民生委員審査会の統合の問題と社会福祉主事の廃止の問題についての御質問でございますが、まず民生委員審査会を地方社会福祉審議会に統合いたしたわけでございますが、その統合に際しましては、地方社会福祉審議会に民生委員審査専門分科会を設置するということで、老人とかあるいは生活困窮者等、直接そういう方方に接して仕事をされる民生委員さんとして最もふさわしい方が選任されるように十分配慮をいたしております。 それから社会福祉主事についてでございますが、福祉事務所の社会福祉主事はいわゆるケースワーカーでございますが、そういった方々は福祉に関する専門的な知識、経験に基づいて要援護者に直接接して相談、指導を行うということで、この福祉事務所に置かれる社会福祉主事につきましては、現行どおり資格を法定し設置を義務づけております。 ただ、本庁関係の職員につきましては、本庁の組織におきまして法施行事務に従事する者で、これは福祉事務所の直接のケースワーカーと仕事の内容が異なっております。したがって、この本庁職員につきましては特別の資格、職名を法定しないでもしようがないんではないかというふうに判断をいたしたわけでございます。 いずれにいたしましても、今回の改正によりまして行政サービスの低下は生じないものと十分確信しておりますし、今後ともそういう点を念頭に置きつつ仕事を進めてまいりたいというふうに思っております。
○柄谷道一君 国の関与に係る規制の整理合理化、この目的は、私が御質問したように、決して福祉にしわ寄せをさせるということではない。より効率的な福祉制度をつくることにある。私の心配は、そんなことは万あるまいとは思いますけれども、ずるずる後退するということがあってはならない。何は守るべきか何は行うべきか、これを福祉という立場に立って今後十分に検討され、守るべきは確信を持って守っていく、そういう厚生当局の姿勢を強く求めておきたい、こう思います。 次に、総務庁に伺いますけれども、私は行政改革というものは、これは端的に言えば仕事減らしと人減らしによって簡素にして効率的な行政組織機桐をつくる、そのことによって行政コストを軽減する、その財源を活力ある福祉社会づくりと国際社会に対する積極的貢献に振り向ける、これが臨調の理念であり、私もまたそれなるがゆえに行政改革の必要性を強調しているわけでございます。 そういう視点から、私はかねてから国家公務員の定員問題についていろいろ質問をしてまいりました。政府が昭和四十四年のいわゆる総定員法によって昭和四十二年度末の定員を法律上の上限数として設定して、自後五十九年度末に約一万二千人の純減を行ってきた。これはほぼ同一期間に地方公務員が約九十万人増加しているということと対比してその努力を評価するにやぶさかではございません。しかし総定員法が基準年度とした昭和四十二年という時期は、その十年前の三十二年度の国家公務員数が三十七万六千九百二十人でございました。それが三十年代後半の高度経済成長の中で五十万六千五百七十一人に達したピーク時を基準にしておるわけでございます。それは今日とはかなり情勢が異なっていると私は認識するものでございます。行政規模の縮小と総人件費の適正化ということが強く求められている今日、総定員法をこの際抜本的に見直して新しい発想に立って定員管理を行う時期を迎えているのではないかと、こう思うんでございますが、長官の認識はいかがでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は一つの御意見であろうと拝聴しました。ただ、こういうことなんです。総定員法で上限が決まっていますね、その範囲内で政令で定数を決めているわけですね。そうしますと、その定数と総定員法で決めたアッパーリミットの間にすき間風があるわけです、現実に。そのすき間風で一体年度当初にどうなるかということを私どもは頭に置かなければならぬわけです。年度当初はふえますから、それが年間を通じて翌年の三月三十一日までに漸次減っていくわけですから、そういうプロセスがあるわけですね。 そこで、私どもとしては、現在のすき間風というものは、総定員法の枠、アッパーリミットを下げて、つまり改正するというのには時期が少し尚早なのではないか。現時点においては今までのように総定員法というものの枠はそのままにしておいて政令で実際はどんどん抑えていく。そして相当なすき間風になればその時期に見直しの時期が来るのではないか、かように現時点では考えておるわけでございます。この点ぜひ御理解を賜っておきたいと思います。年度当初の問題がある、こういうことでございます。
○柄谷道一君 さらに、総定員法は、私が指摘したほかに非現業職員だけで、現業職員は除かれているんではないか、また新設医大教職員などは法の枠外とするという暫定措置も残されているわけですね。総定員法そのものも早晩見直すべき時期だと、こう思うんでございます。それが一挙にできない場合も、現行の第六次定員削減計画、五十七年から六十一年まで五%四万四千八百八十六人を削減するという第六次計画、このものについても、六十一年といえば来年ですね、期間の途中であっても補正強化する、そういう姿勢があってしかるべきじゃないか。その場合に今私の言ったような問題も含めて見直してみる、そういうお考えもございませんか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今の御質問のほかに、例えば地方事務官、あるいは沖縄開発庁、こういうところの定数は総定員法の枠外になっているんです。しかしぜひ理解しておいていただきたいのは、それじゃこれらの職員は定員削減の枠外に置いてあるのかというとそうじゃありません。これはすべてそういうものも全部定員の削減の第六次の計画の枠内で毎年毎年減らしておるんだと、この点はひとつ理解をしておいていただきたいと思います。 例えば地方事務官制度について、まだ運輸省関係以外労働省、厚生省のはペンディングとして残っておるわけですね。これらの推移等もにらみ合わせまして、あるいは沖縄関係も問題がございます、そこらを配慮しながら最終的には——全部総定員で決めたっていいではないか、こういう御議論になろうかと思いますが、それは私は一向差し支えないと思いますが、現時点では別になっている。しかし定員削減ということについては、これは六次の削減計画の中で減らしておるんだと、ここはひとつ御理解しておいていただきたいと、かように思います。
○柄谷道一君 総定員法の見直し問題だけで議論したおっても相当の時間を要しますから、これは私のひとつ提言として申しておきたいと思います。 そこで、自治省についてお伺いいたしますが、昭和四十二年以降国家公務員が純減しているのに対して、地方公務員は約九十万人弱ですけれども逆に増員しておるわけですね。私はこの地方公務員の数がこのようにふえている原因は三つあるんではないかと思うのでございます。 一つは、教育、警察、消防などの職員のように、国の施策や国の法令等で配置基準が定められて、それに基づく増員、私の把握では。この部類に属する地方公務員の数は約二百十万人、全体の六六%程度を占めているんではないか、これが第一の要因。これはむしろ地方自治体というよりも国が考えなければならぬ問題であろう。 それから第二は、例えば学校給食、清掃業務など民間に業務を委託すれば効率的であるような職種でも、依然として業務の民間委託というものが遅々として進まなかったというのが第二の点ではないか。 第三には、これはすべてではございませんが、一部自治体で福祉サービスを中心とする定員がこの四十二年以降増員を続けておる。大別すればこの三つが地方公務員増員の要因ではないかと私は認識いたしております。 したがって、この問題を是正するためには、第一に国の法令等による職員配置基準の見直しが必要である。私は何でもかんでも減せと言っているのではなくて、国の法令等により複雑多岐にわたる規制や関与というものはできる限りこれを除いて、本来自治体の自発的努力によって、そのまた政策選択によってその配置人員が決められていく、これが必要ではないか。第二には、さきにも触れましたが、民間委託の積極的推進という対応が必要であろう。第三には、定員モデルによる定員の適正化でございまして、私は自治省が定員モデルを策定して、そのモデルと現在の定員とを対比して、そのモデルを超える職員を配置している場合は、その理由等を住民に、こういうニーズでモデルをオーバーしているんですということを公表する、そして住民の理解、合意を得ていくというシステムの確立が必要ではないか。第四には、各自治体においても、例えばOA機器の導入等による事務の効率化によって定員の適正化を図っていく。こうした四つの施策が相並行して実践されませんとなかなかこの問題は解決できないと、こう思うものでございます。 私の認識に対する御批判を承りたい。
○説明員(安田達男君) ただいま柄谷先生から御見識を承ったわけでございますが、私どももほぼそのとおりのところと存じております。 最近、地方公務員の数がようやく増加から減少に転じつつあるということは、先生御指摘のように教員、警察、消防、こういう国が基準を定めることによって自治体が必ずしも十分関与できない分野についてもようやく減少の兆しが見え始めておる、まだ増加でございますが。それに加えて、民間による委託、さらには福祉サービス中心の分野についてどうかということでございますが、これらについても、地方自治体の努力によりまして若干減少のパターンになってまいっております。とりわけ一般事務につきましては毎年減少を続けておりまして、特に都道府県におきましてはこの十年間毎年減少いたしておるところでございます。今後ともそのような地方公共団体における努力にまっていかなければならないものと私どもも認識いたしておるところでございます。 次に、今後のあり方についてでございましたが、御指摘をいただきましたように、まず教員、警察、消防といった政令等によりましてその配置基準が定められている分野につきまして、さらにその抑制がなされるべきものと私ども存じます。引き続き今後とも各省にその旨を要請してまいりたいと存じます。 さらには、自治省といたしまして、定員モデルによる適正化を今後とも指導していかなければならないものと存じまして、現在、関係の学識経験者によります研究会を組織し、そこにおいて定員モデルの研究をいただいておるところでございます。今後それができました段階で研究会の中心になる方々とその取り扱いを協議し、御指摘賜りましたように住民にできるだけその内容が明らかになるように、そういうことも念頭に置きながら対応してまいりたいと存じます。 さらには、民間委託による効率化、OA導入等の効率化、この点につきましてもさらに十分対応するように関係地方公共団体に指導してまいりたいと存じます。
○柄谷道一君 数とともに地方公務員の国を上回る給与水準、高額退職金の適正化等につきましては、臨調が、五十六年七月十日に第一次答申、同じく五十七年七月三十日に第三次答申と二回にわたって指摘いたしております。また行革審も五十九年七月二十五日に具体的措置を意見として具申いたしておるところでございます。今自治省がこれに対して努力されておることは評価するにやぶさかではございませんけれども、これは素朴な疑問があるんです。 毎年度の地方財政計画に計上されている給与関係費と実際の決算額、これは実支出額でございますね、これを見ますと相当大幅な開きがあるわけでございます。例えば五十八年度の地方財政計画の給与関係費は十三兆六千六百十四億円に対して、五十八年度の決算による実支出額は十六兆四千九百四十三億円、計画と実績との間に約二兆八千億円食い違いが生じているわけでございます。私は、計画ですから、計画と実績がぴったり一致しなければならぬと言うほどやぼではございません。しかし、これが無理としても、これほど大きな計画と実績との間に差が生じておるということについては、数字を見てみると疑問を感ぜざるを得ないわけですね。私は五十八年だけを申し上げたんですけれども、ここ数年同じような差が生じていると思うんですが、いかがです。
○説明員(小林実君) お答えいたします。 地方財政計画は御承知のように地方団体の財政運営の指針となるものでございまして、標準的な水準における地方財政の歳入歳出の状況というものを計上いたしておるわけでございまして、地方団体の標準的な行政に要する財源を保障するためのものでございます。計画は、原則として単年度の当初ベースで積算されております。途中の補正とか、そういうものが入っておりませんので、ある程度実際の財政運営の結果である決算と乖離が生じてくるのは、その仕組みの上からやむを得ない面もあるわけでございます。 ただ、御指摘の給与関係経費等につきましては、いろいろ御指摘もいただいておるわけでございます。仕組みの上で申し上げますと、実は地方財政計画では、決算では人件費に入っておりますが、この財政計画を組むときには一般行政経費に組まれておるものがあるわけです。例えば保育所の職員の経費なんかは、これは措置費ということで一般行政経費の方に組んでおりまして、決算では給与関係経費の方に上がるというようなことがございまして、先ほどの数字そのものが仕組みの上で実際に組みかえをしてみなければいけないわけでございます。若干資料は古くなりますが、五十七年度の決算と計画の比較で申し上げますと一兆五千六百億。それでも相当大きな数字にはなっておるわけでございます。 この点でございますが、給与関係経費につきましては、御承知のような情勢でございますから、なるべく私ども計画上抑えるように考えておりまして、主なる原因ということで申し上げますと、例えば特別職の給与ですね、市町村の地方議会の議員の報酬につきましては、計画と実際では相当の差があるわけでございます。それから、あとたまたま御指摘をいただいております給与水準の高いこと等、これは事実でございます。それから数の面で言いますと、義務教育関係職員につきましては、地方団体によりましては単費で教員を置いておるというところ、これは激変緩和という意味もあると思いますが、そういうことで差が出てきておるわけでございます。私ども特に財政運営の上では給与水準等につきましてはこれを下げるように指導しておりまして、その成果も上がってきておるわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもの言い分といいますか、財政計画を作成する上での言い分もあるわけでございますが、この差があることは事実でございまして、これにつきましては縮小するようにさらに努力を重ねてまいりたいというように考えております。
○柄谷道一君 技術的ないろいろ問題があることはわからぬわけじゃありませんけれどもね、五十七年度一兆五千億余でしょう。五十八年二兆八千億ですわね。これでは余りにも計画と実績との間の乖離が大き過ぎると思うんです。 そこで、時間が来ましたんで自後の質問はあさってに持ち越しますけれども、もう一問だけ質問いたします。 このような相当巨額の上乗せ支出がある、計画に対してですね、上乗せ支出があるということは、結果として、計画に基づいて財政全体が計画されるわけですから、例えば地方の単独事業を削るということなど行政水準のしわ寄せにつながっているのではないか、こう思うのでございます。五十七年と五十八年について地方単独事業の計画計上額と決算額との間にどれぐらいの乖離がございますか。
○説明員(小林実君) 実は五十八年度の決算が出ておりますが、計画との関係の分析をまだいたしておりませんでお答えができないんで申しわけないのでございますが、先ほどの給与関係費につきましても、恐らく先ほどの保育所の職員等の給与等につきまして計画の上で一般行政経費に上がっておりますから、それらを直したりいたしますと、五十六とか五十七とかという数字、全体の歳出の中での乖離の数字というのはそれほど差がないという感じでございまして、急激に五十八でふえているということにはならないというふうに思います。 それから投資の問題でございますが、建設事業の中には補助事業と単独事業がございまして、補助、単独で言いますと、五十七年度におきましては、単独事業で約二兆三千億ほどの差がございます、決算の方が少ないという結果が出ております。片や補助事業の方では五千億を超える。補助事業の方では決算の方が上になっているわけですが、これは細かく言いますと、補助事業につきまして継ぎ足し単独等があるわけでございまして、それを差し引きしますと一兆五、六千億とか数千億ぐらいの差があると、こういうことになろうかと思うわけでございます。 この点につきましては、今言いましたように補助事業と単独事業との入り組みがあった。それから主としては、五十年代で言いますと、東京と大阪を初めといたしまして、大都市圏域の地方団体におきましては、特に東京、大阪は財政状況も厳しい状況でございまして、むしろその期間は財政再建ということでございまして、単独事業の伸びが少なかったということが大きく影響をいたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、しかし、御指摘のように、投資の面でサービス低下になっているんではないかという御指摘も我々受けておるわけでございます。給与と投資という二つの費目だけで、それだけが関過あるというふうに考えるわけにはいかないわけで、歳出につきましても、全体の費目につきまして考えなければいけないと思いますが、単独事業につきましては積極的に実施するように、特に住民の生活に身近な社会資本の整価につきましては積極的に取り組むよう指導しておるところでございます。 六十年度の場合で言いますと、私ども都道府県の場合の予算の組みようを今見ておるわけでありますが、前年度に比較いたしまして四・八%、市町村の場合で言いますと三・九%単独事業が六十年度の場合伸びておるわけでございます。財政計画上は全体が抑制基調でございまして一・七の伸びにとどめておるわけでございます。現実問題といたしましてはそのようなことになっておりまして、六十年度の場合は積立金の取り崩し等もあったと思いますが、我々からいたしますと、全般的には積極的にこの単独事業を組んだというふうに理解いたしておるわけでございます。今後とも住民サービスにおくれを来すことのないよう指導してまいりたいと思っております。
○委員長(大島友治君) 時間ですから簡潔に。
○柄谷道一君 時間が参りましたので質問の形式はとりませんけれども、長官、国務大臣として、これだけ乖離が生じますと、何のための財政計画か。人件費の方が計画よりどんと上がって、その分単独事業の方が、ぴたりは合いませんけれども、落ちている。これは私は計画の名に値しないんではないかとすら極論するものでございます。これらについては、計画のあり方について、政府としても現状でいいのかどうか、数字だけ見たら住民はこれ何だろうということになりますから、ぜひ真剣な検討を要望しておきたい。これだけ申しまして質問を終わります。
○委員長(大島友治君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時四十五分散会