内閣委員会 第10号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/04/23
会議録
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨四月二十二日、柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大島友治君) 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 最初に人事院にお尋ねします。今回三点にわたります改正を提案しているわけですが、当然公務員の災害の状況というものと民間労働者の災害というものを十分に比較検討して提案されたと思うんですが、そこで最近の公務員の災害認定状況についてまずお尋ねをします。 前回法律の改正が行われましたのは昭和五十五年です。ですから、おおむね五年ほど経過しているわけです。五年間の状況の概況を一応御説明いただきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 五年間の年度間の災害被災者の件数の推移を申し上げますと、五十四年には一万七千八百件、五十五年も大体ほぼ一万七千七百件で見合った数字でございます。五十六年が一万六千四百件、それから五十七年も大体一万六千件、五十八年がそれとやはり見合った一万六千件。大体この五年間一万六千件から一万七千件というふうに推移しております。
○穐山篤君 災害の発生にはいろいろな理由というものがあるわけですが、第三者の責任に帰すもの、それから自分の責任によるもの、あるいは競合して結果として災害を受けるもの、さらには国の責任によるもの、そういうふうに四つに分類することができると思うんですが、今私が申し上げた四つに分けて、例えば昭和五十八年度分だけでも結構ですから、どういう状況になっているか、この点はいかがですか。
○政府委員(叶野七郎君) 先ほど五十八年度中も一万六千数百件というふうに報告申し上げたわけでございますけれども、この中で我々が把握しているものは、第三者の責任によって起こった事故についての把握をしております。そのほかに不可抗力であるとか、あるいは国の責任によるものはどうかという質問でございますけれども、国の無過失責任に基づく制度ということになっておりますために、国の過失等々によるいわば国に責任がある事故の把握はいたしておりません。 ただ、第三者の加害のものにつきましては求償権がございますもんで、その数字だけは申し上げることができると思います。五十八年度中の数字を申し上げますと、第三者によって生じたもの、先ほど申しましたように国以外ということになりますけれども、その加害によって生じた事故は二千九百六十件でございます。ただ、この大部分はいわゆる自動車事故によるものでございまして、それ以外の事故は七百七十七件、かようになっております。
○穐山篤君 社会保障制度審議会からも、二回ほどですが、国の責任というものについて厳しく指摘をされているわけです。これは当然だと思うんですね。しかしその分野についての検討がなかなかうまく進んでいない。そういうことについて後で詳しくお伺いをしますけれども、原因別にもう少し整理整とんして、これは災害を予防したり撲滅したりいろんなことに全部かかわってくるわけですから、すべて公務員災害として処理するんだからきめの細かい内容については深入りしない、こういう態度は余り賢明なものじゃない、こういうふうに思いますが、どうでしょう。
○政府委員(叶野七郎君) くどいようでございますけれども、災害補償制度はいわゆる無過失責任というような形をとっております。本体にありますものは迅速かつ定型的に補償をいたすというところに問題がありますもんで、国の過失がある場合にその過失部分をどう見るかということまではなかなか制度的に取り入れるのは現状では難しいんではなかろうか、かように思います。 なお、そういうようないろいろの事故形態について調査すべきであるかどうかの御意見でございますけれども、十分に参考にさしてもらいまして、今後そのような方向でできるだけ把握に努めてまいりたいと思います。
○穐山篤君 人事院が発表しました昭和五十八年度の数字によりますと、未処理の件数というのが合計で九百三十四件になっていますね。これは目下手続中、時期が来れば完結するというものと、目下調査中というものと二通りあるわけですが、これは五十八年度の統計ですから、五十九年度に入って処理がされていると思うんです。あるいはまだ未処理で残っているものがあるのか。これはどういう数字になっていましょうか。
○政府委員(叶野七郎君) これらの処理が非常に数の多い各実施機関に任せられている面もありますので、五十九年度は現在集計中で、手元に数字がございませんので御了承願いたいと思います。
○穐山篤君 五十九年度に発生した分については私は今質問していません。それは両方合計する必要はないんです。五十八年度分、あるいは五十八年度前の未処理のものについてどういう状況になっているか、それがどういうふうに処理が促進されたか、そういう数字です。
○政府委員(叶野七郎君) 失礼しました。五十八年分が約一万三千九百件、五十四年度以前の分が七件、五十五年度分が二十四件、五十六年度分が七十五件、五十七年度分が千三百件、かようになっております。この五十八年度におきましては合計一万五千件公務上として認められているわけでございます。未処理状況を申しますと、合計で先ほど先生がおっしゃいました九百三十四件が未処理として残っております。その中で現在手続を進めているのが四百十二件、それから調査中というものが五百二十二件ございます。
○穐山篤君 長官、今数字を聞かれたと思うんですが、未処理の件数が古いものを含めてあるわけです。こういうものを早く処理するというのは当然だと思うんですがね。こういうふうに長期間まだ手続中であるとか調査中であるとかということになりますと問題があるんじゃないか。 長官、朝日新聞をお読みになっておりますか。民間の労災の問題について事故の問題が裁判にかかっていまして、長期間これも紛争が続いているわけです。公務員の場合も、三年も五年も七年も残されるということになりますと、それはもう御当人はもちろんでありますけれども、制度運用の点からいってもこれはなおざりにできない問題だと、こう思いますが、その点どういうふうにこれから促進して認定をするか、そのことについて何か工夫をされているでしょうか、具体的に答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 現在残っているものは、これは若干推測が入ってまいりますけれども、申し出にかからしめているために申し出が災害発生時から非常におくれた時点になされるという事案については、当時のカルテであるとか、あるいは当時の病状とか事故の実情を知っている方々の記憶が薄れている等々の問題がございまして、このようにおくれたことになっているように推測してございます。 ただ、これらにつきましては実施機関、それぞれの地方機関で処理しているという現状でございますので、各省庁を通してそれらの事故把握に努めるということが一つと、それから事故を把握したならばできる限り近い時点において処理をするというようなことを指導しておりますし、今後も続けてまいりたいと思います。
○穐山篤君 その場合、認定作業が非常に長期間続いている、しかし現実には死亡した、あるいは災害を受けて現に病院にいる、あるいはリハビリもやっている、こういうふうに事実はどんどん進んでいるわけですね。その場合の金の支払いについてはどういうふうな指導をされていますか。
○政府委員(叶野七郎君) 我々の金の支払い、例えば療養費の支払いであるとか、あるいは各種補償金、年金等の支払いは、すべて事故発生を起点として考えているわけでございます。それ以前につきましては、甚だ突っ放した言い方でございますけれども、各機関のいろいろな、平たく言えば互助的な組織等々でやるという以外にはないというふうに考えてございます。
○穐山篤君 後藤田長官、先日の年金の連合審査の際に粕谷先生から、学校の教師が子供さんを連れて遠足した、災害を受けた、これが公務であるのかないのかということで三年間も放置されたというお話を聞かれたと思うんですけれども、公務員全体についても同様な性質のものが非常に多いということを十分認識してもらいたいと思う。統一指導をしませんと、今人事院が言いますように、各主管庁が勝手にやるということではこれはおもしろくないと思うんですね、整合性を欠くと思うんですよ。その点はどういうふうに考えられますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 災害を受けてけがをした、あるいは亡くなったという事実だけははっきりしているわけですね。だから、こういった事案が不安定な状況のままに置かれておるということは、私はこれは非常に不適切だと考えます。迅速に右左の結論を出すべき筋合いのものであろう。問題は、私の経験では、公務に起因しているのかどうかというところで認定作業が手間取っておるという事例が多いんじゃなかろうかと、こう思うんですけれども、こういう際は被害を受けた人に有利になるようにてきるだけ早く処理すべきである、私はそう考えております。 ただ、実はそれぞれの実施官庁がやっておりますから、それは総合調整権が今日、私は実際おかしな制度だと思っているんですが、これは私の方にないんです。これは人事院でございますので、人事院の方からひとつお答えをいただきたいと、こう思います。
○政府委員(叶野七郎君) 私の方といたしましても、現在いろいろと難しい病気も出ておりますし、事故も非常に複雑になっておりますので、認定が非常に困難になっているという実情は我々も十分承知しております。それに対応いたしましては、いろいろ各種の病気につきましては、できる限り認定基準というものを発しまして、その認定基準に従って統一かつ迅速に行われるように指導しておる段階でございます。
○穐山篤君 これは後でも詳しく議論しますけれども、民間の労災の場合は、その根拠規定というのはまず労働基準法にあり、あるいは労働安全衛生規則というものにその基盤があって、あとそれぞれの企業、職業の特殊性によってそれが加味されているわけです。ところが、国家公務員の場合には、労働基準法を基礎にするという観念が非常に薄いので、問題が後々まで残るという傾向があるわけです。 そこで、注文しておきますが、認定作業は、今長官が言いますように、受けられた労働者に有利になるような気持ちで認定作業を促進する、そういう指導を文書をもって早速やってもらいたい。そうしませんと、本当にお気の毒な状況が長年続いているわけです。お約束してもらえますか。
○政府委員(叶野七郎君) そういう機会がほかにもございますので、その機会を利用いたしまして、しかるべき措置をとってまいりたいと思います。
○穐山篤君 こういうものは迅速かつ正確にやることがいいと思うんです。 それから在外公館職員なりあるいは公務員が海外に出張して災害を受けた例というのは最近ございますか。
○政府委員(叶野七郎君) 在外公館に勤務する職員全般についてでございますが、少数でございますけれども毎年ございます。ここ数年のことを申しますと、例えば五十四年が二名、五十五年が二名、五十六年はございませんけれども、五十七年が八名、五十八年が四名、そのような認定件数になってございます。
○穐山篤君 こういう場合、海外におりますと、なかなか不都合なことが多いと思いますが、実際の認定を行った後の、死亡というのはないんじゃないかと思いますけれども、後の措置は具体的にどういうふうにされていますか。
○政府委員(叶野七郎君) 最近では死亡の件数もたしかあったように記憶いたしております。 在外公館に勤務する職員の認定事務は外務省本省でやっているわけでございますけれども、我々の経験からいたしますと、外国に勤務して外国で発生した事情というようなことで、資料等々の収集などにかなり時間を食うようでございます。ただ、それにつきましても我々は始終督促いたしまして、しかるべく早く集めて結論を出すようにということを指導している段階でございます。 それから補償の問題でございますけれども、これは一般の職員と変わりございません。ただ、外国等で危険地域にいる在外外務公務員につきましては、特殊な事情が生じた場合には特例措置として五割増しの補償額の上積みという措置がございます。
○穐山篤君 今度は公務員の死亡について伺いますが、公務上の死亡の数、通勤途上におきます職員の死亡、これの数字はどんなものでしょうか。あわせて二十代、三十代、四十代、五十代、六十代という年代別の数字も明らかにしてもらいたい。
○政府委員(叶野七郎君) 最初に公務員の死亡について申し上げたいと思います。 毎年国家公務員の死因調査をやっておりますけれども、過去五カ年におきますところの一般国家公務員約八十万の死亡者数は各年度おおむね千五百人程度の数字になってございます。 年代別に申しますと、五十年代が圧倒的に多いという数字、例えば五十七年度で五十歳代が八百十七名でございます。次にありますのが四十歳代で、これが二百九十九名、三十歳代が百四十六名、その次は六十歳代の百一名、かような数字になってございます。
○穐山篤君 さてそこで、関係省庁、郵政省、林野庁、厚生省、北海道開発庁などきのうお願いをしたところに伺いますが、死亡の原因というものについてそれぞれの主管庁から説明をいただきたいと思います。
○説明員(菊地惟郎君) 郵政省の公務災害の状況について申し上げます。 五十八年度の状況で見ますと、九千四百八十五件ということでございまして、この五年間の傾向を見ますと、減少の傾向にあるというふうに考えております。 私どもの方の件数の特徴というものを見てまいりますと、交通事故が全体の約六割を占めておりまして、そのほかには配達の途中足を滑らせて転倒するとか、あるいは犬にかまれるとかいったような事故が多くございまして、これらを合わせますと、全体の四分の三がこれらのものになっております。 もう一つ特徴的なことでございますが、件数から見ますと公務員としてはかなり多いわけでございますが、一日も休まないというのが五〇%弱でありまして、それから一週間未満の休みを含めますと全体の七〇%ということで、比較的軽傷の者が多いというふうに理解をしております。
○説明員(宮下國弘君) お答えします。 林野庁の場合、五十八年度の公務災害の発生件数は、病気になられた疾病も含めまして千八百八十三件でございます。 これらの特徴的なものは、御案内のとおり、林業の場合は屋外の仕事でございまして、木を切ったりあるいは木を植えたりするというようなところで発生している作業中の公務災害というのが大部分であります。もう一点は、五十八年度におけるところの死亡の災害発生件数ですが、職員数約五万五千人のうち亡くなられた方が五十八年度は九件でございます。
○説明員(高橋昭治君) お答え申し上げます。 北海道開発庁における五十五年度以降五カ年間の公務災害補償でございますが、五名の死亡者が出ております。うち四名が公務災害、一名が通勤災害となっております。 その内訳は、第三者加害による自動車事故、いわゆる交通事故でございますが、これが三名、それから現場作業中の作業車による接触事故が二名でございます。これらの者はいずれも男性で五十歳代の者でございます。 以上でございます。
○説明員(羽毛田信吾君) お答えをさせていただきます。 厚生省関係につきましては、恐れ入りますが、死亡の数につきまして私どもへのお尋ねということを認識いたしておりませんでしたので、数字を持ってきておりませんが、ここ一両年の間ではたしか二件ないし三件程度であったと記憶いたしております。その内訳は、主として交通事故、第三者加害によります交通事故でございまして、それ以外に私どもの特徴的な一つのあれとして、血清肝炎が悪化をいたしまして死亡したという事例が一件あったように記憶いたしております。
○穐山篤君 林野庁の場合には屋外の労働、それから伐採の作業、条件の悪いところで作業をしていますね。郵政省の場合にはバイクの運転というふうなものが多いわけです。そこで、公務上の死亡にしましても、あるいは通勤災害によります死亡にしましても、これはもう宿命だというふうに決め込んでしまったんでは公務災害を減らすということはなかなか困難だと思うんです。当然安全教育であるとかあるいは安全施設の整備というものを含めて常に安全対策を行うことにならなければならぬと思うんですが、人事院としてはこういうことについて統一的な教材というものは各主管庁に出されているんですか。
○政府委員(叶野七郎君) 職員の保健及び安全保持につきましては、人事院規則の一〇—四というものがございます。この規定に基づきまして各職場ごとに安全管理者あるいは安全管理担当者、それからいろいろな危険機具を持っている部面につきましては、危害防止主任者等々を指名して、それぞれの責任において安全体制の整備を図るとともに、各種の点検あるいは安全教育を行うように指導してございます。 さらに、人事院といたしましても、それぞれの大きな事故が発生してまいりました場合には、それ以降の指導の必要がありますために報告義務を負わせております。 さらに、毎年一回安全週間であるとか、あるいは随時健康安全管理者担当研修会等々を人事院主催で、あるいは各省庁の出先機関を対象にしてのもの等々を開いて安全措置に努めております。
○穐山篤君 そもそもこの公務災害というのは、例えば機械に手が挟まれた、こういうようなところから問題意識が出てきたわけですが、またそれはそれでよく客観的に物が見えるわけです。ところが、最近のように林野の場合には振動病というものが職業病としての認定を受けるようになりましたけれども、各官庁とも機械化が促進されておりまして、従来労働基準法では予測もしなかったような職場の状況にあることも御案内のとおりでありますね。長時間一点を見つめてばかりいる仕事もあります。そういう意味でいきますと、職業病といいましてもかなり態様が変わっていると思うんです。附帯決議におきましても、職業病の発生防止に努力をしなさい、こういうふうに注文を毎回毎回つけているわけです。 そこで、職業病について人事院では専門的に研究をされていると思いますけれども、その進行状況はどうでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) 確かに今先生がおっしゃるように、最近は病気も多様化しておりますし、仕事もいろいろの機械器具の導入によって複雑化しているという現状にございます。そういうために、かつては予測のつかないような災害の発生もあるようでございます。ただ、それらにつきまして、一つ一つの対応が非常に難しいために多量に発生するようなもの、例えば最近では頸肩腕症候群であるとか、あるいはやや古いことでございますけれども、腰痛といったようなもの、あるいは脳卒中等々につきましてそれぞれ研究を重ねまして、準則案と申しますか、認定基準案を作成して発出しております。これらの基準の発出に当たりましては、各方面の専門家の医師の方々に意見を聞く、あるいは会議等を通して意見の結果を集約いたしましてこのような通達を出すということに努めております。
○穐山篤君 次に、長期療養の問題について伺いますが、現在療養中の者がどのくらいおられるのか、それから平均的な療養期間、その点を最初にお伺いしておきましょう。
○政府委員(叶野七郎君) これは五十八年二月現在の実態調査でございますけれども、二年以上療養している数字が全体で四千四百二十二名でございます。大きな省庁といたしましては、林野庁が三千六百名程度、次に郵政省の三百三十名、厚生省の百九十六名、北海道開発庁の百二名などとなっております。
○穐山篤君 長期療養期間というのは平均どんなものですか。
○政府委員(叶野七郎君) 九年二カ月という数字が出ております。
○穐山篤君 非常に長いですね。これは容易ならざることだというふうに認識をします。 さてそこで、けが、病気した後で、療養が終わった者は当然職場に復帰する、こういうことになりますけれども、通常はもとの職場、もとの仕事に復帰するというのが常識ですね。ところが、後遺症が残ったというふうな問題あるいはその他のことでなかなかもとの職場、もとの仕事に復帰するというのは困難な状況にあろうと思いますけれども、これは郵政、林野庁、厚生省、北海道開発庁について、文部省は少なかったからいいですが、その職場復帰の状況、原職に復帰しているのか、あるいは不可能な場合にどういう作業に復帰さしているのか、そういう点について各省庁から具体的にお話をいただきたいと思います。
○説明員(菊地惟郎君) お答えいたします。 原職復帰というのが原則でございますけれども、後遺症などがありましてそれが難しいというふうな場合には、専門家の意見を聴取しながら可能な限り当該職員が勤務できる業務に復帰させるということで臨んでおります。 参考までに申し上げますと、長期療養者が郵政省の場合に三百二十九人と、こういうふうに数は多いんでございますけれども、この大部分という者が勤務を続けながら治療するというふうな者でありまして、休職になっておるという者は十名でございます。大体この程度でございまして、実情に応じて可能な職場に復帰させるということで対応しております。
○説明員(宮下國弘君) お答えいたします。林野庁でございます。 林野庁の場合は、長期療養者、先ほども御説明しましたが、特に振動障害によって早期に認定して早期に回復を図るということでやっておりますが、数字的には約三千六百名の長期療養者がおりますけれども、そのうちの三千四百名は振動障害認定者でございます。 これらの職員が職場へ治癒等で復帰する場合ですが、私どもはまず復帰するときに医師の所見をいただきまして、同時に本人の労働能力というものからどういう仕事につけるか、原職復帰が一番好ましいことですが、医師の所見あるいは本人の意向等を参酌してそれに適した仕事につかしていると、こういう状況でございます。
○説明員(高橋昭治君) お答えいたします。 北海道開発庁における長期療養者は、先ほど人事院の方からお答えがありましたように、百二名でございますが、そのうち現に八十名が原職に復帰いたしております。
○説明員(羽毛田信吾君) お答えをさせていただきます。 厚生省におきましては、先ほどの五十八年の二月の調査におきます長期療養者が百九十六名ございまして、そのうち百二十九名が勤務をいたしておるという状況にございます。 先生お話しの療養を終えました後の復帰の問題につきましては、後遺症等によりまして原職に復帰することがなかなか困難だというような場合には、状況に応じまして勤務の異動をいたしまして軽勤務につける、あるいは他の職場への配置がえを行うといったような措置を行っておるところでございます。ちなみに、これの直接の統計ではございませんけれども、五十八年度健康診査をしました結果で勤務場所をかえました者二名が五十八年度にも出ておるというような状況にございます。
○穐山篤君 死亡以外の場合には、療養によって病気が回復する、あるいはけがもある程度回復して労働につけると、こういう余地がたくさんあるわけですね。私は一部の、患者と言っちゃ語弊がありますが、該当者から意見を聞いているわけですけれども、各省庁の指導で、療養の場所にいたしましても、あるいはリハビリにいたしましても、それぞれの省の特徴があるのはいいけれども、もっと共通して政府全体として面倒を見てくれるところはないだろうか。これはごく数人の個人の意見を聞いたわけですけれども、この療養の問題について何か検討すべき事柄はないんでしょうかね。人事院どうでしょう。
○政府委員(叶野七郎君) 民間の労災サイドでは、労働福祉事業団の事業といたしまして、かなり手広くリハビリテーション施設であるとか、あるいは病院施設、療養施設等々を設けているわけでございます。国の場合にはそういう事業を行うことの可否という問題もありますし、そういう体制にもなっていないために、そういう面での統一的なものは現在ないところでございます。ただ、福祉施設というものが現在の公務員の災害補償法の中にもございますんで、その福祉施設の方の活用でリハビリ的なものはかなり行われるようになってございます。その程度でございますので御了承願いたいと思います。
○穐山篤君 郵政省、それから林野庁、厚生省、北海道開発庁が大宗をなしているわけです。それから全国的にばらばらですから中央に集めるということも物理的に困難だし、また不経済だということもあると思いますが、もう少し民間の施設を活用するような便法ができないものかどうか。あるいは公社、公社はもう一社しかありませんけれども、それぞれ相当の専門の病院あるいは医師というものをストックされているところも現にあるわけです。そういうところを積極的に活用するというふうな工夫はできないものでしょうかね。
○政府委員(叶野七郎君) 今回の法改正案の前提となっております我々の研究会の今後の検討課題といたしましても、福祉施設の利用の促進なり各種援護対策の強化を検討事項として我々与えられているわけでございます。ただ、これにつきまして、先生がおっしゃるように中央統一的なものがなかなか設けづらい。療養にいたしましても、認定そのものが各実施機関に任されているという段階でございます。各省庁においてそれに対応するということが現実的ではないかというふうなことを率直に申し上げておきたいと思います。
○穐山篤君 私は余りその説には賛成しがたいと思っています。私なんかは全国区という立場にあるものですから、地方に行きますと病院にも寄るわけです。あるいは療養所なんかにも寄って話を聞くわけですが、もう少し実態を踏まえてもらって、各省庁と十分検討してもらいたいというふうに思います。 それから次に、公務員死亡後の家族の生活あるいは長期療養中の家族の生活、それぞれ違いがありますね。特に若年の公務員が死亡した場合、先ほども四十代が非常に多いと言いましたけれども、高校、中学、小学校の子供さんをたくさん抱えるわけです。非常に問題があるというふうに思います。それから長期療養中の場合は収入が少なくて出費が多いという特殊な環境にあるわけですね。私は前回、公務員がOBになりますと失業者が非常に多いという数字をお話したことがあるわけですが、公務員の場合の死亡後の家族の状況、療養中の家族の状況というものについて概況を明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) これは五十八年二月に遺族の方々あるいは療養生活を送っている方々の調査をいたしたわけでございますけれども、その中での主な点を拾って申し上げますと、例えば家計の状況等から申しますと、被災前は職員の収入で生計のすべてを維持していた家族が八〇・五%を占めているわけでありますが、被災後におきましては、補償給付だけで生計を維持している家族が三八・六%という数字になっております。それから公務員宿舎に入っておるという関係上から、公務員である夫が死亡した場合には追って公舎を引き払わなきゃならぬ、そういう事情等々も絡み合わせまして、かなり転居を迫られるというような住宅事情もあるようでございます。 それから就学の問題でございますけれども、若干そのほかのいろいろな理由があると思いますけれども、一つの理由として父死亡のために志望校を断念したというような数字も出ております。
○穐山篤君 今一部お話があったわけですけれども、一家の働き手を失いますとまず精神的な不安というものが四六時中つきまとうわけですね。経済的な分野でも非常に苦しい。それから宿舎に入っている者は、多少は便宜を図ったにいたしましてもすぐ追い出しを食ってしまう。子供の就学、進学の断念、それから子供さんの状況を考えながら末亡人たる奥さんの就業という問題も発生する。非常に大変なことです。これが若年の場合になればなるほど、子供さんをたくさん抱えておれば抱えておるほど厄介な問題になる。 そこで、公務員の場合、生活指導といいますか、生活相談の機能というものがどういうふうに確立しているんでしょうか。これも各省庁勝手におやりなさいという風習になっているんですか、どうなんでしょう。
○政府委員(叶野七郎君) 生活指導の分野になりますと、我々の守備サイドかどうかという疑問もありますけれども、各省庁によってのそれぞれの相談事実というものをとらえざるを得ないというのが現状でございます。
○穐山篤君 代表的に林野庁と郵政省、今のような死亡後の場合ですね、どういうふうな生活相談をされているんですか。 それから療養の平均期間が九年とか十年という歳月になっているわけですが、これは低収入で出費が非常にふえる、こういうものについての援護態勢、これはどういうふうにされていますか。
○説明員(菊地惟郎君) 郵政省の場合には、大体郵便局の職員といいますと地元の出身者が非常に多うございます。したがいまして、死亡なりあるいは長期療養というようなことでありましても、大体地元でそういうふうにされておりますので、元の郵便局の方が遺族なりあるいはその家族なりの困っている相談にあずかるという形で、精神的にといいますか、そういうことでいろいろと援助をしておるというふうな状況でございます。
○説明員(宮下國弘君) お答えいたします。林野庁でございます。 私どもの場合、不幸にして亡くなられた方のほとんどが農山村に居住している方でそれぞれ営林局、営林署が直接日常接する機会が多うございますものですから、遺族の方々の生活相談等に応じていると、こういう状況でございます。
○穐山篤君 郵政省の場合は地元出身者が多いと、これはよくわかりました。郵政省の場合には、大きな単位といいますか、それぞれ相談をする場所がかなりあるわけですね。 ところが林野庁の場合、最近、御案内のように合理化で営林署が統廃合になると、相談をする場所が非常に遠くなる、こういう実情、実態があるわけですが、ここら辺を十分踏まえて対応してもらいたいというふうに思います。 さて、今回の法律改正について、人事院が公務員法二十三条に基づいて申し出をしたわけでありますが、その根拠、理論的な背景というものは何であったんでしょうか、その点伺います。
○政府委員(叶野七郎君) 今回の改正は三点ございますけれども、それぞれに共通した考え方を申し述べさせていただきますれば、一つには最近の高齢者の稼働能力と申しますか、かなり老人になるまで稼働能力があるという点が一つの観点でございます。 それから現在の我が国の我々の補償法に類似した他の制度が種々ございます。それらとの間に整合性を図るというかねて懸案の問題をこの際解決しておこうではないかというのが第二点でございます。 それから第三点といたしましては、社会経済情勢と申しますか、生活態様の変化に即応した補償制度をつくり上げようかという意図も含まれているということでございます。
○穐山篤君 それから実施期日を十月一日にしたいわれは何ですか。
○政府委員(叶野七郎君) この補償法につきましては、既に国会に提案されておるわけでございますけれども、これが成立、公布された後におきまして、遺族補償年金の受給資格の繰り上げでありますとか、あるいは年金の補償額のスライド制等のいろいろな現実的な実施面がございます。それに対しまして人事院規則の大幅な改正を必要とするというようなことで、そのための必要最小限の期間を見込みまして四月一日を希望申し上げているわけでございます。
○穐山篤君 来年の四月一日ですか。
○政府委員(叶野七郎君) 失礼しました。十月一日としたものでございます。
○穐山篤君 受給資格年齢の引き上げ、それから補償額のスライド制、福祉施設に関する規定の整備、これについては後で意見を申し上げますが、十月一日というのには必ずしも拘泥しなくてもいいんじゃないですか。九月であるとか、あるいは七月であるとか、六月であるとか、そういう弾力性があるというふうに私どもは認識をしますが、どうですか。
○政府委員(叶野七郎君) この中で一つの例を申し上げますれば、スライド制の実施、これは一般的に給与水準のベースアップというようなものを中心に物を考えているわけでございますけれども、四月一日というものが区切りが非常によろしいということで、一応四月一日というものを前提にして実施期日を定めているわけでございます。 ただ、この十月一日という件につきましては、現在の福祉施設の実施そのものが十月一日でもいつでもいいということになるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、十月一日にしたのは、それぞれの人事院規則の改正等々の余裕を見込みまして十月一日という刻みにしたわけでございます。
○穐山篤君 この十月一日実施というのは、今も答弁がありますように、これは院の意思としては、十月一日でなくてもできる、こういうふうに思われます。意見については後で申し上げたいと思います。 そこで、五十五年の附帯決議の中で、若年死亡者に対する遺族補償の増額の問題が一つあります。それから二つ目に、民間における法定外給付の実態に照らして公務員においても適切な措置をとりなさい、これまた附帯決議にあります。それからもう一つは、社会保障制度審議会から指摘されました、国の過失により公務員が公務災害を受けた場合の対応についてという問題、以上三つが政治的な問題、政治的課題として三つ残っているわけです。一つ一つ人事院の考え方及び総務庁長官の考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 一つには、若年労働者を含めましての遺族補償の増額ということでございます。遺族補償につきましては、既に年金制度の導入等々をやられているわけでございますが、これにつきましては、労災と歩調を合わせまして支給率の引き上げであるとか、あるいは定額部分の引き上げ等々の措置に努めてまいっているわけでございます。 さらに、法定外部分につきましては、確かに民間の法定外支出が最近非常に多額になっております。これに対応いたしましては、現在特別援護金という制度があるわけでございます。これにつきましても、発足当時百二、三十万程度でありましたものも漸次増額してまいりまして、五十八年には障害特別援護金で三百三十万程度のもの、それから遺族特別援護金では三百万円までに引き上げてございます。まだまだこの額ではと我々考えておりますので、今後ともこの額の引き上げにつきましては努力してまいりたいと思っております。
○政府委員(藤井良二君) 五十五年の改正法の附帯決議の問題でございますけれども、このうち若年死亡者の遺族補償の増額につきましては、補償制度の基本にかかわる問題でございまして、現在、人事院において引き続き検討中ということでございましたので、その推移を見守ってまいりたいというふうに思っております。 それから民間企業における法定外給付につきましては、災害補償制度におきまして、それに対応するものとして特別援護金制度がございますが、民間における法定外給付制度の実情を考慮して、その改善に従来以上に努めてまいりたいというふうに考えております。 それから附帯決議で「民間企業における業務上の災害等に対する法定外給付の実情にかんがみ、公務員の場合においても適切な措置を講ずること。」とされた点につきましては、今回の補償法の改正で、福祉施設の実施に当たっては民間企業の従業員の受ける福祉に関する給付その他の施設の実態を考慮すべきことを法律上明確化することとし、この趣旨にもこたえることとしております。 それから最後に言われました社会保障制度審議会の、国の過失による公務災害について訴訟の確定まで対応できないのは問題であるとして速やかに損害賠償を行うことができるよう検討すべきであるとされている点でございますけれども、この点につきましては、国の過失責任が問題となるような公務災害の発生はそもそも非常に少ないんじゃないかと思われます。発生した事故について調査した結果、国家賠償法、民法等に照らして責任がすべて国にあると認められる事案につきましては、関係省庁とも相談の上、訴訟によることなく、損害賠償の早期処理を図るようにしており、訴訟の確定まで対応できないということはないというふうに聞いております。 また、国が過失ある場合の公務災害に関しましては、民間企業におきまして広く実施されている弔慰金、見舞金等のいわゆる法定外給付の制度が、使用者の過失の有無にかかわらず、逸失利益を補てんするという意義を有していることから、この間、法定外給付制度見合いの特別援護金制度を活用することによりまして逸失利益を早期に補てんするという観点から重要じゃなかろうかというふうに考えております。 なお、国の災害補償制度というのは、使用者の無過失賠償責任に基づきまして、国の故意過失を問うことなく、災害に伴う罹災職員またはその遺族の逸失利益の補てんを定型的に行うことを本旨とするものでございますので、補償制度の中で国が一方的に過失の程度を勘案して補償額を定める方法を講ずるようなことは非常に難しいんじゃないかというふうに考えております。
○穐山篤君 いずれも今の答弁内容では不満であります。若年死亡者のことを含めて、国家公務員という職の特殊性、私は優位性と言うつもりはありませんけれども、しかしそれにいたしましても、国家公務員に採用しようとする場合にはいずれも試験を受けなければならぬ。民間でも試験があることは十分承知しておりますけれども、国の場合にはそれがすべて要件であります。したがって、国家公務員の特殊性というものについて十分考えていないんじゃないかなと非常に不満に思うわけであります。 第一の若年死亡者、先ほども数字が言われましたが、四十代、三十代、六十代、二十代の中で四十代とか三十代というのは、六十歳定年からいえば、若年の部分ではないかなとというふうに思います。若年でありながら、なおかつ職場では中堅的な地位にある者であります。その家族にいたしましても、ほとんどが大学、高校、中学、小学校、皆教育課程にある者を持っておりまして、したがって毎回、遺族補償についての増額ということを内閣委員会では主張しているところであります。したがって、今の答弁では私どもは問題にならぬというふうに思います。 それから二つ目の法定外給付については、少し内閣委員会の気持ちをそろえるという意味で、給付の実態について分けて説明していただきたいと思っています。業務上の災害、これは死亡と後遺障害と二通りに分かれますね、それから通勤災害の場合でも同様に死亡と後遺障害、こういうふうに分類する方がわかりやすいと思うんです。民間の企業でお調べになったうち、どの程度まで法定外給付を実施しているか、そのことをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 民間の法定外の支給状況を申し上げたいと思います。 これは五十八年の十月におきまして抽出企業四千百社について実施した結果でございますけれども、法定外給付を実施している企業の割合は、死亡に対して業務上災害で六二%、通勤災害で四八%、それから後遺障害の場合で五二%がそれぞれ実施しております。 それからその額でございますけれども、これら実施している企業の平均支給額は千三百四十万になっております。通勤災害の場合は若干少なくなっておりまして九百四十六万、かようになっております。 それから障害等級でございますが、これは各等級について違うわけでございますけれども、平均的である障害等級の第三級で見ますと、業務上で千二十七万、通勤災害によりますものが八百五十二万。以上のようになってございます。
○穐山篤君 人事院が年度を置いて調べられているのはわかっていますが、調べるたびごとに法定外給付を実施している企業がふえてきているわけです。その数字を今言われましたね。業務上災害、死亡の場合に六二%、過半数以上が実施をしているわけです。通勤災害の場合には四八%、まあ半分以下ですね。しかし傾向としては実施がどんどんふえている、定着をしていると言う方が適切な言い方かもしれません。給付の金額も言われましたが、大体死亡の場合に一律定額制で上積みをする、この傾向も圧倒的に多いわけですね。これは業務上の災害でも通勤の災害でも同様になっているわけであります。 こういう状況から見ますと、もうこの辺で世間様も、公務員が法定外給付に準じて改善するということについて世間も了承するだろう。公務員だけがずば抜けて特別の措置をしておりますと世間から非難を受けますけれども、もうこれだけ死亡の場合でさえも定着しているわけですから、公務員の災害にもこれは取り入れていいんじゃないか、もう必然性が出ているというふうに私は思うわけです。 それから通勤災害につきまして法定外給付を行っている数字を調べてみましても、例えば一律定額制をとっているところが六割、定率制をとっているところが一一・三%、扶養家族、扶養親族別に金額の上乗せをしておりますところが六、七%、これも一律定額制というのが世間の相場になっているわけですね。 こういうものを人事院で十分調べられて法定外給付についてもこの辺で決断をしたらどうかという議論はなかったんですかね。いかがですか。
○政府委員(叶野七郎君) 法定外給付の内容にもいろいろございまして、一番問題になります、逸失利益の補てんという我々といたしましては補償制度本体として見ている分につきましても、企業では若干施設の瑕疵等による過失に対する損害賠償額の前払い的な意味のものも入ってそういう額になっているという面もあるようでございます。そういうようなこともあれこれ勘案いたしまして、千三百万という平均までには難しいとは思いますけれども、それに近い額に上らせるべく例年努力いたしておるわけでございます。そういう意味で先ほど申しましたように、若干ずつではございますけれども増額いたしまして現在三百万、この額がまだまだ低いということは十分承知しております。これにつきましてはなお今後とも十分に努力してまいりたいと思います。
○穐山篤君 いみじくも今手直しはしているけれども不十分であるということを自認しているわけです。こういう改正というのは毎年毎年行われるものじゃないですね。少なくとも三年とか五年とか六年、別にローテーションがあるわけではありませんけれども、情勢の変化というものはおおむねそのくらいの周期だろうと思うんです。従来の経験からいいますと、五十一年改正、五十五年改正、六十年改正と五年ごとになっているわけですね。また五年後まで待つ必要はない、こういうふうに思うわけですが、どうなんでしょう。
○政府委員(叶野七郎君) 特別援護金は福祉施設の分野でございます。これにつきましては、予算措置によって増額することが可能なシステムになってございます。そういう意味におきまして、例年予算についての努力というふうにしてまいりたいと思います。
○穐山篤君 私は質問のしっ放しというのはよくないと思いますが、とにかく後藤田長官、今やりとりを聞かれておって、歴史的必然性と言えば語弊がありますが、経済的な必然性というのは十分私はあるというふうに思うわけです。これはぼつぼつ決断の時期ではないかな、こう思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 人事院としては、恐らくや公務員の処遇、これらも含めましてですけれども、官民のバランスということで精細なお調べをせられて、今回の改正についても労災の改善措置に合わせてこういった改革の御提言があったものと、かように私は理解をしているわけでございます。 ただ、こういった公務災害というのは、気の毒な立場にある方ですから、許される限りは、世間様が納得していただけるという限度においてはこれはきちんと改善措置をやるのが一番いいのではないかなと、私はそう考えているんです。 これは公務災害補償だけじゃないんです、私の基本の考え方は。今、御案内のように、公務員の処遇について官民のバランスということは非常にやかましい。それを頭に置いて、人事院が御調査になって政府に提言があり、政府としてはそのままやらせていただいておるんですが、問題は、官民のバランスの民の方の制度のどの程度の規模のものと比べておるんだというところに非常な問題がありはしないか。こういった厳しい時代ですから、総人件費をできるだけ低減することは、納税者の立場も考えにゃいけませんからよくわかるんですけれども、しかし個々の公務員の処遇というものはできるだけ手厚くしてやるべきだと、私は基本的にそういう考え方でございます。 そして、この問題は、実は私のような経歴の者から見ると——私が長官をやった時代というのは一番大変な時期に遭遇しまして、私が二年十カ月の長官在職中の死者が、公務で現場で爆弾とかいったやつでやられた人ですね、これが恐らく二十名前後あったと思いますし、負傷した人が一万の数を超したと思います。ああいう立場に立ちますと、一番頭の痛いのがこの問題だったわけです。これは地方公務員でございますから、できる限りそれなりの措置をしたつもりでございます。しかし、ああいった現場の死傷者といえども、またそれ以外の先ほど来の厚生省とか郵政省とか北海道開発庁の方も性質は同じことなんですから、こういう問題は世間の皆さん方にぜひ理解していただいて、何とか手厚い処遇をするのが基本ではなかろうかと、かように私自身は考えているわけでございます。今回の改正案は、とりあえず労災の改革措置とのバランスをとるという意味で考えたものでございますから、その点はぜひひとつ御理解していただきたい、かように思うわけでございます。
○穐山篤君 さてそこで、労働省に伺いますが、民間の労災の基本的な考え方、あるいは運営に当たっての基本的な思想、こういうものをどこに置いているんでしょうか。
○説明員(松本邦宏君) 労働省といたしましては、まず労働災害の防止ということが重点であろうかと思っておりますが、不幸にして災害に遭われた方については、的確、迅速な補償を行うということを基本として行政を行っております。
○穐山篤君 その思想的なものの基盤というのは当然労働基準法あるいは労働安全衛生規則、ときにはILOの勧告というふうなものが常に運営の基盤になっているんじゃないか、こう思いますが、当然認定に当たってもそれを常に念頭に置きながら運営している、また労働省もそういうふうに指導していると思うんですが、どうでしょう。
○説明員(松本邦宏君) 先生御指摘のとおりでございまして、労働基準法、安全衛生法並びにILOの諸条約等を基本に置きながら運営を行っております。
○穐山篤君 もう一問ありますが、労働省が国家公務員の災害補償の認定作業を横から見ておって、公平であるのか正確であるのか、その点はどうでしょう。
○説明員(松本邦宏君) 私どもは、大変な件数を地方の専門的な審査に当たる者がいろんな認定業務を行っておりますが、公務員の場合の各省庁の詳しい認定状況までは私ども掌握いたしておりませんので、今の御質問についての御意見はちょっと差し控えさしていただきたいと思います。
○穐山篤君 公務員、地方公務員の場合も審査、認定をする場所が違います。したがって判断の違いも当然出てきます。それと同時に、人事院が全部総覧はしているものの実際は各省庁にみんな任せているわけです。過去の慣例というものが常に基盤になっていて、それ以上のものは前例になるからやらない、そういう傾向が強いわけです。そのために長官が言われておりますように、気持ちとして何とかしてやりたいというものがどうしても浮かび上がってこない。したがって、少なくとも民間労災と同じように予防だとか、けががないようにいろんなことをやるというのは、前提条件がありますけれども、労働基準法とか安全衛生規則、ILOの勧告、そういうものを常に基盤にして少し思いやりの気持ちで運用する、こういうふうにしていきませんと、冒頭にも明らかになりましたように、非常に作業がおくれているなんというのはその最たるもんだというふうに私は思うわけです。その点について、各省庁の特殊性、独自性というものはあるにいたしましても、もう少し人事院が統一的な考え方を示して運用をやらせるべきではないか、こう思いますが、その点どうでしょう。
○政府委員(叶野七郎君) 先生がおっしゃるように第一義的には各省庁の対応の問題でございますが、我々補償法を担当いたします側といたしましても、補償の迅速かつ定型的な補償措置の完遂という目的に照らしまして、迅速にやるべきであるという基本的姿勢に立って各省庁を今後とも指導してまいりたいと思います。 なお、認定について難しい事案につきましてはしかるべき統一基準案を作成し、その基準案によってできる限り適正かつ迅速に行われるようにもしていきたいと思っております。
○穐山篤君 さて最後に、改正点を含めた諸問題について意見を申し上げておきたいと思うんです。 五十五歳から六十歳まで一年一歳ごとに段階的に引き上げていく。先ほど定年制あるいは民間労災のお話があったわけですが、つい二、三年前に、公務員あるいは公共企業体でもそうでありますが、年金の五十五歳を六十歳にするという話が政治的に問題になって大騒ぎになって、あれが保留になったという過去のいきさつがあるわけですね。当時金丸先生が何かの役をやっておったときにそういう大騒動が起きて、しばらくの間は俎上に上がらなかった、あれは健保ですか。ところが、最近は民間準拠というふうな安易な思想に流れて何でもそれに合わせる。こういう悪いくせになっていますよね。まだ法律案は出ておりませんが、国家公務員の場合に年金が十五年掛けて六十歳にやりましょう、こういう経過措置が決まっているわけであります。これだけ五年間で年齢を引き上げるというのは余り当を得た提案ではないというふうに私どもは思いまして、これにはあくまでも賛成はできがたい。 それからスライド制の導入ということは評価すべきことではある、当然の措置でありますが。六%というのはまことに時宜に適した数字ではないですね、六%というのは。少なくとも公務員の賃金上昇にスライドをする、これが客観的に一番合意を得られやすい方法ではないかなと、こう思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) 一つは、年齢の引き上げを五年間で早急に上げるということについての御批判かと思います。これにつきましては、共済等々におきますように、現職者がおって年配になれば改正点に巻き込まれるというようなことと異なりまして、これは将来の発生した場合におきますところの措置になるわけでございます。そういう意味で、当初我々といたしましては、できる限り早く他の制度との均一性を保つためにということを考えておったわけでございますけれども、そういたしますと、現在、五十五、五十六歳で年金を受給いたしております方々と均衡がとれないというようなことで、五年間の経過措置を置いてそれらとの均衡を図ろうという観点で五年の措置を設けたわけでございます。 それからこの六%の率についてでございますが、これもかつてのいろいろな経緯がございまして、労災と歩調を合わせる、当初できました当時は約二〇%の格差を埋めるということになっておる。それが最近一〇%に改まり、さらに六%に縮小された経緯がございます。これは同じ制度であります労災と同一の歩調をとらざるを得ないということでございます。ただ、この率につきましては高い低いのいろいろな議論がございます。我々といたしましては、今までの経過にもありますように、できる限りこの率を少な目にして早目に改定に持ち込めるようにいたしたいという気持ちには変わりございません。
○穐山篤君 そもそもスライド制を導入する、スライド制というものの発想というのは、物価であるとかあるいは給与というものがスライドの基準になるわけですね。それを五%以上も上回るような六%、これは下げる場合にはそれなりのまたデメリットもありますけれども、上げる場合と下げる場合と少し物の考え方を分けたらどうかなという、そういうふうな感じもしないわけじゃないんです。下げるということはサービスを下げる、理屈から言うとそういうことになるわけですね。適用金額を少なくするということになるわけです。ですから下げる場合にはじっと我慢する、時間をかける。数字が九十幾つに下がる、こういうのはいいと思うんですが、上げる場合は何も六%でなくてもいいんじゃないか。五%、四%の場合でも引き上げてもいいんじゃないかという、そういうルールを考えてもいいんじゃないかと思いますよ。上げる場合も下げる場合も同率だというのは、少しこの種問題については硬直的な考え方ではないかと考えますが、その点はどうですか。
○政府委員(叶野七郎君) ほかの年金では物価スライド制をとる場合に五%という数字もあるようでございます。ただ、これらにつきまして、六%につきましては、先ほど申し上げましたように、二〇から一〇、それから六というふうに縮小した経緯がございます。このパーセントを何%に設定するかということは、それぞれの制度の流れあるいは他制度との均衡という点でおのずから決まってくることで、現在六%に落ちついているということを申し上げている次第でございます。ただ、この六%の高低につきましてはいろいろと考え方があろうかと思います。我々といたしましては、できる限り先生がおっしゃるように上げることでございますから、近い時点で上げ得るようにこのパーセンテージの幅を低くいたしたいというふうには考えております。
○穐山篤君 このスライド制のルール、あり方というものについて検討してもらいたいと思います。 それから以下申し上げます三つについて、まず国の過失により公務災害を受けた場合の対応、これは余りメンツにこだわらずにもっと冷静な立場に立って理論的に研究をしてもらいたいと思う。 それから二つ目には、先ほども指摘をしましたが、若年死亡者に対します遺族補償のあり方の問題についても引き続き研究してもらいたい。 それから三つ目は、法定外給付について数字で明らかになりましたように、もはやこれに準じて改善する必然性が十分に出てきた、こういうふうに私どもは認識をしますが、それを踏まえてさらに検討してほしいというふうに思います。 それから実施期日が十月一日になっています。先ほど与党の理事さんがおらなかったのでもう一遍繰り返したいと思うんですが、十月一日というのは準備のことを考えて十月一日と、こういうふうに言われました。しかし、参議院のこの審議の模様から考えまして、準備の方は十分進められる話でございます。したがって、私は何も十月一日にこだわる必要はないし、先ほどの説明でも十月一日でなくてもよろしいなという印象を非常に強く受けたわけです。したがって、もう少し実施期日を引き上げるようにここで私は提案をしておきたいと思います。いかがですか。
○政府委員(叶野七郎君) 実施期日の点について申し上げますけれども、スライドの引き上げに要しますいろいろな手続規定の整備であるとか、各省庁の対応等々がかなりの時間を食うのではなかろうかと思います。そういう意味で、十月一日を一つのぎりぎりの線としてお願いしておるわけでございます。
○委員長(大島友治君) 午前の質疑はこの程度にしまして、休憩いたします。午後は一時から再開いたします。 午前十一時四十九分休憩 ─────・───── 午後一時四分開会
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○太田淳夫君 最初に、いよいよ八五年春闘も多くの山を越したと思われますけれども、春闘相場に大きな影響を与えております金属、私鉄などで昨年を上回る回答が示されているわけですけれども、人事院としましては、現時点における春闘の妥結状況についてどのように把握されておりますでしょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 人事院といたしましては、春闘の状況につきまして公式には調査いたしておりません。新聞その他の報道によりまして状況を認識いたしておるわけでございますが、その限りの認識で申し上げますと、今年の春闘におきましては昨年に比べまして若干高目の数字が出ているように承知をいたしております。
○太田淳夫君 今、昨年より若干高目の回答ということでお話ございましたけれども、私たちもいろいろと調べてみますと、春闘の賃上げ状況を昨年の実績に比べますと、今年度の回答額というのは、鉄鋼、自動車あるいは電機、造船、重機あるいは私鉄に至るまで、ほとんどが前年度よりも上回っている現状と思います。 そこで、人事院としましても、いよいよこれから本年度の人事院勧告を目指しての作業を始められると思うんです。例年は五月から民間給与の実態調査を行っているようですけれども、本年もそういった従来どおりの調査を行うことになるのか、その辺のスケジュールについてお話しいただきたいと思いますし、またその調査に当たりましては例年と違うところがあるのかどうか、あるいは本年はどのような点に重点を置いてそういう調査を進められるのか、その点お話をしていただきたいと思います。
○政府委員(鹿兒島重治君) お話がございましたとおり、ことしもこれからいよいよ民間給与の実態調査に入るわけでございますが、大体スケジュールは従来同様でございます。また対象につきましても、既に御承知のように、企業規模百人以上、事業所規模五十人以上ということで把握してまいるわけでございますが、事業所の数にいたしまして、今年度は約七千六百五十の事業所を予定いたしております。そして具体的なスケジュールとしましては、連休明け早々に調査に入りまして、六月の半ばまでに調査を終えたいというぐあいに考えております。
○太田淳夫君 そうしますと、例年と差異はない、調査におきましては同じような調査をしていくんだと。先ほどちょっとお聞きしましたけれども、特にことしはこういうところに重点を置いてやるんだというところはございませんか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 現在の人事院勧告が置かれております状況は、御存じのとおりでございますので、私どもはできる限り調査の継続性というものを重視してやってまいりたいというぐあいに考えております。したがいまして、今年度の調査におきましても、調査の内容につきましてはほぼ従来同様ということでございまして、若干の附帯調査はいたします。これもほぼ継続いたしまして、例えば住宅状況でありますとか、あるいは民間企業が合理化を進めております状況でございますとか、あるいは週休二日の状況、こういう附帯調査はいたしますけれども、内容はほぼ従来同様というぐあいに御理解をいただきたいと思います。
○太田淳夫君 そうしますと、作業状況に変更がないとなりますと、例年八月上旬には人事院勧告が出されておりますけれども、本年も大体そういうような状況、八月上旬ぐらいになると考えてよろしいですか。
○政府委員(鹿兒島重治君) これまで民間の調査について申し上げてまいったわけでございますが、これに対応いたします国家公務員の実態調査、約五十万人の給与実態の調査がございます。この調査も従来と同様でございますけれども、一月十五日現在に在職する国家公務員の状況を調査するわけで、これは既に調査に入っております。 ただ、本年度は若干従来と違った事情がございまして、御承知のように定年制が三月三十一日に実施されております。従来でございますと、一月十五日の状況というものをもとにいたしまして、それを四月現在に引き直してということでやってまいったわけでございますが、今年度はかなり多数の職員が定年でやめる、しかも確定的にやめるということが明らかになっておりますために、この部分の若干の修正と申しますか、手直しをいたします。そういうことで、従来とは違いまして若干手間がかかるという事情がございます。しかしながら、私どもといたしましては、従前同様に、これまでと同様に八月上旬に勧告をいたしたいということで鋭意作業を進める予定にしております。
○太田淳夫君 それでは次に、人事院は人事行政諸施策の見直しを行っているわけですけれども、最初に昭和六十年度の実施を目途としてやるということでございましたけれども、現在までに決まっておりますことは採用試験体系の再編、これだけじゃないかと思うんですが、それ以外のものについては作業が相当おくれているんじゃないか、このように思われるんですけれども、おくれているとすればその理由と、また現在までの見直し作業の進捗状況、この点についてはどうでしょうか。
○政府委員(網谷重男君) お尋ねの作業の検討状況でございますが、行政の複雑高度化、高学歴化に対応いたします人事行政の見直しにつきましては、かねてから昭和六十年、これは定年制の実施される年でもございますし区切りのいい年でもございますので、一応これを目途といたしまして成案を得たものから逐次実施していくということで検討を続けてまいりました。先生御指摘のとおり、既に採用試験の再編成につきましては措置を講じたところでございますけれども、給与その他につきましても、実態等踏まえながら具体案を得べく検討しているところでございます。 少し詳しく申しますと、給与につきましては、仕事に応じた給与の原則の一層の推進を図るということで、専門技術職俸給表の新設と各俸給表の等級構成の再編ということ、それから休暇制度につきましてはその法的整備を図るための制度改定ということを考えております。研修につきましては、行政の効率的、一体的な運営の必要性の増大ということに的確に対応しまするように、幹部養成研修の充実強化、それから職員の登用に資するための研修の本格実施ということを中心といたしまして行政研修体系の再編整備を図っていくこととしております。これらは、いずれにいたしましても、将来の行政運営の基盤となる人事行政、人事管理に直接関係するものでありますとともに、職員の勤務条件にも関係するものでございますので、これまでも節目節目に関係者の意見を聞きながら検討を進めてきたところでございます。その節目といたしまして、近いうちに給与等につきまして具体案をお示しして関係者の御意見を伺うべく現在は鋭意準備を進めているところでございます。これらを本年の勧告につなげていきたい、勧告の必要なものにつきましてはそれにつなげていきたい、このように考えておるところでございます。
○太田淳夫君 今回の見直しにつきましては相当な多岐にわたるものでございますし、今お話がありましたように公務員制度の根幹の問題点もあろうということでございますから、これは公務員の皆さんに大きな影響を与える制度、あるいは関係者の皆さん方の大きな関心の的ではあると思います。また関係者のコンセンサスを得なきゃならない。その点当然だと思いますけれども、そういうことにとらわれましてだんだんと改革そのものがおくれてくるとなりますと、これまた問題じゃないかと思うんですが、本年の八月の勧告にどのような点まで盛り込むことができるか、その点の見通しはございますか。
○政府委員(網谷重男君) 今の段階で考えておりますのは、先ほど申し上げました給与関係の俸給表の部分それから休暇の関係ということでございます。そのほかのにつきましては、法律の改正ではございませんので私どもでやっていきたい、このように考えております。
○太田淳夫君 休暇の問題、週休二日制につきましては、昨年の勧告の説明の中でも既に述べられているわけですけれども、そこでは「四週五休制の新たな方式の導入」、こういうことを昨年、説明の中でうたってみえるわけですけれども、現在までどのような検討が行われてまいりましたでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) 週休二日制につきましては去る五十六年に現在の四週五休制が発足したわけでございます。既に四年たってございます。現在の週休二日制の民間の普及状況なりいろいろな客観的情勢を見まして、近い将来にさらにこの四週五休制を進展させる必要があるのではないかというふうに考えまして、昨年、勧告の説明文におきまして四週五休制の枠内で新たな方式の導入について検討したい旨を記してまいったわけでございます。 具体的に申しますと、現在の四週五休制は土曜の日に四分の一休む、四分の三出勤という格好でやっているわけでございますけれども、これが例えば四週六休になりますと、四分の二、二分の一ずつの職員が毎週土曜日に出勤するという格好になるわけでございます。御承知のように公務につきましてはいろいろ多種多様の職種を抱えてございます。それらの職種の中には民間との密接なかかわりがございまして民間サービスに非常に大きな影響のある部分もございます。そういう部分を含めまして四分の二の体制でこれができるかどうかというようなことを若干試行的に検討してもらいたい、このような趣旨で新たな方式を打ち出したわけでございます。したがって新たな方式の具体的内容としましては、現在の土曜の四分の三出勤体制を四分の二という格好で出勤させた場合にいかように事務執行が運ぶかという検討材料にしたいということであります。
○太田淳夫君 そうしますと、今いろいろ検討を進められているということでございますけれども、現行四週五休制で四分の一ずつ休む、そこからいきなり完全週休二日制ということはなかなか難しいと思いますけれども、今お話がありましたような四週六休制体制、これは早急に行わるべき課題じゃないかと思うんですね。人事院が今お話しのように、人事院としましては、休む人の割合の変更を行いながらその結果を見ていろいろと四週六休制というような体制の導入を図るというお考えのようですけれども、これにつきましては試行期間ということも必要であると思いますけれども、どのように今後進めていくように考えてみえますか。
○政府委員(叶野七郎君) ただいま申しましたように出勤する職員の数が多い少ないというのはそのまま事務の執行体制につながるわけでございます。そういうような意味で各省庁といろいろと協議を重ねまして、そして各省庁ができるという範囲内でやってもらう、現在の四週五休制の範囲内で。さように考えております。
○太田淳夫君 そうしますと、四週五休制の範囲内でいろいろと割合を変更しながら対策を考えているということでございますね。大体いつごろまでにそのめどを立てられていくんですか。
○政府委員(叶野七郎君) 我々としましては、昨年、勧告の時点に申し上げました内容に従って協議を重ねてまいったわけでございます。はっきりした時点は申し上げられませんけれども、現在各省庁との協議がかなり進んでいる段階にあるということでございます。
○太田淳夫君 それではさらに進めていただきたいと思いますが、この今回の法律の問題にちょっと入らしていただきます。 人事院の意見の申し出に基づきましてこの改正案が出されたわけですけれども、人事院が二月の二十日に意見の申し出をされていますその背景と理由はどのようなものですか。
○政府委員(叶野七郎君) 今回申し出をいたしました内容につきましては、従前からいろいろ検討してまいったわけでございます。その目的といたしましては、一つは「高齢化社会の進展等の社会経済情勢の動向に対応し」ということがうたい文句になってございます。砕いて申し上げますれば、改正の内容に若干入りますけれども、六十歳に延長するということにつきましては、現在の稼働年齢と申しますか働き得る年齢が最近の傾向からして高くなっている、こういう事態に合わせるべきではないかということでございます。それから第二点は官民間の合理的な均衡の維持ということでございますが、これにつきましては、補償法と同じような制度であります労災法あるいは広く社会保障制度の中にあります各種年金、それらと均衡をとるということが第二の目標にいたしている次第でございます。
○太田淳夫君 人事院はこの意見の申し出に先立ちまして、院内に災害補償福祉施策専門家会議というのを設置して検討されたようですけれども、この報告の概要はどのようなものですか。
○政府委員(叶野七郎君) この専門家会議の報告の内容は四点ございます。 第一点は、五十五歳の受給年齢を六十歳に引き上げるということでございます。第二点は、年金の補償の額のスライド制の確立が第二でございます。第三番目は、社会福祉施設の規定の内容が必ずしも実態に即しない。これにつきましては、法文を整理して実態に合うような姿にしようということが第三点でございます。 以上は、今度の法案、意見の申し出の内容となってございます。 そのほかに、報告書の中には請求手続についての整備を図るという項目がございます。これは、今回の申し出にはございません。 以上でございます。
○太田淳夫君 人事院は、当委員会におきましても今までいろいろお話をお聞きしていますけれども、もともと公務員の給与とかあるいは災害補償につきましては専門家であるという立場で御発言をされているわけですから、私たち考えましても、専門家会議をわざわざ院内につくってまで検討しなければならなかったのかどうかということを疑問に思うわけですね。 今回の災害補償法の改正内容につきましても、今ありましたように報告の中では四点ありますけれども、改正内容は三点だと。いずれも民間の労災保険法に合わせてこれは今回なされているわけですから、何もこのようにわざわざ専門家会議をつくって報告を出してもらう必要があったのかどうか我々は疑問に思うんですけれども、その点はどのようにお考えですか。
○政府委員(叶野七郎君) 実は、この専門家会議は四十九年十月に設置されたものでございます。この問題だけじゃなしに、災害補償制度全般につきましていろいろと時期に応じて意見をお聞きしてまいった会議でございます。そういう意味で、今回の改正内容につきましても、社会保障制度であるとかあるいは労災保険制度というものとの密接な関連がございますので、それらに対する専門家で構成しております専門家会議に諮ってより内容の充実というものを考えたわけでございます。
○太田淳夫君 ですから、人事院は専門家の集まりじゃないかと思うんですね。ですから、わざわざこういうような報告を出してもらってまで人事院がやらなきゃならなかった問題なのかどうか。その点は人事院がきちっとすればもっと充実した内容でできたんじゃないか。こういうような考えを持っているわけです。 その点、先ほどもお話がありましたけれども、専門家会議の報告を見ますと、確かに法案の改正にない今度盛り込まれなかったところの災害補償請求手続、これについても報告されているんですけれども、これについて今回の人事院の意見の申し出の中にされてないわけでございまして、その点はどのような点からされてないんですか。
○政府委員(叶野七郎君) 報告書の内容はたしか、補償手続を進める場合に現在各実施機関の調査ということが出発点になっているわけでございますが、これを改めて本人の申し出に変更さしたらどうかということでございます。 ただ、この手続の変更といいますものは、申し出があった場合に実施機関が認定するという行為、認定自体の行為が処分であるかどうかという問題に絡みまして、それから派生して補償に対する権利の時効の発生の時点であるとか、あるいは認定に不服のあるものの救済手続の変更をどのようにすべきであるとか、実はかなり広い範囲の法制度上あるいは事務執行体制に絡む問題になるわけでございます。それだけに、このような改正をした場合に及ぼします他の諸問題への影響、それらを考えますとなお十分な検討時間を必要とするというようなことで、今回の改正では見送りにいたした次第でございます。
○太田淳夫君 この報告書の災害補償請求手続というところを見ますと、例えば、「公務外の認定は、行政庁が補償を拒否するものであり、公務外の認定を受けた被災職員等には行政救済の方途があることを知らせる必要があるにもかかわらず現在は、被災職員等から申出があった事案以外については、被災職員等への通知がなされないこととなっており、被災職員等は認定の有無を了知し得ないという問題がある」というふうに問題点を指摘されているわけですし、その他についても問題点が幾つか指摘されているわけですけれども、これらについては今後どのように措置していくつもりですか。
○政府委員(叶野七郎君) 今の請求手続につきましては、これは不服申し立ての制度をどういうふうにするか、例えば処分と見た場合に現在人事院で行っております公平局の審査手続、これを訴願前置的な手続にするかどうかという問題にも絡み込んでまいります。また訴願前置ということにいたしました場合には、それ相応に公平局の審査制度を充実しなければいかぬという問題も出てくるというようなことになろうかと思います。それらを今後の検討課題にして、時期が参りましたら改正の方向に向かって手続を進めてまいりたいと思います。 そのほかの事項につきましては、検討事項として掲げられているものでございます。それらにつきましても、今後機会を見て専門家会議と接触をとりながら検討を進めてまいりたいと思います。
○太田淳夫君 政府がこの法律案を国会に提出するに当たりまして、社会保障制度審議会に諮問して答申を得ているわけですけれども、その答申の中で、「国の過失により公務員が公務災害を受けた場合の対応については、さきに昭和五十一年の本審議会の答申で指摘したところであるが、未だ検討の跡がみられない。速やかにその解決を図るよう努力されたい。」、こういう指摘もされているわけです。ですから、十分時間をかけて検討したいとおっしゃっていますけれども、ここにあるように五十一年の審議会の答申でもこのことについては指摘をされているわけですね。五十一年というともうかれこれ九年もたつわけです。ですから九年かかっても少しも進まない。進んでないということを今回も指摘をされているわけですけれども、これをどのように政府としては受けとめてその解決を図りたいと、このように考えられますか。
○政府委員(内海倫君) ただいまの問題でございますけれども、確かに社会保障制度審議会におきましては五十一年の答申でこの問題を取り上げられているわけです。その辺のいろいろ事情を聞いてみますと、例えばここでいろいろ議論になりましたのは、その昔、自衛隊におきまして少年自衛官が、何といいますか、プールに落ち込んで亡くなったというふうな事例で、これが指揮官の指示あるいは指揮官のそういうものに対する救護態勢というふうなものに大きな過失があったんじゃないか、こういうことで問題があり、こういうことに対して国の責任を明らかにしてその補償に当たるべきであろう。それについては国家賠償法による措置あるいは民事法上の救済措置がもとよりあるわけでございますけれども、その当時におきまする議論は、この公務員にかかる災害補償制度というものにおいてそういう国の過失というものを認めてできるだけ早く措置をすべきではないか、こういう意見が出たわけでございます。 今回の審議会におきましてもその問題が取り上げられておりますが、このことにつきましては、けさほど来人事院の職員局長あるいは総務庁の人事局長からも御答弁申し上げておりますように、この公務災害における補償というものは無過失責任あるいは無過失の賠償責任ということを基本的な考え方にし、そしてそれに対するいわば定型的な補償をしていくということを建前としております、あるいは基本理念としております。したがいまして、その都度国家の過失の有無を論じてそれに対応した措置をとっていくということは、一見非常に合理的なように見えるんですけれども、事実上以上に論理的にもいろいろ問題のあるところでございまして、したがいまして、人事院におきましても、あるいは政府各機関におきましても、この問題の検討については国家の場合、国家賠償法あるいは民事法上の賠償請求というふうなことによって満たさるべきではないか。しかしその場合、訴訟を提起していろいろ長時間を要するというふうなことについてはこれは問題が多かろう。そういう意味で国家賠償法なりあるいは民事法上の法的な定めを考えながらできるだけ訴訟等の措置によらないで国が措置をしていけるような方途を考えるのが至当なのではないか。こういうふうなことの考えに立っておるわけでございます。 したがいまして、今回もそういうふうな考えをもとにしてこの法改正に臨んだ次第でございますので、決して審議会の見解を無視しているわけではなく、十分検討もし、またこれの言っておる趣旨を何とか実現できるような方途を運営上考えていこうということにしておるわけでございますので、真意のあるところを御理解いただきたいと思います。
○太田淳夫君 長官、どうですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今人事院総裁がお答えしたのに私がつけ加えることは余りないんじゃないかと、かように考えておるわけでございます。
○太田淳夫君 この災害補償福祉施策専門家会議におきましても改正の方向として具体的に提示をされておりますし、今人事院総裁おっしゃいましたのであれですが、今後もさらに検討を十分進めていっていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。 次に、法案の内容に入るわけでございますが、今回の遺族補償年金を受けることができる父母、祖父母及び兄弟姉妹につきましては、現在の五十五歳以上となっておりましたのを六十歳までに段階的に引き上げるということにしたわけですけれども、これはなぜ五歳引き上げるようになったんでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) 一つは、この遺族補償の趣旨は被扶養利益の喪失を補償しようという制度でございます。したがって、その前提といたしましては、当該死亡した職員の給与によって扶養されているという事実、これが中心になっているわけでございます。現在、民間におきましても、あるいは国家公務員につきましても、六十歳定年ということが確立しておりますし、そのように世間一般には考えられているところでございます。六十までは稼働能力があると、こういうような一般的な見解がある、それに従って六十歳に受給資格を引き延ばすべきじゃないかというのが第一点でございます。 それから第二点は、他の公的年金制度におきますところの受給資格年齢は全部が六十歳という段階になってございます。特に我々の補償法と同一基盤にあります労災保険法におきましては創立当初から六十歳を受給資格年齢として定めておったわけでございます。そういうように他の年金に対応して六十歳に延長したということでございます。
○太田淳夫君 そうなりますと、今後この改正によりまして、例えば母子家庭の場合ですと、子供さんが公務員でお母さんを扶養されている、その子供さんの公務員が公務上または通勤によって死亡したとなりますと、現在ですと母親は五十五歳以上であれば遺族補償年金が受給できるのに、今度の改正案ですと六十歳以上でなければ今後は受給できなくなる。そういうケースもあり得るんじゃないかと思うんですが、こういう場合は非常に私たちとしても気の毒に思うんですが、それについて長官どのようにお考えですか。
○政府委員(叶野七郎君) 現在五十五歳が六十歳に延びる。確かにその間五年の幅がございますので、その間に該当した事例については不利益を受けるわけでございます。ただ、現在までいろいろと資料を見ますと、五十五歳から六十歳に父兄がおりまして、そして職員が死亡するという事例が年間押しなべて一件か二件程度でございます。そういう意味で、率直に申しまして、影響がそれほど大きいとは思われないということが一つございます。 それからさらに、この件につきましては、五十五から六十に全部を引き上げるのではなくして、受給の年齢は六十でございますけれども、受給資格は一応五十五歳から与えようじゃないか。五十五歳から六十歳の間で職員が死亡した場合には、受給資格を与えておいて、六十歳からは具体的に支給に入らせようという措置もとってございます。 さらに、五十五歳から六十歳までの間におきましては、なるほど年金は受けられませんけれども、前払い一時金を受けて、少なくともその時点におけるところの生活に影響ないような措置もとって、一応我々としては改正後の事後措置をとっているというふうなつもりでございます。
○太田淳夫君 まあ、今のお話ですと、年間一件か二件で大きな影響ないと。大勢には影響ないかもしれませんと思いますけれども、しかし受けられる方々にとりましては、遺族にとっては大きな影響を受けるわけでございますからね。その点の配慮もしっかりしていただきたいと思うんです。 先ほど人事院の説明を聞いておりますと、六十歳にした理由としましては、一つは、民間でも公務員でも六十歳定年制が実施されている、あるいは公的年金等の遺族年金の支給開始年齢も六十歳になっている、あるいは民間の労災保険法も六十歳になっているということを挙げられておりますけれども、これらは公務でない場合だと思うんですけれども、少なくとも公務あるいは公務につくための通勤途上の災害とはこれは別じゃないかと思うんです。何もこういう場合、公務という立場の場合には公的年金とその支給開始年齢というものを合わせなくてもいいじゃないかと思うんですが、その点についての政府側の考えはどうでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 一つの御意見だとは思いますけれども、そこらは年齢六十歳というのはこれはもう天下の大勢なんですから、それに合わしてしかるべきだろう。ただ、先ほど人事院の局長が言いましたように、受給資格というんですか、その五年間の経過措置ですね、これをきちんとやっておりますから、余り御心配になることはないんではなかろうか、相当な配慮をしてあると、私はさように考えているわけです。
○太田淳夫君 それでは、人事院は五十八年の二月一日現在で遺族補償年金を受給している人の実態調査をされていますけれども、それを見ますと、受給者の千百二十五人のうち妻が約九一・七%ですか、千三十二人になっておりますし、残りは父母が四十九人、子供が二十九人、夫が四人、こうなっております。遺族補償年金は妻については年齢制限がないんですけれども、父母の四十九人あるいは夫の四人、こういう方々の受給された年齢というのは大体どのぐらいになっていますか。
○政府委員(叶野七郎君) 五十八年の二月に実施いたしました災害補償の実施状況総合調査によりますと、受給者千百二十一人のうちの年金受給開始年齢は、父母につきましては五十五歳未満が二人でございます。それから五十五歳から五十九歳までが十六人、それから六十歳から六十九歳までが二十四人、七十歳以上が四人というような数字になっております。なお、夫につきましても父母同様の規定の適用があるわけでございますので、夫について申し上げますと、夫が五十五歳が一人、六十歳から六十九歳が三人というふうになっております。
○太田淳夫君 そうすると、今の改正によって影響を受けるような部分も当然あり得るわけですね。 次に、遺族補償年金を受けることのできる子供さんの年金ですけれども、これは十八歳末満となっておりまして、現在、扶養手当も十八歳未満になっていて、これに合わせたんじゃないかと思うんです。最近は学歴社会ということで大学まで進学される方が非常にふえているわけですから、これの年齢というものも二十あるいは二十二歳までに変更するということも考えられていいんじゃないかと思うんですけれども、その点、人事院はどのようにお考えですか。
○政府委員(叶野七郎君) 先生がおっしゃいますように、現在ほとんどの制度が十八歳を基点に、以下を扶養家族的な資格の中に入れているようでございます。これに対応いたしまして、補償法の中でも十八歳未満を遺族補償年金の受給対象者にしているわけでございます。確かに現在大学進学率がふえまして、大学生であって就職していないという人たちも多々いることは十分承知しております。ただ、これは他の社会保障制度全般におきますところの取り扱いでございます。そういう意味で、現段階では補償法のみが十八歳以上に延長するということについては検討いたしておりません。ただ、十八歳以上の者でありましても、在学者につきましては奨学援護金制度によりまして学資支弁の困難な者に対する援護措置を図っております。それらの措置の今後一層の充実に努めていくことによって若干でもその間の補てんをいたしてまいりたいと思います。
○太田淳夫君 人事院が調査されました総合調査の結果の中の家計の状況、これはどのようになっていますか。
○政府委員(叶野七郎君) この実態調査によりますと、公務員が生存中にその収入で生計のすべてを維持している家庭は八〇%でありますけれども、公務員死亡後におきましては補償給付ですべての生計を維持している家族は三八・六%というふうになっております。この補償給付の受給年金額をちなみに申し上げておきますと、平均で百六十四万円、かようになっております。
○太田淳夫君 今お話しのように、公務員が生存中にその生計のすべてを維持していた家庭が八〇・五%、それが被災後はすべてを維持する家庭というのは三八・六%になった、しかも平均的にはその年金額は百六十四万六千円とおたくの調査はなっているわけですけれども、そうなりますと、公務員が生存されていた御家庭は今度亡くなった後はほとんどがいろいろな仕事につかなければならない。その就業の状況はどのような状況ですか。
○政府委員(叶野七郎君) 死亡職員の妻である受給者についての調査でございますが、現在三百九十四人いる全数の中で二百七十一人、六八・八%は、職員の死亡後に就業した者となっております。
○太田淳夫君 そして被災後の家族に対する影響はどのようになっておりますか。
○政府委員(叶野七郎君) 影響と申しましても、我々の調査範囲内でのことでございますけれども、一つは住居の状況でございますが、住居の状況を見ますと、自宅が被災前六八・七%であったものが被災後は八三・七%にふえている。これに対応いたしまして、被災前公務員宿舎に入っておった被害者の家族は一九・八%であったものが二・九%に減っている、そういうような異動状況を示しているのが住宅の問題でございます。 それから、これは他のいろいろな原因によってこれだけということではなかろうかと思いますけれども、被災後の家族の就学に対する影響度ありと答えた者が二百六十四人ございます。その中で、そのために進学を断念した、こういうような答えを下さった方が大体三十三人で一四、五%、若干にも影響があるんだという人が一二・五%程度というふうになっております。
○太田淳夫君 おたくの方の実態調査の数字で見ましても、公務員の方が亡くなられた後はほかの仕事につかなければならない、あるいは住宅の面を見ましても公務員宿舎から転出をしなければならない、あるいはいろいろな家族の進学、就学に対する影響というものを見ましても、進学の断念であるとか、あるいはその後、御主人が亡くなった後奥様方の精神的不安が大きいとか、経済的に苦しいとか、そういうことの意見が非常に多かったのではないかと思うんですが、そういった点から見ましても、この遺族補償年金の平均額百六十四万六千円というものが果たしてこれで十分なのかどうか、私たちも疑問に思うわけですが、これにつきましては今後も増額ということを考えるべきではないかと思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。
○政府委員(内海倫君) 御意見の次第は私どもも十分理解できるところであり、またそういうふうなできる限りは手厚くしていく、これはけさほども総務庁長官の御答弁されたところと全く同様なんでございます。ただ、これは先刻御存じでございますし、ここでも御答弁申し上げておりますように、いわゆる遺族補償といいますのは、亡くなりました者の亡くなったことに伴う逸失利益というものを補う、てん補するというところにその趣旨があり、したがって職員の死亡時におきます稼得能力を基礎として算出し定額的な損失てん補ということが補償制度の趣旨であり、またその給与水準というものも、ILO百二十一号勧告を基準として設けておるというふうな点からいいますと、その水準において特に低いとかいうふうなことではなく、その水準を満たしておるというふうに考えます。 さりながら遺族の救護という問題は、それにもかかわらず大事な問題でございますから、他のいろいろな福祉施設の点でも申し上げておりますように、諸般の奨学援護金とか、あるいは特別援護金というふうなものもできるだけ考慮し将来も増額を考慮する。また、できるならば給与水準というものも今後検討していくべきものであろう、こういうふうに思いますが、結論的に申しまして、私どもは公務員の災害というものに対しては極力今後も努力してその救済に当たるべきであろう、こういうように考えております。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今人事院総裁がお答えしたとおりですけれども、例えば公務で亡くなった、そうしますと遺族補償の年金が来ますね。もちろん調整措置はありますけれども、共済年金がこれはまた併給になりますね、これは調整しますよ。そういうようなことを考えますと、私は現在の処置としては、政府としては手厚いことにこしたことはもちろんありませんけれども、精いっぱいの処置は今日できておるのではなかろうかと、こう考えているんです。 ただ、御質問の中にありました官舎等におった者が立ち退きしろとか、いろいろなことがありますね。しかしこれらも実際は実施官庁である各省庁では相当ゆとりを持って今日運営しておるんじゃないか。したがって各般の処置、思いやりのある処置、これは基本ですから、そういうようなことで今日実施しておる。ただ、御主人が亡くなるんですから、それが家計の維持に影響を及ぼしてくるということは、ある程度はやむを得ない現象ではなかろうかなと、かように考えておるわけでございます。
○太田淳夫君 それから五十五年の内閣委員会におきましても、附帯決議の中で、若年死亡者に対する遺族補償の増額等の基本問題の検討を進めて、その改善に努めるようにということで附帯決議もつけられておるわけですけれども、この遺族補償年金は平均給与額に日数を掛けて算出していますので、若い人ほど給与が低いということで、そのために年金額が低くなっているのが現状ですけれども、その点についてどのような検討、努力をされておりますか。
○政府委員(叶野七郎君) 若年者の問題につきましては、かなり古くからいろいろ御指摘をいただいておるところでございます。ただ、先生がおっしゃいましたように、現在の補償制度の建前といたしまして、本人の死亡時におきます平均給与額に一定率を掛けまして算出するという方式をとっております。その基本は死亡当時におきますところの逸失利益を将来に向かって補てんするということから出たものでございます。今後とも一定率の向上ということの点で若干でもカバーできればという面で努力してまいりたいと思います。 なお、一定率以外の定額部分、福祉事業になりますけれども、福祉施設として各種援護金等があるわけでございます。それらにつきまして今後とも増額を図ることによって少しでもこの面をカバーしてまいりたい、かように考えております。
○太田淳夫君 今回年金たる補償の額の改定について所定の整備を行うことと、このようにしておりますけれども、現在の運用方法についてどのような欠陥があって今回整備を行おうとしていらっしゃるんですか。
○政府委員(叶野七郎君) 年金の額の問題につきましては、現存する職員につきましては、年間の昇給であるとか、あるいはベースアップ等によって給与額がその都度向上するという仕組みになっておるわけでございます。それに対しまして、死亡した職員につきましては、制度上はそういうシステムが適用がならぬ、かような意味で差が出てくるということでございます。これにつきまして、従来昭和四十一年にスライド的な規定が補償法の中に盛られたわけでございますけれども、他のいろいろな事情がありまして、そういうスライド率をとりませんで、別途の改定方法によったわけでございます。 この別途の改定方法によりますと、一つには在職者と離職者の間で給与額の算定方法に差異が出てまいりまして、かなり両者に不公平が生じているという問題があるわけでございます。 それからいま一つは、やや複雑なことになりますけれども、平均給与額、いわゆる年金の基礎になります平均給与額の再計算の際に使います数字と、根っこになります平均給与額の数字の間で、含める給与に差がございますために、その差を出すためにはかなりの年数がかかるという問題があったわけでございます。そういうようなことをこの際是正しようというのが第二点でございます。 それから第三番目は、従来の方式によりますと、個々人ごとの平均給与額を再計算するという方法をとっておりますために、年金改定事務というものが非常に煩雑になっている、こういうような事情があったわけでございます。これらの諸問題を解決するために今回の改定措置を行ったことでございます。
○太田淳夫君 それから今回の改正を見ますと、毎年四月における職員の給与水準に六%以上の変動が生じた場合に年金額を改定する、このようにされていますけれども、なぜ六%以上と規定されたんですか。
○政府委員(叶野七郎君) 恐らく他の年金では物価スライド率として五%を用いているというようなこともあろうかと思います。ただ、この六%につきましてはいろいろ経緯がございまして、当初使いました数字が二〇%でございます。それからこれが一〇%になり、現在六%に落ちついたわけでございます。この六%の率は労災保険の変動幅と同じというふうにしてございます。この数字が妥当であるかないかという面につきましては、我々としては、むしろ経過的にこういうような率になったということで現在この率を変えないで使用しようということにしているわけでございます。今後この変動幅の六%をめぐりまして、機会がありますれば、もっとその幅を狭めるようにいろいろ検討してまいりたいと思います。
○太田淳夫君 いろいろと検討されるということでございますけれども、最近人事院勧告がいろいろと抑制されまして完全実施をされてない。したがいまして、六%といいますと、何か何年かの間はこの年金の引き上げが行われないのじゃないかというような心配もされるようになるわけですけれども、いろいろな先ほどからお話がありました遺族補償年金受給者の実態等から見ましても、私どもとしましては、人事院勧告にスライドして増額する方法はとれないだろうか。このように思うわけですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) スライドを幾らにするかという問題は、一定幅で変動するということにするのが一つのある意味では制度のあり方ではなかろうかと思います。そういう意味で、各年ごとに変動する率を、いわゆる不定の率を使うよりも、一定の率でやっていくという方が制度運営としてはよりベターではなかろうかと、かように考えております。
○太田淳夫君 今回の災害補償法の内容を見ましても、民間の労災保険法に合わせるところが非常に多いわけですけれども、公務員は公務員としての独自性のものがあってもいいんじゃないかという思いがしてならないんですね。確かに警察官などには若干特例はありますけれども、一般の公務員につきましてもこの公務の特殊性ということから考えられるような給付の内容があっていいんじゃないかと思うんです。その点について人事院総裁の見解はどうでしょうか。
○政府委員(内海倫君) 現在におきましても、警察官あるいは海上保安官等の職務の内容が非常に特殊な職務でありますとともに、他の一般民間の職域と比べることのない質の異なった仕事でございますので、これらにつきましては特別な措置が現在も講ぜられているわけでありますが、さて公務員全般という問題になりますと、これは広く一般の勤労者の方々の業務と対比して考えなければならない。特にそういう一般の方々の災害における状況というものと対比して考えなければなりませんし、また労災保険の制度とこの国家公務員の災害補償の制度というものを比較いたしますと、公務員だけが災害において特別なものであるというふうに一般的に見ていくということはなおどうであろうかというふうに考えますが、これはせっかくの御意見でもございますし、今後もなおそういうふうな観点からの検討は続けていかなければならないかと思います。
○太田淳夫君 今回の法案の中で福祉施設の問題もあるわけです。福祉施設という名前で金銭給付も行っているわけですけれども、この福祉施設につきましては、民間労働者の福祉に関する給付の実態、これを考慮して設置及び運営を図るものとしていますけれども、今日までその民間の法定外給付の実態と相当これは乖離しているんじゃないかと思いますが、今回これを少しでも合わせようという努力をされた結果なんでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) 福祉施設につきましては、今日まで民間の法定外給付の実態とこの面で合わせておこうという努力をしてまいったわけでございます。現在、法定外給付は、我々の調査によりますと、支給している企業の平均値が千三百万、もちろん支給しているものが約六十数パーセントというふうに記憶しておりますけれども、そういうふうになっているわけでございます。それに対しまして、公務員の補償法の中ではそれに対応するものがない。そういうようなことで現在特別援護金制度を設けているわけでございます。現在この額は三百万でございます。この額につきましては、ここ数年来百万から二百万、三百万というふうに漸次増額してまいった経緯がございます。民間にすぐには及ばないまでも、この増額を今後とも努力することによってできる限り民間法定外給付の実態に見合うような中身、内容に整えたい、かように考えております。
○太田淳夫君 次に外務省に伺います。 五十二年十二月二十五日にラオスの首都のビエンチャンで日本大使館の杉江さんという方が殺害された事件がございましたけれども、その後、報道によりますと、五十三年三月に本人分として一千百万円、御夫人の分として二十三万円の補償金が支払われた。その後、遺族の側から人事院規則一六—二の在外公館に勤務する職員、船員である職員等に係る災害補償の特例の適用の申請があって、本人分としてさらに三百二十九万六千五百円が追加支給された、しかし夫人分としては追加は支給されなかった。このように報道されておるんですが、事実経過はどんなふうでございますか。
○説明員(福田博君) ただいま先生の申されたとおり、昭和五十二年十二月二十五日に当時ラオスに駐在しておりました杉江一等書記官、当時臨時代理大使でございましたが、同一等書記官及び夫人が殺害されるという事件が発生いたしまして、杉江書記官につきましては公務上の死亡として認定され、その後さらに公務災害補償特例措置の適用を受けて御高承のとおりの遺族補償金等の支払いが行われたわけでございますが、夫人につきましては、国家公務員の身分を有していなかったため、国家公務員災害補償法に基づく補償金等の支給は行われておりませず、旅費法に基づきます死亡手当二十三万円が支給されております。
○太田淳夫君 人事院。
○政府委員(叶野七郎君) ただいまのように特別の措置といたしまして五割増しの金額を支給するということにしているわけでございます。ただ、公務員でない奥さんの場合には当然補償法の適用がございませんで、その適用外として考えざるを得ないんではなかろうかと思います。
○太田淳夫君 その特例とはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) これは警察官あるいは麻薬取締官等が危険な場所に立ち入りまして危険を冒して業務を遂行する途上において災害を罹災するということがあるわけでございます。そういうふうな場合におきましては公務の遂行のかなりの特殊性がございます。そういう特殊性に対応いたしまして、特例措置として一般の補償費の上に五割の割り増しする制度を採用しているわけでございます。その一環としてこの場合にも支給されたということでございます。
○太田淳夫君 人事院規則の一六—二の第六条の二の説明をちょっとしてもらえますか。
○政府委員(叶野七郎君) 在外公館に勤務する職員全部につきまして延べに適用されるということではございませんで、その国情に従って、例えば戦乱中であるとか、あるいは各種のいろいろな事変等が多発している、そのような状況の中での在外公館活動をしている職員について特例を特に適用するという条文でございます。
○太田淳夫君 特にこの条文を見ましても、「戦争、事変、内乱その他の異常事態の発生」、こういうふうになっているわけですが、先ほどの外務省の方、お話のありました杉江さんはこの特例を受けられたわけですね。
○説明員(福田博君) 先ほど申しましたように公務災害補償特例措置の適用を受けました。
○太田淳夫君 先ほどお話がありましたけれども、御夫人の場合には旅費法による二十三万円の補償金が支払われたということですね。これは間違いないですね。
○説明員(福田博君) そのとおりでございます。
○太田淳夫君 人事院に要望しておきたいことは、人事院規則の特例でございますけれども、この要件についてはいろいろ検討されて広げる必要があるんじゃないかと私は思うわけです。特に、政情不安な国の在外公館に勤務されている職員の場合にはいろいろと御苦労があろうかと思うんです。いろんな事件事件によって公務災害でないという判断をされる場合もあり得るかと思いますけれども、公務員と一緒に現地に赴任されている夫人の場合ですと、これは私たちも海外へ参ったときにはよくわかりますけれども、公務員と同じような、御主人と同じようないろんな活動をされているわけです。そういった点におきましても、公務員には公務員と確かになっているから補償は行われましても、夫人の場合には災害補償の適用が受けられない、こういうようなことではなくて、この問題については十分に今後も検討していくべき課題じゃないかと思うんですが、この点については外務省としてはどのように考え、あるいは人事院としてはどのようにお考えになっていますか。
○説明員(福田博君) 確かに外務省員といいますか、要するに在外公館に赴任する職員につきましては、勤務の性質上、職員に家族が同伴するということが大変望ましいわけでございます。また仕事上非常にそれが必要であることも事実であります。 したがいまして、とりあえず外務省としてやっておりますことは、杉江事件も契機になったわけでございますが、家族に対する補償を高めるべく、昭和五十年度には外務省でいわゆる団体定期保険というのをつくっておりまして、ちなみに杉江書記官夫妻はその適用を受けております。その後、昭和五十四年度から団体普通傷害保険、それから海外旅行傷害保険という制度を特約いたしまして、掛金は普通の会社よりは相当安くしておるわけでございますが、それによりましてかなりの数の職員及び家族が加入するということによってその補償の措置が高められるようにということに努力しております。
○政府委員(叶野七郎君) 勤務地に赴く場合に夫人を同伴するかしないかというような点を含めまして、各省庁の個別人事管理のあるべき面にタッチする問題かと思います。そういう面で人事院といたしましてやや結論めいたものを申す段階でもございません。各省庁がただいま外務省で措置しているような方向で措置することを希望しているところでございます。
○太田淳夫君 最後に、いずれにしましても、この法案の審議に当たりまして、公務員の皆さん方が公務あるいは通勤によって災害を受けた場合の補償が十分されていませんと、公務員の皆さん方にとりましても安心して公務に全力を尽くすことができないとも思いまして、いろんな状況の変化等がございますと思いますが、常に見直しを行って、安心して公務員の方が公務に専念できるように、これは政府として当然考えておくべきじゃないかと思います。今の在外公館に従事されるような方々の問題もその一つではないかと思うんです。国によっては、おまえさんのところは政情不安な国だぞというような危険に向こうを追い込むようなことはなかなか難しいかと思いますが、その点のいろんな配慮をして常にこういう処遇の改善については検討を重ね改善をしていくべきだと、このように思います。総務長官に最後に御意見を伺いまして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 仰せのように災害補償は公務員が安んじて公務に従事することができるような環境づくり、そういう意味合いにおいて私は大変重要な政府の課題だと思います。御趣旨のようなことを伺いながら勉強をしなきゃならない、こう思います。 それから今の外務省の職員の方の問題。あらかじめ危険地域というのは大体予想せられているのですね。そこへおやじだけが行くというのはおかしいのです。家族、少なくとも奥様は行かなきゃいけませんね、外交官であれば。ならばその奥様について、杉江君のようにああいう不幸な目に遭われたという場合に、これは相当検討しなければならない課題ではないのかな。ただ、その場合にもう一つ考えなきゃならぬのは、要するに一般の刑事事件で殺される場合がありますね。そうすると本来政府というのは国民の生命財産を守らなければならない。それは守り切れなかったということも事実ですね、理論的に言えば。ならばそういった場合の一体補償措置との並びはどうなるのだというのが、必ず議論として出てくるんじゃないのかな。これも考えなければなりません。 それから同時に、もう一つは、外交官の場合にも、今民間の会社の方が危険地域にたくさん行っているわけですから、そうするとそれらの民間の商社その他の会社は一体どうなっておるんだろうか。ここらとの均衡問題が出てきますから、そこらも政府としても、そしてまた人事院御当局も、勉強しなければならぬ課題ではなかろうかと、かように思うわけでございます。今日この席でお答えできるのはその限度にとどまらしていただきたい、かように思っております。
○太田淳夫君 終わります。
○内藤功君 まず、昭和五十四年度以降の各年度別で公務に起因する死亡と認定された方の数はどのようになっておりますか。
○政府委員(叶野七郎君) 五十八年度におきまして実施機関へ報告されました災害の件数は一万四千六百十四件でございます。このうちで公務上と認定された数が一万三千五百五十、かようになっております。過去五年間の数字を見ましてもほぼこれに近い数字になってございます。
○内藤功君 そのうち心不全、心臓の病気ですね、それから脳卒中、こういうことで亡くなられ公務上死亡と認定された方の数は何件ぐらいですか。
○政府委員(叶野七郎君) この件数につきましては、過去五年間ややばらばらになっておりますので申し上げますと、五十八年度は二件でございます。五十七年度も二件、五十六年度四件、五十五年度八件、五十四年度三件、かようになっております。 脳卒中につきましては、五十八年度五件、五十七年度二件、五十六年度五件、五十五年度四件、五十四年度九件、かように相なっております。
○内藤功君 非常に少ない感じがいたしました。 ところで、気象庁にお伺いいたしますが、気象業務法によれば気象業務の目的というのはどういうふうになっておりますか、気象庁。
○説明員(新谷智人君) 気象業務法によりますと、気象庁としましては、大気の諸現象、気象現象その他について観測をいたしまして、それに関する解析をいたしまして、その情報を国民に提供するということを職務としております。
○内藤功君 第一条を私は言ってもらいたかったのですが、第一条によると、「災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際的協力を行う」、こうありますですね。この目的に基づいて観測だとか、データ収集・分析だとか、予報や警報を行うという仕事をやっているわけで、気象庁というのは国民の日常生活と密接なかかわりがあり、文字どおり国民の命と安全を守る重要な業務をやっていると思いますが、この点、総務庁長官、気象庁のこういう国民生活にかかわる重要性についての御認識をお伺いしたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) これはもう毎日の経済活動はもちろんのこと、日本のような災害の常襲国でございますから、気象観測というのは国民生活の隅々にまで及んでいる重大な役割である、かように考えております。
○内藤功君 気象庁、それでよろしゅうございますね。
○説明員(新谷智人君) はい、そのとおりでございます。
○内藤功君 鹿児島県の離島に屋久島というところがありますが、ここに測候所がある。この測候所は単に同島周辺だけではなくて、台風の通り道としての日本全体の気象情報のチェックポイントとしての重要な役割を果たしていると思うんですが、いかがですか。
○説明員(新谷智人君) はい、そのとおりでございます。
○内藤功君 この測候所は、かつては航空気象観測所と普通の地上測候所が別々に独立して業務を行っていたんですが、その後、現在はどうなっておるかということと、定員はどうか、それだけひとつ。
○説明員(新谷智人君) 五十年の段階におきまして、航空気象の観測を行っております空港出張所と、それから屋久島の測候所と合併いたしまして、現在、定員は六名でやっております。
○内藤功君 ここで昭和五十七年の一月二十日に技術専門官の技官の方が業務宿直中に死亡しておられますが、この災害発生の状況を、簡潔で結構ですが、御説明いただきたい。
○説明員(新谷智人君) 事件は、昭和五十七年の一月二十日に起きたわけでございますが、そのときに当直されておりました技術専門官の寺田さんという方がお亡くなりになったわけです。寺田さんは、五十七年の一月二十日午前八時三十分に勤務につかれまして、当時は宿直勤務であったわけでございますが、午後五時に所長以下全職員が退庁されるまで通常どおりの勤務をされました。その後、宿直の勤務に入られたわけでございますが、大体ここの測候所では三回の気象観測をやることになっておりまして、夜の九時の観測はそのとおり完全に行っておられますが、その後、そこの状況ははっきりしませんけれども、朝職員が来てみますと、本人が就寝の状態で死亡されておったということでございます。
○内藤功君 当時、五十二歳であったわけですね。
○説明員(新谷智人君) はい、そのとおりでございます。
○内藤功君 これは遺族から公務災害の認定申請がなされた、死因は急性心不全ということでありました。この公務災害の認定申請はどういうふうに処理されましたか、結論は。
○説明員(新谷智人君) 公務災害の認定申請につきましては、私どもの方で認定をいたしまして、この件につきましては、当時の業務の内容あるいは業務量という点をよく検討いたしまして、また医学上の観点につきましては人事院などにも御相談をいたしまして、結局のところ、いろいろ検討いたしましたけれども、公務と相当因果関係は認められないということで公務外という認定をいたしております。
○内藤功君 人事院はどうですか。
○政府委員(叶野七郎君) 実施機関の公務外の認定によりまして、人事院の公平局の方へ審査の請求がなされたわけでございます。これにつきましても、昨年の六月に却下の判定を出してございます。
○内藤功君 気象庁及び人事院の判定は非常に問題があると思います。この内容はまた後で触れますが、まず気象庁にお尋ねします。本人の主な業務の内容、それから死亡時の勤務形態はどうなっておりましたか。
○説明員(新谷智人君) 本人の業務は気象観測が一つの主たる業務でございまして、これは先ほど申しましたように、屋久島の観測所の場合は通常の気象観測業務、これが一日に普通気候観測としまして九時と十五時と夜の九時と三回ございます。それともう一つは、航空気象観測といたしまして九時から十六時まで大体一時間置きに観測をするという業務が一つございます。それからもう一つは、本人はそのほかに庶務と管理の関係、会計の関係を一部分担して業務をしておりました。 それから当時の勤務形態でございますが、当時の勤務形態は当直制、ここは二直四交代の当直勤務をしておりまして、六名の職員のうちの二人以外の四名が当直に入るわけでございますが、この四人が交代いたしまして夜の当直に従事しておるという状況でございました。
○内藤功君 この屋久島測候所における被災者本人の業務内容は、今言われたように地上と航空の両方をやっていたわけですね。それまで九名でやっていたのを昭和五十年から六名でやっている。それから今言われたように庶務、会計も引き受けている。亡くなる二月前の五十六年十一月には航空行政監察と管区気象台の業務調査があって本人は全体の取りまとめをやっている。この時期病欠者が一人出たので、その分の負担も来て、本人は監査と調査が同一時期に集中したのに対して非常に多忙をきわめていた。これは人事院の判定書の中でも認めておるところであります。本人に大変な負担がかかっていたことは判定書その他の関係資料からうかがわれるところなんです。こういう実態のあったことについては気象庁はお認めになりますか。
○説明員(新谷智人君) 事件のありました前の年におきまして、先ほどの航空行政監察等が行われたということ、そういった実態があったことについては承知しております。
○内藤功君 さらに、被災者本人は当時精神的にも非常に大きな負担を感じる条件にあったんですね。それは上司の予報官と解説官がそろって退職する、所長も転勤の可能性があるという相談があった。そうすると、残るのは自分とあと二人の若い人だけだ。若い職員は一年前に着任したばかりだ。こういったことがあって、本人が非常にまじめできちょうめんな人物であっただけに一層の精神的な悩みを抱えていた。その心労は大変なものだったんじゃないかと推察するわけなんです。こういうような要因については気象庁は屋久島の測候所の実情を御存じでしたか。
○説明員(新谷智人君) そのような実情についても承知しておりました。
○内藤功君 おりましたね。
○説明員(新谷智人君) はい。
○内藤功君 被災者本人は、二十年以上にわたって二直四交代、これは手っ取り早く言うと、少なくとも四日に一度朝八時半に出てきて翌日の朝の九時半までという勤務をやっているわけなんですね。例えば昭和五十六年度の一年間の勤務を見ますと、超過勤務が三百五十三時間、宿直勤務九十回、休日出勤十二回、年次有給休暇十日間、大変な厳しい日程であります。この九十回の宿直というのは、朝出てきて八時半から勤務を開始して、夜の業務に継続して翌日の九時半まで、こういう状況です。仮眠中であっても、警報とか注意報とか連絡報の場合などすぐに対応処理しなければならぬ。それから台風や異常気象時には観測が義務づけられている。若いうちはいいでしょうけれども、年をとるに従って負担が大きくなって、五十代という人には大変な負担だったと私は思うんですね。 残された遺族の陳述というのを見てみると、この日は、もし二人で宿直していたならば主人は亡くならなかったと思う、主人は夜の観測のために外に出てぐあいが悪くなり布団に入って亡くなったと思う、もしだれか一人でもその場にいたらこういう事態は防げたと思う、早く医師に診てもらっていたならば命を取りとめることさえできたと思うと、これが本人の奥さんの供述であります。 約二十八年間一つの測候所でその道一筋に生涯をささげてきた、こういうまじめな職員、しかも国家にとってはこういう気象業務に携わる貴重な人材を失った、ところが公務災害認定は受けない、非常に気の毒な結果になっておるわけであります。 そこでお伺いしたいのは、気象庁並びに総務庁長官、この点をお伺いしたいわけですが、こういう事故が再び起きないようにするために、気象庁測候所などの勤務体制がただ今まで一人でやってきたから当然だで済むであろうか、健康管理体制、万一の事故の際の救急体制、こういったものがこのままでよいのだろうか、改められるべき点はないのか、またどんな対策が考えられているのか、また打たれているのかというような点を、気象庁、総務庁長官、また人事院もありましたらお伺いしたいと思うんです。
○説明員(新谷智人君) 本件は私たちにとっても非常にまことにお気の毒であった事件であるというぐあいに思っております。我々としましては、こういった問題につきましては、こういう離島と申しますか、僻地と申しますか、そういった官署が我々の気象庁に多うございまして、こういったところの健康管理面をできるだけ充実さして、こういったことができるだけ起こらないようにというぐあいに意を用いておるわけであります。また今後ともそういうつもりでおります。 それで、私どもも部内におきまして僻地対策委員会などを設けまして、全体的なそういった僻地におきます環境の改善、あるいはそういった措置について検討をしているわけでありますが、こういった本件の屋久島のような場合につきましても、通常の定期健康診断などのほかに、島内のお医者さんに頼みまして、この方が非常勤の職員となっておりまして、職員の健康管理をやっていただく、またあるいはそういった離島へ勤務される前には臨時に健康診断などを実施いたしまして、その人本人並びにその他の家族の方につきましても、十分な健康状態で勤務していただくようにそういったような配慮をしております。また今後いろんな技術の進歩で、機械のそういった省力化と申しますか、合理化とかということも可能になってくると思いますので、できるだけそういった点で仕事の軽減なども図る方向も検討していきたい、こういうぐあいに考えております。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、この事故については詳細承知をしておりませんが、一般論として今内藤さんが申されました奥さんの気持ち、これは私は十分理解ができるところでございます。こういった二十四時間勤務体制、こういうところに勤務する職員の健康管理、あるいは緊急の医療体制、あるいは安全管理、こういうところについては当該官庁において万全の処置を常に考えておかなきゃなるまい、こう思います。 それで、今質疑をお伺いしておって、先ほど穐山さんからもおっしゃいましたが、今の公務災害の取り扱いで私が一番気をつけなきゃならぬなと思っておるのは、これが公務なのか平病なのかという区別が大変難しいわけです。殊に脳血管障害あるいは心臓障害等で亡くなった場合、これがふだんからそういう病気を持っておった人なのか、それが公務に起因するものなのかというこの見分けが非常に難しい。しかしその際に、これは一般論でございますが、この事件はこういう処置で私は結構だと思うんですけれども、一般論としまして、これは私の経験でございます、私は二十四時間勤務の人間ばかり使っておったわけですが、認定が、乱に流れちゃいけませんが、しかしながら大変厳しいんですよ。したがってその解決に時間もかかる。先ほど穐山さんの御質問の中にもあったと思いますが、大変時間がかかってなかなか容易でない。そうすると遺族の方には大変な負担をかける。こういうことになるわけですから、ここらはもう少しゆとりというか思いやりというか、そういう処置がそれぞれの実施官庁——それからまた厄介な事件はみんな人事院に御相談するわけですよ。そうすると客観的な医師の判断なり何なりできちんとした処理はしているんですよ。しているんで、その処置が私は間違いだと言っているわけじゃない。しかし気持ちとしてはもう少し思いやりのある処置をとることが望ましいんでないかなと、私はかような考え方でございます。
○内藤功君 そこで、問題の認定の問題に入るわけですが、まず本件の、つまり屋久島の件の人事院の判定書を私はたまたま見る機会があって読んでみますと、「本人は心筋梗塞等の急性心臓疾患を発病する素因又は基礎疾病を有していた」と認めているんです、基礎疾病があったと。それから当時の勤務体制で本人にいろんな環境よりする負担の増加があったということも認めておるんです。それから所長及び同僚二人の人事異動の後のおのれの勤務体制のことについて悩んでいたということも認めておるわけなんですね。そうすると、そういう基礎疾病と本人の精神的、肉体的負担の増加というものが相まって死に至らしめたという認定がすうっとできると思うのに、この判定書ではそれを否定して、「業務が身体的又は精神的に特段過重であったとは認められず、」とか、それから「災害発生前一週間」、一週間ですね、「及び当日の業務についても特段問題となるような事情は認められない。」とか、それから人事異動後のことについて悩んでいたとしても、「素因又は基礎疾病を刺激し、又は増悪させたとまでは考え難い。」と言って業務上認定を否定したわけですね。 私はこの委員会の場でこの当否を今ここで論じようとするんじゃないんです。私の結論はこの認定は間違いだという結論だが、これを論ずるいとまがない。そこで私の問題にしたいのは、人事院のこの種の災害事故に対する認定の基本的判断基準について改めて問いたいというのがきょうの質問の本旨であります。 まず、人事院の持っておられる脳卒中、急性心臓死、難しい名前で言うと脳血管疾患、虚血性心疾患と言うんですかね、こういうものの認定についての今の基準をどういう基準でやっているか。私、通達はここへ持っていますけれども、ずばりどういう基準でいるのか要点を述べてください。
○政府委員(叶野七郎君) 脳卒中、心不全に対しましては、五十四年に「中枢神経及び循環器系疾患の公務上外認定の指針について」を各実施機関に示しまして、その内容に基づいて脳卒中なり心不全の死亡の場合におきます公務上外の認定を行うように指導を行ってきております。 公務上の認定の基本的考え方は、職務遂行性と当該事故が業務に起因するか否か、業務起因性の二点を中心に考えるというのが我々の基本的な立場でございます。そういうようなことで、問題は素因のある事案でございますけれども、素因のあります場合には、本人が身体的な何らかの欠陥を持っている、いつ発病するかわからぬというようなことで、それはいわゆる負の要因として考える、こういうふうになっております。 そこで問題は、そういうような負の要因ではございますけれども、何らか事件、事故あるいは勤務が非常に過重であったというような事例があった場合には、その素因を増悪させた場合、そういう場合にはこれを公務上として認めてもやぶさかではない、かような基本的な考え方を基準に示してございます。
○内藤功君 そうすると、その人事院の基準でいきますと、長期間の深夜勤を含む変則労働をやっていて、疲労が本人に蓄積して、それが本人の素因あるいは基礎疾病と共働の原因をなして病気を悪化させ、それで死に至らしめたというような場合は、ほとんどもう公務災害にならぬのですね。これだとならぬのですよ。そうでしょう。
○政府委員(叶野七郎君) これにつきましては、勤務状態がどのように異常であったかという事実認定に係る問題でございます。それが他に見られぬというのは極端でございますけれども、かなり一般勤務に比べて過激な場合には、当該素因というものを問題にせずとも、これは公務上であるという認定をしているはずでございます。
○内藤功君 労働省が三十六年二月十三日付で基発一一六号という通達を出している。これは大分批判のあるやつですが、これと同じなんですか、考え方は。 それからもう一つ。五十四年に人事院が通達を出したというけれども、それまではどうしておったんですか。それまでの基準はあるんですか。その二点。
○政府委員(叶野七郎君) それにつきましては、一つには三十六年、労働省の方が先行しているわけでございます。一般の労働者に対する災害の判定という面では共通部分があるわけでございます。それらを参考にさせていただきまして、個々に公務上外の認定をしておるというふうに承知しております。 それから今回の発出、災害につきまして認定基準の発出をやったわけでございますけれども、要すればこの発出の動機になりましたものは、最近、急性心臓死というようないわゆる成人病的なものが多くなってきているし、そのための事故が多い。またそれがいかなる機序によって発生したかというものが非常に認定困難である。いわゆる職務の複雑性あるいは仕事そのものが多種多様になっている。そういうようなことで、あえて本通達を発出して認定の統一に遺憾なきを期した次第でございます。
○内藤功君 非常に長期間、例えば二年とか三年とか、あるいは十年とか、こういう長い間に深夜勤ばかりやっている人は蓄積していくんですね。そういう方の場合にはこの通達でもって賄えないですね。例えばその直前に突発的な出来事がなきゃいかぬとか、それから各省庁に対して調べろという事項の中には発症前三カ月間の勤務概要というのがある、三カ月までなんですね。長い間疲労が蓄積されて、それと基礎疾病が合わさって、これは判例なんかでは共働原因と言っているけれども、共働原因になってやった場合はこれで賄えないじゃないですか。再度聞きます。
○政府委員(叶野七郎君) この心不全におきますところの死亡の例につきましては、昔から非常に問題があったわけでございますが、第一義的には死亡時におきますところのアクシデントをとらえてやるという方向でかつて措置してまいった経緯がございます。それ以降におきまして、死亡当時のみならず一週間ぐらいの間の勤務状況を見て、その勤務状況の過重性によってはこの認定をしてもどうかというふうになり、さらにはその期間をさらに長い間を見て一般的な疲労の度合いが非常に過重である場合には、いわゆる素因を増悪させたものというふうに見て差し支えないんでないかというような発展経路をたどっておるわけでございます。
○内藤功君 それでは昭和四十年代から始まって昭和五十年代から今日にかけて、裁判所のこの種事件の判例、労働保険審査会の裁決、地方公務員災害基金支部の審査会の裁決、こういったものの趨勢はお調べになっているでしょうが、趨勢はこの人事院の通達あるいは労働基準局の基発一一六号と違うんじゃないですか。これはいかがですか。
○政府委員(叶野七郎君) 裁判判例につきまして、具体的に系列的に調べておりませんのではっきりしたことは申し上げられませんけれども、たしか昭和四十何年ですか、京都国立病院の事案におきまして、若干長い期間の疲労の蓄積というものを参酌してというふうな判例が出ておるわけでございます。その判例の傾向に沿うような方向で、現在はある程度長期間の勤務状況を見るというようなことにしているわけでございます。
○内藤功君 「ある程度」というのはどのくらいですか。
○政府委員(叶野七郎君) 事案によりますけれども、まあ一週間という場合もございましょうし、あるいは長期間、三カ月程度のものもあるというふうに承知しております。
○内藤功君 そこのところが大変問題なわけなんです。 昭和五十四年の六月八日の名古屋地裁の判決、名古屋市下水道局事件、それから昭和五十四年七月九日の東京高等裁判所民事部の判決、明治パン事件。これは御存じですね。今四十年とかおっしゃったが、新しいのもあるんだよ。それを知らなければこっちで言います。
○政府委員(叶野七郎君) 最近の事例では、たしか私の記憶では長野地裁の判決が新しいというふうに記憶しております。ただいま先生がおっしゃった判決につきましては、甚だ不勉強ながら承知しておりません。
○内藤功君 長野地裁というのは、これは県庁職員のやつで、ちょっとこれは違うんだね。 そこで名古屋地裁というのは、十九年間土木工事現場に従事してきた人が、五十四歳になって急に下水処理場に配転になったんです。そして常日勤から夜勤交代勤務になったんです。深夜勤を含む長時間の変則交代勤務で、週休日も取れぬ、休日も確保できない。そのうち高血圧症、狭心症という診断書が出て、ぐあいが悪くなって、配転されてから四年八カ月目で急に日誌を書いているときに倒れた。五分後に亡くなった。こういう案件ですよ。 そこで、この判決はこう言っておるのです。「高血圧症や冠状動脈硬化症を患っている労働者の従事する作業内容が、その持っている疾病に悪影響を与えるとされる性質のもので、しかもその作業従事期間が長期にわたる場合には、当該業務の影響が基礎疾病と共働して発病ないし死亡の原因をなしているものと推認するのが合理的であり、このような場合にまで、発病ないし死亡直前に突発的又は異常な災害が認められない限り公務起因性を否定する見解は失当であり」云々とあるのですよ。 人事院のは一週間前というが、これはまさに直前なんです。三カ月というのはちょっとその点緩めたと思いますがね。こういうのは、松川さんという方ですが、四年八カ月の間に蓄積されていくわけですよ。そういうようなものなんですね。これに今の人事院の五十四年の通達は役に立たぬのじゃないかというのが、さっきから私の言っている質問なんですよ。 明治パンの事件では、午後九時から翌朝午前六時まで拘束九時間、オール夜勤を二年、十日間続けたんですね、この人は。そうしてばたっと倒れたわけです、職場で。急性心臓死。「労災法の適用にあたり被災者の死亡の原因となった疾病を明らかにすることの主旨は、疾病の医学的解明自体にあるのではなく、疾病と業務との因果関係を労災法上の見地から明らかにすることにある。」と。それで、疾病の有無とか健康状態、諸般の事情を総合勘案して因果関係を判断する、こういうふうに言っていますよ。決して直前の突発的なアクシデントというものでいくという考え方じゃないんですよ。これが大勢なんだね。これはいかがですか。そういうのが大勢だということはおわかりになるでしょう。認めますか。
○政府委員(叶野七郎君) 要するに一週間といい、三カ月といい、あるいは二年半というのはたまたま期間的な問題としての話でございます。二年半でございましても、まさに当該発病の原因が公務上相当でありますところの業務起因性というものに即応しているものになりますれば、公務上と判定するにやぶさかでないということでございます。
○内藤功君 私の調べた範囲で、この脳血管疾患を業務上と認定した判決、裁決例は、さっきのあなたの言われた長野も入って四十六件あります。それからもう一つ、心臓の方、心臓疾患を業務上と認定した例が二十八件あります。合計七十四件ありますが、いかがですか、御存じですか。なければ私が参考資料で提供します。これは研究してください。そんな四十年なんて古い判例じゃだめだ。新しいのがあるんだから。もう全然時代おくれなんですよ。そういうような状況なんです。 最近の判例の法理は、僕の要約するのに、業務上の疾病となるためには、死亡が業務を唯一の原因とするものである必要はないんです。基礎疾病が原因となって死亡した場合でも、業務が基礎疾病と共働原因になって悪化させる、共働原因になっていけばいい、これが一つ。それからその労働者にとって従事した業務などが基礎疾病などを誘発または悪化させるなど悪影響を与える性質のものであった場合には、業務がこの基礎疾病と共働原因となって死亡させたと推認すべきだと推定の理論を働かしているんですね。解剖ができない案件があるからね。そういうふうなのが判例の傾向であります。 ただ、私は、人事院だけ責められないと思うのは、恐らく労働省のこの通達にあなたは依存して、労働省の通達と違う見解を人事院が出せないと思っているからじゃないですか。どうですか。
○政府委員(叶野七郎君) 同じような労働者サイドにおきますところの業務上災害の問題でございますから、共通の基盤はおのずとあるわけでございます。その共通の基盤を基盤としながら、あとはその職務の内容等々に応じて漸次認定の範囲を限定していくということでございます。
○内藤功君 ですから、人事院は行政府から独立した機関なんです。労働省は昭和三十六年の、今から二十四年前の古い通達にしがみついているんですよ。それだから、さっき総務庁長官も言われたけれども、本当に二十四時間勤務の人の疲労が蓄積していったというケースは救えないんです。特に一週間前、三カ月前に何かアクシデントがあったかと探れば特にないんだね。ないけれども亡くなっていく。そういう人は長年の疲労の蓄積なんですよ。そういうものが救えない通達は改めるときに来ている。改めることを検討してよい時期に来ている。検討してよい時期に来ている。いかがですか、検討は。
○政府委員(叶野七郎君) 基準は基準として各省庁の統一的な運用を図るために私は必要ではなかろうかと思います。そういう意味での基準としての一週間でありますれば今後とも堅持してまいりたいと思います。 ただ、先生がおっしゃいましたように、個々ケースによりまして期間を問わずに当該業務上の疲労の過重性が災害に影響のあるもの、直接の影響を及ぼしているものということが認定できますれば、その時点で公務上に認定して一向に差し支えないと思います。
○内藤功君 その場合に、今あなたにお渡しした七十四件に上る重いそれだけの数がある判例、裁決例の研究をしてもらえば、そうすれば必ず僕のような結論になると思うんですよ。研究、検討する、これは約束してくれますね。
○政府委員(叶野七郎君) 今後とも十分検討さしていただきます。
○内藤功君 これはぜひとも改めるように。さっき総務庁長官も言ったように被災者本人に有利な方向にできるだけやりたいという気持ちは大変結構だと思うんです、賛成です。 ただ、行政実務ですから何かそれなりの法的根拠とプロセスが要る。それには判例の大勢が変わっている、裁決例が変わっているということが一つのいいきっかけだと思うんです。真剣にやってもらいたい。変えなければますます裁判例と実際の人事院の扱いが乖離していくんです。乖離をなくするんならいいんですよ。裁判所の判例と人事院の認定との乖離が進む、その道を選ぶか、それとも大きな裁決例、判例の方向に応じたものに変えていくか。要すれば僕は労働省の方に人事院から意見を言ったっていいと思うんですよ。そういうふうに持っていくことが今問われていると思うんです。これは貴重な職員の生命にかかわる問題でありますし、重要な問題ですので、総裁にひとつお聞きしたい。専門的な見地は大体今局長が言われたんだけれども、総裁の立場で、これはその方向へ行け、検討しろということを言ってくださいよ。
○政府委員(内海倫君) ただいま内藤委員の御質問並びに御意見を終始拝聴いたしておりまして、総務庁長官がただいまも述べられましたように、私もまたこういうふうな病気と仕事の関係というものについては同じような所見を持つわけでございまして、我々も真剣に考えていかなきゃいけない、こう思います。 事実、私も十年近く全く公務から離れておりまして、再び公務という形で見ておりますと、まあ公務というよりも、とにかく仕事というものは非常に厳しいものである、社会的な環境というものも非常に厳しい、同時に心臓疾患、あるいは脳にかかわる病、あるいはそういうことによる障害というふうなものが非常にふえておるように思います。審査請求などを私どもも見ましても、本当にこれは厳しいなということを痛感いたします。そういう意味ではそういうふうな病気と勤務の実態というものをにらみ合わせて的確な認定ができるように、その基準というふうなものについては決していたずらにこだわることなく、いろいろな資料、ただいまお示しくださったような判決例なども参考にしまして、今後最も適切な基準を得るような検討もいたしたい、こういうように思っております。
○内藤功君 これに関連してもう一つぜひ提案をしたいことがあるんです。これも御検討いただきたい。 それは人事院規則の一六—〇の第二条に基づく別表第一ですね。この中に公務上の疾病等がずっと列挙されてあるが、その三の5号に、私はぜひ精神的もしくは肉体的に過重負担のかかる業務による脳卒中、急性心臓死等というのを言葉で入れてもらいたいんです、活字で。それがないから、その他「公務に起因する」云々という第八号の包括的なその他条項でやるからなかなか救われない、気の毒なのが救われないんですね。人事院も苦労するわけなんです。これを入れればいいんですよ、通達の中に。十六—〇の職員の災害補償という規則の別表の中に、脳卒中、急性心臓死あるいは脳血管疾患、虚血性心疾患と表現したっていいです。それはもうあなたの方にお任せするから、そういう今の心臓病と脳血管の病気による事故をそこに入れる。解釈上そこのところを牢固たるものにしていただくことを検討していただきたいと思うんですが、御検討をいただけるでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) この三号の場所に入れるかにつきましては、三号の場合には職業性疾病として医学的に確立されたものを実は記載しているわけでございます。ただ、心臓病、脳卒中につきましては、一般的な素因であるとか、あるいはほかの基礎疾病に基づくものが多いということで、ややその角度が相違しているのではないかというふうに考えております。ただ、場所のいかんを問わず、今後心臓病なり脳卒中が、職業性疾患とは言わぬまでも、それにかなり類似した線という医学的な見地が確立されますれば、この中に入ることもやぶさかではないと、かように考えております。
○内藤功君 ぜひ検討いただきたいと思うんです。 そこで、もう一つ私はここで提案を含めた質問をしたいと思うんです。それは今言われた脳卒中あるいは急性心臓死等が業務に起因するかどうか、公務に起因するかどうかという認定に当たりましてもっぱら医学のみの判断に頼ることは、私は非常に偏ると思うんです。そこで私は、人事院がこの種の認定に当たってお医者さん以外の各分野の専門家の方々の意見をどのように聴取しているかという現状をまず聞きたい。どういうふうに聴取していますか、あるいはしてませんか。
○政府委員(叶野七郎君) 現在のところは、脳卒中等につきましては専門家の意見を聞くということにしております。
○内藤功君 どういう専門家の意見を聞いておりますか。
○政府委員(叶野七郎君) 医学的な専門家でございます。
○内藤功君 ですから、やっぱり偏っているわけですね。 そこで私の提言は、専門家の恒常的な委員会を例えば次のような構成でつくったらどうかというのが私の提言です。申し上げます。 一つは、働く人たち、労働側、労働組合側と申してもいいでしょう、労働側の推薦する方が全体の委員の少なくとも三分の一を占める。いろんな三者構成で見るように三分の一を労働者側が占める。二つ目は、今言われた医学の専門家以外の方を半分以上、過半数を占める。過半数は医学の専門家でない人。しかしこの労働災害については見識のある人であります。これを入れる。具体的には、例えば産業医、労働衛生の専門家、労働法の専門家、こういう人を含めたのを半分以上にする。こういう構成の専門委員会をつくったらどうか。人事院が現在の勤務実態、先ほど言われたような勤務実態に即した認定を行えるように、例えばそういう専門委員会を設置すべきではないのかということを私は考えておるわけです。これを提案したいということを今考えておるわけです。これも御検討いただけるかどうか、お考えを伺いたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) ただいま申し上げましたのは、脳、心臓というすぐれて医学的な分野に属することについて申し上げたわけでございます。そのほかバイク振動でありますとか、放射線障害とか、いろいろなものがございます。それらにつきましては、それぞれの専門家というものを擁しまして、その方々の広い意見を徴して判定しているというのが現状でございます。それ以外に先生がおっしゃったような方々をお集めして会議を開くというような段階については、早急な結論は出しがたいと思っております。
○委員長(大島友治君) 内藤君、時間です。
○内藤功君 はい。 最後に、早急な結論は出せないにしても、私はきょう、非常に深刻な問題でありますので私の問題点を提起したわけであります。ここで即答いただくことは予定しておりませんが、また次の機会にこの進行状況などをお伺いいたしますので、ぜひ真剣にこの質問と中にある問題提起を受けとめて検討していただきたいということを要望いたしまして、ほかの人事院勧告の問題も聞きたかったんですが、時間が参りましたのでほかの機会に譲ります。
○伊藤郁男君 今までの同僚議員の質問とあるいはダブる点があるかと思いますが、御了解をいただきまして質問をしていきたいと思います。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕 第一は、最近の国家公務員の災害発生、それから補償の傾向、これは認定件数ということになると思うんですが、これはどのようになっておるのか、公務と通勤災害に分けましてその傾向をお教えいただければありがたいと思います。これが第一点でございます。
○政府委員(叶野七郎君) 年度別の認定件数を申し上げますと、五十四年が一万六千六百件、五十五年もほぼそれと同数でございます。それから五十六年が一万五千六百件、五十七年が若干下がりまして一万五千二百件、それから五十八年がやや上がりまして一万五千七百件。大体この五年間一万五千件から六千件という内容で推移してございます。 この中で公務災害と通勤災害に分かれるわけでございますけれども、通勤災害の部分が、五十四年に千五百件、五十五年に千七百件、五十六年もほぼ同数でございます。五十七年は千五百件、五十八年は千八百件、かように概略の数字がなってございます。その差であります一万三千件から四千件が公務災害というふうになってございます。
○伊藤郁男君 これはただいまの内藤議員の質問とあるいは同じになるかと思うんですが、人間の体質はみんな個々人によって違うわけでございますが、職員が業務の途上で心不全や脳卒中などで死亡した場合、交通事故のような場合にははっきりわかるわけでございますけれども、このような場合に一体業務上の災害であるか否かの判断基準はどのようになっておりますか。その点を伺います。
○政府委員(叶野七郎君) 脳疾患、心臓病の認定に対しましては、いろいろ難しい問題が多発いたしておりますために、昭和五十四年十月に中枢神経及び循環器系疾患の公務上外認定の指針というものを作成して各実施機関に指導をしてございます。その概要は、一つには、急性心臓死であるとか脳卒中を認定するためには、当該疾病について公務遂行上のいろいろな状況が原因として発症したことが医学的に明らかな場合、これが必要であるというのが一つでございます。それから第二点として、公務遂行上に必要ないろいろな状態というのは、突発的な出来事であるとか、あるいは当該死亡事故発生状態を時間的、場所的にある程度限定してみた場合に、時間的に非常に接近した中にあるいは場所的な問題に極めて他の職務と異なった異常な事態があるというような事柄、こういうようなものをまず認定しなさいと、かようになってございます。 そのようなことを前提にいたしまして、いろいろな職務上の影響度の大きさであるとか、あるいは当該疾病の素因というものがあるかなしかというようなことを総合判断して、医学上妥当と認められるようなことでありますれば認定して差し支えないというのが主な項目でございます。
○伊藤郁男君 次に、この災害補償法に基づく給付と厚生年金法などの他の法令による給付との調整の制度は、民間と公務員では百八十度異なっているわけですね。つまり公務員の場合は、災害補償法に基づく給付が一〇〇%支給されて、共済組合法に基づく給付が減額されると、こういうことですね。これに対しまして、民間の場合は、逆に厚生年金法などに基づく給付が一〇〇%支給されて、労災補償法に基づく給付が減額される。こういうシステムになっているわけですが、このように制度の異なる理由は一体何なのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(叶野七郎君) 確かにおっしゃいますように、労災の場合ですと災害補償年金は労災の方で調整されます。それに対しまして補償法の段階では、補償法は補償法で定める額を支給し、その部分につきまして共済の年金の方で調整するという逆の方向になっております。他の制度の是非いかんについては触れませんで、我々の立場として申し上げますれば、災害補償というものは、災害被災時におきます被災職員のその時の給与を基礎にして、これを迅速かつ的確に支給するというところが本体でございます。その他の事情というものは考えないで出すのが本筋ではなかろうか。そういう意味において、一方、共済年金の方は、職員としての在職者の、あるいは死亡した遺族、遺児に対しますところの社会保障的な制度でございますから、その方で調整するという制度が正しいんではなかろうかと、かように考えております。
○伊藤郁男君 そのような現行制度のもとにおきまして両者の間に給付の差は生じていないのかどうか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(叶野七郎君) 共済年金の方はたしか公務上の場合には公務上の上乗せ部分があるはずでございます。ただ、公務災害によって補償法上の補償を受けた場合にはそのいわゆる公務として上積みされた分を調整しようというふうな制度というふうに記憶しております。それに対しまして、労災のものは厚生年金で支給された分の、はっきりしたことはわかりませんけれども、二〇%程度がたしか調整されるというふうに記憶してございます。
○伊藤郁男君 すなわちそれは差が生じていると、こういうことですね、若干の差が生じている。
○政府委員(叶野七郎君) 死亡に対する補償年金としては若干の差があるのではないかと思います。 ただ、余計なことでございますけれども、現職者、例えば障害年金等につきましては、これはまた補償法で支給される場合に、共済の方はこれは問題にならぬわけでございます。補償法だけの数字になるわけでございます。それに対しまして、たしか労災の方では、障害を受けた場合には厚生年金の方でも障害の給付が行われるというふうに記憶してございます。
○伊藤郁男君 そうすると、この際制度の均衡を図るべきだと、こういうように思うのでございますが、そのような考えはございませんか。
○政府委員(叶野七郎君) これは補償法の方では、他の年金でどういう支給があっても補償法本来の額を出すというふうに制度を確立しております。それは私は今後とも維持すべき制度ではなかろうかと思います。 ただ、共済年金の方でどのような措置をとるかということにつきましては、共済年金制度のあり方等々と関連する問題でございますので、御答弁をちょっと申しかねると思います。
○伊藤郁男君 次に、子供及び孫、これは直接扶養していたものということになるわけですが、この遺族補償年金の受給資格年齢は現在十八歳未満となっておるわけですね。これを奨学援護金支給期間、すなわち大学生ならば卒業までということになると二十二歳、三年の専門学校になると二十一歳、短期大学は二十歳と、こういうことになるわけでありますが、ここまでこの十八歳未満というのを引き上げるべきではないか。このように私どもは考えておるわけでありますが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) いわゆる十八歳未満の子弟に対しては、そのほかのいろいろな制度におきましても扶養される者という扱いになっているようでございます。それに倣って補償法の方におきましても十八歳未満は補償を受けるべき子弟として取り扱うことにしているわけでございます。そういう意味で他のいろいろな年金制度等との関連もございますので、それらと軌を一にした制度としてこの十八歳未満は維持してまいりたいと思います。 ただ、最近のように非常に大学進学率の高い時点においては、十八歳以上であって直ちに家の手助けをするということにもならない。それは重々心得ております。ただ、ただいま申しましたような事情から、我が補償法だけ変えるということについてはかなり困難ではなかろうかと思います。ただ、現在奨学援護金制度がございまして、大学在学者に対しましてはある程度の金額を援助するという格好になります。この援護金の額を引き上げることにおいて若干なりともその辺の手助けができればと、かように考えております。
○伊藤郁男君 次に、この補償のスライド制についてお伺いをいたします。 現行の年金額改定方式は、在職者と離職者、遺族との間に額の改定で格差が生じているわけでございますが、今回の改正ではこれが是正される。こういう点では好ましいと考えているわけでありますが、他の公的年金は五%以上の変動によって改定ということになっていますね。実際は五%以内でも改定される、こういうことになっているわけでありますので、したがって六%というのは問題があるのではないか。すなわち公的年金とのバランスをとるべきではないかと、こういうように思うわけでございます。特に最近は、公務員給与はかなり抑制されておりまして、非常にベア率が低いわけでございまして、したがって二、三年待たないと改定が行われないと、こういうことに現実はならざるを得ない。こういう状況になっておりますので、この点は大変問題だと思うわけでありますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) 国民年金、厚生年金につきましては、物価スライドではございますけれども、五%という数字が出されております。それに対しまして、補償法では六%、この数字は労災保険法の六%と同一歩調をとったわけでございます。補償法と労災保険法というのはいわば兄弟分でございます。お互いに六%という数字で行くということにしてあるわけでございます。かつてこの数字も大体二〇%から一〇%、六%というふうに漸次率が低くなったという経緯もございます。我々としては、希望としてはこの六%を将来とも短縮すべくいろいろな検討をいたしてまいりたいと思います。
○伊藤郁男君 現在、旧法というんですか、現行のもとに受給している障害者、遺族等については、今回の改定が行われれば恐らく読みかえが行われるとは思いますけれども、旧法の受給者も新法における受給者の年金額を下回らないようにすべきと思いますけれども、この点はどのように考えておられますか。
○政府委員(叶野七郎君) 既に年金を受給している者につきましては、現在の年金額を基礎にしてスライドを行うことになりますために、改正法によって受給額を下回るという事態は当然ないわけでございます。また今回の改正によりまして、この法律が通りました際には、具体的に言いますれば六十一年度以降になりますけれども、ある時点において現在までの手持ちの率を全部適用いたしまして、一定額に引き上げ綿をそろえて新しく六%という率を適用しようか、かように経過措置を考えております。
○伊藤郁男君 旧法という言葉を言ったらいいかどうかわかりませんが、現行の受給者間においては在職者、離職者との間に年金額改定において不均衡が生じているわけでございますが、それは離職者には定昇分が反映されていない、このために両者間の支給額の差が開いている、こういうことになるわけでありますが、これも同時にこの際是正すべきではないか、こういうように考えておるわけでございますが、この点はいかがでしょう。
○政府委員(叶野七郎君) この制度の改定の目的は、一番の基本として、離職者と在職者との間に不均衡がないような算定方式をとろうというところにあるわけでございます。 先生がおっしゃいましたように、確かに現職者につきましては定昇分が含まれるというために六%という率が離職者に比べて早く回ってくるということはあるわけでございます。今度は同じ歩調で来る。その点においては若干現職者の方のテンポが鈍るんじゃないかということでございますので、それはそのとおりかと思います。ただ、そのような職員というものの数がそれほど多くないということもございますが、それ以上に現職者といえどもこの新しい制度のもとで上げる速度は従前より若干鈍るというようなことでございまして、上がらないわけではございません。離職者全般のことを考え、あるいは補償年金を受けることの全般というものを眺めまして、両者別の方式をとることは今後とも得策ではないと考えている次第でございます。
○伊藤郁男君 現在この法第四条のもとに年金額が決定されているわけでございますが、今回の改正によりますと、公務員の給与水準が六%以上変動した場合、その変動率を四条計算による平均給与額に乗じて年金額の改定を行うのかどうか、この点をお伺いいたします。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕
○政府委員(叶野七郎君) 年金額は、御承知のように、四条の規定に基づく平均給与額にそれぞれの年金の種類あるいは被災者の条件によってある一定率を乗じて算定しているわけでございます。今回の改正は、国家公務員の給与水準に六%を超える変動があった場合に、やはり平均給与額に人事院規則で定める給与水準の上昇率に見合う率を乗じて年金額を改定するということにしておるわけでございます。基本としては、四条の平均給与額というものが常に基本にあって、ただ今まで改定せられたものがその時点では平均給与額になっているという差はございます。
○伊藤郁男君 その場合、公務員給与の水準の変動率ですが、その変動率を何に求めるかということをお伺いしたいわけです。すなわち人勧による変動率なのか、あるいは人勧と仲裁を含めた平均変動率なのかということなんです。この点と、またその場合に定昇は考慮されるのかどうか、人勧の場合はベアだけでございますので、その点について確認をしておきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) いろいろの御意見はあろうかと思いますけれども、我々としては統一的な運用ということに最大眼目を置きまして、給与水準の変動率は、一般職の職員の給与に関する法律が適用される職員、いわゆる一般職の給与改定率ということにしてございます。したがって新スライド方式の中には、職員全体の給与水準を基準とするものであるために、個々人ごとの定昇というものは直接反映しないということになってございます。
○伊藤郁男君 そうすると定昇が反映されないということですね。現行では在職者は定昇が反映された平均給与額に基づいた年金額の改定が行われているわけですね。定昇が考慮されないという場合は、現行に比べ在職者の年金水準が低下するのではないか、こういうようにも思うのでございますが、この点はそういうことはございませんか。
○政府委員(叶野七郎君) 実は定昇を考慮するというのは、その人の前の額と比較する場合に定昇を含めてどのぐらい上がったか、それが六%以上上がった場合には改定いたしますよという場合に使うことでございます。したがって、定昇込みということはその段階で自然に消滅するというふうに考えて差し支えないと思います。ただ、それ以降の額は上がった額を基準にしてさらに六%上がったかどうかということを順次に見ていくという方式になるわけでございます。
○伊藤郁男君 そうすると年金水準が低下するということがないのか、あるのか。
○政府委員(叶野七郎君) ございません。
○伊藤郁男君 次に、民間の法定外給付の実情はどうなっておるのか、おわかりでしたらお教えをいただきたい。
○政府委員(叶野七郎君) 実は、民間企業における法定外給付の支給状況については四十七年からずっと調査しているわけでございます。調査対象企業は百人以上の企業でございます。その中から四千百社ばかりを対象にして調べてございます。それによりますと、法定外給付を実施している企業の割合は、死亡の場合には全体の六二%、通勤災害では四八%、それから障害を受けた場合につきましては、業務上で五二%、通勤災害で三七%、その数字の企業が法定外給付を実施しております。 それから法定外給付を実施しております企業の支給額の平均値は、業務災害では千三百四十一万、通勤災害では九百四十六万というふうになっております。さらに後遺障害についての法定外給付の額を申し上げますと、この部分につきましては、平均的であります障害等級第三級を見てみるわけでございますが、業務災害では一千二十七万円、通勤災害では八百五十二万、かように相なっております。
○伊藤郁男君 公務員の場合は、遺族特別援護金というのが今の民間の法定外給付に対応するものだというように認識しているわけでありますが、この公務員の遺族特別援護金というのは現在三百万円が限度ということになっているわけですね。そうすると、今お話しの、これは五十八年の調査の内容だと思うんですが、業務上死亡に対しては千三百四十一万円、通勤途上による死亡に対しては九百四十六万円ということで、いかにも公務員の場合は水準が低過ぎると、こういうように思うのでございますが、この現状をどのように認識されておりますか、認識されておるといいますか、この現状をどのように考えられておるのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(叶野七郎君) 民間の千三百万の内訳を見ますと、逸失利益の補てん分というために出しているものもございます。さらに見舞金、弔慰金として出している部分もございます。さらに慰謝料的な意味を含めて出すということもございます。その中には我が方では補償法本体で見るべきものが含まれております。その部分については補償法本体で処理しなきゃいかぬという課題があるわけでございます。 ただ、そうは申しましても、法定外給付として一括した名前で民間がかなりの額を出しているということは、我々公務員もそれに対して目を向けて、その方への水準に近づける努力はしていかなければならぬかと思います。そういう面で遺族援護金という制度を設けまして、ここ数年間いろいろと検討、努力を重ねて、現在三百万という額になっているわけでございます。この額のなお一層の上昇につきましては今後とも努力していきたい、かように考えております。
○伊藤郁男君 公務員の労働条件が民間準拠を原則ということにするならば、今のお話のように水準に近づけるといっても、近づけるように努力してきたと言いましても、この差は大変大きいわけですね、大き過ぎる。今回の改正において、福祉施設については人事院としては民間の実態を考慮してその設置及び運営を図ることにしているようではございますけれども、この遺族特別援護金について早急に改正が必要だと、このように思います。人事院としては、これは将来のことに、来年のことにあるいはなるかもしれませんが、この点についてどのようなお考えを持っておられるのか、重ねてお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 千三百万の内容につきましては、先ほど申しましたようないろいろのものが含まれている。その額ずばりが我々の目標になるということは申し上げがたいことでございますけれども、確かに三百万は低いというふうに考えてございます。今後とも毎年毎年努力を重ねていきたいと思います。
○伊藤郁男君 この点については、毎年努力をすると言いましても、一千万円近くの差が開いているというのは余りにも差が開き過ぎておりますので、これは私としては、早急に相当大幅な改善を必要とするのではないか、こういうように思いますし、来年度の場合にかなり近づいた水準にまで持っていっていただきますように要望をしておきたいと思います。 次に、若年独身職員で遺族年金を受給できない遺族については、平均給与日額の千日分プラス、遺族特別給付金とかあるいは葬祭補償とか遺族特別援護金とか、いろいろなものが加味されて一時金としてこういう人たちには支給をされているわけでございますが、例えば平均給与額が十二万円の場合は遺族補償一時金が四百万円、遺族特別給付金が八十万円、合計四百八十万円プラス遺族特別支給金三百万、援護金三百万、葬祭補償二十八万五千円、これを加えましても千百万ちょっとと、こういうことになりますので、これは先ほどの民間の法定外給付部分をも下回る。こういうことになるわけでありますが、これについても改善を図るべきではないか、こういうように思いますが、御見解をお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 若年者の場合には当然父母も若い、あるいは独身者であるという面がございますので、確かに給付額の絶対額がかなり低目であるということは我々も痛感している次第でございます。ただ、補償法の建前といたしまして、本人の被災時におきますところの平均給与額というものに一定率を乗じてという算定方式になっておりますために、この面での改善はなかなか難しいという段階になっているわけでございます。 ただ、民間の法定外給付という実態もございます。先ほど少ない少ないという御批判をいただきましたけれども、特別援護金の増額ということによって側面から若干でも若年独身職員の死亡の際におきます補償金のカバーになりますればというように考えております。 全体といたしましては、今後とも若年職員につきましての率の引き上げあるいは最低基準の引き上げというようなことなども考慮に入れながら検討してまいりたいと思います。
○伊藤郁男君 今自賠責保険でも最低二千万円、こういうことになっておるわけでございますから、この点については十分な考慮を払って改善を引き続き続けていっていただきたい、このように要望しておきたいと思います。 最後になりますが、今回の改正は労災保険法との均衡で改正される点が多いわけでありますが、人事院規則で定められている退職者の休業補償は、労災が一日単位で支給されているのに対しまして時間単位で支給されている。これを少なくとも半日単位に支給するよう規則の改正を行うべきではないか、こういうように考えておるわけでございますが、この点についての御見解をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 先生御指摘のように労災では一日単位、公務員の場合は時間単位というふうになっております。確かに中間の時間だけ病院に行ってあとの時間を職場に帰って働くというような事柄もあるいは現実に即しない面もありはしないかと我々考えておるところでございます。したがって、この件につきましては、就業の困難性の実態であるとか、あるいは休業補償の労災保険におきます取り扱い等々も眺めながら今後検討してまいりたいと思います。
○委員長(大島友治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 速記をとめてください。 〔午後三時四十分速記中止〕 〔午後三時五十八分速記開始〕
○委員長(大島友治君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(大島友治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、板垣正君、森山眞弓君及び矢田部理君が委員を辞任され、その補欠として岡野裕君、竹山裕君及び大森昭君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大島友治君) これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、本法案に反対の意見を表明いたします。 反対の理由は、本法案が年齢の引き上げ等、既得の権利を侵害するからであります。本委員会の質疑において明らかになったような公務災害認定の基準等について、人事院は、裁判所の裁判例並びに裁決例等の最近の動向に沿った必要な改正の検討を行うことは、現下の喫緊の要務であると考えます。そのようなことを強くあわせて要望いたします。 以上をもって反対討論といたします。
○委員長(大島友治君) ほかに御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 穐山君から発言を求められておりますので、これを許します。穐山君。
○穐山篤君 私は、ただいま可決されました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について検討の上善処すべきである。 一、公務災害の絶滅を期し、災害の予防及び職業病の発生防止のために、なお一層努力すること。 一、この法律による年金受給者の生活の安定を図るため、今後とも社会経済情勢の変化に即応し、年金額の改定が速やかに行いうるようスライド制における要件の改善に努力すること。 一、民間企業における業務上の災害等に対する法定外給付の実情に配慮し、公務員に対しても適切な措置を講ずること。 一、公務災害の審査及び認定については、現在懸案中のものを含め、その作業を促進し、早期処理に努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(大島友治君) ただいま穐山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 全会一致と認めます。よって、穐山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、後藤田総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。後藤田総務庁長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を踏まえ、今後人事院とともに検討いたしてまいりたいと存じます。
○委員長(大島友治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大島友治君) 次に、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。後藤田総務庁長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、最近の経済情勢にかんがみ、恩給年額を増額するとともに、戦没者の遺族、戦傷病者等に対する処遇の一層の改善を図ろうとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 この法律案による措置の第一点は、仮定俸給年額の増額であります。 これは、昭和五十九年度における公務員給与の改善を基礎として、昭和六十年四月から、恩給年額計算の基礎となる仮定俸給年額を増額しようとするものであります。 その第二点は、公務関係扶助料の最低保障額、傷病恩給年額等の増額であります。 これは、公務関係扶助料の最低保障額、傷病恩給及び傷病者遺族特別年金の年額を昭和六十年四月から兵の仮定俸給のアップ率により増額するほか、同年八月からさらに増額を行い、公務扶助料については年額百四十四万円を保障するとともに、傷病恩給等についても相応の増額をしようとするものであります。 その第三点は、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額の増額であります。 これは、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額を昭和六十年四月から兵の仮定俸給のアップ率により増額するほか、同年八月から、他の公的年金の給付水準等を考慮して、普通扶助料の最低保障額をさらに引き上げようとするものであります。 以上のほか、扶養加給の増額等所要の改善を行うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。 なお、この法律案では、公務員給与の改善に伴う恩給年額の増額等の措置は、昭和六十年四月一日から施行することといたしておりましたが、衆議院において、これを公布の日から施行し、本年四月一日から適用することに修正されております。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(大島友治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案についての質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時六分散会