内閣委員会 第7号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/04/02
会議録
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 去る三月二十九日、予算委員会から、四月二日の午後一時から四月三日の午後三時までの間、昭和六十年度総予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所管及び総理府所管のうち総理本府、日本学術会議、宮内庁、北方対策本部を除く総務庁、防衛本庁、防衛施設庁について審査の委嘱がありましたので御報告いたします。 この際、昭和六十年度総予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所管及び総理府所管のうち総理本府、日本学術会議、宮内庁、北方対策本部を除く総務庁を議題といたします。 予算の説明につきましては、国会所管及び会計検査院所管以外は去る三月十四日の委員会において既に聴取しておりますので、この際、国会所管及び会計検査院所管の予算の説明を聴取いたします。 まず、国会所管のうち衆議院関係予算の説明を求めます。星野衆議院事務次長。
○衆議院参事(星野秀夫君) 昭和六十年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 昭和六十年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は、四百十二億八千九百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、十五億八千万円余の増加となっております。 次に、その概略を御説明申し上げますと、第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、四百三億六千四百万円余を計上いたしております。 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し十六億六千三百万円余の増加となっておりますが、増加したものの主なものは、議員歳費並びに議員秘書及び職員の人件費等の増加によるものであります。 なお、議員会館議員室電話の取りかえ経費、議員会館施設検討経費及び議員秘書の待遇に関する検討に要する経費を計上いたしております。 第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして、九億一千七百万円余を計上いたしております。このうち主なものは、第二議員会館避難設備改修費等でございます。 また、国会周辺等整備に必要な土地購入費は、引き続き一億円計上することといたしております。 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円計上いたしております。 以上、簡単でありますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○委員長(大島友治君) 次に、参議院関係予算の説明を求めます。指宿参議院事務総長。
○事務総長(指宿清秀君) 昭和六十年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 昭和六十年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は、二百四十五億九千万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、八億七千五百万円余の増加となっております。 次に、その概略を御説明申し上げます。 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、二百三十三億七百万円余を計上いたしております。 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し九億二千六百万円余の増加となっておりますが、増加したものの主なものは、議員歳費並びに議員秘書及び職員の人件費等の増加によるものであります。 第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして、十二億七千八百万円余を計上いたしております。その内訳は、本年十一月完成予定の麹町議員宿舎第二期改築工事費九億七千二百万円余及び本館その他庁舎等の施設整備費二億九千八百万円余であります。 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。 以上、簡単ではありますが、参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○委員長(大島友治君) 次に、国立国会図書館関係予算の説明を求めます。荒尾国立国会図書館長。
○国立国会図書館長(荒尾正浩君) 昭和六十年度国立国会図書館歳出予算について御説明申し上げます。 昭和六十年度国会所管国立国会図書館関係の歳出予算要求額は、百四十七億三千四百万円余でありまして、これを前年度予算額百三十八億六千六百万円余と比較いたしますと、八億六千七百万円余の増額となっております。 要求額の主なものについて、その概略を御説明申し上げます。 第一は、管理運営に必要な経費であります。その総額は、八十一億四百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三億二千八百万円余の増額となっております。 増額の主なものは、職員の給与に関する経費であります。 第二は、科学技術関係資料購入に必要な経費でありまして、要求額は五億千七百万円余であります。 第三は、施設整備に必要な経費でありまして、別館の新営、本館の改修及びその他庁舎の整備に必要な経費六十一億千三百万円余であります。 なお、別館新営に関しましては、昭和六十年度を初年度とする二カ年の国庫債務負担行為二十五億千九百万円余、また本館改修に関しましては、昭和六十年度を初年度とする二カ年の国庫債務負担行為二億九千万円余をそれぞれ要求いたしております。 以上、簡単でありますが、国立国会図書館歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○委員長(大島友治君) 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を求めます。金村裁判官弾劾裁判所事務局長。
○裁判官弾劾裁判所参事(金村博晴君) 昭和六十年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。 昭和六十年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は、八千六百三万六千円でありまして、これを前年度予算額八千五百四万五千円に比較いたしますと、九十九万一千円の増加となっております。 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、裁判員の旅費及び事務局職員の給与に関する経費、事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費、庁費でありまして、前年度に比し増加となっておりますのは、職員給与関係経費の増加によるものであります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(大島友治君) 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を求めます。青山裁判官訴追委員会事務局長。
○裁判官訴追委員会参事(青山達君)昭和六十年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。 昭和六十年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は、九千三百四万円でありまして、これを前年度予算額九千六十七万一千円に比較いたしますと、二百三十六万九千円の増加となっております。 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費でありまして、前年度に比し増加となっておりますのは、職員給与関係経費の増加によるものであります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(大島友治君) 次に、会計検査院所管の予算の説明を求めます。鎌田会計検査院長。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 昭和六十年度会計検査院所管の歳出予算案について説明いたします。 会計検査院の昭和六十年度予定経費要求額は、百億二千二百五十二万円でありまして、これは日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく本院の一般事務処理及び検査業務を行うために必要な経費であります。 今、要求額の主なものについて申し上げますと、人件費として八十九億四千七百六十七万三千円を計上いたしましたが、これは総額の八九%に当たっております。これらのうちには会計検査の充実を図るため一般職員十名を増置する経費も含まれております。 旅費として六億千七百十七万円を計上いたしましたが、このうち主なものは会計実地検査旅費が六億三百五十一万二千円、外国旅費が七百二十万七千円であります。 施設整備費として千三百八十九万八千円を計上いたしましたが、これは庁舎本館屋上の防水改修工事費であります。 その他の経費として四億四千三百七十七万九千円を計上いたしましたが、これらのうちには検査の円滑な実施を図るための会計検査活動費五千二十万四千円、検査業務の効率化を図るための会計検査情報処理業務庁費四千三百九十九万九千円、電子計算機等借料四千八百九十四万三千円、並びに、本年五月、東京において開催される第三回最高会計検査機関アジア地域機構総会の経費三千五百十一万一千円が含まれております。 次に、ただいま申し上げました昭和六十年度予定経費要求額百億二千二百五十二万円を前年度予算額百億六千百八十八万六千円に比較いたしますと、三千九百三十六万六千円の減少となっておりますが、これは検査業務に必要な経費において二千四百八十六万五千円、第三回最高会計検査機関アジア地域機構総会開催に必要な経費において三千五百十一万一千円増加し、人件費において九千六百五十八万四千円減少したことなどによるものであります。 以上、甚だ簡単でありますが、本院の昭和六十年度予定経費要求額の概要の説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(大島友治君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野明君 まず、人事院に人事行政制度の問題についてお尋ねいたしたいと思います。 六十年度の人事院の予算の中に、人事行政制度の長期的な施策策定のための総合的調査研究に必要な経費九百七十一万一千円が計上されておりますが、この経費はどのように使われるのか御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(網谷重男君) これまで人事院が検討してまいりました行政施策の骨子につきましては、既に五十八年の八月の給与勧告の報告の際、国会及び内閣に御報告申し上げたとおりでございます。現在は各方面の意見を聞きながら具体化のために必要な検討を進めている段階でございます。 これから先の経費をどのように使うかというお尋ねでございますが、既に採用試験の再編成につきましては、人事院規則を発出いたしまして、六十年度の採用試験は新採用試験体系に基づいて実施されるという運びとなっております。また四月からは、幹部養成研修の充実強化及び職員の登用に資するための研修の本格実施を中心といたします行政研修体系の再編整備ということを図っております。 さらに、給与につきましては、専門技術職俸給表の新設、それから各俸給表の等級構成の再編、また休暇制度につきましては、その法的整備を図るための制度改定をそれぞれ考えております。これらにつきましては、本年の給与勧告のときにあわせて明らかにしたいと、このように考えております。 そのほかの問題につきましても、引き続きましてさまざまな観点から多角的に検討を行っておりまして、関係者の御意見を参考にしつつ成案を得るべく努力してまいりたいと、このように考えております。
○小野明君 あらかた御説明があったわけですが、今の御説明の中で、いわゆる公務員制度見直しの施策、この中には給与体系の再編の問題、また今御説明がありませんでしたが、休暇制度の問題が含まれていると思います。これらの施策の実施の時期は、六十年の四月ということに相なっていると思うのでありますが、御説明がありましたように、今大体採用試験の再編という程度のものがなされただけであります。施策の見直しにつきまして、本年夏に予定されておる人事院の勧告に間に合わせるとしましたならば、六月ごろまでには施策の案を固めなければならぬ、このように聞いておるわけでありますが、現在までの進捗状況、また最終的にはどの時点で案を決定しなければならぬとお考えでありますかどうかお尋ねをいたします。
○政府委員(鹿兒島重治君) 給与の関係についてお答え申し上げたいと思います。 現在私どもは、先ほど管理局長からお話がございましたように、各俸給表の等級の増設あるいは専門職俸給表の新設というようなことを主たる内容といたしまして検討を進めておる段階でございますが、まだ未確定な部分も多々ございまして、こういった部分につきまして関係者の意見を聞きながら、できるだけ早急に結論を得まして、でき得べくんば本年度の給与勧告の中に盛り込んで、これを御報告あるいは勧告申し上げたいというぐあいに考えておるわけでございます。 時期のめどというものはまだはっきり立っておりませんが、お話しのように、できれば六月ぐらいには成案を得たいということで、給与については作業を進めておる段階でございます。
○小野明君 私が考えますのに、この制度見直しの中で、給与体系というものが非常に重要でありますことは御存じのとおりだと思います。この俸給表の中心になる行政職俸給表の(一)、この等級構成を八等級から十一等級制にする、このように漏れ聞いておるのであります。かねてから人事院は十ないし十一等級制にしたい、こういうふうに言われていたと思うのでありますが、等級構成はどのように決めたのか、また十一等級に決めているとしたならばなぜそのように決めたのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(鹿兒島重治君) 現在の段階におきましては、十一等級制ということを前提にして検討を加えているわけでございますが、その基本的な趣旨といたしましては、御案内のように、現在の行政職(一)表で申しますと、八等級制度というものは三十二年の給与制度の改正によりまして現行の形がほぼ固まったわけでございます。その後約三十年たちまして、その後の職制の分化でございますとか、あるいは行政内容の複雑化、高度化というものに対応いたしまして、職務に応じた給与を支給するということになりますと、それに合った等級をつくらなければいけないだろうということがまず基本的な考え方でございます。 若干細かい話になりますけれども、例えば本省で申しますならば、現在、本省の課長補佐の場合には二等級、三等級、四等級という三つの等級にまたがる形になっておりますし、管区の機関の場合におきましても、課長につきましてはやはり同じように三等級にまたがるというような状態がございます。また本省庁の場合、現行の四等級で申しますならば、四等級に補佐と専門職と係長というものが混在をいたしております。また一番規模の小さい出先機関について申しますならば、現在の五等級に課長と係長、主任というものが混在をいたしております。こういう混在を避けますためには、新しい等級の新設ということが必要になってくるわけでございまして、私どもが現在検討しております案では、現行の一等級と二等級の間に新二等級というものを設けまして、これで先ほど申しました課長クラスあるいは補佐クラスの混在を避ける、それからまた管区の機関の補佐あるいは係長、課長というものの混在につきましては、現在の三等級と四等級の間に新四等級というものをつくりたい、また一番規模の小さい機関の混在に対しましては、現行の四等級と五等級の間に新五等級をつくるということで、職務の段階をより明確にしたいということで十一等級制というものを検討しているところでございます。
○小野明君 俸給表の行政職の(一)を今のように十一等級に直すということになりますと、他の俸給表についてはこの(一)とのバランスを見ながら等級構成を決めるということに相なろうか、こう考えられます。他の俸給表の等級構成についてはどのように編成し直そうとされておるのか、御説明をいただきたい。
○政府委員(鹿兒島重治君) 若干細かい話になりますが、御承知のように現行の俸給表は八種十六表あるわけでございますが、新設を予定しております専門職俸給表を除きまして申し上げますと、現行の行政職俸給表の(二)表につきましては、現行の一等級と二等級の間に新二等級をつくる、この際四等級と五等級を統合するということが新しい等級の考え方でございます。税務職俸給表及び公安職俸給表の(一)及び(二)ましては、現行の特三等級と三等級の間に新三等級をつくる、また三等級と四等級との間に新四等級をつくるということを検討いたしております。それから研究職俸給表につきましては、現在の一等級と二等級の間に新二等級をつくり、四等級と五等級を統合する。また海事職俸給表の(一)及び(二)につきましては、現行の一等級と二等級の間に新二等級をつくりたい。医療職俸給表の(二)表につきましては、現行の二等級と三等級の間に新三等級をつくる、また五等級と六等級を統合する。それから医療職俸給表の(三)表につきましては、現在の一等級と二等級の間に新二等級を設定いたしたいということでございます。なお、教育職は(一)、(二)、(三)、(四)表ございますが、これは水準調整にとどめるということでございまして、医療職の(一)表につきましては現行どおりということで、全体として行政職(一)表に準じた形で等級の再編成をするということが基本的な考え方でございます。
○小野明君 そうしますと、教育職俸給表については等級構成をさわらずに水準の調整、こういうふうに御説明がありましたが、その水準の調整といいますとどういう内容になるんでしょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 大変細かい問題でございますので、行政職(一)表の新しい等級が新設されることに伴いまして、その配分につきましてこれから検討いたしたいということでございます。
○小野明君 ただいままでの御説明ですと、新たに専門技術職俸給表の創設を考えておられるように聞いておるわけですが、そしてまたその内容も七等級と、こういうふうに聞いております。そうしますと、こういった等級構成にした理由あるいは専門技術職の対象の職種、専門技術職俸給表の創設がなければこれはいいんですけれども、あるとしたならばどういうことに相なりますか。
○政府委員(鹿兒島重治君) お話の専門職の俸給表、まだ仮称でございますが、これにつきましても、現在新設する方向で検討を進めているわけでございます。その趣旨といたしますのは、現在行政職(一)表の適用を受けております職員が多々おりますけれども、その中には職務の性格からいたしまして、いわばこの道一筋という職務に従事しておる職員が若干おるわけでございます。こういう職員につきましては、その職務内容の専門性あるいはその複雑性、そういったものを勘案いたしまして、その職務に合った等級構成の俸給表を新設することが妥当ではないか。このように考えておるわけでございます。 現在、適用対象職種としましては、例えば航空管制官でありますとか、あるいは特許の審判官、審査官でありますとか、あるいは動植物検疫官、検疫所の検疫技官というようなものを一応頭に置いて現在検討を進めているわけでございます。そして、お話がございましたように一応七等級ということで考えているわけでございますが、上位の等級につきましては、大体行政職の俸給に対応させることを考えております。しかしながら、下位の等級につきましては、行政職(一)表に比較しました場合、これを統合する。なぜ統合するかと申しますと、これらの職種につきましては、その専門性が高いためにかなり高度の技能、知識を持った者を採用するということで、一般の職制のように職務段階というものを細かく細分することが適当ではないという考え方に基づいているわけでございます。
○小野明君 大体ただいままでの御説明で俸給表の問題については大筋御説明をいただいたわけであります。しかしながら、ここ数年来給与勧告をめぐる情勢というのは非常に厳しいものがございます。本年予定されております勧告につきましても、政府が完全実施の保証というものをしておりませんことは、総務庁長官おられますけれども、御承知のとおりであります。努力はされるという御説明はあっておるわけですが、非常に不安定です。このように給与勧告の取り扱いが不安定なときに、給与体系の整合性と密接な関連を持つ制度の見直しが果たして実施できるのかという疑問を否めないのでありますが、人事院としてはこの点についてどのようにお考えであるのか。これは総裁がよろしかろうと思いますが、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(内海倫君) 在来も、その問題につきましては、当委員会等におきましても御質問を受けておるところでありまして、私どももそういうふうなことを頭に置きながらいろいろ検討を続けてきておるわけでございますが、御承知のように、ただいま、そしてまた主管局長からも説明申し上げましたように、給与体系のありようというものは、経済の非常な伸展あるいは技術の高度化、あるいは職員の高齢化というふうなものを前提にいたしまして、行政自体がある場合には複雑化し、多様化し、またその行政に従事する者の職員の非常な高年齢化というふうなものも巻き込みまして、必然的に今日あります給与体系というものに、先ほど説明申し上げましたように、かなり無理が生じ、このために結局、職員に対してより適切な給与をしていくということに支障が生じ始めておるわけでございます。確かに、他方における給与の完全実施という問題もございますけれども、同時にまたそういうふうな給与体系というものを整備することによる職員の給与の支給の合理化、そしてまた士気の高揚ということも私どもは十分に配慮しなければならない、こういうふうなことをあわせ考えまして在来作業を進めてまいったわけでございます。 現段階におきましては、私どもは本年行います勧告の中にこの問題を取り込んでいきたい、こういうふうに考えておりますので、でき得れば実情をよく御了解いただきまして、国会にも勧告を申し上げるわけでございますので、何分の御理解の上で御賛同をいただきたい、こういうふうに考えております。
○小野明君 総務庁長官、今お聞きのように、給与体系の見直しという重大な作業が進捗いたしておるわけでございますが、たびたび人事院の勧告につきまして長官のお考えというのはお聞きをいたしておるところであります。改めてこの際、今総裁の御答弁がございましたが、本年度勧告に対してどのような態度でお臨みになるのか、今お答えをいただいておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これはしばしばお答えをいたしておりますように、人事院から勧告があればそれを最大限尊重して政府としては実施に向けてやっていきたいと、こう考えておるわけですが、今の御質問の点は、人事院は従来と違って俸給表そのものを直そうとしていらっしゃる。これはいわば配分でございますから、配分の改善ということでしょうから、人事院からそういう配分改善について御提言があれば、それを受けて政府としては検討して、配分は従来から抑制した場合にも大体それに案分して配分いたしておりますから、いずれにいたしましても、新しいそういった御提言があれば、それを最大限政府としては尊重していきたい、かように考えております。
○小野明君 次に進みたいと思いますが、人事院の勧告の完全実施というのが至上命題であると私は思っております。今お尋ねしたのは単に配分の問題だけではございませんので、その点完全実施という面につきまして、ひとつ格段の御努力を総務庁長官にお願いをしておきたいと思います。 次に、時間短縮、週休二日制等について人事院にお尋ねをいたしたいと思います。 今次、春闘の柱の一つに時間短縮が取り上げられておりますことは御案内のとおりであります。公務員にとりましても、時間短縮というのは極めて重要な課題であろうかと思われるわけであります。この時短の具体策といいますと、所定労働時間の短縮、また週休二日制の促進、また大型連続休暇と、こういったものが挙げられると思うわけであります。 まず、民間の例でありますけれども、労働省の労働統計要覧、八四年版によりますと、八二年における先進諸国の年間実労働時間は、西ドイツ一千六百八十二時間、フランス一千七百七時間、イギリス一千八百八十八時間、アメリカ一千八百五十一時間、日本は二千百三十六時間、実に日本と西ドイツとの差は四百五十四時間、このような数字に相なっております。このように日本の労働時間が長いのは、一つは週休二日制の普及率が低い、したがって週の労働時間が長い、もう一つには、年次休暇の取得率が非常に低い、さらに長期休暇がほとんど定着していない、これらが理由ではないかと思われるわけでありますが、労働省、いかがですか。
○説明員(松原東樹君) 欧米との労働時間の比較につきましては、今御指摘のあったとおりでございます。また各国と我が国との労働時間の差が生ずる原因につきましても、御指摘のありましたように、特に週休二日制の普及状況の相違、あるいは長期休暇をとる習慣がないこと、あるいは我が国では終身雇用慣行ということで生産調整を雇用よりはむしろ所定外労働で対応する、こういう傾向がございますために、所定外労働時間がやや長目になっておること、さらにヨーロッパにおきましては、アブセンティズムといいますか、欠勤率が我が国よりはやや高いということがございまして、そういったことが相まちまして労働時間の差になっておる、こういうふうに考えておるところでございます。
○小野明君 このようにヨーロッパと比べて日本の場合は民間においても労働時間が非常に長いという事実がございます。公務員におきましても例外ではありませんで、かなり長時間勤務させられておるというのが実態であろうと思うわけでございます。 そこで、一週の労働時間を短縮させるためには、今行われております四週五休の週休制度を完全週休にすればいいと思われるわけですが、そこまで一気に持っていけないとするならば、その前の段階として、民間で主流となっております隔週の週休制を進めていくのが妥当ではないかと思いますが、この点、人事院の作業あるいはお考え等を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 公務員の労働時間の短縮の方法は幾つかあるわけでございます。我々が現実にやっている作業としては、現在五十二時間という長時間の職種があったわけでございます。これは港湾関係とか船員であるとか、そういうところでございますけれども、これについては四十八時間に直していく。さらに四十八時間を今後四十四時間という基準の時間に持っていくべく努力をしているというのが現実でございます。 問題は、現在標準的になっております四十四時間を減らすということになりますと、これは週休二日制というものを利用して漸次一時間、二時間、最終的には四時間を減らし、最終四十時間にするという線が最良の方法ではなかろうかと思っております。そういう意味で、先生がおっしゃったように、週休二日制につきましても、現在四週五休制でございますけれども、これを四週六休制にするというのが次の段階として我々の努力目標にしている次第でございます。 ただ、この四週六休にいたしますためには、各省庁の執務体制そのものに変更を来すという大問題があるわけでございます。そのために、公務員の対民間に対するサービスであるとか、あるいは公務の現実の運用というような点を種々検討しなきゃならぬということで、各省庁とかかわり合いが非常に多いわけでございます。そういう意味で、四週六休制をしくべく、今各省庁といろいろと内部検討はいたしている段階、さような段階でございます。
○小野明君 そこで、昨年の勧告の際の説明の中でも触れられておりますが、公務員の週休制度については現在どういった進捗状況になっておるのか、具体的にはどういった措置を進めておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(叶野七郎君) 昨年の勧告の説明文におきまして、民間における週休二日制の普及状況の変化や、公務における四週五休制の実施状況の推移等を背景として、公務における今後のあり方につきまして、当面、現行四週五休制の枠内で新たな方式を導入することについて検討する、かように報告文でうたったわけでございます。 内容といたしましては、現在四週五休制で毎週土曜日四分の一の職員を休ませる。よって四分の三で土曜をこなすというシステムであるわけでございますけれども、今後四週六休、さらにその前に進むためには、土曜の人数を四分の二なり、あるいはそれ以下というふうに減らしていかなければならぬということになるわけでございます。そこで、現段階としては、さしあたり四分の二で土曜をこなすことができないかというようなところで各省庁といろいろ御相談しているというのが現在の段階でございます。
○小野明君 そこで、公務員についてはそういった措置がとられておるわけですが、教員については、当然この四週五休という基本形が適用さるべきであると思いますが、総裁はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(内海倫君) この教育公務員の四週五休という問題、これは現在も基本的な形の四週五休というものについては、文部省としてもなかなか実施しがたい。したがって、例えば夏の間にそれらを集中してとるとかいうふうな方途もお打ち出しになっておるようでございますが、その間、いろいろ経緯はあるようでございますが、私どもも文部省のみならず、各省に対してこの四週五休というものの基本的な形での実施方についていろいろお勧めもし、また実行方を言ってきておるわけですが、文部省におきましては、学校の教育、運営というふうな問題で基本形ととしての四週五休というものは非常に問題があるというふうな御意見でございますし、されば私どもが学校教育の基本問題にまで立ち入るということは、これは慎しまなければいけませんので、専ら公務員である教員の皆さん方の勤務形態ということから、できるならば四週五休というものについて積極的に実施方の検討をしていただきたいというふうなことを申し上げてきておるわけで、今のところ、なお文部省とも話をしておりますが、いろいろ問題があるやに承っておるところでございます。
○小野明君 総裁、藤井総裁の答弁は、もう四年ぐらい前になると思いますが、教育公務員も当然、給与法附則十二項の一号に言う職員であることは明白であると思う、したがって基本形といいますか、四週五休に戻すのが原則であると思う、こういう答弁がなされております。総裁、この原則に対する御見解というのは変わりはないわけですね。
○政府委員(内海倫君) それは変わりもございませんし、また、先ほども御答弁申し上げましたように、そのことについては文部省の方にもいろいろと要請をいたしておるところでございます。
○小野明君 国公立の学校の現状というのは、御承知と思いますが、夏休みと長期休業の際にまとめとりを指導しておるわけですね。こういう形、いわゆる十三項適用の形ではなくて、この基本形に戻すように研究してもらいたい、研究せよと、こういう文部省に対する要請というのが四年前からなされてきているわけですね。この四年間、基本形に戻すような努力が文部省において行われてきたかどうかというのは甚だ疑問とするところであります。今後、人事院としては、こういった十三項適用という問題について基本形に戻すという努力をどのようになされていこうとお考えであるのか、一歩前に進んだ形での御見解を承りたいと思うんです。
○政府委員(叶野七郎君) 文部省の方が困難としている問題は、学校教育の基本にかかわる問題であり、あくまでもそれは教育プロパーの問題であると、かようなことでございます。そういうようなことで我々も、四週五休制を推進するときにある程度の変形はやむを得ないではないかというようなことで、夏休みのまとめどりというようなこともたしか勧告の中の説明文でうたっているはずでございます。そういう経緯がございます。 もちろん我々としても、近い将来において基本形に戻すようにという指導を常にしてまいったわけでございますが、現段階として具体的なことを挙げることもできませんので、要するに強くそういうような指導をしているというのが偽らざる段階でございます。
○小野明君 次に、人事行政諸施策の見直しの一環として休暇制度の整備を進めておられると聞いております。この中で夏季休暇の新設は今回見送るという報道がなされておるのでありますが、この理由はいかなることでしょうか。
○政府委員(叶野七郎君) 夏季休暇につきましては、民間における普及状況を考慮して公務に取り入れたらどうかというかなり強い意見もございました。ただ、公務におきましては短期間、例えば七、八月の間に多くの職員が休暇をとるというようなことは公務への影響が大きい、さらに夏季非常に繁忙になる役所が多々ございます。そういう役所では職員がとりたくてもとれないという事情が生じはしまいかというようなことがあるわけでございます。そういうわけで、現在の諸々の実情から判断いたしまして、夏季の休暇というものは、年次休暇がございます、その年次休暇の計画的な利用ということで賄うのが現時点としては最良ではないかというふうに考え、このたびは見送ろうというのが現段階の考えでございます。
○小野明君 中央労働委員会の調査によりますと、五十七年で夏季休暇平均四・二日ですが、実施しております企業は調査対象の約七割に上っております。その中で夏季休暇のための特別休暇を与えておる企業というのは約八〇%であり、その平均日数は約三・一日になっております。 また、労働省の五十九年調査によりましても、主要企業における夏季休暇の平均日数は約六・五日、その内訳は特別休暇、休日といってもよろしいが、三・五日、週休日二・二日、振りかえ休日二・六日、問題となる年次休暇は〇・三日となっておるようであります。 この数字に間違いはないのか、労働省、御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(松原東樹君) 手元にちょっと引用されました資料を持ち合わせておりませんが、五十八年に調査いたしました賃金労働時間制度総合調査によりますと、夏季休暇用の特別休日につきましては、企業規模計で全体七七%の企業が採用しておりまして、平均休日日数が三・二日、千人以上のところにつきましては三・四日というような数字になっております。
○小野明君 そうすると、大筋において間違いないな、これは。きのう労働省にはこの質問を通知してあるのに君は調べてこないというのはどういうことか。大体大筋においてこれは君の答弁では合っているように思うが、どうしてその答弁書を用意してこないのか。
○説明員(松原東樹君) 連絡の不手際かと思いますが、申しわけありません。引用されました資料はそういうことかと思います。
○小野明君 質問事項を予告してあるんだからね、こういう問題はきちんと答弁資料を整えて今後出席してもらわなきゃ困る。 今、大体大筋において労働省が認めたとおりの実態であります。そこで、時短を進めるという意味におきましても、日本人は働き過ぎるという国際的批判、今また貿易摩擦というのが問題になっておりますが、これらを緩和させるためにも民間産業に夏季休暇を普及させると同時に、公務員にも夏季休暇を与えるべきではないか、これが社会情勢、国際情勢に合った形ではないかと思いますが、人事院総裁と労働省のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(内海倫君) 夏季休暇につきましては、現時点におけるいろいろな検討の模様は、先ほど主管局長から御答弁申し上げたとおりでございます。 合理的な休暇というふうなものが公務員といえども例外ではございませんから、筋の通った形で休暇を考えるということは将来必要であろうと思いますが、ただ、公務の場合は、一つは各省の勤務の実情というものがかなり異なっておりまして、例えば夏の場合に大変多忙な状態もございましょうし、そうすると、一方は休暇をとる、他方はとれないというふうな勤務の不公平というものも出てまいるでございましょうし、一方また公務員の場合は、民間との関係、とりわけ国民へのサービスという問題もあるわけでございますから、この辺も十分考えなければなりませんし、また民間のそういう実情というものも考慮しなければなりませんので、今直ちに夏季休暇を実現を期していくということはさらに検討を要するのではなかろうか。といって、夏季非常に暑いときでございますから、先ほども主管局長が言いましたように、年次休暇の活用によって勤務の繁閑、そういうふうな状況に応じてとっていくように、当分そういうふうな措置でいくべきではないのか。将来の検討問題としては十分考えたいと思いますが、現時点ではただいま申し上げたような考え方でございます。
○説明員(松原東樹君) 民間につきましても現在、年次有給休暇の消化率、これが約六〇%と低率にある状況にございます。そういうこともございまして、労働時間の短縮の一環といたしまして年次有給休暇の消化促進ということを重点に指導いたしておりまして、年末年始、ゴールデンウイークあるいは夏休み等、業務の繁閑あるいは季節に応じまして連続した休暇をとるよう指導しているところでございます。
○小野明君 大体、国際的に比較してみましても働き過ぎだ、日本人は働き過ぎというのがトータルに数字に出ておるわけですから、今後ともこの時間短縮、休暇制度というものは前向きに、前向きといいますか、積極的にひとつ検討を進めて、実施になるように御努力をいただきたいと思います。 次に、公務員の懲戒処分についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 一般職給与法八条六項には、「職員が現に受けている号俸を受けるに至った時から、十二月を下らない期間を良好な成績で勤務したときは、一号俸上位の号俸に昇給させることができる。」、いわゆる定期昇給の規定が置かれております。定期昇給というのは、この規定のとおり、十二月を下らない期間普通の勤務をしたという客観的要件を満たしたときには当然に一号俸上位の俸給に昇給する権利が生ずるのであって、任命権者の裁量によるものではない。このように理解されるのが通念であると思いますが、人事院または総務庁人事局の御見解はいかがですか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 御指摘がございました給与法の八条六項の規定の解釈の問題かと思いますが、この普通昇給につきましては、これまでもいろいろな考え方がございまして、今お話があったような地方裁判所の判決もあったように私は記憶しております。また逆の意味で、単なる期待権にすぎないという判例もあったやに記憶をいたしております。 ただ、いずれにいたしましても、私どもはこの六項の解釈といたしましては、ここに書いてございますように、良好な勤務成績でこの十二カ月を経過したときということでございますので、良好な勤務成績で経過したかどうかということにつきましては任命権者の判断にかかわっているものと、かように理解をいたします。
○政府委員(藤井良二君) 今、鹿兒島給与局長からお答えのあったとおりだと考えております。
○小野明君 大体この定期昇給というのは、良好な成績というけれども、書かれているのはそうではあるが、実態的には大体普通の成績で十二月を勤務すれば当然に一号上位にランクされると、このように考えるのが法上の通念ではないか。公務員の定昇に対しては身分保障あるいは生活保障の実質的な裏打ちである、最小限生活保障であると、こういった性格を持つものであると私は思います。勤務成績が特に良好であれば、これは特別昇給という制度があるわけですよね。今おっしゃるように「良好な成績」云々と、こういうことになれば、定期昇給が一つの表彰か恩典みたいなことに相なるにも考えられるわけでありまして、ここでは定期昇給というのは通常の勤務をしておれば当然に受ける権利である、労働力の対価である、その一部を構成するのだと私は思うんです。ちなみに、条件つき任用の場合は、六カ月を勤務すれば、言葉は良好な成績とあるが、普通勤務しておれば正式任用になるわけでありまして、あながちこの「良好な成績」というのは実態的には運用されないのが常識というものではないかと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) お話の点は、この普通昇給はどういう性格のものかという考え方の問題かと思います。我が国には極めて例は乏しいわけでございますけれども、諸外国には定額制度の給与というものもあるやに聞いております。私ども日本におきましては、こういう普通昇給が行われるといういわゆるレインジレートの給料表をとるというところが多いわけでございます。その趣旨はどういうことかといいますと、いろいろこれにつきましても考え方がございますけれども、基本的には職員が勤務をすることによりまして能率が向上する、あるいはその仕事に熟練をする、それに対する報償といいますか、それに対する対価として普通昇給が行われるというのが基本的な考え方ではなかろうかと思います。したがいまして、その勤務の能率の向上でございますとか、あるいはその熟練の度合いでございますとか、そういうもの、これを「良好な成績」という形で判断して普通昇給を行わせるというのが基本的な考え方であろうかと思います。
○小野明君 ここで議論をすれば長くなりますので、そういう時間も与えられておりませんが、表現としては、言葉としては「良好な成績」とあるけれども、実態は生活保障あるいは身分保障ということで、通常の勤務をしておれば当然に上げる、上位に上げられる、ランクされるべき性格のものであると、このように私は考えるべきだ、見るべきだと、このように思います。 そこで、人事院規則の九—八ですね、三十四条によりますと、今お話がありましたように、定昇は「職務について監督する地位にある者の証明を得て行なわなければならない。」、「人事院の定める事由に該当する職員」、すなわち停職、減給または戒告を受けた者はその「証明が得られないものとして取り扱うものとする。」となっております。つまりこれらの処分を受けた者については十二月での定期昇給を受けられないことと相なっておるわけですが、これらの処分を受けた者の定期昇給の実態、これはどのようになっておりましょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 人事院規則の九—八の三十四条第一項の規定に基づきまして懲戒処分を受けた者につきましては、良好な勤務成績の証明を得られなかったもの、したがいまして、普通昇給は行われないという形で運用されておるところでございます。
○小野明君 この定期昇給は得られないという実態というのは、大体昇給の延伸というのが行われておると思うんですね。こういった処分を受けた者がどういった実態にあるのかということをお尋ねしておるわけです。
○政府委員(鹿兒島重治君) 懲戒処分を受けました者につきましては普通昇給が行われていないということでございます。
○小野明君 昇給は行われていない。同時にこの処分を受けた者については昇給延伸という措置がとられておりますことは、これは言うまでもなくあなた御存じのはずですね。
○政府委員(鹿兒島重治君) おっしゃいますのは、昇給延伸ということを私は昇給が行われていないと申し上げたわけでございまして、懲戒処分を受けました場合には普通昇給はございませんので、それを別の角度から申しますならば延伸されているという状態になろうかと思います。
○小野明君 そうすると、その処分が行われると昇給延伸という新たな処分が行われる、こういうことですか、あなたのおっしゃることから言うと。
○政府委員(鹿兒島重治君) 新たに延伸という処分が行われるわけではございませんで、昇給させないという措置が継続しているということでございます。
○小野明君 どうも明快でないんだけれども、昇給延伸というのは普通三カ月延伸というのが多く行われておりますが、当該の年度に三カ月延伸されたということになると、途中で復元の措置がとられない限り毎年ずっと続けて延伸されることになるわけですね。その間ボーナスあるいは諸手当にもはね返って、退職金、年金あるいは本人死亡後の遺族にまではね返る、こういう結果をもたらすわけですね。その不利益というのは極めて甚大と言わなければならぬと思います。 一方、懲戒処分としての減給というのを見ると、人事院規則で一年以下の期間、五分の一以下の額を給与から減ずる、こういうことになっているだけであって、これと昇給延伸というものを比べると、この昇給延伸というのは減給をはるかに上回る経済的な制裁となっておるのは御承知のとおりですね。例えば戒告なら戒告という処分を受ける。これは責任を確認し、将来を戒めるという処分が行われる。さらに昇給延伸というのは新たな一つの懲戒処分を受けるという実体、そういうものを持っているのではないかと思いますが、これは総裁、総務庁長官の御見解を伺いたいと思うのであります。いかがでしょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 若干法律技術的に申し上げさしていただきたいと思います。 御承知のように、懲戒処分、減給を含めまして懲戒処分の場合には、言うまでもございませんが、服務規律違反に対する秩序維持の処分ということで、これは行政法学上も処分として観念してよろしいかと思います。これに対しまして、おっしゃる昇給延伸ということでございますけれども、これは給与法に基づきまして勤務成績に基づく給与上の措置というぐあいに考えておりまして、私どもは処分としては考えておりません。
○小野明君 そうすると、昇給延伸というのは国家公務員法あるいは地方公務員法もそうですが、その法上処分でないということは明確ですね、この昇給延伸というのは。法律上はそうですね。 そこで、昇給延伸という措置なんですが、これは懲戒処分の直接的な効果という性格であるのか、それとも十二カ月を下らない期間を良好な成績で勤務したときに当たらない場合なんですから、年間の勤務成績を総合的に判断した結果に基づくものであり、勤務成績が良好でなかったことだと見るべきなのか。昇給延伸というものの性格について人事院はどうお考えでしょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 普通昇給の昇給延伸につきましては、給与法に基づきまして、良好な勤務成績の証明を得られなかったということに基づく給与上の措置であるというぐあいに考えております。
○小野明君 そうすると、懲戒処分の直接的な効果という性格ではないということですね。
○政府委員(鹿兒島重治君) もとに懲戒処分があることは事実でございますが、措置自体は給与法に基づく措置でございまして、懲戒処分の直接の効果ではないと考えております。
○小野明君 この扱いというのは地方自治体によって非常にばらばら、まちまちの見解がとられておるわけでありまして、今初めて私は給与局長からそういった見解を承ったわけです。 そうすると、そういう判断を、見解をおとりになるとすると、極めて勤務成績優秀な公務員が三十分、一時間ぐらいのストに参加して戒告処分を受けた、そして昇給延伸を受けた、その場合、その後勤務成績がどんなによくても生涯、さらには死亡してからもその影響が出る一方、たまたまストには参加しないで、一年間の勤務もそうよくなかった公務員が十二カ月で定期昇給をしていく例がある。これは笑い事じゃない、ざらに多い。こう考えると、一年間の勤務成績の判断というのとは別個独立に、昇給延伸というのはストライキ参加を制裁する主観的な意図に基づいて行っている、こう言わざるを得ないんですが、人事院はどうですか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 給与上の措置を行うに当たりまして、懲戒処分という事実を勘案するということで措置をしているわけでございますけれども、その懲戒処分の内容につきましては、それが職員組合の活動であれ、その他の非違行為であれ、全くこれは同一に取り扱っているわけでございまして、その点につきましてかくかくの行為だから給与上の措置をする、そうでないものはしからざる措置をとるという考え方は全くとっておりません。
○小野明君 どうも私の質問に対して的確な答えでなかったように思うが、もう少し的確にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(鹿兒島重治君) 給与上の措置でございますので、その判断の基礎としては、勤務成績が良好であったかどうかということを判断することになろうかと思います。その場合、他の一般的な勤務状況が良好な勤務状況でございましても、そこに何らかの非違がございますれば、勤務状況全体について判断せざるを得ないということでございまして、その点は非違なく経過した職員との間で差がつくことは当然ではなかろうかというぐあいに考えております。
○小野明君 非常に矛盾があるね。人事院がそういう見解をお持ちだから能率向上とかなんとかいうことができないんではないか。非常に問題があるが、時間の関係もありますから次に進みます。 ここに西ドイツの例があるんです。官吏の懲戒処分を見ると、懲戒の種類として訓告、戒告、現金罰、減給、昇給拒否、降格、降任、免職、恩給減額、恩給の剥奪、十種類を規定しておる。そのうち行政庁がみずから科し得るのは訓告、戒告、現金罰、この三つです。あとは連邦懲戒裁判所によってしか科せられない、こういうことになっておる。しかも、我が国の昇給延伸に当たる昇給拒否は懲戒の一つとして明確に規定されておる。昇給拒否は懲戒である。しかも減給よりも重い位置づけとなっていたのですが、六七年に訓告、昇給拒否と降格は削除されておる。この昇給拒否と降格が削除されたのは、何年にもわたって影響を及ぼして余りにも大きい金銭上の損失をこうむるから、遺族まで受けるわけですから不適当である、これらの役割はむしろ減給によって代替されると考えられたからと言われておるようです。今日では行政庁が科し得るのは戒告と現金罰だけだ。この西ドイツの例に照らしても、我が国の今私が言っております昇給延伸というのは懲戒処分の実質を持っておるから違法ではないか、懲戒処分というのは四つしかないわけです。実質は懲戒処分ではないか、こう思いますが、ここまで来ると総務庁長官、人事院総裁もお答えがいただけると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(内海倫君) この問題につきましては、いろいろと考えがあるとは思いますけれども、人事院という立場で、法令に忠実にこれを執行していくという立場に立ちますと、御質問の問題は、先ほどから御答弁申し上げております給与局長の申しておりますところが、また同時に私どもの考え方でもあるというふうに申さざるを得ないわけでございます。御了承を得たいと思います。
○小野明君 長官はいかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今、スト参加であろうとそうでない理由であろうと、服務規律違反という事実があれば、これは懲戒処分を受けるわけですね。そうしますと、懲戒処分を受けた者は当該の年度良好に勤務したと認めるわけにはいかない、これはまた私は一般的な常識ではなかろうかと思います。ならば、そういう観点に立って、給与法上、良好に一定期間勤務した者が昇給するわけですから、その昇給の恩典には浴さないというのはもうやむを得ない当然の帰結ではなかろうかな、私はかように考えるわけでございます。
○小野明君 だから、私がお尋ねしておるのは、これは例えば戒告という処分を受けた、そうすると昇給延伸というのは、我が国の例に見られますように三カ月延伸されると、例えば一年間ほぼ四万円くらいになりますか、それが一生ついて回る、遺族年金にまで及ぶ。こういう結果をもたらしているわけですから、実質上、戒告という処分を受けた上に昇給延伸という新たな処分を受けた、新たな処分としてこれを見るべきではないのか、こうお尋ねしているわけですが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) この問題は、私が官房副長官当時も、組合の諸君が大変その点を強調しておった記憶がございます。私は、懲戒法上の処分は懲戒法上の処分である、その結果勤務が良好でないと認められるのはやむを得ない。しかしながら、当該人間が心を改めて、そして一定年限また本当に良好な成績といいますか、特に勤務が優秀であるというような自己改革を遂げておやりになれば、これはまた別の、今度は特別昇給ということだって個々ばらばらにあり得る、私はさように考えておるんです。ただ、そのときに、当時の記憶では、一たん処分を受けたものが一生ついて回るんだから、一定年限たったらともかくみんな全員上へ上げる、こういう話ですから、それはおかしい、特別昇給というのはそういう意味ではないよというようなことを議論した記憶がございます。一度延伸の不利を受けた者が本当に心を改めてよく勤務すれば、これは個々の審査をして上げることは一向差し支えないんじゃないか、かように考えているわけです。
○小野明君 私は、この昇給延伸というのは実質上の懲戒処分であり、それ以上の影響を持つ、こう申し上げているわけですが、憲法三十九条の二重処罰の禁止規定、あるいは国公法第七十四条の懲戒の根本基準、これに違反をしておるんではないか。あるいはILO結社の自由委員会の百三十九次の報告ではストごとに処分をすべきでないということ、あるいは百八十七次報告では恒久的な不利益を与えるべきでないということ、こういった報告を無視しているものだと思います。 この昇給延伸は、突き詰めていきますと、人事院の通知に根拠が置かれておりますね。この単なる通知によって事実上の処分を科しているということは、給与法定主義を無視しておるんではないか、違憲、違法と言わざるを得ないと思うわけであります。通知によって措置されておるということは、そういう違法措置だから直ちに撤回すべきではないか、こう思います。 なお、続けていきますが、今恩赦法によって刑事罰に対しては刑罰の効果を失わしめる、あるいは軽減する、あるいは復権という措置が講ぜられておるわけですね。ところが、公務員の懲戒処分については救済する措置は講ぜられておらぬ。これは憲法第十四条の法のもとの平等に違反するのではないか、このように思います。総裁は公務員の懲戒処分を回復する規定を検討すべきではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(内海倫君) 今直ちに私、いかようなる御返事をしていいか、まだ考え方を持ちませんので、なお今後よくいろいろな角度から勉強いたしたいと思います。
○小野明君 今の御答弁ではまことに不満です。 例えば国公法、地公法でも罰則のところを見ますと、百十条に規定してありますが、大体最高でも十万円以下の罰金、三年以下の懲役と、こう規定してある。ところが昇給延伸によりますと、一年間に四万ぐらいの損失、それが公務員でいる間生涯続く、遺族年金にも及ぶ。こういうことに相なるわけでありまして、国公法に規定している、あるいは地公法に規定しておる罰則の最高刑よりも重いものになる。だから、昇給延伸された処分について、回復措置を講ずべきではないか。恩赦法でも大赦あるいは減刑、特赦、復権と、こういうふうにあるわけですね。ここではそういう方法が講じられておって、公務員にはそういった復元措置は講じられないというのは非常な不平等ではないのか、こう申し上げているわけです。これらに対する御答弁を総裁から、あなたは公務員の身分を預かるところだから、しっかりした御答弁をいただきたいと思うんです。
○政府委員(鹿兒島重治君) 給与について申し上げますならば、御指摘の点は、マイナスになった、したがって復元すべきだという考え方に基づいているのではなかろうか、かように思うわけでございます。 しかしながら、給与法の八条の六項に基づく措置はプラスにならなかったというぐあいに私どもは理解しておるわけでございまして、したがいまして、基本的には復元でございますとか、あるいはいわゆる懲罰に対する復権でございますとか、そういう考え方をとる余地がないものというぐあいに理解をしているところでございます。
○小野明君 だから復権の措置を講ずるように人事院は考えるべきではないか。恩赦法では復権と書いてあるが、公務員は、一遍ストライキをやれば後は極めて優秀な成績で勤務してもこういう非常に過酷な処分、遺族にまで及ぶ処分である。これについて復元の措置を人事院は検討すべきではないか。総裁、いかがですか。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕
○政府委員(内海倫君) 大変ぶっきらぼうな答弁でございますけれども、ただいまも給与局長が答弁したところでもございますし、私も先ほど答弁申し上げましたように、直ちにどうというお答えを申し上げるということは極めて困難でございますので、なお今後勉強はいたしておきたいと思います。
○小野明君 終わります。
○穐山篤君 元号の問題についてお伺いしますが、元号選定手続の第三、「原案の選定」のところで、「総理府総務長官」というのは総務庁長官というふうに読みかえていいわけですか、まず最初にお伺いしておきます。
○政府委員(吉居時哉君) 従来の総理府総務長官は内閣官房長官というふうに読みかえていただきます。
○穐山篤君 そうしますと、この手続でいきますと、「内閣総理大臣の指示により、内閣官房長官、総理府総務長官及び内閣法制局長官」と書いてあるのは、「総理府総務長官」がなくなるわけですね。
○政府委員(吉居時哉君) そのとおりでございます。
○穐山篤君 そうしますと、官房長官が代表ということになるわけですからお伺いします。候補名の考案という問題があるわけですが、この閣議の報告によりますと、複数の候補名の考案を委嘱する者を若干名とする、こういうふうに書かれているわけですが、この若干名というのはおおむねどの程度の人数を予定しているんですか。あるいは候補名の選定についてどういうふうに準備が進んでいるんでしょうか。
○政府委員(吉居時哉君) 若干名の解釈でございますが、これは若干名としか書いてございませんので具体的には決まっておりませんけれども、おおむね三名から五名ぐらいという感じを持っております。 ただ、新元号の制定は、申すまでもなく大変重要な事柄でございますので、万遺漏なきように期する必要がございます。したがいまして、政府としましては、先ほど御指摘のありました元号選定の手続に従いまして適時適切に対処するということにしております。
○穐山篤君 現在の昭和という元号は、中国の書経からとったと言われているわけですが、その理由はどういう背景があったんでしょうか。
○政府委員(吉居時哉君) 昭和という元号の出典は、書経ということは私どもも承知しておりますけれども、その背景がどういうことであったかはつまびらかにしておりません。
○穐山篤君 この考案者の委嘱については、漢学者というものをあらかじめ検討されているんですか。
○政府委員(吉居時哉君) 考案者をどのようにするか、現在まだそのような手続をしておりませんので、具体的に私ども頭の中にありませんけれども、元号というような大切な問題に係る問題でございますので、その考案者の選定に当たりましては、この面での有識者を考えるということになろうかと思います。
○穐山篤君 考案者を委嘱するタイミングというのはどういう状況下を想定しているんですか。委嘱をするタイミングです。
○政府委員(吉居時哉君) そのタイミングにつきましても、諸般の状況を考えまして万遺漏なきようにというタイミングでもって考えたいと、こう思っている次第でございます。
○穐山篤君 次に官房長官、予算書あるいはその予算書の背景をいろいろ調べてみますと、総理官邸の整備あるいは近代化という問題について幾つか予算書に計上されておりますね。とりあえず官邸特別整備等の経費、六十年度予算では一億八千七百十七万円。それから一方では官邸の全面改築というものを予定して、官邸施設整備検討調査費というものも計上されているわけです。それから御案内のように、官邸の近代化について臨調の指摘がありますね。それからさらに郵政省が既に検討着手されたと言われております官邸情報システム、こういうものが一度に出てきたような感じなんです。 さてそこで、これらをまとめて官邸を総合的にどうしようとされているのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(藤波孝生君) 今御指摘をいただきましたように、官邸の整備費として約一億八千万円が計上されておりまして、現在の官邸の機能を維持するため、外装とかあるいは内部施設、設備の整備などの改修に充てようとするための経費でございます。また官邸機能の強化、近代化に関連するいろいろな施設整備の検討に必要な経費としまして、昭和六十年度予算案に七百余万円計上いたしておるところでございます。 御指摘のように、臨調でも内閣機能を強化していくということが取り上げられまして、非常に強調されてきておるところでございますし、また今日の行政を進めていく上で、いろいろな情報を総合化する、そしてその伝達を早く集中させて、そこで情報をいろいろ整理して対処していくというようなことからも、内閣機能の強化ということを具体的に言えば、そういった情報伝達のシステムというものを首相官邸にもっと整備すべきだと、こういうふうな形でいろんな御助言なども各方面からいただいてきておるところでございます。実際に機能の面でどのようにしてそういったいわゆる情報伝達のシステムというのを持っていくかということについて、これは通信機器などもいろんな形で発達もしておりますので、それらもうまく総合化されて活用されるということを頭に置いて検討していく必要があろうということで、郵政省とも連絡をとりながらいろんな研究を進めておるところでございます。 それからもう一つは、首相官邸の施設そのものが非常に古くなっておりまして、昭和三年に建てた官邸でございますので、そういう意味では、中の会議をするときの機能とか、あるいは外国のいろいろな国公賓の方々をお迎えしてのいろいろな応接の段取りとか、なかなか事欠くところもあるというような話も従来各方面から指摘されてきておるところでございますが、これについても徐々にいろんな検討、研究はしてきておりますけれども、これをぐんと打ち出して、それじゃ首相官邸をどうするかというような論議をするというのもなかなかしにくい行財政改革路線の空気の中でもございますし、よく何回か浮かんでは消え、浮かんでは消えしてきております首相官邸のそういう施設の整備という意味でも、当面は、何といいますか、少し内装を白く塗ってみたり、外のかわらが落ちてくるのを少し防ぐための工事をしてみたりしながらきておるようなことでございまして、いろいろ申し上げてまいりましたけれども、その施設の面とか、あるいは機能の面とか、いろんな面で首相官邸を中心とした行政の進め方についていろいろ研究をもっと進めていきたい、こう思っておりまして、 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 そういう意味では今申し上げました一億八千余万円というのは、これは施設の整備をしていく費用、別途官邸機能を強化するためにいろいろな研究もしていきたいと思いまして、調査をするための費用などをとっておるようなことでございます。まだ具体的にそれらがどんなふうに動いていくかというところまで至っておりませんが、それらのいろいろな方面からの御指摘や御助言もちょうだいしながらよく研究していきたい、こんなふうに考えておるのが実情でございます。
○穐山篤君 宮内庁に次はお伺いしますが、去年の十二月でしたか、三笠宮の三男が結婚をされまして、新しく高円宮家というのが創立されたわけです。この宮家の創立という基準ですね、あるいは手順といいますか、それからもとに戻りまして、宮という号ですね、これはミヤ号と言うんでしょうか、キュウ号と言うんでしょうか、この号の意味はどこにあるんでしょうか、お伺いします。
○政府委員(山本悟君) 宮家の創立という言葉がよく使われるわけでございますが、何と申しますか、現在の皇室典範及びそれと関連いたします皇室経済法といった一連の法体系のもとにおきましては、宮家の創立という言葉に当たりますのは、独立生計の認定というのが皇室経済法の中にございまして、その独立生計の認定が皇室経済会議によってございますと独立した宮家としての各経費が支出されると、こういう制度になっているわけでございます。だから経済的に申し上げますと、まさにその皇室経済会議におきます独立生計の認定が宮家の創立であるということになろうかと思います。 例えば三笠宮寛仁親王は数年前に結婚されまして、その際に独立生計の認定が行われました。したがって、これは三笠宮のままでございますけれども、経済的な意味から言えば一つの宮家といたしましてすべての経費が支出されていると、こういうような格好になるわけでございます。それに対しまして先般の高円宮家、これは宮号の下賜、こういう言い方をいたしておりますが、高円宮も御結婚になりまして、経済的には皇室経済法によりますところの独立生計の認定はあったわけでございます。それによって法的には独立されたわけでありますが、新しく宮家から分かれられました際に、陛下から高円宮という称号を賜っておるということでございます。 この称号につきましては、現在の法制、実を言いますと、旧憲法下におきます旧皇室典範のもとにおきましても、特定の規定はないわけでございまして、すべて慣例によって処理をされてきておるわけでありますが、一番はっきりいたしますのは、内廷から親王が独立された場合です。戦後で申し上げれば常陸宮家ができた、宮号を賜った際には内廷から独立されたわけであります。結婚されて独立をされました。その際に常陸宮という宮号を賜った、こういうことでございます。戦前におきましても、そういった意味での独立が行われました際に各宮号というものを賜っているというような状況になっているわけでございます。 今般は、三笠宮の三男に当たられるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、寛仁親王は嫡子でございますのでそのままの、宮号の下賜というのはなかったわけでございますが、同じ宮号の中でいろいろな宮家があるという格好がいいのかどうか、そういう点は、過去の慣例から申し上げまして、新たに独立された際に、嗣子である方以外は宮号を賜ってきているのが例でございますので、その慣例に従いまして陛下から高円宮という宮号を下賜されたと、こういうような事情でございます。
○穐山篤君 時間がありませんので、丁寧な説明もありがたいんですが、簡略にお願いをしたいと思います。 今お話がありますように、宮家を創立いたしましても予算的に言えば皇族費というものになるわけでありまして、言うところの概算要求基準だとか、シーリングにはひっかからないものですね。しかしそうは言いましても、独立した宮家がどんどん出ていきますとかなり財政上膨らむわけですが、一般的にいきまして、独立皇族として一家庭が増加いたしますとおおむねどのくらいの費用がふえるか。この点いかがでしょう。
○政府委員(山本悟君) 独立生計の認定がございますと、一番端的な問題は、皇族費の額の計算が違ってまいります。それまでは、独立しない成年の親王でございますと、皇室経済法施行法で定められておりますところの親王の単価の三割ということでございますが、それが独立生計になりますと、もちろん一になるわけでございます。それから結婚されましたので、これは親王の半分、五割というのがふえてまいります。 こういうようなことで、六十年度の単価で見てみますと、皇族費におきましては、殿下関係あるいは妃殿下関係と合わせまして約二千八百万の皇族費の増加になる、これは事実でございます。そのほか、さしずめのところといたしましては、独立になりました際に殿邸を建設して提供するという建前になっておりますので、この建設費の予算要求をさしていただいております。これは二カ年度にわたりまして約四億ぐらいだと思いますが、そういうようなことがある。あるいは皇族の活動費としての一宮家ごとの交際費といったようなものも計上させていただいているわけでありまして、そういう意味では独立いたしますと経費がかかってくるということになろうかと思います。
○穐山篤君 天皇が在位をしてからちょうど六十周年をことしは迎えることに相なるわけです。前回、天皇陛下御存位五十年という記念式典、行事があったわけですが、六十年というものについて政府としては何らかの行事その他を予定されているんでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 具体的には来年が御在位六十年、こういうことになるわけでございます。一般的には昭和六十年でございますのでことしのような感じになりますけれども、厳密にこの前の五十年のときの例を見ましても来年が六十年ということでございますので、六十年をお祝いしていろんな行事をやりたいという気持ちは持っておりますが、まだ少し時間もあることでございますので、その間にいろいろ検討していきたい、こう考えておりまして、具体的にどのような時期にどういうふうな行事をやるかというところまでまだ具体化いたしておりません。ことしからぼつぼつとその検討を進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○穐山篤君 六十年記念行事というものを利用して大赦、特赦あるいは復権というふうな動きがないわけでもないわけですが、私どもとしては、そういうものの便乗というものは厳に戒めなければならぬ、こういうことを強く申し上げておきたいと思います。 それから最後に、午前中の予算委員会で野末委員の若干の質問がありました。そこでお伺いをしますが、古い皇室典範がなくなって新しい皇室典範になった。その限りでいきますと、その昔、即位の大礼、大嘗祭というものがセットされていたわけですけれども、少なくとも大嘗祭というものは天皇個人の政である、こういうふうに理解をいたします。その点はいかがでしょうか。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、大嘗祭は、即位に関連する意義深い儀式といたしまして、伝統的に行われてきたことは御承知のとおりであろうと思います。ただ、現行憲法下におきましてその性格は十分に見きわめてからいかなきゃならないものというぐあいに考えているわけでございまして、こういう行事が皇室の行事として非常に伝統のある重要な行事であるということは十分承知いたしておるわけでありますが、どういう形態でどういう格好で行えるのかというような点につきましては、単なる研究中でのことでございまして、どうこうというような格好のものは、私どもといたしましても、政府といたしましても出ていないというように存じております。ただ、いろいろと御議論の過程におきまして、今までも国会答弁等でいろいろなことが行われているわけでありますが、その辺は十分踏まえましておいおい私どもは研究を続けてまいりたいというように思っている段階でございます。
○板垣正君 まず官房長官にお伺い申し上げますが、最近、御存じのとおり、政教分離をめぐって訴訟あるいは住民監査請求その他のクレーム、こうしたことが枚挙にいとまがないほどいろいろ起こってきているわけであります。これは一々具体例については時間がありませんので申し上げませんけれども、既に御承知だと思うのでございます。こうした問題の中にはちょっと常識的にどうかというふうな問題も間々あるわけであります。ごく一部の例でございますけれども、箕面の忠魂碑をめぐっての訴訟ですね、これでは忠魂碑は宗教施設である、遺族会は宗教団体であるという驚くべき判決であります。現にこれは係争中でありまして、遺族会は宗教団体であるのかないか、これが裁判の場でまともな形で論議されておる。あるいは遺族会に対する補助金をめぐって、宗教団体に補助金を出すのは憲法違反だということがまさにまじめに論議されているという驚くべき姿。あるいは慰霊祭等の行事をめぐって公民館がそうしたものに貸せない、宗教的行事を伴う慰霊祭には貸せないというふうに断られたというふうな事例もあります。 極端な例としては、これは石川県ですか、小学校でプール開き、教頭さんがお清めということでお塩をまいた。これに対して、神道儀式にかかわっていることだから憲法上問題があるというようなクレームがつく。あるいは、これは東京の保谷市の例でありますが、従来平穏に市の体育館を無償で使って民間主催の戦没者慰霊祭が行われてきた。それに市長や議長が生花を供えておった。この生花をめぐって住民監査請求が出て、これがまた憲法上問題であるというようなことで、一たん市はこれをやめると言った。しかし、一般住民がこれに対して公開質問状を出して、またいろいろな問題になっているとか、いろいろ挙げれば切りがないわけであります。 こういうことをめぐってこうした問題が多発しておるという、こういう現状についてまず長官はどういうふうな御認識をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) どういう認識を持っておるかということにお答えするのは非常に難しいわけでありますが、憲法上宗教法人の扱いであるとか、宗教活動に対する政治との関係などにつきましては、非常に厳しい規定になっておりますので、純法律上検討してまいりますと、なかなかいろんなところで難しい問題が起こり得るというふうに考えております。ただ、今の先生の御意見によりまして、何か憲法上のいわゆる法律論よりもさらに歪曲されて、宗教法人とか宗教団体とかが活動しにくいことになっているのではないかというような今の御意見等につきまして、それらが日本の場合に、政治と宗教と申しましょうか、憲法の法律論の中での宗教の位置と申しましょうか、戦後四十年たっておるわけでございますから、国民の合意された考え方というものは整理されてきそうなものでございますけれども、従来日本人の心の中で考えてきたことと現在憲法が規定しておりますこととの間にいろいろな、何といいますか、現実上ギャップが生ずるようなところもありまして、一つ一つの事例として考えてみますると、いろんな混乱が生じておるようなところもある、こんなふうに思うわけでございます。しかし、憲法では非常に厳しい規定になっておりますから、それらも十分頭に置いて政府としては一つ一つの事例に対処していかなければなりますまい、このように考えておる次第でございます。
○板垣正君 これらの問題についてさらに特徴的な点を申し上げますと、裁判、訴訟にせよ、住民監査請求にせよ、ごく一握りのグループで行われているという現象であります。さらに言うならば、新教、プロテスタントのキリスト教のそうした立場の牧師さん、あるいはいわゆる革新と称する勢力のごく一部の人たちがこの問題を提起しておる。しかし、こうした問題が提起されますと地方自治体は被告の場に立たざるを得ない。地方自治体の中にはそれは毅然として筋を通しているところもございます。しかし多くは、そうしたものを突きつけられると、なるべくさわらぬ神にはたたりなしと、事なかれで安易な妥協をする、安易な措置をする。それが一般住民とは非常に遊離した形でまたそれがいろいろな争いのもと、抗争のもとになっておる。しかも、こうした一連の動きというものをいわゆるミニ靖国闘争と称しておるんですね。ミニ靖国闘争で非常にこれは根っこが深いわけです。これは一連の組織的な連携をとりつつ反靖国闘争の一環として非常な根を広げつつある。 こういう中で、こういう成り行きのままにいきますと、まるで占領中の神道指令がもう一回復活しなきゃとどまらないような、あるいは昭和二十六年九月十日に出された文部次官等の通達が政府においても国会においても現に有効であるという確認をされておるにかかわらず、実質的にはこういうものはどんどん形骸化しておる。こういう現象というのは、日本の長い伝統、歴史で培われてきた日本人の特有の宗教感情なりあるいは文化的な営み、そうしたものを知らず知らずのうちにむしばんでいく、言うなれば、精神的、文化的な公害というべきものではないか。極めて深刻な憂慮すべき事態であろうと思うのであります。 戦没者の慰霊ということはまさに人間特有の営みであります。動物が仲間が死んだから自分たちでそれを追悼する、慰霊するということはあり得ない。まさに人間特有の営みであるならば、その追悼なり慰霊の行事に宗教的なものが当然伴う。現にそうした形で平穏に行われている。例えば東京都において毎年春秋、戦災で亡くなった方、震災で亡くなった方の慰霊法要が東京都の所有する戦災慰霊堂で行われております。そして必ず仏教式でこれはやられるわけですね。必ず都知事、都道府県議会の議長が出て追悼の辞をささげておる。何人もこれに対して憲法違反だとかいうようなことを文句つけた例は聞かない。そのほかにもいろいろな形で行われている例も多いわけであります。したがって、もう戦後まさに四十年、日本の民主主義も成熟の段階に入ってきている、国民的な意識においても政教分離、信教の自由ということを踏まえながら、また日本国民の長い歴史の伝統の上にのっとった個性あるこうした慰霊のあり方、戦没者追悼のあり方、そうしたものが大切にされるべきであろうと思うわけであります。 そうした意味におきまして、今靖国神社の参拝問題に関する懇談会が官房長官の諮問のもとで行われておるわけでありますが、この問題はそうした混乱にある程度区切りをつける、そういう面からも非常に大きな期待を持たれ注目をされ、この運びをもってぜひ明るい解決をしてもらいたい、これは本当に切なる多くの国民の願いであります。 そこでお伺いしたいわけでありますが、最近本格的な論議に入っているということも聞いておりますけれども、長官のお立場でどういう方向で諮問され、現在どういうふうに進んでおるのか、そして近い将来にこの報告書がまとめられる、どういう状況にあるのか、簡単で結構でございますが、要点を教えていただきたい。
○国務大臣(藤波孝生君) 憲法を中心として宗教と政治の問題は非常に難しい問題がございまして、いろいろな事例で、先生御指摘のように、こういう場合にはいいけれども、こういうときには非常に問題になるというような、確かにそういう感じも私どももございます。今お話がございました東京都の戦災、震災の追悼法要など、私も党を代表して参列したことがございましたが、そのときは仏教の形式で随分盛大に催されて、ああ、こういうふうにしてやるんだな、やれるんだな、そんな思いをしたこともございました。ただ、これらの問題につきましては、お考えになる立場の方によりまして、お考えによりまして、物事は憲法を中心として考えていかなきゃならぬというふうに思うわけで、非常に微妙な難しい問題であるというふうに考えざるを得ないわけでございます。 靖国神社に対する閣僚等の参拝の問題につきましては、今先生御指摘のように、自由民主党を初めといたしまして各方面からいろいろな御意見がございまして、それを受けて政府といたしましてこれをよく勉強したい、このように思いまして懇談会を設置して、内閣官房長官の私的諮問機関として意見を述べていただいておるところでございます。昨年の夏に第一回をお願いをいたしまして、その第一回目の会合の際に、ほぼ一年ぐらいをめどとしてひとつ御意見をぜひ深めていただきたいというお願いをして、非常に精力的に会合を開いていただいておるところでございます。 まず、靖国神社の経緯等につきまして事務的な御説明を申し上げた後、いろいろな資料を取り寄せようということで、外国各国の国のために亡くなった方々等に対する慰霊のいろいろな例なども、随分たくさんの国々から日本の在外公館にお願いをして取り寄せまして、それらも十分参考にさせていただいたり、あるいは法律論としていろいろなお立場から、宗教法人靖国神社というお立場の憲法上の問題、そこで公式にかかわっていく場合のいろいろな問題点といったようなことについても意見が述べられておるところでございます。また宗教学者、哲学者の方々もおられますので、いわゆる宗教論として、日本の神道といったようなものがどういうふうな経緯で今日まで発展をしてきておるのか、それが日本人の暮らしの中でどのような位置づけになっておるのかといったようなことについてもいろいろ御意見をお寄せいただいておるところでございます。 いろいろな角度から御意見を寄せていただいておりまして大変いい勉強をさせていただいておる、このように思っておる次第でございますが、なお会合を重ねていただきまして、林座長を中心にいたしまして報告がまとめられるのを待つ、こういう形で政府としては今勉強させていただいておるところでございます。
○板垣正君 いろんな問題で国民の合意を求めていく、コンセンサスを求めていくということは非常に大事なことだと思うわけですが、ただ、それが名目になります。先般の建国記念の日の問題についても私はそういう感じを持っております。総理が初めて参列をされて行われた、それはそれで大いに意義があったと思いますけれども、反面、今まで四十一年以来、本当に建国の日の意義を踏まえ熱心にこの会を守り育て、また国民的な場でやってきた熱心な方たちが何か疎外されて薄められてしまったというふうな感じ、政治色をとるんだ、宗教色をとるんだということから、今度は逆の意味の何か政治色が入ったとかというような感じ、あるいは今の問題につきましても、今専ら行われております追悼式の例が、非宗教的、無宗教の儀式が行われるという格好で、それならいいんだと行われているけれども、あの無宗教の儀式といえども宗教性がないとは言えない。宗教性のない慰霊祭などあり得ない。まして私ども日本人は極めてユニークな宗教的な伝統を持ち、情操を持っておる。そういうことで懇談会の方もぜひ期待されるような結論を早期にまとめ、特にこれは官房長官が責任者として諮問されて参考意見を聞こうというわけでありますから、そういう方向でさらに委員の方を鞭撻していただいて期待される結論をまとめられる。従来の内閣法制局見解といえども絶対のものではあり得ない。内閣法制局が一回見解を出したら絶対変えられないなどというような、そんな硬直したものでは政治はあり得ないと思う。そういう点も含めて、ぜひ善処方をお願いいたしたい次第であります。 次に、戦後処理に関連いたしまして二、三お伺いいたします。 昨年、委嘱審査の際は、懇談会の答申をめぐって、戦後処理懇の成り行きをめぐって党派を超えて極めて熱心な論議が行われたわけであります。昨年十二月二十一日に、二年有半にわたったこの戦後処理問題の懇談会が報告書を出され、そしてまたそれを受けて六十年度の予算案にいわゆる特別基金検討調査費というものが計上されたわけであります。 そこで、率直に伺いますけれども、今までの衆議院の予算審議等も含めて、私どもの受け取り方は、こうした方々に対する基金の検討ということと実情を調査すること、この二本立てが今回の予算の趣旨であろうと思うんです。これは最終的には我が党と政府側と随分詰めて、いろいろないきさつがあったわけでございますが、長官もそうした結論に基づいて誠心誠意政府としても取り組む、言うなれば非常に苦労の表現である。それがいつしか特別基金を検討し調査するというふうに全部基金の方にいっちゃっている。これはちょっとおかしいんじゃないでしょうか。これは関係者を含めて私どもももう一度国の手で、公の手で実情を知ってもらいたいという思いを込めて折衝が——報告書では、基金を検討していただくこと、それと並んで実情の調査をやっていただく、言うなれば実態調査をやっていただくこと、こういう趣旨で予算計上に至ったというふうに私どもは理解いたしておりますのが、何かその辺がすりかわったと言ってはなんですが、ひとつその点を明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 具体的に申し上げますと、昭和六十年度の予算案の中に一億五千七百万円計上をお願いいたしておりまして、そして具体的には予算が成立をいたしました後、総理府にこれを検討するための室を設けまして、人件費もいただいておることでございますので、関係省庁とよく連絡をとり合って検討を進めていくようにいたしたい、こう考えておりまして、その名目は戦後処理問題に関する特別基金の検討及び調査、こういう名目になっておるところでございます。特別基金の検討及び調査でございます。ある会合で、どうもわかりにくいからもっと詳しく説明しろというお話がございましたが、詳しく説明するほどわかりにくくなるので簡単に申し上げますと、こういったようなこともございましたけれども、全く今計上しております名目どおり特別基金の検討及び調査と、こういうことを中心にいたしまして予算が成立いたしましたならばどのように検討を進めるかということを検討していく、こういうふうに考えておるところでございます。 この予算計上までには、いろいろな御意見をお寄せいただきましてこの予算計上になったという経緯がございます。それらを十分私どもは頭においておるつもりでございますけれども、いろいろな関係団体の御意見なども聞きながら検討を進めていくようにしたいというふうに考えてもおりまして、それらをどのように検討し、どのように調査していくかにつきましても、予算成立後にそれらを進めていくようにいたしたい、こう思っておりますので、大変わかりにくい御説明で申しわけありませんけれども、ぜひ御理解をいただきますようにお願いを申し上げたいと思う次第でございます。
○板垣正君 関係者としては実情の調査を求めている。今まで国の手ではっきりした実情調査は行われておらない。権威のある調査が行われる。そうした結果によって、我が党では議員立法によってでも解決をという動きも現にあるわけであります。ひとつその辺も含めてこの調査ということについても十分重きを置いて、今おっしゃったように関係者の意見も十分聞いていただきたい。 それから第二点は、この報告書は、国として措置すべきことはないとある意味では切り捨てたわけでありますが、この場合個別の問題、そういう問題はどういうことになるんでしょうか。つまり、かつてこの委員会でも請願の採択された幾多の未処理関連の問題がございますね。そうしたことに関係者も関心を持っておる。この懇談会は国として措置すべきことはないと切り捨てたわけですが、しかし長官は、この間の二十五日の参議院予算委員会で社会党の穐山委員の質問に答えて、戦後処理は完結していないと、そういう認識を明らかにされた。四十二年にはもう完結したと言っておったのが、完結しておらないということをおっしゃったことは私は非常に重いと思っております。したがって、この個別項目はそれはそれとして、今後も政府としてできるだけ解決に努力する、こういうお立場には変わりがないわけですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 特に戦後処理問題の懇談会の中で御意見を出していただきました中心のテーマは、いわゆる軍人恩給の欠格者の問題、それからシベリア抑留者の補償の問題、それから在外資産の補償の問題、この大きな三つのテーマを中心にして意見をお寄せいただいてきた結果、今先生から御指摘がございますように、「これ以上国において措置すべきものはない」とするとともに、関係者の心情に深く心をいたすという趣旨から特別の基金を創設することを提唱する、こういう一つの提案をいただいて、それを受けてこれから検討していこう、こういうふうに考えておるところでございます。 これらの特別基金もどれぐらいの規模の基金にするか、あるいはどのような形で運用し、特にこの基金をどう活用していくか、活用するにはどういうふうな使途にどういうふうに持っていったらいいかというようなことについていろいろ検討していかなければなるまい、こう考えておるわけでございまして、それらの中で、今申し上げてまいりましたようないろいろな団体の方々の御意見も、それぞれのお立場からお述べをいただくという機会を持たなければなりますまい、こう考えておるところでございます。 そのほかにもいわゆる戦後処理問題として、該当の人数は少なくとも、いろいろな角度からなお解決されていない問題として浮かび上がってきておる幾つかの問題もあるわけでございます。それらの問題につきましても、この懇談会の中では、今回の場合は大きな三つのそういう立場の方々を中心として考えておるということで、むしろ個別の問題については行政当局で十分検討し判断していけ、こういうふうな意見が懇談会の中では述べられておるところでございます。そういう意味では、それらの問題はなお行政の中でどのように考えていくかという検討を進めていかなければなりますまいという宿題として残された問題であるというふうには思ってはおるわけでございますが、なかなか国民全部が戦争という非常に忌まわしい事態の中でみんなが苦労しいろいろつらい思いをしてきた、その中でどういう方々の処理の問題をどうするかということについては非常に判断の難しいところで、どうすることが一番公平でしかも非常に特につらい思いをされた方に対しての処置になるのかというところは、これは戦後の代々の内閣が随分苦しんできたところであろうというふうに思うのでございます。 財政的に戦後問題というのは終わったというふうに宣言するというような時期も当然あったわけで、先生今お話しのとおりでございます。しかし、それでもう全部が終わったということでは決してなくて、それぞれの個別の問題というものについて該当者の方々の意見もよく聞き、そしてそれに対して今申し上げてまいりましたような国として非常に公平ある措置というふうにして考える場合に、どう検討していったらいいのかということについては引き続いて考えていかなければなりますまい、こういうふうに考えておるわけでございます。それが財政措置を伴うものであるかどうかというようなことは別にいたしまして、私は戦後問題というのは終わっていないというふうに考えておりますので、この間そのようにお答えを申し上げたところでございます。
○板垣正君 個別の問題で、これは恩給のときにまたできればお伺いしたいと思っておりますが、一点だけ。 これは私、昨年の五月八日の内閣委員会で取り上げ、また五月十日には柄谷委員からさらにただしていただいた問題、元中支部隊の指定の問題ですね。これについて結論的には、これは恩給局の方から厚生省にきちっと話をして、厚生省にいわゆる湘桂作戦というものはどういうものであったのかということをまずただすべきだという、そういうふうに結論づけられて、言うなれば一つの宿題になっておったと思うんですが、恩給局の方はそういう手続は進めていただいておりますか。
○政府委員(藤江弘一君) ただいま御指摘の湘桂作戦を中心といたしました中シナ地域における激戦の状況につきまして、内閣委員会での御論議に基づきまして、私ども恩給局といたしましては厚生省援護局に依頼、協議しながら調査いたしたところでございます。しかしながら、事件の全貌を把握するに十分な資料は得られておらないというのが現状でございます。 ただ、湘桂作戦に参加いたしました部隊のうち、厚生省に資料の残存しております一部の部隊につきまして調査が可能であったわけでございますけれども、この作戦におきまして大変な戦死者があったということにつきましては確認いたしておるわけでございます。
○板垣正君 もう時間がなくなりましたので詳しくお聞きできませんが、あと二点、官房長官のお気持ちだけ承りたいと思います。 その第一は、台湾の元日本兵、旧軍人軍属の問題であります。これも随分論議が積み重ねられてきた問題でありますが、今回初めて政府の立場で五百万円の検討費を計上していただいた。これは極めて意義のあることでございます。したがいまして、きょうは外務省来ていただいておりますがお答えの時間ありませんが、厚生省では既にこの実態をもう相当つかんでおるわけであります、名前に至るまで。ですから、ぜひ今までとは違った、一歩踏み込んだ形で何としてもこの人道的、道義的な問題であります台湾の元日本兵、旧軍人軍属の特に遺族、傷病者に重点を置いた解決を何としてでも早急に決着をつける方向で進めていただきたい。これは外務省、厚生省の方面にもお願いするわけであります。 次は金鵄勲章の問題であります。
○委員長(大島友治君) 時間ですから簡潔にお願いいたします。
○板垣正君 これについては衆議院の予算委員会でも論議のあったことを会議録で読んでおりますが、今持っている人の名誉を回復してほしいと、これでもう踏み切っていただきたい。私は日本遺族会を母体にいたしておりますが、遺族会の立場では、仮に今もらっている人たちの名誉が回復されたからといって今さら我々にも金鵄勲章を要求するというようなことはいたしません、そんなことは考えておらないと、こう言っております。生存している方たちでもまだもらっていない人の問題は、それはもう判断できる問題だと思いますから、今限られてだんだん半分以下になりつつある方々の一身の名誉を回復する、そういう一点に絞ってぜひ決断をしていただきたい。 この二点についての官房長官の御決意を承って私の質問を終わります。
○国務大臣(藤波孝生君) 台湾人元日本兵の問題につきましては、先生御指摘のように、事柄の重要性は十分認識いたしておるつもりでございます。 政府部内には、財政当局の意見とか、あるいは外務当局の意見とか、立場によりましていろいろな意見がございます。したがいまして、この問題をどう考えるかということにテーマを設定いたしまして五百万円の調査費を計上したところでございますが、予算成立をいたしました後、この検討につきましても関係省庁お集まりをいただいてひとつ検討を進めていくようにいたしたいと、こう考えておるところでございます。 また、金鵄勲章の名誉回復の問題につきましても、長い時間をかけて国会でもいろいろと御指摘をいただいてきておるところでございます。特に国会での請願が採択されておるということの意味を厳粛に受けとめまして、政府といたしましても、その可否等につきましていろいろな角度から検討を進めてきておるところでございます。さらにその検討を深めていくようにいたしたいと、このように考えております。
○原田立君 一番最初に、皇室の問題についてお伺いします。 今後の公的御日程は一体どういうふうになっているのか。また陛下が、いわゆる傘寿、八十歳をお迎えになられた昭和五十六年、宮内庁は陛下の御負担軽減のため、お仕事量、行幸の内容等の見直しを行ったことがありますが、その後特に再検討の必要ないのかどうか。
○政府委員(山本悟君) 御案内のとおり、陛下は大変お元気でいらっしゃいまして、各種の上奏書類とか宮内庁関係の書類の御決裁とか、あるいは非常に数多く行われます宮殿での諸行事、儀式というようなものにもお出ましになっており、また外で行われます各種の式典等へも積極的に御臨席になっているところでございます。 しかしながら、御指摘のとおり、だんだん御高齢におなりあそばしていることは事実でございますので、基本的な御公務は御遂行いただくという原則に立ちながら、その運び方につきましては、できるだけ御無理や御負担がかからないように配慮をいたしてまいっているというようなのが実情でございます。 具体的には、御指摘がございましたように、国賓へのお返しの晩さん会への御出席を現在はお取りやめになっている、そのとおり続けておりますし、宮中での諸行事をうまく配分する。あるいは一気に集中しないようにするといったような配慮をいたすことによりまして御負担の実質的な御軽減を考えていくというようなこと。あるいは宮殿の中も広いわけでございますので、それをうまくアレンジすることによりまして、あっちへ行ったりこっちへ行ったりというような御負担というのがかからないような配列の仕方を考えるというような各種の実際上の軽減というものをお図り申し上げるように努力いたしているところでございます。 今後とも御公務第一、これは陛下のお気持ちであるように拝察いたすわけでありますが、このお気持ちを尊重しながら、御健康状態を十分お見守り申し上げまして、引き続いて実際上の御負担を少なくするような努力をしてまいりたいと、かように存じているところでございます。
○原田立君 国会の開会式の改革問題が今俎上に上っているわけでありますけれども、宮内庁から国会に対する要望というような事項はございますか。
○政府委員(山本悟君) 国会の各種の行事、殊に開会式への陛下の御臨席という問題につきましては、国会におきまして国会が主催される御行事でございますので、その点につきまして宮内庁でとかく申し上げることは何もないと存じております。国会の方でもいろいろ御配慮を賜りまして、参議院の本会議場における手すりといったようなこともいろいろと御配慮をやっていただいているようでございまして、大変感謝をいたしておるところでございます。
○原田立君 先ほども藤波官房長官から答弁がありましたけれども、御在位六十年の行事についてこれから時間があるから検討するというようなことなんでありますが、まだまるっきり決まってないのかどうか、それから記念式典の挙行年月日等を含めて具体案はつくってあるのか、その点いかがですか。
○国務大臣(藤波孝生君) ことしが昭和六十年でございますので、民間団体などでことしやろうということで、民間のいろんな団体で御在位六十年をお祝いするというような機運も既に出かかってきておるところでございます。 しかし、政府といたしましては、今考えておりますのは、来年しかるべき時期にと考えておりまして、正式にいつの時期にやろうかということもまだ宮内庁と御相談申し上げるというところまで至っておりません。来年しかるべき時期に厳粛にお祝いをしたらと、こんな気持ちを持っておるということにまだとどまっておるところでございます。だんだんと日を経るにつれて検討を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○原田立君 天皇も御高齢になって健康問題を非常に心配する一人であります。ただ先へ延ばした方がいいというばかりではなくて、十分検討していただきたい。 それから浩宮様がオックスフォード大学に留学されて、本年は御予定の二年になるわけでありまして、ことし九月御帰国予定とのことでありますが、御結婚問題等も含めて今後の御予定はいかがなものでありましょうか。
○政府委員(山本悟君) 御案内のとおり、浩宮殿下の御修学御予定は約二カ年ということでございますので、この秋にはその期限になって御帰国になろうと存じております。御帰国になりましてからは、成年の皇族のお立場で宮中の諸儀式、あるいは行事への御出席、あるいは全国各地で開催される国や公共団体等の各種の式典や大会といったようないろいろな公的な行事にも御出席の頻度が非常にふえていって、そういった意味での皇族としての御活動が一層盛んになるというようにも存じているところでございます。 また、これと同時に、従来より御研究の日本史、あるいは今回英国で学ばれましたような分野におきます御研究というようなものもお続けになるというように存じている次第でございます。 御結婚云々の問題は、いろいろ取りざたされておりますが、殿下も向こうの方の記者の御会見等でおっしゃっておられますように、これからのことでございまして、あるいは東宮殿下のおっしゃっておりますようにまだ具体的なものは何もない、申し上げるものは何もないというぐあいにおっしゃっているところでございますが、そのとおりであろうと存じております。
○原田立君 次に、会計検査院のことについてお伺いしたいと思います。 政府は行財政改革を進める中で、また財政事情が厳しいときにあって、さらには地方への補助金一律削減をめぐって論議が盛んに行われている現状にかんがみ、国家財政を支えている税金の使い方については、当然それは明朗、適正なものでなければならない、こう思のであります。会計検査院が行った五十八年度決算の検査報告を見ますと、各省庁や公社公団、そして事業団がむだ遣いや不適正な経理であると指摘された事項の総件数が百八十二件で、その金額は百七十一億四百六十四万円という報告を聞いております。このように国の予算が適正かつ経済的、効率的に使われていない現状において、政府はこの検査院の指摘に対してどのように受けとめているのか、御所見をお伺いしたい。
○国務大臣(藤波孝生君) 従来から予算の適正かつ効率的な執行につきましては、政府といたしまして特に留意してきておるところでございますが、今先生御指摘のように、会計検査院からはいろいろな御指摘を受けておりまして、五十八年度検査報告におきましても、不適正な経理として百八十二件に及んでおるところでありまして、この検査の指摘を厳粛に受けとめまして、それぞれ御指摘を受けましたことにつきましては、厳重な注意をいたしまして是正に取り組んできておるところでございます。 職員のモラルの問題などを中心にいたしまして、いろいろと気をつけていかなければならぬ点もございます。また関係者の不注意などによりましてそういった御指摘を受けるといったような事項もございます。それらを厳正にひとつ考えて取り組んでいくように、累次にわたって指示もいたしまして、是正に努めておるところでございます。 また、指摘を受けていないそれぞれ省庁、官署におきましても、そのような誤りの起こらないように厳重に注意をするよう幾つかの通達を出しまして、注意を喚起してきておるところでございまして、政府を挙げて真剣にその是正に取り組むという姿勢を貫いてきておるところでございます。 今後ともこういった特に財政事情の厳しいときに、国民の皆さん方の税金を中心として予算が編成されて、そしてそれを執行していくわけでございますから、その事柄の意味合いも十分わきまえて予算の執行に当たっていくようにしなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
○原田立君 去る三月十九日の予算委員会総括質疑で、我が党の太田委員から質問をした中で、会計検査院のいわゆる肩越し検査について総理は、院法を改正せずに検査院が日本輸出入銀行や日本開発銀行等の融資先も検査できるよう関係機関に通知を出した、こういう答弁があったわけでありますけれども、今回の通達と五十六年七月に出したいわゆる翁通達と通達の内容は一体どの点が違うのか、いかがですか。
○国務大臣(藤波孝生君) いわゆる翁通達におきましては、従来肩越し検査を実施していない、またはほとんど実施していない機関につきましては、「個別具体的案件において、検査上肩越し検査を行うべき合理的な理由があり、かつ、他の手段では事実の確認等が行い得ない場合には、肩越し検査に応ずるものとする。」といたしまして、これらの機関が肩越し検査に応ずる場合の基準を抽象的に述べてきておるところでございます。 今回の通達におきましては、これらの機関が肩越し検査に応ずる場合の基準を具体的に明確にいたしますとともに、主務官庁は、会計検査院から要請がありましたときには、会計検査院と協議の上、機関に対し、肩越し検査への協力方の指導を行うということを明確にしたところでございます。従来の翁通達よりもより具体的に前進をさせたものだと、このように考えておる次第でございます。
○原田立君 明確に一歩前進さしたから、いわゆる法改正はしなくて通達だけのことで今後も処理していく、こういうことですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 院法改正問題につきましては、たびたび国会でも御指摘がございまして、会計検査院ともよく御相談を申し上げながらきておるところでございます。政策金融等の円滑な運用ということを考えますと、一挙に院法改正へ持ち込むということはどうか、いかがかというような政府部内のいろいろな意見もございまして、それらを踏まえて会計検査院が実際にいろいろな検査を行っていただきます場合に、それらの問題点がどこにあるかというようなことをよく検討いたしまして、院法改正問題というのはしばらくおくといたしましても、当面、会計検査院の検査が行いやすいようにぜひ御協力を申し上げていきたい、こういう政府の気持ちも申し上げまして、具体的にそれじゃこういう形で取り組んでいったらどうかというような案でまとまりましたので、今回の措置にいたした次第でございます。 これでもう終わったのかということにつきましては、これらの実情をしばらくよく見ながら、今後とも会計検査院と継続的にこれらの問題について協議していくようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○原田立君 鎌田院長にお聞きしますけれども、今官房長官はこういう話ですよ。だけど、あなたの三月十九日の答弁の中では、「私どもはこれは翁通達と比べましてかなり前進していて評価できると、」こういうふうに考えておるが、「ただ、実行の面でいかなる効果が出るか、これを私どもは現段階では期待しているわけでございまして」云々、こういうふうなお話なんだけれども、まだ通達が出てわずかの日数でありますから、実際の効果というのはいかがなものかよくわからないというふうに言われりゃそれで終わってしまうんですけれども、その点は一体どうなのか。 それからもう一つ、会計検査院法の改正をしてぜひ力をつけてほしいというのがあなた方の要望なんでしょう。今の官房長官の話は、政府部内にいろいろ意見があるからもうちょっと待てと、こう言っているんですけれども、それで満足なのかどうか。この二点について。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 会計検査院の立場といたしまして今の通達での措置でいいかと言われますと、これは昭和五十二年以来の衆参両院のたび重なる御決議もありますし、また会計検査を完全かつ十分に行えるという立場からいたしますと、院法改正というのは必要であり、またそれが望ましい、こういうことであると思います。この考えは変わっておりません。 ただ、御承知のとおりの経過をたどりまして、政府といいますか内閣の方では現段階では院法改正がなかなか困難である、こういう御判断が出ておりまして、しかしこれを放置するわけにはいかない、院法の改正をしない範囲内で検査院の検査が十分行えるように協力すべきである、こういうお立場からと存じますが、昭和五十六年には翁通達が一応出たわけでございます。しかし、翁通達の内容は先ほど官房長官がお示しになりましたとおりの内容で、私どもといたしましては、これは不満であるということを申し上げてきたわけでございます。現にその効果が余りなかったということだったわけでございますが、しかし去年の三月の参議院における予算委員会の御審議の中で官房長官が、会計検査院とも相談しながら、意見を聞きながら、なお進めていこうというお話があってからの過程はまたちょっと違っておりまして、肩越し検査は実際に行きませんで、例えば開発銀行に行って私どもが肩越し検査の必要があるような案件があるなと思ってその説明を求めた段階では、割合と皆協力的であり、融資先の資料をどんどん持ってきてくれるというふうにかなり事態が進展してきたわけでございます。 そして、ことしの二月に官房の方から改めまして先ほどの通達が出されたわけでございまして、この効果というのを私どもは実は期待しているわけでございますし、また相当効果があるものと信じております。ただ、二月のことでございまして、年度末私どもそういう検査に伺っておりません。四月からの検査において具体的にその効果があらわれるものと期待いたしておりまして、その効果があるかないか、そういう推移の中でこれはまた監督官庁とも御相談するし、また内閣に申し上げるべき問題がありましたら申し上げなければならないと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○原田立君 官房長官、今も会計検査院長お話しのように、一歩前進はしたけれどもなお強い力を与えるようにしてほしい、そういう要望は変わりはないと、こう言っているわけですけれどもね。あれですか、部内の意見がそういう変えていこうということじゃないからまだ当分先送りだと、こういうことで終始するんですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 昨年の通常国会でもこの院法改正問題というのが大きく取り上げられまして、国会が終わります段階で総理大臣が通常国会を振り返って幾つかの宿題を持った、それらにどうしてもひとつ新しい立場からめどを立てようと、こういう御指示がありまして、内閣全体として幾つかの宿題に取り組んできたところでございます。 その中の非常に重要な問題の一つとしてこの院法改正問題について総理からの指示がございまして、会計検査院とよく協議いたしまして、院法改正を直ちにしないまでもぜひ具体的に会計検査院の検査がさらにやりやすくなるような、そういう政府の態度を決めよう、こういうことで取り組んできたのが今回の通達になっておるところでございます。 今、会計検査院長から御答弁がございましたけれども、一歩前進したというところに今力点が置かれて御答弁があったように思いますので、しばらくひとつ具体的に検査がやりやすいということで措置いたしましたこの新たな通達につきまして、現状をよく見ながら、先ほど申し上げましたように会計検査院とも継続していろいろお話し合いをしていくようにいたしたい、こう考えておりますので、どうか御理解をいただきたいと存じます。
○原田立君 総理府のことについてお伺いしますが、旧日赤看護婦と旧陸海軍従軍看護婦さんに現在慰労給付金が支給されておりますけれども、今回初めて本年六月から一二・三%の増額を行うことになっております。一二・三%の増額といっても、三年以上五年までの方々は現在年十万円でございますので十一万円余になるだけでありますが、年間十一万円余では低額にすぎやしないのか、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(藤田康夫君) 旧日赤救護看護婦等に対します慰労給付金についてのお尋ねであるわけでございますが、この慰労給付金は所得保障を図るという年金的な性格を有するものでないということで、従来増額は困難であるということで終始してきたわけでございますが、これが創設以来、消費者物価の上昇もございますし、国会での御議論も踏まえまして、今回実質的価値を維持する必要があると判断いたしまして、財政事情は極めて厳しい状況下にはございますが、先生御指摘のとおり、昭和六十年六月分から、過去五カ年間の消費者物価指数の上昇率一二・三%の改善を図ることとしたわけでございます。 なお、先生御指摘がございました実勤務期間が三年以上六年未満の者に対します慰労給付金の支給額が、十万円から十一万円に増加して一万円の幅しかない、こういうことでございますが、これは慰労給付金の趣旨にかんがみまして端数整理によりまして万円単位にしておる、こういうことでございます。
○原田立君 官房長官は退席されるんで困っているのだが、しようがない、飛ばします。今のだけでも、私の要望については十分お考え願いたいと思うんです。 それから二月十一日の建国記念の日に総理が歴代首相として初めてこれに出席したわけであります。官房長官も出席したようでありますが、この式典には総理府も後援しておりますし、総理が初めて出席したのは一体なぜなのか。総理出席の理由あるいは総理府が後援した理由、これをお聞きしたい。これを答弁してから行って結構です。
○国務大臣(藤波孝生君) 祝日法の中で建国記念の日、これは建国をしのび、そして国を愛する心情を養う、こういうことになっておるのが二月十一日の祝日でございます。国民一人一人それぞれの立場でお祝いをしよう、こういう気持ちできておるわけでございます。従来も建国記念の日をお祝いする会がございまして、その式典が年々持たれてきたところでございます。 それらに対しまして総理府あるいは外務省、さらに文部省などが後援いたしまして会合が重ねられてきておるところでございますが、ぜひ総理大臣に出席するようにという御要請がございました。そこで総理大臣としては、国民の皆さんと一緒に建国の日をお祝いするという会合に出たいと思う、しかし総理大臣が出る場合には、先ほどは板垣先生から御指摘がございましたけれども、政治色、宗教色のある会合ということでなしに、国民各界各層の皆さん方がお集まりになるような、総理大臣として出て国民の皆さんと一緒に心からお祝いするというような、そういう催しになればというようなことを申してきたところでございます。日本商工会議所会頭の五島昇さんを会長にいたしまして新しく建国記念の日をお祝いをする会合が出発をいたしまして、ぜひ総理にも出席をするように、また閣僚、国会議員にもいろいろ御案内があったところでございます。その御要請に応じまして総理が出席をして、そしてこの祝日になっております建国記念の日を心からお祝いをする、皆さんと一緒にお祝いをしましょう、こういう気持ちで出席をし、ごあいさつを申し上げたところでございます。
○原田立君 あなたが今言われることを全面的に受け入れるという気持ちはございません。だけど時間がないですから後日の問題とします。 次に、行政改革について総務庁長官にお伺いしますが、行革の実施状況を掌握する意味において、行革審が昨年十月二十三日に持たれたわけでありますが、十月二十三日に「臨時行政調査会答申の推進状況について」、こういうふうな調査報告が発表になりましたが、その報告の中で、第三の「全体的評価」の中で、「総じて政府は改革を着実に推進してきており、その道程のほぼ五合目程度に達している」と、こういうふうな評価が出ているわけでありますが、その発表後の各新聞社の社説では、「甘い行政改革の総点検」、あるいは「行革の成否はこれからだ」、あるいは「臨調行革はこれからが正念場」、あるいはまた「五合目なら車でも行ける」などと非常に厳しい見方をしておりますが、行革の推進状況について、監督省庁である総務庁長官はどのような認識をお持ちか、御所見をお伺いしたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) 政府は、第二臨調の答申を受けましてしばしば閣議の決定をし、同時にまた行革審からもたびたび御意見をちょうだいしておるわけですが、その都度政府として閣議決定をし、着実に実行をさしていただいておると、私はかように考えているわけでございますが、行革審のその評価は、実は昨年の秋、行革審御自身でどの程度実績が上がっておるかということを全般的に御調査をなさったようでございます。その結果、五合目と、こういう御批判でございますが、マスコミの諸君はマスコミの諸君なりの御批判であろうと思って謙虚に承らなければならないと、こう思いますが、私自身は、これはむしろこれからだんだん抵抗が厳しくなって容易でないよ、したがってしっかりやりなさいと、こういう御激励の行革審の御意見と、さように承って、今後第二臨調答申の趣旨に沿って、残っておるいろんな課題について着実に実行していきたいと、かように考えているわけでございます。
○原田立君 総務庁長官、臨調の評価はいわゆる五合目だと、こう言っていますけども、次の六合目、七合目あたりはどんなふうにお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) ことしの私どもの重点は、御承知のように、地方行革、それからもう一つは七月ごろに答申の出る予定になっております国鉄の改革、それからもう一つは規制緩和、これは非常に重要な仕事だろうと私は理解しております。 この規制緩和は、実際は行政改革の中で中央省庁の抵抗が一番大きいもの、つまり許可認可の権限をとれば役所は要らなくなるんですから、これは大変な抵抗があるだろう。しかしこれを何とか全力を挙げてやらなきゃならない。こういったことが残されておることしの課題であろう。ここらまで行けば実際は七、八割行ったなと、かように私は考えるわけでございます。 さらに、残る問題は地方の機関委任事務、これは整理をしませんといけない。まだまだしたがってたくさんの課題がございますけれども、御質問のどこまで行ったら六合目か、どこまで行ったら七合目かというのは、なかなか判断のしにくいところでございますが、いずれにせよ、これからが本当の意味での正念場である。それと同時に、行政改革というのは第二臨調の答申が終わったらそれで終わっていいのかといえば、そうじゃありません。これは時世はどんどん変わるわけでございますから、絶えざる見直しをするのが国民に対する政府の責任であると、かように考えているわけでございます。
○原田立君 三月十六日の総括質疑の中で我が党の鈴木一弘議員が総理に聞いたところ、総理は、「現在の環境下におきましては最大限の努力をしてきていると自分では考えておるわけでございます。」、あるいはまた、「片一方におきましては公社の改革とか年金制度の改革とか補助金の問題であるとか手がけておりまして、現在の政治力をもっていたしましてはこの程度がいっぱいであると考えざるを得ない」。要するに手いっぱいだということを言っているんですね。それからまた、「制度の改革ということを御指摘になられますならば、それは確かに大きな仕事はあると思います。例えば中央官庁の整理統合の問題から始まりましていろいろな点があると思いますが、現在の諸般の情勢から見まして、この程度が今我々として与党と一体になってやり得る最大限であると、そういうふうに考えざるを得ない」、こういう答弁です。私たちの記憶では、総理は行革に対して政治生命をかけるとか、あるいは土光委員長と心中しても達成するとか、こういうふうな趣旨の発言があって、大変大いなる期待をしていたのは多くの国民とともに私もその一人であります。しかし、今この予算委員会の答弁を聞いていますと、大変トーンダウンしている、こういう感じがするんです。いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私もあの予算委員会の答弁のとき聞いておりましたけれども、恐らく総理のお考えは、第二臨調の答申を受け、そしてまた行革審からの答申を受けて、その都度政府としては着実にやっておるつもりである、したがって我々政府としては最大限の努力をしておるんだ、こういう意味合いでおっしゃったものと思います。トーンダウンしたという一部の批判がございますが、絶対さようなことはございません。そんなことでこの行政改革ができるわけがありません。それと同時に、総理からは厳しく、ともかく第二臨調答申の趣旨に沿って内閣全体として取り組んでいくつもりであるからしっかりやってくれということを絶えず言われておりますから、御趣旨のようにこれでトーンダウンしたなんというようなことは全くありませんので、その点は改めて申し上げておきたい、かように思います。
○原田立君 総務庁長官、余り意気張ってそう言わない方がいいんじゃないでしょうか。 国土庁、沖縄開発庁、それから北海道開発庁、これらの問題については全然手がついていないではないかという指摘もあるんです。その点いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは第二臨調の答申でも直ちに着手しろというふうには書いていないように私は理解しておりますが、これは中央省庁の統廃合の際の一つの検討課題であろう、かように考えております。
○原田立君 許認可事務の整理や地方への権限委譲と、ただいま申し上げましたような国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁の統合等々、どういうふうに進めるのか、今まさに正念場であるということは今も申し上げたとおりなんです。臨調のそういう答申がないからほったらかすんですか。そんなことはないでしょう。どういうふうに手配していかれるつもりなんでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) それは第二臨調の答申が行政全般といいますか国政全般に及んでおりますから、これを一気にやるというわけにはまいりませんね。これはそれぞれ緩急順序を追いながらやっていかなきゃならない。例えば臨調の答申の中にも、情報公開であるとか、あるいはプライバシーの保護、これも指摘を受けておるわけです。これらについても、これは何しろ日本として初めての制度で非常に幅の広い問題、しかしながら放置できない、したがって我々としては今鋭意私の方の役所の中で関係省庁と協議をしながら検討しておるわけでございます。したがって、それらの目鼻がつけば、これは当然閣議に出して着手をしていくということで順次漸を追ってやらしていただきたい、かように考えておるわけでございます。
○原田立君 順次行っていきたいという、それはそれで結構。じゃ、そのプログラムは今まだ検討中で公表するには値しないということなんでしょうか。先ほどの総理の発言等を見ていて、現在の政治力ではこの程度で手いっぱいだとか、ここら辺が最大限だとかというようなことを聞きますと、何か後退してきているんじゃないのかという心配をするわけです。そんなことはないならないで、ないとはっきり言ってもらいたいし、じゃ今後のスケジュールは一体どうなのか、この点の御答弁をいただきたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) それは原田さん、今私はさようなことはないとお答えをしておりますから、ぜひその点は御理解をしていただきたい。手順は、漸次臨調の答申の趣旨に沿って漸を追ってやりたい。一気にはできません。これは計画的にそれぞれ、政府全体の能力といいますか、これは立法措置も要れば予算も要るし、いろいろなことがありますから、そこらを考えながらやるので、そういう点も理解していただいて、そして我々にいろいろな御注文もあるでしょうし、また同時に御審議をいただかなきゃならぬ面もありますから、そこらは十分ひとつ理解をしていただきたい、かように思うわけでございます。
○原田立君 昨年の七月、総務庁が発足して、六十年度予算は初めてのいわゆる通年予算でありますが、総務庁の設置目的でもある総合調整機能発揮のために六十年度予算のどういう点に重点を置いているのか、その点いかがですか。
○政府委員(門田英郎君) 先生がおっしゃいましたとおり、昨年発足いたしました総務庁、総合調整機能の強化という目的で発足したわけでございます。ただいま御審議を仰いでおります六十年度予算では、厳しい財政事情にもかかわりませず、総務庁の機能の発揮ということに必要な予算は計上していただけたものというふうに考えております。 御質問のございました重点施策ということでございますが、三、四点例示さしていただきますと、一つは、総合調整機能の活性化を図るために必要な基礎的な調査研究、これを部内で行いますための総合調整基本施策推進費として計上さしていただいております金額は九百二十九万余りでございます。第二に、全省庁を対象といたします人事に関する総合調整を行うということが当庁の責務であるわけでございます。その人事に関します統計データの収集・解析を行い、より効率的な人事管理を図ってまいるということに資するために総合人事情報システム導入等調査経費、計上金額は六百三十二万余りでございます。第三に、行政機関全体におけるデータ通信の効率化あるいは経費の節減ということを図るために、行政データ伝送網設置運用等経費を計上さしていただいておりますが、約四千六百万という金額を計上さしていただいております。 なお、そのほかに、本年度は国際青年年に当たるわけでございまして、私ども総務庁といたしましては、関係省庁あるいは地方公共団体、各種青少年団体、全体として連携協力を保ちながら全体を取りまとめていくという責任を負っているわけでございますが、この事業を推進するための経費八億一千万余り。また同様に本年度は国勢調査の実施年次に当たっております。御承知のように、国勢調査というのは、世帯あるいは人口というものを対象とする数多くの官庁統計調査のいわば最も基本になる調査でございます。これにつきまして、これを円滑に実施するための経費としまして三百三十二億八千百万余り、こういった金額を計上しておるわけでございます。
○原田立君 後藤田長官、総務庁の全体的な予算は一兆七千九百三億円でありますけれども、そのうちの九五%が恩給関係なんですね。一兆七千三十億ですね。しかも、残り五%の八百七十億円のうち、人件費が三百十四億円、今も話があった国勢調査費が三百三十三億円を占めている。こうなると、総務庁の機能を全うさせる予算額としてはほんのごく少額なんですね。こういうふうなことで、希望多い総務庁として出てきた体制の初代の長官として、こういう予算で仕事ができるとお考えなのかどうか。その点いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、この厳しい財政状況の中で総務庁設置の趣旨に従って仕事を遂行できるだけの予算はつけていただいておる、かように考えます。この役所というのは本来総合調整なり企画立案なりという役所なんですね。事業官庁ではないわけなんです。事業官庁であれば何千億、場合によれば何兆円というようなことになるかもしれませんけれども、この役所の性格から見まして、恩給費、これはもう当然のあれですから一兆七千億、それ以外のものは予算の金額をうんとふやさなければ仕事はできないという役所ではない、これは役所の性格によるものである、私はかように考えているわけでございます。
○原田立君 行政相談委員の実費弁償金が千円アップして年額一万七千円となったわけでありますが、もう少し実態に合った金額に引き上げるよう検討できないものかどうか、また行政相談の最近の状況はどんなぐあいなのか、委員の交代、いわゆる新旧のローテーションはうまく進んでいるのかどうか、この点はいかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 行政相談委員というのは全国で今五千人ぐらいおると思います。この委員の方々は、何といいますか、それぞれの地域で住民の皆さん方から、この人ならば相談しやすい、それだけの敬意を払われておる人、そして同時に行政についてもある程度の認識を持っている人、こういう尺度で選ぶわけですね。確かに一万何千円とかという金額は、これは文具費とかなんとかということでしょうけれども、これの多い少ないの問題はあると思います。しかし私は、こういう人が相当な報酬をもらったということになると、かえって行政相談委員として果たしていかがなものであろうか、いわば名誉職的な仕事をやっておるということによって本当の相談を受けることができるんじゃないかなと、ここらの考え方があるわけでございます。したがって、普通の意味での報酬ということは適当ではなかろう。ただ問題は、文具費なり何なりというにしても、この金額でいいのか、この御批判はあるんじゃないか、私はさように考えているわけでございます。
○原田立君 その批判の部分についてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 最近の厳しい財政状況の中で、ともかくいろんな経費が削減を受けるんです。そのときにともかく増額をしてくれと、こういうことを私どもは要求し、応じていただいたんですから、これで一応十分であろう、かように考えますが、これは先行きの検討課題にならざるを得なかろう、かように思っています。
○政府委員(竹村晟君) 行政相談委員の活動状況でございますけれども、全体で相談の受け付け件数というのはふえておりまして、役所の受け付けるものまで含めまして年間約二十万件でございます。このうち、例えば行政相談委員の受けたものについて見ますと、民事関係とか地方団体の関係、こういうものを除きまして、相談件数というのが大体八万四千件程度になっております。この中には、行政の苦情、それを解決してくれという話、それから意見、要望、あるいはいろいろ役所の仕事のことについての問い合わせとか、こういったものもあるわけですけれども、傾向としてはふえてきております。 それで、一人当たりの処理件数で見ますと、最近はただいま申し上げたような本来の行政相談件数というのは一人当たり年間十八件程度ということになるわけであります。したがいまして、先ほど大臣から御答弁がありました事務費の弁償金、これは平均的に見ますとそういう見合いになる、年間十八件。それで事務費弁償金が今までは一万六千円、今回千円増額して一万七千円、こういうことになるわけでございます。
○内藤功君 人事院にお伺いをしたいと思います。 現在、人事院によりまして公務員制度の見直しの作業が進められてきておるわけでありますが、この見直し作業は現在どこまで進んでいるか、まずその点からお伺いしたいと思います。
○政府委員(網谷重男君) これまで人事行政をめぐります諸情勢の変化に対応いたしまして、公務により有為な人材を確保し、職員の能力資質を向上させ、厳格な服務規律のもと職務に専念できる適正な給与その他の勤務条件を保持することを目指しまして、現在、関係各方面の意見を聴取しながら必要な検討を進めているところでございます。 具体的に申し上げますと、既に採用試験の再編につきましては、従来の上級乙、中級を廃止いたしまして大学卒業程度の能力を有する者を対象といたします二種類の試験を新設いたしまして、それとあわせまして採用試験の体系を再編整備することといたしまして、昨年末人事院規則の改正を行っておりまして、これによって六十年度の採用試験は新採用試験体系に基づき実施されることとなるわけでございます。また、この四月からは幹部養成研修の充実強化、それから職員の登用に資するための研修の本格的実施を中心といたします行政研修体系の再編整備を図っていくこととしております。 さらに、給与につきましては専門技術職俸給表の新設と各俸給表の等級構成の再編を考えております。 それから休暇制度につきましては、その法的整備を図るための制度改定を考えておりまして、これらにつきましては、本年の給与勧告のときにあわせて明らかにすることを予定しております。 なお、そのほかの問題につきましても、引き続きさまざまな観点から多角的に検討しておりまして、関係者の御意見を参考にしつつ成案を得るべく現在努力しているところでございます。 以上でございます。
○内藤功君 そこで、その見直し作業の一つの柱となっております俸給制度の関係の中で今お述べになった専門職の関係についてお聞きしたいと思うんです。 この問題につきましては、一昨年の人事院勧告の際に「職務の複雑・専門化、職務段階の分化等に対応するとともに、職務に応ずる給与の原則への一層の適合を図り、また、在職期間の長期化等に適切に対応するため、俸給制度について所要の整備を行う。具体的には、技術的な専門職種を中心とする一定の職種を対象とした俸給表を新設」する、かように御報告なさっております。ここで言う「技術的な専門職種を中心とする一定の職種を対象とした俸給表を新設」、これはどういう目的で行われようとされるのか、その点伺いたい。
○政府委員(鹿兒島重治君) お話がございました専門技術職俸給表、仮称でございますが、この設置の目的でございますけれども、現在行政職(一)表にかなり多数の職員がその適用を受けているわけでございますが、その中には、その職務の内容が非常に専門的でございまして、一定の資格、能力あるいは知識というものを前提にいたしまして職務を遂行している職員がおるわけでございます。こういった職員につきましては、通常の組織と申しますか、例えば課長でありますとか課長補佐、係長、一般職員といった、いわゆるラインの系列には必ずしもなじまない職員が含まれているわけでございまして、こういった職員の専門性、それから職務の内容というものに着目いたしまして、その内容にふさわしい処遇をいたしたいということで、専門技術職俸給表ということを検討している段階でございます。
○内藤功君 いわゆる専門職俸給表の新設は、臨時行政調査会の昭和五十八年三月の答申で言っております「行政需要、業務処理方式等の変化に伴いますます重要となる専門職制を明確にし、その要員の確保・養成、給与その他の処遇について配慮する。」、この臨調の指摘を受けたものと理解してよろしいですか。
○政府委員(鹿兒島重治君) いきさつから申し上げますと、私どもが給与制度につきまして見直しを始めましたのが五十五年以降でございまして、先ほどお話もございましたように、一昨年の報告の中にも触れている点でございますけれども、その当初から、私どもといたしましては、現在の専門職員の処遇ということを頭に置いて作業を進めてまいりました。したがいまして、時期的に申しますと、私どもの方が若干先行をいたしていたのではないかと思います。しかしながら、今お話がございましたように、五十八年の臨時行政調査会の最終答申にお話のような文言も確かにございます。私どもはこの内容につきましても十分念頭に置きながら、それを踏まえてまた検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○内藤功君 この専門職俸給表の新設ということが打ち出されてから、その専門職の対象になることが予想されるいろんな職場の方のお話を伺う機会があったんですが、いろいろな職場で、現場で、どういう性格のものなのか、それからその基本的な位置づけ、性格が必ずしも明確でないという声、疑問を多く私聞くわけなんであります。特にいわゆる職能給体系といいますか、民間ではかなりやられていますが、こういう職能給システムの導入につながるんじゃないかという疑問、それによって成績主義、能力主義が今よりも一層導入されて、職員に対するいろんな差別、振り分けですね、それから同じような仕事をやっている人を分断するというふうな方向にこれが使われた場合に、これは問題ではないかということを言われる声もあるわけであります。 そこで、この専門職俸給表というのはどういう性格のものか、今のような疑問を頭に置かれた上でお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(鹿兒島重治君) 先ほど申し上げましたように、私どもは専門的技術的な職員の職務の内容と責任に基づきまして新しい俸給表を起こしたいというぐあいに考えているわけでございまして、この新しい俸給表の性格と申しますか、その内容につきましては、これは職務の内容に応じたいわゆる職務給、原則として新しい俸給表をつくりたいということを考えているわけであります。したがいまして、その性格自体は他の俸給表と全く同じ考え方、思想に基づいてつくりたいということで、特定の職員につきまして特別な取り扱いをするという性格のものではないというぐあいに考えております。
○内藤功君 具体的にお聞きいたしますが、専門職俸給表の適用基準としては具体的にずばりどういう基準が考えられておりますか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 一概に申し上げますのは若干困難でございますけれども、特徴的な点を申し上げますと、幾つかございまして、一つには、任用をされます際にその前提条件として例えば免許を持っておりますとか、あるいは高度の行政上の専門的な資質が要求されておりますとか、それからあるいは職務段階に応じまして、先ほども申し上げましたけれども、いわゆるラインの系列に必ずしもふさわしくない職務内容でありますとか、それからまた職務に従事するに当たりまして高度の教育を必要とするというような内容でありますとか、それからまたこういった特徴の結果でございますけれども、人事の交流が他とは行われない、こういうような職種を頭に置いて検討を進めております。
○内藤功君 今言われた人事の交流が他と行われないというのは、他省庁という意味かどうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 他の職種とという意味でございます。
○内藤功君 そうしますと、もっと具体的に聞きますが、現在人事院としてお考えになっている対象職種としてはどんなものがございますか。もっと具体的に何省庁の何職種ということになります
○政府委員(鹿兒島重治君) 最終的な範囲につきましてはまだ未確定でございますので、ごく代表的なものについて申し上げてまいりたいと思いますが、例えば現在運輸省で所管をいたしております航空交通管制官がおります。御承知のように航空保安大学校で特別の訓練を行いまして、また一定の免許資格に基づいて航空管制に当たるという職種がございます。それから二番目には特許庁の特許審査官あるいは特許審判官、それぞれ非常に専門的な内容につきまして判断を行うという職種がございます。それから三番目には農林水産省の関係でございますが、動植物の検疫官、それからこれに類似した職種でございますけれども、厚生省の検疫所の検疫技官、こういった者を私どもは念頭に置いております。
○内藤功君 今代表的なものをお挙げになりましたが、専門職俸給表の適用対象となることが予想される職種を抱える関係省庁との協議、また関連する労働組合、職員団体との協議は行われておりますか、どのように行われておりますか。
○政府委員(鹿兒島重治君) まだ検討中の案でございますので、最終的な確定案ではございませんが、中間的な段階でこれまでも随時関係省庁の事務担当官あるいは関係する職員団体との間に私どもの考え方というものをお示しいたしまして、逐次その意見を伺っている段階でございます。なお、見直し全体につきましても、これまでも再三それぞれの段階におきまして意見を聞いているわけでございまして、そういう機会にこれまで何度となく重ねて意見を承りつつ作業を進めておる段階でございます。
○内藤功君 この専門職俸給表の等級構成はどのようになっておりますか。
○政府委員(鹿兒島重治君) この等級構成につきましては、私どもは一応七等級ということで考えているわけでございますが、これは他の等級につきましても、先ほどもお答えいたしましたが、一応等級の新設ということをあわせて考えておりますので、それとの対比で申し上げさせていただきますと、行政職の(一)表につきましては、私どもの考えでは、十一等級にしたいということを考えておりますが、この行政職との関係では、三等級まではこの専門技術職員も大体同じ構成で、上位の等級につきましてはほぼ同じ構成で持っていきたい。それ以下の五等級、六等級、七等級につきましては、行政職の等級を二等級ずつくくった形でこれに対応させていきたいというぐあいに考えております。
○内藤功君 端的にお聞きしたいんですが、この専門職の俸給表の新設、適用によりまして、こうした職種の方々の待遇、勤務条件はよくなるのか、よくならないのかですね。どういうふうに処遇がよくなるのか、どこにメリットがあるということをちょっと具体的に。
○政府委員(鹿兒島重治君) 制度面と運用面と両方あろうかと思いますが、制度面を申し上げますならば、新しい俸給表の水準自体は行政職(一)表と同じ水準にいたしたいと考えております。しかしながら、運用面におきましては、先ほど申し上げましたように、行政職(一)表に比べますと、等級を下位の等級につきましては二つずつくくるわけでございまして、昇格につきましては運用上の配慮がなされるものというぐあいに考えております。
○内藤功君 専門職俸給表の新設については、今後はどういうようなスケジュールでお進めになっていくつもりか。これは関係省庁や職員団体の意向がありますから、勝手に推し進めるというわけにはいきませんが、あなた方としてはどんなふうに進めていかれるおつもりか、また見通しはどのようにお考えですか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 先ほども申し上げましたように、私どもはこういう新しい制度を起こすに当たりまして、十分に関係当局あるいは職員団体の意見を聞いてまいりたいというぐあいに考えております。そして、これを今年度の仮に給与勧告に反映させるということになりますと、最終的には六月いっぱいぐらいをめどにして作業を進め意見を固め、そして勧告に盛り込むということを考えていかざるを得ないんではなかろうかと、このように考えております。
○内藤功君 率直なところを私から申し上げたいんですが、この専門職俸給表の新設につきまして職員の方々、特にこの対象とされることが予想される職員団体の方々の意見も先ほど一部御紹介しました。もう少し端的に言いますと、さっきの御答弁のように、水準が同じだからメリットが一体どこにあるのか、運用上においてこれは配慮するとおっしゃるわけですが、そういうことは余り期待できないんじゃないかという意見が一つと、それから職場の中で、こういう新しい俸給表の新設によって一種の分離、分断の現象ですね、職場の中でいろんな結束していく意識というものが薄められていくんじゃないか、こういうような意見も出ておるわけであります。 例えば今、例としてお挙げになりました特許庁の審判官、審査官でございますか、これは査定という一つの行政処分を行う行政官である、言葉は今余り使いません、行政官であると。これを専門技術職の方に入れるのはふさわしいものかどうかという疑問を出す人もいるわけなんですね。特許庁のこういう仕事をやっている人は、現在定員も非常に抑制されておる、特許出願件数は御案内のとおり非常に激増しておるという中で、仕事が非常にお忙しくなっているようです。昇格の頭打ちなどで処遇面の改善も余り進まない。そういう現状にありますだけに、こういう点についての今より改善されるだろうというメリットの実感がわかないと、こういう声をかなり聞くわけなんですね。これは率直にこの席上でお伝えしておきたいのであります。 こういう点をきちんと改善しないままで、ただ専門的な技術能力があると——確かに公務員の方々の中にそういう技術、資格を要する、また高度の教育を要する人を探せといえば、まだお挙げになった以外にたくさん出てくるんじゃないかと思うんですね。そういう中で自分たちだけ別の俸給表の対象にされる、一体どうなっていくのかという不安が率直なところあるようであります。 給与体系の変更ということは、関係職種の方々にとってはこれは大問題でありまして、私はそういうような疑問についてどういうふうに考えられるかということと、それから公務員法で保障されておる職員団体のいろんな権利がありますが、こういう職員団体との合意をあくまで図るべきじゃないか。合意抜きに強行するようなことがあってはならないというふうに思うんですが、この点、人事院の御所見はいかがでございましょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 確かに、処遇につきましては、いろいろ考え方もあろうかと思いますが、仮に行政職の(一)表をこのまま適用してまいりました場合には、八等級から七等級へ、七等級から六等級へそれぞれ昇格の基準に基づきまして昇格をさしていくということで、例えて申しますならば、それぞれ関所を通っていかなかればいけないという形になります。しかしながら、私どもの考え方といたしましては、こういう専門技術職員の場合には、同一の職務に従事しておりましても、その熟練の度合い、経験、知識の増高というものがございますので、そういうものは等級をくくることによりまして関所なしに昇級が行われるという形にした方が、より処遇の上から言っても望ましいんじゃなかろうかという考え方が一つございます。 そして、たまたま特許庁のお話がございましたが、私どもといたしましても、特許庁の例えば特許の出願件数を見てみましても、私の手元にあります数字によりますと、昭和三十八年には二十六万二千件余りでございましたものが昭和五十八年には六十六万八千件、大変激増いたしております。内容も恐らくかなり複雑になってきているんじゃなかろうか。したがいまして、最近の採用者の状況等を見てみましても、特許の審判官の場合には上級甲の採用者が八六%を占めている。ちょっと他の職域にはない高い割合を占めているという状況でございます。 そういうことで、そういう専門性に対応する必要があろうかということ、それからまたこの道一筋という形で他の職種との交流というものが行われない職種でございますから、そういうことからいたしましても、それ相当のこの道一筋に対する対応を考えていかなければいけないだろうということで、私どもといたしましては、こういう新しい俸給表をつくることによりまして、むしろこういう職種の方々の処遇なり、あるいはその立場というものに十分報いる、こういう考え方で新しい俸給表を起こしたいというぐあいに考えておるわけでございます。また、職員団体の意見につきましては、今後も十分に意見を聞いてまいりたいと思いますし、また十分に御理解をいただけるものというぐあいに考えております。
○内藤功君 私は、これ以上内容について論ずる資料もありませんし、何といっても職員団体、あるいは各省庁と人事院と時間をかけてもお話し合いをする、見切り発車なんかはしないということが緊要だと思いますので、今の答弁はそういう意味で伺っておきます。 総務庁には、同じようなことでありますけれども、今人事院としてやっておるわけでありまして、総務庁の担当局長として、今後こういう問題が出てきた場合に、関係の職員団体の意向を十分踏まえて、十分協議して合意を得るように努めてやっていくと、こういう点を要望したいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(藤井良二君) 今人事院の方から専門職俸給表について詳しい御説明がございました。恐らく人事院の方としても職員団体の方からいろいろと御意見を聞き、また各省からも御意見を聞いて勧告されるんだろうと思います。政府といたしましては、人事院から勧告あるいは意見の申し出があれば、その段階において、人事院制度の趣旨を踏まえて適切に対処してまいりたい、かように考えております。
○内藤功君 私は、率直に言えば、これは意見としてお聞きいただきたいんですが、人事院勧告制度という労働基本権の代償制度がこの三年来機能麻痺になっておる。表現は適切でないかもしれませんが、半身不随の状況です。人事院が今なすべきことは、争議権の代償機能たる役割を一日も早く回復するためにあらゆる努力をなすべきことだ、それにすべての人事院の総力を挙げる時期だと思うんで、こういうときにまた大きな仕事である公務員制度の見直しというのをそんなに急いでやる必要があるのかという疑問を私は率直に持つわけなんです。そういっても、あなたの方は、いや、これも仕事ですという答えになるだろうから、これは聞きません。私は、そのくらいな気持ちを持って人勧の完全実施に取り組んでもらいたいということを思うわけなんであります。 この前のときに私は、大変お耳ざわりだったと思いますけれども、政府によって勧告が実施されないで値切られた、人事院がこの値切られた俸給表の手伝いをするなんということはよもやないだろうが、そういうことは人事院の権威にかけて断じてなすべからざることだということを申し上げたのは、総裁、覚えていらっしゃると思う。そのくらいの決意で人事院の機能回復に努めていただくべき時期である。それを十分やらないで、この公務員制度の見直しなるものの方は見切り発車でやっていくということがもしあるとすれば、これは遺憾なことだということを申し上げておきたいと思うのであります。 最後に、きょうの議論、時間が来ましたので、総務庁長官及び人事院総裁から、この問答の経過を聞いておられて、最高の責任者としての御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 人事院から勧告をちょうだいすれば、その段階で政府としましては勧告を最大限に尊重してやってまいりたい、こう思います。いずれにいたしましても、制度が変わるということになれば、職員は不安感を持つと思いますね。したがって、こういった場合に政府としても職員が不安感を持たないように適切な対応をしてまいりたい、かように考えています。
○政府委員(内海倫君) 先ほどから給与局長から専門技術職の内容につきましてはかなり詳細に御説明を申し上げました。私どもとしましては、今給与局長が申しましたような趣旨に基づいておるものでありますだけに、各省の関係者にも、また職員団体の関係の皆さん方にも十分この趣旨を説明し、また納得していただくように努力して、そういうふうなことの上に立って勧告をしていきたいと考えております。 いずれにしましても、ただいま長官からも御答弁がありましたように、新しい制度の問題でございますから、いやが上にも我々としても心を引き締めてこれに当たりたいと思います。
○内藤功君 合意なしに強行しないでもらいたい。
○柄谷道一君 総務長官にお伺いいたしますが、行政改革の理念は、これは臨調の第一次答申、第三次基本答申及び第五次最終答申で明らかにされているところでございます。端的に言えば変化への対応、総合性の確保、簡素効率化、信頼性の確保という四つの視点に立って行政の制度や政策を抜本的に見直し、高度成長時代を通じて肥大化した行財政を簡素かつ効率的なシステムに改革して、活力ある福祉社会の建設と国際社会に対する積極的貢献を実現し得る基盤を構築する、この理念については多くの言葉を要しないところであろうと思います。 そこで、このような臨調の理念を生かすためには、中央、地方、特殊法人、認可法人、公益法人等を含めたトータルとしての行政改革の実を上げる必要がある、こう思うのでございますが、御所見、いかがでございますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるとおりであると理解いたしております。
○柄谷道一君 そこで、行政改革につきましては、中央省庁の統廃合問題、地方の行革問題、国鉄問題など、まだ残されている問題は数多くございます。しかし、私は許された時間の関係もあり、本日は公益法人制度の改革に絞って御質問をしたいと思います。 まず、法制局にお伺いいたしますが、公益法人の定義についてお伺いいたします。
○政府委員(前田正道君) 公益法人とは民法第三十四条の規定によりまして設立された法人を申します。つまり公益法人は、その設立に当たりまして、祭祀、宗教、慈善、学術、技芸その他公益に関する社団または財団にして営利を目的とせざるものでございまして、主務官庁の許可を得たものを言います。この場合、公益と申しますのは、社会全般の利益、つまり不特定多数の者の利益を意味するものと考えます。したがいまして、社団でございますれば、例え営利を目的としないものでございましても、単に社団人の利益を図ることだけを目的とするようなものは、公益を目的とするものとは言えないというふうに考えます。
○柄谷道一君 私もそのように理解いたします。 そこで、総務庁長官にお伺いいたしますが、最近、この公益法人について放置できない幾つかの問題が発生していると私は認識するのでございます。 まずその第一は、私人が公益目的のため自主的に社団または公団を設立して活動している本来の公益法人とは別に、行政機関、公社公団、事業団、特殊法人等がその事業を分離したり下請させるための、いわゆる外郭団体として公益法人を設立するケースが増大しているということでございます。しかも、それは特殊法人や認可法人の新設が抑制され、行革が進行してきたことと符節を合わして逆比例的に増大をいたしております。 私はきょう、時間の関係で具体例を挙げることは避けたいと思いますが、幾つかの事例を持っております。これらは監督官庁の指導で設立され、その指導で資金が集められ、またその公益法人に天下りが行われ、補助金等の財政支出が行われております。また、これらの公益法人と言われるものの中には行政機関等や政権党との癒着関係もいろいろ話題にされておりまして、集票活動など、政権党の政治活動の一翼を担っているのではないかと指摘される向きもございます。そうであるとすれば、行財政改革の視点と合わせて、これは政治改革の視点からも重大な問題であると思わざるを得ません。このような現実に対して、総務庁長官はどう認識しておられますか。 また、最近十年間を見ますと、公益法人は国所管で毎年八十、都道府県及び都道府県教育委員会所管で約四百五十、最近はこれがぐっとふえまして、国段階では百五十、地方段階では五百程度毎年毎年新設されております。その総合計は、国で約五千強、地方段階で約一万四千強、合わせて一万九千法人を超えている現状でございます。行政監察を総務庁は行っておられるわけでございますから、その立場からこれらの現状をどうお考えなのか。この二つについて御所見を伺います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 最近、民法三十四条に基づく社団あるいは財団等についていろいろ御批判があることは承知いたしております。官庁に対する行政改革が進んでいくと、その次は特殊法人、それから認可法人、だんだん厳しくなるから下にいくと、こういう御指摘も一部にあるんですが、果たしてそうなっているかどうかは私はつまびらかにはしておりません。私の基本的な考え方は、民法三十四条に基づく公益法人は、先ほど法制局から御答弁がありましたように、主たる目的が公益のため、非営利となっておるわけですね。しかし一部において、維持するために営利活動をやってもよかろうと、こういう仕組みになっておるんですが、それが逆に営利だけをやっているんじゃないかといったようなことでいろいろな御批判があるので、これは直さなきゃいけません。設立の際の認可は各省ごとにやっていらっしゃる。戦時中のたしか臨時の立法だったと思いますが、都道府県内の場合には都道府県知事に主務大臣が委任するということで認可が行われておりますね。その認可の際の審査を各省庁あるいは都道府県知事が厳しくやる必要があるんじゃないか。それと同時に、設立のときはそうであっても、時の経過とともにそれが営利に走ったり、いろんなふぐあいなことをやるということは、これは申しわけないんで、これはきちんと当該それぞれの主務官庁が、どういう仕事をしておるのか目配りをして指導していただかなければいかぬと思います。そういう点についてややばらばらで欠けるところがあるんではないか。これは反省をしなきゃならぬ面だと私は考えておるのであります。 ただ、今おっしゃったように、都道府県段階がたしか一万五千ぐらいで、中央省庁の認可したのが五千ぐらいですが、そのほかに、これは民法三十四条の法人ですね、そのほかに特別法で宗教、社会福祉、それから教育、これが大体二十一、二万あると思います。これらもよほど認可した官庁はしっかりしてもらわなきゃならない、私はそう考えているんです。ふぐあいはもちろんこれは認めるわけにいきません。しかし実際は、私自身は、数は問題でない。それは公益目的で設立して、そこへ民間の方が金を出し合って、そして本当に公益の仕事をやってくれるわけですから、これが適切に行われるということは、これは民活という意味からいっても、これはかえっていいんではないかなと、こう思っているんです。まあ、おまえの言うのは理想論だと、こうおっしゃるかもしれません。しかし、いずれにせよ、数が問題でなくて、認可の際の審査をきちんとやるということ、そして活動の実態に絶えず認可官庁は目をつけておって、ふぐあいなものがあれば是正をさせる。 それから、いつか私の方が監察をしまして、それで、三年間何の活動もしていなければ認可を取り消すという法改正をやって整理をしましたね。そういう処置をしたんですが、ともかく第一段階は、いろんな批判がありますから、先ほど言ったような審査を厳しくし、何よりも活動の実態を各主務官庁がつかんでいただく、これが一番肝心なことではなかろうかなと、かように考えているわけでございます。
○柄谷道一君 長官、私は公益法人というのは、まず自主的に組織されるものだと思うんですね。それから目的は公益のためにですね。したがって、余りにも利益を追求するための法人であってはならぬ。端的に言えばこの三つの要件があると思うんです。 そこでお伺いするんですが、官庁、これは中央、地方とも、それが介入して公益法人をつくらせるということはいいことなんですか、悪いことですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これはなかなかお答えにくいんですけれども、介入という意味がどういうことなのかなと。本当にこういう法人が必要ではないか、そして公益のために仕事をしてもらうということであれば、これは官庁の人がそういう民間、これは民間の人にやってもらうわけですから、相談を受けてやるということは、ここまではいいのかなと、こう思いますけれども、その介入が何かさっきおっしゃったように役人の天下り先をつくらなきゃならない、あるいはこれで補助金をもらわなきゃならない、それがためにともかく働きかけをしてつくらせるということであれば、これは少し行き過ぎてやせぬかなと、こう思うわけでございまして、なかなか一概には言いにくい面があるんじゃないかと、かように考えます。
○柄谷道一君 禅問答しておってもしようがないんで、それじゃ端的に、これは長官でなくてもいいですが、現在、公益法人に関する行政監察を行っていると私は承知するんですが、その調査内容及びいつごろ結論が出るのか端的にお伺いいたします。
○政府委員(竹村晟君) 今回やっております監察でございますが、今後におきます公益法人の健全な発展に資するということで、調査内容でございますが、公益法人の実態と、それから主務官庁の指導監督状況、これを中心にして調査をしております。調査結果は今取りまとめ中でありまして、できるだけ早く結論を得たいというふうに考えておりますけれども、今のところ、ちょっとはっきりしたまだ時期までは申し上げられる段階でございません。
○柄谷道一君 じゃ大蔵にお伺いいたします。 問題の第二は、既存の公益法人と、また新設の公益法人たるとを問わず、公益事業を行うという建前のもとに収益事業を行っておりますが、最近特に収益事業に傾斜している法人が多いということでございます。公益法人であるというだけの理由で税法上の優遇措置がとられておりますけれども、このような傾斜を強めていくということになりますと、一般の法人との間に税の公平を損い、不公正な競争を激化させるという面もまた考慮しなければならないと、こう思うわけでございます。このような実態をどう把握し、今後どのように対応しようとしておられるのかお伺いします。
○説明員(加藤泰彦君) お答えいたします。 最初に、公益法人の収益事業関係の実態を申し上げたいと思いますが、公益法人等の五十八事務年度中に申告のありましたもの、これが一万六千件でございます。これを十年前と比べますと、あるいは五年前と比べましても、申告件数、所得金額とも全法人の増加割合を上回る状況になってきております。実態についてはそういうことでございます。
○説明員(濱本英輔君) 公益法人は、先ほど来お話にも出ておりますように、それぞれの所管庁が所管をしておるわけでございまして、全体的な実態把握というのはなかなか難しい問題があると存じますけれども、私どもそういった各所管庁との間の連絡を努めてとらせていただく、あるいはただいまお答えいたしました税の執行当局からの情報などを手がかりにいたしまして、できるだけその実態に迫るべく努力しておるところでございます。そういった背景のもとで、公益法人に対する課税のあり方につきましては、かねてから政府の税制調査会でも問題意識をお持ちいただいておりまして、具体的に申し上げますと、今お話に出ましたこの収益事業の範囲というものをどうとらえていくか、それからこれに課税いたします場合の税率の水準、これが一般の法人税の税率水準に比べますとかなり格差を持っておりますので、そのあり方をどう考えるか、あるいはさらにこれに加えまして、そういった法人の持っております金融資産に対する課税をどう考えるかといったような問題について検討するようにという指摘を税調から政府側にいただいておるわけでございます。これを受けまして、随時収益法人の収益事業の見直しというものを重ねてまいっておりますし、また六十年度の改正では、税率格差につきまして、一般法人と公益法人の収益事業との間の税率格差を是正していく方向に改正するという措置を講ぜさせていただいておるところでございます。
○柄谷道一君 法制局にもう一つお伺いしますが、今言われましたように、第一の問題点は、総務庁長官は介入というにも程度があるという大変微妙な御発言でしたけれども、自主的に組織されるんではなくて、強く行政官庁が、まずこういう公益法人をつくりなさい、金はこうこうこういう格好で集めなさい、そしてその人事はこれを引き受けなさい、そういう傾向が一方にある。一方に収益事業に傾斜しておる法人がある。これは民法三十四条の精神をはみ出していると私は思うんですが、法制局はいかがですか。
○政府委員(前田正道君) 公益法人の実態については承知しているわけではございませんので、あくまで一般論としてお答えさせていただきたいと存じます。 民法は申し上げるまでもなく私法の基本法でございますし、民法第三十四条は一定の要件を満たします団体につきまして法人格を付与するための規定と解されます。したがいまして、公益法人設立の適否は、先ほど来総務庁長官からも御答弁がございましたように、あくまで民法第三十四条に言います公益性というものが認められるかどうかという観点から判断されるべきものと考えます。仮に、公益法人になろうといたします団体の活動の公益性という点につきまして疑問があるといたしますれば、そのような団体が公益法人になるというようなことは民法の定める趣旨には適合しないものと言わざるを得ないと考えます。
○柄谷道一君 長官、公益法人の設立許可が主務官庁ごとに行われております。しかも、その統一審査基準の申し合わせが総理府を中心に行われておりますが、それは極めて抽象的であり、大まかでございます。また、そういうことからその公益性の判断が各省庁により異なっておるのではないか。私は、公益法人の実態を総理府に聞いてもわからないですね、全省庁に聞いてくれと言うんです。 予算委員会の中でも休眠法人問題が出されましたけれども、官房長官もその答弁に苦慮されるような実態でございます。昭和四十七年以前に設立されました公益法人の中には、業界団体や相互扶助団体、親睦団体等いわゆる中間的法人、企業的公益法人、さらには休眠法人等が多数存在しております。そういうことで公益法人制度を一方で問題化するもう一方で、申し合わせが行われました後、中間的公益法人が認められないということで、これが全部権利能力なき社団、いわゆる任意団体にとどまっております。これが取引の安全性確保の観点から法人化の道を開いてはどうかという逆の要請もまた行われていることは長官も御承知のところであろうと思います。その他にもいろいろ公益法人をめぐる問題点は数多くございますけれども、要は政府において統一的に問題解決を行うべき責任官庁が存在しない。現状把握するだけでも一々各省庁に連絡しなければわからない。今大蔵省も把握に努めているところであるがということですけれども、大蔵省自体も全法人の実態がなかなかわからない、こういう現状にあるわけですね。私は、こうした現状を改革することなくして公益法人を民法三十四条の理念に基づくあるべき姿に立ち返らせるということは困難ではないか、こう思うのでございますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問のように、四十六年に調査しまして勧告をしたわけですね。そこで一応統一的な基準をつくった。こういうことでございますが、今回調査した公益法人の中では、この申し合わせ以後できたものについては各省ごとに設立が異なっているというものはない、かように承知をいたしております。しかし、この申し合わせが行われる以前に許可された法人で、現在では申し合わせによって許可しない、こうなっているものがあるわけです。要するに同窓会とかあるいは互助会とかは公益性が乏しい。公益性と言う以上は不特定多数の人に対する公益ですね。ところが、公益ではあっても特定しているということになればこれは入りませんね。あるいは公益とは認めがたいようなものもあるわけです。単なる親睦団体、同窓会なんかまさにそうですね。そういったものがいろいろございますから、公益法人行政の御指摘の点は一つの問題点であろう、かように考えるわけでございます。 それからいま一点の、どうも各省に聞いてもはっきりしない、まとまったところがないと。今、一応は各省の所管に属せざる事項ということになって総理府なんです。総理府の管理室がやっているんです。しかし、これは連絡調整ぐらいな話で、必ずしも全体を把握しているわけではありません。したがって、公益法人の問題は、率直に言って、これから政府として勉強しなければならぬ課題ではないのかという認識をいたしておるような次第でございます。
○柄谷道一君 昭和四十三年に旧行政管理庁が改善勧告を行っておられます。これはある程度法人行政の改革に前進をもたらしましたし、今日までこれを継続的かつ計画的に改革を進めるということはとられてきておると私は思うんです。また私は第百一回国会の決算委員会でこの問題を取り上げまして、わざわざ五十九年七月九日の参議院決算委員会の警告決議の中でも政府に対する決議を行っているわけですが、その後この決議が目に見えて実現されているとも思われません。 そこで、これは一つの私の提唱でございますけれども、宗教法人、学校法人及び社会福祉法人についてはもともと民法三十四条の規定に基づいて公益法人として設立できることになっておりました。しかし、これは特別の取り扱いをする必要があるということで個別法が制定された経緯がございます。そこで、このような考え方、経緯を踏襲して、現在の混乱を整序して本来の公益法人としての監督をするために特別法を制定する必要があるんではないか。その骨子は、総理府をして単なる事務連絡に終わらせるのではなくて、同総理府に十分な調整権を持たせて設立基準を適正化し、一元的運営を図るということ。第二に、この法律に基づく公益法人になるためには総理府内に置く審査委員会の審査にかからしめて、それには税法上の特典を与えるとともに、守るべき準則を示す。第三には、その他現行民法による法人につきましては、非営利法人といたしましていわゆる中間法人も取り込む。そして、新法による法人に移行しないものについては、もちろん民法上の法人として存続いたしますけれども、税制上の優遇措置はないものとする。またこれの反面、そうした法人については主務官庁による監督は必要最小限のものにする。こういう思い切った改革について検討しなければ、現状の中では幾ら小手先をいじってみても公益法人の思い切った改革はできないと、こう私は思うものでございます。 総務庁は総合調整機能の活性化という任務を持っておられます。同時に行政監察を取りまとめるという立場にもおられます。私の提言に対して、価値ある提唱として検討されるのか、全然問題にならないということで一蹴されるのか、長官の御所見を承りまして私の質問を終わります。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは私がお答えするのはどうか、所管じゃありませんから。参議院の御決議、これは院の決議でございますから、政府としては厳しく受けとめてやっていかなければならぬと、かように考えるわけでございます。 それからただいまの御意見、これは貴重な御意見として私は拝聴させていただきました。問題は、特別な立法をやるのかやらぬのか、こういうことでございますが、これは民法三十四条の関係で法務省になると思いますが、法務省の意見も果たして積極的なのか消極的なのか、今日この時点において私は承知をいたしておりません。しかし、いずれにせよ、以前法制局長官をおやりになった方が、これは場合によれば立法措置を勉強しなければいかぬのではないかといったような御意見を持っていらっしゃることを私は承知いたしております。しかし、いずれにいたしましても、これは大変な問題でございまするので、この席でこれは立法措置を必要とするとか、いや今の段階は指導だけでよろしいとか、あるいは主管官庁をどこにするのがよろしいとかといったようなことはお答えが残念ながらできませんが、いずれにせよ、これは勉強しなければならぬ課題であるという認識はしておるというところでお許しをいただきたい、かように思います。
○柄谷道一君 終わります。
○委員長(大島友治君) 本日の委嘱審査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時十五分散会