内閣委員会 第6号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/03/28
会議録
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 官房長官と総務庁長官に私どもの意見を冒頭申し上げておきたいと思います。 去る二十五日、公務員共闘が八五年度の賃金を初めとする基本要求を提出いたしました。広範多岐にわたりますが非常に重要な申し入れでありますので、政府としても十分にひとつ誠意をもって対処していただきたいと冒頭にお願いをしておきたいと思うんです。 それから定年制の実施がことし四月一日から発足するわけですが、定年制の審議の際に、内閣総理大臣によります調整という問題が義務づけられているわけであります。人事管理上のいろいろな施策についての調査研究ということになっているわけですが、この対象になります事柄、これはどういうことを考えられておりますか。その点、大きな項目で結構でありますから、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 職員の定年に関する事務として定年制度を実施運営するに当たり各行政機関が行うこととされている事務をこの職員の定年に関する事務と称しておりますが、具体的には任命権者が行うこととされている定年退職日の指定、勤務の延長制度の運用、再任用制度の運用などがこれに該当する、このように考えております。
○穐山篤君 直接的に定年制発足という問題についての調整ということは当然含むと思うんですが、しかしもっと広範な問題があるのではないかと、こういうふうに私は思いますね。 例えば一例ですけれども、中央官庁、あるいは公社、公団でもそうでありますが、身体障害者の雇用が現に行われているわけです。これもある意味で言いますとばらばらの状況にあるわけです。ですから、この身体障害者の雇用のあり方、あるいは将来の位置づけというふうな問題も内閣総理大臣の調整事務としてやるような事柄に入っていいのではないか。単に六十歳定年に焦点を当てた事柄のみならず、もう少し広範に人事管理上の問題についてやるわけですから、広範な分野についても、これは総理大臣が調整してもいいんじゃないか、そういう課題を取り上げて問題にしてもい いんじゃないかなと、こういうふうに思いますが、どうでしょう。
○政府委員(藤井良二君) 今官房長官からお答えになりましたように、職員の定年制に関する事務としては、具体的には定年退職日の指定だとか、勤務延長だとか、あるいは再任制度の運用がこれに当たるわけでございますけれども、内閣総理大臣としては、中央行政機関としての立場から、定年制度の実施運用に関するこれらの事務が各省において法令に定める基準に従って適正、統一的に行われるに当たっての必要な調整を行うわけでございまして、今先生が言われたような問題につきましても、問題があれば調整していく必要があると思います。
○穐山篤君 六十歳定年の発足を前にして、既に人事院規則で一定のものは昨年七月に出ているわけです。しかし定年制実施後でも退職勧奨というものが理屈上あり得るわけですね。そういう場合についての各主管庁の調整ということも、まあ私どもあんまり好きではありませんけれども、人事管理上はあり得る話でありますね。そういう問題についての調整事務、これは六十歳定年が発足しますと新しい具体的な事実が発生するわけですね。そうなりますと、そういう問題についての総理大臣の調整義務、調整行為というものも当然発生してくるだろう、私はこういうふうに思うわけですね。 それから、後で具体的に問題にしますけれども、国家公務員が退職しますと、第二の職場に行く人もありますけれども、相当の部分は失業の状況になるわけですね。そのことを考えてみますと、高齢職員の能力開発の問題であるとか生涯設計というふうな問題も、これは民間企業じゃみんな積極的にやっているわけですね。国も使用主でありますから、ですから被使用人に対してそういうものも当然必要になってくる。それは内閣全体の調整の話になるだろう。ですから、六十歳定年というものだけに焦点を当てるんでなくて、もう少し幅広いことがあってもしかるべきだ、またやらなければならぬじゃないかなと、こう思うわけですが、どうでしょう。
○国務大臣(藤波孝生君) 今回の定年制度をどのように実施運営していくか、その制度が円滑に進んでいくようにそれぞれ任命権者が責任を持って仕事を遂行していくわけでございますけれども、政府全体としてそれらの余り大きなでこぼこがないようにするとか、あるいは特別な事情に対して任命権者のいろんなとっていく態度について、中央行政機関として内閣総理大臣が調整していくとかいうような、総理大臣にはそういう責任があると、こういうふうに考えておるわけでございまして、今お答えを申し上げたところでございます。お話のように、定年制ということを中心として動いていくけれども、ただ定年制のところだけにスポットを当てるのではなくて、総合的に公務員のいろんな公務員職業紹介とか、もっと広い角度から公務員の生涯というものをどうとらえていくか、あるいは処遇というものをどう考えていくかというようなことについて、広い角度からさらに考えていくべきではないか、こういう御指摘であろうと思うのでございます。 定年制を導入するという法改正の際にも、国会でもいろんな御論議があったところでございますし、当然政府といたしましても、広い角度からいろんな検討を加えて、こういう制度が発足するということになっておるところでございますけれども、先生御指摘のような観点から広い角度からさらに検討を加えていくべきだということにつきましては、やはり御趣旨を体していろんな角度から考えていかなければなるまい、そういうふうには考えておる次第でございまして、そういう気持ちで従来も取り組んできておりますけれども、こういう定年制度の実施を機会に、さらにそういう認識を持って取り組んでいかなければなりますまい。これは調整の権限があるとかないとかというような話、責任があるとかないとかという話を抜きにいたしまして、政府としてはそういう気持ちで進んでまいりたいということをお答え申し上げたいと思います。
○穐山篤君 人事院総裁、今やりとりをしているようなお話を聞いておられると思いますけれども、去年七月人事院規則を出される際にも、いろんな立場から議論して、直接的に定年制にかかります再任用だとか、あるいは延長であるとかというものを議論して規則はつくられましたが、その際に皆さん方の議論としても、政府としてもっと多角的に問題を考えてほしいというふうな議論があったと思うんですが、その点はいかがでしょう。
○政府委員(内海倫君) なお具体的な問題がございますれば主管局長からも御説明申し上げますが、今お話しのように、定年制を発足させるに際しましていろいろな論議が行われ、人事院としましても規則をもちまして、ただいまお話のありましたような勤務延長あるいは再任用というふうな道を、それぞれの官側の事情もございますけれども、あわせて本人の能力あるいは経験というものを尊重した形でそういうふうな制度を運用していくというふうなことも取り決めたわけでございますが、今も御質問があり官房長官からもお答えのありましたように、定年という問題が実際に動き出しますと、それに伴ってまたいろいろな何をどうしたらいいかというふうな問題が改めて出てくるかもしれないと思います。そういうことにつきましては、政府、人事院一体になりまして、よりよき方策を考えていくということが必要であろうと考えております。
○穐山篤君 官房長官はお忙しいようですからすぐお帰りになると思いますが、きょうの一番最後に私は在外勤務の国家公務員の問題を取り上げようとしているわけです。具体的にはその場面で一番最後に具体的な問題提起をしますけれども、私ども若干の国を訪問して在外公館の皆さんとお会いしましても、いろいろな問題があります。単に公務員法で規制できない複雑な問題もあると思うんですね。そういう諸問題についても内閣総理大臣のところで調整する、こういう必要性があると私は判断しているわけですよ。ですから、先ほど直接その定年制の問題のみならず少し幅を広げましょうと言っておられるわけですから、ぜひひとつ在外公館の諸君の問題も念頭に入れて研究をしてもらいたい、こう注文を申し上げておきます。官房長官、結構であります。 次に人事院総裁にお伺いします。これまた六十歳定年制あるいは退職手当のその当時の改悪のときに出たお話ですが、人事院としては、公務員制度のあり方について深く研究を進めていきますと。既に一部は実施をされたわけですが、この公務員制度のあり方のどういうものを対象にして今どこまで検討が進んでいて、さらにそれをどういうふうに発展をさせようとされておりますか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(網谷重男君) お尋ねの検討状況でございますが、これまでの検討結果に基づきまして本院が検討している人事行政の諸施策の骨子につきましては、既に昨年度、五十八年の八月の給与勧告の際の報告で明らかにしておるところでございます。現在は、関係各方面の意見を聞きながら具体化のための必要な検討を進めている段階にございます。 施策の実施に関してでございますが、既に採用試験の再編成につきましては、従来の上級乙、それから中級試験を廃止いたしまして、大学卒業程度の能力を有する者を対象としますII種試験を新設いたしました。あわせて、採用試験体系を再編整備することといたしまして、昨年末既に人事院規則の改正を行っておりまして、これによって六十年度の採用試験は新採用試験体系に基づいて実施されるということになっております。 また、四月からは幹部養成研修の充実強化及び職員の登用に資するための研修の本格実施を中心といたします行政研修体系の再編整備を図っていくこととしております。 さらに、給与につきましては、専門技術職俸給表の新設ということと、各俸給表の等級構成の再編を、それから休暇制度につきましては、その法的整備を図るための制度改正を、それぞれ考えておりまして、これらにつきましては、本年の給与勧告のときにあわせまして明らかにすることを予定しております。 なお、その他の問題につきましても、引き続きさまざまな観点から多角的に検討を行っておりまして、関係者の御意見を参考にしつつ成案を得るべく努力しておるところでございます。
○穐山篤君 昭和五十六年八月三十一日に事務次官等会議の申し合わせというものがあったはずです。その際に、退職準備制度の導入の可能性などについて高齢職員管理問題協議会を設けると、こうなっておったんですが、実際は設けずに調整を行うことでその必要性はなくなったというふうに書かれているわけですが、ここの「調整」と、先ほど私が官房長官にお伺いをしました内閣総理大臣の「調整」というのは同意語になるんでしょうか。どうでしょう。
○政府委員(藤井良二君) 先ほど申し上げました定年関係の事務についての調整は、先ほど申し上げたとおりでございますが、今おっしゃられました高齢職員の退職管理の問題でございますけれども、職員の士気の高揚を図り、組織の活力を維持するとともに職員を安んじて公務に専念せしめることにより、一層能率的な公務の運営に資するために適正な退職管理を推進する必要がある。このような観点から人事管理運営方針等におきましていろいろ調整しているところでございます。 これと先ほどのとつながりがあるかということでございますけれども、当然つながりがあるものと考えております。
○穐山篤君 地方自治体なんかの状況を調べてみますと、調整事務の中に入るのでありましょうが、例えば東京都の場合を調べてみますと、定年前退職職員が定年退職者と比べて不利益にならないような措置をどうするとか、あるいは退職後の再就職への配慮をどうするとか、あるいは退職準備制度なんかについて地方自治体は非常に勉強しているわけであります。調整を行うことでその必要性はなくなったということは了解をいたしますけれども、先ほども指摘をしましたように、今日置かれております公務員の状況を踏まえて、内閣全体として調整事務をきちっとされますように要望しておきます。 次に人事院にお伺いをしますが、特例定年、あるいは定年による退職の特例、定年による退職者の再任用、この種の問題について一応人事院規則が出ました。前回の退職金あるいは定年制の審議の議論の際に、いろいろなことを我々は要望したわけですが、ある程度この要望が入っているというふうに思います。 しかしながら問題は、人事院規則がそう書かれておりましても、実際はそれぞれの省庁がどうこれを適用するか、どういう方が該当しして四月一日以降再任用されるか、あるいは勤務の延長が行われるかということにあると思うのですが、この人事院規則をつくられるときに、そういう問題についてはどういうふうな配慮をされていたんでしょうか。
○政府委員(仙田明雄君) 現在の定年制度は原則定年のほかに、今お話ございましたように特例定年でありますとか、あるいはいわゆる勤務延長あるいは再任用というような制度を含んでおるわけでございますが、こういう制度を設けましたのは、単一の定年にいたしますと、公務部内、多種多様の職種があり、多種多様の仕事をしている、そういう中で画一の定年ということでは実際的に弾力的な運用ができないということで、この種の制度を設けてあるわけでございます。 それぞれの制度をつくるに当たりましては、各省庁なり職員団体の御意見というものも十分ちょうだいいたしまして、人事院としては人事院なりに各省庁の実情というものも承知をした上で、こういうそれぞれの制度内容というものを設けたというふうに考えております。
○穐山篤君 この人事院規則を見ますと、例えば「定年の特例」という八十一条の二の二項二号の部分について言いますと、例えば「病院、療養所及び診療所」あるいは刑務所その他八項目あるわけですけれども、この場合にとかく考えられがちなのは、例えば医師であるとかあるいは歯科医師というものが単純に考えられますが、例えば作業療法士とかというふうな特別な専門的な職種というのはどうしても疎外されやすいと思うんです。そういうものの判断というのはそれぞれの省庁に任せるということになっているんですか。
○政府委員(仙田明雄君) これはごらんいただきますとわかりますように、第八十一条の二という規定がございまして、その二項の一号はごらんのように「医師及び歯科医師」、二号が庁務職員でございまして、三号が「前二号に掲げる職員のほか」云々と書いてございまして、「人事院規則で定める」、こういうことになりまして、今お話しのございましたような作業療法士などにつきましては、各省庁の意見も十分ちょうだいした上で特例定年とはしなかった、こういうことでございます。これは人事院規則の一一—八「定年」というもので詳細定めてございます。
○穐山篤君 ちょっとまとめて自治省にお伺いをしますが、自治省についても同じように定年による再任用とか、あるいは特例定年であるとか、あるいは勤務延長であるとか、こういうものを原則的に受けとめていると思うんですね。しかし、地方自治体におきましては、職種、業務範囲というのは非常に多岐にわたっておりますね。どういうふうに基準をつくられたんでしょうか、その点総合的にお話しをいただきたいと思います。
○説明員(柳克樹君) 自治省におきましても、地方公務員法に書いてございます法律の趣旨にのっとりまして適切に運用するように地方公共団体に対しまして指導いたしておりますが、具体的には通達あるいは条例準則を示しまして、それに準じた形で人事委員会の規則などを定めるように指導いたしております。その条例準則あるいは通達の内容につきましては、ただいま人事院から御説明がございました人事院規則と同旨とお考えいただいて結構でございます。
○穐山篤君 法附則第六条によります国の経営する企業に勤務する職員の定年制度、これは六十歳でありますが、それも余人をもってかえがたい、あるいは公務員と同じような状況にあれば、人事院規則に準拠するような方法をとられたと思うんですが、例えば郵政、印刷、造幣、林野庁、ここではどういうふうな基準というものをつくられたんでしょうか。
○説明員(西井烈君) 御説明いたします。 御案内のように、給与特例法の適用を受けます郵政職員の定年制につきましても、原則的には国家公務員法、人事院規則に定めるところが適用されることになっておりますが、ただいま御指摘の主務大臣が定めるということになっております部分につきましては、これも私どもといたしましては、公務員法なり人事院規則の規定の趣旨に沿いまして、関係労働組合とも協議を進めてまいりまして定めさしていただいたところでございますが、特に原則定年の例外の特例定年の部分でございますけれども、これにつきましては大体人事院規則とほぼ同様かと存じます。 一点目は、病院、診療所に勤務する医師、歯科医師は六十五歳ということにいたしておりますし、それから庁舎の監視その他いわゆる庁務要員でございますが、これにつきましては年齢六十三歳。そのほか職務内容が非常に特殊であるとか、あるいは欠員補充が非常に困難だということで原則定年とすることが必ずしも適当じゃないと思われる職員につきましては、一部例外的に六十五歳というもので定めたものがございます。 それから勤務延長につきましては、人事院規則で定めております基準と同様に実施してまいりたい、こんなふうに考えております。 以上でございます。
○説明員(平北直己君) 印刷局につきましても、考え方につきましては、先ほどの郵政と同じでございますけれども、定年の特例につきましては、第一号の病院の医師、歯科医師につきましては、私のところも、印刷局の病院及び診療所の医師、歯科医師につきまして定年年齢を六十五年とするということにしたいと思っております。 それから第二号の庁務職、それから第三号の特殊職につきましては、私のところでは特例の定年は定めないということで運用したいと思っております。 それから勤務延長、再任用につきましては、現在のところ、私のところでは対象となる職員は見当たらないというふうに考えております。 こういう点につきまして組合とも話し合いをしておりまして、既に今月中旬組合との間でも合意を得たところでございまして、先ほど申し上げましたような線で準備を進めておるところでございます。
○説明員(吉川元信君) 造幣局から御説明申し上げます。 大体のところは印刷局と同様でございますが、国家公務員法八十一条の二第二項第一号の医師及び歯科医師につきましては特例定年六十五歳ということにいたしております。 第二号、第三号については、その必要性はないのでその特例は定めないこととしております。 勤務年限の延長につきましては、法及び人事院規則等の規定に従いまして運用するものでありまして、制度の趣旨にのっとり適正に行う考え方でございます。当面、適用を予定している職員はございません。 以上でございます。
○説明員(岩村信君) 林野庁についての定年制についてもほぼ同様、今まで各現業から御説明したことと大体同様でございますが、国公法の今御指摘のありました特例定年、一号の医師等については六十五歳ということを予定して、我が方で言えば営林病院、営林健診医療センターあるいは営林診療所に勤務している医療業務に従事する医師及び歯科医師、これは六十五歳、それから二号のいわゆる監視、用務職に関する者については六十三歳ということで、定員内職員のうち守衛、小使などの監視、用務職に属する職員あるいは定員外の基幹作業職員のうち炊事業務に主として従事する職員は六十三歳を予定しております。 三号の特例定年については、これは特に定める予定をしておりません。 それから勤務延長についても特に定める予定はしておりません。
○穐山篤君 さてそこで、もう既にそれぞれの省庁でも三月三十一日を迎えるわけですからおわかりになっていると思いますが、ことし六十歳定年でおやめになります公務員の数、それから地方公務員の数、それからまとめていただいて四現業の職員、それから国鉄、それぞれ何名おやめになるのか、その点を数字で明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(藤井良二君) 国家公務員について定年制が施行される本年三月三十一日に既に定年に達している職員は、国家公務員法の一部改正法附則第三条によって三月三十一日に退職することになっておりますけれども、この三月三十一日に退職する職員の総数は約一万三千人と見込まれております。この一万三千人の中には常勤労務者分として二百五十名が含まれております。なお、四現業、国会、裁判所等の職員を除くと約九千人と見込まれます。
○説明員(柳克樹君) 私どもの方では五十九年度中の退職者の数あるいは見込みの数を押さえておりませんが、従来の統計でまいりますと、例年、この数年のところ、年間約十三万人ぐらい退職をいたしております。ただし、そのうちの定年による退職者はどれぐらいかということにつきましては、これもまだ実際やめておりませんものですから私どもの方では捕捉しておりませんが、従来の給与実態調査等で六十歳以上の職員の数などを推定いたしますと、約三万人ぐらいになるのではないかというふうに考えております。
○穐山篤君 今常勤の労務者というんですか、これの内訳はおわかりになるでしょうか。
○政府委員(藤井良二君) 常勤労務者でございますけれども、先ほど申し上げたように大体二百五十名ぐらいでございます。大どころとしては北海道開発庁が六十名ぐらい、それから農水省が三十名ぐらい、郵政省が八十名ぐらい、建設省が五十名ぐらいでございます。
○穐山篤君 さてそこで、特例定年だとかあるいは再任用であるとか勤務延長であるとか、こういうものは、おおむね各省庁ともこの人はいてもらいたい、余人をもってかえがたい、あるいは欠員の補充が難しいということで、ほとんど内定していると思いますが、これをそれぞれもし数字があれば。これはことし初めてですからね。これは発足の上では非常に重要な因子になると思う。いかがでしょう。
○政府委員(仙田明雄君) 特例定年の対象となる官職を勤めている職員でございますが、これは非現業だけでございますけれども、約一万八千人ございます。その一万八千人ほどの中で六十歳を超えているという人が約二千人おられるというふうに把握しております。 それから勤務延長の数でございますが、これは非現業、現業合わせまして約三百九十名、細かいところまではまだはっきり把握しておりませんけれども、大まかな数字で申し上げまして三百九十名ということでございます。 それから再任用される予定の職員でございますが、現業の方にはございませんで、非現業の方の関係で約百二十名ということでございます。
○説明員(平北直己君) 印刷局につきましては、いわゆる第一号の医師の四人のみでございます。延長、それから再任用等につきましては該当がございません。
○説明員(吉川元信君) 造幣局につきましては、第一号の医師または歯科医師につきまして二名でございます。その他はございません。
○説明員(西井烈君) 郵政職員でございますが、三月三十一日で定年に達すると見込まれる職員は約千二百名でございまして、そのうち定年退職するのが約千七十名程度。残り百三十名程度が勤務延長になろうかと思っております。
○穐山篤君 さてそこで、定年制というのは、私どもの立場から言いますと六十歳では若過ぎる、こう思いますが、これも法定化されたわけです。こうなりますと、来年、再来年、その次の年を含めて要員の規模、それから退職の状況というのはおおむね推定ができると思いますね。ここ二、三年間で結構ですが、来年どのくらい、再来年どのくらいと定年に達する人はおおむね計算をされていますか。わかりませんか。
○政府委員(藤井良二君) 今ちょっとその関係の資料を持っておりませんので、後でわかれば提出したいと思います。
○穐山篤君 大蔵省に少し伺いますが、毎年決算書を見ますと、人件費のうち退職者が十分捕捉されないままに不用額が随分計上されているわけですね。昭和五十八年までの決算で結構でありますが、過去二、三年間、この不用額の割合ですね、どんなぐあいになっているでしょうか。
○説明員(竹島一彦君) 一般会計につきましてお答え申し上げます。 五十八年度につきましては退職手当の予算現額二千六百五十億円でございましたが、それに対しまして不用額八十四億円ということでございまして、率にいたしますと三・二%ということでございます。その前の五十七年度でございますが、予算現額二千五百六十億円程度でございますが、それに対しまして不用額が八十六億円と、五十八年度と大体同じでございます。三・三%の率になっております。
○穐山篤君 それに関連をしますが、本当は六十一年以降は三・何%というふうな割合にならず、せいぜい一%とか〇・五%近似値になるのではないかなと、こういうふうに推定がされますが、どうでしょう。
○説明員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、今までは定年制がございませんので、各歳別の職員の分布というのはわかりましても、その中から何人がやめていくかというのは、いわば勧奨に対してどの程度応諾するかという経験識等に基づきまして推定するほかなかったわけでございますが、これからは定年制でやめていく者の比重が多いところでは従来よりも見通しが立てやすいということになってまいりますので、私ども従来以上に精度を高める方向で六十一年度以降の予算の査定に当たっていきたいと、かように考えております。
○穐山篤君 手当を議論する前に、ちょっと別なことをお伺いします。 国家公務員で退職された方は当然退職一時金の支給を受けるわけですが、一千数百万円の退職金というのは大体どういうふうに使われているか、これをお調べになったことがあると思うんですが、これは総務庁の方でしょうか。それから民間の企業労働者の場合に、退職一時金をもらった場合にどういうふうな使用割合といいますか、使われ方をしているか、この点をお伺いしておきます。
○政府委員(鹿兒島重治君) 退職公務員の生活実態につきまして、私どもは四十七年度及び五十三年度に退職した者につきまして若干の追跡調査を実施いたしております。五十三年度の退職者の実績によりますと、退職手当の使途状況でございますけれども、宅地、住宅の取得に二六%、生活費へ二二%、子弟の結婚、教育等に一二%、貯金、信託等に二五%、その他一五%ということになっております。民間につきましては人事院では調査はいたしておりません。
○説明員(伊藤庄平君) 労働省といたしましては、五十七年度に定年または定年扱いで退職した方、男子でございますが、その方について退職一時金の使途を調査しております。多いものを申し上げますと、これは一人が二項目にわたって答えていますので一〇〇を超えますけれども、退職後の生活費とするというのが五八%、それから不時の備えにしておくというのが四七%、それから家の建築あるいは修理費等に充てるというのが三七%です。それから子供の結婚資金に充てるというのが二三%ございます。主なものを申し上げますとそういうところでございます。
○穐山篤君 同じく公務員と民間ですが、退職後の再就職状況というのはどうでしょう。 それからもう一つは失業の状況ですね、失業の割合。
○政府委員(鹿兒島重治君) 先ほど申し上げました五十三年度の退職者の場合でございますが、就業率が四七%ということでございます。
○説明員(伊藤庄平君) 定年到達者の追跡をいたしました調査で申し上げますと、これもやはり男子定年退職者でございますが、その再就職状況でございますが、定年到達後何らかの形で企業に雇用されていったという者が七七・四%ございます。それから企業等に雇用されなかったという者が残り二二・六%でございまして、定年到達者の八割近い者が定年到達後引き続き企業等に雇用される者になっております。 ちなみに、定年到達後企業等に雇用された者の内訳でございますが、再雇用あるいは勤務延長等の形で継続して雇用されていった者が二八・六%、あるいはもとの会社のあっせんによりまして子会社とか関連会社へ移っていったという者が二五・二%、その他は公共職業安定所その他の紹介によりまして就職していった者、これが二三%ほどございます。
○穐山篤君 退職後の平均余命というのは計算していないでしょうね。 そこで、総務長官、退職手当の使用状況あるいは再就職状況を見ましても、国家公務員というのは、これは見方にもよりますけれども、かなり追い詰められた生活をしている、こういうふうに考えるわけですね。それから別に隠居を決め込んでいるわけではありませんけれども、再就職というのが非常に難しい、困難である、こういうことが言えると思うのです。いずれ後ほど退職手当のあり方の問題で意見を申し上げますけれども、こういうことについてどういう御感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今御質問の官民の比較の問題なんですが、民間側からの批判は、どうも役人の方が生涯給与はよ過ぎる、こういう非難があるわけですね。ところが、私この仕事についてから人事院あるいは私の方の人事当局なりから詳細な資料で説明を聞くと、そうじゃない、バランスはとれておるのだといったようなことで、今の公務員の処遇というのは大体官民の間でバランスをとるというのが基本になっておるにもかかわらず、そういったように見方が違うわけですね。 私はかつて日経連に行って大分そういう非難を受けたのですが、残念ながら、あなた方の批判は私は素直に受け取るわけにいかぬということをお答えをした。ところが、そのときに民間の日経連等の方からは、しかし同じ学歴、同じような年限を経過した者のやっている仕事の社会的評価がまるきり違う、役人の方は世間一般の評価としてははるかに高い仕事をやっているんだ、それで満足すべきであるといったような反論がございましたから、それはおかしいじゃないか、評価が高いならばその者の方の給与が高いのが当たり前じゃないかといったようなやりとりをしたわけでございます。 いずれにしましても、この問題は人事院が官民の比較を詳細やっているわけです。しかし日経連さんは日経連さんで比較をしていらっしゃる。双方が専門家なんですから、制度が違いますからなかなか比較が難しいんですけれども、そこらをきちんとしてお互いにそういった誤解のないようにするのが一番基本ではないか。私はこれをぜひやってもらうように人事院にもお願いもしたいし、日経連さんにもお願いしているんです。お互い専門家なんだからそういった議論のないようにしてもらいたい、こう言っておるので、ここらはこれからの勉強課題だなと、かように考えておるわけでございます。その結果で直すべきところがあればお互いに直せばいいのではないかと、かように考えております。
○穐山篤君 退職手当の性格についていつもこの法案が提案されますと議論になっています。過去のことは申し上げる時間もありませんが、おおむね労働に対する対価、報酬という、そういうニュアンスでほぼ統一をされていると思うんです。これは政府側の答弁もみんなしかりであります。 さてそこで、問題になりますのは、国家公務員の給与というものは、法律二十八条によりまして情勢適応の原則が定められ、人事院勧告その他で具体的に提示がされるわけですが、退職手当につきましては、上げるにしろ下げるにしろ、あるいは制度を変えるにしましても、その改正の原則といいますか、動機といいますか、理由といいますか、そういう定めが全くない。これは奇妙な話だというふうに思うんです。我々は、世間並みに言いましても、労働条件の一つであり、勤務条件の一つでありますので、情勢適応の原則を法定化すべきであると前から主張しております。現在もその思想には変わりないんです。その点、総務庁長官としては、ここ三、四年研究されてきたわけですから、どういう考え方をお持ちでしょうか。
○政府委員(藤井良二君) 退職手当の基本的性格でございますけれども、これは勤続報償説あるいは賃金後払い説、生活保障説といろいろございます。必ずしも定説はございません。政府といたしましては、国家公務員の退職手当の基本的な性格は、職員が長期間勤続して退職する場合の勤続報償であるというふうに理解しているわけでございます。 先生お尋ねの情勢適応の原則の問題でございますけれども、御承知のように、今回の退職手当改正法案というものは、昭和五十六年法に設けられました再検討規定に基づきまして、民間の退職金の動向、賃金水準等を検討いたしまして改正を行おうとしているものでございます。国家公務員の退職手当の給付水準のあり方については、広く国民の納得を得られるものとして、民間企業における給付水準との均衡を図っていくというのが最も妥当ではなかろうかというふうに考えておりまして、人事院に依頼して行っております民間退職金の調査結果と国家公務員の実態調査との結果を比較いたしまして、必要があれば改正を行うというふうにやってきているところでございます。今後におきましても、退職手当額の官民比較等必要に応じて見直してまいっていったらいかがかというふうに考えております。
○穐山篤君 私は、退職手当の水準のことを議論しておるわけじゃないんです。その性格の話ですね、退職手当の性格。五十六年十月二十九日の当委員会の答弁では次のようになっています。「今後のルール」「退職手当をどういうふうに改正していったらいいのかということにつきましては、今後の見直しの規定が今度入っておりますので、その見直しの規定に基づいて検討する際に十分考えていきたい」。言いかえてみますと、五十六年の退職手当の改悪が議論になりました。性格の問題について山地さんから今私が申し上げたような答弁があった。言いかえてみますと、今回退職手当の改正を出しているわけですから、「その見直しの規定に基づいて検討する際に十分考えていきたい」、言いかえてみますと、今回正確にしなければならぬことになっているわけです。どういうふうに性格を考えるか、水準の問題じゃないんです。水準の話はまた後ほど言いますけれども、退職手当というものはどういうものだ。もう一遍正確に答弁してください。
○政府委員(藤井良二君) 先ほども申し上げましたように、退職手当の基本的な性格といたしましては、私どもとしては、職員が長期間勤続して退職する場合の勤続報償であるというふうに理解しているわけでございます。 それで、給与につきましては、毎年一回情勢適応の原則の規定によりまして人事院が見直しをして勧告するという制度になっているわけでございます。ただ、退職手当の制度というのは、これはそうドラスチックに変えられるようなものではないと思います。したがいまして、毎年毎年変えるというようなのは余り適切な措置ではないんではなかろうか。しかも、大体退職手当というのは本俸を基礎として計算されることになっておりますので、給与が変われば退職手当の額も当然変わってくるというような仕組みになっております。したがいまして、退職手当の額の問題じゃなくて、民間の方におきましても制度が変わったような場合、要するに五十年ごろ退職金倒産というような問題が起きまして、あの時代に、五十年前後に退職手当が非常に下げられたわけでございますけれども、ああいったような制度の変革期にむしろ調査して改定をしていくべきじゃなかろうかというふうに考えております。
○穐山篤君 民間労働者の場合には労組法によって団体交渉の対象である。これも毎年退職手当引き上げの闘争をやっているところはまれでありまして、大体三年に一遍とかローテーションがあるわけですね。ただし、中小企業につきましては、余りに低いものですから毎年退職一時金の引き上げ闘争というのはあるわけであります。公労法につきましては、第八条で「団体交渉の範囲」の中にこれまた入っているわけです。いますけれども、国家公務員等退職手当法第二条二項の適用を受けるとそういう事態になっていますが、本来的には団体交渉の対象である。言いかえてみますと、勤務条件あるいは労働条件ということに解釈がされるわけですから当然団交の対象である。そうなりますと、公務員の場合には、ルールが違いますけれども、情勢適応の原則というものが法定化されて所管は人事院でなければ合理性がないというふうに思うんです。人事院総裁、いかがですか。
○政府委員(鹿兒島重治君) いろいろと御議論がございまして現在の法律の形になっておるわけでございますが、現行法の法律上の性格としましては、国家公務員法あるいは給与法で申しますところの給与のうちには含まれておりません。しかし、その性格自体は、御指摘のように、基本的には労働条件であり勤務条件であるというぐあいに理解をいたしております。したがいまして、退職手当につきましては、人事院といたしましても大変深い関心を持ちまして、御案内のように過去ほぼ五年ごとにその状況について研究をし、必要があればまた意見も申し上げるということにいたしているわけでございます。
○穐山篤君 この点はもっと政府は決断をしなきゃならぬ時期にあるというふうに思いますが、後でまたもう一遍繰り返します。 さてそこで、労働省に伺いますが、過日、日経連が退職金の調査をして発表しました。時間の関係がありますので私の方から言いますと、昭和四十八年当時調査したものが発表されたときは、民間の労働者の場合、退職一時金のみが四九%であった。それに対しまして五十九年の三月、今回発表になりました日経連の数字でいきますと、二四・九%、半分に減っています。退職手当が退職一時金として払われているものはもう半分に減っています。それから退職一時金と退職年金制度の併用が、前回は四九%でありましたが、今回の調査の結果では七二%、かなり飛躍的な併用の状況になっています。それから退職年金制度のみは前回の場合一・五%で、今回発表は三・一%というふうに変化しております。 これは労働省あるいは総務庁両方から伺うわけですが、こういうふうに変化しております民間の退職金というものの性格づけはどういうふうにごらんになっているんでしょうか。
○説明員(伊藤庄平君) ただいまの日経連の調査によって退職一時金制度あるいは年金制度との併用についての状況を御指摘ございましたが、私どもも退職金の制度調査を行っておりまして、その状況を見ますと、退職一時金制度のみとする企業は五五%でございますが、そのほか退職年金制度のみでやっているところ、あるいは退職一時金制度と退職年金制度の併用というところが既に四五%近くなってきておりまして、これも以前の統計よりも確かに増加してきております。 私ども、この退職年金、企業内年金とか、そういうものにつきまして、今後どんどん高齢化していく中で、高齢者の老後の生活保障という観点から見れば非常に重要な役割を果たしていくだろうということで、私どもいろんな賃金関係の相談業務の中でも、この退職年金、企業内年金の導入、普及というものについてはいろいろ指導、相談を申し上げたりしているところでございます。
○政府委員(藤井良二君) 退職金の年金化の問題でございますけれども、民間では制度としては非常に進んでまいっているということは私どもも承知しております。ただ、実際に退職金を年金でもらうか一時金でもらうかという選択の段になりますと、まだ一時金でもらっている方が多いというふうに我々は見ております。そういうようなデータもございます。したがいまして、私ども今回の退職金を検討いたします場合も、退職金の年金化の問題が出てきたわけでございますけれども、まだ時期尚早ではなかろうか、もう少し様子を見てから年金化の問題に踏み切ったらいいんじゃないか。特に今国家公務員の退職年金がいろいろと改正の話題になっているわけでございます。その時期にあわせてその問題も考えていけばいいんじゃないかというふうに考えております。
○穐山篤君 私の聞いたのと答弁が少しすれ違いがあるわけですが、国家公務員の場合、退職一時金、退職金というものの性格は、先ほどくどくも辛くも言っておりますが、労働条件に当たる。少なくとも勤務条件、労働条件に当たるとすれば、これは人事院の所管にして、所管にする前に情勢適応の原則というものを法定化する必要がありますから、それをして人事院に移す、これが基本的な政府の立場である、こういうふうに私は確信をするわけであります。 今もお話があったように、また私が発表しましたように、民間の場合、退職一時金というよりも年金との併用が非常に多くなってきた。そうなりますと、民間企業の退職一時金あるいは年金というのは労働の対価であるのか、老後の生活保障の一部なのか、あるいは在職中の功労的なものであるのか、非常に複雑怪奇になってきているわけであります、民間の場合でも。しかし、公務員の場合には調整年金というふうなものが全くありませんから、単に国家公務員等の年金制度だけですから、公務員の退職手当と民間の併用というものとではかなりくっきり違いがあらわれているわけです。 その違いというのは、例えば民間の場合、日経連の発表によりますと、併用方式は七二%まで非常にボリュームがふえているわけですね。そうなりますと、それは性格の問題にも影響しますし、退職金の金額にも影響を持ってくるのは当然だと思うんです。言いかえてみますと、民間の併用方式というものを材料にして国家公務員の退職一時金との比較をすることが次元の上で非常に問題を残している、こういうふうに思うわけです。今回の改正につきましても民間の資料を使っているわけですが、私は非常に問題が多いというふうに思うわけですが、その点どうでしょう、人事院と総務庁。
○政府委員(鹿兒島重治君) 私どもが五十七年度の民間の企業の退職金制度の調査をしました結果は、ただいまお話がございましたとおり、民間の退職金制度につきましては、退職一時金制度のみというものがだんだん減ってまいりまして、企業年金と併用するというものが増加してしているわけでございます。私どもの調査によりますと、退職一時金制度と企業年金制度の併用をいたしております割合は、前回の調査が六四・二%でございましたが、それが七六・八%ということで漸次増加する形になっております。 ただ、先ほどお話がございましたとおり、この併用の場合におきましても、現在なおこの退職一時金を選択するという労働者が圧倒的に多いということが調査の結果明らかになっておりますので、その限りにおきましては、現在の退職年金と申しましても、やはり一時金的な色彩が非常に強いものというぐあいに理解をいたしております。
○穐山篤君 そういう退職一時金でもらうか、あるいは併用でいくか、それは選択ですから、それぞれによって違うことはわかりますけれども、大勢としては独立した退職金で払ってはいない、その傾向が強くなっている。逆に言えば、その併用方式が民間企業の場合には、まあ企業の財政上のこともあるだろうし、いろんなことを含めて、それは定着するだろう、こういうふうに思いますよね。また最近各保険会社が新商品をそれぞれ企業に持ち込んでいるわけです。ですから、それが拡大し定着する傾向は非常に強くなってくると思う。 ですから、私どもは今回の退職手当の改正についても主張を持っておりますけれども、比較の仕方のことについて非常に疑問を持つわけです。時間ありませんから皆さん方から一々説明は聞きませんけれども、例えば民間の退職金を比較する場合でも、製造業と非製造業の間におきまして三十年あるいは三十五年、二十五年におきましても物すごい格差があるわけですよ。ましてや国家公務員の場合には全国ネットで職場があるわけですね。それに対して一地方の独立した若干の規模の民間の退職金を調査の対象にするというふうなことは、気持ちとしてはよくわかりますけれども、国家公務員が置かれております質だとか量だとか職務の内容というものを重視すれば、比較する対象は何かというものをもう少し整理整とんする必要があろうと思う。その点、総務庁並びに人事院の方の感想をひとつ述べてもらいたいと思う。
○政府委員(鹿兒島重治君) 今回、総務庁の方から委託を受けまして民間の調査をしました概要につきましてごくかいつまんで申し上げたいと思いますが、民間の企業におきます退職金の実額を調査するに当たりまして、基本的には国家公務員の給与を比較いたします場合の民調とほとんど同じ規模におきまして企業を抽出し、またその二十年以上の退職者の退職手当の実額というものを調査したわけでございます。 そして比較の方法としましては、国家公務員の行政職(一)日表適用職員に該当いたします民間におきます事務・技術職というものを取り上げまして比較をいたしております。その限りにおきましては職種間の均衡というものは十分にとれているものというぐあいに理解をいたしております。 また、退職金の内容につきましては、先ほど来お話がございましたとおり、いわゆる制度上の退職金のほか各種の加算金がございます。加算金につきましても調査をし、それから年金部分につきましては原価計算をいたしまして、これを実額として調査をいたしているわけでございます。
○穐山篤君 総務庁はどうですか。
○政府委員(藤井良二君) 官民比較の際の民間の方の調査につきましては、今人事院から御説明があったとおりでございます。 退職金の制度というのは、最終本俸に退職理由別、勤続年数別を掛けるというような簡単な仕組みになっておりますけれども、今御説明がありましたように、加算金だとか、それから基礎給与の入れる割合だとか、そういったのが非常に複雑多岐になっております。それでその比較が非常に難しいわけでございます。今我々の方がやっておりますのは、労働省の方は一社一モデル方式の調査でございますけれども、私どもの方で人事院に依頼してやっておりますのは実額調査ということでございます。このモデルと実額というのも相当の差がございます。したがいまして、今後私どもといたしましても、現在やっております方法が一番いいと思っておりますけれども、なお見直すべき点がございましたら今後検討してまいりたいというふうに思っております。
○穐山篤君 現在の方法が最適だと言っておりますけれども、これはちょっと強弁に過ぎますよ。随分皆さん方も言われておりますように、民間の場合には加算がいろいろありますよね。例えば定年加算の場合に四四・七%、勤続加算でも二七・一%、功労加算二二・二%、役職加算も二二・六%というふうに、公務員にはない要素のものをみんな加えているわけです。二割ないし五割以内でみんな加えているわけです。これは比較をする場合には相当慎重にしなければならぬ大きな要素だというふうに思うんです。 それから私は先ほど生産部門と非生産部門のことをちょっと申し上げましたけれども、これもまた規模別に勤続三十年を基準として調べましても、民間百人以上の場合と千人以上の場合の退職金の水準というのは五、六割も違うんです。ですから、次に退職金制度あるいは退職金の水準を考える場合は全然別の角度から比較をしてもらう。こういうことについてもう少し科学的な研究を、あるいは理論的な研究をぜひやっていただきたいと思うんです。そうしませんと、高い低いは別にして、数字に合理性がないということで、退職金の水準あるいは退職手当金について公務員が、この数字は本当におれがもらう値打ちのある金額かどうか、そういう疑問を持つことになるわけです。ですから、その点について人事院も積極的な検討をやってほしい。この点はいかがでしょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 重ねての答弁になりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、私どもの調査の基本的な考え方は、現在給与の官民比較をやっております民調に準ずる程度の規模の調査をしているわけでございます。そして規模別の問題もございましたけれども、抽出いたしました企業の数、これをそれぞれの規模別の企業数に、母集団に復元いたしまして、それぞれウエートをかけております。したがいまして、規模別の点につきましても、私どもは今回の調査で十分反映されているものというぐあいに考えているわけでございます。 また、先ほど申しましたとおり実額調査でございますので、単にモデル的な退職手当だけではございませんで、加算金あるいは年金部分につきましても十分実額としてこれを調査いたしているわけでございます。 なお、調査の方法につきましては、今後とも我々その精度を高めるように研究を続けてまいりたいというぐあいに考えております。
○穐山篤君 今回の改正法律で支給率の改定をやりましたね。一応の資料をもらってはおりますけれども、国家公務員というのは特殊の人を除きましては生涯雇用の場であろう。ところが、民間の場合にはかなりその点は趣を異にしているわけでありまして、あるいはまた民間の企業の場合には女性の労働者のウエートは非常に大きい、国家公務員の場合に女性の労働者というのはウエートが非常に小さいというふうなことを考えてみますと、今回の支給率の改定というものについて私どもは非常に疑問を持っています。その点いかがでしょうか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 民間の退職者を調査するに当たりまして、私どもは勤続二十年以上の退職者がいます企業を調査しているわけでございます。したがいまして、民間は確かにお話のとおり標準労働者の数が非常に少のうございます。この点は国家公務員の人口構成と大いに違う点でございますが、今回の調査に限りましては、二十年以上の勤続者というものをとっておりますので、その点のバランスは十分にとれているものというぐあいに考えております。
○穐山篤君 私どもは納得をするわけにはいかないと思うんです。 それから懲戒処分。懲戒の場合でも免職ということになりますと退職手当を支給しない、こういう現実が公務員のみならず企業体におきましてもあるわけです。例えば戒告にしましても、減給、停職でも、その懲戒の質と量というものはそれによって十分果たされるわけですね。何らかの破廉恥行為をやった、停職十二カ月、これは本人にしてみれば痛いことなんですね。十分にそれで懲らしめたといいますか、懲戒の意味が通ずるわけです。ところが、それが共済年金の減額の問題につながったり、あるいは懲戒免職の場合には退職金が一銭ももらえない、払わない、こういう二重三重の罰則なんですよ。本来、懲戒が停職十二カ月に値するというなら十二カ月でいいんですよ。最高の停職を発令しながら、なおかつ年金や退職金にも影響させる。今も申し上げましたように、長期間労働した労働者の労働の代償という性格からいいますと、ここでも矛盾を来しているんじゃないか。その点はいかがでしょうか。
○政府委員(藤井良二君) 公務員の退職手当というのは、全額使用者である政府の負担によって長期勤続者に対する功労報償的なものとして支給されているわけでございます。ところが、今先生がおっしゃられましたような、本人の非違行為に基づきまして懲戒免職された者は、功労がなかったとして退職手当が支給されないこととなるのでございまして、懲戒処分とはその性格を異にするものであって、二重の処罰という性格を持つものではないというふうに考えております。
○穐山篤君 納得できませんが、それを少し分析するために、五十八年度で結構でありますが、国家公務員の懲戒処分の状況、免職の主たる典型的なもの、それから国鉄についても最近の懲戒処分の状況、それから免職の特徴的なもの、これをちょっと挙げてください。
○政府委員(叶野七郎君) 国家公務員の処分件数、五十八年度中は二千四百四十六件ございます。そのうち免職された者は百六十四件でございます。百六十四件中の主なものを申し上げますと、いわゆる公金官物の不正領得と申しまして、横領であるとか窃取であるとか詐取、これによる免職が百二十四件でございます。
○説明員(白川俊一君) 国鉄関係の最近の懲戒処分の状況について御説明いたしますが、私ども暦年で整理してございますけれども、五十九年全体の懲戒処分といたしましては、暴行、傷害、窃盗等の粗暴犯と申しますか破廉恥罪、これによります処分者が八十六名で、うち懲戒免職が二十二名でございます。それから横領等によりますものが五十九年で五件ございまして、そのうち免職者が三名でございます。それからいわゆる服務違反というグループでございますが、例えば酒気帯び勤務をして重大事故を起こしたとか、長期の無断欠勤をしたとか、あるいは業務命令違反があったとか、それから例えば益収金の不正を働いたとか、そういう業務に伴うもろもろの服務に違反をして国鉄に損害を与えたというケースにつきまして、五十九年処分件数が八百三十三件ございまして、そのうち懲戒免職ということで処理いたしましたものが二十五件ございます。したがいまして、五十九年につきましては、全体で九百二十四件のうち五十名が懲戒免職になっておるということでございます。 ちなみに懲戒免職者だけ申し上げますと、五十八年は五十九名、五十七年が五十五名ということになっております。
○穐山篤君 国鉄の場合に、破廉恥行為は別にして、業務上過失というふうなもので起訴されたり、あるいは起訴されて刑罰を受けたり、あるいは国鉄内部の行政上の措置で懲戒を受けたというようなのはどういう状況ですか。
○説明員(白川俊一君) 今服務関係ということで申し上げましたのがその中身でございまして、服務違反関係で先ほど申し上げました五十九年に八百三十三件あるうち、懲戒免職者が二十五名と申し上げましたのがその数でございます。
○穐山篤君 業務上。
○説明員(白川俊一君) ええ、業務上の命令違反、服務違反ですね。
○穐山篤君 過失でなくて。
○説明員(白川俊一君) 例えば重大過失なんかの問題も含まれております。それから、先ほどの酒気帯びで重大事故を起こしたといったようなものもこの中へ入っております。
○穐山篤君 労働省、民間の場合にはそういう点はどうなっていますか。
○説明員(伊藤庄平君) ただいまの懲戒等との関係での民間の退職金制度の関係、今手元に資料ございませんで統計的な数字を持ち合わせておりませんので、またその辺調べまして、資料がございましたら提出したいと思います。
○穐山篤君 先ほど局長からの答弁で、退職手当の性格の多分一部を言われたと思うんですけれども、恩恵的な給付である、こういうふうな意見を述べられましたけれども、私は国家公務員の退職手当の場合に、財源が国民の税金であろうとも、それは言い過ぎだと思うんです。これは国民の税金であるから大事に使いましょうという意味であれば、これは十分わかりますけれども、退職一時金の性格を変えるような答弁は、これはまずいと思いますね。総務庁長官、どうです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 退職金の性格は、先ほど来お答えをしておりますように、いろいろの考え方がございます。後払いであるとか、生活保障であるとか、あるいは長年勤務してもらったということに対する報償だとか、それぞれ絡み合っておるのが実態だと思います。そこらで、私どももこの制度を考えるときには、専門家の意見もいろいろ熱心に御検討願った結果、現在の公務員の退職金というものの性格は勤務に対する報償的なものだ、これが基本だということの結論が出まして、私どももそれに従っておるわけでございます。それとの関連も、懲戒免職者についての扱いも多少絡んでくるんじゃないかなと、かような考え方も私今お聞きしておって持つわけですが、しかし今政府側から御答弁申し上げましたように、現在の懲戒免職制度の運用というものは、政府としては、何といいますか、非常に厳格に運用して、実数は非常に少ないわけです。というのは、何といいますか、懲戒免職事案というものは相当な悪質なものであると、こういうふうに私は理解せざるを得ないんです、数が少ないんですから。そうしますと、穐山さんの御意見もわからぬではありませんけれども、一体これは国民感情から見ていかがなものであろうか。そういった懲戒免職者についても退職金をやるということになると、なかなか世間の納得は得がたいんじゃないかなと、こう私は考えるわけです。したがって、現在とっておる制度は適当なやり方ではなかろうかなと、かように考えておるわけでございます。
○穐山篤君 次に自治省に伺います。自治省と労働省にまたがりますけれども、地方公共団体にはパートタイマーというような性格の人が何人かおられましょうか。
○説明員(柳克樹君) 実態としてはパートタイマーに類する職員がおると思います。ただし、その 人数につきましては、現在のところ私どもとしては捕捉いたしておりません。
○穐山篤君 労働省にお伺いしますが、民間の企業の場合パートタイマーというのはかなりいるわけでありますが、雇用保険の適用をされている、あるいは健康保険法の適用が行われている、国民年金でなくて厚生年金保険の適用を受けている、こういう場合があると思うんですね。この割合はどうなんでしょうか。
○説明員(伊藤庄平君) 私ども直接所管しております雇用保険の関係でございますが、雇用保険の場合、いわゆる短時間で働いている人につきましては、週二十二時間以上、あるいは一般労働者の所定労働時間の四分の三以上、こういう形で働いている方には、もちろん強制保険でございますので当然にこの雇用保険を適用するという形をとっております。したがいまして、一般の被保険者の中に入っております者で統計上いわゆるパートと呼ばれている人がどのくらいいるかという数字はございませんけれども、そういう基準に該当すれば当然に被保険者になっていただくと、こういう形で進めております。 それから厚生省所管の健康保険あるいは厚生年金の関係については私どもちょっと承知しておりませんが、大体同じような基準で厚生年金等の場合行われているやに聞いております。
○穐山篤君 労働省の雇用管理調査の結果によりますと、規模三十人以上から五千人以上まで網羅して、パートタイマーに対して退職金制度があるのは九・六%、約一割であります。それから厚生年金の適用というのは平均して四一・一%、健康保険の適用があるのが四三・五%、雇用保険の適用があるのが四五・二%というふうに、まあ消耗品ではないという考え方に立ちまして、労働条件、処遇が少しずつ変化してきているわけです。 きょうここで私は具体的に地方自治体なりあるいは中央におきますパートタイマーについての結論は出しませんけれども、周りの状況を十分に踏まえて、これらの諸問題について検討をひとつお願いしておきたいと思うんですが、総務庁長官どうでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) だんだんいわゆるパートタイマーというものがふえてきておりますから、これは御説のように将来の勉強すべき検討の課題であろうと、かように認識をいたしております。
○穐山篤君 それから今回初めて、退職手当の支給を受ける遺族に関する問題、それから払い戻しといいますか、返納に関する問題が出ているわけでありますが、嫁さんが亭主を殺したとき死亡退職一時金が出るわけですが、女房には払わない。子供とか祖父母だとか、あるいは同居しておりまして生計を一にしておったその兄弟、こういう者にも何にもしないと、こういうことになるんですか。
○政府委員(藤井良二君) 今回設けました第十一条の二の規定でございますが、「次に掲げる者は、退職手当の支給を受けることができる遺族としない。」というふうに掲げておりまして、一号が「職員を故意に死亡させた者」、二号が「職員の死亡前に、当該職員の死亡によって退職手当の支給を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者」というふうになっております。したがいまして、例えば職員と配偶者及びその子供の場合に、職員が死亡した場合には配偶者が先順位になるわけでございますけれども、子供が配偶者を死亡させたときもこの規定に該当いたしますし、また職員とその子供が複数いる場合、職員の死亡した場合その子が遺族となるわけでございますが、その子が他の子を死亡させたとき、こういった場合にも支給されないことになります。
○穐山篤君 非常にややこしい話ですが、子供が金属バットでおやじの頭をぶん殴って殺した、この場合には奥さんに死亡退職一時金というのは出るんですか。イエスかノーかでいいです。
○政府委員(藤井良二君) 出ます。
○穐山篤君 それから前段のやつですが、故意の殺人、あるいは最近例があるんですが、嫁さんと他の男性が共謀して他の男性が火をつけて寝ていたおやじが死んだ。共謀ということがしかるべき機関で明らかになればこれに適用になるんでしょうけれども、証拠不十分というような場合がいろいろ出るでしょうね。こういうものについての例示はたくさんあるわけですけれども、一応整理整とんされているんですか。
○政府委員(藤井良二君) 一応この問題につきましては裁判所の判決が出たときというふうに考えております。
○穐山篤君 外務省、在外公館勤務の国家公務員ですが、本来外務省の所属で大使館、公使館、領事館に在勤する人があるわけです。最近はまた各省庁から一たん外務省勤務にしてそれぞれ公館に勤める人が非常にふえてきたわけですね。私は先ほど官房長官にも、在外勤務の公務員についての公務員制度のあり方を少し研究してほしいということを申し上げて、基本的な部分はいいわけですけれども、最近、中南米を含めて、あるいは中東でもそうでありますが、物すごいインフレなんですね。それから住居を確保する、あるいは自動車を確保する、いろんなことがありまして、若い諸君が行く場合でも、一番少なくて二百万円、平均して四百万円ぐらい金を借りて準備して外勤をするわけです。 話を聞いてみますと、退職金の前借りというふうな性格になっているところと、そういう者同士といいますか、全体が金を出し合ってプールしておいて、互助会ですか、そこから借りていくというものもあるわけです。この国家公務員の退職金の前借りというのは聞いたことはないんですけれども、しかし在外公館勤務の者につきましてはそういう事情があるわけです。現に私も幾人かにそのことを尋ねたらそういうお話を聞きました。そこでどうしたらいいか、外務省は何か知恵がありますか。
○説明員(平林博君) 今先生から大変温かい御質問を承りましてありがとうございました。 実は在外に赴任する職員につきましては、お説のとおり一時的に大変多額のお金が必要になるケースが多うございます。このためにいろいろ政府部内で施策をとっておりますが、昨年旅費法を改正していただきまして移転料の二五%のアップ、それから宿泊費の大体四〇%ぐらいのアップということを認めていただいた結果かなり改善を見たものと思っております。 ただ、これだけでは十分ではございませんので、かなりの職員が事実借金をしております。まず、借金の対象といたしましては、国家公務員共済組合がございまして、こちらで在外に赴任する者のために特別に低利の貸付制度を設けてくれております。したがいまして、大体まずこれで二百万、三百万ぐらい借りる。これは実は在外勤務手当の何カ月とか、あるいは本俸の何カ月とかという限度がございますので、これで足りない分につきましては、各自の都合によりまして、あるいは市中銀行あるいは現地の銀行等から借りている方もおられますし、またそういう手段の可能な方は、親類縁者等の御援助を得ている方もあるように聞いております。 いずれにしましても、退職金の中から前借りをする、あるいはそれを引き当てにするというような話は制度としては私の方ではないんじゃないか。御本人のお気持ちとしてはそういうふうな気持ちでお借りしている方もおられるかもしれませんが、制度としてはそういう退職金を引き当てにするようなことにはなっておりません。 さらに、最近の数カ年努力しておりますのは、これは一時金がたくさん多く要るものですから、特に家具あるいは住宅の件でたくさん要るものですから、これにつきましては、中近東あるいはアフリカの地域におきましてお説のとおりの事情がございますので、官費で宿舎あるいは家具を借り上げまして、これを月賦でそれぞれの館員に返させるという制度を拡充しております。 いずれにしましても、それぞれの借金を支障なく返済できるように、我々といたしましては在外 勤務諸手当、それから住居手当等の引き上げに毎年配慮いたしまして、ほぼ大方の職員が救われるように努力しているところでございます。
○穐山篤君 余談ですが、総務庁、人事院の総裁も聞いておいてもらいたい。 たばこは、税金が高いものですから、一箱八百円ですよ。在外公館の諸君はどうするかといいますと、私どもと一緒に空港に行って免税のたばこを買ってくる。それから二、三カ所であったわけですけれども、免税になっておりますカップヌードルを山ほど買って帰る。全部とは言いませんけれども、かなり厳しい生活なんですよ。 そこで、手当を若干改善することはいいと思いますけれども、これらを含めて、在外勤務の国家公務員のあり方というものを少しまじめに検討してもらいたいと思う。そうしませんと、外務省に直接入った人は腹を決めてかかるでしょうけれども、その他の省庁の人は、突発的にお前行ってくれと、こうなるわけです。その借金がかなり長期間個人の生活を苦しめている、そういう実態をよく私も調べてきました。この際真剣にお取り組みをいただきたい、これはお願いにしておきたいと思います。 それから最後に、この法律案が衆議院で成立をした際に附帯決議があります。これは二つありますが、後段の方の「国鉄職員が、大量に退職する時を迎えていることを考慮し、かつ、国鉄のおかれている厳しい現状等を勘案」しながら云々、こういうふうに附帯決議がつけられているわけです。これは政府に検討してほしい、してくれということになるわけですが、総務庁長官も検討を始められていると思いますけれども、検討の材料というものがなけりゃ、これは総務庁長官としても検討の余地がないと思うんです。その意味では材料の一部として、国鉄側の考え方というもの、あるいは労使の交渉というものも、これは検討材料の一部になるだろう、こういうふうに考えます。 そこで、この附帯決議がなければ国鉄職員の退職手当の問題は問題にならないわけですが、附帯決議になったということは何らかの問題がある、こういうふうに受けとめていただいていると思うんですが、国鉄本社側のお考えはどうなんでしょうか。
○説明員(太田知行君) 制度の面と運用の実態と両面あるかと存じますが、制度の面につきましては、国家公務員にはこのたび定年制が導入される。一方、国鉄の方の制度は、先生御承知のとおりでございまして、労使協約に基づく退職勧奨制度、私どもは特退制度と呼んでおりますが、そういう制度を持っております。そして、そのことによりまして、両者の間の、国家公務員と国鉄職員との間の制度に差が生じてまいりました。 それから今度は特退制度の運用の面で見ましても、これも御承知のとおりでございますが、五十五歳に到達した職員の大半が、大半と申しますのは、年によって若干の違いはございますが、七〇%台の後半あるいは八〇%台というパーセンテージを示しておるのでございますが、退職していく。若干の者が五十六歳で残りますが、残った人でも五十九歳になればやめていく、こういう運用実態がございますので、これもまた一つの問題点でございます。 加えて、昨今の状況から申しまして、大量の余剰人員が発生しつつございます。五十九年度におきまして約二万五千人、今後の業務量の推移、要員配置の状況を勘案いたしますと、これは決して一過性ではなくて今後ますますふえるであろうという予測がされております。 以上のような制度的な問題、あるいは運用上の問題、今後の問題点等を勘案いたした場合に、大変難しい問題を抱えているということを我々として意識せざるを得ないと存じます。組合側からも問題の指摘がございまして、双方意見の交換、知恵の出し合いをしている状況でございます。大変苦慮しつつあるのでございますが、何せ大変問題が複雑でかつ重いものですから、さらに今後検討、勉強を続けていきたい、かように存じておる次第でございます。
○穐山篤君 以上で終わります。
○委員長(大島友治君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時三分開会
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○原田立君 まず最初に、人事院勧告の問題についてお伺いするのでありますけれども、退職間近の公務員の場合、普通五十六歳で昇給延伸、あるいは五十八歳で昇給停止となり、後はベースアップぐらいしか頼るところはないというようなのが現状でありますから、人事院勧告の完全実施ということはもう当然行われなければならない重要な課題であろうと思うのであります。本年、勧告が出された場合いかなる方針なのか、総務庁長官あるいは官房長官、前々いろいろと御答弁がありましたが、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 人事院勧告を政府としては最大限尊重しなきゃならぬという基本方針は堅持いたしております。したがいまして、本年度についても人事院の御勧告があれば、国政全般との関連を考えながら最大限尊重してまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(藤波孝生君) 総務庁長官がお答えになられましたとおりでございます。
○原田立君 大体そんな余り簡単な答弁をされると困るんですよ、これは重要な問題なんですから。 で、今もお話しのように、最善の努力をするということなんですね。完全実施しますという御答弁ではないんです。最善の努力をしてだめだったから凍結するとか、あるいは先へ延ばすとかというようなことが含まれちゃうと思うんですね。あるいは段階的解消だなんというのはもう論外のさたと、こう私は思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えしましたように、本年度勧告が出れば、その完全実施に向けて国政全般との関連の中で政府としては最大限の努力をいたしたいと、かように考えております。 ただ、五十九年度の勧告が出た場合に、現下の厳しい財政事情あるいは国民世論、そういったようなことを考えながら残念ながら抑制せざるを得なかったわけでございます。 六十年度の勧告も、六十年度としては最大限完全実施に向けて努力しますが、厳しい状況は御案内のように続いておるわけでございます。そこで、いつまでもめどなしということでは公務員諸君にかえって不安感を与えるということで、現実的な打開の方法として、別段不完全実施を宣言したわけではありませんけれども、どういった厳しい状況があろうとも、五十九、六十、六十一年度までには政府としては人事院の勧告を完全実施する、こういう政府の基本方針を決めたわけでございます。これは現実的な政府としての苦しい選択、しかし何としてでも勧告を完全実施したい、こういう強い私どもの考えのもとにやったわけでございまして、ただ、これによって不完全実施を宣言したんだ、こう言われることは、これは政府としては本意ではありません。ことしも最大限の努力はしたい、かように考ておるわけでございます。
○原田立君 官房長官、あなたは二月二十六日の衆議院の内閣委員会において答弁なさっておられるけれども、今の総務庁長官の答えと全く同じですね。「まことに申しわけない結果で今日まで推移をしてきておる、こういうふうに心の底から申しわけないと思っておるところでございます。」、「その段階で完全実施に向けて最善の努力をしてまいりたい」と。先ほども指摘したように、最善の努力をして、それで人事院の勧告が出ても財政的に厳しければ、これはもう先延ばししてもいたし方ないと、こういうことなんですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 今総務庁長官から答弁がございましたように、年々人事院勧告が出ました場合には、政府といたしましては完全実施に向けてあらゆる努力をする、誠意を持って取り組む、こういうことで従来も取り組んできておるところでございます。 五十七年度は見送りになって、五十八年度抑制をせざるを得なかったというようなことから、いわゆる積み残しの問題が非常に大きな問題として五十九年度決定をいたします場合に浮かび上がってまいりまして、公務員の皆さん方が将来に向かっても不安な状態だ、一体今まで積み残してきておる問題をどうやって解消するのか、完全実施を求めるけれども、どうしても完全実施ができない場合には、せめてこの積み残しの分を将来どういうふうにして解消するかというめどを立てるべきだ、こんなような御意見が各方面から出てまいりまして、政府部内でもいろいろ検討をしたわけでございます。 もちろん完全実施に向けて努力をするということで政府部内のいろいろな意見を闘わし、閣議においてもいろんな発言もありして、関係閣僚会議で検討を進めてきたわけでございますが、完全実施できない場合にはどうするかというような公務員の皆さん方の不安感を解消するためにも、一つのめどというものをこの際は示すべきであろうか。しかし、そのことは、くれぐれも人事院勧告が出たときに六十年度の場合でも完全実施に向けて誠心誠意取り組むというまず姿勢があって、その努力があって、それでもなお客観的に完全実施が非常に難しい、厳しいというようなことで完全実施ということを決定しかねるところがあれば、せめて五十九年度を初年度として三年間で積み残しを解消するというようなめどだけはこの際言及せざるを得ないか。 こういうぎりぎりの政府部内の意見の交換がございまして、それで官房長官談話として、めどを直接の表現でなしにそのことを示唆するような表現で申し上げたところでございます。今総務庁長官からも御答弁を申し上げましたように、六十年度におきましても、人事院勧告が出ました段階で完全実施に向けて最善の努力をするというふうに決意をいたしておるところでございまして、そこのところはどうかひとつ深い御理解を賜りますようにお願いを申し上げたいと思うのでございます。 具体的に御質問のございました財政状況だけで判断するのかということにつきましては、これは財政状況も当然一つの考える要件になりましょうし、あるいは公務員を見詰める国民感情などもいろいろな検討する中の一つになりましょうしいたしますが、いずれにいたしましても、人事院勧告が出ました段階で勧告の内容をよく検討いたしまして完全実施に向けて努力をするということに変わりはありませんので、深い御理解をいただきますようにお願いを申し上げたいと思うわけでございます。
○原田立君 人事院総裁、今のような答弁であなたの方は勧告した、これが完全実施されないことについて了解なんですか。
○政府委員(内海倫君) 人事院勧告につきましては、今までもたびたびいろいろな機会に人事院勧告というものの意味合いを申し上げてきておるわけです。国家公務員にとりましては、人事院の行います勧告というものがいわば給与の改善される唯一の機会で、他方、人事院といたしましては官民給与の格差というものについて精密な調査を実施いたしまして、官民における格差を出しまして、もし格差において劣っておるところがあれば、これについてそれを埋め合わせる勧告をしておるわけでございます。人事院の勧告というものは、公務員にとってはかけがえのない大事なものなのでございまして、政府におかれましても、たびたび総務庁長官あるいは官房長官からも御答弁ございますように、最大限尊重して努力をしていきたいという御決意は承っておるわけでございます。 私どもとしては、それだけでなくて、政府にお願いすることは、万難を排して完全実施を遂げていただきたい、これが私どもの切なる希望であり、また公務員全体が切に希望しておるところでございますから、国会及び内閣におかれてもその点をさらに御理解願って、完全実施ということに踏み切っていただくことを私どもは切望しておるわけでございます。
○原田立君 総裁、今も官房長官も言っておったけれども、五十七年は全面的に凍結でしょう。五十八年は六・四七%勧告で二・〇三%実施、それから五十九年は六・四四%勧告で三・三七%実施、不完全実施ですよね。人事院総裁としては人勧を出した責任者としてこれは満足ですか、不満足ですか。
○政府委員(内海倫君) お説のように、五十七年の凍結以来人事院勧告が抑制されておるわけでございまして、勧告をいたしました人事院としては極めて遺憾なことでございますけれども、しかしながら、私どもがそれ以上それではどのような措置をとるべきであるかということについては、結局は、いろいろな努力を通じて内閣の理解を得、また国会での御審議を通じてこれを実現していただくということに今できるだけの努力をしているということでございまして、凍結以来も人事院を挙げてその努力をいたしておるところでございます。
○原田立君 今総裁の「しかしながら」以降のお話をまるで非常に悲痛な思いで私は聞いておりますし、あなたもそういう気持ちで仰せになっているだろうと思う。官房長官ね、先ほど僕が質問する前、あなたも三年ぐらいで段階的解消を図るようなそういうような話をしたけれども、私が言いたいのは、最善の努力をすると言っておいて、実際には最善の努力じゃなくて半分に削ったり何かしていること、これは今も総裁が言うように非常に遺憾なことである。まことにそうだと思うんですよ。だから最善の努力をするという言葉で、ちょっと言葉は激しくなりますけれども、ごまかしてしまって完全実施はないということは、これは人道上というか道義上というか、それをけ散らかすようなことであって非常にまずいことじゃないかと思う。再度ひとつ御答弁願いたい。
○国務大臣(藤波孝生君) 五十九年度の人事院勧告の政府の態度を決定いたします場合に、何回も給与関係閣僚会議を開きましていろいろな議論を重ねました。その中で、今御答弁を申し上げましたように、一体五十七年、五十八年ときております積み残しの問題をどうするか、随分その問題についての不安感が公務員の皆様方の中にあるという議論が出まして、しかも各方面からそんな声が寄せられたわけでございます。一つ間違うと人事院勧告の制度について初めから次の年の分も削ることはあり得べしというような誤解を与えることになるのではないかという角度から、随分その問題につきましては注意深く検討を進めたのでございます。 建前としては、六十年度は人事院勧告が出ましたならば、先生御指摘のように、一切の条件をつけないで完全実施に向けて最善の努力をして政府の態度を決定するということであるべきでございますし、六十一年度の人事院勧告が出たら、そのまた勧告が出た段階で完全実施に向けて最善の努力をする。一年一年そういう態度でいくべきでございますけれども、少し中長期の展望に立って公務員の給与というのはこんなふうにいつまでも抑制されていくのか、だんだんとほかのお仕事に携わっておられる方々と比較して公務員が落ち込んでいくのではないか。このことが士気に影響したり、あるいは新しく公務員を志望するということの人材の確保などにもいろいろの影響が出てくる。そういった各方面からの強い御指摘もございまして、五十九年度は完全実施が積み残しの分も含めてできないのはまことに申しわけないと思うけれども、残された問題につきましては、たとえどれだけ難しい客観情勢があっても、六十年度、六十一年度をもって積み残しを解消するということを示唆する表現で、最低限公務員の皆さん方にそれ以上の不安感を与えないようにしよう。こういうことで受けとめをいただく方のお立場でおしかりをいただくのではないかと十分時間をかけていろいろ検討したんですけれども、最終的にそういうような考えに立ちまして官房長官談話の中に入れさせていただいた次第でございます。 しかし、今申し上げましたことはその時点でのそういう気持ちを表現したものでございますので、六十年度は人事院勧告が出ました段階で完全実施に向けて最善の努力をするという決意には変わりはありませんので、どうかそのようにお受けとめをいただきたい、こう考える次第でございます。
○原田立君 結局は、弁解なさって先延ばしにしようというようなふうにしか受け取れない。それでは長官自身が言われるように多くの国家公務員の人たちは失望するでしょうね。人事院勧告制度そのものができたという理由はもう十分御承知のはずなんですから、そういう趣旨からいけば、勧告を尊重して完全実施していくという並み並みならぬ決意を表明されるのがむしろ当たり前である。冒頭に申し上げたように、財政的な観点からというのが大きな理由なんですよね。それを大上段に振りかざして言われるのは、あなたの今言われるように、聞く方の、もらう方の側から言えば理解しがたいですね。再度答弁してもらいたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 今申し上げておりますように、財政状況を中心といたしまする客観情勢は非常に厳しいものがございまして、いろいろ各委員会でも御質疑をいただいておりますように、財政を好転していくというめどがなかなか立ちにくいものがございます。しかし、そういう中でも人事院勧告制度を尊重して進まなければいかぬ、こういうふうに政府としては考えてきておりまして、くどいようでございますけれども、昭和六十年度の人事院勧告が出ました段階で完全実施に向けて最善の努力をする、誠心誠意取り組む、こういう気持ちでおるところでございます。決して大上段に振りかぶって六十年度もこうだ、六十一年度もこうだというようなことを、先の問題まで五十九年度決定するときに申し上げたつもりはありませんで、むしろ恐る恐る少しそのことが内々わかるような表現で示唆させていただいて、まただまされたか、また裏切られたか、一体いつになったらこの積み残しは解消するんだという公務員の皆さん方の不安感やあるいは御批判のないように、少し中期の展望を立てて最低限の感じというものを出さなきゃいかぬ。こう思いましてとった措置でございますので、どうか御理解をいただきたいと思うのでございます。
○原田立君 官房長官もお忙しいようだから、もう一つだけにしておきましょう。 五十七年度は完全凍結でしたからゼロですよ。五十八年度は二・〇三%実施ですよ。五十九年度は三・三七%実施ですよ。実施率がだんだんふえてきています。六十年度については、そういう前例に倣ってある程度実施の幅がふえていくであろう、こういうふうに期待を持って待っていてよろしいですか。これは官房長官と総務庁長官、両方にお伺いしたい。人事院の総裁にも聞いておきましょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) 人事院勧告を完全実施しなきゃならぬのは、これはもう当然の話ですし、従来、政府はそういうことを言い続けておって、そしてふたをあけてみると抑制だということ。そうしますと、ともかく五十九年度までに赤字国債ゼロにするという厳しいめどを立てて財政上の予算が組まれてきておる。ところが、それができないということで六十五年に延びたわけですよ。そうしますと、本当に公務員の立場に立っていつも完全実施すると言いながら抑制する、これでは財政再建が六十五年まで延びたんだから、うっかりするとそこまでほっぽらかされるんじゃないかという不安感があるでしょう。 だから、従来のように完全実施する、政府はそれに向けて努力する、こういう決め方も一つおっしゃるようにあると思いますよ。しかし私どもは現実的な解決として、どうしてもめどを立ててあげないと、公務員の諸君は財政再建は六十五年まで続いているから、いつまでもそれでやられちゃかなわぬじゃないかと。これには財政当局は相当実は抵抗がありましたよ。しかしながら、そこはきちんとしためどを立てる方がかえって政府として公務員に対してなすべき処置ではないのか。こういうことで官房長官の談話になったわけです。 あの談話の中にありますように、御質問のことしどれだけ積み残しを解消したかといえば、たしか三%弱の積み残しがあるわけです。そこで、少なくとも今年程度を下らない範囲でやっていこう、こうなっておりますから、積み残しの解消はことしの解消の一・四以下にはならない、こういうような考え方でやっておりますから、そうしますと端的に三年なんということになると不完全実施になりますから、そこでことし程度を目安にして積み残しの解消をやれば三年間で必ず解消できると、こういうようにしておりますから、御質問の点については大体一・四%程度のものは積み残しの解消、いかなる場合においても。しかし、先ほど言ったように、それを前提にして考えるんじゃありません。ことしは完全実施に向けて努力をするんだというこの前提がある。この前提のもとに立って、それが仮にできなくても、ただいま言ったようなことになるんだと、かように御理解していただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘をいただきましたように、人事院勧告制度の建前からまいりますと、次の年度あるいはさらにその次の年度のことに言及をいたしますことは、建前からいっておかしいことでございまして、その年勧告が出ましたものを完全実施に向けて最善の努力をする、そして政府の態度を決定する、こういうことが一番大事なことだと思うのでございます。従来もそのように考えて取り組んでまいりましたし、これからもそう考えて取り組んでいくわけでございますが、「いわゆる」という言葉を申し上げますけれども、昭和六十年度の勧告がどんなふうに出てまいりますか、これは人事院の方でいろいろな資料を駆使いたしましていろんな調査をして六十年度の勧告というものを出されるわけでございますから、ですから「いわゆる」と申し上げませんというと積み残し分がこれだけだ、六十年度の分これだけだ、それじゃ積み残しの分を何年にわたってどうだというようなことを言うこと自体がおかしいので、六十年度というものはこれだけですという数字として、人事院から初めて六十年度の分の数字が出てくるわけでございますから、その数字を全部完全実施するように努力する。これが何といいましても一番大事なことだと、こういうふうに思うのでございます。 したがいまして、六十年度は、それでは五十八、五十九と比較していい数字が出るのかということにつきましては、これは六十年度の勧告が出ました段階で決定していくということになりますので、言及をいたしてまいりますことはお許しをいただきたいと思います。数字に触れることはお許しをいただきたいと思いますが、考え方といたしましては、五十九、六十、六十一年でいわゆる積み残しは解消するという最低限の政府の決意というものは示唆してあるということを頭に置いて取り組んでいくということになるかと思うのでございます。制度の意味を政府としてはあくまでも大事に考えて誠心誠意取り組んでいきたいと、こう考えております姿勢をぜひ御理解をいただきたいと思うのでございます。
○政府委員(内海倫君) 私、いろんな機会に完全実施のことを申し上げ、国会及び政府に対してお願いを申し上げておるところであります。また人事院総裁としては、あらゆる努力をして行う勧告でございますから、しかもその勧告の意味は非常なかけがえのない意味を持っておるわけでございますから、どういう場合においてもこれはぜひ完全実施をしていただきたい、それを願うということだけが私の答えでございます。
○原田立君 官房長官、結構です。ひとつせっかく御努力願いたい。言わんとする意を酌めというふうなお話しで、なかなか禅問答みたいで難しいけれども、ある程度、半分ぐらい理解しておきましょう。 官と民の比較をしますと、勤続二十年以上の退職者一人当たり退職手当額は、国家公務員が千八百十六万円、民間企業職員が千八百四十三万円、民間を一〇〇とした場合公務員は九九とほぼ均衡はとれているとして水準面の改正はしないと言っておりますが、官民比較で一般職給与、行政職(一)と比較しているのでありますが、これはどういう理由ですか。
○政府委員(藤井良二君) 退職手当の官民を比較する場合には、国家公務員全員について勤続年数、退職事由あるいは職種、学歴等すべての要素を細分化して民間のそれと個々に対応させて比較するのが一番ベターでしょうけれども、現実にはそれは非常に困難でございます。また退職手当は俸給月額に一定率を乗ずるという方法によっており、さらに俸給月額については原則として民間準拠の考え方に基づいて決定されておりますので、標準的なグループについて退職手当の官民比較の均衡を図れば、他のグループにおいてもおおむね均衡が図れるというふうに考えているわけでございます。したがって、退職手当の官民比較に当たっては、国家公務員等の最も標準的な一般行政職の一般行政事務を担当する職員、今言われた行政職俸給表(一)の職員でございますが、これを比較の対象としております。 このような考え方は、退職手当制度基本問題研究会の報告も同様の考え方をとっておりますし、また四十八年の退職手当を二割引き上げたとき、あるいは五十六年の退職手当の一割を下げた場合にも同じような官民比較の考え方でやっておる次第でございます。
○原田立君 高卒者の勤続年別官民比較ではほぼ接近しているのに対して、大学卒の場合には勤続二十五年で九二、三十年で七八、三十五年では八八と差が非常に大きいのでありますが、この差についてはどうごらんになっていますか。
○政府委員(藤井良二君) 民間企業における退職金の算定方式はいろいろございますので、確たることが言えませんけれども、民間におきましては、役職、功労等の加算金が支給されたり、あるいは退職金算定の基礎給付に役職手当を含める場合があること等から、公務員の場合の退職手当算定基礎と違っておりますので、その辺に一つの要因があるんではなかろうかというふうに感じております。
○原田立君 よく意味がわからぬけれども、おたくの方で出している資料、今も言うように高卒では二十五年が一〇八、三十年は九九、三十五年は一〇〇、大学卒になると二十五年で九二、三十年で七八、三十五年で八八。要するに、二十五年の大学卒の場合、国家公務員は千四百四万円、民間企業が千五百二十七万円、こうなっているでしょう。この差を一体どういうふうにごらんになっていますかと聞いているんです。
○政府委員(藤井良二君) この差がある理由は、先ほど申し上げましたように余り判然とはいたしませんけれども、大卒者の官民比較を今回初めてやってみたわけでございます。こういうふうな差が出てまいりましたのは、恐らく民間の場合には大卒者というのは役付の方が非常に多いんじゃないかと思います。それに対しまして国家公務員の場合の方は、これは必ずしも役付の職員だけではございません。四等級でやめたりあるいは三等級でやめたり、そういった職員も入っているわけでございます。そういった点からこのような差が出てきているのではなかろうかというふうに思っております。
○原田立君 行政職(一)適用職員の学歴別人員表の比率を見ますと、高卒者は六七・一%、大学及び短大卒を合わせると二五・一%、こうなっているのでありますが、全体俸給表適用職員の学歴別人員構成は大学、短大卒が四四・九%、それから高卒は四五・六%となっているわけですが、こういうような点からも行政職(一)の職員のみを対象にして考えるんじゃなくて、全職員との官民比較を実施し、より実態に近いものにする必要があるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(鹿兒島重治君) お答えいたします。 私どもが総務庁から委託を受けまして調査をいたしましたのは行政職(一)表に相当する事務・技術職でございます。一番典型的な職種の比較をしたわけでございまして、それ以外の職種につきましては、御承知のように、現在俸給表によりましてそれぞれ給与の一応のウエートの別というものが出ております。したがいまして、退職手当におきましても、当然に一般の標準的な職種に比例したウエートがそれぞれの職種にかかってくるものと、このように理解をいたしております。
○原田立君 人事院では人事行政諸制度の見直しの検討の中に高学歴化社会に対応するための施策を進めている、こういうふうに言われておりますけれども、これは間違いないですね。総務庁としてはこれはどういうふうに対応なさるんですか。
○政府委員(藤井良二君) 最近、公務員内において職員の高学歴化が進んでおり、これらの変化に対応した適切な人事管理を進めていくことは人事行政にとっても大きな課題であると考えております。このため、人事院における総合的な人事行政施策の検討等を踏まえまして、職員の高学歴化の進行等に応じた職員の採用、昇進、退職、任用のあり方、給与体系及びその運用のあり方等人事管理全般にわたるいろいろな問題につきまして長期的展望に立って検討を進めていくこととしております。
○原田立君 臨調の基本答申の中で「人事院勧告等の在り方」として五項目の指摘をしているわけでありますが、そのうちの五項目目のところで、「退職手当制度に関しては、人事院が調査研究を行い、必要な意見を国会及び内閣に申し出ることができるようにするとともに、民間において、最近定年延長と関連して退職金見直しの顕著な動きがあることにかんがみ、おおむね五年ごととされている官民の退職金調査実施の間隔を必要に応じ縮めるべきである。」、こういうふうなことが第五項目目にあるわけであります。退職手当については人事院の所管にすべきではないかというような意見も含まれているわけでありますが、総務庁長官及び人事院の見解をお伺いしたい。
○政府委員(鹿兒島重治君) お話のように、臨調の答申の第五項目目にお話のような御意見があるわけでございます。御承知のように退職手当制度につきましては、これが制定されましたときからの沿革なりいきさつなりがございまして、それぞれ所管を異にしているわけでございますけれども、人事院といたしましても、この退職手当制度というものが国家公務員の勤務条件として極めて重要なものであるという認識に立ちまして、御承知のように、三十六年以来ほぼ五年ごとにその内容につきまして研究をし、その成果を明らかにしてきたわけでございます。今後も引き続き、退職手当制度につきましては、重大な関心を持ってこれについての研究を続けてまいりたいというぐあいに考えておりますが、ただ現行の退職手当制度につきましては、私どもは一般に非現業の給与法適用職員を対象にしているわけでございますけれども、現行の制度の中には、特別職でございますとか、あるいは国鉄、四現業といった人事院の所管外の職員も含んでいるというようなこともございまして、制度的には今後とも研究をさしていただきたいと思っております。
○政府委員(藤井良二君) 総務庁におきましては、従来から五年ごとに人事院に民間企業退職金の調査を依頼しておりまして、その結果によりまして官民対比を行い、官民格差是正の必要がある場合には所要の改正を行ってきておるところでございます。今回の改正に当たりましても、人事院とも十分に連絡をとりながら検討を進め、このような法案になっている次第でございます。
○原田立君 現在、第六次の定員削減計画を実施しておるようでありますが、この第一次から第五次までの計画人員、達成率について御報告いただきたい。
○政府委員(古橋源六郎君) 今委員御指摘のとおり、第一次から第五次までの定員削減計画を今まで実施しております。第一次と第二次につきましては、最終年次までこれを実施いたしましたけれども、第三次から第五次につきましては、計画の期間中に改定をいたしまして新計画に切りかえております。これらの各計画につきましては、おおむね着実にその目標を達成しております。 数字にわたりまして恐縮でございますけれども、各計画別の達成率は、第一次計画、これは昭和四十三年から四十六年度の四年間でございまして、削減目標数は四万四千九百三十五人でございますが、達成率は九七・三%でございます。第二次計画は昭和四十七年から四十九年度の三年間でございまして、削減目標数は四万四千七百五十二人でございましたけれども、達成率は九六・三%でございます。第三次計画は昭和五十年、五十一年度の二年間でございまして、削減目標数は二万一千三百二十七人でございまして、達成率は一〇〇・九%。第四次計画は昭和五十二年から五十四年度の三年間でございまして、削減目標数は二万一千二百二十四人でございまして、達成率は九四・六%でございます。最後に第五次計画は昭和五十五年度と五十六年度の二年間でございまして、削減目標数は一万四千九百七十人、達成率は九九・五%でございます。
○原田立君 第六次の計画は、私が聞いているところでは、六十一年度までの五カ年で四万四千八百八十六名の目標に対して、六十年までで三万九千八百三十四名の実施をしたというふうに聞いておりますが、六十年度から、今年度からいわゆる定年制導入によりこれがさらに円滑に退職管理、人員削減が行われるのではないかと、こんなふうに推測するんですが、いかがですか。
○政府委員(古橋源六郎君) 第六次定員削減計画の今まで五十七年度から六十年度までの実施状況は、今委員御指摘のとおりでございます。その進捗率は八八・七%で、残といたしまして、計画に対し五千五十二人が残っておりまして、これまでのところ目標を達成するペースで進んでおります。私ども今後ともその推進に最大限の努力をいたしたいと思っております。 なお、国家公務員の定年制導入によってその達成率が上回るのではないかというふうな御指摘が今ございましたけれども、この定年制度を定めます国家公務員法の一部を改正する法律が昭和五十六年六月に成立をいたしております。これに対しまして、第六次定員削減計画はその年の八月に閣議決定をしたものでございます。と同時に、計画策定のときにある程度この定年制の施行ということは織り込みまして、四万四千八百八十六人の削減というものを考えたところでございます。 しかし、いずれにいたしましても、私どもは定年制導入という契機がございましたので、一層の事務事業の見直しを行って、できる限りその削減数を上回るように、計画を上回るように努力をいたしておるところでございます。
○原田立君 第七次の計画についてはもう検討してますか。あったらばお知らせください。
○国務大臣(後藤田正晴君) 定員の削減計画は、今日第六次をやっておるわけですが、大体計画どおり進捗しておると、こういうような考え方をいたしておりますが、これは六十一年度まででございますから、その後どうするかということについては、これはこれからの勉強すべき課題であろう。今直ちに、まだ第六次の実行中でございますから、次の段階にどうするという確たることを申し上げることはできませんが、いずれにせよこれは勉強すべき課題である、かように考えております。 なお、これは大体五%削減ということで四万四千幾らになっているんですが、この削減ということは、これは肥大化していますから当然やらなければなりませんけれども、問題は新規増員との絡み合いで、ネット減がどれくらいできるのかということでないと、削減はするけれども増員の方がそれを上回ってしまったんじゃ、これはどうにもならないということがございますから、そこは私としては厳しい定員管理をやっていきたい、かように考えております。
○原田立君 定員外職員についてお聞きしますけれども、昭和三十六年に定員規制の対象職員と同種または類似の職員が定員規制のほかに発生することを防止するために「定員外職員の常勤化の防止について」という閣議決定があったのを承知しております。時間がないから私の方で言います。三十七年の七月一日現在で、非現業、現業合わせて六百六十二名であったのが、この通達を出した後は、昭和四十二年に二千七十三名、四十七年は千四百二十二名、五十二年は千六百七十九名、五十五年は千五百二十四名と、大体千五百から二千ぐらいが定着しちゃっているみたいなんですね。これは一体どうしてなのかというのが一つと、このいわゆる定員外職員というのは大体どういう方々なのかという点、この点をお伺いしたい。
○政府委員(藤井良二君) 三十七年にこの制度ができましてから、四十二年をピークに若干ふえております。このふえた理由は、三十七年に実態調査の結果に基づきまして定員外職員の定員繰り入れが行われた際に、定員繰り入れを見送られた者の一部、例えば職域診療所や福利厚生施設の職員が後で常勤職員とされたために一時的に総数は増加しましたが、その後はずっと減少しております。常勤労務者につきましては、今先生が読まれたような閣議決定もございます。それで、原則として一代限りとされておりますので、今後もこの趣旨に沿って各省において厳正な管理が行われていくものと考えております。
○原田立君 中身。
○政府委員(藤井良二君) 常勤職員の職種でございますが、大部分は恐らく労務職、医師、薬剤師、看護婦、そういった方々ではないかと思います。
○原田立君 何人ぐらいですか。
○政府委員(藤井良二君) これは五十九年七月一日現在でございますが、千三百八十二名おります。このうち労務職員が九百四十八名、医師が八名、それから薬剤師が七名、それから看護婦が八十名、それから現業職員が三百三十九名となっております。
○原田立君 九百四十八名という労務者、これはどんな仕事ですか。
○政府委員(藤井良二君) 私どもの方では現業の方につきましては把握しておりませんが、恐らく今申し上げたような労務関係の職員、これは行(二)的な仕事をやっている方々だろうと思います。
○原田立君 要するに、定員外職員というのはない方がいいんでしょう。そういう人は増加しないように閣議決定をしているんです。だけれども実際にこういうふうにだんだんふえるということは、もうしようがないということなんですか。
○政府委員(藤井良二君) これは先ほど申し上げましたように、四十二年までは若干ずつふえておりますけれども、その後はずっと減少しております。先ほども申し上げましたように、原則として一代限りとされておりますので、今後もどんどん減っていくのではないかと思います。特に今回の定年制の施行によりまして二百五十人ぐらい減る予定になっております。
○原田立君 定年前退職の特例についてお伺いしますけれども、今回、定年前早期退職特例措置を新設しておりますが、定年前、一定年齢以上で、要するに五十歳以上ということだそうでありますが、勤続期間二十五年以上の職員が、いわゆる公務運営上のやむを得ない理由により退職する場合に特例措置を講ずるとしております。定年前、一定年齢以上を五十歳以上というふうに決めた理由、それから勤続期間を二十五年以上と決めた理由、これは何ですか。
○政府委員(藤井良二君) まず、一定年齢以上で、かつ一定勤続年数以上としたのは、この特例措置の導入の目的、趣旨に照らした上で、まず第一に昭和五十七年の人事院民間退職金調査によれば、早期退職者優遇制度を実施している企業の雇用条件として、一定年齢以上でかつ一定年数以上とするものが三四%ぐらいあること、第二に退職手当の特例措置であるから対象者を限定する必要があること、第三に職員の採用、退職の実態等総合的に勘案して、特例措置を受ける者の範囲を決めたわけでございます。 定年六十歳の場合、五十歳といたしましたのは、今申し上げました人事院の調査によれば、定年六十歳の場合、五十歳から優遇措置を適用しているものが比較的多い。それと各省の人事管理者の意見、職員側の意見などを勘案いたしまして決定いたしました。 また、二十五年以上といたしましたのは、公務員の場合、一般的に学校卒業後直ちに採用される者が多いこと、五十歳以上の年齢の勤続年数について見れば、大部分、大体九〇%ぐらいですが、これが二十五年以上となっていることなどを勘案して決めたものでございます。
○原田立君 自己都合退職手当支給率の改定についてお伺いしますけれども、現行勤続十一年から十九年までの人でいわゆる自己都合で退職しても、定年あるいは勧奨と同率にしていた理由は一体何ですか。また二十五年から二十九年までが二十年から二十四年に比べて格差が生じておりますけれども、これは一体どういうわけですか。
○政府委員(藤井良二君) 私どもは、先ほども申し上げましたように、退職手当の基本的性格というのは長期的な勤続報償であるというふうに理解しております。この退職手当の基本的性格から、勤続期間が二十年以上の場合には定年、勧奨と自己都合とでは格差を設けることとし、その勤続年数が比較的短い十九年以下につきましては、原則として同じ取り扱いにするけれども、特に勤続期間が短い十年以下については自己都合の支給率を割り減してやるという考え方に基づいて行われていたんじゃなかろうかというふうに考えます。このような考え方から十一年ないし十九年の自己都合退職率と定年退職率が一緒になっていたんじゃないか。昔ですと大体勤続年数二十年ぐらいの方が多かったわけです。今勤続年数が三十年、三十五年と伸びておりますけれども、そういったことを勘案しながらこの率が決まってきたのではないかと思います。 それから今まで勤続年数が二十五年ないし二十九年の自己都合の退職手当の支給率が、二十年、二十四年に比べて格差があったわけでございますけれども、自己都合支給率につきましては、勤続期間二十四年以下については法三条、要するに普通退職の場合の退職手当でございますが、勤続期間二十五年以上については法四条、長期勤続の場合の退職手当でございますが、これが適用されることになっております。しかしながら、勤続二十四年以下の法三条の支給率と勤続二十五年以上の法四条の支給率とでは格差が大きいので、この間のつながりをなだらかにしようとする目的で勤続二十五年以上二十九年以下については支給率のカーブを若干抑えて調整していたのではないかというふうに考えます。
○原田立君 時間がなくなったので最後にしたいと思うのでありますが、先ほども穐山委員から質問がありましたけれども、民間においてはいわゆる定年退職後の生活設計の準備計画をするためにそれなりのプログラムをつくって検討しているという、その面についてのお話がありましたが、私もこの点についてお伺いしたいと思うんです。民間もそうであるし、国家公務員の場合においても定年でやめた人たちの生活設計の準備計画は当然必要であると思うのでありますが、これについては一体どんなふうなことがなされているのか。
○政府委員(藤井良二君) 公務員の退職後の生活設計の問題でございますけれども、退職後の新しい生活が円満に適応できるように在職中から適切な生活設計を立てさせておくことは、退職時期に近い職員の不安を解消し、士気の低下を防ぐ上で極めて重要であろうと思います。 このため、定年制が施行されるのを契機といたしまして、退職予定者に対し退職後の生活設計に必要な知識や情報、相互啓発の機会等を提供し、適切なアドバイスを与える退職準備プログラム制度を導入いたすことにしております。これは民間などにおいてもかなり導入されているようでございます。 私どもの場合は、昭和五十八年の二月に専門家による退職準備プログラム検討委員会を設けまして、八月にその委員会の報告を受けて、これでガイドラインをつくりまして、これを各省に配付いたしまして退職準備プログラムの導入を図っている次第でございます。既にこのガイドブックによりまして、各省においては講習会等が行われているように聞いております。今後とも、これらの措置の重要性にかんがみましてその推進に努めてまいりたいというふうに思っております。
○原田立君 国鉄の余剰人員対策について、新聞紙上で問題になっておりますし、先ほどもこれまた穐山委員から質問がございましたが、この中にいわゆる退職制度の見直しが入っているようでありますが、これまでの経過とその概要は一体どうなっているのか。また国家公務員は、定年制度が導入されて自動的に定年が来れば退職せざるを得ないが、国鉄にはそれがないためにいわゆる勧奨でしか退職を促進させることができない。普通、勧奨ということで条件をよくして退職を促すことと思いますが、国鉄の場合、逆に条件を悪くして退職を促進することになるのではないか、こう思うんでありますが、その点はどうなのか。また国鉄の再建にはこの余剰人員対策が重要になってくるし、また不可欠と思いますが、これへの対応についてももっと柔軟に考えるべきではないか。特に、定年制がないため今回の定年前早期退職特例措置が適用されないようでありますが、国鉄の勧奨年齢をベースにした特例も考えられないのか。時間がなかったもので全部まとめて申し上げましたけれども、国鉄からお答え願いたい。
○説明員(門野雄策君) お答えいたします。 余剰人員対策の、特に余剰人員調整策の退職制度の見直しにつきましては、昨年七月十日に各組合に提案いたしまして鋭意交渉を進めてまいりましたが、合意を得られないまま組合側より、昨年十二月末からことし二月初めにかけまして公労委に順次あっせん申請がなされた次第でございます。その後二月二十日に至りまして公労委から自主交渉で解決しなさいと勧告を承りました。以後、各組合と団体交渉を鋭意再開した次第でございますが、まだ解決するには至っておりません。また三月七日に至りまして、一部組合が早期解決のため公労委に仲裁を申請するに至っております。当局といたしましては、余剰人員問題の重要性並びに今後余剰人員の規模等の見直しのもとに当局提案どおりで何とか解決したいと考えている次第でございます。 なお、国鉄職員の退職手当につきましては、御案内のように、国家公務員と同様国家公務員等退職手当法の適用を受けるわけでございまして、一律の適用でございますが、今回の退手法の改正の中で国家公務員に定年制を導入するに伴って改正される部分につきましては、先生御指摘のように国鉄には定年制がございません。あるいは退職制度の運用も公務員とは異なっているといった点がございまして同列に論ずることはできないと考えております。 ただ、今後こういった制度をどういうふうに取り扱っていくべきであるかという点に関しましては、先ほども触れましたように、国鉄におきまして今後ますます重要性の増してまいります余剰人員問題でございますとか、あるいは財政状況等を十分勘案いたしまして慎重に対処していかなきゃならないことであると考えておる次第でございます。
○内藤功君 まず後藤田長官にお伺いいたしますが、人事院勧告が再三にわたる不完全実施、今回は退職手当の切り下げ、さらに公務員の共済年金掛金の引き上げというようないろいろな悪条件のもとで職員の生活も非常に厳しいものになっておりますが、こういうことに対する担当大臣としての御認識を伺いたい。 またあわせて、従来の人事院勧告を不完全にしか実施しなかったということについての公務員一般職員の生活の実損について、これをどのように補償されるというお考えであるか。また昭和六十 年度の人事院勧告完全実施に対して臨む御決意というような諸点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) まず六十年度の勧告の問題は、先ほどお答えしましたように、政府としては、勧告があればその段階で国政全般との関連を考えながらも、その完全実施に向けて最大限の努力をしてまいりたい、かように考えます。 なお、今日までの実損をどうするか、こういうことでございますが、これはえらい形式論で恐縮でございますが、毎年、公務員の給与は国会の議決を経てその都度法律によって解決している問題でございますから、過去にさかのぼって実損云々、それをどうするという考え方は持っておりません。 それから公務員をめぐる環境が厳しく今冬の時代に入っており、公務員にいろいろな御辛抱を願っているということについては、私どもは公務の重要性ということを考えますと、できるだけ政府としては公務員の勤務に報いる温かい気持ちでやっていかなければ、この日本の国でそれがために公務員の諸君の士気が衰え、人材も来なくなるといったようなことになれば、これは私は大変に国政上の重要問題だと思いますから、これは基本的には何とか温かい処遇を講じなければならぬ、これが私の基本的な考え方でございます。 ただ、御案内のように、今本当に行財政改革という厳しい措置で国民の各界各層の方にもいろいろな御辛抱を願わなければならない時期でもございますから、そこらもひとつあわせ考えながらも、公務員諸君にはできる限りの温かい気持ちで対処してまいりたい、かように考えております。
○内藤功君 温かい措置というのは即、これは私は人事院勧告の完全実施にほかならないと思うんです。 そこで、人事院総裁に伺いますが、「人事院月報」の「年頭随想」を拝見いたしますと、再三の不完全実施は残念であり、私としては苦悩しておる、本年は不退転の決意で努めたい、こう言っておられますが、この「不退転の決意」とは具体的にどういうような御決意で、またどういうお見通しを持って臨まれるかという点、率直な点をお伺いしたい。
○政府委員(内海倫君) 不退転云々の件は、私の内部における気持ちの問題でございますから、人事院勧告に対する私の気持ちを書いたところでございます。 また、六十年度の人勧は今や着手して既にいろいろ調査の段階に入っているわけでございますが、これを国会及び内閣に提出いたしました際どういうふうに取り扱われるかという問題につきましては、けさほどからも総務庁長官あるいは官房長官からも、最大限の努力をして完全実施への努力をするんだ、こういう御決意を承っておりますし、私どもとしてはその決意が一〇〇%実現するということを期待するということでございます。 それでは、それを期待するために一体どんなことをするんだということでございますが、これは我々としてこの実情をできるだけ認識していただくようにという努力をして、ぜひ実施していただくということに努力をする、こういうことであろうかと思います。
○内藤功君 ここでの答弁だけではなく、身をもって実行していただくということを注文つけておきたいと思います。 そこで、退職手当制度ですが、これは公務員の重要な労働条件です。その変更については関係職員団体の意向を尊重する必要があります。九十五国会の本委員会でも「退職手当制度の見直しに当たっては、関係職員団体の意向を十分に聴取する」という附帯決議もなされております。総務庁にお伺いしますが、関係職員団体との協議あるいは合意というものは、本法案の提案に先立ってどのように行われてきたのですか。
○政府委員(藤井良二君) 今回の退職手当を改正するに当たりましては、職員団体から十分に意見を聞いております。物によりけりでございますけれども、いろいろな要求が出ております。例えば給付水準につきましては下げないでくれと。これは下げておりません。それからまた一般職員の定年退職者並びに長期在職者については勤続報償の手当の性格からいって勤続加算方式をとるべきであると。こういった点も十分に考慮しております。それから三条から五条の適用について現行どおりにしてもらいたいというような要求が出ておりますけれども、これも大体その組合の要求どおりにしております。そのほか非常に多くの要求が出ておりますけれども、必ずしも全部とは申し上げませんけれども、かなり多くの要求を入れて我々は改善したつもりでございます。
○内藤功君 入れた点だけをお述べになりましたが、結局、関係職員団体の合意というものが得られないまま本法案の提案になったということはもう明らかな事実であります。私は、こういうような法案の提出のやり方というものは、職員団体が本来固有の権利として持っておる交渉権そのものを非常に軽く見る見方じゃないかというふうにいろいろな経緯から痛感しておるわけです。一部の要求を入れれば、それで合意が得られたというものでは私はないと思います。この点をひとつ申し上げておきたい。 そこで、法案の内容についての質問ですが、法改正の提案理由の一つに、民間との均衡を図っていくということが挙げられておりますが、単純に機械的に民間と比較するということには問題があるのじゃないかと思うんです。公務員はストライキ権を初め基本権に重大な制約がある。それから民間企業への就職制限などさまざまな制約を受けている。こういう点が不問にされて民間均衡ということはおかしいんじゃないか。これが一つ。 また、国家公務員は民間準拠である人事院勧告さえ長期にわたってこの三年来まともに実施されてきていない。民間の退職金について見ますと、これは性格がさまざまですね、それぞれの退職金規定を見ましても。そして各種の勤続加算についてもその実態把握が難しい。こういう点から私は単純な退職手当の官民比較は問題だと思うのであります。この点について民間比較というもののやり方、単純、機械的な民間比較というものは非常に問題であるという点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(藤井良二君) 退職手当の官民比較をする場合、国家公務員の全員につきまして勤続年数、退職理由、職種、学歴等すべての要素を細分化して、民間のそれと個々に対応させて比較することが望ましいに決まっておりますけれども、実際問題としてはそういうことは不可能でございます。したがいまして、私どもといたしましては、退職手当は俸給月額に一定の率を乗ずるという方法によっておりますし、また俸給月額につきましては、原則として官民準拠の考え方に基づいておりますので、標準的なグループをとって退職手当の官民の均衡を図れば、他のグループにおいてもおおむね均衡が図られるのではないかという考え方で、国家公務員の最も標準的な行政職事務を担当する職員を比較の対象としているものでございます。
○内藤功君 ところで、政府は民間との比較について、昭和五十七年度の実態調査に基づいておおむね官民の均衡がとれているという結論に達したと私は聞いておるんですが、この点は間違いありませんか。
○政府委員(藤井良二君) 今回の調査結果に基づきますと、おおむね官民均衡がとれているというふうに認められましたので、今回の改正法案では公務員の退職手当の水準そのものを引き上げるというようなことにはしておりません。
○内藤功君 おおむね官民の均衡がとれたということであれば、また退職手当の水準を切り下げる必要は出てこないわけです。ところが、今回の法改正では長期の勤続者にかかわる退職手当支給率、この点につきましては、勤続三十一年以上の一年当たり支給割合を約一〇%引き下げておりますが、これは矛盾しませんか。これはどういう理由ですか。
○政府委員(藤井良二君) 先ほども申し上げましたように、今回の退職手当の改正に当たりましては、退職手当の給付水準そのものを引き下げるということは考えていないわけでございまして、今回の支給率の改定は引き下げる部分もありますけれども、引き上げる部分もございますので、全体として見れば増減はないという感じでございます。 三十一年以上の長期勤続者の退職手当支給率を切り下げた理由でございますけれども、国家公務員の退職手当というのは基本的には長期勤続に対する報償であることから、現行法上一般的にその支給率は勤続年数が長くなるに従って高くなる仕組みになっております。一方、国家公務員の在職期間も、平均寿命の伸長からかなり長期化する傾向にございます。したがって、退職手当法上退職手当の累増について何らかの抑制または合理化を図る必要があるわけでございます。また民間企業におきましては、定年の導入、または定年を延長することに伴いまして長期勤続者の退職金につきまして各種の方法により、その累増の抑制または合理化を図っているという実情もございます。こういったのを勘案いたしまして、三十一年以上の長期勤続者について一〇%を切り下げたわけでございます。
○内藤功君 重ねて聞きますが、もう一つの政府の官民比較の資料を見ますと、高校卒勤続三十五年の公務員の退職手当は、私の方で数字を読みますが、千九百二十六万円、民間の場合の千九百十九万円に比べて、公務員は七万円高である。率にしても一〇〇%均衡がとれている。また大学卒の場合は、公務員が二千百六十六万円であるのに対して、民間は二千四百六十七万円で、民間の方が三百一万円高くなっている。次に高卒三十年の場合では、民間の方が十九万円高くなっておる。 私は、この政府の資料で見ましても、今回支給率を引き下げるという理由はない。引き上げるのは結構ですが、しかし引き下げる理由はない。政府は、民間では定年制度の延長に伴って退職制度の合理化を図っているところが多いと、こういうふうに言っておりますけれども、実際の退職金額の上では均衡がとれている。あるいは民間の方がやや高いという資料を私は拝見しているわけです。 こういう点からも、私の今問題にしている切り下げの必要はないんじゃないかという点はいかがですか。
○政府委員(藤井良二君) 先ほども申し上げましたように、今回、官民均衡を図って、一応下げないということにしたわけでございますけれども、今回の改正の中では、単に引き下げる部分があるだけじゃなくて、引き上げる部分もあるわけでございます。この引き下げ部分と引き上げ部分で大体均衡がとれているのじゃないかということでございます。
○内藤功君 納得できませんが、押し問答になりますので、この点はあなたの答弁について私どもは納得できないということを申して次の質問に入ります。 今回の法改正では、定年前の早期退職者に係る退職手当の特例ということで、一定年齢以上であり、かつ勤続期間二十五年以上である者が、その者の事情によらないで退職することとなった場合、割り増し措置をとる、こうなっておりますが、この特例措置は具体的にどういう場合に適用されますか。
○政府委員(藤井良二君) 定年前早期退職特例措置が適用される者は、法第五条第一項に該当する者のうち定年に達する日から政令で定める一定期間前に退職し、大体六カ月でございますけれども、六カ月前に退職し、その勤続期間が二十五年以上であり、かつその年齢が政令で定める年齢、六十歳定年制の場合には五十歳以上でございますが、こういった条件に該当する職員が適用されることになると思います。その特例措置の対象となる退職理由としては、組織の改廃または定員の減少による過員または廃職を生じたことによる退職、勧奨退職、公務上死亡退職、それから公務上疾病による退職の場合等が考えられます。
○内藤功君 今、勧奨退職と言われましたが、これまでのケースについては例外なく適用されるということですね。
○政府委員(藤井良二君) これまでの勧奨退職にすべて適用されるというわけではございません。先ほど申し上げたような条件に該当しなければならないわけでございます。
○内藤功君 じゃ具体的に聞きますが、この特例措置について、これは課長以上の管理職だけに適用されるんじゃなく一般職員にも適用される、こう解釈してよろしいですか。
○政府委員(藤井良二君) 先ほど申し上げたような条件に該当する職員につきましては、幹部職員、一般職員の区別なく適用されることになります。
○内藤功君 そうしますと、今、前々から問題になっているいわゆる高級官僚の方が国政選挙などにお出になるというために、つまり自己の都合のために定年前に退職をなさる、この場合の退職手当の扱いでございます。前回の参議院選挙では、お名前はここでは遠慮さしていただきますが、元通産次官などなど、こういう方々が自民党さんの比例代表名簿に載せられておりました。こういう人たちにも法第五条第一項に基づく水増し退職金が支給されたと伺っております。 そこでお伺いしたいのは、こういう選挙に出るために、つまり自分の都合のために定年前に退職する、こういう場合は一切退職金の水増しは行うべきではないというふうに私は考えているわけですが、この点いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは私がお答えいたします。 基本的には定年制度を施行する、定年まで勤務してくれということでしょう。それを勧奨割り増しというのは一体どういう理屈だということで、実は立法過程でも勉強し直してもらいました。しかし、今までは、何といいますか、各省ばらばらで定年がないものですから、実際定年制度にかわるように集団的な組織的な勧奨制度を活用してやめていただいておったものがありますね。これはこれから先はないようにしてもらいたい、組織的な、集団的なものは。それは定年まで置いておいていただきたい。 それから個別的なものは、人事担当者の意見を聞きますと、人事の、何といいますか、活性化といいますか、これがためにはどうしてもお役所の都合でやめていただかなきゃならぬ場合がしばしば出てくるわけですね。それはやはり勧奨にせざるを得ない。 もう一点の私の疑問は、どうも幹部職員だけが今まで恩典に浴しておったのではないのかということで、これも一遍調べ直しをしてもらいましたら、そうではないということでございましたので、それはよかろうということで、今回のあれでも全職員を通じて人事の活性化その他の役所の都合でおやめいただく場合にはこれは勧奨の扱いをすると、こういうことにしたわけです。 それから今御質問の選挙ですね、これは私は率直に言って今までは少しルーズ過ぎたと思っております。これはいかぬと思います。やめるときに選挙に出るかどうかわからなくてやめて、たまたま各方面からの薦めで出たといえばこれはしようがないけれども、在職中に大体やめるという意思がはっきりして、それはもう公知の事実になっているといった人は、これは文字どおり自己都合ですよ。これは役所の都合じゃありません。したがって、これはあくまでも自己都合ということで厳格に適用していきたい、かように考えております。
○内藤功君 これは大きな問題点で、今後なおこれは論議していきたいと思います。 私はこの際、こういう場合は一切水増しをしてはいけないということを政令等で明記すべきだという考え方を持っておりますが、大臣の今の考え方、さらに今後とも私は論議していきたいと思っております。 次に、衆議院の内閣委員会でも問題になったようですが、大臣や政務次官の退職金、この問題については後藤田長官もちょっと触れられました が、国会でも行革というのは国民の納得のいくように税金を使うことにするんだとしばしば力説をされております。私もう一回この点を確認しておきたいんですが、長官の行革の理念というものに立つならば、大臣や政務次官の退職金については率先して辞退をされる、返還されるというようなことが、趣旨を貫いたならばそういう論理になるんじゃなかろうかと思っているわけなんですが、この点は率直なところいかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) あれは予算委員会でしたかね、おまえ一体何ぼもろうたと、こういう御質問がございました。私、実は余りよく知らなかったんですが、事務局が調べてくれまして、官房副長官でやめたとき、事務職ですからあれですが、三十万六千円でしたね。それから自治大臣のときのが六十八万円。官房長官以降はまだもらっておりません。 ただ、いわゆる政務職についてどう考えるかというのは一つの勉強の課題かなとは思いますけれども、これまた区別するという理由もなかなか私は立ちにくいと思います。したがって、おしかりを受けるかもしらぬけれども、平たく言えば、まあそこまでやかましゅう言わなくてもどうかなというのが率直な気持ちです。 ただし、私ども閣僚はベースアップがありますね、閣僚が上がりませんと下が上がらないですよ。そういうことで踏み切ってベースアップをしてもらったんですが、ベースアップ分は、全部今たしか選挙法を改正して寄附の処置ということになっておるんです。そうすると実際うっかりすると減俸になるんです、税金が累進でかかってきますからね。これも随分おかしなもんだなと思いますけれども、そこは恐らく内閣の方で調整をして寄附金額を決めていると思いますけれども、一体そういうような変則的な処置がいいのかな。そこはさらりと、特別職といえども国家公務員の立場に立つわけですから、ならば、余り窮屈にがんじがらめにして何か一般世間向けのようなことをやることが本当にいいんだろうか、どうかな。ここを私は大変疑問に思っておりますから、今直ちに内藤さんの御質問に、これはこの方がよろしいとかと言うことはちょっとお許しをいただきたいと、かように思います。
○内藤功君 もう一つ、いわゆる高級官僚の天下りですね、五十歳代の前半ぐらいで特殊法人などに天下っていく、あるいは関連の大企業、業界へ天下っていく、こういうケースが世の中で大きく問題になっていますが、これも本来自己都合による退職だと、こう見るべきなんですが、こういう場合はさっきの問題の特例措置は適用になるんでしょうか。
○政府委員(藤井良二君) 先ほどの特例措置は、先ほど申し上げましたような条件に該当すれば適用になるわけでございますが、先ほど大臣もおっしゃいましたように、今回の退職手当制度の一環といたしまして、勧奨退職と自己都合退職を明確に区分、運用していくように今後とも努力をするつもりでございます。
○内藤功君 少し歯切れの悪い答弁ですね。 もう一点聞きますけれども、この特例措置の運用は、結局のところ各省庁に任されておるわけですね。そうすると、省庁によりましては、これは管理職にしか適用しません、あるいは選挙にお出になるために退職する場合でもいろいろと理論づけをいたしまして特例措置を適用する、こういうことが起こってくる可能性、危険性はないでしょうか。省庁によって手心というか、そういう違いが出てくるという可能性はないでしょうかね。
○政府委員(藤井良二君) その点につきましては、私どもの方で厳正に各省庁を指導してまいりたいと思います。特に今回の早期特例措置につきましては、完全にその記録を残すように府令などで定める予定にしております。
○内藤功君 時間がなくなりましたが、最後に、関連して、現在こういうふうに高級官僚の方々は苦しい苦しいといってもいろいろな方法があります。失礼なことを申し上げたかもしれませんけれども、あると思うんですが、一般の国家公務員の方々の間では今問題になっているのは共済年金の掛け金引き上げ問題なんですね、これと人事院勧告問題。 共済年金の掛金につきましては、昨年の十二月から千分の十九・七というかなり大幅な掛金の引き上げが行われたばかりなんですが、これをまたぞろ四月から再び上げるというお話を伺っております。そこで、この引き上げはどういう理由でおやりになろうとするのか、また大体何%ぐらいの引き上げのおつもりなのかということをお伺いしたいと思います。
○説明員(坂本導聰君) お答えいたします。 ただいま御指摘のように、昨年十二月から国家公務員等につきまして千分の十九・七の掛金の引き上げを行いました。共済年金は長期的に財政の安定を図る、収支の均衡を図るということから、五年ごとに財政再計算を行って掛金を設定するわけでございます。しかしながら、現実の掛金の設定に当たりましては、ベアや年金改定がないという前提で平準保険料というものを算定いたします。しかも、それにつきまして、実は全額掛金として徴収せず後代に回している部分がございます、二割程度後代に回しております。これがまずツケとして残ります。そのほかベアの改定がある、あるいは年金のスライド改定がある、こういうことによって不足財源が生ずる、そのために五年ごとに再計算を行う。その結果、昨年十二月、千分の十九・七引き上げを行ったところでございます。 なお、ただいま四月から上がるのではないかというお尋ねでございますが、これは国鉄の共済年金財政が破綻状況にございまして、そしてこれにつきまして国家公務員及び電電、専売の共済組合が応援をするという法律の仕組みになってございます。具体的にその数字を財政調整事業運営委員会というところではじいたわけでございますが、それが掛金率にいたしますと千分の五・三ということになるわけでございます。これを引き上げるべく大蔵大臣に認可申請がございましたが、私どもはその認可申請に当たりまして、国家公務員等共済組合審議会で数回にわたって議論を重ねた結果、やむを得ないという答えを出したところでございます。したがいまして、本年四月一日から千分の五・三掛金の引き上げが行われる予定でございます。
○内藤功君 とにかく、いろいろ言われますけれども、十二月に続いてまた短期間に大幅な引き上げでしょう。これでは去年の給与のアップ分なんというのは、物価上昇とこの掛金の二度にわたるダブルパンチといいますか、こういうものでマイナスになってしまうという声は、皆さん一線の職員の中で非常に強いですね。こういうことが行われるのは、共済組合の運営の中に組合員の代表が参加するという制度ができてないということが私は一つの背景にあると思うんです。 そこで、池公共済の場合は労使同数の運営審議会で運営している。これに比べて国家公務員の場合は余りにも非民主的じゃないか。少なくとも共済組合連合会の評議員会に職員組合の代表が参加できるということをやるとかなどなど、こういう組合員の声を反映する仕組みを検討すべきだと私は思っておるのですが、この点いかがでございましょうか。
○説明員(坂本導聰君) ただいま御指摘の国家公務員共済組合連合会に設けられております評議員会、これは法律上の組織でございますが、この法律上の組織は具体的に申し上げますと、評議員会は組合を代表する評議員各一人をもって組織をする。その次の項で、前項の評議員は、組合の代表者がその組合員のうちから任命する。端的に申し上げますと、各省庁の長が当該共済組合を代表する者として責任を持って選任をされているというふうに私どもは理解しております。
○内藤功君 ちょっと一点だけ。 実際は、各省庁では本省の福利厚生課長が任命されているという実態があるようですね。ですから、私はこういうことを申し上げたわけですが、時間がないので後日にあとは譲りたいと思いま す。
○柄谷道一君 総務庁長官にお伺いいたしますが、さきの定年法制化の審議が行われました際に、これは五十六年六月二日の本内閣委員会でございますが、定年制というものは、その定年に達すれば自分の意思とはかかわりなく退職しなければならないという側面がある、同時にもう一つの側面は、その年齢に達するまではみずからの意思に反して退職を強制されないという雇用保障の側面を持っておるということを私は主張いたしました。当時の中山太郎行管庁長官は、私のこの趣旨を全面的に肯定されまして、定年制度施行後においては、定年退職が退職管理の主たる手段となることから、従来定年制度がなかったため、それに代替するものとして集団的、組織的退職勧奨を行ってきたが、それはなくなっていくと答弁されました。そして個別的退職勧奨の取り扱いについても、個別的退職勧奨は幹部職員については今後とも必要であろうが、一般職員についてはその必要性が乏しくなっている、そして一般職には行わないとまで言われたわけでございます。 そうした経過からしますと、今回の法案の提出内容は個別的退職勧奨が残るということでございますから、当時の長官の答えられたニュアンスとは異なった提案であるというふうに受け取らざるを得ないわけでございます。どうしてそうなったのか、その経緯と理由についてまず長官から明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは先ほどお答えしましたように、従来は定年制がないものですから、勧奨制度を活用して集団的、組織的な、実質的な意味における定年みたいな働きをしておったわけですが、今度は定年制度がありますから、そういう制度はなくなると、こう思いますね。 それからもう一つの個別的な勧奨は、役所全体の組織の活性化という意味合いで、役所側の都合でいわゆる肩たたき、やめてもらえぬかと、こういうことで、これは別段強制するわけじゃありませんが、多くの方はそれに応じてやめていかれる、それで役所の活性化を図っていこうと、こういうことですね。それが先ほどもお答えしたように幹部だけじゃないのか、この優遇措置は。こういうことで私は再検討してもらいましたけれども、やはりそうではないということで、ならば全員にそれを活用するというんならよかろうということにしたわけでございます。 一般の職員は毎年毎年人が入ってきます。そうすると、これはだんだんピラミッドになりますから、それで一般職員でも地位の高下が生ずるわけですね。そうすると同年の人が一番上までのポストについてしまう。そうすると同期の人はちょっと居づらい。これは日本人的感覚かもしれませんけれども、そういうこともあるようです。そこで個別的な勧奨、これは決して強制するわけじゃありませんから、それならこの勧奨制度を残したらよかろう、こういうこと。それと同時に、当時と事情が変わったと思うんだけれども、職員団体の方と人事当局としばしば意見交換をやったようで、職員団体の方からも、この制度は残してもらいたい、こういう御意見も出て今回のような措置になった、こういうように御理解をしていただきたいと、かように存じます。
○柄谷道一君 今長官の前段の釈明は当時もあったことですから、私は情勢の変化とは受けとめられないと思うんです。ただ、私はこういうふうに受けとめて間違いないですか。一般職は個別的な勧奨退職もしないというのが建前として考えていた。しかし、五十六年十月三十日の本委員会で、退職手当制度の総合的再検討に当たっては関係職員団体の意向を十分聴取することという附帯決議が行われておる。その附帯決議に基づいて職員団体の意向を聴取したところ、個別的勧奨制度も残してもらいたい、一般職について。こういう意向をそんたくして法案を提出した。こうお答えいただかないと、前との連続性が私は理解できないわけでございます。前回はとにもかくにも、今後は個別的退職勧奨も一般職の場合はなくなっていくんだと、こうお答えになったわけですから。いかがです。
○国務大臣(後藤田正晴君) それはその前どういうお立場でお答えしたのか私知りませんけれども、先ほど言ったように、一般職の人が、集団のはこれは別として、個別的なのがあったのかなかったのか調べさせたら、あると、こういうわけですから、それならそれは一般の人にも適用しなきゃおかしいじゃないか、幹部職員だけというわけにはいかぬよということで、それと同時に、またおっしゃるように、職員団体の御意見もそうだという、両々相まって今度のような措置になったわけでございます。前回の答弁の趣旨は私わかりません。少なくとも私がこの法案を出すまでの間の検討の状況はそういうことで今回の措置になったと、かように御理解いただきたいと思います。
○柄谷道一君 私は、長官がかわりましても、政府の政策の連続性というものはやはり尊重されなければならないと思うんですよ。前の長官がどう言ったか知らぬけれどもと、こう言われたんですけれども、あの定年法の制定のときは、この内閣委員会も大荒れに荒れまして、私はそのとき賛成の立場に立ったわけですね。そのときの答弁と今回の法案の内容が違うという場合は、政策の連続性という立場から、当時はこうであったがこういう状況の変化があってこういう法案を提案することとなったというものが明確に説明されないと、一つ一つの法案に賛成した者の立場としては、これでは一体、前の確認は何のために行ったのかという疑問を残さざるを得ないわけです。 私は本法案に賛成する立場をとっておりますから、これはこれでやめますけれども、しかし政府はそういう法案を出される場合は、過去の政策との連続性というものを十分に配慮して今後法案というものは政府で検討していく、それだけのことはお答えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) だから私は、事務当局から上がってきた案について、先ほど言ったような疑問を呈して、もう一遍再検討しなさいと言った結果が上がってきたわけですからね。そうすれば上がってきた意見でやらざるを得ぬでしょう。前がこうだからといって、実態が違うものをまた出すというわけにはいかぬでしょう。そこは御理解願いたいと、こう思います。
○柄谷道一君 まあ、押し問答はやめましょう。 そうしますと、事務局の責任を問わなければならないということになるんですけれども、これは言ってもせん方ないことでしょう。しかし事務局は今後、答弁書を書くのですから、書くときは余り無責任な答弁書を書いてもらったんじゃ、我々真剣な審議ができないということになりますから、これは注意を厳重に喚起しておきたいと思います。 そこで長官にお伺いしますが、勧奨退職の運用についてでございます。私は、運用について適正化を図るということが極めて今後重要な問題になってくると思います。特に、先ほども申し上げましたように、定年まで雇用を保障するという側面と退職勧奨との関連というものを十分配慮する必要があろう。そのためには各省庁の人事管理者が実際に退職勧奨を個別的に行う場合、本人の意見が当然尊重されるべきである。いやしくも強制、強要にわたってはならない、これはもう当然のことであろうと思うのでございます。しかし、職場の実情というものはそれぞれ異なっております。したがって、定年制度の持つ側面というものを十分踏まえて、労使が話し合って円満な運営が行われるように、各省庁の人事管理者を総務庁長官としても十分に指導する必要があるのではなかろうか、私はこう思います。長官のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) この勧奨制度というのは、どうも従来、乱に流れておったように私は思います。ここらは適正に行われるように各省に私の方からもお願いをしなければならない、かように考えております。もちろん強制にわたるものではいけませんですね。ただ、要するにこれは労使ということになると、うっかりするとまた集団的、組織的になるわけですから、ここはよほど慎重でなければならぬ。個人個人の問題ではないのかと、かように私は考えております。
○柄谷道一君 勧奨は個人対個人の問題でございますけれども、私はその運用の仕方について双方が運用の仕方を十分理解し合うという意味における指摘を申し上げたわけでございます。ぜひ長官として各省庁の人事担当者に、この運用について慎重かつ円満な運用が行われるように指導を強めていただきたい、こう思います。 次に、人事院総裁にお伺いしますが、五十六年十月三十日の附帯決議で、民間企業における退職金等の実情を十分把握する旨が決議されております。人事院は退職手当の官民格差の基礎となる民間退職金の実態等を調査する際に、民間の実情を的確に把握するためどのような配慮をされたのか、お伺いいたします。
○政府委員(鹿兒島重治君) ただいまお話がございました五十六年十月の当委員会におきます附帯決議を踏まえまして、今回の調査に当たりましては、従来と違いまして、制度の調査と実額の調査とそれぞれ分離して実施したわけでございます。 まず、五十七年に制度の調査を実施いたしまして、これは企業規模千人以上の企業を選びまして調査をしたわけでございますが、千人以上の企業を選びました理由は、退職手当制度として安定している企業だからでございます。先ほど来お話がございました、例えば退職手当の年金化の状況でございますとか、あるいは早期優遇退職制度の有無でございますとか、こういうことをまず調査いたしました。 さらに、これに引き続きまして、昭和五十八年度の実額調査におきましては、従来よりもその規模を拡大いたしまして、前回は千五百社を対象として調査したわけでございますが、今回は、給与の官民比較のベースになりますのは、民調がございますけれども、民調を一応ベースといたしまして、長期勤続者があります企業を調べまして、その結果、二千三百二十二社の退職者を調べたわけでございます。前回が千五百社でございまして、今回が二千三百二十二社ということでございます。 また、対象になりました人員につきましても、前回の調査では四千六人でございましたけれども、今回の調査におきましては、七千三百七十七人の実態を調査いたしているわけでございます。その結果、私どもとしましては前回に比べますとかなり高い精度を得られたものというぐあいに考えておるわけでございます。
○柄谷道一君 そこで、総務庁はこの人事院の民間退職金調査を基礎にいたしまして本法案を作成いたしました。そして、ただいままでの御答弁では官民の均衡がおおむねとれておると、こういう説明でございました。中立的機関である人事院としてはその均衡問題についてどのような評価をしていらっしゃいますか。
○政府委員(鹿兒島重治君) 官民の比較自体ということになりますと、実は官の実情につきましては総務庁が所管しておられるわけでございまして、私どもは専ら民について調査をいたしたわけでございますが、お尋ねでございますのであえて申し上げますと、私どもなりにいろいろと計算をしてみますと、例えば高卒定年退職者の場合、二十五年あるいは三十年というポイントをつかまえてみますと、ほぼ大体一〇〇%の前後、九十数%というところで均衡はとれているというぐあいに考えておりますので、調査比較の結果につきましてはおおむね妥当な結果だというぐあいに理解をいたしております。
○柄谷道一君 今回の法案の中に含まれております最高支給率、従来の六十三・五二五カ月を六十二・七カ月に下げたことに関連をして、一部に退職手当の給付水準を引き下げるものであるという説をとるものもございます。総務庁として本法案が全体の給付水準のバランスを崩していないという確信がございますか。
○政府委員(藤井良二君) 総務庁といたしましては、先ほど御説明のあった人事院に依頼した民間企業退職金実態調査の結果を踏まえまして、国家公務員の退職手当の調査結果と比較することにより官民対比作業を行ったわけでございますけれども、おおむね均衡がとれているものと認められました。したがって、今回の改正は引き下げだとか引き上げを図ろうとするものではございません。 今回の改正案では、定年前早期特例措置を新設し、退職手当の基礎となる俸給月額について特例を設けるほか、特に長期の勤続者の退職手当の支給率を引き下げる、あるいは自己都合退職手当支給率を引き下げるとかあるいは引き上げるということにしております。これらの改正は定年制施行後における国家公務員の退職管理のあり方、部内のバランスを考慮して行うものとするものでございまして、全体として見れば、国家公務員の退職手当の給付水準に影響を与えるものではないと考えております。したがって、退職手当予算額の影響につきましても、全体として見れば増減をもたらすものではないと見込んでおります。
○柄谷道一君 国鉄当局は、国鉄職員について余剰人員調整策の一つの柱として退職制度の見直しを提案しました。一部の組合からは公労委に仲裁が申請されていると承知いたしております。これまでの経緯、現状、今後の見通し等については、さきに他の議員も質問いたしましたので重複は避けます。 ここで国鉄及びその監督官庁である運輸省に一つだけお伺いしたいことは、いずれこの問題については、内容は別として、仲裁裁定が出されることと思います。その裁定については政府としては当然これを尊重されるべきであると思いますが、いかがであるか。 なお、退職制度という事柄の性格上、所属する組合によってその取り扱いを異にすべきものではない、国鉄職員として同一の取り扱いがされるべきであると考えますが、いかがか。 その二点について当局及び監督官庁である運輸省の見解をただします。
○説明員(太田知行君) 仲裁裁定が出ました暁にはそれに従うことは当然のことと考えております。 それからまた、おっしゃいましたように、これは職員の身分にかかわる重大な制度でございます。複数組合でございますが、組合のいかんにかかわらず、職員ということで同一水準でこれを取り扱うべきものというふうに考えている次第でございます。
○政府委員(中島眞二君) 公共企業体等労働関係法第三十五条の規定によりまして、「委員会の裁定に対しては、当事者は、双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならず、また、政府は、当該裁定が実施されるように、できる限り努力しなければならない。」という規定がございますので、この規定に従いまして努力をいたしたいと思います。 それから退職制度の見直しというのは国鉄の全職員に適用されるものでありますので、組合の差異によらずに同一の取り扱いをすべきことは当然であるというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、時間があれば自衛官の退職手当について質問をいたしたいと考えておりましたが、これは別の委嘱審査の際、年金、医療等の処遇を含めて質問することといたしたいと思います。 なお、五分前後の時間を余しておりますが、総務庁設置法の質問に回すこととして、これで質問を終わります。
○委員長(大島友治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきも のと決定いたしました。 穐山君から発言を求められておりますので、これを許します。穐山君。
○穐山篤君 私は、ただいま可決されました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読します。 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、退職手当の官民比較を行うに当たっては、事業規模や就業の態様並びに職務の内容などの民間産業の実態が適切に反映されるよう調査方法を検討すること。 一、定年による退職の特例及び定年退職者の再任用の運用に当たっては、今後の実施状況を踏まえ適正を期すること。 一、国鉄職員が、大量に退職する時を迎えていることを考慮し、かつ、国鉄のおかれている厳しい現状等を勘案しつつ、適切な措置が講ぜられるよう検討すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(大島友治君) ただいま穐山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 多数と認めます。よって、穐山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、後藤田総務庁長官から発言を求められておりますので、この際これを許します。後藤田総務庁長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を踏まえて今後検討してまいりたいと存じます。
○委員長(大島友治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大島友治君) 次に、総務庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 総務庁と大蔵省と厚生省の三つの支局の今後の取り扱いについての法案が提出されているわけでありますけれども、この中で特に福岡の財務支局、この取り扱いぐらい二転、三転して政府の方針がその都度変わってきたことは今まで法制機構を取り扱う上で例を見ないことだったと思うんです。やっと落ちつくところへ落ちついたかという感を持っているわけでありますけれども、今回の提案に当たりまして、その理由として、「三支局をめぐる行政環境には著しい状況の変化を生じている」、こういうふうに提案理由で述べておられるわけでありますが、具体的にどのような行政環境の変化があったのか、あるいは行政需要の変化があったのか、それぞれの三支局について担当の省庁から説明をいただきたいと思います。
○政府委員(門田英郎君) まず総務庁の方からお答え申し上げます。 ただいま先生の御質問は、総務庁四国支局を取り巻く情勢の変化、あるいはその後における行政需要の変化、これについてはどうであろうかというお尋ねでございます。 御承知のように、昭和五十五年の法改正によりまして四国監察支局というものが設けられたわけでございます。その後、第二臨調におきまして、国の出先機関全般についての見直しがあったわけでございます。その結果、臨調答申におきまして、出先機関、これにつきましては、特にブロック機関の下に置かれている府県単位機関、これの整理合理化を図るべきであるという御答申がございまして、これに基づきまして、第百回の臨時国会におきまして、いわゆる府県単位機関整理合理化法というものの成立を見たわけでございます。その結果、昨年十月から私どもの四国支局の下にございます徳島、愛媛、高知、この三県に置かれております地方行政監察局を大幅に整理するということにした上で、最小限必要な現地事務処理機関を設けるということでそれぞれ監察事務所というものが置かれた。これと同時に事務の整理合理化、ブロック機関への、支局への事務の集中、あるいはそれに伴う要員の縮減という措置を同時に講じたわけでございます。四国支局はいわばこの府県単位機関の整理合理化に伴います府県単位機関の事務の、あるいは要員のいわば受け皿というふうな機能を果たさざるを得ないというふうな情勢の変化があった、これが一点でございます。 なお、行政需要の変化ということについてのお尋ねでございますが、その現地事務処理機能の一番重要なポイントといたしまして、苦情救済機能というものを私どもの方ではやっておるわけでございます。いわゆる行政相談というものでございますが、この受け付け件数を見ますと、四国支局が設置されました昭和五十六年から昭和五十八年度までの三年間、この三年間で四国ブロック全体での受け付け件数の増加率が六・五%。こういった複雑多岐な行政という現状に照らして、今後ますますこういった苦情救済機能に対する期待、ニーズと申しますか、こういったものはふえていく一方ではないかというふうに考えているわけでございます。 また、これは非常に一般的な問題でございますけれども、昭和五十六年当時から臨調ができ、行革の推進というのが内閣の一つの大きな柱になっているわけでございます。その行革の推進なり何なり、そういったことのために、行政監察機能を駆使しての実態調査、これに対する必要性というのが非常にふえてきております。 最近でございますと、国の関与あるいは必置規制、こういったものを廃止合理化あるいは緩和するというふうな法案を今国会においても御提出申し上げているわけでございますが、その基礎資料を編成したのも、こういった監察局機能、調査機能を活用した成果であるといささか自負しているわけでございますが、そのほかにも、今後とも許認可権限の地方委譲の問題あるいは許認可そのものの緩和の問題、いわゆる規制緩和の問題、こういった観点からの実態調査というものについてますます行政監察機能の重要性というのが高まってきている、こういった行政需要の変化があるというふうに考えている次第でございます。 以上でございます。
○政府委員(小田原定君) 福岡支局は、先生御案内のとおり、昭和五十五年の行革で当時、北九州財務局と南九州財務局を統合いたしまして、九州財務局の福岡支局という形でできたわけでございます。 その後、ただいま総務庁の方からも御説明ございましたが、財務局の出先でございました財務部が府県単位機関の整理統合ということで、昨年十月一日から現地的事務処理機関ということになりまして、現在整理合理化を推進している。そういう意味におきまして、福岡支局もその管内の財務事務所の整理合理化のためのいわば受け皿となってきている。そういう意味におきまして、五十五年当時よりも支局の機能及び重要性が増大しているということが言えます。 さらに、行政需要——財務支局は金融関係、相互銀行とか信用金庫等の業務並びに国有財産の管理事務あるいは地方債融資等の業務を主要な業務として行っておりますが、これらの件数も当時よりも増大している上に、さらに五十五年以降の新たな行政需要の追加が国会でなされました。議員立法でできましたいわゆるサラ金法というものの業務をこの財務支局が行うことになりまして、業者の登録等の事務を行うことが追加された。 さらに、この四月一日からは、今度は専売公社が改組となりまして、日本たばこ産業株式会社となりまして、小売店の許可とか、あるいは卸し店の許可とかいう業務を財務支局長が行うということで業務がふえました。それからさらには昨年の例の国鉄等の共済統合法によりまして、大蔵大臣は共済関係の総括大臣としまして、財務支局ではこれらの共済の支部の監査業務も行うということの行政業務が新たにまた追加されてきたということがございます。 さらに、これは福岡地区が九州全域において、これも先生方よく御存じのことでございますけれども、金融、証券等に係る統括機能的な地位を持っておりますし、また国有財産行政の点で見ましても、この国有財産の総括大臣という立場で、国の出先、ブロック機関等多数ございますので、それとの広域行政を行うという意味で重要になってきておるということでございます。 以上がその後の状況の変化でございます。
○説明員(木戸脩君) 厚生省関係の四国の地方医務支局に関する状況の変化について御説明をさしていただきます。 四国の地方医務支局も、五十五年の整理法によりまして、中国の地方医務局の四国地方医務支局ということになったわけでございますが、実は国立病院・療養所につきましては、五十八年三月の臨調の最終答申及びこれを受けました五十九年一月の行革大綱によりまして、国立病院・療養所につきましては、現在の国民的課題にマッチするように国立病院・療養所の再編合理化をせよということになりまして、相当数の施設の整理合理化をやるという方針が決められたわけでございまして、五十九年度じゅうに再編合理化の基本指針をつくる、それから六十年度じゅうに具体的に再編合理化をする施設のリストアップを行うというような事態を迎えたわけでございます。四国にも十二の国立病院・療養所がございます。その中には、非常に機能の高いものから、小さいけれども地域の医療に寄与しているといったさまざまのものがあるわけでございまして、この再編合理化につきましては、地元の住民あるいは地方団体から、何とか残してほしいとか、いろんな御意見もあるわけでございまして、今後四国の地方支局がこの再編合理化の過程におきましていろいろと県なり地元の自治体なり、あるいは関係団体と調整をしなければならない問題がいろいろあるわけでございます。 具体的に四国の病院・療養所の何件を何年度にやるというようなことは現在まだ頭にございませんが、いずれにいたしましても、再編合理化が六十一年度からスタートするということでございますので、これから四国の地方支局の仕事は非常に重要性を増してくるわけでございます。したがいまして、同支局の内部組織と定員に関する縮小合理化と引きかえに存続をさしていただきたい、こういうことでございます。
○野田哲君 厚生省の方の今の説明ですと、四国における十二の国立病院・療養所の整理合理化の推進という課題があるということですが、具体的にはどのようにこの十二の国立病院・療養所について整理統合を考えておられるわけですか、まだこれからなんですか。この点はいかがですか。
○説明員(木戸脩君) 今お答えを申し上げましたように、四国には三カ所の国立病院、八カ所の国立療養所、それから一カ所のハンセン氏病の療養所があるわけで、十二あるわけでございます。今申し上げましたように、再編の具体的な施設のリストアップは六十年度中に行うということになっているわけでございまして、現段階で四国について具体的にどのように再編するか、非常に地域医療とかかわる問題も多々ございますので、現在の段階でどのような施設をどうするかということを申し上げる段階には至っていないわけでございます。
○野田哲君 官房長官にお見えいただいておりますので、官房長官とそれから行政管理を所管する総務庁長官それぞれに見解を伺っておきたいと思います。 先般の当院の予算委員会におきまして、予算委員会がいろいろ協議を重ねてきた結果、総括質疑を終了するに当たりまして、長田予算委員長から次のような見解が述べられております。それは、「今回の総括質問において、特に審議会等の参考人出席要求が相次いだ背景は、最近の内閣による審議会あるいは諮問機関の多用に対する立法府の懸念であり、この点内閣の慎重な対応を要請する」。こういう見解が述べられておりまして、これは予算審議が終了した段階で予算委員長の本会議に対する委員長報告の中にもこの趣旨を入れるというふうに長田委員長は述べておられるわけです。このように国会審議を通じて表明をされた、今の内閣の審議会や諮問機関等を非常にたくさんつくって、既成事実をつくって国会が追認をするような形で求めてくる、こういうやり方に対しての懸念を表明されたわけでありますが、これは官房長官も総務庁長官も総括質疑でありましたからお聞きになっていると思うわけですが、それぞれこれについてどのような見解を持っておられるのか、どのように受けとめておられるのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 私から先にお答えをいたしたいと思います。 今お読み上げになりました参議院予算委員長の見解は先般私どもも厳粛に受けとめさせていただいたところでございます。 ただ、審議会とか懇談会は、行政を進めてまいります上で行政が独断で仕事を進めていくというようなことのないように広く民間の方々のいろんな御意見を伺う、こういうお立場からも、また専門的な知識を持った方に専門的な意見についていろいろ伺って、これを参考にさせていただくというような意味では非常に意味のあるものではないだろうか、こんなように考えておりまして、従来内閣総理大臣としての、あるいは各省庁大臣などのレベルでも懇談会等を設けてきておるところでございます。そのことは、従来もいろんな意見を伺って非常に参考にさせていただいてまいりましたし、またこれからもそういう機会はあるだろうというふうに思いますので、これを非常に悪いもののような感じにいたしますことはいかがかと、こういうふうに率直に考えているわけでございます。 ただ問題は、それらの意見を参考にさせていただいて、そして政策決定ということについては政府自身が決めるという立場をとってきておりますし、それからいろいろな基本的な制度などにつきましては、当然国会の御審議をいただくという過程を経てきておるところでございまして、これまた国会を軽視しておるということではないというふうに私ども考えてきておるところでございます。 しかし、予算委員長の見解の中で御指摘をいただきましたように、審議会、懇談会等をいわゆる多用して、多用といいますか、たくさんにそういうものを構えて、そこの操作で政治を動かしていくのではないかというような御懸念をいただいている、そういう御心配をかけているということにつきましては、十分受けとめさせていただいて、今後そういう御心配をかけないように審議会や懇談会のいいところを活用させていただいて、誤解を生むことのないように運用をしていかなければなるまい、こういうふうに考えておる次第でございますが、いずれにいたしましても、委員長の御見解を十分受けとめさせていただきまして、今後のこの種懇談会、審議会等の運用に参考にさせていただきたい、このように考えておる次第でございます。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま官房長官からお答えいたしたとおりでございますが、要するにこの委員長見解というものは、政府は重要な御見解であると受けとめなきゃならぬ、かように考えます。 参考人の出席の問題は、これは国会御自身の問題でございますから、政府としてとやかく言う筋のものでありません。委員会がお決めになれば、当然それに異論のあろうはずはないわけでございます。 問題は審議会の多用についての御批判。これを政府が隠れみのにするということは、これはよくない。これは大前提でございます。ただ、政府の各省庁が何かの重要な施策を決めようというときに、審議会等の意見を聞くということは私は極めて有意義なことではないのか。これをやめますと役人が全部立案する。役人も大変見識もあるし勉強もしておるんだけれども、何といっても役所の窓から世間を見ておるということですね。これは視野という観点から見ると、ややともすれば陰る面がありはしないのか。あるいはまた、より深い専門的な知識、こういうものを必要とする面があるんじゃないか、ならば民間の方の御参集を願って勉強していただいて、それを政策立案の参考にするということは極めていいことではないか、こう思っているんです。もちろん最終決定は政府の責任において決めて、それが何らかの形で予算措置なり立法措置を要するというものについては、これは政府の案として国会で御審議を願って、それでそのままお認め願うものもあれば、そうでなしに修正すべきものもある。これは当たり前な話でございますから、だから、審議会あるいは研究会等は一律に、一概にやめてしまえ、よくないと言うのはどうかな。むしろ、どっちかといえば、大いにそれぐらい視野を広げてそれぞれの政府の各省にやってもらわなきゃ困るというぐらいに考えておるのが私の本当の気持ちでございます。
○野田哲君 私も審議会や諮問機関の活用を全面的に否定する立場には立っていないんです。活用すべきは大いに活用すればいいと思うんです。問題は、制度として公的に法律に基づいて設置をされている審議会、諮問機関等を大いに活用していけばいいんですが、官房長官、今私どもが一番懸念しているのは中曽根総理になってから総理府所管の私的諮問機関が、後でも触れますが、たくさんつくられていること。ほかの省庁はさほどふえてないんです。あることはあるが自粛をされているような気配が見えるんですが、総理直属の私的諮問機関がどんどんつくられていく。そうしてそこに中曽根総理好みの人がブレーンとして集められて、そしてそこで政策の既成事実をつくって追認を求めていく。こういうやり方に対して一番懸念を私たちは持っているんだということを、まず今の両大臣の答弁に対して私は述べておきたいと思うんです。 そこで問題は、私的諮問機関、これが随分たくさんある。私の手元で調査した資料でわかっているだけで、大臣の私的諮問機関として設けられているものが七十を超えている。そして公費から支出されている謝礼金、旅費、庁費等の合計が、昭和五十七年度で八千五百八十六万円、五十八年度も八千五百八十万円、五十九年度は第三・四半期まで、十二月までで既に七千百五十一万円を支出されている。恐らく五十九年度は九千万円ぐらいになるのではないかというふうに推定をされるわけなんです。 政府の方として、こういうふうな形で各省庁に設置をされている私的諮問機関の実態について一体きちっと把握されているのかどうか。把握されているとすればその数、あるいはそれに支出された経費をここ二、三年、五十七年、五十八年、そして五十九年の今わかる数字をそれぞれ報告していただきたいと思うんです。
○政府委員(吉居時哉君) 先般、国会等でもこの点につきましていろいろ御質問がございました。私ども内閣官房といたしまして、総務庁や大蔵省の御協力を得まして、また各省の御協力を得まして、大臣レベルに置かれております私的懇談会につきまして調査を申し上げまして、そして国会に御報告した次第でございますが、私的懇談会の数は、全省庁を通じまして、六十年の一月二十五日現在で調べたものでございますけれども、四十五でございます。 それから経費でございますが、これにつきましては、過去三年度につきまして調査いたしたわけでありますが、これはただいま先生からお話ございましたように、五十七年度につきましては、合計で——合計と申しますのは、全省庁で、しかも謝金、旅費、庁費の合計という意味でございますが、五十七年度で八千五百万円、それから五十八年度で同じく八千五百万円、五十九年度は、十二月末まででございますが、七千百万円、こういう数字になっております。
○野田哲君 問題は、公的に設置された審議会があるのに、諮問をして検討されるべき課題についてそこには諮問しないで、私的諮問機関を設けてそっちの方で重点的にやっている。こういうやり方に私は一番問題があると思うんです。それならば公的の方をやめればいいんで、公的があるんであれば、公的なところで機能させればいいと思うんです。 国家行政組織法の八条で審議会等についての規定が設けられているわけでありますけれども、総務庁がまとめた審議会総覧によりますと、二百十四の審議会がこれにまとめられてあるわけでありますけれども、これとは別に、今申し上げたように、今の総理府の報告で四十五というのは、名目上あっても存在していないというか、機能していない、休眠状態にあるのは省かれて四十五ということになったんだと思うんです。五十七年、五十八年、五十九年に各省庁で公的な経費が支出されたものを全部拾い集めていくと、現在は四十五だけになるかもわかりませんけれども、ここ三年来を見ると、七十を超える私的諮問機関に公的な経費が支出されている報告が来ているわけなんです。こうなってきますと、公的に設置された審議会が二百十四もある。それとは別に七十を超える、あるいは政府の報告によっても四十を超える私的諮問機関が設置されている。しかもその中には公的に設置された審議会に諮問すべき事項、調査検討すべき事項と全く同じ課題について私的諮問機関に検討を求めている。こういうことになってくると、これはもう明らかに国家行政組織法を無視している、国家行政組織法違反ではないかというような感すら受けるわけでありますけれども、いかがですか、総務庁長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるように、八条による審議会といわゆる私的諮問機関、これが混同したり重なったりというものがありとするならば、それは私はやっぱりよくないことだと思います。そういうことをやっちゃいかぬと思います。ただ、八条機関が二百余りある、だから全部それでやったらどうだ、あるいはそれをやめてしまって私的諮問機関にしてしまったらどうだという御意見もわからぬではありませんけれども、これは基本的な性格が違いますね。八条機関によるとその審議会自身の公的意思というものがきちんと決まっちゃうわけですね。そうすると政府はそれに縛られます。ところが、いわゆる私的諮問機関はそうじゃなくて、各省の大臣なら大臣、あるいは総理なら総理が何か自分としてはこういう考え方でいきたいんだ、それについては一般の有識者の意見も聞きたいということでいわゆる私的諮問機関をおつくりになるんだと思いますね。私はそれは非常にいいことだと思うんですよ。それで自分の気持ちが決まれば、今度は役所はそれによっていろんな作業をしますね。しかし、改めてそこでともかく法律なりあるいは予算なりの措置をすぐできるものは、それはもうそのままでいいですけれども、重要な問題になると、そういう考え方を決める前にそういう私的諮問機関で論議したことを頭に置きながら八条機関というものをつくって、そこで改めて審議してもらうという方法だってあるわけですね。 例えば例の教育改革の問題、これもたしか官邸で一年がかりでいろんな問題を出していただいて、意見を聞かしてもらって、そして総理御自身あるいは文部大臣それぞれの、官房長官もそうですが、それぞれの意見を聞きながら、ああ、ここらに問題があるんだな、これはこのままじゃぐあいが悪い、きちんとした審議機関をつくって改めて審議をしてもらおう。しかし、その私的諮問機関でいろんな意見が出ていますから、それは頭の中に置いていますけれども、それを今度は八条によってつくった審議機関でその意見に別段拘束されるといったようなことは全くありませんから、いずれにせよ、そういう大きな政策を考える場合に事前に私的諮問機関というようなもの、殊に総理なんかはそうだと思いますが、そういう機関をつくって、各方面の本当の専門家の意見を聞きながら自分の頭を整理していくということは、これはどちらかというと、いいことではないのか。別段それで立法府の権限を侵すわけでもないし、同時にまた改めて大規模な審議会を八条機関としてつくるというとき、そこの議論をそれで制約するというわけではありませんね。しかし、総理自身あるいは各省大臣自身がある意味においての指導力を発揮しなきゃならぬというときの腹構えというものをそこでつくるということは、お認め願った方がいいんじゃないかな。これは私の見解でございます。現在そういうような意味においていわゆる私的懇談会なるものが設けられておるんだと、かように私は理解をいたしております。
○野田哲君 長官、私は公的な審議会をやめてしまって私的審議会で十分意見を聞けということを言っているんじゃないんです。逆なんで、民間の有識者の意見を大いに聞いて政治や行政に反映していくことは大事なことだと思うんです。しかし、法律に基づいた公的な審議会でそれぞれ各界の有識者の参加を得て建議を願うような場がたくさんあるわけです。二百幾らも審議会があるわけですから、あらゆる行政分野についてそういう機関があるんだと思うんだし、それは法律に基づいて人選についても偏らないような人選をちゃんと目配りをしてあるわけなんです。 問題は、そういう公的な審議機関を全くたなざらしにしておいて、そこは全く活用しないで、総理なら総理好みの人をブレーンに集めて、そして一定の国の重要政策について意見を求める、それをいかにもにしきの御旗のようにするやり方に問題があるんじゃないか、こういうふうに指摘しているわけなんです。 そういう点から調べてみると、最近、中曽根内閣になってから総理直属の私的諮問機関が非常にふえているんです。文化と教育に関する懇談会というのをやりましたね。平和問題研究会というのをやっている。官房長官の諮問機関ということになっているようですが、閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会。こういう国論を二分するような問題について総理好みの人を集めて、そこで初めから総理がこういう検討をやってくれということで方向を自分でつけて、それに沿った見解を出させて、それがあたかも国民の世論の方向だというような活用の仕方は私はとるべき措置ではないと思うんです。特に平和問題研究会などというのは、総理自身が研究するんであれば、国会の中で、防衛問題あるいは安全保障問題についてみずから議論の場に出て、予算委員会では総理はいろいろこの問題については答弁に立っているようですが、それ以外でもまず国会での議論の中で国民の意見を反映さすべきだ、こういうふうに思うわけなんです。文化と教育に関する懇談会、何も総理がみずからブレーンを集めてやらなくっても、ちゃんと中央教育審議会とか、あるいは文部省にいろんな文化関係、教育関係の審議機関があるわけなんですから、そこを活用すればいいわけなんです。まして官房長官がおやりになっている靖国神社参拝問題に関する懇談会で、国会で政府が見解を述べ法制局長官も見解を述べた法律的な見解を、あなたが私的なブレーンを集めて検討してみたところで変えられるはずはないでしょう。それを何かそこをクッションにして方向転換をしよう。これは今までの国会論議を全くないがしろにする私的懇談会、審議機関じゃないでしょうか。そういうような点についての懸念があるんだということを私は指摘しておきたいと思うんです。官房長官いかがでしょうか、その点。
○国務大臣(藤波孝生君) 今お答えを申し上げてまいりましたように、それぞれ公正な方々のいろんな御意見を聞くとか、あるいは専門的な知識を持った方に御意見を伺うとかというようなことで、総理大臣がいろいろな判断をいたします参考にさせていただくということで懇談会を設けてきたところでございます。もちろん、国会におきます論議は内閣として最も尊重すべきものでございまして、また同時に、進んで内閣総理大臣も各大臣も国会の論議に参画をさせていただいて、いろいろ政府の考え方も申し上げると同時に議員、各党の御意見も伺う、そこで論議を深めるという基本的な姿勢というものは最も大事であるというふうに考えておるところでございます。 具体的に今お話が出ましたので少しお答えをしますが、例えば文化と教育に関する懇談会、今までも中央教育審議会を中心にして文部省としてもいろいろ教育や文化の問題に取り組んできている。しかし、どうも全国の学校の様子を見てみても、あるいは子供たちの児童、生徒、学生のいろんな実態を見てみてもいろいろ問題なしとしない。これは総理大臣のところでいろいろもう少し考えてくれたらどうか。各方面からそんな御意見もございまして、総理自身が文化と教育に関していろいろ御意見を伺いたいということで懇談会をお願いしてきたところでございます。 平和問題研究会の場合も、総合的に安全保障の問題を考える、こういうことで、中曽根好みの人たちに集まってもらってというお話でございますが、これは例えば外交の権威者であるとか、あるいは食糧問題の権威者であるとか、エネルギー問題はどうかというふうに、各界のことを十分頭に置いてそれらを総合的に安全保障としてどう構えたらいいかというようなことをいろいろ御意見をお述べいただいてきたところでございまして、高度情報社会に関する懇談会につきましても同じことが言えると思うのでございます。 問題は、行政が縦割りになっておるものですから、どうしても各省庁ごとに問題意識を持って政策課題とどう取り組んでいくかという対応をいたしておりますけれども、社会の動きは非常に複雑になっておるものですから、なかなか縦割りの省庁のその部分だけで見ておったのでは解決にならないというような問題が随分ございまして、そういう意味では文化と教育に関する懇談会も、これは文教行政だけでなく、これはもう人間の生涯として、例えば厚生省の仕事も労働省の仕事もいろいろ一緒に考えてみなければいかぬということでいろんな御意見をいただいてきたところでございますし、平和問題研究会にしても、高度情報社会に関する懇談会にいたしましても、各省庁にまたがるいろんな問題について実は御意見を述べていただいた。そんなことで、特に中曽根内閣になって総理大臣の私的の懇談会がふえたのではないかということについてお答えをすれば、そういう必要性が随分ふえてきておるということを申し上げなければならぬかと思うのでございます。 出されました意見につきましては、政府が政策を決定いたしてまいります際に参考にさせていただくという建前を貫いてきておりまして、そこで懇談会が一つの意見がまとまったからそれを隠れみのにして政府は方針を決定していくというような誤解のないようにいろいろ考えて取り組んできているところでございますので、どうか深い御理解をいただきまして、これらのいいところを活用さしていただくということにぜひお願いをしたい、こう考えておる次第でございます。 なお、公的な審議会を大事にしなければならぬということにつきましても、これも御指摘のとおりでございまして、ただ、一つのテーマをめぐって少し時間をかけていろいろ御意見を伺うというようなこととか、あるいは今申し上げましたように、総理大臣や官房長官の場合には各省庁にまたがる問題についていろいろ意見を伺うとかといったような必要性もございますので、ぜひその点も御理解をいただきたいと、このように考える次第でございます。
○野田哲君 初めは厳粛に受けとめておりますということで、私が質問していろいろ答えていただくと、ちっとも厳粛に受けとめておられないような気がするわけですが、この問題はまた機会を見て具体的な例を挙げて私は政府の注意を喚起していきたいと思います。官房長官、もう結構でございます。 そこで、一つこの具体例を挙げて一体こういう形でいいのかなと思う点について総務庁の見解をただしていきたいと思うんです。 資料によりますと、総務庁、総務庁というよりも前の総理府時代に昭和五十九年度まで公務員問題懇談会という諮問機関を設置していたようでありますが、これはいつからいつまでこれが設置されていたのか、まずその点からお答えいただきたいと思います。
○政府委員(藤井良二君) 公務員問題懇談会は、昭和五十年二月二十日の総務長官決定によりまして、公務員制度の運営に資するため、公務員制度に造詣の深い学識経験者の参集を求めまして、公務員制度運用上の問題について、その現状等を御説明申し上げるとともに種々の御教授をいただいていたわけでございますけれども、これは昨年七月の総務庁の発足と同時に消滅しております。
○野田哲君 参考のために構成メンバーをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(藤井良二君) 構成メンバーはおおむね十人ということでございまして、座長が佐藤朝生先生、それから泉美之松先生、河合良一先生、柴田護先生、田上穰治先生、林修三先生、堀秀夫先生、本田宗一郎先生、増子正宏先生、この九名の方でございます。
○野田哲君 今説明のあった公務員問題懇談会で、五十年二月二十日設置ですか、それ以来五十九年総務庁発足までの間にどのような問題をここで協議してきたわけですか。
○政府委員(藤井良二君) いろいろの公務員制度運用上の問題を取り上げられております。例えば国家公務員の人員構成の現状と問題点、特に公務員の人員構成の中ぶくれ問題だとか、あるいはILOの第二回公務員合同委員会の結果報告についてだとか、それから週休二日制の施行についてだとか、そういった問題について御議論をいただいております。
○野田哲君 昭和五十六年、五十七年に公務員の給与改定問題がこの公務員問題懇談会で協議されているようでありますが、五十六年、五十七年にはこの公務員の給与改定問題でどういう協議が行われているわけですか。
○政府委員(藤井良二君) これは私、ちょうどこの当時おりませんのでよくわかりませんが、私がいた当時のお話をいたしますと、公務員給与問題については、大体人事院勧告が出たときにその御説明をいたします。その後法案が決まった後にもまた御説明いたします。そういった程度でございます。
○野田哲君 藤井人事局長はそのころは別の部署におられたわけですから、あなた自身は直接これにはかかわって議論は聞いておらないと思うんですけれども、記録はあると思うんですね。恐らく昭和五十六年、五十七年ということになると、その前十年ばかり公務員給与については人事院勧告が完全実施をされていたわけであります。それが五十六年にこういう公務員問題懇談会というような機関を私的につくって、ここで公務員の給与改定問題が議論されているということになると、これは私どもの推定でありますけれども、五十六年から凍結が始まった、削減が始まったというときでありますから、そのことについて一体ここでどういう議論がされたのか。それを受けて、当時の総務長官としてはどういう見解をここで述べているのか、そういう点、私どもとしては非常に興味を持っているところです。 それ以上のせんさくはきょうはやめますけれども、もう一つ伺いたいのは総務庁設置法についてです。後藤田長官、よく聞いておいていただきたい。最後にお答えいただきたいと思うんです。 昭和五十八年の十二月二日に総務庁設置法が決定しています。この総務庁設置法の第六条に「公務員制度審議会」という規定がございます。 第六条 総務庁に、公務員制度審議会を置く。 2 審議会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、国家公務員、地方公務員及び公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項について調査審議し、及びこれらの事項に関し内閣総理大臣に建議する。 3 審議会は、学識経験のある者、国、地方公共団体及び公共企業体を代表する者並びに国、地方公共団体及び公共企業体の職員を代表する者のうちから、内閣総理大臣が任命する二十人以内の委員で組織する。 いわゆる三者構成を明記されているわけであります。 4 前二項に定める者のほか、審議会の組織、所掌事務及び委員その他の職員その他審議会に関し必要な事項については、政令で定める。 こういうふうになっておりまして、その総務庁設置法が制定される前の総理府の設置法ではこれと同じ規定が第十四条に定められていたわけであります。この公務員制度審議会、第六条に規定されている審議会、この委員は現在どうなっておりますか。
○政府委員(藤井良二君) 昭和四十八年九月三日の日に第三次公制審が終わりまして、その時点において委員はすべて任期が来たわけでございますが、その後は任命しておりません。
○野田哲君 なぜ法律にあるのに任命していないんですか。
○政府委員(藤井良二君) 公務員制度審議会というのは、公務員の制度に関し必要な事項について審議していただくわけでございますけれども、一応第三次公制審の答申におきまして結論が出まして、その結論が出たものですから、その後は別段問題がないので任命してないということでございます。
○野田哲君 しかし、必要があるから、昭和五十八年の十二月に総務庁設置法に基づいて総務庁が発足するときにもその設置法第六条にこの公務員制度審議会の設置を規定したんじゃないんですか。
○政府委員(藤井良二君) 設置法にこの公制審を載せましたのは、総理府設置法の組織をそのまま設置法の方に移すということで総務庁設置法の中に規定しているわけでございますけれども、これは当然問題が起きれば、問題が起きればといいますか、内閣総理大臣の諮問があれば、当然委員を任命して運営していくことになると思います。
○野田哲君 法律に基づいた公務員制度審議会というのがある。それを休眠状態にしておいて、別に当時の総務長官が公務員問題懇談会を私的機関として設置して、そこで今説明があったように、公務員の給与制度とか、あるいはILOの状況であるとか、公務員二法案とか、こういう問題を協議している。これは総務庁長官の就任前のことですけれども、これは行政機構の運用としておかしいとは思われませんか。いかがですか、大臣。
○国務大臣(後藤田正晴君) この公務員制度審議会は、先ほど御質問にありましたように、国家公務員あるいは公企体職員の労働関係の基本問題ということでつくったわけですね。ところが、これは私の記憶が正しければ、直接のあれはスト権ストの問題だったと私は理解しているんです。当時私は官房副長官時代じゃなかったかなと思いますが、あそこで前田さんなんかが会長で大変な論議しておったことを記憶しております。 そこで、その後これが悪い言葉で言えば開店休業、しかし法律はそのままある。こういうものはほかにもあるんです。例えば選挙制度審議会というのがあるんです。これもやっぱり内閣にあるんです。ところがこれも四十七年以来委員が任命せられてない。そこで総務庁をつくるときに、実はできる限り審議会とか、こういうものは整理せいということを、私は当時官房長官でございましたから、副長官にお願いをしていろいろ各省と折衝したわけでございます。その中でこれもあったわけですけれども、こういった労働関係の基本問題を審議するということは、これは先行きまたいろんな問題があるかもしらぬ、したがって、これをこの際廃止するというわけにはまいらぬということで、実は引き続いて存置するということになって総務庁設置法の中に入ったと、こういう経緯でございます。 もう一つの方の公務員問題懇談会、これは私の承知している範囲では、当面の公務員制度の運用問題ということでおつくりになったと承知しておるんですが、私が行管長官をやっておる間に一遍もこれは会合を開いたことはありませんしするので、これはもうやめてもらいたいということで、これは廃止してもらったということで、今はこれはなくしているはずでございます。 基本的には、八条機関の審議会等がともかく二百十四あるのですよ。そのほかさっきの私的諮問機関もありますから、基本の私の考え方は、余り活用せられてないものは整理すべきものは整理することが必要であろうと考えておるのです。しかし、この公務員制度審議会は、これはこれから先の公務員なりあるいは公企体の職員の労使の基本問題で何かあるといったときには、こういうところで審議していただかなきゃなりませんから、当面はこれは置いておかなければならぬと、かように考えておるわけでございます。
○野田哲君 公務員制度審議会ですがね、 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕 法律によると「国家公務員、地方公務員及び公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項について調査審議し、及びこれらの事項に関し内閣総理大臣に建議する。」と、こうなっているわけです。 今、総務庁長官は、このスト権ストの問題で労働基本権問題をどうするかというのを当時議論を願ったと言う、そのとおりだと私も記憶しております。それ以降休眠状態にある間に、法律に書かれているように、国家公務員や地方公務員、公企体の労働関係の基本に関する事項について調査審議する必要は一切なかったのかということなんです。 この公務員関係、公務関係の職員の労働関係の基本に関する事項とは一体何であるのか。私が認識するところでは、人事院勧告が凍結される、あるいは勧告が出ても大幅に削減される、そしてそのことについてILOに提訴され、ILOからも昨年一定の見解が出されております。人事院勧告制度、これからも守れないようであれば、この労働条件の決定についての労働組合の参加する方途について検討しなければならない、こういうような意味のことも言われている。これは公務員の労働関係の基本にかかわることではないのか。そういう問題があればどこで議論をすればいいのか。これは今の時点でいえば、ILOからもそういう指摘を受けているとすれば、公務員制度審議会の委員を任命して、機能させて議論させることがILOの指摘にこたえることでもあるし、公務関係の労働関係を重視する姿勢のあらわれになってくるのではないか。こういうふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御説のような御意見もあろうかと思いますけれども、政府は今の人事院制度、これを改めるという考え方は持っていないわけなんです。人事院の勧告制度というものを尊重しながら公務員の給与その他は決めていく、これを堅持していきたい、こう考えております。 そこで、ILOなんかからもいろんな御意見が出ておりますが、このILOの勧告の理解の仕方も、ともかく公務員の給与についての人事院勧告が機能しないというようなことでは困る、勧告を完全実施に向けて政府としては誠意を持って対応すべしという基本の勧告であろう、こう理解しておりますから、制度の改正というよりは、私どもは何よりもともかく人事院勧告を完全実施に向けて最大の努力をして本当に完全実施する、これをやっていくことが私どもとしては先決の問題だ。かように考えておりますから、今御説のような公務員制度審議会にかけて人事院制度そのものを論議するというようなことは、私はまだ考えておりませんから、その点はひとつ御理解をしておいていただきたい、かように思います。
○野田哲君 つまり現行の人事院勧告制度のもとでそれを変更するようなことは考えていないから、公務員制度審議会は機能させる必要はない。それは完全実施をする、こういうことですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるようにともかく勧告を完全実施する方が先決だ、これに向けて最大限の努力をする。公務員制度審議会にかけるという場合は、この制度をどうこうするということにでもなればこの審議会を再開しなきゃならぬと思うんですけれども、私は今そういうことは考えていない、こういうことでございます。
○野田哲君 長官、この制度について検討しろとILOから言われているわけですから、制度について検討する場合には当然この公務員制度審議会が必要になってくる。しかし完全実施をするんだから、制度に手をつけないからこれは必要ない。こういうことなら、私はそう受けとめてこの問題は終わりたいと思います。 時間もちょっと残っておりますが、これで終わります。
○原田立君 今回のこの改正案につきましてさきに法律案の提案理由の説明があったわけでありますが、「三支局をめぐる行政環境には著しい状況の変化を生じているところであります。」というこのくだりにつきまして、先ほども御答弁がありましたが、再度、考え方で結構ですから、御答弁願いたい。
○政府委員(古橋源六郎君) 提案理由で申し上げました状況の変化とは何か、こういう御質問でございますが、これにつきましては、二点状況の変化としては考えられるのではないか、こういうふうに考えております。第一には、五十五年の支局開庁後に臨時行政調査会が発足いたしまして、その答申に基づきまして、国の地方支分部局のあり方に対する新たな行政改革の方針が設定されたことでございます。五十八年三月の臨調答申におきましては、ブロック段階の機関を基幹的な組織として位置づけますとともに、地方支分部局の整理合理化の重点を府県単位機関及び支所、出張所に置くこととされまして、これを受けて府県単位機関の整理法が五十九年十月に制定、施行されたわけでございます。これによりまして、ブロック段階の機関へ事務、人員をできる限り集中するということによります府県単位機関の整理合理化を現在推進中でございますが、その過程におきまして、監察支局及び財務支局は、一般のブロック機関とともに管内の府県単位機関の合理化のいわば受け皿となっておるわけでございまして、その重要性が昭和五十五年の支局設置当時よりも増大しておるということが一つでございます。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 また、同じように地方医務支局につきましても、先ほど厚生省の方からお話がございましたように、臨調答申を受けまして、国立病院・療養所の再編成を進めるに当たりまして、その推進機関としての役割が期待されております。そして支局の重要性は五十五年当時よりも高まってきておるということが大きな第一点でございます。 第二点は、各機関の果たしております機能が五十五年当時よりも増大したということでございます。例えば福岡財務支局につきましては、先ほど大蔵当局から御説明ございましたけれども、貸し金業法のサラ金の規制の問題であるとか、あるいは四月一日からの専売制度の改革に伴いますたばこ事業法によります許認可というような事務が新たに生じてまいりましたし、また行政監察局の支局の行政監察事務等につきましても、最近におきます行政が広域化をしてまいりまして、それに伴います監察機能の強化ということも言われておるわけでございます。 また、地方医務支局につきましても、国立病院・療養所等の運営の適正化でございますとか、地元のそれらの指導監督等の業務が非常に重要性を増してきておりますので、地域医療等のこれら国立病院・療養所との調整でございますとか、そういうような業務のウエートが高まってきておる。以上の二点がその後の情勢の変化ということでございます。
○原田立君 要するに仕事がなお増加してくるということでこの三者にかかわる支局を存置する、こういうふうに理解をするわけであります。 ところで、今も話があったけれども、提案理由説明のその次に、「かかる状況の変化及び行政サ ービスの低下を来さないよう配慮すべきであるとするかつての両院の附帯決議の趣旨等を踏まえつつ」——実はこういうふうな提案理由の説明を聞くのは私は初めてなんですけれども、それはいいとして、「三支局のあり方について総合的な検討を加えた結果、今般、三支局について、行政機構の簡素合理化の観点から、昭和六十年度に内部組織の縮小合理化及び要員の縮減等の措置を講じた上で、引き続きこれらを存置すべきであるとの結論を得て、ここにこの法律案を提出した次第であります。」、こうある。話が食い違っているんじゃないか、こう思うんです。 支局を存置するのは、今後も業務が多くなるということの上に立って存置するんだ、だから北九州、南九州財務局が一つに合体したときよりもなお業務が拡大しているから存置するんだということになる、財務支局の話ですけれども。ところが、そう言っておきながら、片っ方では、人員の縮小管理をするというのはちょっと矛盾があるのじゃないかな。こう思うんですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(古橋源六郎君) 支局を設置いたしました昭和五十五年当時、このときにおきましては、これは将来廃止するという方向で考えられたわけでございます。そのときに、廃止をいたしますれば、これは大蔵省の場合でございますれば財務部並みの機構になってしまう。しかし、現在それを廃止してしまって財務部並みの機構にしてしまえば、それはその後の情勢、先ほど申し上げましたような情勢の変化に対応する事務事業に対応できない。したがって、財務部よりも、現地府県単位機関的なものよりも大きい業務が必要である。そういう前提で、まず前提としては準ブロック機関的なものにいたしますけれども、しかしその場合におきましても、準ブロック機関的なものにいたしましても、国会におきまして廃止するという方向を一応いただいておりますので、もう一回簡素合理化の観点からそれを見直しをしよう、そしてこの際合理化をいたしましょうということで、三支局につきまして徹底的な事務の見直しをお願いいたしまして、現地事務処理機関よりは大きいのでございますけれども、それに伴います事務事業の見直しをお願いした、こういう次第でございます。
○原田立君 要するに福岡財務支局の場合、三部制を二部制にする、総務部長を廃止する、一部一次長も外すということと、合同庁舎管理官、首席国有財産監査官の二官を廃止する、徴収課一課を廃止する、こういうふうな資料を私はもらっておる。これはこれに間違いないんだろうと思うんだけれども、業務量が大幅に伸びているにもかかわらずこういう定員縮減を行うということは、先ほどの行政サービスの確保及び労働強化につながらないのかと心配するんですけれども、この点どうですか。
○政府委員(古橋源六郎君) 担当の各省の方から御説明を申し上げます。
○政府委員(小田原定君) 福岡財務支局、ただいま先生御指摘のとおり、総務部を廃止し、あと残りますのは理財部と管財部でございますが、管財部の次長も廃止をいたしまして、それから課長相当のポストで合同庁舎管理官、それから首席国有財産監査官、それと徴収課、この三つの廃止は先生今述べられたとおりでございます。そして支局の定員のおおむね一〇%に相当する二十一名の縮減を六十年度に行うという予定をしております。 このような簡素合理化措置によって、現在の福岡財務支局の機能を維持しつつ実施したいと思っておりまして、五十五年秋に本院でいただきました地元住民に対する行政サービスを低下させないように配慮して行政運営に努めてまいりたいと思っております。 また、労働強化にならないかという御指摘でございますが、極力事務処理の合理化、機械化等に努めまして、そのようなことがないよう運営に当たっていきたいと思いますので、御理解を賜りたいと思っています。
○原田立君 今の話、それで結構ですよ。ただ、結論的に言うと、行政サービスの低下にならないように、あるいはまた労働強化にならないように十分配慮してもらわなきゃならない。要員の二十一人を削減するということは、資料で明らかなんですから、そんなようなことがあってはならないという意味で聞いたわけなんです。 それから臨調の答申を受けて地方支分部局のうち府県単位機関の整理合理化が進められつつあるわけでありますが、総務庁あるいは大蔵省関係での部局の廃止に伴い、府県単位機関として行政監察事務所、財務事務所が設置されておりまして、これら事務所について昭和六十三年度末までに定員の大幅縮減が図られるということになっているんでありますが、これは一体どういうふうな内容なのか。 お答え願う前にさらに聞くんでありますが、五十九年一月二十五日閣議決定の文書で、行管庁は「行政監察事務所を配置する」、そして「六十三年度末までに二〇パーセント程度(約一一〇人)を縮減することとし」云々、また大蔵省にあっては、「昭和六十三年度末までに二〇パーセント程度(約四〇〇人)を縮減することとし」云々、こうなっておりますが、これは現実にできるのかどうか。その点はいかがですか。
○政府委員(竹村晟君) 監察局の関係についてお答えいたしますが、行政監察事務所、全国で三十八カ所ありまして、五十九年度から五カ年間で二〇%の職員の縮減をするということで、大体一事務所当たりに換算いたしますと約十六人くらいから十三人くらいということになりまして、これは業務の合理化によりまして十分対応できるというふうに考えております。
○政府委員(小田原定君) 五十九年一月二十五日の行革大綱で、大蔵省関係の財務部を昨年十月に財務事務所という現地的事務処理機関として整理したわけでございますが、私どもといたしましては、五十九年度にはそれに伴いまして、従来の財務部がやっておりました主計の事務、商品券の取り締まり事務、有価証券通知書の受理事務、信用金庫の検査の事務等を財務局の本局ないしは福岡の場合ですと支局に集中いたすこととしました。 そこで、全国全体では、五十九年度では百人を本支局へ引き揚げるという措置を実施したところでございます。また来年度、六十年度においては、昨年の暮れ十二月二十九日の行革に関する閣議決定でさらに七十五人の定員を縮減することといたしまして、それに伴いまして、財務事務所から、資金運用部資金の管理、同じく回収事務等を本局ないしは支局へ集中を行うという予定をしております。そういうことで五十九年度から六十三年度までの五カ年間で財務事務所から本局支局へ約四百人を今までのような事務の見直し等を行いながらやっていく、今後とも着実にこれを実施してまいる所存でありますが、業務事務の運営上、各財務局で住民に対してサービスが低下しないように努力してまいりたいし、また職員に対しても事務の合理化等の努力をしつつ職員の労働強化にならぬようにやっていきたいと思っております。
○原田立君 福岡財務支局について言えば、全九州の経済圏の中にあって福岡の地位はますます高まると私は思うんです。実際そうなってきております。その存在価値が重要視されているわけでありますが、前回の法改正の際に、福岡かあるいは熊本かで大変な激論を交わしたわけでありまして、我々としてみれば後味の悪い結果になっているんですよ、このことは。 ここで長官に聞くんですけれども、今後ともますます福岡の比重が高まった場合に、再検討し、福岡をブロック機関に格上げするようなことも考えられるかどうか、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 残念ながら考えておりません。
○原田立君 随分そっけない御返事ですけれども、地方支部について、ブロック段階の機関も府県単位の機関も強力に整理合理化が厳しく実施されているわけであります。だから地方支分部局は国の行政と地域住民との接点に位置しており、大変重要な役割を担っているのが実情であると思う んです。行政改革の推進は重要であるが、反面、整理合理化のやり過ぎとか、あるいは行政サービスの低下につながるようなことは、そういうことはやめなきゃいけない。この点を配慮しての両院における附帯決議となっているんであります。もう一度長官の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) もちろん行政サービスの低下なんということを来さないという基本線に立ちながら、業務の整理あるいは業務の配分、それらを考えまして行政改革を進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
○内藤功君 それでは最初に後藤田長官にお伺いいたします。 「行政改革に関する当面の実施方針について」という昭和五十九年一月二十五日の閣議決定がなされまして、その中で国立病院・療養所については十年を目途に整理合理化の対象となる施設の選定などが決定されたわけであります。ところが、この閣議決定の後、全国の地方議会の七五・二%に当たる二千五百一の自治体におきまして国立医療機関の存続強化を求める決議が行われております。長官の御出身の徳島県を調べてみましたが、自治体五十一議会中四十八議会で決議されておる、こういう数字でございます。こういう強い全国的な要請をどのように受けとめられておりますか、御見解を承りたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) 行政改革をやろうとすれば、いろんな御陳情その他があることは当然のことでございますが、その陳情には耳を傾けなければならぬと思いますけれども、それに流されるというわけにはまいらないわけでございまして、やらなければならない課題だけはやらさしていただきたい、こう思っておるわけであります。 国立病院・療養所、これは御案内のように発足当時の沿革がございまして地域的に非常に偏在をしておるわけです。それからもう一点は、公・私立の医療機関との関係で、国立病院つまり国の果たすべき医療機能は一体何かといったような見地からの機能の発揮が求められておると思います。 こういう観点に立っての臨調の御答申であり、私どもも、いかにももっともだろう、こう考えておるわけでございますが、これは何せ地域医療等も密接に関連している問題でございますから、そう簡単に右から左というわけにまいりませんので、大体十年間ぐらいの期間でこれを整理統合しながら、国民の国立病院らしい医療機能に対する期待を損なわないような形で実施していきたい、かように考えるわけでございます。 内藤さんのところへ私の県の陳情が行っているようですが、私のところには陳情は来ておらぬのです。どういうことになっておるのか、まあ私がこういう立場ですから遠慮していらっしゃるのかもしれません。いずれにいたしましても、それはそれとして、先ほどお答えしたような線に沿って合理的な、全国的な、しかも国立病院らしい機能、これの発揮ができるように統合、整理合理化、これをやらさしていただきたい、かように考えております。
○内藤功君 本年の二月一日に国立病院・療養所再編成問題等懇談会から厚生省に出されました意見書でございますが、この中で国立病院・療養所の再編成について触れておりまして、こう書いてあります。「経営効率上及び国立医療機関としての機能上の見地からすれば、通常、病床数三百床を下廻る程度の規模の施設が検討の対象となるであろう。」ということであります。 この三百床というような目安が、全国各地の三百床未満の国立医療機関を抱える自治体や地域住民あるいは患者さんとの間に非常な不安を起こしていると私は思うんです。この中には「弾力的に考える」と書いてありますけれども、しかし不安が絶えない。先般、私、長崎県に行きましたが、長崎県でもそういうお話を伺いました。これは離島の関係です。 そこで厚生省にお答え願いたいんですが、再編成の指標は三月いっぱいに提出するという御答弁も国会であったようでございますが、その準備はできているのか。もう一点関連して、三百床のベッドを持つ病院と三百床以下の施設では何か大きな差があるのでしょうか。大変素人っぽい質問ですが、お答え願いたいと思います。
○説明員(木戸脩君) 第一点目の再編成の基本指針でございますが、現在三月末に大詰めに来ております。今、最終的に厚生省としての意思を固めまして閣議の方に厚生大臣から報告をいたしたいというふうに考えておりまして、今、最終的な詰めを各省庁と行っているところでございますので、近々閣議に報告をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 それから三百床云々の問題でございますが、三百床と三百床以下で機能に差があるかということでございますが、三百床というのは、お医者さんの臨床研修の指定病院が大体三百床がめどということになっておりますので、三百床以上といいますと、総合性から見て、あるいは専門性から見て、かなり機能が一般的には高いというようなことが言えるわけでございます。それからいわゆる日常の経常収支という面から見ましても、三百床以上の方が三百床未満のものに比べますればかなり経営はよろしいと、こういう点がございます。
○内藤功君 しかし、三百床以上の病院は黒字が非常に多く、三百床未満は赤字が非常に多いというような法則的、統計的なものはありますか。 それから国立の場合、三百床以上であってもそれ以下であっても、国立の場合は赤字の経営が非常に多いと私は聞いておりますが、その点いかがなものでしょうか。
○説明員(木戸脩君) 昭和五十八年度、例えば国立病院の方の決算状況を見てみますると、全体の経常収支率、つまり収入と支出の割合でございますが、支出が収入を上回っておりまして、その比率は九九・六%。こういうことになっているわけでございますが、例えば百九十九床未満の場合は収支率は九一・五である。それから二百床から二百九十九床までは九八・二である。それから三百床から三百九十九床は九九・四である。それから四百床から四百九十九床までは一〇一・四。こういったような数字になっているわけでございます。 それから国立療養所の方の収支率でございますが、これは収入と支出の比率は八三・六ということで、慢性疾患ということもございまして、収支率は療養所の方が悪くなっているわけでございますが、百九十九床までの場合の収支率が七六・〇、それから二百床から二百九十九床が八三・九、それから三百床から三百九十九床が八四・一、それから四百床から四百九十九床が八八・二、それから五百床以上が八二・三というような数字になっているわけでございまして、総じてみれば、全体としてそれは公的医療機関でございますので、収支率は民間のようにはいかないわけでございますが、病床の規模という点から見れば、概してみれば、小規模の方が経営効率が悪い、特に二百床未満においては経営効率が悪いというのは、今申し上げた数字からもある程度はわかるわけでございます。
○内藤功君 次に、自治省にお伺いしたいんです。全国の自治体の経営する病院は、私の知るところ一千を超えると理解しております。地方自治体の経営する病院の実情ということについてお聞きしたいんですが、私の調べたところでは、かなり経営の苦しい病院が多い。また民間医療機関が余り手を出さない難病等に積極的に取り組む。もともと採算から見れば難しい分野にも、地域住民の健康という観点で努力するというような現状を、かなり深刻なお話を聞いているんですが、その現状について簡潔で結構ですからお答えいただきたい。
○説明員(石田淳君) お答えいたします。 昭和五十八年の決算統計でございますが、五十八年度の決算におきましては、患者数の増加等によりまして、前年度に比べて若干好転しまして、経常損益の赤字が、五十七年度四百三億でございましたが三百八十五億に、十八億減少するという結果になったわけでございますが、依然として赤字の基調というものは変わりませず、過半数以上の事業が赤字でございまして、自治体病院はこのように非常に経営としては厳しい状況にあるということでございます。 以上でございます。
○内藤功君 そういう現状だというお話ですが、そこに立ちましてお伺いしたいのは、先ほど出しました懇談会の意見書に、「経営移譲の対象とすべき国立病院・療養所」というのがありまして、その中で、「国が直営するよりも地方公共団体等が経営することが適当と考えられるものについては、地方公共団体等への経営移譲の対象として検討すべきである。」と、こういうところがあるわけです。先ほどのような状況ですと、自治体としては容易にこれはわかりましたというわけにはいかぬと思うんですね。現在でも経営が大変な自治体病院を抱えている。そこへまた国から経営を移されるというようなことは非常に難しいと思うんですが、こういうような懇談会の意見書が出ているんですが、自治省はどういうふうに考えられるか。 関連してもう一点。官庁速報の二月十八日付を見ましたら、自治省は厚生省に対して、これは「地方に負担を転嫁するものだ」と反対の申し入れを行う方針であることも報道されておりますが、何かこれについて具体的な申し入れなどを役所としてされたのでしょうか、されるのでしょうか。
○説明員(石田淳君) 国立病院・療養所の再編成に当たりましては、私どもとしては、国及び地方公共団体を通じて行政の減量化を図るという行政改革の基本理念に沿って進められるべきであると考えておりまして、単に国の財政負担の軽減を図るため地方公共団体に経営を移譲することのないようにすべきであると、こういうふうに考えておるわけでございます。 今お話しのように、厚生省におきましては、懇談会の意見書を踏まえて再編成の基本方針を策定されると聞いておりますが、自治省としましては、今申し上げた基本的姿勢に立って今後厚生省と慎重に協議してまいりたいと、かように思っております。
○内藤功君 そこで、具体的な例をひとつ聞きたいんですが、新潟県に寺泊病院というのがあります。ベッドの定床は百床、診療内容は、特徴としては、てんかんの専門病院として県内にとどまらず近県でも相当有名である、こういうふうに言われております。 詳しいことは省略いたしますが、ここが地域の中で非常に重要な役割を担っておるわけでございます。最近ではこの寺泊の場合は、新築移転をして病舎、医療機器等も最新のものを購入しているというふうに聞いております。この病院、国立病院・療養所の存置については、最近、新潟県議会の本会議でもこの存置ということが決議されている。地元紙などでも、例えば新潟日報の社説なんかでは、単なる赤字減らしの統廃合、再編では混乱をあおるだけだ、生命にかかわるだけに予想以上にこの衝撃は大きいというような批判を加えておるところでございます。現場の職員あるいは患者の人たち、近隣の人たちの意思というものももっとくみ上げて国立医療の水準を一層発展させるという意味で、厚生省は毅然とした態度をとってこれに対処すべきだと私は思うんですが、新潟県下のこの病院の問題についてはどのように認識しておられ、またどのように対処なさるお考えかお伺いしたいと思うんです。
○説明員(木戸脩君) 御質問のように寺泊病院は、入院定床が百床でございまして、最近はてんかんの専門施設として非常にユニークな存在になっておるわけでございます。この施設を含めまして新潟県内には七つの療養所と一つの国立病院があるわけでございますが、いわゆる小規模なものもあるわけでございます。 私どもといたしましては、今先生が御指摘のように、地元では存続してほしい、存続だけではなくむしろ充実をしてほしい、こういう御要望でございます。しかし、私どもといたしましては、現下の財政事情あるいは今後の広い意味での政府のあり方、こういうものを考えた場合に、何が何でも全部国立でやるというのは非常に難しいわけでございまして、臨調の答申、行革大綱、あるいはそれを受けましての今回の基本指針の策定に当たりましては、先ほど後藤田長官からも御答弁がありましたように国立らしいことを国立がやる、そして基本的、一般的な医療は民間なりあるいは自治体なり他の公的医療機関にやっていただく、こういう方向でやるべきだというふうに考えておりまして、新潟県内の施設あるいは地方議会からいろいろな陳情、要望が直接私どもの方に連日参っておりますが、基本的態度はそのような考え方でいきたいということで御理解を願いたいと思います。 なお、国立病院・療養所といえども地域医療に非常に根差しているのは事実でございますので、再編成、合理化ということになりました場合には、十分地元と協議をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○内藤功君 積極的な姿勢で臨んでもらいたいということを要望しておきます。 もう一つ問題があるんですが、群馬県にあります国立療養所の長寿園の問題であります。 この長寿園というのは、私も実際行ったことがありますが、昨年八月に廃止計画が発表されて以来、地元では住民大会が開かれるなど、廃止反対の声が強まっておるんですね。さらに近隣市町村におきましても、三十二の自治体におきまして存続決議がなされております。我が党の議員も他の委員会で質問し、取り上げております。厚生省はこの長寿園を統合廃止の第一号に挙げて、昭和六十一年の一月に廃止しようとしておられるようであります。 この長寿園は、近隣市町村の開業医の方からも大変その存在を感謝されている存在である。つまり開業医の方の手に負えない重い患者さんをここへ回す。回復して、開業医の方にかかれるぐらいに元気になればそちらに自宅から通わせる。そういうことで、地域の開業医の先生ともお互いに任務分担をし合っている、協力連携し合っている、こういう状況であると聞いております。 しかも、この長寿園のある場所は山間のいわゆる僻地であります。部落にただ一つの病院であります。ほかに開業医はこの辺一人もおりません。だから、この長寿園が整理されますと、たちまち僻地ということに輪をかけて無医村になってしまう、こういうわけであります。 私は、こういうやり方はぜひやめていただくようにお願いをしたい。僻地医療を充実させるというなら話はわかるんですが、国立病院や療養所をつぶして無医村を拡大するという結果は、厚生省の施策としてはとるべきではないと、かように思うわけです。むしろ僻地医療の推進というのは、逆に国がバックアップしない限りうまくいかないと思います。逆に過疎地における老人医療のモデル施設として確立してはどうか。これは私だけが言うわけじゃなくて、我が党のお医者さんの出身である浦井議員がこういうことを質問しておるのでございます。こういった点に特に重大な障害があるのでございましょうか、御答弁をお願いしたい。
○説明員(木戸脩君) 僻地医療の充実、そのためにも長寿園を存続という御指摘でございますが、僻地医療につきましては、厚生省としても医療上の非常に重大な施策だというふうに考えているわけでございますが、そのことが直ちにみずから国立がやるということにはならないのではないかというふうに考えておりまして、現在国立病院が僻地の診療所等を持っている場合も多少はございますが、しかし、全体といたしましては、僻地医療というのは、第一義的には地域の基本的、一般的医療だということで市町村が責任を持っていただく。それを国立がバックアップする。例えば、例を挙げて恐縮でございますが、長崎の中央病院という国立病院は僻地、離島にはヘリコプターで医師を派遣する、あるいは現地からの医療情報をコンピューターで長崎の中央病院が受ける、そういったような僻地の本当の最後の頼りになる病院というようなやり方をしてそれにこたえているわけ でございます。 具体的に長寿園の問題でございますが、御指摘のように長寿園には老人慢性疾患の患者さんがたくさん入っておられることは事実でございます。七〇%が七十歳以上だということも事実でございます。しかしながら、基本的な一般的医療は地域でやっていただく。そして実はここから四十キロばかり離れたところに西群馬病院という、いわば厚生省でも誇れる国立療養所があるわけでございまして、そちらの方に医療スタッフを重点的に配置いたしまして、そこで本当に医療の必要な患者さんについてはそちらの方に移っていただく。 それから、実は後医療の問題、今いろいろ町と相談をしておるわけでございますが、後医療の問題については、一般的な医療については診療所を開く。それからどうしてもお年寄りでむしろ医療よりは介護が必要であるという方のためには、町が特別養護老人ホームを設置したいというふうに希望しておるようでございますので、厚生省としても補助金が非常に厳しい中でもこれに重点的に対処していくというようなことを考えて、いわばシステム的に対処していって、実質的にはできるだけ長寿園が統合した後の後医療に支障がないようにしたいというふうに考えているわけでございます。
○内藤功君 その地元との関係で、厚生省の担当者の方が地元の助役さんにメモを渡して、国が責任を持って診療所を建てて、運営については町の負担にならないようにするというメモをお渡しになったということを私はお聞きしたんです。木戸審議官メモというのがあるんだそうですが、失礼ですが、木戸審議官というのはあなたのことでございますか。そうですか。 そこでお伺いしたいんですが、どういう経過で今私の読んだこのメモ、コピーはここにございますが、できたんでしょうか。
○説明員(木戸脩君) 御指摘の私のメモでございますが、これは昨年の十一月の十四日に吾妻町の町長の名代として助役の方が参りまして、長寿園の統合により無医地区になるというんでは全く話にならない、存続を希望するけれどもどうしても存続ができないときに、後医療をどうしてくれるんだという話し合いをいろいろいたしまして、この際、地元の町議会なりあるいは関係者に厚生省はどういう態度でいるということを言ったらいいのか、それをはっきりしてほしいと。こういうことでございまして、そこで私が、自分はこういうことを言った、しかしその内容はこの限度であると、非常に微妙な時期でございましたので、私がこういうふうに言ってくださいということを言ったことを書きまして、メモにして渡しましたのが、どうも社会通念の上では必ずしも覚書ということではなさそうでございますが、それが出回ったということでございまして、要するに後医療の基本的なことについて提案したものでございまして、具体的な内容、方法については今後詰めることとしましょうと、こういういきさつで出されたものでございます。
○内藤功君 厚生省の責任あるお立場の方としてもっと慎重に行動していただくことを希望いたします。 こういう問題は、当該施設の職員の意見も十分に尊重し、耳を傾けて、誠意を持って事に当たる、民主主義のルールを貫く、入院患者や職員には一切心配をかけないようにする、こういうことを強く私は要望したいわけでございますが、木戸審議官、いかがでございますか。
○説明員(木戸脩君) いわゆる長寿園の統合問題につきましては、後医療の問題につきましては、今厚生省、まあ実際には私でございますが、私と町とはそういう基本的な約束になっているわけでございまして、現在、具体的にどういうふうにして後医療をやるのか、この診療所と後方病院である日赤との連携の問題、それから県とのかかわりの問題、今いろいろ詰めているところでございまして、全力を挙げましてできるだけ後医療に支障が生じないようにしてまいりたい、こういうふうに考えております。 それから職員の処遇の問題でございます。これは再編成の懇談会にも出ているように非常に重要な問題でございます。この問題につきましては、職員団体であります全医労とも交渉の際、二回ほど議題にございまして、今後とも長寿園に関し、労使関係に影響を及ぼすような事項については全医労に対し協議をしてまいりたいというふうに約束しているところでございますので、誠実に対処してまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 行政改革が今日の政治、行政上の最重要課題の一つでありまして、総理も去る一月二十五日の施政方針演説の中で、その積極的な推進を国民に公約されているところであります。とりわけ地方出先機関の整理は、当面、行政改革上不可欠の重要課題であると認識しておりますし、我が党はかねてから一貫して現業を除く地方出先機関は原則として廃止すべきであると主張し続けてまいりました。五十五年行革で、法律で設置機関を決めたということは、立法者すなわち国権の最高機関である国会としての意思を内外に向かって確定したものでありまして、行政府がその意思と異なる設置を提案するということは問題なしとしないと思います。 特に、政府が五年前の廃止方針を今日の段階で撤回するということは、臨調答申の精神に反するのではないか、行革推進への政治的、社会的支持を後退させて行革の環境条件を悪化させるおそれがあるのではないか、とりわけ国鉄改革や地方行革の推進に水を差すおそれはないか等々の批判が生ずることを憂慮する者の一人でございます。 そこで、総務庁長官は、総理の施政方針演説に示された行革推進の基本方針と、見方によりましては行革に逆行的な内容を持つと思われる本法案の提出という具体的措置との関係について、どのように説明されようとするのかお伺いいたします。
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるように、「三月三十一日までに廃止するものとする」と、こう立法府の御意思ははっきりしておるわけでございますから、それに従ってやるのが筋の通ったやり方である、こう思います。 ただ問題は、あのときのいろんないきさつがあったんだろうと思いますが、附帯決議がついているんですよ。この附帯決議は、行政サービスを落としたらあかんよと、こう書いてあるわけですね。そうしますと、三支局の各地からいろんな陳情がございました。しかし、この陳情というのは、これは地域住民の行政サービスに対する低下を来すではないかということが背景での御陳情なんですね。例えば福岡支局が事務所になるということになりますと、これは長崎とか佐賀とかの人は一々熊本に行かなきゃならない、これは一体どういうわけだといったようないろんな御意見があり、これはまた国会の御意田仙でもあったわけですね。そういう点があったということはまず御理解をしておいていただきたい。 一方、行革の基本の考え方は、これは私どもはあくまでも内政上の重要課題でございますから、第二臨調の答申の趣旨に沿ってこれはあくまでも完成していきたい、かように考えておりますので、この基本方針はかたく私どもとしては堅持をしていくつもりでおるわけでございます。 問題は、五十五年のあの改革、つまり今日これだけ通信とか交通機関が発達しているんだから県内機関はそのままでもよかろう、しかしブロック機関はもう二重、三重になっているから全部やめてしまったらどうか、こういう御意見が当時あったわけですよ。私はその線に沿って五十五年行革が行われたと思うんですね。そこで、入れ物から整理に入ろうということであれはやったわけです。私は当時自治大臣でございましたから参画しておりました。ただその後、国の現地処理機関、これはブロックと県内機関がありますね、これを全体的にとらえて一体どう行革を進めるかということについて第二臨調で甲論乙駁あったわけでしょう、そして、結論が出たわけです。その結論は、先ほど来御答弁申し上げておるように、この際、都道府県には都道府県というしっかりした機関があるわけですから——府県単位以下の国の出先機関は今七千ぐらいあるんですよ。いかにも多過ぎるではないか、県に任すべきものは任したらどうだ、任せられないものはブロックに吸収したらどうだ、ブロックを中心に考えるべきではないのかと、こういう基本的な御答申が出たものですから、それに沿って政府としても出先機関のことを考えていこうと、こういう基本の物の考え方について、第二臨調があの後できたものですから、そういう答申に従って私どもはやっている。 で、私自身は、国の地方支分部局、出先機関を整理する基本の考え方は、今回の臨調の答申は非常に適切な答申であると、こう考えております。行革を進める場合には、まず府県単位以下の、ともかく七千というのは多過ぎますよ、幾ら要ると言ったって、これはやっぱり整理してブロックに吸収する、吸収しなくていいものは都道府県に渡せばいいと、私はそういう考え方です。 それと同時に、さればといって、それじゃブロック機関はそのままでいいのかということになると、これは効率化、合理化はしてもらわなきゃなりません。そうすると、財務局等を見ますと、あれは今は九つ。これは多過ぎるんです。そこで第二臨調では、八つを基本にしなさいと、こうなっている。日本は御案内のように南北に非常に長いんですよ。しかもすべてのものが東京に集中している。災害が東京に起きたときに一体どうなるんだということを考えますと、ある程度国のそういう機関は、ブロック機関ですね、分散をして置いておく方が極めて適切であろうと、こう考えているんです。たまたまそういう考え方を私は基本的に持っておったわけですね。第二臨調の御答申もそういう線で出ておりますから、そういう線で今回の処置を私どもとしてはとったんだ。これが私の本当の気持ちでございます。確かに、形は逆行ではないかと言われますと、これはまさにそのとおりだと思いますけれども、そこらは御理解していただきたいと、こう思います。
○柄谷道一君 国家公務員の六十年度末の定員を見ますと、総数八十八万四千七百一名中、地方支分部局の定員は五十四万二千十五名、六一%を占めているわけでございます。また各省庁の地方出先機関の実情を見ますと、例えば郵政、国有林野等の現業や、国税、登記、航空管制、海上保安など、どうしても国が直接に処理しなければならない行政事務もございます。しかし、その他の一般行政事務を担当する機関の中には、第二次世界大戦後設置された機関も少なくないわけでございます。したがって、この地方出先機関をどのように整理するか、これは極めて行革上重要な課題であろうと思いますし、臨調の第五次答申の中でも指摘しているところでございます。 今、長官も触れられたわけでございますが、私たち民社党は、今長官が述べられましたように、七千に及ぶまず府県単位以下の機関の整理こそ優先されるべきではないだろうか、そしてその整理統合の中に生じてくる吸収部門としてのブロック機関の存置が配慮されるべきではないか。これは五年前我々が主張した主張点でございます。しかし、政府はそのときに、いやブロックはなくするんだ、府県単位の出先機関は存置していくのが基本方針だとお答えになってあの法案を提案されたことは、長官もよく御承知のところであろうと思うのでございます。 そこで、これは形式的に見るならば、五年前の法案と逆立ちしているわけですね。それはそれなりのまた理由で生まれたことも今長官は説明されました。しかし、少なくとも当時、予見能力ないしは問題の深刻さに対する見通しの甘さというものがあったということだけは否めないのではないか、こう思うのでございますが、長官の認識はいかがでございましょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 当時は全体の出先機関をどう考えるかといったような深い検討がまだ済んでなかったわけですね。それで今日のようなことになったというように私は思うんです。その当時、私も閣僚でありますし、宇野さんが長官でございましたから、今さらこれが間違っておったとは言えません、私は。しかし、予見がなかったではないかと言われますと、それはそのとおりでございますと、こう言わざるを得ないわけでございます。
○柄谷道一君 この五十五年の法案では、例えば営林局について、五十九年度までに国有林野事業の経営改善の進展状況を踏まえながら、必要な見直しを行った上で必要な措置、すなわち一局の統廃合を講ずる。これに基づいて六十年行革大綱では、本年八月を目途に長野と名古屋の営林局を統合して、名古屋を長野の支局とするという方針が掲げられていると私は承知しております。 そこで、総務庁長官は行革の実施責任者でございます。みずから総務庁は、支局は残すんだと提案されながら、多少のブロック機関については行革大綱でこの実現を推進していかなきゃならないわけですね。どのような御感想をお持ちでございますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) どういう感想といっても、要するに三支局、これは支局として今度は残すわけですね。営林局の方も事務所にするんじゃないんですよ。支局にするんですから同じじゃないですか。私はさように理解をしております。
○柄谷道一君 実は、この法案に対する賛否について我が党は非常に苦悩いたしましたし、かつ深刻な議論を行いました。 そこで、私は政府に確認を求めたいんですけれども、今後こうした今回の措置を一つの大きな教訓として、行政改革というのは慎重に権威ある計画を立案する、そして一たん立案した計画は断固としてこれを実行推進する、こういう姿勢がないと、紆余曲折の姿勢では私は国民に行革に対する信頼をしてもらうということはできないと思うんですね。過去のことは問いません。今後の問題についての決意をひとつ官房長官、総務庁長官のお二方にお伺いをいたしたい。
○国務大臣(後藤田正晴君) 当然おっしゃるような決意をもって臨みたいと思います。今進めておる行革は、御案内のように、第二臨調で大変詳細な、しかもしっかりした御調査に基づいた上での御意見でございますから、この基本路線を守ってやっていきたいと思います。ただ、抵抗がたくさん出ますから、ぜひひとつ御協力をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指摘のように将来にわたって見通しを立てて、そして広い視野からこの計画を設定していく、そしてその計画そのものは権威を持っていく必要がある。それがなければ、みんななかなかついてきてくれませんから、そういう計画の立て方というのは非常に大事である。幸いに、今次の行革につきましては、臨調で非常に精力的に意見の取りまとめをいただいてきて、しかも累次にわたって答申をいただいて、内閣としても大綱を組んで、それを閣議決定して進めてきている。こういうことになっておりまして、したがいまして、権威のある計画、そして不退転の決意でこれを実行すると、こういう構えをとってきたつもりでございます。一部行政需要などとどう対応していくかというような問題がありましたので、逆行をするのではないかといったような感じを与える部分もありはいたしましたけれども、全体としてはそういう基本的な考え方に立って進めてきたところでございますし、今後につきましても、まだまだ今次行革も五合目まで来たか、あるいは六合目はどうだといったような議論もいただいておりますけれども、今後の問題につきましても、今の申し上げたような基本姿勢に立って行政改革を推進していくようにいたしたい、内閣一体になって進んでいくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 そこで、総務庁長官にお伺いいたしますが、長官、答弁の中でもさきに少し触れられたんですけれども、臨調の最終答申は、ブロック機関については原則として八ブロック、府県単位機関については現地的な事務を除きブロック段階に統合するという方向を打ち出しておられますね。ところが、例えば大蔵省の北陸財務局と隣接財務局を統合する、郵政省信越電波監理局及び北 陸電波監理局を隣接電波監理局と統合するなど、具体的措置を臨調答申ではうたっているわけでございます。しかし、政府は五十九年行革で、財務局を八ブロック制とすることについて、引き続き検討を進め、六十年度末を目途に具体的結論を得るとか、地方電波監理局を全国八ブロック制にすることについて引き続き検討を進め、六十年度末を目途に結論を得るとか、この八ブロック制という原則については極めて慎重な言い回し方をされ、かつ六十年行革大綱ではこれらに触れられていないわけでございます。その八ブロックという臨調の理念について今後どういう方針で推進をされていくわけでありますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは仰せのように、五十九年行革大綱で全国八ブロック制にすると、こういう基本の御答申をいただいておりますから、六十年度末を目途に具体的結論を得るように私どもとしては既定方針に従ってやっていきたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 それでは、建前としては八ブロック制にするという前提で検討を進めていると、こう理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 八ブロック制を基本に考えていくということでございます。
○柄谷道一君 それでは次に大蔵省に御質問いたしますが、大蔵省は、南北九州を通じ福岡は産業・経済の中心地であって、福岡財務支局の機能は重要であると、こう説明されているわけでございます。これは突然福岡の地位が急に高まったのではなく、五年前も福岡は九州における産業・経済の中心地であったことには間違いございません。そうであるならば、なぜ五年前に熊本でなくて福岡を財務本局の所在地にしなかったのか。今回の提案趣旨の説明ではこの点はどうしてもわからない。また今後福岡を本局として熊本の方を格下げにするという構想が持てないのかどうか。 さらに、財務局は今指摘いたしましたように現在九カ所に財務本局を置いておるわけですね、福岡が支局になったわけですから。八ブロック制になってないわけですね。今長官は八ブロック制にするという方向で本年度末までに検討を進めると、こう言われましたね。八ブロック制というものにする意思をお持ちなんですか。
○政府委員(小田原定君) まず五十五年、五年前の話からでございますが、当時北九州財務局と南九州財務局と二つありまして、それを一本に九州財務局というぐあいに統合して、福岡に北九州財務局があったものを九州財務局の福岡支局にしたということでございます。なぜ熊本に置いたかということについては、当時の本院でも、今先生御指摘のように、金融、経済は九州地区では福岡が統括的な機能を持っているではないかという御質問がございました。当時大蔵省側では、確かにそうであることはそうでございますが、九州の財務局全体の問題を考えてみますときに、まず熊本に置いた理由といたしまして、一つは行政需要で、もちろんこの中には金融関係の仕事もやっておりますし、国有財産関係の仕事もやっておりますし、それから地方団体、県、市町村に対する運用部資金等のいわゆる資金の融資の業務もやっております。それらの行政需要の面も見ると、物によっては、財務局は、地方銀行や相互銀行、信用金庫を所管しておりますが、事務量的に金融面でも一番多い部分の信用金庫関係の業務、検査とかはほとんど全部財務局がやっております。県が熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県というせいもあるんですけれども、そういう店舗数は旧南九州財務局系統の方が多い。それから主計の事務で災害の補正予算を組む、災害額を確定する。このために災害の査定立会という業務を財務局がやっておりますが、これは南の方が台風常襲なのか、ケースが多いといったようなそういう行政需要の面もございます。 それから第二には、地元の実情等もいろいろございます。 それから第三には、二十三年にできますときに、背景としまして、歴史的な経緯としまして、実はそれまでに熊本に本局があったという歴史的な背景等もある。 あわせて、九州の地理的中心であって、そこでそれらを慎重に総合勘案して本局は熊本、金融、経済等の統轄的な機能は福岡にありますので、福岡には支局を置かせていただきたいと、こういう御説明をした。こういうことでございます。
○柄谷道一君 非常に苦しい説明をしておられますけれども、そうすれば今回の提案のときに今言ったことを言われて、まだ福岡の支局は存置する必要があると言われるべきであって、殊さら福岡が金融経済の中心地であって、財務業務の果たすべき役割は大きいと。こんなことを強調されたら前の議論が蒸し返りますよ。我々は福岡に置けと五年前主張したんですよ。何だかんだと言われるから、福岡の経済的地位はそんなに低いのかなと思って同調したら、今度また盛り上がってくるわけでしょう。これはいろいろ政治力が絡んだことだとも思いますけれども、もっと国民がわかるような理由づけをしてもらいたいと思います。 さらに、大蔵省は五十五年以降の情勢変化の一つとして、制度改正による貸金業の規制、専売制度の改革に伴う小売販売、金融業の許可等の業務が激増した、また財務局の一般的なあり方として、大蔵省は金融行政上の役割が極めて重要である、こういう三つを言っておられるんですけれども、これも反駁すれば、貸金業問題につきましては、国会で法律をつくりまして、その伸びは鈍化しておりますよ。行政施策への要請もおおむね鎮静化しております。実態上は、貸金業規制法第四十五条によって、二以上の府県にまたがり財務支局長の権限に属するものを除いて法律はまた実質的には府県にゆだねられる状態になっているでしょう。たばこの小売業についても形式上は許可制度をとっていますけれども、臨調は輸入たばこ問題、さらにはたばこというものの事柄の性質上、自由化の方向というものを示唆しているわけでしょう。さらに金融行政上の問題につきましても、我が国経済について基本的には金融自由化の方向というものが志向されているわけですね。 私はこのための制度改革を進めることこそ行革の理念に合致することだと思うんですね。殊さら貸金業の業務が重要でふえてきました、今後たばこの規制が重要でございますと、これを見ましたら、金融に対する国の介入を一層強めなければならないというふうにもとれますよね。あんまり苦しい言いわけはやめて、この際率直に大蔵省も、前回の方針は立てたけれども、総務庁長官が言われるように都道府県機構を縮小して吸収するために支局が要るんだとすっきり言われることの方が自然じゃないですか。
○政府委員(小田原定君) 先ほどの答弁でちょっと漏らしたようですが、八ブロックというのは今後引き続き検討していくということで、五十九年の閣議決定で「財務局を全国八ブロック制とすることについて、引き続き検討を進め、昭和六十年度末を目途に具体的結論を得る。」という線に沿って私ども考えております。 そこで、今先生のお話でございますが、実は冒頭に総務庁行政管理局長からも御説明ありましたように、財務局または財務支局を受け皿として府県単位機関である財務部を財務事務所ということで現地的な必要最小限の事務をやるというのに改組したことのほか、これに加えて、もともとあった行政需要も件数的には五十五年からふえている、それに新たにこういうのがつけ加わりましたというのに、貸金業法ができましたとか、そういうのを申し上げて、それが先生に非常に強くインプレッシブに映ったのかもしれませんが、とにかく貸金業法、あるいは今度四月からはたばこの会社ができるので、あれですと当分の間、小売業の販売許可は財務局または財務支局がするということになっているものですから、これは計算するとかなりの量ですが、基本的にはベースにございます国有財産の管理処分事務とか、信用金庫の業務とか、あるいは地方団体に対する融資事務とかにこれらがオンされたということを御説明したのが、ちょっと非常にインプレッシブに映ったのかと思います。 それから金融自由化の話でございますが、これは特に財務局が所掌しております中小金融機関が一番多いわけですけれども、この金融自由化が進展していきますと、競争の激化あるいは機械化の進展等に伴いまして著しい環境の変化が起こっていくだろうと思います。そういう意味で、こういう金融自由化の中において金融の行政はどうあるべきかという点につきまして、昨年でございましたか、大蔵大臣の諮問機関である金融制度調査会ではきめ細かな行政、特に検査の部門が今後ますます大事になっていくということを指摘しておりまして、それは確かにそうであろうかと思います。 これはちょっと余談になりますけれども、十日ぐらい前にアメリカのオハイオ州で貯蓄組合が倒れてドルがその影響でどんと動いたというのがありますように、アメリカは約十年以内ぐらいで順次自由化していきましたところが、この前も金融制度調査会にアメリカの預金保険公社の総裁が見えて参考人として御出席されておりますが、あそこは預金保険のほかにそういう金融機関の検査ということもやっております。そういう面で非常に大事になってきているということを申し上げておきたいと思います。そして御理解を賜りたいと思います。
○柄谷道一君 御理解してくれと言っても、苦しい答弁ですっきりしないんでございますけれども、まあいいでしょう。しかし、理由づけのときは余り我々が見てちょっとこじつけだなと思われる理由は避けてくださいよ。率直に支局を存続せざるを得ないということを端的に訴えられるべきが僕はいいと思います。 そこで、厚生省に今度はお伺いしますが、地方医務支局の存置理由の一つとして、厚生省は国立病院・療養所の再編成の推進を図る必要性を強調されております。確かに全国的に見て国立病院九十八、療養所百五十三、合計二百五十一という国立療養機関は、かつて旧陸海軍病院を引き継いだものが多くて、臨調答申にもあるように、その沿革的事情による配置を現代的な医療需要に的確に対応するように再編成しなければならぬということが必要であることは、私はこれは当然であろうと思います。しかしまた他面、多くの委員から指摘されましたように、国民医療の確保、向上という要請を無視することができないという側面も十分に考えていかねばならぬ問題であろう。 私は、本来であれば、時間があれば今後の統合の基本方針についてお伺いしたいところでございますが、さきの委員の質問ではまだその答申が確として定まっていないような印象でございまして、もしあればお答えをいただきたい。 あわせて、この再編成は今後十年程度の計画で進められる、こういうふうに厚生省は言っておられます。とすれば、十年後に再編成が行われた場合支局は存立の理由を失うということにも受けとめられるわけでございますが、そのように理解していいのかどうか、この点をお伺いします。
○説明員(木戸脩君) 国立病院・療養所の再編合理化の基本的な考え方でございますが、国立病院・療養所も現代の国民の期待に沿うようにするためには、今後の医療供給体制の中で基本的一般的な医療は民間医療機関なり他の公的医療機関に任せる、そして国立は高度専門的な国立らしい医療をやる、そういうふうに再編合理化をするというのが基本方針でございます。 それから先ほどの再編合理化で地方医務局はどうなるかということでございますが、実は五十八年の最終臨調答申の中で「地方支分部局の整理合理化」の中で「具体的措置」として「厚生省の地方医務局について、国立病院・療養所の整理統合を含む経営の合理化・効率化の進展に応じ、その在り方を検討する」という御指摘を受けておりますので、これに沿いまして十分私どもそれは理解しております。支局を含めまして再編合理化の進捗状況を見ながら、地方医務局の配置あるいは規模というものも当然考えて見直していかなければならないものというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は時間さえ許されれば、そのほかにも、現在十カ所に置かれております電波監理局、臨調指摘と今後の措置を一体どうするのか、また都道府県単位である総務庁地方行政監察局、法務省地方公安調査局、大蔵省財務部、郵政省地方郵政監察局支局や支所、出張所のあり方は一体どうするのか。多くの問題がございますけれども、時間は守りたいと思いますので、これは次の機会に譲りたいと思います。 そこで、ただいままでの答弁を聞いておりましても、私は心の中にどうもしっくりとしないというものを捨てることができないわけでございます。 最後に官房長官と総務庁長官にお伺いしたいのでございますが、政府は六十三年度末までに府県単位機関についてはそれぞれの二〇%定員削減を計画中だと承知いたしております。その後も事務事業の見直しを含めて継続してそのあり方について検討を深め、ブロック、府県単位機関をトータルして、臨調答申にうたわれている理念を今後推進することにより行革の実効を上げるという決意をお持ちかどうか、私は賛否の態度を決める一つの前提にもしたいと思いますので、明確に御答弁を求めまして私の質問を終わります。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問のお言葉の中にありましたが、私どもとしては臨調答申の線に沿って地方出先機関の改革合理化、定員の縮小、これをやってのけたい、かように考えております。
○国務大臣(藤波孝生君) 絶えず事務事業の見直しをやっていくということを中心にして今後も取り組んでいくということは非常に大事なことである。その間に地元がどういうふうに行政需要を持つかとか、いろんな問題は出てきますけれども、計画を設定してそれを推進していく、そして同時に絶えず事務事業の見直しをやっていく、そういう中で不退転の決意で改革を進めていく、こういうことでなければならぬ。こういうふうに考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 確認いたしますが、それは六十三年度までの計画をもって事終われりとするのではなくて、その後も両長官の言われた姿勢に基づいて行革を推進していく、こういうお考えと受けとめてよろしゅうございますか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私どもは第二臨調の答申を基本線としてこれの完遂を目指して最大の努力をしていく。そうしますと、あの答申が終われば行政改革も終わりだという考え方があるんですよ。しかし、行政の改革というのは、これは世の中がどんどん変わりますから新しい需要が出てきます。しかし同時に不急不要のものも出てくる。政府の国民に対する行政の改革というものは絶えざる課題であると、かように考えております。
○柄谷道一君 終わります。
○委員長(大島友治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 総務庁設置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大島友治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大島友治君) 次に、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。後藤田総務庁長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本年二月二十日、人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出が行われました。この法律案は、この人事院の意見の申し出にかんがみ、国家公務員災害補償法について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、この法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一に、遺族補償年金の受給資格年齢を、夫、父母及び祖父母については六十歳以上に、兄弟姉妹については十八歳未満または六十歳以上にそれぞれ引き上げることにいたしております。なお、当分の間、職員の死亡の当時、その収入によって生計を維持し、かつ五十五歳以上六十歳未満であった夫、父母、祖父母及び兄弟姉妹は、遺族補償年金を受けることができる遺族とし、この場合、これらの者が六十歳に達するまでの間は、年金額を算定する際の遺族補償年金を受けることができる遺族の人数には含めないこととするとともに遺族補償年金の支給を停止することとしております。 また、これらの年齢の引き上げは、五年間で段階的に行うことにいたしております。 第二に、年金たる補償については、当分の間、人事院規則の定めるところにより、毎年四月における職員の給与水準が、直近の年金額が改定された年の前年における給与水準に対し六%を超えて変動するに至った場合は、この変動率を基準として翌年四月以降の年金額を改定することにいたしております。 第三に、福祉施設に関する規定について、その趣旨及び内容を整備するとともに、その実施に当たっては、民間事業の従業員に対する福祉に関する施設の実態を考慮して行うものとすることにいたしております。 なお、以上の改正は、昭和六十年十月一日から実施することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(大島友治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案についての質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十四分散会