逓信委員会 第8号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/04/02
会議録
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 去る三月二十九日、予算委員会から、本日の午後一時から明三日の午後三時までの間、昭和六十年度一般会計予算、昭和六十年度特別会計予算、昭和六十年度政府関係機関予算のうち、郵政省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、左藤郵政大臣から説明を求めます。左藤郵政大臣。
○国務大臣(左藤恵君) 郵政省所管各会計の昭和六十年度予算案につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は二百四十四億二千七百万円で、前年度予算額に対し八千五百万円の減少となっております。この歳出予定額には、ニューメディア、先端技術の開発、振興と宇宙通信政策の推進に必要な経費を初め、電波資源の開発と利用秩序の維持など、多様化する情報社会と増加の著しい通信需要に対応した施策のほか、国際放送の充実を含む放送行政の推進、国際協力の推進に必要な経費等を計上いたしております。 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出とも予定額は四兆四千六百十億七千百万円で、前年度予算額に対し一千四十七億四千六百万円の増加となっております。 この歳出予定額におきましては、重要施策としております郵便サービスの改善と需要の拡大に必要な経費を初め、郵便貯金の推進、簡易保険、郵便年金の普及、推進に必要な経費、郵便局舎等施設の整備及び事業経営効率化のための機械化を推進するのに必要な施設費、その他所要の人件費などを計上いたしております。 なお、郵便事業財政につきましては、昭和六十年度単年度で三百五十五億円の欠損を生ずる見込みで、年度末では過年度のものと合わせて七百十一億円の累積欠損金が見込まれております。 次に、郵便貯金特別会計でありますが、歳入歳出とも予定額は七兆百七十三億四千四百万円で、前年度予算額に対し一千四百三十億一千百万円の増加となっております。 次に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は六兆三千六百七十二億七千八百万円で、前年度予算額に対し五千百二十九億一千九百万円の増加となっており、歳出予定額は四兆二千九百二十八億七千五百万円で、前年度予算額に対し五千百二十七億一千七百万円の増加となっております。 また、年金勘定におきましては、歳入予定額は一千四百二十七億二千四百万円で、前年度予算額に対し三百一億四千五百万円の増加となっており、歳出予定額は二百五億五千六百万円で、前年度予算額に対し五十二億三千四百万円の増加となっております。 以上をもちまして、郵政省所管会計の昭和六十年度予算案の概略につきまして御説明を終わらせていただきます。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(松前達郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大森昭君 直接、予算に関係ないんですが、最近新聞紙上でいろいろ報道されています電気通信分野における貿易摩擦の問題をめぐる課題でありますが、いろいろ新聞に報道されている内容では、まさに開戦前夜みたいなことも言われておりますし、アメリカ側も相当固い決意で特使が来ているようでありますし、実際には通信機器、貿易の不均衡の拡大といっても、アメリカ側の言い分どおり日本側もいく筋合いじゃないものもありますし、経済的にはドル高基調による問題もありますし、いろいろあるわけであります。しかし、いずれにいたしましても一月以降既に三カ月経過をしていますし、何らかの形で解決を図らなきゃならないんじゃないかと思うんであります。 けさとそれからさっき、昼のテレビも中曽根・シグール氏会談で何か一定の成果があったように、レーガン大統領の前向き評価なんていう報道もされていますが、ちょっと私ども理解できませんので、まずこの問題についてちょっと大臣から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 今お話がございました日米の貿易経済摩擦の問題につきましては、特に電気通信機器の問題につきましては、お話しのように、一月以来長期にわたりましていろいろと公式、非公式の話し合いを続けてまいりました。次官級の協議を一月末に開きまして以来、過般は再度小山次官を派遣いたしまして、この問題について話し合いを進めておるところでございます。 今、先生御指摘の点につきまして三月三十一日、総理のところへシグール・レーガン大統領特使と、それからもう一人オルマー商務次官、これが参りまして総理ともお話をしました。私もまた、その三十一日の晩にこのお二人にお会いをしたわけであります。 そこで、シグール特使及びオルマー商務次官との会談におきましては、これまでのアメリカの関心事項に対しまして、我が国が真剣に対応しておるということについてはこれを多とする旨の表明があったわけであります。しかし、通信機器の技術基準の内容、それからもう一つは政省令等の作成過程での透明性というのですか、確保につきましてアメリカ側のまだ十分な納得を得ていない、こういうことから、そのことにつきまして、私の方からもまたさらに我が国の制度、考え方というものについて説明をいたしまして、理解を求めたわけであります。このことについて向こうが何か特別の新しいことを得て帰ったとかそういうふうな事実じゃございませんけれども、そういうふうなことにつきまして若干向こうも理解をしてくれた、こういうふうなこともあることと同時に、今申しました問題につきましては、さらにこれからなるべく早い時期におきまして話し合いを続けてまいりまして、全面的な解決を見るよう努力するということにつきましては意見の一致を見ておりますので、このことについて恐らく向こうの方で議会に対しても御説明をされたんじゃないか、このように思っておるところでございます。
○大森昭君 お互いに誠意を持って解決を図るということは前々からのことですからね。今の大臣のお話ですと、どうも報道されている内容は何か大分前向きでレーガン大統領が評価して今にも解決しそうな話ですけれども、具体的な内容というのは余り前進をしてないということですか。
○国務大臣(左藤恵君) これからその問題を詰めていこうということで、なお技術基準の内容、そういったことについての話し合いを専門家の間で詰めていって、そして最終的な解決をしたい、こういうことでございます。
○大森昭君 見通しなど聞いてもなかなか難しい問題ですから、いずれにしても継続して今後さらに交渉を進める、こういうことで理解していいわけですか。
○国務大臣(左藤恵君) 小山次官がアメリカへ参りまして、アメリカでオルマー商務次官初め皆さんと話し合いをした段階におきましては、今のそういった点で理解を得られなかった問題について二カ月以内、六十日以内に解決をしていきたい、こういうことについては一応の意見の一致を見たわけでありますが、今回参りまして、さらにこれをもっと、二カ月と言わないで、時期は指定いたしませんでしたけれども、早い段階で解決していきたい、お互いに努力していこう、こういう話し合いはできたわけでございます。
○大森昭君 昨日電気通信事業法が施行されて新電電の体制も民営化されるということで、新しい体制が始まったわけでありますが、端末機器の技術基準については、今お話がありましたように、四月一日から六十日以内に見直すことを約束していることから見ますと、今の取り扱いというのは暫定的だと言わざるを得ないんですが、郵政大臣は今後の交渉に当たって、もちろんアメリカ側に求められるべきものはアメリカ側に日本側の主張を言わなければいけませんし、我が国は基本的にユーザーである加入者の利益を第一に考えて交渉されると思うのでありますが、その結果いかんではこの技術基準というのがまた変わるということになるでしょうか。あるいは省令もそうですね。
○国務大臣(左藤恵君) お話のとおり、省令の問題であろうと思います。これは、電電公社が技術基準としてみずからの手でやっておりましたときには五十三項目の点があったわけでありますが、今回の新しく会社になって出発する段階におきまして、電気通信事業法の施行に関しまして省令でその五十三項目を技術基準の点につきましては三十項目に減らしたわけでありますが、そしてとりあえずそういうことで出発させていただいたわけでございますが、今お話しの点で、アメリカ側の理解を得るとかいうことにつきましてさらに話し合いをしました結果いかんでは、なお若干のそうしたことについての項目の削減ということも考えられる、このように思うところでございます。
○大森昭君 法案の審議の際にいろいろ問題があったんですけれども、私どもとしては省令の制定の仕方に大きな関心を持ちまして、しかし、これは交渉の後郵政省側と十分お互いに意見を交換してもらって、新会社の発足に当たって余り不便が生じないようにということで両者でお話しをしていただきまして一定の形で出発したという経過がありますので、この日米の交渉の結果、省令などについて変更をし、あるいはまた削減をし、追加をするというようなことがあれば、またその時点で何らかの形で御報告をしてもらわないと、法案審議のときと少し変わってきますとちょっと私どもも責任が起きますので、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) 今のお話で、これから技術基準を見直さざるを得ないとかいうふうなことになりまして、何らかの手直しを必要とするような場合には当然先生方にも御説明を申し上げ、御報告を申し上げますとともに、これは何もアメリカ側にだけではなくて、日本のいろんな関係の方方にもそういったことについて理解を求めなければ、私はやっぱり省令の改正というものは踏み切るべきではない、このように考えているところでございます。
○大森昭君 そこで、いろいろ今電気通信事業について画期的な年度でもあるわけでありますし、電気通信行政の果たす役割も飛躍的に大きなものになっているんですが、毎年私はここで指摘をするんですが、一般会計を見ますと、どうも予算上はそういう仕組みになっていないような感じがするんですが、郵政省は当然これからの電気通信行政の果たすべき役割の重大性を認識して一般会計を編成していると思うんでありますが、六十年度予算を組むに当たりましてどのような重点施策をもって予算を編成しましたか、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(高橋幸男君) ただいま御指摘がございましたように、昭和六十年度、これは一世紀にわたります電気通信事業の独占体制というものから競争原理に基づく日本電信電話株式会社の発足が画期的な年度であろうというふうに私ども認識しているところでございます。なおまた、電気通信は今後ますます高度情報社会におけるインフラストラクチャーとして重要な役割を持っているというふうに考えているところでございます。 そういうことで、国の財政事情が非常に厳しい中でございますが、郵政省といたしましては、先ほど大臣が冒頭に予算のところで触れましたように、高度情報社会実現のためにまず第一にニューメディア、先端技術の開発振興。第二番目に、宇宙通信政策の推進。三番目に、放送行政の推進。四番目に、電波資源の開発と利用秩序の維持。さらに五番目といたしまして、国際協力の推進。さらに基盤技術研究促進センター、仮称でございますが、この設立という事項につきまして重点的に所要の経費を確保すべく努めたところでございます。
○大森昭君 部長が言うように、言葉の上では非常に立派なんですけれども、そういうことでいきますと、具体的に日常の事務経費だとかあるいは定員だとかというようなものは前年から比べてこれはふえているんですか。
○政府委員(高橋幸男君) 定員、予算案に示されております経費、両方とも減でございます。
○大森昭君 だから、部長が重点項目立派なことを言われたんだけれども、実際には予算面では、それは全体の規制もあるから部長が別にけしからぬというわけじゃないんですけれども、難しいこともあるんでしょうけれども、どうも日常新聞を読みましてもいろんなことが記事になっているし、またやらなきゃならないことがたくさんあるようなんですけれども、予算の方は余りぱっとしないということになってきますと、これは具体的にそのことを進める職員は大変頑張らにゃいかぬということになるわけで、頑張れるところは頭張らにゃいかぬわけです。しかし、いずれにいたしましても今さら予算をふやすといったって無理なんですけれども、決まった予算の中でやることでありますが、いずれにしても大臣、もう委嘱審査で予算の修正案出すわけにもいきませんから、決まったことでやらざるを得ませんが、大変行政改革で一本調子で一律でという事業じゃないものですから、今後ともとにかく必要なものは不自由をかけないということでひとつ努力をしていただきたいと思います。 それから次に郵便でありますが、せんだってのお話で五十九年度の百五十五億は何とか消えるだろうというお話が経理部長さんからありまして、労使協力していろいろ自助、防衛努力の結果だろうと思いますので敬意を表しますが、しかし、六十年度の予算は三百五十五億、予算書でいきますと七百十一億ですけれども、百五十五億が消えますから、実際にはこの予算どおりいくとすると三百五十五億と累積赤字が二百何億かありますね。ですから五百何億かの赤字になるんでしょうけれども。六十年度も五十九年度と同じようにとにかく一生懸命頑張って三百五十五億の予算の赤字であるけれども、これを最大限低くするというふうに恐らく考えて新年度出発するんだと思うんですが、従来ちょっとこう見ていますと、大体三けたの赤字のときに値上げをするような状態からいきますと、これは六十一年、六十二年ぐらいは料金の値上げはなしで大体済みそうですか。
○政府委員(高橋幸男君) はっきりと六十一年、六十二年ということにつきましてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、今御指摘のように六十年度予算三百五十五億の赤字、五十八年度末に二百一億の赤字、五十九年度、この間御答弁申し上げたように百五十五億の赤字を何とか消し込めそうな感じだと答弁したわけでございますが、そういう数字から見ますと、大体六十年度末に五百億ちょっとの累積赤字という状態でございます。したがいまして、それを前提としますと、財政的に見て値上げを要する時期ではないというふうに考えているところでございます。
○大森昭君 もうそう先の方まで見通しが難しいとは思うんですが、ただ皆さん方が努力をしてなるたけ赤字が出ないようにということについては敬意を表しますが、しかしなかなかこれ一般的な物価の上昇がどうなる、そこに働く人たちの賃金がどうなるという関連で、いずれにしても料金改定をすることは好ましくないんでありますけれども、せざるを得ないということも起きてくるときに——実はなぜこういう質問をするかといいますと、前回二十円を四十円にいたしましてね、私ども別に責任があるわけじゃないんですけれども、大体逓信委員の連中はひどいじゃないかと、こんなに料金上げてなんという話もありましてね、そうなってくると予算と料金の値上げとの関連というのはやっぱりぐっと赤字をためといてがばっとやった方がいいのか、いろいろそのときは物もがたっと落ちたりいろいろな不安定要素がいっぱい起きるでしょう。ですから料金を上げない方がいいんですが、その辺のところも一つの研究課題としていってもらいませんと、一遍にこの間みたいなことをやられますと利用者が大変迷惑をするんじゃないかと思いますので、別にきょうここで回答もらう気はありませんが、少しそういう郵便も大変厳しい状態でありますから、また料金値上げの方法によって郵便物の出回りがけた変化をするということになりますと一層大変ですから、そういう問題などについてもひとつ十分研究をしていただきたいと思います。当分は値上げはないということで期待をしておりますが、よろしくお願いをしておきます。 次に、いろいろ問題はたくさんあるわけでありますが、小包についてもいろいろ工夫をしておるようでありますが、やや持ち直したというところの主な原因は何かありますか。
○政府委員(塩谷稔君) お答え申し上げます。 お話しの郵便小包でございますが、内国の小包の物数をちょっと申し上げますと、ここ数年減少傾向にありましたけれども、近時各般にわたりましてサービスの改善施策を講じまして需要の拡大を図ってきました結果、今の時点で昨年の同じ時期に比べまして五・八%増ということで五十四年以来五年ぶりに増加に転じたということでございます。これには大変第一線の職員が頑張ってくれたおかげではないかと思っております。先生御指摘のように、おかげさまで回復傾向を示しておりますけれども、これには私ども見ますところ大口割引制度を実施したこととか、小包の料金の重量区分を簡素化したこと、それから包装用品を販売して簡易に小包をつくってもらえるような手だてを講じたこと、それから輸送システムの改善によるスピードアップ、それから重量制限を緩和して六キロから十キロまでお引き受けするようにしたこと、あるいは小包の表にラベルを張りましてお届けしたら、配達しましたよという通知をそのラベルから引き抜いてお送りした人にお返ししているというようなこと、こういったことをきめ細かく実施してきました結果、今申し上げました職員の積極的な営業活動の展開等もありまして相当いろいろないい意味での効果を上げてきたものと考えております。私ども、今後とも現在国会に提案しております法案の一部にございます転送料、還付料の廃止のほか、集荷サービスの推進等ニーズに即応したサービス改善について幅広く検討を進めてまいりまして、より一層利用しやすい郵便小包にしてまいりたいと考えております。
○大森昭君 郵便のやつはまた郵便法のときに機会がありますからそこに譲りますが、次に郵便貯金事業で、せんだっても種々の改善は図られるがということで、これは預託利子の関係であるんですが、しかし事業全体の伸びは極端に落ちているということの憂慮すべき事態であるということはせんだって貯金局長からお話がありましたけれども、そこで今までというよりかも、しばしば臨調なんかでも指摘をしているんですが、今の定額貯金は大変すばらしいものだということで、定額貯金を攻撃された時代があったんでありますが、しかし今日の状態で果たしてそんなに定額貯金がいいのか、そんなに定額貯金がよければそんなに伸び悩むこともないんじゃないかというふうにも感じるんですが、一体最近における貯金の競争の中で定額貯金の位置づけというのはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(奥田量三君) 定額貯金は預け入れ六カ月以降はいつでも払い戻しができる、そういう意味で流動性と収益性を兼ね備えた長期の貯蓄商品としての特徴を有していると考えてまいったわけでございます。しかしながら、最近民間金融機関においてもこういった流動性と収益性を兼ね備えたと見られますところの期日指定定期預金あるいはビック、ワイドといったようなものが開発をされ、また国債と定期預金を組み合わせた国債定期口座といったような高利回り商品も提供されているわけでございまして、依然として規制下にある定額貯金の商品性が今では必ずしも有利なものとは言えない、そういう状況にはなっていないというふうに考えられるわけでございます。
○大森昭君 ですから、そういう状態の中で貯金の外務の労働者はそれを集めなきゃいかぬというわけですから、これはなかなか成績が上がらないというのも無理からぬお話になるんだろうと思うんですが、そこで大臣、今局長からお話しのように規制金利体制のもとでなかなか思うような商品も発売できないということなんですが、これから先、金融の自由化という命題に向かって積極的に何か現状を打破していくというようなことというのは具体的に何かお考えありますか。
○国務大臣(左藤恵君) 今お話がございましたようなことで、金融の自由化の中で特に金利の自由化という問題がこれから諸外国におきましても一つの世界的な潮流というふうになっておりまして、郵便貯金も自由化におくれないように対応していかなければならない、このように考えておるわけであります。 具体的にそれじゃどういう対策があるかということにつきましては、これはそういう市場実勢を反映した何か新商品というふうなものも考えなければなりませんし、さらにまた国民の財産であります全国オンライン網を活用して何か機能的なサービスを織り込んだ商品というようなものも考えていかなきゃならないと思いますが、そういった点で今の金利の自由化の状況を十分見きわめてそれに対応する積極的な施策をしていかなきゃならない。今現在具体的にそれじゃどうするかということにつきましての案は持っておるわけではございません。
○大森昭君 なかなか難しい問題ですから検討していただかなきゃならないわけですけれども、ただ私どもおおむね意見が一致できるのは現在のように資金運用部にその資金が集まって、今のような資金運用の制度ではこれは少なくとも金利の自由化には対応できないということは大体意見が一致していると思うんですね。そこで、郵貯資金の自主運用が少なくともどういう形でいくかは別にいたしまして、自主運用が必要になってくるんですが、郵政省はいろいろ検討いたしまして、毎回一兆円の国債を直接運用することを要求しておるわけでありますが、郵政省から国債引き受けの要求を受けておる大蔵省はなかなかそれを認めないんですが、一体大蔵省はどういう理由でこれは認めないわけですか。
○説明員(寺村信行君) 御承知のとおり、現在、郵便貯金もそうでございますし、それから各種の年金資金、その他国の特別会計の資金はすべて資金運用部で一元的に管理運用するという仕組みになっております。これは、国の制度でございますとか信用を通じて集めた資金につきましてはやはり公共的な目的のために運用した方がよかろうと、しかも大量の資金でございますので財政金融政策との整合性を保っていかなければいけないと、そういった考え方から現在の統合運用のシステムができ上がっているわけでございます。また臨調答申におきましても、統合運用の現状は維持されるべきであるという御答申をいただいております。大蔵省といたしましては、そういった考え方から、この統合運用のシステムは維持していく必要があろう、このように考えているわけでございます。
○大森昭君 私も国会に出まして逓信委員になって以来このことは主張しているんですけれども、今の答弁はもう七年前と同じですよ、正直申し上げて。ただ、今いろいろ、大蔵省自身もおわかりのように、金利の自由化だとか資本の自由化だとか、こういう大きな流れがあるわけですね。その中で変化を求めてということで郵政省も今言われたように苦慮しているわけですよ。そうすると、あなたの今の御回答というのは七年前と今も変わらないんだけれども、じゃこれからもそういうことでいくということになれば、これは貯金事業をやめざるを得ないんですよ。これはもう太刀打ちできません、正直言って。去年が一兆でしょう。ことしが五千億。もう純増も減っているんですが、今までの九十一兆の金があるからこれ何とか収支のバランスがとれているんでありまして、そうなってきますと、きょうのところはこれ以上言いませんが、この大きな流れの中で少なくとも何とかするというとか、あるいは少しはこれを検討せざるを得ないということはどうなんですか。それもないんですか。
○説明員(寺村信行君) この統合運用の仕組みは、一方で郵便貯金でございますとか年金資金を原資にしまして、財政投融資——住宅金融公庫でございますとか各種の政策金融に出したり、あるいは道路、地方公共団体に資金を提供しているわけでございますが、ただいま先生が、金利自由化の中でこういったところに何も問題がないかと申しますと、実は財政投融資のサイドでもやはり金利自由化によりまして大きくいろんな情勢が変わってきております。 例えて申し上げますと、昭和二十年代、三十年代に比べましてその財投対象機関の調達コスト、逆に言いますと預託者の預託金利でございますが、総じてずっと上昇傾向をたどっております。その結果、逆に政策金融機関でございますとか資金を吸収する機関の資金調達コストが非常に上がっておりまして、その間、例えば政策金融機関でございますと利ざやが非常に縮小してきている、その結果一般会計からの利子補給はかなり増大してきていると、こういう情勢になっております。今後金利の自由化が進展いたしますとやはりこういった面でいろいろな環境の変化がございますので、今後ともそういうものに対しましてどういうふうに対応していくか、私どもも真剣に考えていかなければいけないと思っております。
○大森昭君 きょうは時間がないから余り言いませんが、大体大蔵省が国債発行してそれで大蔵省に集まってくる、資金運用部で国債買うなんというのは本来おかしいんだよ、自分のところで発行して自分のところで買って持っているなんというのは。 それから、そんなに財政の一元化だとかなんとかというんじゃないんだよ、そんな適当に何でも郵政省がやるというんじゃないんだから。郵政省が集まった金で一兆円国債を買うというんだから。そんなに日本の経済だとか財政、金融がめちゃくちゃになるなんということじゃないんだよ。だから、どうもあなたの言っていることよくわからないんだけれども、まあしかし今これ以上言いません、いろいろ検討するとあなた言うからね。例えば郵政だって簡易保険の事業をやっているでしょう。それじゃ簡保はどうなっているんですか、あなたはそう言うけれども。簡保の資金はいろいろな長い歴史があるけれども、少なくとも自主運用を認めているでしょう、ある程度の部分。私は従来から言っているんですが、例えばそれは確かに資金運用部に入っていろんな公共的な施設に金を流したりなんかしていますけれども、やっぱり事業を行う貯金の外務の労働者にしてみれば、自分が勧誘して集まった金が、例えば学資保険に行くんですよとか、何々のために、国のためになっているんですよという実感を持たして、より奨励活動をやるし、また貯金していただく人も、ああ私どもは単に定額貯金するというのは利子がよくなるだけじゃなくてそういうようにも回っていくのかと、それじゃ定額貯金をしてひとつ利子ももらえるし、また国のためにもと、そういうようなことも一つの面でやっぱり政策上やってもらわないと、集まった金が資金運用部へ行ってどこへ行くかわからないということでしょう、具体的に言えば。だから、そういう、一面で言うと、やっぱり貯蓄を奨励するという視点から言っても、もちろんそれは大蔵省が、郵便貯金なんかはふえたってふえなくたって構わないんだと言うんならこれは全然別ですよ。 ところが、郵政省が貯金事業をやっているというのは、あなたが言うように、金融の一元化だとかなんとかというだけでやられたのでは——現に去年もことしも伸びないどころじゃないんですよ。目標額を減らしているわけでしょう。だから私は、もう極端なことを言うと、今までの純増があるからあれですけれども、本来は、もう年度年度でいったら貯金事業は倒産会社になっちゃうというんですよ、国鉄じゃないけど。たまたま九十一兆の積み立てがあって、それが七・一%の預託利子をもらっているから成り立つだけで。しかし、そういう事業運営というのはやっぱり屈辱的な事業の運営の仕方ですよ、私に言わせれば。やっぱり単年度単年度しっかり採算がとれていくというのが建前ですね。その中で一体、全体の積立金がどうなったから預託利子をどうするかという、それは政策上の問題があるでしょうけれども、単年度単年度貯金事業が成り立っていかないようなことで、もう郵政省がやっていることというのはこれは——その前に郵政省に文句言わなきゃいかぬのだけれども、しかし郵政省に文句言うと、いや大蔵省がちっとも——だって中曽根さんなんか民間活力とかなんとか言うけれども、それは規制を外すということでしょう、一口に言うと。何か国有地をあっちこっち探して、どこを売ったらもうかるかというのが中曽根さんの民間活力みたいだけれども、しかし貯金の事業のあり方についてそういう視点で少し大蔵省も検討していただきませんと、これはもう今つぶれるのを待つみたいな状況ですよ。ですから、答弁要りませんが、毎回毎回私も大蔵省に来ていただいて、毎回毎回同じ話聞いているんじゃばかくさいからもうやめようかとも思うんだけれども、しかし少しずつ話をしている中で少しは大蔵省も進歩してもらわないと困るんだな、これ、本当の話。ぜひひとつこれはお願いをしておきます。 次に保険ですが、まあ保険の問題もいろいろありまして、前回保険局長からの御説明がありましたけれども、やっぱり最大の問題というのは限度額ですね。限度額がこれ何年も据え置きになっているんですけれども、やっぱり限度額を引き上げるということについてもこれまた大蔵省からお許しが出ないようでありますが、大蔵省がどういう主張で、郵政省がどういう主張なんですか。
○政府委員(大友昭雄君) 加入限度額の引き上げにつきましては、十分御理解いただいておりますように、五十二年に現行の一千万円の限度額に引き上げられまして、以来八年間を経過するわけでございます。過去四度にわたりまして経済情勢の変動というようなものをもとにしながら、あるいは国民生活の改善ということをベースに置いて要求を重ねてまいりましたが、いずれの場合にも実現に至っていないわけでございます。当委員会におかれまして、つとに限度額の引き上げにつきましての附帯決議というものもいただいております。五十九年におきましても、六十年予算編成に当たりまして、引き上げにつきまして省の重点施策として取り組んだところでございます。さまざまな経緯はございましたが、甚だ残念なことでございますけれども、合意に至りませんで、昨年末の予算編成の最終段階において、簡易保険事業の実情を踏まえ、成案を得べく両省間で鋭意検討をするということになったわけでございます。 予算要求をする都度反対理由として出されております主なものは、一つは、官業は民業の補完に徹すべきであって、簡易保険の限度額の引き上げが民業の圧迫につながるという点がございます。二番目に、簡易保険の加入の状況、新規加入一件平均保険金額が二百万円ほどであるという加入の実績からして引き上げの必要性が見当たらないという主張がございます。三番目に、簡易保険が無審査であるということから、無審査保険の限度をこれ以上引き上げることについては生命保険事業としての事業の健全性を損なうおそれがあるという主張。そのほかにもさまざまな論点はございますけれども、大きな論点として以上三点が挙げられるわけでございます。 私どもといたしましては、簡易保険のシェアにつきましては、昭和三十五年以来の全生保業界のシェアというものを見た限りにおきましても、件数におきましても、保険金額におきましても、さらに保有資金量につきましても、長期的に低落の傾向にございまして、この間九回の限度額の引き上げを行っておりますけれども、限度額の引き上げいかんにかかわらずシェアが増大してきた、あるいは結果的には民業を圧迫してきたという事実はないんだということを申し上げてきたわけでございます。 さらに、第二点の加入の状況、新契約一件二百万円であるということにつきましては、ある年における新契約一件二百万円ということは、簡易保険の限度額が加入者お一人についてのすべての契約を合算しての金額であるということからすれば、一件二百万円ということは名寄せを忘れた議論であるというふうに申し上げてきたわけでございます。 また、万一の場合の遺族の当座の生活費としてどの程度のものが期待されるか、その中で保険にどの程度のものを金額で期待したいかというような調査をいたしたものからいたしましても、大体一千八百万円ぐらいのものが保険として欲しいというふうな調査結果もございますし、現に加入者の方々からも強い要望が出されてきているという経過もございまして、そういったことからしても限度額の引き上げというものはどうしても必要であるというふうに主張してまいりました。 最後に、無審査保険ということで限度額の引き上げが事業の健全性を損なうという点につきましては、無審査ということではございますけれども、書類上で健康状態というようなものについても御質問をし、お客様からの告知を受けて、さらにそれを後方にあります事務センターで書類審査をして加入の可否を最終決定しているという手続は経ておるわけでございまして、そういった手続を経てきているということ。さらには、保険につきましての加入に当たっての外務員の面接というようなものの経過もありますので、現在の簡易保険の実際の保険事故でお支払いする実際死亡率というものにつきましては、国民の死亡率よりも低いというような形になっておりまして、事業の健全性は過去の引き上げの過程の中においても、また現在一千万を一千八百万に引き上げましても健全性が損なわれるということにはつながらないという主張を重ねてきたところでございますが、るる意見調整は重ねましたけれども、先ほど申し上げましたように最終的に合意に至らなかったということでございます。この引き上げにつきましては、来るべき高齢化社会への対応というようなことだけをとりましても緊急の課題であるというふうな認識をいたしておりまして、私ども早期に実現をできますように全力を挙げて努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○大森昭君 お役所的な発想で民業を圧迫しちゃこれはよくないんでありまして、しかしいずれにしても、これは郵便も貯金も保険も全部競争体制にみんな入っているわけですから、だから従来の発想を変えて、競争下における郵政事業をどう発展をさせていくかということが基本だろうと思います。したがって、そういう意味合いで、予算は赤で組んだりいろいろ技術的な組み方をしていますが、予算はもちろん尊重しなければいけませんが、競争下において、また民業をそうやたらとお役所的な発想で圧迫すれば民業はこれはまた反発することは当たり前ですから、大変難しいわけですが、しっかりひとつ頑張っていただくことをお願いして、終わります。
○片山甚市君 昨日、四月一日、新電電が発足をいたしました。前途多難な船出をしたのでありますが、公社としての事業の否定をし、行政改革の名に隠れて、我が国の中枢神経であり、国民共有の財産を食い物にしようと意図した者にとっては御同慶の至りでありましょうが、私にとってはひとしお感慨深いものがあります。言葉に尽くせません。 この際、百有余年にわたる我が国電気通信事業の発展の過程を真摯に受けとめ、去る一〇一及び一〇二国会での電電三法審議経過と附帯決議の趣旨等を尊重し、真に国民のための情報通信事業としての努力を重ね、いささかも疑惑や不信を招くがごときことのない経営を願ってやまないが、新電電発足に当たり、今後とも監督の立場にある大臣としての御所見をまず伺いたいと存じます。
○国務大臣(左藤恵君) 昨日、電電公社が民営化されまして、競争原理の導入という新しい電気通信制度のもとで日本電信電話株式会社という形で発足いたしました。まずはここに至るまでの本院の先生方を初め多くの関係者の方々の御尽力に対しましてお礼を申し上げたい、そしてまた敬意を表したい、このように思います。 私といたしまして、今回の電電改革三法案の国会におきます御審議の経過などを十分踏まえまして、電気通信事業への競争原理の導入と電電公社の民営化という今次の改革の趣旨が真に生かされるように、適切な法の運用にこれからも留意していかなければならない、このように考えておるところでございます。また、新電電におきまして、新たなる制度の趣旨を生かして今後事業運営面において一層創意工夫を生かして弾力的、効率的な運営を行っていただきたいということを念願して、関係者の一層の御努力を期待する次第でございます。
○片山甚市君 ただいまの大臣のお言葉は、国民の情報通信事業を守り育てていく立場から国益にかなうためにもしっかりNTTに頑張ってもらい、行政当局も努力をするという決意を述べられたと思います。 去る三月二十九日に開かれましたNTT創立総会や当日の記者会見の模様、今後の問題点などをマスコミが報道しているのを見ると、いかにもその不健康な嫌らしさが感じられてなりません。余りさっぱりした気持ちにならない発足であったと思います。特に目立つのは、NTT発足に必要な政省令の整備をめぐってアメリカの対日要求があり、NTTの役員人事をめぐる政・官・財の露骨な動き、さらにNTT株式の取得をめぐる欲に目のくらんだ人々の飽くなき利権屋の動き。 まず四月一日に公布の政令並びに省令についてお伺いしたいんですが、三月二十六日の参議院逓信委員会で私の質問に対し、すべて整っているとのことであったが、三月二十九日報道の記事、朝日によれば、一つは付加価値通信綱は——VANの登録手続の簡素化、特別第二種事業の区分基準の規制撤廃、これについては将来の問題として再協議すると書かれてありました。 二つ目には、端末機器の基準はネットワークに損傷を与えればよいとすることに限定せよというアメリカの要求については省令施行後六十日の間実施を延期しさらに再交渉するということで、先ほどの大臣のお答えによればそれを早めて実施をしてみたいということであります。省令を六十日間実施を延期したいと言われて書かれておるんですが、そういうことはないだろうと思いますが、それはそうです。 三つ目に、その他政策決定の透明度、公正や外国メーカーへの差別禁止の原則については省令で明示するとの基本合意がされたといっています。これによってアメリカ側の要求をほぼ全面的にのんだ形で日米通信機器市場開放の交渉は一応決着したように書かれておりました。そこで、二十六日の沢田局長答弁と全く矛盾するのではないかと思うんです。局長は日米交渉の結果によって政令、省令はこうなるかもしれないとは言わなかったじゃないですか。大体政令、省令は余り変わりがないと言っておりました。政省令は国会審議、附帯決議の趣旨を踏まえ作業中であり、関係者とも十分協議して何も問題を残していないとの御答弁であったし、大臣も交渉の進展を図るための安易な妥協は考えていないと言いながらこうした決着は余りにも国会審議の経過を軽視したものではないか。私は大臣の先ほどの大森さんに対する真摯な御答弁を聞きましたけれども、すかっとしないので納得できないのでありますが、局長からまずお聞きをし、大臣からもそれについての国民への疑惑を解くような態度での御答弁を賜りたいと思います。
○政府委員(澤田茂生君) 先般お答えを申し上げました点でございますが、第二種の規模の基準等を定める施行令等を中心に御質疑があったかと思います。その点におきましては、既に四月一日の政令によりまして本院の附帯決議を踏まえまして、千二百ビット換算五百回線という基本線というものを踏まえて関係省庁とも意見の一致を見たものとして施行を四月一日からいたしているわけでありまして、その他の準備政省令等につきましても、これは関係省庁との意見というものも踏まえて既に四月一日から施行いたしているところでございます。 なお、アメリカとの問題につきましては、今日時点における日米の貿易摩擦問題の解決の意味合いというようなものを十分踏まえながら、私どもといたしましても鋭意折衝を重ねてきているわけでありますし、なお解決といいましょうか、向こうが全面的に了解に達していない部分というものがある。それについては私どもといたしましてもこれからも引き続きいろいろ相互の間に理解を深めるという努力は重ねていかなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
○国務大臣(左藤恵君) まず最初に役員の人事とか株式の処分のことについてのお尋ねがございました。 新電電の役員につきましては、三月二十八日の創立総会におきまして選任をされた方々を同日付で郵政大臣が認可を行ったというところでございますが、新電電は申し上げるまでもございませんが、極めて公共性の高いそういう事業を経営されるわけでありますから、役員は事業の運営について適正な判断ができる高い識見をお持ちの方々から選任されるべきものであるというのが基本的な考えであるわけでありまして、したがって役員人事におきまして何々の出身であるべきだとか、あってはならないというようなことを考えるのは適当でない、このように考えております。 今回、今里さんに電電の設立準備委員会の設立委員長をお願いしたわけでありますが、今里さんのお考えもありまして、民間活力の導入という見地から民間からも役員が何人か入られるということにつきまして、これは今回の電電の改革の趣旨に沿うものであろう、私はこのように考えておるところでございます。 それから株式の売却につきまして、これはもちろん国民共有の貴重な財産であるわけでありまして、いささかも国民の皆さんに疑惑を抱かせるようなことがあってはならないわけであります。このことにつきましては、大蔵省がこれからその衝に当たるわけでありますけれども、十分我々もそういうことについて適正、公正な売り方をしていただきたいということを大蔵省にも強く要求し、またそうしたことについて検討さるべきものであろう、このように考えておるところでございます。 それからもう一点、今局長からお答え申し上げました政省令の関係につきまして、これはそういったことでとにかく四月一日から実施しなければなりませんし、実施に支障を来すことがあっては困るわけであります。この点につきましては日米交渉という段階におきましても四月一日の実施ということは言っておるわけでありますけれども、さらに詳細の部分についてアメリカの方ではもう再検討できないかというようなことでやっておるわけでありまして、一応四月一日からこの新しい体制におきます政令、省令はまとめて四月一日施行ということにいたしておるところでございます。
○片山甚市君 そうすると、政令、省令は適用を中止して六十日間とめるということではないということですか。
○政府委員(澤田茂生君) そのとおりでございます。もう既に四月一日から政省令は施行になっておるわけであります。
○片山甚市君 政省令はアメリカの政治的圧力の中で無理やりにいろいろの趣旨がねじ曲げられて問題を残しておるというように思いますし、公布についても暫定的に六十日か五十日の命しかないような感じを受ける政省令を出されることについては納得できません。 そこで、その他の条項については問題がないかどうか。もしそういうことであれば、私たちの方、逓信委員のメンバーから文句が出たら政令、省令については検討していただくんでしょうか。アメリカが言うから検討するんで、国民の側の意見は余り検討しない、いかがなものでしょうか。
○政府委員(澤田茂生君) 政省令をつくるまでの過程において、特に今回の政省令は電電改革三法を施行するという意味合いのものでございまして、私どもといたしましては、まずは何と申しましても国会での御審議の状況あるいは附帯決議、御意見、そういったものを十分踏まえるということと、やはり関係の深い、関係国内における方々の御意見というようなものを踏まえてやってまいったつもりでございますし、そしてその間の御理解をいただいたものとして施行させていただいたわけであります。 なお、電気通信分野につきましては大変動きの激しいものでもございます。また、今までの長い間の独占体制から新しい全く今まで経験したことのない事態へ入るわけであります。その間におきまして実態として利用者の方々あるいは事業者の方々がお困りになるというような事態があったのでは、これはむしろそれにマッチした形で政省令というものは積極的に直していくべきであろうという考え方は私どもはいつでも持っているわけでございます。そういった意見については今後ともいろいろ私どもなりに御意見を賜ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○片山甚市君 この間NTTの幹部は、できるだけより簡素化してほしい、我々の場合は五十二項目あったんだが、今度三十項目になった、もっと減ってもよろしい、減らしてほしい、商売するのに都合が悪いから、こういうことでありますから、アメリカの意見とNTTとは合致していると思いますから、まあしっかり頑張ってください。私たちはわかりません。NTTもどこもいいと言っておるんだから、監督官庁がそれで監督できると言うんですから、私たちは規制を解除したこの法律に基づいて通信主権が侵されないように、どういうように国民の代表としての政府が我々の通信を守るかということに関心があって、アメリカが、省令や政令を決める前におれにも知らしてくれ、検討するから、そうしてちゃんと国会に対して文句が言えるようにさしてくれ、技術基準についても同じことを言っていますから、そういうことを大体認めるということでありましょうか。イエスかノーか答えてください。
○政府委員(澤田茂生君) 政省令はまさに日本の法律を日本において施行するための必要な手続でございまして、ただ日米関係という今日における喫緊の課題というものも踏まえながら、できるだけやはり世界の中における一つの貿易体制と申しましょうか、その中における日本の位置づけというものもやはり踏まえなければならない。また、当然のことながら国民の利益、利用者の利益、事業者の健全な発展というようなこと、そういったことをいろいろ勘案しながら私どもとしては判断をしていかなければならないと思うわけでありまして、どこか一つだけに主張をそのままうのみにして政省令を通すとか変えるとかいうような考え方は私どもとしてもとれないところだというふうに理解しております。
○片山甚市君 もう一度質問しますが、政省令を決めるとき技術基準を変更するときには、アメリカを含めた全国民に政令はこのようにつくりますということを事前に通告しますか。
○政府委員(澤田茂生君) 私どもといたしましてもこういう国民の利害関係等に深いかかわりのあるものにつきましては、いろいろなところからの意見というものを聞くということは、今日、四月一日に施行いたしました技術基準等につきましてもヒヤリングとかいうようなこともやっておりますし、関係の審議会、電気通信審議会におけるいろいろな御討議というようなものを通じていろいろな各方面の御意見というものを踏まえてやっておるし、私どもの考え方はこういう考え方であるよ、それについてどうでしょうかというようなことについては今までも努力をしてきたつもりでございますが、今後ともそういうことについてはいろいろ配慮してまいりたいと思っております。
○片山甚市君 よくわかりました。 次の問題ですが、NTTの役員人事について先ほど大臣からお話がございました。今回NTTが発足するに当たりさまざまな動きを見ました。電電三法成立後一層加熱した政・官・財の社長、役員ポストに対する醜い争いは連日のようにニュースや情報誌がおもしろおかしく取り上げておりました。これは根も葉もないことでなく、根も葉もあったことだということが後日わかったので非常に残念でありました。 二十八日創立総会の後の記者会見で今里設立委員長が真藤、北原の確執について世間で言われている新電電トップ同士の違和感は懸念していないと、懸念があるかという質問に答えておられました。大臣も選考の過程で氏名が取りざたされるたびに、お顔を見ていると不快感を示されたように感じられました。一体どうなっておるのかと思っておったところです。社長等NTTの役員人事については大臣の認可があるまでは本来公表されるべきものではなくて、大臣のやはり人事権に属するものだと法案審議のときには深く感じられました。大臣にない人事権がひとり歩きをしておることについて大臣がどのように関与していたのかについて非常に残念であります。あるいは民間出身でなければNTTはだめだとかいうことで財界側は言うと、政権党の方の方々から、これではいいではないか、あれでは悪いじゃないかという口を挟み、指名された者について、阿部さんのような人たちは特に突然成田から帰ると、あれだけ成田の空港で物を言っておった人が、病気だといって病院に駆け込んで辞退する、それでも平取締役に入って次のとき様子をうかがう。特定の人物を将棋のこまのように利権屋どもが好き勝手に出したり引っ込めたりすることについて、全く国民不在のあさましい経営の乗っ取り劇が公然と繰り広げられたと思います。これが国民に期待を持たせる民間活力、経営活性化の実態なのかどうかと言いたいのであります。 今後とも電電三法のもとに健全な事業運営がなされるためには国民的合意を形成する国会の役割は極めて大きい。特に郵政省としてはこれからどのように対処していくのか期待をしておるんですが、国際的にも我が国の通信主権の確立を図るためにも、大臣がやはり私たちの通信を守っておる立場から、一言これについての御意見を賜り、我我のうっくつとしたおもしろくない気持ちについて答えてもらいたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 今申しましたように、もう大変公共性の高い、また全国的ないろんな面での国民の皆さんと非常につながりの高い会社でありますから、そういった人事につきましていろんなうわさといいますか、そういうようなものが出てくること自体が私は非常に困ることであって、本当に適正な判断ができる高い識見をお持ちの方から選ばるべきであるということは当然でございます。そして、途中でいろんなことが新聞に載ったり何かしたということは、先生御指摘のように私らも非常に心配をいたしました。このこと自体は一つは私はやはりそういった希望的なことをいろいろの方がおっしゃる、おっしゃったことがまた新聞の上には、どう言いますか、いかにも決まったかのようないろんなそういうふうなことで表現されてくること自体、非常に大切な、神聖であり、また非常に公共性の高い会社の人事の問題について私はそういうことが仮に載ること自体不見識なことであり、適切なことでなかったと、このように思います。 そして、最終的にそういったことにつきまして、そういったことではなくて、設立委員長が推薦されました案というものにつきまして、私は今申しましたようなことで適正な判断ができる方々を御選任いただいたので、それを認可したということでございますので、今後そういった方々がやはり御自身が選ばれたという一つの大きな責任を持って衝に当たっていただきたい、こういうことを念願しているところでございます。
○片山甚市君 お決め願った人事そのものについて私は意見を述べておるんじゃなくて、選ばれるまでの過程が余りにも醜いではないか、欲ぼけ、権利欲、利権におぼれておる感じがした。国民に対してはそういうことで清潔なNTTと映ったのかどうかということについて大変残念だと思うという意見でありまして、いささかも真藤社長とか北原副社長とか役員の方々個人についての批評をしたりしたものではないんでありまして、これからもそういうことが起こらないようにしっかり監督をしてもらいたいということを大臣に申し上げたんです。大臣からもそうあるべきだというお答えがあったことにしておきます。 そこで、この問題終わりまして、次の問題で国際衛星通信の問題でありますが、国際通信分野における衛星通信はインテルサットによる一元体制をとることで、加盟締約国の総会でも非インテルサット系通信衛星計画を許すべきでないとの態度が表明されておりますが、昨年十一月二十八日、レーガン大統領がインテルサットとは別個の国際通信衛星システムを認めることはアメリカの利益になると決定したことで国際衛星通信体制に大きな波紋を起こしておりますが、インテルサット体制を堅持する我が国として、この大統領の決定をどのように受けとめられておるか、まず局長、担当からお答え願いたいと思うんです。
○政府委員(奥山雄材君) かねてアメリカにおきましてはFCC、つまり連邦通信委員会に対しまして、オライオン、シグナス、RCA、ISI、SGCという五つの会社が大西洋地域においてインテルサットとは別個の通信システムを建設したいということで認可申請を出しておりましたが、ただいま先生御指摘になりましたように、昨年の十一月二十八日に大統領が国務長官並びに商務長官に覚書を送って、インテルサットとは別個の国際衛星通信システムを認める決定をいたしております。 しかしながら、その決定には一定の条件がついております。その条件の中の一つといたしまして、あくまでもこれはインテルサット協定にのっとって、つまりインテルサット協定の枠内で処理をすることがうたわれております。つまりインテルサット協定十四条(d)項によりまして、いずれ締約国総会でこの別個のシステムが、インテルサットと技術的に両立するかどうか、あるいはインテルサットのシステムに経済的な著しい損害を与えないかどうか、あるいはインテルサットによる直通の通信回線を阻害するものではないかどうかといったような観点からの協議が行われるわけでございますので、日本といたしましては、もし米国側からそのような締約国総会における提議がありましたならば、その段階で日本側の意見を申し述べることにしております。
○片山甚市君 どういうように大体受けとめられますか、それについて肯定的ですか否定的ですか。
○政府委員(奥山雄材君) 大統領の決定もインテルサットの体制を覆すことを予定しておりません。 言葉をかえて申し上げますと、決定の中にもございますように、これは、公衆通信回線に接続するものでないことという条件も入っておりますし、インテルサット協定の枠内でその協定に従って遵守をしながらこの地域衛星通信システムを認めるということでございますので、インテルサット協定に基づいた形で米国においても処理されるべきものと、あるいは日本においても同様であろうというふうに考えております。
○片山甚市君 この非インテルサットが稼動するとなれば、アメリカが大西洋間に別個のシステムを導入するとなると、国際通信分野におけるクリームスキミングが、いいとこ取りが、おいしいところ取りができるということになるんですが、そういうことは競争の原理として当たり前だと思っておられますか。
○政府委員(奥山雄材君) 私どもインテルサット協定の履行を確実に行うことを前提といたしまして、協定十四条(d)項に基づいて検討を行うことにしておりますので、締約国総会にこれがかけられました場合には、協定十四条(d)項に定める諸条件にのっとってこれを処理するつもりでございます。
○片山甚市君 インテルサットのグループについては、このことについて肯定的に受けとめておるというふうに郵政省は受け取っていますか。
○政府委員(奥山雄材君) 今回のレーガン大統領の決定も、インテルサット協定を遵守した形のものであり、その枠内のものであると思っておりますし、今その決定を受けてFCCが審査をしていると聞いておりますが、FCCもインテルサット協定を温存する、維持する見地からこの審査をしているというふうに承知をしております。
○片山甚市君 そうすると、我が国において、アメリカと同様、インテルサットと別個の国際通信衛星を打ち上げるについて新規参入者から申請があった場合については、これをどのように措置をされるつもりですか。
○政府委員(奥山雄材君) 我が国の場合の国際通信トラフィックを考えました場合には、世界の国際通信トラフィックの三分の二が大西洋に集中しておりますし、残りの三分の一のまた三分の二がインド洋でございますので、太平洋地域のトラフィック量としては一〇%前後しかございませんので、インテルサットとは別個の独立の国際通信システムが現実のものとして出てくるということは現時点では考えられないだろうというふうに考えております。
○片山甚市君 考えられないじゃなくて、あった場合どうするのかと言っておるのです。
○政府委員(奥山雄材君) その場合の形態といたしましては二つあると思いますが、一つは現在のインテルサットのシステムを使って太平洋地域における国際通信システムをやる場合、それからもう一つの方法といたしましてインテルサットとは別の国際通信システムをみずから建設して国際通信事業をやろうという、その二つが考えられますが、後者の場合は先ほど申し上げましたような理由からもまず現実的ではないと思います。 いずれにいたしましても、前者の場合であれ後者の場合であれ、そのような申請をもし行う事業者があらわれてまいりましたならば、昨日から施行されております電気通信事業法の第一種電気通信事業者となるわけでございますので、その法の枠内によって許可が行われるということになると思います。
○片山甚市君 それでは具体的に聞きます。 我が国は、今後とも国際衛星通信に関してはインテルサット体制を堅持していくということになっておると思います。ノーだったらノーと言ってください。 そこで、電気通信事業法第五条の、条約に別段の定めがある場合それが適用されることで、衛星通信についてはインテルサット協定の署名当事者は一国につき一事業体、すなわち我が国ではKDDが適用されるが、インテルサットを利用した第二KDDはあり得るのかどうか。競争状況をつくるということでNTTが国際通信に参入する予定をしておるのかどうか、具体的になおそれを聞きます。
○政府委員(奥山雄材君) 先ほど申し上げたこととダブるわけですが、第一種電気通信事業者として国際電気通信事業をやる場合には、インテルサットを利用してもできますし、あるいはみずからのシステムを構築して建設して通信事業をやることもできるわけでございます。現在の事業法におきましては新規参入が可能になる道を開いたということでございます。
○片山甚市君 これは後日に残る問題として、私がNTTというものは国際通信に参入する予定をしておるかと言って聞いておるのに答えないのですね。どうしてですか。
○政府委員(澤田茂生君) 新電電の会社は、専ら国内通信ということを行うということで、日本電信電話株式会社法に基づいて設立された会社でございます。その目的、法律に定めてあるいろいろ責務等から考えまして、国際通信の分野にまで事業を伸ばすということは法が予定をしてないものであろう、こういうふうに理解をいたしております。
○片山甚市君 真藤社長は、昨日の対談のところでも、近く国際通信に参入したい、こういうことを言われています。それは、言われておるのであって、直接聞いて新聞が書いておるのだから言える。 去る二月二十二日の毎日新聞によれば、インテルサットが二年前から始めた国際ビジネスサービスを利用してNTTや第二電電が国際通信分野に参入する公算が大きいと書いてあるのですが、郵政省はどういうようにその事実を把握されていますか。
○政府委員(澤田茂生君) 国際ビジネスサービスの問題でございますが、私ども承知いたしておりますのは、KDDに対しては何か幾つかの企業がKDDのユーザー、顧客としてこのビジネスサービスを利用したいというような問い合わせがあるということは聞いておりますけれども、これを利用して電気通信事業をみずから行うというような具体的な計画というものは私どもは掌握いたしておりません。
○片山甚市君 そこでさらに、KDDで独自の国際ビジネスサービスを実施する計画がありますが、仮に民間企業から、地球局を設置し、同じサービスを行うことが申請された場合について、郵政省はどういう対応をされますか。
○政府委員(澤田茂生君) この国際ビジネスサービスは、これはインテルサットが各国の電気通信事業体に提供するというものでございまして、我が国では現段階におきましてはKDDにおいて提供されるというふうに私ども理解いたしております。したがいまして、KDD以外のものが地球局を設置して国際ビジネスサービスを行うということにつきましては、まず第一種事業者としての問題もございますが、そのほかにITU条約上の認められた私企業として位置づけるための要件とか、あるいは署名当事者たるKDD以外のもののインテルサット宇宙部分の利用の手続だとか、インテルサットに対する責任主体の問題等いろいろ問題はあろうかと思っているわけであります。
○片山甚市君 よくわかりました。 次に、三月十三日から電気通信分野における日米協議で、アメリカ側から特別二種と判定する際、諮意的とみなされる基準の撤廃を要求するのに対して、郵政省から、国際端末と結びついているものすべてが特別第二種事業となるわけではないとの回答をしておりましたが、その趣旨と、事業法第二十一条三項との整合性はどうか。外国通信とつなぐものは全部特別第二種になるように書いてあるのですが、アメリカに答えたことと違うように思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(澤田茂生君) 本法二十一条におきましては、「本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する第二種電気通信事業」ということを書いてあるわけであります。第二種といいましても、これに対するアプローチが外国のお客さんとのアプローチという場合、公衆網を使ってのアプローチということも考えられるわけでありますから、そういうものがあったということによって直ちにすべてを第二種、要するに三項の後段にいう第二種としてとらえるということではないということを説明したわけであります。
○片山甚市君 解釈の一つとしてお聞きしておきます。 CCITT勧告では、専用線を利用して他人の通信を媒介することが禁止されておりますが、この勧告は今後とも遵守される予定ですか。
○政府委員(奥山雄材君) CCITTの勧告につきましては、規則、勧告を含めて今後とも遵守いたします。
○片山甚市君 去る三月二十七日の朝日新聞によれば、岡山県倉敷市のホテルで、直径四メートルのパラボナアンテナを設置し、太平洋上のインテルサットなど、通信衛星が出す電波を傍受し、ホテル内の二十六の客室とレストランのテレビにアメリカの三大ネットワークなどのニュース、スポーツ、ショー番組を流しているとのことでありますが、郵政省はこれを御承知でしょうか。
○政府委員(澤田茂生君) そういう報道につきましては私ども承知をいたしておりますが、個別的にはまだ十分な把握をいたしておりません。
○片山甚市君 そうすると、インテルサットなどの電波を傍受し、第三者に知らせる行為は、電波法第百九条の一項との関連で問題はありませんか。
○政府委員(澤田茂生君) 電波法とのかかわりでございますが、電波法によりますと、「特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし」てはならないという規定が五十九条にございまして、その罰則が今先生おっしゃられました規定であろうと思うわけでありますが、そういう、内容をただ傍受するというだけではなくしてこれを漏らすというような行為が伴うとすれば、これは五十九条違反ということになるわけであります。
○片山甚市君 NHKの紅白歌合戦がちょうど、香港経由かどうかわかりませんが、台湾で同時に放送されておる。それは、日本国籍を持った企業がスポンサーになってやっておる。そういうことについて別の委員会で議論があったんですが、電波を監視する立場で、売り買いをすること、それについてもザル法のような形がありますから、その関係でNHKの放送の問題で議論がありましたから、ひとつ検討しておいてもらいたい。これはただ要望だけ申し上げたい。 その次に、データの流通の問題についてですが、高度情報社会の形成には、情報の蓄積、共有化が不可欠でございます。我が国のデータベースはまだまだ脆弱であり、他国のデータベースへの依存は強いのでありますが、国際間の情報流通の面から見ても、アメリカなど特定の国に情報が集中することは好ましくないと思います。 我が国のデータベース振興計画を確立し、速やかにデータベースを構築すべきであると思いますが、大臣としてそれについての御努力はどうでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) 高度情報社会におきますデータベースは、企業活動、社会活動に欠かせないものになってきておるのは御指摘のとおりだと思います。さらには、エネルギー、食糧に次ぎます第三の国家的な経済資源というような面も、私はこのデータベースにはあるんじゃないか、このように思います。しかしながら、我が国の現状から考えますと、そういったデータベースサービスは欧米の諸国に比べてかなり立ちおくれておるというのが実態であると思います。 例えば我が国で利用できるデータベースの数は、五十八年度現在では六百七十九しかありませんが、アメリカは千八百七十人、ヨーロッパで千八百四十五と、比較してもかなり少ないわけでありまして、我が国で流通しておりますデータベースのうちで七七%が海外のものに依存しておるというような状況から考えまして、我が国の電気通信政策の最重要課題の一つとしてデータベースの振興をしていかなければならないと、このように考えておるところでございます。
○片山甚市君 何はさておいても、データベースについての蓄積が国全体でできるかどうかということについて、高度情報化社会における日本の地位が決まるというふうに思いますから、大臣も今おっしゃいましたけれども、相当のお金が要ることですし、各省庁間の協力も民間の活力もこれこそ必要でありますから、そういう意味でお力を尽くしてもらいたいと思います。 そこで、二月二日の日経新聞によりますと、米国務省は近くOECDに、企業情報など各種データの国際間の移動を円滑にするためのデータ自由化宣言を採択するよう提案しております。我が国にも同調を求められておるということでありますが、同時にデータの国外持ち出し規制をしているヨーロッパに対しても説得をするように働きかけがあるというんですが、このことについてはどういうように受け取られていますか。
○政府委員(奥山雄材君) ただいま先生が御引用になりました二月初めの日経新聞の記事は、多分二月の六日から七日にパリにおいて行われましたOECDの国際間のデータ流通問題に関するワーキングパーティーで審議をされた内容の記事だろうと思われます。 かねてOECDでは、一九七四以来ですから既に十年以上にわたりまして国際間のデータ流通にかかわる問題を取り上げてきております。それで、ことしの二月の六日、七日にもワーキングパーティーでこの問題が取り上げられまして、アメリカ側が提出しておりますデータ流通、いわゆるTDFの宣言案について審議が行われましたが、その時点ではまだ時期尚早ということで結論を見ておりません。 さらに、そのワーキングパーティーの上部機関であるICCP——情報通信政策委員会に上げられまして、先月審議が行われておりますが、その過程でアメリカ案のみならずそれらに同調する国、反対をする国等の国々の調整が図られまして、現在なおそのような調整作業が続いているという段階でございます。
○片山甚市君 そういたしますと、国際間のデータ流通は現在圧倒的な優位にあるアメリカに情報が集中し、データをインプットする側の主権が脅かされかねないという声を私たちとしては聞くのでありますが、特に西ドイツでは、原則としてデータ処理は国内で行うことを義務づけるなどデータ伝送を規制するケースも目立っておりますが、郵政当局としては、この国際間のデータ流通に対してどのような方針で臨むか、もう一度御答弁賜りたい。
○政府委員(奥山雄材君) 我が国は自由主義社会の一員でございますし、また貿易立国を目指す国でもございますので、国際間の情報の自由の原則というものは基本的に堅持すべきであらうということでございます。 OECDにおけるこの種の会議でも、そのような基本的な考え方に基づいて日本側の方針を宣明しているところでございますが、ただ、やはり国際間のデータ流通になりますと、先生御指摘になりましたように、国家の安全その他企業の秘密にわたるようなものもございますので、宣言がまとめられる段階におきましては、そうした国際、国家間の安全なり安寧なりあるいは企業秘密なりが完全に保護されるようなものにされるべきであるというふうに考えております。
○片山甚市君 自由陣営については西ドイツも同じでありまして、自由貿易も同じですから、私は、西ドイツがこういう態度をとっておることについて十分に了知しておりませんけれども、十分に日本の国の通信主権というものを守っていく中で自由貿易が進むように配慮してもらいたいと思うんです。 この国際間のデータ流通について最も関心が深いのはプライバシー保護であります。総務庁は、コンピューターによる個人データの乱用からプライバシーを守るデータ・プライバシー保護法制定のために、四月じゅうにも行政データ・プライバシー研究会を発足させようとしております。そういうことで法制化に当たっての諸問題を検討しておるようでありますが、その概要について、どのような方々を集めて、どういうような検討をされるのか、総務庁から御答弁賜りたい。
○説明員(藤澤建一君) お答え申し上げます。 個人データ保護対策につきましては、従来から私ども行政機関の保有する個人データを対象といたしまして、私ども関係各省庁と協力いたしまして鋭意検討を進めてきたところでございます。この問題につきましては、臨調の最終答申を受けまして、政府としては行革大綱に基づきまして行政情報システム各省庁連絡会議等の場を通じて、現在法的措置を含め制度的方策について政府としての方針を取りまとめるべく具体的検討を行っているところでございます。 ただいま先生がおっしゃいました研究会の開催ということでございますけれども、個人データ保護対策が国民生活及び行政活動全般に非常に広範な影響を及ぼすということは考えられるわけでございます。また、我が国の現行諸制度にはない新たな分野の問題でもあるというようなことから、具体的検討に当たりましては、現在の申し上げました行政情報システム各省庁連絡会議における行政実務化の検討ということをやっておるわけでございますけれども、これに加えまして各界の学識経験者と申しますか、そういう方の専門的意見をも十分に踏まえることも必要であるというように考えておりまして、このため私どもとしては新たな研究の場の設置というようなことについても検討をいたしてまいりたいと考えておるわけでございますが、具体的にいつどのような形で研究の場を設けるかというようなことにつきましては、今後の検討のことでございまして、現段階ではまだそこまでは申し上げられる段階には至っていないわけでございます。
○片山甚市君 総務庁では、行政機関の保有するデータについてのお話があったんですが、それでは民間企業として保有するデータについてのプライバシーをどういうように通産省ランクで守られるかお聞きします。
○説明員(大宮正君) 民間における個人データの保護対策につきましては、今お話ありました昨年十二月二十九日の「行政改革の推進に関する当面の実施方針について」という閣議決定におきまして、それぞれの関係省庁において検討を進めるということになっております。当省といたしましても、民間部門に保有する個人データの保護についてそのデータの内容、規模、その処理方法が多種多様であることにもかんがみまして、その実態を十分踏まえながら今後検討を進め、適時適切に対処していく所存でございます。
○片山甚市君 実は時間がありませんから、本来ですともう少しお聞きをして、情報基本法を制定するに当たって、郵政省が指導的に電気通信関係を含めて推進役になってもらいたいと思っておりましたから、またこれで逓信委員会で発言するのは終わりということはありませんので残します。特に大臣には情報基本法の制定といいますか、電気通信の高度化に伴ってのプライバシー保護のための一段の御研究を賜って準備をしてもらいたい、御答弁をしてもらうと時間がありませんで、四十四分で終わりということですから。 そこで、一間だけ言っておきたいことがあります。これは、せんだってNHKの六十年度予算が終わったんですが、昭和五十九年度収支予算審議の際にも私ただしたんですが、業務体制の見直しの一環として地方局体制について業務、要員の集約、再編成が行われましたけれども、このことはローカル放送の充実に直結するものであり、重点的に放送局のパワーアップを図っていきたいとのことでありました。本年度においても要員削減二百名を伴う効率化の施策が進められるとのことになっていますが、昨年私が指摘した点について十分にその趣旨が生かされているのかどうかお聞きしたいと思います。 去る一月二十八日、長野県下で起きた日本福祉大学学生の遭難事故報道の際、NHKの取材がおくれたことについて一部の週刊誌で話題になっておりました。緊急体制の整備と関連して、昭和五十九年度から甲信越三局、近畿、中部管内の八局については技術一名、放送一名の宿直体制に縮減されたということでありますが、当面の取材におくれをとったというのは効率配置に大きな原因があるのではないかと思いますが、そのようなことについての克服策についてお聞きをしたい。
○参考人(川口幹夫君) ただいま御指摘の長野県のバス事故の報道につきましてでございますが、バスが転落をいたしましたのが一月二十八日の午前五時四十五分でございます。NHKのテレビは、当日六時四十五分からニュースワイドの冒頭で放送をしております。したがいまして、これのいわゆる速報についてはおくれたということはございません。ただ残念ながら、ヘリコプターによる取材というのが地元の民放局は自分のところのヘリを持っております。NHKでは松本から電話で飛ばしまして、このために若干おくれたという事実はございます。 以上は長野県の事件でございますけれども、地域放送の充実ということはNHKが六十年度の中では大きな重点項目の一つに挙げております。したがいまして、施設あるいは機材等についても重点的にこれは充実をしていこうということで予算も組んでおります。いわゆる人員効率化によるしわ寄せが直接地域放送に響くことがないように、これは十分に気をつけたいと思っております。
○片山甚市君 終わります。
○三木忠雄君 昨日から日本電信電話公社が民営化になって、民営化になるまでにいろいろ大臣を初めまた関係局長、政令、省令等で非常に御苦労なさったと思うのです。この問題に対して私は日本電信電話公社を初め関係者に敬意を表しておきたいと思うのです。 で、大騒ぎになって、民営化というものが昨日からテレビ、新聞等で随分報道されているわけでありますけれども、素朴な感じといたしまして、国民サイドに立った場合に、果たして民営化になったときに我々にどういうメリットがあるんだろうかと、いろいろ言われてきたわけですね。この問題について具体的に六十年度の事業計画といいますか、ここ一、二年でも結構です、どういうメリットが国民サイドからは享受できるのか、この点についてまず伺っておきたいと思うのです。
○政府委員(澤田茂生君) 電電公社の民営化、それから電気通信事業への競争原理の導入ということに伴いまして、新電電は民間の企業としてより自由な立場でみずからの創意工夫を生かして他の企業と切磋琢磨する中で、経営の効率化あるいは活性化というものが図られることを期待されているわけであります。こういった事業者間の競争を通じまして、コストの低廉化による料金の値下げ、あるいはサービス技術の向上、あるいは高度化、多様化する利用者ニーズに対応したきめ細かなサービスの提供に資するといったことが、新規事業者の参入によって促進されるであろうというふうに考えられるわけであります。 今先生御質問の、当面の問題としてどうだ、具体的にということでございますが、今私どもとして思いつく、また国民の皆さん方にすぐ目の前に出てくる問題としましては、四月一日以降いわゆる本電話機の開放という問題がございまして、これは今までのいわゆる電電の黒電話だけだったのが、いろいろ自分で好きな電話機を買ってきてこれを接続することができるということになるわけであります。あるいはそういうふうに需要者自身が自由に端末を選択できるということでありますが、このほか回線の利用が自由化されるというものがございます。こういったことから、さらに国民の電気通信に対する需要というものが喚起をされるであろうし、これにこたえてさらに先ほど申し上げましたようなきめ細かな、あるいは高度化した多様サービスが提供されていくということになろうということを私どもは期待をし、望んでいるところでございます。
○三木忠雄君 テレホンカードであるとか、自動車電話であるとか、こういう問題について具体的に検討に入っているという話を伺っておりますけれども、これは本年度中に値下げをするとかあるいはサービスをするとか、こういう方法にはならないんですか。
○政府委員(澤田茂生君) これは今後はまさに事業体独自の創意工夫ということによるわけであります。電電自体が新しいこういう事態に対処していろいろ戦略戦術を練っておるということは私ども承知をいたしておりますけれども、具体的にどういうものをいつからというところまではまだ私どもも掌握をいたしておりません。これはやはり事業体自身のいろいろな御判断によって、私どもがその申請を受けてそれから判断をしていくというようなものであるし、申請の要らない認可とか、そういうものにかかわりなくできるものは御自由にどんどんいろいろな形で出ていくであろうというふうに思うわけであります。
○三木忠雄君 そうしますと、市外電話ですね、この問題が今日本テレコムであるとか、あるいは日本高速通信であるとか、あるいは第二電電企画であるとか、こういうところがこれから恐らく申請が出てくると思うんですね。こうなったときに競争の原理を導入して市外電話を値下げをする。このときに私は一つ心配は、今この三社を一本にしろとか、あるいはコストを幾分は下げるかもしれないけれども、高値安定の線に市外電話がなってくるんじゃないかというふうな点を非常に危惧される声があるわけですね。こういう問題に対する原価主義の問題等を含めた郵政省の対応はどうかということなんですか。
○政府委員(澤田茂生君) 遠近格差の問題、市外料金の問題というのはかねてからいろいろ当委員会におきましても議論があったところでありますし、国民もいろいろ期待をいたしておるところであります。今後新電電に移りましても遠近格差の是正ということについては今後とも努力を払っていくであろうというふうに私ども期待をいたしているわけでありますが、一方新規事業者もより安い料金によるサービス提供というものを目指して参入をしてくるはずであります。それぞれの料金というのは、しかし事業法に基づき健全な経営のもとにおける適正な原価というものによって設定をされなければならないわけでありまして、これによりまして利用者にはより多様なサービスの選択ということができるであろうというふうに期待をいたしております。決して高値安定ということではなくて、それぞれのサービス、それぞれの工夫に応じたものによる料金、原価を反映した料金ということになっていくでありましょうし、国民がそれをどういうふうに選択するか、まさにこれは利用者の選択にかかわる問題として事業体がこれに取り組んでいくということの、言うならばいい意味での競争条件というものが整備されることによって一定の方向に向いていくであろうというふうに私どもは理解をしているところでございます。
○三木忠雄君 そうしますと、この市外電話は例えば日本テレコムとか第二電電企画が申請されるまで当面は値下げをしない、こういう方向ですか。
○政府委員(澤田茂生君) 第二電電、テレコム等、新規参入を標榜している事業体がございますが、まだ具体的な申請ということにはなっておりません。したがいまして、どういうサービスをどういう地域でいつごろから行うということについてはまだ天下に知らされている事実ではございません。私どももしたがって承知をいたしておりません。したがいまして、そういったものが出そろうまで新電電の料金体系をどうこうするという、そういう固まった考え方も私どもは持っておりませんけれども、ただ新電電といたしましても、当面の問題としては、料金体系というものを、さしあたりこの四月一日からにつきましては、今までの状態というものを踏まえて行うということで、本電話機の開放に伴う料金の手直しということにとどめているわけでありますから、今後の研究課題として鋭意検討いたしているところだろうと思いますし、私どももそういったものにどういうふうに対応していくかということについては私どもなりにいろいろ勉強もしていきたい、こういうように思っておるところでございます。
○三木忠雄君 市外電話の問題はこれで終わっておきますけれども、やっぱりどこが基準になるか、例えば第二電電企画が三〇%ぐらい値段が下げられる、こう言っているわけです。一応いろいろ計算をされて進出をしようとされているわけでしょう、東京—大阪間等はね。ここらの問題についてやはり電電会社の総トータルの問題と、第二電電企画は東京—大阪間とか東京—名古屋間とかいいところばかりですね、考えてみれば。ここらの問題の調整を非常にうまくやらないと、企業として成り立つという計算のもとに三社が進出をしようと一応言われているわけです。だから、ここらの問題についてやはり日本電電株式会社としてもどこまで対応できるか、これは行政的な指導というか、ここらの見定めというものは、やっぱりガイドラインぐらいはつくってやらなきゃならないんじゃないかと私は思うし、民営になったからといって一向に市外電話を相手が出てくるまで下げないんだというこの対応も私はどうかと思うんですけれども、この問題、大臣どうですか。
○国務大臣(左藤恵君) これは新しい日本電信電話株式会社とそれから新規参入業者との間の実質的な競争状態が確立するということが先決であろうと思います。そして、その上で国民の立場から考えまして余り特定のところだけがえらい競争になりまして、日本電信電話株式会社が持つ国民的な何といいますか、シビルミニマムのそうした公共性の強い性格というものを損なうことのないような、そしてなおかつそういった面での競争状態を生ずるような、そういう努力を我々もしていかなければならない、そういう配慮のもとにそうした競争状態が確立するということを我々は期待しなければならないんじゃないか、このように考えております。
○三木忠雄君 もう貿易摩擦の問題でいろいろ議論はされたと思いますけれども、アメリカから来まして総理とか郵政大臣に会って非常にいい感触を持って帰ったということがきょう十二時のニュースなんかで報道されている。その中身は何を与えたんですか、それが第一点。 それからもう一点は、日本電電株式会社の株式の外人取得の問題についてです。この問題についての対応は、いろいろ貿易摩擦の問題で話題にはなっていないとは思いますけれども、我々も日本の経営権が奪われるというような感じに株式を公開する必要はないと思いますけれども、何もかも外人に株を一株も持たしてもいけないというようなことが将来問題になるのではないか。発足当時はいろんな問題があろうと思いますし、整理があろうと思います。しかし、株式を市場に流通させて、資金を調達するという立場から考えた場合に、ある程度の歯どめをかけながらでもやはり市場流通ということは私は大事じゃないか、こう思うんです。BTが三十億株、アメリカやカナダやあるいは日本、英国等で公開しているわけですね。やはり日本市場だけではなしに、そういうふうに需要供給の関係で株の値段も上がってくるわけですから、御案内のように。そうしますと、やはり流通が多く広がった方がやはり大蔵省の財政再建の立場からいっても、これは私は非常にプラスになるんじゃないかと。しかし、それは何もかも経営権まで奪われてしまうとか、乗っ取られるとかいうことになれば問題でしょうけれども、そこらの問題は私はアメリカから指摘される前に検討の材料に入れておくべきではないかと、こう思うんですけれども、この点どうでしょう。
○国務大臣(左藤恵君) まず通信機器の貿易摩擦の問題につきまして、三十一日に向こうのシグール特使とオルマー商務次官が日本に来られて、そして総理にもお会いになりました。それから外務大臣と私が日曜の晩でしたけれどもお会いをして、いろいろお話をいたしました。この結果から何か新しいものを向こうに与えたんじゃないか、こういう今のお尋ねでございますけれども、そうじゃなくて、やはり向こうとしては一応今日までの努力に対しては多とするといたしましても、なお技術基準の内容と、それからもう一点は政省令の作成過程におきます透明性というんですか、これが向こうとやり方が違うわけでありますから、そういうことについてのなお十分な理解が得られていないということについて、我々の方の説明をいたしましたけれども、これで別に新しいことを与えたんじゃなくて、日本はこういうやり方をしておるんだということについての理解を求めたわけであります。 そして、技術基準の内容につきましても、さらにもう少し何といいますか、電電公社が公衆電気通信法のもとで今まで基準をつくっておりましたときは五十三項目いろんなことであったわけでありますが、それを今回新しく電気通信三法ができましたことに関連しましてのその省令は、技術基準につきましては三十項目に減らしておるわけでありますけれども、さらにもう少し検討する余地がないかというお話があったわけです。これについてはあと二カ月以内、なるべく早い機会にさらに専門家の意見もお互いに出し合いまして話し合いをしていこう、そういうことにつきましてお話し申し上げただけであって、新しい事実、譲歩をしたとかなんとかいうことはございません。そういう状態でございます。 それから次に株式の取得について、外人が持てないことになっているが、貿易摩擦の点からどうかという御指摘だと思いますが、新電電の株式の所有につきましては、 〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕 会社法で電話の役務の、あまねく日本全国における安定的な供給確保というふうな一つの大きな責任といいますか、責務が規定されておる。そういうふうな意味におきまして、我が国を代表する基幹通信事業体であるということであり、その新電電の公共的な役割という点から考えまして、やはり外国人とか外国法人が新電電の株式を所有することができないというのが妥当ではないかということで、とりあえずこうした形で法案の御審議をいただき、法案を成立さしていただいたわけでございますが、これが非常にそういう意味で問題がいろいろあるわけであります、御指摘のようなこと。今後ともそういう意味では慎重に取り扱われるべきものではなかろうか、このように考えておるところでございます。
○三木忠雄君 私も問題はあることは十分わかるんです。しかし、余り閉鎖性になって、何もかも何か日本が乗っ取られるんじゃないかということで、またこれが一つの壁になっているんだとか、いろいろ指摘される材料の一つにされるということは、やっぱりこれから国際金融の自由化の問題が言われている中、あるいは円・ドル委員会等でいろいろ言われている中で、そういう問題まで刺身のつまにされて、そして新基準と同じような感じで業界全体にいろいろなことを言われるんでは、これは非常にマイナス点じゃないかということを私は言っているので、その点はよく了解してもらいたい。私は、全部アメリカに売ってしまえばいいという考え方で言っているのではないわけですけれども、そういう流通性とか資金の調達というか、そういう問題から考えた場合に、何もかも規制してしまうという感じでは、これは閉鎖性というか、そういう問題の一つの材料にされないかなという危惧の思いで一言申し上げただけなんで、理解をしていただきたいと思います。 それから次に、情報化社会の進展に伴って、やはり各役所とのいろんな問題、規制撤廃の問題、いろいろやらなければならない問題が私はたくさんあろうと思うんです。例えば、特に金融の問題であるとか、あるいは運輸の問題であるとか、流通の問題であるとか、こういう問題等については、やっぱりいろんな法規制が情報化社会の進展する中でいろいろな障害になってくる問題があろうと思う。例えば、金融の問題でホームバンキングというような問題になってくると、一つの端末機が一つの支店だという考え方になってくれば、これはなかなか進まないわけですね。こういう問題はやっぱり大蔵省の調整が必要だろうし、あるいは流通の関係では無店舗経営という問題が出てくるし、こういう問題がどんどんどんどん進んでくると、もう既に無店舗経営は何店もでき上がっているわけです。こういう問題が、やっぱり行政の網ですね、今までの法律と規制との問題がどう調整できるか。あるいは、運輸の問題にしても、やっぱりVANの活動とあわせていろんなネックになるような問題が今までもあったし、これからもいろんな運輸行政との間のこの問題があろうと思うんです。 こういう規制撤廃の問題について、私はやはりどの省がどうだというんではなしに、やっぱり政府として調整連絡会議というか、あるいはこういう問題をどう調整するかということに対するいろんな具体的な検討をやらなきゃならないんじゃないか、こう思うんですけれども。
○国務大臣(左藤恵君) お話のように、高度情報社会の進展に伴いまして、いろんなニューメディアを使った新しいサービスというものが実用化されてくる、国民の皆さんの生活の中に飛び込んでくる、こういう状態において、現在の法律の制度ではそういったことについて制約されることが多いんじゃないか、こういう御指摘かと思います。 確かに、そういったことで現在の法律には、そういう電気通信技術の発達とか、ニューメディアによるサービスが次々に生まれてくるということを予定していないものが相当あろうと思います。 〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 そういう意味で、本来そういったものは法律を所管します省庁が主導的に解決すべきものではございますけれども、今ニューメディアを普及するとか、そういった意味におきましても、高度情報社会を構築していかなきゃならない、そういう意味の責任は郵政省にあるわけでありますから、そういう意味において、郵政省がそういうことについての、今までのお話のような点につきまして各省庁に呼びかけて、そうした意味におきます関係省庁に対します要請をいたしまして連絡調整の会議を持つとかいうふうなことについて、積極的にこういったニューメディアの円滑な導入を図るように努力をいたしたい、このように考えておるところでございます。
○三木忠雄君 私は決して郵政省がだめだとかなんとか言いませんけれども、やっぱりこれ相当な権限を待ってこういう問題を調整していきませんと、なかなか調整連絡会議できないと思うんです。民間の方はどんどんどんどん進めたいと思いますけれども、民間活力だと言ってもね、民間の企業はいろいろやろうとしてもみんな法規制があるわけです。最近の話の中に、法規制の網の目をくぐった人が商売もうかるというんですよ。だから、そういうふうな言葉が出てくるようなことにならないように、やはり規制撤廃の問題がもっと——役所が何もかも取り締まっていると、あるいは法律でがんじがらめに縛っているというような活動では、これは私は民間活力を引き出そうとしてもなかなかネックになってくる問題ではないか、こういう点を考えますので、この点は郵政大臣が音頭をとろうとだれかとろうと結構ですから、政府部内でやはりこういう問題の規制撤廃等含めて、情報化社会に対応できるような規制緩和の問題、これをひとつどうかやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 私は通産省にニューメディアコミュニティーとテレトピアの問題でちょっと一、二伺っておきたいんですけれども、両方で六十年度の事業計画をどういうふうに進めているのか、これちょっと説明をしておいていただきたいと思います。
○説明員(大宮正君) ただいま先生から御質問のございましたニューメディアコミュニティー構想でございますが、私どものニューメディアコミュニティー構想は地域における情報システムを積極的にモデル的に展開していくといることでございまして、これは各システムのニーズ調査、経済的社会的ニーズ調査とそれから概念検討を行うというようなソフトなアプローチでございます。 これは五十九年度に既にモデル地域といたしまして八地域を指定しておりまして、この調査が終わっております。したがいまして、六十年度におきましてはこうしたシステムを今度は具体的に構築をすると、こういう段階になっておりまして、これにつきましては現在国会で御審議いただいております法律の中にあります基盤技術研究促進センター等からの出資あるいは各種の財政投融資ということで、これから支援していくということになっております。また、テレトピアについては郵政省さんの方からお話があると思いますが、こういう支援措置については両省同じようなスキームで支援していくと、こういう形になっております。
○政府委員(奥山雄材君) 一方、テレトピアの方でございますが、テレトピア構想は、先生方も既に御承知のとおり、モデル都市にいわゆる通信のインフラストラクチャーとしての地域INSなり、衛星通信システムなり、あるいはキャプテンなりといったようなものを構築いたしまして、汎用的な社会基盤をつくり上げようという構想でございます。その意味におきまして、先ほど通産省から御答弁がありましたようなニーズオリエンテッドといいましょうか、ニーズを中心としてシステムをつくっていく構想とは考え方において違っておりますので、予算面におきましてもそれぞれ併立共存した形で認められているところでございます。 しかしながら、先ほどの御答弁にもありましたように、財政投融資並びに基盤技術研究促進センターを通ずる出融資につきましては両方の共通額として認められておりますので、これらの国の資金の有効活用につきましては、それぞれ不経済にならないように調整をしながら取り進めていくつもりでございます。
○三木忠雄君 私は、きょうは限られているから時間がありませんから、細かく一つ一つ聞くつもりはないですけれども、例えば横浜であるとか、あるいは大分であるとか、それから熊本ですか、こういうところは三カ所テレトピアの方とニューメディアコミュニティーの方とがこれダブっているんですね。確かに理屈を言わせればいろいろあると思うんです。カレーライスかライスカレーかという呼び方と及ばずながら余り違わないんじゃないか、これ失礼な話だけれども。やっぱりこういうところはもう少し調整をして、日本各地からいろいろ要請が多いわけですから、むしろそういうところはダブらないで、三カ所また別なところをつくってあげるとかね、どうせ必要なものであれば、私は何もだめだというんじゃなしに、そういう重複するようなところで公的資金の二重投資みたいなやり方をこれからやっていくというようなやり方は、私は余り感心しない。やっぱりこれは権限争いと言われても、醜い争いだと言われても仕方がないと思うんだね。こういう問題は、私は先ほどから、調整機能を発揮してやるべきではないか、こういうふうに考えるんですけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(左藤恵君) このテレトピアとニューメディアコミュニティーの目的も違いますし、やり方も少しは違っておるわけでありますが、確かにその対象地域におきましては負担というものがかなり大きくなるということもあるわけでありますけれども、そういうふうなことで調整をいたしましても、これを実施する段階におきましてまとめて、両省の分類をまとめてひとつやっていくとかというふうな工夫もしていただいて、地方自治体が大きな負担にならないような努力をしなきゃならないと、このように考えております。
○三木忠雄君 法案の問題にしましても、何か通産から出る地方情報化何とか法案とか、あるいは郵政省から出る高度基盤整備法案とか、これは今回出ないわけでしょう。やっぱりいろんな調整があったわけで、そのために地方自治体が地方交付税の交付金の問題等が入らなくなってくるとか、あるいは民間と地方公共団体がやはり五十億なら五十億一つつくるのにそれだけの負担になってくる。税制の問題もうまくいかない。こういうふうな形になってきますと、そういうところはやはり行政面でよく調整をしてあげなきゃならない。そういう点はただ各省の、縄張りと言ったら言葉が悪いかもしれないけれども、やっぱりそういうところが縦割り行政の大きなひずみになっているんじゃないか。高度情報化社会をつくるということについては余り変わらない問題だと私は思うんですね。 例えばなぜ調整が必要かというと、私、役所の課長さんや課長補佐さん非常にかわいそうだと思うんだよ。私、聞くんだよ。こういう法案を一生懸命つくってくるけれども、法案が提出されない、だめになっちゃう、通産省でも郵政省でも各省でも。初めから必要な法案だったら、こういうふうに調整して、この法案はこっちの省でつくれとかね。むだだと思うんですよ、半年、一年かけて一本の法案を通すのに。国会の審議が長いとか何かいろんな意見もあるかもしれないけれども、法案つくるまでにやっぱり一年も一生懸命課長は努力してきているわけだ。その努力というのは大変なものだと私は思うんだよ。だから、そういう問題をやっぱり調整をしてあげて、提出できるように、各省の提出の前にやっぱりしっかり各省庁間の調整をしてあげることが私は大臣や次官や局長の仕事じゃないかと、こう思うんだけれども、どうですか。
○政府委員(奥山雄材君) 最近の高度情報社会の進展に伴いまして、郵政省の行政領域にかかわる各省庁との接触面がふえていることは事実でございます。そうしたことで、郵政省が提出を予定いたします法案についての各省折衝が従来より以上に厳しい局面に立たされていることも現実の姿でございますが、これらは仮にそのような折衝の過程で直ちに私どもが意図したような施策なり政策が実現いたしませんでしたといたしましても、そのようないきさつというものは将来において非常に生かされてくるものでもございますし、また実を結ぶものであるということでございます。いずれにいたしましても、各省庁とはよく連絡調整を図りながら、先生の御趣旨を体してこれからの法案の作成に努力をしてまいりたいというふうに考えます。
○三木忠雄君 これはこれからいろいろ重複してくる問題です。委員会はこの縦割りの委員会より三省合同の委員会ぐらいやらなきゃいけないんじゃないかということで我々も考えたことがあるわけです、改革で。そういう問題はやっぱり調整機能をしっかり発揮するという点を私はこれからますます——どの省はこうだとかああだじゃなしに、むだをなくする意味においてもやっぱり一生懸命やっている人たちの労に報いるためにも、もう少し幹部が調整をしてあげなきゃならないんじゃないかということを私はいろんな意見を聞くたびにひしひしと感じますので、その点だけは意見として申し述べておきたいと思います。 次に、大蔵省いらっしゃいますか。——金利の自由化の問題について現在どういうふうな状況になっているのか。特にCDとかMMCとか、大口の方は大分自由化が進んできているようでありますけれども、小口預金の金利の自由化の問題等も含めてどういう今スケジュールになっているのか。
○説明員(溝口善兵衛君) 金利の自由化の問題につきましては、御承知のように昨年大蔵省が発表いたしました金融自由化の現状と展望、さらに日米円・ドル委員会の報告書におきまして大まかなスケジュールをお示しして、現在その線に沿って鋭意努力をしているところでございます。そのうち、預金金利の自由化につきましては幾つかのステップをその中に示しているわけでございますが、一つは譲渡性預金——CDと言っておりますけれども、この発行条件を弾力化することということが一つございます。もう一つは市場金利連動型預金を導入すること、さらにそういうふうに大口預金について金利の自由化が世界へ広がってまいりますと、この大口預金金利全体の金利規制を緩和、撤廃する。さらにその上に立ちまして小口預貯金金利の自由化を検討していこうということになっておりまして、私どもも小口預貯金金利の自由化をどう進めるのかというのを鋭意勉強しているところでございます。 特に小口預貯金金利の自由化の検討に当たりまして重要なことは、金利が自由化になるということは競争が激化するわけでございますから、例えばアメリカのように中小の金融機関が経営破綻に陥るというようなこともあるわけです。そうなりますとかえって、金融機関が破綻するというようなことになりますと、そこに預金をしていた預金者は困るという事態が生ずるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、全面的な自由化が進んでも大丈夫なように受け皿の整備をまずやっていかなければいかぬということで、大蔵大臣の諮問機関でございます金融制度調査会におきまして、昨年来、自由化の受け皿ということで信用秩序の維持、その中には預金保険をどうするかというようなこともございますけれども、そういう受け皿整備に今努力をしているところでございます。特に預金保険と申しますと、日本の場合ですと今ですと保証の限度が三百万しかないわけでございます。郵便貯金の場合はもちろん預入限度三百万でございますけれども、郵貯法の三条によりまして国が元利を保証するという仕組みがございます。ところが、自由化が進んでおりますアメリカのような状況を見ますと、預金保険の額は一千万とか非常に大きい額になっているわけです。そこら辺の手当てをしながらやっていかなければいかぬというふうに私どもとしては考えております。
○三木忠雄君 そうすると、小口金利の自由化の問題については大蔵省としてはまだ具体的には何も検討課題には入っていないということですか。
○説明員(溝口善兵衛君) 検討課題に入っているわけでございまして、内々勉強をしておるわけでございます。そういう小口預貯金金利の弾力化、自由化を行う前にいろんな手当て、環境整備をしなければいかぬわけでございますから、今そこに着手をしておるということでございます。
○三木忠雄君 あなたにいつまでやれと言ってもこれ無理でしょうけれども、この小口金利の自由化の問題が今大蔵のこういう考え方で、郵政省の郵便貯金の金利の自由化の問題の対応はどうですか。
○政府委員(奥田量三君) ただいま大蔵省からも御説明がありましたように、我が国における金利の自由化につきましては、これまでのところ、大口から自由化を進めて、個人、小口の預貯金金利の自由化についてはどちらかというと後回しと申しますか、最後に検討されるというような動きにあるわけでございまして、それについては今大蔵省からも御説明があったような問題もあるわけでございますが、私たち郵便貯金をお預かりしている立場としては、小口の金利の自由化をおくらせることなく、小口の金利の自由化についてもできるだけ速やかに行うべきだ、またそのための検討を進めるべきだと考えているところでございます。 その理由は、簡単に申し上げますと、我が国における小口の預貯金の比率が総預貯金の中で非常に大きなウエートを占めている。何が小口かということについては難しい議論もあるでございましょうが、仮に現在の非課税の預貯金をとってみましても総預貯金の約六割を占めているということからして、これを圏外に置いた自由化というものはなかなか本当の自由化とは言えないんじゃなかろうか。これが第一点でございます。 また、当然のことながら、金利の自由化が進みますと、これまで人為的な低金利に抑えられていた預貯金について本来得られるべき金利が実現する可能性があるわけでございまして、そのメリットは小口預金者にもできるだけ速やかに与えるべきだというふうにも考えるわけでございます。 また、第三に小口の預貯金を規制の枠内に閉じ込めておこうといたしましても、自由金利商品への資金シフトが起きる、そのためにかえって規制を維持していたのでは金融機関の資金調達等に困難が生じるというようなことも考えられます。 このようなことから、私たちといたしましては小口についても早急に自由化する必要があるというふうに考えているわけでございまして、郵政省としてはそういった見地から省としても積極的にこれに対応をしてまいらなければならないと考えております。あわせて金利の自由化については、郵便貯金がこれに今後十分対応していきますためには、お預かりした資金の運用の面について検討の必要があると考えるわけでございまして、すなわち市場の実勢にふさわしい金利を郵貯の預金者に提供できるようにするためには、郵便貯金の資金の運用についてもこれに対応する体制、その一つとして私ども郵便貯金の資金による国債の保有を年来要求しているわけでございますが、そういった郵貯資金による国債保有等を初めとする運用方法の改善も必要であると考えているところでございます。
○三木忠雄君 最後に運用方法という言葉が出たからちょっとお聞きしておきたいんですけれども、大蔵省は郵便貯金を財投に引き揚げるわけですな、ところが郵便貯金は預託するわけでしょう。ところが、財投はことしから国債を買うようになったわけでしょう、買わないんですか、財投で。
○説明員(寺村信行君) ちょっと長い歴史から申し上げますと、預金部資金でございまして、戦前は国債と地方債が主体でございました。ところが、戦後は国債が非常に減りまして、それで財投機関、金融公庫とかそういうところに積極的にお金をお貸ししておりましたが、昭和四十年代以降国債が発行され、かつ五十年代以降は非常に国債が大量に発行されてきたことを踏まえまして、国債への配分のシェアがふえております。そういう状況でございます。
○三木忠雄君 だから、郵便貯金の方は全然自主運用ができなくて、財投へとられる。これから生命保険だ、証券だ、銀行だ、いろんな新種の小口の商品が出てくると思うんです。そうなると資金シフトがやはり小口預金に、郵便貯金に集まってこなくなってくると私は思うんです。そうすると、財投資金が全然なくなることはないと思うけれども、どんどん減ってくると思うんですよ。したがって、やはり小口金利の自由化の問題は避けて通れない問題だと思う。大蔵省も銀行局と理財局の間のいろんなさや当てもあるだろうと思うんです。財投で集めるのは理財局だろうし、運用するのは銀行局だろうし、これら問題がいろいろあって、郵政省との間のいろんな難しい問題が私はあろうと思いますけれども、このような資金運用でやっておりますと、もう既にきょう発表したんですか、きのうですか、対五十八年度に比べて七千億減収でしょう。減収というとおかしいけれども貯金が減ったんでしょう。こういう形を続けていきますと、だれだって郵便貯金なんか貯金しないですよ。国債の既発債の二年物、三年物買った方が安いんですから、利率がいいんですから、証券会社回った方が安いですよ。こういう形になれば、マル優制度があるからまだその範囲内におさまっているかもしれないけれども、こういう形を続けていくと財投資金が非常に枯渇してくるんじゃないかという、こういう問題も出てくるんです。 したがって郵政大臣ね、大蔵大臣と小口の金利の自由化の問題も、ルーズといったらおかしいけれども、大口ばかりじゃなしに、六割小口預金があるわけです。これらの問題やっぱり真剣に考えていかなきゃならないし、財投の問題を考えたときにこの資金運用等も含めた郵便貯金のあり方というものにしっかりメスを入れないと、非常に混乱していくのじゃないか、このことを私は強く訴えておきたいと思うんですけれども、郵政大臣の見解を伺って、時間ですから終わります。
○国務大臣(左藤恵君) 金利の自由化は確かに世界の趨勢であります。そしてまた、それに対応しておくれてはならないわけでありますが、郵便貯金が今後そういうことで十分対応していくためには、市場の実勢にふさわしい金利が提供できるということが前提になりますと、どうしても今お話ございましたように、まず資金の運用方法の改善というものが不可欠な問題じゃなかろうか、これが第一だと思います。 あとそのほかにもいろいろエレクトロニクスの活用とかあるいは新商品の開発とか、いろんなそういった問題も関連して出てくると思いますけれども、とにかくそういった意味におきまして、御指摘のようなことができるように対応する段階におきまして大蔵省とも十分話し合っていきたい、このように考えておるところでございます。
○佐藤昭夫君 まず逓信病院の問題でお尋ねをします。 全国で逓信病院が十六あると聞いていますが、臨調から減量経営、人減らし合理化の勧告が出ています。その内容と郵政省の対処方針をまず述べてください。
○政府委員(中村泰三君) 先生御指摘のとおり、現在郵政省には十六の逓信病院を管理をしているわけでありますが、非常に逓信病院の経営に当たりましては赤字が出ておりまして、その改善方、臨調のみならず会計検査院とかあるいは行管等から改善方が指摘されておりまして、私どももそのための努力を続けてまいっているわけでございます。
○佐藤昭夫君 余り内容が具体的ではないんですけれども、ともかく私が伺っておるところで、この十六の逓信病院のうちその中心になっている東京逓信病院、それと臨調からの勧告もこれあり、廃止の対象となっておる札幌と明石、この三つを除きます十三カ所全体について見ると、この臨調、行革三年間振り返って、しかし病院という特殊な性格の事情があるということで、ベッド数も職員数も余り変動はないということです。こういうふうに伺っておるんですが、そのとおりですね。
○政府委員(中村泰三君) 十三の病院につきましてそれぞれ要員の適正配置も行いまして、職員数の減少もございますが、ベッド数におきましては先生御指摘のとおり余り変動はございません。
○佐藤昭夫君 ベッド数は変動ない、職員数も余り変動はないというふうに、きのうはそういう説明だったんですが、どうですか。
○政府委員(中村泰三君) 病院の規模の大小によりまして職員数の減員数には差がございますけれども、おおむね十名前後、あるいは多いところでは二十数名定員を減員した病院もございます。
○佐藤昭夫君 余り大きな変動はないということでありますが、ところが東京逓信病院では、昭和五十七年四月の新病院開設を機会にベッド数は大幅にふえているのに職員定数はかなり減っている。その数字的実情を示してください。
○政府委員(中村泰三君) 東京逓信病院につきましては五十七年四月に現在のいわゆる新病院といいますか、現在の姿になったわけでありますが、その機会にベッド数は約百床ほどふえました。しかし、一般の国立病院とかあるいは医療法人の同程度の規模、約五百床くらいの規模でありますが、そういう病院の要員の配置状況であるとかあるいは患者数の動向等を見まして、東京逓信病院におきましては約八十名の定員を減じました。
○佐藤昭夫君 おおよその数字ですけれども、きのうあなた方の説明ではベッド数は三百三十から四百六十五。だから百程度でない、もっとふえている。ところが、職員定員は六百二十一から五百三十四と、こういうふうに逆に減っておる。余り日によって数字を変えないでください。
○政府委員(中村泰三君) 五十七年四月改定前は病床数が三百六十一床でございまして、改定後は四百六十九床、したがいまして百八床ふえております。定員につきましては、改定前が六百二十一人、これは新病院の開設が予定されておりましたからその機会に定員見直しをするということでございまして、改定後は五百四十人、したがいまして八十一人の減員ということでございます。
○佐藤昭夫君 細かい数字のせんさくはさておいて、全国的にはベッド数対比職員数というのは余り変化がない。ところが、東京病院ではベッドは大幅にふえながら職員はむしろ減っている。こういう姿というのはどうしても理解をし難いわけですね。しかも、ことしの九月ごろには職員定員据え置きのままベッド数をさらに五十床ふやすと、こういうことも聞いております。一体こういう状況にあるその理由、原因は何ですか。
○政府委員(中村泰三君) 東京逓信病院を除きますその他の逓信病院につきましてベッド数の改定は余りございませんということは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、定員の減員につきましては約百七十名程度減員をされているわけでありまして、東京逓信病院だけが病床数がふえたにもかかわらず大幅な減員があったということではございません。すべての逓信病院について定員の見直しを行って、適正な病床数あるいは患者の利用数に見合う適正要員の配置ということを検討してまいったわけでございます。
○佐藤昭夫君 数字の問題はさらにもう少しよく詰めましょう。 ともかく全国的な平均の姿に比べて東京逓信病院ではベッド数は大幅にふえているけれども職員は大幅に逆に減らされておる。こういう姿があるというこの原因は、私が見るところでは、新病舎をつくった五十七年の四月、これを機会に例のPPC方式、これが導入をされてきたからこういうことに結果としてなっているということじゃありませんか。
○政府委員(中村泰三君) 新病院の開設に伴いまして看護体制をいわゆるPPC体制に変えたということが減員数の面に反映していないとは申しませんけれども、PPC体制そのものは、いわば患者に対する医療サービスの公平性を確保すると同時に、病院側の立場に立ちますと要員面あるいは施設面で効率的な運営ができるという立場に立って導入しているものでございまして、PPC体制に変えたことによって大幅な減員が出たということではございません。
○佐藤昭夫君 ただ、あなたの答弁の前段でも、PPC体制というのが大幅な人減らし合理化の一つの重要な一翼をなしているということはお認めになっている。ただ、このシステムというのは医療体制として効果があるんだということを言われているのでありますけれども、患者にとっては次次と病室をたらい回しにされる、職員の側から見れば一貫した治療ができない、労働強化が一層募る、こういうことで強い批判が上がっているということは御存じないはずではないと思うんです。だからこそ、厚生省が、全国的に国公立病院の現状をずっと調べてみて、むしろこのPPC方式なるものが減ってきている、こういうまとめを行っているわけですね。ですから、こうした点で、導入をして三年を経過しているわけですけれども、この際、患者にとっても職員の側からも不満、批判の強いこういう方式の可否について検討すべき時期に来ているというふうに思いませんか。
○政府委員(中村泰三君) 東京逓信病院の関係者に実情をよく聞いてみましたけれども、PPC体制そのものに欠陥があるという声は聞いておりませんし、まだ実施をして三年目ということでありますからPPC体制にやっと職員の皆さんもなれてきたという段階でありまして、もちろんこの体制を維持しながら改善すべき点があれば今後も改善していきたいというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 どうも行政に重大なパイプの詰まりがあるのじゃないかというふうに言わざるを得ないんですけれども、そういう状況に加えて実は大変な問題が起こってきた。御存じの二月の末、田中角榮氏が東京逓信病院に入院をするということで異常な病院運営が重なってきたわけであります。毎日新聞にも報道されていますけれども、大臣、自民党の田中派の一員である左藤郵政大臣は治療、看護に手落ちがないよう万全を期せと厳命を下した、こういうふうに書いていますけれども、まず事実でしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) 私からそういうことを、特定の患者に対します特別な扱いをするようにというふうな指示はいたしておりません。
○佐藤昭夫君 病院の様相がもう異常な警備体制で物々しいというふうに言われていますけれども、SP及び職員の見張り番、これはどういう姿になっていますか。
○政府委員(中村泰三君) 大勢のマスコミ関係者なんかの取材がございまして、病院の診療上あるいは運営上支障を来さないために職員の待機といいますか、そういった面はございますが、SPにつきましては警備上のことでございまして、私どもその内容はつまびらかにしておりません。
○佐藤昭夫君 SPが何人ぐらい入り込んできておるのか、そんなようなことはつまびらかにしようがないと。それなら、この病院には何にも言わぬで入り込んでおってもそれはしようがないということですか。僕はそんな無責任な態度というのは通らぬというふうに思いますね。 さらに、この人が重要人物だということで、九階のVIP特別室というか、観察室というふうに呼んでいるらしいですけれども、そこに入院をさせたわけですけれども、こういう例はしばしばあるんでしょうか。この九階の観察室への入室基準はどういうことになっておりますか。
○政府委員(中村泰三君) 東京の逓信病院には大勢の患者さんがお見えになりますので、そういう患者さんの中では一般病室に収容しますと診療上支障が生ずるというような場合には、その患者さんにふさわしい、診療に通した医療環境を確保するという面で私ども観察室を設けておるわけでございます。 この観察室にどのような患者さんを入室させるかということにつきましては、個々の具体的な事例に即しまして、診療上の必要性に基づいて病院長が判断をするということで対処しているところでございます。
○佐藤昭夫君 その病院の判断によって入室をさせておるその基準は何か。これは病院によく聞いておいてくださいということで質問通告をしておいたんですからね。 それなら逆に言えば普通の人でも入るのか。やっぱり重要人物と言われる人が入るんじゃないかというふうに見られているからあえてこのことを聞くということと、過去一年間にそれならこの九階の特別室に入った人は何人あるんですか。
○政府委員(中村泰三君) 過去一年間にこの観察室が使われた日数は約百九十日ぐらいと承知しております。
○佐藤昭夫君 人数を聞いておるんです。
○政府委員(中村泰三君) 人数はちょっとつまびらかにいたしておりません。
○佐藤昭夫君 それで、基準。
○政府委員(中村泰三君) 基準は、先ほども申し上げましたように、診療上の必要性に基づきまして医師である病院長の判断に係らしめているということでございます。
○佐藤昭夫君 私はやっぱり重要人物と目される人についてそういう扱いをするということになっているんじゃないか。本当に集中した治療体制が必要だということでは、後からの議論もありますけれども、本来のICU——集中治療室、この部屋があるんですからね。それをわざわざ九階へ入院をしてもらうというのは何か特別の人なんだろう、その判断基準があるはずだと。しかしそれを言わない。人数は何人かと言ったって言わない。ますます何かあるんじゃないかというふうに思わざるを得ないじゃないですか。 話を先へ進めましょう。 なぜこう言うかといえば、同じ重要人物でも、自民党の亡くなりました田中六助さんは東京女子医大に入院をされたわけですけれども、この場合には今問題にしておるようなそういう特別室、観察室、ここへ入院するというようなそういうことはなかった。だから、やっぱり田中角榮氏の場合何か特別の計らいが働いたんじゃないかというふうに大臣、これ言わざるを得ないんです。 そしてさらに重大な問題は、田中氏を九階へ入院させる、そのことのために、そういう救急患者あるいは重症患者、こういう人のための治療室としてもともと三階に置かれておったICU、これが九階に移動をされて、約二週間にわたってICUが閉鎖をされたというふうに私は聞くんですけれども、事実はどうですか。
○政府委員(中村泰三君) 三階にICU室を設けておりますが、そこには四床のベッドを用意しておりまして、先生が言われたICUを閉鎖をしたという事実はございません。いつでも必要があればICUに患者さんを入れられる体制は今日も続いておりますし、当時もあった。たまたまICUに入れて看護すべき患者がそのときにいなかったというふうに伺っております。
○佐藤昭夫君 伺っているということですけれども、私はそこにどこかでパイプが詰まっている、目が節穴になっているというふうに言わざるを得ないのですけれども、ともかく九階へICU関係の機器類、これを移動したことは事実ですね。
○政府委員(中村泰三君) 一部の機材を移動したという事実は承知しておりますが、それは四つICUのベッドにあるわけですから、機器は四つのベッドにICUに入る必要な患者の治療ができるだけの機材があるわけでございまして、九階に一部の機材を搬入したからといって三階のICU機能が停止するわけではございません。
○佐藤昭夫君 あわせて聞いておきます。 九階へ移動したという、これは紛れもない事実だ。一部云々と、こう言われるけれども、余りそこで無理な弁解をしない方がいいと思うんです。 あわせて、看護婦さんですね、三階担当の看護婦さんも、機器を移動をするのと一緒に、九階の田中氏、これのいろいろ看護、ケアをする、そういう目的で九階へ移動しているわけですね。
○政府委員(中村泰三君) 九階に入院された患者さんにつきましても、いわゆる治療の段階に応じて集中ケアが必要な段階あるいは普通ケアが必要な段階、あるいはセルフケアの段階というふうに病状に応じて看護をしてまいりますから、そういう意味では集中ケアの必要な場合に三階を担当していた看護婦が九階の看護に当たったという事実はございます。
○佐藤昭夫君 過去一年間の例、百九十日あったというふうに一応言われるんですから、そうすると九階に入院をした人、そのケアのために看護婦がその都度移動をするということは常時あることですか。そうじゃないでしょう。大体は付き添いがついてそれでやっておるというのが通例でないか。それが今回田中氏が入った場合には三階の本来のICU、ここを閉めて一緒に看護婦も九階へ移動をした、こういうこれまた特別の扱いになっているんじゃないですか。
○政府委員(中村泰三君) 今回の場合以外の九階の観察室に入られた患者さんにどういった治療方法がとられたかということにつきましてはつまびらかでございませんが、それはいわば九階の観察室に入られた患者さんの病状いかんによるわけでありまして、どなたが入られてもICUの必要な状況であるならばそういった措置がとられるものと考えております。
○佐藤昭夫君 この田中氏の治療がわざわざICUを移動させてまでそういうことで集中的に見ていく必要がある、こういうんであれば、本来であれば三階のICU室、ここへ入ってもらう、こういうのがPPC方式の本来の姿じゃないんでしょうか。今までも九階への入院は何回かあったというのは、その都度ICUを九階へ移動させていますか。そうじゃないでしょう。
○政府委員(中村泰三君) その点につきましては、そういうケースがあったかどうかということにつきまして現在のところ承知をいたしておりません。
○佐藤昭夫君 細かいことを聞くようですけれども、問題の考え方の重要な点になりますので、改めて聞きます。 このICUへの入院計画というか、入室計画というか、そこへ入ってもらう計画、それは本人にも話して、前の週の金曜日に病床決定会議、こういうところで決めて関係者に周知をする、こういうのがしきたりになっていますね。
○政府委員(中村泰三君) 詳細につきましては承知しておりませんが、ICUに入る必要性があると病状の現状から判断された者が入るわけでありまして、一応事前に予定をしていたからといって、手術後の状況によってICUに入る必要のない患者さんも大勢おられるわけでありまして、それは一にかかって診療上の判断ということであろうと思います。
○佐藤昭夫君 私が聞いていることに答えてください。 今回の場合でいいますと、三月三日の日曜日からだれに入ってもらうかということは、前々日の三月の一日の金曜日あたりには、今の病床決定会議、ここで決まっていると。関係者に周知をされている。というのは、いろんな準備、段取りがありますからね、ということになっておりますね。
○政府委員(中村泰三君) 詳細につきましては承知しておりませんが、やはり要員配置の準備等であるいはそういう計画はあったかもわかりません。
○佐藤昭夫君 ところがあなたは、たまたま三階のICU室への入ってもらう計画があいておった、だから機器を九階へ移動した、こういう言い方をするわけですけれども、あの田中氏の入院はもうその直後の記者団の発表でも、そんな一週間、二週間というような短期ではない、相当の長期になるだろうということが当初から言われておった、こういう状況で、それならば相当長期にわたってICUへ入る人はない、あきが起こるだろう、こういうふうに判断がどうしてできたんでしょうか。
○政府委員(中村泰三君) 先ほども申し上げましたように、ICUの施設は当時といえどもICUに入る必要のある患者さんがおられればはいれる状況にございましたし、現在でも四床確保してあるわけでありますから……
○佐藤昭夫君 現在は戻したんですよ、それは。
○政府委員(中村泰三君) そのICU入室の必要性のある患者さんはいつでも対応ができるようになっております。
○佐藤昭夫君 そういうもう後からつじつまが合わないような、そういううそを言うものじゃないですよ。それなら、ICUはこれは主な部分は残して一部だけ九階に動かした、あとはあったんだと、そんなことで言うならば、本来三階担当の看護婦さんが大量に九階へ動いたというようなことなんか起こり得ないじゃないですか。そんなことやったら三階の看護婦さんはいなくなるじゃないか。そんなうそを言ったらだめだよ。 あれですか、病院側の方から聞いている報告ではICUに入る予定者がないと、こういうことだったということで、言うならそれをうのみにしたわけでしょう。ところが、さっきから言っている田中角榮の入院は相当長期だということになれば相当長期にわたって九階へ動かしたわけでしょう。そうすると、相当長期にわたって三階のICUに入る人は本当にないというふうにどうして言えるんですかということで問い返したですか、病院側に。
○政府委員(中村泰三君) ICUの施設は、先ほども申し上げましたように、四床のベッドにそれぞれ集中治療ができるような装置が用意してあるわけでありまして、九階に四床分を全部上げるわけでありませんから、そういう意味では常にICUは必要があれば機能する状況にあったというふうに報告を受けております。
○佐藤昭夫君 それなら、問題の三月三日以降郵政省のだれか担当者は病院へ行って、現に三階の本来のところにICUの施設が残っていると、まただれか患者さんが入っているということを目で見ましたか。はっきり見たという人がおるんだったらそこまで言いなさい。
○政府委員(中村泰三君) 本省の担当者が行って確認したということはございませんが、施設の設置状況からいって当然四床あるわけでありますから、たとえ一床分の機材を全部どこかに移動したとしてもあとの三床分は十分本来の機能を発揮できる状況にあったわけでありますから、必要な患者さんがおれば当然ICUは機能したであろうというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 大臣、このやりとりをいろいろ聞いていただいたと思うんですけれども、最初で指摘しましたように、そもそも入院の当初から本来であれば二十四時間集中体制で本来のICUで診なくちゃならぬということであれば三階へ入っていただいたらいいのを九階へ入ったと。しかも看護婦さんまで一緒にばあっと引き上げて九階へ持っていったと、こういうやり方というのがつまびらかではありませんと言うわけですけれども、例にないんですよ、こんなやり方というのは。そういうやり方からそもそも出発をして、そしてその引き起こした結果というのが、いつ何どき起こるかわからない緊急事態、救急患者、これに備えておくべきICUの本来の機能、病院としてのそういう責務、さらに言えば重要人物であるかあるいは一介の市民であるかにかかわらず病院としては公平に最高の治療を尽くす、こういうのが病院の本来的任務だと思いますけれども、こういうのがICUが閉鎖をされるということで非常に大きく崩されたんじゃないかという私は疑念があるし批判を持っているわけです。ですから、この点については今後の問題もありますから、こんなようなことが二度と繰り返されたらこれは大変だということでありますし、ひとつ大臣としてまず実情がどうだったのか、真実はどうだったのかということをよく調査していただいてひとつ、今後のこともあり、誤りなき方向をしっかりさせるという意味でその実情の調査、そしてそれをぜひ報告をしていただきたいというふうに思いますが、大臣、どうですか。
○国務大臣(左藤恵君) 実情の調査はいたしたいと思います。そして、逓信病院として利用者の症状に最も適した診療を行わなきゃならないわけでありますから、どの利用者につきましても最善の医療サービスをする、提供できるように常に努力していかなきゃならない、このように考えておるところでございます。
○佐藤昭夫君 とにかく政府委員の方は、閉鎖したわけじゃない、一部を移動したにすぎない、こういうふうに強弁をされていますけれども、ここの問題は重大問題なんです。閉鎖をされたと、事実上機能が約二週間とまったということは、これはもう周知の問題なんですよ。それをいつまでもそんな強弁をされておると、何かあなたも一緒に相談に乗ったのかというふうに言わざるを得ないようなところまでこの議論は進んでいくわけですけれどもね。だれかのやっぱり力が働いてこういう異常なことが起こったんじゃないかというふうに私としては言わざるを得ないわけです。 ところで、この田中氏の九階への入院に伴って、今もちょっと触れたことですけれども、看護婦諸君の配置が次々変わっていくと。最初は三階から行くと、次が七階から派遣をされる、そして今は九階に、これも今まで例のないことですけれども、四名の特別の看護婦の方の配置が行われていると、御存じのところだと思うんですけれども。ところが、本来の休憩、休息を保障した三交代制をやっていこうと思えば六人要るということは理の当然です。ですからそれが全うされないと。同時に、今まで例のなかったことですから、ほかの病棟にこの分のしわ寄せが行っているということで、全体として休暇も思うようにとれない。休暇ということで旅行に行っておったら、わざわざそこへ電話がかかってきて、ひとつ旅行をやめて病院へ戻ってくれと、こういう話まで出てくるというふうに私聞いています。また新任者への教育訓練、これが十分にできないということで、このままでどんどんいったら将来が心配だという声もあるというわけでありますけれども、ぜひこうした点で大臣、一体そういう病院の今実情がどういう状況にあるのかという、この実態をよくつかんでいただいて、どうしても必要だという場合には定員増の問題なんかもやっぱり検討していただく必要があるんじゃないか。そもそもこういう問題が起こってきた一つの原因に、私はさっきも言いましたPPC方式というこの問題があったわけですから、この問題の可否についてもこの際よく考えてみると、こういった点を含めてひとつ大臣が指導性をとってほしいということをお願いしたいと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) 職員の勤務につきまして、その業務内容、それから業務の密度が高くなるかどうかということにつきましても、とにかくほかの職員に負担が余計かかるというようなことのないような対策というものを十分調べまして、そして適切に措置していきたいと、このように考えておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 最後に大臣にもう一つこの関係で聞いておきます。 三月二十六日の当委員会で私が質問をして、それに対して大臣が一つの経営職場に複数の労働組合があるときに、当局の対応に差別があってはそれはよろしくないというふうに答えられたわけでありますけれども、この東京逓信病院でも実は複数の労働組合がある。こういう実情のもとで、一方には組合事務所を認める、一方には認めない、こういうことが起こっているわけでありまして、こうした姿というのはひとつ一日も早く改善をすると、こういう方向でのひとつ努力をお願いをしたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) 事業を円滑に運営していくためには、労働組合の理解と協力を得なければならないことは申し上げるまでもございません。そういうことで、どの組合に対しましても正常で安定した労使関係を確立する、誠意を持って対処していかなければならないと考えております。 今お話しの組合事務室の問題につきましては、これはまた私はやはりそういった問題について努力をいたしておると思うんですけれども、局舎事情とかいろんな問題がありますので、東京逓信病院におきまして組合事務所の許可が可能かどうか、十分またこれはそういった点について検討させなきゃならないことだと、このように考えております。
○佐藤昭夫君 その点お願いをしておきたいと思います。 それでは次の問題に移りますが、同僚委員の多くからも質疑が出ております当面の日米交渉の問題であります。ともかくもう前段省略をいたしまして、三月の末に小山次官が訪米をしていろいろアメリカと話をしてきた。しかし、それでアメリカ側が完全には納得しなくて、この特使がじかに日本へやってきて、この三月三十一日の午前中総理と直談判をしたということでありますけれども、小山さんが帰ってきたのは三月三十一日の夕方だと聞きました。そうしますと、小山さんからの十分な報告も聞かず、そして日本側としてどういう基本態度で対処をするかという個々の相談もできぬままアメリカから特使が来たというので、ほいほいと総理大臣が会って一定の約束をすると、こういう私はやり方というのは、これはもう普通常識に考えても軽率の批判を免れない。こうした点でまず郵政大臣として、一言あってしかるべきだと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(左藤恵君) 小山次官が向こうで話しました概要につきましては、総理には外務省を通じて御報告があったと思います。そうして、アメリカの特使が特別にそういうことで向こうから来て、そして総理に会ったということにつきましては、やはりアメリカが現在の段階におきまして、特に議会筋が非常に厳しい保護貿易の方に移るんじゃないかというようなことについて、そういった情勢があるということに対して、アメリカの政府側としては、何とかその保護貿易のような議員提案の法案が通らないような、そういうようなことにしなきゃならないというようなお気持ちから、そういうことで何か説明するための説明の仕方といいますか、そういうようなものについての何か話し合いができないかということで来られたんだろうと思います。そうして、私も三十一日の晩にそのシグール大統領特別補佐官とお話をいたしまして、そうしてそのときにやはりあくまでも我々としてはこの電気通信の機器の問題につきまして、今までも主張しておりました内外無差別、そして簡素、透明、市場開放の原則というものだけは貫いていくということで、しかし四月一日からそういうことで新しい体制ができて実施に入るんだと、こういうことについては再度説明をいたしました。 その中において、十分自分たちとしては納得いかない問題もあるので、今後ともこれについての努力を日本側も考えてもらえないかと、こういう話があって、それが先ほども大森先生や先生方に御説明申し上げましたような技術基準の問題についてでございまして、これについてはさらに専門家による意見交換をして相互の理解を図っていきたいと、こういうことでそのことをシグールさんに申し上げた。シグールさんはそのままそれを受けとめて帰られたわけでありまして、新しい提案をそこに持っていったとか、そんなことは何もございません。
○佐藤昭夫君 いろいろ弁解なさいますけれども、小山次官はわざわざアメリカへ行って直接話し合いの衝に当たってきた人ですね。外務省を通しての報告やら、電話での報告やら、いろいろそれはあったでしょう。しかし、いろんな話し合いに対しては、いろんなニュアンスの問題とか、そういう点を含めて御本人からよく報告を聞いて、日本としての対処方向を決めてアメリカ特使との会談に臨む、こういうのが私は通常の手順である。ところが、向こうの特使が急いでおるからというのでそれに応じたという。ここにアメリカと言えば何かもうびくびく、ほいほいというか、そういう姿というのが私は端的にあらわれているんじゃないかというふうに言わざるを得ないわけです。 そこで、それなら逆に聞きますけれども、大体今回の一連のこういう問題について、私ども共産党としては、とにかくアメリカが不当に介入をしてきているこの情報通信分野、ここに内政干渉とも言うべきそういう介入をしてみたり、そして片や日本のそういう情報通信ネットワーク、これが軍事的目的にいわば悪用されていく、こういう危険性についてはつとに指摘してきた問題でありますが、それが例の電電三法によってそういう方向が一層募ってくるだろう。だからあの民営化法には反対だということで強くなにをしてきたということでありますが、なぜそういうことを言うかいうと、日本の対処が大変——それは抽象的には通信主権を守りますというふうに言いながら、本当に国益を守るために、通信の主権を本当に守るためにしっかりと毅然と対処をしているのかどうかという点を批判をしてきた。 ですから、逆に聞くわけですけれども、アメリカからはいろいろ注文をつけられていますね。日本から逆にアメリカに何か注文をつけていることはあるんですか。あったら言ってください。
○政府委員(奥山雄材君) 当然のことでございますが、今回の電気通信分野における経済摩擦の背景にはドル高の問題あるいは通信機器における輸出入の不均衡の拡大の問題等もございます。したがいまして、今回の貿易摩擦の原因につきましては、これはアメリカ側と協議をする最初の一月末の電気通信セクター別の会合以来、今回のよって来たった原因に、アメリカの国側にも一半の理由があるということをたびたび申し述べておりますし、先ほど大臣が申し上げられましたように、アメリカ側の営業努力、市場参入への努力についてもまだ十分足りないものがあるではないか、あるいはまたアメリカ側がこれまで日本側に輸出した機器について欠陥があったような場合については具体的な事例を指摘して、こういう事例もあるのでこういうような点については改めてもらいたいといったようなことも随時主張しているところでございます。
○佐藤昭夫君 口では随時言っているということですけれども、そういうふうに国民の側には映りませんね。とにかくアメリカには言われっぱなし、日本政府の態度は極めて弱腰、こういうふうに国民の目には映っているというふうに私は言わざるを得ないわけです。 もう一つ大臣に聞いておきましょう。 この種、経済摩擦の問題は四分野、こう言われていますけれども、単に個々の現象、それに対する当座の対応をどうするかという、そういう問題ももちろんそれはそれであるでしょうけれども、もっと基礎に、もっとその背景に、日本の側がこの劣悪な労働条件のもとで集中豪雨的な輸出をやっているという、ここに対するアメリカ側の非難が実はあるということはもうよくよく御存じのところだと思うんですよ。だからここを変えないと、単に現象的な対応だけしたって、また次の問題が出てくる。こういう点で私はあえて、そんな問題は郵政大臣の仕事じゃありませんと、こうじゃなくて国務大臣の一人として、そもそもこういう日米関係が起こってくるそこの根本原因のそこの解決の問題についてどうするかということについての大臣の考え方をちょっと聞いておきたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 確かに、日本とアメリカの経済摩擦問題、今お話がございましたようないろいろな貿易のインバランスというものがどういうところから生ずるかという中にはそういった非常に大きな問題もあろうと思います。基本的、根本的な問題として貿易のインバランスを直していくとか、あるいはそこに国際社会を全部形成していく上においての日本の立場というものを考えたいろんな政策というものは、これは政府全体としてこのことを考えていかなきゃならないと思います。今のお話のような点もいろいろあろうかと思いますが、だから長期的な問題としてそれは基本的に考えなければなりませんけれども、当面する問題としてはやはりアメリカ側として今の四つの分野について特にインバランスの問題が大きいということでそれに対する対策は何か、こういうことで持ってこられたものに対してもこたえなきゃならない。二面、私はそういうことについて、長期的に考えなきゃならない問題と当面の政策として考えなきゃならない問題、対処しなきゃならないところに今来ておるんではないか、このように考えるわけであります。
○佐藤昭夫君 あともう少しありますので、あと一、二点お尋ねをいたします。 問題は、六十年度予算案でも一定の措置が組まれておりますニューメディア時代における放送のあり方に関する調査研究の問題でありますが、この点について前回の二十八日の委員会で私もちょっと質問をいたしましたが、根本原則である放送の自由、これは見直しをしようとかそれを崩そうとか、そういうつもりはないというふうに大臣の方から明言をされました。したがって、この問題は当然のこととして、きょうはさらにそれ以上触れませんけれども、今後の放送の料金、受信料等のあり方の問題についてどうもちょっと答弁があいまいな点があったので、もう一遍、念のためにお尋ねをしますが、確かにニューメディアということでその料金、受信料をどうするかという問題を検討をするという、このことを全く否定するものでありません。しかし、そのことがイコール在来の放送の放送料あるいはそういう在来の放送の料金制度、これを変えて、この受信料の徴収義務化、払わぬ者に対しては罰則を付する、こういう問題に直結をしていくというこういう関係ではないはずだという、このことを聞いたつもりなんですけれども、ちょっと時間の関係で中途に切れましたのでもう一遍その点をお尋ねいたします。
○国務大臣(左藤恵君) 受信料制度につきまして受信料制度の趣旨を一層明らかにするとともに、受信者の負担の公平に資するという立場から、昭和五十五年三月の九十一国会に現在の受信契約の締結義務を受信料の支払い義務に改めるような改正案を国会へ提出いたしました。ところが、そのときは結局この法案そのものが廃案になりまして、そして五十五年度の受信料改定以降五十九年の三月に至る期間、または五十九年四月の受信料改定以降の受信料の収納状況というふうなものをずっと見ておりますと、比較的順調に推移しておるということもございます。 また、受信料の徴収につきましては、受信者の理解と信頼を得るためのNHKの努力が何よりも大切であるわけでありますが、現段階ではNHKの経営努力に期待するのが適当ではないかということで、その後そうしたことについての法律を一回出しまして廃案になりましたけれども、その後は郵政省としてもそういった法律を出していないわけであります。 現在そういうことでそういう期待をして、そういった良好な収納状況が続いていくならば、当面このまま見守っていくのが一番いいのではないか、このように考えているわけでありますが、そういう意味におきまして、受信料制度全体の問題としては、先ほど申しましたようなそういう郵政省が一回提案したということもございます。そういうこともありますので、これから調査研究の中においては広い幅でこの問題について、だからしたがって受信料の支払い義務化というふうな問題をもう論議すべきでない。こういうふうなことは考えておりません。 この段階におきまして新しいこれからの放送制度の研究のことにつきまして、そういうことについて長期展望に立った放送政策をつくらなければならない段階において御議論はしていただく方がいいのではないか、このように考えておりますが、しかし、そういうことで、今の段階におきましては省としては、こういった支払い義務化の問題を提案するとかそういうつもりはなくて、当面現行制度を見守っていきたい、このように考えているところでございます。
○佐藤昭夫君 もう一つどうしても聞きたいことがあったのですが、もう時間来ましたから終わります。 ─────────────
○委員長(松前達郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、片山甚市君が委員を辞任され、その補欠として目黒今朝次郎君が選任されました。 ─────────────
○中村鋭一君 本日の委嘱審査の私が最終の質問者でございます。大臣初め政府委員の皆さんもお疲れでありましょうから、私もなるたけ簡明直截に質問をさせていただきますので、ひとつショーターイズベターバットテルザコアという核心をつく御答弁をお願い申し上げておきたいと思います。 郵政事業の長期的な収支見通しはどうなっておりますか。また、郵便事業だけに限って言えば、長期的な収支の見通しはどのようになっておりますか。
○政府委員(塩谷稔君) 郵便事業についての長期的収支見通しということについて申し上げますが、郵便事業財政は昭和五十五年度末におきまして二千四百九十四億円に上る累積欠損金を抱えておりましたわけでございますが、五十六年一月の料金改定並びに各種の効率化施策によりまして五十八年度末累積欠損金は二百一億円にまで減少したところでございます。五十九年度においては予算上百五十五億円の赤字を見込んでおりましたけれども、現時点での予測ではこの赤字を何とか解消できるのではないかという感触を得ているところでございます。しかしながら、単年度の利益幅は年々小さくなってきておりまして、六十年度予算政府原案では遺憾ながら三百五十五億円の欠損を計上せざるを得ない状況となっております。 六十一年度以降の見通しにつきましては、ベースアップや物価の上昇等不確定な要素もありまして的確な見通しは困難でありますが、このまま推移すれば非常に厳しくなるものと予想されるところであります。今後は一層国民のニーズに応じたサービスの改善に努め、需要の拡大を図るとともに事業運営の効率化を推進して経費の抑制に努めてまいりたいと考えております。
○中村鋭一君 その言やよしですが、今の答弁の仕方に、もっと熱意を持ってやってください。ただ朗読すれば済むというものでもないんですからね。 宅急便との競争が激化いたしまして小包の取扱量が減少しつつありますが、その打開策としてはどのようなものを考えていらっしゃいますか。
○政府委員(塩谷稔君) 郵便小包の需要を確保するためのサービス改善施策といたしまして、これまで幾つかの施策をとってまいりました。申し上げますと、大口料金割引制度の実施でございますとか重量区分の簡素化、それから包装用品の販売、輸送システムの改善によるスピードアップ、重量制限の緩和、それから郵便小包ラベルの実施、こういったきめ細かい施策を実施してきたところでありまして、その効果もありまして、この数年減少傾向を示しておりました郵便小包の取扱個数はおかげさまで近時回復の傾向にあるところでございます。今後とも、私ども今国会に提案しております小包の転送料、還付料の廃止でありますとか、あるいは集荷サービスの推進などお客様のニーズに即応したサービス改善につきまして幅広く検討を進めまして、より一層利用しやすい郵便小包にしたいというふうに考えております。
○中村鋭一君 さて、消費者のニーズにこたえるために一生懸命サービスしますわね。一方ではこれは民業圧迫じゃないかという批判が当然出てまいります。お苦しいところだとは思いますけれども、省としてはどういうスタンスでこれに対処なさいますか。
○政府委員(塩谷稔君) 先生おっしゃいますとおり、今日小型物品送達の分野におきましては多数の民間業者が競争をしておりまして、郵便小包もこういった民間の業者との厳しい競争状態に置かれているところではあります。しかしながら、郵便小包は全国あまねく張りめぐらされた郵便のネットワークを通じましていかなる地域へも、またいかなる地域からもこれを送達するという、その意味では極めて高い公共性を有しておりまして、国民生活の上に欠くことのできないものではないかと私考えます。今後ともニーズに即応したサービス改善を行って郵便小包に対する国民の期待に沿うように努めてまいりたいと考えております。
○中村鋭一君 まあ、いいです。私は、相矛盾した命題がありますから、それをどのように整合していかれるかを聞きたかったんですが、あなたの答弁ちょっとそれにはまさに整合してなかったように思いますがね。 信書の媒介の独占の意義をどうお考えになりますか。信書の媒介の独占が必要な理由は何でございますか。荷物という名目で信書に相当すると思われる書類が宅急便等で運送、配達されているという現実がございます。これをどのように思われますか。
○政府委員(塩谷稔君) 信書の送達は国民の日常生活に必要不可欠でありますし、継続的安定的にサービスを提供することがこのために要請されておりまして、事業経営上の都合によってそのサービスが停止することがあってはならないと考えるものでございます。また信書送達サービスに対する需要というものはこれは普遍的なものでありまして、その需要に対応して山間僻地に至るまで、あまねくできるだけ安い料金でサービスを提供するためには、やはり何といってもこれを全国的組織によりまして運営する必要があろうと考えております。したがいまして、二つ以上の事業体を併存させることは国民経済上膨大な二重投資となりますし、独占としないならば採算のとれる一部の大都市相互間のみを、いわば虫食い的に運営されて、どのように企業努力を尽くしても全国的組織を必要とする事業の運営は困難になるんではないか、こういった観点から信書の送達については国の独占としているものでございます。 それからお尋ねの二点でございますが、信書の送達は今申し上げましたように国の独占とされているものでありまして、民間運送業者が信書の送達を行うことのないよう郵便法第五条の趣旨や信書の意味等についてこれまで周知指導してきております。しかしながら、民間運送業者の中には残念ながら信書の送達を行っているケースも見受けられるところであります。これに対しましては、私ども注意、警告をし、改善させるとともに、悪質なものについては送検の措置をとっております。 いずれにしましても、郵便事業を取り巻く環境、言いかえますれば通信、小型物品輸送市場における競合あるいは代替関係というのは依然として厳しい状況にありますので、私ども独占ということで、いわば独占が形骸化しているといいますか、それにあぐらをかくことのないようお客様のニーズを的確にとらえた積極的なサービス改善を進めてまいりたいと考えております。
○中村鋭一君 朝からの予算委員会でも、これは運輸省のマターですけれども、いわゆる軽タクシー、これが最近跳梁しているということについて運輸省の方は非常に明快な御回答だったようです。後で一遍会議録見ておいてください。同じような形で、やっぱり利用者からすればきれいな制服を着た若いお嬢さんがさっそうと車に乗って、配達いたしますと、こう来たら、それで料金が安ければ、やっぱりこれ頭みますということになるわけでございますから、それに負けないだけの知恵を出して、ただ、こういうふうに独占だから、今いみじくもおっしゃいましたけれども、独占にあぐらをかいて、このように法律が決まっている、だからあんた方けしからぬと言っているだけじゃなくて、そういうものを実際に消費者が必要としている現実に目を向けて、それに負けないようなサービスを郵政省としても提供していかれれば、そんなものはほうっておいたって消えていくものでございますから、その点の努力をひとつお願いしておきたいと思います。 電子郵便の普及状況及び利用状況はどうなっておりますか。また電子郵便の収支は現在どのようでありますか。
○政府委員(塩谷稔君) 電子郵便につきましてでございますが、これは昭和五十六年の七月から実験サービスを開始しまして、五十九年九月までは東京、大阪、それから名古屋、福岡及び札幌の五都市に所在する十四の郵便局で引き受け、またその配達地域もそれらの都市内に限定しておりましたところでございますけれども、昨年、五十九年十月一日からはサービスを全国的に拡大したところであります。 その利用状況について申し上げますと、五十六年七月から昭和五十九年九月までは十五万通でありましたが、全国的に拡大いたしました昨年の十月から本年三月までの利用通数では五十九万四千通となっておりまして、利用がおかげさまでふえてきております。 また電子郵便の収支につきましては、電子郵便の処理に直接必要とする経費を償うに足りる収入は目下確保していると考えております。
○中村鋭一君 きのうNTTが発足しましたね。巨大な会社であります。当委員会もこの巨大会社の誕生に向けては大いに努力もした経緯もございますけれども、そのNTTがこれからファクス網もどんどん整備していくわけですよ。これはもう前垂れがけで一生懸命やっていきますが、今おっしゃった電子郵便、当然今度はNTTと競合する立場になるわけでございます。これにどのように対抗していくおつもりですか。
○政府委員(塩谷稔君) 電子郵便は先生御存じのとおり郵便の送達の一部に従来の輸送手段、郵便の輸送手段にかえましてファクシミリを利用するものでありまして、ファクシミリ端末を有しない事業所でありますとか、一般家庭などにも簡便で迅速な通信手段を提供するという特性を持っております。この特性を生かして各種のサービス改善に努めていきたいと考えております。電子郵便、現在全国の県庁所在地等の主要な郵便局にファクシミリ端末を設置しておりますが、さらに送達速度のスピードアップということでこの端末を拡大配備していきたいというふうに考えております。 それから、利用を容易にするためにポストによる引き受けでありますとか、窓口取扱時間外の引き受けなどについても検討していく考えでありますし、さらに利用の大半がおめでたあるいはお悔やみなどが多うございますので、結婚、弔慰用のカラーイラスト入りの用紙などについても準備中であります。 ただ、私どもいろいろお客さんの御意見なども聞いてみますと、これは郵便の新しい商品でありましてまだまだ御存じない向きもありますので、先般テレビによるPR、あるいは愛称、イラストの募集などの周知施策を実施したところであります。今後におきましてもお客さんに電子郵便を大いに使っていただくよう積極的なPR活動を展開してまいりたいと考えております。
○中村鋭一君 郵政省も今や政策官庁としてこれからはもう知恵を絞って大いにサービスに努めてもらわなきゃいけないし、情報革命時代をリードする斬新なポリシーというものをこれからどんどん打ち出していただくわけでございますが、その一環として、例えば電子郵便そのものについても今おっしゃったようなそういうようないろいろな工夫というものを大いに展開していただきたいと思います。 郵務関係の機械化は現在どの程度進展しておりますか。またそれはコスト削減とそれから労働条件の改善にどの程度寄与をしておりますか。今後の郵務関係の機械化の基本方針、またそのスケジュールとあわせてお示しをお願いいたします。
○政府委員(塩谷稔君) 郵便事業の機械化につきましては従来からいろいろな機械の開発と導入に取り組んできたところでありまして、郵便番号自動読み取り区分機につきましては、これまでに取り扱い量の多い地域区分局など主要な郵便局ほとんどに配備を行いました。これ以外にいろいろな種類の郵便がありますが、全種別の郵便物を集中処理するために横浜、名古屋に郵便集中局を設置いたしまして、搬送でありますとか区分作業などの徹底した機械化を行ったところであります。 また、最近におけるエレクトロニクス技術などを取り入れましたバーコードによる書留郵便物の処理システムにつきましても五十八年度から五十九年度において全国実施を完了いたしましたほか、窓口におきましては郵便窓口セルフサービス機、それから郵便切手発売機などの導入を図ってきております。これらの機械化によりまして一段と作業の効率的処理がなされ、また作業環境等の改善、作業性の改善、それから省力化が図られておるところであります。 それから、郵便事業の今後の機械化についてでございますけれども、今申し上げました郵便番号自動読み取り区分機等の配備を初め、集中局におきます各種機械設備の設置など効率化のメリットが期待できる規模の局に対する機械化を進めてまいりましたので、今後は従来の郵便番号自動読み取り区分機の機能を向上しまして、手書きと印刷活字の両方の郵便番号を同時に読み取ることができる区分機に逐次配備がえをしていくなど、既配備機械の性能等のレベルアップを進めていく所存であります。こういった既存の機械の向上でありますとかあるいは配備の充実ということ以外に、私どもの心構えとして、何と申しましても科学技術の進歩には目覚ましいものがございますので、今後ともそれらの新技術が郵便の分野で活用できないか絶えず注視しながら今後の機械化に取り組んでまいりたいと考えております。
○中村鋭一君 そういうことになりますと、当然ながら三事業の地方分権化といいますか、各郵便局をいわゆる情報センター化していく必要があるんじゃないかと思います。それについての考え方と今後の対応をお願いいたします。
○政府委員(二木實君) 先生の御質問の情報センターの問題になりますと郵便だけではございませんで貯金、保険にも関係がございますので私からお答えさしていただきますが、現在御案内のように、昨年の三月をもちまして郵便貯金のオンラインが完成したわけでございますが、また一方、簡易保険につきましても今オンラインを整備しつつある段階でございます。次の世代のネットワークを考えますと、やはりこれは一本化する必要があるんじゃないかということで検討しておりますが、これが一本化されますと貯金の計算センターあるいは保険の計算センターを結ぶほかに、必要ならば外部のデータベースも結び得るんではないか、そうなりますと郵政事業の高度化も大変進みますし、また御指摘のような情報サービスもできるんではないか、そのように考えておりまして、私ども郵便局の地縁性というものを考えながらこれからの郵便局のあり方につきまして幅広い検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
○中村鋭一君 私、やっぱりNTTの出現がどうしても脳裏から去らないわけであります。国民の皆さん、こう見ておりますと、NTTは華々しく脚光を浴びて各地に——それはもうとにかくNTTへ行けば何でもできるというふうな今印象を持っていらっしゃるんじゃないか、するとやっぱりこれに対抗するためには三事業を通じて、各郵便局が、全体のニュアンスが、おおなかなか郵政省もやるな、すばらしいな、これはとてもじゃないけれどもNTTもうっかりしておられぬぞというふうな印象を持たれるような、まさに時代を先取りする郵便局になっていただきたいと思いますから今お尋ねをした次第でございます。 簡保事業に関しまして、これは従来から委員会で私何遍もお尋ねをしているつもりでございますけれども、生保会社は新種の商品をどんどん開発を進めておりますが、これに対して簡保はどのように対応をしていくつもりなのか。それから公的年金制度の抜本的改正、焦眉の急ということでございまして、現在我々の国会での審議の主要な対象にもなっているわけでございますけれども、この公的年金制度の抜本的な改正に際しまして、今後簡保が担うべき役割をお教え願います。
○政府委員(大友昭雄君) 先生御指摘のとおり、民間の生命保険会社で老後の保障ニーズ、あるいは金利選好の高まりといったことを背景にしまして、定期つきの終身保険でございますとか、生存給付金つきの定期保険といったいろいろな組み合わせ商品を開発しておりますし、本日から保険料を約一〇%程度引き下げたというような状況にございます。簡易保険におきまして昨年の九月に五年ぶりに保険料の全面引き下げを既に実施いたしております。さらにこの四月に、四十三年以来連年続けております配当金の増額も行ったところでございますが、商品につきましても、一昨年十月に十倍型の特別養老保険というものも発売して、現在一〇%近いシェアを簡保の中で占めているというような状況にございます。 ただ、こういった形はございますけれども、将来の生命保険全体に対する国民の期待というものもございますので、私ども新しい商品につきましても鋭意研究開発を進めているところでございます。今後さらに運用の利回りを向上させ、さらに経営効率を向上させていくということで、お客さんのニーズにこたえるべく商品やサービスの改善に努力してまいりたいというふうに考えております。 次に、公的年金制度の見直しの過程の中で、私どもがどのような役割を将来担っていくべきかということでございますが、高齢社会の急速な到来を控えまして、公的年金等の社会保障制度につきまして抜本的な見直しがなされてきております。その過程の中で、高齢化の進展へ向かって国民の老後保障に対するニーズというものは多様化してまいりますし、公的な社会保障制度ということの中で整備されることではありましょうけれども、それだけで高齢化社会における生活を十分に過ごし得るという方はそう多くはないわけでございます。現時点からさらに備えていかなければならないというふうな形の自助努力の必要性というものについての認識もおのずから高まってきておるところでございます。このような自助努力を支えていくということは、二十一世紀における我が国の社会全体をさらに活力あるものとしていく上ではどうしても必要なことだと私ども考えておりますし、民保、簡保ともどもにそのような国民のニーズにこたえて二十一世紀における福祉の増進ということにこたえていくべき責務があるというふうに考えております。今後とも運営の効率化ということを基本に置きながら時宜にかなった制度やサービスの充実、改善ということを行って期待にこたえていく努力を重ねてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中村鋭一君 おっしゃるとおり自助努力にまたなければいけませんね。 そこで、さっきから私同じテーマを繰り返しているつもりですけれども、民業はそこを一生懸命考えて新規商品を開発しておりますからね。ですから、やっぱり郵政省としても高い理想を論ずるだけじゃなくて、現実、具体的に国民の皆さんに、しかも民業と対抗しながら、こりゃなるほど郵政省の言っていることは非常にアトラクティブだと、こうとっていただけるような努力をひとつお願いをしておきたいと思います。 現在、ニューメディアをめぐりまして各省庁間で主管争いが繰り広げられております。週刊誌などは大変おもしろおかしく書いておりますけれども、現実、民業はどちらの指示に従ったらよいか困りますし、全般的な通信事業の展開にやはりこういうことはいわば省際間の争いというのはぐあいが悪い、妨げとなっていると思いますね。こういう事態をどのように考えておりますか。また、通信や電波や放送の主務官庁として郵政省は各省庁間の調整にどのような主導権をおとりになるおつもりですか。通産省来ていただいてますね。——まず通産省から先にお願いをいたします。
○説明員(大宮正君) ただいまの先生から御質問のあった件は、私ども例えばニューメディアコミュニティー構想とテレトピア構想というのがございまして、たびたび国会でも御質問を受けるわけでございますが、例えばニューメディアコミュニティー構想と申しますのは、高度情報化社会の円滑な実施を図るために、いわゆる地域のニーズに即応したニーズ調査あるいは概念検討というものをやりまして、そのシステムのモデル的なシステムを全国的に普及していくと、いわばソフトなプロジェクトです。これに対しましてテレトピア構想は、後ほど郵政省さんからも御説明あると思いますが、INSとかあるいは通信衛星といった通信のインフラストラクチャーの整備をしていくと、いわばハードな面からのアプローチかと思います。 ただ、先生御指摘ございましたように、情報化を通じて国民生活の向上を、それから高度情報化社会を実現するという究極的な目的では共通しておりますので、こういった点につきましては関係各省及び自治体と十分連絡をとりながら今後進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○中村鋭一君 通産省さん、今おっしゃっていただきましたが、現実には何というんですか、これはうちの分野だということで、郵政省に対してけんかを売るとまではいかないまでも、嫌がらせとまでいかないまでもそういうようなことがあるんじゃないですか、過去にあったんじゃないですか。これからは仲よくおやりになりますか、ちょっとその辺を。
○説明員(大宮正君) どうも課長ごときがお答えしていいのかどうかわかりませんけれども、実はこの問題の発端といいますと、要するに通信と従来通産省がやってきました情報という問題が非常に融合してまいりまして、一体どちらからどちらまでが通信か情報かというそういう実体をめぐる話でございまして、これは通産省と郵政省の間だけじゃなくて、関係各省ともいろんな問題があるわけでございます。したがいまして、これは一つ一つケース・バイ・ケースにお互いにお話をしながら解決していく、相談をしながらやっていくと、こういうことじゃないかというふうに考えております。
○中村鋭一君 では最後に、ひとつ大臣から、この省際間等の問題も含めまして、こういった問題のやはり主務官庁でございますから、これからの情報サービスの時代、情報革命の時代に向けて大臣の御決意、現状の御認識を伺いまして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 今お話ございました高度情報社会の形成、望ましい形はどんなことかということだと思いますが、そういうもの、これは私はこれから二十一世紀に向けての我が国の努力しなければならない重要課題の一つだと思います。そういう中におきまして、情報伝達の手段としての電気通信がその高度情報社会のやっぱりその中では中心的な役割を果たすというような意味におきまして、郵政省は電波、放送を含む電気通信の所管省庁としてそうした情報社会の建設に向かって各省庁とも十分連絡をとって、けんかするとかそんなことじゃなくて、権限争いでなくて、私は指導的な立場でやはりこういうことについて努力をしていかなきゃならないんじゃないか、このように考えております。 もう一つ、先ほども御質問がございましたけれども、その中におきまして各省庁で高度情報化社会に適しない法律がいろいろあるだろう。先ほど御質問もございましたけれども、そういった各省庁の主管の法律の中で高度情報社会の建設に邪魔になるといいますか、そういう時代おくれの面があった場合にこういったものにつきましても郵政省は各省庁とも十分連絡をとりまして、そうした連絡調整の中において、主管としてはそれぞれの省庁が時代におくれないように法律改正に踏み切ってもらうような、そういうことを積極的に呼びかけていかなきゃならない、このように考えておるところでございます。
○中村鋭一君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(松前達郎君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 次回は明三日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十九分散会