逓信委員会 第4号
- 発言数
- 287 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1984/12/13
会議録
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る七日、吉川芳男君が委員を辞任され、その補欠として新谷寅三郎君が選任されました。 また、去る十日、新谷寅三郎君が委員を辞任され、その補欠として河本嘉久蔵君が選任されました。 ─────────────
○委員長(松前達郎君) 日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大森昭君 株の処分などの問題につきまして私、質疑を中断いたしましたけれども、後で総理の方から誠心誠意回答をいただくということでありますので、まだ内容は十分わかっておりませんが、審議を再開したいと思います。 それに当たりましてまず官房長官にお尋ねいたしますが、昨日からきょうにかけて与党連絡会議で、新電電株の売却収入はすべて一般会計に繰り入れまして赤字国債に充てるということが決定されたということが報道されておりますが、こういうことになりますと、当委員会でいろいろ審議をしておる経過と府政部内で昨日決定したということとは根本的に変更があるんじゃないかという疑念があるわけでありますが、どのようなことで昨日の会議が決定をされているわけですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 毎週原則として月曜日に政府・与党の首脳会議、水曜日のお昼に政府・与党の連絡会議という会議がございまして、大体定例的に行ってきておるところでございます。これは政府でいろいろ考えておりますことや、その方向につきまして与党と連絡をとるとか、あるいは与党の方でいろいろな御意見がこの会議で出されるというような場になっておるところでございます。 昨日の政府・与党連絡会議の席上、この問題につきまして与党の金丸幹事長から御発言があったことは事実でございます。非常に今日の財政赤字が憂うべき状態にある、このことを十分念頭に置いて考えていかなければならぬというような趣旨であったかと思うのでございます。ただ、今申し上げましたように、この会議はあくまでも連絡会議でございまして、それぞれ御発言がありましたり方向についての御意見が出るのでございますが、そこで何か重大な政策の決定をするということよりも、そこで意見交換が行われる。具体的にそのように決定したかどうかということにつきましては、政府といたしましては従来も国会における御論議等を踏まえて政府部内の意見を詰めていくようにいたしたい、こういうふうに考えてきておるところでございまして、政府としてもその従来の考え方に立ちまして今後態度を決めていくようにいたしたい、こう考えておるところでございます。 きのう決めたのかどうかということについてさらに御疑念があるといたしますと、昨日の会議には電電の所管省庁である郵政省の大臣も出席をいたしておりません。したがいまして、この問題などを決定をいたしてまいります場合には、政府部内の煮詰めていくということをいたします作業の中には郵政大臣の御発言などは非常に有力な政府部内の態度決定の要件になる、こんなふうに私は考えておる次第でございまして、それだけ考えてみましても、昨日そのような決定をしたということにはなっていないということを御理解いただきたいと思うのでございます。
○大森昭君 そうすると、いろんな報道がされておりますからすべてとは言いませんが、今長官の言われた趣旨合いで違っている、報道は誤まりということで理解をしたいと思うんですが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(藤波孝生君) 与党の幹事長の御発言でございますので、それは非常に大きな重みを持っておるということは申し上げなければならぬと思うのでございます。また、与党の政務調査会におきましても、この問題についていろいろ正副会長会議などで御論議が始まっておるというふうにも聞いておるところでございますが、政府といたしましては態度決定を既にしたということではなくて、国会の御論議等踏まえて今後煮詰めていくようにいたしたい、こういう態度は変わっていないということは申し上げておきたいと思います。
○大森昭君 三法案はいろいろ問題があるわけでありますが、いろいろ議論している過程で、とにかくすべてを財政赤字に穴埋めしていくなんということは全く承服できないわけであります。ですから、どうかひとつそういう意味合いで、今長官が言われましたように、今後政府部内でしっかり詰めを行っていくものということで理解をして、質問を終わりたいと思うんです。 次に、ちょっと大蔵省に質問いたしますが、ということになりますと、新電電会社の株式の処分に当たっては処分の方法だとか時期、数量などの決定に当たりましては、少なくとも大蔵省は新電電会社の監督官庁であります郵政省と事前に十分連絡、協議をしていくということで従来大蔵大臣も答弁しているんですが、そういうことで理解をしていいか。 同時にまた、今日のように政府部内で不統一を生ずるということになれば、また改めて大蔵大臣を呼ばなければいかぬということになりますが、十分ひとつ協議をして決定をしていくということで理解していいですか。
○説明員(日高壮平君) 株式売却収入の扱いにつきましては、たびたび私が当委員会で申し上げておりますように、その予算編成の過程を通じて政府部内において慎重に検討するということでございますから、政府部内の結論を得るという段階におきましては、郵政省とも当然十分協議をしなければならないというふうに考えております。
○大森昭君 この間の連合で大蔵大臣が言明しているわけでありますが、決算書が出ない間は株の処分などはしないという意味合いで発言がありますが、これは昭和六十一年度決算書ができるまでの間、すなわち政府の当初予算に計上されることにならないということであって、あの答弁を聞いておりますと、六十二年の春以降に株式の取り扱いがなるというふうに確認してよろしゅうございますか。
○説明員(日高壮平君) 連合審査におきまして大蔵大臣が御答弁いたしましたように、六十年度の売却につきましては、その新会社の資本金あるいは資本構成が法案の成立後設けられる設立委員会で検討されるという事情がございますほかに、実際の株式の売却に当たりまして、株式会社としての決算資料が存在していることが望ましいのではないか、そういった点、いろいろ難しい問題がある。したがいまして、そういう問題点を認識しながらも、こういった点について予算編成の過程を通じて慎重に検討させていただきたいというふうに考えております。 なお、六十二年の春以降でなければという御指摘でございますが、少なくとも六十一年度におきましては新会社の決算資料は存在するということになるわけでございますから、大蔵大臣の御答弁から、直ちに六十二年春以降でなければ売却が行えないというようなことにはならないのではないかと考えております。
○大森昭君 そうしますと、六十年度はこれはもちろんやらないことははっきりしていますね。そうすると、今のあなたの御答弁からいきますと、新しい会社ができて一年間、どういう形でその会社が推移していくか、いわゆる決算書が出る前に株の処分といいますか、発行といいますか、ということが行われることもあり得るということですか。
○説明員(日高壮平君) 先ほど申し上げましたように、そういう御指摘があることも事実でございますし、私どももそういった点を含めて慎重に考えなければいけないわけでございますが、具体的にそれではいつから売るかという点につきましては、こういった国会での御論議あるいは私どももその株式会社が発足してから一体どういう状況になるか、そういった点も含めて慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○大森昭君 私は意見だけ述べさしていただきますと、少なくとも新しい会社がどういう形でこれから事業運営していくかということについて十分わかりませんから、したがって一年間ぐらいは新しい会社の事業運営を見て、しかる後にということが、どのような株価になるかとか、あるいは発行の仕方をした方がいいのかとかという方が望ましいと思いますが、これを詰めていますと時間がまたあれですから、私の意見としてはそういう形で、やはり会社が一年の間十分どういう形で機能していくのかという上に立って処置をしてもらいたいことを要望して、質問を終わります。
○片山甚市君 十二月六日の質問に引き続き郵政省にお尋ねしますが、日本電信電話公社が持っておる行政機能がどのように引き継がれるのか説明をしてもらいたいということですが、一覧表できていますか。
○政府委員(澤田茂生君) 電気通信事業は、公社制度発足に伴いまして、国の機関であった電気通信省から電電公社に引き継がれたという経緯があるわけでありまして、その際、国の行政組織がそのまま移行した。また、以来三十年にわたって独占事業として全国一元的に事業を行ってきたというようなことからいたしまして、電気通信設備に関する技術基準の作成だとか端末設備に関する技術基準の作成、それから工事担任者試験の実施、それとその認定、こういうものにつきまして、また端末機の認定に関する事務、こういったものを行っておる。言うならば、これはある意味で今回競争場裏になるということになりますと、一事業者がそういう全部の事業体にかかわるようなものをつくっていくということにはならないわけでありますので、これは行政省としての郵政省にこれを移管するということが妥当であろうということで、そういう措置を今回の法律の中に政府として盛り込んでいくということでございます。
○片山甚市君 そこで、設立委員について大臣に聞きます。会社法附則第三条の設立委員会の問題についてただしたいのでありますが、附則第三条には「郵政大臣は、設立委員を命じ、会社の設立に関して発起人の職務を行わせる。」等、会社の設立に関し所要の規定を設けるものとするとありますが、設立委員は、新会社の定款、役員選考、資本金、株式の数、発行価格、その権限たるや絶大でありますが、だからこそ我々は公社の資産形成の経緯にかんがみ、設立委員の任命については本来国会の承認を必要とするよう強く主張してきました。新会社の発足をめぐってちまたにいろんなことが言われておりますが、一点の疑惑を招くことがないようにしてもらいたいと思います。 そこで前大臣は、少なくとも国民の代表である先生方の目にも、この人ならふさわしいという形の方向で御相談をしてまいりたいと答弁しておりますが、選任に当たっては与野党合意を前提として、野党推薦の委員をもメンバーに加えていただくように、この際、明確に御答弁を賜りたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 設立委員につきましては、特殊会社の設立事務という職務を遂行するのにふさわしい人を選任していかなければならないのは当然でございます。この法案を成立さしていただいた後に人選をしなければならないわけでございますけれども、その人選に当たりまして、前大臣も国会の先生方に御相談申し上げるということも申し上げております。私は、そうしたいろんな御意見に十分耳を傾けたい、このようには考えておりますけれども、しかし設立委員の人選というものは行政府の責任で厳正に行うべきものである、このように考えておるところでございます。 会社法案にもございますように、最終的には郵政大臣の責任で選任すべきものである、このように考えておるところでございます。
○片山甚市君 選任するまでの過程を言ったのではなしに、選任はあなたの権限です。それまでの過程について与野党について合意を得ることが望ましいと思っておりますが、もう一度答えてください。
○国務大臣(左藤恵君) そうしたことについて御意見は十分伺いたい、このように考えております。
○片山甚市君 そこで、会社役員、監査役の選任についてですが、新会社の役員、監査役の人選に当たっても、新会社が国民の共有財産によって成り立っておるという点から、十分にそのことを踏まえなきゃならないと思います。そこで監査役については、経営から独立したチェック機関としての機能が十分に発揮できるように、その選任に当たっての配慮として与野党合意によるべきであると思います。また、取締役については電電改革の趣旨に沿って、各省庁からの官僚の天下りを排除したいと思いますが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(左藤恵君) 新会社の役員につきましては、創立総会で選任されるものでございます。御承知のとおりでございますが、新会社が非常に公共性の高い事業を経営するものでありますので、その役員は事業運営について適正な判断ができる高い識見を有する者の中から選任すべきであると、このように考えております。
○片山甚市君 各省庁の天下り役員を配置しないようにということについてお答えがないが、やるつもりですか。
○国務大臣(左藤恵君) 十分そういった御意見は私の方で伺いまして、そしてまた、この新役員が創立総会で選任されるときにそうしたことを御期待申し上げたい、このように考えております。
○片山甚市君 各省庁の天下りを前提としますか、しないですか。
○国務大臣(左藤恵君) そうしたことは頭の中に入れるべきでなくて、むしろ私は、一人一人のことにつきまして適正な判断ができる高い識見を有するという点を御配慮していただいて創立総会で選任していただきたい、このように考えております。
○片山甚市君 人事に関することですからこれ以上聞きませんが、とにかく我々は官僚の天下りによる会社経営については反対をする。各与党、野党の意見が十分に反映されるようにしてもらいたい。与党、野党というような国民の意見を反映してもらいたい、こう重ねて申し上げておきます。 去る十二月六日の逓信委員会のときに、御承知のように、新電電の電話番号案内について有料化も検討しておるという意味のことを新聞で発表されております。聞いておってちょっとおかしいなと思ったんですが、佐藤委員の方から案内業務について、新電電になれば有料になるのか無料になるのか、無料が有料になるのではないかという質問に対して、電電公社の方の答え方は、新しいサービスをつくり検討して今のような無料はやめたいと言わんばかりに言ったのですが、郵政省はこの間、私の質問に対して、五年間ほどは電信電話料金を上げないと言っておったんですが、今の案内電話は、基本料の中に入っておる料金を抜き出して有料化するということは約束違反だと思うんですが、新電電になればどうするんですか。それについて郵政省、まず答えてください。
○政府委員(澤田茂生君) 新会社の電話料金につきましては、今後五年間程度経済の激変がない限り値上げを行うべきではないし、また十分やっていけるであろうということを御説明を申し上げているところでありますけれども、今先生のお話のございました番号案内の問題でございますが、これはもう御案内のように、長年無料で提供されてきているサービスであります。民営化されましても引き続き現行どおり維持されるべきものである、こういうふうに私どもは考えておるところでございます。
○片山甚市君 電電公社の神林何がしという人がおりますが、その人が答えてください。
○説明員(神林留雄君) お答えいたします。 直接お答えする前に、やっぱり若干事実関係を私どもの方から説明さしていただきたいと思いますけれども、大変番号案内の利用は最近偏っておりますので、勉強しております。
○片山甚市君 聞いてない。質問してない。有料にするか無料にするか、それに答えたらいいんだ。
○説明員(神林留雄君) その辺の可否も含めて勉強中というのが、現在の私どもの状況でございます。
○片山甚市君 そういうなまくらなこと、検討中のことをここで説明してもらっておりません。新電電になれば案内業務について有料にするか無料にするか、今無料を有料にするかと聞いた質問に対して、あなたの方は有料にするように言いよるから聞いておるんです。有料にしないね。
○説明員(寺島角夫君) 経営形態の変更と申しますか、法案が成立をいたしまして現在の電電公社が新電電株式会社になるということに伴いまして、現在無料で提供いたしております番号案内サービスを有料にするという考え方は持っておりません。
○片山甚市君 そこで基本的な問題についてお伺いしますが、今、もてはやされている高度情報化社会が、実は技術の可能性に期待を込めたイメージにすぎず、それもハードウエアの高度化が目指されているのが現実であります。ここに、つくり上げられたニューメディアフィーバーの問題点があると思います。 まず、提供する側からのデッサンの押しつけが目立ち、利用者側の問題がほとんど考慮されてないということであります。つまり、つくり出されている虚構の需要がニーズという表現で登場しており、それがマスコミと広告によって立証されている仕組みとなっています。 そこで、決定的に欠けているのは人間の問題であり、コミュニケーションの原点である人と人との触れ合いが軽視されて、何が情報化社会かと言いたいんです。コンピューター化は機械の中での処理、加工で、人間同士のコミュニケーションとは直結しない。電話は耳で聞いて口で話す双方向通信の典型でありまして、機械が介在する人間同士の話である。 そういう意味で、現実の問題としては、情報化社会の陰の部分について光を当て、その対応策がまず明らかにされ、その上で競争原理導入の論理や電電三法が取り上げられるべきであると思いますが、現状は主客転倒しておると思います。大臣はそれについてどう思われますか。
○政府委員(澤田茂生君) 機械化が進みますと、どうしても人間が機械に振り回されるというような状態というものが出てくるということはこれは十分考えなければならないわけでありまして、電気通信ニューメディアというものがうまく使われれば、これは国の産業、経済、あるいは国民生活あるいは福祉の問題の解決、あるいは地方の格差是正、いろいろな面で非常に役立つであろうということが期待をされているわけでありまして、そういう期待の中で今日、工業化社会の中で引き起こされましたような人間疎外あるいは環境破壊、あるいは地域格差というようなものが、また新しいニューメディア振興という社会の中、これから臨もうとしております高度通信社会の中で引き継がれてきたのではこれはならないわけであります。 私ども、これから電気通信振興ということを図るに当たりましては、本当に人間性が尊重されるような形で高度情報通信社会というものが形成されるということを基本に置きながら考えていかなければならない、こういうふうに思っているわけでありまして、豊かに、そして全人的な活動というものが活発に行われるような社会構成のために、機械がもたらす陰の部分というものについても十分検討いたしまして、そういったものができるだけないように、そして一層光の部分が円滑に、また全体として調和のとれた形で普及、発展ができますように、いろいろな施策というものにも気を配りながら努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○片山甚市君 陰の部分については努めて避けて、光の部分についてニューメディアのフィーバーが行われることについて懸念を表明したものでありますが、そのうち情報の集中管理とコントロールの問題について、情報は権力として行使されることについて非常に危険を感じます。 二つ目に、コンピューター社会の脆弱性として、過度のコンピューター依存が事故、災害による影響を大きくし、その影響ははかり知れないものであることは、この間のケーブル火災というほんのわずかなことでも国民がよく知ったところであります。 三つ目に、コンピューターを使った犯罪は数限りなく、先進国であるアメリカではそれが一番大きな犯罪の根源になっていることについても、犯罪をつくる情報社会であることも言うまでもない。 そして、ソフトウエアの財産の保護についても、情報の保護、データの保護についても、著作権をめぐって文化庁と通産省の意見の対立がありますけれども、これもしなければ財産の保護はできない。それについてまだ意見の統一ができてない。 五つ目に、データの国際流通の問題について、各国では大変な国家主権というか財産の問題で意見がある。これについてもまだ明確な決定がない。 その次に、ロボット化が進んでまいりまして、労働と雇用の問題、いろいろと影響も明らかにあらわれてき始めておる。 そういうことで大きな問題点は、やはりこの委員会が始まって以来、情報基本法というものを政府全体が組んでつくりなさいということについて希望の話がありますが、具体的に取り扱っておりません。 郵政大臣、この法律を通す以上はあなたの責任で各省庁に呼びかけて、今陰の部分をなくしていくためにも情報基本法——あなたの方で出た振興法もありましょうが、しっかりつくってもらいたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(左藤恵君) 今お話しのように、高度情報社会の円滑な形成を今我々としては努力しなければならない。特に電気通信の普及、発達ということはその先導的な、あるいは中枢的な役割を果たすものである、私はこのように考えております。 そういう意味におきまして、我々が今お話しのようないろんな各省庁とも十分連絡はとりまして、とにかく電気通信高度化基盤整備法案といったようなものを検討してそういった方向へ持っていきたい、このように考えておるところでございます。
○片山甚市君 大臣に聞きますが、情報基本法というものについて推進をする大きな役割を郵政省として果たす用意があるのか、この法律案を成立させるについて。
○国務大臣(左藤恵君) そういった今先生御指摘のようなこと、方向へ持っていきたい、このように考えておるところでございます。
○片山甚市君 そこで、先ほど、機械と機械のコンピューター社会も人間がどうなるのか問題がある。人間を大事にする社会でなければ情報化社会は大変なことになりましょうと言いました。 そこで、電電公社にお聞きします。人手によるサービスとして、現行手動サービスについては維持をされるのかどうか。先ほど神林氏が答えようとしておりますが、電話番号案内についてのサービスは維持されるのかどうか。有料化を図るためにやるのか、サービスの内容をよくしたいというのか、そのけじめ。電電公社は、まさか、有料化をして金をもうけようというのではないか。番号案内をよりよくしたいということになれば賛成でありますが、この機会に、先ほど料金を植上げする意思はないというんですから、電話番号の案内についての充実化はよろしいけれども、案内の有料化については断固として反対します。新たな福祉サービスとしてどういうようなものを考えられておるか。 この三つについて、電電公社からお答えを願いたいと思います。
○説明員(神林留雄君) まず最初に、人手によるサービス、これは今先生御指摘の番号案内のほかに一〇〇番とか一〇六番と言われる接続サービスとか電報のサービスがあるわけでございますけれども、こういったサービスについては、当然民営化後も維持していくというつもりでございます。若干機械化というお話もございましたが、これらのお客様のサービス内容の改善とも絡みますけれども、お客様の利便、一層使いやすくする、それから場合によっては仕事の効率化を図るという観点から機械化と申しますか、コンピューター等導入したいわゆるシステム化と申しますか、こういったものはいろいろ今後とも図っていきたいと考えております。そういった過程の中で、私どもまだ具体的に、あれをこうするというようなイメージを一々全部具体的に組み合わせてはおりませんけれども、単純にいえば、番号案内の場合にはなるべく速く応答してお答えするということ。それから先ほどシステム化という中でコンピューターを使うという話をいたしましたが、コンピューターを使ってやっていけば、これは検索時間も大変短くなります。そういったことで遠くなる、これはもうはっきりしていますけれども、それ以外のプラスアルファの部分については、現在どのようなふうなものがよろしいかということを含めていろいろ検討中でございます。いずれにしても、サービス内容の改善を十分図っていきたい、こう考えております。
○片山甚市君 答えてないじゃないか。すぐ答えよ。三つ言うたじゃないか。一しか答えぬじゃないか。何しとる。さっさとやれ。もたもたするな。
○説明員(岩下健君) 福祉関係についてのお答えをいたします。 昭和五十年代の初めから幾つかの福祉用の電話機を開発してまいりまして、現在約九種類、十七万個に及ぶものを設置しておりますけれども、さらにこれの充実拡充を考えておりまして、現在既に具体的なスケジュールあるいは技術開発がかなり具体化しているものとして二つございます。 これはいずれも耳や口の御不自由な方のためのものでございますが、一つは、これは仮称でありますが、シルバーホン「ひつだん」といいまして、耳や口の御不自由な方が言葉でなしにいわば目で通信ができるという簡易な、またその料金も比較的割り安にするつもりでおりますけれども、ディスプレーに情報内容が出る、こういった形のものでございます。シルバーホン「ひつだん」、これは今年度の第四・四半期には具体的なサービスとして提供したいというふうに考えております。 さらに、またもう一つのミニファックスについての信号装置でございます。ミニファックスは大変今普及をしておりますけれども、例えば着信があったり、あるいはまた発信をするときにベルの音が聞こえないわけでございます、耳や口の御不自由な方には。そこで、これがわかるような信号装置をこれに付加しようということでございまして、これも今年度の第四・四半期には具体的なサービスとして提供申し上げたいと思っております。このほか、民営化後に至りましても従来以上にこういった福祉機器の開発をして、できるだけ便利なものを安く御利用できるようにするのが私どもの責務であろう、かように考えております。
○片山甚市君 もう一度お伺いしますが、電電公社の方ではそういうふうに計画をしておるんですが、郵政省ではこれから福祉電話というか、福祉通信についてどういうような開発、振興をするつもりでありますか。
○政府委員(奥山雄材君) 高齢者の方々や身体に障害を持っていらっしゃる方々、いわゆるハンディキャップを有される方々がこれから完全なる社会参加と平等を目指して社会の中で御活動できるようにするのが、私どもの電気通信分野からする一つの大きな使命だというふうに考えております。そうした観点から、先般来いわゆるハンディキャップ克服研究会という研究会を設けまして、私的懇談会としてその中で福祉型の電話機等についてのこれからの開発体制のあり方並びに技術的な諸問題等について御検討をいただいております。 つい先般、その中間報告をいただきましたけれども、その中で新しい福祉型電話機の使用なり、さらにはミニコンピューターを結んでの身体障害者同士の通信のあり方等につきまして幅広い御提言をいただいております。ただし、現段階ではこれは中間報告でございますので、今後そういった方法につきまして具体的な技術的な諸問題並びに経費的な諸問題等来年に向かって詰めてまいりたいと思っております。そのハンディキャップ克服研究会の御報告を受けまして、私ども早急にこのような問題について取りかかっていきたいと思っております。
○片山甚市君 郵政省は勉強中ですが、電電公社は既に発足以来福祉電話については相当の貢献をしてきたと思うし、今お話を聞いても取り組んでおられるようであります。ATTやスウェーデンなどにおいて言語障害等の方々、今身体障害者の方々を含めて使える電話をシステムとして使っておるんでありますから、ぜひとも皆さんのノーハウを使ってNTTが立派に役割を果たしてもらうように一層の努力をこの点については期待をしたい。勉強をする郵政省は、これから人にさせるんでありまして、現にやっておる電電公社がやる以外にない。当面は公社がやるんであります。そういう意味で郵政省におせっかいをされないよう、電電公社が先々、もっと福祉の問題について取り組んでもらいたいと思います。総裁、私の意見についてはいかがですか。
○説明員(真藤恒君) 福祉機器につきましては、まだこれから技術的に開発のされた新しい便利なものが出てくる可能性はいろいろございますので、私どもこの福祉機器の開発に関しましては今日までもそうでございましたが、今後とも経営形態がどうなろうとも、これはそろばん以外の考えでやっていくつもりでございます。
○片山甚市君 心強い御発言をいただいて、久しぶりにちょっとほっとしました。そのおつもりで頑張っていただきたいと思います。 そこで、NTTの職員等に関する問題でお聞きするんですが、公社法三十一条では、本人の意に反して免職させないというふうになっていますが、この規定が公社法がなくなりますから消えるんでありますが、一方、米国の通信法では、通信事業体の合併や分割に伴って労働協約の継承について法定をしておるんですが、電電公社の場合は法定されなくてもきちんとされるかどうか、まず電電公社にお聞きします。
○説明員(児島仁君) 最初に降職あるいは免職に関する規定でございますが、これは先生おっしゃいますとおり、電電公社法が廃止になりますからこの条項がなくなります。しかし、これは職員にとって重大な労働条件の一つでございますから、これは別途に発するまでに労働協約化をして、形は就業規則の中に入るのでございますが、これをもって労働基準局に届け出るという格好に処理すべきであろうと思っています。 それから、その他の労働協約等でございますが、時間もございませんので全般的な見直しということは当然これはできませんし、今後民営化に向かっていろいろ仕事をやりやすくする、また職員が働きがいのあるような観点から変えるとすれば、これは労使間で十分話し合って納得づくでやっていきたいというふうに考えております。
○片山甚市君 国会が介入する意思はないのですが、現行の労働協約は大体引き継がれることになり、当面、労働協約の中にある水準を引き下げるような考えはあるのかないのか。ないと思いますが、ちょっと聞きます。
○説明員(児島仁君) 私ども水準を引き下げるという考えは全く持っておりません。当面、現在の労働協約等はほぼそのまま引き継いで持っていきたいというふうに考えております。
○片山甚市君 新しい企業体であろうとなかろうと、今後とも合理化が進んでまいります。その点、労働組合との間の協議については従来どおり成立を期待して努力されるかどうか。私は、当然NTTの職員の身分を変える場合には本人の意思に反してやることはないし、労働協約もきちんと守られていく従来の考え方が貫かれると思いますが、いかがでしょう。
○説明員(児島仁君) 私ども労使対応しますときに、法律でも保障されておりますような案件についていわゆる団体交渉という事項がございますが、これは当然やらなければいけませんが、私ども労使関係というのは通常の生理現像といいますか、そういった話し合いが非常に大事だと思っております。したがって、それはどういう場でやるかといいますと、先生がおっしゃいましたように労使協議の場と申しますか、あるいは経営懇談会みたいなものをつくるのか、その辺も私ども今現在考えておりますが、民営化後いろんな諸問題が出てくると思いますので、そういった問題についていち早く労働組合の諸君に、職員の諸君にそういった問題点を語っていく、またその対策について協力を求めていく、そういった場面の重要な問題として経営協議会といいますか、ちょっと名前は今後つけていきたいと思いますが、十分話し合っていくような制度をつくっていきたいというふうに思っております。
○片山甚市君 法律に基づいて、共済組合については国家公務員等共済組合法が適用されることになるんですが、その年金に関与するのは大蔵大臣ですが、そのために賃金とか労働条件について大蔵大臣から文句が出るようなことは今後一切ないと理解してよろしいか、まず郵政省からお聞きします。
○政府委員(澤田茂生君) 現在の年金制度というようなものが円滑に、また今までの既得権というようなものについても確保されると、また全体としての政府の年金あるいは企業の年金等のバランスというようなことを考えまして、現在法律でその点については対応をいたしているところでございます。
○片山甚市君 そこで共済組合法が適用されますが、あと一年ぐらいたちますと共済組合が二階建てになる予定になります。このときにはこの間からの御答弁のように、新しく職域年金制度を電電公社は検討されるとして、いつごろ大体まとめるつもりですか。
○説明員(児島仁君) 職域年金というものをやろうということで現在非常に精力的に勉強さしていただいておりますが、職員の懐から出ていくお金がいろんなものがございまして、年金はその重要な一つでありますが、その他福祉といいますか、福利といいますか、そういったことで職員の懐から掛金として出ていくお金が相当ございます。そうした場合に新しい制度をつくるということになりますと、また必要なお金が職員の懐から出ていくということでございますから、職員の支払い限度を一体どういったところに置くか、そういった限度からどういう年金あるいは福利の仕掛けが必要であろうかということも今現在勉強しております。したがって、ちょっと時間がかかると思っておりますので、現在その時点を明示することはできません。
○片山甚市君 今までの福祉の枠組み、あるいは共済の枠組みというものを守りながらも内容的によくしていくためにはいろんな方法があろうと思いますが、急激な変化を行うことによって不満が起こらないように私の方からも希望いたしておきます。 国家公務員等共済組合法の適用によって、国鉄の諸君に大変お金を上げなきゃならぬようになっておる段階がもう少しふえてくると思うんです。それはけしからぬというのじゃなくて、全体として共済組合によるところの年金制度が厚生年金、国民年金、それと共済組合年金と一括される時期、昭和七十年に向けて全体的な枠組みを早く示して逐次やってもらいたい。企業としても努力しなきゃならぬことでありますから要望しておきます。 そこで、電電公社が一番嫌なことですが、電電公社に関連する企業というのは非常にたくさんおりまして、十五、六万の人が電電公社以外に働いておるんでございますが、今度電電公社が株式会社になることによって仕事がなくなる、路頭に迷うということがあってはならぬと思いますが、それについての一般的な責任というか、努力というものは総裁、どうお考えでしょうか。総裁お願いします。
○説明員(真藤恒君) 今の御質問に対しまして、私どもこの法案が実行されるということになりました段階で、今御質問のありましたような分野について急激な変化を起こそうとは考えておりません。 簡単に申し上げますと、今の体制、過去のシステムを守りながら効率を漸次上げていくという方向で努力するというふうに考えておりまして、今までの制度をがらっと変えるということは毛頭考えておりません。
○片山甚市君 私は当該企業の成立の経緯とか労働者の雇用問題を考えますと、総裁がおっしゃるように、電電公社が会社になったからということで急激に変えるんじゃなくて、穏歩前進をしながら改革をしていただきたいということで希望しておったんですが、今のお答えで、それでよろしゅうございますね。私たちとしては、この移行措置については十分に関係者の皆さんが納得してもらえるようにお願いしたいと思います。 そこで郵政省にお聞きします。御承知のように第二電電の問題ですが、国鉄や建設省のような公的機関が第一種の電気通信事業に乗り出すということになれば、NTTをなぜ民営にするんですか。大体国鉄が電信電話事業がやれる、建設省がやれるというんなら、あなたのところ、郵政省もやりたいからやるんですか、まずお聞きします。
○政府委員(澤田茂生君) 新規参入事業者ということにつきましては、いろいろな企業がいろいろ検討しているということは私どもも承知をいたしております。 その中で、鉄道の敷地とか、あるいは高速道路の溝というようなものに光ファイバーというようなものを引いてやるということになりますれば大変それが効果的であるというようなことから、いろいろ検討がなされているわけでありますが、そういう空間、土地、場所というようなものを有効に利用して電気通信事業として活用ができるということは、見方によってはこれはひとつ有意義なことであろうと思うわけでありますけれども、今行っている国鉄とか、あるいは道路公団、こういうような政府関係機関自体が電気通信事業に直接参入する、それ自体が行うという趣旨ではないものというふうに理解をいたしておりまして、今回の電気通信法体系の改革というものが競争原理の導入、そして民間活力を生かそうという趣旨に反するものではない、こういうふうに理解をいたしておるところでございます。
○片山甚市君 首尾一貫しない話で、郵政省は初め一年半ほど前は民営化反対で、公共企業体法を変えたり公社法を変えたらいいじゃないかと言っておったのを、臨調で押し切られると、今度は情報化社会に我々が役に立つために競争原理を入れるんだと言って、よそが掲げた理論を言う、今度は電電公社は民営にするんだからということになると国鉄や建設省が電話会社をつくる。あいておるところを使ったらいいんだというのであれば、自治省も県庁所在地に電話線を持っているから電話会社をつくってもいいという理屈が出てくるんで、あいておれば使ったらいい、そういう理屈はへ理屈といいまして、公的な機関がやれるんなら私は何も電電公社が公的機関をやめるべきでない。今、川の水を逆さまに回すようなつもりはありませんが、あなたが言っておるのは首尾一貫しないと反論しておきます。 そこで、京セラなど各グループが第二電電を申し出ています。それに対して経団連が一本化を言っておりますが、郵政大臣、今話によれば第二電電が競争してどんどんやってもらいたいというんですが、経団連は一本化してやりたい、しかも衛星については電電公社に線を使うように義務づけるようなことをやりたい、こういうふうに聞いておるんですが、郵政大臣はそういうことを、これは競争原理になるんでしょうか。
○国務大臣(左藤恵君) いろいろ新聞なんかにも書かれておりますけれども、現在いろいろそうした第二電電とか、あるいは新規参入したいというところがいろいろ検討なさっておるんだろうと思います。我々といたしましては、一本化するというふうなことは競争原理の導入ということから見たらそれは理論的には私は逆行することであろうと思います。新規参入者が一本化されなければならないということでは決してなくて、いろいろそうした中におきまして一つの電気通信秩序の形成というものはやはり競争原理の導入とそれから民間活力によって電気通信が多様化、高度化が進んでくるということによって初めてそうした趣旨に沿うものができるということであります。もちろんしかし、その場合におきまして経済的な問題、いろいろなことがあるだろうと思います。そうしたことで新規参入したいという方々が御検討になるということはあろうと思いますけれども、我々としましてはそうしたことについて一本化をする方向へ持っていってもらいたいとか、そういうようなことは申し上げるべきでない、このように考えております。
○片山甚市君 臨調の親玉というのは経団連です。経団連の親方といえば、御承知のように土光さんを初めとする人々です。それが事もあろうに競争を電電公社に持ち込むのに、また自分らがやるときは競争せぬで独占でやろう、一本化やろう、こういうふうなことについては羊頭狗肉というか、泥棒にも三分の理があるようなやり方ですから、これが馬脚をあらわしたものとして糾弾をしておきます。それ以上言うともう時間ありませんから。 とにかく、何といっても金もうけのためにはうそでも何でも言うてやっていこうとする根性とやり口と汚さとを、この法案が出てからしみじみと感じるところです。大臣のようにお答えを願えれば、今度の経団連が出されたときには一本化ということについて反対してもらいたいのは、奥田大臣がこういう小さいやつが出ても大きい電電公社に対抗できないじゃないかと言ったら、袋だたきにしたのは世論でありました。ところが、経団連が言うとみんなしゅんと、金がついておるか、ひもがついておるか、バックがついておるかしらぬけれども、言っていませんが、権力がついておるのか、だれも反論はしないんです。私たちは大臣が今おっしゃったように、競争の原理を入れるならば入れるように、成り立つように協力するならいいけれども、一本化などということはあり得ない、こういうふうに私の意見を述べておきますから。お答えは先ほどいただいていますから終わります。 そこで、この間の質問の中で残っておるやつをもう一度言います。 政省令のうちの会社法第一条二項についてお伺いします。附帯業務の内容について、当面どのような業務を考えておられるのか。
○政府委員(澤田茂生君) 現在の附帯業務といたしましては、気象案内サービスとか、あるいは時報案内サービスというものがございます。これから予想される業務といたしましては、端末機の販売というようなものが考えられるのではなかろうか、こういうことでございます。
○片山甚市君 事業法三十一条の一項に属することですが、データ通信の料金の認可についてどういうように考えておるか、聞きます。七月十九日衆議院の逓信委員会における答弁のとおり、データの場合、端末は認可不要となっていることを再確認したいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(澤田茂生君) 御指摘のとおり、端末の個別の認可は不要である、こういうふうに考えております。
○片山甚市君 郵政省にかねてお尋ねしたことがあるんですが、私は電電改革三法案の質疑の中でも政省令の持つ問題点をただしてきましたが、なお解明されない部分が幾つかの点でありまして、意見を異にしておるようであります。したがって、当然のことと思いますが、郵政省は政省令の策定に当たってはこれまでの国会審議の経緯を踏まえ、関係者と十分相談すべきであると思いますが、この際、大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 御趣旨に沿いまして関係者の意見を十分伺いまして進めてまいりたい、このように考えております。
○片山甚市君 それじゃあと一問、外資規制についてですが、国際通信分野ではITU、CCITTなどにおける条約、勧告、決議を守り、国内法を優先させることはないと約束されていただいておるんですが、それは間違いありませんか。
○政府委員(澤田茂生君) ITUの条約とかあるいは規則あるいは勧告、こういったものについては当然守っていくべきであろうし、今後においてもその態度というものは変わるべきでない、こういうふうに考えております。
○片山甚市君 しかし、国内的には郵政省は特別第二種を千二百ビット換算で五百回線以上登録させることによって外資規制は外しても通信主権は守れると言っていますが、しかし通産省は郵政省案に反対しておるようであります。 まず、特別二種については、郵政省は千二百ビット換算五百回線を一つの基礎にして特別二種をつくることについては考え方を変えておりませんか。
○政府委員(澤田茂生君) いろいろ技術的な観点等も踏まえてこの点は決めていかなければならないと思っております。特別第二種というものを設けました趣旨合いというものを踏まえますと、今先生仰せられたような一つの基準というものが妥当ではないかというふうに考えております。
○片山甚市君 通産省にお伺いしますが、今の郵政省の意見について御意見を賜りたいと思います。
○説明員(牧野力君) 私どもから再三申し上げておりますように、本件につぎましては法案が通りました後郵政省から協議をいただくことになっておりますので、そういった協議をまだいただいておりませんので、現段階では何とも申し上げようがないわけでございます。ただ、先生御指摘のように、本国会におきまして千二百ビット換算五百回線という基準といいますか、の考え方が述べられたことは承知をいたしております。 ただ、今澤田局長の御答弁にありましたように、この問題、非常に技術的な専門的な分析を要する問題でございます。例えば、基準の対象となる電気通信設備をどういうふうにとらえるかということによりまして、この数字の意味合いも違ってくるわけでございます。そういうこともございますので、早急に御協議を受けました場合に十分に詰めまして、私どもも全面的に御協力をいたしましてできるだけいい基準にしていきたい、こういうふうに考えております。
○片山甚市君 きょうは穏当な言葉遣いでありますが、今まで聞いておると通産省は郵政省の案については入れ物が小さ過ぎるんじゃないかということで不満を言っております。しかし、私たち国会というところは国民の代表で、逓信委員会で議論したことでありますから、主管庁としてはきちんと筋を通してもらって、もしこんなことで負けることがあればこの常任委員会にかけるようにしてもらいたい、政令を勝手につくらないようにしてもらいたい。外資規制を外して、またその枠をもう少し広げようというアメリカ側の強い要求があります。マンスフィールドさんなどが一生懸命暗躍しておるのはこの件でありますから、アメリカに負かされてたまるかということであります。 そこで、この基準の決まり方いかんによって我が国の電気通信分野における、外国企業に席巻されるおそれがあるということで、私は警告を発しておきたい。 郵政省は電気通信振興機構などが必要だということでありますが、その理由として郵政省、電電公社、国際電電の電気通信関係の研究費が昭和五十九年度で千四百三十億円、ところがIBMの八千二百三十九億円、ATTの五千七百二十九億円に比べると低いこと、さらに政府の研究開発費の割合を見ても、我が国は二三%足らず、アメリカは四六・七%、イギリスは四八・一%、西ドイツは四三・一%、フランスは五七・六%などに比べて低いということで例を挙げて、国からの研究開発費も少ないけれども、事業者であるところの電電公社、国際電電を中心としてやる関係の費用も少ないと言われている。そのことは、研究開発と積極的に取り組まなければ、我が国の電気通信事業は外国に席巻されるという危険があるからだと。それで研究所を国営でやったらいけるという根拠については非常に危険でありますが、なぜそれだけ言うんなら電電公社を公営から民営にするのか、民営にすれば恐らくしっかりやるとおっしゃるけれども、株の配当金も払わなきゃならぬ、税金も払わなきゃならぬ、何々もしなきゃならぬということになれば、おのずから基礎研究は難しくなるんじゃないかと心配される。人の金をふんだくっておいて電電公社に研究しろと言ってもできない、できないから今度は電電公社を売った金でもいいから研究機関をつくろうということでは、つじつまが合わなくなってくる。私は郵政省を難詰しておるのじゃないんです。外資規制ができぬような日本の技術水準でない。ヤマカンを張って、胸を張ってアメリカと対等だとか、競争したらできるなどと言っておるけれども、これは竹やり戦術です。アメリカと戦争をしたときに、我々は神風が吹いて敵をやっつけるといったと同じように上陸するまでわからない。日本はもっこで飛行場をつくっておったと、相手はトラクターで、パワーショベルで飛行場をつくっておった、これと同じようなことが目の前にあらわれておる。NASAの予算を見てください、国家軍事予算の中にあれだけ占めておる。我々はそういうことについて非常に危険を感じ、外資規制について反対し、私はこの法案が通ることによって、日本の国はアメリカの通信圏に巻き込まれ、日本の通信主権が失われることは火を見るより明らかです。そして競争という名前において発足するけれども、事実上は巨大な独占資本ができ上がる、国民の利益を守るかどうか怪しくなるという危険を感ずるし、うまいところ取りする企業だけができて、そして国全体の通信をやる日本電信電話公社のいわゆる仕事が大変やりにくくなることをおそれます。そのようなことがないようにするために、大臣しっかりこの法案の審議を見届けてもらいたい。私たちは電電公社が改革されることは望んだけれども、株式会社になってよくなるという方途をこの国会の中で一度も経験しませんでした。それにもかかわらず株については特別の人が手に入れる話ばかりして、そして国民に株を全部分けようじゃないか、これから苦労しようじゃないかというのはだれもおらないで、おれの懐に金を入れよう、おれの懐に金を入れよう、泥棒が集まって山賊の会議みたいなことを日本の国じゅうでしておる、弾劾してやみません。大臣、私のこの気持ちをわかりますか、お答えを願いたいです。そして終わります。
○国務大臣(左藤恵君) いろいろおっしゃっていただきましたことにつきましては非常に理解できる部分もございます。そして、特に外国からの問題につきましての外資の規制の点とか、あるいは公社の民営化との関連にいたしましても研究所の問題とか、そういった問題につきましての御指摘だと思います。そういうことで我が国が世界の中で技術立国、貿易立国の基盤をひとつしっかり持った上でこういった問題の今後の電気通信の発展を期さなければならない、このように考えますので、そうした先生の御意見も十分これからのいろんな問題に対処しますときには頭の中に入れてやっていかなければならないと、このように考えておるところでございます。
○中野明君 最初に郵政省にお尋ねをしますが、今回のこの新電電の資本金ですが、郵政省としてはどういうお考えを持っておられますか。
○政府委員(澤田茂生君) 新会社の資本金は法案が成立いたしまして、郵政大臣によって任命をされます設立委員、この方々によって決定をしていただくということになっているわけでありまして、時期的にはいろいろ計算の方法があろうかと思いますけれども、五十八年度の電電公社の決算の確定というものを踏まえまして、なお五十九年度の収支の実績等、こういった推移を加味しながらいろいろ今検討をしているという段階でございます。
○中野明君 巷間では一兆円とかというようなことがしきりに言われているわけなんですが、これは何か根拠があってのことだろうと思うんですが、この一兆円ということについての考え方ですね、これ妥当と思われますか、郵政省どうでしょうか。
○政府委員(澤田茂生君) いろんな要素を考えながらこれは決めていかなければならないという問題だろうと思うわけでありますが、一つの計算と申しましょうか、一般的な考え方から見てこんな計算ができるんではなかろうかというような計算をいたしてみますと、五十九年度の収支差額が例えば前年並みであるというような仮定等考える、あるいは民間になりますと、退職給与引当金というようなものも、これどうするかというような計算もしなければなりません。また設備料の累積額というようなもの、これは約二兆五千億ございますけれども、こういったものは一体どういう扱いをするのかということ等いろいろございます。そういったようなものを計算する一つの方式として、例えば五十九年度末の純資産額というようなものから退職給与引当金というようなもの、こういったような所要のものを引く、あるいは一つの考え方として暫定的に設備料の累積額というのは資本準備金として積み立てたらどうだろうか、これ自体全部そうやるのがいいかということはいろいろ問題があろうと思います。そういった問題を抜きにして計算をしてみると、一兆円を切るような、約九千億というような数字が出てくるということから、そういうことがあるいは一つの考え方みたいな形で出ているのかなという気がするわけであります。今申し上げたようないろいろこれから詰めなければならない条件がございまして、これが一つの目安であるということではまあいいだろうと思いますが……。
○中野明君 これは総裁にもお尋ねをしたいんですが、現在電電公社の責任者としておられるわけなんですが、総裁は民間の出身で経営者でもあるわけなんですが、この資本金というものを総裁の経験といいますか、総裁の立場でどの程度が適正だとお考えになっているか、もしお考えがあればこの機会に述べておいていただきたい。
○説明員(真藤恒君) この問題は設立準備委員会でお決めいただく問題だということで、私どもの方からとかく意見がましいことを申し上げるわけにはまいらぬ問題だと考えております。ですけれども、私の常識といたしましては、巷間言われておる一兆円というのは非常に大きな経営面に強い圧迫を与える可能性は十分ある、多分に過剰資本ではなかろうかというふうに考えております。
○中野明君 おっしゃるとおり設立準備委員会でやられるのはわかっているんですが、やはり現在公社のことについて一番実情をよく知っておられる総裁の考え方というものも大きく反映されるんじゃないかと、今郵政省も言っておりましたようにいろいろの要素がありますので、大体巷間一兆円と言われているのは私ども妥当な線かなというふうに思っておりましたが、今の答えではちょっとこれは大き過ぎるんじゃないかというふうに聞きましたが、その程度でとどめておきます。これはここで詰めることのできない問題でしょうから。 それでは、先日来ちょっと心配になっておりましたことをもうちょっと敷衍したいと思いますが、この端末が開放されることによりまして、いわゆる新電電と、それから民間の中小企業との公正な競争ということ、これを郵政省も公正な競争を期するように検討したい、そういうことを答弁になっているわけですが、なかなかこれ抽象的な話では私どもも不安が残るんですが、この公正な競争ということについて具体的に郵政省としては何かお考えになっているんですか、お聞きしたいんです。
○政府委員(澤田茂生君) 今回の法律の改正の趣旨といいますのは競争原理の導入ということで、それによりましていろいろお互いが努力をし合い、知恵を出し合って業者のニーズに合ったサービスが、しかも良質低廉なサービスができるということをねらっているわけであります。有効公正な競争市場というものを確保していく、あるいは醸成していくということがこれは事業者相互間におきましても、またそれにかかわる行政分野といたしましても重要な課題であろうというふうに思っているわけでありまして、まず一つはやはり料金面による公正な競争というものが確保されなければならないだろうという観点からいたしまして、料金決定に当たりましての考え方というようなものについて法律でも決定原則というようなものを明記してございますけれども、公正な競争確保ということでは、内部相互の補助というものについてやはり厳しい監視というようなものが必要であろう。こちらでもうけたものを新しい競争会社と対抗するために、値引きをするためにつぎ込むというようなことがございますれば、これはそれしかやっていない企業にとりましては致命的なことになるわけであります。そういった形で公正な競争が確保できるわけでもございませんし、片方の方からつぎ込んだ、つぎ込まれた方のサービスを受ける人たちにとってみればやはり不公平な料金設定になるということでもございます。そういった内部相互補助ということについては、そういう不公正競争という観点からこれは十分チェックしておかなければいけない。これは料金決定についての仕組みというようなものをそういうようなことから考えているわけでありますし、さらにいろいろ新規参入がしやすいような方法として、いろんなサービス提供の状況というようなものを考えていかなければならないわけであります。 また、この間から先生の御質問等でやはり中心になる、考えていかなければならない問題点としての御指摘がありましたのは、端末販売に関連する競争ということが一つの大きなこれからの現実の課題として出てくるポイントかなあという気もするわけでありますけれども、そういった点につきましては、特に第一種事業者としての新電電というのが、その地位を利用して中小企業いじめというようなことにわたるような販売方法、あるいはその内部における事務処理というようなことがないように、これはもう新電電自体としても十分考えていくだろうと思いますけれども、商慣習とかモラルというものを踏まえた形で、やはり新電電といたしましても、非常に大きな資産とそれからいろいろな今までのものを引き継いだ形で行うわけでありますから、十分その辺のところ、そしてまた日本の電気通信の基幹的な役割を果たしているという、また果たしてもらわなければならない分野である、基幹であるということの自覚の上に立って、十分その辺について留意をしてもらいたいし、また私どももそういうことがないように、いろいろな観点から指導もし、見守ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○中野明君 具体的に心配な面が一つあるんですがね。これは現在の公社では、結局この予算で電話の機種とかあるいは販売数量というものが限定されているわけです。それ以外のものは要するに民間の販売力によっているというのが現状なわけですが、今度新電電になりますとそういうことが数量的に見当がつかなくなってくるというところに現在民間業者の不安があるわけです。こういう点を、どういうんですかね、数量といえばちょっと難しいかもしれませんが、シェアですか、それとの話し合いというか、中小企業が多いものですから、当面の間、何か話し合いをしながらやっていくというようなことを考えないと、いきなりばっといくと、今までの形態ががたっと崩れてきて大変な問題が起こらないかという心配をする向きもあるんですが、その辺は郵政省、どう考えますかね。それで、公社の方もお返事があったらいただきたいんです。
○政府委員(澤田茂生君) 先生の御指摘の問題ということについては私どもも十分理解できるわけであります。今まで電電公社が全国ネットワーク、そして良質な電気通信サービスというものを提供するに至った過程というものの中にも、今御指摘のございましたような中小企業というものがそれぞれの役割を果たしてきて、全体としての歯車としてうまくかみ合ってきたということも事実でございましょうし、今後ともそういううまいかみ合わせ方というものの中でより一層の向上というもの、相互の発展というものが図られることが一番望ましいわけでございます。ただ、制度的にそういうことについての一体何か、ものが組み込めるかということになりますると、やはり全体としての電気通信事業サービスというものを競争原理の中で、競争市場の中で、お互いが知恵を出し合いながらやっていこうということでございますので、制度としてその分野調整というようなこと、あるいは量的な規制というようなことはこれはなじみにくいものであろうというふうに思うわけであります。しかし現実の問題としていろいろな問題が起こるかもしれません。そういう点については、私どももやはり過渡的なそういう混乱というものはできるだけ避けられて、お互いに良質な効果を望みながら努力をしていくということが期待をされるわけでありますので、その問題の内容あるいはそういうケース・バイ・ケースによりまして私ども適切な指導ができる範囲において必要な措置というものを考えながらいろいろ対応をしていかなければならないし、またそういうことについては私ども、前回も大臣からも御答弁を申し上げましたように、そういう心構えで取り組んでいくという気持ちでおるところでございます。
○説明員(岩下健君) 今郵政省の方から行政の立場から基本的なお考えが示されたわけでありますが、私ども事業者の立場としましてもいわゆる分野調整的な枠組みといいますか、これはお客様のために好ましいものではないというふうに考えております。基本的に前回先生にもお答えをいたしましたように、電電としましては公正競争というものをもとにしました民間の業界との共存共栄というのが基本的な理念でございます。現在でもそうでありますけれども、特にこの四月からは言ってみれば私どもと今までの既存の業界の方々が同業者になるわけでございます。したがって、そこでは例えば共通の利害というものはございます。例えば前回申し上げましたいわゆる好ましくない業者のためにお客様が迷惑をこうむっていることに対する対策ですとか、こういったものは一致して当たりたいというふうに考えておりますし、また公正競争の問題につきましても、先刻も郵政からもお話がございましたように、収支区分を明確にするとか、あるいは自営届け出といったものの情報の管理を私どもモラルの問題としましても厳正にする、あるいはまた市場価格による販売でも、これは当然のことでありますが、同時にまたマーケット自体がこれから拡大していくという可能性がありますし、ぜひそうしたいと考えております。この場合に、私どもだけでなしに既存のそういった業界の方々と一緒に例えばPRをするとか、あるいは場合によりましては相互に代理店といいますか、特約店になり合うとか、そういった形のもの、この辺が私ども今考えております公正競争あるいは共存共栄の具体的な内容でございます。
○中野明君 新電電になって競争していくという考え方と共存共栄というのは非常に矛盾するところがあるんで、その辺を我々は非常に心配をしているわけでして、どうかひとつ、この民間の今までの業者というものの日本の通信に寄与してきた功績というものも大変大きなものがありますし、それなりのシェアを持ってるわけです。それがここで一挙に取り払われて踏みつぶされるというようなことがあってはこれ大変なことですので、どうかその辺を節度をもってお願いをしておきたいと思っております。 それで、次の問題なんですが、先ほど同僚委員からも、いわゆる従業員の人たちの配置転換とか、あるいは雇用の不安ということをおっしゃっておりましたが、私は電気通信事業が情報化社会に向かってINSとかいろいろ言われておるわけですが、それはそれとして当然二十一世紀に向かって大事なことなんですが、それと同時に一般国民的な、庶民的な要求、要望といいますか、そういう将来構想についてもお聞きをしておきたいと思うんですが、その一つに自動車電話というのがあります。先日の世田谷の火災の折も意外な活躍をしたわけですが、現在自動車電話というのは大体どれくらい一年間で予算を見られたんですか。
○説明員(草加英資君) 自動車電話は五十九年度は約一万二千台設置する予定でございます。
○中野明君 それで、大体これを取りつけるのに価格はどれぐらい、使用料はどれぐらい要るんですか。
○説明員(草加英資君) 自動車電話を設置される方が御負担いただく費用といたしまして、設備料八万円、それから加入料八百円ということでございます。それから使用料といたしましては毎月基本料といたしまして三万円いただいておりまして、通話料は百六十キロを境にいたしまして、百六十キロ以内でございますと六・五秒十円、百六十キロ以遠でございますと四・五秒十円、このような料金をいただいておるわけでございます。
○中野明君 一万二千台だからこういうことになるんじゃないかと思うんですが、これはやはりどうなんでしょう、一万二千ではとても足らないというぐらい希望というか要望はあるんですか。
○説明員(草加英資君) ただいま申し上げました設置の際の料金、それから御使用いただく料金の中ではという条件では大体現在申し上げましたような需要と私ども思っております。ただ、この料金が一般のお使いになる方から高いのではないかという声も出ておりまして、私どもといたしましては、例えば基本料を下げた場合にどのぐらい需要がふえるだろうかというような市場調査も今いたしておりまして、料金が変わればさらにこの需要は広がるだろうということは当然予想されるところでございます。
○中野明君 御案内のように、テレビが一番最初に発売されたときは五十万ぐらいしていましたね。とても我々の手の届かぬところで高ねの花だったんですが、それが大量にどんどん生産をされるようになって現在ではもう生活必需品になっております。そういうことを考えますと、自動車はこれ四千万台現在あるわけですから、機械にしても大量に製造を始めると安くなるでしょうし、当然基本料もあるいは使用料もずっと下げていったら私は爆発的な伸びを示すんじゃないだろうか。四千万台全部というのは無理でしょうけれども、そういうことも考えられるわけです。 それで、いま一つは、新幹線にありますが、列車の電話ですね。それを普通の列車にも、あるいは船舶電話、これなんか本当に、私は四国ですから宇高連絡船に時々乗るんですけれども、六月と十一月というのは霧の季節になりまして、霧が出ると長いときには十一時間ぐらいストップするんです。ところが、次々後からお客が乗ってくるものですから、船は岩壁から離れて停泊しているわけです。そうするともう一切音信不通になるわけですね。きょうは本題じゃありませんから国鉄を呼んでいませんけれども、船舶の公衆電話をつけてくれと私は何回か要望しましたら、国鉄は赤字でどうにもなりませんというようなことで、二、三度私は行方不明だということで随分騒がれたことがありました、十一時間船の中に閉じ込められて。そういうことなんかを考えますと、実際にINSも大事ですけれども、そういう庶民的な国民的な要求というものはかなり強いものがあるのですけれども、やはり国鉄としても使用料が高いとかあるいは設置するのに金が要るとかいうようなことで、もう民間の小さなフェリーは全部ついているのに国鉄はつけていないというような、こういうこともありまして非常に不便を現在もかこっておるところでございますが、そういうことを考えますと、しっかり公社の現在の優秀な従業員の方々にそういう方面に知恵を紋ってもらうといいますか、努力をしていただければ余剰問題についてもある程度解決策が出てくるのじゃないだろうか、そういう思いもしているわけであります。総裁、今私が自分の考えなんかを交えて言いましたが、自動車電話とかあるいは列車電話、こういうものについての将来構想というのはどうお考えになりますか。
○説明員(真藤恒君) まず自動車電話でございますが、これは現在の初期、スタートのときにつけました装置のコストが非常に高かったものですからああいう料金になっておりますが、その後急速に端末機械の合理化が進みましてかなりこれから先、端末機の値段そのものがうんと下がるという傾向が出てまいっております。 それともう一つは、自動車電話を使える地域が大体今年度でまずまず全国的に幹線道路の地域ではほとんど使えるところまで基地局の整備が進みましたので使える面積が広がったことと、機器本体の値段がぐっと下がる可能性が出てまいりましたので、いろいろ今研究いたしまして、近くこの自動車電話の値下げの問題について郵政省にいろいろ御相談しながら申請をして御了解いただけるようにということで今勉強いたしておる次第でございます。今先生のおっしゃいましたとおりに車の数はこれだけになっておりますので、使える値段で提供すればかなりの需要がふえてくるだろうというのが私ははっきり見通せるのじゃないかというふうに考えておりますので、早くそういう状態に持っていくことを今希望しながらいろいろ作業を進めさしておる状態でございます。 それから今の船舶、ことにフェリーなんかの船舶での公衆電話の問題でございますが、これやはり今度これから先個々の場所場所についてもう少しきめの細かい調査を私ども自身がいたしまして、今の先生のおっしゃいますようなかゆいところに手の届いたようなサービスをこれからやっていきませんとなかなかいろんな問題が出てくると思いますので、その辺も今後場所場所、ケースケースというものを考えて進めていきたいと思いますが、国内の飛行機についての公衆電話というものも今いろいろあれいたしまして、郵政御当局ともいろいろ御指導をいただきながら事を進めておるわけでございますが、そういうことをできるところからやっていきたいと思います。
○中野明君 今総裁から答弁がありましたが、結局中小企業とそういう変なところでがたがたがたがたするよりもこういう大きな場所があるわけですから、そういう方面に力を入れて、そして新規需要というものを開拓していく。これ私、安ければ自動車電話は必ず普及すると思います、対象が四千万台あるわけですからね。ですから、その辺をもう精力的に、優秀な従業員がおられるわけですから、検討してそういう方面にも頭を向けられたら、雇用問題の不安の解消の一端にもなるんじゃないかと、こう思って申し上げているわけでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 それで、時間もありませんのであと二、三点。 有線放送電話のことについて、関係の今回の法律改正で有線放送電話の規制が緩和されると、こういうことになっておりますが、どういうふうな緩和の仕方になるんですか、郵政省の方から御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(澤田茂生君) 有線放送電話制度につきましては、現在御審議をいただいております整備法案におきまして業務区域の範囲の拡大とかあるいは有線放送電話相互の接続というようなものを認めるというような所要の改正を行っていただこうということでありまして、これは今まで電電公社が公衆電気通信業務というものを独占的に行うということで、その独占性というものを確保するという観点から非常に制約的に行われてきたわけでありますけれども、今後はこれは非常に開放していこうということでございますので、有線放送電話につきましても、できるだけその特性というものを発揮しながらも、それぞれの独自な性格というものが伸びていけるようなシステムというものが考えられなければならないなと思うわけでありまして、現在、公社の電話網を接続した場合の電話の接続範囲というようなものが、公衆法におきましては同一県内でかつ一中継というような制約がございますけれども、事業法の施行後におきましては、これは契約約款の中で決めていくと、こういうようなことになっているわけであります。今後郵政省もいろいろ検討いたしますけれども、通話品質の確保の問題とかあるいはそういった点についての改善等実態面も踏まえながら、有線放送電話というものが今まで長年いろいろな地域における通信メディアとしての役割を果たしてきた、そういったものが新たな観点から新しい通信分野の中において新しい位置づけというものも期待されるんではなかろうかと、こういうふうに考えているところでございます。
○中野明君 そうしますと、有線放送電話相互もよろしいと。そして今までは今御説明のように同一県内だったわけですが、これ全国に拡大されると、こういうふうに考えてよろしいんですか。公社、どうでしょう。
○説明員(草加英資君) ただいま郵政省御当局からお話がありましたように、現在の制度といたしましては公衆法の中におきまして同一県内でかつ一中継の範囲ということが規定されてございます。今回の改正によりましてこの接続範囲につきましては契約約款の中で定めると、こういうことになるわけでございまして、私どもといたしましては現在契約約款をどのように定めるかを郵政省の御指導を得つつ検討しているところでございますが、通話品質を確保する上での問題とか、それから有線放送電話が限られた地域における通信網として第一種事業とは異なる位置づけになるというような関係等がございますので、現在の同一県内かつ一中継を緩和するという方向ではございますが、どのような形にするかにつきまして慎重に検討しているところでございます。
○中野明君 同一県内を全国に拡大して何か不都合はありますか、現在のところ。
○説明員(草加英資君) 現在の有線放送電話の技術基準と申しますか、技術の品質、通話の品質が、いわゆる第一種事業に認められるであろう技術基準よりも、必ずしも同一のものではない。具体的に申し上げますと、それよりも満たされないものもあるわけでございますので、そこらを勘案して今後検討していきたい、こういうことでございます。
○中野明君 私実際に使ってみてそんなに見劣りがするようには思いませんし、ただ交換手がどこからかけていますかと言うから、私の県で言えば高知からかけていると言えば、わかりましたと、東京や言うたらだめだと。だから、東京からかけておっても高知や言うたらつないでくれて一つも不都合ないんですがね。そういうことも将来ぜひやっていただきたいと、こう思います。 それから、次の問題は、いわゆる多目的のCATVですね。この多目的のCATVというものについては電気通信事業法ではどのような扱いをされているんですか、そこのところをちょっと教えてもらいたい。
○政府委員(澤田茂生君) 有線テレビジョン放送というのはテレビ番組の再送信とかあるいは自主放送というようなことでございますけれども、多目的なCATVということになりますと、このほかにテレビ電話だとかあるいは双方向の通信というようなことを行うということになるわけでございまして、単なる有線テレビジョン放送ということになりますれば、事業法の定義で明定をいたしておりますように、これは事業法から除外をされているということになるわけでありますが、先生おっしゃるようないろんな形のサービスができるようなCATV、電話型CATVと申しましょうか、そういったものにつきましては、特定者間の情報のやりとりを扱う通信サービスであるということでございまして、単純な有線テレビジョン放送というものとはやはり一つ境界があるということでございまして、こういうものにつきましては有線放送という観点から見た有線テレビジョン放送についての規制ということ、それから電話サービスというものをやるという観点から見ますと、この電気通信事業という観点からの事業法の適用、こういうものがそれぞれ適用されていく、そういう形になるであろう、こういうふうに思っております。
○中野明君 将来これだんだんわけわからぬようになってくるんじゃないかと私心配してお尋ねしているわけですが、いわゆる電話型のCATVというのは電気通信事業法の適用ということで、放送型のCATVは有線テレビジョン放送法の適用を受けると、こう整理はできるわけですが、境界線がだんだんくっついてきてわけわからぬようにならないかという心配をするわけです。そういう点を明確にやっぱりしておく必要があるんじゃないかなと思うんですが、もう一度御答弁をお願いします。
○政府委員(澤田茂生君) ただいま申しましたように、従来型の有線テレビジョン放送といいますのが、テレビ番組の再送信とかあるいは自主放送ということで、不特定多数の者、不特定多数の視聴者に同時に送出するサービスという点でございます。これだけでございますれば、今行っておりますように、有線テレビジョン放送に関する法制というものがその規律対象の法律ということになるわけでありますが、それにプラスしまして電話サービスというものが出てまいりますと、この電話サービスという観点に着目いたしますと電気通信事業ということになるわけでございますので、電気通信事業法というものが重なって両方の適用になるということでございまして、まあだんだん単純なテレビ番組の放送ということからいろいろなサービスというものをつけ加えた形に移っていくだろうということは、今後の推移から見て、またそういう方向に移るのかなあという気もするわけでございますが、現時点におきましてはやはりどちらかといえばまだまだ純粋な形でのテレビジョン放送というのが多いというのも実態でございます。今後の推移を見ながら適切な対応というものも検討課題としてはやはり持っておかなければならない、こういう認識でございます。
○佐藤昭夫君 六日の当委員会で私は電電公社の民営化を想定しての人員削減の問題を取り上げました。すなわち、全国的に大幅な人員削減の具体的な計画を電電公社は各通信局ごとに立案をさせてそれを取りまとめているんではないかという私の指摘に対して、公社としてはそのような計画はつくっていない、こういうような答弁に終始をしたのでありますが、しかしその答弁が決して安心できるものではないという具体例として、私は、例えば本社での人員二分の一化計画、このMI委員会資料に基づいての計画——京都での六十二年までに二千二百余名を減らすという計画、ある通信局ではほとんど無人化をし、有人局も三五%から四〇%人員削減をするという計画を立てているということなどを指摘をしたところであります。 そこで、きょうも再度質問をするのでありますが、電電公社としては人員削減計画を本当につくっているのか、つくってないのか、この点をはっきりしていただきたい。
○説明員(外松源司君) お答え申し上げます。 電電公社といたしましては民営化を前提といたしました人員の削減計画というようなものは特につくっておりません。
○佐藤昭夫君 ここに会議録がありますが、ことしの六月二十七日衆議院逓信委員会であります。西村委員の質問に対して児島説明員が答えておるんでありますけれども、この質問は、要するに電電公社の改革についてという自民党の提言があると、その線に沿って今回のこの改革法案がつくられたと、「その第七項に「新会社は、事業の合理化計画をすみやかに策定し、その実施によって要員の合理化を図る。」、こう明記をされております。事業の合理化計画及び要員の合理化について、政府及び公社は具体的な計画を持っておられるのか、」お尋ねをすると。これに対して児島さんの答弁、前段ずっとありますけれども、肝心の部分は、「現在、具体的な合理化計画を私ども立てまして、昨年の暮れに全電通と協議終了いたしまして、現在、進行中でございます。」。途中ちょっとありますけれども、「これがもう既に地方の段階で組合協議もほぼ終了いたして、実行段階に入っておりますが、これが実行されますと、相当数の要員が要らなくなるということでございます。」と会議録にこう書いてあります。御記憶ありますね。
○説明員(児島仁君) 記憶いたしております。
○佐藤昭夫君 そうすれば外松さんの最初の答弁というのは明らかにうそじゃないですか。計画を立てているんじゃないですか。しかも、それが言い逃れできぬことは、既に五十八年の二月の段階で、これも御記憶なはずですけれども、毎日新聞、読売新聞、九万人削減案、こういう大きな見出しで報道もなされておるところですね。事実ですね。
○説明員(外松源司君) 先般の委員会でも御説明申し上げましたように、電信電話事業はいわば合理化の歴史みたいなものでございまして、INSの基盤形成を図る、あるいはサービスの拡充改善を推進するというようなことで五十七—五十九年度にわたる事業計画というようなものはつくっております。また、当面の業務改善施策としまして、電報とか電話運用あるいは福祉部門、データ部門、全般にわたって業務改善計画というようなものは立てております。こういうような施策によりまして合理的な要員配置が可能になり、新しい業務にまた要員を張りつけられるというようなことから、結果的に今年度について言えば約二千五百名程度の要員の減を見込んでおるというようなことはございますけれども、先ほど申し上げましたように、民営化を前提にして特に要員の削減計画というようなものを立てておるということはございません。
○佐藤昭夫君 そういう言い逃れは通りませんよ。だから私はわざわざ衆議院の委員会における西村議員の質問の趣旨も引用をして、こういう質問に対してこう答えているじゃないかということを言っておる。 そうすれば、あなたが言う、六月の委員会の答弁で組合と協議終了をしたと、こう称しておる合理化計画の内容は何ですか、説明してください。
○説明員(児島仁君) 私ども、電電公社になりましてから過去六回にわたって五カ年計画というものを策定しておりますが、その五カ年計画というものは設備の拡張計画であると同時に、裏では要員計画、その他資金計画等も含むものでございます。そういった計画は毎回練り直し、練り直しております。 先生今おっしゃいました合理化案というのは、恐らく五十七年度から五十九年度に至る私どもが三カ年計画と呼んでおるものじゃないかと思いますが、五十七年から五十九年にかけて私どもどういった事業運営をやっていくかということは考えをまとめました。そのまとめました考え方について労働組合に説明をし、了解を得たところなわけであります。それは今外松が申しましたように、大蔵省、最終的には国会で決めていただきます予算定員というものが現実に五十八年は二千名、五十九年は二千五百名、五十七年も二千名を切る減がございますが、そういった定常的な要員計画を含んだ計画でございます。 先ほど九万人という話が出ましたが、これにつきましては私ども公社としてオーソライズした計画じゃございませんで、現在公社としてオーソライズした計画としましてはこの三カ年計画というものがあるわけでございます。
○佐藤昭夫君 そんな答弁で国会をだますことができる問題ではない。私は、言い逃れのできない電電公社の資料を最近入手をいたしました。「電気通信事業の変革について」、サブタイトルで「INSが事業経営に与える影響」、「昭和五十八年一月 日本電信電話公社」、「自民党電電基本問題調査会提出資料」、こういう肩書がついております。四ページとじ合わせた資料であります。こういうもの記憶ありますね。
○説明員(児島仁君) はっきり申し上げますが、それを自民党の基本問題会議に提出したことはございません。
○佐藤昭夫君 うそをつきなさい。そういう言い方で国会をだまそうというのは非常に卑劣なやり方ですよ。 この文書の中、二ページですけれども、ずっと繰っていけば、例えば合理化の計画として、市内の有人電話局約一千三百局をこれを二分の一にする、市外の有人電話局約六百局を五分の一にする、有人の中継所五百局を五分の一にするということで、まあこれでいけば三十三万人電電公社職員を九万人減らすどころか、もっと減るんじゃないかということに思わざるを得ないような恐るべき計画がここに出ておる。そういうことを計画をもとにして電電公社の自民党電電基本問題調査会、ここへ提出をしておるこの資料、まあ一つの提案だと思うんですけれども、この第四項で書いておるじゃないですか。約九万人規模の要員削減、これは今後の十五年計画ということですけれども、だから短期計画としては六十年代半ばでは約三万人、十五年ほどの長期計画として「九万人規模の要員縮減が可能であると推計されます。」というふうにこの提言の第四項で書いてあります。 それからさらに、この提言の第五項ですね。そこで、この大幅な削減を行うためには、退職不補充だけでは不可能、新規事業を開拓し、そこへ職員を出向させるなどダイナミックな事業運営が不可欠だと。こういうことで、いわばこの九万人削減を実行していくための決意まで含めたそういう提言を電電公社として出しているじゃないですか。それでも、そんなものは怪文書だと言うんですか、これは。
○説明員(児島仁君) 私ども関係の部局いろいろございまして、いろんな検討をしております。要員計画でも、もちろんそれはいろんな検討をしております。つまり先行き何年間かの事業計画というものを見て、一体どういうふうにその資金なり設備なり要員というものを考えていくべきか。それは非常に悲観的な立場から検討したり、非常に楽観的な立場から検討したりいたします。十五年先ということになりますとなかなか見えないわけでありますから、そういった想定をする際にも、楽観的、悲観的サイド、あるいは中間的なサイドでやるのにも、かなり大胆な前提といいますか、ラフな前提を置いてやります。そういった計画というものは、私ども事業をやっております場合に、当然にこれを考えるのが義務だと思っております。そういった先行きの計画を持たずしてせつな的な運営ということは、私どもとしては非常に無責任きわまりないというふうに考えておりますので、いろんな検討はしております。 ただ、これははっきり申し上げますけれども、その九万人削減計画というものを電電公社の基本方針としてこれをオーソライズし、それをオープンの場で公表をして説明をしたということはございません。
○佐藤昭夫君 電電公社が要員計画をつくることを、そんなことをだめだということで私は一言も言っていない。その内容を問題にしているということはもう言うまでもないことだと思います。その内容が、いや、この九万人削減だとか、大幅な削減だとか、そんなようなことはとんでもない、考えていませんよ、というふうにしらを切っても、それは通りませんよという具体的な事実を、今私はこうやって突きつけているわけですね。しかも言い方として、そういう合理化、効率化計画というのはずっと以前からやっておることで、今に始まったことじゃない、こういったようなことも言っておる。 しかしこれも、言い逃れのできない第六項というのがあるんですよ、提言。ここに「以上のように公社としては、公共性と効率性を全うさせ、国民・利用者の要望に副う公衆電気通信事業を確立しなければならないと考えており、そのため真に責任ある経営を行いうる株式方式による特殊会社への経営形態の変更を強く希望しているところであります。」。ほかでもない、民営化へ持っていくというこの基本路線とセットの関係でこの九万人削減をやります、これをやるためには不退転の決意が要る、ダイナミックな仕事の変更をやっていくんだ、退職者不補充、そんなような程度のなまやさしいことでこれはできるものじゃありません、こういう具体的な提言をここでやっているじゃないですか。 総裁に聞きましょう。総裁、あなたこのことを記憶にあるでしょう、こういうものを、提言を出したということは。
○説明員(真藤恒君) 私、今、児島が申しましたように、そういう書類を出した記憶はございませんが、いろいろな書類を通信部会あるいは基本問題調査会には出しておりますが、はっきり今先生のおっしゃったような書類を覚えておりません。しかし、一つ申し上げたいことは、企業が世の中に役立つためにはやはり必要な人員の減少ということはやらざるを得ないわけでございまして、そのためには、問題は、そういう削減の、通信事業に従事する人間の数をどうやって減らしていくかという方法論が、私どもの経営者としての社会的責任だと思っております。減らすことがいかぬというのなら何も産業というものが成り立つはずはございませんで、生首を切るというのがいかぬということは、私、重々心得ておりますし、生首を切るという考え方で合理化を企業としてやっていって世の中に成り立ったためしはないんでございまして、生首を切るということと削減ということは全然違った意味でございまして、組合と相談して、みんなが合意し、そしてそういう働きをするということであれば、そこに合意を得るだけの雇用の責任を持ちながらという前提条件を立てての事業計画でなきゃ成り立ちませんので、私どもがいろんなことを考えますのはいつもその線で考えておりますので、生首を切るという考え方で物を考えていないということだけはっきり申し上げておきます。
○佐藤昭夫君 生首を切らないということを随分大きな声でおっしゃいますけれども、何もそんなこと威張った話じゃないですよ、当たり前のことですよ、生首を切らないというのは。 で、依然として、あなたの今の答弁の中では、ある程度の人員減少というのはやらざるを得ない。そのやらざるを得ないという考え方に立って、実際は九万人削減というようなとんでもないことが考えられているんじゃないかということを私は聞いている。しかし、そんなことはゆめゆめ考えておりません、根も葉もない話ですという言い方ですね。総裁はどうなんですか、根も葉もない話だというんですか。——いや、あなたは聞いたからいいんだ。総裁、もう時間余りないから、総裁。
○説明員(真藤恒君) 今から大きく事業の内容が技術的にもサービスの種類でも変わっていきます。そしてそれが世の中の一般の皆さんの可処分所得の中で、料金のことをお考えにならなくて自由にお使いになれるように持っていくという形に持っていく場合に、いろいろ考えますときに、その度合いの考え方によってそういう数字はどうでも変わるものでございます。で、今まだ五年、十年先のことを、そういうふうな数字が仮に勉強の結果として出ましても、それが実行案になるなんて、経営の立場からいってとんでもない話でございまして、実行するのは、長期計画に基づきながら実行できる範囲内を実行していくのが私どもの常道でございまして、それ以外のやることは、方法は世の中に通用するものじゃございませんので、ある場合には九万人という数字が出るかもしれませんし、ある場合は、前提条件の置き方によっては、三万人とか四万人とかいう数字、あるいは二万人とかいう数字になるのは当然でございまして、新しい情報社会のサービスがいろいろ変わっていくときに、どれだけの需要が出てくるかということは、これは未知数でございます。未知数を前提にして確定的な数字が何かの書類に出たからといって、それで確定的にそういう働きをしようというふうにお考えになるのは非常に困るんです、我々としては。ですから、一つ一つを端的にじゃなくて、いろんな考え方によって、前提の置き方によってすぐにそういう数字は年じゅう変わっておるということをさっきから児島が申し上げておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 よくわかったですよ。結局、長い答弁をなさったけれども、私が聞いた、九万人削減というようなことは、そんなことは根も葉もないことかと、児島さんが言っているけれども総裁はどうなんだと、こう聞いたら、根も葉もないことだというふうにあなたはおっしゃらない。しかも、かつてある時期にはそういうことが話に出たことがあるかもわからぬかのごときことを言われるということで、いよいよもってこの民営化がもたらす道、大変なことになるという感を強くするだけですよ。だから、どうしたってこの民営化法案、こんなものを通すわけにはいかぬというふうに思うんでありますが、もう電電公社側の答弁は結構です。 大臣、お聞きになっておったと思いますけれども、言うまでもないと思いますが、雇用情勢の非常に深刻化をしてきておる昨今の日本の状況のもとにおいて生首は切らぬというふうにおっしゃっているけれども、強制的に他の業種に配置転換になる、あるいは無理やりに出向とかいらいらなことが出てくるということになれば、これは働く者の暮らしにとって大変だと思いますよ。こうした点で大臣としてもひとつ電電公社側の今後の要員計画の問題については十分よく注意を向けて労働者の生活に不安が起こらないようなひとつ必要な助言、指導、こういうものをやっていただきたいというふうに思いますが、大臣の決意をお聞きをします。
○国務大臣(左藤恵君) 今回の会社法の策定に当たりまして、新会社がその自主性に基づいて創意工夫を発揮して事業活動が行い得るように事業者の当事者能力というものに最大限の配慮を行っております。そういうことで要員の合理化という問題につきましては我々も十分な関心は持ちますけれども、新会社がやはりその企業性を発揮すると同時に最大限効率的な経営に努力すると、そういう意味で今の創意工夫をした形でみずからのものとして取り組んでいっていただきたいということを期待いたしております。
○佐藤昭夫君 大臣の答弁も非常に不安に満ちた答弁ですね。こうなればなおさら私は委員長に要望したいと思いますが、私はこれ委員長に提出をいたします。私としては、責任を持って、電電公社の名前で五十八年一月自民党の電電基本問題調査会提出資料、こういうことを書いた資料を持っておりますので、こういうものもそんなものはないというふうに言い張って危険な人員削減計画をひた隠しにしようと、こういうやり方はこれは当委員会としてはまかり通らないということで、ひとつ扱いについて委員長としてもしかるべく御検討をいただきたい。
○委員長(松前達郎君) ただいまの佐藤委員の要望につきましては後ほど理事会で検討いたします。
○佐藤昭夫君 それでは、あと先日少しく取り上げました先端技術とINSを考える会、あの関係でもう少しお尋ねをしておきます。 言うまでもなくこの総会屋名簿に記載をされている野村拓司という人物が経営委員長として中心的な役割を果たしているこの研究会、すなわち先端技術とINSを考える会、ここに電電公社の重要幹部である真藤総裁、北原副総裁。山口、児島、福富、前田、六人の総務理事のうち四人まで相そろって、合計しますと六人の重要幹部が役員に就任をしていると、公社関連企業や団体の考える会への加入を勧誘して回っているという異常な事態を問題として取り上げたのであります。 改めてお聞きしますが、これだけ電電公社幹部が六人相そろって役員として、就任をしている理由は一体何なのか、そしてこれだけ公社の最高幹部が相そろって役員に就任しているような団体の例はほかにあるのか、どうでしょう。
○説明員(児島仁君) 確かに先生御指摘のように私どもの幹部六名が役員といいますか、コンサルティングをやるといいますか、いろいろ聞かれたときにアドバイスをするという立場で入っておるのは事実でございます。この前の委員会で先生からそういった我が社がINSを普及をしていくと、INSというものの考え方を社会に広げていくということならそれはわかるんだが、しかしこんなにたくさん出ているというんじゃ社会に誤解を招くのではないかという御指摘がございましたので、私どもこの前も申しましたように、全国の商工会議所でありますとかあるいは経営者団体連盟とかいろんなところから講師の派遣を求められましてたくさん出しておるんでございますが、この点に限って六人も出ておるということでございますので、そういった誤解を解くために早急に本当にあるカリキュラムに関して質問があったときにアドバイスを差し上げるというふうなものに限って関与さしていくようにしたいというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 やはり六人そろって役員についているという姿はまことに異常だというふうに心の片隅で思われるのか、今のような答弁が出てきたかと思うんですけれども、もう一つ重大な問題は野村拓司氏というこの総会屋、こういう人物が中心的役割をしておるようなこういう研究会と深いつながりを持っている。これが電電公社として許されることなのかということを提起をしたわけでありますが、この点で左藤大臣も疑惑を持たれるようなそういうようなことはよろしくないということを答えられましたし、公社側も野村氏が本当に総会屋であるということがはっきりしたら対処を検討するというふうに総裁にかわって児島さんが答えられた、こう思うんでありますけれども、どうでしょうか。その後の調査結果、その調査結果に基づく対処方法、これについてさらにお尋ねをします。
○説明員(児島仁君) その後大至急調査を開始したのでございますが、野村さんという方が総会屋であるという証明がどうしても、私どもの調査能力不足なんでございましょうか判明するに至りません。ただ、この前も申し上げて再度で恐縮でございますが、ただあそこで講師になられる方は東京大学を初めとして大変バイオあるいは新素材、それからINSも含めてでございますが、そういったことに非常に国際的な学者がたくさん講師陣となって現実にゼミナールも始まっておるわけでございます。そういった点から考えますと、私ども新素材とか関係なく、INSに関係しておるわけでございますが、そういった点から考えますと私は主催者がどうということはなかなか調査能力がなくてわかりませんのですが、ゼミナールの内容そのものについては私はけしからぬものではないというふうに考えておりますので、これが総会屋であるのかどうかという点についてはさらに調査をしたいとは思っておりますが、現在のところはわかっておりません。
○佐藤昭夫君 調査をしてみたけれども総会屋かどうかはっきりしないと、依然としてそういうお答えでありますが、先日も私はこうやってお見せをして、ここに証拠がありますということで言ったはずです。「担当者必携」、昭和五十五年度版、発行所はこの前言ったはずですね。株式会社総友社出版部、ここにはっきり名簿に載ってくる、総会屋として。これはお調べになりましたか、この出版物を。
○説明員(児島仁君) 私どもその出版物を探したのでございますが、入手不可能でございまして、確認はいたしておりません。しかし、先生がお持ちなんで恐らくそういった本には載っておるんだろうということは推定をしております。
○佐藤昭夫君 国会で約束したことを守ってないじゃないですか。よく調べてみますと、こうやって複写をしたものを示しているんですから、本当に一生懸命調査をしようという気で調査をしたら必ず入手できるものですよ。定価も書いてある。なかなか高い本で一冊二万六千円、電電公社で二万六千円のお金がないわけじゃないでしょう。もう一遍ひとつ厳重な調査をするということと、その調査の結果総会屋であることが判明をすれば、電電公社としてのきっぱりした対処について検討をする、こういうことでやってもらいたいと思いますが、どうですか。
○説明員(児島仁君) できるだけ早くその本を手に入れてみたいと思っております。その本がどういう方から出版され、どれだけ権威があるのか私どももちょっとわかりませんので何でございますが、早急に手に入れるように手配をしたいと思っております。
○佐藤昭夫君 午前の質問はこの程度にいたします。
○中村鋭一君 大臣にお尋ねをいたしますが、電気通信技術、特にファンダメンタリーな部分といいますか、一つの根雪といいますか、基礎的な部分の開発というのは特に電電公社が新電電として発足をいたしますと、これは郵政省にとりましてもその面は重要なフィールドとなってくる、このように大臣もこれまでおっしゃっていたと記憶しております。改めてその点についての大臣の意欲をまずお伺いさしていただきます。
○国務大臣(左藤恵君) 電気通信に関します研究開発が極めて重要なことは申し上げるまでもございません。とりわけ基礎研究につきましては、例えばリスクが高くつく、あるいは研究に長期間を要するとか、いろんな問題がございまして、企業ベースに乗りにくいというふうな問題がありますので、国としてそういった点で主導的な役割を果たしていくことが必要ではないか、積極的にこの基礎研究につきまして振興策を講ずる必要がある、このように認識をいたしております。
○中村鋭一君 いわゆる振興機構案なるものは、今大臣がおっしゃいましたその観点から鋭意皆さんが努力をなさいまして、十分に練り上げて現在我々が知っておる一応の内容のものになった、このように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(左藤恵君) 一つの考え方としまして、党の方と協議いたしまして、今のところそうした方法がいいんではないかということで、その振興機構というものがどうしたらつくれるかということにつきまして、今政府内で協議をしているところでございます。
○中村鋭一君 公社の総裁にお尋ねいたしますが、先日の連合審査会におきまして我々の会派の柄谷議員が、郵政省にはこういう案があるけれども、じゃ公社は基礎的な技術の研究開発についてはこれまでどうであったのか、それから、これからどうなのかということをお尋ねをいたしました。それに対して総裁は、これまでも十分やってきたし、これからも十二分に我々の力でやり得ると、このようにお答えになったと私は記憶をいたしております。しかしながら、新聞で承知するところによりますと、たしかきのうでございますか、記者会見の席上で、総裁は郵政省のいわゆる振興機構案なるものに賛意を表されたと、このように紙面で読みましたけれども、まずこの御発言はそのとおりなさったのでございますか。
○説明員(真藤恒君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、私の申し上げんとするところは、私どもは今かなりの研究設備と、それから長年にわたって積み上げた研究のノーハウの蓄積を組織の中に、また属人的な能力として持っておりまして、かなりの実績も上げてきたと思っております。しかしながら、いかに私どもの研究所がしっかりしたものでありましても万能という研究ということは絶対に不可能でございまして、そういう意味から似たような研究を似たような能力あるいは健全な競争ができるような能力の研究所がやはり一つか二つかあることの方が日本の国全体としてそういうものの研究のスピード、レベルアップということには甚大な影響が出てくると思います。現に私どもの現在の研究の競争相手は、私どもとしてはATTのベル研究所、それからまたIBMの研究所というものの一部分に負けまいということでやっておるのが事実でございますが、そういうふうな考え方で郵政の方で今大臣がおっしゃいましたような構想を実現していただくということは、我々にとっては非常なプラスであり、したがって賛成である、そういうふうに申し上げている次第でございます。
○中村鋭一君 ということは先日の連合審査で私がお伺いをしておりまして、私の受けた印象は、そう郵政省がやっていただかなくても新電電でこれからもしっかりできるんだ、お任せ願いたいというふうなニュアンスにも私はとれたんですけれども、そうじゃなくて、競争関係裏にこれから郵政省もおやりください、うちもやりますというのか、それとも具体的には例えば研究施設の共用でありますとか、人材の共有でございますとか、供出でございますとか、そういうものも含めてよきパートナーシップを図りつつ両々相まっていきたいということなのか、その辺をひとつ正確に総裁から。
○説明員(真藤恒君) 競争というものが合理的に行われる限り必ず協調という部分は避けられないんでございますが、そういう意味の競争と協調ということは当然起こることだと思いますが、しかし何をいたしましても、やはり研究所というのは、私もそういう業務を若いときにやったことがございますが、うっかりしておりますと、こたつの中へ入りまして、ぬるま湯に入りまして、事にならないものに堕落してしまう危険性が多分にある。やはり競争相手がおるということは非常に研究所なんかでも大事なことであるということは、私の過去の若いときの経験で痛切に感じております。
○中村鋭一君 郵政省の振興機構が実際できるのかできないのか、これは今後の問題でございますけれども、総裁にお願いしておきますけれども、率直に申し上げますが、総裁が非常にシリアスな企業マインドの持ち主であるという点から、余り金のもうからぬところへそう金は使わぬでもいいじゃないかというふうにおっしゃることを懸念している向きもあることは事実でございます。したがいまして、これは郵政省の方の案が実を結ぶ結ばないは別にいたしまして、大変に大切なことでございますので、新会社が発足をいたしましてもその点は十分にこれからも総裁以下大いに意を用いていただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。 大臣にお尋ねいたしますが、これは先ほど大森委員からも質問がありまして、官房長官がお答えになりましたけれども、与党の幹事長、しかもこの幹事長は巷間伝えられるところによりますと、立法府であるところの自由民主党の幹事長ではございますが、いわば思いのままに行政府を牛耳っている超大物という評判でございます。その超大物が、これはもう株式の売却益は全部大蔵省にもらうんだ、一般会計だと、しかも国債の償還に充てたいということを発言され、その与党の連絡会議に出席した皆さんもそれに一言半句も異論を差し挟まなかったと、このように報じられております。大臣、この報道をどのようにお聞き取りになりましたですか。
○国務大臣(左藤恵君) 今の中村先生が御指摘の金丸幹事長の発言というのは昨日ですか、政府・与党連絡会議で行われたことでございまして、私はその席におりませんでした。そういったことで、この詳細はよく承知いたしておりませんけれども、伝えられるところによりますと、今御指摘のようなことでございます。ただ、政府・与党連絡会議ということ自体は情報を交換することが主な目的とされた会議というふうに伺っておりまして、そこで政策決定をするという場所ではないというふうに私は承知いたしております。 そういうことでございますので、幹事長個人の御意見としてそういったことの御発言があったわけでありますけれども、我々といたしましてはとにかく電気通信振興機構という構想を持っておるわけでありますので、そういうことにつきましては、やはり幹事長は幹事長の御意見としてこれから政府の中におきまして詰めていく段階でそういったことは十分頭に入れて考えなきゃなりませんけれども、我々としてはその構想の実現に今後とも努力をしていかなきゃならない。このように考えておるところでございます。
○中村鋭一君 ということは大臣、これは具体的な財源になりますけれども、それを一般会計から——これは幹事長もおっしゃっているようですが、要る金なら八千億でも一般会計から出しゃいいじゃないですか、こういう意見がありますね。しかし、これも私の聞くところによりますと、一たん大蔵省へ入ったらこれはもうだめなんだ、だからどうしてもこれは特別会計にしてもらわなきゃいけない、だから三分の一の株を郵政省が保有して、それを特別会計として振興機構をつくりたい、このように伺っておりますが、その主張は今後とも貫かれるんですか。
○国務大臣(左藤恵君) 我々としましては、そういった電気通信技術の振興を推進することができるものをつくることが目的でございまして、その資金につきましては今御指摘のような方法しかないのかというふうなことでございますが、我々といたしましては一般会計とかそういうことになりますと、非常に予算の確保ということ、しかも当該年度一年だけの問題じゃなくて、今後引き続いて安定的にそういったものを進めていかなきゃならない、そういうものを確保していかなきゃならないというそういった問題がございますので、そういうことが心配なく予算が確保できるという道をつくるためには、振興機構というふうな方法が一番いいんではないか。こういうことで政府の中で協議をしておるところでございまして、いずれにいたしましても、目的はそういったものを、電気通信に関します研究開発を進めていく組織をつくっていきたい、こういうことが我々の念願でございます。
○中村鋭一君 重ねてお伺いいたしますが、これが郵政省に任せますとこの振興機構が郵政官僚の天下り先になるんじゃないか。それからまた、さらにこういった特別の会計をつくりますと、本来電電三法案が本国会に上程をされましたゆえんのものであるいわゆる行政改革ですね、この本旨にそぐわないといいますか、背馳するものである。こういう意見があるわけでございます。その点について、大臣、例えば、そんな我々は天下り先を求めるために言っているんじゃない、行政改革の趣旨には反しないというところをひとつ率直に御答弁をお願い申し上げます。
○国務大臣(左藤恵君) 御指摘のとおり、我々は天下り先とかそういうようなことは決して考えておりません。大所高所に立って物事を考えなければならない、このように考えております。 それから、もう一つ基本的な問題といたしまして、一般会計に全部株式の売却益がそういうことで入るということによって、それが目的で今度の電電三法の改正をしているというようなことは決してございません。我々といたしましては、電電公社の民営化、そして競争原理の導入、そういった新しい情報社会に向かってのひとつの、そういった民間活力も活用したそういう形で進んでいくということを目的とした法改正というふうに認識をいたしておるところでございます。
○中村鋭一君 今回の法改正で衆議院の方で修正がされまして、新電電にありましては、原案では附帯事業は認可の対象でございましたがこれを外しました。KDDの附帯業務についても当然これはパラレルなものでありますから、これは認可の対象から外すべきではないかと、このように考えますが、郵政省の御見解をお伺いしておきます。
○政府委員(澤田茂生君) 新会社につきましての附帯業務のあり方は先生の今御指摘のとおりでございます。 KDDにつきましても、KDDが行う附帯業務について、現在は郵政大臣の認可事項としているわけでありますけれども、会社法案の修正の経緯というものにかんがみまして、KDDにつきましても附帯業務を認可の対象から外すということが適当である、こういうふうに考えております。
○中村鋭一君 今日までKDDは長年にわたって、いわば今回審議しておりますところの新電電のこの法律に先だって会社として存在を続けてまいりました。殷鑑遠からずといいますか、すぐ目の前に先発のそういった会社が長年にわたって営業を展開してきているところでございますが、郵政省はこれまでのKDDの業務についてどのように評価をしておられますか。
○政府委員(澤田茂生君) 国際電電がやっております業務と、現在電電公社がやっております業務というのは、国内と国際の違いがございまして、必ずしも一概に比較ということができないわけでございますが、国際電気通信事業の分野ということになりますれば、やはり国内ということと違いまして常に相手国、外国がある。そういう国際共同事業という意味合いが強うございまして、線を敷くあるいはある種の業務のサービスを行うということにつきましても、外国の通信事業体との合意によって事業を遂行していかなければならないという特殊性がございます。 我が国の国際通信の地位の向上というものを図りながら諸外国にも劣らない通信サービスを提供していく。戦争ということによって一時外国との通信というものも途絶をいたして、そういう道もなかったわけでありますが、やはり戦後の日本、国際社会における活動あるいは国際交流というふうな観点から見ましても、国際通信の整備、発展ということが非常に望まれておるということで、KDDは独占事業ということではございましたけれども、国際業務におけるただいま申し上げましたような特殊性というふうなものを踏まえまして、一足先に株式会社ということになったわけであります。 国際間のいろいろな競争もございます。そういった情勢に鋭敏に対応していかなければならない。それから経済変動というふうなものに反映される通信需要というものにも即応していかなければならないというような、自由な機動性というものを持たせた事業体として運用させてきたわけでありますけれども、今までのKDDの業務のあり方ということにつきまして眺めて見ますれば、見方によりましていろいろな御批判、御指摘もあろうかと思いますけれども、大方の方向といたしまして、経営の自主性、機動性というものが発揮され、そして国際通信需要に適切に対応して、また国際通信サービスの高度化、多様化というものにも努力をし、成果を上げてきているという評価をしてもいいんではなかろうかと思うわけでありますが、さらに国際電気通信事業の分野につきましても競争市場ということで、開放になるわけでありまして、なお一層のインパクトというものが加わりまして効率的なサービスというものが行われるよう、私どもといたしましては一層期待をいたしているところでございます。
○中村鋭一君 KDDさんに対しましては、もう忘れているか、忘れたい古傷に触れるようで恐縮ではございますけれども、局長、世間の耳目を聳動した大事件があったわけですよ。だから今評価しているとおっしゃいましたよ。おっしゃっても、現実にKDDはあれだけの大事件を惹起しているわけでしょう、しかも社長がですよ。ですから、そういうようなことが新電電にあっては困りますので、その点についてこれから郵政省はそういう面をどのように見守っていくかということについての見解を具体的に私お伺いしているつもりなんです。
○政府委員(澤田茂生君) 世間から非難を受けるような事態というものが起こらないように、まずはそれぞれの企業体あるいは組織の中におきまして自制的な作用というものがとられる、そういう仕組みというものがまず必要であろうと思うわけでございます。また新電電につきましてもやはり非常に公共的な、重要な電気通信の基盤的な、基幹的な役割を果たす事業体であるということから考えましても、やはりその職務というものは厳正中立に、かついささかの批判も受けることのないような行動というものが望まれるわけであります。これは、これから任命されるでありましょう役員の方々のそれぞれ十分な識見、こういったものにまずは期待をしなければならないし、また新会社になったときのやはり職員全体としての心構えというようなもの、こういったものをまずやはり確立していくことが必要であろうと思いますし、これは法的制裁があるからそれで足りるということではなかろうと思います。私どももいろいろそういった意味で立派な発足、また国民の負託にこたえたサービス提供、また業務の執行というものができますように十分注目もしていきたい、こういうふうに思っております。
○中村鋭一君 最後に大臣と総裁にお伺いいたします。 第二電電がいよいよ発足するわけでございます。これは兄弟ですね、新電電にとりましてはね。だから大事に育てていかなきゃいけないわけで、この育成策といいますか、育てるいき方について大臣それから総裁から一言ずつちょうだいをいたしまして質問を終わります。
○国務大臣(左藤恵君) 確かに一元化体制時代と違いましてそういう新しく新規参入してくる通信業者というものが真に競争的な市場をつくって、そして有効、公正な競争条件のもとで、今までの技術力、資本力は大変なものだと思いますが、そういう新日本電信電話株式会社とともに進むことができるようなことにつきまして省としてはできるだけの、そういったことに関しての何といいますか、育成というふうな問題については努力をいたしたい。例えば税制上の問題だとか、あるいは衛星の利用の問題だとか、周波数の有効利用の問題だとか、そのほか今までに蓄積されましたNTTの技術の公開だとか、そういったことで通信政策上重要な問題につきまして一つずつ我々は解決し努力をしていきたい、そして活力ある高度情報社会の形成に資していただきたい、こういうことを念頭するものでございます。
○説明員(真藤恒君) 私どもは郵政の行政指導に従ってこの問題は動くべきだというふうに心得ております。したがいまして、そういう関係でいろいろ技術的にあるいは私どもの技術屋を一時派遣するとか、あるいはいろんな人事問題にも絡んでまいりましょうが、すべて行政指導のもとにコマーシャルベースで会社と会社の契約ベースで進みたいと思っております。
○青島幸男君 今までの質問を伺っておりまして、大方了解もしくは甚だ疑問に思う点も幾つかあるんですけれども、一点だけ明確にいたしまして、私の意見なども少し申し上げて質問を終わりたいと思います。 振興機構の問題でございますけれども、ただいま同僚議員の質問の中で大臣の不退転の御決意なども伺いましたけれども、それはそれなりに御努力があってしかるべきだと思いますけれども、水を差すようで甚だ恐縮なんですが、既に新聞の一部は中央突破ならずかとか、振興機構はどうにもできそうにないとか、やはり電電売却益は一般会計に入って、それからおこぼれにあずかるというようなことしかできないんではなかろうかというようなことを勝手に先走って書いている向きもあるようでございますが、御決意は御決意として承ったんですけれども、実際問題としてこれはもうそう時間の余裕があるわけでもございませんし、各方面からこの辺の点を明らかにしなきゃならないということも要望されておりますし、そのことが重大な問題になりまして委員会もしばしばストップをする、停滞をするというような事態もありまして、この問題は実に各委員の方々あるいは報道関係の方、皆さん大変に関心の深い問題でございますし、この問題が明確にならない限りこの電電三法案が可決になってもどうも祝福されて誕生する子供にはなり得ないということもありますので、その可能性のありようと御決意のほどを改めてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 今御指摘のようなことでございますが、要はそうした一つの株式の売却益そのものを全部使ってというようなことが、これはまた政府部内におきましての論議の点だと思いますけれども、基礎技術の研究というふうなものの必要性ということは、先ほど申しましたとおり、こういった問題につきましてはどうしてもつくっていかなきゃならないものである、このようにも考えます。 そういった意味におきまして、私は一つの手段として売却益の活用ということを申し上げたわけでありますけれども、売却益そのものがそういうところへ活用されることを目的としておるんではない。したがって、とにかく何といたしましても新しい高度情報社会へのそういった先導的な役割を果たしていくものとしての国の責任というものが、こうした新しい法によって競争原理が導入され、そして新しい時代になっていくためにはどうしてもそういった問題が必要である、このようなことについて、それをどのようにしてつくっていくかということについて、そういう意味では不退転の決意で努力をいたしたい。これから六十年度予算の編成の段階で、党の中におきましてその予算の問題について論議をするその段階でこの方向を固めていきたい、このように考えておるところでございます。
○青島幸男君 私は当初から疑念に思っておりましたのは、事ここに至るというようなせっぱ詰まった時期においてまだこのような論議が煮詰められていない、その点なんですね。なぜ初めからこの三法案を可決して民営にしていかなきゃならないのかということ、そのことがまず最初にあるんだったら、加入者あるいは協力していただいた国民の皆さん方の御意向というものをまず考えまして、この場に至ってこのことで議論しなきゃならないような——物事には手順というものがありますから、その手順のありようが余りといえば泥縄といいますか、つけ焼き刃といいますか、先を急ぐ余り基本的なことにまで思いをいたさずにもう見切り発車でどうにか電電も内容刷新あるいは合理化を目指していかなきゃならないところに今来ておる、これを緊急課題としてやらなきゃならないので、あとのことはどうにかなるだろうというような形で発足なさったとすれば、そこに重大な誤りがあるし、その点はどうしても国民に御理解をいただけないところになりはしないかという疑念はどうしても当初から抜け切れない。なぜここに至ってこんな議論をしなきゃならないような運び方をしてきたのか、その点を明確にお答えいただきたい。
○政府委員(澤田茂生君) 私どもが御提出を申し上げております電電三法、これはある意味では一つの今までの大きな仕組みというものを変えていく、そして国民の皆さんにいろいろな電気通信についての選択の多くの機会を持っていただく、そういうことによって全体的な電気通信サービスの質の向上、多様化というものを図ってまいりたいということであります。 ただ、ある意味では今後の状況というものを眺めてみた場合に、民間活力の導入ということだけでは済まされない分野というものが当然あるわけでありまして、この点につきまして私ども政府として取り組まなければならない課題というものもあわせいろいろ検討を進めてきている段階でございます。その一つといたしまして、電気通信の振興機構という形を通しまして今後の電気通信の振興拡充というものに政府として、国としての役割、そして民間だけではできない分野についてともに手を携えながら全般的な円滑な電気通信社会への移行、そしてその実現というものを図ってまいりたいということでございます。時期的には御指摘のように同時期であった方がよりベターであったではないかという御指摘、これも私どもまことにごもっともな御指摘であるというふうにも考えるわけでありますが、しかし政策、今後の課題、こういったものをやはりいろいろ詰めてまいるという作業もございまして、そういうことで時期的に若干のずれが生じておるということでございます。 私ども、ただいま大臣からもその信念のほどを御披露申し上げたわけでありますけれども、今後の新しい社会の構築のために電気通信振興というものはぜひとも必要である、そのためにやはり国としてもやらなければならない分野については怠ってはならない。この点については必ず大方の御理解というものは受けられるであろう、そしてそういったものが実現する方法というものについても御理解がいただけるであろうということを確信をいたしておりまして、そういう点についての努力を今後一層続けてまいりたい、こういうことでございます。
○青島幸男君 電気通信の多様化、高度化、あるいは健全な発展を願うということはだれしも異論のないところでございますし、それは結構なんですよ。しかし、今の大臣のお言葉にもありましたように、最初は局長は絶対にこれは株を現物でもってこちらへいただいて、それを原資としてやるんだということをまず打ち出されているわけですよね。しかし、それがどうも見通しが暗くなってきている。大臣も株の売却益を向けるというのも一つの手段であると考えるというふうに、もう既に退歩なさっているわけですよ。絶対これは譲らないという最初は御決意のほどがあったやに私も伺っておりますが、現にそういうふうに下がってきているわけでしょう。この可能性も、私の見るところでは、新聞の指摘によらず、どうも一般会計に入ることの方が私は利があるような気がします。 と申しますのは、確かに加入者の御負担と御協力によって電電の資産が形成されたには違いありませんが、加入者の数も四千万を超えておりますね。そうなりますと一般国民と同様と考えてもいいくらいに加入者の方々は数が多いわけですね。そうなりますと加入者の方々にだけ利便を与える、あるいは還元するという方向よりは日本国じゅうにいてもあるいは外国の方でも電電の世話になる。電話を使わないで生活ができるという人は恐らく一人もいないでしょう。どなたも恩恵に浴していると思うんですね。だから、国民の一人一人と加入者とは同一のグループと考えていいという考え方にどうしてもならざるを得ないでしょう。そうなると、基本的に全国民の福祉の増進ということから考えますと、一般会計に入れて赤字補てんに使おうとどうしようと、その国家的な考え方が優先するだろうということは理の当然だと私は思います。今さらこういうことを問題にするのもおかしいということを先ほどから申し上げているわけですね。 それともう一つは、このことが一般加入者の方々の中からそういう意見として、電電一本やりで独占のやり方でやってはサービスが行き届かない、これから高度化、多様化に向かっていくのに競争の原理を導入しなければならない、だからそうしてくださいという声は一言もないですよ、これ。勝手に、知らしむべからず、寄らしむべしといいますかね、我々が上手に考えてやるからあなた方は黙ってついてくればいいんだという考え方で事が推移してきているわけですよ。しかも急速に展開してきていますね。それは余りと言えば御都合主義ではなかろうかという気がします。 それで、電電の考え方にしても、確かに合理化して近代的な経営に持っていかなければならないところに来ていることは私も認めます。で、総裁のおっしゃるのは五兆円の負債をまず返すところから始める、あるいは加入者に還元するところから始めると考えたいというお考え、お気持ちはわかります。しかし、それならそれで、ふるさとへ電話かけるのにもやっぱり何千円もかけてかけているわけですよ、乏しい給料の中から。しかもそれは原価に見合った料金ではないわけですね。世界に類を見ない遠近格差というものの上にあぐらをかいて料金体系はできているわけでしょう。最も加入者に有利なように、一般の加入者の方々が料金のことを気にせずに自由に御活用いただけるようにしたいという総裁の願いもありますね。先ほどそうおっしゃられました。そのためには、その錯覚の上に成り立っている遠近格差をまず是正するところから始めるというような考え方で進めない限り国民はだれ一人納得しないと私は思います。さんざん人に利用させておいて、確かに加入者債券は無理やり買わされて電話は通じて使ってきました。しかし、それはギブ・アンド・テークですよ。どうしても国民生活の上にあるいは経済活動の上に電話が要る、だから債券を買って協力しようじゃないか、そのかわりその利便の供与にあずかろう。確かに一方的に国民に協力を仰いできたわけではありません。国民の方もそれを納得して協力してきました。だから相身互いだと言えばそれまでですよ。しかし、そういう経緯に基づいてでき上がった資産を、国民の一人一人に了解を求めるということがあって民主主義というのは成り立っているんだと思いますね。結果よければすべてよしだろうと。こっちに任しておけばいい、ちょうど合理化の時期にも来ているから、後々納得してくれるように帳じりを合わせればいいじゃないかというような考え方でこの計画を進めてこられた電電、郵政省並びに大蔵の考え方も、政府の全体の動きとして私は承服できないですね、この動き方は。 ここが実は私がこの法案に当初から疑念を感じ、反対を申し上げてきた点でございまして、この点は十分に——この法案が可決することを私は念願してはおりませんが、もうここまで来れば時間の問題かもしれません、大変残念なことですが、しかしそのことだけは銘記しておいていただきたいということを皆さん方にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(松前達郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時より再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(松前達郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、宮田輝君、河本嘉久蔵君が委員を辞任され、その補欠として竹山裕君、松岡満寿男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(松前達郎君) 休憩前に引き続き、日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上三案を便宜一括議題とし、これより中曽根内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大森昭君 新電電の株式問題でありますが、当委員会でいろいろな議論がなされているわけでありますが、どうも政府の統一見解がはっきりいたしませんので、したがって、我が党といたしましては別に法律をつくりましていかにあるべきかということにしたらどうかという提案をしたところでありますが、同意を得られないままに実は今日を迎えておりますので、総理にまずその見解を聞きたいわけであります。 株式の処分に当たっては民主的かつ公正に行うことは私が言うまでもないわけでありますが、株式売却、収入などの使途については電電の今日までの資産形成の経過等から見てすべて財政赤字の穴埋めに使うようなことがあっては私どもは承服できません。私どもの言う国民共有財産とは電話加入者などの電気通信利用者が形成した資産という意味でありますが、そういう意味合いから一体この問題についての総理の御見解はいかがなものでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 電電株式会社が保有しておりまする資産あるいは株式というようなものはこれは国民全体の大事な財産でございまして、これらの処分につきましてはもちろん経済の動向をよく踏まえ、そして国民全体に均てんする、そして公正にして民主的な配分が行われるように慎重に措置すべきものであると考えております。電電株式の処分及びその収入の使途につきましては、国会における審議の経過等を踏まえ政府内において詰めさせることにいたしたいと思っております。
○大森昭君 ただいま総理が答弁された内容で、政府で今後詰めていくということで、これ以上の回答をいただくことは今日の段階では無理だと思いますので、十分にひとつ政府内部で詰めていただきたいわけでありますが、いずれにいたしましても、この法案の審議に当たりましては高度情報社会に向けてどうあるべきかというのが論議の中心であります。そういう意味合いからいきますと、この財源が後ろ向きで使われているのでは何のために電電改革をするのかということについて問われるわけでありますので、どうかひとつ今総理が言われましたように、政府内部で詰めれるわけでありますが、この使途については強くそういう意味合いで要望しておきたいと思います。そういう意味合いでもう一度ひとつ総理の御答弁をいただきたいと思うんですが。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、これから展開されるであろういわゆる高度情報社会につきましては重大なる関心を持っておりまして、国民の皆様も同じように大きな御関心をお持ちであると思います。特にそのような高度情報社会を開くにつきましては、電気通信に関する研究あるいは情報化社会への対応というようなものは非常に重要であると心得ております。したがいまして、高度情報化社会に関する懇談会というものを私、設けまして、権威者にいろいろ御勉強を願いまして、その御意見も伺っておるところでございます。そのような観点は政策としても我々は今後とも十分考慮していかなければならぬところでありますが、電電株の処分及びその使途につきましては、先ほど申し上げますように、国会における審議の経過等を踏まえて政府内部において詰めさせることにいたしたいと思っております。
○片山甚市君 総理、去る七月二十五日の参議院本会議での電電改革三法案についてあなたの質疑を皮切りに今日まで慎重審議を続けてきました。この際思い起こしていただきたいんです。私は、総理に対し人類が抱える問題のすべてが競争原理によって解決されるとは思わない。それは事業の持つ社会的機能を発揮する目的で行われるべきであり、一元化は目的によっては欠かせない人類の方策であるとの立場から、国民の多年の努力によって形成されてきた国民の共有財産である電電公社を株式会社に変えて投資に名をかりた一部利権亡者の具に供するがごとき意図を断じて認めることはできないことをあなたに申し上げた。 これに対して総理は、競争原理の導入と公社民営化によるバラ色の高度情報化社会論を展開されたが、そんな甘い見解に私は大きな認識の隔たりを感じます。すなわち今日までの審議を通じ、国民、利用者の立場に立って改革法案が持つ多くの問題点を明らかにしてきたが、とりわけ公共性の確保に本法の持つ弱点が集中的に明らかにされたことは御存じのとおりである。この結果、与野党間の合意で、会社法第二条の「(責務)」及び事業法案の第一条の「(目的)」に公共の福祉の増進、国民の利便の確保、公平なサービスの提供の本文明記を実現させられたことは非常に価値ある修正だと思います。総理はこの措置をどのように受けとめられておられるかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 電気通信事業におきましては公共性の確保は重大な課題であると認識いたしております。公共の福祉の増進等の文言を事業法案及び会社法案に明記するということになれば、この趣旨はさらに明確になるものと考えられまして、そのようなお考えについては私たちも異を唱えるものではございません。
○片山甚市君 高度情報化社会における陰の部分について、御承知と思いますが、例えば世田谷のケーブル火災事故に見られるように、情報通信システムの脆弱性、情報の集中化、情報の格差、さらにプライバシー、雇用不安などの諸問題について、その克服のため総理としてはどういう御見解を持っておられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先般の世田谷におきまする事故、災害につきましては国民の皆様方に大変な御迷惑をおかけし、また御心配もおかけいたしまして申しわけないと思っておる次第でございます。ああいう事故によりましてこの高度情報社会への脆弱性というものが非常によくわかってまいりました。またいわゆる文明の陰にある盲点についてもよく知らされたわけでございます。 そういうような点を十分踏まえまして、今後とも国民の皆様方に不安や心配をおかけしないように今までの体系全般について点検もし、また手入れをすべきところは手入れをしていかなければならないと考えております。高度化すれば高度化するだけそういう脆弱性が出てくるように思いまして、これらの点につきましては技術的にも社会的にも十分対策を講じていかなければならないと思っておる次第でございます。
○片山甚市君 政府が今考えておる高度情報化社会の中における電気通信事業の役割について何回となく聞かされてみても基本的な点が欠落しておると思います。これほど高度情報化社会が論議され、現に各種ニューメディアの実用化が進みINS計画が具体化されている中で、光の部分が誇張され陰の部分はただいまの総理の御答弁のように十分に解明されておらない。人間のための情報化社会を形成していく上でまさにその点については本末転倒という、少し大げさな言葉を使って表現したいと思います。 既に遅きに失したといえ、今からでも遅くございませんから、情報基本法の制定を今国会に提出すべきであると思います。 前の百一国会で当時の奥田郵政大臣は、明年度の重要な一つの方向に基本法が登場してくる、その準備を急いでいると、今国会でのことについて約束していたのでありますが、当然内閣の総責任者である総理はこの約束を守るために努力を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる高度情報社会をできるだけ早く馴致し、この文明の恩沢に浴するように政府も施策を急ぎたいと思っております。そういう考えから、先般高度情報社会に関する懇談会をつくりまして権威者からいろいろお話を承りまして、一体高度情報社会とはいかなる社会であるか、またそういう社会を馴致するについてどういう対策が必要であるか、またどういう点に特に注意をしなければならないのであるか、またそれを実行していく上についてこれを実現する、いわゆる工程管理表ともいうべきものについて国際的に国内的にどのような施策を考慮すべきであるか等々について、いろいろお話を承って非常に参考にしていただいた次第なのでございます。そういうような新しい大きな文明社会の招致ということを考えてみますと、これをいかに規制しあるいはこれを発展させるかという点について、あるいは法体系が必要になってくるかもしれません。そういうような意味におきまして、基本法という問題は一つの研究課題であると思っております。 実は、今日の原子力法体系をつくるにつきましては、基本法が要るのではないかと当時与野党で話し合いまして、社会党からも松前さんあるいは志村さん及び保守党系からは我々が出まして、超党派で今日の原子力基本法をつくったわけでございます。そういうような経験もございまして、来るべき新しい文明時代に対応するこの通信体系を中心にする政策推進について、その基本法の必要ありやなしや、必要ありとすればどういうものであるべきか等は我々の課題であると考えております。
○片山甚市君 総理にお聞きしますが、OECD加盟の先進諸国の経済体制の中でプライバシー保護法が制定されておらないのは日本だけではないのか。既に先進諸国は十二カ国、プライバシー保護法が制定されているんですが、日本の国はその準備すらまだできておらないのですが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) プライバシー保護の問題は、情報の公開の問題と相並びまして我々の大事な将来の課題であると思っております。私、行管長官を拝命いたしておりましたときにプライバシー問題に対する研究会をつくりまして、前東大総長の加藤さんにお願いをしてその御意見も承っておるところでございます。それらの御意見等も参考にして、今政府内部におきましてプライバシー問題に関する対策をいかに立てるべきであるか、そういう点について連絡調整をしておるわけです。これは政府関係が握っている国民の情報の管理の問題と、それから民間関係が握っている国民の情報管理の問題と二つございまして、さらにそれが海外に流れていくことについての規制必要ありやなしや、そういう対外関係の問題もございまして、なかなか難しい問題が内包されております。そういう点で、この問題は今真剣に検討しているというところでございます。
○片山甚市君 情報基本法を検討する段階と言われていますが、私は国会議員になってから十年になりますが、十年の間各歴代の大臣が、検討する検討するという見当違いな検討ばかりしかしないので、中曽根さんは何でも断行するのが好きですから基本法ぐらいつくってもらいたいと思いますが、できなければしょうがないです。答弁は要りません。できるんなら今国会でも素案を出して検討してもらいたいと思います。お答えは要りませんが毒づいておきます。 私は、審議を重ねるごとに今回の電電改革のねらいが明らかになってきたと思っています。 当初、総理は、電電改革は行革の目玉だとか、我が国の電気通信事業を活性化させるなどと盛んに言ってきましたが、行き着くところは、赤字財政の穴埋めに使うことが目的であったということであります。新電電の株式をめぐってちまたではいろいろのうわさがされております。総理は、今回の改革に関してこれがいやしくも利権につながることがあってはならないと発言されていますが、このことは裏を返せば利権争いが存在することを認めているからにほかならないと思います。 総理も御存じのとおり、電電公社の資産は電話加入者、利用者の協力と職員の努力によって形成された、名実ともに国民共有の財産であります。にもかかわらず、株式の売却等収入の使途について政府は、国民共有の財産であることを理由に一般会計への赤字穴埋めに充てたいとしているが、このことは公社の資産形成の経緯を全く無視したすりかえ論で、容認ができないものであります。したがって、公社の資産形成の経緯にかんがみ、新電電の株式の売却に当たっては、株式の特定の個人法人への集中を避け、かつ疑惑を招かぬよう行うとともに、広く国民が株式を所有できるようにする。また、売却益等の使途については、利用者国民にとって有益であり、国民各層の納得の得られる適切な方途を確立すべきだと思います。ぜひともその必要があると思うんです。このためには少なくとも株式の売却は新会社発足から一年以上凍結することが必要であると思いますが、総理の明快な御答弁を賜りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 電電の資産あるいは株式というようなものは国民全体の大事な財産でございます。明治以来百年かかって営々として国民全体で築き上げた共有の財産である。そう思っておりまして、これが処理についてはあくまで公明正大にそして慎重に、しかも国民全体が納得するやり方で行われるべきものであり、この点は政府も厳重に注意をして行っていきたい、そう思っております。また、使途につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、国会における審議の経過等を踏まえまして政府内において詰めさせることにいたしたいと思っております。 しかし、この凍結の問題につきましては、これは新会社が発足いたしまして会社運営というものがいかに行われていくか等々、あるいは経済の動向、国民経済に及ぼす影響、そういうさまざまな問題をよく検討した上でこれは慎重に処理すべきものでございまして、一年とか二年とか数字を限って特に限定することは必ずしも適当ではない。要するに新会社の陣容が整って基礎が安定して、そして経済の動向あるいは会社の運営、さまざまな条件を見ながら適切な時期に行っていくべきものであると思っております。
○片山甚市君 総理の答弁は言やよし、その実行を祈るのみであります。ちまたに聞く話とはえらい違いますから、しっかり総理頑張ってください。 総理は、私の本会議質問に対して、外資を規制しないで内外無差別の競争状態においても、我が国の企業の技術力、資本力、経営力をもってすれば外国企業に劣ることはないと答弁されました。通信主権を守れると言っていますが、私はそう思っておりません。郵政省は、特別第二種を千二百ビット換算で五百回線以上を登録対象とさせようとしておりますが、通産省はこの郵政省案に反対していると聞いております。この基準の決まり方いかんによっては我が国電気通信分野が外国企業に席巻されるおそれが大きい。いまだにこの重要な問題について政府部内で意見が一致していないということは重大であります。 また郵政省は、電気通信振興機構が必要であると言っています。その理由の一つに、郵政省、電電公社の電気通信関係の研究開発費が昭和五十九年度で千四百三十億円で、これに比べIBMは八千二百三十九億円、ATTは五千七百二十九億円と多く、さらに開発研究費に対する政府の補助金の分担でありますが、アメリカでは四六・七%、イギリスは四八・一%、西ドイツは四三・一%、フランスは五七・六%に比べると、我が国の二六・四%は低い点を挙げ、今後国として研究開発に積極的に取り組まなければ我が国の電気通信事業が外国企業に席巻されるというために研究を始めるそうであります。 そうしますと、電気通信関係の今度の電気通信振興機構の是非は別としても、民間活力論を唱えられて、外資規制を行う必要がないと言っておられる反面、今度の新電電の売り上げ金を見込んで技術開発、民間企業の育成など図らなければ国際競争に長らえることはできないということでは、理屈が合わないのです。 したがって、通信主権を守るという意味において、今日の情勢判断からすると、一つは、国際通信分野でのITU、CCITTなどにおける条約、勧告、決議を守り、国内法を優先させることはないということを明確にしてもらいたい。二つには、電気通信事業に外資規制を加えることがぜひとも不可欠であると私は思うんですが、総理のかねてからの御所見を述べてもらいたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本が締結いたしました国際条約を遵守すべきことは、憲法でも命ぜられておるところでございまして、お話のように、我々は誠実に遵守してまいりたいと思っております。国際電気通信条約におきましても、その前文等において通信主権という言葉がございまして、これらについては我々も深甚なる関心と注意を持って施策を行ってまいりたいと、こう思っております。 ただ、日本の現在の研究状態を考えてみますと、今の電電公社が持っておる電気通信研究所の実力はかなり高度の、立派な成果を上げているものがあると思います。この立派な成果を上げておる電気通信研究所の機能を低下させないように、ますます高度情報社会に向けて貢献あらしむるようにしていくことは非常に大事なことであると考えております。また、我が国の一般の会社、企業等におきましても、あるいはその他の諸官庁の研究あるいは学界、大学等におきます研究等を見ましても、かなり高度のものがございまして、私は必ずしも外国から見て落ちるものとは思っておりません。研究費におきましても、これらのハイテク面における研究費は年々非常に拡大されてきつつあります。 しかしやっぱり残念ながら、申し上げられることは、応用研究の面においては非常にすぐれた面があるのでございますが、基礎研究においてやはり外国に比べて落ちておる点を否定できないのであります。これらの点は、今後我々が注意していかなければならない重大な課題であると思っております。 そこで、国内企業と外国企業との競争の問題でございますが、今回の措置はやはり、ある程度自由競争を行わして切磋琢磨を行わせよう、そういう考えが基本にございます。この日本の国内企業が優秀な外国系企業と自由競争市場で競争を行い、切磋琢磨することは、利用者、国民の利益になると思いますし、日本企業の技術力は外国企業にまさるとも劣らないものがあると思います。 で、今回の法案におきましては、これらを総合的に判断いたしまして、特にVANにおきまして、内外無差別の原則のもとで自由闊達な企業競争を行うことがより国民の利益につながるため、外資規制を設けない。これまた日本の将来を考えての通信主権の発動である、日本が独自に国益を考えてそういう選択を行ったのである、このようにお考え願いたいと思うのでございます。
○片山甚市君 お言葉を返しますが、IBM、ATTの技術力、資本力、世界的な体制というものは、NTTの力をもってして対抗できるようなものではない。私は国際競争を否定しておるんではありませんが、通信の主権を守るために、先ほどお聞きしていますように、特別第二種の千二百ビット換算五百回線でございますが、これがお答えできませんが、通産省と郵政省と、まだそのとおりだということになっておらないんですが、こういうふうにまだ意見が一致できておらないようなものを、省庁間に違いがあるものを法案として成立させるのはいかがかと思うんですが、総理大臣の御見解を賜りたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点はやはり、電電公社の改革を行うという考えの基本には、やはり自由競争の中に投げ込まして切磋琢磨する。そういうことによってますます性能も上がる、実績もよくなる、国民には利便が増す、そういう面を一面においては考えておるわけでございまして、ただ、そのために国益が著しく阻害されるとか、あるいは日本の研究や消費者の利便というものが怠られるようになるとか、そういう点があるとすれば、それは排除しなければならぬと思っておるのでございます。 現在、いろいろこれらのすべての問題を勘案いたしまして、この法案で御提議申し上げたバランスの点が今一番適していると、そう考えて御提案申し上げている次第なのでございます。
○片山甚市君 私の質問に答えておりませんが、もう一度、千二百ビット五百回線については、新電電が発足するときには意見の一致を政府としてできますか。後からでなきゃできないようなことはありませんか。 総理大臣から答えてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大変技術的な問題になりましたから、政府委員から御答弁申し上げます。
○片山甚市君 基本的です。
○政府委員(澤田茂生君) 先ほどもお答えを申し上げましたが、大変技術的な問題がございます。また、第二種の切り分けの趣旨等も踏まえまして、政府部内で十分調整を図ってまいりたい、そういうことでございます。
○片山甚市君 あんまりわかる話をしていないんです。通産省が郵政省をばかにしておるのか、郵政省が通産省大したことないと思っておるのか知らぬけれども、特別第二種をつくる基準が決まってないのに、特別第二種の基準はこのような程度です、そうして私たちは今第二種という、二つに分けて第一種と第二種に分けておるんですが——こういうような答弁はまやかし。当分の間、当分の間と言ってやるのは借金をする人間のやり方でありまして、あんまり出世するやつがすることじゃありません。これは私の意見です。答弁は必要ありません。 総理大臣に言っておきますが、当分の間などというのは余りにその場しのぎのごまかしに等しいと思いますから、早く千二百ビット換算五百回線について郵政省と通産省が意見を一致させて、なるほど逓信委員会で総理のおるところで言ったことはめでたく話がついたなと。いつもVANの問題をめぐって通産省と郵政省がけんかするのを楽しみにしておるが、日本の国民は大変迷惑しております。意見だけ述べておきます。 次に、労調法附則の改正によるスト規制の条項は、今日までの審議を通じ、さらに今日までの電気通信事業を築き上げた電電公社の良好な労使関係を見るとき、既にこの規制はあくまでも暫定的措置であることは明らかであります。特に三年後の見直しが明らかにされておりますが、いろいろな言い回しで郵政大臣、労働大臣とも、ともかく廃止の方向ということでお話があるんですが、注目されておるんですが、総理大臣として、この際、三年後には廃止する方向で対処するということでお言葉をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘の労調法附則第三条につきましては、電気通信事業において新会社が果たす役割、特にその公共性あるいは国民の利便の程度の問題、あるいは労使関係の安定性、将来にわたっての安定性、あるいは国民世論の動向、こういうような問題をよく見定めることを前提に、見直しの際には廃止する方向で検討してみたいと思っております。
○片山甚市君 検討するということは、大臣そのものが、総理大臣そのものが努力するということで私の方は理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これはやはり前の前提がございまして、新しく展開される会社による業務が、国民に利便を与えて国民に迷惑を及ぼさない。ますます高度情報社会に向かって恩恵を浴びせることになるかどうか。あるいは公共性が果たして確保されて行われているかどうか。あるいは労使関係の安定性、そういうものについて国民が納得がいくか。将来についてもそれを持続していけるかどうか。あるいは国民世論全体の動向。こういうようなものをよく見定めて、その上で我々は見直しの際に廃止する方向で検討したいと、こういうことであります。つまり、労使関係が中心、いわばこういう労働関係の問題というものは労使関係というものが主でありまして、労使関係が中心であると思うんです。労使関係がそういうふうに非常に良好に安定でいけるということがその三年間なら三年間の経験で確信できて、国民もそれはそうだ、その方向だと、ほかの点についてもよろしいと、そういうような見定めがつけば、我々といたしましても廃止する方向でこれは検討したいと。 検討したいということは、申し上げましたけれども、せっかく片山さんがお申しになることですから、労使関係というものが中心でこれはやるんで、政府はその廃止する方向で協力する、そういう考え方、認識というものが私は適当ではないかと思います。努力するとなると、政府が中心になって物を引っ張っていくような印象を与えますが、むしろ労使関係というものを尊重して、政府はよくそれを見定めながら協力する、そういう態度が好ましいんではないかなと、そう思います。
○片山甚市君 労働大臣からも言葉があったんですが、近く考えてみても、十数年の間の労使関係を見ましても、日本の国民が要求する電信電話事業に対するサービスについて労使一体となって頑張ってきた、非常に良好な状態が続いてきました。この実績を踏まえておりますから、それを引き継いでやられることは当たり前のことでありますが、政府の方においても、治安対策として今まで労働問題を見る人がたくさんおりましたが、総理大臣は労働問題を治安問題と見ないで労使問題と見て、そしてその関係の良好なことを望むと。その結果三年後になれば良好な中で廃止ができるような方向が望ましいと期待をしておるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そのようなことが行われるようになることを強く期待しておる次第でございます。
○片山甚市君 終わります。
○服部信吾君 初めに、非常にわずかな時間ですので基本的な問題について総理にお伺いいたします。 まず初めに、けさほどもありましたけれども、昨日の政府・与党連絡会議においての株式の売却益についての金丸幹事長の発言、きょう朝官房長官からもいろいろお話がありましたけれども、この発言について総理はどのようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私がただいま御答弁申し上げましたことが政府の最終的な考え方でございまして、私の御答弁申し上げたことを中心にお取り上げ願いたいと思います。
○服部信吾君 そこで、百一国会からずっと継続で来ているわけであります。その株式の売却益をどう使うか、これについていろいろ議論があり、政府の間でも調整がとれてない、そういうことがあったわけでありますけれども、大蔵省と郵政省といろいろまだまだ話し合いが続いているようでありますけれども、これをどのように調整しようとするのか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 株式の処分に当たりましては、先ほど来申し上げましたように公正かつ民主的に行いまして、広く国民全体に均てんするような配慮のもとに行うべきであると思っております。国民全体の大切な財産であると考えているからでございます。したがいまして、これが具体的な処分及び収入の使途につきましては、国会における審議の経過等を踏まえ政府内部において詰めさせることにいたしたい、このように考えております。
○服部信吾君 国民の立場からいたしますと、要するに今回の株式の売却益をすべて一般会計に入れてそうして赤字公債の解消、財政再建に使う、こういうことは国民サイドから立つと、要するに電電公社を民営化してそしてその売却益で財政再建を行う、こういう考えもあるわけですけれども、総理としてはこれに対してはどのようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 財政再建のために今度の電電公社の改革を行おうとしているものではございません。この点は明らかにいたしておきたいと思います。これは本法案の提案理由の説明等でも十分申し上げておるところでございます。
○服部信吾君 それはわかるわけですけれども、国民から見ると何かそういう感じがするということを聞いているわけです。 そこで、総理としては、電気通信振興施策のために、これから国際化、いろいろあって、基礎研究は必要だと思いますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど来申し上げましたように、日本の電電公社の持っておる電気通信研究所の業績というものはかなり高度の評価すべきものがあると思いますし、国際的にも評価されている点が多々あると思っております。また、日本の官公庁、大学の研究所あるいは一般の会社の、企業の研究等におきましても応用面におきましてはかなりすぐれたものがあると思いますが、基礎面におきましては応用面に比べて落ちている点がまだかなりある。そういう点は我々はこれから大いに心得ていかなければならぬ点であると思っております。
○服部信吾君 必要性は認めるということだと思いますけれども、これは仮に一般会計に入れた後それからまた引き出すのは無理にしても、電気通信振興の基礎研究のようなものをつくるお考えがあるのかどうか、これは大蔵のシーリング等の問題があると思いますけれども、総理としてはそういうお考えがあるかどうかお伺いしておきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 株式の処分に当たりましては、先ほど来申し上げましたように、国会審議の経過等も踏まえまして政府内部において詰めさせていきたいと考えております。
○服部信吾君 あと一点だけお伺いいたしますけれども、人事の問題についてでありますけれども、当然これはこの法案が通って設立委員会をつくってそしてそこで決めていく、で郵政大臣が認可する、こういうことでありますけれども、総理としては人事についてどのようにお考えか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 法案が成立した後でないと人事のことは考えない、そういうことを私前から言っておりまして、人事のことを考えると必ず顔へ出てくるもんだから、だから新聞記者の皆さんが聞くたびに、法案が成立してから考えますよと、そう言って、具体的なことは考えておりません。しかし、その方向として定性的に考えるとしますれば、やはり新しいこの株式会社の運営にふさわしい能力と見識を持っておる立派な実力者を配置したい。この新しい法案提出の趣旨に沿うような人材を、国民的人材を充てるべきである、そう考えております。
○服部信吾君 もう一つ人事ですけれども、いろいろとマスコミ等でも言われておりますし、まあ普通ですと、公社から民営化するわけですから、総裁、副総裁がいて、新会社になれば普通は総裁が社長で副総裁が副社長とか、こんなふうになろうかと思います。この人事の問題についていろいろと今マスコミでも取り上げられておりますけれども、この点について総理はどのようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 具体的な問題は一切まだ白紙であります。
○服部信吾君 最後に一点だけ。 要するに、電電公社が民営化される、そういうことになっていわゆる下請業者が今までどおり仕事がもらえるのか、こういうような問題、それから、非常に大きな電電公社が株式会社になるわけですからいろいろな分野に出ていく、そのときにいろんな競合をするんじゃないか、こういうようなことがいろいろ考えられると思います。そういう中において、そういう問題が起きたときに、これは新会社に移行してから何十年というわけではありませんけれども、ある程度軌道に乗るまで、例えば五年とか十年ぐらいの間はそういう調整期間というもの、こういうものを設けたらいいんじゃないかと思いますけれども、この点について総理のお考えをお伺いいたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 会社運営のこと、あるいはその会社が下請との関係に関すること、これは資本主義、自由競争の原理にのっとりまして、政府が介入したりすることは余り適当でないと思います。今度の改正というものは、ある程度自由競争原理を導入することによって切磋琢磨するチャンスをつくろう、こういうものもございまして、この法案が既に提出されまして以来、いわゆる第二電電というような構想も出てきて、業界においてはいろいろ色めき立っている点もあり、そういう面においては民活の目的は次第に達せられつつあるようにも思うのであります。 そういう自由競争が出てまいりますと、下請関係、関連企業の皆さんもどちらを選ぶかという選択性が出てまいります。むしろそういう下請関連にとってはチャンスが出てくるのではないか、値打ちが出てくるという意味にもなってくると思います。それがためにまたどんどん新しい下請関連企業が生まれて競争が激甚になるということもありましょうが、当座においては私は必ずしもそうでない。その間に技術力を高め経営力を高めていけば非常なチャンスが生まれるのではないかと思っております。 しかし、これは私の想像でございまして、それらの関連企業等の関係は一切これは資本主義の原理にのっとって行われるべきものである。政府はいわゆる既存の法律の範囲内におきまして下請関係の保護、倒産防止の措置、そういう面については法律によりまして措置すべきものであると考えております。
○中野明君 総理にお伺いをしますが、当委員会でこの法案を審議しておりましていろいろ問題点が出てきたわけですが、この公社が民営になることによって国民の一番の関心というのは、やはり株を一体だれが最終的に持つんだろうかということ、あるいは発行額と売却価格あるいは株式売却益の使い方、いささかもこの点について不明朗なことがあってはならないと思います。特に大蔵大臣も、株をできるだけ多くの国民の皆さんに持っていただきたい、そういうような答弁もなさっているわけです。 しかしながら、考えてみますと、一株の価額が五万円ということで、巷間伝えられるところによりますと、それの発売額は五十倍とか百倍とかいうようなことに言われております。そうしますと、五万円の株が、五十倍としますと二百五十万ですか、あるいは百倍ということになると五百万なんですが、こういうような高額ないわゆる株であって国民の大衆は手に入るだろうか、こういう疑問をいまだに持っているわけです。この点について総理は、商法ではそういうふうに決まっているようですが、今回の電電株に当たっては特例的に額面を低くして多くの国民が株を持ちやすいような、そういう方向に持っていこうというお考えはお持ちにならないものなんですか、ちょっとお聞きします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 電電の資産、株式等は、明治以来百年にわたって国民全体がつくり上げてきた貴重な資産であり株式であると思います。したがいまして、大蔵大臣が申し上げましたように、国民全体に均てんするという方針でこれは行われるべきことは当然であります。具体的にしかしどういうふうに処理するかということになりますと、これは非常に技術的な問題がございますので、関係各省庁等において十分検討して適切な措置をやるようにお願いいたしたいと思っております。
○中野明君 今私が心配しておりますのは、余りにも五万円というのは額面が大き過ぎて、大蔵大臣が答弁されたような結果にはならぬだろうということですから、額面を特例でも引いて、そして下げるという方向は検討の余地がないかということを申し上げているんですが、総理のお考えはどうなんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は、今までの株式発行の慣例とか、それが市場に及ぼす影響とか、今後の経緯とかいろんな面において検討を要する面もございます。しかし、おっしゃいましたような御意思は我々もよく理解できるところで、我々も国民全体に均てんする方法で行えるように配慮すべきであると申し上げておるんです。そういう考え方が具体的に株式の処理に当たってどういうふうに行ったら適当であるかという点は、いろいろな法体系やら今までの業績等々も考慮して考えなければなりませんので、今ここでどうするということはお答えできませんけれども、御質問の趣旨はよく体して考えてまいりたいと思います。
○中野明君 それでは、努力してもらうということにしておきます。 それで、この電電公社の料金の遠近格差の是正、これは遠距離料金というのは世界一高い、このようになっております。これを縮めようというのが公社のもう最大の努力であったわけですが、臨調の五十七年の基本答申、行革の基本答申の中でこういうことを言っておるんです。「事業収入の約九割を占める電話事業の収支格差は縮まり、このまま推移すると、いずれ料金値上げに至らざるを得ない」、こういうような認識を臨調は持って電電公社民営の答申をしているわけです。ところが、この認識とわずか二、三年の間に公社の経営状態というものは百八十度変わっているわけです。どこにどういう原因があったのか知りませんけれども、私はこの際総理に所見を聞きたいんですけれども、この遠近格差を是正するという公社の至上課題を考えまして——私どもは公社が民営になるということは基本的に賛成なんです。ただし民営になるに当たっては、私は遠近格差を極力是正をして、そして民営になるということを一番理想と考えておりました。しかし、時代はそれを待ってくれなかったといいますか、時代の要求でこういう提案になってきたわけなんですが、ところが、この遠近格差を是正するという公社の至上課題で公社も経営努力をして、臨調の答申ではこのようなことを言っておりますけれどもその後の経理状態というのは大変好転をいたしました。 まことに経営努力のたまものと、結構なことだと私は喜んでおりますけれども、問題は、この機会に総理に所見を伺いたいというのは、せっかくそういう遠近格差是正の状況が生まれてきたやさきに、あなたが発案をされたと私は承知しておりますが、電電公社から納付金を国の方でいただかれた。それが利子を含めますと大体一兆円ぐらいになるんじゃないかと思っております。これがもしなかったとしたら、遠近格差はもう完全に解消に近いものになって、電電公社民営に花を添えたんだろうと私はいまもってそういう考えを持っております。納付金を召し上げられたということについて、改めて総理、この民営化を機会にしてどういう見解をお持ちかお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革を遂行し財政改革もまたあわせて実行していく上につきまして、財政窮乏の折から、電電公社には大変御迷惑をかけもし、また今おっしゃいますように多額の納付金等で御協力をいただいておりまして、心から感謝しておりますし、お礼を申し上げたいと思っておるところでございます。
○中野明君 遠近格差是正については、総理はどうお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) やはりこれは遠近格差の是正の問題もありますし、料金値上げをできるだけ抑制していくという問題もございます。そういうような問題については、今後とも誠心誠意努力していくべきものであると心得ております。
○中野明君 それで、先ほどから同僚委員からも出ておりますが、株式売却益の使い方について、いろいろの意見が出ておりましたが、それは総理の答弁で、含みのある答弁でございますので一応了解いたしますけれども、総理として、日本の電気通信分野における研究、これは今までは、私感じるのは応用研究が中心で、二十一世紀に向かう情報化時代を迎えては、世界各国との競争にこのままでいったら立ちおくれるんではないかという心配をいたしております。やはり日本の国が今一番おくれていると言われる基礎研究、先端技術開発、こういう分野への投資というものはぜひ必要だ。しかし公社が民営になるということによって、今まである程度基礎的な研究もなさってきたでしょうけれども、先日は総裁も基礎研究にも力を入れますという答弁はなさっておりますが、現実に民営になって競争をしていくということになりますと、商業ベースに乗らない基礎研究というのはなかなか難しいんじゃないか、このように思います。 総理の基礎研究に対する考え方、今行政改革とか財政再建ということをおっしゃっておりますが、私は行政改革というものは、何でもかんでも切っていくのだけが行政改革とは思いません。切るべきところははっきり切る、しかしながらつぎ込んで将来に備えなきゃならぬところは思い切ってお金を使う、これが行政改革だと思っております。そういう意味も含めまして、この基礎研究に対する総理の考え方、これをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど来申し上げておりますように、日本の場合は官民を挙げまして応用研究におきましてはかなりのすぐれた点があり、世界的にも注目される成果を生んでいると思いますが、基礎研究についてはそれに比べて成果がまだ必ずしも十分でないという点があることは御指摘のとおりであります。しかし、長い将来を見ますというと、基礎研究の上に、膨大なすそ野の上に富士山の頂上というものはできてくるものでありまして、このすそ野を忘れて富士山というのはあり得ない。それと同じように、応用研究の成果も広い基礎研究の上に成り立つ、これが長期的展望のまた非常に大事なポイントでございます。そういう点もよく心得まして、基礎研究の足らざるところは次第に強化していくように努力してまいりたいと思っております。
○中野明君 公社の通研というものは大変な努力をなさって立派な研究成果を上げてこられているわけです。しかしながら、民営になることによって一部我々心配しますのは、やはりそういう部面に力が入りにくくなるんじゃないか。そうなったときには、基礎的な、いわゆる先端的部門についてはコマーシャルベースになかなか乗りにくい、そういうリスクのある分野、こういうことは国が力を入れてやるべきだ、それには思い切って予算をつぎ込むべきだ。ただ心配なのは、各省が縄張り争いをして効果がうやむやにならないように、この民営を契機にして国で一元化した基礎研究の機関というんですか、そういうものをやはりつくるべきじゃないか、こういう考えを持っているんですが、どうでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は、国全体としての展望で官公民のさまざまな機関においてこの研究は行われておるのでありまして、それらが総合的に一つのハーモニーをつくりつつ成果を上げていくようにやるべきである、それが適当であると考えており、大体科学技術会議において全体を調整しつつ、これを行いつつあるものなのでございます。
○中野明君 こういう点につきましては、当委員会でも種々議論がありました。ぜひ世界におくれをとらないように、世界各国とも二十一世紀に向かって研究開発というのは積極的にやっておるようでございますので、ぜひ総理の立場からその点を一つの大きな行政の柱として推進をしていただきたいことを強く要望しておきます。 それから、もう時間がありませんので、最後にもう一度総理のお考えを聞きたいんですが、今までもたびたび話が出ておりますように、公社の資産形成の経緯ということをたびたび言われておりますが、総理御自身として資産形成の経緯をどう認識しておられるか、お答えいただきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは明治以来いろいろな歴史的変遷があったと思いますが、何といっても一番の中心は国民にあると思いますし、また電電公社あるいは郵政省あるいは大蔵省、関係各省庁の協力もあり、また電電公社の経営者の経営力、労働組合の協力、そういうさまざまな要素の結合によって電電公社の成果は上げられ、財産も形成されてきておると考えております。
○中野明君 大蔵省ということを言われたですけれども、大蔵省はもう納付金をもらったんですからあんまり資産形成には貢献はしておらぬと私は思います、先に取るものは取ってしまっておるんですから。それよりももっと大事なのは、やはり地方公共団体が税金面で、財政の苦しい中、特例措置で協力をしているということも忘れてもらっては困るんです。 それで、そういう財産を形成した人たちになるたけ株がまんべんなく渡るような、そういう株の売り出し方法をぜひお願いしたい、このことを要望して、終わりたいと思います。
○佐藤昭夫君 十一月の世田谷電話局洞道でのケーブル火災については、先ほども総理自身大変な衝撃を受けたというふうに申されたと思いますが、この事故が示しますように、電気通信事業の公共的責任の重大さ、安全対策の重要さというのをまざまざとこの事故は国民の前に示したんだと思います。 ところで、今当委員会で審議中の電電公社を民営化しようというこの法案でありますが、民営化をされればどうしても利潤本位の運営となるために安全対策はますます手抜きになるに違いない。それは、安全対策についていわば義務づけられている炭鉱の例が示しますように、今に至るも事故、災害が後を絶たない、こういう姿になっておることからも明瞭であろうと思います。 昨日も郵政当局に、今回の事故の教訓の上に立ってどういう安全対策を講じていくのか、その法的措置の状況を尋ねてみますと、今審議中のこの電気通信事業法で義務づけるところの安全対策、安全基準、これは省令で決めるということで、今後の検討事項、したがってまだ確定していないわけであります。一方、よく言われます今後今国会提出予定の電気通信高度化基盤整備法、これに盛り込むのはどういうことになるのかということで聞きますと、それは事業者に義務づけるものではない、推奨するもの、いわばお勧めするもので、それを実施したような事業体には投資減税をやっていきましょう、こういうことを基本に考えておるんですというんでありますから、私はいささかあきれたわけであります。 こうした点で、総理は、本当にこの国民の不安に今日こたえよう、こういう気持ちが本当にあるんなら、この三法案、これはしばらく引っ込めて、そういった安全対策の法的措置をきちっと整備するまでもう一遍よく練り直しをすると、こういうことになって私はしかるべきじゃないかというふうに思いますが、総理どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先般、世田谷におきまして事故が起きまして大変住民の皆様方に御迷惑をおかけし、かつ不安を与えましたことはまことに遺憾でございます。 電気通信役務を確実かつ安定的に提供するということは電気通信事業者にとって最も基本的な責任の一つであると考えております。電気通信事業法案におきましても、電気通信役務の安定的な供給等の観点に立って電気通信設備の技術基準への適合、管理規程の策定、電気通信主任技術者の選任を規定いたしておりまして、それらの点につきましても配慮しておるところでございます。これらの実施につきましては、十分監督をいたしまして事故等を起こさないように今後とも戒めてまいりたいと思っております。
○佐藤昭夫君 私の質問にお答えになっておりませんね。 総理が挙げられました確かに電気通信事業法にそういうふうに書いている。書いているけれども、それを具体的にどうするかというのは今後省令で決めると。で、この省令自身が決まってないわけでしょう。それから、整備法に盛り込むというのは、さっきも言ったようにお勧めをするということで義務づけるものではない。こんなことでは私は、国民に責任を持った、今回の教訓の上に立ったこの三法案をぜひとも通してくれといったそんな言い分は通らないと思います。 次に移りますが、私どもは、電電公社が民営化されるとその事業運営が国会の審議、規制から外れる、そして今日本が置かれている地位、すなわち日米軍事同盟体制強化のもとでは、電気通信事業が軍事目的に利用される危険が非常に強いということをしばしば強調してまいりました。 この危険は既に始まっているわけでありまして、本年七月の上旬、アメリカの国防総省の武器技術調査団が来日をして防衛庁の技術研究本部と日本電気など八企業を視察したときに、電電公社の武蔵野通信研究所の先端技術の視察も強く求めてきた。まあしかし、同研究所の本来平和目的の研究だという、これと合致しないということで視察は実現をしなかったとされているのであります。しかし、アメリカはその後、例えば八月の下旬、日米間軍事産業国際協力問題調査報告、こういうものを出しまして、その中でアメリカの関心のある汎用技術として十六分野を挙げている。その多くが通信、コンピューターに関するものであることから、今後日本への軍事技術協力を一層強めてくるということは大いに予想されるところであります。 ところで、電電公社が民営化をされますと、その研究活動も含めて民間企業体だと、こういうことで国の規制から基本的に自由であるという、こういう理由をもってアメリカとの間に軍事技術協力が急速に進んでいくんではなかろうかというふうに当然危惧をされるのであります。 総理として、政府としてこうした電気通信事業の軍事的利用をこんなふうにして食いとめます、そんなことは起こさせませんというようなどういう措置を一体考えられるのか。原子力研究の場合には、さっき総理もちょっと口にされましたごとく、原子力基本法で原子力の開発研究は平和目的に限るというふうに明確にうたっている。電気通信事業のこの関係の研究についてはそういうこともないですね。それなら、どうやってそういう軍事研究の進展をこれを進まさない、起こさせないという保障措置をどこに求めるのかお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 新会社は国内電気通信事業を経営することを本来の目的とする特殊法人でありまして、新会社の行う技術協力、技術交流活動も電気通信の維持発展等の目的に沿って行われるべきものであり、この点については現行制度においてとってきた対応と何ら変わるものではないと思っております。
○佐藤昭夫君 これも全くお答えになっていませんね。 私非常に持ち時間が限られていますので、残念ながら次に進みます。 同僚委員からも発言がありましたプライバシー保護の問題です。この問題は憲法で言う基本的人権でありまして、高度情報社会を迎えつつある今日、その重要性はますます高くなっているというのは言うまでもありません。しかし、我が国ではその対応が著しくおくれている。ようやく行管庁長官をなさっていた時期ですか、五十七年一月にプライバシー保護研究会の報告が出された。しかし、この報告では、例のOECDの八原則、これに比べてデータ正確性の原則、収集目的明確化の原則、公開の原則、こういった重要な部分が欠落をした内容となっているわけであります。先日の総理の私的諮問機関、十月の二十六日の報告が出されましたけれども、ここではやはりプライバシー保護に関して改めてOECD原則に立った法制の整備を提言している。そこで今後検討していくんだというふうにおっしゃっているんでありますけれども、それはOECD八原則のこの基本的立場に立っていかにして我が国の法的整備を進めるかということであって、この中の幾つかの重要な部分が欠落した内容になる、こういうことにはなってはならぬと思うんですが、総理の御意見をお尋ねいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) プライバシー保護の問題につきましては、情報公開の問題と相並びまして重要な問題であると考えてせっかく努力しておるところでございます。 先ほど来申し上げましたように、政府が握っておる個人のプライバシー、例えば税金の問題であるとかあるいは衛生上の問題であるとかさまざまなものがございます。それから、民間機関が握っておる民間人のプライバシーの問題、それらの問題が海外へ流出する海外との交流関係の問題、そういうさまざまな問題がございまして、さきに私行管庁におりましたときに研究会をつくりまして、そういうようなものも検討していただいたのであります。しかし、非常に広範多岐にわたる重大な問題をたくさん内包しておりまして、今各省庁の連絡会議を開いてそれを一々検討しておる、そういう情勢にあり、できるだけ急がしてまいりたいと思います。
○佐藤昭夫君 これも私の申しておる点のちょっとお答えが外れているんですけれども、五十七年のあの研究会の報告では重要な点での欠落がある。その後、いわば内外の世論にこたえるということなんでしょう、総理がおつくりになった私的諮問機関のこの間の十月の報告、これではやはりOECD原則に立脚をしたものでなくちゃならぬというこういう提言になっているので、その立場で今後検討の作業を煮詰めていただくということなんでしょうねと、こうお尋ねし直すので、この点をお答え願いたい。 それからもう一つ。このプライバシー保護のそういった整備の問題は、国が非常におくれていて、むしろ地方自治体の方が今国に先んじてやり始めているというこの姿、このことは総理も御存じのところだと思いますけれども、例えば福岡県の春日市、ここではプライバシー保護というのを基本的人権として明確に位置づけをして、個人情報システムへの参加と管理する権利を明確にする、こう非常にすぐれた内容になっております。で、全国的な法整備も強く要望をしているということでありますけれども、片山委員からもありましたように、OECD二十四カ国のうち決定しているのが十二、政府内草案を含む法制定過程にあるものが九カ国、検討中は日本、トルコ、ギリシャと、こういうまことに情けない姿になっているわけでありますから、こうした点で早期制定を行管庁長官以来発言をされておる中曽根総理として、責任を持った形でこの問題の速やかな法制定を推進してもらう必要があるということで、今後どういう日程でこの法制定を進めるかということを、しかとお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、OECDの諸原則は、我が国のプライバシー保護を行う上についても、非常に参考になる重要な資料であると考えております。 それから、今後の日程につきましては、これは各省庁の連絡会議を督促させまして、極力早くまとめるように努力してまいりたいと思っております。
○中村鋭一君 今回の電電三法の審議につきましては、行革を推進するという立場から、我々は会派としては野党ではございますけれども、この行革をやらねばならぬという点におきましては、行革与党として総理のいわゆる行革三昧とおっしゃいましたその姿勢に大いに共感を示し、この推進にともに努力をしてきた経緯がございます。 したがいまして、今回は高度情報化社会に向けての対応と、そして行革を推進するという立場からこの三法が提案され、一〇一国会から今国会に向けて、この逓信委員会、衆参両院において真剣に審議が続けられてきたところでございますが、ここで初心に返りまして総理にお尋ねをいたしたいと思います。 総理は行管庁長官の当時から、大変この行財政改革については御熱心でございました。ただ、ここにまいりまして、ちまたでは、総理がこれは将来総理総裁になるためには、今は行革三昧と言っておいた方がいいからそう言っていた向きもあるのではないか。いわば仮の姿とでも言いますか、そういうことを言う人があるやに聞いております。その点もあわせまして、現在ただいまの総理の行政改革にかける熱意、それがいささかも衰えてはいないということと、それから今回この電電三法がいわば行革関連法の一つの目玉として審議されてきた、そのゆえんのものですが、なぜこの電電三法が行革の目玉であるのか、なぜ総理がそうお考えになっているのか、どの点が行政改革であるのか、そういった点について大いにひとつ総理弁じていただきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私はいつも本物の姿を出しておるので、仮の姿なんてものは考えたことはありません。今も本物の姿で本物のことをお答え申し上げておるのであります。 それから、行革の推進につきましては、臨調から五回にわたる答申をいただきまして、その都度行革推進大綱という工程管理表をつくりまして、営々と努力してきたところでございまして、その過程で今ちょうど道半ばであると思いますが、いわゆる三公社五現業の問題に取っ組んで、さきに専売公社は日本たばこ産業株式会社というふうに改革が行われ、今ここで電電公社を同じように株式会社に転換する仕事をやっておるわけです。 これは時代がもはや官の領域から民の領域に引き渡すべき時が来た、あるいは中央から地方に引き渡すべきものも内在してきている、そういう一環の改革としてこれは行われておりまして、それによりまして民間活力をさらに大きく培養していきたい、また、国民の利便も考えていきたい、そういう政策の一環として行われておるものでございます。
○中村鋭一君 ただいまのお話では、具体的にこの電電三法ですね、これがなぜ行革なのかということの理解が私ちょっといきかねたんでございますが、その点を総理、具体的にお示し願えますでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 要するに、国の予算とか、国家公務員とか、官というものが余りにも領域が広過ぎると。これは明治以来日本が発展途上国から追いつくために、中央集権国家になって、中央政府は機関車みたいになって引っ張ってきたわけであります。しかし、今日の段階になりますと、その中央集権体制というようなものや、過度の統制あるいは規律というようなものが民間の活力を阻害する段階にまで来ておる。そういう意味で、行政改革をやって小さな政府を目指してやっておるところでもあります。 その一環として電電も、国が今まで多大の責任をしょって大蔵省が予算統制やらさまざまなことをやって、労働関係におきましてもかなりきつい決まりをつくってやってきたわけであります。それを民間に開放して、そして民間活力を飛躍的に増大させる一つのばねにもしたい、そういう考えもありまして行ったんです。現にこのような法案が提出されましたら第二電電の構想というものも出てきまして、民間関係は非常に活力を増してざわめいてきておる。これは行革の理想が順次達成されつつある一つの証拠であると考えております。
○中村鋭一君 今ざわめいてきているとおっしゃいますが、そのざわめきがいい方向のざわめきであるようにともに願いたい、うまくない方へ行くと困りますので、そのことは申し上げておきたいと思うんです。 今総理のお言葉の中に、私なりの理解で申し上げますが、肥大化した官の介入や規制というものが労働問題においても、ない方が好もしいというふうに私は今総理のお言葉をお受けしたんですけれども、それはそのようにお考えでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 公社の改革の一つの基準点ですが、私前から考えておりましたのは、一つは政府の過度の予算統制を排除すると、経営におきまして。もう一つは、労使関係を自主的な責任体制に順次転換させていく、そういうところにあると思って、今回の法案もそういう点を注意してつくってあるわけでございます。
○中村鋭一君 そこでお伺いいたします。先ほど同僚委員もお尋ねをいたしましたが、今おっしゃったような観点からいたしますと、衆議院の審議の段階で、労調法の附則は三年後に見直しをするということを総理は明言なさいました。今おっしゃった観点からすれば、これはもうもっと率直に、積極的に総理からその点についての見解を明らかにしていただきたいと、こう思います。 先日の連合審査で、我々の会派の柄谷委員が、山口労働大臣にこの件につきましてお尋ねをいたしました。たしか労働大臣は非常に明快に、三年後には廃止の方向でありますと、こういうニュアンスで御答弁になったと、こう思います。行政府のすべてを所管される総理大臣、しかも前国会において廃止を含むという含みのある御答弁をされているところでございますが、本委員会におきまして、その点につきましてさらに単純にして明快なる御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は先ほど片山委員、大森委員にお答えいたしましたとおりでございまして、これが発足した後におきまして、その公共性がどういうふうに維持されているか、国民の利便のぐあいはどうであるか、あるいは労使関係が安定しているかどうか、良好な関係で今後も持続するや否や、それから国民の世論はどうであるか、こういうような問題点をよく見定めまして、そしてこれが廃止の方向にひとつ協力していきたいと、最終的にはそう申し上げたんです。 私は、できるだけ早く両方が良好な関係で国民も納得してくれるならば、三年ということでございますから、そういう方向に持っていくのを期待しておるわけです。政府としてもそういう期待を持って処理していきたい、そういうことを申し上げている次第なのであります。
○中村鋭一君 労使は新会社のそれこそ自主権の問題でございますから、総理の御答弁のような言い方もそれはできると思いますよ。思いますけれども、現実に総理、三年後の社会状況を考えてみてください。幸いに中曽根総理大臣の行政指導よろしきを得て、このいわゆる日本の国のかじ取りは今いい方向へ行っているわけですから、三年後のそのときの社会条件とおっしゃったって、今より悪い状況になることはこれはもう常識として考えられません。それが一つです。 それから、労使のよりよき慣行といいますか、状況ということをおっしゃいましたが、これは先ほど片山委員も申されたように、既に公社であるときから長年にわたって電電は非常にいい労使の慣行を持っていらっしゃるわけです。そこへ民間活力を注入して新会社になるわけでございますから、そういう労使の状況がそう嫌悪なものになるとも限りません。私が申し上げているのは、労働者の基本的な人権というものは団結である。団結をして、そうして最後にどうしてもそれを抜かなければいけないときにはストライキをやる。この権利は当然与えられるべきものでございまして、それを規制するようなことはやるべきではないし、今おっしゃるように、客観的な条件云々とおっしゃいますけれども、それが現在以上に悪い方向に働くことは到底予測をし得ないから、だからもっと明確な形で御答弁がいただけないかと、こう申し上げているつもりでございます。いま一度御答弁をお願いできないでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど申し上げました三、四点の前提が満たされることを強く期待いたしまして、そういう見定めるということを前提にいたしまして、これを廃止の方向でひとつ協力したい、それを強くまた期待しております、こういうふうに重ねて申し上げる次第であります。
○中村鋭一君 ただいまの御答弁の中で、できれば協力をしたいというのをとっていただくとなおありがたい。お願いを申し上げます。 最後に、新電電会社は、先ほど来から総理もおっしゃっておりますように、民間活力を得て自主権を大いに拡大をいたしまして、これから大いに頑張っていただくわけでございますが、一方では競争にさらされることになります。それから、従来いわゆるサービスの行き届かなかった僻地への役務も当然提供しなければいけませんし、ただいまこの委員会で先ほど来から何遍も論議されておりますように、基礎研究も怠るわけにはまいらない。ですから、新会社としてはいろんなことをいっぱいやらなきゃいけないことがあるわけでございますね。 そこで、いわゆるファンダメンタルな、基礎的な研究につきましては、これを政府が、さらにいえば郵政省がお手伝いをして差し上げることはこれは大いに結構なことでありますし、総裁もきのうの記者会見で、郵政省が例えばそういう公的な研究機関をおつくりになったら、お互いに切磋琢磨する、お互いに協力し合うのはいいじゃないかということをおっしゃっているようでございますけれども、少なくとも郵政省が所管するとかは別にいたしまして、基礎的な電気通信技術の研究開発の公的な機関を設けるということについての総理の御見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一般論といたしまして、高度情報社会というものを前にいたしまして、応用面及び基礎面における電気通信、科学技術を前進させることは、国益に大いに沿うところであると思います。それらをどういうふうに具体的に展開していくかということは、内閣の科学技術会議——最高の科学技術政策を諮問に応じて答申してくださるところでございますが、そこで各省庁あるいは大学等も総合的に見ましていろいろ施策を行っているところでございます。そういう意味におきまして、広範かつ集約的に重点を設けまして今後とも努力してまいりたい、そう思っております。
○田英夫君 前国会以来、衆参両院でこの法案の審議が続けられてきた結果、先日の委員会でも、新しく就任されたということで左藤郵政大臣にも申し上げたのでありますが、問題点は非常に浮き彫りにされ、理解も深まったというふうに私は感じているわけです。 例えば、いわゆる民営化ということに伴う問題、これは一体どういうことになるんだろうか。競争の原理を導入するといってそこで新規参入も認めるということになると、これは新電電そのものは一体どうなるんだろうか、大丈夫か、あるいは逆に、余りにも巨大な民間企業が生まれるということに対する危惧ということも、一方で質問という形で述べられたと思います。あるいは民間に移るということに伴って起こる問題点、その一つはきょうもしばしば述べられている労働組合のスト権の問題というようなこともあったと思います。そして最後に、余りにも巨大なということに関連をするかと思いますけれども、株の売却益の使途の問題が今国会では非常に大きな問題点としてクローズアップされてきたこれは当然のことかと思います。 そういういずれの問題についても政府のお考えが次第にはっきりしてきたことは事実でありますが、同時に、基本的な政治哲学といいましょうかイデオロギーといいましょうか、そういう立場から民間に移すこと自体に反対であるというお考えの方も、政党ももちろんあるわけでありますし、したがってそれに伴って株の問題というようなことについては厳しい御意見も出てきたことも事実であります。あるいは株の問題についていえば、率直に言ってこの電気通信事業という側を非常に重く見るのか、あるいは行政府全体の財政赤字という立場を非常に重視するのかというような、その立場立場の目の置き方といいましょうか、スタンスのとり方によって御意見が違ってきたということも事実であります。まあきょうは総理大臣にわざわざおいでをいただいたので、非常に大ざっぱでありますが、この委員会における審議の中で取り上げられてきた問題をごく一部かもしれませんけれども列挙をしたわけであります。 そこで今、中村委員も触れられましたけれども、実はこの問題の基本のところの哲学があいまいであった点があります。この電電三法というものが出てきた基本のところで実にあいまいなところがあったと私は思っておりました。それは、これが果たして行革なのかどうかということであります。現に前国会以来、郵政省の御答弁は、この電電三法というものは行革ではないという意味の御答弁があったと私は理解しております。私自身が実は御質問をしたのでありますが、この点はしかし今中曽根総理のお答えの中でかなり明快になったということが言えるかと思います。つまり余りにも官が膨大であるということの中で、その中の一部を民に移行させるという、三公社五現業という言葉がありましたけれども、そういうこと、そういう意味から行革である、これは私なりに理解ができます。しかし、この基本的な哲学が不明瞭であったために、例えば電電株の売却の問題ということがクローズアップされてきたときには、これは初めから財政赤字を埋める、つまり行革、財政再建のためにあらかじめ仕組んで政府がその株の売却益を財政赤字の補てんに埋めるということのために、その意味で行政改革なのではないかという、そういう考え方が巷間かなり広がっていることも事実だと思います。この点を総理大臣のお立場からひとつ明快にしておいていただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど申し上げましたように、まず形式的に見ましても、臨時行政調査会の答申の大事な部分をこれは一つ形成しているものでありまして、そういう意味においても、これは行革圏内の大事な仕事であると考えております。中身から見ましても、明治以来の中央集権国家及び官の肥大化というものに対してこれを民へ移行する、そういうような小さな政府へ向かわんとする考え方が基本にございます。それと同時に、そのこと自体が今度は民間に切磋琢磨を生み、民間活動をさらに活発にするという副次効果をもたらしてくるのでございます。現に今申し上げたとおりにいろいろ活発な働きが出てきつつあるわけであります。民活ということはやはり行革の一つの大きな目標でもあるわけです。そういう目的は、法案を提出した今日においてもある程度御了解いただけると思っております。財政のためにこれは行っておるのではない、これは先ほど来はっきり申し上げているところでございます。
○田英夫君 問題がちょっとそれますけれども、今のおっしゃったそういう哲学からすると、むしろ電電あるいは専売という最も——財政的にはむしろ電電の場合は政府に寄与していたわけでありますから、これが先行をして、いわゆる三K赤字の最も問題の国鉄が残されている。この国鉄の問題については、総理、今どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄の問題についても同じでありまして、官の関与という関係をできるだけ小さく減殺していこう、こういう努力であります。そのために監理委員会をつくって具体的な案を今策定していただいておるところでございます。しかし、それは結果的に見ると、これは財政的寄与も大いにしていただけることになるであろう、そう期待もしておるわけでございます。 ただ、電電のような場合のこの資産処分という問題は、これは国民全体の大事な財産でございますから、国益全体に沿った方法でこれは処理さるべきである。国の財政方針というものもございます。それは国益全般を考えて財務の処理という面からいろいろな処置がとられているところでもございます。そういう国益全般をとらえた観点から国民の貴重な財産は処理さるべきである、そういう原則がやはり当然であると考えております。
○田英夫君 株の売却益の問題はもう各委員が触れられましたけれども、私の意見をこの際申し上げておきたいのです。 というのは、総理も国会の審議の内容を考えてというお言葉もありましたので申し上げておきますが、やはり今までのいわゆる電電公社の資産形成という経過から考えまして、やはりそのまず第一は、電電公社の五兆六千億と言われる負債のために充てられるべきではないかということが国民の立場からも言えるのではないか。一般会計に入れるとか、いろいろこう出てきているわけでありますけれども、真藤総裁に成りかわって申し上げるようなことになりますが、私はそういうことを強く感じております。同時に、郵政省から出されてまいりました電気通信振興機構という考え方、理解できないではありませんけれども、余りにも私は郵政省的立場が表にぎらぎら出過ぎているという感じを持ちます。この辺はもっと国民的な立場で大きく見ていただきたい。この国民の資産という立場をもっと尊重していただきたい。そして基礎的研究というような面については国の責任において行うべきだという自民党の中にもある御意見に私は共感を持つものでありまして、これは決して私一人ではなくて、多くの利用者、電話利用者の皆さんも国民の皆さんも同感ではないか、こういうことをこの際申し上げておきたいと思います。 終わります。
○青島幸男君 いよいよ大変私にとっては残念なことでありますが、私の質問時間が最終というような事態を迎えるということに当たりまして、私は終始この法案については反対をしてきたんですけれども、それも郵政省のおっしゃり方あるいは公社のおっしゃり方、それぞれに徹頭徹尾合理的な理由がないということで反対申し上げているわけではないんです。それなりのお考え、お立場でよりよい方策を模索しての結果出た意見、出た考え方というものはそれなりに私は評価をしているんですが、いずれにしましても、この電電民営化の一連の動きを見ておりますと、これが手段、方法について私は大変に問題があるんじゃないかという気がしております。その点が私がこの法案の成立に反対している最も大きな理由の一つなんですけれども、例えば当委員会の中でも郵政大臣も電電公社の方々も総理も含めてですけれども、電電の資産というものは一般加入者の協力に大きく負うところが多かった。よってもって国民の資産であるというふうに考えなきゃならないと終始おっしゃられたわけです。私もそれには同感なんです。同感ですが、そのユーザーの方々の間から、どうも公社の独占的なやり方ではサービスが行き届かない、細かい配慮が足りない。こうしてもらいたい、ああしてもらいたいという要望もある。ついては民営化して活力を持ったサービスに徹してもらいたいというような声がほうはいとして起こった。それについて対応していこうという考え方で出てきたものではなくて、とにかく知らしむべからずょらしむべしと、ついには国民のためになるんだから私どもに任せておけばいいんですという格好の発想から出てきておるというように私はユーザーの立場に立って見るとそのように考えられますので、このやり方、手段については、これは余りといえば民主的な運営の仕方ではないんではないかという考えがどうしてもぬぐい切れなくありまして、その点について総理、やり方、手段、方法、時期については一点の誤りもなかったとユーザーの皆さんあるいは国民の皆さんに胸を張って言えるか、あるいはもう少し配慮すべき点があったのかもしれないというお考えをお持ちか、その点明確にまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 本法案の提出につきましては、もう大分前、数年前から臨時行政調査会の内部におきまして相当な検討を行い、各省庁の意見も聞き国民の意見も聞いてまいりまして、それで答申が出されました。答申が出されましてから、今度政府内部におきまして相当研究もし、また与党の自由民主党内部におきましても相当長期間にわたってかんかんがくがくの議論が行われまして党の意見をまとめて提出に至りました。この間の論議の量、時間的長さ等を考えますと、相当今までの法案にいたしましては、これぐらい大きくボリュームの多いものはないと思われるぐらいのものであります。その都度新聞にも載っておりまして、新聞、テレビを通じて国民の皆さんも御了知のことであります。また、二回の国会にわたりまして衆議院、参議院等を通じて御論議を賜り、国民代表の皆様方献身的に時間を割いて、この年末に至りましても御論議をいただいておると、こういうところでございまして、私は極めて民主的なやり方でこの議論等取り扱いが行われていると確信しておるものであります。
○青島幸男君 長時間にわたりさまざまな形から議論が行われたので、自信を持っていいんだというおっしゃり方ですけれども、それにしては、きょう、あすもう法案の採決に臨まなきゃならないというような時期になりまして、株の売買益の分捕り合いとか、あるいは法案の詰めにまいりますと、それは、細かいところは省令、政令で定める、そこのところは未定だというような、醜態をさらすといいますか、長い時間かけた割合には、ここへ来てその問題をめぐって当委員会も紛糾し、何度も与党の方々との間で話し合いも進めなきゃならないというような事態にまで立ち至っているわけですね。これが十分な論議をなされた結果のものとはとても承服しかねますが、その点についてはどうお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は見解を異にいたします。やはり政党政治でございますから、長い間いろいろ御論議いただいた点も、最終的に与党と各野党がどういう態度をとるかと、ぎりぎりの折衡が行われて妥協が行われるのが民主政治でございます。したがって、最終ぎりぎりのところで最終的に物が決まっていくというのは議会政治の普通の大体の状態であります。これは青島さんもっとに御存じのことでありまして、それが行われておるものであると御了知願いたいと思うのであります。
○青島幸男君 それにしては、もう基本的な問題で角突き合わせるというような、しかも初歩的な問題で、当然よって来るべきことは明白でありながらそれがないがしろにされて突っ走られてきた審議が私には納得できないということを申し上げているわけです。 それからもう一つは、国民共有の財産という認識のもとに議論を進めていながら、納付金という形で政府に電電から入ってまいりました五千億に近い金、あるいはこの株の売買益がどう処理されるかという問題につきましても、これは当然今までの議論からしましても、加入者の方々の協力によって成り立った資産であるならばそれに戻すのが最も妥当な考え方であろうというのも、皆さん方おっしゃられるとおりだと思うんです。しかも、私も先ほども申しましたが、加入者は四千万を超えているわけですね。そうすると、おおむね国民の大多数の人間が、少なくとも日本人と思われてこの国に生活しておれば電電の恩恵に浴さないという方は一人もおいでにならないだろうと思いますし、ですから加入者の利益を増進、福祉の増進を図るということ、つまりは国民と同意語と考えていいと思いますから、一たん一般会計に入って、それが、すべての国民に平等にその利益が享受できるような形で処理していかなきゃならないという言い方もよく理解できます。そうあるべきだと私は思っているわけです、実は。しかし、一方翻ってみますと、如入者の方々の利便を増すということを考えますと、実は、総理もよく御存じだと思うんですけれども、遠近格差は世界で一ですね。長距離料金は非常に高いんですよ、我が国は。しかし、長距離料金のコストを考えますと、私のうちから隣のうちへかけるのも、私のうちから北海道へかけるのも、一回衛星なんかを通りますとおおむね誤差の範囲ですからね。料金は、区域内でも北海道へかけてもコストとしては余り変わらないわけですね、今となっては。それは、かつては一々交換手さんが間でつないでいきますから、北海道から朝かけて、至急で申し込んでも夕方にならなきゃ東京へ通じないという事実がありました。しかも、それにはたくさんのコスト、人員を要しましたから、遠いところへかければ高くお金がかかるのは当然だという認識を持っておったわけです、かつて。ところが、今はダイヤルで全国即時通話になりましてね、しかも交換機の加速度的な発展とかあるいはその機器の目覚ましい躍進、それと電電の御努力もありましたから、どこへかけても大体コストとしては余り変わらないわけですね。しかし、一般ユーザーの間には、遠いところへかければ高くても仕方がないんだという考え方が残っております。いわばこの錯覚に基づいて料金を詐取しておると言っても間違いでないぐらいにコストと見合わない金額になっているわけですね。ですから、いつでもだれでもが低廉に、確実に利用できる電話のサービスにまず重点的にこの金は使われるべきであって、その上で高度情報化社会でも付加価値通信でもあってしかるべきであって、しかも遠近格差があるのは我が国に限ったことじゃないですね、外国でもそうです。ですから、外国の例に倣ったらこれでいいんだという考え方もあるかもしれませんけれども、外国の例に先んじて遠近格差を安くする、開きを少なくすると、率先やっても間違いじゃないはずなんです。そういうことへの配慮が全くないまま、御都合主義でここまで乗り切ってきたという考え方がぬぐい去れずあります。 ですから、その辺は一般ユーザーの方々のお考えというものももうちょっとお考えいただいて、あるいはよってもって来る原因を考慮いただいて、だれに、どういう手段で、どうすれば一番公平に、民主主義の原則にのっとって人々に至福をもたらすことができるかということの根本原則に立った考え方に欠けていたという認識が私にはどうしてもありまして反対し続けているわけですけれども、その辺のところを重々御認識いただきたいと思って申し上げているわけですが、もう一度御答弁承りまして質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 遠近格差の問題等に関する青島さんの御議論は、この電気通信体系の多角化、技術の躍進、こういうようなものに応じまして、おっしゃるとおりに変化しつつあると思います。さればこそ、電電公社も遠近格差の是正については逐次努力を今してきておるところであり、今大きな努力が進行中であるというふうに御了知願いたいと思いますし、また、値上げにつきましても、つとに抑制をして国民の皆さんの御期待に沿うように努力をしておるところでございます。一般論としてそういうような考えに立ちまして、政府も電電公社もやっているということをぜひ御理解いただきたいと思う次第であります。
○委員長(松前達郎君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(松前達郎君) 速記を起こしてください。 日本電信電話株式会社法案外二案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」「採決をしてください」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松前達郎君) 質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、質疑は終局することに決定いたしました。 三案の修正について、中野君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中野君。
○中野明君 私は、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブを代表し、三案に対し修正の動議を提出いたします。 その内容はお手元に配布されております案文のとおりでございます。 これよりその趣旨について順次御説明を申し上げます。 まず、日本電信電話株式会社法案及び電気通信事業法案に対する修正案について申し上げます。 電気通信事業は国民生活に欠くべからざる公共的使命を有しており、また、特別法に基づく特殊会社として設立される日本電信電話株式会社は、国民生活に不可欠な電話の役務を公平に提供することが強く要請されるものであります。したがいまして、新法下におきましても、現行の日本電信電話公社法及び公衆電気通信法にあります「あまねく、且つ、公平な提供」、「国民の利便の確保」及び「公共の福祉の増進」の基本原則を明確にするため、日本電信電話株式会社の責務につきまして「公平」及び「公共の福祉の増進」を、電気通信事業法の目的につきまして「国民の利便の確保」及び「公共の福祉の増進」を新たに加えるよう修正しようとするものであります。 次に、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案について申し上げます。 御案内のとおり、国際電信電話株式会社法においては、国際電信電話株式会社が行う附帯業務につきまして、郵政大臣の認可事項としているところでありますが、第百一回国会の衆議院において、日本電信電話株式会社法案について日本電信電話株式会社の附帯業務を郵政大臣の認可事項から除外する旨の修正が行われている経緯にかんがみ、国際電信電話株式会社の附帯業務についても、郵政大臣の認可から外すよう修正するものであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(松前達郎君) これより三案並びに三修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○大森昭君 私は、日本社会党を代表いたしまして、電電改革三法案に対し、反対の立場から意見を表明するものであります。 最近における情報通信技術の発展はまことに目覚ましく、各種ニューメディアの開発実用化を中心とするいわゆる情報革命は、政治、経済、社会、文化などあらゆる分野に重大な影響をもたらそうとしております。 このような状況の中で、わが党は、電電公社制度の改革をつとに主張してきたところでありますが、その基本的な考えは、電気通信事業の公共的使命をかたく保持するとともに、情報通信をめぐる国際競争激化の中にあって我が国の通信主権をあくまで堅持することを大前提に、民主的かつ自主性のある経営形態を確立することによって事業の活性化を図ろうというものであります。 しかしながら、今回の改革法案は行政改革と財政再建という財界主導の臨調路線に乗って突如としてあらわれ、公社民営化及び競争原理の導入という重大な変革が、民業礼賛という風潮のもとで、極めて拙速に行われることは後世に大きな禍根を残すことになることを危惧せざるを得ません。 このような観点から、幾つかの反対理由を申し述べたいと思います。 その第一は、長年にわたって加入者の負担と従業員の努力によって築き上げてきた国民的共有財産である電電公社を株式会社に移行させ、その株式の売却益によって財政赤字を穴埋めしようという発想は、電電公社資産の性格を全く否定するものであり、しかも株式の売却方法などをめぐる国民の大きな疑惑を晴らすことなく本法案を成立させようとすることは断じて許されないということであります。我々は、事柄の重大性にかんがみ、株式の処分などについては特別立法によって措置するという民主的な対応が必要であると主張いたしましたが、それが受け入れられませんでした。政府は、いささかも疑惑を招くことのない公正な株式売却方法と電電公社の資産形成の経過を踏まえた売却益の使途を国民の前に明らかにすべきであります。それが確立されるまでは、株式の売却を凍結すべきことを、我が党は強く要求するものであります。 次に第二点としては、我が国の通信主権が危険にさらされるということであります。 通信は国の神経とも言うべきものであり、特に今後の高度情報社会においては、国益上、重要な地位を占めるものであることは論ずるまでもありません。それを、貿易摩擦問題の次元で扱ったり、外国政府の圧力に屈するような形で外国資本の参入を認めることは、通信主権確保の面から極めて危険であると言わざるを得ません。少なくとも、国内企業の競争力が十分に備わるまでは、外国企業の進出を禁止すべきであります。 反対の第三は、新電電労働者の労働基本権が完全には認められていないということであります。 新電電が民間企業として発足する以上は、KDDなど他の電気通信事業の労働者と同じ労働条件を付与すべきであるにもかかわらず、新電電の労働者だけが争議権を不当に制限されることは、全く理解に苦しむところであり、断じて容認することはできません。国会において一部修正がなされたとは言え、なお我が党の主張とはほど遠く、極めて遺憾であり、一日も早く制限条項を撤廃すべきであることを強く要求するものであります。 以上、主なる反対理由について申し述べましたが、本院において、事業の公共性の明確化など、前進的な修正がなされたとは言え、法案全体について、我々は賛成するに至らず、日本社会党は本法案に反対であることを表明いたしまして、私の討論を終わります。
○長谷川信君 ただいま提案をされました日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びにその修正案について、自由民主党・自由国民会議を代表して、原案のうち修正を除く原案及び修正案に対し賛成の意を表明するものであります。 我が国の電気通信事業は、国民生活及び国民経済の維持、発展に必要不可欠な電気通信サービスを提供する事業であって、極めて高い公共性を有することから、国内は日本電信電話公社、国際は国際電信電話株式会社によって一元的運営体制をとってきたところであります。 このような一元的運営体制によって、戦争により荒廃をした電気通信設備を速やかに復旧し、電話需要の急激な増大に対処してきたところであり、加入電話の積滞解消、電話の全国自動即時化という二大目標の達成等を通じて、我が国の経済活動及び国民生活にとって多大の貢献をなすとともに、世界でも有数の通信先進国たる地位を確立したところであります。 しかしながら、近年の電気通信技術の発展に伴い、ビデオテックス、双方向CATV等の新しい通信メディアが次々と実用化されるとともに、電気通信サービスに対する国民の需要も著しく高度化、多様化しつつあります。 また、今日の我が国は、工業化社会から高度情報社会へ向けて大きな時代の転換期を迎えようといたしております。こうした中で、今後の電気通信事業は、全国的、多層的な電気通信ネットワークを構築して豊かな国民生活の実現、産業経済の活性化及び地域社会の自立的発展を達成するため、社会先導的な役割を果たすことが期待されております。 今回の電電改革三法案は、このような状況に的確に対応しようとするものであります。 すなわち、従来の一元的運営体制に対して競争体制への政策転換を図るとともに、この競争導入の中で、電電公社を民営化して、その事業運営の一層の効率化、活性化を図る等の抜本的改革を行おうとするものであり、この改革によって国民利用者は、良質かつ多様な電気通信サービスを低廉な料金で提供を受けることができることになるものと大いに期待をいたしておるところであります。 また、今回の法案におきましては、国民の日常生活に不可欠な電話役務が日本全国あまねく提供されること、通信の秘密が確保されるなど電気通信事業の公共性に対しても十分な配意が行われておるところであります。 我が党といたしましては、今回の電電改革三法案は、電気通信が国民利用者の高度化、多様化するニーズにこたえ、二十一世紀に向けて高度情報社会を形成していくための基礎となるものであり、現時点で考え得る最も適切な法案であると確信をいたしておるところであります。 また、修正案は、ただいま提案者を代表しての趣旨説明にありましたとおり、妥当な措置と認める次第であります。 以上をもちまして賛成の討論を終わります。
○佐藤昭夫君 私は日本共産党を代表して、電電公社民営化等三法案並びに三会派提出の修正案に反対の討論を行います。 まず初めに指摘したい問題は、本法案が極めて重大な問題点を持つがゆえに、第百一国会では成立しなかったにもかかわらず、閉会直後の自社公民会談において、百二国会冒頭成立の確認が行われ、以来閉会中に異例の地方公聴会を行い、今次国会でもなお徹底審議を求める我が党の意見も無視をして強引に採決に付されようとすることであります。これは議会制民主主義の否定であり、強く抗議するものであります。 さて、本法案に強く反対をする第一の理由は、今次三法案が国民の財産である電電公社を解体して民間大企業の手にゆだねるとともに、通信事業の公共性を無視して、競争方式を導入するなど、国民生活と社会経済活動に重大な悪影響を及ぼすことになるからであります。 先月の十六日に発生した世田谷電話局管内の火災事故は、電気通信が社会と国民生活に果たしている役割の大きさを改めて明らかにしました。 このように高い公共性が欠かせない電気通信事業が、国民と国会の監視を離れて利子を追い求める大企業の手に任せられることになれば、安全対策が手抜きされ、料金の値上げ、サービス事業の後退など、必ずや国民への被害をもたらすこととなるからであります。 反対する第二の理由は、社会の神経系統とも言われる電気通信事業に外国企業の自由参入を認めるなど、我が国の通信主権が侵される危険があるからであります。 この通信主権は、国際電気通信条約でも明らかにされているように、各国固有の主権として認められているものであり、外国企業の参入を認めているのは、カナダなどごく限られた国だけであります。しかも、カナダの場合も、事実上規制するなど、その方向は、日本の場合とは逆の方向に進んでいるのが実態であります。 通信主権の問題は、日本の技術が外国に負けなければよいという問題ではなく、まさに国の独立、主権にかかわる問題として堅持されなければなりません。 反対の第三の理由は、通信の秘密、プライバシーが侵され、軍事利用の危険が大きくなることであります。 情報化の急速な進展のもとでプライバシー保護法の制定など国の責務を放棄したまま電気通信事業を大企業の手にゆだねることは絶対に許されないのであります。 また、日米軍事同盟体制強化のもとで電気通信の軍事利用の危険がますます増大するのは明らかであります。 第四の反対理由は、労働者に対する大幅な人減らし合理化が行われ、通信事業の生命でもある保守保全が手抜きをされることになるからであります。 もともとこの民営化方針は軍拡、大企業奉仕、片や労働者と国民生活切り捨ての臨調答申によるものであります。公社当局は人減らし計画はないと欺瞞的答弁を繰り返していますが、私が具体的に指摘したごとく、実際にはこの大幅人減らし計画は着々と進んでいます。 また、ストライキ権の問題であります。 本法案は電電公社の民営化を言いながら、労働者の基本的権利であるストライキ権を事実上否定する措置をとっています。私は憲法の立場から、ストライキ権は経営形態のいかんを問わず無条件に回復すべきものであることを強く主張するものであります。 さらに、電電株の売却益をめぐって、利権発生のおそれや各省間の縄張り争いなどの疑惑を生む根源は、そもそも電電公社の民営化にあります。このためにも、根本的方策は我が党が主張するように本法案の廃案以外にありません。大量赤字国債縮減も電気通信技術の研究開発も国家財政における軍事費削減、大企業への特権的減免税の廃止など、税、財政の抜本的転換によってなすべきことを主張するものであります。 以上、反対の理由を述べましたが、同時に、三会派提出の修正案も民営化の反国民的本質を何ら是正するものではなく、賛成できません。我が党は、本委員会を初めとして、法案の質疑とあわせて現行電電公社における職員に対する思想調査と思想差別、公社幹部の総会屋との癒着、公社回線の軍事目的提供、労組役選への介入などの問題を追及してきましたが、民営となって国会の監視を外れれば一層恐るべき事態に進むことは明瞭であります。このためにも公社の民主的運営を徹底することこそ求められておることを重ねて指摘して、三法案に強く反対する討論を終わります。
○委員長(松前達郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより順次三案の採決に入ります。 日本電信電話株式会社法案について採決に入ります。 まず、中野君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、中野君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 次に、電気通信事業法案について採決に入ります。 まず、中野君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、中野君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって、修正議決すべきものと決定いたしました。 次に、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決に入ります。 まず、中野君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、中野君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
○片山甚市君 私は、ただいま可決されました日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブ及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案) 今次改革は明治以来一世紀余にわたる電気通信制度を抜本的に変革するものであり、今後の社会、経済に及ぼす影響の重大性にかんがみるとき、この改革によって、電気通信が、一層国民の利便の向上と公共の福祉の増進に寄与するとともに、来たるべき高度情報社会の実現に向けて先導的役割を果たしうるものとならねばならない。 このため、本院での修正の趣旨に沿い、電気通信の公共性に対して十分に配意するとともに、公正かつ有効な競争の導入、新会社の自主的、効率的経営等によって、電気通信事業の一層の効率化、活性化を図ることが必要である。 よって政府は、このような観点から、本三法の施行に当たっては、次の各項の実施に努めるべきである。 一 情報通信をめぐる国際競争が激化する情勢にあって、国際電気通信条約等国際約束を遵守して、我が国の通信主権を守り、基礎的先端的技術の研究開発等有効適切な施策を一層推進し、電気通信の発展基盤の強化に努めること。 一 高度情報社会の形成を展望し、プライバシー保護、情報公開などを含む情報基本法の制定に積極的に努めること。 一 情報化の急速な進展に対処し、情報通信産業の育成振興、通信システムの一層の安全性、信頼性の確保等情報通信の基盤整備のための法制度を早期に確立すること。 一 基本的な料金の認可などに際しては、公聴会を開催するなど十分民意が反映できるよう措置するとともに、電気通信審議会の委員の任命方法及び構成について見直しを行うこと。 一 特別第二種電気通信事業の健全な発展と利用者の保護を図る見地から、その事業の、政令で定める規模の基準については、本委員会における審議の経過にかんがみ、当面、一、二〇〇ビット換算五〇〇回線を上回らないこと。 一 政省令の制定及びその運用に当たっては、民間の創意工夫を活かし、経営の自主性を尊重すること。 一 日本電信電話株式会社の設立委員の任命に当たっては、国会の論議を十分尊重し、公正に対処すること。 一 日本電信電話公社の資産形成の経緯並びに本委員会における審議の経過等を踏まえ、日本電信電話株式会社の株式の売却に当たっては、いささかも疑惑を招くことなく、株式が特定の個人、法人へ集中せず、広く国民が所有できるよう行うとともに、売却益等の使途については、利用者国民にとって有益であり、国民各層の納得が得られる適切な方途を確立すること。 なお、株式売却益等の使途並びに国会に付議する株式の処分限度数及び具体的な処分の時期、方法、処分数等を定めようとするときは、大蔵省は、郵政省と事前に十分協議の上、決定するものとすること。 一 労働基本権を制約した労調法附則第三条については、三年後に廃止する方向で検討すること。 一 日本電信電話株式会社の経営の自主性を尊重し、賃金その他労働条件等労使間の自主決定に介入しないものとすること。 一 日本電信電話株式会社及び新規参入者、中小企業との間に、公正かつ有効な競争が確保されるよう努めるとともに、問題が発生した場合の相談窓口の設置等について検討すること。 一 第一種電気通信事業に関する情報通信概況を、毎年一回、国会に報告すること。 右決議する。 以上でありますが、この決議案は本委員会における審査の経過を踏まえ作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので、省略させていただきます。 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。 以上でございます。
○委員長(松前達郎君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松前達郎君) 多数と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、左藤郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。左藤郵政大臣。
○国務大臣(左藤恵君) このたびは慎重な御審議をいただきまして、ただいまは日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を御可決いただきましたことに対し、厚く御礼を申し上げます。 この委員会の御審議を通じまして承りました御意見につきましては、今後電気通信政策を推進していく上で十分生かしてまいりたいと存じます。 また、附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重いたしてまいりたいと存じます。 まことにありがとうございました。 ─────────────
○委員長(松前達郎君) この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
○片山甚市君 審議を終わるに当たって、緊急提案をしたい。 今、左藤大臣からも、今後この法律制定の経過を尊重して実施されることになりましたので、今後、政府が保有する新電電の株式処分及びその使途、また発足に当たっての諸問題、電気通信事業のあり方等についてできるだけ国会の意向を反映できるように、当委員会の中に小委員会を設置すべきであると思うので、以上御提案いたします。
○委員長(松前達郎君) 中野君から発言を求められておりますので、これを許します。中野君。
○中野明君 ただいま片山委員が提案をされました小委員会の問題でございますが、この電電改革は大改革でございますので、民営に移行するに当たって今まで想像できなかった種々の問題が起こってくる可能性も考えられますので、ぜひ当委員会の中に小委員会をつくってその対応ができるようにお願いをしたいと思います。
○委員長(松前達郎君) 成相君から発言を求められておりますので、これを許します。成相君。
○成相善十君 ただいま片山理事並びに中野委員からの御発言は、当委員会に小委員会をつくれと、こういう御趣旨でございます。このことは大変大事な重要なことでございます。したがって、慎重にこれを検討する必要があろうと思います。 ついては、きょうこの場で直ちに設置を決めるということは非常に困難でございます。でございますので、後日改めてこの問題は当委員会で協議をするということにお取り扱いを願いたいと思います。
○委員長(松前達郎君) ただいまの提案につきましては、後刻当委員会において協議いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松前達郎君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十五分散会