地方行政委員会 第21号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/06/21
会議録
○委員長(金丸三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 六月二十日、峯山昭範君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君が選任されました。 ─────────────
○委員長(金丸三郎君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 まず、豊田商事会長事件について警察庁から概要報告を聴取いたします。金澤刑事局長。
○政府委員(金澤昭雄君) 豊田商事の会長殺害事件の概要とその捜査概況につきまして御報告をいたします。 この事件は、六月十八日午後四時三十分ごろ、大阪府豊中市内で鉄工所を経営いたしております「まことむすび誠心会代表委員」と名のっております飯田篤郎(五十六歳)と、同鉄工所の元従業員矢野正計(三十歳)の二人が、大阪市北区の豊田商事永野一男会長居住のマンションに押しかけまして、現場にいた報道関係者やガードマンを押しのけるなどいたしまして、玄関わきの窓を破壊して、その後に刃渡り四十センチの銃剣を持ちまして屋内に押し入りました。その後、永野会長の前頭部、胸部等八カ所を刺して同会長を殺害したものであります。この二人は、一一〇番通報によりまして急行しました警察官がその直後に現行犯逮捕をいたしたところであります。 この事件は、白昼衆人環視の中で行われましたまことに特異凶悪な事件でございまして、大阪府警察におきましても事態を重視しまして捜査本部を設置し、被害現場の検証、被疑者の自宅、事務所等四カ所を捜索いたしますとともに、被疑者の取り調べを行って、犯行の動機、背後関係の有無等につきまして現在捜査を進めておるところでございます。 現時点の捜査状況でありますが、犯行の動機と しまして、会長らの詐欺まがい商法に義憤を感じた、こういうふうに主張をしております。 また、背後関係につきましては、特に現在の時点で判明をいたしておりませんが、今後厳しく追及をいたしまして、事案全体の真相解明に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○委員長(金丸三郎君) 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 きょうは、豊田商事の問題もございますが、まず長官も出ておることですから冒頭にお聞きしたいと思いますのは、昨年七月、私はこの委員会でグリコ・森永事件につきまして警察の所信をただしました。それに対して刑事局長は、早急に逮捕をする、こういう言明をここでなさったわけです。ところが、早急というのがどういう解釈か知りませんが、警察も努力なさっていることはわかりますけれども、もう一年になんなんとしている。今度豊田の問題が起こりました。これもやっぱり大阪、兵庫、こういうところを舞台にする。私はそういう意味で、この問題は根っこにやっぱりつながりがあるのじゃないかという危惧すら持たざるを得ない、警察のそういう土壌ですね、こういう感じがします。 捜査の方法を見ると、言いかえれば警備警察的発想というか、いわゆる武力鎮圧、威力という格好のものが続けられておりますけれども、これはやはり刑事警察としての発想から見ると若干私は奇異を感じますけれども、そういうものを含めてどのような現状なのか。そして、見通しを含めて長官からひとつ見解をいただきたい、こう思います。
○政府委員(鈴木貞敏君) 御質疑の件で、関西にグリコ・森永事件を初めとしていろいろ特異な事件が多いのじゃないかという御趣旨でございますけれども、確かに現象的に現在グリコ・森永事件、また暴力団の抗争事件等が関西を中心にある、こういうことを含めまして非常に西の方がそういう特異事件が多いのじゃないかというふうな印象は国民全般が持っておると思います。私たちとしても、そういう意味で個々の事件については全力を挙げてそれを解決していくということでございまして、グリコ・森永事件につきましては、おっしゃるとおりもう一年有余を過ぎておるわけでございますが、とにかく早急にということは、まさに一日も早く検挙するというのが我々の捜査員としての当然の心組みでございまして、そういう熱意で組織力を挙げて現在も努力をしておる。犯人の動きは今のところ全然ございませんけれども、この機に今までの素材、そしてまた人、物、あらゆる面から総合力を発揮しまして犯人を捕捉するということで関係府県が努力しておるということでございます。 また、暴力団事件につきましては、大変日々発砲事件等を含めまして抗争事件が続発しております。これにつきましても、彼らを徹底的に壊滅するという目標に向かって、これまた組織力を挙げて努力しておるということでございます。 非常に関心の深い重要凶悪事件が比較的関西に集中しているということにつきましては、私自身の感じといたしましても、偶発的ないろいろの問題がやはり絡んでおる、こう思います。暴力団事件等につきましては、もう関西に本拠を持っておるということによって生じていることでございますし、そういう意味で特殊な、何か特別なことがあるのじゃないかというふうな御質問について私は、やはり偶発的なものを含めたいろいろの問題であろう、こういうふうに理解しておるところでございます。
○佐藤三吾君 この事件は、長官も御存じのとおりに、一時マスコミの協力を得ながら、犯人の逮捕を目前で取り逃がしたという事件がございましたですね。やはり僕は、こういう犯人を捕まえるといういわゆる刑事警察というか、そういった事例というのはあんな派手な格好でやったのではかえって捕まるものも捕まえ損なう、私はこういうような感じがします。同時にまた、今申し上げましたように、大阪、兵庫、近畿一帯の体制の中には、私は非常に警察自体にも問題があるのじゃないかと思うんです。そこら辺がきちっとしていかないとこの問題いつまでたっても解決できない、こういうような感じがします。 そこで、今暴力団の問題が出ましたが、山口組と一和会の抗争は、御存じのとおりに民間人を含めてついに流れ弾で重傷者を出す、こういう事件も起こっておりますし、もう一つは外人のところに警察官が撃った弾が飛び込む、こういう事態も起こってきている。この状況を見ますと、これはテレビで見るわけですけれども、テレビで見ると警察が民間を守っておるのじゃなくて暴力団を守っておるような警備の仕方、こういう感じを私は受けました。こういう警備の仕方にもまた問題があるのじゃないか。もっとここら辺の工夫ができないものかどうなのか。ここら辺の警備というのですか、ひとつ長官から答弁いただきましょうか。いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 暴力団の対立抗争が関西中心で激しく起こっておるわけですが、そこで今お話のありました対立抗争をやっております組事務所付近の警戒、これを張りつけ警戒という格好でやっておりますが、これはあくまでも、暴力団の事務所、暴力団員を守るということは毛頭考えておりません。これは全国の警察にその趣旨はよく徹底をさせておりまして、物理的な地理的ないろいろな条件がありますので、どうしても暴力団事務所の近くに配置をしておりますけれども、組事務所を守るというのではなしに、その周辺の住民、国民を守る、特に周辺で撃ち合いがありますと、今お話がありました一般人が流れ弾によって被害をこうむるということがありますし、また一般の家へも流れ弾が飛び込むということがありますので、この場所を暴力団の事務所の周辺に限るということはやむを得ないと思いますけれども、このやり方としては通行人なり付近の住民の安全を確保するということを第一義にして張りつけの場所を考える。それから、職務質問を励行しまして不審な者の排除、けん銃の摘発に努める、こういうことでやっておりますし、最近は特に盛り場へ遊動配置ということで警戒員を出しまして、盛り場における暴力団風の者の徹底した職務質問ということを今やらせております。 繰り返すようですが、住民保護ということを第一義にしてやらせておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○佐藤三吾君 ところが、私はそういうふうな警察の基本線については疑わないのですけれども、しかし例えば今年三月小岩署ですか、そこで暴力団山口組系の組長ですか、それの取り調べに当たって、愛人を取り調べ室に入れて六時間も放置する。それを警察官が写真撮ってやるとか、また今度は御存じのとおりに、福岡の大牟田でまた同じようなケースが起こる。こういうケースのいわゆる写真なり新聞で報道された内容と、山口組と一和会の警備の状況を見ると、何か国民の知らないところで警察官と暴力団は相通ずるものを持っておるのではないかと、これはだれしもとります。この二つの小岩と大牟田のを見ると、捜査には支障なかった、こういう弁明を警察はしています。しかし、その署長やその関係者を含めて処分をやったというのは出てないんです。聞いてないんです。厳正に対処するというなら厳正にきちっと上下一体で対処していく姿勢がないと、私はあなたがどんなに弁明をここでしてみてもそれは弁明であって、言いわけであって、国民の目から見て正確に認識するということにはならぬと私は思うんです。その点いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 警視庁の小岩署における取り扱いのケースと、今お話のありました大牟田署での取り扱いのケース、これはいずれも暴力団の組員に対する被疑者取り扱いの問題でありまして、お話のように、この取り扱いについて何か特別な取り扱いをした、特に暴力団とのいろいろな関係が疑われる、こういう疑念を抱かれましたことは、まことにこれは遺憾なことでございます。この前、小岩のケースがありました後も全国に通達をいたしまして、特に被疑者の取り扱いに ついては刑事訴訟法の精神にのっとりまして適正に取り扱うようにということを厳しく通達をしております。今回またこの大牟田のケースが報道されておりますが、これは一昨年起きたケースでありますので、また今内容を詳しく調査をいたしております。いずれにしましても、こういった被疑者の取り扱いの不適切な事例というものは、これはまことに反省すべきことだと思います。 ただ、それといいまして、その暴力団の取り扱いが警察は甘いのじゃないかという御指摘でありますけれども、特に今抗争がこれだけ激しくなっております状況のもとで全国的に暴力団の取り締まりを徹底してやるようにということでやっておりますし、現在、山口組、一和会両方だけでも三千七百名を超える検挙ということで取り締まりも厳しくやっております。その点は、少なくともその取り締まりの点でいささかでも緩むことのないようにということでやっておりますので、この点御理解いただきたいと思います。 また、いろいろ取り扱いの問題につきまして厳重に注意をしておりますが、福岡の事案につきましては今後いろいろと内容を調査いたしまして、その結果またいろいろと必要な措置をとってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 長官、今言ったようにそういう事例が起こってくる。さらにもう一つ、また今度はオートレースの大穴車券を警察官が偽造するという、現職の警官ですよ、元じゃないんですよ、こういうことが起こってくる。国民の皆さんから見ると、今グリコ・森永事件で警察は大変だ、物すごく緊張した日々だと、こう認識をすると愛人を抱えた事件が起こってきたりオートレースのこういう事件が起こってきたりすると、これは警察全体に何かあるぞと。その都度通達を出したというのだけれども、通達が一つも緊張感にならない。何かあると思わざるを得ないのはこれは当然でしょう。いかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) 今福岡県警の現職警察官の問題の御指摘ございましたが、私は警察行政の原点というものは、やはり国民の平穏な生活を確保するという職責に向かいまして日夜を問わず、古風な表現かもしれませんが、身を粉にして、粉骨砕身その職務を遂行するというところに原点があろうと思います。そういう使命感に燃え、そしてまた自分の職責というものに誇りを持ってやっていく、こういうことが基本にあるべきであるということを確信しているわけでございますが、そういう意味で二十五万の全国警察官がそういう使命感に本当に燃えましてやるということで、折に触れていろいろ言っているわけでございます。 御指摘の、一片の通達で何らそれが徹底しない、まことにおっしゃるとおりでございまして、我々も通達によって責を免れるとか、あるいはそれによってすべてが解決するとは毛頭思っておりませんで、やはりそれぞれの組織組織において気持ちを通い合わせ、団結を強め、規律を厳正にして、こういった非常に流動の激しい、しかもいろいろな新しい犯罪が起こる、こういう中でやはり毅然として仕事に誇りを持って、日夜を問わず身を挺して職責を遂行していかなくちゃならぬ、こういう気持ちをそれぞれ訴えているわけでございます。 そういうことで、やはりそれぞれの職場職場で、階級を問わず、警察の使命は一緒でございます。職責はまさに階級を問わず全警察が一緒でございますので、それぞれの監督者を含めまして、プレーイングコーチといいますか、同じ土俵に立ってともに国民の幸福のために挺身していくということでやっていかなくちゃならぬ、そういう気持ちでありますればこういうくだらぬ事件は起きないはずでございます。規律の振粛という問題については古くして新しい問題であり、これからも我々としては日々努力していかなくちゃならぬ、こう思っておるわけでございますが、ひとつふんどしを締めて今後とも努力していきたい、こういう気持ちでございます。
○佐藤三吾君 そこで、先ほど刑事局長から説明ありました豊田の問題ですが、これは率直に言って、今私が一例申し上げましたことと関連なしとは言えないと思うんです。確かに報道陣がおって、そして報道陣がそれを、窓を打ち破るのを見ながら対応しなかったという点については私も疑問がございます。しかし、この本人は既に十五日に兵庫県警が強制捜査に入っておるわけです。 そして、十七日には会長の事情聴取を行っておるわけです。だとすれば、これはもう容疑者でしょう。そこら辺を警察はどういう認定をしておるのか、重要参考人にしておるのか容疑者にしておるのかわかりませんが、そうだとすれば、逮捕状が出てなければ当然身辺警護するのは、これは警察の行為じゃありませんか。それがやられてなかった、そこには不備があった、こういうことです。 私は素人ですからそこら辺についてはあなたたちのように専門家ではございませんけれども、これだけの重要容疑者になった者を事実上暴漢が白昼公然と襲うのを、容認じゃないけれども、見逃してしまう、そして殺害に至らしむるということは、これは失態以外の何物でもない。しかも、前兆はなかったのかといえば、御存じのとおり十四日には立川で元警察官が日本刀を振り回して脅迫する、こういう事例も起こっておる。そして全国的に見ても、マスコミがこの問題を書き立てることを含めて、そういうことは当然予測できる。これを見逃したというか、対応を怠ったというか、こう言われてもいたし方ない問題だと思うのですけれども、どうしてそこら辺が対応できなかったのか。私は、これはもう残念でならぬのです。この辺についてもう一度、これは長官でもよし刑事局長でもよし、なぜできなかったのか、そこの内容をひとつ明らかにしてほしいと思います。
○政府委員(中山好雄君) 警察が特定の個人について警戒措置をどのように講ずるかというのは、その生命、身体に危険を生ずるといった不穏な情報がどの程度あるか、そういったことによって判断するわけでございます。ケース・バイ・ケースに判断するものでございます。 ただいまお話のあった永野会長、これは十五日に関係会社を捜索し、十七日に永野会長宅も捜索した、こういうことでございますが、これは既に御承知と存じますけれども、外国為替及び外国貿易管理法、この違反の容疑で、そこの会社の元職員二名の被疑者に対する外為法違反ということで捜索を実施したわけでございます。 永野会長についてどのように私どもが見ておったかというお尋ねでございます。その点につきましては、この外為法の容疑があって捜査の対象であるというふうに考えております。さて、捜査の対象であるから警戒を要するというものではなく、そういった事情も含めまして、本人に対する危害が及ぶ不穏な動向があるかどうか、そういう点を検討して適切な対応をするというのが先ほど申しました私どもの考えでございます。警察で把握していた情報では、永野会長に対する直接的な危害を予想させるものはない、本人のサイドからの警戒をしてくれという要請も特にはなかった、自宅はマンションの一室でマスコミの環視の中にあった、こういったことから、当日は現場の各種トラブルを防止するといった観点から地元署の警察官二名がほぼ三時間ごとに重点警戒でパトロールする、こういう処置をとっていたものでございます。
○佐藤三吾君 しかし、既に警察は、五十七年以降この豊田グループについて七百件以上の被害届が出されて、そうして被害相談があって、既に十一件十四人を検挙するという状況にこれまであったわけでしょう。そうして、今申し上げたように十四日には立川で日本刀を振り回すような事例も起こってきて、この問題に対する各地における差し押さえが起こるというような事態もあったわけでしょう。そういうような状況の中で、あなたが今言ったように身辺警護の本人の申し出もなく、警察もその必要を認められないという、こういう理解そのものに問題があるのじゃないですかと私は言っておるわけです。 長官、そこら辺はどうですか。そこら辺をきちっとしないと、何か警察には何もあれはなかった のだという前提に立つと、これは、私はやっぱり警察というのは、さっき申し上げたように何か国民と感覚的に離れた警察になってきておるんじゃないか、こう思わざるを得ない、いかがですか。
○政府委員(中山好雄君) ただいまお話しございましたように、豊田商事につきましては五十七年以降、被害属ではなく相談が寄せられていた、その件数が七百件ほどということでございます。私どもといたしましても、五十七年以降そういった相談も多くなってきていることから、豊田商事について関心を持ってその実態の調査に努めてきたところでございます。その中で兵庫県警で把握した容疑、これによって外為法違反、これの捜査に着手したということでございます。 繰り返しになりますが、いろいろな情勢を判断しまして警戒措置をどのように講ずるかというのは決めるべきことでございますが、永野会長に対する直接的な危害を予想させるものはなかったということでございまして、結果的に不幸な事態になってしまって、まことに残念なことでございます。こういった事件が再発することのないよう、私どもさらにいろいろ検討を加え、情報の収集等に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○佐藤三吾君 そこまであなたがおっしゃるなら、それはそれとしておきましょう。ただ、この事件で永野という男は、言いかえれば詐欺行為で被害者の中にも殺してやりたいという訴えがありますように、そういう意味では私もこれはけしからぬやつだと思いますよ。しかし、私が言うのは、殺害された結果、約二千億という膨大な詐欺的行為による五万人の被害者が出てきておるこの行方が一体どうなるのかということで、今被害者を含めて大変な状況になっています。そこら辺に対して警察の捜査、これが一番かなめですから、これがなくなったことは重大な支障が起こるのじゃないかと私は危惧するんですけれども、その点については警察は被害者については心配はないと、この捜査の追及については支障はない、こういう御見解なのか。それともこのことによって重大な支障が起こってくるのか、その捜査の方針に対する警察側の対応というか、どういうお考えを持っていますか。
○政府委員(中山好雄君) 永野会長の死亡によりまして捜査にどう影響するかという点でございますが、捜査に影響がないということは言えないと思います。しかしながら、警察といたしましては、違法行為についての実態解明に鋭意努力してまいり、事案の真相の究明に努めてまいりたいと存じます。 なお、被害者の救済とのつながりについてもお触れでございましたので一言申しますと、警察それ自体、そういった金の貸し借りとか、そういう民間の契約等について直接にタッチする立場ではございません。しかし、私ども捜査ないし調査による実態の解明という私どもの与えられた使命を一生懸命やっていくことを通じて、そういった点にもお役に立つ場合もあるのではないかというふうには考えております。
○佐藤三吾君 私は被害者救済を警察でしろとは言っていないんです。問題は、被害者の皆さんから見ると、五万人の方々から見ると、永野が殺されたことによって捜査に支障が起こって二千億の資金の追及に支障を来すのじゃないかということで心配なさっておる、そういう意味で、あなたがさっきは警察に落ち度はないと言ったけれども、この永野の警護という問題が重大な影響を及ぼすのじゃないかと、こう思ったから質問したわけですけれども、例えば川口であれだけのダンボールと、あのとおり香港まで輸送したということについても警察は既に手配していると思うんですが、どの程度現段階で押さえておりますか。
○政府委員(中山好雄君) 当面は外為法の違反の調査、あわせてそれ以外の犯罪容疑の有無についての調査、こういったものを進めているところでございます。私どもとして、各県警察を協力させて必要な手を次々と打っていっているわけでございますが、具体的な事案にかかわるものでございますので、具体的な答弁は控えさせていただきたいと存じます。
○佐藤三吾君 捜査の内容ですから、これ以上この問題について触れませんが、そこで経済企画庁、通産、法務、大蔵にお聞きしますが、六月十日に各省協議が開かれて、この対応が急がれておるようでありますけれども、通産省を一つ例にとってみましても、五十九年度に千四百件の苦情というか、被害額四十億の申し出が出ておる。五十七年度からこういう問題が次々に起こってきておる。これは今警察からあったとおりですが、こういうような事態のもっと前に対応する必要があったのじゃないかと思うんですけれども、非常に泥縄式というか、今ごろどうしてと、こういう印象を免れぬのですけれども、今までの対応とあわせて今後の対応をどういうふうに進めるのか、見解を簡単にひとつお願いします。
○説明員(山下弘文君) 通産省の関係について御説明申し上げますが、先生御指摘のとおり、私どもに最初に金のいわゆる現物まがい商法という関係で相談が参りましたのが五十七年の春でございました。その後、豊田商事にかかわります消費者相談が多く寄せられてきておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、そういった相談に対しまして弁護士への相談のあっせん、あるいは当事者間の交渉をあっせんするというようなことをやってまいりました。各地の弁護士会、法律相談センターへの紹介、あるいは交渉の仕方というようなことの助言を行ってきた次第でございます。それから、必要な場合には直接私どもの相談窓口から豊田商事の方に連絡をとって解約のあっせんをしたというようなケースもございまして、そういうようなきめ細かな対応を行ってきたつもりでございます。 そのほかに、今のような現物まがいというような商法そのものに対しましていろいろ問題もあるということで、むしろ実際の金の現物の取引ということを推奨するという意味で、消費者の方々がきちんと安心して金地金を購入していただけるようなそういう体制をつくるということを目的として、金地金の流通機構の中核機関として、社団法人でございますけれども、日本金地金流通協会というものの設立を許可いたしました。その協会の中に登録制度というものを設けて、信用あるお店での販売というものを進めてきたところでございます。 さらに、このような金についての問題のある取引があるということを一般の消費者に御理解いただくという意味で、ポスターとかテレビ、新聞等によるPRについても鋭意努力をしてまいった次第でございます。
○佐藤三吾君 今後の対応は。
○説明員(山下弘文君) 私ども、豊田商事につきましては、先般大臣から国会で御答弁申し上げましたが、新規の顧客の勧誘あるいは契約の締結を停止するようにというような行政指導をするということを申し上げておりまして、それまで豊田商事側とコンタクトに努めてきたわけでございますけれども、直接お目にかかって物を申すということができない状況でございましたので、十九日に私どもの考え方を内容証明郵便をもって相手側に通知した次第でございます。現在それに対する対応を求めておるところでございますが、豊田商事が誠意を持って対応してくれることを期待しております。
○佐藤三吾君 法務省。
○説明員(松尾邦弘君) 法務省も先生がお尋ねの六省庁の協議会に担当官を派遣しておりまして、協議に参加しているわけでございますが、今後もし何らかの新規立法の必要があるというようなことにでもなりますれば、法務省としてもこれに十分協力する所存でございます。
○佐藤三吾君 大蔵は。
○説明員(北村歳治君) 大蔵省の関連では主として出資法第二条の問題でございますが、出資法第二条は、法律によりまして預かり金をすることが認められている者以外の者が預かり金をすることを禁止しているわけでございます。この預かり金 とは預金と同様の経済的性質を有するものというふうにされているわけでございますが、御指摘のような消費者を惑わすような取引につきまして預金と同様の経済的性質を有するものであるかどうか、会社の勧誘行為の実態及び資金拠出者の認識等についての実態の解明が必要というふうに思われるわけでございますが、この問題につきまして私どもといたしましては、関係省庁と連絡を密にいたしまして対応してきたところでございます。今後とも関係省庁と十分相談いたしまして適切に対処をしてまいりたいというふうに考えているわけでございますが、この出資法の適用の問題につきましては、現時点、私ども取引の実態について知り得る立場ではなく、また捜査当局におきましてその実態を解明中ということでございますので、これ以上の答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 経企庁。
○説明員(河出英治君) 豊田商事につきましては、御指摘のとおりに、件数はわずかでございましたけれども、五十七年の一月ごろから国民生活センターにも相談を寄せられているところでございます。それで、こういった金の現物まがい商法に対する対応につきましては、不法事案の取り締まり等の強化等、各種法令の厳格な運用を行うこと、それから随時消費者に対する迅速な情報提供を行うこと、こういったことを基本方針としまして、関係省庁と連携をとりながら、これまで経済企画庁としてもその実施に努めてきたところでございます。特に当庁単独でできることとしまして、国民生活センターですとかあるいは地方の消費生活センターによりまして各種の啓発活動を五十七年当時からしておりますし、また苦情相談の受け付け処理という形でも対応してきたところでございます。 現在非常に大きな社会的な問題となってまいりましたので、関係六省庁の会議を六月十日から設けまして、現在現行法令の適用の問題等につきまして最終的な詰めを急いでおるところでございます。なお、今後とも国民生活センター、消費者センターを通じまして積極的に高齢者に対する消費者啓発活動を進め、同時に消費者の相談に対してきめ細かく対応してまいりたい、かように考えております。
○佐藤三吾君 各省庁それぞれの対応を聞きましたが、あなたたちは行政指導がなかなか好きな方なんだから、やはりこういうときにこそ行政指導をぼんぼんやって、実態がもう出ておるわけですから、対応すればもっと早目に私はこういう事態を避けることが出きたのじゃないかと思うので、その点は御忠告申し上げて、ひとつ一層の対応を急いでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 特に法務省にお聞きしますが、新規立法というお話がございました。しかし、その前に当面きょうの報道等で出されておりますように、豊田はもう破産寸前だということで、現に役員はもう退職金の先取りだということでどんどん銭を分散しておる、分捕りしておる、ヨットは四そうとも蒸発したと、こういう事態も起こっておる。それから、セールスマンの方は契約してもらった金を持ち逃げする、どんどん退社するという事態が起こってきておる。こうなると、これは緊急を要するのじゃないか。私が聞いたところによりますと、きょう大阪地裁は午後一時に、この破産申告の申請を受けて一斉に差し押さえをする、こういう動向もあるやに聞いておるのですけれども、この点ひとつどういう状況にあるのか。 それから同時に、検察庁としてもやっぱりそういうことになりますと、まあある意味ではこれはどろぼうみたいなものですね、破産寸前の企業の物とりやっていくようなことですから、こういうことに対してその保全を含めてどういう緊急対策を考えているのか、あわせてお聞きしたい。
○説明員(濱崎恭生君) 破産の問題につきましては、既に御案内のとおりだと思いますけれども、会社が支払い不能あるいは債務超過という状態になった場合につきましては債権者が公平に弁済を受けられるようにということを目的といたしまして破産という制度があるわけでございまして、債務者は破産宣告の申し立てをなすことによって、その手続の中で公平な債権の分配を受けるということができるわけでございます。 その破産の申し立ての実情がどうなっているかということは、これは裁判所の問題でございますので私ども今承知しておらないわけでございますが、破産宣告がなされるまでに財産が散逸してしまうおそれがあるということにつきましては、破産の申し立てがございますと、破産宣告の前でございましても、当事者の申し立てによりまして、あるいは裁判所の職権によりまして、会社の財産について仮差し押さえとか仮処分とか、そういった保全処分を命ずることができるということになっておりまして、これによって会社の財産の散逸を防止することができるという制度になっているわけでございます。その要件があるということになれば、そういう措置をもって財産の散逸を防ぐということができるわけでございます。
○政府委員(中山好雄君) 仮処分、各地で行われているところでございますが、警察の立場といたしましては、そういった仮処分をめぐっての種々なトラブルを防止するように必要な情報収集等に努める、そして適切な処置を講ずるように各県に指示しているところでございます。
○佐藤三吾君 これは永野の白昼殺害は起こすわ、今申し上げたような状態が続いておりますから、また今度は財産の保全をせっかく申請して大阪地裁でそれがきょうの午後一時に出るということを聞いておりますけれども、そういうようなことが起こってももうそのときにはなかったのでは、これはどうにもならない。そういう豊田の手口を見ておると非常に素早いですね。警察なりそういう措置をとる前に前にこう打ってきておりますから、私はそこら辺をひとつ万遺漏のない態勢をぜひ強化しておいてほしいということだけ一つ加えておきたいと思います。 それから、この問題をめぐって衆議院の特別委員会、物特がきのう永野会長の出頭を求めて聞こうとしたときに、これに対して各省庁、まあ一部省庁という表現でございますけれども、反対の動きが自民党議員を通じて行われたと、こういうことを聞いておるのですが、これは大蔵、通産もしくは国務大臣としての自治大臣、御見解があればいただきたいと思うんです。
○国務大臣(古屋亨君) 私はそのことは聞いておりません。ただ、先生今のお話で、私はけさの閣議で、きのう地方行政委員会でいろんな意向がございましたので特に発言を求めまして、こういう問題の処理、特に被害者の救済、特に困っておる方の救済ということにつきまして、現在行われている六省庁の会議を早急にやって詰めてもらう、それができなきゃもっと上の方の段階へ持っていかなきゃならぬわけでございますので、これを早急に詰めるということをやっていただきたいということを閣議で要請しました。総理大臣も、この問題については御承知のように非常に関心を持って、早く真相を解明するように努力する、そしてまた、被害者救済あるいは特に生活困窮の老人の方の問題については留意するようにという御指示があったところでございますから、それをちょっとつけ加えておきます。
○志苫裕君 ちょっと関連して一問だけでいいんですが、いろいろと佐藤委員と警察当局の永野会長殺害事件のやりとりを伺っておるんですが、国家公安委員長も警察庁長官も発言なさらぬが、せっかく地方行政委員会が開かれておるのですから、私は、法の手続によらないで白昼公然暴力で人の命が奪われたということは紛れもない警察の責任だと思いますし、このことはやっぱりはっきり認めておかないと、この次にあいまいさやさまざまな価値判断を生んでしまう、このように思います。 それは佐藤さんの発言にもあったけれども、あんちくしょう殺してやりたいと思っている人は多いでしょう。特に本当に何十年を経た老後の人に被害者が多いということから見て義憤を感ずる人 もいると思うんです。しかし、文明国家、法治国家はそれを認めない。それは人間の理性が裁く、法が裁くという建前をとっているんです。このことをやっぱり明確にしておかないと、それはさまざまな価値判断を生んでしまう。 ここのところはやっぱりそれはそれぞれ御発言なさっているようだが、せっかく地方行政委員会が開かれているのですから、冒頭にこの問題について国家公安委員長、そして警察庁長官から、そのような趣旨におけるきちっとした所感の表明を行っておくべきだと、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(鈴木貞敏君) この件につきましては、先ほど保安部長も御答弁しましたように、今回の事件について先生のおっしゃる警察の責任である、こういうことで、その意味での弁明なり意見を言うべきじゃないかというような仰せでございますけれども、るる朝来からその点について申し上げているとおりでございまして、こういった個人についてのいわゆる身辺警戒、これはまさにそれぞれケース・バイ・ケースでやるべき問題でございます。 今回の会長の問題につきましては、やはり容疑者という線にあるということでございます。さらにまた、彼の住んでおる状況等も御承知のとおりマンションの五階、そしてまたその周辺の状況、さらにまた彼をめぐる具体的ないろいろの情報の分析、そういったもろもろの情勢判断の上に立ちまして、所轄の天満警察署といたしましては重点警らということでやっておったわけでございまして、それで、殺されたということそのこと自体は、法治国家としてまさに許すまじき極めて大変な事件であると我々は認識しております。そういう格好でこういった殺害事件が白昼行われたということについては、大変なこれは重要な凶悪な事件であると認識しておりますけれども、これが挙げて警察の責任で殺されたのだということについては、私は率直に酷ではないか、こういうふうに思っております。
○国務大臣(古屋亨君) 国家公安委員長といたしましては、白昼公然とこういうような行為が行われましたことは法治国家への挑戦でありまして、まことに残念に感じております。速やかに警察としましては事案の解明を図りますと同時に、この種事件の再発防止に努力するよう指導をしているところでございます。
○志苫裕君 警察庁長官の気持ちはわからぬわけでもないですよ。しかし、私があえて最後に関連で申し上げましたのは、事が起こってみれば、ああもすればよかった、こういうことがあってもよかったかなということは必ず残っているはずだ。そういう意味においては、白昼人権がそこで失われておるわけでありますから、それについてやっぱり反省をするということがないと、ただやたらと強弁だけで通り抜けても次の対応が生まれないという意味で、厳しいけれども私はあえて指摘をしたわけであって、それはやっぱり素直に手落ちについては反省をする、しかも永野を殺してやりたいという、そういういわば雰囲気や心情やあるいはそれに連動するようなケースが事前になかったかといえばないわけではない。そのことにあえて鈍感だったとすれば、それもまた責任だという意味で私は申し上げているのであって、これ以上のことは言いませんが、冒頭に佐藤氏は、また大阪か、また兵庫かということを引き合いに出しました。それで、それにはまたいろんな釈明もあるのでしょうが、やっぱりそのような印象というものがぬぐえないということも事実である。私は、警察の信用を回復するためにも反省を示すものは示した方がいい、毅然とした方針を述べるものは述べた方がいいということをあえてつけ加えておきます。もう一度ひとつ。
○政府委員(鈴木貞敏君) こういったまことに予想外の残念な事犯というものを契機にしまして、こういうケースがまた起こらないように、これは当然警察としてもいろいろの面で詳細な目を配っていくということで対処してまいりたいと、こう思っております。
○神谷信之助君 時間もありませんから、重複を避けて四点ぐらいについてお伺いしたいと思います。 まず最初に、第一点の問題は、今も志苫委員の方から意見が出ましたけれども、個人の身辺警護についてあるいは身辺警戒についてはケース・バイ・ケースでやって、大阪の天満署が重点警らという方針をとったのは、それは当然だということなんですが、しかし現実には、先ほども指摘がありましたように、強制捜査にもう既に入っています。 〔委員長退席、理事岩上二郎君着席〕 それから、立川におけるああいう事件も起こっている。あるいは片一方では埼玉県警で押収したような焼却寸前の書類、その他証拠隠滅の動きというのが出ているわけです。十七日に家宅捜索をしたけれども重要書類はもうほとんどなかった、あるいは香港の方に送られたとかいうような報道もあるように、証拠隠滅の動きというのは現にある。あるいはこれにつれて逮捕された中江会長、投資ジャーナルの事件、あれも去年強制捜査に入ったのだけれどもすぐ外国に逃亡してしまった。だから、逃亡のおそれも全くないとは言えない。これが頂点におって、この人が逃亡したりなんかすると捜査が困難になるし被害者に大変な負担をかける、不安を与えるというようなことを考えてみると、やっぱり重点警らというだけでよかったのかどうか。 だから、捜査の手入れをやったのは兵庫県警だ、しかし住んでいるのは大阪府警の管轄だという、警察本部間の縄張り意識といいますか、兵庫県警の方から特にそういう依頼はなかったから重点警らなんだというような報道も出ていますけれども、何かそこら辺が国民としては割り切れない。それは結果論であって、そんなことはわからぬ、当初は重点警らでいいと思っていた、それはそれでもいいと思いますけれども、現にそういう白昼公然と殺人が行われたということになると、それを回避できなかった、あるいは阻止できなかった、あるいは重要参考人といいますか、容疑者の頂点に立つ者を確保できなかった、この辺の警察自身のやっぱり反省というものはあってしかるべきではないかというように思うんです。 だから、十九日の衆議院の法務委員会で、報道によると嶋崎法務大臣も、「被疑者の居住地と取り調べ地が離れているような場合は、捜査機関は互いに十分な連絡を取り合って事故防止につとめるべきだ」という、現地の警備体制に批判的な見解を述べたというような報道もあります。 〔理事岩上二郎君退席、委員長着席〕 この辺について、やっぱり警察がやっていることは絶対に間違いはない、失敗はないという、そこから出発をするというのはいかがなものか。あるいは失敗を認めるということは士気にかかわるという考え方自身も私はおかしいというように思いますが、この辺も含めて、ちょっと見解を長官の方からお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木貞敏君) こういう、世界が狭くなっておるというふうな世の中でございますし、犯罪自体ももう本当にこれは一都道府県だけで発生するということじゃない、まさに広域化ということが、もうこれは常識でございます。そういう意味で国際化、広域化ということが、犯罪情勢全体から見ると大変な課題でございます。そういう意味で、今の現行警察制度の中で、こういったあらゆる犯罪が広域化していくという中で全国警察が心を一つにしてこれら広域化する犯罪に対処するというのが今警察の大きな課題であるわけでございます。そういう意味で、とかくいろいろのアングルから都道府県の境界あるいは縄張り意識とか、そういう面にポイントが当てられた議論が起きがちでございますけれども、我々現職にある者としては犯罪の実態に即応して、広域化に対応してもろもろのひとつ処置をとっていくということが今の非常に重要な課題であるというふうな認識でございます。 なかんずくこういった経済事犯、これは一部の人が第四次産業というふうなことで、投資ジャーナルとか今度の豊田商事事件とか、いろいろのこういった新しい一つの型のいわば大衆消費社会の 中における新しいあれじゃないかというふうな論もあるようでございますが、いずれにしましても、こういった経済事犯はこれから大変ふえていくと思います。通信販売、訪問販売その他、あるいは貯預金をいかにして膨らませるかというふうな低成長時代における国民一般の関心、そういったもろもろのものを酌んでこういった犯罪はやはりふえていくと私は思います。 したがって、これは非常に大衆を相手にするものでございますので、これはまさに全国的な広がりの中でいろいろの事犯が行われるということでございますので、こういった経済事犯というものに対しましては大変いろいろの隘路がございます。膨大なるそれぞれの資料を分析検討しなければ犯罪があるのかどうかもわからぬと、こういうふうな非常にいろいろの大きな障壁のある事件でございますが、とにかく今回のこの事件につきましても、ひとつそういう出場を越えて真相解明に努力していくと、こういう気持ちでおりますので、御理解願いたいと思います。
○神谷信之助君 何かいささかもやっぱり落ち度はないという建前を貫くという姿勢が変わらないようなんで、私は極めてその点は遺憾だと思います。 長官が犯罪の広域化あるいは国際化、それから経済事犯も大きくなってくるし分析も必要になるということで、確かに捜査の困難性というもの、あるいはまた、これから事案の複雑性というのはますます増してくる、そういう意味では縄張り根性とかそういうものがあってはならないということで、指導の方向ということでは、恐らくそれに努力をなさっているだろうと思うんです。しかし、現に起こっている、先ほどもありましたけれども、グリコ事件で滋賀県警との連絡がうまくいっていなかった問題で犯人を取り逃がした、そういう例にしてもそうだし、やっぱり何かそういうものを国民としては感じざるを得ないというように思います。 そこで、その次の問題はこれからの見通しの問題なんですけれども、一つは頂点の永野会長が亡くなったということで、極めてそういう意味では事件の全容を解明するという点では非常に困難な状態になってきているのじゃないか。この辺について一体どういう見通しをお持ちなのか。 それからもう一つは、先ほども話がありましたけれども、被害者救済の面からも資産の保全です。もうどんどん分捕り合戦をやっている、そういう状況が言われておるので、これは分捕り合戦そのもの自身が窃盗行為あるいは横領行為になっている、そういう犯罪がもう既に発生をしている可能性もあるわけですから、こういった点については警察としてはどういうように考え、どういうように措置しようと思うのか。この辺はひとついかがですか。
○政府委員(中山好雄君) 先ほども申し上げたことでございますが、永野会長の死亡によって捜査にどのような影響があるかという点でございますが、影響がないということは言えないわけであります。しかしながら、これだけ国民の関心も高まっている重要な事案でございます。違法行為についての実態解明に一層努力してまいりたいと考えておるわけでございます。 資産の保全に関しましても、先ほどちょっと申し上げたわけでございますが、民事上のいろいろな手続で仮処分等の手続もあちこちでなされているようでございますけれども、そういったことをめぐってのトラブルが発生して犯罪行為があってはいけない。あるいはおっしゃったような無断で持ち出すとか、そういう問題もあれば、それはそれぞれの法に照らし、適切に対処してまいる所存でございます。
○神谷信之助君 警察庁の方におられるのだから、適切に対処すると言うより言いようがないかもしらぬけれども、先ほどあったように、大体この事件では大分後手後手になってきていますから、いろいろな資産が隠匿されたり、あるいはまた分捕りし合うという、そういうことだと、現にもう犯罪が発生をしているということになりますから、そういう点ではひとつ手おくれにならぬように。だが、民事上のそういう差し押さえを待ってどうのこうのという問題ではなしに、現にそういう刑事犯罪が起こっている可能性もあるという、そういう視点で対処する必要があるのじゃないかというように思うんです。 時間がありませんから、その次に移りますが、三番目の問題は、飯田、矢野両氏が殺人行為をやったのですけれども、しかしこれがどうにも解せぬわけです。例えば被害者が憤りを持って殺す。しかし、殺してしまえば金は取り返せないわけですから、そういう意味では、逆に会長が生きておって事実の解明が進めば、それが自分にとってはぐあいが悪いという、そういういわゆる黒幕ですね、これの存在というものを私は考えざるを得ないと思うんです。 飯田、矢野、この両氏が直接利害関係を持っているようでもないとすれば、この背後に黒幕がおるのではないか。投資ジャーナルの事件も暴力団なり脅迫の問題なんかも出ていますし、それからこちらも相当派手に政治家や財界との結びつき、パイプなんかもつくったりしているようですが、そういった問題もあって、永野会長の死にみずから恐怖を感じて、そして警察に連絡をとったというように言われています。だから、黒幕の解明という点についても中途半端にしないで、警察庁としても徹底的にこれは全体の事件の解明と同時に、あいまいにしないでやってもらいたいと思うんですが、この辺はどういうようにお考えですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 殺害事件につきましては、先ほど答弁をしましたように現在取り調べ中でございます。今までのところは、動機は会長の行為に義憤を感じたと、こういうことで言っておりますが、今お話のありましたような点につきましては、当然これは捜査本部の方で鋭意やっております。こういった事件の捜査としましては即日異例に捜査本部を設けて、今のおっしゃった点まで含めての捜査を十分にやると、こういうことでやっておりますので、これは今後の捜査にまちたいと思います。
○神谷信之助君 その点ひとつ、はっきり徹底的にやってもらいたいということをお願いしておきます。 それで、あと最後に大臣に、国家公安委員長というよりは政治家としての立場からお聞きしたいと思うんですけれども、こういう事案がこれからふえていく、先ほど長官もおっしゃったように、低成長時代にどうやって持っている財を少しでもふやしていくかと、被害者の圧倒的多数はお年寄りですし、老後に不安を感じて少しでも利回りのいいといいますか、資産がふえるようなそういうところにつけ込まれてこういう投資ジャーナルの事件なりあるいはこういう事件が起こってきているわけですね。それで、政治としては、政治家としてどういう政治を進めていくかという点でいえば、そういう老後の不安をやっぱりなくすことが中心にならにゃいかぬ。 だから、その点で一つは、現に被害を受けられた人に対する救済の措置、これは大臣もおっしゃったように関係省庁の連絡を早くやって、保全をしていく必要な措置をびしびしやっていかにゃいかぬということと同時に、今後そういう事件が発生をしないように、政治としてはどういうようにすべきだというようにお考えか、この点ひとつ大臣の意見をお聞きしたい。
○国務大臣(古屋亨君) ただいまの、政治家としてどういうふうに考えるか、またどうしていこうとするかという御質問のようでございます。 私は、老人であり社会的弱者の、特にあすの暮らしについてお困りの方もやはりあるかと思います。そういう意味で実はきょう、六省庁会議をもう少しスピードアップして問題点を出し合って、法の問題、必要あればどういうふうに改むべきか、やはり私はそういうような点も含めましてとにかく一応この六省庁会議でできるだけ真相の究明に近づけると同時に、この対策についても一応そこで検討して、政治的判断を要する場合に は、恐らくそういう場合も出ますので、必要な場合にはもう少し上へ上げてこの問題の解決に当たりたい。 私は、何といっても社会的弱者、特に老人の方がお困りのという点を一番頭に置きまして、警察におきましてもいろいろ保全その他の点につきましても十分考えていかなきゃならぬと思いますし、これは大変急ぐ問題だというふうに考えております。
○神谷信之助君 もう時間ですからこれは答弁要りませんが、大臣の方でよくお考えいただきたいと思うんです。 やっぱり老後一定の今まで積み立ててきたものを持っておっても、病気になってしかも難病なり高度の医療を必要とするようになると、そういうものについての不安というものがありますね。昔の家族という考え方とは大分今変わってきていますから、そういう点もある。それで、しかもその中で中曽根総理は臨調方針に基づいて自立自助というものを盛んに強調される。そういうのも相まって、病気になったらどうなるか、あるいは倒れたとき後どうなるかという、そういう不安がつきまとうわけです。そういうときに片一方では年金の国庫補助を減らす、国の財政が大変だということで年金は減らされる、あるいはまた老人の医療の無料だったのがお金が要るようになってくる、そういう政策をずっと採用されてきているのです。この辺がさらにそういった老後の不安を一層かき立てて、そして少しでもうまく運用したい、あるいはできれば一獲千金の夢を見たい、こういうすき間をつくり、こういう悪徳商法をはびこらせる土壌をつくっているのではないか。 私は、政治家としては政治のメスというものをここのところに入れないとこういう悲惨なお年寄りの再発を防ぐことにならぬというように考えているんです。時間がありませんから答弁は要りませんが、その点ひとつ十分お含みおきいただいて対処してもらいたいということを申し上げて終わります。
○中野明君 今回の豊田商事の永野会長殺害事件について、私もそうですが、国民の全般に素朴な疑問といいますか、意見が二つあると思います。 それで一つは、最近は現場で取材をしておられる方、これは取材が仕事ですから、ある意味では私はやむを得ぬと思うこともありますけれども、今回のあの生々しいテレビの報道を通じて、投資ジャーナルの中江会長のいわゆる出頭のときの場面もカメラマンが動いている自動車に飛び乗って、そして警備の人から引きずりおろされる、こういうような非常に現場ではエスカレートしておりますし、今回の殺害事件でも、殺害をしてきた犯人が窓から出てきて、銃剣というんですか、血だらけの銃剣を持って出てきたのを、もっと上げてそしてこっちを向いてくれというような場面が全国のテレビで一般家庭に放映されたわけです。これはいずれ新聞社によりましては今回の取材についての抗議が殺到して、いろいろそれなりの反省なり意見も述べておられるところもありますけれども、それはそれとして、マスコミの倫理に関する問題ですからきょうは答弁は要りませんけれども、そういうことについて、あれだけのマスコミがおって何とかならなかったかという素朴な、結果論でございますけれども、疑問があることは事実であります。過日の横浜の大学生はみずから身を挺して犯人を逮捕して自分は命を失ったという痛ましい事件でございましたけれども、近々わずかの間にそういう対照的な二つの事柄を目の前にして、複雑な気持ちで我々もおるわけでございます。 それはそれとして、もう一点は、警察当局の取り締まりといいますか警備といいますか、そのあり方について疑問が多くの方から出ております。というのは、この事件が起こったら今度は、現場保存か何か知りませんけれども、そのマンションの前で二人の警官が常時張りついて警備をしている。それまでは警らで何時間か置きに一遍どうであろうかと見に来ただけだ。そうなりますと、一体永野会長という人を警察はどういうふうな身分と言えば語弊がありますが、重要参考人というんですか容疑者というんですか、どういう取り扱いをしておられたのか。私は、大阪府警と兵庫県警の間で見解の相違があったのじゃないだろうか、こういう感じを受けてならないんですが、その辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(中山好雄君) 既に何回か申し上げていることで、繰り返しになって恐縮でございますが、警察がどういう警戒措置をとるかということは、その個人の人の生命、身体に危険が生ずるかどうか、そういった不穏な情報があるかどうかということで、ケース・バイ・ケースで判断しているわけでございます。 本件につきまして結果的に不幸な事態が発生して非常に残念なことでございますけれども、当時警察が把握していた情報では、永野会長に対する直接的な危害を予想されるものはなかった。 そのため、マスコミの方の大勢の環視の中であったことでもあり、現場での各種のトラブルを防止する等の観点から二名の警察官を重点警戒に差し向けた。具体的にはほぼ三時間ごとに見回って異常の有無を確かめるということでやっていたわけでございます。その段階の判断としては、こういった事情でございますので、手抜かりということをおっしゃられると少し酷ではないかということでございます。 それから、兵庫県警と大阪府警との間の連携の問題でございますが、これは先ほど長官からもお話しがございましたけれども、こういった犯罪の広域化の時代にありまして、全般的に各都道府県警察相互の連携というのを強化していかなければならないということでございます。この豊田商事につきましてもそういう相互の連携というのを常に心がけているところでございます。兵庫県警と大阪府警との間においても連携をしているわけでございまして、現に十五日に豊田商事の本社あるいは十七日の各個人の捜索等の際に、当然これは大阪府警の協力を得ながらやっていることでございます。そういったことでございます。 事件のあった後で警察官を張りつけたという、それをもっと前にやればよかったではないかというお話しもございました。この点につきましては、やはり事件現場につきましては現場保存の必要上きちっと確保する、現場を荒らされないように確保する、そういう必要からやっているものでございまして、少し観点が違った立場からの警察官の張りつけということでございます。御理解をいただきたいと思います。
○中野明君 一点お答えをいただきたいんですが、私が質問しましたのは、兵庫県警と大阪府警での殺された永野会長の身分的な判断ですか、兵庫県警ではもう容疑者としてやっておったのじゃないかというような感じがするんですが、大阪府警はそこまで見ていなかったのじゃないか。恐らくこれが、私素人考えで失礼なんですけれども、この会長の自宅が兵庫県下に例えばあったとしたらああいう警備の仕方じゃなかったのじゃないかなという、そういう印象を強く受けるものですからお尋ねをしているわけでして、大阪府警はそれほど重要な者と見ていなかったといいますか、それと兵庫県警の方は詐欺容疑で取り調べようというふうに方針を固めて考えておった。だから、容疑者と思っておったのか参考人程度に思っておったのか、その辺の県警と府警の認識の違いがこういうところにあらわれたのと違うだろうか。 先ほど御答弁がありましたように、マスコミがたくさんおって環視しているから大丈夫だと、警察のそんなことは私は言い逃がれにならないと思います。マスコミに任しておくのなら警察は要らぬということですから、結果として、次に重要参考人なりあるいは容疑者ですか、それとして事情を聞こうとしている重要な取り扱いを兵庫県警では思っておったけれども、大阪府警では特に兵庫県警から厳重警護の要請がなかったから三時間おきに見て回って、何かないか、なかったらまあマスコミがたくさんおるから大丈夫だろうと、こういう考え、その違いがやはり今回のこの事件のある程度遠い原因になっているのじゃないかということ。それで、おとついでしたか、法務大臣が衆議院の法務委員会でも警備に批判的な見解を述べ ておられるということ。そこらを含めて一応警察の立場からこの機会に見解を述べておいていただきたい。これは最後に長官もお願いしたいと思います。
○政府委員(中山好雄君) この事件、永野会長の自宅を捜索したのは外為法違反ということで兵庫県警が捜索したわけでございます。永野会長個人に対してどういうふうに思っていたかといいますと、この外為法違反の容疑があって捜査の対象として考えている。俗に容疑者という言葉を使うとすればそんな段階のものでございます。ただし、その違反について逮捕状を請求して逮捕するようなそこまでの容疑ではなく、まずほかのそこの社員、元社員を被疑者として考えていた段階でございました。この点につきましては兵庫県警、大阪府警同じ立場で十分な連絡をとって、こういうものであるという認識についてのそごというのはございませんでした。そういうことで、それにその段階で判断した事態に対応した措置として重点警戒の措置を大阪府警でとったというものでございます。
○政府委員(鈴木貞敏君) 今保安部長から答弁いたしましたように、この種豊田商事の事件、これはまさに広域的な特異な経済事犯という私たちの認識でございまして、この捜索をする以前にも関係府県がそれぞれ連絡会議その他をいろいろやっているわけでございます。したがって、捜索する際も全面的に関係府県、大阪だけじゃございません、警視庁管内でもやっております。そういうことで、それぞれ打ち合わせた上で、同じ意識でそれぞれ協力し合ってやっておるということでございますし、今後の捜査におきましても、これはもうそれぞれ関係府県の協力を得て全国的な広がりの中でそれぞれやっていく、こういう種類の事犯でございますので、先生おっしゃる大阪府警と兵庫県警が、会長に対する位置づけといいますか、認識について差があったのじゃないか、その結果じゃないかということは全然ございませんので、御了承願いたいと思います。
○中野明君 それで、法務大臣がそういうことについて批判的な見解を述べたということが伝えられておりますが、その点については何か警察の方としておっしゃることがありましたら……。
○政府委員(鈴木貞敏君) 嶋崎法務大臣がそういうことで言われたかどうか、私は承知しておりません。本当の真相その他具体的にどう言われたのか報告も聞いておりませんし、存じておりません。
○中野明君 警察としてこういう事件、これは結果論になって私どももじくじたるものがあるわけですけれども、そういうことについて同じ国会の議論の中で、法務大臣がある意味で両県の連携が悪かったのではなかろうかという批判的な見解を述べておられるということを長官として全然聞いておらぬとか知られぬということは、私は余りにも無関心じゃないかという感じがするんです。きのう、おとついのことだったと思いますし、連日やはり国会でいろいろ議論が出ておりますから、そういう点については警察の信頼をやはり強めるという上からも、ある程度事実は事実として確認をされて、そしてそれなりに警察として弁明も対応もなさる必要があるのじゃないだろうかと、そう思って今お尋ねをしているわけですが、聞いてないとおっしゃるんですから、よく事の事実をお確かめになって、もし事実と違う発言があるとするのならばそれなりの対応をなさることが公安委員長としても私は必要じゃないだろうかと、こういうように思います。 それで、それはその程度にしておきますが、今回の事件に関して犯人が不敵にも、自分のやったことを棚に上げて、現在の法が手ぬるいからおれがやったんだというような変な正義感を振り回して発言をしているようですけれども、これは本当にけしからぬ話でございます。しかし、一応国民の側から見れば、投資ジャーナルにしても昨年から騒がれ出して、そしていまだにどうもならなくて、やっと本人が、この事件が刺激になったのかどうかしりませんけれども、出頭してきて逮捕した。その間彼は海外に逃亡して、そして不法に再入国をしているというようなことも報じられております。そういうことから見ましても、また今回の豊田商事の事件にしましても、社会的な大きな騒ぎになっているにかかわらず警察の方としてはなかなか手が入らない。裏づけその他が大変なんでしょう。 そういうことになりますと、法がどこに不備があるのか、いわゆる詐欺まがいの商法というものに対して取り調べる当局として法のどの辺に不備があるのか。こういうふうに直してもらったらもっとこれはきちっとできるんだと、そういうお考えがもしあればこの際お聞かせをいただきたい。将来立法するのに我々も参考になることですから、おっしゃっていただきたい。そういうことでございますが、どうでしょう。
○政府委員(中山好雄君) 投資ジャーナル事件につきまして、昨年の八月下旬に捜索をいたしましてから中江被疑者らを逮捕するまで十カ月もかかって、随分時間かかっているではないかというお話でございます。これは法の不備と申しますよりも、むしろ極めて膨大な資料、その膨大な資料も非常にずさんな経理帳簿であったようでございまして、それを整理して分析するというのに非常に時間がかかった。国民の目から見ますと非常にまだるっこしい感じかもしれませんけれども、詐欺容疑で逮捕しておりますが、実際の事件として固めるためには、そういう長期間にわたる細かい分析の上で逮捕、そして起訴と、こういう段階になるものでございますので、この点御理解いただきたいと存じます。
○中野明君 そうすると、警察当局としては現在の法律で支障がないというふうにお考えですか。
○政府委員(中山好雄君) 失礼いたしました。 豊田商事関係をめぐりまして、今後とも実態の解明に努めていって、厳正な対応をしていくということはもちろんでございますが、立法の必要性につきましても、これは関係省庁もあることでございます。関係省庁とも協議しつつ適切に対処してまいりたいと考えております。
○中野明君 そうすると、当局としては立法の必要性ありと、このようにお考えになっているんですか。
○政府委員(中山好雄君) 目下実態の解明中ということでございます。そういった過程でいろいろ問題点を考えながら関係省庁と協議して、改正の必要性について協議してまいりたいと考えております。
○中野明君 新たな立法ということは慎重を期さなきゃなりませんけれども、こういう詐欺まがいの事件が新たに発生をして大きな社会問題になり、国民の側から見ても、お年寄りがなけなしの金をだまし取られてもう本当に気の毒だというようなことで大きな問題になっているわけですが、それにもかかわらないで、なかなかそれが行政指導程度できちっとした取り調べの手が入らないというその辺にまだるっこしいものを感じ、今回の飯田ですか、この人が主犯でございますけれども、彼が法が手ぬるいからおれはやったんだという、そういう言葉を出させるようなことになるわけです。 ですから、これを手ぬるいとするならばどの辺が手ぬるいのかということにもなってくるわけでして、今それはここですぐこういう点ということはなかなかお答えできないのかもしれませんけれども、これは国家公安委員長でもある自治大臣、たびたび議論になっていることですが、やはりこういうことを未然に防ぐ、これは一つの大きな政治的な役目だろうと思います。起こってからということでいつも後回りになるようですけれども、こういう新たな思いもしなかったような詐欺まがい商法が一つのヒントになって、次にまた出てくるという可能性もあるでしょうから、そういう点について、国務大臣でもあるし、国家公安委員長という取り締まりの立場にもあるわけです。法の不備があるとするならば、これは早急に整備をしなきゃならぬというふうに私は思いますけれども、その点の御見解はどうでしょう。
○国務大臣(古屋亨君) こういうような今回の事件、東京、大阪双方等を見まして、いわゆる悪徳商法についてこれだけ長い間研究しなければなかなか法の目的とする秩序を回復できないということは、やはりそれだけ経済もいろいろの面で進んできたということも言えますが、それに対応する立法措置ということも私は必要だと思っております。 ただ、具体的に言いますと、例えば今度の事件でも、訪問販売法はどういう点でやりましてだめだと、あるいは出資法は大蔵省とも十分相談いたしましてこの要件が足らぬとか、その点は事務当局において十分検討しておりますが、こういうような新たな手口に対しまして対処するには今までの立法ではなかなか難しい点があるということは、何としても私は率直に認めざるを得ないと思っております。その意味におきまして、例えば投資ジャーナル事件につきましても、警察庁も入りまして投資顧問業務について立法の措置を含めて検討中であるというようなことも聞いておりますし、やはりこういう事件をどんどん追及してまいりますごとに私どもは、こういうような状態になったのは法律がどういう瑕疵があったか、これをどういうふうに改めるべきか、当然私どもはそういう点も検討してまいらなきゃならぬと思いました。 そういうような問題につきましては、この事件を解明するに当たりましていろいろの問題が出てくることは必至と思っております。私どもは、そういう点につきまして今後六省庁会議を進めていきますと同時に、やはりほうっておけない問題でございます。そういう意味で、立法措置等につきましても必要あればぜひまた諸先生にお願いいたしまして、新たなそういう網の目をくぐるような行為をいかに規律するかという点につきましても、立法措置等について御依頼を申すことも私はあると考えておりまして、そういうような意味におきまして、こういう問題の今後の問題につきまして、私は特に今被害者、弱い方たちの救済というものについてどういう点が足らぬかということは当然出てくると思います。それには解明する根拠の法律というものがどういう点に足らぬところがあるかという点も検討いたしまして、今後そういう点、行政、立法両措置をあわせまして対処してまいらなければならぬと思っております。
○中野明君 最後になりましたが、先ほどもお話が出ておりましたグリコ・森永事件の未解決、次々に世間を騒がせるような新しい大きな事件が後から後から出てくるものですから、ついこのグリコ・森永事件なんかも陰に隠れてしまって、忘れたころにまたぼかっと出てくるというようなことになると、これまた大変でございますし、その面はどうかひとつ精力的に、それぞれ分担をなさっているとは思いますけれども、グリコ・森永事件のやはり早期の解決、そしてまた今回次々に起こったこの投資ジャーナルあるいは豊田商事の悪徳商法の全貌の解明と、そしてこの被害に遭うた人たちをどう救済するかということは、またこれは別途国会の問題でもあると思いますけれども、警察当局としては事件の解明と、そして再発防止ということに全力を挙げていただきたい。これを強く要望いたして私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(金丸三郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(金丸三郎君) これより請願の審査を行います。 請願第三号個人事業税にみなし法人課税(事業主報酬)制度の適用に関する請願外四百四十件を議題といたします。 まず、理事会において協議いたしました結果について、専門員から簡単に報告いたさせます。高池専門員。
○専門員(高池忠和君) お手元の資料に基づき、当委員会に付託されております請願について、理事会の協議の結果を御報告いたします。 五ページの第三二三号国庫補助負担率引下げによる地方公共団体への負担転嫁反対に関する請願は採択。六ぺージの第六六四三号町村の下水道事業に対する地方財源の充実に関する請願の外同趣旨のもの百三十五件は採択。十四ページの第一三三四号交通安全施設等の拡充強化に関する請願は採択。十八ページの第二八九号消防機関の行う救助業務の実施基準の制定及び経費の財源措置に関する請願は採択。ただいま採択と申し上げました合計百三十九件以外の請願は保留。 理事会におきましては、以上のように決定すべきものとの協議結果でございました。
○委員長(金丸三郎君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第二八九号消防機関の行う救助業務の実施基準の制定及び経費の財源措置に関する請願外百三十八件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第三号個人事業税にみなし法人課税(事業主報酬)制度の適用に関する請願外三百一件は保留とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金丸三郎君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金丸三郎君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十六分散会