大蔵委員会 第20号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1985/06/20
会議録
○委員長(藤井裕久君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、出口廣光君及び松岡満寿男君が委員を辞任され、その補欠として岩動道行君及び宮島滉君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の三案の審査のため、本日、参考人として日本銀行総務局長深井道雄君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) 次に、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田四郎君 日銀の総務局長さん、御苦労さまでございます。 まず最初にお聞きしたいと思いますが、日銀が今蔵券の引き受けをほとんどおやりになっていると思うんですけれども、蔵券の引き受けの金利はどのくらいで、他の短期金利との差は大体どのくらいになっているのか、これは日銀でなくても大蔵省側でも結構ですが、お答えをいただきたいと思います。
○参考人(深井道雄君) 蔵券の金利でございますけれども、現在のところ公定歩合マイナス〇・一二五でございますから、今公定歩合が五%でございますので四・八七五でございます。 他の短期金利でございますけれども、短期金利の代表的なものと言われますコールレート、手形レートについては六%を若干上回る程度の水準でございます。
○竹田四郎君 続いてお伺いをしたいと思いますけれども、最近は余り主張が出ておらないようでありますけれども、前の前川総裁のころは特にTB市場をつくるべきだという主張を、大変激しくと言うと語弊があるかもしれませんけれども、大変強く主張をなさったわけでありますが、最近は何かちょっとその辺が薄くなったような感じを、これは私自体の問題でありますけれども受けているんですが、その方針は変更なさったのかどうなのか。そしてもしやるとなればその目的、それから今後、今、日銀引き受けでやっている蔵券というようなものを、そうしたTB市場で全部を公募していくというような考え方は、その中にあるのかないのか。
○参考人(深井道雄君) 私どもといたしましては、金融調節の有効性を高めますために、短期金融市場の中核となるべき市場であってなおかつ私どもが日常機動的に金融調節を行い得るようなそうした市場としては、TB市場が最もすぐれている市場だと思いますし、それを育成したいという考えは、御指摘の、前川前総裁のときに申し上げたときと方針は変わっておりません。そういった観点で私どもは、五十六年の五月以来、私どもが保有しておりますTB、短期証券を金融調節の一環として随時市中に売却しておりますけれども、その売却は当初に比べますと、若干というか、だんだん大いに活用しようという方向で運営してまいりまして、今後ともさらに積極的に活用していく考えでございます。そうして、そういった私どもの保有のTBの売却によりまして自然に市中にTBの流通残高がふえていきますことが、TB市場そのものを育成することにとりまして最も現実的な道であろう、こういう考えでおるわけでございます。
○竹田四郎君 今後、今までの引き受けはおやめになって、直接そういうTB市場で公募をしていくというようなお考えはございませんか。
○参考人(深井道雄君) 現在の大蔵証券、TBの発行方式は定率公募方式ということでございまして、実際はかなり大部分というのは日本銀行が引き受けるという形になっているわけでございます。 現在の発行方式は、これは現在の財政制度、さらに国庫制度と深いかかわりがあるわけでございますし、また長年続けてまいりました慣行ということもございますので、当面私どもとしては、現在の発行方式を直ちに変更しなければならないというふうには考えておりません。将来につきましては、私ども、日本銀行、中央銀行の資産の健全性を今後とも維持していくという観点に立ちますと、国庫の資金繰りの安定性ということに配慮しながら、TBの発行方式を含めまして、TB自体に市場性が高まるような方向で考えていくのがよろしいのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○竹田四郎君 それではもう一つお聞きしておきたいんですが、海外の主要国で、目的及び形態のいかんを問わず中央銀行が政府に対して無利子あるいは極めて低利で信用供与を行っている例が一体あるのかどうなのか。 私どもが伺いますと、いや西ドイツがやっている、フランスがやっている、日本だけじゃないんだということを盛んにおっしゃられるんですが、私の調べた範囲では、西ドイツにしてもフランスにしても極めて限定された部分にはそういう問題はありますけれども、西ドイツあたりでも大蔵省証券の引き受けというようなことはこれは最近はやっておらないというようなことも聞いておりますけれども、その辺の実情がおわかりでしたらお述べいただきたいと思います。
○参考人(深井道雄君) 私どもが知ります限り、海外の主要国おきまして、国が中央銀行から無利子で信用供与を受けるという例はほとんど見当たりません。御指摘のフランスが例外的なケースではないかというふうに考えておりますけれども、フランスの場合は確かに、国庫が、国が、フランス中央銀行であるフランス銀行から、無利子で短期の借り入れをするということになっておりますけれども、この短期の借り入れについては限度額というのがございまして、しかもその限度額が私どもの調べましたところでは一九八三年におきまして約五十七億フランということでございまして、歳出規模、これは八三年には八千億フラン以上だと思いますけれども、歳出規模等に比べまして極めて小さなものに限定されているというのが実情でございます。 今申し上げましたように、中央銀行が無利子ないし低利で政府に短期信用を供与するという例がほとんど見当たらないということは、そもそも中央銀行が無利子で政府に信用供与をするということは、中央銀行の政府に対する信用供与のあり方として基本的に望ましくないのじゃないかというような考え方が世界的に一般に受け入れられていることのあらわれではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 法制局の方がお見えであると思いますのでちょっと伺うわけですが、財政法第五条のただし書きですね、これは日銀引き受けに関する点を述べてあるわけでありますけれども、特別の事由のときには日銀に引き受けさせることができる。これは、引き受ける場合にはそういう特別の事由があればいいんだと、もちろんこれは国会の承認を必要とするものでありますけれども、あればいいんだというその「特別の事由」というのはどういうことなのか、その辺は法制局はどう考えていらっしゃるのか、明確にしてほしいんです。
○政府委員(大出峻郎君) ただいま財政法第五条のただし書きの規定に関連しての御質問でございますが、御指摘のように、第五条のただし書きにおきましては、公債の日銀引き受け禁止の原則の例外を定めておりまして、「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」、このように規定をいたしておるわけであります。ここに言いますところの「特別の事由」ということはいかなるものかということでございますが、一般的に申し上げますというと、公債の日銀引き受けの禁止という財政法上の重要な原則の例外を認める場合の規定でありますから、そのような重要な原則の例外を認めるに足りる合理的理由のあることが必要であろうというふうに考えておるわけであります。 具体的にどのような場合であればここに言う「特別の事由」に該当するのかということにつきましては、例えば金融市場の状況その他の社会経済の状況等を総合勘案して判断されるべき問題であろうというふうに考えております。
○竹田四郎君 非常に抽象的なことでありますが、恐らくそういう金融市場全体を総合判断するというのは、これは特殊な人でなければ恐らくできないと思いますね。そうすると、これは結局、最終的には大蔵省が判断をする、あるいは政府が判断をする。判断のところはそこの判断に任されるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(大出峻郎君) 財政法五条ただし書きの規定にございますように、「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た」云々というふうに書かれておるわけであります。したがいまして、財政法第五条ただし書きの「特別の事由」ということにつきましては、最終的には国会の御判断にゆだねられておるというふうに理解をいたしております。
○竹田四郎君 法制局、結構でございます。 大蔵大臣、そういうことで、大蔵大臣が判断して与党がオーケーと言えばもう日銀引き受けは可能という、こういうことになるわけですね。今度短期国債を出すわけでありますけれども、この短期国債も、年度を越えない限りのものは歳出外、歳入外ということで国会の議決は必要ないわけです。年度を越した場合に初めて必要だということになるわけでありまして、日銀総裁がこの前お見えいただいて、引き受けることはございませんと、こういうふうにはっきり言いましたけれども、日銀法には拒否する条項というのは一つもないわけですね。むしろ積極的に、そうした場合には引き受けなくちゃならないという積極的な規定がある、こういうことになるわけであります。 そうしますと、今後短期国債もたくさん発行しなくちゃならぬ。金利も場合によれば高くなる可能性が私はあると思います。そうすると、蔵券を出したときには、片方の短期市場は六%だ、蔵券の引き受けは四・八七五だ、その間に一%以上の開きがあるということになりますと、それだけの金利分は非常に助かるわけですね。そうすると、「特別の事由」によって短期国債もひとつ日銀で引き受けてもらいたいというような要求が私は出てくると思うんですね。 この点で、この前、赤桐さんは、日銀法を改正して、日銀がそういうものは引き受けないような法規定をつくれと、こういうふうにおっしゃったわけであります。 それも私は一つのやり方だと思いますけれども、実際にはあなたの忠実な官僚は、やっぱり税金や金利の方へ一銭たりとも余分に払いたくないという極めて忠実な官僚でございますから、もうなるべく安い金利のもので調達をしようということでありまして、私の部屋なんかへ来ましても、西ドイツはどうだ、フランスはどうだ、日本だけが日銀に高い金利を払わなくちゃならない、その金利はどこへ行くんだ、金持ちのところへ行くんじゃないかという議論を盛んにされているわけですよ。私は、率直に言いまして、これを聞いてむしろ怖くなりました。さっきの第五条関係はさっきのようなことで適切にやっていけばいいわけでありまして、そうすればなるほど歳出の金は安くなる。金は安くなるけれども、そこで堤防が崩れてしまう。そしてそれはやがて、昔来た道の再現につながる。 ですから私は、この際、そうしたものも含めて、蔵券も短期国債も含めて、日銀はTB市場をさらに拡大していきたいというふうにおっしゃっているわけでありますから、そういう一つのからくりの中へ入れてしまう。そうしてしまえばもう、安い金利でただみたいに、政府の使う金を国立銀行が出すのは当たり前だというような思想というものは、そこで私は断ち切ることができる。それで日銀法の改正と同じような役割がそこに出てくるんじゃないだろうか。そういうことを私はどうしてもこの際にやらなければ、安いお金が手に入れば何でもそこへ手を出すというようなあり方は財政の節度をなくしていくゆえんだ、私はこういうふうに思わざるを得ないんです。 でありますから、確かに、六%の金利を払わなくちゃなるぬものを四・八七五%で借りれるわけでありまして、それで何兆と借りるわけでありますから、それは金利計算からいったら確かにその方が安い金を手に入れるわけで、いいのでありますけれども、そのことはやがて悪への誘いの道がそこにできてしまう。これを今のうちにちゃんとしておかなければ私はいけない、財政節度は守れない。こういうように思いますけれども、これは大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(竹下登君) これは、両面からの議論でございます。 この「特別の事由」というのは、先ほど来お答えにございますように、限定的な規定はないと私も思っております。したがって、今の場合、日本銀行が保有する公債の借りかえのために発行する公債の金額について、国会の議決を得て日銀引き受けによって発行しておる。これは、借換債が通貨膨張の要因となるものではないということが「特別の事由」に該当するという解釈でもって、お願いをしておるわけであります。 いずれにせよ、国会の議決を得た金額の範囲内ということとされておりますから、その「特別の事由」とは何ぞやというのは最終的には国会の判断ということになろうと思いますが、今、竹田さんは、現実的な問題として、大蔵省がその気になって与党が賛成したらそうなるんじゃないか、こういうことでございますが、今、政府としては「特別の事由」の適用を現在以上に範囲を拡大するつもりはないということをお答えしておるわけであります。 が、しかしながら、それでもなお、財政節度の点においてということで、先般赤桐さんの御質問にありました、いわば財政法の改正を考えたらいいじゃないかという角度からの歯どめでございます。それについては、私どもといたしましては、法律の専門家じゃございませんが、財政法というのは言ってみれば財政の憲法でございますからそう直ちに改正という、検討すると申しましても後世に恥を残してもいけませんから、しかし重要な問題としての意識はございますから、勉強させていただきますということをお答え申し上げておるところであります。 もう一方は、今度は今竹田さんがおっしゃいましたように、本当に日銀引き受けということをしないというならば、いわゆる今のTB市場の中でやればいいじゃないか。 それは、一方から見れば、政府が今まで長らくやってまいりました必要なときにトタで借りられるという今までのやり方からすれば、若干の不都合は生じてくると思います。そして、今御意見の中にもおっしゃいました、金利は時には安いことがたまにはあるかもしれませんがおおむね高くなるという意味においては、財政当局からすればそれは困りますという議論がございますが、歯どめの考え方としてはそれは、竹田さんのおっしゃるのは、金利の高い安いは別問題として、日銀引き受けをさせないという意味においては、私はそれもある議論だというふうに思っております。 だから、財政法を改正して「特別の事由」をきちんと規定するか、さもなくば、もう全くTBをむしろ市場消化することによって日銀引き受けの歯どめにするか、二つの議論があるということは私どもも十分理解できるわけでありますが、現在の段階で見ますと、何分、この問題につきましては、我が国においては長い間定着した制度です。したがって、これは十分勉強しなければいかぬ課題でありますが、今TBの日銀引き受けをやめてこれを市中の市場金利において調達するということは、現在のところ、やめる方が現実的であるという考え方にはまだ立っておりません。 したがって、前川さんと私、あるいは澄田さんと私、日銀と大蔵省というときに、やっぱりこれは両方が現実を理解しながら続いておる議論、ずっと延長してきておる議論を整理して今おっしゃったわけでありますから、これは勉強課題ではありますが、現在の現実的な長年なれた対応の仕方としては、いわゆる蔵券を市中においてという考え方には、直ちに、そのようにした方がいいでしょうというだけの私にも心の準備もまだ、私だけでなく大蔵省全体でその心の準備はそこまではいっていないということを申し上げるべきであろうと思います。
○竹田四郎君 私の考え方を御理解いただいた点は感謝をいたしますけれども、特例国債の借りかえなどというものは、もともとそんな非常識なことはやりませんと言ってきているんですよね、実際に。それで、毎年毎年私どもは同じことをここでやってきているわけだ、この部屋で。しかし、現実にはもう、去年から大変わりしているわけですね。常識的でないことが既に常識になってきているわけです。 そういうふうに考えてみますと、私はやっぱり、この短期国債を発行しようという形で今ここで議論をしているときに、そのくらいの歯どめをかけておかなければ、またこれがどうなっていくのか、その点を私は非常に心配するわけです。そのときには、こういう議論をした人たちが、後十年してこの席に何人いらっしゃいますか。 金が必要なんだ、「特別の事由」なんというのは大蔵省が勝手に判断すればそれでいいんだ、安いのを持ってこい。日銀だって最終的にこれに対しては抵抗できない。こうなってきますと、今だってそうでしょう、公共事業をふやせ、もっとふやせふやせという議論が院内外にあるわけでしょう。 ですから、そうなってくれば私は必然的に、やっぱりそれじゃ「特別の事由」はそれだと。ようし、それじゃ金がないからひとつ日銀に引き受けさせよう、まあここの辺なら余り目立たぬだろうといううちに、だんだんだんだんアリの穴は大きくなってしまう。ですから、この辺で私はもう、この前提起された赤桐さんの法改正なり、あるいはこういうふうな制度を変えてしまう、からくりを変えてしまう、どっちかの形でこの問題に手を打っておかないと、まあそういうことがなければいいわけでありますが。今は日銀もかなり強いですから、日銀の総裁がここへ来てぱっと言えば、大蔵省も、そうだろうなと、こういうわけでありますが、この力関係がいつ、日銀があの戦時中のように政府の言い分をそのまま通していくというふうにならないということはないわけですよ、今の法律がある限りは。ですから、この辺でひとつそういう問題をですね、今ここで私は大蔵大臣は、それじゃTB市場に一括して蔵券も入れ短期国債も入れますよという返事は恐らくできないでしょうね、もう少し議論しなければ。あるいは、もう少し大蔵省側もその気になってくれなければならないと思いますが。 これは早い時期にひとつ、この一年ぐらい、まだ一年ぐらい先まで私、大蔵委員会にいるつもりでございますので、その間ぐらいまでにはひとつちゃんとけじめをつけてほしい、こう思いますが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) もう一つ、いわゆる金利の自由化というのが国際的に進んでいく。そういたしますと、これは諸般の情勢を見ながら漸進的にやっていかなきゃならぬ。そのときに、短期証券の問題だけの公募入札というものを切り離して考えることが我が国経済にどういう影響を及ぼすだろうかという点も、漸次進めていきます金利自由化のときに、いわば蔵券が今度は公募債になって、そこで一つの市場が形成されるということが我が国の経済全体にどういうふうな影響を与えるものかなという問題も、この間来の議論の中で我我も議論してみておるわけであります。 したがって、今の段階では、それはおっしゃいますように、確かにいろんな問題がございます。これは一つの革命的転換になろうかと思うんです、実際問題としては。だから、慎重な上にも慎重な勉強を積み重ねていかなきゃならぬ課題だと思うのでございますので、さあ、一年以内に結論の出る問題であるかどうかということは別でございますが、日銀引き受けという問題を財政の節度を保つために何とか、いわばアリの一穴があかないようにするための赤桐理論と竹田理論といいますか、二つあるということの問題意識だけは持っておりますので、それらについての勉強はいたしますが、一年以内に結論を出しますというほどに、結論が出ませんでしたという結論を出すというのもこれも非礼なことでございますから、お約束はしないでおいた方が現実的であるのかな、こういうふうに思います。
○竹田四郎君 大蔵省はきっと大変この点では抵抗を示すだろうということは、私も質問をする前からもうわかっているわけであります。とにかくまじめな人間、まじめ過ぎる人間というのは困るときがあるんですよ、実際。僕はそういう点がむしろ恐ろしい。まじめでない人ならまあこの辺はちゃらんぼらんにやってくれるでしょうけれども、大蔵省にはまじめな人たちが非常に多いから、それだけに落とし穴がある。その点私は非常に心配するからこういうことを、こんなことは質問するつもりじゃありませんでしたけれども、大蔵省の方が私の部屋へ来るたびに私はもうぞっとするような恐ろしさを感じて、この点はとにかく一回述べておかなければ、先へ行ってあああのときにあれを言わなかったからこういう失敗を繰り返したということがあってはならないということで、あえて私はこの問題を取り上げたというふうに御理解をいただきたいと思いますし、日銀の総務局長さん、日銀さんも大蔵省に負けないで、その点では節度ある金融の行政ができるように、今後ともひとつもう一歩深く入っていただいて御努力をいただきたいと思います。御苦労さまでした。 その次に、株の話をちょっと申し上げたいと思いますが、これはもう大木、鈴木両委員によってかなりいろいろ具体的にお話がありました。私、自分でまとめてみました。これは大蔵大臣に、私のまとめたことについて、間違っていたら、どの点がどう間違っている、こういうふうにおっしゃっていただきたいし、間違っていなければ、大体そのとおりだ、こういうふうに言っていただければいいと思いますが、ちょっとまとめてみました。 両会社の株式のそれぞれ三分の二、二分の一を国債整理基金勘定に入れたということは、その売却代金、配当金を一般会計で使うことができなくなった。すなわち、一般会計をこれによって膨らませる諸要求を、これでぴしゃりと拒否したということができる。したがって、圧力団体的なものの要求に対しては頑丈なさくをこれで一つつくった。これが私の第一の認識であります。 それから、第二番目の認識は、したがって、株式の売却で得た代金は一般会計に戻せない。財政運営におけるフリーハンドを失ってしまった。この点においては、大蔵官僚みずからが鉄のおりの中に入ってしまった。こういうふうに第二点では考えております。ただ、フリーハンドを失ったということは、特例国債を毎年度一兆円以上減らさなくちゃならぬという計画にも縛られている。 三番目は、株式の売却代金は単に定率繰り入れを代位するものになってしまいまして、その分だけは一般会計の負担は軽くなった。したがって、株式の売却できる金額がある限りは定率繰り入れ制度もしたがって停止をされる。それから、特例国債の償還についても、この借りかえ制度ができたということでありますので六十年償還ルールが確立をした。でありますから、特別なことがない限りは繰り上げ償還などということは官僚の常道として行われない。そして減債基金との関係では、売却できる株式が減債基金勘定の中に組み込まれたあるいは配当金がこの勘定に入ってくるというようなことで、政府は、減債基金制度は守られた、こんなふうに私はまとめてみたわけです。 したがって、こうした、この会計に株式を組み込んだということは、むしろそういう意味では、自粛自制したという言い方もありますけれども、大蔵官僚がみずからおりの中に入ってしまったと、こういうふうに私は最終的に理解しておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 大体議論してきた話でございますけれども、正確を期するために次長からお答えした方が正確な点があろうかと思いますが、まず、おっしゃいましたように、一般会計に勝手に使えない、いかなる圧力があってもかぎを締めてしまったというのは、瞬間的には私はそんな感じがしておりました。が、このことは、大体圧力団体を意識してそういう制度をつくることは間違いじゃなと後からまた考えてみまして、やはり論理を整理すると、国民共有の財産であるという認定に立てば、国民共有の負債に充てるということで整理して、圧力に対してかぎを締めてしまったというのは、当時これを決定しますときの空気の中ではそんな印象が私自身にもかなり強くありましたけれども、整理するとやっぱりそうではないなと。しかし、結果としてはおっしゃったようにこの中へ入ったことは事実であります。 それから、大蔵官僚というか、財政当局がフリーハンドを失ったということは、それは収入でございますから大体は自由に使えるというのが一番これはフリーハンドであると思うのでありますが、その限りにおいてはフリーハンドを、みずからが節度を重んじたというふうに表現をいたしましょう。そういう指摘もそれなりに当たるんじゃないか、こういう認識でございます。 それからその次の、御意見を交えての議論の中で、一つ私どもには、これは政治家としての議論になりますが、六十五年赤字公債脱却という努力目標、非常に困難であっても旗をおろせない努力目標があるということになりますと、そのためにはやむを得ざる措置として今日まで四年間もこの定率繰り入れを停止させていただいたわけですが、あれを停止しないで赤字公債で積んでおったら、より六十五年目標が遠のくということになりますのでそういう措置をとらせていただいたわけでありますが、したがって、本来は、だれしも考えるのは、繰り上げ償還に使いたい、率直にそう思います。 が、それが現実問題として、これは事務当局との議論を詰めた話じゃございません、政治家として、脱却までの間、そのことが可能だろうかというと、なかなか難しい問題だなと言わざるを得ない。しかし、第一次目標が達成されたとすれば、繰り上げ償還の方向でやはり少なくとも、その時点で六十六兆弱ぐらい赤字公債の残高が残ったとすれば、それの繰り上げをいつでも念頭に置いてやっていかないといかぬなという気持ちは持っておるわけです。ただし、六十五年以後という感じが私には強うございます、そうしますというわけじゃございませんが。そういうことを考えますと、今、竹田さんと私の意見が若干ここのところ違いますのは、減債制度の基本というのは定率繰り入れあっての減債制度ではないかということになると、定率繰り入れにかわって株の配当なり売却収入が直入されることになって、かわって減債制度が維持されるというふうに申し上げるのには、若干まだ抵抗を感じます。やはり定率繰り入れが前提で減債制度というものは基本としてあるので、それをしなくても、これがあるから減債制度になるという論理は、ちょっと国会で議論してみても、そこまでは私自身開き直れないんじゃないか、こんなような議論を重ねて今日に至っておるという素直な気持ちをお話ししたわけであります。 いま少し議論の過程を、事務当局も来ておりますので、ちょっと私のは荒っぽい議論でございますので、補足してお答えした方が適当かと思います。
○鈴木和美君 関連質問で大変恐縮ですが、事務当局からお答えをいただく前に、私も、竹田理事の配慮で、若干整理してお尋ねしたいと思うんです。 きょうの大臣の答弁をお伺いしまして、本音が私は出たと思っています。ところが、それが本音であれば本音であるだけに、今回の法律の提案の仕方がおかしいということを私は何回か指摘してきたわけです。自分の意見をこの前も述べましたが、整理しますと、私の質問では問題点を大きく三つに分けて言っているんです。 その一つは、この中に中分類で私は三つ言ったんです。一つは、今いみじくもおっしゃった、定率繰り入れという制度が四年も五年も停止されているということ自体が問題なんだぞ、基本は維持していると言いながらも、これだけ停止をしているのは問題だと。しかし、これは毎年毎年重く受けとめて、ここで審議しているわけですね。これはまだ手続上いいと思うんです。 二番目に指摘したことは、整理基金というものは、今おっしゃったように定率繰り入れということが前提に立って成り立っている制度だと思うんですね。そこで、定率繰り入れというときに、整理基金にお金を入れるときに順序があるわけですね。定率繰り入れをまずやって、それから剰余金の二分の一、それから足りなきゃ予算繰り入れと、こういう制度になっているわけです。私は、これは法律的には順序というものが決定されているというふうにはなっていないけれども、今日までの慣行上この順序というのは守られてきたんじゃないかと言うんです。定率繰り入れ、それから剰余金、そして予算繰り入れ。予算繰り入れ、現在行われているのは、まさに事務的な特定なものだけでしょう。それが、どうも議論を聞いていると、定率繰り入れをまた六十一年度も停止して、減債基金の方に金がなくなるから、その部分だけ埋めればいいじゃないかというような議論がどうもあるわけですね。そうすると、ことし新しく予算繰り入れの方から先に出てくるということは順序、慣行からしておかしいんじゃないかということを、二番目に指摘したんです。 それから、三番目のところは、これは定率というのは一・六であるということははっきりしているんだろうと。定率ということで、率というのであれば一・六は崩さないんだろうなと。ところが二分の一とか三分の一という議論が出てくることはおかしいということを私は第一のカテゴリーの中で指摘したんです。 これが言いたいことの一つ目なんです。 さて、今度は二つ目のことですね。二番目の問題点というのは今大臣がいみじくもおっしゃった点なんですが、整理基金特会法十六条の規定というものが実質的に違反するんじゃないかと私は言っているんです。あそこに書いてあるのは、株の売却益は国債整理基金、つまり元本の償還に充てることが目的だと、使途目的がはっきりしているわけですね。ところが、今いみじくもおっしゃったように、今一般財源の方が足りないから実質的には一般財源化しているんじゃないかということを私は言うたんですよ。いろいろ話を聞いてみると、今大臣が本音をおっしゃったみたいに、つまり特例公債を発行しながら片っ方でまた積み立てる、これもおかしな話なんですよね。これは本当に率直な話、六十五年までに脱却するように努力をすると言うけれども、財政事情や経済状態、いろいろなことを見ても私は、ことしの予算編成とそう変わらないんじゃないですかということを指摘したんです。だから、それならばそれで、あのお金の使い方の、つまり法律の出しについてもっと工夫があってしかるべきじゃないか。文字どおり読めば、確かにあの財源に繰り入れて償還に充てます、そのとおりでしょう、法律的には。そうあってほしい。けれども、運用は、ある意味では一般財源化しているわけですよ。だから、そこが法律の出し方として私はおかしいんじゃないか。来年破られることがわかっているのに通してくれ通してくれという法案の提出の仕方はおかしいということを私は指摘したんですよ。これが二番目。 だから私はあくまでも納得できないということを、第二の問題点として言ったのです。 さて、三番目の問題点というのは、財確法の第二条「特例公債の発行等」というところを見ると、第四項に「第五条第一項及び第五条ノ二の規定による償還のための起債は、国の財政状況を勘案しつつ、できる限り行わないよう努めるものとする。」と書いてある。これは何を意味しているかというと、余分な財源が出たときにはそれはもう償還に充てますよと、つまり禁止規定をここではっきりしたと思うのですね。これにも私は違反するんじゃないかと言うのです。そこで法律の出し方として、非常に苦労の跡はよくわかるのだけれども、我々国会議員に対して、破ることがわかっているものをここで審議してくれというのはおかしいんじゃないか、だからもっと本音の、つまり特例公債を出している間は勘弁してくれやということなら、それはそれでまた審議の仕方が私はあると思うのです。 そのことを私は指摘したわけです。しかし、一昨日の論議のときに理事会にもう私はお預けしましたからこれ以上申しませんけれども、ここのところだけは私は事務当局からもはっきり答えておいてもらいたいと思うのです。 竹田理事の言葉をかりれば、大蔵省はまじめであるという評価ですが、もっと私が皮肉った言い方をすれば、上に二つつくんですよ。そのために非常に忠実であることは忠実なんだけれども、苦しければ苦しいほど率直に私は述べたらいいと思うんです。それをぐらぐらぐらぐら法律的に何かこう整合性を合わせようとするものですから理屈的に私は合わないんじゃないかということを指摘したんです。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これは事務当局からもお答えいたしますが、今おっしゃっている意味は非常によくわかります。 それで、私も少しオーバーランをしたと思いますのは、まあ二分の一とか三分の一とかという議論もあるというようなことを申しました。私なりにそれを考えておりましたのは、それは六十分の一が百二十分の一になるという率が変わるのではなく、定率繰り入れの今は停止をさせていただいておるわけでございますから、予算繰り入れではなく定率繰り入れの一部停止というふうに、それがたまたま金額上半分になるとか三分の一になるとかという措置が私の念頭にありましたので、したがって、二分の一とか三分の一とかという興味ある提案をなさる人もございますというふうに申しましたのは、定率繰り入れの今停止をお願いしている、それが一部停止、仮にあった場合、それは予算繰り入れでは必ずしもないという説明がつくのかなということが念頭にあったから、実はあのことを申し上げたわけでありますが、元来二分の一、三分の一、すなわち率そのものを変えていくというのは本当はいいことじゃないというふうに思っております。 したがって、やっぱり一つのアイデアとして申し上げたわけでありますが、現行減債制度の仕組みを維持してまいりたいという基本的考え方、したがってそれは一部停止というものもその基本的考え方は残したということになるのではなかろうかという気持ちがあってそういう表現を使って、少しこれはオーバーランしたな、後から事務当局が困るのじゃないかなという印象を持っておることは事実であります。 それから、確かにもう一つ剰余金の問題がございます。剰余金、今度出るか出ないかこれは別問題としまして、半分以上ということにしておりますが、大平蔵相の答弁では当分は全額と、こういうことを言っていらっしゃいますけれども、その都度いろんな話し合いで、減税財源になったこともございますし、半分で勘弁してもらったこともございますが、これは私どもの姿勢としては、剰余金が出たらそれはもう全額入れるという姿勢は今日も持ち続けておるところであります。したがって、ぎりぎり、財政状態と減債制度の基本を維持するということと、ぎりぎりの調和点をいつ決めるかということになると、結局最後の予算折衝のときにならざるを得ないというのが現実の姿である。今の問題、したがって予算繰り入れ六千億入れてしまえば済むじゃないかというのがまず最初にあるというものではないということだけを申し上げます。 あとは、もっとまじめの上に二字ついた人の答弁の方があるいは正確かと思います。私は二字抜けておるかもしれませんので。
○政府委員(平澤貞昭君) 今の大臣の御答弁に尽きるわけでございますが、私の方から少し補足的に御説明申し上げますと、先ほど委員がおっしゃいました、六十五年までは特例公債を発行しているわけである、そういう中で繰り上げ償還その他を行うのは考え方としてはやはりいろいろ御意見があるという点につきましては、財政審の報告でも、特例公債を発行しながら償還財源を積み立てることは、結局それだけ特例公債の増発をもたらすこととなり、それはまた将来の負担によって将来の償還のための財源を利子を支払いつつ蓄えることにほかならず、不合理であるという意見がある、という御指摘もあるわけでございます。この場合の御指摘は、ためていくという点でございます。したがいまして、ためたのを減らしていくという点は、より一歩進んだことではございますけれども、考え方の延長としては同じように考えられないわけではないわけでございます。 そこで、今回お出ししております法案の中で、いわゆる訓示規定を入れておりますが、これを我我政府当局として今後国債管理政策を行っていく上で厳しく受けとめて考えていかなければならないわけでございますけれども、起債はできるだけ行わないように努めるということとか、速やかな減債に努めるという場合の考え方の背景として、今私が申し上げたようなこともやはり念頭に置かざるを得ないのではないかというふうに考えているわけでございます。そういうことを片方に考えながら、片方で減債制度の仕組みは基本的にはこれを維持していくということでございます。 なぜ維持すべきかということは、たびたびここで御議論もございましたように、やはりこの制度はいろいろのメリットがあるわけでございます。国債に対する国民の信認を確保していくということとか、財政に対する厳しさ、規律を求めていく上でやはり必要であるという点もあるわけでございますので、その両方の中でどう考えていくかということに結局尽きるのではないかというふうに考えるわけでございます。
○鈴木和美君 もうこれで最後ですが、私はその事情はよくわかっているんですよ。ただ、法律の出し方としてどうも釈然としない。もっと率直なことを率直に述べて、それで審議をしてもらったらいいじゃないかということを言っているんです。あそこには償還に充てると書いてあるんですから。だから、償還に充ててもらえばいいんですよ。 一番問題は何かということは、一般財源じゃないんだから、実質的に一般財源化しちゃっているところに問題があるんでしょう。だから、法律的にどうしてもなじまないんですよ。だから、一般財源化しているんだということを認めないんであれば、それは成り立つんですよ。だけど、一般財源化しているということを実質的に認めるんであれば、やっぱり実質的にあれはおかしいんじゃないかということを私は指摘しているんですよ。だから、あの特例公債を発行しながら片っ方で幾ら積み立てたって、それはだれも理屈に合わないというふうに思うと思うんですね。 そういう法律の出し方というのはおかしいんじゃないかということを指摘しながら、なおかつあの財源は何としても償還の方に早く充てなさいよということだけは、やっぱり歯どめですから、そうでないと減債基金は基本を維持すると言っても、ただ言葉だけで終わっちゃっているんですよね。これではいかぬぞということを指摘したんですから、そこのところを十分踏まえた上で、あとはもう理事会にお預けしますから、私はこれで質問は終わります。
○竹田四郎君 銀行局長にお伺いするんですが、金融自由化の進展状況は一体どうなっているのか。 実は質問は、おととい、きのうと円・ドル委員会のフォローアップがあるはずだったわけですね、そういうものに関連してお聞きをしようと思ったんですが、どうも延びちゃったようでございますので、どんなふうになっておるのかちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 金融自由化の進展状況ということで広範な御質問のように考えられるわけでございますけれども、まさに先生御指摘の円・ドル委員会報告書、それから大蔵省が発表いたしました「現状と展望」に基づきまして、着実に金融の自由化は実行してきておるわけでございます。 金融の自由化という場合には金利の自由化なども一つの中心課題でございますけれども、全般的に申しますと、やはり全体として金融資本市場を開放するあるいは自由化するということでございますから、この着実な実施の中では、最近では市場連動型預金を導入いたしまして、現在五月末では三兆円ぐらいの残高になっております。それから、CD発行条件の一層の緩和を図るということで、これも日米円・ドル委員会でも言明したとおりでございますけれども、それも四月一日に小口化といいますか、三億円を一億円にいたしまして発行条件の規制緩和、これも五月末にはCDの残高は十兆円ということで、短期金融市場の中心を占めてきているような位置をますます強めている。六月一日には円建てBA市場を創設いたしました。まずCD市場には、証券業者がその仲介機能を果たすということで、証券業者を流通取り扱いにも参加させる。それから、円建てBA市場にも来年四月には、その進行状況を見守るという意味でちょっとずれるわけでございますけれども、証券業者を参入させるというようなことで、先ほど来御議論の短期金融市場の整備拡充にも大きな役割を果たしてくると思っています。 それから、三月末には公社債市場及び短期金融市場の整備拡充を図るというような趣旨からいろいろの措置を講じさせていただいたわけでございますが、例えば公共債のディーリングの認可の参加範囲を広めるとか、これには合計国内銀行四十五行、外国銀行五行ということで、ディーリング認可金融機関は六月一日現在で八十七行になっているような現状でございます。 それから債券先物市場、これは御審議いただいたところでございますけれども、これへも金融機関に参加させるとか、金融機関、証券会社の業際間の規制の緩和も図るというようなことをいたしました。かつまた、金融機関の業態間での問題といたしましては、投資顧問会社を認める、あるいは転換社債の海外での外貨建ての発行を認めるというような、極めて精いっぱい、あるいは全力を尽くしましてこの自由化の規制緩和をやっておるわけでございます。 一方、これに伴いまして大口の自由化がどんどん進行していくということでございますけれども、やはりこういう金融自由化に備えましてもう一つ必要なのは、この委員会でもときどき断片的にも御報告させていただきましたけれども、昨年来から金融制度調査会で精力的に御審議いただきましたのが「金融自由化の進展とその環境整備」ということで、いわば自由化の受け皿としましての預金者保護、信用秩序の維持ということがこれまた非常に大切でございます。こういう環境整備ができませんと自由化も大口、小口を通じまして順調にはできないという認識のものに御審議いただきまして、その御答申を得たということでございます。 さらに、その金融制度調査会の中では、種々の環境整備、例えば金融機関の健全性の維持についての指導基準、あるいは検査機能の拡充、あるいはディスクロージャー等を御提議いただいておりますし、それから預金保険機構等の機能の拡充等についても御提議いただいているわけでございます。これはまた法律が必要なものもございますので、来期以降の通常国会でお願いしていかなければならぬ課題を抱えているわけでございます。 全体としてはそういう形になっているわけでございます。
○竹田四郎君 私が特に申し上げたいのは、小口預金の金利の自由化の問題というのは円・ドル委員会の去年の報告にはなかったわけですね。この間の金融制度調査会のときに初めて、これを何とかやらねばいかぬというふうに出てきたわけでありますけれども、大口預金の金利の自由化も、当然これはCD、MMCの進行と同時に、実際には半分ぐらいは自由化されていると思っていいと思うんですね、ただ期間の問題だけ。そういう意味では、小口預金の金利の自由化をもっと早めていかないと、私は豊田商事みたいなことが今後起きるんじゃないかと思うんです。 確かに大口だけはどんどん自由化されていくけれども、小口はなかなか自由化されていかない。でありますから、何らかの金融商品があれば飛びついていく、こういう形だと思うんです。だからいろいろな犯罪がこの関係で私は起きるんじゃないか。 でありますから、小口預金の自由化ということをもっと早く進めるべきじゃないでしょうか。現実にはもう行われているわけですね。例えば二、三日ほど前の新聞を読みますと、アメリカのTBを野村証券が買ってきて、それを幾つかの小口に、二百五十万円ぐらいですか、分けて、かなり高利なものを売っているわけですね。現実にはそういう形でどんどんどんどん自由化が行われているわけでありますから、私はもっと積極的に小口の自由化をやったらどうだ。アメリカだって、銀行局長に御推薦していただいた本を私読みましたら、小口の自由化は六十一年の三月ですか、六十一年に小口の自由化が行われる計画だったわけです。それがもう既に行われちゃっているんですね。二年何カ月か早く小口の自由化というのは実際に行われているわけです。 そういう意味で、私はこの小口の自由化というのはもっと早くしないとむしろいろいろな混乱が起きてくるのじゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 銀行局長からお答えさせた方が適切だと思いますが、私も今竹田さんのおっしゃる印象はわからないわけでもございません。一体、大口からと言っておりますが、大口という範囲はどこだと、こういうことになりますと、銀行局長さんが、自由化されたところまでが大口で、そしてそのあとが小口だ、それで大口の範囲がだんだん広がっていくんだな、部内でもこういう議論をしました、大口とは何ぞやということについては。 しかし、今おっしゃいました点で一つだけ日本が大きな違いがあるのは、郵貯が存在しておることでございます。この問題になりますと、さあほいで、実際問題すぐこの解決がつくとは思いません。だから、金利決定のあり方とかいろんな問題がありますので、これは金融全般についてもちろん大蔵省としての責任がありますが、関係方面、すなわち結論は郵政省が主体になると思います、それらとの話し合いの土俵をどうしてつくっていくかというのは、私はそう腕をこまねいておってはならぬという意識はございます。ただ、今例えば郵貯の金利にも手をつけますということを言うには若干のちゅうちょを感ずるというのが現状であります。
○竹田四郎君 郵政省からお見えいただいておりますけれども、資金運用部の金の大半ですね、これは郵貯の金が私は入っていると思うんです。かつて五十五年でしたか、あのときには、新しい商品を売り出して、資金が大変郵貯の方へシフトしたことがございましたけれども、あれからどうも、そう言っちゃ悪いですが、郵貯の勢いが少し下がってきたような感じがします。これはただ単に郵便局が悪いと私は思っているわけじゃなくて、新しい商品がどんどん出てきた、そしてそれはむしろ金利のいいもの、有利なものが出てきたということで恐らく郵貯の割合というのは下がってきたんだろう、こういうふうに思うんですが、その辺の大まかな傾向、どんなふうになっているか。 特に、昭和五十五年に随分たくさん集まりました、有利だと称した郵貯ですね。これが十年間、したがって昭和六十五年には、再び郵貯に戻ってくるのかほかへ行っちゃうのか、この境になりますね。それは、六十五年じゃなくて、今のところどんなふうな状況にあるのか。ちょうどその六十五年というのは特例国債をゼロにする年ですね。だから、そのときに恐らく大蔵省がもっと資金運用部に国債を持って欲しいというときに、ここが空っぽになる可能性が私はあるんじゃないかと思う。だから、今のうちからその辺の対策を練っておかないと、こういうことを申し上げていいかどうかわかりませんけれども、余り仲がいい、すぐツーと言えばカーという間柄でもなさそうでございますので、早目に私はこの対策を練っていかないといけないというような気がするんですが、その辺の郵貯の状況をお知らせください。
○説明員(岩島康春君) 御説明申し上げます。 先生の御指摘のとおり、郵便貯金の伸びはここ数年といいますか、傾向的に鈍化しておりまして、御指摘の五十五年を除きましては傾向的に下がっております。特に昨年度でございますが、この伸びの鈍化というのが急激でございまして、昨年度は、私ども純増と言っておりますけれども、市中から純粋に集めてきてふえた分が一兆九千三百億でございまして、これは五十八年度の比率で申し上げますと七一%という大変落ち込んだ状態でございました。トータルの数字はそういうことでございますし、もう少し子細に見ますと、例えば月別に見てみますと、昨年度は九月と十月と三月が、これが純減でございましてマイナスになりまして、大体三月は物入りの月でございますので純減、マイナスになるということはこれまでもあったわけでございますけれども、九月とか十月というそういう平常の月で純減、マイナスになったということはこれは異常なことでございまして、質的にいいましてもそういう大変厳しい状況でございます。これは今年度に入りましても、多少持ち直してございますけれども、四月、五月同じような傾向でございまして、大変厳しく私ども受けとめておるわけでございます。 もう一つ先生の御指摘なされました、五十五年のときに郵貯は異常にそのときだけ伸びたわけでございますけれども、これは高金利でございますとか、グリーンカード騒動とか、いろいろございまして伸びたわけでございますけれども、五十五年の純増が六兆一千億ほどでございました。これが先生御指摘のように、定額は十年までお持ちいただけるということで、六十五年にはぎりぎりおしまいになるわけでございますが、これがどれぐらい残るかといったようなことは現時点ではなかなか、流動的でございますので難しいのでございますが、大体定額は十年持つといっても、平均寿命が四、五年でございます。大体四年前後でございますので、途中で落ちていく。しかし同時に、元加されますものですから、十年たちますと、八%のものでございますと倍以上になるということもございます。しかも金利の高いものがなかなか落ちにくくなっている。しかし、かたがた先生御指摘の自由化商品が郵貯のほかにできまして、そういったものに引っ張られていくといったこともあろうと思います。 それやこれや勘案いたしまして、例えば六十五年のときにどれぐらい残っているかといっても難しいのでございますが、兆のオーダーで言えば数兆円のオーダーで残っておりまして、そしてそれが六十五年になりますと一斉に引きおろされる——まあそれ以上は持てないものでございますから、というようなことも私ども推計している。そうしますと、それに対するいろいろな対策を工夫いたしませんというと、六十五年にそれが純減にそのままつながるおそれも私どもあるというふうに大変厳しく受けとめているという状況でございます。
○竹田四郎君 理財局長にお伺いするんですが、五十九年度の政府機関関係の不用額というのはどのくらいあったんですか。私の承知しているところでは一兆三千億ぐらいの不用額が出たんだ、こういうわけですが、そのくらいの数字だろうと思いますけれども、どうしてこんな不用額が出たか。 一つは、確かに経済の景況の問題もあるんですが、もう一つは、一般の市中金融機関の貸出金利、これがむしろ財投の金利よりも低くなった、あるいは、同等か低くなった。まあ同等なら恐らく政府関係機関の方がいろいろ事務的にやかましいからそっちへ行かないで市中金融機関へ行くということになるんですが、私はどうもその辺ではないだろうか。ですから、今の政府関係金融機関が活動するということになると、財投がそういう金融機関に出している金利、財投金利を下げないと、そういう金融機関の不用額というのは今後どんどんふえていく、自由化が進めば進むほどふえていく、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(宮本保孝君) まず五十九年度の不用額でございますが、これはまだ決算を締めておりませんのでまだ正確な数字は出ていないわけでございますが、ラウンドで言いまして約一兆円、それから政保債を入れますと一兆二、三千億になりますか、そういう感じでございます。 問題は、なぜこういう不用額が出てくるのかという点でございますが、もちんろ各財投機関によって事情が異なります。例えば輸出入銀行等は約五千億ぐらい出るわけでございますが、これは相手国の事情に左右されるところが多分にございまして、非常に不用額が出る年と、また逆に非常にその資金需要が強くなって追加をしなくちゃいけないような時期とがございます。こういう特別な事情等があるわけでございますが、一般論といたしましては資金需給が緩和されておりまして、やはり民間金融機関側でかなり対応が可能になっている面があるのじゃないかというふうな基本的な理由が考えられるわけでございます。 そこで、今御指摘の金利について、財投機関の金利がメリットが少なくなっているのじゃないかというふうな御指摘もあろうかと思いますが、あるいはそういうような面もないわけではないと思いますけれども、この財投のお金といいますのは、もちろん金利について特別金利等を提供いたしてかなり政策的なメリットも果たしている点はあるわけでございますが、別途、非常に長期のお金を固定金利で提供できるというふうなメリットもあるわけでございまして、必ずしも、私どもいろいろ財投機関から話を聞いてみますと、金利だけではなくて、やはり長い間安定的に貸してもらえるとか、あるいは財投機関が貸してくれることによって民間金融機関の金が引き出せるとか、そういうメリットもあるというふうなこともございまして、やはりその財投機関の存在理由といいますか、そういうものは引き続きあろうかと思うわけでございます。 ただ、金利が自由化されてまいりまして、今のような事情が出てまいることは確かでございますので、財投機関なら財投機関、あるいは郵貯の方もそうであると思いますけれども、やはり徹底的な合理化とかそういうものを図る、効率化を図るということによりまして、できるだけ経費等の節減に努めまして、財投機関がそれなりの金利が提供できるように努力してまいる必要があるのではないか、こう考えております。
○竹田四郎君 大臣、私はこれは今理財局長がおっしゃられたことは確かにやらなくちゃいかぬと思うんです。手をこまねいてそういうことをやらないということでは相ならぬと思うんです、やらなくちゃいかぬと思うんですが、今のような形で、小口、郵便局へ入るべき金がどんどんほかへ行っちゃうわけですよ。さっき申し上げましたような野村証券が売り出しているのへ行くとか、あるいは、もう今これは競争ですからね。そうすると、私は郵便局に金が集まらなくなると思うんです。 そうなってくると、資金運用部へ入ってくる金というのはもう年金の金しか本当に余り当てにならない。それで郵便局は恐らくそういう形で攻められてきますから、その基本的な問題が解決しなければ、幾ら合理化をやったって金は集まってこない。こういう状況ですから、金利選好というのはますます私は進むと思うんです。そうなってくると今度は、財投へ金の入れようがなくなっちゃうんじゃないですか。恐らく今度は財投に入ってくる金も、もし自由化がどんどん進めば今のような安い金利では入ってこない。 そうすれば、安い金利でまた政府金融機関がそれぞれのところへ貸してやるということは困難になる。そうすると、財投機関あるいは政府の中小金融公庫とか国民公庫とかいろんなものがたくさんありますけれども、こういうのが本当に健全的に仕事ができる段階というのはなくなってくるんじゃないですか。郵便局がもっとうまく金を自分で運用していただいて、うんともうかってくれて、まあお国のことだからって、さっきの話じゃないですけれども、安い金利で提供してくれるというようなことがあれば財投はそれでいくでしょうけれども、それでなければ、もう郵便局、郵便貯金の段階で金利をこれからもっと安くするということは私は不可能だと思うんですよ。上がってくることがあっても下げることはできないと思うんです。 そうなると、ここで、一つは小口預金の自由化というものをもっと積極的に進めなくちゃならぬという問題がどうしても私は一つ出てくると思う。 それからもう一つは、今の政府関係金融機関のあり方、これを徹底的に早く考え直していく。例えば今までのような金を出すということになれば、もう市中銀行に私は負けてしまうと思うんですよ。そうなってくると、今度はもう信用保証的な役割をしてもらうとか、あるいは金利はそう安くないけれどもひとつ経営指導的な仕事というようなものを中心に、こうした財政投融資の金の行く金融機関というもののあり方を変えていかなくちゃいかぬ。 それと同時に、一番最初申し上げましたように、恐らくこれからの国債の借りかえ問題ですね、あるいは資金運用部の引き受けの問題というようなものを考えても、このタンクは大きくしておかにゃいかぬわけでしょう。ところが、今のままでは私はこれは大きくならぬと思うんです。どんどんどこかで水が漏っているような形で、どんどんタンクは水の量が少なくなっちゃって、さあ引き受けてくれというときには空っぽだということに私はなると思うんですけれども、その辺の問題をやっぱり早急に解決してもらわなければ、今後借換債が非常にふえるという時期に、しかも金融自由化がどんどん進むという時期に、いつまでも郵便局と大蔵省とがけんかをしているということは、私は国民に大変大きな損害を与えるような結果が出ると思うんですね。 この面も、さっきの私の短期国債の公募の問題、TBの公募の問題と含めて、やっぱり緊急な問題だと私は思うんです。この点大蔵大臣どうですか、早速私は手を打ってもらいたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる政府関係金融機関のあり方、これはいろいろな角度から批判がございますが、今理財局長がお答えいたしましたように、今日まで、あるいは協調融資等を誘発する大きな基礎になったり、政策目標がそれぞれあるわけでございますが、そうやって機能してきたと思います。そして絶えずその対象を念査して、経済社会の変動についていけるような仕事をしなきゃいかぬということで、今日まで来ました。 竹田さんのおっしゃるのは、その原資になるところのいわば郵便局のあり方というものにまで考えを及ぼさないことにはということで、今のような懸念は私はあり得る懸念だと思うのであります。だから、さらに荒っぽい議論をされる人の中には、思い切って今おっしゃった保証機関、それからもう一つは利子補給機関として残して、いわば市場において資金を調達して、そして政策金融の根本だけは守っていけばいいじゃないか、こういう議論をなさる人も実際問題ございます。したがって、そうこうなりますと、やはり大口から徐徐に小口へ、大口の段階からだんだん小口に近づいていきますということになると、郵貯を度外視してこの問題は議論ができない。したがって、早急に土俵の上に乗って、当面は金利決定のあり方ぐらいかもしれません、第一着手は。そういうところから議論をしていきながら、やっぱり財投のあり方、そしてその主体をなす原資の郵貯のあり方、あるいは郵便局のあり方と言った方がいいかもしれません。それから年金とおっしゃいましたが、年金にしましても、こうしてだんだん統合して七十年に仮に一元化しますと、それがどういう原資、それがどういうふうに運用されるかというのも、将来の課題としてまだ議論がずっと続くところであろうと思うのであります。 かれこれ考えて、大体こういうふうな姿になるなということを描いてみたいという気持ちも、政治家としては私もございます。したがって、政府金融機関のあり方、財投のあり方、資金運用部のあり方、すなわち今度は郵貯のあり方、あるいは年金のあり方というようなところまでを総合的に勉強していかなきゃならぬ課題だという問題意識は十分持っておるつもりでございます。 で、あんまり無責任に先の姿はこうなりますと言うと、また混乱を起こすかもしれませんので、慎重に対応すべき課題でありますが、政治家としてはこれは避けて通れない問題と思いますので、私はもう部内でも十分勉強をしていかなきゃならぬ課題だという問題意識は今後とも持ち続けるべきだと思っております。
○竹田四郎君 終わります。
○桑名義治君 最初に、この問題はたびたびこの委員会で議論された問題でございますが、政府の認識と確認という意味でもう一度伺っておきたいと思うのですが、国債費の定率繰り入れ停止の問題でございます。 繰り入れの停止の理由の一つといたしまして、たびたび御答弁の中では、公債の償還財源を積み増すために利子つきの公債を追加発行することは、いわゆる財政効率上好ましくないということを挙げておられるわけでございます。 これは、公債発行財政下、特に特例公債依存財政のもとでは、定率繰り入れは不効率で財政上実益がない、こういう理由を挙げておられるわけでございますが、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今委員がおっしゃいました件につきましては、過去四年、定率繰り入れの停止をお願いする際に、財政審にお諮りして御意見を聞いているわけでございます。特にその中で、五十七年の十月二十七日の報告で、今委員がおっしゃいましたような意見が述べられているわけでございます。 それによりますと、「特例公債を発行しながら償還財源を積み立てることは、結局は、それだけ特例公債の増発をもたらすこととなり、それはまた、将来の負担によって将来の償還のための財源を、利子を支払いつつ蓄えることにほかならず、不合理であるという意見がある。」ということを述べておりまして、しかし、「また、国債残高の累増や公社債市場の国際化・自由化の進展に伴つて、国債整理基金がある程度の資金を保有する必要性が高まっているという意見もある。」ということで、両方の立場の意見を述べているわけでございます。
○桑名義治君 もしそのような点を理由と挙げるとするならば、巨額の国債に依存している赤字財政の局面で現在は最も減債基金制度の必要とされるとき、このようなときに減債基金制度のいわゆる根幹である定率繰り入れを停止してもやむを得ないということになるのではないかと思いますが、そういうふうに認識してよろしゅうございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) この点につきましては、過去四年、非常に厳しい財政事情のもとで、定率繰り入れの停止を行うのもやむを得ないということで、財政制度審議会からも報告をいただいておるところでございます。それに従いまして法案を提出してきたというのがこれまでの経緯でございます。
○桑名義治君 そこで、定率繰り入れの機能は、いわゆる国債残高の増加に応じて国債費がそれだけ増加することによって他の歳出項目の圧縮を図られる、そこでおのずから予算編成も節度のあるものになる、こういう点を一番ねらっていたのではないか、こういうことにも言及せざるを得ないわけでございますが、財政当局のこの点に対する認識はどういうふうにお考えでございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) その点につきましては、四十一年十二月二十六日のこれも財政制度審議会の意見があるわけでございます。それによりますと、今委員がおっしゃいましたような点について、定率繰り入れ制度のメリットとして挙げられているわけであります。 ただ、当時と現在とで非常に大きく変わっております事情が御存じのようにございまして、現在は片方で特例公債を発行しているということでございます。 したがいまして、定率繰り入れで財源を入れるということになりますと、結局その財源をどうするかということになる。それを特例公債で賄うというときには、財政の節度の上で定率繰り入れ制度が効果を発揮するというその点が、特例公債を発行しながらやるということで効果が非常に薄れている、ほとんどないという事情もあるわけでございます。そういう点から、たびたび御答弁申し上げているように、減債制度のメリットは十分我我として承知しているわけでございますけれども、特例公債に依存している段階においてはその効果もいろいろ薄れてきている面もあるということもまた事実であるということでございます。
○桑名義治君 先ほどから二、三点について御質問申し上げたわけでございますが、この点について、いわゆる減債制度についての基本的認識が政府自身はもう変わったのかどうか。 先ほどの御答弁をお聞きしておりますと、現在の財政事情の変化ということはもちろんのこと、それと同時に財政審がこう言っている、こういう事柄が一番主題になって御答弁をいただいているわけでございますが、この点について大臣はどういうふうに御認識でございますか。
○国務大臣(竹下登君) 最初は、今言いました四十一年の十二月二十六日に議論をしたとき、これは四十一年でございますから御案内のように赤字公債はもちろんないときでございますが、そのときには、「新らしい公債政策を導入するに当たつて、一般財源による公債償還の考え方を明らかにしそのための一般財源繰入れの仕組みを確立すること」によって「公債政策に対する国民の理解と信頼をうる」。それから二番目は、今おっしゃいました「財政の膨脹ひいては公債残高の累増に対する間接的な歯どめ」になる。それから三番目には「財政負担を平準化する効果も」あるんじゃないか。それから四番目に「国債の市価維持のために活用することも考えられる。」、こういう基本認識でいわば減債制度というのを考えたわけであります。 そこで今平澤次長からも申し上げましたように、要するに赤字公債を発行し、そのときから当然のこととして、政治家的な発言をしますと、建設公債やや性善説、完全性善説じゃございませんがやや性善説、特例公債性悪説、こんな感じで受けとめて、したがってそれが議論されるうちに財政が今度は厳しくなった。そこへもう一つ五十九年度赤字公債脱却、今延びて六十五年度ということになるが、もう一つの歯どめがかかってきたときに、定率繰り入れをすることによって金利のついた金を、赤字公債をそれだけ増発して定率繰り入れをするということについての新たなる議論が出てきたわけです。それが最初の御質問に対するお答えの中にあっておりました。 しかし、やっぱりそれは、完全にそうでない意見というのもまた有力にあるわけです。先ほど申しました意見のほかに、赤字公債の六十五年度脱却は仮に定率繰り入れ分というものがあったために延びたとしても、節度を保つためには、特例公債発行下でしかも借りかえまで行うという事態であれば、財政の節度としてなお定率繰り入れを停止すべきではない、節度として。仮に六十五年がその金額だけ延びたといたしましても。そういう意見も、財政の節度という点からすれば今日もあるわけです。 かれこれ議論がありましたものを整理しようというので、財政審で議論をしてもらった。してもらいましたら、やっぱり出てきた結論というのは、減債制度の基本はこれは維持すべきである、だから、まだ残があるから、当面不自由しないから停止するのはやむを得ないというので、四年間続いてきたわけでございます。 そういう経過をたどっておりますので、やはり六十五年という歯どめというものがある限りにおいては、私はそういう歯どめを一つ考え、そして財政審という言葉をいつもお使いしておりますが、実際どこかで考えをまとめてもらおうと思って本当は諮問したわけでございますから、答申という形じゃございません、意見という形でございましたが、出てきてみますと、減債制度はやっぱりその根幹は維持していこう、そしてぎりぎりの調和の中で考えていこう、それの一番大難関に差しかかるのが六十一年、すなわち国債整理基金自身の金が六千億足りなくなるという事態だから、それらを総合勘案して、年末予算編成の際にぎりぎりどういう措置をとっていくかということを考えていこうということに、経過を追ってなっておるというわけであります。
○桑名義治君 余りすっきりしませんけれども、次の問題に移りたいと思います。 現在、金融の自由化、国際化、あるいは金利の自由化、こういった大変な波が押し寄せてきているわけでございますが、その中で金融制度調査会の答申には、いわゆる金融機関の経営基盤を強化する有効な手段として、合併、それから業務提携、または金融機関の経営危機救済策として、その他の金融機関による買収や経営参加の活用、こういった事柄を推進するように述べておられるわけでございます。現在、都銀などの金融機関がいわゆる他の企業の株式を原則として五%を超えて持てないように独占禁止法の十一条が定められているわけであります。この銀行によるいわゆる株式保有の制限というものは、金融資本による産業支配が強まるのを避けるために設けられたものではないかと思います。 このたびの答申は、この独禁法の弾力的な運営によりいわゆる金融再編成をねらうものと、こういうふうに受け取られるわけでございますけれども、この点については当局としてはどういうふうなお考えでございますか。
○国務大臣(竹下登君) 当然独禁法というものは念頭に置かなきゃならぬ課題であります。あの答申を見てみますと、一つは、同じ金融機関同士であるいは建設的な合併ということもあるかもしれない、あるいは若干業際問題の垣根を越した問題も起こってくるかもしらぬ。しかしながら、例えば信用組合にいたしましても、信金にいたしましても、農協にいたしましても、あるいは漁脇にいたしましても、そういういわゆる中小企業専門金融、それから地域金融、あるいは相互銀行とか地銀とかそういうものもございますので、それに当たっては、一つの趨勢としてはわかるわけでございますが、やはり慎重な上にも慎重に対応していかなきゃいかぬ。 そこで、まさに優勝劣敗の論理の働くような寡占形態になるというようなことは、これは最も慎重な対応をすべき課題であるというふうな問題意識で、すぐ出てくる問題では必ずしもなかろうと思いますけれども、趨勢としては答申にありますような傾向はこれはある意味において必然的に出てくる課題であろうと思いますので、そういう態度で対応していかなきゃいかぬのかなと思います。 明治三十四年に日本も銀行が千八百ぐらいございました。それが今、相互銀行を足しまして百五十六ぐらいになっておりますから、やっぱり戦争中の問題もございましたでしょうけれども、明治三十四年といいますと一九〇一年でございますから、まさに八十数年の間にそういうふうな形になって、だから日本の金融機関はほかの国に比べて健全であるというふうな我々時には宣伝にも使わせていただいておりますが、それがさらに国際化、自由化の中でそういう傾向は出てくるだろう。しかし、いわゆる寡占に陥るというようなことは十分配慮しなきゃならぬし、そして一方、地域金融、それからそういう系統金融、中小金融というのに配慮しながら進めていかなきゃならぬ課題だというふうに考えております。
○桑名義治君 これは好むと好まざるとによらずそういう方向性が位置づけられていくということは、これはだれが見ても自明の理だと思います。現段階におきましては、今もちょっと御答弁にもございましたように、相互銀行の合併という、そういうことを大蔵省としては勧めているのも、そういう時代の流れの一環を先取りしての施策であろう、こういうふうにも思われるわけでございます。 その際に、金融資本の系列化の進行、それから金融機関による株式集中保有に基づいて、いわゆる安定株主づくりの後退につながっていくというような新たな問題が起きてくるのではなかろうか。こういう心配をするわけでございますが、この点はどうでございますか。
○国務大臣(竹下登君) 今桑名さんのおっしゃいましたように、相互銀行の問題、今そういう問題が目の前にあるわけではございませんけれども、九州において一つやらせていただいて、どちらかといえば祝福されて出発したというふうに思っておりますが、あれは必ずしも国際化、金融自由化になったからではございませんにしても、一つの流れとしてみんなが非常に参考にしておるというか、勉強しておるケースでございます。したがって、将来ともそういう傾向は今御指摘なさいましたように避けて通れない道であろうというふうに思いますが、今おっしゃったその寡占状態になった場合における、いわば株式の集中とかそういう点についてはもとより十分な配慮をしながら進めていかないと、弊害があってはならぬというふうに思っております。 もう一つつけ加えさせていただくならば、アメリカのことを見ますと、あそこはまだ一万四千五百ぐらい銀行がありますから、したがって倒産したり、何といいますか買収されたりというようなことが、日本にはほとんどないわけでございますが、はるかに多いわけでありますけれども、やっぱり世界的な一つの傾向にも私はなっていきはしないかなという感じ、受けとめ方は私なりに持っておるわけでございます。 そうなると、もう一つ出てきますのが、やっぱりアメリカの場合は自己責任主義でございますから、おまえの預け先の選択が悪かったんだ、あるいはおまえの経営が悪かったんだ、こういうことになりますが、日本の場合は投資家保護あるいは預金者保護、被保険者保護という立場が金融行政の中にずっと貫かれてきておりますだけに、いわゆる保険機構なんかの整備というのも並行してやっていかなきゃならぬ課題だという問題も、あえて申し上げておきます。
○桑名義治君 寡占の問題についてはこれは非常に注意深く見守りながら考えていかなければならない問題だと、こういう御答弁があったわけでございますけれども、しかしながら、特定地域におきましてはいわゆる寡占状態が生じ、あるいは当該地域の中に企業金融に支障が生ずることがないように、行政面においても配慮する必要が十二分にある、こういうように思うわけでございますが、金融機関の合併あるいは買収等といった問題のときに、当局が対応する際に基準となるようなものがあるとするならば、どういうものがあるかお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) このいわゆる基準ということになりますと、今、専門家がもうこっちに来つつありますので、その方が正確だろうと思いますので、来ましてからその点だけはお答えさすことにいたします。
○委員長(藤井裕久君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤井裕久君) 速記を起こしてください。
○政府委員(吉田正輝君) 合併等の基準ということでございますけれども、そもそも昭和四十三年に実は、金融機関の合併及び転換に関する法律というのを基本的には私ども持っておるわけでございます。今回、金制の答申も合併や転換に関する提言をなしているわけでございますけれども、まず、この法律、いわゆる合併転換法は、これはもともと金融の効率化を主眼といたしました法律でございますけれども、そこでははっきりと四つほどの基準を述べておるわけでございます。 一つは、「合併又は転換が金融の効率化に資するものであること」、二番目が、「合併又は転換により当該地域の中小企業金融に支障を生じないこと」、それから三番目が、「合併又は転換が金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないこと」、四番目が、「当該金融機関が合併又は転換後に行おうとする業務を的確に遂行する見込みが確実であること」と、かように述べておるわけでございますけれども、これが基本的には合併、転換に関する考え方でございます。 これに加えまして、今度の金制答申でも、金融の自由化という事態を踏まえまして、合併、転換についての提言をしておるわけでございます。 その思想でございますけれども、大まかに申しますると、やはり金融機関の自主性を尊重するということでございますけれども、投資コストその他の増大も考えられるので、合併は、あるいは金融の自由化に備えて、経営者の自主判断がある場合には、依然として好ましいというか、望ましいという考え方を示しております。必要とあらば、そういう自主的判断に基づいての、行政当局も手助けをしてもいいのではないかと。ただし、そういう場合におきましても、もう一つ考慮いたさなければならない点は、合併に伴いまして、あるいは地域での寡占を生じるとかいうような状態もあり得るということ、あるいは人事面でも難しい問題がある点もあること、また中小企業金融等に支障を生じないよう行政面においても配慮していくことが必要であるというようなことで、寡占を生じるとか、あるいは中小企業金融、地域金融に支障を生じないような配慮も御提言になっておるところでございます。 ただし、先ほど申し上げました合転法の場合にはいわば金融の効率化の思想でございますけれども、自由化ということになりますと、もう一歩さらに判断を進めていきますと、幾つかのリスクの増大、経営格差の拡大とか競争の激化で経営の判断に誤りが生じて経営危機が生ずる、あるいは経営破綻が生ずるような場合には、これはやはり最終的にはもちろんその経営者の自主判断も必要でございましょうけれども、合併推進に行政が主導的な役割を果たすことも考えられるというふうに言っております。 それからもう一つは、これはもちろん独占禁止法というのがあるわけで、これが適正に運用されなければならないということはもちろん変わらないわけでございますけれども、いわゆる合併だけではなくて、資本参加によりまするところの買収あるいは経営参加というようなやり方も、経営危機に陥った場合にはあり得るであろうというふうなことを言っております。 以上が大体合併、転換に関しましての全体の考え方でございます。
○桑名義治君 今御答弁いただいたそういう合併に対する考え方は、従来の考え方なんですか。それとも、この答申を受けてからこの考え方については慎重に再検討する必要がある、こういうふうな状況はないわけですか。その点はどうでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 従来合併、転換についての考え方と申しますると、やはり金融の効率化という点から申しますと合転法がございました。それに加えまして、自由化ということを踏まえまして合併ということを改めて考えてみましたときに、効率化による合併、転換に加えまして新たにこの時点で考えてみまするときに、その考え方が金融制度調査会の答申には入っているというふうに考えられます。 ただし、私が最後に申し上げました資本参加による買収、経営参加というようなものにつきましては、独禁法というものがございます。独禁法はこれは公取委員会の所管に属するわけでございますが、いわばその独禁法の適正な運用のもとに公取委員会がケース・バイ・ケースに判断するケースがあり得ると。そういう場合を経営危機の場合にも活用することがあり得るのではないかということを、金融制度調査会の独自の御提言になったわけでございます。
○桑名義治君 次の問題に移りたいと思います。 次は産投特別会計について伺っておきたいと思います。 技術開発の政府からの援助といたしましては、補助金を初め、税制面からのものと、それから金融面からのものと、こういうふうにあるわけでございます。税制面では、六十年度税制改正におきまして、基盤技術開発促進税制が創立をされるとともに、中小企業者等の試験研究費についても、中小企業技術基盤強化税制を創設して、中小企業者の試験研究に対する配慮がなされているところでございます。しかし、今回の産投会計の投資対象を見ますと、金融面からの恩典を受けることができるのは大きな企業に偏るのではないか、こういう心配がされるわけでございますが、この点の心配はございませんか。
○政府委員(宮本保孝君) 産投会計につきましては、今年度、輸開銀の納付金といいますか、準備率を引き下げまして産投への納付金がふえた、また来年度からは今回の法案が成立いたしますれば電電株等の配当金が入るというようなことで、今後増大が見込まれるわけでございますが、今御指摘の六十年度においても、前年度四十八億から三百十四億にまで増加いたしたわけでございますが、今御指摘の大企業の方に偏するのではないかというふうな御指摘に対しましては、今回新しく出資を予定いたしております内容を見てみますと、例えば中小企業金融公庫出資金の二十億であるとか、あるいは奄美群島振興開発基金出資金三億、さらに商工組合中央金庫出資金百億等、かなり地域であるとかあるいは中小対策にも気を配っているわけでございますし、また新しく技術開発というふうな見地を込めまして日本科学技術情報センター出資金が二十九億、あるいは情報処理振興事業協会出資金が二十億、それから新しく設立される予定でございます基盤技術研究促進センター出資金が八十億というようなぐあいで、やはりその時代にマッチいたしました資金の配分に心がけているわけでございまして、確かに従来、設立の当初におきましては、産業の開発、特に基幹産業の開発というような点もございまして、大企業に偏っておった面はございますけれども、その時代時代の変化に即応いたしまして、マッチいたしました資金配分に心がけておるところでございます。
○桑名義治君 先般発表されました米国の税制改革案を見ますと、ハイテク産業の育成、それから国際競争力の強化をねらっていると言ってもこれは言い過ぎではないと思うんですが、日本も対抗上、米国に比べて、また先進諸国と比べてみますと、こういう基礎研究費というものが非常におくれている、脆弱である、こういうふうにもよく言われるわけでございます。 そういった意味からも、試験研究優遇税制の拡充、こういった問題もあわせて検討する必要があるのではないか、こういう意見もあるわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(梅澤節男君) 我が国の技術関連の税制につきましては、特に六十年度、ただいま委員がお触れいただきましたように、ハイテクノロジー関係の試験研究予算の税額控除あるいは中小企業の技術開発を促進するための手当てをさせていただいたわけであります。ただ、我が国の技術開発関連の税制というのは、私どもは、現時点におきましては、それなりの整合性を持ったシステムを持っていると考えているわけでございます。 先ほどおっしゃいましたアメリカの今回の税制改正の中で、特に技術開発関連でアメリカあたりで行われている議論を私どもなりに考えてみますと、一つは、レーガン政権が、ACRS、加速償却でございますね、それを今回、いわば通常の減価償却のようなものに引き戻すという提案をしているわけでございます。これはアメリカの中での評価では、そういう一律の資産、一律の設備投資なり機械装置等につきまして加速償却を認めるということは、つまり資本集約型の企業には非常に有利になるけれども、いわゆるベンチャー産業と言われるソフトの部門で、非常に投資をしながら技術開発を行っている企業には、かえって不利になるという議論が従来ございました。したがいまして、それをもとに戻すことが相対的にハイテクノロジーあるいはそういうベンチャー企業に対して有利に働くのではないか、そういう評価であると私どもは受けとめておるわけでございます。 それから、アメリカも我が国と同じような増加試験研究費の措置をとっておりますが、今回特別措置はなるべく廃止すると言いながらこれは残しております。しかし、その点は我が国も変わりないわけでございまして、その意味ではきめの細かさ、それから資源配分に対する適正な配慮という観点からは、私どもの日本の税制はそれなりに整合性を持っておるというふうに先ほど申し上げたわけでございますが、ただ、おっしゃるように、今後の技術開発の状況等を見ながら、しかも税の公平という観点も十分念頭に置きながら、やはりそのときどきに必要な措置は講じてまいらなければならないということではございますけれども、税制全体としてそういう方面の配慮が我が国がおくれておるというふうには私どもは考えていないわけでございます。
○桑名義治君 次に、NTT及び日本たばこの配当収入が六十一年度以降産投会計に入ってくるとしますと、一般的な水準として一割配当がなされた場合、どのぐらいのいわゆる収入になるわけですか。
○政府委員(宮本保孝君) 仮の試算でございますが、電電の資本金が七千八百億、たばこ産業が千億で、八千八百億でございます。そのうち産投に帰属になる部分が電電の三分の一とたばこの二分の一でございまして、三千百億円でございます。今一〇%というふうな御指摘でございますが、単純に一〇%にいたしますと三百十億円ということでございます。
○桑名義治君 六十一年度からは、一割配当が仮に行われた場合には三百十億円、これだけの配当収入が産投会計に毎年入ってくることになるわけです。 そこで、産投会計の投資計画はこのことによって量あるいは質、こういった面が変質してくるのかどうか、単に電気通信を中心といたしましたいわゆる技術開発の分野への投資が新たに加わるだけで、そのほかはこれまでと同様の投資を行う、こういうふうに考えておられるのかどうか、ここらをお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 産投会計は御承知のとおりガリオア・エロア資金をもって二十八年に設置されたものでございまして、当時の経済は、電力とか海運とか石炭とか鉄鋼等、経済の基盤となるべき重要産業の整備が喫緊の課題であったわけでございまして、そういう意味におきまして、開銀とか輸銀とか、あるいは電発等に対します出資、融資が多かったわけでございますが、その後我が国の経済社会の変化に対応いたしましてその資金の供給の重点を変えてまいりまして、最近では北東公庫であるとか、あるいは沖縄公庫であるとか、あるいは中小対策というふうなところに資金の重点を移しまして、特に地方の産業開発等の役割を持たせてきたところでございます。 先ほど御指摘の、六十年度におきましては、この産投会計法の改正とか、あるいは輸開銀法の改正等によりまして、原資の充実が見込まれるということでございます。特にそういうふうな点におきましては、今申し上げましたように、時代の変化に即応して、産投会計の運用というものを時代の変化にマッチするような方向でやってまいったわけでございまして、六十年度に、今御説明しましたように、特に技術開発であるとか、あるいは中小、あるいは地域開発というふうなところに重点を移して、新規の投資先を拡大したわけでございますけれども、今御説明してまいりましたように、産投会計といたしましては、そのときどきの社会経済の実態に即した運用をしてまいりたいと思いますので、今御指摘の点につきましては、原資の性格等も踏まえまして、従来のあり方どおりの運用をするというわけじゃございませんで、やはり時代にマッチした運用をいたしまして、国民経済の発展と国民生活の向上を図っていくというふうにお答え申し上げられるのではないかと思います。
○桑名義治君 そうしますと、量、質ともに変質をするということですね。時代にマッチした姿で運営をされていく、すなわち量、質ともに変質をしていく、端的に言えば、そういうふうに理解していいですか。
○政府委員(宮本保孝君) 法律自体の目的とか性格、あるいは制度は依然として変わらないと思いますけれども、運用の仕方において時代にマッチしたような運用の仕方をしてまいりたい、こういうことでございます。
○桑名義治君 六十年度の投資計画を見ますと、規模の面では五十八年、五十九年度が、五十二億円、四十八億円と、こういうふうに財政事情を反映しているように思われるわけです。すなわち縮小をしてきたわけです。ところが、六十年度は三百十四億円と、かなり拡大をしているわけでございます。その内訳を見ますと、日本科学技術情報センター、情報処理振興事業協会、あるいは基盤技術研究促進センターといった技術開発関係へ百二十九億円の出資が予定をされているわけであります。 配当金収入がまだ入ってこない六十年度において、資金計画が前年度に比べてこれだけ大きくなってきたその理由はどこにあるのか。また、六十年度予算を見ますと、前年度の余剰金受け入れが二百五十八億円と非常に大きくなっておりまして、この影響とも一応思われるわけでございますけれども、この点もあわせてお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 先ほど申し上げましたように、産投の原資が四十八億から三百十四億にふえているわけでございますが、一つ大きいのは、前年度剰余金の受け入れ、これは開銀の納付金が決算でかなりふえたという点がございまして、これが約百八十億ほどございます。それからもう一つは、制度を改正していただきまして、六十年度の納付金の見込みということで、いわゆる輸開銀の準備率を下げたわけでございますが、その結果といたしまして、開銀の納付金が約百三十億、輸銀の納付金が六十億、それから日航の配当金が十四億ほど見込まれまして、合計で二百億ほどこれでふえるわけでございます。別途一般会計への繰り入れということを百十億ほどやっておりますので、差し引き二百六十六億円原資がふえたということでございます。 それから、今御指摘の、技術開発については電電の株等の配当があってから配分すべきじゃないかという御指摘でございますが、これは確かに電電の株につきましては、同社の資産がこれまで幅広い産業活動の結果形成されてきた側面がありますし、また、技術研究の恩恵を受けて成長してきたというような側面がございますものですから、これを主として技術開発の方に充てたいということで六十一年度以降考えているわけでございますが、しかし、そういう電電の配当が見込まれるそのほかに、今の経済社会というふうなもののニーズということから考えまして、新しく開銀等の納付金がふえた資金をこの時点で技術開発等に配分していくというのは産投会計の運用のあり方として適正なのではないかというふうな考え方のもとに、電電の配当金が入る前に今年度から新しい方向を示すというふうな感じもありまして、中小対策と技術開発の方に重点的に配分した、こういうことでございます。
○桑名義治君 それで、技術開発関係の三機関への投資は、六十一年度以降はどうなるのか。 また、新たな機関、例えば郵政省は民間との共同出資で電気通信基礎技術研究所、こういうものを関西につくるという話もあるわけでございますが、このような機関も産投会計の投資の対象となるのかどうか、この点もあわせて伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 六十一年度以降の点につきましては、各関係省庁が今多分いろいろと、予算要求というふうなことも踏まえまして、それぞれ検討をされておる段階じゃなかろうかと思うわけでございまして、私どもといたしましては、そういう各省庁のいろんな御要求を受けまして、産投会計の原資の見込み、これの両者を勘案いたしまして融資対象を決定していくことでございまして、今ここでお答え申し上げる段階にないわけでございますけれども、具体的に今お申し出がございました電気通信基礎技術研究所というのを郵政省の方で設立準備のための検討が行われているということは聞いているわけでございます。ただ、この研究所を産投出資の対象とすることについては、そもそもまだ内容の詳細を知っておりません現階段でございますので何とも申し上げられないわけでございますけれども、その研究所の具体的な内容が固まりました段階で、その事業の内容とかあるいは採算性の有無等、いわゆる産投法の趣旨に照らしまして産投出資の対象として適当であるかどうかという点を十分検討の上、判断をすることになろうかと思いますが、これがもしも適当であるということになれば、当然のことながら対象になるわけでございます。
○桑名義治君 そこで、いわゆる投資計画で気になる点がちょっとあるわけでございます。 六十年度におきまして奄美群島振興開発基金、これは先ほど御答弁の中にもございましたが、新たに財投対象機関とされまして産投会計から三億円の出資を受けることになった、こういう点でございます。先ほどの御答弁の中にもこの三億円が出てきたわけでございますが、同基金への出資はこれまで一般会計の国土庁の所管予算として計上されていたわけでございますが、なぜ今回財投計画に組み込まれ、産投会計から出資を仰ぐことになったのか、この理由はどういう理由でございますか。
○政府委員(平澤貞昭君) 六十年度におきましては、今委員がおっしゃいましたように、奄美群島振興開発基金でございますが、のほか、日本科学技術情報センターあるいは商工組合中央金庫の三機関について、一般会計からの出資をやめて新たに産投会計から出資を行うこととしたわけでございます。 そこで、これの理由でございますけれども、これは先ほど理財局長からも御答弁がありましたように、電電株式会社の株式等がこの会計へ帰属することになる、その結果今後資本の充実が見込まれるわけでございます。それとともに、輸開銀の法定準備金の積立率、これを引き下げるということで、国庫納付金の増額がやはりあるわけでございます。そういうことから産投会計の財源の充実が見込まれるものですから、これらの機関ごとに、先ほど理財局長がこれも御答弁申し上げましたけれども、産投の出資の対象として適当かどうかということを判断いたしまして、その結果対象としたということでございます。 例えば奄美の開発基金でございますけれども、この基金の目的、行っている事業が、いわゆる特会法の目的でございます産業の開発、貿易の振興という、そのうち特に産業の開発でございますが、これに合致している。それから将来の投資収益も期待できる。したがって、そういう面から判断しましても問題がないということをいろいろ勘案いたしまして、対象としたということでございます。
○桑名義治君 私が危惧するのは、産投会計が一般会計のツケ回しの道具にされるのではないか、こういう心配でございます。 国の財政事情は厳しく、一般歳出の伸びをゼロ以下は抑えるという、こういう目標があるわけでございますが、そのような状況の中で、NTTと日本たばこの配当収入が六十一年度以降三百億円を超えるだけの金額が産投会計に入ってくるとなれば、産投会計をフルに利用しようとする、そういう考えが出てきてもおかしくない。そこで産投会計法の第一条の設置目的をもっと広くして、「国民経済の発展と国民生活の向上に資する」、こういうふうに今回の改正も、一般会計の受け皿としてのいわゆる産投会計の性格を強くするためのものであった、こう考えざるを得ないわけでございますが、その伏線として、先ほど申し上げましたように、一つの例として奄美群島の振興開発基金の三億円を小規模ながらつけ加えたのではないか、こういうふうにも思われるわけでございます。 配当金の収入が予想される六十一年度以降さらにこのような措置がふえ、一般会計で今まで予算化されていたものが財投会計にツケ回されるのではないか、こういうふうな心配もあるわけでございますが、この点、財政当局はこのような措置を行わないと確言できますか。どうですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 今回御審議願っております産投会計法でその設置規定を改正いたしております。「経済の再建」というのを削るわけでございます。これは、戦後できましたときにはそういう目的が非常に重要であったわけでございますけれども、しかし現在はそういう必要がないということで、これを削ります。そのかわり「国民経済の発展と国民生活の向上に資する」旨を明らかにしたということでございますが、しかしいずれもこれは規定の整備でございまして、これによって産役会計の目的、性格が変わるものではないということでございます。この点につきましては先ほど理財局長からも答弁があったわけであります。 したがいまして、今後産投の対象機関を考えていきます場合には、やはりこの設置規定に照らして適格であるかどうかという点を十分審査した上で対象に加えていくということでございまして、そういう中で今回奄美群島の振興開発基金を対象としたということでございます。
○桑名義治君 もう一点ちょっと心配のあることは、いわゆる産投会計に一般会計の補完的機能を持たせるというのではないかという点でございます。 今回の改正でもう一つ問題があると申しますのは、これまでなかった一般会計への繰り入れ規定を新たに設けた点でございます。 で、予算の定める金額を一般会計に繰り入れることができるということでありますけれども、今後予想される輸開銀からの国庫納付金はほとんど産投会計を通して一般会計に入ってしまうというのでは、産投会計の財政状況に悪影響を及ぼす可能性があるのではないか、この点でございます。その一方で、一般会計のツケが産投会計に回されるようなことになれば一層問題になると考えられるわけでございますが、今後の輸開銀からの国庫納付金はすべて一般会計に入るのかどうか。この点をもう一度伺っておきたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) 輸開銀からのいわゆる納付金につきましては、委員も御存じのように、五十六、五十七、五十八、五十九と、四年間納付を行ってきているわけでございます。しかしこれは限時法でやっていたわけでありますけれども、今回それを規定として恒久化したということでございます。 そして、この輸開銀納付金の性格でございますけれども、一般会計へ直接繰り入れるという道もあるわけでございますが、この産投会計からの出資を行っている機関でございますので、したがって、ほかの場合と同様に納付金規定があるわけでございますので、一応産役会計に入れてそれから一般会計へ入れていただくということで、今回の改正を行っているわけでございます。したがって、主たる目的としては、やはりこの準備率の引き下げに伴う納付金の増は一般会計の財源対策として行うということであるわけでございます。
○桑名義治君 そうしますと、諭開銀からの国庫納付金の減少分をこのたびはNTT及び日本たばこからの配当収入で補てんするということになるようにも思われるわけですが、配当金収入の一般財源化がそういう意味では濃厚になってくるのではないか、こういうふうにも考えられるわけでございますが、この点はどうですか。
○政府委員(平澤貞昭君) これにつきましては、配当金収入は一応この特会そのものに帰属いたします。したがいまして、考え方といたしましては、これは特会の投融資に充てるということで考えていくべきものということでございます。
○桑名義治君 終わります。
○委員長(藤井裕久君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ─────・───── 午後一時二十二分開会
○委員長(藤井裕久君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○近藤忠孝君 今まで大変大きな金の流れについて議論をしてきたんですが、この質問の冒頭に、一転しまして、極めて微細なお金について、しかもこれは大蔵省が力を出せば本当にそこで苦しんでいる人々を救済できる、そういう問題について若干質問したいと思うんです。 それは昭和五十八年、当委員会でサラ金二法を審議しましたが、これに基づいて大蔵省の通達が出ています。私はこの通達については、過剰貸し付けの基準など、国会の議論を反映して、大変いいものだと思うんですね。私もたまには大蔵省を褒めることもあるわけで、その限りではよかったと思うんです。 特に、問題の、取り立て行為の規制について、業者の違反状況及び被害者の苦情申し立てなどがあると思いますが、その概況を簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 苦情状況でございますけれども、貸金業者に対しましては、規制法に基づきまして立入検査等を行っているのですが、かなり法律違反の事例は後を絶っていない状況でございます。そのうち、まず処分状況について申し上げますと、悪質なものについては行政処分を行っているわけでございますけれども、六十年五月現在で、登録の取り消しが五十二件、業務停止処分が四十七件、合計九十九件となっております。処分理由は、高金利規制に違反したものが四十一件、取り立て行為の規制に違反したものが三十六件、この両者合わせまして七十七件で、処分の大半を占めております。 それから苦情でございますけれども、都道府県及び大蔵省、これは財務局になされるわけでございますけれども、苦情は、五十八年十一月から六十年三月までの期間に約三万一千件でございます。内訳は、都道府県が受け付けたものが約二万八千件、大蔵省が受け付けたものが約三千件となっております。
○近藤忠孝君 そこで、具体的な事例についてお聞きします。 これは通達でも、法律上支払い義務のない者に対して請求したり、あるいはこれに対して必要以上に取り立てのための協力要求をしてはならないというのがあるんですが、そのものどんずばりの事件を、しかも最大手の武富士が行っておる。しかも、その相手が少額の年金生活者あるいは生活保護受給者で、しかも一人暮らしの老齢者に対して行っている。この問題につきましては、釧路の弁護士さんが代理人となりまして、大蔵省に業務停止を求める申告がされておると思うんです。 大蔵省としては、これにどう対処しておりますか。
○政府委員(吉田正輝君) 法律ではございませんですが、銀行局長通達では、法律上支払い義務のない者に対して支払い請求したり、必要以上に取り立ての協力を要求したりしてはならないということで、御指摘の件につきましてはただいま調査中でございます。
○近藤忠孝君 調査中だから中身については差し控えたいと言うのかもしれませんが、これは申し立てた後またやっているんですよね、全然反省の態度がない。 これは調査中と言うけれども、業者を呼び出して実情を聞いておると思うんです。その際にいろいろ注意なり指導なりを行っていると思うんです。しかも、生活保護世帯に対して、大体四万ぐらいしか来ないそうだけれども、そのうち一万五千払えなんて言っているそうですが、生活保護世帯がこんなサラ金に対して金を払うような状況で金があれば、大体生活保護は打ち切りになっちゃうんですよね。だから、これはもう明らかに必要以上に取り立ての協力要求、直接払えと言ったかどうか、またいろいろ争いがあるかもしれぬけれども、そういうことになっているんじゃないか。 ですから、その辺でこれを放置しておくこと自身がこういう一番最底辺の人々の大変な状況を放置することになるわけで、そういう指導などは行っておるんでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘の件につきましては、これは通達違反の疑いが濃いものと考えられるものがあるわけでございます。先生のおっしゃっているのは数件あるのかと思いますけれども、そのうち通達違反の疑いが濃いものがあるということで、当該会社に対しましては、規制法第二十一条第一項の取り立て行為の規制に違反する、あるいは通達に違反するということで厳しく注意を喚起しておりまして、いやしくも繰り返すような、今後法令通達に違反することがないよう指導しておるわけでございます。 それから、会社といたしましては、これらの事案の担当者及び上司についてそれぞれ降格処分を行っているところでありまして、また、社内通達を発出いたしまして、今後このような事態が生じないように徹底を図っているという報告を受けております。
○近藤忠孝君 じゃ、まあ前進的な措置がとられていると思いますし、申し立ての趣旨に対しましてもやっぱり速やかに的確な対応をお願いしたいと思います。 そこで、また話がでかい金に戻りまして、産役会計についてきょうは抜本的な議論、といっても時間が余りありませんが、議論をしたいと思うんです。 産投会計は昭和二十八年に設置されて、開銀、輸銀への出資を通じて戦後の混乱期にあった日本経済を建て直して、鉄鋼、電力など基幹産業の発展、輸出の振興に大きく貢献してきたものだと思うんです。この意味で、産投会計法第一条に規定されているこの特別会計の経済の再建、産業の開発、貿易の振興という諸目的は既に達成されたと見るべきだと思うんですが、大臣の所見はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 今の問題は、やっぱり経済の再建、産業の開発及び貿易の振興で、昭和二十八年おっしゃったとおりガリオア・エロアから移ってきたわけですが、まだやっぱり当初のそういう観点からとらえますと、電力だ、海運だ、石炭だ、鉄鋼だ、いわば基幹産業と申しますか、そういうところからであったわけでありますが、その点の目的はやっぱり相手が変化してきていますから、そういうふうな形の中で、達成したとは言えないんじゃないか。それから、貿易の場合は輸出と輸入がありますね、一つは。そういうことを考えてみると、私は達成したということは言えない、やっぱり資金の供給の重点の移しかえをやりながら続いておるというふうに認識しております。
○近藤忠孝君 変化して、しかもその変化が大きければ、主要なことが変化しておれば、目的達成と見るべきだと思うんですがね。 そこで、今回の法改正で、この目的から「経済の再建」は削りました。この意味では産業の開発、輸出の振興という他の二つの目的も私は削るべきだったんではないか。特に経常収支の黒字急増で貿易摩擦が激化している今日、輸出の振興がなぜ政策目的として書かれなきゃならないのか。だから外国から変な目で見られたり批判を受けるんじゃないでしょうか。
○政府委員(宮本保孝君) 今大臣が御答弁されましたが、輸出だけの振興ということではございませんで、貿易の振興ということになっておるわけでございます。基本的には、確かに今いろいろと輸出が過剰になりまして問題が起きておりますけれども、我が国の場合に、資源の乏しい我が国のことでございますから、やはり今後とも長期的に見ますと貿易立国として存立していかざるを得ないわけでございまして、均衡のとれた輸出入を円滑に推進する、こういう意味でいわゆる貿易の振興ということは依然重要な政策ではなかろうかと考えられるわけでございます。 産投につきましては、貿易の振興の政策の金のチャネルといたしましては、輸銀に対する資金手当てによって貿易の振興を行ってきたわけでございますけれども、輸銀の今までの資金の配分の姿を見てみますと、当初はやはり輸出が一〇〇%だったわけでございますけれども、漸次八割から七割、五十年代に入りましては四割に下がりまして、現在では三五%程度になっております。一方で、輸入は最初はゼロだったわけでございますが、漸次ふえてまいりまして、五十年代に入りましてからは二割以上あるいは二割前後ということでございまして、輸入と投資等を足しますと現時点でやはり三五%程度、ちょうど輸出と均衡のあるような残高の姿になっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、そのときどき、輸出に重点を置くかあるいは輸入に重点を置くかあるいは投資に重点を置くかは別といたしまして、貿易の振興という意味ではやはり必要な政策として列記しておくことは重要ではなかろうか、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 産投会計は、もともと見返り資金の承継資産からの収入金等の固有の財源をもって投資を行う、自主、自弁を建前として設立されたものだったんですが、その後原資が投資需要に追いつかないということで一般会計からの出資に道が開かれて、昭和三十二年から五十五年までの二十三年間にわたって大変多額な金が繰り入れられてまいったわけです。この額、合計一兆四十八億円になるんじゃないかと思うんですが、どうか。 しかも昭和三十二年には、一般会計剰余金を受け入れるために、産役会計の内部に資金を設けて、通常の繰入金とは別に毎年の剰余金を資金に繰り入れてきたわけですね。その総計は一千三百億ぐらいだと思いますが、どうですか。 そして、もう一つ一緒に質問しちゃいますと、最近ではもちろんこの基金への繰り入れは行われておりませんが、基金そのものは残されておるんですが、なぜ廃止しないのかお答えいただきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 今の数字は、一般会計からの繰入金一兆四十八億円、それから資金への繰り入れ千三百億円というのはそのとおりでございます。 それで、この資金についてでございますけれども、これは、この会計が法律に定められましたような目的を達成いたしますために、経済の情勢に応じまして適時適切な投資が実施できるようにいたしますために、いわゆる特会の収支計算とは別に資金というものを設けまして、そこに財源をあらかじめ確保しておく、そういうことによりまして弾力的な産投会計の資金配分の運用ができたのではなかろうか、こう思うわけでございます。 ただ、この資金につきましては、昭和三十八年度には五百七十億円の残高があったわけでございますけれども、その後、産役の投資財源としてそれを活用してまいりましたために、現在ではわずかの額になっておるわけでございます。 この産投会計の今申しました資金は、これまで国の財政事情が極めて厳しい状況で推移してきておりますところから、最近におきましてはその繰り入れがない。したがいまして、ほとんど残高がなくなっている状況でございます。ただ、産役会計といたしましては、今後とも経済社会情勢に対応いたしまして、技術開発とか中小企業対策とか臨機にまた対応していく必要があるわけでございまして、このために産投会計といたしましては、今後一般会計の財政事情が好転いたしました場合には、財政の健全性を維持しつつ、あらかじめ産役会計の投資財源を確保しまして、もって適時適切な投資が可能となるように本資金の制度はぜひ維持しておく必要があるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 その逆に産投会計から一般会計への繰り入れは、五十二年に一度やられた後、五十六年の財確法で時限措置として一般会計に繰り入れ規定が設けられて、今まで一千六百八十四億円が繰り入れられてきた。わずか一千六百八十四億円ですね。これまで一般会計から繰り入れられた金額は、一般会計の財政状況を考えると本来利子をつけて返すのが私は当然だと思うんです。そういう点では一般会計への繰り戻しは、始まったばかりですが、ほんのわずかですね。 その理由の一つに、産役からの投資先の公社公団など財投機関の積立金制度、国庫納付金制度がばらばらで、収益が適正に国庫に返還されていないという問題があるんじゃないか。 例えば石油公団などは、法律上は投融資残高の千分の五十を積み立てる規定になっておって、この規定による諸準備金の積立残高は毎年ふえ続けて、六十年度予算では二千七百五十億円を計上して資本金の四分の一を占めるに至っているわけですね。こういうものは、取り崩して国庫納付の対象にすべきではないかと思うんです。それに対してお答えいただきたいと思います。 それから、あとずっと質問を準備しておったんですが、もう時間が迫ってきたので一番最後の方の質問に急遽移りますので、あわせてお答えいただきたいんです。 今度の電電それからたばこからの株式の配当金、それがこの産役特会に繰り入れられるわけですね。それについては先ほど議論もありました。私はこれは、せっかく一般会計からの繰り入れがとまったのに、実質的にはこの配当分が一般会計からの繰り入れと同じように自動的に入ってくるんじゃないか。ですからこれは、一般会計からの産投会計への繰り入れの復活以外の何物でもない。それ以上に問題なのは、やっぱり自動的に毎年入るんですから、これは余計問題ではないか。となりますと、これは、今までせっかくやってきた点の政策の変更になりはしないか。新たに一般会計からの繰り入れの拡大と見られる面があるんじゃないか。そうなりますと、一般会計、財投を通じた財政全体の財政再建にこれはもとるんじゃないか、こう思うんです。 こういうちょっと違った問題を出しましたけれども、時間の関係でそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(平澤貞昭君) まず第一の、石油公団の投融資損出準備金についてでございますけれども、これは、石油等の探鉱事業は一般にリスクが極めて大きいわけでございます。したがいまして、その資金回収が必ずしも円滑に行われないという場合も予想されるわけでありますので、そのような将来の回収不能に備える目的で積み立てるということでございます。したがってそのリスクの大きさ等々を考慮すれば、やはり本準備金を取り崩すのは適当でないのではないかというふうに考えておるのでございます。 それから第二番目のたばこの株及び電電株を産投会計に帰属させるのは問題ではないかということでございますが、これを産役会計に帰属させることといたしました理由は、たびたび本委員会でも御説明申し上げましたように、貴重な国民共有の資産であるから、これを、産投法の目的にもございますように、産業の開発等に投資を行うことにより国民経済の発展と国民生活の向上に資するということで配当金収入等を使うということは、やはり法律の目的に極めて合致しているというふうに考えて行っているわけでございます。したがって、政府としてはこれは適切な措置であると考えているわけでございます。
○近藤忠孝君 時間が来てしまったので、終わります。
○栗林卓司君 「中期的な財政事情の仮定計算例」に基づきながら、六十一年度の予算編成の方向についてお尋ねをしておきたいと思います。 もちろん、六十一年度の予算編成はこれから作業が始まるわけでありますから、細部について伺うのは適切ではないかと思いますが、今の段階でも一応伺っておける部分があるのではないかという点についてお尋ねをしたいと思います。また、「中期的な財政事情の仮定計算例」ですが、「仮定」と書いてありますように、いわば話の種になる材料であって、これ自体積極的な意味を持っているのか疑問でありますけれども、これもそうでたらめということではなくて、ある筋道を持って六十一年度を投影して数字ができているわけでありますから、そんな意味でこれをひとつ参考にしながら伺いたいと思います。 前回も申し上げたのですが、この仮定計算例を三つに分けますと、成長率と税収と歳出、この三つになると思うんです。成長率はちょっとおくとしまして、まず税制についてお尋ねをしたいんです。 抜本的な見直しをしたい、したがって早急に政府税制調査会に諮問したいということは伺っておりました。一方では法人税、所得税あわせてぜひ減税をしたい、あるいはそれは増収を当てにしたものではない、等々の御発言がいろんな場所であったと思います。これを非常にわかりやすく一言で言いますと、この仮定計算例は弾性値は一・一ではじいているわけですから、要するに六十一年度を考える場合は弾性値は一・一、これは変わりませんというぐあいに理解しておいてよろしいでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 今委員がおっしゃいましたように、あそこで試算として出させていただいておりますものは、成長率と弾性値でございますので、税制改革の要因は含んでいないわけでございます。
○栗林卓司君 いや、そうではなくて、私がお尋ねをしましたのは、これから税調に諮問いたしますね。そこで所得税、法人税も含めて抜本的な見直しをしたい、場合によってはシャウプ税制以来何十年たった、まさに見直しの時期ではないかとおっしゃりながら、それは総体として増収を目的とするものではないという御言及もあったわけです。だから弾性値とするとこの仮定計算例のベースで言えば一・一はある、それは六十一年度変わりませんね、というぐあいに押さえて理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 税制改革の今後の段取りとかあるいは考え方については、既にもう大臣がたびたび申し上げられているところでございまして、単なる増収の目的じゃなくて税体系論を基本的にやっていただくというお立場でございます。ただ、弾性値一・一というのは、厳密に申しますと、現在の税体系で過去の経験値からはじいたものでございますから、仮に単なる、増収目的としない、税収全体としてはニュートラルである、しかし税体系が組み変わった場合にその時点での弾性値がどうなるかというのはそれはまたその時点で議論されるべき問題であろうという、理屈を分ければそういう整理になろうと思います。
○栗林卓司君 おっしゃったとおりでしてね、ですから、仮定計算例をベースにして一・一腰だめで仮にそうだとしたら、その数字は六十一年度やはり同じように持ち越されるでありましょう。それは、一・一が一・一〇一とか細かい議論をしているんじゃなくて、とにかく弾性値は動かさないと、観念的に言ってね。そう税制の見直しについては理解しておいて大きな間違いはないでしょうかという意味なんです。 伺いたいのはそのことじゃなくて、所得税、法人税の減税をしたい、まあ所得税についてはきょう午後三時から政審・政調会長会談があるようでありますから、答えの内容はわかりませんけれども、仮にそこで所得税減税一兆円、法人税五千億という結論が出たとした場合に、やっぱり一・一は動かしませんというと当然しかるべき一兆五千億程度の増税をしてくれないとそれは困る。こういう単純な理解になる意味が、一・一で考えますよという意味なんです。したがって、もし所得税減税をする、回答は見ておりませんからわかりませんけども、それをもしするとすると当然見合いでは増税を考えている。ひっくるめて、一・一ということでありますと、その理解には間違いないんですか。それとも、そこまで立ち入ってしまうとお答えができない、こうなるんでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) おっしゃいましたように、これは公党間でお話し合いになる話でございますから、従来政府としてはこの結論の推移を見守る。特にきょうの問題でございますので、具体的な議論は差し控えるべきであると思いますが、理屈の問題として、今栗林委員がおっしゃったような前提であるとすれば、しかも弾性値一・一、それからその仮定計算の基礎になっております六十年度の税収を土台として投影するという前提に立ちますれば、栗林委員がおっしゃったような道筋に理屈としてはなるだろう、弾性値一・一を変えないという前提であれば。そういうふうに考えた方が自然であろうと私どもも考えます。
○栗林卓司君 一・一を変えないというのは、増収を目的にした税制改正を行うつもりはないということをわかりやすく数字で言えばそういった表現になるという意味です。 そこで、きょうの回答は知りませんよ。知らないけれども、その回答が仮に出た場合、そのことと政府税制調査会の関係というのはどういったぐあいに整理をしておけばいいんだろうか。 もう少し伺いますと、去年の十二月十九日、六十年度の税制改正について政府税調は答申を出しました。同日、十二月十九日に自民党税調は、ほぼ同様内容の税制改正案を出しました。この辺なんですけれどね、全部政府税制調査会に任せるといっても実際には無理なんでね、自民党税調が表に出て変える場合もある。特に今度なんかの場合は、党ベースの話し合いですから、当然そうだと思う。仮にそこで結論が、私は出ないと思いますが、出たとしたら、それは政府税調はあずかり知らぬことではないか。そこで、ここ数年来党税調というのが非常に前面に出ておりますね。しかも、税制改正については村山調査会が鋭意御努力をされているというものとあわせて、来年の税制というのは一体どうなんだろうかという議論にしていかないと、従来はよかったんです、政府税調に諮問をしますので今のところは白紙でありますで済んだんだけど、どうも去年、おととしあたりからそうでもなくなってきて、党主導型で予算編成をされておられますね。そうすると、今の時点でもある程度踏み込んで、これとこれはもう減税します、そのかわり見返りでこっちは増税だという線ぐらいは、少なくも党としては言わなければいけないのではないか。 そのときに、従来同様に、いや政府税調にこれから諮問をしますということだけではちょっと言葉が足らなくなってきているんではないかという感じが私はするんですが、この点は大臣どうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) おっしゃいます意味は私もよく理解できます。ですから今の場合、結局三つの環境があるじゃないか、いつも申しますように。 国会の議論を整理して政府税調でやってもらう。諮問の方式をどうするかはこれからでございますけれども。それから二番目は、きょうの三時でございますか、要するに幹事長・書記長の話し合いの問題がある。それから三番目は、やっぱり対外経済の諮問委員会の、内需拡大のための消費、貯蓄、投資でしたか、の三つの税制について検討してみろ。それをどう組み合わすかということだと私も思うのであります。 で、党は党として税調、これは各党も持っておられますから、これが勉強が進んでいくというのはございますが、仮にきょうどういう話があるか、そういう話も含めて政府税調には正確に報告するということは当然のことであろうと思うんですが、今のところ私どもとしては三つをどういうふうな組み合わせで答えを出していくものか。それと、抜本ということになりますと、六十年度税制ということになればまた別ですが、抜本ということになりますと、こちらで初めから期限をつけるわけにもいかぬ。そういうところで早急に、まず今税調に対する報告はほどほどに整理しておりますけれども、それこそ諮問の内容をどういう表現にするかというようなことを、国会が終わりましたら早急に議論してみなきゃいかぬ課題だ。環境は三つあるわけですから、三つをどう組み合わせていくかというのは、このようでございますといって整理した段階にありません。
○栗林卓司君 同じようなやりとりを去年この時期にやった記憶があるんです。こうやって毎年やってきているのですが、これでこれから済むのだろうかという危惧の念が非常に深いので、実は今お尋ねをしたんです。 歳出についてお尋ねをしますと、これもまた、概算要求基準という言葉が昨年できました。五%、一〇%のマイナスシーリングでやっても同じことなんですが、いずれにしてもそういった手法というのは入り口ですよね、出発点。それから話をずっと煮詰めていって出口になるというお答えでございました。出口を聞きたいんです、途中経過はいいんですよ、出口を聞きたいんですが、一般歳出だけ取り上げてお尋ねをします。 一般歳出の中は、頭の中で整理をしますと、建設公債見合いのものと、特例債見合いのものと、税収見合いのものと三つに整理できる気がするんです。建設公債見合いのものは、これはふやしますと公債残高がふえる、ひいては国債費がふえるという問題がありますけれども、成長率を考えたときには、もう何としてもふやさなきゃいかぬということもあり得るわけですね。これは、ただ減らせばいいというものではどうもなさそうだ。したがってこれはちょっとどけます。特例債見合いのもの、それから税収見合いのもの、その一般歳出は出口としては対前年度少なくも横ばい、できれば以下、これが出口の絵でしょうか。
○政府委員(平澤貞昭君) 一応歳入面での財源としては、委員がおっしゃいますように大きなものとしては三つあるわけでございますが、これをそれでは具体的にどれとどう結びつけるかという点につきましては、建設公債は発行の限度として公共事業等の範囲ということはありますけれども、発行したものがそれに向けられるかということとは直接結びついていないわけでございます。それから特例債につきましても、結果的はこれがここへ行ったということは、お金でございますので、結びついてはいないわけであります。したがって、今おっしゃいました御質問に、具体的にこれがこう結びつくということはお答えが非常にしづらいということでございます。
○栗林卓司君 もう一遍整理しますと、何も三つに分けなくてもよかったんで、建設公債とそれ以外、どうくっついているかは別ですよ、要するに一般歳出がございますね。対前年度〇%にするか、三%にするか、五%にするかと書いてあるわけです。その次元でお尋ねをしているんですが、入り口の議論は問いません、出口とすると、ことしも去年も大ざっぱに申し上げて対前年度比ゼロでございました。したがって一般歳出出口ゼロですかと伺ってしまうにしては、ちょっと建設公債見合い分が、これは減らせばいいというものでもないもんですから、一応頭の中でどけてみました。残りはやっぱりできれば対前年度横ばいか以下にしたい、これが出口の絵でしょうかというお尋ねなんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(平澤貞昭君) 考え方としまして、投資部門とそれ以外に分けてよく表をお出しすることがあるわけでございます。そうしますと、その場合、今委員がおっしゃいますように、投資部門は横に置いて残りの、それ以外の経常部門といいますか、これについては最後の出口は三角になるんじゃないかという御質問だと思うんです。しかしこれにつきましては、これから六十一年度はどうするかという段階であるわけでございますので、いずれにしても厳しい予算編成になりますので出口も厳しくなるかと思いますが、具体的にそれでは三角になるかどうかという点についてはまだ何も決めている段階ではないわけでございます。
○栗林卓司君 決まってないと思うんですよ、それは。決まってないと思うんだけれども、ある胸算用というのはやはりないと、そう何カ月も先のことじゃないですからできなかろうと思うんです。 もう一つ伺いますと、今の私の大ざっぱな分類でいって、投資部門でも建設公債見合いでもいいですよ、それはちょっと尺度が別なんでどけました。残りについては横ばいもしくは以下ですと。これができない場合にはどうするかといいますと、国債費はこれは定率繰り入れを外しちゃったらあと減らせませんからね、これはもう完全に。そうすると、地方交付税と合わせて対前年度横ばいもしくは以下にするのかという質問になるんです。 それは、地方交付税の税率を変えれば、仮に下の方の一般歳出がふえたって、合計はゼロでいけるわけですよね。それもわかりませんというお答えだと思うんですよ。ただ僕が思うのは、これで対前年度一般歳出ゼロが続いたのは二年目なんです。もしこれで、ことし歯を食いしばってゼロにやったら、この表の見方が変わってくるんですよ。この下の〇%を選択したということは、もはやだれの目にも鮮やかなんです。そうすると、六十五年特例債脱却はまさに手の届くところにあるんだ、その印象をみんなに持たせるかどうかというのはやっぱり今の時点の決め手だと思うんですよ。そこで今私がお尋ねをしているんです。お答えできる範囲内でいいんだけれども、伺っている意味はそうなんです。
○国務大臣(竹下登君) よくわかります。したがって我々がとりあえず——これは入り口になって申しわけないんですが、概算要求基準を設けるときには国債費と交付税はどけますわね。それで一般歳出で、しかも投資部門と経常部門に分けてそこで考えていくわけです、そこで入り口に入ります。そうするとこの出口ベースの場合は例えば、栗林さんの頭の中にあるいはあるかもしれませんのは、ことしなどは結局地方との費用負担のあり方の変更の中でこれを守った。そうすると、それもなかなか切り込めない場合は、交付税率に手がついたらそれを含めたものはゼロベースということになる可能性がある、こういう御趣旨じゃないか。地方交付税というのはそう容易に税率変更のできるものではございませんので、したがってとりあえずのいわゆる入り口ベースでは、地方交付税、そうしたものをのけておいた一般歳出の中における概算要求基準をどうつくっていくか、こういうことであろうと思うんです。 しかももう一つ、あるいは栗林さんのお考えの底辺には、援軍来らずという感じがします、私自身も、個人的な意見を申し上げれば。そうすると、ゼロベースの予算を国民の皆さん方に定着、理解させていく入り口からその構えでいけるものか。一方税制大綱を諮問しておって、既に期待はございません、援軍来らずでございますということでいくべきかどうかというのは、もう少し勉強させていただかなきゃいかぬ問題だと思います。
○栗林卓司君 結局、言ってしまったらできるものもできなくなってしまうのではないかという日本的コンセンサスの問題なんです、これは。よくわかるんです。よくわかるんですが、そういったやり方でこれからの大転換期が乗り切れるのだろうかというと、最近そういった気がしてこなくなった。何かやっぱりどこかで、コンセンサスなしでも大胆になたで割るような仕事をしていかないと活路が開けないんじゃないかという気持ちが深いものですから、形を変えてこのお尋ねをしたんです。 見方を変えますと、さっき竹田委員も御指摘されました小口預金、あの自由化問題、確かに金融制度調査会を見ますと非常に慎重な筆で書いてあります。ただ、素朴に考えまして、大口、小口というのは金融制度調査会が幾らを大口と言い、幾らを小口と言っているか聞いてみなきゃわかりませんから、残高幾らかという質問はありませんけれどもね。しかし、小口といったって郵貯の高を見たって相当な額ですよね。片一方では市場連動もしくは自由金利で多少潤っているわけです。潤っているかに見えるわけです。一方、小口の方は全く無関係だ。いかにも損をした感じってありますでしょう。この感じはそんなに長く置いておけるんだろうか。ところが、信用秩序の問題等があって、踏み込んだことを言うとこっちが問題になる、銀行がひっくり返っちゃったら金利どころじゃない、それはもう庶民の保護にもならぬじゃないか。この議論はあるんです。 したがって、小口金利の自由化をどうするかということはまさに慎重であるべきなんですが、私は、これからは、慎重ということは手を先に打つことじゃないのか。預金保険でも何でもいいですよ。その手のものをまず先に打って、そこで小口預金の自由化がどんなにピッチが速まったって、最低限これだけはセーフティーネットを張ってある、こういう時代に入ってきているんじゃないか。したがって、従来は、言ってしまったらできるものもできないというのが大蔵省に限らず日本的なコンセンサスでありますから、よく配慮はわかるんです。しかし、これからはちょっと変えていって、踏み込んで、できたら対策を先取りしてまずつくっておくということに大蔵行政そのものも変わっていかないといけないんじゃないか。 所感だけ申し上げて質問を終わります。
○木本平八郎君 私は、せんだってのトンチン公債に引き続いて、まずその国債償還の原資あるいはその借りかえ、特に借換債用の原資として、都会地にある土地の利用という点から私なりの提案をしてみたいと思うわけです。 それで、結論から言いますと、都会の中にある農地の所有と利用というものを分離する、そういう手を打つことによってどんどん土地を提供してもらうというアイデアなわけです。 今まで政府によっていろいろな土地の動員施策が講じられたわけですけれども、もう一つ思ったように土地が放出されないという原因を考えてみますと、まず、一度それ売ってしまったらもう再び土地というのは手に入らないだろうということがあるわけですね。それから、今さしあたって金が要らないから売らなくていいんだということがある。それから、一括売りで、例えば千平米なら千平米一括売りで売らなきゃいかぬ、ところがそれを売ると、税制は二〇%とか一五%とかいろいろありますけれども、税金をごっそり持っていかれちゃうというふうなことがある。それから、一番大きいのは、将来インフレになったときに今金があってもこれはどうなるかわからないからちょっと土地でも持っておくのが一番いいという、土地神話みたいなものがあるわけですね。それから、やはり、将来まだまだ値上がりするかもしれないという期待があるわけです。 こういうものがミックスされて、政府が何と言っても、宅地並み課税とかなんとか言っておどしてみても、なかなか土地が出てこなかったんじゃないかと思うわけです。 そこで、私一つ例を引きたいんですけれども、この数字は私専門家じゃないしわかりやすいように適当な数字を使いますので数字にこだわられると困るんですけれども、例えば、ここに千平米の農地がある、その簿価は仮に平米当たり八百円だとする、そうするとこの価値は全部で八十万円ぐらいですね、その土地を持っていた。それに対して、政府が、それを提供してください。そのかわり土地証券、土地証券というのは所有権の確認みたいなものなんですけれども、それを渡しておくと。そして政府は、その受け取った土地を今度、デベロッパーだとか建設会社に入札で売るわけです。仮に平米十万円なら十万円で売れた。そうすると千平米で一億円、こういうことになるわけです。 ところが地主の方は、いや今は金が要らないからどうぞまだ金は結構ですと、こう言っておる。それでやっぱり、八十万円の価値でずっと持っているわけですね。それで地主が、五年後なら五年後に、娘を結婚させるので一千万円ぐらい要ると。そのときに、百平米分の証券を政府に出して、これを公示価格で買ってくださいと言うわけですね。 ここが非常にみそなんですよ。公示価格で買ってくださいと言う。そのときの公示価格が仮に十二万円になっていたら、政府は十二万円掛ける百平米で千二百万円払う。そこから税金その他を引いて一千万円が嫁入り費用として入る。残った九百平米は子孫に相続されるわけです。これはもうあくまで簿価の平米八百円で相続されるというふうなシステムなわけですね。 今度、逆に政府の方は、デベロッパーに一億円で売ったけれども、地主から請求がないものだからこの一億円は自由に使うわけですね。そうすると、七%ぐらいで回していくと、それで先ほど十万円で買ったのが十二万円ということなんですけれども、仮に五年たっていますと単利で考えても年利七%掛ける五ですから三五%ですね。そうすると、もう政府は十三万五千円持っているわけだから、十二万円払っても決して損はしない。こういう仕組みなわけです。 それで問題は、やはりそのときに、幾ら高くてももう土地がなくなってしまうということに恐怖があるので、逆にそういう土地証券という形にすれば地主もどんどん放出してくるのじゃないかと思うんですけれども、この辺について、これは本来なら建設省とか国土庁とか、あるいは通産省とか、そういったところにお聞きするべき筋合いなんでしょうけれども、これは例えば、今言いましたように、七%と、土地の値上がりが三%とする と、その差の四%はこれはもう丸々政府のもうけになるわけですね。あるいは逆に言えば、一億円の金を年利三%で、公示価格の値上がり分三%で十年なら十年使えるから、これはもう非常にいいんじゃないか。借換債なんかに使っていけるんじゃないかと思うわけですけれども、その辺についてまず大蔵省の感想、所感をお伺いしたいんですが。
○政府委員(梅澤節男君) ただいま委員がおっしゃいました構想、単に税制面だけの問題ではございませんので、私の所管する税制面の立場を主として中心にいたしまして申し上げてみたいと思うわけでございますけれども、そういう土地制度がうまくワークするかどうかというのはこちらへ議論をおきまして、幾つかやっぱり問題といいますか、わからない点もあるわけでございます。 というのは、土地証券でございますか、その証券の性格が一体何だろうか。今委員のお話を伺っておりまして、それは所有権を確認するという性格の証券ではないと思うわけでございますね。経済効果としてはそういう信託的な効果をおねらいになっているだろうと思うんですが、今委員のおっしゃった限りにおいては、その証券というのは、こういう言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、自分の土地は国に売っちゃったわけですから、その代金の請求権を好きな時期に、ただし価格は公示価格とおっしゃっているんですから、発動できる、そういう指名債権みたいなものだろうということになるわけですね。 そこで問題は、今おっしゃいましたように、それは国にとっても非常に得になるじゃないかとおっしゃったわけですけれども、私はお話を聞いておりまして、必ずしもそうじゃないと思います。 つまり、国は一たん地主から買いまして、先生の構想ではそれをデベロッパーに売り、デベロッパーはまたそれを宅地で開放していくわけですね。だから、土地は既に国の所有権に移ってなきゃいかぬわけですね。地主はもう所有権はないはずです、代金請求権しかない。ところが、公示価格と時価の差額で国は得するんじゃないかとおっしゃいますけれども、地主さんは、今委員のお話でも公示価格でもっていつでも好きな時点で国に請求されるというわけですから、二十年後土地が猛烈に値上がりしまして公示価格が上がっているという場合には、国庫はえらく損するわけですね。その値上がり益はだれが享受しているかというと、デベロッパーなり既に土地を買った人が得している。つまり国が、いつそういう請求が来るかわからないようなものをですね、これは財政の面からいっても相当問題があるし、国は得をするという話にはどうもならないのじゃないか。 ちょっと税制の話から外れましたけれども、そういう感想を抱きました。
○木本平八郎君 一々それについては私なりに相当反駁できるんですけれども、これをやっておりますと時間がないものですから、私、きょうは問題提起だけにしておきたいんです。 それで、これは私なりの話を進めさせていただきますと、要するに、従来、例えば通産省の産業構造審議会ですか、出されている土地債券方式があるわけですね。ああいう方式でもいいんですけれども、実際、地主としてはむしろ今一億円で売って、そして七%の複利でずっと利殖していった方が得に決まっているんです。公示価格の値上がりというのはありますけれども、今、土地、三%ぐらいしか上がりませんから。 しかし、やっぱり基本的には、一たん売ってしまうともうそこで全部終わってしまう。所有権、所有意欲がそこで断たれるというのは、何としてもやっぱり嫌なわけですね。感情的な問題だと思うんですけれども。それからもう一つは、将来値上がりということについての楽しみがなくなるわけですね、実際に上がるかどうかは別にして。それから、債券方式だと、現在の価格で、その値段の評価は別にして、先ほど言ったように売ってしまうということ。それから、将来のインフレに弱いというふうなことがあってなかなか放出できないんじゃないか。それで、これは先ほど午前中も大分皮肉がありましたけれども、大蔵省の官僚の人たちは皆頭がいいから、ついつい計算でもって、こうやれば地主が出すはずであると言うんですけれども、一番忘れている点は、持っている人の感情ですね、気持ちの問題をそんたくしていないというところにあると思うんです。 そういうことで私はこれを提案しているんです。具体的に私が考えた農家におけるメリット、こういう方式を採用されたときのですね。今梅澤さんからお答えがありましたけれども、将来の好きなときに時価で換金できる、これは公示価格でやるわけです。自分が金が欲しいかどうかによって決めるわけです。 それで、一つは、公示価格がべらぼうに上がるということはあり得るわけです。ところが、私がここで提案しているのは、一つは、公示価格が上がるというのは、やっぱり政府の失政の結果ですね。インフレとかなんとかを起こしちゃうわけだから。ところが、これがあると政府としてはインフレを起こせないんで、必死になってインフレを抑えてくれるだろうという、国民の方には一つの歯どめがあるわけです。 それから二番目は、仮にデベロップされると、素地、これが仮に十万円としても、ここが開発されますと、道路がつき、下水道ができ、駅がつき、バスが来るということになると、一遍に値段がばんと上がっちゃうわけですね、三十万円ぐらいに。公示価格というのはだんだん、ほとんど、それなわけですね。 その利益が不当利益じゃないかということなんですけれども、確かにそれがあると思いますけれども、これはやはりその差額は二十年なら二十年、五%ずつずっと毎年上げていって、そこへ近づけていく。それで、その間、早く売れば都市計画税なんかでばんと取っちゃうというふうな方式もあって、それで二十年間だと、これは七%で政府が回転していますと四倍ぐらいになるわけですね、価値が。十年で七%、大体二倍ですから、二十年だと四倍ぐらいになるわけです。そうしますと、十分にやれるんじゃないか。 それから、先ほどのように、小さい単位で切り売りできるというメリットですね。それで、だから所得税は余りこういう土地に対しては大きくかかってこないようですけれども、仮に十年に割って十分の一ずつ売れば、十分の十乗というふうなことも理論的には考えられるわけですね。それから相続のときの評価がえの問題とか、それから維持管理費がもう要らなくなるわけですね。 それで、私は、何よりも大事なことは、こういう都市の真ん中にある農地を持っている農家は、農業をやりたくないということなんですね。これは非常に断定的な言い方ですけれども。しかしこれも、やっていないと宅地並み課税をされるし大変だから、無理してやっている。例えば、子供とか、ほかの後継者もほとんどないという状況だろうと思うんです。本当にやりたければ、等価交換で茨城県か何かの農業地区へ行って、何町歩かを交換してもらって、そこで農業をやった方が私は農業をやるにはいいと思うんですね、部会の真ん中でがさがさやるよりも。そういうことなんで、この方式をとれば、相当農地を放出してくるというか、提供してくるんじゃないかと私は思うわけです。 ちょっと時間がないものですから最後までなにしますと、政府側のメリットとしては、これは住宅政策用に非常にいいということはもちろんなんですけれども、例えば、横浜の山の中に一つ、多摩ニュータウンみたいなところね、ああいうのを大きく開発するという場合、今一々の地主がなかなかオーケーしてくれないという問題があるわけですね。ところが、これだと政府が、例えばデベロッパーが、あそこを百万平米欲しいと言った場合に、よろしい、それじゃ自分がかわってこの土地証券でもって百万平米確保してあげましょうと。地主は、森林みたいなところ、今はもうキツネとタヌキしかいないところが、開発されるとその土地が十万円にもなり百万円にもなっていくかもしれないですね、百万円になるかどうかは別にして。そうすると、今だったら、平米一万円のところを二万円で買ってもらったってちょっと売りたくない。しかしながら、将来、開発されたら十万円になるかもしれぬと思ったら、十分に提供して、ひとつ開発してくださいというふうになるんじゃないかというふうなことで、都会地の中だけでなくても相当利用できるのじゃないか。 それから、補助金特別委員会で私は言いましたけれども、農地にもこのアイデアというのは相当適用できるのじゃないかと思うわけです。 それから、公示価格というのは今ありますけれども、大体三、四割低いと言われているわけです。こういうものに、やると、権威づけになるというふうな問題もある。それから、土地価格の抑制はもちろんですけれども。 それで、やっぱり一番大きなのは内需拡大の刺激だと思うんですね。今、内需拡大というのはやかましく政府でも言われていますけれども、これをやることによって相当の内需の刺激効果があるんじゃないか。 それから、先ほどの売却代金を政府は、私は少なくとも平均十年間は請求しないと思うんですね、そうすると低利で十年間活用できる。そうすると、今現在、全国で、大体三大都市で四万ヘクタールぐらいあるんですね。それで、一平米仮に十万円と簡単にしますと、四十兆円ですね。四十兆円を四%の利益で十年間やりますと、単純に言って四〇%ですね。そうすると十六兆円稼げるわけです、政府は。それで、これは全国で大体二十万ヘクタールぐらいありますから、二十万ヘクタールというと二百兆円になるんですね。二百兆円の資金が入るとこれは相当フリーハンドが、政府としては大きな武器になるんじゃないかという気がするわけです。 それから、何といっても今のままでは、いろいろなことをやってみても、結果的には農地が供出されないし、活性化できないんじゃないかと思うわけです。 しかし、このアイデア、構想についてはいろいろ問題があると思うんです。私もこういう土地の方、まあ財政はもちろんですけれども、専門家じゃないものですから、自分一人で詰められないので、本当はこれは全部何とか勉強会か何かやって詰めなきゃいかぬのでしょうけれども、ただ私としてはこういうことも考えられるのじゃないか。結論的に申し上げますと、やはり公示価格制度というのを入れてくるということですね。三割、四割、公示価格というのは時価よりも低いと言われておりますけれども、売る方の農家の方にとってみれば、こういうことであれば十分にその安さというものはカバーできるんじゃないかという気がするわけです。 それから、今のように、所有と使用をはっきり分けておいて、やはりずっと、あそこに大きなマンションが建っているけれどもあの土地はおれの土地なんだという気持ちですね。そういうふうなことをやれば私は相当出てくるんじゃないかと思うわけです。 時間も大体なくなってきたので、最後に大臣の御所見を伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(竹下登君) 基本的に、政治というのは計算ずくめだけでなく、フィーリング、それを政治の対象の中に置くべきだ、それはそれなりにいただける議論だと思っております。 ただ、今の問題、具体的に言いますと、所有権なのか利用権なのかという問題が一つ残ります。それからインフレに対する一つの節度と言いますが、インフレだけでなく開発利益というのによって土地の値段というのは左右されるという問題が一つはございます。そういうことを考えた場合に、そのフィーリングでも、もう一つ意識転換を求めなきゃいかぬのは、何しろアメリカの二十六分の一の面積でございまして、いわゆる農地は七十七倍向こうがございますから、人口一人としましても三十五倍、三十八倍ぐらいになりますか。そうしますと、土地神話というのが別の環境の中から生じておるから、さあ手放すかどうか、こういうふうな問題もあるんじゃないかという感じで受けとめましたので、お互い政治家ですから、そうした提案についての勉強は興味を持ってやらせていただきたいものだと思っております。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木一弘君が委員を辞任され、その補欠として峯山昭範君が選任されました。 ─────────────
○野末陳平君 内需の振興といいますか、拡大によって景気を刺激して、行く行くはこれが税収増にという面、もちろん経済の活性化その他ひっくるめて内需は大事だと思うんですが、税制面からも住宅取得についていろいろな配慮を今までやってきましたね。 そこで、大臣にまずお伺いしたいんですけれども、これから景気を刺激していこうという内需拡大に当たって、住宅建設というものの役割はかなり大きいだろうと思いますが、その辺についてどうお考えですか、まず概括的に。
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり今のところ百二十万戸が一応定着した。しかし、かつての時代には百五十万、百六十万の時代がありましたが、その点は、私はいつも思いますのは、要するに成人式の人数が二百四十五万ぐらいありましたのが今や百六十万ぐらいでございますので、ちょうど嫁さんと婿さんになる年齢層がそれだけ減っておりますから、年に四十万組ぐらい結婚の組数がかつてより減っているんじゃないか。したがって、空き家が四百万戸できておる。が、それは狭くて遠くて高いところばかりだと言えばそれまででございますが、したがって、よっぽど刺激的な何かのことがないとなかなか百二十万戸以上に持っていくというのは難しいのかなというふうにも思いながら、何分にもすそ野の広い産業でございますので、また、ちょうど高度経済成長のときに建てかえましたのがある程度耐用年数も来るんじゃないかというようなことからして、刺激策みたいなのを私はどういうふうに組み合わせていくべきものかな、絶対数が百二十万戸をうんと上回っていくというようなことには人口構造上なかなか難しいかな、こういうふうな、私は建設大臣のときにこれは考えたことで、もう十何年前の話でございますけれども、そんな感じを持っております。
○野末陳平君 住宅については、一昔前、住宅難住宅難と言われていて、もちろん持ち家促進の政策減税も随分続いてきたわけですが、最近は量の拡大じゃなくて質の充実だと。ですから、持ち家じゃなくて、その持ち家の中身を建てかえなどによってよりいい家にするという嗜好もかなり出てきたようですし、それから、大臣のお話ですが、若い人が余り持ち家を積極的に計画を立てないんですね、借家の方がいいんじゃないかという人もいたりして。いずれにしてもいろんなニーズがあると思うんですが、ただし、住宅建設を税制と絡めて今まで考えてきたんですが、この住宅減税の中身はそろそろここらで根本的に検討をし直さなきゃいけないんじゃないかなという気がしてきているんです。 そこで、従来、おととしでしたか、住宅ローン減税は拡大しましたから、その効果がどの程度出てきたかとか、その辺のことをまずデータなどで示してほしいんです。今住宅ローンでマイホームを取得した人だけが最高十五万円の減税がありますね、一年間、向こう三年。この効果というのはどういうふうに出ているでしょうか、具体的に。
○政府委員(梅澤節男君) これは実は大変難しい御質問でございまして、この五十八年の改正を御提案申し上げたときもたしか当委員会で同じような御議論があったかと思います。当時、建設省で恐らく五十八年の改正で一万戸ぐらいの建設増が期待されるといった数字がございましたのを私御紹介申し上げた記憶があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、その住宅取得控除があったから建設増につながったかどうかというのは、これは恐らく計量的に把握できる、あるいはそういうことをはっきりお示しできる性格のものではないのではないか。ただ、五十八年の改正で、かなり取得される方にインセンティブを与えた効果は期待できたのではないかというふうに私どもは考えております。
○野末陳平君 今の主税局長の、期待できたというところあたりが実はなかなか確認できないんですよね。つまり、大臣、率直に言いまして、住宅ローンを利用した人の、減税を拡大したことが果たしてどの程度の効果があったか、ここがわからないで、これから来年の税制改正に向けてこれをどういうふうに扱っていくのか、そこがわからないんです。じゃ主税局長、今後にわたって、今の住宅ローン減税といわれるものは、どうなんでしょうね、まだしばらく続けていってそれなりの効果を見ていくというそういう姿勢ですか。
○政府委員(梅澤節男君) 私が申し上げましたのは、そういう政策減税の効果を計量的にお示しするというのはこれはなかなか難しいということを申し上げたわけでございまして、この種の政策減税が全く効果を発揮しなかったかどうかわからないような措置であったというふうな意味で申し上げたわけではないわけでございます。 それから、五十八年の改正というのは、やはり住宅ローンに順化いたしまして、その最高限度額十五万円というのも、今のサラリーマンの平均的な収入の世帯の所得税負担と考えました場合に、かなりの水準には来ておるというふうに考えたわけでございまして、したがいまして、五十八年に発足したばかりの制度でございますので、私どもとしてはやはりこの制度の推移というものをいましばらく見るということは必要なのではないか。ただ、この問題につきましては各方面からいろんな御議論がございますので、そういった御議論にももちろん耳を傾けるということにはやぶさかではございませんけれども、現時点ではそういった考え方を持っておるということでございます。
○野末陳平君 現在の住宅取得控除における住宅ローンの減税は、ローンで家を持つ人にとっては非常にいいと思いますね。しかし、どうもそれが住宅着工件数を伸ばすとか、あるいは住宅産業にとてもいい刺激を与えているというところまではなかなかこれはわかりにくいんですが、僕はどうもそれほどの効果がないような気がしてきたのは、何しろ今住宅ローンは金利は低くなりましたし、借りやすいし、おまけに減税があるといっても、どうも若い人たちがそれによっては全然動かないという、そんなことも考えまして、ちょっとこれは再検討かな、そう思ってお聞きしているわけです。 同時に、去年とことし親子間の住宅資金の贈与の特例ができましたね。これについても、もっと効果があるかなと思って様子を見ているんですが、僕の感ずる限りではなかなか期待するほどじゃないんですが、データ的にはどうでしょう、去年の話で、そんなのはないのかもしれませんが、感触としてこの特例の方は、どうでしょう、ことしもまだ一年あるんですが、効果として、計量的にはとてもできないが、感触だけでも。
○国務大臣(竹下登君) 結局、住宅建築に対するインセンティブを与えるワン・オブ・ゼムであると思うんですよ、その二つともに。それで、もう一つ、住宅金融公庫のいわゆる建て増しに対する割り増し融資みたいなのをやりましたですね、あれも僕はあのときに、じいちゃんばあちゃんいらっしゃい、お家が広くなったから、というような標語で宣伝してみましたが、どれほど効果があったか。それからもう一つは、二世代住宅ローンというのをやりまして、おまえも大人になったから、一緒にお家を建てようや、これも選挙のスローガンに僕はとってみたんですが、それらを総合したものがどれほどの数字であらわれてくるかということは、建設省では若干勉強していらっしゃるようです。 私の建設大臣をしておったとき、空き家戸数が百八十九万戸だ、こう言っておりました。この間聞いてみたら四百万戸近くになっているんですね、小さいのを教えてでございますが。ははあ、大阪が一つあいているなと思ったら、今東京がすっぽりあいているということになる。それも十年たってみて奇異に感じますが、なおこの税制におけるインセンティブがどういうふうに働いたか、あるいは融資の、ローンの制度がどういうふうに働いたかというのは、総体的にあらわれる数字で見るしか、個々ではなかなか難しいんじゃないか。建設省へ、本当は私も興味があるから、勉強してもらうようにお願いをしておるところでございます。いささか、これは大蔵大臣としてではなく、私的にお願いをしておるところでございます。
○野末陳平君 確かにワン・オブ・ゼムだし、それからいろいろなものの組み合わせなんですけれども、少なくも政策減税的な立場でいいますと、やはり少し長い目で見ないとわかりません。だから、今の親子間の住宅資金贈与の特例についてはもうちょっと見るべきだ、つまり来年は延長せざるを得ないかなとは思っているんです。 こういうことをお聞きしているのは、総理が非常に住宅減税もやりたいかのごとき意欲的な発言をなさっているので、当然ほかに何か構想があるのかなという気もするんです。 それで、大蔵大臣にお聞きするんですが、今までの話だと、来年以後特に住宅減税について新たな構想あるいは変更があるような気もしないんですが、これについてはどうなんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもの立場としては、今野末さんのおっしゃいましたように、あの贈与の特例と、それからあの十五万円を限度とした、あれは四人世帯四百三十万ぐらいの所得の人が所得税がただになる、金目にすれば一緒でございますから、そういうのを見てその効果を見守っておる段階で、ただいまのところ財政、税制が出動してこれ以上のものをやるところの財政的余裕はございません、というのがこれは紋切り型のお答えになろうかと思うのでありますが、今いろいろな点を考えておられるようです建設省、住宅の方自体でもですね。だから、そういうのをやっぱり総合判断していかなきゃ、一つだけとってこれで五万戸はふえますとかいうようなのはなかなか定量的に言える問題じゃないなという感じがしております。 ただ、若干思いますのは、例の高度経済成長のときに、田舎でいえば、わら屋根がかわら屋根になり、それからいろいろお建てになったりしたものの、耐用年数といいますか、そういうものが近づきつつあるという感じは私にはございます。そこに何かインセンティブを与えるものはないのかなという、政治家としてそんな興味は持っておりますが、今大臣として、住宅減税をやります、こういう環境にはございません。
○野末陳平君 そこで、一般の住宅取得希望者など、あるいは現に持ち家の人たちからのいろいろな要求などの中で、幾つかおもしろい案があるので、それをお聞きしたいと思うんですけれども、今の大臣のお答えの中にあったのは、恐らくもっといい家に建てかえようという要求でしょうね。これは建設省サイドからはいろいろな政策が考えられていますが、これを税制で、つまり持ち家の促進でなくて今度は持ち家の中身を質のいいものに変えていくという、充実させていくというその方向へ税制上の何か優遇というものは検討できるんでしょうかね、果たして。それができればこれから住宅減税の中身はがらっと変えられると思うんですが、できるのかどうかというそこがちょっと具体的にわからないんですが、それはどうでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 直接のお答えになるかどうかということでございますが、先ほど来議論になっております住宅取得控除の適格な住宅の規模につきまして、これはたしか五十八年のときに手直しをさせていただいたと思いますが、面積が最低四十平米以上でなければいけない。そういう税制上の優遇を与えるときに、委員がおっしゃるような適格な良質の規格というものでないと受けられないという仕組みを考えることは考えられると思います。現に、今申しましたように、四十平米以下の、いわゆる十坪以下のような小さいものは住宅取得控除の対象にしないというような手法も現在は取り入れておるわけでございます。
○野末陳平君 建てかえが非常にうまく優遇措置によって促進されれば、一つ住宅産業に活況を与えるだろうと思うんですが、なかなかこれは難しそうなんですね。 それでもう一つは、これは割と簡単にできるんですね。公庫融資と比較して考えればいいんですが、いわゆる金利をアメリカ式に控除していくという、住宅取得控除は住宅ローンですけれども、もっと直接的に金利を所得控除していって減税していくという、この案はどうか。この方がむしろいいのだという考えもあるんですが、これは主税局の立場でどうですか。
○政府委員(梅澤節男君) 住宅ローンについて、無制限にといいますか、限度なしに広範な所得控除を認めているのはまさにアメリカでございます。アメリカはこれは毎年予算で公表しているわけでございますが、この利子所得控除による減収額でございますが、タックスエクスペンディチャーの数字が所得税税収の一〇%を超えておるわけでございます。その意味ではかなり思い切った制度であることは事実でございます。 ただ、この利子の所得控除につきましては、これはアメリカの中では、特に税制の専門学者の中ではつとに批判があるところでございまして、これは一九一三年にアメリカの所得税が初めてできましたときからこの制度があるわけでございます。これは住宅ローンだけじゃなくて、消費者ローンとかあらゆる借金の利子を所得控除できるという制度でございます。今回、それをかなり住宅に限定するというレーガンの改革案が出ておるわけでございますが、これはなぜ批判があるかといいますと、発足当初は、事業上の利子とそういう家計上の利子というのはなかなか区別できないだろう。つまり、所得税制が非常にプリミティブな段階であの制度が導入された、ところが所得控除というものは、税制の議論としては、それに見合う収益というものは必ず課税をしておきませんと税制としては非常にゆがんでまいるわけでございます。したがって、アメリカで学者の中で出ている批判というのは、そういう持ち家を取得することによる帰属家賃ですね、これをまず収入と立てて、それに要した借金利子を控除する、そういう所得計算であればそれはそれなりの一つの考え方であろう。しかし、そういうことは事実上やっておらないわけでございまして、所得控除だけをやっておるということは結果的にはそういう大きな借金ができるということでございますから、結局は高額所得者がタックスシェルターとして使えるわけですね。適当な時期が来れば、また大きな借金をして家をかえてということでございまして、私どもはこの制度は税制としては余り感心しないし、それからアメリカは一九一三年からずっとこの制度が定着しているものですからあれでございますけれども、政策的なインセンティブという面でもこれはよほど慎重に考えるべき議論であろうというふうに考えております。
○野末陳平君 国民性も違いますし、非常にその点は今のお答えのとおりだと思うんですが、ただ日本の場合は公庫融資というのが一方にありまして、利子補給をやっているわけですね。ですから、今の、利子を所得控除して減収になる。それともう一つは公庫融資の利子補給という、その両面を比べてみて、結果的に財政上はどうなるか、数値は出ませんが、いわゆる家を持ちたいという国民の方がどちらを喜ぶだろうかという見方も一つ考えられると思うんですね、特にこれからは。 そこで、公庫融資は確かに今あれを利用すれば結果的に金利が安いんだから利子補給による税金の恩恵を受けているんだけれども、むしろ直接に自分が利子控除による減税を受けた方が僕はいいんじゃないかと、わかりやすくて。そういう意味で、検討できるかなという質問をしてみたわけなんです。 もう時間も来ましたから、今の両者を比較してどちらがこれからの政策としてなじむかという、税制だけだったら主税局長のとおりだと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私もいつでも住宅問題は、いわゆる利子補給か税制か、利子補給といえば財政の出動になりますから、税制の場合も租税歳出といえばそれまででございますけれども、どっちかということはいつも議論をしておるところでございます。例えば、公庫は建てかえのとき、建てかえ分は融資する、しかし壊す金は融資しない。そうしたら、木材の何か振興を図るという意味でかなりの都道府県が、二百万円か何かに限ってその壊し融資というのをやったわけです。これは大変評判がよかったという話ですが、結果がどうなったか、私もフォローしておりません。したがって、そういう融資の中における財政措置と税制とどっらがですね、税制論理から言えば今主税局長が言った論理というのはそれは正しいと思うのでありますが、その辺の組み合わせは、これからもっと勉強させていただかなきゃいかぬことだというふうに考えております。
○野末陳平君 終わります。
○委員長(藤井裕久君) 午後三時三十分まで休憩いたします。 午後二時四十一分休憩 ─────・───── 午後三時三十分開会
○委員長(藤井裕久君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田四郎君 総理、御感想を承りたいと思うんですが、これは事前に通告してございませんので、あるいは失礼かとも思いますが、おとといは豊田商事の事件でみんなの、大衆の前で非常に残酷な事件が起こりましたし、また、きのうは投資ジャーナルの中江が逮捕されるということが起こりましたけれども、豊田商事にしても、投資ジャーナルにいたしましても、最近、年寄りとか、あるいは将来に大きな希望がなかなか持てないという方々が、わずかばかりの金を何とかふやそうということでこういうことにひっかかっているわけでありますけれども、大変今日の世相を象徴している中での事件であったというような気がいたします。 これについて、今日の経済、社会、そうした点で一番責任を持たれておる総理として、どんな御感想をお持ちになっているか、ちょっと承っておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近、豊田商事の事件あるいは投資ジャーナルの事件あるいはその前から関西方面におきまする暴力団の抗争事件等によりまして、一般市民の方々が非常に迷惑を受けておられる状態を見まして、甚だ遺憾に存ずる次第でございます。 日本は法治国家でございますから、法が存する限りは法は厳然として守られなければならない。暴力に対しても、あるいはその他の知能犯に対しても同様でございます。そういう意味におきまして、法治国家の実を上げるように我々はいろいろ考えなければならぬと思っております。 それからもう一つは、社会正義を維持するということでございます。老人や弱い女性が長年ためたお金が、情報の不足や知識の不足から乗ぜられまして、万が一にでもそれが詐取されるようなことが起きますれば、それは甚だ遺憾な事態でございまして、かりそめにもそういうことが起こらないように、社会正義に合致した運用なり、あるいは法律の整備というものが必要であるように思っております。いわゆる詐欺行為というものは甚だつかみにくいところでありまして、法律の構成要件もなかなか難しいところがございます。豊田商事の問題でも、投資ジャーナルの問題でも、警察も随分長い間いろいろ資料を整備してきておるのでございますけれども、検事さんに令状を請求するというような場合には、やはりそれ相応の証拠を握っていないとそれができないし、構成要件を満たしていないと難しい、そういう面で慎重を期しておった面もなきにしもあらずであります。これは法治国家である以上当然のことでございますが、それにしても、そういうか弱い人たちが乗ぜられるようなことがあってはならないのでありまして、もし法に不備があるとすれば、それらの点についてもこれは検討をしてしかるべきものであると思っております。 本日、政務次官会議等におきましても、これを再検討すべきではないかというような趣旨の議がありました。我々といたしましても、案件の厳重な真相究明を行うと同時に、それと並行しまして、その状況を見つつ、やはり法の不備ありやなしや、あるとすればいかなる立法でこれを補正するのが正しいか等について検討をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○竹田四郎君 大蔵大臣、これに関連して、やっぱり最近、株とか、あるいはいろいろな最近の金融商品とか、こういうようなものが非常に出回っているわけですね。しかも、これが物すごい競争をされているということでやっぱり、今総理がおっしゃられた情報の足りない大衆というのはひっかけられやすいと思うんです。最近我々のところにも非常にそういう、あれを買わないか、これを買わないかという話があるわけであります。 私どもは前に、投資顧問業というもの、もっと末端の、そういうものをつくるべきだということを大蔵省に申し入れていることがあるわけでありますけれども、そういう点で、特に大蔵大臣、これも私、事前にお話ししてなかったわけでありますけれども、何らかの措置をとるべきじゃないか、こう思うんですが、その辺はどんなふうにお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) かねてから本委員会においてもその議論はございました。私どもも部内でいろいろ議論をいたしました。その議論をいたしました点は、例えば新聞紙上で何とかの勧めというのが出ておったら、それも投資顧問業法にひっかかるじゃないか、いろんな議論をいたしましたが、かれこれ整理をいたしまして、審議会に諮問をいたしまして、それに限って諮問しているわけじゃございませんが、結論が得られるのではなかろうか、可及的速やかに法の整備をしたいという気持ちであります。
○竹田四郎君 両大臣、ひとつこの点ではやっぱり早急にそういう体制をつくっていただきまして、今後の高齢化社会に向かっていく時期でありますから、体制を整備していただきたいということをお願い申し上げておきます。 それから、この一—三月の国民所得統計の発表がありましたけれども、GNPで前期比実質〇・一%、年率で〇・四%増ということでありまして、これは最近、五十八年第一・四半期、一—三月以来の落ち込みというふうに考えられるわけでありますけれども、五十九年度の実質成長率はかなりいい成績だったというふうに思いますが、アメリカの経済の減速ということに関連して日本の一—三月が落ちたということは、非常に今後の日本の経済のあり方に心配する方向というものが出てきたのではないだろうか、こういうふうに私思います。 そうした意味では、今後の経済運営というのが一層難しくなってきたように思いますけれども、総理はこれについてどんなお考えをお持ちでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 三月の発表によりますると、GNPが低下しておりますが、これは一面、アメリカの景気の若干の後退に伴いまして輸出が減ってきた、それが非常に大きく作用しておるようでございます。なお、その前の九、十、十一、十二、かなり好調で高い率でいったという面もございます。しかし、全般的に見ますと、消費は非常にまだ堅調であります。住宅もややまだ強目であります。設備投資が若干前よりは弱くなってきていますが、これも腰は強い面がまだございます。そういうようなことから、四、五、六におきましては前よりも回復するであろう、そういうふうに予測されております。 私は、日本経済全般を見まして、アメリカの景気に対して我々はタイムラグで後を追っかけて出てきておる面もございまして、やはり着実に経済の基調はまだ強い面がある、また、それは続く、そういうように考えております。ただ、これから来年にかけましてアメリカの財政削減やらそのほかの影響がどういうふうに出てくるか、アメリカの金利の低下というような傾向が円ドルにどう響くか、それが輸出にどう響くであろうかというような点は慎重に見守っていく必要はあると思っております。しかし、全般的な大勢的観察というのはただいま申し上げたとおりでございます。
○竹田四郎君 私は、やっぱりまだ日本の景気が、アメリカへの輸出という、そうした点での運営ということしか行われていないんじゃないのか、民間設備投資も横ばいのような状況でありますし、最近では特に半導体工業などのこれからの設備投資も一体どうなるかわからないという状態でありますので、やはりアメリカの今までの経済に頼っていたような経済から、方向転換を大きくしていかなくちゃいけないだろうということは私は常識だろうと思うんです。 特に最近国際的に、これはもう総理みずからがボン・サミットに出られて、日本の内需拡大は恐らく言われただろうし、総理自体もこれは約束されたことであろう、こういうふうに思いますし、最近の世界では、国際決済銀行にいたしましても、OECDの結論にいたしましても、すべて日本の内需拡大、輸入を拡大しろ、こういうふうなことが言われているわけであります。これに対して、一般的には、公共事業などの財政投資の追加が必要であろう、こういうふうに言われているわけでありますけれども、そうした意味で、総理の今までのお考え方では、財政投融資じゃなくて、やっぱり小さな政府、小さな政府ということを中心にお考えのようでありますけれども、こうした景気の停滞方向を変えるにはやっぱりこの辺で考え直す必要があるのではないだろうか、来年度に向けて一つの大きな目玉というようなものをつくる必要があるのではないだろうかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) サミットにおきまして、いわゆる機関車論というのは各国とも否定したところでございます。それで、財政赤字を削減して堅実な基調に戻す、それと同時に内需のことも考えていく、そういうような筋のものであったと思っております。したがいまして、日本も財政赤字削減、財政の健全化というものに邁進しておるのでありまして、この基調を崩すわけにはいかぬ、そう思っております。しかし、内需の問題も景気の動向を見詰めながら考えていく必要もございます。 昭和六十年度予算におきましては、公共事業費については、国費についてマイナス五%シーリングというものを設定いたしましたが、実質的に事業量は大きく拡大いたしました。大体二%程度、二%台の公共事業の減がありましたが、三%台の事業量の拡大ということになっておりまして、事業としては大きく拡大されておるわけであります。それに、いわゆる民活という方面で我々はこれからさらにアクセルを踏みまして、内需の方向に力を入れてまいりたい、そう考えておるところでございます。
○竹田四郎君 そろそろ六十一年度の概算要求基準をつくる時期に入ってまいったわけでありますけれども、この概算要求基準というのはどんなふうなフレームでおやりになろうとしているのか。これはまだ総理の段階にいっていないかもしれません、むしろ大蔵大臣の段階だろうと思うんですが、これは大蔵大臣の方からひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 概算要求基準というものの対象は、いわゆる一般歳出であります。一般歳出というものは、財政事情から見ればより厳しい環境にございますだけに、大変厳しいものにならざるを得ない。ただ、具体的に投資部門幾ら、経常部門幾らとかというようなことにはまだ議論を詰めていないところでありますが、これから国会が終わり次第、国会での御議論等を踏まえながらその問題の詰めを行って、少なくとも手順だけで申しますならば七月中にはその方針だけは確定をしなきゃならぬというふうに考えておるところでございますので、五%とか一〇%とかいういろいろな予測は出ておりますが、その点についての議論はまだ詰めていないというのが現状であります。
○竹田四郎君 具体的な数字にまではいっていないけれども、おおよそ六十年度並みぐらいに我々は考えておいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(竹下登君) 六十年度にとった手法というのは大変我々の念頭にもある手法であるというふうにお答えした方が適切かと思います。
○竹田四郎君 やっぱり財政が膨らんでいくという大きな要因は、国債費とそれから地方交付税交付金の額というのがいつも目立って膨らんでいくわけでありますけれども、地方交付税について、その計算の仕方、計算の根拠、そうしたものを少し直そうというような意見があるというふうにも伝えられているんですが、この辺は一体どうなのか。 それからもう一つは、ことし参議院では特別委員会を開いてやりました例の補助金の一律カット、これについても一年限りということでこの国会はやったわけでありますけれども、これについては来年は相談するということになっているというふうに理解しておりますけれども、それは一体どうなるのか。
○国務大臣(竹下登君) まず最初は地方交付税の問題でございますが、地方交付税の税率を議論するということになりますと、国庫補助のあり方とかあるいは地方負担のあり方とか、税源の配分とか、全部にわたって議論した上でないと、これだけを取り上げて解決のつく問題ではないというふうに私ども理解しております。したがって、その中で今竹田さんのおっしゃったのは、中をもう少し洗ってという議論があるかどうか、こういうことであろうと思いますが、私どもは今その点にまで立ち至っていないというのが現状でございます。やはり、地方交付税率というものを念頭に置いたら、途端から、税源配分から全部考えていかなきや解決のつく問題ではないということが基本にあるからであります。 それから補助率の問題でございますが、確かに本院においては特別委員会において通していただきました。あの際も三大臣合意等々がございまして、そのときから言う来年度予算編成時までに、基本的に議論をして結論を出すという合意があるわけであります。それにつきましては、法律を通していただきました直近の閣議におきまして閣僚会議を設けるという口頭了解をし、そしてその第一回の会合に、専門家の方々を検討委員会にお願いをいたしましてその作業にかかったというのが現状でございます。したがって、この問題につきまして、あるいは竹田さんの考え方の中には、概算要求とどうなるかということもあろうかと思いますが、概算要求前にこの問題の結論を出すというのは私は非常に困難ではないかというふうに、今のところ印象でございますけれども、思っております。やはり六十一年度予算編成時までにきちんとした結論を出すということになろうというふうは考えております。
○竹田四郎君 総理、最近政府の中に財政というのは数字合わせだという考え方が私は非常に強いんじゃないか、こう思うわけであります。ところが、実際、その数字合わせがなかなか合ってきていない。ここ十年近くの間、国債を発行してからずっと見てみますと数字合わせが合わない、これが私は実態だろうと思うんです。何年には必ず特例国債をゼロにしますよ、何年にはゼロにしますよ、今度も、六十五年には必ず特例国債をゼロにしますよ。七で割っていって一年一兆幾らかの特例国債をなくすれば必ず六十五年にはゼロになりますよと。数字合わせは確かにそのとおりであります。しかし、現実にもうその六十五年に特例国債をゼロにするという計画の、ことしは三年目ですか、二年目ですか、とにかくまだ前半だと思う。その本年、既に、特例国債を一兆円以上カットすることができなかったわけですわな。七千五百億までの点で、一兆円カットすることができなかった。 こういうことを考えてみますと、どうも六十五年に果たして今のような手法でもっていって特例国債がゼロになるかというと、またならないだろうと私は思うんですね。もうその計画が崩れているわけです。ですから私は、どうも最近のその数字合わせのやり方というのはむしろ間違いじゃないか。 ですから、あえて私は、六十五年度に何でもかんでも特例国債をゼロにするということでいけば、あっちこっちに必ず無理が出てくる。これは与党の中だって無理が出てくる。そういう意味では、やはり日本の潜在成長力というのは、五十九年度だって実質五・六%ぐらいの成長をしているわけでありますから、大蔵省の言っている三%以下だというようなことはあり得ないわけでありますから、だからこの成長率をもう少し高くしていくというそういう土台をまずつくって、その土台の上で成長率を高めていくというようなことが必要じゃないか、こう思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今のようなこういう変動期におきまして経済の予測を高目にするということは、やや危険性を感じます。五十六年、五十七年等で相当の税収欠陥が出ましたが、あれは不慮のいろんな問題もございましたけれども、やはりそういう点に対して我々は大いなる教訓を学んだわけでございます。やっぱり着実にこの赤字国債を減らしながら財政を健全化するためには、汗を流して国民の皆さんと一緒になって苦労するということが必要で、これを緩めてはならぬ、そう思うのであります。 もし赤字国債等でそういうようなことをやりますれば、赤字国債のツケの方が今度は現代においては大きくなってきて、いわゆるケインズの当初考えたような乗数効果はそれほど出ないという客観的な経験もございます。したがいまして、新たなる手法が必要なのでありまして、一面においては歳出と歳入を着実に財政再建に向けて規定していく、そういうことと同時に、一面において新たなる手法による新たなる成長という方向を考えまして、民活ということを中心にまた努力もしてきておるところです。 現に電電を民営化したことによって随分第二電電以下の大きな経済的な効果も上がりつつあります。あるいはクロネコヤマトというものは今、日本国内のみならず外国にまで足を伸ばすぐらいに伸びてきておる。これは官営である郵便関係あるいは鉄道関係に対して、民間の力というのがいかに根強いかということを示しておるものであります。そういうような点も考えてみまして、民間の持っておる活力をいかに伸ばすかという点を我々は規制解除その他によって考うべきである、そう思うのでございます。
○竹田四郎君 まあそれは総理の考え方であろうと思うんですが、私も赤字国債で何でもやれということを言っておるわけじゃありませんで、赤字国債は少なくしていかなくちゃいけないということでこの財確三法についても議論をしてきたところであります。そういう、無理を余りし過ぎるやり方ではないだろうかということを申し上げたい。 最近、現代総研あたりがことしの予算編成当時、去年の十二月、十一月ごろからいろいろな意見を出しておりますが、現代総研の意見というのは私は割合着実な意見ではないだろうか。例えば、国債の発行額というふうに、額で固定してしまう。それ以上はふやさない。あるいはGNPに対する国債の比率というものを一定にして、それ以上は伸ばさない。こういう形でいけば、発行額が固定されるわけですから、予算の総額がずっとこうふえていっても相対的な比率は下がってくる。そういうような形でやるべきだというような意見を述べておりますが、私はこれはやっぱり一つの見解であるし、ひずみも余り出ない中でできるだろう、こう思います。恐らくこれは総理もお読みになっているしあるいはお話を聞いているだろうと思うんですが、そういう形はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) GNPあるいは予算における赤字国債の比率を減らしていくというその目標をつくる、数値的な目標であるか方向性の目標であるか、ともかくそういう努力の対象をつくるということは非常に大事であると思います。現に、GNPに対する比率等におきましても大分下げてきております。予算の中身における比率についても同じように下げてきております。そういうような目標をつくりまして永続的に努力していくということは賛成でございます。
○竹田四郎君 アメリカのあなたの親友であるレーガンがレーガノミックス、サプライサイダー・エコノミーというのを採用した一つの私は大きな理由は、その前の大統領の時代に公共事業というのを非常にサボった。その結果橋も、渡れない橋の方が多い、道路もでこぼこの道路の方が多い、そういうようなことで、レーガンが大統領になって、公共投資なり、あるいは民間の設備も同じであったわけでありますけれども、そういうものを直していかなければ次への経済の発展はないという危機感を持ち、そうしたものが私はレーガノミックスになったであろうし、そういうことでサプライサイダー・エコノミーというものがまあ学問的というよりも政治的に成立したんだろう、こう思うんですよ。 日本の場合も、今民間の設備の年齢なんかを見ますと、どんどん年とっているわけですね。これは開発銀行の調査でありますけれども、アメリカの方は今むしろ若返っている。日本の方はむしろ機械設備が年とってきている。こういう状態、これは例は民間の設備投資でありますけれども、それは私は道路や橋やそういう公共的な設備についても同じように、長く続ければそういう事態が生まれてくるだろう。そういうことをそろそろ考えなくちゃならない時代にもう入ってきているんじゃないか、こういうふうに思います。公共事業費は既に五年間伸び率ゼロということでありますから、こういう状態を長く続ける、公共事業の伸び率はマイナス五%だというようなことをどんどん続けていくということになると、そうした社会資本が荒れてしまう、そういう私は心配を実は持っているわけであります。 そういうことについては、総理は、まだまだしばらくは大丈夫、生産性が落ちるようなことはない、こういうお考えなんだろうと思うんですけれども、その辺をどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本経済を最近支えてきた大きな力は、内需が非常に出てまいりまして、その一つは消費であり、その一つは設備投資でございました。一—三におきましては設備投資はやや停滞の気味でございますが、やはり非常にまだ根強いものがございます。それで日銀の短観やあるいは経済諸機関の調査等を見ましても、やはり設備投資意欲というものは、一服ではありますが、また次に強くなるという予想はございます。現にハイテク関係におきましては相当な設備投資が行われてきたところでございます。しかし、ハイテクのようなものは非常に際物的要素がありますから、早く償却してしまわぬというと採算ベースに合わぬ。長期的展望から見ても早期償却を要望する、そういう性格のものであるだろうと思います。 今後の日本経済全般を見ますと、やはり設備投資等におけるイノベーションというものは絶えずやはり必要である、そう思います。しかし、そのためにどういう程度のインセンティブを与えていくか、どういうやり方がいいかという点はまた別の問題でありまして、景気の動向とか税制の体系とか、そういうものをにらみながら今後検討していくべき問題であると思います。現に今まで中小企業、技術開発の減税とか、その他はやってきており、ハイテク減税も設備投資の関係でやってきておるわけであります。 予算編成も絡むことでございますけれども、全般的に見ますと、やはり日本をめぐる財政環境は依然として厳しい状況にあって、今までの軌道の上をやっぱり走っていくことが正しいと思いますが、その上における一つの応用編として、いろんな対策を年次ごとに考えていくということはこれは必要ではないかという考えもいたしております。
○竹田四郎君 六十年で切れる八つの事業計画というのがあるわけです。下水道とか都市公園とか交通安全だとか住宅とか、こういうものがあるわけでありますが、こういうものはどうなんでしょうか、改定、新計画をつくるというようなことは総理はお考えではないでしょうか。総理は何か計画は嫌いだというんですから、そういうものはつくらない方がいいということなのかもしれませんけれども、やっぱり一つの目標として私はあった方がいいんじゃないかと思うんですが、そういうものの策定はおやりになるんですか、ならないんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 六十年に切れる八つの五カ年計画等を見ますと、一番完遂率のいいものは九五%ぐらいやっておるけれども、下水道のようなものは余り伸びていない。たしか六〇%程度ではないかと思います。飛行場とか、あるいはそのほかいろんな性格によって違いますが、九〇%、八〇%台いっているのはそれほど多くないようであります。これは、だから御指摘のような条件下にそういう現象が起きているというふうに我々も認めざるを得ぬと思います。 今後どうするかということでありますが、我々が八年間の計画の経済運営の指針を前につくりましたが、あのときに、いわゆる昔のような数量を盛ったいわゆる計画経済的なものは適当でない。そういうことで定性的なものに変えました。この考えは今後も持続していくつもりでございます。 しかし現実問題として、今ある八つのものをどういうふうに処理していくかということは、予算編成等とも絡みまして今後検討していきたい、そう思っております。
○竹田四郎君 じゃ、次は国際収支関係を若干お尋ねしたいと思うんです。 今、大体日本の経常収支黒字というのはGNPに対して三%弱ぐらいだと思う。二・七から二・九ぐらい、そのぐらいに恐らくなっているだろうと思うのですが、総理はこれはどのくらいを目標にしていらっしゃるか。私は大体一%ぐらい、今の大体三分の一ぐらい、大体百億ドルですね、このぐらいになるかと思いますけれども、そのくらいならばまあまあということであろうと思うんです。その辺はどの辺に目標を置かれておりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは一概には言えない、ほかの経済諸条件との絡みがございます。言いかえれば経常支収の問題もあれば、基礎収支の問題もある。外貨という問題で考えると日本は資金流出が非常に多いわけですから、外貨の持ち分という面から見れば必ずしも、基礎収支においてはマイナスになる、そういう面も既にございます。ですから、出ていくお金の方、片方も考えなきゃならないという状況であると思うんです。 しかし一般的に見ますと、経常収支に関する限り、輸出が非常に過大であり過ぎるということは外国を刺激するということでございますから、これは常識的に考える必要があると思いますが、自由経済、自由貿易を推進するという面からすると、そういう規制はできるだけ排除したい。輸出に対する規制も輸入に対する規制も排除して、むしろ輸入と輸出を増大しつつ拡大均衡の方向に向かっていく。それが基本政策としては正しい、そう思っております。したがって、百億ドルが適当とか二百億ドルが適当とか、そういう数量ベースで一概に規定することはできない。その底にあるいろいろな経済的諸条件がどういうふうにそのとき動いていくか、そういうことにも関係いたします。 ただ一つ言えることは、やはり日本は相当な円借款等で海外経済協力も行い、あるいはODA等もふやしていこうという、そういう計画でございますから、経常収支が赤字というんじゃ、これは一般論としては困ると思うんです。ですから、貿易の運用上のいろいろな諸般のものに障害を及ぼさないように、かつ日本の経済協力に障害を及ぼさないように、そういう配慮を考えつつ、いろいろ政策を練っていくということが適当ではないかと思います。
○竹田四郎君 これは総理も御承知のように、貿易では黒字だけれども、資本収支ではもう五百億ドルに近い資本の流出があるわけですね。このことというのは、今日の企業の中で、物をつくる、あるいはサービスをする、国内の富をふやすということよりも、財テクをいかにうまくやって収益を上げていくかということで、最近、企業の中では大変に財テクブームということになっているわけです。これは結局は利ざや稼ぎということですね、簡単に言えば。 そういうことで外国へ資本が流れていく。これが続いていく。どれだけ続くかわかりませんけれども、こういうことが続いていくと国内への設備投資というのはやっぱり軽くなってくる。同時に、そうなってまいりますれば国内における投資の機会というようなものが少なくなってくるというわけでありまして、こういう付近がシュルツ国務長官の、日本は貯蓄を優遇して投資を軽んじている、こういう言い方になってきているんではなかろうかと思うわけであります。そういう意味では、確かに日本の税制を見ましても、貯蓄優遇の税制であることは間違いないと私は思うんです。この辺はやはり修正していかなくちゃならないだろう、こういうふうに私は思いますけれども、総理はその辺はどのようにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近の会社経理等を見ますと、大企業あるいは一部の輸出産業、金融機関等において財テクが非常に盛んなようであります。これは金融を自由化し、円を自由化していく、こういう過程において当然起こる現象で、必ずしも否定すべきものではございません。 しかし、ここで考えなきゃならぬのは、余りマネーゲームに熱中して生産性とか、要するに実動の部隊、実動というものを忘れるとこれは大変なことになる。英米のような先進資本主義国は非常に自由化されて、そしてマネーゲームが盛んであって、そっちばかりへ興味を持つというと、新しい発明をするとか工場をどんどんつくるとかあるいは失業をなくすとか、そういうようなところよりも、むしろマネーゲームで机の上で数字をあっちへやったりこっちへやったりすることで繁栄を続けられるものだという感じを持つ危険性がなきにしもあらずです。これは、現在日本経済が直面している非常な課題であると思っております。 アメリカの異常な高金利というものがこういうものを生んでおりまして、そういつまでも続くものじゃないでしょうけれども、しかし一面においてこれで国際経済人が育ってきている。金融面のいろんな問題についても、ほかの国の一流のエキスパートに負けないだけのエキスパートが日本経済の内部に育っている。これはまた大きな貴重な経験でもあります。ありますが、一番大事な、生産の実体の面においておくれをとっていくということでは、これはまた困るのでありまして、そういう面もよく考えながら我々は政策を練っていかなければならない、そう思っております。
○竹田四郎君 総理がおっしゃっているアクションプログラムですね、それの進行状況というのは今どんなふうになっているんですか。これはほかの方で、事務当局で結構でございますけれども、何か余りうまくいってないような感じを実は新聞では受けているわけでありますけれども、その辺はどうなんですか。どなたか御説明できる方があったら、簡略で結構でございますから御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私の所管ということになりますとごく限られてまいります。特に、金融資本市場の開放の問題につきましては、過般来、円・ドル委員会等々からいたしまして、これは順調にという表現は自己礼賛になりますが、計画的に進んでおるというふうに思います。 しかし、我が省にもまだ特定の物資等の問題も抱えております。 一方、各省におかれても、事務次官を中心としてこれが作成に目下鋭意努力されておる。そして、明日も総理を本部長とする会議が午前七時半から——今通知を受けたわけでございますが、開かれて、私もそれに出席をし、今日までの恐らく進みぐあい等についての意見交換なり議論が行われるというふうに承っておりますので、総理の指導によって問題は精力的に検討が進められておるというふうに表現できるのではないかというふうに思います。
○竹田四郎君 大蔵大臣の御説明はそういうことであろうと思うんですけれども、総理の最近のあちらこちらでの御発言を見ますと、アクションプログラムをつくるのに非常に御苦労されている。なかなか思うようにいかないというような感じを受けるわけでありまして、ある意味では御同情申し上げている面もあるわけであります。例えばどこでお話しになったかちょっと記憶しておりませんけれども、輸出の自主規制をやらなくちゃいかぬ、そういうことを書き入れろというように御命令になっていることもあるようでありますし、あるいは関税の引き下げにしても、一律何十%というようなことを指示されておられることも新聞では承知しているわけでありますけれども、そうした意味では、大変総理は危機感を持っておられるというふうに思うんです。この危機、かなりここで無理をしてもやらなくちゃいかぬ、場合によれば農産品も自由化の中へ入れなくちゃいけないというようなことが、本当かうそか知りませんけれども、新聞では伝えられている。一体、そういう意味では、総理一人が大変危機感を持って、ほかはのんびりやっていると言うと怒られるかもしれませんけれども、それに追いついていないというのが今度のアクションプログラムをつくる上での感じでありますけれども、総理の、危機感というものが出てきているゆえんのものはどういうところですか、私どもは余りよくわかりませんけれども。 例えば、最近のマンスフィールド大使の発言なんかを見ますと、これはなかなか大変だなと。総理は、アメリカが輸入課徴金を、米国の議会でそういうものができるのはレーバーデーぐらいだろうというようなことをおっしゃったこともあるわけでありますが、マンスフィールド大使の発言を見ますと、いやいやもっと早い、八月の真夏の中に行われるんだというようなこともおっしゃっておりますし、二〇%の輸入課徴金とか輸入割り当てだとか、関税強化の法案の提出もすぐだというようなことをおっしゃっておりますが、こうしたこと、アメリカの議会筋の動きというものが総理の非常な危機感ということになっているんですか。その辺を少し国民にわかるように、この際お示しをいただきたいと思うんですが。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカのみならず、ヨーロッパあるいはASEAN諸国も、日本のアクションプログラムの形成状況を見守っておるのでありまして、これが一歩誤るというと保護主義へ世界経済が一挙に動いていくという危機に立っている。その責任を日本がしょってはならぬ、そういうふうに思っておりますし、また、それと同時に、日本がアンフェアだと言われているというそういうものが、蔓延するようなことがあっては日本の恥になる、そう思っております。ですから、何としてもアクションプログラム等を成功させまして、そういうものを払拭するというふうに、今全力を注いでおるところでございます。 ヨーロッパの方を見ましても、OECDの動向を見ますると、対日批判の声というのが一斉に今上がりつつあるということがわかります。 英国において、ボスポラスの問題で英国政府にフラストレーションがたまっておりましたが、あれは英国政府のみならず、ベルギーにおけるサッカー事件、死傷事件というようなものは、英国民の下の方にもああいうフラストレーションがたまってああいうところで出てくる。イギリスの列島自体が全部そういうようなフラストレーションに包まれていると我々考えざるを得ない。それは失業そのほかのいたすところではないか。その原因は何かと言えば、日本の物がどんどん入ってきて、そして企業が侵害されているという、そういう強迫観念というものが潜在的にあるのではないかということを考えざるを得ません。 それから、アメリカ側におきましても、共和党の上院の例えばドール院内総務とかあるいはパックウッド議員とかあるいはダンフォース議員とか、今までいろいろ新聞に出た方々が日本に対する政策を今やまた考えているということが報ぜられておって、これは真実であります。 したがいまして、昔の教練の言葉を使って言えば、構え銃という状態で、引き金に手はさわっていないけれども、立て銃という状態ではないわけです。そう考えざるを得ないと思うのであります。竹田さんも教練をやったからおわかりだろうと思いますが、そういう状態にあると私は思うんです。ですから、この際何とか国民の皆さんの御理解を願って、この危機を突破して、そして日本に対する誤解や霧をこの際一掃したい、そう思って努力しておるところなのであります。各省の事務次官以下よく努力してくれておりますが、必ずしも末端にまで浸透しておりません。そのためにも我々はさらに全力を注いでいかなければならない、そう思っております。
○竹田四郎君 総理の御努力は十分理解できるのであります。担当の部署に当たっている皆さんの御努力にも感謝をしたいと思います。 ただ、最近の外国からの言い方ですね、その中にはどうもちょっと内政干渉で承服できないようなものもあるように思うわけであります。例えば、きのうでしょうか、東京で開かれた貿易委員会、これなどを見ましても、日本の国内にある大規模小売店舗法そのものが輸入の障害だ、こういうようなことをおっしゃっているわけでありまして、向こうの要求では恐らくそれを撤廃しろ、こういうことであろうと思いますが、しかし、こういうものは私はどうも、日本の流通市場の中にはもちろん改善しなくちゃならぬ問題もありますけれども、しかし、これはむしろ日本の流通問題というよりも、社会構造上の問題だと思うんですね。そうした大型店舗が出ることによって毎日のように日本のあちこちでは騒動が起きているわけでありますから。私は、こういうことはどうも余り感心する問題じゃなくて、むしろ言いがかりだというような気がします。もちろん輸入をもっと進めるためには、総代理店制度というような、そういうものをなくすとか、あるいは流通マージンをもっと低くするとか、そういうことは私は非常に重要なことだと思うんですが、大規模小売店舗法が輸入の障害になっているというのはちょっと言いがかりじゃないかと思うんですが、これは総理、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 外国の状況や外国のおっしゃることは参考にいたしますけれども、日本のことは、日本人が日本人の判断に基づいて決定をいたします。 大店法に対する批判というものは、私、詳細にまだ向こうの情報を読んでおりませんが、恐らく日本の流通システムに対する批判というものからああいう発言が出てきたのではないかと推測いたしております。しかし、大店法ができるについては、政府及び民間及び国会におきましても随分いろいろな過程を経て、そして苦悶のうちにああいうものができておるのでありまして、おっしゃるように日本経済や日本の社会のしかるべき構造から来ている面もあり、そういうようなところは外国人にはわからぬ点もあると思うんです。そういう点はよく説明をする必要もございます。しかし何よりも大事なことは、日本の流通経路というものが余りにも複雑で、そして手数料を取り過ぎる、そういうような批判があるということは受けとめておかなければならぬと思います。
○竹田四郎君 それから、もう一つ私はどうも気になるのが、最近、半導体工業会が、日本の業界というのは政府の補助なんだ、それででき上がっているんだ、だからこれは不公正なことなんだということで、何かUSTRですか、ここへ提訴している。場合によれば新通商法によって報復措置をやるんだ、こういうようなこともある。それは確かに、十年前ですか、十五年前、そうしたエレクトロニクス関係の産業を興すときにはなるほどそれはある程度政府のいろんな助成をやったことはありますけれども、現在はそういうものは、ここ最近ないわけでありますから、こういうようなことが私はちょっと気になるんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 報ずるところによれば、半導体について通商法三百一条を発動してUSTRに提訴をしておる、それは日本の不正慣行、商業上の不正慣行というものに対して訴える、そういう形のものであるようであります。 しかし、私は、半導体において日本側がダンピングしているとは思いません。むしろ半導体というものは、戦後、最近におきまして非常に伸びてきまして、設備投資なんかも一番伸びた分野で、やや生産過剰の気味がある。景気の若干の低迷に伴いましてむしろ半導体の値段はかなり落ちてきている。そういう点で、苦しい企業体も出てきているやに我々は聞いております。だからといって、ダンピングしているということではないと私は思うのでございます。これらにつきましては、先方によく事情をあからさまに説明をして、誤解も解く必要がある、そう考えております。また、一方において、日本の業者自体も、外国からそういう批判があるということはこれを真っ当に受けとめて、そして一つの向こう側の警告として受けとって、適正な運用をしていかなければならぬ、そう思っております。
○竹田四郎君 最後になりますけれども、この間、レーガンさんは、アメリカでしばらくぶりで税制改正案というのを出されたわけであります。恐らくこれは、ただ単にレーガンさんが出したというものではなしに、その前から十分討議がしてあって、それを最終的に集大成して、その中で直すべきものは直していく、こういう形でできてきたように伺っております。詳細には私も調べておりませんけれども、おおよそのところは拝見をしたわけでありますけれども、私はかなり日本として学ぶべきところがあるのではないだろうかというふうに思います。 特に、私はいつも言っているわけでありますが、日本の税制というのは極めて複雑であって、普通の人ばかりでなくてお役人さんすら税法というのはわからないほど、条文も難しければ、実際の法律の組み上げ方も私は難しいと思っております。そういう意味では、特に租税特別措置などというのは何が書いてあるのかさっぱりわからぬというような難しさでありますけれども、そういうことで、今度レーガン税制改革というのは非常な簡素化を徹底的にやったという意味では大きな評価をすべきであろうと思います。 また、日本でも大変、いつもこの委員会では問題になるわけでありますが、企業優遇税制ということがよく言葉に出るわけでありますけれども、そういうものも今度はかなりレーガン政権は廃止をした、そうして低所得層への免税などというものもかなり積極的にやった、こういうふうに思うんですけれども、総理として、この中で日本の学ぶべきあるいは採用すべきものというようなものが幾つかおありだろうと思うんですけれども、その辺の御感想をいただきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) レーガン税制改革論というものは、前から私は非常に検討に値すると申し上げて、大きな関心を持っておると申し上げておるとおりでございます。 私も、シャウプ以来の日本の税制というものは非常に長い間の過程でゆがみを生じておったり、国民に強い重税感を与えておったり、御不満な方も非常に多いのでありますから、減税ということを正面に考えて、ひとつ税制の大きな改革をやりたいものだと、政治の課題として私も受けとめておると申し上げたとおりでございます。いずれ議会でも終わりましたら、本国会における皆様方の御議論をそのまま税制調査会にもお伝えして、まず国会がどういう議論をやったかということをよく勉強してもらい、いずれ税制調査会に対しても次のステップのいろいろな点を大蔵省や与党とも相談してやりたい、そう思っておるのであります。 レーガン改革の特色は、彼が言っておりますように、公正、簡素、成長、そういうことを中心にしております。それから第二は、レベニュー ニュートラルと言っていますが、中立性にしてある。それから、非常に大きな簡素化をやりまして、所得税体系において、たしか十四か十五あったのを三つにしてしまう、一五%、二五%、三五%でしたか。それから、法人税の体系も、四十何%というものを三三%でしたか、それにする。それで、いろいろの特例措置を除いていくと。そういう体系を考えて、全般としては大体とんとんにいくという発想でやっておる状態でございます。これについては、特例措置を取るということについていろいろ御議論がまた議会の中で出てくるだろうと思いますが、簡素化を図ったという点、それは非常に私も称賛すべき点である、こう思うのであります。それから、減税をやったという点で新しい体系に移行しつつあるという点も大事である、特に現代のようなこういう時代にその案を出したという点は意味がある、そう思うのであります。 我々もあれは一つの大きな参考といたしまして、今後我々の考え方を練ってまいりたいと思っております。 いろいろまた貴重な御助言、御議論をいただけば、すべてそれを我々も参考にさせていただきたい、そう思っておる次第でございます。
○桑名義治君 私はちょっとこの委員会にはなじまないかとも思いましたが、現在大変に国民の皆さん方も関心を寄せておりますし、そしてまた大変多くの被害者が出ております投資ジャーナル、それから豊田商事、この両事件にかかわる問題につきまして、総理の御見解なりをお尋ねしておきたいと思います。 この事件を我々が見てまいりましたときに、まず考えなければならない問題は、社会的には大変弱者と言われる方々が最大の被害者であるという一点と、同時に、この被害に遭った人々に対する救済をどういうふうにしていかなければならないかというこの処置、それから、先ほどから議論になっておりますし、また総理もお話しになっておりましたが、今後の問題としてどういうふうに対処していくべきであるか、この問題、それから、さらに総理のお話にございましたけれども、社会正義を高揚していかなければいけない、こういう御意見があったように私は思います。 そういった立場から考えますと、今後の法規制の問題は、証券取引並びに金の取引に関しまして事前防止のための立法をどういう方向でやるか、また、この問題を総理は立法処置をするように今後鋭意努力をしていかれるおつもりなのかどうか。それから、消費者保護の観点からの業務規制が私はどうしても必要になるのではないか、こういうふうにも思うわけでございます。 それと同時に、先ほど申し上げましたように、とりあえず、こういった被害に遭われた方々の救済処置をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、御感想を含めてこの問題についての御意見を伺っておきたい、こういうように思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど申し上げましたように、やはり法治国家でございますから法が厳然と守られなければならない、そういう点が一番大事であると思います。 それから第二に、社会正義に合致した行いというものが保障されなければならない、そういう意味において、今回の経験にかんがみまして、今の法体系、例えば割賦販売法であるとか貸金業法とかそのほか幾つもあると思いますけれども、そういうものについてこれをもう一回再検討して、補正をする必要ありやなしや、そういう点もやはり行うべきである、特にか弱い社会的弱者である方方が情報不足や知識の不足に乗ぜられまして、そういうものにひっかかっていくということが仮にももしあるとすれば、そういう点については我々としてはよく検討いていくべきである、そう思っております。しかし、今回の事件の真相を克明に究明していくべきであると思いますが、それらの真相の究明と相伴いまして、どういう脱法行為が行われているのか等も調べ、そして法に対する補正行為がどこに必要であるかどうかという点も検討さるべきであると思います。 しかし、現段階におきまして、国家が賠償するという段階のものではない、そのように考えております。
○桑名義治君 そこで、これは衆議院でもいわゆる被害者の救済の問題について法務大臣の御答弁があったように新聞紙上では伺っているわけでございますが、とりあえず現在の投資ジャーナルあるいは豊田商事の財産を完全に捕捉するのだ、こういうふうな御答弁があったようでございますが、やはりこういったところに重点を置きながらこの救済処置をとっていこう、こういうふうにお考えになっていらっしゃるわけでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま申し上げましたように、今我々としてはどういうふうに、法というものを再点検して整備していく必要ありやなしや、そういう点を究明していきたいと思っておるのでございます。補償の問題につきましては、これは事件の真相をもっとよく調べてみないとわかりませんが、ともかく現段階において、国家が賠償すべき性格のものではない、そう思っております。
○桑名義治君 法の問題になってきますと、証券取引並びに金の取引等に関する、いわゆる事前防止のための立法処置、大体こういうところに集約されていくのではないかと思いますが、この点について大臣の御意見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今御指摘なさいましたように、出資法でございましょう、我が方といたしましては。その他やっぱり、消費者保護の立場から、役所で言いますと経済企画庁の国民生活局になりましょう。そうした関係方面が今集まりまして、この協議をしておる段階でございます。ただ、事件の問題は事件の問題として別途これは当局において解明をされておるだろう、それらの推移を見ながら、一方関係当局が集まりまして、我が方で言えば出資法でございますが、いろんな法律の中で検討を今重ねておるという現状でございます。
○桑名義治君 この問題は氷山の一角のように思われて仕方がないわけでございます。そういった意味で、今総力を挙げてその真相の究明あるいは今後の対策をどうするかということについては閣僚会議の中でも議題になりながら検討を続けている、こういうお話でございますが、これはニュースあたりで、国民の声の中には、国の対応が非常に遅いというような声が一番大きいようにも思われるわけでございますので、これは鋭意この方向へと最大の努力を傾けていただきたいということを要望して、次に移りたいと思います。 政府は、貿易摩擦解消のために、政府調達制度の改善で対象機関を拡大する一方で、また資材ばかりではなく、サービスの面についてもその対象分野を広げるなど処置をとっていく、このように努力をされているわけでございます。とりあえず七月にはアクションプログラムが発表されるというふうな一つの過程を経ているわけでございますが、中でも首相官邸の建てかえについて、四月末に検討委員会を発足させたということでございますけれども、建てかえに際しまして、設計の公募に外国企業の参加を認める案も検討中であるというような事柄が報道されているわけでございます。 そこで、使用なさっていらっしゃる総理として、建てかえについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃか。あるいはまた、先ほど申し上げましたように、この設計の段階で外国企業の参加も認める案を検討しているという報道でございますけれども、この点についての総理のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 首相官邸につきましては、もう大分前から、官邸はこのままでいいかというので検討が加えられてきておりまして、いろいろな案が内面的に検討されてきておったのであります。しかし、最近傷みが非常にひどくなって雨漏りが一部するとか、それから外国の賓客を呼ぶについても、きょうもそうですけれども、バングラデシュの大統領さんがおいでになったけれども、便所の前を通らなければいかぬとか、はしご段の狭いところを通って入るというのは、これだけの経済大国日本にしては外国がどういうふうに感ずるであろうかという気もいたします。実にそこを通るときには、背筋が凍る思いで今御案内してきたところであります。 その程度はまだいいんですけれども、全然機能的にできていない。六十年前に建てたものですから、日本がまだその段階にあったときの日本でありますから、割合政治も伸びやかな時代であったんではないかと思います。ですから、総理大臣の応接間もありませんし、閣僚控室が応接間に使われる。秘書官の応接する場所もございません。ですから、お客さんが二組ぐらい来ると、どこでお待ちいただいたらいいかというんで、お待ちしていただく場所に困るというような状況であります。それで、スタッフである審議官とかそのほかの者は、別の総理府の方に入ってきている。一朝有事のときに人が集まったという場合でも、これは非常に不便でありますし、それからそういうときにいろいろ電話をかけるという場合でも、新聞記者さんが耳を澄ましていればみんな聞かれてしまう、そういうおそれもあるわけです。機能的に今や全く麻痺する危険があります。 ですから、私のとき、——私が入ろうというんじゃないんです、これはだれかがやらにゃいかぬ。しかし、官邸を建てかえたりするということ、とかく大きな家を持ったり建てかえるというのは政治には禁物でして、それは必ず誤解を受けるわけです。だから嫌な仕事ではあります。しかし、だれかがやらぬとこれは国家の機能から見ても大変だ。それで、行革審におきましてもその問題を心配されて、何か今度答申の中にそれが盛られるという話も聞いております。ですから、だれかのときにこういう問題をどうするかということを考えて、そうして国民の皆さんの世論を十分伺い、また国会の御意見もよく伺った上で判断を下す、そういう形がいいと思うんです。 いずれにしても、私のときにはいれる問題じゃない、あるいは竹下さんのときにもはいれないかもしれない、かなり先の話になると思うんですが、ともかく話題を出して国民の皆さんの御意見を伺うということは政治の進行から見ても大事なことではないか、そう思っておる次第であります。
○桑名義治君 先ほどの一点、設計の段階で外国企業の参加を認めるかどうかという問題のお答え、よろしくお願いします。 それから、政府の専用機の購入なども検討している、こういうふうにも報道されているわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは、外貨の処理といいますか、貿易の黒字という問題につきましていろいろ検討会議が行われたときに、一部の閣僚からもそういう案が私案として出されたということでありまして、いろんな点で今検討しております。 それから、外国の賓客が今度はサミットで参りますけれども、羽田からそれぞれの宿舎にお送りするについてヘリコプターが要る。そういうヘリコプターも、陸上自衛隊のぶこつなあれを使うのがいいのかというような議論もありますし、あるいは外国の賓客が来ますと防弾ガラスの自動車が必要であります。この前使ったのは外国から輸入したのですけれども、これはもう外国の大公使館の重要なところへみんな持っていって使わせておるわけであります。そういうことで、やはり防弾ガラスの防護の完璧な自動車も要るのじゃないかとか、いろんなことで今検討が進められておりまして、専用機の問題も一つの研究のアイテムにはなっておるという状態で、まだ決まったわけでもございません。ただ、専用機となると、どこで管理するかというような問題がありまして、なかなかややこしい難しい問題があるというのが今の大方の議論であります。
○桑名義治君 民活という問題が非常に現在の政治の大きな課題にもなっているわけでございますが、その一環として総理は、国有地の土地信託について大変に当初賛意を表しておられたわけでございます。ところが、過日の参議院の予算委員会におきまして、法制局の見解といたしまして、現行法上は非常に困難であるというような見解が出ているわけでございます。しかし、分科会におきましては、まだまだこの国公有地の土地信託問題につきましては検討が重ねられているというのが現実の姿でございます。また、今後検討すべき問題ではあろうと私も思います。 そこで、土地を処分せずに利用できることは周囲の地価に影響を与えずに利用できるということ、それから基本的にはこれからの土地活用の一方法として考慮に値するのではなかろうかとも思います。現在、行革審で検討をなされていますが、行革審の中で導入の方向で答申が行われるというふうに一応伝えられているわけでございますけれども、総理としてはこの国公有地の土地信託についてどのように現在はお考えになっておられるのか、またこの制度を導入すべしとの答申が出された場合には、これは速やかに法改正をやらなければなりません。そうなりますと、この法改正をするという、そこまでして土地信託を推し進めていこうと、こういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、この点を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、現行法ではそれは難しいということを申し上げたのでございます。行革審におきましていろいろ検討しているということは聞いておりますが、もし答申にそういうことが盛られてくるという場合には、当然よくその答申の結果を検討いたしまして、それが適切であるかどうかということを十分研究をして、もしそれが適切であるという場合には法改正も辞さず、そういうことで当たりたいと思っております。
○桑名義治君 大変に小刻みになって恐縮でございますけれども、次は、七月の中旬から総理はヨーロッパを訪問される、こういうふうな日程になっているようでございます。 主にどのような問題について話し合ってこられるおつもりなのか、これを一点お伺いしておきたいと思いますし、またミッテラン大統領とも会われるとのことでございますが、さきのサミットのときにミッテラン大統領が、新ラウンドの問題については非常に難色を示した、こういう事柄が報道をされておるわけでございますけれども、この新ラウンドの開始時期やあるいはまた農業問題を再び話し合う御用意があるのかどうか、この点も伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国会が終わりましたら、お暇をいただきまして、七月の中旬にかけましてフランス、イタリア、バチカン、ベルギー、EC本部等へ伺いたいと思っております。これは、サミット構成国を公式訪問するという計画を立てまして、ドイツ、イギリスまでは済み、アメリカも済んだのでございますが、フランス、イタリア、ECがまだ抜けておりまして、先方は私が参上するのを非常に待ち受けておるのでございます。そういうことから、どうしてもことしの上半期にはこれは行なっておく必要がある、そういう考えに立ちまして計画をつくりました。 それで、やはり参りましたら二カ国間の問題、それから日本の経済政策等をよく話し合いまして、現在我々がやっておるアクションプログラム等についても十分説明もし、先方の誤解も解き、協力していく体制をつくっていきたいと思いますし、またニューラウンドの問題につきましても、フランス側では共同の農業機構というものを守るために非常に腐心しておられるようです。そういう点についてもいろいろ先方の御意見も伺い、また東京サミットをどういうふうに開いたらいいかという点についても助言があれば十分助言も承って帰りたい、そう思っております。ECにつきましても同様でございます。
○桑名義治君 次に、先ほどもちょっとお話が出ておりましたが、先月末自民党首脳が経済四団体との懇談会の席上で、輸出課徴金の導入を検討している、こうした表明が新聞で報じられていたわけでございます。これは、考えようによりましては自由貿易主義を破壊するおそれのある問題で、非常に重大な事柄でございます。政府部内でもかなり反対が強い、こういうふうに聞いておりますけれども、改めてここで、総理自身のこの問題についての御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 輸出課徴金をやる考えはありません。私はやはり、自由貿易を推進するという建前から見ますと、輸出につきましても輸入につきましてもできるだけ規制を排除するということが正しい態度で、拡大均衡ということを目指すのが自由貿易の本則である、そう考えておるからでございます。 特に、輸出課徴金というようなことになりますれば、先方はその前に輸入課徴金をやるだろうと思いますね。何も、日本にそれをやらせて日本の財政を助けさせるとかいうことをやらせるよりも、自分の方で輸入課徴金をやってそっちの財政を助けてもらった方がいい、そういう考えになるでしょう。そういう意味において、輸出課徴金というようなことが出てくることは、これは輸入課徴金を催させる危険性が非常にあると思います。そういうようなことでも仮に出てきますれば、中小企業や下請に対するまた相当な打撃になります。結局単価の切り下げとかそういう形に一部はなっていくだろうと思います。そういうようないろんな面からいたしましても適当でない、そう考えておる次第であります。
○桑名義治君 これも先ほどちょっと出た問題でございますが、六十一年度の予算編成への対応についてでございますが、補助金の一括カットの問題で参議院では特別委員会がつくられたわけでございますが、このときの大蔵大臣の御答弁の中でも、一年限りである、これは法律の中にもそういうふうにうたわれているわけでございますが、この問題はシーリングの前までに必ず決着をつけなければならないという大蔵大臣の御答弁、再三再四この前の特別委員会でそういう発言をなさったわけであります。 ところが先ほどの御答弁の中では、難しいかもしれないというふうにもう既に変質をなさっているようにも私にはうかがえるわけでございますが、補助金問題関係閣僚会議が一回行われ、さらにこの問題を検討するいわゆる検討委員会が持たれているようでございますが、この検討委員会も開かれているようでもございます。この問題について大蔵大臣としては、是が非でもいわゆるシーリングの前までに検討をして結論を出したい、こういうふうに思われてはいないんですか。どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) これは三大臣覚書というものに当たりまして、「社会保障に係る高率の補助率の引下げ措置を講ずるに当たり、次の通り申し合わせる。 一 この措置は、昭和六十年度における暫定措置とする。 二 昭和六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方の間の役割分担・費用負担の見直し等とともに、政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得るものとする。」、これが覚書でございます。したがって、私もできるだけ言葉を選びまして、すなわち去年の十二月でございますから、六十一年度予算編成までには必ず出さなきゃいかぬ問題だと。しかし問題意識として概算要求というものがございます。それまでにされば結論を得るということについては、やっぱり努力はしなきゃならぬと思いますが、諸般の情勢からいうと非常にそれまでに結論を得るということは難しいのではなかろうかというトーンで今日まで終始してきております。が、やはり私どもの役目といたしましては、一般歳出の概算要求の基準をつくる前に、補助率はどう扱うかということはその時点で決めなきゃならぬものでございますから、可能なことならばきちんとしたものがあったらいいというふうに思いますが、事実一つ一つを議論していきますと昭和二十一年以来からの議論になりますので、いわば検討委員会の専門家の先生方からこのようにしたらいかがかというものをお出しいただくことは、私はその七月いっぱいに出してくださいということは、やっぱりやってみればみるほど難しい問題だというふうに感じております。 さればどういうふうな扱いにするか、こういう御疑念もあろうかと思いますが、いわゆる財政試算なんかでお出ししておりますのは、もとへ返った補助率で試算もお出ししたりしておりますが、あるいは現行の補助率でやるのか、もとへ返った補助率でやるのか、あるいは総体をインクルードした中で何か基準を設定するのかというようなことにつきましては、今後検討していかなきゃならぬ課題だというふうに考えております。
○桑名義治君 予算編成前までにこの問題が決着がつかなければ、現行法は生きているわけですから、当然常識的に考えるならば現行法の補助率で予算を組むべきだ、こういうふうに考えざるを得ないし、またこのように考えることの方が正当ではなかろうか、こういうふうに思うわけですが、そこら辺、非常に微妙な御発言をなさっているわけですが、どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 概算要求はさておきまして、今度十二月予算編成時においては少なくとも方針は決まっていないことにはいけないと思います。その方針が決まっていなかったとすれば、これは一年限りの暫定措置でございますから当然現行補助率の方が生きてくる、こういうことになろうかと思います。ただ、桑名さんのおっしゃいますのは、さればその方針を決めたら今度法律を出さなきゃいかぬわけでございますから、それと予算とのどのような順序で扱うかというようなことにつきましても、国会であれだけ議論いただきましたので、今後とも検討していかなきゃならぬ課題だという問題意識は持っております。
○桑名義治君 今回の特別委員会の中で特に問題になったのは、そこだったと思うんですよ。予算が決まった中で、補助率がこういうふうになった、こういうふうになったという法律改正を強引に持ち込んできた。こういう手法がいいか悪いかということは今回の国会で私は明確になっていると思うんですね。そうするとやっぱり、これに対する国と地方とのいわゆる行財政の再配分という事柄、これは非常に大きな問題でございますけれども、これは法改正をするならばその法改正を前もってやるかどうかという問題、ここまでさかのぼっていかなきゃならない問題だろう、こういうふうに思うわけですが、今回の国会でのこの補助率の一括削減法案の中での大蔵省としての見解ですね。これはどういうふうにお考えになっておられますか。
○国務大臣(竹下登君) あのときたびたび御指摘を受けまして私どもとして整理してお答えいたしておりますのは、従来とも、予算が提出され、それの執行のもろもろを決める関連法案というものは、二月の第四ないし第三金曜日とか火曜日とかいうことを努力目標として提出を申し上げてきております。したがってこうした例はこれが通例でございます。が、しかしながら今度は大変関連性が、いわば日切れ性を持っておりますので、したがって同日に衆参両院へロッカーインさせていただいたものでありますと、こういうお答えをしてきたわけでありますが、先例として、中曽根総理が当時の行管庁長官であられた時代に行革特例法案というのはあらかじめそのものを決めてその後これを予算に反映したではないか、こういう御質問がありました。確かにあの方法は私は一つの重大な手法であったと思うわけであります。 ただ、客観情勢から申しますと、当時はいわゆる第一次答申が出まして、それをいち早く確定させて国民の理解も得るべきであるという環境下にあったというふうに思います。したがって、それらの既に結論の出た問題でありましたからあの行革国会というものが開かれて、これが法律が成立し、翌年度の予算編成に一緒に法律を審議していただかなくても整っておったわけでございますから、そういう手法はあったことは事実であります。 が、しかし今度の場合、その手法が必ずとれますということは私も明言するまでには至りませんでした。といいますのは、いわば臨時国会を予告するようなことにもなるでございましょうし、あるいは同日付に出してはいけない、もっと前に出せといえば、一日前に出したらいいだろうかとか、まあこういうようなこともこれは個々の冗談の中ではお話ししたことがございますが、決めた後、法律の出し方につきましては、予算に絡む問題でありますだけに、これから国会の議論等を踏まえながら政府部内で十分慎重に検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○桑名義治君 国と地方との行財政の再配分という問題、これは大変に古くてまた大変に新しい問題でございます。それだけに作業は私は大変な問題だろうと思うんです。そういった中で短期間でこの問題が解決する、結論が出るということは私自身も非常に困難ではなかろうかと思うわけでございますが、しかし大蔵大臣は、前の特別委員会のときには、やらなきゃならない、こういう決意を込めた御発言があったわけでございますが、仮にこれがまあ十二月いっぱいかかったとします、結論が出るのが。そのときに、来年度の予算編成のときにも今回と同じようにいわゆる補助率の一括法案を提出することはないでしょうね。 これだけは確認をしておきたいと思うんですが。
○国務大臣(竹下登君) 一括法案というものは、いろいろ御議論をいただきましたが、とにかく事財政に関する、しかも予算の縮減に関する法律だ、だからそこに一括するところの整合性がある、こういう御説明をし続けてきたわけでありますが、来年度の場合予測いたしてみますと、先般御審議いただいた中で既に恒久化されたものあるいは当然年金等変化を伴うことが予測されるものというようなものがございますので、同じ体系のものを国会で御審議いただくということにはならないというふうなことは言えると思うわけでありますが、一つ一つの法制上のあり方につきましては、今後検討をさせていただく課題ではなかろうかというふうに考えます。
○桑名義治君 この問題について、最後に総理の御見解をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。
○桑名義治君 次に、国の一般会計予算におきまして、国債費と地方交付税を除いたいわゆる一般歳出は、三年連続して据え置いたり、あるいはまた国債発行額の一兆円減税を行うことで、中曽根内閣は国民に対して、あたかも行財政改革、しかもその中でも財政改革が進められているかのようにアピールをしておられるわけでございます。しかし、その中身に入りますと、これはいろいろと議論がたびたび行われているわけでございますが、国債費の定率繰り入れの停止による財源の大幅な先食い、それから特別会計あるいは地方財政それから財政投融資等の広範にわたってのいわゆるツケ回し、非常にこういった事柄が多く含まれているというような批判があるわけでございますが、これまでの行財政、とりわけ財政改革の進捗状況について、どういうふうな御感想をお持ちなのか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 行財政改革の感想ということになりますと、これは順調に進んでおりますと言えば自画自賛になりますし、失敗しておりますと言えばこれは責任問題が生じます。が、私なりに総括して感想というお言葉でございますので申し上げますならば、五十九年赤字公債脱却の目標が達成するに至らなかった、そこで新たなる第一歩を踏み出したというのを行財政改革の第一歩としてこれを位置づけますならば、苦悩しながらも、それについては、二年間にわたっていわば平均数値ではございませんものの特例公債の減額にも努めておりますし、そしてまた歳入面でも、五十九年の税制改正もございましたが、税外収入を含め精いっぱいの努力をいたしておりますし、また歳出面におきましても、健康保険法の改正のごとく制度、施策の根源にさかのぼった改正もやってきておりますし、そして補助金、ことしの率の問題ではございませんが、の削減等についてもそれなりの実績を上げ、また定員管理等についても実績を上げておりますので、これは刮目に値するなどということを申し上げるほどおこがましくございませんが、地味ながら国民の理解と協力を得ながら今日進めつつある、これからなお一層の努力をしてこれが目的を達成しなきゃならぬというふうに自己評価をいたしております。
○桑名義治君 特例公債の借りかえ発行を六十年度より開始したわけでございますが、その償還方法は建設国債と同じ償還ルールに従っている。すなわち、将来六十年間にわたって残存させるものになるわけでございます。 そうなりますと、もう孫の時代まで入っていくようなおそれが十二分に出てくるわけでございますが、こういった状態に落ち込んだこの姿を後代の人々に総理はどのように言いわけをするだろうか、こういうふうにも私は思うわけでございますが、この事柄についての総理の御感想を伺っておきたいと思うんですが。
○国務大臣(中曽根康弘君) 財政の運営上やむを得ず借りかえということをお願いいたしまして、そして六十年というふうに長い期間お願いせざるを得ないということになったことは、甚だ遺憾でございます。しかし、今の状況から見ますとやむを得ざる措置であるというふうに御理解願いたいと思うのであります。そういうことをやりましたのも、六十五年度赤字公債依存体質からの脱却ということを一生懸命やろうということの一環でもございまして、予算編成のたびごとに一つ一つ努力してまいりたいと思う次第でございます。
○近藤忠孝君 総理にまとめて質問いたしますが、六月十日の日米軍事首脳会談で加藤防衛庁長官は、五九中業の中でOTHレーダー、AEW、要撃戦闘機、艦艇の防空システムを含む総合的洋上防空のあり方を検討する方針を伝えたということであります。総理はこれに了解を与えておるんでしょうか。これは総理の指示どおりの発言と伺ってよろしいのかどうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛計画の大綱の中には洋上防空というエレメント、要素も含まれておると考えております。したがいまして、加藤長官が話されましたことは筋の違ったことではないと思っております。
○近藤忠孝君 それは、今回総理の指示でああいう発言をされたのか、それはもう大体前もってお互いに了解しておって、それで発言されたのか、どちらですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛計画の大綱水準に早く達するというのは内閣の基本方針で、その線をもって長官は話されたと、そう理解しております。
○近藤忠孝君 しかし、国会での答弁等では、現在の防衛計画大綱では洋上防空は考えていないというのが私は政府の見解であったんではないか、こう思うんです。というのは、洋上防空というのはこれは艦艇による一千海里防衛をはるかに踏み出したものですね。単に線の防衛ではなくて広大な面を空から守るというものであります。今まで、鈴木内閣当時に大村防衛庁長官が一時これを是認する発言をいたしました。しかし、防衛当局の方の発言では、防衛範囲としては、迎撃戦闘機の行動半径や管制レーダーの関係から、おおむね防空識別圏、大体列島から二ないし三百海里というぐあいになっておったんではないでしょうか。 それから竹田五郎さん、これは四郎さんでなくて五郎さんです、元統合幕僚会議の議長の。これは、つい最近、四月十日の参議院であります。外交・総合安全保障に関する調査特別委員会で、「シーレーン防衛については航空自衛隊はそれほど関心を持っていなかったというのが事実」だと。「もちろん、日本周辺の四百キロぐらいのところは守るべきだという考えでありましたけれども、一千マイルというような構想はございませんでしたと言ってよろしいかと思います。」、さらに質問があって、じゃ、その場合に今言われるような役割、というのはここで言う洋上防空だと思うんですが、を課せられるとすれば、それは大綱の範囲を超えなきゃいかぬということになるかどうかということに対して、竹田五郎氏は、「当然そう思います。それだけの必要があると思います。」、こう発言をしておるんですね。 となりますと、総理が言った、当然現在の防衛計画大綱の範囲内だというのは、これは今までの政府答弁とは違うんじゃないですか。これは総理としては、今までやってきたこと、答弁してきたことを一歩これで踏み越える発言を先ほどなすったんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 別に踏み越えているとは思いません。 いわゆるシーレーン防衛と称するものは海上警備活動を意味しておるので、それは単に航路帯という問題だけでなくして、港湾、周辺海域あるいは航路帯を設ける場合は航路帯、そういう関係でシーレーンというものはいわゆる海上警備活動として考えられている。その中には対潜水艦作戦も含まれる。対潜水艦作戦については航空優勢なくしてできるものじゃありません。航空優勢という面から考えれば洋上防空ということが考えられるので、P3Cにいたしましても、F15にいたしましても、あるいは今の護衛艦がいろいろ短SAMを防空直衛その他のためにも持っておりますが、みんな洋上防空に当たるものでありまして、別に異とするには足りぬと考えております。
○近藤忠孝君 総理は海上自衛隊と航空自衛隊とを混同——私コンドーだけれども、混同しちゃっておるんじゃないかと思うんですね。従来からこれは、我々の反対にもかかわらず、海上自衛隊がP3Cなどで一千海里を防衛するということは、これは踏み越えておったんですよ。しかし、航空自衛隊の方は、これは航空能力、その他レーダーなどの能力もあって、先ほど言ったように二、三百あるいは四百という範囲しか行動しない、航空自衛隊ですよ、そうなっておった。それは、私は、今までの少なくとも国会での政府答弁を見る限りはそうなっておるんです。 総理は、今の御答弁では、航空自衛隊も全部これは守るんだ、一千海里全部面として広大な地域を空から守るんだ、そういう態度と伺ってこれはよろしいんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 憲法に従いまして、専守防衛の線に沿って日本列島防衛、そういうことで個別的自衛権の枠内において、洋上防空ということは海上自衛隊でも航空自衛隊でも考えられる、そう思います。
○近藤忠孝君 私はこれは大変踏み込んだ態度であると思いますし、これからこれは財政の問題でも大変なことになると思うんですね。 そこで、別な角度からお伺いいたしますが、加藤長官の発言は洋上防空のあり方を検討する方針を伝えたというんですが、これはアメリカに対する我が国の約束というぐあいにアメリカに理解をされて、今後これに拘束されることにやっぱりなるんじゃないか、それはいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 別に約束というようなものではありません。共産党の方は何でも約束約束というふうに御心配になりますけれども、自分はこういうふうにやると言ってきた、そういうふうなものであると思います。
○近藤忠孝君 自分はこういうぐあいにやると言うことは、約束じゃないですか。相手があるんですからね。だれもいないところで演説すれば一方的な表現だけれども、相手がおって、しかも両方の最高首脳ですよ、防衛の。まさにこれは約束ですね。これは別に共産党が言うわけじゃなくて、そういうのを約束と言うんですよ、日本語では。 そこで、問題は、私はこれは当然今後の予算、特に財政の上に大きな影響が出てくると思うのでお伺いするんですが、結局予算の裏づけもやっぱり確保する、こういう意思を私は明確にしたんではないか。それは総理、約束と言いたくなきゃ約束でなくても結構ですが、やはり、やると言った以上、予算の裏づけもちゃんとつけるんだ、こういう意思表示と伺ってよろしいんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛計画の大綱水準に達するということで、これから五年がかりですか、何年がかりですか、ともかく今中業をつくっている最中でございます。今度の中業は防衛計画の大綱の水準を達成する、達成を期する、そういうことで今策定されつつありますから、そういう意味におきましてともかく実行していきたい。それは予算をどうつけるかということは財政当局との相談事であって、一〇〇%できることもあれば一〇〇%できないこともある。今までの日本の防衛計画、長期計画、毎年度の計画等をごらんになればおわかりのとおり。しかし、そのために努力すると防衛当局は言ってきておるのであります。
○近藤忠孝君 達成するとなりますと、それは当然金が伴うわけです。となりますと、総理もそれから防衛庁長官も、この今言われた洋上防空も含めて、これをやっていくと、結局GNP一%枠突破、これはもう既成の事実になっておるんではないか。これは当然これをやっていきゃそうなりますよ。それはどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今までも対潜水艦作戦の洋上防空はやってきておるのでありまして、何も目新しい話じゃないんで、GNP一%云々という問題は、守りたいと前から申し上げておるとおりであります。
○近藤忠孝君 総理の言葉の中にやっぱり若干、若干じゃない、相当大きくごまかしがあると思うのは、たしか海上自衛隊として対潜水艦対策をやってきた、それはそのとおりです。それはあくまでも海上自衛隊としてP3Cなどをやってきた。我々はだんだん拡大していくのは反対ですけれども、しかしそれは別として、今の問題は航空自衛隊の話です。航空自衛隊の洋上防空、これには当然金がかかるんです。 これも先ほどの竹田さんが四月十日の本院でこう言っていますね。 「例えば飛行機だったら今の十八機の編成を二十五機ぐらいにして、そしてさらにシーレーンを守るためにもう一個飛行隊あるいは半分の飛行隊ぐらいは必要だと思います。また、シーレーンの防衛をしようとすればあの方面に対して空中警戒管制機等が必要でしょうし、また、空中給油機もシーレーンを防衛するためにはこれは不可欠な要件になってくるという感じですから、まあ目の子として三割ぐらいはやっぱりふやさなきゃいけないのじゃないか」。 三割ふえるとやっぱり防衛の専門家が言っていますわね。当然三割ふえれば、今だってもうぎりぎり、もう紙の入るすき間もあるかないかという、そういう状況なんですから、これはもう当然超えちゃうんじゃないんですか。総理はそういうことを当然おわかりになってそういう発言をされているのと違うんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) AWACSとか、あるいは空中給油機とか、そういうものを入れると決めたわけじゃありません。私が申し上げているのは、防衛計画の大綱水準を達成しよう、そういうことで、防衛計画の大綱というのは既にできておりますから、あのラインに入っていこう、あれを実行しよう、そういうことでやっておる。そのように御理解願いたい。その中には、いざというときには海上自衛隊に対して航空自衛隊も協力するということは当然あり得る。この点、海上警備活動はこれは海上自衛隊だからというので、いざというときに、海上自衛隊の要請があるあるいはないにかかわらず、航空自衛隊が何もしないで、協力もしないでいていいというものではない。これはもう一体になって日本防衛のために働いてもらわなければ税金のむだになる、そう思っております。
○近藤忠孝君 今、海上も航空もというんですが、じゃ今回の加藤防衛庁長官のアメリカでの発言は、航空自衛隊が全面的にここに入っていく。そしてそれをやるには、先ほど引用したような、金が大変かかる、そこに問題があるんじゃないんでしょうか。総理はそのようには理解しないんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 五九中業の内容というものはまだ今策定中でございまして、どうなるかということはまだ未定でございます。
○近藤忠孝君 いや、未定であってもしかし、具体的にこのような専門家の指摘がされておるわけですよ。となれば、目標を達成しよう、こう思えば当然金がかかる。これはもう当然ですね。となればやっぱり一%枠、当然これはもう突破するものと、これはそうお考えになるのが当然じゃないでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は前から申し上げているように、一%を守りたい、そういうふうに申し上げておるところであります。
○近藤忠孝君 守りたいということと守れないということとはまた違うわけですが、どうもそういうぐあいに総理、大事なところになるといつもすうっと逃げちゃうんですね。 で、もう時間が来ましたので、最後にもう一つ指摘したいのは、これは二月十三日の参議院予算委員会、補正予算のときでありますが、私がSDIについて質問したんですが、そのときの総理の答弁は、まだ研究段階であるとか、あるいはこれは将来の問題であるということで、総理のお考えは何も示されなかったんです。要するに、レーガン大統領の言うことをそのまま聞いてきたという段階だったわけですね。ところが、それは二月十三日ですが、その後二カ月、たった二カ月にして、アメリカからは文書で、しかも期限を定めて、これに協力するかせぬか回答せよ、こういうぐあいに言ってまいったわけです。 そこで私は、私の質問に対する総理の答弁、しかしアメリカからの要求は余りにも急激に来ている。となりますと、二つに一つだと思うんです。一つは、そのときの総理の私に対する答弁がうそであったのか。もう一つは、そこまでアメリカの要求が具体化しており、中身がそこまでもう詰まっておる、そのことを総理自身がよくわからずに答弁しておったのか。そうだとすれば、これはもう大変な無責任な話、これはもう国民に責任を負えない問題だと思うんですが、それについて総理の答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) ワインバーガー長官の手紙は、二カ月以内に回答を要求するというようなものではないんです。先方はそれを希望する、そういうことで、要求ではないんです。その後、先方は、その二カ月というのも延び延びになってもやむを得ない、そういうような希望にまた変わってきておるので、別に我々がそれに拘束されるものじゃありません。 SDIにつきましては、私は非常に慎重に扱いたいとそのときも申し上げておるので、今日もその点は変わっておりません。
○栗林卓司君 私は、アクションプログラムについて総理のお考えを伺いたいと思います。 財確法案の審議の場所でありますけれども、そう場違いのことをお尋ねしているつもりは実はございません。アクションプログラムというのは全世界を対象にした行動計画でありますけれども、一応話の都合上、アメリカに絞ってお話を申し上げてみたいと思います。 私も、ささやかな経験ですけれども、十年この方、貿易摩擦問題でアメリカの議員と議論してまいりました。 七年ぐらい前ですか、下院の割と大立て者の人が引退されるので、そのときにその人が私に言ったのは、引退するときだから率直に私はあなたに言う、国に帰ったら今すぐ国際化を進めてもらいたい、これができないと日本は大変なことになると言われたんです。 それから後、しばらくしまして、アメリカから上下両院の議員団がやってまいりまして、テーマは貿易摩擦問題なものですから、そら来たなというのでこっちも応戦に努めたわけですが、そのときにその団長さんが、上院議員でしたが、言ったのは、いやそんな長いセンテンスを日本に伝えに来たのではないんです。我々が伝えたいのはへルプ・アス、助けてくれということなんです。我々は自由主義者です。しかしもう選挙区の人たちは急速に保護主義者に変わっている。それを食いとめるためには何か日本が血を流してくれないか、選挙民のわかる犠牲を払ってくれないかと言われました。 それからまたしばらくして、私こう言ったのです。日本も今真剣に努力をしております。だけれども日本というのはそう急には変わらないんです。問題はあなた方の忍耐心がどこまでもつかなんで、ぜひもたせてもらいたい、もっていただきたい、こう申し上げましたら、いや、まさに問題はそこであって、我々の忍耐心ももはや限度なんだと言われたのが三、四年前。 二年前に参りました。このときには、どうしても日本がやらないんだったら結構です、輸入課徴金をつけましょう。我々は通商法を改正して準備はしておりますと。 こういう経過をたどりますと、本当に日本は今、がけっ縁に立たされたなあという実感が強いんです。 そのときに、日本が一体何ができるかということなんですが、問題はこのアクションプログラムですけれども、アメリカが期待しているアクションプログラムの案と、日本ができるアクションプログラムの案と同じなんだと。大体アメリカの連中が口をそろえて言うのは、ドラマチックな変化をひとつやってもらいたい。しかも早くと、こういうわけですね、異口同音に。 そこで、たまたまこの六月に、これは外務省ですが、対米広報文化調査団の報告書が出たものですから、中を拝見しておりまして、ああなるほど全く同感だなと思った部分があるものですから、紹介しながらお尋ねをしたいと思います。 報告文の本文の中にこういった記述があるんです。 「米国人は日本人を本当に理解しているか——その答えは否である。例えば米国の世論の流れが極めて短時日のうちに大きく揺れ動くことを日本は知らない。逆に、日本の慣行が徐々にしか変わらないことを米国は知らない。日本には未だ米国に対しいわゆる甘えの意識が残っており、本当の米国の恐さを理解していない」。 確かにここだと思うのですね。アメリカのように急速に変わる国から見たアクションプログラムへの期待感と、日本のようにコンセンサス重視型でやってまいりまして、なかなか決まらない国。これはどういったことかといいますと、向こうからある要求が来る。それをぐっととどめながら、二、三年もするとやっちゃう。後追い型の対応になるのは我々の意思決定の癖なんです。 こういうコンセンサス重視型、したがって慣行はなかなか変わらない。この我々ができるアクションプログラムの案と、非常に短時日のうちに変わる経験を持っているアメリカが期待するアクションプログラムの案と、私はこの乖離は非常に大きいと思うんです。この乖離をどうやって埋めるかというのが、七月に決めるアクションプログラムのまさに中心テーマだと思うのです。したがって、この点について、従来の手法ではない何か新しいものを出していかないと、今の日本のがけっ縁の危機に対する、これは日本の危機だけじゃありません、自由貿易主義の危機ですよね、それに対する答えが出てこないんじゃないか。総理もその実感はまさに同感だろうという気がするんですが、そこでどんなぐあいにしてこのアクションプログラムをおつくりになるのか、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 認識は栗林さんと同じでございます。ですから、先ほど竹田さんにお答えしたような答弁を申し上げたのでございます。 今、そこでいわゆるアクションプログラムにつきましては、市場開放という問題が一番大きな問題で、市場開放の中ではやっぱり一番重要視しているのは、私は基準・認証制だろうと思うんです。アメリカ人が日本にいろいろ輸出しようと思ってもいろいろな障害が設けられて実際は入りにくい、いわゆる透明性の問題とか輸入手続の問題とかいろいろございまして、それがやっぱり非常に精神的に先方を傷つけておるものがある、したがってこの面を最大限に重要視して、もっと思い切って透明なものにしていきたい、そう思っておるんです。それから、関税の問題、その他の問題については向こうの重点項目がございます。この重点項目をよく認識してやることがめり張りの効いた効果的なことになると思うんです。大勢のいろんなものをだあっとりストに載せるということも一つの方法ですけれども、やっぱり効き目のあることをやるということが大事だと、そう思います。それから、金融並びに資本の自由化の問題では、継続的に今いろいろやっている仕事がございます。前に問題になりました東証の持ち株の問題等もありましたが、さまざまなそういう問題についてこれを一つ一つクリアしていく、それで将来の問題についても見通しを着実につけていく、そういうような態度が必要なので、今すぐ全部やれといったってできっこないんです。だからプログラムという形になる。 しかし、ここで私らが言いたいことは、一面においてアメリカの高金利やアメリカの高いドルというものが非常に大きな影響力を持っておる。我が国のある調査機関の調べによれば、日本の円が二百二十円から二百十円になれば五十億ドルから百億ドルぐらい縮まります、そう言っておる、そういう点についてはこれはアメリカ側も考えてもらわなきゃならない、我々にだけ一方的に責任をしょわすべき問題ではない、それは一つ言わなきゃならぬと思います。 もう一つは、我々は国際国家を日指して、そして今のようなオープンマーケットの社会になろうという過程に今あるわけなので、今日一遍に全部できるなんといったって、一民族、一国家、一言語というようなこういう同質民族がすみ分けて生き抜いてきた、こういうものが一朝一夕にして変わるものじゃない、そういうようなこういう社会的体質という問題を今改革しようと思って努力しておるのでありまして、そういうものはある程度の時間がかかるということは常識的に考えたってわかる。ただ我々が今それを実現しようとしてその過渡期にある、そういうことはよく認識してもらいたい、そう思っておるのであります。
○栗林卓司君 おっしゃった点はそのとおりでございまして、こちらとしての言い分は随分あるんです。あるんですが、片方で見ますと、連中もよく我慢したなという気持ちを率直に言って私は感ずるんです。今のドル高円安の問題もございました。そのときに準備通貨としての円ということのほかに、使用通貨としての、いわば円としての使い勝手、それをどうやってふやすかということになりますと、日本における短期資本市場というのはもっと活発になってこなければいけないという面では、アメリカの言い分はまさにそのとおりなんです。では日本の短期資本市場がそのスピードでできるかというと、なかなかできない。それは何もホモゲニアスな民族だからできないというんではなくて、全部が護送船団方式でコンセンサスを得ながら一歩一歩歩いていこうとするからできない。 ちょうどこの調査団の中にカナダ大使の方の発言があるんで、これも同感だったんですけどね、「どの政策をとっても強力な政治的リーダーシップを要する荒作業であることは間違いなく、コンセンサスなきまま反対意見を押しきり、一部の業界の利益を犠牲にする位の覚悟が必要である。」、これはそういった実感を確かにお持ちになっているのだろうと思うんです。問題はこうしたものが「果して戦後の日本の政治風土の中でかかる政治的決断は可能だろうか。」、今我々が立っている点というのは非常に重要な時点だと思うのです。 そこで、当然プログラムですからある時期を見ての計画であるのはもちろんなんです。もちろんなんだけれども、それはコンセンサスを積み上げてこうだというのじゃなくて、若干見越しでもいいから先に歩いていくという政治姿勢が私はどうしても必要なんじゃないか。 何でこんなことを申し上げるかといいますと、この委員会もそうなんです。税制の改正とおっしゃいますね。じゃどうしますか。税制調査会に諮問しますで、後は質疑できない。成長率は、歳出の削減は、地方交付税は、全部できないんです。できない理由は、もし言ってしまったらできるものもできなくなってしまうという従来からの、どの省庁もそうだと思いますよ、そういった配慮から全部遮断するわけです。我々はどうするかというと、その答弁の行間を見るしかない。行間を通して、何を考えているのかなということを透かして見るしかない。透かして、ある程度私は感じを持っているのですが、この感じが本当かどうか検証するすべがない。今のを外から見ておりますと、何を議論しているのだかわからない。こうしたものの全体が不透明性、閉鎖性、こうなるわけです。 したがって、それはある年限を持ったアクションプログラムをお組みになるのならもちろんそうでしょう。そうだけれども、これは相当の覚悟で、この産業分野、業界についてもダメージを与えるかもしれない、そのためにどうやって救済するか、それも決まっていない、決まっていないけれども一歩踏み出さなきゃいかぬ、私はここに立たないと一番最悪の事態になると思うのです。アクションプログラムは決めた、輸入課徴金はかけられた、そのときの日本国民の今度は反米感情を考えますと、だったらやらない方がよっぽどいい。 したがって今度の七月のアクションプログラムというのは、おやりになるわけですけれども、よほど思い切った何か従来とは違った手法でおまとめになることを心からお願いを申し上げまして、一言御所見を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御親切なお話を承りまして、非常にありがたいと思います。確かにおっしゃるとおり世界じゅうがアクションプログラムを見詰めておりまして、特にアメリカの上下両院におきましては大きな関心を持っておることであります。したがいまして、全力を尽くしましてこの重大な危機を切り抜けるように努力いたしたいと思っております。
○木本平八郎君 私、この二年間、国債問題についてあちこち、方々の委員会に出席させてもらったわけです。予算委員会あるいは決算委員会、それからついこの間の補助金特別委員会とか、この大蔵委員会にも二、三回出させていただいたわけです。そして、その間いろいろ、国債残高の問題について、一体将来どうなるんだろうということに非常に関心を持って、議論にも参加させていただいたわけですけれども、きょうこうして大蔵委員会がいよいよ大詰めに来たわけです。 ところが、感ずるのは、やっぱり予想したとおりの結末だったなという感じなんですね。それはやはり、国債問題がこれほど何回も議論されながら、いろいろ問題点その他は掘り起こされているんですけれども、一向に将来に対して明るさが見えてこない、私の感じはそういう感じなんです。果たしてこういうことでいいんだろうかという心配ばかり募ってきている。むしろ感じとしては、去年よりももっと何か悪くなっているという感じさえあるわけですね。ことしは確かに電電株の売却プレミアム、これを国債に入れる。まあしかしそれでも、私の計算でもせいぜい十兆円ぐらいじゃないか。それで、健保の余剰金もありますが、これも千億円のオーダーに行かないというふうなことで、それで大丈夫なんだろうかということをずっと心配し続けてきたわけです。 そこで、ゆうべ、これを最後に終わるというので、私、今までずっと出ました委員会の議事録を見ていたわけです。そこで大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、私その議事録を見ていましてふっと感じたのは、この国債問題を解決するのに、ここに、あるキーワードを入れると、例えば大型間接税または消費税を導入というキーワードを入れますと、今までの議事録が非常にうまく解釈がつくわけなんですね、それをまくら言葉にしますと。そういうことで、どうもやっぱりそういう方向に行かざるを得ないんじゃないかという気がしたわけです。 ついこの間大蔵大臣からお聞きしたんですが、調整インフレというふうな方法もあるということなんですけれども、これはやっぱり非常に危険があるから簡単には、もろ刃のやいばになりますのでこれはなかなか採用できないんじゃないか。そうするとやっぱり、大型間接税しかないんじゃないかなという感じをゆうべ受けたわけです。きょうぜひその辺の感触を大蔵大臣にお伺いしたいと思って来たわけですが、まず御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 一つは、調整インフレという言葉がありましたが、それは調整インフレというものの考え方に対する私のお答えとして、ちょうど私どもの年配は国債を買った経験を持たない、おやじは買っておるかもしれませんが、買った経験がないから、それが戦後のインフレの中でいつの間にか雲散霧消していったから、インフレに対して非常に厳しい感覚がとかく鈍い。それであってはならぬという意味で申し上げたわけであります。したがって、調整インフレを是認する立場にもとよりあるわけではございません。 そして、今、木本さんのおっしゃいますのは、恐らく今まで財政の試算を出しましたり仮定計算を出したり、そうするとここにこのような要調整額というのが必要になります。それは歳出削減でやりましょうか、負担増でやりましょうか、あるいは組み合わせでやりましょうかということを国民の皆さん方に問いかけて、その問答の中でコンセンサスが那辺にあるかをめっけていこう、こういうことを終始言ってきたわけでありますから、それを増収措置として考えられ、木本さんが、いろんな税制の議論をする中で、そこへ仮に消費税とか大型間接税を入れられれば、それなりに読み取れるという印象をお受けになったと思うのでありますが、そこへ、さらに厳しい歳出削減という言葉を入れても、またそれは読み取れるんじゃないか。だから、したがってそれは主観の問題で、相違はございますが、これからもなお問答を続けながら、その要調整額というものの埋め方についてはコンセンサスを求めていく努力をしなきゃならぬというふうに考えております。
○木本平八郎君 竹下大蔵大臣が非常に一生懸命に取り組んでおられるということはわかるわけです。私も何回か大臣と問答をさせていただいたわけですけれども、ほかの大臣に比べて経験が長いということもあるんでしょうけれども、真っ正面からばっと我々にもかみ合っていただくということで非常に感謝はしているんですけれども、実は率直な感じを申し上げますと、大蔵大臣とずっとお話ししていて、私ふと思い出したのは、大平総理のことなんです。 私もその当時国会にいませんから、物の本で読んだ記事なんですけれども、大平総理は大蔵大臣のときに何か、非常に嫌って嫌って嫌がっていた特例公債を手がけられた。結果的にはそれが最後は命取りになったというか、そういうふうに私は聞いているわけです。 今、竹下さんは、ニューリーダーとして、次期宰相候補の最有力候補だというふうに言われているわけですけれども、今現在は、国債残高に追い回されて苦しんで苦しんでおられる。結果的にこれまた命取りになるんじゃないかというふうなことをふと私は感じたわけです。この予感は非常に申しわけないんですけれども、しかし一方、そういう不安というのが、やっぱり裏返せば国民の不安なんですね。いや、これが大丈夫ならだれもそういう不安を感じないわけですけれども、そういう不安がやっぱりある。私はそういう点で国民の不安を代表しているようなつもりなんですけれども、これに感想を求めるというのは少し不謹慎かもしれませんけれども、一言何かございましたらお承りいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 大平総理が大蔵大臣であられた昭和五十年、赤字国債発行に踏み切られたということは事実であります。よく、税制の先食いをしたというような表現で、その当時のことを申されておりました。それはそのとおりであります。 私の今の心境は、死んでたまるか竹下登、こういうことでございます。
○木本平八郎君 ぜひ頑張って、気迫、ファイト満々でやっていただいて、この国債の問題にもそういうファイトで今後とも取り組んでいただきたいと思うわけです。 それで、次に総理にお伺いしたいんですけれども、総理、新聞で拝見しますと、科学万博へ行かれて二十一世紀に向かっての手紙を出されたということなんですけれども、国債については何もお書きにならなかったかもしれませんけれども、例えば二十一世紀の時の総理に対して手紙をお書きになるというとき、二十一世紀といっても昭和七十五年ですから大体二百兆円ぐらい、今の計算でいけば残高があるわけですね。それについて総理としてはどういうメッセージを送られるというか、説明をされるか、夢物語みたいなものなんですけれども、そういう非常に軽い気持ちで御所見をお伺いしたいわけですが。
○国務大臣(中曽根康弘君) この間の手紙の中には国債には触れておりませんでしたが、せっかくのお話でございますから感想を申し上げれば、インフレは絶対いけませんよ、健全財政を守りなさい、そう書こうと思います。
○木本平八郎君 確かにそれは私も国民の中にあると思うんです。これだけの国債を償還するのに一番いいのはもうインフレを起こすことだというふうに皆感じるわけですね。その点が一番大きな不安で、やはり今後とも、歴代の総理はぜひインフレだけは起こさないということを強く堅持していただきたいと思うわけです。 ただ、私、この国債の問題に素人ながら参加させていただきまして非常に感ずるのは、この問題というのは非常に大蔵省の立派な官僚がたくさんおられるんですけれども、どうもこれはもうその役人の限界を超えてしまっているんじゃないか。やはり幾ら頭がよくても、むしろ頭がいいことがマイナスになる。頭がいいと、木が見え過ぎてむしろ森が見えない。したがって、この際はやはりもう政治家が第一線に出て、それで自分の責任で、思い切った発想でやらなきゃいかぬのじゃないかということを感ずるわけです。この委員会でも、私、非常に突拍子もない、トンチン年金、公債の話だとか、土地証券の問題なんかを提案申し上げたわけですけれども、普通に考えるとそれはあかんとか、いやそれは難しいとか、それはこういうなにがあるというふうなことはいろいろあると思うんですけれども、発想をやっぱりこの際はがらっと変えて取り組む必要、もうその時期に来ているんじゃないかという気がするんですけれども、その辺は総理、どういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私も木本さんのお考えに同感です。 こういう変化の大きい時代におきましては、今までの既定のパターンの発想方法ではできないと思います。そういう意味において、財政の運営にしても、あるいは民活にいたしましても、やはり思い切った発想を大胆に取り上げていくときに入ってきている、そう思います。
○木本平八郎君 最後に一つだけお聞きしたいんですけれども、私は、この国債残高の問題というのは、来年も再来年もずっと今後も諸悪の根源になるのじゃないかという気がするんです。国会でも、この大蔵委員会はもちろんのことですけれども、予算でも、あらゆるところに必ずこれがひっかかってきて、いつもぎくしゃくする。もめるとは思わないんですけれども、何かこれが一番の障害になっていくんじゃないかと思うわけです。政府としても、やはりこれを片づけるというか、この問題に一番に取り組むということが必要じゃないかと思うわけです。 したがって、これは一つの私の提案みたいなものなんですけれども、今河本大臣が特命担当でやっていらっしゃいますけれども、例えば財政再建担当特別相というか、そういう専任の国務大臣を置かれるのはどうか。今竹下大臣は一生懸命やっておられますけれども、大蔵省の守備範囲というのは物すごく広いわけですから、やはりこの財政再建問題あるいは国債の問題というのは全然分けて、特別の担当大臣を置かれるというのはどうかと思うんですけれども、その御所見を承りまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国債の累積問題というのは確かに大問題でありまして、これは五十年代の二度の石油危機を乗り切るために、失業を起こさないために国債を発行して、それが累積してこのようになった。もう一つは、昭和四十九年、福祉元年で、福祉政策を西欧水準並みに非常に水準を上げた、ところが予定したような財政収入がなかった、その格差が非常は大きくなってきた。そういうような面もございます。 それで、GNPに対する国債の累積額を調べてみますと、日本が大体四三%ぐらい、英国が四二%ぐらい、米国が三三%ぐらい、西ドイツが一九%ぐらい、フランスが案外健全で八%ぐらいです。そういう面を見ますと、日本が一番重いハンディキャップをしょっておるので、これは長い道のりの仕事でありますが、歴代内閣が相受け継いでこれを減少させて、負担を軽減してしかなければならない。我々が今やるべきことはやっておかなければまた子孫に負担が及んでいく、そういうことであるということを肝に銘じて、政治家も歳出、歳入構造の徹底的な縮減とかあるいは検討を行うべきである、そう思っておるものであります。大体二〇〇〇年前後、調べてみますと一九九八年ごろは百九十二兆円になる。これは六十五年度赤字公債依存体質脱却をやったとしても百九十二兆ぐらいになって、そのときのGNPの比率は二七%になると。四三%から二七%になりますから軽減されるという形でありますが、これをやるについても、かなりの苦しい道のりをみんなでやらなければならぬ、そういうふうに思っておる次第でございます。 担当相につきましては、結局そういうことをやり得るのは総理大臣以外にないと思います。予算と人事権を握っている者でなければ実際はそれだけの大きなことはやれない、そう思います。また結局屋上屋を重ねる危険性があるので、総理大臣が大蔵大臣等と一生懸命連携しながら大局的に目を転じつつ処理していく、そういうことではないかと思います。
○野末陳平君 先ほどの総理の御答弁で、アメリカの今度の税制の大改革に対して、簡素化とか減税などの点で非常に評価されておりました。また総理御自身も、予算委員会以後何度も、不公平是正をしながらの大減税といいますか本格減税といいますか、これについて願望を述べておられたのですが、この減税をしたいという願望は、来年度したいということと受けとめてよろしいのかどうか、その点をちょっとはっきりさせておきたいのですが。
○国務大臣(中曽根康弘君) 減税に二種類ありまして、一つは、与野党の幹事長・書記長の合意がございます。これは専門家でいろいろ詰めをやっていただくということで、それを尊重して実行するということが一つ。 もう一つは、私が前から申し上げておるシャウプ税制以来の税のゆがみを是正して、思い切った税制改革をやりたいという問題であります。この方は、議会が終わりましたら大蔵大臣やあるいは党とも相談をいたしまして、どういう段取りでこれを運んでいくかという相談をいたしたいと思っております。 いずれ税制調査会にこれは諮問しようと思っておるんです。税制調査会には既に包括的な諮問がしてありまして別に重ねてやる必要もないのでありますけれども、しかし、ここで改めてこの問題についてさらに問いかけをやって答えを出していただこう、そう思っております。そのときに、いつごろその答申を求めるのか、それによって、それを受けたときに政府はどういうような行為に出るのかという面も含めて検討いたしたいと思っておりますが、まだ未定であると申し上げたいのであります。
○野末陳平君 これはもう即刻やってほしいといいますか、またやるべきだという気がするんですが、ただし、財源の問題ですね。私、予算委員会で総理にお聞きしても、財源のことは考えずにゆがみを是正する、そういう意味の税制大改正ということをおっしゃっておられましたが、いろいろと考えてみましても、財源はやっぱりそんなにあるわけじゃない。増税が一番いいんでしょうがそれは絶対できない。となると、この委員会でせんだって大蔵大臣に質問したんですけれども、もはや減税の財源にはマル優の廃止または低率課税しかないと思うんです。これは内容いかんによっては必ずしも国民から反発を受けるとも思えない部分もありまして、私はあえてここで総理にお願いしたいのは、ここらでそろそろ減税の財源としてマル優の課税に踏み切るように当局に指示を出すべきだと思うんですよ。というのは、税調はもうそういう答申をしているわけですから、あとは総理の決意次第だと思うので、これについてどうかとお聞きしたいんです。 また、マル優の課税をするということは、対外的にも、経済摩擦でいろいろ批判を浴びているわけですが、それに対してもプラス効果があるだろう、そう思いまして、総理の御決意を聞きたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 財源の問題につきましてはまだ全く白紙でございまして、ともかく先ほどお答え申し上げましたように、レーガン税制改革というようなものをまず我々は念頭に置いて、日本の場合にどういうふうにこれをやっていったらいいか、そういう面の減税問題というものを取り上げていきたいと思うんです。 それで、それを埋めるについてどういうことが必要か、どの程度のスケールの税の関係が出てくるか、そういうような問題も検討してもらう。そして、その財源の問題については、結局国民が選択するということでありますから、国民の皆さんに選択していただくような方途を考えつつ、いろいろな案が出てくるでしょう。野末さんがおっしゃったような案もあるいは出てくるかもしれません。そのほか、あるいはいろいろ税外収入の問題も出てくるかもしれません。そういうような問題をよく検討した上で整合性のあることをやっていきたい、そう考えておりまして、今マル優問題だけをイエスとかノーとか言うということは非常に過早である、そう思っております。
○野末陳平君 だけれども、財源が全く当てがなくて、これから考えると言いながら、減税をやるという、その減税がひとり歩きするのもちょっと無責任じゃないかと思いまして、僕の個人的な意見を聞いてほしいわけです。そしてまた総理にそれに賛成してほしいと思っているんですが、この段階ではそれ以上は無理だと思いますから、次に移ります。 先ほどからもちょっと出ました一連の悪徳商法に関連してですが、被害者たちが政府の責任を追及するというようなことが新聞記事に出たりしておりますが、私はこれは一日も早い法の整備というのは必要で、それはもう政府もそれにどんどん着手しているようですが、補償をしなきゃならぬという責任はないと思いますね。ですから、それについて総理は補償とか救済までするということ、そこまでは考えておられないようなお答えでしたが、その理由をお聞きしたいと思うんです、その理由によってはやはりなかなか微妙な問題もあろうかと思いますので。
○国務大臣(中曽根康弘君) またこれは専門的に深く研究したものではなくして、私の持っておる常識及び法律概念で整理してお答えしておるものなのでございます。 この真相を究明してみまして、どういう実態であるかということをよく見きわめた上でまずやるということが一つ。それから第二に、現段階においては国家賠償を行うというような性格のものではないと思います。そう答えておる次第なのでございます。
○野末陳平君 これは確かに、私も予算委員会で既に、この問題を早く手を打たなきゃということは質問していたんですけれども、老人をねらうという、いわゆる弱者をねらうというところが非常に汚いやり方で、ただの悪徳商法ではないんですが、それにしても、弱者といえどもやはり、投資なり投機なり、そういうものに対する自己責任はあるわけですから、やはりこれは、もしここで補償とか救済というふうなことになると、かえって逆に国民の批判を招くだろう、そういうふうに思っています。ですから、それについて総理のお考えをお聞きしたいと思ったんです。 それから、また細かくなりますけれども、日米経済摩擦がやかましくなっており、総理が国民に、百ドルの買い物をということをアピールなさいましたけれども、あれは不評でしたね。——いやいや、買う物がないんですからそれは無理ですし、それから買ったら高くなりますし、いわゆる国産品の業者に対してもまずいですし。でも、あの場における総理の百ドルのアピールというのはそれなりに意味があったように思いますが、しかし、現実的な解決として、年間四百万人を超える海外旅行者に対するお土産品といいますか、買い物といいますか、その免税枠の方が具体的にいじれると思うのですね。 お酒とたばこは今のままでいいと思いますが、ほかの香水とか時計とか貴金属とかいうようなものがありますが、あの免税枠を拡大するとか、あるいは雑品が今十万円の枠になっていますが、これはもう撤廃するのは当然だろうと思いますね。そういうことによって、海外旅行者がいわゆるお土産を買う、つまり個人輸入になりますから、そういう点のいわゆる改正の方が現実的ではなかろうか。これも、やらないよりはやった方が経済摩擦の感情的な緩和には役立つだろう、そういうふうに思うんです。これは昭和三十年代からそのままになっておりますから、やはりここらで即刻変えて当然だ、そういう気がするんで、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いつもの提案のあるところでございますが、諸外国と比べますとそれは日本はかなり高い水準にございますし、それから平均してみますと、二万五千円でございましたか、という平均になる。過去二回ばかり、ある日を特定して税務調査を行ったことがございますが、ちょっと数字が違っておるかもしれませんが。だから、まだ免税枠の問題についてはかなり余裕があるな、これ以上上げますと、今度はそれこそお金持ちの方だけを優遇するようにもとれる面があるというような問題点があるようでございます。 しかし、これは結局、今おっしゃいましたように、やらぬよりもやった方がいいとか、いろんなことの複合の中で姿勢を示していかにゃいかぬという意味において、事務当局に検討課題の一つとして研究をさせる、こういうことにしておるわけでございます。
○野末陳平君 効果のことを考えたら、そんなに効果はないかもしれません、事実、買ってくるものがないんですから。だけども、やはりこういう枠を拡大するということも非常に大事だろう、政策的に。 それから、お金持ち優遇になるというけれども、これは十年前は確かにお金持ち優遇というと反発を買いましたけれども、いつも常にお金持ち優遇になるからといって消極的になるというのは、ちょっと時代おくれだと思いますよ。ですから、これも僕の個人的な見解である。 最後に、先ほどの税制改正に絡んでくるんですが、総理にこれはお答えを願いたいんです。 最高税率が、アメリカの場合はとにかく三段階になって簡素化されましたが、日本は十五段階もあります、で最高が七〇であるというんですが、これをやはりもう七〇を下げることが大事だと思うんです。というのは、今まではいつも減税は下から上がっていったんですね。だけども上を、七〇を例えば五〇でも六〇でもいいんですが、五〇ぐらいまで下げて、上から下に及ぼしていくという減税の考え方もこれからあっていいだろう。もう事情がかなり、時代の流れもそうなっていると思うんで、この最高税率をどこら辺に設定するかというのが今後の税制改正に非常に大きい意味があるというふうに思うんです。どうでしょうか、七〇%は高過ぎると思います、五〇ぐらいにしていいのではないかという考え方なんですが、総理いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 簡素化という面からレーガンさんがああいう措置をいたしまして三段階にした。私は、学者にこの間うちいろいろ個人的に聞いてみますと、日本の場合は五〇%から六〇%ぐらいを見当にしたらいいんじゃないんですかと、そういうことを学者さんが大部分私にその辺の見当を言っておりました。それは学者さんの意見として耳に入れておるところでございますが、やはり子持ちの中堅サラリーマンの減税ということを考えて上昇ラインをならしていくようにいたしますと大体その辺になるということを、学者は言っておりました。つまり、三百万から六百万ぐらいの間を重点を入れて考えてみると、大体その線というのは五、六〇%ぐらいという線にいくでしょうというようなことを言っておりました。こういう事々は学者の研究として我々も聞いておるところでございますが、いずれ本格的に専門家に研究していただきたい、そう思っておるところでございます。
○野末陳平君 終わります。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、岩動道行君が委員を辞任され、その補欠として山本富雄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) 他に御発言もなければ、三葉に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより三案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○大木正吾君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案外二法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 まず、私は、中曽根内閣が現在の我が国経済を取り巻く内外の極めて厳しい諸情勢を的確に受けとめることなく、依然として当面を糊塗し、その場しのぎの経済運営の基本姿勢を改めようとしていないことを指摘せざるを得ません。 政府の経済見通しや経済運営の基本方針、あるいは今国会を通じての答弁において、口先だけの内需拡大を公約しながら、これを現実に結びつける有効な具体策は何一つ実行することなく今日に至り、ついには海外から、貿易や金融等の国際取引に係る市場開放要求のみにとどまらず、純然たる国内政策ともいうべき租税政策を含めた内需拡大策の実行を迫られるに至っているではありませんか。 我が国の世界経済における立場、その果たすべき役割から見て、海外から国内政策にわたっての無策ぶりについて指弾を受けるがごときはまさ内政干渉を許すというべき事態であるにもかかわらず、その後も今日に至るまで内需拡大についての具体策を示していないのであります。 このままでは、経済の活性化の道は閉ざされ、我我が主張してきた自律型成長の経済運営による財政再建も日の目を見ることなく、財政の対応力回復も空念仏に終わることは必至であります。 今必要なことは、一般会計を緊縮スタイルに粉飾するために防衛費を突出する一方で社会保障費を圧縮し後の世代に負担のツケ回しをすることではなく、死に体となっている財政再建計画を経済の実態に適合する実効の上がるものに組みかえ、その実現を着実に推進することであると、ここに強く主張するものであります。 以下、法案に関する事項について反対理由を順次指摘いたします。 第一に、特例公債の残高の残存期間に係る問題であります。 昨年の財確法において、政府は政策転換の一言をもって、何ら見合い資産の存在しない特例公債についての借りかえ禁止規定を一挙に削除したことにより、本年度からその借りかえが始まったのであります。 しかし、法において特例公債の借りかえが認められたとはいえ、建設公債と同様に六十年間にわたって借りかえが繰り返されることの可否については、決着がついたわけではありません。 しかるに、前回の法律、そして今回の法案において規定されている特例公債についての努力規定、すなわち、できるだけ借りかえないようにする、そして借りかえ後において残高の減少に努めるとの条項があるにもかかわらず、その努力の具体的方策が本委員会の審議を通じてもなお明確にされなかったのであります。 第二の反対理由は、国債の歯どめについての政府の認識が根本的に欠落していることであります。 我が国が公債政策に転換して以来これまでに国民の合意のもとで設けられてきた公債発行の歯どめは、政府の財政運営の失敗により次々に打ち捨てられ、現在残されていますのは市中消化の原則のみであります。 我々は、今後累増し続ける借換債を含めた公債の発行について、この市中消化の原則はいかなることがあっても守るべき歯どめとして存在し続けるよう、法的措置を含めた政府の対応を要求してまいりました。 しかし政府は、言を左右にして我々の声に耳をかそうとはしなかったのであります。国債の借りかえは今後ますます巨額なものとなり、しかも特定月の特定の日に集中することになります。短期国債の発行によってこれを切り抜けるとはいえ、市中消化できないという「特別の事由」によって日銀引き受けが行われるということは断じてないとの保証はないのであります。短期国債から中長期国債へとこれが波及し、財政インフレをもたらす禍根となることを憂えざるを得ないのであります。 反対理由の第三は、四年続きの国債費定率繰り入れ停止がもたらす減債基金制度の事実上の崩壊についてであります。 減債基金制度存立の根幹は、定率繰り入れによって維持されているものであります。四年連続の定率繰り入れ停止により、六十一年度も引き続いて停止することになれば、基金の残高は完全に枯渇をし、六千億円もの不足を生じることになります。 この実態を無視して、政府は六十一年度もその停止を予定しており、その不足分を予算繰り入れで切り抜けようとしております。これでは国債整理基金は単なる一般会計からのトンネルとしての機能をしか持たないこととなり、減債制度は崩壊することになると言わざるを得ません。 このほか、巨額の短期国債発行による金融秩序へのもろもろの影響とその対応策が明らかにされなかったこと、さらに、政管健保に係る厚生保険特別会計への繰入額の削減措置、並びに産役会計から一般会計への繰り入れの道を開いたことは、これまた一般会計の収支のつじつま合わせの手段を講じたものであり、これらのもたらす弊害の重大性にかんがみ、断じて容認することはできません。 最後に、NTTの株式問題についてであります。 株式の所属と売却収入の使途が今回の法改正で決定されることになるのでありますが、これまでの会社法についての衆参両院の逓信委員会の審議経過や附帯決議に照らしてみても、また、株式の売却の方法がこれから検討されるという段階であり六十年度予算にも売却収入は計上されておりません。にもかかわらず、今回の法案により一方的に結論を出したことは絶対に承服できません。 本委員会を通じても、ついにこの問題についての経過及び責任は明確にされなかったのであります。 私は、本会議での質疑の際にも主張いたしましたが、株式の売却については会社の財務諸表や決算書の状況等を参考とすることが当然であり、そのために売却を両二年間凍結するとともに、会社の負債総額五兆一千億円への還元、加えて利子、償却等についての経営上の負担軽減の必要性をここに強く要請いたしまして、私の三法律案に対する反対討論を終わります。
○藤井孝男君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となっております昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案外二法律案に対し、賛成の意を表明いたします。 改めて申し上げるまでもなく、我が国財政を取り巻く環境はなお厳しいものがあります。そのため先般成立を見た六十年度予算においては、歳出面では徹底した節減、合理化を行い、一般歳出を三年連続して前年度同額以下に抑え、歳入面においても適宜見直しを行い、その結果、公債の発行予定額を前年度当初予算より一兆円減額しております。 しかし、これら歳入歳出両面からの見直しにもかかわらず、なお財源が不足すること、また本年度から国債の大量償還が始まること等から、三案に盛られている内容はいずれも必要にしてやむを得ない措置であります。 まず第一に、特例公債の発行と借りかえでありますが、特例公債の本年度発行額は前年度に比べ七千二百五十億円圧縮され五兆七千三百億円が予定されておりますが、本年度の財政運営を適正に行っていく点から、また借りかえについては償還財源確保の観点から、いずれも是認せざるを得ないものであります。 第二は、五十七年度以来四年連続の国債費定率繰り入れの停止でありますが、六十五年度特例公債依存体質脱却を目指し特例公債減額に最大限の努力を傾けねばならないことを考慮すれば、この措置をとりましてもなお本年度の公債償還に支障を来さないことから、やむを得ない措置と考えます。 第三は、短期情換国債の発行と年度を越えた情換国債の前倒し発行でありますが、今後大量の国債の満期償還が特定月に集中するため、その償還及び借りかえを円滑に進めるとともに国債管理政策の適切な運営の観点からも必要な措置であります。 第四は、政府に無償譲渡された日本電信電話株式会社及び日本たばこ産業株式会社の株式の売却可能分を国債整理基金特別会計に帰属させ、国債の元金償還財源の充実に資しようとするものでありますが、両会社の株式は国民共有の財産であり、その売却収入と配当を国民共有の負債である国債の償還に充てることは、特例公債残高をできるだけ速やかに減少させることが求められていることからも、まさに必要な措置と言えます。 なお、産業投資特別会計法の改正は国民経済の発展と国民生活の向上に資するものであり、また、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例は財源確保の観点から、いずれも必要な措置と考えます。 今後とも政府におかれましては、財政収支の改善に向けて一層努力されますとともに、日本電信電話株式会社の株式売却に当たっては、いささかも国民の疑惑を招くことのないよう適切に措置されることを強く申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
○桑名義治君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました三法律案のうち、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案並びに国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案の二法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 反対する理由の第一は、国債の残高の削減の具体的方策並びに赤字国債の情換債発行の問題についてであります。 我が国財政は、今年度末で百三十三兆円という多額の国債残高を抱えており、これは我が国の国民総生産の四八・四%、本年度一般会計予算の三倍近くに達する規模の国債残高であります。 また、欧米諸国と比較してみても、我が国の国債発行残高は極めて高く、今後においてもなお毎年巨額の国債発行を続けざるを得ないという危機的状況にあります。その上、今年度は赤字国債の償還財源を賄うために借換国債が最初に発行される年であります。 毎年度の特例法においては、財政規律を保持する立場から、この赤字国債の乱発を防止する歯どめとして情換債の発行をしないという定めを、特段の配慮をもってその都度定めてきたものであるが、今年度の赤字国債の借りかえは、法律にも明文化されてきた赤字国債の借りかえ禁止の歯どめを一挙に放棄することによって実施されるものであり、政府みずからの財政運営の節度を踏みにじるものであります。 また、六十年度に満期の到来する赤字国債の約二兆三千億円について、そのうち一兆九千億円を借換債の発行によって償還しようとしております。 これは建設国債と同じ償還ルールを適用するもであり、経常経費に充当すべく発行された赤字国債を六十年間にわたって残存させようとするものである。このような赤字国債の借換措置は、国債残高の減少に向けての政府の努力の欠如を物語るものであり、断じて容認できない措置であります。 反対する理由の第二は、減債基金制度にかかわる国債費の定率繰り入れの停止の問題であります。 政府は、五十七年度より四年連続して、減債基金制度の根幹である国債費定率繰り入れを停止するという安易な財源調達策を強行し、国債償還財源を枯渇させております。このような措置は、財政危機を一層推し進めることとなり、国債政策の将来に関して国民に不安を抱かせるものであります。 また、一方では、国債整理基金特別会計法の改正により、今回、日本たばこ産業株式会社及び日本電信電話株式会社の株式のうちの売却可能分を国債償還財源に充てるという窮余の策がとられようとしております。このような措置は、公社の資産形成の経緯等を無視した極めて財政本位のやり方であり、公社経営形態の変更が事実上財政再建の手段になっていることを如実に示していると言わなければなりません。 理由の第三は、短期借換国債の発行と国債管理政策の問題であります。 六十年度からは大量の借換国債発行が本格化し、それを含めた国債の発行額が二十兆円を超すことになり、その上、国債整理基金残高の枯渇等に対応するために、今年度より一年未満の短期借換国債の発行が行われようとしております。 このように、市中に滞留する国債残高の累増と多様化が進み、借換操作が日常化する事態に至っているにもかかわらず、政府は国民の国債に対する信頼を得るための確固とした国債管理政策を明示していません。 また、国債償還のための短期国債の発行額は歯どめなく累増することが心配されると同時に、その日銀引き受け発行禁止についての制度的担保もありません。借換債の年度越え前倒し発行は、財政法の会計年度独立の原則から大きく逸脱するものであり、重大な問題を含む措置であります。 以上、私の反対討論といたします。(拍手)
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置法案外二法案に一括して反対の討論を行います。 まず、財源確保法案についてであります。 政府は、今年度国債発行を一兆円減額し、財政再建に一歩近づけたかのごとく言っておりますが、政府の公約である六十五年度赤字国債からの脱却のために必要な赤字国債の一兆円減額は果たせず、むしろ今年度から始まった赤字国債の借換債を含め、総額二十兆円を上回る史上空前の国債発行を行っているのであります。これによって六十五年度赤字国債からの脱却という新目標も早くも破綻し、再建の見通しはますます遠くなっているのであります。 これにより国債発行残高は百三十三兆円に上り、その対GNP比率は四二、三%となり世界一を記録しております。また、国債費は初めて十兆円を上回り財政の機能にますます大きなゆがみをもたらします。 しかも、将来の償還財源を保証すべき国債整理基金への定率繰り入れを四年連続停止する措置をとったことは、減債制度を崩壊させ、一層財政再建を困難にするものにほかなりません。 これに加えて、六十年度財確法は政管健保への国庫補助金を削減する措置をとっていますが、これは、昨年の健保改悪で本人一割負担導入によって生み出された健保財政の黒字部分を召し上げようとするものであり、これは政管健保加入者である中小企業労働者にとっては、本人負担強化に加えて、泣きっ面にハチの措置であると言わなければなりません。 次に、国債整理基金特別会計法一部改正案についてであります。 本改正案は、本年度から始まった赤字国債の借りかえを含む巨額の借換国債の発行を弾力的に行うために、年度内に償還される短期国債を予算に計上せずに発行できる道を開き、また翌年度償還期が来る国債について借換債の前倒し発行を認めるというもので、いずれも財政法に規定される総計予算主義、会計年度独立の原則を踏みにじるものであります。 加えて、今回改正は、新規債と借換債の発行を一元化し、短期国債の日銀引き受けをも認める国債資金特別会計構想とも相まって、今後の国債管理政策の運用いかんによっては、将来の大インフレーションの火種になる危険性を秘めていることを指摘しないわけにはまいりません。 最後に、産業投資特別会計一部改正案についてであります。 産投会計は、昭和二十八年に設立されて以来、一般会計から毎年資金がつぎ込まれ、輸開銀などを通じて鉄鋼、電力など我が国基幹産業に長期低利の融資を行うことによって、戦後の我が国経済の電化学工業化、高度成長と輸出の拡大に大きな役割を果たしてきたのであります。その結果、今日我が国経済は経常収支黒字が急増し、対外経済摩擦の解決が重要な経済問題になっておるのであります。したがって、産投会計が掲げる経済の再建、産業の開発、貿易の振興の諸目的は既に達成されたと見るべきであり、むしろ産役会計を大幅に改組し、国民生活改善の方向に転換することこそが求められているのであります。 また、高度成長期に一般会計から産投会計などを通じて財投計画を膨張させてきたことを考慮するならば、一般会計が未曽有の財政危機にある今日、政策見直しによって不要不急の財投計画を大幅に縮小し、余裕資金を一般会計へ繰り戻すことが財政全体としての健全性回復に必須のことなのであります。 しかしながら、本法案は逆に民営化された日本電信電話株式会社及び日本たばこ産業株式会社の株式の一部を一般会計から無償で繰り入れることによって、毎年三百億円から一千億円にも上る配当金を自動的にその財源とすることを可能にしているのであります。 他方、その運用面についても、飛躍的にその対象を拡大し、リスク補完などの名のもとに大企業の先端技術開発や海外直接投資に至るまで、投融資先を量質ともに拡大しているのであります。 これでは、到底まじめに財政再建に取り組んでいるとは言えず、日本経済の民主的発展にも逆行しているものと断ぜざるを得ないのであります。 再三当委員会でも明らかにしたように、今日の深刻な財政危機を引き起こした原因と責任は、不況打開を旗印とした赤字国債による大企業本位の公共投資を強行した政府・自民党、そして財界にこそ帰せられるべきであり、彼らの責任と負担で一般会計、特別会計、財投計画の財政全体を通じた抜本的な見直しこそが必要であることを指摘し、私の討論を終わります。
○栗林卓司君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりましたいわゆる財確三法に対し、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案及び国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案に反対、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案に賛成の立場で討論を行います。 毎年申し上げてまいりましたとおり、特例公債の発行は財政法の精神に対する明らかな違反であります。本来してはならない公債の発行であり、大蔵当局も深くこのことを自覚しているがゆえに、毎年、一年ごとに特例公債の発行を求める法律案を提出してきたのであります。 しかし、昨年、特例公債の借換債発行の道を開いて以来、問題の性格は大きく変わってしまったと思います。なぜなら、現金償還を前提にして初めて通用する一年ごとの提案でありますが、借換債を発行するということになりますと、問題は当該年度の特例公債の問題と建設公債の新発債、借換債を含む膨大な公債発行の問題の二つにはっきりと分かれてまいります。そして、後者は中長期にわたる展望と政策が必要になるはずであります。今回御提案の特例公債の発行期限と年度所属区分の改正はその認識に立ってのことだと思います。特例公債が財政法上有罪であるという基本問題を抜きにして考えれば、当然実施すべき政策でありました。問題は、これだけで十分であったかどうかであります。 期近債の増加及び短期国債の発行は、やがて短期債市場を飛躍的に発展させることは確実であります。そして、この変化は金利の自由化に対する大きな促進要因ともなり、また、従来、長期、短期と分け隔ててきた区分も、なし崩しにしてくるでありましょう。これまでは先頭に立って金融を指導する立場に立ってきた大蔵当局ですが、これからは市場の変化に後追い的に追随せざるを得ない立場にも立つと思います。とすれば、これからは変化に対する対応を先取りをしていく必要があると考えます。この点について、現在の大蔵当局の姿勢が依然旧態然たるものであることは極めて遺憾であります。 なお、特例公債の新発債の発行については、依存体質からの昭和六十五年度脱却を目指して真剣に努力されることを強く求めておきます。ただ問題は、この努力と成長政策をどのように両立させるかであります。この点について、税制及び建設公債の活用にもっと大胆であるべきことを指摘しておきたいと思います。 国債整理基金及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案は、それぞれ妥当な内容であると考えます。しかし、定率繰り入れの停止を背景にした国債整理基金の現状を考えれば、もろ手を挙げて賛成というわけにはまいりません。 以上で討論を終わります。
○委員長(藤井裕久君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより三案の採決に入ります。 まず、昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井裕久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井裕久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案は賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井裕久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、竹田四郎君から発言を求められておりますので、これを許します。竹田四郎君。
○竹田四郎君 私は、ただいま可決されました昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、参議院の会、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 昭和六十年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、所要の措置を講ずべきである。 一、昭和六十五年度を目標とする特例公債依存体質からの脱却は、現下の財政における最優先課題であることにかんがみ、その具体的方策に関する基本的考え方を明らかにし、もって国民の理解と協力を確保できるよう努めること。 二、借換えのための短期国債を含め、国債の発行に当たっては、財政インフレを引き起こすことのないよう、財政法第五条本文の精神を遵守すること。 三、国債整理基金特別会計において、同特別会計所属の日本電信電話株式会社及び日本たばこ産業株式会社の株式の処分による収入金又は株式の配当金が編入されたときは、特例公債残高の減少に充てるよう努めること。 四、国債整理基金特別会計所属の日本電信電話株式会社の株式の処分については、その株式が国民共有の財産であり、かつ、市場価格が形成されていない状況の下における売却であることにかんがみ、株式売却の時期、方法、数量等について適正な決定が行われるよう努めること。 五、産業投資特別会計に株式を帰属させる趣旨を尊重し、株式の配当金収入については、各分野の技術開発等に有効に活用するとともに、安易に一般会計の財源補填等に充てることがないよう努めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆さんの御賛同をお願いいたします。
○委員長(藤井裕久君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井裕久君) 多数と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。
○委員長(藤井裕久君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十二分散会