大蔵委員会 第13号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/05/23
会議録
○委員長(藤井裕久君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十四日、志村哲良君、藤田栄君及び吉村真事君が委員を辞任され、その補欠として岩動道行君、福岡日出麿君及び藤野賢二君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本開発銀行法の一部を改正する法律案及び日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ両銀行の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田四郎君 大蔵大臣にまずお尋ねいたします。 アメリカの経済成長の数値が再改正をされまして、第一回の改正のときには一・三でありましたけれども、それが再改正で〇・七%という数字になったわけでありますが、これは当初の発表から比べますと大分下がったわけでありまして、恐らく一番最初はそういう予想をしていなかったと思 うのであります。 こういうふうに再度下方修正されたということは、日本に対する影響というようなものもいろいろ出てくるだろうと思いますし、それに対する日本の対応というようなものも急がれるだろう、こういうふうに思いますけれども、少なくとも四月の対外経済対策を決めるときには、この数字というものは予想をしていたんですか、いなかったんですか。その辺もあわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) アメリカの経済成長率が〇・七%ということであります。 したがって、おととい、恐らく夜中あたりに見直ししたものが出るだろうという予測をしておりまして、それも若干下降傾向のものが出るだろうと思っておりましたが、私の個人的感触からいうと、〇・七というと、ちょっと思っておったよりも余計減速した、こんな素直な感じを受けたことも事実でございます。しかしその後、きのうずっとアメリカを初めいろんな情報を収集してまいりますと、八五年の米国経済について、このまま失速するという見方は少なくて、むしろいわゆるソフトランディングという一つのあらわれと見た方がいいのじゃないか。特に第二・四半期以降は再び緩やかながらも安定した成長が継続していくのじゃないかというような情報の方が多く入っておるという状態でございました。私もリセッションというようなことの心配ということもきのうちょっと衆議院で答弁してみましたが、その後の情報をとってみますと、皆グロースリセッション、こういうふうな表現をしておりますので、私が直感的に抱いたよりは、第二・四半期以降再び緩やかなから安定成長が持続するという見方の方が強いようでございます。 しかし、米国経済が八四年の六・八%成長と比べるとスローダウンすることは避けられないところでございますので、そうなれば我が国の輸出も、それに見合って鈍化してくるということになります。が、幸い我が国経済が現在設備投資が大幅に増加するなどの国内民間需要中心の自律的拡大局面にありますので、今後につきましても、物価の安定と企業収益の好調など景気拡大を支える条件は維持されると見られるというふうに考えるわけであります。 したがいまして、四月九日の対外経済のときにも発表しておりますが、可能な限り早くいわゆる市場開放の問題、もう一つ内需拡大の問題がございますので、それらのデレギュレーションなんかについて行革審でどうも七月ごろまでに総点検したものも出していただける。河本特命大臣を中心にしてそれを可能な限り早く実現に移すことによって内需の拡大に対する、より効果をあらしめなければならぬ、こんな感じで受けとめておるわけでございます。
○竹田四郎君 そんなに第二・四半期から下がらないというかなりの確信がおありのようなんですけれども、それはどういう内容でそういうふうにおっしゃっているのか、その根源を少し御説明していただかないといけないのではないだろうかと思うんです。
○政府委員(北村恭二君) アメリカの経済成長率につきまして、内容を、若干今回の発表の中身を分析させていただきますと、いわゆる国内の需要という面で個人消費が、個人所得の伸びあるいは消費性向の増大といったようなことを背景にいたしまして、かなり力強く拡大基調が続いているということが読み取れるわけでございます。 それから住宅投資につきましても、住宅ローン金利の低下といったようなことを契機といたしまして、若干回復ぎみに推移しているという面が見られるわけでございます。 それから設備投資は、八四年の第四・四半期に比べますと若干伸び悩みが見られるわけでございますけれども、いずれにいたしましても国内の需要というのは伸びております。 一方、こういった〇・七%の年率といったような数字になりました原因は、やはり何といっても経常海外余剰が大きく足を引っ張っているわけでございまして、言いかえますと、ドル高によります輸入の急増あるいは輸出の減といったものが大きく響いておりまして、いわゆる内需で見ますと三・九%の年率の成長に対し、外需三・二%ということでこれを何と申しますか、内需の伸びを大幅に相殺しちゃっているということでこういった姿になっているわけでございます。 したがいまして、こういった外需の動きというものにつきましては、いわゆるドル高の傾向がどういうふうに続くかというようなことも関連するかと思いますが、若干一時的な要因といったようなものもあるようでございますので、第二・四半期以降につきましてはこういったマイナス幅が若干縮小することも考えられるのじゃないかということと、それから先ほど申しましたような、国内の最終需要が堅調だということとあわせて考えますと、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、全体としてアメリカの経済の基本的な姿というものが、非常に何と申しますか、悲観的な姿になっているというところまでは申し上げられない、むしろ、従来から考えておりましたような安定的な成長にソフトランディングしていくという見方がかなり多いというふうに私ども承知しているわけでございます。
○竹田四郎君 北村さん、あなたのおっしゃる個人消費が堅調だというのは、なるほど個人消費は堅調ですよ。これは今までも堅調だった。今までも堅調だったけれども、第一・四半期は落ちてきたわけですね。住宅などは確かにそういう意味では、幾らか金利が下がっているから回復してくるということはわかりますがね。むしろ今までもずっと個人消費は堅調であったけれども、その個人消費というものが国内の生産じゃなくて、輸入で消費というのが賄われたというところにアメリカ経済が落ち込んできた原因というのが非常にあるのじゃないですか。しかも民間設備投資も、シリコン産業を中心として最近は需要が減ってきているということですね。特に機械産業の設備投資が減ってきているというようなことを考えてみますと、おっしゃるほどそう第二・四半期が安定成長ということじゃなくて、まだこの下り方というのが直っていかない、平らなカーブになっていかないんじゃないかという気がするんです。 どうも今の審議官のお話ですと、私ちょっと、さようでございますかというふうに納得し切れない面がありますけれども、これは論争したところでしょうがありませんからこの程度にします。 その点は最終的には、高金利とドル高の問題、これが改善をされるかされないか、この辺というのがやっぱり基本的な問題ではないだろうかと私は考えます。 今度公定歩合が〇・五下がって七・五ということになりましたし、一般的にアメリカの金利もどちらかというと下降方向に動いているというふうにも見てよいと思うわけでありますけれども、これは一体どう考えるべきなのか。アメリカの金利が、下がっていくその象徴である。一部の説によると、さらに公定歩合をもう一回下げようという動きもなきにしもあらずという報道もあるわけでありますが、それがずっと下がっていくということになりますと、アメリカの恐らくドル高が修正されて、日本との関係では円高方向へと基調がそちらへ進んでいくということになりますと、アメリカの輸入というものが少なくなるし、日本にとってはアメリカへの輸出というものが恐らく減っていくだろう。 そうすれば、アメリカ自体、今おっしゃられた個人消費の好調さというものがアメリカ経済の内部を動かしていく、こういう循環になるだろうと私は思いますけれども、一体公定歩合の方向はどういう方向に進むというふうにお考えなのか。どうでしょうか。
○政府委員(北村恭二君) アメリカの公定歩合が〇・五%引き下げられたわけでございますけれども、今回の公定歩合の引き下げの背景と申しますか理由といったことを考えてみますと、一つは、ドル高と輸入の増大ということにより生産が横ばいを続けているということが着目されているとい うことが、一番大きなことだと思います。しかもその背景としてさらに、物価が安定していること、あるいは通貨供給量の伸びが落ちついていること、それから全体として市場金利がこのところ低下ぎみであるといったようなことを背景に、今回の公定歩合の引き下げが行われたというふうに承知しているわけでございます。 こういった基本的な姿、背景と申しますか姿は、今後も続いていくものと思われますけれども、お尋ねのようにアメリカの公定歩合が再度引き下げられるかどうかというようなことについて、もちろんお答えできる立場にはないわけでございますけれども、アメリカの中においてこういったことについてどういうふうに見ているかということを少しお話しさせていただきますと、やはり今後もこういった金利の低下が続くのではないかといった見方と、実は金利がまたさらに反発していくのではないかという見方と、やはり見方が両方あるわけでございます。 ただいま申し上げましたように、金利が低下していくというような見方は、第一・四半期のただいま申し上げましたようなアメリカの国内の景気の鈍化ということが続いているという認識の上で、さらに景気の後退といったようなことを回避する必要があるのじゃないかということで、金融政策当局からもう一段の金融緩和といったような措置がとられるのじゃないかという見方もあるわけでございます。しかしながら、一方ではやはり、金利の低下、金融の緩和といったことがインフレの再燃ということと結びつくおそれはないだろうか、恐らく金融政策当局はこれ以上引き下げを行うということはないのではないかといったような見方もあるわけでございまして、当面金利の局面というのは、公定歩合の引き下げ、それに伴うプライムレートの引き下げといったようなことで、当面は金利は低下ぎみに推移するのではないかと見ておりますけれども、さらにもう一歩突っ込みましてその先をどう見るかということについては、見方が分かれているということでございまして、非常にその点はこれから私どもよく分析し、注意していかなくてはいけない問題かと考えております。
○竹田四郎君 大蔵大臣、いずれにしても、二つの見方があるということではありましても、日本経済に対するアメリカ経済のあり方というのは、恐らく今までのようなアメリカに向けて輸出が拡大をしていく、上り坂になっていくという状態は、私はないだろうと思うんです。あるいは今のままを続けていく、あるいは下がるという状況の方があると思うんですね。 ところが、今までの日本経済というのは、アメリカを中心とする輸出主導型の経済であったと思うんです。それから、先ほどもいろいろ、日本の国内の民間設備が拡大局面にある、こうおっしゃられるのですが、私は必ずしもそういう国内要因によっての設備投資ということではなしに、むしろそうした外需に引っ張られた設備投資的な要因が多いと見ているんです。おっしゃられるように本当に内需が拡大をしていくという、そういう条件が整っているのならそれでいいと思うんですけれども、国内でも民間の設備投資だけでふえる部分というのは大したことはございませんからね。やっぱり民間の消費というものが一番大きいわけでありますけれども、これだっても、伸びてはいるけれども全体から見ると非常におくれている伸び方だということを考えてみますと、やはりここら辺で何らか、この間は対外政策としては手を打ったわけでありますけれども、国内的にやっぱり手を打っていかなければならない問題が幾つかスピードを速めて出てきたんではないだろうか、こういうふうに思うわけであります。 それを言いますと恐らく大蔵大臣は、民間活力によってとこうおっしゃられると思うんですが、しかし、民間活力でやられる部分というのはこれはそうたくさんできるわけではないのでありまして、特にそういうようなアメリカの景気が急速に伸びていくという状態でないだけに、民間活力というのも非常に無理だろうし、資金的にもそう民間活力で十分に資金があるというふうには、金融全体は緩んでいるにしても、そういうことをやっていくだけの力というものはそうたくさんない、こう思うんです。 いずれ何らかの対応を迫られてくると思うんですけれども、これはやっぱり大蔵大臣、民活一本ですか。
○国務大臣(竹下登君) きのうも、その後のいろんな情報の入る前でございましたけれども、やっぱり内需振興というのをこれだけこの間の対外経済政策の中で打ち出しておる、それをより確実、よりスピードアップしなきゃいかぬな、こういう印象を持っておりました。が、後の各方面の情報をとってみますと、私が少し思い込んでおったかな、素直にそんな感じがしないわけでもありません。 しかしやっぱりそれは、今、設備投資に関する見方で、私も輸出に引っ張られた設備投資であったというふうに思いますが、今日の時点で見ますと必ずしもそうなっておりません。技術革新の進展のもとで、ハイテク関連とか研究開発投資、広範な業種にわたるそういう設備投資が行われてきております。しかし、ハイテクにしたところで、結果としては輸出じゃないか。ところがこれを見ますと、国内の需要もまた、まあいいから売れるといえばそれまででございますけれども、目いっぱい設備投資をする必要性があった状態ではないか。そうしますと私も、今の設備投資というのは、必ずしも輸出だけに引っ張られたものではなく、広範多岐にわたりつつあるな、こういう印象で見ております。 それからもう一つは住宅投資、今御指摘のありましたように、五十五年度以来の年百二十万戸台の着工が続いておる。回復の兆しが見える。 それから個人消費ですが、緩やかな増加を続けておるという御指摘のとおりでございますけれども、ちょっと私も、おとといの会議で、これからもう少し分析してみなきゃなりませんのは、いわゆる年末以降のレジャー支出とそれから百貨店売り上げが好転する様相にございます。物価は大変落ちついておるわけでございますから、今後とも着実に伸びていくのじゃないか。 なぜ私がもう一度分析してみなきゃいかぬなと思ったかという端的な理由は、従来私どもはいささか不勉強でしたから、昭和五十三年ぐらいの統計で私は、連休になると日本人は三千万人も旅する国民だというようなことを言っておりましたら、六千二百三十万人ですか、この間の連休の人出でございますけれども。で、それらがどういうことなのかな、やっぱり消費が堅調に伸びていく一つの理由なのか、あるいは所得もまた着実ほ増加傾向にあるというふうに見るべきなのか。これは連休だけの数字をとらえての私の感じでございますので、余りにも近いところにありますから、それはもう少し時間をかけて見なきゃいかぬ問題でございましょうけれども、そういう点については個人消費というものも確かに堅調だと見ていいんじゃないかな、こんな感じがしております。 しかし、私も、きのうもちょっとお答えしましたように、心の一部には、河本さんのところでこれから、行革審で七十項目でございますか点検してもらっているやつを早く出してもらって、あれを早く実行に移すようなことはしなきゃならぬなという気持ちは十分にございますけれども、ちょっと、最初〇・七ということから私が感じたものと、その後とった情報と、また部内で勉強したのとで、少しく、その影響に対する瞬間的な感じよりは、楽観という言葉はいけませんが、もう少し落ちついて見た方がいいな、こういう感じになっておることは事実でございます。
○竹田四郎君 そうすると、さっきの私の質問に対してちょっとお答えがすれ違っているような気がするんですが、〇・五%の公定歩合の引き下げと、さらに〇・七%への経済成長のダウンというものとで、もう少し私も円高になるんじゃないのかなという気が実はしたわけですけれども、しかしあんまりこれ円高にならないで二百五十円近辺をうろついているという感じなんですが、こうい うものは一体どういうふうに見たらいいんでしょうか。やっぱり今のようにアメリカ経済が強い、そういうふうに、やがて繁栄していくというふうに見たらいいのか、あるいは若干ここで戸惑っているというふうに見たらいいのか、その辺の見方というのはどういうふうにごらんになっておりますか。
○国務大臣(竹下登君) これは後ほどプロの答弁をさすことにいたしますが、一昨々日二百四十九円台になりましたときに、ああ、やっぱり若干ながら影響が出てくるなという印象を受けておりましたが、また二百五十円台。きょうの寄りつきが二百五十一円三十銭でございますから、私が一昨昨日思っておった方向には来ていないんです。これは今竹田さんの御指摘の問題もあるでございましょうし、やっぱり〇・五の公定歩合は織り込み済みであったというふうに理解した方がより正確なのかな、こう思っております。しかし、いずれにせよ、成長率なんかがソフトランディングであろうとダウンするわけでございますから、総体的なファンダメンタルズから見れば、なお円高基調が私は期待できるのじゃないかなというふうに見ております。 いま少し、プロの答弁をさせます。
○政府委員(行天豊雄君) ドル相場のここ数日の動きでございますが、大臣が申されましたとおり一時二百四十九円台までドル高の修正が進んだのでございますが、率直に申しますと、第一・四半期のGNPの数字につきまして、アメリカ国内でもいろいろ予測と申しますか、思惑があったようでございます。 その中には、むしろ下方修正の幅が相当大きいのじゃないか、中には、これは極端な意見でございましたけれども、マイナス成長になるのじゃないかというような意見すらあったようでございます。したがいまして、二百四十九円台になりましたときの市場のムードと申しますかは、かなり先行きについての悲観論があって、それを織り込んだという面が多少あったのではないかと、今になって思いますとそういう感じがいたします。 したがいまして、その〇・七という数字は、これは下方修正でございますし、我々とするとやっぱりスローダウンをしておったという感じではございましたけれども、マーケットの中にはむしろ、マイナス成長だと思っておったのがわずかではあるけれどもプラスにとどまったという感じであるとか、あるいは先ほど大臣も申されたように、第一・四半期はともかくといたしまして、特に第三・四半期、年後半以降はやはり成長率は少し高まるだろうという感じは依然として強く残っておるようでございますので、そんなことから、ドル相場についての影響は、実際に〇・七の数字が発表された時点では余りドル高の修正が進まなかったということになったのではないかというふうに感じております。
○竹田四郎君 こういう事態になって、アメリカから、今までの例の対外経済政策の前のような市場開放あるいは貿易黒字に対する批判というようなものが果たしてどうあらわれてくるかわかりませんけれども、余りいい話は恐らくないだろうというふうに私は思います。 この問題はこの程度にいたしまして、サミット関係について若干お伺いをしていきたいと思います。 今度のサミットの、特に経済宣言の中で、「成長及び雇用」の項の中に、大体二つに分けられて、一般論と各国の分担というものがあったわけでありますけれども、この関係というのはどういうふうに理解したらいいんでしょうか。これは、後のいろんな各国の政策がどうあらわれてくるかという立場から私はそういうものを知っておかなければいけない、こう思うわけであります。 初めの一般論としては、インフレ鎮静化の手段としての物価安定とか、金利の低下とか、投資の拡大とか、節度ある財政金融政策の実施とか、あるいは財政赤字の削減だとか、公共支出の割合の削減だとか、こういう一般論がずっと述べられております。その次については、各国がどうしろこうしろというようなことが書いてありまして、私一々それは申し上げませんけれども、その中では、日本については、市場機能の強化とか、あるいは金融市場のデレギュレーションとか、あるいは円の国際的な役割だとか、市場アクセスの改善だとか、輸入の増加とか、そういうような項目が並べられているわけでありますが、この一般的な総括論というんですか、それと、日本の負うべき任務といいますか、そういうものは、どういう関係で、プロセスでできてきたのかということをお聞きしたいんです。 例えば日本の役割というのは、中曽根さんなりあるいは安倍外務大臣なりあるいは大蔵大臣なりが、日本はこういうことやりますよ、ああそうですかというようなことで決まったのか。あるいは、各国との論議の中で、日本はこれをしてもらわにゃ困る、じゃやりましょうというような形になったのか、その辺を特に私はお聞きしておきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) 総論につきましては大体、特にウィリアムズバーグ・サミット以来各国が、これはOECD、IMFの場等もそういう方向でありますが、先進国がお互いサーベーランスをやろう、相互監視と言うとちょっと言葉はきつうございますけれども、サーベーランスをやって可能な限り先進各国はコンバージェンス、こう言っておりますが、調和のとれた経済政策をやろうや、似たようなこと、似たようなことをやろうと言うとちょっと言葉が下世話になり過ぎますが、そういう空気がずっと続いてきておるわけでございます。したがって、総論というものは私は、お読みいただけるようなところが大体最大公約数になってできたものだというふうに御理解をいただければいいんじゃないかなと思います。ただ、インフレなき持続的成長に雇用を特につけますのは、これはやっぱり日本以外の、なかんずくヨーロッパの高失業率がありますから、どうしてもその言葉はついてまいります。日本にとっても悪いことじゃございませんけれども、特に強調される点はヨーロッパの諸君の考え方が雇用の方へ余計傾斜がかかっていく、こういうことであります。 そこで、ウィリアムズバーグ・サミット、サミットだけで見ますとその次ロンドン・サミットがあり、そして本来もともとは経済サミットでございますから、今ちょっと政治サミットの色が濃くなっておりますけれども、そうして我々の十カ国蔵相会議、五カ国蔵相会議、こういうようなものが一連して続いておりますから、よくほかの人に何か通貨マフィアなんかが集まっていると言われるぐらい集まる回数も多いのですが、その中でお互いの政策批判と申しますか、そういうことはしょっちゅうやっておるという環境が一つございます。それから、今度はボン・サミットだけを見てみますと、最初は必ずしもそうでなかったかと思うんですが、今はそれこそ、それに至りますOECD閣僚理事会、IMF暫定委員会、それからサミットの準備会合というのが、実に濃密な協議を進めてきておりますので、ちょうど我々大蔵大臣同士が朝、昼、晩、飯を食いながら話し合いをすると同じようなペースに準備会合の方もなってきておりますので、したがって私も初めから、新聞論調で日本が袋だたきになるのではないかとか、いろんな論調がありましたが、それはないだろうと思っておりましたのは、平素余りにも会い過ぎるぐらい会っておりますから、揚げ足取りとか非難中傷の場になる雰囲気にはないわけでございます。 したがってこの問題は、たび重なる議論の中で結果としてはそれぞれの国の方から抱えている問題点を出した。それは要求されたものではない。それぞれの問題点を各国が出すことによって、これはやっぱり宣言の中へ入りますから一つの約束事にはなるだろうと思うんです、そういう政策の方向を志向していきますよということを宣言したわけでございますから。だから、要求されて出たということでもなく、何回かの会議を重ねておるうちに自己批判、ちょっと表現が悪うございますけれども、そんな形で宣言文に書き込んでいく、 総論は別としまして、各国のことについてはそんな雰囲気の中ででき上がったものである、ちょっと表現が必ずしも適切じゃございませんが、そういう雰囲気の中ででき上がったものだという感じがしております。
○竹田四郎君 そうしますと、この中で私は、特に他国で見られない日本的な問題というのは、金融市場のデレギュレーション問題あるいは円の国際化の問題、やっぱりこれは非常に日本的な問題だ、こういうふうに考えるわけでありますけれども、ことしはちょうど、去年結ばれました円・ドルのフォローアップも六月にはあるわけであります。 こういうことと恐らく関連して日本の金融市場のデレギュレーションあるいは円の国際化の問題が議論をされた、こういうふうに思うんですけれども、こちらから、むしろ日本の方から自主的に言って宣言の中に入ったという問題でありますけれども、これはどうなんですか、具体的には大蔵省も金融関係の「現状と展望」という、自由化の展望というものも出しておられるわけでありますけれども、これはボン・サミットで何か新しい、新しい方向というよりもむしろ、今まで考えていたよりもデレギュレーションが早まった、こんな感じを私ども持つわけですけれども、この辺はどうなんでしょう、この二つの問題について。
○国務大臣(竹下登君) この問題でございますが、アメリカだけをとってみますと、円・ドル委員会、それから「現状と展望」というものが示されて、非常に計画どおり物が進んでおるというのを、ある意味においては高い評価をしておるわけでございます。今度の他の分野におけるMOSS方式というのも、ああいう方式でやったら物が進んだから今度もああいう方式でやろうというような模範みたいになってしまったわけですが、これは私から言うといささか過大評価だなと思います。結論から言うと日本のためにいいことだからやったわけでございまして、大変な将来の問題、小口金融なんかの問題になりますと金利の自由化としての問題が出てまいりますが、今のところ大変に日本の既存の金融機関等にダメージを与えるようなことではなくこれが物が進んでおるわけですが、ああいう竹下・リーガンとか大場・スプリンケルとかそういう方式があったから成功したんじゃなく、これはやるべきことをやったというだけで、少し過大評価のような感じを私素直に受けております。 そこでそれを各会議でみんな、あの方式、円・ドル方式がよかったというようなことを言いますから、ヨーロッパの方もこれに期待感が随分高まってまいりまして、イギリスとの金融協議もこちらでもやり、この間サミットの翌日もスタッフがみんな行きましてやって、それで西ドイツも六月の二十二日でございますか、また今度はこっちへ来てやろうと。だから円というものの信認が高まっておるから、それに対する関心も深まってきた。しかも今まではプログラムどおりに事が進んでおる。日米だけでない大きなユーロ市場等もあるわけでございますから、そこでもデレギュレーションが行われることに対し、日本もですがヨーロッパ諸国も資金調達、資本調達等に意欲とそして事実上メリットを受けておるという意味で、大変関心が私が思うよりも多いというふうにこれはとっていただいた方がいいんじゃないかな、だから、そういう基本姿勢を持って着実に物を進めていくという考え方を持っていかなきゃならぬというふうに考えます。 もう一つの点は、通貨問題そのものがございます。これは、日米円・ドル委員会等でいろいろやったからというので、今度は私が、この六月の二十一日に十カ国大蔵大臣会議を東京でやって、これをまとめなきゃいかぬようになったわけです。本当は、島根県の方から出た者が、そんなに国際金融のエキスパートでも何でもありませんが、何か日本がそんなプロがたくさんおるような雰囲気になってしまっておりますので。ただ、この問題だけは固定相場に返すわけにもいきませんし、率直に言って、六月二十一日に今まで積み上げた分の総仕上げをするといいましても、かちっとした新しい通貨体制のあり方なんというのが出るような状態にはないと思いますけれども、円というものの信認の度合いが高まったからそこへ期待がより多く寄せられておる、こういうふうに理解していただいた方がいいんじゃないかな、こんな感じで受けとめております。
○竹田四郎君 国際的に円が非常に評価が高くなっているということはわかるんですけれども、じゃ具体的に、国際的に円がどういうふうな形になった場合にそれはさらに評価されていくのか、この辺も恐らくサミットの中で話されたと思うんですね、円のいわゆる国際化をどうしたらいいのかと。私、率直に言って、円の国際化というのは今そんなに進んでいるとは思えないですね。国際的な円の市場というものが確立しているわけでもありませんし、実態は、輸出には円の通貨が若干使われているけれども輸入においては全然使われていない。円建て債が発行されてもすぐにそれは他国の通貨に転換されているという形で、必ずしも国際的な通貨としての円というものが、評価は円はそういうふうになるだろうという期待はあるけれども、具体的には余りその辺は私は進んでいないと思うんです。 これなんかも、今度の円・ドル委員会あたりで私はかなり議論されるのではないだろうか、こう思うわけです。 また、ユーロ円なんかについての日本の理解というのは、今まで金融というのはまさに鎖国状態でありますから、外国のことは余りよくわからないから、この間のスウェーデンの起債なんかにしましても、若干そういう面でつじつまが合わない、あるいは考え違いをしていたというような面でむしろ失敗してしまったようなことでもあろうと私は思うんですけれども、そういう意味では、どうなんですか、今度フォローアップの中で当然これは一々洗われていくだろうと思うんですが、特にユーロ円関係の問題というのはかなり大きな問題であるし、これに対してはかなり勇断を持っていろいろやっていかなくちゃならぬと思うんですけれども、その辺の考え方というのはどんなふうに考えたらいいのか。 全般的には私は、今度の円・ドル委員会、実施状況というのは一般的には進んでいると思うんですけれども、しかし問題は、円の国際的な役割というところを考えてみますと、もっと円というものを国際的な通貨として実際に利用できるということにしていかないとやっぱり国際的な役割は果たせないし、せっかくの今度のこの円・ドル委員会のやり方というものも評価はあったけれども実績は少ないということになるんですが、その辺はどんなふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(行天豊雄君) まさに御指摘のとおり、円の国際化の現状と申しますのは、日本の経済が今世界的に果たしております役割、あるいは日本の金融機関とか企業が国際的に行っておる活動、それから先ほどから御指摘のございました、世界が円の役割について持っておる期待、そういうことから考えますと、決して十分ではないと私どもも思っております。 先般、御承知のとおり三月の五日に外為審議会から「円の国際化について」の答申をいただいたわけでございますが、その中でも、円の国際化については一層積極的に推進する必要があるということで、特にそのための必要な三つの戦略と申しますか、方向として、一つは、国内の金融の自由化を一層促進すること、それからもう一つは、先生の御指摘になりましたユーロ円市場の一層の発展を図ること、もう一つ、三番目には、東京市場の国際化を推進すること、ということで、この三番目の中にはオフショアの検討というようなことも入っておりましたが、この三つの御指摘をいただいたわけでございます。 私ども、今後もこの御指摘に沿って、それぞれの分野での措置をとってまいりたいと思っております。 六月に予定されております次回の円・ドル委員会におきましても、特にユーロ円市場の問題につ きましては、従来既にとってまいりましたユーロ円債の発行の問題あるいはユーロ円貸し付けの問題、ユーロ円CDの問題等々につきまして説明をするとともに、今後私どもとして、先般の外為審の答申の中にございましたユーロ円債とかあるいはユーロ円貸し付けについての一層の弾力化を図っていく意図を持っておるということを、十分に説明をしたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 そうしますと、どういうふうに国際化していくかという国際化の手順というのがまた一つあると思うんですが、竹下さん、何も島根県だといってそんなに遠慮されることはないんで、大いにひとつ円の国際化の問題については先頭を切ってやってもらわにゃいかぬだろう、私はこう思うんですけれども、やっぱりそれには、国内の自由化というものと国際化というものとの矛盾というんですか、スピードの遅さとかいうようなものが非常に私はあると思うんです。余り一遍に開国してしまえば、中小金融機関というのは困るだろうし、あるいは一般の預金者も困るというような問題もあるでしょうし、国際化しないということになりますと、今のような、ユーロ円か実際には余り大きな発展をしていないという非難もまた生まれてくる可能性があると思うんです。そういう点でやっぱりオフショア市場というものをかなり早目につくらなければいけない、こう思うんです。その辺は私はむしろ、スピードアップしていかないと円の国際化の問題というものが評価をされないだろう、こう思うんで、そういう意味では恐らく外為審が今オフショアのそういう審議をやっているということは私は適切だろうと思うんですけれども、これは大体どんなぐあいで進んでいくんですか。 もう一つは、これは特に税制がひっ絡んでくるわけですね。税制問題がひっ絡んでくるから余計難しい問題が出てくる。国内の税制と国外の税制、例えば、非居住者のCDに対する金利については非課税だけれども国内のCDについては課税されるというような差別という問題が、もうあるわけでありますからね。そういう問題をこれからどうやっていくのか。これは税制問題だろうと思うんですが、そういう問題を含めて一体、オフショア市場というものをかなり私は早目に開設しなければいけないだろう、こう思うんですが、その辺、日程的にはどんなふうになっているんですか。
○政府委員(行天豊雄君) オフショア市場の創設の問題につきましては、御指摘のとおり、先般の外為審の答申の中でも、円の国際化を一層促進するために有意義なことではないか。したがって、積極的にこの検討を行うべきであるという御示唆をいただいたわけでございます。 外為審といたしましても、これに沿いまして、審議会の中に専門部会というものをおつくりいただきました。この専門部会には、金融機関、一般の産業界、学界、それから弁護士さんとかあるいは新聞報道関係といったような各分野の方が参加をしておられまして、実は四月以来既に三回会合を持たれまして、オフショア市場を創設するについてそのメリット、デメリット、それからまた、実際に創設するとするとどういう問題点があり、その解決のためにどういう措置が必要かというような、かなり突っ込んだ具体的な御議論を熱心にやっていただいておるわけでございます。大体月に一回、二回というような割合でこれからも御審議を続けられる御予定のようでございますが、今のところ、いつ専門部会の検討が終わって専門部会としての御意見が出てくるかということはつまびらかでございませんが、私どもといたしますと、できるだけ早く専門部会としての検討結果をいただけると大変ありがたい、さらに具体的に申しますと、夏ごろにはいただけるとありがたいなというふうに感じております。 したがいまして、その御検討の結果を踏まえて、その次のステップとしてどういうことをするかということになるわけでございますが、御指摘のとおり、この問題には、税の問題を含めましていろいろと法律的あるいは行政的あるいは実態の制度慣行上も考えなきゃならない問題が多いわけでございますので、現時点ではまだスケジュールといって申し上げられるほどのものがないわけでございますが、私どもといたしましても、まずはこの専門部会の御検討をできるだけ早く進めていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 大蔵大臣、これをやるとなると、新しい試みであるだけに、確かになかなか理解が難しい面が国民の中にうんとあると思うんですね。私は、それだけにやっぱり、これは早くひとつ制度としてつくる。すぐ制度が動くということではなしに、かなりこれは教育が恐らく必要だろうというような気が私はするわけです。そういう意味では、答申も少し早目にいただく、それに関連する税制その他の問題もやらなくちゃならないでしょうし、また外国の金融機関等の招致あたりもかなりしていかないと、本当に東京市場、あるいは日本市場と言ってもいいかもしれませんけれども、そういうものがワークしないということにも私はなるんじゃないかと思うのです。 そういう意味では、今度のボン・サミットの円の国際化の指摘あるいはフォローアップの問題というのは、やっぱり日本の国際金融というものに対する一つの時期を画す時期になるかもしれないというふうに考えるわけですが、その辺は少し大蔵大臣も、島根県だと言わないで、やっぱりここに力を入れてやってもらわなければならない事項ではないだろうか。それでなければ、やっぱりいつまでもドルの動きに国の経済がまかされてしまうということで、本来、本当の日本経済の自律的発展というものがなかなか難しくなるんじゃないだろうか、こう思うので、その辺はもう少し元気を出してやる気になってもらいたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 私も同感です、本当に。オフショア市場の勉強会が自由民主党の中にもできた、会長はだれだと言ったら二階堂さんだというものですから、私、冗談に、二階堂さん、あなた大隅半島の方でオフショア市場といって演説したって票にならぬじゃないか、と同じように、島根県でおれがオフショア市場の話をしても票にならぬかもしらぬ。そんな冗談話をしました。したがって、今竹田さんが御指摘なさいました、教育みたいなものでございますね、国民全体にわかっていただくという。これもやっぱり並行してやらなきゃならぬと思うんです。 私よく言いますが、牛肉、オレンジ目で見りゃわかる、それに比べてユーロ円、どんな色やら形やら。本当に国民には余りわからぬことでございますから、したがってこの国際化を進めていくに際してはいわゆる国民教育という、失礼でございますが、そういうものも並行して進めなきゃいかぬな。概して、御指摘なさいましたように、ちょっと過大評価されているような感じがするんです。日本への期待が大きいのはこれはわかりますけれども、進みぐあいは、今も行天局長から言いましたが、そう大変な進みぐあいでは必ずしもない。しかし、今のところ計画どおり物が進んでいるということと、その期待感が大きいからまさに円の国際化、自由化、こういうことになるわけです。 先ほども御指摘がありましたように、やっぱりもっと輸入の円建ても本当は個別的に、なかんずくASEAN諸国等に対しての話し合いを進めていきませんことには、今のようにそれは油ということになりますとドル建てというのが長年の慣習とはいえ、やっぱりそういう点からもやっていかなきゃならぬ。そんなことも国民次元に、比較的新聞を開いたときにユーロ市場だ、オフショア市場だといっても必ずしも興味がないかもしらぬが、そういうのにも可能な限り興味を持たすように世論喚起も図りながら、しかしこれはやっぱり一つの、黒船到来と申しませんけれども、私がいつまで大蔵大臣をやるかということは別として、振り返ってみて、やっぱり一つの時期を画するときにたまたま自分がおったとするならば、これは 円の国際化の問題だったな、それだけに使命感を持ってこれからもスピードアップしていかなきゃならぬ課題だなという問題意識は、自分にも言い聞かせておるつもりでございます。
○竹田四郎君 梅澤さん、こういうユーロ円等に関する税制問題ですね、こういう問題については主税局は今どのくらい研究を進めているわけですか。オフショア市場も、あるいはユーロ円の市場も、小さいから、その辺はまだまだということなんですか。私はかなり早めて進めてもらわなければいけないだろうと思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(梅澤節男君) 円の国際化、自由化をめぐります税制問題につきましては、昨年の円・ドル委員会で問題になりましたのが二つございました。一つは非居住者に対する源泉徴収を撤廃しろという問題と、もう一つはユーロ円債に対する非居住者の源泉徴収免除の問題でございます。 これは、回を重ねまして、ことしの一月、ワシントンで話を詰めてまいりまして、法律も通していただきました結果、この四月からユーロ円債の源泉徴収の免除の制度は既に施行になっておるわけでございますが、非居住者の源泉徴収免除の問題につきまして、私どもはこれを撤廃することが必ずしも国際化でも何でもない。つまり国内税制といたしましては内外無差別ということがまさに国際的な姿でございます。 ただ、非居住者の源泉徴収免除の問題につきましては、昨年、EC諸国がアメリカの制度の変革に伴いましてこれを実施いたしましたけれども、たまたま当時、EC諸国の税制当局者と私、意見を交換したときに、先方も、この問題はやはりECの通貨の地位、対ドル相場の関係から、日本的な表現をすれば遺憾ながらやむを得ずああいう措置をとらざるを得なかったということでございまして、たまたま幸いなことに我が国の円の立場がこういうことでございますので、私どもは必要に迫られてそういうことをする必要がなかったということでございます。 したがいまして、国内の源泉徴収の問題につきましては、これは居住者、非居住者差別することなく、現在の税制を私どもはきちんと維持していかなければならないと考えておりますが、先ほど来議論になっております東京市場の国際化、具体的にはオフショアの問題になるかと思いますけれども、この点につきましては、外為審でこの勉強を始められる前に、国金当局からも事前に密接な連絡を受けております。私どもはオフショアにつきましても、いろんなタイプの議論がございますので、その結論がまとまりました段階でやはり税制としても的確な対応をしなければならないというふうに考えておりますけれども、現在のところは、外為審の御審議なり御検討の状況を見守っておるというのが主税局の立場でございます。
○竹田四郎君 余りそちらへ議論を進めませんけれども、しかしこれはやっぱりかなり真剣にそれを進めていただかないと、この間つぶれたのだってワンポイント高いか低いかですね。〇・一二五%ですか。それによってかなり決まっていくわけですから、やっぱり税制というものもこれはかなり私は重要だろう、こういうふうに思います。私はこのオフショア市場関係では、損して得をとれという形でやっぱり考えた方がいいのではないか。一つ一つのものに税金をかけるということで余り一生懸命になっても、金融の中心にならないということになれば、今度は銀行の方に税金をかけられなくなる場合があるわけでありますから、そういう意味じゃ損して得をとれという形で進めた方がいいのじゃないかという点で、ひとつ御審議をいただきたい、こういうふうに思います。 それから最近大口預金の規制、これを緩和、撤廃をしろということ、これは円・ドル委員会では大口預金については二ないし三年ということでありますけれども、最近の新聞情報等によりますと、かなりこの議論がされているようであります。こういうこともやっぱり金融の自由化、国際化というものの一つの進展のあらわれだというふうに私も思っておりますが、これはどんなふうな形になっていくんでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 先生御指摘のとおり、私ども昨年発表いたしました「現状と展望」、それから同じ時期に発表されました円・ドル委員会報告書で、大口預金金利の規制緩和及び撤廃を二、三年以内に図るよう努めるという努力目標を掲げていることは事実でございます。 そのような方針に従いまして、現在、譲渡性預金の発行条件の弾力化、それから市場金利連動型預金いわゆるMMCの導入等を通じまして、大口預金金利の自由化を進めているところでございます。これは、ただいまの弾力化などとかMMCの導入等につきましては、四月に実施したばかりでございますが、このような弾力化を通じまして、さらにこれによって進展いたします金融情勢あるいは金融機関の与える影響などを勘案しながら、その大口預金金利についての実施、検討を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。 さらに、全体の進め方はどうなるのかということでございますが、ただいまこの二つの大口預金金利の戦略的商品の弾力化あるいは導入を実施したばかりのところでございますけれども、全体の感じとして見ますと、こういうCDの発行条件の弾力化とかMMCの発行条件というようなものを今後さらに、例えば期間、金利それから発行額、額面でございますけれども、というようなものを、いわば三次元的ということでございましょうか、期間、金利、それから額面というそれぞれいろいろの緩和の対象になるものがあるわけでございますけれども、それにつきまして弾力化を検討してまいりたいというふうに考えておりますが、全体的に私どもとしては、やはり金融の事柄でございますので、具体的な方法や実施時期についてはまだお答えできる段階ではございません。 それにいたしましても、やはりこういう大口預金の実施、いずれは小口預金の自由化の検討を行うことになろうと存じますけれども、やはりこういう預金金利の自由化というのは、信用秩序に与える影響とか、預金者保護に遺憾なきを期するというような見地もございますので、同時に、この自由化を進めながら金融自由化の受け皿を整備するというようなことで、金融制度調査会におきましても金融機関の健全化をさらに図る、あるいは預金保険機構の充実を図るというようなことを同時並行的にやっているところでございます。
○竹田四郎君 大口の預金金利の緩和、撤廃にはいろいろなあり方があるようでありますけれども、大体大口というのはどのぐらいのところを言うのですか。 最近、CDとかMMCもどんどん金額が少なくなってきているわけですから、大口というので余り大口をやっても、これは短期のMMCやあるいはCDによってカバーされてしまうというようなことにも私はなりかねないと思うんです。そういう意味では、大口の預金金利の規制緩和というのは、もうCDとMMCが動いていけば、必然的に自由化を進めていかなけりゃならぬというようなところに入ってくるんじゃないですか、私はそんな気がするのですけれども。 そうしますと、CDも今三億から一億になりましたし、あるいはこれがもう少し低くなるというと、大体どの辺の線というんですか、新聞では五億、十億というような話もあるんですけれども、大口預金というのはその辺のどの辺を指してやっていこうというのですか。それはどんなふうですか。
○政府委員(吉田正輝君) 大口が幾らであるか、小口が幾らであるかという点につきましては、これはやはり私ども、基本的にはただいまのところ具体的に、ここまでが大口で、ここまでが中口で、ここまでが小口だという線を引いているわけでもございませんし、あらかじめ先験的に決めているわけでもございません。 と申しますのは、やはりただいま私どもから見ますると、こういうどこまでが大口かというのは、金融自由化の進展に伴って変わっていく性格のものであるというふうに考えているわけでござ いまして、ただいまの時点で大口預金の範囲が幾らかと言われますと、先ほど申し上げましたとおり、CDについては一億、MMCについては五千万円というのが一つのめどになるのではないかというふうに考えているわけでございます。 ただ、大口、小口というものの抽象的な性格で議論いたしますときには、大口はやはりかなり金融の情勢あるいは金利の裁定というようなことについて情報、知識など、よく知ることのできる人たちが持っている預金であり、小口というのは、零細な貯蓄であり、かつその貯蓄をしている人たちというのは、金利情勢の知識等について、情報などが欠けている、あるいはそういう情報を得るためにはコストも時間もかけるほどの犠牲にたえ得る人たちではない人たちが持っている預金というような、抽象的な分け方などもあるわけでございます。したがいまして、大口、小口の金利の自由化については、そういう点なども配慮しながら考えていかなければならないという議論についてはややコンセンサスがあるわけでございますけれども、どこまでが大口か小口かというのは、今の時点では私ども、最終的にはどうなるかということを申し上げる段階では恐縮ながらないというふうに申し上げざるを得ない段階でございます。
○竹田四郎君 今も銀行局長、小口預金の金利の自由化というようなこともおっしゃられたわけでありますし、日銀総裁も、新聞で拝見しますと、その辺にまで言及をしているわけであります。今までの円・ドル委員会のところでは、小口預金の金利の自由化というのは恐らく、例えば二、三年というような形での期限を切って言っていないわけです、無期限のような形であります。しかし、それもいずれ自由化しなきゃならぬと思うんですが、その自由化ということになりますと、郵便貯金がそこできっと非常に大きな問題に私はなると思うのであります。これはなかなか自由化するのは私は難しい問題だろうと思うんですけれども、その辺の問題が解決していかないとその辺までの自由化というのは進んでいかないだろう、こう思うんです。 その辺になりますと、またいろいろ外部から外圧が加わってくる可能性も私はあるのじゃないかと思うんですけれども、その辺の郵便貯金との関係はどんなふうに考えているのですか。
○政府委員(吉田正輝君) まず小口預金金利の自由化についての考え方を述べさせていただきますと、私ども確かに、今先生がおっしゃいましたとおり、小口預金金利の自由化につきましてもできる限り早く研究に着手すべき課題、あるいは着手したい課題であると考えておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、まずは大口かつ短期というような預金金利の自由化の影響等を見きわめてまいるということが一つ。この点については着実に進めていく。日米委員会なども近いわけでございますけれども、できるだけそういうものについては展望を示していけるようにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 それからその一方では、先ほども申し上げたことでございますけれども、自由化に対応してやはり信用秩序の維持の制度を整備しておく必要があるということで、金融制度調査会における審議の成果を見きわめながら検討していく方針でございます。これは一つはやはり、小口預金金利検討の環境整備にもなっているというふうに、あるいは検討の材料をつくりつつあるというふうに認識しておりますということでございます。 しかしその中で、今おっしゃいましたとおり、郵便貯金との関係ということでございますけれども、これはまさに御指摘のとおり重要な問題でございます。個人預金の中でやはり三割を占めるということでございますから、しかも郵便貯金は、市場原理をいかに反映していくかということになりますと、税制あるいは準備預金との関係等々において、いわゆる市場原理と合致させながら、やはり金融政策を有効に遂行させる点でも、民間預金金利と整合性を保っていくという必要があるわけでございます。そういう点では非常に難しい課題であるというふうに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、ただいま申しましたように、終局的には郵貯金利も、民間と同様に市場実勢を反映した均衡のとれた水準、追随してくれとかそういうようなことを言っているわけではございませんけれども、やはり市場実勢を反映した均衡のとれた水準で決定されるというルールを確立することが重要な前提であると思いますので、先ほど申し上げました、そういう小口預金の環境整備を進めながら、そういうルール確立の方向について真剣に模索してまいりたい、かように考えているのが現状でございます。
○竹田四郎君 時間も参りましたので、その他いろいろな質問を準備しましたが、せっかくおいでいただいた方々もございますけれども、その辺はお許しをいただきたいと思います。 大蔵大臣、私は案外この金利の自由化というのは早いだろうと思うんです。余りのんびりして、郵政との話もつかないからだめでございますとか、何々はだめでございます、信用秩序についていろいろこういう意見がありますからだめでございますとは、なかなか言っていられないような事態が外からも加わってくると思いますから、その辺は少し準備を急がれた方がいいのではないだろうかというふうに、私の意見を申し上げておきます。 最後に、金融機関の土休の問題です。 これはいろいろ、郵便局側も、あるいは都銀側も、早くやろうじゃないかというようなことで急いでいるような感じがします。都銀あたりは九月の三連休あたりはひとつそれでやっていこうじゃないかという意見も私ども伺っておりますけれども、できる限り早くそういうものをやっていった方がいいし、それが日本人の週休二日制度をさらに定着をさせていく、諸外国の批判というものにもこたえていける道でもあろう、こういうふうに思うんです。その辺は大蔵大臣はどんなふうにお考えになっているんですか。私はなるべく早く、機械がそろわないようなところもあるのかもしれませんけれども、やっぱり早くこれは実施すべきである、こういうふうに思います。衆議院でも何か土休の小委員会が動き始めているようでございますけれども、ぜひひとつそれは大蔵省の方としても進めるべきである、こう思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、この間の対外経済対策のあの諮問委員会からも出ております。したがって、これは前向きに進めなければいかぬということでございます。民間金融機関の一部において、今後これを月二回に、今一回やっておりますのを拡大するという機運が出ておりますから、これは非常にいいことだと思っております。 それで、一つ農協の問題がございます。要するに、農村部に経営基盤があるというようなことと、それから信用事業のみならず購買等もやっておるという、これだけ休んでこれは窓を開いているということに対する問題。それから、郵便局の問題は、公務員の方の週休と並行して進むというような傾向がございます。だから、民間と歩調を合わすのじゃなく、公務員の方と歩調を合わすというような傾向がございます。それから、証券会社、これは原則として前向きに検討する考え方でございますが、中小証券に対する影響とか、いろんな議論もしておるようでございますけれども、私の関係からいえば金融機関ということになりますが、政府全体として、労働大臣も一生懸命これの推進をしなければならぬという使命感も持っておりますし、そして最近の、分でいえば、対外経済の諮問委員会の答申にも出ておりますので、これはやっぱり前向きに、可能な限り歩調を合わせながら進めていかなければならぬ課題だというふうに、私自身も認識をいたしておるところでございます。
○竹田四郎君 終わります。
○桑名義治君 今回のサミットでは、経済宣言におきまして、先ほどからるる議論があっておりまますように、各国別に優先課題を明記をいたしまして、各国がそれぞれの課題に取り組む、そして 世界経済の拡大への役割を果たすことが求められているわけであります。 これを受けまして、政府は、今後一層の市場開放努力を図るとともに内需拡大策の策定を急ぐ、こういうことになっているわけでございますが、その拡大策のいわゆる手法をめぐりましては、政府の内部でも意見は現在のところさまざまのようでございます。国民が一番多く期待しているところは、実質所得がプラスとなるような、いわゆる大幅所得減税にあることは言うまでもございません。財政当局は、税制、財政面からのてこ入れには消極的であるわけでございますけれども、民間活力や規制緩和を中心とした措置で対処する意向を示しておられるようでございます。その内容は極めて抽象的でございまして、規制緩和と申しましても、実際に果たして内需拡大にどの程度のいわゆる効果があらわれるかということにつきましては、定かでもございませんし、余り期待ができないのではないか、このようにも思われるわけでございます。 総理は、サミットにおきましても、内需拡大は規制緩和とそれから税制改革で当たりたい、このように述べているとも言われているわけでございますが、税制改革がこういった意味で国際的な公約になっている、こういうふうに規定づけてもいいのではないかと思います。 そこで、内需拡大を税制改革で行うということは、その手段としてはどういうことがあるのか。私たちが端的に即座に考えられることは減税ということになるわけでございますけれども、所得減税、さらに投資減税の実施による抜本的な内需拡大策をとられる意思をお持ちなのかどうか、この点を改めてお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 税の問題というのは、今背景を見ますと、三つあると思うのであります。 一つは、たびたび国会で申し上げております、異例ながらという前提の上に抜本改正をしろという税調の答申がございますので、これを受けて、国会の議論を整理して、この国会が終わって税調でしっぽりと審議していただこう、こういう背景が一つあります。もう一つは、各党の幹事長・書記長の申し合わせというものが一つございます。それからもう一つが、今おっしゃいましたいわゆる経済対策、対外経済対策の中の諮問委員会からの答申にありますところの、内需拡大のための税制上の措置という、三つの背景があると思っております。 サミットで議論いたしましたのは、これはサミットで税の議論になりますと、各国がどう考えているかというところから始まりますと、総理も申されましたが、私どもも話しておりますのは、日本としては今こういうことで国会で議論して、国会が終わったら抜本改正をやるんだ、こういう話をするわけです。その中に公平、公正、簡素、選択、活力、こう言っておられますから、その活力というのがまさに内需というふうに私は受けとめられておるんじゃないかというふうに思います。 アメリカの場合は、どっちかといえば、税の中立性、いわば増減税ゼロという観点からフラット税制をやりたいというような感じでございます。ヨーロッパ諸国は、これは押しなべて見て一五%から二〇%国民負担率が日本より高うございますから、減税をしたい。そして減税をした分は歳出をそれだけ削りたい。だから、増減税という感じはない議論が多うございます。ただ、租税負担率を見ても国民負担率を見ても、比率でみんなが資料を持って議論をしておりますと、日本が特にヨーロッパと比べれば大変低いわけですから、日本にいわば減税しなさいという空気は、これは租税負担率とかいう点からどうしてもプロが見がちでございますが、それが出る環境には、その空気は会議の場ではございません。 したがって、そういうことをかれこれ考えながら、さて税制上で内需の振興のためにどういう措置があるかということを、これは今の三つ、最初申しました三つの背景の中で議論していかなきゃならぬ課題だという問題意識は持っておりますけれども、すぐ今の税制改革というものが直ちに所得減税あるいは投資減税に直ちにそれに結びつくという考え方を固定的に持って、それを議論しようという考えは今のところございません。
○桑名義治君 一昨日ですか、衆議院の大蔵委員会で大蔵大臣の御発言の中で、内需拡大についての方策をとっていかなければならないという意味の御発言があったという新聞の記事が出ているわけでございますが、その大蔵大臣の御真意というものは那辺にあるのか伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 一つはアメリカの〇・七が出て、僕もリセッションという言葉はちょっと使い過ぎだったなと思いますけれども、それが心配だと。そういうことになればこれからやっていかなきゃならぬ内需振興問題をより一層思い詰めてやっていかなきゃならぬなという感想を述べたことは事実でございます。ただ、私も別に用心深く言ったわけではございませんが、それにはやっぱりいわゆる各種規制の緩和ということで民間活力というものに期待せざるを得ない。 なお、少しく時間をとって申し上げますならば、その民間活力も、それは確かにたばこがおかげで民営化しました、電電もしました。しかしこれもまだ、競争相手が出て、活力が出ておるという状態にはございません。中長期の問題です。一番モデル的なのは関西国際空港方式というのがございますが、これもまだ工事が始まったわけじゃございません。そうなると、本当に即効的に出ていくものは何か、こういうことになりますと、それは国有地を払い下げて——計画はできましたがまだこれも始まってつち音がしているわけじゃないわけでございますから、そういうことを考えてみると、結局今度七月に出していただける七十項目にわたるところのいわば規制緩和というものを本当に早くこれは進めていかぬことには、この即効性という点から見ると問題が多いな。 そういう感想を、素直に申させていただいたわけでございます。
○桑名義治君 いずれにしましても、財政を預かる責任者といたしましては、内需拡大のための所得税の減税実施には現在の財政事情の中では消極的な立場をとらざるを得ない、こういうことはわからないではないんですが、今述べましたように、サミットの場で、内需拡大の観点からの税制改革の実施を総理自身が明らかにしている、こういうふうに新聞の記事を読みますととり得るわけでございます。新聞の記事の中では、内需拡大策としては財政支出は難しいが規制緩和と税制改革でこれに当たりたい、こう指摘云々、こういうふうに記事には載っかっているわけでございます。 そうなりますと、今まで総理が大蔵大臣やあるいは予算委員会などを通じて明らかにしてきた税制改革の大義名分、これは戦後税制のひずみの是正であり、この点からの税制改革が我が国経済に何らかの影響を与えるということは、これはもう否定はしません。しかし、今回の場合は、内需拡大の観点からの税制改革である、そこには当然減税というイメージが浮かんでくるのは私は当然のことではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。 十五日の政府・与党連絡会議でも、減税問題を突出させることは好ましくないとして議論そのものは一応凍結してしまっているわけでございますけれども、これでは対外的な公約の違反であるというふうに言わざるを得ないのではないか、こういうふうに先ほどの大臣の御答弁をお聞きしますと思わざるを得ないのですが、もう一度この点についての見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど申し上げましたように、確かに三つの環境があると思います。それはある意味においては、桑名さんの議論を進めていけば四つの条件になったじゃないか、サミットでの発言がある。サミットでの発言は、いわば今まで言っておるように公平、公正、簡素、選択、活力という点で抜本見直しをしたいと。が、活力という字がありますと、確かに新聞の字面で見れば内需喚起ということに結びつけやすい問題だと思いますが、特にそれがための税制改革をやるん だというような雰囲気ではなかったというふうに私は思っております。 しかし、総理がいつも申しておりますように、自分も減税をやりたいんだ、だがしかし赤字公債を財源に充てるわけにはいかぬ。日本の場合は、ヨーロッパが主張するように、減税してその分だけは福祉予算を削りますというような環境にはないわけでございますから、したがっていろいろな総合的な角度からシャウプ以来の改正をやる、こう申しておるわけでございますので、私は内需拡大のためのイメージとして浮かぶトタの減税、こういう意図でお互い首脳が理解したものではないというようにこれを見ておるところでございます。
○桑名義治君 そこで、若干早いかもしれませんが、六十一年度の予算に向けてのその前段としての概算要求というものをどうしていくのか、こういう点もこれからのいわゆる内需拡大策と決して私は無縁ではないと思いますし、また景気というもの、経済というものは気分的な面、ムード的な面が非常に強いわけでもございますし、そういった立場から考えてみると、多少早いかもしれませんが、六十一年度の予算に向けての考え方を少しお聞きしておきたいと思います。 大蔵大臣は、六十年度の予算編成時点では、六十一年度にもう一度マイナスシーリングをかけたい意味の意向を示しておられるわけでございますが、これから七月の概算要求に向けて、いわゆる概算要求基準というものをどう設定されていくおつもりなのか。まだお決めになっていらっしゃらないかもしれませんが、こういう方向で考えるべきではなかろうかというところはもうほぼ腹の中におさまっているのではないか、こう思うわけでございますが、この点をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 我が国を取り巻く財政、その環境は私はより一層厳しい環境になっておる、そこへいま一つ高齢化社会がまさに急速に進展していく、こういう状態の中で六十一年度予算も、編成の第一歩であります概算要求基準から決めてかからなきゃいかぬ。恐らく国会が終われば私に課せられる大きな一つの役割だと思っております。 経済学とは心理学だ、私もよくそういうことを感じます。しかしながら私自身が、六十年度予算編成を終わりました昨年の十二月の終わりに、これ以上一体削るところがあるだろうか、こういう心境になりました途端に、我と我が身に言い聞かせまして、待て待て、そんなことでは歳出圧力に抗し切れなくなるぞ、六十一年度予算も環境がよくなるということが言えるわけのものでもないし、引き続き厳しい概算要求基準を設けて編成作業を行っていかなきゃならぬじゃないか、こういう心境を吐露したわけであります。 そこで、概算要求をどうするか、こういうことになりますと、私は、結論から言いますと、やっぱり厳しいものにならざるを得ぬじゃないか。 それまでに税制改革の議論が出てくる環境にはございません。国会の議論を整理して税調が始まったといたしましても、いわば概算要求時点では、現在の制度のもとに問題を整理してかからなきゃならぬじゃないかということがございます。それからもう一つは、ああしてお世話になりまして御議論いただきました各種補助率問題というのが、これまた概算要求基準設定前に見当がつくという課題ではないじゃないかということになりますと、いわゆる今おっしゃいます経済学とは心理学だ、財政再建ばかり言って国民の士気が沈滞するような空気を醸し出してはいかぬということを理解しつつも、私は、概算要求基準というものは結論から言って厳しいものにならざるを得ぬじゃなかろうかな、こういう感じで現在受けとめておるところでございます。
○桑名義治君 内需拡大要求、これは諸外国から要求をされているわけでございますが、貿易の不均衡を背景としたいわゆる対日不満に起因していることは、これは当然のことだと思います。このことは我が国の経済政策に対するいわゆる内政干渉である、こういうふうに強く否定する人もおられるかもしれませんけれども、こういった全体の枠組みの中から考えた場合にはこれは否定し切れないところもあるわけでございます。財政当局がどんなに、経常収支の大幅黒字はドルの独歩高という外的要因がある、こういうふうに主張してみましても、貿易不均衡の基本的背景としては、これは日本の内需の弱さというものをいわゆる全面的に否定することもできないところであろう、こういうふうにも思うわけであります。 そこで、この十七日にFRBは公定歩合を〇・五%下げ七・五%とすることを決定しまして、二十日から実施することとなっております。この引き下げは、成長減速化を食いとめ、米国経済の活力を保つことをねらったものと見られていたわけでございますが、先ほどからも議論があっておりますように、二十一日の米商務省から発表されたことしの第一・四半期のアメリカの実質成長率は、〇・七%に下方修正をされてしまった、米国のいわゆる景気減速がはっきりしてきた、こういうふうに言うのが妥当ではなかろうか、こう思うわけでございますが、米国の景気の先行きにつきましては、エコノミストの間でも、グロースリセッションに差しかかった、こういう意見と、再び拡大するという意見がこもごもある、こういう御答弁も先ほどからいただいているわけでございますが、いずれにしましてもこういったふうに意見が分かれていることは事実であります。 ただ、いろいろと報道機関等が報道している中身を読んでみましても、米国では個人消費というものは一応堅調だ、民間住宅着工件数も一応増勢傾向にある、しかし全体の景気を刺激するには迫力不足だ、こういうふうにも言われておりますし、あるいは皆様方の御答弁の中にもこういった意味合いの御答弁が前からもたびたびなされているわけであります。設備投資にも陰りが見え始めてきたことから、従来のようなGNPの伸びは期待ができないようである、こういうふうに思うわけであります。そのために、米国の景気動向いかんによっては我が国に対する内需拡大やあるいは輸入促進要求がさらに強まってくることも懸念されるわけでございます。 先ほどからの御答弁では、今の段階では、いろいろな条件が並べられたわけでございますが、米国の景気はマイナスには落ちない、やはり強気であるという意味の御答弁でございますが、これは確認の意味を込めて、米国の景気動向、そしてその後の見通し、さらに、この問題も先ほどの議論にあっておりましたが、公定歩合のもう一段の引き下げもあるのではないかという意見もいろいろと報道されているわけでございますが、この点についてと、さらに対日批判の高まりの可能性についてはどういうふうにお考えになっておられるか、この点もあわせて御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(北村恭二君) 御指摘のとおりアメリカの八五年の第一・四半期の実質成長率が年率で〇・七%の増加にとどまったわけでございまして、八四年の実質成長率が六・八%であったことに比べればかなりの低い水準でございます。特にこの第一・四半期の計数が速報の段階で二・一%であったのが、その後一・三%と下方修正され、今回また〇・七%ということで下方修正されたわけでございまして、こういう点ではその減速の度合いというものについていろいろな見方がされていることは御承知のとおりでございます。 内容的には、やはりドル高による輸入の急増というものが個人消費等を中心といたしました国内の最終需要の堅調な伸びというものを相殺しているということで、こういった姿になっているのではないかと思っております。ただ、今後の先行きということにつきましては、やはりこのままアメリカの経済が失速するという見方は少ないわけでございまして、第二・四半期以降は緩やかながらも安定した成長が続くのではないかという見方が多いわけでございます。 なぜこういう見方が出てくるかということで申し上げますと、やはり基本的にはアメリカ経済の 物価が安定しているということが一つ大きな要因になっていると思います。それから、先ほど先生もお触れいただきましたけれども、個人消費がかなり安定的に推移している。これは、サービス部門における雇用の堅調さというものの反映ではないかというふうにも見られているわけでございます。それから、住宅投資がやはりモーゲージ金利の低下といったようなことに伴いまして回復の兆しを見せているということもございます。それから、公定歩合の引き下げ等に見られますように、FRBの金融緩和のスタンスといったようなものも挙げられると思います。またさらに、先ほど申し上げましたように、外需のマイナス寄与度と申しますか、そういった相殺要因というものが若干第一・四半期については一時的な要因もあるようでございますので、そういったものが若干縮小するのではないかといったようなことも言われているわけでございます。 したがいまして、アメリカの今後の先行きにつきましては、いろいろ見方はあると思いますけれども、今言ったような成長を支える面ということもあるわけでございますので、従来から言われておりますように、いわゆる安定的な成長路線へのソフトランディングといったような方向をたどるんじゃないかというふうに見られる見方が多いわけでございます。 公定歩合の引き下げにつきましては、十七日にアメリカの連邦準備理事会が八%から七・五%に引き下げるということを発表して二十日から実施しているわけでございますけれども、これは、今申し上げましたようなアメリカ経済の全体の姿、特に輸入の増大、あるいはドル高といったことを主因といたします工業部門が非常に停滞しているということに着目された措置であると思います。 最近のアメリカのここ数週間の市場金利の動向というのを見てまいりますと、徐々に低下をしているということでございまして、早晩こういったアメリカの公定歩合の引き下げということが行われるのではないかというふうに見られたわけでございますが、さらに今後どういうふうに金利が推移するかということにつきましては、今言ったような基本的な金利低下の姿というものが続くのではないかというふうに当面は見られるわけでございますけれども、その先行き等については確たることはやはり申し上げられないと思います。いろいろなアメリカ経済の姿の見方ということと裏腹の形で、金利についての見方というのもいろいろアメリカの国内でも分かれているわけでございます。 先生お尋ねのように、アメリカの景気動向がこういうふうに減速の姿をたどっているということで、いろいろと今後対日批判の高まりがあるのではないかというお尋ねでございますけれども、御存じのとおり、大幅な経常黒字の存在といったようなことからアメリカで対日批判がかなりいろいろな形で行われたことは御承知のとおりでございますが、我が国といたしましても、先ほど来いろいろ御説明させていただいておりますように、サミット等の場におきまして、我が国の基本的な立場ということをかなり明確に各国に説明し、各国の理解を得るように努めたところでございます。したがいまして、こういった対日批判といったような問題も、いわば日本のこういった政策に対する日本の取り組み方というものに対して注目しているといったのが現状じゃないかと思います。市場開放努力とか輸入拡大のための努力等につきまして、我が国がどのような対応をするかということを見守っている状態だと思いますので、私どもといたしましては、四月九日の対外経済対策に盛り込まれましたような項目につきましてアクションプログラムを策定するといったようなことを通じまして、市場アクセスの一層の改善に努めるということが必要かと思っております。また、規制緩和等を通じまして、民間活力活用のための環境整備といったようなことも続けていくことが肝要かと思います。 こういったいろいろな努力の積み重ねということで、いわゆるアメリカにおきます対日批判といったような物の見方に対して、できるだけ誠意を持ってこたえていくということが必要なのじゃないかというふうに考えているところでございます。
○桑名義治君 なぜ私が対日批判の高まりの問題をここで取り上げたかと申しますと、今も審議官からの御説明がございましたように、アメリカの経済というものは内需、それと外需、外需のマイナス面と内需のプラス面、これで相殺されるような形でいわゆる景気動向というものが現在こういうふうにダウンしたんだというようなお話があったわけでございまして、そうなってくれば、外需のマイナス面という問題が相殺となって云々ということになれば、これは当然ながら、日本に対する批判というものがなお一層大きくならざるを得ないのではないか、こういうことを懸念するわけでございます。 今の御答弁の中で、サミットにおきましては日本に対する非常な強い批判があるのではないかという、そういう予想だったわけでございますけれども、しかしいろいろな関係から今回のサミットではそう批判の高まりはなかったというような御答弁ではございますが、その後のいわゆるアメリカの経済がこういうふうなGNPの下方修正をせざるを得なくなったという、そういう新たな要因を踏まえて、いわゆる対日批判の高まりが心配になるということを私は申し上げているわけでございまして、この点についての大蔵大臣の御意見も伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私もこの数字を見て、それがまた一つ対日批判の種とでも申しますか、それに全くならないというふうに申し上げるつもりはございません。 今のところ考えてみますと、要するにお互い選挙をやります。なかんずくアメリカは来年また下院議員皆、選挙でもございますし、したがってこの間のフェルドシュタインさんの論文は、今日の状態は大部分の責任はアメリカにある、そうして結果として日本の資本が流入しておることは、アメリカのみならず、世界全体の資本提供国として日本がそれなりに果たしておる役割もあるんじゃないか、こういう論文も一方あるわけです。やっぱりお互い選挙しておりますと、貿易で四百五十六億ドルもうけた上に、日本はそれを貯金してまた利ざやを稼いでいる、こういうふうな議論が、選挙をやっている人にはわからぬでもない議論だなと私も思いますが、基本的にはやっぱり、アンフェアであるという印象を与えることが一番いけないことじゃないだろうか。 すなわち、公正だ、そして安くて長持ちしていいものをつくったからその競争力には負けたということになればあきらめがつくのであって、そういう自己努力の前の、日本市場がアンフェアであるということに対する一つ一つ誤解を解いていくということと、そしてまた、現実にこの間決めましたことに基づくアクションプログラムというのをできるだけ早く発表して、それを実行に移すということが、私はこの経済摩擦に対応するやっぱり一番の道ではないだろうかな、こういう感を深くしておるわけであります。 あるいはまた、いろんな論調の中には、アメリカの減速分を日本とヨーロッパが開発途上国側から見れば補うべきじゃないか、こういう議論とて私は全く出ないとは思っておりませんけれども、やはり世界全体を考えますと、インフレなき持続的成長というものを規範として、お互いがいわば後世代にツケを回すような赤字財政というものをいかに克服していくかというのがオーソドックスなやり方であるということを、繰り返し繰り返し説明していかなきゃならぬ課題ではないかなというふうな印象を持っております。
○桑名義治君 次に、我が国の金融改革を方向づけたいわゆる日米の円・ドル委員会報告が公表されてから、一年が経過しようとしているわけでございます。 来月十八日、十九日の両日に、日米円・ドル委員会の第二回フォローアップ会合が開かれることになっているわけでございます。この一年間、C D発行単位の引き下げや発行期間の下限短縮などCD発行の弾力化、それからMMCの導入など、円・ドル委員会の預金金利の自由化の手順に沿って金融の国際化、自由化への歩みを着実に進めてきたわけであります。 第二回のフォローアップ会合では、現在残っております大口預金金利の規制の緩和及び撤廃が中心テーマになるのではないか、こういうふうに言われているわけでございます。さきに総務庁が臨時行政改革推進審議会に報告したいわゆる政府規制緩和の行政監察結果の中でも、預金金利の自由化がうたわれているわけであります。 そこで、フォローアップ会合に臨む我が国の態度についてまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(行天豊雄君) 御指摘のとおり、六月に日米円・ドル委員会フォローアップ会合を開催する予定になっております。 昨年の五月に円・ドル委員会の報告書が日米両国で発表をされまして、お話しのとおり、我々といたしましては現在まで、この報告書に盛られた金融の自由化それから円の国際化につきましての措置を、全力を尽くして実行してまいりました。現在までのところでは私ども、その実行につきましては、非難を受ける、遅いとかあるいは怠けておるというような非難を受けるような状態には全くないと思っております。 したがいまして、今後も、今お話しのようにまだ残された問題がございます。国内の分野におきましても、御指摘のような金利の一層の自由化の問題であるとか、あるいはBA市場の発足の問題であるとか、外国証券会社の問題であるとかございますし、それからまたユーロ円市場の関係でも、ユーロ円貸し付けあるいはユーロ円CDの問題について、これからさらに努力をしていかなければならない問題が残っております。今度の会合では、私どもといたしましては、前回会合以来の私どもの措置、それからもちろんこれはアメリカ側の措置も入っているわけでございますけれども、そういうようなことについてお互いの意見交換をし、それから今後の措置についての見通し、計画等を話し合うというようなことを中心にやってまいりたいと思っているわけでございます。
○桑名義治君 次にちょっとお尋ねしておきたいことは、金融摩擦をめぐりましては、日米だけにとどまらず、昨今は欧州との関係も無視できないような状況になっているわけであります。 この五月から西ドイツでは、マルク建て外債の発行引受主幹事業務の自由化に踏み切りました。外国の銀行や証券会社にもこの業務を認めさせることとしたわけでございますが、日本に対してだけは、相互主義が守られていないという理由で適用除外としたと。この経過にも見られますように、証券と銀行の分離政策をとらない諸外国が、相互主義を盾に我が国を孤立させることになるとしたら、こういう問題は看過できない問題だと思います。 我が国と外国との間に銀行あるいは証券に対する業務の分離政策に違いがあるとしても、今後ますます金融の国際化、自由化が発展していく中で、銀行と証券の分離政策というものをどうとらえていかれるのか、この点について明らかにしていただきたいと思いますし、さらに先ほど申し上げましたように、西ドイツのこういった態度、政策に対しまして、日本としてはどう対応されるのか、この点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(岸田俊輔君) 金融機関と証券の業務を分離いたしますのは、証券取引法の六十五条の規定でございまして、これは、両者の職能を分離して間接金融と直接金融の競争的併存を図ることによりまして、金融・証券市場の健全な発展を期し、もって国民経済の適切な運営と投資家の保護を図っていくという趣旨でございます。 このように銀行、証券分離政策は、戦後の我が国の金融制度の基本的理念を定めたものでございまして、意義のあるものであるというふうに考えておりまして、金融の国際化、自由化の流れの中にありましても、その基本理念を堅持していく必要があるだろうというふうに考えております。 なお、現在の分離政策のもとにおきまして、金融機関と証券会社の業際の問題がございますが、これは「金融の自由化及び円の国際化についての現状と展望」ということで示しましたように、それぞれ固有の分野を尊重しつつ、それ以外の分野においては、競争条件の均衡を図りつつ漸次相互乗り入れを図っていくという考えでございます。 なお、先生御指摘の西ドイツの問題を含めまして、諸外国と制度の違いがあるわけでございますが、これについては、それぞれの国のそれぞれの固有の金融秩序その他の問題もございますので、その点につきましては、私どもの制度につきましてやはり十分の理解を得ますように相手国と十分話し合いをしながら、相互に均衡の条件で国際化、自由化を進めていくということについての理解を求めていきたいというふうに考えております。
○桑名義治君 大臣、このいわゆる制度の違いについては、どういうように対処していくべきだとお考えになっておられますか。
○国務大臣(竹下登君) この制度の違いは、これはお互い議論しておりますと、世界共通銀行法、世界共通証券業法にしなきゃいかぬじゃないかという議論をよく我々はいたします。先ほど桑名さんが御心配しておっしゃいました西ドイツの問題、今度六月にフォローアップ委員会、それから十カ国蔵相会議、その後になりますけれども西ドイツとも金融協議をやるわけでございます。 先ほど来申し上げておりますように、大変日本の円に対する信認は高まり、非常に期待感は大きい。その中で今度は協議をやるわけでございますが、これはあるいは国会における発言として適切であるかどうかは別としまして、その場合、西ドイツは西ドイツとしての協議に際する一つの僕は玉を持ってこられるんじゃないかなというふうに思うわけです。これは従来からも、その国々によって、どうしてもその成り立ちからして共通の法律というわけにいきませんので、これは相互理解は私は得られる問題だろうというふうに思っておるところでございます。 ただ、いずれにせよ、お互いに可能な限り業際関係というものは、垣根というものが徐々に徐々に取られていって、双方ともが守備範囲が広がっていく。そうすれば競争場裏が広がっていくということになりますから、そういう傾向には進んでいくであろう。が、世界共通あらゆる金融立法ということになりますとそれぞれメリット、デメリットがございますし、日本の長い金融秩序の中で育っておる問題でございますから、一挙にそういう形でもってこの問題が進むであろうとは私は思っておりません。
○桑名義治君 次にお聞きしておきたいのは、今回のサミットの中で新ラウンドの開始時期が明示できなかったというところはこれは一つの大きな問題点だったのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。それはフランスが非常に強く抵抗をしたというふうに報道されているわけでございますが、いずれにしましても、先進国の中のいわゆる利害関係、利害の対立、これが表面に出てきた、こういうふうに見るのが正当ではなかろうかとも思うわけでございます。 東京ラウンドが終了して以来、技術革新もさらに進み、ハイテクの製品の貿易比重というものが高まっております。さらに、今後は保険、証券、ソフトウエアなど、サービス取引も急速に拡大をしていくのではないか、こういうふうに見られておりますが、こういった中で世界貿易構造というものが変わり始めております。こうした変化を日米両国は踏まえまして、新ラウンドでハイテクとサービス貿易の一層拡大の見地から交渉を進めようとしているし、米国はまた、自国の農業不振を打開するために、農業貿易の自由化も取り上げたいようでございます。これに対しましてEC諸国は、産業調整のおくれから、ハイテク産業の国際競争力というものが全般的に弱い。新ラウンドではハイテク貿易を取り上げることに消極的のようでもございますし、フランスは農業貿易がテーマになれば農産物の輸出に打撃が出る、こういうふ うな警戒色が非常に強い、こういうふうに思われるわけであります。 このような先進国間の利害の調整に加えまして、さらに途上国が関心を示している農産物それから繊維製品の関税引き下げ交渉に先進国側がどこまで応じられるかの問題もあり、概して発展途上国は新ラウンド開始に消極的で、前途にまだ多くの課題があるようにも思われるわけであります。 米政府とともに日本政府は新ラウンドについて統一的構想で主導的立場をとってきている、こういうふうに私は思うわけでございますが、サミットでのやりとりを通して、会議に参加された大蔵大臣としての新ラウンドに対する考え方と、今後の見通しについての御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 新ラウンドの開始にフランスの反対がございまして明示できなかったが早くというところまでは合意したわけでございますけれども、ECの委員長が、特にその後新しい政策を打ち出された国もあるのでというのは、対外経済対策を四月九日に出した日本を指しての発言だと思いました。したがって我々もやっぱりこれに対応すべきだ、ミッテランさんのもとの今のECの委員長のドロールさんは、去年まで私のカウンターパートでありました大蔵大臣でございますが、その人は時期を明示することに賛成と。だから数の上ではミッテランさんの孤立というような感じにはなりました。 それは、今おっしゃいますように、私は一つは、いいことだということには賛成でございますが農業政策の問題が念頭にあったであろうと思います。また、あの直前でございましたか、アメリカの下院議員さんが、新ラウンドをやればアメリカの農業はまたヨーロッパへどんどん出ていって補助金を削減しても一発景気が回復するからというような発言をされたというようなこともかちんときた一つの、まあ首脳さんがそうかちんとこられちゃいけませんでしょうけれども、やっぱり一つの原因ではなかったかな、こういう印象を持って私承っておりましたが、やっぱり農業問題に対する問題が一つございます。 それから、日本の方は競争力もございますからいわゆる工業製品は全部ゼロにしても結構ですという構えをいつでも示しておるわけでございますが、今おっしゃいましたハイテクの問題について、そういうことになったらとにかく競争力のないままに市場を席巻されてしまうじゃないかという幾らかの懸念も私にあったんじゃないか。ただ、フランスを除くあとの国は全部期日を決めていいというところにまでなったのでございますから、OECDの閣僚会議のときから見れば随分進歩したものだなと思いました。 それから、もう一つ御指摘なさいました開発途上国、これは農業問題については、一次産品については、むしろあるいは自分の方の輸入がふえていくという期待感もあると思います。が、もう一つはやっぱり資本の自由化につきまして、私は直前がアジア開発銀行の総会でございましたが、中進国は、資本が自由化されてそして雇用の場がつながって全体の所得がふえていけばやがて我々も先進国に入っていくという物の見方をするグループと、もう一つは、いわば先進国の資本が自由に入るようになった場合自分らは単なる搾取対象になるんじゃないかという若干イデオロギッシュな物の考え方と、それが併存しているという印象を受けておりました。 したがって、お互いが結局開発途上国の理解も得ていかなきゃならぬわけですが、ASEANは割によろしゅうございます。それぞれ、フランスなんかはかつての宗主国でございますから、アフリカとかいろんなところに対する配慮もあるでございましょう。が、少なくとも七月、じゃ高級事務レベル会議をガットの場でやって、それでどういうふうに進めるかという手順はじっくりと相談しようじゃないかというところまでは進んでおるわけでございます。 したがってこの新ラウンドというものも、私は、これからいよいよ開発途上国も含む理解を得ながら進めればそう遠いかなたのものではない。しかし、東京ラウンドにしましてもかなりの日数がかかっておりますから、いつテーブルに着くか、これがまず可能な限り来年から始まるようなそういうガットの場における高級事務レベル会議などが進んでいくことを、今は心から期待をしておるということではなかろうかというふうに考えております。
○桑名義治君 報道によりますと、ミッテラン大統領に対する説得は中曽根総理がフランスを訪問しまして行う意向だというような事柄がよく載っかっておるわけでございますが、先ほどから申し上げますように、EC諸国も全面的にもろ手を挙げて賛成したわけではございませんで、いろいろないわゆる懸念を持ちながら、どうしてもこれは保護主義の台頭を抑えていかなければならないという大義名分というもの、基本的な物の考え方の上に立って一応ミッテラン大統領のように表面的な反対はしなかった、こういうふうにも思うわけでございますが、しかし今大蔵大臣もお話しになりましたように、開発途上国、この意向というものがある程度集約をされておらないままにいわゆる新ラウンドの開催が行われるとするならば、これまた多少世界的な全体の視野から見た場合に問題が残るのではなかろうか。 ここらの対策をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、あるいはまた米国との間で話し合いがどういうふうに進んでいるのか、そこのところをお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、開発途上国の賛同を得るということは私は大変必要だと思います。 非常に大ざっぱな話をしまして、四十八億仮に人口がありますと、まずまず日本並みとでも申しましょうかが先進国、大体七億ぐらいだということになりますと、七分の一の人口、しかしそれで五十数%のGNPですから相当なものは相当なものでございますけれども、開発途上国の問題でも、私はたまたまアジア開発銀行の総会に行ったわけでございますけれども、ASEAN地域はそれに対しての理解は示しておるというふうに思います。それは、シンガポールでございますとか韓国でございますとか、ある程度資本を自由に流入しながらそれなりに中進国として育ってきたモデルがあるからでもございましょう。ですから、機会あるごとにその説得にあらゆる場で当たっていかなきゃならぬと思うのでありますが、私はそれはヨーロッパ諸国に、かつての宗主国であった国があるわけでございますから、その説得をお願いすることも大いにあるだろうと思っております。 それから、桑名さんおっしゃいましたように、保護主義の台頭を防圧するという大義名分というものは確かにみんな合意するわけでございますけれども、その中でお互いの国々を持っておりますだけに、いわゆる原則自由、制限例外、その例外というものを意識した発言等も個々の場においては確かにそれはそれぞれの国々によってございます。しかし、開発途上国の説得はASEAN、そして私ども今度十月がIMF、これは今度韓国で行われるわけでございますが、それらの場所でも積極的にやっていかなきゃならぬ課題だというふうな問題意識は持っております。
○桑名義治君 先ごろ藤尾自民党政調会長がASEAN諸国を、四カ国ですか、歴訪されておるわけでございますが、このときにさまざまなお約束をされているようでございますが、この問題に対しましてはどういうふうに対処されようとされておられるのか、そのところをお聞かせ願っておきたいと思います。個々の問題について少し細かく詰めたいと思ったんですが、時間が参りましたので、総括的に御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 藤尾政調会長のASEAN四カ国歴訪に際しましては、貿易の分野に限らず、投資、援助等も含めて幅広い意見交換が行われた。この間、私、かなり時間をかけまして、藤尾さんの報告を聞きました。一国一国について詳しく説明がございました。そして、同行した三十 名の各省のスタッフがそれぞれその間に自分のカウンターパートを求めてその交流関係を深めていったという、随分配慮の行き届いた報告だというふうに私は聞いておりました。 特に個別品目につきましては、インドネシアは、合板の関税の引き下げでございます。これは、アメリカとのいわゆる針葉樹の問題だけをやっているじゃないか、実際問題としては我が方のインドネシアの広葉樹合板の方が日本の市場も大きいしと、これに対する要求がありました。これについては藤尾さんは、三年目にはきちんとやります、それまでに五年ぐらいかかって国内対策をきちんとやりますということを申されたようであります。 マレーシアは、まさにパーム油であったと。パーム油が象徴的な品目になっておりまして、実際仮にパーム油の三%を〇%にしても直ちに猛烈には、パーム油を毎日がぶがぶ飲んでいるわけでもございませんので、象徴的なものであるが大きな期待はできませんよということもきちんと申されたという報告でありました。 タイは、申すまでもなく骨なしでございます。骨なし鶏肉、本当のところは焼き鳥と言った方がわかりやすうございまして、アメリカのやつは大きい分で国内と競合しませんが、まさに焼き鳥でございますから、これについてはアメリカの骨つきの分と我が方とのバランスを失しているという点について、これも象徴的なものとして関税率の格差是正問題があったと。これに対しては、徹底した前向きの対策をとるべきであるという意見を付しての御報告があっておりました。私も、なるほどそうだろうなと思います。 フィリピンについては、バナナの関税引き下げと、パイナップル缶詰の輸入枠の拡大等が問題として取り上げられたということでございます。 いずれにせよ、ASEANの期待というものが大きいだけに、また、日本の対外経済対策がアメリカだけに向いているんじゃないかというような印象を与えることはこの際避けるべきであるという観点から、大変な成果を上げたというふうに私も評価をしております。 特に、サミットの模様を総理の御配慮で藤尾ミッションに毎日電信で送っておりまして、そのことでこれは私もさすがだなと思いましたのは、総理がサミットの場でも、私は日本国の首脳であると同時にアジアの代表でございます、そのアジアは、かつて迷惑をおかけした国々の方が私の発言に対して関心を持っておりますという前提の御発言がございましたので、それらは非常に感銘深く受け入れられたというふうな評価を聞いておりました。 ただ、シンガポールとか、今度行かなかった国でございますね、それらも必ず適当な機会を見つけてやっぱり藤尾ミッションが行くべきではないかというふうな表現もつけ加えて御報告を聞いて、私も、これは大変にいいことだったなあ、こういう印象を率直に受けた一人でございます。
○桑名義治君 終わります。
○近藤忠孝君 ことしのサミットに先立って、大蔵省は二つの文書をまとめております。一つは手元にいただきましたが「国際収支黒字構造論の検討」、もう一つは「経常収支黒字と内需拡大論について」というんです。この後の方の文書は、要求したんだけれどももらえないんです。これはなぜですか。
○政府委員(北村恭二君) 今お尋ねのございました「経常収支黒字と内需拡大論について」という文書のことでございますが、この御指摘の文書は、大蔵省内で行われました報道関係者との勉強会用の資料ということで準備し、これを使いましていろいろ議論をしたたたき台といったような文書でございます。したがいまして、大蔵省の何か公式の見解をまとめたというようなものでございませんので、その趣旨を申し上げたのではないかと思います。
○近藤忠孝君 そういう文書であっても、こちらの要求したものはくれてもいいと思うんですね。報道によれば、「「黒字解消には財政支出の拡大は無力」との主張を展開した。」と。大蔵省の見解を国会議員が聞きたい、そう言っているのになぜよこさぬのか。これは文書としてまとまっているんでしょうから、よこしてもいいんじゃないですか。
○政府委員(北村恭二君) 文書の性格は今申し上げたようなことでございますけれども、大蔵省の考え方について御説明させていただくということはやぶさかではございません。
○近藤忠孝君 じゃ後で文書をいただけますな。
○政府委員(北村恭二君) 承知いたしました。
○近藤忠孝君 そこで私は、主にいただいた文書「国際収支黒字構造論の検討」というところに基づいて質問をしたいと思うんです。 この中で、黒字について分析した結果、いわゆる黒字構造論、貯蓄投資のバランス論、国際収支発展段階説、こういうものに対して否定的な見解をとっておるんです。経常収支の不均衡はいずれ為替相場の変動を通じて調整されるという、こういう立場です。したがって、現在の我が国の大幅黒字の主な原因はアメリカの高金利による我が国からの資本流出にある、こういう考えが示されたと思うんですが、大蔵省の考えはどうですか。
○政府委員(行天豊雄君) まず最初に一言お断りしておきたいのは、この今御指摘のございました「国際収支黒字構造論の検討」という文書の性格でございますが、これは私どもが委託調査ということで三井銀行に委託をしたわけでございます。したがいまして、その文書の内容はあくまで委託先である三井銀行の見解ということでございますので、大蔵省の見解ということじゃないということを、もちろん当然御承知と思いますがまず一言お断りしておきたいと思うわけでございます。 私どももこの国際収支黒字構造論という議論そのものには大変興味を持っておりまして、それが委託をした理由だったわけでございます。 この三井銀行の意見では、御指摘のように、どうも俗に言われておる国際収支黒字構造論というのは余り当たらぬのではないかという結論が出ておるわけでございます。私どももかねてから部内でいろいろ議論をしてまいったのでございますけれども、確かにこの黒字構造論というのは学問的には非常におもしろい問題だろうと思います。ただ、それでは今の日本の黒字が本当にもう構造的なものであってどうにもならないのだというような議論であるとすると、これにはいささかどうも承服しかねるような問題が多いのじゃないか。例えば、現在の黒字は、私ども見ておりますところ、相当な部分が、先ほどから話も出ておりますけれども、米国の景気拡大が非常に急速であったということであるとか、あるいはドルが全面高になってアメリカの輸出競争力が非常に弱っておったとか、あるいは石油を初めといたします一次産品市況が非常に低迷しておって、日本の輸入が金額的になかなかふえないというようなもろもろの理由があったのだろうと思っておりますので、果たして現在言われております黒字構造論というものはこういった事情をどう説明するのだろうかというような疑問は、もちろん当然持っておるわけでございます。 したがいまして、私どもはどうもまだ十分この文書を研究したわけじゃございませんので、大蔵省はどう思うかという御質問に対して確定的にお返事できないで申しわけないのでございますけれども、私どもも、少なくとも現在の日本の経常収支の黒字というものは、その相当な部分というものが、今申しましたような、言うなれば日本にとっての外的要因かつまたいつまでも続くというような性格のものでない要素によっておるのじゃないかなという感じを持っております。
○近藤忠孝君 我が国の経常収支の黒字の原因がアメリカの高金利であるということは明らかだと思いますし、またサミットでも、アメリカの高金利の原因である財政赤字を抑制するということが問題になってきたということは、今までも議論されてまいりました。 そこで、アメリカの財政赤字大幅削減の問題ですが、その一つとして国防予算です。最初レーガ ンの教書では前年比一〇・六%の三千二百二十二億ドルという巨額なもので、歳出の二九・三%を占めるものでありましたが、連邦議会ではこれを大幅に削減すべきだということで、上院では実質〇%の伸び、下院の方では名目〇%、ですから実質では若干減額、こういう決議がされたという報道に接しております。 そこでお聞きしたいのは、アメリカのこういう議会の審議状況及びその見通しはどうなのか。これは財政赤字を削っていく一番大きなもとだと思うので大変興味があると思うんですが、その点どう考えられていますか。
○国務大臣(竹下登君) 八六年度米国予算で、二月に大統領教書が議会へ出て、それから上下両院におきまして審議が行われ、そして予算の枠組みを決める予算決議案というのが今月の十日上院本会議、それから十六日が下院本会議で終わったわけでございます。両院の決議案は、赤字削減額について八六年度各五百六十億ドル、これは一緒でございます。 中身は、国防費、社会保障は具体的な削減内容は上下両院が違っております。すなわち国防費については、上院案は実質伸び率をゼロ、下院案は前年度同額、実質ベースでは減額ということであります。それから社会保障、年金につきましては、上院案は物価スライド凍結、下院は物価スライドは現行どおり。 今後につきましては、下院本会議における予算決議案の採択が行われた後両院協議会において予算決議の審議が始まることとなろうと思われますが、上下両院の対立点である国防費と社会保障費の取り扱いがどうなっていくかというのが、一般的に注目をすべきものであるというふうに考えます。 これは、コメントをどうするかということになりますと、それはアメリカの国会の御意思のことでございますからコメントをすべき問題ではなかろう。関心を持って見ておるということであることは事実でございます。大統領の予算教書で示されました削減額五百億ドルを五百六十億ドルとしているわけでございますから、いわゆる議会におかれても歳出削減の熱意はそこに示されたものというふうに理解をしております。
○近藤忠孝君 これは、議会というよりも、むしろ国民の中にレーガンの軍拡的な行き方に対して大変な批判があって、それがやっぱり反映したものだ、さっきから言われているとおりお互いに選挙をやる身ですから、ということだと思うんです。そして、単にこれはアメリカ国民にこういう影響があるだけじゃなくて、実は財政赤字の拡大、その主要な部分が軍拡ということでありますと、結局世界的に高金利を広げることによって全世界国民に影響を及ぼしている、こういうことは当然だと思います。 そこでやはり、このことについてサミットで財政赤字解消ということであれば、この面についても日本としては大いに発言があってしかるべきじゃないか。軍拡を抑えて財政赤字をぜひ縮小してほしいということを言ってしかるべきだと思うんですが、さっきコメントを避けたいとおっしゃったけれども、むしろそれをやるべきじゃないんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 一方、軍縮というものに対して関心を持ち、そしてサミットにおきましても、財政赤字を削減すべきであるということはいわゆる自己認識としてアメリカの「大統領は」ということで宣言に書かれているわけでございますから、——アメリカとフランスは「大統領は」とこう書いてあります、これは元首でございますから。あとは「日本政府は」とかいうふうに書くわけでございますけれども。したがって、そのことはアメリカ自身も認識して宣言に出されたことでありますから、そういう方向を我々は期待しておるということだと思います。
○近藤忠孝君 日本の場合には、市場開放とか、先ほども指摘されていることの約束ですね。いわばこれは世界に向かっての公約です。日本がそういう公約を実現していくのだと思うんですが、となれば、日本政府としてもアメリカに対して、ぜひやってほしい、やるべきだということを強く求めてしかるべきじゃないか。特に、具体的に議会で軍拡に対してそれを削れということが問題になっておれば、まさにそのときこそ言ってしかるべきだと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱりアメリカの議会の決めるべき問題でございます。それじゃ日本だって、ょその国から日本の議会はこう決めろと……
○近藤忠孝君 議会じゃなくて、大統領に対して、政府に対して。
○国務大臣(竹下登君) アメリカの政府に対しては、政府の方針は出ておるわけでございますから、それに対してこれからは議会がどう決めるかという問題でございますので、アメリカ自身が財政赤字の点についてはきちんとデクレアしておられるわけでございますから、私は、その方向で物が進んでいくことを期待しておるというべきだろうと思います。
○近藤忠孝君 期待ということですが、次にアメリカの税制の問題です。 昨年末財務者から大統領に報告された税制改革案では、中立的な税制改正であるということでありますが、先ほど大臣からも話がありました。その報告書です。三巻あるというんですが、その三巻を日本政府は入手しているのだろうから見せてほしいと言ったのですが、これも見せてもらえないんですね。これは大変膨大なものなんですか。
○政府委員(梅澤節男君) 仰せのとおり三巻の非常に膨大なものでございまして公刊されておりますが、こういうことを申し上げてよろしいかどうか存じませんが、衆議院の正森委員の御要請によりまして、一部しかございませんので貸与してございます。
○近藤忠孝君 ではその貸与のまた貸与を受けたいと思います。 そこで問題は、この三巻のうち一つが付加価値税を丹念に検討しているんじゃないか、こう思うんです。そこで、付加価値税についてどういう検討をしているのか。そして大蔵省は、アメリカが間接税増税の方向をやはり進もうと見ているのかどうか、その点どうですか。
○政府委員(梅澤節男君) 間接税と申しますか、消費型の付加価値税につきまして、ただいまの三巻のうちの第三巻は、かなり大部なものでございますが、各種のシミュレーションを行っておりまして、メリット、デメリット非常に詳細な議論の記録がございます。ただ、十一月に発表されました財務省の財政改革案というのは、先ほど大臣もお触れになりましたように、税収には中立ということで現行の個人所得税と法人税を中心に基本的に見直すということでございまして、これは観測にすぎないわけでございますけれども、少なくとも近い将来アメリカがそういう付加価値税を導入する意図を持っておるというふうにむしろ考えない方が正確ではないか、恐らくそれが正しいのだろうというふうに私どもは考えております。
○近藤忠孝君 幾つか質問通告の途中のを省略して、最後の点です。 市場開放策の切り札として、関税引き下げ時期や幅を政令で定める権限を政府に与える関税弾力化法の制定を検討し始めたのではないか、こう言われておりますが、事実かどうか、まずその点。
○政府委員(矢澤富太郎君) ただいまの御指摘は、御承知のように、去る四月九日の対外経済問題諮問委員会から提出された報告書におきまして、関税、いろいろございますが、一番末尾に「なお、一定条件のもとに暫定税率を施行しうるような授権法についても検討する必要がある。」と記されているわけでございまして、同じ日に発表されました対外経済対策におきまして、これがアクションプログラムの一部をなすものでございますので、その骨格について七月末までに結論を出すという決定がなされているところでございまして、私どもとしてはそれを受けて今後対応するところでございます。
○近藤忠孝君 今後対応の中身ですが、一つはや っぱり租税法律主義の問題ですね。毎年、日切れ法案だというのでいつも苦労させられておるんですが、しかし国会の権限、租税法律主義の問題、この点がどうなのか。それから、外国でそんな例があるんだろうかどうか。 その二つについてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(矢澤富太郎君) 租税法律主義の点につきましては、御指摘のように最も重要な問題でございますので、私どもとしても慎重な検討をしてまいりたいと思っております。それと、ただいま読み上げましたように大変漠然とした表現でございますので、一体どんな仕組みをお考えなのか、その辺も少し考えなければいけないと思いますが、いずれにいたしましても租税法律主義の点につきましては、最も重要な問題でございますので、慎重に検討してまいりたいと思っております。 それから、第二点の外国の例でございますが、立法府から行政府に授権が行われておりますのは、先進国ではアメリカだけでございます。 アメリカには二つのパターンがございまして、一つは、例えばケネディ・ラウンドあるいは東京ラウンドの前に通商拡大法におきまして、例えばケネディ・ラウンドの前でございますと、税率五%以下の品目については最大限ゼロまで、その他の品目につきましては最大限五〇%までの引き下げる権限を行政府に五年間与えるということで、行政府はその授権のもとで多角的交渉を行いまして、最終的な譲許税率が決まりますと、大統領の布告によってこれを施行し得るというような授権法がございます。 もう一種類は、これは一九八四年の通商・関税法で定められたものでございますが、例の半導体の部品等、アメリカの関税分類で七分類につきまして撤廃ないし修正、存続の権限を大統領に与えるというような授権が行われております。 なお、この半導体部品につきましては、日本側では、日本の対応といたしましては、五十九年度改正におきまして施行日を政令で定めて御審議をいただきまして、アメリカ側がこの授権法に基づいてことしに入りまして半導体部品の布告を出すということになりましたので、たしか二月か三月の初めから施行に移されております。 現在、外国の例といたしましてはその二種類でございまして、他の先進国におきましては授権は行われていないというのが実情でございます。
○近藤忠孝君 時間が来ましたので、終わります。
○青木茂君 貿易摩擦論に絡んで、内需拡大の問題が大変問題になってきております。今大臣がいみじくもおっしゃいましたように、これは一種の黒船ですから、余り私はのんきな対応ではいかぬ。だから通念とか常識、これは一歩も二歩も超えまして、思い切った内需拡大対策が必要なんじゃないかと思うわけでございます。 私は、二年前でございましたか、サラリーマン減税に絡みまして、思い切って建設国債でもない、赤字国債でもない、いわば第三の国債を五兆円ぐらい出したらどうだ、それでそれは、財源は毎年の脱税額を引き当てにして返すようにすれば財源は明確に担保される、しかも、制度改正じゃそういうことはできませんから、一回限りの戻し税方式でやってみたらどうでしょうかということを、二年前に申し上げたことがある。 これは軽くいなされたわけなんですけれども、このやり方を内需改大という意味に絞って考えてみるんです、そういう意味で組み立て直してみる。そういたしますと、同じように五兆円やって、その五兆円の使い方は、例えば公共事業に二兆円、国民の消費力アップに三兆円、減税になるわけですけれども、そうやって、これは僕は財源が担保されておれば赤字国債だとか建設国債だとかいう範疇に入らないと思うんです、それで思い切った大きな内需拡大策を、一回限りでいいんだから、一回やってみたらどうか。こう思うんですけれども、改めて大臣に二年前を思い起こしていただきまして、御見解を承りたいんですが。
○国務大臣(竹下登君) 一つは、五兆円といいますと、所得税で五兆円と仮にすれば、それは三分の一ですね、十五兆として。それで私どものある前提を置いての計算ですけれども、これ大体輸入が七億ドルふえるだろう、それから公共事業の一五%、すなわち三兆円公共事業をやったとしましょうか、そうしますと、その方がそれで十三億ドル、こう言われております。ですから本当は、数字からいえばそう大きなものじゃございません、心理的影響、政治的影響、これは別としまして。 その五兆円というのを、青木さんのこの前のは、いわば税の脱漏分が大体五千億ぐらいあるからそれでやればいいじゃないか、こういう議論だったと思いますが、税の脱漏分で執行当局が把握、追徴したものは既に年々の税収見積もりでこれはちゃんと織り込まれておるものでございます。歳出に充てられているものでございますので、御提案のようにこの分を減税財源に充てる国債の償還のための財源とするという場合には、その分歳出に充てるべき財源がなくなる、こういう理屈になります。したがって財政状況をさらに悪化さす。今後とも、脱税があることを予定してこれを償還財源に充てるというような国債発行というのは、国の政策としては私はとるべきではないではなかろうか。思いつき——思いつきと言ってはちょっと失礼でございますが、その話は聞いたことがあります。そして、今若干の笑いも出ましたけれども、後、部内でも議論をしました。が、初めから脱税を当てにして国債償還の財源に充てるという政策は、やっぱりとれる政策じゃないというふうにお答えせざるを得ません。
○青木茂君 その脱税額を当初予算の見込み額に入れることも同じようにおかしいわけなんですから、これは私はゼロサムで同じことだと思います。それは笑い話になりますよ、脱税を予算の歳出財源とパラレルにするというのは、私の言うことと同じで、やっぱりおかしいんですね。だから私は、それは確かに大臣のおっしゃることは常識だと思います。思いますけれども、もう黒船時代なんだからその常識を一歩も二歩も超えてみてはどうだというのが私の提案です。 それから、なるほど五兆円ばかりやったところで輸入増、貿易黒字がそんなに大きく解消されるものではないということもよくわかります。わかりますけれども、日本がこういう状態の中で内需拡大の誠意を示した、実を示したということを世界に明らかにするという心理的効果ですね、世界に対して与える、それもかなり大きいのじゃないか。これは単に数字の問題じゃなしに、大臣がいみじくもおっしゃいましたように、経済学は心理学だということから見て、やはりその実を示すということは私は必要だと思いますけれども、さらにお答えをいただきたいんです。
○国務大臣(竹下登君) 経済学は心理学だ、だから本当は減税によっていわゆる黒字が減るというのは数字からいえば大したことはない、しかし政治としてはいいじゃないかと。政治としてはやっぱり、電車の中に総理の顔があって百ドルずつ買いましょうというポスターが下がるのも、これも政治としてはいいじゃないか、こういうことになるんじゃないか。 それから、やっぱり基本的に、いわゆる税の脱漏分で執行当局が把握、追徴したものを年々の税収見積もりに織り込むのでございまして、今後出る分を見込んでおるわけじゃございませんから、やっぱりそこのところは基本的に違います。この前お答えしましたのは、国民は神様であります、神様が初めから脱税をなさいますでしょうという前提で政策を仕組むわけにはいきません、そんな表現をしましたが、今でもその点は同じ気持ちでございます。
○青木茂君 神様だと思いますけれども、しかしここに最近五年間の税務調査の状況の表をいただいているんですけれども、実調率四%というところに、所得税では千二百億円以上の追徴税額が出ていますし、法人税では一〇・五%ぐらいの実調率でもって三千八百億円の追徴税額が出ているんですよ。 だから、それは神様には違いないが、神様にもやっぱり間違いがありますから、その間違いはしっかり出してもらうということです。これは何も実調率をふやしてくれと言っているんじゃないです。実際この統計に出ているんだから、それをもう少し現在の、古い言葉で言えばある意味においては国難ですよ、それに活用する方法はないかということを私は申し上げておるわけなんですけれども、もう一回大臣にひとつ伺いたいですね。
○国務大臣(竹下登君) それは神様にも時には間違いもあるでございましょうが、そうして把握したものを今年度の税収見積もりの中へ織り込んでいるわけでございます、把握したものを。あらかじめこれぐらいあるであろうということで組んでいくのとは、おのずからそれは性格が違うのじゃないかなというふうに御理解をいただきたい。
○青木茂君 しかし、年度の新しい税収見積もりをやる場合に、新しい年度の把握なんかはわからないのだから、要するに前の年の、あるいは過去の実績平均みたいなもので盛り込むわけですよね。 ですから私は、そこなんですよ、この際は通念、常識というものを超える。ほかに財源が見つかればいいんですよ、何もこんなことをやらぬでも。けど、もう内需拡大論というのは、がっとやらなきゃならないんだから。何とかやらなきゃ、国際的に孤立してしまうというのか、孤児になってしまいますよ、余り理屈とか通念とか常識だけで考えておると。それを非常に心配するから、思い切って私は一案として出しただけです。内需拡大、ほかにいい方法があれば、やっていただければそれはそれにこしたことはございません。しかし、世界が注目しているということです。 それから、もう一つ。ちょっと話題が飛びますけれども、内需拡大につきましてもう少し規制緩和というのか、例えば土地が百坪ある。百坪あって、家族の多いときは百坪の上へ建てた家が必要であった。ところが家族がだんだん結婚して去っていった場合に、百坪の家なんか必要ない、老夫婦は半分でいい、あるいは三分の一の土地でもう十分だと。そうすると、残り半分とか三分の二を売りたいんです。売りたいんだけれども、税制上非常に過大な税負担になってしまって売るに売れないという点もあるわけですね。 それから、あるいはここは何メートル以上の高さの建物を建ててはいかぬというような規制がある。そういう規制があるものだから、本当は建てたいのだけれども建てられない。だから、そういう規制というものを思い切って緩和をしてしまうということになると、私はかなり消費が刺激されると思うんですけれども、そういう過去の規制、これも蛮勇を振るって一回再検討する作業というものをやっていただいてみたらどうかと思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 建築等について特に制限が多いと。これはサミットでも何でかと聞かれますと、基本的に言えば、アメリカの二十六分の一の面積で、可住地面積は大体一人当たりにすると四十倍向こうがあるわけです。こっちは四十分の一しかない。したがって平地面積の利用のためにはいろんな工夫があって制限があるということと、もう一つはかつての地震国というのも確かにございます。そういう制限を緩和しようというので行革審で今、七十項目ぐらいあるそうでございます、それを今一つ一つ点検していただいて、近くというか、七月でございましたか、結論が出る。今おっしゃるような方向をだれもが考えているんじゃないかなというふうに私も思っております。
○青木茂君 その点はよくわかりました。ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 それから、内需拡大でよく問題になるのは公共事業なんですけれども、私は公共事業も必要だと思うんだけれども、穴を掘ったり埋めたり、埋めたり掘ったり、例えばガスと水道を一緒にやれば済むやつを、別々に別々の業者がやって、大体きのう私の家なんかは、夜中の一時から始めて明け方の五時まで水道工事をやっていたんですけれども、聞いてみたら商店街の都合だとか。サラリーマンの住宅地に商店街の都合でやられちゃかなわぬじゃないかと言ったんですけれども、どうも私は少しGNPのむだ遣い、公共事業というのは本当に国民経済に対して意味があるのかないのか、公共事業のための公共事業に終わってしまうという弊害があると思うんです。 そういう意味において、私は、これから公共事業ということをお考えになるのは、事業を取っちゃって、民活をやるんだから、民間の仕事に金が足らぬ場合の利子補給みたいなものに少ない予算であっても使ったらどうか、政府みずから事業を発注するのではなしに。それが民活につながると思うんですけれども、これはどうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 利子補給をやる民活方式といえば、将来の課題として、恐らく関西空港とかそういう問題にも出てくる課題だと思います。今でも特利でやっておるとすれば、地域開発とかあるいは都市再開発の駅前広場とか、開発銀行の金を打ち込んでそれの利子をある程度補給しておる、こういう政策があると思いますので、そういういわば一般財源である生の金を使うことなく民間活力に対してのインセンティブを与えるような政策というのは、事業費を確保するためにもより必要になってくるのじゃないかと思います。それは道路公団にしましてもスイス・フラン建て債を入れたり、いろんな工夫をしておりますし、それから縦貫道は別として、横断道になりますと必ずしもペイしないということになれば、三%を上回るところは補給するとか、そんな知恵は出しておりますので、民活の事業が行われる可能性のある環境づくりの公共事業というようなのをやるのがいいことじゃないかなというふうに思っております。
○青木茂君 そこら辺のところは、よくわかったようなわからぬような話なんです。 もう時間があと二分ですから、お答えをいただく時間的余裕がございませんから、ちょっと最後に意見を申し上げておきますけれども、これは大蔵委員会より外務委員会かもしれないんだけれども、対米黒字は何も私、日本だけじゃないと思うんですよね。これちょっと教えてくれませんか、対米黒字の数字。
○政府委員(行天豊雄君) 米国の統計によりますと、昨年の米国の赤字が全体で千二百三十七億ドル、これは貿易収支でございますが。でございますが、そのうち対日本の貿易赤字が三百七十億ドル、これは前年、一九八三年に比べまして百五十三億ドルの増加でございます。そのほか、カナダに対する赤字が二百五億ドル、これは対前年比六十二億ドルの増加。それから中南米諸国に対する赤字が百八十億ドル、これも対前年比三十三億ドル増。それから、EC諸国に対する赤字が百三十四億ドル、これも対前年比百十八億ドル増。台湾に対する赤字が百六億ドル、これは十一月まででございますが、これは前年比三十七億ドルの増ということになっております。
○青木茂君 ありがとうございました。 それで、にもかかわらず、袋たたきになっているのは日本だけ。これはどういうことなんだろうか。例えば徳川幕府でいえば、日本は外様大名であってほかの諸国は譜代大名だから余り文句をつけないということでは、日本はアメリカに対して譜代大名だと思っておるのに実は外様としか見られていない。私は何か、これは外交政策に問題があるのじゃないかという気がしてしようがない。 ですから、これも笑われてしまうことだけれども、私は対米黒字国のサミットか何かやって、全体としてどうやってアメリカに対応するかということを考えるのも必要だと思いますよ。ほかにも対米黒字を持っている国があるにもかかわらず、日本だけが問題にされているということは少しおかしいじゃないかという気がして仕方がございません。 終わりますけれども、大蔵大臣、上があるんだから、大蔵大臣以上の。ある委員会で言ったんですけれども、だめですよ、松平定信だとか水野忠邦だとかいう印象を与えたら。それは極端なイン フレ政治家になってもらっても困るけれども、デフレ政治家というのも余り未来がないですね。井上準之助さんもそうです。ひとつここで竹下ビジョンを、きょうは時間がないですからいいけれども、思い切った黒船時代の竹下政治ビジョン、これをいつの日にか伺わせていただきたいと思います。 質問を終わります。
○委員長(藤井裕久君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 午後一時五十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時五十二分開会
○委員長(藤井裕久君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 日本開発銀行法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案及び登記特別会計法案の三案を便宜一括して議題といたします。 三案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 まず私は、大変恐縮ですが、原則的なことを伺っておきたいと思うんです。 政府系金融機関は現在、二銀行と九公庫だと思うんです。従来、医療金融公庫がございましたが、統廃合の関係で九公庫だと思っております。 そこで、この政府系の金融機関のそれぞれの設立の目的というものを見てまいりまして、各根拠法第一条を全部改めて見させていただきました。この中で、日本輸出入銀行、それから日本開発銀行、北海道東北開発公庫、それに公営企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、この五つが、それぞれ根拠法の第一条を読んでみますと、一般の金融機関が行う金融を補完する、または奨励する、こういうふうに書いてあるわけですが、この補完という意味合いはどういう意味合いなのか、まずお伺いしておきたいと存じます。
○政府委員(吉田正輝君) 確かに先生御指摘のとおり、それぞれの設立根拠法におきまして、民間金融機関を補完し、または奨励すること、あるいは一般の金融機関が融通することを困難なものを融通することとされていることは、御指摘のとおりでございます。 その補完の意味でございますけれども、これは民間金融を補完するということでございますけれども、具体的には、例えば貸し出しの場合に、一定の融資比率、民間に対しまして、政府金融機関がこれだけの融資比率に限定するとか、あるいは融資限度額の設定、例えば国民金融公庫などにおきましての貸出限度額のような、限度額の設定というような分け方が一つございます。それからもう一つは、民間金融機関の補完でございますので、協調融資を行うということが第二番目でございます。それから第三番目には、これは融資対象者の取引先でございます民間金融機関等と十分連絡をとっていくというような措置により、このような原則の実行が図られておるわけでございます。
○鈴木和美君 こちらに来るときに私今、辞書を引っ張ってきたんですが、補完という意味は、「足りないところをおぎなって完全にすること」というのが日本語の辞書なんですね。それで、私また素人ですからよくわかりませんから、九公庫の方は結構でございますから、特に今法案が輸出入銀行と開発銀行ですから、輸出入銀行と開発銀行のいわゆる補完というものはどういうことをやろうとして設立されたのかということを、もう一度答弁してくれませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 輸出入銀行及び開発銀行につきましては、それぞれやはり法律の目的にございますとおり、まず第一に、輸出入銀行について申し上げますと「金融上の援助を与こることにより本邦の外国との貿易を主とする経済の交流を促進するため、一般の金融機関が行う輸出入及び海外投資に関する金融を補完」、それから日本開発銀行の方は「長期資金の供給を行なうこと等により産業の開発及び経済社会の発展を促進するため、一般の金融機関が行なう金融等を補完」、こうまず法律に目的が書いてあるわけでございます。 これは歴史的、経済的に見てまいりますと、そういう法律的目的がございましてそれぞれ昭和二十年代に設立されたわけでございますが、時代の変遷に従いましてそのときそのときの政策ニーズはございますけれども、だだいま申し上げたように、片方は対外経済関係の金融につきましての補完、それから開発銀行につきましては長期資金ではございますけれども総合的な金融を行うことについての補完、先生がおっしゃいます、それはもちろん民間金融機関と協調いたしまして、例えば輸銀の場合ですと七割程度などが基準になっておりますし、開銀につきましては例えば融資比率につきますと四割程度などが一つの基準でございますけれども、そういうようなことで、補いまして完全な形にするというようなことで補完を行っているということでございます。 それぞれ、時代的にはその政策ニーズの変遷によりましてそれぞれの役割は変わっておりますが、基本的には、今申しました対外経済関係を輸銀が、日本開発銀行は総合的にと、こういうふうに申し上げることができると思います。
○鈴木和美君 輸出入銀行と開発銀行の根拠法の中でたった一つだけ私は違うことを感ずるんですが、これはどういう意味なんでしょう。 例えば、輸出入銀行の方の根拠法の一条は「海外投資に関する金融を補完し、」と書いてあります。それから開発銀行の方は「一般の金融機関が行なう金融等を補完し、」と書いてありますね。この「等」というのはどういう意味ですか、どう違うんですか。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま、金融の機能といたしましては、大きく広義で申しますると融資、保証、それからあるいは場合によっては出資も入るかもしれませんけれども、この場合に、輸出入銀行の場合は金融は狭義の厳格な意味での融資だけに限っておりまするけれども、開発銀行の場合には出資が入っておりますので「金融等」という言葉になっておるというふうに理解しております。
○鈴木和美君 この「等」というものは、開発銀行の場合には出資も含まれているというように解釈していいんですね。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおりでございます。
○鈴木和美君 そうしますと、今回法改正で、出資をするということが一つの大きい目玉になっているわけですな。だから法律を改正したいと言っているわけでしょう。何も改正する必要はないじゃないですか。
○政府委員(吉田正輝君) 当初の日本開発銀行ができましたときには出資は入ってございませんでしたけれども、ただいま、非常に限定的ではございますけれども、大規模工業基地について、その必要がある場合には出資ができるという、規定を申し上げさせていただきますと、現行法上ございます規定でございますが、ただいまの開発銀行法の第十八条、業務の範囲の中の第五号でございますけれども、「産業の開発の程度が低く、その振興を促進する必要がある地域において大規模な工業基地の建設事業を行なう者に対し、大蔵大臣の認可を受けて、当該建設事業に必要な資金の出資をすること。」ということで、極めて限定的でございますけれども、昭和四十七年にこの出資の事業の実は芽があるわけでございます。そのときに「目的」も「金融等」という言葉にいたしまして、補完の内容を明らかにした次第でございます。
○鈴木和美君 今度の法案の中身を見てみますと、今局長が読まれたようなことが確かに書いてあります。これはこの前省からもらった資料の中でも、日本開発銀行の昭和二十六年四月二十日というこの設立のときに根拠法第一条にどう書いてあるのだと言ったら全部これメモってくれたんで すが、そのときから「等」というのは入っていたんですか、今のお話のように昭和四十七年から入ったんですか、どっちなんです。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま私が申し上げましたとおり、四十七年に出資の機能をつけましたときに「等」を追加いたしたわけでございます。
○鈴木和美君 そうしますと、今回、出資をするというのは、後ほど議論させていただきますが、特別に法改正をしなくとも、前段の産業の開発というところに全部くくってやるということはできなかったんですか。改めて抜き出してエネルギーとか都市の開発とかというようなことを入れなければだめだったんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 後ほどまた御議論があろうかと思いますけれども、やはり政府金融機関といたしましては融資が本旨であろうかと存じるわけでございます。それで、その中で、抑制的でありながら政策ニーズのあるものにつきまして例示して、限定的にその出資の範囲を決めてまいりたいというのが、今度の法律を御提案させていただきました内容の一つでございます。したがいまして、現行法第十八条第五号のところでは大規模な工業基地の建設事業を行う者に対して限定的な例示をしたわけでございますが、そこのところを改めまして、新たなる政策ニーズを限定的に例示的に掲げて、同じ第十八条第五号を改正させていただくということでございます。
○鈴木和美君 よくわかりませんので後ほどまたこの時間で議論させていただきますが、時間の関係もありますから次に進ませていただきます。 政府系金融機関というものは、今局長がお話しになったように政策目的を置いた政策金融ですから、そういうことから見ますと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。 政府系の金融機関というものは、まず一つは、資金運用部からの資金の金利に事務経費を上乗せして融資するような、独立採算制の機関というのが一つ。もう一つのグループは、逆ざやで低利融資して、赤字部分を一般会計からの利子補給などで埋めている機関、こういう二つに大別して考えてよろしゅうございますか、間違いですか。
○政府委員(吉田正輝君) そういう分け方は、委員がおっしゃいますときには、恐らく一つは輸開銀グループのようなもの、それからもう一つは例えば沖縄振興開発金融公庫とか公営企業金融公庫等、そういう公庫の二つに分けておっしゃっておられるようなことではないかと私は理解しておりますけれども、原則といたしまして、確かに輸銀、開銀につきまして申しますると、融資するなり保証するなりに当たりましては、収支相償の原則ということで厳密な審査のもとにその独立採算制を規定しているわけでございます。それ以外の政府関係金融機関については、そういう規定は特にはございません。ただ、全体として政府関係金融機関としては、補助金を最初から予定するということではなくて、金融機関としての健全性の原則は全般的に流れておりますが、輸銀、開銀につきましては特にはっきりと収支相償、独立採算の原則をうたっているものと理解していただいてよろしいかと存じます。
○鈴木和美君 きょう私があえて二つに分けたことは、逆ざやで低利の融資をして赤字部分を一般会計から補てんをするというような、住宅金融公庫とか国民金融公庫とかこういう問題がありますが、きゃうはこの部分は時間がございませんから別にして、つまり資金運用部の資金の金利に事務経費を上乗せして収支相償でいくというような部分についてが、これ今回の法改正の中心だと思うんですね。 そこで、私は昭和二十六年という戦後の復興時に政府の金融機関が果たしてきた役割というのは、非常に大きい経済復興に関する政策目的を達成したと思っているんですよ。そこで補完という言葉を使うときに、今回の法改正の中の大蔵省の説明にも書いてありますね、開銀及び輸銀についても環境の変化に対応して「量的補完から質的補完への転換を図り、」と書いてあるんですな。それでこの補完というものが、量的補完というものと質的補完というものはどこがどういうふうに違うのか、もう一回教えていただけませんか。
○政府委員(吉田正輝君) まず量的補完でございますけれども、私どもといたしましては、この場合は、民間金融のみによっては所要資金の絶対量が不足する場合、その不足分を融資するもの、それで先生のおっしゃいましたように完全にする、量的に充足せしめるということと理解しております。 それから第二の質的補完でございますと、民間金融機関による融資条件ではプロジェクトの円滑な遂行が困難な場合に、一つは、金利あるいは期間あるいはリスクあるいは担保等の面で、プロジェクトの円滑な遂行を可能ならしめるような条件での融資を行うことであるというふうに定義づけることができると思います。
○鈴木和美君 非常にわかりやすく言えば、量的補完というものは金額総量のことであって、それから質的補完ということは金利が安いということですか。そういうふうに理解していいですか。
○政府委員(吉田正輝君) 質的補完の場合には融資条件において補完の役割を果たすというふうに申し上げましたわけでございますけれども、融資条件の中には、金利だけではございませんで、例えば期間というようなものもございますし、時によりましては、かなり限定されておるとは存じますけれども、例えば担保の点などのようなところがあると思います。 例示的に申し上げさせていただきますると、金利はこれは典型的な例でございますが、例えば輸銀におきましては、エネルギー資源の輸入投資金融については、通常長期プライムと同じ金利で貸している基準金利ではなくて、例えば六・〇から六・五%、開銀の場合には、例えば代替エネルギー利用促進融資などについては五・〇%というようなことが金利についてございます。 今度は期間について申し上げますと、開銀は例えば街区整備等のようなこと、それから国民公庫につきましては事業転換融資などで、例えば開銀の今申し上げました街区整備は二十五年、国民公庫の事業転換融資などは十五年というようなことの長期的な期間補完をやっている。期間補完という言葉でよろしいかと思いますが、期間補完を行っている。 それから、リスクというふうに申し上げたわけでございますけれども、例えば開銀は新技術開発、商品化試作等につきましては、これはかなりリスクが大きいと考えられる融資でございますけれども、その民間がやりにくい分野、リスクがかなり高い分野においてやっているものについては、リスク補完をして民間を誘導しているということが言えると思いますし、国民公庫などでは、よく言われておりますが、典型的には中小企業経営改善資金貸し付けなどでは無担保無保証融資などということがございます。 各種のいろいろの融資条件の中での補完をも質的に行っているということで、金利は典型的な最も大きな面とは存じますけれども、そういう面もございますということでございます。
○鈴木和美君 つまり、融資条件というものが質的な補完をするという場合の大きなポイントであるということですね。それは私もそう思います。 そこで、そういう条件が満たされておった、また満たされる環境にあったということが、二十六年以降高度成長を引っ張ってきた一つのメリットというか政策金融の非常に評価される部面ですね。午前の質問の中にもありましたように、いろいろな取り巻く環境が変わってきているわけです。そこで私は、日本経済がこれだけ発展をして、民間の金融機関が体力がついてきて、それで俗称政府関係金融機関のありがたみというものが薄れてきているというような、今報道や現況にあると思うんですね。 そこで銀行局長は、今まで支えてきたこういうような評価点と、現在の取り巻く環境の中で政府関係金融機関が持っている問題点というものを一体どういうふうに整理されて、どういうふうに我々に説明してくれるのか、そんな長い時間は要 りませんから、お願いします。
○政府委員(吉田正輝君) まさに先生がおっしゃいましたとおり、政府関係金融機関は戦後の復興あるいは成長について評価すべき役割を果たしてきたと思いますが、その中心はやはり特定の政策目的を実現するため、先ほど来申し上げていることでございますけれども、市場原理に基づく民間金融のみでは適切に対応することが困難な分野に資金を供給するということでございまして、ただいままでの発展過程の中では、例えば住宅政策、農林漁業政策、中小企業対策等それぞれの政策分野で重要な役割を果たしてきたというふうに考えられます。 ただいま御審議の開銀、輸銀についてかいつまんでその評価をさせていただきますと、開銀は総合的政策金融機関というふうに先ほど申し上げましたけれども、国民経済のときどきの政策課題に対応して、昭和二十年代の経済復興、三十年代から四十年代の高度成長の推進や地域開発、近年におきましては省エネ等のエネルギー政策面や国民生活環境の整備等において、大きな役割を果たしてきたと考えられるわけでございます。 それから輸銀につきましては、先ほど申しましたように対外経済政策にかかわる専門的政策金融機関といたしまして、戦後の復興期には船舶を中心とする重機機械の輸出を支援するということにより外貨の獲得に貢献し、また高度成長期にはプラント等の輸出の促進のほか、エネルギー資源等の開発輸入による重要資源の確保、海外直接投資の支援による我が国企業の国際化の促進等の面で、大きな役割を果たしてきたものというふうに考えられるわけでございます。 それで、今後のことでございますけれども、ただいま申し上げました歴史的に果たしてきた役割はなお存続するわけでございますけれども、今後は、開銀につきましては、創造的技術開発の推進、高度情報化の促進、民間活力の活用による社会資本整備等の面で、それから輸銀につきましては、輸入の促進や先進諸国との産業協力または累積債務問題の対応等の面で、これが特に最近内外における経済社会のニーズと存じますけれども、こういうそれぞれの面につきまして輸開銀はますます大きな役割を果たすことが期待されるという認識のもとに、今回の御提案をさせていただいているわけでございます。
○鈴木和美君 今回の法改正が提案をされまして、これは日経新聞だったと思いますが、「民間金融界は融資の分野の拡大を警戒」というタイトルで、輸出入銀行法の改正というものは歓迎をするような考え方があるが開銀とか中小企業の方の関係の方はどうも歓迎をしないというような、民間金融界、または産業界の中でそういう受けとめ方をしているというように報道されているんですが、そういうような状況にあるというように見ていいんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど来申し上げておりますが、戦後の復興あるいは高度成長においては確かに、それぞれ公的金融機関並びに民間金融機関は、資本の蓄積を行い同時に産業の金融支援を行うことによって、我が国の成長が官民の金融機関によって支えられてきたということは、これは大体我が国において定着した認識であろうかと思います。 しかしながら、安定成長に入りまして、金融の分野におきましては確かに量的にはかなり充足される面が強くなってまいりましたので、従来公的金融機関によって補完されておりました分野、特に開銀につきましては、長期金融の分野において競合する分野が出てきていることは事実でございます。しかしながら、その場合におきまして補完の役割という点は依然としてあるわけでございまして、長期の金融機関におきましては、収益性あるいはリスクの点というようなところ、あるいは金利の面というようなところでは、補完し切れない面が依然としてあるわけでございます。 歴史的に見ますると、開銀は、戦後の復興期においては電力、鉄鋼等の復興、発展にも随分力をいたしましたし、その後社会開発の面あるいは都市開発の面で、あるいは公害防止等の各種の面において、あるいは船舶、海運の面におきましても重要な役割を果たしてきましたが、最近におきましては、そういう意味で若干競合するところが出てきていることも事実でございますので、ただいまの先生が御指摘になりましたような面がございました。そこで、私どもといたしましては、民間金融機関と今回の法改正に当たりましても十分に意見を交換いたしまして、その上でこの法案の提出を行わせていただいておるわけでございます。
○鈴木和美君 もう一つ自分の意見を言う前に聞いておきたいことがあるんですが、これはどなたに聞けばいいのかわかりませんが、先ほどの午前のお話じゃございませんが、金融の自由化というものが非常に急テンポに進んでくるであろう。また、ある面では、民間の貸出金利の面では自由化が促進されているわけですね。そういう金融の自由化というものがもたらす政府金融機関への影響というものは、どういうふうに考えればいいんですか。 金融の自由化というのが非常に急テンポに進んでくるということが、もちろん民間金融機関にも影響がありますよ。しかし、政府関係機関に対してどういう影響を今もたらしているのかということを、どういうふうに集約して私は理解すればいいんですか、それを聞かせてください。
○政府委員(吉田正輝君) 金融の自由化は、大きく分けまして金利の自由化と結局業務の自由化というふうに分けられると思うわけでございます。特に、今の政府関係機関に対する金融の自由化の影響は、金利面において大きいというふうに私は認識しておるわけでございますけれども、金利の自由化、特に長期金利の分野におきましては、国債の大量発行を背景といたしまして、実勢化、自由化が実現しておるわけでございます。したがいまして、そういうことで長期金利が自由化、実勢化の中で、低下するなりあるいは自由に動くというような傾向にあるわけでございます。それから、その長期貸し出しにおきましても、民間金融機関では、これは業務の自由化ということで言ってよろしいのかどうかわかりませんが、例えば長短ミックスで長期の金融を長期プライムよりも安く貸し出すというような現象も出てきておるわけであります。それは一方では、長期プライムのいわゆる形骸化というようなことが指摘されているわけでございます。 それに対しまして、資金を財投資金から仰ぐわけでございますけれども、財投の金利というのは預託金利を基準として貸し出すわけでございますから、一方で貸出金利の基準となります長期プライムはかなり密接に動く、預託金利の方は余り動かないというようなときでございますると、長期プライムが下がるときなどにはややこの貸出金利の面におきまして厳しい競争にさらされるというようなこと、あるいは政策的ニーズをミートするのに果たしてどうかというような問題も出てくるわけでございます。もちろんその長期プライム、基準金利以外に特別な金利というものもございまして、政策ニーズに合わせて長期プライムよりも低く貸し出すことができるわけでございますけれども、そういう意味で、金利の面での自由化の面につきましては、相当に政府金融機関に対して影響するところが大きい。そこでそういう金利自由化の中におきまして、量的補完よりも質的転換ということで、質的な面、低金利あるいは政策金利によって供給する面だけではなくて、質的面を補完させていくということを今回の提案の一つの柱と考えておるわけでございます。 それから、先ほどのことでございますけれども、民間金融機関との競合ということがございましたが、私どもといたしましては、そういう点も考慮し、あるいは財投の今後のことも考慮し、その融資態度については質的な方向に重点を置きつつ、財投の依存度についても抑制的な方向で依存度を下げることといたしております。
○鈴木和美君 大蔵大臣にお尋ねします。 今、出口の方の問題についていろんな見解を聞いてまいったんですが、私は現在のこの金融状況 というものを見てみますと、政府系の金融機関が行わなきゃならぬ補完すべき役割というんでしょうか、それは非常に今低下しているというのが現実だと思うんです。それは高度成長時代の資金を必要とするときはよかったわけでしょうが、最近の状況というものは資金のだぶつきというのが現実にあると思うんですね。それからもう一つは、民間の機関自身が外債発行などによって外貨による調達もできるようになったし、それから時価発行の増資もやったり、転換社債を発行するとかというようなことで、企業自身も銀行離れといいましょうか、そういうようなことが現実にあると思うんです。もちろん金融の自由化というものが、今のお話じゃございませんが、長期プライムレートを下げてもう自由に民間がやっているような状況でしょう。そういう中で政府関係金融機関が何か仕事をしようということになれば、言葉はいろんな言葉を使ったとしても、実態は民間金融機関のところに手を出さない限り仕事が守れないというような状況に私はあるんじゃないかと思うんです。 ということは、長期プライムレートがつまりあってなきがごとしというような状況のときには、政府関係金融機関も勢いそのことのあおりを食うわけですから、今のような状態のまま推移していくということは考えられないんですよ。これでいいのかということになれば、私はそんな状況というものは早晩崩れちゃうんじゃないのかなというような展望を持っているのですが、そういう展望について私の考えというのは間違っていましょうか、大臣の見解をお尋ね申し上げます。
○国務大臣(竹下登君) これは戦後一番最初は復興金融公庫でございますか、そういう政策金融機関ができて、きょうも御審議いただいたりしておりますこういうものがそれなりの役割を果たしてきた。それは、開発途上国であったとは言いませんが、いわば今日の世界に冠たる経済国家ではもちろんない時代であったから余計そういう政策金融機関の、下世話な言葉で言えばありがたみがあったんじゃないか。それが、こういうふうに成長してきまして、今御指摘なさいましたとおり、いろんな手段でもって資本の調達をやっておる、それがさらには国際化していく、こういう時代には、政府機関の持つところの従来の範囲というものは、私はそれはだんだんニーズが変わっていくだろうと思います。しかし、あくまでも補完機関であるという認識の上に立っていきました場合には、研究開発の面でございますとか、あるいはまた、いわゆる海外経済協力の一環としての政策金融の果たす役割でございますとかいう点については、補完ということに徹していきますならば、私は適切に対応することによってその使命はやっぱりずっと続くものではないかというふうには思います。 恐らく鈴木さんのお耳にも時に入ったことがあろうかと思いますが、近ごろ、民間金融機関と競争して貸し付けの相手を探しているんじゃないかとか、そういう批判を私も耳にしたことがございますが、あくまでもそのときの社会的ニーズに対応したところの補完機関であるということに徹する限りにおいては、社会経済のニーズが大変変化してまいりますから、私は政策金融としての役割は引き続きあるものじゃないかなというふうに考えております。
○鈴木和美君 もう一つ、見解をいただくに当たって聞きたいんですが、今回の開銀法の改正をめぐって開銀は、現在あれは十一倍だったですか、開銀の法定与信限度倍率というのですか、あれが十一倍というように規定してある。ところが開銀側は、これの改正に当たって、十一倍を十二倍にしてくれという申し入れをなさったということを聞いているのですが、それが結局は実現されなかったわけでしょう。 で、十一倍というものがずっと続くのか、なぜ十一倍を十二倍にするということが実現できなかったのか、理由は何なのか、ここをちょっと聞かせていただきたいんです。
○政府委員(吉田正輝君) ただいまのところ与信限度倍率は、先生が御指摘のとおり、法律上十一倍になっておるわけでございます。 与信限度倍率は、資本金と法定準備金を分母といたしまして、貸付残高と保証残高と出資残高、開銀の金融活動を分子ということにいたしまして、いわばその自己資本分の与信ということが与信限度倍率であることは申すまでもございませんが、ただいまそれが十・八倍ということで法定の十一倍にかなり近づいていることは事実でございます。 これを見送りましたのは、ただいま先生なども御指摘がございましたように、民間金融もかなり力がついてきているというような現況、あるいは大臣がただいま申し上げましたような民間金融に対する補完の原則等を総合的に勘案いたしまして、それからこのたびの法律の御提案の趣旨は量的補完よりも質的補完への転換ということでございますから、今回この引き上げを見送ったものでございます。この開銀の出融資規模につきましては、今後も抑制的に運用しまして、当分の間はこの限度倍率の引き上げは行わないということにしておるわけでございます。
○鈴木和美君 大臣、今なぜそれを尋ねたかというと、質的補完という言葉は言葉としてはわかるんです、質的補完。けれども、その質的補完というものが実際に実行されるときにどういうことになるのかなということが、私ちょっと描けないんですよ。つまり、今までの量的補完から質的補完にするというのであれば、もっとわかりやすい素人向きな言葉で言えば、縮小均衡論みたいな、そういうふうにつまり、政府系というか財投というかそういうものがこれから進んでいくのか、やっぱり今までどおりにやっていくのかというようなことの疑問点があって、ちょっとぴんとこない。 それからもう一つは今度は、後ほど理財局長にお尋ねしますが、入り口の方ですね、郵便貯金にしてもそれから保険にしても、今までのような集まりぐあいではないわけでしょう。だから財投資金そのものも非常に下がってきているわけですね。だから、今そういうことが現象としてあって、それが根本的理由だから縮小均衡の方へつまり質的補完ということを言っているのか。そうじゃなくて、本当にもういわゆる産業界にしても民間金融にしても、政府出しゃばるな。出しゃばるなというところを大切にしたいということなのか。これは私は大きな政策金融としてのポイントだと思っているんです。 そう考えてきたときに、今回の法改正というものは一体どこに主眼があるのかということが、まだ完全に私は理解できないんです。そういう意味で、この質的補完というものの展望というか、もう一度大臣の、これからの出口、入り口のことも含めた大所高所に立った展望というものを聞かせていただきたいんです。
○政府委員(吉田正輝君) 大臣のお答えになる前でございますけれども、質的補完につきましては、例えばただいま御議論がございましたように金利補完とか量的補完というような面もございますけれども、政府金融機関の役割といたしましては、やはり補完には、例えばリスクの高いもの、あるいは収益性の観点等から、しかも政策ニーズとして高い分野、これは時代時代ごとに変遷するわけでございますけれども、そこに融資ないしは出資することによって民間を誘導し、その後収益性を得たるときにはそこから手を引くというような形での誘導機能などは、かなり重視すべき質的分野であろうかというふうに考えられるわけでございます。 そこで、今度の場合におきましても、例えば開銀について申し上げますと、現在の金融自由化の進展あるいは民間活力活用というような分野におきまして、民間ではなかなか進出できない分野についてまず誘導的な役割を果たす、あるいは、誘い水という言葉がよろしいかどうかわかりませんけれども、そういうような役割で経済社会の新しいニーズにこたえるという意味での機能整備の面があるわけでございます。 開銀について申し上げますと、まず民間金融に よっては適切な対応が困難な技術開発、それから都市開発、エネルギー等の分野において、民間活力を最大限に活用するために開銀の補完並びに誘導機能を整備するという観点から出資機能の整備を行うということは、これは民間の金融に対する補完という政策金融の基本に徹しつつニーズにこたえるという意味での質的な意味で重要であるというふうに考えられますし、輸銀につきましては、新たは保証機能などを付することによりまして民間の海外融資ないしは出資等につきまして補完的あるいは誘導的役割を果たすという意味で、質的転換と御説明しているわけでございます。
○鈴木和美君 大臣にお答えいただく前に理財局長にもうちょっとお尋ねしますけれども、今のは銀行の方の点をお聞きしたんですが、新聞でこれは見させてもらったんですが、財投研究会というのを私的におつくりになるそうですね、つくっていられると思うんです。これは何のためにつくられるのか。財投研究会というのは、どういう目的で、何のために、どういう環境があるからおつくりになるのか、その辺のところを聞かせていただけませんか。
○政府委員(宮本保孝君) ただいままでの御議論をお聞きしておりまして、先生御指摘のようないろんな財投を取り巻く環境の変化があるわけでございまして、私どもといたしましても、そういうふうな財投を取り巻く環境の変化、金融の自由化であるとかあるいは企業側におきます資金需要の変化であるとか、いろんな変化があるわけでございまして、それを受けまして財投全般のあり方につきまして幅広い勉強を行いたいということでございます。私どもだけで対応いたしますよりは、いろんな学識経験者の御意見をちょうだいしながら財投計画というものを策定していく必要があるのではなかろうかというふうなことで、若手、中堅の学者十二人ほどお集まりいただきまして、これは一々実は参上して御意見をちょうだいするという手もあるのでございますけれども、それでは非能率でございますので、とりあえず私どもの勉強会というものを開きまして、そこにお集まりいただきまして自由な御議論をいただくということで、その御議論の中から私どもが利用、参酌させていただく点があればそれを参酌させていただいて適正な財投計画を組みたい、こういう意図のもとに研究会を発足させたわけでございます。 したがいまして、あくまでもフリーディスカッションの場であるわけでございまして、一般の調査会とか審議会とか、御答申をいただくとか御提言をいただくとか、そういうような性格のものではないわけでございまして、私どもの勉強会、私どもの仕事に御協力をいただきたいというふうな意味の会でございます。
○鈴木和美君 それは何回かの議論のあれも見ていますからわかるんですが、私の聞いているのは、理財局長、そういう勉強会をやらなきゃならぬという客観的な条件ですね、それをちょっとしゃべってもらえばいいんですよ。
○政府委員(宮本保孝君) まず金の、原資面の問題があろうかと思います。先ほど来御指摘もあるわけでございますが、郵便貯金であるとか、あるいは厚生年金、国民年金等の原資が今後どうなっていくのか。基本的には、低成長の中で郵便貯金の伸びは鈍ってくるだろう。それから年金につきましても、積み上がるだけじゃございませんで、最近は受給者がふえておりますのでやはり支払いがふえるわけでございますので、その積立金の増加額がふえなくなってくるというふうな面もあるわけでございまして、そういうふうな面で原資的にはだんだん縮小していくだろう。 それからもう一つは運用の面でございますが、先ほど来お話がございましたように、資金の需要の実態が非常に変わってきておる。財投計画といいますのは、国の信用制度を通じて集められました有償の資金を、国と地方と財投機関、この三つにバランスよく配分していくというのが我々の役目でございます。それで、それぞれの部門の資金需要の実態というのは非常に変わってきつつあるわけでございます。最近は国の資金不足が非常に強くなってきております。それから地方等におきましても、今回の補助金の問題等もございますが、やはり引き続き資金需要が強い。一方、財投機関につきましては、高度成長期に比べますれば総体的には資金需要が鈍ってきておりまして、その辺のところも、一体今後国と地方と財投機関の資金需要はどうなるのだろうかというふうな見通しでございます。そのような問題についても御意見を賜りたい。 それから、その資金調達のコストの面でございます。金利の自由化が進みますと、基本的には、先ほど来御議論がございましたけれども競争が進むわけでございます。したがいまして、資金を運用する方ではだんだん下がってきますし、資金を調達する場合にはこれはまた今度預金金利といいますか、上がる可能性がある、そしてそれぞれの財投機関の利ざやが非常に縮まってくるというようなこともございまして、金利が運用が下がり調達が上がってくる、そういうふうな状況のもとで政策金融というのはどういうふうなあり方であるべきなのか。それからもう一つは、今申し上げました個々の財投機関の収支問題、こういうふうな問題等も絡めましていろいろな問題があるわけでございますので、この辺についての率直な御意見をちょうだいしたいというふうな研究会でございます。
○鈴木和美君 せっかくですから、理財局長にもう一つお尋ねしますが、先般の朝日新聞ですが、郵貯の預託金利の話で市場連動制を求めるというんですか、今のままの状態でおったんでは、財投そのものというか政府系金融機関が存続していくのにとても大変ですわね。そういうことで「市場連動を求める」というような見出しが入ったんですが、それは、もう一度ここで、どういう見解なのか。 そのときに、郵政省、厚生省と話を進めていきたいというようなことも書いてありますね。しかし郵政省の方の見解というのは、ここで改めてもう言わないほど、自主運用をやらせてくれということだって現にあるわけですね。片方自由化が進んで連動制であるならば、郵貯についても自主運用をさせてくれというようなことで、これはかたい意思として前からあるわけです。そのために郵政省と大蔵省が年がら年じゅうけんかしているわけでしょう。そういうような問題がこれからどういうふうに進んでいくのか、その辺も見解を聞かせていただけませんか。
○政府委員(宮本保孝君) まず預託金利の問題でございますが、預託金利は一方で預金者であるとかあるいは年金の積立者の利益を考えなくちゃいけません。他方で、政府関係金融機関の貸し付けあるいは道路公団等事業実施機関の資金コスト等を考えなくちゃなりません。いわゆる公共サービスを享受する国民の利益というものも考えなくちゃいけないわけでございます。要するに、預託者の利益とこちらからサービスを提供する際の利益の享受、この両方を考えなくちゃいけないわけでございますので、現在は、各種の金利体系の中で長期プライムレートとそれから預貯金金利等の間の適正な水準、双方を勘案して適正な水準に決めておるわけでございます。ただ、時期的には郵貯の金利の改定の際に改定してきたというふうな経緯がございます。 実は、従来は金利というのは大体一つが動きますと全部連動して体系的に動いたわけで、郵貯が動きますと長プラも動く、逆に長プラが動けば郵貯も動くというふうな金融情勢であったわけでございますが、最近は国債金利の市場実勢化の進展のもとで、先ほど来お話しございますけれども、金融緩和の状況のもとで長期の金利の方が自由に変動し始めまして、特に金融緩和の状態でございますからそれが低下してきているというような状況があるわけでございます。ところが、一方預貯金金利の方は、円相場等の問題もございまして公定歩合の変更がほとんど行われなくなってきておりまして、そのために預貯金金利も変動しておりません。これは預貯金金利がまだ自由化されていない規制金利でございまして、公定歩合の変動に連 動して動くというふうな慣行が今なお続いているためにそういうことになっているわけでございます。したがいまして、長期金利の方が下がってきておりまして郵貯の方が下がらないということもあるものでございますから、政府系金融機関の基準貸出金利とそれから預託金利との利ざやが非常に圧縮されてきているというふうな状況になってきておりまして、現在では一応〇・六%しかない。これは〇・九とか一・〇ないとなかなか採算が合わぬと言われておりますが、〇・六になってきているわけでございます。 それからもう一つは、資金運用部自体が国債を消化しているわけでございます。実はこの運用部が預かります預託金利、七・一%でございますが、今国債金利は表面で六・八でございますから、運用部が国債を持ちますと逆ざやになるというような状況が出ております。したがいまして、どうしても今過渡的な状況、預金金利が規制されておりまして長期金利が自由化されておる、こういう段階でございますので、預託金利あるいは財投金利はある意味では長期金利体系の一環として考えられるべき面も持っておる、そういう性格も持っているわけでございます。 そういうこともございますので、とりあえず預託金利の方を長期の自由化されている金利に合わせて変動してもらわないといびつな状態が出てきてしまうというようなこともございますので、とりあえず、預貯金金利は動かないけれども、そういう状態のもとで預託金利の方をできるだけ実勢に合わせた金利にしてもらえないだろうかというふうな考えのもとに、預託者側である郵政省または厚生省と話し合いをしていかなくちゃいけないのじゃないのかということで、話し合いを始めたい、こういうふうなことを考えております。 それからもう一つ、二番目の御質問でございますが、金融が自由化されましても、やはり先ほど来申し上げておりますように、運用部のお金といいますのは国の信用制度を通じて集められる資金でございますので、これはやっぱり先ほど来申し上げております、この資金を公共的に使用するということも非常に大きな役割でございまして、それのために財政金融当局であるところの大蔵省が一括してこれをまとめまして、そして先ほど来申し上げておりますように国と地方とそして財投機関、この三つに大所高所に立った上で適正なバランスをとった資金配分をしていく必要があるということでございますので、やはりそういう役割は、今申し上げました公的資金の性格からいいまして、金融の自由化が進みましてもこれはやっぱり堅持されるべきじゃないだろうか。これは臨調の答申にもそういうことが言われておるわけでございます。やはり統合運用の実はこれは堅持したい。ただ、郵政の方の会計のこともございますから、この預託金利につきましての決め方でございます。これはやっぱりまた年金の金についてもそうでございますけれども、財政金融当局といたしましても、郵貯の会計あるいは年金の方の会計、そういうものにも十分配慮しながら預託金利を決めていくべきじゃないか、そういうふうに考えております。
○鈴木和美君 せっかくですから開発銀行総裁に一言お尋ねしたいんですが、今議論してきたように、民間金融の方は長期プライムレートがだんだん形骸化していくというような状況の中で、政府系の金融機関は、それを全面的に民間が崩すというんなら別ですけれども、現にあるわけですね、ですからどうしてもそのことを見ながら横ばいで貸し出しということになりますね。勢い、貸出先にしても、経営にしても、運用にしても、私は大変な時代に来ているんだなということを感ずるんですが、預かっておられる総裁としてはこの問題についてはどういう御見解をお持ちですか。
○参考人(吉瀬維哉君) 確かに、御指摘のようにプライムレートの形骸化というのは若干進行していると思います。ただ、委員御承知のように開発銀行は基準金利は現在七・七でございますけれども、特利体系というのがございまして、先ほど来御説明がありましたとおり、これはエネルギー特会から補給を受ける金利で例外でございますが、最低の特利が七・一、最高が七・六五というぐあいに分界してやっております。したがいまして、開発銀行の貸付金の今の利回りが大体五十九年度は七・三五というふうなことでございまして、ややそういう特利の展開を通じて弾力的な運用をしております。 ただ、基準金利という制度は十分ございますので、相当部分の金利が基準金利で行われていくこともまた事実でございますけれども、私どもは御指摘の市中金利の実態と、それからもう一つは、やはり開発銀行は原資の大宗を、約七割を運用部から借りておりまして、一割が外債、二割が自己資金というようなことで資金構成もございまして、開発銀行は一面におきましてやはりふさわしいような効率を上げまして一定の収益を上げなければいかぬ、そういうような制約もございますので、その両面を勘案いたしまして、健全でかつ民間のニーズに応ずるような金利で運用していきたい、こう思っておる次第でございます。
○鈴木和美君 大臣、持ち時間がわずかなものですから、今議論した中を私流に総括してみますと、政策金融というものをめぐって大変曲がり角に来ているということは否定できないと思うんですね、出口も入り口も含めまして。それで、政策金融を根本的に見直した方がいいというような意見、つまり資金がだぶついているというような状況、だから政策金融を行う土壌が全く変化しているんじゃないかというようなこと、それから先ほども申し上げましたように、民間金融の体質が強化されてきたから余り政府系の金融機関が出るとやっぱり業域を圧迫するというような問題点が指摘されているわけですね。それから、金融の自由化が進めば進むほど資金調達のコスト、貸出金利、逆ざや、そういうことが必ず問題になって、財投パンクですわね。そういうような状況と、それから今の、お話が出たように郵貯の伸び悩みというのがこれ現実にあるわけですね。それで、民間の金融機関もいろんな商品を出していっていますから、郵便貯金の定額の価値感というものが下がってきている。大臣、減税をちっともやってくれないから、景気も悪いから、なかなかそっちの方にお金が回らないというようなことなどからして、政策金融そのものを根本的にもう見直さなきゃだめじゃないかという意見が私は相当あると思うんです。片や政策金融というものは、つまり政策達成の手段というものは税でやるか補助金でやるか政策金融でやるかしかないんですから、そういう面から見ると、財政再建期間中は政策金融でやった方がいい、相変わらずその方がいいんだというような論もうかがえるわけですね。 さて、そういう状況の中でこれから大臣として、六十一年度予算編成も間もなく控えて、国会が終わったら私は大変なことだと思うんです。それで時々新聞で見るのには、大蔵省というのは局があって省がないと書かれています、理財局長一番振り切っているとこんな新聞にも書かれていますよね。だから、大蔵省というものがもう少し総合金融政策についてしっかりしたものを持たないと、それぞれがパート、パートで研究会を開いてもらうのはいいと思うんですけれども、ただ研究会で華々しくやってみたってどうにもならないんですから、そういうことを考えて、この政策金融の展望について大臣の見解を一言聞いておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 昔、といいますか、物の本で読んだことがありましたが、一九四五年に戦争が終わって、四〇年代における政府の経済対策というのは何があったかといったら、二つあると思うんです。一つは新円発行、モラトリアム、一つは復興金融公庫。なるほど、あのころのことを想起してみますと、本当に復興金融公庫なんというのはまさに政策そのものの金融機関であった。それから次の時代がどうなっていくかといいますと、やっぱり輸出競争力、国際競争力をつけようということと、もう一つは地域開発。そこで開発銀行なんかで、当時体制金融と言われた、今で見ればむしろ経済摩擦の種になるような自動車の部 品なんかに体制金融をしまして、その間はノックダウンの進出も認めないでおいて国際競争力をつけていったわけです。これらはまさに目的を達成してしまった。それから、地域開発と外貨獲得の意味もあったそうでございますが、地域にホテルを建てるやつ、それからもう一つは、地域に向いた産業誘致の際の特利による地開枠、地域開発枠でございますか、そういうような政策金融というのが非常に用を足してきた。 だんだんそのニーズが変化してきまして、今度はいわば試験研究とか、そういうまだ収益性の見通しがつかないもの、あるいはリスクを伴うもの、そういうところへずっとニーズが変化して、それに対応して私は動いてきておるというふうには思います。 その議論をしますと、あるいは鈴木先生もそんな議論はお聞きになったことがあるかと思いますが、そういうのは全部一本にして、どこかで、国債か何かで調達して、むしろ利子補給制度をプールしておいてやれば目的を達するんじゃないか、こういう意見が出ましたり、それから今おっしゃいましたとおり、税でその試験研究等の設備投資については面倒を見ればそういう特利とかいうものは必要ないじゃないか、こういう議論が出てきたりしておるわけです。だが総合的に見ますと、補助よりは融資という感じになってきておりますわね、最近日本経済全体に力がついてきておりますから。そういう意味においては、私は政策金融というのは依然としてその必要性は強いじゃないか。そこで、補完に徹するということと、いわば適切な貸出先の選定ということが問題ではないか。今おっしゃいましたように、金利の問題についてもお触れになっておりました。全体が大変化してきておるわけでございます。金融の国際化、自由化、それは本当に、道路公団も結構でございますが、公営企業金融公庫まで今外債を発行するというような時代でございますから、そういうものを確かに総合的に勉強していかなきゃならぬなということは、私もその必要性を私自身が認識しております。 それで、理財局長のときの財投研究会、見ますと、どっちかといえば私より若い先生ばっかりでございますが、大どころでどういうところがほかにあるかなといいますと、一つは、資金運用審議会というのがございます。これはまた偉いおじさんばっかり並んでおられます。ははあ、そうするとこの財投研究会で若い先生が勉強されたのをこの偉いおじさん——偉いおじさんと言っちゃ悪いですが、まあ確かに肩書きの大変な人、そういうところでもう一遍議論してもらうのも一つの手だなというふうな考え方を持っておるところでございます。
○鈴木和美君 私の持ち時間が八分までなものですから、まだまだたくさんあるんですけれども、直接法案に触れた問題で二、三尋ねておきたいと思うんです。 開銀の方で今回融資から出資の機能に広げるという問題がございまして、私は二つ問題点を提起しますので、ぜひ明快な答弁をいただきたいと思うんです。 まず一つは、これは大蔵大臣が、ここに前逓信委員長をやられております大木先生がおいでですが、電電の法案の審議のときに、いろんな研究開発の問題に絡んで、郵政省、通産省、それから電電、いろんな関係機関からのお話がございまして、私の理解なんですが、株の譲渡益とか配当益などの使い方については、小委員会をつくってそこでいろんな議論をした上で使い道を考えようやというような話があったように私は理解しているんです。ところが今回、国債整理基金であるとか産投というようなところに入れるということのようですが、これは私どもからいうと、どうも議論の経過というか、審議の経過を無視しちゃっているということに感じざるを得ないんです。そこで、基盤技術研究促進センターというところにこれ三十億出すわけでしょう。これは開銀は三十億でしょうが産投会計、財投からも充てるわけでしょう。そういうことになってきますと、従来の議論経過がどうも無視されちゃって事が運ばれちゃうというようなことの感じがいたしておりまして、私どもはこういうことに金を出すこと自身は決して反対じゃございませんけれども、もう少し議論経過を根本にした上での対応、対策というのが必要だと考えています。そういう意味では、議論経過から見てどうも不信感があるので、これは私は気持ち的には反対です。中身はよくわかりますけれども、そういう感じを持っていますので、大臣からもそのときの経過とこれからの扱いなどについての考え方をお尋ねしたいことが一つです。 それからもう一つの問題は、融資と出資ということでは大分意味合いが違いますね。従来、政府系の金融機関というものは、堅実性とか確実性とか、そういうものを主眼にして融資が行われてきたと思うんです。ところが今度、話を聞いてみれば聞いてみるほど、リスクが大きいというところで民間が手を出しにくいところへ出そうというんでしょう。だから堅実性とか健全性というものから考えるとこれは逆行ですね。そういう意味では、出資というものを本当にそういうふうに考えていいのかどうか。 この二つの点について疑問がございますので、まず出資のリスクの方から御答弁をいただけませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 出資の健全性、確実性が確保し得るかという御質問だというふうに理解いたしますが、確かに今度の出資につきましては、初期段階においてリスク性がある、あるいは低収益性ということで、民間だけでは適切な対応が困難である技術開発とか、都市再開発とか、エネルギーの分野において、民間を補完、誘導していく。そしてこの分野で政策緊要度の高いプロジェクトを適切に遂行するという目的でございますが、ただいま私も申しましたとおり、初期段階におけるリスク性、低収益性の問題がございます。そこで、全体といたしましては、手続的には法律にも出資対象を事業種類ごとに政令で定める。それから、実際の出資に当たりましては、個別に大蔵大臣の許可にかかわらしめるということで、健全性の点についても配意し、補完する出資先についても配意するという意味で、厳密な手続的な規定を設けておるわけでございます。 さらに、この出資の規模の点につきましても、このように限定的にしてあるわけでございますけれども、先生御指摘のとおり、開銀の基本業務は融資にあるということを考慮いたしまして、出資総額を現在の開銀の収益構造を変更しない範囲に制限いたしまして、開銀の財務の健全性を損ねることのないよう運用することとしているわけでございます。 それで、初期段階におけるリスク性ということはもちろんあるわけでございますけれども、このように手続の点、規模の点で十分に配意いたしますとともに、これが開銀の参加によって民間資金が誘導されて、これによってプロジェクトの円滑な推進が図られれば、逆にその収益も確保されてくると思います。それからもう一つ、開銀の審査能力はやっぱりこういう面においては非常にすぐれておるという認識を持っておりまして、開銀の審査能力によって長期的な回収可能性を十分識別判断されることが可能だというふうに考えているわけでございまして、こういう点でも、現在の開銀の財務基盤を損なわない範囲で対応することが可能であるというふうに考えているわけでございます。 しかし、いずれにいたしましてもこの健全性の点は十分配意しなければいけませんので、委員御指摘の点を踏まえまして、出資制度の運用に当たってまいりたいという基本姿勢でございます。
○鈴木和美君 大臣、さっきの小委員会のところをちょっと御答弁していただけませんか、逓信委員会の経過での。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる電電株をどうするか、こういうことがあって、私も、連合審査でございましたか、逓信委員会そのものでございましたか、確かに衆参両院出席させていただきました。それから、大蔵委員会におきましてもこの質 問はたびたびございました。ニュアンスで申し上げると、どちらかといえば大蔵委員会の方は、いわゆる国民共有の財産であるから国民共有の借金である財政再建の方へ使うべきだという雰囲気が多くて、どちらかといえば逓信委員会の方は、いわば電電公社の労使が協調して今日のこの実績を上げてきたから、言ってみれば会社のためにも、あるいはさらに先端技術等の開発のためにも必要な点に使いたい。ニュアンスで言えば、そういう発想の原点が多少違っておったような認識を受けながらおりました。 私は、終始一貫、国民共有の財産でございますから、いろんなことを考えて一番いいように使います、こういう趣旨の答弁をしておりましたが、そこで附帯決議等をちょうだいいたしまして、それで結局これが一番最高であろうというので、売ってもいいのは国債整理基金、売っちゃならぬのは産投会計。産投会計というのもまた問題がございまして、あれは最初はガリオア・エロアから変化したものでございますから、随分、政府関係金融機関の変化と同じように経済社会のニーズがずっと変化をいたしておりますが、そうしたものに使われたがよかろうというので今度の国会でその法律をお願いしておる。その法律を審議するに当たっては、どちらかといえば大蔵大臣は財政再建みたいなニュアンスの答えをしておったし、郵政大臣はどちらかといえば電気通信そのものというようなニュアンスの答えであったが、附帯決議等いろいろあったが結論としてこのようにいたしましたということを御説明申し上げておるわけであります。 したがって、それは拙速じゃなかったかという御議論もちょうだいしておりますが、ぎりぎり予算編成の段階で各方面の意見を聞いて決めた、こういうことになっておるわけであります。 私もこの間、鈴木さんのたばことそれから電電、NTTの株券をちょうだいしまして、本当にたった四枚でございましたが全部で八千八百億円。それは日本政府が株主でございますけれども、書いてあるのは大蔵大臣と書いてあります。株主総会に出てみたら、株主はたった一人でございますから、ただいまから株主総会を開きます、御異議ありませんか、はい、というような、生まれて初めて経験をさせていただきました。あれが四枚になったという経緯から見ますと、現状ではあれが一番適切ではなかったかというふうな感じ方でもって、今日これからでございますけれども、財確法と一緒に御審議していただくという筋になろうかと思っております。
○鈴木和美君 大臣、何かあるそうですから、どうぞ。 私の持ち時間はあと三分ぐらいでございまして、先ほどの銀行局長からの話、私どもとしては、今大臣からそういう答弁をいただきましたが、いろいろな政治的な問題も絡んで処理した経過がございますので、基盤技術研究促進センターというものに出資をするということについては、どうも賛成しかねるところです。 なおかつ、私は、政府金融機関がこういうリスクの大きいところにまで本当に手を出していいのかということについても、これはもうちょっと考える余地があるのじゃないのかなと思っている次第でございます。 一番最後ですが、せっかく輸銀総裁もおいでになっておりまして大変申しわけなくて、一つの項目だけ見解を聞いておきたいと思うのです。 輸銀には大変失礼な話になるかもしれませんけれども、金融の自由化とか民間活力を活用するというような必要性から考えますと、輸銀の業務範囲について、輸銀金融あるいは海外事業金融といった分野よりも直接借款などの経済協力の方に重点を置いていった方がいいというような意見がございまして、むしろ輸銀よりも緩い条件で開発途上国への融資を行っている海外経済協力基金というようなものと一体化したらどうかというような意見などもあるのでございます。 これに対しての総裁の見解はどんなことであるのか、お伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(大倉真隆君) 大変ただいまの御質問、いろんな要素を含んでおりますのですが、一つ、海外経済協力基金と私どもの仕事の分担でございますけれども、これは御承知のとおり海外経済協力基金は、主として狭い意味での経済援助を担当いたしております。したがいまして、貸付条件も、通常の市中金利では全く考えられないいわゆるソフトな条件で長期間の金融をいたす。私どもの銀行は、通常の市中条件あるいは一部若干それよりも質的に優位な条件で、我が国の現在置かれております状況に十分適応しながら、先進工業国との間ではいわゆる産業協力、先方の国におきます雇用の増加というようなことに役立ちますように海外投資を、私どもができる支援をいたしたい。 時間がなくて恐縮でございますが、例えばアメリカに自動車工業が出ていくとか、フランスでゴム工業の工場を日本の企業が買い取って経営するとか、いずれも先方も歓迎しておるわけでございますから、そういうことを考えてやってまいる。 また、開発途上国に対しましては、それぞれ現地で、日本からの投資をぜひしてほしい、それに伴って日本の経営及び技術のノーハウを移転してほしいという要望が非常に強いのは御承知のとおりでございまして、そういう分野で今後とも必要な支援をしてまいりたい。ただ、その場合の条件は通常の市中条件とほとんど変わりません。特定のものにつきましては若干市中金融よりも有利な条件を付しまして、それを呼び水として市中と一緒に必要な金融をつけてまいりたい。 そういうやり方で、今後とも、国全体として必要な政策に私どもの活動が役立つようにやってまいりたい、そう思っております。 御質問に全部お答えできているかどうかわかりませんけれども、とりあえずそういうお答えをさせていただきたいと思います。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。 ─────────────
○竹田四郎君 大臣がいませんから、細かい事柄について質問してみたいと思います。 政府の印紙収入の中で登記関係の収入部分、これは当然登録税も入ってくるだろうと思うんですけれども、どのくらいの金額になるんですか。
○政府委員(枇杷田泰助君) 印紙収入という形では実は把握できておりませんけれども、私どもの方で登記に関する登録免許税並びに手数料として統計をとりました金額はほぼそれと同じ程度の金額が印紙収入の中での内訳ということになろうかと思いますが、その金額で申し上げますと、昭和五十八年度におきまして五千七十三億一千三百万円ということになっております。
○竹田四郎君 ことし一般会計から、これ九カ月分ですか、三百七億特別会計に繰り入れますね。この三百七億の数字の細かいことを、どういう数字が幾らでどういう数字が幾らでというその細かい数字のことをちょっと言っていただけませんか。
○政府委員(枇杷田泰助君) この特別会計の一般会計からの繰入額はただいまお話しございましたように三百七億円でございますけれども、これはまず登記事務に必要な経費全体を五百五十五億、端数を切り上げますと五百五十六億になりますが、そういう金額として計上されまして、その中から手数料として上がる金額、その見込み額を差し引いた金額が三百七億円になるわけでございます。したがいまして、収支差額で出てまいりました数字でございますので、その内訳ということは明確に申し上げられる性質のものではございませんけれども、ただ大ざっぱに申し上げますと、事務経費の、物件費的に申しますと、手数料見合いの方の情報処理関係の経費以外のところが一般会計からの繰り入れ分に相当するであろうというこ とが一応言えるかと思います。その金額が十六億でございます。残りが、登記全体の中での管理運営経費という中に入っておるということに相なろうかと思います。そういう関係で申しますと、三百七億から十六億余りを引いた約二百九十億ちょっと超える金額が、管理運営経費として一般会計から繰り入れるというふうなことが、逆算的には言えようかと思います。
○竹田四郎君 そうしますと、今の数字の中で登録免許税といわれて今後入る金額というのは、さっきの、これは五十八年度ですが、五千七十三億のうちのどのくらいになるんですか、五十八年度に直すと。
○政府委員(枇杷田泰助君) これは三百七億円と申しますのは、ことしと申しますか、昭和六十年度におきましては、七月からの九カ月の特別会計における数字でございます。ですから、単純に丸丸一年の経費との比較は困難かと思いますけれども、概算的に申し上げますと、大体何と申しましょうか、五千億分の三百億でございますので、それが九カ月でございますので、それをならして申し上げますと約一割見当というような形になろうかと思います。
○竹田四郎君 一割見当があれですか、登録免許税分という意味ですか。そうじゃないんでしょう。
○政府委員(枇杷田泰助君) ちょっと御質問に合わないお答えをしたかと思いますが、正確に申し上げますと、昭和五十八年度におきまして、先ほど申しました五千七十三億円と申しますのは、登録免許税と手数料との合計額でございます。登録免許税だけで申しますと四千八百二十九億円でございます。それに対しまして、平年度に直しますと一般会計からの繰入額が約五百億近くになろうかと思いますので、そういう意味で一割見当になろうかというふうに申し上げた次第でございます。
○竹田四郎君 この特別会計という形の中に一般会計から入る金額の方が、その後の六十一年、六十二年にいたしましても、一般会計からの繰り入れ分の方が手数料収入より多いようですね。しかも、この一般会計から入れるのは何かというと、全体の経費から手数料収入を引いた残りだ、こういう極めて大ざっぱな数字ですね。 もともと特別会計にする理由というのは、コストを明確にするとか、収益を明確にするとか、一般会計ではないような、民間の会計によるような、収支計算をはっきりするものという意味で、特別会計というのは導入されるはずですよ。それが、今のようなどんぶり勘定で、これが特別会計でございますという形で入れて、それが本当の登記会計を合理化していく、そういうものに果たしてなり得るんですか。私はここに非常に疑問があるんです。ですから、将来は恐らくこうしたものは、人件費も含めて、そしてこれが収支相償うかどうか、こういうことを見ていくべきだと思うんです。それがこういう形でどんぶり勘定で計算をされていくということは、私は理解に苦しむんです。当然この三百七億は、これこれ、例えば人件費分は幾らだ、手数料分は幾らだという形で、明確に積算をした上でこういうような形にすべきじゃないですか。 私はこの辺がよくわからぬのですが、これは大蔵省はどうなんですか、こういう大ざっぱなものでいいんですか、特別会計をやるのに。私はこれは臨調の趣旨と相反すると思うんです。こういう大ざっぱなものを合わせて特別会計でございます、どこに一体特別会計の実際のメリットというものがあるんですか。よくわからぬのですよ。
○政府委員(保田博君) 特別会計を設置することとしたメリットということでの御質問でございますが、我々としましては四つばかりあろうかと思います。 まず第一点は、登記関係の手数料収入が登記関係の事務のコンピューター化に要する費用に充当されるという、収入と支出との対応関係が明確になるというのがまず第一点でございます。それから第二点は、特別会計になりますと、その一年間の収支の結果生じた剰余金というものを翌年度に繰り入れるということが可能になります。したがいまして、手数料収入というものを長期的、安定的にその水準を設定することが可能になるというのが第二点でございます。それから、今年度の予算においては計上いたしておりませんけれども、施設費の財源に充てるというようなことのために長期借入金を計上するということも、特別会計を設けることによりまして可能になるということが第三点。それから第四点としますと、予算総則に弾力条項を設けるということによりまして、歳入が予算を上回って上がるといったような場合には、事務費の増加を図るということも可能になるのではないか、というようなことを特別会計創設のメリットというふうに考えておるわけであります。 先ほど来法務省の方からお答えをいたしておりますが、登記という事務の中には、先生御承知おきのように、権利の設定あるいは移転といったようなことにかかわるいわゆる登記の審査事務というものと、それから登記簿の謄本、抄本を交付する、あるいは閲覧をしていただくといったような、いわば登記に関する情報管理といった仕事に大別できるのではないかと思うのでありますが、この二つの仕事というのは非常に密接不可分の関係にあるわけでございますので、この事務にかかわる収入と支出というものを分けて、一般会計と特別会計とに分けて計上するということは、非常に難しい問題を生じますので、一括して特別会計に持ってきたということでございます。 そして、その歳入につきましては、先ほど来法務省が御答弁いたしましたように、登記情報管理事務にかかわる部分は手数料にこれを期待する、その残余、結果として生じました歳入の不足額といいますか、歳入が歳出に足りない部分は、一般会計の繰り入れによるということにしたわけでございます。もちろんその歳出、歳入の中に占めまする特定財源の割合は高い方が特別会計設置の理由として御説明しやすいわけでございますが、歳出が区分しがたいといった点についてやむを得ない措置ではないかと思うのであります。 なお、特別会計の中で一般会計からの繰り入れが非常に大きい例としましては国立学校特別会計がございまして、国立学校特別会計の場合にはいわば一般会計がその歳入の三分の二、一般会計からの繰り入れが全体の三分の二を占めているという例もございますので、御理解を得たいというふうに考えております。
○竹田四郎君 聞いていて、大変苦しい説明をなさっているような気がするわけです。 これでいきますと、その手数料というのは結局、謄抄本あるいは閲覧の手数料なわけでしょう。登記事務そのものというのにもこれ事務はあるわけでしょう。その事務というのは一体どのぐらいかかるものかということは、大ざっぱで、全然明確でないわけですよね。その辺も明確にすべきじゃないですか。その辺を明確にしないと、人数からいきますと、この法務省で書いてあるものからいきますと、大ざっぱに言いまして、全体で現員が九千七百名ぐらいですか、その中で抄本関係の乙号事件の人数というのは四千七百人と書いてあるわけです。すると五千人というのは登記事務です、これに当たっているわけです。そうすると、五千人の人の事務手数料が一体どうなるのかということが明確にならなければ、このコンピューターを入れて一体どれだけ具体的に登記事務が合理化されたか、抄本とか謄本の方はわかりますよ、わからないでしょう。しかもこっちの方が、人数的に見れば多いわけでしょう。いずれの仕事にしても、どっちかというと人間のやる仕事の手間が多いわけですね。紙とか鉛筆とか判ことか、そういう消耗品の費用というのはこれは幾らもないと思うんです。電気、光熱費にしても幾らもないと思うんですよ。大体は人件費を中心とした事務費になると思うんですね。その辺を明らかにしなければ、将来どうなるかということはわからぬじゃないですか。 これは法務省にお聞きしますが、四千七百人の乙号の方は十年後には千五百人ぐらいになっちゃ う、こう書いてありますね。あとの登記事務の方は、今のところは五千人ぐらいですが、これはどのぐらいになるんですか。
○政府委員(枇杷田泰助君) 乙号以外の職員は実はもう少しおるわけでございまして、乙号で四千五百人と申しますのはいわば定員職員外の職員の数も入れておりますので、そういう数も入っておりますので、一概にその差がいわゆる審査業務に従事している職員ということにはなりませんけれども、ただいま御質問の趣旨の、コンピューターが導入される結果乙号以外の職員についてはどうなるかということについて申し上げますと、これはコンピューター化の効果と申しますのが非常に顕著にあらわれますのが乙号事務でございまして、甲号事務の方にも若干の好影響はありますけれども、それほどの何といいますか、減員効果が大幅に期待できるという要素はないと考えております。ただ、全体として一環としての作業でございますから私は好影響はあるだろうと思いますけれども、そう多くの減員効果というものは一般の審査事務の方についてはないのではないか。これからの逐次伸びていきます事件増というものにどう対処するかという問題がむしろあるぐらいではないかというふうに、私どもとしては考えております。
○竹田四郎君 そうすると、甲号の方は全然人は減らない、むしろふえる、甲号事務の方に従事する人はむしろふえる、こう見てよろしゅうございますか。
○政府委員(枇杷田泰助君) ふえると申しますのはこれからの事件の伸びぐあいの問題でございますので、これは非常に不確定なことでございますけれども、コンピューター化によりまして審査事務の方、甲号事件と普通言っておりますが、そういう事務につきましては私は減るという要素はそれほど多く期待できないのじゃないかという考え方を持っております。
○竹田四郎君 そうすると、結局はコンピューター化によって合理化される、人が減るのは謄抄本と閲覧だけ、ほかには効果ない、こういうことですか。
○政府委員(枇杷田泰助君) 人員の関係から申しますと大体そういうことになろうかと思いますけれども、実はその効果というので一番私どもがこのコンピューター化によって考えておりますのは、申請人に対する関係をよくしたいということが中心でございます。申請人、現在の状況でございますと、謄本をとりにおいでになる、あるいは登記簿を閲覧したいといっておいでになる方が、二時間も三時間も窓口にお待ちをいただかざるを得ない状況になっております。そういう状況を解消したいということがまず第一番目でございます。そういう解消する手だてとして、増員で賄うということはこれは至難なことである。それから、従来の通常の複写機であるとかそういうような機械器具を導入するのについては、もう限度が来ておるというふうなことがございます。そういう意味で、コンピューター化によって非常にお待ちいただくというふうなことがなくなり、しかも鮮明な謄抄本をお出しすることができるということでございます。 それから、特別会計の関係で申しますと、コンピューターのほかに、先ほど来話が出ておりますように施設の改善というものが余計に図られるようになるであろう。そうすることによって現在待合室で一時間も二時間も立ったままでお待ちいただくというふうな状況も解消できるというようなこともあわせまして、登記事務全般を申請人の方方に非常に利用しやすく御不便をかけない状態にしていこうということが一番のねらいでございます。それに伴いまして、乙号関係については職員の数も減らすことが期待できるだろう。その減らした職員もまた、従来若干手抜きと申すと語弊がございますけれども、事務の粗雑化を来しておったものの解消にも使うことができるだろう。そういうことで、内容的にも充実した登記事務が行えるようになるということを総合的に考えて、コンピューターというものがぜひ必要だという考え方になった次第でございます。
○竹田四郎君 そうしますと、乙号関係と機械と設備ですか、そのものだけを特別会計にすればいいじゃないですか。その方が明らかに、むしろ特別会計としての役割がはっきりするし、その効果というものが実にはっきりするんじゃないですか。登記事務の方は、いろいろなことをお聞きしてもよくわからないわけです。どのぐらいかかってどういうふうになっているのかよくわからないわけです。これについては今までと同じように普通の一般会計にしておく、そういうふうな分け方をしても少しもおかしくないじゃないですか。むしろその方が私どもにとっても国民にとってもわかりいい、こういうことになりませんか。あえて登記事務までこの特会の中に組み入れたという理由がよくわからない、そこに何かのメリットはとても認められない。先ほどの何か弾力性の問題なんというのも、それとは少しも関係ないわけですからね、金を借りる問題だって別に関係ないわけですから、むしろそうした方が私ははっきりすると思うんです。 大蔵大臣、僕はよくこれわからないんですが、どうして登記事務の甲号事件と乙号事件をひっくるめて一つの特別会計にしちゃったんですか。幾らお話を聞いてもどうもよくわからぬ。むしろ分けた方がはっきりする。
○政府委員(枇杷田泰助君) 確かにおっしゃるような問題はあるかと思いますけれども、実際の登記所の現状を見ますと、どこがいわば審査業務、どこが登記情報業務、先ほどの委員のお言葉をかりますと、甲号であるか乙号であるか、いわば甲乙つけがたいという面がございます。はっきりしたことで申し上げますと、全国に千二百四十九カ所の登記所が分散いたしておりますが、その中に百ぐらいの一人庁というのがございます。職員が一人しかいないわけです。この職員がすべての事務をやっておるわけです。ここを乙を特別会計で甲を一般会計でということでやりますと、支出の経理区分というものが実際上不可能になります。そういうようなことが一人庁の場合には典型的にわかるわけでございますけれども、そうでない庁におきましても、どこで支出のときに区分をするかということが非常に難しい問題でございます。そういう面で、支出の形からいたしますと、登記事務はやっぱり一本で処理をしないとこれは働かないというのが実態としてございます。 そういう面がございますので、特別会計としては登記事務全般をその他の法務局の事務から区分をいたしまして、そして歳入としては手数料で、それだけで賄えない部分、すなわち実質的には甲号分ということになろうかと思いますけれども、それは計算で済むことでございますのでそれを一般会計から繰り入れていただくということによって、有機的に動いておる登記所の支出がうまくいくようにという配慮から、このような甲乙あわせた登記事務全般の特別会計という形になったというふうに私どもは理解をいたしております。
○竹田四郎君 今、お一人でどっちをやっているかわけがわからぬというんですが、そういうところは当然、このお話の中にも統合するという話があるんですから、これから統合されていくんでしょう。片方でそういうコンピューターの端末をふやしていけばそんなものはできることですから、そう難しいことじゃないわけですよ。そういうふうに考えると、どうもあなたのおっしゃっていることは余りよく私にはわからぬのです。 それで、時間もありませんから具体的なことをちょっとお聞きするんですが、十何年かかって全部、今の登記所というんですか、それにいずれコンピューターを入れるわけですよね。そうすると、その間は仕事が二重になるわけですね。一つはブックシステム、閲覧なんかもまだブックシステムでやるところもあるでしょう。入れる途中においては当然二重になると思うんですね。ですから、その中間では人数は相当ふえるんじゃないですか。これが第一点です。だから、今のじゃとても足りないだろうという感じがいたします。 それから、将来そういうふうに十何年たってす べてがコンピューター化されたという場合に、そのコンピューターの端末というのはやっぱり登記事務所に行かないとだめなんですか。それはもう当然、今司法書士という人がいるわけで、そういう事務所にそういう端末を持たしていけばこれはもっと簡単ですわな。人がその辺は要らないわけです。そして司法書士のところでボタンを押せば、ちゃんと閲覧もできるし、抄本も謄本も出てくるようになるんじゃないですか。そういうふうにするおつもりなんでしょう。それでなかったらまた、コンピューターの本当の合理化の意味というのはないんじゃないですか。その辺をちょっとお話しいただきたいと思うんです。
○政府委員(枇杷田泰助君) まず、第一点の中間期間におきます人手の問題でございますけれども、このコンピューター作業をいたします際には、現在の登記簿に書いております事項を全部磁気ディスクの方に記録がえをしなきゃならないという膨大な作業を必要といたします。それについての作業にどういう人が要るかという問題と、それから、移しかえをしてから今度はいよいよ、登記簿の方をやめにして、コンピューターの方だけが登記簿なんだというふうに切りかえていくその中間過程があるわけです。ですからその中間過程では、登記簿も法律上生きておるしそれからコンピューターの方にも記録がされている。ですから、新しい事件が来たときにはその両方に記録していかなきゃならぬという状態になる、その二重手間が生ずるじゃないかという問題と、二つあるわけでございます。 一の、移行作業についての莫大な作業量があるというのは、これは主に部外の、何といいますか、キーパンチをするそういう会社の方に委託をするとかいうふうなことで、定員職員の手がかからないようにというふうなことで作業を進めるつもりでおります。ただ、最終的に登記簿に書いてあることが間違いなく磁気ディスクに入ったということは、これは確認をしなければなりません。その確認については職員の手間がかかるわけでございますけれども、これは、移行作業の進め方をあんまり一地域に集中しないようにいたしまして、そしてお互いの登記所の相互応援等でその点検作業は行うというふうなことで進めていきたいと思っております。 それから、中間の、いわば両方に入力をしなきゃいかぬという二重手間の問題でございますが、これも現在パイロットシステムでやっております板橋でも行っておりますけれども、一回コンピューターのキーをたたきますと、登記用紙の紙の方にワープロの作用で印字がされて、同時にそのことが磁気ディスクの方に記録される、一つの作業で二つのことができる、そういうワープロとコンピューターと結びつけた特殊な機械を開発して、導入してやっております。そういう方式でいたしますと二重手間という問題は解消するのではないか。そのほか、やはり二つのものがありますと細かな面ではちょっと問題が生ずる面もありますけれども、また逆に楽になる面もありますので、全体としては、並行処理をしている関係についての人手の問題は、私は問題になることにはならぬと思っております。 それから、第二番目の、端末を司法書士の事務所等に据えつけてそこで情報が引き出せるというふうにすれば便利ではないかというお話でございます。 私もそういう点は便利だろうと思いますけれども、この点につきましては、そういうふうにすべきであるという御意見と、それは少し問題であるというふうな御意見とがいろいろあるわけでございます。これは実は、私どもの方に民事行政審議会という審議会がございますが、そこらあたりにかけて十分御意見を伺いたいと思っております。 これは、何と申しますか、一つには、登記に入力されております情報というのが国民の財産に非常に影響があるわけでございます。現在でも地面師がそういうところをねらって登記簿の改ざん等をやるという事件が時々起きて、私ども頭を痛めておるわけでございますが、これがコンピューター犯罪的に潜り込まれてやられますと、大阪のどこかの大学で何かそういうことがあったように聞いておりますけれども、そういうことがあってはいけない。そうなりますと、いろんなチェックのシステムは二重にも三重にもしなければなりませんけれども、直接に外部から本体の方に接触できるということを少なく抑えないと、インベードされるというような危険が高まるわけでございます。そういう面からしても、この端末を登記所外に置くということについては問題ではないかという考え方もあるわけでございます。 そういうことから、私は、技術的には端末を置きさえすればどんどん出ていくということは可能でございますが、したがいまして、それをそういうことにまで拡大するかどうかというのは、十分に技術的にも検討をし、そういう形で情報が出ていくことがいいのか悪いのか、時間がかかって恐縮でございますけれども、一つにはプライバシーの問題もありましていろいろ議論があるわけでございますので、慎重に審議会で議論を尽くしていただいた上で決定をいたしたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 そういう御心配があるなら、私はここでぴしっと決めたらいいと思うんですよ。そういうふうに外部には出さない、登記所だけにとどめる、そのかわり若干金はかかりますね、おたくの方の勘定からいくと余計金がかかる、メリットが少なくなる。こういうことになろうと思いますが、それだけ心配があるなら、合理性はそこでストップする、プライバシーを守る、権利を守るということに、審議会にかけなくても私はそういうことを決めていいじゃないかと思う。その辺はもう少し法務省としてはっきりしてこれに臨んでほしいなあという気がします、なるべく早くはっきりしてほしい、こういうふうに思います。 それから臨時職員、今の話でもちょっと、いろいろインプットするのにはかなりの専門家が要るだろうと思いますよ。当分はその専門家によってインプットしていくだろうと思うんですが、恐らくそういう人たちが将来はやっぱり登記所に残っちゃう、そういう心配が私はあるような気がするんです。今の登記所なんて忙しいから、今登記事務をやっているのにおまえこういう勉強をしろなんと言ったって、恐らくとてもそんな勉強をしちゃいられないと思うんです。ある程度研修はしているでしょうけれども、とてもそんな、そういう人材がそろってからインプットするなんというような余裕は、今の登記所には私はないと思うんです。結局、将来、そういう人と入れかわっちゃうんじゃないですか。あるいは、その人たちは、例えば臨時職員というような形でこれからも、インプットする専門家ということで登記所の方でお雇いになる。そういうふうなことになる心配はないかということが言われているわけですが、どうでしょうか。 以上をお答えいただいて、最後に大蔵大臣に、去年私どもは特許特会というのをやりましたね。考えてみると、これは特許特会と似ているんですよ、そんなに離れていることじゃないんです。ただ、離れているのは、片一方は通産、片一方は法務省という役所のセクショナリズムでこれが離れているわけですが、私はむしろ特会としたら、一つの特会にして、そして片一方は特許勘定、片一方は登記勘定というようなことにしてもいいと思うんです。わざわざ一つの特別会計をつくる必要性はないじゃないか。むしろこの辺で、臨調の精神はその辺を要求しているのじゃないかと思うんですけれども、そういうことがなぜできないのか。 その二つをお聞きして、終わりたいと思います。
○政府委員(枇杷田泰助君) 先ほどのインプットの職員でございますけれども、先ほど申しました大量の移行作業のためのインプット作業というのは、これは外部の会社か何かに任せてやるというふうなことを原則的に考えざるを得ないと思っております。したがいまして、その職員が登記所の職員と入れかわるということは、これは実際上あ り得ないと思います。その後、並行処理期間中に今度は新しい事件が来ますと、先ほど申しましたように、登記用紙とコンピューター、両方に入っていくようなキーをたたいて入力するわけでございます。これは普通の職員がタイプライターを打つのとは少し違いますけれども、若干の講習を受ければ十分にその作業ができるというふうに考えております。現に実験でやっておりますところでもそのようでございますので、普通の法務局の職員が一週間か十日ぐらいの講習を受け、また実技の練習をすればできるようになっていくだろうと思いますので、そういう関係で職員が入れかわるというふうなことはないと思います。 なお、高度なシステムエンジニアとかあるいはプログラマーとかというふうなレベルの職員も若干名は必要になってまいりますけれども、これはそれほど大勢の人数ではございませんので、そういう技術を持っている方をあるいは採用したり、あるいは部内職員を長期間そういう学校に国内留学的な研修を受けさせるとかいうふうなことによって養成をしてまいりたいと思いますので、ただいまおっしゃいましたような問題は生じないものと思っております。
○政府委員(保田博君) 今回御審議をいただいております登記特別会計と、それから昨年お認めをいただきました特許特別会計は、ともに事務処理体制をコンピューター化によって合理化するという意味で、その創設の契機としましては全く相似たものを持っておるわけでございます。ただ、先生御承知のように、この両特別会計は、区分経理をいたします事務事業がやはり違うわけでございますし、その歳入も、片方は手数料であり片方は特許権という権利の設定といった特殊なものの対価といったようなものも含んでおり、それから先生が御指摘のように、二つの事務を所管します省庁が相異なるといったようなこともございまして、あえて一つの特別会計に統合するということはいたさなかったわけでございます。 理論的にそれでは不可能かと言われると、そうではないとは思いますが、従来といいますか、現在存在します三十八の特別会計も、似たような仕事を省庁が異なることにより、あるいは一つの省庁が行っている事務事業も幾つかの特別会計に分けてやっているといったような実態も考え合わせまして、二つの特別会計ということでお願いをしておるわけであります。 ただ、登記特別会計をお認めいただきましても、片一方であへん特別会計を廃止させていただいておりますので、特別会計の総数としましては三十八で増減なしということで御理解を得たいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今保田次長からお答えしたとおりでございますが、去年、特許特会をお願いして、あれはいいことだなと思いました。普通の場合、特別会計を認めるということは大蔵省も相当、臨調の精神もこれあり抵抗しますが、これがすんなりと、むしろ大臣の私が何かクレームをつけるのじゃないかというぐらいに心配しながら私の方へ上がってまいりまして、結果としてはいいことであったと思っております。したがって、ことしこの問題が出ましたときは、かねてから法務省の悲願であるというふうな話を私なりに聞いておりましたけれども、何だか似たようなものが出たなという感じを素直に私も持ちました。 ただ、大層あるいわゆる登記所の問題、私が観念的に感じましたのは、あの特許庁という一つの建物とそれから千何百のこれと、それが一緒になるというようなところまでは私自身気がつかなかったわけであります。しかし、私なりにやはり気になっておりましたのは、少なくともスクラップ・アンド・ビルドでないといかぬ。そして普通ならばその省から工夫して出してまいりますけれども、法務省にほかの特会をつぶすのはございませんから、それで探した上にも探して、あるいはかなり陳情もしたのではないかと思うのでございますけれども、厚生省のあへん特会がたまたま結果としてなくなりましたので数合わせはできた、しかし中身から言うと新幹線と乳母車ぐらいな違いの中身の特会だなという感じはしないでもございませんでしたけれども、やっとその限りにおいてはあへん特会をつぶすことによって整合性がとれたというふうに、そのとき私は理解したわけであります。
○委員長(藤井裕久君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会