大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/04/02
会議録
○委員長(藤井裕久君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月二十九日、後藤正夫君、志村哲良君及び吉村真事君が委員を辞任され、その補欠として福岡日出麿君、梶木又三君及び倉田寛之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) 去る三月二十九日、予算委員会から、四月二日午後一時から四月三日午後三時までの間、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、大蔵大臣から説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) 昭和六十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、五十二兆四千九百九十六億四千三百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、租税及び印紙収入は、三十八兆五千五百億円、雑収入は、二兆千百七十一億四千百万円、公債金は、十一兆六千八百億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十一兆四千六百四十九億八千二百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、国債費は、十兆二千二百四十一億五千八百万円、政府出資は、二千百二十億円、予備費は、三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算につきまして申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入・歳出とも百九十二億五千五百万円となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入四千二百四十四億九百万円、支出四千三百十九億三千三百万円、差し引き七十五億二千四百万円の支出超過となっております。 このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
○委員長(藤井裕久君) 以上で説明の聴取は終わりました。 なお、ただいま大蔵大臣から要望がありましたように、別途提出されております詳細な説明書は、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本件審査中、必要に応じ、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認めます。 なお、人選等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井裕久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤桐操君 私は、まず六十年度の財政投融資計画についての考え方をお伺いいたしたいと思います。 六十年度の財政投融資計画につきましては、総額二十兆八千五百八十億円、五十九年度計画に比較いたしまして一・二%の減となっております。財投計画の伸び率がマイナスとなったのは昭和二十九年度以来三十一年ぶりであるということになっておりますが、六十年度財投計画策定に当たっての基本的な考え方をまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 今赤桐さんがおっしゃいましたとおりの数字になっております。 財政投融資計画全体につきましては、対象機関の事業内容、融資対象等を厳しく見直しますとともに、資金需要の実績及び政策的な必要性を勘案して、重点的、効率的資金配分を行ったとしております。 まず一つに、銀行、公庫でございますが、銀行、公庫等の政策金融機関につきましては、民間金融に対する補完的機能に留意し、現在の金融緩和の状況も踏まえて資金需要の実態に即した貸付規模としております。 それから二番目は、公共事業実施機関でございますが、公共事業実施機関につきましては、六十年度の公共事業量確保の観点から執行状況を勘案して事業費の確保に努めました。 それから、その他の公団、事業団でございますが、事業の優先度を明確にして執行状況を勘案して事業規模を設定いたしております。 それから次は、地方の関係でございますが、地方公共団体につきましては、国及び地方の財政事情を考慮しつつ投資的事業の推進と地方財政対策の円滑な実施に資するよう配慮しております。 それからもう一つは国債引き受け、こういうことになりますが、資金運用部によります国債引き受けにつきましては、五十年度以降大量に発行されてきた国債の償還、借りかえが本格化するという要因があることを勘案いたしまして、国債の消化を円滑ならしめるため、前年度比一兆四千億円増の五兆円を予定しております。 なお、借換債の円滑な消化に資するため資金運用部による国債引受額五兆円のうち一兆四千億円を借換債の引き受けに充てることといたしております。 以上でございます。
○赤桐操君 そこで私は、政策金融関係の配分にについて少しく伺っておきたいと思うのであります。 財投計画のうち、政策金融機関には、資金需要等の関係を考慮して、ことしは五・八%の減となっておる、このように明らかにされております。中小企業の設備投資の増加の傾向あるいはまた住宅投資の掘り起こしの必要等々、現在の経済政策の大変重要な課題であるいわゆる内需拡大の誘導をするために、言うなれば大変大きな必要に迫られていると思うのでありますが、こうした中であるにもかかわらず、財投の融資というものが最も政策効果を発揮しやすい部門において残念ながら大幅な縮減をもたらしているというこのこと、これは大変大きな問題であると思うのでありますが、大蔵大臣のお考えをひとつ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは赤桐委員の基本的認識は、私は等しくしております。 ただ、これを実態に即した貸付規模といたしましたのは、総体的に申しまして金融が緩んでおる、そういう状態にございますので、これでもって十分いわば今おっしゃいましたような趣旨に沿うものであるという認識の上に立っておるわけであります。
○赤桐操君 今大蔵大臣の御説明でありますが、今国会に別途提案されております、産業投資特別会計法それからまた日本開発銀行法、輸出入銀行法の改正が提案されておりますが、技術開発、中小企業対策の拡充がいずれもこれによって図られるとしておるわけでありますが、全体として資金配分の面で使途別分類を見まするというと、産業投資あるいはまた技術開発、こうしたものについては六千三十三億円で二・七%の減、それから全体の構成比でも五十九年度の三%から見まするというと二・九%へのダウンをいたしておるという状況でございます。 それで、中小企業対策についても三兆七千六百四十四億円で、これまた五・一%の減、構成比全体で見ましても〇・八%の減、こういうことになっているのでありますが、技術開発や中小企業対策について一体具体的にどのような面に力を入れそしてまたどのような部分を圧縮しているのか内容的に余り明らかにされておらないのでありますが、この点ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 今先生御指摘の点につきましては予算全体にかかわるお話にもなるわけでございまして、私ども財投関係に限って申し上げますと、いわゆる中小企業対策につきましてもかなりきめ細かなそういうような配慮をいたしますために条件の改定などをいたしましたけれども、量的には、先ほど大臣が申し上げましたように、資金需要の実態が大変緩んでおるということでございまして、国民公庫で五十九年度には約三千億円、それから中小企業公庫におきましても二千億円、あるいは環衛公庫におきましては五百億円でございますか、住宅公庫につきましても一千億円というようなことで、いわゆる五十九年度に資金が翌年度へ繰り越されるといいますか、五十九年度で使い切らないというふうな状況もございまして、総体といたしましては、今先生御指摘のようなマイナスの総枠を設定いたしたということでございます。
○赤桐操君 資金事情が緩んでいるということはわかりました。 そこで、先般成立を見ております例の租税特別措置法、それから所得税法の一部改正でございますが、これらによりまして、バイオテクノロジーあるいはまた先端技術等の各試験研究の促進のために新しく特別税額の控除を認める制度を創設、あるいはまた中小企業に対する場合においても同様の措置をとる、こういうことになっているわけでありますが、この場合の措置の対象となる技術あるいは企業、これはどういうようなものが対象となるのか伺っておきたいと思います。
○政府委員(大山綱明君) 過日成立いたしました税制改正によりまして、基盤技術研究開発用資産、これにつきましての特別な税額控除が認められることになったわけでございますが、先生今御指摘のとおり、それらは例えば新素材の技術でございますとかバイオテクノロジーとか、そういった 技術分野において使われます機器のたぐいを特別それぞれ指定いたしまして税額控除の対象といたしますが、これらが用いられます分野は極めて広い範囲に用いられるものでございます。 例えば高性能ロボットでございますとか、先端生産加工技術というようなたぐいのものになりますと、これはあらゆる製造業で用いられると考えられますし、バイオテクノロジー関連の資産、これは医薬品、食料品、それから農薬系統、いろいろな分野に使われるわけでございまして、どの分野に具体的にどの程度というような試算は私どもいたしてございません。 それから、もう一つこれによります減収額措置は百六十億円、平年度でございますが、あともう一つ中小企業関係に百四十億円の、これは中小企業関係の研究開発の重要性を特に考慮をいたしました措置というものをお認めいただいておる次第でございます。両方通じまして各分野における試験研究等の充実に資するものと考えております。
○赤桐操君 この新設された租税特別措置の対象となるのは、かなり今お話がありましたように高度の技術にかかわるものである。したがってその恩典を受けられる企業というのは、その分野でももう最先端を行っている、そういう位置づけにある先駆的な企業ではないかと私は考えますね。技術開発が重要であり、また大企業だけでなくて中堅企業が高度の技術を要する分野に参画をしていくということは、大変これは大事なことであろうと思いますが、そのための一つの政策手段として、こうした減税等によって行わるべきものであるか、あるいは政策金融によって行わるべきものであるかということについては、これはかなり大きな問題だろうと私は思うんです。 財投全体の運営状況等を考えてみるときに、私は諸般の事情からするならば当然政策金融によるべきものである、そうした資金供給が行わるべきであるというように判断をするものでありますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、よく最近使われる言葉の中に、租税歳出とかいうような言葉が使われております。すなわち、租税特別措置において優遇されるものは、結果として納めるべき税金をそれだけ納めないわけでございますから、いわば歳出としてちょうだいしたと同じ論理になるじゃないか、こういう議論がよくございます。 したがって、そういう特別措置につきましては、極力その範囲を限定いたしまして、いわば直ちに生産に結びつかないところの研究とか基礎技術とかいうようなところを対象として選ぶわけでございますが、総体的な企業とかに対応する措置といたしましては助成からいわば融資へというふうな流れであることは事実でございますけれども、ただし、政策金融にいたしましても、いわば試験研究ということになると、それ以前のもう一つ直ちに生産性そのものに結びつかないというものに絞って、やはり私はそのときどきの必要に応じたいわゆる租税特別措置によるところの対応というのも、政策選択の一つの手段としてはなお存在し得るものではなかろうかというふうに考えております。
○赤桐操君 国債が実は大量に発行されてきている。こうした中で、ことしはかなり資金運用部がこれを大幅に引き受けているんですね。六十年度の財投計画全体を見まして、国債発行に対する引き受けの状態を見ますると、実際には財投計画全体が前年度から見ると、先ほど申し上げたとおり、また御答弁がありましたが、一・二%の減だ。これに対して資金運用部の国債引き受けの額は、逆にこれは五兆円です。当初の御説明にもありましたが、引受額は一兆四千億プラスになっている。三兆六千億、昨年の引受額に比べるというと、大幅な増額になっているんです。これをひとつ御説明いただきたいと思うんです。
○政府委員(宮本保孝君) 御指摘のとおりでございまして、六十年度は昨年に比べまして五兆円で、一兆四千億ふやしたわけでございますが、先ほど大臣からも最初にお話し申し上げましたとおりでございますが、借換債が非常にことしふえるということでございまして、新期の国債発行以外に借換債の発行が約九兆円に達するというふうな状況でございました。そういうこともございまして、できるだけ国債の消化を円滑にするという見地から、いろいろと国債整理基金の法律の改正などもお願いいたしておるわけでございますが、それとは別にできるだけ民間消化の肩を透かせたい、これは国債市場に与える影響等もございます、あるいは金融政策一般の見地もあるわけでございますけれども、できるだけ市中消化を円滑にさせるという意味で、運用部における引き受けもできる限りふやせるところはふやしていきたいという基本的な方針に従って五兆円にいたしたわけでございますが、それは一方、一方といいますか、最初に財投ありきといいますか、今の経済情勢に即応して財投計画を組んだ後で、その国債の引き受けに回す金がどのくらいあるかというふうなところから算定されたわけでございますけれども、国債につきましては今申し上げましたような数字がことし消化できましたのは、原資事情が非常に厳しかったわけでございますけれども、一方で先ほど申し上げました五十九年度の余裕資金といいますか、五十九年度の財投計画に組みました資金が約一兆円ほど余裕が出るというふうな事情もございました。そういう点も勘案いたしまして五兆円の消化が組めたわけでございますけれども、これは新規財源債は三兆六千億、前年同額でございますが、ふえた分はすべて借換債の消化に充当するというふうな配分にいたしまして、五兆円のうち新規財源債の引き受けは前年同額、さらにふえた分の一兆四千億円は六十年度に予定されております九兆円というふうな巨額の借換債の一部に充てる、一兆四千億円を充てたというふうなことでございます。
○赤桐操君 そういう御説明ですけれども、国債として資金運用部から出ていることには間違いない。借換債であろうと何であろうと、それは資金運用部から出ているんですよ。 それで、資金運用部の五十七年度末以降の、五十七年度、五十八年度、国債保有残高、年度の引受額、売却額、この点おわかりでしたら御説明願いたいと思うんですが。
○政府委員(宮本保孝君) 国債の残高についてここにございますが、五十七年度末で申し上げますと、国債の残高は十九兆八千億でございます。それから五十八年度末残高は二十二兆七千億、それから五十九年度末は二十九兆六千億でございます。 それから、運用部の国債の引受額でございますが、五十七年度は三兆五千億、五十八年度が三兆七千億、五十九年度が三兆六千億、こういう姿でございます。
○赤桐操君 そうしますと、この引受額、五十八年度の分と、それから五十七年、五十八年、それにわたった増加額、こうしたものとの関係で見まして、売却額を見ると七千億を超えているわけですね、七千三百億でよろしいんですか。
○政府委員(宮本保孝君) 国債の売却額は、五十六年度が五千百億でございます。それから五十七年度が一兆四千七百億、五十八年度が七千六百億という数字になっています。
○赤桐操君 そうしますと、いずれにしても資金運用部としては、結局保有国債を売却して国債を引き受けているということではないんですか。保有国債を売って引き受けているんですよ。要するに、売却せざるを得ないという状況であるにもかかわらず五十九年度に比較して一兆四千億も上乗せをしている、こういうことになっているんですね、数字から見るというと。
○政府委員(宮本保孝君) 運用部が保有国債を売却いたしますのは、これは年度途中の資金運用部の資金繰りの見地から必要な場合に売却をいたしているわけでございまして、例えば五十六、五十七、五十八年度、この年度におきましては郵便貯金の伸び悩みが見込まれまして、年度途中の預託金の増加ではなかなか対応できないということも予想された年度でございますし、またその月によりましては運用部の資金操りがつかないというふうな場合があるわけでございます。そういう場合 には、運用部といたしましては手持ちのTBの売却であるとか、そういう資産を売却した上で資金繰りをつけているわけでございますけれども、例えば五十八年度におきましては、五月に千八百億、それから十月に三千億、十二月に二千八百億、合計で七千六百億売っているわけでございますけれども、そういう主としてそれぞれ、月々におきます資金繰りの必要上できるだけ、しかも残存期間の短いもの、十年国債を引き受けておりますけれども、売却いたします場合には残存期間が二年とか三年とか短期になったようなものを資金繰り上やむなく売却しているというような状況があるわけでございますが、五十九年度におきましてはそういう月々におきます資金繰りの状況がうまく回りましたので、現在までのところ売却は行っておりません。 こういう状況でございます。
○赤桐操君 先ほどの話もありましたとおり、この国債の大量発行の中で従来シ団側の引き受けの状況を見ますると、これは御用金調達ということで余り評判がよくなかったということでありますが、実際には、今資金も緩んできておる、お話のとおりでありますし、そういう状況の中で、本当のところはこれは引き受けたいというのが本音ではなかったんですか。シ団側の方も、ある程度を引き受けるということについては大体本音はそういう腹であったんじゃないんですか、五兆円決定に至るまでの経過の中ではどんな経過があったんですか。
○政府委員(宮本保孝君) かねがね国債の消化につきましては、できるだけ市況が安定するといいますか、そういうふうなことも私どもといたしましては望ましいわけでございますし、また一方で、最近におきます銀行等の窓販とかディーリングの進行状況等もあるわけでございます。いろいろと勘案いたしました結果、できるだけその運用部によります引き受け、それから市中消化、そういう点に十分バランスをとりながら、私どもといたしましては五兆円という数字を出したわけでございまして、特別の何かそれだけをふやそう、そこのところだけをねらいといたしましてこの今年度の財投計画を組んだというわけではございません。
○赤桐操君 いずれにしましても、私は財投だけでこれだけのものをこれから引き受けていくということは、これは将来に大きな問題を残すだろうと思うんです。財投資金というのはこれは国民のいわゆる郵貯の零細な国民大衆の貯金が積み重ねられたもの、これが大部分をなしているわけでありまして、その内容はもう論を待たないところであります。したがって私は、これが国債のしりぬぐいの機関になっていくということ自体大変不健全な、また本来のあり方ではないと考えるわけでありまして、そういう観点に立って今物を申し上げているわけです。 したがって、あなた方のお考え方とちょっと違うかもしらぬけれども、そういう意味では、少なくともシ団関係でこれを引き受けるという余裕があるならば、本来はそういうところとの話し合いをもっと深めて、引き受けるべきものは引き受けさせる、そういう形にして、例えば中小企業関係であるとか、あるいは先端企業結構でありますが、そういったところに対する政策金融をもっと本格的なものにしていくというような形をとるべきであったのではないか、こういうふうに私は考えるのですが、この点はいかがですか。
○政府委員(宮本保孝君) 御指摘の点もごもっともな点もあるわけでございますが、私どもといたしましては、要するにそのときどきにおきますバランスの問題だと思うのでございます。したがいましてこれをどんどん国債をふやしていけばいいかというわけでもございませんし、財投は財投で、本当に必要なところには十分資金配分を行う、同時に国債管理政策全体を踏まえた上で国債への引受額も決めるということで、その辺のバランスは十分とりながら財投計画を策定してまいりたい、こう考えております。
○赤桐操君 それでは最後に一つ伺いたいと思うのでありますが、資金運用部の預託金利は七・一%ということであります。これに対しまして国債の利回りの方は、今日までいろいろ見ると逆ざやの現象を生じてきている。財投金利全般の見直しをするという動きがあるようでありますが、こうした資金運用部の預託金利、これに対しましてはこれからどんなような考え方をお持ちになっておるのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 御指摘のとおりでございまして、預託金利と申しますのは、運用部が預かる金利、同時に運用部が財投機関に貸し出す金利でございます。ただ、言ってみますればこれは政府部門間の取引の金利でございまして、対民間との関係、入り口、出口のところとは関係ない金利でございますので、若干一般の金利とは質が違う性格のものであろうかと思います。 預託金利は、従来は、預託者の利益に一方に配慮いたさなくちゃいけないという点と、もう一つはその資金が財投計画に組まれまして公共目的に使われるという点もございますので、そういう意味におきましてはできるだけ低い方がいいという、こういう二つの相矛盾するといいますか、金利の水準からいいますとやや矛盾したような条件を満足させるような形でもって預託金利を設定してきたわけでございます。従来は預金金利が規制されておりますし、また貸出金利も規制されておったというようなことでございまして、その大体中間で決めることができたわけでございますけれども、現在の状況になってまいりますと、預託金利は規制されている、ところが運用の方は自由化されてきているという状況であります。 それからさらにもう一歩進みますと、預金金利の方も自由化されてくるという、預かる方も運用の方も自由化されてまいりますので、これはそういう自由化の波をもろにかぶることが考えられるわけでございまして、したがいまして、私どもといたしましては当面は、預金金利が規制されておって貸出金利の方が自由化されているという段階で、果たして預託金利をどう決めればいいのかという点を今後考えていかなければいけない問題だと思うわけでございますけれども、今出ております状況というのは、預託金利は郵貯の金利に連動するというようなことが原則でございましたので、貸出金利の方は動いているにもかかわらず郵貯金利が動かないために預託金利も働かないという状況のために、今先生御指摘のような矛盾が生じているわけでございまして、運用部が国債を引き受けますと運用部に赤字が出てしまう。あるいは運用部が七・一で財投機関に貸し出すものでございますから、財投機関の方ではまた今度は赤字が出るというような状況でございまして、大変に財投計画上は今これは問題があるわけでございまして、預託金利、これをどう考えていくかという点につきましては、郵政省なりあるいは厚生省なり関係の省庁と十分議論を尽くしながら、一つのルールといいますか結論を出してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○矢野俊比古君 今国会の予算審議の状況を見てまいりますと、どうも財政再建ということのために、いわゆる国債の増発、あるいは累積残高の拡大というような点はできるだけ抑えなきゃいかぬ。これは非常に正しいと思うんですが、そういうような結果で、歳入面で見ますと、税収、あるいは税外その他の収入というような項目があるわけでございますが、どうも税収負担というのに偏っている、そういったことで税制の全般的見直しをやろうとか、その際には大型間接税じゃないかとか、一般消費税(仮称)などというのがあるのかとか、こういうような議論が非常にされてきているように思うわけでございます。 私は、そのような考え方ばかりでいいんだろうか、その前に検討する事項はもうないか、いわゆる歳入において税外その他の収入という項目を何か知恵を出して拡大するという道はないだろうか。 二度にわたる石油ショックをはね返して、また世界の経済の優等生と今言われているわけでございますが、その中で産業界は一体どんな対応をしたかということを考えてみますと、簡単に言えば 体質改善、いわゆるスリムな体質をつくったということでございますが、具体的にはいわゆる余剰な株式の売却、あるいは保有している土地その他不動産の処分、それから経営の徹底した合理化ということにあったと思うのでございます。こういった民間の手法というものもそういう面で少し考えてみたらどうか、財政再建の中にもそういうものを考えていくことはできないだろうかということを私は常に考えています。 すなわち、株式の売却あるいは不動産の処分というのはまさに税外その他収入の確保策ということでございます。経営の合理化というのはもちろん歳出の削減、いわゆる現在でも一般歳出は五十八年度から伸び率ゼロということをやったわけでございまして、一つの民間手法というものもここには応用されているわけでございます。 そこで、まず伺いますが、政府が持っている株式その他の持ち分というのがございますが、これは一体総額でどのくらいになっているんだろうか。それから、臨調答申におきましては、行政改革ということで特殊法人の民営化ということがうたわれております。これから二年あるいは三年くらい先には逐次これを実行していこうということになっているはずでございますし、昨日には電電公社とか専売公社の民営化というものが発足をしておりますが、こういった臨調答申というのが実現した場合には一体政府に還元されてくる資金というのはどの程度あるのか、そういう点まず財政当局からお話を伺いたいと思います。
○政府委員(的場順三君) 御指摘のとおり政府は出資法人に対する株式を保有しておりまして、その特殊会社に対する政府出資額の総額は五十八年度末現在で千百十二億四千五百万円でございます。 それから第二点でございますが、臨調答申を受けて仮に民営化するということになります場合に、そういった出資額というものをどういうふうに考えていくのかということは、大部分これから検討する話でございます。ただ、臨調の言います民間活力の導入、民営化というものは、どちらかといいますと、その組織の活性化を図るという観点から行われるものでございまして特に税外収入等を上げるという観点ではございませんけれども、附帯してそういう問題をどういうふうにするかということは、それぞれの組織が具体的に民営化に移行します際に検討していくべき問題で、現段階で幾らということを算定するわけにまいらないというのが実態でございます。
○矢野俊比古君 財政当局の御答弁は、それなりで私もわからないではないんです。 ただ、政府出資法人の一覧表というのが大蔵省から財政金融統計月報、ことしの二月にあります。これでは清算法人を除きますと九十九件、少なくとも資本金といわれる合計は十二兆一千六十七億、政府の持ち分は、これはいろいろ違うんですが平均すると九〇%、したがって十兆云々ということがあるということになります。 これは公社、公団とか事業団とかありますから、それをすべて返せというのは仕事がとまっちゃうので、そういうことはもう政府に申し上げるわけにいかないんですが、ただ、やはり事業団あるいは特殊会社の中には相当自己資金の還流というようなものもありますから、これは確かに予算の査定でそれが返るから出資の方あるいは資金の方を抑えましょうということをやっておられることはわかるんですけれども、そういうのはもう少し徹底して洗ってはどうだろうか。行政改革という民間活力のいわゆる活性化か知りませんが、そういうことに頼るという面からじゃなくて、やっぱり財政再建という面からそういう財務内容を少し検討していってはどうだろうか。そうすると私は、こういう中で相当出資の還流を求めることもできるんじゃないだろうかというようなことも考えているものでございますので、そういう点もひとつこれから御検討いただいてはどうかと思います。 そこで、昨日発足しました新しい電信電話株式会社とかあるいはたばこ産業株式会社、これは政府保有株を処分ができるわけです、三分の二まで。で、いろいろ議論がありますけれども、一体もし大蔵省が見られる範囲において国庫収入というのはその場合どのくらいと見られるのか、予測というものがあり得るんならひとつそういう方向を示していただきたいと思います。
○政府委員(的場順三君) これは大変難しい話でございます。 電電、たばこの新会社の株式につきましては、今後それぞれの新会社の実態等に応じまして売却時期等が定められていくことになりますが、株式の売却に当たりましては公正かつ適切に行うということが必要でございまして、民間有識者等の意見も十分に聞きながら売却方法、評価方法等について慎重に検討していくことにいたしております。また、配当収入につきましては、民営化後におけるそれぞれの新会社の経営状況等に左右されることになると考えられますので、現段階において売却収入あるいは配当収入がどれくらいの金額になるかということを具体的に申し上げる段階にはないことを御理解いただきたいと思います。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大木正吾君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が選任されました。 ─────────────
○矢野俊比古君 これはいろいろなことが言われていますね。いわゆる新電電の資本金、これは一兆かといったら七千八百億と決まったという。国際電電の例で言いますと、今五百円株が二万円の価値といいますか取引されているというようなこともある、四十倍だ。したがって今度の新電電はそれ以上の大きな世帯だから百倍になると言う人もいますけれども、仮に五十倍と見まして三分の二が売却されるとすると、一応二十六兆という数字が出てくるわけです。もちろん今、財政当局が幾らなどということが言えるとは思っていませんけれども、私なりの要するに一つの計算を出すとそういう議論もあり得る。もちろんこれは証券市場動向にもよるわけでございますし、処分の仕方というのもありますが、これを仮に五年と仮定をしますと、現在の財政中期展望でのいわゆる税外収入、これについてはたしか、五年間計算すると、私の計算でございますけれども十三兆五千百億くらいの計算を出しております。 これは例の、毎年六・五%伸びますという、根拠は極めて何と申しますか前例に沿ったということですが、そうするとその倍くらいの収入というものが入ってくるんじゃないかということも言えなくないわけです。 もちろんこの数字が正しいとかなんとかいうことは一切申しませんが、私は今の中期財政展望というときに、いつも同じように六・五%増ですという考え方でなくて、もう少しだんだんこういうものが具体化してくることを想定しつつ、あるいはまた政府出資法人に対する投資の還流というふうなことも考えるとか、いずれにしてもあれはそういう仮定を置いてということなんでございますが、もうちょっと具体的な見方、腰だめ的な見通しというのじゃなくて具体的な見通しを立てるというふうなことを少し考えていただければいいんじゃないか。そうすれば私は、その全体の歳出の流れ方あるいは国債へのあり方というふうなものを考えつつ、すべてを残ったところの税収に依存せざるを得ないのだというようなことに、必ずしも現在のような数字というものにならないんじゃないかというふうに考えるわけでございますけれども、そういう点ではどんなふうにお考えか、御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(的場順三君) 中期展望におきます税外収入の見方は、委員御指摘のとおり、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」に名目成長率が六ないし七というふうになっておりますので、その中間値の六・五というのをとりまして機械的に置いているものでございます。積み上げの根拠があるわけではございません。まず第一点が、そういう推計の方法に頼らざるを得ないということでございます。したがいまして、具体的に税外収入を どういうふうに見積もっていくかということは、毎年度の予算編成の段階でそれぞれ各分野におきまして増収努力を図るということによって検討していくことになろうかと思います。 例えば、六十年度におきましても、国有財産の売り払い収入等につきましては、民間活力の導入という新しい観点もございまして、前年度比五割増しの千二百三十六億円というようなものを計上しているというふうな工夫もしております。 それからもう一つ御指摘の、電電株等の売却ということになると、そういうものが入ってくるではないかということになりますが、これは御承知のとおり、国会に法律の改正をお願いしておりまして、国債整理基金特別会計に帰属させる、そして売却収入等は国債の償却等に充てていくということでございますので、直接一般会計の税外収入に計上するというような考え方をとっていないわけでございます。 それからまた、配当収入等につきましても、これは産業投資特別会計に帰属させまして幅広く民間の活力、民間経済の活性化のために使うというふうに考えております。 それぞれの分野におきまして、今後そういった御指摘のような増収努力については懸命の努力をしたいというふうに思っております。
○矢野俊比古君 確かに税外収入、歳入という面でのお話はそのとおりなんですね。私はその点で、最初に申し上げたように国庫収入ということを申し上げたわけであります。というのは、確かに今御指摘のように国債の累積残高がことし、昭和六十年度終われば百三十三兆になる。そのいわゆる国庫費の負担というのは非常に大きいわけですね。今の計画でいくと私はもう恐らく十七兆くらいまでいっちゃうんじゃないか、六十五年度には、今のままで考えると。ですから、そういう意味で国債整理基金、いずれこれは大蔵委員会で審議が始まるわけでございましょうけれども、そういうようなものが仮にできてくれば、それが当然に国債累積残高を消していくという効果を持つわけですから、それはもちろん私はそういう効果は大変必要だ。ですから、もちろん私が申し上げている具体的な確保が、狭い意味でなくて非常に広い意味での国庫収入という中でこういうふうに考えていくというふうなことをもうちょっと具体的にできないものかということを申し上げたわけで、そこはひとつ御認識を願っておきたいと思います。 そこで、今的場次長からも御指摘がありましたが、国有財産の有効活用を推進していくということがございました。この点で第二の問題として、土地その他の不動産の処分ということに大きなウエートがある。特に税外収入の項目も、専売公社やあるいは電電公社がなくなりますから、国庫納付金はもう当然落ちているわけですし、今後期待できる伸びはもうこういうところしかないんじゃないか。そういうようなところで考えますが、まず私は大蔵省が、財政再建にスリムになるということで大蔵省ビルを売ってしまうというお考えはどのようなものか。たしか戦後占領時代は四谷第三小学校に間借りをしておった。政府の官庁は霞が関にあったけれども、不便だとはいいながらよく通ったという記憶があるのでありますが、どこに移転するかという先まで私は申し上げません。ただ、民間では既に本社ビルを売り払って、そして貸しビルに移っているというような例もあるわけです。 ですから、そういうようなこともむしろ財政の再建のリーダーとしてどんなふうにお考えになるか。これは事務局に聞いてもいけないんです、これはもう政治問題でありますから、ぜひ政務次官に御感触を伺いたい。
○政府委員(江島淳君) 政務次官に発言のチャンスをいただきまして、ありがとうございました。 非常に政治的な問題というお話でございますが、恐らく先生のおっしゃいますのは、民間などはすぐ直ちに経営危機のときには本社を売ったじゃないか、例えばこの前新聞にも出ておりましたが、国鉄も本社を売るとか、そういうふうに新聞に載っておるけれども、国の赤字のときには大蔵省ががまず範を示せ、そういうお考えじゃないかと思うわけでございます。 私の考えますのには、大蔵省の庁舎などのような行政財産は、これは国の行政目的を達するために今むしろ集中して集めておるというのが今の実態じゃないかと思うわけでございまして、確かに先生のおっしゃるのもわかるのでございますけれども、むしろ行政を進めていく上において、大蔵省単独が行っても意味がございませんし、またあるいは立法府関係との関係におきましても、やはりそういう大蔵省が行くということは、単なる赤字の解消ということじゃなくて、全体的な遷都論と申しますか、そういう大きな意義にのっとった移転ということはわかるのでありますけれども、単に赤字だから大蔵省だけが云々ということと国の行政機関全体が移るということとは別な次元に属するのじゃないかと思うわけでございまして、恐らく数十年か百年ぐらいの遠大なる計画で移るときには、まあ赤字がそれほど続いては日本もつぶれるわけですが、そういうことで、大蔵省が行くということは全体的な効率からいきますと疑問ではないかというふうに考えております。
○矢野俊比古君 今まさに江島政務次官から、一つの気迫を持てということと受けとめるよ、こういうお話があったのは、まことにそのとおりだと思います。中央官衙街計画とかいろいろありますから、今それを移してしまうというふうなことがすぐできるものともまた思っておりませんけれども、まさにそういう熱意というような、そこまで考えるぞというようなことを訴えてくれば、結局そういうことの積み重ねでやっぱり、どうしてもこれ以上のことはもう手がない、なければということで、いろいろ言われているけれども、増税もお願いしなきゃというふうにつながっていくと思うんです。 やっぱり国民の理解を得るにはそのくらいのまさに気迫を持っていただきたいということを実はお願いしたいということで御質問したわけでございます。 そこで、もとへ返りまして、今実行に移されておりますいわゆる国有地等の有効利用、有効活用ということにつきまして、政府は今まで、総理の答弁でもございますが、経済の活性化あるいは社会資本整備のためということでこの問題を推進するとおっしゃっているわけでございますけれども、私は今申し上げてきたように、やはり税外その他収入の確保あるいは拡大ということからもこういう問題をやっぱり考えなきゃいけないんじゃないか。たしか、もう三回にわたってその推進本部で、いろいろと開放ができるであろうと称するリストを発表しておられるんですが、これも大変難しいでしょう。公示価格でやるのかあるいはまたある程度近傍類似、いわゆる地価を上げない範囲でどの程度にするかという想定がいろいろあるんですけれども、大蔵省の方で、このくらいのリストを出すとこのぐらいの収入になるだろうというようなことをつくっておられるかどうか、それをちょっと伺いたい。
○政府委員(中田一男君) まことに申しわけございませんが、民活対象財産につきましては、先生おっしゃるとおり新宿西戸山住宅でございますとか、あるいは昨年の二月の三日に公表いたしました全国百六十三件のものですとか、また昨年の十月に東京都二十三区につきまして十二件、八ヘクタール余りのものをリストアップしたわけでございますが、これは先ほども御意見がございましたように、我々が使っております庁舎、宿舎等の行政財産をできるだけ集約立体化していって、そして跡地を民間に有効に活用していただこうというふうなことでやっておる作業の一環でございまして、処分年度がかなり先のものまでも含まれておるということもございますので概算が非常に難しいということもあって、処分直前になりますと正確な評価をするわけでございますが、全体の概算を試算しておらないというのが現状でございます。 なお、これらのうち既に昨年の十二月末までに 二十六件ばかり売却処分ができておりますけれども、面積は八ヘクタール余りでございますが、これの収入金額は五十億円というような状況でございます。
○矢野俊比古君 この問題につきまして私なりに言いますと、現在のリストアップから漏れている物件という想定もいろいろ持っているわけです。これはもう既に理財局次長さんにも申し上げたと思います。 例で申しますと、大蔵省の所管ですが、千代田区の竹平寮と申しますか住宅、千代田区役所の真ん前にあります。あるいはまた牛込弁天町にある参議院職員宿舎、それに隣り合って国税庁の宿舎もある。私は、これがどうしてリストアップされないんですかなどということはもう申し上げません。また、そのことでいろいろと御当局にお伺いをする気もありません。ただこういうことは、いろいろ私その後聞いてみますと、仙台へ行きますとやっぱり国家公務員宿舎でももはやもう本当に使っていないとか、あるいは大阪の枚方市にも印刷局の宿舎で住んでおられないというような、これは住宅街でございます、というようなこともいろいろ聞かされるわけです。そういう点は、大小にかかわらずそういうものを精査して、そしてそういうリストアップをぜひ進めていただきたい。 いろいろな事情があることも私なりに知っていますが、そのあるものをどうして解決するかということが今大変必要なことじゃないかと思うんです。西戸山の開発問題も大変一部のマスコミに最近派手に取り上げられているわけでございますけれども、確かに開発の手法というものについてはやはりいろいろ疑惑とか誤解を招かないような配慮というものは十分しなければいけません。しかし私は、先般の国会での審議におけるそういう実情であるとすれば、やや勇み足があったのかもしれない、でもしかし関東財務局がそういう熱意を持って踏み切ってきているということは、私はむしろ非常に評価していいんじゃないかというぐあいに考えているわけです。したがって、そういうような点について、今のような関東財務局のような熱意という点を前提にする限りやっぱり積極的な調査をして、——先ほど的場次長からは千二百三十六億だと。これも昨年はたしか八百四十何億くらい、大変努力されていると思っております。しかし、もっともっと大幅に出すと言ってもいいじゃないかというように思いますので、これはひとつ、単に大蔵省財務当局ばかりじゃなくて、そういう行政関係当局が全体に努力をしていただきたいということを要望するわけでございます。 実は、その次に歳出削減問題というのがありますけれども、この問題に入っていますと三十三分の時間から超過をしそうでございますから、きょうは会計検査院に来ていただいていると思いますけれども、趣旨はよくおわかりのことと思います。歳出削減にもうちょっと——一律削減は逆に言えば悪平等だと言われる、だんだんそういう声が強くなってくるんですから、もうちょっとやはり、支出が悪いとか、不当支出だとかいうようなそういうものを、いろいろと私も聞きますと大蔵省と会計検査院でいろいろ予算の前にお打ち合わせはあるそうですけれども、何らかのルールをつくる。先般このことで、あへん特別会計の廃止において、特別会計をどういう形で廃止するのか、要するに一つつくるために一つ削減かというような誤解を与えるようなやり方では問題ではないかという御指摘もありました。やっぱりせっかく決算というものでいろいろ不当という問題が出ているし、それに重なっているわけです。そういうようなものについては何らかのひとつその方式をつくって、ペナルティー査定と言うとちょっと言い過ぎかもしらぬが、そういうようなことでやっていけば私は、今度は実際予算執行の各省が支出に対して大変慎重、勉強するという風潮が出るんじゃないかということを思っておりますので、これは御質問から外しますが、会計検査院の方にもいろいろと御努力をいただきたい、こういうことを御要請するわけでございます。 そこで最後に、今まで民間資本の導入というのを財政再建の中に何とかうまくいかぬものかということで御質問してきたわけでございますが、冒頭に申し上げましたように、中期財政計画を見て要調整額というものが出てくる。その要調整額の充足というのはどうしても、先ほども申し上げたように国債を増発する、累積残高をふやす、これはなくさなきゃいかぬ。 また、なくすためには、さっきお話があった新電電株式会社の株の売却とか、そういうようなことででも埋めていただいて累積残高を何とか早く減らす、そのことは当然に歳出の国債費を徐々に落とすということになる、こうした御努力が当然必要になるわけです。累積残高も落とすということへの御努力も必要でございますが、いずれにしても、そういう国債の発行も抑えていく、そういうことの結果で最後は税収にしか頼れないだろうというようなことにならざるを得ないわけだと思うんです。 そういう点で、私は、少なくとも今申し上げたような税外その他の収入の確保ということでむしろもうちょっと具体的にあるいは真剣な改善策ということを考えていきますと、これ以上のことは歳出の削減もこうだ、そうすればやっぱり結局最後は税負担をお願いしなければなりませんよということで、国民各層にもそういうことの納得をしていただけるという道になっていくのではないか。ただ、そういうものはとても入らないんです、毎年毎年ただ現実に見直すだけでした、やっぱり税金にお願いしますということになっていって、いわば大型間接税とかそういうことをすぐ招くような議論になるということをやはり少し反省していかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているわけでございます。 そういう点で、大臣がお帰りかと考えておりましたが、私は単にいわゆる税制調査会でただ税制全般を見直すという前に、もう少し何らかの知恵を出せないのか。いわば大蔵省には財政制度審議会、これが適切かどうか知りません、しかしそういうシステムと申すか組織をお持ちである。税調と財政制度審議会、これは財政は大蔵の諮問機関であるということであり、税調の方は総理府であると思いますけれども、実態的には、よく大蔵大臣が御答弁されるように、事務局の庶務は大蔵省でやっておるということをおっしゃっております。いずれにしても、大蔵省が事務局をお持ちになっていることは間違いないわけでございますので、私はむしろ赤字国債を今、中期財政展望では昭和六十五年度に発行をゼロとするんじゃなくて、むしろ累積赤字国債を減らします、先ほどの電電のお話なんかあるわけですから、そういうことを含めた政策と申しますか財政政策というふうなものを打ち出すためには、そういう財政制度審議会の場の議論というものも大いにやっていただかなきゃいけないんじゃないか。これは税調の審議と並行するのも一つですが、私はその前にそういうことをやっぱりやっていただいたらどうかということを考えているわけでございます。あるいは、それは場合によっては連合審査をやってもいいじゃないかということでもございますが、そういう点で私は、最後になりますが、ぜひ政務次官、と申し上げては失礼ならば財政当局の考え方を伺いまして、それを受けて、ちょうど大蔵大臣が今お見えになりましたから大蔵大臣に締めくくっていただきたい。それをもって私の質問を終わらせていただきます。
○政府委員(江島淳君) 大蔵大臣がお見えになりましたが、前座を受けまして一言だけ申したいと思いますが、今先生のおっしゃいましたのは連合審査などを設けたらどうだというお話でございまして、税調だけが割合に有名であって財政制度審議会の方が少し力が弱いんじゃないかという御趣旨だと思うのでございますけれども、実際には財政制度審議会におきましても税調の歳入歳出面での審議を踏まえながら総合的に全体の運営を図っていただいておる、そしていろいろな報告をいただいておるというのが実態でございます。また税調におきましては、これは先生御承知のように歳出面での問題も踏まえつついろいろな税制に関する事項についての審議をお願いしているところ でございますので、現在のところは必ずしも御指摘のような場、連合審査の場を設ける必要はないのじゃないか、それでなくても大体その辺のものを両方、二つの審議会が裏腹の関係でやっていただいているというふうに考えておりますけれども、御指摘のように今後ともに歳入歳出両面を踏まえての審議をなお密接なるようにお願いいたしたいと思うわけでございます。 なお、大臣が見えましたので、またいろいろ御答弁がございます。
○国務大臣(竹下登君) これは基本的に矢野さん御承知のとおり、片や国税、地方税、総理大臣の諮問機関、片や大蔵大臣の諮問機関。税調で一つだけ私言えますのは、毎年やっていただく六十年度税制のあり方、六十一年度税制のあり方ということになると、歳出を当然念頭に置いて議論していただいておりますし、また財政審の方も歳入を前提として御議論いただいておりますが、今度いわゆる抜本改正で諮問しようというのはいわば税体系ということで、税のことですから安定的歳入の確保という前提はございますけれども、いわば年度を対象にしない形のもので諮問を申し上げようということでございますので、それは若干違う点があるかもしれません。が、現実問題としては、年度ごとの税制改正というのは私は当然のこととして裏腹のことでもございますし、それを受けて事務当局間でも議論をいろいろいたしておるわけでございますので、この連合審査会を設けるとかいうことが適当かどうかは別として、そういう裏腹の関係が現実の施策の上で反映されるような手法というものはこれは考えてみなきゃいかぬかな、こんな感じでございます。
○丸谷金保君 最初に大臣にお伺いいたすのですが、ことしの酒税の見込み違い、これはそれぞれ予算委員会その他でも多分御指摘を受けて答弁なされておるのだろうと思うんです。思いますけれども、私はどうしてもこれをもう一度言わなきゃならぬというのがあるんです。 昨年、値ごろ感やそういうものを崩した酒税の改定をするとその面の消費は落ち込みますよと申し上げているんです。いやそんなことはございません、かくかくしかじかとこうずっと並べていますよね。そういうことで、絶対これは上がるんだというふうなことだったが、結果はやっぱり私たちが指摘したようなことになったんです。特にビールとウイスキーの落ち込みはひどいですね。私は主として当時は、ビールの端数を上げていった場合の値ごろ感の問題も申し上げましたが、落ち込みはひどいんです。 それで、大体これ民間の会社なら、こういうことになったらどこかで、株主総会あたりでは、まことに申しわけございませんという責任者が出てきて、それに対してはどういうふうな処置をしたというふうなことになるんですが、大蔵省の仕組みの中でこういうことの計算をして積み上げをするのはどこでやるんですか、主税局の。
○政府委員(角谷正彦君) 主税局総務課でやっております。
○丸谷金保君 それで、こういう見込み違いをしたときに大蔵大臣は、やっぱりしかりおくとかなんとか行政的な措置はとりましたか。
○国務大臣(竹下登君) これは補正で二千数百億の三角を立てさせていただいたわけでございますから、老いも若きも男も女も、それこそ乳飲み子に至るまで一人二千円ずつ酒税自身を払わなかったといいますか、消費しなかったと申しますか、そういう結果になりますから、平素よく丸谷さんに一%は誤差のうちというようなことを言っておりますが、一%どころじゃございませんので、それは大きな見込み違いだったと思っておりますが、基本的にはその見込みを是なりとして採用したのは大蔵大臣その人でございますので、結論はやっぱり私に一番責任があるんじゃないかな。それは聞き取り調査をしていろいろ積み上げてきておりますから、結論は私自身の責任に帰することだ。だから、主税局総務課けしからぬかったという気持ちにはやっぱり素直にはなれません。
○丸谷金保君 大臣がおっしゃるのは、対外的な責任は私にあるというのはわかりますよ。しかし大蔵省の内部において、責任は私にありますなんと言ったって、大臣、それはとてもじゃないけれども大変なこと。それではみんな、責任は大臣だから適当にやっておきゃいいやということになりますよ。そうすると、外部に対して大臣に責任があるという話はわかるけれども、内部の行政機構の中でそういうことに対するどこかでやっぱり、そういうはじき出しをした責任者がいるんですから、何らかの行政的な措置をとったかということは、これは別なことなんです。上手にミックスしないで、私の聞いておるのは後段を聞いておるのです。いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは後から角谷審議官からもお答え申し上げると思いますが、やっぱりこれは丸谷さんの方が見込みが正しかったと率直にそう言わざるを得ない。おととしの十一月ごろからの嗜好の変化が、言ってみれば一時的なものではないかとか、ここまで長く続くとは思わないとか、そういうようななかなか、嗜好の問題ということになりますと大変積み上げにくい要素があるだろうと私は思います。 それでやはり私は、ここで丸谷さんに、責任はやっぱり考えてみれば私にありますと申し上げると、その衝に当たった者も、そう大臣に責任をとらしちゃいかぬなというので、よりまた反省も加わり、各方面の意見を聞きながら正確な見積もりもしてくれるそれがきっかけともなればと、責任者としてはそうあるべきではなかろうかな、こんな感じがしております。
○丸谷金保君 国会で答弁したんですから、大臣としては当然そういうことになるかと思います。 質問通告をしておりますけれども、アルコール飲料の消費量、これは調査しておると思うんですが、五十七、五十八、五十九と、アルコール一〇〇%に換算してどういう結果が出ましたか。きのう、ちょっとまだ間に合わないというんで聞いてなかったんだけれども。
○政府委員(山本昭市君) 私ども税務統計上とっております計数は課税移出高でございまして、各酒類ごとにアルコールの度数が違うわけでございます。例えば、清酒でございますと二十三度のものから八度までございますし、あるいはまたビールにつきましても四・五度のものから三度のものまでございます。そういったことでございまして、具体的に何度のアルコールを含んだ酒がどの程度出ているかということにつきましては、私どもの正確な統計はないわけでございます。 したがいまして、昨日お尋ねがございまして、やはり正確な計数を申し上げるという趣旨でお出しできなかったのでございますけれども、推計値といたしまして、例えば清酒でございますと一級は十六度、あるいはしょうちゅうでありますと、しょうちゅうは三十五度から二十度もございます、四十五度もございますが、二十五度というようなことで、あくまでも推計でございますけれども、その計数で申し上げますと、昭和五十九年度、四月から十一月までの間でございますが、これが合計いたしまして対前年同期で九四・〇%という計数でございます。
○丸谷金保君 これは、結局アルコール総量の数値を踏まえていないと、酒税の計算をする場合に今の間違いが起きてくる一番大きな原因だと思うんですよ。総量として伸びなければ、どっちかがふえればどっちかが減るということなんで、大体総量としては伸びてないですよね、要するにアルコールを何ぼ日本人が体内に入れたかという総量としては。
○政府委員(角谷正彦君) 五十九年十一月までの数字はただいま申し上げたとおりでございますが、酒税の見積もりに当たりましては、過去の動向を踏まえまして、各酒類ごとに業界から個別のヒアリングを行いましてやっておるわけでございます。税率改定がある年につきましては、税率改定の内容による需給の増減というものを反映してやっているわけでございます。 そこで、ただいまから申し上げますのは、若干やや言いわけじみて聞こえるかもしれませんけれども、昨年の税制改正で具体的な税率改定を行っ たこと、その検討を行いました時期は実は一昨年五十八年の十一月ごろでございます。五十八年の時点におきまして実は五十七年、五十八年の時点を見てみますと、今申し上げたアルコール換算におきます数量におきましても実は若干の伸びが見込まれている、課税数量については伸びが見込まれておりまして、ウイスキーあるいはビールにつきましても実は大体四%強、四%ないし五%程度の伸びが見込まれていたという状況でございます。 そういった状況を踏まえまして、かつ業界の個別のヒアリングを行った上で、結果として予算の見積もりを立てたわけでございますけれども、その後、先ほど大臣が申し上げましたように、五十八年十一月ごろから、予想に反する形でしょうちゅうが非常に伸びる、あるいはビール、ウイスキー等が停滞する、こういう現象が結果として生じてきたということでございまして、そういったことの需給動向を必ずしも十分に見きわめられなかったことにつきましては私ども反省しなければならないと思いますけれども、基本的には一昨年の秋にそういった動向が特に加速化したといった状況から見まして、値上げもさることながら、やはり基本的には国民の酒類の嗜好に対する変化がここに反映してきたものではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
○丸谷金保君 税収が見積もりより減ったのを、ウイスキーがしょうちゅうに転化したというふうな単純なことで一応、いろんなところでそういったような説明が多いんですが、実際はもう少しきちっとやってもらわなければ。国民のアルコールの総量の需要が今までのような伸びを示さなくなってきたというところに一番大きな原因があるというふうには考えられませんか、その点について。アルコール総量でどうだということが問題なんです。
○政府委員(角谷正彦君) アルコール換算というのは一つの擬制に基づいて行われますものですから非常に換算は難しいわけでございますが、中長期的に見ますと少なくとも五十八年ごろまでは、伸びが一般の消費支出ほどには大きくなかったと思いますけれども、やはりそれなりのほどほどの伸びはしていたということだと思います。 五十九年の十一月までの数字は、先ほど間税部長からお話ししましたように九四%ということで落ち込んでおりますが、これは四月からでございますから、五月の酒税の値上げがあったといったことに伴いまして三月ごろに一種の仮需というのが発生したということでの落ち込みも一部あるかと思いますが、相対的に最近におきましては傾向的に弾性値が消費支出の伸びに比べるとやや落ちてきているという状況はあろうかと思います。
○丸谷金保君 そうなんですよね。実際の問題としてアルコールの消費量が全体として、どっちかがふえるどっちかが減るということでも結局はアルコールですから、アルコールの量としては全体の国民の消費量というものが多少下降線をたどるような状態になってきている。これを踏まえておきませんと、何か酒から税金は何ぼでも搾れば取れるというふうなことにつながりかねないので、実は心配なんです。 要するに、全体としての酒の需要が落ちてきているんだ、しょうちゅうとウイスキーとか、ビールと酒とかいろんなあれがありますけれども、この認識をしっかり主税局は持っていただかないと、当分は酒の税金は上げないんだろうと思いますが、上げられるような状態にないんだという認識もひとつはっきりさせておいていただきたい。しょうちゅうが伸びてウイスキーが減ったから税が減ったんだというだけのことじゃないんだ、いかがでしょうか。
○政府委員(角谷正彦君) 酒の税金を決めます場合には、おっしゃるように流通の実態等を踏まえることは十分必要なことであろうと思います。と同時に、その流通の中身におきまして、現在の酒税の構造そのものが現在のいろんな各酒類ごとの税の負担というものとうまくマッチしているかどうか、そういった面についてもなお十分な配意を払うべきことは必要だろうというふうに考えております。
○丸谷金保君 酒類間の格差ね、これをバランスをとるということを考えたら、これは今でさえも世界の先進国で一番高い酒の税金がもっとひどいことになるので、バランスをとるというよりは、やはりビールだとかウイスキーだとかいうようなべらぼうに高い税金は下げる方向で酒税の体系を考えてもらわないと困るんですよ。 それで、これに関連してなんですけれども、昨年ヨーロッパへ行きましてそちらで調べたんですが、これは日本でも大蔵省は覚えていたと思うんですが、フランスは酒類、ワイン類、ブランデーなんかについても盛んに、日本の関税を下げろ、なくせということで、強く何かにつけて言っておりますね。いかがでしょうか。
○政府委員(角谷正彦君) 確かにECあるいはアメリカ等からは関税引き下げの要望が、いわゆる貿易摩擦問題とも関連いたしまして出ているということは承知いたしております。
○丸谷金保君 それに対して我が方からの反論は聞いたことがないんですよ。しかしフランスだって、イタリーとはワイン戦争なんて言っていますが、あれは域内交易で関税をかけていないから起こる問題ですね。しかし、域外からは輸入関税をかけているんですよね。御存じなんでしょう。自分の国では輸入関税をかけておきながら日本に向かってだけ関税を撤廃せいというようなそんなほかな話があるかという主張を、あれですか、国際交流の会議か何かで、日本は公式な発言をしたことがあるんでしょうか。
○政府委員(角谷正彦君) ちょっと私関税局じゃございませんので、私自身がどうこうということじゃございませんが、我が国におきましても、御承知のように例えばブドウ酒につきまして言いますと関税を設定しておりまして、関税の率は、例えばCIFに二百八十円から価格によりまして百六十六円というまでの関税を、リッター当たりでございますが、かけております。
○丸谷金保君 私の聞いているのは、かけているということでなくて、自分の国では輸入関税をかけていながら日本に撤廃しろと言うのはけしからぬではないかというような主張を、例えば日本は具体的にフランスに対してしたことがありますかと聞いているんです。——じゃいいです、それ。あるかもしらぬけれども、寡聞にして私たちや一般国民は聞いたことがないと思うんです。これは非常に不合理なことだと思いますので、留意をしておいていただきたいと思うんです。 それで、それに関連しまして、そういうことで日本は、ヨーロッパなどから入ってくるワイン、ウイスキー、ブランデーその他の関税をどんどん下げましたね。この前も申し上げまして主税局長が、いかんともしがたいと言うのは現行法制上仕方がないことだろう。大臣はやはりそういう矛盾を検討してもらわなきゃならないと申し上げましたところ、大臣は昨年の四月には、これは間接税の全体的な見直しの枠内に入るので、そういう形で検討しなきゃならぬ、こうお答えになっておるんです。私は間接税を全部見直してもらわないでもいいんです。酒の税金だけまず見直してもらえばいいんですよ。これは全体を見直さないとどうしてできないか。あのときは実は何かそういうものかなと思っておったんですが、後から記録をずっと読んで考え直してみると、何も間接税の全部の見直しをしなくたって、酒税の見直しだけで今のようないかんともしがたいというような法的な矛盾、矛盾というのは例えば輸入酒と日本の国内のワインとかウイスキーの場合に、従量税と従価税の関係で、非常な不公平だという問題です。 これはできるはずなんですよ。 昨年の酒の税のときには、大臣から全体の見直しと言われたんで、ああそんなものかと思ったけれども、後でいろいろ調べてみると、全体を見直さなくたってこういう矛盾は矛盾だけで解決できるんです。だから、何か上手に答弁でごまかされてしまったんで、これはどうして全体を見直さなきゃできないのかということをこの機会にはっき りさせておいてください。
○政府委員(角谷正彦君) ただいま丸谷委員御指摘の件は、昨年の四月に当大蔵委員会において議論されました酒につきましての課税標準の問題、すなわち国産酒の場合におきましては現在製造者の移出課税制度をとっているということから、国内の流通段階に入る前の、一つの製造者移出価格というものを課税標準にしている。それに対しまして輸入品につきましては、これに対応する価格として、保税地域から引き取る段階での引き取り価格、具体的にはCIFプラス関税でございますが、これを課税標準にしているということに関連いたしまして、実は末端の小売価格で比較いたしますと、末端の小売価格では、輸入品がかなり流通マージンが高いこともありまして、相対的に税負担が低くなっているということは不合理ではないかという御指摘であったというふうに思います。 それに対しまして私どもの方でお答え申し上げましたのは、それは結局流通マージンの高低の問題というのは基本的にいろんな企業の販売政策とか販売力、そういったことにかかわることでございますので、これは日本におきまして酒あるいは物品税の多くのものにつきまして製造者移出課税制度をとっている、それに対応して、物品税を含めまして、輸入品につきましては保税地区からの引き取り価格つまりCIFプラス関税といった価格を課税標準にしている。こういった間接税の基本にかかわる問題でありまして、そういった点からいいますと、また流通マージンについて役所の方が特に法的規制を持っているというわけではない現状のもとにおきまして、こういった差が出てくるのは基本的にはこれやむを得ない、どうしようもないことじゃないだろうかということをお答え申し上げたことではないかと思います。
○丸谷金保君 それで、矛盾の起きてない物品もあるんです。だから全体的に見直すと言ったって、全体的に見直さなくても、例えば酒の税の場合、これはあのとき梅澤局長も言っておりましたけれども、規模別段階制というふうな問題で、全部蔵出し一本にして課税するような形にしていけば、CIFプラス関税というふうなものとも矛盾しない体系が酒ではできるんですよ。ほかのものと違って、庫出税で押さえているんですから。ほかの物品税、間接税の場合はそこで酒のようなきちっとした押さえのきかない国内の商品もみんな入っているわけですから、それと一緒にいかんともしがたいということはない。 それで、ワインの問題ばかり言いますと何か嫌みですからウイスキーを取り上げますと、この間の税制改正でこういう状態ができているんです。例えば、八千円の国産ウイスキー、二二〇%の従価で税は三千八百五十円なんです。ところが八千五百円の輸入ウイスキーが一五〇%の従価で千六百二十一円、これは十月からは従量税になって千五百七十三円になりましたね。 それで二千二百二十九円も実際に違うんです。この結果どういうことが起きるかというと、大臣が言われたように、あのとき大臣はサントリーでもいいのにジョニ黒を持ってきてくれるというようなことを言っておりましたけれども、贈答品の時期だけは高くしてあるんです。ところが後は大体もう、時期が外れると外国のは七千円くらいで売るんですよ。それは売れるんです、税金がもう二千二百円も安いんですから。同じような価格のもので、こういうプレミアムというか、逆に安売りをやっていますよ。ニューオータニなんかでもやっています。外国の、名前は言いませんけれどもウイスキーなんかも。 それがなぜできるか。そういうことで国内産を圧迫するんです。そして税収の見込み違いにもこれが響いてくるわけですよ。ウイスキーの税収が一千万円以上も落ち込んでいるでしょう。そうすると、こういうところが安売りをするから、国内産の税金の高いウイスキーを飲むよりは、贈答以外のとき安くして投げ売りしている外国産のウイスキーの方にお客さんが行っちゃう。こういうことになる。これも見込み違いの一つなんです。一本で二千円ずつ見込み違いがあるから、これは随分違うんです。 だから、単にウイスキーからしょうちゅうに嗜好が移りたということだけでなくて、全体のアルコールの消費が横ばいになってきている、むしろ頭打ちしてきているというふうなこと。それからいわゆる現在の酒税法の制度の中で、間接税全体でなくて、酒税法の制度の中での手直しも考えていってもらわないと、税収落ち込みをただしょうちゅうだけに転嫁するというふうなことは私は間違いだということをここではっきりとまず申し上げておきたいんです。 時間ですから、あわせてもう一つ申し上げておきますと、酒類の何というか、酒税法上の名称、これが非常におかしくなってきています。どんどん新しいのができてきますでしょう、チュウハイとかいろんな形で。リキュールだか、しょうちゅうだか、スピリッツだか。元来、しょうちゅうというのはスピリッツですよね。度数でスピリッツは度の高いものの方というふうな区分けを考えていましたけれども、よく考えてみると最近はもう四十度のしょうちゅうが出ていますからね、これは全くほとんど違わないものが。同じスピリッツといっても、例えばウオッカなんというのは炭素の中を通してにおいをつけるだけで、そんなに違わないものを、いろんな形にしてわかりづらくしているというふうな問題がありますので、こういういろんな酒の税そのものが、多様化した全体に対応できなくなってきているのに、一体こういうものについて、大臣は昨年、要するに検討すると言ったけれども、主税局は検討しているんですか。どうでしょう。
○政府委員(角谷正彦君) いろんな御指摘がございました。 まず国内ウイスキーと輸入ウイスキーの問題でございますが、これは基本的には、例えば今御指摘の件で言いますと、一五〇%の従価税がかかるケースだと思いますが、それが千五百円か千六百円程度というのは、輸入価格が、CIFプラス関税といったものが約千円を若干上回る程度のところで輸入されている。これは、例えばウイスキーの場合には、最近ポンドが非常に安くなってきているということも影響していると思いますけれども、そういったところで一五〇%の従価税を適用いたしましても全体としては二千五、六百円程度の価格。それが現実の流通段階では八千円とか九千円とか一万円で売られているというのは、まさに流通マージンがそこに非常に大きくかかってきている。この問題をきちんと国内でバランスさせるとしますと、例えば小売段階での課税にするとか、例えばEC型付加価値税という形で転換するとか、そういった基本的な消費税の仕組みの中で考えざるを得ないということでございまして、そういった点から言いますと、やはり消費税の仕組みの中でこれは全体として検討しない以上はいかんともしがたい問題ではないかというふうに考えているわけでございます。 なお、先ほど丸谷委員の方から、規模別、つまり製造者の規模別によりまして零細業者には税金を安く、たくさんつくっているところには税金を高くという御提案もございましたが、これも昨年の国会でもお答え申し上げましたように、いわゆる同じ物を同じ人が消費するとした場合に、同じ物につきましてたまたま生産量が多いか少ないかといったことによりまして税金に差をつけるということは、これは政策税制の問題は別といたしましても、基本的な消費税の仕組みになじむかどうかということにつきまして非常に疑問が多いわけでございまして、こういった点も慎重に対応せざるを得ないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。 それから、今、酒類が非常に多様化している中で、現在の酒の分類あるいは税率といったものがこれでいいかどうかといった問題についての御指摘がございました。 これにつきましては、一昨年といいますか、五十七年の酒類問題懇談会におきましても、こういった生産消費の態様に配慮していく、現在は非常 にきめ細かい分類差等課税といった制度をとっておりますけれども、最近の実態から照らしますと、ややこれは税率格差の縮小の問題とも関連いたしまして、簡素合理化を図ったらどうかという御指摘があるわけでございます。こういった面につきましては、やはりこれは現在の税負担の適正化という観点とあわせまして流通、消費の実態、さらには生産のいろんな動向等、業者の実態、業界の実態等もにらみ合わせながら今後検討していきたいというふうに考えております。
○鈴木和美君 私はきょう、森林の整備の問題と水利用税の問題について御質問をしておきたいと思うんです。 まず私は財政当局にお尋ねいたしますが、先般、代表質問でも山の問題と水の問題を御質問申し上げたんですが、そのときに、代表質問ですから言葉足らずで大変誤解を受けて迷惑をこうむっておるんですが、日本経済新聞の五十九年八月十二日の朝刊に、「水源利用税を新設 六十一年度から水道料に五%上乗せ」ということで「政府・自民 森林整備財源で検討」中であるという報道がなされています。それからもう一つは、六十年の二月十五日の官庁速報で、建設省の検討の状況として「水消費税、基金創設など検討」というような報道がなされておるのでございますが、大蔵省としてこの「政府・自民」という見出しの中の「政府」の中に入るのかどうか、農林水産省並びに建設省と大蔵省は水利用税の問題について何か御相談なり協議があったかどうか、その事実を聞かせてください。
○政府委員(角谷正彦君) 私も同じような水資源税あるいは水利用税の問題につきまして新聞で拝見いたしましたけれども、現在の段階において税制当局といたしましてこの問題について具体的な話を聞いていることはございません。
○鈴木和美君 私は大臣にちょっとお尋ね申し上げたいんですが、私も、現在もやしのような山がむせび泣いているというような表現で、現在の森林の状況を訴えたのです。これはだれでもがそういう私は認識だと思うんです。なおかつ、自由化によっての合板の問題がいろんな議論をされているときに、森林業界に対して何らかの手当てをしなきゃならぬ、国策としてこれは水の問題や緑の問題、土の問題、ダムの問題などから見て手当てをしなきゃならぬことだと思うんです。けれども、それを直截的に水源利用税であるとか水消費税であるとかというような、目的税だからいいんだというような考え方に立って、直截的にこういう問題を検討するというのは多少早計過ぎやせぬかというきらい、考え方を私は持っているんですが、大臣、この考え方はいかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり私どもその考え方をまだ聞いておりませんし、そして大蔵省部内では、いわゆる目的税というのには、御案内のように税調でも、やっぱり税金には色がつかない方がこれはベストだという基本的な考え方がございますので、特にそれを議論しておるわけではございませんが、私の感想をあえて申しますならば、恐らくその森林関係を担当していらっしゃるところで見れば、今いかにも、おっしゃいましたようにもやしのような森林とか、あるいは経済摩擦の問題としてフォレストプロダクトですか、というような問題が今度の四分野でも取り上げられておる。そうなると非常に危機感が出てまいりまして、いつも言う話でございますけれども、ちょうど、ちょっと話が長くなって申しわけありませんが、私が建設大臣をしておりました当時、もう十年も前でございますけれども、日本は下水道が普及していない、なぜかというのでいろいろ考えてみましたら、ちょうど日本は先進国あたりでは面積当たり雨が倍降ります。それが、真ん中に山があって太平洋と日本海へ巧みに汚物が流されていく、川は急流でございまして、したがって五千万人ぐらいの人口までは余り必要としなかったかもしらぬ、したがって下水道がおくれておる。フランスの場合は緩やかな川だから、ジャン・バルジャンは百年前にもう下水道に逃げ込んでおったわけです。 それと同じ論理で、今、日本から森林が水資源としての価値を失った場合には一挙に洪水が起きちゃう、こういうことの危機感がいろいろある。ところが財政当局は予算で厳しくこれに対応しておる、そこで原局の方で見ればあるいは特定財源として目的税などをお考えになる環境というのはそういうところにあるのかな、こんな感じで見ておりますが、本来目的税として初めからそのねらいをつけるということは必ずしも適切ではなかろうかな、こんな感じがしております。
○鈴木和美君 私は、この検討の状況を見まして、次のような問題を感じるんですよ。まず一つは、空気とか水とかということについては、直接的な被害が直ちに及ぶ部分じゃないですからなかなか関心が弱いということがあるかもしらぬが、国民生活の重要なことですね。ですから本来、山の問題を論じ森林を論ずるというのであれば、国がもっと積極的な助成とか補助とか、そういうことを原則的、基本的にやるべきだと思うんですよ。まずこれが第一の問題意識なんです。 二番目は、目的税だからというようなことで、もう財政が苦しいからということでこのことが一つでも認められるということになれば、今の揮発油税ではありませんけれども、現在の財政の民主主義や租税の民主主義のそういう基本的な部分が崩れちゃうと思うんですよ。大蔵省とは一体何のためにあるのかというようなことになって、私は財政民主主義の点からも問題だと思うんです。 三つ目は、仮にこういう水道料金に上乗せをするというようなことをやったとすれば、不公平感が私は拡大すると思うんです。つまり、不公平感が拡大するということは、農水用に使う水とか工業用、それから利水ですね、それから水道料だって各県、都市において違うんですから、そういうものを税の面で公平的な措置をとるなんというのはまず不可能だと思うんです。 それから四つ目は、こういう問題で新たに目的税として新設をして新聞報道がされているような一千億の財源を生み出すということになれば、大臣、これは増税なき財政再建という、大臣のかねて新しい税の新設はしないというような考え方に反すると思うんですね。だから、そういうことがあってはいかぬので、十分その点を私は戒めていただきたいと思うんです。 したがいまして、私が今提起したこの四つの考え方について、政府並びに財政当局の考え方を私は聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる治山治水、水源涵養というような観点から言えば、確かに公共性があると私も思います。したがって、造林とか林道とか治山とかというのは場合によっては十割補助のものもございますしそれが高くなっておりますが、なかんずく造林というようなことになりますと、昔と違いまして間伐材が我々のお互いの田舎のようにいわゆる薪になりませんし、そして木炭も恐らくあの最盛期から言えば何千分の一かなんかにプロパン革命によって減っておるでございましょう。したがって、森林というものがいわば財として成り立つという物の考え方から、そうじゃなくしてあくまでもこれは治山治水の公共性の観点から見直すべきだという議論が最近とみに高まっておることは私も承知しております。ただ、結論から申しますとこれは、言ってみれば、最終的には国全体の責任でやるわけでございますけれども、いわば原局の林野庁あるいは農林水産省等でこれをいろいろな形で今日議論していらっしゃるさなかじゃないかなというふうに思っております。 それから、そうなりますと目的税の問題が出てきますが、例えば航空機燃料税とかあるいは揮発油税とかいうとペイをする方がまさにその目的につながっておるという意味において、私も目的税全体は大変好ましい姿であるとは思いませんが、一つの政策目標を達成するためには存在の意義がそれなりにあろうかと思います。が、水利用税ということになりますと、今いみじくもおっしゃいましたように、よくありますのは、上流でダムをつくって水没いたす人から見れば、何だおれたち 何で都会の人のために水の下にならなきゃいかぬかというような不公平感がございましたり、そしてそれがかんがい用水の場合、工業用水の場合あるいは家庭用水の場合、それぞれ一体どういう負担というものになり得るだろうかという難しい問題もあらうかと思います。しかし、やっぱり総体的に厳しい財政事情でございますのでいろんなお考えがそれなりに出てくるでありましょう。そのほかに出てきた議論——議論だけでございます、検討しておるわけじゃございませんが、いわば防災に関してだけは無税国債を出したらどうだというような議論が出ましたり、そういう財源論というのは、やっぱり厳しい財政事情でございますから、出ていくことがあり得るだろうなというふうに思っております。 それから、この問題はまさにいわゆる新規な新税でございますから、そういう意味において新税が国民負担、租税負担率の上昇につながれば、これは今臨調でおっしゃっております増税なき財政再建の定義にも反することになりましょう。だからよっぽどこれは慎重な上にも慎重に対処をすべき課題であろうというような感じでもって今のお話を私も承らせていただいたわけであります。
○鈴木和美君 本会議で私が質問をいたしまして、金子農林水産大臣の代理から答弁をもらった中身も読ませていただいたんですが、もちろん農水省というか農林省というか、そこは深く検討を今しておりましてね、募金というか基金というか、そういう中から国民的ないろんなコンセンサスを得るための努力をこれから続けていきたいと。これはこれで我が党としても、こういう山の問題は一体どういうふうにしたら一番いいのかということは、これからも検討を続けていかなきゃなりませんし、早急に検討を詰める段階に来ているわけなんですよ。 ところが建設省の方はすぐ、治水治山というような角度から非常に具体的に話が進められておりまして、結局お金がないから目的税として五%ぐらい水道料に上乗せしよう、そして六十一年度の予算編成までに間に合うように検討しようというようなことになっておりますので、甚だ私はこれは問題だと思うんです。 そういうことから見まして、ぜひ大蔵当局としても、慎重に取り扱うように本件については示唆ないしは申し入れというか、そういうことをしていただきたい。それで、私としてはその水利用税に絶対賛成だというような立場でないことも付言して、本件についてのもう一度大臣からの所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは財政状態が厳しい、したがって治水事業、建設省でいえば、治水になりましょうか、の治水事業費の確保が非常に厳しい、そこで財源対策ということについてはいろいろな角度から勉強しておられるだろうというふうに私はこれを推測いたしましてお答えしたわけでございますが、恐らくいろんな角度からこの議論はあるいはまだ事務当局の段階かもしれませんけれどもなされておるであろうというふうに私もいろんな会合に出ましたときに承らせていただいておりますが、やっぱり目的税、新税というのに対しては非常に慎重にならざるを得ないというふうな考え方は持っております。
○鈴木和美君 また別な機会にやらせていただきます。 もう一つの問題も別な機会にまたやらせていただきますが、きょう大綱だけ聞いておきたいと思うんです。 銀行局と証券局にお尋ね申し上げますが、これはやはり日本経済新聞の三月十四日でございますが、「証券 休日営業、六十年度に実現」、そして「超ミニ店舗認可 百貨店・スーパーに設置 大蔵省通達」、この見出しでミニ店舗が開設されることを認可したという報道でございますが、この内容はどういうことでしょうか。
○政府委員(岸田俊輔君) 証券会社の六十年度、六十一年度の店舗設置に関しまして、三月十二日の通達で人員が五名以下の特別小型店舗を新たに認めることにいたしました。 今回このように一般の個人が近づきやすいデパート、スーパー等の一角に特別の小型店舗の設置を認めたという理由は、最近の国民金融資産の増加を背景とした貯蓄の多様化に対する国民のニーズにこたえ、従来証券投資になじみの薄かった個人投資家を対象に、国債や投資信託に関します知識の普及を通じまして国民の投資機会の充実を図ることとしたものでございます。このような店舗をデパート、スーパー等に併設する場合、その出店先の営業日に合わせて営業を行うということで、顧客サービスの面で便宜を図るということにしたわけでございます。このような店舗に限りまして営業日を合わせるものでございますから、一般的な休日等には営業を認めるということにいたしたわけでございます。日曜、祭日は証券取引所や金融機関も休業しておりますので、こういう日の業務内容は投資相談とか注文の予約の受け付けを主体としたものに限られるというふうにしております。
○鈴木和美君 この動きに対して、銀行の方の業界はどんな反応を示しておりましょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 銀行の方はこれは休日に関しましては法制がございますので、証券会社とおのずから異なっているわけでございます。しかしながら、証券、金融はやはり金融資本市場を構成しているという点では同じでございますが、全体といたしまして、今証券局長が答弁いたしましたような営業体制についてはやはり理解を示しているというふうに考えております。
○鈴木和美君 これも私は三つの問題があるように思うものですから、また別の機会に自分の意見とかその他は述べますが、大臣ちょっと見解を聞きたいんです。 まず問題の一 つは、このミニ店舗とはいいながら、中期国債ファンドから始まって、新しい証券、銀行の争いが起きやせぬか、起きるんじゃないかというような見方を私はしているんです。 それからもう一つは、総体的に週休二日制ということを国民の間に普及させていかなきゃならぬ、そして時間短縮も実現させていかなきゃならぬというような、高齢化社会を迎えてのそういう方向にあるときに日曜、祭日が開かれるということは、郵便局も含めましてまた新しい週休二日制をようやく実現させようというような、つまり流れに逆行しやせぬかという二つ目の問題点を感ずるんです。 それから三つ目は、基本的なことですが、週休というか祭日というか、休みが多くなるというときに、つまり財布のお金ですね、そういうようなことについてもまだまだこれ、月給はそんなに高いわけじゃないですから、冷蔵庫に全部食料品を買い込んでおくというような風習がまだないですよ。それからレジャーの関係で出かけていくというようなときに、金融機関をあげといてくれという意見などもあるんですわね。だから、基本的にどういう国民的なニーズにこたえるのが一番サービスとなるのかという原点のところですね。 ここだけ三つお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(吉田正輝君) 私ども週休二日制の拡大は全体として世界の流れでもございますし、時代の流れであるというふうに考えております。しかし金融機関につきましては他の一般企業とは、先生もたまたまお触れになりましたとおりいろいろ事情が異なっておるわけでございまして、金融機関相互あるいは証券会社等の間だけではなくて、利用者でございます国民各層の理解を得ながら日本経済全体の中で定着していくという形で実施されていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。 で、異なった事情と申しますのは、一つは手形、小切手等の取引がございます。これは金融機関全体がこの手形、小切手の決済を通じまして資金の決済網、いわば決済網という言葉がいいと思いますが、決済網で結ばれておりますので、一つの金融機関だけが休日をふやすということも難しいということでございます。それから第二は、金融機関は大企業、中小企業、一般個人まで国民各層の取引関係にあるということでございます。第 三番目には、こういう金融機関の公共性を考慮いたしまして、日曜日以外の休日は銀行法等の政令で定められる、こういう法体系になっているわけでございまして、したがって私ども、時代の流れとは存じますけれども、国民経済全体の休日増加、それから働く方々のいわゆる時短の進行と金融機関の週休二日制拡大、この二つは双方がバランスをとりながら日本経済の中で進展していくということが適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(竹下登君) 今銀行局長からお答え申しましたが、一つはいわゆるデパート、スーパー等の休みの日に合わせて証券会社も休むわけでございますから、全体としての私はバランスはとれていくんじゃないかなと思います。 それから、基本的な問題につきましては今局長からお答えいたしましたとおりで、実際問題私も現実にこの問題を取り扱って、今のところいわゆる第二土曜日を休業としておるところでございますけれども、実際一つは今のオンラインで皆つながっているというようなことで、一店舗だけが休むというわけにももちろんまいりませんけれども、いわばまだ議論にいつでもなりますのは郵便局の問題が一つあります。それに大体地域で競争の中にあります農協さんの信用部とか、こういうのがありまして、それでいわゆる現金引き出し機だけを稼働さす問題でもかなりのトラブルがあったりしておりますが、全体的に考えますと、日本の労働時間の短縮とそして今のような諸制度がどういうふうにバランスをとられていくべきものか、状況の推移を見ながら私どもはそれに対応していかなきゃいかぬ。しかし、原則的にはやっぱりいわゆる週休二日制というような問題は世の流れであるということには間違いないと思っております。
○鈴木和美君 終わります。
○藤野賢二君 主に年金絡みの問題をお聞きしたいわけでございますが、最初に大蔵大臣の御所見をお伺いしたいのでございます。 アメリカの上院では先般、日本の市場開放を求めて全員一致という今まで例を見ない強固な姿勢を示したわけでございますが、あしたはまたダンフォース上院議員が、対日報復措置を義務づける、こういった法案を出すということが言われております。国際化、自由化の波というのは一つにはもう感情的な面まで含まれているような気がするわけでございます。日本人の感覚をはるかに超える勢いで押し寄せてきているような感を受けるわけでございますが、事が正しいか否かは別といたしまして、そのような外圧に対して、国内的な感覚だけではなくて国際的な感覚を持ってこれに対処しなければいけないと思うわけでございます。 特に大蔵大臣におかれては金融問題において多くの国際化、自由化の問題を抱えているわけでございまして、総論的なことで結構でございますからその御所見をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まさにおっしゃったとおり、上院が全会一致の決議、これはもちろん今度ダンフォースさんが仮に法案を出され、それが通過しましても、大統領には拒否権が一応あるわけでございます。今の自由貿易主義を国是として政策選択をしておられるレーガン政権が、直ちにそれに応ずるという環境にはなかろうと思いますが、さらにその三分の二の議決でございますか、そうしますと今度はその拒否権自身が否決されるということになる。それは今も言葉としておっしゃったとおり、事の理非曲直は別として、そういう我々が国内におってはとても考えつかないような厳しさがあるというまず事実認識をしなきゃならぬであろうと思っております。御案内のように、下院議員の選挙というのはあそこは二年に一遍ございますし、これは二年に一遍でございますと、しょっちゅう選挙区の問題を取り上げていなきゃならぬということもございましょう。そしてまた、来年は上院の改選期にも当たりますから、なおのことそういう選挙区絡みも含めて厳しさが増してくるだろう。そうなるとこれは本当に、ただ、おれの方にも言い分があるんだというだけの問題ではなかなか対応し切れない問題もこれはあろうかと思っております。 しかも一方我が国は、昨年のサミット以来いわゆるニューラウンドの提唱をして、進んで自由貿易の旗手たらんという姿勢をとっておりますだけに、非常にそれらの問題に対しての細かい気配りも含めて積極的な対応をせざるを得ないであろうというふうに思っております。 金融のいわゆる国際化、自由化問題というのは、これは一昨年でございますが、中曽根・レーガン会談でレーガン大統領訪日の折決まりまして、これからいわゆる竹下・リーガンの円・ドル委員会、それの実務者会議として大場・スプリンケルということで積み上げてまいりましたが、やっぱり時間がかかるものだなと思いますのは、作業を開始してから大筋の結論が出るのに半年かかったわけであります。そこで一つ一つのタイムスケジュールを設定しながらやっておるわけでございますが、あの際、いわば中曽根・レーガン会談でいわゆる今度のMOSS方式の先鞭をつけたとでも申しましょうか、そういう金融の所管省と所管省のキャップの話し合いから始めていけ、こういうことから今度四分野がそういう形でこれを取り上げてきておるというふうに思います。 私どもはこれについて、積極的に、しかも我が国の歴史がございますからそれに対していわば主体的に、しかもまだ金利の自由化ということになりますと郵便局の問題とかいう問題も出てまいりますので漸進的に、英語で訳すときに、積極的に、主体的に、漸進的にというと一体どう受け取るだろうかというふうに私も感じましたが、今日まで外形から見れば比較的順調にものが進んでおるということが言えますのは、私は、一つは世界の一割のGNPを持つに至った、しかもいわば現在貯蓄余剰国である、どこの国民よりも貯蓄心が高いというようなことから、日本自体のために国際化することがいいことだということが背景にあったからこう進んだのではなかろうかというふうにも思っております。 まだまだ問題は残っておりますので、それらの国内問題と調和をとりながら私の分野における金融等の問題も対処していかなきゃならぬし、他の問題についても、いわば当面の施策のみならず中長期にわたってのいろいろな国内政策も含めた積極的な対応が必要ではなかろうか、こういうような認識をいたしておるところであります。
○藤野賢二君 今、金融面での国際化のお話が出ましたが、そのテンポも非常に速くなってきている様子であるわけでございますが、特に三月末に締め切られました外銀九行の信託の参入でございますが、これはどんな基準で八行に絞って、そしてその九行が日本で具体的に何をするのか、何ができるのか、ねらいはどんなところにあるのかお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま九行というお話がございましたけれども、私どもといたしましては外銀の信託参入につきましては、最大限八行、日本の信託業務を営んでいる数と最大限でも同じであるというふうにやっておりますが、九行の申請があったことは事実でございます。 その申請をどのように選考するかということでございますけれども、基本的に申しますると、まず申請の資格要件を満たしているかどうかを判定した後、本国における信託業務の実績、それから銀行としての経営基盤の安定性、日本における実際の業務執行計画等を総合的に勘案して選考を行うことになっておるわけでございます。 その資格要件を若干敷衍して申し上げさせていただきますと、外国銀行であること。日本の銀行を設立するわけでありますけれども、母体は外国銀行であること。それから、日本の信託銀行との合弁も可能でございます。それから、本国において銀行本体または一〇〇%小会社が信託業務もしくは信託業務と同等の効果を有する業務を営んでいること。それから、年金資産の残高が少なくとも日本で信託業務を営んでいる銀行の平均、約一兆二千億円でございますけれども、それを上回っ ていること。こういう要件を満たさない場合におきましても、この要件に匹敵する実績があると認めた場合には資格があるものとする、というふうに考えておるわけでございます。 それで、これはそもそもは証券業、保険業、普通銀行業等につきましては、外国の銀行について内国民待遇を与えておりますけれども、ひとり信託銀行についてはまだ参入の機会を与えていなかったわけでございますので、趣旨といたしましては内国民待遇を信託銀行分野にも与えるということでございまして、国内の金融制度そのものには波及させないということが一つのねらいでございます。 それから、こういう参入の申請があった外銀の参入のねらいは何であるかというお尋ねについてでございますけれども、我が国においては企業年金の資産運用は法律によりまして、先生御高承のとおりでございますが、信託、生保、適格年金については生命共済も含むわけでございますが、原則、信託、生保のみに認められているところでございます。今回の外銀の信託参入は、この企業年金の将来性に着目しつつ、その資産運用の受託を主たる目的としているものと考えておるわけでございます。
○藤野賢二君 今、国内には波及させない、こういうお言葉でしたが、私は、こういう国際化の波が来ているわけですから、外からの圧力、このことでみずからの体質が強化されて、あるいは顧客、国民の利益につながるということであれば、これは大いに結構であって、こういう機会にどんどんとやるべきである、こういうふうに思うわけでございます。 三月二十九日に発表されました公共債市場及び短期金融市場の整備拡充についてのこの措置でございますけれども、これは大蔵省が金融自由化に対応して銀行、証券の業務提携を図ったものだそうでございますけれども、非常に双方から歓迎され、評価できる措置ではないかと思うわけでございます。 世界の中で生きていかなきゃいけないということで、そういう意味では自由化ということはこれはやむを得ないものであるという考えは基本的に持っているわけでございますけれども、しかし、一方においてここで注意しなければいけないことは、自由化をすればお客さん、すなわち国民は有利になるんだ、そういうムードに乗ってというのか、あるいはそういうムードをつくって、乗せて、いたずらに混乱をさせて、そのことが結局顧客や国民の利益とならないようなものになる、こういうものには関係当局としても十分注意していただきたいと思うわけでございます。 例えば今のお話でございますが、今回の外銀の信託の参入のねらいは企業年金であると。今申し上げたとおり、この外銀の参入自体は、企業年金がねらいであろうと何であろうとこれはもうやむを得ないこと、こういうことで受けとめるべきであると思うわけでございますが、だからといって、一方において、同時に国内の金融市場も自由にした方がいいんだ、安易に取り外した方がいいんだ、こういう考えは、私はこの問題に限って言えば、ほかの問題はともかく、顧客、国民にとっては今の時点では著しい不利益をこうむるおそれがあるものではないか、こういうふうに思うわけでございます。 と申しますのも、御高承のとおり企業年金というものはほかのものと違って極めて長期性というところに特徴があるわけでございまして、まず第一に求められることは、将来の安全とか安定性ということであるわけでございますが、したがって長期的な運用において最も有利であり安心である、これが第一のポイントになると思うわけでございます。特にまた、企業年金独特の問題ということは、日本のこの特別の労使関係、こういうものと歴史的に極めて密着して育ってきているものであるわけでございまして、我が国の固有の土壌に育ったもの、こういうことが言えると思うわけでございまして、さらに日本的な特徴であるトータルサービスシステムが確立されているとか、例えばこれについてもアメリカのような分業制やコンサルタントへの部分委託はどうか、こういう考えもあるわけでございますが、こういう日本の歴史的な状況は日本の国体を変えない限りそう簡単に変わるものではないわけでございまして、そのことをアメリカの国体と急に合わせて一致させていくということには十分注意しなければいけない、こういうふうに思うわけでございます。 しかるに今回は外銀が参入してくるということによって、例えば今まで全く法規制のない投資顧問会社の動きがあるとか、あるいは国内も外銀並みにしよう、こういう動きもあるやに聞いているわけでございますが、具体的に言えば、例えば銀行というところは本来一年以内の短期運用が主体であって今の時点では非常に長期的なものには実績は乏しいものであるわけでございまして、また、三年物においても十分な実績を上げているとは言いがたいのが現状である。かかる状況であるにもかかわらず、言うなれば業容を拡大したい、こういうムードが国内に、いつの時代でもそうですが非常に強くあるわけでございまして、そういう意味で何十年というこういう極めて長期のものが前提となる年金市場に今参入してこようということには私は大いに無理があるんではないか、こういうふうに思っているわけでございます。 例えば先ごろ、大手銀行のニューヨーク支店においては短期的な収益を、現地にいるから無理がないんですがねらう余り、莫大な為替損をこうむったことは周知の事実であるわけでございます。 また、証券会社についても一言申し上げておきたいわけでございますが、一部の証券会社においては、特定の基金との関係を深めて受託機関の多様化をあるいは拡大化を図りさえすればお客さんや需給者は利益があるんだ、こんなようなことを強調している様子でございますが、やはり証券業というのは本来、手数料稼ぎと言っては表現が悪いんですが、そういうところにその基本的な姿勢があるわけでございまして、長期の運用ということには今の段階ではなじまない。またさらには、安全性ということを考えた場合にも、どうしても証券買いが中心になるおそれのある運用システムは企業年金向きとは言えない、こういうことが考えられるわけでございます。 また、投資顧問会社においては言うに及ばずで、これはアメリカの制度であって日本では甚だ未熟であり実績がない制度であるわけでございまして、悪質な投資顧問業者を規制する法的整備ですら今ようやくやりかかっている、こういう状況にあるわけでございまして、したがって今、基金の動きもそうでございますが、あるいは個人においてもそうなんでございますが、一億総投資家の機運が非常に国内にあるわけで、その自主運用をしたい、こういう機運があるわけでございまして、このこと自体は私は悪いことではない、こういうふうに思うわけでございますが、この失敗の負担もまた自己責任にある、こういう点については日本ではまだ公共責任の感覚が強くて、自己責任の認識やけじめが十分ついていない、こういうふうに思うわけでございます。 アメリカにおいてコンチネンタルイリノイのような事実上の倒産というような重大な経営危機を引き起こしたりしておっても、あちらの人は、それはもう自己判断による責任なんだ、こういう自覚があるわけでございますが、日本の中では、もしこのようなことが起こればすぐパニックになり、政治責任になり、大蔵大臣の責任が追及される、こういう背景があるように思うわけでございます。 質問というよりも意見を述べておるわけでございますが、今申し上げたとおり、私は自由化そのものは悪いことではないし、そのことによって受託機関が広がってお客さんの利益が上がる、これはもう大いに結構である、私はそういうことには反対をしていないわけでございます。しかし今、外銀が参入したのだから、こういう理由だけによって、あるいは理由によって、いまだ未熟のうちに国内の垣根を一挙に取り払っていこうということには、当局としては大変慎重な態度で臨む ことが望まれると思うわけでございます。日本の特殊性や独自性という長所を十分に考慮して、本当に国民の利益が守れるような体制で臨んでいきたいと思うわけでございますが、長くなりましたがその点いかがでございましょう。
○国務大臣(竹下登君) それがゆえにいわば主体的、漸進的という言葉を特に強調しておったわけでございます。 今例に出されましたイリノイの話もございましたけれども、私どもとしても、最初はアメリカと日本との土壌の違いからまず相互認識しなきゃならぬ、日本は相互銀行まで足しまして百五十六でございますから、アメリカは人口が倍で銀行の数は一万四千五百ぐらいありますので、言ってみればしょっちゅう倒産する、表現は適切でございませんけれども、時に経営不安が出てくる。しかし、それだけにまた、自己責任主義というのが定着しておりますので、悪いところへ預けたおまえの選択が悪かったんだ、あるいは経営者のおまえが悪かったんだという感覚がございます。日本の方は非常にサウンドバンキングで、健全経営というものであっただけに、また貯蓄率の高さというもの、私は金融機関、これはもう郵便局も含めてそういうものがいわば倒産することはないという認識があるいは貯蓄率の高い要因の最近一つじゃないかというふうにも言っておるわけでありますが、したがってそういう中から、自己責任主義というものがどちらかというと薄いということは御指摘のとおりであろうと思っております。したがって、そういう制度面においてもでございますが、心の持ち方として国際化、自由化の中で自己責任主義というものを意識づけながら漸進的に進んでいかなければならぬ課題が多いというふうに考えておるところであります。 言ってみれば、円・ドル委員会ができましてから今日まで進展を見て、毎日の新聞にどこかに一つぐらいはユーロ円市場がどうなったとかいろいろ出てまいりますけれども、まだ国民全体に本当のあり方というものが理解されて自己責任主義が確立し、そして小口預金の金利自由化までいくには、まさに漸進的な物の考え方でこれを見定めていかなきゃならない課題ではなかろうかというふうに私自身も考えております。
○藤野賢二君 このことは大蔵省のそれぞれの関係当局にもお伺いしたいと思いましたし、また厚生省の方もおいでいただいて、お聞きするつもりでございましたが、時間もございませんので、大臣からお答えいただきましたので次の機会に譲らせていただきますが、この企業年金に絡んでは、公的年金、これはもう公的年金と私的年金一緒に考えなければ解決しない問題でございますが、一つはさておいて、ちょっとおいておいて、公的年金の改正が今進められているわけでございまして、この内容についてはいろんな意味で大変努力の跡が見られてそれなりに評価できるものであると思うわけでございますが、しかし、詳しくはもう申し上げませんが、人口構成が急激に変わってくる、その内容は省きますが、こういうところから、現在の年金制度をどういうふうに改善しても次世代者にとっては根本的な解決策とならないのではないか、こういう不安があるわけでございます。 現実問題を考えて今一生懸命、何というんですか、掛金を積んでいるわけでございますが、実際それを受け取るときには受け取れないんじゃないか、こういう不満や不安がだんだんうっせきしてきているわけでございまして、特に若い世代には、五十八年の世論調査、国民の意識調査でもそうでございますが、三十代、四十代は六六%の人、三人に二人の人が将来に不安である、こういうふうに訴えているわけでございます。しかし、だからといって、この人口構成を考えた場合には、今の国民の負担三六%前後というものを四五%までいいんだ、あるいは五〇%、ヨーロッパ並みに五五%だとか、いろいろな考えはあるわけでございますが、それを無制限に上げていくことは今度は国の体制としてできない。 そういう意味において、この公的年金に対して何らかの補完措置が必要なんではないか。また、現在の改正された年金額自体が果たして十分な額であるんだろうか。さらに言えば、この改正されたものの中で、例えば個人事業主とかあるいは個人のもっとやりたい、基礎年金以上やりたい、そういうものもないんじゃないか。そういう観点から、何らかこれに補完するものが必要であると思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(横田吉男君) 御説明申し上げます。 欧米等におきましては、公的年金、企業年金それから個人貯蓄をあわせまして老後生活の三本柱というふうにされております。私どもといたしましても、これと同様、老後生活の基礎的部分は公的年金で賄いまして、これを超える部分につきましては、各自のニードに応じて、企業年金や個人貯蓄等を組み合わせて対応していくのが望ましいやり方ではないかというふうに考えております。 こういうふうな考え方に立ちまして、今後私どもといたしましては、厚生年金基金を所管しておりますけれども、これの普及、促進を図ってまいりたいと考えております。
○藤野賢二君 今お答えは、企業年金や個人年金といった私的年金の充実も必要である、こういうふうに受けとめるわけでございます。 また企業年金に戻りますが、その企業年金も実際は大企業の八割とか、あるいは小企業、三十名以上の企業で四一%、もっとちっちゃくなると十人から二十九人の企業では一三%。そういう意味では、普及率は極めて日本においては低いわけでございます。それにはいろいろな問題があるわけでございまして、職場を移動した場合にどうするのかとか、それは十分御存じと思いますが、時間がございませんので、例えばアメリカでやっているIRAの制度のような個人ごとの登録勘定を設けたり、通算制度を設けたり、そういったものとか、あるいは今カナダ政府が検討している企業年金の改革案、こういったものを今後積極的に日本でも検討して取り入れていくべきだ、こういうふうに思うわけですがいかがでございましょうか。
○説明員(横田吉男君) 御説明申し上げます。 先生御指摘がございましたように、現在、我が国の厚生年金基金の加入者及び適格年金の加入者を合わせまして大体千三百万人ぐらいございますが、厚生年金被保険者二千六百万人の大体五〇%の加入率にたっております。高齢化社会が進行するに伴いまして、公的年金を補足するものとしてのこうした企業年金の役割というのは今後とも重要になってくると思われるわけでございますが、こうした事態に対応して一層の普及育成を図っていく必要があろうと私どもも考えております。 御指摘のアメリカにおけるIRA等につきましては、今後私ども、今度の公的年金制度の改正を踏まえまして、私的年金も含めた老後の所得保障というものを総合的に考える中で、一つの参考として研究させていただきたいと考えております。
○藤野賢二君 最後に、時間がなくなってしまいましたが、個人年金については一昨年五十八年に保険料の五万円プラス五千円の政策減税、こういう大英断をしていただいたわけでございまして、当時の新聞においてもこれは唯一の善政であるとか、大きな朗報であるとか、増税一色の中で明るいニュースであると、もろ手を挙げて歓迎されたわけでございます。 保険部長さんにお伺いしたいのでございますが、現在の受け入れられ方の状況とか、あるいは今後こういう対応が必要だという点と、時間があれば、税制面で企業年金、あるいは個人年金の一%さらには補助枠の拡大、こういうものを大蔵省の方でもう少しお考えいただきたい、いかがですかと、こういうことをお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(加茂文治君) 高齢化社会の到来に備えるための個人年金へのニーズの増大に対応するために、最近生命保険会社は個人年金に積極的に取り組んでおりまして、保有契約件数は、五十六年度末八十九万件、五十七年度末百十四万件、五十八年度末百五十万件と、急速に増加をしておるわけでございます。個人年金の保険料控除が創設されました五十九年度につきましても、十二月末 の保有件数は百八十万件に達しておりまして、今後においても着実に普及していくものと見込まれるわけでございます。 それで、現在の生命保険会社の個人年金について見ますと、終身年金と定期年金、あるいは逓増型と定額型等種々なタイプがございますが、今後の本格的な高齢化社会の到来に備えるためにどのような個人年金が望まれるかにつきまして、現在保険審議会の検討事項の一つとして御審議をいただいているところでございます。 具体的な個人年金の種類といたしましては、個人単位でなく夫婦を一体として年金を設定する連生年金、あるいは生存保障性を高めるような年金、あるいは長期間における経済変動、インフレ等に対するヘッジを可能とします変額年金等につきまして、保険制度の健全性、契約者の保護の観点から問題がないか御審議いただいておるところでございます。この夏にも答申をいただくということでございますので、今後このような国民の多様なニーズに対応し得る個人年金を開発、普及していくということは生命保険事業の重要な使命であるというふうに考えておりますので、保険審議会の審議の成果を逐次生命保険行政に反映してまいりたい、このように考えております。
○政府委員(大山綱明君) 税制の問題でございますが、個人年金控除制度を昨年度の税制改正で実現いたしたわけでございますが、大変厳しい財政事情の中で最大限の配慮を行ったということで、昨年措置したわけでございます。まだ第一回目の確定申告がつい最近出たばかりでございますので、財政事情と、それから利用の状況等をもう少し見きわめる必要があると思います。今すぐにこれを拡大するということについては、いろいろ困難な事情があると考えております。
○桑名義治君 五月、西ドイツのボンでサミットが開かれるわけでございますが、三月の二十三日から二十五日、この間に準備会議が行われているように報道されているわけでございますが、この準備会議で大体ほぼどういうようなことが討議をされたのか、まずそこから伺っておきたいと思います。
○政府委員(行天豊雄君) 御指摘のとおり、ボン・サミットに向けましての準備会議は既に数回行われておるわけでございます。こういった会議におきましては、主催国でございます西独を中心にいたしまして、今度のサミットで各国首脳にどのような問題について御審議、御議論いただくべきであるかというようなことを、刻々変化しております国際情勢等を勘案しながら準備のための協議を行っておるわけでございます。 ただ、まことに申しわけないのでございますが、この会議の具体的な内容につきましては、各国ともこれを外に明らかにしないという申し合わせになっておりますので、ちょっとその具体的な内容については申し上げるのを差し控えさせていただきたいと思う次第でございます。
○桑名義治君 そういう各国の申し合わせがあるならば、細かいことは言えないかもしれません。しかし、現在の世界の経済情勢から考えてみますと、大体問題点は絞られてくるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。 そういった中で、新聞紙上の報道では、恐らく日本の市場開放問題が一層厳しく追及されるのではないか。さらに、日本の大幅な黒字については、これはもう当然、七〇年代初めのOPECのように、日本が黒字をひとりでため込んでいるという事柄がまた大きな議題になるのではないか。あるいはまた、アメリカの景気の動向等がいろいろと懸念をされているわけでございますが、この問題はまた後でお聞きするといたしまして、またヨーロッパでは、まだ失業問題が非常に大きな問題になっているわけでございます。 こういった問題が恐らく議題になるのではないか、こういうふうに思われるわけでございますが、恐らくその中身の細かいことは言えないかもしれませんが、大枠について、大体こういうことが議題になるのではなかろうかという予想はもう皆さん方もなさっておられることだと思いますし、また多少検討の段階に入っているのではなかろうか、こういうように思うわけでございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(行天豊雄君) 委員御指摘のいろいろな諸問題、確かに現下の国際経済情勢の中で、いろいろな意味で関心を集めておるテーマであることは間違いないと思います。特に、最初に御指摘になりました我が国の黒字の問題も、御承知のとおり最近とみに国際的な関心を集めておるわけでございますけれども、私どもといたしますと、この現在の経常収支の問題も、その原因を探ってみますと、これはやはり米国経済の非常に力強い拡大であるとかドルの独歩高であるとかいった、なかなか我が国の力でコントロールできないような要因によるところが多いというふうにも考えられますものでございますから、このサミットの準備会議ということではなく、いろいろな国際会議の場等でこういった問題が議論されます場合には、私どもとしてもそういった点で理解を求めるという努力はしておるつもりでございます。 ただ、そうは申しましても、同時に、日本といたしましては、従来どおり市場開放問題等についてできるだけのことをやっておるという努力も続けていかなきゃならないというふうに思っておる次第でございます。
○桑名義治君 そこで、話し合いの細かい問題はお互い各国の間で漏らさないという話ができているというふうにお話しになったわけでございますが、大蔵省が直接的に関係があるとすれば、市場開放問題というのはこれは関税の引き下げということが大枠でまた大きな議題になってくると思うわけでございます。この点になると個々の問題はそれぞれの省庁それぞれの大臣との打ち合わせがまた必要になるわけでございますが、しかし直接的にはこれは最終的に大蔵省の問題に入ってくるわけでございます。そういった立場から、恐らくそういう事柄、関税の引き下げ問題等が大きな議題になってくると思いますが、その場合の対応について大蔵省としての考え方なりをお聞きしておきたい、こう思います。
○政府委員(矢澤富太郎君) 個々の産業にかかわる関税率の引き下げにつきましては、各物資所管の各省の御意見を十分に踏まえまして、協議をしながら決定をしていくということは委員御指摘のとおりでございます。 サミットにおける関税の問題の出方でございますが、ニューラウンドの推進ということにつきましては、今度のサミットで初めて提唱するということではございませんで、前回のサミットで日本が提唱しアメリカがこれを推進、協力したという経緯がございます。そういう意味で、恐らくニューラウンドの推進ということが一つのテーマになってくるものであろうと考えております。ニューラウンドに対する私どもの考え方といたしましては、御承知のように、大変に大きな貿易収支の黒字を抱えている我が国といたしましては、率先して自由貿易の維持、強化に積極的な役割を果たす必要があるわけでございまして、また一方世界の大勢を見ますと、保護主義的な動きがなかなかおさまらない。したがって、その保護主義の塊が坂を転がり落ちないようにするためにも、常にニューラウンドによる多角的な関税交渉、引き下げによる自由貿易体制の維持強化ということで、その保護主義への巻き返しを図っていかなければいけないというような必要があるわけでございまして、内容がまだはっきり決まっていないようでございますが、従来の方針を堅持していくことになろうかと思います。
○桑名義治君 このいわゆるニューラウンド全般についての大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) ニューラウンド、昨年のロンドン・サミットにおきまして我が方が積極的に主張をいたしたテーマでございます。 非常に大筋で申し上げますと、アメリカ賛成、ヨーロッパの諸国は原則賛成なれども準備会議等の開催というようなことは大変慎重、こういう感じでございました。恐らく、今月十二、三でござ いましたか、OECDの閣僚会議に安倍外務大臣と経済企画庁長官とが参られますが、そこらあたりでもそういう話が、あるいはこの会議の席上であるいはロビー外交とでも申しますか、そういう中で出ていくのではなかろうか、我が国はやっぱり自由貿易の旗手であるという意識を持っておりますだけに、この問題についてはあらゆる国際会議ごとにその認識を深めていく努力をしなきゃならぬ。 サミットということになりますとそういう先進国になりますが、特にヨーロッパのフランスでございますとか、イギリスでございますとか、かつて宗主国でございますから自分の領土が独立した国がたくさん関係をお持ちになっておる、そういうところの考え方はこのニューラウンドということになりますと自分の国の一次産品等に対する懸念もあるでございましょうから、その辺も解きほぐしながらやっぱりニューラウンドの促進ということは我が方として掲げて進んでいかなきゃならぬ課題であろうというふうに考えております。 ─────────────
○委員長(藤井裕久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木和美君が委員を辞任され、その補欠として片山甚市君が選任されました。 ─────────────
○桑名義治君 今回のサミットの大きな議題は、冒頭に申し上げましたように、いわゆる貿易摩擦という問題がやはり一番大きな課題になってくると思います。そういうふうに考えてまいりますと、その前にどう手を打っておかなければならないか、こういう問題になるわけでございますが、その一つの手は、いろいろ議論はありますけれども、いわゆる国内の景気を上昇させるということが一つあると思いますし、あるいはまたアメリカの景気の動向というものが微妙に響いてくる、こういうことも思われるわけでございます。 そこで、大蔵省の景気予想調査によりますと、我が国の景気は引き続き上昇をする、こういうふうに判断をされているようでございます。これまで我が国経済は、対米輸出の好調をてこにしまして景気が回復し、良好な基調で現在景気が推移をしてきているわけでございます。ところが、米国経済がそろそろスローダウンしてきているのではないかというような指標が見受けられるわけでございます。よきにつけあしきにつけ、アメリカのそういった経済の動向というものは日本に大きな影響を与えてくるわけでございます。そういった意味から、米国経済の現在の状況と、それから今後の見通し、それから同時に日本の経済の今後の見通し、これを見きわめていく必要があると思うんですが、この点についてはどういうふうに見きわめられておられますか。
○政府委員(北村恭二君) まず最初にアメリカの経済の動向でございますけれども、八四年に入りましてからアメリカの経済は大変高度の成長を続けておりまして、四半期別に見ましても、一—三月の一〇・一%、実質年率でございますけれども一〇・一%、七・一%、それから一・六%、四・三%と推移してまいりまして、ことしの一—三月期で二・一%の成長ということで、ややこの点がアメリカの経済のスローダウンを示すものではないかというふうに言われていることは御高承のとおりでございますが、ただ、詳細はもちろんわかりませんけれども、一般的に分析されておりますところでは、かなりアメリカの輸入が増加したということかこういった数字になっているのではないかというふうに見られておるところでございまして、全体のアメリカの計数等を見てまいりますと、やはり個人消費等かなり強い伸びを示しているようでございますし、それから基本的に物価等が安定しているというようなこともございまして、アメリカ自体弱い計数、強い計数、若干いろいろまちまちなところもございますけれども、全体としてはまだ引き続いて安定的な成長を続けるのじゃないかという見方が依然有力だというふうに言えるのではないかと思います。 ただアメリカの経済は、先ほど申し上げましたように、かなり高い水準に比しますと、やはり全体としては、テンポとしてはスローダウンしていくということにはなるわけでございまして、当然のことながら我が国への影響ということが問題になるわけでございますけれども、我が国の経済の現状というものを見ますとかなり経済の良好な面というのが出ておりまして、企業収益等もかなり好調でございますとか、あるいは技術革新がかなり進んでいるといったようなことを背景といたしまして、設備投資等もかなり強い伸びを示しております。昨年の十—十二月期の国民所得統計の速報というものを見ましても、年率換算で九・六%というような水準にございまして、これを支えているのが設備投資とか住宅投資といったようなものの高い伸びでございます。 したがいまして、今後について、アメリカ経済の成長のスローダウンということに伴いまして輸出面で若干の影響というものはあろうかと思いますけれども、しかし、政府が言っております国内民需を中心とした安定成長というのはまだ持続していけるのではないかというふうに見ているところでございます。
○桑名義治君 今の御答弁の中で、国内の需要はまだまだ大きく伸びていくのではなかろうかという予想だということで、数字を挙げて御説明があったわけでございます。 アメリカの経済は、昨年とことしとを比較してみますと、今も御答弁がございましたように、本年の一—三月期の実質成長率が年率換算で二・一%ということで、アメリカ経済は多少スローダウンしている、こういうことが言えるけれども、まだまだアメリカには消費意欲が非常に強いというような御答弁があったわけでございまして、そういった中から、まだアメリカの経済というものは成長が持続できるのではないか、こうお話しでございます。また、見方を変えていきますと、消費意欲が強いということは、これは余り今後のアメリカ経済を大きく伸ばしていくという要素にはなり得ないという論議もあるわけでございます。昨年度アメリカがああいうふうに非常に経済が好調であったということは、投資意欲が非常に盛んであった、そこに大きな原因があったんだというふうに言われているわけでございまして、そういう見方をしてまいりますと、速報ですから余り信憑性がないというようなことを言う方もおられるようですけども、しかしこれは一つのやはり姿を示した数字であろう、こう理解するのが妥当ではなかろうか、こう思うわけでございます。そういうふうに考えてみますと、アメリカの経済にやはり陰りが出たのではなかろうか、こう私は思わざるを得ないわけでございますが、再度この点についての御意見を伺っておきたいと思います。
○政府委員(北村恭二君) アメリカの経済の現状の統計の見方というのはなかなか難しい面がございまして、例えば二・一%というこの数字のもとになっております基礎データというのが、一—三月と申しましても一月、あるいは場合によっては二月の一部の計数というようなものをとった全く、フラッシュと申しておりますが、暫定的な推計といったようなものでございまして、二月あるいは三月の計数が徐々に明らかになってまいりますと、この辺の計数がどういうふうに動いていくかということはまだわからないわけでございますけれども、確かに先生御指摘のとおり、昨年のアメリカの経済を支えた大きな要因としては、高い伸び率としては設備投資等がかなり大きな寄与をしているわけでございます。 ただ、全体のウエートということで申しますと、何といっても個人消費のウエートというものが国民経済計算上大きいものでございますので、そういったものの伸びいかんが全体の成長率にかなり大きな影響を持つという意味で個人消費にもあわせて注目をしていかなくてはいけないということで触れさせていただいたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、昨年の年率で六・八%という実質成長率からは若干はダウンするだろう、有力な見方として大体三%とか四%台、そういうような数字がいろいろな機関から予 測されて発表されているわけでございますけれども、大体そういった数字に落ちつくのではないかという見方がかなり多いということでございます。
○桑名義治君 そこで、成長の減速の原因について、ボルドリッジ米商務長官は、ドル高が貿易赤字拡大の主因となって、工業生産と雇用を外国メーカーに奪われている、こういうふうに述べているというふうに報道されています。輸入増大による米国内の生産活動圧迫が犯人との見解を表明しているわけでございます。 そこで、ドル高が貿易赤字拡大云々、こうなっているわけでございますが、ドルの最近の動き、これを見てみますと、多少ドルが安くなりつつあるというような方向が示されているようでございますが、これもアメリカ経済と微妙な関係を持っているんじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、このドルの動向というものをどういうふうに推測されておられますか。
○政府委員(行天豊雄君) 御指摘のとおり、現在のドル高は言うなればドルの独歩高という感じでございます。つまり、円に対してのみならず、他の主要通貨に対しても全部ドルが高くなっている。この背景はやはり、最大のものは、米国の国内金利が非常に高い。そのために各国通貨との間の需給関係が非常にドルを高める方向に働いておるということもございましょうし、それから、広い意味で米国経済あるいは米国のいろいろな意味での力というものに対して国際的な評価があるというようなことだろうと思います。 しかし、このドル高は、御承知のとおり去る二月の下旬にピークに達しました。このときは日本の円も二百六十三円台という円安になったわけでございますが、このピークを越えました後、ちょっと現在修正の動きが出ております。この背景になりましたのは、やはり、御指摘のとおりことしの一—三月の米国の経済指標が多少従来のものと比べますとスローダウンという感じが出てきた。と同時に、米国の国内におきましても、よく言われております双子の赤字でございますが、財政赤字とか対外赤字というもののアメリカ経済の将来に及ぼすいわばボクシングで言いますとボディーブローのような影響がだんだんと心配になってくるんじゃないかという感じが出てきておるというようなことが背景になりまして、多少今ドルに対する見直しが出てきているような感じだと思います。ただ、それじゃこの見直しが今後どのくらいのスピードでどのくらいの規模で起こるかという点になりますと、まことに申しわけないのでございますが、私ども非常にこれ見通しが難しいわけでございます。恐らく、申し上げられることは、この二月の下旬に起こったようなピークのドル高という事態は再び繰り返される可能性というのはもう余りないんじゃないかなという感じはいたします。 アメリカ経済の強さというのは、ただいま総務審議官からも話がございましたように、まだまだなかなか根強いものがございますので、ドル高の修正というのが非常に急速に今後起こるという可能性もそれほど多くないかなという気がいたしまして、まあ徐々に修正が進む過程が今後しばらく続くのかなというふうに思っております。
○桑名義治君 いずれにしましても、アメリカ経済はスローダウンするということについては大体意見が大蔵省の中でも一致しているようにも見受けられるわけです。そうなりますと、今から、最大の対米黒字国である日本の存在というものがここでやはり大きくアメリカの中でもECの中でもクローズアップをされてくる、こう思うわけでございます。そうなってくると、これは当然貿易摩擦が一層深刻化するのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、そうすると、米国の対日強硬策がまたECにも波及していくんではなかろうか、こういう心配があるわけです。そうなってまいりますと、これは余りにも飛躍した議論かもしれませんが、保護主義による世界的ないわゆる対日包囲網が形成をされていく、こういう端緒をつくる可能性もなきにしもあらず、ここまでやっぱり、最悪の場合までも我々は考えながらこの貿易摩擦問題については対処していかなければならないのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございまして、そのためにはやはり内需の拡大というものはこれはどうしても避けて通れない問題だろうと思います。 そういった意味で、内需の拡大策なり、あるいはまた先ほども申し上げましたように、アメリカを中心にしたいわゆるECとの関連の中で、日本に対するいわゆる包囲網的なものが形成をされる心配はないのかどうか、ここら辺、大臣にひとつ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 御懸念の向き、サミットの議題という前提を置くわけじゃございませんが、総体的に見まして、アメリカはドルの独歩高、日本は黒字、ヨーロッパは労使関係とでも申しましょうか、そういう構造的問題というようなものを抱えておることは、御指摘のとおりであろうと思っております。 したがって、この黒字問題につきましてアメリカの上院の対日報復の決議というのは全く全会一致でございますので、大統領にいかに拒否権があるといたしたといたしましても、将来この懸念がございますだけに、やっぱり日米関係はもとより我が国外交の基調でございますし、特に当面は、一つは九日の日に対外経済対策を一応決めなきゃいかぬという状態にございます。その中で、短期的な問題では俗称四分野ということでございましょう。しかし、中長期的にはいろいろな、先ほど来御議論いただきました関税問題にいたしましても一つの方向のような議論は集約されなきゃならぬでございましょう。 そこで、いま一つの問題について私が平素考えておりますことは、いわゆる貿易摩擦解消のための内需主導という問題、この間アメリカで日米諮問委員会でございますか、こちらの先生方がいらしたときに、ボルカー連銀議長まで持ち出した。それまでは、ボルカーさんと会いますと私どもは、おごり高ぶって言うわけじゃございませんが、結果として我が方の資本流出がおたくの言ってみれば金利高をある程度抑制しているんじゃないか、そして回り回って特に中進国等の資本提供になっているんじゃないか、こういうようなことを言っておりました。これは結果としてでありまして、それを政策としてやったというふうには受け取られないように私ども申しておりましたが、さてその内需ということになりますと、さあどういう手があるか。今の指標を見てまいりますと、設備投資等におきましてもかつての高度経済成長に近いような感じの数字も出ておりますので、自律的にそういう内需主導型に、貿易の若干のスローダウンというのか軟着陸と申しましょうか、そういうことから見ますと内需主導型に若干の傾向は変わってきておりますが、さらに積極的に内需主導を仮にやるかとした場合に、私はいつも申しますように、五兆円の減税をしますと大体輸入が七億ドルふえる、それから三兆円の公共事業をやりますと俗に十三億ドル輸入がふえる、こういうことをよく申しております。したがって、今の財政状況から来た場合に、そういう財政の出動によってそういう政策をとるというのは非常に難しいんじゃなかろうか。そうすると、やっぱり民活等ではないか。そうなればやっぱり、各種規制の緩和とかというようなところから進めていかなきゃならぬ。 が、内需の問題につきましては、いま一つ反省してみなければなりませんのは、五十二年、五十三年、なかんずく五十三年度予算は概算要求を全部増査定をいたしまして、それが五十四年の景気に私は続いたと思います。だが、はてと気がついたときには国債依存度が有史以来の高さになって、さあいかぬというので、それから財政改革の路線へ入っていった。したがって、内需主導に財政が出動する場合やはり一番気をつけなければいけませんのは、一遍やりますと翌年度はその予算を減すということがなかなか難しい問題でございま す。 そういう点に対する配慮もしながら、現在の内需主導型への転換、傾斜がそうかかってきておりますから、そういう環境をいかにして持続させていくかということを念頭に置いて、財政そのものの出動というのにはなかなか過去の経験からしても難しい問題がありはしないか、こういう感じかいたしておるところでございます。
○桑名義治君 そこで、五十九年度の経済白書の中で、現在の経常黒字は構造的なものであり、むしろ今後はその黒字を活用して、貯蓄不足の傾向が強い世界に資本供給することが我が国の重要な役割だ、こうしているわけでございます。大蔵大臣も、日本の長期資本赤字は世界的な金利上昇圧力を緩和している、こう所信表明で述べておられるわけでございますが、政府は巨額の貿易黒字を海外投資に振り向けることで世界に貢献をするという資本供給国路線を打ち出している、こういうふうに判断してもよろしゅうございますか。
○政府委員(行天豊雄君) 御指摘のとおり、我が国の長期資本収支は相当大幅な流出を続けておるわけでございまして、例えば昨一九八四年の流出額、合計いたしますと本邦資本の分だけでも五百六十八億ドルということでございます。この中身を見てみますと、大体半分ぐらいはいわゆる証券投資、債券なり株への投資、それから約二割が借款、これは金融機関による借款、一割が直接投資というようなことになっておるわけでございます。このうちもちろんいわゆる公的な経済援助もございますけれども、大半の部分はこれは民間資本の働きでございまして、どうしてこういう資本の動きが起こっているかと申しますと、国際的に今金融資本市場の自由化がどんどん進んでおりますが、そういった流れの中で、やっぱり金利差であるとか、あるいは為替相場の将来の見通しというようなことで、言うなれば市場原理に沿った民間資金の自然の流れとして起こっておる部分がほとんどであろうかと思うわけでございます。 したがいまして、私ども、先ほど大臣からお話しございましたように、そういうふうに資本を意識的に押し出すというふうなことは政策的には考えておらないわけでございます。 ただ、これも先ほど大臣が申されましたように、こういった資本の流れが、結果として、例えば証券投資をとってみますと、そういった結果アメリカの金利上昇圧力が多少なりとも緩和されているという面もあるかもしれません。それから、直接投資について見ますれば、これは投資先の国でそれだけ雇用機会がふえておるという面もございましょうし、あるいは借款について申しますれば、資本不足国にその分だけ開発のための必要な資金が供給されておるというよい効果も結果的にはもたらしておるということは言えるのじゃないかと思うわけでございます。
○国務大臣(竹下登君) これは桑名さん、お互い政治家として、私も考えて先ほど申し上げ、そして今国金局長からお答えを申し上げたわけでございますが、やっぱり注意しなければいかぬなと私もいつでも思っております。だからいつでも、結果として資本提供国になっておるというような表現を使うことにしております。そうでありませんと、時に、貿易黒字で稼いだのをそのままおれの方へまた利ざやを稼ぎに、そういう政策とっているんじゃないかというようなことが政治家同士の話の中ではつい出たりすることもございますので、だからやっぱり、結果として資本提供国になっておるというまくら言葉を置きながら私も説明するようにしております。この言葉が出ましたのは、去年でございましたか、我が方の貿易白書の中に一遍出てから、これはいい、そこまで認められたかなと思って、私もそれを国際会議等で使おうと思いながら、やっぱり結果としてというところまでは下がった方が自然だなというふうに私の心にも言い聞かせながら対応しておるところでございます。
○桑名義治君 米国が債務国化しつつあるわけですね。米経済に対するそういったことで信認が揺らぎ始めている、こういう懸念があるわけでございますが、日本からの資本流出がいわゆるドル高円安傾向を招いて、そして日本の輸出競争力を強くしている、こういう不満を背景として米欧からの批判が一部にある、こういう事柄も報道されているわけでございます。そうやって考えますと、今後の対応次第では日本に為替規制面での資本流出抑制策を求められる事態になりかねない面がそろそろ出始めたんではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、この点についての大臣の御所見はどうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これはまさに資本移動の大部分は市場原理に沿った自然な民間資金の移動である。したがって、逆に言えば、人為的にこれを抑制するということは非常に難しい問題であります。そしてこれは、具体的に申しますと、金融が自由化、国際化しております中で、一部の資本流出を規制いたしましても実効性が確保できずに、そうしていわゆる公平性を損なう。これは一番いい例でいつも我々が申しますのは、アメリカの例の利子平衡税をやりましたら資金が今度はユーロ市場へ全部流れてしまいまして、そういう経験からいたしましても、やっぱり東京の金融市場の健全な発展にとってはそのことそのものは有害であるというふうに私は言わざるを得ないのではないかなというふうに思っております。 それから、米国のいわゆる政府当局者は従来から資本規制にはこれは反対という立場を表明しておりますので、資本流出規制をいたしますといわば国際化、自由化に対しての大変な逆方向でございますから、むしろその方が理論的には日米摩擦の種になりかねないではないかというのが一般論として言えるんじゃないか。EC等においてそういう議論は現在まだ全くといいますか、ECはそれなりにユーロ市場というものになじんでおりますので、資本規制問題はEC、アメリカを含めて私は今正常な金融マン同士等の話では出てこない課題ではないかなというふうに思っております。 ただ、原理原則から言いましたときに、要するに先ほど国金局長もお答えしておりましたが、いわゆる為替レートというのはよく女性である、フィーリングで動くなんと言いますけれども、第一義的には、短期的には相互の金利差で動きます、確かに。それで中長期的にはやっぱりそれぞれの国の持つ経済のファンダメンタルズで徐々に安定していく。だから、私は今そういうファンダメンタルズの方向へ少し修正局面にあるんじゃないかといつも思っておりますので、資本流出そのもの、いわば金利の高いところへ流れるという意味において、短期的にはそれはレートでも作用いたしますが、中長期的に見ればやっぱり基本は、それぞれの国の置かれた経済的地位と諸条件ということではなかろうかなという感じがいつでもいたしておるところでございます。
○桑名義治君 時間がもう余りなくなりましたので、次の議題に移りたいと思います。 支払いについて一括決済方式、これが第一勧銀とジャスコあるいはまた資生堂、西友あたりと行われている、こういうふうに報道されているわけでございますが、この一括決済方式は、公取といろいろお話しをしてみますと、公取の方では、こういう方式をやることについての相談はなかった、こういうお話でございます。ところが、債権譲渡担保方式、この方式についてはそれぞれの業界の方からお話し合いが公取の方にはあったと。ところが、本年四月一日から実施する予定であったいわゆる債権譲渡担保方式、こういう支払い方法は、まだ公取の方としても検討の段階に入っているために、四月一日からの実施が現在おくれている、こういうような状況に入っているわけでございますが、このいわゆる債権譲渡担保方式、この問題について大蔵省としてはどういうふうにお考えになっておられますか。 それと同時に、一括決済方式については大蔵省には相談があったのかどうか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま御指摘の一括手形方式並びに債権譲渡担保方式でございますけれども、これは仕入れ先による支払いは企業の場 合通常、手形、小切手、銀行振り込み等、いろいろの方法で行っておりますけれども、多数の取引先を持つ企業の場合に、毎月、膨大な枚数の手形を振り出している。手形作成や交付のための事務は相当の量となっているということで、両者ともコンピューターを利用いたしまして企業の支払い事務を合理化、省力化しようとするものでございます。基本的には両者ともに同じでございまして、例えば一括手形方式の場合、先生が御例示になりましたように、ジャスコの多くの仕入れ先がございます、これはスーパーでございますからいろいろありますが、それが振り出した手形をまとめて一枚の手形として銀行に交付する。振出人も一人、受取人も一人でございますが、同時に、コンピューターを使いまして各仕入れ先ごとの金額の明細を銀行に交付する、銀行はその一枚の一括手形の内容をその磁気テープで知る、こういうことでございます。そして、その仕入れ先が代金の決済を受けますのは、その手形の期日に各仕入れ先の口座におのおのの金額が振り込まれる。最終的にそこで……
○桑名義治君 内容はいいんですよ。僕、内容を聞いているわけじゃないから。わかっているんですから。
○政府委員(吉田正輝君) さようでございますか。 それでは、考え方についてということでございますけれども、ともに基本的には今言ったような性格の多数の支払いについて一括して合理化するということでございますが、この一括支払いシステム、あるいは譲渡担保方式も結果としては同じでございます。一括支払い方式の場合におきましても譲渡担保方式をこのところ併用するということになりましたので、本質的には同じでございます。ただ、この場合に、譲渡担保方式の場合には、手形を切らないということと、それともう一つは譲渡担保をとるというところでございます。 で、この考え方でございますけれども、一括支払いシステムには今申しましたような合理化というメリットはございますけれども、一方、中小金融機関の取引先についても影響するところがございますので、ただいま導入をしようとする銀行と中小金融機関と話し合いをしておりまして、銀行においてそういう検討が進められております。例えば中小金融機関との提携の仕組みについても研究されておるわけでございます。私ども大蔵省といたしましても、このような研究とか話し合いを進めるよう指導しておるところでございまして、今後とも中小金融機関への影響を十分配慮してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○桑名義治君 公取の方にお聞きをしたいんですが、現在の段階で、債権譲渡担保方式については今検討の段階ということでございますが、この検討の中でメリット、デメリット、これはどういうふうにお考えになっておられますか。
○説明員(鈴木満君) 債権譲渡担保方式につきましては、本年三月中旬、都市銀行六行から下請法上問題がないかどうかの相談がございました。債権譲渡担保方式は、手形発行に係る事務の簡素化とか、あるいは手形発行に伴う費用負担の低減、それから手形紛失等の危険の防止等の効果があると聞いております。こういうシステムをとることによりまして、下請代金を期限までに支払わなければならない旨の下請法上の規定、それから下請代金の支払い条件等を明確に記載した書面を下請事業者に交付しなければならない旨の規定及び代金の支払い状況等を記載した書類を二年間保存しなければならない旨の規定等との関連で問題が生じないかどうか、現在検討しているところでございます。 なお、下請事業者など取引先がこのシステムへの参加を希望していないのに無理に参加を強いる場合等には、独禁法上の問題も生じるので、この点も含めて現在検討中でございます。
○桑名義治君 もう時間が一分ぐらいしかございませんので、簡単にあとの問題で締めくくっていきたいと思うんですが、今公取の方からもいろいろ問題点も指摘をされたわけでございます。今から先、電算化がどんどん進んでいくと同時に事務の簡素化というものが企業の中でもどんどん進んでいくと思うんです。そういった中でこういう方式が考えられたものだ、こういうふうに思うわけでございますが、一面から見ますと、まだまだ初めてのこういう一括支払い方式でございますので問題点も出てくるかとも思います。 それと同時に、これは事務の簡素化と同時に、いわゆる収入印紙を節約するというところに大きな目標があるわけでございまして、そういう意味から、こういう一括支払い方式が全面的に取り入れられた場合には、収入印紙収入というものが非常にダウンしてくるんじゃないか、それも一つには、収入印紙が二回にわたって二倍二倍というようないわゆる高い料金になったためにこういったシステムがなお一層促進されたのではないか、こういうふうにも思うわけでございますが、この点についての見解を伺って終わりにしたいと思います。
○政府委員(角谷正彦君) そういう問題点につきましては、実は税制調査会でもかなり問題意識を持っておりまして、六十年度の税制改正に関する税調の答申におきましても、印紙税につきましては、今御指摘の点を含めた「いわゆる節税策の問題のみならず、最近の事務処理の機械化の進展等により負担の均衡が損なわれている面があるので、これらの問題に今後適切に対応し得るよう印紙税のあり方について引き続き検討を行う必要がある。」、こういうふうに指摘を受けているわけでございます。 そこで先ほど、その前提といたしまして、印紙税が引き上げられたことが節税策を促進しているのではないかという御指摘でございます。確かにその面があることは全く否定できない側面はあると思いますけれども、ただ、先ほどからもいろいろお話が出ておりますように、この問題は基本的には、最近の経済取引におきまして特に事務処理の機械化が進んできているといったことでございまして、そういった面で、印紙税の節税のみを目的としているというよりは、そういった問題を含めていろいろこういった省力化が進んできている、それが印紙税の問題にはね返ってきているというふうに考えているわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、今税制調査会の答申にもございましたように、こうした印紙税をめぐりますところのいろんな環境が急速に変わりつつあるといったことは事実でございますので、この点につきましては、こういった問題意識も十分念頭に置きまして、これからの課税範囲あるいは適用税率のあり方といった問題を含めまして、今後印紙税制のあり方を考えるときには十分念頭に置いて勉強してみたい、このように考えておる次第でございます。
○片山甚市君 それでは、国際国家、日米経済摩擦、中近東における平和の問題等が非常に重要な課題を持つ外交問題を通じて大蔵当局の姿勢をただしていきたいと思いますので、せっかくの御答弁を賜りたいと思います。御答弁は、初めに担当部局、外務省の方で当面お答えを願う中で、大蔵大臣を初め関係の方の御意見を賜りたいと思います。 外交青書の冒頭に、世界の平和と繁栄に積極的に貢献することが我が国の外交の基本姿勢であると書かれておりますが、そのための拠点として果たす在外公館の役割というものは非常に大きいものがあると思います。いわば我が国の顔であります。 私も数次にわたり列国議会同盟など国際会議、海外事情調査のため諸外国に出張しておりますが、その都度、訪問地の在外公館職員の献身的な職務遂行に接しておるところであります。しかし、海外駐在の諸君が頑張っておればおるほど、日の届かない辺地、小規模の公館または往来の多忙をきわめる公館の日常業務に対する措置などについての配慮が十分でないと私は思います。委嘱審査の機会に、特に予算に格段の行政権能を持たれる大蔵当局に、このことについてわかってもら いたいために質問するものであります。 答弁は、先ほど言ったように外務省がやられると想いますけれども、特に予算措置などを検討する場合に頭に置いてもらいたい。 そこで、国際情勢は刻々変化し、複雑化し、地域によっては問題の緊迫度がますます強まっております。これらに対処する我が国の外交実施体制の強化は言うまでもないことでありますが、在外公館及び職員の配置の現状はどういうことになっておるか、まず御説明を賜りたい。
○説明員(福田博君) 在外公館における職員配置の現況をお答えいたします。 五十九年度末現在、我が国の在外公館数は百六十八公館ございますが、うち定員三十名以上の公館が十四公館、定員が二十名台、つまり二十名から二十九名の公館は十三公館、十名台の公館が四十三公館、定員が八名ないしは九名の公館は二十九公館、七名以下の公館は六十九公館となっております。
○片山甚市君 外交の第一線である在外公館の必要最小限度の陣容は、外務省の文書によると八名と言われております。配置の現状をお聞きしましたところ、在外公館総数の四一%が七名以下であると思います。また、我が国が承認している独立国百六十六カ国に対し二百三十の公館が配置されているのですが、うち六十四はいわゆる兼館、常設公館がないため他国に駐在する外交官が適宜出張するものであり、内訳は大使館が五十八、総領事館が六ということである。 外交を通じて我が国との友好親善、相互理解を深めることが重要であるとすれば、国の大小でなく、むしろ小規模公館の充実こそ外交の足腰を強化する上で必要ではないか、優先的に取り組む課題の一つだと思いますが、外務、大蔵両省の所見を聞きたい。今後の具体的な改善策はあるのか。あれば速やかに措置ができるように検討してもらいたいと思いますが、まず外務省からお答えを賜りたい。
○説明員(福田博君) いわゆる小規模公館、いわゆる定員八名以下の公館は、先生御指摘のとおり昭和五十九年度現在四一%でございます。 私どもとしましては、確かに館長以下警備担当官まで都合八名の館員がいることを、円滑な事務の遂行、及び例えば不健康地に在勤する職員の休暇等の問題、それも円滑に行えるということで求めておりまして、昭和五十四年度に策定されました定員拡充計画に基づいて小規模公館の拡充ということは私ども大変力点を入れてやっておるところでございまして、これについては従来から査定当局も重大な関心を示して、厳しい財政事情のもとではありますが、十分な配慮をしてきていただいております。もし昭和六十年度の予算が原案どおり通りますとこの四一%は三三%に減るということで、昭和五十四年度に比すれば約二五%の減少になると思っております。
○国務大臣(竹下登君) これは二つの御質問に対して私から総括してお答えをいたしますならば、確かに我が国を取り巻く国際情勢を勘案しますならば、外交の実施体制の基盤強化、これは何よりも大切なことでございます。 私は、五十四年に大蔵大臣になりましたときに、外務省の予算は三つ覚えておれ、こう言われました。その一つは定員だ、二番目はODA、三番目はいわゆる子女教育だ、この三つを覚えておれ。私も初めての大蔵大臣でございますので、ははあ、三つだけ覚えていればいいんだなと思ったことがございますが、まさに大事なことでございますので、六十年度予算におきましては、定員については百四十名の増員を措置したわけでございます。国家公務員総体で六千四百八十二の減となっておりますだけに、それなりには格段の配慮が行われたものではなかろうか。 それから、いろいろ海外へお出かけになっての今の小規模の在外公館の問題、俗にことしの場合の合い言葉になっておりましたのは、足腰予算という言葉が使われておりました。その足腰予算、いわゆる在外勤務環境の整備でございますとか、情報機能の強化でございますとか、あるいは海外啓発文化交流機能の強化でございますとか、それぞれに対して足腰予算というようなひっくるめての要求に対してそれなりの合意を得たということでございますので、引き続きそれこそ片山さんの御指摘なすったような問題を踏まえながら対応していかなきゃならぬ課題だという問題意識は十分持っておるつもりでございます。
○片山甚市君 大臣が足腰のことを言われましたから、その次の問題として、外交活動の中で特に通信というものについては情報を得るために必要であります。 外交通信の整備充実についてお聞きしたいんですが、過去にポーランドの緊急事態に遭遇し在外公館との連絡が途絶した経験があります。そのことを契機に昭和五十七年、電波法を逓信委員会で改正し、私も参加しました。 そのときに相互主義のもとで在外公館に無線局が設置できることになっていることは御承知のとおりです。その後、緊急連絡用無線網というものはどのように設置されたか、その立法の趣旨に基づいて何か措置ができたかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○説明員(久保田穰君) 外務省としましては、緊急事態に備えて緊急無線網を設置するということを昭和五十五年以来始めまして、ただいま先生御指摘のポーランド初めオーストリア等現在十六公館につきまして緊急無線網を設置しております。五十五年以来歴年整備しておりますが、今後とも財政当局と御相談しながら緊急有事無線網を拡充していきたいというふうに考えております。
○片山甚市君 時間がないようですから簡略に申しますと、外交通信の手段として十分に確保してもらいたい中でも、膨大な電信量の中から情報を的確に迅速に分析、処理をすることが求められているんですが、情報処理体制の整備というものについてはいかなる方針で臨み、どのような予算的な配慮をやられていますか。
○説明員(福田博君) 外交活動の中の情報収集機能の強化は外務省の予算定員要求の重点事項の一つでございまして、六十年度の予算の政府原案においても情報調査局の事務の一層の充実を含め五十九億八千九百万円、前年度比約八・五%増、定員は二十六人増を計上しております。
○片山甚市君 情報処理の体制が整いますと館員の負担が非常に軽くなるということで、お金は要るようでありますけれども、十分に設備を改善してもらいたいということを要望します。 話は少し細かくなるのですが、私は昨年春米国の電信電話事情調査のために訪米したとき、大使館を初め訪問先の各総領事においても調査に必要な協力を得て、その後の審議に非常に参考になり、調査の目的を達成することができました。 その際、ハワイでも同様の協力を得たのですが、聞くところによるとなかなか大変なようであります。ハワイには年間四百万人の観光旅行者中七十万人が日本人ということで、アメリカから見れば大使館、ワシントンの一出先だから本土からの受け入れの指示があるし、本国から見ればアメリカへの入り口と受け取られているから、そのような対応が求められる。にもかかわらず、総領事が米本土内での会議でワシントンに行けるのは一年に三、四回程度、日常の連絡業務にしても、ワシントンとの連絡も、予算を気にしながらとらねばならない状態だと聞いております。そのことはハワイの総領事から聞いたというよりも、私が見てきた在外公館、それもさまざまな地域事情に置かれて四苦八苦している現地職員の苦労が理解できるところであります。 そこで、本国から画一的な行革を押しつけること、台所経済まで縛る本国のやり方については相当抵抗を感じているという私は偽らざる率直な感想を抱きました。本国からの高官や官費旅行の方々については、接待などは余りできなくともよろしい、在外公館においては資料収集、国際交流など、本来の日常業務の遂行をいかに支障なく機能させるかが重要なものである。職員の家族がお客の接待をしたり、職員が私費で準備したもので接待の一部を賄うというようなことがあっては、それを受け取る側も大変だろうと思う。そういうことをさせる本国の意思ではないだろうと思います から、これからそんなことがないように気をつけてもらいたいと思います。非常に在外公館の職員の方々は滅私奉公のような形で大変頑張っておる。それに甘えないようにひとつ措置をしてもらいたいと思います。いかがでしょう。
○説明員(平林博君) 在外公館にかかわる諸経費につきましては、大変厳しい財政事情のもとではございますが、外交活動の円滑な遂行のために必須と思われる分につきましてはできる限りの予算措置をとりまして、また、本省の中でいろいろ考えた原則あるいは政策に基づきましてできるだけ効果的に使っていただけるように、配賦に当たりまして十分に工夫しておるところでございます。 旅費につきましてはなかなか難しい面もございますが、少なくともそれぞれの館におきまして必須不可欠な旅行ができますように、それぞれの館の規模あるいはその任地の広さ等に応じましてそれぞれ定期的に配賦いたしまして、さらに足りない分につきましては追加的に必要に応じて追加配賦を行う、こういうふうな方針で対処しておりまして、今まで、足りない面もあろうかと思いますが、大体所要の外交事務につきましては無難に遂行できている、こういうふうに考えております。 それから通信関係の費用、これもなかなか外交機能の中枢神経を握るものでございますので大事でございますが、これにつきましては、また六十年度にも二十数%の増を今予算に計上させていただいておりまして、この面でも十分に外交活動の支障が出ないように配慮して、かつ配賦に当たりましてもいろいろ工夫してまいりたい、こういうふうに考えております。 また、在外公館におきましては、効果的な外交活動を展開するためには、在外職員が任地の各界の要人あるいは外交団、場合によりましては東京からの要人等とお話をし、情報を収集するということが大事でございますので、自宅設宴を含めましてそういった面の活動をするように本省では指導しております。その場合に必要になります費用につきましては、在勤手当にはその一部も含まれているというふうに解釈されておりますが、各館に配賦されます接待費につきましては、単に館長が扱うんでなくてそういう館員が必要に応じて使えるように、それぞれの館の内部規則を定めさせた上で適正に使うように実は本省では指導しております。 十分な額というわけにはいきませんけれども、そういうような関係で、できるだけ少ない予算の中で工夫して使っていただくように努力していただいているというのが現状でございます。
○片山甚市君 ミサイルの前に外交でお金を使ってもらいたい。大変防衛費についても必要だということで圧力もありますが、外交がうまくいかなければ国際国家としての役割が十分でない、我々はその国のことがわからないでどうしてやれるか。 特に開発途上国に参りますアフリカなど不健康地帯の在外公館の職員の異動について、うまく交代ができるようになっておるのかどうか。日本人として順応し得る環境を確保するための異動は適切に措置されているのかどうか。そのための要員について、先ほど言ったように、四名か五名しかおらなければかえたくてもかえられぬということで、大きいところも大変でありますが、小さいところは人間的な生活に支障を来す、そういう意味で、大臣の先ほどお言葉がありましたけれども、外務省としてはどういうようにやられるか、お聞きしたいと思います。
○説明員(福田博君) いわゆる瘴癘地あるいは不健康地に在勤する館員につきましては、士気の高揚、健康管理等の観点から、普通の健康地に認められているのの半分の期間、すなわち在勤一年半で休暇の資格の発生を認めてきておる、それから、その他不健康地については健康管理休暇の実施も定めているという実情でございます。 小規模公館におきましては、館員数が少ないために、休暇あるいは病気等で館員が欠けた場合に他の館員にかかる負担が大きくなるということは事実でございますので、これについてはできるだけいろいろ仕事や何かを工夫して、交代で休暇をとるというようなことを勧めると同時に、先ほど申し上げましたとおり、定員の増強をお認めいただく中で、こういうところの人たちの仕事が支障なく行われるような定員の拡充を認めていただく。それから同時に、制度といたしましていわゆる交代要員制度、つまり電信とか領事とかそういうものについては拠点公館から応援の人が必要な場合に派遣されて、それでその行った先の該当館員が休暇をとれるというようなことを確保するというようなことによって、人員配置あるいは仕事に支障のないように努めております。
○片山甚市君 私の今申し上げたのは、アフリカのアルジェリアなどへ行ったときに、あそこはまだ都でよろしいけれども、もっと奥地に入りますと大変だというように聞きまして、我々は、外交官が頑張れなければ日本の代表になりませんので、今おっしゃったように、精いっぱい行き届いた措置をとってもらって、大いに八面六臂頑張ってもらいたいと思います。 そこで、外交活動にとっての先ほどの足腰の足の方、旅費その他の経費について充実をしていただきたい。 先ほど言ったように、大使が一回出張すると半年ぐらいはその館員は働きがとれなくなるとか、パック旅行の空き席をうろうろ見回して旅行をしなきゃならぬというようなことになっておる。確かに昨年の暮れに外国旅費については日当とか宿泊費等改善されましたけれども、運賃の問題については余りけちくさいことは言わないで、電信電話公社が電電株式会社になったように非常に自由になったときだから、せめて乗り物とか通信とかいうのは、外交官の命脈を保つための必須のものであります、幾らしゃべれても動けなけりゃだめだし、歩けなきゃだめです、人と会わなきゃなりませんから。 そういう意味で、これは外務省に聞くというよりも、大蔵大臣が来年もまた予算を編成される、また予算を六十年度されるときには心にとめてやってもらいたい。私は所属は逓信委員会ですが、電電の民営化等をして情報化社会になったのに、各外交官が在外公館の中の通信網が十分使えないような話を外国へ行って聞くと、何だ日本の国は金もうけのためだけの電電株式会社じゃないか、外交官が自由に使えるようなためにもしっかりやってもらいたいと思うんですが、竹下さん、ひとつどうですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる足腰予算の強化というのは、これは六十年度予算編成に当たっての外務省当局のODAと並んで重点項目でありました。今片山さんお話しになりましたように、旅費等につきましては、いわゆる連絡等で帰国する旅費と、そのほかその域内におきましてそれこそ今おっしゃったような僻地等へ行きましたりするための旅費、こういうふうにあるわけでございますが、それらにつきましても、この財政の中で足腰予算というものをあえて言葉をつくって、重点項目として要求してこられた問題につきましては、最終的に大臣折衝において今年度はこれに対して対応してきたわけであります。が、通信といいいわゆる旅費等の足といい、これで完全でもう万全なものであるというような考え方で私も思っておるわけではございません。可能な限りこれらの重点項目に対する対応の仕方というのは今後とも持ち続けていかなければならない課題であるというふうに、問題意識を持っておるつもりでございます。
○片山甚市君 大臣からお答えいただきましたので、それで納得しますが、いずれにしても我が国の外交上の第一線を担う在外公館の職員が誇りを持って祖国に対して務めを果たせる、世界の平和のために職務に精励ができるように、基本的な援助をしてもらうことについて確認ができたと思いますから、ひとつよろしくお願いいたします。 そこで、大臣、一言別のことを申し上げます。 電電の株式についての処理の問題等については、非常に不透明な形で意見があります。時間がありませんからこれ以上言いませんけれども、十 二月の二十日の日に衆議院の逓信委員会で決めて本会議で決めた明くる日に、あなたの党は勝手に国債整理基金に三分の二を、三分の一は産業投資会計に入れるというふうに決めてほおかぶりをしておるようですが、これからどのように処分をしていくかという過程については、あなたが常に言うように、国民からいささかも疑惑がわかないように、私の方の逓信委員会では、これらについては、逓信委員会が法律、電電改革三法を決めたんだから、そのときの議論を踏まえてもらいたいということで、小委員会を設けてでも、これからの電気通信のあり方及び株をどうして国民的に広がって持つような形にするのかということで議論をしていきたいと思うんですが、ぜひとも審議を生かしてもらいたい。あなたたち大蔵省も総理大臣も立派な人ですから勝手に多数決で決める権能があるんでしょうが、しかし、我々逓信委員会が非常に熱心に議論したことについてもう一度思い出してもらいたい。そして、それらの期待を裏切らないようにしてもらいたいということを申し上げたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 連合審査等におきまして、私も逓信委員会へ出席する機会もお与えをいただきました。で、日本電信電話株式会社、これは国民共有の貴重な資産であるということにかんがみて、先ほど申された方向で今財確法におきまして、まだ衆議院で趣旨説明をしたばかりでございますが、法律改正等をお願いしておるところでございますが、十分当該委員会で御議論なさったことを踏まえ、いやしくも国益を損なうことのないように、また国民に疑惑を抱かせるようなことがないように、公正適切な売却方法等につきましては、それこそ何分初めてのこと、今まで小さな例はございますけれども全然規模も違いますし、それこそ学識経験者等の意見を聞き、従来の審議の状況を踏まえて、本当に慎重にこれは検討していくべきものであるというふうに私も十分理解をいたしておるつもりでございます。
○片山甚市君 時間が来ましたからこれ以上お聞きすることはどうかと思いますが、最後に、我が国の外交を進めるためにも、NHKが今行っている国際放送というものは重要な役割を果たしておると思っています。 日本の国を知ってもらうためにはやはり、ラジオ放送でありますけれども強化しなきゃならぬ。海外において、我が国を紹介する放送が十分に聞き取れるということが必要だと思うんです。そのためには中継基地が必要なんですが、それがうまくいっていません。それは外務省の責任もありましょうが、ぜひとも成功させてもらいたい、まず外務省に答えてもらうんですが。 その次に、国際放送に対する政府の負担金がことし行革で減りました。先ほど、足腰の強い外務省については、情け容赦なくとは言わぬが、切り込むことをせずに若干温かい気持ちがあったんですが、郵政省は金持ちだと思ったのか知らぬけれども金を削ったですよね、竹下さんは。これは理不尽ですから必ず、KDD、NHKが負担することもさることながら、国が国際政策として国際放送をきちんとできるように御努力を願いたい。きょうは言質をとるとかなんとかじゃなくて、私は憤慨にたえない。国際放送を大事にするということは外交を充実させる道だと思います、謀略じゃありませんから。そういう意味で、少し目配りが足らぬのじゃないか。一億円か二億円削って喜んでおるというような財政当局というのはやっぱり、五十三兆円も四兆円もつくっておる政府にしては手落ちだと思うんです、郵政省がしっかりやらなかったかどうかわかりませんが。そういう意味で、御答弁を賜って終わります。
○国務大臣(竹下登君) 国際放送のことにつきましては、その充実に今努めてきておられるわけでございますが、ことし一応概算要求の段階ではたしか二・五%ぐらいの減の要求がございましたが、その後種々折衝をいたしまして、前年から申しますならば千六百万円の減になっておりますが、概算要求の三千百万円の減よりも最終的には変え要求をしてもらいましてそのぎりぎりの調和点を求めた、こういうことでございますので、その経過の中でそれなりの真心を示したというふうに思っております。
○委員長(藤井裕久君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十三分散会