商工委員会 第15号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/05/16
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 貿易研修センター法を廃止する等の法律案並びに基盤技術研究円滑化法案を便宜一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○梶原敬義君 私は本日は、一つは基盤技術研究円滑化法案と貿易研修センター法の廃止法案の二法案につきまして、同僚の対馬委員の一昨日の質問で若干残っている点がありますので、この点を質問をすることと、もう一点は、一昨日、昨日の審議を聞いておりまして、基盤技術研究円滑化法案についてはどうも胸に落ちないところがたくさんあるわけであります。審議を通じて私の感じました疑問点について幾つか、この二つの角度から質問さしていただきたいと思います。 まず第一に、基盤技術研究円滑化法案についてでありますが、この法律案につきましては、審議を聞いておりまして、ほとんどの同僚委員あるいは逓信関係の委員の皆さんも、非常になかなかわかりにくいということをよく言っております。法案に書いていることを読めば、なるほど書いていることはそのときは理解できるわけですが、特に答弁を聞いておりまして、聞いておれば聞いておるほどなかなかこれは難しい、わかりにくいということが潜んでおる、そういう感じを強く受けました。 もともと通産省は産業技術センターを構想しておりましたし、郵政省の方は電気通信機構を考えておりました。それぞれ違った方向からスタートしておったものを、昨年の十二月二十一日の政府・与党の首脳会議で二つのものを一つにくっつけるような結論が出たということでありますが、したがって、何か同床異夢を持ち続けるような法案の感じを受けてならないわけであります。この点について、そういう感じをこの審議を通じまして持ったわけでありますから、ひとつこの点について大臣から冒頭に所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 梶原先生、先般来この法案の審議に参画をしていただきまして、その所感をいろいろとお述べになられたわけでございますが、昨年の春以来、通産省は、我が国経済の長期的発展基盤を確保するとともは、国際経済の進展にも寄与するためは技術開発を一層積極的に推進することが必要であると、こういうふうに考えて、技術開発政策のあり方について産業構造審議会及び産業技術審議会において広く意見を求め、審議会からいただいた報告をもとに、国の財産の積極的活用、特別認可法人産業技術センターの設立等を図るということを決定をいたしました。 そして、今御指摘がありましたように、昨年の予算編成過程である十二月二十一日に開催された政府・与党連絡会議の場において、通産省の産業技術センター設立の構想は、当時の郵政省の特殊法人電気通信振興機構設立の構想とともに一本化されるということになりました。特別認可法人基盤技術研究促進センターの設立がこの場で決定をしていただいたわけであります。こうした経緯を経て通産省及び郵政省は本法案の立案を行い、所要の調整手続を経て内閣提出法案として取りまとめたものでございます。 いわゆる産業技術、基盤技術という問題は、これからの産業政策あるいは通信その他の問題について欠くことのできない、非常に緊急な、しかも重要なものであるという認識のもとにお願いをしておるのでございまして、梶原委員御指摘の非常に難解だという点も理解できるところでありますが、ぜひひとつ御審議を通じて疑問点を明らかにしていただきたい、このように認識をいたしております。
○梶原敬義君 今大臣から所感を述べられましたが、両省におきましては、この法律をつくるに当たりまして、非常に長い間の検討期間といいますか、構想段階、そしてある程度構想が詰まって、通産省では産業技術センター構想、それに基づいて法案の作成、そしてそれが十二月二十一日には一本にひっつける、こういう一つのプロセスがあるわけですが、その前の構想段階から段階を追って、ひとつ経過について、郵政省の方も同じでありますが、御説明をお願いをいたしたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 私どもが産業技術政策の検討を取り上げようということになりましたのは昨年の春でございます。長いこと石油ショックに見舞われまして世界経済は停滞をいたしておったわけでありますが、八〇年代に入りまして、マイクロエレクトロニクスとか新素材とか、あるいはバイオテクノロジーとか、アメリカあるいはヨーロッパでも大変新しい先端技術の芽が吹いてきて、各国も積極的に取り上げておったわけでありまして、これがまた世界経済の活性化の大きな源泉になる、こういう事態を感じ取ったわけでございます。 それで私どもは、昨年の六月ごろから産業構造審議会の総合部会に企画小委員会を設けまして、そこで今後の産業技術に係る諸政策につきまして御提言をお願いをいたした次第でございます。その結果、八月二十三日に中間報告をちょうだいをいたしました。この中間報告は、新しい、現段階におきます技術開発の意義、それから今後の政策のあり方を中心にお取りまとめいただいておるわけでありますが、今後技術開発政策を進めるに当たっては、政府の役割と民間の果たすべき役割、これをその適切な役割分担のもとに、従来ありました諸政策をさらに補完をするためにいかなる政策をとるべきであるかということを御提言をいただいたわけでございます。 政府の果たすべき役割と申しますのは、これはもう民間でやれないような大変学術、原理的なもの、あるいは超長期にかかるような、リードタイムのかかるようなもの、あるいはリスクが大変大きいというようなものは、政府でしかるべき予算措置を講ずるべし。一方、また民間においても、日本の研究開発において大きなウエートを占め、研究開発でいけば約七割を占めております民間も、従来のように商品化あるいは開発ということだけでなくて、応用研究、さらにさかのぼって基礎研究にもこれを振り向けていくべしということで、一つには税制上のインセンティブ、もう一つはそのリスクマネーの供給の多様化ということを御提言をいただき、出資とかあるいは融資についても条件つきで無利子融資を行うというようなリスクマネーの供給の多様化を図るべし、こういう御提言をいただいたわけであります。同時に諸制度を見直して、もう少し民間の基礎研究をやりやすくするような仕組みも考えるべし、あるいは産官学の連携、こういうことのやりやすさも検討すべしという御報告をいただきました。 さらに、その後それを詰めまして、十一月の二十七日に最終の御報告をちょうだいをいたしました。この報告におきましては、大体今回御提案申し上げておりますような内容を裏づけました制度の見直しということが盛り込まれてあるわけでございます。 私どもは八月に、先ほど大臣が御答弁申し上げましたような概算要求を出し、それをさらに予算の折衝の過程でそういった学識経験者の御意見を承りながら、それのあり方をさらに詰めてまいったわけでありますが、最終的な御報告を十一月末にちょうだいをいたした。それをもとに例えば国有財産の活用等につきましても、予算要求と並行いたしまして、理財局等々と、財政当局とも検討をいたしておった。こういうことでございまして、予算編成が最終段階になって、先ほどのセンターの関係は大臣が御答弁申し上げましたような経緯に至った次第でございます。
○政府委員(奥山雄材君) 郵政省が電気通信振興機構から今日の基盤技術研究促進センター設立を検討してまいりました経過について申し上げたいと思います。 こちらの方の構想につきましても、通産省の構想と同様、長い検討期間があったところでございます。さかのぼりますと、五十八年の三月に臨調の最終答申が出まして、電電の民営化という線が出されましたのを受けまして、政府といたしましてはその臨調の答申を最大限尊重するという立場から、第百一回国会を目途に電電改革三法案を提出する諸準備に取りかかったところでございます。 五十九年の四月に電電改革三法案が国会に提出される運びになりましたけれども、もう既にその段階におきまして電電の民営化というものは国の財政赤字を埋めるための民営化であってはならないというお話が各方面からございまして、この点につきましては、政府並びに党の方も、電電の民営化はあくまでもこれからの高度情報社会をにらんでの電気通信の多様化、高度化に対応するものであって、赤字解消のためのものではないというはっきりとした目的意識が鮮明にされたところでございます。 それとのかかわり合いにおきまして、そうであるならば、これまで電電が一元的に電気通信体制を独占してきたその過程で培われてきた技術力並びにその資産というものを、今後その民営に伴って雲散霧消させてしまっては悔いを千載に残すのではないかという議論がほうはいとして起こりまして、民営化と同時に将来において想定されるであろう電電の研究体制といったようなことも考えながら、国が今後においては電気通信の技術開発の分野において大きな役割を果たさなければならないということが指摘されたわけでございます。 そうした観点から、当初の構想では電電の改革三法と並行して株式の処理というものをいかに活用するかということが真剣に論議をされ、その一つの方策といたしまして電電の株式を政府に現物出資をすることによって電気通信振興機構というようなものをつくり、その原資によって将来末長く電気通信関係の技術開発を進めてまいることが至当であろうという結論を持ったわけでございます。 そこで、ちょうど時あたかも六十年度予算の概算要求の時期に当たっておりましたので、郵政省といたしましては、今申し上げましたような構想を具体化すべく予算の概算要求に臨んだわけでございます。しかるところ、電電改革三法の議論の過程で、総理あるいは郵政大臣、大蔵大臣等から、株式の処理については国会の審議の過程並びに電電の資産が形成されてきた経過を踏まえて、国民の利益になるようなものに使うべきであるという答弁がなされたところでございます。 それを具体化するものとして、私どもは振興機構の具体的な内容を財政当局とも鋭意折衝してきたわけでございますけれども、ただいま御指摘がございましたように、最終的に予算の政府原案が固まります段階の昨年の十二月二十一日の政府・与党連絡会議におきまして、先ほど大臣が御答弁になりましたように、通産省から出ておりました産業技術センターとあわせまして、これらの二つの法人の設立要求にかえて今日の基盤技術研究促進センターという形で結実したわけでございます。 したがいまして、これにつきましては長い懐妊期間があったわけでございますし、政府の見解として両省の要求を一本化するという結論が出た暁におきましては、昨年の十二月の末以降通産省とは緊密な連携をとりながら今回の法案の準備作業に向けて、鋭意両省がそれまで検討してきたものが最大限生かせるように、しかもそれが木に竹を接いだものにならないようにという観点からこの作業を行ったものでございまして、私どもといたしましては、現時点では現在の法案はとり得る最良の方策であったんではないかというふうに考えている次第でございます。
○梶原敬義君 今の御答弁を聞いておりますと、通産省の産業技術センター、この構想というのはたかだか始まって去年の春からです。それから今、奥山局長ですか、郵政省から言われましたが、これは随分長い間検討期間を置いたと、こう言われておりますけれども、これも今のお話聞きますと、我々の一般社会的な常識からいきますとそう長い検討期間ではないわけですね。普通やっぱり、じっくり構えて、そして、よし、これはいい、やろうと。どうもそういうところがなくて、思いつきか、ある日突然現状に追われて飛び出してきた、こういう感じを強く受けます。その点について、いやそうじゃないという御意見があればぜひ聞かしていただきたいと思うんです。 両省からお聞きをしておりますと、やっぱり違ったもの、今いみじくも竹に木を接いだという表現が郵政省の方からお話がありましたが、どうもそんな感じを私も強く持っておるわけですが、そもそも政府の与党首脳会議の中で言われたからしようがない、もうやむを得ないという形でそれぞれ譲歩したものだろうと思うんですが、やっぱりこの点については両省とも、事務局としてはその会議の中でどれだけ一体頑張ったのか。内容はあれなんだけれども、意に沿わないんだけれども、言われるからもうしようがないという形で、どうもそういう形になってしまったんではないか。そこの姿勢を私は問いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもは、大臣も当委員会でしばしば御説明申し上げておりますように、技術開発政策、特に先端技術の開発、創造的な技術の開発というのは私どもの政策の最優先順位ということで六十年度の予算編成には臨んだ次第でございます。したがいまして、この産業技術センターの構想も、これもまた税制あるいは今の御提案申し上げております制度改革とあわせまして、大変重要な政策ということで対応をしてまいった次第でございます。もちろん時間的には予算編成ということで大変な制約はございましたが。 私どもといたしましては、この開発銀行の出資ということで要求をしてまいりましたが、その財源が産業投資特別会計に振りかわるということについても、これは恐らく財源の種類の問題で、私どもの政策意図は達成できるであろう、こう考えた次第でございます。 他方、通信関係というのも、情報化社会の構築ということから言えば、これもまた大変密接、関連の深いものでございますし、もしこれで私どもが考えておりますようないわゆる民間の活力を従来の開発段階、商品化段階から応用、さらにさかのぼって基礎研究の方に振り向けていく、こういうことについてのニーズがあり、かつその手段が有効であるならば、これはあえて縄張りを言う必要もなく、そこは融合してやっていける余地はあるんではないか、かように考えた次第でございまして、郵政省とも予算の編成の過程で、その辺はいろいろ大蔵省も交えながら検討をいたしました。その結果、今申し上げましたようなニーズもあるし、手段も類似のものでやっていける、こういうことでございまして、この両省との間で一本化をしていくということは可能であるというふうに判断をいたした次第でございます。 以後、予算の最終的な形づけ、あるいはこの法案につきましてもそういうことでありましたので、いろいろと郵政省とも十分協議したものでございまして、私どもとしては、これも従来私どもの一応の政策の体系は実現し得る、こういう判断のもとでこのような方向に沿った対応をいたした次第でございます。
○政府委員(奥山雄材君) 郵政省といたしましても、当初は電気通信振興機構というものを六十年度予算の最重点事項として概算要求段階から取り組んだところでございまして、事務当局はどのように頑張ったのかということでございますが、事務当局並びにさらに大臣も含めて予算折衝の最重要課題として取り組まれたところでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、これが政府全体の大所高所の見地から政府全体を総合調整するお立場の方々をも含めて御決定があった際には、私どもも基盤的な研究開発というものが通産省の所管しておられる研究開発と郵政省の所管している技術開発というものがうまく融合し得る道があるということに思いをいたしまして、当初考えておりました、国が主導で必ずしも振興機構というようなものをやるよりも、むしろ民間の活力を投入することによって新しい世界が開けるんではないかという結論に至ったわけでございまして、それまで私どもが郵政省という立場から要求してきたものが、より高い立場から、アウフヘーベンといいましょうか、止揚されたといいましょうか、より高い次元でこれが統合、融合されたものにつきまして私どもも全面的に賛意を表しまして、それ以降、先ほど福川局長からお話しございましたように、通産省とは水も漏らさないような密接な連携のもとに作業を進めてきたところでございますので、ひとつよろしく御了解を賜りたいと思います。
○梶原敬義君 どうも差しさわりがありますから、答弁される内容というのはそれ以上のことは出られないと思うんですね。 私は最近の傾向の悪いところといいますか、国のやり方は、土光さんが第二臨調をやった、それで行革大綱を決めた。財政が悪い、大蔵省が強い、こういう状況の中では、やっぱり幾らこれはやりたい、正しい、こういう信念を持っておっても、そういうところからもう何もかも押し流されていく。だから、あなた方は優秀かもしれませんが、これは話は飛躍しますが、かつて日本が第二次大戦に移った状況の中でやっぱり優秀な官僚もおったんでしょう。しかし、裁判所も官僚も総ぐるみでやはり戦争態勢の中に入っていったじゃないですか。 あなたたちは、今言われますように、両方ともこれでいこうとして、どうもそれがここで調整されて、もう国の方針だからということで、それに対してどれだけ体を張ってこの通信機構が正しいんだと頑張ったのか、その証左がこの国会審議を通じてぴりぴり出てこないんです。出てこなくて、もう言われたからこれでいく、もうしようがないからと。裏ではぐずぐず両省の関係のことが耳に入りながら、そして結局口では、これでひとつ民間活力、民間において行われる基盤技術の向上を図る、こういう言い方なんですね。どうもそういうところが、審議を聞いておりまして納得できないし、あなたたちの何というか、気迫というものが受け取れないわけで、大変不満であります。 これが本当に目的の第一条に書いておりますように、「国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に資するとともに、国際経済」云々と、こういうふうになりますと、やっぱりこれはその中で、しかも両省のことだけでこういうことというのは、どうも目的の中では、目的と国民が受け取る、我々が受け取る間にはちょっと差が出てくるわけですね。結局、今国民生活の向上やなんかで一番大事なのは何かというと、やっぱり人間の生命にかかわる研究やなんかというのは、これはほかの通信よりもあるいはいろんな高技術の開発の問題よりも、もっともっと、これは関連はしますけれども、やっぱり大事な問題じゃないですか。あるいは食糧の問題とか、やはり生き死にに関係する問題というのは大事なんですね、それはそっちの方でやりますと。 今、非常にいい構想は立てておられるけれど、国民全体のものになり得ない非常に狭い範囲のものになっている。だから予算といったら一体どうなるのか、これもはっきりしないわけで、予算の関係については後ほど質問をいたしますが、要するにどうも木に竹を接いだような中身になっていやしないか。それでそこから果たして芽が出て、花が咲いて実が実るのか、この辺を強く危惧するんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 大変厳しい御指摘をいただいておるわけでありますが、今、一つにはこの取り上げる対象の点についてお触れになられましたが、私どもは今回いろいろ審議会等の御意見も御審議いただきながら、一つはいろいろなところで技術開発政策というのは多面的なアプローチをしていく必要はあるんであろうと思っております。もちろん国の研究機関の予算も充実をしなければならないという面もありますが、今の日本の置かれている現状を見ますると、やはり民間技術、民間の力をもう少し基礎研究に振り向けていくということが、それぞれの企業の活力も生かす、技術開発にも至る道である、かように考えておるわけでございます。 したがいまして、今いろいろ生命に関するものあるいは食糧に関するものと御指摘がございました。それは恐らくそれぞれのふさわしい手段で、例えば医療あるいは食糧ということになりますと、現在主として国の研究機関が中心に進めておるわけでありますし、またそれをうまく成果を出していくあるいは普及していくにも、それが中心になっていくのが好ましいであろうという手段で、各省はそれぞれみんな力を挙げて、総力を挙げて、それぞれのふさわしい手段によってその道にアプローチをしているわけであります。 私どもあるいは郵政省で所管をしておりますものは、かなり民間企業に関するところがございますので、ここでいろいろリスクマネーの供給を多様化していく、あるいは適切なプロジェクトを採用していく、こういうことで従来やや民間も目を向け始めてまいりました創造的な技術開発、自前の技術開発ということについては、これのインセンティブはあるいは国が直接やるよりは低いかもしれませんが、それなりの効果を上げ、花が咲き実がなるということを申していいかどうか、表現が適切であるかどうかわかりませんが、私どもとしては、そういった今の企業の中に幾つかあります芽が必ず吹いて、将来二十一世紀の技術の成果という形に結びついて、経済の活性化に役立つものということを期待をいたしておりますし、またそれを期して運用してまいらねばならないという決意でおります。
○梶原敬義君 次に移りますが、ちょっと大きな話ですが、日本という国、日本人をずっと眺めてみますと、もう古代から、昔は中国大陸、朝鮮半島を渡って、仏教、宗教とかあるいは文化とか、あるいは各種生活部面にわたる生産技術やその他というのは、ほとんど日本はやっぱり物まねやってきておったと思うんですね。それから近代になりますと、西欧の文化や、あるいは進んだ技術を取り入れて、戦争の仕方まで昔は孫子の兵法やなんか中国の、最近はドイツやイギリスへ行って軍隊のあれまで習ってきている。要するにそういうことで、いいか悪いか、いい面と悪い面あると思いますが、ずうっと進んできたわけですね。ですから、こういう状況の中で、通産省が今言われておりますように、基礎技術や基礎研究はおくれをとっているから、ここに力を入れるということはよくわかるんですけど、せぬよりした方がいいと思うんですが、なかなかこれだけでは一気にこれで問題解決するわけではないわけで、やっぱりもっと広範ないろんな各種にわたる手というのを総合的に国全体で打っていくようにしなきゃ、そう流れは変えられるものではないと思います。だからやっぱりその点について、ひとつ進めるときに、もっと広範に進めるように要請をしたいと思うんです。 そこで、通産省の方は、基盤技術、基礎研究のおくれに対してやはり手を打たなきゃいけないという感じがありましたね、今の答弁。郵政省の局長の方は、どっちかといいますと、どうも民間に移行してしまう、それによって今までの成果の上に立って今度は通信の技術研究というのは一体どうなるのか、そこにもっと力を入れるべきじゃないか。どうもそこのところがちょっとニュアンスが違うやつが一緒になっているんですね、今聞いていましても。そこら辺が私はちょっとピントというか、ポイントがそれぞれずれているような気がいたしました。 要するに、日本の国民性というのは、むしろ物まねすることが非常に合理性があって、短い間に他を追い抜いてきていることにもつながってきていると思うんですが、しかしこの反省の上に立ってやるというんなら、大臣、やっぱりこれだけじゃなくて、もっと広範に日本全体、国全体で一体どうするのか、ここのところはどうも欠落しているというか、ぴんとこないわけですが、大臣の方からその点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 日本の国民性としてのいろいろな経緯を御指摘になられまして、私もこのことに関してはいろいろ考えておるところでございますので、若干お答えを申し上げたいと思いますが、確かに日本の伝統文化というのは古くは中国から伝わったものが非常に多かったと思います。そして、そういったものの上に立って日本の長い歴史があったと思うんでございますが、いわゆる産業革命の段階から見てみますると、非常にヨーロッパにおくれをとった。これはアジア全体がそうでありますが、そういった意味で、精神的に古くから培ってきた日本の文化面と、それから科学技術といったような新しい産業革命に対応する面での対応と、いろいろあったと思います。そして事実、梶原委員御指摘のように、日本民族というのは、そういった意味の文化の消化、そういったことの非常に巧みな民族であって、それが今までの日本の歴史を形づくっておると思います。 特に明治以来は近代国家として急速にヨーロッパに追いつき追い越せということで発展をしてきた。その意味においては、私はこの百十年、明治以来の日本の発展というのは、新しい技術文明を追って、そしてついに世界の国際国家になってきたという歴史であろうと思います。その意味から申しますと、この段階へ来て技術開発の面をひとつしっかり力を入れていくということは、言うなれば国の政策として最も重要なものであろう。これは恐らく二十一世紀に向かっていつもディスカッションすることでありますが、技術開発の面と情報化社会の対応というのが一番新しいこれからの世の中を変える原動力であろう。そういう意味でこういった法律案をお諮りをしておるわけでございます。 確かに御指摘のようにこれだけでは不十分であります。予算的に見ましても、あるいはスケールの点から見ましても、とりあえず郵政省、通産省所管の基盤技術に限るということにしたわけでありまして、これはいろいろ行政合理化の現在の日本の実情から、こうした点でひとつ当面はやっていこうじゃないかということでございまして、梶原委員御指摘のように、本来ならば基盤技術だってもっともっと関係各省に及ぶものが多かろうし、国家全体から見れば、これではまだ非常に狭いという御指摘はよくわかるのでございますが、先ほども郵政省の奥山局長から御答弁があったように、ひとつこの際は大所高所に立って両省のいろいろなものをアウフヘーベンしてやっていこうということを話していただいて、私はさすがに郵政省の局長はすぐれたものであるというふうに感じて御答弁を聞いておったわけでございまして、そういう全体の政府の立場に立って、だんだんこれから進めていく第一歩として御理解を願いたいと存じます。
○梶原敬義君 郵政省の局長にエールの交換をやるのも理解できないことはないんですがね、次に移ります。 さて、当面、六十年度予算と六十年度の事業計画、運営というのは大体この法案でわかるんですが、先のことがわからないんですね。先の問題で、先々一体どういう規模でどうするのか、どういう運営計画を立てていくのか。これは非常に目的や何かの書き出しがしっかりしているだけに先のことがどうも。 まあ民間民間言われますから民間のことを言いますと、私も民間で仕事をしていろいろ企画や何かの仕事もしたことがあるんですが、普通やっぱり計画を立てるときは一年じゃないですね、二年、三年、四年、ずうっと先々。一年や二年の計画というのはだれでも立て切れますわね。しかし、それがずうっと先々が見通せるかどうか、それに対して決断できるかどうかがポイントになるわけですね。そうしますと、まあ民間民間言われますから申し上げますと、どうもそういう点からいきますと、この計画の構想というものが、今はわかるんだけど、先は一体どうなるのかさっぱり見通せないわけです。まず、一体財源はどうするのかですね。そしてどのくらいの規模で一体どういう事業あるいは運営をやっていこうとしているのかですね。それが大体五年や十年先になりますと、ここに書いてありますように、国民生活にとって、そのくらいの金を入れたらどのぐらいプラスで五年や十年や将来にはね返ってくるのか、そういうアウトラインみたいなものが、なかなかこれからだけじゃ、あるいは審議を聞いておりましても、ぴんとこないわけであります。 事務局の方で、きのう呼んで聞いておりましたら、アメリカの話もちょっと出ました。大変な大きな予算で云々という話も出ておりましたが、その辺についてお聞きをいたします。
○政府委員(福川伸次君) 確かに長期の計画、これももちろん我が国の場合、予算単年度主義でございますので、財源まで判断をしてということになると、なかなか将来の展望は難しいわけでございます。 六十年度は半年度予算で四十億ということでございます。これ、当初でございますから、比較的規模としては、まだ準備期間もございましょうから。したがいまして、六十一年度以降私どもとしては、これはかなり民間でもニーズの高いものでありますし、また技術自身が日進月歩で進んでいくものですから、長期の計画としてこれで幾ら、幾ら、幾らというにしてはこの基盤技術の範囲が広いわけでありますので、なかなか立てにくいわけでございまして、率直に申しまして、それじゃさらに六十一年度は幾ら、六十二年度は幾らということについての展望は難しいわけでありますが、今後また民間自身がどういうような研究開発プロジェクトを持っていくのか、あるいはその資金手当、リスクマネーの調達ということについて、どの程度政府に依存していくかということに絡むものでありますから、また片方財源自身も、いろいろ財政の厳しい折で展望がつきにくいものですから、今申し上げているようにやや抽象論になるわけであります。 私どもとしては、六十年度の半年で四十億、一年に直せば八十億でありますが、これについては六十一年度、六十二年度ということで、これもその財源の規模も徐々に着実にふやしていきたい、こういうことで技術開発のおくれに支障のないようなものを、今後の事態の推移を見ながら真剣に検討してまいりたいと思います。
○梶原敬義君 その点については郵政省の方も同じことだろうと思うんですが、NTTの配当金、要するに三分の一の株式を産投会計に移して、そしてそれから上がってくる配当金、きのう大蔵省の答弁では、一〇%見た場合に年間二百六十億、だから五%と見るとその半分と、そこら辺でふわっとこういう話なんでありますが、これはもし今構想されている財源の主なものは、ほとんどNTTの配当がどうも当てになっている、こうとっていいんでしょうかね。 そうすれば、これがうまくいかなかった場合、これは第二電電が出て競争して、東京や大阪や、関東と関西のいいところに線を引いて、そこで事業をどんどんどんどんやって、そしてNTTじゃこれ競争できぬから、これに競争させるためにはもっと下げる。下げますとトータルでもううまくいかない、そういうことで利益率が下がり、なかなかうまくいかないようなことが五年、十年先になったら考えられるかもしれない。そういうときには一体財源とかあるいはこういう問題についてはどうしようとしているのか。いや、これは当面単年度主義だから、つくればあとは後のことだと、これでは局長ちょっと無責任ですね。この点はいかがでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもも産業投資特別会計の財源、これは本来大蔵省の御所管ではありますが、私どもとしても今回これで発足いたしました制度が着実に伸びていくように大変な大きな関心を持って見ているところでございます。 六十年度は、確かにまだ新電電の配当は入らない形で、産投会計の独自の財源で賄われたわけでありますが、六十一年度以降にはこの新電電の配当金あるいはまたそれに加えて新専売の配当金等も入ることが予定されておるわけであります。私どもとしても、この民営化されましたNTTが適切な経営が行われていくということを期待をしておるわけでございます。そういう意味では、産投会計の原資ということについての充実が図られる一つの有力な方法であるわけでありまして、今お話しのようなことがございましたが、NTTについては恐らく私どもとしても適切な経営が行われているというふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、昭和六十一年度以降について、民間のニーズを踏まえて十分資金の確保を図りたいというわけでございますが、今申し上げましたように、産投会計としては十分な財源が何とか確保できるように、私どもとしても大いに関心を持って見守っているわけで、センター事業の円滑な遂行に支障がないように、財政当局とも相談もしてまいりたいと思っております。
○梶原敬義君 奥山郵政局長の方で、電電の配当の見込み、見通し、これは将来も世話ないと、任しておけと、こういう見通しなのかどうか、ひとつそこだけお聞きしたいと思います。
○政府委員(奥山雄材君) 電電が四月一日から民営化されまして後、これから日本の電気通信分野における基幹的な電気通信事業者として存続することは、その点はこれまでの民営化以前とまず変わらないだろうというふうに見ております。 それは、アメリカのATTが分割されましたけれども、やはりATTの長距離市外回線におけるシェアというものは、他の新規参入――日本流に言えば第二電電、第三電電のかなり激しい角逐があるものの、依然としてATTが九四%、第二電電に相当する新規参入者が四%、二%、その他幾つか合わしてあとの残りの二%といったような状況でございますので、日本におきましてもかなりそういった状況は続くと思います。しかも、新電電におきましては優秀な経営陣がそろっておりますし、これまで培われました優秀な技術力等を考え合わせますと、適正な競争場裏において、かつ適正な料金体系のもとに安定的な配当金の収入が得られるというふうに期待をしております。それが何%になるのかということは、私ども、今この立場で予測を申し上げるのはいかがかと思いますので、その点は御勘弁いただきたいと思います。
○梶原敬義君 そうしますと、将来の事業規模とか、あるいは要するに大きな将来の構想なんですが、一体どういうところを構想しているのかさっぱりわからない。アメリカでは、きのうちょっと聞きましたら、NSFですか、これはナショナル・サイエンス・ファウンデーション、このNSF、これは三千三百億、このくらいで技術開発やなんかやっている、こういうことをちょっと聞いたわけでありますが、日本の場合はこういうところまで行かぬだろうけれど、こういう配当金やなんか、産投会計からどんどん繰り入れていって、どのくらいの規模に将来持っていこうとしているのか、そこら辺の構想というのは、計画段階では一定程度はあると思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 今御指摘のように、アメリカは大変予算も充実をして、今御指摘のように全米科学財団――ナショナル・サイエンス・ファウンデーション、御指摘いただきましたように、八五会計年度で十四億ドル強、約三千三百億円で産官学の連携のための助成金を出しておるわけであります。そのほか、アメリカは、当委員会でも御審議がございましたように、かなりその研究開発費に占めます政府の負担割合は大きいわけでありまして、そういういろいろな予算が、例えば宇宙開発その他から出ておるわけであります。そういう意味で言えば、政府の負担割合は日本の方が低いというのが現状であるわけであります。 しかし、日本の民間の技術力というのも潜在力はかなりあるわけで、それをここに振り向けていこうというのがこのセンターの構想でございまして、日本としても、この産業投資特別会計の財源、これはなかなか制約がございますので、今すぐこのナショナル・サイエンス・ファンデーションのようなところまではいかないにしても、もう少し頑張ったらどうかという御指摘でございました。私どもとしても、今それじゃ今後の財源対策等を見て、どの程度までいけるかという点についてまだ確たる見通しはございませんが、このセンターの規模というのは、もしこのような仕組みが、相当私どもとしてはニーズが高いと思っておりますので、今後とも、その金額は幾らかという点の展望は持ち合わせませんが、この事業規模とというのは大幅に拡大をさしていきたいと、かように考えております。
○梶原敬義君 それも一応、なかなかこう何回聞いてもわかりにくいからもうその点については終わります。 民間、民間という話がもうしょっちゅう出ますね。民間にやってもらう、特別認可法人で民間でやる。ただ、きょうテレビで神戸市のこのやり方というのが出ておりましたが、いろいろ神戸市は、これは民間か公かと言ったら、官ですわな、公の方ですが、これはまあいろんな事業収益、配当金等があっていろいろ事業ができると。それから、これはいいか悪いか、自然の関係で問題があるかもわかりませんが、ポートピアとかあるいは六甲アイランド、これは神戸市が発想してやらしている。これは収益を取る。とったところは、した跡地は大きな団地になっている。 何でもかんでも民民、民がいいなんという物の考え方はどこから来るのか。今までのようなことをやっていたら皆悪くなるだろう。みんな総ざんげすればいいわけですがね。どうも私は、民間の立場にずっと仕事をしてきたものですから、民間のいいところと悪いところ、よくわかる。何でもかんでも民間、民間というのはちょっと言い過ぎじゃないかという気がします。 セメントの、日経連の大槻さんにしても、あるいは国鉄の監理委員会の亀井さん、セメントが苦しくなりましたら、あなた方通産省は産構法の中に入れまして、そして自由な競争を制限して、そして設備を一部スクラップして、そして価格の維持を一体どうさしていくかというような手を加えている。これは官が加えています。あるいは電線もそうなんだ。電線も、もうこれは乱立ぎみで過剰生産傾向だったら、これは通産省が入りまして、そして生産調整した。そして大手の企業というのは生き延びていくような手を打っている。そういう非常に官の恩恵をこうむっている半官みたいなようなそういう立場にある大企業、まさに非常に絶えず競争場裏にさらされている中小とこれは違うわけです。しかし、それを民民と言っているのは、官の恩恵を非常にこうむっている皆さんが中心になって叫んでいるわけです。それで今、国も動いておるわけで、どうしてもそういう面では、この法案を審議をするに当たりまして、一体中小の立場はどうなるのか。 時間も来ましたから詳細については述べませんが、中小企業の試験研究費なんというのは大企業に比べても非常に少ない。そしてなかなか新しい技術を開発しようとしても、これは企業が成り立っていかなきゃいけないからまず目先のことに追われる。こういう状況で、皆さんが今言われておるこの法案、これは一体そこら辺にどう手厚く、非常に公平に手が打たれるのか、この点がどうも不十分です。私もこれは納得ができないわけです。この点について通産省のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 今御指摘のように、日本の中小企業も技術開発力を充実することによって将来の発展の道を見出そうという機運が大変高まっております。アメリカにおきましても、むしろ最近では、いわゆるベンチャービジネスと言われるような中堅あるいは中小、これがかなり研究開発を強力に進めているという事態もございます。 今回、ここで御提案申し上げております法案は、いわゆる基盤技術ということで、各産業に横断的にその影響度あるいは波及性の高い、将来発展の源泉となるような技術を取り上げているわけでございまして、私どもとしても、もちろんその意味では、先ほど申しましたような事情を踏まえてみますれば、中小企業としても十分利用可能であるわけでありますし、またその利用も期待をいたしておるわけであります。また、国有財産の廉価使用といったような問題についても、中小企業が大いにこれを活用していただくというようなことで考えておるわけであります。 中小企業の技術力の開発、充実というのは、そのほかにも幾つかの施策が用意されておるわけでありまして、例えば、今回の税制改正の中で、中小企業の技術開発について従来の増加試験研究費の税額控除制度に加えて、新しい制度としていわゆる増加部分でなくて、研究開発に根っこから六%の税額控除をするといったような施策も強化をいたしたわけでありますし、また今国会には、別途中小企業技術開発促進臨時措置法案も提出をして、中小企業の技術基盤の強化ということに力を入れておるわけであります。 この法案の運用におきましても、冒頭申し上げましたような内外の諸事情もございますので、私どもとしてもこの運用に関しましては、今梶原委員御指摘のように、いやしくも中小企業に対してこれを不当に差別するとか、使いにくくするということがあってはならない。むしろ中小企業も十分利用していただくという方向で、運用については万全を期したいと考えております。
○梶原敬義君 局長の前向きの答弁を素直に受けたいと思います。 そこで、この法案のセンター等ができた後は、出資とかあるいは融資の関係について、やっぱり一定程度中小企業にはもう枠みたいなものを初めから与えて、三割とか何ぼとかこう与えておくことが大事ではないかという気がします。そうじゃないと、そうは言ったが、できたとき、局長は昔の局長がやって答弁した話だからなんということになる可能性だってあるから、ひとつその辺について前向きに答弁をしていただきたい、三割と言わず五割でもいいんですが。 それからまた、役員体制あるいは評議員ですか、そういう体制の中も、きのうは会長、理事長、これはまあ二人も要らないんじゃないかという議論も出て、私もそう思いますが、それはそれにしておきまして、役員の中に、もっと本当に競争場裏にさらされている中小企業の立場がわかる者が一体どれだけ入っておるのかというのも大きなポイントですから、この二点についてお伺いします。
○政府委員(福川伸次君) 今の予算の配分についてどのように割り振るかというお話でございますが、今回の技術開発の予算は、それぞれ技術開発の課題について政策的な重要性を総合勘案して配分するというのが私どもとしてはとるべき態度だと思っております。もとより、中小企業の技術力の向上を図るということは大変重要でございます。いろいろな中小企業技術開発の諸施策を今年度から大変強化をいたしましたのもそのあらわれでございます。 それから、予算を果たして事前に割り振るのがいいかどうかということになりますと、最初に申しました、やっぱり技術開発を大いに進めていくという観点からその配分はすべきだと思いますが、先ほども申し上げましたように、ここで中小企業関係が少なくとも使いにくいとかいうことにあってはならないわけでありまして、そこでは運用の面で十分中小企業も使えるようなことで、運用に万全を期すということで御理解賜りたいと思います。 また役員の体制でございますが、評議員等については、これは基盤技術について学識経験を有する方をお願いするということでございます。私どもとしても、いわゆる基盤技術についての学識経験を有する方々、これを公平にいたしたいと思うわけでございまして、私どもとしても当委員会での御審議を踏まえて、この人選については十分センターを指導してまいりたいと思います。
○梶原敬義君 繰り返してまた質問をいたしますが、今、局長が公平にやるということでありまして、その公平なやり方というのは、結局基盤技術に関する試験研究に必要な資金の出資及び貸付融資に対してどういうような基準、どういうような形でやるのか、これが結局問題になってくるだろうと思います。そこの辺はこれから小さく決めていかれることだろうと思うんですが、この点については繰り返して申し上げますが、やっぱりハンディのある中小企業の皆さんが利用しやすいように、そして借りやすいように、あるいは仕事ができるようにひとつしていただきたい。 それから、ベンチャービジネスなんというて一時華やかに言っておりましたが、どうも最近そういう花形の幾つかが経営がおかしくなったり、これから半導体も非常に競争が厳しくなってきて、超LSI一個当たり三千円していたのがもう千円割ったとかなんとかいって、これはまた大変なことになってきているわけです。これは、今民間の、臨調や行革を言っている方々の理屈で言いますと、ほったらかして自然に競争さしてそのままほうっておけと。これはいいかもわからぬけれども、しかしそうは簡単にいかない。やっぱり通産省が中に入って生産調整やなんかするようになるんではないかと思いますが、いずれにしてもそういう流れの中でベンチャービジネスやなんかも非常に厳しくなってきますね。こういう育成等についてもこの法律だけでやれるわけではないのですが、やっぱり言う以上は、ここら辺にもやれるような手が打てるのかどうか。さっきのと二点について。
○政府委員(福川伸次君) 出資あるいは融資、出融資業務についての要件でございますが、融資対象事業につきましては、主として応用段階から実施する技術プロジェクトを対象とする、また、出資対象事業につきましては、二以上の企業等が共同して行う基礎研究または応用研究段階から実施する技術開発プロジェクトを対象にしようと、こういうことでございます。また、具体的に出融資の対象プロジェクトの採択に当たりましては、今後より具体的な対策ができてくるわけでありますけれども、恐らく対象に取り上げてまいります技術プロジェクトというのが、日本の技術基盤の強化に相当程度寄与するものであるかどうか、あるいは出資先、融資先の技術力等が試験遂行能力があるかどうか、あるいはまた資金的な能力があるかどうかといった点で検討されるわけでございまして、御指摘になりましたような中小企業の関連、この点についてはこの運用の段階で中小企業が不当に不利になることのないような運用をいたしたいと考えております。 第二点のベンチャービジネスについて、これはこの法案だけではございませんけれども、そのほかの諸施策も通じてこのベンチャービジネスというものを十分育てていくようにという御指摘がございました。確かにそういったベンチャー的な、挑戦的な技術開発というのは、これからも大変将来のフロンティアを開く上で重要な役割を果たすというふうに考えております。 私どもとしましては、もちろんベンチャー的なものもこのセンターの対象になり得るわけでありますし、そのほか、物によりましては中小企業関係の金融諸制度に乗るものもあるわけでございます。いろいろ経営が苦しいものもありますが、また新しい技術開発に大いに成果を上げているベンチャーもあるわけでございまして、このベンチャー的な意欲、技術開発への貢献度ということから考えまして、今後ともこのベンチャーのあり方について私どもとしても十分意を用いてまいるべきものと考えております。
○梶原敬義君 通産大臣にお伺いしますが、決意を申し述べていただきたいと思うんですが、いろいろ考えてみますと、行き着く先はどういうところかと、この基盤技術研究円滑化法案の目指した、志している方向とは別かもわかりません、行き着く方向は、大企業といいますか、力のあるところにいろんなスポットライトが当てられたような形でどんどんどんどん進んでいくような気がしてなりませんね。だから、それじゃ困るということをずっと言ってきたわけでありまして、実際にそこは大臣のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(村田敬次郎君) この法律案につきましては、規模の大小を問わず、広く民間の試験研究を促進するということを目的としておるわけでございまして、したがって国有試験研究施設の廉価使用やセンターを通じた出願資事業などは、みずから技術開発を実施しようとする中小企業にとっては十分活用し得る制度だと、このような理解をいたしておりますし、技術開発に積極的に取り組もうとしておる中小企業が現在増加しつつある。こういった状況を見ますると、この法案に盛り込まれた措置が今後多くの中小企業に利用されることが期待をされる。この法案が中小企業の技術開発の活性化に大きく貢献をするものだと、こういうような理解をいたしておりまして、先ほど福川局長からも申し上げましたように、さらにこの法案のほかにも、特に中小企業を対象とした中小企業技術開発促進臨時措置法案を国会に提出しておりますし、また中小企業技術基盤強化税制の創設なども行ったところでありますし、そういった中小企業技術開発関連施策とあわせまして中小企業の技術開発の活性化に万全を期してまいりたい。そして、技術開発の問題は、中小企業、大企業を問わず、国の今後の産業にとって非常に重要な問題でございますから、大所高所に立った運営をいたしてまいりたい、このように考えておるところであります。
○梶原敬義君 ぜひそういう方向で頑張っていただきたいと思います。大臣の今の考え方をいつまでも生かしていただきたいと思います。 この法案の、この問題について最後ですが、僕は法案の審議の順番がちょっと初めからおかしいなと思ったんですね。これは財源はNTTの配当を充てるということで進んで、とにかく去年の十二月二十一日ごろ来ておるわけですから、産投会計の改正案が出ておりますし、株を一体どう扱うかということが決まって後、それから財源もできたと、少なくともそれがある程度めどがついて審議に入るようなやり方をしてもらわないと、どうも国会審議軽視といいますか、これはもうどうでもいいんだと、そんなことはどうでもいいんだと、こういうやり方にはどうも納得ができない、このことを申し述べておきたいと思います。 それから最後に、貿易研修センター法の廃止の問題でありますが、これはもうあと一、二分しかありませんから多くを申し上げませんが、今のような貿易摩擦の時期でありますし、貿易というのは、どっちかというと今までは輸出中心に物を考えりゃいいような国の考え方ではなかったんかと思うんですが、貿易摩擦が非常に起こっている段階でこれを廃止すると。廃止する理由は、これを一方でやるから、一方はやっぱり行革の関係で残すわけにいかない。いいものは残して、悪いものは、だれがどう言ったって頑張ると。一本や二本多いったって、それで国民がどうこう言っているんじゃないし、そう問題じゃない。なぜ一体これを今廃止するのかどうしてもわからぬですね。それだけ一点お聞きしたいと思います。
○政府委員(黒田真君) 国際化が進展している今日、国際人の養成を図る、こういった研修センターの業務が非常に重要ではないかという御指摘をいただきまして、大変ありがたく感じておるわけでございます。 確かに、年末の閣議決定におきまして、基盤技術研究促進センターを設立することに伴ってこの研修センターを認可法人たるの地位を失わしめよ、こういうことが決定されております。その限りでは、一つの行革のルールにのっとったものだということでございますが、私どもといたしましては、そういった受け身のとらえ方ということではなくて、やはりこのチャンスを積極的な機会といたしまして、今まで蓄積をいたしました認可法人として特別の監督のもとに蓄積された歴史や経験や伝統というものの上に今後さらに発展をさせていく。そのために今回組織変更という簡便な方法でお願いをして、今後はますます研修センター業務自身はむしろ盛んになるのだ、こういうつもりで応援をしていきたい、かように考えております。
○梶原敬義君 どうもそこまで言われますと、はいそうですかというわけにはいかない。しかし実際は、基盤技術研究円滑化法案がなかったら、正直に言いますと、このセンター法は廃止しなかったんでしょう。どうなんですか、そこなんですよ。
○政府委員(黒田真君) 今回組織変更というものが、新しい基盤技術センターの設立というきっかけで行われたというのは御指摘のとおりだと思います。
○梶原敬義君 終わります。
○市川正一君 前回に引き続きまして、きょうは新たに創設される基盤技術研究促進センターの運営などを中心にお伺いいたします。 最初に、このセンターが対象にする基盤技術とはどんなものか。技術的分野の広がり、その深さと申しますか、研究のレベルで言うと、その範囲はどういうものなのか、簡潔に御説明をいただきたいんです。
○政府委員(福川伸次君) 条文に書いております「定義」を敷衍して申しますと、両省に属する技術ということになりますが、それで「国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの」ということにつきましては、ある技術が製品等に体化された場合に、その製品等が有することとなる波及性及び影響度が十分に大きいということを考えておるわけであります。その結果として、国民経済、国民生活の基盤の強化に主要な役割を担うに足る技術ということでございまして、私ども鉱工業の技術の範囲では、例えて申しますと、マイクロエレクトロニクスの分野あるいは新素材の分野、さらに、バイオテクノロジーの分野といったようなところがこの中から選別されるわけで、そういった範囲の中からそれぞれ個別の技術について、例えば超微細加工技術というようなものがマイクロエレクトロニクスの技術の中に入ってくるわけで、今申したような三つの大方の分野、あるいはもう少しほかにも生産加工技術といったものがあるかと思いますけれども、大体大きくは、今挙げた三つの分野の中においての主要な技術がここの中に入ってくる。 電気通信関係につきましては郵政省の方から……。
○市川正一君 そうすると、今おっしゃったME、それから新素材、バイオテクノロジー、こういう先端技術分野の基礎開発ないしは応用研究を含む開発段階までを対象にする、こう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(福川伸次君) そのとおりでございます。
○市川正一君 別の側面から伺いたいんですが、日米武器技術協定に関連して、アメリカの国防総省の諮問機関である防衛技術審議会が、関心のある技術分野として汎用技術十六分野を明らかにしております。それは例えば、ガリウム砒素素子、マイクロ波回路、光ファイバー通信、複合材料、耐熱材等々であります。 去る二月二十二日の衆議院商工委員会で、我が党の工藤議員の質問に答えて、ここに会議録を持ってまいりましたが、木下機械情報産業局長が、「通産省が力を入れて今後進めるべきだと考えております重要な技術分野に入るものが大部分でございます。」と、こう答弁されています。ということは、これら十六の技術分野は当然のこととして本法案によって創設される基盤技術研究促進センターの助成対象になると思いますが、間違いございませんね。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘の十六の技術分野は、米国の民間企業関係者を中心といたします国防省防衛技術審議会タスクフォースのメンバーが、民生用にも防衛用にも利用し得る汎用の技術として関心を有したものであるというふうに私どもは理解しております。ただ、その内容については、その十六の技術のうちの中に、例えばロケット推進といったように、具体的に何を指すのかまだ必ずしもはっきりしない、やや大きなグループの提示があるわけでございまして、したがって、その中の技術がすべて基盤技術であるか否かということは一概に判断し得ないわけでございます。 私どもとしては、今鉱工業の技術のうちに通産省が所管する技術で波及性、影響度が大きいもの、こういうことで、先ほど申した定義に該当するものをここの中で考えておるわけでございまして、きのう大臣も連合審査の過程で申し上げましたように、軍事用ということで明確になった技術をここで取り上げるつもりはございません。
○市川正一君 私が伺っているのは、その十六の技術分野は、何をとか何をというふうなことは別として、助成対象に入るということを確認いたしておるんですが、その点は間違いございませんですね。
○政府委員(福川伸次君) 私どもこの法案で先ほどから御説明しております定義に入ります限りは、それは入るものがあり得るわけであります。
○市川正一君 そうしますと、この十六分野が対象になるということは、日米間でおととし、八三年の十一月八日に武器技術供与の交換公文が取り交わされている。そういう状況のもとでは、汎用技術であればより容易にアメリカに供与されることが十分考えられます。そうなると、政府が国民の血税をつぎ込んで開発した、今局長もお読みになったこの法案の第一条の「目的」のところに明記されている「国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に資する」というこの技術がアメリカに供与され、そしてアメリカの核戦略に組み込まれ、結果として世界の平和と安全に重大な危険を与える危険性につながっていく、こういうことを私危惧するんですが、政府はこれをどう防止なさるおつもりなのか、そこを伺いたいんです。
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、あくまでも民間における基盤技術の育成ということでございます。それが果たして将来にわたって、技術ですから、いろいろな形で積み重なって変化してまいりますが、それが武器技術ということに、明確な武器技術という範疇に入るかどうか、あるいは入った場合にいかなる取り扱いをしていくかということについては、それはまた別途の対応を考えるような措置に相なっていると考えております。
○市川正一君 それはまことに無責任だと思うんです。先に行ってどうなるかは知らぬというのじゃなしに、現に日米武器技術供与の交換公文のコースでいくと、これは国会でも問題になりましたが、そういう危険性に逢着するわけですね、到達するわけです。現に、武器輸出禁止三原則さえ国会決議を無視して強行している、じゅうりんを強行している今の政府にとって、私はその保障はないと言わざるを得ぬのであります。 そこで、軍事利用を禁止する問題は、この今申し上げました十六の技術分野に限ったことではないんでありますが、少なくとも本法案に基づく技術の研究開発については、例えば目的の項に、平和利用に限る、こういうことを明記するなど、軍事利用を防止するための規定と措置を盛り込む必要があると思うんですが、大臣どうでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) きのうも大臣も明確に御答弁申し上げておりますように、軍事への利用を目的とするものではございませんし、またそれもこの条文に関します限り、「民間の基盤技術の向上を図るための措置を講ずる」ということでございますので、大臣の御答弁申し上げました軍事への利用を目的とするものではない、こういう点はその趣旨において明確になっておると私どもは理解いたしております。
○市川正一君 だとすれば、僕は目的のところできっちりそれをうたうべきだということを、今の一連の流れと動きからいって強調したいと思うんです。 というのは、木本委員が先日、この法案を読んだけれども、また衆議院の会議録を二回読み返したけれどもさっぱりわからぬ。そこで夢を見た、中曽根総理になった夢を見てSDI、スターウオーズ計画と結びついて初めてそのなぞが解けた、こういうことを比喩的に述べられましたけれども、私はそれは正夢だということをあのときも申しました。議事録に入ったかどうか知りませんけれども。それで、まさにパズルのキーワードの重要な一つだと思うんです。私はそういう点でこれは軍事利用に結びつく危険性、それを防止する保障と措置という点でこの点は強く重ねて主張をしておきます。 次に、センターの業務についてでありますけれども、第三十一条で規定しています業務には、すべて「基盤技術に関する」というふうにかぶせてあるんですが、そうすると、業務を行うときには、基盤技術であるかどうかという判断あるいは評価というのは極めて重要な意味を持ってくると思うんですね。なかんずく第一号で定めている資金の貸し付けの場合には、技術的に成功したか否かによって貸付金の利子を免除するかどうかが決まることになりますので、特に重要であります。 そうすると、技術開発が成功したか否かを判断するには、対象となる技術が先端的なものであることも考えあわせますと、かなり専門的で高い知見が要求されると思うんであります。この技術的評価や判断は一体だれがどのような基準で実施するのか、お伺いしたい。
○政府委員(荒尾保一君) ただいま先生から御指摘がございましたように、このセンターの出融資業務を初めとします、各号に掲げております業務を実施するに当たりまして、非常に高度の専門的な知識を要するということは御指摘のとおりであろうかと思います。したがいまして、この法案が国会におきまして御可決いただきました後、センターの具体的な構成等を考えるわけでございますけれども、その構成に当たりまして、専門的な技術を持っておる、知識、経験を持っておる者を広く各方面からこのセンターに結集をいたしまして、そこで公正かつ的確な評価が行えるような体制を整備したいということを考えておる次第でございます。
○市川正一君 そうしますと、少なくとも第二十八条で定める「評議員会」というのは、これは規定どおり、「運営に関する重要事項」ということでありますので、技術評価にかかわる仕事をする組織ではないと、こう理解して間違いないですね。
○政府委員(荒尾保一君) 評議員会は、御指摘のとおり、このセンターの運営に関する重要事項を審議する機関でございますので、業務の運営の基本的な事項を検討する機関でございます。したがいまして、個々の事項について、プロジェクトにつきまして評価をする機関ではないわけでございます。
○市川正一君 そうすると、今、センターに結集してしかるべき体制をつくると、こうおっしゃったわけですが、その体制というものが非常に重要な意味を持ってくると思うんですが、これは例えば、国立の試験研究機関から出向されるとかいうふうに、どういうような構成で進められようとしているのか、もしお考えがあれば伺いたい。
○政府委員(荒尾保一君) センターの構成につきましては、十月一日に発足ということでございまして、まだ法案も通っておりません段階でございますので、余り具体的にはなっていないわけでございますが、しかし先ほど申しましたような、専門的な知識、経験を有する者を結集する必要性という点から考えますと、今御指摘ございましたように、私ども工業技術院あるいは通産省全体といたしましても、そういった技術的知識を持つ者もあるわけでございますけれども、同時は研究所の専門的な研究能力のある人の起用といったことも含めて、全体として十月までに考えなければならないのではないかと考えておる次第でございます。
○市川正一君 私があえてこのことを伺うのは、そういう信頼に足る技術評価の体制をつくらずに、もしそのまま成り行きで業務を進めるといたしますと、研究テーマが事実上民間企業が持ち込むことをそのままに認めることになる危険性があるわけですね。その結果、研究プロジェクトが野方図に広がってしまう、そして国が次々と資金供給をふやさざるを得ないというような危険性があると思いますので、この点は、今の御答弁に基づいて、ふさわしい権威と、それから内容のある体制を確立していただきたいと思うんであります。 そのことと関連して伺うんですが、例えばセンターの要請に基づいて国の研究機関の研究者が出向するというふうな場合に、当然これは本人の意思が尊重されるだろうし、また原則として出身の研究機関のメンバーとしての身分は保障されると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) 研究者も含めまして、公務員の出向の場合でございますが、その際に、人事でございますので、人事が円満に進むという点から、本人の意思というのも非常に重要な参考要素になろうかと思います。 次に、出向がどういう形で行われるか、それからその後どういうことになるかということでございますが、センター等へ出向いたします場合には、一たんそれぞれの研究機関を辞職をいたしまして、センターで採用されるということになるわけでございます。その際に、私どもとしましては、国家公務等退職手当法第七条の二に基づきます国の事務等と密接な関連を有する業務を行う特別法人に指定することを考えておりまして、退職金等におきまして不利な扱いがないように措置をいたしたいと考えております。 また、復帰の場合でございますが、復帰いたしました後、これは公務員として復帰をいたすわけでございますが、この場合におきましても、人事院規則等の規定に基づきまして、不利な取り扱いにならないように給与の決定等を行ってまいりたいと考えております。
○市川正一君 もう一度確認しますが、今復帰のことに触れられたので、伺いたいんですが、出向した研究者の意思に反して、元の研究所になかなか戻れない、あるいは研究課題が連続してなかなか元の研究所に戻れないというようなことが、私はないと思うんですが、その点をしかと伺いたい。
○政府委員(荒尾保一君) 共同研究等、あるいはこのセンターの業務等との関係におきまして、例えば共同研究が終わった、あるいは業務につきまして一定の期間が過ぎたという後におきましては、原則として研究者が属しておりました研究機関に戻させる、原則としてもとの機関に戻させるという考え方でございます。原則としてと申し上げましたのは、例えば本人が希望して他のところへ行きたいとかいったような場合は例外である、こういう意味でございます。
○市川正一君 そこで私、前回の質問で最後に触れました第三十三条の自主性尊重の規定について続けて承ります。 この種の規定を持つ認可法人の数というのは、極めてまれでありますが、なぜこういう規定を設けたのか。逆説的に言うと、法律で明文規定を置かなければならないほど、これまで政府が認可法人の自主性を踏みにじってきたということになるということはまさかないと思うんですが、この点、三十三条に関して伺います。
○政府委員(荒尾保一君) センター法三十三条のセンターの自主性尊重の規定を置きます趣旨でございますけれども、本委員会等におきます審議におきましてもるる御説明ございますとおり、このセンターは民間のニーズを的確に反映することが特に重要であるということから、民間の創意を反映した運営が確保されるようにという意味でこの規定を置いておるわけでございまして、先ほど先生御懸念のような点はないのではないかというふうに考えております。
○市川正一君 しかし、認可法人でこういう自主性尊重云々のような規定が設けられているのはありますか。
○政府委員(荒尾保一君) 一例として申し上げますと、総合研究開発機構法、通称NIRAと称しておるものでございますが、それの第二十五条におきまして「国は、機構の事業に関しその自主性を尊重するとともに、」云々という規定がございます。
○市川正一君 ですから私、今逆説的な意味でというふうに申し上げましたが、極めてまれなんですね。そのまれなものをここへ持ってきているということについて非常に違和感を持つんでありますが、私思うに、これまで認可法人の自主性を尊重しなかったことはないと恐らくこうお答えになっているでしょうし、そういうお立場だろうと思うんです。ところが、あえてこういうことを挿入したということについて、この法案に即して申しますと、私の理解は、事態は次のようなことに相なる、こう思うのであります。 それは財界の意を受けたこのセンターが民間の基盤技術の研究促進の事業を大いにやるんだから、国は資金を大いに出しなさい、国の試験研究施設も提供しなさい、国有特許も提供しなさい、センターの事業計画や予算、あるいは資金計画も大臣に提出しますが、それはそのまま認めなさい、つまり自主性の名のもとに、政府は金は出すが口は出さぬ、センターの運営は民間に任せて好きなようにやりなさいというところに行き着かざるを得ぬのです。これはこのセンターの構想段階で、財界の方から、政府が助成してくれるのはありがたいが、それを道具に政府が先端技術産業に手を出し始めるのはかえって困るという発言をいたしておりますが、そういうものにいわば対応したものというふうに私は言わざるを得ぬのでありますが、こういう私の認識は間違っているでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、本来ここで考えております趣旨が、民間における基盤技術の研究開発を促進をしようということでございまして、民間が主体となって行います基盤技術に関する基礎研究等を円滑に推進しようという意味で、民間で発起、設立をいたしますセンターの運営に自主性を保たせよう、こういう趣旨でこの条文が入っているものと理解をいたしております。 しかし、目的にもございますように、「国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に資する」ということでございますし、国からの財政資金も投入されるわけでありますから、原則として、もちろんその自主性の尊重ということはいたしてまいりますが、少なくともその運用が非常に国民経済の健全な発展、国民生活の向上に資することにならないというような、あるいは不当な運用がなされるというようなことでありますれば、それは政府としても責任を持って対応をしなければならないというふうに考えておるわけでございまして、国の財政資金も入っておるということから、この運用は公平でなければならないと思うわけでありますし、またそのほかいろいろな意味でその不当な運用がなされるということがあってはならない、それは私どもとしてもそういった逸脱したことがある場合には十分監視はしていかなければならない趣旨であると考えております。
○市川正一君 時間が参りました。 今、局長が述べられた意思はわかりますが、しかしこの法案の生まれ出る背景や内容から見て、私は、この自主性尊重というのは結局今日的に言う民間活力という問題と結びついて、やはり財界の意図がここに貫徹しているということを言わざるを得ぬのです。 というのは、経団連が十四日に産業政策の新しい方向について提言を発表いたしました、新聞でも報道されておりますが。その中で特に政府による研究開発の強化ということが強調されているんです。これを報じました朝日新聞も、「「企業の自助、自立を促進するため」と称して、法人税の減税、国による研究開発の充実、独占禁止法の運用緩和なども、提言の中にちゃっかり盛り込んでいる。」と報じております。本法案はまさにここに言う「国による研究開発の充実」という方向に呼応し、またその先取りだと、そして従来の補助金等による援助に加えて、新たな手厚い優遇措置を強める一環であるということを私は率直に指摘いたしまして、時間が参りましたので質問を終わらさしていただきます。
○木本平八郎君 基盤技術のこの法案について、実はおととい、私が夢物語ということで途中までやったわけです。先ほど市川理事から話があったわけです。そのときに大臣おられませんでしたし、きのうの連合審査で、私は補助金の特別委員会に行っておりましたので大臣のお答え聞いていないんですけれども、改めてこの法案とSDIの関係はどうなのかということをお聞きしたいわけです。
○国務大臣(村田敬次郎君) この法律案の目的などにつきましては、審議の過程において御説明を申し上げましたとおり、SDI構想とは無関係でございます。しかしながら、仮にも木本委員におかれてSDI構想と関係があるやもしれないというような御懸念を抱かれるに至ったことについては、大変に残念なことと存ずる次第でございます。こうした御懸念の生ずるようなセンターではないことを通産大臣としてお約束申し上げます。
○木本平八郎君 今大臣から、明快に関係ないと言っていただきましたので、それ関係ないとすれば、こういう基盤技術というのは私まだ多少抵抗があるんですけれども、基礎技術の開発については賛成でございますので、私の質疑はこれで打ち切らしていただきます。
○委員長(降矢敬義君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(降矢敬義君) 速記を起こしてください。 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 貿易研修センター法を廃止する等の法律案の修正について市川君から発言を求められておりますので、この際これを許します。市川君。
○市川正一君 ただいま議題となりました修正案につきまして、日本共産党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 貿易研修センター法が制定された昭和四十二年当時、我が党は同センターが大企業、大商社の海外進出のための人材養成センターであることを指摘し、同センターを政府関係機関として設立することに反対いたしました。 政府は、この間同センターに対して一般会計や政府関係機関などから十五億円を支出しています。しかし、同センターを利用したのは大商社、大企業、大銀行等から派遣された研修生が全体の八割以上を占め、中小企業の利用はわずか六%にすぎません。この結果は同センター法の制定当時我が党が指摘したことを事実によって裏づけたことを示しています。 今回政府が提出している貿易センターを廃止する等の法律案は、別途提出されている基盤技術研究円滑化法案に基づいて新たに特別認可法人を設立するため、スクラップ・アンド・ビルドの方針に沿って形式的に同センター法を廃止するものであります。したがって、政府案は同センターを財団法人化するとはいえ、形式的に組織形態を変えるだけで、大企業のための同センターの機能は従来のまま温存しようとするものであります。このことは、同センターの財産を、一般会計、政府関係機関より支出した十五億円も含めて、定款変更についての通産大臣の認可のみを条件に、そのまま財団法人へ引き継がせようとしていることからも明らかであります。 政府は、国家財政が逼迫しているとの理由で、健康保険や年金、教育関係費等、国民が真に必要としている施策すら切り捨てています。にもかかわらず今回の法案のごとく、この間、支出した政府関係資金を、大企業のための民間財団法人へそっくり引き継がせようとしております。 我が党はこうした内容の法案に反対し、次の修正案を提出する次第であります。 修正案の内容は、第一に、特別認可法人としての同センターについては、解散し、清算すべきものとするものであります。解散後、必要があるならば、同センターは別途民法上の手続によって新しく財団法人として再スタートすべきであります。 第二に、同センターの解散、清算後の残余財産については、国家財政の逼迫が大問題となっている折から、その残余財産のうち政府関係の支出に相当する部分は当然国庫へ回収すべきとするものであります。 以上が修正案を提出する理由と、その内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) これより両原案並びに市川君提出の修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、基盤技術研究円滑化法案に対する反対の討論を行います。 私は、科学技術の各分野における基礎、応用、開発の各段階のつり合いのとれた発展を図り、その成果が日本と世界の平和と進歩、福祉の増進、災害の防止など国民生活の豊かな発展に利用されることが必要であり、そのために、国の果たすべき役割が極めて重要であると考えます。しかし、本法案は以下述べるような重大な問題点があり、反対であります。 反対理由の第一は、大企業の国際競争力強化を推進してきた機情法の期限切れを受けて、形を変えながら事実上それを引き継ぐ大企業への国の多角的支援法だからであります。 その内容は、民間企業の基盤技術の研究促進のために、財界の思うままに動かせる基盤技術研究促進センターを創設し、国の試験研究施設や委託研究にかかる国有特許を大企業に廉価に利用させるとともに、利子について成功払いの融資や出資事業を実施することに加えて、国の研究者の民間への出向に事実上道を開く受託研究の推進など、大企業に対する新たな助成の措置であります。 しかも大企業は、このほかにも税制面で増加試験研究費の税額控除、それに加えて基盤技術研究開発促進税制などの恩典を拡大することができ、さらに幾重にも用意された補助金も受けられるという大企業への恩典集中であります。 反対理由の第二は、それが国民本位の行政改革に逆行するものだからであります。 特別認可法人基盤技術研究促進センターは、産投会計に帰属する日本電信電話株式会社の株式の三分の一の配当収入などを、このセンターを通じて大企業の思うままに配分することや、国の研究者、試験研究施設、工業所有権などを大企業のために利用させる規制緩和措置など、国民の願う行政改革に全く無縁なばかりか、政官財の癒着構造を一層拡大することは明らかであります。 反対理由の第三は、基礎的研究、創造的研究を前進させるため、国立の研究機関や大学の役割が重要であるにもかかわらず、逆にそれを弱める方向に進めようとしているからであります。 政府も認めている我が国の基礎的研究のおくれを克服するためには、この分野で中心的役割を果たすべき大学、国立研究機関を充実すべきであり、基礎的研究費を抑えたり、研究者を減らしたりすることを改め、基礎的研究費の増額、研究者の増員とその待遇の改善などが必要であります。 反対理由の第四は、国からの助成の結果である研究開発の成果を軍事的に利用されるおそれがある中で、それを防止するための保障がないからであります。 私は、我が国の科学技術政策において先端的技術の平和利用の原則を確立することを強く主張するものであります。 次に、貿易研修センター法を廃止する等の法律案について反対の討論を行うとともに、修正案の賛成をお願い申し上げるものであります。 政府案は、基盤技術研究円滑化法案に基づく新規の特別認可法人を設立するためのスクラップ・アンド・ビルドによるいわば数合わせのためであり、しかも貿易研修センターを財団法人化し、組織形態を変えただけで、大企業中心の同センターの機能をそのまま温存しようとするものであります。 このことは、同センターの財産を一般会計及び政府機関より支出した十五億円も含めて、定款変更についての通産大臣の認可のみを条件に、そっくりそのまま財団法人に引き継がせようとすることからも明らかであります。これらは我が党として容認できるものではなく、先ほど提案いたしました修正案のごとく是正する以外にないと考えます。 これで私の討論を終わります。
○委員長(降矢敬義君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより貿易研修センター法を廃止する等の法律案について採決に入ります。 まず、市川君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬義君) 少数と認めます。よって、市川君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、前田君から発言を求められておりますので、これを許します。前田君。
○前田勲男君 私は、ただいま可決されました貿易研修センター法を廃止する等の法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、公明党・国民会議、民社党・国民連合、参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 貿易研修センター法を廃止する等の法律案 に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点につい て、適切な措置を講ずべきである。 一、国際経済活動における経済人の養成の重要 性にかんがみ、組織変更後の貿易研修センタ ーにおける研修事業及び国際交流事業の充実 が図られるよう十分な指導・協力を行うこ と。 二、組織変更後の貿易研修センターに対する民 間からの資金の円滑な導入が図られるよう寄 附金に関する税制について、所要の措置を講 ずること。 右決議する。 以上です。
○委員長(降矢敬義君) ただいま前田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、前田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 次は、基盤技術研究円滑化法案について採決に入ります。 本案について賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、前田君から発言を求められておりますので、これを許します。前田君。
○前田勲男君 私は、ただいま可決されました基盤技術研究円滑化法案に対し、自由民主党・自由国民会議、公明党・国民会議、民社党・国民連合、参議院の会の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 基盤技術研究円滑化法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、民間活力を最大限活用し、研究活動の充実を図るため、基盤技術研究促進センターの財政基盤の強化に努めるとともに、センターの自主性を尊重することにより、縦割り行政の弊害等による悪影響の発生防止に留意すること。 二、高度技術社会及び高度情報化社会に向けての中小企業の技術力向上に資するよう本法の運用に万全を期するとともに、中小企業技術開発関連予算の充実、国立試験研究機関等による中小企業に資する試験研究の促進等について格段の努力を行うこと。 三、基盤技術研究機能の過度な中央集中を回避し、国民経済、国民生活の均衡ある発展を図るため、地域の特性に見合った基盤技術の試験研究の促進を図ること。 四、国の試験研究機関における国民経済的且つ長期的視野に立った基礎研究を促進するとともに、その研究開発費の充実に努めること。 五、国有試験研究施設の廉価使用に当たっては、民間の技術開発の促進を図る観点からその運用に十全を期するとともに、当該研究施設の業務及び研究者の意欲に支障を来たさないよう十分配慮すること。 六、国際研究協力を推進するため、関連施策の充実・調整に努めるとともに、南北間における技術格差の是正のため、開発途上国への支援体制を一層充実させること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(降矢敬義君) ただいま前田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、前田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいま議決いたしました両案に対するそれぞれの決議に対し、村田通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田通商産業大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま御決議をいただきましたそれぞれの附帯決議については、その御趣旨を尊重して遺憾なきを来してまいる所存でございます。
○委員長(降矢敬義君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(降矢敬義君) 次に、半導体集積回路の回路配置に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴収いたします。村田通商産業大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) 半導体集積回路の回路配置に関する法律案につきまして、その提案理由及び趣旨を御説明申し上げます。 半導体集積回路は、電子計算機、家庭電器製品、自動車等あらゆる工業製品に広範に用いられており、既に我が国産業経済、国民生活にとって不可欠のものとなっているのみならず、将来においても情報化社会における「産業の米」として一層その重要性を増すことが見込まれております。 この半導体集積回路は、わずか数ミリ角の半導体材料の上に数万から数十万個の素子を生成させることにより、情報を記憶し、または論理演算を行うなどの機能を持たせたものでありますが、近年、著しい技術革新の進展を背景としてその集積度も飛躍的に増大してきております。かかる状況下で半導体集積回路の開発費用も増大しつつありますが、特に、トランジスタその他の回路素子及び導線の配置すなわら回路配置の開発費用がその大宗を占めております。 他方で、回路配置の解析技術の向上等により、他人が開発した回路配置を模倣した場合には極めてわずかな費用で同一の成果を得ることができるため、回路配置の模倣が行われる危険性が高まってきております。これを放置いたしますと、開発者の投資回収が阻害され、その結果開発意欲が失われ、半導体集積回路産業の健全な発展にも悪影響を及ぼすおそれがあります。このため、半導体集積回路の適正な利用の確保を図るための制度を創設することが喫緊の課題となっております。このことは我が国と並ぶ半導体先進国である米国においてもつとに認識されているところであり、同国では既に昨年半導体チップ保護法が成立し、施行されております。半導体集積回路の国際的取引が今後ますます盛んになると見込まれる現状にかんがみ、我が国においても同様の制度を創設することは、国際的観点からも極めて重要であります。本法律案は、このような観点から、回路配置の創作者に回路配置を利用する権利の専有を認めるなどの制度を創設しようとするものであります。 次に、この法律案の要旨につきまして、御説明申し上げます。 第一は、用語の定義であります。この法律案における基本的用語である「半導体集積回路」、「回路配置」などの定義規定を置くこととしております。 第二は、回路配置利用権の設定の登録についてであります。回路配置の創作をした者またはその承継人は、その回路配置について回路配置利用権の設定の登録を受けることができることとしております。 第三は、回路配置利用権についてであります。回路配置利用権は、設定登録により発生し、その存続期間は、設定登録の日から十年としております。権利の内容といたしましては、回路配置利用権者は、業として設定登録を受けている回路配置を用いて半導体集積回路を製造し、またはその回路配置を用いて製造した半導体集積回路を譲渡し、貸し渡し、展示し、もしくは輸入する権利を専有することとしております。また、専用利用椎、通常利用権等についての規定を設けることとしております。 第四は、権利侵害についてであります。回路配置利用権者等は、自己の権利を侵害する者は対し、損害賠償請求権及び差しとめ請求権を有することとしております。また、半導体集積回路が各種の製品に組み込まれて広く流通している現状にかんがみ、善意無過失で侵害品の引き渡しを受けた者は対する特例規定を設けることとしております。 以上のほか、指定登録機関に関する規定、権利侵害者等に対する罰則に関する規定等の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うこととし、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査のうち、三菱石炭鉱業株式会社高島炭鉱における災害に関する件を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○対馬孝且君 商工委員会としまして、きょうは高島炭鉱の過般の災害に対する集中審議の委員会ということで位置づけをいたしまして、この問題につきまして私から率直にお伺いをいたしたいと思います。 その前に、今回の二十四日の災害発生によりまして、とうとい十一名の犠牲となって亡くなられました方々は対しまして、まずもって心から哀悼の意を表したいと思います。また、現在重傷者四名が病院で加療中でございますけれども、一日も早く回復できますように願望いたしたいと思います。 特に今回、私も現地へ行って現場を見てまいりましたが、まことに悲しい事故でございまして、私も今まで幾たびか経験をしておりますけれども、極めて単純災害であるということを言わざるを得ません。いずれにしましても、政府調査団は、伊木調査団長を中心にして現地調査も行われておりますし、私もそれなりに調査をいたしておりますが、問題点としてこれから幾つかやはり指摘をしなければなりません。 やはりこの問題の一番大事な点は、炭鉱災害というものは不可抗力的な要素のある災害、我々経験しておりますのは通称山はねという、自然に下から地圧が出てまいりまして、一定のところまでくると一遍に爆発をするという山はね災害、あるいは炭じん爆発ですね、炭じんの中に一定のガス量がたまって突出をする。炭じん爆発災害、突出災害という点が極めて不可抗力的でなかなか解明、解決は難しいという問題があるんでありますが、高島炭鉱災害につきましての問題でございますが、やはりこれは安全対策をとればこの災害は逃れることができた、この感を私も深くいたしているわけであります。そういう意味では、やはり人的災害の疑いが強い、こういうことをはっきり申し上げねばなりません。 そこで、まず第一の解明の問題でありますが、これは災害ですから断定をすることは私も避けます。いずれにしましても調査結果は慎重にやらねばならぬと思いますので、したがって第一点でありますが、現地へ行った段階で、ガスの停滞に関しましてまず質問をいたしますが、旧払い跡の密閉ガス、ここから出たことは明白ではないかというふうに私は思います。それはなぜかと申しますと、現場箇所、災害箇所が保安図に記載されてないんですこれ、大臣。この点がやはりどうも、故意かあるいは払い跡の軽視か、現地の局あるいは署も知らなかったのかどうかということをお伺いしたいんであります。 実は私、今ここに、手元に三月の保安図という原本を持っておりまして、これは通産省が出したものであります。保安図というのは、これは砿業所関係の書類です、正確に出ております。(資料を示す)この保安図をずっと見てまいりますと、これ三月ですから、災害は御案内のとおり四月でしょう。これは通産省から出ているわけですから。この災害現場のいわゆる飛島の二卸という災害箇所でございますが、ここに古坑道が入っていないですね、保安図の中に。これは入っておりません。 私は現地へ行ったときに、大体六十メーターぐらいの古坑道が一本横に入っているんではないか。その点がどうもやはり問題点だということを、私もちょっと聞いておりましたし、それからマスコミ関係等にもちょっとこれは出ておりました。この点を見ますと、これは全く保安図に記載されないで、災害結果が出てからこの古坑道は出てきた。ここに古坑道が切られているということは明白になってまいりました。この点が、さっき言ったように、故意かあるいは払い跡の軽視かということになるわけでありまして、この点立地公害局長あるいは鉱安局としてどういうふうに認識をしているのか、またどういう把握をされておったのか。 現に私が福岡へ行った時点では、島田福岡監督局長が、私の質問に対しても、これは出ておりません、はっきり申し上げまして。また現に、高島砿業所の出した、二十四日我々調査団が参りましたときの会社側の所長が説明した現場の図がございます。これにも実は古坑道が全然保安図の中に出されておりません。これは極めてやはり疑問視をされる点でありまして、その点は率直にどういうふうにお考えになっているか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘の保安図でございますが、私どもの方には鉱山保安法に基づきまして鉱業権者から保安図が届け出をされることになっております。当該箇所につきましては、五十六年十二月分までの保安図には記載してございますけれども、五十七年三月以降の分には記載されておりません。
○対馬孝且君 記載されていないということは、これは明らかになりましたね。今政府側としてもこれを認めているわけですね。 そうしますと、私お伺いしたいのは、局としてあるいは現地の福岡保安監督局として、この実態に対して今日の段階でどういうふうに会社側との関係について調査をされているのか、この点ひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 当該箇所に旧坑道があったということは事実でございますし、そこから漏れ出したガスが爆発の原因ではなかろうかということも大体想定かついておりますので、私どもも重大な関心を持って今調査を行っているところでございます。
○対馬孝且君 そこで、私は現地へ行ったときにこのことを申し上げました、正直に申し上げまして。私の今までの経験から申し上げまして、どうもやっぱり古坑道のガス点検が不十分であって、一定のガスが出ておって、それが炭鉱用語で言いますとガス袋と、こう言うんでありますが、やはり一定のガス袋が形成されておった。そういうところにスイッチを入れたためにバンときたという私の感じでありますが、そういうふうに考えざるを得ないということを私申し上げました。そのときに保安監督局長も、そこが、対馬先生の指摘されることが我々福岡監督局としても非常に重大な問題点でありますということを認めております。これはあなたも同席しております。そこがポイントだと思うという私の質問に対して、同じ認識を持っておりますと。 したがって、私は次にお伺いするんでありますが、月一回の密閉検査というのは実際に行われておったかどうかということですな、問題は。私もこれは保安規則をずっと調べて、私なりにこれを検討してみましたけれども、少なくともあれでしょう、常識的に言うならば、扇風機あるいは局部扇風機にもしスイッチを入れるにいたしましても、密閉検査というものに対して一体どのようになされていったか、この点が私はやっぱり重要な一つの問題点だと思うんです。この点はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(平河喜美男君) 当該密閉箇所の観測実施状況についてでございますけれども、私どもの方の事故調査委員会の調査、五月十四日に行いましたときは、会社側の説明では、昭和五十七年より観測を中止していたということを言っております。 なお、先生御指摘のとおり、保安規則上は、ガスが浸出しているおそれのある場所につきましては毎作業時間に一回以上のガス測定をする必要があるという旨の規定がございます。
○対馬孝且君 まさにそのとおりであって、だからその点がやっぱり行われていなかったんじゃないかということを指摘せざるを得ないわけですよ。 しかもこれは、もし、局部扇風機なりあるいは扇風機が停止しておった、私はそういう判断に立つわけでありますが、そうだとするならば、少なくとも三時間前に、これは御案内のとおりだと思いますが、保安規則の九十九条、百三条、百二条、百四条、こうございますけれども、三時間前にはやっぱり一定の点検をしなければならない。運転再開の場合は、これは危険区域であるならば、そこに鉱山労働者を就業させてはならない。極めて明快に、保安規則の百三条、百四条に規則として示されているわけであります。したがって、あなた方の調査によって、そういう事実は一体本当にあったのかなかったのか。実際にそういう段階をどういうふうに認識をされておるか、またどういうふうに見られているかという点をひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 当日どういう状況で検査をやったか、今先生が御指摘のように、入坑の前にどういう検査をやったか、その辺は現在捜査中でございますので、細部はわかりませんけれども、我々としても重大な問題だと思って慎重に捜査をいたしたいと思っております。
○対馬孝且君 私はその点がこれから解明をすべき問題点であるし、その点がやっぱりはっきり一つのポイントだと思いますよ。この点はっきり指摘しておかなきゃなりませんが、今福岡警察署に保安日誌が没収されているというわけですから、日誌の点検は我々もできなかったわけですけれども、そこらあたりをひとつ会社側にもやっぱり厳しく対応してもらいたい。その問題点をやっぱり解明をすべきだと思うんです。 そこで問題になることはどういうことかといいますと、これはロープ坑道でしょう、ロープ坑道である限りガス測定をやらなきゃならぬわけだ。扇風機―詰めの間は百六十メートルだ、僕が聞いたときは、会社側の説明によると。そうすると、この箇所は一日一回ガス測定の義務があるということをはっきりこれは規定づけられておるわけでしょう。これは福岡監督局の見解としても同じだと思うんですが、この点はどういうふうに考えていますか。この場所は、少なくとも先ほど言ったように、ロープ坑道であるということは明快なんだから、そうするとこれは当然一日一回のガス測定は保安係員が当然なさなきゃならぬ、こういうふうに思うんだけれども、これまたこれだってはっきりあなた保安規則百二条にちゃんとうたってあるんですよ、明確に。時間ないから私読みませんけれども、その点ひとつどういうふうに考えているか。
○説明員(高木俊毅君) 先生の御指摘の、坑内においてこの可燃性ガスの測定を行っていたかどうかについてでございますが、これについては現在調査中でございますので、明確なことは答えることができないわけでございますけれども、保安規則上は先生御指摘のとおりでございまして、例えば坑内保安係員は三十日以内に坑内全般についてガス検定を行う必要がある。それから甲種炭坑につきましては、いわゆるこの炭坑は甲種炭坑でございますけれども、採炭現場あるいは「掘進作業場その他可燃性ガスが存在し、または存在するおそれが多い箇所」と、こういうふうにうたっておりまして、ここにつきましては、「鉱山労働者の入坑時前三時間以内に」、三時間以内でございますけれども、に可燃性ガスを測定することを義務づけております。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、ここにおいてはこの後段に該当する可能性がございます。
○対馬孝且君 今のお答えというのは、百二十一条の二項を申されているわけでありますが、これはこういうこと、「鉱山労働者の入坑時前三時間以内にするほか、各作業場においては一作業時間中に二回以上しなければならない。」、このことをあなたは言っているわけでしょう。これは認めるわけでしょう。
○説明員(高木俊毅君) そのとおりでございます。
○対馬孝且君 そうだとしますと、これは次の問題になるわけでありますが、少なくとも一週間や十日前に測定はされていなければならなかったと私は思うんだね、これ、当然。今私が言ったように、百二十一条二項のこの規則からいくならば、当然その結果が出ていなければならぬと思うんですよ。例えばメタンガスが〇・一なのかあるいは〇・三なのか、常識的にいって〇・五から一・五%を超えた場合は、これはもう危険状態で爆発するという状態であるということは常識の問題だから、炭鉱であれば。だからどうしてそういう測定がなされていなかったかと、またこの判断についてはやっぱり当然なされていなかったんではないかということを私は考えるわけです。だから、局としてどういう考え方を想定をされるか、これちょっとお伺いします。
○政府委員(平河喜美男君) まさに先生御指摘のように重要な問題でございますので、今後の捜査の場合にその点厳重にチェックをしたいと思っております。
○対馬孝且君 これはひとつ明らかに、私は少なくとも十日ないし二週間程度はこれやっぱり測定がなかったと、こういうことを疑わざるを得ません。この点ひとつ解明の重要な一つのポイントでもあるということを、今行うということですから、徹底的にやるということですから、それをひとつやってもらいたい。 それから、扇風機が、私現地に行ったときに、休止をしたのか――休止状態にあって再運転したと、読売新聞等はそういう説をとっておりますがね。私はこう思うんですよ。いつだれが一体停止させたのかというのが、どうも現地に行ったときは不明確だったですな。つまり坑外、外の方からの命令、指示があったということ、それから、現在病院に入院されている方々の証言といいますか、事情聴取によりますと、実は保安係長の方から、上司の方から指示を受けたといってスイッチを入れたと、こういう説と、いろいろこれは入りまじっておりますが、そこで問題なのは、これは電気系統に働いていた方々からのことなんですが、故障とは考えにくいと言ってるんだね、病院にいる方々の事情聴取によりますと。いわゆる電気系統で働いている方々では、故障なんということはちょっと考えにくいと。しかし法的に言うと連続運転義務があるわけでありまして、現地の保安責任者、所長、副所長はとめた覚えはないと、我々にはこう言っているんですよ、あなたも一緒に行っておったけれども。 しかし、事故前の点検は一体どうだったのか。今私がはっきり言った一日一回の点検義務、それから再開運転の作業の場合の三時間前の測定ということを申し上げました。そこで、やっぱりガス測定、少なくともこれは有資格者でなければガスが測定できないわけでありますから、これまた保安規則上当然のことでありますから、したがって、そういう点からいけば、ガスを少しずつ排気をしながら再運転するということになっていたと思うんだが、この点の局としての判断はどういうふうに持っているか、この点お伺いします。
○政府委員(平河喜美男君) 局扇の運転に関しましては、現在までのところ会社側が述べている答えは、当日は罹災負傷者が局扇のスイッチを入れたと聞いており、その時点までは運転が停止されていたのは間違いない。いつから停止していたかは不明という説明になっております。こういうことから、局扇が停止していた可能性が高いと思っておりますけれども、現在の段階で、いつだれがとめたかということについては捜査中でございます。 なお、電気関係の点検でございますけれども、巻き上げ機の休止期間におきます電気設備の管理状況につきましては、日常点検は週一回、定期点検は保安規程に従って実施していたと説明しておりますが、事故前の局扇の点検状況につきましては、細かいところは現在捜査中でございます。
○対馬孝且君 その点は今答弁がございましたから、まさしく私はこれ現地に行ったときも申し上げましたけども、これはやっぱりとまっておったと思うんですよ。とまってなければ、常識的に炭鉱の災害で考えられることは、あるいはこれ採炭現場だと、はっきり申し上げまして、あるいは沿層掘進だった。この場所は岩石掘進なんだよ、これやっておるのは、そうでしょう。しかも沿層でないんだよ。沿層なら炭と石がまざっているから、ある場合によってはガスが滞留するということが考えられる、私も経験もありますけども。だから沿層掘進ではない、しかも常識的なことだけれども、この場所の災害現場というのは、これは炭鉱で一番大事なことなんだが、入気の場所なんだよ、それ、そうでしょう。排気の場所じゃないでしょう。入気というのは空気が入ってきて、比較的その現場の周辺というのは新しい空気が入れかわって、ガスが大体滞留するという状況にはならないわけですよ。これは一般のプロパンガスと同じですよ。 そういう点を考え合わせれば、私は先ほど言ったように、一番私が憤慨しているのは、さっき冒頭申し上げたんだけれども、時間もなくて省略しましたけども、古坑道が仮密閉だったと、さっきは仮密閉は申しませんでしたが、そういうことの判断をしていくと、やっぱり少なくともガスが滞留をしていたといった段階では、完全に扇風機はとまっていたと、この客観的事実は私は断定していいんじゃないかと思うんですよ、私はそう思うわけですから。そこらあたりをひとつはっきり、これ徹底的なやっぱり調査をしてもらいたい、まあ調査もいたしますということですから。 したがって、だれがそれじゃ停止をしたのかということは、これは私も今の段階ではまだこれがどういう状態かということは断定をできかねます。これは大事なことですからひとつ十分にやっぱり検討してもらいたい、こう思っています。 そこで問題は、私はこの場合問題になることは何かというと、発火源ですよね。これは私は現地へ行ったときには、読売新聞ここに持ってまいりましたけれども、読売新聞の報道はまさにこれ断定していますね。これは静電気だという断定で書かれているわけでありますが、これはやっぱりちょっと私の説とは違う。火源の一つであることは間違いありません。これはごらんになったと思います。これは現地へ行ったときに、四月二十六日読売新聞、「旧坑道のガスに引火 密閉壁の崩落見落とす」、こういう見出しで出ていますね。これによると、静電気だという断定を下しておるわけですが、常識的に言って坑内の中というのは、これは電話ケーブル線あるいは信号線、こういうものは確かに坑内を走っているわけですよ。だから、電気系統でいうならそういうものが一つは考えられる。静電気というのは、ビニールのあれですから、仮にそこにごみがたまって一定の加熱をした場合に発火する、火になるということは火源としては考えられます。 確かに火源の一つではあるけど、静電気だという断定はやっぱり今ちょっと早計ではないかと、私はそう思います。恐らく私のこれ感じでありますけども、伊木調査団長の見解も、結果は私と同じような判断をされておるようでありますが、やっぱり発火地点、火源地点というのは、私はこの二卸の一番やっぱり出詰まりのところじゃないか、この火源の状態というのは。それから判断すると、私なりのこれは判断でありますが、静電気ということは、なかなかこの可能性はちょっと薄いんじゃないか。さればといって、電気系統となれば、電話線だあるいは信号線だということになると、これは一体どういう状態でそれじゃなったかなと。 しかも、この区域を当時僕は申し上げたんでありますが、意外にこの地帯の遺体の損傷が非常に激しかった、率直に申し上げて。これは現地では指摘もいたしましたけども、非常に激しかった。これは保安監督局は認めております、全くそれは対馬先生の指摘されるとおりでありますと。激しいということは、これはやっぱりあれでしょう。この区間がさっき言ったように大体百六十メーター、この区域が。そこにやっぱり古坑道が一本ここに入っておったということですから、恐らくこの一番極地地点だね。この地点の状態が私としては、先ほどのようなガス袋の状態があって、そこにスイッチを入れて、先ほど言ったように、メタンガスの場合は〇・五%から一・五%、最大限の爆発の状態ですから、したがって私は、やっぱりそういう状態が想定をされるということでまいりますと、火源としては確かにそれは静電気も一つの判断材料ではあると思いますが、ここで私は断定をいたしません。いずれにしましても、やっぱり静電気もしくは電気系統による信号線あるいは電話回線というものもございますけども、そのほかに電動機とかいろいろなことがございます。大きく分ければやっぱり電気系統と静電気と、火源は二つは考えられると、こう思います。 その点、現地段階でこのような静電気であるやに断定されていることに対してどういうふうに考えているかということが一点。それから、火源状態として私も今申し上げましたけども、火源として考えられるとすればやっぱりそこらあたりが問題点ではないかと、こう思っていますが、この点、局として、政府側としてはいかがでしょうか。
○政府委員(平河喜美男君) 着火源につきましては、事故調査委員会でなお細部の調査を行っておりますけれども、現在までのとりあえずの所見では以下のようなことになっております。 まず第一が、電気機器の故障等によるスパーク。第二、ケーブルの短絡、地絡等によるスパーク。第三、風管に発生した静電気のスパーク。第四、巻き上げ機のロープ等の異常接触による摩擦火花。この四つを可能性として考えられております。 なお、今、先生御指摘の爆発の発生箇所はロープ坑道内と推定されること、あるいは本坑道の湿度が高いということから考えますと、むしろ電気系統の方の可能性が高いのではないかという答えをいただいております。
○対馬孝且君 そうでしょう。そうすると、やっぱり読売新聞報道というのは、あのような断定はちょっと早計であると私は現場でも指摘をいたしましたが、私もやっぱり電気系統の方にかなりのウエートがあると、こういうことを現地で申し上げました、私は率直に。そういう点で、これもやっぱり一番大事な点ですから、火源が何であったかということがやっぱり一番重要な点ですから、この点をひとつ徹底的に問題解明、基本解明にぜひやってもらいたいということを申し上げておきます。 そこで私は、会社の保安管理体制というものについて、根本的に問題があるんじゃないかということを冒頭申し上げました。今次災害の基本的な見解なんでありますが、私は次の点がやっぱり問題点だということをひとつ指摘をいたします。これはもちろんここで私は断定しようとは思いません、大事なことでありますから。 したがって、どういうことかといいますと、今次災害の基本的な見解として私はここで問題提起をしたいのは、第一は、巻き上げ機の休止が他の保安管理全体の休止につながっていったんではないか、単なる巻き上げ機のあの現場における休止状態じゃなくて、保安管理体制そのものが、全体が休止をしていた、こういうふうに私は申し上げます。これはやっぱりそういう意味では、会社の管理体制の第一点の問題点として不備があったということを申し上げなきゃなりません。 それから第二、これは先ほど冒頭申し上げました。保安図に密閉が記入されていないために、関係者でも密閉の存在を知らなかったかもしれない。これは、その点僕は聞きたいんだよ。もう一回根本的に明らかにしてもらいたいことは、局として後から聞いたと、さっきの、後から出てきていますということは、先ほどあなたの答弁では五十七年以前はあったけれども、それ以降はないということですから、それは局はもちろん、これは保安図からいけばなかったということですから、わからなかったということですから、その点からいけば知らせたくなかったのか、あるいは知らなかったのかというあたりが、私はやっぱり問題点ではないかということを考えざるを得ません。 それから第三の問題は、何者かが、他の場所から無資格者が扇風機のスイッチを入れさせた、どうもそういうことも一つは考えられる問題点だ。有資格者がいなくて、それでどうもスイッチを入れろやというようなことで、無資格者にそういうスイッチを入れさせたということはないか。こういう会社の管理、指導というものは一体そのときにどうあったのかという点であります。 今次の災害場所が、一般的に危険視されている採炭現場とか掘進現場ではないんですよね。採炭現場とか沿層掘進で災害が起きやすいという状況ではないわけだ。先ほど冒頭申し上げたように、単純災害なんですよ、これは。しかも後方部なんだよ。だから意外に、古坑道であったために会社自体がそれほど重要視をしていなかった、あるいは大丈夫だろうと、概して古坑道の場合は点検をおろそかにして、これはまあまあ例があります。私の山でも一回、こういうことは、排気ですけれども、入気ではなかったけれども、排気で二人亡くなった経験がございますから。そういう会社自体が手抜かりをしたと、そういうことは逃れることはできないんではないか、そういう感じで、そういうことを指摘をいたしたいと思います。 したがって会社上層部、特にこの最高保安管理者、副保安管理者クラスの判断と体制に問題があったんじゃないかと、こう言わざるを得ませんね。やっぱり最高保安管理者あるいは副管理者、いつも私言うんたけれども、炭鉱災害というのは保安管理者の最高責任者がその山元の所長である。片方では生産を一日仮に二千トン出さなきゃならぬ、一方では保安上の保安監督者の最高の権利者である。片方で生産を督励し、片方では保安をチェックする、こういう両立することが一体できるだろうかということをしばしば私は保安法規で一回検討してもらいたいということを当委員会で幾たびか、あるいは三池災害でも申し上げました、夕張新鉱のときも申し上げましたが、そういう点から言って、私はやっぱりこの点は問題があった、これは単純ミスだと、大きな災害にされたのではたまったものではないということがございますので、そういう意味では会社の保安管理体制というものについては特に問題として指摘をしなければなりません。 今問題点を提起をいたしましたので、したがって局として、当面は緊急的に会社の保安管理体制に対してどういう指導をされようとしているのか、またどういう指導が必要か、今日までの時点で。これをひとつ、会社の管理体制についてお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 最初の、密閉箇所について局は知っていたかという御質問でございますけれども、残念ながら我が方もこれを承知していなかったということでございます。 それから第二の、今回の災害についての会社の管理体制及びそれに対する今後の指導方針でございますけれども、今回の災害につきまして、これまでの調査等から見ますと、会社側に当該箇所のガス状況についてのなれと過信があったのではないかというふうに見ております。 なお、全体の保安管理体制につきましては、既に会社に対しましてガスの密閉管理体制の確立、長期休止設備再運転時の手続、手順の見直し、機電関係作業の管理体制の確立等の措置をとらせているところでございます。今後、今回の災害の原因が明確になった段階で、なお保安管理体制の改善を含めまして、さらに所要の対策を検討してまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 今そういう管理体制を指導しておるということですから、それはそれなりに一応わかりますが、問題は、私はやっぱり会社の保安管理体制というのは、常に指摘をしていることでありますけれども、いわゆる上から下までの、保安規則に従って最高保安管理者から末端の係員、保安係員、発破係員、あるいは一般の従業員というまでの指揮命令系統ということが、しばしば保安教育が不備であるとか、あるいは徹底をされていなかったとかというのが、いつも災害が起こった後には出てくる問題であります。 しかし、この場合、私が先ほど指摘したように、基本的に会社側の、今も局長がお答えになりましたけれども、やっぱり古坑道だということに過信をして、そして問題はないというところに、先ほども指摘をしましたけれども、一つの問題点があったわけですから、そういう点で最高保安管理者として、私はこれはこれからの山の、高島鉱全体を眺めた場合に、いま一度保安点検を全面的にやり直す、ここが大事ですよ、政府としては。この機会にやっぱり保安点検、これは単に災害現場箇所だけでなくて、正直言うと高島鉱全体の全区域内における保安点検、保安活動と保安の整備というものを積極的に行政指導すべきである、こういうふうに考えますが、この点どうですか。
○政府委員(平河喜美男君) 炭鉱の災害防止につきましては、先生御指摘のとおり、上は所長から下は採炭の現場の労働者に至るまで、やはり現場に働く人たちの意識が一番大事だと思っております。今後とも会社に対して教育、訓練、対策の徹底等について指導してまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 そこで、私は現地へ行ったときに、これは島田保安監督局長にもお伺いをしたんでありますが、今、全面的に会社の指導、点検をいたしてまいりたいという答弁ですが、ここで災害が発生してから時間的に言いますと二十分で対応していますね。これは今までの重大災害をずっと見てきまして、私はその面の対応は労使双方とも早かったと思います、これは今までのケースから見ますと。救護隊の入った時間帯、今までの夕張新鉱、幌内、重大災害全部見てまいりましたけれども、二十分で対応したというのは、発生後の対応としてはそれなりの対応をしたと思います。 しかし問題は、そこで今度は局なり署の関係を私はお伺いしたいのでありますが、私はバスの中で島田局長にお願いしたことは――現在、福岡監督局の監督員は何名ですか。それから佐世保の監督員は何名ですか。それで区域はどことどこですか。それをちょっとお伺いします。
○説明員(高木俊毅君) 現在、福岡鉱山保安監督局の職員の総数でございますけれども、八十二名でございまして、監督官が四十二名おります。この内数でございます。それで、佐世保鉱山保安監督署でございますが、現在四名を配置いたしておりまして、そのうち二名が監督官でございます。
○対馬孝且君 今、佐世保関係を四名だと言いましたね。そのうち二名が保安監督官である。こういうことですが、私は率直にここで申し上げたいことは、やっぱり有明災害にどうも重点を置かれて、監督局と署として、有明災害が発生しておったからここに重点をかけるというのは私はよくわかったんですが、実際にこの高島炭鉱の監督の点検はどういう状態でなされておりましたか。これをちょっとお伺いします。
○政府委員(平河喜美男君) 先生の御指摘の点でございますけれども、有明災害の発生当時、捜査のために監督官を一時的に割かれたことがございましたけれども、五十九年度当初におきましては検査、指導につきまして各炭鉱とも変わりなく毎月一回以上の割合で巡回、総合、特定、追跡等の検査を実施しております。 高島炭鉱におきましても、昭和五十七年が二十五回、五十八年が二十四回、五十九年が二十五回でございます。
○対馬孝且君 回数は別にして、私は一月から三月、この災害が発生している四月二十四日の時点まで、やっぱり高島炭鉱の巡視についてはちょっと手を抜いた感があるんじゃないかということを申し上げましたね、私はここで。そのときに島田福岡監督局長は、いや決して手を抜いたわけではないが有明災害というものに重点を置いたことは事実でありますということを客観的に申しておりました。そういう意味では、それはだめだと私は言っているのではなくて、有明災害にかなり、災害原因の早期究明、また事後の災害対応のためにそっちに専念した感があったのではないか。ただ回数として今局長は五十九年二十五回と言っているわけですが、回数を言っているのではなくて、一月から四月までの災害発生時の間に、問題点としてやっぱり点検というものが十分であったかどうかという点に私は疑問を感じますね。むしろその点を率直にひとつ聞かしてもらいたいというふうに考えます。この点どうでしょうか。
○説明員(高木俊毅君) ただいま局長の方から二十五回という御答弁を申し上げたわけでございますけれども、これらにつきましてはことし――ことしといっても五十九年でございますが、五十九年の有明の災害発生以降でございますけれども、四月ぐらいからやっておりまして、当時一月の時点におきましてはもう全く他の炭鉱には余裕がなかったというのが現状でございます。
○対馬孝且君 非常に謙虚にお答え願っていますから、それはそれなりに有明災害を重要視をしたということはわかりますけれども、やっぱりその点を私は現地の島田局長は謙虚に言っておりましたから、何も責めようとは思いませんけれども、やっぱり保安監督局としても配置体制を、十分に強化対策を考えるべきだと思います。これは一つの問題点として、むしろ政府側にひとつ申し上げておきたいと思います。 時間もありませんからあれですけれども、次に、現地に行ったときに、代表団の皆さんも訴えられ、お聞きになったと思いますが、どうもこういう災害が起きるたびに、私は一般論として、どうせこんな災害がどんどん起きるのだったらもう炭鉱やめちゃって、とにかく輸入炭を入れりゃいいじゃないか、こんな極論があるわけですよ。これは一つの考え方であるかもしれませんけれども、これは単純にそういう短絡した物の見解というのは。この機会に私は政府の考え方を伺っておきたいんですが、これはかねて前の夕張新鉱のときに私も安倍通産大臣を初めこの新鉱再建には執念を燃やしてやってまいりました。しかも、死んだ人が浮かばれない、それは山の再建なんだ、こう言ってこれは随分、山中通産大臣に至っては本当に執念を燃やして、夕張新鉱の再建というものはやらねばならぬということを、これは体を張って安倍通産大臣も山中通産大臣もやっていただきました、結果はああいうことになりましたが。 問題点は何かというと、やっぱり今まで第一次から第七次政策まで出まして、これから第八次政策に取りかかるわけであります。これはエネルギー庁長官も石炭部長もおりますから、専門家ですからおわかりのとおりでありますね。やっぱり問題になることは何かというと、日本の石炭というのは、戦後の復興時に傾斜生産として、どんどんこれ炭鉱労働者が相当な犠牲になりながらも五千五百万トン体制、今日の日本の経済を復興したのは、当時の炭鉱の傾斜生産における炭鉱労働者のまさに血と汗の結晶だったと言っても過言でないと私は思うんです、正直申し上げて。 そういう状態から判断をしますと、単に経済合理性というものだけで石炭政策というものは片づけられない、コスト論というだけでは片づけられない。これはこれまでの七次政策、私もずっと石炭を一貫してやってきておりますから申し上げますが、やっぱり経済合理性だけではなくて、大事なことは、何といっても今次高島の災害の場合でも絶対閉山だけは阻止してもらいたい。これは現地の住民はもとより、自治体はもとより、そして各界各層ももとより、もし仮に、こういうことは考えたくないけれども、最悪の事態、高島炭鉱が重大な事態に立ち至れば、高島というあの島縦ぐるみで全滅しちゃうんですよ。これは現地でも訴えられました、正直に言って。これは私だけが聞いているんじゃない、皆さん行った人が皆全部聞いている。 そういう点から考えますと、私は今までの第七次石炭政策の中身、特に安倍通産大臣時代、山中通産大臣時代にも申し上げまして、ここでも大臣の答弁の会議録を持っておりますけれども、基本はもちろん自立再建をするということの基本に立ちながら、やっぱり一つは国内資源論です。今なお日本の地下資源というのは十億トンぐらいある。それから夕張新鉱は閉山になったが、まだ千三百万トンは確実に可採炭量として残っているということですね。それから二つ目の問題は地域社会ですよ。町ぐるみ壊滅をする、ここにやっぱり重要な考え方を置かなければならない。町ぐるみ壊滅をするということはこれは現実ですから、だからそういう地域社会を守るということ、第二の問題点として守らなければならぬ。第三はやっぱり雇用の確保である。こういう点を踏まえて石炭政策を貫いてまいりたいというのが歴代通産大臣のお答えでございました。 私はこのことを、これから第八次政策をつくる場合に、もちろんみずからの企業努力と自立再建ということの基本に立ちながら、やっぱり政府が国内資源の確保、地域社会を守る、雇用対策の確保、こういう三つの考え方に立って、これからも第七次政策の延長として、もちろんこれは当委員会で八次政策問題について私もこの前、提言をいたしました。この当委員会で申し上げましたが、この点について、一つはやっぱり高島炭鉱の今日置かれている現状から判断しまして、いかなることがあっても閉山を阻止し再建をしなければならない、これが第一点であります。 基本的には、私は、第七次政策の基本の柱の延長として、今私が申しましたように、これからの政策を打ち立てるに際しても、今申し上げました国内資源の確保、そして地域社会の開発、雇用確保、何回も申し上げますが、これをしかと踏まえてこれからの政策を樹立をしてもらいたい。このことについての二点の考え方をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員の高島炭鉱につきましての御質疑を先ほど来承っております。このたびの高島炭鉱事故、非常に痛ましいことでございまして、私は通産大臣就任以来、この炭鉱の保安問題というのは非常に重要であるという認識のもとに災害の絶滅を願っておったのでございますが、非常に残念なことと心から存じております。 ところで、今御質問の今後の問題についてでありますが、まず日本は一次エネルギーの約六〇%を石油に依存をしておりまして、石油依存度の低下及び石油代替エネルギーの導入開発というのは国家的な課題であると思っております。その際に、国内炭は国産の石油代替エネルギーでございまして、昭和五十六年八月の石炭鉱業審議会のいわゆる第七次答申、今委員御指摘の第七次の政策におきましても、国内炭をエネルギー供給の安定性と安全保障機能を高める役割を果たし得るものと位置づけをしておるわけでございます。 政府といたしましても、こうした考え方に立って、保安の確保を図りながら現存炭鉱について現状程度の規模の生産維持を図っているところでございます。いわゆる第八次石炭政策の検討はこの夏ごろから行われることとなりましょうが、御指摘の観点も踏まえて検討をされるところと存じております。 特に、対馬委員が御指摘になりました地域社会の今後の問題、高島炭鉱の地元においてもしこの経営がなされなかったらどういうことになるかということを考えれば、その重要性はおのずから明白でありますし、また、雇用問題その他単に数字上の問題として片づけてならない大きな問題があるわけでありまして、したがって国内炭は現在やっております規模というものを考えながら今後も第八次石炭政策を検討をしていく。そして、その際に、地域の事情それから雇用の問題等々を勘案いたしまして、高島炭鉱の今後につきましても、閉山というようなことでなしに、今後も続けていくという前提のもとに進むべきものであると存じております。
○対馬孝且君 大臣から極めて明確なるお答えがございましたので、そのとおり私も受けとめておきます。 したがって、単に政府におぶさる、頼るということではなくて、やっぱりみずからの経営自立を、はっきり基盤を確立して、そして自助努力によって、もちろん基本でありますけれども、政府の課題として、今私が申し上げましたように、地域社会そのものが壊滅をする、そして雇用確保とやっぱり国内資源の確保というこの観点で大臣も八次政策にこれから取り組むと、特に高島炭鉱においてはそういうことのないように踏まえて対処したいということですから、そのように私も理解をいたしますし、また確信ある大臣の答弁に対しては深く感謝を申し上げたいというふうに思います。 エネルギー庁長官、石炭部長もおりますので、今までも柴田エネルギー庁長官、高橋部長を中心に、石炭政策がこの方針を踏まえて大変努力をされております。これを多といたしますので、したがって、これから八次政策をつくる場合にも、今大臣がお述べになりましたけれども、その点をひとつ十分に踏まえて八次政策のこれからの対応をしてもらいたい。こういうふうに考えますので、この点、長官ひとつ御答弁がございましたらお伺いしたいと思います。
○政府委員(柴田益男君) 対馬先生の御質問につきましては、ただいまの大臣の答弁に尽きるわけでございますが、あえて補足さしていただきますれば、この石炭政策をやっていく場合のエネルギー政策上の位置づけ、それを中心として、そのエネルギー政策が及ぼすべき地域社会への影響あるいは雇用に対する影響、当然これは配慮すべき問題だと我々は認識しております。 エネルギー政策上一番重要なことは、安定供給の確保ということでございまして、現在、国内炭につきましては、一般炭供給の約半分は国内炭に仰いでいるというような事実もございますし、特は北電あたりは、山元発電ということで非常に国内炭に依存しているという現実もございます。 また、今後海外炭の輸入がだんだんふえてまいりますけれども、海外炭を輸入する場合に、やはり開発に参加していくということでございまして、その場合に日本で技術を持っていく必要がある。現在、海外炭の開発には十八件参加しておりますけれども、国内に炭鉱があるということが一つのベースになっておるわけでございまして、そういう技術の温存等も考慮すべき問題だろうと思っております。 そういうことで、御指摘の点を踏まえて、今後検討さるべき八次政策に反映してまいりたい、そういうふうに考えております。
○対馬孝且君 今柴田エネルギー庁長官のお答えも、非常に認識も対策も同じ対応をするということでございますので、ぜひ私は、二千万トン体制を柱に、七次政策を柱にこれから、今もお話ございましたけれども、この海外炭と国内炭は今長官の言われたとおりでありますので、供給という考え方に立って、やっぱりブレンドをして、何も海外炭を入れることはけしからぬと私は言っておるのではなくて、このブレンドをしながら、今長官が明快にお答えになっておりますように、火力発電所、こういうものにコスト論的にも生かしながら、かつ山の生命を延長していく、ライフを延長する、それがひいては地域社会を守ることにつながる、こういう考え方でぜひひとつ、後ほどまた改めて当委員会で八次政策の時点で申し上げたいというふうに思います。長官のお答えはそのとおりお聞きをいたしたいと思います。 そこで、時間も参りましたので、労働省に二点だけ質問しておきたいと思います。 第一点は、言うまでもないことですが、この災害で十一名犠牲になりました。これは労災法に従って労災認定を行うことは当然でありますし、また炭労、労使間との協定ということもございまして、炭労と会社側との間の協定が今までの慣例でいきますと二千百万円という見舞い金を実は出しております。今までの災害でございます。もちろん幌内あるいは夕張炭鉱、有明、これも同じでございますが。特にこの点はひとつ、実は十一名の中に四名の請負夫の方々がいるということも事実でございまして、この点を含めて労災認定はもとより災害見舞い金あるいは労災上の扱い、これはひとつ直轄夫と同様に支給されるように行政指導をしていただきたい。これが第一点です。 第二の問題は、遺家族の今後の対策でありますが、もちろん現地の高島炭鉱の会社がこの遺家族の雇用対策の問題を当然なされていると聞いております。もちろん夕張新鉱災害のときでもそうでありましたし、有明もそうでありましたが、個々の事情によってはやはり地元の会社、組合双方が相談されて対策はされておりますけれども、やっぱり遺憾ながら親族、身内の関係で高島を離れなければならない、あるいはこっちの方に出なければならぬという個々の事情もおありだと思う。そういう方々があればこれは当然労働省としてはアドバイスしていただいて、何といっても罹災者に対する雇用の万全をぜひひとつ期してもらいたい。このことを私から二点お伺いしたいと思います。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 第一点についてでございますが、不幸にして亡くなられた方々の遺族及び傷病にかかられた方々に対します労災補償につきましては元請も下請もないわけでございまして、所要の保険給付の請求書の提出があり次第、迅速に支給決定を行うべく事務処理体制を整備しているところでございます。労災の場合は給付の請求があってから実態調査その他を行うわけでございますが、今回の場合には、既にそういう態勢を整えまして、請求書が出次第支給ができるように、万全の態勢を整えているところでございます。 それから、いわゆる上積み補償の点についてもお触れになったと思いますが、この点につきましても、今先生御指摘のように、本来労使間の問題ではございますが、本件につきましては誠意を持って対処するように事業主に対して特段の指導を行っているところでございまして、下請、元請につきましても同様の補償が行われるものと理解しております。また、近々遺族は対して支払いが行われるものと聞いております。
○説明員(七瀬時雄君) 先生御指摘の第二点についてお答え申し上げます。 高島炭鉱事故による被災労働者の遺家族の方々にとりましては、今後の生活をどのように維持していくかという問題は極めて重要なことであると理解しておりまして、労働省といたしましても、先生御指摘のように、まず会社側に対しましては会社への採用を要請する、もちろん希望する方々にということであります。さらには、関連会社へのあっせんをするように要請をするということがまず第一かと思います。 さらには、地元公共職業安定所におきまして臨時に窓口を設けまして、他に就職を希望する方についての就職あっせんに鋭意努力するということでございますし、さらには、地元その他の公共職業訓練校で訓練を受けたいとか、あるいは事業主の行う職場適応訓練の受講をしたいという方々につきましては、所要の手当を支払いながらそういう訓練等の受講を指導するというような形で、遺家族の方々の就職が円滑にまいりますように努力する所存でございます。
○対馬孝且君 今労働省からお答えがそれぞれの問題でございましたので、ぜひひとつそういう実現できますことを要請しておきます。 最後に、大臣、時間も参りましたから、今、政府調査団として伊木調査団長を中心に、高島炭鉱の災害原因問題につきまして鋭意調査で解明をされることになっております。 いずれにしましても、こういう重大災害が起きたから、結果をあいまいにするということじゃなしに、やはり災害の原因の明確化ということが、次への災害を再び繰り返させないということが極めて大事なことでございまして、大臣に最後に申し上げたいことは、政府調査団の取りまとめ、そして災害原因の明確化というものをできるだけ基本的に解明をし、できるだけ早い機会に結論を出してもらうように、これからも一段とひとつ大臣としての対応について示してもらいたい、このことを最後に申し上げまして、大臣から一言お伺いして終わります。
○国務大臣(村田敬次郎君) このたびの高島災害事故につきましての御指摘、しかと承りました。原因の究明、そして今後の対応につきましては、先ほど申し上げました明確な方針があるわけでございまして、誠意を持って対処する所存でございます。
○対馬孝且君 終わります。
○田代富士男君 大臣がまたきょうは席をお立ちになるそうでございますから、大臣不在のときはよろしくお願いいたします。冒頭申し上げておきます。 炭鉱災害というものは、御承知のとおりに幾つもの原因が一時に重なりまして起きてくることと思いますけれども、メタンガスが発生いたしましても、風があればガスの濃度が希釈されるわけでございますし、また火源がなければ、爆発した際今回のような爆発はしないわけでございまして、今回の場合は、不幸にしてこれらが同時に起きたものと考えざるを得ないのでございます。 特に今回は、現場にガス自動警報器がなかった、これは明確にされているわけでございまして、これを自然現象が同時に多発すると考えるよりも、不注意によるところの人災であったと考えた方がわかりやすいのではないか、私はこのように思うのでございます。今も同僚委員からも指摘がありましたけれども、事故が起きるたびに事後の対策にいろいろ論議をされておりますけれども、それでなくして事前の防災対策が不十分ではなかったかと思わざるを得ないのでございます。 そういう意味から考えまして、今回の高島炭鉱の事故を振り返ってみますと、大臣も御承知のとおりに五月の初めにもまた落盤の事故が起きております。この高島炭鉱は、九州地区におきましてはコンピューター等を導入いたしまして最新の設備を誇ったと幹部みずからが申されるような炭鉱でありまして、この落盤事故は、機械が作動いたしまして事故対策ができたわけでございますけれども、過日の爆発事故というものは未然防止ができなかった、何の役にも立たなかったということは、自動警報器については法令違反の疑いがあるのではないかと思いますけれども、この点どうでございますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今回の災害につきましては、これまでの調査等から見まして、会社側に当該箇所のガス状況についてのなれと過信があったのではないかと考えられるわけでございますが、もしそうであれば大変に残念なことでございます。通産省としては、今後とも保安確保を最優先かつ大前提としての立場に立って保安の確保に万全を期してまいる所存でございます。 なお、詳細につきましては政府委員から御答弁申し上げます。
○政府委員(平河喜美男君) 警報器の件につきまして補足説明さしていただきます。 保安規則におきましては、可燃性ガスの自動警報器は、採炭作業場、沿層の掘進作業場のほか、通気に異常があるときに可燃性ガスが停滞するおそれがある箇所で電気工作物を設置した箇所等に設置しなければならないということになっております。当該坑道は掘削跡を密閉した箇所とつながっているなど、可燃性ガスが停滞するおそれのある箇所でございますので、自動警報器を設置しなければならなかった箇所ではないかと思って捜査をしておるところでございます。
○田代富士男君 今、大臣からも、なれあるいは過信があってはならない、また保安確保のために最善を尽くしていくという御答弁でございますが、これが何回も繰り返されて今日まで来たわけでございます。今も御答弁の中にもありましたとおりに、事故現場付近にはガス自動警報器が設置されてなくてはならなかったけれども、設置されてなかったということでございます。会社側も通産省も、炭鉱事故のたびごとにガス警報器の設置を推進すると明確に約束をしてきました。今も同僚委員の質問にも出ておりましたが、北炭の夕張炭鉱事故、五十六年の十月の十六日、これから三年半たっております。また三井有明鉱の事故、これは五十九年一月十八日以来一年三カ月たって今日に至っておりますけれども、今回もこういう同じことが、ガス警報器が設置されていたかどうかということが論議されている。これは失礼な言い方でありますけれども、重大な怠慢ではないかと思うわけでございます。そういう意味から高島砿は規則を守っていない疑いが十二分にあると思うのです。 なぜかと言えば、私も現地へ参りました。そのときに監督官庁からは、山の事情が違う、火災の起きやすい山とガスの発生の多い山、それぞれの違いがあるから、重点的にその山に応じた重点指導をやっております、高島砿はガスの発生の高い鉱山である、だからそこに力を入れてまいりましたという、こういうような現地での事情聴取も聞いてきました。そういうようなことから考えますと、今回の経過にかんがみましてこういうような疑いが十分に残されるのでありますから、そういうような高島砿でございますから、広く全坑道にガス自動警報器の設置というものをこの際これは充実すべきではないかと思いますけれどもどうでしょうか。
○政府委員(平河喜美男君) 先ほど御説明いたしましたように、保安規則におきましては、可燃性ガスが停滞するおそれがある箇所で自動警報器を設置する義務づけをしております。一方、坑内には岩石坑道等可燃性ガスが停滞するおそれがない箇所も存在していることも事実でございます。したがって、日ごろから坑内の可燃性ガス状況の変化を的確に把握いたしまして、保安規則にのっとって可燃性ガス自動警報器を設置していくことが必要であるというふうに考えております。 このような考え方に立ちまして、当省といたしましては自動警報器に対しまして高率の補助金を交付してその設置を財政面からも支援しておりまして、なるべく広く設置するように進めているところでございます。
○田代富士男君 次に質問いたしますのは、扇風機の問題でございます。これは仮定の問題でございますが、もし扇風機が作動して換気が正常に行われたとするならば、ガスの爆発は起きていないのではないかと思うわけでございます。 現地視察をしていろいろ説明があったときに、現場は三月の二十六日以降作業を中止していたところである、扇風機の近くにいた者に生存者がいなくて明確なことはわからないと。そうしながらも、坑内係員に無線で局扇を運転してくれとの連絡があったとの情報もあり、これについては地上からの判断で指示したのではなく、坑内から扇風機がとまっていることを知らされて、それにこたえる形で指示したものと理解した方がよいと考えております、そういうような質疑のやりとり等がありました。こういうやりとりからするならば、今調査委員会が入って原因究明なさっておりますけれども、状況判断しますと、少なくとも扇風機がとまっていたことは間違いない、明確でありますと。まさに語るに落ちるということではないかと思うわけなんですが、御承知のとおりに、石炭鉱山保安規則の第百三条によりますれば、局部扇風機は特別の事由で保安上必要でないときのほか連続的に運転しなければならないとなっておるわけでございまして、この災害地点の扇風機がとまっていたのは、保安上必要ないとしてとめさせたということが考えられるのかどうか。また、扇風機はふだんどのような管理をされていたのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 今までの調査によりますと、当日扇風機のスイッチの入れ方、あるいはそれまでにとまっていたのではないかという点につきまして、いつからとまっていたか、どういうとめ方をしたかという点について詳細は不明でございますけれども、かなり前からとまっていたのではないかという可能性も高いと思っております。 それから、現場での扇風機の点検状況でございますけれども、会社側の説明によりますと、日常点検は週に一回、定期点検は保安規程に従って実施していたという説明になっております。当該箇所の局扇の日ごろの点検の実施の状況、方法等につきましては、当方で詳細を捜査中でございます。
○田代富士男君 現地視察をした際に会社から説明がありました。その説明は、三月二十六日以降約一カ月間休止の状態であった、そこで休止している間にロープであるとか機器類の整備、ケーブルの取りかえ等整備をしておこうと、多持係長を初め機械工、電気工が現場へ行った。多持係長は、通常は八時三十分の人車で出発するのであったけれども、その日は自分の責任ある場所であり、久しぶりに運転するので早く行って事前に点検しようと思って、八時三十分の人車よりも早い人車で下がっていったと推測されると、こういう答弁がなされたわけなんです。 そこで、その後よく調べてみましたら、当日配番されていた人々は、早い人は六時二十分、それから七時、七時二十分の人車で入っていっているんですね。そして、多持さんのような係長クラスはふだん八時に入ることになっているそうです。当日、たまたまふだんより二十分早い七時四十分の人車に乗られたらしいんですが、この一番方の配番の全体よりは遅いのであって、一番に乗り込んだような形ではなくして、ほぼ通常どおりよりもちょっと早いという、そういう状況じゃないかと。あえて言うならば係長クラスの乗る八時より二十分早いということだけでありまして、ここが休鉱再開後一番に行くべき責任ある立場の人がガスの測定をやる、そういう立場の多持さんが行ったそれは遅いのではないかということがひとつ問題になるのではないかと思いますけれども、ここらあたりはどうでしょうか。 それともう一つは、多持係長は安全対策の作業の責務を負って行ったわけなんです。ところが、安全対策のための作業が災害に巻き込まれるという皮肉なことになってしまったわけなんです。そういう意味から、休止中の坑内の巡視に問題があったのではないかと思いますし、この一カ月間ガス測定、落盤その他について手抜かりはなかったのか、あわせて会社として安全対策のため教育をどのように実施しているのか、もし教育が徹底されていたならば事故を未然に防ぐことができたのではないかと思いますけれども、ここらあたりいかがでございますか。
○説明員(高木俊毅君) ただいま先生の御質問の第一点でございますけれども、いわゆるガス検定のために係員が一般の従業員より早く入坑し、その現場に到着してやるべきでなかったかと、こういう御質問の要点だと理解してお答えをさしていただきたいと思います。 御指摘のとおり、当該係員は、係長でございますが、先生の御指摘のとおりの状況で入坑いたしております。これは通常でございますと八時ぐらいの人車で入るわけでございますけれども、やはり多持係長は、当日は七時四十分ぐらいのもので入っていることは事実のようでございます。現在それらについては詳細については調査中でございますけれども、通常的にこういう場合にどういうことかと申しますと、先ほども対馬先生のときに、当該作業場でガスの検定を、検査を行った上で入るべきでないか、三時間前だとか、あるいは一時間前だとかという話があったかと思いますけれども、この場合でございますが、通常の場合でございますと、炭鉱というのは連続的に作業をいたしておりまして、一番方から三番方まで作業をいたしておりますので、当日の入坑を一番方といたしますと、三番方でそれらのガス検定を行っておるわけでございまして、通常の場合は今のような状況でいいかと思いますけれども、今回のように休止中に作業を開始する、こういう点につきましては、先生御指摘のようなところが問題であろうと思っておりまして、現在私どもといたしましても調査中だということを言わざるを得ないと思っております。 それから、第二点目の、そういう点で教育あるいはそういう作業の手順等についてはどうであったかということでございますが、これらについては十分私どもとしても今後その点については詰めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 そこで、私は炭鉱のことは素人でございます。今さっき質問されました同僚の対馬先生は専門家でございます。そういう立場から、未熟な点もありますが、私のお隣りにいらっしゃいます伏見先生が当委員会で参考人としてお呼びになられました、日本で石炭関係の専門家といわれる北海道大学の名誉教授の磯部俊郎先生の御意見をお聞きいたしますと、今高木参事官が申されたとおりに、入坑するときのいろいろな指示があるわけです。だからその指示はどうされているんだろうかということをお聞きいたしますと、作業再開に当たって入坑時における会社の指示はどうしているのか、通産省として当然これは掌握しておかなくちゃならないのですが、対馬先生はもう実態御存じだと思いますし、また専門家ですが、磯部先生のお話をお聞きいたしますと、約八項目の注意事項といいますか、指示事項があります。 その八項目の指示事項の中でふだんなされているのは三項目だけだ。一つは、作業場所とそこへ行く道筋、これが指示される、これはやられているだろう。二番目、一緒に作業をする人の職種、人数、氏名、これも指示されている。三番目、作業職種ごとの分担作業と作業の順序というのはやられている場合とやられてない場合があるのではなかろうか。四番目、作業場に携行すべき用具及び作業場備えつけの用具のそういうような指示、確認というものはほとんどなされてないのではないか。五番目、作業開始前の点検方法、特に保安上の諸点についての指示というのはほとんどなされてないのではないか。六番目、作業実施中の諸注意、特に保安上の諸点、これもほとんどなされてないのとは違うか。七番目、作業終了報告の方法と保安点検結果及び申し送りに関する伝達の方法がやったりやられてなかったりしているのではなかろうか。八番目、作業箇所よりの帰路、これは徹底されている。 今の八項目のうち、一番、二番と八番目の三項目についてはなされている。こういうことを専門家の立場から今まで指摘をしてきたけれども、一向に改められようとしなかった。基本的なことをおろそかにしたこうしたことが大惨事を招いたのではないか。それはまさに、この事故は何ともやり切れない無力感を覚えるものであります、言うことを聞かない暴れっ子に何回言って聞かせても一向に守ろうとせず、とうとう大きなけがをして取り返しのつかなくなったようなものでありますと、このように嘆かれておりますけれども、これは磯部先生のお話をお聞きいたしたことですけれども、実態を通産省はどのように掌握されておりますか。
○政府委員(平河喜美男君) いろいろ細かい点について御指摘いただきまして、今後の捜査の段階におきまして十分その辺をチェックしていきたいと思っております。
○田代富士男君 ふだん掌握されてなくてはならない監督官庁だから――私は最初に申し上げています。私は素人でありますから、先生にお聞きをしました。対馬先生は専門家であります。監督官庁として掌握していらっしゃるでしょうと。だから、今後これを調査の段階で生かしていくということですから、生かしてもらいたいと思います。 次に質問を進めます。この事故の問題に対して、こういう考え方を持っていらっしゃいますね。 袋坑道には通気用の局部扇風機が設置してありましたが、この局部扇風機の容量は記述がないのでわかりませんし、この袋坑道にどのような経過、経路からガスが滞留するようになるかもわかりません。しかし作業員は巻き揚げ機のところまでは行っていたと考えられますので、滞留していたガスは機械のところまではなく、袋坑道奥部にあったと考えられます。この時作業開始前の状況では局部扇風機が停止していたといっていますが、何時から止めてあったかはわかりませんのでどの程度の状況であったかは判断できません。が、袋坑道奥は高所で、ここにガスが静かに滞留していたものと思います。扇風機の止まっていたのは、この坑道は三月二十七日より使っていなかったとすれば、かなり長期間停止していたかもしれません。そうなれば極く微量づつのガス浸出であっても相当量のガスがたまります。また事故の当日又は前日などに気圧の低下があれば、ふだん、ガスがなくても一時的にガスが出てきます。 次の疑問は、止めてあった扇風機を運転したかどうかですが、若し運転したとすれば、停滞ガスが攪はん排除されて行きますが、その過程で含ガス気流が巻き揚げ機付近を流れますので、スイッチ操作は全く危険となります。電気信号も勿論大変なことになります。 局部扇風機が運転されずに巻き上げ機操作をした結果の爆発だとすれば、ガス停滞の十分な可能性あるにもかかわらず、綿密なガス測定をしなかったことになり、保安係員固有の義務を怠ったことになります。死亡者の中に職員が含まれている点は、この点の疑いを濃くし、何のために、このように不注意であったかと思います。 いずれにしても局部扇風機の運転直後または殆んど同時に巻き揚げ機を操作したか、電気担当者と機械担当者の連けいがなく、到着後別々に並行作業を行ったかということになりましょう。 あといろいろ、「この災害は一歩進めば全入坑者が罹災するような災害の可能性がある。」ということが書かれてありますが、時間の制限もありますので……こういう御意見を聞かしていただきました。 それで問題は、これまでの火源として推定されるものは何であるか、今も御質問がありましたけれども、静電気なのかあるいは電気器具のスパーク、摩擦熱なのか、いろいろ考えられますけれども、今申し上げた専門家のお考えを含みましてどのように考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 火源の原因につきましては、今調査中でございますけれども、現在まで事故調査委員会からいただいております所見によりますと、まず電気機器の故障等によるスパークあるいはケーブルの短絡等によるスパーク、風管に発生いたしました静電気のスパーク、それから巻き上げ機のロープ等の異常接触による摩擦火花というようなことが可能性として考えられております。
○田代富士男君 今調査中だからそれ以上のことは出ないかと思いますけれども、専門家の意見でありますから、参考にしていただければと私は思います。 それと同時に、我々が現場へ調査に行く前にいろいろ新聞報道されました。その時点ではどういう事故であるかということが現在ほど明確ではありませんでした。その明確でない時点の新聞報道でも、今回の災害発生地点の近くに古い坑道があり、岩盤のひび割れ、密閉不全等、何らかの理由でそこからガスが漏れてきたのではないかという有力な説がありました。今同僚の対馬先生からも第一番目にこの問題が取り上げられたところでございますが、私の手元にも立地公害局から「高島炭鉱の一部操業再開について」という資料が届きました。どういうことを再開のために炭鉱側が講じたかという措置でございます。 その一番は、坑内全密閉箇所の点検、補修、整備、このようになっておるわけでございます。やはり一番先に取り組んだというのは、そこに原因があるんじゃなかろうかと思ったから取り組んだということは、やはり我々が掌握していない時点で報道された新聞報道というものは有力な説であったけれども、これを裏づけするようなことになったのではないかと思うんです。ガス発生率の高い高島炭鉱であるということを今さっきも申し上げましたけれども、今回の事故の現場は、高島炭鉱全体としてそういうガスの発生率の高い炭鉱であるけれども、その中にあってガス突出警戒区域というものがさらに指定されてあるそうですけれども、そういう指定されていないところからこの事故が起きているわけなんです。 だから、そういうことを考えれば、また対馬先生から指摘があったとおりに、これは保安図に記載がされていなかった、監督官庁としてもこの場所を掌握をしていなかったというような御答弁もありましたし、そういうことから考えれば、今回この一部操業再開のために講じた措置を、事前にこれをやっていたならば、こういうようなことは起きていないと思うんですけれども、端的に言ってこれどうでしょうか。政務次官も御出席いただいておりますし、それと同時に、こういうことは他の炭鉱にも、高島砿以外の他の炭鉱にも類似箇所は多いと思うんです。だから、そういうところを、全国の鉱山を監督官庁として掌握すべきことを掌握されてなかった、そういう実態でありますから、一回鉱山の総点検をやったらどうですか。 それとあわせて、一番最初にも、このガス自動警報器の設置の問題が第四番目のところに講じた措置としてなされておりますけれども、これもあわせて本当に今度は真剣に安全対策のための総点検をやってもらいたい。これは、私はこの当委員会の委員といたしまして事故を未然に防ぐためにもお願いしたいと思います。 政務次官は新潟へ御出発ということでございますから、もう出発されなくちゃならないかと思いますし、せっかくおいでになったんですからお答えいただきたいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) ガスが出てきたのは古い坑道からじゃないかということについては、御指摘のとおり現段階ではその可能性が非常に高いと我々も理解しております。その箇所をあらかじめわかっていて処置ができれば事故は起きなかったんじゃないかという仰せでございますけれども、これもそのとおりだと思っております。 そこで、私どもとしましては、ほかの炭鉱に直ちにこの事故後この事情を説明いたしまして、点検をするように指示いたしております。
○政府委員(田沢智治君) ただいま田代先生が御指摘されたようなことは大切なことだと私たちも思っております。 人間の生命というものは地球よりも重いという次元で対応するということは、所管庁として当然だろうと思いますし、また帰りまして鋭意検討いたしまして、そのような体制をしくように努力をいたしたいと存じます。
○田代富士男君 次に、これもちょうど高木参事官が御出席でございますから、私現場で御質問したことでございますが、我々現場へ行くときに専門家である対馬先生にいろいろ教わって行きました。炭鉱の災害というものはどういうことかと、単純に言えば火災の災害と爆発と二つなんだと、火災の場合は煙が出るけれども、爆発のときには煙が出ないんだというそういうお話を聞いて行きました。 そして、その当時新聞に煙がどんどん出ていたという新聞報道がされていたことに対しまして、現地の茂木所長が、煙等は一切出ておりませんということを明言されました。新聞報道は違います、こういうお話でございました。 この事故が起きた災害通報の第一報を、商工委員として監督官庁の通産省から私いただきました。その第一報には、午前九時前後、飛島二卸巻き立て付近で煙が発生し、全員退避指令を出した。だから私はそこで質問をいたしました。同僚が、この災害が起きて救助隊が出動するまでの時間がかなりかかっているじゃないかという質問をされたときにも、茂木所長は、こういう災害のときには慎重の上に慎重を要するために時間がかかります、慎重にすべて取り組んでおりますと、こういうお話があったから、慎重にというのは当然のことでしょう。だから慎重の上に慎重に取り組んだ中から、私はそれを前提にして質問しますけれども、今所長は、煙は一切出なかった、どこにも発表していませんと言った。にもかかわらず、我々のところには煙が来た、これは煙に巻かれてしまったことになるわけです。出ていないところから煙が出た。これはどうなんだ、私は茂木所長に質問した。茂木所長は一瞬とまどったところで、そこにいらっしゃる高木参事官がそばから立ち上がられまして、その煙というものは、この爆発のときの、何か積んであるあれは何だったですかね――粉、粉がぱっと舞い上がるのが煙みたいになった。それを煙と表現した、こういうことなんですが、それで私は、片方では出どころは煙がないと言っていて、こちらは煙と言う、この乖離はどう説明するか、これを煙に巻かれたということなんだと私は言っているわけなんです。 そこで、私は用語の問題ですけれども、煙について、坑内火災には粉じんと発煙と区別されてないような、そういうようなことについて、通産省はほかの省と違いましてこれはそういう専門局なんです。だからそういう面で、私はこれはとやかく言うわけじゃないけれども、言葉遣いをもうちょっと検討する必要があるんじゃなかろうか。あのとき高木参事官がおっしゃったけれども、これはそういう意味において、今後のためにそういう報告をしていないというような、煙だということじゃなくして、ある程度明確な用語というものの区別というものを検討されて、こういう場合はこうだということを検討されたらどうですかという、これは提案でございますけれども、いかがでございましょうか。この前、高木参事官いらっしゃって、一言何か言いたいでしょうから言ってください。
○説明員(高木俊毅君) ただいま先生の御指摘でございますけれども、当日二十四日に災害が八時四十五分前後に発生したわけでございますが、そのときの情報の収集でございますけれども、私ども福岡鉱山保安監督局に第一報が入りましたのは、やはり煙が発生して坑内でどうも火災が発生したらしい、こういうことでございまして、実は私ども東京におきまして監督局の方からそういう報告を受けた際には非常にショックを受けたわけでございまして、これは前回、昨年の一月に三池炭鉱におきまして坑内火災を発生いたしておりまして、私どもといたしましては坑内火災対策につきましてはその後万全を期しているつもりでやっておったわけでございまして、そういう観点からは非常にショックを受け、同時に諸先生方にはなるべく早目に私どもといたしましては御報告申し上げるべきだ、こういう立場に立ちまして、真摯な立場に立ちまして、間違ったかもしれませんけれども、そういう報告をさしていただいたわけでございます。 したがいまして、本件につきましては私どもも重々反省はいたしますが、今後ともこういう災害につきましては、こういう情報の収集の仕方には若干のそごがあることについては、先生方のお許しをいただければ今後ともやりやすいかと思っております。よろしくお願いを申し上げます。
○田代富士男君 警察庁の方は見えてないですな。――じゃ結構です。 それでは、大臣もお見えになった時点で、私の質問時間が来ているような状況でございますけれども、政府の調査団の調査活動は今も進んでいるかと思いますけれども、現在どの辺まで進んでいるのか、またいつをめどに結論を出そうとしていらっしゃるのか、そこらあたりを聞かしていただきたいと思います。 それと同時に、一番最初にちょっと申し上げましたけれども、高島砿で五月の初めに落盤の事故が起きておりますけれども、同じ会社で続けて事故が発生するということは余りよいことではないと思いますけれども、やはりこれに対しても考える必要があるんではないかと思いますし、こういうこともあわしてお答えいただきたいと同時に、大臣に対して最後の質問でございますけれども、高島砿はコンピューターなど最新の保安設備を誇る炭鉱であります。大臣も御存じのとおりでございますが、同社の幹部も安全対策は万全を期していたと、このように言っていらっしゃるわけなんですが、このコンピューター等の最新の機器に頼る余り、安全対策に取り組むという真剣な姿勢に欠けたところがあるんじゃなかろうか、そういうところが今大臣の留守中にも指摘いたしましたが、ガス自動警報器の未設置、扇風機の連続運転の休止等が指摘されておりますけれども、真剣な姿勢があればいろんなものを感づくものなんです。これはこうしなければならない、それなりの責務の立場にある人はそういう経験を多分に持っておりますけれども、こういう意味からいたしまして、今後鉱山行政に取り組む大臣の決意をお聞かせいただきたい。 これで質問を終わります。
○政府委員(平河喜美男君) それでは事務的なお答えを先に述べさせていただきます。 まず事故調査委員会の今後の見通しでございますが、災害発生の翌日二十五日に伊木東大名誉教授を委員長とする調査委員会を設置しております。直ちに二十六、二十七日の両日現地の調査を行いまして、その後も鋭意調査を進めているところでございます。その結果の取りまとめにつきましては速やかに行いたいと考えておりますけれども、何分調査が緒についたばかりでございますので、今はまだいつ最終の報告が出てくるかという明確な見通しについてはちょっと述べることは差し控えさしていただきたいと思っております。 なお、再開後落盤があった事故に関してでございますけれども、爆発後に労使間による総点検をいたしまして一部の再開をいたしましたにもかかわらず、このような落盤事故が発生しましたことは我々としても非常に遺憾に思っております。今後とも当該炭鉱の保安状況の追跡等を行いまして監督指導に万全を期してまいりたいと思っております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今回の災害につきましては、これまでの調査等から見て、会社側に当該箇所のガス状況についてのなれと過信があったのではないかと思われる点がございます。もしそうであれば大変残念なことだと思います。通産省としては今後とも保安確保を最優先かつ大前提としての立場に立って、保安確保に万全を期してまいる所存でございます。 今委員御指摘のように、コンピューターあるいはそういった近代的設備が整えばそれでよしとするのではなく、このような災害が起きるよって来る原因があるわけでございますから、しっかりと引き締めて保安確保に対応しなければならないと存じます。
○市川正一君 今回の高島炭鉱の事故原因は、飛島二卸坑道の上部にたまったメタンガスが爆発したためと、ほぼ今までのやりとりや報告などを聞いて確定できると思うんですが、どうですか。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘のとおりでございます。
○市川正一君 その飛島二卸坑道上部ですが、これは行きどまりになっていて、メタンガスがたまりやすい坑道で、岩石坑道と聞いております。ここになぜガスがたまったのか伺いたい。
○政府委員(平河喜美男君) 飛島二卸上部のロープ坑道そのものは岩石坑道でございますので、通常はメタンガスがたまりやすいところではございません。ただ、このロープ坑道の上部に、過去に石炭採掘に使用いたしました上一片坑道がございます。その奥部は密閉されておりますものの、現場の状況から見まして、ここからガスが浸出したのではないかというふうに考えられております。
○市川正一君 今お答えがあったように、私どもの調査でも、飛島二卸坑道上部につながっている旧坑道ですね、かつて採炭をしていたところでありますが、それが密閉してあった。そしてこの旧坑道に充満したガスが、密閉部分の亀裂などを通して、行きどまりになっている地点付近にたまった可能性が極めて強いと、こういうふうに、同じように理解いたします。 そこで問題なのは、なぜメタンガスがたまっていることを爆発前に発見できなかったんでしょうか。これが一つの問題ですが、どうお考えですか。
○説明員(高木俊毅君) ただいまの先生の御質問でございますけれども、先ほどからも諸先生方の御質問の中にもございますように、当該坑道は岩石坑道でございまして、常日ごろからここにはガスがないという過信があったのではなかろうかということは、私どもとしても推定しているところでございます。
○市川正一君 過信とかなれとか、さっきから盛んに乱発されるんだけれども、その過信があったという精神的なものやなしに、結果としてそこへ巡視を怠っていたということになるわけでしょう、過信から引き出される行為の現象は。この爆発のあった飛島の二卸坑道は休廃止坑道じゃないんです。一月間使ってなかっただけのことでしょう。つまり、生きているというか、まだ稼働中の坑道なんです。ということは、いいですか、もう引用しませんが、石炭鉱山保安規則の第二十五条の二で、毎作業時間に一回以上巡視することが義務づけられている箇所に該当すると思うんですが、この点はどうですか。
○説明員(高木俊毅君) 先ほど冒頭、諸先生方の御質問の中にもあったわけでございますけれども、当該箇所は休止していたとはいえ、これは当然坑道としては生きているわけでございますので、そういう箇所につきましては定期的な検査を、これは規則上も義務づけていることは先生御指摘のとおりでございます。 それで、実際にどうやっていたかということについては現在調査中でございますけれども、会社側等の説明……
○市川正一君 いや、それに該当するかどうかというところまででいいです。そのあとはこれから聞きますから。 とすれば、ガスの有無というのは実際現場を見ればすぐにわかることですね。ということは、今回の事故は、この巡視を怠っていたという疑いがあると思うんですが、どうですか。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○説明員(高木俊毅君) 当該箇所につきましては、いわゆるガスの測定は義務づけられている箇所であるわけでございまして、これが定期的にやられていたか否かについては現在調査中ではございます。 ただし、事故調査委員会等に会社側から申し立てられているところによりますと、奥の詰めまでは行った可能性についてはやや疑問があるような感じがいたしております。
○市川正一君 極めてこれは疑いが、ここに一つは絞られます。 続けますが、高島炭鉱は全体としてガスの多い炭鉱であり、ガスの危険性は常時あるんですね。だからこそ、事故現場附近にも換気用の局部扇風機、局扇が設置されていたわけですね。しかし爆発当時は常時運転されていなかったこと、これは明らかになっている。 そうすると、保安規則第百三条二号に定める、局部扇風機は「連続的に運転する」というこの規定に違反することは、少なくとも明白であると思いますが、どうですか。
○説明員(高木俊毅君) ただいま先生の御指摘の保安規則百三条の二号、いわゆる連続的運転でございますけれども、もしとまっていればこの条項の違反になることは、その可能性はございます。
○市川正一君 じゃあ運転されていたんですか。
○説明員(高木俊毅君) 現在調査中でございますけれども、運転されていなかった可能性が高いというところまでは言えるかと思います。
○市川正一君 それはもう可能性じゃなしに現実性ですよ。 次に伺いますが、もし局部扇風機が運転されておらず、ガスがたまっていたとしても、一カ月間のブランクの後運転しようとするんですから、当然規則どおりガス検知をしておれば爆発は防げたはずです。これも保安規則第百四条の第四号、「局部扇風機が運転を停止したのち運転を再開したときは、可燃性ガスの測定をし、危険のおそれがない場合でなければ、当該区域へ送電し、または鉱山労働者を就業させないこと」と、明確に定めております。とすれば、これにも違反していることになるんじゃないですか。どちらでもいいです。
○説明員(高木俊毅君) 先生御指摘のとおり、石炭鉱山保安規則の百四条四号には、いわゆる局部扇風機を停止したのち再開をするときには、必ず可燃性ガスを測定し、危険のおそれがなくなってから鉱山労働者を就業させることということについては明確に規定いたしておりまして、これらの違反等につきましても現在調査中でございます。
○市川正一君 現実に爆発は起こったんです。そうすると、論理的にも実態的にも、一つ一つお伺いしたじゃないですか。 局部扇風機が運転されていなかったとしても、ガスがたまっていたとしても、そして最悪の場合、この百四条第四号に基づいてやっておれば爆発は起こり得なかったんです。そうでしょう、論理的には。ということは、このどれかがやられていなかった、あるいはいずれもやられていなかったということにしか論理の真理はないじゃないですか。 私は高島炭鉱の保安の現状は、まさに保安のイロハさえ守られていない。先ほど来、なれと過信というふうなことを盛んに言われるけれども、そういうもんじゃないですよ、今回の事件は。自然条件が絡み合った不可抗力という、そういうもんじゃ全くないです。これこそ人災の典型じゃないですか。 そしてその一方では、私四月二十五日の本委員会で指摘いたしましたが、社宅にある掲示板に会社が警告文を出しておりました。出勤率が悪い。「皆さん方のやる気が全く見られません。皆さん方のやる気がなければ高島を残そうと努力しても同じです。あとは閉山しかありません」。こういうおどしをかけておるんです。高島砿は坑道斜面も急な上に断層が多い炭鉱で、労働条件が悪くて労働災害の発生率も高いところは御承知のとおりです。現地の労働者の話では、最低月二十一日出勤せよと言われるが、最低ラインを守るだけでもきついと言うんです。またある労働者は、食事時間はとれても五分か十分、口にくわえながらの作業だ、文句言うたらボタの多い採炭場に回される、何トン掘ったかで給料が決まるんで、残業続きで一日十時間はざらだ、こう言うております。まさに出炭第一主義の典型ではありませんか。 そこで伺いたいのは、先ほど来のやりとりの中で明らかになった一連の事態、局部扇風機が動いていなかった、そういう疑いがあるとおっしゃる。作業前のガス検知がなされなかった、そういう疑いもあるという。巡視が怠られていた、そういう疑いもある等々、こういう保安抜き、これが今回の事故につながったということは容易にわかることでありますが、この点どういうふうに認識されますか。
○政府委員(平河喜美男君) 御指摘のような事実に対する疑いがございますので、我々も厳粛な気持ちで今調査をいたしております。
○市川正一君 そこで厳粛に聞きたいんですが、四月二十五日の本委員会でのやりとりについて、大臣もあのときいらっしゃいました。はっきりしてほしいんです。 私きょう山本審議官の出席を要求しておりましたが、御都合で出席されていません。これは了承いたします。そこで上司である立地公害局長に責任を持ってお答え願いたいんです。 私の四月二十五日の質問は、事故発生の翌日ではありましたが、その時点で我が党の調査団も派遣し、また現地からの報告、それはほぼ本日までに明らかになったことと合致するものでありますが、それに基づいて質問をいたしました。その中で私は、今回の事故の背景に会社の生産第一主義があり、会社の保安手抜きがあるということを指摘するとともに、政府の徹底した調査と再発防止策の確立、犠牲者に対する救済と補償を行うことを要求いたしました。大臣はこれに対してお答えを賜りました。 ところが山本審議官は、「先生」、つまり私市川のことでありますが、市川と考え方が違うと言ってお答えになったんです。ここに速記を起こした記録があります。山本審議官はこう述べております。「先生の御指摘のありました中で、私どもといたしまして考え方が違うなという点が一つございます。それは、確かに生産性を高めて、能率を高めることはぜひ必要でございますけれども、」、こう言っているんですが、読み方によっては、あたかも私、市川が、保安を犠牲にしても生産を上げるように主張しているようにも受け取れるんでありますが、そういうことなのかどうか、まずはっきりしてほしいんであります。もし山本審議官の真意がその後に続いて述べているくだり、「何にも増しまして人命の尊重、保安の確保というのは」中略でありますが、「変わらぬ私どもの行政方針でもございます。」というこの部分と一緒になって、保安を重視するという通産省の政策的立場をもし強調したというのであるならば、なぜあえて私の考え方と違うと言うのか、極めて意図的とさえ思わざるを得ぬのでありますが、山本審議官がいないならば、上司である立地公害局長の責任ある答弁を求めたい。
○政府委員(平河喜美男君) 当日の審議官の答弁の真意は、私ども立地公害局でございますから、当然保安第一主義の観点から炭鉱を常日ごろ指導しているという立場を強調したものであろうかと思っております。 その先生の御指摘の点について申しましたのは、私どもが生産第一主義じゃないかというふうに言われたのではないかと思って、そうではないということをつい強調したんじゃなかろうかと思っております。
○市川正一君 そういういいかげんなことはおよしなさい。あなたも速記を起こしたのはあると思うんです。私はこのときにも、夕張新鉱、三池有明のことも取り上げて、人災として指摘いたしました。昨日、有明鉱の惨事に対して、所長ら十九人を業務上過失致死傷容疑で福岡地検が書類送検いたしております。こういう相次ぐ重大災害の続出に対して、私は取り上げるとともに、その際速記で、書類でも明らかなように、私はこう述べているんですよ。「私は何も通産省が安全第一主義を放棄しているというふうなことを言っておらぬ。生産第一主義に走っているそういう会社に対して、監督官庁としての責任を痛感してほしいんですよ。」と、こうもさえ、いわば言うならば配慮ある立場で発言をしているんです。そして本委員会として現地調査にこれから入る。その調査報告を待って、はっきりしようということに問題を持ち越しました。 繰り返して確認しますけれども、本日のやりとりからも、またここに本委員会の委員派遣の報告もあります。したがって四月二十五日に私が述べたことと考え方が違うというのは、一体どういうことになるのか。その違うということは間違っていたというなら間違っていた、今も変わらぬというのだったら変わらぬ、取り消すなら取り消す、はっきりしてほしいと思います。
○政府委員(平河喜美男君) 私どもといたしましても、保安第一主義の観点から行政をしております。今後とも、そういう点で厳正に対処してまいりたいと思っております。
○市川正一君 この山本審議官の発言に対して、上司としてどうなさるのかということを私は聞いているんですよ。
○国務大臣(村田敬次郎君) 四月二十五日の市川委員の御質疑に対しまして、私もお答えを申し上げた記憶がございます。 これは、私と市川先生との立場は保安第一主義、そして誠意を持って対応をするということをお答え申し上げたと存じますが、今、山本審議官のその折の答弁を検討いたしておるのでございますが、ここに今、山本審議官がおりませんので、ちょっとその真意のほどが図りかねるわけでございますが、私は、市川委員が先ほど御指摘になったような、生産性第一主義を市川委員がとっておられるという前提でお答えを申し上げたのでは全くないというふうに聞き取りました。したがいまして、もしそういうふうにお聞き取りになられたとすれば、それは山本審議官の表現が不穏当であったかと思いますので、上司として、私からおわび申し上げます。
○市川正一君 三点、整理して私申し上げます。 まず、大臣とのやりとりについては、ここにありますように、「大臣の決意はよくわかりました。」ということで、大臣と私とのやりとりはもう後くされはないんです。「しかし山本審議官、あなた、」はということで、審議官が私と意見が違うと言うので、それはどこが違うんだということを、現地調査やその他、行ってからはっきりしようじゃないかということになっておるんですよ、持ち越しておるんですよ。それが第一点です。 それから第二点は、きょうは山本審議官がおらないので云々ということですけれども、私どもとしては、山本審議官に出席してほしいということを再三にわたって申し入れています。しかし、きょうはほかの用事があってどうしても出られない、ならばそれはやむを得ぬと、しかし、上司である平河局長がお見えだから、だからその局長の責任においてこの問題については決着をつけるようにしてくれということできょう臨んでおるので、何も欠席裁判をやるようなことは全然やっていないというのが第二点です。 それから第三点は、そういうように受け取れるという、私が、市川が生産第一主義をやっているというような意味での誤解だというふうには、それは常識的に言って私も思いません。しかし、文脈から言ったらそうも読み取れるので、まさかそうではないでしょうねということを聞いただけのことで、その後の問題、すなわち、この問題について、じゃ、どこの意見が違うのか、どこで見解が違うのか、違うならばその違いをはっきりしてほしい、そしてまた、違わないんだったら、この意見は違うという部分は取り消してほしいということを、もう時間もないんですから、後くされのないように、はっきりしてほしいんです。 だから、大臣が、おわびを申し上げますというふうに言われるその点は十分受けとめますが、しかし、これ後に残りますから、これを取り消すなら取り消すということをはっきり言うておいてください。
○政府委員(平河喜美男君) 保安を重視してやるべきであるという先生の御意見に対しては、私ども意見は異なっておりません。もしそういうふうにとられるように発言いたしましたとすれば、取り消しいたします。
○市川正一君 くどいようですけれども、というように受け取られるならばとか言うんじゃなしに、明白に――もう一遍読みましょうか。その点では「私どもといたしまして考え方が違うなという」、これは違わないんでしょう。もし違うんだったらもっとやりますけれども。そこをはっきりしてほしいんです。
○政府委員(平河喜美男君) 保安第一主義であるという点については違いません。
○市川正一君 終わります。
○木本平八郎君 この問題につきましては、先ほどから各委員から問題点のすべてにわたって、また激しく追及されましたので、もう私から何も言うことはないわけです。ただ、私はちょっと観点を変えて、こういう問題について根本的に考え直す必要があるのじゃないかということを申し上げたいわけです。最初の方は相当不穏当なことを、あるいは不謹慎なことを率直に歯にきぬ着せずに申し上げますけれども、私が言いたいのは一番最後の方なものですから、ひとつ最後まで辛抱強く聞いていただきたいと思うんです。 この問題につきましては、おととい補助金の特別委員会でも私取り上げたわけです。といいますのは、これはもう皆さん御存じのように、今現在六十年度で石炭対策予算として石炭勘定合計で千二百五十九億円計上されているわけですね。そのうちで、いわゆる石炭鉱業の合理化安定対策、要するに石炭の生産を続けていくための補助金だけですね、それが三百八十七億円計上されているわけです。これほどの補助金があるということで、補助金の面から私はこの問題を取り上げたわけですね。 私、そのときに不謹慎だけれどもという前置きをしながら申し上げたんですけれども、私が承知しておる範囲では、昭和五十年から六十年、つい前の事故までこの十一年間に毎年事故が起こっている。起こらなかったのはたしか五十一年だけだと思いますが、そのかわり、五十六年には四つぐらい起こっているというふうなことで、毎年この事故で大体四十八人ぐらいずつ平均亡くなっておられるんですね。そして、負傷者というのは割合少なくて二人ぐらいプラスになる程度で、毎年五十人ぐらいの死傷者が出ている。この十年だけ見てもそういうことが続いているわけです。 私はあのときにも申し上げたんですけれども、これだけのいわば人柱というか人身御供をささげてまで果たして石炭をやらなきゃいけないのかどうか、やっぱり見直す必要があるのじゃないかということを申し上げたわけです。これはいろいろ議論もあると思いますし、異論もあると思うんですけれども、そのときの通産省のお答えは、これはエネルギー対策としても将来のことを考えてこれだけの犠牲を払ってでもやっていかなきゃいかぬのだ、これをやめるつもりはございませんということをはっきり大臣も答弁なさいました。私も現状のところはそうだろうと思うんです。 ただ、そのときも言ったんですけれども、日本の炭鉱でガスだとかあるいは炭じんの問題、炭じんは外国の炭鉱でもあると思いますけれども、こういうのは日本の炭質が悪いということで避けられないのじゃないかという気がするわけですね。そうしますと、事故防止に最大の努力を続けるということを前提にしても、あるいは来年もまた起こるのじゃないかという気がするわけですね。私、去年の有明と今回と二回しか経験ないわけです、議員としては。しかし、そのときにも申し上げたんですけれども、やっぱりというか、ああまたかという感じを率直に言って受けるわけですね、こういう事故が起こりますと。 それで、少し不謹慎な言い方をしますと、これはまだ調べていませんけれども、多分ずっと過去の衆参両院における商工委員会あるいは災害対策委員会かエネ特かなんかの議事録を全部引き出しますと、毎回通産大臣がこういう事故は絶対に起こらない、再発しないように最大の努力を傾けますということを必ずおっしゃっていると思うんですね。おっしゃっていながら、こういうことが発生しているということなんですよ。これは決してうそを言っておられるとも思わないし、でたらめだとも思わないし、そのとき、その場逃れのことを言っておられるとも思わないんですね。多分、私が明くる日、まあならないでしょうけれども、通産大臣になっても同じことを言うと思うし、言わざるを得ないと思うし、本気になって腹の底からそう思うんですね。しかし、それでも起こっているということなんですね。 私は、これを見ていると、どうも雨降りの日に傘を差して歩いているようなもので、幾ら用心してもぬれることは避けられないのじゃないかという気がするわけですね、だからといって絶望的になっているわけじゃないんですけれども。そこで、やはりこういうものは、私はこの際神の脚本というか、採炭産業を続けていくからには避けられないんだ、神に要求されているいけにえなんだというふうに割り切って、そこから対策その他物の考え方をスタートさせなきゃいかぬのじゃないかと思うんですね。その辺の答弁をお聞きすると非常に苦しいでしょうけれども、適当で結構ですから、少しお考えを聞きたいんですが。
○国務大臣(村田敬次郎君) 木本委員おっしゃるとおり、私はこういったこと一つ一つが神の摂理であるというお考え方はよくわかるんです。そしてまた、事実、石炭の置かれておる状況というものを見ますと、日本の場合は採掘の条件が極めて悪い、そして非常に掘る方が苦労をされて、しかも会社の方でも随分いろんなことを注意してみても、なおかつ採算的にもとても外国炭に対応するだけの安い石炭は出ません、これはもう条件が全然違うんですから。露天掘りのできるような良質炭と、日本のようにある程度掘り尽くして相当深いところへ行って労働条件が悪いのに働かなければ掘れない、そういう労働そのものを比較してみますと、木本委員が御指摘になるような点はよくわかるんです。 ただ、午前中に、先ほど対馬委員にもお答えを申し上げたように、いわゆる地域産業としての問題、それからまた地域の雇用の問題、そういったことを考えてみますと、木本委員のようにすっぱりと割り切るということができないわけでございます。したがって、一次エネルギーの石油に対する依存度が極めて高いということや、石油代替エネルギーの導入開発が国家的な課題であるという意味から、ここまで縮小してきた石炭産業をこれ以上縮小させないで、ひとつ企業努力、それからまた石炭を買う方のユーザーの努力、また石炭産業をバックアップする国の立場というような、三位一体として今後も保安問題に注意しながら続けていくということが私どもの現在石炭産業に対してとっておる立場だということを申し上げさしていただきたいんです。
○木本平八郎君 そのとおりだと思います。それで、私も原則的にはそうせざるを得ないのじゃないかとは思うわけです。 ところが一方、最近市場開放の問題、圧力もかかってきている。日本に八千万トンぐらい輸入していて日本で採炭しているのが大体千六、七百万トン、両方合わして約一億トンですね。二割ぐらいしか生産していないし、各国とも石炭の輸入というのは相当制限している。日本は非常に多い方だ。しかしながら、やはりオーストラリアなんかにとってみれば、そんなに日本で無理して掘らずにおれのところで買ってくれよ、一トンでも二トンでも買ってくれという要求は当然あると思うんですね。そういう点からもやはり検討はしなきゃいかぬだろうとは私は思うんです。ただしかし、そういういろいろな環境の条件その他非常に悪い条件を抱えながらも今後も石炭産業を続けていくということであれば、ちょっと結論的に申し上げて、私はこの際やはり各会社と組合に任したらいいのじゃないか、自決権を与えた方がいいのじゃないか。 これは私、去年とことししか、有明の問題とこの問題しか知らないのですけれども、どうも通産省鉱山保安監督局だとか、それから我々政治家の方もそうですけれども、余りにも干渉し過ぎるのじゃないかという気がするんですね。確かほこれだけの死亡事故が起こっているわけですから、死亡事故というのは、先ほどどなたかおっしゃったように、地球よりも人命は重いという前提に立てばそれは国会を挙げて騒ぐほどの価値があるかもしれませんけれども、問題はそういうのがかえって問題の解決の足を引っ張っているのじゃないかという気がするわけですよ。 少し極端な言い方をすると、今こうして事故が起こった。そして、通産省も騒ぎ立てる、国会も騒ぎ立てる。そうすると、会社とかみんながその対応に必死になって、言いわけ等なにして、調査とそこそこの対応をやって、それで何とか調査が済んで再開して、そこそこの処分とかおしかりも終わった。もうそれでほっとして、これで事は片づいた、ああよかったよかったと、まあ一杯飲むかどうか知りませんけれどもね。そういうふうに問題がすり変わっちゃう可能性があると思うんですよね。 いわゆる怒られているから何とか怒られているのを逃げようということにばかり頭がいってしまって、本当の問題、事故防止とかなんとかということに、例えばほかの炭鉱の方々、まあそれはどうか知りませんけれども、今一生懸命高島の問題は注視されていると思うんですね。これに対して通産省がどういう対応をするだろう、国会がどういう対応するだろう、あるいはあれまたつぶされるのじゃないかとか。それで、これがうまくおさまると、ああよかった、ほっとしたというふうなことの繰り返しが、結局、基本的に、対策がおろそかになると思わないですけれども、どうも問題の所在を薄めているのじゃないかという気がするんですよね。その辺、監督の立場にある局長はどういうふうにお受けとめになっていますか。
○政府委員(平河喜美男君) 保安問題につきましては、私どもの方の規則その他で取り締まるのは当然でございますけれども、やはり第一義的には企業なり労働者の意識というものに基づきました自主保安体制というものが必要であることは間違いのない事実でございますから、私どもは決してそういうことにならないように、彼らが自分で保安ができるように、そういう指導をしているつもりでございます。
○木本平八郎君 私は率直に申し上げて、例えば今まで通産とかほかの人が、外部の外野がわあわあ言ってどれだけ事故防止に効果があったかということになりますと、私の感じではマイナス、なかったと思うんですね。むしろ、どんどん事故が減ってきているのは、会社なり組合なりの努力だと思うんですよ。これはどうしてかといいますと、やはり事故を一番怖がっているのは中に入っていっている採炭夫の人たち、坑内夫の人たちなんですね。それで、やはり事故を一番恐れているし、嫌がっているのは会社なんですよ。国会ではないんですね。通産省ではないんですよ。通産省もこういうところに呼び出されてつるし上げられるから嫌がっているかもしれませんけれども、そんな程度なら大したことはないんですね。一番怖がっているのは現場の人たちです。その人たちがやはり一番知っているはずだし、一番やっていると思うんです。 それで、やれない事情いろいろあると思いますよ。もうからないからなかなか思った設備ができないとか、あるいは保安点検の人間が少ないとか、あるいは炭質が悪いとか、いろいろなことがあると思います。あると思いますけれども、彼らなりにできる最善のことはやっていると思うんですよ。それができなくなったら、みずからやっぱり閉山しちゃうと思うんですね。したがって、私はそういうむしろ現場を信じて、少なくとも性悪説じゃなくて性善説に立つ。あいつらほうっておくと何やるかわからないとか、そういうことじゃなくて、まず会社と組合を信じてやるというところから規制というのは始まっていいのじゃないか。だから、今、中曽根内閣でやかましく言っているデレギュレーションということをまずここからお始めになったらどうかと思うんですよね。 それで、ちょっと時間がないですから、どんどん自分の意見だけ先に言ってしまいますけれども、官庁はむしろ労使の間で、今度の事故で例えば遺族補償の問題あるいは保安上の問題でトラブルがあったときに裁定するとか調停に入るとか、あるいは保安上でコンサルタントをやるとか、実務的にはこういう調査もしたい、先ほどの何か北海道大学やそういう教授をなにして調査したい、ところが実ははっきり言ってそれだけの金がないんだ、それじゃそれは補助金で出してやるとか、むしろそういうふうな少しへっこんでやる方がいいのじゃないか。今通産省のやっておられることは過保護ママと同じですね。だから、かえって子供の方は甘えてしまって、ママに任してママの顔色しか見ていない。私はそういう状況じゃないかというふうに感じるんですけれども、その辺はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 石炭産業というのは、先ほども申し上げましたが、やはり国の産業として残さなければならないいろいろな理由があるわけでございまして、ここまで縮小してまいったわけでありますから、今後の方針といたしましては、企業側の努力、そしてまた炭価が高いわけでありますから、石炭を使うユーザー側の協力、それに政府としてもできるだけの支援をする、そういった立場で現在の方針はいっておりまして、過保護ママというのは私は当たらないと思っているのでございます。
○木本平八郎君 それで、私はそういう状況でどうしても続けていかなきゃいかぬということになると、やはり一番問題は、犠牲になる人あるいはその遺族の問題だと思うんですね。 そこで、私のひとつ提案なんですけれども、普通の労災に比べてこれは非常に災害発生の可能性が高いわけだから、むしろこの際、特別労災保険として、金額はいいか悪いか知りませんが、三千万ぐらい特別に通産省の方でいわゆるこれのために設けられるというのはどうかと思うんですね。一年に五十人とさっき言いましたね。三千万円としても年間十五億ですよ。この前向きに進めるというだけの補助金だけでも三百何億今使っているわけでしょう。全部でやれば千二百五十億補助金を使っているわけですよ、政府が。その中で十五億円ぐらいこっちに出したって私はどうということはないし、補助金の使い方としてはむしろこれの方がいいのじゃないか、そしてあとはやはり大幅に会社及び労働組合の自決権に任せるということの方がよりいい解決に向くのじゃないかという気がするわけです。私はもちろん専門家じゃないものですから、その辺、御答弁というのは難しいでしょうけれども、所感みたいなものを承りたいと思うんですが。
○政府委員(高橋達直君) 労働災害補償に加えて、危険な作業に従事するということで上乗せの補償についての補助金を出したらどうだというお尋ねかと思うわけでございます。 御案内のとおり、労災補償のほかに、企業の中での補償といいますか、具体的には弔慰金という名前で支払いが行われるようでございますが、会社と組合の間でいろいろと交渉がなされまして、過去の例でまいりますと、おおむね最近の事例で北炭夕張の場合あるいは三井三池の場合で一人当たり千七百万円、あるいは三井の場合には、扶養家族がいらっしゃる場合には千九百万円というような弔慰金という名前での補償金が払われておるわけでございます。今回の場合も、会社側から私どもが承ったところによりますと、誠意を持ってこの辺を組合側と交渉している途中であるというふうに聞いておりまして、国がそういったものに補助金を出すかどうかということにつきましては、先生の貴重な御意見として承っておきたいと思うわけであります。
○木本平八郎君 ぜひ前向きに検討していただきたいと思うわけです。 最後に、これは石炭の問題とは関係ないんですけれども、石油の問題について。けさほどの日本経済新聞ですか、そこにアメリカからガソリンの輸入の自由化ということを求められているわけですね。これについては、先般来いろいろ私の方から申し上げているわけです。今回、ぜひこの問題についても、私は通産省として国際感覚をシャープにして取り組んでいただきたい、いきさつもいろいろあると思うんですけれども。私は、こういうことが必ず起こるだろうということで今まで申し上げてきたわけですね。やっぱり案の定起こったという感じがするわけです。したがって、いわゆるインターナショナルトレードのミニストリーですから、やはりその点、国際感覚をシャープにして取り組んでいただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。何か御意見ございましたら……。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、木本委員が御指摘になった新聞記事でございますが、実は米政府がガソリン輸入解禁を非公式に要請してきたという事実は私は一切聞いておらないわけでございます。 なお、六十年代の石油産業政策の検討の一環といたしまして、現在、石油審議会石油部会の小委員会で消費地精製方式のあり方についても検討を進めているところでございまして、中長期的な今後の対策としてはひとつ前向きに対応をしたい、このように考えておるところでございます。
○委員長(降矢敬義君) 本調査に関する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時二十七分散会