商工委員会 第14号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/05/14
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 三菱石炭鉱業株式会社高島炭鉱における災害の実情調査に関し、派遣委員の報告を聴取いたします。梶原君。
○梶原敬義君 ただいまから派遣報告をいたします。 去る四月二十四日に発生した三菱石炭鉱業株式会社高島炭鉱における災害の実情調査のため、四月二十六日、二十七日の両日にわたって行われました委員派遣について御報告いたします。 派遣委員は、初村委員、田代委員及び私の三名であり、またエネルギー対策特別委員会から、田代委員長、小西理事、宮島委員、対馬委員、中野委員、近藤委員が派遣され、両委員会の合同調査となりました。 日程は、四月二十六日、長崎空港から大波止桟橋に向かうバスの車中において、福岡鉱山保安監督局及び長崎労働基準局から災害の概況について説明を聴取し、質疑を行いました。 現地では、まず高島砿業所を訪問し、今回の災害で殉職された十一名の霊に坑口で献花、黙祷をささげた後、高島町福祉会館において会社から説明を聴取し、質疑を行い、地元の地方自治体、労働組合等の代表から要望を聞き、次いで高島砿業所殉職者合同所葬に参列いたしました。 高島炭鉱は、炭層が長崎県西部海域に広がる海底炭田にあり、明治十四年以降の長い歴史を持つ古い炭鉱であります。現在、鉱山労働者数は約千七百七十人、出炭量は年間約七十万トンでありますが、既に百年を超える鉱齢のため、坑口から採炭現場までの坑道の距離が極めて長くなり、採炭場は急傾斜であるなど厳しい自然条件下に置かれております。 今回の災害の概況は、鉱山保安監督局及び会社の説明によれば、次のとおりであります。 四月二十四日午前八時四十五分ごろ、坑内の係員より指令センターに誘導無線で、飛島二卸付近に災害発生との通報がありました。九時五分、保安管理者より入坑中の約五百人の全員に対し、退避の指示が行われましたが、二卸区域で就業していた十六名のうち、十五名が爆風等により罹災しました。十二時五十五分には、救護隊による罹災者全員の収容、救出が完了いたしましたが、死亡者十一名、負傷者四名の惨事となりました。 災害の種類は、当初、会社から監督局への報告は、坑内火災のおそれあり、とのことで、国会にもそのように報告したが、その後の現場検証や関係者からの事情聴取によると、現場近くの作業員が強い風圧を感じていること、遺体の損傷の状況、坑内の鉄骨の曲がりぐあい等から強い爆風の発生が推定され、現場に焼けた形跡がないことから、現段階ではほぼガス爆発と断定できるとのことでありました。 事故の原因等については、現在、長崎県警と監督局による司法捜査並びに政府の依頼した学者等専門家による事故調査団により、鋭意調査が進められております。詳細はその結果を待たなければなりませんが、我々と監督局及び会社との間で行われた質疑応答のうち、主要な問題点と思われる数点について御報告いたします。 今回の災害は、三池有明よりもさらに単純な災害現象である、扇風機が作動して換気が正常に行われていれば、ガス爆発が起こるわけがない、局部扇風機はどのように管理されていたのかとの質疑に対し、監督局は、その点は我々も強い問題意識を持っている点であり、事実の究明に努力したいと答え、また会社からは、現場は三月二十六日以降作業を休止していたところである、扇風機の近くにいた者に生存者がなく、明確なことはわからないが、坑内係員に無線で局扇を運転してくれとの連絡があったとの情報もあり、何らかの原因で扇風機がとまり、濃厚なガスが滞留していたところへ、何かの火源から引火したものと推定されるとの答弁がありました。 指令センターでは、坑内係員から連絡があるまではガスの異常を把握できなかったのかとの質疑には、会社は、事故現場は採炭現場から遠い岩盤坑道で、通常はガスの突出するところではないから、付近にガス感知器は設置してなかったと答えました。 新聞報道では、坑内の係員が、坑外から扇風機がとまっているからスイッチを入れてくれ、との指令を受けたとの証言があるとのことだが、地上では局扇がとまっていることを知っていたのではないかとの質疑には、会社は、今、会社は生存者から直接事情を聞くことができないので確認の方法はない、地上からの判断で指示したのではなく、坑内から連絡があって、それにこたえる形で指示したものと理解した方がよいと考えると答えました。 引火した火源について静電気説をとっている新聞情報があるが、疑問に思う、監督局の見解かとの質疑に対しては、監督局は、火源が何であるか現段階では特定していない、静電気と発表したことはないとの答弁がありました。 災害発生の連絡が坑内から入ってから退避指令が出るまで二十分かかっているが、炭鉱の常識では、直ちに退避を指示したと言えるのかとの質疑に対し、会社は、誤った情報に基づいて指示を出すと大変なことになる、ある程度正確な状況把握を行って行動を起こすには、炭鉱ではこのくらいの時間は必要であると答えました。 正確な状況把握が必要と言うなら、国会への通産省からの第一報が、飛島二卸に煙発生、坑内火災とあったのはなぜであるか、会社は煙は出ていないとの説明だが、事実関係を明らかにされたいとの質疑に対しては、通産省は、会社からの第一報が煙発生、坑内火災のおそれありとのことだったので、国会にもそのように報告した、また会社からは、炭鉱では粉じんが舞い上がって視界がきかなくなることを煙と表現することがあり、我々もそういう受けとめ方をして、監督局に坑内火災のおそれありと報告したと、それぞれ答弁がありました。 監督局の巡回検査はどのくらいの間隔で実施していたのかとの質疑には、監督局は、最近は月一回ぐらいの割合で行っている、限られた人員でもあり、点検は網羅的でなく、山の実情に応じて我々が問題意識を持っている箇所を中心に重点検査事項を定めて実施している、高島はメタンガスが多く、ガス爆発等について重点的に指導してきたと答えました。 災害発生の数日前に、会社から労働組合に、経営難を理由に二百五十人要員削減の合理化案が提示されている、従業員の不安や動揺が今回の事故につながったのではないかとの質疑には、会社からは、合理化案による人心の不安はなかった。むしろ山を守ろうという皆の気持ちが引き締まっていたところだと思うとの答弁がありました。 以上が監督局及び会社に対する質疑応答の概要でありますが、なお、長崎県知事及び高島町長から、同炭鉱の長期安定操業を可能ならしめる諸施策、高島町の災害救助費用に対する国の配慮等七項目にわたる要望があり、また労働組合、職員組合から、保安監督指導体制の強化と生産の早期再開、炭鉱に対する政策助成の充実等についての要望がありました。 最後に、今次災害により、多くのとうとい人命が失われましたことはまことに遺憾であります。殉職者に対する補償措置、並びに遺家族の今後の生活対策に最善を尽くすとともに、事故原因を徹底的に究明の上、炭鉱災害の再発防止に万全を期するよう政府及び関係者に対し強く要請して、報告を終わります。
○委員長(降矢敬義君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(降矢敬義君) 次に、貿易研修センター法を廃止する等の法律案並びに基盤技術研究円滑化法案を便宜一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○対馬孝且君 まず質問に入ります前に、ただいま高島炭鉱災害の現地報告がございました。私も現地へ参加をいたしました一人として、この問題につきまして、いずれ災害の原因の明確化ということをより早急にしなければならないと、こう思います。 特に、私なりに現地へ行きまして、極めて初歩的な、しかも単純災害であるということを考えざるを得ません。まして、十一名の犠牲、四名の重傷者ということに対しましては返す返すも残念でならないわけであります。そういう意味では、十六日に、この問題に関しまして当委員会としての高島災害の集中審議という場がございますので、改めてその場で質問いたしてまいりたいと思います。しかし、当面何といっても大事なことは、やっぱり一刻も早く政府として災害原因の明確化をするための促進と、それから遺家族に対する今後の雇用、並びに生活安定のための諸対策につきまして十分に対応されますようにこの機会に申し上げておきたい。答弁は要りません。 それでは、きょうの重要法案でございます基盤技術研究円滑化法案、貿易研修センター法廃止法案の二法案に関しまして、問題点を中心にいたしまして質問いたしてまいりたいと思います。 大きく分けまして、まず我が国の技術貿易の特徴という問題点を前提に申し上げ、次にこの法案の性格、また法案の内容、それにまつわる本法案と中小企業の技術開発の関係ということに重点を絞って質問いたしてまいりたいと思います。 まず我が国の技術貿易の特徴でありますが、最近我が国の技術貿易の動向を見てまいりますと、特に五十七年度、私の調べによりますと、技術貿易の収支は、受け取りが千三百十二億円、支払いが四千四百六十八億円であります。収支の対比から言いますが、主要先進国の受取額、または支払い額に対しまして非常に著しく低い、こういう感を深めております。我が国が今〇・二九であるのに対しまして、アメリカが二三・七五、これは一九八二年でありますが、イギリスが一・一九、これは一九七八年でありますけれども、西独は〇・四六、一九七九年、フランスが一・四三、これは一九七七年の調べであります。したがって、我が国は依然として商品貿易では大幅な黒字が続いている、今対外貿易摩擦の重要な課題になっておりますけれども。この特許使用料等の技術貿易については戦後一貫した赤字傾向にある、こういうふうに出されております。 したがって、これからの問題点としては、今対外貿易摩擦、内需拡大という先般も当委員会で議論いたしましたが、これからの一体黒字への展望というのはどういうふうに技術の面、対比の面で見通しをお考えになっているか、このことを第一点お伺いしたいと思います。
○政府委員(荒尾保一君) 技術貿易収支の赤字の状況、ただいま先生から御指摘のとおりでございます。 あえて繰り返す必要もないかと思いますけれども、日本銀行の国際収支統計月報によりますと、技術輸出額の技術輸入額に対する比率、いわゆる収支比は、昭和四十五年に〇・一三三でありましたものが、その後徐々に改善をいたしまして、五十八年には〇・二九になっておるわけでございます。 一方、研究開発を実施いたしております企業を対象にして総務庁の統計局がアンケート調査をいたしております。この調査で見ますと、技術収支の状況を新規の案件と継続案件というふうに分けまして、新しい年に、例えば昭和五十八年度に新規に輸出したものと輸入したものとの比率、これを新規案件というふうに見てみますと、この新規案件につきましては、単年度では昭和四十七年度以降黒字になっておるわけでございます。ただ、継続案件で大幅な赤字なものでございますので、全体としては赤字になっておるというのが実態でございます。また、この技術の輸出、輸入の状況を地域別に分けてみますと、技術輸出はどちらかと申しますとアジア等を中心にいたしまして発展途上国への輸出が多いのに対しまして、技術輸入はアメリカとかあるいは西欧といった先進国からの輸入が多いというのが特徴でございます。 このような状況をもとにいたしまして、収支が黒字になるかどうか、展望の問題でございますけれども、ただいま申し上げましたように、新規分につきましては既に今黒字になっておるというような状況から考えますと、将来、今の状態がそのまま続くということではなくて、黒字に転換する可能性というのも大いにあるというふうに見ていいのではないかと考えます。ただ、じゃ具体的にいつごろになるかという点につきましては、いろんな変動要因が多数ございますので、確定的に申し上げるということは難しいかと思いますけれども、そういった黒字転換の可能性はあるというふうに考えられるのではないかと思います。 いずれにしましても、技術貿易の姿をもう少し改善していくということも大事でございますし、また日本の技術の提供を通じて国際的に貢献するという意味からも、技術開発が非常に重要であるというふうに考える次第でございます。
○対馬孝且君 今工業技術院の答弁がございましたけれども、私の手元に「我が国の研究開発活動主要指標の動向」というのがありまして、今答弁がありました内容がつぶさに出されております。 問題は今言った黒字になるかという見通しでありますが、もちろん、新規の問題と継続の問題ということを言われましたけれども、後ほど申し上げたいと思うのでありますが、一応黒字になるという方向だということでございますから、そういう方向であるとするならば、その黒字になるような方向に対する裏づけといいますか、対応というものがやっぱり当然必要になってくるんではないか、このように考えておりますので、これから具体的にそういう問題を含めてお伺いをいたしてまいりたいと思っています。 そこで、我が国の基礎研究のレベルの問題なんでありますが、我が国の技術水準についてお伺いをいたしたいのでありますけれども、最近における我が国産業の国際競争力の抜群の強さという点から見まして、技術水準についても全般的に見て極めて高いレベルにある。今もお話ございましたけれども、アメリカと同等、またはそれ以上に達している、一見そのように見受けられます。ところが、現実は、開発・商品化技術、これは確かに欧米を超えていますけれども、今もアンケートのことをちょっと触れられましたが、しかし最も重要な基礎研究のレベル、こういう問題にまいりますとかなり立ちおくれている、こういう見方が大宗を占めているのではないか。 これは五十九年版の通商白書の百三十一ページに、意見集約を一般的にされたものがございます。これはもちろん基礎研究についての日米欧を比較した場合にどの程度のレベルにあるか、こういう問題でございまして、また本法案を実行することになることによって基礎研究はどのくらいこれから前進をしていくのかということも極めて重要な問題だと思います。 私なりにちょっと通商白書五十九年版を勉強さしていただきましたが、これを見てまいりますと、「第2―2―26図わが国の技術水準(欧米との比較)」という点では、基礎技術、応用技術、開発・商品化技術、こういう点の水準のパーセンテージが出ておりますけれども、確かに開発・商品化技術では六三・五ということで優位に実はなっている。しかし劣後ということで〇・八。これに対しまして基礎技術にいきますと、逆に優位というのが〇・八、欧米より劣後というあれが八六・八、これぐらいの差が、逆転していますね。これは間違いがあれば指摘してもらって結構ですけれども、私のデータではそういうふうになっている。それから技術水準では優位が一五%、同等が六二・四という数字、応用技術が優位が二〇・八%、同等が七二%。こう見てまいりますと、やっぱり基礎技術が非常に劣っているのではないか、こういうふうに考えるんでありますが、この点を含めてお伺いをしたいと、こう思います。
○政府委員(福川伸次君) ただいま先生御指摘のように、基礎研究、応用研究、開発と三つの段階に分けてみますと、ちょうど通商白書を引用しての御質問でございますが、まさに特に基礎研究、さらにそれに次いで応用研究、これについて日本が優位というのは大変低い、少ない、むしろ劣後ということが圧倒的な日本の産業界の評価であるということでございまして、今もお触れになられましたように基礎研究で優位というのはわずか〇・八%でありまして、劣後というのは八六・八%というのが今の企業の意識でございます。 従来日本は、外国の技術に依存をいたしまして、それに改良、工夫を加えまして、主として商品化にしていくところに技術の力を入れて集中しておったわけでありまして、今まさに技術革新の胎動湖と、こう言われる中に、やはり外国技術に依存できなくなった国際環境を考えてみますと、日本がぜひ基礎研究、特に創造的な技術開発という点に力を入れて、そして将来さらに日本経済の成長力を確保し維持していかなければならないと、かように考えております。 現在も、特にマイクロエレクトロニクス、新素材、バイオテクノロジー、こういったような新しい技術分野につきましては、米国を初めヨーロッパ各国も大変力を入れておるわけでありまして、各国とも政府予算においても大変それに集中的に投入するというようなことでございます。ヨーロッパはよくヨーロピアンペシミズムなどと言われて、果たして今後のヨーロッパ経済がうまくいかないのではないかというような意見もありますが、しかし最近では西ドイツも情報関連技術に補助金も交付するというようなことで大変力を入れておりますし、またフランスも政府予算を大変多く投入をいたしまして、新しいフロンティアの開発ということに力を入れておるわけであります。 これからの日本も、一〇%という国際的な経済地位を考えてみますと、そういった基礎研究、応用研究において創造的な研究開発をしながら、その研究成果をもって世界経済に貢献していく、こういうことでございまして、日本自身の成長力の維持ということもあわせ考えていきますと、先生のまさに御指摘のように、基礎研究あるいは応用研究、これに政策の重点を志向していくべきではないか、かように考えております。
○対馬孝且君 今、福川局長のお答えがございましたから、そういう認識の中で対応を強めていきたいというお答えの趣旨ですから、それなりに理解します。 大臣、やっぱり今問題になっている対外摩擦問題を中心にして、二十一世紀はまさに先端技術、ノーハウを売る時代である。我が国は資源のない国でもあり、また国土も狭い。したがって、技術大国としてそのノーハウを売って、これからの二十一世紀にまさに日本の産業の活性化というものをまた目指さなきゃならないというふうに言われているわけでありますが、今局長からもお答えがございましたけれども、大臣としてやっぱりこれだけの基礎研究が非常におくれているという立場に立って、これからどういう基礎的研究を中心に、どう通商産業大臣として取り組んでいくかという、この点の考え方をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員にお答え申し上げます。 御指摘のように、私はこれからの時代というのは技術開発の時代であると思っております。二十一世紀に向けて、一体一番これから変化する世界の要因は何かといえば、通産行政では、私は今対馬委員が御指摘になりました技術開発の問題とそれから情報化の進展だろうと思うんです。 このことは中小企業の振興のためにも大変重要な問題でございますし、また日本国自体の産業が世界の中で十分伸びていくためにも技術開発問題をのけては考えることができない、そういう重要な問題であるという認識を持っておりまして、御指摘のように、この法律案をお願いいたしておりますのもそういう観点からでございます。したがって、これからの御質問の過程において政府委員からもいろいろお答えを申し上げますが、ぜひそういった立場に立ってこの法律案を成立さしていただきたい、こういう認識であります。
○対馬孝且君 今大臣からも、基本的な考え方につきましては同様な認識で、私の認識を踏まえてこれからこの法案を通して強化をしていきたいという趣旨でございますから、法案の中でまた大臣に対しまして――基本姿勢としてはわかりました、取り組んでまいりたいということについては理解をします。 そこで私は、今何といっても工業技術院の研究条件というのは非常に大事な段階に来ているんじゃないか、こういう気がいたします。 問題は、我が国の技術開発、特に基礎研究を活発化させるためには、基礎研究において重要な役割を担っている大学、それから国公立の基礎研究というものをこの機会にむしろ促進をさせるということが重要である、こう思います。通産省傘下の工業技術院の実情について調べてみましたが、ここ数年研究費、予算等はどうも低下していると、こういう数字になってあらわれている感がいたします。 例えば、同院の調べで一人当たりの研究者の全研究費は、五十七年度で九百九十七万九千円、五十八年度で九百六十九万九千円、五十九年度が九百十万二千円、六十年度が九百三十四万五千円。それから定員数を見ますと、五十七年度が二千六百二十八人、五十八年度が二千六百十八人、五十九年度が二千六百五人、六十年度が二千五百八十九人。このように予算の面と研究員の数を見てまいりますと、一人当たりの研究費というのが、五十八年度、五十九年度かなりやっぱり落ち込んでいる。これはもちろん筑波への移転費という点が含まれているとのことですけれども、それが研究費から除かれているというふうに聞いております。しかし、六十年度、研究費がプラスに転じたという点では重点配分をしたという結果によるものではないかと、これは私の受けとめでありますけれども。 したがって、通産省は今後の工業技術院の固有の研究機能をどのように強めていくかという点がやっぱり大切である。そのための対策というものをひとつ考え方を出して、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(等々力達君) ただいま先生から御指摘ございましたように、予算それから定員、これ工業技術院の研究所についてでございますが、この数年来の大変厳しい財政状態のもとで減少の傾向にあるわけでございます。そういうことで、今御指摘のように人員の重点的な配備とか、あるいは予算の効率的な運用、そういうことで努力をして、カバーしておるわけでございます。 今年度につきましては、マイナスシーリング、依然と続いておるわけでございますが、研究所の予算、わずかでございますが五億円、二%ほど増額いたしました。それで、今年度新しい施策の一つといたしまして、官民連帯共同研究制度というのを設けました。これは、民間の技術開発の促進にも役立つような研究、国でやっておる基礎研究でございますが、将来民間にも役立つような研究テーマを選びまして、そしてこれについては民間の活力と申しますか、民間の研究者あるいは資金、そういうようなものも合わせて研究を進めていきたい、そういうような制度をつくりまして、これを活用していきたい、そういうふうに考えております。 なお、予算、人員、これが研究所の活力の基本だというふうに私も常々痛感しておりますので、今後一層こういうものを拡充、確保していきたい、そういうふうに考えております。
○対馬孝且君 大臣、今私が具体的に予算額と定員の配置の状況、今技術院長からもお答えございましたように、ことしの特徴として官民共同の五億円という、それなりにこれは一つのアイデアだと思いますけれども、基本は、私はこれだけの法律を出してこれから強化していきたいと、こういうわけですから、だからこのエネルギー財源とイコールぐらいの認識を踏まえてやるのであれば――やらないのなら別だけれども、やっぱりこれだけの法案を出してやるということを踏まえるならば、何といっても、今の工業技術院の機能を強化していくということが極めて大事でありまして、そういう意味では、大臣としてもこの予算確保、または工業技術院の機能の強化ということについてひとつ積極的に取り組んでいくべきではないか、こう思いますので、この点大臣からひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員から、工業技術院の人員、それから予算等について数字を挙げての非常に御懇切な御質問をいただいたわけでございまして、工業技術院の機能を発揮させるためにも、これは委員御指摘のとおり機能の強化、そしてまた予算の確保、人員の確保が必要でございますので、ひとつしっかり努力をしてまいります。
○対馬孝且君 大臣から、しっかりひとつ頑張ってまいりたいというお答えがございましたので、ぜひ御期待をいたしております。 それでは次に、欧米各国の技術開発の促進策についてという点をちょっとお伺いをしたいと思います。 技術が経済成長の重要かつ不可欠な要因であることは今日周知の事実であります。特に、世界経済の停滞の中で、技術への期待は急速な高まりを見せているということも、サミットなどでもしばしば問題を論議されているところでございます。特に、一九八二年六月に開催をされましたベルサイユ・サミットでも科学技術への取り組みということが取り上げられまして、私もこれ本会議で当時緊急質問を実はいたしております。 その取り組みの中で議題に取り上げられましたが、特に欧米先進国においても、技術の重要性、これに対する認識から、さまざまな技術開発の促進ということが重要な問題であるという共通認識に立たれたようであります。その場合、特に米英仏独四カ国についてそれぞれの特徴があると思うんです。この特徴を、どういう特徴点の違いがあるのか、あるいはどういう特徴が持たれているのかという点をひとつ政府側としてお答えをしてもらいたい、こう思います。
○政府委員(福川伸次君) 先ほども申しましたように、欧米諸国も二十一世紀に向けましての先端的な研究開発には大変力を入れておるわけでございます。 まず、欧米と対比いたしました共通的な特色でございますが、日本の場合は、どちらかといえば民間が主体ということでございまして、研究開発費全体におきます政府の負担割合というのは、日本の場合には、最近八三年に例をとりますと二四%でございます。他方、米国あるいはヨーロッパはかなり政府主導型でやっている点がございます。 例えば米国に例をとりますと、これも大変技術開発予算をふやしております。予算規模でいきますと、アメリカでは全体で全予算の中で五・六%程度を投入をいたしまして、伸び率にいたしましても最近では大体一〇%を超す割合で伸ばしております。もちろん、民間でも研究開発に力を入れておりまして、増加試験研究費の税額控除制度といったような制度を持ちながら研究開発を進めておるというわけでございます。そういう意味でいえば、もちろん米国の場合には、防衛関係あるいは宇宙開発といったような大変挑戦的な大型プロジェクトを実施をしているということが、このような政府予算が高くなったということであると思いますが、予算面でかなり大きなウエートを持っておるということであろうと思います。 他方、英国でございますけれども、英国はもちろん産業の輸出競争力を強めておきたいということで、英国経済の再建に力を入れておりますけれども、そういった考え方から、例えばエレクトロニクス、バイオテクノロジーといった分野に対しての助成をふやしているわけであります。 西ドイツの場合は、市場経済中心ということでございまして、比較的政府の直接介入は少なくするという政策をとっております。しかし、情報関連では、八四年から八八年にかけまして約二千八百億円の予算を投入をいたしまして、情報関連技術開発の助成をしておるというようなことでございまして、ドイツの場合は、むしろ民間主導型でありますが、特に情報関連に力を入れているという特色があろうと思います。 フランスは、政府の主導型ということで言われると思いますし、また一部ではハイテク企業が国有化されておるというようなことでありますが、電子、情報、バイオといったような戦略的な分野が大きな政府の対象として取り上げられておる、かように考えておるわけであります。 したがいまして、大ざっぱに申しますと、アメリカあるいはヨーロッパではいわゆる将来を目指したいわゆる基礎的な研究と創造的な研究にかなり力を入れておる。さらに、予算面で申しますと、かなり政府の負担割合は高いということでございます。これに対しまして、日本はむしろ研究開発費のかなりの部分を、七割ぐらいは民間が負担をするということでございまして、したがって民間の活力をいかにそちらに、基礎研究、応用研究に振り向けていくかということが非常に重要な状況になっておる、あわせ工業技術院については、委員御指摘のとおりに、これなりに充実をしていかねばならないということの要請が、御指摘の欧米との対比から出てくるのではなかろうか、かように考えております。
○対馬孝且君 今それぞれ諸外国の国の特徴ということをお答えございました。大きく分けて政府主導型と民間中心型、民間主導型といいますか、民間重点の志向というように分かれているようでありますが、ともあれ今お答え願ったとおりだと思うんでありますけれども、そういう意味でも、日本の政府として基礎的研究、先ほども議論しましたけれども、そういう意味での体制、予算措置、それからそれで法案を出しているわけですから、それにしても、そういう欧米諸国の状況等判断した場合に、指導する、しないは別にして、むしろ政府が基礎的にはもっと力を入れるという、資金的、人的にも、先ほど申しましたけれども、そういう方向にもっとやっぱり積極性を持つべきである、こういう感を深くするわけであります、今のお答えからいきましても。ぜひその点は、やっぱりそういう点で、先ほど申しましたけれども、いま一歩むしろ積極的な面をひとつ出してもらいたい。これは特に認識として要望しておきます。 そこで私は、エネルギー関係、資源エネルギーの科学技術水準のポテンシャルの日米の比較という問題につきましてちょっとお伺いしたいんでありますが、私も長い間エネルギー担当、経験してまいりましたけれども、昨年の三月、科学技術庁委託調査研究報告書、これを見てまいりますと、科学技術水準及び研究開発ポテンシャル、いわゆる可能性ですね、そういう総合的な調査分析というのが発表されておりますけれども、これは我が国の科学技術水準、研究開発のポテンシャルを欧米先進国とのつまり定性的・定量的な比較というものは、一体どういうふうに考えているのかという点ですね。 それで同報告書の三十六ページから四十六ページに、これ私持っておりますが、資源エネルギーについて比較を行っておりますけれども、資源エネルギーの確保という観点からまいりますと、科学技術課題の二十七課題のうち、我が国がアメリカに比較して水準もポテンシャルも「低い・やや低い」が三十七のうちの十五の課題で、それからアメリかと「同等」というのが私の調べによると六つ。それからアメリカより「やや高い」というのがたったの一つの課題よりない。水準・ポテンシャルがともに「高い・やや高い」は全くない。そういう意味では資源エネルギーの科学技術の水準・ポテンシャルともに米国の水準から見ると非常に低いんではないか、こういうふうに言わざるを得ません。 特に欧州との比較では、「全体的にほぼ同等」である、こういうふうに言われていますが、五十八年度を見てまいりますと、確かに原子力エネルギー研究費だけは一〇%ライン、一〇・六%増になっていますけれども、五十八年度では化石エネルギー研究費あるいは自然エネルギー研究費、太陽熱、地熱というようなつまり自然エネルギー、こういう関係から見てまいりますと、やっぱりそれぞれ三・四%、一〇・五%という減少傾向が出てきている。こういう点を踏まえますと、この点をどういうふうに認識をされているか、どういうふうにお考えになっておるか、このことをお伺いをいたしてまいりたいと思います。
○政府委員(浜岡平一君) 先生御指摘の調査でございますが、社団法人科学技術と経済の会が受託をいたしました調査でございます。 全く先生御指摘のとおりでございまして、資源エネルギー関連の技術ポテンシャルあるいは科学技術水準につきまして寒心すべき状態ではないかと思っております。確かに資源エネルギーの技術開発につきまして関係者のコンセンサスづくりがおくれておったとか、あるいは開発体制の整備がおくれていたというような要因がいろいろと作用しておるんではないかと思います。しかし、日本のエネルギー供給構造の脆弱性に照らしますと、技術開発の課題にはますます意欲的に取り組んでいかなければならないと考えております。 それから、第二番目に御指摘いただきました研究費の問題でございますが、御指摘になりましたのは総務庁が六十年の春に発表いたしましたエネルギー研究調査報告であろうかと存じます。確かにこの調査によりますと、五十八年度の化石エネルギーの研究費あるいは自然エネルギーの研究費は減少いたしておるわけでございます。ただ、私どもの感じでは、この状況につきましてはやや特殊なファクターが働いておったのではないかと思っております。 御高承のように、五十八年度は石油の価格が非常に大幅に低下した年度でございます。その結果、石炭、石油及び代替エネルギー特会につきまして、約四百億円の減額修正を行ったというような年でございます。この分野におきましては、やはり政府の研究開発費の先導効果あるいは呼び水効果はかなり大きいと思っておりますので、その辺がかなり影響した面もあるのではないかと思っております。 ただ、過去五十八年度までの五年度間の年間の伸び率で見ますと、化石エネルギーが約三〇%台、自然エネルギーが二〇%台といったような伸びでございます。それからまた、六十年度の私ども資源エネルギー庁の特別会計の状況を見ますと、化石エネルギーにつきまして約一〇%、自然エネルギーにつきまして約三%の伸びを確保いたしておりまして、石油税率の修正等所要の御配慮をいただきました結果、状況といたしましては立ち直りを見せているのではないかというぐあいに思っておりますが、先生御指摘のとおり非常に重要な課題でございますので、今後とも熱心に取り組んでまいりたいというぐあいに思っております。
○対馬孝且君 今、答えをいただきましたが、時間もありませんから具体的なことは私避けますけれども、端的に言うならば、この報告書の中に出てくる「科学技術水準(日本)」の場合、「やや高い」というのは軽水炉の安全性だけですね。あとはむしろ、「やや低い」というのは、ことに出てきますように放射性廃棄物の処理、食品流通貯蔵、ウラン濃縮、食品加工、水産資源評価、高速炉の問題、石炭ガス化の問題、こうずっと上がってきていますけれども、実際はほとんどこの部面ではずっと下がっていますね。 今度はまたほかの面でいいますと、家畜の飼養管理、太陽光発電、石炭液化、作物病害虫防除、作物生産管理、こういう点を見ても「やや低い」と。「同等」というのをあえてここで見ますと、木材加工利用だとか、森林施業、太陽熱発電、地熱発電、海洋エネルギー、バイオマス変換、こういうものだけですね、これ「同等」というのは。あとは全部ほとんど下がって、今私ここに持っていますけれどもね。 そういう点から見ると、時間もありませんからあれですが、今資源エネルギー庁次長の方からお答えございましたけれども、そういう認識をしておるようでありますから、今指摘をした点を踏まえて、これから一層ひとつ積極的にやっぱり対応すべきであると、この点はどうでしょうか。
○政府委員(浜岡平一君) 全く御指摘のとおりでございまして、特に今後非常に重要視されております核燃料サイクルでございますとか、あるいは石炭液化、石炭ガス化といったような分野での立ちおくれが指摘されていることは、まことに残念なことだというぐあいに思っております。 御指摘のとおり、こういう分野につきまして、政府はもちろんでございますが、産業サイドも一層督励をいたしまして、積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○対馬孝且君 ぜひそういう方向にひとつ一歩一歩実っていくように最善の努力をするように申し上げておきます。 次に、我が国の研究開発費の支出の予測をどういうふうに見ているかという点でございます。 我が国の研究開発費は、私の調べによりますと、一九八二年六兆五千億でありまして、対国民総生産で見ますと二・四四%になっております。一九六〇年代は、確かに当初は一・五%に満たなかったわけですから、その後一様な上昇の傾向を見せてまいりまして、一九八二年に二・四%を適えました。戦後四十年全体で見た場合、その伸び率は必ずしも伸びているとは言えないんじゃないか、四十年のあれをずっと見てまいりますと。そういう意味では低下する傾向にある。したがって二・四四という数字は、西独あるいはアメリカに劣っておりますし、英国並みのレベルとなってはおりますけれども、最近の主要先進国の国民総生産に対する研究開発費というものの上昇傾向を見てまいりますと、西ドイツは一九八三年に二・八〇%という高い比率になっていっている。 通産省の「八〇年代通産政策ビジョン」、これをちょっと検討してまいりますと、一九八〇年代末までには研究開発費は国民総生産の三%水準と、こういうものが出ているわけであります。したがって、この目標達成のためには、毎年実質成長率が七%ぐらいずつ伸びていった場合に三%という水準ということになるように私は考えますけれども、企業のそれは七%ぐらい期待できるようでありますが、国の研究開発費としましては極めて厳しいように考えられます。したがってこの三%の目標達成が果たして可能なのかどうかという点について、財源が妥当なものかどうかという点、それから二〇〇〇年を含めた二十一世紀以降の目標としてどういうふうに考えているか、こういう点をひとつお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のように、「八〇年代の通商産業政策ビジョン」におきましては、八〇年代の半ばにGNP比率を大体二・五%程度、それから一九九〇年代に至るときには約三%という目標を、指針を掲げておるところでございます。 今まさに御指摘になりましたように、国際比較をしてみますると、日本の場合は八二年度でお話のように二・四四%、八三年度は二・五八%ということでございまして、西ドイツの二・八、アメリカの二・七に比べるとやや低くなってはおりますが、しかし最近ではかなり高うございまして、ちょうど一九八〇年度で見ますると二・一八でありましたのが八三年度に二・五八まで来た、こういうことになるわけであります。先ほども御質問、御指摘がございましたように、日本の場合にはむしろ民間が非常に主体になって、七割の研究開発費を民間が負担をいたしておることでございます。今後またこの民間の活力を最大限に発揮していく環境条件を整備をしていこう、こういうことによりまして、さらに研究開発の充実を図っていきたいというのが我々の政策の基本にあるわけであります。 もちろん先ほどから御指摘がございますように、問題はGNP比率も重要でありますが、あわせてその中身がどうであるかということが非常に重要であるわけで、そういう意味では民間の活力もできるだけ基礎研究あるいは応用研究に振り向けていく、こういう政策が必要であるということで、今回こういった民間の活力で特に基盤的な技術の基礎研究、これに力を入れていくという方向に、この政策を出すことによりまして八〇年代後半を今後基礎研究を中心にした研究開発の充実ということに持っていきたい、かように考えているわけであります。 しからば、一九九〇年代になって、その後二〇〇〇年に向けてどういうふうにしていくかということでございますが、これはまだいろいろ流動的な要素がございますので、必ずしも明確な目標を定めるということはなかなか難しいことかと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、先ほど来から御指摘がございますいわゆる創造性に富む技術というところに力を入れて、今後日本の充実を図っていきたい、これがこれからの日本の経済成長をより確かにするものではなかろうか、かように考えておるわけでありまして、そういった技術力の充実強化という点については、九〇年代に至りましても引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○対馬孝且君 「八〇年代の通産政策ビジョン」という中にこう出てきていますね。「八〇年代末には欧米水準に近づけ、少なくとも四割程度の政府負担を目標とすべきである。」、こういう四割を政府負担とすべきなんだと、これは通産省の出した政策ビジョンの中にあるのでありますが、今も福川局長から答えがありましたけれども、やっぱり方向としては、四割を政府としては目標として出した限り、先ほど私は三割ということを最低として実現をすべきである、こういうことを申し上げたわけでありますが、むしろこの中に出てくるのは少なくとも四割政府負担を目標とすべきであるということが出ているわけですから、その点もやっぱり実現あるいはその対策というものがとられるべきではないか、こういうふうに思います。 その中で「研究開発費の拡充と資金の確保」というのが政策ビジョンの中に出てくるのでありますが、これを見ますと、「わが国の技術開発資金のうち、政府負担は三割弱であり、欧米の場合ほぼ四~五割に達しているのに比べるとかなり低い。今後、民間資金の積極的」云々というのも入っていますけれども、そういう意味から見ますと、まだ政府負担というのが、さっきも申しましたように、もう一歩やはり力を入れて対応する、こういうことに、もちろん今局長の答弁では目標の数字もさることながら、内容の面が大事だと、それは同感であります。しかし、内容の面も大事だけれども、水準を上げていくということがトータルのものがなければなかなかそうなっていかないわけでありまして、この点ひとつ大臣から、今のお答えは了としますけれども、むしろ大臣のこれからのこの点に対する考え方、また取り組みの姿勢についてお伺いをしておきたいのであります。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員非常に予算のことを心配していただいて御質問いただきまして、大変ありがたいことだと思います。 科学技術予算の確保というのは非常に大事な問題でございまして、連年その点については通産省努力しておるところでございますが、今後は技術開発は非常に通産省の一丁目一番地と言われる大事な問題でございますから、特に力を入れて努力をしてまいる所存でございます。
○対馬孝且君 時間の配分の関係もありますので、法案の内容に入ります前に、郵政省にちょっと二、三この機会にお伺いしておきたいのであります。 まず郵政省関係でございますが、この基盤技術研究円滑化法案に対して、郵政省の基本的な姿勢と考え方についてちょっとお伺いします。
○政府委員(奥山雄材君) 郵政省といたしましては、この基盤技術研究円滑化法案の関連につきまして、当初この法案の背景をなします予算の編成段階から私どもが構想しておりましたものを取り入れた形でこの法案が実現いたしましたので、ぜひともこの円滑化法案を速やかに御可決していただきまして、この精神にのっとって、今後電気通信分野における基盤技術の研究開発に資していきたいというのが基本的な考え方でございます。 多少敷衍して申し上げますと、本年の四月一日から、御承知のとおり電気通信分野の全面的な抜本的な改革が行われまして、競争原理の導入が図られたところでございますが、その目的とするところは、突き詰めて申し上げますと、国民各界各層にあまねく低廉でしかも良質の機器を供給し、そしてより多様で高度な電気通信サービスを均てんするというのがその目的でございます。そうしたこれから二十一世紀に向かって国民が期待をする高度で多様な電気通信サービスを開発するためには、どういたしましても電気通信分野における基盤技術というものの開発というものが不可欠になってまいります。そうした観点から、既に昨年の予算の編成段階で、当時まだ電電改革三法が国会で御審議中でございましたけれども、六十年度予算の要求の中で、電気通信振興機構といったような特殊法人を設立する構想を持ったわけですが、その際には、電電の株式の売却益並びに配当金をその財源とすることによって、将来において必要な電気通信分野における基礎技術の研究開発に貢献していきたいという構想でございました。 しかしながら、諸般の事情によりまして、また国の財政事情等もこれありまして、今回この法案に盛り込まれました基盤技術研究促進センターというような形で民間の活力を最大限に尊重する中で、電気通信分野における基礎技術あるいは応用技術というものが、今後その開発促進に向かって加速化されていく方途が講じられましたので、私どもといたしましては、ぜひ今回法案に盛られております基盤技術研究促進センターを活用することによりまして、当初予定いたしました構想とは若干異なった面はございましたけれども、所期の目的は達せられるものといたしましてこの法案に大いに期待をし、またその目指す方向には全面的に賛意を表しているところでございますので、通産省と共同でこの法案を作成し、また国会の御審議にゆだねたところでございます。
○対馬孝且君 なお、これ後から具体的にひとつ郵政、通産省の関係についてお伺いしますけれども、率直に言ってあれでしょう、本来ならばこれは郵政省としては、電気通信という一つの単独法案として、基礎研究としての法案の設立の目的に立ったことは間違いないことでありまして、しかし、財源、先ほども話が出ました、後から申し上げますけれども、新電電の株の一部を産業投資会計に入れて、今度の法案の成立の基礎になっているわけです。しかし、問題としては、これ縄張り争いという意味じゃないけれども、結局、郵政省にすればむしろ思い切った情報通信というものに対して、むしろ独自のセンター、基礎技術というものを充実することが当然考えられておったわけですから、そういう点からいきますと、今この法案の中で充実をしていきたいと、こういうお答えですから、これはそれなりに受けとめますけれども。 私は、しかし実際問題として、郵政省の立場からお伺いしたいことは、この基盤研究の電電の今回の公社の実態から見まして、やっぱり一千億以上の研究費を投じているんだね、電電公社の段階では。何ぼこれが民営化されたから、新電電になったからといって、すぐそんな簡単に、一千億も今まで公社の段階で研究開発費が使われておって、それがたかが四十億や九十億、百億で、すぐそれが二十一世紀の情報化社会のまさに重大な情報というものを、開発というものをやろうという、こういう認識に立つならば、どうも私はその点を本当に郵政省がしっくり理解して――これからの電気通信の基礎研究、応用研究というのは私はやっぱり莫大な経費がかかるんじゃないか、こう思うんですね、これは郵政省の立場から考えた場合に。それが果たして今回の法案の内容のようなもので一体目指す情報化社会に対する電気通信という、基礎技術というものが本当にこれは目的達成されるのかということについて、率直にどういうふうにお考えになっているか、この点をお伺いします。
○政府委員(奥山雄材君) 電電公社は今年の四月一日から民営化されましたけれども、例えば昨年の予算で申し上げますと、先生御指摘のとおり、一千二百六十億円余の研究費を投じております。 新しい電電株式会社法の第二条に、新電電の責務といたしまして二つうたわれておりますが、一つは電話の役務を安定的に全国に供給することとあわせまして、第二の責務といたしまして、「電気通信技術に関する実用化研究及び基礎的研究の推進並びにその成果の普及」ということがうたわれているわけでございまして、今後におきましても、NTTは電気通信事業者、つまりキャリアとしての立場から今後とも従来どおりの研究開発体制を維持していくということを国会でも御答弁申し上げておりますし、またこれまで蓄積されました公社のすぐれた研究開発をそのまま引き継いで、これからも電気通信分野において一定の大きな役割を果たしていくことになろうかというふうに期待をしております。ただ、株式会社に改組されたという厳粛な事実がございますので、これからの電気通信分野における技術開発を想定いたしました場合に、民間会社としての新電電のみにゆだねることは国として適当でないことは申し上げるまでもございません。 そこで、これまで電電株式会社というものが生まれるに至ったその背景並びに今回の私どもが御提案申し上げております基盤技術研究円滑化法案に盛られております基盤技術研究促進センター、その裏打ちとなります財源等に思いをいたしますときに、民間の活力を可能な限り投入しながら、その中で国としても一定の役割を果たしていくべきであろうという考え方でございます。国がやるべきものはあくまでも国としての立場で行いながら、かつこれからの世界各国における電気通信分野における技術開発と同様に、民間の活力を最大限に尊重し発掘してもらいながら、この基盤技術研究促進センターというものがその環境整備あるいはリスクマネーの供給といった形で、電気通信分野の基礎技術並びに応用技術開発に大いに貢献していく余地があるんではないかというふうに考えております。 もちろんのこと限られた原資でございますので、その過程ではさまざまな工夫を私どもも講じなければならないと思っておりますし、重点的にプロジェクトを絞るなり、あるいは側面からRアンドD会社への民間資金の積極的な導入、重点の推進目標あるいは一つのガイドラインを示すといったような、さまざまな国としてなすべきことを支援措置を講じながらこのセンターを活用してまいりたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 いや、実際これ今答えはあったけれども、あなた自身もそれは相当これからの基盤技術センターというものに対して僕は一抹の懸念は持っていると思うんですよ。それはどう言ったってやっぱり今まで一千億以上のものの研究開発をやっておって、民間になったからすぐ活力が生かしていけるなんていうようなことは、これは考えたって、この程度のセンター資金で一体何ができるか、これは率直に素朴なあれですよ、私いつもそういう感じがするんだ、これ。こんなもので電気通信という基礎研究というものは、応用研究は一体何ができるのか。 それでは、具体的に電気通信関係ではどういう事業を一体研究開発でやろうとしているのか、こういう点だね。だから、何か郵政省の考え方と通産省の考え方で一元化したという、表面的にはそうなっているんだけれども、中身がそれによって伴っていくのか、どうも伴っていないんじゃないかという感を深くするし、それから郵政省の立場から見ると、郵政省側から見ると、どうも通産省が管理権を持っているわけですから、後で質問しますけれども、この目的は電気通信並びに鉱工業ということが目的ですから、どうも電気通信の方はおろそかにされていくのではないかと、こういう懸念だって私はあると聞いているんだ。これは現実にそういう声も聞いているんですよ。だから、その点について忌憚のない、そういう懸念がなくてこれから電気通信事業そのものの内容は一体どういうものがなされて、どういうふうに進んでいくんだというあたりがあれば、率直にお聞かせを願いたい。なきゃおかしな話だと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(奥山雄材君) 私どもは、この法律の立案準備過程から通産省と密接に連絡調整を行いながら進めてまいりましたわけでございまして、この法律の定義にございますように、電気通信にかかわる技術というものも鉱工業の技術と同様に位置づけられているというふうに認識しております。限られた予算であることは事実でございますので、電気通信分野にかかわる試験研究につきまして効率的に投入していかなければならないということは痛切に、もちろんのことでございますが、考えております。 そのような中で、具体的にそれではどのようなものを考えているのかというお尋ねでございますが、実際のプロジェクトの具体化はセンターが発足した後になるかと思いますけれども、例えばという例示で申し上げますと、これからの電気通信のインフラストラクチャー、社会基盤としての性格を考えますと、光ファイバーといったようなものが一つの大きな柱になることは紛れもない事実でございますし、世界電気通信連合の中でも、これは世界的な趨勢として既に認知しているところでございます。そうした光通信技術というものは日進月歩で発展しておりますし、既に電電株式会社も光ファイバーの縦断計画も持っておりますけれども、光通信の基礎技術そのものは、まだこれから二十一世紀に向かって開発していかなければならないところでございまして、アメリカにおいても西ドイツにおいても、先ほど福川局長の御答弁にもありましたが、官民挙げてこうしたものの開発に取り組んでいるところでございます。 通信そのものが端末から端末までの全過程を通じての……
○対馬孝且君 簡単でいいわ、時間がない。
○政府委員(奥山雄材君) はい。伝送から交換技術というネットワークを形成するものでございますので、そういった技術というものが、全過程を通じてトータルな形で光伝送技術というものが確立いたしますと、これは情報量においても、伝送速度においても飛躍的な向上が期待されるわけでございます。端的に具体的な例として代表的な例で申し上げますと、今申し上げましたような光通信技術というものが最も代表例ではないかというふうに考えられます。
○対馬孝且君 時間もあれですから、これは少し後で、法案の中身でまた具体的に聞きますけど、これの当初の郵政省が発想した電気通信という目的意識からいくならば、これだけ今回の基礎技術の研究センターで目的が達成されるとはあなた自身も考えていないだろうし、私素人でもそんなことは考えられない、これははっきり指摘しておかなければなりません。 そういう意味で、それだけにこれからの法案の審議をするわけでありますが、内容を充実をして、将来しっかりやっぱりどういう展望を持つのかという点に通産省としては考えていくべきではないか、こういうふうにこれ考えますので、郵政省の考え方は、一応あなたの答弁はわかりましたけども、内容的には私はそういうものではないんだろうと。むしろ当初の発想からいくならば大きくやっぱり後退している。こういう感を深くせざるを得ませんので、これは後で申し上げたいと思います。 ただ、一つだけ聞いておかなければならぬのは、電電改革法案の国会審議の際に、衆参両院の逓信委員会で、電電株の売却益や配当については、公社の資産形成の経過にかんがみ電気通信分野における基礎技術の研究開発に回すべきである。この議論が活発に行われました。しかるに政府は、自民党の電電改革法案を十二月二十日に国会を通過させるや否や、その翌日の十二月二十一日には、早くも電電株の三分の二は国債償還に充て、残る三分の一の政府保有株の配当金だけをセンターの事業資金に回すという旨の決定を行っています。この経過はまことに不明朗な経過になっているんじゃないか、国会軽視ではないかという感を深くせざるを得ないんでありますが、この点どういうふうに考えておられるかですね。 これ私は、当時も国会対策副委員長やっておりましたからこの問題にかかわっていますけど、当時は小委員会を設置して国民の意思を聞きながら、むしろ小委員会的なものの性格を聞きながらやる性格のものであるという意味の、これは言うならば与野党間内でそういう意思統一をされたという私は確認をしているわけですよ。間違ってもらっちゃ困るが、国民の感情から言うならば、やっぱり電話の架設というのは国民の共有財産だと思うんだね、私ははっきり言って。それをとにかく勝手にこういう扱いをするということの認識について私は極めて不満があります、率直に申し上げて、国民から見たって、これは国民の共有財産ではないか、むしろ国民にこれは返すべきものである、こういう考え方に立っているのに、一応こういう経過でもって処理をされるということについて、率直にひとつ政府側の考え方をお聞かせ願いたいと、こう思います。
○政府委員(奥山雄材君) 先ほど先生も若干触れられましたけれども、郵政省といたしましては、電電改革三法と並行いたしまして電気通信振興機構というような設立構想を持って、六十年度予算の最重要施策として、既に改革三法と並行をして予算折衝を進めていたわけでございます。その中で、参議院の逓信委員会で総理も発言され、また附帯決議もいただきまして、国会における審議並びに電電の株式の形成されてきた背景等も含めて、その処理については慎重に検討すべきであるといったような御議論が多々ございました。 そのような御議論を踏まえて、私どもとしては電電株式の現物出資により振興機構を設立する構想を抱いていたわけでございますが、他方、通産省の方におかれましては、開銀の出資等によりまして産業技術センターというものの構想を持っておられました。それが政府部内の調整の過程で、いずれも基盤的な技術の研究開発の推進という意味では軌を一にするものであるということから、両法人の設立にかえて、今回法案に盛り込まれておりますような基盤技術研究促進センターという形で結実することになったわけでございます。 たまたま電電改革三法が国会で成立いたしましたのが十二月二十日でございましたが、当時既に政府の予算原案の最終的な固めをしなければならない段階に入っておりましたので、翌二十一日、ただいま御指摘がございましたように、政府・与党の連絡会議におきまして、今回法案に盛られましたような形での意思統一が図られたわけでございます。 二十日に法案が成立をした翌日、すぐそのような、それまでの議論の経過を無視するような決定が行われたことは非常に国会軽視ではないかという御指摘でございますが、国会でのさまざまな御議論を踏まえて、その政府・与党連絡会議でも郵政大臣としては郵政大臣の立場からいろいろお話し申し上げたわけでございますが、官房長官とか総務庁長官といったような、郵政、通産両省の大臣のみならず、政府全体としての総合調整を図るお立場の方々並びに党の方の御意向を最終的に決定したのが翌二十一日ということになったわけでございまして、その意味では非常に時期が近接していたことにつきまして先生の御叱責もあろうかと存じますけれども、そのような政府の予算原案を作成する最終段階に至ったということで、ひとつ何とぞ御了承を賜りたいと存ずる次第でございます。
○対馬孝且君 これもあなたの答弁聞いて了承するわけにいきませんので、これはいずれ、明日連合審査をやることになっておりますから、おのずから出ると思いますけれども、これはあなたの段階よりも、私も当時話し合いに加わった一人として、全くこれはけしからぬという感を深くしているんですよ。 あのときは、少なくとも国民の共有財産というものであるから、国民の共有なりサービスの目的の中でどう生かされるべきものなのかというお互いの、これは与野党通して全体が知恵を出して、そういうものの株のあり方というものを、処分のあり方というものをやっぱり決めていくべきだと、こういうことだったんですよ。これはあなたに言ってもしようがないんだけど、与野党間でとれ実際やったことは事実なんだから。それがどうも次の日になってあんなことをやるというのは、まことにこれはもう明らかに国会軽視だよ。これはきょうここであなたの答弁を聞いて了とすることはできませんけれども、一応これ後ほどまた連合審査の段階でも出ると思いますけれども、その場でまた明らかにいたしたいと思っております。 それじゃ、これから法案の中身にひとつ入らしていただきます。どうぞ郵政省、後ほど法案の中身でまたお伺いをします。 基盤技術研究促進センターは、聞くところによれば特別認可法人ということであります。その理由とあわせまして、現在の特別認可法人はどの程度の数に及ぶのか、その内容について、端的でいいですからひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 今回特別認可法人ということでこれを設立することをこの条文の中に盛り込んであるわけでありますが、この場合、センターとしましては、民間において行います基盤技術についての試験研究の促進に関する業務を行うということで、その性格からいきますと、民間の主体性が十分に発揮できる、こういうことが必要であります。他方、産業投資特別会計からの資金を受け入れて、それで民間で行われる試験研究を促進しようと、こういう意味でいきますと公共性が高い、こういうことになるわけであります。 もちろん類似のものとして特殊法人というような制度もございますが、特殊法人になりますと、これは国が設立をするということであります。今度は、民間の主体性を生かす意味で、民間が設立をしながら、しかもその事業について公共性の高いものについて高い観点からそれなりの方向性を出していく、監督規定を設ける、こういう意味で特別認可法人といたしたわけであります。 なお、どのくらいあるかというお尋ねでございますが、臨時行政改革推進審議会によりますと、五十九年九月三十日現在で九十八法人というふうに認識をいたしております。私どもでは所管の特別認可法人は七法人ということでございます。
○対馬孝且君 わかりました。九十八法人、私もそれはそういう調べは上がっております。 そこで、センター組織と役員の関係ですが、これは通産、郵政省両方にお伺いするんでありますが、センターの組織はどのような規模を考えているのかという点でありますけれども、これは両省間で話し合いが進んでいると思うんですけれども、役員が、二十一条でいきますと、会長一人、理事長一人、副理事長一人、理事四人以内、監事二人以内を予定しているが、この長のつくポストを会長、理事長と、こう分けている理由は一体どこにあるのか。どうもぴんとこないね、正直申し上げまして。会長、理事長と分けて設けてあると。このポストを両省はやっぱり公平に分かち合っていくという、センター運営について通産省、郵政省の間で折半主義で、何かこれ会長、理事長ということをつくったのかというふうに言わざるを得ませんね。これはどういうことなんですか、ちょっとお伺いしたいんですが。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
○政府委員(福川伸次君) センターの組織及び人員についてでございますが、私どもといたしましても、この条文案、法律案の精神として、できるだけこれを民間のニーズに対応できるような、そのために業務が円滑に推進できるということにすることが非常に必要であると、かように考えておるわけであります。 今、会長それから理事長、副理事長と、こういろいろいるんじゃないか、こういうことでございますが、このセンターは、「業務」のところをごらんをいただきましてもおわかりいただきますように、出資の事業あるいは融資の事業、それから共同研究の促進の事業、あるいはデータバンク的な事業、大変業務が多岐にわたるわけでありますし、また対外的な活動も非常に大きく展開をする、こういうことでございまして、会長が全体としてその業務を総理する、対外的な活動も含めまして会長がそれを総理をするということでございます。また、理事長は、いわゆるセンターの業務を実際につかさどると、こういうことでございまして、業務の実施等センターのマネジメントに関してセンターを代表すると、こういうことに考えておるわけであります。 今通産、郵政両省で会長、理事長を取り合うんじゃないか、折半主義にするんではないかという御指摘がございましたが、私どもとしては、民間の活力を喚起しながら民間の技術開発を促進するというために設立される問題でございますので、この運営については民間の意見が出るように十分考えねばならないと、かように考えておるわけであります。 では、今どこのポストにだれがどうつくか、こういう問題につきましては、これはまた将来この法律が成立いたしました暁におきまして、民間の意見も聞いてそこは決めていくというわけでありますが、いずれにいたしましても、ふさわしい人材がそれぞれのポストにつくということで対応をいたしたいと思っております。 また、運営自身は、民間のニーズに十分合いますように効率的に実施するということでございまして、郵政省とも私どもも緊密な連携を図っていくということでございます。そういう意味で、形式的な折半主義ということにならないようにその点は十分運用で考えてまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 局長の答弁もわからぬわけじゃないが、どうもやっぱりセンターというのは、会長、理事長と、これは正直申し上げまして、今日の特殊法人私もいろいろ知っていますけれども、例えば雇用促進事業団という、規模なんかも相当な規模でしょう。労働福祉事業団だって相当な規模で、九十八の法人の中ではトップクラスですわな。そういう中にあっても、会長、理事長というのはないんだ、これ理事長制度であって。だからどうも、やっぱり折半主義ではないかということに感を深くするのはそういう意味で申し上げているわけであって、もちろんこれから役員選考するわけでしょうが、一応あんたの考え方は考え方として、今説明ありましたから。私はむしろそういう折半的に縄張り争いの経過があって、何かそういうことでまとまっていかなきゃならないんだというような、そういう印象で国民にとられると、でき上がった目的意識が非常にやっぱり不明朗なものになる、こう思いますので、この点は答弁要りませんけれども、ひとつそういうことにならないように整理をしてもらいたい、これを申し上げておきます。 次は、私は、寄り合い所帯のどうもきしみがあるんじゃないかという感をするんでありますけれども、どういうことかと申しますと、ソフトウェア産業振興協会と日本情報センター協会が通産省主導で情報サービス産業協会を設立しました。合体した上で情報サービス産業協会というのを設立しましたね。これは間違いないと思います。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕 この背景にはVAN戦争で、やっぱりVANの問題をめぐって郵政省に苦杯をなめさせられてい た通産省としては、どうも郵政省主導でつくられた日本情報通信振興協会に対抗したものとして両協会の一本化が不可欠だった、こういうふうに判断せざるを得ないんですね、私は。しかし、両省間において加盟企業の業務内容あるいは経営基盤というものを調べてみますと違っていますから、不安視する向きもあったと思います。 しかし、やはり設立して一年もたたないうちに内部対立が繰り返されたようなことで、現在のままでは存続することが難しくなっているんじゃないか。したがって、これについて大手のソフトウエアハウスの社長なども、これ日経新聞を私ずっと読んで勉強さしてもらったけれども、どうも通産省にはあせりがあったんじゃないか。特にアメリカ側の反対で一たん流産したプログラム権法、つまり広告とかそういうものの権利でありますが、それを何とか実現するために民間の利用を図ろうとして、民間団体を強引に結びつけた嫌いがある、そこに無理かあったんじゃないか、こういう述懐をしています。お役所主導の民間活力のどうもまやかしではないか、こういうふうに言われているわけでありますが、今回の基盤技術研究促進センターがこの二の舞いになるようなことのないように、政府として考えを明らかにしておくべきではないかということを申し上げたいんです。 日経新聞を見ますと、随分これは出ていますな、日経に官側の声、民の声というのが。これ言うと時間がかかるから申し上げませんけれども、これらを含めてちょっと考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 日本経済新聞に「ハイテク政策検証」ということで今先生おっしゃったようなことがいろいろ書いてございますけれども、確かに昨年、コンピューターのソフトウェア開発関係の業者の集まりである団体と、それから計算センターの団体とを合併しまして、情報サービス産業協会というのが設立されたわけでございます。これは、コンピューターを通じて行う計算センターサービスの人たちもソフトウェアの開発に従事している、それからソフトウェアの関係の業者もいろいろな情報提供サービスもやっているということで、両方の団体の構成員のやっております業務が非常に近くなっておりましたために、二つの団体がそれぞれ競合するよりも一緒に共同してやっていった方がいい。特にソフトウェアの開発、利用、それから自動化というような問題は、いろいろ大きな問題を抱えておりますので、そういう問題を全体の業者は糾合してやっていった方がいいだろうということで、情報サービス産業協会というのができたわけでございまして、昨年できてちょうど一年たっておりますが、もちろん歴史のある二つの団体が合併したわけでございますから、内部でそれぞれのグループの人たちの意見等もあって、一遍に最初から一つの団体という格好で動いているわけじゃございませんが、徐々に両方の意見も糾合して、一つの団体としての動きを示し始めているというふうに私どもは考えております。 しかも、コンピューターのプログラムの権利を確保する法律の関係で私どもはこういうものをやったわけじゃございませんで、コンピューターのソフトウェアの権利の確保をいかにしてやったらいいかというのは、従来からも通産省で検討しておりましたし、文部省の方でも検討しておったわけでございまして、こういう問題は全く別個の問題として、私どもは、今後情報産業が発展する上で、そういう情報提供サービスあるいはソフトウエアの開発というものがうまく進むようにするために、その関係者の大同団結を図った団体だというふうに考えております。したがって、今後は一体化した運営で、より業界の発展のためにこの協会はうまく動いていくものと我々は考えております。
○対馬孝且君 今局長から答弁があったけれども、一年もたたないうちに、それはやった方がよかろうなんて、何かその場になってから思いついたようなことを言ったって、それは僕はなかなか説得力を持たないと思うよ。今の日経の「ハイテク政策検証」という連載解説の申に、現に大槻文平日経連会長だって言っているじゃないですか。「政府のつくる特殊法人はそのまま官製になる。決して”民活”にはならない」、大槻文平日経連会長はこういうことも言っているし、それから大手電機メーカーの首脳の言葉をかりれば、「民間活力の導入というのは、日本では官が民を後押しするという意味ではなく、官が民の活力を利用しようという意味なんです」と、これ大手の電機会社の主要な幹部のコメント載っていますけれども、こういうことが率直な民間の方々の、正しいか正しくないかは別にして、素朴な声だと思いますよ。 だから私は、そういうことは、今合併した経緯などの答えはあったけれども、過去のことを言ってもしようがないから、こういう声があるという現実を踏まえて、私はむしろ今これからつくられる基盤技術センターというものをしっかり充実し、そして内容にこたえていく。また法案の目的にあるように、国民の経済生活のためになるという波及効果あるいは影響力というものを踏まえて、きちっと充実をしていくべきである、この点どうですか。
○政府委員(福川伸次君) 今御指摘がございましたいろいろの今後の団体のあり方でございますが、私どもとしましても、今回基盤技術の特に基礎研究あるいは応用研究に力を入れてやっていこうということでございます。産業界においても、このセンターの設立あるいはこの法律については大変力を入れ、かつ深い関心を寄せておるわけでございます。 私どもといたしましても、このセンターの設立が実現をいたしました暁には、そういったいろいろな内部の対立というようなことがもちろんないように、また全体として十分効率的になりますように、民間のニーズを十分踏まえながらやってまいりたいと、かように考えておるわけでございますので、いろいろ御指摘の点は今後十分運用の面に生かしていきたいと考えております。
○対馬孝且君 郵政省はどうですか、お考えを。
○政府委員(奥山雄材君) 先生御指摘になりました通産省所管の両協会のいきさつは、私は全く存じ上げませんが、少なくとも基盤技術研究促進センターにおきましては、いささかもそのような批判を招くことのないように、今後とも通産省と十分に連絡調整をしながら、民間の活力が最大限に発価できるように努めてまいりたいというふうに考えます。
○対馬孝且君 今両局長からお答えがございましたけれども、大臣、やっぱりさっき言ったような率直な、民間側から見るとこういうものをつくっていく場合の政府側の考え方、政府側の態度というものは、民間には必ずしも信頼し、信頼関係の中でそれじゃ協力していこうかという素朴な気持ちになっていないというあらわれが、さっき言った一つのコメントになっていますからね。だからその点、大臣としてこの基盤技術センターの設立に当たって、そういう民間の活力と言葉では言っているけれども、さっき言った大手電機メーカーの首脳が言った言葉が私はぴんときていると思いますよ。あるいは大槻会長の言っていることも一理あると思いますし、私はそういう点を踏まえて、大臣のこれからの姿勢と考え方をここで明らかにしておいてもらいたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今政府委員から御答弁を申し上げたように、センターは民間活力を最大限に活用しながら、民間の技術開発を促進するために設立される特別認可法人でございます。その運営に当たっては、民間の自主性が十分に発揮されるべきでございまして、国の関与は必要最小限にとどめるべきであるというふうに考えております。 センターの運営に当たっては、その円滑な運営が損なわれないよう、両者間で十分密接な連携を図ってまいるという所存でございますが、根本論といたしまして、先端技術あるいは基盤整備、こういったような問題につきましては、今までの関係各省のいわゆる縦割りの組織からは覆い切れない ものがあるわけでございまして、そのために民間の活力を発揮していただくわけでございますから、対馬委員の御指摘の点は、私は十分理解することができます。したがって、前向きに、時代に即応したような対応をしっかりとやっていくべきである。そのためには、例えば通産省、郵政省は本当によく協議をし合って、その民間組織を育成するという考え方で進むべきである、こういうふうに思っております。
○対馬孝且君 今大臣が言われましたから、ひとつ本当に処間活力をむしろ生かし、また活力というものが基本になってセンターというものが充実されていくというお答えですから、それをひとつ踏まえてしっかりやってもらいたいということを申し上げておきます。 それでは次に、研究評価の制度の実効性についてお伺いをしたいと思います。 各種の国家プロジェクトの制度は極めて巧みにできております、私なりにちょっと勉強してみますと。テーマ決定時には学識経験者を入れて委員会をつくるやり方、これは中曽根方式はそうですけれども、どうも国民的なコンセンサスを得たような印象を与えながらやっていますけれども、それは一つの別問題としまして、テーマ決定時に学識経験者を入れた委員会や審議会をつくる。そのお墨つきでプロジェクトをスタートさせる。この成果の評価も、学者を動員しているんでありますが、一応客観的な形をとるわけでありますけれども、ところが評価を下す大先生の多くは、諸先生方は博識者であって、失礼だけれども専門家ではない――私が言っているんじゃないですよ、これ、マスコミの中でもそういうことを言っているんでありますが、ケースが目立っています。 この点について欧米諸国ではもういち早く手を打ってきましたけれども、どうも日本の進みぐあいを見ますとそうでもない。つまり、科学技術会議の政策委員会が評価制度の導入に取り組む方針は決めていますけれども、各省から一斉に反対の意向が今表明されている。したがって、こうした状況のもとで、能力ある優秀な研究者にとっては働きにくい職場になっているのではないか、やがて職場を去っていく研究者が多い、こういう声も率直に言われています。したがって、このことは例えば新技術開発事業団の委託開発制度においても、三十六年度から五十八年度までの二十三年間に、百八十九件にも達する委託開発課題のうち百六十八件が成功と認定したものの、実用化され、産業に貢献している技術は、発光ダイオード、地熱発電など極めて少ないという問題は、代表がぜひ最後の記念としてひとつ理解ある立場でお伺いしてくれと、私は率直にこれは申し上げなければならぬと思っております。 私も最後の責任ある立場で、来年私も第三期の議員の一人としてやろうというふうに決意をしておるんですけれども、例えば今言ったこともそういうことに一つの見方なり関連があるということもこれは事実ですよ、正直申し上げて。だから、そういう点についてこれ今申し上げたいことは、つまりこの発光ダイオードだとか地熱発電だとか、つまり産業の実際に貢献していく技術に実用化していく、こういうことに対して実際に成功か、あるいは成功するかしないか、やはり判断基準というものも私は狂いがあってはならないのではないか、こう思うわけです。こういう点についてひとつ政府側の考え方があったらお知らせ願いたい、こう思います。
○政府委員(荒尾保一君) 技術開発プロジェクトにつきましての研究の評価の問題でございますが、ただいま先生から御指摘がございましたように、研究評価というのは非常に難しいといいますか、問題をいろいろ含んでおろかと思います。何と申しましても、その技術開発を特に国等が行います場合というのは、非常に技術の先端的な分野を実施をいたすものでございますので、それの評価ということになりますとさらにまた難しい問題をいろいろ含んでおることは事実でございます。 そういう点がございますので、例えば私どもの例で申し上げますと、次世代産業基盤技術研究開発制度とか、あるいは大プロと称しております大型工業技術研究開発制度等を実施をいたしておるわけでございますが、こういった制度の実施に当たりましては、その開始の場合はもちろんのことといたしまして、中間段階で二段階あるいは三段階の段階別に専門的な諸先生方もお入りをいただきましてこの研究評価を進めていく、そして過程におきまして、例えば研究の方向を変えるべきであるとか、あるいは集約化すべきであるとかいうような場合には、その方向に変更をするということもやっておるわけでございます。しかし、そういったいろんな工夫をしておるわけでございますけれども、なかなか研究評価につきましての制度のあり方というのはこのプロジェクトごとにいろいろ違いがございますし、それに応じた工夫もしていかなければならないというふうに考えられるわけでございます。 昨年の十一月の二十七日に、先ほどお話もございましたが、科学技術会議で十一号答申が出されておりまして、その中で、研究の合理的なあるいは効率的な評価を進めるに当たりまして、「対象とする研究開発を客観的にみていくと同時に研究者の創造性を伸ばしていくという視点が特に重要であり、また、研究の性格、進展段階、態様等に応じてそれぞれに適した進め方が必要である。」ということが指摘をされておるわけでございます。こういった考え方は研究評価についての非常に基本的な考え方ではないかと思われますが、私どもといたしましても、技術革新のテンポが速まり、経済社会環境が変動する中にありまして、プロジェクトの評価を的確に行うことを今後とも進めてまいる必要がある、そのための体制づくりのために努力をしていきたいと考えるわけでございます。
○対馬孝且君 今、プロジェクト体制強化ということが最後のお答えですから、時間もありませんので、ひとつ今指摘をしたような問題を含めて、これらの強化促進をスピードアップをぜひしてもらいたい。これは特に申し上げておきます。 それでは次の問題としまして、どうも素朴に言って、今回の基盤技術センターというものに対して余り、一般的に最近わかってきたようなこともありますけれども、どうもしっくり胸に落ちない、というやっぱり率直な声がありますね、私も随分産業界からちょっと聞いているのでありますが。 それはどういうことかというと、さっきも言われていますけれども、やっぱり官民共同の研究成果がマスコミをにぎわわせたことが多いわけでございますけれども、さっきから言われているように、かねて民間の活力活力、民活民活と、こう言うんだけれども、先ほど言ったように民間から見れば非常に不満がある、こういうものに対して、やり方について。先に民間企業が開発のめどをつけた技術に相乗りをしてきたものと冷たく言い放った向きが非常に多いんではないか。それはどういうことかと申しますと、官民共同というならば、金も人材もいわゆる民間から吸い上げる一方で、別途の補助金を出すという甘い汁を武器に天下り先を確保する、こういうことと同時に、地盤沈下を食いとめるいわゆるスキーム、つまり体制にほかならないんではないか、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。 こうした誤解を防止するためにも天下りはやめたらどうか。特に本センターは民間主導とさっきから言われておるとおり、この法案の第三章に立派に、大臣がこの前読み上げた提案理由の中にもありますように、「民間企業が我が国全体の技術開発費の約七割を支出している現状を考え」云々、まさに民間の活力というものが最大限のあれだというようなことを随分この間大臣から強調されました。そういうことを考えていった場合に、民間主導というのであれば、さっき言ったように天下りということはこの際やるのかやらないのか、その点やっぱりはっきり、こういうことが問題なんだよ、そういうことはやらない、やっぱり民間の人材活力というものを生かして、それがすべてなんだというふうな物の考え方に実は立っているんだということを、この機会にひとつその点をはっきりしてもらいたいと思うんだね、これいかがでしょう。
○政府委員(福川伸次君) もとよりこのセンターの運用が、今先生御指摘のようなことで何らかの誤解を生ずるということは大変好ましくないわけでございます。今回、このセンターが民間において行います基盤技術についての試験研究を促進をする、民間の研究を促進をするというために、リスクマネーの供給、あるいは共同研究のための諸事業を行う、こういうことでございますわけでありまして、もちろんそういうことからいえば、センターの設立、運営についても民間の発意によってこれが設立をされる、あるいはまたその創意工夫を生かしました格好で運営がなされる、こういうことが非常に重要であるわけであります。 しかし、反面、先ほども申しましたように、産業投資特別会計からの資金を受け入れて民間の基盤技術についての試験研究を促進をする、こういうことからいきますと、運用の公平性ということも、特定の一企業に偏る、あるいは特定の分野に偏るということかないように、これまた公平に、なおかつ公共性を保ちながら進めていく、こういうことで考えておるわけであります。したがいまして、今後人員の配置をどういうふうにするかということについては、まだ私どもも特に考えておるわけではありませんが、今申し上げましたように、効率性という観点と、それから公平性という観点と、それを踏まえまして適材適所の人員配置を行う、こういうことで対応してまいりたいと思っておりますので、その点御理解を賜りたいと存じます。
○対馬孝且君 いずれにしても、今局長から答弁あった効率性あるいは公平性、あるいはこのセンターの設立の目的達成ということの適正な人員配置ということなんだけれども、そういう私が指摘したような、現に私が言っているんじゃないんだ、これはさっき申し上げましたように日経新聞の中でも相当この声が出ているんですよ、はっきり言って、コメントの中に。時間ないから省略しますけれどもね。 だから、そういうことを踏まえて大臣ひとつ、お答えがまあ局長からありましたから、大臣としてこのセンターの今言った民間主導ということを強調される限り、やっぱりそういう天下り的な人事あるいは配置というものでなくて、むしろ民間主導、民活ということを全面に入れた人的機能配置という方向に出ていかないと、真のやっぱりこの目的に沿うたことにならないんではないか、こういうことを僕は心配しているものですから、またはそういう声が多うございますし、この点大臣にひとつお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員の御指摘は大変適切な御指摘だと思います。 この設立はこれからの問題でございまして、まず法律案を通していただかなければどうにもならないわけでございますが、今、御指摘になられましたセンターの運営について、民間主導で公平かつ効率的に行われるという前提のもとに適材適所の人員配置が行われるものと、このように考えております。
○対馬孝且君 それをしかとひとつ踏まえて、ぜひそういう方向になるように強く私から希望しておきます。 それから次に、民間ブーム下の法人設立の実情についてちょっとお伺いしますが、六十年の二月十九日付の日経新聞によりますと、民間活力を理由に財団法人や特別認可法人の相次ぐ設立が見られますが、これは政府が財政難で出せなくなった資金を民間が肩がわりするだけのことを考えているのではないかと。そして、今や不用となった団体名として、情報処理振興事業協会、日本情報処理開発協会、新世代コンピューター技術開発機構、データベース振興センター、新機能素子研究開発協会、光産業技術振興協会等が挙げられております。これらは通産省がこれから最も力を入れようとしているものだけに注目を集めていることもまた御承知のとおりであります。 これらの団体が民間企業から集める金額について一体どういう実態になっているのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(木下博生君) ただいま御質問の中でございました一番最初の情報処理振興事業協会、これは今度のセンターと同じ特別認可法人でございます。四十五年に設立されたもので、政府が大部分出資しまして民間も一部出資しておりますが。それ以外の幾つかお述べになりました日本情報処理開発協会とか新世代コンピューター技術開発機構というようなものは、一応民間が設立したものでございます。それぞれ情報処理の振興を図るためにあるいは情報処理関係の技術開発をやるための機構でございまして、その運営の費用は民間企業の方で出しているというものでございますが、ただ、新世代コンピューター技術開発機構とか新機能素子研究開発協会というようなところでは、通産省の方でやっております第五世代のコンピューターとか新機能素子の開発というような関係の委託費も受けて、それを民間から出向した研究者等が研究に従事しているということでございまして、基本的にはこれらはそれぞれの目的に応じてそれぞれの関係企業が出資をし、それから資金を出し合って事業を行っているものでございます。
○対馬孝且君 性格は一応今の木下局長のあれでわかりましたけれども、なぜこのことを申し上げたかというと、先ほども申しましたけれども、これから基盤技術研究促進センターがスタートをする内容の中に、今言った幾つか挙げた団体のような、そういう長所も短所もありますけれども、そういう弊害のないように、やっぱりこれからの基盤技術研究促進センターというものの中に十分生かされるべきものであると、こういう意味で申し上げたわけですから、これは答弁は要りませんけれども、しかと踏まえてひとつやってもらいたい。 そこで、本法案作成の過程におきまして、これはどうも二省だけが独占するということについて弊害が残るのではないかということがかなり出たことも事実だというふうに聞いております。 その点をお伺いしますが、例えば、運輸、農水、建設、厚生四省の場合、これはハイテク開発は政府挙げてのテーマでありますけれども、これらについても意欲的に各省庁の要望を十分に吸収すべきではなかったかと。これは二省に独占すべきではないという声が、かなりあちこちから抗議文が出されたこともあるということを私も承知をいたしております。したがって、除外された運輸とか農水とか厚生とか、建設にしたって、例えばバイオテクノロジーはこれ農水省でしょう、今や水産は、私も北海道だけれども、サケ・マス含めてこれはバイオテクノロジーの問題というのは、農業問題でも同じですけれども、随分重要になってきています。こういう関係からいくと、どうして電気通信あるいは鉱工業というだけに限定してしまって、むしろそういう総合的な基盤技術、名前のとおり基盤技術という限りはやっぱり今言った運輸、農水、建設、厚生、こういった先端技術開発の目的に立つとするならば、こういうハイテクの分野を抱えている研究開発費、また財源の手当て、こういったものもこれは十分機能し、また生かされなきゃならないのじゃないかと、こう思いますので、この点はっきり申し上げまして、除外をされた省庁としてのハイテクの分野を抱える研究開発費あるいは財源の手当てというのを一体どういうふうにお考えになっているのか、これをお伺いします。
○政府委員(福川伸次君) 今、通産、郵政両省以外の基盤技術の研究開発がいかなる手段をもって進められるかというお話でございます。 この法案の趣旨でございますけれども、先ほどから再三御論議の中でも明らかになっておりますように、技術開発を推進するに当たりまして、今当面ここで推進したいというのは民間活力を発揮させるための環境条件の整備ということが中心でございまして、そして両省にまたがりますもので国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与する技術を取り上げようということでございま して、そういう意味では、いわゆる民間が主体となって行う技術開発について、その基盤技術の基礎研究あるいは応用研究を民間で進めていこうと、こういうのがこの法案の趣旨であるわけでございます。 そういう趣旨で考えてみますと、今御指摘の農業関係のバイオ関係の技術、あるいはまた厚生省関係もそういうものもあろうかと思うわけでありますが、現状で見ます限りは、むしろ農業関係のバイオテクノロジーというのは、こういった民間でやらせるというよりも、むしろ国の試験研究機関でその技術研究開発を行わせるということが中心でありますし、また、厚生省関係におきましても、現在の御判断としては、国立の病院あるいは国立予防衛生研究所といったところでむしろそういった研究開発を行わせておられると、こういうことであるわけでございます。したがいまして、当面現状で判断をいたします限りは、通産省及び郵政省についての基盤技術というものを取り上げることがいわゆる民間の活力を発御すると、させると、民間でやらせるということについてやれるべき範囲としてはこの両省の基盤技術というのが適切ではないんであろうかと、こういう政策上の判断で政府としてこのような方針を決めた次第でございます。したがいまして、この両省に限ったことによって、いわゆる民間が行う基盤技術ということについては特に弊害が生ずることはないというふうに考えております。 しかし、もとより御指摘の農水省とか厚生省とかで基盤的な技術をおやりになるという必要性はあるわけでありまして、それはそれぞれの省庁の御判断、それぞれの政策手段を生かした格好で、いわゆる主として国が中心で行っていると、こういうことにふさわしい政策手段をとって各省がそれぞれの立場からこれを進めておると、こういうふうでございまして、必要な技術開発促進策は各省において適切に展開されておるものと考えておる次第でございます。
○対馬孝且君 後ほど中小企業の問題をやろうと思っていましたが、時間がありませんから、まだこれ、これだけの中小企業関係ありますので、これは同僚委員から後日御質問することにします。 ただ局長ね、これは率直に申し上げるけれども、基礎的基盤技術センターと言うなら、私はもっと視野を広めて、民間、民間と盛んにおっしゃるんだけれども、国民的に見た場合に、基礎的基盤技術と言うんだったら、これはやっぱりバイオテクノロジーもあるし、農業もあるし、厚生も運輸も全部あるじゃないかと。それがどうも二省だけが独占しちゃって、通産省と郵政省だけが独占権もらって、そういうものが全部やっぱり吸収というか何というか、そういうものを生かされた形のセンターというものがあっていいんじゃないか。 どうもわからないのは、私もさっきからぴんとこないのは、電気通信、鉱工業だけに限定をしたというのがどうも私はわからぬね、やっぱり国民的に言うと。それから財源的に言うと、やるなら相当これは、それこそ言わしてもらうけれども、何千億という資金源でスタートするならわかるけれども、これだって何百億のスタートでしょう。そういう点にしては何か内容的に、確かに発想的にはいいことを言っているんだけれども、実態がそうなってないんじゃないか、財源の問題から、基金の問題からいっても。 それから、二省だけが、そういう電気通信あるいは鉱工業だと、こうでなくて、やっぱり国民的に今心配されている二十一世紀を目指して、そういう全体の基礎技術というものがここのセンターで統一、一元化されて、そのことが日本の将来、二十一世紀はノーハウを売って国が生きるという技術立国としてのやっぱりあれが生かされますよと、そういう意味で国民生活なり国民経済に波及効果なり影響が与えられるんだと、ここへ行くようなどうも法体系になっていないということなんですよ、これ。私随分――これは中小企業だけじゃないですよ。これはある会社の社長からも言われましたけれども、対馬先生、どうもこれがわからないんだな、言葉では何か基盤技術、基盤技術ということを言っているんだけれども、我々はどうもそこがすとん落ちないというような、これは実際に各社の中堅企業の社長なんかでもそう言ってますよ、これは北海道の場合。 こういう点で私は、弊害にならないようにという福川局長のあれですから、弊害があっては困るんだけれども、私はどうもその一抹の心配があると。そういうことにならないように、この点もう一度ひとつ大臣から、局長の説明はわかるけれども、発想と中身とが全然やっぱり違うと、将来に向かっても、どうも今まで随分質問してみたけれども、将来展望というのは必ずしもそこに出てきてないと、こういう感がありますけれども、その点もう一度局長あるいは大臣からお答え願いたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 先ほど委員も御指摘になられましたように、これから日本の技術開発は基礎研究、創造的なものに振り向けていかなければいかぬということでございまして、これはもちろん国立の大学の研究機関あるいは工業技術院等の試験研究機関、こういったところの予算も充実をした形で、そしてこの基礎研究等を進めていかなければならない、こういうことで、そういう部門の手段を講じていくということが一つあるわけでございます。恐らく農業関係の技術というのもそれに類するところであると思うわけであります。 ここで民間の基礎研究、民間についても従来開発研究段階が中心でありましたものを、順次応用研究さらに基礎研究にその研究開発努力を振り向けていこう、誘導していこうというのがこの法律の今回の趣旨でございまして、そういう意味で言えば、この民間の活力を発揮させるということと同時に、また別途国としてのやるべき試験研究機関、研究所の試験研究活動、これとが両々相まって基盤的な基礎研究が、あるいは応用研究が進んでいくと、かように考えておるわけでございます。 もちろん今回考えました民間を中心にした基礎研究の指導の仕方につきまして、今後これがいろいろな形で、各省庁が一つの今後の政策の検討の方向にされるということは将来の問題としてはあろうかとは存じますが、現状で判断いたします限り、今申しましたように、民間の活力をこれに振り向けていく、そういった民間が行う基盤技術を中心にした基礎研究、応用研究については、当面両省の分野に限るということについて政策的には支障がないのではないかと、かように申しておるわけでございます。そういう意味で言えば、いわゆる他省庁のものでもそういったいろいろの手段を活用していかれるということになると思います。 また、ここでやります、民間で行います基盤技術でも、それが物が製品化段階になってまいりますと、あるいは医薬品に使われるようなものに転化していくことになると思いますが、いわゆるこの基盤技術ということで考えてみます限り、当面そういった民間で行うものについては、両省の間で行うことで今のところ支障はないというふうに思いますし、それがまた別途、他省庁の技術について国中心で行うと、こういうことについては、各省庁はそれなりの予算措置を講じて進めておられる。こういうわけで、両々相まって基礎研究が進められていくということになるというふうに考えておるわけでございます。
○対馬孝且君 今、理論派の福川局長が切々と私に訴えられて、それはそれなりの答弁は了としますけれども、民間活力、活力と盛んに言われることはよくわかるんです。それは基礎的なものだということはわかるんだけれども、率直に言って、各省とかそういう意味で僕は言っているんじゃないんですよ。この法律の国民経済、国民生活の基盤を強化するということが目的になっているものだから、何も谷省のことを言っているんじゃないんだ、私は。 そういう視点に立つとするならば、二省が独占をしていくということについては、将来展望としては視野が狭いんじゃないか。もっと国民経済、生活という全般なことをここに法律でうたっている限り、もっと広範な決集する態勢というものをとることが大事ではないのか。私は、何も追及するとかそんなちゃちな考え方で物を言っているんじゃないんですよ。むしろ国民の立場に立って考えた場合でも、そういう態勢がやっぱり必要だと、こう思うものだから、ただどうも、福川局長の説明については一応それなりの考え方だということは今一応答弁がございましたから、ただそういう意味からいくと、どうも限定をするということに矛盾があると、どうも矛盾あるなというのがいま一歩私の感じです。 この点、郵政省の立場でどうですか、この問題について。
○政府委員(奥山雄材君) 先ほど通産省の方からお答えがあったことに基本的には尽きるわけでございますが、郵政省の立場で若干申し上げますならば、一つは、本法案策定の経緯、先ほど委員もお触れになりました昨年度末におけるこのセンターが設立されるに至った経緯というものが一つ私どもの分野ではあろうかと思います。 それから、二十世紀のいわゆる工業化社会で物の社会というものが既に終わって、二十一世紀において展望される社会というのは、いわゆる高度情報社会であるということも、ほぼ世の中の認識が一致しているところだろうと思います。そうした高度情報社会に向けて、工業社会から脱してここに至る過程というものは、やはり情報通信というものが一つの先導的、中核的な役割をなすものでありまして、郵政省が行う電気通信技術の開発というのは、各省庁にいずれは均てんする汎用的あるいは横断的な基本的な部分でございますので、それを私どもはいわゆるインフラストラクチャーと呼んでいるわけでございます。 そうした意味で、郵政省のエゴイズムで電気通信の技術をこのセンターを通じて開発するのではなくて、日本の社会、経済並びに国民生活に広く浸透、進展していくような形で電気通信というものの技術開発を進めていきたい。その意味で、このセンターの対象になったことは政策的判断として私どもは極めて有意義であり、かつ期待できるものであるというふうに考えております。
○対馬孝且君 時間が参りましたので、実はまだこれ、本法と中小企業の先ほど申しました技術開発の関係、それから工業技術院長もおいでになっておりますが、時間がなくて、具体的な国公立の開発のあり方、委託開発のあり方、あるいは国公立大学のこれからの技術開発の進め方についてまだ質問したいんですが、時間が参りましたので、まことにきょうのところは限られた時間でございますが、後日梶原委員からもひとつ御質問していただくことにいたしまして、最後に、今申し上げたことを、今、福川局長、両局長からございましたけれども、大臣として今私が言ったことを本当に踏まえていただいて、国民に対してなるほどという、やっぱり国民経済、生活の基盤技術というのはこういうふうに生かしていくんだということをひとつ最後にお聞かせを願って、質問をこれで終わりたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) この法律案をまとめまして、そして御審議をいただいておるわけでございますが、今対馬委員の御指摘になった点は非常に率直な御疑問であろうと思います。 今、理論家である福川局長、また専門家の奥山局長、両サイドからお話があったとおりでありますが、これからの時代というのは、いわゆる情報化時代だ、あるいは電子工学時代だ、こういう産業革命以来の大きな波が、また今二十一世紀に向かって襲おうとしておるんだろう、そういった意味で、基盤技術ということでこれから着手をするとすれば、限定をする意味ではなくて、まずはこういったところから着手をしていかないと、関係各省全部にまで広げていってしまうとそれこそ手がかりがなくなるといったような観点もありまして、苦心の結果この法律案がまとまったわけでございます。したがって、対馬委員御指摘の問題は、これから関係各省とのいろいろな非常にフレキシブルな対応でやっていきたいと思いますので、そういった認識で御一緒にいろいろと御指導をいただきたい、このように思っております。
○対馬孝且君 それじゃ終わります。
○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 貿易研修センター法を廃止する等の法律案並びに基盤技術研究円滑化法案を議題といたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伏見康治君 私は基盤技術研究円滑化法案について、その背景となる事情も含めていろいろお尋ねいたしたいと思います。 この基盤技術研究円滑化法案が出てくる時代的背景というものが感ぜられるわけでございますが、戦後の日本は、今日本国民全体が胸を張って言うような偉大な経済大成長を迎えたと思うのでございますが、その経済大成長時期というものが一つの終わりに来ている。その経済成長を支えた最大のものは、いわゆる工場のイノベーションということが組織的に行われた結果、非常に高度の製品をつくり出すことができるようになったということが大きな要因であったと思うのでございます。 ところが今や、そのイノベーションを行うべき種が枯渇いたしまして、種そのものを日本人自身が生み出さなければならないという時代に来ている。そういういわばヨーロッパ、アメリカでもって育ちました芽を日本で育てるという姿勢でなくして、日本でまず種をまくところから始めなければいけないという認識から、例えば今度のような法案が出てきたんであろうと私は想像するわけでございますが、そういう時代の流れといったようなものについて、またそれに対してどう対処するかについての非常に大きな視点から、まず大臣からお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 伏見先生にお答え申し上げます。 まさに時代が大きく変わりつつあるということでございまして、技術革新をめぐって産業革命以来の大きな変革が出てくるという、そういった認識に私どもは立っております。技術革新それからまた情報化時代、こういうことであろうと思いますが、この時代の呼び方を電子工学時代であるとかあるいは技術革新時代であるとか、宇宙時代であるとか、いろいろな言葉で呼んでおるわけでございますが、そういった新しい時代に対応をすることをひとつしっかりとやっていかなきゃならぬ。その意味で、日本は、高度成長時代においては欧米諸国に追いつけ追い越せといったような気迫で進んでまいったわけでございますが、ここへ参りまして欧米と対応をする日本のあり方ということがいろいろ言われるようになりました。例えば通産省では、技術革新のことを一丁目一番地、こういうふうに呼んでおりまして、これからのあらゆる通産行政の原点ではないかというふうな認識をいたしております。 その意味でこの法律案を今回御審議をお願いすることになったわけでございますが、一言にして言うなれば、そういった新しい時代に対応をするような技術革新あるいは情報化の進展、そういうことを進めていかなきゃならぬ、そのために基盤技術という考え方に基づいていろいろな技術開発を進めていこう、こういう考え方でございまして、言うなれば時代の進展、世界的な大きな動向、これに対応する我が国の通産行政の対応の一つである、こんなような認識を持っております。
○伏見康治君 日本がこれからどういうふうにやっていくかというのは、今大臣の言われたような非常に大きな視点であろうと思うんですが、そういう際に、やはりいわゆる先進国がどういうふうにその時代の変化に対応してきたか。エレクトロニクスで情報化時代に入るといったようなことは、これは日本だけの問題ではございませんでして、まさに世界的な問題であり、そういうことに感づいていた先進国もたくさんあるわけでございます。そういうところではどういう政策がとられているか、そういうのを大いに参考にされたかと思うんでございますが、その点についてお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 日本の技術水準は、量産化、商品化技術を含む開発段階の一部を除きまして、欧米諸国に比べ基礎研究、応用研究段階においてまだ一般的に立ちおくれておる、こういう認識をいたしております。 最近の技術開発に当たりましては、多くの分野にわたってより基礎段階にさかのぼった研究が必要となってきておりまして、技術開発における基礎研究、応用研究の重要性は非常に増大をしております。また、国際的にもみずからの創意と工夫による創造型の技術開発が求められておりまして、今後我が国としては基礎研究、応用研究に格段の努力を払っていくことが肝要であると認識をいたしております。
○政府委員(福川伸次君) ただいまの大臣の御答弁に若干補足させていただきますが、欧米諸国でどこに力を入れてやっておるか、こういうお尋ねでございます。御指摘のとおりに、アメリカ、ヨーロッパ諸国は、国を挙げて積極的に先端技術の開発に取り組んでおるところでございます。 若干の例を申し上げさしていただきますと、例えばアメリカに例をとりますと、一九八六年度におきます連邦の技術開発予算は五百九十七億ドル、約十四兆円ということでございます。アメリカ全体の研究開発費が二十兆円でありますから、かなりの額がこの予算に計上されておるところでございます。もちろんこのアメリカの研究開発の中には、いわゆる国防関係の予算、あるいは宇宙開発といったようなものがございますが、それに至りますまでには、マイクロエレクトロニクスでありますとか、新素材でありますとかいうようなものについての研究開発に大変力が入れられておるわけでございます。特にレーガン大統領は、その先端技術の開発が二十一世紀のアメリカの雇用につながるということで大変力を入れておるところであります。 また、産官学の連携ということが大変重要なポイントとして日本でも論ぜられておりますが、アメリカにおきましてはナショナル・サイエンス・ファウンデーション、全米科学財団というのが、これも十数億ドルの予算をもちましてその連携のあっせんをする、あるいは補助金を出すといったようなやり方をいたしておりまして、国の委託研究と同時に産官学の連携ということに力を入れまして、マイクロエレクトロニクス、新素材、バイオテクノロジーといったところに大変力を入れているのがアメリカの状況であります。 ヨーロッパにつきましても、ヨーロッパ経済の停滞化が言われます中で、やはりこれから研究開発が重要だという認識は大変広がっておるところでありまして、EC全体でも、例えばエスプリ計画と言われますような情報関連技術の開発計画、そのほかアリアン計画と言われる宇宙開発、あるいはエアバスといったような航空機開発といったようなものがECレベルで大きく取り上げております。 西ドイツもいっとき機械関係が強かったのは御承知のとおりでありますが、メカトロ化がややおくれたというようなことはドイツについて言われておりますけれども、一九八四年度から五カ年計画で二九・六億ドイツ・マルクで、約二千八百億円ぐらいになりますが、そういった補助金を出して情報関連技術を開発しようということで、メカトロニクスのおくれの回復に努力をいたしております。イギリスにおきましてもマイクロエレクトロニクスの助成に力を入れておりますし、フランスでもバイオテクノロジーといったようなものを大いに取り上げよう、こういうことでございます。 そういうことで、欧米でも大変この研究開発に力を入れておるわけでありますが、先ほど先生御指摘になりましたように、日本も外国から技術が期待できるというものではありませんし、むしろ日本がみずからの創造性高い技術を研究をしていかなければいけない、こういう状況になっておりますのが、今回我々が技術開発を第一優先順位として政策の重点に取り上げている背景でございます。
○伏見康治君 背景を伺いましたが、今度のこの法案をつくる上におきましては、通産の中にあります産業構造審議会、それから産業技術審議会という二つの審議会がおありになって、そこの審議の何か合同の審議をなすった結果、この法案の種になる考えが打ち出されたように伺っておりますが、その辺の経緯を伺わさしていただきたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 御指摘のように、今回のこの法案をつくりますに当たりましては、昨年の春から私どもでは産業構造審議会の総合部会の企画小委員会で、各有識者お集まりいただいて検討いたしてまいりました。それからまた、産業技術審議会でも幅広い検討を続けていただいたわけであります。 その議論の過程で政府が果たすべき役割、それから民間が果たすべき役割、それぞれ重点を分けまして、特にもちろん政府の中では国の予算の確保ということを重点としながら、やっぱり国全体の研究開発の約七割が民間で進められておる、こういう実態に即して、民間が従来力を入れておりました開発あるいは商品化段階から、もう少しさかのぼって応用研究、さらには基礎研究にも民間の活力を振り向けていくことがこの日本の基盤技術における基礎研究の推進に役立つ、こういう御示唆をいただいたわけでございます。それに基づきまして、私どもとしては主として予算の面、それから財政投融資におきましてはこのセンターのリスクマネー供給機能を持つ、あるいはまた産官学の連携を進めるような組織の設立、さらに研究開発を進めるための税制のあり方といったようなものを、予算折衝の過程で財政当局と御相談を申し上げた次第でございます。 そういうわけで、いろいろと関係各方面の有識者のお考え方を集約いたした形で予算、税制、財政投融資、さらにまた今回お諮り申し上げておりますところの、いわゆるこのセンターの設立と並びましてのいわゆる国の財産の有効活用あるいは特許権の特別の取り扱いといったようなものを、制度を含めましたいわゆる制度改正、これに集約をいたした次第でございます。
○伏見康治君 ちょっと戻るようで申しわけないんですが、産業構造審議会というのと、産業技術審議会というのと、名前がよく似ているものですから、その内容の差が私には余りよく実はわからないのですが、どういう立場でそれぞれ御議論をなさる審議会なんでしょうか、その区別をちょっと教えていただきたい。
○政府委員(荒尾保一君) 二つの審議会、確かに昭和六十年度の新政策を検討するに当たりましては非常に類似したといいますか、よく似たテーマについて議論をしたわけでございます。 もともとで考えますと、産業構造審議会、非常に幅広く通産政策全体につきまして各部会等も設けまして検討をしておる審議会でございます。一方、産業技術審議会の方は、主として私ども工業技術院が事務局を務めまして、産業における技術開発の問題を中心にして検討する審議会でございます。 六十年度におきましては、先ほど来大臣を初め御答弁申し上げておりますように、産業構造という面から見ても、技術開発が我が国にとって極めて重要な課題であるということで、産業構造審議会でも技術開発の問題を最重要の課題に取り上げまして検討いたしましたし、また産業技術審議会では、もともとそういったテーマのもとに毎年審議を続けておるわけでございますので、実は昭和六十年度新政策を検討するに当たりまして、両審議会の中に企画小委員会というのを設けまして、この両小委員会が合同でこの問題につきまして検討し、かつ、御報告をいただいた御報告書も、合同で報告をいただいたということになっておるわけでございます。
○伏見康治君 一応わかりましたんですが、私は産業構造審議会というのは文化系の先生がつくり、産業技術審議会の方は理科系の先生がつくっているものだというふうに理解したんですが、まあ当たらずといえども遠からずというようなところではないかと思うのです。 そういう二種類の方々がお集まりになって一つのことを議論なさるというのは日本では珍しいことで、二つの審議会が一緒にこういう問題を議論していただいたということは大変結構なことだと思うのですが、同時に、合わせものはまた何か割れる原因にもなるんですが、二つの審議会を一緒に御意見を聞くという場合の、何かいいところと悪いところみたいなものの御経験がありましたら教えていただきたい。
○政府委員(荒尾保一君) 確かに伏見先生御指摘のような面がないわけでもないのでございますが、しかし産業構造審議会におきましても、文化系、理科系というふうに分けますれば、理科系といいますか、あるいは技術系の例えば大学の先生方とか、あるいは産業界におきましても、技術的な面で産業活動に従事しておられる方々も入っていただいておりますし、また産業技術審議会の方におきましても、会長は向坊先生でございますけれども、委員の方々には経営者といいますか、そういう立場の方々も入っていただいておるわけでございます。 そういう点から、今回の審議の過程、長年にわたる審議全体につきましてはいろいろ特徴もあろうかと思いますけれども、今回のこの技術開発につきましての審議におきましては、そういった両審議会でニュアンスが非常に異なるとか、意見が分かれるとかいうことは余りございませんで、非常に一致した御意見をいただいたというふうに感じておるわけでございます。
○伏見康治君 二つの審議会が合同していいことをまとめていただいたという点は、非常にアプリシエートしたいと思うのでございますが、この報告書を拝見いたしますというと、今度の法案の中に報告書の大事な点がほとんど盛り込まれていると思うのでございますが、私が拝読した限りでは、報告の中で相当重要視されていることで法案に出ていない点があると思うのでございますが、その一つは試験評価体制の整備という問題でございます。この報告の九ページとか三十一ページあたりに繰り返して出てきていることでございます。 ところが、法案の方ではこれに相当することが、殊にセンターについてまた後ほどいろいろ御質問申し上げますが、センターの心がけの中に、評価の重大性ということについての考慮が欠けているように思うのでございますが、その点はどういうふうに考えたらいいでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) 御指摘のとおり、先ほどの両審議会の報告書におきまして、新素材等を中心にいたしまして試験評価体制の整備が必要であるということの御提言を受けておるわけでございます。 この試験評価体制の整備の問題は、この法案と申しますか、あるいはセンターの業務だけでなくて、幅広くいろんな分野でこの評価体制の整備を図っていくということが重要であろうかと思われますが、センターの関係において申し上げますと、センターの業務の中で調査業務というのがございます。三十一条の第一項の六号でございますが、この調査業務の中におきまして、新素材を初めとしていろいろな試験評価に関する調査を実施をするということになってございます。法文でございますので、具体的に細かく書いてございませんが、調査ということの中に含めておるつもりでございます。 そのほかに、新素材を例にいたしますと、その試験評価につきましては、例えばファインセラミックスの試験評価を行います財団法人のファインセラミックスセンターを設立するということが既に決まっておりまして、その方向に今進んでおるわけでございますが、これは民間におきまして、財団法人形式でこのセンターをつくるわけでございますが、こういったセンターをつくろうという動きに対しまして、基盤技術研究促進センターにおきましては、それの育成のためのいろいろな施策のあり方、あるいは試験方法の確立等につきまして調査研究を進める、それを民間において行われます評価に役立てていく、こういうことを考えておる次第でございます。
○伏見康治君 御説明でわかったような気もいたしますけれども、例えば先般問題になりました「むつ」の非常にまずい結果といったようなものは、その事前調査あるいは途中での調査、評価といったようなことが十分うまく行き届かなかったという点が非常に多いと思うんでございます。それで、非常に長い年月をむだにし、非常にたくさんの国費をむだ遣いしたという面が非常に多いと思うんでございますが、今度取り扱われるプロジェクトは、「むつ」のプロジェクトに比べれば非常にささやかなものだとは思うんでございますけれども、事前評価から始めて、研究の途中段階での評価、それから最終的な成績を上げたときの評価といったようなものは極めて大事だと思います。一般的な調査事務といったような言葉の中に含んでしまうのにはちょっと問題があるのではないかというふうに私は考えますので、少なくともこの法案によって実際上お仕事をなさる上におきましては、その評価システムというものの確立をぜひやっていただきたいとお願いいたしたいと思います。 もう一つ伺いたいのは、産官学の連携ということが絶えず言われているわけでございますが、産官学の連携を今度の場合どういうふうに促進しているのか、それが表面にあらわれていないように思うんでございますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) 産官学の連擬の強化の必要性につきましても、先ほどの報告書等でも指摘をされておるわけでございますし、またかねがね私どもも、日本におきまして特に基礎研究あるいは応用研究を促進するという段階におきましては、非常に重要なことだというふうに考えておるわけでございます。 そのために、産官学連携強化のためには、この法案あるいはセンターのみならず、いろんな分野でこれを促進することが必要であるということだと考えます。そういう点から、例えば次世代産業基盤技術研究等におきましては、企業への委託あるいは国立試験研究所における基礎研究に加えまして、大学の諸先生方の御参加をいただいて、こういった制度を進めておるわけでございます。 それで、これらの制度は、そのほかの問題につきましても幅広く促進をしていく必要があろうかと存じますが、この法案との関係におきましては、幾つかのそういった産官学連携強化のための措置を考えておりまして、例えばこの三十一条の「業務」で申し上げますと、第二号で、国の試験研究機関と民間との共同研究を促進するにつきまして、このセンターがあっせんをするという業務を入れておるわけでございます。私どもこれを官民連帯共同研究というふうに呼んでおりますが、そのあっせんを進めることによりまして、いわば官と民との共同研究のコーディネートする機能を強化していこう、それによりまして、この場合は産と官でございますが、連携を強化しようということを考えておるわけでございます。 また、第三号業務におきまして、センターが委託を受けて研究開発を進めるということも業務といたしておるわけでございますが、これも産と官あるいは学との連携強化という一つの方法であろうかと思います。このセンターにおきまして、産官学連携強化のすべてにおこたえしておるというわけではないわけでございますけれども、これらの業務を通じまして、連携強化の一助にするという考え方で法案をお願いをしておるわけでございます。
○伏見康治君 今のお話は、多少、産官学の共同研究開発に該当するところが二、三あるというようにはうかがえるんですけれども、非常にそれを正面切って推進しておられるという面が少ないように思うんですが、伺うところによりますと、この法律を実際施行する場合には、さらに政令等でいろいろな細かいことをお決めになると伺っているんですが、そういう政令段階で何かそれについて言われるということはあるんでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) 業務の内容自身につきましては、三十一条の法文の中で決められておるわけでございますので、これに政令の段階でさらにつけ加えるということはちょっとなかなか難しゅうございます。 ただ、実際の業務の運用に当たりましては、当然のことでございますが、このセンターで行おうとしておる業務が民間における基盤技術の研究、その中でも非常に基礎的あるいは応用段階等を中心にして進めようということでございますので、産官学の、つまり知恵を結集するといいますか、そういう形で技術開発を促進する、それを円滑化するということでございますので、そういった運用段階におきまして、御趣旨のような産官学連携強化が進められるような、そういう努力を進めてまいりたいと考えております。
○伏見康治君 ぜひその線で進めていただきたいと思うんです。 次に、この法案は、いろんな意味で政府が直接手をつけるというよりは、いわゆる民間の活力を利用するという面が非常に強いと思うんでございますが、民間のこういう基盤技術の研究開発に対して資金を投入して、大いに活動してもらいたいという上からは、税制上の優遇をそういう試験研究の仕事に対して、してあげるというのが一番普通のやり方だと思うんですけれども、その辺は過去にもあったと思うんですが、それについて何か新しい面が出てくるのか。昔のことも実はよく知りませんので、現在はどうなっておるのか、それから、この法律でどういう面がさらによくなるのかといったようなところを教えていただきたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 税制でございますが、従来ございました制度は、増加試験研究費の税額控除制度というのがございました。これにつきましては、過去の試験研究費の支出よりも上回った部分につきまして、上回った部分の二〇%の税額を控除しようというのが従来やった制度でございます。 今回、昭和六十年度からこれをさらに拡充をいたしまして、私どもでは特にハイテク関係の税制を拡充強化をするということで、基盤技術研究開発促進税制というものを創設をいたした次第でございます。これにつきましては、いわゆる研究設備、特に最近の先端技術ということになってまいりますと、研究の設備に大変金がかかるということでございますので、それでそういった研究設備を取得いたした場合には、その取得をした設備の七%の税額を控除するということを、これを従来ありました増加試験研究費の税額控除制度にプラスした形で今度新しくこの税制ができたわけであります。 さらにまた、もう一つ中小企業の関連でございますが、中小企業につきましては、中小企業技術基盤強化税制と俗称いたします税制を考えまして、これは従来、過去の試験研究費の上回った部分についての税制の適用ということになりますと、中小企業のように、そう幾つもプロジェクトを持って進めるということではございませんと、大変活用がしにくいということから、これは試験研究費そのものについて六%の税額控除を認めようということでございまして、これもいわゆる従来ございました増加試験研究費の税額控除制度と選択の適用ということでこのような税制を付加したわけでございます。 これは租税特別措置法の改正ということで六十年度から実施をすることになったわけでございますが、今回お出ししております法律と法律形式上特にリンクしているものではございませんけれども、技術関係の民間の力を発揮させていくためには、こういった税制によって誘導を図るということは大変有効な政策手段であろうと考えておるわけでございます。法形式的には別途でございますが、考え方としてはこの今お出ししております法律の関係の事業、いわゆるセンターの設立と国有施設の廉価使用等々といった一連の措置、それと相まちまして民間の試験研究費を大いに促進していくのに重要、有効な手段であろうということで、今回の制度改正に至った次第でございます。
○伏見康治君 大臣にはまた最後の段階で御意見を伺いたいと思いますが、どうぞ御用がありましたら中座なさっていただきたいと思います。 次に伺いますのは、法案の表題にも出ておりますが、「基盤技術」という言葉のいわば定義ですね。 先ほどの二つの審議会の報告書では基礎研究とかそれから応用研究とかいうような言葉が出てまいりますんですが、この基盤技術というのはいろんな意味のとりようがあると思うんですが、この法案ではどういう意味にとっておられるのかを説明していただきたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 「基盤技術」は、法律の第二条で、二つの要件を満たすものということで定義をされております。 一つは鉱工業、電気通信業等の技術のうち「通商産業省又は郵政省の所管に係るもの」、これが第一でございます。第二点が「国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの」、この二つの定義が基盤技術の定義でございます。「国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの」ということは、その技術が製品等に体化されました場合において、その製品等が有することとなる波及性、これは利用の分野の広がりと言ってよろしいかと思いますが、それからもう一つは影響度、影響度と申しますのは性能あるいは生産性の向上に与える効果、こういったものが十分に大きく、その結果として国民経済や国民生活の基盤の形成に主要な役割を担う、こういうことであるわけでございます。 具体的に考えられますものは、一つは新素材と言われるものがこのような定義に入ってくる分野であろうと思うわけでございます。これは例えば非常に波及性と影響度が大きいということで考えてみますと、例えば発送電機器等に使われます実用超電導線材技術といったような技術とか、あるいは高集積ICの基板材料となりますような絶縁伝熱ファインセラミックス材料、あるいはまた化学工業で精製分離といった工程に利用されます高性能、高効率分離膜の技術といったようなものとか、あるいは最近いろいろ注目を集めております繊維強化複合材料といったようなもので大変新しい材料が出てきて、在来の特性に加えました新しい性質を利用して、そういったことで大変新しい利用分野が広がっているような材料が現出いたしております。 またマイクロエレクトロニクスもこれも大変進んでおり、なおかつ影響度と波及性が大変大きいものでございますが、この分野においては高集積度のICの製造を可能とするような超微細加工技術あるいは生産工程に利用される高性能産業用ロボットのコントロール技術あるいは高速、大容量の通信を可能とするような光通信デバイスあるいは高性能の光ファイバーの製造技術といったようなものがあろうかと思います。 またバイオ関係でもいわゆるバイオリアクターとかあるいは遺伝子組みかえの技術といったような大変画期的な技術もここに入ってくるんではないかと思っておるわけであります。 そういうわけで、この「基盤技術」と申しますのは、今申しましたように、その技術が製品に体化された場合においてそれの製品の持つ波及性、影響度が非常に大きいということで、私どもの方の所管で見ます限りは、今申しましたように新素材の関係あるいはマイクロエレクトロニクスの関係あるいはバイオテクノロジーの関係、こういったようなものがこの基盤技術の範囲に入るのではないか、かように考えております。
○伏見康治君 その「基盤技術」の言葉の解釈は、具体的な例を挙げていただいて大体納得でき たと思うんでございますが、その基盤技術というのは、報告の中にある基礎化学、応用化学といったようなものとの関連、それからさらに科学技術会議が十一号答申というのを出されておりますが、その中で例えば基盤活動といったような言葉がございますが、そういうものとの関連を説明していただきたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) 今の御指摘になられました産業構造審議会等の答申では、今の基盤技術の概念とは別に基礎研究、応用研究、開発研究、こういった三つの研究段階に分けた分類を用いておるわけであります。これはむしろ技術の種類ということではなくて、研究の段階でございまして、基礎研究と申しますのは、特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため、もしくは現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的または実験的な研究ということでございまして、むしろ非常に学術的な研究に近いというのが基礎研究でございます。 応用研究と申しますのは、この基礎研究によって発見された知識を利用をいたしまして、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究ということでございまして、また一方、開発段階になりますと、それが今度は新しい材料とか装置、製品、システム、工程等の導入もしくは既存のこれらのものの改良をねらいとするということでございますから、むしろその開発あるいはまた将来それを具体化すると申しますか、商品化に近い段階の研究、こういうことになるわけであります。したがいまして、この基礎研究、応用研究、開発段階で言います基礎研究と申しますのは、そういった非常に理論的なあるいは実験的なあるいは学術的な研究を基礎研究と称しておるわけであります。 一方、ことの法律で言っております「基盤技術」と申しますのは、先ほど申しましたように例えばマイクロエレクトロニクスでありますとか、あるいは新素材でありますとか、こういったむしろ技術の種類を言っているわけでございまして、それぞれの技術をさらに商品化する段階ではその基盤技術について基礎的な研究の段階、応用的な研究の段階、さらに開発段階、商品化、こういうふうにいくわけでございまして、したがいまして基礎研究と申しますのは、そういった研究の発展段階の用語であり、基盤技術はそういった技術について非常に応用範囲の広い、波及性、影響度の大きい技術ということで、今例示で申し上げましたような技術を基盤技術と称している、こういうことでございます。
○伏見康治君 もう一つ質問したのは、科学技術会議の十一号答申の中に出てくる基盤活動というような言葉があるんですが、それとの関連。
○説明員(川崎雅弘君) 科学技術会議が昨年十一月に、今後の二十一世紀を展望しての我が国の科学技術政策についてのあり方についての基本方針を提案いたしましたが、その際申しております「基盤」という言葉の使い方につきましては、今伏見先生の方から御指摘がありましたように、第二部第五章諸施策の推進という中でうたわれておるわけで、「科学技術に係る諸活動の基盤」という表現でいわゆる一般名詞の基盤というのを使っております。 具体的には、この中では研究を支援していくために必要となるもろもろの科学技術関係の活動、例えば一番重要でございます科学技術情報あるいは科学技術に関するデータベースの流通体制をどう考えていくかとか、あるいは最近はやりのバイオ分野におきましては、種々の高度な管理されました実験動物なり実験微生物なり、実験のための細胞とか遺伝子というのが必要でございますが、こういうような実験用の資材関係を円滑に供給していくようなシステムをどのように考えていったらいいかとか、さらには理工学分野では、先ほども話題に出たかと思いますが、どのようにして新素材なり、新しい物質の性能なり、あるいはその特徴あるいは物性といったものを評価していくかどうかとか、そういうことの検索なりあるいは検査あるいは測定を行うためのそういう一つのサービス機能、そういったような、どちらかというと、率直に言って研究を支援していくもろもろのサービス機能を、我が国としては最先端の基礎的な研究を推進するために整備していかなくてはならないという見地からうたっておるわけでございます。
○伏見康治君 おかげさまでよくわかりましたのですが、そういうふうに解釈すれば、基盤技術のためのまた基盤活動というのもあり得るわけですね。 次に、この法律はのっけから基盤技術の適用の対象分野というのを通産省、郵政省関係の所管分野に限定するということになっておりますが、どういうわけでそういうことになったかというところを説明していただきたい。
○政府委員(福川伸次君) これは、今御指摘のように、第二条の定義でそのようにいたしておるわけでございますが、これは先ほど産業構造審議会等々の御答申にお触れになられましたが、今私どもとして技術開発を推進するに当たりまして非常に焦眉の課題であるのは、一つは民間の活力を最大限に発揮させて、従来民間が中心になってまいりました開発、商品化段階の研究から、これをもう少し基盤技術に関して基礎研究あるいは応用研究にもさかのぼって振り向けさしていこう、こういうことのために環境条件の整席を図ろう、こういうことをねらいといたしているわけでございまして、その意味では、民間が主体となっている技術分野を対象とするというのが今回のこの制度の仕組みであるわけでございます。 基盤技術の基礎研究というのは、民間だけでなくて、大学がやる、あるいは国の試験研究機関がやるということはもとよりあるわけで、それはこの法律と別の段階で予算上の措置というふうなことで充実をしていくわけであります。ここで民間の活力を発揮させる、こういうことのためにこのような条件を準備したわけでございますが、そういった今民間が主体となって進めているような基盤技術、特にその基礎研究、応用研究、こういうことになってまいりますと、現在の実情を見ます限り、通産省あるいは郵政省の所管をいたしておるということが、民間が主体となっている技術分野を対象とする制度をつくります場合には、それで今のところは適切な対象範囲ではないであろうか、こういうことでこの法律をこのような形にいたしたわけであります。 もとより農林関係あるいは医薬関係、いろんなところにこの技術はあるわけでございますが、これはそれぞれそれぞれの省庁がどの政策手段をとってやるのがいいのかということで御判断になるわけでありまして、これはまたそれなりに予算上の措置を講じておられる、こういうこともございますし、それから主として今の農業関係でもあるいは医薬関係でも、基礎研究というのはかなり国立の試験研究機関が中心になってやっていらっしゃるわけでございまして、各省それぞれの立場で実態に応じました技術開発政策を推進をしておられる、このように考えておるわけで、今申しましたような範囲で民間が主体になってやっていく、これを基礎研究、応用研究に引っ張っていくということについて言うならば、当面通産省、郵政省の所管技術ということでここを対象にするのが適切であろう、かように考えた次第でございます。
○伏見康治君 今の御説明では、民間という言葉が非常に重視されて出てきているようなんでございますが、ほかの省庁の場合だって民間の活動だと思うんですけれども。別に余り追及しても意味がないと思うんですが、郵政とだけはいわば仲よくやっていくというのは何か意味があるんですか。
○政府委員(福川伸次君) これは私どもは私どもの所管の範囲で、昨年の予算要求の段階で、こういった機能を持った特別認可法人をつくるという予算の要求をいたしておったわけでありますが、郵政省は、経緯的に申しますと、また別途そういった技術開発の予算のあり方を御探求になっておられたという経緯はございます。 それで、予算折衝の段階でこれを一本化するということになった経緯は御高承のとおりでありますが、私どもとしてもこういった今の民間の力を基盤技術に関して基礎研究あるいは応用研究に振り向けていこう、こういうことで言います場合に、この通信関係というのもそういう手法ということで見ます限りは共通するところがある、こういうことで、私どもとしてもそのような格好の仕組みに持っていくというような方向を取り進めることにいたした次第でございます。 もちろん農業関係あるいは医薬関係もございますが、これは今むしろ国の試験研究の推進ということでやっておられるということでございますので、今回の新法の対象にはいたしていないということでございまして、今申したようなことで、当面この民間が主体となってやりますのは、その両省の関係ということで適切ではないであろうか、こういうような経緯があり、また考え方に基づいてこのような方式を決めた次第でございます。
○伏見康治君 まだ実は余りよくわからないんですが、それでは農林水産省の方に、この通産の案の中に、郵政省のような立場で一緒になろうと言わないで、農林水産省は何か独自の計画をお持ちなんだろうかと思うんですが、その辺のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○説明員(関口洋一君) 御説明申し上げます。 バイオテクノロジー等の先端的基盤技術につきましては、農林水産業の生産性の向上ということで極めて重要なテーマであるというふうに考えておる次第でございます。 特に研究の推進に当たりましては、産官学の連携というふうなことで、研究を促進するということが重要である、効率的であると考えておるわけではございますが、何せ農林水産業関連業者は中小企業が多いということが一つございます。それから動物であるとか、それから植物、あるいは魚といったような生き物を扱うというふうなことから、ほかの産業に比べて極めて長い開発期間を要するというふうな事情がございます。したがいまして、よりきめの細かな施策を講ずることが必要であるんではないかというふうに考えておる次第でございます。 こういうふうなことから、これまで研究体制の整備、あるいは民間に対します、技術研究組合等に対します補助あるいは研究の委託、それから民間からの研究の受託、民間との共同研究といった各般の施策を実施しているところでありますが、今後とも民間のニーズを踏まえた上で基盤技術開発の一層の効率化あるいは民間活力の活用を促進するといった必要な施策を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
○伏見康治君 今のお話の中に、中小企業がもっぱら相手だというお話があったんですが、それは必ずしも承知しないんですけれども、そうだといたしますと、しかし通産省の方のお話も、主なる焦点は中小企業に合わせているんじゃないかと思うんですが、通産の方はどうなんでしたっけ。
○政府委員(福川伸次君) 私どもの方も、もちろん中小企業もこれの対象といたす考えでございます。特に中小あるいは大手ということの区分はいたしておりませんが、中小企業もこの制度の中に十分活用し得る体制、運用ということを考えたいと思っておる次第でございます。 先ほど一つ申し落としましたが、今回私どもはここで助成をする一つの手段といたしまして、出資または融資というふうな助成の手段で考えておるわけであります。 従来からも私どもでも委託開発あるいは補助といったような制度がございまして、それなりの効果を上げてまいっておるわけでありますが、今回、この技術が技術開発としてチャレンジすべき分野がだんだんと広範になってきている、こういうことから、いわゆる委託あるいは補助といったようなことでない手段で民間の誘導をしていく。したがっていわゆる補助金あるいは委託開発に比べますと、むしろインセンティブの程度はやや弱い中間的な形になるわけでありますが、そういうところをもって民間を引っ張っていこう、こういう手段を考えた次第でございます。そういう意味では、民間企業ということの中でも、いわゆるやや企業性の強いこういった分野を対象にしよう、こういうことでございます。 したがいまして、私どもでも、もちろん大手、中小というふうな区分はなく、公平に取り扱うつもりでおりますが、もとより中小企業も十分ここには活用し得るもの、かように考えております。
○伏見康治君 それでは、先ほどの農林水産省に対して質問したことを厚生省の方にお伺いしたいんでございますが、どういうふうに考えておられるか。
○説明員(下田智久君) 厚生省につきましてお答えを申し上げます。 厚生省におきましては、従来からバイオテクノロジーあるいは高度情報処理システム等、先端技術の研究開発といったものを非常に重要と考えておりまして推進してきたところでございますが、今後とも一層その開発に努めますとともに、それらを保健、医療分野へ積極的に導入を図ってまいるということを考えております。 その際、産学官の連携の強化あるいは国際研究協力の推進に努めますとともに、生命倫理に関する問題につきましても、国民的合意を得られますように配慮してまいる所存でございます。
○伏見康治君 厚生省の方では、特にお薬とかそれからいろんな医療器械といったようなものが直接的には問題になると思うんですが、そういうものは、ある意味では通産とほとんど同じような関係にあるんじゃないかと思うんですけれども、おつくりになる会社とそれからお役所との間の関係というのは。ですから、例えば通産省がこういう新しい法律をおつくりになるとすれば、厚生省関係でも似たような法律をおつくりになったらいかがかと、素人考えで思うんですが、その点はどうなんですか。
○説明員(下田智久君) こういった基盤的な技術、現在通産で言っておられます基盤的技術につきましては、厚生行政を図る上でも大変重要であるというふうに考えておりまして、従来より補助金等を通じましていろいろな諸施策を講じたところでございます。今後ともこれらの施策の充実を図るとともに、民間活力等の導入を図るようなプロジェクト研究の推進等に努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○伏見康治君 余りよくわからないのですが、その次の大蔵省の方に質問したいんですが、大蔵省は、私のこれも素人考えで申しわけないんですが、多分お酒についていろいろ監督しておられると思うんですが、その立場から、バイオテクノロジーというのは醸造の方面と非常に関係が深いわけですが、大蔵省として何か特にその方の研究を促進するための政策を考えておられるかどうか、伺わさしていただきたいと思います。
○説明員(宮野信之君) お答えをいたします。 酒類の製造は、微生物を利用する工業でございますので、まさにバイオテクノロジーそのものと言っても差し支えなかろうかと思いますけれども、御質問の趣旨は、最近におきますところの先端技術としてのいわばニューバイオテクノロジーという観点からであろうかと理解さしていただきましてお答を申し上げたいと思います。 国税庁醸造試験所におきましては、酒類に関する各種の試験研究を実施しております。したがいまして醸造試験所におきましても、バイオテクノロジー関連の試験研究は実施をいたしております。例えば新しい酵母菌あるいは新しいこうじ菌等を細胞融合等によりまして育種いたしまして、これらの新しい微生物を使いまして新しいタイプの酒額を開発するといったような、例を挙げますればそういったような試験研究で ございます。またバイオリアクターといったような関連の技術も開発いたしまして酒類の生産に応用をいたしております。もちろんその根っこになります遺伝子資源の収集といったような仕事もおいおいと進めているところでございます。 ところで、こういった仕事は単に国税庁醸造試験所独自の仕事ということではございませんで、 やはり酒類業界にこれらの技術を還元するということが大きな目的でございますので、研究の事績につきましては、例えば国税庁長官の特許という形で申請をいたしますけれども、それらの利用につきましては広く業界の皆様方に御利用をいただくという仕組みにしてございますし、また国税庁醸造試験所の中には人材の養成とかあるいは共同研究のシステムができておりますので、民間の技術者の方々を国税庁醸造試験所の方へお呼びして、共同研究をするというふうな仕組みも確立をしております。これらの問題につきましては、民間の活力を有効に利用するという観点からいたしまして、今後も一層前進をいたしまして、酒類業界に大きく還元をしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○伏見康治君 私の伺ったことと少しずれたお答えなんですけれども、いいことにいたしまして、次に科学技術庁の方にお伺いいたしたいんです。 科学技術庁の立場は、国の各省庁に分かれてあります科学技術研究全体をいわば横断的にお考えになっているはずだと思うんでございますが、その科学技術庁の立場から考えますと、通産だけが何か先走って特別なことをしている、ほかの省庁はまだいささかまごまごしているといったような感じを受けるわけなんですけれども、科学技術庁の立場からいって、国全体の科学技術の推進という立場からいってはどういうふうにお考えになっいるのかをひとつ説明していただきたいと思っています。
○説明員(川崎雅弘君) 御指摘のように、先ほど来の先生の御発言にもありますように、今後我が国が、我が国として存立あるいは発展を図っていくというためには、創造性豊かな科学技術の振興というのが極めて重要であるというのは、今や一つの国家的な認識ではないかというふうに科学技術庁としても考えておりますし、それに対応いたします我が国全体の政策の方針ということにつきましては、先ほど引用申し上げました昨年末総理大臣に提出され、閣議で報告されております第十一号答申によって、政策の基本的な方向が定められているわけでございます。 その政策をいかに具体的に実施していくかということにつきましては、それぞれ関係行政機関が、それぞれの個別の分野ごとに、業態あるいはそれぞれの担当する分野の創意等をもいろいろ考慮して具体的に施策の展開を図っていくということになっていくんだろうと思いますし、そのような意味合いから、科学技術庁としては、今回の通産と郵政にかかわる御審議をいただいております法案については、そのような通産省あるいは郵政省の所管分野における特殊性を考慮しての一つの新しい施策体系ではないかというふうに理解しております。 その意味において、先ほど来農水省あるいは厚生省の方からも御答弁がございましたように、この答申全体の思想を生かしまして、それぞれ今後とも関係省庁において、それぞれの分野の特性あるいは研究開発の構造といったような点も十分配慮して、最もそれらにふさわしい施策の展開を図っていくということが重要ではないかと考えております。 ちなみに、今回の十一号答申の中では、こういう日本のように四分の三以上が民間の企業によって研究が進められているという実情の中から、民活の一層の促進と、あるいはいかにして基礎的な研究を今後も創造的な科学技術につなげるかというために充実をしていくかというような点につきまして、先生御指摘になりました税制であるとかあるいは委託開発制度であるとか、あるいは現在行われております大学あるいは政府の機関あるいは民間の機関との間の知的な交流であるとか、あるいは組織的な共同研究の推進であるとかというのが一つの有力な方策であるというふうに、総論的、共通的に示してございますが、これを現実にどう翻訳していくかというところを、これからも各省あるいは科学技術庁がいろいろ協力し合って進めていく必要があろうと思っております。 もちろん科学技術庁としましては、こういう特定なあるいは特徴のある分野の施策ということとは離れて、共通的に措置すべき事項については、現在もこれまでと同様にいろいろ諸施策の展開について現在検討をいたしておるところでございます。その意味において、各省においても今後ともそれぞれの分野の特徴を踏まえての新しい施策の展開というのを非常に強く期待をし、答申の実現が図られることを望んでいる次第でございます。
○伏見康治君 今のお答えで、科学技術会議というか科学技術庁というか、そこでは昨年末の十一号答申にあるようないわば非常に大きな方針をつくっておると、その方針の一こまとして今度の例えば通産省の基盤技術の法案が出てきたというふうに理解してよろしいわけですな。 次に、また法案それ自身に返りまして、法案の三条に「国有施設の使用」という、使用させるというお話があるわけですが、今までは、この法律ができない前でも、国の研究施設といったようなものを国家公務員以外の研究者にも利用させていた例が幾つもあると思うんですが、従来はどうであって、それが今度の法律でどう変わるのかという点を説明していただきたいと思います。
○政府委員(荒尾保一君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもの例を申し上げますと、工業技術院傘下に十六の試験研究所があるわけでございますが、この試験研究所におきまして、国有財産としての研究施設を持っております場合に、これが研究所自身の研究の妨げにならない範囲におきまして、かつ民間における研究活動のために必要な場合におきましては、この使用を認めておったところでございます。 ただ違います点は、従来の制度におきましては、この使用につきましてその対価を支払います場合に、それの投資額といいますか、設備取得額等を基礎にいたしまして適正な対価を算定をいたしまして、それに基づきまして対価、使用料をいただいておったわけでございます。 今回、第三条で提案を申し上げておりますのは、こういった場合に、その対価を時価よりも低く定めることができるというような制度を新しくスタートさせようということでございます。これらの研究施設、非常に物によりましては多額の設備費を要する場合もございますし、またそのほかの材料その他におきましても相当な額を要する場合があるわけでございますけれども、基盤技術の研究促進のために特別必要があると認められるときにおきましては、これを時価よりも低く定めることにしようということでございます。例えば航空機工業振興法でございますとか、あるいは代替エネルギーの開発促進のためにこういった先例があるわけでございますが、その先例に基づきまして今回この制度を新しくスタートしようとするものでございます。
○伏見康治君 お金の点も、もちろん大いに利用しやすくしていただくということは大変結構だと思うんですが、国の施設を使うときにはお金の面もございますけれども、それ以外のいろんな手続といったようなことが非常に大きなバリアになっていると私は思うんですが、それについては何か新しい改善といったようなことは考えておられるかどうか。
○政府委員(荒尾保一君) 御指摘の点につきましては、これは運用の段階でございますけれども、私どももやはり基盤技術の研究促進の必要性、重要性というものを考慮いたしながら、できるだけ簡素な手続で、かつ大勢の方々が利用できるように手続の改善に努めてまいりたいと思います。法文とかそういう形ではございませんが、運用上におきましてそういった努力を進めてまいりたいと思います。
○伏見康治君 それでは法案四条、国際研究協力ということについて触れておられますが、国際研究協力、私は大変結構なことだと思うんですが、法案をおつくりになった方々は国際研究協力はどういういいところがある、どういうふうにお考え、またどういうところを用心しなきゃならないということだとお考えになっているか、その点をひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(荒尾保一君) 国際研究協力、重要性ますます増加をしておるのではないかというふうに考えております。ベルサイユ・サミットにおける各国首脳における意見の一致等もございますわけでございますが、その後におきましてもこういった必要性が非常に高まっておると思います。 どういう点にその必要性の根拠があるかということでございますが、たくさんあると思いますけれども、主な点を私どもなりに分析をいたしますと、一つは研究開発が非常に大規模化してきて、そのための資金の負担あるいはリスクというものが非常に大きくなってきておる。そういった場合に、国際的にこれらを分担し合いながら研究開発を進めていくということは、非常に意義があることではないかと思われるわけでございます。 また第二番目に、国によりまして研究者相互の間で、それぞれ異質な考え方とかあるいは文化的な背景等があるわけでございますので、そういった状況の中で育った研究者が相集まって研究開発をするということは、相互に啓発をし合うという意味で、研究活動を活発化させる上で大きなメリットがあるのではないかと思います。 また第三番目でございますが、国によりまして研究開発の得意な分野、不得意な分野というのがあろうかと思います。一例を申し上げれば、ある国は製造技術につき非常に能力が高い、ある国は評価の面で非常に能力が高いというような場合に、それらの国が共同研究開発を行うというのは非常に意味があるのではないかと存じます。 そのほかいろいろあろうかと思いますが、そういった点から、今後その必要性、重要性ますます増加するのではないかというふうに思いますが、その際に、もちろん国をまたがる研究でございますので、なかなか国内でやる場合とはいろいろまた違った条件等も出てこようかと思います。困難な面いろいろ出てくるわけでございますが、時間の経過の中で、各国当事者がそれぞれ固有の制度等を背景として研究開発を進めるわけでございますので、それを乗り越えるためにいろんな諸問題、障害が出てこようかと思います。これを政府レベルあるいは民間レベルで相互に協議し合いながら徐々に解決を図っていくということによって、国際研究協力を促進をしていくということが重要ではないかと存ずる次第でございます。
○伏見康治君 この国際協力を実際やろうといたしますと、いろんな困難な問題にぶつかることは今言われたとおりでございますが、その困難のために、せっかく研究者としては大いに共同研究をやったらいいと思うプロジェクトがつぶれてしまったという例が、先ほどの報告書の中に幾つか出ております。例えば逆磁場ピンチを日本と、多分イギリスだったと思うんですが、一緒にやろうといったようなお話が途中でつぶれたとか、あるいは自動車エンジン用の高温材料の研究が途中でつぶれたといったようなお話を承っているんですが、それはどういう困難があってそういうプロジェクトがつぶれたのか。
○政府委員(荒尾保一君) 今御指摘がございましたようなケースを前提といたしまして、その困難な状況、なかなか共同研究が進まない理由というのはいろいろあろうかと思いますが、今の御指摘の二つのテーマ等に共通いたします点は、研究成果をどのように取り扱うかという点につきまして制度上の差がある、その結果、この研究協力がうまく進められなかったという例でございます。 欧米の諸国におきましては、政府間等で国際研究を行います場合に、その実施取り決めの中におきまして共同研究のパートナーである相手国政府等に対しまして、共同研究から生じた特許権等を取得いたしました場合に、それを相互に無償で通常実施権を与えるというようなケースがあるわけでございます。あるいは、無償でなくても低廉で与えると。これ取り決めの内容によって決まるわけでございますが、そういった制度があるわけでございます。 ところが、我が国の場合におきましては、国際共同研究から生じました特許権等の使用につきまして、無償あるいは低廉で通常実施権を許諾するということが制度的にできない状況になっておりまして、その結果、先ほどの御指摘等がございましたようなケースにおきましては、相手方はその主張をする。我が国としては制度上それを取り入れることができないために、その点で意見の一致を見ることができずに、共同研究をスタートすることができなかった、あるいは非常に時間がかかったというようなケースがあるわけでございます。
○伏見康治君 特許権の帰属がどこへいくかといったような問題は、国によってそれぞれ違いがあって、その調整ができないということは大いに考えられることです。 そこで、それに類したような困難なケースを私自身幾つか目撃しておるものですから申し上げたいのですが、国有財産と申しますか、国に帰属すべきいろいろな利益を簡単に放棄するといったようなことは、国の財産を放てきすることですから厳に戒めなければならないことだとは思うのですが、しかし、相手との要するに交流、つまりこちらが損をする場合に相手も損をしているというような、そういうケースには私は国の財産が損をしてもいいのではないかと思うわけです。つまり、プラス・マイナスになると思うのですが、そういうことが事情事情に応じてもう少し融通のきく考え方というものがあり得るはずだと思うのです。 それが、伺うところによると、大蔵省までお伺いを立てると、それがまかりならないという御返答をしばしば受けて、途中でだめになるということなんですけれども、きょうはそういうことの責任者が大蔵省の方から来ておられるかどうか知りませんが、何かその辺の事情をお聞かせ願えるとありがたいと思います。
○説明員(秋山昌廣君) 国際共同研究の成果として生じております特許権ですとかあるいは実用新案権につきまして、欧米諸国と我が国の取り扱いが違うということによって、共同研究の促進の制約要因になっているという御指摘があることは、大蔵省としても承知しておるところでございます。 そこで、今回の基盤技術研究円滑化法案におきまして、国際共同研究の成果としまして我が国が取得いたしました特許権あるいは実用新案権について、各国との互恵主義といいますか、相互主義の精神にのっとりまして、無償または低価で通常実施権を許諾するという道を開こうということに踏み切ったわけでございまして、それによって基盤技術研究の分野で国際共同が促進されるであろうというふうに我々考えております。
○伏見康治君 現時点で的確なお答えを期待することは無理だと思うのですが、希望だけ申し上げておきたいんです。 いろんな国際関係では、つまり日本の規則をそのまま延長して適用するということはそもそも初めから無理の話です。そこで、いろんな意味での妥協線というものを模索しなければならないはずだと思うのですが、そういう姿勢で今後国際協力のいろいろな難しい点をこなしていっていただきたいと思うわけです。その希望だけ申し上げて次の課題に移りたいと思います。 そろそろ時間がなくなってまいりましたので、はしょっていきたいと思いますが、今度できますセンターというのは、その仕事のねらいにおいて科学技術庁にあります新技術開発事業団というものと似ている面があると思うのでございますが、どこが違うのかという点を一つ説明していただきたいと思います。
○政府委員(荒尾保一君) 新技術開発事業団との関係、確かに似ていると言えば似ている点がないわけでもないのでございますが、事業内容におきましては区別をされておりますといいますか、きちっとシェアが分かれておるというふうに考えるわけでございます。 御承知のとおり、新技術開発事業団におきましては、大きく申しますと二つの大きな事業をやっておられるというふうに考えております。一つは、創造科学技術推進事業でございまして、非常に基礎的な技術開発を事業団みずからの事業として実施をしておるわけでございます。それからもう一つは、委託制度によりまして試験研究成果の企業化を行っておるわけでございますが、これは日本に生まれました技術を、企業化を進めるために事業団から企業に対しまして委託を行いまして、企業化促進を図っておるわけでございます。これにつきましても、その委託のテーマは国みずからが定めて、内閣総理大臣といいますか、科学技術庁の認可を経てこの委託事業を行うというものでございます。 一方、センターでございますが、先ほど来御説明申し上げておりますように、民間の企業において行われる基盤技術につきまして、このセンターから出資あるいは融資等の事業を行うことによりまして、民間における基盤技術の研究開発の促進をしようとするものであると、こういうのがこのセンターでございます。 そういう点から考えますと、国みずから行うもの、あるいは国みずからが行うものを委託して行う場合と、民間が行うものにつきまして、出資または融資という形でリスクマネー等を提供することによって民間の研究開発の促進を図るということで、事業内容におきましては区分をされておるというふうに考える次第でございます。
○伏見康治君 大分飛ばすことになりますが、センターの業務の中に、情報の収集、提供、調査というようなことがあるわけでございますが、科技庁にも、それから郵政にも、農水にも、特許庁にも、技術開発関係の情報センターがそれぞれあるわけなんですが、そういうものとの関連はどういうふうに考えておられるか。
○政府委員(荒尾保一君) このセンターにおきましても、情報提供事業を実施したいというふうに考えておりますが、ただいま先生から御指摘のとおり、各省データの提供につきましてはいろいろな工夫をしながら施策を講じておるところでございます。 非常に大ざっぱに申し上げまして、科学技術庁において行っております、特にJICSTを中心にして行っておりますデータ提供事業というのは、いわばナショナルセンターと申しますか、情報についての国全体としての総合的な情報提供をしておられるというふうに考えるわけでございます。一方、各省におきましては、通産省におきましては鉱工業関係、農水省におきましては農水産関係というふうに、一種の専門センターとしての機能を果たしておるというふうに考えます。 このセンターにおきましてもデータベース提供を行おうということを考えておりますが、これは特に従来余り行われておりませんでしたいわゆるファクトデータベースというものにつきまして情報提供をしようというものでございます。従来の情報提供が、どちらかというと、文献情報の提供であったわけでございますけれども、例えば一例を申し上げますと、スペクトルデータベースといったようなファクトデータベースをこのセンターが収集をいたしまして、これを主として民間からの求めに応じまして提供しようということで、そういった非常に専門的な分野につきまして提供していく、それがJICST等のナショナルセンターとの関係におきましても相互に連絡がとれるような形で国全体としてのデータベースの提供のシステムをつくっていこうと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○伏見康治君 話がいろいろ飛んで申しわけないんですが、次に法案の三十三条の中に、このセンターをおつくりになって、そのセンターの自主性をできるだけ尊重する。上からお役所がいろいろ指図をしないという意味だと思うんでございますが、この「自主性」のことを特にここにうたってあるという理由をまず伺いたいと思います。
○政府委員(福川伸次君) この特別認可法人をつくるに当たりまして、これまでもこういった考え方というのは若干前例がないわけではございませんけれども、このセンターの主たるねらいが民間の基盤技術における基礎研究あるいは応用研究を大いに促進していこう、こういうことでございますので、できる限り民間の意見を十分尊重した形で、センターが自主性を深める形で運用をしていく、こういうことでこのような条文があるわけでございます。 もとよりこのセンターが業務を行うようになりました場合には、国民経済及び国民生活の基盤強化に寄与するかどうか、あるいは出資、融資といったものについての先ほどもお話がいろいろございましたが、試験研究の遂行能力あるいはその評価といったような業務を行っていくわけでございます。そういうわけで、私どもとしてはこのセンターができる限り民間の活力を発揮するのにふさわしい業務ができるように、我々もできる限りこのセンターの自主性を尊重しながら、しかしまた公平で合理的な運用ができるように努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(降矢敬義君) 伏見君、時間が近づいてまいりました。簡潔に願います。
○伏見康治君 最後に、大臣に、このセンターを含んだ今度の法案の政策を実行していく上においてどういうお考えであるか。特に予算規模がいささか小さいんではないかという印象を受けるんですが、どうぞひとつ。
○国務大臣(村田敬次郎君) 現在世界経済が技術革新の胎動期にありまして、特に新素材、マイクロエレクトロニクス、電気通信等の基盤技術分野における技術開発は、国民経済や国民生活の基盤の強化に大きく寄与するものでありまして、このような分野における技術開発を積極的に推進し、その萌芽を将来に大きく開花させていくことが我々の責務と考えられます。 欧米における技術開発の動向などにかんがみますれば、今後とも我が国経済社会が活力を維持しながら発展を遂げていくとともに、国際経済社会の有力な一員として広く人類の福祉の向上に貢献していくためには、創造的な技術開発に積極的に取り組んでいくことが肝要であると思います。そのために今後この法律案の施行等によって推進をしてまいるわけでございますが、伏見先生御指摘のように、それにしては目的が大きくて余りにスケールが小さいのではないかという御指摘はよくわかりますが、これは一つのスタートでありまして、今後強力に押し進めていく所存でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○市川正一君 今二つの法律案の審議が同時進行いたしておるんでありますが、最初に基盤技術研究促進センターの設立によって民法上の財団法人になるとされておる貿易研修センターについて若干質問をいたしたいと思います。 まず、この貿易研修センターのこれまでの実績、特に研修生の受け入れ状況、その中での大企業関係と中小企業関係の割合、これについてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(黒田真君) 今日まで十数年間貿易研修センターでは研修生を受け入れておりまして、その総計は約四千名に上っておるわけでございます。外国からの受け入れもございます。国内からの受け入れは約三千三百名ということでございまして、お尋ねはそのうち中小企業はどのぐらいかというお尋ねでございますが、なかなか昔のところまでさかのぼって分類が厄介でございますが、大体中小企業に所属している人が研修センターに来ているという数はほぼ六%という程度かと思います。
○市川正一君 今ほぼ六%ということでありましたが、衆議院での審議でも極めてそれは少ないということが明らかにされております。貿易関係に携わる中小企業の数は決して少なくないはずなんですが、実績がかくも少ないというのはなぜなのか、それをどう見ていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(黒田真君) 中小企業という場合には、定義によりまして従業員の数も少ないわけでございますから、研修に長期に派遣するということになかなか難点があるのではないかということでございまして、研修センターといたしましても、実務研修のための三カ月コースというようなものをつくって、その結果、最近中小企業の参加も若干ふえつつあるというふうに見られるわけでございます。 それからなお、若干の補足をさせていただきますと、中小企業に所属している従業員のセンターへの派遣ということになりますと限られておりますが、実は官公庁関係がほぼ一割派遣を受け入れておりますし、その他金融機関等もございます。あるいは全国農業協同組合中央会というようなところからも派遣をいただいておりまして、こういった公的な、あるいは金融機関等の派遣職員というものは、多分研修の成果を中小企業の方々のお役に立たせていただいておるというようなことも考慮をしてもよろしいのではないかというふうに考えられる点を補足させていただきます。
○市川正一君 今黒田局長も、例えば長期の派遣に困難であるとかいう中小企業の持っているハンディキャップの一つの条件を挙げられたのですが、そうだと思うのですね。 ところで、この貿易研修センターのパンフレットを見ますと、役員、評議員、運営協議会の委員、そのほとんどが大企業の役員によって占められているのです。わずかに評議員にお一人だけ中小企業関係者がいらっしゃいます。御承知のとおりですね。経済の国際化の中で中小企業も今活発に海外との取引をいたしております。またそれを目指して努力もされておるようであります。そういうものにこたえていく必要があるし、また政府が発表しました「中小企業の動向に関する年次報告」ですが、これを見ましても、「中小企業の海外投資動向」という中で、「我が国中小企業の海外投資件数は、五十八年に引き続き、内外の景気が回復へ向かうなかで、」、この点はちょっと疑問でありますが、書いてあるとおり読みますよ。「増加しつつある。海外投資を行う中小企業は、海外での企業活動に特有な様々な経営上の努力をしながら、多くは、海外投資を自己の経営基盤の強化に結びつけており、今後の着実な展開が期待される。」、こう政府自身が述べているわけでありますから、私はこういう点からも中小企業がもっと積極的に利用できる対策が考慮されてしかるべきではなかったのかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(黒田真君) 御指摘の、評議員等について必ずしも中小企業を代表しておられる方が十分含まれていなかったという点は御指摘のとおりかと思いますが、多分、歴史的経緯等を考えますと、民間のお金を集めたりするような際に、出資者等のところに目がまず行ってしまったということあるいはあったかもしれません。 しかし、先ほども御説明いたしましたように、できるだけ中小企業の方々の御利用も可能なようにという短期のコース等もつくりましたし、あるいは今後私どものこの研修センターの事業といたしましては、ただいま御指摘がございましたように、まさに中小企業のところで海外との貿易の活動あるいは投資の活動など国際化が求められているわけでございまして、もっともっと多くの人たちがこのセンターを利用して、国際人に向けての必要な研修をしてもらうように、私どもといたしましても今後の問題としてはもっと配慮をする必要があるというふうに考えております。
○市川正一君 私、誤解のないようにあらかじめ申し上げておきますけれども、こういうような大企業に奉仕する役割を事実上果たしている貿易研修センターを、現状のまま残せということを言うているのじゃないのです。 大臣に伺いたいのは、貿易研修センターの財団法人化とそれから基盤技術研究促進センター設立との間に、どういう必然的関係があるんですか。それをまず大臣に伺いたい。
○政府委員(福川伸次君) 今御承知のように、私どもでは特別認可法人七ございます。今回私どもといたしましては、この民間の基盤技術の基礎研究等を進めていく重要性にかんがみまして、従来になかったリスクマネーの供給といったような機能を持ったセンターをつくろうと、こういうことになったわけであります。 それについて、今、貿易研修センター廃止、民間法人の移行といかなる関係があるかということでございますが、これは私ども政府の大きな方針といたしまして、むしろこういった場合にはいわゆるスクラップ・アンド・ビルドと申しましょうか、新しいものをつくるというときにはその行政改革、行政の肥大化を防ぐという意味で、機能がある程度の目的を達したようなものについてはスクラップ・アンド・ビルドと申しますか……
○市川正一君 何したようなもの。
○政府委員(福川伸次君) スクラップ・アンド・ビルドと申しますか、その全体をふやさないと……
○市川正一君 それはわかったけれども、その後や。
○政府委員(福川伸次君) そういうことをするためにそれを廃止をしようと、こういうことにいたしたわけでございます。
○市川正一君 理論家とかなんとかいうことが午前中あったけれども、肝心のところをむにゃむにゃと言うような理論家はないですよ。 それで結局、あなたが今スクラップ・アンド・ビルドと、こう正直におっしゃったように、結局員数合わせの手法でしかないじゃないですか。そのもやもやのところは何か聞き漏らしたんだけれども、要するにその機能を終えたとか果たしたとか、何かそういう意味のことを言われたように伺ったんですが、私はここに結局政府のいわゆる行革なるものの欺瞞性、国民不在のその性格が端的にあらわれておると思うんです。同時に、それがまた、今むにゃむにゃむにゃというのはようわからぬのだけれども、貿易研修センターの存在そのものが本質的に言って中小企業やそういうところにとってのいわばメリットといいますか、ありがたみがない存在になっていることはあなた方御自身がお認めになったと私は言わざるを得ないんです。 ところで、法律を廃止して民法上の財団法人になるその貿易研修センターは政府も出資をなすっているはずでありますが、その金額はどれぐらいになるか。第一問は、何ぼぐらい金出しているのやと。 それからまた、組織が変更された暁には、その政府出資金は当然国に返還されるべきものと考えますが、いかがですか。
○政府委員(黒田真君) 貿易研修センターが昭和四十二年に設立された際に、国から交付金として一億円という資金をいただいております。これは交付金という性格を持つものでございまして、出資というようなものでございますと、組織変更あるいは解散のときにこれをお返しするということが発生するかと思いますが、これは交付金という形で、平たい言葉で言えば、いただききりというふうに性格づけられるお金だというふうに理解をしておるわけでございます。
○市川正一君 そのいただき金というのは、これまた新しいカテゴリーになるんですが、運営しているメンバーも大企業やと。それからそこに受け入れている研修生も大部分が大企業関係者やと。とすれば、当然これらの大企業、財界が責任を持ってこれからはやるべきであって、出資金はこれはいただき金やというて知らぬ顔するというような、そんな、ど厚かましいことはないぞ。私は、これは国に、国民に返すのが当たり前やと思うんですが、大臣、どうでっしゃろ。
○政府委員(黒田真君) いただききりというのは、ちょっと言葉として不適当だったかもしれませんが、実は予算としては渡しきりというやつを、受け取る方に立って言いかえてみたのでございまして、まことに申しわけございませんでした。 しかし、お金の性格はあくまでも出資金ではなくて出捐金ということでございまして、拠出者自身が持ち分権を持っているということではないわけでございますから、そこで組織変更等が超こった際に返還をしなければならないというふうには考えておらないと、かようなことでございます。
○市川正一君 重ねてただしたいんですが、性格が変わってくるわけですからね。 そうすると、今日貿易摩擦として国際的にも問題になっておりますように、貿易で大商社や大企業は莫大な利潤を上げているわけです。大臣はそれでいろいろ悩んではる、洋服も買え言うて、でしょう。そうすると、五十九年の法人所得のランキングを見ましても、二年連続トップのトヨタ自動車を初めとして、前年比で大幅アップをいたしています。私、数字はもう言いません。そして貿易研修センターの役員、評議員会のリストを見ますと、ここに写真入りで出ておりますけれども、トヨタ、日産、日立、石播重工、三井造船あるいは三井物産、三菱商事、伊藤忠など、会長クラスがきら星のごとく名前を連ねておられる。先ほど伺ったが、実際には中小企業がこのセンターを利用しようにも、いろんなハンディキャップがあって利用できないという実情にあるんですね。とすれば、私は、貿易で膨大な利益を上げているこういう大企業や大商社が、今後これを運営していく上で必要な負担を負うのは当然やと思うんですが、今度は大臣答えてくださいよ。大臣どう思います。――大臣にわし聞いているのやから……
○政府委員(黒田真君) ちょっと事務的な説明でございますが、最近は貿易研修センターを利用いたしまして、欧米ビジネスマン百人研修というようなことを実施させていただいております。 これは従来の日本の企業に勤め、あるいは官公庁に勤め、銀行に勤めている人たちの国際意識の高揚とともに、先進諸国、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ等々の先進国の中堅のサラリーマン、ビジネスマンの人たちに日本をよく見てもらう、勉強してもらうというような新しいプロジェクトを、ここ三年間ほど実施しておりますが、こういった資金につきましては、先生ただいま御指摘のような大企業の、大手の企業の方々からの寄附等をいただきまして実施をしているという状況があるということを、この際御報告させていただきます。
○国務大臣(村田敬次郎君) 中小企業の利用という意味での御指摘でございますが、中小企業の利用の便宜を図るという観点から、従来から貿易研修センターにおいては期間が三カ月と短く、実務に直結した内容の貿易実務コースを設けるとともに、授業料も極力引き上げないよう努めるなどの配慮を行ってきております。最近は経済の国際化の進展に伴いまして、中堅企業、中小企業においても国際ビジネスマンの養成の必要性が高まっているということにかんがみまして、今後とも貿易研修センターの研修がより一層中小企業の研修生にとって利用しやすいものになるよう、指導助言を行ってまいる所存でございます。
○市川正一君 私がお聞きしたのは、金は国に返すべきやと、この後は、財界、大商社がちゃんとそれで恩恵こうむっておるのやから、それが金出してやりなはれということをお聞きしたんですけれども、まあこれはあさってまたやりましょう。それまでに大臣、ひとつええ知恵と腹を固めておいてくれなはれ。 続いて基盤技術研究円滑化法案についてお伺いいたします。 村田通産大臣は、この法案の提案理由説明の中でこうおっしゃっています。「基礎研究、応用研究等を推進していく上で、国の果たすべき役割が大きいことは申すまでもありませんが、同時に、」というふうに述べて、そして民間企業が基盤技術を開発し得るよう「環境条件の整備を図る」というふうに触れられているんです。そして、私が今引用いたしました「同時に、」という文言以下、これは後段で触れた民間企業の条件整備のためにこの法案が出されたわけでありますが、前段に触れた部分、すなわち「国の果たすべき役割が大きい」という、この点で、私はこれを保証するために具体的な「環境条件の整備」という、この方は一体どうなっているのか、どうなさろうとしているのか、ここをまずお聞きしたい。
○政府委員(荒尾保一君) 先生御指摘の、国において基礎研究、応用研究をどのように強化拡充しようとするかという点でございますが、大変弁解がましくなりますが、御承知のとおり、予算、定員等大変厳しい状況でございます。予算につきましても、御承知のとおりにマイナスシーリングという状況でございますし、また定員につきましても計画的な削減という状況にあるわけでございます。しかし、そういう状況の中でございますが、特に昭和六十年度におきましては、科学技術の開発促進というのを最大の政策項目に掲げまして、その拡充に乏しい中で努力をいたしておるところでございます。 具体的に申し上げますと、予算の点におきましては、全体としてシーリングの状況の中にはあるわけでございますけれども、研究所予算につきましてもわずかでございますが増額を図っておりますし、また通産省全体の技術開発の予算の中で考えますと、例えば次世代の技術開発につきましては、新しく新規テーマを追加する、あるいは大型プロジェクトにつきましても、新規にテーマを追加するというような形で増額を図っておる次第でございます。またサンシャインとか、あるいは省エネルギーといったようなエネルギー開発につきましてもその増加を図っておりまして、全体として工夫をいたしながら予算の増加を図っておる次第でございます。 定員等につきましては、なかなか厳しい状況でございますが、その中で、できるだけ研究活動に支障を生じないようにというような配慮をしながら、これに対しまして対処をしておる次第でございます。
○市川正一君 大臣が述べられた要するに前段の部分ですね、「国の果たすべき役割」という問題をまず私ははっきりしたいという意味なんです。 今お答えがあったように、また衆議院の審議を拝見しますと、確かにことしの工業技術院の予算ですね、これがたしか七・六%増加しているというふうなことを答弁で拝見いたしましたが、しかし、工業技術院傘下の各試験研究機関の経常研究費は減額になっているんですね。これは間違いございませんか。
○政府委員(荒尾保一君) 私どもの試験研究所の経常研究費でございますが、人当でこの研究費が積算をされておるわけでございます。これはただいま御指摘のように、わずかでございますけれども減少の傾向がございます。 最近の例で申し上げますと、昭和五十八年度が三十五億二千九百万、それから五十九年度が三十五億一千六百万、それから昭和六十年度は三十五億円ということで、非常にわずかでございますけれども減少しておるわけでございます。 この理由といたしましては、人当研究費は、先ほど申しましたように一人当たり研究者の経費、単価をもとにいたしまして、それに研究員の数を乗じて積算されるという形になっておるわけでございますが、若干ずつでございますけれども研究者の数が減っておるということから、こういった形になっておるわけでございます。
○市川正一君 私はそれはおかしいと思うんですよ。やっぱり一番大事なのは経常研究費であって、一方では調整費はふえているんですね。大事なことは、各研究所の研究者の自主的な研究テーマを推進し、そしておっしゃったように、人当研究費として公正に、また公平に配分していくということによってしかるべき成果を我々は期待することができるんであるし、またその運用についても各研究所の自主的判断に任されるべきであるというふうに思うんですが、この点は通産省としてはどうお考えでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) 経常研究費につきまして、非常に基礎的な研究でございますし、先生御指摘のように、この分野についてできるだけ拡充強化をすべきだという御指摘は、私どもも非常にその趣旨といいますか、内容としてはまさにそのとおりではないかと思うわけでございます。ただ、残念ながら現在のマイナスシーリングの状況でございまして、それを増加するということが非常に難しい状況にあるということを御理解賜りたいと思う次第でございます。 その中で、ただいまちょっとお触れになりましたけれども、昭和六十年度におきましては、振興調整費でございますが、これを政府全体で七億円増加をするということにしておりまして、これを各省庁の研究所に割り振ると。非常に乏しい状況の中ではございますが、そういう形での人当研究費にかわるものの増加を図ろうとしておるわけでございます。 次に、その研究費の内容について、できるだけ自主的にということでございますが、これはまさに今おっしゃるとおりでございまして、研究者の方々の創意といいますか、そういったものを前提にしながら、もちろん組織でございますので、組織全体としての調整と申しますか、例えば重複がないようにするとか、そういったことはやらなければいけないと思いますけれども、創意をできるだけ尊重しながら基礎的な研究開発の促進を図りたいと考えておるわけでございます。
○市川正一君 今の荒尾さんの後段の立場は、これは大事な基本問題なので確認しますけれども、前半の調整費というのはまた意味が違ってくるので、これはやっぱりいろんな意図的なものが作用されるいわばファクターを持っていますから、この点よりも大事なことは、やっぱり経常研究費なんだということを私はこの機会に強調しておきたいと思うのです。 そこで前へ進みますが、今度工業技術院全体の定員の問題なんです。私どもの調査ではこの五年間の推移を見ましても、各研究所の研究職あるいは行政職の定員がずっと減る一方になっておると思うのですが、間違いございませんでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) おっしゃいますとおりでございます。最近の例で申し上げますと、昭和五十六年、定員で四千五名でありましたわけでございますが、昭和六十年度で見ますとこれが三千八百三十二名ということになっておりまして、全体として減少傾向にあることは御指摘のとおりでございます。
○市川正一君 人が減るから、そやから銭も、研究費も減るのは当たり前という、こういう算術計算をさっきお答えなすったんだけれども、これはやっぱりいわば詭弁だろうと思うのです。なぜ人が減るのかということを見てみますと、研究職の定数減の原因は、御承知のとおりだと思いますが、定年退職者の後補充がなされていないんですね。また国としての研究の継続性、発展性、さらには研究支援部門の充実を図るために欠員の補充、それから再任用とか勤務延長を認めるべきではないかというふうに私は思うんですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) 研究者も含めまして全体として定員の削減、非常に厳しい状況になってきておりまして、私どもも現実にそういった問題に対処する場合に、極端に申し上げますと大変心を痛めるというのが実情でございます。ただこれは、私から申し上げるまでもないわけでございますが、国家公務員全体につきましてそういった定員削減が今行われておるわけでございまして、私どもの研究活動もそういった全体としての定員削減の一環として行われておるわけでございますので、我々のところだけ例外にということはなかなか難しい状況にあるわけでございます。 一方で研究活動の活発化といいますか、これを促進することが必要な状況は言うまでもないわけでございますので、定員削減がある一方で新規増の要求を出して、毎年要求をいたしておるわけでございますけれども、これも国家公務員全体の定数を計画的に削減しようという状況の中で、非常に今難しい状況にあるためになかなかその制度が進まないわけでございます。定年に達しました後の不補充の問題、これにつきましても現実的には関係の機関とよく御相談をしながら、不補充の中でできるだけその例外と申しますか、完全に補充がゼロということではないわけでございますので、その範囲の中でできるだけ補充をふやすように毎年努力をいたしておるわけでございます。 再任用あるいは定年延長の問題、これも個別にいろいろ御希望も出てきておりまして、いろいろお話をしょっちゅうしておるわけでございますけれども、これはどうしても、特定の個人でなければその業務の遂行が不可能であるかどうかというような判断が基礎にあるわけでございますので、そういった点から、一般的、統一的な運用といたしましてなかなかこれを認めることが難しいというのが実情でございます。
○市川正一君 口を開けば向を聞いてもマイナスシーリングやというのでは、これは議論にならぬのですよ。やっぱり基盤技術研究を開発していくためにこういう法案も今出しているわけでしょう。そして大臣も、その際に国の果たすべき役割が大きいことは申すまでもないと、こうやっぱり大見えを切っていると言ったらぐあい悪いけれども、そうおっしゃっているんだから、そこをやっぱり本気に国家百年の大計を考えるならば、僕はやっぱり勇気を持って担当する部門が取り組んでいただきたいというように思うんです。 大臣にお聞き願いたいのは、例えば学会などへの出席の問題があるんですよ。どういう実情か調べてみますと、研究者が自分の研究の成果を発表するとともに国の内外のいろいろな学会や研究集会などに参加して新しい先端的な研究成果の発表を直接見たり聞いたりすることで研究の意欲を高めたり新鮮な刺激、新しい発想などが生まれてくるというのがこれはよく伝えられているところであります。しかし、予算が非常に少ないためになかなか参加できない。そこでやむを得ず自費で出張するが、これが大きな負担になっております。また公務出張にならぬので休暇を取って出かける、したがってすべて自腹を切ることになると。こうしたことから、学会出張旅費をふやしてほしい、公務扱いにしてほしい、あるいは私費による海外の学会等への参加の際に、休暇の日数制限を緩和してほしい、こういう要求も私耳にいたしております。こういう状況を放置しておくと、私は大臣の提案説明にもある、繰り返すようですが、「国の果たすべき役割」というものが保障をされないと思うんですが、大臣の御所見を承りたい。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来市川委員の御質問よく承っております。ただ荒尾総務部長も御説明申し上げましたように、マイナスシーリングという方式を現在の段階で国が数年間とっておるわけでございまして、これは私も昔県段階で予算当局になったことがあるわけでございますが、予算を節約しようとすれば、やはりマイナスシーリングの方式で既定経費を節約していく、そして新たに生ずる需要についてはプラスアルファをしていくという手法を財政的にはとらざるを得ないことは、これは市川委員よく御承知のとおりでございまして、したがって、ここのところ数年間のマイナスシーリングの中で、工業技術院につきましても職員が鋭意努力をしておるというわけでございます。 海外出張あるいは学者の出張等につきまして、市川委員御指摘のような御事情がいろいろあろうかと思いますが、そういった点は、既定予算のやりくりと、そしてまたその行います出張その他についての御協議の上でできるだけ考えていくということになるのではないかと思います。これは全体としては、小さな政府をやっていくという考え方になれば、どうしても十分に予算が行き届かない段階があるわけでございまして、高度成長から低成長になっていくこの段階においては、受忍すべきものはやはり受忍すべきだろうと、このような認識を持っておる次第でございます。
○市川正一君 今後よくそういう実情に即して、大いにやはり可能な措置をぜひ大臣のイニシアチブでおとりいただくことを期待しています。 これに関して、私先般、産構審あるいは産技審の合同小委員会の報告を拝見いたしましたが、その中に、国立試験研究機関における基盤的、先進的技術開発を推進すべきであると、こう指摘していることは御承知のとおりだと思うんです。私は、民間企業に対する助成対策だけが先行していくと、民活、民活と言えばもう何でも通るというんじゃなしに、こういう国立試験研究機関の対策も、具体的な強化策を今こそ図るべきだと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(村田敬次郎君) おっしゃる意味はよくわかります。技術開発というような分野におきましては、中川委員御指摘のようないろいろ助成策をとるべきものはぜひとらなければいけないのでございまして、基礎、応用研究段階の技術開発について、この際日本のおくれを取り戻す意味においてひとつ前向きで対処してまいりたいと思います。
○市川正一君 それでは、そういう前向きの姿勢に即しながら、法案についてお伺いしたいと思います。 第三条でありますが、民間の基盤技術の向上を図るため特に必要があるときは、国の試験研究施設を安く使わせる。条文どおり申しますと、「時価よりも低く」使うということになっておりますが、その仕組みについてお伺いしたいのであります。なかんずく、国の施設を使うにふさわしい研究テーマであるかどうかの判断は、だれがどんな基準で行うのかお聞きしたい。
○政府委員(荒尾保一君) 御指摘の法文の条文の中にも書いておりますとおり、具体的には「政令で定める」ということになっておるわけでございますが、政令は最後の姿でございまして、その前段として、御指摘のようにだれがどう判断するかということでございます。これは条文の中にもございますとおり、そういった施設の使用を認めることが基盤技術の研究開発のため特に必要であるかどうかというこの認定にかかるということになろうかと思います。 そういう点で、技術開発として提案されたものの中身がそういうものに該当するかどうかということを、主務大臣の側において認定をするということになるわけでございます。具体的には、結局それぞれの所管しております研究所の中でまず第一次的な判断が行われる、そしてそれが工業技術院を通じまして主務大臣の判断になる、こういうことになろうかと思っております。
○市川正一君 問題を残しつつ前へ進みます。 そこで、第三条に基づく「使用」が、各研究所の本来の研究業務に支障を来してはならぬと思うんでありますが、これも荒尾さんの衆議院のやりとりも拝見いたしました、先ほども若干のやりとりがございましたが、しかし、例えば工業技術院依頼試験、分析等および設備の使用規則、あるいは試験研究用機械器具等貸付規則などを見ましても、研究所の業務に支障があるときは使用させない旨の明文の規定は現行のものにはないんですね。とすると、例えば支障を来すというふうなことにしてはならぬと思うんですが、その保証があるのかどうか、そこはどうお考えでしょうか。
○政府委員(荒尾保一君) 今御指摘のように、基盤技術研究のために民間といいますか、研究所以外の者に使用をさせるということに主眼があるわけではございませんで、当然のことでございますけれども、あくまでもその施設は国の研究者の研究に使われるというのが本来の目的でございます。これは国有財産としてそうなっておるわけでございますので、国有財産法によりましてこれらが管理をされておるわけでございますが、国有財産法におきましては、その使用の目的に反しない範囲において他への使用が許諾されるということになるわけでございます。したがいまして、工業技術院の規則その他におきましては、そのことを改めて規定するまでもなく、本来の制度自身がそのようになっておるものでございますので、規則等ではそういった規定を置いておりませんが、運用におきましてはそういったことにならないように、あくまでも試験研究所における使用がまず優先するという考え方で運用したいというふうに思っておるわけでございます。
○市川正一君 次に、第四条でありますけれども、政令で定める工業所有権とは一体何なんだ、及びそれを無償または安い対価で実施できるとは一体どういうことなんだという二点についてお聞かせ願いたいのと、この条項の運用の考え方についてもあわせて加味していただきたい。
○政府委員(荒尾保一君) 第四条の趣旨がまず問題になるわけでございますけれども、国際共同研究を行います場合に、欧米諸国におきましては、政府間で共同研究を行う場合に、多くは実施取り決めにおきましてそれぞれの研究成果につき相手方パートナーにその研究成果を無償または廉価でと申しますか、あるいは低い価格において使用させることをお互いに認め合うというのが通例になっておるわけでございます。ところが、日本の場合には、これも国有財産法によりまして制限がございまして、そういった無償または低価で認め合うことが現行のままでは認められないわけでございます。 そこで、この四条におきまして手当てをしておりますのは、一つは先生の御質問の最初の方の、「政令で定めるもの」は何かという御質問でございますが、こういった研究成果として出てきます特許権または実用新案権を対象にするということを一つは政令で定めようということでございます。 それから、その次に、それをどのように低廉または無償にするのかというのがもう一つの政令項目でございますが、これにつきましてはそれぞれの、いわばレシプロカルにこれを認め合うということでございますので、その個々のプロジェクトごとに相互に無償の場合には無償にするとか、あるいは例えば二分の一なりにするとかいうふうなことをレシプロカルに決めていく、こういうことになるわけでございます。
○市川正一君 逐条的に進めさせてもらいます。 第五条でありますが、これによりますと、「民間の基盤技術の向上を図るために」、いわば青天井といいますか、「必要な措置を」とらなければならないということになっておるんですね。三条、四条のほかにどんな「必要な措置」というのを検討されていらっしゃるんですか、この際お伺いしたい。
○政府委員(福川伸次君) 当面考えておりますのは二点でございまして、一つは広報誌等を通じまして、今御質疑のございました国有試験研究施設に関する情報を一般的に提供をするということで、その利用につきましての円滑化を図るということが第一点。もう一つは、国の委託研究の成果として国有特許権等の一部を受託企業に譲渡することによりまして、当該国有特許権を共有化する措置を講ずる、これで委託開発の民間の研究意欲を高めるというふうなことを考えておりますが、当面その二つを考えております。
○委員長(降矢敬義君) 市川君、そろそろ時間が参りました。
○市川正一君 はい。私は、この必要な措置というのは次の機会に詰めたいと思うんですが、結局大企業の必要な措置に手をかすということにならざるを得ぬと思うんです。 最後にお聞きしたいのは、国際共同研究以外の国有特許についても低い対価で実施させるほか、不成功の場合無利子融資、私はこれもある種の成功払いというか、出世払いの一種だというふうに思うんですけれども、こういう措置もとられている。これを元本とも返還を免除するとか、こういうふうなことは考えていらっしゃるかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(福川伸次君) 第一点、国際共同研究でなくて、一般に委託開発したときに安くそれを使用させるかという点については、安くさせる場合はもちろん法的措置が必要でございます。今のところ特にそのようなことは考えておりません。 また、融資の場合、条件つき無利子融資ということで、不成功の場合に、これは利子は免除いたしますが、元本は免除するようなことはないのかということでございますが、現在の考え方については、やはり民間にも責任を負ってもらうという意味で、今回ここで考えております融資事業、応用研究からまいります融資事業につきましては、元本を免除するということは考えておりません。
○市川正一君 予告編です。終わりです。 私は今の問題については、稲山経団連会長がやっぱり、応用研究に失敗した場合元本の返済金はないようにしてほしいということをかねてから言っていますし、それで経団連がこの構想に反対を かつて表明していたことは御承知のとおりなんですね。そういう点で私は、この法案についてはなお多くの問題があるということを、次回はセンターの運用問題などを含めて引き続き追及さしていただくことを予告いたしまして、きょうはこれにてとどめさしていただきます。
○木本平八郎君 まず、貿易研修センターに関して質問したいわけです。それで、あらかじめ質問をお打ち合わせしたんですけれども、時間の関係がありますんで、まず問いの四と六と七、この三問に絞って質問さしていただきたいと思うわけです。 まず、問い四、「貿易研修センターの研修は講義形式が多く、アカデミックな色彩が強く、実務的ではないという声を聞くが、もっとケーススタディ等を採り入れ、実務的なものとすべきと考えるがどうか。」という点でございますが、いかがですか。
○政府委員(黒田真君) 御指摘のように、ケーススタディーというようなものが非常に有効であるということは、従来アメリカのビジネススクール等でも活用されているところからも明らかなところでございまして、貿易研修センターにおきましても、それがふさわしい科目につきましては、できるだけその時間数を拡大をして実務的な研修になるように努めております。 具体的に申し上げますと、本科コースの国際経営経済プログラム、あるいは貿易実務コースの貿易実務プログラムというようなコースにつきましては、その授業時間の半分以上がケーススタディーに当てられているというふうに現在なっておるところでございます。
○木本平八郎君 私の部下も相当ここを卒業しているわけです。それで、これ見ていますと、いろいろ話聞きますと、それから外国人なんかの結果も聞きますと、正直言って日本の貿易センターはアメリカのビジネススクールなんかに比べて少し低いという評価があるわけですね。これはアメリカは伝統がありますし、ハーバードを初めイリノイにしても、スタンフォードにしても一応あるわけですけれども、どうもやはりそういう点でもう少しレベルを上げる必要があるんじゃないかと思うわけですね。 その前に一つ、今度これを完全に民営化されるわけですけれども、今これ八十人でしょう、定員が。これをせめて八百人ぐらいに上げて、うんと教育をするということ、量も質も。それで私は独立採算に持っていけるようにする必要があるんじゃないかという気がするんですがね。それは入れ物の関係とかいろいろあると思いますけれども、全体としてはちょっと八十人というのは何か少ないような感じするんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(黒田真君) 当初はもう少し大きな規模でスタートいたしましたが、御指摘のように、現在の段階では八十名程度の規模になっております。 今回組織変更ということで財団に移行いたしますのを機会に、やはりひとつ根本的に考え直してみて、どういう形が一番至当であるのか、しかもその際にはできるだけ規模を拡大するというある種の相当大きな構想を持ちながら、当面どういうふうにしていくかということはぜひ考えてみたいと考えております。
○木本平八郎君 それで、これ実際に使っている側からしますと、なかなか希望者がない。ハバードだとかカーネギー・メロンだとか、そういったところだったら幾らでもあるわけですね。ところが、貿易研修センターへ行けと言うと、いやちょっととか、そういうことが多いわけですね。これはやはりまだそれがなじみがないということもあると思うんですけれども、これはやっぱりどんどん希望して行かせるためには、レベルを上げる必要があるんじゃないかと思うんですね。先ほどの講義内容もそうですけれども、生徒の方もやはりそのレベルを上げる必要がある。 ここに問い六では、ちょっと読みますと、「貿易研修センターが国際経済人の養成という本来の目的を達成するためには、優秀な人材を研修生として集めることが重要と考える。こうした観点から、貿易研修センターの国際的権威を高めるため、米国のビジネススクール同様、センター自らMBA」、これはまあハーバードでもなんですけれども、要するに経営学の修士号ですね、マスター・オブ・ビジネス・アドミニストレーションですか、「を出すことも一案と考えるがどうか。」、この辺はいかがですか。
○政府委員(黒田真君) 修士号というようなものを出しますためには、大学設置基準に基づく大学院ということにならなければいけないわけでございますが、それにはそれなりのいろいろな厄介な条件がございます。 現在のところは、実はそういう資格が、この研修センター自身では、残念ながら出せないわけでございますけれども、しかし実はアメリカ国際経営大学院、これは昔アメリカ貿易大学校と呼んでおりまして、アリゾナ州のフェニックスにあるわけでございますが、ここと実は提携をいたしておりまして、貿易研修センターで収得した単位の一部をあたかもアメリカで勉強したものと同じように認めてもらうということでございまして、その今申し上げましたアメリカ国際経営大学院に短期の留学を行いますと国際経営学修士号というようなものを取得できるというような簡便法、やや折衷案のようなことでございますが、そういうようなものをつくっておりまして、通常一年半かかるところを七カ月の短期留学で修士号が取れるということで、五十六年以降この制度を活用して毎年十名を超える人たちがこの修士を取っているということで、今後もこういう制度を大いに活用するようにエンカレッジしていきたいと思っております。
○木本平八郎君 そういう便宜的な方法をとりあえずはどんどん進めていただきたいと思うわけですね。 しかし、これ根本的にどうなんですかぬ、文部省の管下じゃなければこういう資格を与えないというのがどうも僕はおかしいと思うんですよね、政府としては。それで、やっぱり国の教育なんですから、通産省がやろうが厚生省がやろうがやっぱりちゃんと与えるということがあっていいんで、文部省のセクショナリズムかどうか、文部省呼んでいませんけれども、僕はどうもこういうおかしなことをやっていると、せっかくこういうことがあっても完全に生かされていないという感じがするわけですね。 したがって、どうしても折衷案ということになれば、筑波大学とかなんとかとうまくジョイントするとかなんかして、やはりMBAのこういう資格を与える。それで、日本の貿易センターのMBA持って帰ってきたということが東南アジアでもアメリカでも誇りになって、少しはキャリア性を認められるようなことがあってもいいんじゃないかと思うんですね。文部省とのセクショナリズムという点においては、大臣、どういうようにお考えになりますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、木本委員の御指摘になったような点はよくわかります。 文部省などで行います学校教育等におきましては、一定の規格というものが当然義務づけられるんでございましょうから、そういったものが一つの基準に従って行われるのは当然だと思いますが、貿易とかあるいは経済とか、こういった問題については創意工夫をこらす点があってよかろうという御指摘であれば、それは大いに研究の対象となると思います。
○木本平八郎君 それで、一つ私の提案なんですけれども、まずレベルを上げる、生徒のレベルを上げるということで、これはフランクに言ってハーバードなんかに行っている連中に比べたらやっぱりちょっと落ちると思うんですね。 そこで一つの提案なんですけれども、せっかく通産省がこれ肝いりでやられるわけだから、通産省に入ったキャリアの若い優秀な人を一年間ここに入れるわけですね、それで勉強させるわけですね、国際経済学あるいは経営学というものを。これからの通産官僚などというのは、そういう民間の経営などということをよく知ってなきゃやっぱりいかぬのじゃないかという気がするんですね。そういう点で、経企庁でも、科学技術庁とかいろいろ関連ある、あるいは農林省、厚生省でもいいんですけれども、そういう優秀なキャリアをほうり込む、そしてそれを機関車にしてレベルを上げていくということも私は非常に必要なんじゃないかと思うんですけれども、こういうアイデアについてはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) これは大変おもしろいアイデアだと思います。 私は、私自身は自治省の出身で、そして通産省というところへ来て一緒に仕事をしておるわけですが、非常に実際の生きた社会と結びついておる役所なので、通産省というのは非常に生き生きしておりますし、それから仕事自体が大変、何と申しますか、現実社会と密接に結びついているという意味でおもしろいですね。したがって、私の仕事をさしてもらった自治省にはなかった、現実の流通過程というものを経ておるというキャリアの方々の能力や、それからまた活性化と申しますか、そういうものを非常に感じまして、したがってこういう研修機関の中で、若手のそういった勉強する人たちが入って一緒にやれば、これは大いにプラスになるんじゃないかということは感じます。 ただ、今までそういうものがシステム化してない中でどうやってそれをやっていくかというのは、研究の余地があろうかと思います。
○木本平八郎君 私は、これからやはり役人も、民間との交流とかそういったことを若いときから、もちろん大学時代の友だちというのはいっぱいおるわけですけれども、こういうなにで、できるだけ知人の幅を広げられるということはやっぱり必要なんじゃないかと思うんですね。 次に、問いの七に入りますけれども、「貿易研修センターにおいては、現在、国際交流事業として、諸外国の大学院生等を受け入れているというが、日本人研修生の研修の実をあげるため、外人と日本人を同数、寝食を共にさせて研修を行うなど抜本的な改革を図ってはどうか。」ということなんですが、いかがでしょう。
○政府委員(黒田真君) 御指摘のような点の意義については、私どもも十分考えておりまして、現在大体五十名ほど先進国からの研修生を受け入れ、発展途上国からは十数名の方々を留学生として受け入れております。そして、この人たちは、当然のことながら一般の日本国籍の研修生と寮をともにし、講義のカリキュラム等も、できるだけそのふさわしい授業につきましては合同講義を行うという形を採用することにしておりまして、できるだけ相互の交流というものが密接に行われる、まざり合って勉強するということに心がけているところでございます。
○木本平八郎君 私のアイデアでは、まず日本人が三分の一、それから欧米人、先進国の留学生を三分の一、それからASEAN初めそういう発展途上国の人たちを三分の一と、それで発展途上国その他については私は授業料免除、授業料どころか全部免除で、経済援助、ODAの一環としてやっていいと思うんですね。そのかわり厳しく試験をして、なかなか入るのも大変だと、それで出るのも大変だというふうなシステムにするわけですね、そういうふうにして。 それから、私はもう一つのアイデアは、ここは全部英語でやるわけですね、もう授業は全部。まあそれは飯食ったり遊んだりするのは日本語でもいいでしょうけれども、外人が多いわけですから。そうするとやっぱり英語もうまくなるし、それからやはり英語でしゃべると相手の国の風俗、習慣とか物の考え方がよくわかりますね。そういうことで非常に私は日本人にとってプラスになるし、特に官僚の方には非常にいいんじゃないかという気がするんですね。 それで、私はこういうところでひとつ役人の方々にも知人の幅を広げていただいて、それで二十一世紀のロンとヤスをここでつくっていただくというふうなことも私はもう非常にいいんじゃないか。そういう点でこれをただ単に、ちょうどいい機会ですから、少しデベロップしてレベルを上げるというふうな方向で検討していただいた方がいいんじゃないかと思うんですがね、その辺はいかがでしょう。
○政府委員(黒田真君) 先ほども御提案ございましたように、通産省で採用した人間を全員ほうり込むというほどにはいかないわけでございますけれども、現実に、既に三千数百名の卒業生のうち、約三百名近くは官公署から派遣をされたというようなこともございまして、私どももそういった広い意味でいろんな人たちをこの場に集まってもらうように心がけております。御指摘のように、今回組織変更というこの機関にとりましてはある意味で革命的な事件に遭遇するわけでありますから、もう一遍思いを新たにして、あらゆる可能性を探求して、できるだけレベルの高いものにしたいと思っております。 特に発展途上国の研修生の受け入れということにつきましては、中曽根総理も相当大きな計画を持っておられます。これを画一的に受け入れるということはできないわけでございまして、いろんな機関がいろんな方法で受け入れていくということを研究していく必要があると思っておりますが、この貿易研修センターもその中の有力な一翼を担い得る機関だと、かように考えております。
○木本平八郎君 貿易研修センターにつきましてはこのくらいにしまして、それで基盤技術の問題に入りたいと思うんですけれども、これも打ち合わせメモの一と二はちょっと除きまして、問いの三から入っていきたいわけです。 これは、まず基盤技術のセンターの目的の中に、目的というんですか、二つありましたね。一つは通産省と郵政省が所管するものである。それからもう一つは、国民経済及び国民生活の向上に資するものだというふうなことがあったわけですね。その点で具体的に一つ、それに完全に当てはまる品物なんですけれども、ディーゼルエンジンの開発の問題をちょっとお聞きしたいわけです。私は今、環境委員会に属しているわけですけれども、ディーゼルエンジンの問題というのは非常に困った問題になるわけですね、これは通産の方もよく御存じのように。 ちょっとまずこの問い三を読んでみますと、「例えばディーゼル車は現在国内で五百数十万台保有されているが、NOXと黒煙の両面を改善するディーゼルエンジンの開発は困難であると聞いている。センターの出融資事業は、このようにマーケットが拡がってはいるが、民間が手を出しかねているものを対象にすべきだと思うがどうか。」、これは、ガソリンエンジンについては五十三年規制全部クリアしているわけですね。ところがディーゼルエンジンは、技術上、構造上の問題があって、NOXを減らそうと思って温度を下げると黒煙がうんとふえちゃう。黒煙を減らそうと思って燃焼温度を上げるとNOXがふえちゃうということでどうしようもない。したがって規制値は出せないというふうに通産省ではお考えになっていると思うんですね。ところが環境の方からいいますと、もうガソリンエンジンならクリアしてきれいなわけですね。そうしたら、何でディーゼルエンジンのようなこういう公害の発生するものを今さら使わなきゃいかぬのか。 日本はもう経済的にここまで豊かになって、それでやってるんですから、例えばトラックなんかも少々燃費が高くなっても、少々効率が悪くてもガソリンエンジンでやればいいじゃないかという考えがあるわけですね。例えばディーゼルトラックが非常に国内の輸送を大きく担当して効率よくやっていると、それは確かにそうなんですね。しかし、もう国鉄が貨車で困っているわけですから、電気機関車で貨車を引いて、少しぐちい経済効率が悪くなってもむしろクリーンな方がいいんじゃないかという気がするわけですね。それをただ単に産業、これは業界というか、業者の都合の経済性の問題だけで今ディーゼル使っているわけでしょう。何もこれじゃなきゃいかぬという必然性はないわけですね、交通手段としては。 そうしますと、私はもうどうしても技術開発できないなら、日本国内ではディーゼルエンジンは禁止すべきじゃないか。世界に幾らでも広いところがあるんですから、そこでディーゼルエンジンは使われたらいい。それで日本も、これはまた輸出の問題になりますけれども、優秀なディーゼルエンジンを持っているわけですから、しかし国内では使えないけれどもどんどん輸出できるとか、それでもいいんじゃないかという極めて乱暴なことを考えて、環境特別委員会でも私はそれを言っているんですけれども、しかし同時に日本の技術でこんなものを開発できないわけはないと私は信じているわけなんです。 これはもしも通産省があと三年で、昭和六十三年なら六十三年以降ディーゼルエンジンがクリアできなければディーゼルエンジンの使用を禁止するということを政府が発表したら、やっぱり必死になってやりますよ、これ。もしもそういうことが非常に業界にショックを与え過ぎるというんなら、それこそ今度のこういうセンターで開発していただくというのは非常に必要なんじゃないか。国民生活上、経済上の波及効果も大きいし、通産省所管の商品だし、私はこういうものをまずお取り上げいただく必要があるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょう。
○政府委員(荒尾保一君) 先生御指摘の、具体的なディーゼル車の問題をちょっと離れまして、非常に一般論で申し上げますと、ただいま先生がおっしゃいましたように、需要があるといいますか、ニーズがある、かつ民間だけではなかなか手が出せない、何らかのリスクマネーの提供なり何なりというふうな助成手段を講ずることによって初めて技術開発が進む、そういった内容のものについてこのセンターが出資なり融資なりを行っていくという、基本的原則においてはそういった考え方で運用すべきではないかというふうに存じます。 ただ、今御指摘がございましたディーゼル車につきましてどう考えるかという個別の問題でございますけれども、一つは非常に形式的になって恐縮でございますけれども、これはるる御説明申し上げておりますように、個別のプロジェクトの取り上げ、採用するかしないかというのはやはりセンターが自主的に判断をするということでございまして、あらかじめ役所の側においてこれはいい、これは悪いということを指示するというふうなことをなるべくしないようにというふうに考えておるわけでございます。そういう点から申しますと、センター発足は十月を予定しておるわけでございますが、現段階においていいとか悪いとかいうことを役所の側において言うのはいかがかということで、イエスかノーかという点についての判断は差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。 ただ、今お話しの具体的な案件が果たして対象になるかどうかという判断基準といたしまして、一つは、我々考えておりますのは、出資事業につきましてはそれぞれの技術開発の基礎研究の段階からスタートするものを対象にしたい。融資につきましては応用研究からスタートするものを対象にしたいということで、かなり製品化が進んでおるものにつきましては対象外というふうに考えておるわけです。したがいまして、今のお話の面で、今までのディーゼル車の原理とかそういうものとかなり違った、かなり基礎的なところからスタートするものであるかどうかという、その点をよくチェックをする必要があるのではないかというふうに思います。 それから、当然のことでございますが、出資、融資事業でございますので、技術開発の可能性、成功の可能性というものにつきまして、やはりかなり技術的な審査がセンターが発足した暁には必要ではないかなというふうに思う次第でございます。
○木本平八郎君 まずリスクマネー、リスクの点ですね。これは業界にとってはある意味では大きなリスクなんですね。例えばこれは禁止すると言われたら、これはディーゼルエンジンのエンジンメーカーからトランスポーテーションの業界から大変なことですよね。それで、これは物すごいリスクが発生するわけですね、裏から言えば。こういうものはやはり国としては禁止するか、それとも国で開発してやるか、国で開発したけれどもだめだったということだってありますよね。私はそういう意味であの法案を素直に見ますと、やっぱりこういうものこそまず一番初めにやるべきじゃないか、これがもしも改正できなければえらいことになるという感じがあるわけですね。 それで、私は実は荒尾さんからそういうふうな回答が出るんじゃないか、ネガティブな、こういうものは相手にしませんという回答が出るんじゃないかという気がしていたわけです。これは衆議院でも、けさほどからの質疑に対しても、そちらの方ですべていろいろ具体的にお答えになっているわけですね。スーパーコンピューターだとか、アモルファスとおっしゃったかどうか、要するにファインセラミックスだとか、そういうようなものをやりますということをおっしゃっているわけでしょう。そういうものを一応考えているとおっしゃったですね。ところが、ディーゼルエンジンのこういうものはほとんどお考えになっていただいてないんだろうと私は思ったんですね。 それで、やっぱりそういう御回答なんですけれども、そうしますと一体、ファインセラミックス、これも非常に波及効果は大きいし、経済効果は大きいと思いますよ。しかし、ディーゼルエンジンとどっちが大きいかという率直な国民の価値判断からいきますと、まあファインセラミックスも大変だろうと思うけれども、こっちも大事なんじゃないかという気がするんですがね。その辺の差を、あるいはこれはここでやるとおっしゃっていただかなくてもいいんですけれども、そういうものも非常に大事だというふうな感じはすると、それは評議員会で決めるわけですから。そうだけれども、立案されている方としてはそういうものも大事だというふうにお考えになっているのか、やっぱりそれはちょっとカテゴリーが違うんじゃないかというふうにお考えになっているのか、頭の中でね、その辺もう一度ちょっとお答えいただきたいんです。
○政府委員(荒尾保一君) 先ほど申し上げました点、かなり否定的に響いたかもしれないんでございますが、私申し上げました趣旨は、今の段階ではやるともやれないとも言えない、まだ判断するにはいろんな要素があるんじゃないだろうかということを実は申し上げた次第でございます。 基礎か応用かというふうなことを申し上げた次第でございますけれども、例えば、現在使われておりますディーゼルエンジンについて、改良程度であれば、もう基礎とか応用とかいうところからスタートするというこの制度から言うと、ちょっといかがなものかなということを申し上げたわけでございますけれども、かなり原理といいますか、そこにさかのぼって非常に基礎的なところから研究をし直すということであればそこはクリヤーできるかもしれないわけでございます。したがいまして、技術の内容が具体的にどんなものであるかということが具体的な提案として出てきた段階で、センターとしてはそれを技術的に判断をするということになるんではないかと思う次第でございます。
○木本平八郎君 いや、私の説明の仕方も悪かったと思いますが、要するに、ガソリン以外にディーゼルだとか灯油だとか、私一番問題なのはジェット燃料だと思いますけれどもね。ああいったものをどうしても使わざるを得ないんですね、今の状況では。しかし、それを使うエンジンの方に問題があるわけですね。そうすると、ああいうふうなものを使えるエンジンというのを、エンジンという名前がいいのかどうか知りませんけれども、基本的にやっぱり基礎から開発し直す必要があるんじゃないか、日本の場合はですよ。外国の場合は国土が広いですから少々の何があったって構わないと。しかし日本ではこんな狭いところだから大変だということがあるんで、その辺でぜひお考えいただきたいと思うわけです。 次の質問に進めまして、けさほどからの議論を聞いていますと、ちょっとこれはこっちの問いとは別に、どうもこういう基礎的な技術、基盤技術とかいう、定義の問題はちょっとまた後でやりたいんですけれども、こういうものはむしろ科学技術庁所管の方がいいんじゃないかと思うんですけれどもね。どうして科学技術庁じゃなくて通産省なんですか。応用技術だとかそういった面なら通産省というのは非常によくわかるんですけれどもね。こういう本当の基礎的な、できるかできないか、海のものとも山のものとも知れないものをやるのは、やはり科学技術庁じゃないかと思うんですけれどもね。それはどうなんでしょう。
○政府委員(福川伸次君) 今回は、いわゆる各産業、民間産業においても、従来の開発段階から応用あるいは基礎にも民間の力を振り向けていこうということでございまして、これはそれぞれの産業を所管している省庁が、その発達改善を図るということの一環としてとり得る施策であるわけでございます。 先ほどもお話しございましたように、科学技術庁は大きな立場から全体の科学技術の発達がどうかということをやり、またあるいは科学技術庁御自身が、ある意味では試験研究等をみずからの研究機関でやるというようなこともございますが、私どもではいわゆる産業の発達改善ということから考えて、そのような産業がいわゆる応用あるいは基礎という方向へもそれを振り向けていくということについては、大きな方向の中でそれが反しない限り取り進めていくということについては差し支えないものと、かように考えております。
○木本平八郎君 大臣、どうぞ退席なさって結構でございますから。 それで、今の御説明もよくわからない、よく納得できないですね。これはまた後で問題を提起するとして……。 そこでもう一つ、逆に通産省と郵政省でやったというのは、要するにNTTのこの株式のこういう金が、原資がたまたまうまくあったから、ここで乗っかって、それじゃ通産はちょっと来いよと、一緒にこれやろうじゃないかというふうな、これはちょっと表現は悪いですけれども。この原資が、たばこだとかそういうものがたまたまあったからいいチャンスだということでスタートされたというふうなことが、原因の一つぐらいに挙がっているんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもは、先ほどもお話がございましたが、産業構造審議会あるいは産業技術審議会でこのような仕組みが必要であると、こういうことを考えて、そしてセンターの設立ということで予算の要求をいたしまして、八月以来大蔵省とずっと折衝をしてきた、こういう経緯でございます。それにつきまして、いろいろ財政当局の財政全体の効率性の観点から、産業投資特別会計でこれをその財源としてつくろうと、それからまた一方、民間の活力を基礎研究等に振り向けていくということでは、通信関係、郵政省から出ているものと共通する面があるので、それを一体にしよう、こういうことに相なった次第でございます。 そういうわけで、予算要求は私どもは私どもなりに一つの要求を出しておったわけでありますが、財政全体の立場からこのような経緯になっていったということについて御理解をいただきたいと思います。
○木本平八郎君 それで、計画によりますと、役員の数は別にして、職員が大体五十八名ぐらいだと、スタートは。そこからあと数十名ぐらいにするということですけれども、この職員というのはいわゆる事務職なんですか、それとも研究職もあるいは技術職も含まれているのかどうか、その辺はいかがですか。
○政府委員(荒尾保一君) 財政法に基づく附属書類の中で、今お話がございましたように最初のスタートのときの規模を五十八名程度というふうに考えております。もちろんこれは最初の構想でございまして、現実に十月一日にスタートいたしますまでによく十分に、法案が通りました後よく詰めまして具体的な規模等を決定していくということでございますので、変更の余地があるわけでございますが、一応そういった考え方でスタートをいたしております。 そのときに、その職員の中に事務系、技術系等どういうふうになるかということでございますが、もちろんこういった技術につきましての判断を要する組織でございますので、技術的な知識を有する人がこの事業を実施をすることが必要なわけでございますが、同時にまた、一種の出資とか融資とかいった金融的な業務も行うわけでございます。したがいまして、まだ今の段階で事務系がどのくらい、技術系がどのくらいということを考えるところまで至っておりませんけれども、適当なバランスで全体効率的な姿をどう考えるかということを含めまして今後検討していきたいと思います。研究職等につきましても、その専門的な知識を活用するという点から、これもまた実際に出し得る人がいるかどうかという問題もございますけれども、そういった点も含めて検討いたしたいと思っております。
○木本平八郎君 そこで、いよいよ私の疑問なんですけれどもね。私は実はこの法案をいただきまして、資料をいただきましていろいろ読んだわけですね。読んでみてどうも理解できない。今さら何でこんなのとか、既存の機関を少し強化すればできるじゃないかというふうなこともあったわけですね。それで実は衆議院の委員会の議事録も読んでみたわけですね。ところが、どうしてもよく理解できない。二回ぐらい読んだんですけれどもぬ。福川さんいろいろなことをおっしゃっているけれども全然わからない。きょうもいろいろ朝かろ聞いていまして非常によくわからないのですね。 最後に――最後というか、きょうの最後に、ひとついろいろ考えてみました私の夢物語をちょっと聞いていただきたいんですがね。 私、夢を見ていまして、私自身がたまたま総理大臣になったわけですね。それでロサンゼルスでレーガン大統領と会談して、それで帰りの飛行機の中で、レーガンはSDIについて日本に協力しろと言ったと、しかしながら、まあそれは国内の問題があるから、いやそれは理解はした、しかしながら協力もちょっと約束できないし、また支持はできないと、一応こう言ったけれども、いやひとつやってくれと言われて、これはやらざるを得ないということで、そこで私、総理大臣、非常に悩んでいるのですね、夢の中で。 そしてこれはどうしようかと、この場合に、いろいろSDIのスターウォーズのこの計画を考えますと、今皆さんも御存じのように、ICBMがソ連から発射されたら、その瞬間に六分以内ぐらいにまずたたく。それからあと宇宙空間を飛んでいる間に、千キロぐらいのところを飛んでいる間に二弾、三弾でたたく。で、最後にアメリカにおっこちるのは三十五分ですね、計算上は。早ければ二十八分ぐらいで着いちゃうわけですね。それまでにたたかなきゃいかぬということなんですね。 それでどういうふうにやるかというと、宇宙衛星を上げておいて、そこで常にソ連の発射台を監視している。そこで、ロケットがばあっと煙噴くとそれをすぐキャッチして、すぐそこのほかの衛星に指示をして、ほかの衛星から、私もよくわかりませんけれども、粒子レザーか何かを発射して、それが上がってきた核弾頭をばんと破壊しちゃうというふうな一応計画らしいんですね、私も技術的にはよくわからないんですけれども。そうしますと、勝負はぱっとやって後三百秒でしょう、五分ですか、五分で破壊するわけですからね。そうすると、上がったということがわかって、それをキャッチして、しかも、すぐそれが普通の宇宙船を上げているロケットか、それともICBMかという判断をして、そしてすぐ指令を出して発射して、そして破壊する。これは物すごい技術であるし、物すごい瞬間的にやらなきゃいかぬわけですね。 これだけのものをアメリカだけではなかなか簡単にはいかない。アメリカができるのはせいぜいアポロを打ち上げるぐらいで、ここまでのことはできない。そして日本に協力を求めてきた。日本もなかなかこれは大変だけれども、まあ電波とかエレクトロニクスとか、それからメカトロニクスで、いろいろな技術もある。それでは協力しましょうと。協力できる範囲を考えると、やはり通産省所管のものと、それから郵政省所管のものになってくる。それで、このほかにそれは、例えば先ほどのバイオテクノロジーの問題、それから医学的な問題、いろいろな問題ありますけれども、そういうのはみんなアメリカで間に合うけれども、この分野はなかなか日本じゃなければ間に合わないということで、そして日本の場合を考えた場合に、国の機関ではなかなか追っつかないと。そうすると民間の技術を総動員しなきゃいかぬ。そこでやはり、こういうふうなセンターというか、こういうものをつくって、そして民間に協力もすりゃ開発研究費も出すというふうなものをやっぱりつくった方がいいんじゃないかと私は感じたわけですね。 そこで目があいたんですが、その後、目があいて再びSDIのためにということで、こういう議事録からなにから全部読んだんですね。そうしたら非常によくわかるんですよ。この法案も全部わかるんですね。私の夢が非常におかしいんじゃないかと自分で思いますけれども、それに対する御所見はいかがですか。(「正夢だ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(福川伸次君) 今SDI構想との関連についてのお尋ねでございます。 私ども考えておりますのは、あくまでも民間の基礎研究ということでございまして、特にこの今おっしゃったような軍事技術、相当膨大な資金も投入するような軍事技術というようなことをこのセンターでやる考えは私どもの方には今ございません。ここで考えておりますのは、あくまでも民間の研究ということでございまして、しかも運営についても民間の創意と工夫を生かしていこうということで考えておるわけでございまして、またその対象の案件についても自主性を尊重していこうと、こういうことでございます。 また、先ほど来その評価制度についての御質疑も当委員会でございましたが、それにつきましても、専門的な知識を持っているものでその透明性を確保しながらやっていこう、こういうことで考えておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、今、夢だということでの関連でのお尋ねでございましたが、膨大な大変な技術を持ち、しかも膨大な資金を要するSDI構想、軍事関連というようなことは、私どもこの基盤技術研究円滑化法のもとになった範疇では、私どもとしては一切考えていないわけでございます。
○木本平八郎君 もちろんこの程度のセンターのこんな規模で、SDIへの協力なんてとんでもないんで、予算だって二けたぐらいは必要なんじゃないかと思うわけです。ところがやはりワシの赤ちゃん、まあライオンの赤ちゃんもそうですけれども、赤ちゃんのときはちっちゃくてこんなのは大したことないと思っているけれども、そのうちにきばが生えてきて、つめが生えてくるということがあるんですね。それで、この夢物語の後はあさってでも時間があれば少し私のなにしたいんですけれども。 それで最後に、たった一つだけお聞きしたいのは、これはSDIの関連が仮にないとしても、ないとしても今このセンターが目指しているような、こういう最先端の技術ですね、非常にハイレベルな、高級な技術というのはSDIだとか、軍事技術と非常に何というのか、近いというか、ドッキングしやすい可能性が非常にあるんじゃないかという気がするわけですね。したがって、これはやはり軍事技術に近いものを目指さないと民間技術だってこれもう役に立たないわけですな。その辺の危険性はどういうふうにお考えになっているかということを最後にお伺いしたいわけです。
○政府委員(福川伸次君) 私どもも先ほど申しましたように、創造的な技術、特に影響度、波及性の大きい基盤的な技術ということでございまして、特にそういう基盤的なことということでございますから、それをすぐある特定の分野に、まあ従来の開発研究でございますと、ある目的を持った形になっているわけでございますが、これをだんだん基礎的なものに振り向けていこうと、こういうことでございます。 技術力を高めるということについては、私どももそれは効果があると思っておるわけでありますが、今のこの技術が開発をされていきます場合に、将来これが軍事的なものになっていくということについては、これはもう私どもとしては当面民間の産業ということを中心に考えておりまして、そういう特定の軍事技術、こういうことについてそれに資しようというようなことは毛頭考えていないわけでございます。 今後ともこのセンターの運用に関しましては、十分それなりにこれから予算要求等をしながらやっていくわけでございますから、そういう中でその辺は十分また御検討、御監視いただければと思います。
○委員長(降矢敬義君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(降矢敬義君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 基盤技術研究円滑化法案について、逓信委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(降矢敬義君) 次に、連合審査会における参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 基盤技術研究円滑化法案審査のための連合審査会に参考人の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会