P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
102回国会参議院1985/04/25

商工委員会 第13号

発言数
207
登壇者
22
会派数
6
開催日
1985/04/25

会議録

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として、日本経済研究センター理事長金森久雄君、対外経済問題諮問委員会委員赤澤璋一君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  本日は、本件につきまして参考人から意見を聴取いたしたいと思います。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙中のところ、貴重な時間をお割きいただき、当委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。お二人から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。  議事の進め方といたしましては、まず、お一人十五分ずつ御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただくということでお願いいたしたいと存じます。また、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、あらかじめ御了承をいただきたいと存じます。  それでは、まず金森参考人にお願い申し上げます。

金森久雄日本経済研究センター理事長

○参考人(金森久雄君) 日本経済研究センターの金森でございます。  対外経済政策のうち、特に内需拡大ということに関連をいたしまして、私の意見を申し上げたいと存じます。  昨年度は、日本の経済は幸いにいたしまして予想以上の回復をいたしまして、成長率は政府見通しでは五・三%ということになっておりますけれども、私の勤務しております日本経済研究センターの予測では、恐らくそれをかなり上回りまして五・八%程度になると見ております。しかし問題は、この成長のうち非常に多くの部分が輸出超過によるものだということでございます。昭和五十九年度の経常収支の黒字が御承知のとおり約三百六十億ドル、貿易収支の黒字が四百六十億ドル前後になると見られているわけでありまして、こうした輸出依存型の成長ということは長く続けることが不可能であるという点は、これは何人の目にも明らかなことだと考えるわけでございます。また、国際的な摩擦を激しくするということは疑いありません。したがって、この黒字不均衡を縮小しながら成長を持続させるということが非常に重要ではないかと考えるわけです。  さきに、政府が貿易摩擦を解消するために、通 信機器、エレクトロニクス、医薬品、木材等に関連いたしまして市場開放政策を決定されましたことは非常に適切なことであると考えております。したがって、これを一層推進すべきことは当然であります。しかし、市場を開放いたしましても内需が拡大しなくては輸入はふえません。また、内需拡大なしにいたずらに輸入をふやせば国内の産業が圧迫をされまして不況になります。したがって、市場開放政策と内需拡大政策とは並行して進めていかなければならない、こういうように思うわけです。  アメリカの要求も当初は個別品目の自由化に重点を置いておりましたけれども、次第にボルカー連邦準備理事会議長あるいはシュルツ国務長官のように需要の拡大の重要性を指摘する声がふえてまいりましたけれども、これはこうした事情によるものであると考えるわけです。シュルツ長官の意見は方々に報道されておりまして御承知のとおりでありますけれども、ここで非常に特徴的なことは、日本の膨大な黒字の原因は国内の高い貯蓄と投資との間にギャップがある、そのギャップから発生してきたという点を指摘している点でありまして、この指摘はマクロ経済学的に見まして私は正しいと思うわけです。  日本の貯蓄は世界一高いと言われておりますけれども、どれぐらいあるかと申しますと昨年度でGNPの三二%であります。これに対して国内の投資、これは民間の投資、政府投資を含めてでございますけれども、二九%。そこで、両者の差というものは三%ございます。GNPの三%程度であればこれは大した大きさではない、こういうように見られるかもしれませんけれども、実はこれが非常に大きな国際収支の黒字不均衡の原因になるわけであります。貯蓄のうち国内の投資に向かわない分というのは、これは必然的に輸出に向かうことになるからであります。  日本のGNPが昨年度は大体一兆二千億ドルぐらいであります。したがって、その三%と申しますと三百六十億ドルになりまして、先ほど申しました経常収支の黒字と一致をいたします。これはマクロ経済学的な算術でありますけれども、シュルツ国務長官の演説というのはこうした経済学の算術に基づきまして一応理論的に主張されているというように私は思うわけです。  したがって、黒字不均衡を解消いたしますためには、この貯蓄と投資のギャップを少なくするという必要がございます。どうやればこれを少なくすることができるか。シュルツ国務長官もボルカー議長も、これは日本の内政問題でありますから、その内容につきましては特に触れておらないようでありますけれども、日本の中ではいろんな議論がございます。貯蓄と投資の差が黒字をつくり出しておるわけでございますから、消費を促進して貯蓄を減らすというのが一つの手段であります。あるいは投資をふやす。それによりまして投資と貯蓄のギャップを減らすということもその一つの手段でありまして、理論的にはいろんな手段というものが考えられるわけであります。  もちろん、これを具体的に考えますといろんな難しい点があるわけでありまして、そのためにこれまで目立った解消策というものがとられなかったわけでありますけれども、難しい点だけを取り上げまして黒字がどんどんと拡大していくということを供手傍観していくというのは、非常に後に大きな問題を起こすのではないかというように思うわけであります。私は、今の消費の促進と、それから投資の拡大、この両者を使ってそして内需を拡大する、両方の手段を用いるということが現在必要ではないかというように思うわけであります。  まず、消費を促進する手段でありますけれども、これは単に輸入品を買いなさいと言うだけでは効果はないわけでありまして、やはりそのもとになる所得をふやさなければいけないということになるわけでありまして、そのために私は所得税の減税を行うべきだというように考えております。それから民間投資促進のためには、当然今規制解除ということが言われておりまして、これは極めて重要でございますけれども、そのほかに投資減税が望ましいと考えております。また、公共投資の拡大というのも必要だと思います。公共投資の統計、これは国民所得ベースでございますけれども、これで見ますと、昭和五十四年度以降五十九年度まで六年間にわたりましてほとんどゼロ成長になっております。そうして、六十年度も政府見通しでは実質〇・四%の減少となっており、これでは私は、政府は内需促進というよりもむしろ内需拡大を抑えているということになると思うわけです。また、為替レートが安定したならば機を失せず金利を引き下げるということも大切でありまして、財政政策、金融政策、それから規制の緩和、すべてを動員いたしまして貯蓄、投資のギャップを縮小するということが大事だと思うわけであります。  減税や公共投資の増加というのがなぜ行われなかったかといえば、これは言うまでもなく財政が赤字だったからでありまして、政府は財政の赤字縮小を最重点課題として緊縮政策を追求されてきたわけでありますが、財政バランスの回復というのはもとより重要でございますけれども、財政政策の目的というのは、社会資本の充実、需給バランスの調整等、いろんなものがあるわけであります。国民経済全体において大幅な貯蓄超過があるというときにもかかわらず短期的な赤字縮小のみを追求する場合には、シュルツ国務長官が指摘いたしましたように、貯蓄超過というものが非常に大きくなりまして、ひずみが国際収支の黒字不均衡、経済摩擦の増加という形になってあらわれてくるということになります。したがって、減税や公共投資によって内需を拡大し、経済成長の結果による自然増収の増加によって長期的な財政のバランスを図るという考え方が望ましいのではないかと私は思うわけであります。  減税や公共投資の規模の拡大というものがどれほどであるのがいいかということは、これは財源との関連もあり一概に言われない点でございますけれども、さしあたりGNPを直接一%ふやす程度の規模というのはいかがかと考えられます。そうしますと、現在は約三百兆円のGNPでございますから、三兆円程度を公共投資及び減税等によりまして需要を追加するということになります。成長率が上がることによります税収の増加、それから行革の推進によるむだな補助金の削減、国債発行額の減少を延期するというようなことによりまして、この財源というのが賄われることになると思います。それからまた、場合によりましては、私は建設国債の増発ということも考えられるのではないかと思うわけであります。昭和五十九年度に日本は約十三兆円という非常に大きな長期資金を外国に貸しておりますけれども、その一部を政府が借りて社会資本の充実を図るということを不可とすべき理由というものはないように思うわけであります。  現在の国際収支の黒字不均衡の責任というものがアメリカにあって、アメリカが財政の大幅赤字、高金利、ドル高というものを改めない限り解決は不可能であるという説がございます。これは一理ある説でありまして、アメリカでも良識のある人たちは認めていることではありますけれども、いたずらに相手側の責任を追及しても実りある結果というのは生まれないと思います。アメリカ側が需要を縮小する、日本は需要を拡大するということで双方から歩み寄る必要があり、そのために経済政策につきまして国際的な協調というものがこの問題を解決するために不可欠であるように思うわけです。  また、現在の黒字不均衡を縮小するために輸出課徴金を賦課することによって輸出を抑制すべきだ、こういう主張も見られますけれども、このような縮小均衡という方策はとるべきではないと考えます。内需をふやし、輸入を増加して不均衡を縮めていくという、拡大均衡によって解決すべきであります。昨年の世界経済の回復というのは、アメリカが高成長をいたしまして輸入をふやす、それによって世界に有効需要を散布するということによりまして実現をしたわけであります。しか し、現在はアメリカは経常収支が非常に大幅な赤字になりまして債務国に転落をするという状況でありますから、こうした政策をとり続けることは不可能な状態になっております。  日本がアメリカにかわって世界経済を引っ張る機関車になるということはこれは力不足でありますけれども、そうかといいまして、国内の財政バランスのみを追及して国際収支の大幅黒字を放置していくならば、それは国際的な責任を果たさず、また世界に不況を輸出するものとして批判を招くことになると思います。日本はアメリカに次ぐ世界第二の経済大国でありますから、その国力にふさわしく、世界経済の成長持続に貢献する必要があると考えるわけでありまして、国際的な観点に立った拡大均衡的な経済政策をとっていただきたいと考えるわけでございます。  以上で私の意見の陳述を終わります。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ありがとうございました。  次に、赤澤参考人にお願いいたします。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) 赤澤でございます。  きょう午前中に総理が議長をしておられます貿易会議がございまして、予定の時間よりこれが大幅に延びましたので遅参をいたしまして、大変申しわけございません。お許しをいただきたいと存じます。  きょう私に与えられました命題は現下の対外経済摩擦という問題でございますので、与えられました時間内で私の所見を交えて申し上げたいと存じます。  現在、日本の貿易環境というのは、かつて例を見ないほど非常に深刻だというふうに言われております。特に、日米の関係はいわば非常な緊迫した状態にあると言っても過言ではないと存じます。私どもいろんな方面から情報をとっておりますが、アメリカの場合、今私どもが非常に深刻だと考えております背景は、一つはこの問題がいわば経済問題ということで、従来であれば二国政府間で協議をし解決に努力するというやり方でございましたのが、非常に大きな政治問題化をしてきている。すなわち、最近の米国における決議案あるいは法案等を見てまいりますと、非常にたくさんのものが特に日本というものを目指して出てきておるわけでございます。最近の例だけ見ましても、御存じのように、対日報復措置ということで、二つの法案と三つの決議案がアメリカの国会に出ております。また、輸入課徴金につきましても、現在六つの法案と一つの決議案が国会に出ております。そういったふうに、非常に対日通商問題というのが極めて政治的な形でアメリカの議会を中心に燃え上がってきているという点が一つの特徴かと思います。  それからもう一つ、これは私ども気をつけておかなきゃいけないと思っておりますのは、このアメリカの国会の動きが当然公聴会というような形でテレビ、ラジオ、新聞等々で全国的にPRが行われているということであります。先般も、私どもの副理事長が約十日ばかりアメリカに参りまして、各地でいろんな会合を持ち、意見を聞き、またディスカッションもしてまいりましたけれども、そのときに収集してまいりました対日関係の新聞、雑誌等で机の上がいっぱいになるぐらい出ております。アメリカのテレビも朝のニュースから夜のゴールデンアワーまでこの問題を論じておるということでございまして、いわば対日通商問題、あるいは日本がアンフェアである、あるいは日本の市場が閉鎖市場であるというような議会の意見というものが世論化しつつあるというふうに私どもは判断をいたしております。こういったことから、私どもは対外経済摩擦問題、特に日米の関係は極めて深刻な状態にあるというふうに判断をせざるを得ないと考えております。  こういったことを背景にいたしまして、御案内のように、アメリカといたしましては、ことしの一月のトップ会談以後、いわゆるMOSSというやり方、つまり特定の商品について四分野を指定いたしまして、これの市場開放を強く要求し、今日まだその折衝が続いておる状態でございます。四分野と申しますのは、御承知のとおり、一つは電気通信であり、第二がエレクトロニクスであり、第三が医薬品、医療機器であり、第四が林産物でございます。  こういったようなことで、非常に厳しい状態にあるわけでございますが、ここで米国との貿易の問題について一言申し上げますと、アメリカ側の統計で見ますると、貿易収支は、全体の貿易収支が八二年で四百二十七億ドル、そのうち対日赤字というのが百九十億ドルであったのでございますが、八三年になりますと、これがアメリカの貿易収支は六百九十四億ドルの赤字、そのうち対日が二百十七億ドル、八四年になりますと、この数字がさらにジャンプをいたしまして、全体が千二百三十三億ドルの赤字、そのうちの対日赤字が三百六十八億ドル、こういうことに相なっております。  また、我が国の方から見まして、通関の出超額という数字で見てみますと、八三年におきましては、通関出超額は二百三十三億ドルでございますが、そのうち対米出超というのが二百十億ドルございます。さらに、八四年の通関統計で見ますと、全体の貿易の通関出超は三百五十一億ドルでございますが、そのうち対米というのが三百三十八億ドル、したがって昨年の通関貿易で見ます限り、我が国の貿易出超はそのほとんど大部分が対米貿易の出超によるものだというふうに申しても過言ではないと存ずるのでございます。  こういうふうにアメリカ自身が一つの大きな赤字をしょい込みながら、そして同時に、その中の相当大きな部分を日本が占めているということでございますけれども、その原因はいろいろ言われております。その第一は、先ほど金森さんからもお話がございましたような、ドル高によりますところの米国製品というものの国際競争力の低下ということが挙げられると思います。さらに第二には、アメリカの急激な景気上昇ということであろうかと思います。  アメリカの昨年の貿易を概観いたしますと、地域別に見まして、アメリカが黒字という地域は中近東だけでありまして、南米に対しましても、ECに対しましても、カナダに対しましても、ASEANに対しましても全部赤字でございます。例えば対カナダ貿易というのは二百億ドルの赤字でございますし、また日本よりはるかに人口も少ないし、経済規模も小さい台湾との貿易をとってみますと、これも百十億ドルと巨額な赤字を記録いたしております。  そういうことから、やはり急激な経済成長というものがアメリカの貿易収支におきまして輸入を急増さした。一方では、輸出の面では、先ほど申し上げましたように、ドル高によりますアメリカ商品というものの国際競争力の低下といいますか、ハンディキャップをしょっておるわけでありますから、競争力が低下している。この二つが相まって、今申し上げましたように、八三年の約七百億ドルの赤字から八四年には千二百億ドルという大幅に赤字を記録するに至ったというふうに私どもは分析をいたしております。  ECとの関係につきましては、これまた非常に向こう側から強い要求が出ておりまして、ことしの四月になりますと、金融資本市場の開放等のほかに、製品輸入拡大のために日本は一つの政策目標を立ててもらいたい、あるいは場合によりましては輸入目標額を決めるべきだというような議論がEC内で行われるようになってまいりました。例えば、この四月の十一、二日に行われましたOECDの閣僚理事会におきましてド・クレルクEC委員は、ECとしては日本に対して効果的な市場開放を要請したい、特に製品輸入比率の引き上げは緊急な政治問題である、ここでも政治問題だという言い方で強く日本側に要請をいたしてきておるのでございます。もちろん、アメリカと違いまして、ECがこういったような発言をいたしますにつきましては、日本との貿易のギャップが現在百億ドルちょっとというような状況でございますが、同時に、イギリスを初めとするECにおける失業率というものが、一向に景気が回復しても おさまってこないという問題があるように思います。例えば英国における失業率は、八二年が一一・七%でありましたのに対して、八三年は一二・四%、八四年になりますとこれが一二・七ということで、景気は回復しながらも失業は減らないという状態が今ヨーロッパにあるわけでございます。  これは、私どもから見ますと、基本的にはどうも七〇年代を通じますところの世界的な貿易、産業構造の変化への調整のおくれということが基本的な要因ではなかろうかと思いますが、いずれにしてもイギリス、ドイツ、フランスともに非常に高い失業を抱えております。こういったことから対日貿易赤字ということが、今申し上げましたように、製品輸入比率を上げてもらいたい、これは今や政治的必要性からくる問題だという強い発言になってきておるものと考えております。  さらに、東南アジアということになりますと、ここでは御存知のように一次産品の価格が低迷をいたしております上に、米国の高金利によりますところの債務負担が増大するというような状況がございますので、特に東南アジアにつきましては特定関心品目について強い要求が日本に向かって出てきておるのでございます。一例を挙げますと、御存じのとおりのタイにおきますところの骨なし鶏肉の問題、あるいはインドネシアの合板、マレーシアのパーム油といったような問題が強くこれまた政治的なレベルで要求をされてきておるのでございます。  一方、我が国の製品輸入という問題は一体どういうふうに推移しておるのかと申しますと、数字を今若干申し上げますけれども、逐年、全体の輸入の中に占める製品輸入の比率は上がってきておるのでございます。統計で見ますと、全輸入に占める製品輸入の比率は八二年は二四・九%、八三年は二七・二%でございまして、昨年に至りましてこれが二九・八%、約三〇%ということでございまして、概観すれば八二年の二五、八三年が二七、八四年、昨年は三〇ということで、全体の輸入に占める製品輸入の比率というものは非常に伸びてきておるのでございます。昨年一年をとりましても、全体の日本の輸入は八%の伸びということでございましたが、製品輸入について見ますと、これが一八・二%、全体の輸入の伸び率を倍以上上回る数字になっております。  そういうことで、我が国といたしましても市場の開放を進めながら着実に輸入をふやしてきているというふうに申しても過言ではないと存じますが、何分やはり全体の総枠からいたしますと、比率は伸びておりましても、特に米国その他に対しましては非常に多額の貿易赤字を向こうに与えておるという結果であることは申すまでもございません。そういった状況を踏まえまして、去る四月の九日に、私もその委員の一人でございましたが、対外経済問題諮問委員会から一連の報告書を提出したのでございます。  私ども昨年の暮れあたりから四、五カ月にわたりましてこの問題を各方面で議論をいたしましたし、また海外の方の御意見もちょうだいしながらまとめてまいりました。大変問題の多い点でございますけれども、一つはやはり原則自由、例外制限という基本方針を日本としては決めていかざるを得ないのではないか、ぜひこれをお願いしたい。特に、例外制限という品目、内容等につきましては、国家の安全保障でありますとか、国民生活の維持でありますとか、環境の保全とか、こういったような国際的に見て十分理由が成り立ち得る、いわば国際水準として十分各国が理解し得る範囲のものにとどめる、制限というものを極力極小化していく努力をお願いしたいというふうに考えておりますのと、さらにこの七月あたりを目標にいたしまして三年ぐらいをめどにしましたアクションプログラム、行動計画と申すのでございましょうか、そういったものをぜひやっていただきたいと考えておるのでございます。現在、このほかにも国内対策としていろんなことを掲げておりますが、今のようなことをいたしますにつきましても、必要があれば所要の国内対策をとりながら早急にこれを実施していただきたいという答申を出したのでございます。  これから先、私ども日本の貿易あるいは世界の貿易を拡大均衡に持っていくといたしますれば、今我々が当面全力投球をしなきゃならぬのはやはり輸入促進以外にはないというふうに私は考えております。もし、ここで仮に日本側が輸出の面について何らかの制限措置をとるとすれば、これはニューラウンドというこれから先、世界経済の発展のために取り組もうとしておる大きな仕事の阻害になるばかりでなく、また今各国にあります保護主義的な各種の措置についてむしろ日本側がトリガーになる、引き金になるということになるわけでございますので、私どもとしてはとにもかくにも実績をもってこの輸入促進の努力を示すということ以外には方法がなかろうかと存じます。そういう意味で、私どもジェトロといたしましても、あらゆる機会をつかまえまして、産業界の方々とも御一緒になりながら、この輸入促進のための各種の事業をやっておるという状況でございます。  時間がちょうど参りましたので、このあたりで私の説明をとりあえず終わらしていただきます。ありがとうございました。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の開陳は終了いたしました。  ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 速記を起こしてください。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 まず、両参考人に、貴重な御意見をただいまお聞かせいただきまして、感謝を申し上げます。  ところで、対米貿易をめぐる摩擦は何もことし、去年始まったわけではなくて、かつての繊維あるいはテレビ、鉄鋼に始まりまして長期にわたっておるわけであります。特に、ことし、この春先からアメリカの議会筋を中心にしていささかヒステリックなまでの感を受けるような対日批判が続出をしてまいりました。その背景には私はアメリカの政治的な選挙などを含めた状況などがあると思いますし、額面どおり必ずしも受け取る必要はないと思っておりますが、だが、やはり長期にわたって日米のよりよい関係というものを維持していく上では、ここに来て日本側もかなりドラスチックな政策というものを考えなきゃならぬだろうという気持ちにあることは間違いないです。  ところが、日本という国は、もともと原材料、資源が乏しいというか、ほとんどない国と言ってもいいわけです。したがって、アメリカのそれは全く日本とは逆でございまして、自給自足が可能な条件を持った国柄なんです。しかし、アメリカの法律でアメリカで産出する資源、マテリアル等は自由に海外に売り渡してはいかぬという、そういう規制があるわけですね。仮に、今、日本が中近東あたりから原油、石油等を購入しておりますが、アメリカのアラスカ石油を今まで我々は売ってくれと言っても売らない、ようやく最近になって一部日本に供給してもいいというようなことを言われ出しているわけですけれども。そうすると、今、国際収支、経常収支が日米間でアメリカの方が大幅に赤字だというけれども、中近東の石油はアメリカを中心としたメジャーから買っているはずですね。メジャーから我々は一体どれだけドルを払って買っているのか、これは私も数字を知りませんけれども、これは調べてみたらおもしろいと思うんです。  だから、今アメリカが日本に対して非常に内政干渉がましきほどの市場開放の政策をとれと要求をしてきていますけれども、市場開放ということに限定して考えてみても、私たちの知る範囲でも、例えば旧東京ラウンドで日本の関税はどうなっているのだとこう言いますと、決してアメリカ、ヨーロッパに比べて遜色のない開放度がもう既に実現をされているわけですね。市場の開放と いうことと、それから言うならば経常収支のアンバランスというものとは私は必ずしも一つの問題ではないと思います。特に、開放度でそんなに問題が日本にないなら、アメリカ、ヨーロッパから非難されるほどのことはない。とするならば、むしろ今問題になっている国際収支のアンバランスというものを長期にわたって考えてみなきゃならぬだろう、そういうふうに思っている。  俗によく言われる、日本は過剰貯蓄であって過小投資だ、アメリカはその逆である、これをどう是正させるか、どうすれば是正できるのか、また是正させる必要があるのじゃないかという観点で見れば、アメリカは今非常に低い貯蓄率で過大な投資をやっている。減税などは結構なことには違いないけれども、それはやはり財布の中身と相談してやってもらわなければならぬはずですね。それを大幅な減税をやれば、また一方で大きな軍事支出もやる。もちろん、軍事支出については、一方的にアメリカだけ削減をしろという要求を私はするつもりはない。これは米ソの関係でいわば軍縮を軌道に乗せることにおいて軍事支出を削減することが可能になるのであって、今一方的にアメリカだけに軍事支出を極端に抑えるなどという空論を私は言うつもりはないけれども、だが、経済政策という観点で見れば、明らかにアメリカの今日の赤字というのはそういう大きな公共的な投資というものの負担がかかっていることは論をまたないわけです。  そういうふうに見てくると、日本は長期的、構造的にアメリカとの貿易のあり方、あるいは資本の移動のあり方、これを考えたときに、私はやっぱり今言ったようにアメリカに日本側としては言うべきことがあると思うんですね。単に、市場開放で電話機を買えとか、コンピューターを買えとか、あるいは通信衛星を買えとかというようなことで、アメリカとの関係が改善されていくとは断じて思わぬわけであります。  私は、この間も、アメリカの上院、下院の方々が数名おいでになりまして、実は私どもの党のサイドでこの貿易問題の懇談をやったんですけれども、アメリカが日本で品物を売ることについて必ずしも成功していないということを盛んに言うわけですけれども、そうではない、成功している分野もある。例えば日本アイ・ビー・エムなんというのは立派な先端技術の企業として日本で成功しておるではないか、あるいは飲食物の話ではケンタッキーフライドチキンだって大成功をしているじゃないか、あるいは難しいと言われていた金融分野でもAIUという保険会社は日本で立派に成功しているじゃないか、こういう指摘をしたわけです。  しかるに、アメリカの自動車は何だ。いつまでたっても日本の道路に向く小型の、しかも右ハンドルの自動車を持ってこない。電話機にしたって、日本の電話機というのは故障するものと日本人は思っておらぬ。統計によれば、アメリカの電話機は三年に一回故障しているじゃないか。やっぱり日本人の嗜好に合うような商品を安く提供すれば、これは日本人は買うのだ。品質にしたって、もともとQCというのはアメリカのデミング博士が日本に持ち込んだのじゃないか。それに日本人が一生懸命改良を加えて、今日より高い品質の商品を提供できるようになってきたのじゃないか。もともとアメリカの手法じゃないか。そんなことを私ども話をしておったんです。だから、そういうことはそういうことでアメリカもやって、日本に乗り込んで日本語でも勉強して、日本の流通市場に入ってくるような努力もしないで、それで成功しない人たちが本国で日本はけしからぬ、閉鎖的だなどと言って、そういう声が大きくなっているのにすぎない。  こんなことを言うていると話になりませんが、私は市場開放政策というのは、確かに日本もまだまだなすべきことがあるし、お役所の許認可等のシステムももっと簡素化することも必要でしょう。いろいろありますが、押しなべてかなりのレベルに開放度は到達している。より長期的に今言った日米の投資と貯蓄のアンバランスというものをどうするのかということを、これは両先生に御所見を最初にお伺いしたいところでございます。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) 最後にお話のありました貯蓄、投資バランスの点については多分金森さんからお話があろうかと思いますが、最初にお話のありました点について私から若干私の考えを申し述べさせていただきます。  アメリカが、今度、四分野について大変強い要求を出してまいりました。これは、先ほどもちょっと私、諮問委員会の答申に関連して申し上げましたけれども、要するにアメリカの商品が日本の市場に参入するにはいろんな障害がまだある、その障害を取り除いてもらいたいということで、極めて具体的、詳細な障害と彼らが考えている事項の指摘をしてまいったのでございます。そういうことを中心に、日本政府といたしましても極力努力をして、今その障害を取り除くべく、まだ若干問題が残っておるようでございますが、ほぼアメリカ側が満足するような回答を出しているという状況であろうかと思います。  そのことと、今、先生もちょっと御指摘になりましたけれども、そうやれば一体、貿易インバランスが急速に解消するのかということになりますと、私どもはこの問題はおのずから別個の問題だと考えております。したがって、アメリカ側が今この政策の効果があるとかないとかいうようなことでいろいろ短絡的な議論があることは私も承知いたしておりますが、私は先般も、アメリカのさる政府関係の高官とお話をいたしました際に、やはり同じ議論をいたしました。  そのときに、アメリカ側がまず期待しているのは、従来日本に参入しにくかった幾つかの商品、しかもアメリカ側としては十分国際競争力があると考えておる商品について、少なくとも現実のビジネスの面で明らかに日本のそういう手続、例えば検査でありますとか基準でありますとかそういった面、あるいは細かい役所への手続とかそういった面が急速にかつ、いわば彼らはリマーカブルという言葉を使いますけれども、非常に改善をされておる、そういう事例がここでできるだけ、十でも五つでもいいから出てくることを彼らは期待をしておる、まずはこれが効果ということであろうかというふうに話をしておりました。私も、そうであれば、とにかく現実の問題として、例えば通信機の端末機の問題でありましても何でありましても、そういう効果が目に見えて幾つかの事例としてここで急速に積み上がってくるということを心から期待いたしておるわけでございます。  一方、今のインバランスの問題につきましては、これは先ほどもちょっと話が出ておりましたように、日米の経済成長の差、あるいは産業構造の差、あるいは特に今お話がありましたようなドル高によるアメリカの商品の国際競争力の低下といったようなことが重なり合って出てきておるものでございますので、これを急激かつ短期の間に是正をしていくということはなかなか難しい問題があろうかと思います。しかし、だからといって日本側が手をこまねいておるということでは日米の関係がうまくまいりませんので、先ほど申し上げましたように、当方から、これは恐らく世界各国で例のないことだと思いますけれども、あらゆる努力をして輸入の促進を官民、企業も個人もあわせてやるという努力はしていく必要があるのじゃなかろうか。こういうことで一歩たりともこれに近づいていくという努力はする必要があるのじゃなかろうか、かように考えておるところでございます。

金森久雄日本経済研究センター理事長

○参考人(金森久雄君) 先ほどの貯蓄、投資のアンバランスにつきまして、私の考えを申し上げたいと思います。  先ほど御指摘のとおり、この問題は、アメリカ側にも非常に大きな責任があるというように思います。アメリカは、大幅な減税をやった一方、防衛支出その他、支出の方が増加をしておりましたために、大変な貯蓄不足、支出増加ということになっているわけです。したがって、アメリカは貯蓄不足、投資超過ということを抑制する政策をとる、反面、日本は貯蓄過剰、投資不足ということ を改めるということで、両方から接近をするということがこの問題解決のためにどうしても必要だというように思うわけです。そういう意味で、アメリカの方でも、レーガン大統領あるいはボルカー議長いずれも最近では財政の赤字が大き過ぎる、これが問題だということを重視いたしまして、この縮小の重要性を主張しているわけでございますけれども、ぜひ高いレベルでこうした総合の経済政策の調整という点を実現していただきたいというように思うわけであります。  ただ、なかなか赤字の方を縮小するということは実際問題として困難でありますけれども、貯蓄が余っている、これをどうやって使うかという方は、これは使うわけでありますから比較的容易であるという面が私はあるのではないかと思うわけであります。したがって、責任はアメリカにあるということを強調するだけでなしに、日本の貯蓄をどういうぐあいにうまく活用して、そして貯蓄と投資のアンバランスを少なくしていくかということが私、重要だと思うわけであります。そのためには、投資はもっと公共投資をふやす、民間投資をふやすという形で伸ばしていく、それから所得減税によりまして消費を促進するという形で貯蓄の過剰を縮小する、こういういろいろな政策をとるべきではないかということを先ほど申し上げたわけであります。

福間知之日本社会党

○福間知之君 先生方の御意見はよく理解ができるわけですし、今、金森先生じゃないけれども、アメリカ側と日本側は双方それぞれ財政面での状況改善を果たしていかなきゃならぬ、あるいは貯蓄、投資のアンバランスというものも、徐々に乖離を縮めていかなきゃならぬ。これはもちろん時間がかかるわけですし、またそれだけに日本側、政府ももっとはっきり、より根源的な問題点というものを力強く主張すべきだ、こういうことを特に、私は野党の立場だから言いやすいのかもしれませんが、思うんです。正月に急遽アメリカへ飛んでいって、レーガン大統領と会って貿易摩擦の問題について日本側が一定の譲歩をするために中曽根総理が約束をしたのだという、そういう疑いもかかるような事態が出てきているわけですから、それはそれでやむを得ないにしても、根本的に日本の側で主張すべきことを主張していかなければならぬというふうに私は思っているので、こんなことを申し上げているんです。  ところで、二問目なんですが、お聞きしたいんですけれども、日本の国内のいわば需要を拡大する。今、金森先生も少し触れていただいておりましたけれども、より積極的に内需の拡大ということを図るためにはどうしたらいいのだろうか。それは、中曽根総理が新聞あるいは電車の中の広告あるいはみずから買い物に出かけるなどというのもPRとしてはいいでしょうが、それだからといって今、国民がアメリカの商品を百ドルも買うかというと、私は大きな疑問があると思う。  まず第一に、今、日本人はアメリカから何か買いたいという衝動、そういうニーズ、そういうものを持っているのかどうか。あるとすれば、それは何なんだろう。甚だ、私はそれは疑問がある。かつての日本人の生活ならば、それは舶来品崇拝の傾向が強かったですが、今はそうではない。とすれば、国内の需要の喚起ということは、基本的にはアメリカの品物を買うということではないだろうと私は思うんです、直接的に。それは企業が結構買っているところもある。これは余り新聞も発表していないからわからないが、日本の大企業で結構アメリカから輸入している企業がたくさんあるんです。そういう企業のレベルではそういうことはあり得るし、通信衛星を買うというようなことになると、これまた個人の利用ではないんですね。それは今後もやっていくべきでしょう。だけれども、個人が買うということになると、一体そういうニーズは今どこにあるのだろうかと思うんです。  だから、私は間接的に、日本の内需拡大の政策は、財政の出動が難しいとしても、おくれている公共投資の部門は厳然として存在しているし、そういうものをやはり財政がカバーしていかなければならないことは明らかなんです。下水道初め生活関連の公共投資というのは、まだまだやらなきゃならぬ。それから何よりもかによりも、やはり住宅でしょう。住宅のための関連施策というものを積極的にやって、土地が手に入りやすいように、住宅を建てやすいように誘導する政策を積極的にとる。住宅というのは、ある意味では総合的な性格を持った産業ですから、単に木材や鉄骨を使うだけじゃありません、いろんな産業分野に関連する影響を持っていますから、そういう政策に積極的に転換をしていく。それがひいては低成長から中成長への軌道に乗せていくことにもつながるし、対米関係の改善にも貢献する、そういうように思うんですが、内需拡大についての先生の御所見をお伺いしたい。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) これはもう既にお読みいただいているかと思いますが、先般私どもが出しました諮問委員会の報告の中に、先ほど私が申し上げました日本市場へのアクセスの問題のほかに、「内需中心の持続的成長」という項目で、これも相当長期間議論をいたしまして書き込んだものがございます。  その一つは、民間の自由な活動を規制する各種の公的規制、これを一定の期間内に計画的に廃止または緩和をしてもらいたいというのがその第一でございます。それから第二は、週休二日制の一層の普及、労働時間の短縮が必要であるという点を指摘いたしました。国際的な労働基準の観点も踏まえた余暇時間の拡大が図られるべきである、これが第二でございます。それから第三は、公共事業分野の問題でございまして、これは民間活力の導入を図りながら、重点的、効率的に社会資本整備、特に今、先生からも御指摘のあった住宅、生活環境整備、これを進めてもらいたい。そのための土地利用規制、建築規制を引き続き見直してもらいたいというのが第三点。それから第四点は、内需中心の持続的成長に役立つ税制の見直しが重要である。この四点を指摘いたしました。  私は、この起草委員の一人として、今御質問をいただけば、こういった四点を中心に今後内需中心の持続的成長を図るべきだというふうに考えております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 私は十五分までの持ち時間であります。わずかな時間でありますので、簡単に質問さしていただきます。  最初に、赤澤参考人にお伺いいたします。  要するに、今の対外経済摩擦というのは輸入促進が決め手だ、これが非常に力点を置かれたポイントでありまして、私は地元に帰りまして、よく地元を回って歩くわけでありますが、今非常に農業は苦しいんです。私、大分県ですが、一村一品でいろんな商品を売り込んでいるんですが、打ち上げるのはいいのだけれども、一体買い手があるのかどうか、非常に努力をしております。それから中小企業は倒産が多発をしておりまして、非常に厳しい状況です。帰ったら、何とかもっと景気がよくなるようにしてくれぬかと、これは中小企業の経営者あるいはそこで働いている人からよく言われることです。本当に、座って話せば、そういう話にすぐ行き着くんです。そういう状況の中で、とにかく輸入を促進するということで、総理大臣は一人百ドル買えとかという話をテレビでやっておりましたが、そんなことでなかなかトータルの消費は伸びない。そこで、よそのものを、輸入したものをどんどん買う。国内は、農業も苦しい、中小企業も苦しい。そういう状況の中で、一体どういうことに行き着く先はなるのか、どうも疑問を感じてしようがないんですが、この点について御所見を賜りたいと思います。  それから金森先生にお伺いいたしますが、金森参考人の論点といいますか、私ども全く納得ができるのであります。そこで、アメリカが急激な景気上昇を、過去、去年、おととし、特に大統領選挙前後にやってまいりましたが、この急激な景気上昇は一体どういうようなことでどうしてつくられたのか、それが一つ。それから我が国がもしアメリカの景気上昇の影響を受けなかったら、そうでなくても日本の中小企業の倒産は戦後最高とか 非常に厳しい状況でありましたから、相当日本の国内というのは混乱をしておったと思うんです。やっぱりアメリカの景気上昇に引っ張られて日本の国内は好影響をこうむっておると思うんですが、その辺の見方についてどういうお考えを持っておられるか。  それから第二点は、私はどうも中曽根政治あるいは中曽根の経済財政政策というのを見ておりますと、土光臨調行革路線の中にはまり込んでしまって、その中から身動きのできないような状態の中にあって、新しい何かやっぱりここではこういう手を打たなきゃならぬ、にもかかわらず、そこから出切らなくて財政の出動する余地がない。しかし、そうは言いながら、我が国の公債の発行額というのは、中曽根さんが行管庁長官のときに合計で約七十五兆円、それが現在百三十三兆円ぐらいと非常に膨れ上がっておりまして、一向に改善をしておりません。税収の伸びも、特に中小零細の税収の伸びというのは、私も調べてみましたが、非常に落ち込んでいる。こういう状況ですから、私はやはりもっと中小零細企業もふえるように、そういう手を打って初めて日本の国家の財政対策もできるのではないか、こう思っておるんですが、どうも臨調行革路線の中で身動きのできないような、そういう感じがしてしようがないんですけれども、率直な御見解を賜りたいと思います。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) 余り理論的なことではなくて、ちょうど今私どもジェトロが、私はローカル・ツー・ローカルという表現で、特に地方の国際化ということに非常に取り組んでおります。それで、生産財あるいは資本財となりますとこれは企業の問題でございますので、特に消費財という面で申しますと、御承知のように今、国民の消費というものは非常に多様化をしてきております。今、平松知事の主張されておられる一村一品運動なんかもそうでございましょうけれども、とにかく消費動向というものは、例えば手づくりブームでありますとか地方の特産品ブームとかいうことで、消費者は非常に個性のある商品というものを選んで、そして極めて個性的な消費を楽しんでいこうというふうな動きがあることは御承知のとおりでございます。  これは大変具体的なことでございますので、例をもってちょっと申し上げたいと思いますが、一昨年になりましたでしょうか、山形の地域に新しく、天童ワインというのだそうですが、ブドウ酒が今できておるわけでございますけれども、たまたま山形市とオーストラリアのスワンヒルという町とが姉妹都市でございまして、ここの町も実はブドウ酒の生産地でございました。山形の方で私どもジェトロがいろいろ努力をいたしまして、オーストラリアのワインフェアというのを十日ばかり開催いたしました。初めは、地元の商売が荒らされるということでワイン業者の方は大変反対であったようでございますけれども、料理講習会を含めていろいろなことをやりました結果どうなったかというのをトレースしてみますと、結局、当該地域といいますか、山形のワインの売れておった地域における全体のワイン消費人口がふえてきたということがありまして、結局オーストラリアのワインも売れましたが、同時に、山形のワインも出荷がふえたというようないい結果も現在出てきておるようでございます。そういう意味から申しまして、ただいま私申しましたように、まだまだ地方でこの輸入商品をてこにしながら地元の特産品を売っていく、広めていくというようなことが、これはアイデアの出し方いかんによっては成功する例が非常にあるようでございます。  新潟の十日町も、同じようなことでイタリアンフェアというのをやりました。これは同じく絹の産地でございますコモという町と姉妹都市でございまして、これも私どもジェトロがいろいろ企画をいたしまして一週間ぐらいやりましたのですが、十日町は人口五万人ぐらいの町でございますが、一週間余りの入場者が全部で七万何千人というようなことで、近郷近在というんでしょうか、大変大勢人が来て、結局、十日町の絹もそこで売れるというような結果が出たようでございます。  こういうことがございますので、私はむしろ、余り輸入品を敵視すると言うと語弊がありますけれども、我々の市場に余分なものが入ってきたというふうに考えるのじゃなくて、むしろそれをうまく利用して、てこにして、そして国内品とうまい共存関係の中で地方の産品というものをより拡販をしていくというような着想が、これから考え方いかんによっては方々で成り立つのじゃないかというような感じもいたしております。大変具体的な例を申し上げましたが、私はそういうことでこれからも地方の国際化と申しますか、そういった面の努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

金森久雄日本経済研究センター理事長

○参考人(金森久雄君) まず、アメリカの急激な景気上昇の理由でございますけれども、私は三つあると思います。  第一番目は、レーガンが規制を解除して民間の活動を活発化したということであります。それから第二番目には、通貨をうまくコントロールいたしましてインフレを抑えたということですね。それから第三番目に、大幅な減税を行いまして国民の需要を高める、いわゆる有効需要をやる。この三つの政策がちょうどうまくマッチいたしまして予想外の高成長ができたというように思うわけであります。  ところが、先ほどもちょっと申しましたけれども、大幅な減税の結果といたしまして財政が赤字になる、国際収支も赤字になるということで、今やそれを続けるということは何人の目にも不可能な状況になってきたわけでありますので、これにかわりまして、やはり日本が積極政策をとってアメリカの一部をかわって担っていくというのは、日本の責任として私も非常に必要なことではないかというように思うわけであります。  それからアメリカの景気の回復が日本の経済にどういう影響を与えたかということでありますが、これは非常に大きかったというように私思います。昨年の上半期は日本の対米輸出は実に五〇%も増加をいたしました。したがって、この五〇%の対米輸出の増加ということがてこになりまして日本の設備投資もふえてくる、それに伴って消費もふえるという影響を受けたというように思うわけであります。したがって、国民所得統計を見ますと、外国からの利益のおかげは五・八%の成長のうち約二%という程度でございますけれども、そういう関連を考えますと、それよりもさらに大きいということであります。  ところが、最近になりましてアメリカの経済成長率が非常に鈍ってまいりました。そうして、三月などは既に日本の対米輸出は前年よりも下回っているんですね。こういうことでありますと、これは内需を拡大するという手を早目に打ちませんと、今までの対米輸出による有効需要の増加という源泉がかれてきたわけでありますから、日本の景気に対しましても非常に悪影響が起きるというように考えるわけでありまして、昨年のアメリカの景気の回復というものは日本の経済の成長に対して大きな影響を与えただけに、今度は日本の独自の力でもって成長を持続するという政策に切りかえていくということが大事ではないかと思うわけであります。  それから第二番目の行革でありますけれども、私はこれは非常に高く評価をしております。今御指摘がありましたように、確かに行革にもかかわらず日本の国債の発行残高は減らない、だんだん拡大しておりますけれども、年々の補助金の支出等は目覚ましい減少はございませんでしたけれども、これによりましてストップをする、ずっと長く見直さなかったことを行革でもって初めて手をつけるということは、私は非常に高く評価をするわけであります。しかし、抑えるだけで、一方で必要な方の投資ということをやりませんと、これはじり貧になってしまいます。そして、経済成長が低ければ自然、税の収入も上がりませんので、なかなか大蔵省が当初予想したような財政の再建計画も進まないということになるわけであります。したがって、行革は私は非常に高く評価しているわけでございますけれども、それによりまし て除かれましたむだの削減から浮きました力というものは、私は積極的に、先ほど御指摘がありましたような住宅の改善でありますとか、災害の防除でありますとか、そういう公共関係の投資に振り向けるということが望ましいように考えております。  以上でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 限られた時間でございますし、いろいろ御質問したいことはございますが、そういう立場からまとめて御質問を申し上げたいと思います。  金森参考人、また赤澤参考人がお書きになられましたものは、雑誌あるいは報告書で一応読ましていただきました。また、今も参考人としての御意見を拝聴さしていただいたわけでございまして、まとめて御質問をしたいと思います。  最初に、金森参考人にお尋ねをいたしますけれども、我が国経済のこの一年間ぐらいの動きを見ておりますと、景気回復の過程にありながら同時に倒産がふえ続けておりまして、その傾向については業種間の跛行性がまことに大きいのでございます。また、完全失業率も増加を続けておりまして、昭和五十九年六月には統計史上最高を記録しております。このような状況下で今後も着実に景気は拡大すると考えていらっしゃるのか、ここらあたりの御意見をまずお聞きしたいと思います。  第二の質問は、さらに設備投資において、新しい技術革新の流れを反映いたしまして、一応堅調に推移しているほかは、住宅投資は低調でございます。ただいまも同僚の質問がございましたけれども、また個人消費も弱い、公的な資本形成に至っては財政再建のために抑制されております。これは御承知のとおりでございます。このような状況のもとにありまして、内需が伸びる環境にはないように思いますけれども、この点に対するお考えはどうであろうか。  第三点は、対外経済問題諮問委員会の報告書によりますと、内需の関係に関しまして、民間の自由な活動を規制する公的規制の緩和とともに、公共的な事業分野への民間活力の導入ということをやるべきであるという提言をされておりますけれども、民間活力の導入の方法と効果についてどのようにお考えになっているのか、この三点をお願いしたいと思うのでございます。  次に、赤澤参考人に対しては、今回対外経済問題諮問委員会のメンバーのお一人といたしまして対外経済問題の報告書を取りまとめられた御苦労に対しましては敬意を表するものでございます。  参考人は、従来貿易摩擦は産業摩擦であると本にも書いて主張されておりまして、基本的には各国が自国の産業調整をいかにスムーズに進めるかに問題の原点を求められておるようでございますけれども、そのためにはそれぞれ産業構造や歴史に違いのある各国間で率直な意見の交換や現実認識の深まりが必要ではないかと思いますけれども、具体的にどのように進めていくべきというお考えを持っていらっしゃるのか、お聞かせいただきたい。  第二点は、報告書の「むすび」に、経済摩擦に関しましてパーセプションギャップの問題について触れられております。例えば米国側においては、今も同僚からも質問がございましたけれども、車はどこの車でも左ハンドルといった固定的な考え方は改めるべきでありましょうし、また日本側においても日本独自の慣行を諸外国に知らしめる努力をしなければならないと思いますが、このような相互理解の観点に立った接点を求めていくためには何をすべきとお考えになっていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。  第三点は、同じく報告書に、経済力の急激な増大に対しまして我が国の経済社会が国際化の点でおくれをとっているということについての国民的なコンセンサスがいまだ形成されていないということが指摘されております。この国民的コンセンサス形成のためにいかなる政策的手段を講ずべきであるとお考えになっていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。  四番目に、今もお答えの中に、ジェトロの仕事をしている関係でということでお話をされましたけれども、輸入促進について今もいろいろな具体的な努力をしていらっしゃる一例をお挙げになりましたけれども、それ以外にどういう活動をし、どういう成果を上げていらっしゃるのか、時間があればお聞かせいただきたいと思います。  私の持ち時間が三十分でございますけれども、委員長から時間を少し短くするようにと言われておりますから、お一人十分をめどに、まとめた質問でございますから、その範囲内でお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

金森久雄日本経済研究センター理事長

○参考人(金森久雄君) 第一点でございますけれども、確かに倒産や完全失業率は非常に今高い水準になっておりますが、徐々にこれはこれまでのところ低下をしてきておるというように思います。倒産も最近では前年を下回るようになってまいりました。それから完全失業率も数字は非常に高いわけでございますけれども、これは非常に難しい統計でありまして、最近は特に女子の労働意欲というものが高まっておりまして、働きたいよという人がふえますと、働きたいと思いながら職がないという人が失業者として登録されているわけでありますので、統計上やや実態以上に失業率が高まるというような事情もございまして、現実といたしましては、景気回復とともにこうしたものも改善をしているというように考えるわけであります。  ただ、問題は、今まで景気の回復の主導力でありましたアメリカの経済の成長率が落ちる、輸出が減るということから、最近回復のペースにやや衰えが見えていますね。鉱工業生産で見ますと、昨年の十一月がピークでありまして、十二月、一月、二月と、ほとんどこの三カ月ふえておりません。ですから、現在の水準は昨年十一月よりも低いわけであります。三月の統計はまだ発表されておりませんけれども、恐らく三月もさしたることはないということで、やや景気に陰りが見えて勢いが衰えてきたということがございますので、これは注意すべき点ではないかと思うわけであります。  それでは、この景気を支える需要は何があるかということでありまして、これは第二問に関連するわけでございますけれども、設備投資はそれなりに私はことし成長を持続するのじゃないかというふうに思います。ことしの初めにいろんな調査がございましたが、大体五%ぐらいの投資がふえるよという結果が出ております。  それから住宅投資でありますが、住宅投資は久々にやや拡大をしております。これは主としてワンルームマンション、貸し家でございますけれども、久々に新設の住宅戸数が百二十万戸を超えるということで、それほど不調というわけではございません。  それから個人消費が非常におくれていたわけでございますけれども、これも昨年の末ごろから徐々に立ち直ってきている。こういうふうに思うわけでありまして、緩やかに内需が拡大しているという点は私は正しいのではないかと思っているわけであります。  ただ、やはり問題は公的投資でありまして、これは前年を下回っております。これはもともと政府の予算規模が低いわけでありますから公的資本形成というものは前年を下回っておりまして、これが全体の回復の足を引っ張るという結果になっているわけでありまして、こういう状況でありますと、やはり日本の実力を十分に発揮するだけの成長ができないように思うわけであります。その結果、国際収支の黒字は依然として大きなままで残るということになりますので、確かに内需は緩やかに増加をしておりますけれども、さらにこれに輸出の低下というものをカバーするだけの新しい需要を追加するということが経済成長を持続するために必要な段階ではないかと考えるわけです。  それから三番目の公的分野への民間の活力の導入ということで、それは赤澤参考人の方がお詳しいと思うわけでございますけれども、確かに最近JAPICという団体がございましていろいろ研 究をしておりまして、例えば東京湾の橋を民間の力でかけるとか、あるいは信濃川の水を関東、信越に流してやる、そういう公共事業を民間の力でやろうということを計画しております。公共事業というのは効果が公共に及ぶということでありまして、事業の主体は民間でできればこれは民間ベースでやるということは私は少しも差し支えないし、その方が効率もいい場合が多いのではないかというように思うわけでありまして、問題はそれで果たして採算がとれるかどうかということでありますけれども、採算のとれるような仕事であれば大いに民間の力を公共事業分野に活用すべきではないかというように思っております。  以上でございます。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) 時間もございませんので、ごく取りまとめてお答え申し上げます。  最初に、御指摘ございましたように、私は、今の貿易摩擦の根源はやはりずっとさかのぼっていけばこれは産業摩擦だというふうに考えております。と申しますのは、各国それぞれ産業というものには歴史があり、発展段階があり、いろいろ違うわけでございますけれども、そこへこの二十年ぐらいの間に急激な技術の進歩に伴います構造変化が起こってきております。それが各国によって、それぞれまちまちの形でこれが起こってきておるという状況でございます。ところが、一方で、世界経済というものはますます緊密性、相互性というものがふえてきておりますから、したがってそれぞれ発展段階が違い、工業化の段階が違い、また先端技術の開発の状況が違うものがお互いお互いの国際的な相互依存性が強まればそこに摩擦熱が起こるであろう、これがいわゆる貿易摩擦だという考えを持っておるのでございます。  こういったものを解決するにはどうするかといえば、私はやり方としては二つしかないと考えております。  一つは、言われておりますような技術移転の問題でございます。これは主として先進国から発展途上国へという形で議論をされてはおりますけれども、先進国同士の間においても技術移転というものはこれから先、非常に重要な産業調整のファクターであろうと思います。と同時に、先進国間におきましては、八二年のベルサイユ・サミットで合意がありましたように、これから新しい技術分野に向かっての開発協力を進めていく、これは非常に大事な一つの今後の世界経済の発展のために欠くべからざるステップであろうと思います。  それから第二の点は、投資の促進ということでございます。日本がまだ経済規模が大きくないときにはそれほど問題ではございませんけれども、今のように投資国、債権国という形の見本になってまいりますと、当然これから先、世界経済に対しまして投資をしていくという形、いわば企業自身が国際化をしていくということが非常に必要になってくるだろう、かように思います。  この二点、さらに政府間の技術開発協力、いわば三点が今私が申し上げましたような意味での本来、基本的に貿易摩擦を今後解消し、世界経済を発展さしていく方策ではなかろうか、かように考えております。  それから第二の御質問のパーセプションギャップあるいは国民的コンセンサスという問題でございますが、関連ございますので一括して私の所見を申し述べてみたいと思いますが、今回の政府がやっておりますいろんな対外対策の中で、特に総理大臣談話を私拝見いたしましたが、消費者の選択と自己責任という言葉が使われております。一方で、可能な限り日本の各種の制度、慣行等を国際水準に近づけていこうということも言われております。従来、政府対国民と申しますか消費者という立場から見ますと、いわば政府は一種の護民官というんでしょうか、民を守るというんでしょうか、そういう立場が従来から役所の任務と考えられておりまして、例えばある不良な商品が出回る、監督をもっとしっかりやれ、けしからぬということで、各役所はそれぞれ護民官でございますから、一生懸命規則をつくって、そういうものが出回らないように規制をしていくのが従来の日本における一つの官僚といいますか、政府のあり方として考えられておったように思いますけれども、今度はやはりある一つの例えば商品というものを考えますときに、それが基本的な欠陥があって多くの国民に損害を与える、非常に多くの範囲で国民に損害を与えるというようなことであれば、そこのところはしっかりキープしなきゃいけませんけれども、それ以上の細部については消費者自身がみずからの選択を行い、みずからの責任でこれを使っていくというような考え方になるようにしていかなければ国際水準という形にはなかなか近づけないということであろうと私は考えております。  一挙になかなかそういうふうにはまいりませんが、そういう形でのやはり国民各層の考え方、あるいは特に従来お役所といいますか、官僚システムが持っておりました考え方というものを変えていきませんと、いつまでたってもパーセプションギャップというものは残っていくのだろうというふうに思います。今度の日米交渉を通じましても、通信機器の端末機、一番いい例は電話機でございますけれども、そういう問題についてアメリカ側がいわば貿易障害だと言っておるのはまさにそこのところであろうかと思います。そういう意味で、私ども一割国家ということで非常に大きな世界経済に影響力を持つ国になってきておりますので、そういった点については国民のコンセンサスを得ながら日本側としても十分パーセプションギャップを埋めていくような努力をしていかなければならないし、またそういった日本側の努力をあらゆる機会を通じて各方面に理解を得るようにしていかなければいけないのだろうと考えております。  それから第三に、私どものやっております具体的な仕事でございますが、先ほども一、二の例をお答え申し上げましたが、私は今の情勢の中で、もちろんさっき私が申し上げましたような技術移転あるいは投資の促進ということは非常にジェトロの仕事としても重要だと考えております。特に、大企業はそれぞれ情報網も持ち、また海外への投資を熱心にやっておりますけれども、日本には実は非常にすぐれた技術力を持った中堅中小企業がたくさんございます。私は、今産業界の方とお話をしておりまして、かつて二十年前には輸出をすることと海外から技術を導入することでこれが企業を拡大していくモチーフになっておりましたけれども、今、これから十年、十五年を考えますと、むしろいいものを輸入してくる、あるいは海外に投資をしていくということが一つの企業発展のモチーフになるのだろうというふうに思っております。そういう意味で、私どもいろんな海外投資につきましても、あるいは技術移転につきましても、いろんなデータをそろえ、情報をそろえ、そして中堅中小企業が積極的に海外に進出していかれるお手伝いをいたしております。  なお、輸入の促進につきましては、この三月にメード・インUSAフェアあるいは名古屋のワールド・インポート・フェアというものに私ども企画をし参加をいたしましたが、結果をいろんな形でのアンケートその他とってみますると、やはりこういった催しというものは、出てこられました海外の企業にも非常によかったという評判をいただいておると同時に、会場に来られた日本側のビジネスマン、それから日本側の消費者の方もこういった品物があるのかということで、ある意味で現物を見ながら商取引ができたということで、私どもが思ったよりも、これは若干自画自賛になって恐縮でございますけれども、効果が相当あったのじゃなかろうか。そういう意味で、これからもそういったふうの催しをことしはもう少し拡大して、予算の範囲でございますけれども、やっていきたい、かように思っておるところでございます。  なお、具体的な御質問がございましたら、また追加してお話を申し上げます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 時間がもうちょっとありますから、具体的な質問と言っていただきましたからお尋ねをいたしますと、私が今、日本独自の慣行を 諸外国に知らしめる努力をしていかなくちゃならないということを申し上げたわけでございますが、これは私、先日テレビを見ておりましたら、この経済摩擦に対して日本在住の要するに外国の商社マンが日本という国をどう見ているかということをいろんな角度で言っておりました。中曽根さんが、百ドル買えばという御発言をされました。それに対して、フランスの商社マンですけれども、怒っておりました、とんでもないことであると。要するに、フランスや、こういうような国を発展途上国並みに見ている、けしからぬことである、援助をしてあげようというふうな、そんなとんでもないことである、こういう怒った発言がありました。  それから日本という国は判断ができないといいますか、これはアメリカの商社マン、電子部品の販売の会社ですけれども、アメリカでしたならば社長あるいは社員との意思の疎通がある、何か検討する場合に必ず結果はイエスかノーかはっきりする。ところが、日本の場合は、そう言えばそうですな、しかし考えればと、こういうようなノーでもなければイエスでもない、端的な言葉で言えばグレーゾーンみたいなそういうことで煮え切らなくてわからない、これが日本の慣習でしょうかというような意見でございました。  また、これはアメリカの家庭用品メーカーの商社マンですけれども、日本は流通段階が複雑でわからない。さっきから赤澤参考人が申されるとおりに、この商品は国際競争においても勝てる商品であるとアメリカが自信を持っている。これはおふろの浴槽のあれだったと思うんです、多分。ところが、これを百貨店で売ろうとした場合には、幾つもの段階の経路を経なければ売ってもらえない。また、商品として出した場合には、必ず返品というものがある。こういうことはアメリカでは考えられない。リスクを持ってくれる代理店がない。こういうことは考えられないことである。  また今度は、フランスの商社マンは、価格をたたかれる、それと日本のこの流通機構というものは徳川時代の封建的な機構であると表現していましたね。大会社は徳川の大名である、小売店はそれに全部支配されている。それで、値段を安くやるようにしますと、何で安く売ったかと徳川大名の侍が来てそれを徹底的にたたいてしまう。そういう封建的な立場から見ておりますね。  だから、こういうあれを私は見ておりまして、いろいろな日本に対する資料を集めたと、机の上いっぱいになったのだという今お話がありましたが、それでアメリカで今言われておることは、日本の常識は世界の非常識である、このように言われている。日本では常識であっても世界では通用しない、非常識である。それで、中曽根外交は日本国内向けのポーズである、アメリカから見れば茶番劇である。こういうアメリカは見方をしておりますし、ヤスにレーガン大統領がうそを言われた、だから人間失格である、そういうような言葉を使っているということが言われておりますけれども、今申し上げたことは具体的な問題ですけれども、いかがでございましょうか。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) 外国の商社マン、あるいはその他いろんなことがやはりジェトロにも、苦情として私ども承っております。特に、御承知のようにOTO、オンブズマンの制度がございますので、私ども、アメリカと言わず、各国の私どもの在外事務所がこのオンブズマン、OTOの受け付けをやっております。この受け付けをしたあれをずっと調べてみますと、さっき先生がおっしゃるように、非常にもっともだと思うこともあり、非常に誤解に基づくものも相当多いということは私もわかっております。  そういうことから、私どもジェトロといたしましては、日本市場にどういうふうに参入すればいいのか、その際の日本市場の特色なり、今言った日本独特の習慣とか、例えば今の流通機構の問題ですね、これなんか一挙に解決しろと言ったって解決できません。いきなりだれかがデパートへ持っていって仕入れてくれと言っても、これはできません。やはりちゃんと指定の問屋を通さなければデパートへ入れないわけでございますから、これを今変えてしまえといってもこれは到底できることではない。そういうやっぱり既存の制度というものについて必要な改革はできるだけ国際化に近づくように私どもお願いしながらやっていくしかないと思いますけれども、急速には解決しないものがたくさんございます。それはそれとして、前提として、こういうやり方であなたは日本市場にアプローチをされればより仕事がやりやすくなるはずだという、いろんな種類のパンフレットを実はジェトロでは用意をいたしまして、そういう苦情があるたびにそれぞれパーソン・ツー・パーソンで、個人対個人でいろいろ話をしているというのが現状でございます。  しかし、一方で先ほどもちょっとお話がございましたけれども、そういう苦情を言っている人のある反面、成功例も実はたくさんございます。日本でうまくやって非常に成功した例も実にたくさんございますので、そういった成功例の方も私どもはまた一冊の本にしまして、こういうふうにうまくやって日本市場でお金をもうけた企業がありますよ、この人たちをまねしてうまくやってくださいという例も挙げながら今PRに努めておるという現状でございます。  なお、御必要がございましたら、そういった資料を後刻またお届けをいたしたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 届けていただけたら、ありがたいと思います。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) はい、承知しました。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 どうも、きょうは御苦労さまです。  私は、今回の貿易摩擦について赤澤さんにまずお伺いしたいのですが、今回貿易摩擦とか経済摩擦と言われていますけれども、私はこれはむしろ政治摩擦じゃないかと思うわけですね。あるいは文化摩擦かもしれません、今の田代委員の話がありましたように。といいますのは、実はちょっと話を変えまして自動車の自主規制の問題、これを続けようという話が年末から年初にかけてあったわけですね。そのときに、アメリカの方で、あの自動車の自主規制というのは日本のカルテルであるという意見があったわけです。向こうの消費者としては、日本の安い自動車、メンテナンスフリーのものを欲しい。ところが、日本が自主規制して供給制限するものだから、値段が高くなって消費者にとっては不利益である。それをやっと今度自主規制を解除するという状況になっているのに、またそれを続けるというのは日本の自動車メーカーが供給制限して値段を維持し、そして利益を不当に得ようとしているものであるというふうな意見があったわけですね。  そういう一方に意見がありながら、今度議会筋ではこういう問題が起こっている。アメリカのようなところですから、いろいろな意見があっていいわけですけれども、今の日本はどうも議会筋のそういう貿易摩擦問題一色で、中曽根総理以下中学生まで全部振り回されているという感じを受けるわけですけれども、その辺の民間の率直な日本製品に対するそういう考え方、それをジェトロの方ではどういうふうに受けとめておられるか、情報があれば教えていただきたいと思うわけです。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) 今、政治摩擦というふうにおっしゃいましたが、先ほど冒頭に私も申し上げましたように、今、日米貿易問題が非常に深刻なのは、まさにこれが政治問題化したということだと申し上げました。これは来年の中間選挙とか、さらに三年先の大統領選挙とかいうものがあることはもちろんでございます。これは国会議員さん、みんな選挙となるとそれに集中いたしますから、そういう点があることも私もわかりますけれども、同時に、昨年の一年間ぐらいを振り返ってみますと、やはり国内の産業界からの不満といったようなものが、これはさっきお話しのように非常なドル高で、国際競争力がその意味で減ってきている、特に価格競争力が落ちてきている、こういうこともあるわけですけれども、同時に、国内の産業界の不満がいわば議員さんを通じてうっ せきしてきた、たまりにたまってきた。  例えば昨年の大統領選挙を見ますと、トレードイシューというものはほとんど大統領選の争点になっていなかったわけですね。これは外交問題と財政赤字の削減問題、二つだけが大争点になったわけでございますから、そういう意味で国内の不満を吸い上げ吸い上げしておられた議員さん方が、やはりここへ来て一斉に産業界からの不満を吸い上げる、そして非常に強い態度で特に対日報復決議というようなものに結集したのではないかというふうに私は考えております。  それから日本商品に対する評価でございますが、これはだれに聞いてもいい評価しかありません。ただ、自動車については私も非常に残念だと思いますのは、日本政府が、いわば野放しにするまでの間のならし期間と言うのでございましょうか、多分そういったようなつもりで政府はおやりになったのだと私は理解をいたしておりますけれども、たまたま四分野について物すごく向こうが強硬な要求を出し、かつ折衝をしているさなかにこれが出たものですから、ある意味では自動車をやるからそっちは少しお手やわらかにといったような日本側の作戦ではないかというふうに、ある種の誤解もあったというふうにこれは私どものいろんな情報で出てきております。  そういう意味で、押しなべてアメリカの消費者の日本製品についての信頼は高うございますし、どなたに聞いても、アメリカから来る人は日本の車、日本のテレビ、日本のビデオ、すべていいというふうに言っておりますので、私は今言ったようなアメリカの消費者サイドから見れば、今の日本商品についてこれを制限したり、あるいはいろんなことをやるということについては反対という感じであろうと思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 例えばローカルコンテンツ法案、あの問題につきましても、アメリカの労働者自身もあれに反対だ、それから経営者も反対だと言っているわけですね。あんなものをやられたのじゃいい車ができない、だからいい部品は世界どこからでもどんどん買いたいのだということを言っているわけです。ああいうものが言われるということは、議会筋にそういうものの利益を代表する一派があるわけですね。ところが、そういうものだけが日本で非常に大きく取り上げられてしまうというふうなことで、今度の問題も、中曽根総理は百ドル買えとおっしゃって、先ほどもお話がありましたけれども、それは例え話にしても、ああいう経済的なことではこの問題は解決しないと私は思うわけですね。やはり政治的な問題がある。先ほどのように国内の不満が非常に高まっている。したがって、その圧力をかわすために、国民の目をそらせるために日本の問題を取り上げてきた、マスコミと一緒になって議会筋が意識的にあおった、そういう感じさえあるわけです。  そうしますと、そういうものに対してただ百ドル買ったからといってどうも向こうは満足しないのじゃないか、まだまだ尾を引くのじゃないか。したがって、その辺の根本的な原因をよく突き詰めて対策を講じなきゃいかぬ。しかも、我々もそうなんですけれども、国民に対して日本のジャーナリズムなんかが一方的なことしか言わないものだから、情報が非常に偏ってしまう。日本人というのはそのぶれが大きいものですから、さっと右へ行ったり左へ行ったりするものですから、これは間違えるとおかしなことになるのじゃないか。先ほどのように、アメリカの国民は非常に日本のものを歓迎しているわけですから、その辺をうまくコントロールしていかないといけないのじゃないかという気がするんですが、その辺いかがでございましょうか。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) これは日本の場合も同じでございますけれども、やはり国民といいますか消費者という立場と、それから企業経営者といいましょうか、例えば全米製造業者協会、あるいは一番対日で強硬なのはセミコンダクター、半導体の工業会、こういったような工業会というものをベースにした製造業というもののいわば経営者のグループの意見と国民の意見というものは、日本の場合もそうでございますが、必ずしも一緒ではない、やはり製造業は製造業者としての意見がございますから。今、議会に非常にたくさんの圧力がかかり、不満がうっせきしておるというのは、国民の消費者の問題ではなくて、製造業の問題というふうに私は考えております。  それから、そういう立場で言うと、ローカルコンテンツ法案について、これは自動車業界も、コンピューター業界も、電機業界もそうでございますけれども、いわば彼らはマルチナショナルな多国籍企業でございますから、世界じゅうからいいものを買いたい、そしていい品質の、コストの安い商品をつくりたい、こういうことは当然でございます。また、そういう活動もしております。そういう意味から、私は、今のローカルコンテンツ法案に製造業者も、またそこに働く労働者も必ずしも賛成しなかったというのは、これはそういうことであろうと思います。  それから、先ほども申し上げましたが、今度の対策の効果ですね。私は、アメリカ側がもし素直にそういうふうに考えてくれるとすれば、これによって、今まで日本市場に入るためにアメリカ側から見れば無用の手続があり、無用の検査があり、実に煩雑ないろんな書類を出さなければならぬ、それも相当おくれてきて、市場的にはもう手おくれだと思うようなときにならないと許可が来ないとか、そういったような非常な不満があったわけでございますから、今度の対策を通じてそういうことが十でも五つでもとにかく今度はうまくいった、解決したと。しかし、売れるか売れないかは日本市場における国際競争力の問題ですから、持ってきたけれどもそれは売れないケースもあり得ると思います。しかし、いずれにしても、そういうことでやはり手続面、基準・認証面、検査の面、こういった面が従来に比べて格段によくなったということで成功した事例ができるだけ早く幾つか出てくれば、それはそれなりに評価をされるだろうと思います。  しかし、依然として日米貿易インバランスという問題は、先ほど申し上げましたようになかなか早急には解決しない問題でございますので、これは両国政府のマクロ経済面での、やはりいろんな面でのすり合わせと申しましょうか、お互いの調整をしながら、ある程度の時間をかけながらやっていく、こういうことであろうかと思いますが、そういう点でまだまだ、先ほど申し上げましたように対策の効果はすなわち数字だという短絡的な意見もアメリカの国内には相当ございますので、これで摩擦解消について安心できるという状態ではないと私も考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 私は、今回の措置について、どうも政府はアメリカのものを買えとか、イギリスのものを買えとかいうことで国民に押しつけている。あるいは企業を六十社かなんか集めて、みんな輸入しろなんて言って、めちゃくちゃなことをやっている。それもやらなきゃいかぬと思いますけれども、そんなことじゃ解決しないのじゃないか。むしろ、本当に政治面から解決しなきゃいかぬ問題だと思うわけです。  石井委員がいらいらしていますので、金森さんに一つだけお伺いしたいんですけれども、こういう貿易構造、日本のものが、これは本質的に、例えばエレクトロニクス、メカトロニクスとか、そういうふうにいくべきだ。したがって、きょうも爆発事故の問題ありましたけれども、石炭なんか、ああいうものを実際やめるべきだ。これは石炭を具体的に言っちゃ何ですけれども、人身の犠牲を払ってまでやる必要はないのじゃないかと思うわけですね。ちょっと極端なことを言いますと、例えば船なんかも、日本で横浜とか神戸のあんなど真ん中で造船所をつくってやるのじゃなくて、エンジンとか、そういうコントロール部分だけ輸出して、そして台湾や韓国でつくったものを輸入するとか、重、厚、長、大というものは思い切って海外に依存するというふうな産業構造の転換というものをここで真剣にやらないと、この貿易摩擦の問題というのはいろいろな形を変えてずっと永久に出てくる問題じゃないかと思うんです が、その辺の御意見を承って私の質問を終わりたいと思うんですが。

金森久雄日本経済研究センター理事長

○参考人(金森久雄君) 御指摘のとおりであります。  長期的な観点からいえば、貿易摩擦の解消のためには産業構造を変えるというのが一番基本的な対策ではないかというように考えます。特に、現在、日本の産業の中心となっております造船、鉄鋼、自動車にさえも、次々にアジアの新興国が発展しておりますから、新しい産業にどんどん日本が発展していくということが長期的な観点から見ますと最も大切なことだろうというように考えております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 参考人は十二時に御帰宅を御希望なんでございますので、簡潔に御質問をして、また当を得たお答えを得たいと思います。  まず最初に、金森参考人にお伺いいたします。  米国が債務国に転落したと言われてから久しいわけでございます。例えば、ことしの三月五日のバーグステン国際経済研究所長の発言、ボルドリッジ商務長官の発言等々具体的にそういった表現が使われておるわけでございますが、アメリカ以外の国の場合、債務国になるとどこからか金を借りてこなければならない、その金利をどうしようか、どこが貸してくれるだろうかといったような債務国としての独特の問題がございますが、アメリカの場合は、ただ単に金の足らぬところは紙幣を印刷すればいいのだといったような表現も使われておるわけでございます。国際通貨の流動性という面で余りにもドルの占める位置が高い。ポンド、マルク、SDR等は取るに足らない存在である。こういった中で金本位制への復帰とか、金の価格の暴騰説等々流れるわけでございますが、この事実に対してどのような御所見をお持ちか、できればごく簡単にお答えいただきたいと思います。

金森久雄日本経済研究センター理事長

○参考人(金森久雄君) 御指摘のように、アメリカも基軸通貨国でありますから、幾ら赤字が出ましても、簡単に言えばドルを印刷してばらまいていれば当面はしのげるわけでございます。これに対して、これは非常におかしい制度であるから、SDR、国際通貨基金で通貨を発行するとか、もっとマルクや円を使えというような考え方が出てくるのは当然でございますけれども、国際的な通貨というのは長い歴史がございまして、これを使えといいましてもやはりなかなかそうはいかない。どうしてもアメリカ・ドル依存という形になってしまうわけで、金本位に戻るということは私は不可能だと思いますし、いろんな通貨を使うということも簡単にはいかないというように思います。  ただ、円も、資本のいろんなコントロールを外しますと次第に国際通貨の役割を果たしていく。事実、緩やかでありますけれども、徐々にドルばかりでなくてマルクや円の比重も高まってきておりますので、大きな役割を早期に期待するということは困難でありますけれども、できるだけ円を国際化して世界の通貨の中で円の地位を高めていくということは、私は望ましいことではないかというように考えております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 私は、今手元にけさの朝日新聞を持っております。「内需拡大論に大蔵省が反発」という見出しでございます。内容は読んでいただければわかりますので省略をいたしますが、けさ述べられた金森参考人の御意見はやや大蔵省と論点を異にするというように感じられるわけでございますが、結論として大蔵省と論点を異にする考えなのか同じなのか、イエスかノーでちょっと教えていただきたいと思うんですけれども。

金森久雄日本経済研究センター理事長

○参考人(金森久雄君) 論点を異にしております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 よくお言葉を覚えておきたいと思います。  続いて、赤澤参考人にお伺いいたします。  ことしの二月二十八日に、アメリカの下院の歳入委員会の貿易小委員会ギボンス委員長のもとで、ブロック代表が次のような証言をいたしております。貿易赤字については七五%から八〇%までがマクロ経済、すなわちドル高によるものである、こういうことでございました。昨日も、あの席に座られたマンスフィールド大使がこの言葉を引用されました。ジェトロの理事長として、この七五%から八〇%という答え、私個人は九五%と思っておるわけでございますが、パーセンテージで答えてどの程度このドル高の影響があると御理解をしていろんな施策を練っておられるのか、ひとつパーセンテージでお答えをいただきたい。

赤澤璋一対外経済問題諮問委員会委員

○参考人(赤澤璋一君) 何か試験をされているみたいで、大変難しい質問でございます。  これは分析の仕方によっていかようにも数字が変わると私は思います。ただ、大方で言えばやはり七割前後、あるいは多く見て八割ぐらいというのが極めて常識的な答えではないかと私も考えております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 時間なるがゆえにこういう聞き方をいたしておるわけでございまして、失礼の段があればおわびを申し上げたい。試験をいたしておるのではございませんので、念のために申し上げておきたいと思います。  私は、絶えず日米間の交渉事を見ておって、日本が余りにも言うべきことを言うていないということについて憤慨をいたしておる一人でございます。例えば本年二月十四日から十八日の間に行われた日米高級事務レベル会議におきましても、アメリカは最後までドル高主因説を認めずに、日米間の所得効果のずれであるということで逃げ切っておるわけでございます。私は、今後、赤澤参考人がいろんな場で御発言をされることと思いますが、絶えず言うべきことを言うのだ、正しい理論はあくまで正しいのだということを向こうの連中に教えてやっていただきたい。なぜならば、正しい原因をつかまずして、幾ら討議をしておってもこの問題は解決をしない、私はそのように感じておりました。  希望を述べまして、これは御答弁要りませんが、私の質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、御多忙の中、長時間にわたり御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して、厚く御礼を申し上げます。  午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 きょうは、対外経済摩擦問題について本来質問いたしますが、最初に、昨日起こりました三菱石炭鉱業高島炭鉱の事故について、若干先に質問を通産省の方にさせていただきたいと思います。  死者が十一名、重軽傷者四名という、またも大変な痛ましい事故が発生をいたしましたし、まかり間違えばたくさんの人が坑内に入っておりましたので、また大災害になる可能性を秘めておったと思いますが、この原因ですね、今わかるところで結構ですが、原因は一体何なのか。それから通産省の事故に対する事故後にとった対応、この二点についてお伺いをいたします。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 高島炭鉱事故につきましてお答えを申し上げます。  今、梶原委員御指摘にありましたように、昨日の午前八時四十五分ごろ、三菱石炭鉱業株式会社高島炭鉱の坑口から約六・六キロメートル入ったところにあります飛島二卸坑道の上部付近におきまして、ガス爆発と疑われる事故が発生をいたしまして、死亡者十一名、重軽傷者四名の罹災者が生じたわけでございますが、通産省といたしましては、実は昨日既に昼以後着々といろいろな情報 が入っておりまして、昨日直ちに福岡鉱山保安監督局に対策本部を設置するとともに、平河立地公害局長らを現地に派遣をしたところでございます。  なお、今お尋ねのありました事故の原因等につきましては、詳細を調査中でございます。  この際申し上げますが、昨年一月の三池炭鉱有明鉱の坑内火災事故に引き続きこのような大規模な事故が発生いたしましたことは、まことに遺憾でございます。私も通産大臣就任以来、炭鉱の保安問題について本当にいつも心配をいたしておったところでございますが、このような災害が発生したことはまことに遺憾であります。私どもといたしましては、事故原因を究明をいたしまして、今後このような痛ましい事故が繰り返されることのないよう、保安確保に万全を期してまいりたい、このように考えておるところでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 本商工委員会もあした現地に飛ぶようになっているようでありますが、事故の原因ですね、この段階でなかなかはっきりしたことは言いにくいだろうというのはよくわかりますが、どうもガスの爆発のようなことをNHKでも既に報じられておりますし、その爆発地点というのはもう一カ月間ぐらいは使っていなかった、そこにガスが充満して恐らく発火したんではないか、こういうようなことをしょっちゅうもうマスコミで言っておりますが、大体その辺は、今の段階でそう考えてよろしいでしょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 私もマスコミその他の報道は詳細に読んでおりますが、まだ派遣をいたしました担当官等から、調査中ということで詳細の報告は入っておりません。いずれ原因はよく究明をしてまいりたいと思っております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 もうマスコミがそこまで言っているということは、相当突きとめて、やはりNHKも言ってるんですからだと思いますが、なかなか慎重なところはよくわかるんですが、余り慎重過ぎて、権威のある通産省が、監督権のある通産省がだれよりも早く問題を突きとめて、そして国民にやっぱり明らかにするというやり方をとらないと、一体何なのかと、こういうことになりますので、ぜひその辺はひとつ取り組みの強化をお願いを申し上げたいと思います。  さらに、この事故の問題には直接かかわりないと思うんですが、現地労働組合との関係では、相当大幅な労働組合に対する合理化、労働者に対する合理化提案がなされておったようであります。もしその概要がわかればひとつ御報告をお願いしたいと思います。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(高橋達直君) 高島炭鉱についての合理化の計画についてのお尋ねでございますが、私どもが承知をしているところによりますと、この四月に会社側から経営改善を図るために組合側に合理化の案を提示しているというふうに承知をしております。  内容的には、生産体制につきまして現行七十万トンの年産の体制でございますが、これをおおむね一割程度減産をする体制にするというようなこと、これに伴いまして約二百名程度の人員を削減するという計画でございますが、この人員の削減につきましては、定年退職あるいは自己都合退職ということで、その不補充ということで、いわゆる合理化の解雇は行わないというふうに聞いております。これによりまして年間十億円程度の収支の改善を図るという計画になっておるようでございますが、私どもといたしましても、経営改善ということで労使の話し合いを注目をしていたところでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 人の面と、もう一つは大幅なベースダウンの提案があったんじゃないか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(高橋達直君) 給与の改善の問題につきましては春闘の中で話し合っておるところでございまして、この合理化の計画の一環といたしましてそういった給与の問題があったやに聞いておりますけれども、いずれにしても現在まだその全体が話し中というふうに聞いております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 私が合理化が提案と言うのは、やっぱり春闘のときに出たんであろうが、出ていないんであろうが、やっぱり我々の一般的なとらえ方というのは、ひっくるめまして人の面とベースダウンの面と、両方とらえておかないと、じゃ春闘のとき話が出たからというとらえ方では間違っておると思うんですよ。その点はいかがですか。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(高橋達直君) いずれにいたしましても、現在この合理化計画、まだ決定をしておるということではございませんで、今組合との話し中というふうに聞いております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 提案と言ったじゃないか。私が聞いているのは提案がどうなのかということですよ。だから、決定しているということを言っているんじゃないんですよ。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(高橋達直君) 合理化計画の内容の提案の点につきましては、六・五%のベースダウンというふうに提案をしているというふうに聞いておりますが、ただ、それが全体の仕上がりとしてはまだ決まっていないということを申し上げたわけでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 だから、そういう答弁の仕方というのはないですよ。合理化提案はどこどこをどうしているかと聞いておるのにかかわらず、いや交渉の中で出たんだ、どういうような内容かと聞いているのに今答えられた。なぜ初めに答えないんですか、そういうことは。そういう態度というのはないですよ。  そこで、人員の合理化の問題というのはこれは確かにわかりますが、今事故で亡くなっている人の内訳を見ますと、あなたのところからいただきましたのは職員が二名でしょう。直轄というのは純職員じゃない、これが五名、請負が四名。非常にここから見てもわかりますように、有明もそうなんですけれども、下請をたくさん使って、純職員というのは非常に少ない、下請の人がたくさん被害をこうむっているじゃないですか。一方では職員の数を大幅に減らす、こういう内容になっているのは事実でしょう。

山本雅司通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(山本雅司君) 昨日の事故で死亡並びに負傷された方の内訳は、今先生御指摘のとおりでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 そこで、私いろいろ言うつもりはなかったんですけれども、やっぱり合理化の提案が出て、そして後どうなるかわからぬ、やっぱり人心に不安がある状態の中で、特に事故というのは、過去の例からもやっぱり起こりやすいんですよね。三池の大牟田の大爆発事故もそうなんですけれども、非常に人心が不安定なときに起こりやすいわけですよ。ですから、そういう意味では、特に有明、高島だけじゃないかもわかりませんけれども、そんな山が幾つかあったとすれば、そういうもめごとがある、労使にもめごととかあるいは心配事があるようなところがあったら、もしあれば今幾つかこういうところだというようなのをちょっと挙げてください。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(高橋達直君) 労使の間で特に紛争の状況にある山というものは私ども承知をしておりません。  過去において、例えば昨年の状況で参りますと、北炭の幌内が経営危機に瀕した際も、労使の協調で何とかこれを切り抜けてくる状態になっておりますし、特に現段階で問題のある山は聞いておりません。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 最後になりますが、できるだけそういうような状況があるところにはやっぱり保安はもっと力を入れるべきだという、そういう指導をぜひとっていただきたいと思います。  次に、本題に返りますが、金子経済企画庁長官にお伺いしますが、対外経済対策推進本部というのを全閣僚で設置をされまして、本部長に中曽根総理大臣がなられて、こういうことが新聞やあるいはその関係の資料もいただいておりますが、これは一体どういうことでしょうか。  金子経済企画庁長官は経済対策閣僚会議の座長であります。また、河本国務大臣には、やっぱり経済摩擦の特命相としての何か役割を閣議で与えておられたようなんですが、そういう関係と、どうもわかりにくいんでありますが、いかがでしょうか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) ただいまお話しの政府・与党対外経済推進本部の役割でございまするけれども、これは政府・与党が一体となりまして、対外経済対策に基づいて我が国の経済の一層の国際化、市場の開放を強力に推進するために設けられましたものでございまして、いわば対外経済問題閣僚会議の実践組織とお考えいただいたらいいかと思うのでございます。総理も、この問題の重要性にかんがみて、特に政府・与党一体となってこれを推進しよう、運営に過誤なきを期したいということで、こういう組織をおつくりになったものと理解いたしております。  それで、組織は非常にややこしいようにお考えかもしれませんけれども、私の方のやっております経済対策閣僚会議と申しますのは、これは最近の内外経済情勢に対処して効果的、機動的な経済運営を期することを目的にして従来からつくられたものでございまして、それはそれなりに中長期的な対策を検討する機関として従来どおり存続いたしておりまするが、今お話しの本部は、今度の貿易摩擦に関連してこれをスムーズに片づけたいということでできたものと御了解いただければ幸いでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 できればちょっと河本特命相の役割もひとつ教えていただきたいんですが。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 河本国務大臣は、ことしの一月に、アメリカとの間で問題になりました四つの項目を処理するために特命を受けられたわけでございまするけれども、同時にその後、貿易摩擦の問題が大きくなりましたものですから、こういったもの全体を含めてこの対外経済問題関係閣僚会議の座長として、何というか実践部隊を指揮する立場におありになるわけでございます。  私の方の経済閣僚会議の方は、十分、河本国務大臣の方と連絡をとりながら、全体としての企画立案をやっていく、こういう格好になろうかと考えております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 どうも私はわかりにくいんでしようがないんですけれども、そうしたら、対外経済対策推進本部の一番トップには総理大臣がお座りになって、その下に企画庁長官がいらっしゃって、河本さんが事務局か何か担当、これはどうなっているんですか、この組織は。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) 事務的な点でございますので、私からもう一回御説明を申し上げたいと思います。  まず、経済対策閣僚会議でございますけれども、これは内外の経済問題に関しまして重要な決定をする、こういう機関になっております。それからM9と通称されております対外経済問題関係閣僚会議でございますが、これは経済対策閣僚会議のもとに置かれましたいわば小委員会でございまして、対外経済問題の処理を円滑に推進する、こういう役割を与えられておるわけでございます。経済対策閣僚会議の傘のもとにある、こういうことで、M9につきましての補佐をいたします関係各省庁の局長会議というのは経済対策閣僚会議の事務局でございます経済企画庁の調整局長がその主宰をする、座長として相務める、こういう関係になってございます。  これに対しまして、先週四月十九日に政府・与党首脳会議におきましてその設置が決められました対外経済対策推進本部というのは、これは先ほど大臣からもお答えがございましたように、政府と与党が一体になりまして対外経済対策を強力に推進するために設置をされたもの、経済対策閣僚会議がいわば政策決定機関であるのに対しまして実践組織である、関係各省のこれからの政策推進に対する督戦隊も含めた実行機関である、こういうふうに位置づけて御理解をいただければと思う次第でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 ちょっとわかりにくかった。  そこで、対外経済対策推進本部の本部長は総理大臣でしょう。そうすると、総理大臣がいないときは、代理は金子企画庁長官になるんですか。それからちょっと聞いたのでは、事務局みたいな担当は河本特命大臣のところだと、こういうように政府の方から聞いたんですが、それはいいんですか。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) 推進本部の本部長は、今、先生からもお話がございましたように内閣総理大臣でございます。本部長を補佐する立場で副本部長が五人置かれております。政府側からは河本特命大臣、それから金子経済企画庁長官、それから藤波官房長官、この三大臣が政府側から出ております副本部長でございます。これに対しまして、与党側からは藤尾政調会長及び江崎自民党国際経済対策特別調査会長、このお二方が与党を代表する立場で副本部長になっておられます。本部長が御出席にならないときには副本部長の中で筆頭という形で、河本国務大臣が本部長代行、本部長の事務を代行する、こういう関係になってございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 はい、わかりました。  もうちょっと、先に入る前にひとつまた整理する意味でお聞きしますが、一月二日に中曽根総理大臣がアメリカに飛びましてロン・ヤス会談をやりまして、四つの荷物を背負うてお帰りになりましたが、あの会談に行くときは、当初は外務省はやっぱり行くべきではないというような新聞記事を私どもはちょっと見たのです。それで、いや行くということで、総理がみずから行ったというような経緯を聞いているんですが、この辺につきまして、両大臣のどちらでもいいですが、ちょっと真相をお聞かせいただきたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) これは全く総理の意思でお出かけになったというふうに我々は伺っております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 最近の傾向を見ますと、外交関係でもそうなんですが、何でもかんでも中曽根総理大臣が出ないと日本のことは片づかぬような傾向が出ているような気がしてなりません。我が国が大戦中非常に戦争が厳しい状況に進んでいったときに、いろいろ書かれておりますが、読んでみますと、当時の東条内閣で、東条さんが陸軍大臣と参謀長と総理大臣を兼務いたしましたが、中曽根総理大臣も、口は悪いようでありますが、いないときに言うのは悪いのですが、今度いるときにまた言いたいと思いますが、非常にそういう傾向があるような気がしてならぬ、何でもやはり自分がやらないとということで。しかも、一方では臨調行革、土光臨調を後ろ盾にし、そこでどんどん切って切りまくる、こういう感じを強くしておるのですが。  その辺に対しましてざっくばらんに、金子経済企画庁長官がしゃんとしておって、場合によっては河本特命大臣に特命事項を与えておる。こういう対外経済対策推進本部や何かはそこでがちっとやって、その上に総理大臣が乗って、非常に大事なときだけやっぱり意思を表明する、こういうような形がどうしてつくられぬのかという気がして私はしようがないのですが、それは経済企画庁長官やあるいは特命大臣なんかが力がないから、じゃ総理大臣がやるということなのですか。国策上そうやるのが一番いいからそうやっているのですか。一体どうなんでしょう。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 御指摘のような考え方もあろうかと思うのでございます。特に、日本の政策決定につきましては、下から積み上げてだんだん上へ上げるのがルールになっておりまするから、そういうお考えをお持ちになるのは当然だろうと思うのでございますが、どうも最近の首脳外交を見ておりますると、トップの立場にある人が真っ先に飛び回って話をつけて帰る場合が非常に多いこともこれまた事実でございます。特に、アメリカ、ヨーロッパの首脳の動きを見ておりますると、その傾向が顕著ございますので、総理もそういう意味において先頭に立っていろいろ政策の決定をし、あるいは指導をされるというふうに私どもは考えております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 お言葉を返すようでありますが、トップが何かをやってやり損のうたときは国民全体の運命にかかわってくるわけですね。だから、よそがそうしているから日本もと言ったって、日本にそういうもともと基盤があるかどうかは疑わしい、民主主義もどこまで進んでいるかどうかわ からないときに、私はやっぱりそういうあり方が、日本の国策上あるいは国の統治上果たしていいかどうか大変疑問を持つのです。その点についてはいかがでしょうか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) これも梶原さんのおっしゃるのはまさにそのとおりでございまして、先頭に立って動いていただくについては我々も十分輔弼の責任を全うせにゃいかぬと、そのつもりで常時努力をいたしております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 先に移りますが、貿易摩擦の原因ですね、なぜこの貿易摩擦がこういうふうに急になったのか。ちょうど、私も国会へ来て間がないのですが、去年の商工委員会等で内需あるいは外需、これが一体日本の経済にどういうように作用するのか、この辺の議論を大分しましたが、外需の面、内需を高めていくのだというかけ声は非常に強かった。ところが、締めてみますと、去年よりことしの方が非常に高くなっている。あらかじめ予期できたことではないのか。どうしてこういうことがわあわあ騒がれるのか。もう一年も前からはっきり見通しができるような問題なのですが、この辺もあわせて企画庁の方から。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 昨年の日本の対米黒字の一番大きな原因は、申すまでもないことでございまするけれども、アメリカの経済の成長が予想を上回る急速な成長をしたということが一つと、それからドルの独歩高と申しますか、円の方は日本経済のパフォーマンスが悪いわけじゃございませんから、もっと過大評価をされてしかるべきであるにもかかわりませず、ドルが過大評価をされました。そのために急にアメリカに対する輸出量が伸びた。一方においてはそれだけのまた経済成長が日本にあったということであろうかと思うのでございますが、その問題を端的に示しておりまするのが、おととしと去年の対米輸出の黒字を見てみますと、三百三十一億ドルもアメリカに輸出が伸びておるわけでございまして、一方においてアメリカ以外の方への輸出はむしろ昨年は減っておるというような状況でございます。  そういう点に一つの大きな原因があろうかと思うのでございまして、先般のOECDの会議におきましても日本の黒字問題が論議の対象になりましたので、私はやはり現在のアメリカの財政赤字に思い切ったメスを入れてもらって、歳出削減をやることによって高金利を是正し、ドル高を是正しなければ、なかなかこの問題は片づかないのじゃないかという主張をいたしたのでございます。各国の代表も大体同じような趣旨のことを述べておりまして、これに対してアメリカのベーカー財務長官も、自分たちとしては八八年までには千億ドル、少なくとも五百億ドルくらいの歳出削減をやる決意を持っておるということを表明しておりましたが、これは世界の世論として、何としてでもこの問題を片づけることが必要だろうと思います。アメリカの今日の状況がいつまでも続くようなことになりますると、それこそ世界経済を攪乱しますし、同時にまた一部には保護主義が台頭いたしますので、この保護主義の台頭だけは何としてでも食いとめなきゃいかぬという気持ちで私ども努力をしておる最中でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 アメリカの成長が予想を上回る成長だったということですが、私はそう詳しいわけではないんですが、六十兆円に及ぶような減税をやって、そういう状況から見ますと、皆さん専門家が考えればいや随分調子が乗るんじゃないか、そういうことはあらかじめ予測できたことではないかという気がするんですが、一体アメリカの予想を上回るものなら、その経済成長、景気というのは一体どうしてつくられたのか、整理をする意味でひとつ教えていただきたいと思うんです。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) アメリカの景気が予想以上に早く立ち直りました一つの要因は、物価が落ちついたことであろうと思います。物価の上昇率がマネーサプライの抑制等によりまして、八〇年度の初め以来急速に落ちつきまして現在に至っております。これが将来のアメリカ経済に対する消費者のコンフィデンスを高めたと申しますか、貯蓄率をしたがって引き下げて消費の回復に大いに寄与した、これが一つの要因であると言ってよいと思うのでございます。  それからもう一つは、アメリカの自律的景気の回復と申しますか、長引きました景気後退の中で、大衆消費財、それから住宅に対する潜在的需要が高まっておりましたのが自律的に回復してきた。また消費、住宅等の増加によって稼働率が上がりましたから設備投資がまた自律的に増加したということが一つの要因と言っていいかと思うのでございます。  それから第三点といたしまして、梶原さんから御指摘のございましたような、レーガン政権の新しい政策が大いに寄与した、つまり大幅の所得減税、投資減税が個人消費、設備投資の刺激に非常な効果を与えたということが言えようかと思うのでございます。  以上のような、大別いたしますと大体三つの要因で、おととしから去年にかけて急速にアメリカ経済が盛り上がってきた、こういうふうに私どもは理解いたしております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 どうも順番が気に食わぬのですね、今述べられました順番が。私はやっぱりレーガンの大幅な減税が一番目に来て、そして住宅とか設備投資が出てきたという順番を逆にしてもらわぬと、どうも日本は減税を余りやらぬものだから都合の悪い、ここのところは後ろの方に持っていかれると、どうも焦点がぼけてくるわけであります。  アメリカは景気が去年、おととしとよかったわけで、非常に日本も恩恵をこうむっておると思うんです。もし中曽根さんの言うように、行革路線か何かわかりませんが、財政の支出をする余地がないとかなんとかいうことをここ中曽根総理になってずっとそのまま仮に来ておりますと、アメリカの景気もこの前の去年やおととしのように上がってこなきゃ一体、大臣、日本の経済なんというのはどうなっているんでしょうか。そうでなくても戦後最大の企業倒産、中小企業なんて非常に大変なんですけれども、私はいつも言っているんですが、あるいは所得が伸びない、消費も伸びない、こういう状況で一体どうなっているんでしょうか、想定でありますが。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 中小企業の問題が出ましたから、私からもお答えを申し上げましょう。  先ほど来、金子長官また経済企画庁からお答えのあったところでございますが、私は日本経済の最近の好況というのは、アメリカの経済の好況というものが相当影響いたしまして、したがって米国貿易において大変な黒字を稼いだというのが一つの大きな牽引車になったと思っております。そして、それに対応して日本国内の民間設備投資も盛んになり、そしてまたいろいろ景気も上向いてきたところでございますが、そういった中で中小企業の倒産というものは、昨年は戦後最大と言われるぐらい件数も金額も多かった。これはいつも申し上げておりますように、中小企業については、いわゆる技術開発であるとか情報化の推進であるとか、そういった非常に企業全体を覆う大切な新しい波が訪れてまいりまして、それに対応できなくなった中小企業が倒産をするという現象も多かったわけであります。  そしてまた、大企業に比べると中小企業の方が何といっても景気回復がおくれておったわけでございますが、昨年から設備投資も盛んになり、いろいろな傾向が上向いてまいりました。したがって、今後中小企業の自発的な企業努力その他によって、これから中小企業についてもしっかりと立ち直ってもらいたい、そういう願いを込めて我々は中小企業行政を推進をしておるところでございます。  昭和六十年度の経済見通しは、これは経済企画庁長官がいつもおっしゃっておられますように四・六%の実質成長、そのうち四・一%を内需拡大等によって達成をしたいと言っておるわけでございますから、今までのような対外貿易依存中心ではなくて、そういった全般的なバランスのとれた運営にしていきたいというわけでありまして、 そこへ来て貿易摩擦その他の問題は、日本の一割国家としての責任を果たしていく上で非常に重要な課題でございますので、今はこれに対応しておる。ひとつぜひ新ラウンドを推進し、自由開放体制を推進したい。そうすれば全体の世界の経済の運営、日米関係もよくなる。こういう非常にグローバルな見方から総理の御指導があり、私は総理の御指導は非常に正しいし、経済運営についても勇気ある指導をしておられる、このように認識をいたしております。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 通産大臣から話がございましたように、やはりアメリカ経済の急速な回復によって、これは日本だけじゃなくて世界経済全体が伸びてきたわけでございまして、今度OECDに参りましても、やっぱりEC各国はその点は高く評価しておるんです。これからのアメリカ経済がどうなるかというような点が問題になっておりますから、やっぱり先進国はお互いに非難し合うというようなことじゃなくて、手を携えて世界経済の拡大均衡に持ち込もうという気持ちでこの間もOECDのコミュニケを決定いたしたような次第でございますが、アメリカはアメリカなりに、日本はまた今も話が出ましたように、第二の経済国家として、ECはそれぞれの立場において、ひとつうんとこれからの経済を伸ばしていこう、こういう気持ちで決意を新たにした、こういうことでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 ちょっと私が聞いているところと少し焦点がずれておるんですが、それはそれにいたします。  ただ、通産大臣が中曽根さんの経済政策、勇気ある、正しいということを言っておりますが、しかし、もう総理大臣きのう始まったことじゃないし、三年も四年もやって、その前に行管庁長官もやってきておりますから、正しいのなら、結果がこういう、特によそから言われるような外需ばかりに頼った経済になっていないはずですよ。僕は間違っておると思うんだけれども、それはそれでいいんですが、五十九年度の経済成長率五・三%につきまして、先般の委員会で幾らに一体落ちつくのか、こういうことで何回も聞きましたが、あと三日――あれは三月の二十八日だったと思うんですが、一体幾らに落ちつくんでしょうか。そして、その中で内需と外需の占める割合、これをひとつお答え願いたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 今梶原さんからお話しの、前年度の実績が最終的に出ますのは六月の半ばということでございまして、それまではちょっとわかりませんけれども、私どもの気持ちとしては五・三%は確実に実施できたものと考えておるわけでございます。  ただ、今お話しの外需と内需のパーセンテージがどうなっておるか、これはもう少し先にひとつお待ちいただきたいと思います。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 どうも大体この関係の数字が六月というのはちょっと遅いような気がしますけれども、これはサミットとか対外関係があって延ばしているということじゃなくて、どうしても物理的にも間に合わないということなんですか。

横溝雅夫経済企画庁調査局長

○政府委員(横溝雅夫君) 国民所得統計は、いろんな一次的な統計ができまして、それをまとめて集計するものでございますから、例えば個人消費につきまして、家計調査というのは三月の家計調査の実績が五月の下旬に出ますし、それから設備投資につきまして、法人企業統計季報というのが大きな材料でございますが、これが恐らく六月の初めごろになろうかと思います。そういうことで、国民所得統計の材料になる統計の出るのがどうしても六月上旬ぐらいにならないとそろわないということで、全体の国民所得統計が六月の半ばということでございまして、特にそういう政治的な予定等に左右されておるわけではございません。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 そうすると、五・三%はまあ間違いないだろう、こういうことですが、しかし、五・三%を予測したのは去年の十月ぐらいでしたか。だから、そこからしますと、もう過ぎ去ったことなんですから、これが五・三にいくのか、五・六にいくのか、五・八にいくのか、大体の勘どころだけひとつ教えてください。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) ただいま大臣及び調査局長から御答弁がございましたように、実績が判明いたしますのは六月の半ばということでございますけれども、現時点で申し上げられることは、五・三%の達成は確実である、こういうことでございまして、それが五・六、五・八という点につきましてはなおデータが不足をしておりましてはっきりしたことは申し上げられません。私どもとしては五・三%は確実である、こういうふうに考えております。  それからそのうちの内需、外需の内訳でございますけれども、特に外需一・三%の寄与度ということで考えておりました。それが一・三というのがこれもほぼ確実であろう、こういうふうに思います。あるいは〇・一ぐらい上がるかもしれません。それぐらいの感じだと思います。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 きょう午前中に、参考人の意見聴取で金森さんのお話を聞いたんですが、彼は五・八ぐらいいくんではないか、こういうことをある程度自信を持って言われておりましたが、間違いでしょうか。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) 金森さんが五・八%とおっしゃった場合、これはかなり内需及び外需について政府の実績見込みの推測よりは高いことが実現できた、こういうふうに確信をしておられると思います。私どもといたしましても、その可能性は決して否定できない、こういうふうに思いますけれども、五・八なのか、五・六なのか、あるいは五・三、四ぐらいなのか、今のところはっきりしたことは申し上げられない、こういうことでございます。しかし、実績見込みの五・三は確実であろう、こういうふうに考えております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 もうしかし、ここのところまで来ておりますから、やっぱり五・三と五・八では随分開いておるから、五・八近くにいくのか、五・三に限りなく近いのか、その辺の見通しぐらいは言えないんですかね、ひとつ言ってください。  それから外需の寄与度につきましては、金森さんは二%ぐらいだと、こう言っておりましたね。しかし、実質的にはもっとすそ野は広いんじゃないか、下請とかなんかすることによってずっと広がっていく、下請は広いんじゃないか、こういうお話もしておりました。僕は間違っていないんじゃないかと思うんですけれども、私は実際に目で見ておりますからね、自動車会社の関係で部品がどうなる、電機会社の輸出に関連するやつで部品会社があっちこっちにある、これはどういうようになっているか、今景気がいいか悪いか、そういうのを聞いて歩いておりますからね。だから実際はアメリカの経済によって引っ張られた、日本が助けられた分というのは随分見た目よりも高いんじゃないですか、ここのところ、去年、ことしというのは。どうでしょうか。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) 米国経済の好況によりまして、日本経済の景気拡大というのが助けられた部面が多いということはおっしゃるとおりだと思います。  今先生が御指摘になりましたいろいろな輸出産業にかかわりますところの下請、さらには関連産業、こういうことですそ野が広いのではないか、これもまたおっしゃるとおりだと思います。ただこうした見方というのはまた別の見方もできるわけでございまして、内需もまた回復をし、拡大基調に入っております。そうなりますと、内需の拡大によって今度は輸入がふえる、こういうことになります。輸入がふえるということは外需を小さくあらわすとともに、外国企業から言いますと、日本に対する輸出によってその国の生産活動が活発になり、また、内需もふえた、こういうことになるわけでございます。したがいまして、両様な見方が可能であろう。そういうことになりますと、国民所得統計で数字の上であらわされますところの輸出と輸入の差額、これをもって外需の寄与、こういうふうに見るのがよろしいのではないか、こういうふうに考える次第でございます。  確かに輸出が伸びてその関連企業が生産がふえ て、それがまた内需に結びついたということはおっしゃるとおりだと思います。ただその関係というのは日本から外国にかけての関係にも同様にあるということで、相打ちということで、統計にあらわれた内需、外需の寄与度、こういうことで見るべきではないか、こういうことでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 あなたと話していたら、何問答かわからぬけれども。大体限りなく五・八に近いのか、三に近いのかという問題はそっちへ置いて、数字で寄与度のあらわし方の説明なんで、そうじゃないんで、実際にそういう感触の話をしているわけで、やっぱり大体勘の方が当たりますよ、あなたたちの何かちょっと最近は当たらぬことが多いわけですが、だからそういう生活から来ているあるいは国民みんな感じている勘と何か最近は遊離した話が多いわけで、どうも納得ができません。もう答弁要りませんから次へいきます。  それから、対外経済政策の骨子について私もずっと読ましていただきましたが、どうも何回読んでもよくわからないわけですが、書いていることは何か書いているんですが、実際にあれがどのような形で、七月になったら具体策をやるとかなんとか、こういうことですが、実際に中身についてちょっと説明をしていただきたいんですが。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) 四月九日に経済対策閣僚会議の決定事項として御決定をいただきました今回の対外経済対策、これには「最近の決定と今後の政策方向」、こういう副題がついてございますけれども、この内容は大きく分けて二つになります。  一つは、その同じ日に対外経済問題諮問委員会から提言がなされました。この提言に対して政府としてどのように受けとめるのか、こういうことを政府としての受けとめ方を決定をする、これが一つでございます。これにつきましては、この「提言を十分尊重して今後の政策運営に当たる。」、こういうことでございまして、今後の政策運営について指針にしたいということが一つでございますし、当面の作業といたしましては、七月中を目途にアクションプログラムの骨格をつくる、こういうことを決めております。  このアクションプログラムの骨格づくりにつきましては、先ほど御質問がございました対外経済対策推進本部、ここにおきまして七月中に決定をするアクションプログラムにつきましての取り組み方等について、さらに詳しく御決定をいただいたということになります。  四月九日に決定になりました対外経済対策のもう一つの大きな柱は、最近におきますところの決定、特に市場アクセスの改善あるいは輸入の促進ということに関する決定、それに加えまして現在進行中の四分野に関する対米協議、この結果というものを全世界に対して均てんさせよう、その効果をアメリカ以外の国にも及ぼすようにするための閣僚会議の決定事項、こういうふうになっております。  その内容は、「市場アクセスの改善及び輸入の促進」、これには関税の引き下げとか、あるいは基準・認証、輸入検査手続の改善、あるいは製品輸入等の促進のためのいろいろな各種の措置、行事といったようなものをあらわしております。それを含んでおります。  さらには二番目の要素といたしまして、「先端技術分野における市場アクセスの改善」、これは先ほど申しました日米四分野協議の結果でございますテレコミュニケーション及びエレクトロニクスにつきまして、その成果というものを、二国間協議でありますからアメリカとの間で合意を見たものでありますけれども、その成果というものをアメリカ以外の全世界に対して均てんさせる、そのための決定ということになっております。  それから三番目の点といたしましては、「金融・資本市場の自由化及び円の国際化の促進」ということでございまして、これは日米円・ドル委員会の報告等に基づきまして、従来から進められております金融資本市場の自由化、円の国際化の措置を、今後ともさらに環境整備を図りつつ、着実に推進をするということを決めた項目であります。  そのほか四つほどございまして、一つは「節度ある輸出の確保」。それから次は「経済協力の拡充」、これは現在の政府開発援助の中期目標というのが六十年度におきまして終わるわけでありますので、六十一年以降のODAの中期目標を設定をする、それとともに質の面でも可能な限りの改善をする、こういうことを決めたわけでございます。実際に新目標が決定いたしますのは、八月の概算要求を受けまして、十二月に六十一年度の予算の政府案が決まるわけでありますけれども、それまでに至る間に作業をする、こういうことになります。  そのほか、「投資交流の促進等」でありますとか、「外国弁護士の国内活動」に関するものでありますとか、そういったようなものを加えておりますけれども、大きく分けまして、最初申し上げましたように、諮問委員会の提言に対する政府の取り組み方とそれから市場アクセスの改善、輸入の促進ということに関する措置、こういうふうに大きく分かれている、こういうことでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 今これを私も、絵にかいたのはいいけれど、実際どういうようにこれをやるかというのは随分難しいと思うんです。ただ仮に、よしんばそういうことでどんどん進めるといたしまして、これまでは我が国の国内で調達をしておったものが外から今度はどんどん入るということに恐らくなるんでしょうから、そういう意味では、国内のやっぱり企業とかあるいは農業とか林業とか、全体に及ぼす影響、そこでの雇用問題、所得の問題、中小企業の存続の問題、一体こういうような問題というのは、やっぱりこれを出す以上はトータルとして具体的にこういう問題を想定しながら、地道に手を打っていかないと、それはアメリカからオレンジや何やらどんどん買えば日本のミカン農家はどんどん苦しくなりますよ。だから、そういうようないろんな問題を一体どうしようというのですか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) その問題大変な問題だろうと思います。例えば木材並びに木材製品の輸入に関しまして結論を出すに当たって、林業行政についての財政的裏づけを考えるとか、いろんな合板企業に対する措置を講ずるとかいうようなことをやることを決めておりまするけれども、必要な措置だけは十分手を打つ必要があろうかと考えておるわけでございまして、まだ具体的にこの問題はこうしますよという結論が出ますのはこれからのことでございますので、それに従って対策を十分関係方面とも打ち合わせをしながらやっていかなきゃいかぬと考えておる次第でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 だから私は、中曽根総理大臣のやり口というのは非常に危険だと思うんですね。確かに今林業とかあるいは合板とかということは一つの例ですが、これからいきますと、いろいろ、通産大臣も六十社企業の人を集めて買ってくれということですから、恐らく何かやるんでしょうが、そういう人たちが今まで買っていたというのは、やっぱり国内から買っていた分をそっちに回すということですから、どつか国内の分が、中小企業や何かが被害をこうむるわけなんですよ。それはもう一分野にとどまらぬで、ずうっと出てくるでしょう、こんなことをやったら。国内は混乱して大変ですよ。これ一体どうするつもりですか。通産大臣にお伺いします。  それから、一人百ドル、一家で四人家族で四百ドル商品を買おうじゃないかという呼びかけで総理大臣はキャンペーンを張っておりますが、今新聞の切り抜きがありますけど、四月十六日の朝日新聞の夕刊を見ますと、「素粒子」というところで書いているんですが、「なにを買おうにも、置いとく場所がござんせん。まず住居拡大あってこそ、の内需拡大。」と、こういって書いている。  それから、四月二十四日の毎日新聞で、おもしろい記事が載っておりましたからちょっと私読んでみたんですが、「舶来品購入勧めるなら 一〇〇ドル減税(一人当たり)が先決」ではないか、「フトコロさびしく 家狭いから買えず」、こういうタイトルであります。その中で見ますと、「首相は外国製品の購入を呼びかけたが、私は皮肉でな く、外国から住宅材料を買い入れ、もっと大きな家、より快適な住居を提供して欲しいと思う。内需を拡大し、日本社会の財産としてまともな住宅をつくってもらいたい」、これは毎日新聞あてに来た投書の内容であります。その他、日本の国民が豊かになったとは言っておりますが、ここに書いてあるのはみんな、とにかく所得が伸び悩んでおろから、耐久消費財や何か買いたいものは買わぬで辛抱しているんだということをずっと書いているんですよね。  だから、貯蓄がふえたとかなんとかいっても、これは老後の生活不安とか、今とにかく社会保障もどんどん削られておりますし、あるいは子供の学費は高くなるし、やっぱり医療費も上がる、住宅はなかなか手に入らない、こういうような関係でやはり国民はしたくなくても一部貯金はしているというような状況。こんな状況で、着るものも着ないでしてあったお金まで全部百ドル、一家で四百ドル投げ出せ、こういうことを言っているんでしょうかね、どうでしょう。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 梶原委員、非常に広範な問題を整理しながら聞いていただいておりまして、こちらで承っております。  ただ、先ほど対外経済対策について、中曽根総理の四月九日にお決めになりましたことを赤羽局長から詳しく御説明を申し上げました。実は対策は着々と進んでおるのでございます。これはよくおわかりの上でそういう御質問をされておるんだと思いますが、着々と進んでおりまして、四分野につきましては、経済企画庁長官と私の方はいつも御相談をしながらやっておりますから、全部に関係をしておりますが、例えばエレクトロニクスそれから紙製品の中の紙パルプなどは通産省の直接の担当でありますし、それから木製品あるいは電気通信機械等についても、常に通産省がタッチをして聞いておるわけでございますが、一月末にアメリカと交渉を始めたときには、大変なアメリカのこれに対する強い抵抗がございまして、このままでは到底突破できない。  OECDに出られた金子長官もいつも言っておられますように、大変な厳しい空気が襲ってきたわけでございまして、これを一月末以来、着々と各省が努力をし、そして中曽根総理が強く指示をされて、四分野についてはおおむねおさまりつつあるわけでございます。また、よく御指摘をいただきますが、自動車や鉄鋼についてもおさまりつつあると私どもは認識をしておりまして、これについて政府のとった措置は正しかったという認識を私どもは持っておるのでございます。  しかしアメリカも自由主義経済でございます、日本も自由主義経済でありますから、その意味で両方の経済体制、また景気の進展の度合い、個々にいろいろ違いますから、貿易摩擦はあちらから出たと思うとまたこちらへいきというふうに、次々必ず生起をする性質のものであると思います。しかし現在は、私は貿易について守りの季節であって、ひとつしっかり守るべきものは守り、両国の関係を修復すべきものは修復をして、五月のサミットあるいは七月等に対処をしていかなきゃならない重要な時期だと思います。  だからOECDの会議にも金子長官、外務大臣とともに出席されまして、日本のそういった事情を十分説明をしていただいたところでございまして、五月のサミットには総理また私どももお供をして参りますが、そういった全般的な関係の修復のために、先ほど申しました新ラウンドの推進、自由貿易体制の、自由開放体制の推進ということで全力投球をしなきゃならぬ。そうすれば今まで悪かった情勢がだんだんよくなる、だんだんよくなっておるのでございますから、ひとつぜひその点を御認識いただきたいと思います。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 総理大臣がやっていることをそう強調されても、私は耳に入らぬです。仮にそんなら一兆円余分によそから買うとすれば、仮に消費が変わらないとしますよね、今のあれからいきますと、なかなか変わらないでしょう、そう変わらない。日本国内は大変なやっぱり倒産が出たり、あるいは倒産が出ないまでも失業者が出たり、あるいは所得がダウンしたり、今度は国内の物の生産者やなんかに大変な影響を及ぼすのは間違いないですよ、仮に一兆円余分に買うとすれば。そういう点はどう考えているんですか、通産大臣。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど新聞記事等を御紹介して御質問いただきました。私どももああいった記事を丹念に読ましていただいておりまして、梶原委員の御指摘を非常に痛切に承りました。  ただ一つ考えられますのは、日本の貯蓄性向というものは非常に高い、その高い貯蓄性向の中の貯蓄というものを、投資なりあるいは内需の拡大なりに向けるということ自体は非常にこれは私は正しい方向だろうと思います。そして、先ほど百ドル買いましょうという運動について御質問があったわけでございます。御指摘があったわけでございますが、これは、私どもは戦中派でございまして、いわゆる国産品は多少悪くても買いましょうという時代に育ったわけでございますが、今や意識の革命をしなきゃならない。ひとつ多少のことはあっても外国の品を買ってください、こういう時代がやってきたと思っておるのでございます。  そういった意味で現在のこういった状況の中で、一人百ドル程度はひとつぜひ協力をいただきたいという、これはつまり意識の革命であり、精神的な言うなれば呼びかけだと思っておるわけでございまして、梶原委員が庶民の生活というものをおもんぱかる上で御指摘になった点はよくわかりますが、自由貿易体制の中でぜひひとつ輸入を拡大するということ、消費を拡大するということは、私は現在の財政状況あるいは現在の経済状況の中で御協力の願えるものである、このような認識をいたしておるところであります。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 もう時間がだんだん来まして、問題をちょっと絞りたいと思うんですが、ただ消費を拡大するといっても、毎日新聞で書いておりますように、私そのとおりであると思うんですが、「最近の書籍売り上げでハードカバーの本が急減、文庫本に人気があるのも」云々という記事が載っている。また、しょうちゅうが今非常にブームでありますが、これはやっぱり安いですよ、あれは。安いからやっぱりしょうちゅうを飲んでいるんです。だから今のような所得が伸び悩んでおる時期は、どうしてもやっぱり生活防衛のためにそういう方向に行っているんですよ。そういう時期なんです。そういう時期に四百ドルも一家で何か買えというような、ずれているんですよ、言っていることが。総理大臣が言っていること自体がずれているんですよ。ある者が買うんならいいけどね、国民全体に百ドルを全員にという計算で訴えている。これはずれていますよ、実態から。総理大臣の言っていることはずれているんですよ。そこをひとつよくお考えの上でこれから政策的な手を打っていただきたいと思います。  いろいろ言っても、内需の拡大にはやっぱり拡大のやり方が問題で、今のような消費が落ち込んでいるときですから、私は、生活密着型、密着している公共上下水道なんかをやるとか、あるいは住宅にもっと刺激をするとか、もっとそういう国民の生活に関連するところにお金を使って、やっぱり全体の内需を拡大し、そして国民がだんだん消費余力もついてくるような持っていき方せぬと、方向が違っていると思うんですよ。何ぼ総理大臣が偉いとかいいとか言ったって、違っているものは違っていると思うんですよ。もうあと何年かすりゃわかることですよ、これは。  ですから、もう多くを言いませんが、きょうの新聞を見ますと、日経の一面には、「内需拡大 投資・住宅減税を検討」と。読んでみますと、経済企画庁長官はやっぱり住宅減税をやるべきではないか。総理は違ったことを、投資減税をやると言うんですね。総理は国民のことを考えていないんです、あれは。やっぱり大企業とか、企業のことをまず考えている。金子経済企画庁長官はやっぱり国民の住宅の減税ということで、本当に感じが、気持ちがよかったんです。一方、朝日新聞見ますと、「内需拡大論に大蔵省が反論 「黒字主因 はドル高」」、こうやっている。  きょうは金森さんにお話を参考に聞きまして、一体ドル高は、確かにドル高も原因なんだけれども、我が国がそればっかり言ったってしょうがない、内需を拡大しなきゃならぬじゃないかというのが彼の持論でありました。私どもはやっぱり非常に国民生活の感じからいったらそうだろうと思うんです。だからその点につきましてひとつ、この前通産大臣も住宅問題については非常に積極的でありましたし、金子大臣はもっと大幅な住宅の、アメリカがやりましたように、住宅取得減税なんかもっと大幅な規模でやるように、それから内需を拡大するしか今手はないんじゃないでしょうか。この点いかがでしょうか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 諮問委員会の答申にも、内需拡大につきましては、貯蓄、消費、投資のバランスを図る観点から税制の見直しをしろとか、あるいは公的規制を緩和しろとか、公共的事業分野への民間活力の導入による重点的、効率的な社会資本の整備ですね、今先生からお話のございましたような問題が提起されておりますし、あるいはまた別に週休二日制の一層の普及、労働時間の短縮というような問題も取り上げられております。こういった問題を着実にやっぱり実現することが内需拡大に資する大きな要素になろうかと思いますので、せっかく今この問題を各省それぞれ担当して詰めておる最中でございます。  住宅は何と申しましてもすそ野が幅広うございますので、これは財政的にどこまでできるかの問題はございまするけれども、私はやっぱり重点項目の一つとして、六十一年度の税制改正におきましてはぜひ取り上げてみたいという気持ちを強く持っておることは申し上げておきます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 最後になりますが、労働時間の短縮はもうさきに答えていただきまして、私も質問する予定でしたが、ぜひ休日増等労働時間の短縮は諸外国から要請されていることでもあるし、うちの内部のニーズはもっと強いわけですから、ぜひ進めていただきたいと思います。  それから、やっぱり内需拡大で、住宅問題というのは幾つかの対策のうちの一つというより、もっと大きなところに、あるいは生活に密着しているところの公共投資というのはもっと大きな柱にぼんと置いてやるべきだと思うんです。それから、住宅減税だけではなくて、この前もお願いをいたしましたが、これは住宅金融公庫の繰り延べ金が非常に高いし、あそこにもう少しお金をつぎ込めば、わずか一・六%の金利、利ざやで、あそこで誘導すれば相当大きな事業ができるわけですから、ぜひここのところも落ちないようにひとつお願いをいたします。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) いつぞや梶原委員にお答え申し上げましたときに、通産大臣は建設大臣になったようなことを言うといって指摘をされたことがございますが、住宅建設については、私は従来から全く梶原委員と同じような立場に立っておりまして、また建設資材その他通産省も関係をしておりますし、国務大臣の立場としてもぜひこの際言わしていただきたいんですが、私、今御指摘になった日経の記事を読みまして、ああ経済企画庁長官いいこと言ってくれたな、さすがだと、こう思ったんでございまして、これ本当に住宅産業は幅が広いんです。そしてまた国民の、先ほど御指摘になった住生活の向上という基本的な問題にも関係をいたしますし、ぜひこの住宅投資の問題、また住宅減税の問題というのは検討をしていただく大きな問題だと認識をいたしておりまして、これはあるいは通産大臣の枠を外れるかもしれませんが、お答えをさせていただきます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 それじゃ最後ですが、やっぱり何といいましても、これは与野党書記長・幹事長会議で出た高度なお話でありますが、重ねてひとつ両大臣から頑張っていただきたいんですが、所得税減税ですね、これはやっぱりできるだけ早くやれるようにひとつお願いをいたしまして終わりたいと思います。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、亀井久興君が委員を辞任され、その補欠として初村滝一郎君が選任されました。     ─────────────

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私は、質問の最初に、昨日起きました高島炭鉱の災害についてお尋ねをしたいと思います。  一つの大事故の陰には二十九の同種の小さな事故があり、さらにその陰には三百の故障やトラブルがあると、このように言われております。これはハインリッヒの法則と言われるものでありまして、統計学的な法則であります。だから、通産省の説明によりますと、事故を起こしました高島坑は過去の事故歴から、重大な事故は少ないけれども不注意による災害率は高いという、こういうことが言われております。そうしますと、ハインリッヒの法則からすれば、不注意による災害率が高いところほど大きな事故を招きやすいことになるわけなんです、法則の原理からいきますと。作業に当たる現場の者として細心の注意を払っていくのはもちろん当然でありますけれども、この監督官庁といたしまして、不注意による災害率が高い鉱山であるということが事前にわかっているのであるから注意を喚起すべきだったのではないか、このハインリッヒの統計学的な法則の上から、まず私はこのことをお尋ねしたいと思いますけれども、どうでございましょうか。

山本雅司通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(山本雅司君) 今回事故を起こしました高島炭鉱につきましては、今、田代先生の御指摘のとおり、大きな事故は今までそれほど目立ったものはございませんでした。しかし、全石炭産業の平均事故率から比べますと、多少高い推移を示しております。ただし、それでもこの高島炭鉱につきましても最近は年々減ってきているという状態でございまして、私どもはこれは非常にいい傾向だなということで実は喜んでいたやさきでございまして、特に昨年の一月には九州でやはり同じような大きな災害がございまして、一年たった現在、非常に突発的にこういう事故が起きまして、私どもといたしましても心を痛めている実情でございます。    〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今の御答弁で、事故率が減ってきていたと喜んでいたやさきであると、心を痛めている段階であるということでございますけれども、そういうことのないためにこういう一つの法則といいますか、これからやっておかなくちゃならないけれども事故が起きてしまったという、こういうことじゃないかと思います。  そこで、この現場の茂木所長は、こういうことを言っておりますね。「事故現場近くの送風ファンが止まっていたため、坑道上部にメタンガスがたまり、何かの火で、爆発したのではないか」と、こう言われておるわけなんですが、坑内で起きる「何かの火」というのはどういう火であるのか。ちょうど昼のテレビのニュースによりますと、この「火」というのは、火源はビニール性の送風管で起きる静電気か、あるいはワイヤロープの摩擦熱ではないかということのようであるということが報道されていたわけなんですが、もちろん通産省の本省からも派遣されておりますけれども、テレビ報道ではここまでのことが報道されているんですけれども、通産省としては現在どこまで掌握していらっしゃいますか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 大変大事な問題でございますから、私からまずお答えを申し上げ、また足らないところは政府委員が補足いたしますが、当該災害発生箇所を含む飛島二卸坑道というのは、材料等の巻き上げ設備を有する斜坑でありまして、この斜坑の巻き上げ設備は本年三月末から休止中でございました。当日は、巻き上げ機を再運転するなどのため十六名が配番をされ、巻き上げ用のロープの検査、塗油等の作業を行っていたわけでございます。  現在までの調査で判明しておるところによりますと、午前八時四十五分ごろ飛島ゼロ片坑道の二卸巻き立て付近にいた電気保安係員から災害発生の第一報があり、炭鉱側は九時五分ごろ全坑に対 して退避の指示をいたしました。また、救護隊は九時十分に招集をされ、十一時過ぎに現場に到着し、十三時ごろまでに死亡者全員を収容した。  それから、通産省といたしましては、事故の通報を受けた後直ちに福岡鉱山保安監督局から鉱務監督官等を現地に急行させるとともに、同局に対策本部を設置して、さらに昨日中に本省から平河立地公害局長、そして担当の保安参事官らが派遣をされ、現地に到着し調査をしておるところでございます。  きのう福岡鉱山保安監督局の鉱務監督官が現場調査のため入坑したときの状況では、坑道は火災の形跡が見られない、またアーチ枠の一部がかなり倒壊している、一部の炭車は圧風を受けたと見られる状態を呈していることなどから見て、ガス爆発が発生した可能性が強い、こういうふうに判断をしておるわけでございまして、きょうも引き続き坑務監督官が入坑して調査を継続することとしておる。また情報によりますと、現場の扇風機が回っていたかいないか、これは人災ではなかったかというような指摘がいろいろされておりますが、通産省としてはこれらのまだ確定的な報告は入っておりませんので、判断については保留をいたしておるところでございます。    〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今大臣から現場の扇風機が回っていたかどうかということはまだ完全に掌握をしてない状況であると。昨日の事故ですからやむを得ない面もあるかと思いますけれども、私もこの炭鉱のことでは、ここに専門家の対馬先生がいらっしゃるわけで、私素人でございますけれども、そういう立場からの質問ですけれども、空気の流れを円滑にする補助扇風機は、作業員が入った場合には必ず作動するようになっていないのか。また補助扇風機が停止していたという、事実は確認されてないけれども、これはどういうふうになっていたのか、少なくとも報道関係ではかなりの詳しいことまで言ってきておりますし、少なくともきょうは商工委員会がありますから、まだわかりませんという、それも理解できないわけはないけれども、ある程度そこらあたり準備する必要があったのではないかと思いますよ。  現場は三月十五日以降使用されていないということが言われてあるけれども、これは事実であったかどうか。しばらく使用していない坑内に作業で入坑する場合にはどういうような注意が必要とされているのか、ここらあたりも聞かしていただきたいと思います。  そうした注意事項の確認も、慣れから無視されがちになりはしないかと思うわけなんですが、例えば国鉄その他の運転手の場合は指差し点呼をするというようなことが習慣化されているわけなんですけれども、ここらあたりはどうなっていたのかお答えいただきたいと思います。

山本雅司通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(山本雅司君) 災害が発生いたしました坑道につきましては三月末以降、実は巻き上げ機械は使っておりませんでした。それを再度運転しようということで、実は昨日一番方から入って修理点検をしたのが実情でございます。そこに入るときには、先生御指摘のように班を組みまして、ガス探知器も持ちまして安全を確認しながら入るというのは当然の前提でございます。  私どもといたしましては、どのような状態であったかというのは、きょうも現在監督官が現地に入りまして詳細に調べておりますし、実はけさ大臣の御指示を受けまして、専門家による事故調査委員会を設置いたしまして、早速あした現地に派遣するということになっております。  したがいまして、何が原因であって、どういう状態であったかということにつきましては、非常に今後の保安行政上も重要な事項でございますものですから、専門家の詳細なる事故調査の結果を待ちまして確定せざるを得ない状態でございますが、推定といたしましては、実はそこの坑道の上の方は使っていなくて閉鎖されている坑道でございます。したがいまして、それがずっと半月以上使わなかったということで、ガスが上の方に充満してきたという可能性は否定できないのでございます。しかも、その発火の原因といたしましては、静電気による発火というような、非常に難しいと申しますか、原因がつかみにくいものも最近見られるわけでございまして、どういう事情で発火したかということも含めまして、詳細に検討をお願いするということに着手したばかりでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 これも私が確認したわけではないですけれども、報道されているそういう中からのことでございますが、現場にはガス検知器が設置されていないというようなことが言われておりますけれども、この点も確認されたのかどうか。炭鉱事故のたびごとにこの問題がいつも大事な問題点として取り上げられてきまして、ガス検知器の設置を推進すると、会社側もまた指導される監督官庁の通産省も、今まで我々が三池鉱のときに現場視察に参ったときにも明確に言われましたし、当委員会でも確認をされているわけなんです。  振り返ってみますと、北炭の夕張炭鉱事故が五十六年十月十六日、それから三年半です。それから三井の有明鉱事故が五十九年一月の十八日以来一年三カ月、そして今日また同じ高島炭鉱の事故を迎えたわけでございますけれども、このガス検知器が設置されてないとしたならば、重大な怠慢と言わざるを得ないわけなんですね。これもあす我々は現地へ調査に参ることになっておりますから、現場でこの点も確認をしたいと思いますが、その前に一応お尋ねしたいと思います。  またメタンガス爆発と言われておりますけれども、炭じんは考えられないのか。また、その理由は何であるか、そこらあたりもわかる範囲内で結構ですからお答え願いたい。

山本雅司通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(山本雅司君) まず爆発の状況でございますけれども、炭じん爆発の場合には非常に黒い粉末が周辺に散らばりまして、一目専門家が見れば炭じん爆発かそうでないかはわかるようでございます。私どもが今まで報告を受けていた限りにおきましては、そのような形跡はなかったということでございまして、私どもといたしましては、炭じん爆発ではなくて、ガス爆発の可能性が非常に強いというように判断いたしております。  それから、ガスの測定につきましては、実は石炭を掘り進めるところとか、非常にガスの発生が蓋然性が強いところには、自動的なガス測定器あるいは観測器をつけるのが義務づけられておりますが、今度の事故が発生したと推定される箇所は、実は炭層で非常にガスが発生しやすいというような状況にはなかったというように了解しております。したがいまして、何らかの理由により、通常ではガスが多発しないような場所にガスが充満した可能性があるというようなことではないかと存じます。  しかし、ガスの測定につきましては、石炭鉱山保安規則で坑内保安係員の義務といたしまして、必ずガスのありそうなところには一作業時間当たり一回以上の測定を義務づけられておりますし、作業を再開するようなときには必ずガスの測定をしながら入っていくというのは当然の前提ではないかと我々は考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 あとここでお尋ねしましても、これはわからない者同士でございますからこれ以上進まないと思いますから、あす現場へ参ってまたお尋ねをしたいと思います。  引き続いて対外経済対策に対して質問をしたいと思います。  最初に、今日の通商摩擦問題というのは、たびたびこの委員会でも取り上げてまいりましたが、これまでに起きてきた通商摩擦と比べましてどこがどのように違うと認識していらっしゃるのか。また、その違いに応じて対策を考えるべきは当然でありますけれども、今回はこれまでと比べて特にどういう点の違いがあると考えていらっしゃるのか、まずこれもお尋ねしたいと思います。  また、大來報告書によりますと、これまで数次の政府の対外経済対策についての海外からのいろいろな批判がございます。けさも当委員会で参考人からの意見を聴取をいたしたところでございま すけれども、そういう批判を総合すると、一つは市場開放措置の姿勢は一般的に評価するけれども、内容的に小出しであるし、またタイミング的に遅いというようなこういうことが報告書にあるわけなんです。これが五項目ほど出ておりますけれども、両大臣とも御存知じでございますから、これらの五項目について両大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、最初にお尋ねをしたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 今度の通商摩擦の背景になっております対米黒字累積の背景がアメリカの高金利、ドルの独歩高にあることは事実でございます。そういう問題を背景にして今度の問題が起こったということは言えると思うのであります。  それからいま一つは、アメリカを初めこれは各国とも同じことを言っているわけでございますが、日本への市場アクセスが非常に難しいということです。それは日本の政策の関係もあり、あるいは制度、慣行にも問題がある、だからもう少しクリアな、あるいは透明度の高い政策をとってくれ、関税障壁もさることながら、特に非関税障壁についてそういう点が問題だぞということを指摘しておるかと思うのでございます。それからいま一つは、今までの経済摩擦といえば商品が中心でございました。ところが今度は、商品だけじゃなくて金融からサービスに至るまで全般的な取引についていろいろ苦情が出てきておる、こういうことに要約できやしないかと思うのでございます。  どういう対策をとっておるかと言われますると、第一に挙げました高金利、ドル高の問題につきましては、これは政府を挙げて先般のパリの会議でも声を大にして主張したわけでございまするけれども、アメリカの財政赤字をとにかく大幅に圧縮してほしい、それによって金利を下げ、ドルの是正をやることが世界経済の順調な成長のために最も必要なことだよという主張をいたしましたが、これは各国とも大体同じようなことを言っておるわけでございます。しかし、これは向こうの協力なくしてはできませんし、レーガン大統領の教書にも出ておりますし、また財務長官自身もぜひひとつ歳出削減を実現したいという決意のほどを示しておりました。  それから、第二点の市場アクセスの問題は、大來委員会の報告書にも取り上げておるところでございまして、その一つずつについてアクションプログラムをつくって、七月までにはその骨格を決めたいという気持ちでやっておるわけでございます。その一つのものとして今の金融サービスの面についての対策も取り上げられておるわけでございます。  御指摘のございましたように、対策が小出しだとか、あるいは大変スローモーだというような批判が従来からありましたことは私ども重々承知いたしておるのでございまして、今度はもう洗いざらいとり得る手段を並べて全面的にスピーディーに進めていきたい、こういうかたい決意をいたしておる次第でございます。  先般のOECD会議でも日本の市場閉鎖問題が取り上げられましたけれども、去年の十二月の市場開放策、四月九日に決めました市場開放の決定の状況を説明いたしましたところが、ひとつそこまでやっているなら、しばらく日本の実行のほどを見守っていこうじゃないかということが大方の空気ではなかったかというふうに考えております。ただ、これはそれでもう済んだとは私ども決して考えておりませんので、一刻も早く実績を上げるようにこれからも努力してまいりたいと考えております。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 金子大臣からお答えのあったとおりでありますが、対外経済問題諮問委員会報告書に挙げられた五項目でございますね、これは私は内容的に見ますと、例えば米、ECなどのいわゆる先進国と、それからASEAN、NICS等の中進国、それから開発途上国ではそれぞれニュアンスが非常に違うと思います。  アメリカやヨーロッパなどの場合は、何と申しましても、日本が追いつき追い越せで非常な勢いで成長してきた、そこで同じ自由主義経済体制の国でありましても経済の発展の度合いや、あるいは産業のいろいろな分野の発展の度合いが違う。したがって自由主義経済の貿易であれば、当然いろいろな意味で競争が生ずるのはこれは経済の原理でありますけれども、追いつき追い越せで出てきた日本の経済というものが非常な競争者に立ち、しかも輸出が極めて増大したということに対するアメリカ、ヨーロッパ等の感じというのは非常に精神的にも複雑なものがあったと思います。特にアメリカでは一例を挙げますと、電気通信機器などのように、本来アメリカが非常に進んでおると思われるものについて日米の貿易のインバランスが余りにもひどい、そういうことが一つの引き金になったのではないかと、こういうような推定をいたします。  それから、ASEANやあるいは韓国その他の中進国ないし開発途上国の場合は、債務累積問題もございますし、それから日本にこれからひとつ追いついていくという立場にあるわけでございますから、そういったところに対する対応は、おのずから輸出産品、輸入産品いろいろ違っておりますから、もっともっと日本は面倒を見てくれてもいいじゃないか、そういったような気持ちから出ておると思われるのでありまして、いずれにいたしましてもここへ来て非常な貿易摩擦が生じておることは事実であり、ひとつ忍耐と努力をもってこの時期を切り抜けて、そして対外関係をスムーズにしていかなければならない。また同時に、アメリカのようにドル高、円安、そしてまた財政赤字が多い、非常な高金利であるというような向こうの原因による貿易摩擦の部面もあるわけでありますから、そういった点はひとつ柔軟に対応しながら指摘もしていかなければならないと、このような認識を持っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 さらに、これまで数次にわたりまして実施されてきました対外経済対策の評価に関しまして、今申し上げました大來報告書ではどう言っているかといえば、「累次対策の決定と実施の教訓の上に立って今後の対外経済対策を行っていく必要がある。」、このように述べられているわけでございます。  そこでお尋ねしたいことは、ここで言う教訓とはどういうものか、政府として何であると心得ていらっしゃるのか。そして、その教訓というのは今申されております今次対策にどのように生かされておるのか。さらに、この大來報告書の内容は私も目を通させていただきましたけれども、具体性がかなりあります。それなりに評価できると思いますけれども、それに比較いたしまして政府の対策の方は具体性に乏しい、これは率直に申し上げます。従来の対策の方式と何ら変わりがなく、教訓が十分に生かされたとは思えないのではないかと思いますが、両大臣に簡潔にお答えをいただきます。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 教訓と申しておりますのは、一つは国内産業との調整の必要性から、なかなか端的に諸外国の要求を満足させるような内容にならなかったということが一つあろうかと思います。それからいま一つは、対策の内容が日本の国際化の中長期的な流れのどこに位置づけられているのかが甚だ明確性を欠いておった点があろうかと思うのでございます。あるいはまた、対策が受動的なアプローチとして検討されたという色彩が強かった、能動的ではなく受動的だったというような、そういう点が従来の対策に対する教訓として取り上げられておるんじゃなかろうかと思うわけでございます。  こういう指摘を踏まえて、今度の政府・与党の対策推進本部におきましては、中期的観点に立って自主的にアクションプログラムを立てまして、着々と実施を始めたいと。そして市場アクセスの改善を大幅に図ってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今、金子長官のお答えになったのと同様な認識でございまして、要は自由主義経済体制の中の競争ということから出てくるものでございますから、ひとつ日本は非常に 国際競争力を持っておる、そしてまた労働力その他の点においても非常に強い点がある、こういった特徴のある経済運営でございます。  したがって、今後そういった具体的な問題について、中曽根総理も言われますように、原則自由、例外制限と、こういった前提のもとに、できるだけ相手国の立場を考えながら具体的に対応をしていく。アクションプログラムにつきましても金子長官がお触れになったとおりでございまして、できるだけ短期間にその対策を立ててひとつ次々一つ一つ克明に解決をしていく、こういうことが大事だと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、この大來報告書によりますと、御承知のとおりに、行政の裁量範囲の縮小あるいは行政の裁量の範囲が広く改善が求められるに至っていると、こういう意味のことが述べられておるわけでございますが、このことは、今一番国内においても問題になっております日本の官僚機構の上から下まで海外からはいろいろ批判されております。よきもあしきもあわせて持っていると思いますけれども、これまで海外にどう説明してこられていたのか。  また、この大來報告書では、官僚機構の改善についての海外からの要求が強いことを挙げて、その放置の危険性を指摘しているわけでございまして、両大臣としてこの危険性をどう回避するつもりか、あわせてお答えをいただきたいと思います。簡潔にお願いします。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 田代さん御指摘のとおり、この問題が一番大きなガンになっておろうかと思うのであります。いろんな障害はございましょうとも、もうこういう事態に立ち至っておるんでございまするから、やはり各省今やっておりますることは各省の事務次官が中心になってそれぞれの省の今の取り扱い、基準・認証の問題についてどんどん整理を進めておる。そしてそのアンフェアなあるいはアンクリアな扱いを受けないんだと、非関税障壁が大幅に圧縮されたんだという、あるいは撤廃されたんだという印象を与えるようなところへ一日も早く持っていきたいと考えておる次第でございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、日本の官僚機構というのは世界有数の優秀な機構だと思います。それは日本が後進国であったところから今や先進国になったのは、この優秀な官僚機構が日本の国を支えてきた面が多いと思います。  ただ、ここへまいりまして御指摘のような点が非常に目につくようになりました。例えば通産省は縦割り官庁でございます。経済企画庁は横糸の官庁でございまして、そういった縦糸、横糸をしっかり組み合わせてやっていかなきゃならぬ。ひとつ諸外国から指摘をされる官僚機構の是正とか、行政の裁量範囲の縮小というような声は事実でありましょうから、したがって、そういった点については、通産省の事務当局に対しましては、受動的ではなく自主的にやれと、諸外国で十分受容される内容で持っていきなさい、具体的手順等を明確にしなさいといったような基本方針に基づいて指導をしております。通産官僚は、官僚の中でも最も優秀な官僚の人たちだと思いますけれども、そういう趣旨で指導をしてまいりたいと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今大臣が擁護されるお立場というのは理解をする面もあるかと思いますが、しかし、これはアメリカサイドのこの官僚組織に対する批判といいますか、これは先日もテレビでやっておりましたけれども、こういう日米交渉に当たったそういう人たちは全部交代すべきであると、そのくらいのあれがなければ今後の交渉はなされるものではないというような強い意見を求めている声もあります。だから、いかに我々が日本で思っていることよりもアメリカの状況というのは厳しいというのは、けさも参考人からも意見が出されておりましたことでございますが、ここではこの程度にとどめておきたいと思いますが、村田大臣のその情というものを私は理解をしておきます。  続いてお尋ねをいたしますけれども、日米経済摩擦の主な原因というものは、今、金子経企庁長官も申されましたとおりに、アメリカのドル高にあるとして政府はその是正を要求してきておるわけでございますけれども、それだけでなくして、我が国といたしましても内需拡大によってこの円高、ドル安を目指すことが重要ではないかと思うわけでございますし、政府の対策にもこの内需中心の経済成長の達成を図るということが主張されておるわけでございますが、この内需中心とするためには政府はどのような施策が用意されているのか。  けさも参考人のお方からいろいろな意見をお聞きしたところでございますが、例えば内需拡大の方策については、個人消費支出の面からならば、宮澤総務会長が申していらっしゃいます資産倍増論の一環として述べられております賃上げの問題、それもできるだけ大幅の賃上げという問題でありますし、その他に今同僚委員から最後に質問が、要望が出されました大幅の所得税の減税、またもうこれ以外に決め手になるあれはないという、一つの今後の決め手になっていくでありましょう住宅建設の促進と、こういうものが挙げられるのではないかと思いますし、また企業サイドからは設備投資減税の問題等がありますし、これらを組み合わせた総合対策こそが今最も大事ではないかと思いますけれども、これも両大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 内需拡大の施策といたしまして、財政的なゆとりさえあれば今お話のような大幅の減税もできるわけでございまするし、あるいはまた、宮澤総務会長の主張しているような住宅初め地域の環境整備のための公共投資を大幅に増額する手もあるんでございますが、今のところそれができないのが実は私どもの一番大きな悩みでございまして、来年度の予算編成、税制改正に当たってどの程度の一体財政にゆとりができるかを、アメリカの景気の行方、日本の経済のこれからの伸びぐあいを見ながら今静かに見守っておる最中でございます。  大來諮問委員会の政府に対する答申におきましては、四つの問題を取り上げていることは御承知のとおりでございまして、一つは、公的規制を大幅に緩和すること、一つは、公共的事業分野への民間活力の導入により、重点的、効率的な社会資本の整備をやること、一つは、貯蓄、消費、投資のバランスを図る観点からの税制の見直しをやること、いま一つは、週休二日制の一層の普及、労働時間の短縮を図ること、この四つを挙げておるのでございまして、これはいずれも私はやっぱり重点事項ではなかろうかと思っておるんでございまして、先ほど来申しましたような、これからの経済の動きを見ながらどうやってこれを総合的に実現していくかということがこれからの問題であろうかと思います。  ただ、財政が厳しいからといって、それじゃもう何にもやらぬでもいいかというと、そうじゃないんでございまして、例えば関西方式としては、神戸のポートピアもありますし、大阪、奈良、京都の県境の学園都市の計画も今着々進行しておるわけでございますし、関西国際空港も着実に進みつつあるわけでございますので、そういう面についての工夫を、これはまあ役所だけではとてもできませんけれども、各方面の知恵をかりながらいろんな面において具体化していく。都市計画、都市再開発についてもそうでございますし、国有地の跡地利用につきましても同様な問題がございますし、私はいろんな面で民間資金の導入がもっと大々的にできるんじゃなかろうかと考えておるのでございます。  同時にやっぱり考えなきゃいかぬのは、法的な行政的な規制が余りにも日本では多過ぎて、それが民間活力をそいでいる結果になっている点でございます。レーガンが当選早々真っ先にやりましたのは、いろんな規制を取っ払おうということでございまして、あれが非常に人気を博し、また民間活力を盛り上げた一つの原因だと我々は承知いたしておりますが、税制の問題、その他あわせて一体としてこういう問題をひとつ詰めてみたい、 これはもう各省みんな知恵を出し合ってやっていかにゃいかぬなということを今申し合わせしておる最中でございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、今の日本政府がやっておることは小さな政府を目指すことだと、こう思っているんです。したがって、今金子大臣がおっしゃいましたように、大幅賃上げあるいは所得税減税、住宅建設の促進等々、皆やりたいことばかりでございますけれども、しかし、今大きな政府を目指してしまったら、ミッテラン大統領が公務員をふやしたり、経済の拡大化対策ということで失業の救済というものを図って、その結果非常な財政不如意という状態が起こった。日本政府がやっていることが正しいか、ミッテラン大統領がやっていることが正しいかは歴史が証明することでありますから、今それは言えませんけれども、私は、現在の政府がとっておる小さな政府をつくる、そしてまた、そのためにぜい肉を落とす、行財政合理化ということで高度成長のころのつけを低成長になったらしっかり払うんだという考え方は基本的に非常に正しいと思っております。  したがって、まず金のないところでできることをいろいろ考えてみなきゃならぬ、それが民間活力の活用であり、あるいは例えばいろいろなそういった具体的な施策を考えて、デレギュレーションですね、今までの規制を緩和すること、そういうことによってブレーキを緩めることによって大いに民間の活動を活発にすることができればこれが一番いいということでございまして、低成長の、しかも不景気の中から現在非常に活発になってきたというのが、私は現政府の施策の正しさを証明するものだと思います。  今、内需問題をめぐって、あたかも党と政府の間に対立があるような、そういった指摘をされますけれども、私は、これは日本のあすを考えるためにそれぞれ政治家が真剣に考えていることの意見の相違であって、それがあるからこそ時代の進歩があるんだと、こういう割り切り方をしております。したがって、労働時間の短縮、結構であります。徐々にやるべきである。一遍にやっちゃいけない。それから、社会資本の整備、そういった点についても、先ほどここでお答えを申し上げましたように、住宅建設であるとかあるいは公共投資の増進であるとか、そういったいわゆる景気をよくするために今まで一般に認められた大きな施策と思われることはよく検討すべきであります。  ただ、経済の運営に応じて、本当に時代の方向に沿うような運営をしていかなければ、幾らいいことでも急いでやり損なっては私は真の政治ではない、本当の政治というものは時代の方向にマッチしたテンポとそして色調を持ったものであるというふうに考えておりまして、そういった前向きの施策を順次展開していくべきだと、こういう認識を持っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、市場開放要求についてお尋ねをしたいと思いますけれども、これまであった海外からの市場開放要求の数々のうちで、まだ開放に至らないものがたくさんあります。これについては今後も要求が続くものと考えられますけれども、この点どのように対応していくのか、まずお尋ねしたいと思うのでございます。  また、今質問をしております大來報告書にあるように、鉱工業品の関税ゼロについて、方向としては、これは私は是といたしますけれども、中にはこれによってつぶれてしまう分野もあるのではないかと私は心配をしておるわけでございまして、今回の対策における合板の川上・川下論と同様に、この鉱工業製品についてきめ細かい対策を打ち出していかねばならないのではないかと思います。片手落ちになってはならないと思いますけれども、この点あわせてお答えをいただきたいと思います。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) これからどのような作業が行われるかという点について申し上げたいと思います。  四月九日の決定によりまして決まりましたことは、先ほど申し上げましたように、大來レポートに対する対応、特にこれからの作業ということで、七月中を目途にアクションプログラムの骨格をつくるということがございますし、さらには個別品目の関税引き下げに係る決定というのを六月中に行う、こういったようなことがございます。それ以外にも、基準・認証その他についてございますけれども、それらはアクションプログラムの中に織り込まれて行われる、こういうことになります。  四月十九日、政府・与党対外経済対策推進本部というのが発足をいたしましたけれども、その中でアクションプログラムの作成につきまして要領が決定されました。この要領によりますと、まず、それぞれの省庁は、事務次官を長とするアクションプログラム策定委員会を設けまして、四月中にそれぞれの関係分野のアクションプログラム策定作業に着手をする、七月までにその骨格を作成をする、しかも可能なものにつきましては、アクションプログラムの決定以前においても順次実施をする、こういうことになっております。  そうした場合に、アクションプログラムの内容でございますけれども、どのような分野について行われるのか、またその行われる場合につきましての考え方の原則でありますとか、あるいは対象期間、それからプログラムの性格といったようなものについても決められておりますけれども、ここではどのような分野についてアクションプログラムがつくられるのかということを申し上げたいと思います。  まず関税でございますけれども、当然関税につきましては引き下げということがあるわけでございます。鉱工業品の関税につきましては、この新ラウンドに向けまして工業製品の関税率を先進各国とも話し合いましてゼロにまで引き下げる用意がある、こういったようなことを明らかにしたらどうかということでございます。それから、農林水産品の関税につきましても見直しが必要でありますし、またいわゆるタリフエスカレーション、つまり加工度の高いものの方が関税率が高くなっております点についても、もう一回見直してみたらどうか、あるいは特恵制度の改善といったようなものも考えたらいいだろうということでございまして、関税の問題につきましては、大変広範な検討を加えた上でのアクションプログラムをつくる、こういうことになります。  また、それ以外にも輸入制限あるいは基準・認証、輸入検査手続といったようなものにつきまして簡素化、合理化を進めるということでありますし、さらに政府調達あるいは金融資本市場の自由化の促進、あるいはサービス業におきますところの一層の自由化ということでございます。  こうしたアクションプログラムをつくる際に、いろいろなことを考えなければいけないわけでありますけれども、例えば開発途上国の経済発展の促進に役立つ対策について特に配慮をすること、あるいはこれまでございます政府の既存の諸計画の見直しに含めまして、アクションプログラムの諸計画との整合性というものが図られるように留意をする、こういうことでございます。整合性が図られるように留意するというのは非常に抽象的なことでありますけれども、これはやはり国内調整に必要な対策などということも同時にあわせて考えてほしい、こういう意味だと考えております。そういうことで、所要の調整措置というものをアクションプログラムの中に織り込むということが考えられているということだと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今答弁の中に出ておりますこのアクションプログラムについてお尋ねしたいと思います。このことは、私緊急質問のときにも尋ねたわけでございますが、重ねてお尋ねをしたいと思います。  このアクションプログラムの策定のために意見を聴取される有識者といいますか、これは既に決定しているのか、名前の発表ができるならば紹介してもらいたいと思いますし、できないならばいつごろ発表をしてもらえるか明らかにしてもらいたいと思います。  また骨格作成の作業は現時点はどこまで進んで いるのか。今、七月、七月というそういう言葉が出ておりますけれども、七月を待たずにやるべきではないかと思いますけれども、お答えいただきたいと思います。

赤羽隆夫経済企画庁調整局長

○政府委員(赤羽隆夫君) 二点お尋ねがございました。  まずアクションプログラム策定に当たりましてその透明性を確保する、策定過程の透明性、あるいは内容につきましてもその必要があろうかと思いますけれども、透明性の確保のために内外有識者からの意見を適宜聴取をすること、こういうことが義務づけられておりますけれども、この聴取をする主体は、政府・与党対外経済対策推進本部及びそれぞれの省庁、こういうことになっております。まだ具体的にどのような人たちということがはっきり確定をしておるわけではありませんけれども、先週の本部の決定におきまして、こういうような人たちということで特に例示として挙げられておりますのは大來委員会でございますけれども、そこの委員の方々、あるいはそこまで明示的に書いてございませんけれども、この大來委員会において意見を聴取をいたしました特別参考人あるいは外国の有識者、こういったような人たちを含めた内外有識者の意見を聴取をするようにということになっております。  それぞれいつ候補者が決まるのかということでありますけれども、これはそれぞれ本部並びに関係各省がその必要があるときに聴取をする。この場合この本部の決定では「適宜聴取する。」、こういうことになっておりまして、聴取をすることが義務づけられておる。どの段階で聞くのかというのはそれぞれの作業の進みぐあいとかそういうことだと思います。  それから七月中に骨格を決定するということであるけれども、それに至る手順はどうかということでありますけれども、これは四月中に作業に着手をする。これはそれぞれの省が事務次官を長とするアクションプログラム策定委員会というのを発足をさせて早速この作業に着手をするということになっておりますけれども、先週の金曜日に本部決定がございました。もう即日アクションプログラムの策定委員会を発足させたところもありますし、それから遅くとも今週の月曜、火曜にはすべての省庁におきまして策定委員会が発足したものと、こういうふうに承知をしております。この本部の決定によりますと、五月及び六月中にそれぞれ一回ずつ中間報告を聴取する、こういうことになっております。  その中間報告の過程におきましていろいろな調整も加わるというふうに思いますけれども、その結果として七月中には骨格を策定する。これは骨格でございますから、最終的なアクションプログラムというのはそれからさらに肉づけの作業が行われるということになりますけれども、これはできるだけ早期に完成をさせる。さらにアクションプログラムに決定されております内容につきましては、三年以内に結果を実現させるもの、これが原則になるということでございます。  先ほどもっと早く策定できないのかというお話でございますけれども、もちろん七月中にということでありますけれども、それ以前に策定できるものは策定するようにできるだけ急いでいただく、こういうことで、経済企画庁は、推進本部の関係局長会議のお世話をする立場にございます私どもとしても、各省に対しましてできるだけ早く作業を進めていただくように促進をする、こういうことでやってまいりたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私に与えられた時間が来まして、まことに失礼でございますがお断りしなくちゃなりませんが、NTTの資材調達問題に対しても質問予告をいたしまして御出席いただいておりますけれども、ここまでは到底質問が参りませんから、最後の輸入促進の問題についてお尋ねをしたいと思います。  これまでの輸入促進策を振り返ってみますと、必ずしもその効果十分でないことは、現実に今も論議しておりますとおりに対日批判を見ても明らかでございますし、これまでの輸入促進策をどのように評価しているのか具体的にお尋ねをいたしますと、製品輸入のための貸し付けであります輸銀の融資は、今回の対外経済対策に伴いましてその金利の引き下げが決定しましたけれども、原資との関係もありましてその実効性が乏しいと言われているのが現状であります、御承知のとおりだと思いますが。これをもっても対外経済対策の一項とするならば、かえって対日批判の火に油を注ぐものになりかねないのではないかと思いますけれども、この点はどうなのか。  次に、今回の輸入促進対策について大臣みずから産業界に働きかけられまして、製品輸入促進の要請を行われました。関係社約六十社であったかと思いますけれども、どういう基準でそれを選ばれたのか。そして各社はそれぞれの輸入の協力要請にこたえていくわけでございますが、各社とも既に輸入担当部門を設けておるところも多いし、実績もあるようでありますが、重ねての要請でどの程度期待できるのか。  またこの要請はどのような根拠に基づいておるのか。メーカーを名指しで公表したり、社内体制をつくる要求をしたり、五月中に実行計画の策定を求めまして、中には中間報告を要求するなど、まさに過剰な、これ言うなれば行政介入のそしりを免れない。こういうのは自由経済の原則に反するのではないかと私は心配する一面もあるわけなのですが、この種の要請が許されるならば、国民一人百ドルの輸入品の購入だけを呼びかけるのではなくして、購入の前提となります国民の可処分所得をふやすために労働者の賃上げについてこれらの企業に要請すべきが先決ではないか、これは私見でございますけれども、思うわけでございます。  それと、外国製品の政府調達に関してはいろいろ難しい問題があるようでございまして、既に報道されております通産省で使う車について指摘がされております。購入もやむを得ないと思いますが、こういう機会に、例えば運転記録とか故障、修理を含む整備記録とか整理いたしまして、ディーラーなりあるいはメーカーなりに提示し、日本車との性能の違いを教えるのも一つの案ではないかと思うのでございまして、輸出先の国情に沿うように左ハンドルの車ばかり輸入しておりますけれども、けさもこれは論議になったところでございますが、そのことがかえって日本の車も左ハンドルだというような誤解をぬぐうことはできず、米国から日本に輸出する車も左ハンドルのままで改めようとしないのかもしれないわけでございます。これはけさも論議になったところでありますが、素人の考えでございますけれども、そういう気がしてならないのでございまして、こういう性能や仕様の違いはどう思うのか。  そして通産大臣も御承知のとおりに、中曽根総理が率先してデパートへ買い物に行かれまして外国製品を七万一千円購入されました。ところが、肝心のアメリカの製品を買うことができませんで、ヨーロッパ製品だった。それで親友ロンをそでにしたとかということが書かれてありますけれども、これは何を意味しているかと言えば、私は買い物というものは嗜好性が強くあらわれるものであると思うんです。だから中曽根総理もみずからそのことを示されたと思うんですね。だから貿易摩擦の解消と消費の嗜好との関係、ここらあたりも忘れることはできないと思いますが、最後でまとめていろいろ質問しましたけれども、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

村岡茂生通商産業省貿易局長

○政府委員(村岡茂生君) 輸入拡大の要請については後ほど大臣からお答え申し上げますが、それ以外の問題について若干御説明申し上げます。  まず輸銀の金利引き下げ、原資が不足でという御質問がございましたけれども、今回の引き下げによって私は輸銀の資金はかなり活用されるのではないかと期待しております。現在の一般市中の長期プライムレートが七・七に対しまして、今度の引き下げによって七・一、特に輸人拡大要請の強いものについては六・八%という引き下げが実現いたしました。今まで活用はなかなかされなかったわけでございますが、本格的に活用されるの ではないかと期待されております。  なお、従来の輸入促進対策につきましては、昔はバイミッションなんという、買うということが多かったんでございますが、一つのミッションで数億ドル買ってきたというようなことがありましたが、当今のミッションというのは非常に比較的に長期的に目を見据えて、日本の国情、趣味、嗜好その他に合うような商品を開発するためにアドバイスをするという方向に変わってきております。したがいまして、どのぐらい効果があったか、効果なかったんじゃないかという御質問については甚だお答えしにくいのでありますが、私どもとしては中期的に目を見据えていただければかなり地面に足がついた効果が期待できているのではないかと、こう考えております。ちなみに最近行いましたメイド・インUSAフェア、名古屋で行いましたのでは商談が九千件、参加が二百五十社というような盛況でございました。  なお、先生御指摘のように、日本の趣味とか環境に合うような商品開発を相手に求めるということは極めて大切なことだと思っております。通産省が買う自動車につきましても、外車を二台買おうとしておりますが、できたら右ハンドルの外車を買ってみたいと、かように考えております。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今、村岡貿易局長からお答えしたとおりでございますが、製品輸入拡大問題、これは私が主宰をいたしましたのでお答えをしたいと思います。  去る二十二日でございますが、六十社ほどの社長あるいはその代表者、代理者を呼んだのでございますが、文字どおり非常にたくさん出ていただきました。この選びました方々は輸出額の多い業種、自動車、電機、電子、鉄鋼、機械、そして業界内のバランスを考えて代表的な企業を選定いたしました。それから貿易の直接の当事者である商社、消費者に直結している百貨店、スーパーについては売上高で見て業界内の大手と見られる企業を選定いたしました。そういった企業が輸入努力についても効果が大きいと、こういうふうに考えたからでございます。  民間企業にそういったことを言うのは自由主義経済体制からいって不当ではないかという御指摘でございますが、実は私もその点を実に何度も何度も考えました。そしてこれはあくまで自由主義経済であるから、お集まりいただいたときにも率直に申し上げたのでございますが、これはお願いでございますと、決してそれ以外の何物でもありませんということを言いまして、誠心誠意を吐露してお願いを申し上げたわけでございます。  したがって、通産省のやっておりますのは、先生御承知のように誘導政策でありますから、いわゆる権力による行政というのは通産省はほとんどございません。そういったことはよく理解をしていただきまして、十人の代表者の万々が御発言をなさいましたが、政府のその方針には全面的に協力をするということはもう一致しておったわけでございます。ただ、その際にいわゆる規制緩和だとかいろいろもっと考えてくれる点があるはずだということは御指摘がございました。これは新聞等で報道されたとおりでございます。  それから、輸入拡大のために国民の可処分所得の増大が必要だ、だから労働者の賃上げも考えてはどうかという御提案でございますが、御提案の趣旨は理解をいたします。ただ、先ほども申し上げたところでございますが、日本の場合は貯蓄性向が高い、そういったもののいわば投資、また消費というものに向けていただきたいということが主体でございまして、賃上げによる可処分所得の増大は消費の増大を通じて輸入の増大に資するという場合もあると思いますが、それはそのときどきの経済の状況に応じて事情が異なってくるものでございまして、一概に言えないと思うのでございます。  いずれにいたしましても、賃金水準の決定は労使間の自主的な話し合いに任せられるべきものでありまして、民間の対応を尊重してまいりたいと、このように考えております。  輸入促進対策は、私どもはこの際はそういった意味で国民の意識革命をぜひしていただきたい、そうすることが日本のためであり世界のためである、こういう考え方に基づくものでございますので、何とぞ御理解を賜りまして、百ドルにつきましても御協力を賜りたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、まず冒頭に、高島炭鉱の事故について緊急にお伺いいたします。  今回の事故について、現地からの私どものところへ寄せられた報告によりますと、会社側は当初から鉱内火災と発表して、終始その立場で弁明を繰り返しておりました。しかし、先ほど来通産大臣の中間発表を伺っても、ガス爆発の可能性が極めて濃厚であります。諸般の状況から見て、もはやガスによる爆発ということは疑いをまたないところであると私は思うのでありますが、重大なことは、会社側のそういう初動からの認識自身が、事故現場付近におけるガス爆発対策に全く無警戒であった、そういうところの問題が私はあると思うのですね。また、実際にこの付近にはガス探知器がつけられておらなかったという疑い、さらに送風器もとまっていたという疑い等々が持たれております。  しかも、今回の事故現場は、三月二十六日以来約一カ月休止状態にあったところであり、このほど再使用をするに当たって、機械類の点検整備のために久しぶりに入ったところなんですね。したがって、当然ガス探知など事前の万全の保安措置が、対策がとられた後作業にかかるのがこれはもう常識であります。しかしそれもなされていなかったという疑いが持たれています。  私が伺いたいのは、こういう重大な疑惑、こういう疑問点を通産省としても承知され、認識され、そしてこれを追及されようとしているのかどうか。この点を、今調査中でありますが、基本的姿勢としてまず伺いたい。

山本雅司通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(山本雅司君) ただいまの御指摘につきましては、私ども非常に深く認識しておる状態でございます。  先ほどもお答えいたしましたように、昨日事故直後、九州の保安監督官を現場に急派いたしまして、昨日も夜十一時までかかりまして現場を調査したわけでございます。本日も、現在現場に入っております。また、私どもも、大臣の御指示がございまして、事故調査委員会という専門家の先生方を集めました委員会を本日組織いたしまして、あす、あさってと現場調査をする予定になっております。  したがいまして、このような科学的な調査、それからそれを踏まえました鉱山保安規則に基づきます司法捜査、あらゆる手段を講じまして、事故原因の究明と、その事故に至る会社側の実態というのは詳細に解明してまいりたいという所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 この高島砿業所は、最近二百五十人の人員削減、そして基準内賃金の六・七%カット、先ほどもお話しありましたが、そういう内容の合理化案を打ち出しているんですね。ですから、今回の事故の背景には、こういう会社側の生産第一主義があったということが予測できるわけです。  社宅の会社掲示板を見てみますと、私全部ここに写してきておりますが、出勤率を向上する、それを強要する張り紙が出されております。それによりますと、もっと出勤率を引き上げよ、そうでなければ閉山だ。まさに強迫で労働者を追い立てているんです。この掲示板の文言に端的にあらわれているように、今回の事故には非人間的な合理化による保安要員の削減など、保安の手抜きがあることを、現時点でも私はあえて指摘することができるんであります。  この人災とも言うべき事故に対して、政府として責任ある徹底した調査と究明、そして再発防止策の確立及び犠牲者に対する救済と補償を行うことを私はあえて要求いたすとともに、この点についての大臣の決意を承りたいのであります。

山本雅司通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(山本雅司君) 事前に、多少事務的な点をお答え申し上げたいと思います。  先生の御指摘のありました中で、私どもといた しまして考え方が違うなという点が一つございます。  それは、確かに生産性を高めて、能率を高めることはぜひ必要ではございますけれども、何にも増しまして人命の尊重、保安の確保というのは私どもの絶対的な政策要請でございますし、これはいつに変わらぬ私どもの行政方針でもございます。したがいまして、そういう基本的な考え方のもとに、果たしてこの事故がどういう原因だったか、どういう状態だったかということは十二分に調査して、しかるべく法律に基づく処置が必要ならばそれは十分とっていきたい、こういうように考えておる次第でございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今回の災害につきまして、私は通産大臣就任以来、石炭行政の問題で保安が一番大切である、これは率直に申し上げて、日常でも、こういった災害が起きなければいいがということをいつも祈っておったわけでございますが、今般こういった本当に不幸な事態が生じました。大変残念な、遺憾なことであると思っております。  今、政府委員から御答弁申し上げましたように、実態の問題につきましては、昨日以来刻々といろいろ入っております。ただしかし、先ほど来他の委員にお答え申し上げておりますように、まだ原因がわかっておりません。したがいまして、まず原因の究明をいたしまして、そして市川委員御指摘のようないろいろな問題について、ひとつ真剣に対応すべきである、このように思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣の決意はよくわかりました。  しかし山本審議官、あなた、大夕張がそうでしょう、三池がそうじゃないですか。生産第一主義で人命をないがしろにした歴然とした事件が続出しているじゃないですか。そのことを今回も私は重大な疑惑を持ってあなたに言っているんですよ、政府に。  大臣は今きちんとお答えになった。あなたに何も、高島炭鉱の会社の代弁をやってもらうつもりはないですよ。そういう認識で事に当たられるならば、まさに繰り返しになるんですよ。そうじゃないですか。この問題はいずれ、あしたも現場へ参りますから、その上ではっきりしましょう。あなたの今の、私は何も通産省が安全第一主義を放棄しているというふうなことを言っておらぬ。生産第一主義に走っているそういう会社に対して、監督官庁としての責任を痛感してほしいんですよ。あした以降事実をもってやりましょう。  そこで、きょうの本論であります貿易摩擦の問題でありますが、去る十二日に、本会議で私は緊急質問を行いました。そして総理に対外経済政策についてただしましたが、その際に私は、アメリカの対日貿易の赤字の原因には二つの根本的な問題がある。その一つは異常なドル高だと、もう一つは日本の大企業の異常な国際的競争力であるということを指摘して、その改善を総理に迫りました。しかし総理は、このことにまことに正面からお答えがありませんでした。  そこで重ねて伺いたいのでありますが、まずアメリカのドル高問題でありますが、きょう午前中に参考人に来ていただきましていろいろ意見聴取を行いました。その質疑の中で与党の石井委員、今いらっしゃいませんが、貿易摩擦の要因の九〇ないし九五%はこのドル高にあるんだということを、与党の石井委員すら力を込めて迫られました。その数字の比率の当否は別としても、ドル高に重要な原因があるんだということはもう世界の常識であります。問題は、そのドル高の原因が何なのかという問題です。私は、それはアメリカの軍拡、つまり国防費の膨張にあるという事実に基づいてそれを指摘しなければならぬのです。  例えばアメリカの予算について申しますと、レーガン大統領が担当する前年の一九七九年度と八四年度について、歳出の伸びと国防費の伸びを比較しますと、歳出は七九年一〇〇に対して八四年は一六九、国防費は一九六になっております。国防費の歳出に占める割合も七九年の二三%から八四年の二七%と年々ウエートが高まっておるんです。レーガン政権のこうしたいわば大軍拡が結局財政赤字を生む、それが高金利、それがドル高、そしてそれが相対的な円安となって貿易赤字をふやす結果になっていることは、これは事実と論理の教えておるところです。  そこで、アメリカの対日貿易の赤字を根本的に打開するためには、その大もとであるアメリカの大軍拡にメスを入れる、このことなしに解決の方向は本質的に出てこないんじゃないか。日本はアメリカの市場開放の要求にただ諾々とするんじゃなしに、市場アクセス改善のためのアクションプログラムをつくるんではなしに、こういうドル高是正のためのアクションプログラムをこそアメリカに要求すべきではないのかというのが私の考え方でありますが、この点は日銀の「調査月報」をここに持ってまいりましたが、これは去年の八月号でありますが、「最近における米国の貿易収支動向について」という結びがここにありますが、巨額の財政赤字について早急に削減の手が打たれることが何よりも肝要と思われると述べております。今私が申し述べたことについて、もし村田大臣の御所見を伺えれば幸いであります。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) アメリカのドル高の要因となっておりますのは、やはりアメリカの経済が強い、物価が安定いたしまして景気が持続的拡大を続けておる、そういう良好なファンダメンタルズに対する国の内外における評価というものが高く評価されておるという点が一つ。  それからもちろん、御指摘の、市川さんのおっしゃっておるような、大幅な財政赤字を反映した高金利のために主要国との金利差ができておって、各国から金が流れ込んでおることは事実でございまするけれども、しかし、やっぱり基本的にはアメリカの経済が強いということが認識され、しかもアメリカが政治的にも強い。したがって、ドルにかわる基軸通貨がほかには簡単に見つからぬぞということで、例えば最近は年末にはアメリカは債務国に転落するだろうと言われておりまするけれども、それじゃポンドに逃げるか、マルクに逃げるか、円に逃げるかというと、そういうあれはなかなか出てこない。基本はやはり政治的に経済的に強いというふうに私どもは見ておるわけでございまして、必ずしも軍事予算が大きいからとだけ言い切るわけにはいかぬのじゃなかろうかと考えております。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ドル高問題につきまして、ドル高が貿易摩擦の大きな原因である、ドル高、高金利、財政赤字、それが貿易摩擦の一つの原因であるということは私も同感でございます。  それから、防衛力の問題は、今金子大臣がおっしゃったとおりに認識をいたしております。  もう一つ、日本の国際競争力でございますが、これはまさに私は日本は国際競争力があるからこそ一割国家にまでなれたのである。これはキッシンジャー元国務長官が指摘しておるように、日本ぐらい資源がなく、国土が狭く、過酷な自然的条件に押しつけられた国はない、その中にアメリカと協力する最高の国として上がってきたのは見上げたものだ、こういうふうに言っておるのでありまして、この国際競争力を放棄してしまったら、私は日本の立つ瀬がなくなると思います。だから、労働時間の問題でも賃上げでも、原則的にはよく趣旨はわかるのでございますが、先ほども他の委員にお答え申し上げたように、そういった条件については急いでやってはならない、やはり客観的条件に対応してなすべきである、そういった認識を持っておるのでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 国際競争力の問題については、この後もう少し各論的にお伺いするつもりだったんですが、先にお答えいただいたんですが、金子長官が非常に微妙におっしゃったけれども、要するにアメリカが今やもう債務国に転落しようとしていることは、これはアメリカ自身が認めているところです。私も本会議でその問題を指摘いたしました。そしてまた、その財政赤字の最大の要因というのがあのレーガンの軍拡にあることも、これはもう世界の常識です。だけど、そのことを金子 長官にこの平場でこれ以上言えいうてもあなた認めるわけにそれはいかぬでしょうから、その点は僕はやっぱり政治家としては事実に基づいて議論というのは引き続き進めたい、こう願うところであります。  そこで、もう一つの、いわば日本の国内的要因と言うべき日本の大企業の国際競争力について今大臣がおっしゃいました。この国際競争力がいわばまともな形でついている、強いというのだったら、どこからもけちはつけられないんですよ。ところが、そうじゃなしに極めて異常なんです。具体的データを私本会議でも指摘いたしましたが、例えば新しいデータを取り上げますと、年間の実労働時間は日本の二千百五十二時間に対してアメリカは千九百八時間です。世界で石油危機以来労働時間が日本だけがふえているんです。だから長時間労働、しかも過密労働で、そしてコストダウンしているんです。いわばソーシャルダンピングなんですね。  またその結果、コスト比較は、一九八二年の数字ですけれども、アメリカを一〇〇としますと、製造業全体で日本が四九なんです。鉄鋼業全体が四六、自動車が三七です。言いかえれば、そういうコストダウンがなぜやられているのか。労働者の低賃金です、労働強化です、長時間労働です。そして加えて、大臣も御承知の中小企業いじめなんです。例えば有名なトヨタのかんばん方式やその他で零細な中小下請企業を痛めつけて、それで搾り上げて、競争力をつけて打って出ているのです。だから、この点については諸外国が問題にするのは、やっぱりある意味では当然なんです。私はこの改善が国民の購買力を高め、正しい意味での内需を高め、そして国際的にも正常な経済関係を打ち立てる基礎になるというふうに確信しているところであります。  現に対外経済問題諮問委員会報告、いわゆる大來レポートですが、ここにも、先ほど金子長官が意識的か無意識的か存じませんが、原文には四項目の二番目に入っているんですよ、それを四番目にあなたはおっしゃっている。それは作為的とは言いませんけれども、言いかえれば軽視されている証拠やと私は言いたいのでありますが、その中にも、「内需中心の持続的成長」として、週休二日制の普及、労働時間の短縮などを二番目に指摘しています。長官は四番目におっしゃいましたが。ところが九日に発表された対外経済対策では何らこれ具体化されておらぬのです。私こんなことは言うつもりなかったのですが、大臣の方から先に、賃上げは徐々にいっているとか言わはるので、私言いたいのだけれども、これはある新聞が、村田通産大臣は、洋服は首相からもっとぱりっとしたものを着たらどうかねと注意され、急ぎ英国製の五十万円の生地で仕立てたと。今着ていらっしゃるのは五十万円の服かどうかわかりませんがね、それ、五十万円の服をぱりっとすぐにでも買えるような庶民いますか。ほんまに泣く泣く月賦の既制服でやっているのでっせ。それを十万円四人世帯で買えというようなことをやるのやったら、やるぐらいの購買力を上げる必要があるんじゃないか。だから私が聞きたいのは、こういう対外経済対策でプログラムをきちんと、大來レポートでも言うておるのですから、例えば労働時間の短縮とか、賃上げとか、こういうものについてのプログラムをつくるべきであるということを私は強く要求いたしたいんですが、いかがでしょう。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) この洋服そんな高いんじゃありません。率直に申し上げて、あれは私のコメントでありませんで、どういうふうにしてあの五十万円というのを表現したかわからないのですが、抗議をするのも大人げないと思ってしておりませんが、もっと安い洋服を私着ております。  それから国際競争力の問題、私これいつも考えているものですから、つい少しオーバーランをした発言を申し上げたかもしれませんが、私は信念としては労働時間は短くすべきだと思っています。また、日本の労働時間が国際的に見て長いということも承知をしております。  ただ、もしそういうことを急いでやると、よく言われるようなイギリス病やスウェーデン病になっては大変だと、我々の祖国はかけがえのない祖国でありますから、そういった意味で、行き過ぎてしまってからブレーキをかけようと思ってもかからないという意味で、その進み方としては徐々にやるべきである、まさに自民党の考え方であります。  それからまた私は、日本は分配――まあ市川先生のおっしゃっているのは分配論だと思うんですが、諸外国と比較してみて、分配論から見れば、こんなに賃金格差の少ない国は少ないと思うんです。したがって、国民の意識調査においても、今非常に生活が恵まれておるという感じ方がだんだんふえておるのは、そういった政治というものが公平であるという前提ではないかと理解をしておりまして、その意味で大企業対中小企業の対置という図式は、私は必ずしもとれないのでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 この問題は引き続きまたあらゆる機会でいろいろやりとりさしていただきたいと思いますが。金子長官、お引き取りいただいて結構でございます。  次に、これに関連して具体的な問題でお伺いしたいんでありますが、それは革靴の自由化の問題なんです。  伝えられるところでは、去る三月十二日に日本が革靴の輸入について数量規制をしているということをとらえ、アメリカが、ガット違反であるということで同協定の第二十三条第一項の協議を提案したと言われておりますが、事実でございましょうか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) 事実でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 本来こういう提案というのは、御承知のように、無限定あるいは無制限にできるものではないわけなんですね。ガット第二十三条の第一項は、「この協定に基いて直接に若しくは間接に自国に与えられた利益が無効にされ、若しくは侵害され、又はこの協定の目的の達成が妨げられていると認めるとき」と規定されている。したがって、この日本の革靴の数量割り当てが現実にアメリカに不利益を与えているのかどうか、端的にお伺いしたいんであります。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) 私どもといたしましては、革靴につきましては、日本はアメリカにほとんど被害を与えていないものと認識いたしております。しかしながら、アメリカ政府は、アメリカの通商法というのがございますけれども、その法律の第三百一条に基づくアメリカ業界からのアピールを受けまして、ガット十一条違反を理由に、我が国の皮革の輸入割り当て制度の撤廃を求めてきているところでございます。  私どもといたしましては、今後とも我が国革靴産業の非常に困難な状況、さらにはただいま申し上げましたように、現実にアメリカにほとんど被害を与えていないこと等につきましてアメリカ側に十分に説明いたしまして、その理解を求めてまいる所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 よくわかりました。  そこで、もう少し立ち入ってお聞きいたしたいんでありますが、革靴はなるほどIQといいますか、数量制限はいたしておりますけれども、実際の輸入数量がこの制限枠を超えて輸入がふえる傾向にあるのか。  私の聞くところでは、限度枠は事実上、まあ余っているといいますか、その枠内で処理されているというふうに伺っておりますが、間違いございませんでしょうか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) 先生の御指摘のとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 それでは、この枠があることによって輸入規制をしたといいますか、アメリカの革靴輸入を規制したというふうな事実は最近ございましょうか。私はそういう例はないと思うんですが、間違いございませんでしょうか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) 割り当て制度は、グローバル割り当て制度でございまして、割り当てを受けた方々はどの国からでも自由に輸入することが できます。したがいまして、アメリカからの輸入を制限しているという事実はございません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうすると、先ほど来いろいろございました日米経済摩擦の原因として、日米間の貿易でアメリカ側のインバランスが今浮上してきているわけですが、事革靴の日米貿易に関して、アメリカ側が輸入超過になっているのかどうか、その実績をお伺いしたいんですが。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) 輸出入ともにほぼバランスした状況になっております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私がちょうだいいたしました資料によりますと、我が国のアメリカへの輸出額がこれは去年、八四年で四百三十四万二千ドル、一方アメリカからの輸入が四百五十四万九千ドルということで、ほぼおっしゃったように均衡し、ある意味ではアメリカからの輸入の方が革靴に関して言うと多いというのが、いただいている資料ですし、また実態だと承知しておりますが、そこで今度はアメリカの方の革靴の需要についてお伺いしますが、よろしゅうございましょうか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) はい、どうぞ。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ゆっくり言います。  アメリカにおける革靴の輸入比率はどれぐらいでございますか。アメリカが輸入してはる革靴は、アメリカの生産のどれぐらいになりますか。生産というか、使っている靴の……。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) 若干資料の時点は古くなりますけれども、昭和五十七年におけるアメリカの革靴の全世界からの輸入量は二億一千五百万足、数量で申し上げておりますけれども。それに対しましてアメリカの国内生産からの出荷量は三億二千九百万足でございます。したがいまして、合わせますと、アメリカの国内需要は五億四千万足程度になろうかと思いますから、ざっと計算いたしますと、輸入量は四〇%程度になろうかと考える次第でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これも年度によって大分データが違うかと思いますが、私のいただいた、これは外部からの資料でございますが、一九八三年度に消費量全体に対して輸入の比率が六四%という数字が挙がっておりますが、今おっしゃったのは四〇%ですか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) 輸入量と出荷量を分母といたしまして分子の方に輸入量を持ってきた数字でございますので、逆にあるいは別の計算といたしまして、輸入量を出荷量ないしは生産量で割る方法があろうかと思いますが、その後者の比率を見ますと、先生のおっしゃるような数字に八二年度も近づいてくるかと思われます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 さすがは先ほど大臣が自賛なすった優秀な通産官僚の皆さんですから、計算は早いですね。  時間を節約する意味で、以下私の方から問いかけをしながら確認をしていきたいんですが、アメリカのそれなら革靴の輸入先の国はどこかというて私の方でも調べてみましたら、トップがブラジルなんです。これが今の、八四年の数字でいきますと一億四百万足、ラウンドナンバーでいきます。二位が韓国で七千八百万足、三位が台湾で六千四百万足、四位がイタリアで四千九百万足。これに対して日本は何ぼかというと、わずか百四十万足、比率にして〇・四%です。だから、これがアメリカ自身の統計資料で出ておるんですけれども、若干のラウンドナンバーのなにからすると間違いございませんでしょうか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) ほぼ間違いない数字かと思われます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ありがとうございました。  そうすると、そういう国々、例えば今言うたブラジルやとか韓国や台湾などの革靴の供給者、メーカーですかな、そこへ進出したアメリカの靴企業がやってはる、日本で今、大島つむぎの逆輸入の問題がこの委員会でも取り上げられましたけれども、ああいうのと同じようなものになっているというふうに聞いておりますが、この点は御存じでしょうか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) それがすべてを説明するとは必ずしも言えないかと思いますけれども、そういう事実もあろうかと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 もし以上のようなことであるとしますと、この貿易赤字の問題では、革靴について言えば、日本に自由化を要求するというのはこれはお門違いやと。アメリカにぎょうさん輸出している国に問題提起をしていただかぬといかぬ筋の問題、また海外進出をしてアメリカの国内革靴産業に影響を与えているアメリカの多国籍化した製靴大企業にきちんとしてもらわなならぬ問題やということになるんかと思うんですが、私、通産省は当然こういう正々堂々の主張をなすっていらっしゃると思うんですが、そういうふうに信頼してよろしゅうございますか。

古川直司通商産業省大臣官房審議官

○説明員(古川直司君) アメリカの革靴の輸入量の中で大きいところは、先ほど先生御指摘のように、ブラジルとか韓国とかいうところでございまして、日本が極めて小さなマーケットシェアしか占めていないことは事実でございますけれども、アメリカが私ども日本側に言っておりますのは、アメリカ市場における日本製革靴のシェアの大きさではなくて、日本のマーケットアクセスといいますか、日本市場がもう少し開放されておればアメリカ製の革靴が入ってくるはずである。したがって、日本市場におけるアメリカの利益をもう少し拡大したい、確保したいという点にあろうかと考える次第でございます。  そのような認識でございますけれども、私どもといたしましては、我が国の革靴業界の置かれた困難な事情、それからアメリカの認識とは違いまして、アメリカに被害を与えていない、実質的な被害を与えていないというような事実等も含めまして、鋭意アメリカの理解を求める方向で努力をいたしているところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今のお立場を前提にして、今お答えもあった我が国の革靴業者の現状、それをどういうふうに評価し、また位置づけをなすっていらっしゃるのか、この点をひとつこの機会にお伺いをいたしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 市川委員にお答え申し上げます。  我が国の革靴製造業は、従業者九人以下の企業が全体の七〇%以上を占めておる極めて小規模な零細企業で構成をされております。国際競争力にも乏しい、また歴史的、社会的にも困難な問題を抱えている産業であると、このように認識をいたしております。  加えて、最近は革靴需要の低迷などから一段と厳しい業況が続いている、こういうふうに認識をしておるところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今大臣がおっしゃったように、我が国の革靴製造業の、言うならば一つは歴史性、一つはその置かれている零細性、それからもう一つは、やっぱり国際的競争力、そうして地域性という問題がありますが、こういうかねて政府がおっしゃっているいろいろな要素から見て、もしこの革靴が自由化されるということになりますと、非常に大きな打撃を受けることは明らかであります。したがって、革靴の自由化は行わないという従来の基本的態度をしかと承りたいんでありますが、大臣いかがでございましょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。  米国の要求に見られますように、革靴の輸入割り当て制度をめぐる国際的な環境には非常に厳しいものがあることは事実でございます。しかしながら、通産省としては、米国などに対し、革靴製造業の抱える困難な問題及び実態等を十分に説明するなど、今後とも適宜適切に対応をしてまいる所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 先刻、一部報道で、通産省が何か見直しを検討しているかのような報道がなされまして、そして関係の業界あるいは業者の方々は非常に心配なすっていらっしゃるわけです。今の大臣の御答弁で、その態度は不変であるということを確認いたしましたけれども、きょうも関係の方が心配してお越しになっておりますが、大臣の口から、現時点では自由化する意思はない、こういうことなんだというふうに、ひとつ安心をさせて いただくことをお願いをいたしまして、最後の質問にして、私の質問を終わらせていただきます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来申し上げたとおりでございまして、今後とも我が国の実情について米国に十分説明をするとともに、その理解を求めてまいる所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 頑張ってくださいよ。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 私は、一番嫌な質問からまずやります。  それで、今度の市場開放については、先般から何回も私この席で申し上げておりますね。ガソリン及び石油製品の市場開放の問題が全然出てこないんですが、これは検討されているんですか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) ガソリンを含みます石油製品の輸入の問題につきましては、石油審議会の中に検討のための小委員会を設けまして、そこで四月十七日から検討を今始めたところでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 私、これ何回も申し上げますように、今度、中曽根総理がもう本会議でもしょっちゅう言っておられるのは、アンフェアなことはやめたい、ずるいと言われるようなこと、不公正なことはやめたいということを何回も言っておられるんですね。これ畠山部長さんに言うと、またいろいろ理屈を言うでしょうけれども、もう一遍理屈を言ってもらいたいんですがね。  要するに、表向き自由化しておいて、そして行政指導でその輸入を抑止している、制限しているという、実際抑止しているわけですね。こういうようなのが我々の常識では一番アンフェアだと思うのですよ。したがって私は、本当に日本の国として、これはガソリンとか製品の輸入が困るんだということであれば、やはり表向き輸入禁止にするとか、やっぱり許可制にするとかということをおやりにならなければいかぬということをやかましく言っているんですね。この辺皆さん方のお考えと中曽根総理の考え方と違うんじゃないかと。中曽根総理はアンフェアなことはもう一切やりたくない、堂々とやるんだとおっしゃっているんですけれども、その方向でやはり通産省としてもお考えになっているのかどうかですね。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 今、先生からアンフェアじゃないかというような御指摘があるわけでございますけれども、確かに先生の御指摘にありますように、石油製品の輸入そのものは貿管令上は規制は行われておりません。制度上は自由に輸入できるようになっております。  他方、しかしながら、石油業全般にわたりまして石油業法がございます。これは、国会によってお決めいただいて我々行政庁にお任せいただいている法律でございますけれども、この石油業法におきましては、御案内のように輸入業の届け出だとかあるいは輸入計画の届け出というような行為が課せられておりますし、その内容が不適性の場合には通産大臣は勧告することができるという規定を法律上我々いただいているわけでございます。  そういう意味におきましては、輸入業の届け出なり輸入の内容につきましては通産大臣が法に基づいて勧告し得ることになっているわけでございまして、この法律上行政庁に任されたそういう意味での行政指導の範囲内でどういうものを輸入さしていくか、どの程度輸入するかということは認められているわけでございまして、そういう意味では我々はアンフェアなことをしているということではなくて、国会によって定められました石油業法に従って業界を指導しているということでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 少なくとも私は日本人としてアンフェアだと思っているわけですよ。それで、私が思っているぐらいだから外人がこれをアンフェアだと考えても仕方がないだろうと思うんですよね。現実に私のところにやっぱり外人の記者が言ってくるわけですね。これはもうアンフェアだ、一番の最たるものだと、これをやはりきちっとやらないと、幾ら中曽根総理がああいうことをおっしゃっても、また日本人は例の一流のその場逃れのごまかしを言っているというふうにしかとらない。だれもこのガソリンの問題は問題にしてない。したがって、ミスター木本がこれはやっぱりはっきりしないと不信感を抱くと。これは皆さん御存じだと思いますけれども、私は何もやったわけじゃないですよ、私はやったわけじゃないけれども、この問題はアメリカでは相当なあちこちの新聞に書かれているわけですよ。  しかも、今度のこの問題が起こっていろいろ言うけれども、この問題については何も政府はアクションを起こしてない、おかしいじゃないかという不信感があるわけですね。日本の新聞にはたまたま書かれてないから、皆さんもう余り問題にしないですけれども。僕はやっぱりこういうことを片づけないと、今回の問題は日本人は案外知らないと思うんですね。向こうの方はそういうことを知っていていろいろ対応してくると思うんですね。その辺、アメリカ側がこれをどういうふうに受けとめているかというふうに情報を得ておられますかね。

畠山襄資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(畠山襄君) アメリカ側は、確かにこの間の通産大臣の勧告のケースが日本でまず報ぜられまして、それがアメリカの新聞にいろいろ取り上げられたということは今御指摘のとおりでございます。とおりでございますけれども、アメリカ自身も石油という特殊な商品につきましては、例えば一九八一年までは輸入エンタイトルメント制度という輸入規制を行ってもおりましたし、また石油という商品につきましては、ヨーロッパの国々を見ますと、イギリスはBPという国策会社を持っておりますし、フランスはフランス石油、それからELFという二つの国策会社を持っておりますし、ドイツも自由経済と言われますけれどもフェーバという国策会社を持っておりますし、しまして、皆程度の差こそございまするが、ある程度マーケットに国が関与をしているということでございます。ですから、まあほかの商品と違いまして、そういった国のマーケットメカニズムに対する関与と申しますか、そういうものがある程度行われている商品ではなかろうかというふうに私ども思ってはおります。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで、あなた方の日本側の説明はそうなんだけれども、外国が納得しなきゃしようがないですね。  それから、今現在、アメリカが問題にしているのは、とりあえず四品目だけなんですよ。ところがアメリカ以外の国はやっぱりこれ問題にしているんですね。例えばシンガポールなんか問題にしているわけですね。また将来問題が来るわけです。したがって、私は今回の対策をまあ政府としてどういうふうにお取り上げになっているのか。例えば、この四品目だけを片づけりゃいいと思っておられるのか、通産省管轄以外の商品もありますけれどもね。  私はそういうことをやっていると、対症療法だけやっているとまた次問題起こしちゃうと。その辺ここで基本的にやっぱり日本の貿易のあり方というか、経済のあり方というか、そういうことを本当にお取り組みになるのか、それとも対症療法だけをお考えになっているのか、その辺は大臣いかがなんでしょうね。

鈴木直道通商産業省通商政策局次長

○政府委員(鈴木直道君) 先般決めていただきました対外経済諮問委員会の報告書にございますとおり、従来の対外経済問題についてややおっしゃるように短期的な対応が非常に多過ぎて、諸外国から見ますと中長期的な我が国の国際化というラインから一体合っているのか合ってないのかと、こういう議論がございます。もう一つは、やはり相手方の要求にこたえるという受動的な面がございまして、積極的、自主的な判断がないんではないか、こういう御指摘がございます。  この辺は、私ども非常に反省している点でございまして、今後の対外経済対策の推進の場合に、アクションプログラム等々を策定する場合には、今申し上げました二点というのは非常に重要な点だと考えているわけでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 しつこいようですけれども、最後にアクションプログラムにおいて、石油製品あるいはガソリンの輸入の問題はどういうふうにや ろうとお考えになっているんですか。それはまだ石油審議会があるからというふうにおっしゃるだろうけれども、いわゆる長官の頭の中にアイデアとして、まあおれがやるんならこういうふうにやりたいというふうな願望でもいいんですけれども、どういうふうにこのアクションプログラムにはお取り組みになりますか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 今市場アクセスについての全般的な見直しが総理の指示のもとで行われているわけでございますけれども、見直しにつきましてはもう我々聖域はないものと理解しておりますが、しかしながら、このアクションプログラムの中でも、国家の安全とかあるいは国民生活の維持等にかかわるものは例外とするというような項目もございます。  そういう意味におきまして、石油などにつきましても、このような観点をも踏まえまして、慎重に検討いたしたい、そういうふうに考えているところでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 この石油問題を終わる前に、ここにアクセスのときに、「環境保全や国民生活の維持・安全に関わるもの、その他国際的にも十分説明しうるものに限られるべきである。」というふうな考え方があるわけですね。これが、ガソリンが果たして国際的に十分に説明し切れるかどうか、これぜひ検討して勉強していただきたいと思うんですよ、僕はだめだと思いますけれどもね。  そこで、本来の問題に戻りまして、けさほど参考人の方にもいろいろ御意見伺ったわけですけれども、要するに、私の解釈は、今回のこの対米摩擦の問題、貿易摩擦、経済摩擦ありますけれども、これは私はただいまの状況では、むしろ政治摩擦あるいは文化摩擦じゃないかというふうに思うわけですね。したがって、少々のものを買ったってなかなかそれは解消できないだろうし、納得させられないだろうし、それからまた、納得させられるものを経済的に買うとなれば、もう本当に不可能じゃないかと私は思うわけです。  今政府がおとりになっている対策の中で、一人百ドルずつ買うとか、さっきの洋服の話だとか、あるいは四品目の問題ですね。特に、私、こういう輸入の問題ちょっと別にして、こういうようなのは緊急避難にすぎない。したがって、これは政治的な解決策として、ゼスチャーとして、見せ金として、アドバルーンとしてやっているんだということで、それで相手が納得すればいいんですけれども、過去そういうことを何遍も繰り返してきてなかなか納得せずに、まだ何回も何回も繰り返すわけですね。そういう点で、これは本当の緊急避難とお考えになっているのかどうか、それともこれをやれば何とかおさまるというふうにお考えになっているのか、その辺はいかがですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。  今回の措置は緊急避難とは思っておりません。やはり非常に大切な措置の一環であると思っております。と申しますのは、私は木本委員と同じ戦中派でございますけれども、ここへ来て意識の革命をしなきゃならない。かつては国産品なら多少悪くても使いましょうという時代が長く続いたわけでございます。私なども節約型でございまして、浪費は余り好む方ではありませんが、そうではなくて、これからは消費が大事だという考え方に切りかえてひとつ百ドル運動というものを総理を中心に起こしておるわけでございます。  そういった意味で、アメリカも自由主義貿易、日本も自由主義経済体制、お互い自由主義経済体制でありますから、その間に経済の不均衡やあるいはいろいろな産業の業態がありまして、貿易摩擦というのはいつの時代も必ずあると思います。あると思いますが、それを一つ一つ解決をしていくのでなければ本当にあすが展望できないということで、克明に一つ一つを解決していこうと、その一環であるというふうに理解しておりまして、今回は特にそれが相当大きな波になり、うねりになってやってきたので、まずこの波を突破してから、その後でいろいろと相談をしなきゃならぬことがある、このような認識を持っておることは事実でございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで、六十社を集めて大臣から輸入を要請されたと。それで、大臣に頼まれればそれは民間の会社、ノーとは言えませんし、だめだとは言えないから、まあそれは御協力しましょう、一生懸命やりましょうというのは当たり前なんですけれども、私は、これはお答え求めてもしようがないんで私から申し上げますが、私、まずこれ効果がないと思うんですね。私も実は通産省に御指導いただいて、五年間機械の東欧からの輸入をやったわけですね。私はたまたま東欧なんですけれども、その通産省の御指導で機械の輸入をふやそうということで五年間四苦八苦したわけです。世界あっちこっちに行きました。けさほどの赤澤さんなんかとも一緒に輸入ミッションに参加したり、いろいろやりました。全部だめだった。今でも私は絶望的だと思っているんですね。  大体、先ほど通産省が二台ぐらい外車をお買いになるというけれども、これは私、多分通産省の運転手泣かせだと思うんですね。故障はするし、うまくいかないし、値段の高いのはおいといないかもしれないけれども。私は輸入品の場合に、まあこんな普通の商品でもそうですけれども、外国品は高くて悪いんだけれども、当面の使い捨てに間に合うから買えというふうな認識に変えないと、日本人に舶来志向なんかがあったらこれはもうだめだと思うんですね。だから、要するに使い捨てのものはどんどん外国品を使いましょうということがなきゃいかぬ。それから機械も、まあ二、三年使えばいいから、少しがたぴししてもそれは安いから買うと。したがって、安くするということが基本にないと私はもうこれ絶対に成功しないと思うんですけれども、その辺は通産省、どういうふうに御指導なさるつもりなんですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) この間、二十二日に申し上げたのは、少々のことはあっても外国製品を買ってくださいと、こういうお願いをしたんですね。率直に申し上げて、その翌日、閣議で報告をいたしたんでございますが、二十二日のときも、木本委員御指摘のように、六十社出ていただいて、しかも大半が社長さんみずから出ていただいて、しかも極めて好意的な御反応いただいたと思うんです。閣議で御報告したときも、閣僚全部百ドル買ってやろうという気持ちになっていただいたに違いないと思うんでございますが、ただそれについては、例えば後藤田長官などは、君が言うからデパートへ行ってみたが、高くて買うものがなくて困ったよなんて言われるものですから、ちょっと閣議の席でそういうことを言ってもらっちゃ困ると私は本当は思ったんですけれども、しかしこれは率直な御意見だったかもしれません。  それだけドル高なんです。私も行ってみて、工夫をしないとなかなかこれはいいなというものがないかもしれないと思うんですが、そういった点でひとつぜひきめ細かに見ていただいて、随分そのつもりで見れば、テレビ等でも報道されておりましたが、こういうものはいいよ、こういうものはいいよという外国製品でいいものがたくさんあると思いまして、お国のために買ってくださいと、こういう気持ちでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 日本人というのは忠君愛国の民ですから、お国の危機となれば少々高いものぐらいしようがないと思って買うと思うんですね。ところが、政府がそれだけの説得力がおありになるかどうか極めて疑問があると思うんですよね。しかし、これは一生懸命やっていただかなければいかぬだろうと思うんです。  ただ、少し不謹慎なことを申し上げますと、私は戦争が起こるよりもいいと、この高い物を、悪い物を買って使うぐらい、戦争が起こるよりいいじゃないかという、そこまでのやっぱり国民の啓蒙みたいなものがもうこの段階では必要になってきているんじゃないかと思うんですね。この啓蒙の方はどういう方法でやっていただくか、これは政府にお願いするとして、私、実は通産省に申し上げたいのは、けさも金森さんにちょっと、三分ぐらい申し上げたんですけれども、私は、現在の日本の産業構造というものが宿命的に貿易黒字が うんとふえるような状況になってしまっていると。もう多少のことをやったって焼け石に水で、もう黒字幅はどんどんどんどんふえる一方であるというふうに私は見ているわけです。これは日本の技術から、テクノロジーから、先ほども革靴の話ありましたけれども、革靴まで日本が輸出するんじゃあらゆる物、それこそミサイルからラーメンまで全部輸出しているわけだ。まあミサイルも輸出しているかどうか知りませんけれどもね。そういう状況になってきている産業構造自身に私は非常に問題があると思うんですよ。  したがって、私の意見を申し上げれば、今度アクションプログラムをおつくりになるときに、全産業、全機種についてレビューしていただく必要があるんじゃないか。そして、二十一世紀の日本の産業構造というのはどうあるべきかということをお考えになっていただく必要があるんじゃないかと。  けさほども申し上げたんですけれども、例えば造船なんというのは横浜だとか神戸のあんな一等地に造船所を置いて、あんなものつくっている。あんなものというとおかしいですけれども、もうああいうのは韓国や台湾になにして、そしてエンジンとかコントロール部分だけ日本から供給するとか、自動車でも将来そういうふうにやっていくとか、例えばエレベーターなんかでも、日本のエレベーター確かにきれいだし優秀ですけれども、もう少々我慢して、がたがたいってもしようがないから、コントロール部分だけ日本から出して、それで完成品にして輸入するとか、例えばいろいろ差し支えあることを申し上げますけれども、例を挙げれば、セメントみたいなものを、ああいう公害を出すようなものはもうちょっとやめて、外国から持ってくると。先ほどありましたけれども、石炭なんかも人命を犠牲にしてまでそれをつくらなきゃいかぬような産業じゃないと思うんですよ。それで、資源のないときならともかく、人間を毎年犠牲にしてやっているというのは、僕は、それはいろいろ意見はありますけれども、そういう物の考え方を基本的に考えて、それで日本の方はいわゆる重、厚、長、大のものは輸入すると。そして、メカトロニクスその他のものを輸出すると。それで、できるだけ輸出をそういうふうに変えていかないと、この問題というのは解決しないんじゃないかと。  二十一世紀には日本の産業構造というのはほっといてもそうなると思うんですけれども、これは意識的に通産省が先頭に立って、そういうふうにリードしていただかなきゃいかぬのじゃないかと思うんですが、その辺いかがでしょう。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今お述べになりました御意見の根幹的な部分は、私、本当に傾聴すべき意見だと思います。  要は、いかにして産業の選択をするかというのは国としてよく考えなきゃいけないと思うんでございますが、ただ自由主義経済でございますから、またそれが日本のいいところでございますから、こういう産業をこれだけとか、こういう産業をこれだけという国家計画による割り当てはできないわけでございます。したがって、誘導政策として無理のない範囲内でいろいろやっていかなきゃならないということでございまして、例えば一つ一つのいろいろ製品の単価を見てみますと、まさに今までのような重くて、そして価格の比較的安い物というものでなくて、軽量であって、しかも非常に単価の高い物、それは輸送その他で非常に有利な点があるわけでございます。  そういった物の単価を細かく福川局長が試算をしてくれたんでございますが、余り書いてあることが難しくてよくわからないのですが、例えばアルミニウムは一グラム当たりが一円にも及ばない。それから銅も一円にも及ばない。ところが、ハイテク製品になりますと、高級腕時計などは一グラムが千数百円、千五百円する。制がん剤は一グラムが三千百二十円だ。ジェット戦闘機は一グラムが千六百五十円だというような、いろいろな試算をしてみますと、なるほどこれではえらい違いなんだな、軽くて高いものをつくる方が確かにいいわと。産業用ロボットなどは日本が世界のロボット国でございますが、一グラムが九十五円ないし百円という単価になっておるんでございまして、こういうのも一つのいわゆる新素材を選ぶ際の大きな参考ではないかというふうに考えます。  いずれにいたしましても、業種の選択、それからまた産業全体の進む方向というのは一番基本的な国家の方向だと思いまして、それをよく見きわめて誘導政策もそれに向けてしなければならないという骨子については、木本委員と同感でございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 したがって、私、これからの通産省の一番大きな中心になるのは、産業のいわゆる構造改善とか、産業の転換とか、こういう問題だと思うんですね。したがって、補助金だとか、そういう許認可とか、今まで国内産業を育成する、国際競争力をつけるというふうに重点を置いてこられたと思うんですけれども、今度は、また不謹慎な言い方をすれば、やっぱりある産業は安楽死させる、ある産業は転換させていくとか、そういうことが非常に大事になってくるんじゃないか。したがって私は、今あっちの方では補助金の問題をやっているわけですけれども、補助金なんかもむしろそういうところに重点的に今後使っていかざるを得ないんじゃないかという気がするわけですね。  したがって、そういう点からいって、やはり個々の産業にとってはかわいそうだとか、何とかしなきゃいかぬということはありますけれども、少なくとも余り保護主義的な、外部から見られるようなことはもちろん避けなきゃいかぬわけですけれども、積極的にそういうことの必要があるんじゃないか。  それで、最後に私は、ぜひ通産省は、今後日本の通商産業省じゃなくて、世界の通商産業省だと、世界の産業がどうあるべきか、ひとのこともあれですけれども、ASEANは何をやるべきか、アメリカは何をやるべきか、日本は何を担当すべきか。それで、その後トレードはどういうふうに行われるのがいいか。それはなかなか、そんなこと理想ですけれども、そういうことを頭に置いてやらないと、この貿易摩擦の問題がもう私は永久に解決するんじゃなくて、どんどんエスカレートするばかりだと。日本も経済大国になっているわけですから、そういう態度と、ある意味においては大きな犠牲も払いながら、世界のそういう産業構造の責任を持っていかなきゃいかぬじゃないかと思うんですけれども、この辺の御所見を大臣にお伺いしまして私の質問を終わります。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 安楽死という概念は私は反対でございます。  私は、確かに午前九時の産業、午後三時の産業、斜陽の産業という概念があると思うんですが、ただ午後三時、午後六時という産業でも、もう一回寝て夜が明けてくると明るくなってくる、暁の産業になることがあり得る、こういう言い方をしております。  それからもう一つ、国際的な分業ということは、まさにおっしゃるとおりでしょう。ですから、それがまさにニューラウンドであり、ガットの会合であろうと思うのでございまして、これからはそういったニューラウンドなどで自由に討議をし、そして大国の利害を押しつけるのでなく、いわゆるLDCそしてまたNICS、そういうものを含めた世界の国々が本当にフェアに貿易をできるというのが二十一世紀の貿易の姿だろう。だからそういう理想的な姿においては木本委員の御指摘と同感でございます。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 次に、貿易研修センター法を廃止する等の法律案及び基盤技術研究円滑化法案を便宜一括して議題といたします。  質疑のある方は御発言を願います。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 まず基盤技術研究円滑化法案につきまして若干の質疑を行いたいと思います。  申すまでもなく、我が国は技術立国として世界 に伍して進むべきであるわけであります。先進諸国は技術革新の意義を強く認識しまして、国を挙げて技術開発に取り組んでおるわけです。  本法案の提案理由のところにありまするが、その点我が国の場合は、技術開発費の約七割を民間が負担しておる。先進諸国は防衛費を除きましても大体五〇%近い、そういう研究開発を政府の責任において行っておるという実情があるわけでございます。我が国の今後の発展を考えますると、科学技術の研究開発は、今後の発展基盤を確保する上でもこれは非常に重要な問題だと思うんです。  特に基盤技術に関しましては、産学官、これの連携を十分にしていく、あるいはそれぞれの役割分担というものを明確にしていくということが今後の技術開発をスムーズに進めていく上において非常に重要なことじゃないかというふうに考えておるわけであります。そういう点に関しまして、今回の本法案の提出というものは、まことに時宜を得た適切なものであろうというふうに評価をいたすものであります。  ところで、本法案が技術開発の推進を図る上でどのような役割を果たすのか、そういう基本的な問題につきまして、まず通産大臣の御見解を承りたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今、松岡委員御指摘になられましたように、基盤技術、技術開発というのは、私は新しい時代をつくる一番大きなモメントの一つだろうと思います。中小企業白書の中に、技術、情報、そして人材と、この三つを挙げておるわけでございますが、技術と情報というものをしっかりつかまなければ、これからの産業の発展はあり得ない。そういう意味で技術開発は産業構造の高度化、国際貿易の活性化、国民生活の充実等に大きく寄与するというふうに認識をしておりまして、現在の世界経済は、技術革新の胎動期だと。特に新素材、マイクロエレクトロニクス、電気通信などの基盤技術分野における技術開発は、国民経済や国民生活の基盤の強化に大きく寄与するものだ、こういった意味で技術開発を積極的に推進しなければならない。そういう趣旨からこの法律案を提案を申し上げまして、そして今後技術の開発が大きく我が国で進むようにという趣旨のもとにお願いを申し上げておるところでございます。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 この諸外国との技術開発の中身を見ますると、我が国の場合と諸外国と比較すると、どうもこういう基盤技術関係のウエートというものが、我が国の場合は低いのじゃないか。過去におきまして、いわゆる先進国からその点についての指摘もあったわけでございます。そういう中で、我が国としては新世代コンピューター、技術開発機構を発足させて十年間で第五世代コンピューターを開発していこうという一つの取り組みの姿勢もあるわけであります。この問題につきましての諸外国とのウエートというものが、基盤技術関係についてはどのような実態なのかということが一点伺いたいことであります。  もう一つは、産学官の連携の推進、これにつきまして今回の法案の基本的な考え方として四番目に挙げておられるわけであります。しかし、実際に法案を読んでみますると、学の部分が欠落をしておる。大学における基礎的な研究分野というものは、それぞれの国立大学の間でかなりの力をつけてきておることは事実であるわけであります。  今後そういう問題につきまして、やはりこれからは民間の力と、そして大学の研究実績と、そして政府の役割と、こういうものがお互いやはり総合戦力として結実をさせていかなきゃいけないという時期であるだけに、その辺について、これはもう文部省の所管になっていくわけでありますけれども、今後私はやはり総合化という角度から御研究をなされるべき課題ではないかと思うんですけれども、その点につきましての御所見があればあわせて伺いたいと思います。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) まず、欧米との技術水準の比較でございますが、私どもの方で昨年アンケート調査をいたしましたところ、開発研究、開発段階、これは比較的事業化、商品化に近い段階の試験研究でございますが、それにつきましては、日本の方が優位であると考えている企業の数は六三・五%ございまして、むしろ日本が劣っているというのは〇・八%程度でございました。しかるに、この基礎研究、基礎的な段階の方のことになりますと、日本の方が優位だと認識している企業は〇・八%しかございませんで、劣後だというのは八六・八%の多きに達しているわけでございます。  私どもとしても、日本が従来外国技術を導入をいたしまして商品化に大変重点を置きながらやってまいって、その意味で生産面の競争力は強くなったわけでありますが、まさにこれから基礎的な研究、創造的な技術開発ということが日本に求められておるわけで、今先生の御指摘のように、諸外国からも基礎研究ただ乗り論と言われるがごとき声すらあるくらいでございます。そういうわけで、私どもとしては今申しましたような認識でぜひこの基礎研究について、先ほど御指摘ございましたように、もちろん国でやるべき部分というのもございますが、研究開発の七割を占める民間、これもただ単に開発段階だけでなくて、もう少しさかのぼって応用研究あるいはさらに基礎研究というふうに振り向けていくということに、今回政府で提案をいたしておりますこの法律のねらいがあるわけであります。  その場合に、今御指摘の産学官――産官学と申しますか、産学官の連携というのは、それぞれの持っております特性をうまく融合発揮いたしまして、その研究の成果を上げていく上で大変重要なことであるというふうに思っておるわけであります。  今、この法律の条文の中には学が出てこないじゃないか、こういうお話でございますが、現在この法律の中では、第二章の特例的な措置、それから第三章の基盤技術研究促進センターの出融資及び共同研究事業の推進事業等々を措置をいたしておるわけでありますが、いろいろ私どもの産業構造審議会での御答申の中でも、その産学官の連携は非常に強く言われておるわけでございまして、今回私どもとして規制緩和的な措置というようなことから、国有試験研究施設の減額使用あるいは国際共同研究における特許発明等の無償プラントといったようなものをこのセンターの業務とあわせて、ここに法律上の手当てをいたしたわけでございます。  そのほかでもこの法律以外の部分でも、臨調等でも御答申があり、産業構造審議会でも御提言のありました産官学の連携は、いろんな手段を講じまた環境を醸成をして、運用面におきまして大学等々の連携も図って、産学官のそれぞれ協力、連携強化ということから成果ある運用ができるように努力をしてまいりたいと思っております。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 今回の法案につきまして、中小企業に対して、大企業に対する措置と同様の措置を講じてもこれはうまくいくとは限らないと私は思うんですけれども、基盤技術ということになると、むしろ中小企業はそういうものを応用していくという形で伸びていくべきじゃないかと思うんですが、やはり基盤技術関係についての研究を進めていく中小企業もあろうと思うんですけれども、今度の法案の措置が中小企業にとって利用しづらいものになっているところがないかなという感じがするんですが、その点はいかがでございましょう。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) 中小企業が日本の経済を支える中で大きなウエートを占めている点は御指摘のとおりでございます。  私どもも、中小企業の技術の開発には省を挙げて取り組んでおるところでございます。アメリカの最近のハイテクブームと言われている状況を見ましても、中堅あるいは中小のベンチャービジネスが大きな牽引力となっているということも指摘されているわけでございます。そういう意味で、この中小企業の技術開発、これには十分意を用いるべきであろうと思っておるわけでございます。  もちろん今回のこの法案の中では、大小の規模 を問わずに、広く民間の試験研究を促進いたしますために、例えば国有試験研究施設の廉価使用とか、出融資事業という点については、これは中小企業にとっても十分活用し得るような運用を図るつもりでおるわけでございます。また、この運用を適正に行うことによりまして、中小企業の技術開発の活性化にも役立つと思うわけであります。もちろんこの本制度以外にも中小企業の技術開発という点はぜひ推進をいたしたいというわけで、中小企業を対象としました中小企業技術開発促進臨時措置法案を今国会に提案をいたして、また御審議をお願いをいたしているところでございます。  さらにまた、税制の面におきまして、これは租税特別措置の一環としておるところでございますが、中小企業技術基盤強化税制というものを創設をいたしておるわけでございまして、これも従来の増加試験研究費の税額控除制度が中小企業にとってややハードルが高かった、使いにくかったという点を是正いたしまして、研究開発費についての税額控除制度を実施をいたしたわけでございまして、こういうような制度で、中小企業の技術開発の活性化には、私どもとしてはできるだけ沿うように努力をいたしておるつもりでございます。もとより、この本法案におきましても、中小企業が利用しにくいということのないように、これは大企業、中小企業を問わず、適正な運用を図ってまいりたいと考えております。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 ぜひそのようにお願いをいたしたいと思います。  民間企業がこのセンターを利用するに当たりまして、基盤技術の内容が明確になっていることが前提だと思うんですけれども、この基盤技術の定義につきまして、わかりやすく、具体例をもってお示しいただければ非常に助かると思うんですが。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) 基盤技術は、この法案によりますと、その第二条におきまして二つの要件で定義をいたしております。第一点は、鉱工業、電気通信業等の技術のうち、通商産業省及び郵政省の所管に係るもの、それからもう一つは、国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの、この二つの要件が法律で規定されております定義でございます。  この国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するということの判断基準でございますけれども、これは、その技術が製品に体化されました場合に、その製品が有することとなる波及性あるいは影響度――波及性と申しますのは、その利用分野の広がりということでございます。また影響度ということでは、性能、生産性の向上に寄与する効果の大きさということでございますが、そういった波及性、影響度が十分に大きくて、その結果、国民経済や国民生活の基盤の形成に主要な役割を果たす、こういうふうに考えるわけでございます。  例えば、マイクロエレクトロニクスの分野に例をとってみますと、超LSIというようなことにこれからなってまいりますが、それはコンピューターとか工作機械とかあるいは自動車の分野とかに幅広くこの利用があるわけでございますし、また製品の小型化、信頼性の向上ということにも大変大きく寄与する影響度が高い技術でございますが、これに関連いたします超LSIの製造技術の中でも、超微細加工技術といったようなものがここに使われる技術として考えられるわけでございます。これは例えば、電子ビーム等を使いまして、こういう超LSIの微細加工技術を達成するわけでありますが、そういうようなことになりますと、先ほど申しましたように、影響度あるいは波及性というものが大変大きくなるわけであります。  また、新素材に例をとってみますと、例えば高効率高分子分離膜というのがございますが、こういった分離膜が仮に実現をいたしますと、例えば化学のプロセスで、ある物質を二つに分類するというようなケースでも大変大きな効果を発揮するわけでございますし、また、これは例えば酸素付加膜等によりますと酸素の吸入器等にも使えるというようなことになってまいるわけであります。ファインセラミックスは既に最近いろいろ新聞等にも出ておるわけでありますが、これが実現いたしますれば、自動車用のエンジン部品や電子部品、さらには生体用の材料にも使われる、こういうことになってまいるわけでございます。  そのほか、例えばバイオテクノロジーというようなものについて見ますと、バイオリアクターというようなことになってまいりますれば、これを使ったプラントによってファインケミカル等の製品が効率的にできる、こういうことになるわけでありますし、あるいはまた遺伝子組みかえ技術といったようなものができてまいりますれば、これは農業あるいは医薬にも影響を与える、こういうことでございまして、当面ここで基盤の技術ということをやや範囲を広くと申しましょうか、範囲を例示的に申しますれば、例えば新素材の分野あるいはマイクロエレクトロニクスの分野、あるいはバイオテクノロジーあるいは最近情報化でいろいろ議論になっております新しい電気通信技術といったようなあたりが基盤技術の範疇に入るのではないか、私どもとしてはこのように考えております。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 この法案の第二章に規定されています試験研究円滑化のための処置、いわゆる規制緩和、デレギュレーションの観点からも、もっと幅広く講ずるべきと思うわけですけれども、この点につきましてはいかがでございましょうか。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) 第二章では、第三条におきまして国有試験研究施設の減額の使用を認める根拠を設けて、国有の試験研究施設の民間利用の円滑化を図ろう、こういうことがございます。  さらに第四条において、国際共同研究で取得されました特許、発明等の無償の許諾等を認めようというようなことで、国際共同研究の円滑化を図るというような措置が講ぜられておるわけでございます。  さらに第五条におきましては、これら二つの措置以外にも、民間において行われます基盤技術に関する試験研究を円滑化するために、民間の基盤技術の向上を図るための政府の努力義務ということを明文化をいたしておるわけでございます。したがいまして、この二つの根拠のほかにも、今御指摘のデレギュレーション的なようなものというのは、今後もこの法律の措置以外の面におきましても最大限の努力を払っていくべきものと考えております。  例えば国有試験研究施設の廉価使用と申しましても、これはどこにどういう施設があるか必ずしも明らかでない、もう少しPRをすべきだというような御意見もあり、そのようなこともいたしたいとも思いますし、また臨調等でも提案のありました国の委託研究の成果としての特許権の取り扱い、これの改善を図るべきである、これがむしろ民間の研究開発を促進することになるということがございますが、これにつきましては、現在既存の法律の中で手当てをするということによりましてそのようなことも可能になる道もあるわけでございまして、今後の受託企業の研究意欲の向上を図りますように、そういった国の委託研究の成果としての特許権等の一部を受託企業に譲渡して国とで共有にしよう、こういうような措置も今後検討してまいりたいと考えておるところでございます。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 このセンターの六十年度の予算は、総額で出融資関係が四十億程度というふうにちょっと聞いておるんですけれども、この融資の対象でございますね、特定地域とか特定プロジェクトに偏らないようにしないと、相当それぞれの地域、民間での期待が大きいだろうと思うんです。それに比して予算は余り十分じゃないわけですから、その辺をひとつ偏らないように運営をお願いしたいと思うんですが、その点はいかがでしょう。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) まず第一点、六十年度の出融資業務の予算四十億の点でございますが、今回は御高承のとおり、事業資金が出資、融資二 十億ずつの四十億円、それから産業投資特別会計からの基本財産が六十億円、さらに開発銀行から三十億、民間からも三十億を基本財産への出資を仰ぐということで初年度設立ということでございまして、基本財産をまず積んでそして半年予算、十月一日発足を予定いたしておりますので、半年間の予算で四十億円という事業資金になっておるわけでございます。  今後、六十一年度以降順次このセンターも業務が本格化してまいりますということになれば、今後もこういったもののニーズは高まっていくのではなかろうかと期待をいたしておるわけでありますが、当面六十年度は四十億円ということで、私どもとしても、厳しい財政事情の中ではこの関連予算が確保されたことについて評価できるものと考えておりますが、六十一年度以降の点については、十分また予算の段階で今後に必要な適切な対応をいたすべきものと考えております。  また、今御指摘の特定地域とかあるいは特定のプロジェクト等に偏らないようにすべきではないかという御指摘でございます。もとよりこのセンターは広く民間において行われます基盤技術に関する試験研究を促進するための出融資等を行うものでございまして、そのセンターはプロジェクトごとにその重要性あるいは熟度等を見ながら具体的に判断をしていくわけでございまして、御指摘のとおりにそのセンターの設立の趣旨にもかんがみまして、特定の地域あるいは特定のプロジェクトに偏るということがないように、公平な運用を期すべきものということで、御指摘の点は十分運用の中で配慮をいたしたいと考えております。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 このセンターの運営に当たって、できるだけ民間の意向を反映するということが必要だと思うんですが、実際この内容を見てみますると、通産大臣と郵政大臣、さらに給与関係については大蔵大臣の承認が必要だ、いろいろ先ほど通産大臣は、通産省は縦糸で経済企画庁は横糸だという表現をされたわけですが、それぞれ縦糸ばかり出てくる、その辺の運営というものが本当に上手に行くんだろうかという一つの疑問があるんですね。  もう一つは、この三十三条で、こういう法案の中では珍しく「自主性を尊重する」、これは非常にすばらしいことが文言として入っておるわけで、御苦心の作だと思うわけでありますけれども、その辺についての危惧はいかがでございましょうかね。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 私は先ほど申し上げた技術開発とかそれから情報化、そういった問題について通産省、郵政省、科学技術庁というのは非常にそういった意味での二十一世紀の官庁だということをいつも思うんです。その意味で縦糸と横糸という表現を、先ほど経済企画庁とか大蔵省とか自治省というのは横糸の官庁だということを常々申し上げておるわけでございますが、だんだん明治以後百年以上経過をいたしまして近代国家としての歩みがここまで来たわけで、ここへ来れば縦割り行政という古い、いろいろな残渣の残ったそういう弊害を克服をして、二十一世紀に向けて相談をし合わなきゃならない大事な時期が来たと思います。今回の法律案をまとめるまでの過程でも、郵政省と通産省と非常にいろいろ協議を申し上げたところでございますが、相互によく歩み寄ってこの法律案をまとめることになりました。そういうことを今後もひとつ誠意をもって続けていけば可能であると、このように考えております。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 郵政省と通産省がよく協議をなさったという経過も存じ上げておりますし、この法案はやはり円滑に執行していくということが、当初の目的であります研究円滑化を達成する道につながるわけでありますから、特に今後はあらゆる面で、先ほど大臣おっしゃった縦糸、横糸の関係ですね、あらゆる分野にそういう問題が今出てきておるわけですから、その点を特に留意されまして、この技術開発が円滑にしかも有効に発揮できるようにひとつ今後御努力をお願いいたしたいと思います。  それから、貿易研修センター法を廃止する等の法律案の関係につきまして質疑をさせていただきたいと思うんです。  先ほど来貿易摩擦の問題が出ております。我が国は世界で一割国家に既になっているわけでありますから、諸外国との相互理解というものがこれからもあらゆる角度から、経済とか政治以外にも、文化的な面でも必要な部分がたくさん出てまいると思うんです。そういう段階にあるわけですから、国際経済人の養成というものが双方に必要になってくる。そういう時期に今回の貿易研修センターの組織変更という御提案であります。  これはやはり特別認可法人を限定していかなければいけないということで財団法人化ということになるわけですけれども、そういう時期にこういう変更というものをどのように位置づけておられるのか、その点まずお伺いいたしたいと思います。

鈴木直道通商産業省通商政策局次長

○政府委員(鈴木直道君) 先生御指摘のとおり、我が国の経済力は非常に高まりまして、世界経済との相互依存関係はますます深まっていくわけでございます。そういう点からまいりますと、確かに御指摘のとおり国際経済人の養成の重要性はますます高まってくると思います。一方、国際経済情勢そのものも非常に多様化、複雑化してまいりまして、国際経済人の育成に対しますニーズも多様化いたします。  私どもはその段階で、民間の活力を活用するという意味でそのようなニーズに適応するのがより望ましいのではないか、このように考えておるわけでございまして、今回の措置は、御指摘のとおり行政改革の要請という点もございますが、同時にそのようなニーズの多様化に対応して民間活力を活用する、そういう意味から、センターが民間法人としてさらに活躍できる道も開く、このような観点から法案を出したわけでございます。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 時代のそういう要請に基づいておるというような御答弁でありますから、それはそれでやはり私は新しい方向づけであろうというふうに理解するわけであります。  ただ、この組織変更によりまして、貿易研修センターの業務に支障が出てくるおそれがないかということを非常に懸念するわけでありますけれども、特に現在貿易研修センターは試験研究法人となっておるわけでありまして、センターに対する寄附金が損金算入される、こういう特例を受けておるところから、企業からの寄附金も非常に集めやすいという状況があるわけです。財団法人になったときにこういう特例措置というものがのいてしまうわけですね。  そうなると、やはり現在一億程度のものが、財団法人化してしまうと新たに六千五百万ですか、企業が負担する。そこまでして寄附が集まるのかどうか。民間活力の活用といいながら、片方ではそういう状態になっていくと、これはこれからの運営についてまことに大きな暗雲が垂れ込めてくるわけでありますけれども、その点につきましての御見解をひとつ承りたいと思います。

鈴木直道通商産業省通商政策局次長

○政府委員(鈴木直道君) 先生御指摘のとおり、貿易研修センターは最近事業が多様化しておりまして、特に海外からのビジネスマンを受け入れましてそれを研修するという事業をやっており、これは大変海外から好評を得ておりますが、この事業実施の継続を進めていくためには、おっしゃるように今後とも民間からの資金面での御協力を得なくちゃならないわけでございます。  今回御提案した法律によりまして、御指摘のように、従来貿易センターはいわゆる試験研究法人たる特殊法人の一つということで、民間からいただきます寄附金につきましては損金算入という特例があったわけでございますが、今後確かにその辺はなくなるわけでございます。  しかし、民間活力を活用するという面からいきますと、民間の知恵、創意工夫もあるわけでございますが、同時に民間資金をぜひ活用しなくちゃいけないわけでございまして、従来どおり税制面の特典は継続していかなくちゃいけない、かように私どもも思っておるわけでございます。来年度 の税制要求の中で、私どもはその辺皆さん方の御協力も得ながら実現をしていきたい、財政当局ともその辺はぜひ話し合ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。御支援もいただきたいと思っております。

松岡滿壽男自由民主党・自由国民会議

○松岡満寿男君 活力のもとはやはり資金でありますから、その点はぜひひとつ頑張っていただきたい、私どもも努力をいたしたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  三菱石炭鉱業株式会社高島炭鉱における災害の実情調査のため委員派遣を行うこととし、派遣委員、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗