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102回国会参議院1985/04/23

商工委員会 第12号

発言数
196
登壇者
13
会派数
6
開催日
1985/04/23

会議録

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として商工組合中央金庫理事長佐々木敏君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 商工中金法の一部を改正する法律案の審議に先立ち、法案そのものについては我々も賛成でありますが、法案の中身に入ります前に、中小企業対策予算等の問題、また金融のこれからの情勢に対応する問題、下請問題、そして法案と、こういう順序でひとつ質問いたしてまいりたいと思います。  まず、中小企業対策予算の関係につきまして、大臣の基本姿勢をひとつこの機会に伺っておきたいと思います。  御案内のとおり、一般会計予算の中小企業対策費は、私が調べたところによりますと、五十七年度に対前年度比の伸びがゼロになって以来、五十八年度でマイナス七十三億円、五十九年度でマイナス百三十五億円、六十年度にはマイナス十億円と年々減額されてきております。この減額幅は五十六年度と六十年度を比べると、実に額面にしますとマイナス二百十七億円、率にいたしまして八・六九%の数字に達しております。  ところで、この間の五十六年からの倒産件数の変化を見てみますと、中小企業対策費の減少とは反比例いたしまして倒産は年々ふえ続け、五十九年にはついに年間二万件を超える倒産の発生を見るに至っております。政府は、この中小企業対策費の減少は、中小企業事業団や中小企業信用保険公庫が中小企業者等に貸し付ける貸付金額の償還が順調に行われているので、出資金の追加出資を減らすことができたということによるとしております。そしてこれらの事業団、公庫への出資金の減少分を除きますと、その他の中小企業対策費は増加をしており、きめ細かな中小企業対策を実施し、経営の安定に努めるという主張をされておりますが、しかし現実は違うのではないか。つまり、中小企業対策費の減少と倒産件数の増加の間には密接な関係を持っておりまして、中小企業対策費を大幅に削減したために、対策費の削減がなければ倒産せずに済んだ中小企業まで倒産に追い込まれ、こういう例は後でちょっと申し上げますけれども、史上最高の倒産件数を記録したのではないだろうかと、この感を深くいたすのであります。  したがいまして、予算が減少し始めたこの四年間のデータを私なりに調べてみましたら、中小企業予算というのはやっぱり少な過ぎる、予算の減少と倒産件数の増加の間には、御案内のとおりマイナス〇・九八%という極めて高い相関関係指数が出ております。この点、基本姿勢として大臣はどのように見ておられるか、この考え方をまずお伺いします。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員から、中小企業の予算に対する非常に温かい御発言をいただいたと理解いたします。  中小企業の予算につきましては、委員御指摘のように、昭和六十年度の一般会計では二千百六十二億円でございまして、前年に比べてやや減少しておるということになりますが、一方、倒産件数はやはり委員御指摘のように、五十九年度は過去の最高を記録いたしまして、倒産件数は二万八百四十一件、うち中小企業が二万七百七十三件、金額にいたしまして、中小企業関係三兆二百四十五億円というのでありますから、非常に芳しくない最高記録を記録したということになりますが、ことしに入りましての倒産件数は、これは鈍化をいたしておりまして、例えば二月で見ますと、倒産件数が千四百十九件、前年に比べて一三・四%の減、負債総額で二千二十五億円で、前年同期に比べて四六%減というこの記録は、前年に比べれば相当持ち直しておるということで、まだ三月の記録が出ておりませんからこれで胸をなでおろすのは早いかもしれませんが、三月も連続で——今届きました資料では、三月の企業倒産がやはり前年同期を下回るという数字が出ておるようでございます。  したがってその意味では、ことしに入りましてからの倒産件数、負債総額は、前年に比べて非常に良好に推移しているんじゃないかという希望を持つわけでございますが、いずれにいたしましても、倒産件数は少なければ少ないほどいいわけでございまして、こういったことについて、これはどういうことであろうかということを考えてみますと、要は非常に経済社会が変わってきておるわけでございまして、情報化社会の進展、あるいはハイテクなどと申しまして、技術革新、そういったものが非常に進展をいたしますために、それに対応し切れなくなった倒産というのも相当に多いんじゃないかということを、業種別等に見ても感じておるわけでございます。  したがって、新しい時代に対する技術開発、それから情報化への対応、さらに人材の育成というようなことを大きな柱にいたしまして、今後の中小企業対策を実質的にきめ細かくやっていく大事なときであると、このように認識をいたしております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今大臣から、見方としては、私が指摘をいたしましたように、五十九年度を最高にいたしまして、予算との対比ではやっぱり客観的な事実としては過去最高であると。二、三月の状況をちょっと今言われましたけれども、これもこれからの長期見通しということになると非常に不安材料が私は多いだろうと思います。  今問題になっております対外経済摩擦の問題では、これは中小企業の輸出の見通しというのは非常にむしろ暗い、こういう状況ですから、結果的にはまた倒産傾向がやっぱり高まってくるのではないかという一面の見方もあるわけでございまして、二、三月がちょっといいからということで、これは全体を見ることはなかなかできないんじゃないか。大臣のお答えがありました情報化社会に対応する技術、あるいはその他の対応ということは私も同感でございますが、そういう一面をやっぱり見逃してはならない問題があるということを申し上げなきゃならぬと、こう思っています。この点をひとつ踏まえて対応してもらいたい。よろしゅうございますか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ごもっともな御指摘でございますので、真剣に対応いたしてまいります。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 次に、中小企業信用保険公庫への出資につきまして、これも検討いたしてまいりましたが、中小企業信用保険公庫への出資金は、五十六年度をスタートにいたしまして、ちょっと調べてみますと、五十六年度は六百二十五億円、五十七年度も同じく六百二十五億円、五十八年度はマイナスの七十億円、そして五百五十五億円と、こうなっております。五十九年度も同じくマイナスで、四十五億円のマイナスで五百十億円、本年度、六十年度予算を見ますと、マイナス八十億の四百三十億円と、この四年間で約二百億近く出資が減額をされている。この四年間で三割以上も出資金が減額をされております。  このような急激な出資金の減額が行われたのは、これはいかなる理由によるものなのか、また、この出資金の急激な減少によって公庫は、ひいては信用保険を受ける中小企業に極めて悪影響が出ることが予想されるのではないか、こういう感を深くいたすのでありますが、この点についてどういうふうに政府側はお考えになっているかお伺いをいたしたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 先生今御指摘の数字のとおりでございますが、信用保険公庫への出資は二つに分かれておりまして、第一が保険準備基金、第二が融資基金、先生は今その合計額を御指摘になったわけでございます。  その二つに分けて状況を御説明申し上げたいと思いますが、まず前者、保険準備基金の方でございます。これは保険収支が赤字を出した場合に、取り崩しまして補てんするための基金でございます。この数字は五十六年以降、五十六年度が三百億、五十七年はちょっとふえておりまして三百八十、それからその後は減りまして、五十八年が三百四十五、五十九年が三百三十、六十年が二百九十と、漸減しておりますが、これは最近の景気の回復等に伴いまして公庫の赤字がだんだん縮小してきておる、こういう実績を踏まえて適切な額を計上したものでございまして、年々の赤字に対する備えとしては憂いのない数字をとっておるつもりでございます。  それからもう一つの融資基金の方でございますが、これは各地の保証協会のために各地の金融機関に預託をされることになるわけでございまして、その各地の金融機関の預託をもとに、てこといたしまして五十二の保証協会が保証業務を行う、つまり保証業務を拡大していくためのベースになるものでございます。こちらの方は、使い切ってしまうお金ではございませんので、年々ストックは当然増大してまいるわけでございます。例えば五十年度には千二百三十億でございましたが、五十九年度末には三千二百十五億、六十年度にはさらにふえまして、三千三百五十五億になる予定になっております。  問題は、これがその保証債務の伸びに見合ってふえているかどうかということでございまして、これを厳密に計数を申し上げるのは煩雑かと思いますけれども、この融資基金の何倍かのお金が保証に回るわけでございますけれども、その倍率を見てみますと、一番最近で高い時点は五十一年度ですけれども、三十五倍になっております。それが五十九年度では二十六・九倍ということで、いわばゆとりのある回転の状況になっておりますものですから、フローベースで見ますと確かに御指摘のとおり減ってきておりますけれども、年々積み重なった残高としましては当面業務の拡大に支障のない数字であると認識しております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今端的なあれが、五十一年度と五十九年度の対比におきましても、そのことにおいて影響がないというようなあなたの答弁ですけれども、これは後ほど私は具体的な例を出しますけれども、やっぱりかなり今申し上げました、つまり出資金が減少したことにおいて中小企業の倒産の、再建可能な企業に対してそれなりの影響が出てきている。これは全体を申し上げませんけれども、やっぱりそういう実情の訴えが私のところにかなり来ております。ただ、それはマクロで見るとそういうことにもなるんだろうけれども、ミクロ的に実態を把握をすると、やっぱり減少が中小企業倒産にそれなりに影響してきている、こういう訴えが出てきておりますから、今答えがありましたけれども、ただそれだけを見て影響かないという見方はちょっと甘過ぎるんじゃないかと、こう思うんです。  その意味で私は申し上げたのでありますけれども、信用保険公庫の保険収支は、毎年やっぱり三百億から四百億、今もございましたように、結果としては赤字が出ていますよね。年々改善されたといっても、五十九年度はやっぱり二百八十億の赤字が予想されている。この赤字は何らかの形で補てんをしていかないと、保険ですからあくまでもこれ。また保険の収支の赤字解消ということは、当然中小企業庁にとっては必要な判断に立たれていると思うんでありますけれども、そういう点を含めてどういうふうに対応されるのか。私はちょっとその判断は少し甘いのではないかという感を深くするのですが。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 私どもも、保険公庫の収支について必ずしも楽観はしておりませんし、厳しい問題だと受けとめております。  ただ、これもまたマクロ的になってしまうのでおしかりを受けるかもしれませんけれども、念のために申し上げますと、保険の収支は、長期を見て初めてその収支が正確にわかるわけでございまして、ある年に保険を掛けたと、それが例えば二年後に保険事故が起きるのか、三年後に起きるのか、これはいろいろな分布がございます。一たん保険事故が起きたものについての回収も、何年もその後かかって回収をいたします。そういったものが、例えば五十九年度にしかるべき保険契約が結ばれた場合に、そういうふうな保険金の支払い、それに対する回収が全部終わって、六十年度の取引がもうすっかり結了するまでにはかなりの時間がかかりまして、これは現在の保険設計では十二年ということになっておりまして、そういう意味で、年々の数字だけでは必ずしも決まりませんけれども、やはりそうは言っても相当大きな数字が赤字になっておりますので、厳しく受けとめまして対処したいと思っておるわけでございます。  具体的には、どうしても生じてしまう赤字は、先ほど申し上げましたように、基金の取り崩し、そのための予算を確保して当面対処せざるを得ませんが、長期的には、おっしゃるように保険でございますから、その保険制度としての存在を問われるようなことになっては、これは中小企業者のために元も子もないことでございますので、何とか健全な制度にするということで、実は五十六年の九月にこの収支改善のための幾つかの項目を示しまして、改善通達を関係機関に出したわけでございます。以後その線に沿いまして保険公庫、それから保証協会、関係金融機関等に御努力いただいてきております。さらに加えまして、六十年度以降は三年間で収支の均衡を目指すということで、関係方面と協議の上で、現在具体的な措置について検討しているところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今、厳しく受けとめながら、対応につきましての具体的な説明がございました。  私もこれは、五十六年九月十六日、各部道府県知事、関係市長、中小企業信用保険公庫総裁、全国信用保証協会連合会会長、信用保証協会会長、理事長あての通達を読ませていただきましたが、これはこれなりに一応の手を打ったということについて、それなりの対応をとったということは、これはまさにその五十六年通達というのはやはり適切な措置だったと、こう思うんであります。  ただ、今言うとおり、この措置と、また三年後の、今説明がございましたけれども、やっぱりこの通達を出したことにおける影響、これが結果としての対応というものは、このとおり果たして実際に守られているかどうか。また、そのような効果が出ているという御認識でございますけれども、いま一度やっぱり厳しく受けとめながら、先ほど言った中小企業への悪影響というものを厳にないように、収支の面で改善をしていく。先ほどお答えがありましたけれども、保険の性格上三年間という一つの区切りの中で対応してきたという答えがございますが、これはさらに、ここらあたりのこれからの中小企業への影響というものがないように、ひとつ十分な対応をやっぱり期してもらいたいと、このように考えますが、この点長官あるいは大臣で結構ですから、お答えをいただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) この通達の基本精神につきまして御支持いただきまして、大変ありがたいと思いますが、先生おっしゃるとおり、マクロのつじつまだけではいけないということは、私どもも全くそのとおりだと思っております。また、この調整措置も行き過ぎがあってはいけませんし、無理のないテンポで、しかし着実に健全化を図っていくということだと思います。  中小企業の信用保険は私ども常にPRしておりますけれども、あくまで担保力や信用力が不足するために健全な事業経営をしている中小企業の方が資金にお困りになる場合にお助けする制度でありますから、その原点は十分認識をした上で対処してまいりたいと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 その点は、特に今後の対策の面でひとつ配慮をして対応されるように強く申し上げておきます。  ところで、中小企業が金融機関からの融資を受ける際に、何といっても信用保証協会の保証の裏づけがなければならない、これがもとになっているわけでございまして、問題はいつも、後から具体的な例を私出したいと思いますが、担保能力がない中小企業者でも金融機関から融資を受けることができるわけですが、しかし信用保証協会の保証のついている融資額が、全金融機関の貸付残高のどのぐらいを占めているかということを見てみますと、五十六年度末で、これ間違いあれば御指摘願って結構ですが、四・九%あったものが年々減少しまして、五十九年十二月には四・三%になってきている。このことは、金融機関から融資を受けるに際して、担保能力がない中小企業が、最後に頼るべき信用保証がなかなか受けられないことによる例が多いからではないだろうかと推測をいたしますが、政府はどのようにこの点を理解しているかお伺いしたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 御指摘の比率の数字が、ここ四、五年低下してきていることはそのとおりでございます。これをどう見るかということでございますが、いろんな要因が複合していると思いますので、なかなか一つの理由で御説明するのは適切ではないと思います。  幾つかの理由のうち、主なものを申し上げたいと思いますけれども、一つは金融が緩みまして、また金融自由化の動きの中で金融機関の間の競争が激化し、別な言い方をすれば、貸し出し態度が緩んできているという状況がございまして、その背景のもとで、例えば保証する場合の保証料を一体だれか負担するかという問題がございますのですが、必ずしもこれは借り手である中小企業が全部負担する場合ばかりではございませんで、間に入る金融機関が一部持つというようなことも、これは取引上の関係であるわけでございます。金融機関の方からすれば、貸し出し競争の過程で、そういったものを自分の方に押しつけられるケースがあるいは出てくる場合もあります。そうなりますと、ある程度の判断をして、利ざやの縮小もございますものですから、保証なしでも貸せると踏み切れば保証なしでもやる場合もございます。それから、中小企業者の方でも、なるべくそういう意味では実質金利を下げたいというようなことがあるのではないかと思います。  もう一つは、やはり景気の関係があろうかと思いますが、いろいろな理由が複合した結果下がってきているんだろうと思うんです。  そこで、具体的にそれをどう裏づけてみるかということでございますけれども、信用力の弱い中小企業の中でも、なかんずく弱いという層として、従業員二十人以下の層がございますが、保証の全体に占めます二十人以下の企業のウエートというのを見てみますと、五十五年には七五・六%でございましたけれども、五十九年には八〇・三に上がっております。つまり、この数字から言えますことは、中小企業の中でも比較的上位の部分が保証を受けるのが少し減ってきている、こういうことではなかろうかと思うわけです。したがいまして、いろんな要因がございますけれども、必ずしも健全な数字とは言えないのではないかと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今答えがありましたけれども、結果としては、これは信用保証協会の保証承諾、金額は増加はしていますけれども、承諾件数は年々減少していますよ、私の調べによると。この点は間違いであれば御指摘願っていいです。私はそういうふうに、件数としては、金額は確かにそれは承諾金額ふえてはいっているけれども、件数としてはやっぱり減少している。これはどういう現象なのかということが問題なのであって、次のことを私は申し上げたいんであります。  現に保証協会が中小企業者の債務の肩がわりをする代位弁済の率は、中小企業の倒産が多発するに従って昨今は反対に年々減少してきている。このことは保証のためのリスク、これを回避するために信用保証協会がどうも代位弁済を出さない保証、すなわち選別保証、つまり信用力というものが本当にその会社にあるかないかといういわゆる選別保証に力を入れ始めてきていることは、これは事実であります。したがって、協会は、都市銀行などの審査にパスをしました優良な中小企業に対してのみこれを保証しているんであって、最も協会の保証を必要とする都市銀行などに注目されないけれども、倒産多発下にあっても、何とか生き残りたいという努力を続けている中小企業の努力に力をかすということもなく、信用保証がないために金融の道を閉ざされた仲小企業が倒産をするのを、結果として手をこまねいて見ているだけではないか。そういう意味で、公庫への出資額の減少が、公庫の保険業務の厳格化を生んで、それがひいては、信用保証協会の選別保証となり、最も融資を必要とする中小企業者の金融の道を断ち、これが史上最高の倒産件数へとつながっていったんではないか、こういうことを言わざるを得ないわけであります。  したがって、信用保証協会が今まで債務の肩がわりをした中小企業の件数は、私の調べによりますと四十万件、一社当たり平均として、従業員が仮に十名であるとして計算をしてみますと、四百万以上の人たちがこの協会の債務肩がわりによって倒産を免れるなどして救われていることは事実であります。そして、このことが、信用保証協会で働く人たちの誇りでもあり、仕事への活力源でもあると言われているわけであります。しかし、今の保証協会の現実は、やっぱり公庫への出資が減らされているために、心ならずも選別保証の道をたどらざるを得ない。これは現に保証協会の方々の訴えですよ、私に対して、これは率直に申し上げます。そういうことでなければ中小企業は救えない「こういうことを強く言われているわけであります。  先ほども冒頭申し上げましたけれども、大臣にお伺いしましたが、一般会計の中小企業対策費は二千百六十二億円でしょう。一般会計は五十二兆四千九百九十六億円。〇・四一%にすぎないんですね、この全体予算に対してこの中小企業の。これではやっぱり、言葉では中小企業を救うとか、対策を強化とかということは、それは政府は言っていますけれども、実際問題として、これは中小企業を救うための強化策の予算であるかどうかということは、この数字をもっても一目瞭然であると言わなければなりません。そういう意味で、特に中小企業対策費のうちの信用保険公庫への出資というのは四百三十億ですから、一般会計の予算から見れば〇・〇八ですよ。まさにゼロに等しいくらいの金額になっているわけであります。  そういう意味で、これは中小企業をめぐる需要の構造、先ほど大臣も言われましたように、情報化社会その他で急激に変化をいたしていますから、中小企業の中にもその波に乗れるものと乗れないものがある、乗りおくれるものがある。この波に乗ったものに対しては、金融機関は競って融資を行っているが、乗りおくれたものに対しての対応が余りにも冷たいのではないかという指摘が率直に言われているのであります。したがいまして、金融機関はこれらのものに対して、担保力が劣ることが仮にあったとしても、冷淡な態度ではないかというような、これは中小企業の声ですから率直に申し上げるのでありますが、したがって、もう少し力を入れて貸してやってほしいと。それは、先ほど申しましたように、信用保証協会しかない。リスクを恐れる余りに選別保証を強化せざるを得ない、こういうことは信用保証制度の本来の趣旨でもあるまい。また、この協会で働く方々の、全く心ならずも行われておることが、自分みずからも矛盾をして考えられているということを率直に言っているわけであります。  したがって、先ほど大臣に申し上げましたけれども、財政状況の厳しさはもちろん理解でぎますけれども、余りにも急激な中小企業予算の減少、こういう大きなゆがみが、ひいては中小企業倒産の多発へつながっているということを、私もいま一度言わなければなりません。したがって、中小企業事業団の出資が大きく減少していることについても、そういう意味で言えるのではないか、こう思いますので、中小企業の予算減少と倒産件数、この点をいま一度大臣に、認識としてお伺いしておきたい、こう思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) ちょっと数字的に御説明をさせていただきたいと思いますが、選別的なことはやっておりません。  具体的に申し上げますと、保証協会に保証の申し込みがありましたうち、保証の決定をしたものの決定率と申しますか、これはここ五年間ほとんど九四%前後で安定しております。そういう意味で、格別選別ということはないわけでございます。ただ、地域によりまして、これが五十二の協会別に、全く同じかと言われると、先ほどの御指摘のように、いろいろ強い協会、弱い協会もございます。そこで、私どもは、予算の面では信用保証協会基金補助金というのがございまして、五十二協会の経営強化のために補助金を出しておりますが、これにつきまして、五十六年度までは六億円だったものを、五十七年度十一億、五十八年度二十億、五十九年度三十億、六十年度も引き続き三十億、苦しい中で計上しておりまして、こういったもので協会の体質強化を図り、御指摘のようなことにならないように努力をいたしております。また、明年度につきましても、保険の引き受けの規模については一〇%ゆとりのある予算を組んでいる次第でございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま計数的な問題につきましては、政府委員からお答えを申し上げたわけでございますが、対馬委員先ほども御指摘になりました倒産件数と、それから政府の中小企業予算との必然的関連といったような問題でございますが、倒産防止対策につきましては、いわゆる四本柱と申しまして、金融、信用保証、それから共済貸し付け、相談指導といったような措置を講じ、中小企業庁長官初め、一同で非常にきめの細かい対応をしておるつもりでございます。  なお、これは新年度ますますこういったきめの細かい対応をしていかなければなりませんが、中小企業の予算が減ったということと倒産件数というものとが必然的な関連があるという認識は、私は実は持っておりません。と申しますのは、見かけはなるほど一般会計の予算は減少の傾向があるのでございますが、中を調べてみますと、これは委員もよくお気づきのように、いろいろきめの細かい対応をしておりまして、それから出資その他がございますので、実質的には減っていないという見方も成り立つわけでございます。  しかし、これは何よりも中小企業を振興していこうという政府の考え方、それからまた、中小企業自体の時代に対応していこうという大きな自助努力、そういったものが相まって、今後の中小企業対策が万全になっていくものだと思っておるものでございまして、言うなれば、時代の進展の方向に合わせて中小企業の経営というものをうまくタイアップしていかなければならない。  私は、いつも申し上げるのでございますが、中小企業というのは国民生活そのものである、中小企業を離れて国民生活というものはない、まさに中小企業と第一次産業というのは日本の国の宝であるという認識を掛っておるのでございまして、そういう国民生活そのものが衰えていっていいわけはないのでございまして、そういった点は、予算についても、いろいろと使い方に配慮をいたしましょうと、先ほど申し上げましたような四本柱の対応により、時代の流れに沿った中小企業経営をいろいろと進めていくような努力を続けていきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 四本柱で中小企業に対応していくという考え方は、私も承知しているんです。  ただ、実は年々保証協会に対する出資額がふえていっているんだから、選別融資ということはないはずだというふうなお答えが先ほどありましたけれども、そうでないんですよ。  具体的な事例を僕は今ちょっと出し上げますからね。これは現に言っているんですよ。こういうことだということを、それは声を大にして言えば問題になるから言わぬだけのことであって。これは会社名は避けます。会社名は避けてくれということですから、あえて言いません。  例えばA社という表現をしましょう。これは地質調査、ボーリングをやっている会社であります。昭和五十九年九月ごろ、某会社の下請でボーリングの仕事を行ったわけです。しかし、この某会社が倒産したために、A社は経営難に陥った。したがって、直ちに倒産防止法に基づく融資を申請した。金融機関は書類を受理しましたが、保証協会は——これは札幌保証協会であります、はっきり申し上げます。保証協会では担保が不十分だという理由で融資が不可能になり、大変な事態に立ち至った。同社の社長は、我々中小企業の場合はちょっとのつまづきにも国の対応は極めて冷たい。十分な担保がないときこそ国として政策的な手を差し伸べてもらいたいと、こういうふんまんやる方ない意見が出された。これは、はっきり北海道札幌保証協会であります。  こういう実態があるんですよ、大臣。先ほどあなたは答弁したけれども、現実に選別融資しているんですよ。その衝に当たっている者が言っているんだから、どう言ったって。表には選別融資をやっているとは言わぬけれども、本当にせざるを得ない状況にあるというような問題は、やっぱり先ほど言った全体の融資枠の問題、出資枠の問題なども絡んできているわけですよ。こういう事実は一件だけじゃないんですよ。  僕はここでもう一件申し上げますけれども、これは建設業です。これも本社は札幌市です。昭和五十九年秋、工事費二千万円の物件を受注、年内に完成した。しかし、オーナーは都合が悪く、工事代金は六十年——六十年ですよ、そう長い期間じゃないですよ。六十年五月に支払うことになった。B社は全く計画が崩れ、そのため経営は窮地に陥り、倒産に追い込まれた。B社は直ちに国金に相談し、五月ごろまで当面の費用として三百万円を何とかお願いしたいということで融資を申請したが、条件が整っていないという理由で信用保証協会の保証が条件となった。直ちに保証協会に頼んだけれども、担保不十分で断られた。同社長は、金額は当面必要資金ぎりぎりの三百万円の申し込みであり、しかも返済財源は、五月に工事代金が入るので、その時点で一括返済するというものであるにもかかわらず、担保がないという理由で断られた。いまだに納得できないし、従業員ともども涙の日を送っていると。  こういうことが、全く事実でなければ別にして、会社名を言ってもいいんだけれども、会社名だけは避けてくれと言うから、A社、B社に私しましたけれども、これは事実がなかったらこういうことは出てこないんだよ。あなた方の対応がどうかということよりも、現実に保証協会に携わる方々の苦悩ということも私なりに聞いているんだけれども、そういう選別融資はないなんて表向きの答弁ではなくて、実体論としてはそういうところに追い込まれている。それは全部のケースとは私は言いませんけれども、そういう認識を深めていただいて、これからの対応というものを考えてもらわなければいかぬ。言葉で、中小企業のきめ細かい対策と、大臣は予算上の措置でやっていますと言ったって、私は今具体例をこうやって挙げたわけですからね。  だから、こういう問題については、私は、イコールそれが中小企業庁の方にそういうことが行っているかどうかということは問題でありますから、それなりの協力もいただいていることも、やっていることも事実であります。また、それで救われた中小企業も北海道に数多くあることも私は認めますけれども、こういう例もあるんだということを踏まえていただいて、やっぱり対応すべきではないか。だから、選別融資に対する考え方、それから対応というのはないんだという認識よりも、そういう窮地に追い込まれた現状というのを見逃すことのできない一面がある、こういう認識を持って今後やっぱり対応してもらいたい、こういう認識、どうですか、この点について。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) まさに保証業務と申しますのは、事業経営に真剣に取り組んでいる、しかし物的担保力に乏しい、こういった中小企業の信用力補完というのが原点でございます。そういう意味で、御指摘のような事態、これについては先ほど計画部長から御答弁申し上げましたが、総体としましてマクロ観察をする限り、承諾率に大差はないという意味においてマクロ的には問題ございませんが、やはり保証協会のそれぞれの成績といいましょうか、経営基盤といいますか、これが多分に異なっている面もございます。  それで、先ほど申し上げましたような保証協会基金を補助いたしまして、その強化に努めておるわけでございますが、極力そういった保証協会の力をつけていくこと、及び保険公庫につきましては、先ほど御指摘がございましたような予算の実体的な減額がございましたものの、それぞれの年度に対応いたします保険引き受けが可能なような予算を組んでございますので、そういった保証協会に無用の心配を与えないような形で今後指導をしてまいりたいと思います。  ただ、御指摘の第二のケース、私同っておりまして若干気になりましたのは、例えば国民金融公庫の場合でございますと、九〇%が無担保で貸し付けておるのが事例でございます。いろいろなケースがございまして、事業経営をどう判断するかという問題があろうかと思いますが、もしよろしければ後ほど具体的に調査をさせていただきたいというふうに思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今長官からお答え願いましたけれども、問題は今言ったように、もちろん個々のケースですから、これがすべてだと私は申し上げているわけじゃないんです。  ただ、選別融資という認識について、やっぱり全体とは言わぬけれども、保証協会のそれだけの、今お答えもありましたけれども、地域性なり保証協会の実態というものの中では現にこういう例が実は出てきていると。これだってそんなに大した大きな金額じゃないですよ、これ、あなた。何千万というならわかるけれども、たかが三百万ぐらいで救えば救われるというケースが救われなかったということがあるわけであって、それこそこれはやっぱり国の思いやりというか、国の心の温かい手を差し伸べられればというような感を深くしておることは、これは事実であります。  だから、そういう対応についても、現実に私はこれを、すべてが選別融資とは言わぬけれども、そういう一こまもある、こういう実態もあるんだということを訴えてもらいたいということもあるんですから、決して中小企業庁全体がこういうことだけではなくて、現に庄野課長もいますけれども、それなりの個々のケースではやっぱり救われた例もあります。だから、そこらあたりも実態として、ただあなたは選別融資はないんだというふうにあっさり言われると、実はそういうことじゃないんだよと、現に保証協会の一部にもこういう例がありますよということを言わざるを得ないわけでありまして、その点はひとつ率直に申し上げておきたいと思います。  そこで、次の問題として中小企業をめぐる金融情勢認識につきましてちょっとお伺いしておきたいと思います。  現在、我が国の金融機関の中小企業向けの貸し出し残高は、おおむね百五十兆円を超えておると言われています。したがって、我が国の総貸し出し額が三百兆円強になっているということでありますけれども、半分以上がこれ中小向けの貸し出しということになるわけでありますが、大企業向けの貸し出し伸び率は、私の調べによりますと、五十六年の十二月をピークに急降下を続けて、中小企業向けが逆に伸びているのに対して、企業規模別の貸し出し伸び率は格差が開いていると、こういうあれが出ておりますね。これは私の統計上のボーダーラインにこう出ておりますけれども、流れが大体そういう傾向になっておりますね、今指摘したような状況になってきております。  したがって、中小企業貸し出し残高の伸びと、中小企業三機関の伸び悩み、つまり中小企業向けの貸し出しの動きを金融機関の業態別に見ると、全国銀行の伸びが急上昇しています。この統計に出ています。しかし、民間中小金融機関や政府系機関はむしろ鈍化している状況にある。したがって、大企業向けの貸し出しの伸び悩みに直面した全国銀行が、中小企業分野へ積極的に進出したことがその原因であるのではないか、こういう考え方も持っているわけであります。したがって、民間の金融機関の競争力に政府系、特に中小三機関が太刀打ちができないということを意味しているのではないか。これは中小系三機関の統合、改廃にもかかわる大問題に発展する可能性がある。中小系三機関の競争力の不足の原因というのは一体どういうところにあるのか。こういう点を率直にお伺いしたいと、こう思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 確かに御指摘のような、全国銀行、全国の都市銀行あるいは地方銀行その他民間金融機関におきまして、貸し出し先を中小企業に積極化しているというのは、最近の事例として見られるわけでございます。  一つの例を挙げて御説明申し上げたいと思いますが、例えば中小企業金融公庫、これはほぼ二兆円の貸し出し規模でございますが、約半分の一兆円は、代理貸しという民間金融機関を窓口としまして、そこを経由をして貸し付けを行うわけでございます。そういう場合には、民間金融機関に資金が潤沢でございますと代理貸しをどんどん減らしていく、むしろ自己資金を貸し付けるという方向に参るのが実態でございます。中小企業金融公庫が最近伸び悩んでおります大きな理由は、その約五〇%を代理貸しという形式に依存しているがゆえに、年々代理貸し部分だけで一〇%ないし二〇%減少しているというのが実態でございます。  確かに、御指摘のように、全体としての政府関係金融機関のシェアといいますか、これは若干じりじりと落ちておることは事実でございますが、最近に入りまして、設備投資の非常に増加傾向を反映し、また金利の底値感といいますか、そういったものを背景といたしまして、ここへまいりまして政府関係金融機関の融資の伸び率は非常に顕著でございます。したがいまして、これまでのトレンドがこのまま続いていくのか、さらに金融自由化を控えまして、今後その進展の中で中小企業金融に及ぼす影響を考えてまいりますと、やはり固定金利による長期安定資金の貸し付けという政府関係金融機関の意義というのは、今後ますます重要になってくるんではなかろうかというふうに考えられますので、そういう意味におきまして、私は、もちろん原資を、例えば中小企業金融公庫、国民金融公庫のように一〇〇%政府財投に依存しています場合には、運用部資金の金利によって規定されてしまうわけでございますけれども、そういった問題を考慮しながらも、やはり固定金利による中小企業への長期安定資金の供給という役割というのは、今後とも増大していくんではなかろうかというふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今長官からの答えは、最近の状況ではひとつよい方向に向かいつつあるというあれですから、しかし、このグラフを見る限りでは、かなり相当開いていっていますね、これは相当やっぱり。むしろ政府系三機関の方が、五十六年度をピークにして年々歳々、これは五十八年度は急激な変化をしてきていますね、落ち込んでいますね。それから逆に、全国銀行などと、ぐっとカーブが、これは相当強烈な、この差がますます開いていっている。  こういうような、これは子供でも見ればわかることであって、だからその点についてやっぱり競争力の不足に原因があるのかと私が言ったことは、その点の問題点として、今長官がそれなりの答えが、代理貸し出しという問題がそういう傾向を示しているんだということはわからぬわけではないけれども、しかし、客観的に見ると、やっぱりそこに一つの問題点があるんじゃないか、それを克服することが必要ではないのかと、こういう感じもいたしますので、その点はやっぱりもう一度ひとつこれからの対応を含めてお伺いしておきたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のように、政府関係金融機関、特に中小企業金融公庫及び国民金融公庫は、全額財投資金依存という形におきまして、言うならば民間金融機関に対します補完金融機関の立場にございます。ですから、御指摘のように、市中金融が潤沢であれば、その補完の必要度というのはそれなりに弱まっていく、これが過去の御指摘のような貸出推移にあらわれたものだというふうに考えます。しかし、先ほど申し上げましたように、最近の中小企業の設備投資の増勢傾向あるいは長期金利の安定化傾向、底値感と、こういったものによりまして中小企業の、例えば中小企業金融公庫の直貸しに対します設備資金の貸付申し込みといいますのは、対前年比で言いますと、二けたの伸び率を示しておるのが現状でございまして、そういう意味におきまして、非常に全体としての政府関係金融機関へのニーズというのは高まっているのではないか。  これを具体的に五十九年度の数値で申し上げますと、例えば五十九年度中小公庫の直貸しの貸付枠としまして、一兆一千四百億予定をいたしておったわけでございますが、実績で見ますと一兆一千九百億と、約五百億予定を上回った事態が五十九年度の実績として出てきておるわけでございます。同じく国民金融公庫におきましても、普通貸し付けで二兆一千四百億と、約百億予定枠を上回った貸付実績が計上されておりまして、最近のそういった中小企業の政府関係金融機関の依存度の増大というのは、こういった数字にあらわれているのではないかというふうに考えております。  こういう意味で、中小企業の全体の景況あるいは市中金融機関の資金の需給がタイトか、緩和している状況か、そういったいろいろな状況によりまして、政府関係金融機関の利用度というものは大きく変化いたすわけでございますが、基本的には、先ほど申し上げました金融自由化の進展の中で、長期安定資金の供給及び政府関係金融機関としての政策的金融の増大、例えば先端技術貸し付けあるいは技術振興貸し付けといったような、政策的な融資の制度の拡充と、こういうことによりまして、今後とも政府関係金融機関の意義といいますか、機能を強化してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 強化をしていくという最後のお答えですから、確かにそれは若干の伸び率がここに今数字が示されましたけれども、この設備投資の若干の背景というのは、この前も申し上げましたけれども、やっぱり中小企業投資減税ということが一つのこれ誘発する誘い水になったことは事実でありまして、その一面もやっぱり見逃すことができないわけでありまして、そういう背景もあると私は思いますよ。それはそれとして、今長官が言ったように、強化対策をこれからも努めてまいりたいということですから、ぜひその点をひとつ留意をされまして、強化対策をとっていくべきであるということを申し上げておきます。  次に、臨調の最終答申では、「政策金融関係法人については、金融構造の変化を踏まえ、民間にゆだねても差し支えない分野については、縮小あるいは撤退する。」と、こう臨調でうたわれていることは明らかであります。現在、輸銀、開銀等、公庫等を含めまして十二の機関がございます。政府関係金融機関と呼ばれているこの中に、国民金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫が含まれているわけでありますが、これらの三機関について、これは基本問題でありますので大臣と、それから大蔵省がきょう来ていると思いますが、この「縮小あるいは撤退」ということについて、どういうふうに考えているのかという点をお伺いをいたしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今御指摘になりました点につきましては、中小企業金融公庫あるいは保険公庫、国金、いろいろあるわけでございますが、収支相償を基本といたしまして、貸出利率の見直しあるいは融資の重点化等を行うことによりまして、利子補給などの財政支出を抑制するということもございますが、経営の改善その他によって中小企業に御迷惑をかけることはないと、こういうふうに考えておるところでございます。

藤原和人大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(藤原和人君) お答え申し上げます。  ただいま国民金融公庫、中小企業金融公庫等政府関係の金融機関の縮小、撤退ですかを大蔵省は考えているのではないかというような御趣旨かと思いますが、これらの金融機関は、先ほど中小企業庁長官からもお答えございましたとおり、いわゆる民間の補完機関であるという位置づけはあるわけでございまして、つまり民間ベースでの資金の融資を受けられない方を対象にする金融機関であるということでございまして、そのような意味で、重要性は臨調答申においても否定されているものではないというふうに考えております。  そういうことで、私どもといたしましても、例えば六十年度の予算編成におきましても、中小公庫に今こういうような財政事情のもとで二十億の出資をするとか、さらに国民公庫や中小公庫につきましても、収支の不足を補うために補給金の増額をするといったような、精いっぱいの努力をしておりまして、業務の適切な運営を確保するように努めているところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今大蔵省並びに大臣のお答えを聞いて、このことにおいて中小金融全体に影響を及ぼすことはないという大臣最後のお答えですが、そういう認識で、認識というよりそういう基本姿勢だということであれば、それをひとつしかと踏まえて、これからもやっぱり中小企業金融対策全般を通してひとつ大臣の基本姿勢として、姿勢だけじゃなくて、実態にもやっぱりそういう実施行為について、実施機関に対してもそういうことを貫かれるということをはっきりしてもらいたいと思います。よろしゅうございますね、その点は。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 中小企業の金融施策というのは、経営基盤の安定のためにこれはもう絶対に欠かすことのできない重要な要件だと思っております。したがいまして、基本的な問題でございますから、これは対馬委員の御要望と申しますか、私の方では中小企業に迷惑をかけないように、全面的に前向きに対処をいたします。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それじゃ、そういうことでぜひひとつ要望申し上げておきます。また大臣のその所信をぜひ貫いてもらいたいと思います。  それでは次に、マル経資金の貸付実績等の問題についてお伺いをいたします。  小企業等経営改善資金融資制度、いわゆるマル経資金の利用状況を見ますと、これも五十八年度の件数でいきますと、十八万四千件余になっています。金額では四千百四十一億円余となっております。資金枠は五千五百億円を使い切っていない。また国民金融公庫では、ここ数年普通貸付枠にまで貸付実績が達していない。五十九年度は補正をして、貸付枠を千五百億円ほど減額修正をして実態に合わせているようでありますが、一方、中小企業金融公庫では、六十年度貸付枠を定めるに当たって減額している。  これら資金枠の使い残しに関しては、中小企業の設備投資資金需要が思ったほど伸びなかったのではないか。折から金融緩和期であったことなどの説明がなされていますが、私はそうした景気循環的要因ばかりではなく、構造的に中小三機関の競争力が落ちているのではないかという疑問を抱かざるを得ません。もっと大きく言えば、この中小三機関の存在意義が失われてきているのではないかという懸念も抱かざるを得ないのでありますが、この点についての考え方を、重要問題でございますのでお伺いをしたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のとおり、マル経資金の利用状況は確かに低迷の状況にございます。これいろいろ理由ございますが、大きく二つあるんではないか。一つは、小零細企業と申しますか、この景気回復へのキャッチアップといいますか、これの立ちおくれが一つ指摘できるのではなかろうかと思います。もう一点は、やはり最近におきます長短金利といいますか、例えば長期金利でつい最近までは七・四%というような金利水準にまでいったわけでございますが、マル経資金の金利の魅力といいますか、これが相当程度失われているというのが中小企業の声でございます。そういうような二つぐらいの理由がございましてこのマル経資金の利用度が落ちているのではないかと思いますが、私ども六十年度にこういった貸付条件の改善等を図ることによりまして、今後ともその利用の促進を図ってまいりたいと思うわけでございます。  ただ、御指摘のようなこのマル経資金の利用状況等で、対政府関係金融機関につきましての競争力が落ちたのではないかという御指摘でございますが、これにつきましてはやはり本来二つに分けて考えてみないといかぬと思っております。三機関と申しましても、一つは本日の法律改正をお願いいたしてございます商中の場合、これは組合の共同施設としての施設的な役割を持つ組織金融でございまして、若干一般的な全額財投依存の中公、国金と性格を異にするわけでございますが、後者につきましては、先ほど来申し上げましたように、補完金融としての立場が基本的にございますものの、やはり今後の金融自由化の進展を考えまして、長期安定資金の供給の必要性というのが中小企業に高まりますし、かつ政策金融等の展開によりまして、今後の中小企業のニーズにこたえるべく体制を整えてまいるというふうに考えておるわけでございます。  また、商工組合中央金庫につきましては、これは組織のメーンバンクといいますか、フルバンク機能を整備することによりまして、今後の所属団体及び構成員のニーズに一〇〇%こたえ得るような体制を整備することによりまして、その機能を発揮するように持ってまいりたいというふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今長官のお答えでいきますと、大別して零細小企業の立ちおくれという問題、それから一方では金利の魅力が失われたのではないかというお答えですね。大別してそうですが、私はもっとやっぱり中小三機関との関係あるいは金融機関との競争力強化ということが、今も長官からこれからの対策としての強化策ということをちょっと触れられましたが、もっとそこらあたりを問題点として対応すべきことがあるんではないか、お答えはなってないんですが。  例えばどういうことかといいますとね、私はこの中小企業が金融機関と取引している理由及び不満な点についてアンケート調査が行われていますね、これは私資料を持っておりますけれども、政府系機関は、長期資金の借り入れができる、それから金利が低いから取引があるが、逆に手続が煩雑で、支店が身近にない、この点は不満である、こういう数字が出ているんですね。これは今長官が言うようなことだけじゃなくて、競争力強化にやっぱり、このアンケート間違いなら別だけれども、私がちょっと見た限りでは、非常に中小企業各金融機関が取引している不満な点ということを挙げますと、手続が非常に煩雑だという政府機関に対して不満の意思表示が一〇・四%表明されていますね。市中銀行あたりにいきますと、信金などでは一・九、それから信用組合、これは三・三とか、ずっと見ると、地銀なんかは五・五、都銀でも六・三なんて非常に低いんですね。そこへいくと、逆に政府系は一〇・四というふうな、もちろんこれ国の金ですから、手続が非常に煩雑だということに対してもうちょっと、利用度がないという声ですから、率直な世論調査ですからね。  それから支店が近くになくて不便だという点でいきますと、これは政府系機関は九・九出ているわけですね。ほかを見ますと、一・七とか一・一とか、やっぱり近くにあることにおいて利用しやすいと。ところが政府系三機関の場合は、近くになくてすぐ対応ができない、だから利用度が不満な点があるんだと、こういう指摘があります。    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕  それから、一方いい面では、先ほど申しましたように、つまり長期資金より金利が低い。この面では圧倒的に政府系機関が五四・九%、地銀、都銀あたりは一五%あるいは二九%ラインですから、これは圧倒的に多いんでありますが、これは一つの調査です。しかし今私が指摘をした世論調査の中に出てくるこういう手続の煩雑さ、支店が身近にない、こういうものについては不満が出ていることは明らかでありまして、したがって民間機関はやっぱり支店が近くにあったり、昔からのつき合いがあって非常に相談に親切に乗ってくれるというか、政府系ではなかなか入っていきづらいけれども、一般市中銀行ならすぐ相談に乗ってくれる。担保、保証の条件が厳しいというようなことの不満も実は率直に言ってあると指摘をされております。  ただ支店の設置を拡大しているという点では、もちろんコストがかかる。それだから軽々には言えないわけですけれども、もう少しこういう世論を反映をして、大臣、これやっぱり対応ができるような中小系三機関の対応というのは、今大臣が中小企業こそ我が政治の最大のあれだと、非常に力強いことをお答え願ったんでありますが、こういう点の強化改善策というものを考えていくべきではないかというふうに考えます。したがって、中小系三機関の貸出額伸び率が伸び悩んでいる理由、こういった問題についての改善策として、今、私世論調査の例を挙げましたが、この点どういうふうに対応していかれるか、また改善に支障があると考えられるかどうか、この点を明らかにお答え願いたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 確かに中小公庫あるいは国民金融公庫、これ民間の金融機関と違いまして、その支店網整備ということについて不十分だという御指摘はそのとおりかと思います。  ただ、中小公庫にいたしましても、昭和五十年に五十一店舗でございましたものが、五十九年に五十九店舗に整備されておるわけでございますし、国民公庫の場合でございますと百二十五店舗から百五十一店舗ということで、非常に遅々としたものではございますが、その店舗網の整備にこれまで努めてきたわけでございます。そういうことと相まちまして、市中金融機関の活用によりまして代理貸し貸し付けという補てん制度を活用しながら、全体の中小企業のニーズに極力こたえるようにしておるわけでございますが、今後ともそういう方向で進めていきたいというふうに考えております。  御指摘のように、政府関係金融機関の、先ほどアンケート調査の結果の御指摘ございましたが、極力貸付方法にいたしましても、コンピューターの導入等によりまして事務処理の簡素化等、一層それを指導してまいりまして、極力手続の簡素化に努めてまいりたいと思いますし、また同時に、やはりこういった機関の中小企業の日常の接触を深め、経営指導あるいは相談、こういったものも中小企業親身になって相談に応ずるというような対応も必要でございます。そういった体制は、これまでもいろいろ相談室の整備等によりまして進めてきておりますが、今後ともそういった方向で努力するように指導してまいりたいというふうに思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今長官の方からこれらの対応策につきまして十分な相談の仕方、相談のやり方、また店舗も確かにふえていっているという状況の報告もございました。問題は先ほど言ったように、どうしたら中小金融公庫を使うか、利用するかという観点に立つとするならば、やっぱりもっと弾力的に運用をするという考え方をもっときめ細かく持つべきではないかという点を指摘をされているわけであります。    〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕  中小企業三機関の貸し倒れ率は一定率以下に抑えるよう指導をしていることは当然だと思うんでありますが、貸し出し姿勢が硬直化したために、中小企業者には好ましい影響が必ずしも出るとは思えない、そこで、貸出条件の弾力化の意味でありますが、具体的には先ほども言いましたけれども、担保の評価なんだね、それと保証人の立て方、貸出手続の簡素化等、基本的条件はあるわけでありますが、今も長官からありましたけれども、もう少し店内に入りやすく、なかなか入っていくというのは相当の勇気が要るということでございまして、みずから零細企業がすぐ飛び込んでいって相談に乗ってもらえるという対応をもうちょっと考えるべきじゃないか。  資格審査みたいなものがあって、相当厳しくならざるを得ないという一面もあることはこれは事実です。事実ですが、しかし国民の政府系金融ということになれば、それなりのよさというか、本当に困ったときに救ってくれるという命の中小企業三機関だと、国の金融機関というのは命だと、中小企業にとっては。そういう対応というのはぜひひとつとってもらいたいというのが率直な声でございますので、この点ひとつ大蔵省にも、あわせてこれからどういう対応を、行政指導をお考えになっているかということと、また政府に対しても、通産省としてもどういうふうにこれから、今強化したいという対応がございましたけれども、いま一歩これをもう少し強化策を考えてもらいたい、この点をお伺いします。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 確かに中小企業が利用しやすい雰囲気をつくり上げていくということが必要であるということはごもっともでございます。ただ、これは一つの事例として申し上げますが、中小公庫を利用いたしました中小企業約三万三千社にアンケート調査をとったことがございます。これによりまして、公庫職員の応接態度についてのアンケートをいたしたわけでございますが、親切で好感が持てる、いま一つ融通性に欠ける、どちらとも言えない、こういうような設問をもちまして調査した結果をとりますと、約八〇%が親切だという回答になっておるわけでございます。  これだけを申し上げるつもりで御披露申し上げたのではないんで、むしろこれの数値の大きな変化が取引回数によって大きく変わってくるということを申し上げたいと思ったわけでございます。例えば一回目で、一回しか取引のない中小企業者は、公庫の職員が親切で好感が持てるという比率は七四・二%でございますが、十回以上になりますと、これが九〇・二%に、非常に比率が高くなっておるわけでございます。こういったようなことで、極力中小公庫の方からも積極的に中小企業の方へ飛び込んでいくということも必要でございますが、中小企業者の方も、これを利用するという立場でどしどしぶつかっていっていただけるとありがたいというふうに考える次第でございます。

藤原和人大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(藤原和人君) 日常的な接触等が大変重要であるという御指摘はまさにそのとおりだというふうに考えております。  私どもといたしましては、手続面の簡素化その他の問題につきましても、必要に応じ中小企業庁と十分御相談をしてまいりたいと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、今長官なり大蔵省からお答えがございましたけれども、この担保評価問題ね、ここらあたりをやっぱり、よく聞くことなんですが、これは聞いてくれということだから率直に私も申し上げますけれども、担保をめぐって、借り手が提供する担保の評価をどういうふうに評価するのか。現行制度上十分な担保の適格性を認められていないものについて、どのような担保価値を創造するか。あるいは中小企業が保有する物件を担保として資金調達を行うに当たりまして、担保価値を十分活用するにはどのような方策があるかという問題点が言われているわけであります。  まず、この点についてどういうふうにお考えになっているかお伺いします。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 私ども各地出張などしました折に、中小企業者の方から伺う、この金融問題で一番多いのがやはり担保の問題でございます。逆に金融機関の方で苦労しているのもやはりこの担保の問題で苦労して、貸す方も借りる方も苦労しておりまして、一番難しい問題だと思います。  現在どういう扱いになっているかと申しますと、まず一般論を先に申し上げたいと思うんですが、理想的なことをもし言わせていただければ、担保の云々でお金を貸すのではなくて——担保というのはその事業が失敗した場合のことを想定するわけですから、そうではなくて、そのお金を使って行う事業に着眼しまして、その健全性とか発展性とかいうものをしっかり見きわめて、それに基づいてお金を融資すると。したがって、その担保というのは、実際はそれを実行することはないくらいな、そういう金融ができれば理想だとは思うわけでございます。しかし、我が国の金融慣行では担保第一主義と言われているようでございますけれども、やはりしっかりした担保がないと融資しないのが一般的な融資態度だというのが現実でございます。  そこで、政府系の場合の取り扱いでございますけれども、政府系の場合には、そういう意味の信用力、担保力の乏しい方に融資するというそもそも存在でございますから、民間と同じではいけないわけでございまして、国民公庫の場合には保証人だけで無担保というのが約九割を占めております。それから中小公庫は、金額が大きくなりますのでそういうわけにはまいりませんですけれども、担保の扱いについて、民間よりはずっと弾力的な運営を心がけております。具体的には、例えば土地、建物のほか、民間では一般的には担保になかなかとらない機械類も担保にとるとか、あるいはその評価につきましても、極力借りる方の立場に立って有利な評価をするように、例えば基本的には時価で見るとか、できるだけ有利な扱いをしているわけでございます。  そこで、具体的な何か基準というようなものがあるのかということでございますけれども、これは金融機関それぞれ内部では持っていることでございますけれども、一律に外に発表するようなことにはなっておりません。そういう状況でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 実態として今説明を願ったわけでありますが、一般の金融機関との差異といいますか、そういう点についても説明ございました。  問題は、やっぱり今もあなたもおっしゃっておるようにこの基準ですよね。要は、基準をどういうふうにとられているのかということが問題でありまして、やっぱり各金融機関の間では少しずつ差異があるということは認めているんですけれども、その基準を借り手側に開示していないんではないか、これが非常に少ないという指摘があるんですけれども、この点どういうふうに考えているのかということ。  それから担保評価をめぐって借り手と金融機関との間でトラブルが発生しておることも私も承知しております。そのために、今も話が、土地、建物、そのほかに機械というような物件も対象にしておると、こういうことですから、したがってその前の担保物件の評価の価値といいますか、基準というか、こういう問題について率直に、借り手側と貸す金融側というのは違いがあることは当然なんでありますけれども、つまり他の金融機関と政府系の中小企業三機関においてどのような担保評価基準というのを定めているのかについて広く中小企業者に開示しておけば、中小企業者側も自分が融資を受けられる額についてあらかじめ想定できるわけでありますので、これ大いに便利であると思うんですけれども、現在中小企業三機関では、これらがどうも、そういうことの開示がなされていない。そのために評価額をめぐってトラブルが起きる、こういう結果が出ているわけでございまして、この点についてどういうふうに実務的に扱っているかということをお伺いしたいということが第一点。  第二は、この三機関に対する融資申し込み者に対して、どのくらいの割合で担保不足の理由で融資を断っているのか、こういう実態がありましたらちょっと説明してもらいたいと思います。この二点であります。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 第一の方でございますが、どういうものを担保にとるかと一般的に申し上げますと、まず客観的な評価が容易なものであるかどうか。それから第二に、価格変動が余り大きくては困りますから、価格変動が極端に大きくないものであるかどうか。それから第三に、換金性でございます。ほかに売れないものでは困るんで、換金性についての評価。第四に、担保物件の保管とか管理が容易かどうか。第五に、そのものが変質したり滅失したりしないかどうか。それから第六に、法律上、実体上、第三者に対する対抗が十分できるかどうか。こういったものが一般的に言われております担保についての基準でございます。  さらにもっと実務的になりまして、つまり本当の価格の何割ぐらいまで見るかとかいうようなことになりますと、必ずしも一律でございませんが、あえて申し上げますと、中小公庫の場合には土地、建物については八割ないし九割でございます。民間はちなみに六割ないし七割の掛け目だそうでございます。それから、機械類等についてはもうちょっと低いかと思います。そういうことで、幅のある数字でございますけれども、民間よりは高い掛け目を見ると。  そういった詳細について、基準でもつくって単価表みたいなものにして、利用者が一目瞭然わかるように公開することはできないかという、そういう議論、確かに私どももあるのは承知しておりますけれども、現実問題、非常に担保物件については、先ほど申し上げたような一般的基準だけでも五つ、六つございますし、これをいろいろ組み合わせて評価するときになかなか多種多様で難しゅうございます。これは余り一律に無理してやりますと、今度はその基準に合っているのにどうして貸さないんだということで、トラブルが起きやすい。はっきりしなくても、おっしゃるようにトラブルが出ますけれども、余り割り切り過ぎてもまたトラブルになる。金融機関の方からすれば、あえて言わしていただきますと、例えば事業計画にかなり不確かさがあるというような場合に、そこについて議論が分かれた場合に、あえてそこで議論を決着つけないで、担保ということでした方がかえって円満に話がつくようなこともあるやに聞いておりますけれども、それやこれや以上を合わせまして、なかなか一律の基準の公開が難しいというのが実務の状況でございます。  それから、担保不足で断ったケースについてでございますが、これは実際問題、担保不足でもう全くお引き取りいただくということもございますでしょうけれども、多くの場合には、この担保なので当初の御希望よりも少し金額を減らしていただいて融資したいというふうに落ちつくような場合がかなりございまして、したがいましてその場合に、分子、分母に何をとるかというのが必ずしもはっきりしないものですから、統計的には把握いたしておりません。お許しいただきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今基準らしきものを示されたわけでありますが、確かにそれは事前に開示することがいいかどうかというあなたのお答えがありますけれども、やっぱりできる限り、これ担保の一番問題になるのは、零細中小企業の場合は担保が十分あるんならだれも金借りないんだ、はっきり言って。やっぱり担保がある程度、最大限の一〇〇%近い担保を評価してもらうということが大事なことであって、だから、もちろんそれは機械だとかそういう物件を対象にしていくことは結構なことなんだが、ある程度、今言った六項目ぐらいのことはやっぱり開示をしておく、説明をしておくというぐらいはこれ必要なことだと思いますよ。  借り手の方だってあらかじめそういう基準が開示されておれば、ああ、これだけの条件が具備されなければならないんだな、このぐらいの覚悟を持たなければだめだし、これだけのことは必要なんだという、これはやっぱり政府としては親切なことになるわけであって、それは、行ってみたけれども全然話違う、そこでトラブルが起きる、何を言ってやがるんだというようなことになって、そういうのに対して不信になっていくということがあるわけであって、だから開示することにおいてトラブルが発生するんでない、むしろトラブルを防止する意味では、ある程度抽象論ではあるけれども、あなたが言った六項目ぐらいのことはやっぱりきちっと示しておくと、この方が私は国としては大事なことだと思うんですが、この点についてはどうですか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 私必ずしも実務に通暁しているわけでございませんので、具体的にというのはちょっと自信がないんですけれども、御指摘の線を踏まえまして、実務者の意見もよく聞きまして、できるだけ中小企業の方が御理解いただきやすいように今後研究していきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今お答えございましたから、そういうことでひとつ実務者ともよく話をしていただいて、中小企業者が、なるほど国がここまで心温かくお世話してくださると、あればよかったなと、行ってやっぱりよかったと、またそのことによって救われたと、こういう実感がそこへ出てこないと、言葉で中小企業は国の命だって大臣言ったって、これはなかなかそうはならぬのであって、その点を踏まえて、この問題の締めとして、大臣からひとつ最後にお伺いしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来の御質疑を承っておりました。中小企業が本当に経営がしやすいように、融資によって対応をしたいと思います。各般の面について十分研究をしてまいります。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで、いま一つ、時間がなくなりましたので、二点ほどちょっとこの機会に、担保の適格性の問題についてお伺いしておきたいと思います。  一つは、ソフトウェアですね。先ほどちょっと大臣も基本的に私の質問にお答えされているんでありますが、ソフトウェアの担保の適格性の問題について。中小企業であって技術指向の高いもの、すなわちベンチャービジネスは、個性豊かな事業者が先端技術を駆使して新しい事業を始めようとする企業を言うが、残念ながら、現在の金融機関では、こうした技術の価値を評価する機能というものに欠けているというふうに言われておるわけでございまして、そこでこのベンチャーキャピタルなる存在が発生してくることは、先ほど大臣も申されているわけでありますから、中小企業三機関も今後ベンチャーキャピタル的性格を強めていく必要があると思いますので、人材養成なり対応ということが、これは知識持ってないと対応できないわけでありまして、そういう対応をどういうふうに考えているかという二点をお伺いしておきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 最初におっしゃいましたそのソフトウェアの担保の問題でございますが、現在の法制のもとでは、残念ながら、ソフトウエアというものが排他的な財産として先ほどのような要件を必ずしも満たしておりませんものですから、これは担保にとることはできないかと思います。ただもちろん、特許権とかいう無体財産権のものになっていれば別でございます。  それから、新しいベンチャービジネスの時代に対処してそういったものをどう取り扱っていくかということでございますけれども、中小公庫におきましては、既に五十九年度から先端技術貸し付けという制度も設けまして、かなりの実績も既に上がっております。初年度で既に二百八件、百七十六億の実績がございます。今後ともそういったものについて中小企業の要請に十分的確にこたえていく。つまり、立派なそういう事業計画をちゃんと正しく認識をして、評価をしてお貸しできるような体制を整えるということが必要でございますので、そのための人材の養成、これは中小企業大学校の研修の活用とかあるいは公的試験研究機関との連携とかという手段を充実さしていきたいと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今お答えがございましたけれども、特にこれから日進月歩でまさに先端技術の時代と、こういうことになるわけでありまして、今お答えがございましたけれども、人的対応ですね、これらに直ちに対応できるような強化対策というものをぜひひとつ考えてもらいたいということを特に申し上げておきます。  時間もあと残り少なくなりましたので、次に下請代金支払遅延等防止法につきまして、公取委員会にちょっと二点ほど、時間の関係上、絞ってお伺いをしたいと思います。  しばしば当委員会でもこの問題が出ておりますので、率直に申し上げますが、下請代金支払遅延等防止法、下請代金法の規定を見ますと、同法は不当な取引条件の防止という観点から、下請関係を規制しており、親企業の不当な支配を防止するという観点に欠けているように思います。それはもちろん、不当な支配が常に外部から目に見える形で行われていることではありませんけれども、目に見えるような取引条件についての干渉という形式をとらざるを得ない面もあると思いますけれども、下請の実態は、目に見えない形で不当なやっぱり圧力がかかってきている。  私は一度予算委員会で、北海道開発庁の下請の実態問題のあれをやって、当時はそのことを理事会にかけ、後ほど解明したこともございますけれども、そこでお伺いするのは、例えば親企業には、秘密に下請事業者のありのままの姿を把握するようにしなければ、実際は実りある下請対策というのは私はできないんではないか、こう思うわけであります。したがって、私も遅延防止法を何回も読んでみましたけれども、いつも言われることでありますが、下請代金法の第四条に違反をした親事業者に対して罰則をかけるようにすることが必要ではないのかという意見が、率直にこれあるわけでございます。また現在、四条違反行為に対して、公取委が勧告、あるいはそれに従わない場合は公表する、こういう手順になっているわけでありますが、過去のこの勧告及び公表の具体的運用が一体どういうふうに運用されたか、この点についてひとつお伺いをしたい、このように思います。  なおまた、親企業が恐ろしくて口をつぐんで物を言わないという傾向があるわけでございますけれども、現在のそういった問題を含めて、この法律をどのように活用することがまた対策としてはいいのか、こういう点もあわせてひとつお伺いしたいと思います。

利部脩二公正取引委員会取引部長

○政府委員(利部脩二君) 現在までの下請法の勧告の規定の運用でございますが、かつては非常に件数が多かったことがございます。大分前でございますけれども、例えば昭和四十六年ですと、一年間に五十六件くらいの勧告をしておりますが、その後勧告の件数はずっと減っておりまして、近年ですと、五十七年に四件の勧告をしておりますが、その後は、下請法の規定に基づく正式の勧告というものはゼロになっております。ただこれは、勧告の件数がなくなりましたことが、下請法の措置が、運用が甘くなったということでは全然ございませんで、先ほど先生のおっしゃいました、御指摘にあったような下請法で勧告をし、勧告に従わなかったら公表するということになっておりまして、勧告に従わなかった場合には公表されることは必然でございます。  親事業者にとっては、当然支払うべき下請代金を払わなかったということで天下に公表されるということは、信用上いわば企業にとっては、言葉はなんですけれども、死刑に等しいような打撃を受けることでございます。そういう結果になることが必然だということを、下請法をだんだん知ってきておりますので、勧告の前に、既に事態を下請事業者に不利にならないように改善してしまう、いち早く改善してしまうケースが多くなりました結果、正式の法的措置には至らなかったということでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今まさに、最近はゼロになっているという傾向ですから結構なことだと思うんですが、その実態がゼロになったというのは、確かに公表されることが非常にこの成果を生んでいる、公表されれば社会的信用を失うということになるわけでありますから。そういうふうに認識していいですか、この点は。それだけの認識ではないんでないかという、実際目に見えないところにやっぱりかなりあるのではないか。ただ、表に出ているのは確かにゼロではあるけれども、実際はかなり目に見えないところで、先ほど言った必然的な圧力というか、あるいは隠密裏に処理されているというか、もちろん納得ずくかどうかは別問題でありますけれども、そういう点はどうですかな、認識として、今あなたがお答えになったような実態だからこれはゼロになっているんだ、こういう認識ですか。

利部脩二公正取引委員会取引部長

○政府委員(利部脩二君) 先生の御指摘、確かに非常に鋭い御指摘だと存じます。実態は御指摘のとおりの面がございまして、ただ、先ほど御説明いたしましたのは、確かにその一面を申し上げたわけでございます。  確かに、公表の制度が制裁措置として非常に有効に作用しているということもございますが、そのほかに、もう一つは、下請法の規定、従来の重要な規定が、期日までに下請代金を必ず払えという規定、それから、長期サイトの手形を出すなという規定、これが非常に重要だったわけでございますが、これは調査してみますと比較的簡単にわかることなんでございます。いつまでに払えといって払わない、百八十日の手形を出した、これはすぐさまわかる。そして、そのことは下請法にも明記されておりますので、調べればすぐわかるようなこと、違反がはっきりしているようなことというのは親事業者の方でも慎んできた、そういうことの反映として、そのこともありまして正式の勧告措置が少なくなったということはございますが、確かに、同時に、それじゃあそんなに、違反が明らかにしにくいような、下請事業者に不利益をもたらす行為がなくなった、それもなくなっているかと申しますと、遺憾ながら必ずしもそうは言い切れないわけでございます。  下請法の四条の規定、幾つかの行為がございますが、そのうちの一つで不当値引きというのがございます。これは、下請事業者に発注しました単価を後でいろいろな理由で減らしてしまったり、当然払うべきものを払わない、特にまた悪質なものになりますと、払った金の一部を何やかんや理由をつけて取り戻すというようなケース、これがこの数年間出てきておるわけでございます。これは確かに多少の調査ではわかりにくい、それから、下請事業者にしてもそのことをなかなか申し出にくいという事情がございます。  そういう点がございまして、それに対しましては、公正取引委員会としましても、中小企業庁とも協力いたしまして、そういう下請事業者に不利益をもたらす行為の是正を図っておる、そういう状況でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今、そういう一面もあるという認識を公取も持っておられるようですから、特に私は申し上げたいのは、やっぱり公取の役割として、言うまでもない、立入検査というものがそれなりのやっぱり役割を果たしておると私は思います。  これからもひとつ、立入検査というものに対する、親企業に対する対策というものをやっぱり十分ひとつとってもらいたい、強化をしてもらいたいということを申し上げまして、時間もありませんから公取への質問は終わりたいと思います。どうぞ、結構でございます。  時間が迫ってきておりますので、それじゃ商工中金の法改正の問題につきまして絞ってひとつ申し上げたいと思います。  現在の商工中金への政府出資額は約千二百五十億、組合出資額は五百億、その割合は七対三というふうに聞いております。この比率を今後も続けるとすれば、政府出資額がふえるたびに組合出資額も定率でふえていくということになります。したがって、商工中金としては、資金調達コストを下げるために政府の出資を毎年もらいたいところであろうけれども、そうすれば組合が出資の負担に耐え切れなくなるのでないかという懸念を私は持つわけであります。したがいまして、商工中金の政府出資に対する態度、及び組合側の事情を、簡単で結構ですからお聞かせを願いたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 現在、百億を政府が出資いたしますと、それに対応いたしまして四十三億組合側が出資いたすわけでございますが、現在の中小企業の経営環境が非常に厳しい中で、この四十三億の拠出というのは、非常に中小企業にとっても大変な負担でございます。ただ、しかしながら、自分自身の組織金融の中核機関としてやはり育成していかなくちゃいかぬという中小企業側の熱意から、この資金の出資の調達を行っておるわけでございまして、こういった組合の出資負担能力を見きわめながら、かつ組織金融としての重要性を勘案して、今後の政府出資について考えてまいりたいと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 一応、今後のそういう出資状況を、組合の利用度合いといいますか、そういうものを組み合わせながら考えていきたいということですから、ただ、そこらあたりをやはりどういうバランスを持っていくのがいいのかという問題はあると思いますけれども、今度の改正の内容からまいりまして、当然そういう面もあって、これからの強化策ということで出されたと思うんでありますけれども、なおそこらあたりひとつ、ある意味では政府出資と組合出資とのやはり負担の均衡というものを十分考えて配慮してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。  そこで、今回の改正の中では、商工中金が国債の窓口販売を行えるようにしたい、つまり言うなれば、市中の債券その他を含めてシェアを、窓口を広げて、商工中金全体の活力をつけていく、こういうことでしょう、率直に言って。そういう法案の趣旨説明がございました。  したがって私は、商工中金が国債の窓口販売を行えるようになる、また国債と商工債券との利回りを比較すると、国債の方が有利である。したがって商工債券よりも国債を購入したいというお客がふえるのは、これはわかりますが、今までの商工債券の消化状況を見ると、中小企業事業団が二割、金融機関と証券会社が各一割強、それから機関投資家が二割弱、政府が約一割弱、私の調べによりますとそのようになっております。これらの保有額が変化しないとしても、現在約三割を引き受けている個人の動向が注目されるところでありまして、商工中金では商工債券の販売に当たって、今後どのように努力をしていくつもりか。また金融の自由化、金利選好の高まり等を背景にして、商工中金の決意を、この際ひとつ理事長さんにお伺いをしたいと、こう思います。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 理事長の佐々木でございます。  常日ごろ大変先生方には御指導いただいておりまして、ありがとうございます。  ただいまの御質問でございますが、商工債券は私どもの資金調達の大宗を占めております。ただ、国の財政事情が厳しいということは十分わきまえておりますから、今後できるだけ市中消化、自己調達力の強化を図りたいと思います。そのためには、ただいまおっしゃいましたように、中小企業事業団等の御支援もいただくわけでございますけれども、特に安定成長市場としての個人部門の拡大につきまして一層努力をしたいと思います。  今回、法律改正の機会におきまして、今後の金融自由化あるいは金利選好の個人層のお立場を考えまして、国債割引債口座あるいは債券総合口座が可能になるわけでございますから、この新しい業務につきましてできるだけ早く軌道に乗せて、商工債券の販売のために努力をしたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今、理事長の決意のほどは理解をいたします。  そこで、問題は、商工中金の性格というものをもう一回見詰めてみる必要があるという点がございます。それはどういうことかと申しますと、商工中金の性格は、ぐっと一般金融機関との差異が少なくなるが、半官半民と言われる比重などの辺に置いていくのか。また例えば官という点に重点を置けば、官業の民業圧迫として民間金融機関からの非難を受けることになろうし、また民という点に重点を置くとすれば、組合員から自分たちの金融機関ではなくなるのではないかという懸念を呼ぶことになるのではないか。そういう意味では、今後の商工中金のあり方なり問題点ということについてどのようにお考えになっているか、この点をお伺いいたします。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 今回の法律改正の基本的姿勢は、私ども創設以来の半官半民の性格を堅持するということでございます。私、常日ごろこの法律が通った場合には原点に返って、組織金融機関の原点を踏まえて、その使命を達成するべきである、かように申しておるわけでございます。  申し上げるまでもなく、私どもは国の中小企業政策という大事なお仕事を支援する立場でございます。そのために若干低収益性といいますか、高コストの性格を持っておりますから、それにつきましては、今後とも財政事情の許す限り政府の御支援はちょうだいしたいと思います。しかしながら、私どもは相互扶助の精神に基づいてつくられております中小企業組織金融機関でございます。その中小企業の皆さんが、相互扶助の精神に基づいて自助努力するということは当然に必要でございます。  ただいま先生のお話のように、官の政策性と民の効率性を一体化することは言うべくして実はなかなか難しいわけでございます。私これも職員に、ひとつ精神は官の立場で、体は民間の立場でということを指示いたしておりますが、この二つの立場は、私ども商工中金のまさにユニークな特性であろうと思います。この二つを今後ともバランスをとって遂行をしてまいりたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは組合員の立場から見ますと、むしろどちらかというと、今理事長は、精神的には官、体では民と、それが相互の関係ということを言われました。そのとおり運営されれば、なかなかこのコントロールをどういうふうにしていくかというのはこれは極めて難しい問題でございまして、問題はやっぱり商工中金の性格というのが、法律で定めている目的意識がきちっとあるわけでございまして、ただ今回の改正によって、どうもやはり民と官との関係が、むしろ民の市中銀行並みになってしまうのではないか。この懸念が率直に出ている、またそういう心配をされている人が多いという感もあります。  一面、それはむしろ国民にとっては有利なんだという見方もあるでしょうけれども、基本的には精神は官で体は民という理事長のお答えですから、これは大変難しい問題ですけれども、ひとつしかとそこらあたりの姿勢を、ただ理事長の精神がどこまで、末端までどういうふうに貫かれるか、また国民にどういうふうにこれを国民の立場で受けとめられるかということが問題でございまして、そこらあたりしかと堅持をし、またそういう誤解を生まないような、また法律の趣旨に相反するようなことにならないように、しかとひとつ対応すべきであろう、こう思いますが、よろしゅうございますか。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 私どもの所属団体二万七千、構成員がほぼ百万人おられます。これらのメンバーの方々のための金融機関という意識でございます。かつ法律に基づいておる団体でありますから、通産大臣の御監督を受けておる政府機関でございます。しかも資金は九〇%でありますから、民間の性格を多分に持っております。こういったことをすべて踏まえまして、職員全員認識をいたしております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それじゃ、ぜひそういう姿勢でひとつ対応、堅持をしてもらいたいと思います。  次に、これまでの国際業務をいかに展開してきたのですか。特に中小企業も今後は国際的に活躍していくということが極めて大事だと思います。そういう意味で、日本経済の国際化の上で必要不可欠と思う。これまでの外国為替業務、貿易金融業務等着実な力をつけているというふうに聞いておりますけれども、この点についてどういうふうにお考えになっているか、認識を持っておられるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 先生御指摘のように、中小企業の最近の国際業務の拡大は目を見張るものがございます。私どものメンバーにおかれましても、貿易取引あるいは海外投資等、大変海外に進出しておられるわけであります。  こういった国際的なニーズを踏まえまして、私どもは既に二十年前から為替業務を開始いたしております。外為営業店も逐次ふやしておりますし、あるいは海外のコルレス契約先もただいま八十八カ国、百五十行に達しておるわけでございます。あるいはいろんな海外の情報等につきましてもできるだけ努力をいたしておりますし、また一昨年はロンドンに海外事務所を設置いたしております。今後ともこういった国際業務に対応いたしまして、商工中金の国際業務の体制強化について十分努力をいたしたいと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今理事長のお答えによりますと、かなり商工中金としまして国際業務の拡充強化という対策をとられておる。具体的には支店の開設あるいは為替業務等の御説明がございました。何といっても、今我が国の重大な問題になっております対外経済、貿易摩擦問題を中心にして、極めて我が国の重大な貿易戦争に発展をしている。これからの国際社会における金融政策というもの、これまた重大な円・ドル、あるいは高金利問題をめぐって我々、中小企業業界に与える影響は非常に重要な問題であるという認識を深めておりますだけに、これからやっぱり国際業務の拡充ということが、商工中金としても重要な位置づけをしていく必要がある、そういう認識を持っておりました。  今理事長から明快なその点の拡充強化対策が行われているということですので、より一段と今日の対外経済、貿易摩擦をめぐる国際情勢にタイアップした商工中金の強化対策をぜひとってもらいたいということを申し上げ、またこれに対しまして、いま一度理事長からの再度の決意と、また大臣からの決意をお伺いをして、きょうの私の質問は終わりたいと思います。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 先生御指摘のように、国際業務は、今後商工中金の大きな仕事になるわけでございます。そのためには、まず人材が必要でございます。ただいま外国為替要員関係の人材につきましては、研修あるいは海外留学、外人トレーニー等々を通じまして、大幅に経験者の育成を図っておるわけであります。また、外為店につきましても、ただいま十八店舗ございますけれども、逐次これをふやしていく、またコルレス銀行につきましても、百五十行ございますが、逐次これも増加を図りたいと考えております。さらに、ロンドン事務所に加えまして、今後も海外拠点につきまして主務省にお願いを申し上げたいと、かように考えておる次第でございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 国際化に対応いたしまして、商工中金のあり方、また中小企業のあり方というのは、非常に重要な問題の御指摘をいただいたと思います。金融自由化という時代でございますし、そしてまた中小企業の国際的な対応というのがこれからの非常に新しい分野だと思っております。今佐々木理事長からもお答えがございましたが、通産省といたしましても、これに対応して、委員の御指摘の趣旨をよく踏まえて対応いたしたいと存じます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 終わります。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 商工中金法の一部改正案に対して質問をいたしますが、最初に今回の商工中金法の改正の背景とねらいというのはまず何であるかということを、冒頭に通産大臣からお答えいただきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員にお答え申し上げます。  今回の改正は、金融革命と言われる変動に直面している金融界の中にありまして、商工債券の販売力を維持し、また中小企業のニーズに即した業務の弾力化を図ることによって、商工中金の組織、金融機関としての機能の低下を防ぐことをねらいとしたものでございます。  このため、主な改正内容といたしましては、第一に、その存立期間の制限に関する規定を削除する、第二に、近年の金融環境の変化に適切に対応して、商工中金がその機能を十分発揮し得るよう貸付業務、預金業務その他の業務の充実を図ること、第三に、商工中金の資金調達の円滑化を図るために国債等に係る証券業務の追加などを行うことでございます。すなわち今回の改正は、五十六年の銀行法等の改正以降金融界の業務の弾力化に足並みをそろえまして、他の債券発行金融機関と基本的に同じ条件で資金調達が可能となるようにするとともに、組織金触機関として員内者の金融サービス需要に適切にこたえていくためのものでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今回の法改正に伴いまして、商工中金を時限を切ったものから恒久的な機関として残すことになるわけなんですが、このような措置であるならば、前回も私は、この委員会で商工中金の問題を論議いたしましたけれども、五十六年の改正のときに行われてもよかったのではないかと思いますけれども、この点に対するお考えを、通産大臣と、きょう御出席の佐々木理事長からお答えいただきたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 五十六年の六月に商中法の改正を行ったわけでございますが、そのときは、まさに当時の商中の緊急課題に限って改正を行った次第でございまして、具体的には市街地再開発組合を所属団体として組み入れること、及び商工債券の発行限度額の改定をいたしたわけでございます。ちょうどそれと同じタイミングにおきまして、銀行法の全面的な見直しがございました。その意味で、田代先生はその一環として、なぜ商中は基本的に見直しを行わなかったのかというお尋ねかと思いますが、その当時におきまして、商中という組織金融機関という特性を持つ金融機関が、こういった銀行法の全面見直しの背景となりましたいろいろな問題点にどう対応していくべきか、この辺の見きわめがまだ非常に不十分でございました。そういう意味合いにおきまして、六十一年に存立期間が切れますので、それまでの間事態を十分分析した上で恒久化への対応をしようということで、見送った次第でございます。  ただ、最近の金融の自由化、これは大変な勢いで、先ほど大臣が申し上げましたように、金融革命と言われるようなテンポで進んでおるわけでございますが、具体的には大蔵省が指し示すそのガイドラインあるいはスケジュールに基づきまして着々とその進展を見ておるわけでございます。  最近時点におきますれば、大体金融自由化の助走期間は終わったというふうに見てもよろしいのではないかと思うわけでございまして、そういった金融自由化の持つ商工組合中央金庫に対するインパクト、またそれへの対応方策ということについて幅広い検討を経て一応の見通しができましたものですから、この際一年繰り上げまして、恒久化と同時にそういった金融自由化への対応体制と申しますか、それを整備するために今回法改正をお願いしたゆえんでございます。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) ただいま長官からの御答弁のとおりでございますが、五十六年度の法律改正のときには、当時の喫緊の課題、二つの解決が目的でございました。当時も、私ども金融自由化、国際化という大きな変化は予想はいたしておりましたが、まだ定かに将来の見通しは立ちませんでございましたから、五十六年の銀行法改正のときに、私ども既に部内で法律改正の検討部局を設けまして、過去四年間にわたりまして慎重に検討してまいったわけであります。  一年前倒しの理由につきましては、これまた中小企業庁長官のお話のとおりでございます。そういった事情でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そこで、今回の法改正は、いわば今さっき大臣からもお話がございましたけれども、金融自由化の進む中において行われる措置であるかと思うわけでございますが、金融自由化と中小企業について、ちょっと二、三点お尋ねをしたいと思うのでございます。  まず第一点は、この金融の自由化の進展というものが、中小企業を専門とする金融機関にどのような影響を及ぼしているかという点であります。第二点は、特に商工中金についてはどうであるかという問題。それから第三点については、同じく中小企業金融に及ぼす影響と、そうした中における商工中金の役割をどのように考えていらっしゃるのかという点でございまして、そして第四の質問は、中小企業そのものへの影響をどう見ていらっしゃるのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 金融自由化が、まず第一に中小企業専門金融機関に及ぼす影響はいかんというお尋ねでございますが、この金融自由化によりまして金融機関の環境変化と申しますのは、一つには調達コストの増大という問題が生ずるかと思っております。これは例えば譲渡性預金、CDの発行あるいは外貨預金というような形で原資を調達してまいる傾向が強まってまいりますが、高金利商品のウエートが次第に高まってまいりますので、そういう意味におきまして調達コストは増大せざるを得ないというような見通しが一つあるわけでございます。  他方、大企業等は、直接金融の方向といいますか、増資あるいは社債の発行、こういったような形で直接資本調達の方式を強く選好するようになってまいりまして、言うならば金融機関離れといいますか、そういった事象がもう既に出つつあるわけでございます。そういう意味では、企業の借入需要というものが一般的に低下していくんではないかというふうな問題がございまして、運用利回りにおきまして、今後競争が激化いたしまして運用利回りの方も低下をしていく、こういった難しい問題を金融機関は抱えていくんではなかろうかと思っております。そういった一般的な環境の中で、中小企業専門金融機関の立場といいますと、まず都市銀行等が中小企業への貸出姿勢を積極化してまいります。そういった意味で、中小企業専門金融機関は、一層その運用環境といいますか、そういったものが厳しさを増すんではないかということが第一に指摘し得るかと思います。  それから第二は、中小企業専門金融機関でございますと、都市銀行等が行っております国債業務あるいは証券業務というような新たな収益分野というものにほとんどなじみがございません。そういう意味におきまして、不利な要因を抱えておるという指摘もされる方が多数おられるわけでございます。しかし、こういった場合にございましても、信用組合あるいは信用金庫、あるいは相互銀行といったような専門金融機関の場合には、地域密着型の金融機関といたしまして、いわば地縁といいますか、あるいは人縁、こういうものを頼りにしました、そういったものを活用した業務の展開ということが今後一層そのウエートを増していくんではなかろうかというふうに考えております。  それから第二にお尋ねの、商工中金への影響はどうかということでございますが、大臣からもお答え申し上げましたように、金融環境の変化の中で、特に商工債券市中消化によりまして、その原資の調達を大きく依存しております商工組合中央金庫におきましては、まず、商工債券の市中消化への影響という問題があるわけでございます。これにつきましては、まさに今回の法律でお願いを申し上げておりますように、国債の窓販、ディーリング等によりまして、総合商品、あるいは少なくとも債券発行銀行並みの業務体制を整備することによって、これに対応していく必要があろうかというふうに思っております。また、組合員のあるいは組合のフルバンク機能をできるだけ充実整備していくということが必要になるわけでございます。  いずれにいたしましても、今後の金融の自由化というのは予断を許さないものがあろうかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、これまでに金融自由化のいわば助走期間を終えておりますので、大体その間、あるいは今後ある程度の間展望できる事象を念頭に置きまして、商工中金の体制を整えるということが必要ではないかというふうに考えておるところでございます。  それから、中小企業あるいは中小企業金融に対する影響はどうかという点でございますが、先ほど申し上げましたように、大企業の場合でございますと、この金融自由化によりますメリットというものを一〇〇%享受できる体制にございますが、逆に中小企業では、例えば資本調達あるいは転換社債発行等々、いろいろな面について制約がございます。また、その資金の運用におきましても、CDあるいはMMC等の金利選好商品についてこれを十分活用するというのもなかなか難しい。そういう意味で、金融自由化のメリットといいますか、その影響が中小企業に及ぼす側面というのは余り大きなメリットはないんではないのかなという感じがいたしております。  ただ、先ほど来申し上げました金融機関に対する金融自由化の影響というものが出てまいりますと、やはり金融機関一般としては、調達コストの増大、あるいは運用利回りの低下、言うならば利ざやの圧迫というのを受けるわけでございますから、やはり健全企業への貸し出しに限定をするというようなビヘービアもあるいは出てくるかもしれません。これは、金融自由化は国際的に障壁も取り払われるわけでございますから、一概に予断をするわけにいきませんけれども、一般的には、中小企業にとりましてよりも、大企業の金融自由化の利益享受という側面が非常に強く出てまいります反面、中小企業は、基本的には資金調達の手段は従前と余り変わらない、いわば銀行借入の増大かつその中で長期資金の借入増大という事態は依然として続いていくんではなかろうかというふうに思っております。  そういうふうに考えてまいりますと、金融が国際的にも障壁が取り払われ、流動化いたしていく場合に、中小企業に一〇〇%十分な資金が回る保証というのもなくなるわけでございますし、また同時に、先ほど申し上げました調達コストの上昇あるいは運用利回りの低下等の金融機関の事態に対応した先行的な融資といいますか、そういうものも全く出てこないとは言えまいというふうに考えられます。そういう意味で、中小企業につきましても、この金融自由化というのは非常に大きなインパクトを今後及ぼしていくんではないのかというふうに考えておるわけでございます。  そういう意味で、商工組合中央金庫及び中小企業金融公庫、国民金融公庫等の政府関係金融機関の役割というのは今後ますます重大になるんではないかというふうに考えておるところでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今回の改正案の作成に当たりましては、政府といたしましても、民間金融機関の意見といいますか、そういうものを十二分に聴取されたことと私は思いますが、その際のような意見があり、どういう点を尊重されたのか、お答えをいただけたらと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 民間金融機関との調整につきましては、金融界との間で事前にかつ頻繁な調整を行ったわけでございまして、意思の疎通を十分行った上でこの改正案を取りまとめた次第でございます。  金融界からの主な意見は、第一に、資金調達を目的とする預金取引先の拡大は必要最小限度にしてほしい、言うなれば、商工債券発行という債券発行金融機関としての役割を持っておる、機能を持っておる商中が、一般の金融機関並みに預金をどしどし取り入れてもらっては困るということが一つでございます。それからもう一つは、貸付先につきまして、組織金融機関としての限界をきちっと守ってほしいということだろうと思います。これらにつきましては、それぞれ十分な意見調整を経まして、一月の半ばに金融制度調査会に報告をしまして了承された次第でございまして、民間金融機関との調整は、これをもって一応調整済みというふうに言えるかと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今回の法改正の背景といたしまして、先ほどもお話がありましたとおりに、中小企業のニーズというものがだんだんふえております。また、いろいろな種類があるわけでございますけれども、そこで取り入れられることになったそれらの業務についてちょっとお尋ねしたいと思います。  今回の改正で、この商工中金自身の業務が相当拡大されるわけなんです。その場合に、今私が質問いたしました、民間金融機関からの意見を聴取されたときの意見等も、今お答えいただきまして、例えば預金取引先の問題だとか、貸付先の組織の範囲内とか、そういうものが一応出されたけれども、業務自身が拡大されたわけなんですから、今後民間金融機関と競合し、こういう民業を圧迫しないようにという話し合いのもとに進められますけれども、業務が拡大したからそういうあたりの心配が持たれるわけなんですけれども、そういうところに対してはどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 業務の拡充、二側面に分けて言えるかと思います。  第一の側面は、資金調達の問題といたしまして、債券発行銀行並みの体制の整備ということでございますので、この限りにおきましては、むしろこれまでの商工組合中央金庫がおくれておりました点をキャッチアップする程度ということで、大臣が冒頭に申し上げました、従来から市中で発行しております商工債券の消化といいますか、発行力を最低限維持すること、これに主眼を置かれたわけでございまして、他の金融機関との競合調整という問題はなかろうというふうに思うわけでございます。  それから、第二の側面が、貸出先の問題あるいは貸付態様の問題が出てまいるわけでございますが、これも、先ほど申し上げましたように、組合及びその組合員という、そのメンバーを基本として、メンバーの事業活動の円滑化という観点、またメンバーが求めます金融サービスにこたえるという形での業務の充実という側面が非常に強うございます。その限りにおきましては不特定多数といいますか、一般的な中小企業を対象とする事業展開ではございませんので、そういう色彩の濃い業務の展開という限りにおきまして、民間金融機関との業務の競合という問題は余りないというふうに考えておるわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 この追加各業務につきまして具体的にちょっとお尋ねをしてみたいと思いますが、このメンバーシップ制の商工中金が預金受け入れ先を拡充してメンバー外も可能とすることになったわけなんですけれども、ここらあたりのことについてはどうなのか、この目的等もお聞きしたいと思います。  それと同時に、今回の改正では所属団体の構成員たる中小企業の役員までとされましたけれども、その理由は何であるのか、これについて民間金融機関の意見はどうであったのかお答えいただきたいと思います。また従業員についてはどういう検討がなされたのかお答えいただきたいと思います。  それと同時に、関連いたしまして、電力、ガス料金の収納業務につきましては、今回このように触れることになっておりますけれども、これは前回もいろいろ検討すべき時期があったのではないかと思います。そういうことから考え、これはかなり民営への影響があるんじゃないかと思うんですけれども、ここらあたり具体的な問題でございますが、お答えいただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) まず基本的な考え方でございますが、先ほど長官からもお答えを申し上げましたとおり、商工中金の預金受け入れ先の今回拡大に当たりましては、商工中金が組織金融機関であるということ、それから債券の発行を認められているということ、こういう性格を十分踏まえまして、その基本的な性格に矛盾しない範囲においてまず考えたということでございます。  そういう点を踏まえまして、しからばどういう考え方に立って検討したかと申しますと、第一は、先ほど長官が申し上げました商工債券の販売力を新しい金融情勢のもとで維持していくためにどういう預金業務の拡大が必要か、それに必要なものを今回取り上げたわけでございます。  それから第二は、最近の取引実態を踏まえまして、商中とメンバーの間の関係を円滑化し、メンバーの便宜を図るという観点からどういう業務が必要かというのが第二の観点でございます。  それから第三の観点といたしまして、非常に事務処理の量も膨大になってきておりますが、主として商中の事務処理、事務合理化の観点、もちろん商中の事務の合理化は取引先の合理化にもつながるわけでございますが、そういった事務合理化の観点から預金口座のどういう拡充が必要かと、こういう三つのメルクマールで検討いたしたというのが基本的な考え方でございます。  そこでお尋ねの第二点でございますが、今回所属団体またはその構成員の役員からの預金の受け入れをするようになったのだが、その考えはどういう考え方かということでございます。  素朴な発想をいたしますと、メンバーの組合またはその構成員の企業の役員の方々は商工中金は自分たちの金融機関である、半官半民でございますけれども、そういう意識をお持ちでございますので、かねてから自分たちが組織している金融機関なのにどうして私は預金ができないんだろうかという素朴な意識がおありだったようでございまして、かねてから役員が預金口座を開けるようにしてくれという要望が強うございました。  そういうものが背景にございますけれども、具体的に申しますと、中小企業の場合には団体なりあるいは企業なりの信用力というものと、その団体あるいは企業の役員の信用力というものが、実は現実の第一線の現場では混然一体になって判断されることが多いわけでございまして、したがいまして、役員の預金を受け入れることによりまして役員と商工中金の直接的な取引ができるということは、その属する企業あるいは団体との金融取引の円滑化に資する、こういう観点から、かねてメンバーの要望の強かった役員預金を今回認めることにしてお諮りしているわけでございまして、この点につきましては、集約しますと、民間金融機関からは商工中金の本来の目的に照らして必要不可欠な範囲で考えてもらいたいというような御意見をいただいておりまして、その範囲におさまった問題だと思っております。  それから、節三の従業員預金でございますが、これについても当初検討したことはしたのでございますけれども、商工中金の店舗数が出張所も含めまして九十六ということで、かなり全国分布してはおりますけれども、従業員の方々の日常の支払い、受け入れをするについては、必ずしも十分な店舗展開ではない。この時点では従業員の預金を受け入れることにしても必ずしも十分なサービスができるか、なお時期尚早の感もあるということで今回は従業員預金については見送りにしたい次第でございます。  それからお尋ねの第四、電力、ガス料金の収納業務でございます。これは従来から、公共料金ということで電話料金、水道料金につきましては収納業務の代行をしておりまして、それに伴ってメンバーである団体あるいはその構成員の口座を設けて取り扱わせていただいておるわけでございますけれども、従来は非営利機関に限るということで電話、水道に線を引いていたわけでございます。しかし、実質上同様の公共料金的なものとしまして電気、ガスについて、かねてこういったものは一括して全部一つのところで支払いができるようにしてもらいたいという要望が強うございました。これはメンバーの要望からすれば大変もっともなことだと思います。  そこで、これにつきましてもいろいろ検討いたしましたけれども、電力、ガス料金というものを、電力、ガス会社から大規模に積極的に預金を取り入れるということになりますと、これはかなり金額も大きくなりまして、民間金融機関への影響も無視できないものがあると思いますけれども、電力料金、ガス料金の取り扱いのためということでありますと、実はこれは電力会社、ガス会社はそれぞれメーンバンク、主たる取引銀行を持っておりますから、商中のメンバーが商中経由で支払うことにしても、商中に持っている口座には一時的に入るだけで、一たん入ってまたその口座から所定の期日に払い出されて、電力、ガス会社のメーンバンクに移っていくということで、我々俗語でございますけれども通過預金なんという言い方をしておりますけれども、そういうことでメンバーの便宜には非常に資する一方、民間金融機関への影響は大きくないということでこれをやらせていただくことにしたいという、そういう趣旨でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、株式の取得についてお尋ねをしたいと思います。  まず最初に、この株式取得の目的は何であるのかお答えいただきたいと思いますし、またその場合、その目的を達するためにはどの程度取得しようとするのか、この法的制限といいますか、そういうものは見られませんけれども、この点どのようになっているのかお答えいただきたいと思います。その場合、要望のあるすべての中小企業に対応することができるのか。また、その場合所要の資金はどの程度になるのか、お尋ねをしたいと思います。  それと同時に、一たん収得した株式はいかなることがありましても手放すことはないのか、それとも何らかの目的が達せられたり、条件が整うというような、そういうことができたときには手放しをされるのか。また、それはどういう目的であり、どういう条件のときであるのか。そこらあたりあわせてお答えをいただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 五点お尋ねでございますので、順次お答えいたします。  第一に、株式取得の制度を設けることにした趣旨でございます。  最近中小企業におきましても、銀行借り入れだけでなく、増資という形で安定的な資金調達を行って財務体質を改善していきたいという意欲が高まってきておりまして、商工中金の構成員の場合についてもそういう傾向が見られるわけでございます。  ただ中小企業の場合には、たとえ増資をして財務体質を改善し、自己資本比率を上げるというメリットを得ようとしますと、同時に、しかしその裏側で経営面の自主性に問題が生じはしないかとか、また従来の経営者のリーダーシップに影が差すことにならないかとかいうような懸念をお持ちになる企業が少なくないわけでございまして、そのような場合に、一体どういう方に、どういうところから出資を求めるかといったときに、すべてとは申しませんけれども、いわば中立的かつ自分たちの組織している商工中金というようなところから出資してもらえば、そういう裏側のマイナス面はなしにプラス面を享受できる、そういうことでこういう期待が高まってきているわけでございまして、それにこたえようというのが今回の改正の趣旨でございます。これが第一点でございます。  それから第二点でございますが、それでは求められた場合どの程度のところまで株式取得をするのか。  御指摘のとおり、法律上は上限を書いてございませんか、これにつきましては御承知のとおり独禁法に金融機関が国内の会社の株式を取得する場合の制限の規定がございまして、金融業を営む会社は国内の会社の株式をその全体の百分の五以上を超えて所有してはいけない、原則百分の五までであるという規定がございます。それで商工中金の場合には、ここに言う「金融業を営む会社」という定義には該当いたしませんので、独禁法十一条がそのまま適用にはなりませんけれども、広い意味の金融機関としてのあり方を考えました場合に、民間の金融機関とこの点については大体同じに扱っていくことが無難ではなかろうか、こう考えられますので、今度の改正法の二十八条一項十号に基づく命令によりまして、百分の五を上限とするというふうに制限を設けてはいかがかと考えております。  それから第三でございますが、中小企業の要望に応じてすべて株式を持つのかどうかということでございまして、これは商工中金が融資をする場合とパラレルと申しますか、準じて考えていくべき問題かと思います。  まず第一に、当然先方からの依頼を受けて検討が始まるということで、うちの株を持ってくれないかというお話がまず発端にございます。その次に、まだ具体的にどういう基準というところまで詰まってはおりませんけれども、おおむねの方針を申し上げますと、商中との取引実績がある程度ある取引先、従来一定の期間円滑に取引をしてきている先だということが必要かと思いますし、それから第二に、当然経営が健全なもので健全経営をしている企業であることが必要でございますし、それから第三に増資でございますと、貸し出しに準じましてそのお金が一体どういうふうに使われるのかというその事業計画のチェックということが必要になろうかと思います。なお、さらにつけ加えますと、融資でなく出資という形で商中のお金を期待するのはどういう理由か、こういったようなことを検討した上で要望に応じていくということになろうかと思います。  それから第四点でございますが、この改正に伴うこのための資金量はどのくらいを見込んでいるのかということでございます。  これは最近二年間に、商工中金に対しまして株式保有がもし制度上できるものならば少し持ってもらいたいんだがというような要請がありましたものを拾ってみますと、約百五十件ほどお話がございました。これを先ほどのような形で五%仮に持ったとして計算いたしますと、当面の数字は二十億円ということで、当面そう大きな数字ではございません。将来この数は、こういう制度ができますと、この規模は大きくなっていくだろうと思われますが、当面はそんな数字が参考になろうかと思います。  最後に五点目で、一たん取得した株式は、どんな場合でも手放すのかあるいはどうするのかということでございます。  株式取得でございますから、原則として長期にわたって保有をしなければ意味ございませんので、相当長期間保有するということが前提になろうかと思います。ただ、先方の企業が発展していきます過程で、先方の都合によりまして、株主構成を多様化するために商中の持っている分を少し放出してくれないかとか、いろいろな御要請があろうかと思います。その場合には、先方の御要請にこたえて手放すことも当然あろうかと思います。  以上でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、海外取引の拡充についてお尋ねをしたいと思いますが、午前中に同僚議員からもこの問題に対して質問がありまして、そのときの御答弁では、メンバーの海外進出が最近はふえてきている、また海外からのいろいろな要望というものが出されているものにこたえていかなくてはならない、そういう意味のお答えがなされたところでございますが、私もこの海外取引の拡充について数点ちょっとお尋ねをしたいと思います。  まず、海外営業店を持たない商工中金が取り入れようとされておりますバイヤーズクレジット、それからバンクローン等の輸出金融に伴うリスクは、どのように回避しようと考えていらっしゃるのか、これが第一点でございます。  第二点は、保全策なり信用調査をどう進めるのかという問題でございます。  第三点は、また海外の現地法人への貸し付については、その種の金融の性格上その目的を限定するのか等、その運用についてお尋ねをしたいと思います。  第四点は、現在海外の駐在事務所は、理事長も午前中御答弁なさっておりましたとおりに、ロンドン一カ所だけでございますが、今後当然増設をしていかなくちゃならない、取り組んでいきたいというお答えでございましたけれども、その場合地域的にどこをお考えになっていらっしゃるのか、大体のお考えだけでも結構でございますからお聞かせいただけたならばと思います。  それと最後に、海外の駐在員の事務所の増設に伴って商工中金としても新たな対応が必要になってくるかと思います。それは人材の育成、配置、資金繰り、さらには支店等への昇格なども対応していかなくちゃならないと思いますけれども、まとめて質問しましたから、まとめてお答えいただきたいと思います。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) ただいま先生の御指摘のように、私ども今後商工中金の大きな仕事が海外業務であろうかと思っております。  今御指摘のように、海外業務を進めるに当たって、ただいまございますのはロンドン駐在事務所だけでございます。しかしながら、私ども過去二十年にわたりまして海外業務の仕事をいたしております。外為店十八店舗、コルレス契約先百五十行というような実績がございます。こういった実績を踏まえまして、まず個々の貸出案件につきましては、十分に実績を踏まえた慎重な処理をいたしたいと思います。それによって極力リスクを回避したい、かように考えております。  そのためには、御指摘の信用調査の問題でありますが、これにつきましては、貸し出しをいたします先が海外現地法人あるいはメンバーの輸出取引先でございます。いずれもメンバーの関係先でございますから、まずメンバーを通じまして信用調査は十分にできるかと思っております。さらに、ただいま申し上げましたコルレス先を通じまして信用調査を行う、あるいは実際の事務の運営は輸出入銀行との協調が多かろうと思います。輸出入銀行の今までの情報につきまして十分拝借をいたしたいと、かように考えております。  御指摘の第三点の保全の問題でございますが、保全につきましては、親会社たるメンバーの保証とか、あるいは取引先銀行の保証とか、さらには国の輸出保険の利用ということを考えまして、万全の保全策を考えておる次第であります。店舗はまだ一店舗しかございませんけれども、そのような措置をとりまして、万全の対策を考えておる次第であります。  次は、海外現地法人に対する事務の運用について、国内の融資と相違があるかどうかというような御指摘でございますけれども、海外現地法人は、私ども商工中金のメンバーサービスのいわば延長でございます。先ほど計画部長からもお話ございましたように、私どもの取引先の現地法人百六十社ばかりございますけれども、その半分程度が非常に資金繰りに困っておるようでございますが、いずれにいたしましても、メンバーに対するサービスの延長でございます。  貸付金の使途につきましては、国内の金融と同様に、事業資金を対象とするものでございまして、特段に国内金融との運用上の制約は考えておりません。申し上げるまでもなく、金利につきましては、海外取引の実情に合った金利にすることはもとよりでございます。  御指摘の第四点でございますが、海外事務所は、五十八年にロンドンに設置されたわけでございますが、メンバーの国際業務の拡大とか、あるいは外貨金融、海外情報へのニーズ等々、非常に高まっておりますから、ロンドンのほかに、取引先の進出地域あるいは国際的な金融センター等の状況を判断いたしまして、海外拠点の増設を主務省にお願いいたしたいと考えております。具体的にどこかということにつきましては、まだ目下検討中でございます。  なお、海外店舗の増設のほかに、今後とも取引先中小企業のニーズに応じまして、私ども海外業務ができる人材のできるだけの育成、あるいは外為店の増設、コルレス契約先の増加あるいは海外情報の充実等々について、法律改正を機に全力を挙げたいと考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、債券発行業務についてお尋ねをしたいと思います。  現在、我が国では債券発行銀行としてはどういうものがあるのか。またそれらの銀行ではどのような金融サービスが行われているのか。そして、現在の商工中金が行っていないものは何であるのか。ここらあたりお答えいただきたいと思います。それと同時に、今回商工中金がそれらの銀行と同様の金融サービスを行えるようにしようとしている理由は何であるのか。今さっきもちょっとお話が出ておりましたけれども、再度理由をお尋ねしたいと思います。  今回の措置というものは、時代の追従であって、決して私は先取りではないと思うんですけれども、この点に対する率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 債券関係で五点お尋ねでございます。  第一点、債券を発行している金融機関は、商工中金のほか、興業銀行、長期信用銀行、日本債券信用銀行、農林中金、東京銀行、全部で六行でございます。  節二点、それらの金融機関のサービスはどのようなものかということであります。債券の発行に伴う、あるいは関連するサービスといたしましては、例えば興長銀と東京銀行は若干の差はございますが、おおむね申し上げますと、まず非常に大事なことは、債券を買ったお客様に普通預金口座を開設しまして、普通預金と債券貯蓄を一本化して、そうしておきまして、普通預金がだんだん引き出しで減っていった場合に、必要があれば債券を銀行に預けておきまして、それを担保にして普通預金の方に一定額まで自動融資が行われる自動融資の仕組み、これは債券総合口座と言っておりますが、そういうのが一つ。  それから、債券と同時に国債を取り扱っておりまして、したがいまして債券と国債を組み合わせた金融新商品というサービスを提供している、こういうのが大きなサービスの主なものではないかと思います。  これら今申し上げました例は、いずれも商工中金の場合には、現在取り扱っておりません。法律上できないことになっております。これが二点、三点でございます。  第四点で、それを取り扱う理由でございますけれども、当然のことながら商工債券の発行を従来どおりやって、資金確保力を落とさないというために、こういった他の債券発行銀行並みの業務の充実が必要だというのがその理由でございまして、例えば最近の例で申しますと、商中以外の五行で既にやっております国債割引債口座というものは、まずお客様が新発の長期国債を買う。そうすると、その利子が毎年つきます。その利子で割引債を自動的に購入してもらって、全体として効率的な高利回り商品になるというものでございます。  もう一つ、債券総合口座は、先ほど申し上げたようなものでございますが、こういったサービスができませんと、やはりサービスが充実していて金利の高い方へお客様は流れてしまうということで、商工債券の売れ行きに不安が生じます。そういったことをなくしていきたいというのが趣旨でございます。  最後に御指摘のありました、今回の改正は、そういう意味では後追いではないか、そういうことでいいのかという御批判かと思います。  確かに岡債割引債口座が発売されましたのは五十八年十月でございます。それから債券総合口座がこの一月でございまして、おくれていることは否定できないわけでございますけれども、先ほど来御説明を申し上げましたように、前回の改正以来、金融自由化の行方などを見定めまして、あるいは銀行法の改正等の結果を見まして、機会を見て検討してきたわけでございます。金融自由化につきましてある程度の見通しがつく段階に今なったわけでございまして、かつ若干今の二点の例で申しますと、おくれていることは否定できませんけれども、まだ商工中金の資金調達という面からすれば、出おくれということはないこの時期を選びまして改正をお願いしているという次第でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、証券業務についてお尋ねをしたいと思いますけれども、商工中金は国債等の窓販、ディーリングを行うことになりますけれども、その必要性は何であるのか。また、従来の商工中金の商品との組み合わせによる新規の商品の開発としてはどういうものがあるのか、メリットは何であるのか、お答えいただきたいと思います。また、国債等のディーリングのノーハウはあるのか、重ねてお尋ねをしたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 国債等の窓販ディーリングを行います理由、必要性は二つございますが、まず第一は、スーパーなどでワン・ストップ・ショッピングということがございますけれども、金融商品の場合にも、いろいろなタイプの金融商品がある金融機関の店頭で、いろいろな金融商品を一度に買えれば便利であるという時代になってきております。商工中金の窓口へ行きますと、例えば商中債は買えるけれども国債は買えない、隣の別の銀行へ行きますと、利付債も買えるし国債も一緒に買える、そういうことでございますと、やはり便利な方にお客は行きます。そういうことではイコールフッティングの競争ができませんので、そこで重要な金融商品になってまいりました国債を店頭に並べることができるようにして、お客様が来てくれるようにする、これが一つでございます。  もう一つは、先ほど触れさせていただきましたけれども、商工中金の債券と国債を和組み合わせた新商品を扱っていきたい。具体的には国債を買っていただいたお客様にはその利子でワリショー、割引商工債券を買っていただいて総合的な運用をしていただく、こういうのがねらいでございます。それが先ほどお尋ねの必要性及び例えばどんな商品ができるかということでございます。  ディーリングのノーハウにつきましては、商工債券というものを扱ってきたという実績そのものも国債の窓販ディーリングを支えるための重要な経験を積んできたと思いますが、既に余裕金の運用といたしまして、商工中金は相当多額の国債を従来から扱っております。したがいまして、そういう経験を踏まえまして窓販ディーリングについての能力は既に備えているものと考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今回の改正によりまして、中小企業を主体として設立されました共同出資会社、また第三セクター等への貸し付けが行われることになるわけでございますけれども、その場合、中小企業が主体としてということは、主体としてでなければ一部大企業が参加するものかどうか、そういう参加するようなことがあっても認めるということになるかどうかという、この点が第一でございます。  第二点は、大企業が入っても主体とならないというのは現実的に難しいのではないかと思いますけれども、この点はどうでございましょうか。それから共同出資会社、第三セクターなどから既に貸し付けについての打診があるのかどうか、あればどういうところからどういうことについての貸し付の問い合わせが来ているのか、お答えいただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 法律の二十八条ノ四、一項で、「中小規模ノ事業者ヲ其ノ主タル構成員トシ且其ノ構成員タル中小規模ノ事業者ノ貿易ノ振興又ハ事業ノ合理化ヲ図り其ノ共通ノ利益ヲ増進スル為必要ナル施設ヲ行フ法人」、これはお尋ねの共同出資会社、これを指しておっしゃっているものと思いますが、既に御承知のように、この共同出資会社は新しい中小企業の組織形態として中小企業基本法十三条で言う中小企業の共同化の一環として政策的な意義が認められるものとして考えているわけでございますが、一方、商工中金の貸し出し対象の中には大企業が法律上入り得ることになっております。出資資格団体等には大企業が加盟することが法律上できることになっております。  そこで、中小企業が主体であって、一部大企業が入ってくるという場合に、それは中小企業がそういった大企業の参加を認めることにメリットを感じているのではなかろうか。そういう場合に、一概に大企業を排除することはむしろ中小企業にとって得策ではないのではないかということでございまして、あくまでこれは、中小企業が無理やり大企業に入り込まれるということはあり得ないはずでございますから、どうぞということでそういう共同出資会社をつくるのであれば、個別にもちろんその主体性の確保の担保は必要でございますけれども、対象にしていいのではないかというのがその趣旨でございまして、具体的にそれではどういう場合に自主性が担保されるかということについてはある程度の基準を設けまして、例えばそのメンバー構成、出資構成等につきまして政令で基準を定めることによって自主性は担保されていくものと考えております。  次に、具体的にどんな話が商中に来ているのかということでございます。私どもの方が承知しているところで申しますと、商中の調査によりますと、全国で今回の制度改正が成立した場合に対象となり得る共同出資会社は約百社程度既にあるのではないかと、こう見ております。具体的には共同販売とか共同仕入れとか共同検査、共同運送、いろいろございます。例えば中小企業の定義からは外れたもう少し大きな企業も入り、それから中小企業も入って、地下街を総合的に管理運営する共同出資会社をつくっているケースなどが典型的な例の一つでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、余裕金の運用についてお尋ねしたいと思いますけれども、この余裕金の運用については、金銭信託への運用が新たに行われるようになるわけなんですけれども、これまで控えていられた理由は何であるのか、また今回運用することになった理由は何なのか、そこらあたりお答えいただきたいと思いますし、また今後ともこの余裕金の運用については前向きに考えていくべきだと思いますけれども、この点どうお考えになっているのかあわせてお答えいただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 御指摘のとおり、今度の改正で、金銭信託を余裕金の運用対象に追加いたしたいということにしておりますが、従来余裕金の運用につきましては、できるだけ有効に運用されて全体の資金効率を高めることが望ましいと考えられておりました。それから、そういった考えのもとで、従来は一方安全性等も考えまして、統合的配慮のもとに同債その他の優良な有価証券、金融機関への預け金、貸付信託あるいは金融機関に対する短期貸し付け等が列挙されていたわけでございます。  今回、この余裕金の運用の規定を全面的に見直しをいたしまして、ある程度大きな規模になってきました余裕金、それから金融取引の実態等を踏まえまして、この従来の余裕金の運用対象のうちの一部は、従たる業務ということで独立といいますか、昇格させるといいますか、積極的な意義づけを与えたわけでございます。その検討の一環としまして、金銭信託につきましてもこの時点で検討してみまするに、安全性、有利性、流動性等から見て、今この時点で余裕金の運用先として適当であろうと思われたものでございますから、これを余裕金運用対象に追加をしたいということでございます。そういう考え方で先を考えてみますと、先生御指摘のとおり、今後とも余裕金についてはその有効活用を図るという方向で対処していくべきものと考えます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 午前中の同僚の質問の中で、理事長から、商工中金は半官半民の組織金融機関として、今後ともその原点を忘れずに頑張っていくというお答えがありましたけれども、そのときに理事長は、精神は官の立場で、そして体は民間の立場でと、ュニークな特色があるこれを、何とかバランスをとってやっていくという、こういう御答弁をされました。同僚委員は時間もなかったものですから、それ以上お尋ねにならなかったかと思いますけれども、私はまことに、精神面は官の立場で、体は民間の立場でという、これは理論的にはわかるわけなんですが、実務ではどういう面にこれがどうあらわれるのかお尋ねをしたいと思うわけなんです。  と言うのは、なぜかと言えば、この際中小企業の組織化に力を注ぎたいとしていらっしゃるわけなんですね。中小企業を組織化しようとする目的は何なのか。やはりそういう組織化をする場合に、これは非常に大事なことになってくるわけなんです。そういうことで、現在の中小企業の組織化はどの程度進んでいるのか、また今後の組織化の方向をどのように考えていらっしゃるのか、そこらあたりをあわせてお答えをいただけたらと思うんですけれども、よろしくお願いいたします。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 先ほど申し上げました半官半民という私どもに課せられました特殊な役目でございます。官は通産省、中小企業庁のいろいろな政策、中小企業政策の根本でございます中小企業組織化というものを、金融面から御支援申し上げるという大きな役割を持っております。ただ、この仕事はなかなか率直に申し上げましてコストがかかる問題でございます。小口多数の融資でございますし、あるいは相互組織でございますから、全国に店舗を展開するというようなお金のかかる問題でございますから、これを補強する意味において政府のお金をちょうだいしているということであります。  仕事の内容といたしましては、中小企業政策にいろいろとございます不況対策、災害対策、あるいは構造改善対策等々につきまして、私ども通産省の御指示に従ってお仕事を申し上げている。しかし他方、九〇%以上のお金をもって民間金融機関と競争をするという立場でございます。そういった意味におきまして、民間企業の効率性、合理性、そういったものを追求しなければならない。官の政策性と民の効率性というものは、言うべくしてなかなか難しいわけでございますから、先ほど申し上げましたような、ああいう言い方を申し上げた次第でありますが、具体的には国の政策を忠実に守り、かつ民間企業と同じように、出資者である中小企業の皆様の負託にこたえまして、民間企業としての弾力的な経営をすると、その二つを申し上げた次第であります。

遠山仁人中小企業庁指導部長

○説明員(遠山仁人君) 中小企業の組織化のことについてのお尋ねでございます。  まず組織化の目的でございますけれども、申し上げるまでもございませんが、中小企業は大企業に比べまして経済的、社会的に見まして不利な立場にあるわけでございます。最近の状況を見ますと、中小企業を取り巻く経済社会環境は非常に激しく変化をしているわけでございます。安定経済成長の定着あるいは国民ニーズの多様化、高度化、それから技術革新の進展とか情報化の進展、そういった激しい状況変化が起こっているわけでございます。  こういう中で、中小企業がそういう環境変化に適応いたしまして、持ち前の旺盛なバイタリティーを発揮していく、あるいは効率的な活動を進めていく、こういうことが必要になっているわけでございまして、そういった新たな活路を切り開いていくことが要請されている、こういうことだと思います。個々の中小企業がそういう中で対応していくというのはなかなか難しい面がございますので、そういった個々の努力を幾つかの中小企業が集まることによりまして力を結集し、あるいは相互扶助の精神に基づきまして共同して事業を行っていく、こういうことが非常に重要になってきていると、こういうふうに思うわけでございます。  そういうことで、共同化、集団化ということで組織化の成果が上がりつつあると、こう思うわけでございますけれども、組織化の現状を見てみますと、私どもで把握しております中小企業の組合の数は、五十九年三月末現在でございますけれども、五万九百三十組合ほどございます。事業協同組合が約四万一千ほどございまして、そのほかに事業協同小組合、火災共済協同組合、それから信用協同組合、企業組合、商工組合、協業組合、商店街振興組合、それからそういった組合連合会がございます。それ全部で先ほど申しました五万九百三十組合あるわけでございます。  中小企業が全体としてこういう組合にどの程度参画しているかということは、なかなか正確には把握できない問題でございますけれども、少し前にやりました調査によりますと、製造業では事業協同組合で二九・五%、商工組合で九・九%と、こういうふうな調査結果もあるわけでございまして、それから別の調査ですけれども、卸売業では事業協同組合で二七・一%、商工組合で二三・三%、それから小売業につきましては、事業協同組合で一九%、商工組合で二九・四%と、こういうふうな組合に参画しているという調査がございます。こういった結果を見ますと、中小企業のうち大体半数近くがこういった組合に参加しているのではないかと、こういうふうに私どもは見ております。  それから今後の組織化の方向でございますけれども、先ほど申しましたような厳しい環境変化の中で、中小企業が自助努力によりまして積極的に新しい生き方を切り開いていくということが期待されるわけでございまして、組織化を進めていく上で非常に重要でございます。  どういう方向で組織化を進めるかということでございますけれども、大きな流れといたしましては、従来こういった中小企業の組合の設立の目的が、規模のメリット、あるいは共同事業——共同生産とか共同加工、あるいは施設の共同整備、共同で整備すると、どちらかといいますとそういう施設面、ハード面の共同事業が中心だったんではないか、こう思うわけでございますが、最近の動きといたしましては、そういうものに加えまして、市場開拓とか販売促進、あるいは新商品の開発といったソフトな経営資源面の共同化の動きというものがあるわけでございます。そういった働きをとらえまして、そういう方向で各種の施策を講じまして、組織化の推進に一層努力を傾けていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいまの、今後の組織化はどうしても必要である、中小企業が効率的な活動をやっていくにはやはりまとまって対応していかなくちゃならないという、こういうことに対して私も理解をいたします。  そこで、この商工中金の所属団体になるかどうかは、それぞれの団体の自主的、主体的判断であることは当然でありますけれども、あえて商工中金に所属をしないところからはどういう声が出されているのか、また所属しない理由はどういうところにあるのか、ここらあたりお聞かせいただきたいと思いますし、また未所属の中小企業団体のアプローチなりPRはどのように行っていらっしゃるのか。商工中金としての取り組みについて、これに理事長の方からお答えいただけたらと思います。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) ただいま商工中金の所属団体は、組合のほぼ五割ちょっとの数字でございます。正確には二万七千四百組合、五三・六%の組織率でございます。したがいまして、それ以外のものが未所属でございますが、まず理由というものを、私どもかつてアンケートを調査等で調べました結果によりますと、その過半が組合として金融事業を行っていない。法律的にできないか、もしくはできるけれども組合の方針としておらない、あるいは当面、組合並びに構成員の方々の資金需要がないというのが半数以上を占めておりました。なお、そのほかに理由として、遠隔地にございまして、私どもの支店からはすごく離れておるから商工中金には入るまでもないというような組合も相当あったように承知いたしております。  したがいまして、御質問の未所属組合からの私どもに対する注文というものは必ずしも定かでございません。しかしながら、私どもは総合金融機関といたしまして、単にお金をお貸しするだけの機関ではございません。中小企業の皆様にいろんな情報を伝達するとか、あるいは預金、債券御購入をお願いするとか、いろんなことで、お金をお貸しする以外にいろんな関係がございます。そういったことでただいま勧誘もいたしまして、商工中金を認識されてお入りいただく組合も多うございます。  御質問の、私ども未所属組合に対するアプローチの仕方でございますが、五十八年から私ども本部に組織開発部という新しい部を設置いたしまして、各営業店と一体となりまして、組合の活性化あるいは未所属団体の加入促進等努力をいたしておる次第であります。特にお仲間であります中小企業団体中央会と密接な連携をとりまして、相互に会員紹介等の仕事をいたしておりまして、美を上げておる次第であります。その結果、新規加入団体がこのところ急増いたしておりまして、五十九年度は合計千百十五組合で、五十八年度に比べまして倍以上に新しい団体が御加入をいただいたわけでございます。  以上でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 午前中、同僚委員から資本金の問題でもお尋ねがございました。そのときに資本の比率は一〇〇対四三の比率である、こういう御答弁がなされておりましたけれども、現在の資本金の内訳を見てみますと、一千八百十三億円のうち政府出資は七〇%の千二百六十九億円、残りの三〇%五百四十四億円が組合出資となっております、御承知のとおりだと思いますが。中小企業にとりましては、一貫して御答弁されておりますとおりに、自分たちの金融機関であるとして、そのように自負していらっしゃる商工中金であるわけでございますから、それならば組合出資の比率が高い方がよいのではないかと思われる一面もあるわけでございます。  一方中小企業の組織化の促進、また中小企業の強化育成という、こういうような観点に立ってみますれば、逆に政府出資の意義はまことに大きいものがあるのではないかと思うわけでございます。殊に、商工中金が求められておる役割からは、店舗を全国的に展開するなど、商工中金の財政上の負担を考えるならば、むしろ政府出資の実を引き上げるべきだと私は思うのでありますけれども、このことは前回の法改正においても指摘したところでございます。  そこで、国の財政悪化の中での今後の政府の出資のあり方についてどう考えていらっしゃるのか。なお、この機会に経営の近代化、合理化などについてどのように取り組んでいくのか、特に御承知のとおりに時代の流れとともにOA化の推進、従業員数の削減などについてお伺いをしたいと思います。また、今後の経営努力として取り組むべき課題は何であるのか、商工中金の経営のあり方、あるいは基本方針についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。  時間も、私の制限時間が来ておりますし、質問の内容が多くて、簡単にといっちゃ申しわけございませんですけれども、要領よくお答えいただきたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 商工中金の政府出資をふやせという御指摘でございます。  御指摘のように、商工中金に対する政府出資の意義と申しますか、これはあくまでも御指摘のような組織強化を通じました中小企業の育成強化ということであることは、先生御指摘のとおりでございまして、そういった組織金融の中核機関としての商工中金の意義に着目いたしまして、政府の支援を行っておるわけでございますが、一方で、やはり全国に店舗網を整備し、かつ小口の貸し付けを行うという意味において興・長銀等、他の債券発行銀行よりもはるかに高いコストが生ずるわけでございます。そういう意味において、そういった商工中金の経営基盤強化という観点から、政府出資の必要性は非常に強いものだと思っておりますが、あわせて今後の商工中金の経営の努力の進展及び中小企業の出資負担能力、こういった点を勘案しながら、適正な政府出資を行うべく努力をしてまいりたいと思います。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 御指摘のように、大変厳しい時代でございますから、私どもできるだけ経営のあらゆる面で近代化、合理化を図っております。  具体的には既に第一次、第二次オンラインをいたしておりますが、さらに本年四月からはパソコンを中心にするファームバンキングもいたしておりますし、今後とも高度情報化社会時代に備えまして、電算対応を進めてまいる所存でございます。それに伴いまして極力省力化等についても相努めたいと思っております。こういった合理化、近代化のほかに、さらに法改正を磯に多様化する中小企業の金融ニーズにつきましても万全の対策を立てたいと、かように考える次第であります。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、役員の任期についてお尋ねをしたいと思いますが、今回四年から二年にされるようになっておりますけれども、その意義はどういうところにあるのか、腰を据えた業務への精励という点でどう考えるのか、伺いたいと思いますし、特に他の政府関係機関と異なりまして、役員の職務内容は多岐にわたっていると聞いておりますけれども、この点はどうであるのか。  また役員の任命制についてお尋ねいたしますが、現在は定款によりますと、副理事長制が法制化されますけれども、その理由は何なのか。また一方で、他の役員が主務大臣任命から主務大臣認可、理事長任命に変更された。扱いに差が生じるのではないかというような見方もされておりますけれども、その理由についてもお尋ねしたいと思います。  それとあわせて、役員の数についてもお尋ねしたいと思いますが、商工中金と同程度の都市銀行、例えば御承知のとおりに、協和銀行、大和銀行、埼玉銀行クラスではないかと思いますけれども、そこでは役員は二十数名おります。しかも今回の法改正では業務が拡充されるようになりますけれども、十一名で十分であるのかどうか、ここらあわせてお答えいただきたいと思うのでございます。  時間もありませんから、そういう立場から最後に、この組織化をやっていきたいという理事長のお話がございました。組織というものは人によってつくられ、人によって運営され、人によって有終の美を飾ると言われますし、また人は石垣、人は城と、こういうようなことに言われますとおりに、この商工中金の運営のかなめにあります理事長のお立場は大変じゃないかと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。  また大臣からは、商工中金を監督指導する立場にありまして、そういう立場から中小企業政策などの推進についての決意をあわせてお答えいただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 事務的な点をまずお答えいたします。  役員の任期等たくさんお尋ねがございますが、相互に関連しますので、まとめてお答えをさせていただきます。  任期を四年から二年にいたしますのは、これは臨調答申を受けまして、特殊法人の活性化方策の一貫としまして、各省共通にそろえていこうという方針に従ったものでございまして、既に幾つか国会でそういう改正が行われたケースがございますし、今国会では輸開銀について同じく四年、二年の提案が行われております。  それから、業務の精励という点で問題ではないかということでございますけれども、これは一方におきまして業績評価を二年単位で行うことによって、業績を上げるための、精励のための刺激になる面もございまして、その点、それらを総合してこういう方針を政府として決めているものと理解をしております。  再任の問題ございますけれども、たとえ同じ四年やりましても、初めから四年というのと、二年プラス二年というのでは差があるということが、そういう方針になっているものと理解しております。  それから、任命制の変更でございます。従来と変えまして、副理事長及び理事は理事長の任命ということになりましたんですが、これも最近の立法例を見ますと、理事長、副理事長、すべての理事について大臣任命というものはほとんどなくなってきておりまして、新しい立法例にこの際そろえて、いわば機関の自主性を尊重する形に移行する趣旨でございます。  それから、他の金融機関と比べまして少ないという点は、数字を比較いたしますと、先生御指摘のとおり相当の開きがございます。そこはそのとおりでございますけれども、こういう財政再建過程の折から、いろいろ厳しい状況のもとにございますので、私どもといたしましては、商工中金の役員の方の御奮闘を期待しまして、これで何とか支障なくやっていただけるものと信じております。将来の問題といたしましては、当然のことながら事務量の拡大とか、その複雑性とか、今後考えていくべき問題だと思っております。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) ただいま部長からお話ございました役員の点でありますが、半官半民の私どもの性格からして、率直に申し上げて役員は非常に少ないわけでございます。しかし、私どもも政府系金融機関の立場から、臨調の精神を尊重いたしまして、極力役員の職務責任を一層明確にして全員頑張っていきたいと考えております。  このために、今回副理事長が法制化されるわけでございますが、その機会に、私ども専務理事制度につきましても定款上明記するように、主務庁にただいまお願いをいたしておる次第であります。  先生御指摘の石垣の問題でございますが、まさにお話のとおり、組織は人によってつくられるわけでございます。厳しい新しい時代を乗り切っていくために、私どもこの法律改正の期に、七千人の職員全員力を結集して新しい業務に邁進をしたいと思います。私は金融革新の時代だからこそ、商工中金の創業の原点に返りたいと考えておるわけでございますが、その原点は中小企業の組織化あるいは中小企業の皆さんの相互扶助の精神を基盤にした共同施設の使命でございます。  お取引先の皆様は、私どもが単にお金をお貸しする相手先ではなくて、私ども商工中金のお仲間でございます。身内でございます。私ども職員七千人の団結のほかに、このお取引先である、お仲間である中小企業の皆様、二万七千の組合、十一万人のお取引先、あるいはさらには百数十万の私どもと関係の皆様と一体になってこそ、商工中金の使命が達成できるものと、かように考えております。まさに先生のおっしゃる、組織は人であるということを拳々服膺いたしまして、新しい時代に邁進したいと考えております。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 最初に、田代委員からこの今回の法改正の目的についてお問い合わせがありまして、それにお答えしたところでございますが、まさに現在は変革の時代でございます。大きく中小企業にも金融の自由化あるいは技術革新、情報化の波等が押し寄せておるわけでございまして、そういった中にあって、商工中金は政府系中小企業金融三機関の中の一つでございますが、主として中小企業によって構成される組合等の出資により設立された組合の共同施設とも言うべき重要な金融機関でございます。したがって、これら所属団体たる組合などのさまざまな金融サービスに対するニーズに、適時適確にこたえることがその主な役割であるということから、今後ともこのような機能を十分発揮することができるよう指導してまいりたいと思います。  ただいま佐々木理事長からも決意の表明があったわけでございますが、通産省といたしましても、商工中金に対応いたしまして、最初申し上げましたように、変革の時代に対応し得る創意と活力のある中小企業の育成を図るように、六十年度におきましても、予算、税制、財投等の面で所要の措置を推進することとしておりまして、中小企業施策の一層の充実に努めてまいる所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 佐々木理事長、お帰りになって結構です。  私、きょう風邪引いておりまして、大臣、長官にはお聞き苦しいかと思いますけれども、法案に即して以下質問いたします。  最初初に、政府系の中小企業金融機関のあり方、その将来に関してでありますけれども、今審議している商工中金について、臨調の第四部会の一九八二年五月十七日の報告では、政策金融機関の見直し対象にこれを上げております。政府は、もしやっておられるならば、どういう見直しを進めておられるのか、まずお伺いしたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のように、臨調におきまして、商工組合中央金庫の存在意義、将来の機能、こういった諸点につきまして幅広い観点から討議が行われました。しかしながら、数次にわたります答申におきまして、商工組合中央金庫につきましては個別の指摘は行われなかったわけでございます。これを我々は、多くの政府関係金融機関につきまして、個々にいろいろ臨調から御指摘がございましたが、今申し上げましたような商工組合中央金庫の場合には、その実績が高く評価されたり、あるいは将来の組織金融機関としての意義づけについて御理解を賜った上で、そういうような個別指摘がなされなかったのではないかというふうに理解しておるところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 見直し対象には上げていませんでしたか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 第四部会で当然討議の対象でございました。討議の対象でございましたが、具体的に商工組合中央金庫につきまして、今後臨調としてどうなすべきだという指摘はございませんでした。

市川正一日本共産党

○市川正一君 あえて私が、それをこういう形でお伺いするのは、今回の改正の内容を見ますと、資金調達の大宗を占めるといいますか、大部分を占めている商工債券のその販売力を維持するためということで、債券総合口座、国債割引債口座等々の金融商品を提供するとか、あるいはまた越長側資金の貸し付けとか、あるいは員外貸し出しの拡大とか、言うてみると民間銀行並みの業務をすることになっております。私は、本来政策金融機関である商工中金を民間金融機関に変えていくと いうような意図と申しますか、政策的立場というものがありはしないかといる懸念をあえて持つんでありますが、そういう点はただいまの第一問との関係などから見て全く杞憂にすぎない、こうおっしゃっていただくならばそれでいいわけですが、どうでございましょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) そのとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 非常にきっぱりしたお答えをいただいてまことに幸いでありますが、では引き続いてお伺いしますが、農林中金というのがございます。これは御承知のように一九七三年、昭和四十八年に法改正がありました。そうして農林中金は、余裕金で政府出資金を自主的に政府に返還して、政策金融機関としての性格を変えたと言っていい経過があるわけですね。私、政府間とのやりとりの中で、そう言って過言でないという肯定的認識を得ているわけでありますが、商工中金も、政府出資金を自主的に返還させるというような行政指導で、政策金融機関としての性格を変えるようなことは、先ほどの御答弁からいって、よもやないと思うんでありますが、この点も念のために伺います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 市川先生御承知のように、商工組合中央金庫と農林中央金庫は基本的にその周辺の状況は全く違います。農林中央金庫は、むしろあり余る資金をいかに今後自由に活用し、農民のための集まった金を有効活用していくべきかという観点から恒久化されたわけでございまして、その恒久化の段階におきまして、いろいろな政策金融機関としての制約を脱皮しようという面が強かったんではないかというふうに考えます。  ただ私は、商工組合中央金庫につきましては、中小企業金融を組織を通じて補完していくという基本的な立場がございます。先ほど来申し上げております金融自由化の中での中小企業の立場ということを考えますと、これまでのように組織金融の中核機関としての商工組合中央金庫の必要性というのは従前と変わらず、あるいはそれ以上に強くなってくるんではないかというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 もう一つ伺いますが、中小企業政策金融機関である中小企業金融公庫、そうして中小企業信用保険公庫及び、これは通産省の所管ではございませんけれども、国民金融公庫などがありますが、これらも臨調答申の言うならばターゲットといいますか、対象に相なっておるんでありますが、これらについても政策金融機関として発展さしていくんだ、これが政府の基本的見地だというふうにお答えいただくということでよろしゅうございますか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 基本的には御指摘のとおりかと思います。  臨調でそれぞれの機関につきましての指摘の中心は、「収支相償を基本として、貸出利率の見直しと融資の重点化を行うことにより、利子補給等財政支出を抑制する。」ということが基本にございます。これは基本的に中小企業のかかる政府関係金融機関の役割を否定するものではございません。むしろその役割を認定した上で、その運営についての注文かと私ども理解いたしておるわけでございまして、先ほど来申し上げました金融自由化によりまして中小企業が置かれてまいります不利性といいますか、そういったものを考えますと、今後ともその不利を補完する政府関係金融機関の役割というのは極めて重要である、そこを否定するものではないというふうに私ども理解いたしております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 では、別の角度からお伺いしたいのでありますが、商工中金の総資金量に占める政府資金の割合、これが政府の資料を拝見しても、ずっと一貫して減っているというふうに思うのですが、いかがでしょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のとおりでございます。例えば切りのいい時点で申し上げれば、昭和四十年度政府資金依存度一九・五%、昭和五十年度一七・二%でございます。それに対しまして、五十九年十二月末で申し上げれば七・二%ということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 確かに今おっしゃったように、節々でとるとそういうことですし、この十年余り見ましてもずっと減少の一路をたどっているわけですね。  そこで私伺いたいのは、なぜこういう比率が年々減っているのかという問題なんです。その点は政府としてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 一つの節は、五十年代前と後、あるいは高度成長期とその後というふうに考えてよろしいかと思いますが、五十年代以前におきましては、高度成長のもとで中小企業の資金需要が急速に高まっていったわけでございます。それに反しまして、商工債券の市中消化ということが極めて困難でございます。そういった中小企業の資金ニーズを満たすために、財政資金を投入する必要が非常に高かったわけでございます。  一方、五十年代以降を考えてみますと、日本経済全体が安定成長に移行した関係から、中小企業の資金ニーズというのも安定的に推移いたしておりますが、あわせまして、個人の金融資産といいますか、その蓄積も進んでまいりまして、商工債券の民間消化も順調に進んできておるわけでございます。そういったいわば中小企業の金融を取り巻く環境が大きく変わりました関係で、従来基本として融資財源を財投で補てんするという必要性がどんどん消えていっておるというのが実態かと思います。  むしろ私は官の信用といいますか、資本金をバックといたしまして、商工債券を市中で消化をしていくという点を大いに評価すべきではなかろうかと思う次第でございますが、反面こういった業務量の拡大に対しまして、経営基盤の強化の必要性というのが一層高まってまいっております。したがいまして、従前でございますと、政府出資金の額は毎年非常に少なかったわけでございますが、ここ三年に至り、毎年百億円ずつ出資をいたしまして、その経営基盤の強化に努めておるということで、商工中金の融資財源及び経営基盤強化という観点から、全体的な政府資金の割合及びその政府資金の中で財投と政府出資の組み合わせの違いというものが出てきたものと理解しております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 物は言いようとか見ようとかありますけれども、今のはちょっと政府側にとって都合がよ過ぎる言い方、見方だと思うのですね。というのは、結局今も市中消化のことをおっしゃいましたけれども、私は資金需要というのは中小企業やはりずっと年々減りはしていないと思うのですよ。むしろふえている。にもかかわらず、それにふさわしい出資を政府の側がしていない。結局商工中金の側が債券を発行して市中から調達してきたと。それはそれだけおまえ活力が出てきたんやと、そういう言い方で褒めてやったところで、それはあなた、助けてやったことにはならぬと思うんですね。私は、政府の出資も、中小企業金融を積極的に推進するというよりも、商工中金が資金調達をする際に、証券の発行限度の枠が資本金及び資本準備金の何倍というふうに決められておりますね、現在三十倍でありますが。それに必要な分、簡単に言えば必要額の三十分の一の出資をふやせばよいという、そういう立場を貫いてこられたと、非常に短絡的に言いますとね。だから私は、そういう経過から見ても、年々やっぱりずっと比率が下がってきているという面から、先ほど来長官がお答えなすった中小企業政策金融機関としての商工中金を重視するということであるならば、将来に向かって出資はふやすことはあっても減らさない、政府が債券を引き受ける額はふやす方向に向かって努力するということをひとつこの際お答え願いたいんであります。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 商工組合中央金庫の置かれます環境に的確に対応いたしまして、財政資金、その中での財投引き受け及び政府出資、これの適正な構成を考えて十分手当てをしてまいりたいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 額は若干ふえているけれども率がダウンしているというこの関係がありますので、今の長官のお答えを今後見守っていきたいと思うんです。  もう一つは、今度は金利の問題なんです。利用者の間から商工中金の金利が高いという声があるんです 平均金利について、長期資金と短期資金に分けて、都市銀行、地方銀行とこの商工中金とを比較した数字をお教え願いたいんです。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 約定平均金利で申し上げますと、まず短期の方は、商工中金が五十九年十二月でございますが、六・二五七%でございます。これを比較すべき民間の方を申し上げますと、都銀は五・七〇四、地銀は六・〇四七、相銀が六・四七八、信用金庫が六・九九七でございますから、短期につきましてはこのまま比較いたしますと、商中は都銀、地銀より高く、相銀、信金より安いという数字になっております。  次に長期の方でございますが、商工中金は八・一一七%でございまして、これを長期の比較の場合には、都銀、地銀等は実は本当の意味の長期はそうないわけでございます。本当の意味の長期は長信銀と比べなければならないわけでございますが、長信銀は八・一一六でございまして、長期については大体同じぐらいの数字になっております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 長期については、若干コメントがあって数字が怪しげになっておりますが、要するに低いことはないということははっきりしてまんのや。そうでっしゃろ。だから要するに高いんですよ。  大臣、あなた笑うてたらあきまへんがな、大事な問題ですから。だから、商工中金の金利が何で高いのか。それは私はやっぱり貸し付けの原資が高い利子を払わなければならない商工債券に依存しておるからやと、こう言わざるを得ぬのですわ。  それで、言いたいのは、低利の融資を求める中小企業の要求にこたえるためには、もっと政府出資をふやして、コストの安い資金を提供する必要がある。ずうっと落ち込んでいく、減っていくというんじゃなしに、私はこの要求に積極的にこたえるべきではないかと、こう思うんですが、大臣どうですか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 先生御承知のことと思いますけれども、ある程度短期なんかは高いわけです。そこの事情をあえて申し上げさせていただきますと、御指摘のとおり、必要資金のうちで債券で調達しているものが七〇%、預金で調達しているものが一九・五%その他一〇%ほどでございますので、こういった、資金調達構造が基本にあるということは、この構造上やむを得ないことでございます。  ただ、金利問題についてしばしば私どもも中小企業者の声を耳にいたしますので、常に意識を持っておりますけれども、あわせて金利問題を考えるときに御検討いただきたいことは、商工中金の場合につきましては、まず金利の振幅と申しますか、ぶれでございますね、標準、中心になる金利がまずありまして、それに対して一般の民間銀行ですと、上得意については相当サービスをして安く、そうでないところは高く、それで平均に真ん中の数字が出てくるわけでございますが、その高いところと安いところの幅、ぶれ、これが商工中金の場合には民間に比べてかなり小さくなっておりまして、皆さんに、できるだけ等しい条件に近いものでサービスを提供しているという特質が一つあります。  それから第二に、金利以外の融資条件につきましては、例えば担保の問題とかについて、民間に比べればできるだけの努力をしているということがございますし、それから特に三番目に、金融の逼迫期になりましたときにはまず民間の大きな銀行から回収にかかってまいります。貸出残高の伸び率というのが、引き締め期にはまず大きな銀行から落ち込んでいきまして、それと入れかわりに政府系の金融機関の伸び率が上がっていくと、クロスするというのが従来のパターンでございますので、こういった金融という商品の質も勘案して、金利の問題をお考えいただければ大変ありがたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 わしはそういうことを聞いているんじゃなしに、やっぱりあなた、その構造上の問題と言うのやったら、いわばコストの安い資金をもっとふやせば金利も安くなるというのが、一番単純な構造のプリンシプルな話やおまへんか。 それで政府資金ふやしなはれというて言うているのやけれども、それはあきまへんのか、どっちやねん。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 言葉が舌足らずで申しわけありませんが、そういう構造を踏まえた上で、できるだけの努力をするというのが私どものもちろん姿勢でございまして、何か一つ妙案、妙手があって、これをやれば下がるというのは、もちろん巨額の出資をすれば別でございますが、現実問題としてはなかなか難しいものですから……。  かつて五十六年の改正時にも当委員会でも御議論がございましたように、いろいろな手段がございます。一つには政府出資、民間出資もそうでございますが、コストゼロの出資のウエートが高まれば全体としての資金コストは下がります。これは一つの方向でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 それ努力するの。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) それは今長官が申し上げましたように、諸般の情勢も考えまして、できるだけの適正な姿を追求したいと思いますが、これが一つでございまして、いま一つは、従来からも御議論ございますように、債券の中でも利付債と割引債の比率の問題がございまして、割引債の方が安いわけでございますから、これの比率を上げる努力をしたらどうかという御議論がかねてございます。これにつきましては、五十六年から政府が引き受けます債券の中の割債の比率は若干今上がっている状況でございます。  そのほか、コストの削減の努力も当然でございますし、今度改正でお認めいただきます預金、これについてできるだけいいお金を集めていくという総合的な努力をしていくように商中を指導していきたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 わかった。要するにその政府出資の方も馬力出すということですな。そうでしょう。それもその一つとしてやるというわけでしょう。そうや言うてもろたらいいんだ。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) そのとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 それで、この際、私この商工中金の性格について、今のこととも関連するので確認しておきたいんですが、八一年の商工中金法の改正の際にも、我が党の委員が確認をいたしたところでありますが、商工中金というのは、組織金融がその目的であり、構成員貸しが組合貸しを上回るようなことがあってはならぬというふうに確認をいたしております。実態はどうなんでしょうか。  そしてまた政府系金融機関、組合金融機関として発展させることが政府の方針であるということをこの際再確認をしておきたいんですが、間違いございませんか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 構成員貸しの比率は五十九年九月末で五〇・四でございます、残高べースでございます。過去に比べますと下がってきておりますが、五〇%の線は維持されております。  それから組合、構成員貸しにつきましても、基本はあくまで組織金融でありまして、組合という形で中小企業者がまとまっていくというものを支える車の両輪という位置づけで構成員貸しも考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 確かにそういう半々ぐらいの比率で進んでいくわけでありますが、そのうち大企業に貸し付けられているのはどれぐらいになるんでしょうか。特に一部上場及びそれに準ずるような企業への貸し付けはどれぐらいでございましょうか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 五十九年三月末の数字でございますが、貸出総額六兆九千四百七十六億、約六兆九千億でございますが、その中でいわゆる大企業と申しますのは、金額で一・九%、千三百七十億。それから一部上場幾らかというお尋ねでございますが、これは〇・六%、四百二十三億円でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 前回の法改正時点と比較して、大企業への貸し付けはふえているのか減っているのか、その実態を伺いたいんであります。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 五十六年当時と比べまして若干減少しております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私がいただいている資料では、非法定中小企業がこのとき、五十六年に八千百四十四億だったのが、五十九年三月末では一兆七百三十九億ですか、少しふえているんじゃないですか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 一部上場の大企業ということで今少し減っていると申し上げたわけでございまして、先生今御指摘の数字は、法定中小企業以外のすべての企業を担保したもので、大部分は中堅企業でございまして、それのベースで申しますと、五十六年の三月末が八千百四十四億、それが御指摘のように一兆七百三十九億で、それはふえております。ただし比率は横ばいでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これを伺うのは、八一年の法改正の際にも、当時の中小企業庁の計画部長で、今機械情報産業局長でこの間もここへ来ておられた木下さんね、当時の木下計画部長が、我が党の質問に答えて、「従来からその企業が一部上場になるような大きな企業である場合には、そういう企業に対しては金を貸さないという形での運用をやっております。」と、こういうふうに明確に答弁なさっているんですね。だからこの答弁の趣旨からしても、また商工中金の趣旨からしても、大企業向け、特に一部上場、先ほどの数字によりますと約千三百七十億ですか、という融資貸し付けというのは、これは中止して、またしかるべく回収すべきが本旨ではないかと思うんですが、その点どうでしょうか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 当時の木下政府委員の申し上げましたのは、そういうおっしゃるような大企業につきましては、下請中小企業対策上やむを得ない場合等、特別の事情がある場合を除き、抑制的に取り扱うこととしております、という当時の行政の方針を踏まえて御答弁申し上げたのだと思いますが、前後の脈絡でその部分だけ、あるいはもうちょっと簡単なお答えをした部分があったのかとも思いますが、当時の政策課題では今申し上げたようなことでございました。  そこで、先生御指摘の千三百七十億でございますけれども、この中には一部上場のものは先ほど申し上げましたように四百二十三億でございまして、その他は二部上場とか、あるいは大企業と言うべきか、中堅企業と言うべきか、議論の分かれるところでございますが、そういったものも一応大に区分をして拾ったものがその数字でございます。  そこで、いずれにしましても、一部上場をするほどにまでなった企業につきましては、資金自己調達力があるのが普通だと考えまして、基本的には抑制的に扱っていく、つまり新しい取引は原則的には控える。ただし、従来一部上場どころか、中小企業の定義にぴったりはまる時代から長い取引があって育ててきた結果が一部上場のところまで来たようなものにつきましては、必ずしもすぐ切るということではなくて、原則はそれ以上追加して貸さないで、漸減していくという原則でございます。ただし、いずれにつきましても、先ほど申し上げましたように、その大企業に融資することによって下請中小企業への支払いが円滑化される場合とか、特別の事情がある場合にはケース・バイ・ケースで考えることはあり得ると、こういう態度で従来から来ております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 抑制的に行うとか控えるとか、いろいろ言われますけれども、私は木下さんのやりとり、会議録全部持ってきているわけです、決して都合のいいところだけを読み上げているわけじゃないんでね。そういう趣旨から言えば、私はやっぱりそれは中止し、そして回収すべきであるということをこの際改めて強調しておきたいと思うのです。  もう一つの問題は、今度の法改正で員外貸し付けの枠がかなり広がることになりました。例えば組合あるいは構成員が出資した海外法人あるいは貿易取引の相手である海外の法人に対する貸し付けまでできることになりますが、言うならば、日本輸出入銀行のような役割まで商工中金が果たすことになるんですか、これは少し行き過ぎというか、逸脱ということにはならぬでしょうか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 今回の改正で、中小企業のビジネスの国際化への対応で、御指摘のような規定の新設をお図りしているわけでございます。  最近、中小企業の国際的な海外での活動、国際的な活動も急速にふくらんでまいりまして、例えば商工中金の取引先で、海外現地法人を有するものは約二百社現在既にございまして、これらのものの相当のものが資金調達に苦労をしているという状況でございます。また、商社等を通さないで直接貿易をやっているものは、取引先の中で七百社ほどございます。そういうことで、急速に中小企業の国際化が進んでいる実態を踏まえまして、これらの活動が円滑にいくようにということで立案させていただいたわけでございます。格別先走りという感じは必ずしも持っておりません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 現行法では員外貸し付けというのは余裕金の中で限定された対象に対して、短期貸し付けに限って実施されるという非常に限定的なものなんですね、現行法は。  それが今回の改正では対象を広げ、長期貸し付けも可能になっている。常識的に言って海外投資というのは当然長期化せざるを得ぬと思うんです。しかも、貸し付けの資金枠については政令で決めるということになっておるわけですが、伺いたいのは当面どの程度の枠を考えているのか、比率なりで結構ですから伺いたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 非常に新しい事業分野でございますので、推定はなかなか難しいんでございますが、仮に先ほど申し上げました調査の数字に基づきまして考えますと、こんな感じでございます。  海外現地法人約二百社ほど既にあると申し上げたわけです。それから共同出資会社、先ほどお触れになりましたこれが百社ほど、これは国内の分でございますが既にございます。それから直貿をやっている輸出企業が七百社ございます。これら合計しますと約千社でございまして、千社が全部平均的な金額の七千万を借りたといたしますと、七百億円ということになりますけれども、すぐ全部のものが借りるとは思えませんので、これは当面最高上限を画する数字じゃないかと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 非常に限られた時間のやりとりなので、私も意を尽くしませんし、政府側も意を尽くした御答弁の時間が保証されてないので、まことに不満でありますけれでも、今私お伺いしている問題点を私なりに整理すると、こういうことなんです。  今七百億とおっしゃいましたが、比率で、予備的に伺っているところでは、貸出残高の二〇%程度というようにも聞いているんですが、そうしますと、八四年度末の貸出残高約七兆円ですから、その二〇%以内ということになると一兆四千億程度という枠になるわけですね。現在の員外貸し付けの実績が八百四十九億、約八百五十億ですから、そうすると、対比しますと十六倍も貸し付けができる計算になるんですね、単純計算でいきますと。一部に海外進出する人たちのそういう部分の要求というのは確かにあると思うんです。しかし、圧倒的な部分の他の大多数の中小業者に対する融資というその面からの本来の商工中金の任務は、非常にゆがんだ形になりはしないかという懸念を私がお聞きしたんですが、私が風邪で十分声が通らなかったと思うんですが、時間がなくなったんで、そういう問題の指摘を私はさしていただきたいと思います。  最後に、私、役員構成の問題を伺って質問締めくくっていきたいと思うんです。  商工中金は、中小企業の組合が出資してつくっているいわば銀行ですから、中小企業の組合が株主なんですね。ところが、商工中金の執行機関に出資者たる中小企業の組合の代表が入ってないのは、私これは問題だと思うんですが、この点は、これ大臣が任命されているんですから、大臣、どないお考えですか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 中小企業の組織のいわば共同施設的な金融機関でございまして、御指摘のように中小企業の、中小企業者の声及び中小企業組織の声を確実に反映して業務の遂行に当たるということが望まれるわけでございます。その意味におきましては、役員という御指摘でございますが、業務の執行というのは金融という専門的分野の業務を行うわけでございますので、中小企業者がこれを兼任するというのは非常に難しい面、また現実的にこれがよろしいかどうかという大きな問題があろうかと思います。  ただ、そういった、さっき申しました中小企業者及び中小企業の組織の声を反映させるということでは、総代会や、それ以外にも評議員会という機関がございまして、理事長の諮問機関としまして業務の最高方針について意見を言える立場にございます。そういった声を反映しながら、業務執行を役員がこれに当たっていくという形になってございますので、一応そういう中小企業の声あるいは意見というものを反映した運営が担保されているものというふうに私ども理解をいたしております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 よく私の質問を聞いておいてほしいんですが、役員一般じゃなしに、商工中金の執行機関にという言い方をさっきしたつもりなんですが、冒頭は役員構成の問題で聞きたいというふうに言いましたけれどもね。その執行機関に入ってないんですよ。ここに役員名簿一覧表を持っていますけれども。要するに理事長、佐々木さんお帰りになりましたけれども、副理事長、理事、ずっとメンバーごらんのとおり。  そうすると、商工中金の第二十七条の規定によって、二十人の評議員の過半数以上を中小企業の組合役員から命ずることになっています。これはそのとおりなんです。しかし、これは理事長の諮問機関なんですよ、この評議員会というのは。執行機関と違うんですわ。  それで、今総代会というのを言わはりましたけれども、この総代会には人事権はないんですよ。長官、よう知ってはって、ちゃんとそういうことを知っていて言うてはるのか、知らぬで言うてはるのか知りませんが、人事権がないんですよ。  そうすると、結局出資者の代表が執行機関に入ってないんですね。入っているのはわずかに監事に入ってはります、これは非常勤。監事というのは、これは何やというたら、それは監査みたいなものでっしゃろ。執行機関じゃないわけなんです。  私が言いたいのは、中小企業は忙しいとか、今長官もいろいろプロフェッショナルというか、専門的な仕事があるからと、こういうふうにおっしゃったけれども、やっぱりエキスパートというか、専門家に任せというふうなことじゃなしに、中小企業自身がやっぱりみずからこの運営に参画していく、責任も持つというような民主的運営をやっぱり僕は確立すべきだというふうに思うんです。  ですから、その点はどなたがどういう前歴かということは言いませんけれども、いわゆる高級官僚の天下りを減らせば、そのポストは確保できると思うんです。私は、この点ぜひ検討していただいて実現されることを要望して、質問を締めくくりたいと思いますが、この点について何か御所見があれば承ります。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 私、申し落としまして、先生の方から御指摘をいただいて申しわけございません。  監事は、これは確かに業務執行の役員ではございませんけれども、これは毎月の私どもの月例で着実に中小企業の意見を反映するという立場で、業務運営についても意見交換に参画をいたしておりますが、総会あるいは総代会におきましては、やはり定款、あるいは金利の最高限度の設定、こういったものについては総代会で決定をいたしておるわけでございまして、そういう意味において重要事項は相当程度総代会で審議し、議決できる仕組みになっておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 人事権はないでしょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) はい、その意味での人事権は、あくまで通産大臣が理事長を選任することによって、その理事長の責任において処理をしていく。その理事長は総代会の意見を反映して業務の遂行に当たるという体制で進めてまいりたいというふうに思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣、ひとつよろしく、頑張ってください。お願いします。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 市川委員のお声は大変大きいのでよく通りまして、承りました。  商工中金の役員、それから評議員、総代等の執行体制は、今、石井長官から申し上げたとおりでございまして、市川委員の御趣旨も理解ができますが、商工中金の建前はこういうことでやっておるということを御理解いただきたいと思います。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 速記を起こしてください。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 問題が限られていますので、朝からの議論で、同じことを何回も繰り返すぐらい審議が尽くされたんで、私、これ順番が後だとみんな先を越されちゃって言うことなくなっちゃうわけですね。せっかく打ち合わせして、こんなにいろいろつくってきたんです。これはもう全部やめます。それで私、この法案には賛成なんで、あとは少し思いついた点を二、三お聞きして、できるだけ私も早く終わりたいと思うんです。  まず、非常に皮肉っぽい質問をするわけですけれども、これは昭和十一年十月一日ですか、設立されて五十年たったと、それが制限を外すということなんですけれども、一度問題を原点に戻して、それで実際もう来年なら来年これを打ち切っちゃう、廃止するというふうに想定した場合に、一体どういうふぐあいが実際に出てくるだろうか。観念論じゃなくて、例えばほかの金融機関で肩がわりできないんだろうかとか、あるいはあとの政府の中小企業金融公庫だとか、国民金融公庫とか、そういったところで肩がわりできないものだろうかとか、あるいはどうしても肩がわりできない部分があれば、その部分だけまた別の簡単なちっちゃい組織をつくるとか、そういうふうな点から、ちょっともう一度見直してみるというのが、例えば商工組合中央金庫の機能を再認識する上でも非常にいいんじゃないかと思うんですが、その辺はどうでしょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 原点に戻って、思い切った形での見直しを行うべく、まず解体をすること。解体の解決策を求め、その求める方途がなければ、その必要最小限度の機能を満たす機関をつくる。こういうプロセスで物事を考えよという御指摘でございます。  私ども、実は基本的にはそういうプロセスを経てやったつもりでございます。商中の特色といいますのは、一つは中小企業者の団体により設立されました中小企業組織が相互に資金を融通し合いまして、足らざるところに資金を回すということの特性がございます。それからもう一つは、そういう組織が共同して、主たる商工組合中央金庫を通じて、言うならば中小企者だが債券を、社債を発行する、それを商工債券としてまとめて発行をする。それを原資として、全体に融資を行うというのが基本的な特性ではないかと思います。  これにかわるような仕組みというのは、今のところは、先ほど市川先生から御指摘がありました農中というのは、基本的に同様の性格のものとしてスタートいたしたわけでございますが、むしろ潤沢な原資を有効に活用する方向に向かったわけでございまして、メンバーたる中小企業への融資の中核機関としての役割としては、商工組合中央金庫は極めてユニークな組織ではないかと思うわけでございます。  そういう意味で、現に貸出先七兆五千億、それから商工債券発行残高六兆五千億ございます。そういったものが、言うならば同種機関によって引き継がれるのであれば、メンバーも含めてそこへ入ることによりまして円滑な移行ができるわけでございますが、現実にはそういった組織はございません。したがいまして貸付残高の債券移行というのは、一般の民間金融機関の合併その他によりまして往々に事例があるわけでございますが、その発行しました商工債券残高、それの所属組合及び組合員の出資、そういったものを含めて他の金融機関に移行するというのは、私は困難ではないかというふうに思うわけでございます。  そういう意味で、基本的に五十年前と中小企業を取り巻く環境は大変な違いがございます。違いはございましても、中小企業の金融の不利の補整の必要性という基本的な視点は私は変わっておらないんではないか。よりむしろ資本蓄積の貧困な時代よりも、非常に潤沢になればなるほど、その金融の自由化が進めばその格差というものは非常に大きくあらわれますので、そういった金融の不利の補完の必要性というのは基本的に残るわけでございますので、私は原点に戻って考えましても、こういった組織金融としての中小企業の中核機関としての機能またはその意義というのは従前どおり必要であるというふうに判断をいたしたわけでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 今のお話を聞いていて、設立した当時のいきさつみたいなものをちょっとお聞きしたいんですが、どうもやはり無尽会社的な発想が原点にあったんじゃないか、みんなが金を出し合ってお互いに助け合って、必要なときはそれを使って、また片一方の人が必要なときはみんなで助けるというような発想があったんじゃないかという気がするんですが、その辺は、あの時分というのは、昭和十一年ごろは無尽会社が非常にたくさんできたときですね、今の相互銀行なんかが、頼母子講の金融無尽ですね。そういう思想が設立時にあったんじゃないかという気がするんですが、その辺はどうなんでしょうね。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 商工組合中央金庫が設立されましたのは昭和十一年でございますが、この種機関の必要性につきまして、政府部内でいろいろ議論があったようでございます。これまでの実績を見ますと、昭和二年及び昭和五年にいろいろな審議会でこの種機関の必要性につきまして建言といいますか、提言がなされておるわけでございまして、こういったものを踏まえまして、昭和十一年にこの卸の商工組合中央金庫が結成されたわけでございますが、その間に、一方で無尽会社というのがあったわけでございまして、一般的な融資による無尽といいますか、そういう考え方よりも、さきに申し上げましたように、団結に官の力を補てんすることによって、例えば債券発行機能を持つということは、これはもう無尽の域を超えた話でございます。そういう意味で、やはり一般的に当時存在しておりました無尽とちょっと違った発想で、この構想が立てられたのではないかというふうに考えます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 つまらないことを一生懸命聞いているのは何かといいますと、あの時分には無尽というのが一つの大きな金融の調達機能を持っていたわけです。ところが、今現在はそういうようなものは必要ない。それから昭和二十六年にこれ相当大きな改組というか、再スタートさしておりますね。あの時代というのは、やはり終戦後で、これから中小企業としては大企業と伍してということで、金融調達上も非常に問題があった時代だと思うんです。そういうときだったからこそ商工中金の意義というのは非常に大きかったのではないか。それに比べて、もう最近はそれこそさま変わりになってしまっているということ。  それから、先日来何回も申し上げているんでしつこいようなんですけれども、中小企業という物の考え方が、やっぱり違ってきているんじゃないか。あの時分の中小企業と今の中小企業違う。だからむしろ零細企業——あの時分の中小企業というのは、どちらかといえば零細企業だったわけです。ところが、今は中小企業といっても相当立派な会社に育っている。むしろ零細企業対策ということであれば話がわかるんですけれども。  そういう点で相当時代が変わっているんじゃないか、金融環境が変わっているんじゃないかということで、あえて商工中金が果たしている役割というのはどういうことなんだろうと。今長官のお答え、けさからいろいろ各委員に対するお答えも、みなそういうふうな立場からだったんですが、少し観点を変えてみた場合に、やっぱり商工中金の本当にどうしても存在しなきゃいけないという、絶対的な必然性みたいなものは大分薄まっているんじゃないかという気がするんですが、もう一度その辺お伺いしたいんですが。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 短時間で御説明するには非常に難しい御質問でございますが、現在と昭和十一年時点、十一年時点での基本的考え方は、中小規模の事業者に対する金融の円滑化を目的としましてこの商工組合中央金庫が設立されたわけでございます。現在におきましても、中小企業の約七割が小規模事業に属するわけでございまして、非常に多数の小規模事業者を群として、その上に立つといいますか、その上に若干の中規模の事業者が全体の中小企業を構成しているものと思います。  その構成比について今はっきりいたしておりませんけれども、やはり資本主義社会における資本調達構造というのは基本は変わっていない。その意味においての中小企業金融の不利の補整の必要性というのは基本的に変わりませんし、これまで以上にやっぱり金融の自由化が進めばその不利はより顕現化するであろうと思われます。そういう意味においては、私は基本的な中小企業金融のいわば補完の必要性というのは基本的に変わらないというふうに考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで、ちょっとテーマを変えまして理事長にお伺いしたいわけですけれども、まず経営姿勢というふうな観点なんですけれども、金庫としての、理事長の経営姿勢としては、企業自身がもうけなきゃいかぬということなのか。例えばこれ決算の数字合っているかどうか確かめたいですけれども、五十八年度で五十六億円の利益ですか、五十九年度で四十一億円、まあことしは三十四億円ぐらいの利益を見込んでおられる、配当をずっと五%やってこられたわけですな。  ところがこれは、この利益というのは、要するに損しちゃ困るということで一生懸命やってきた結果がこれだけの利益になったのか、それとも一生懸命利益出そうと思った結果がこれだったのか。金融機関としては利益率は少ないですね、利益額は少ないですね。しかし、その辺赤字になっちゃ困るわけですよ。赤字になっちゃ困るんですけれども、この利益の性格、経営の面から見てどういうふうにとらえておられるか、ちょっとお伺いしたいんですが。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 私どもは中小企業協同組合の組織金融機関でございます。中小企業の皆様にそれぞれ出資をいただきまして、皆様方の共同施設としての機関でございます。したがいまして、もとより金融機関としての経営の健全性ということが、皆様からお金を預かっている以上当然でありますけれども、一般企業と同じように大いにもうけると、大いに収益を向上させるということは必ずしも一義的な目的ではございません。健全な経営をし、かつその結果中小企業の皆様への金融の円滑な供給ができるということが使命でございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 そうすると、お確かめしたいんですが、要するに金庫としては、利益を上げることよりも自分に課せられた特殊な目的があると、先ほども長官の説明で、その目的の方を優先したいというふうに解釈してよろしゅうございますね。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 先生おっしゃるとおり、まさに第一条にございます中小企業団体に対する金融の円滑な供給ということがその第一義的な目的でございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 そうしますと、けさほどから問題になっております、例えば金庫の金利が市中銀行よりも高いというふうなことがあるわけですね。これの原因については、調達資金のコストが高いからとかいろいろ御説明がありましたけれども、特殊目的ということを非常に強く打ち出しますと、先ほどのように極端なことを言えば、もうけなくてもいいんだということでもあれば、逆にューザーに対して市中金利よりも高くてもいいというメリットを強調する必要があるんじゃないかという気がするんですね。そうでなければ、金利だけだったら市中銀行へ行けばいいんじゃないか、幾らでも安いところありますよということになってしまうわけですね。金庫が存在するには確かに金利は高いと、しかしながらそれだけのまた全然別の面でメリットがあると。けさから何か担保が要らないとかなんとかいって、いろいろありましたけれども、それ以外に、できているかできていないかは別にして、こういうところを強調したいんだと、経営姿勢として、その辺何かあればお聞かせいただきたいんですがね。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) もとより、金融の円滑な供給ということの使命でございますから、円滑な供給のうちには、当然に金利を引き下げ、良質低廉な資金を皆様に供給するという義務がございます。したがいまして、できるだけ経営合理化をし、コストを下げ、剰余金があった場合には、それは金利引き下げに回すという努力は必要でございますが、単に金利引き下げのみならず、私どもは共同施設でございますから、いろんな情報あるいは組織の皆様相互の情報の交換、そういったことについても私ども金融機関としての大きな使命であろうか、かように考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 そういうふうに中小企業者、企業にとっては金庫とつき合いしている方が全体としてはプラスだと、金利は少々高くても全体としてはプラスだというふうにこれはぜひ持っていってもらわないと存在意義がなくなるわけですね。  それから、けさから聞いていましたら、両建て歩積みがないとか、それから保証がないとか、それで私は、金利は高いけれども、そのかわり金庫としてはリスクテーキング、リスクはとってやるんだと、普通の市中銀行なら、なかなかちょっと貸すのをへジテートするようなケースでも、金庫の方はやるんだとか、何かそういうふうなことをやっていただきたいと思うわけですね。  それで、私の感想を申し上げますと、今度のこの法案なんかを見ていますと、どうもどんどん金融公庫が一般市中銀行化しているというふうな感じを非常に受けるわけですね。それではちょっとこの公庫の性格から離反していくんじゃないかと思うんですがね。その辺は通産省の方はどういうふうにおとりになっていますか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 先ほど御答弁申し上げましたように、今回の改正の基本は二つの側面、一つはいわば融資財源調達の側面で、商工債券の販売力維持ということでございますので、ある意味において興長銀等長期債券発行銀行にようやく伍して業務体制を整備するという面でございます。今、一般金融という側面を言われましたが、第二の改正のポイントは、メンバーサービスに対するフルバンク機能を強化しようという意図でございますので、言うならば、不特定多数の一般金融ということを考えたわけではございません。あくまでも員外利用におきましても、メンバーの利便に供するという観点からの改定をいたしたわけでございますので、そういう意味におきましては、第二の貸し付け面におきましての特性も基本的には変化ないものと私ども理解いたしておりますので、そういう二面を考えてみましても、一般金融機関的歩みといいますか、そういう方向へ歩んでいるものではないというふうに理解をいたしております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 ぜひそういう方向で進めていただきたいと思うわけです。ひとつ、これはぜひお願いというんですか、あるいは超零細企業になりますけれども、ベンチャービジネスが今どんどん出てきているわけですね。今後とも出ていくと思うんですね。政府も口先だけではベンチャービジネスの育成だとかなんとかおっしゃるけれども、実際はなかなかこれは、やっぱりリスクが大きいですからやれない。それから市中銀行や民間では、なかなかこれは口で言っても非常にリスクが多過ぎて、なるほどうまく成功すればいいんですけれどもね、やっぱり千三というか、私の感じでは百に三つぐらいしかなかなか成功しないというふうなことがあるわけですね。ところが、初めにこれ養成しなければ、あるいは融資しなければ育ちっこないわけですね。  その辺でひとつ、私はたまたまこの公庫は通産省が所管されておりますので、通産省は科学技術庁の関係もありますし、それから特許庁のなにもありましたね。ああいうふうななにで、そういう技術を評価するとか、あるいはリードするとか、そういう能力というのは非常にあると思うのですね。したがって、せっかくこれ七〇%持っておられるわけですから、この金庫をそれに使って、そこでそういう技術なんかの援助をして、そして金融公庫がいわゆるベンチャービジネスを積極的に育てていくということをやっていただくには一番いいんじゃないかという気がするんですね。ほかの金融機関ではちょっとできないわけですね。その辺どういうふうにお考えになっているか、長官の御意見をお伺いしたいのですがね。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) ベンチャービジネスに対する支援、御指摘の不十分だというおしかりを受けたわけでございますが、いわばベンチャービジネスの業務の進展に即した施策の充実というのが必要かと思っております。  初期段階の第一ステージといいますか、これでは非常にリスキーな研究開発を推進いたすわけでございますが、これに対しましては五十九年度から技術改善費補助金の内枠としましてベンチャービジネス枠を設定いたしまして、こういったベンチャービジネスに対します研究開発資金の供給といいますか、これを補助金という形式において交付することといたしたわけでございます。本年度小さな枠を設定したわけですが、六倍の申し込みがございまして、来年度、六十年度からさらにこれを拡充しようということで考えております。  第二のステージは、いわばこれを企業化する段階でございます。大体こういう段階になりますと、ベンチャーキャピタルが乗り出してくる面がございます。ベンチャーキャピタルが全部拾うわけじゃございませんので、こういった面で必要があれば、先端技術貸し付け等の中小企業金融公庫等の政策金融によりまして対応いたしておるわけでございます。  御指摘のような、今後技術高度化事業等産地組合を主体とした技術開発の推進等、いわば商工組合中央金庫の所属団体におきましても、技術開発に着手をしてまいる必要が生じてきておるわけでございまして、そういった所属団体の要請にもこたえるべく、先ほど午前中でございますが、佐々木理事長から御答弁申し上げましたように、中小企業大学校の技術研修に職員を派遣することによって技術評価及び審査の体制を強化いたしております。そういったことを今後さらに強めまして、あるいは技術嘱託制度の活用等によりまして、こういった課せられた機能を商工組合中央金庫としても発揮できるように指導をしてまいりたいというふうに思います。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 せっかく組合との関連を持っておられるわけですから、そういう点で、ただ単に金融ということだけじゃなくて、ベンチャービジネスのいわゆる開発面、経営面からもタッチしていただけるだろうと思うので、今後前向きにその点ぜひ御検討いただきたいと思うわけです。  その次に、これ理事長にぜひお願いしたいのは、二つあるわけです。一つは、やはり企業ですからどんどんどんどん肥大化するんで、理事の数はもうこれ以上ふやさないということ、これは業務量の必要からどんどん重役というのはふやした方がいいという考えもありますけれども、やっぱり行革の世の中ですから、理事はふやさないということですね。  それからもう一つは、やはりプロパーの社員を積極的に理事に引き上げていただきたいと思うのですね。これは私は、自分の上司でそういうのに仕えたくないんですけれども、やっぱりよそから、親会社から重役だとかなんとか来ますと、本当にモラルが低下しちゃうんですね。したがって、今後やっぱり経営上大変だと思うのですけれども、できるだけやっぱりプロパーの社員も、五十年もたっているわけですから、できるだけそういう人を引き上げるということを、これは理事だけじゃなくて、部長にするとかなんとかも、ぜひその辺をお考えいただきたいと思うのですが、御所見お伺いしたいのです。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) 先ほども御答弁申し上げましたように、役員の数は、率直に申し上げまして半官半民の機関でございますから極めて少ないかと思います。ただ先生御指摘のように、ただいま臨調行革の時代でありますし、私ども十分その精神をわきまえまして、ただいまの役員の数におきましてそれぞれ責任分担を明確にいたしまして、全員が十分に仕事ができるような体制を整えておるわけでございます。  プロパー職員につきましては、ただいま七千人ばかりの職員のほとんど全部がプロパー職員でございます。役員につきましては、このような組織の性格から、ただいま理事長以下十一人おりますが、七人がプロパー職員でございます。優秀なプロパーが職員からそれぞれ役員に上がっておるという、そのような状況でございます。今後ともこのプロパー職員が十分に働けるように、私としては配慮するつもりでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで、次の問題は、主務大臣の監督なんですけれども、私実はきょうのこの法案見て、副理事長をつくるのに国会の承認を得なければいかぬ、それは規則上はそうなっているわけですね、法律上は。しかし、副理事長をつくるぐらいのことは理事長の権限でやっていいんじゃないかと思うんですよね。これはもっとこれだけに限らず、相当大幅に権限委譲をしていただく必要があるんじゃないかと思うんですがね。その辺いかがでしょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 副理事長につきましては、これまで定款で定めておりましたものを、他の特殊法人等の立法例に従いまして、同時に業務量の増大等権限の明確化を図るために副理事長の制度を法定化したわけでございまして、私は、先ほど理事長が申し上げましたように、半官半民としてのそれぞれの特色を生かしながら弾力的に対応できるように、今回の例えば役員の任命制度の変更にいたしましても、理事長のみの任命制で、あとは理事長が任命されるという格好をとったわけでございまして、そういった半官半民の機関としての特性をより発揮できるような体制をとったつもりでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それから、先ほどちょっと出ましたけれども、金庫で行っておられる月例会ですか、それから理事会とか総代会なんかには当然だと思うんですが、通産省の方がそこに出席されるというふうなのは、どのクラスの方がどのぐらいの頻度で出られるのか、その辺ちょっとお伺いしたいんですがね。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) ちょっと月例と先ほど申し上げましたが、これは商工組合中央金庫と中小企業庁、大蔵省、日銀との三者の、あるいは農林省、こういった毎月の業務運営に関する連絡会ということでございまして、実はそれ以外私自身出席したことございませんので、ちょっとお答えを差し控えさせていただきます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 いや出席されないならされないでちゃんとお任せいただきたいわけですね。それで、余りつまらないことをはたからがちゃがちゃ言われるとかえっておかしくなるということで、私実はそっちの方を心配したわけです。  それで、最後に一つだけ要望なんですけれども、今度海外進出するということを非常に考えておられるわけですね。正直なところを言うと、大丈夫かなという気もするんですけれども。ところが進出されるについては、やはり普通の市中銀行なんかと同じようなことじゃやっぱり意味がないわけですね。したがって、具体的には非常に難しいですけれども、日本の市中銀行がなかなかやってないというインベストメントバンクだとかコマーシャルバンク、投資銀行のような考え方とか、あるいはできるだけコルレス先にギャランティーを出してやって、そこから融資だとか、そういうふうな一ひねり二ひねりした進出の方法をやっぱり考えていただかなきゃいかぬじゃないかと思うんですね。そうしないと、普通の市中銀行と同じようなことをやっていると、なかなか銀行さんの方も大変だろうし、それから現地で融資を受ける中小企業の方も余り意味がなくなってくるわけですね。だからそこに一味ぜひ工夫していただきたいと思うんですけれども、何かそういう点でお考えになっている点があればお聞かせいただきたいんですかね。

佐々木敏商工組合中央金庫理事長

○参考人(佐々木敏君) これも先ほど申し上げましたように、私ども二十年の国債業務の実績を踏まえまして、またメンバーでございます中小企業の皆様の海外進出の御意向、ニーズを十分お聞きいたしまして、実情に即した、あるいは先生のおっしゃるそういった新しい私どもの特色を発揮できる業務もあろうかと思いますが、まずお取引先の中小企業のニーズを十分お聞きいたしまして勉強をしたいと思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 まだ時間はありますけれども、一応これで終わりますが、何か大臣、金庫に対して今後こういうふうに指導していきたいというふうなところがありましたら、それをお聞かせいただいて終わりたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 実は、今般中小企業白書を出したんですね。それで中小企業白書というのは、副題として「変革の時代に挑む中小企業の課題」として、「技術・情報・人材」と、こう挙げているわけです。これはこれからの中小企業のあり方というものを書いた非常に基本的な考え方だと思うんですが、商工中金はそういった面での金融面を担当していただく非常に独自の独立的な組織でございます。  先ほど来木本委員の御質問にございましたが、私は民主主義というのはできるだけ責任をしっかりと持っていただいて遂行していただくということで、佐々木理事長のような立派な責任者がおいでになるわけですから、一つ一つの個々の業務についていろんな注文を出すことは全くないわけです。むしろ中小企業を育てるという意味で、金融自由化の面での責務を担当していただきたいということでございまして、非常に変革の時代でありますから、中小企業もあらしの中を走っていくことになりますけれども、しかしそのあらしは必ず晴れるのであるということで頑張っていきたいと思っておりまして、この商工中金法にも非常に多くを期待いたしておる次第でございます。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。  その理由の第一は、資金調達の大宗を占める商工債券の販売力を維持するとして、債券総合口座、国債割引債口座を新設することにいたしております。しかしながら、この措置は中小企業者の利便に資する面もあることを否定するものではありませんが、本質的には商工中金を政府の大量国債発行とその消化の国民への押しつけの体制に組み込んでいこうとするものであり、また民間金融機間並みの業務を取り扱い、競争力をつけょうとするものとならざるを得ません。こうした今回の法改正の方向は、結局、政府系中小企業金融機関である商工中金を大銀行中心の金融再編成、自由化路線に巻き込み、かえって資金調達のコストアップをもたらすなど、商工中金の経営基盤を不安定なものとし、ひいては商工中金の政策金融機関としての性格も変質させる危険性があるからであります。  その筋二は、所属団体またはその構成員にかかわるとはいえ、海外現地法人や貿易相手方にまで員外利用の拡大や超長期の貸し付けを行うことは、一部の要求にこたえるものではあったとしても、それ以外の大多数の中小企業の資金需要を圧迫することは明らかであり、中小企業の組織金融を担当する商工中金の性格からの逸脱と言わざるを得ません。  最後に、商工中金に対して政府が十分な出資を行い、コストの安い資金を供給することによって政府系の中小企業組織金融を推進する機関として発展させること、そのためにも民主的な構成と運営を図ることなどを強く要求いたしまして、反対討論を終わります。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、梶原君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党。自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、商工組合中央金庫が中小企業の組織化を金融面から支援するという政策的使命を帯びた組織金融機関であることにかんがみ、次の諸点について商工組合中央金庫に対し適切な指導、監督を行うべきである。  一、員内者以外の者に対する業務の推進に当たっては、所属団体及びその構成員に対する本来業務に支障を生ぜしめないようにするとともに、他の金融機関との協調に配意して中小企業金融の円滑化に寄与するよう努めること。  二、今後の金融自由化の進展が中小企業金融に与える影響に留意して、中小企業金融の量的、質的充実に努めること。   右決議する。  以上です。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 全会一致と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、村田通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田通商産業大臣。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、中小企業金融の円滑化に万遺憾なきことを期してまいる所在でございます。  ありがとうございました。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 次に、貿易研修センター法を廃止する等の法律案及び基盤技術研究円滑化法案を便宜一括して議題といたします。  まず、貿易研修センター法を廃止する等の法律案について趣旨説明を聴取いたします。村田通商産業大臣。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま、議題となりました貿易研修センター法を廃止する等の法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  貿易研修センターは、昭和四十二年に貿易研修センター法に基づく特別認可法人として設立され、以来、静岡県富士宮市の施設を中心に、我が国と外国との間の経済の交流促進に資するため、貿易を主とする国際的な経済活動に係る業務に従事する者等に対し、専門的かつ効率的な研修等を実施することにより、我が国の国際化に大きく貢献してまいりました。  このような研修は、世界経済の相互依存関係の高まりの中で、今日ますますその重要性を増しておりますが、一方で、複雑化、多様化する国際経済情勢に円滑かつ機動的に対処していくためには、民間活力の一層の活用を図ることが必要となってきております。  このような状況にかんがみ、政府といたしましては、昨今の行政改革の要請をも踏まえつつ、これら研修事業の実施について民間活力の一層の活用を図るという観点から、貿易研修センター法を廃止するとともに、貿易研修センターの民法上の財団法人への組織変更を可能にするための措置を講ずることとし、ここに貿易研修センター法を廃止する等の法律案として提案した次第でございます。  次に、この法律案の内容の概要について、御説明申し上げます。  第一に、貿易研修センター法は、この法律の施行の際に廃止することとし、その際、現に存する貿易研修センターにつきましては、一定期間内は経過的な措置として旧貿易研修センター法は、なおその効力を有することといたしております。  なお、昭和六十一年三月三十一日を経過する時において、貿易研修センターが存在する場合は、昨年十二月に閣議決定された「行政改革の推進に関する当面の実施方針について」を踏まえまして、これを解散させることとしております。  第二に、貿易研修センターは、昭和六十一年三月三十一日までの間において、その発意に基づき民法による財団法人に組織変更できることとし、民間の創意を生かしつつ、業務を引き続き行うことができるようにいたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 次に、基盤技術研究円滑化法案について趣旨説明を聴取いたします。村田通商産業大臣。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 基盤技術研究円滑化法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  一九八〇年代も、半ばに至った今日、世界経済は技術革新の胎動期を迎えております。とりわけ、新素材、マイクロエレクトロニクス、電気通信などの基盤技術分野における技術開発は、国民経済や国民生活の基盤の強化に大きく寄与するものであり、二十一世紀における新技術文明の幕明けを告げるものであります。このような分野における技術開発を積極的に推進し、その萌芽を将来に大きく開花させていくことは、我々の世代の責務であります。我が国は、戦後四十年間、比較的恵まれた国際経済環境のもとで欧米諸国から先進的な技術を導入し、国民のたゆまざる努力によって今日の経済的繁栄を手にすることができました。しかし、かかる繁栄を次の世代に引き継いでいくためには、みずからの創造性に富む技術力が充実強化されなければなりません。同時に、国際経済社会の有力な一員となった今日、我が国としてもこれまでの蓄積を生かし、ニューフロンティアの開拓に努力し、広く人類の福祉向上に貢献していくことが、諸外国からの期待にこたえる道でもあります。  現在、欧米諸国は、国を挙げて先端的な技術開発に取り組んでおります。これまで我が国は、ともすれば、欧米諸国に比べ基礎、応用段階の技術開発の取り組みが必ずしも十分でなかったのが現状であります。しかし、みずからの創造的な技術力が育ち、我が国産業活動や国民生活が一層充実したものとなるためには、波及効果も大きい基盤技術分野における基礎、応用研究段階の技術開発に格段の努力を払っていくことが重要であります。  基礎研究、応用研究等を推進していく上で、国の果たすべき役割が大きいことは申すまでもありませんが、同時に、民間企業が我が国全体の技術開発費の約七割を支出している現状を考えますと、民間企業が基盤技術分野の技術開発に向けてその活力を最大限に発揮し得るようその環境条件の整備を図ることこそ、まさに喫緊の課題であります。  政府は、かかる認識のもとに、民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑化し、民間の基盤技術の向上を図るために、国の財産を弾力的に活用し得る道を開くほか、民間において行われる基盤技術に関する試験研究の推進機関として、基盤技術研究促進センターを設立することなどを内容といたしまして、この法律案を提出いたした次第であります。  次に、この法案の要旨につきまして、御説明申し上げます。  第一は、国有試験研究施設等の積極的活用についてであります。  政府は、基盤技術に関する試験研究を行う者に国有の試験研究施設を使用させる場合において、基盤技術の向上を図るため特に必要があると認めるときは、その施設を廉価で使用させることができることとしております。  また、政府は、基盤技術に関して外国政府等と共同して行った国際共同研究の結果として国有となった特許権等について無償または廉価で通常実施権を許諾できることとしております。  第二は、基盤技術研究促進センターについてであります。  基盤技術研究促進センターは、民間活力を最大限に活用して民間において行われる基盤技術に関する試験研究を推進するための機関であり、民間の発起により特別認可法人として設立するものであります。  このセンターにおいては、民間が行う試験研究に必要な資金を供給するために出資事業や融資事業を行うほか、国立試験研究所と民間とが行う共同研究のあっせん、海外の研究者の招聘その他民間において行われる基盤技術に関する試験研究を促進するために必要な業務を総合的に行うこととしております。なお、政府は、センターの事業の運営に当たっては、民間の創意と活力が十分発揮されるよう、その自主性を最大限尊重することとしております。  以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会

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