商工委員会 第11号
- 発言数
- 180 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1985/04/18
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田代富士男君 本案の質疑に入る前に、四月十二日の参議院本会議におきまして緊急質問をいたしましたことを、私自身関係がございますから、まずこの問題の方を先に質問さしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 私が本会議で質問をしましたことは、政府が四月九日にとった対外経済対策によって保護主義の台頭を抑止できるのか、また米議会などの対日批判を根本から払拭することが可能であるかというような趣旨で、これはこういう質問をいたしました。それに対して中曽根総理は、三月二十八日の自動車自主規制の措置にみずから触れられまして、集中豪雨的輸出を避けるという念願からやったのが裏返しに出たという面がありまして、我々のミステークといえばミステークでありますが、甚だ残念である云々というお答えがあったわけでございます。 そこで、村田通産大臣にお伺いいたしますけれども、中曽根総理はミステークだとおっしゃったけれども、村田通産大臣はミステークだとお思いですか。それとも、それは総理の思い違いであり、それ自身ミス発言であって、村田通産大臣としては困惑しているということですか。そこらあたりの率直な御意見をおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先般の田代委員の本会議における御質問、私も伺わしていただきました。 中曽根総理のそのときの発言は、日本側が集中豪雨的な輸出を避けるという意図から決定したことが米側に十分に理解されず、市場開放を回避するためではないかと誤解されたという点をとらえられて、ミステークといえばミステークであった、こういうふうに発言されているというふうに理解しておりまして、決定自体が誤りであったということでは全くない、こういうふうに私どもは伺いました。そのことは総理が、同時に、誤解を受けたことは残念であり、その誤解を解くように今懸命なる努力をしているところであると述べておられることからもうかがわれると思うのでございます。 通産省といたしましては、先般いたしました自動車輸出自主規制の決定は、諸事情を総合的に判断した末の最善の策であるというふうに考えておりまして、今後もこの方針を貫いていくつもりでございます。 米国内にいろいろと誤解があることも事実かと思いますが、今後一層米国の理解が得られますように努力してまいる所存でございまして、このことは日米親善関係、そしてまた世界の経済貿易関係に必ずプラスになると信じて、一年限りの措置としてとったところでございますので、御理解がいただきたいと思います。
○田代富士男君 通産大臣、御理解をいただきたいということは、御理解ができないから質問したわけでございまして、今の発言では、中曽根総理をここへ呼んでこなくちゃあかんと思いますよ、ここへ。しかし総理がいらっしゃらないんですから、私はそれをおもんぱかりまして、総理の発言であるから、通産大臣としては言いにくい面もあるかと思いますが。 それで、アメリカ側にもいろいろな言い分があることも知っているとおっしゃるけれども、ここで改めて大臣から今回の自主規制がミスでないという、言いわけといえば変なぐあいですけれども、通産省のはっきりした答えを申し述べられたらいかがですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 言いわけをする必要は全くないのでございます。あの措置は正しいことでございまして、必ず理解をしていただけると思っておりますので、ここで改めて一番初めから申し上げますので、ぜひ御理解がいただきたいと思います。 実は、今回の二百三十万台を超えないということで決定をいたしました理由は、あの前に、日本の自動車輸出についての、もし完全に自由化したならばどういうことになるかという調査等もいろいろといたしたわけでございます。そういたしましたら、二百七十万台を超えるというような数字も出てきたわけでございまして、万一そのようなことになれば、非常に日米の親善関係、貿易関係について大変なことになるという判断から、総合的にいろいろな情勢も勘案の上、アメリカの、御承知のようにキャプティブインポートの増加ということがございます。これは日本の自動車として輸出をするのでございますが、向こうで販売をいたします際は向こうの商標で出るわけでございまして、本来の日本の自動車の輸出とは状況が異なるわけでございます。その方の増加もございますので、そういったものを勘案をいたしますと、二百三十万台を超えない線ということで決定をいたしまして、そして発表をいたしました。 そして、中曽根総理は先般の先生の御質問の際は、私が先ほど申し上げましたように、ミステークといえばミステークであったということは、日本側が集中豪雨的な輸出を避けるという意図から決定したことが、米側に十分に理解されず、市場開放を回避するためではないかと誤解されたという点をとらえて、ミステークといえばミステークであったと発言されているのでございまして、決定自体が誤りであったということではないと理解をいたしております。 中曽根総理の対米あるいは対世界の貿易にかける大きな意欲、自由開放体制にかける大きな意欲というものは、まことに私どもは正しいことであると考え、総理と私とは完全に一体の意見を持っておると思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○田代富士男君 これはまた、そのうちにこの問題の集中審議もあるかと思いますが、これをやっておりますと法案の質問時間ありません。そのときに、この問題は再度私は質問をしたいと思いますが、もう一つ、通商摩擦の解消について今さまざまな議論が起きていることは、村田通産大臣も御存じだと思いますけれども、それで、商工委員会の予算審査に入る冒頭にあいさつをされました通産大臣のあいさつの中では、「内需を中心とした景気の着実な拡大を図り、」云々と、こういう表明をされております。 ところが、この通商摩擦の問題につきまして、他の中曽根内閣の閣僚からいろいろな意見が出されているわけであります。また、金丸幹事長も記者会見において、御承知のとおりに内需拡大について批判的な発言をされている。これに対して、大臣の予算審査の冒頭あいさつのときの内需拡大という大臣の方針とあわせて、今日的な問題を含めて、通産大臣としてどのようにお考えであるのか明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいまの田代委員の御質問は、本当に日本の貿易のことを考え、また経済のことを考えてしていただいている質問でございまして、大変ありがたいと思います。 日本の経済は、五十八年初頭からの景気回復局面において、これまで外需、特にアメリカの景気の浮揚ということに非常に依存した拡大をたどってきたことは、御指摘のとおりかと思います。過度に外需に依存をした経済成長は、それ自体不安定なものであるのみならず、こうした成長を続けることは対外経済摩擦を深刻化させ、保護貿易主義の台頭を招くおそれもあるわけでございます。 先般決定されました対外経済対策においても述べられておりますように、内需中心の経済成長の達成を図ることは我が国に課せられた重大な責務であると思っております。六十年度におきましては、政府経済見通しにおいて内需中心の成長が見込まれておりますことは、田代委員御承知のとおりでございます。実質四・六%のうち四・一%を内需で拡大、こういうふうに見ておるわけでございまして、この点は対外経済問題諮問委員会から内需中心の持続的成長についても諸提言がなされておりまして、政府経済見通しの実現をより確実なものにするためにも、こうした提言を十分尊重して政策運営に当たってまいる所存でございます。 今御指摘になりました先般の政府・与党連絡協議会におきましていろいろな発言がありましたことは、皆これは総理初め閣僚あるいは党役員が日本の経済の全般的な見通しについてのいろいろなおもんぱかりをお述べになったものでございまして、決して政策的な不一致というものではなく、内需拡大について期待をする点についてはすべて私は共通をした意見であると思っておりますが、減税問題でございますとか財政見通しでございますとか、そういう点になってまいりますと、それは個々の見通しに若干のニュアンスの差がある、こういうふうに理解をしておるつもりでございます。
○田代富士男君 今私申し上げたことが、今度は御承知のとおりに、経団連の稲山会長、この人がやはり御発言になっていることがけさの新聞にも、昨日のテレビでも言われておりましたけれども、内需拡大よりも貿易黒字の解消というものは輸出を抑えることだ、内需拡大よりもそちらなんだと、こういう発言をされまして貿易黒字の電気、自動車、エレクトロニクス等のこういうようなものに対して輸出自主調整をすべきである、輸出抑制をすべきである、相手の国と話をすべきであるというような発言もされている。 今通産大臣がお話になったことは、先日もお聞きしたから承知をしておりますけれども、そう言いながら、周囲の空気というものはそういう方向でないようなものが支配的になってきている、こういう日本の状況だし、また私も先日十チャンネルですか、見ておりましたところが、アメリカからの厳しい雰囲気といいますか、四項目にわたっての解決策というものが出されました。その四項目の内容についてここで云々はいたしませんけれども、非常は厳しいアメリカ側の内容になっております。 そういうことを考えた場合に、通産省としてこういうような今の行き方でよいのか、そのアメリカ側の意見は、日本の常識は世界の常識ではない、日本では常識的であっても世界には通用しない、そういうことも言っておる関係上、通産省として状況判断が甘いのではないかと思いますけれども、そういう点私も心配しておりますけれども、通産大臣としていかがですか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員の御意見一一拝聴させていただいております。 まず、経団連の稲山会長の御意見でございますが、私もこの御意見は拝見をいたしましたが、貿易立国である日本にとっては、自由貿易体制を堅持して、貿易の拡大による調和ある世界経済の発展を図るということが基本的には必要だと思います。こうした観点から、四月九日に市場アクセスの改善と輸入の促進を中心とする対外経済対策を閣議で決定をいたしまして、その実施に努めておるところでございます。 貿易収支の均衡化のために一般的な輸出抑制策を導入するという考えにつきましては、貿易の縮小均衡を招き、我が国経済の健全な発展、ひいては調和ある世界経済の発展に支障を与えかねないので適当ではないという考えでございまして、このことは先般の参議院本会議でも、私から、拡大均衡ということは輸出を減らすということではなく、輸出も増大をする、輸入もさらに増大をするということで、拡大均衡を図っていくのが正しい考え方だということを申し上げさせていただきました。 なお、我が国は特定品目に係る節度ある輸出の確保という方針のもとで必要最小限の範囲での業種の実情に即した対応はとっているところでございまして、そういうふうに貿易の拡大均衡を考えております。 それから、最近のマスコミなどにおける米側の深刻な対日不満の問題でございますが、これは例えば四月二日には、米国上院財政委員会のダンフォース法案の可決だとか、下院本会議のロステンカウスキー決議案の採択だとか、アメリカ議会の不満の高まりを示すものでございますけれども、同時に自由貿易に対する脅威でもございまして、極めて憂慮をいたしております。 我が国といたしましては、九日に決定された対外経済対策に基づいて、電気通信、エレクトロニクスなどの四分野での市場アクセスの改善に引き続き努力するとともに、対外経済問題諮問委員会報告で述べられている、先ほど申し上げました内需中心の持続的成長、市場アクセス改善のためのアクションプログラムの策定あるいは関税の引き下げ、基準認証・輸入検査手続の改善、製品輸入の促進等に積極的に取り組んでいくことが重要であると考えております。 アメリカ側におきましても、我が国の決意と努力を理解いたしまして、議会における議論が鎮静かつ慎重なものになることを期待をしております。既に米政府では四月九日の決定、また中曽根総理の決意を非常に高く評価をしていただいておるというふうに考えておりまして、これからいよいよ米議会の反応が出てくると思いますが、これは日本政府の誠意というものは必ず理解をしていただきたい、また理解をしていただくべきであるということでいろんな努力をいたしまして、五月のサミットに向けて自由開放体制、そして新ラウンドの推進がうまくいきますように、大きな大きな流れの中で我々の意思を統一していきたいというふうに考えておるところでございます。 委員、大変御理解をいただいた御質問をいただいておるわけでございまして、何とぞよろしく御指導賜りたいと存じます。
○田代富士男君 この問題についてはまた後日の委員会に移したいと思います。 法案の質疑に入りたいと思います。 今日の情報化の流れは、このたびの通信の自由化によりまして極めて重大な転換点を迎えたのではないかと思うのでございます。言いかえれば、ようやくコンピューターが本来の機能を十分に発揮することができる下地が整ったのではないかと思うわけでございます。そのことは、とりもなおさず今後の情報、通信政策の重要性を示すものではないかと思うわけでございまして、最初に村田通産大臣の情報化推進への決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 情報化ということは、産業社会の活力の維持、活性化に貢献するばかりでなく、国民生活全体の向上をもたらすものであり、健全な高度情報化社会の実現というものは極めて重要な時代としての課題である、二十一世紀に向けての最も重要な課題の一つであると認識をしております。だから、これからやってくる社会が、電子工業化社会であるとか、あるいは情報社会であるとかという言葉が諸外国でもよく指摘をされておるところでございます。 今回の電気通信事業法等の施行によりまして、電気通信事業分野に競争原理を導入し、民間事業者の創意を活用するという法的枠組みが整ったわけでございますが、今後法の適切な運用等により競争導入の実が上がることが肝要だと思います。 我が国の健全な情報化を図る上で責任を有する通産省といたしましては、本法の適切な運用を期待するとともに、情報化関連施策の一層の充実を図り、高度情報化社会の実現に向けて鋭意努力をしてまいる所存でございます。
○田代富士男君 そこで問題になるのは、通信と情報処理という、今後の情報ネットワーク社会にとりましては密接不可分の領域が、所掌するところの官庁が違うという問題ではないかと思うのでございます。当然両省密接な連携のもとに業務を推進していることと思いますけれども、私は前回の委員会でも質問をいたしましたとおりに、通産省と郵政省の省際争いなどを見ておりますと、何らか整理ができないものかと前回も指摘をいたしましたけれども、ここらあたりについて村田通産大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 従来から通産省は、情報処理振興事業協会等に関する法律などに基づきまして、情報処理サービス業等の情報産業の発展に向けて各般の施策を講じてきたところでございます。一方、郵政省の方は通信インフラストラクチャーに関する施策を講じているものと承知をしておりまして、その果たすべき役割は、現在の段階ではおのずから異なるものであると考えております。 しかしながら、最近の情報関連技術の進歩を背景にいたしまして、情報処理と電気通信は融合しつつある面があると考えておりまして、情報処理産業を担当する当省としては、電気通信を担当する郵政省と密接な連携を図り、高度情報化社会の構築に向けて努力をしてまいる所存でございまして、私は、この意味で情報化社会あるいは技術開発といった二十一世紀のいろいろな重要なテーマを考えますと、郵政、科学技術、通産、この三省はこれから本当に助け合って二十一世紀に向けて努力をしていかなければならない官庁だと思っておりますので、そういった縦割り行政の弊がもしあるとすれば、極力そういったことは抑えまして、まさに相互調整そして協力ということで、郵政省、科学技術庁とともに歩いていきたい、このように考えております。
○田代富士男君 この情報化の進展が急速に進みまして、技術革新の進歩と相まって、将来の我が国の産業活動の効率化また国民生活の向上に著しく寄与するものと思いますけれども、現状を見てみた場合に、御承知のとおりに大都市に偏っているように思われてなりません。情報化の進展というのは、全国においてバランスをとりつつ実現される必要があるのではないかと思いますし、地方における情報化の推進等についてどのようにやっているのか、通産省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 情報化が進むということは、大量の情報をお互いにやりとりしながら、国民生活の向上、産業の発展に資することに持っていくということであるわけでございますので、当然地域と中央との間の情報の格差というのはむしろ縮まるべき性質のものでございます。ただし、現実にはなかなかそうならないんではないかという懸念も持たれておりまして、情報関連機器や情報処理技術者の大半が大都市圏に集中するなど、情報化がともすれば大都市圏を中心に進展している状況にありまして、今御指摘のような問題点がいろいろ出てくるかと思うわけでございます。 私どもといたしましても、全国的にバランスのとれた情報化を進めることが極めて重要であるというふうに考えておりまして、地域地域のニーズに応じました各種の情報システムの開発、普及を図るなどの施策を講じていきたいということで、通産省としては、ニューメディアコミュニティー構想の推進等、地域の情報化基盤の整備を図るべく努力いたしておるところでございます。 この構想は昭和五十九年度の予算で八地域を指定いたしまして、各地域で構築を計画しておるモデル情報システムについてのニーズ調査、概念検討を行っておるわけでございます。今後は各種の財政投融資策、税制などによりモデル地域における情報システムの構築を積極的に助成していきたいと考えておりますし、また昭和六十年度予算におきましては、六地域を新たにモデル地域として追加することを予定しておりますので、地域特性を生かしたバランスのとれた地域の情報化を一層進めてまいりたいというふうに考えております。
○田代富士男君 ここで、データ通信の地域によるコスト違いを簡単に説明していただけないでしょうか。
○説明員(内海善雄君) 郵政省のデータ通信課長でございます。 データ通信の通信料の遠近格差というものについて御説明申し上げますと、データ通信のために使います通信回線というものは、電話線だとか、あるいは専用線、あるいはディジタル交換網、パケット交換網というようなものを使われておりますが、その際、通信料の遠近格差ということを考えますと、例えば東京都内で通信をする場合、御承知のように電話は東京都内では一通話十円ということになっておりますが、例えば東京―大阪間の場合ですと四百円ということで、この東京都内と東京―大阪間という比率が一対四十というふうになっております。専用線におきましてはこの比率が一対三十五、あるいは最近サービスを開始しておりますパケット交換網というサービスですと、大幅に改善されておりまして一対一・二五というような比率になっておりますし、さらにビデオテックス網というものでは一対一ということで、まるっきり全国均一の、はがきだとか郵便の料金と同じような料金体系になっているところでございます。 旧来の電話網のようなものには、なぜ大きい遠近格差があるかということでございますが、これは過去の沿革というものが非常に大きい要素になっているわけですけれども、私どもといたしましても、ここ数年間四回にわたり遠距離料金を引き下げるということを行いまして、遠近格差ができるだけ少ないものになるようにというふうに努めてきたところでございます。 さらに、先ほどもお話がございました、新しい電気通信事業法によりまして競争原理の導入が図られておりますので、これからはますます低廉な料金でサービスが提供できるように、この低廉な料金というのは何かと申しますと、遠距離料金というのをできるだけ下げてということでございまして、私どもといたしましても、この遠近格差という問題の是正にこれから努力をしていきたいというふうに考えております。
○田代富士男君 旧電電公社の並み並みならぬ努力によりまして、世界に類を見ない、日本国の隅隅までこの通信網が張りめぐらされているのが現状ではないかと思うわけでございますが、そこで、この通信のコストというのは投下資本の回収を別にいたしましたならば、回線のランニングコストというのは、地域の差異でそれほど問題にはならないと考えるわけでございまして、ましてや今後のネットワーク社会の構築に当たりましては、ただいまも御説明がありましたとおりに、地域によりましてコスト上の差別が生ずるのは不合理であるし、また発展を阻害することにもなりかねないじゃないかと思うわけでございまして、この点通産省あるいは郵政省両方のお考えをお尋ねしたいと思います。
○説明員(内海善雄君) 先ほども御説明いたしましたように、遠近格差というものはできるだけない方が好ましい。郵便だとかはがきだとかいうものでは、北海道へ出すのもあるいは東京都内も同じ料金だということで、非常に我々便利な制度というふうに思っているわけですが、電気通信の場合は、遠距離であればコストが高くなるというような観点から、従来から遠距離は高く近距離は安いという、そういう料金体系をとってきておりました。先生御指摘のとおり、最近の技術の革新によりまして、それほどランニングコストに遠近格差がないということは事実でございますけれども、しかしながら遠近格差をなくするということは、遠距離を安くできるとしたと同時に、近距離が高くならざるを得ないという面もございまして、近距離の通信料が高くなりますとこれまた大変な問題になるということで、非常に遠近格差を是正するということは困難な仕事になっております。 私どもといたしましては、近距離料金を上げずに、遠距離料金を下げて遠近格差をなくするということを行っていかなければならないというふうに考えているわけですが、その際どうやって遠距離料金を下げるかということになりますと、やはり企業の合理化、効率化というものによりましてできるだけコストを少なくし、料金を下げていくという方法しかないんではないだろうかというふうに考えているわけです。その際、先ほど申し上げましたような競争原理の導入等を図り、できるだけ遠距離料金を下げていこうという考えでございます。 ちなみにちょっと御紹介させていただきますと、先ほど電話網で、一対四十というふうなことを申し上げましたけれども、努力をいたしまして、夜間料金でいきますと一対二十四、それから深夜料金では一対二十一というふうに、ここ数年間四回にわたりまして遠距離料金を下げる努力をしておるところでございますが、今後も同じような努力を続けたい、また日本電信電話株式会社の方においてもそういうふうな努力をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
○政府委員(木下博生君) 高度情報化社会の円滑な実現のためには、先ほど先生おっしゃいましたように、全国的にバランスのとれた情報化が重要であるという認識で、情報化の便益も全国的に均てんされる必要があるだろうというふうに考えております。そういう意味から、私どもは郵政省の方に、今郵政省の御説明がございましたように、できるだけ料金水準全体が低く、しかもバランスのとれた格差の少ない形でお願いしたいというふうに考えております。 現在、企業の情報処理のコストの中に占める回線料の割合というのは割合低いんですが、いろいろ聞いてみますと、大きな情報量を送るときには、回線を使わず、磁気テープを自動車で運んでいくというようなことをやってコストを下げているというようなことも聞いておるわけでございまして、今後はできるだけもう基本的なインフラストラクチャーでございますので、通信コストが低くなるようにお願いしたいというような感じを我我は持っております。 ただ、今後技術の進歩によって電気通信網がディジタル化されるでございましょうし、また通信衛星の利用等もふえてくるだろうと思います。通信衛星を利用しますれば、東京と大阪、東京と北海道といっても全く通信衛星を利用するコストにおいては変わりはないわけでございますので、そういうようなことでぜひ料金格差が少なくなるようにお願いしたいというふうに考えております。これはまた需要量とも関連するわけでございまして、大変な情報需要が出てくれば、逆に単位当たりの通信コストを下げることができるわけでございますので、そういうことで鶏と卵みたいな関係もあろうかと思いますが、ぜひ郵政省の方にもお願いし、また御協力申し上げて、全体としての通信回線コストの引き下げということをお願いしていきたいと考えております。
○田代富士男君 次に、現在の我が国の汎用コンピューターの現状について簡単に御説明をいただきたいと思います。 特に汎用コンピューターの設置台数及び汎用プログラムの流通数と金額、それぞれに関しまして、昭和五十一年以降の数字と伸び率を示していただきたいんです。
○政府委員(木下博生君) 我が国のコンピューターの利用は、毎年急速にふえておりまして、昭和五十一年度末汎用コンピューターの台数は、三万六千台であったわけでございますけれども、現在では十五万台を超すに至っておりまして、我が国は米国に次ぐ電子計算機保有国ということになっております。ただこの汎用コンピューターと申しますのも、ある一定金額以上のコンピューターでございますので、いわゆるパソコンみたいなものを入れますと、もっと台数は多くなるわけでございます。 一方、汎用プログラムの方の普及率でございますけれども、昭和五十八年度ベースで、日本においては全体のプログラムの普及率の中の約一〇%程度になっているというふうに考えられます。金額といたしましては、ソフトウエア業としての売上高が、五十八年度におきまして五千四百二十一億円、うち、汎用プログラムの売上高は五百九十三億円というようなことになっております。この五千四百二十一億円という数字も、四年前の五十四年度は千二百八十九億円でございましたので、非常な勢いでその需要は伸びてきておるわけでございます。
○田代富士男君 日本のこの情報産業も、御承知のとおりに十兆円産業となりまして、その伸び率はハード、ソフトともに年率二〇%を超えるという現状であります。これは他の産業に比べますと驚異的な成長率を示しているのではないかと思うわけでございますが、この勢いは今後とも続くのではないかと予測されております。 そこで、このように急速に情報化が進展すると、産業やあるいは国民生活に及ぼす影響も重大なものになると思いますけれども、そこらあたり通産省としてどのような認識を持っていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 今先生おっしゃいましたように、急速にコンピューターの利用による情報化というのは進んでおりまして、コンピューターの利用も単に経済、産業分野で使われるだけではなくて、国民生活の各分野にも深く浸透するようになってきておるわけでございます。そのことは我が国経済の活性化、知識集約化に対して多大の貢献をするばかりではなく、各種情報システムによる多様なサービスが社会全体にまで行き渡るということによりまして、国民生活全体の質的向上をもたらすものと認識しておるわけでございます。 しかし一方では、そういうようなコンピューターの利用が進みますと、ソフトウエアの供給がそれに追いつかないというようなこともございますし、また通信回線でつながれておりますコンピューターシステム全体が故障等によってダウンすることによって、非常に大きな社会的影響が及んでくるというような問題等、解決すべき問題がまた新たに出てきておるわけでございます。 そういうことで通産省といたしましては、これからの課題への対応を含めまして、総合的、積極的な情報化関連施策を今後とも進め、健全な情報化が実現できるようにやっていきたいと考えております。
○田代富士男君 また御承知のとおりに、このプログラムの保有数の伸び率というものがコンピューターの設置台数の伸び率を上回っておるわけなんですね、もう御承知のとおりだと思いますが。このようなソフトに対するニーズは今後拡大の一途をたどるであろうことは明らかでございます。 ところで最近巷間言われているのは、コンピューターの急速な普及に伴うソフトのニーズの拡大に対して、この開発体制が追いつかなくなるのではないかということでございまして、そういうところからこの法案も出されているわけでございますけれども、まずこのソフト技術者の実情はどうなっているのか、最近の増加はどのようになっているのか、そこらあたりの概要を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 今先生御指摘のとおりでございまして、コンピューターの利用が高まれば、コンピューターはソフトウエアなしでは全く動かせないものでございますので、現在のところ、コンピューターの普及台数がふえるよりも速いスピードでソフトウエアに対する需要が高まっております。これはひとり我が国だけではございませんで、アメリカも同じでございまして、アメリカにおいても、ソフトウエアに対する需要は毎年三割ぐらいの割合で伸びているというふうに言われております。 そのようにソフトウエアに対する需要がふえてまいりますと、ソフトウエア自身は生産するのに高度の技術者の手作業でこれをやっていかなくちゃいけないというようなことで、その伸びる需要になかなか技術者の供給が追いつかないという状況が出ております。現在、日本には、システムエンジニアあるいはプログラマー等々のいわゆる情報処理技術者は全部合わせまして四十万人ぐらいいるわけでございますけれども、現在関係の企業で新しく技術者の需要があっても、それに見合う人を集めるのがなかなか難しいというようなことになっておりまして、初中級のプログラマーで企業における充足率は七五%程度、システムエンジニアというように高度の技術者になりますと、充足率は四〇%程度というようなことになっておりまして、その不足状況は極めて深刻なものになっております。 そういう情報処理技術者の毎年の供給の伸びは、年率で一三%ぐらいでございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、ソフトウエアに対する需要の伸びは二五、六%ということになっておりますので、そのギャップはどうしても埋められないということで、ソフトウエア会社も二年分、三年分の注文を抱えてなかなかそれを供給できないでいる状況にあるということでございます。
○田代富士男君 今、日本のソフトウエアの技術者は約四十万人であると、これが年率に換算すると一三%ぐらいの伸びであるけれども、それ以上に二五%、二六%伸びている、それに対応できないと、こういう御答弁であるとおりに、今後どの程度の人材の不足が予想されるのかということは今あらあらお聞きしたわけでございますが、そういうソフトの開発の生産性向上を加味したとしても、極めてこれは少ないのではないかと私は心配しているわけでございますけれども、この点はどうなのか。 また、このソフト技術者の養成の現状はどうなっているのか。大学だとか、あるいは専門学校での養成及び企業内教育についても御説明をいただきたいと思います。それと、このような人材難のソフトウエア技術者の養成促進に対する通産省の対策はどうなっているのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) ただいま御説明申し上げましたように、現在情報処理関係の技術者は四十万人ぐらいいるわけでございますが、これが今と同じようなペースでそのソフトウエアの需要が伸びていった場合に、昭和六十五年度でどのくらいの人が必要になるかということを計算いたしますと、百五、六十万人ぐらいの人が必要になってくるだろうというふうになってくるわけでございます。さようなことになりますと、今までと同じように十数%の割合で技術者の数がふえ、しかもある程度の生産性を見込みましても、昭和六十五年度には五、六十万人の技術者が不足するというような状況になってきておるわけでございます。したがって、今先生おっしゃいましたように、ソフトウエア技術者の育成と、それからもちろん何らかの形でソフトウエアの生産性を向上する必要があるというようなことを考えております。 現在のソフトウエア技術者の養成の現状でございますけれども、当然のことではございますが、大学、専門学校等における情報処理教育というのも進んではおりますけれども、大学、専門学校と合わせまして卒業者数が毎年一万二、三千人ということでございます。それに加えまして、各種学校あるいは高等学校あたりからのそういう技術系の卒業者の数を合わしても数万人ということになるわけでございまして、なかなかそれに追いつかない。したがって、ソフトウエア関係の会社では、単に技術系じゃなくて、人文系の学問を修得した人たちの中からもソフトウエアの技術者を入れているというようなことでございまして、これは学校教育のみならず、企業内の教育あるいは各種いろいろそういう特殊な教育機関を通じて教育をやっていくという必要があろうかと思っております。 企業の中での教育の人数ですが、私どもが聞いておりますところでは、大体年間二万人ぐらいの教育が行われているということでございまして、そのために、私どもとしては各種の養成促進対策というのをやっております。 一つは、情報処理振興事業協会におきまして情報処理技術者試験を実施するということで、試験自身はその養成とは直接関係ございませんが、養成した成果が試験の結果にあらわれるという意味で、勉強する人たちの意欲を進めるというような効果を持っておりまして、この試験の応募者も毎年非常にふえておりまして、昨年は十七、八万人に達していたというふうに言われております。 それからもう一つ、日本情報処理開発協会における上級技術者の技術向上のための研修事業というようなこともやっておりますし、また企業における情報処理技術者の教育のために情報処理振興事業協会による融資の債務保証というのを行っております。 今回御提案しております法律の中にも、その関連で、情報処理サービス業者以外の企業における技術者の教育のための債務保証の事業が情報処理振興事業協会からできるようにいたしたいというふうに考えております。それと同時に、根本的には学校教育の問題にさかのぼりますので、その点は文部省の方にもお願いして、コンピューター教育を今後充実していただくようにお願いしたいと思っております。
○田代富士男君 今まとめて私御質問いたしましたが、その中で、大学、専門学校の卒業者は数万人という局長の御答弁でございますが、私はまだそこまでは、数万人というところまでは行ってないじゃないかと思います。これは後でお調べいただいたら――私の調べたのは、まだ数万人行ってないと思いますけれども、これは改めて答弁していただく必要はありませんけれども、何しろ十分ではないということだけは明確でございます。 そこで、いわゆるソフトウエアクライシスへの対応といたしまして、今指摘をいたしました人材育成のほかにも、ソフトウエア開発の生産性、信頼性の大幅向上の問題、また汎用ソフトウエアの流通拡大の問題などがあるのではないかと思います。 ところで、我が国はこのソフトの重要性に対する認識が他の諸国に比べまして弱いと言われておりますけれども、これは従来言われてきたことでございますけれども、この点をどのようにお考えになっていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 確かに我が国におきましては、アメリカなんかに比べまして相対的にハードウエア、いわゆる機械を重視する傾向がございまして、従来企業がコンピューターを入れますときにも、コンピューターをどうやって動かすかというソフトウエアについては当然機械の代金の中に入っている、買う方の意識がそういうような意識であったということで、ソフトに対する重要性に対する認識が過去においては必ずしも高くなかったという点は事実かと思います。 しかし、近年情報化の進展に伴いまして、コンピューターというものに対する認識が社会的に非常に高まりまして、ソフトウエアの機能の重要性は十分に認識されるようになってきております。それと同時に、情報処理コストの中に占めるソフトウエアコストの割合というのは非常に高くなっているという現実が皆に認識されるようになってまいりました。特に供給者から供給されるソフトじゃなくて、ユーザーが使い始めてから、使っておるそのソフトウエアを補修して、内容をよくするために非常に費用がかかるということがわかるようになってまいりまして、企業にとってはソフトウエアコストをいかにしたら低減することができるかということに頭を悩ますような状況になっております。 そういう事態でございますので、通産省としては、従来から情報処理振興事業協会を中心に、ソフトウエア対策というのがコンピューター対策の一番中心だという認識のもとにいろいろ施策を進めておりましたけれども、今後ますますそういう認識を高め、ソフトウエア対策を充実するような施策を進めてまいりたいと考えております。
○田代富士男君 ところで、このプログラム流通の各国の状況がどうなっているのか、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスのそれぞれについて、金額ベースで御説明いただきたいと思いますし、その中に占める汎用ソフトの割合は各国どのくらいになっているのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) コンピューターのソフトウエアの生産性を上げるには、一つは私どもが今度御提案申し上げておりますソフトウエアの生産自身の中身を機械化して、自動化して生産性を上げるということがありますけれども、それと同時に、つくられたソフトウエアをできるだけ広い範囲に使っていただくということも重要であります。一社で使えば、例えば一千万円するものを、十社で使えば一社当たりのコストは百万円ということで、十分の一に落ちるわけでございますので、そういう意味で汎用ソフトの利用というのは非常に重要なポイントになっておるわけでございます。 主要国におきます、一九八三年におきますソフトウエアの売上高をいろいろな調査をベースにしまして見ると、次のとおりでございます。日本は四千八百六億円、アメリカは一兆九千八百七十五億円、イギリスは四千二百億円、西独は四千五百五十億円、フランスは八千三百七十五億円ということでございまして、コンピューターの保有割合に比して、日本の売り上げは割合低いわけでございます。 ただ、この中でも特徴的なのは、汎用ソフトのウエートが非常に低いということでございまして、日本の場合には全体のソフトウエアの中でわずか一〇%しか占めてない。ところがアメリカの場合には五九%、イギリスは四六%、西独は三八%、フランスは三二%ということで、欧米諸国、特にアメリカにおける汎用ソフトの割合が高いということでございまして、これはとりもなおさず、全体の情報処理コストを生産性を上げることによって引き下げているということを意味するわけでございます。
○田代富士男君 今御説明をいただきますと、特に我が国の汎用ソフトの占有率というのが非常に低いと。アメリカが五九%、イギリスが四六%、その他、こういうものに比べますと、よその国の一割にも満たないような状況であるわけなんです、ただいまの説明でも明らかなように。一体こういう原因はどこにあると考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) その原因といたしましては、日本でユーザーである企業がコンピューターを入れますときに、その企業としてはみずからの業務に一番適切な使い方をしたいということで、いわゆるオーダーメードでソフトウエアをつくってもらっていたと。また、そのコンピューターの保有台数が低い時代には、供給者の方もそういうようなオーダーに全部応じていくことができたというようなことで、みんながコンピューターというのはそんなものだという意識でオーダーメードでやっていたということだろうと思います。それに比べ、アメリカなんかの場合には、安くて自分の企業として使えればそれでいいということで、ほかの競争企業が使っているソフトウエアであっても、自分のところにそれが一番安くていいものであればどんどん使うというような傾向があって、まずユーザーサイドの対応の仕方が違っていたという面が一つあろうかと思います。 それからもう一つは、供給者側に原因があるわけでございまして、我が国のソフトウエアの企業は経済的にもまた技術的にも過去においてアメリカなんかに比べて脆弱であったために、汎用プログラムの開発に必要な初期投資あるいは技術力というものを十分に持ち得なかったということで、いいプログラムで、みんなの人が使えるようなプログラムをつくって、それを売ることがなかなかできなかったという、両方の事情があるのだろうと思います。
○田代富士男君 そこで、汎用プログラムの流通量をふやすためには、一つにはプログラム供給側がユーザーの業務を研究し、熟知することではないかと思うんです。そうすることによって、その質を高めることが必要でありますし、二つ目には、今も御答弁いただいた中にも御説明がありましたとおりに、ユーザー側が特定業務でのある程度の利便を捨ててでも使いこなすことができる、逆に、何といいますか、応用範囲を広げていこうという積極的な取り組みができるかどうか。言うならば、ボタンを押せば何もしなくても結果が出るという意識を変えることが必要ではないかと思うんですけれども、ここのあたり、今さきの御答弁とも関係がありますけれども、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
○政府委員(木下博生君) まさにおっしゃるとおりでございまして、ソフトウエアといいますのは、結局、ユーザー側がいろいろな業務を行うに際して、それにうまく満足のいくようなコンピューターの使い方をするためのものでございます。したがいまして、ユーザー側のいろいろな業務について十分熟知して、その熟知した上でそれをうまく供給者側がそれに見合うソフトウエアをつくっていくということが必要でございますので、単にコンピューターの知識のある人たちだけではソフトウエアというのはできないわけで、むしろ経済産業に非常に通じて、そういうものをベースにしてソフトウエアをつくっていく必要があるだろうということが一つにはあると思います。 それからユーザーサイドにおきましても、先ほども御説明いたしましたように、大変にソフトウエアのコスト負担を感じるようになってきておりまして、例えば銀行等の場合でも、最近は、一つの銀行で開発したいろいろのプログラムを、大変に金がかかったものであるからということで、関係の銀行あるいは企業等にうまく売って、使ってもらおうという動きも既に出てきております。したがって、私どもとしては、そういう動きをうまく助成していく必要があろうというふうに考えておりまして、従来から、情報処理振興事業協会では、汎用プログラムの開発やそれの普及という事業をやってきておりましたが、これをますます強化していきたいというふうに考えておりますし、それから情報サービス産業協会というソフトウエア情報処理業者の集まりの団体では、ソフトウエア流通促進センターというものを設けておりまして、そこでいろいろな活動をやることによって汎用プログラムに対する認識の高揚に努力しておりますけれども、このような事業に対して私どもとしてもできるだけのお手伝いをしていきたいというふうに考えております。
○田代富士男君 そこで、今後の高度な情報化社会の展開に備えまして、一つ提案と申しますか、こういうことも考えていくべきじゃないかと思うことは、ユーザーの資質向上が必要になると思いますけれども、そのための教育施設を考えたらどうなのか。その際、対象につきましても、ホームオートメーションの動き等も勘案いたしまして、家庭の主婦も含むようなさまざまなランクの教育的事業の展開を考えていくべきではないかと思いますけれども、ここらあたりに対するお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 私どもといたしましても、コンピューターというのが、使ってみると比較的、非常に使うのが難しいというようなことがございますし、特に家庭にまでコンピューターが入ってまいりましたときには、若い人はともかく、年配の人あるいは女性の主婦の方々、こういう方々にはなかなか使いにくいものであるというような感じもいたしますので、そういう意味で、先生おっしゃいましたように、広くコンピューターの使い方についての教育事業を進めていく必要があろうかと考えております。 私ども自身が、通産省としてそういう教育事業をどんどん進めていくというのは必ずしも適切かどうかわかりませんが、そういう意味で、私どもは文部省に対して、小学校、中学校からコンピューター教育をどんどん入れていただくようにお願いはしております。それと同時に、各種の団体あるいは先ほど申し上げましたニューメディアコミュニティーというようなところで、地方にわたってまでいろいろな情報システムの開発等を進めていくわけでございますので、それに関連した事業として、例えば地方公共団体や地方の団体がいろいろなコンピューター教育を行うということであれば、できるだけ私どもとしても資料、情報等の面で御協力をしていきたいというふうに考えております。
○田代富士男君 今も申し上げましたとおりに、ユーザーの資質向上とともに必要なことは、情報処理システムのマン・マシン・インターフェースの向上ではないかと思うわけでございます。例えば日本語というのは機械処理になじまない、こういう言語系であります、これは御承知のとおりでございますが。そういう意味から、従来タイプライターなどは余り普及しなかったんでございますが、そこにコンピューターが導入されまして、いや応なくキーをカタカタと打たざるを得なくなったわけでございますから、これは人によっては、非人間的で苦痛を感ずることも少なからずあったのではないかと思うわけでございますが、このような文化的側面も含んだマン・マシン・インターフェースの向上のための総合的な技術開発を民間レベルだけに求めるのでは厳しいのではないかと思うわけでございまして、通産省はどのようにお考えであるのか、お答えいただきたい。
○政府委員(木下博生君) 確かにおっしゃいますように、日本語というものは非常に機械によって処理しにくいものでございまして、従来コンピューターが入る前までは、例えばタイプライターにいたしましても、英語、フランス語等であれば、英文タイプライターで、欧文タイプライターで十分に一般の人が利用できておりましたのに、日本語についてはそれができなかったという事情があります。ただ幸いにいたしまして、コンピューター技術の発達によっていわゆるワープロというものが非常に進歩いたしまして、普通の人でもどんどんワープロを使って日本語を打ち出すことができるというようなことになったのは非常にいい傾向で、文化的にも非常に大きな価値のあるものではないかというふうに考えております。 ただ、今先生おっしゃいましたように、コンピューターを実際に扱ってみますと、コンピューターのキーボード自身が英文タイプライターをベースにしてでき上がったようなものでございまして、たくさんキーがありますが、それがみんな英語で書いてあったりなんかしてあって、なかなかわかりにくいということで、決して我々日本人にとって使いやすいものではないと思います。そういう意味で、そういうキーボード自身の改善、それから、日本語でわかりやすくするというような点での施策を進めると同時に、いろいろの形のキーボードがあって、消費者の人たちが使いにくいということもありますので、標準化を進めるということも必要かと思います。 それと同時に、根本的にはコンピューターをもう一段と技術開発いたしまして、自然言語を使ってそのままプログラムを組めるようにするとか、それからプログラムを組む必要性を低くするということで、例えば通産省では第五世代コンピューターの開発等というようなものもやっておるわけでございますので、そういうような技術開発を進め、ハードウエア自身をもう少しみんなに親しみやすいものに持っていくようにいろいろと施策をとっていきたいと考えております。
○田代富士男君 次に、アプリケーションプログラムの互換性が問題になっております。 御承知のとおりに、互換性を保つことができないということは、情報資源を有効利用するという面から考えてもこれは極めてマイナスではないかと思うわけでございまして、この互換性を確保するためにもOSレベルでの打開が必要ではないかと思うんですけれども、この点はどうであるのか。それとあわせてお尋ねいたしますことは、OSは我が国においては特におくれた部門ではないかと思うわけなんです。そういう立場から日本の優秀なOSの出現を期待したいんですが、この点の現状と対応をあわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) コンピューターのプログラムは、コンピューター自身を基本的に動かす機能を持たせるための、今先生おっしゃいましたオペレーティングシステムというOSと、それから、それを具体的な個々の業務にアプライするためのアプリケーションプログラムと、二つの種類のソフトウエアがあるわけでございますが、今おっしゃいましたように、現在日本のみならず世界各国においても、そういうプログラムの互換性が低いために、一つの機械のプログラムが他の機械に使いにくいという状況になっているのは現実でございます。 これは、コンピューター全体の技術進歩が非常に遠かったために、それぞれの企業が競争して、それぞれのシステムによるコンピューターを開発していったという状況にあるわけでございますが、今後これらのコンピューターがお互いに通信回線でつながれるようにもなってきておりますし、それから、一つのコンピューターを使っている人が別のコンピューターをまた使う必要性も高まってきているということでございますので、そういう意味で、プログラムの互換性を高めるということは非常に重要だと思いますので、標準化あるいは技術開発、いろいろな面においてそれらの措置を講じていきたいというふうに考えております。 それから、OSについての日本の技術的な水準でございますが、コンピューター自体が、アメリカにおいて、特にIBMによってどんどん開発され、それが世界に広がっていったというものでございますために、米国がOSの分野でも技術的にリードしておったというのは確かだと思います。ただ、通産省としては、従来から、コンピューターの開発と同時に、そういうOSについても世界に負けないOSができるようにいろいろな助成策を講じてきておったわけでございますけれども、そういうようなことで、各企業の努力それから通産省のそういう助成策と相まって、日本のOSレベルも相当なところまでなってきたというふうに私どもは考えております。
○田代富士男君 次に、インターオペラビリティーに関する考え方をお聞きしたいと思いますけれども、通信の自由化の以前から、コンピューター、特にいわゆるパソコンにおいては、技術刷新によります工程の低コスト化によりまして、飛躍的な普及をいたしました。これは御承知のとおりでございます。それはほとんどがスタンドアロンでありまして、そこに一つの問題が生じた、いわゆる互換性の問題がそれであります。これは通信の自由化によりましてさらにクローズアップされてくるし、多種多様な機種間のプロトコルコンバーションをいかに解決するのか、また、今後ハードウエアコンバチビリティー確保の方向転換をするのか、こういういろいろ、諸点を申し上げましたけれども、これを含んでお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) コンピューターがこれだけ広く使われるようになり、しかも小型化して通信回線でつながれて使われるというようなことになりますと、お互いがうまく連絡できるようにならなくてはいけないわけでございます。ところが、コンピューター自身は、計算のスピードは非常に遠いんですが、ゼロと一の信号、二つの信号を何しろ遠く組み合わせていろいろな形で計算をしながら処理をしていくという機械でございますので、その組み合わせ方がその一つの機械と他の機械と違っていると、なかなかそれが連絡しにくいということになるわけでございます。 したがいまして、通産省といたしましては、コンピューター間のそのような連携がうまくいくように、インターオペラビリティーと英語で言っておりますけれども、コンピューターの相互運用基盤の強化のための研究会を設けて、いろいろ、つい先日まで検討を行ってきたわけでございますが、コンピューター同士がうまく対話できるようにするためには、コンピューターのハード及びソフトウエア両方についての標準化をひとり進める必要がある。それと同時に、標準化でがんじがらめにしてしまうのは非常にまずいので、コンピューターとコンピューターとの間がうまく連絡できるように、コンピューターを使って一つの情報を他の情報に変換するということも必要なわけでございまして、この標準化と変換をうまく組み合わせて今後進めていく必要があるだろうという提言が出ておるわけでございます。 ただ、このような標準化、変換等の仕事は、単に日本の中だけでやっては決してよくないわけでございまして、日本の中だけで一つのそういう仕組みができ上がると、それがまた外国との間でうまくいかないということになってはまずいということもございますので、国際的な標準機関がございますので、そういう場で全体としての、世界全体のコンピューターのそういう標準化の問題も同時並行的にやっていく必要がある。また、そういう標準化を進める、インターオペラビリティーを進めていくためには、技術開発も必要でございますので、技術開発も並行的に進めながら、国際的にも話し合いをしながら、こういう問題を解決していくということが重要だと考えております。
○田代富士男君 いかなる情報ネットワークにありましても、単に情報通信ができるというだけでは足りないじゃないかと思います。それ以上に質、量ともに充実した情報を提供することのできるデータベースがあってこそ生きてくるのではないかと思うわけでございます。 そこで、我が国のデータベース業の現状はどうであるのか、こういう問題については日本より進んでいる米国との比較をしてどうなのかということをお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) コンピューターを扱って、大量の情報をお互いに連絡しながらやっていく社会が情報化社会でございますが、そのためには、情報のもととなるデータというのが十分蓄積されておく必要があるわけでございます。 それで、今先生御指摘のデータベースの問題でございますが、データベースにつきましては、ソフトウエアがアメリカに対しておくれている以上に、日本のデータベースというのがおくれているという状況でございまして、日本でもいろいろな種類のデータベースが使われております。特に科学技術の分野においてもデータベースが使われておりますが、そのうちの八割はアメリカでつくられたデータベースということでございまして、アメリカはもう六〇年代からコンピューターのデータベースの作成に国及び企業両方が力を入れてきておったわけでございまして、日本としては相当のおくれを示しておるということが言えようかと思います。
○田代富士男君 ただいまも御答弁がありましたとおりに、我が国の利用可能なデータベースの八割弱が外国製である、こういう実情でございまして、今後の我が国におけるデータベース構築の促進のために、これは通産省として力を入れていかなくちゃならないと思いますが、どういう施策を考えていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 通産省といたしましては、従来からデータベースの充実が施策重要だということで、例えば民間データベースの育成振興を図るため、データベース台帳というものをつくって、皆さんにそういうものを示しているというようなこともやっておりますし、また政府部内全体といたしましては、政府機関においてつくられた各種のデータを政府のデータベースとして構築をしていく必要があるだろうということで、公的データベースの充実についての必要性が各省庁で認識されるようなことになってきております。 通産省といたしましては、昨年四月、産業構造審議会情報産業部会に情報提供サービス振興小委員会というものを設置して検討を進めておりますけれども、ソフトウエアと同時に、それ以上に今後はデータベースの対策に力を入れていく必要があるだろうと思います。ソフトウエアと同じようにデータベースも非常に人手がかかる問題でございますので、人手をかけるために、また生産性の面あるいは供給の面でネックが出てくるというようなことがないよう、技術開発を含めていろいろと検討をしていきたいと考えております。
○田代富士男君 今私、現状をいろいろな問題ごとに分けて、ずっと質問をしてまいりました。大 臣もずっとお聞きいただいたかと思いますけれども、そこで、産業界におきます情報化の進展に伴いまして企業間格差が拡大することが考えられるわけでございまして、このような状況にありまして、今日連携指針を作成するに当たっての基本方針が出されたわけでございまして、この基本方針を改めてひとつ大臣からお答えいただきたいと思います。 特に、この本改正案の第三条の二について具体的に説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 産業における情報化の問題は、企業内から企業間システムの本格的展開を遂げていこうとする段階でございます。これが効率的かつ開かれた形で進むためには、帳票それからコードなどのビジネスプロトコルの不統一、それからソフトウエアコストの増大などが大きなネックになっております。これらの課題は、放置すればするほど国民経済的損失を大きくするのみならず、解決を困難にするという性格がございます。 こうしたような課題への対応は、基本的には民間事業者の努力により行われるものでございますが、必ずしもそれのみでは円滑に進まない場合も考えられますために、主務大臣がソフトな指針を策定をして、業界のコンセンサスの形成を促進させることが必要である、このように考えておるところでございます。
○田代富士男君 そこでこのような指針を策定し、いわゆるビジネスプロトコルの標準化を進めるに当たりまして、業種間の対応の違いによりましてさまざまな問題が予想されるのではないかと思いますけれども、そういうところ、今後の見通しはいかがですか。
○政府委員(木下博生君) 従来からビジネスプロトコルの統一というような問題については、幾つかの業界において非常に熱心にその対応策を検討してきておるわけでございます。 それで、その検討の結果をいろいろ伺っておりますと、その業種だけでは必ずしも十分に対応できないんで、その関連分野のところと共同してやりたいというようなところもどうしても出てきておるわけでございます。 したがいまして、そのような自主的なプロトコルの統一の作業というようなことでうまくいければよろしいわけでございますけれども、必ずしもどうもうまくいかない。といいますのは、どうしても一つの業種におきましては、お互いに競争し合っている企業が協力していく必要があるというようなことになりますので、なかなか意見の統一が図られないというような問題があるようでございます。したがいまして、この三条の二において連携指針というものをつくって、ソフトな指導を行っていこうということになりましたのは、やはりそれぞれの分野における主務大臣が一つの考え方を示してやった方が、企業全体がうまく話し合いでそういう問題を解決していくことができやすいだろうというふうに考えたからでございます。
○田代富士男君 それと、心配な点は、この企業間の情報ネットワーク構築、普及によって、半面企業活動の、何といいますか、脆弱性といいますか、そういうものを増大されることも心配されるわけでございます。例えて言えば、現実に起こりました先日の世田谷の電話線火災などはその予兆ではないかと思うわけでございますが、この点に対するお考えはいかがでございますか。
○政府委員(木下博生君) 企業間情報ネットワークの進展は、企業活動の合理化あるいは競争の活発化をもたらすという意味で、プラスの面もございますが、また一方、今先生御指摘のように、一つそのシステムがどこかでおかしな形になって全体が動かなくなったときの影響も、それだけ大きくなってくるというようなこともございます。 それからまた、企業間で情報がそれぞれ動きやすくなるわけでございますから、いろいろな意味で、企業秘密的なものまでがほかの企業に伝わっていく可能性も出てくるというような問題もあるわけでございます。 したがいまして、私どもとしては、それに対応する施策を講ずる必要があるだろうということで、電子計算機システム安全対策基準というようなものを昭和五十二年から設けまして、いわゆる行政指導の形でそういう基準をできるだけ各企業使っていただくようにし、あのような大きなシステムダウンが起こらないようにやってきておるわけでございますが、ただ単なる行政ベースのそういう基準を示すだけで、果たしてこういう安全対策が十分かという点がございまして、私どもとしては、関係各省庁と相談しながら、もう少し立法化を含めて内容のある対策を必要かどうかを研究しようと考えておるところでございます。
○田代富士男君 それともう一つは、三条の二の二項に明記されたとおりに、この関連の中小企業への影響が心配であります。例えばある下請会社が複数の関連上位取引先があって、プロトコルが違った場合どうなるのか、その下請会社は、御承知のとおりに、複数の端末伝票コードの使用を余儀なくされるわけなんです。そうしますと、多大な負担がそこにかかってくるわけなんです。このような事態の生じないように、この指針策定に当たり配慮していかなくちゃならないと思いますけれども、ともすればこれは後で気がつくことにもなりかねないのですが、そういうところはいかがですか。
○政府委員(木下博生君) 先生御指摘のように、中小企業にこういう情報化のいろいろな作業の負担がしわ寄せされるというおそれというのは十分あるわけでございます。 ただ、私どもがここで考えておりました連携利用指針と申しますのは、むしろその一つの下請企業にいろいろな親企業から別々の形で注文が来る、別々のプロトコルを使って注文が来るのをできるだけ統一した形にすれば、それだけ下請中小企業にとっても負担が減るわけでございますので、むしろこういう連携利用の指針をつくって標準化が進めば、中小企業にも好影響が出てくるという面もあるわけでございます。ただ、その一方では情報システムが通信回線によってつながってしまうということで、経営力の弱い中小企業がその中に組み込まれてしまって、いろいろとその負担を強いられるというおそれも十分あるわけでございますので、この第二項に書いてございますように、連携指針をつくり、あるいはつくっていくときには十分に中小企業に配慮しようということを明記したわけでございます。
○田代富士男君 同条の三項の「関係審議会」は、どのようなものを考えられているのかお答えいただきたいと同時に、委員の選任の基準はどうするのか。その場合、今も御質問申し上げましたとおりに、この中小企業関係の意見を十分に反映できる委員の選任をやるべきだと思いますけれども、この点どうでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 「関係審議会」と書いてございますのは、これは主務大臣がそれぞれの事業分野について指針をつくるということでございますので、それぞれの関係する省庁における一番適切な審議会を使っていくというような意味で、こういう形で書いてございますわけでございますから、したがって、指針がそれぞれの事業分野における電子計算機の効率的かつ適切な連携利用を促進するためのものであることから、当該事業の分野の情報化の現状や将来の展望について十分な認識を有するような意見が出るような審議会をうまく使っていきたいというふうに考えております。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕 それで、当然のことではございますが、その際、その審議会の委員には、中小企業者の方々の問題も十分に理解し、その意見が反映できる方々を入れ、一方に偏った指針ができないように審議会を運営していきたいと考えております。
○田代富士男君 次に、このソフトウエアクライシスへの対応の中で、ソフト開発の生産性、信頼性の向上を図るための切り札といたしまして、御承知のとおりにシグマシステムを提唱されておりますけれども、この概要を御説明いただきたい。 それと同時に、このシステムの完成時の効果をどの程度に見ていらっしゃるのか。またアメリカにおきます同様の計画、スターズ等が、諸外国のプロジェクトとシグマ計画とを比較してどういうふうに思っていらっしゃるのかあわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木下博生君) ソフトウエアの生産を自動化し、生産性を向上さしていくという計画として、通産省はいわゆるシグマシステムというものを考えたわけでございまして、そのための予算を六十年度予算として産投会計からいただくことになっておるわけでございます。 これは先ほど御説明申し上げましたように、ソフトウエアの需給ギャップというのはますます今後高まっていく、広がっていくということで、ソフトウエアクライシスということをよく言われておるわけでございますが、それに対処しまして手作業の城にあるソフトウエアの生産をできるだけコンピューターを使って自動化していこうというようなシステムを、日本全体の一つのシステムとして構築していこうというのがこのシグマシステムでございます。したがいまして、情報処理振興事業協会にそのようなシステムをつくるために、五カ年計画でまずそういう各種のプログラムの作成をやり、データベースセンターを置いていこうというものでございまして、総事業費は約二百五十億円、それで六十年度の事業費は産役会計出資二十億円を含めまして三十億円ということで考えております。 具体的には、電算機を利用いたしまして、プログラムの作成を効率化するためのプログラム、といいますのは、一つはプログラムの部品みたいなものをたくさんそろえておく。それからもう一つは、でき上がったプログラムをいろいろテストしてチェックして、品質のいいものにしていくためのプログラムもまた備えておく、いずれもそれを振興事業協会に備えておきまして、オンラインで各ソフトウエア生産企業、あるいはコンピューター生産企業から、そのオンラインによってそういうプログラムをうまく利用していただくというような仕組みのものでございます。それと同時に、プログラム作成を効率化するための情報を情報処理振興事業協会の中に備えておくというような事業も一緒にやろうと考えております。 それで、五年間でそのような事業をやりました場合に、私どもとして期待しておりますのは、ソフトウエアの生産作業を大幅に自動化いたしまして、現在十数%である自動化率を八割ぐらいまで持っていこう、それによってソフトウエアの生産性を四倍ぐらいまで上げていこうということでございまして、これだけですべてのソフトウエア需給ギャップの問題が解決できるとは思いません。先ほど申し上げましたように、汎用プログラムの利用というようなことも同時にやっていく必要があるわけでございますが、それによってソフトウエア需給ギャップの緩和には相当の効果があるのではないかというふうに考えております。 それで、日本で進めようとしておりますこのシグマ計画にちょうど対応する計画がアメリカやヨーロッパでも進められておりまして、アメリカにおきましては、国防省がスターズ計画というものを総額七百五十億円かけてやろうとしております。それからEC諸国においてはエスプリ計画というものを千三百億円ぐらいかけてやろうというようなものでございますが、そのソフトウエアの生産を手作業に依存して大変な問題になっているという点は、各国共通した問題でございますので、共通して技術レベルの向上等を進め、自動化を進めていこうということでございまして、これらの計画を、その子細にわたってどの点が違うかということはなかなか比較しにくい問題でございます。ただ概括的に申し上げますと、我が国の計画は、どちらかと言うと実用的性格が強いということが言えるんではないかと思います。
○田代富士男君 シグマシステムにおいては、ただいまも御説明がありましたとおりに、枠のない高能率のソフトをモデル化いたしまして、集積して不特定多数のものがこれを高度利用していくということでございますけれども、その場合、私はこの前の委員会でもいろいろ御質問申し上げましたんですが、不特定多数のものの使用というのは著作権法上問題はないのかということでございますけれども、この点はどうでございますか。
○政府委員(木下博生君) 今回の法律の修正案でも、二十八条に四号、五号、六号というのを設けまして、先ほどのシグマ計画の事業を行えるように、情報処理振興事業協会の業務を拡大しているわけでございますが、その五号にも、「対価を支払い、その利用に関する権利を取得すること。」ということが書いてございますし、六号では、「プログラム及び」先ほど申し上げました「プログラムの作成の効率化に資する情報を、対価を得て、提供すること。」というようなことになっております。 それで、コンピュータープログラムの問題につきましては、先生御指摘のように、先日この委員会の場で、著作権法でそれを当面対処するという問題について御説明を申し上げたわけでございまして、今、文化庁の方で法律を提案されて、近く審議が始まるというふうに聞いております。 このシグマシステムによるプログラムの利用というのは、不特定多数のユーザーが利用するという形でございますけれども、ユーザーとそれから協会との間では効率化プログラムに関する著作権等の権利関係を明確にいたしまして、情報処理振興事業協会が権利を取得する場合、あるいはユーザーに利用させる場合には、個々に契約を締結いたしまして、そのような著作権法上の問題が生ずることのないようにしたいというふうに考えております。
○田代富士男君 では、もう時間が参ったようでございますから、最後に村田通産大臣にお尋ねしますけれども、一貫して今質問してまいったとおりに、我が国におきます高度情報化社会の構築はようやく端緒についたばかりでありますし、今、私いろいろな問題を取り上げて指摘をしましたように、さまざまな問題が抱えられていることは事実でございます。この原動力とも言うべき一般産業が健全な形で情報化を進めるための推進力としての通産省の決意をお聞したいと思います。 それよりも私が心配するのは、今も指摘しました中小零細企業が高度情報化の落ちこぼれとならないためにも、きめ細かな配慮をしていかなくちゃならないと思いますし、こういうことも含めて大臣のお答えを聞きたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来田代委員の御質疑つぶさに承りました。 情報化は、産業、社会の活力の維持、活性化に貢献するばかりでなく、国民生活全体の向上をもたらすものでございまして、健全な高度情報化社会の実現は極めて現下重要な課題であるというふうに認識をしております。我が国の健全な情報化を図っていく上で責任を有する通産省といたしましては、情報化関連施策の一層の充実を図り、高度情報化社会の実現に向けて鋭意努力をしてまいる所存でございます。 その際、委員御指摘になりました情報化による便益が、中小企業者に対しても十分均てんすることとなるよう、つぶさな配慮、きめ細かな配慮をしてまいる所存でございます。
○市川正一君 法案審議に先だちまして、一言大臣にお伺いいたしたいのでありますが、よろしゅうございますか。 実は十五年前に、一九七〇年の四月のことでありますが、死者七十九名、重軽傷者四百二十名を出しました大阪天六のガス爆発事故の公判で、きのう、工事を請け負った鉄建建設、それから施工主の大阪市交通局、大阪ガスの三者の共同責任を指摘した判決がありました。この判決を、ガス事業を所管される通産大臣としてどう受けとめていらっしゃるのか、所見をお伺いいたしたいのであります。
○国務大臣(村田敬次郎君) 市川委員御指摘の、昨日裁判の公判がございました大阪地裁刑事三部の判決でございますが、今回の判決内容につきましては、実は御承知のように国は訴訟当事者ではございませんのでコメントをする立場にございません。 しかし、通産行政といたしましては、この爆発事故を教訓として、地下鉄工事など他工事に伴うガス事故を防止するために、ガス事業法の規定に基づきまして、露出した導管の防護の技術基準の整備、工事関係著聞の協議、打ち合わせの強化の指導と保安工事に係る責任体制の明確化、ガス事業者による巡回、立ち会い等の強化など、抜本的な対策を講じてきているところでございます。 今後ともガス事業者の指導監督等を通じましてガス保安の確保に万全を期してまいりたいと、このように考えておるところであります。
○市川正一君 そこで、そういう立場から、通産省としての今後の対策についてお伺いしたいのでありますが、この大事故の後も、例えば七九年の八月には静岡の駅前のゴールデン街で事故が起こりましたし、きのうの報道によりましても、通産省の資源エネルギー庁の曽我部ガス保安課長の談話によりますと、工事ミスによるガス漏れなどのトラブルが年間五千件を超えている、こう報ぜられています。 私は、今大臣がおっしゃったんですが、こういう状況は対してやはり事故防止の具体的対策を一段と強化する必要があると思うんですが、その辺はどうなっているんでしょうか。
○政府委員(柴田益男君) ただいま市川先生から、最近のガス事故の数字についてうちの曽我部課長の発言の引用がございましたけれども、確かに細かい事故は出ておるわけでございますけれども、いわゆる導管の事故というような大きな事故につきましては、統計上もう十年間で半減しておりまして、五十八年度で申しますと五十一件でございました。かつて四十六年当時は百二十九件ございました。そういうことで、導管の供給関係の事故も減っておりますし、あるいは他工事に伴う事故も大幅は、半分以下に減ってきているところでございます。 今後の対策といたしましては、従来からいろいろ通達等でこういう他工事に伴う事故防止について十分にガス事業者を指導してきたところでございますけれども、今回の天六ガス爆発事故については、特に露出した導管の防護の技術基準の整備あるいは既に所要の対策を講じてきたところでございますけれども、今後とも一層事故が起こらないように指導してまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
○市川正一君 やはり細かい事故が、アリの一穴ではありませんが、大きな事故に広がっていく前兆としても、決して、柴田さんはそういう意味でおっしゃったのではないと思うんだけれども、私軽視してはならぬと思うんですね。 関連してもう一問だけお伺いしたいのは、静岡駅前の事故などもあって、地下街の新増設については原則禁止の措置がずっと続いていると思うのでありますが、最近通産省の委託調査を受けてJAFIC、日本プロジェクト産業協議会が銀座再開発構想なるものを発表しています。これによりますと、銀座に非常に広域な地下街をつくるというような銀座再開発計画が織り込まれておるのでありますが、こういう計画について通産省としてはどういうふうな認識をお持ちなのか、特にこういうガス事故の続発といいますか、非常に危険性が強まっている際は、所見を承りたいのであります。
○政府委員(柴田益男君) 地下街の開発につきましては、いろいろ現在勉強中ということでございまして、防災対策面はついては今後十全の措置をとってまいりたいと、そういうふうに考えております。
○市川正一君 勉強中ということは、地下街の新増設については原則禁止ということは踏まえての意味ですね。
○政府委員(山本幸助君) ただいま勉強中と申し上げましたのは、JAPICの計画は現在勉強中の段階ということでございます。 先生御指摘になりましたように、地下街につきましてガスの関係で言いますれば、原則増設禁止となっております。ただ、今回JAPICでいろいろ計画を練っておられますので、その計画を見ながら、保安については十分そのときに考えていきたい、こういうことでございます。
○市川正一君 私繰り返して、天六のきのうの判決、それから静岡等々、そして年間、大小合わせてですけれども五千件という状況のもとにおけるこの銀座再開発、東京大改造については慎重な対応をされることを強く要望いたしますが、そういう立場で勉強中といいますか、対応されることには間違いございませんね。
○政府委員(柴田益男君) お説の方向で慎重に対応してまいりたいと思います。
○市川正一君 この問題については以上でございますからお引き取り願って結構でございます。 大臣並びに木下局長お待たせいたしました。法案に入っていきたいと思います。木下さんワンマンショーみたいにずっと大変でございましょうが……。 本法案について、通産省の基本的な考え方でありますが、言うならば情報処理に対する基本法というような位置づけをなさっているように私衆議院の議事録もずっと、特に木下局長の答弁を伺いながら、また大臣の冒頭のいろんな御発言を伺いながら理解しているんですが、ではそういうものになっているのかどうかということからお伺いしたいんであります。 現行の情報処理振興事業協会等に関する法律は、言うまでもなく今からちょうど十五年前でありますが、制定されました。その審議に当たって、ここに当時の会議録を持ってまいりましたが、我が党は、情報処理技術の量、質ともの拡大というのが我が国経済及び科学技術など国民生活の各分野に広範かつ多岐にわたって重大な影響を及ぼすであろう。その運用いかんによっては国家権力の支配の道具としても利用されかねないし、アメリカと日本の大企業による搾取と収奪の有効な手段としても利用されかねないし、さらには、場合によっては軍事目的にも利用されるおそれもあると。さらにその導入によって、例えば失業とか配置転換とか、あるいは労働強化、あるいは肉体的な面だけでなしに精神的な面にも影響もあるだろうということを指摘した上で、次のような四つの基本的立場から、情報処理技術の研究、開発、利用の方向を提示いたしました。 要約的に申しますと、第一は国民の利益に役立つプログラムの重点的開発、第二はその成果の自由で安価な利用と民主的な管理と運営、第三は基本的人権の尊重、第四にはアメリカへの従属ではなく、自主的、民主的、総合的な情報処理技術の研究、開発、利用と、自主、平等、互恵の国際交流の四点を私ども提示いたしました。この十五年間、事態の推移は、もちろんいろんな積極的成果もありますが、同時に我が党が危惧した事態が、単なるおそれではなしに、現実のいろんな形であらわれている面もあると私は考えます。 そこで、政府は本法の改正に当たりまして、この十五年間の実績、これをどういうふうに総括し、また評価なすっていらっしゃるのか、その点からまずお聞かせ願いたいんであります。
○国務大臣(村田敬次郎君) 基本的な問題についてまず申し上げますが、委員が御指摘になったようは本法が制定をされました昭和四十五年来、我が国の情報化というのは広範かつ急速な進展を見せておりますが、このような情報化の進、展に伴い、今日の我が国の経済社会は、ソフトウエアの需給ギャップの一層の深刻化、より効率的で開かれた情報化の促進等、従来とは異なった新たな課題に直面をしております。これは委員が御指摘になった四つの点といろいろ共通をしておる問題があろうかと思いますが、このような課題にこたえますために、電子計算機の連携利用に関する指針の策定、ソフトウエア生産工業化システムの構築、運営等にかかる情報処理振興事業協会の業務の拡充等に関する所要の規定を整備する。そういたしまして、改正後の内容に合わせて、題名も「情報処理の促進に関する法律」と改めたわけでございます。 基本的には、非常にこの十五年の間に世界の広がりというのがさらに大きく進展をしてまいりまして、情報化時代――インフォメーションエイジ、あるいは電子工学時代――エレクトロニクスイアラ、さらに宇宙時代――スペースエイジというのは、これは通信衛星等も考えてみますと、今の広がりは地球的な広がり、宇宙的な広がりにも及んでおるわけでございまして、こうしたいろいろな事態に対応するのに、この法律が情報基本法であるかどうかという問題についてはいろいろ考え方もあろうと思いますが、現在考えられるいろいろなそういった客観的な事態を整理をいたしまして、情報進展のために考えましたのが今回のこの法改正の趣旨だと、このように考えております。
○市川正一君 今大臣おっしゃったわけでありますし、また歴代通産大臣が一九七二年と七六年と八一年の三回にわたって、電子計算機利用高度化計画を策定なすっていらっしゃる。しかし、これらを拝見しますと、また今大臣の御答弁を拝聴いたしますと、言うならば、私が先ほど提起いたしました情報処理技術の四原則とも言うべき基本問題について問題点を追及するといいますか、総括なすったような痕跡が残念ながら見当たらないんであります。 そこで、一般論でなしに、具体的な問題として各論的にお伺いいたしたいんでありますが、まず「電子計算機の連携利用に関する指針」であります。追加される第三条の二で、主務大臣が所管業種について連携指針を定めることになっておりますが、そのねらいは一体何なのかという問題なんです。当該事業分野の事業者が経営の効率化を図る上で連携利用が有効であると考えれば、あえて指針などなくても自発的に利用は進むはずだと思うんです。それをあえてお決めになるのは一体どうしてなのかという疑問がわくんですが、なぜですか。
○政府委員(木下博生君) 企業間でコンピューターの利用が急速に進んでおるわけでございますが、従来は企業の内部でコンピューター利用が進んでいたものが、企業間でお互いにコンピューターをつなげて取引をより効率的にやるというものが進んできております。ところが、その個々の企業でコンピューターを利用する場合に、その企業としての一つのシステムをつくり上げ、コンピューターの使い方もそれによって決めるわけでございますので、取引をしている相手方の企業は、もしそれが商社であればその企業との間で、その企業の持っているシステムを利用していかなくちゃいかぬということになります。 ところが、その商社の場合には、ほかの企業とも取引をしておりますので、そのほかの企業と取引する場合には、そのほかの企業のシステムあるいはプログラムあるいはプロトコルを使っていかなくちゃいけないということになって、取引の関係が広がれば広がるほど複数のシステムが入り組むような感じになってまいりまして、社会全体、産業全体としてのコンピューターの利用が相当むだを生じておるわけです。したがいまして、関係の企業の間でその間のむだをなくして、できるだけビジネスプロトコルならプロトコルを統一するという動きが出てきております。 先生おっしゃいますように、それが自主的に進んでいけばそれでよろしいわけでございますが、関係企業はお互いに競争し合っている企業でございますので、自分のところでつくり上げてしまったシステムであればそれをほかの企業にも使わせようとするというようなことで、なかなかお互いに協調し合うことが難しいということになりますので、それを防ぎ、全体としてのコンピューターの利用を効率化するために、主務大臣が一つのソフトな指針を示して、それによって皆さんどうぞ話し合っていったらどうですかというような形で進める方が、より有効にそういう話し合いが進んでいくと考えたからこういう規定を置いたわけでございます。
○市川正一君 今木下さんも自主的に進むのが望ましいと、なかなかそうならぬと、だから、強制的とは絶対におっしゃってはいないんだけれども、その指針の決め方によっては特定の事業者とか特定の電算機メーカーが有利になりかねぬのですね。これは後でお伺いしますが、業界再編成をこの側面から推進をしていくというメリットも役割も果たしかねないというふうに思うんですが、そういう懸念から申しますと、第一項で指針に定める事項として利用の態様、実施の方法、それから配慮事項、三つの要件が挙がっておりますけれども、その具体的内容は一体どういうことを考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(木下博生君) 先ほど申し上げましたように、指針をつくりますときには、当然取引関係上弱い立場にある中小企業等が過重な負担を余儀なくされないよう、それから特定の事業者の利益にならないよう、中立公正な立場からそういう連携利用が進むようにすべきだということでの主務大臣の指針をつくっていくわけでございますが、その場合に、今御質問の点についてお答え申し上げますと、まず「連携して行う電子計算機の利用の態様」といいますのは、複数の事業者が互いに連携して電子計算機を利用する場合の事業者間の連携の仕方ということで、具体的にはインターオペラビリティーを確保した複数の企業間情報処理システムの形成、あるいは共同情報処理センター、共同データベースの構築、運営、こういうものが入ると思います。 それから、「実施の方法」ということについて御説明申し上げますと、定められた利用の態様を実際に実施していくための望ましい方法ということで、具体的には帳票、コード類、ビジネスプロトコルの共通化に関する事項とか、共同情報処理センター、共同情報データベースの構築、運営のための業界のコンセンサス形成の方法、そういうものが入ると思います。 それから、「実施に当たって配慮すべき事項」というのは、具体的には企業間システムを構築、運営する場合における中小企業者等、特定の事業者への過重な投資負担の回避、あるいはシステムへの参加の不当な制限、価格等に関する情報の授受等による競争阻害の回避というような点が考えられます。
○市川正一君 それでは伺いますが、この通産省所管業種で、指針を定める必要がある業種にはどんなものがあるんですか。また、産構法ですね、特定産業構造改善臨時措置法の指定業種などとの関連はどうなるのか。それから、通産省所管以外で指針の対象となり得るものがあるとすればどういうものがあるのか、以上三点。
○国務大臣(村田敬次郎君) 今日、高度情報化社会の実現に向けまして、産業、社会、生活など各分野において情報化の活発な進展が見られますが、当面情報化の中で中心的な役割を果たす産業分野におきましては、企業内システムから企業間システムの本格的な構築という新たな段階へと展開を遂げつつあるというふうに考えております。 現在通産省におきましては、繊維、セメント、家電など、所管の各業種につきまして、情報化の望ましい方向とその円滑な対応のあり方を中心に情報化の促進に関する種々の問題を検討しておるところでございます。 今後通産省といたしましては、こうした成果をも踏まえまして、また関係審議会等の意見を十分聞きながら、必要かつ適切な事業の分野について連携指針を策定する考えでございまして、他の点につきましては木下局長からお答えを申し上げます。
○政府委員(木下博生君) 二番目の御質問の産構法との関係でございますが、直接の関係はないということで私ども考えております。 それから、他省所管業種につきましては、例えば不動産業あるいは運輸業、こういうようなものが考えられるかと思います。
○市川正一君 産構法と関係ないとおっしゃいますが、実際それに適用される業種ですね、その場合には、産構法それ自体の影響と、それから今度のこの連携利用による影響と、その双方から、そこで働く労働者や関連中小企業に私は影響が二重の意味でかぶってくると思うんですね。そういう認識はないのか、あるいはあるとすれば何か対策をお考えなのか。
○政府委員(木下博生君) 産構法で構造改善をやっていく場合に、例えばグループ化してやっていくというようなことがあります場合に、その一つのグループの中で、一つの例としてこういう連携指針でやっていくというようなことも内容としてはあり得るかと思います。ただ、私どもの連携指針で考えておりますのは、あくまでも電算機の効率利用という見地からやるわけでございまして、その産構法に基づく効率を達成する目的でこれを使っていくということになるわけではございません。
○市川正一君 さっき大臣は、セメントを一例として挙げられましたけれども、セメント製造業の構造改善基本計画を見ますと、そういう中で配置転換、関係企業への出向等による雇用機会の確保に努めるとかいうふうに、雇用とか関連中小企業者への問題を提起しているんですね。だから、やっぱりその点は、関係業界としては切実かつ深刻だと思うんですよ。だから私は、今度のいわば連携利用が適用されると、一般的に言っても、例えばデータベースをどこに設けるとか、メーンのコンピューターをどこに置くかと、非常に卑俗的に言えば、そういうことを含めて大企業がその中心になるということは、これはもう避けられないと思うんですよ、理屈じゃなしに。 そういう場合、中心になる大企業は、データベースへのアクセスなどで一層有利な立場に立つし、そのために、それ以外の営業の秘密が侵されたり、不公正取引が起こったり、あるいは企業格差が生じるおそれがあると私は思うんでありますが、そういう対策についてはどうお考えですか。
○政府委員(木下博生君) 例えばセメントの場合ですと、セメントの関係で連携利用というのは、セメントの流通改善という分野についてやろうということでございますので、必ずしも産構法に基づいてやろうとしていることと直接の関係があるわけではないわけでございますが、ただ、連携利用を進めていく場合に、今御指摘のありましたような問題等が起こらないように、むしろ公正中立な立場から政府が指針をつくっていくということでございまして、当然のことでございますが、データベースの利用というようなことになりますと、むしろこういう連携利用がうまく進まないために資金力のある企業の方だけが使っていくというようなことになるのを、こういう形で広くみんなが使えるように持っていくということでございますから、むしろ経営力の弱い企業がメリットを受けるというような形になろうかと思います。 それから、企業機密に関する事項や格差を生じるような点がありましたら、それをなくすような形での指針をつくっていくというようなことになるわけでございまして、機会均等の確保あるいはこういう全体のシステムへの参加制限というような問題を回避するような形で、広く開かれたソフトな連携利用の指針をつくっていきたいと考えております。
○市川正一君 私は、やっぱりその保証はないし、今局長が言われたのと逆の、要するに系列化と、そしていわば業界の再編成という方向を促進する結果になるだろうと言わざるを得ぬのであります。本委員会で、私かつて薬業界の問題で、たしか公取の方も含めてこの種の問題を議論したことがあるんでありますが、きょうは問題の指摘にとどめます。 次に、私はIPAの業務に関連して伺いたいんでありますが、まず特定プログラムの委託先はどういうことになっているのか、IPAソフトウエア・カタログを見ますと、圧倒的部分が電算機メーカーやあるいは電算機ユーザーである大企業の系列会社が委託先になっていると思いますが、間違いございませんか。
○政府委員(木下博生君) 特定プログラムの委託先は、民間のソフトウエア企業あるいは情報処理サービス企業等でございまして、その中にはプログラムメーカー、コンピューターメーカーの関係会社等もあるわけでございますけれども、例えば五十九年度の委託先企業を例に挙げますと、エルグという会社、ソフトウエア・リサーチ・アソシエイツ、東洋情報システム、三井情報開発、ジャパンシステム、構造計画研究所、このような企業等が入っているわけでございます。
○市川正一君 固有名詞は挙げませんが、いずれも大企業の系列会社であります。 次に、特定プログラムの普及実績はどうなっているんですか。資料も要請いたしたんですが、私どもの希望にかなったものが参っておりませんので、普及度のベストスリーと、それからワーストスリーを挙げていただいて、その理由を簡潔にお伺いしたいと思います。
○政府委員(木下博生君) 昭和五十八年度末までに開発を終了した特定プログラムは百九十五本でございますが、その中で五十九年二月末までに普及されましたプログラムの本数は約一万二千本でございます。それで、物によって非常に普及実績の高いものと低いものとありますけれども、普及実績の高い方をまず例として申し上げますと、マイコン用ビジネスグラフ作成プログラムというもので、昭和五十七年度に作成いたしまして、開発費は三千七百万円だったわけでございますが、それがマイコン用のプログラムであるということで非常によく売れまして、本年二月末までに一万六百五十九本が売れております。他の例といたしましては、企業財務分析診断システムというのがございまして、この普及本数は本年二月末現在で二十五本というようなことでございます。
○市川正一君 いや、ベストスリー言うてまんのや。
○政府委員(木下博生君) それが二つ……
○市川正一君 いや、それがベストですか。中抜きですがな。
○政府委員(木下博生君) 失礼しました。 情報処理教育用CAIというのがありまして、これが普及本数百二十一本。それから、管工事業――パイプでございますね、管工事業積算・原価システム八十三本というのがございます。
○市川正一君 ベストスリーですね。ワーストスリーは。
○政府委員(木下博生君) ワーストスリーは、売れなかったものでございまして、売れなかったものですからゼロでございますけれども、有限要素法解析における動的画像処理システム、それから卸売会社事務即時処理システム、COBOL用データディクショナリ管理システム、それからビルディング総合管理システムというようなもので、五十三、四年、五十六年度ごろにつくられたものがございます。
○市川正一君 ベストワンは一万本から出ていると。一方ではゼロというのがかなりあるという、非常にばらつきがあるわけですね。そのことを今追及しようということではありませんけれども、平均して一本当たり、これもばらつきがありますけれども、五千万円ぐらいかかっているわけですね。 次に伺いたいのは、この特定プログラムの中小企業の利用度はどうなっているのか。定量的にできれば伺いたい。
○政府委員(木下博生君) 今申し上げました普及の中で、中小企業がどのくらい使ったかという統計がちょっとございませんのでわかりませんが、御承知のように、五十八年度から中小企業向け汎用プログラムの開発普及制度を開始しておりますが、その制度によりまして五十八年度には十四本のプログラムが開発されておりまして、それによりますと、六十年三月末時点の普及件数は百四十二件でございます。
○市川正一君 私もカタログを拝見いたしましたが、やっぱり中小企業向けのプログラムですね、もっとやはり力を入れていく必要があるというふうに考えます。 次に、効率化プログラム、いわゆるシグマシステムの開発でありますが、開発体制についてお伺いいたします。 参加企業、これはATTそれからNTT、ソフトウエア企業と聞いておりますが、その企業名、これらの企業の選定基準と参加のさせ方、開発を具体的に進めるための仕組みと体制などについて簡潔にお聞かせ願いたい。
○政府委員(木下博生君) まだ予算が通ったばっかりでございますし、法律はこうやって御審議いただいている段階でございますので、具体的にどのような企業が参加するかというところは決まっておりません。ただ、私どもといたしましては、できるだけ日本におけるソフトウエア企業、コンピューター関連メーカー等含めて、非常に広い範囲で参加していただくことを希望しております。したがって、希望している企業の中には、NTT等も含まれますし、またソフトウエア関係の開発の中小企業の方々にも入っていただきたいということで考えております。 それで、ATTの御質問がございましたが、これはATTという企業まで直接参加していただくことにするのか、あるいはATTの持っておりますUNIXというソフトウエアを使うだけになるのか、この点はまだ今後の同社との協議によるところでございます。 それから、シグマシステムの開発体制でございますが……
○市川正一君 失礼しました。何の協議ですか。
○政府委員(木下博生君) 参加してもらうかどうかについて今後協議するマターで、まだはっきり決まっておりません。
○市川正一君 協議というのはどことどこの。
○政府委員(木下博生君) ATTでございます。
○市川正一君 ATTとそれからどことの。IPAと。
○政府委員(木下博生君) 協議する間はIPAとATTでございます。 それから、シグマシステムの開発体制でございますが、情報処理振興事業協会の中にシグマシステム開発本部というようなものを置きまして、民間から二十名か二十五名程度の技術者の方に入っていただいて、そこで基本設計、それからシグマシステムの進捗管理、総合調整等を行うようにしたいと考えておりますし、そのほかにシグマシステム開発委員会というような名前の諮問委員会を置きまして、学識経験者等によって全体の開発についていろいろ基本的な中立的な立場から意見を述べていただくというようなことを考えております。また、その下に技術委員会や運営委員会等を置いて、広く民主的な形で物事を進めていきたいと考えております。
○市川正一君 今の答弁にもありましたATTのUNIX、OSを導入する、今後協議するとおっしゃいましたけれども、その方向に事態が進んでいるようでありますが、UNIXはアメリカで開発されたOSであります。日本にそのまま適用する上でいろいろ問題があるというふうにも聞いておりますけれども、UNIXの長所と短所をどう見てらっしゃるのかお聞かせ願いたい。
○政府委員(木下博生君) UNIXはアメリカで開発されたものではございますが、非常に広く各種のコンピューターに使われておりまして、日本でもそのUNIXを使ってコンピューターを動かしているところがたくさんあるわけでございます。 長所といたしましては、一つはUNIXがソフトウエア開発に極めて適した、いわゆる会話型処理機能、柔軟なファイル構造等を有しているという点が一つ。それから二番目に、UNIXが多くの種類のコンピューターに対する高い移植性を持っているということ。それから三番目に、UNIXが世界各国で利用されておりまして、ソフトウエア開発のための各種のツール類の蓄積が多いということが言えます。 それから、短所といたしましては、当然のことでございますが、日本語処理機能がないということ、ファイル保護機能が弱いということ、通信機能が弱いというようなことが挙げられますが、これらは十分改善し得る性質の短所だというふうに聞いております。
○市川正一君 そこで、このシグマシステムにUNIXでなければならないといういわば積極的というか、根拠ということになってくるんでありますが、というのはこの情報処理関係の専門家、スペシャリストなんかに聞いても、日本にその技術がないわけじゃない、しかるべき体制をとれば可能であるという見解を少なからず聞きます。アメリカとのソフトウエアギャップを埋めるとするならば、日本のいわば技術で挑戦するというのも、これは決して狭量なナショナリズムというような意味でなしに、私は一つの考え方だし、一つの方法だと思うんでありますが、そういうことを含めて政府の評価、政府としてのお考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(木下博生君) コンピューターの世界は非常に国際的な状況になっているということはもう先生御承知のとおりでございまして、アメリカで開発されたIBM等のコンピューターが使われ、IBMのソフトウエアが日本で使われているという状況もございますし、また日本がコンピューターをアメリカに売ってそれで使っているというような状況で、お互いに交流が非常に盛んになってきておるわけでございます。したがいまして、私どもは世界で使われておりますソフトウエアの中で、一番こういうシグマシステムをつくっていくのに適したものを探そうということで、一つの方法としてUNIXを考えているわけでございまして、先ほど申し上げましたように各種の利点があります。 ただ、そのUNIXというソフトをそのまま使っていくわけではございませんで、当然それは我々のプロジェクトに合ったように改善していくわけでございまして、私どもとしては、すべての技術について全部日本で賄っていくというようなことじゃなくて、むしろソフトウエアギャップというのは国際的な問題でございますので、非常に広く世界的な見地から一番いい方法でコンピューターソフトウエアの生産性の向上を図っていきたいということで、これを一つの有力な方法として考えているわけでございます。
○市川正一君 同時的に言えば、国内の技術で挑戦するという一つの重要な方法も私はあり得るということをぜひ政府としても銘記していただきたい、こういうふうに思います。 そこで、シグマシステムが完成した後のことでありますけれども、これが完成すると、端末をソフトウエア会社やあるいは電算機ユーザーにおいて容易に、また安価にプログラムの作成ができることになるのでありますが、そうしますと、現在ソフトウエアを専門につくっているいわゆるソフトハウスですね、ソフトウエアハウスなどはその存立基盤がなくなってしまうということになると思うんですが、この点はどう考えていらっしゃいますか。
○政府委員(木下博生君) 現在ソフトウエア関係の技術者の数が非常に不足をいたしまして、ソフトウエアハウスというようなものもどんどん地方に事業所を持っていって、地方で技術者を集めて仕事をしているというようなこともやっておりますし、最近は一部を海外に下請に出して、ソフトウエアの開発をやっているというような状況でございまして、技術者が少ないために各ソフトウエア企業とも二年分三年分の注文を抱えているというような状況でございます。 私どもが一番懸念しますのは、そのような状況で、供給が追いつかないために情報化全体のスピードが停滞してしまうということを一番恐れているわけでございまして、そのような需給ギャップを解消するために生産性の向上を図っていこうということを考えたわけでございます。したがいまして、もしこのシステムができ上がりましたときには、当然そういうソフトウエア会社等にも利用していただくことになるわけですが、生産性が上がるということはそれだけコストも安くできるということでございますので、単に大きなコンピューターメーカーあるいはソフトウエアのユーザーだけがこういうのを利用するということではなくて、ソフトウエア会社自身も利用していくことになるんだろうというふうに考えております。そういうようなことをやって初めて需給ギャップ等が少し締まってくるんではないかというような感じを我々は持っておるわけでございます。 それと、もう一つつけ加えて申し上げたい点は、このようなシグマシステムを進めることによりまして、ソフトウエアの品質を向上していきたいということでございます。ソフトウエアにもいいできのもの、悪いできのものがございますし、しょっちゅういろいろとミスが出てくるというようなものがあっては困るわけでございますので、今回のシステムは、そういうミスをできるだけ少なくするようなソフトウエアをたくさん持って、でき上がったソフトウエアをチェックするというようなことも考えておりますので、品質の高いプログラムをソフトウエア会社も大いにつくっていただけることになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○市川正一君 余りにも私は楽観的に過ぎると思うんです。 今のことに関連してお聞きしたいのは、第二十八条の第八号で、電算機のユーザー企業の中にいる技術者の養成資金について新たにIPAが債務保証を行うことになったんでありますが、私はそこまで面倒を見る必要があるのかどうか、むしろソフトウエア企業との矛盾を深めはしないかということを懸念いたしますが、この点はどうですか。
○政府委員(木下博生君) コンピューターソフトウエアは、単にソフトウエアのメーカーだけではなくて、ユーザーの方においてもそのためにたくさんの人を使って保守等をやっておるわけでございます。したがいまして、ソフトウエア技術者の需要は単にメーカーサイドだけじゃなくて、ユーザーサイドにもあるわけでございまして、ユーザーサイドにおいて優秀な技術者がたくさんいることにより、使っておりますコンピュータープログラムがうまく使われるということが非常に重要になってきておりますが、そのユーザーサイドで技術者を養成するための費用を銀行から借りる際に、IPAで債務保証しようというものでございまして、そのユーザーサイドの中には、特に債務保証をしてもらうような企業の中には中小企業がたくさんいるわけでございまして、そういう財務力の弱い中小企業の対策として我々は考えております。 しかし、こういうような対策で技術者を養成いたしましても、根本的にはソフトウエアの供給が足りない状況でございますので、ソフトウエアメーカーの方に圧迫が加わるというようなことには全くならないと私どもは考えております。
○市川正一君 それは、やっぱりハンディキャップをますます大きくする措置だというふうに言わざるを得ません。 最後の問題は、この分野を下から支えている技術者、労働者の問題であります。 ここに持ってまいりました労働省の職業安定局の資料でありますが、派遣的労働の実態調査によりますと、男子では一日八時間から十二時間以上の労働時間の割合が八二・五%にも達しております。また、電算労、電算機関連労働組合協議会の資料では月間二百時間を超える時間外労働になっております。そのために年齢的限界があって、三十五歳未満で圧倒的な労働者がやめていく、労働時間や仕事の指示も派遣先で行われるものが七割前後という実態をあらわしております。こういう中で休暇がとりにくい、労働組合がない、人間関係の苦労などさまざまな悩みを持っておるんでありますが、私は通産省としても、ソフトウエア業界を支えているこういう労働者、技術者の実態を調査して、打てる対策は積極的にとるという立場に立たれるべきだと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 今御指摘のように、ソフトウエアメーカーは最近非常に多量の注文を抱えてこなし切れない状況になっております。そのために人をふやしたいと思ってもなかなか人を見つけることもできないというようなことで、今おっしゃったように、超過勤務が少し長くなっているというようなケースというのも出てきているのは、そのような状況ではないだろうかというような感じがするわけでございます。 しかし、私どもといたしましては、まあそのような状況の中で、そこで働く従業員の方々が労働環境をよくし、それで長い間そういう企業で働くことができるように持っていかなくちゃいかぬということを考えておりまして、今のようにいわゆる手作業でコンピューターのディスプレーを前に見ながら作業をするというような状況でやっていくんじゃなくて、むしろこういう形で生産性向上することによって作業の負担を和らげていく、それで将来は、そういう人たちは経験を積んでいけばもっと高度の仕事に従事することができるようにするというような形に持っていきたいと考えているわけでございまして、私どもとしては、そういう従業員対策という意味も含めてこのような施策を進めていきたいと思っております。
○市川正一君 時間が参りましたので、最後に、ただいまの問題と関連しますが、実際に、じゃ将来そうなるまでの現実の問題として、ハイテクストレスという言葉がはやっておりますけれども、FA化あるいはOA化された端末の処理をする労働者というのは、本当に肉体的な面だけでなしに、精神的にいろんな障害があらわれているわけですね。そうしてコンピューターなんかが、いろんな形で家庭まで持ち込まれることによって、子供たちにまでその影響が今や広がろうとしているという点で、この問題は単に通産省だけの問題ではありませんけれども、やっぱり例えば労働者の交代制の問題、労働時間の短縮の問題、そして同時に医学的にもいろんな新しい未知の問題が出ているわけですから、私は通産大臣がこういう問題についてイニシアチブをとられて、そして政府として総合的で抜本的な対策をやはり今とらなければ、大きな社会問題になるということを強調いたしたいんでありますが、こういう点で通産大臣としての決意を承って質問を結びたいと思います。
○国務大臣(村田敬次郎君) マスメディアの進展ということと人間の生活感覚というものの乖離という問題だと思いますが、大変重要な御指摘だと思いますので、実態をよく調査さしていただいて対応いたしたいと存じます。
○井上計君 最初に大臣に伺いますけれども、今筑波で開催をされておる科学技術博覧会、大臣はもうごらんになりましたか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 実は出席をいたします日に、国会の関係で出席をストップされまして、まだ見さしていただいてないんでございます。
○井上計君 局長はいかがですか。
○政府委員(木下博生君) 同じ状況でまだ伺っておりません。
○井上計君 実は私、開会式にお招きをいただきまして参りました。時間の関係で二、三のパビリオンを見ただけでありますけれども、見た感じを率直に申し上げますと、技術の進歩といいますか革新、まことに驚くべきものがあると思う。このように高度化技術社会あるいは高度情報化社会がますます進んでいくと、果たして二十一世紀どころか五年先どうなるんであろうかと、このような感じを持ちます。 私は特にメカに弱い方でありまして、いまだにテレビがスイッチを入れれば映るものだと思っていますけれども、実際にどうやってテレビが映っているのか全くわからぬ方で、実は全く技術面では弱いんですが、市川委員なんか自分で商売がえしてプログラマーになってもやっていけるような非常に高度な技術感覚をお持ちですけれども、私なんかそのような気持ちから、あれを見まして、近い将来ここまで未来社会といいますか、高度の技術社会になってくると、生きていくこと自体が苦痛になるのではなかろうかと、実はそんな感じさえしたんですね。専門家は別でありますけれども、私以外にもそういうふうな、私と同様に技術に暗い国民が実は相当いるんではなかろうか。したがって、そういうふうな人たち、私を含めていわば高度技術化社会の落ちこぼれが相当国民の間に出てくるんではなかろうか、こういう感じが大変したわけなんです。 これらについてどのような対策を講ずるかというのは、私はやはり通産省の責任だと、また通産省の指導というものがますますそういう面でもこの高度化技術を進めていくために起きる、そういうふうな派生する問題についてもやはり通産省の責任、また行政指導という面が今後ますます重要になってくるんではなかろうかというふうなことを感じたわけですけれども、そのような点につきまして大臣はどのようにお考えでありますか。
○国務大臣(村田敬次郎君) 非常にパラドクシカルなお答えをまず申し上げようと思いますのは、昔私どもが読みました本に、塙保己一という大変偉い学者がおりまして、「番町で目明きめくらに道を聞き」というたしか俳句があったと思うのでございますが、高度情報化社会というものが進むにつれて、先ほども市川委員が御指摘になりましたが、ハイテク病と申しますか、そういったような障害が起こるというような御指摘がありましたが、私は本当にこれは笑えない感じがいたすのでございます。 しかし幾らすぐれたコンピューターができましても、それをつくった人間にまさるコンピューターはないわけでございまして、人間というのは、例え話のように申し上げますれば、神様のつくった最高の傑作だ、だから人間が幾らロボットをつくり、コンピューターをつくっても、人間を超える機械ができるわけがない、そこでひとつマスメディアの整理を人間自身がしっかりやらなきゃならないんじゃないかという、こういう私は一種の哲学を持っておるわけでございます。 本論に返りまして、従来電子計算機を初めとする情報関連の機器は、産業分野を中心としたごく限られた分野で、専門の技術者を中心とした限られた人々によって利用されてきたわけでございます。今後は情報処理技術の進歩を背景といたしまして、その利用形態も、従来の単体としての利用から、通信回線などを通じてシステム化、ネットワーク化されるなど、高度かつ多様な利用形態に進展するとともに、利用領域も産業だけでなくて、社会だとか一般家庭だとか、そういうところに拡大をしていくものと考えております。 私としては、健全な情報化社会を形成していく上で極めて重要なことは、情報化による便益を、専門家だけでなく国民一人一人が享受し得るようにしていくことにある、こういうふうに認識をいたしておりまして、このような観点から高度情報化社会の円滑な実現を図りますために、専門家以外の方々が使いやすい機器等を供給するための技術開発を進めていく、それからまた関係の大臣とも連携を図りながら、国民の情報化に対する正しい認識を涵養するための教育、情報化月間などの広報活動を推進するなど、パブリックアクセプタンスの形成に努めてまいるという所存でございまして、言うなればマスディアに対して人間自身がしっかりしなきゃいけない時期がきた。そういう人間回復というものを大いに考えていくべきだと、こう思っております。
○井上計君 十二分にお考えになっていただいているようでありますけれども、これらの問題は、やはり予期しない、そのような派生する問題がますます今後増大するであろうということが予測されますので、今大臣に御所見を伺いましたけれども、さらに一層そういう面についての配慮、いわば高度化技術をさらに進めていくことについての対策と、進めるに伴って当然起きる、いわば先ほど申し上げたような落ちこぼれ対策も、あわせてひとつお考えをいただくことがますます重要であろうと、こう思います。 先ほど来、もう同僚委員の御質問でもほとんど具体的な問題が出尽くしております。人材の養成の問題あるいは系列化されることによっての中小企業の問題、いろいろ出尽くしておりますが、それらも含めてそのような点をひとつお考えをいただきたいというふうに思います。 それから次に、これもやはりお答えの中に先ほどから出ておりますけれども、企業間システムの進展にょって系列化が強化される。これはもう当然起きることだと思います。先ほど来やはり質問に出ておりますけれども、中小企業と大企業との情報格差といいますか、これまたこれが相当大きな予期せざるような問題も起きてくるんではなかろうかというふうに思います。 この情報化フィーバーと言われる中で、若干古い資料ですけれども、五十八年の十二月調査では、大企業のコンピューター導入率が八八%あるにかかわらず、中小企業は導入率がまだ二八%程度の低率である。それから通産省のアンケート調査でも、下請企業のうち情報化の急速な進展に対して非常に不安を持っておるという企業が全体の四分の一以上あるというふうなことを考えますと、情報化社会の中でますます不利になっていく中小企業、特に小零細企業というものが非常に多いんではないかというふうに思うんですが、これは中小企業対策ではありますが、あわせてこのような情報化対策という中で、局長いろいろとお考えになっておるようでありますけれども、先ほど来の同僚委員の質問と若干重複する点もありますけれども、ひとつお考えをお聞かせをいただきたい、こう思います。
○政府委員(木下博生君) 産業の情報化の進展は、企業活動の一層の合理化あるいは競争の活発化をもたらすという積極的に評価すべき側面がある一方では、御指摘のように、中小企業における情報化が大企業に比しておくれをとるという可能性があるのは、まさにおっしゃるとおりでございます。情報化による大企業と中小企業との情報化格差が経営力格差という形になって、今でさえ経営力の弱い中小企業がますます差を広げられるということになるのは、決して好ましいことではないと私どもは考えております。 そのような意味で、コンピューターがせっかく非常に安くなってきたわけでございますし、今先生御指摘のように、もう少しみんなが使いやすいものにすべきじゃないかというようなことでございますが、そういうようなことをやっていけば、むしろコンピューターというのは中小企業あるいは各家庭においてもどんどん使われるようなことになってくるというようなことでございます。 そういうことでございますけれども、現実にそのような格差が起こるおそれがあるわけでございますので、中小企業が自主的に情報化への対応を進めることができますよう、引き続き財政的支援を行っていくとともに、この御提案を申し上げました本法律の運用に当たりましても、連携指針については、ビジネスプロトコルを含めたインターオペラピリティーを確保するというようなことで、中小企業が取引上弱い立場にならないよう、また過重な負担を余儀なくされないよう考慮していきたいというようなことを考えております。ただ、コンピューター自身がどんどん通信回線を通じて利用されるようになりますと、それを利用できない形ではますます中小企業がおくれをとるわけでございますし、利用できやすいように持っていくためには、むしろこのような連携利用指針というようなもので一産業分野全体が同じようなやり方でやっていくということが非常に重要だというような感じでおります。 また、今回御提案申し上げました法律案の中で、情報処理振興事業協会の業務の拡大を考えておりますが、その一つとして共同情報処理システム開発のための低利融資事業というのを考えておりますけれども、私どもとしては低利融資が必要だと考えますのは、そういうシステムをつくり上げますのにリスクが非常に高いということと同時に、そういうシステムの中に加わる中小企業者の負担をできるだけ低めていくというようなことでございますので、そういうような制度を一層活用しながら政策を進めていきたいと思っておりますし、シグマシステムにつきましても、先ほど来私どもが御説明申し上げておりますように、中小企業者がよりよく使いやすくなるような形で中小企業者のソフトウエアの開発の生産性の向上にも役立てるようにしていきたいというふうに考えております。 また、中小企業庁におきましては、従来から情報化対策というのは非常に重点を置いて進めておりますが、今後ますますそういう方向でいろんな施策を講じておりますので、そういう施策を通じて中小企業のコンピューター利用率が大企業と肩を並べることができるようになるよう持っていきたいと考えております。
○井上計君 なお、これまた先ほど来質問がかなり出ておりますけれども、また御答弁の中にありましたが、情報関係技術者の絶対数が現在既に不足をしておる、また将来さらに不足する可能性が大であるというようなことがあります。そこでその技術者の養成ということをこれまたお考えになっておるようでありますが、通産省のサイドあるいは通産省の枠内だけでお考えになったのではなかなか、特に中小企業にまでこのような技術者の確保ということは非常に困難だと思うんですね。 そこで、文部省、これはもう国全体の政策になってくると思いますけれども、仮に普通高校あたり、あるいは既に中学校あたりで、ある程度基礎知識を修得できるような教育も今後やはり必要になってくるのではなかろうか。そうすることによって、そのような中学卒業あるいは普通高校卒業生でも情報技術者としての基礎ができておれば、これらの者が社会に出て中小企業等に対する就職、その中小企業の技術者等々の不足の緩和あるいは充足にかなり役立つのではなかろうかというふうにも感じるんですが、そのような他省庁に対して、この技術者養成等々についてさらに横の連絡をとりながら、国の大きな政策課題として持っていかれるというふうなことについてのお考えはどうなんでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 今先生御指摘になりましたように、情報関連の技術者というのは非常に数が少なくなっておりまして、大きなコンピューターメーカーでありますと、千人以上の大学卒の人を毎年採用するというようなことをやっておりますために、中小企業の方々がなかなかそういう大学卒の技術者を採用することができないという状況になってきております。したがって私どもは、根本的にこういう問題を解決するためには、各種の教育というか、通産省がやれるような教育助成あるいは研修制度というのも必要でございますけれども、それ以上に、今先生御指摘ございましたように、学校教育の面からそれを考えていく必要があるだろうと考えております。 御承知のように、アメリカあたりでは、小中学校に相当のコンピューターが置かれておりまして、みんなが使えるようにしようとしておりますし、フランスなんかでも、コンピューター教育を政府が音頭をとって、小中学校で大量のものを使っていこうというような計画が進んでいるやに聞いております。 それに比べて日本の場合にはまだ大分おくれております。もちろんコンピューターが好きな子供たちは、勝手に秋葉原等で遊んでおるわけでございますけれども、やはりコンピューター教育というのは、単にゲームソフトを買ってきて、そのソフトでゲームをして遊ぶということだけではなくて、コンピューター自身を動かすために、自分でプログラムをつくってみるというようなことをやっていく必要があるわけでございまして、そういうようなことに小中学校からなれ親しむということが、結局コンピューターを扱える人のベースを非常に広げるということになるわけでございますので、そういう意味で、私どもも文部省に、小中学校からのコンピューター教育について取り組んでいただくようにいろいろお願いしておりますし、文部省も現在はそういう方向でいろいろ検討しておられるようでございます。 それから、労働省におきましても、職業訓練というようなところでコンピューター関係のそういうコースをふやすというようなことを考えておられるようでございますので、各方面にわたってそういう施策を進めて、長期的に技術者の不足が解消されるように持っていきたいと考えております。
○井上計君 大変結構です。ぜひそのような方向を強く進めていただくことが絶対必要だというふうに感じます。 今局長の御答弁の中にありましたけれども、労働省でそのような技術者の養成といいますか、そのようなお話がありました。ところで、この法案の中に、「情報処理技術者試験を行なう。」ということがありますけれども、労働省が行っておる例の技能検定制度がありますね。今後労働省の行っておる技能検定制度と、このような情報処理技術者試験というふうなものが重複するといいますか、そういうふうなダブりが今後やはりふえてくると思うんですね。これはこれだけじゃありません。 特に労働省が行っておる現行の技能検定制度については、私は実は相当異論を持っておりまして、二十二日の月曜日の決算委員会でたまたま労働省所管のことをやりますので、そこで私は労働省に対して意見を言ったり、あるいは現行の技能検定制度の見直しを質問を行う予定でおりますが、例えて言うと、今労働省の行っておる技能検定試験の中には、全く現在の技術社会で必要としない、一つ例を挙げますと、大工さんの技能検定には、かんなでかもいや敷居の溝を削るような制度がまだ残っているんですね。左官の技能検定には、わらを切って入れて土をこねるような制度がまだ残っておるわけです。実際には全く今使われていないそういう制度がまだ依然としてあるんですね。ほかにもたくさんあります、二百幾つかの職種の中でそういうふうな、二十年ぐらい前、もう既に十年前に必要でなくなったものが依然として残っておる。そのようなものを見直すとして、現在の高度技術社会に対応するような技能検定に改めるべきであるという提案、質問を私は実はしようと思っておるんです。 そこで、これらの問題と非常に関係が大きくなってくる、今後重複が非常に多くなってくると思うんですね。したがって、労働省の行うそういうふうな検定制度あるいは技術者養成等々との整合性といいますか、ダブりをできるだけ整理をしてもらって、効果のあるようなものにしていただく必要が絶対ある、こんなふうに思っておりますが、当然これは今局長のお話の中でそれらのものをお考えのようでありますから、ぜひこのことはさらに強く御検討いただくように要望しておきます。 それから、そこで技術者の技術の向上に必要な資金というものが今回融資される、あるいは保証されるということになりますね。債務保証とは具体的にはどういうふうな形になるんですか、また、具体的にどのようなものを対象とされるのか、これをちょっとお伺いいたします。
○政府委員(木下博生君) 今回の改正で、情報処理振興事業協会の業務拡大の一つとして、「債務保証」について一つの項目を入れておるわけでございますが、現行のソフトウエアの開発等に関する債務保証は、保証範囲が融資額の九五%、保証料が保証元本の〇・七%という格好の条件でやっております。 ただ、保証料が若干高いのではないかというような御批判がありますので、私どもは全体の基金の状況等を見ながら、そういう点も今後検討していきたいと考えておりますけれども、今回の拡充しようとしておりますものは、一般企業、いわゆる情報処理関係企業以外の企業におけるシステムエンジニア、プログラマー等のプログラム開発に関する業務を行う人たちの技術の向上、研修のための費用を銀行から融資を受けるときにそれに対する債務保証を行おうというものでございます。 ソフトウエアというのは、単にソフトウエア会社、あるいはコンピューターメーカーがつくるものではなくて、ユーザーの方でソフトウエアをつくり、あるいは内容を充実していくというようなことをしょっちゅうやっているわけでございまして、ユーザーサイドでもたくさんのそういうプログラマーやシステムエンジニアがおりますので、 そういう人たちの教育訓練の費用の融資に対し債務保証を行おうということでございまして、ユーザー、メーカー両方の分野での技術者の技能向上をこれで図っていきたいということでございます。したがって、先ほども申し上げましたけれども、債務保証の条件が若干高いという御批判も受けておりますので、今後この点は少し改善できるかどうかを検討していきたいと考えております。
○井上計君 今の該当するのかどうかちょっとお伺いしたいんですが、既に企業によってはそのような技術者の養成にかなりの経費をかけて養成しつつある途中のものがありますね。そのようなものはどうなんですか、融資対象になりますか、どうですかね。現実に相当やっている企業がたくさんあるわけですよ。もちろんもう必要に迫られてかなりの経費を投入してやっておるわけですが、だから、これから新しくやるものだけが該当するのか、あるいは既にやっておる経過途中のものも該当するのか、その点ちょっと伺います。
○政府委員(木下博生君) 技術者の研修のためには、一年とか二年とかという相当長期間をかけて研修をやっておるわけでございますので、今先生御指摘のように、現在既に研修を始めているケースというのはあるわけでございます。それでそういうケースにつきましては、今までかかった費用に対して債務保証するということは難しゅうございますが、今後そういう人たちの研修を続けていくために、新たに必要とする資金については債務保証の対象としたいというふうに考えております。
○井上計君 はい、わかりました。 先ほど、これは安全対策についてもやはり田代委員からも詳細にわたって御質問がありました。また御答弁もありましたから、これは私もお伺いしようと思っておりましたが、重複しますから省略をします。 ただ、局長のお答え中にもありましたけれども、何が起きるかわからぬというふうな、あるいはそれが起きた場合にどのような影響が起きるかわからぬ、予測しがたいようなものがたくさんあると思いますが、そこで仮にこういうこともあるんですね。既に実例があるようでありますが、銀行の例の受け払いの操作ミスによって、自分では当座残高があると思っておる会社が、銀行のミスによって実はなくて不渡りになったというふうな、たしか新聞にありましたが、そういう事故があるんですね。これは一つの銀行の例でありますが、それに類したものが、故意によらないで過失によるそういうふうなミス、それによって与える影響、甚大な被害というものは今後やはり発生するおそれがあるんですね。 それを何らかでカバーするようなこと、これは通産省とはまた別の問題だと思いますけれども、しないとやはりいけないというふうなことが起きると思うんです。今のように銀行のミスで当座不足になって不渡りになる。そのために銀行取引停止にたって莫大な信用を損なう、そのために企業が……ということだってこれは起きるかもわからぬですね。その場合にだれが補償するのか、だれがどうするのかということについては、現在のいろんな法律あるいは刑法等々に該当しませんが、何にもないわけですね。結局泣き寝入りだ。こういうケースが銀行だけじゃありません、中小企業にやはり発生するおそれがあると思うんですがね。先ほど来あったように、下請との問題、あるいは親企業と子会社との間の問題、あるいは子会社相互間の問題、いろんなことがあると思うんですがね。そのようなことの何かカバーするような、保護するような対策も必要になってくると思うんですが、その点どのようなことが起きるというふうに想定されておりますか。
○政府委員(木下博生君) コンピューターの利用が非常に広い範囲で行われることに伴いまして、既存の法律や商慣行ではうまく処理できない問題というのが非常にふえてきております。 コンピューターの安全対策もその一つでございまして、従来通産省は、行政指導ベースで安全対策基準をつくって、システムダウン等の問題に対してできるだけそれに対応できるようなコンピューターシステムづくりを各企業に指導しておったわけでございますが、今回実は、この法律案の中にそういう安全対策を織り込んだものを考えておったわけでございますけれども、犯罪防止的観点がどうしても入ってくるということで、これはどうも今回私どもの情報処理振興事業協会等に関する法律の法益とはなじみにくいというようなこともございますし、それから、公のコンピューターシステムにつきましては、ここはあくまでも事業者のコンピューターシステムのことをやっている法律でございますので、国や地方公共団体の公のコンピューターシステムに対する安全対策というのはなかなか対象となりにくいというようなこともありまして、一応この法律案からは切り離したわけでございますが、関係各省と協議し、関係各省ともこの問題は非常に重要だという認識においては変わりませんので、次の国会にはぜひ法律案をまとめてやりたいというふうに考えております。 それから、今先生の御指摘になりましたような問題は、今後いろいろコンピューターに関連して出てくるわけでございまして、例えば保険の制度で、損害保険で今おっしゃったような問題をカバーすることもすべてのケースでは可能かどうかわかりませんが、できるわけでございまして、保険制度というのは通産省は保険会社と話し合って五十年代の初めから進めてきておりますけれども、保険料が若干高いというようなことで余りよく利用されていないというようなことがあります。 それから契約約款で、今先生がお話しになったような、事故等によって自分の口座の内容が変えられてしまうというようなときに、どういうふうにそれを救済するかというような検討も、通産省の関係の団体である企業活力研究所で研究したりなんかしておりまして、私どもとしては新しくそうやって起こってくる問題について法制面を含めて広く、通産省だけではなくて、関係各省を含めて検討をしていく必要があるだろうというふうに考えております。
○井上計君 わかりました。当然お考えいただいておるので安心いたしましたが、さらにそれらの点についてひとつ今後とも強力にお進めをいただきたい、こう思います。 時間が若干まだ私残っていますが、先ほどの休憩願った時間を含めていますから、最後の質問にします。 先ほど来お話しいただいておりますけれどもいずれにしても私どもの予期しないようなことまで発展するような、実は現在さらにこれからの高度技術社会であるということと、冒頭申し上げましたけれども、通産行政の担う役割、通産省の責任はますます重大になってくると思います。私かねがね申し上げておりますけれども、何といってもこのような変貌激しい時代においては先取りが必要です。特に中小企業にとっては先取りが必要なんですが、現実には、中小企業自体の能力では、あらゆる面の先取りは不可能であるということになりますから、やはり通産省が常に先取りをしたそのような政策、そのような指導を民間企業に対して、特に中小企業に対しては大いにひとつ示して、リードをしてあげることがますます重要な時代になってきた、こう思います。これらの点を要望します。それらについて大臣どのような御所見でありますか、お伺いをして、私の質問は終わります。
○国務大臣(村田敬次郎君) 情報化に対する対応という問題は、産業社会の活力の維持、活性化に貢献するばかりでなく、国民生活全体の向上をもたらすものでございまして、健全な高度情報化社会の実現というものがこれからは極めて重要な課題である、こういうふうに認識をしております。井上委員御指摘のとおり、情報化に係る問題は、広範な分野にわたりそれぞれきめ細かな対応が要請されているものと思料いたします。 我が国の健全な情報化を図る上で責任を有する通産大臣といたしまして、本法の適切な運用を図るとともに、情報化関連施策を一層充実させ、高度情報化社会の実現に向けて鋭意努力してまいる所存でございますし、特に中小企業の情報化への対応というものが、極めて大事な、一番根本的な問題であろうかと思います。御指摘のような意味におきましてもきめの細かい配慮を、中小企業と情報化の問題についてしてまいりたい、このように考えております。
○井上計君 ありがとうございました。終わります。
○木本平八郎君 私もできるだけ早く質問を切り上げたいと思いますけれども、それで実はこれ十四ぐらい準備してあるんですけれども、ほとんどの質問について同僚議員の方に先にいろいろありましたので、もうほとんど残ってないわけです。それで二、三これに従ってちょっとお聞きしたい点があるんです。 まず初めの、IPAの問い三です。これはここに、「特定プログラム普及状況」(五十九年十一月三十日現在)、こうあるわけです。これで見ますと、昭和五十八年、五十九年に普及状況が急激に伸びている。この伸びている原因というのは、パソコン用の普及本数が急激に伸びているということですね。パソコンが昭和五十八年、五十九年ぐらいに伸びたということはわかるんですけれども、この特定プログラムに関連してパソコンの関係が非常に伸びているという事情、何か特殊な事情があればお聞かせいただきたいんです。
○政府委員(木下博生君) コンピューターの特定プログラムの委託開発及び普及の事業は、四十五年にこの協会ができてからずっと進めてきておるわけでございますが、その間においてコンピュータープログラムをつくる会社の技術力も非常に高まってきたということで、初期に比べ、最近開発される汎用プログラムの普及状況は比較的改善されてよくなってきているわけでございます。その中で一つだけ際立って普及度合いが高いのは、今先生御指摘のパソコン用のグラフィックを出す機能を持ったプログラムでございまして、これだけが一万本以上売れたということでございます。 コンピューターのプログラムというのは、将来起こる需要を見込んであらかじめつくるわけでございますから、できたものが、できがよくてみんなに受け入れられれば一遍にたくさん売れるというようなもので、若干石油の探鉱みたいな感じはあるわけでございますけれども、この件は非常によく売れまして、したがって開発費用よりはるかに大きな金額の収入があったというものでございます。これだけが非常に大きくて、あとは百数十本というのが次のランクのものだったと思いますけれども、そのような形で、徐々にコンピュータープログラムというのは、汎用プログラムの普及が、こういうような事業が浸透することによって広がってきているというようなことが言えると思います。 特にパソコンについては、毎年倍々ゲームというような形で生産がふえ、設置台数がふえてきておりますので、それに合ったプログラムというのは今後大いに開発、普及の可能性が高いということが言えると思います。
○木本平八郎君 やはり使われているのは中小企業だと思うんですけれども、その中小企業をさらに分けまして、零細企業と中小企業というふうに分けますと、やはり零細企業の方なんですか。
○政府委員(木下博生君) 私どものところで、ちょっとユーザーサイドの統計が手元にございませんものですからよくわかりませんが、ソフトウエアの開発されたもので内容を見ますと、特定の種類のいろいろな事業を対象としたものがあります。例えば管工事業積算・原価システムとか、新聞販売店経営合理化管理システムというようなもので、そのシステム自身が中小企業者向けのものではっきりしたものがございますので、こういうものを利用している中小企業も最近非常にふえてきているというふうに思いますが、ちょっと零細企業、中小企業、それから大企業というような分類での統計はございませんので、その点はお許しいただきたいと思います。
○木本平八郎君 私の了解しているのは、そういうどちらかといえば零細、今までコンピューターに余り縁のなかったところに急激に広まっていっている。これは売り込みの方が、いわゆるソフトウエアハウスというか、コンピューターの売り込むセールスの方が、その企業向けの、今先ほどのパイプ工事ならパイプ工事、新聞販売店なら新聞販売店用のソフトウエアをパソコンに組み込んで、パソコン込みにして売り込んでいっている。したがって、向こうの方は、先ほどのテレビと同じで、スイッチを入れれば後さっと出てくるというふうな、非常にそういううまい売り方をしているわけですね。 私は、今後ともそういう中小企業にこういうものを普及さしていくには、やはりそういう売り方が必要なんじゃないかと思うんですが、通産省としてはそういう売り方についてはどういうふうにお考えになっているか。要するに、中小企業の、企業の方に使え使えとか、いろいろこういうプログラムがあるからということよりも、そういうコンピューターを売る方にやらした方が効果的じゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(木下博生君) 従来コンピューターは、コンピューターメーカーが売るときに、今先生おっしゃいましたように、その需要先のニーズに合ったソフトウエアをつくって、そのコンピューターメーカーが機械と一緒に売り、あるいはレンタルするというような形式が非常に多かったわけでございます。 ところが、これはアメリカでも同じだったわけでございますが、アメリカは非常に早い時点でアンバンドリングというんですけれども、ソフトウエアの販売とそれから機械の販売とを分けた販売のやり方をやり始めたわけでございます。日本の場合には、比較的最近の時点までメーカーがつくって、ソフトウエアと一緒に込みで売るような格好でやっておったわけですが、これは今先生おっしゃったような利点もある反面、逆にコンピューターというのはどんどん進んでまいりますので、五年たつと同じ性能のコンピューターの値段が随分安くなる。それからまた、同じ値段であれば性能がずっと高くなるというようなことで、コンピューターを入れかえる必要が出てくるわけですが、そのときに企業によっては、コンピューター自身はそのまま置いておいて、ソフトウエアさえ変えればいいものを、コンピューターメーカーがこの機械もソフトも古くなったからまた新しくかえましょうというようなことで、かえってユーザー側の負担になるようなケースもふえてきております。 私どもは、むしろそのコンピューター、ハードウエアはハードウエアで販売し、それからソフトウエアはソフトウエアで販売するというアメリカ型の流通形態の方が、よりユーザーにとっても、それから業界全体にとっても、近代的な姿になるんではないかというような感じがしておりますので、そういうような形で今後ソフトだけの販売が進むという形に持っていきたいと思っております。特に、小型のコンピューター、あるいはパソコンについては、そういう形の使い方が今後非常にふえてくるんではないかと思っております。
○木本平八郎君 私もその意見には同感なんです。それで、特にもう大企業の場合は、ハードとソフトを完全に分けてコントロールできる力あると思うんですね。ただ、私は今の段階ではやはり小企業といいますか、もっと零細企業ですね、先ほどの新聞販売店のような、そういうところにはむしろいいソフト、安いソフトを供給することよりも、コンピューターを入れさせることの方が非常に中小企業対策としてはまず第一段階としては必要じゃないか。その次の段階は、先ほどのようにハードを置いておいてソフトを入れかえる。したがって通産省が三年先、五年先のことを考えておやりになっておられるということは、私非常にアプリシエイトするわけですけれども、現実は、そういう現実の面と将来の面とギャップがあるということは、私そういうふうに思いますので、ぜひ今後とも研究していただきたいと思うんです。 それで、このIPAについて、最後の問い五ですね、私これは一般論として非常に申し上げたいんですけれども、ここに書いている問いをそのまま読みますと、「本協会は、昭和四十五年」十月一日ですか、「に設立されており、その後、情報化をめぐる環境は変化している。協会事業は、現在の社会的要請に合ったものとなっているか。」ということなんですけれども、これは一般論としてなんですけれども、こういう協会というのは往々にしてもう役目が終わっていても、なおかつずっと存続させている。存続しているから、何か仕事やらせなきゃいかぬというふうな悪循環を起こすケースが非常に多いわけですね。これももう十五年たっているわけですね。こういう協会とかこういう機関というのは、十五年もあれば大体所期の目的というのは達してしまうんじゃないか。それが役割が終わっているのに、なおかつあるから何かやらさなきゃいかぬからというので、次から次から仕事を考えるというふうなことがあると思うんですね。それで、その辺でこのIPAというのは大丈夫なんでしょうかね。その辺ちょっとお聞きしたいんです。
○国務大臣(村田敬次郎君) 木本委員のおっしゃるような場合もそれは世の中にあるんでございますが、IPAの場合は実は逆でございまして、これからなんです。協会は情報処理の振興を図るということで、プログラムの開発だとか、利用の促進だとか、情報処理サービス業者等は対する助成に関する業務を行うことを目的としております。 近年の情報化の急速な進展とともに、協会事業を取り巻く環境は変化をしてきておりまして、ソフトウエアクライシスに対応するといったようないろいろな意味で、協会事業もかような変化に応じて内容の重点を動かしながら対応してきたところでございますが、現在の協会事業は、現時点の社会的ニーズに即応したものと考えておりまして、これからやることがたくさんございますのでで、よろしくお願いしたいと思います。
○木本平八郎君 そういう趣旨なら非常に結構だと思いますんで、ぜひ前向きにやっていただきたいと思うんですよね。 ただ、やっぱり今後ともお考えいただきたいのは、やっぱりそのときに本当に必要なものだけをやる。それでもう、ちょっと陳腐化したものとか古くなったものを思い切って捨てるということですね。スクラップ・アンド・ビルドみたいな考え方がぜひ必要だと思うんですね。そうしないと、古いもので足引っ張られて、肝心のことが不十分になるということだってあると思うんですね。 ちょっとIPAに関する質問はそれで終わりまして、次にシグマシステムについてですが、この問い六ですね、これはもう先ほどからいろいろ同僚委員から質問が何回もありましたので、一応省きまして、ただ一つだけ、このシグマシステムについて、私一般論なんですけれども、どうもお役所がやられることは、開発の方には非常に熱心だけれども、例えば売るとか、利用の範囲を広げるとか、普及させるとかというふうなことにはどうも従来非常に弱いですね。このシグマ計画、これについては開発された後どういうふうに積極的に普及させようとされているか、その辺の意気込みみたいなものをちょっとお聞きしたいんです。
○政府委員(木下博生君) 従来、情報処理振興事業協会がやっておりました事業については、今木本先生のお話のように、要らないものは捨て、新しいものをどんどん取り入れていくということでやっていきたいと思っておりますが、その中で、新しいものの一つとしてこのシグマ計画というものを考えたわけでございます。 これに関連するプログラムの開発については、一部既に生産性の向上ということで、個々のプロジェクトごとにソフトウエアの開発等も従来から行ってきておりますけれども、今度はそういうものを全部集大成いたしまして、一つの大きなソフトウエア生産自動化システムをつくり上げていこうということでございます。つくり上げるために二百五十億円の資金を要するわけでございますが、これは産投会計からの出資ということでございますので、当然その資金を入れて開発した事業については、事業自身が十分に収益性の上がるものに持っていく必要があるわけでございまして、それで今先生がおっしゃいましたように、それがうまく売れていくように考えていかなくちゃいかぬ。そのためには、まず開発の段階から、どういう格好にすれば売れていくかということを十分頭に置いてやっていく必要があるだろうと考えておりますので、私どもはこういう新しい事業に参加するのは、むしろ役人的頭で考えるよりも、そういう事業を従来やった方々の知恵を入れて、その方々にむしろリーダーシップをとっていただいてやっていく必要があるだろうと思っております。 それで一つのシステムができ上がりまして、後オンラインによって、各ソフトウエアメーカー等がそのソフトウエアをつくるときに、この協会にありますいろいろなプログラムを利用していくわけでございますが、その際利用に応じて代金を取っていくと、使用料を取っていくという形で収益事業にしていこうということを考えております。したがいまして、それを使用することによって、使用する側においては生産性が上がってコストを下げられると。コストを下げられる分に見合い、あるいはコストを下げられる分よりも少ない費用をうまく協会が徴収する形で、協会も収入になるし、使う企業も、それを使うことによってむしろ大幅にコストが下げられるというような形に持っていくように料金設定をし、料金設定をすることによって多大の利用者を確保していくということが必要だろうと思います。 そのためには、単に料金面だけではなくて、そういうシステム自身が非常に使いやすいもので、どのようなコンピューターを使ってもそれが使っていけるというようなものに持っていく必要がありますので、そういう意味での技術開発的要素もありますが、今先生御指摘になりましたように、できるだけ商売をやった方々の経験を参考にして、その方々のリーダーシップのもとにこういう事業を進めていきたいと考えております。
○木本平八郎君 ぜひそういうふうに、売るという方向に注意を向けていただきたいと思うわけです。 それで次に、問七に関連してまずちょっと先にお伺いしたいのは、現在ソフトウエアクライシスというのが言われていますけれども、これは世界共通の悩みだというふうに認識しているわけですけれども、現在日米のこの格差ですね、それは大体何年分ぐらいあるんですかね。おわかりになる範囲で結構ですけれども。
○政府委員(木下博生君) なかなか年月で格差を考えるということは難しいことでございますけれども、汎用ソフトウエアの利用率というようなところでいきますと、日本は、先ほども御説明いたしましたが、一〇%程度で、アメリカは六〇%ぐらいになっているというようなことでございます。そういうのがソフトウエアの結局技術の格差をあらわしているということもありますし、ソフトウエアのそのマーケットにおけるユーザー、それからメーカーのソフトウエアに対する認識の度合いもあらわしているわけでございますので、そういう点考えて、まだまだ私はハードウエアに比べてソフトウエアの方が格差が大きいというふうに考えております。それを五年というのか、十年というのかという点はなかなか難しいところでございますので、何とも申し上げられませんけれども。
○木本平八郎君 私もそのくらいの差はあるんじゃないかと思うんですね。ただ日本人の習性として、こういうキャッチアップということになると、目標があるとどんどんどんどん追い詰めていくわけですね。やっぱりもう逆に、五、六年でその格差を解消しちゃうんじゃないかと思うんですね。 そこで、この問七にあります「シグマシステムによる生産工程の効率化」という言葉が出てくるんですね。この言葉を見た途端に非常に嫌な感じがするのは、また日本は効率化をすると、これは当然のことなんですけれども、逆に、日本がそれをやりますと、またここで貿易摩擦じゃないけれども、経済摩擦みたいなものができてくるんじゃないか。今まで二位か三位でずっとおくれていた日本が、五、六年でさっと先頭に立っちゃうというふうなことが起こってくるわけです。 私は、それはいいと思うんですよ。どんどんやりゃいいんで、やらないやつが悪いんだと思いますけれども、今は大臣、非常に苦労されておるようなそういう状況ですから、それで特に今のこのIPAを中心にして、シグマシステムを通産省の主導あるいは政府がリードしてやるということになりますと、また日本株式会社だというふうなことになってくるんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうにお考えになっていますかね、ちょっと御所見お伺いしたいんですがね。
○政府委員(木下博生君) アメリカの商務省が、昨年の十二月に世界のソフトウエア産業をまとめた報告書を出したわけでございますが、それを読みますと、世界におけるソフトウエアの生産の六割から七割ぐらいはアメリカが占めているということで、圧倒的にアメリカがそのソフトウエアの分野において大きな地位を占めているということを、半分誇りを含めながら記述しているわけでございます。その中で、今後もまだアメリカはますます強くなっていくだろうということを書いているのですが、ただ、遠い将来においては、また日本がこの分野においても追いついてくるのではないかということもまた書いております。 そういう認識がアメリカにあるだろうと思いますが、それでその報告書の中に、一つだけ日本のソフトウエアというか、プログラムの特色として、ソフトウエアをつくるときのツールとなるプログラムについての開発というのは、日本は一生懸命やっているというようなことを書いておるわけでございますが、そのツールのプログラムの開発というようなものが、今後この生産工程の効率化の場合に非常に役に立ってくるわけでございまして、そういう意味で、日本がまた追いついてくるんではないかという意識をアメリカあるいはヨーロッパの方が持つということは十分考えられるところでございます。 ただ、このソフトウエアクライシスという問題は、単に日本だけの問題じゃございませんで、アメリカにおいては古くから叫ばれていたことでございますし、アメリカにおいても同じようにコンピューターのソフトウエアの生産性を上げるために大いに努力しなくちゃならぬという意識を各方面で持っております。したがって、私どもは決して日本のソフトウエアの開発の生産性を上げるということのためにだけこれをやるのではなくて、こういう効率化の成果が上がったら、むしろそういうものはアメリカやヨーロッパにもうまく使ってもらうというようなことで、世界全体がこの生産性の向上のために努力していく一環でこれをやっていくというような考え方で進めたい。したがって、こういうプロジェクトにもし外国系企業が参加したいということであれば、大いにそういう人たちも受け入れていきたいというふうに考えております。
○木本平八郎君 実はそのお答えをまず聞きたかったわけです。 それで、要するに私は、このソフトウエアの問題は第二の自動車だと思うんですね。かつて昭和三十年ごろ、まさか日本がアメリカの自動車業界を圧倒できるなんてだれも考えなかった。ところが、私まきにアメリカも自信持っていると思うんですね、現在は。しかし、もうこれは時間の問題だということを考えますので、今局長がおっしゃったような、そういうアプローチの仕方がやっぱり必要なんじゃないかと思うわけですね。 したがって、この問題について、特許法のときも申し上げましたけれども、日本が中心になって、少し犠牲を払って世界のソフトウエアギャップを埋めていくんだということで、ODAみたいな考え方でやっぱり取り組む必要があるんじゃないかと思うんですね。だから、こっちで開発したものを、それは国内に対する対価は別にして、外国に無償供与するとか、そういうこともやっぱり必要なんじゃないかと思うんですがね、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(村田敬次郎君) 木本委員にお答え申し上げます。 先ほど木下局長からもお答えをしたわけでございますが、例えばシグマ計画について米国のATT――アメリカ電信電話会社、それからまた西独のGMD――数学データ処理研究所から協力の申し入れがあったわけですね。通産省としては今後全体の開発体制を勘案しながら、これらの参加協力の申し入れについて検討をすることとしておりまして、まだ参加を決定したわけじゃありません。 ただ、今御指摘のように、各先進国がハイテク分野で緊密な技術協力を行うということは極めて有意義でございますし、特に最近の日米通商関係の動向などに配慮をいたしますと、現在の段階ではアメリカが六割以上、日本が約三割というんですが、今後一層その重要性が痛感をされるところでございます。したがって、シグマ計画は、先進各国共通の深刻な課題であるソフトウエアの需給ギャップを打開することを目的とするものでございまして、国際協力のもとに実施するのにふさわしいと。そういった意味で、今木本委員が見通しを述べられたようなことも、確かに現実に合った点があろうかと思います。米国などから参加の申し入れがございまして、こういった点についても、今申し上げたような観点から積極的に検討をしてまいりたい、このように考えております。
○木本平八郎君 それと同時に、先進国とのつき合いも大事なんですが、やっぱり発展途上国に対して、彼らも今後どんどんコンピューターを入れてくるわけですね。そのときにやはりソフトウエアを供給してやると、これは全く先ほどのODAの考え方に立ってやらなければいかぬと思うわけですね。その点はぜひ御考慮いただくとして、先ほど井上委員からありましたけれども、この労働力の問題に関連して、それから今枝術者が非常に足らないという状況ですね。 これの開発でいろいろ国内では手を打っておられるんですけれども、私の一つのアイデアとして、ASEAN諸国ですね、特にNICSと言われる中進国、これはもうアジアにたくさんあるわけですね。そういうところというのは、割合に教育程度その他が進んでいるんですけれども、工業生産がまだ追いつかない。ああいうところには少し余裕があるんじゃないかと思うんですね、そういう少しハイレベルの労働力が。そういうのを教えると。教えることによって、そこでそのプログラミングを下請させるわけですね。それで、我々買うと。そうすると、貿易アンバランスの解消にもなるわけですね、我々が買うわけですから。そういうことをやるのを、これは民間にやれと言ったって、面倒くさいからやらないとか、採算の問題ありますけれども。政府として、やっぱり貿易黒字の問題なんかの関連で考えていただく余地はないのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(木下博生君) 現在、日本の技術者不足というのは非常に深刻になっておりまして、日本の大都市圏だけじゃなくて、地方都市においてもソフトウエア会社が事業所を設けて仕事をしているということがございますが、それと同時に、既に今先生おっしゃったような動きを一部のソフトウエア会社がやっておりまして、中国とか、あるいはフィリピンとか、そういうところの人たちにソフトウエアをつくるのを教育した上で、そういうところにいわゆる下請みたいな形で仕事を一部お願いしているというようなものもあるようでございます。ただ、私どもとしては、単にそういう下請関係で各地の労働力を使っていくということよりも、今先生おっしゃいましたように、NICS諸国が情報処理産業を興して、それをひとり立ちさせていくというようなことに協力をしていく必要もあろうという感じがございます。 現実に、今国際協力事業団では、シンガポールとの間にソフトウエアの技術協力についての話し合いをセンターを設けてやっておりまして、シンガポールは、非常に熱心にそういうコンピューター技術者、ソフトウエア技術者の育成をやっておるようでございます。したがいまして、私どもとしては、そういう分野におきましても、その新しい分野の技術協力ということで大いに前向きに取り組んでいきたいと考えております。
○木本平八郎君 それに関連して、私実は、前に東欧圏との取引、特に向こうの東欧の機械の輸入で大分苦労させられて悩まされたんですけれどもね。買うものがないわけです。それで、今いろいろ輸入促進と言われていますけれども、なかなか実際には買うものがなくて困るわけですね。ところが、私このソフトウエアなんかは、向こうに我我が、技術者が行って協力して情報産業をつくって、そこから日本がこういうものを買うということになると、非常に手っ取り早いんじゃないかという気がするんですね。ところがココムなんかの関係で、このコンピューター技術というのはそういうところへ出しちゃいけないのかどうか、私ちょっと勉強していないんですが、その辺はどうなんでしょう。
○政府委員(木下博生君) 東欧諸国との関係では、今先生おっしゃいましたように、日本から技術を出すという面では、単に機械類だけではなくて、そういうものを動かす技術についてもチェックが行われております。したがいまして、すべてのものが自由にお互いに取引が行われるということはできないかと思いますけれども、ただ、パソコンや何かで使われるような普通のプログラムの作成というようなものについて協力関係を進めることまでも、全部不可能だということではないと考えております。
○木本平八郎君 ぜひその辺は、やはりOECDなんかと相談していただきまして、なるべくこういう程度のものはどんどんやれるように、やっぱり東西の緊張緩和にも非常に役に立つと思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思うわけです。 それで次に、連携指針等の問題につきまして、これは問い十、十一、十二に関連してくるわけですけれども、現在ビジネスプロトコルですね、企業間のいろんなシステムを今開発されていますね。それで、例えば帳簿だとか、商品コード、コンピューター処理のファイルフォーマット、それから伝送手順などの統一をいろいろやっておられるということなんですけれども、連携指針では具体的にどのようなことを規定されるおつもりなのか、簡単にお答えいただきたいと思うんですが。
○政府委員(木下博生君) 三条の二で幾つかの項目が書いてございますけれども、その中で、まず「連携して行う電子計算機の利用の態様」というのがございますが、それは、複数の事業者が互いに連携して電子計算機を利用する場合の事業者間の連携の仕方ということでございまして、具体的にはインターオペラビリティー、相互運用性の確保された複数の企業間の情報処理システムの形成あるいは共同情報処理センターとか共同データベースの構築、運営等がそういう項目として挙げられるかと思います。 それから第二番目に、「その実施の方法」という点は、今先生御指摘ありましたような点でございまして、具体的には帳票、コード類等、ビジネスプロトコルの共通化に関する事項とか、共同情報処理センター、共同データベースの構築、運営のための業界のコンセンサス形成の方法というようなことが、その実施の方法として考えられます。 それからまた三番目に、「その実施に当たって配慮すべき事項」といいますのは、具体的には、企業間システムを構築、運営する場合における中小企業者等特定の事業者への過重な投資負担の回避というような問題とか、それからシステムへの参加の不当な制限、価格等に関する情報の授受等による競争阻害の回避というような事項について記載するというようなことになろうかと思います。
○木本平八郎君 それで、実は私、通産省にぜひお考えいただきたいのは、例えばソフトウエアに関するJIS規格みたいなものをこの際つくることを考えていただいたらどうか。ということは、商品コードなんかも、各企業あるいは業界が、自分の都合のいいようにつくっているわけですね。ところが、その企業間でドッキングさせますと、全然コードナンバーが違うという状況が今発生しているわけですね。これをこのままほうっておきますと、どんどん複雑化していって、なかなかドッキングができなくなってくるんじゃないか。 例えば日本語の単語ですね、電算機なら電算機という単語は、現在十六ビットでやっているわけですね。ところが、コンピューターメーカーによって全部違うわけですね、その配列が。それをできるだけ早い機会に統一しておいた方が、例えばVTRの問題とかテレビのシステムの問題とか、ああいうふうになって、後になってくるとどうしてもうまくいかないということがあると思うんです。その辺で、やはり先ほどの商品コードの問題だとか、それからあるところまでのフォーマットとか、例えば交通で言えば、左側通行にするか右側通行か、信号の並んでいる順番どうだとか、その程度のことは早く統一していただいた方が、もうこれは五年たったら統一できないんじゃないかと思うんですね、その辺はいかがでしょう。
○政府委員(木下博生君) ただいま御指摘の点は極めて重要なところでございまして、コンピューターがどんどん発達し、小型化していく過程におきまして、コンピューターメーカー各社がそれぞれその機械にしか通用しないようなソフトウエア等をどんどんつくっていったわけでございます。したがって、極端なことを言いますと、一つのコンピューターメーカーのつくっておりますコンピューターの間で、必ずしも回線でつないでうまく通信ができないというような事態も起こってきております。そういうことがございますので、通産省といたしましては、相互運用性基盤を強化するということで、英語ではインターオペラビリティーというような言葉を使っておりますけれども、コンピューター同士がうまくつながるようなことを進めていく必要があるということで施策を考えておりまして、それは中心としてはソフトウエアの標準化の問題になるわけでございまして、工業技術院に特別に情報化に関連するそういう標準化を進める委員会みたいなものを設けまして、そこで現在検討を行っております。 それで私どもとしては、ハードウェアの標準化を進めると同時に、そういうソフト、通信プロトコルの標準化を進めるというような必要もありまして、非常に広くその施策を進めようと考えておりますが、その際、国際的な標準化の動きと背馳するということになりますと、また今度は国際的にせっかくできたものが通用しないということになりますので、国際標準化機構の作業と協力しながら進めていきたいと考えております。 それから、こういうビジネスプロトコルの分野では、例えば流通関係ではJ手順というようなものが既にJISになっておりますけれども、そういうようなことでいろいろな分野で標準化を進め、あるいは標準化を進められない分野では、うまくコンピューター同士の情報が変換によって伝えられるようにするようなシステムを考えるというようなことで、コンピューターがネットワークによってつながれる状態でも、その利用が非常にスムーズにいくように今後持っていきたいと考えております。
○木本平八郎君 それで、問十三に関連してですけれども、ちょっとまず質問を読みますと、「情報化の進展に伴い、大企業や企業グループがネットワークを支配して、情報トラストや情報コンツェルンの形式が危惧されるのではないか。かような事態に通産省はどう対処するのか。」ということなんです。 これは、最近の具体的な例なんですけれども、スーパーマーケットに納めている魚屋さんのような業者がおるわけですね。今まではスーパーマーケットの方からその注文書をもらって、これこれの物をこういう値段で納入しろと向こうから注文書が来たわけですね。ところが、最近システムが変わって、自分のところのコンピューターの中に必要なものを全部インプットしてある、だから、おまえさんの方から持ってきて、それにつないで、そこから注文書の情報を引き出せと言われているわけですね。だから、魚屋さんは、魚屋さんといっても相当大きな魚屋さんなんですけれども、自分のところでそのスーパーマーケット用のコンピューターの端末を入れたわけですね。これはよかったんですけれども、またほかのスーパーも同じようなことを言ってきたわけですね。それで、どんどんどんどん端末ばかり並んでいっているという状況になってきているわけですね。 これは実は、鉄鋼会社なんかはあるんですけれども、例えば具体的に言えば、新日鉄なら新日鉄がある、そこに三菱商事という問屋がありますね、それからほかにも問屋がある、これが今、全部コンピューターで流れていて、もう注文書なんかないわけですね、磁気テープで全部やっている。そのうちに、もう外には何にも出ずに、中だけで全部注文が行って、その金の支払いは銀行を通じて行われて、全然見えないところで全部取引が行われていくということになってしまうわけですね。 これ自身は非常にいいことだと思うんです。ところが、いいことなんですけれども、逆に言えば、ある種のトラストじゃないかという気がするんですね。これは金であるいは持ち株で支配しているんじゃなくて、情報で支配してしまっている。排他的でほかの方から入ってこれないわけですね。あるいはコンツェルンをやるかもしれぬ。これが進みますと、例えば自動車なんか今問題になっていますけれども、アメリカもイギリスも、何かも全部トヨタなり日産なりのなにが、こういう情報でもってがちっと押さえられてしまって、これは大変な問題になるんじゃないかという気がするんですね。 その辺、そんなこと、将来のことを心配していたってしようがないし、これはやっぱり競争の世の中ですから、悔しければ向こうもやればいいわけですけれども、そういうことだけじゃ済まない面もあるんじゃないかという気がするわけですね。その辺の所感を大臣にお伺いしまして、私の質問を終わります。
○政府委員(木下博生君) ちょっと、大臣からお答えする前に、一言技術的な点を御説明申し上げておきたいと思います。 今先生から御指摘のありました魚屋さんの例、あるいは鉄鋼メーカーと商社との例、そういうような例で、それぞれの会社のシステムが全部違うためにそれぞれ取引先の商社はたくさんの端末を置かなくちゃいけないというような弊害が出てまいっておりますので、そういうのをなくして、統一的なプロトコルにすれば一つの端末で全部済むということになりますので、そういうようなシステムをつくり上げるために、この連携利用に関する指針を主務大臣がつくるようにしようということを考えて、この規定を置いたわけでございます。 ただ、そのような事業を進めていきますと、コンピューターの間で企業間が結びついてしまって、今お話しになりましたような、いわゆる独禁法上あるいは産業組織政策上の問題が出てくるんではないかという点も十分私どもは考えております。 昨年、公正取引委員会がそういう問題について調査いたしました結果では、現在の段階では特に独禁法上問題となるケースはないという認識をしておるようでございます。ただ、潜在的にはそのような問題がございますので、先ほど申し上げました指針をつくりますときには、配慮すべき事項としてはそういう点も考慮して、できるだけオープンのシステムをつくり上げ、中小企業等、企業力の弱い企業が不当に負担を強いられることのないようにするようなシステムをつくるような形で運用していきたいというふうに考えております。
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来の木本委員の御指摘よく承りました。今、木下局長からもお答え申し上げましたが、企業間のシステムの構築、運営に当たっての構成事業者の自由な事業活動の拘束だとか、あるいはシステムへの不当な参加制限などの回避の重要性ということは十分認識をしておりまして、御指摘のような事態が生じないよう連携指針の策定に当たりまして十分配慮をしていく考えでございます。
○委員長(降矢敬義君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。 質疑の中でも明らかにいたしましたが、我が党は、一九七〇年の本法制定に際して、コンピューターによる情報処理技術の量、質両面にわたる拡大は、我が国経済及び科学技術等国民生活の各分野に広範かつ多岐にわたって重大な影響を与えるものであるがゆえに、これが国民の利益に全面的に奉仕する方向で研究、開発、利用が進められるべきこと、また、コンピューター利用に伴う積極面とともに、雇用・労働問題の深刻化、大企業や中小企業との間の格差、プライバシー侵害の問題などの否定的側面に対処する総合的な計画が必要であることなどを強調いたしました。このことの重要性は、十五年間の事態の推移が立証しているということをまず指摘するものであります。 そのことを前提として、本法案に反対する理由の第一は、大企業への恩典的施策をさらに拡大するものであることであります。例えば、今回改正の目玉になっているいわゆるシグマシステムの開発は、膨大な資金をコンピューターメーカーや大手情報処理業者、ユーザー大企業の要求に沿ってつぎ込むものであり、また、今回新設されたプログラマー育成のための借入金の債務保証も、結局、大多数のプログラマーを抱えている大企業への援助措置となるものであります。 第二は、大企業と中小企業の格差を一層拡大することであります。既に、大企業と中小企業の情報化格差が歴然としていることは、中小企業白書も指摘しているところであります。加えて、連携利用の指針による行政指導も、結果的に、中小企業の系列化と陶決を進めるものとならざるを得ないのであります。 第三に、人貸しとも言うべき人材派遣問題や、ハイテク・ストレスなど、新しい職業病の多発など、劣悪化する労働者の雇用・労働条件への対策が放棄されていること、さらに、プライバシーの保護や安全対策が欠けていることであります。 第四に、我が国の独自の技術開発をなおざりにし、対米依存を強める危険性があることであります。例えば、シグマシステムの開発についても、現時点で利用しやすいということで、安易に外国技術に依存することは、我が国独自の技術開発がなおざりになるおそれがあります。今重要なことは、自主的な立場から国際交流を図るとともに、大学や国公立機関での基礎研究なども重視しつつ、国民生活の向上に役立たせる立場から、研究、開発、利用を進めるということでなければならないと考えます。 以上、主要点を指摘し、反対討論を終わります。
○委員長(降矢敬義君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、梶原敬義君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、最近における急速な情報化の進展に伴い、健全な高度情報化社会への移行を円滑に推進するため、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、企業間の電子計算機の連携利用に関する指針の策定に当たっては、中小企業の参加を不当に制限したり、過重な投資負担を強いる等の問題を生じないよう配慮するとともに、競争阻害的行為の生じることのないよう十分に留意すること。 二、電子計算機の急速な普及と利用の高度化・多様化によるソフトウエアの質・量両面にわたる不足が深刻化しつつあることにかんがみ、ソフトウエア生産の効率化を一層推進するとともに、ソフトウエア・プロダクトの開発、利用の促進に努めること。 三、健全なソフトウエアの流通市場を形成することの重要性にかんがみ、ソフトウエアの適正な評価の在り方について早急に検討すること。 四、高度情報化社会の環境を一層整備するために、電子計算機システムの安全性・信頼性対策について、政府部内の調整を早急に進めその法的整備に努めること。 五、企業間情報ネットワークの進展に伴い、中小企業と大企業との情報化格差の拡大等が生じるおそれがあるため、中小企業におけるコンピュータ利用、プログラム開発に対する金融・税制上の措置の充実等適切な施策を講ずること。 六、ソフトウエア技術者の不足が懸念されることにかんがみ、情報処理技術者の育成・確保を図るため、情報処理技術者試験、情報処理研修センターの充実等諸施策の積極的な拡充、強化に努めること。 七、高度情報化を円滑に推進するに当たって、既存の関係法律が今後、法的制約になることが危惧されることにかんがみ、高度情報化社会にふさわしい関係法律の見直し等制度的基盤の整備に努めること。 右 決議する。 以上であります。
○委員長(降矢敬義君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬義君) 多数と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、村田通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田通商産業大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、本制度の運用に万遺漏なきを期してまいる所存でございます。 ありがとうございました。
○委員長(降矢敬義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(降矢敬義君) 次に、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。村田通商産業大臣。
○国務大臣(村田敬次郎君) 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 商工組合中央金庫は、昭和十一年に政府と中小企業者の組合との共同出資に基づいて設立され、自来約五十年にわたり、いわゆる組合のための系統金融機関として、中小企業等協同組合その他主として中小規模の事業者を構成員とする団体及びその構成員に対する金融の円滑化に大きく貢献してきているところであります。 しかしながら、近年、中小企業金融をめぐる環境は、著しく変化しつつあります。特に、金融自由化の進展を背景として、一方において国債等を組み合わせた高金利、複合サービス機能を有する新しい金融商品が相次いで登場するとともに、他方において中小企業が金融機関に求める金融サービスに対するニーズもこれまでになく多様化しているのが実情であります。仮にこのような環境変化に商工組合中央金庫が早急に対応できない場合には、その所期の役割、機能を十分に発揮し得ないことが懸念される状況となってきております。 したがいまして、商工組合中央金庫が、その課されている使命を十分に達成し得るよう、六十一年十月の存立期間の満了を待たず、所要の法改正を行う必要があります。 かかる趣旨にかんがみ、今般、商工組合中央金庫法の改正を提案することとした次第であります。 次に、本法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 第一に、昭和十一年の設立認可の日より五十年となっている存立期間に関する規定を削除いたします。 第二に、金融環境等の変化に対応して業務の整備、充実を図ります。 その一として、商工組合中央金庫の資金調達の大宗を占めている商工債券の販売力を今後とも維持していくため、債券総合口座、国債割引債口座等の金融商品を他の債券発行銀行並みに提供し得るようにします。すなわち、新たに、国債等の窓口販売等を行い得るようにするとともに所定の範囲内において、商工債券または国債等の所有者からの預金の受け入れ、当該商工債券または国債等を担保とする貸し付け等の業務を行い得るようにします。 その二として、所属団体またはその構成員に関する業務の充実を図るため、長期貸し付けに係る期間及び方法の制限の撤廃、国債等の窓口販売その他の業務、有価証券の貸し付け等の業務を行い得るようにします。 その三として、所属団体等の事業活動の円滑化に資する等のため、所属団体等が設立した海外現地法人、中小規模の事業者による共同出資会社等に対し貸し付けを行い得るようにします。 第三に、余裕金の運用に関する規定の整備、副理事長の設置等役員に係る規定の整備を行うほか、付随業務規定の整備その他所要の規定の整備を図ることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) 本案に対する質疑は後日に行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十八分散会