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102回国会参議院1985/04/16

商工委員会 第10号

発言数
77
登壇者
8
会派数
3
開催日
1985/04/16

会議録

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨十五日、伏見康治君が委員を辞任され、その補欠として和田教美君が選任されました。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 情報化社会という言葉が最近しばしば使われる、一体その情報化社会というのはどういうものなのかということについてちょっとお聞きをしたいんですけれども、例えばきのうの読売新聞の記事によりますと、読売新聞の世論調査が行われたようなんですが、今NTTでモデル実験が行われているINSについて利用したいという方々が、調査の結果七割を占めているとか、あるいは音声多重放送とか文字多重放送等知っているという人々が、六割以上を占めている。なかんずくどういうメディアを利用したいか、こういう調査に対して、具体的に在宅医療や検診のシステム、あるいはまた家庭防災・防犯システム、さらにはホームショッピング等を利用したいと答えている人が多いと言われておるわけであります。  しかし、そういうニューメディアを含めた広義の情報化社会というものは、だが、まだまだ漠として実像が、イメージが明確に浮かんでこない、こういうふうに思うわけでありまして、NTTのINSを初めとする周辺のいろんな話題はあるわけですけれども、すべからくそれらはいわゆるコンピューターと関連した動きにつながっていると思うわけでございますけれども、今申し上げた家庭の個人生活の面、あるいはメーカーや企業あるいは流通部門の卸売、小売業、それぞれのレベルでどういうふうな変化というものが予想されるんだろうかというようなことを含めて、情報化社会——情報社会というのか情報化社会というのか私も定かでないんですけれども、基本的にはどういう構造を社会にもたらそうとしているのか、まず冒頭にお聞きをしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 情報化社会という言葉の考え方でございますが、これはいろいろあるわけでございます。  私もいろいろそれを探っているわけですけれども、例えばアルビン・トフラーの書いた「第三の波」の中にこういう表現があります。第一の波が一万年前の農業の始まりだと、第二の波がいわゆる産業革命であったということを言うわけですね。「社会を根底から変革する大きな出来事」、「われわれは、これら二つの変革に次ぐ、第三の波に洗われる時代に生きているのだ。 われわれはこの途方もない変革の圧倒的な力と、その広範な影響を表現するのにふさわしい言葉を」現在、我々自身が「模索している。」。「宇宙時代」——スペースエージ、「情報化時代」——インフォメーションエージ、「電子工学時代」——エレクトロニックイアラ。  それからアメリカの社会学者ダニエル・ベルは「脱産業化社会」、こんなような言葉で呼んでいるというんですが、これに出ておるように電子工学であるとか情報化時代というものが現在の世界を変えようとしておる。まさに情報化産業などがその一番いい例でございましょう。  そういった意味で高度情報化社会というのが、アルビン・トフラーに言わせれば現在の第三の波をもたらす大きな変革だということを言っておるわけでございまして、事実私は一番いい例が、最近の例えばグリコ・森永事件だと思うんです。あれは今のような高度情報化社会でなかったら、ああいう犯罪は生まれる可能性が非常に少なかったんじゃないかということをよく思うんでございますが、これはお人によって考え方が違いましょうが、そんなようなことを一つの例としては思っております。  高度情報化社会、つまり情報処理技術の進歩を背景にして、利用形態も従来の単体としての利用から、通信回線等を通じてシステム化、ネットワーク化されるなど、高度かつ多彩な利用形態が進むとともに、適用領域も産業のみならず、今福間委員が御指摘になられました家庭だとか社会だとか、そういったあらゆる方面に拡大をいたしまして、計算だけでなく、多種多様な用途に用いられる社会、言うなれば電子計算機の利用が一般国民にとってごく身近になり、情報化による便益が全国津々浦々の国民一人一人に均てんする社会である、こういうふうな前提で理解をいたしておりまして、通産省としては、こうした健全な高度情報化社会の実現に向けて所要の施策を積極的に推進をしてまいらなければならない、したがって通産行政の情報化時代ということと技術開発時代ということをキャッチフレーズにして、そういう新しい動きに対応していこう、そういう考え方を私は持っております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 局長はいかがですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 私も、大臣今答弁されたと同じような考え方を持っておりまして、具体的には、今、福間先生おっしゃいましたように、電算機あるいは新しいいろいろなメディアを使いながら、個々の消費者まで新しい医療システムあるいは防災システム等が行き渡って、しかもそれが非常に便利な形で行き渡る社会を実現するように持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 私も余り変わった考えがあるわけじゃございませんで、今後それらの進展に伴って、いわゆる個人の生活やとかあるいは企業の活動とか、その他の面でも必要な施策を同時進行させないと、例えばプライバシーが侵害されるとかあるいはまた企業の秘密等が流出してしまうとか、あるいはまたシステムがダウンしたりしたときに、この間の世田谷の電話、電線事故のように社会的に混乱を招来する、いろんなデメリットも考えられるわけです。  今後当委員会でも、それぞれしかるべき時期に関係の諸問題について審査をしなきゃならぬだろう。さしあたって問題になっているのに、例の著作権、プログラム保護法という保護権の問題がございますね。これは当委員会あるいは文教委員会等で当然取り上げなきゃならぬという事態になっているわけですけれども、そういうふうにまさに情報化社会の進展に伴って、過去におけるいろんな制度、仕組み、システムというものを変えていかなきゃならない、そういう点で行政がおくれてはならないし、我々国会レベルにおいても、積極的なひとつディスカッションをして、適切な施策をおくれないように講じていかなきゃならぬ、そういうように思うわけであります。  ところで、情報化社会の進展の中で、地域間の情報の格差というものが拡大する危険があるんじゃないか、こういうふうに心配されるわけでありまして、地域の情報化を進めることについて、通産当局はいわゆるニューメディアコミュニティー構想というものを現在打ち出して進めておるわけであります。これは一方において郵政省が同じような目的を持ってテレトピア構想というものを進めたりもしておるわけでありますけれども、両省で似たような構想が進められているということから、自治体においてはいささか戸惑いを感じている向きもあるんじゃないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、ニューメディアコミュニティーの現状と今後の推移の中で、自治体がどういうふうにこれを受けとめていこうとしているのかお伺いをしたいと思います。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 情報化が進みますと、本来であれば、先ほど御説明申し上げたように、通信回線でつながれるということでむしろ地域間の情報格差というのは狭まるべき性質のものだと思われるわけでございますが、実際にはそういうような形じゃなくて、むしろ情報が大都市、中央に集中してしまうんじゃないかというようなおそれを持つ人たちもいるわけでございます。私どもといたしましては、全国がバランスのとれた形で情報化が進むように持っていきたいというふうなことを考えておりまして、そういう観点から通産省といたしましては、「ニューメディア・コミュニティ構想」というものを出しまして、昨年度よりそれを実施に移しておるわけでございます。  この構想は、具体的なニーズに即した情報システムをモデル的につくり上げて、つくり上げたモデルについては、ほかの地域で似たようなものをつくるときにはそれを参考にしていただくというような形にしようということで、いろいろな、中小企業中心とか医療中心とかいうようなことを考えながら、そのモデルのシステムをつくり上げたいと考えておるわけでございまして、昨年度は八地域についてその指定をいたしましたし、今年度は予算では六地域の予算がついておるわけでございます。  このようなモデル地域をつくる構想につきましては、各自治体の方が極めて熱心に、自分のところでこういうことをやりたいというようなことを言ってきておられまして、なかなか八地域に昨年絞るのも大変であったというぐらい皆さん非常に御熱心で、しかも構想が非常に固まったものになってきておるわけでございます。私どもはそのようなシステムの構築にできるだけお手伝いをして、それによって地域ごとにその地域の特色を生かしたそういう情報システムができ上がるように今後も進めていきたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 もう少しこの点もお聞きしたいとも思うんですが、いろんな質問をさせてもらいたいので、これにとどめますけれども、自治体の方で特別に戸惑いがあるわけでもなさそうだと、こういうように理解してよいのかどうか。  また、郵政の方が進めていることと、これとが競合しているようですけれども、両省の方で基本的に理解し合っていくということであれば、当面は、私はこういうのは両省で進めていってもいいんじゃないか、こういう気持ちでおるんですけれども、結果として戸惑いが起こったり、混乱が起こったりしてはいけないぞと、あるいはまたその構想に大きな格差があってもこれはいけないしというふうな少し危惧を感じているだけでございます。それはもうそれで結構だと思いますが、何かございますか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 通産省のニューメディアコミュニティーの構想と、それから郵政省のテレトピアの構想について、似たようなものではないかというようなお話もあるわけでございますが、一応私ども予算を決めますときに、それぞれの性格づけをはっきりいたしておりまして、通産省の方は、今申し上げましたように流通問題あるいは中小企業、技術というように、特定のニーズに応じた情報システムをその地域によってモデル的につくっていくという構想でございますし、郵政省の方は、どちらかというと、通信インフラストラクチャーの整備というような観点から、そのテレトピアの構想を進められているということでございますので、二つが競合し合ってダブるんではないかということは、必ずしも当たらないんではないかということでございます。  私どもとしては十分郵政省の方とも御相談しながらやってきておりますし、自治体の方で、この二つがあるから非常に混同して紛らわしいということでの御批判がそれほどあるとは伺っておりません。

福間知之日本社会党

○福間知之君 次に、情報化の進展に伴って必要な関係法律の見直しということが考えられるわけですけれども、通産省関係で現在どのようにお考えなり検討が進んでおりますか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) コンピューターの利用が進み、しかもそれが通信回線で結ばれるというようなことになりますと、先ほど先生おっしゃいましたように、プライバシーの問題とか、それから企業の秘密が漏れる問題とか、それからコンピューターシステムがダウンしたときの大きな社会的な影響とかというようないろいろ新しい問題が出てくるわけでございます。それから、そういう新しいソフトウエアとかデータベースとかというような問題について、それをつくる人たちの権利をどうやって守るかというような問題も出てくるわけでございまして、今国会では、文部省の方でコンピューターのプログラムについては著作権法の改正の案を提案されておりますし、それから通産省としては、半導体チップの権利の保護に関する法律を提出して、本日から衆議院で御検討いただくことになっているわけでございます。  それで、コンピューターに関連いたしましては、今も申し上げましたようなシステムダウンに伴うコンピューターセキュリティーの問題という問題が、非常に今後大きな問題となってくるんではないかということを考えておりまして、私どもとしては、そういう問題を関係各省と協議しながら、もし法律を新たに制定する必要があるならばそういう形でやっていきたいということで考えておりまして、実は今回の法律の案の初期の段階でも、コンピューターセキュリティーの問題をこの法律の中に入れることも考えたわけでございますが、この法律の法益以外の犯罪防止的な問題等も含まれるんではないかというような御指摘もあって、別途各省で協議して検討しようということになっております。  したがって、今後とも新しいそういう問題に対しては、必要があれば新たな立法措置を講じるということで対処していく必要があろうかと考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 具体的にもう少しお聞きをしたいんですけれども、また後の機会にこれはしたいと思います。多分に情勢の推移を見守りながら考えておいでのようですし、それも当然ですけれども、かなりいろんな分野にまたがっているんじゃないかと思います。ここで一言で簡潔に御説明を聞いても無理があると思いますので、後ほど、またの機会にしたいと思います。  次に、電子計算機の連携利用指針というものについてお聞きをしたいと思います。  これは単一の事業分野で事業者が広く連携して、商品コードの統一や共同データベースを構築するというふうに、電算機の効率的な使用ということが非常に重要になってくるわけでして、主務大臣が電子計算機の利用の態様、あるいは実施の方法等配慮すべき事項に関する指針を指定しようとしておるわけでありますけれども、一つは、具体的にどういうふうな内容の指針を考えておるのか。さらに、その事業者がこの指針に従って連携して電子計算機の効率的利用を図ろうとする場合、どのような財政金融上の措置が講じられることになるのか。さらに、今般この連携利用に関する指針を国が定めることにしているわけですけれども、これは必要があれば、民間がこの種の指針をみずから定めるということができるのではないかと思うんですが、国がこのところ、能動的というか、積極的に指針策定をしようとする意図は那辺にあるのか。以上三点についてまとめてお伺いします。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 今回の法律案の改正の中の一つの柱として、今先生御指摘の、電子計算機の連携利用に関する指針を主務大臣がつくるという規定が第三条の二という形で入っております。  これは先生今御指摘のように、各企業が一つの企業の中だけで電算機を使う時代が過ぎて、異なった企業同士で電子計算機をつないでそれを利用するという形が非常にふえてきたわけでございまして、その場合にビジネスプロトコルとか、それから商品コードというものがばらばらになっているために、非常に電算機の利用がむだに使われるおそれがあるというようなことで、関係業界の中でもそういう問題を回避する必要があるんではないかというような声がずっと最近起こってきておるわけでございます。そういうものをそれぞれの事業分野におきまして主務大臣が指針をつくることによってうまく進めるようにしていこうというのが今回のアイデア、考え方でございます。  具体的な内容といたしましては、帳票、伝票でございますね、そういうものの、あるいは商品のコード等ビジネスプロトコルの標準化に関する事項とか、共同情報処理センターや共同データベースを構築する、運営する事項と、それから中小企業者等特定事業者への過重な投資負担の回避をするというような中身のものを指針の中に入れることが考えられるわけでございます。  それから、そういう指針に従って事業者が効率的に電算機を使ってシステムをつくっていこうという場合には、先ほど申し上げました共同情報処理センターや共同データベース等を構築する際のプログラムの開発に対して、情報処理振興事業協会から融資をするとか、それから、あるいは開発銀行から融資をするというようなことで助成措置を進めていきたいというふうに考えております。  それで、第三番目の、国がなぜそれに関与する必要があるのかという御指摘の点でございますが、これは関係事業者が本来自主的に関係者同士で話し合って進めていけばいい性質のものではございますけれども、今までの関係者の方々の御努力の跡を振り返って、その方々の経験を伺ってみますと、やはり事業者間では利害がいろいろ必ずしも一致しない場合がある。そういうものをやはり国が中立的な立場から指針を示してもらった方が全体としてのまとめが非常にしやすいというような感じの声が非常に多うございますので、そういうことを考慮しまして、国全体の立場から電算機の利用がむだに行われないようにするために指針を示し、その指針を示した後は、関係事業者間で必要に応じて話し合って、うまくそういうシステムをつくっていくということをやっていただくのが一番スムーズにいくんではないかと考えて、こういう規定を置いたわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 この間の自動車の対米輸出問題ではないですけれども、事柄は違うけれども、やはり行政がある程度リーダーシップを発揮した方がうまくいくという場合、そうでない場合、いろいろとあるんですが、今回の場合は、今木下局長おっしゃったように、まだ民間でもその利用について一つのパターンができ上がっているわけでもありませんので、やや先行して行政面が一定の指針をつくるということは私はいいんではないかと、こういうふうに思っております。  ところで、法三条の二の異業種間の連携についてでございますけれども、流通分野や事業分野における異業種間の電算機利用、連携利用を図るために、三条の二の指針を定めるに当たっては、複数の所管大臣が生ずることになりますけれども、この場合、指針を定めることについての共通の問題意識がなければ指針は成り立たないと思うわけであります。こういう場合に、具体的にどういうふうにするのか、調整機関等持ってやるのか、どうするのかということであります。複数の所管庁ができるということについての疑念であります。  さらに、単一の事業分野で電算機の連携利用に関する指針を定めるに当たって、将来の異業種間の電算機利用、連携利用を考慮して定める必要があるんじゃないかということであります。さらに、指針は、主務大臣が電算機利用高度化計画を勘案して定めるということになっております。  この計画は、ことし六十年度末の電算機の設置あるいはプログラムの開発目標を定めたものでございますけれども、今般の法改正によっても計画は新たに指針のベースになるのであるのかどうか、今後どのように異業種間の電算機の連携利用というものについても考慮されようとしておるのかお聞きをしたい。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) コンピューターを企業同士の間でつないで利用するということになりますと、今御指摘のように一つの業種だけではなくてほかの業種との連携が必要になってくる場合もあるわけでございます。  例えば鉄鋼業とそれから鉄鋼関係の流通を担当している商社との間をつなげるということになると、流通業と鉄鋼業がつながるわけでございますし、それからまた流通の関係で運輸業者との間でつなげるということになると、運輸業と流通業あるいは運輸業と鉄鋼業との間との関係ということになってまいります。そのようなときに、一つの通産省所管の分野なら通産省所管の分野だけで処理できる場合も多いとは思いますが、ただ運輸業と鉄鋼業ということになりますと、運輸省と通産省とが絡んでくるというようなことになりまして、両方の省の間でうまく調整を図っていく必要があろうかと思います。  この第三条の二では、その事業分野ということを書いてございますので、決して単一の事業分野だけでやるというような思想で書いてあるわけではございませんので、必要に応じて複数の事業分野が一緒にやることがあれば、それは一緒にやるという意味での一つの大きな分野についての連携指針をつくる必要があるわけでございまして、その際には関係省庁が十分相談し合ってやっていくということが必要だろうと思います。  そのように私ども考えておりますし、それから審議会の意見を聞いてこういう指針を定めるということになっておりますので、適当な審議会の意見を聞いて、その異業種間の連携が余りぎすぎすしない形で進むように考えていきたいというふうに思っております。また、そういう異業種間の連携が進むこと自身が、高度情報化社会においてコンピューターを最も効率的に利用していくために非常に重要なことであろうかというふうに考えております。  そのようなことで連携指針をつくっていきたいと思っておりますので、今先生から御指摘ありました第三条の電子計算機利用高度化計画におきましても、今回条文自身を特に変えてはおりませんが、この現在の条文のままで、十分そういう内容を織り込めるという判断が法制局にもありましたので、そういう形で考えておりますけれども、異業種間のそういう連携についても、この高度化計画をつくります際に、うまくそれを織り込むような形にしたいと考えております。  従来は、この高度化計画は、どちらかというと、例えば電子計算機を五年先に何台ぐらいの数にもっていったらいいかというような、量的な目標が多かったわけでございますが、今後は、今申し上げましたようなシステム全体をつくり上げるという意味での質的な点を考慮いたしまして、知識情報処理や、その共同利用等、電算機の高度な利用に関する目標というような点を入れまして、新たな高度化計画をつくっていきたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 今の御説明にもありましたように、各業種間で十分話し合いをして、そごのないようにしなきゃならぬというのが大前提ですし、その場合でも、やっぱり通産当局がこういう仕事については一番中心的な役割を果たしていかなきゃならぬだろう、そういうふうに思いますので、今局長がおっしゃったような心構えで、積極的にひとつ対応を願いたいと思うのです。  ところで、今お話にありました業種間での問題の一つに、鉄鋼産業というのが出てきましたけれども、私どもの知る範囲でも、鉄鋼連盟による鉄鋼情報システムというものがかなり以前から構築されているわけですし、鋼材倶楽部というところでは、いわゆる帳票やコードの標準化に取り組んでおるようですけれども、さらに家庭電器の産業についてですけれども、これは日本電気専門大型店協会と家電業界との間で話し合って、いわゆるPOSシステムの導入が今計画されているわけですけれども、家電流通のシステム化懇談会というところで情報化の検討が進んでいるように聞いているんですけれども、状況についておわかりでしたらお答えを願いたいと思うのです。  そのほか、小売業やら卸売業において、それぞれ名称は何というのか知りませんが、いわば情報化委員会というようなものを設けて情報化時代への対応が研究されておるようでございますけれども、そういう分野についても、状況を把握しておられればお聞かせを願いたいと思います。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 今御指摘ありました鉄鋼業についてでございますが、鉄鋼業についてのそういう企業同士の間のお互いの協力の事業というのは、もう四十年代から始まっておるわけでございます。御承知のように、一つ一つの企業が電算機を使って、工場では生産管理にそれを使う、それから事務所ではその事務管理に使うという形でやっておったものを、一つの企業の中で大きなシステムを構成していったわけでございます。  そのときに直ちに起こってきた問題は、原料の取引あるいは製品の取引で、商社との間でコンピューター同士でつないで取引をやっていくということが最も効率的だということで、各社ともそういう話を進めていったわけでございますが、そのときに逢着した問題が、一つ一つの企業で、例えば商品コードが違っておると、取引をしている相手先の商社では、複数の鉄鋼会社と取引をすれば、それぞれのコードを違ったコードでコンピューターシステムをつくっていかなくちゃいけないということで、大変にむだが起こってくるということになりまして、関係業界でそういう点を統一していけばそういうむだがなくせるんじゃないかということで、従来鋼材倶楽部を中心に検討をずっと進めてきておられたわけでございます。そういう御経験がほかの業界にもいろいろ広がってきているわけでございますが、鉄鋼業界のそういう最も進んだ例を私どもも参考にしながら、ほかの業界にもそういう点を勧めていきたいというふうに考えております。  それで、家電製品につきましても、今御指摘ありましたように、販売時点管理というPOSシステムを導入して、メーカーとそれから販売店との間のコンピューターによる取引をできるだけ合理化していく仕組みをいろいろと考えておられるようでございまして、今後、商品コードの内容やあるいはマーキングの仕方等を含め、具体的なその進め方につきまして関係者との間で検討が進められる状況にあるというふうに聞いております。  それで、流通の関係は一番そういうコンピューターの利用がある意味では進み、お互いの間で、今もお話がございましたように、POSシステムというようなものを使ってうまく進めようというような動きがある業界でございまして、また、コンピューターを利用すればそれだけ効率化が図られる、その成果が非常にはっきり出てくるという分野でございますので、今後とも私どもは流通分野独自の情報化、それと流通分野と家電業界とか鉄鋼業界とかを結んだ情報化のシステムづくりを今後とも進めていきたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 これからはさらに多くの業種で進んでいくと思いますし、それぞれ業界の事情の違いによってシステムを広範囲に拡大利用していくということが考えられるわけです。それだけに基礎になる——基礎になるというと語弊がありますけれども、一つの基本的なパターンというようなもの、これはしっかり組み上げていくということが必要かと思いますので、そういう意味で、指針なども有効に活用されていくようにしなきゃならぬと思います。  ところで、この電算機の連携利用指針に関しまして、特定の事業者、特に中小企業者が不利益をこうむるというふうなことであってはならないということは言うまでもないことでございますが、指針策定に際して、したがって中小企業団体等の意見を十分に聞いて対処することがいいんじゃないかと思うんですが、この点はどういうようになっていますか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) こういう電算機の連携利用が進みますと、一番大きな影響を受けるのは中小企業だという感じがしておりますので、今回の法律の中にも第二項で、「前項の指針は、関連中小企業の利益が不当に害されることのないよう配慮されたものでなければならない。」ということで、特に中小企業配慮条項を置いておるわけでございます。  それで、コンピューターを使って取引を進めていきますと、当然のことながら、大企業と中小企業がお互いにコンピューターでつながれるということになってまいりますが、大企業の場合には、資金的にも十分そういう能力があるのでコンピューターは利用できても、取引先の中小企業にとってはそれが非常に大きな負担になるということは決してよくないわけでございますので、そういう点を十分配慮してまいりたいと考えております。  それで、ただ問題は、コンピューターを導入していく場合に、商品コードとかプロトコルとかいうのがいろいろと分かれておりますと、むしろそういうことによって大きな影響を受けるのは中小企業の方になってくるというようなこともありますので、むしろそういう標準化を進めるような話というのは、長期的に見れば中小企業の方々にとってもプラスになる要素ではないかというような考え方でございます。  したがいまして、今回こういう連携指針を主務大臣が決めますときには、そういう中小企業問題も十分頭に入れて、中小企業の関係団体とも十分御相談しながら、中小企業の方々に不利にならないような形で連携指針をつくり、それでまた、具体的な連携システム自身もそのような形ででき上がるように持っていきたいと考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 それで結構だと思うんですが、問題は指針をつくるときに意見を聞くことと同時に、運用の過程が実は大問題なんでありまして、どうしても大企業あるいは親企業と言われる立場から、一定の圧力めいたことが起こってくるんじゃないかと、あるいはまた知られたくない秘密を知られるとかいろんな不都合が出る心配があります。したがって、運用面での配慮ということが必要だと思います。これは後ほどまた一定の議論をしたいと思っております。  ところで、この指針を定めるに当たりまして、いわゆる情報処理センターや共同データベースを利用して、価格や生産量などに関する情報の授受を行うことによって、競争阻害的な行為、これはいやしくも独禁法に抵触するような行為が行われるということであってはならないと思うわけでありまして、指針を定める段階で、当局は公取委と協議をするというふうな必要を感じておられるかおられないか、これは公取委側にもお聞きをしたいと思います。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) コンピューターで連携して取引を進めていくということになりますと、今お話ございましたように、取引に応じて情報が流れていくというようなこともございますし、また一つのシステムをほかの企業が使っていかなくちゃいけないというような形で、ほかの企業がある企業の考え方に協力していくというような問題も起こってくるという意味で、独禁法上の問題が全くないということは言えないと思います。  ただ、私どもが考えておりますのは、例えばビジネスプロトコルを統一して標準化を進めていって、ある一定の事業分野の事業者の方々が、同じそういう標準化されたプロトコルを使って取引を進めていくということ自身が、すぐに直ちに独禁法上の問題が起こるということは考えておりませんで、むしろそういうような条件が、その業界全体で統一することによって、公正な競争条件がむしろでき上がるという意味で、産業組織政策上も積極的な評価もでき得るんではないかというふうに考えております。  ただ、しかしそういうふうに企業間で話をしながら全体として効率的に物事を進めていくための事業でございますが、ただ独禁法上の問題は全くそれでは無視していいかということでいえば、必ずしもそうではございませんので、公正取引委員会の方とも十分御相談をしながら、こういう問題は進めていきたいというふうに考えております。  特に、独禁法に関する規定をこの法律条項の中に入れませんでしたのは、当然こういう事業は、独禁法の一般的な規制がかかっているものの上において行われるということで私ども考えておるわけでございます。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) データ通信システムというものが非常に広範に採用されてまいりまして、昨年の段階で私どもが代表的な業者を調査いたしましたところでは、大体九割五分の企業というものが中心になってこういうデータ通信システムを広げていくというようでございます。  もちろん現在技術的にも進歩が激しいわけでございますし、これからどんどん普及していく過程でございますから、現在の段階でこういうことが、企業間データ通信システムの普及ということがどういうふうに市場の競争システムに影響するかということについては、あるいは頭の中で考えただけの問題ということになるかもしれませんが、一応同業種の企業間の競争が活発化するとか、異業種の企業間で新しい競争が発生するとかというようなプラスのメリットは非常にあるわけでございますけれども、反面でシステムに入る企業とそうでない企業、その間の企業間の格差が、殊に情報格差が拡大していくとか、グループ化、系列化が進行してまいる、構成員の事業活動が制約されるという弊害も全く考えられないわけではない。  そこで、昨年の五月の私どもがやりました情報化の進展が競争秩序に与える影響に関する調査の中でも言っておることでございますけれども、システム構成員の自由な事業活動を制限するような行為、システムの加入、脱退の不当な制限とか、同業他社のシステムの利用の制限とか、取引の不当な拘束がそれに当たるわけでございます。それから第二に、システムの共同運営に伴う競争制限行為、例えば特定企業を排除するとか、参加企業の事業活動を制限してしまう、系列化を進める、こういったようなことは競争政策上マイナスのメリットになるわけであります。これからどういう形で進展していくかわかりませんけれども、ただいま御審議中の法案の三条の二項にもありますように、やはり競争状態を適正に保っていく、競争を活発にしていく、それによって経済の自由な力を強めていくということが非常に重要かというふうに考えるわけであります。  通産省からお答えもありましたとおりでありますけれども、ただいまお尋ねの件につきましては、主務大臣の定める指針に従って電算機の連携利用に参加するか否か、これが事業者の自由な判断にゆだねられておるということが当然の前提だというふうに伺っておりますので、その限りでは、現実直ちに独禁法上の問題が起こるというふうには考えていないわけですが、先ほど来申し上げましたようなデメリットというものも今後発生してまいることも考えられますので、十分関係の省庁とも連絡をとりまして、いやしくも独禁法上の問題が発生することのないように十分配慮してまいりたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 公取委員長の今の御説明の中にも出ておったように思うんですけども、当然自由参加ということが前提になっているとは思うんです。だけども、一つのシステムが業界全体としておおむねひとつ採用していこうとなったときに、うちだけはそれはちょっと困るとは言いにくいんですよね、実際問題として。そこらが、私、だから運用の面で実際問題ないのかなという気がしておるわけですけども。  今余り取り越し苦労的にこれ考えても仕方のないことで、そういう連携利用の指針をつくり、そのシステムを運用していくということが新しい時代にふさわしいんだということで、今法案が審議され、作成されようとしているわけですから、取り越し苦労はしたくないんですけれども、実際問題として、今までの長い親企業、大企業と中小企業との関係ではやはり似たようなことがありまして、中小企業は大分泣かされていると、これは後ほどちょっと支払い遅延の問題についても公取委員長にお聞きしたいんですけれども、現にそういう問題がいまだにやはり数多く存在するし、しかも中小企業はまさに我が国産業構造の中の大きな力でございますので、そういう点も考慮して、これからはこの指針の運用をどうするかということに、せっかく公取委も含めて御留意を願いたい、そういうふうに思うわけであります。  次に、低利融資事業の追加につきまして、法案の二十八条の九号ですか、「企業等が行う電子計算機の共同利用のうち事業活動の効率化に特に寄与すると認められる態様の共同利用に用いられるプログラムの開発に必要な資金の貸付けを行う」とあるわけですが、本法によって融資の対象になる事業は、業界内共同あるいは異業種間共同の情報処理システムに係るシステム設計やプログラム開発であると考えられるんですけども、そういうことでしょうか。  さらに、だとすれば、異業種間共同情報処理システムの開発のためのプログラムに必要な資金の貸付条件は、聞くところによると今検討中だということですけども、どういうふうにお考えでございますか。  さらに、大臣にお聞きしたいんですけども、六十年度における融資規模が十二億五千万円予定されているようですが、先ほど来のお話のように、各業種にまたがる情報化の進捗というものの趨勢から見ると、十二億五千万円では規模が小さ過ぎやしないのか、来年度はもう少しふやす考えはおありなのかどうか、この点お聞きをしたいと思います。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) まず、異業種間の共同情報処理システムと今回の融資制度との関係について御説明申し上げますが、企業内の情報処理システムと違って、企業間の情報処理システムというのは、どうしてもシステム自身が複雑になるということで、そういうプログラムをつくり上げることについてのリスクも非常に高いわけでございます。そういうことで、今回情報処理振興事業協会の低利の融資制度を設けまして、それによってそういうリスクの高いプログラムの開発を進めていこうということを考えたわけでございますので、当然異業種間でありましても、共同の情報処理システムであればこの融資の対象になるわけでございます。  その融資の条件の詳細につきましては、据置き期間を含めることを含めまして、現在検討中ではありますけれども、今一応考えておりますことは、金利については五%程度、期間については三、四年程度を考えております。いずれにいたしましても、事業者のニーズや融資原資等を勘案いたしまして、実効ある融資制度にしていきたいというふうに考えております。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。  この融資制度は、産業各分野における複数企業間の共同の情報システムの構築に対するニーズの高まりに対応いたしまして、その実現の障害となっているソフトウエアコストの負担を軽減するために新設しようとするものでございます。この制度の融資条件等の細部につきましては、ただいまも政府委員から答弁を申し上げましたが、今後検討することとしておりますけれども、かようなニーズに的確にこたえることを可能とするものとするつもりでございまして、ことしは御指摘のように制度開始初年度でもありますことから、十二億五千万円程度の貸付規模を予定しておりまして、この融資規模に対応する需要は十分存在するんじゃないかと、このように認識をしております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 大臣、ちょっと数字を私出しましたけども、ことしは十二億五千万円ぐらいだと聞いていますがね、来年度はまたふやしていくという、予算要求していくというお考えですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 来年度の貸付規模につきましては、今年度における本制度の運用の状態を見まして、その実績だとか需要見通しなどを勘案して要求をする所存でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 五十八年度の中小企業白書によりますと、中小企業でコンピューター導入をしてオンライン化をしているところは八%余りだと、大企業の場合はそれが五一%と半数を超している。こういうふうに格差が出ておるわけですけども、さらにまた、オンライン化を検討中という企業は二二%ある。こういうことのようですが、そこで中小企業者がコンピューターなどの情報関連機器を導入する際に問題になるのは、価格が高いということではないかと思うんです。機器を導入する資金が不足している。それが中小企業の情報化の足を引っ張るというふうなことに連なっているのじゃないかと思うんですが、その場合、財政金融上の優遇措置がどの程度講じられておるのか。  さらに、中小企業の情報化、オンライン化を進める上で、中小企業金融公庫等において情報化促進貸付制度、これが五十九年度に設けられているわけですけれども、その融資条件、融資対象、融資実績等はどうなっておりますか。さらに、中小企業の情報化促進貸付制度の五十九年度融資額は、御説明が今あると思うんですけれども、我々の知る範囲では、ことしの二月で、実は二十六件、四億九千百万円と言われておるんですが、そういうことでございましょうか。

遠山仁人中小企業庁指導部長

○政府委員(遠山仁人君) お尋ねの、中小企業の情報化対策の施策のところにつきまして、私から御答弁申し上げたいと思います。  御指摘のとおり、中小企業の情報化につきましては、大企業に比べまして情報機器の利用の面あるいはコンピューター等を結びますネットワークの面でおくれている状況にございます。中小企業におきましては、一般的に御指摘のような資金面、それからそのほかにも技術面それから人材面等におきまして、大企業に比べますと対応能力が低いという状況でございまして、現在進みつつある企業情報ネットワーク化を中心といたしました情報化の進展におきまして、大企業との間で格差が存在し、それが経営力の格差となって、中小企業は大企業に比べまして生産性の格差は拡大するおそれもあるわけでございます。  そういう状況でございますので、通産省といたしまして、従来から中小企業のコンピューター利用の促進を図ります観点から、いろんな施策を講じているわけですが、まず中小企業向けの汎用プログラムの開発、これを情報処理振興事業協会への補助金でそのプログラムの開発を促進するということをいたしておりますし、それから中小企業のオンライン化等の促進のために中小企業金融公庫、国民金融公庫等におきまして、中小企業情報化促進貸付制度等で融資等の支援措置を講じているところでございます。  六十年度におきましても、こういった施策に加えまして、そのほか中小企業事業団の高度化融資におきましてソフトウエア融資を拡充する、あるいは中小小売商業の流通情報ネットワーク開発費補助といった新しい施策も講じることにいたしておりまして、そういった施策を通じまして中小企業の情報化、特にネットワーク化を中心といたします情報化の促進を図ってまいる考えでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 融資条件等についてはどうですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 融資実績につきましては、先ほど御質問ございましたけれども、五十九年四月に本制度の運用を開始して以来、六十年二月までの十一カ月間の実績は、五億円を超える融資実績があるということでございまして、現在の融資残高は、中小公庫が四億九千百万、国民金融公庫が一千四百万というようなことになっております。  融資条件につきましては、今年度から特別金利を、特利を適用することを考えておりまして、複数企業間の共同オンライン情報処理システムにつきましては七・一%、それから情報処理サービス業者等のオンライン情報処理システムについても七・一%という特利を適用したいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 先ほども、システム設計やプログラム開発の場合は融資金利五%程度、融資期間三年ないし四年、こういうふうにおっしゃられましたけれども、特に今お尋ねしたのは、中小企業関係の場合、特利というと一般普通金利とは違うという意味ですか。それにしては高いですね、七%を超すというのは。そこらはどうなっているのですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 先ほど申し上げました低利融資制度は、新たに情報処理振興事業協会が融資をする事業として考えた金利でございます。これは、従来情報処理振興事業協会は、銀行から貸し付けを受ける際の債務保証をやっておったわけでございますが、今度は新たにそういう共同情報処理システムのプログラムの開発についてのみ融資をやろうということになりまして、それについては、先ほど申し上げましたように、企業間で共同してやるシステムでありますために非常にリスクが高い、そういうリスクの高いプログラムの開発に対して、特別にそういう五%程度の融資をしようということでございまして、それ以外の問題になりますと、一般的な融資制度に乗せますと、どうしても財投コストが現在のところ高くなっておりますので、中小企業金融公庫なり国民金融公庫からの貸し付けの金利は七・一%ということになりまして、この七・一%が財投コストとの関係で今のところは下限になっているということでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ちょっとにわかに判断がしにくいんでございますけども、またこれは改めて検討さしてもらいたいと思います。  ところで、五十九年四月からことしの二月までで約五億円、こういうお話でしたけれども、この中小企業情報化促進の融資枠は千五百七十億円余り計上されていると聞いておりますけれども、だとすれば、それにしてはこの五億円程度という融資枠は少な過ぎると思うんですけれども、これはどういうふうにお考えですか。  さらに、ことしから中小企業情報化促進貸付制度の名称が変更されて、情報基盤整備貸付制度という名称になるようですけれども、それはどういうことですか。また貸し付けの内容に変更があるのでしょうか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) これは中小企業に限らず、財投関係の金利全般そうでございますけれども、財投コストとの関係から、そういう政府関係金融機関の貸付金利が、ほかの市中等の比較において、昔に比べればやや高目になっているというようなこともございまして、従来この情報化促進貸付制度というのは、いわゆる通利という通常の金利で貸し付けをしておりました関係で、金利が割合高かったということもありまして、利用度が比較的少なかったという面もあろうかと思います。  そういうことで、先ほど申し上げましたように、今回七・一%——七・一%という金利も高過ぎるじゃないかという御指摘であれば、これは財投全体の問題でございますので、すぐに私どもとしてお答えできない問題でございますが、その七・一 %の金利に下げることによって、今先生御指摘になりましたように、名前も情報基盤整備貸付というような形で変えて、こういう制度の利用度を高めていきたいというふうに考えておるわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ぜひ今指摘した点を含めて、千五百七十億から枠があっても五億円しか使わない、その理由は金利が高いからじゃないかなというのも一つの原因として考えられるということですし、これは、せっかくの融資枠が未消化であれば、何とももったいない話でございますんで、積極的利用について、力を入れてひとつこれはやっていただきたいと思いますが、大臣いかがですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 委員の御指摘は極めて適切でございまして、こうした融資が極めて必要なことはよく認識をしておりますから、力を入れてやってまいります。

福間知之日本社会党

○福間知之君 せっかくこういう新しい法案もつくろうとしていることですから、ぜひひとつ御努力を願いたいと思います。  同じくこの中小企業白書によりますと、近年親企業の情報化が急速に進んでいる状況の中で、下請企業に対しましても情報化についての要請が強まっていると、こういうように思われます。だが、オンライン化につきまして親企業から要請があり実施したいわゆる中小企業は一・五%にとどまっております。さらに、要請があってオンライン化を検討中だとしている企業は今五%弱という統計であります。徐々に拡大していると言えば言えるわけですけれども、情報化の進展が下請取引企業に与える影響を考えた場合に、現段階では親企業のメリットがやや先行している場合が多いんじゃないか。  下請企業においても、経営の合理化あるいは高度化に寄与している企業もあるわけですけれども、その反面、コンピューターオンライン化に伴って、逆に受注が小ロット化するという傾向もあるやに感じておるわけでありますけれども、取引機会が少ないわりに過大な投資が必要になるということで問題がないんだろうか、こういう点について当局はどういうふうにお考えでございますか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 先生数字を挙げて御指摘になりましたとおり、現在下請企業でコンピューターを導入し、かつそれを親事業者との間でオンライン化しているものは、数字的にはまだごく一部でございます。したがいまして、このオンライン化に伴いまして、親事業者と下請の間でどういう問題が出てくるかということの全貌を把握するのにはまだいろいろ困難もございますけれども、この時点でどういうふうに考えているかと申しますと、基本的にはオンライン化は受注業務の合理化、省力化を通じまして、親企業、下請企業全体を通じて大きなメリットをもたらすものだと思っております。  しかし、御指摘のように、その反面でいろいろ弊害が出てくるおそれなしとしない。例えば、おっしゃるように、オンライン化をする段階で、下請企業が負担にたえかねるような投資を迫られるおそれはないかとか、あるいはオンライン化に伴って親企業にいろいろなことを知られてしまいますので、そこで選別が強化されないかとか、あるいは逆に親企業への依存度というのが非常に固定されてしまって、系列関係が強まってしまって弊害が生じないかとか、いろいろなことが懸念されていることも事実でございます。  そこで、私どもは昨年十一月から中小企業近代化審議会の中に情報化分科会というのを設置いたしまして、このような考え得る問題点につきまして専門家の方々にいろいろ御検討いただいているところでございます。できれば夏前には御報告をいただきたいと思っておりまして、具体的な対応策につきましては、そういった御報告も踏まえまして遺憾のないようにいたしていきたいと思っております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 そこで、下請代金支払遅延等防止法というのがございますが、その第三条で、親企業あるいは下請企業間の取引契約の書面記載を義務づけておるわけでございます。このために、親企業と下請企業との間をオンライン化しましても、本来のオフィスオートメーションの効果を出し切れないのではないか、こういうふうに言われておりまして、これは去る四月の一日の日刊工業新聞ですが、この報道によりますと、そのために中小企業庁は、同法を弾力的に運用するために公取委との調整を行う、さらには、民間企業の実態調査を行う、そしてガイドラインを作成する考えだというふうに報じられておりますが、事実でございますか。  さらに、この下請代金支払遅延等防止法は、下請の保護を明確に打ち出している法律でございますが、弾力的な運用をすることになれば、その法律の趣旨が変わるおそれはないのか。この問題につきまして、中小企業庁と公取委の間でワーキンググループをつくって、下請取引契約の書面記載が同法の弾力運用によって損われないようにするための担保について検討しているとも聞いておりますが、公取委としてはどのようにこれに対応されておりますか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) おっしゃいますように、オンライン化に伴いまして、下請代金支払遅延等防止法の第三条書面の交付、あるいは第五条の書類の保存の義務等との関連で問題が生じてくるおそれがあるわけでございます。  現在コンピューターを導入しまして、磁気テープを使ったりあるいはフロッピーディスクで記録したり、さらに進んだ場合にはオンラインということになるわけでございますけれども、こういった方式のメリットは先ほど申しましたように基本的にあると思いますが、これにつきましては、一方において下請代金支払遅延等防止法の規制との関係で、せっかくの投資が本来の効果を発揮しないでむだなことになっていないかと、そういう御指摘のような問題もございましょうし、反面、効率を追求する余り、下請代金支払遅延等防止法の精神が損われるということもまた困るわけでございます。  そこで、ここのところの調整をどうするかにつきまして、現在担当ベースで公正取引委員会とも御相談をしつつ、いろいろ勉強していることはそのとおりでございます。ただ、具体的にいつまでにどういう形でということにつきましては、私どもまだそこまで決めておりませんし、具体的には公正取引委員会の規則でこの点詳細決まっておりますものですから、今後とも公正取引委員会とよく御相談をしてやっていきたいと思います。  いずれにしましても、先生最後におっしゃいました下請保護の精神というものは堅持してまいりたいと思っております。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) いわゆるペーパーレス時代ということがだんだんそうなってまいりまして、コンピューターが普及発達をする。そうしますと、コンピューターを利用した書面によらない発注、書面によらない記録の保存というものがふえてきておるという実態にあることは、そういうことが進みつつあることは私ども認識しておるわけでございます。  情報の蓄積をうまく利用して製品の精度を上げていくとか、ニーズに対応するために情報の利用が必要になってくる。それからまた、親事業者、下請事業者相互間の業務の合理化をしていく、そういうことのメリット、それは基本的にはプラスの方向に動いていくんだというふうに思いますけれども、ただいまもお話のありましたように、下請事業者の保護を没却するようなことになってはならないというふうに考えております。そういう観点で、今中小企業庁からもお答えがございましたけれども、広く下請と親事業者の間の取引の実態の把握ということに努めておるわけでございます。  ところで、先ほどお尋ねの中に、三条書面、五条書面との関係をどうするんだという御趣旨のことがございました。ペーパーレス時代でございますから、すべてのものを手書きで、もう一度新しく下請事業者との間でそういうものを書かせるということが、下請事業にとって大きな意味でのプラスにならないという場合も考えられるわけでありますけれども、三条書面、つまり発注の内容、品名なり規格なり数量なり検収なり支給材料、こういった発注の内容、それから下請代金の金額なり支払い期日、支払い方法を定めるということを現在法律によって行っておるわけでございます。それを書いた紙を出さなければならぬ、書面を出さなきゃならぬということを法律で言っておりますのは、下請事業者と親事業者の関係というのはとかく口頭発注、それからただいま申し上げましたような要件について明示しないで、後で下請事業者の不利なような決済を行うということがあってはならないという趣旨からきておるんだと思います。  それから、その五条で給付の内容なり給付の受領なり下請代金の支払いなり、そういうものが確認できる書類を備えつけておかなきゃならぬということを親事業者に求めておりますのは、私どもの委員会、それから中小企業庁、下請法が確実に履行されておるかどうか、親事業者について検査をいたす際の便宜——便宜と申しますか、基本的な書類の備えつけという意味でそういう規定が設けられていると承知しております。  公正取引委員会の規則の中で書面交付主義、書類備えつけ主義としておりますのを、ペーパーレス時代に合わせてどのように直していくかという問題はありますけれども、コンピューターを利用した発注記帳記録の保存であっても、下請法、ただいまも御説明を申し上げました三条、五条の趣旨から逸脱したようなものであってはならないというふうに考えておりまして、その点現在取引の実態に合わせて検討を進めておるところでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 両者からの御説明がございましたので、問題は十分認識されているというふうに考えますので、やはりこれまた、したがって今後の運用に遺憾なきを期していくということですから、それに間違いはないんですけれども、一方、通産省が昨年でしたか調査された意識調査でしたか何かで、親企業の下請企業に対する支配強化を非常に懸念しているという中小企業が過半数を占めておる、財務内容を知られる危険があるとか、あるいはいろんな面で圧力を受けるということを懸念しているんですね。そういう事態というのは、放置すれば私はやはり深刻になるんじゃないかと、こういうふうに思い、オンライン化等を進めていく、積極的にやっていくということに大きな障害をもたらす、そういう危惧を感じております。  いわゆるインターオペラビリティト、情報処理負担相互運用基盤、こういうものの確保は基本的に新たな競争基盤を整備するということに通ずると考えるわけですけれども、逆に、偏った対応になれば競争条件をゆがめる、こういう危険を同時にはらんでいると思うんですけれども、先ほど来から御説明がありまして、私も申し上げている親企業、大企業、中小企業の関係について十分な配慮をひとつ願わなきゃならぬのですけれども、その点どういう決意であるか伺っておきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) まず先生御指摘のような不安を持っている中小企業、下請企業がいることはそのとおりでございますが、情報化につきましては、よく先行きがわからないということで生じている不安もかなりあるのではないかと思います。  したがいまして、現在、先ほど申し上げましたように、中小企業近代化審議会の場でいろいろ御勉強を、先生方煩わしてお願いしておりまして、その成果を踏まえまして、下請企業、中小企業にとって情報化というのはどういうことなのか、具体的にどういう問題があるとすればあるのか、どうすればそれを防げるのかという将来のビジョンをできるだけわかりやすくまとめまして関係企業にお示しをする、そこがまず事態の認識の出発点だと思います。そうすることによりまして、いたずらな不安というものはまず払拭してまいり、その上にいたずらでない、本当に問題のあるところ、これは先ほど来申し上げておりますような原点に立ちまして、必要な施策を詰めてまいりたいと思っております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 次に、シグマシステムについてお伺いをしたいと思います。  現在、シグマシステムはほとんど手作業で行われているところのソフトウエアの開発工程を大幅にコンピューター化して、ソフトウエアの生産性あるいは信頼性を向上させようとするものでありまして、中央に設置されるシグマセンターから、全国のネット、全国のソフトウエア従事者に各種の機能を提供しよう、こういうシステムなんでありますが、まずこのシステム構築のねらいについて、昭和六十五年度に約六十万人余り不足すると言われていますプログラマーへの対応があるようでございますが、このシグマシステムによって、プログラマーの不足がどの程度緩和できると予測されておりますか。  さらに、五十一年度からIPAの特別委託事業として協同システム開発株式会社が実施してまいりましたソフトウエア生産技術開発計画、これもソフトウエア開発の生産性あるいは信頼性の向上を目指しておるわけでございますけれども、このシグマシステムとこの計画との関連はどのようになるんでございましょうか。  さらに、このシグマシステムは、ソフトウエア生産工程のコンピューター化率を高めていく、現在一〇%余りのようですが、これを八〇%余りに高めるということによって目的を達成しよう、こういうことでございますが、生産工程のうちどういう部分が主として電算機化されるのでございますか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) シグマシステムについての御質問でございますが、今御質問にございましたように、今のような手作業のままでコンピューターのプログラムの作成が進められるということになると、将来大変な数の技術者不足が招来するんではないかというふうに私どもは懸念しておるわけでございます。  現在メーカー、ユーザー等におりますシステムエンジニア、あるいはプログラマーの数は、全体で四十万人ぐらいでございます。ところが、現在プログラムに関する需要の伸びというのは非常に高うございまして、年率二五、六%の割合で伸びているという状況でございます。これは当然のことでございますが、コンピューターが非常に機能が高まりまして、しかもコストが安くなったということで、コンピューターのハードウエア自身の導入が非常に急速に進んでおりまして、二十数%の割合で伸びているというような状況でございます。  したがいまして、そのコンピューターの利用が進めば、それだけ今度はコンピューターを動かすためのソフトウエアの需要も高まるわけでございまして、二十数%の割合で伸びていくということになります。したがいまして、そのような伸びが今後もずっと続いていくと仮定いたしますと、一九九〇年、昭和六十五年には百五、六十万人ぐらいのプログラマーが必要になってくるというようなのが現状でございます。  したがいまして、今コンピューター関係の会社あるいはソフトウエア関係の会社は、技術者を集めるのに躍起になっておりまして、地方に進出して、地方の技術者を使うというようなことでもやっておりますし、また一部は海外にも下請に出そうというような動きすら起こってくるということでございます。  これは、単に日本だけの状況ではございませんで、アメリカ、ヨーロッパでも同じ問題があるわけでございまして、コンピューターの利用を高め、情報化を進めていくというためには、どうしても人手が足りなくなる問題を克服していく必要があるわけでございます。コンピューター自身は極めて自動的に多機能の計算を早くやる機械でございまして、自動的にやれるものでございますが、その自動的にやるコンピューターを動かすためのソフトウエアがみんな手作業で行われているというのは、よく紺屋の白ばかまと私は申しておりますけれども、そういうような状況になっているわけでございまして、それをできるだけコンピューターによってつくる形で生産性を上げていきたいというふうなことを考えております。  そのためには、日本全体、各企業がそれぞれそういうコンピューター化を進めるよりも、日本全体で一つの大きなシステムをつくり上げて、みんなで共同利用していくというのが最も効率的になるわけでございますので、したがいまして、私どもは今年度からシグマ計画という計画を、予算を新たに取りまして、情報処理振興事業協会でそういうシステムをつくろうということを始めようと考えておるわけでございます。そのためにもしシステムの開発がうまく進めば、私どもとしては期待しておりますのは、生産性が四倍ぐらいに上がるだろうということを考えております。したがって、その分だけ将来需要が伸びるであろうコンピュータープログラマー、システムエンジニアに対する不足感がそれだけ和らぐだろうということで、この制度を進めていけばすべての問題が解決するということにはならないと思います。  ソフトウエアにつきましては、それ以外に、例えば汎用プログラムの利用を進めていくというようなことで、ある意味ではやはり生産性を上げる方法がございますので、そういう施策も並行して進めていく必要があるだろうというふうに考えております。  それから、二番目の生産技術開発プロジェクトについての御質問でございますけれども、これは昭和五十一年度から五十六年度まで実施しまして、協同システム開発株式会社に委託いたしまして、コンピューターのソフトウエアの生産の技術を向上する仕組みを進めてきておったわけでございます。その時代は、ソフトウエアの生産をコンピューターでやるということ自身が全く未知の分野でございまして、個々の作業についてそれを自動化するにはどうしたらいいかというようなことでの開発作業をやったわけでございまして、今私が申し上げましたように、日本全体をオンラインで結んで一つの大きなシステムをつくり上げてみんながそれを共同利用していこうという考え方ではございませんで、オフラインで、一つのコンピューターで、一つの作業場の中でコーディング等の段階を自動化していくというようなことをやろうとしていたわけでございます。  今回のプロジェクトは一つの大きなシステムをつくり上げまして、ソフトウエア開発用標準のオペレーティングシステム等も含めてつくっていくということでございますので、当然のことではございますが、生産技術開発プロジェクトでやったいろいろな成果は今回のシグマシステムをつくっていく中に吸収して使っていくというような形でやっていきたいというふうに考えております。  それから第三番目の御質問で、生産工程の効率化、自動化はどういう分野で行われるのかという御質問でございますが、これは先生御承知のように、ソフトウエア生産をしますときにはいろいろな工程があるわけでございます。まず、そのユーザーからのニーズに応じた要求仕様をどういうような内容であるかということを確定していく作業、それからその仕様に基づきましてソフトウエアの論理構成、ハードウエアとの関係等、ソフトウエア全体の概念を設計書として取りまとめる段階、それで取りまとめた設計書に基づきまして、プログラム言語でソフトウエアを書いていくというコーディングの段階、そしてでき上がったソフトウエアにつきまして、それをテストをいたしまして、いろいろなミスが当然出てくるわけでございますので、そういうミスや論理上の誤り等を検出してそれを修正する段階というような、幾つかの段階があるわけでございます。  それで、従来コーディングテストの段階では、ある程度機械を使って、コンピューターを使ってそれをチェックする、つくっていくというようなものは部分的にはでき上がっておったわけでございますが、要求仕様の確定とか設計工程というようなソフトウエア生産工程の大きな部分を占める部分というのは、ほとんど自動化、機械化が進んでいなかった分野でございまして、シグマ計画では、こういう分野を含めまして全体としての効率化を進めたいというふうに考えておるわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 御説明にもありましたように、大手の業者では一種のターゲットマシンみたいなものを使ってやっているけれども、今は仕様から回路設計とかいうところまではいっていない、こういうお話で、そうだと思うんですが、問題は費用対効果という点で将来本当に成功させなきゃならぬのだけれども、なかなか難しいよという感じがします。これは、アメリカ等でもやっているんですか、そういう点は。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) おっしゃいますように、こういう大きなシステムをつくるためには大変にコストがかかるわけでございます。  ただ、ソフトウエアにつきましては、それを利用する人がふえればふえるほどその利用する人当たりのコストというのは下がってくるわけでございまして、先ほども申し上げましたけれども、汎用ソフトウエアというのが日本なんかよりはアメリカの利用度は非常に高いわけでございますが、そういうふうに汎用ソフトウエアを利用すれば、一億円かけたものを十社で利用すれば一社当たり一千万円ですが、百社で利用すれば百万円で済むというようなことで、安くなるわけでございますので、私どもとしては、このシステムをいわゆるオールジャパンというような体制でやることによって、関係企業が全部参加するというような形で進めていけば、開発コストは相当な額に上りますが、それを利用する人がふえればふえるだけその利用する人たちにとってのコストは下がっていくというようなことになるだろうというふうに考えております。そのためには、関係者の十分な合意を得て、みんなが利用しやすいシステムをつくり上げていくということが非常に必要かと考えております。  同じような計画は、先ほど申し上げましたように、アメリカなんかでもやはりコンピューターの技術者が足りなくなるということが非常に大きな問題になっておりますので、そういう点の計画を進めておりまして、私どもが聞いているところでは、アメリカでは、国防省が国防関係のソフトウエアをつくるのに、できるだけコンピューターを使って自動化できないかというような計画を進めているというようなことを聞いております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 まあ利用するものが多ければそれだけコストが安くなるというのは当然ですし、これ、やる限りはやっぱりそういう方向で成功させなきゃならぬと思うわけでありまして、とにかくアメリカでは、聞くところによると、やっぱり汎用のソフトというのは大変安く出回っておりまして、現状日本でそういう市場が、まあ皆無とは言いませんけれども、非常に細いわけですね。だから、飛行機賃使ってもアメリカへ行って買ってきて、それを持ち帰って加工する、その方が安上がりだというふうなことも聞くほどなんですね。  そういう点で、シグマシステムというのはやはり本法案の柱とも言うべき内容でございますので、非常に私も関心を持っているんですけれども、ぜひひとつ成功させなきゃならぬ。こういう場合に、開発の場合、何事についても標準のOSとか、そういうものがあるわけで、聞くところによると、アメリカのATTのユニックスシステムですか、何かそういうものを導入しようと考えておられるというんですけれども、そういうことなのかどうか。さらに、シグマシステムがIPAの業務に追加されるわけですけれども、しからばIPAの開発体制は果たしてどのように充実されようとしているのかということをお聞きします。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 私どもこのシグマシステムを進めていく場合に、先ほどオールジャパンの体制ということを申し上げましたけれども、こういうコンピューターによってソフトウエアの生産性を上げていくという問題は、これは単に日本だけの問題じゃございませんで、全世界の問題でもございますので、したがって外国企業との間でも協力できるものがあれば協力していきたい、内外無差別の形で進めていきたいというふうにも考えておるわけでございます。  それで、このシグマシステムの計画を考えました場合に、基本となりますオペレーティングシステムにつきまして、いろいろとどういうものを使っていったらいいかということを私ども検討したわけでございますが、今先生御指摘のように、ATTで開発いたしましたユニックスというものが、こういうシグマシステムをやっていく場合に非常に使いやすいシステムではないかというふうに考えて、それを採用したいと考えておりますし、ATTの方も協力してもいいということを言ってきておるわけでございます。  なぜユニックスを使おうかと考えたかと申しますと、ソフトウエアの開発に極めて適した機能を有していると、具体的には対話型の処理機能がしやすいものであるし、柔軟なファイル構造を持っているというようなことがございます。それから、ュニックス自身が各種のコンピューターに対する、一つのコンピューターから他の種類のコンピューターに対する高い移植性を有しているというようなことでございまして、アメリカと違って日本ではコンピューターメーカーの数もたくさんございまして、それぞれ違ったコンピューターをつくっておりますので、そういう意味で、ユニックスというのが非常に使いやすいシステムではないかというふうに考えております。  それと同時に、ユニックス自身が世界各国で利用されているソフトウエアでございまして、ソフトウエア開発のためのツール類、ツールというのは道具のことでございますが、そういうものの蓄積が非常に多いということもありましてユニックスを利用したいというふうに考えております。  それから、シグマ計画の開発体制でございますけれども、これは情報処理振興事業協会の中に特別の部門を設けまして、民間企業の協力を得ながら進めていきたいというふうに考えております。今まだ案の段階ではございますが、一応協会の中にシグマシステム開発本部というようなものを置きまして、民間の優秀な技術者の方々にも入っていただいて、プロジェクトの基本設計や進捗管理、総合調整等を行う形にしたいというふうに考えておりますし、それと同時に、その諮問機関といたしまして、シグマシステム開発委員会というようなものを設けまして、学識経験者等に入っていただいて、全体のその進め方についての意見を述べていただき、日本全体でこのシステムがうまく進めるように持っていきたいというふうに考えております。この委員会の下に技術委員会とか運営委員会とかを設けて、専門的な事項を検討してもらうというような形で進めていきたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 この法案が成立後可及的速やかに、これはぜひ省を挙げてIPAについては対応をしていただく必要があると思うんであります。非常に広範囲に関係者がおりますんで、それをコーディネートしていかなきゃならぬということで大変かと思うんですけども、これまた力をひとつ入れていただく必要がある。要請をしておきたいと思うんであります。  ところで村田大臣、このシグマシステムに対しまして、今も話が出ていますATTが参加を申し込んできたとか、もうそれは了解しているとか、あるいは西ドイツの政府出資による特殊法人と言われる数理情報処理研究所、いわゆる略称GMDですね、このGMDがやっぱり参加したいということで交渉中だとも聞いておるようですけども、これを参加させる場合に、どういうふうな条件で向こう側が申し入れ、こちら側が対応をしようとしているのか、その参画のさせ方ですね、最近は、とんでもない貿易摩擦問題に絡んで、国内の審議会に参加さしてくれというアメリカの要請なども強いようですけども、この種の場合は、大いにインターナショナルな一つのシステムの統合というふうなことも側面において考えていかなきゃならぬのでありまして、参加そのものに私は問題はないと、そういうふうに思っているんですけども、どういうふうにお考えか。  さらに、このシグマシステムには民間の企業などから五億円余りの出資が予定されておるわけでございますけども、民間の参加形態も含めまして、あるいはこれには外資系の企業の参加ということも含めて、今申したようなことをどういうふうに対応していかれようとしていますか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。  ATT、アメリカ電信電話会社からは、昨年の十月にオルソン副会長が通産大臣を訪問いたしました際に、ソフトウエア生産工業化システムの構築プロジェクトについて協力申し入れがありました。それから御指摘のGMD、西独数学データ処理研究所は昨年の十一月にシペルスキーGMDの理事長が通産省にやってまいりまして、ソフトウエア生産工業化システム構築プロジェクトについての協力がありましたことは事実でございます。委員御指摘のとおりでございます。  当省としては、今後全体の開発体制を勘案しながら、これらの参加協力の申し入れについて検討することとしておりまして、まだ参加を決定したわけではございません。しかし、各先進国がハイテク分野で緊密な技術協力を行うということは極めて有意義でございまして、特に最近の日米通商関係の動向などに配慮すれば、一層その重要性が痛感されておるところでございます。  先ほど来、委員と政府委員の間で質疑応答がございましたように、シグマ計画は先進各国共通の深刻な課題である、ソフトウエアの需給ギャップ、いわゆるソフトウエアクライシスを打開することを目的とするものでございまして、国際協力のもとに実施するにふさわしいものでございます。アメリカなどからの参加の申し入れにつきましても、こうした観点から積極的に検討する所存でございます。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 今年度の予算で、二十億円の産投会計の出資のほかに、五億円の民間出資を求めることを考えておるわけでございますが、その出資、出捐につきましては、広く本制度の趣旨に賛同する日本の民間企業の方々から求めようということで考えておりまして、外資系企業を区別するとかというようなことは全く考えておりません。ただ、今、大臣の方から御説明ありましたように、ATTとGMDについて、そこの出資まで含めて参加するのかどうかという点は、まだこちらの両者の方がはっきり態度を決めておりませんので、今後の課題だというふうに考えております。  それから、一般的に申し上げまして、民間企業等できるだけ広く私どもは参加してもらいたいと考えておりますけれども、参加の場合に、出資してもらって、それから先ほど申し上げました開発本部へまで入ってもらうやり方もありますし、それからシステム構築に必要なソフトウエア等の開発の委託をするというような形での参加もあるかもしれませんし、それから本システムを試しに使ってみてモニター的に参加してもらうというようなこともいろいろあるわけでございまして、そういう多様な参加の仕方を考えながら、民間企業の活力をできるだけ生かして本制度をつくっていきたいと考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 さらに、これも重要なソフトウエアの開発利用と流通の促進という問題についてでありますが、まずソフトウエアの開発利用の効率化を図る方法としてどういうふうな手段をお考えになっていますか。今もちょっと触れられましたけども、ソフト開発の委託というふうなことも触れられたわけですけども、そのほかどういう手段を考えておられますか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) ただいまの御質問は、シグマシステムの開発に関連するものと、それから一般的なソフトウエアの流通の問題と、二つについての御質問かと伺ったわけでございますけれども、シグマシステムの関連では、できるだけ関係者多く入っていただいて、また、それをたくさん利用していただくというような形で、オンラインで各企業との間をつないで、情報処理振興事業協会に蓄えました各種のソフトウエアの生産道具、ツールというソフトウエア、あるいはその部品に当たるモジュールというソフトウエア、そういうものを利用していただきながら、しかもそれで料金を払っていただくという形で、この一つの事業を運営していきたいというふうに考えております。  それから、シグマ以外の一般的なソフトウエアの流通の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、日本の場合には、いわゆる汎用ソフトウエアのウエートが非常に低くて、全体として使われているソフトの一〇%以下でございます。あとは全部注文生産によるものでございまして、これは従来から各企業がコンピューターを入れるときには、その企業の特殊な事情に応じたソフトをつくってほしいという需要者側のニーズもありましたし、また、ソフトウエアメーカーの開発力が十分でないということもあって、みんながいろいろ使えるようなソフトを開発する能力を持った企業が少なかったという事情もあるわけでございます。  ところがアメリカの場合には、五〇%から六〇%がそういう汎用的なソフトウエアでございまして、ソフトウエアメーカーがつくったものを非常に幅広く各企業が使っているというような状況でございまして、そういうふうな使い方をすれば当然使う方のコストが下がってくるということになりますので、私どもとしては従来から汎用ソフトウエアの利用というのをできるだけ高めていきたいというふうな施策を講じてきておったわけでございます。そのために、情報処理振興事業協会でそういう汎用ソフトウエアの開発の支援を行う事業を、委託開発を行う事業を行うと同時に、それをできるだけ普及していくというような事業も行ってきたわけでございまして、今後もこのような施策はますます重点を置いて進めていきたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ちょっと時間が迫ってまいりましたんで次に参ります。  コンピューターネットワークが普及するに伴いまして、ソフトウエアのいわゆる品質管理、QCが大きな問題になってくると思うんであります。  最近も、国鉄の旅客販売総合システムでプログラムミスが生じまして、端末機から集まる情報を処理し切れなかったという事態があったばかりでございますが、今から二年ほど前に西ドイツでも、医療保険会社のコンピューターが間違った健康診断情報を打ち出したために、この情報を聞いた母親が前途を苦にして子供を殺し、自分も服毒自殺を図った、こういう悲劇が起こったということが報じられました。これはコンピュータープログラムにミスがあったのではないかと言われているんですけれども、こういうふうにプログラムミスが不幸なケースを生み出すという可能性も含んでいるわけです。したがって、ソフトウエアのQCはまさに極めて重要だ、緊急を要するというふうにも考えておるわけであります。  そこでまず、現在ソフトウエアの価格は、一体どのような方法で決められておるのかということでございます。  次に、ソフトウエアの開発、流通の促進を図るためには、すぐれたソフトウエアをそれなりに評価する必要があると思うんですが、その評価方法はどうなっておるのかお伺いしたいと思います。  さらに、現在、我が国で少ないといっても四千万本ソフトが存在をしている、こういうふうに言われておりますが、その品質保証の実態というのはどうなっておるのか。  以上お伺いしたいと思います。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) コンピューターを動かすためには、ソフトウエア、いいソフトウエアがなくちゃいけないわけでございまして、コンピューターというのは非常に速く計算はいたしますが、一々細かい計算まですべて、ソフトウエアをつくることによって、それによって指示を機械に与えていくというようなことが必要になってくるわけでございまして、いろいろな計算結果自体に応じまして、それぞれのケースでどういうふうにやっていけということを指示していくことになっているわけでございます。したがいまして、ソフトウエアのつくり方がうまくいきませんと、思わぬ事態が起こったときに機械がとまってしまう、なぜとまってしまったかわからないという事態が起こるわけでございまして、そういう意味で品質の高いソフトをつくるということは非常に重要なことになってまいります。  私どもが考えておりますシグマシステムも、当然のことながら、単に生産性を上げるだけではなくて、できたソフトウエアのテストも各種のテストを行えるような形にすることによって、品質の高いソフトができるようにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。システムがますます大きくなってきますと、ちょっとしたソフトウエアのミスで、一つだけ字が違っていたということだけでコンピューターは動かなくなってくるわけでございますので、そういう点による社会的影響を防ぐことも非常に重要だというふうに考えております。  今御指摘の、そのようなソフトウエアについてどういうふうにして価格が決まってくるのかという御質問でございますけれども、ソフトウエアの価格につきましては、委託開発によるソフトと、それから汎用ソフトウエアの場合とは、価格の決まり方が全く違ってくるかと思います。委託開発の場合には、当然のことでございますけれども、その委託を受けてつくったソフトウエアメーカーの、つくるために必要な工数と、それからつくるために必要な技術者一人当たりの必要経費というものを掛け合わせましてコストが出てくるわけでございまして、そのコストに適正な利潤を足して価格を決めているというのが通常の状態かと思います。  ただ、汎用コストの場合には今申し上げましたことと全く違いまして、当該ソフトの開発費とそれから販売見込み本数、これがどのくらいの本数売れるかということを予想しまして、その見込み本数で割った開発原価を基本としまして、同種のソフトウエアの市場価格等を参考にしながら決めていくということになろうかと思います。したがって、汎用ソフトウエアが市場で多種のものが多量に流通するようなことになってきますと、自然にそこで市場価格が形成されてくると思いますが、現在のところは、メーカーの方が売れ行き見込みの本数で割って値段を決めていっているということで、それよりも非常にたくさん売れれば、それだけ企業としてはもうかるというような形になってこようかと思います。  それで、ソフトウエアのよしあしを評価する方法についての御質問でございますが、このソフトウエアがいいか悪いかということを、よしあしを評価する方法というのは非常に難しゅうございまして、まだ確立されておりません。したがいましてユーザーの方が、過去の経験やソフトウエア開発社の実績から判断して、この会社のこのソフトだったらまあ品質がいいものだろうというふうに判断するというのが現状でございますけれども、私どもとしては、ソフトウエアが市場でどんどん流通するようにしていくためには、その品質の評価を客観的にやること自身が必要ではないかということで、そのための技術開発というようなことあるいは研究を情報処理振興事業協会でやってもらっているということでございまして、その成果が出てまいりますれば、将来はその評価を付して、そこで適正な市場価格ができ上がってくるというようなことかと思います。  それから、コンピューターのソフトウエアの品質保証の問題でございますけれども、一般的には委託開発のソフトウエアの場合には、契約者同士の間で、その品質保証の内容について契約の中ではっきりしていくという形で行われるわけでございますが、パソコンなんかに使われるパッケージソフトウエアというようなことになりますと、売られているものがどういう品質であるかという点は、なかなか利用者側にはわかりにくいというようなことでございますので、メーカー側でつくった表示によってユーザー側がそれを判断していくというようなことになってくると思います。  しかしパソコンソフトの場合には、それについて付されている品質保証に関する表示というのは必ずしも十分とは言えないというようなこともございますので、今後そういうものが適正に流通するように、通産省といたしましても関係業界を指導してまいりたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 機情法に基づいてソフトウエアなどの高度化計画の中では「ソフトウェアの評価方法の確立及び評価体制の整備を促進する。」あるいは「試験研究項目」として「品質測定評価技術」等を掲げておるようですが、そういう面の援用はどういうふうに推移していますか、お伺いをしたいと思います。  さらに、今回IPAの汎用プログラム登録制度というのがあって、それに登録されたプログラムについては、一応品質的には保証されているというふうにも見られるわけですけれども、今お話もありましたように、現在ソフトハウスなどでは独自に品質評価をしている例もあるようですし、自分で自分のつくったソフトを評価するということは、いささか公正を欠くんじゃないか、本来なら中立的な第三者の機関がそれをやることが必要じゃないか、こういうふうに思うわけです。アメリカにはこういうふうな評価機関があるのかどうか、これもお伺いしたいと思います。  さらに、五十八年の十二月に産構審情報部会が出した中間答申で指摘されておりますように、ソフトウエアに欠陥があってその補修や保守が必要になるケースが多い、そうしたユーザーの苦情をどっかで受け付けて、適切に苦情を解決するという機関が必要ではないかというふうに言われているんですが、それらの点はいかがですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) ことしの六月いっぱいで一応期限が参ります機情法に基づく高度化計画の中に、先生おっしゃいましたように、ソフトウエアの品質測定評価技術の確立等が取り上げられていることは御指摘のとおりでございます。本技術につきましては、現在多くの研究機関等において研究開発が行われ、その成果が積み上げられている段階でございまして、情報処理振興事業協会の技術センターにおきましても、主要な研究テーマの一つとして取り上げていることは先ほども申し上げたとおりでございます。通産省といたしましては、ソフトウエアの品質評価技術の重要性にかんがみまして今後ともその研究開発促進に努めていきたいと考えております。  それから、IPAに登録されたプログラムの件についての御質問でございますが、これは御承知のように、汎用プログラムについての税制がございまして、その税制の恩典を受けるプログラムを一応IPAで登録しているというような形のものになっているわけでございまして、汎用プログラム準備金制度と言っておりますけれども、そういう制度として行ったものでございますので、その品質のよしあしを判断いたしまして、それで悪いものを外していくというような形での運用はなかなかしにくいということでございます。  もちろん登録いたします際には、企業等から出された書類やそのマニュアル等を提出させまして、一定の審査を行って、これらから見て問題が大きいものは登録から外すということはしておりますけれども、先ほどから申し上げておりますように、品質評価についての体制、技術がまだ確立していない段階で、この汎用プログラムは質が悪いから登録しないということはなかなかできないというようなこともございまして、現在のところは、書面でそういう点を見ただけで登録をしているというのが現状でございます。  それから、そういうソフトウエアについての評価を行う第三者機関が必要ではないか、それについて、特にアメリカなんかではどうなっているかというような御質問でございますが、今のところは確立された手法ができていない段階で、第三者的な機関でそれを評価するというところまではまだいっておりません。これはアメリカでも同じでございまして、アメリカでも結局は、マーケットの中でいいプログラムだからみんなが使っているというような形で評価されていっているというのが実情のようでございます。  それから、一度買いましたソフトウエアにつきまして、ユーザーから苦情が出るというようなことがあるわけでございます。コンピューターが一般消費者にも使われ、特にパソコンなんかが非常に広く使われるというようなことになってまいりますと、消費者対策の観点からもそういうようなことが必要になってくるわけでございまして、表示や取引条件というものにつきましても、それが適正に行われるように私どもとしては対策を進めたいというふうに考えておりますが、現在は情報サービス産業協会の中にソフトウエア相談室というようなものを設けまして、できるだけそういう苦情が起こりましたときにはその相談に応ずるというようなことで、この苦情処理の問題を解決していこうということをやっておりますが、必ずしもまだ十分な体制だとは言えない状況でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 せっかくひとつ御努力を要請しておきたいと思います。  先ほどプログラマーの御質問をちょっとしたんですけれども、関連しまして情報処理技術者の不足の状況についてひとつ説明を願いたいんです。  昭和四十四年度から技術者試験が実施されているようですけれども、どういう人員が各年度ごとに試験を受けて、現状はどうなっているかということについてお伺いします。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 先ほども申し上げましたように、情報処理技術者というのは非常に不足した状況になっておりまして、私どものところで調査したところによりますと、初中級プログラマーで充足率が七五%程度、それから高級なシステムエンジニア等になりますと四〇%弱というようなことで、不足の状況は非常に深刻になっております。  それで、現在のようなソフトウエアに対する需要の伸びを考えますと、この状況は今後ますます深刻になってくるというようなことで、私どもとしては情報処理技術者の教育、訓練というものに今後重点を置いていかなくてはいけないんではないかと考えております。これは単に通産省でそういう研修制度を設けるということだけではなくて、学校教育の中にもコンピューター教育を織り込んでいただくということがますます重要になってくるんではないかということで、文部省の方にもその点について御検討をお願いしている状況でございます。  それで、この情報処理振興事業協会等に関する法律に基づきまして、四十五年から、通産省といたしましては情報処理技術者試験というものをやってきておりますけれども、その試験は四十五年に開始されて以来、現在までに応募者数は九十三万二千人に達しておりまして、累計の合格者は九万九千七百人ということで、ほぼ十万人の大台に乗っております。それで、毎年この試験に対する需要が非常に高まってきておりまして、昨年度の応募者数は十七万五千人、合格者は二万人ということになってきておりまして、今後もその試験に対する応募者はますますふえてくると考えられます。  試験のやり方といたしましては、システムエンジニア向けの特種というクラスと、それから上級プログラマー向けの第一種、それから一般プログラマー向けの第二種という三区分によって行われております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 九万九千七百人余り合格者が今までの間に出ているということで、これは結構ですけれども、まだまだこれは少ないということでして、さしあたってこれが情報処理技術者の不足にどういうふうに役立っているのかということもお聞きをしたいわけですが、今これ中央だけで試験をやっているんですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 現在試験を行っている地域は、全国八カ所の地方通産局所在地と、それから沖縄で実施しております。したがって九カ所で実施しているわけでございますが、今後はその実施箇所をふやしていきたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 年一回ですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 今までは年一回でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 試験場所は、これから各地の通産局所在地ということで漸次拡大されていくようですから結構です。  年に二回ぐらいやるというような方針ないですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 先ほど申し上げましたように、試験に対する応募者の数が非常にふえてきておりますので、昭和六十一年度からは年二回にふやすというようなことを考えておりますし、試験実施地もことしからは金沢市とか長野市とか、そういう地方都市にも広げていくという形で考えていきたいと思っております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 科学技術庁にお尋ねをしたいと思います。  科学技術庁は、附属研究所の航空宇宙技術研究所というのがありますが、そこが開発した航空機の設計計算プログラムなどを有料で利用できるようにするお考えのようですけれども、事実でございますか。

石井敏弘科学技術庁研究調整局宇宙企画課長

○説明員(石井敏弘君) ただいま先生御指摘の件でございますが、科学技術庁の航空宇宙技術研究所におきましては、航空機の空気力学でございますとか、あるいは構造強度などに関する設計計算プログラムとか、あるいは数値実験用プログラムなどの高度な科学技術計算プログラムを開発いたしまして、これを保有しておるという状況にございますが、昨今航空機メーカーなどの民間からこれらのプログラムを利用したいといった要望が寄せられているという現状にございます。このような要望にこたえるということは、我が国全体の技術レベルの向上に資するとか、あるいは国立研究機関が行った研究成果の有効な活用を図るといったような観点からも、さらには、昨今特に推進すべきであると言われております産官学連携といったようなことからいいましても、成果の流れについての一種の産官学連携といったようなことを考え、非常に有意義なことではないかというふうに認識いたしておるところでございます。  しかしながら、現在これらのプログラムの民間への移行といったようなことに関する取り扱いに関する規定というものがいまだ十分に整備されていないという状況にございまして、科学技術庁といたしましても、その対応につきまして関係省庁とも連絡をとりながら検討を進めているという現状でございます。いずれにいたしましても、これら成果の民間への利用の促進ということにつきましては、大いに努力していきたいというような方向で考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 大変これは結構なお考えだと思っております。具体的に何ぼぐらいのプログラムを公開してその費用はどれくらいかかるかなどというのは、わかっていたらお教えいただきたいのですけれども。

石井敏弘科学技術庁研究調整局宇宙企画課長

○説明員(石井敏弘君) ただいまの御質問でございますが、航空宇宙技術研究所におきまして開発いたしましたところのプログラムで、民間におきましても有効に活用できるプログラムというようなものにつきましては、例えば航空機の空気力学とか構造強度などに関する設計計算プログラムでございますとか、数値実験プログラムなどの二十本程度はあろうかというふうに認識しております。これらのプログラムは、民間の有効な利用に直ちに供することができるというものでございまして、既に先ほど申しましたように、航空機メーカー等から具体的な打診が来ておるというようなことでございます。  なお、これらについての開発費という点の御質問でございましたが、この開発費というものは、そのプログラムの規模でございますとか、あるいは難易度といったようなものによって異なりますけれども、百万円前後のものから、場合によりましては数千万円程度のものまでというような形で、非常にいろいろな形態のものがあるということで御理解いただきたいと思います。  なお、ただいま申しました二十本のほかにつきましても、所要の手直しを行うというふうなことをやりますと、さらに民間においても十分活用できるんではないかというようなものも考えあわせますと、全体といたしましては、先ほどの二十本とあわせまして四十本程度にはなろうか、実態はそのような状況でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 民間への公開ということは非常に意義のあることだと思います。  ところで、その場合に、いわゆるプログラムの権利保護の問題が出てくるんじゃないかと推察されるんですけれども、あるいはまた利用料をどういう基準で算定するかということが一つの問題になると思うのですけれども、まあそれはそれとしまして、お考えがあれば伺いたいんです。  この問題について、最後に大臣に所見をお聞きをしておきたいんですけれども、国内の研究成果を民間が利用できるということとあわせまして、それが外国の研究機関の行った研究成果も民間が利用できるということに通じていくのじゃないかと思うんですけれども、必ずしもそうじゃないのかどうか。大臣の所見を伺いたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 国の研究成果の場合をお答え申し上げますが、まず当省としては、コンピュータープログラムについても、工業所有権等と同様に、国の研究成果として広く一般への普及を図るべきものと考えておるわけです。  民間企業の希望があれば、工業所有権等の取り扱いに準じてその利用を認めているところでございまして、今後とも国の開発したプログラムについては、民間利用の促進を図ってまいる所存でございますが、外国の成果につきましては、これは契約をした上でのことでございますので、その点はそういったことを前提に置いて考えていきたいと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 この間特許法の改正のときにも議論をしました。それともかかわりがあるわけですけれども、特にコンピューターソフトなんかの場合には、著作権法の適用という方向で、今国際的にも事が処理されていく、こういうふうに思うわけであります。それとの関係がありますから、大臣のおっしゃる今の段階はそういうことだろうと思うんですけれども、今お聞きのように、科学技術庁でも既にそういう発想で前向きに対応されておるわけでして、これは大変結構なことだし、国際的にも意味のあることだろうと、そういうふうに思いますので、これからもひとつ鋭意進めていかれるように希望をしておきたいと思います。  質問の最後になりましたが、コンピューターセキュリティーの対策についてお伺いします。  当局は、高度情報化社会における環境を整備する必要から、コンピューターセキュリティー対策の強化を図ろうということでありまして、そのための法制化を考えておられるようですが、関係省庁と既に調整に入っておられるのかどうか。今国会に提出されておりませんが、そこらの経緯はどのようになっておりますか。  また大変な勢いでコンピューター化が進んでいくわけでありますけれども、経済社会の中で、コンピューターシステムダウンというのが、先般も世田谷の電話回線が火災で、大変国民生活に迷惑をこうむったんですけれども、こういうものに対して、どういうふうにこれから対応していかれようとするのか。基本的にあるいはまた具体的にございましたらお伺いをして質問を終わりたいと思います。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) コンピューターのセキュリティー対策の重要な点は、つとに最近認識が高まってきているところでございます。そういうこともございまして、私どもは当初、今御審議いただいておりますこの法案の中に、そういう条項を入れていこうということで検討したこともあったわけでございますけれども、政府部内の調整過程におきましていろいろな問題が提起されたわけでございます。  その一つは、この情報処理振興事業協会等に関する法律というのは、民間事業者が情報化を進めていく場合の幾多の助成策を中心にした施策を進める法律でございますけれども、コンピューターセキュリティーの問題になってまいりますと、単に事業者の持っているコンピューターだけではなくて、国や地方公共団体が持っているコンピューターのシステムダウンというような問題に対しても対処していかなくてはいけないというような問題が一つあろうかと思います。  それから、コンピューターがシステムダウンしたことによって利用者が不便をこうむるという問題のほかに、コンピューター自身を犯罪の目的あるいは犯罪類似のそういう不法な目的に使うというようなおそれもあるわけでございまして、そういうような問題に対して対処していくためには、必ずしもその法の中でそういう問題も含めて処理することについては、法益の違いというようなこともあって、問題があるというような指摘もなされまして、今回の改正案の中にはその点を織り込まないことにしたわけでございます。  しかし、コンピューターセキュリティーの問題の重要性というのは、単に通産省だけではございませんで、関係各省とも、その点非常に強くその必要性を認めておりますので、現在通産省といたしましては、ほとんどの省が関係してくると思いますが、関係各省と御相談しながら、どのような法律で今後この問題を処理していったらいいかということも含めまして、現在話し合いを進めているところでございまして、でき得れば次の通常国会にはそういう法案を出すということで検討を進めたいというふうに考えております。  それで、システムダウンが起こりましたときの社会的影響というのは、今先生の御指摘のように大変大きなものでございまして、これは単にオンラインで結ばれておるコンピューターシステムだけに限らず、オンラインで結ばれていないコンピューターシステムにおいても同じような問題が起こってくるわけでございますので、コンピューターという非常に社会で広く使われておる問題全体に即したセキュリティー対策ということで、今後その対策を詰めていきたいというふうに考えております。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時九分散会

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