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102回国会参議院1985/04/11

商工委員会 第9号

発言数
201
登壇者
15
会派数
7
開催日
1985/04/11

会議録

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、参考人として中小企業事業団理事長齋藤太一君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 中小企業倒産防止法の法案に対して、きょう質疑を行いたいと思います。  まず最初に、法案に入る前に、あす参議院の緊急本会議ということで、例の日米貿易摩擦にまつわる緊急質問が予定を決定されたようでありますが、私、四月二日に、大臣に、時間もありませんでしたが、緊急の対応として一、二考え方を問いただしました。法案につきましては賛成でございますので、後ほど具体的に御質問を申し上げたいと思います。  その前に、九日の総理大臣の全国民に向けて発表されました対外経済対策ということで、経済閣僚会議のあれを読まさしていただきました。これにつきましてちょっとお伺いしたいことは、九日にこの対外経済対策が発表されたわけでありますが、今回の措置によって、米国の対日批判がこれでかわされると、通産大臣としてはこういう認識をお持ちですか。この点をまず、ちょっとお伺いしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬先生、一番最後の言葉ちょっと聞き取れませんでした。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 この発表によって、対日政策の批判がかわされるというふうにお考えですかということです。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員にお答え申し上げます。  九日に、今、委員御指摘の対外経済対策の要点が取りまとめられ、そして中曽根総理から国民に向かって発表なさったわけであります。  率直に申しまして、これによってアメリカの対日批判というものがぜひひとつ和らいでもらいたい。そして、今これから開催をされますOECDの理事会なり、さらに五月二日のボン・サミット等に向けて、新ラウンドの推進、あるいは自由開放体制の推進という大きな行動の目標に向かってそれが展開をしていくことを心から願っておるところでありまして、私どもの知り得ております情報では、この一日、二日間のアメリカから入ってくる情報は、米政府はこの日本の措置を歓迎しておるという趣旨の連絡が多いように思います。ただ、米議会は今ちょっと休会中でありますし、まだまだ対応としてよく入っておらない面もございますが、ぜひひとつ、これによって日米親善がうまくいくようにということを心から願っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 大臣の言われる気持ちは、私もそう願っているわけでありますが、なかなか米議会の動向、世論というのはそう簡単にいかないんではないかという心配をいたしておるわけであります。  問題は、認識はそういうふうに願望をいたしているわけでありますが、これに臨むに際しまして、きのう安倍外務大臣がお立ちになるということで、ECあるいはアメリカのシュルツ国務長官との会談も行われる予定やに聞いておりますが、これに臨むに際して、確かに言うべきことはきちっと言ってもらわないとね、大事なことは。日本の貿易黒字も、何も日本の責任だけではないんであって、やっぱり根本的にはアメリカの高金利、ドル高ということが、為替相場が影響しているわけであって、その責任はアメリカ側にもあるから、きちっと言うべきことは日本政府も言う。その上に立って、もちろん貿易の自由化という原則があるわけですけれども、そこらあたりの基本姿勢ということが非常に大事ではないか。一億国民が総ざんげをして、何か我々だけが自粛すればいいんだというようなものではなしに、やっぱりアメリカに対しても、またヨーロッパ、ECに対しても、言うべきことはきちんと言うという姿勢が必要だと思います。  特に、私は世論の中で心配しているのは、ASEAN、低開発国が、日本が相変わらずアメリカの言うことにはすぐ対応する、アメリカ主軸の外交政策ではないか、こういうふうに言っているわけですね、世論としては。だから、ここらあたりが、日本としてはアジアの重要な日本の役割が大事でありまして、むしろASEANを含め低開発国のアジアに対して、これからの貿易体制というものを、隣国として友好あるいは経済というものをどう発展さしていくかということを基本にしないとならぬと思いますので、この点ひとつ臨む態度と、またASEANあるいは低開発国に対する動向、対策等がお考えあればお聞かせを願いたい、こう思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 安倍外務大臣は、九日の夜の会議に参加をされ、昨日の夜出発をしたわけでございます。私は、九日、十日と続けて安倍大臣に直接お会いをいたしまして、いろんな意見の交換をいたしておりますが、対馬委員の御指摘になっておる日本ばかりが原因ではないということについても、十分よく理解をしておられまして、アメリカのドル高、そしてまた高金利、財政赤字、そういったものにも大きな原因があることは、レーガン大統領自身が教書の中で認めておられるところでありますから、そういうことは十分よく熟知をされた上で、一月以来の日米交渉にかけてそれをよく理解してもらうように、また、今後、先ほど申し上げました五月のサミットに向けて、新ラウンドの推進、自由開放体制の推進にできるだけプラスするという趣旨で出席をされておりますので、対馬委員の御指摘になられた面はしっかりと主張されるものと期待をしております。  それからASEAN問題でありますが、これはまさに貿易摩擦はアメリカだけではありませんで、日本の貿易黒字は各国に及んでおるわけでありまして、したがって一昨日夕方の会議でも、ASEAN、ECもアメリカと同様に極めて重要であるという意見も出ておるところでございます。私自身も既に一月にもシンガポールに行ったりいたしておりますが、対ASEANの関税の問題でありますとか、骨なし鳥肉の問題、合板の問題等々非常に関係各省で慎重に対応してまいりまして、今後アメリカと同様にASEANやECにもよく理解をしてもらうという趣旨で努力を続けてまいる所存でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今大臣から、同じ認識で対応されるということでございますので、それなりにひとつそういう基本姿勢でぜひこれからも全力を挙げてもらいたいということを申し上げておきます。  特に、私も、きのう同僚の江島先生の励ます会がありまして、国対で一緒に仕事をした関係もございましたので出席をさせていただきました。そのときに、確かに安倍大臣はそういう姿勢をあいさつの中で申されておりましたが、大事なことは、やっぱり総理大臣の姿勢として、総理・総裁の姿勢がやっぱりそこに基本的に確立してないと、もちろん閣議決定ですから当然のことだと思うんでありますが、今大臣が言われたような基本姿勢というのは、中曽根内閣としてやっぱり毅然とした態度をとってもらいたいと特に申し上げておきます。  そこでいま一つ、合板の関税引き下げということだけがどうも先に出てしまって、これは時間もありませんから別の機会に譲ることにしまして、内需拡大政策というものがどうも余り具体的に示されていない。それから合板、つまり木材関係等についての対策も、見ると余り具体的なあれはない。ただ、三カ年間で関税を引き下げるというだけが明確にここには出ておる。広葉樹、針葉樹の問題を含めて出ているわけでありますが、大臣も御存じだと思うんですけれども、今はこれが素材産業として、不況素材産業対策というのは、私もたしか五十五年の当委員会でこれを対策した記憶がございますけれども、そういう点を考えますと、やっぱり関税を引き下げるということが、それはもちろんアメリカに向けての発表ですからあれだと思うんですけれども、やっぱり基本問題はもちろんだけれども、そこが先でなくて、どうやったら木材産業、合板部門の産業、素材産業をしっかり守るか、その対策が具体的に出て、しかる後に関税がどういうふうに下がっていくべきかと、こういう立て方をしていくべきではないかという私は考え方を持っているわけです。  どうもこれは並列して出したわけですけれども、もう三カ年間で関税を引き下げるんだと、ばんとこう出てしまっておるが、そこがどうも先でないんじゃないか。もちろん並列だと、こう答弁されるだろうけれども、そうでなくて、やっぱり対策が、合板産業、木材産業きちっと守ると。今でさえばったばった倒産をして、しかもシェアが本当に狭まってきている。しかしインドネシア産の輸入シェアが八二%まで来ているでしょう、正直に申し上げて。こういう景況の中でどうやったら守り切るか、その政策が先になって、その上に立ってやっぱり関税税率というものを下げていく、こういう立て方をするのが正しいんではないか、こう思うんですが、こういう点はどうお考えですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 関税引き下げのみが先行して救済対策が後回しになっているんじゃないかという御指摘だろうと思います。  通産省としては、関税引き下げの検討に当たっては、従来から国内産業事情等にも十分考慮いたしまして取り組んできたところでございまして、今後とも引き続き産業の実態を踏まえながら慎重かつ適切に対処してまいらなければならないと思っております。  特に合板の関税引き下げと救済策の関係につきましては、合板は本来農林水産省の所管でございますから、私どもの方からのコメントは差し控えたいのでございますが、関税引き下げにつきましては、四月九日の対外経済対策において、「森林・林業及び木材産業の活力を回復させるため、(i)木材需要の拡大、(ii)木材産業の体質強化、(iii)間伐・保育等森林・林業の活性化などを中心に、財政、金融、その他所要の措置を当面五か年にわたり特に講ずることとし、その進捗状況を見つつ、」、これは非常に議論になった項目でございますが、「おおむね三年目から針葉樹及び広葉樹を通ずる合板等の関税の引下げを行うべく前向きに取り組む。」、こういうふうに決定をしたわけでございます。  これはアメリカ側としてはもっと早くやれという要望が強かった面もあるわけでございまして、こういう言葉で最終的には取りまとめたわけでございますが、内需の拡大というのは、もちろんこれはさらに大きな範囲で考えなければならない全般的な問題でございます。その意味で、公共事業の問題でございますとか、あるいは個人消費の拡大でございますとか、住宅産業の推進等を含めて内需の拡大に中曽根内閣としては非常に努力をしておるところでございまして、対馬委員御指摘の、もとを忘れて関税引き下げだけをやっておるのではないかということでは決してございません。内需の拡大を根本としながら、関税引き下げの問題も対米折衝あるいはASEAN折衝、その他極めて重要でございます。  その意味で、御承知のように竹下大蔵大臣は、川上、川下対策という言葉でうまく表現をしておられる。川上対策というのは治山対策でありますし、川下対策というのは業界の今後を考えた対応ということでございますが、こういって、政府部内全般を含めて今委員御指摘の問題に取り組むつもりでございますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今並行対策だというお答えなんでありますけれども、この問題は御存じのとおり、五十九年度実績でも前年度比五倍ということで、インドネシアあたりから九割も、これは大臣も今言われましたけれども、広葉樹合板がどんどん入ってきていますから、そこへ住宅が非常に冷え切っているというふうなことで、とてもじゃないが、これはもう合板メーカーがぼったぼった倒産をするという、こういう状態だけに、工場閉鎖もやむなしというような事態が来ていますから、やっぱりここをしかと踏まえて、今言ったことを、時間があれですから言いませんが、ぜひそのことをまず最優先の対策にするということを、基本を踏まえてひとつやってもらいたいということを強く申し上げておきます。よろしゅうございますか。  それでは、本題の中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案に入ります前に、中小企業が置かれている現況、見通しなどを含めてちょっと御質問申し上げたいと思います。  まず第一に、昭和五十九年の企業倒産件数が二万件を超えています。これまでの最高を記録をいたしております。ことしに入ってもなお倒産の動向に著しい改善は見られていない。そこでこの法案が提出をされているわけでございますけれども、最近の中小企業をめぐる景気動向についてどういうふうに把握をし、またどういう情勢になっているかということをお伺いいたします。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 五十九年度を通じて見る限りにおきまして、輸出の増大及び設備投資の拡大、この二つを主軸といたしまして経済全体が拡大を遂げたわけでございますが、その過程におきまして、中小企業も総体といたしましては順調な回復を遂げつつあったというふうに申し上げられると思います。  ただ問題は、中小企業の事業活動に大きく依存いたします個人消費の分野あるいは住宅投資の分野、この辺の低迷がございまして、こういった関係からやはり業種別には大きくばらつきを残したままであったというふうに申し上げられると思います。その具体的な例は、中小企業の中で多くの数を占めております例えば建設業あるいは小売業、この二つの分野につきましては、水面上に浮上できなかったままで五十九年度を終えているというのが私どもの認識でございます。  じゃ、現在どういうふうになっておるかと申しますと、輸出は若干落ちたものの堅調を維持いたしておりますし、また設備投資は極めて順調に進んでおります。そういう意味で、六十年度の政府見通しで内需も大きく拡大するという見通しをしておりますので、そういった需要の動向を反映いたしまして、総体としては順調な経過をたどり得るんではなかろうかというのを私ども期待をいたしておるわけでございます。  御指摘のように、倒産極めて高水準でございました。しかし、私どももその中でいろいろ原因を分析いたします限り、もう既に景気循環的な局面、例えば従来の景気循環、特に景気上昇局面の場合でございますと資金不足、要するに全体的に資金需要が高まりまして、資金不足という面から倒産に追い込まれるという、いわば景気上昇局面の第一年度あるいは第二年度の前半が大体そういう傾向が見られたわけでございますが、現在ではむしろそういった循環的な側面ではないんであろうというふうに見ております。  今回我々の方、サンプリングをいたしまして調査をいたしましたが、倒産企業の中で業歴が長くなるに従いまして、新技術あるいは新商品の開発のおくれあるいは新市場の開発のおくれ、これを倒産の主原因あるいは従たる要因として調査に回答してきておる企業が非常に多くなっております。  そういう意味におきましては、私どもやはり、市場構造の変化あるいは技術革新の進展、こういったものへの対応が現在では非常に大きな要因になりつつある、したがってそこへの手当てというのが必要ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 私は五十九年度の見通し、認識を聞いているんであって、その先のことはまだこれから質問をしようと思っているわけですが、今、中小企業庁長官のよくなっていくだろうという一応の期待感を持ったお答えがあるのでありますが、しかし率直に言って、五十九年度の倒産件数の二万七百七十三件というこの民間信用調査の調べを、ずっと私なりに検討していきますと、不況倒産というのがやっぱり六〇%ぐらいあるというのは間違いないんじゃないですか、今長官そう言いますけれども。不況倒産が六〇%で、むしろ放漫経営というのは二〇%ぐらいだと、こういう実態認識を私はしているんですが、その点間違いですか。私はそういう認識を持っていますが。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のとおりかと思います。  五十九年、年間を通しましては、確かに不況型倒産といいますか、そういう原因に類型されるものが六〇%を超えましたが、この一月以降はようやく六〇を割るに至っております。  ただ、私先ほど構造的な要因を無視できないと申し上げましたのは、その不況倒産の中で約四割が売り上げの不振というのを挙げておるわけでございます。その売り上げの不振というのは、予定しておった、あるいは計画をしておった販売高を確保できないというものでございますし、さらにその七%前後は業界全体の不振だというのが入っておるわけでございます。  そういう意味におきましては、やはり市場の成熟化あるいは全体の伸びが鈍い中で、需要が非常に、例えばデザインとかファッションとか細分化されていった、需要ロットが小さくなっていってそれに追随できなかったというような、いわば市場構造の変化に類するものというのが相当含まれているというふうに私ども見ておりまして、そういう意味では、広い意味で不況型倒産ということは言えるかと思いますけれども、その中に構造的な面も相当忍び寄っているのではないかという認識でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 認識は一致しておるようでありますから、私も、構造的要因は後から申し上げますけれども、かなり中小企業の最近の景況というのは、むしろそこに大きなやはり問題がある、対策としてとらなければならない問題がある、こういう認識を持っていますから、その認識については後でまた具体的に質問いたします。  そこで、今あなたはそれなりの景気見通しを言われましたけれども、現在の景気上昇から巡航へと移りつつあるわけでありますが、問題は、「回復に向かった中小法人企業」という調査部が出した資料、私もこれを読ませていただきました。これは確かに見ております。これを読ませていただきましたが、機械の受注統計調査によりますと、半年ほど先の民需の受注額は非常に落ち込んでいることがわかりますね。また一部の識者は、政府が減税、公共事業などによる内需振興を行わないままに政策運営を行っていけば、どうしてもやっぱり輸出主導の成長というのは変わらない、設備投資も四分の三ぐらいは外需依存になるとの見解を、識者の間では示されております。  したがって、特にこの六十年度で気になるのは、外需依存度の低い中小企業の設備投資がそろそろ息切れをするというようなことがないかという点を非常に心配をいたします。そういう意味で、先ほど大臣も、対外経済政策で前半に出していますが、特に中小企業の外需依存度の低いものが、やっぱり今回の対策の点を見ていきましても相当息切れがしてくるのじゃないか、そういう懸念を持たざるを得ません。したがって、政府として、現在の景況、特にこの中小企業の景気動向から判断して、今、長官も構造的不況ということを、あるいは構造的対策ということも言われましたけれども、この点についてひとつお伺いをしたいとこう思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) ただいま五十九年度の中小企業白書を国会へ提出を目指しまして作業を進めておりますが、その過程での分析でも、今御指摘のように、中小企業といえどもその生産回復の寄与度を分析いたしますと、輸出が約六割に近く製造業の生産伸長の貢献度を占めておるわけでございまして、そういう意味で、直接輸出に携わり、あるいは製造業として約六五%が下請形態をとっておりますが、そういう形で大企業との輸出にリンクしたものが非常に多いわけでございます。御指摘のように輸出が今後停滞していった場合に、そういった五十九年度を振り返りましても、中小企業の成長要因の相当数を占めている輸出がだめになった場合には、中小企業にも大きく影響をするのではないかという御指摘、その辺については全く否定できるものではないかと思います。  ただことしの一月以降の生産動向を見てみますと、初めて大企業分類の製造業が対前月比マイナスを記録いたしましたのに対しまして、中小企業業種につきましては一応プラスのままで、まあプラスといいましても〇・八しか伸びておりませんから、そう力強い伸びとは言えませんけれども、若干これまでと違った動きが見えるようになりました。これはやはりこれまでの、大きく輸出が大企業の生産伸長を支えてきたものが停滞したために、逆に中小企業の方が堅調で、大企業の方の生産が一月に鈍化をしたという結果ではなかろうかと思っております。ただ、これが中小企業が相変わらず数%も伸びておれば、内需型に転換しつつある経済を反映した中小企業の生産伸長とも言えるのでございますが、必ずしも力強い伸びでないことが非常な懸念材料でございます。  そういう意味におきましては、輸出というものを私ども大きなファクターとして六十年度におきまして考えていかざるを得ないと思いますが、同時にやはり基本的には、中小企業の事業活動の五〇%以上、約五二%ぐらいは個人消費及び住宅投資にかかわっておるわけでございますので、そういう意味におきましては、その分野の今後の伸びを期待し、それに基づく生産伸長を期待したいというふうに考えておるところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 大臣として、今申し上げた御認識はどうですか、大臣の考え方をあわせてお聞きしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員にお答え申し上げます。  中小企業の対外的な問題から、輸出が落ち込んでくると非常に困難になるであろうというまず前提でございますが、できるだけ内需を拡大いたしまして、そして対応してまいりたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。  先ほど石井長官から申し上げましたように、景況判断指数の推移でまいりますと、製造業は昨年の秋から暮れにかけて非常に伸びておるのでございますね。建設業が率直に申し上げてこの一年間、二年間大変難しい景況にある。こういうような状況でございまして、サービス業、製造業は全般的に伸びが非常にいいのでございますが、こういった点も踏まえながら内需の拡大についてきめの細かい配慮をいたしていかなければならぬ、こういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 「中小企業のうごき」というこの調査資料を見ましても、これで言いましても、小売が五四・六、建設が三九・六、もちろん五十八年度ですが、純利益率はマイナスになっていますね、逆に。ところが製造業は逆に、今もお話がございましたが、一一・二、卸売業なんか九九・四、運輸業が七三・九、それからサービス業もそれぞれ純利益率は高まっています。対照的にここへ出ているのはやっぱり小売業と建設業が非常に落ち込んでいる、マイナスですね。そういう状況を踏まえてぜひ対応してもらいたいということを特に申し上げておきます。  そこで、中小企業の設備投資問題をちょっとお伺いをいたしたいのでありますが、我が国の全体の設備投資中に占める中小企業のシェアというのは、先ほどもございましたけれども、約四割ということが言われておるわけで、したがってかなり大きいというふうに言わなければなりません。  最近の消費不振に加えまして、中小企業の設備投資の伸び悩み、また中小企業と大企業との規模の格差が非常に広がっていっている。これは企業格差だけでなくて、労働者の賃金格差も広がっていますね。一時は高度成長時代はぐっと縮まったけれども今また広がっていっている、こういうことが出てきておるわけでありますが、今年度からは中小企業投資促進税制がなくなったわけですが、こういう理由について、これからの中小企業の設備投資の促進ということが一体どうなるのか、この点についてどういうふうにお考えになっておるか、大臣なり長官の考え方をお伺いしたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 先生御指摘のとおり、設備投資促進税制、五十八年度に創設されましたものが五十八、五十九、二年間の実施で廃止になっております。これはそもそも、この制度が設けられました趣旨でございますけれども、五十八年度四月から実施されたわけですが、その前年の五十七年秋に総合経済対策が講ぜられておりまして、いわば緊急措置的に内需喚起というものが求められていた時期に、その一環としてつくられた制度でございます。そういう意味で、カンフル的な措置として二年間で目的を達成して終わったわけでございます。したがいまして、そういう趣旨でございましたから、この対象については機械類に限定がございませんでした。  しかし、中小企業の設備投資の振興を図るということは、また別途これは内需のトータルの問題、マクロの問題以外に必要でございます。そこで、こういうマクロ的なものは、緊急的なものは終わりましたけれども、もっと中小企業に常に効いてくるような投資の促進措置といたしましては、これはかねてから実施しております中小企業の機械の特別償却という制度がもう一つ別にございまして、これは普通償却のほかに一四%オンして償却できるという制度になっておりますが、これも期限が参りましたけれども、今回延長をいたしました。これは引き続き実施してまいります。  さらに、中小企業の設備投資の中で重点的にここを伸ばしていくべきではないかというところがございます。これは景気動向と関係なく、中小企業の体力の強化、おっしゃったような格差是正というような観点から考えたものでございまして、中小企業新技術体化投資促進税制、俗にメカトロ税制と呼んでおりまして、この制度が五十九年度に創設されまして、八十八機種が指定されております。今年度さらに追加して九十三機種になっております。したがいまして、御指摘の制度は廃止されましたけれども、かなりの部分は、実はこういった形で政策的な色彩をより濃くして現在実施されておるということでございます。  もう一つ加えさせていただきますと、本年度からさらに中小企業の技術の振興という観点から、中小企業技術基盤強化税制というのを創設いたしまして、これは技術開発のための経費を支出した場合にその六%を無条件に税額控除できるという制度でございまして、これは直接の対象は経費でございますけれども、事が技術開発でございますので、当然設備投資につながっていくという制度でございます。  以上のような諸制度をあわせまして、中小企業の設備投資の振興を図っている状態でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 一応そういう対策がとられるということは、これはわからぬわけではないですけれども、ただそれだけで果たして本当にそういう中小企業の設備投資の鈍化傾向に対して、全くそれで対策は十分であるということになるかどうかという問題ですね、この減税措置がなくなることによって。  参考までにちょっと、私は、これは野村経済研究所が出しました、特に最近の「中小企業の設備投資動向」というものを読まさせていただきました。これを見ますと、あなたが答弁しましたけれども、必ずしもそういうことでなくて、やっぱり鈍化傾向で当面推移するのではないかというような答えが出ていますね。  これは短い文章ですから、ちょっと読ませていただきます。「先日発表された商工中金の中小企業経営調査によると八四年第四・四半期、八五年第一・四半期の設備投資は、中小製造業がそれぞれ前年同期比で七・四%増、〇・三%減、中小商業が同じく九・三%、〇・五%増と伸び率を鈍化させている。これは売上げの鈍化を主因に、八四年後半から中小企業の収益の伸びが低下したことによると考えられる。ただ製造業については設備過剰感が弱く、先行指標である代理店経由の機械受注も前年同月比で一九・〇%と堅調である」が、これからの推移としては伸び率は非常に鈍化の方向をたどるであろうと、こういうような見方も、これは野村経済研究所の週報に出ていますね。  だから、今中小企業庁が答弁されましたけれども、やっぱりこの設備投資が堅調に向かっていくということだけではないんじゃないかという心配が、野村経済研究所あたりでも出ておるんですから、私は識者の意見としてやっぱりこういうものを踏まえながら、もちろん中小企業減税だけを目的にしているわけじゃないという今説明ございましたけれども、あわせてやっぱりこの対策をひとつこれからもなお強化対策をとってもらいたいと、この点についていかがですか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のように、中小企業の設備動向を見る場合に、一年間の予測ということでまいりますと、中小企業はあらかじめ前年度末にきちっとした計画を立ててないという面もございまして、それぞれの、例えば日銀で、中小企業の設備予測を日銀の短観の一環として調査をいたしておりますが、この場合でも、例えば今年度は、法人企業統計でいけば、大変伸びの高い投資が行われたにもかかわらず、日銀短観で五十九年度を見込んだ場合には大きくマイナスという、マイナス二〇%強の見通しを立てておったわけでございます。今年度も、同じく日銀短観によりますと、やはり対前年度三〇%マイナスというのが出てまいっておりまして、この時点で中小企業の六十年度における景気動向をこの短観によって推測できるかといいますと、やはり大きな疑問があるんではなかろうかというふうに思っております。  そこで、現在法人企業統計が昨年末まで、五十九年度におきます第三・四半期まで出ておるわけでございますが、第三・四半期でもやはり対前年三三・二%アップという状況が続いております。これはまたさらに別々の資料でつなげて申し上げると非常に混乱を招きますが、例えば中小企業金融公庫の設備貸し付けに対する申し込み状況を見てみますと、やはり一月には非常に、二けた台の伸びになっておるわけでございます。ただ、一月は長期金利の引き下げというのが月末にございましたので、そういう若干駆け込み的な面もあろうかと思いますが、そういった二けたの伸びを依然として続けておるというところから、確かに中小企業トータルとしての設備投資が落ちているという指摘が、かつてある新聞に出たんでございますが、それも一億円以下ということで、商業その他を、全部一億円以下を中小企業とみなしたための誤差が大きく出てまいっておりまして、そういった意味で中小製造業だけを限定してとってみますと、やはりある程度堅調を維持しているというのが今までのところではなかろうかというふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 一応堅調の方向ということで、願ってもないことでありますけれども、このように野村経済研究所がそれなりの分析をして出しておりますので、やっぱりそうならないように、むしろこの設備投資の堅調への対策というものをぜひいま一段とひとつとってもらいたいということを申し上げておきます。大臣いかがですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 設備投資の問題につきましては、長官からいろいろ申し上げたところでございますが、全般として五十九年度の設備投資は大変好調なんでございますね。中小企業につきましても、これに対応してひとつしっかり今後も続けてもらいたいということを願っておりまして、委員御指摘のいわゆる投資についての税制の問題、それから積極的に投資そのもの、これは何と申しましても根本的な問題でございますから、これが促進されるようにいろいろと配慮してまいりたいと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それでは、先ほど中小企業庁長官が、消費支出の動向ということを若干触れました。私は、この問題ちょっとお伺いしたいんでありますが、総務庁が三月末に発表しましたね、一月の家計調査報告というもの。これは一月の消費支出の前年同月比は実質で二・九という伸びとなったが、その内容は消費購入分実質〇・七%増、サービス向けが六・六%増となっております。しかし問題は、可処分所得も実質では二・九%伸びているんでありますが、このように物の消費の伸びが鈍いという傾向が続くとすれば、これは中小企業の製造業の中で、特に川下部門では苦境が続いて、ひいては倒産にまで至るという懸念が大きくなるわけでありますが、この点どういうふうに中小企業庁としては見解を持っているかということをお伺いいたしたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 全体の所得の伸びが鈍化といいますか、余り活発でないために、したがいまして当然のことながら消費に回る部分が非常に少なくなっているというのは御指摘のとおりでございます。今御指摘の一月というのは、極めて最近ではよろしい月に当たるように見受けられまして、むしろ勤労者世帯を見てみますと、十二月では一・九しか所得が伸びてないというような数字もございまして、そういう意味で消費が低迷せざるを得ないことは、こういった所得の伸びがない限りはどうしても低調になっていかざるを得ないというふうに私どもも見ております。  まさにそれと合わせまして、いわば高度成長から低成長に移りました段階で、言うならば所得がある水準に達して物が飽和点になっているというような意見もございます。私はこの説にはくみしない立場をとっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、所得の伸びの弱さ、それを反映した購買力の伸びの弱さは御指摘のとおりございます。同時に、こういった全体の水準が低調な上に、先ほどちょっと申し上げました消費者志向といいますか、購買意識といいますか、そういうものが非常に多様化してまいっておるわけでございまして、例えば一つの繊維、衣服の需要がありましても、従来のようにミニスカートがはやれば全員ミニスカートをはくという時代にはないわけでございます。そういう意味で、いろいろ細かく分かれていかざるを得ない。そういう意味から、一番肝心なのは市場動向を早急に察知すること、これが第一でございます。  これは最近、典型的な例では、船場の繊維卸商団地が世界各地にモニターを置きまして、それぞれのファッションの動向をいち早く本国に送らせまして、それで卸商団地の有線CATVを使いまして、各企業にそのファッション動向を伝送する。それに従ってそれぞれの企業がファッションなり企業戦略を立てるというような体制をとっておるわけですが、これなどは市場動向を把握する意味で共同化というメリットを生かしながら、ニューメディアの力を十分利用したうまい政略ではなかろうかと思います。そういう意味で市場動向の把握ということが第一の課題でございます。  その意味では、最近発展してまいっております情報化の力をどう取り込んでいくか。よく私一つの例で申しますが、かつて使用されているシャンプーの銘柄というのは、五年前は三百しかございませんでした。現在は千五百ございます。その銘柄を一つのスーパーマーケットの棚に全部おさめるわけにいきませんので、結局はその地域における消費動向というのを捕捉しませんと、死に筋商品といいますか、そういうものを並べてしまう結果にもなるわけでございます。そういったものをどう捕捉するかといえば、例えばPOSという仕組みをとって、積極的に日々の販売動向を見ながら、売れ筋商品と死に筋商品を吟味していくという行き方もございます。そういう意味で、全体としてこの情報化による市場動向の把握というものをどう中小企業に装備させるかというのが第一の課題ではないか。  それから第二は、非常に多品種にわたります。したがって多品種少量生産で対応していかなくちゃいかぬ面があります。  かねがね中小企業というのは多品種少量生産が得意だと言われておりますが、私はそうではなくて、むしろ大企業とのサバイバルのためにやむを得ず選択した手段であろう。決して得手であるわけがない。したがいまして、これを利益を上げた生産体制につなげるには、例えばロボットの導入というものも有効な手段だろうと思います。そういったものをどういうふうに進めていくか。先ほど御指摘がございましたが、今回白書で分析をいたしました、中小企業の資本生産性の大企業との相対関係というのは非常に落ちてきております。そういうことを考えますと、いたずらに設備投資をすればいいというものではなくて、結局自分の業態に見合った、かつ利益を上げ得るような生産形式をどうつくり上げていくか。その過程で設備投資をしていかなくちゃいかぬという問題があるわけでございます。そういった面での向上を図ろうということが第二の課題ではないか。そういう面から中小企業対策を進めていくべきだというふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 やっぱり今お認めになっているように、消費傾向というのが今長官から一つの流れとして具体的に説明がありました。やっぱり消費傾向というものに対する対応というのが、情報先端技術もございますから、敏感に対応するというのはもちろん大事ですけれども、根本はやっぱり中小企業が持つ体質というものをしかと踏まえて、そういうものに対する消費傾向にどう迅速に対応していくかという施策をより強化をしてもらいたい。今説明がございましたから重複は避けます。そういうことでひとつ特に強化対策を要請しておきたい、こう思います。  時間も迫ってまいりましたから、そこで中小企業対策のあり方につきまして、先ほどそれなりの認識につきまして、長官なり大臣からお答えがございましたけれども、今まで質問してきまして、私はやっぱり中小企業は、今回の景気回復の余慶にあずからず、どうもうろうろしている傾向にあるんではないか。  景気は一応下り坂ではなくて、上向きつつあるという意見もあることは事実ですけれども、これも産業により、産業構造の必ずしも全部底上げということになっているわけではないんであって、いい産業と悪い産業とあるわけですから、確かに今後も景気上昇傾向をたどるということは、識者の中でもそれなりの見解を持っておりますが、その意見については、ちょっと懐疑的な意見を私は持っているんであります。  そこが見通しの分かれるところでございますけれども、例えば中小企業対策は慎重でなければならないんですけれども、相変わらず公共事業の中小企業への分割発注等を含めて、官公需の中小向けが三七%強なんだね。これは三木内閣時代、私も当委員会で当時も質問をやったことがございますけれども、もう三木内閣やってから約十年近くなるわけだが、いまだに三七%強ということで、これ当時の三木総理大臣、当時の河本通産大臣等にも——私、最初は中曽根総理大臣が当時通産大臣の時代に私は国会へ出てきたわけでありますけれども、その時代からずっと質問やってきましたが、やっぱり相変わらず、これ言葉では五割というようなことを言っているんだけれども、実際は三七%よりない。これをもうちょっとドラスチックな対策というのが必要ではないんだろうかと思いますが、この点どうでしょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 官公需の中の中小企業向け発注の比率を高めるべきではないかという御趣旨の御質問だと思います。これは御指摘のように、五十九年度では金額で三兆七千億円、それから比率で三七・四%という比率で、これが低いという御指摘だろうと思いますが、年次的に見てみますと、昭和四十一年では二五・九%、それから昭和五十年では三二・六%でございまして、五十九年の三七・四%という数字はじりじり上がってはいるんでございます。だからこれはおっしゃるように、できるだけ高くするのが一番いいということで、私どもも、政府としても中小企業者向けの受注機会を増大すべきだということを主張をしておりまして、これは今後も努力をいたします。  官公需の中には大規模工事でございますとか、それから高性能技術を要する物品などがございまして、中小企業に対する発注が難しいものも相当含まれておるわけでございますが、私はこれは例えば地元企業とのジョイントベンチャーであるとか、いろいろ合理化対策がございますので、この比率をなお委員御指摘のようにじりじりと高めていくためのできるだけの努力をしていかなければならないと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 私はこういう案を検討してもらいたいと、この機会にちょっと申し上げておきたいんでありますが、ドラスチックな対策というのは、もちろんそれはそのものずばり、カンフル注射を打ったようなものなんてあるわけじゃありませんけれども、ただ一つ、大臣これはきのうも私は、建設省、農水省、労働省、自治省、出稼ぎ労働者対策の問題で各省来ていただきまして、意見交換をして政策の交換をやったんであります。  これは一つの例ですけれども、労働省は出稼ぎ労働者、季節労働者対策として、去年札幌市でプラザホテルという大規模なあれをやったんです。これはもちろん労働省予算、雇用促進事業団と札幌市も予算を出しまして、約五十八億の建設を今しているんですが、はっきり申し上げまして、上物はもちろん大企業ですけれども、中小企業関係の場合は比較的内装その他の関係に入りまして、非常に中小企業多いわけです、下請関係が。これはおわかりになると思うんです。労働省はこれ去年一〇%単価を高くして、一面は通年雇用にもなるんです、冬場を稼げないのを稼がせる、働かせるということで。通年雇用化にも結びつくし、また一つは中小企業が公共事業の役割を担う、こういう意味では一石二鳥の対策になったということを、この間も私は社会労働委員会で申し上げたことがあるんでございますが、こういう対策などはひとつ、単価としてはこれはそう必ずしも二割とか三割と言ってるんじゃなくて一〇%、これは建設省の通年施工化技術研究協議会というのがございまして、これは学識経験者も入ってやっておるんですが、中間答申が出ていまして、これを読ましていただきました。これでいきますと、九%単価が上がれば、通年的に寒冷地、寒い地域においての公共事業の仕事は可能である、こういう答えが出ているんです。これを私は持っていますけれども。  だから、そういう対策などは、もちろんこれ建設省の主管になるわけでありますけれども、そこらあたりやっぱり中小企業対策の一環として、一つの対策として考えられるんじゃないか、こういう感を私は深くいたしますものですから、ここで答えを求めようと思いませんけれども、ぜひこういう問題も一つの対策として、むしろ通産大臣の方から発議をして、建設省なりそういう関係省庁への働きかけをやっぱりすべきではないか、これは一つ中小企業対策になります。労働省はむしろ雇用対策になる。こういう立場でモデル的にやったというような経緯があるわけですが、そういうふうにひとつこの機会に申し上げておきたいと思いますが、これも検討してもらいたい。いかがなものでしょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) これは最近のことでございますから、ぜひお耳に入れておいた方がいいと思うのです。  公共事業の六十年度分の発注について、ことしは上半期に例えば七十数%というような数字を明示はしないけれども、ひとつできるだけ地域の状況等も考えてやっていくからという閣議における大蔵大臣発言と自治大臣発言がございました。  公共事業官庁というのは、委員御指摘のように、建設、農林水産、運輸、この三つが一番大きいわけです、御三家と申しておりまして。通産省なども工業用水等で一部参画をしているわけです。また、発注部品の関係もいろいろ参加をしておりますから、そういう公共事業の機会があれば、会合の機会があれば今おっしゃったような、例えば北海道や東北についてできるだけ早期に発注をするとか、それからまたそれ以外の期間においても、積雪寒冷地でありますから、できるだけ地元の便宜を図って発注を考えていくとか、いろいろな方法があると思うのです。  これは大変重要な御指摘でありまして、特に公共事業の場合は、最近は東北、北海道、あるいは九州、北陸、山陰、そういった地域に重要性が特に大都市地域よりも増しておる状況があるわけでありますから、そういうことは勘案をしながら進めていくようなことが必要だと考えますから、委員御指摘の点は機会あるごとに申し上げたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今大臣から非常に積極的な考え方を出されまして、ぜひひとつそういう対策をとることにおいて、公共事業の発注の指数が高まっていく、数の問題じゃなくて、内容的にもやっぱりそういうことに対応することが大事ではないかと思いますので、大臣の積極面は評価をいたしたいと思います。そういうことでぜひ取り組んでもらいたいと思います。  そこで、最近の倒産の動向なんですが、これをどういうふうに見ているかという点でありますけれども、今回の景気回復は輸出主導型であるということを言われておりますだけに、先ほど申しましたように、輸出依存度の低い中小企業はなかなか景気回復の波に乗れないという現状です。  そこで、先ほど設備投資のあり方など、営業収益の伸び悩み、こういうことを質問してきたわけでありますが、中小企業が今日苦しい局面に差しかかっているわけですが、最近の倒産多発傾向、このあらわれ方ですね、特に今回の倒産は、景気回復下の中で多発しておるんでありますが、特に中小企業に限らず、この間は大沢商会が五十九年二月に負債額二千億という、そしてリッカーが七月に負債額千百億というような、上場企業でさえ倒産が特徴づけられているわけであります。したがって、景気回復下であるにもかかわらず倒産が多い、この原因は何だということで先ほど若干は申し上げましたけれども、この原因はどういうふうに考えているか。  しかし民間の資金はダブついている、こう言われています、市場金融は非常にダブついているんだと。それなのにどうして金融対策がうまくいっていないのかという問題点もございまして、金融機関の選別強化あるいは構造変化への対応ということがとれなかったということの分析もなされているようですが、この点どういうふうに大臣お考えになっているか、また長官はどういうふうにお考えになっているかお伺いします。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 先ほども申し上げましたように、確かに現在の倒産多発の多くの原因が、言うならば不況型倒産と言われておりますが、その中にも、先ほど申し上げましたように、市場の成熟化によって既に今後の大きな伸びが期待できなくなってしまった、その過程にある産業群、あるいは全体としては伸びつつありますものの、ロットが小さくなってしまった。その小さくなった需要をめぐって過当競争が行われた結果、収益が上がらなくなってしまって、これまで過去四年間の低迷期における負債等が重なって維持できなくなってしまったとか、こういったいろいろな要因があろうかと思います。ただいまのところは、私は景気循環型の倒産というよりか、むしろもうそういった構造的な側面の方が大きくなったんではないかというふうに見ておるわけでございます。  ただ、この一—三月、まだ三月の数字は発表になっておりませんが、一、二月はともに前年を大きく下回る倒産水準でございますし、三月も多分そういうふうになるであろうという期待をいたしておるわけでございますが、いずれにしましても、まだ高水準であることには変わりないわけでございます。そういう意味で、引き続きその市場対策という意味においては、構造的な対応ができるような支援を今後とも進めていかなくてはいかぬのではなかろうかというふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そういう対策をとるということはわかりますが、私参考までにちょっと申し上げたいことがございます。  倒産が多発した昭和三十八年、三十九年、高度成長期の直前ですね、ちょうどオリンピックの直後ですね、そういう点からいきますと、昭和三十八年ころを振り返ってみますと、景気回復の年であるということを随分叫ばれました。ちょうど三十八年の後半から不渡り手形、倒産が増大をしていったわけです。そういう奇妙なことが見られていったわけでありますが、中小企業の設備投資が大企業のそれに先駆けて急速に減退に向かっていったという特徴がありますね、このときの時点を見ますと。  したがって、経済の拡大期においてすらこうであったわけですから、ちょうど高度成長に向かっていく矢先に、三十九年後半からの長期的な不況は、中小企業にとっては大変な試練だったと、こう思うわけであります。したがって、当時の倒産の状況は、景気政策のいかんにかかわらず増大する傾向を見せたという点においては、特異な現象であったんではないかと。この点の分析はどういうふうにされたかという問題がありますけれども、その背後には、やっぱり高度成長経済の変質に伴う構造的要因というのが働いていたんではないのかと。  当時の経済規模及び質は現在と異なるから、単純に比較することはもちろんこれは考えられませんけれども、現在の倒産発生局面というのは、どうもこの三十九年、四十年と非常に似通ったような状態で、現在考える以上に悪い局面が出てきているのではないかという、こういう考え方を持っているんですかね、この点どうですか、通産大臣。これを振り返ってみて、そういう懸念を踏まえてやっぱり対応していくことが必要ではないのかと、こう思って、お伺いをしたいと思っておるわけであります。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 確かに御指摘のように、三十八年から四十年にかけまして、特にマクロ好況、ミクロ不況と言われた時期があったと思います。  ただ、先生御指摘のような高度成長の過程で経常収支が悪化をいたしまして、三十八年の十二月から金融引き締めが進んだわけでございます。そういう意味におきましては、先生御指摘のように、確かに今の情勢とは基本的には違う面があるのではなかろうか。しかし、私はやはり高度成長過程の中の一循環ではなかろうかというのが、実は四十年不況を今振り返ってみますと、そういう感がいたします。と申しますのは、やはり三十八年十二日から始まりました金融引き締めが、累次にわたりまして設備投資が非常な落ち込みを見せました。そういう意味で申し上げれば、全体的に総需要が低迷した時期でございます。ただ三十八年までに一〇%を超える実質成長を遂げてきたときでございますから、四十年不況と申しましても、やはり成長率そのものは五%ぐらいの段階を維持してはおりましたが、全体としましては金融引き締めによる総需要の著しい低下ということが見られた時期ではなかろうかと思います。  そういう循環局面での倒産多発ということがあるわけでございますが、現在と比較いたしますと、しからば金融は超緩慢と申していいか、基本的にはそういう時期ではなかろうか。それから景気全体といたしましては非常に偏りがありますものの、輸出及び設備投資を主軸といたしまして全体的に拡大しておる経済基調にあるということ、そういう意味で申しますと、ちょっと景気循環的に言えば逆の側面があるかなという感じがいたしておりますが、やはり構造的な問題が大きくなってきているというのはその時期も同じ問題があったと思います。まさに高度成長過程におきまして市場構造が変化しつつあった時期でもございます。そういった面での類似性というのはあり得るわけでございますので、そういった面で今後とも対応していかなくちゃいかぬというふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今そういう中小企業庁長官のお答えを、一応それなりに私も理解するのでありますが、ちょっとこれ特徴的に見てみますと、「昭和二十七年以降全国倒産の動向」というのを見ますと、三十八年がオリンピック景気と仮定した場合に、これ件数は千七百三十八件、千六百九十四億五千九百万円ですか、こういう負債額になっていますね。  ところが、これちょっと見てみますと、ちょうど五十九年は、御存じのとおり、二万八百四十一件、これは三兆六千四百四十一億五百万円、こういうことでしょう。そうすると、この流れをちょっと見ていくと、その間に四十一年のいざなぎ景気、四十六年の円の変動相場制への移行、四十八年第一次石油ショック、そして第二次ショックが五十三年、こうずっと流れを見ていくと、やっぱり今私が申しました三十八年、三十九年の中小企業の動向というものは、一つのやっぱり流れとしては、そういう流れを踏まえながらもかなり似通っているといいますか、そういう意味でのこれからの対応策というものは考えてもらいたい。  これは答弁ありましたから、あとのことがありますので、これ特にひとつその点を充実した対応をしてもらいたいということを申し上げておきます。  あわせて、先ほど長官が言いました、間違いなくこれは構造的要因がありまして、先端技術等がどんどんこれから進んでいくわけでありますが、やっぱり中小企業のロボット化の問題、あるいは中小企業対策の中で出てくる先端技術にタイアップした中小企業の対応というのは一体とれるのかと、そういう構造的なこれからの大企業との兼ね合いの中でやっぱり十分な対策をとってもらわなければいかぬ。これはもちろんこの点もあわせて私申し上げておきたいと、こう思います。よろしゅうございますね。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 景気の推移についての対馬委員の御高見を拝聴いたしました。私ども経済の流れというものを見てみますと、確かに好況、不況というものが波のように続いてあらわれるという面と、それから新しい時代に対応してはっきり変わっていくという面と、両方あるような気がするのですね。  特にハイテク問題でございますとか、情報化でございますとか、そういうことと中小企業との関連を見てまいりますと、先ほど中小企業庁長官から申し上げたような事態が現在起こっておる。だから、倒産などを見てみると、非常にこれに慎重に対応していかなきゃならないんだという認識が出てくるんですが、ことしの一月と二月は倒産件数も昨年に比べて減っております。二月は特にいい数値ですね。金額も減っております。それからけさ出てまいりますまでに、私は三月の数値は出ていないかと言って調べさせましたら、まだ出ておりませんが、三月も希望が持てそうですという方向が出てきております。  だから、この倒産件数、倒産金額ともに減っておるという現象がなお続いていけば、非常にこれはありがたいことであるなと、これをひとつしっかりやらなきゃならないがなと思っておりまして、対馬委員の御指摘になっておるような経済の循環、そしてまた世界的な動向というのは、大変大事なファクターであると思いますので、よく勉強さしていただきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 ひとつ積極的にこれは鋭意検討を続けていただきたい、検討を進めてもらいたいと思います。  時間も迫ってまいりましたので、倒産と失業の関係についてひとつ。  今さら前段を申し上げません。もうこれは先ほど申しましたように、特に失業動向というのは非常にふえてまいりまして、この間の社会労働委員会で、山口労働大臣が、やはりこれからのハイテク産業、先端技術、あるいはME、あるいはOAということがどんどん進化されていきますと、かなり雇用対策の面では将来やっぱり一〇%台の失業が見込まれるかなという心配も一面にはあるということも言われておりますので、それで倒産と失業の関係で端的に申し上げますけれども、通産省として、またきょう労働省おいでになっておりますが、倒産多発の失業問題の関係についてどういうふうに見ているかという点をひとつ通産省と労働省にお伺いしたいと、こう思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 倒産の経済的、社会的問題というのは、まさに私は摩擦の問題、これはそれぞれの経営者、いろいろな責任問題もあろうかと思いますが、やはり一番大きな問題は摩擦的な失業の発生であり、あるいはそれにあおられました関連倒産といいますか、この二つが大きな摩擦現象ではなかろうかと思っております。  ただ、幸いなことに、五十九年度から全体経済拡大基調の中で、有効求人倍率の改善あるいは失業率も改善を見つつございますので、全体としての現在高水準に続きました失業も、そう大きな悪影響を及ぼしてはいないのではなかろうかというのが、今我々救われている思いがいたしておるわけでございまして、今後経済全体の動きの中でいつもこういうフォローの風が吹いているわけではございません、そういった面を十分考えまして倒産対策を進めていきたいというふうに思っております。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(齋藤邦彦君) 今御質問ございました倒産と失業率の関係でございますが、五十年代に入りまして完全失業率二%を超えるようになってまいりました。現在、五十九年二・七、こういうような水準にあるわけでございます。  これにはいろいろな要因があろうかと思いますが、一つは経済成長率の低下を背景にしまして、いろいろな高齢化の達展、あるいは女子の職場進出ですとか、産業構造の転換等いろいろな面での労働市場におきます構造変化がその背景にあるんではないかというふうに思っておるわけでございます。  失業者の内容を少し見てまいりますと、いわば会社都合というようなものによって離職をした方、自発的な離職ではないような方が大体三分の一でございます。それからまた自発的な離職をされた方が三分の一、それから新たに労働市場に出てこようというために職を探しておられる方が大体三分の一、こういうようなことが最近の傾向でございます。失業者全体の水準は徐々に下がってきておるというか、下がってきてはおりますけれども、まだやはりこういうような構造的な要因というのは今後も続くだろうと思いますし、先生御指摘のように倒産件数、ことし一月、二月は若干減ってはおりますけれども、依然として高い水準にあるということは事実だろうと思いますので、倒産によってどれくらい失業率を押し上げているかということはよく数字的につかめませんけれども、いずれにいたしましても、そういう中小企業等の倒産によります雇用問題は非常に重要な問題であろうというふうに思っておりますので、従来から雇用調整助成金の活用ですとかあるいは保険給付自体につきましても、倒産企業の場合は延長制度をつくっておりますので、そういうようなものを活用することによって雇用対策に万全を期してまいりたいというふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 中小企業庁長官の倒産と失業の考え方、あるいはまた労働省の斎藤雇用政策課長の認識、それから実態に対する対応、考え方というのは全くそのとおりだと思います。  なお、これはいずれ別な機会にまた申し上げることにいたしまして、そういう倒産と雇用の関係ということは、失業の関係というのは、これからもやっぱり非常に目配りをして、ぜひこのリスクの対応をしてもらいたいということを特に申し上げておきたいと思います。  そこで、本題の法案の中身に、時間もありませんので入りたいと思います。  共済金の貸し付けが実質的に有利子という問題の性格につきまして、きょうは中小企業事業団の斎藤理事長さんに参考人としておいで願っておりますので、お伺いをいたしたいと思います。  まず、法案の中身の中で、中小企業事業団のパンフレットを私ども見ますと、中小企業倒産防止共済制度の特色として、無担保、無利子をうたっていますね。実際に中小企業者と接触する委託団体では、利率換算の関係でいいますと年三・八四%としている。というのは、共済金の貸し付けを受けた場合に、その貸付金額の十分の一に相当する掛金額に対する権利は消滅するが、これ十一条四項にありますけれども、それを年率換算をすると三・八四%になるわけでありますが、これ私は、委託団体の発行パンフレットの方が正確に事実を伝えていると思うんですが、むしろ親切ではないか、こういうふうに考えますが、この点事業団の考え方はどういうふうにお考えになっておるかという点をお伺いいたしておきます。

齋藤太一中小企業事業団理事長

○参考人(齋藤太一君) この倒産防止共済制度は、先生も御承知のように、加入者の掛金を共済金の主たる原資といたしまして、相互扶助の考え方のもとに共済金を貸し付ける異色ある制度でございまして、この貸し付けが共済給付の内容ということになっておりまして、いわゆるコマーシャルベースの金融とはややその性格が異なっておるように思っております。ただ、この場合に貸し付けに伴います事務費以外の費用、事務費につきましては国庫の補助金でやっておりますけれども、事務費以外の、例えば貸し倒れといったようなものを補てんします等の費用に充当しますために、ただいま先生御指摘のように貸付給付額に対応いたします共済掛金の権利を消滅させる、こういう制度になっておるわけでございます。  この消滅いたします掛金の権利分を仮に利息として金利計算いたしますと、年利にいたしまして大体三・八%程度のものになろうかと思いますけれども、先ほど申しましたように、コマーシャルベースの金融とはやや性格が違うというふうに考えておりまして、利息という表現は、この制度の本来の考え方には正しくそれを表現していないんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。  したがいまして金利という言い方ではなくて、掛金の請求権が消滅します、こういうことをこの制度のPRの際には申し上げておるわけでございますけれども、その点につきまして、この制度加入等で希望される中小企業の方によく徹底していないといたしますと、私どものPRが不十分ということになりますので、その点よく誤解の生じないように細かいPRに努めてまいりたいというふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 理事長ね、こういうことなんですよ。  これおたくの出しているパンフを見ますと、これは私もこの間北海道へ帰ってちょっと言われた、私も中小企業後援会を持っておりますので、ちょっとある業者から言われたんですけれども、これでいきますと、あれでしょう、「共済金の貸付けは、無担保・無保証人・無利子で速やかに受けられます。」と、こういう感覚が頭にあるわけだよ、借りる方は、率直に申し上げて。ところが、「ただし」ということが、借りる方は余り、これはむしろ基本だけが頭に入っているものだから、それは後から出てくるが、「ただし、貸付けを受けた共済金の十分の一に相当する掛金額に対する権利は消滅します。」、今理事長がおっしゃるとおりなんだけれども、そのもらうときに十分の一は消滅してしまうんだから、何だかだまかされたような感じがしちゃって、ちょっとおかしいじゃないか、こういう疑問を実は相当数持っているわけです、はっきり申し上げて。  これは東京都の例を、ちょっと私もこれ参考までに見していただいたんですが、東京都中小企業団体中央会では、こういうことをきちっと出しているんですね。「無担保・無保証人・利率換算年三・八四%相当」と。最初からきちっとこうすると、ああこれは三・八四というものは、借入金仮に二千百万、借入期間五年間、据え置き六カ月という、倒産の被害を受けた場合にこれはそういうことなんだな、最初からそういうことなんだなと、こう頭に入るんだけれども、今率直に素朴な感じを申し上げますと、さっき私が読み上げたように、「ただし」の方が、これは借りる当事者にすれば全然ないわけですよ。  だから、やっぱり何かだまかされたという感情でとらえちゃって、これはどうもやっぱり、むしろ東京都中小企業団体中央会が出したように、最初から、無担保・無保証人というのは、こういうことで、年率三・八四ですよということなんだよということを、きちっとやっぱりPRを今から徹底をさしておく必要があるんじゃないかと。これは、かなりそういう意味の疑問というよりも、不信みたいにつながっていくということではまずいんで、そういうことの対応について、今もちろんPRに努めますということでございますが、端的に中小企業の方々の声というのは全くそれを言っているわけです。この点もう一度どうですかな、理事長、これ。

齋藤太一中小企業事業団理事長

○参考人(齋藤太一君) この掛金の請求権が消滅します点は、利息ではないというふうに私ども考えておるんでございますけれども、中小企業の方の間に事実上利息がかかっているじゃないか、無利息という触れ込みと実態が違うじゃないかというようなお話があるといたしますと、その権利が消滅するということをよく強調いたしまして、あるいはその分が金利に直せば何%に当たりますということもお知らせするというふうなことも、お話のとおり誤解を招かないようにするためにはあるいは必要かもしれないとも思いますので、よくその点は検討いたしたいと存じます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 ひとつぜひその点、素朴な中小企業者の声ですから、これを受けとめて中小企業事業団としての対応を、今理事長も申されましたけれども、積極的により理解のいくように対応してもらいたいということを申し上げます。  そこで、事業団の貸し付けの決定手続なんだけれども、事業団では共済貸し付けに係る決定を週に一回しか行わないために、貸付申請をしてから実際に金が入るまで二週間程度要すると聞いているわけです。やっぱりこれは倒産というのは緊急の事態ですから、もうこれは言うまでもありません。したがって、取引企業が倒産をして連鎖倒産を免れるべく苦労している中小企業者にとっては、二週間というのは対応としては余りにも長いんではないかと。したがって、事業団の貸し付けという事業を行う場合に、決定が週に一回というのはどういうことの理由があるのか。これを毎日行うようにすると何らかの支障が生ずるのか。直ちに即決できるような対応を、週に一回ということから、何とか毎日でも、すぐぱっと対応できるということができないものかという御意見が率直にこれあるんですが、この点いかがでしょうか。

齋藤太一中小企業事業団理事長

○参考人(齋藤太一君) この共済金の貸し付けは、昨年の四月—十二月間で七千四百件ぐらいになっておりまして、大体毎月平均いたしまして八百件強の貸し付けを行っております。  それで、貸し付けの手続の実態を見ますと、請求が参りますと、事務をなるべく簡素化、迅速化しますためにコンピューターに加入者のいろんな掛金の現状その他を打ち込んであるわけでございますけれども、そのコンピューターから打ち出しまして、請求者の請求との突き合わせをまずやるわけでございますが、よくその請求者の住所が違っておりましたり、それから請求者の法人名が変わったり、代表者名が変わったり、いろいろしておることがございまして、そういったまず形式的な要件のところを書類をいろいろチェックをいたします。  その次に、今度は実態的なチェックといたしまして、取引先が本当に倒産したかどうかという意味での、手形交換書で不渡りになっているかどうかという証明でございますとか、あるいは破産とか和議とかの場合には、一々裁判所の方に私どもから照会をいたしまして、裁判所の証明を取り寄せまして、その上で、もう一つは被害額が幾らであったかという被害額の確認がまたいろいろ面倒な内容がございますが、そういうことをいたしまして再度コンピューターに打ち込みまして、いろいろ貸付決定書とかいったような作成をして銀行の方に通知をする、こういうふうな段取りになっておりまして、そういう関係で、どうしても今のところ二週間近くかかっておりますけれども、例えば申請の書類を、やや現在複雑になっておりますので、極力簡素化できる部分は簡素化してチェックする内容を少なくするとかいうようなことも計らいまして、期間をさらに短縮するように努力いたしたいと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今、期間を短縮するように努力したいという理事長の御答弁ですから、ぜひひとつ早めてもらって……。  聞きますと、何か予算措置のこともあるんでしょうが、どうも今コンピューター、使われている機器が非常にこれ古い型のものであるというふうなことで、大臣ひとつ、そこらあたりは中小企業事業団の予算措置を講じて、何かかなり古いコンピューターを使われて、そのことだけに四日間かかると僕は聞いておるんですが、そういうことがもし改善できるんなら、これはやっぱり倒産を阻止するということですから、迅速果敢に、今日の先端技術の時代ですから、ひとつこれだけは、もう理由のいかんを問わず、最優先にやっぱりスピードアップをしてもらいたい。理事長もそういうふうに言われておりますから、大臣もひとつ通産省の立場でそれに対応してもらいたいと思います。よろしゅうございますか。——ちょっと時間もありませんからお答えは結構です。大臣よろしゅうございますか。

齋藤太一中小企業事業団理事長

○参考人(齋藤太一君) ただいまのコンピューターの点でございますけれども、一番新鋭のコンピューターに差しかえますように、今テストランをいたしておりまして、来年の一月から新しいコンピューターが稼働することになっております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 はい、わかりました。ひとつぜひスピードアップをするようにしてもらいたいと思います。  そこで、掛金限度額の引き上げと機動的法律改正が僕は必要でないかと思うんです。  それはどういうことかというと、今回の改正によりますと、二百十万から三百二十万まで引き上げると、これは倒産企業と取引のある企業の売り掛け債権額の約九割に今相当する、こう言っていますね。そういうことで結局設定されるわけでありますが、今後民間の信用取引が増大するにつれまして、やっぱり場合によっては機動的に法改正をやるというような姿勢が必要ではないかと思うんですが、これは大臣にひとつお伺いしておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 今回の改正案におきましても、近年におきます中小企業の信用取引の状況を踏まえまして、共済金の貸付限度額を大幅に引き上げておるわけでございます。現在限度が二千百万でございますけれども、これは実は五年前に決めた限度額でございますが、その後五年たちまして信用取引が拡大してきておりまして、取引先が倒産した場合の回収困難になります債権額が非常に大きくなってきておるわけでございまして、二千百万ではなかなかカバーし切れないという情勢になってきておりますので、今回実情に合わせまして、約五割増しでございますけれども、三千二百万円まで限度額を引き上げるという改善措置をとらしていただくわけでございます。  この信用取引の状況につきましては、今後とも当然変わっていくものでございますし、さらに本制度の運用を決めるいろいろな因子があるわけでございます。加入者がどれだけふえてくるであろうか、あるいはこの共済事由発生率がどう変わるか、あるいは貸し付けました共済金の貸し倒れ率なんかかどうなっていくかといったようないろいろな要因も変わってまいりますので、私たちといたしましては、そういった要素を常に慎重に見ておりまして、法律上は少なくとも五年に一遍と書いてあるわけでございますけれども、できるだけ機動的、弾力的に制度の改善を今後とも心がけてまいりたい、そう思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 大臣、ひとつ大臣のを最後に。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今政府委員から申し上げたとおりでございまして、対馬委員の御指摘になりました点は極めて重要でございますから、適切に対応を進めたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今大臣からも、政府委員からも、適切に早急に対応したいという考え方でございましたから、そういう倒産を防止するという目的ですから、それに向かっての対応をぜひ行ってもらいたい。  最後になりますが、一つ国民金融公庫、中小企業公庫、商工中金、政府系三機関の関係でございますが、これは中小企業庁の庄野金融課長が即決即断で対応していただいて、大変よくやっているということを私も評価をいたしておるんでありますが、この点について、庄野課長さん初め、そういう当事者に当たっている方々は努力されているんでしょうけれども、やっぱり問題は無担保、無保証なんだね、この査定。もちろん国民の税金ですから、これは慎重な精査もしなけりゃならぬということは当然のことだと思うんですが、これもうちょっと無担保、無保証の枠が、最近改定をされましてそれなりの限度額が大きくなりましたけれども、ひとつこの査定に当たっての弾力的運用といいますかな、これをぜひやってもらいたいというのが中小企業者から非常に要望が出ております、率直に申し上げまして。  もちろん国の金を借りて踏み倒すということは許されないわけでございまして、国民の税金ですから、それはしかと受けとめておりますけれども、特に国金は、本当に中小企業というよりも零細企業に比較的利用度が高いし、またそのことにおいて零細企業が守られているということも事実であります。だから国金並びに中小企業金融公庫、商工中金の関係はもちろんでありますけれども、特に国金の無担保、無保証、これらあたりにできるだけ弾力的運用として対応していただくということを、これからもぜひひとつやっていただきたい、この点について最後に申し上げまして、政府側の答弁を聞きまして終わりたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘の国民金融公庫でございますが、現在の貸し付け状況の実態を見ますと、約九〇%が無担保、無保証の貸し付けになっておるわけでございます。  先生の御指摘、さらに機動的な担保設定、例えば機械設備等についても担保を徴求できるような体制、これは現にいたしておりますが、さらに弾力的に対応できるように、ただ問題は現在延滞が非常に大きくなっておる関係もございまして、この辺の山小企業の経営実態との兼ね合いが一つの問題であろうかと思いますが、それぞれの中小企業の実情に即した弾力的な運用を今後とも指導してまいりたいというふうに思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 特にひとつその点要望を強く申し上げておきます。ぜひそういう対応ができますようにひとつ、もちろん滞納、延滞ということは問題がございますから、私もそれを踏まえて申し上げておりますので。  しかしそのことによって企業が生きるか死ぬかということになるわけでありまして、できるだけやっぱり倒産を防ぐという目的が大事でありますから、経営安定の方向に努力していく一つの車要制度でございますので、極力ひとつそういう方向に努力してもらいたいということを要望を申し上げて終わります。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 先ほで対馬委員の質問に対しまして、政府は内需の拡大に力を入れていると、こういう強い表明がなされております。しかし私どもはいつも地元に帰りまして、地元の実態というか、実情はよく本当に全県回りますから承知しているわけであります。今日日本の景気がよくなったという、マクロ的に見ますとその数字は否定はいたしませんが、中小企業を取り巻く状況というのは、政府の出している数字でも一四・三%が輸出で救われておると、波及効果が出ておると、大企業は二七・五%という数字があります。もちろん大企業の二七・五%との関係で、その下で仕事をしております下請とか孫請は波及効果がさらに出ているんではないかという気がいたしますけれども、いずれにいたしましても非常に厳しい状況に立ち至っております。  先般、大臣の所信に対しまして、この席から私はその点についていろんな角度から申し上げましたから、詳しい数字は省きますが、中小企業の倒産がやっぱり続出をしておる、こういう状況について、通産省は予算がないから宣伝がうまいというのが評判でありますが、私どもの県知事もなかなかうまいんですが、お金使わぬで宣伝をやっぱりよくやるんですがね。だから私は、先ほど大臣やあるいは中小企業庁長官の、内需拡大を中曽根総理大臣以下やっているということは、私はどうもそういう宣伝にしか受けとめておりません。  来る前に私、地元の地場の中小企業の社長やあるいは会長をやって幾つか経営している人、この人は経営者協会ですか、そういう団体の副会長等もしておりますが、政府は景気がよくなったと、こう言っているが、全体に見て地域性とか、あるいは行政、それは一定程度あると思うんですが、そうじゃなくて、トータルで一体どう判断しますかということで電話をしましたら、政府が言っているようなそげんことであるかい、大分の言葉で言うとね。やっぱり厳しいと、マクロではそういうことは言えるかもしれぬけれども、実態をやっぱり見てほしいと、そういう強いお話がありました。  またさらに、地元で、本当に古い地場で頑張ってきました工務店が、土建関係ですが、負債総額五十五億で最近倒産をいたしました。それからもう一つは、土建とかホテルとか、土建というよりやっぱり内装工事を中心にしていろいろな事業をやっているところが、約百億ぐらいの負債を抱えてごく最近倒産をいたしました。それから一体連鎖倒産がどう出てくるのか非常に怖いんだという話をいたしております。  まあ大臣になりますと、選挙区にはそう帰らぬでいいのかもわかりませんが、実際に地元に帰ってみますと、中曽根総理大臣あるいは政府が言っておりますように、そうですね、手たたいてよくなったよくなったというような状況では決してない、非常にもう中曽根総理大臣が行政改革を言い出して、行管庁長官から総理大臣になりましてずっとやってきましたが、非常にもう不況が長いんです。ですから辛抱に辛抱して、そして耐えてきて息が切れていくというような状況があっちこっちやっぱり続いておりますね。そういう状況について、ひとつ認識を私はぜひ一致さしていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 梶原委員の御指摘非常に適切であると思います。中小企業の景況というのは、我が国の経済が拡大を続けている中で全体として私は着実な回復なんだと思います。しかし個人消費だとか、住宅投資の伸びのテンポが緩やかなことから、回復のテンポは大企業に比べれば緩やかでございます。また中小企業の中でも、業種によっていろいろばらつきが見られるわけでございまして、今御指摘になられました建設業等は確かに非常に全体的な数値で見ましても伸びが低うございます。むしろ赤字が出ておるわけでございまして、地元のことについて御指摘になられた点は当たっておると思います。    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕  私大臣になりましてから地元に、自分の選挙区に帰る機会はほとんどないんでございますが、これは帰らなくてもいいんじゃなくて、帰りたいんでございますが、お国のために体をささげて頑張っておるという状況でございますが、しかし地元から出てくる方々によく聞いてみまして、梶原委員が肌で感じておられることを私も業種によっていろいろ感じます。  通産行政というのは先生御承知のように、いわゆる誘導行政でございまして、自由主義経済諸国の場合は計画経済でございませんから、したがってその誘導行政の中で企業自体の自立心、それから努力、そういったものでしっかりと頑張っていただくということを前提としながら政府としてもこれに対応をしていくという基本的な姿勢でございます。その意味におきましては中小企業はまさに国民の宝であり、また国民生活そのものであると思っておりますから、この中小企業の倒産防止や景況の拡大のためには一生懸命の努力をしてまいる所存でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 よくわかりました。  そこで、内需の拡大の手段といたしましては幾つかあるでしょう。しかし主には、一つはやっぱり国民の内需拡大の一番大きな源というのは個人消費ですから、やはり所得をアップをする。所得のアップの仕方とすればベースアップ、あるいは逆にそれができない場合には所得税の減税、これが二つの大きな柱になると思います。それから、政府がよく言います公共事業、さらに民間の設備投資の促進、こういうことになると思うんです。  今春闘が始まっておりますが、所得のアップというのはなかなか厳しい状況なんです。実質所得の伸びというのはなかなか大幅にやれないような状況に、やるやると言ってもそう簡単にはいかないような状況になっておる。だから、所得税の大幅な減税が課題になっておりますし、河本大臣あたりもずっと言っておりますが、これに対しては閣議でどういう議論をされているかわかりませんが、前向きな中曽根政策としての柱がほとんど立っておらないような感じであります。そうすると、じゃ公共事業をやるのかと言っても、これもゼロシーリングや何かがありまして、シーリングの枠で非常に厳しい状況です。いや、少しことしは考えたと言っても、これは大した額ではない、こういう状況なんです。  だから、私は、先般大臣の所信に対しての質問で、経済企画庁長官や、あるいは通産大臣も建設大臣になったような姿勢で御答弁をいただいてありがたかったんですが、    〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕 その後、私どもの予算の委嘱審査で建設委員会にも行きまして、建設大臣も住宅投資を誘導行政とこう言うなら、通産が誘導行政なら建設だってやっぱり誘導行政の側面だってあるんじゃないか。住宅金融公庫あたりが繰り延べを一千億もやっておりまして、今法案が出て問題になっております。住宅金融公庫は、例えば一兆円なら一兆円の事業を誘導するにしても、住宅金融公庫が果たす役割なんというのは七・一%と五・五%の利ざやだけをちょっと政府が見て、そして住宅金融公庫が貸出枠を大幅にふやすとか、あるいはもっと支払い期間を延ばすとか、ステップ償還を住宅を取得した後はもう少しやりやすくなるようにするとか、何か手を打つ必要があるんじゃないか。  私は建設委員会に行って話をしておりましたら、同僚議員は、今の我々を取り巻く状況の中で一体何がやれるかと言ったら、やっぱり内需拡大のためには住宅関連に思い切って力を入れるしかないんじゃないかと、こういうお話もみんなから私は聞いたわけであります。  それで、少し調べてみたんですが、今度政府が貿易摩擦でいろいろ苦慮されておりまして、いろいろな施策を出しておられると思うんですが、中身を見ましても、我々としては、やっぱり合板業界は非常に厳しいので私は非常に問題視しておりますが、そういうことではなかなかそう簡単にはいかないような内容ではないかという気も一部しておる。  問題は、やはり内需を拡大することによって、木材の関税を引き下げるとかなんとかいうことよりは、輸入材の方がトータルでふえるわけですね。今私が持っております、これは林野庁の木材需給表という資料をいただいておるんですが、昭和五十四年度の木材の輸入材の合計が七千六百万立米ですね。これが、五十九年度の見込みになりますと五千九百二十四万立米。一千七百万立米減っているわけです。これは一立米に金額を掛けますと相当な額になるわけですね。内地材の需要も約二百万立米ぐらい減っておるんですね。  ですから、この辺が、この前NHKのテレビで、アメリカのリポーターがアメリカ向けに報道しておりましたが、日本は、一生懸命働いて黒字はどんどん貿易で稼ぐけれども、日本人が住んでいる家をテレビで映したのが夜九時か何かの報道でされておりましたね。そういうところをやっぱり突かれておるわけですよね。  だから、内需拡大に何か努力をしていると通産省はさっきからずっと、石井長官も言われておりましたけれども、具体的に内需拡大にはどこをどうやったらどうなるのか、こういう問題が——私は、本当に枝葉で物を言っていると思うんですよ。六百万の中小企業、その中で働いている従業員というのは約四千万ぐらいおるわけで、その中で、日の当たっている中小零細企業というのはせいぜい一〇%から二〇%の間なんです。あとの全体を支えているところは一体どうなっているか。しかし、経済全体はそこが支えて、いいところが出て、実質経済は伸びていっているわけですからね、非常に多くのところがどうにもならないような状況になっておるわけです。  そこら辺について、河本大臣が去年の経済企画庁長官のときに私は質問いたしましたが、一体中小企業対策とは何かと言ったら、やっぱり今当面やらなきゃならないのは、内需の拡大によって物が売れる、あるいはつくれる、トータルでそういうことがまず大事ではないかと答弁されましてね。先般の大臣の所信に対する質問に対しても、それは皆さん方も異議ないというお話でありましたが、私は、どうもそこのところが抜けて、枝葉のところでやっているやっていると、これが今中曽根内閣の政策の、何というか、国民には見せかけはいいように言っているけれども、中身がない。非常に長い間中小零細企業というのはその中で苦しんで苦しんで、そして身を細くして、もうどうにもならなくなって息が切れているという状況を指摘せざるを得ないと思うんですが、この点いかがでしょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 非常に広範な問題について御指摘をいただきました。  まず最初の方のことからお答えを申し上げますと、全体としては自由主義経済体制でございますから、誘導政策が政府の基本でございますが、公共事業等については、建設省などはいわゆる公共事業発注官庁でありまして、そういった意味で、経済そのものの中に入っていく大きな機能を一つでは持っておるわけでございます。  公共事業全般については、これは何といっても内需拡大の大きな措置の一つでありまして、先生が御指摘になった減税、ベースアップというのは、全般的な問題とともに、いわゆる国でやれることでは一般公共事業、そういうことは非常に大きいと思います。それからまた、御指摘になった住宅関連の、国あるいは公共団体、公団等を通じて行う住宅政策、また民間の住宅の建設、さらに民間の設備投資、いろいろな素因が相まって内需の拡大が図られるわけでございまして、そういった意味では総合的な施策を中曽根内閣は講じております。  それで、六十年度の実質見通しの中でも、内需による経済の成長ということを貿易よりははるかに大きく見ておるということは、委員御承知のとおりでございます。  さてそこで、通産省といたしましては、先ほど来申しておりますように、いわゆる時代が進んでおる、だから、科学技術の進展であるとか情報化に対応しなきゃならないという意味で、技術開発基盤の構築を図るために基盤技術研究促進センターを創設する。また税制においては、基盤技術研究開発促進の税制でございますとか、中小企業そのものずばりでは、中小企業の技術基盤強化税制などを創設したところでございます。  こういったことによって、いろいろ国の措置として考えられることを促進をしていこう、基盤技術の開発や中小企業振興のために設備投資が促進をされるようにしていこうということで、全般としては内需主導によって持続的な経済成長を達成していこうという気持ちで、一生懸命内閣を挙げて努力をしておるところでございまして、ぜひ御了解がいただきたいと思います。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 大臣、もう時間ないでしょうから……。  ただ、本当に国民には今言われることが、一生懸命努力をしているということは、非常に多くの中小零細がこれはいつかは火を噴きますよ。今は何か中曽根内閣は支持率は高いかもしれない。それは、高いというのは、背が高くて外国の大統領と並んだときにテレビで見かけがいい、とか、物の言い方がうまいとか、こういうことで支持率が高いだけでありましてね、中小零細や、あるいはもう本当に国民の底は今のやり方に対しては渦を巻いてますよ。一回何か破綻がきますと、があっと批判が出てくるのはもう間違いない。私はそれは歩いて肌で感じているわけです。ただ、今まだじっと我慢をしているような状況が実態だろうと思うんですね。その点、政務次官もよく御承知だろうと思うんですが、いかがでしょうか。

田沢智治自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○政府委員(田沢智治君) 景気問題につきましては、今朝も政務次官会議でいろいろ議論をしてきたんですが、御指摘のとおり、内需拡大というものの中に、購買力を高めていくことによってかなりの消費力がつくんじゃないだろうか。そういうことになりますと、公共投資の問題とか、あるいはベースアップの問題とか、またいろいろの多くの施策が当然提起されなければならないと私たちも共通的認識に立っておるのでございます。ただ、問題は、今日の財政再建という次元の中で拡大財政政策がとれないという国情を考えたとき、この対応というものに難しさがあるということが言えると思うんです。  そこで、諸先生方にいろいろの知恵を出していただきながら、やはり国民も納得できるような内需拡大政策というものを真剣に考える時期に来ているということは、先生の御指摘の内容と同じゅうする見解を持つものでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 ぜひ内需拡大をするためには、抜本的にポイントを置いて、やはり小さいことじゃなくて大筋、大幹ね、これとこれとこれ、減税と、住宅なら住宅とか、やっぱりびしっと大きな幹を打ち出してね、ひとつそれを政務次官、政府の方針に、ぜひ反映をしていただきたいと思います。  さて、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案の中身について、中身というか、関連して質問に入らしていただきたいと思います。  この法案につきましては、私ども原則的には賛成であります。幾つか対馬委員から問題点は指摘をされましたから、私は余りそう中身にどうこうということはありませんが、これは船に乗っても、あるいは飛行機に乗っても、救命道具がありましてね、この法律はそういう意味では中小零細で頑張っている皆さんにとっては非常にいい法律だと思っております。やっぱり一生懸命働きましてね、あっと気がついたら取引先がつぶれておって、どうしようもない地獄に落ちていくというようなことがやっぱりよくあるわけで、そこを皆さんにやっぱり、何というか、光を与える意味でも非常にいい法律だと思います。そういう意味で若干以下質問をいたします。  この法律ができたときの加入者の目標と、それから実際今の実績とは随分差が出ておりますね。この辺の若干、今現在の数字でいいです、年を追わなくていいですから、その数字と、それからその原因ですね。どうしてやっぱり少なかったのか。目標計画に比べて少なかったのか。それから、計画ですね、これからの計画はどういうようにやっていくのか、その点についてお尋ねいたします。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 本制度が五十三年度に発足したわけでございますけれども、発足当初本制度が世界には余り例がないという制度でございまして、加入者の見通しを立てるというのは非常に難しかったようでございます。当時は、いわゆる取引先が一般消費者といったような方につきましては本制度に加入する必要がないんじゃないかといったようなことで、中小企業者の中からそういった方を除きまして、残りの一定割合が加入してくるだろうという見通しを立てたわけでございまして、一応のめどといたしまして、年間十万件程度ということで制度スタートしたわけでございます。  ただ、その後の実際の加入の状況は、五十三年度から五十七年度までは、ならしますと、年々若干の差はございますけれども、年間一万件程度の加入実績というところにとどまっておるわけでございます。私たち加入見通しあるいは加入目標につきましても、そういった実態も踏まえまして、実は五十五年度にはそれまでの年間十万件という目標を八万件というようなことで修正をいたし、さらに五十七年度からは年間三万件程度という実態に合いました目標に変えまして、制度のPRなり、あるいは加入促進運動を展開してまいっておるわけでございます。  それで、実はこういったような情勢を背景にいたしまして、五十八年度に、それまでは契約の加入窓口を商工会あるいは商工会議所、中小企業団体中央会という中小企業団体に限っていたわけでございますけれども、金融機関を五十八年度から取扱窓口に追加をいたしまして、そういうことで窓口が大幅にふえたというようなこともございまして、五十八年度には加入者の数が一万五千六百件ということで、前年度に比べまして五割アップの加入者があったわけでございます。  さらに、五十九年度に入りまして、実はこれはまだことしの二月までの実績しか出ていないわけでございますけれども、既に一万八千件を超える加入がございまして、今年度は恐らく二万件を超える加入が見込めるのではないかというふうに思っておるわけでございます。  今後でございますけれども、今申しましたように、五十八年度から加入者がふえる傾向が出てきているということと、今回制度の中身を改善いたしまして、中小企業により利用しやすい、あるいは魅力のある制度に改善をいたしましたので、その効果も今後は見込めるんではないかということで考えておるわけでございまして、当面の目標といたしましては、六十年度、今年度でございますけれども二万五千件程度、六十一年度は三万件程度の加入を見込んでおるわけでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 当初の目標が十万ですね。本当の計画というか、それはもっと高かったんじゃないですか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 先ほど私申し上げましたように、事業所統計で見ました中小企業事業所、中小企業の数をとりまして、その中から、先ほど申し上げましたように、信用取引がない、いわゆる一般消費者を相手にするような例えば小売商などを除くという形で算出母体を計算いたしまして、先ほど私一定割合と申し上げましたけれども、それの二割方加入するんではないかということで計算をしたわけでございます。それ以上の見通しは立てておりません。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 いずれにいたしましても この法律はいい法律ですから、過去一生懸命やったけれども、何かやっぱりどこかに問題があったんだという指摘をぜひさしていただきたいと思います。  私は狭い地元ばかりを例に出して悪いんですが、ちょっと情報がとれないものですからね。私どもの大分県というのは大体百分の一県なんですね。予算も何も国の大体百分の一になっている。そこで、大分県の状況を県に問い合わせて調べてみましたら、五十九年度の累積加入件数が四百五十六件、それでこの加入金額が一千百九十万、貸し付けが百七十九件で六億五千七百五十万になっているんですよ。物すごく大きいんですね、貸し付けが。ですから、非常にアンバランスが出ておりまして、県の方も、もっと加入数をふやしたいということを中小企業指導課長言っておられましたけれども、そういう点からしますと、いざというときには倒産が非常に多いからこういうことになったと思うんですが、非常に大事な制度だと思いますので、そういう実態をひとつ認識をしていただいてさらに頑張っていただきたいと思います。  そこで、私はきのう、きょうにかけまして、この法案が現場で一体どういうようになっているかということをちょっと調べてみました。私がよく知っている、これは空調とか水道とかそういう工事をやっておる社長ですが、この制度を知っているかと言ったら、すぐ知っているということで、金利も安いと。入っているかと言ったら、入ってない、入ろうかどうしようかということを考えておるんだということです。どうして入らないのかということで、まあしかし、本当を言ったら、やっぱり勧誘の仕方が弱いんじゃないだろうか。もう少し銀行なんかに強く当たってみると僕らももっと……。だから何かまだふあっとしているような感じを受けました。  それから一つ、地元の銀行ですが、地場銀行に問い合わせてみましたら、そこの代表取締役、詳しい人がいなくて、それから今度は営業だろうと、営業へ行ったら、営業じゃなくて今度は融資だと、融資のところへ行ったら、融資のまた担当者がかわりまして、高い電話代かかったんですが、その担当者は、私は今かわったばかりでよく知りませんけれども、これは私が担当ですということで余り詳しくはない、どうも銀行も余りこれは力を入れてないような、一つの銀行で、人がこうくるくるかわったからそうかもわかりませんが、どうも倒産防止共済、この法についてどうかと言ったら、ぱっとわからぬのですね。なかなか電話が返ってくるまで、担当者が来るまで時間がかかるわけです。どうも銀行あたりがもうちょっと、何かメリットがないのか、本気でやる気がないのかという感じを強く受けた。これは一つの例ですから、ぜひそれをもとにして少し銀行に当たってみていただきたい。  それから、大分の商工会議所に電話をいたしまして担当者と話をしたんですが、結局ここが言っているのは、建設業が中心に倒産も多いし、やっぱりこの関係は建設業が多いと。小売の関係は、夜逃げやなんかの問題で、この法律はなかなか対応がし切れぬもので、そういう小売店とか商売をやっている、物を売り買いしているところというのは少しなじみにくいのではないだろうか、こういうことでありまして、ぜひ夜逃げやなんかについてはもっと弾力的に実態に合うたような運用の仕方をぜひしていただきたいと思っております。  それから、先ほど言いました多田工務店とか、大分の地元のその倒産企業の中で、倒産防止資金を一体借りているのか借りてないのか、それをちょっとデータをもらってみましたが、両方とも、大体二つずつぐらいこの共済資金を借りるように今しているようですが、どうも商工会議所やあるいは銀行の皆さんの話では、つぶれてみて驚いているということで、この制度に入っているのはやはりごくわずかだと、こういうことを言っておりましたですね。そういう意味ではぜひ何かもう少しみんなが、救命道具みたいなものですから、いいことですから、入れるようなPRなり、もう少し銀行にノルマをかけるとか、お互いのためになることですから、そういう手当てはないかどうかですが、この点について事業団の理事長にも後で一緒にお伺いしたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) まず初めのPRといいますか、加入促進で金融機関などが余り動いてないんじゃないかというような御指摘があったようでございますけれども、これは後ほど事業団の理事長の方からお答えいただいた方がよろしいかと思うのでございますが、事業団では毎年加入促進の計画というものを立てておるわけでございまして、協議会組織をつくりまして、そこで毎年の計画をつくる、その際には関係の金融機関の団体といいますか、代表の方にもお入りいただきまして、一緒になって計画をつくっていただいておるわけでございますし、さらにその後も地域別なり業種別なりの加入促進運動を実際やっておるわけでございますが、その中で金融機関にも御参加いただきまして、金融機関にも大いに力になっていただいておるというのが実態であろうかと思います。  そういった加入促進運動を一方では進めながら、他方ではPR活動につきましてもいろいろやっておるわけでございます。例えば、政府広報関係で申しますと、総理府あるいは中小企業庁がテレビあるいはラジオ、新聞、そういったようなメディアを使いましていろいろ広報をやっておりますし、さらに中小企業事業団におきましても、やはり新聞だとかというような広報媒体を通じた普及広報活動、それ以外にもチラシあるいはリーフレット、ポスター等々をたくさんつくりまして商工会とか商工会議所といったような委託団体を通ずる説明会、あるいは関係機関へのパンフレットの常備といったようなことをやってPRにこれ努めておるわけでございます。  ただ、最近になってふえてまいりましたけれども、現在までの加入の状況というのはもちろん十分ではございませんで、私たちといたしましては、これからもこのPRなりあるいは加入促進運動なりにつきまして、従来以上にやはり力を入れてやっていく必要があるだろうというふうに存じておる次第でございます。  それから、先生の御質問の中で、今夜逃げがどうかという御質問、御意見があったわけでございますけれども、夜逃げを共済事由に入れられるかどうかという検討をしてみたわけでございますが、御案内だと思いますけれども、夜逃げの場合でございますと、それがいつの段階で発生したのかというのが必ずしも明確にとらえられないという点がございまして、やはり法律的に対処するには技術的に非常に難しさがあるわけでございます。そういうことで、ちょっと夜逃げをその共済事由に追加するというのは困難ではございます。  ただ、そうではございますけれども、現実は大体夜逃げというような事態が起こりますと、その前後で手形の取引停止処分というようなものがあるのが普通でございますし、それがない場合も債権者の方から裁判所の方に破産手続の申し立てをするといったようなこともできるわけでございますので、そういったことで、何といいますか、この制度の対象になり得るんではないかというふうに思っておるわけでございます。  さらに、今回の改善で、一時貸付金制度という制度を創設させていただきたいと思っているわけでございますけれども、これは契約者が臨時に、一時的に事業資金が必要になった場合というケースを考えているわけでございまして、取引先が夜逃げをして急にお金が必要になったといったような場合には、この制度を御利用いただくというようなことも考えられるんではないかというふうに思っております。

齋藤太一中小企業事業団理事長

○参考人(齋藤太一君) この制度が非常に中小企業の倒産、連鎖倒産防止対策として有効な制度でございますことは、ただいまお話しのとおりでございます。にもかかわりませず、昨年の十二月末での加入者が、全加入者で八万六千件にまだとどまっておるというのは、大変私どもも残念なところでございまして、まだまだ私どものPRの努力が足りないというように思っております。  例えば、昨年二月にはテレビのスポットを六百回全国で流しましたり、新聞等にも数十回広告をいたしましたり、チラシですと、年間百七十万枚ぐらい出しましたり、リーフレット百二十万枚とか、ポスター十万枚とか、さらにねらい撃ちで中小企業者にダイレクトメール二十万枚出しまして、関心があるという返事のございました中小企業者のところには、直接各団体なり、私どもから出向いて観誘をするといったようなこともいたしておりますけれども、まだまだ十分ではないというように自戒をいたしておるところでございます。  特に、金融機関は五十八年度から窓口としてお願いをいたしましたので、末端の方にまだやや理解が届いてない面もあろうかと思いますけれども、これも地方銀行協会とかあるいは全国相互銀行協会といった機関を通じまして、各銀行さんの個別店舗までいろいろお話をしていただきましたり、講習会を開きまして私どもが出向いていきましたり、いろんなことをやらしていただいております。さらにPRあるいは加入の促進につきまして努力をいたしたいと思っております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 ぜひそのようにお願いをしたいと思います。  それから、夜逃げとか心中とかいうのは、地元だったらもうわかるのですよ、新聞にも出ますしね。だから判断は、地元の県か、どこかそこら辺に任せれば心配ないのですよ、これはやはりどこから見ても、この法律を適用できるとかできぬとかいうのはね。だからそこはひとつぜひ現実に合ったように対応をしていただきたいと思います。  それから、もう時間ありませんので、最後になると思いますが、PRのやり方ですが、土曜日に何かテレビでやっているのも聞きましたけれども、本当言うと、こういういい法律ができたときはやはり大臣がテレビに出て、今度こういう法律できましたよと言うぐらい、いつも何か政治的な匂いの強いものばかりやらぬで、ひとつこういう国民のためになるやつをやってもらいたいと思います。それはいかがでしょうか。  それから、労働金庫とか労働団体も、私どもも組合をやっておるときは、つぶれたのを、つぶすのじゃなくてつぶれたのを、どう雇用を守るということで救い起こすか、企業を生かしていくかということを、もう昭和五十三年ごろからずっとそればかりなのですよ。そういうことばかりほとんどやってきましたけれども、最近は、労働金庫も、今賃金あたりがもう払えないということになると、立てかえ払い制度みたいなあれで、賃金は組合の委員長の名前があったりすれば労働金庫だって金を貸すのです。それでつぶれると金庫が引っかぶらなきゃならないようなのもあるのです、それはもちろんその会社の経営者の手形もとりますけれどもね。だから、これは労働金庫あたりにもやはりもう少し窓口を開けるのか開けぬのか、これはそういう事例がありますから、開けぬにしても、やはりこういうのがありますよという連絡はしていただきたいなと思う。  それから、総評とか同盟とか中立労連とかそういう労働団体も、まさに今そういう中小零細でもばたばたいっていますから、この辺のことで非常に苦労しているのですよ。だから、こういう制度があるなら、やはりこういう制度がありますよという御通知を、お知らせをしてあげて、そしてそこの従業員、やはりうちの経営者ここと取引しよるが、ここはどうも我々の情報ではひょっとしたら危いのじゃないのかと、社長入ってくださいよと、交渉なんかのときに、労使協議会なんかのときに、こういう制度があるが、あなた入ったらどうですか、こういうことだって話ができるわけですから、何かこう狭い範囲じゃなくて、そういうところにもひとつ連絡の通知をして、もっと幅広く国民的にこれを広めていただくようなことはできないでしょうか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 私、この前十五人ほどの労働組合の代表者の方々と意見交換をいたしました。  中小企業の施策全般についての普及度ということもさることながら、やはり労働債権、倒産してから労働債権をどう確保するかということの以前に、まず倒産防止が肝要ではないでしょうか。今後ぜひこういう問題を労使交渉の問題としてひとつ取り上げていただけないかというお話もしたのでございますが、中に化学工業関係の労組の指導者の方は、やはりいろいろこういう問題を提起しているけれども、経営者は自分の取引している相手は大丈夫だという一点張りですというようなお話も返ってまいりました。  たまたまそういう機会を持てたわけでございますが、御指摘のようにせっかく改正をさしていただくわけでございますので、あらゆる手段を通じまして組織的に今後のPR活動を進めたいというふうに考えております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 終わります。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ─────・─────    午後二時三十二分開会

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 質疑に入る前に、去る九日に対外経済対策が発表されましたことにつきまして、少々御質問をしたいと思います。  最初に、貿易立国としての我が国が、今日の繁栄と経済力を今後とも維持していくとするならば、通産大臣としてどういう視点についてやっていこうとしていらっしゃるのか、まずお尋ねをしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員の御質問は、まさに根本問題でありまして、貿易立国と。我が国は御承知のように、世界の千分の三以下の面積で世界の十分の一の人口を養い、そして世界の一割の生産を上げておるいわゆる一割国家と言われておりますが、そういった非常に厳しいいろいろな条件の中で、経済大国として世界に伍してやっていっておるわけでございまして、そのことを考えてみれば、まさに貿易立国ということは極めて重要な問題でございます。  ただ、九日に示されましたように、ことしの日本の貿易の黒字が余りにも大きいということから、アメリカを初め、EC、ASEAN各国からいろいろな御要望等が出ておるところでございまして、その意味で黒字減らしをしなければならない。それには開放体制をしき、貿易を拡大をする、拡大均衡の方向に持っていかなければならないわけでございまして、輸出を減らして輸出入を均衡させるということではなく、輸入をふやして輸出入を均衡するというのが国の大きな方策だと思います。そして、そのためにはやはり自由開放体制、ニューラウンドの推進ということがやはりこれは現内閣にとっての大きな使命であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 総理は発表の中で、一歩誤れば不況になる、こういうことを申されておるわけでございますけれども、通産大臣として、何をどう誤れば不況になるとお考えになっていらっしゃるのか。それに対しまして、その場合の対応策として、どのように取り組んでいこうとお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) そのお答えについて、私は非常に適切だと思っております前例を一つ申し上げてみたいと思うんです。  今から五十数年前に、日本が世界不況の中へ巻き込まれて、非常な倒産、それからまた大学は出ても就職ができないという苦しい経済恐慌を起こしたことがあります。  このときは、いわゆる輸出拡大でなく、保護貿易ということを世界的にとったわけでございまして、各国がとった保護貿易政策のために、世界の生産は三割、四割落ち、そして輸出入の額もやはり三割、四割を減じたということがありますが、これはまさに私どもは他山の石でありまして、今もし保護貿易政策というものに従えば、このときと同じ世界の縮小再生産の事態を招くのではないか。したがって、保護貿易主義は断固として排さなければならない、拡大均衡でいかなければならない。それと同時に内需を拡大をして、一割国家としての責務を果たさなければならない、こういうことが考えられるのではないかと思います。  したがって、やり方を誤てば大変なことになるというのは、私が申し上げた今の例え詣で考えていただけば御判断がいただけるのではないかと思いますが、敵とすべきは保護貿易政策であります。この保護貿易政策を断固打破して、ニューラウンドを切り開いていくということが、日本やアメリカのように本当に世界の自由主義経済をリードする立場にある国々の政策であるべきだと、こういうふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今回の措置に対して米国政府は一応歓迎ということを表明をしておりますけれども、御承知のとおりに、アメリカの議会あるいはEC、それから東南アジアにおいては余り歓迎されていない。これはもう大臣も受けとめていらっしゃるかと思いますが、このように今回の措置において格差がある。この格差をどう受けとめ、この格差をなくすためにはどのように取り組んでいこうとしていらっしゃるのかお尋ねしたいと思います。  あす、参議院においてはこの問題の本会議がありますから、その本会議でまた改めて質問をいたしますから、きょうはこの本論ではございませんから、冒頭でございますが、その点ひとつ。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) あしたのリハーサルということでも大変結構でございます。非常に大事な問題でございますから心を込めてお答えをしなければならないと思います。  アメリカは、アメリカ政府は非常に今回の措置を高く評価をしておるという、これは新聞記事、ニュース、それから向こうから入ってまいります外務大臣あての書簡、その他いろいろ私ども身近に見していただいておりまして、米国政府の対応は非常にいいと思うんです。  ただ、アメリカ議会は目下休会中でございまして、まだ対応がそれほどわかりませんのですが、ダンフォースさんのような急先鋒で知られておられる方々、アメリカ議会は、政府とはまた違った響きがあるようにも聞いております。  それから、ASEANは、私どもASEANの大臣とよくこちらで会うんです。それから、シンガポールのリー・クアンユー首相には、向こうへ行って親しく相当時間をかけてお会いしましたからよく知っているんですが、日本のやっていくいろいろなODAだとか、それらの施策というものについての正当な評価はしていただいてるんです。ところが、やってしまった後は、あれがよかったということを殊には言ってくれない傾向が多いんでございますね。しかし、内心では大変評価していただいているんではないかと思われる節が時々私あるような気がするんです。これはLDCでございますから、アメリカ、ECなどとは対応がまた別でございますが、これはやっぱり日本がアジアにある国としてできるだけ温かい手を差し伸べて、向こうの要望を聞くということに尽きますし、またかつては日本がアメリカに対してそうでございましたように、これからのASEANというのは、非常にあすの地域でございますから、できるだけの助成をすることが必要だと思います。  ECについては、これも例えば西ドイツとフランスとは対応が違いますが、今回の措置について、アメリカほどは熱烈な意思表現はないというふうに聞いております。しかし、五月二日のサミットに向けて一番大事な時期だと思っておるのでございまして、いろいろな施策を総理の御指示のもとに講じておるところでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ、本論の中小企業倒産防止共済法の改正に関して質問をしたいと思いますが、我が国の中小企業は、事業所数におきましても、また従業員数におきましても大勢を占めまして、今日の我が国を経済大国というところまで押し上げてきた原動力になったと言っても過言でないじゃないかと思うわけでございます。そういう立場から、現在の現状というものはどういう現状になっているのか、厳しい現状であると私は思うのでございますが、そういう意味から現在の景況につきまして最初にお答えをいただきたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 中小企業の現状と申しますのは、我が国経済全体の拡大を背景といたしまして、総体で申し上げれば着実な回復を示してきたということが申し上げられると思うわけでございます。ただ、個人消費及び住宅投資、いわゆる家計部門の需要に大きく中小企業の事業活動が依存しております関係から、やはりその回復状況といいますのも、大企業に比較いたしまして極めて緩やかと言わざるを得ない状況でございますし、特に建設業、小売業といった部門を中心といたしまして、まだ水面上に浮上してない業種も見られるわけでございます。  そういう意味におきましては、なおばらつきを残したままの状況ということが言えるわけでございますが、六十年度の政府見通しにおきます経済環境が形成される過程において、輸出については若干鈍化するものの高水準、また設備投資は技術革新を背景としてなお順調に継続していっているというような事情を考えますと、全体として着実な回復基調をさらにたどっていけるものというふうに私ども見ております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 中小企業の実情については、今全体的には上向きつつあるというお答えであると思うのでございますが、より具体的にちょっとお尋ねしますが、売り上げ、それから企業収益、それから倒産の状況についてちょっと御説明をいただけたらと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 中小企業の売り上げにつきましては、これは若干調査対象が異なる場合にやや違った傾向が見られる点をまずお断りしなくてはいけませんが、一つは売り上げの動向を中小公庫が調べたものがございます。これは、実は三大都市圏周辺でございますので割引をしないといけませんが、この中小公庫の見方、調査によりましても、なおDIで申し上げれば二三・三ということで、売り上げの増大を見込む企業の方が、減少ないし横ばいをたどるであろうという見方をする企業に対しまして、二三ポイント上回っているという状況でございまして、売り上げに関する限り、見方といたしましては、今年一—三月においての中小企業の見方というのはまだ増勢という見方をしているんではなかろうかというふうに思っております。  ただ、同じ時点で商工組合中央金庫のやはりDIを見ますと、これは全体として全国的な地域をカバーいたしておりますが、若干DIの率といいましょうか、増大していくという見方の方が多いことは変わりないわけでございますが、若干弱い数値になっておるというのが実情かと思います。  また、利益動向あるいは景況判断という観点からいたしますと、商工組合中央金庫の三月時点の調査におきましても、依然として景況はフォローだという見方をしておりますのは全体の半数を上回っておりまして、五三・五ポイントということになっております。昨年に入りましてからこの数値は大体五〇を上回る状況を続けておりまして、ことしに入りましてから一、二月、三月とむしろ上向きに転じている面がございます。そういうような見方から、なお中小企業の景況判断というのは将来好転するという見方であろうと思います。  これを裏づけます鉱工業生産の予測をとってみました。三月時点におきます予測によりますと、四月は非常によくなるという企業の数値が出ておりまして、そういう意味で、ここ当面順調に拡大していくという見方をとっておるかと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今御説明をいただいたとおりに、全国的には若干のばらつきがありましても、上昇過程にあるのが実情じゃないかと思いますけれども、そういう過程にありながら、一番の大きな問題点は倒産の状況じゃないかと私は思うわけなのです。  倒産の状況については今余り詳しくお述べになりませんでしたけれども、昨年度は史上最高の倒産を記録しているわけでございまして、こういうような状況を見ますと、まだ中小企業にとっては非常に厳しい状況じゃないかと思うわけなんですが、その原因というものをどのように通産省として受けとめていらっしゃるのかお答えいただきたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 失礼いたしました。  倒産については、御指摘のように五十九年の水準は過去最高という水準でございます。ただ、ことしに入りましてから若干落ちつきが見られるかなという感じで、対前年費で申し上げれば、一月は件数で〇・六ダウン、二月は一三・一%ダウンということで、昨年同月期に比較いたしまして件数が減っておるということで、小康状態を得つつあるのではないかなという見方もできますが、なお高水準であることには変わりございません。  それで、どういうところに原因があるのかということでございますが、やはりいろいろな調査結果を調べてみますと、一番大きいのは、売り上げ不振というのが約四〇%、これを含めまして要するに不況型倒産というふうに類型化できますのが約六割ぐらいあるのは事実でございます。ただ、先ほど来申し上げておりますこの六割の中にも、例えば七%程度は業界全体の不振というような原因を挙げておるのもございまして、言うならば市場の成熟化、それによりまして市場構造が変化している、あるいは全体として伸びが小さくなっていく中で、個々の需要というのはロットが小さく細分化してきている。それに対応できない面が生じているというような、いわゆる構造的な要因と考えられるものが非常に多くなりつつございます。  それを裏返してみますと、例えば企業倒産の中で、五年ぐらい前までは創業後三年ないし五年程度の企業の倒産シェアというのが非常に多かったわけでございます。ところが、昨年に入りまして創業後十年を超える企業の倒産が四三・一%に達しております。通常でございますと、業歴十年を超えれば経営の足腰というのは非常に固まってきているのではないかと見られるわけでございますが、そういった企業の倒産シェアが大きくなっているということを考えますと、やはり市場構造への追随あるいは技術革新成果の取り込みのおくれ、こういうような構造的な側面が色濃く出つつあるのではなかろうかというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、六十年度予算の中小企業対策費の内容について説明をお願いしたいと思います、簡単で結構でございますから。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 六十年度中小企業対策費は、中小企業庁を初めといたしまして、労働省及び大蔵省の中小企業対策費総計で二千百六十二億を計上いたしたわけでございます。これは対前年比で申しますとマイナスの〇・四七%と、ほぼ前年水準を維持できたと考えておるわけでございますが、この内容の重点といたしましたところは、先ほど申し上げました倒産原因の中にも、市場構造の変化あるいは技術革新の進展と、こういった構造変化への対応が即効性ある倒産対策と同時に必要な時期になってきていると申し上げたわけでございますが、そういう意味から、そういった市場構造等への変革に果敢に挑戦をする中小企業を育成するということを主眼といたしまして、技術力の向上、情報化への対応、人材養成ということを中心にいたしまして予算の六十年度編成を行った次第でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私もちょっと予算表を見さしていただきましたところが、全体的な厳しい財政の事情のための影響を受けまして削られている面もございますが、その中で特に産投会計分を除いたならば大幅削減と言ってもいいんじゃないかと、私はそういう見方をしているわけなんです。  ところが、私は冒頭質問いたしまして、るる中小企業の実情、景況というものを御説明いただいたわけなんですけれども、こういう厳しい環境下において中小企業に対する対策をやっていこうとした場合に、このような予算措置の状況でよいだろうかと、私なりにこのような考え方を持っておりますけれども、どのように対処されようとしているのか、そこらあたりちょっとお聞かせいただきたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) たしか私御説明を省略いたしましたが、全体の中小企業対策費を申し上げる中で、六十年度から新たに追加になりました産投会計のを込みにして申し上げた次第でございます。それは、五十九年度まではそれぞれの費目につきまして一般会計で手当てをしてきたわけでございますので、それが産投会計にシフトしたというところから、これを一緒に合計いたしまして申し上げた次第でございます。  確かに、御指摘のように、中小企業の重要性を考えますと、予算は五十八年度はマイナスの二・八、五十九年度はマイナスの五・五ということで、二年連続して大幅な削減を受けてきたわけでございますが、六十年度につきましては、そういった産投会計からの出資等を込みにいたしまして、何とかぎりぎり前年対比で言いますと横ばいを維持できたというふうに考えておるわけでございます。  御承知のように、中小企業対策費の中には、いろいろな多くの項目から成り立っております。私どもは、今日の行政ニーズに即した費目に予算の重点がえをいたしまして、そういった再配置と申しましょうか、編成がえによりまして今日的なニーズに対応できる予算を計上したというふうに考えておりまして、極力そういった重点化によりまして全体厳しい財政下の中で対応してまいりたいというふうに思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 一番大きな問題は、この倒産防止対策ではないかと思うのでございまして、これに対しましては、倒産防止対策貸付制度が五十五年の四月から創設されておるわけでございますけれども、この制度の概要と現在の実績につきまして、簡単で結構でございますから、御説明いただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 御指摘の中小公庫及び国民公庫に五十五年度から設けられました制度、これは関連企業の倒産によって資金繰りに困った企業に対する融資の制度でございまして、通常の融資枠と別枠で一定条件の融資をするものでございます。  実績は、二機関合計で申しますと、五十五年度二百十四億円、五十六年度百六十三億円、五十七年度百三十二億円、五十八年度百三十八億円ということになっております。別々に申しますと、中小公庫の方は増加傾向にありまして、国民公庫の方が減っておりまして、合計で今のようなことになっております。  中小公庫の方はふえておりますのに国民公庫の方が減っている理由は必ずしも明らかではございませんが、金額が国民公庫の方が限度額が小口なための魅力が相対的に薄いというようなことではないかと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今御説明いただいたと思いますが、貸出実績というものが年々減少しつつあるわけなんです。これは数字の上で明確なんですけれども、その原因といいますか、それはどのように受けとめていらっしゃるのか、御説明いただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 今申し上げましたように、中小公庫だけ取り出してみますと、実は年々ふえております。国民公庫の方が減っておりまして、中小公庫は特に五十九年の数字、これは四月から十二月まででございますけれども、一一%、前年同期に対しまして一二%ほどふえておる。国民公庫の方はそれに対しまして八割程度ですから、二割減ぐらいになっておりますが、これは必ずしも明確でございませんが、中小公庫は別枠三千万お貸しできる、国民公庫は別枠が七百万でございます。現在の倒産の規模等に比較しまして七百万というのが使いにくい金額なのではないかなと思います。もちろん全然役に立っていないわけではございませんが、相対的にそういう意味で魅力が少ないのではないかと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、倒産関連特別保証制度の利用実績と、あわせまして、中小企業体質強化資金助成制度の貸付実績と、それから経営安定貸し付けの倒産関連分の実績について、簡単でいいですから御説明いただきたいと思います。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 最初に、まず第一の倒産関連特例保証でございます。これは信用保険法に基づく保証の制度でございまして、三つの内容から成っております。  一つ、私どもこれ一号保証と言っております。法律の二条四項一号にあるものですから一号保証と言っておりますのは、中小企業者の取引先が倒産したために苦境に陥った企業に対して特別の保証をするもの。二つ目は取引先が生産制限、生産を急に落としたりした、例えば森永事件のようなケース、そのために中小企業者が困っている場合の保証の制度、これを二号保証と言っております。それから第三は、いわゆる不況業種に属する中小企業に対して保証を行うもので、これを五号保証と言っております。  それぞれについて実績を申しますと、一号、これは例えばリッカーが倒産した場合の関連企業の保証でございますが、五十五年度が百七十九億、約百八十億でございます。五十六年度が百十八億、五十七年度が八十五億、五十八年度は七十六億五千と減ってきておりまして、五十九年度に入りまして、これは一月までの実績ですが、八十一億五千、前年同期比一三五%、ずっと減ってきましたのが、最近急激にふえておるわけでございます。  それから五号業種、これは不況業種でございますけれども、これの方は五十五年度から毎年減ってきておりまして、五十五年度三百六十五億、五十六年度三百三十三億、五十七年度二百九十九億、五十八年度二百四十八億、五十九年の一月までが百億ということであります。  それから二号案件は森永のような特殊なケースでございますから、金額的にはいずれにしても微々たるものでございます。  以上が倒産関連保証でございます。  御質問の順序が逆になって失礼を申しました。第一に先生おっしゃいましたのは、体質強化の強化資金の助成制度でございますが、これは全国の商工会議所、都道府県の商工会連合会に倒産防止特別相談室というのが設置されておりまして、そこに中小企業の方が相談に見える。この相談の場合には、先ほど申しました保証の場合には、取引先がおかしくなったために困っているわけです。ここに相談に見えるのは必ずしもそういうことに限られませんで、御自分の事業判断の誤りとか、あるいは周りの条件の景気が悪いとか、いかなる理由でもいいんですけれども、お見えになった方について商工調停士がいろいろ相談に乗りまして、そこで緊急に運転資金が必要だと判断して推薦した場合に、国と都道府県が協力して融資を行う制度で、五十六年度に発足したものでございます。  この制度の実績は、五十六年度十三億、五十七年度二十六億、五十八年度二十五億、五十九年度十二月までで二十六億、五十八年度よりふえております。  それからもう一つ、この倒産関係を含みまして、そのほかの経営安定のための要請にもこたえる広い意味の経営安定貸し付け全体でございますが、これで申しますと、五十六年度が三百三十二億、五十七年度が三百五十五億、五十八年度五百十八億、五十九年度は十二月までで二百四十九億となっております。  以上でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今お答えいただいたとおりに、この制度が果たしてきた役割はかなり大きいものがあったかと思います。しかし、現実にこの利用実績というものがそれほど伸びていないように思われます。本年度に入って伸びている分もありますけれども、傾向性というのは伸びてないと、このように思うわけでございますが、今るる中小企業の実態においても説明もいただいたわけでございますが、こういう制度貸し付けというものが中小企業の健全な発展にどう寄与してきたのかというところと、私はこの中小企業の皆さんの考え方も変わってきているのではないかと思うわけでございまして、そういうような中小企業の皆さんの考え方の変化と、こういう制度貸し付けとがどういうふうに関連を持っておるのか、どのように寄与できたのか。それが寄与できたとなれば伸びてきているわけなんですが、伸びてきてないんですから。そこらあたりどのようにお考えになっていらっしゃるのか。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) この数字の評価でございますが、保証につきましては一号と五号と様子が変わりまして、一号はほぼ倒産の増に応じた利用になっているのではないかと思います。  五号の不況業種の方でございますが、これはかつて石油危機の後遺症で非常に不況期にたくさんの不況業種の指定をいたしまして、ピーク時には百三十五業種の指定をいたしておりました。これは五十六年春でございます。その後、もちろん中小企業そんなにいいわけではございませんけれども、順次景気の回復に伴いまして不況業種の指定が減って現在六十三業種になっております。そういう関連で五号の方は減ってきているのではないかと。必ずしも制度が有効に働かなかったということではないのではないかと思っております。  それから体質強化の方でございますが、これは経営安定貸し付け全体で見ますと、これは実は災害等によって、台風とか水害あるいは豪雪、こういったことによりましてピンチに陥った場合の手当てを含んでおりますので、この数字がかなり大きく動きます。最近で、ことしなどは台風がございませんのでかなり低い数字になりつつございます。ですから、そこを除きました狭義の倒産関連で見ますと、五十七、五十八とほぼ横ばいでまいりましたけれども、五十九は、これは決して喜ばしいことではございませんけれどもふえております。  以上総合いたしますと、中小企業者の需要に一〇〇%完全におこたえしているかどうかというのはそれは別といたしまして、本来制度が目指しました趣旨はおおむねこの制度の運用で達成されているのではないか。もっと手厚くという声があるのはそれはわかりますけれども、ほぼそういうふうに評価をしております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、商工会議所また商工会に置かれております倒産防止特別相談室についてお伺いしたいと思いますが、ここの業務内容及び相談実績について御説明をいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 先ほどの計画部長の御説明の中にも出てまいったわけでございますが、倒産防止特別相談室は倒産の危機に直面いたしました中小企業者の相談窓口といたしまして、五十四年度からでございますが、全国の主要商工会議所それから都道府県の商工会連合会に設置されておるものでございます。  ちょっと予算等について御説明させていただきますと、この相談室の予算は、制度が発足いたしました五十四年度七千四百万ばかりで発足したわけでございますが、年々増額されておりまして、六十年度、今年度では二億三百万ということになっております。それから、設置箇所も今年度五カ所ふやしまして、全体で二百六カ所ということになる予定でございます。  この相談室では、先ほどもお話ございましたが、商工調停士が中心になりまして、それに弁護士あるいは公認会計士といったような方が協力いたしまして、参りました中小企業者に対しまして金融上の相談あるいは受注のあっせんとか、場合によりましては事業転換の御相談といったような幅広い倒産防止上の御相談を申し上げているわけでございまして、この御相談の件数も年々増加しております。五十八年度につきましては全国で約四千件に上る相談件数がございまして、そのうち約三分の二はこの相談によりまして、当面の経営上の危機を回避しているという結果が出ておるわけでございまして、倒産防止の上で大きな成果を上げていると、そういうふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今お答えいただいた中で、この予算関係は五十四年当時よりも六十年になって充実をしてきている。特に当初七千四百万円であったのが、六十年には二億三百万円までなっているし、箇所も二百六カ所等でやっておるというような、こういう現在の予算措置が行われておりますし、また相談件数のうちの三分の二がその相談を解決してあげることができたというような役割を果たしていらっしゃると思います。  こういう実績とともに、その相談室におきます商工調停士という立場の人がいらっしゃいますけれども、この人の役割というものはどのようになっているのか、あわせてその構成はどうなっているのか、またその選任はどうされているのか。こういう人々を含めてこういう零細な企業の皆さんたちに対する役割というものを現在果たしていらっしゃるけれども、今も簡単な説明がありましたけれども、役割を果たし切れているのかどうかという、そこらあたりまとめてもう一回お答えいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 今御説明いたしましたとおり、この商工調停士は、この相談室におきます相談指導全体の統括をしているわけでございます。相談事業の中核的な担い手でございまして、現在全国に約六百人がおるわけでございます。  どういう人が選ばれているかということでございますけれども、これはそれぞれの地元の商工団体の役員あるいは金融業務経験者といったような方の中から、その地域の中小企業の実情に通暁しておられまして、また地元の中小企業を初めといたします関係者の信望があるという方を選任しているわけでございます。手続的には都道府県知事と中小企業庁長官に協議していただきまして、その設置されます商工会議所の会頭あるいは県の商工会連合会の会長、これが委嘱をしているわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 村田大臣、私が今いろんな制度のことを、実情というものをずっと尋ねてきたんです。これはなぜこのように尋ねたかといいますと、さまざまな諸制度があるにもかかわらず、利用状況というものが十分とは言えないというこの実態を、今私はお答えによって示したわけなんです。  だからそういう実態を考えたときに、一つには、このような各制度が重複している部分がかなりあります。そういうところがお互いに利用を妨げる場合が出ているのではないかと、私はそのように思えてなりません。そういう意味から、今諸制度を私申し上げましたけれども、一度これを整理統合する、また、より効率的な制度また活用が考えられないだろうかと、このように思うためにいろいろお聞きしたわけでございます。  もう一つは、この制度が活用されないというのは、PRの問題があるのではないかと思うわけなんです。そういう意味から、利用者への周知徹底をいかに行っていくかという、そこらあたりも考えていかなくては、せっかくのこういう多くの予算をつけた措置が生かされないと思うんですけれども、そこらあたり大臣、いかがでございますか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 中小企業の倒産防止対策といたしましては、中小企業倒産防止共済制度を初めといたしまして、倒産防止特別相談事業でございますとかあるいは倒産対策貸付等、各般の施策を実施をしておるところでございます。  政府としては、このような各般の施策をより多くの中小企業の方々が活用できますように、政府公報でございますとかいろいろな手段を通じまして、各種広報媒体を通して普及広報活動、関係機関へのパンフレットの常備などを行うことによって、機会あるごとに積極的なPRを行っております。  今後ともこうした施策の充実に努めてまいる所存でございまして、何と申しましても、中小企業は我が国の企業の多くの部分を占めており、また中小企業に働いておられる方々、その家族の方々を含めれば、国民全般であると言ってもいいような環境でございますので、こうした問題についてのPRはしっかりとやっていきたいと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、小規模の企業向けの施策についてお尋ねをしたいと思います。  小企業等の経営改善資金融資制度並びに設備近代化資金貸付制度の利用状況をまず御説明をいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) まず第一の、いわゆるマル経資金と言われておるものでございます、小企業等経営改善資金と言っておりますが、これの五十九年度上半期の実績を見ますと、貸付件数が約七万九千件ということで、前年度に比べまして約九%減っております。それから、貸付金額は千七百九十五億円ということでございまして、これも前年同期に対比いたしますと八%の減というような状態で、伸び悩みの状態を示しているわけでございます。この貸付実績が伸び悩んでいる原因でございますけれども、基本的には先ほど長官からも御説明いたしましたが、小零細企業におきます景気回復の立ちおくれといったようなものが基本にあるのではないかと見ているわけでございます。  本制度につきましては、今年度、例えば運転資金の枠を、従来は三百五十万だったわけでございますが、これを四百万に改善するといったような制度の内容改善もいたしておるわけでございますし、さらに、これも先ほど長官御説明いたしましたように、今年度につきまして、中小企業、小規模企業含めまして、やはり景気は徐々にではございますけれども回復傾向をたどるであろうと思われますので、この制度がよりよく利用されるようにということを期待しているわけでございますし、また私たちもそういうふうに努めてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。  それから、もう一つの設備近代化資金の貸付制度でございます。これにつきましては、五十八年度の実績で見ますと、前年度比二%増の三百九十四億という貸し付けが行われております。五十九年度についてはまだ実績が出ておりませんけれども、私たちの見通しでは、五十八年度の実績を上回る貸し付けが見込まれるのではないかと思っております。  それから、この設備近代化資金に関連いたします制度といたしまして、設備貸与制度というのがあるわけでございますけれども、これについても申し述べますと、五十八年度実績で前年度比八%増ということで、これは相当伸びておるわけでございまして、金額的には三百八十五億の貸与が行われております。これにつきましても、五十九年度、まだ数字は出ておりませんが、五十八年度を上回る利用が見込まれておるということでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、利用状況の御説明をいただいたわけでございますが、現実面に目を転じてみますと、中小企業、その中でも特に小規模零細企業におきましては、不当値引きであるとかあるいは御承知のとおりに手形サイトの長期化あるいは原材料の押しつけ、また支払いに現金決済を強要されるなどいたしまして、現実面では多くの問題があります。その金融環境には厳しいものがあるのは御承知のとおりだと思いますが、そういう意味から現在の金融上のまたその他の諸施策が、今私も質問しておりますけれども、十分有効に機能しているとお考えになるのかどうか。  あわせて、今も私現実面という問題でお話し申し上げました下請の取引をめぐる問題についてはどう考えていらっしゃるのか、どのような対策を打っていくのか。この点、特に小規模零細企業のためにお答えいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 先生の御質問の中で、まず今私が御説明いたしましたマル経資金あるいは設備近代化資金、設備貸与、こういったようなものがどういった効果を果たしてきたかということを御説明させていただきたいと思います。  まず、マル経資金でございますけれども、これは昭和四十八年に創設された制度でございまして、以来約十年間でございますが、五十八年度末までに延べ二百十五万人を超える小企業者等に対しまして、全体で三兆四千億の運転資金、設備資金の貸し付けが行われているわけでございます。  それから設備近代化資金貸付でございますけれども、これは信用力や資金調達力が乏しくて設備の近代化が困難な小規模企業に対しまして、近代的な設備の導入を図るために設けられた制度でございます。昭和三十一年に設けられております。  それから設備貸与につきましても、目的は同趣旨でございますが、これは昭和四十一年度から創設されておるわけでございますけれども、この両者を足しました設備の総額は、一兆五千億ということになっておるわけでございます。特に設備近代化資金あるいは貸与につきましては、対象になる設備を毎年度見直すということで、そのときそのときの企業のニーズを踏まえた新鋭設備の導入がこの制度によって図られているというふうに考えておるわけでございまして、両制度とも、これまで小規模企業の経営改善あるいは設備の近代化というものに大きく貢献したというふうに考えておるわけでございます。  今後とも制度の一層の充実を図ってまいりたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次にお尋ねいたしますことは、中小企業庁あるいは各通産局に置かれている小規模企業指導官のことでございますが、私いただきましたこの資料によりますと、この指導官の人員が二十二名、予算は約七千万円ということでございますけれども、私はこれだけの陣容で果たして目的達成ができるのであるだろうか。業務内容も相談等の処理とか、現地相談だとか、こういうような内容になっておるけれども、ちょっと少ないのではなかろうか、これでどれだけの効果が上げられるのかという、そこらあたりを思うんですけれども、通産省としてのお考えはいかがでございましょうか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 政府といたしましては、小規模企業に対します相談指導窓口というのは、一次的には各地の商工会あるいはその商工会議所に置かれております経営指導員が行っておるわけでございます。先生御案内かと思いますけれども、全国的に見ますと、この経営指導員は約八千五百人、補助員を加えますと一万二千名以上の指導員が全国に配置されておりまして、この方々が日々小規模企業を対象にいたしまして、その地域の実情に密着いたしました相談指導を行っておるわけでございます。  先生おっしゃいました中小企業庁、それから地方の通産局に置かれておりますこの小規模企業の指導官でございますけれども、全体で先生御指摘のとおり二十二名ということでございますが、これはより専門的な相談指導を行うということで、四十九年から配置をされておるわけでございまして、先ほど申し上げました商工会あるいは商工会議所に置かれております経営指導員と十分連携をとりながら、小規模企業の経営指導を行っておるというのが実態でございます。  実際には小規模企業指導官と経営指導員連絡会議を設けまして、適切な助言を行うといったようなことをやりましたり、それから現地に出かけまして、そこで両者一体になりまして相談指導の窓口を開くとかいうような形で、この小規模企業指導官も全国の小規模企業者の生の声を聞きながら、適切な相談指導を行えるようにということでやっておるわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、改正案の中身についてお尋ねをしたいと思いますけれども、最初に、倒産防止共済制度の利用状況及び加入状況について、簡単で結構でございますから、御説明いただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 先ほど来、倒産関連の制度の利用状況の御報告を申し上げたわけでございますけれども、この倒産防止共済制度は、大変最近は利用されておるわけでございます。  まず、本制度への加入者でございますが、ことしの二月までの実績が出ておりますけれども八万九千四百九十九件ということでございまして、約九万件ということでございます。  実はこの加入の取り扱い窓口に、五十八年度からそれまでの中小企業団体に加えまして、金融機関を加えたということによりまして、特に五十八年度から加入がふえております。五十八年度は一万五千六百件、前年に比べまして五二%増の加入がございました。また五十九年度に入りましてからも、これも二日現在の数字でございますが、一万八千三百四十六件ということでございまして、これも前年同月比三六%増となっておるわけでございます。恐らくあと一月ございますので、五十九年度の加入者は二万件の大台に乗るのではないかというふうに推測しているわけでございます。  それから一方、貸し付けでございますけれども、最近倒産が多発しているというようなことを背景にいたしまして、件数、金額とも年々伸びておりまして、最近で申し上げますと、昭和五十八年度貸付件数が全体で七千六百十四件、貸付金額が三百五十四億円、それから五十九年度につきましても、これも二月現在でございますが、八千七百三十八件に対しまして、四百二十七億円の貸し付けを行っておるわけでございます。制度が発足いたしましてからことしの二月末までの共済金貸付件数の累計を申し上げますと、全体で三万二千九百七十二件、約三万三千件、貸付累計額は千四百七十六億円に上っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今状況の御説明をいただいたわけでございますけれども、五十八年、五十九年度においては一万五千、一万八千台という数字が出ておりますけれども、発足当時から大体年間一万台の推移ということで、一応ふえておるという御説明であったわけでございますが、御承知のとおりに、五十五年の改正の折に、当委員会におきまして、「本共済制度の趣旨の周知徹底を図るとともに、加入促進運動を積極的に推進すること。」という附帯決議がなされたわけでございますが、前年度よりも今おっしゃった部分のところはふえておりますけれども、私はその程度のふえ方の附帯決議ではなかったかと思いますけれども、この受けとめ方はどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 先生御指摘のとおり、前回、昭和五十五年に本法の改正がありましたときに、附帯決議で加入の促進に努めることという決議をいただいておるわけでございます。私たち、その附帯決議を受けまして、中小企業庁、中小企業事業団が連携をとりながら毎年度加入促進計画をつくりまして、できるだけその加入をふやすということで、促進活動をやってまいっておるわけでございます。ただ、残念ながら先生おっしゃいましたとおり、五十七年度までは平均いたしますと年間一万件ぐらいの加入しかなかったというのも事実でございます。  そこで先ほどちょっと申し上げましたが、五十八年度に加入取り扱い窓口に金融機関を追加したわけでございます。それまでの中小企業関係団体の窓口は延べで全体が約四千ぐらいだったわけでございますけれども、金融機関を追加いたしますことによりまして、それに加えましてさらに店舗の数で二万二千を超える窓口に広がったということでございまして、その効果が先ほど私が申し上げましたようなところに出ておるということでございます。  といいましても、もちろん私たちこれで十分だと思っておるわけではございません。今後につきましては、最近の増加傾向に加えまして、現在御審議いただいております本制度の内容改善によりまして、より中小企業者が利用しやすくなる、あるいは加入しやすくなるということを期待しておるわけでございまして、当面、六十年度につきましては約二万五千件程度、六十一年度には三万件程度の加入を期待したいということでございます。これも単に期待するというだけではなくて、従来PRあるいは加入促進運動をいろいろやってまいったわけでございますけれども、今後も引き続き努力をいたしまして、制度の基盤を強化してまいりたい、そう存じておる次第でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 現在のところでは微増というのが実態ではないかと思うのでございますが、それと反対に本共済会から脱退する人がふえているんですね。私のいただいた資料で見ますと、五十三年のところから、五十三年四十四、五十四年が二百四十六、五十五年が五百十、五十六年が千二十八、五十七年が千六百八、五十八年が二千五百二十二と、率にしまして五十三年〇・五%、五十八年に至っては四・三%という、こういうような、言うなればだんだんとこれも高い数字が出てきておるわけでございまして、今も申すとおりに、目標は三万に置き、基盤も充実していくんだとおっしゃる中にあって、このような脱退件数がふえてきている、これはやっぱり真摯に受けとめて対応策を講じていかねばならないと思いますけれども、ここらあたりいかがでございますか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 先生御指摘のとおりでございまして、加入者もふえているわけでございますが、脱退者もそれ以上にふえておるということでございます。  その理由でございますけれども、大きな理由の一つといたしまして、契約者が一時的に資金が必要になるというような場合があるわけでございますが、現在この制度の掛金は、取引先が倒産した、それによって被害を受けるということが共済事由になっておりまして、それ以外の理由では、掛金を崩すことができないわけでございます。それで、どうしても資金に詰まって掛金を事業資金に使いたいというような方は、やむなくこの本制度を脱退するといったようなことが起こっておるわけでございます。こういうことで、せっかく掛金を積んでこられましたものが途中で脱退されてしまうということでは、その方の倒産防止にも役立ちませんし、それから制度全体のやはり円滑な運営といった観点からも問題があるわけでございます。  それで、今般、改正案といたしまして、こういった事情での解約を防止する、さらにこの掛金も固定化しないで必要なときには使えるということで、一方では加入の促進も図れるんではないかということで、解約手当金の範囲内でございますけれども、簡易迅速な貸し付けを行う一時貸付金制度を設けるという提案をさしていただいているわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いろいろ努力していらっしゃることは私も認めるところでございますが、その努力が実るようにしていかなくちゃならないと思うのでございまして、一つの具体的な問題を取り上げますと、この共済制度の事業団のパンフレットを見ますと、御承知のとおりに、制度の特色といたしまして、無担保、無保証人、無利子、こういう見出しをつけていらっしゃるわけなんですね。そしてその後段にただし書きが書いてございまして、十一条二項の部分的な掛金の権利の消滅を説明してあるわけでございますが、こういうやり方、表現というものは、素人にはなかなかわかりにくい面があるんじゃないかと思うわけなんです。  そういうわけで、団体中央会などの窓口では現実にトラブルが起きているわけなんです。そういうわけで、トラブルを起こさないために独自のパンフレットを出したものにつきましては、利率換算、年三・八四%と明記されておるわけでございまして、これはこの姿勢というものが正しいのではないかと思うわけでございまして、やはりわかりやすいように、そして納得させるようなそういう制度でなければ、見出しに、無担保、無保証人、無利子と書いてあったら、もうその単語を並べられたそのままを信じてしまう、そういうところがこの制度をかえって誤解さすようなことにもなりかねないと思います。これ具体面からの指摘でありますけれども、こういう促進しやすいように、三万件を目標にという今お話がありましたけれども、達成のためにも考える必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 確かにそういった誤解を招きやすい側面があろうかと思います。  共済金を一たん利用して貸付金を受けました場合に、共済掛金者相互間の公平性という御点からも、そういった措置をとらざるを得ない面もございますし、またいろいろな、十倍にわたります貸し付けを行うということからいたしましても、全体の収支相償を考えていきます場合に必要やむを得ない措置であろうと考えております。ただ、御指摘のような誤解を招くおそれが非常にあるわけでございますので、その辺今後PRにおいて工夫をしてまいりたいというふうに思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、倒産防止共済法施行規則の三十七条三項に規定してあります加入促進協議会について御説明いただきたいと思います。それと同時に、構成員はどうなっているのか、選任はどのようにするのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 正式の名称は、中小企業倒産防止共済制度加入促進協議会とこう申しておりますけれども、これは中小企業事業団が、中小企業倒産防止共済制度の加入促進計画を策定するに当たりまして、中小企業団体それから金融機関などから意見を聞くことを目的として設けられているものでございます。  現在どういうメンバーかということでございますが、一つは中小企業団体の代表でございまして、具体的には日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、以上三団体の部長クラスの者でございます。それから金融機関の関係でございますけれども、これも全銀協を初めといたします主な金融機関の団体の代表が六人でございます。それから、それ以外は地方自治体の関係ということでございますけれども、全国知事会の事務局の方がお入りになっておるわけでございます。  毎年この協議会でその年度、年度の加入促進計画を策定いたしまして、それに基づきまして中小企業団体、金融機関、あるいは都道府県といったような自治体は、制度説明会の開催、あるいは特別加入促進運動の実施といったようなことをやっていただきまして、中小企業事業団と密接な連携をとりながら積極的な加入促進を行っているところでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 協議会の掲げた加入の目標でございますけれども、さっきから私るる御質問して指摘しておりますけれども、これは有効に働いているとは思えないのではないかと思うわけでございまして、そういう意味から、今回の法改正によりましてどのような効果を期待していらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 今回の改正に伴いまして、計量的にどれだけその効果が出てくるのかというのを出すのはなかなか難しいわけでございますが、定性的に申し上げますと、今回の改正の内容は、中小企業者から要望があったものを受けて改正を行っておるわけでございます。したがいまして、中小企業者にとりましてはより魅力のある、利用しやすい制度になるというふうに考えておるわけでございまして、先ほど申し上げました加入取り扱い窓口の拡大の効果ともあわせまして、加入者もふえ、制度によい効果を与えるものというふうに考えておるわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今も中小企業の業者の皆様からの要望があった面を改正をしているというお答えでございましたが、この改正作業段階でもそういう要望があったことを、どのように今回のこの改正に生かされてあるのか、そこらあたりを明確にお答えいただきたいと同時に、今回の改正の目玉であります一時貸付金創設の意図は何であったのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 今回の制度改善に当たりまして、その前提といたしまして、私たちは関係の中小企業者にアンケート調査等いたしまして要望を聞いております。さらに、商工会、商工会議所といったような中小企業関係の団体の意見も聞いておるわけでございますし、さらに昨年には、中小企業政策審議会の中に、共済制度小委員会というのがございますけれども、そこにお諮りをいたしまして、そこの御意見も伺って、今度の改善の内容を決めたわけでございます。  どういう要請があったのかということでございますが、大きくは三点でございます。  第一は、最近の中小企業の売掛金債権の回収困難額が大型化しているということでございまして、それに対応いたしまして共済金の貸付額を大幅に引き上げてほしいというのが第一点でございます。  それから二番目は、この制度に加入いたしまして、速やかに被害への対応が図れるように掛金の早期積み立てをしたいというのが第二の要望でございます。  それから三番目は、先ほども申し上げましたけれども、現行制度では、解約しない限り途中で掛金を引き出すことができないという点が、本制度の魅力を失わせる大きな理由になっておるわけでございまして、これが何とかならないかというのが三番目でございます。  今回の改定は、以上の三点に対しまして改善をするというのが基本になっているわけでございます。  まず第一の、共済金貸付限度額の大幅引き上げでございますけれども、現行二千百万円でございますが、これを三千二百万円まで、約五割増しのアップをいたしたいと思っておるわけでございます。  それから、先ほど、できるだけ早期に積み上げたいという点につきましては、現行掛金月額の最高限度が五万円でございますけれども、これを八万円までにいたしたいと思っておるわけでございます。これでございますと、従来は毎月五万円掛けてまいりますと、満額二千百万円までは四十二カ月かかったわけでございますが、今後は三千二百万円まで引き上げるわけでございますけれども、月額の掛金限度を八方円まで引き上げますので、八万円ずつ積み上げていただきますと、四十カ月で三千二百万借りられる権利が出てくるということになるわけでございます。  それから三番目は、先ほども申し上げましたが、契約者に対します貸付制度を創設するというのが今度の制度改正の主たる内容になっておるわけでございます。  それで、この三番目の一時貸付金制度を設けた趣旨でございますけれども、これは先ほど申し上げましたが、要するに加入者がふえているわけでございますが、一時的に手元資金が必要になったというような事情で、やむなく途中で解約される方がふえているということが第一。それから、二番目は、本制度に入るかどうかという決断をされるときに、掛金が共済事由が発生しない限り固定化してしまうということが、やはり一つ中小企業者が本制度加入へ踏み切るところの障害になっているということでございますので、こういった点を考えまして、解約の防止あるいは加入の促進を図るという観点から、契約者に対しまして簡易迅速に貸し付けを行える貸付制度を設けるということにしたわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、いろいろ業者からの要望を、三点に分けてお答えをいただきましたけれども、特に三番目の件でございますけれども、これが問題の「臨時に事業資金を必要とするとき」と、このように掲げてありますけれども、この条件の設定につきましては、今御答弁あったとおりに、一時貸し付けという緊急の必要性にかんがみて、広く解釈するのが妥当ではないかと思うんです。ここらあたりが、そういう小規模零細の皆さんたちは、事業資金なのか生活資金なのか、立て分けができないのが実情じゃないかと思うんです、これは正直に申し上げまして。だから、これはこうだと決めるわけにいかない面が多々あるわけなんです。そういう点を広く解釈するというところあたり、特に御承知のとおりに、衆議院段階で、もう既に附帯決議がつけられておりまして、やはりそういう面から十分に運用をしていかねばならぬと思うんですけれども、特にそのところあたりはいかがなものでしょうか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 今回創設したいと思っております一時貸付金でございますけれども、これは共済契約者がいろいろな不測の事態に直面いたしまして、一時的に資金需要が出たという場合に貸し付けたいと思っておるわけでございます。  不測の事態というのはいろいろなケースが考えられるわけでございますけれども、急に売り上げが減ってしまったとか、あるいは生産費が急にふえてしまったとか、例えば原材料の値段が非常に上がって、急に資金手当てが必要になるとか、あるいは災害事故に遭って出費がふえるとか、いろいろケースは考えられるわけでございますが、先生御指摘のとおり、小規模企業の場合には事業と家計がなかなかはっきり区分できないという点もあろうかと思います。したがいまして私たちは、遊興資金みたいなものは別にいたしまして、やはり事業資金ではありますけれども、できるだけこの貸付事由は幅広く弾力的に考えていきたい、そういうふうに思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そこで、一時貸し付けの金利についてどの程度になるのか、これもまた今御答弁ありましたとおりに、零細小規模の皆さんたちでございますから、その性格からしまして、できる限り低利に設定すべきであると思いますけれども、考えを聞かしていただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 私たちも一時貸付金の貸付金利につきましては、利用者ができるだけ利用しやすいようにということで考えていきたいと思いますが、ただやはり基本は、この貸し付けに要する経費というものを考えなければいけないわけでございます。  具体的には何かと申しますと、やはり貸付原資のコスト、これが中心になるわけでございますが、それに若干の事務的なコストも付加されるかと思います。したがいまして、そういうものを勘案いたしまして、制度が発足する時点で具体的な金利水準を決めていきたいと考えているわけでございますけれども、現時点であえて申しますと、七%程度かというふうに見込んでおるわけでございます。具体的には、制度発足時点で決めてまいりたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 貸し出しの手続についてお尋ねいたしますけれども、簡易迅速な貸し付け、このように規定してあるわけでございますけれども、どのくらいの期間になるのか。現在はかなり長い期間になっているわけなんですね。二週間以上になっているのが現状じゃないかと思いますけれども、こういう意味から、この期間の問題について、これは努力が必要だと思いますけれども、それもあわせてどのくらいとお考えになっていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 今回の一時貸付金でございますけれども、これは本体となります共済金の貸し付けがあるかないか、ある場合にはその金額がどうかといったようなことにも影響されますので、したがいまして、どうしても中小企業事業団の審査といいますか、チェックが必要でございます。現在、本来の共済金の貸し付けにつきましては、事業団の窓口に借り入れ申し込みがございましてから契約者の口座に入金いたしますまでに約二週間程度かかっているわけでございますが、今度設けます一時貸付金につきましても、やはりその程度の時間は当面かからざるを得ないかと考えております。  ただ私、今二週間と申し上げましたけれども、短いケースでは一週間程度で貸しておるわけでございます。いずれにいたしましても、この制度本来の趣旨からいきますと、一日も早くやはり契約者に貸し付けることが必要でございますので、中小企業庁といたしましては、中小企業事業団を指導いたしまして、この貸し付けの期間をできるだけ今後とも短縮するように努力していきたい、そういうふうに存じております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、二週間ぐらいと。事務的にお聞きいたしますとそういう数字が出てくるかと思いますけれども、コンピューター処理に手間取るとも聞いておりますけれども、オンライン処理によりますこういうようなことを検討をしていただくならば、もうちょっと何とか短縮できないだろうか、短縮することがサービス向上にもつなかるんじゃないかと思うんです。  私は、手元に、受け付けから郵送期間までの間どのくらいかかるかという資料をいただいておりますけれども、これは検討の余地があると私は思うわけなんですけれども、私自身が実務者ではありませんから、そういうサービス向上につながるためにもと思いますけれども、もう一度お尋ねいたしますがどうでしょうか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 伺うところによりますと、中小企業事業団では、現在電算機を新鋭機に切りかえをされるというふうに伺っておりますので、その中で本件がどういうふうに扱われていくかというのが一つあろうかと思います。  先生が今おっしゃいましたオンライン化というお話でございますが、これは関係窓口が非常に多いものですから、今早急にオンラインを実現するというのはちょっと難しいかと、将来の課題としてはあり得るかと思いますけれども。そういったところが実態ではないかと思います。  ただ、くどいようでございますが、先ほど申し上げましたように、できるだけ電算機も含めまして、事務処理面で審査期間を短縮できるような努力をしていきたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 前回五十五年の改正で盛り込まれました完済手当金の現状というものを、どうなっておるのか、まず簡単に御説明いただきたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 五十五年の改正で設けていただきました完済手当金でございますが、これは本事業の長期の収支見通しを立てまして、長期的に見ても剰余金が出てくるという見通しが立ったときに、共済金の完済者に手当金という形で、先ほど来ちょっと問題になっておりますその十分の一の権利がなくなるという点でございますが、それを補てんするという趣旨でつくっていただいた制度でございます。  完済者が五十八年度から出てまいりますので、私たち五十八年度から完済手当金がお払いできるかどうかという長期の収支見通しを立てておるわけでございますけれども、最近の情勢では、倒産が非常に高水準で、先ほど私が申し上げましたように、貸付額が非常にといいますか、予想以上にふえておる。一方加入につきましては、最近伸びておりますけれども、まだまだ十分ではないということもございまして、非常に残念ではございますけれども、現状におきまして共済収支が好転をしておりませんで、完済手当金の支給を行えるという状態には至っていないというのが現状でございます。  ただ、今後できるだけ早くやはり完済手当金の支給が可能になるようにしなければいけない、これはやはり私たちに課せられた大きな責務であろうというふうに思っておるわけでございますが、基本はやはり加入者をふやしまして、この制度の基盤を強化するということが必要でございますので、引き続き制度の普及、加入の促進に努めまして、できるだけ早く完済手当金がお払いできるようにしたいというふうに思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今の御説明ではちょっとこれは物足りない感じがしてなりません。このままの現状でいくならば死文化しつつあるのではないかと思うわけなんです。  それと、御承知のとおりに五十五年度にはこういう答弁がされておるんですね。ちょっと読んでみますと、「今後制度改善に伴う共済事由発生率の低下が予想され、また制度改善に伴いまして加入者等がふえてくると思われますので、五十八年度におきましては余裕財源が生じまして完済手当金の支給が可能となることを期待しているわけでございます。」と、こういうような御答弁があったけれども、今るる御説明があったような事情もあったかと思いますけれども、これは見通しが甘かったのではないかと思うんですけれども、この点は、ここで明確にこれだけ答弁なさっていらっしゃいますものですから、いかがでしょうか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 確かに御指摘の、五十八年度におきます一つの努力目標として考えていったわけでございますが、数字で簡単に御説明いたしますと、当初は倒産貸し付けの事故発生といいますか、共済貸し付けが大体全体の五%程度であろうという見通しを立てたわけでございます。ところが、最近の水準はほぼ八%ということになっておりまして、大きく倒産の発生が高水準な関係から、共済貸付金の比率が非常に高まってきているというのが一つございます。  それからもう一点は、貸し付けました共済金につきましての完済のめどでございますが、貸し倒れと申しますか、この事故は大体五%ぐらいであろう、九五%回収できるであろうというふうに見込んでおりましたところが、逆にこれが九二%というのが今回収の実態でございます。したがいまして、全体としましては加入の促進を図ってそのベースを高めなくてはいけませんが、今の運用でまいりますと、当初想定いたしましたフレームワークより相当狂ってしまっているのが実態でございます。  そういう意味におきまして、これは景気対策全般との絡みにもなるわけでございますが、しかし本制度の改善のためには一義的にも加入を促進していくということが大事でございますので、そういった側面からの努力を傾注いたしまして、単に紙にかいたもちだということにならないように今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 時間が参りましたから最後の質問です。  これは村田通産大臣にお願いしたいと思いますが、今もるる申し上げてまいりましたとおりに、掛金、貸付限度額につきましては、二十二条に規定されているように、五年ごとの改正時点で見直されてきたわけでございますけれども、今後さらに加入率が低いなどの状態が継続していくようなことがありますならば、五年と言わずに、期限内にあっても見直しをしていくべきではないか、私はこのように思うわけなんです。  つけ加えて言いますと、そのような事態の起こらぬよう、例えば優良な加入者にとりましては魅力のあるような制度運用を検討するなどいたしまして、加入促進に努力をしていかなくてはならないし、あわせてこの中小企業の活力を一〇〇%生かすような施策の充実を推進すべきではないでしょうか。この制度そのものの趣旨というものは立派な趣旨でありますけれども、優良加入者にとっては魅力がないわけなんです。そこまで育ったと言えばそうですけれども、優良加入者にとっても魅力のあるものにしていかなければ、いまさっきから私は努力目標の数字等も聞いてまいりましたけれども、それも達成できないのじゃないかと思いますが、最後にまとめての質問ですけれどもお答えいただきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 田代委員にお答え申し上げます。  先ほど来の御質問承っておりまして、私の方から取りまとめてお答えをしたいと思いますが、今回の改正案においては、制度の魅力を高め、一層の加入促進を図るという観点から、共済金貸付限度額の大幅引き上げを行うとともに、優良企業への加入メリットにも配慮して、新たに一時貸付金制度を設けることとしております。今後とも本制度については制度の運用実績などを勘案しながら、必要に応じ種々の制度改善を行うなど、機動的な制度運営に努めてまいりたいと存じます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、今国会の本委員会において村田通産大臣に質問の機会を得るたびごとに、いわゆる市場開放問題について、例えば合板を含む木材関係の関税引き下げなどをめぐって、日本の産業を守るという立場から、特に中小企業を守るという立場から再三その所信をただしてまいりました。特におとついは市場開放策の発表に当たって、中小企業にその犠牲を及ぼすことのないようにということを強く主張もいたしましたし、大臣も絶対にそのようなことにしない、こうお答えになって、私は刮目して注目していると、こういうことを申し上げました。ところが、発表されましたものは結局アメリカの言いなりになったものだと、中曽根総理自身が国民に痛みと迷惑をかけるというふうに認めておられるような内容になっていると言わざるを得ぬのであります。しかしこの問題は、明日は本院の本会議での緊急質問で同僚の田代委員も、また井上委員も、及び私も立つことになっておりますので、主要には明日の本会議に譲ることにして、通産行政にかかわって一、二問だけお伺いしたいんであります。  その一つは、今度の開放策の効果といいますかメリットといいますか、貿易黒字削減に疑問視する見解が広くあります。一般新聞もいろいろ述べております。そこで、どれくらいいわば黒字がこれで減らせるのかという点は大臣どういうふうに見ていらっしゃいましょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 黒字減少ということについて、今回の施策で直ちにどれだけ減るかという試算は大変難しいんでございます。市川委員御指摘になりましたように、総理としては九日、現在の貿易をめぐるいろいろな問題を解消するためにまさに精魂を尽くしてあの案をまとめられ、発表されました。我々も参画をいたしております。そういった中で、ひとつ日本の対外黒字が非常に莫大になっていることから対外摩擦を生じておる、この際はそれを少なくしなければならないということでありますが、その少なくする仕方というのは、先ほど田代委員にもお答えを申し上げたのでございますが、輸出を減らすということではなくて、輸入を拡大するということである。輸入拡大については、私どももその重要な一環として輸入拡大方策をいろいろ考えておりますし、そしてまた、例えば輸出の非常に大きな企業について、私が個々に輸入の面についてもぜひ協力をしてくださいという協力をお願い申し上げるとか、あるいは国民全体に対するPRをいろいろな機会にやっていくとか、そういった精神的な面も含めて、貿易黒字の解消を輸入の拡大及び内需の振興ということで図っていくのでございまして、この何カ月以内に何百億ドルということを試算を申し上げることが現在の段階では困難でございますが、しかし、誠心誠意これに対応して、できるだけ効果があらわれるように努力をしていきたい、こういう気持ちでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 新聞報道によると、どなたがおっしゃったかは知りませんけれども、通産省の首脳が、せいぜい数十億ドル程度だという数字も挙げていらっしゃる。だれが言うたんやなんて、そんなことはきょうはお聞きするつもりはないんですが、今お伺いすると、大臣が精神的なことも含め誠心誠意と、まるでプラトニックな措置のようにおっしゃるわけですが、確かにそうだと思うんです、私。中曽根総理御自身が 六日の自民党の最高顧問会議で、ドル高の問題もあって数字的に急激に効果があらわれることは期待できないというふうに、その点では極めて正直におっしゃっているわけですね。しかし一方では、その面は非常にプラトニックなんだと。しかし、日本の国内産業、特に中小企業にとってはその及ぼす影響、与える打撃というものは深刻かつ僕は重大だと思うんです。それは先日取り上げました木材、合板を含む木材関係がそうであります。  そこで、お伺いしますが、新聞報道によりますと、各省庁は今度のこの方針に基づいて対応策づくりを進めていると。通産省も鉱工業製品の「関税撤廃、引き下げに向けて積極的に取り組む意向」だと、こう伝えられております。大臣も、今大事なことは輸入の拡大だと、こうおっしゃっているんですが、その際に報道によりますと、「雑貨や日用品などは難しい品目もある」云々と、通産省の首脳が語ったと伝えられておりますが、雑貨や日用品までこれは広げられるということなんでしょうか。読売の四月十日付の二面であります。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 輸入拡大策について、例えば関税の引き下げでございますとか、市場参入の機会の拡大でございますとか、いろいろの分野にわたって考えておるわけでございますが、まだ全体についての品目が決定をしているわけではございません。ただ、非常にいろいろ議論になりましたのは、針葉樹及び広葉樹を通ずる合板などの関税引き下げに伴う影響というような問題についてはいろいろ議論になりましたが、雑貨その他の問題はこれからの検討課題だと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これから雑貨や日用品に踏み込むということなんですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 踏み込むかどうかも含めてこれからの検討課題だと、こういうことでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私、これをもし踏み込めば、もう御承知のように、雑貨や日用品というのは圧倒的といいますか、もうそのすべてがといっていいほど中小企業、零細企業の分野でであります。もしそういうことになると、事はもう本当に重大な事態を招くと思いますので、この点は今後の対応を見ながら、また明日の本会議等々で、再度またいろいろお伺いする機会を得たいと、こう願っておるところであります。  きょうの主題であります中小企業倒産防止共済法の一部改正について論点を進めさせていただきたいと思います。  私は、この法律が第九十一国会、ちょうど五年前の昭和五十五年でありますが、完済手当金制度の創設などのために改正された際に、本委員会において中小企業倒産防止共済制度を充実させるために三つのことを提案をさせていただきました。会議録をここに持ってまいりました。その一つは掛金を規定どおり納め、共済制度を長期間利用せずに済んだ人に対する優遇措置を検討するというのが第一点であります。それから第二点は、一つ目のこととも関連しますが、掛金を担保にした低利の融資制度を創設することであります。第三点は、加入者をふやすために受付窓口を商工会議所、商工会及び中央会に限らずに、地方自治体とか金融機関にも置くこと、以上三点を本委員会において提起いたしました。その際政府は、これは当時の廣瀬政府委員でありますが、「五年ごとに制度の見直しをいたすことになっておりますので、その際、その時点におきます共済収支の状況を十分勘案いたしまして検討を続けてまいりたい、」と、こうお答えにたりました。それから五年たちまして、ただいま御紹介させていただきました私の提起も含めて本委員会での議論がどのように今度の改正の中に生かされ、制度の中に盛り込まれてきたのか、まずお伺いしたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 今先生御指摘の三点につきましてお答えをさせていただきたいと思います。  まず、この制度に加入しておりまして、要するに共済金の貸し付けも受けない、利用されないといいますか、将来は利用する可能性があるんでしょうけれども。そういう方に対する優遇措置の問題でございます。この点につきましては、やはり基本的に本事業の収支の問題に関連をするわけでございます。残念ではございますけれども、現在時点のところは加入者によります掛金収入よりは貸し出しの方が多いという状態でございます。したがいまして、そういう状態の中で直接的な見返り措置のような優遇措置をとるというのは、現時点における収支の観点からも非常に難しいというのが実態でございます。  ただ、今回、実は一時貸付金制度というのをつくらせていただくわけでございますけれども、これはもちろん、今言いました共済金を借りない人だけが対象ではございませんけれども、やはりそういった方にも一時的にお金が必要な場合には、従来固定されておりました掛金を利用できるようになるという意味では一つの対策にたっているのではないかと存じるわけでございます。  それから、低利の融資制度でございますけれども、これはまさに今回御提案申し上げております一時貸付金制度がこれに相当するのではないかというふうに存じている次第でございます。  それから、受け付け窓口の点でございますが、先生が御提案のまず金融機関につきましては、五十八年度、これは法律改正を要しませんので、行政庁限りの措置といたしまして、窓口に金融機関を追加させていただいたわけでございます。  自治体を窓口に追加するのはどうかという点でございますが、実は現在金融機関、あるいはこの中小三団体を含めまして、契約窓口、あるいは業務委託をお願いしているところにつきましては、単に契約の窓口だけではなくて、いろいろなことをお願いしているわけでございまして、例えば共済金の貸し付けの申請があった場合に、その社が本当に中小企業であるかどうかとか、どれだけ共済による被害額があったのかとか、それから手形が不渡りになった場合に、手形交換所から証明書をとるとか、いろいろお手数をかけるわけでございまして、今私が申し上げましたようなことを自治体にお願いするというのはいかがかということで、自治体につきましては契約窓口という形では入れてないわけでございます。ただ、本制度のPR、あるいは加入促進といったような面につきましては、大いに自治体のお力もおかりいたしまして進めさせていただいているというのが現状でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今、井上部長からお話がありましたような、一定の本委員会における議論、また私の問題提起が反映されて今度の改正になっていることを承知いたしましたが、しかし今の御説明の中にもありますように、まだ検討中ないしは実現していない問題が残っておりますので、幾つか重ねて問題を深めたいんであります。  まずいわゆる優遇措置の問題ですが、一回も共済金の貸し付けをまだ受けていない、この制度に加入してからまだそういう機会には至ってない人がかなりいらっしゃるわけですね。この共済制度がこういう人たち、いわば歯を食いしばって頑張っていらっしゃるという人たちがおられることで成り立っているわけで、言うならば、制度の根本を支えている人だというふうに言っても差し支えないと思うんですが、この人たちに何らかの優遇措置をとるということは、私は先ほど魅力ある制度ということが言われておりましたが、ひいては収支状況をよくする積極策というふうに思うんでありますが、これはぜひ検討に値すると考えるんですが、重ねてこの問題についてひとつ御検討を賜りたいと思います。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) まさに先生御指摘のとおりでございまして、本制度は中小企業者の相互扶助の精神にのっとりました共済制度でございます。したがいまして今先生がおっしゃいましたように、加入後共済金の貸し付けな受けないという方がかなりおられるということで全体の制度が成り立っているわけでございます。  ただ、そういった優良企業者に何か見返りが与えられないのかというのは、私たち自身も決して否定しているわけではございません。ただ、当面の収支状況を見ますと、今現在何か金銭的なものでお返しをするというのは、ますます現在時点の収支状況を悪化させる、全体の制度の根を掘り崩すことにもなるということだろうと思います。したがいまして私たちといたしましては、先ほど来申し上げておりますけれども、できるだけ今後加入努力も続けまして、制度を安定させる。そういった中で、そういった方に対する優遇措置、見返り措置といったようなものも将来の検討課題とさせていただきたいと、そう思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 否定はしない、そしてまた将来の課題として検討させていただきたいと、こうおっしゃったわけでありますが、私はこれは相互関係だと思う。今の収支関係が現状どうであるということは承知の上で、しかしながらそういう魅力のある制度ということによって、やはり収支状況をより改善していく積極策としてとり得る措置ではないのかという立場から、ひとつ前向きに検討を願いたいということで、否定はせず、将来の課題として研究させていただきたいという御答弁を確認いたします。  次に、二番目に提起いたしました低利の融資制度の創設は、お答えがあったように今回の改正点の一つのポイントであります。しかし、私が提起したのは、低利ということなんですね。融資制度の頭に低利がついておるんですよ。聞くところでは、金利は七%にする予定だというふうに承知をしておりますが、これでは一般と余り変わらぬのですね。私は貸付限度額というのが解約手当金の範囲内ということで、しかも担保を先取りしているに等しいわけですから、加えて一年償還という短期融資なわけでありますから、金利はできるだけ低くなさるべきじゃないかというふうに思いますが、そしてまたそれはできると思うんですが、この点いかがでしょう。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) まず、現時点におきまして一時貸付金の貸付金利はまだ決めてはおりません。制度が具体的に発足する時点で決めさせていただきたいと思っておるわけでございますが……

市川正一日本共産党

○市川正一君 腹づもりとしてはどれぐらいですか。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) ただ、金利の基本はやはり貸付原資のコストというものがあるわけでございますので、やはりそれを中心に考えさせていただかざるを得ないわけでございます。  それで、腹づもりはどうかと言われますと、やはり何か数字を言えということになると、やはり七%程度という感じになるのではないかと思っておるわけでございます。ただ、これは先生は非常に高いという感じでおっしゃっているわけでございますが、例えば同じようなといいますか、目的は違うわけでございますけれども、この中小企業事業団が運営しております小規模企業共済というのがございます。ここでもやはりこういった一時貸付金といいますか、貸付制度があるわけでございますけれども、これは現在金利は七・二%ということでやらせていただいているわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 一般的な意味で高い、安い言うているんやなしに、条件が違うわけですよ。事実上担保をとっているようなものやし、一年償還という短期融資なんですから。その意味ではやっぱりもっともっと、それこそ繰り返しますが、魅力ある制度、さっきやっていましたやんか。それで、私衆議院のやりとりもよう見ております。だから井上部長がお答えいただくことも結構ですが、たまにはせっかく中小企業庁長官来ていやはるんやから、長官が、やっぱりよしこれはおれがやるというふうな答弁もたまにはしてくれぬと、あなたせっかく来ていやはるのに。  そこで、前へ進みますが、加入受付の窓口をふやすことは、先ほどあったように金融機関も五十八年から加えました。その結果として加入件数が五十八年度には対前年度の五割増になっている。明らかにそれは効果を発揮しているわけですよ。同時に私は、金融機関だけでなしに、全国の地方自治体にも加入受付の窓口を設置するように求めたんでありますが、井上部長はいかがかと思うと、いかがかと思うでさっといかれたんではこちらもいかがかと思うんで、その点ひとつ長官どうです。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 先ほど井上部長からも御答弁申し上げましたが、これは単に加入の窓口ということでなしに、やはり加入者の便宜を考えますと、一連の手続のいわば窓口機関であることが一番望ましい、これは加入の段階からのそれぞれの加入者との関係を考えますと、それぞれ便宜のところに加入者は申し込むわけでございますから、そういった一たん選ばれました窓口が引き続きまして一連の手続を進めるというのが一番ふさわしいんではなかろうかと思います。その限りにおきましては、地方自治体がすべて一連の手続を行う。例えば共済事由が発生いたしまして、発生した場合に必要とする証憑書類のそろえ方等の指導から始まりまして、それで事業団に対しまして貸し付け申し入れをする、さらにその貸し付け申し入れをした結果、決定がございますと資金が送られてきて、資金を今度契約者に交付する、こういう一連の手続が要るわけでございます。  こういった手続につきまして果たして地方公共団体が全部受けていただけるかということにつきましては、さきに御説明申し上げましたように、加入促進協議会に地方自治体のメンバーも入っていただいているわけですが、そういった意味での議論をしました上で一応見送った次第でございまして、今後地方公共団体が住民に対するサービスとして受けるというのであれば、我々の方もお願いをいたすことになろうかと思いますので、今後検討させていただきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大いに積極的な御検討を展開していただきたいと思うんであります。  もう一つは、前回五十五年の法改正で創設されました完済手当金制度の問題であります。これがせっかく創設されたにもかかわらず、最初に借りた人は五十八年でたしか完済することになるわけですね、一番最初の人は。ところがいまだにこれが実施されていないわけです。完済者は、共済金の貸し付けを受けることによって、共済金に対応する十分の一の掛金が事実上利子の先払いのような形でなくなっていくことになるわけでありますが、そのために無利子とはいっても、実質的には、逆算すると年利三%の利子を払って融資を受けることと同じことになるわけであります。余裕金がないんだということを盛んに衆議院段階から言っておられるわけでありますが、こういう負担を軽減するためにも、やはり完済手当金制度を実際に実施するということにしないと、志と反してペテンにかけたということにすらなりかねぬと思うんですが、この点この機会にしっかりした答弁を承りたいんですが、長官いかがでしょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 先ほど御答弁申し上げましたように、当初の見通しと、フレームワークと相当かけ離れた運用実態が今出現してまいっておるわけでございまして、その限りにおいて、毎年度毎年度長期収支の見通しを立てまして、その上で、余裕が生ずるという見通しがありました場合にこの完済手当金を発動するということで、これまで検討してきたわけでございます。  御指摘のように五十八年度から完済者が発生いたしますので、一番望むべくは、五十八年度からそれを行えるようにということでいろいろ苦労したようでございます。五十九年度末におきましても、一応見通しを立てましたが、不幸にして長期的な収支の明るい見通しが得られないのが現状でございます。  そういう意味において、先ほど申し上げましたように、単に絵にかいたもちに終わらせるというのは、これはわざわざ五十五年度に改正をお願いしました我々の本旨でもございません。そういう意味におきまして、基本的には加入の促進を図ってベースを確固たるものにすること、もう一つはやはり全般的な景気対策等によりまして、これまでの事故発生率あるいは完済に対する事故率といいますか、そういったものをできるだけ引き下げていくという努力が必要かと思いますが、そういったものをあわせ努力いたしまして、何とか実現をするように努力をしていきたいというふうに思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 最後に、私改めて申すまでもないんですが、昨年度中小企業の倒産件数が二万件を超える数になり、また負債総額も三兆六千億を超える事態を招いております。そういう中で、この多くが不況型倒産と言われるわけでありまして、この倒産防止共済制度が対策の上で非常に重要な役割を果たしておるということはお互いに確認し得ると思います。  この制度をさらに充実さしていくためには、何と言っても私はやっぱり加入者をふやすことだと思うんです。しかし、その加入者をふやすためには政府ももっと積極的な援助を強めて、制度そのものを魅力あるものにすることがやっぱり前提と申しますか、基本だと思うんです。  その加入者にとっての魅力ある積極的施策とは何かという問題を、私今までもずっと言ってまいりましたんですが、長期的に見て余裕財源があると見通されるときにというふうなことを言うだけで、ただ、そのときには何かやりますというようなことを言っておったんでは僕は加入者はふえぬと思うんです。やっぱり余裕財源はできるという立場から、どうしたら加入者が魅力を持って入ってくるかという点を先ほど来幾つか提起いたしましたが、将来検討するというふうなことじゃなしに、やっぱり現実にいろんな積極策をとっていただく、ひいては掛金の十倍の現行の共済金貸し付けを、それにとどまることなしに、十一倍あるいは十二倍というふうな方向に着実に充実さしていくという展望のもとに取り組まれるべきだと思うのでありますが、でき得れば大臣の決意をお伺いしてこの問題については結びたいと思うんですが、いかがでしょうか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 先ほどお答え申し上げました一つの完済手当金の問題もそうでございますが、全体として魅力を高めることによって加入者を促進し得る面が非常に強いわけでございます。どこかにブレークスルーを求めなくちゃいかぬとすれば、制度をまず直していくということが必要かと思いまして、今回御提案を申し上げたわけでございますが、これだけでは今御指摘のような問題の解決にはすべてならぬというふうに思います。  我々、これからも五年というような期間を待たずして、適切なタイミングでこの見直しな図って制度の改善に取り組んでいきたいというふうに思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私、この機会に中小企業問題と関連して、大店法の問題について引き続いてお伺いしたいと思うんであります。  通産省は去年の二月十六日に「大型店の出店調整問題の今後の取り扱いについて」という大臣談話を発表いたしました。そして「現在なお調整中の案件がかなりあること、小売商業における今後の競争環境等の動向が必ずしも明らかでないこと等から、この度従来講じてきた措置を引続き継続することが適切である」という立場から、一九八二年二月から続けられてきたいわゆる大型店の抑制措置を継続して行うことを明らかにされました。これについては、その当時私も詳細に問題点をただしたところでありますが、この方針に基づいて同年の三月五日、「大型店出店調整に係る通達の改正等について」という通達が出されまして、この中で「第一種大規模小売店舗の出店が相当水準に達していると認められる市町村及び小規模な市町村」への出店届け出について自粛を指導するということを継続することが明記されております。  以上述べましたが、この点は、現在も大型店出店の際の届け出受理基準になっていることには変わりはございませんでしょうね。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) 先生御指摘のとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その際、八二年の二月に今御紹介いたしました自粛指導には、ただし書きが入っております。しかし、これはあくまでも抑制措置をとることが大原則であるということは明白であります。ところが、最近このただし書き、すなわち引用いたしますと、「当該店舗の特性、出店地周辺の商業事業等からみて特に理由があると認める場合は、この限りではない。」という、この条項を悪用してと申しますか、全体としての通産省の抑制指導に風穴をあげる、言うならば骨抜きにする、そういうふうな働きが一部出ております。  通産大臣のさきの談話では「大型店に対する調整措置等について、引続き十分事態の監視を続け、事態の推移に適切に対処することとしたい。」とされているのでありますが、もしこういうふうな今申し上げたただし書きを悪用するような動きがあった場合に、適切な対処を行うことについては、この大臣談話から見ても変わりはないと思いますが、いかがでしょう。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) いわゆる御指摘のただし書きを悪用するようなケースがございましたならば、そういうことのないように最大の指導をしたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そこで私具体例を一つ述べたいんでありますが、大阪府下に富田林市というのがございます。そこにライフストアという、これは本社は大阪中にございまして五十五店舗を持っております。これが三千平米の売場面積を持つ店舗を出店しようとしております。この富田林市は、新聞報道などによれば、先ほどの通達にございますが、出店が抑制される都市になると思いますが、この点間違いございませんですか。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) 仰せのとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 このライフストアは、地元の反対運動もあり、そしてまた単独出店は困難だということで、この二年がかりで近くの市場をまるごとテナントにするように働きかけ、そしてそれに成功いたしますと、それで地元合意ができたような形になったということで、地元市を経て大阪府に届け出を行いました。しかし、このストアの予定地は、道路を一本隔てて河内長野市と実は隣接しております。本来は両市にまたがる広域的な調査が必要であったと私は思うのでありますが、現にその予定地の真向かいにある河内長野市の千代田地区の商店街の人たちは、こういう出店には反対だということで今も運動を続けております。  もしスーパーのテナントに一部の地元商社が入ることによって、これがただし書きに当てはまるというふうなことの解釈になりますと、これは現在のスーパーや百貨店の多くは、その店舗内にテナントを入れているというのが多くの事実です。そうすると、通産省の行政指導としてのこの抑制措置というのは、まさに形骸化してしまうおそれがあります。  今私が申し上げました富田林の問題については、二月十三日に通産省に関係団体が、これには衆議院の野間友一商工委員も同席いたしましたが、いろいろ通産省に指導を要請いたしました。その際に通産省としてはただし書きはあくまで特例であり、措置を貫く基本精神は抑制であるという旨のお答えをなされておりますけれども、私こういうライフストアのやり方を今ここで申し述べたんでありますが、こういうことを黙視し得ないと思うのでありますが、通産省の見解を承りたいと思います。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) ライフストアの具体的なことについてのお尋ねでございますので、若干経緯等も交えて申し上げたいと思います。  実はこの出店は、店舗面積三千平方メートルの案件でございますけれども、五十六年二月ごろに出店の表明があったわけでございます。その最初の出店の表明時におきましては、面積も倍以上のものであったわけでございますが、この地域が、先ほども御答弁申し上げましたように、いわゆる抑制地域でありました関係もございまして、当初は大阪通産局あるいは富田林市、さらには隣接の河内長野市等におきまして極力これを届け出を自粛するよう指導をしてまいった経緯があることは事実でございます。しかし五十八年の一月二十五日になりまして、富田林市の須賀商工会との間に、出店についての協定書の締結という事態になったわけでございますし、それ以前に、地元にございます滝谷デパートという名前のいわゆる小売市場をテナントとして入れると、そして共同出店をするという話し合いもついたわけでございます。  そこでいろいろ判断いたしました結果、とにかくまず第一に、ただいま申し上げましたような地元の小売市場、これは当然中小小売商の集まりでございますが、その地元小売市場の活性化に寄与するという点と、それからいま一つは、この店舗規模も三千平方メートルということでございまして、さほど大きくはないし、競合する中小の小売業者も比較的少ないというようなことから、通産局、それから府、富田林市、河内長野市、さらには両市の商工会を加えました六社によりまして相談をいたしました結果、この場合には、小売市場の活性化という目的もあることゆえ、いわゆる特別の理由ありと認めてもいいんではないだろうかと、こういうことになりまして、三条の届け出を受理をした次第でございます。  その後本年に入りまして、これは先生も御指摘のように、商圏が両市にまたがる可能性のある案件でございますから、いわゆる広域商調協というものを開催をしているわけでございます。そして今日までに既に二回の会合を重ねているわけでございますが、今日まで商調協における審議も順調にまいってきておると、こういった次第でございますので、この件をいわゆる例外措置の悪用に当たるケースというふうに決めつけることもなかなかしにくいのではないだろうか。  今私るる申し上げましたような経緯でございますので、やはり特別な理由ありと認める方がよろしいのではないかという考えでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 一番の問題は、そういう一部地元の業者をテナントにいわば引き込んで、それによって地元の合意をかち得たという形で、既成事実を使ってただし書きを運用して、まあ悪用とは言いませんが、運用して、いわば抜け道をつくるというやり方なんですね。しかもここはあなたも認められたように、いわば富田林市と河内長野市と両方にまたがる広域地域の接点なんですね。そういう点でも私はやっぱりいろんな不備が残っていると思う。  このライフストアは、富田林だけではなしに、同じく抑制都市である大阪府の高槻市、ここでも近くの市場の一部の小売業者を入れて、そして出店届け出の条件づくりをやろうとしているわけです。  ですから私、今おっしゃったような事態が広域商調協で進んでいるようでありますが、何時にお願いしたいのは、大阪通産局の方にも実情を調査してよく調べようというふうに、先日二月段階で野間代議士も同席した場でいろいろお話をしておりますので、さらに今私が提起した一連の問題も含めて、現場にも行っていただければ幸いでありますが、なおよく調べていただきたいということをお願いしたいんですが、いかがでしょう。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) まず一般的なことから先に申し上げますが、先生御指摘のようなケースの場合に、例えば面積の比率がどうかとか、あるいは地元の受け取り方がどうかといったようなことを総合勘案する必要があろうかと思うわけでございまして、特別の理由の判断は、やはり地元における状況を踏まえてのケース・バイ・ケースにならざるを得ないと思うわけでございますが、一般的に悪用のないように厳重なウオッチをしてまいりたいと思っております。  ところで、本件の扱いでございますが、これは既に商調協での、この場合には広域商調協でございますが、審議が既に始まっておりまして、既に二回円滑に審議が行われておる。抑制地域かどうかということは届け出を受けるか否かというときにまず問題になるわけでございまして、この地域の商業事情が厳しいか厳しくないか、あるいは近隣の中小小売商に与える影響はどうかということはまさにこれから商調協で議論をしていただくことでございますので、届け出に至るまでの経緯についての調査をこれからするという意味であれば、もう既に届け出を受理しております、審議も始まっているということでございますので、その点はむしろ余り必要性はないのではないだろうか。  むしろ大事なことは今後の商調協での審議の中で、地元の問題もよく踏まえて慎重に審議をするということが大切ではないだろうか、このように考えている次第でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 あと一問あったんですが、もう時間がありませんのでそれはやめます。  一テーマ、今の問題だけは決着つけたいと思うんですが、届け出を受理する段階で、私は今言ったような一部業者を、地元業者をテナントに入れるという手法で、これをただし書き運用に持ち込んでくることは通産省の指導の精神に反するのではないかというのが問題の主テーマなんです。  ですから、富田林の問題を具体的ケースとして申し上げていますけれども、そういう通産省が大臣の談話として出して、その後通達を出している精神からいって、一部の地元業者をまあ買収してとか、そこまでは言いませんが、それを抱き込んで、そして地元の業者もテナントとして出るということで合意を得たというふうな形を出すことは、それは精神に反するだろうということだけはひとつ明確にしておいていただきたい。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) 何といいますか、わざとちょっとばかりの面積を中小小売商に与えることによりまして例外扱いを求めようというような、いわば意図的なケース、そういうものについては、悪用とも言うべき場合もあろうかと思いますので、そういうことについては厳重にウオッチをしてまいりたいと思うわけでございます。  ただこの件は、先ほども申し上げましたように、具体的に地元で、六者でよく検討した結果でございますので、これがそれに当たるということはないだろうと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 最後です。  私、その二月十三日のときのやりとりの場に出られた審議官がどなたかという、名前をここで言うつもりはありませんけれども、そのときにも原則はやっぱり抑制なんだという立場からこの問題について洗い直すということをおっしゃっているわけですから、その後の回答もないので、私はきょうこの問題を一つのケースとして取り上げたんで、引き続きこの問題についてはひとつ皆さんの調査もしてもらう、我々も問題をやっぱり追求するということで、きょうはここでとどめたいと思います。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) ただいまの点でございますが、今後とも悪用のないように厳重にウオッチをしてまいる方針でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 同僚議員から大変熱心な質疑が続いておりまして、問題点の全部が出尽くしておりますし、また大臣初め政府側の委員の方々もお疲れでありましょうから、もう重複を避けまして、細部にわたっての質問等については省略をいたします。  ただ私が申し上げたいのは、先ほど来同僚議員の質問、さらにまた御答弁の中でしばしば出てまいりますけれども、この制度をいかに魅力あるものにするかということでありますが、魅力あるものにするためには何といってもやはり加入者を多くしなくちゃいけませんし、また加入者を多くしようとするならばまた魅力ある制度でなければなかなか多くならぬ、これはもう当然の理であるわけであります。  ただ、先ほどお答えの中にありましたが、全体で制度創設以来約三万件の融資、貸し出しがあった、金額が約千四百億円と聞きまして、大変な金額になっておるな、これによっていかに多くの中小企業が連鎖倒産の危機から逃れることができたかという評価を改めて私実はいたしておるわけであります。  そこで加入者をできるだけ多くしていかなきゃ、さらにいろんなまた制度の改善もできませんし、また魅力のある制度というものにもっと持っていくということは不可能であるわけでありますから、PR方法等につきましても先ほど来いろいろとお話がありましたが、一、二ひとつお伺いし、提言したいと思います。  地方自治体がかなり協力をしつつあるということを聞いております。お答えにもありました。一部の自治体では補助金等を出しているところがあると聞いておりますけれども、その補助金等を出しておる事業体、どういうふうな方法で出しておるのか、それらのいわば補助金を出しておる事業体に右へ倣えして、全国やっぱり一律にそういうふうな自治体に要請をするというふうなことをお考えになるかどうか、この点まずひとつ最初にお伺いいたします。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 先生今御指摘のとおり、この制度に加入される方に対しまして、掛金月額の一部を地方自治体が負担するというふうな形で助成といいますか、補助をしております自治体が若干ございます。大体掛金月額の一、二割ぐらいを補助する。補助期間はおおむね一年といったようなことでやっておるようでございます。これら自治体は、やはりそれぞれの地域におきます中小企業あるいは倒産の実態、そういったようなものを踏まえまして、今言ったような助成制度をやっておるんだろうと思うわけでございまして、中小企業庁といたしまして、そういう方向で自治体がやってくださるということは非常に結構だと思いますけれども、ただこれを全国的に一律にやるようにという指導まではいかがかというふうに考えておる次第でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 指導ということよりも、もちろんこれは要請という形になろうかと思いますが、PRの一環としてもお考えいただいたらどうであろうかというふうに思います。  それから、現在いろんなPR方法をおとりになっておりますけれども、まだまだこの制度のあることを知らない中小企業が実は非常に多いということ、これはもう御承知のとおりです。いろんな方法をお考えいただいておりますけれども、創設当初には、各県の中小企業団体中央会を通じて各中小企業団体に若干PRがなされました。ところが、最近はそれはちょっと、どうも余り聞いていないんですが、それらのことをもう一度ひとつ各中小企業団体中央会等に強く要請をされるということと、それから、御承知のように、中小企業団体の多くはそれぞれの団体で機関紙を発行しているんですね、この機関紙をやはり活用することを考えていただいたらどうであろうかと思うんです。  これは膨大な数になりますから、それらの調査等々大変だと思いますけれども、これはしかし、中小企業庁からそのような各中小企業団体、これは中央会を跳び越える形になりますが、中小企業団体にそのようなことについての要請、指導をされれば、いろんな団体が協力すると思うんですよ。しかも、それは特別にそれについての宣伝費、広告費といったものをお支払いしなくても、やはりそれぞれの中小企業団体が、自分たちの組合員指導のために必要な制度でありますから、これらの点については協力するであろうし、またかなり効果があるんではなかろうかと私は考えておるんですが、どうでしょう。

井上正中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(井上正君) 実は、現在におきましても、中小企業団体中央会を使いまして、業種別に加入促進運動といいますか、そういったようなものもやらしていただいておるわけでございますし、それからPRでございますけれども、中央会あるいは商工会、商工会議所、こういったところの機関紙といいますか、そういったものに本制度のPRの記事を載せていただくというようなこともやっておるわけでございます。  ただ、先生御指摘のとおり、まだまだ中小企業全体に本制度のPRが行き渡っていないじゃないかという点につきましては、私たちもまだ足らざるところがあるというふうに考えておりますので、先生今御提案の点なども、十分従来以上に力を入れるというようなことで、今後ともPR活動に努めてまいりたいと思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 それからもう一つ、各県に例の加入促進協議会というのが設けられておるようでありますけれども、これらには大体主な人がみんな入っております。例の各県の信用保証協会ですね、信用保証協会あたりは余り積極的にこの制度をPRしていないんではないかと思われる節があるんですね。相互銀行あるいは信用金庫等々へ融資を中小企業申し込みますと、最近ではもうほとんどと言っていいほど保証をということで、皆保証協会へ回っておりますが、事実上保証協会ではかなり厳しいような保証条件をつけておりますけれども、保証協会でやはりこの制度を積極的にPRしてもらうというふうなこともまたお考えをいただいたらどうであろうかというふうに思います。これについて特にもう御答弁結構であります。  そこで、私はもう一つぜひ考えていかなくちゃいけないということは、実は、この制度があることは大変有効ですし、また従来から効果があります。今後ますますこれが効果あらしめるようにしていかなくちゃいけませんか、私は、この制度をつくった本当のねらいは、むしろこの制度によって救済を受ける、連鎖倒産の危機を脱するということの目的が一つありますが、もう一つは、やはり連鎖倒産を起こさないような予防的な措置、これは要するに、ころばぬ先のつえとしてこれに加入しなさいという従来制度上そういう宣伝をしておるわけですが、もう一つは、これに加入しておる人たちあるいは加入していない人たちに対しても、そのような関連倒産、連鎖倒産が起きないような指導をするということも、政策上、対策上私は重要だと思うんですね。これはできない相談だと思います、非常に難しい問題がありますから。  あえて私は申し上げるんですけれども、例えて言いますと、ある親企業というか、大企業があります。かなり数年にわたって経営内容が悪化しておるというふうなところがあります。そこで、調査機関等々を十分活用しておる納入業者、下請業者はかなりのレベルのところですね、それらの人たちは、銀行等の調査によってその取引先から漸次やっぱり離れていくというふうなケースがあるんですね。そのために、逆に、今まではなかなか多く発注してもらえなかった、あるいは出入りできなかったような中小企業に注文がどんどん出されて、非常に喜んで、もう一生懸命どんどん納入をしていく。ところが、納入していたところ、ある日突然その親企業が倒産をしたと、こういうふうなケースが実は非常に多いんですね。というのは、そういうふうな中小企業が、いわばそういうふうな面についての調査機能、調査機関を全く利用していない、利用できないというふうな面があるからそういうふうなことになるんではなかろうかと思うんです。  だから、例えて言うと、民間の調査機関がいろいろありますけれども、中小企業、特に小・零細企業が民間のそのような調査機関を使うといってもなかなか難しい問題があります。  そこで、これはもう冒頭申し上げたようにできない相談、無理な相談かもしれませんけれども、商工中金なり中小企業金融公庫なりあるいは国民金融公庫という政府系の、中小企業が非常にウエートの高いというか、中小企業が全部利用するわけでありますが、そのような政府系の金融機関が、何か中小企業のそのような調査等々の相談に応ずるような方法、調査に協力できるような方法、そのようなことはひとつ考えられませんか。長官、どうでしょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 昨年の大型倒産を見ますと、やはり御指摘のような、例えばリッカーだとか、具体例挙げていかぬわけですが、倒産の場合にも、相当数の下請企業は、これまでのリッカーの経理状況を見まして、下請の受注率を二〇ないし三〇%に抑えておるというような形で何とか被害を免れたケース、これは伝統的なリッカーの業種でございますミシンの分野においてはそういうような措置がとられてきたようでございます。  そういう反面、逆に家電関係の分野では、非常に大口の取引といいますか、大幅な依存を続けた結果、非常に困ったケースがございました。これらにつきましては、中小公庫及び群馬銀行等々の対応によりまして何とか急場をしのいだ事例もございますけれども、確かにふなれな分野では、大企業であろうと、それぞれのその信用度について十分な確信を持てないままに取引が行われているというのが実態だろうと思います。  ただ、御指摘のような政府関係金融機関、特に中小公庫、商中等にかかわります限りにおいて、大企業との金融取引がございますと、その辺の金融情勢、金融取引を通じましたいろいろな情報が蓄積できるわけでございますが、そういった面は必ずしも十分ではないということもございますので、具体的に果たして有益な情報をそういった三機関が提供できる能力があるかなという疑問もあろうかと思います。これは金融の専門家の意見も聞いてみないとわかりませんので、それぞれ三機関で何か知恵が出せるかどうか、少し検討をさせていただきたいというふうに思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 一度ひとつ御検討をいただきまして、何かそういうふうな道をつくることが、これまた中小企業の連鎖倒産を防ぐために必要だという感じがもうひしひしとするんですね。それは今長官のお答えの中にも出てまいりましたけれども、リッカーの問題、特にリッカーは、けさの日本経済に出ておりますけれども、八年間にわたって利益を水増ししておったと、粉飾三百二十九億円だというのが出ていまして問題になりつつあります。まして、そのリッカーの重役の中に銀行派遣の役員がおって、こういうことですから、ほとんどの出入りの中小企業、下請中小企業というものは、こんな実態全く知らぬわけですね。だから、このことがある程度わかっておればもう少し警戒したであろうというふうなことが言えると思います。  それからやはり昨年の例でありますが、大沢商会、実は私の知っている中小企業が大沢商会に倒産の三、四カ月前に急に発注が来たと、今までなかなか大沢商会実は入れなかったのが急に注文が来た、そこで喜んで納入をした、ところが手形をもらってすぐ倒産した、こういうケースが実はあるんですね。後で調べると、やはりある大手企業が警戒をして大沢商会への納入をやめたために、そのかわりが来た、こういうケースなんですね。これがわかっておればということを大変後で悔やんでおりましたが、そういうケースも実は大型倒産の場合に非情に多いようでありますから、難しい問題であります、できない相談かもしれませんけれども、しかしそれは中小企業対策としてぜひひとつ御検討をいただきたい、こう思います。  そこで、今ちょっと申し上げましたが、リッカーの粉飾等々出ておりますが、例の会社更生法についてであります。  私はもう前から、会社更生法というのは、逆な見方をすると下請中小企業倒産促進法だと、こういうふうに言ったことがしばしばあるんですが、事実従来の会社更生決定をされた例を見ると、そういう例が案外多いんですね。この会社更生法については裁判所の所管でありますから、中小企業庁あるいは通産省にお伺いすることも適当でないかと思いますが、どうも聞くところによると、裁判所は余り委員会に出ることについては適当でないとかというふうなことで断られたものですから、国会でこういうふうな委員会でこういう質疑があったということを、大臣なりあるいは長官からそういうふうな点でまた申し入れ等もしていただければと、こう思ってお願いをするわけであります。  そこで、会社更生法の資料を、裁判所は資料だけはくれました、簡単な資料。これで見ますと、過去昭和三十九年以来二十年間に更生法による開始決定の事件数が約九百五十二件、そのうち終結事件数が五百三十一と、こうなっておるんですね、細かい点わかりません。だから更生法による会社更生をしても、実は更生しなかったという会社がやはりかなりある、こういう数字がわかります。それから、会社更生手続について調査の方法あるいは調査事項等々裁判所の所見を資料として簡単にもらいました、基準等もらいましたけれども、この調査の方法が、「会社の代表取締役、取締役、経理担当者等々の審尋」、それから「主要債権者、主要取引先等からの意見聴取」、それから「生産設備、在庫商品等の検証、従業員からの意見聴取」、それから「その他、事案によっては、保全管理人又は調査委員を選任して、更生の見込みの有無についての調査を命じ、調査報告書を提出させることも、行っている。」と、こういう調査方法を行っておるということであります。  ここでやはり問題は、このような調査というのは、会社を再建さしたいという側に立つ人が大体対象でありますから、どうしてもやはり一般債権にしか取り扱いを受けない多くの中小企業者というのは、大体こういう調査に参画できないわけですね、事実、実態を見ますと。だから中小企業者のいろんな声を聞きますと、会社更生法の適用を受けない方がいいという企業がたくさんあるんです。会社更生法の決定を受けまして更生計画が始まりますと、かなりの債権をカットされる。残された債権については、それこそ長いのは十年とか十五年とかというふうな長期の分割、だから事実上何もならぬ。むしろそれが一挙に破産をしてくれれば、破産整理によって三割なり四割なりというものが返ってくる、その方がよっぽど助かるんだという意見がたくさんあることも事実なんですね。  それから御案内のように、中小企業、下請等の一般の人は全部一般債権扱いになりますから、順位からいうと担保設定されている金融債権あるいは税等の公共債権、それから労働債権等々からずっと下になりますし、そういう面でも大変不利である。まして下請の中には労務賃金が八〇%もあるいは七〇%を占めておるという債権があるわけですね。だから、親会社が更生決定によって再建をされても、実は出入りの子会社、下請は逆にそのためにつぶれておるというケースが事実過去にあるわけですから、私は会社更生法については、この会社更生法が制定された当時と現在大分客観的な事情が違ってきておりますから、そういう意味ではこれらのひとつ改正も考えていくべきであるし、もっとやっぱり中小企業の実態に即したような、そのような会社更生法のあり方ということも考えていく必要があるのではなかろうか、こう考えておるわけです。これについて通産省としてはどういうふうな御所見をお持ちであるのか。また今後、それらの問題等について裁判所あるいは法務省等々とまた申し入れ、御協議をいただいて、そういうようなことについての御検討をいただけるかどうか、以上ひとつお尋ねをしてお答えをいただきたいと、こう思います。  私の持ち時間まだうんとあるんですが、大臣、皆さんお疲れでありますから、これで質問を終わります。ただ御答弁だけいただきます。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) まず、会社更生法の評価の話でございますが、確かにこの法律は大変難しい法律でございますし、人によりまして評価もいろいろあるかと存じます。  ただ私どもといたしましては一応次のように考えているところでございます。もし会社更生法がない場合、つまり民法、商法あるいは破産法といった通常の民事法だけしかない場合に、破産に陥るようなケースにつきまして、従業員の問題、下請企業の問題あるいは地域経済との関係の問題等に配意いたしまして、従来の経営者には退陣を求めますけれども、事業だけは残す工夫がないかということを模索して制定された法律であると、このように受け取っているわけでございます。具体的には裁判所の厳重な監督のもとに債権者、株主等の協力を得まして、御指摘のような債権カットなどを行いながら会社再建を図っていくというものでございます。  下請企業との関係でございますが、確かに若干時間はかかろうかと存じますけれども、破産の場合よりも、通常は会社更生の場合の方が企業債権の回収率は高いように聞いております。普通、破産になりますと、うっかりいたしますと一銭も戻らないというケースも多々あるようでございますが、会社更生の場合には三割とか四割とか五割とか、ケースによって違いますけれども、平均的には戻る率が大きいと聞いております。  それから、もっと大切なことは、この場合にはとにかく事業は残るわけでございます。したがいまして、下請企業にしてみれば、下請関係の継続の可能性が会社更生の場合には残されるわけでございます。破産の場合にはそれが断たれるということでございますので、私はやはり会社更生法というものは、総体として見る場合には、下請企業のためにも全体とすればプラスであろう、このように考えているところでございます。  具体的なことになりますが、四十二年には法改正が行われまして、具体的には会社更生法百十二条の二でございますが、中小企業の債権につきましては、一定の場合に裁判所の許可により更生計画認可決定前でも下請代金、債権等の全部または一部につき弁済を受けることが可能であるという中小企業に対する努力もその間になされているということでございます。  今後さらにより一層中小企業のためにこの法律が適合するような工夫をして、それを裁判所に申し入れるつもりはないかというお尋ねでございますが、この問題については確かにその点も一つのポイントであろうと思いますが、民事法体系の中での話でございまして、大変難しい点もございますが、申し入れる、入れないと申し上げます前に、よく勉強をしたいと思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 委員長もう一つ。  今、審議官からお話しいただきまして、私も会社更生法が必要ないとか、あるいは全部害だと、そういう意味で申し上げているのではありませんで、会社更生法の必要性、また、会社更生法によって再建された優秀な企業も知っていますし、そのために下請業務が継続されたということによって大変喜んでおる下請企業の実態も知っていますが、ただ、中にはなぜこんな会社の更生計画を認めたのであろうかというふうな会社も実はあるわけですね。  だから、そういうふうな面で裁判所がさらに、例えて言うと、さっきのリッカーミシンのように八年間も粉飾を続けたような企業が、実際に会社更生法の決定を受けて、果たして社会のために必要な企業として今後存続することが適当かどうかという議論も出てくると思うんですけれども、リッカーがだめだということだけで言うのではありませんが、そのような問題等も考えていくと、やはりもっと更生法そのものの運用の仕方、あり方等にも一応検討の時期が来ておるんではなかろうか、こういう面で申し上げたわけですから、御検討をいただきまして、さらにまた、申し入れしたいことがあればひとつ申し入れをしていただきたいという考えでございます。  別に御答弁は要りません。  終わりました。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 けさほどから、この法案の問題並びに中小企業一般の問題については、各委員の方からほとんど問題が出尽くしたと思うので、私、最後に少し中小企業というものについての物の考え方で、私自身もまだ十分にこなしていないわけですけれども、その辺、私の意見も聞いていただいて、それで通産省の方のお考えも伺いたいと思うわけです。  まず私は、けさからずっと聞いておりまして、中小企業という言葉自身が何かもう時代に少しそぐわない、そぐわないというよりも少し時代の方が進んでいるんじゃないかという感じで承ったわけです。かつて、中小企業庁ができたのは昭和二十五、六年ごろでしょうね、それからもう三十五年たっている。そのできた時分の中小企業というものの考え方は、いわゆる大企業に対するアンチテーゼというんですか、大企業に対して中小企業というものが設定されたと。ところが三十五年たちまして——私がちょうど会社へ入社した時分なんですよね、その時分の中小企業と今の中小企業は非常に違うんじゃないか。逆に言えば、非常に成長しているという感じなんですね。  あるいは大企業との間の対比を考えますと、かつては大企業と中小企業というのは非常に差があったような感じかするわけです。ところが、特に低成長になってから大企業の有利性がどんどんどんどんなくなってしまって、中小企業に近づいてきたというか、一つのだんごになっているという感じがするわけですね。むしろ、分け方としては、中小企業から上と、その下の零細企業ですね、その辺に一応線を引くことが政策的には必要じゃないかという気がするわけですね。  零細企業というのは、例えばメーカーで言えば従業員二十人以下ですか、商業で言えば十人以下とか、要するに、家業、生業を中心としているその企業、もう少し例えて言えば、いわゆる大福帳でもって経理をやっているのと、それから、小規模以上になると皆複式簿記を使っている、その複式簿記を使っているのとそれから大福帳でやっているという、この辺に線を引いて政策を考えなきゃいけないんじゃないか。逆に言えば、中小企業というのは、むしろ大企業なんかと一緒に考えていくべきであって、零細企業の方を特別にいろいろきめの細かいことをやっていかなきゃいかぬじゃないか。だから、中小企業庁というのも、零細企業庁じゃぐあいが悪いでしょうけれども、小規模企業庁ぐらいに名前を変える必要があるんじゃないかと思うんですが、まず、その辺の御所見をお伺いしたいんです。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のような中小企業の概念の発生といいますか、まさに昭和二十三年に米国占領軍から中小企業庁の設置を慫慂されて以来、中小企業という概念が発生したわけでございます。それ以前には中小規模の事業者とか、そういったような表現で呼ばれてきたことは事実でございます。  しかしながら、昭和三十八年に中小企業基本法が制定されました際に、一度、日本経済におきます中小企業問題というのが吟味されたわけでございます。その当時の問題は、これは有沢先生が御提唱された問題でございますが、日本経済の二重構造論というのがございまして、言うならば、その二重構造の底辺構造に位置する企業群を中小企業と称したわけでございます。  しからば、それは何でその二重構造を分けたかと言いますと、やはり基本的には付加価値生産性の格差、これが、企業の規模に従って連続的に動くのではなくて、三百名あるいは資本金一億といった分野で、ある意味で若干の断絶がある、そういった面から付加価値生産性の格差を是正し、それによってもって生じてまいります労働賃金格差を是正するという観点から中小企業のジャンルが決められたものだというふうに理解をいたしております。  それじゃ、そういった問題が現在すべて解決されたかと申しますと、やはり高度成長過程で相当格差が解消した面もございますが、安定成長に入りまして、五十四年以降逆にまた格差が拡大しつつある。これは付加価値生産性もさることながら、労働賃金の格差も開いている。特に中高年齢層における労働賃金格差を分析いたしますと、やはりその基本的原因は付加価値生産性の格差に起因するということが出てまいっておりますので、その意味におきます付加価値生産性格差の解消の必要性というのは依然として残っているのではなかろうかというふうに思っております。  その場合に、例えば象徴的にどういう問題があるかと言いますと、中小企業の場合でございますと、金融自由化によりまして資本調達の多様化が非常に進んでおります中で、例えば、株式による資本調達が非常に制約をされておる、あるいは転換社債等の発行も制約をされておる、また、そういった資金の運用については、例えばCDその他の利用も相当に限界がある、そういう意味におきまして、金融という側面一つとりましても、規模の過小性と申しますか、小さいことそれ自体によってのハンディキャップが出ておるのが現実だろうと思います。  したがいまして、中小企業対策というのは、そういった規模の過小性によってもって生じてくるいろいろな事業活動面の不利を補正しながら、格差の是正に努める中小企業を支援するということではないかというふうに考えておるわけでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 まさに今のお説のとおりだと思うんです。  ただ私、今おっしゃいました労働賃金の格差がいまだにあるわけですね、これが非常に大きな問題だと思うんです。私の感じでは、今中小企業と大企業の差というのは、やはり一番象徴的には労働賃金の問題にある、この格差を解消するというのが一番これからの大きな課題だと思うわけですね。  それで、今私がこういうことを提案申し上げたのは、実は、中小企業というものがやはり企業格差があるからという、あえて言えば思い込みみたいなものがあって、政策の面でもそういうことでずうっとやってこられた一つの惰性みたいなものがあるんじゃないかと。したがって、この際、少し白紙に戻していただきたいということを申し上げたいためにこういう提案をしたわけです。  それで、金融の問題、先ほど長官おっしゃいましたけれども、中小企業庁ができたときと言われている昭和三十年ごろ、これは例えば、日本全体がちょっと景気がよくなるとすぐ外貨の天井に突き当たる、それからちょっとやるとすぐインフレになるので金融引き締めをやる。大企業でも資金調達というのは大変だったわけですね。まして中小企業になると大変だということで、いろいろ中小企業金庫だとか、こういう倒産防止法もその一つでしょうけれども、幾とおりもの金融の手を、特に中小企業あてに施策をせざるを得なかった。ところが、今現在非常に緩んできていると。  ところが、一つ私非常に感ずるのは、これは後で申し上げますけれども、資金調達、確かに証券市場で調達するということはできないかもしれぬけれども、まだ非常に安易だという感じがするわけですね。むやみやたらに手形取引をやったり、中には融通手形を振ったりして簡単に資金繰りをやっている、緩んでいるからできるわけですけれども。そういう点が政府の方としてもこの際少し指導の方針を変えていただかなきゃいかぬじゃないか。  私の意見を申し上げると、今までの中小企業対策は、全部が全部とは言いませんよ、しかしフィーリング的には保護するという立場だったと思うんですね。ところが、これからはやはり自立さしていく、独立独歩で世界的に競争力のある企業に育てていくという方針に変えていただかなきゃいかぬじゃないか。いわゆる母親的な教育方針から父親的なものに変えて、寒くても引っ張り出して寒げいこやらせるということも必要じゃないかと思うんですが、その辺のお考えいかがでしょう。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のような中小企業対策について、いわば弱者保護的な施策なのか、あるいは経済合理性を追求する中小企業の自主的努力を支援する施策なのかというような議論、これは、実は昭和三十八年の中小企業基本法制定をめぐりましていろいろ議論されたところでございます。  先ほど申し上げましたように、ちょうど輸入自由化、資本自由化を急速に進めなくちゃいかぬ時期に、経済の二重構造の底辺に位置する中小企業対策としては、保護的対策をとるべきなんだという意見も非常に強かったわけでございますが、基本法は、国民経済の発展動向に即して自主的に努力する中小企業を支援するんだという政策体系で割り切ったわけでございます。したがいまして、先生が御指摘のように、フィーリングとして保護的ではないかと言われる点、すべての中小企業の個々の対策についてそれがないとは言い切れませんけれども、基本的な姿勢は、それぞれ自主的に努力をする中小企業の支援であることは間違いないところでございます。  我々が中小企業の経営を指導し、あるいは経営そのものに責任を持つわけじゃございません。それぞれの企業が自主的にその責任に基づいて事業を運営してまいるわけでございますので、私どもはその自主的な努力が実を結びやすいような環境をつくるということに力を置いて、今後の中小企業対策を進めたいというふうに思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで一つ、私よく調べてないんで、これ教えていただきたいんですけれどもね。最近の経営の行き詰まりとか倒産、それから経営不振ですね、そういうようなのは、中小企業も大企業も同じような傾向にあると思うんですね、多少の比較的な問題はあるにしてもね。  それで、私の感じでは大企業も中小企業も行き詰まっていっているという形においては余り変わらないんじゃないか。昔のような歴然と中小企業的な倒産の仕方とか、大企業的な行き詰まりとか、そういうものがなくて、大体——零細企業は別ですよ、零細企業はちょっと別にして、大企業も中小企業もほとんど違わぬじゃないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうにお感じになっていますか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 確かに、これは先ほど御指摘のような、大企業と中小企業の差が一番大きく生じましたのは、景気循環過程におきます資金がタイト化した時期における、いわば資金手当が中小企業に非常に強く響いた時期と、現在のような金融の超緩慢時期では、大きく時代が変わっておるだろうと思います。  しかしながら、やはり大企業であれば従来の資本蓄積あるいは資本調達手段の多様化によりましていろいろ対応ができるものが、中小企業にその道かない。例えば、今年度中小企業の技術基盤強化税制をお願いいたしましたが、これは大企業であれば多くの複数の研究プロジェクトを、複合的に毎年計画的に金額を増加できる時代で、それに対して中小企業は、それぞれ経営の運命を担うような研究プロジェクトを幾つもやっていくわけにはいかない。そういたしますと、単一のプロジェクトを進めていく、そういう場合には、結局常に金額を毎年毎年ふやすわけにはいかない、その調達も非常に大変である、  そういうような環境の中で、現在中小企業は年間約二千三百億ほどの技術研究開発投資を進めておるわけでございますので、そういったものをさらに支援できるような体制をつくろうということで税制改正を行ったわけでございますが、そういう一つとりましても、やはり大企業が大きな懐の中で処理する問題が、中小企業ではなかなかマネージできないという側面、これは当然出てくるんではなかろうかと思います。  情報化の問題にいたしましても、我々考えてみますと、情報化のための投入コストは、大企業であろうと中小企業であろうとそう基本的には変わらない。しかし、それから出てまいります情報のアウトプットは、多数の事業部門と多数の事業所を持った大企業の情報メリットと、単一事業部門で単一事業所である中小企業では歴然たる差がある、こういうようなそれぞれハンディキャップがやっぱり出てくるんではなかろうかと思います。  そういった面で、今の段階ですべてが同一——現象としては先ほど来御指摘のような、個々の会社の倒産であれば、例えばミシンの電子化に対する対応がおくれておった、あるいは精密機械に対するやはりエレクトロニクス化の対応がおくれておったという問題がある。そういう意味においては、現象的には似ている面がありますが、根本はやはり違うんではなかろうかというふうに考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで、先ほど午前中来もありましたけれども、要するに貿易黒字の問題ですね、今後どういうふうになっていくかということなんですけれども、私はあえて申し上げますと、日本の産業の宿命として今後ともこの貿易黒字はもう避けられないと。非常に極端な言い方をすると、いろいろな手を打っても無理なんじゃないか。しかも、将来とも、今でもそういう傾向があるんですけれども、それを担っていく表面上の輸出成約者は別にして、その原動力になるパワーですね、やっぱり中小企業じゃないかという気がするんですね。  例えば、ついこの間申し上げましたように、自動車産業でブレーキメーカーとか、ハンドルメーカーとか、エアコンだとか、そういう個々の部品が極めて優秀になってきているわけですね。それをもちろんアセンブルしている自動車メーカーのアセンブラーの優秀さもありますけれども。こういうようなのはもう多少のことをやってもどんどんどんどん輸出していく。こっちがするんじゃなくて、向こうから吸引力で求められて、どんどん出て行っちゃうということの方向に行くんじゃないかという気がするわけですね。  しかも、私はやはりこれからの企業というのは、大中小に限らず、やっぱり国際場裏で自力で生きていけるものに育てるのが当然だと、いつまでも過保護でやっているというのは、決して業界のためにもメーカーのためにもならないというのが私の基本的な考え方なわけですね。  それで、実はおとといの特許のときにも申し上げたんですけれども、やはり特許なんかの場合に、先ほどおっしゃったように、中小企業のやはり弱いところというのは過去の蓄積がないところだと思うんですね。技術なんかの蓄積もないと。かつては親企業の下請で、親企業から設計図をもらって、そのまま一生懸命安くつくっていればよかった。下請的だったわけですね。ところが、今の中小企業というのは、だんだんだんだん自分で技術を持って、独立の企業に成長しつつある。設計能力も自分でつけてやっている。もちろん自動車部品でも、アセンブラーから頼まれた物をつくるということはあるでしょうけれども、自分なりのオリジナルの設計図でもって売り込んでいくというふうな状況に成長しつつあると思うんですね。  その辺で、実は特許のときもお願いしましたように、できるだけああいうものを、今度改革される際に中小企業なんかに使いやすいようにしていただいて、そして中小企業の技術的なデベロップメントを助けていただきたいということをお願いしたわけですね。そういう点において、今後私はやはり零細企業と一線を画して、分けて対策を講じていただかないと、ここを一緒にしちゃうと、どうしても焦点がぼけちゃうんじゃないかという気がするわけですがね。その辺御意見があれば承りたいですね。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 中小企業についての意義であるとか、あるいは沿革であるとか、それから中小企業と零細企業の差の問題であるとか、いろいろ木本委員から御指摘をいただきまして、先ほど来中小企業庁長官との質疑応答を承っておりまして、非常に勉強さしていただきました。  私は企業全般について考えまするのに、大企業であれ中小企業であれ、かつて非常に繁栄して今は非常に難しくなっておる企業がある。例を挙げますと大変失礼に当たる場合もあるかもしれませんが、例えばアルミニウムなどの素材産業だとか、あるいは繊維工業だとか、そういう分野がある。そうかと思えばかつては本当に零細企業、中小企業から起こって今はハイテク産業として、もう株価自体でも数千円台というようなのを上げておる企業もある。そういった意味で、私は企業自体の選択は、やはり時代により、地域により、国により、大変大きなうねりと申しますか、潮の中にあると思うんです。  そういった意味のまず認識が大事であると思いますのと、それから中小企業と農業に対する国の政策の考え方が基本が違いますね。農業の場合は本当にお母さん的な気持ちで国はこれに対応していかなきゃならぬ。中小企業、零細企業でも同様でありますけれども、しかし実際は自助努力であるとか、それから企業の種類によるその企業自体の対応であるとか、そういうことによって、みずからの力によってはい上がっていく、みずからの力によって発展をしていくという工夫がなければ、これもうやはり企業というものは発展をしない。  そういった意味で今御指摘になりました日本の貿易のことを考えてみますと、日本というのは非常に資源がこんなに少ないのに、そしてこんなに狭い国土なのに一億二千万という国民を十二分に養って、そして世界の一割国家として融資をしておる、このことは何といっても貿易立国であることは間違いないと思うんです。その意味でこれからは内需を振興させて黒字をできるだけ幅を少なくするということでありますけれども、そういった際に、中小企業のあり方というものは極めて大切でございまして、これはこの委員会の質疑を通じても、中小企業が今度の経済措置によって大変な打撃を受けるようなことがあったら大変だぞという御指摘あり、全く同感でございます。  私は、そういう時代により、地域により発展をする企業とそうでない企業、その選択をひとつよく考えていただくということと、そしてまた非常に現在はやりにくくなっておる企業でも、創意工夫をもたらすことによって、情報化やそれからまたハイテク化をもたらすことによって対応できるとか、いろいろな工夫をしてもらわなきゃならない。そして委員が御指摘になった中小企業と零細企業の差はまた別でございますが、そういった点にも零細企業にはお母さん、それから中小企業全般にはお父さんというような気持ちが大変必要なんだという御指摘は、よく肌で私感じ、わかるところでございます。  そういったいろいろな問題点を含めて、日本の企業の貿易問題、そしてまた大企業、中小企業、零細企業の将来についての配慮をきめ細かくしていかなければならないと、このように思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それでこの法案に関連して一つ私の意見を申し上げたいんですけれども、これはやはり今の中小企業の場合、例えば先ほど借入金の金利の問題がありましたけれども、むしろ会社の経営としては、金利の問題よりも金が回っていくかどうか、融資できるかどうか、資金繰りがつくかどうかが非常に問題なわけですね。  したがって、私の一つの提案なんですけれども、例えば中小企業関係で今いろいろ補助金が出ていますね。余り今は多くないし、行革のあおりを食ってだんだん減っているようですけれどもね。それでこういうわずかな補助金を総花式にばらまいても、もうだんだんだんだん効果が少なくなってくるんじゃないか。むしろ私としてはそういうことが具体的に可能か、具体的にはどうするか研究していただきたいんですけれども、例えば中小企業金融公庫とか国民金融公庫とか、ああいったところが中小企業者に対して無保証、無担保で金を貸す。とすれば、三千万要るのに二千五百万円しか貸してもらえなかったらやっぱりだめなんですね、これ。したがって、金利の問題じゃなくて、このあとの五百万円の信用をどうするかという問題だと思うんです。そういう点で私は、今のバンカーの立場だとやはり貸し倒れを起こしちゃ困るということで、どうしても貸し付けに慎重にならざるを得ない、これは当然なんです。  しかし、私はこれは銀行マンの本能みたいなものですから、自由にやらしてもなかなかそんなに貸し出しはしない。むしろどんどん積極的に貸して、それで貸し倒れが起こった場合にこういう補助金のようなものをそこへ積んでおいて引き当ててやってやる、ちょっと極端な話ですけれども。そういうふうにしてできるだけ積極的な融資というか、面倒を見てやるというふうなことにやっぱり重点を置いていただいて、補助金だとかなんとかそういうことじゃなくて、ちょっと考え方を転換していただく余地はないものかと思うんですが、いかがでしょうね。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 先生おっしゃるような声が中小企業者の間にもあろうかと思いますし、現実に限られた範囲でございますけれども、一千万まで無担保保証制度、信用保証協会なんかがございます。ですから、御指摘のような考え方が現在の政府関係の金融の制度の中に全く入っていないわけでございませんけれども、しかし根っこから全部そういう考え方に切りかえることについてどうかと言われますと、政府系のお金の原資は資金運用部のお金でございまして、もちろん先生立法論としておっしゃるんだと思いますけれども、現行法では、このお金は確実かつ有利な方法で運用するというのが基本になっておりまして、この考え方をかなり基本的に変えるということになろうかと思います。  世の中にいろいろ言われている中で、特定の事項に絞って技術開発とか何かの分野で、例えばベンチャーキャピタルのようなものを公的にもっとやれないかとか、そういう部分的な考え方はあろうかと思いますが、全部について切りかえるというのは現時点でなかなか難しいのではないかと思います。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 そういうふうな資金運用部の金だから安全、確実にという制約が一つあるわけですね。それで、片一方は、いわゆる企業政策としてはなるべくそういう少しリスクをとってでもやっていこうという、その辺のトレードオフが行政だと思うんですけれども、その辺積極的に今後とも考えていただきたいと思うんです。  最後に一つ、零細企業対策として、これは私の経験なんですけれども、やはり一遍倒産した零細企業といいますか、個人企業は、割合に後でちゃんと、二度倒産するというのは非常に少ないのですね。私の知っているほとんどのケースでは、もう二度目から手形を出さないわけですね。それで、もうできるだけ現金取引でやっている。そして、仮に買掛金にして一生懸命頭下げてももう手形は出さない。手形出さないとこれ絶対に倒産になりませんからね。そういうことでやっているところがきちっとうまくいっているというふうなことで、私は手形というものが余りにも安易に使われ過ぎたためにかえってこういう経営の厳しい姿勢をマイナスにしているんじゃないかと思うわけですね。  したがいまして、そういう点も、今後指導としては手形というのはもう使うなというぐらい非常に指導して、まあどうしても使わなければいかぬ場合もあるでしょうけれどもね、何かその辺の指導も変えていいんじゃないか。先ほども言いましたように、昔のように金融が逼迫しているときはあらゆる手段で資金調達をしなければいかぬけれども、今のようにいろいろな金融も整備されてくれば、手形を出さなくてもいいんじゃないか。手形を出せないということになると極めて厳しくなるというふうなことで、私は倒産をまた防げるケースも相当あるんじゃないかという気がするわけですね。その辺の所見を承りまして私の質問を終わることにします。

末木凰太郎中小企業庁計画部長

○政府委員(末木凰太郎君) 先生おっしゃるお話の中で、安易に外部の信用に依存してはいけないという点は先生のおっしゃるとおりだと思います。企業経営の姿勢としてそういうものだろうと思います。  ただ、制度としての商業手形というものを考えてみました場合に、これは現在の複雑な取引社会の中で長い期間かけて定着してきている制度でございますから、この制度の問題として、あるいは行政指導の方針というような形でなるべく手形を使うな、手形を受け取るな、出すなというところまでいくのは、今の段階ではいかがかという感じかいたします。  ところが、現実の姿を見ますと、十年前に中小企業の支払い手形比率がおおむね五〇%ぐらいでございましたが、その後ほぼ波を打ちつつも趨勢的に下がってきておりまして、最近四〇ぐらいになって、大企業の方もやや下がりぎみでございます。しかし、それと同時に借入金の比率は実は上がってきております。ですから、企業間信用から金融機関依存に現象的には変わっている傾向がございまして、これが何を意味するのか、先生が御指摘のような物の考え方が経営者の中にあってあらわれてきているのか、そのほかの原因があるのか、この辺はまだ必ずしもよくわかりません。よく研究さしていただきたいと思います。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見がある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、梶原君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。   中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、最近における企業倒産件数の増勢傾向にかんがみその対策に万全を期するとともに、本法施行に当たり、次の諸点について適切な指導を行うべきである。  一、中小企業事業団は、倒産防止共済制度の広範な普及に努めるとともに、加入しようとする中小企業者が本制度の内容を十分理解できるよう留意すること。  二、中小企業事業団は、共済金貸付けに係わる諸手続をできる限り簡素化し、かつ、手続のために要する期間を極力短縮するよう努めること。   右決議する。  以上であります。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 全会一致と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、村田通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田通商産業大臣。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、本制度の運用等に万遺憾なきを期してまいる所存でございます。ありがとうございました。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十三分散会

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