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102回国会参議院1985/04/03

商工委員会 第7号

発言数
126
登壇者
23
会派数
7
開催日
1985/04/03

会議録

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨二日、梶原敬義君、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君、和田静夫が選任されました。  また、本日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が選任されました。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 前日に引き続き、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会、経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫の審査を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 私は、昨日も農水の委員会で種苗法と特許法との関連について質問しておりましたが、今回、文化庁の方から出されている著作権法の改正、それから通産省の方で出しているプログラム権法がおりていった経緯、これらを見ておりますと、ちょうど植物問題の種苗法と特許法の関係に非常によく似た面があるんじゃないかという感を強くいたしましたので、そういう点、明らかにしていただきたいと思うんです。  それで、最初に大臣に、米国の特使が参りまして貿易摩擦についての圧力が強くかかってまいりました。半導体の問題、それから著作権法との関連の問題については、もう既にそれぞれ法案ができて、分野調整もやった形でできておるというふうに一応はなっております。しかし、この次一体こういう権利関係についてはアメリカは何を言ってくるんだろうか。と申しますのは、あるいはこの間来た特使はそういう点で一体何を要求していったのかということについてどうもよくわからない。例えば三極通商会議でいろいろ論議されている問題等についてもまだ国内では煮詰まっていない。そういうことについての何らかの申し入れがあったのではないか。  といいますのは、大体アメリカの一つの商売の仕方として、他国に物を売り出す場合に、そういう権利関係の相手国の法律をきちっと整備させないで出すと、自国における権利が守られない。特に私的所有権等のものについて守られないので、それを強く圧力をかけて全部整備させて、アメリカに都合のいいように整備させて、それから送り込んでくる。時間はかかるけれども、そういうやり方を大きな戦略として持っているというような気がするんです。  それで、その点について、一体この次に何を権利関係で圧力をかけてくるのか。著作権法などの場合には非常に、新聞紙上で見るだけでも、随分自分の方の言い分だけを中心にしてやってきているなというふうな気がいたしますので、この間どういうことであったのか、それをお聞きしたいと思います。

黒田真通商産業省通商政策局長

○政府委員(黒田真君) アメリカが権利関係でどういう圧力をかけてくるだろうかという御質問かと思いますが、圧力という言葉が適当かどうかわかりませんが、最近、国際場裏あるいは二国間で論議の対象になっておりますものは、先生御指摘のようなソフトウエアなりの保護の問題のほかには、例えばガット等におきましては、商標権の保護との関連で不正商品というような問題が国際的に問題になっておりまして、これは非常に大きな構図で申しますと、先進諸国が既存の商標を発展途上国によって、悪用されている、盗用されているのではないだろうか。そういうものをどうやって取り締まろうかというのが一つの権利に絡んだ問題かと思います。  さらに広く言いますと、特許権等の侵害にかかわる物資をどういう貿易の中で取り扱っていくかというような問題も、テーマとしては議論されているというようなことはございます。そしてその前提としては、各国におけるいろいろな権利の保護のされ方というものが、できることであれば、できるだけ国際的に調和のとれたものになることが望ましいというような議論をしておるところでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 実は、圧力と言えないかもしれないという話なんですが、私はこの次に、商標権、それからやはり植物特許の問題についても当然問題として出してくる時期がくるんではないか。というのは、レーガン大統領のブレーンの一人で、アメリカの特許庁の審査官なんかもやったことがあるモシンホフ長官が、日本から行った特技懇の人たちにこういうことを言っているんです。「貿易に関する知的所有権の法的規定の関税についての法律は非常に重要なことである。」、それから「次に半導体チップの保護についてであるがこの法律は半導体チップの著作権を十年間は保護しようというものであって、昨日我々は若杉氏と文部省の担当者に会い、」、これはだれだかわかりませんが、「日本でもこの法律を採用するかどうかを正した。もし日本で実施すれば米国は日本企業の半導体チップの著作権を保護するが、そうでなければこの保護規定は米国企業及びこの法を採用した国々についてのみ有効となるだろう。」、要するにこういう法律をつくらなければ保護しないということですね、ここで言っているのは、保護しないぞと。このときは、この半導体チップの著作権という言葉を使っている。そうすると、これは著作権ということになると五十年ですわね。それから、通産省が考えていたプログラム権法によりますと十五年ということである。だから、明らかにここでは著作権という表現で圧力をかけてきていると、日本の国内がまだ意見調整ができてないというふうに読み取れるんです。  それから同時に、次に「植物特許の問題、これも非常に重要である。」ということがこの会談の中で、これはお読みになっていると思うんですが、「特技懇」という雑誌の中に載っていますが、こういうことを表現しているんです。それで私たちは、要するに大変だと、そうなったらもう日本の農業としても大変だという立場で、今の推移も非常に関心を持たざるを得ないということになってまいったわけでございます。こういう形での圧力というものを、いわゆる文化庁と通産省との間の今回の法提案に至るまでの経緯の中で、大臣としては感じられませんでしたか、そういうアメリカの圧力というものを。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 半導体集積回路の回路の保護に関する問題につきましては、従来から日米両国で全世界の九割ぐらいの生産を占めておりますので、その保護の必要性について原則的に考え方が一致しまして、どういう形でやるかということを検討しておったわけでございます。  ところが、アメリカ側が昨年の十一月に半導体のチップ保護に関する法律を成立させまして、既にことしに入ってそれを実施に移しておるわけでございますが、今先生御指摘になりましたモシンホフ前アメリカの特許庁長官の発言は、そのように半導体チップの権利の保護をやる必要があるんではないかということを言ったわけでございまして、それは決して日本の著作権法でいう著作権ということとか、著作権条約でいう著作権という意味で述べられたものではないというふうに考えております。  植物特許の問題は、むしろ特許庁の方からお答えいただきたいと思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それはまた聞きます、後で。  それで、これは私の勘ぐりかもしれませんが、こういうことで圧力をかけてきて、早くつくれと。そうすると、通産省としては早くICチップの問題というのは法案として出していかなきゃならないでしょう。これもやはりそれぞれ分野調整その他では、各省といろいろやらなきゃならぬ問題もある。文部省ともやらなきゃならぬ問題もあると思うんですよ、半導体の問題にしましてもね。それで、プログラム権法は譲ってこっちだけをやる、お互いのなあなあの仲で、そういう圧力によって両方に分けたんじゃないかな、こういう感が強いんですが、いかがなんですか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 半導体の集積回路の問題につきましては、ただいま申し上げましたように、日本とアメリカで世界の大部分の生産を占めておるという事実に基づき、しかも日本からアメリカ向けの半導体の輸出の量の方が、最近はアメリカから日本が買っております量よりもふえておるような状況でございます。したがって、日本の関係者でも、日本の半導体チップの権利をアメリカで保護してもらう必要があるんではないかとか、そもそもそういう半導体集積回路の回路配置について、その権利を保護する必要が一般的にあるのではないかという考え方が私どもの方にもあったわけでございますので、私どもの考え方とアメリカの考え方が一致して、特別の立法によってやろうということで、既に今国会その法案を提出させていただいておるわけでございます。  それから、コンピュータープログラムの関係でございますけれども、これにつきましては、通産省といたしましては、コンピュータープログラムに関する特別の立法措置が必要ではないかということで、いろいろ検討はしておりました。しかし、文部省の方では、従来から著作権法によって十分に保護できるんではないかというお考えがあったわけでございまして、その間の調整を行いました結果、これは半導体の問題とは全く別個に文部省との話し合いをしまして、それで世界全体の趨勢が当面は著作権条約体系の中で保護していった方がベターだという動きになっておりましたので、文部省の方にこの保護の問題をお願いしたわけでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 大臣、私はね、北海道の池田町で二十年町長をやっておりました。そして、その間にワインだけでなくて、例えば今のこの情報化時代を先取りして、昭和四十年代の後半に有線テレビを各戸につけたんです。町営でやっております、放送局を持って。そのときに、いずれこういう時代が来ると思って線を二本入れたんです。だから、町じゅうに張りめぐらしている有線の中で、二本が入っていますから、双方向システムでいつもできるというところまでやっている。  これは当時まだアメリカでもやっていませんでした。アメリカの有線も単線です。そのとき、むだな一本を入れて、二本の線を引いた有線のシステムを使って、そうすると、田舎でけが人が出ても、そっちからどういう手当てをするというのは病院との間でもできるじゃないか、こういう時代がすぐ来るということで。ですから、この関係についてはそういう点で素人なりに非常に関心を持っているんです。私自身がそういう点を実際の問題として考え、だから町でこういう委員会やりますとね、今でも全戸に生中継やっているんです。これ、今でもでなくて、十数年前からですよ。十年以上前からやっているんです。だから、このごろ盛んに三鷹なんかでいっているああいうシステムを、もう十数年前に考えて取りつけて、いつでもできる体制にしている。だからこのことが非常に気になるんですがね。  これで言いますとね、今、機械情報産業局長さんね、チップは大量に日本から向こうに売られて いると。量を言いましたね、金額言いませんでしたね。あんなもの大量に売ったって幾らになります、安いものでしょう。三鷹の電電へ行って見てきましたけれども、半導体のこんな小さな、あんなもの幾ら売ってみても、量、目方にしてもそれほどの、大量といっても、じゃ何万トンかなんというものじゃないし、金額にしてもごく安い。しかし、それらを売って、今度は向こうでそれをシステムにして日本に売りつけてくるときには、その何千倍の金額のものがそれらをはめ込んで売ってきますわね。だから、半導体は日本から買って、安いからといって日本につくらせて、組み込んだシステムはこちらの方でがっちり握って、五十年という非常に長い権利のある著作権法だと、アメリカの戦略としてそういうことを考えるのは当然だというふうにお思いになりませんか、これは大臣どうですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 丸谷委員の先ほど来の御指摘、通商政策局長、それからまた機械情報産業局長から具体的な問題については今お答えしたとおりでございます。  半導体集積回路の回路配置に関する法律案、あるいは今御指摘になった著作権法の法律案、いずれも先生御承知のような形で国会に提出されておるわけでございまして、これについては、実はいろいろ日米の交渉の経緯等もあったわけでございます。  それはどういうことかといいますと、これは委員御指摘の問題と直ちに結びつくわけでございますが、二月に四極通商会議を京都でやりました際に、ブロック通商代表から、この問題についてバイラテラルの会談のときに詳細の指摘がありました。著作権法の保護、それから半導体関係のもの、これは今アメリカが非常に関心を持っておる問題でございまして、特に四分野の交渉がございまして、アメリカのシグール特使が中曽根総理に会って帰られた。そういう、今非常に日米通商関係が緊迫した関係にあるときでございまして、通商関係をいろいろ担当しております通産省といたしましては、できるだけ半導体法にいたしましてもあるいは著作権法にいたしましても、早期に解決をして日米の関係が円滑にいくようにということを心からの念願として今回の措置を決めたわけでございます。  したがって、丸谷委員御指摘のような、アメリカとしてはこういったハイテク関連あるいは知的所有権関連、ソフトウエア関連というようなところについての問題は、非常な関心を持っておるに違いないと思っておるのでございまして、その点は委員御指摘のとおりの認識を持っておりますが、具体的な折衝は個々の問題について一つ一つ対応をいたしまして、世界の自由開放体制の推進、新ラウンドの推進、日米親善関係、そういったことを最大に念頭に置いて進めておるところでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 この著作権法の改正で権利保護をしていこうというのは、種苗法に私よく似ていると思いましたのは、こういうことなんです。  種苗法では、買ってきた種苗を増殖して他に売る場合には元親の許可が要るんです。しかし、それを使用するためにふやすのは許可要らないんですよ、自家増殖は要らないんです。ところが種は何回も、F1なんかの場合一回しか使えませんから、毎年買わなければならぬ。それをまいてもそれから種をとれないんです、種子の方は。しかし、ブドウのような枝を切って挿し木でふやすことができるものは、登録された品種を一本買ってきて、これを自分のところでふやせば何万本にでもなるんです。これは使用権は抑えられていないからなんです。そうすると、その何万本にふえたやつがあっちこっちに散らばる。これは、売れば不正ですよ。しかし売ったか売らないかわからない。やったと、いや私のところから貸してつくらしているんだと、実はなるけれどもそれは違うと、関係ないというふうなことがあり得るんです、果実の問題については。こういうことがあるんですよ。  そのかわり特許法に比べて、種苗法は登録非常に簡単なんだ、登録ですから簡単なんです。どうも著作権法というのは、大体そういうふうに割と簡単に権利が設定できる仕組みになっているんですよね。しかも使用禁止といっても、枝を移して植えるのと同じように、コピーして使わせていたら、うちの中で使わせているんだと言えば、そのプログラムを幾らコピーして使っても抑えようがないんじゃないかという気がするんですが、どうなんですか、これ。今度の改正案で抑えられますか、文化庁。文化庁の方ですな、これは。

岡村豊文化庁文化部著作権課長

○説明員(岡村豊君) ただいまの御質問でございますが、著作権につきましては、無方式で著作物をつくりましたときに自動的に権利が発生するということで、容易に権利取得ができると。それからそのコピーにつきましては、原則として権利者、著作者の許諾が要るわけでございます。ただ家庭内の使用等一定の場合、社会通念上そういうのはやむを得ないという使用については、一定の範囲内で、限られた範囲内で自由に使用できるという格好になっております。先生御指摘の家庭内における使用というのもそのたぐいでございます。  ただ、家庭内における使用ということでつくりました複製物を外に出すということになりますと、これは著作権侵害になるという構成をとっておる次第でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それはそのとおりなんですよね。  ところが私の心配しておるのは、そこで海賊盤が非常につくりやすいんですよ。いいですか。特許法なら、使用まで縛っていますから、それから損害賠償の請求その他についても法体系としては極めててきぱきといけるようになっているんです。権利者保護の方が強いんですよ。ところが種苗法や著作権法だと、今おっしゃったように、これはうらの母ちゃんが使うんだ、息子が使うんだということでコピーできますわね。海賊盤として流れる場合には、それは悪いことをやっているのは仕方がないといっても、それがあなたたちの考えと、私たち実際に、これはあなたたち以上に農水省と私たちの考えの違いなんですけれども、抑えようがないんですよ。苗木の場合なんかでも、種はいいけれども苗木は抑えようがない。  同じように、今のような抜け道があると、抑えのきかない海賊盤がどんどんと出ていって、今度それを取り締まるためにえらいまた苦労して、アメリカから指摘されると、何だと、日本はいつも約束を守らないなんというようなことになりかねない要素が、どうも著作権法には今の説明聞いてもあると思うんですが、それは海賊盤つくるやつはつくる方が悪いんだといっても、つくりやすいような仕組みにしておいてつくる方が悪いんだというのと、つくりやすくないような仕組みにしておいてつくる者が悪いんだというのじゃ、私は違うと思うんですが、大臣これどう思いますか。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) コンピュータープログラムの保護の問題につきましては、通産省で一昨年研究いたしましたときには、今先生御指摘がありましたように、使用権ということで、使用すること自身についても、コピーしたものを使用した場合にはそれを抑えるというような考え方を入れようかということは検討しておったわけでございます。  ただ、著作権法の場合には直ちに同じような考え方にはならないと。今文化庁の方から御答弁のあったとおりでございますが、コンピュータープログラムの特殊性を考慮に入れて、文化庁の方ではある程度限定的な形ではありましょうが、御検討をされているということは聞いております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 これはそういう問題点があるということを私は体験的に考えるので、お役人さんは法律を改正すればそれで事足りると思うけれども、そうはいかぬよということを今から御忠告申し上げておきます。これは今の著作権法だけで縛ろうとすることに無理があるんじゃないかというふうに思いますので。ただ、だから特許の方が何でもいいとは思わないのですよ、少し長過ぎるし手続難し過ぎます。あれは農民なんかなかなか特許法に出すなんということ大変なんですよ、それ から許可になるまでが。  これは前に特許庁に質問したことがありますけれども、なぜあんなに長くかけるのだと。私が出した商標登録なんかでも、とにかくここで済んで、ここから隣の部屋に持っていくのに三カ月かかるのですよ、運ぶ時間がですよ。こういうところをもう少しちゃんとしないと、だから特許というのはもうとっても面倒だということになるので、ですから、私は別に特許法を守るために言っているのではなくて、特許法の方も、もう少しちゃんとしてもらわなけりゃ困ると思うんですが、その後幾らか直りましたか、そういう点、どうです、去年から。

志賀学特許庁長官

○政府委員(志賀学君) 全般的に大変出願件数がふえております。最近、技術開発が非常に旺盛であるということから出願件数がふえております。同時にまた、出願の内容が最近非常に難しくなっております。そういうことから申しまして、なかなか出願、審査請求に処理が追いつかないという面がございます。そういうことから、やや審査処理期間が長くなる傾向があるというのが出ておりまして、私どもとして大変憂慮しております。  その点について、先生御案内のようなペーパーレス計画の推進であるとか、あるいは出願業界の出願の適正化についての協力であるとか、いろいろなお願い、対策を講じまして、その処理期間の短縮に努めているわけであります。同時にまた、先生今御指摘がございました、事務手続が長いじゃないかと、こっちの部屋から向こうの部屋へ回すのに時間がかかるじゃないかと、これは私もよく職員から聞きます。何でそんなにかかるのかと、早くやれということを大変強く指導しているところでありまして、逐次改善していきたいというふうに思っております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それで大臣、これは前大臣のときなんですよね、こういうことなんです。これは見出しですから、中身はそれほどでもないんですが、「植物特許は当面見合わせ 通産相が意向」ということで、東京新聞に昨年の三月に、これは日本新薬のヨモギの特許申請が出た後でこういうあれが出ているんです。  中身を読んでみますと、我が党の川俣健二郎さんの質問に答えたものなんですが、他国の巨大な種苗資本が自国の農業を支配するのを防ぐと、他国ではそういうことがあるために植物新品種を適用除外としているのであるから、農家経済に大打撃を与えることのないよう農林省と十分協議して対処したいと言っているんです。協議して対処というのは、協議していればなかなか進まないですわね。ただでさえおくれる特許が進まないので、これはもうそのうちに消えてしまうのだなと、こういうふうに私たち理解したので、この問題をこんな農家にそんな大打撃を与えるような問題じゃないのだということを、新しい通産大臣にはよくこの機会に理解してもらいたいと思っておるんです。前の大臣がここで発言しているようなことにならないんですよ。  一例を挙げれば、例えば今申し上げましたように、F1なんというのは次、まけないのです。アメリカが原種を押さえているトウモロコシなんて、日本でF1つくりようがないんです、種が。全部買わなきゃならないんです。既に全部買っているものを、日本じゃ、もうトウモロコシの種なんかどこもつくっていませんから、販売ね、これ何も、どこでも大打撃を受けていませんよ。いい苗を、いい種を使った方が農家は得なんですから。得だからやっているだけで、受けてないんです。現に私どももつくっていますけれども。  ただ、それを外国資本に全部日本の種を押さえられてしまったら、これは大変なことなんです。そのために日本でも保護規定の強い植物特許という道を昭和五十年の初期に開きまして、その道を開いて受け付けを始めて、そこへ今度は種苗法というのが出てきている。これが分野調整ができないままずっと来ておるということであって、これを大変だから当分見合わせるだなんてね、通産大臣が、直接話法ではないんです、間接話法で、そういう見出しをつけられるようなことにならないように実はしていただきたいということなんです。以下、その問題について御質問を申し上げたいと思います。  ただいま申し上げましたように、農産種苗法の対象になっているのは、有性繁殖、無性繁殖があるんです。有性繁殖というのは、種をばっとまく、無性繁殖というのは種をまかないでも、枝を取って挿し木をしてでもふやしていけるという方法なんです。種苗法で言いますと、種の方はそれで押さえられるけれども、押さえても意味ないんですよ、F1が中心ですから。  昨日も農水の委員会で聞いたんですが、実際にはもう大半の、野菜の種の八割以上、もう八割ではきかないです。農家は実際に自分で採種してません。それから、果物の苗木も、農家が自分でつくっているというのは、きょうそちらの方に傍聴においでになっている倉方さんとか、澤登さんとかいらっしゃいますけれども、こういう方たちが私財を投じて品種改良をやるための苗木をつくっているくらいなもので、実際の経営栽培農家はみんな苗木は買っているんです、果物でも。そうすると農家かつくってないんですから、特許法の植物特許を与えても、農家に通産大臣が言うような大打撃を与えることにはならないんです。ましてアメリカに押さえられるのではなくて、日本の国内で日本の人が、国民がそういう権利を持っていれば、それはそういうロイヤリティーはそこへ入っていくんですから、そういうことにならない。こういう仕組みになっているんですが、大打撃を与えるというふうなイメージだけは強いんです。  これは、どこがそういうことで一番大きく声を出しているかというと、種苗会社なんです。種苗会社は今の種苗法の方がやりやすいんです、ふやせるから。どんどんふやせますからね。特許法になると、一本ずつ金払わなきゃならぬから、発明者の権利は保護されるけれども、企業にしてみると都合が余りよくない。しかし、私が心配しているのは、そういうことをしていても、アメリカが苗木やなんかをどんどん売ってくるときには、必ず日本に向けて、今の種苗法では守れないから、チップ法案や著作権法案に対する圧力と同じように、植物特許の問題についても圧力を必ずかけてくる。そうすると、向こうの思うような法律になってしまうんです。  それで、冒頭申しましたように、次は植物特許も問題だと言っているでしょう。このことについて、今の私の言ったことに間違いがあれば、農水省の種苗課から来ているはずですから、反論をしていただきたいと思います。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) お答えいたします。  ただいま先生、野菜の種苗の件でお話しになりまして、確かに野菜の種子の世界におきましては、ほとんどかF1物でございます。したがって、毎年購入をする、こういう実態になってきておりますことは、先生おっしゃるとおりでございます。  しかしながら、広く農産物の世界の中では、特に米、麦、大豆等の主要農作物を中心にいたしまして、まだまだかなり多くの主要な農産物が、いわゆるF1物ではない固定品種でつくられておりますし、しかも日本におきますところの農業経営の実態を見てみますと、毎年種を購入するというようなことではありませんで、年々歳々農家が秋とれた、例えば米ですと、種もみの中から翌年の春まきの種子を保留してまく、いわゆる自家採種と呼んでおりますが、こういう方式でやっておる、こういうことでございまして、こういう自家採種の部分の問題を、特許の場合ですと、これは完全にアウトになりかねないというようなお話を私ども伺っておるわけでございまして、種苗法の世界では、こういう自家採種の部分は、農業との調整という意味で排除されておる、このように理解しております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 今言った、もみだとか麦だとか大豆、この三種類しかおたくは挙げませんでしたね。これは主要農作物種子法というので、別の法律で網がかぶさっているからできないんですよ。そうでしょう。これ以外のもので言ってくださ い、自家採種を農家がやっているものを。種子でなくて、無性繁殖の方でです。——種子の方も挙げてください。このほかどういうものが全部農家でもって自家採種しているか。これはこれで押さえられているんですよ、種苗法じゃないんです。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) 確かに、ただいま申し上げました米、麦、大豆の主要農作物につきましては、先生おっしゃいましたように、別途主要農作物種子法というのがございまして、そちらの方で生産なり流通の規制というものが確かにございます。  それから、特に無性繁殖物の果樹の苗木のたぐいのものは、おっしゃるように各農家ごとに育成しながらやっていく、苗木を増殖しながら個別に対応していくという場合があろうかというふうに考えております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 もう一つ聞きますが、主要農作物種子法で保護されているもの以外に、有性繁殖でも農家が自家採種しているものはどの程度ありますか。

管原敏夫農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(管原敏夫君) 私の方で今数量的に把握はしておりませんけれども、そば等の雑穀についてはもちろん販売しておるものもございますけれども、自家採種の部分が相当ございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そばは、最近九州で四倍体によるところの増収品種もできましたね。日本の国内で使うそば粉の何%が国内で賄われていますか。

管原敏夫農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(管原敏夫君) 約二〇%でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 本当ですか。

管原敏夫農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(管原敏夫君) そうでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そばの主産地は私の方の十勝ですよ。全国のそばの約半分くらいは十勝ですね、半分以上ですよ。それが全国で使っているそばの二〇%ありますか。

管原敏夫農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(管原敏夫君) 現在、北海道がそばの主産地になっておることは、先生御指摘のとおりでございます。  そのほか、南九州を中心といたしまして主産地がございますし、また品種につきましては、ただいま申されました四倍体、これは信州大学、それから宮崎大学で育成されたところでございます。が、確かに現在の輸入は、中国、ブラジル、カナダ等から入っておりますが、国内の自給率は約二割というふうに理解しております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 九州で何ヘクタールくらいのそばをつくっておりますか。北海道で何ヘクタールくらいつくっておりますか。

管原敏夫農林水産省農蚕園芸局農産課長

○説明員(管原敏夫君) ただいまちょっと資料を持ち合わせておりませんけれども、後ほど調べて。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 北海道と言いますけれども、北海道でもそばをつくっているのは新得と鹿追だけなんです。約四百ヘクタールくらいですね。九州そんなにあると思いません。旅行して、そばの畑はそんなに目につくほどありませんから。私はそれほどはないと思っているんです。あるかもしれませんよ。これは水かけ論になるからこれでやめます。しかしもうごくわずかなものしかないんですよ。日本の農家経済に大打撃を与えるほど農民は有性繁殖の種子すらもう自分のところでは使わなくなったし、むしろそしてF1を使うようになればなるほど、そういう世界的な傾向の中で自家採種ということは減っている。日本でもF1をつくるために原種をきっちり持っている種苗屋さん以外には、種子はだんだんできなくなってきていますわね。この傾向おわかりだと思うのです。  それで今度は、有性繁殖の方で、有性繁殖で普通の果樹栽培農家が自分のところで苗木つくっている例があったら教えてくださいよ。そこへ行って私は見てきます。日本育種研究会に入っている我々のグループ以外に、台木をつくり、接ぎ木をし、苗木を自分のところでつくっている農民が、おっしゃるようにたくさんいるなら、私たちは何も心配しないんです。どうですか、種苗課長。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) お答えいたします。  先生おっしゃいましたように、果樹の苗木の世界は、かなり全国的にも九州の一部、それから関東の一部、それから名古屋の周辺等のような主産地の形成とでも申しましょうか、というものが進んでおりまして、そういうところを中心に果樹の苗木の生産がある程度の、ある意味での専門の農家なり経営者によって、種苗業者によって担われて供給されつつあると、こういう実態にございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 特に、無性繁殖においてはほとんどもう自家採種している農家というのは私はないと思うのです。そのことは間違いございませんわね。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) おっしゃるとおりだと思います。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そうしますと、大臣ね、通産大臣が言ったように、既につくってないんですから、みんなもう苗木屋さんから買う以外には、果樹農家は。そうすると、無性繁殖に関する限り、特許権与えても、損をするとか大変だというのは種苗会社だけで、つくっている農民でないんです。  このことをしっかり分けて、わいわい騒いで、植物の特許を与えたら農家がつぶれてしまうというような騒ぎをして、異議の申請しているのを調べてみたら、これは苗木屋さんの協会なんですよ。農民自体じゃないんです。あるいは農協とかその苗木を売る方のグループの人たちが文句を言っておるけれども、実際はないんで、前大臣が言ったように、植物特許を与えれば農民に大打撃を与えるというふうなことは、少なくとも無性繁殖の段階ではないし、つくってないんですから、ないんですよ。有性繁殖でも主要農産物種子法によって守られている米麦、大豆以外は。しかし北海道ではありますよ、小豆でも何でもまだ自家採種しております。ありますけれども、主要農作物とか、それから大豆とか、小豆とか、こういうふうなものは、国の機関が一生懸命品種改良やっているから、特にそういう必要ないんですよ。そういう必要ないというより、そこでいいものをつくれば民間の育種家が入り込む余地はないんです、そういうところでやっているから。  ところが、今度は果樹の方になると全く逆なんです。昨日も質問申し上げたんですが、この五年間に、二億三千六百五十三万九千円ブドウの品種改良の関係経費として農水省が支出しているんです、県の市場や何かにですね。十年間で約五億近いです。昭和二十三年からやっているんです。そのころの金額は少ないけれども、今の貨幣価値にすれば何十億ですよ、換算し直してはみないけれどもね。  昨日、私の質問に対して、今まで実際に利用されるような改良品種は一本もできていませんと農水省は言ってるんです、果樹の方は。果樹とブドウに関してだけでもですよ、できてないというんです。これはほかの果樹についても、大体品種改良というのは、民間の育種家が私財を出して骨身を削りながらつくり上げたものが多いんです。きょうおいでの倉方さんなんかの倉方モモ、倉方ナシなんというのは、世界的にも有名な品種ですがね、失礼ですけれども、今でも非常に貧しい生活なんです。権利保護されないまま苗木屋さんがもうけている。このことを昨日これは、はっきり農水の委員会で、農水省は一本もできていませんと言うんです。私らもそれは知ってるんです。ただ、記録にとどめるためにわざと——わざとというよりも質問せざるを得なかったんですがね、こういう実態を皆さんが余りにも知らないから。  それで、農水省にお伺いしますが、種苗法で守られないから、農水省自体がキッコーマンと共同開発した、細胞融合を使った新植物を方法特許の申請をしましたね。方法特許の申請をして、それが許可になれば、物もその網にかかるんです。そうですわね、特許庁ね。それをなぜそういう申請をしたんです。種苗法でなぜ守らないんですか。

丸山玉樹農林水産省農林水産技術会議事務局連絡調整課長

○説明員(丸山玉樹君) お答えいたします。  最近農林水産省とそれから民間の企業との間で、いわゆる細胞融合手法を用いまして共同開発いたしましたオレンジとカラタチのいわゆる体細 胞雑種でございますが、これにつきましては、きのうも御答弁申し上げたと思いますが、その細胞融合によります作出方法についての方法特許につきまして、現在特許庁に特許の申請をしておるわけでございます。そのでき上がった植物につきまして、これはいずれは種苗登録をするつもりでございますが、種苗登録にはいろいろな要件がございます。御承知のように、既存の品種と明確に区別ができるということ、いわゆる特性が明らかにならなければいけないということと、それから十分な均斉を保持しておるということ、ばらつきがないということでございます。それからもう一点は、繰り返し増殖してもその遺伝的な特性が変化しない、安定的に再現すると、こういった大きな要件が必要とされておるわけでございます。  現在作出されました植物体は、いまだ例えば鉢の中でもって成長している幼木の段階でございまして、これが果たして花を咲かせるのか、あるいは実をつけるのかといったようなことがまだこれからの段階でございます。これらの要件が満たされるかどうかまだ未確認の状態でございますので、種苗登録には至っていないわけでございますが、この作出された植物体が、これらの要件が確認されれば、種苗登録を申請することもあり得るというふうに考えておるところでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 この種苗法だけで、特に無性繁殖のものが、あるいは最近のバイオテクノロジーを使ったものがそう簡単に権利保護できないと、そういうざる法的なところがありますからね、これは登録制度だから仕方がないんです。そのかわり登録は多少の要件があれば、特許と違ってどんどん早く出します。出しますから、それがなければいいということじゃなくて、やっぱりそれはそれなりの私は役割を果たしているというふうには思うんです。思いますけれども、ただそれだけでは保護されない発明家たちを特許でやっぱり保護してやらなきゃならないのに、当分の間やらないようなことを通産大臣が言ったら、特許庁びびっちゃってやらないですよ、やっぱり審査官だってね。  しかしそんなことでないことを、これは五十三年の種苗法改正のときに大臣が言っているんです。これは私の質問に対して、当時の中川大臣がこういうことを言ってるんですよ。随分かかわりましたよ、これ。三日間やったんです。十八時間くらいやりまして、それでとうとう最後に本音が出てきまして、当時の農林大臣が最後のころになってこういうことを言っているんです、十五日の最後でね。「特許庁が審査も受け付けれるし、」植物特許に対して、「審査もできます。そして、特許の許可もできます。」、こう言っているんですよ。「しかし現実は過去もなかったし、今後もありませんでしょうから、ひとつ農林省でやっておきましょうと、こう言っただけなんです。」、こう言っているんですよ。「そこが怪しい怪しい」と。これは私は分野調整できないで出発しちゃっておかしいじゃないかと言ったところが、これは条約に加盟するのに急ぐから早くやってくれと言って、それできのうも農水省に言ったんですが、急いで議決してくれと言って、審議議了してくれと言っていながら、五十三年に議決さしておいて、入ったのは五十七年なんです。  私はそれは別な国際法上の文言上の翻訳の間違いがあるからこのままじゃ入れないと言ったんだけれども、入れると言って結局は入れなかった。それで五年かかったんです。こういうことがありましたけれども、それでどういうわけか、農林省このとき急ぎまして、それで最後に中川大臣は、できる、特許でもやれるんだ、やれるからいいじゃないかというようなことを言っているんです。そして受け付けもできると。これは当然できますわね、国民の権利ですから。受け付けたら審査官という独自の権限を持った人が権限あるわけですから。審査官の権限というのは、大臣や長官といえども侵せないんです、独立した権限で。これもこのとき明らかにしております。だから、大臣がああいうことを言うのもちょっとおかしいと思っているんですよ。審査官の権限に踏み込んでいるんです、大臣がね。これは当分協議してやるというふうなことはね。審査官は、受け付けて審査を始めれば審査官の権限なんですから。  このこと自体も前の大臣であれば少しやりたいと思っていたんですけれども、大臣かわったんで、これもうやむを得ないと思います。こういうことでやれるんです、特許でね。やれるということが一つ。  それから、無性繁殖については耕作農民はほとんど実害がないと。それから、日本人はそういう点で花卉についての改良したりする技術は非常にすぐれているんです。昨日も申しましたけれども、アサガオだとか菊だとか、日本人は江戸時代からすばらしいノーハウを持っているんです。決して諸外国に負けない。これが今種苗法の形でだんだんそういう意欲をなくしてしまったら大変だと。なぜ種苗法で守れないんだということは、昨日の著作権法とやや似たところがあるというので御理解いただいたと思うんですが、種苗法で守られないためにアメリカから圧力が来るんじゃないかと私が心配したのはこういうことなんです。  昨日もこれ、お上げしておきましたのですが、山形に中島天香園という日本でも大きい方の苗木屋さんがおります。(資料を示す)この方が、種苗法上の特許は取っているんです。取っているんですけれども、あれは別にそういう契約しないと——この人は種苗法の登録番号七四一号でコルトという品種、これはイギリスから入った品種なんですが、これを登録取っているんです、国内登録を取っているんです。ところが出す方の相手から、種苗法だけでは私の権利は守られないから、こういうものを苗木を売った一人一人から取れと、それでなきゃ日本に売ってよこさないぞと言われてやったんです。こういう仕組みをやっているんです。それからまた、バラのメーアンさんなんという方は、日本にも特許を随分出していてなかなかならないんです。種苗法では守られないから、日本にこれはフランスから送ってくれない、もう少しちゃんとしてくれなければ送ってくれない。  これはこれだけではないです。まだほかにもあるんです。こういう調子で有性繁殖、これはサクランボの矮性台木なんですけれども、みんなそれ使っているんですよ。そうして農民は、要するに特許料が五十円余計かかろうと百円かかろうと、植えて自分たちのもうかる苗木なら苗木代いといません。そんなにいとうものでないんですよ。よければこういうものを全部出して、どんどんこれは売れているんですから。今、矮性リンゴなんかが東北を中心に非常にふえてきています。私もこの間岩手の江刺へ行ってきましたが、物すごくふえているんです。そういう矮性リンゴの矮性台木を使うことがどんどんできてきますと、全部それ特許取らないと出さないんです。  台木というのは接ぎ木をする下の方です。農民がそのためにはその台木を、台木の木を持っていなきゃならぬですから。ところが、これが種類によって、どの種類にはどの台木を接ぐかということは、私のところでやっている。大体年間一万くらいずつのそういう花粉交配で接ぎ木を、池田町の研究所がやっているんですけれども、まだ一本もいいのが出ないんです。それくらい面倒なものを、それはなかなかやりませんよ、農民は。そういうことのあることは、農水省種苗課もわかっていますわね、種苗法で守られないから。こういうことです。  これがアメリカから入ってくるようになると、どういうことが起きるかというと、日本の法律直せと言って、外圧で直さなきゃならない、こういうことになったら、先ほど申し上げたICチップやなんかと同じような、非常に国辱的な形といっちゃ悪いんですが、直さざるを得ないところへ追い込まれれば、アメリカが日本に台木までも売り込む、自分たちに都合のいい法制に切りかえていってしまうんではないかと。これなら国内の発明家が特許料をもらうなんというふうなこととはけた違いに、農民はこれによるところの大きな経済負担を強いられることになる。私は、本当に農業 の将来を心配して、せめて逆に、民間の活力を応用して、日本から種子や苗木を、日本のような狭い国では、そういうものを世界に売り出せるような基地にしなきゃならぬと思っているんです。これに逆行しているんです、今のような権利が、緩くして。やる気をなくさせていく。  そうしたら官でやればどうかと言うと、今申し上げたように、昭和二十三年からやって何十億かけて新品種が一本もできないんです。農民が飛びつくような種類は一本もできないんです。こういう状態、どうなんですか。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) 先生おっしゃいました無性繁殖の場合の保護の、特にアメリカで植物特許というのがございますが、それとの比較におきましての日本の場合はどうかというようなお話がございましたので、二点ばかり申し上げたいと思いますが……

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それはいいです、きのうもらいましたから。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) いや、それとはちょっと別のことでございますが。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 いいよ、それは、質問の要旨でないから。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) アメリカには、おっしゃるとおり確かに無性繁殖植物につきましての植物特許という制度がございます。おっしゃるとおりでございますが、これはいわゆる……

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そんなこと聞いてないからいい。

土山道之農林水産省農蚕園芸局種苗課長

○説明員(土山道之君) そのほかの特許法とは違うというふうに私ども理解しておりまして……

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 そんなことは聞いてないから、今。別に質問してないことを答えなくてもいいの。  アメリカの特許制度は、植物の品種登録、種苗法的なものと、植物特許と、普通の特許と、三段階に分かれているんです。そのほかにもう一つあります。そういうことでこれは違うんですよ。だからその違いはあなたが答弁しなくても、私よくわかっているの。わかっているからそれはいいの。  ただ、特許庁に言いたいことは、これはアメリカで特許が許可になった倉方黄桃です。(資料を示す)日本の特許庁では、これはなかなかクレームがついていて特許にならないんじゃないかという心配を皆しているんですがね。しかし、審査官が審査する段階での、それに対して農林省との分野調整のついてないバイオテクだとかいろんな問題はあっても、通産省から政治的な圧力がかかって、特許庁長官が審査官に圧力をかけてということはございませんでしょう。特許庁、はっきり言っていただきたい。

志賀学特許庁長官

○政府委員(志賀学君) 私から申し上げるまでもなく、審査は、特許法の四十七条によりまして、特許出願、それから異議申し立ての案件についての審査、これは審査官がやらなければいけない、こういうことになっております。したがって、審査官が独立した権限で審査をしておるということでございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それなら、ヨモギのときに農林省けしからぬという申し入れしたでしょう。審査官の権限だと言って、なぜぴしっとやらないんですか、あなたたちは。

志賀学特許庁長官

○政府委員(志賀学君) ヨモギの案件は、かなり時間がたっているということは事実でございます。  ただ、このヨモギの案件でございますけれども、これは五十二年に出願されまして、その後拒絶査定の通知、これが二回ございました。それでその結果、その後やっと公告になったわけでありますけれども、それに対してまた異議の申し立てがあった。それに対してまた弁駁書のやりとりがあったというような関係のことがございます。いずれにいたしましても、大変難しい案件でございまして、現在審査官がその異議申し立てあるいはそれについての弁駁書等々を踏まえまして、慎重に審査をしておるというのが現状でございます。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 私の聞いているのは、ただ審査官が審査して、これは特許はできないということになる、ならないは問題じゃないですよ。農水省が、そういうものを受け付けて公告するのはけしからぬと言ったときに、通産大臣がこういうことを言っているでしょう。先ほど読み上げたように、通産大臣は、農水省と協議して当分許可しないこともあり得るというようなことを言っているんですよね。そのときに、お門違いだと言って、なぜぴしっとやれなかったかということを言っているんです。やる権限があるって、中川農林大臣のときには、それは特許庁やれるんだ、審査官の権限だと言っているんだから。そういう国会答弁もあるのに、そういうことを言われても迷惑至極だってなぜ言わないで、大臣にああいう新聞発表をさせるようなことをしたのかと聞いているんです。

志賀学特許庁長官

○政府委員(志賀学君) 私も当時の状況は必ずしもつまびらかではございません。  ただ、いずれにいたしましても、この昭和五十三年当時、これはもう先生重々御案内のところでございますけれども、当時の通産省と特許庁と農林省との間において、種苗法と特許法の運用状況についてお互いに情報交換、意見交換をしながら、両方の法律がうまく円滑に実施されるようにやっていこう、こういう合意があるわけであります。そういう合意に基づきまして、運用状況についての情報交換、意見交換をやるというのは、お互いの両方の法律をうまく運用していくという観点から必要だ、こういうふうに思っておりまして、恐らく大臣もそういう趣旨で答えられたのではないかというふうに思っております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 それが、あのとき出す出さないでもめた合意メモなんですよ。合意メモを出す出さないで、なかなか出さなかったんですがね、それでもおおよそ全貌的なものを出しました。  ただ、私はあのとき指摘したのは、この資料はちょっとここのところを切って真ん中が抜けているんじゃないかと。そうしたら、いやそんなことございませんと言ったけれども、その抜けているところに入ったのが、私は、分野調整についての両省間に何か、我々によこしたものの中に抜けているものがあったというふうに、これは勘ぐりですけれどもね、だから、農林省けしからぬと言ったんじゃないかなという気がするんですけれども、しかし、国会の場では、はっきりちゃんと農林大臣もこういう答弁をしているんですから、合意メモがどうあろうと、それは官庁間の——あのとき何とか言っていましたよ、内部の事務連絡のものであって、公的なものではございませんから出せない、こう言っているんですからね。まあそれでも審議の上でとらわれるのはいいです。  しかし、当時私は、バイオの問題については、この法律の両方の調整機構ではできないよ、必ず将来問題起こると言ったときに、法制局も、法制局は保守的だから、問題が起こってどうたって聞かれたら見解出すけれども、今は出せない、こう言ったんです、あのときね。  ところが、おたくの方は、微生物の発明に関する運用基準を昭和五十四年十一月に公表しているんです。そうすれば、あのヨモギの問題なんかはその段階でこそ問題になるべきであって、そのときに問題にしないで、具体的な公告して出てきたから、しかも、ヨモギの問題にしても何にしても、もう五十年代の初めに十三件出てたでしょう、植物特許のね。だから私は、現に出ているんだ、出ないということないんだ、現に出て審査官に渡ってるんだから、これはもう審査官が判断するのに時間がかかっている。  大体が、あんまり特許の許可に時間をかけ過ぎるからこういうことになるんです、慎重なのはいいけれどね。これは大臣、審査官は人が少ないんですよ。大変だと思いますよ。そうかといって、審査官なんか一日で転勤さしたからいいというものじゃない。そういう体制もまだ全くだめなんです、この前やりましたけれどもね。だめなんですけれど、それはさておくとして、言えないはずがないのに言わなかった。そしてそれは、合意メモ——合意メモは私的なものです、公的な段階で発言しているけれども。しかも特許庁は五十四年 に基準を出してるんでしょう。そうすれば、それは公表しているんですから、この基準に基づいてやっているんだということを言えばいいのに、「日本の農家経営に大打撃を与えるようなことは考えていない。農水省と十分協議して対処したい」、「特許法による植物新品種の保護問題について」はと、こういうことを大臣に言わせるのは、特許庁長官、僕はどうかしていると思う。それはかくかくだというきちっと御進講をしていればこんな発言にならなかったと思うんですよ。なぜ言えなかったんですか。経緯を。

志賀学特許庁長官

○政府委員(志賀学君) 当時の、あるいは私どもの補佐の仕方が悪かったとすればおわび申し上げますけれども、ただ、いずれにいたしましても、大臣の気持ち、趣旨というのは、先ほど私が申し上げたような趣旨だというふうに私は思っております。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 大臣、それで最後にね、四極と言いましたけれども、僕はアメリカと日本とEC——アメリカ、カナダが一極だと思ったんだけれども、カナダとアメリカを分けて四極と言うんですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 分けて言うんです。

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 分けて言うんですか。分ければ四極になりますわね。  そういうことでも、通産省がちょっと何か言うと、各省が一遍にばっと、おれの領分だ、おれの領分だやりますでしょう。種苗法と特許法の問題はまさに通産省と農水省の縄張り争い以外の何物でもないんです。だから、日本の将来の農業を本当に考え、しかもそれ実態を踏まえて、実情を、どこにも大打撃を与えぬような、農民がつくってないものを大打撃だというふうなことになったり、けしからぬ、話をしなかったからけしからぬ、こういうことにならないように、これは私は、決して農水省だけが悪いと思わないんです。通産省と農水省がもっと高次元の段階で、これからの日本の農業をどうするということで、種子法その他いろんな絡みの法律、これらも踏まえて、圧のかかってこないうちに体制を整えてもらいたい。農水省だけが悪いんでない、僕は通産省の方も悪いと思います。というよりも、そういうセクトを外してこの問題に取り組んでもらわないと、末端では混乱するんです。まじめに、私財を投じてこつこつとやっている人たちが非常に困るんで、そこのところをひとつ、これはもう政治家の仕事で、大臣同士でしっかりやってもらわなきゃならないので、そこら辺での大臣の決意を聞いて終わりにしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 丸谷委員の多年の非常に立派な御経験を踏まえた御質問、承りました。ペンタヨモギの問題、あるいは種苗法と特許法が、著作権法とプログラム権法と同じような関係にあるのではないかという御指摘、あるいはサクランボ台木、コルトの苗木の問題、使用の問題、そしてまた、ワインの醸造やいろいろな御経験、本当にこちらで御高説を拝聴したところでございます。  御承知のように、バイオテクノロジーの発展ということが近年は大変顕著でありまして、今後の日本の産業、経済を支える重要な技術分野の一つとしてその開発促進が極めて大事でございます。通産省としては、その法的保護の問題については国際的な動向も踏まえながら、我が国技術の発展と諸産業の健全な発展に資するようにということで、関係省庁とも密接に協議をしてまいりたい。その目的はいわば農業の発展、そしてまた国益を大きく伸ばすということであり、またいろいろ日米親善関係ということでもございまして、そういった大きな目的に沿って、委員の御質問になりました御趣旨をよく体して検討させていただきたいと存じます。     ─────────────

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。     ─────────────

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 経企庁関係の質問をしたいと思いますが、政府の経済見通しというのは、御承知のとおりに政策的な意図を交えておりまして、そのねらいと効果は、経済運営に当たる基本的態度を決定し、それに基づいた望ましい経済の姿を想定することにあるのではないかと思うのでございますが、そういう立場から、これは単なる予測と異なりまして、その数字というものはできるだけ実現することが望ましいことは言うまでもないことではないかと思うのでございます。  そこで、振り返ってみますと、今日までの日本の高度成長時代においては政府の経済見通しというものはおおむね控え目にやって、実績は上方修正となり、今度は反対に低成長ないしは安定成長と言われる時代に入りますと、おおむね強気の見通しとなって、実績は反対に下方修正となってくる、そういう傾向が見えるのでございますけれども、その点について、まず最初に経企庁長官から所見を伺いたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 田代さんから御指摘ございましたように、経済見通しは、単なる予測の数値ではございませんで、政府が実行する政策運営の基本的態度と一体となってつくられるべきものだという気持ちで私ども今やっておるわけでございます。ただ、お話に出ておりますように、高度成長時代から低成長時代にかけていろいろ見通しと実績の乖離が顕著に出ておる、これは御指摘のとおりでございまして、高度成長時代は正直言って予想以上に経済が伸びた。しかし、二回の石油ショックの結果、これは予想外にまた経済が停滞したということもあろうかと思うのでございます。  特にこれは福田内閣当時でございましたが、石油ショックの後世界経済が停滞したものですから、日本や西ドイツが機関車になって世界経済を押し上げなきゃいかぬというような機関車論も出まして、少し無理な成長目標を掲げたことがあったことも事実でございます。たしか五十三年には、実質当初七%台でございましたものを六%台に下げた記憶も私はございます。そういうようなことで、無理に背伸びをしないように実態に合うような姿に持っていこうという努力を毎年毎年繰り返していることは、ひとつ御理解、御了察賜りたいと存じます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そこで、この十年間におきますGNPの成長率に対しまして、内需、外需の寄与度というのはどうであったのか、特に内需は政府が期待するほど寄与していたということは言えないのではないかと思いますが、そこらあたりはどうでございますか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 特にこの十年間の点に限って申し上げますると、御指摘のようになかなか内需が伸びなかった。やっと一昨年のアメリカの景気回復が起爆点になって、世界全体の景気がそうでございまするけれども、特に日本経済に好影響を与えて内需がたんだん伸びかかってきて、それを確実なものにしようということで、六十年度の、本年度の経済では内需が大きく伸びることを期待しておる、こういう状況でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今長官から御答弁がありましたとおりに、内需は余り伸びなかった。ところが、外需、これは特にアメリカの景気回復に伴いましてそれが起爆剤となって日本経済にも好影響を与えたという、こういう日本の経済は、アメリカの経済との関係というものが反映されていると見ていかねぱならない一面があるんじゃないかと思います。  そこで、昭和六十年度の経済見通しについて重ねてお伺いしますと、今も御答弁がありましたとおりに、十年間の実績から見まして、内需の寄与度が非常に低かったにもかかわりませず、六十年度においては御承知のとおりに四・一%、言うなればちょっと高い感じがするこういう数字が出されたのですけれども、その理由はどういうところにあるんですか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 昨年までの日本の経済は、輸出を基調にした設備投資中心の経済が伸びましたのでございますけれども、昨年の暮れから だんだんと設備投資も輸出主導型ではなくて、ハイテク等の、輸出と関係のない内需中心の設備投資が、大企業を中心に中小企業にまで伸びるような状況になってきておりまして、最近割と手がたい伸び方を示しております。そこへもってまいりまして、住宅も着々と、緩やかではございますが伸びてまいっておりますし、また消費も実は昨年、最近にない大規模の減税がございましたから、本来ならもっとはっきりと個人消費が伸びるかと我々は期待しておったのでございますが、案外これが伸びなかった。しかし去年は、御承知のとおり農業所得が非常にふえました上に、年末のボーナスも前年以上の大きな伸びを示しております。  そういうようなことから、年末から年始にかけての消費がぐっと出てまいりまして、私ども最近の一月に入ってからの可処分所得の状況を見ておりましても、それははっきり出てまいって、増加の傾向が出てまいっておりますので、この程度ならば内需、外需、バランスのとれた経済成長ができるものと見込んで、今のお話のような数字を出しているような次第でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、金子長官が、昨年からことしの初めにかけまして内需が好調に芽生え始めてきた、そういう背景であるという御答弁をされましたけれども、やはりそれだけでは達成できないんじゃないか、後でるる御質問をいたしますけれども。  やはり今長官もお答えになりましたとおりに、これまでの実績、経緯に照らしてみてきた場合に、我が国の成長率を見る場合には、やはりアメリカとの経済の動向というものがこれは敏感にはね返ってくることは言うまでもないわけでございます。そういうことから考えますれば、成長率の数%のところを占める上で、米国のこの経済の動向ということは、判断していく場合に非常に大事なことではないかと思うわけなんです。  ところが、今長官は貿易よりも内需とおっしゃいましたけれども、アメリカの経済を見てみますと、御承知のとおりにこのところ上昇を続けておりました景気が来年度はスローダウンし、これが景気上昇の牽引力となっておりました輸出の伸び悩みということも懸念される、こういう事態を迎えようとしているわけでございまして、事実最近アメリカの報道によりますと、アメリカのGNPの推定値は予想を下回るような、こういうアメリカ経済の不安ムードが広がりつつあるという、こういうことも考え合わせていった場合に、果たして今ことしの年末、年始から需要が、内需が上向きになってきたということだけで果たして達成できるだろうか。そういう立場から、私は経企庁といたしまして、このアメリカの経済の動向というものをどのように見ていらっしゃるのか。それで、あわせて内需、外需の寄与度をどう見ていらっしゃるのか、もう一度お尋ねしたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 田代さん御指摘のとおり、一時アメリカの景気の鈍化がはっきりとした数字となってあらわれておりまして、例えば八四年の七—九月期だと前期比一・六%の増だとか、十二月期には四・三%増になっておりましたけれども、八十五年の一—三月期、これは暫定推定値でございますけれども、二・一%増というようなことで、はっきり鈍化の傾向が出ておりまするから、昨年度のような大幅の経済成長することは考えられません。ただ、一時騒がれておりましたように、急速なアメリカ経済の失速状況が実現するかというと、それはそうでなくて、やっぱり四%台の軟着陸になるんではなかろうか。世界経済に対する影響も極度に深刻なものにはなるまいというのが大方の見方でございます。  やっぱりこの動きがもう端的に日本経済にも出てまいるのでございまして、例えば輸出は最近ずっと鈍化しております。伸びてはおりまするけれども、伸びが鈍化しておる状況でございまして、輸出だけで日本経済が従来どおりの成長を続けると私ども決して思っていないわけでございます。それだけに内需振興をしっかりやらなきゃいかぬということで、従来から申し上げておることでございまするけれども、やっぱり日本経済を支えてくれておるのは民間企業でございますから、民間の活力を大いに伸ばしていただけるような環境づくりをしっかりやっていくことが大事だ。同時にやはり行政改革もしっかりやって、国がもう地方政府も身軽になることが大事なことなんでございます。  私ども景気の動向いかんによっては、いつでも財政金融政策を機動的に、機に応じて発動できるような体制づくりをしたいと思っておるわけでございますけれども、今日財政の状況はもう田代さん篤と御承知のとおり、本当に身動きのならない状況でございまして、思い切った公共事業の投資もできませんし、あるいはまた大幅の減税もできないような状況にございますので、迂遠な策ではございまするが、行政改革を続け、税制の見直しをやって、いつでも財政の姿を身軽にして、もう少し機動的な運営ができるような方向へ一日も早く持っていきたい。  ただ、幸いとことしは金額はわずかでございましたけれども、一般公共事業の事業量を昨年に比べて三・七%くらいふやすことに成功いたしましたし、また中小企業中心でございますけれども、先端産業に対する設備投資の減税と申しますか、成功いたしましたし、これも大口をたたくような規模のものではございませんけれども、やっぱり一つのそれは呼び水になろうと思うんでありまして、今各省挙げていろいろ御努力いただいておりますのは、認許可事務が多過ぎる、それを思い切って整理をしようやとか、あるいは行政上、法律上のいろんな民間活動に対する規制が多過ぎますので、それを整理して、もう少し伸び伸びとした経済活動ができるように持っていこうやとか、そういうことから、それじゃ一遍に実施できて即効的な効果が上がるかというと、やっぱり私ども根強くこれは努力していかなきゃいかぬ問題でありまして、即効薬と言われると、それはそうでないと思いまするけれども、そういう方向で一つずつしっかりやってまいりたいと考えておる次第でございます。  先ほども申し上げましたように、設備投資が新しい産業の成長と関連いたしましてどんどん根を深めております。また企業も昨年と打って変わって、またある程度収益性を伸ばしつつございますので、明るい全般としての景気動向が出てまいっておりますから、私どもはこの点に大きな期待をつないでおると、こういう状況でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、金子長官のお話聞いておりますと、もう達成したような感じがしてしまうわけでございますが、そういうわけにはいかないと思うわけでございます。  御承知のとおりに対米の自動車輸出の自主規制枠が二百三十万台、このように今話し合いがされているところでございまして、現在のアメリカの経済の状況は、今さっきも長官御指摘になったような情勢から見まして、自動車はともかくといたしまして、それ以外の設備投資は厳しいんではないかという、こういうような見方もエコノミストがしているわけでございますが、それで、そういうような状態のときに、今内需の面においては、公共事業においても昨年度よりもわずかであるけれども、予算措置をすることができたし、設備投資の面においても新しい産業との関係で先端技術関係の設備投資もすることができたし、即効薬とまではいかないけれども、何とか行けるんではないかという長官の話でありますけれども、果たして、この内需の寄与度四・一%を達成できるだろうかと、そういう話をお聞きいたしましても、まだちょっと考えさせられる面があるわけなんです。  だから、それとあわせて考えていただきたいことは、今さっきも長官がちょっと話していらっしゃいましたけれども、六十年度予算など考えてみますと、いろいろ試算されていると思いますけれども、消費動向と密接な関連を持ちます家計の可処分所得の伸びの問題です。この伸びの問題をどのように見ていらっしゃるのか。やはり消費が拡大しないことには内需も高まりませんし、これと も大いに関係があると私は思うのでございまして、こういうところから考えましても、今金子長官が申されるように果たして行けるだろうかと思いますけれども、そこらあたりどうでございましょうか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 消費動向に密接な関係を有する勤労者世帯の可処分所得の伸びでございまするけれども、新年度の雇用者所得につきましては、最近の状況を見まして、一人当たり雇用者所得が五%増、雇用者数の増加が一・八%というようなことで、合わせて六・八%の増を見ておるような状況でございます。  現実の可処分所得、これは名目でございますけれども、実は、去年の減税にもかかわりませず、八月が三・五くらいに落ちまして、心配しておったんですが、九月に六・三%になり、それからまた四%台に下がってきたんですけれども、一月には六%近くまで伸びてまいっております。二月の数字がそのうちに出ると思うんですが、春闘の結果も出てまいりますし、ある程度この点は、私は、皆明るい見通しが持てるような状況になってきたんではないかと考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ、ちょっと具体的に質問をいたします。  平均家庭で、春闘による賃上げが労働者側の主張のとおりに七%を超えるならばともかくも、仮は、これは決まったわけではございませんけれども、五%とすると、年間約二十三万円前後の収入増になるわけなんです、これは仮の数字でございますけれども。  そうしますと、一方、今年度は、この前の衆議院の予算委員会の審議、参議院の予算が今審議されておりまして、所得税や地方税の大幅減税の問題はまだ結着が出ておりませんけれども、現時点においてその所得税や地方税の大幅減税がないとするならば、これはどうなるかといいますと、もしそうなりますと、所得税が約二万円、そして地方税が約一万五千円前後の負担増になるんです。それに加えまして社会保険料の引き上げ分が約四万円の負担増になる。  こういう数字をずっと計算しますと、可処分所得の増加というのはどのくらいになるかと言いますと、二十三万円から、今申し上げました数字をトータルしますと七万五千になります、それを差し引きいたしますと、約十五万五千円ということになるわけなんです。この十五万五千円という金額は、伸び率にかえますと三・八%の伸びになるわけなんです。これに、経企庁として今一生懸命いろいろ研究していただいております消費者物価の上昇率が二・八%、これを差し引きますと、実質的には一%の増というくらいになるわけなんです。そうすると、賃上げの期待感は非常に高まっておりますけれども、七%以上のアップを望みたいところではございますけれども、今の五%の場合の数字がそういうところであります。  一方、経営者側の姿勢も非常に厳しいというのが実情ではないかと思うわけでございまして、そのように考えますと、六十年度予算の内容その他の条件を総合勘案いたしました場合に、金子長官が今申されたとおりに、内需は期待される面もありますけれども、果たしてどうだろうかと。私が一貫して今さっきから質問しているのはそこでございまして、四・一%には達しないのではないかと。私、この可処分所得の伸びとあわせてさらなる質問でございますけれども、具体的な数字を出しましたんですが、長官、いかがでございますか。

丸茂明則経済企画庁調整局審議官

○政府委員(丸茂明則君) ただいま具体的な数字を田代先生お挙げになりまして、五%の場合でも実質的な可処分所得としてはそれほど伸びないのではないかという御指摘でございますが、この家庭当たりの税収額あるいは地方税負担というようなものはなかなか正確に把握できないということが一つございますので、一つの御試算であろうかと思います。  それで、私ども考えておりますのは、今年度春闘が何%になるかということは政府の立場としてとやかく言うべきことではございませんけれども、春闘による賃金の上昇のほかに所得の、実際の賃金所得と申しますか、それが従来はそれを下回って伸びるということがここ二、三年続いておりましたんですが、それが最近、昨年の暮れのボーナスにも見られますように、ボーナス所得の増加、それから企業の規模によりまして賃金の上昇率にかなりの差がございました。つまり、比較的小規模な企業の賃上げ率がやや大規模の企業を下回るという状況がここ二、三年続いてございました。その点が、統計によりますと、昨年の後半ぐらいから徐々に改善をしておりまして、小企業の所得も、大企業といいますか、比較的大企業の所得とほぼ同じぐらいの伸びを示してきております。  そういうような情勢を考えますと、もちろん春闘の結果によることも事実でございますけれども、実際のと申しますか、平均の賃金所得というものの伸びは、かなり高まっていくというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 この問題は、双方言いましても平行線を現時点においてはたどっていく以外にないと思うのでございますが、長官も申されましたとおりに、この四・六%の達成というものは、経企庁といたしまして、また政府といたしまして望ましいとする経済の姿を念頭に置いて、そして、各種の政策目的に照らして妥当な線として打ち出されたものであると思いますけれども、今るる質疑をいたしましたとおりに、年度の初頭、現時点においても、長官の話では明るい見通しだ、明るい見通しだとそう言わざるを得ないでしょうけれども、私は反対に、これはどうだろうかどうだろうかと懸念される面があるわけなんですけれども、そういう立場で今後の経済運営というものはなかなか大変ではなかろうかと思いますし、今お答えがありましたとおりに、所得税の減税の実施があるかないかということにおいても大いに変わってくるのではないかと思います。  我々はこれを主張しているわけでございますけれども、それがなければ内需の拡大というものは果たして達成されるのであるかどうかというものは、今も一貫して主張しているとおりでございますけれども、もしこの内需の拡大が思うに任せられないようになりますと、再び輸出ドライブがかかるということになりかねないわけなんです。そうしますと、政府の経済運営の基本方針というものは、これは変わってくるわけなんですけれども、そこらあたり長官いかがでございますか。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) これはお話しのとおり、世界経済の動きいかんによって大分変わった姿になろうかと思うんでございまするが、幸いとアメリカ向けの輸出あるいは中東向け、EC向けの輸出が落ち込んでおるにもかかわりませず、逆にまた中国向けの輸出が伸びておるというようないろんな状況もございますけれども、やっぱり基本として考えなければいかぬのは、国内の内需の振興でございます。幸いと物価が西ドイツを抜いて今世界一安定した状況になったものですから、この機を逸せず、新しい産業をやっぱり日本経済成長の柱にしたいものということで今せっかく努力をいたしております。四・六%という実質成長率はぜひとも実現させたいものということで精いっぱい努力をしていることを御理解賜りたいと思います。  それからもう一つ忘れました。減税の問題でございますが、各党間で一応の合意ができておりますから、それはそれなりに進むと思うんでございますが、やっぱり一番大事なことは、所得税の累進課税が特に日本の場合は高くなっておるものですから、これはひとつ明年度の税制改正においては本格的に取り上げてもらって、無理のない、皆さんに安心して払っていただけるような税制改正を所得税中心にぜひ実現したいという率直な気持ちを持って、今内部で話し合っておる段階であるということをつけ加えて申し上げておきます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 時間も参ったようでございますし、質問を次に移したいと思いますが、消費者問題についてお伺いしたいと思います。  今日、悪質な訪問販売によります消費者被害がふえているということを聞いておりますし、また 経企庁といたしましても承知していらっしゃるかと思いますけれども、国民生活センター等に寄せられました苦情相談の実態というものはどのようになっているのかまず最初に御説明いただきたいと思います。

及川昭伍経済企画庁国民生活局長

○政府委員(及川昭伍君) 国民生活センターや地方の消費生活センターに寄せられた苦情の数は、五十六年度に二十一万件、五十七年度二十四万件、五十八年度二十六万件というようにふえてきておりますが、その中でも販売方法とか契約とかサービスとかにかかわる苦情が半分程度を占めるようになってきております。  そのうち、特にお尋ねの訪問販売にかかわるものでございますが、五十九年度の実例を国民生活センターの分で申し上げますと、総件数約二千件のうち三〇%が訪問販売にかかわるものでありまして、苦情の多い商品としては、金の現物まがい取引に関する金商法、あるいは英会話教材のセットであるとか、パラジウムに関する相場、砂糖に関する相場等々に関する訪問販売の苦情が多くなっております。その中でも特に強引な売り方をしたとか、契約内容に問題があるとか、解約に応じないとかいうことで、特に高額な被害がひとり住まいの高齢者について多いという実態になってきております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 訪問販売の被害の実態を今説明していただきましたけれども、このような訪問販売法違反で検挙された分もあるのではないかと思いますし、警察庁といたしまして検挙の状況はどうなっているのか、また警察として立件した悪質な事案についてはどういうものがあったのかお答えいただきましょう。

清島伝生警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(清島伝生君) 訪問販売に係る不法事案につきましては、訪問販売に関する法律、あるいは事案によっては刑法等を適用して取り締まっているわけでありますが、五十九年中訪問販売法違反として百六十五件九十五名を検挙しているところであります。  具体的な事例ということでございますが、五十九年中に検挙したもののうちで、私どもの方に報告のあったものから二つだけ申し上げたいと思いますが、一つは、化粧品を強引にキャッチセールスによって販売しておった訪問販売法違反の事例でありますが、化粧品の訪問販売を業とするセールスマンが、駅の周辺や繁華街におきまして、通行中の若い女性にアンケートに答えてくださいなどと巧みに喫茶店等に連れ込みまして、いわゆるキャッチセールスによりまして、顔に吹き出物の出た女性の顔写真を示しながら、あなたの使っている化粧品は動物性で、長く使っていると顔に大変な障害が起こり、病院通いになる、あるいは当社の製品は安全であって、これを買えば無料で美顔術も受けられる、大変お得ですなどと巧みなセールストークによりまして、ワンセット二十万円前後の高額な化粧品を強引に売りつけておったという事案でございます。法定の書面を交付していなかったということで二法人、六名を検挙しております。  それからもう一つは、訪問販売法違反ではございませんが、訪問販売に関して詐欺及び押し売り防止条例で検挙した事例でありますが、消防器具の販売を業とする会社が、セールスマンに紺色の上下の作業眼を着用させ、あるいは検査報告書と称するものを携行させまして、消防署員を装って、農村地帯、特に関東各県の農村地帯にグループで出向きまして、特に高齢者が留守番をしておる家庭に的を絞って、消防署の者です、消防の検査に来たが、おたく一軒だけ残ってしまった、帳簿の整理ができないのできょうやっていくというふうな虚構の事実を申し向けまして、検査を受ける義務、あるいは手数料支払い義務があるということで、約百名から検査手数料名下に現金をだまし取った。あるいは、消火器を買ってください、買っていないのはおたくだけですから、火事が出たらおたくの責任になりますとか、おたくは家が大きいので一本じゃだめです、二本買ってくださいなどと申し向けまして、消防署員と信じた被害者百五十名に対しまして市価の二倍ないし三倍もする消火器を強引に売りつけたということで、詐欺及び押し売り防止条例によりまして、逮捕八名を含む十七名を検挙しておる事例等がございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、悪質ないろいろな事件が起きている中で、代表的な二件を挙げていただきましたが、ちょっとお尋ねいたしますけれども、今の消防署員に成り済まして訪問販売している、そういう手口はいろいろありますけれども、今関東関係だけだと言われましたけれども、これは関東関係だけじゃなくて、私、大阪ですけれども、私の周辺にもあります。  特に、この前具体的に聞いた例は、要するに消火器を検査しなくちゃならぬ、一たん検査で持って帰ります、それで不備な点は取りかえなくちゃならない、その取りかえてきた器具は、法外なそういうものを取るような新たなのも出ておりますから、関東関係だけじゃなくして、そういう関係にも広がっておりますから、その点、答弁は要りませんから。大阪はそれどころでない、現在いろいろな問題が起きておりますからどうかと思いますけれども、やはり消費者を守っていく立場としてお願いをして、おきます。  そこで、今警察庁からも実態を御報告していただきましたけれども、通産省といたしまして、この訪問販売法についてどのように今後運営していくのか、また改正についてどう考えているのか、お答えいただきたいと思いますが。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) 法の運用の問題と改正の問題についての御質問でございますが、まず運用の問題につきましては、この法律の適用の対象でございますところの訪問販売業界が、極めて多数な、また多様な企業から成り立っているということをよく考えながら、実効ある施行を行っていくということに特に配慮する必要があるように考えております。  具体的には業界及び企業に対する個別指導、例えば契約書面の適正化でありますとか、セールストークの適正化などに対する指導、さらには消費者相談制の整備、それから警察当局との密接な連携などの手段を通じまして、この法律の厳正かつ的確な運用を図るということ、及び業界及び一般消費者に対します法の趣旨の周知徹底を図ることによりまして、全体としてこの法律の目的が達成されるように最大の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。  次に、法律の改正の問題でございますけれども、この法律につきましては、昨年、クーリングオフの期間を四日から七日へ延長する旨の改正を行っていただいております。また、割賦販売法につきましても、割賦購入あっせんへの消費者保護規定の適用、抗弁権の接続規定の創設、クーリングオフ期間の延長といいました訪問販売の密接に関連する改正が行われ、ともに十二月一日から施行されたばかりの状況でございます。  そこで、私どもといたしましては、この新しい改正された法の厳正な運用を図る、そして法の趣旨の周知徹底に努めまして、改正法の施行に万全を期してまいりたいと当面考えているわけでございます。  それから、このことと並びまして、消費者トラブルの未然防止あるいは被害の拡大防止ということから、一つの実効ある措置と私ども考えておりますのは、訪問販売トラブルにかかわる消費者に対する情報提供を行うということであると考えておりまして、ほぼ成案を得ている状況でございますので、早急にこれを実施に移したいと考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、この問題が非常に重大な問題であるということを十分認識しつつ、法の目的の達成に最大の努力をしてまいる考えでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ最後の質問でございますけれども、今通産省といたしましても、消費者保護また事故を未然に防ぐ、未然防止に力を注いでいくという、そういう御答弁をいただきましたけれども、このような訪問販売のほかにもいろいろの消費者被害があると思うわけでございまして、消 費者保護の観点から、このような消費者の被害に対する経済企画庁の対応というものを最後にお聞きいたしまして、質問を終わりたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 今るるお話のございましたような、悪質の訪問販売による消費者の被害が数多く出ておる、特に年寄り相手のものが出ておるような現状でございますので、昨年の十一月に消費者保護会議を開催いたしまして、政府としては訪問販売等の適正化及び悪質な勧誘行為の防止を図るために、不法事犯の取り締まりを一層強化しましょう、あるいは厳格な運営を図ることにいたしますと同時に、随時迅速な情報提供を行うことを決定して、関係各省庁と連絡の上、その実施に努めておるような状況でございます。  企画庁としても全国にある消費生活センターを通じて迅速なこういった情報提供等に努めておりまして、今後とも関係方面と十分の連絡をとって消費者保護に万全の努力をしてまいりたい、かように考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      ─────・─────    午後一時開会

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 まず金子長官にお伺いいたします。  長官の今国会冒頭に行われました経済演説で、「情報化、サービス化の進展等の新たな事態に適切に対処する消費者行政の充実」ということについて触れられました。私、主に消費者保護の問題、これは午前中も若干論議がございましたが、これについてお伺いしたいのであります。  先国会に私も関与いたしました割販法の改正がなされましたのですが、ところが、最近これを逃れるためにクレジット契約とリース契約をセットにした、そういう手口、それからきのうの朝のNHKテレビでもやっていましたが、キャッチセールスなどの新しい問題が生じております。昨年十二月の消費者信用適正化研究会の中間報告でも、既存の法制度あるいは施策で十分対応できないもの、予定していなかったものもあるというふうに述べておりますが、消費者保護の立場からこういう事態をどうごらんになっていらっしゃるのか、まず伺いたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 企画庁といたしましては、最近における消費者信用を取り巻く状況を踏まえまして、消費者保護の観点から、消費者信用の一層の適正化を推進するために必要な措置を講じなきゃいかぬと考えておるのでございまして、そのために国民生活局に設けました消費者信用適正化研究会等の答申を受けまして、目下検討を続けておる最中でございます。何分にも間口が広いだけに、関係方面とも十分連絡をとりながらその中身を今後詰めてまいりたい、かように考えて今検討を続けておる最中でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 午前の答弁の中でも、長官は十一月に消費者保護会議を開いたと、そして各種の対策をとっておるということで二、三の例を挙げられました。私は、そういう糊塗的な対策ではなしに、もっと本格的な対策が今求められているんじゃないか、こう思うのであります。私は、先ほど指摘したような事態を懸念して、一昨年の五月、また去年の四月にも本委員会で包括的な消費者信用保護法、これを制定すべきであるということを主張してまいりましたが、これが今どういうふうになっているのか、その対応を伺いたいのであります。  先ほど述べました研究会の中間報告、そこでもこの消費者信用法の制定については取り上げておりますが、「その他の課題」の中のいわば雑件の一つになっておるんですね。そして結局は先送りになっておる。長官の慎重に検討中でありますというのは、もう数年ずっと聞いておるんですよ。国会ではこれがもう長年の間検討が要求され、また政府もその約束をなすってきたんでありますけれども、検討中ということが繰り返されているが一体どういうことなのか、私はこの際はっきりお伺いいたしたい。

及川昭伍経済企画庁国民生活局長

○政府委員(及川昭伍君) 包括的な消費者信用法とするのかあるいは包括的な消費者信用保護法という形にするのかで、法の中身が違ってくるかと思っておりますけれども、包括的な消費者信用法とすることについては検討をすべき課題が非常に多いかと思っております。現に貸金業法であるとかあるいはクレジット関係の割賦販売法であるとか、いろんな金融関係の法規制があるわけでありますけれども、それを包括的な法律として一本のものにするかどうかということについては、非常に検討すべき項目が多く、現に金融制度調査会を中心として専門の検討が今行われているところであります。  私ども国民生活局に設けております消費者信用適正化研究会は、そのような包括的な消費者信用法というものであるよりは、消費者信用の保護、消費者保護に視点を当てた検討を中心に行っておるわけであります。そういう観点から申しますと、消費者信用上今一番問題となっておりますのは、消費者信用情報の保護というところが我が国の法制上最も欠けておる部分でありまして、包括的な消費者信用法の前に消費者信用情報保護等を中心とした新たな制度が必要であるかどうかというところに、特に力点を置いて今研究を進めているところであります。  昨年十二月に中間的な御報告をいただきましたが、今月中あるいは来月あたりまでには最終的な研究報告をいただく予定になっておりますので、それらを踏まえて対応のあり方、直ちに法制が必要なのか、行政的措置で十分なのか、あるいはその他の対策が必要なのか等々も含めて報告をいただきましたら、早速に措置について検討したいと思っておるところであります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いろいろ経過的な見解の表明もございましたけれども、御承知のように、通産省の消費者信用産業懇談会が八三年の七月に、また大蔵省の金融問題研究会が八四年の三月に、それぞれの立場から包括的な消費者信用保護法の必要性を指摘しているのは御承知のとおりだと思う。私は、こういう今までのずっと議論や積み重ねの上に立って、やはり繰り返して申しますが、包括的な消費者信用保護法というものの必要性がやはり急がれていると思うんでありますが、今お話のあった答申を受けて直ちにと、こういうことでありますが、大体その期限のめどですね、いつごろまでに結論を出されるのか、重ねて明らかにしていただきたい。

及川昭伍経済企画庁国民生活局長

○政府委員(及川昭伍君) 措置すべき方向につきましては、研究会報告が一、二カ月中にまとまると思っておりますので、それを受けまして各省と協議に入り、早急に結論を出したいと思っているわけであります。  ただ、直ちに法律の制度とすることが適当かどうかということについては、研究会内部でもいろいろ議論があるところでありまして、いずれにしても措置をすることになるとは思いますが、直ちに法律という結論になるかどうかは、その報告書を見てから検討させていただきたいと思っているわけであります。

市川正一日本共産党

○市川正一君 長官、これもう本当に十数年来のやりとりの上に立って私も物を言っているつもりですから、こっち向いて、ひとつしかと取り組んでいっていただきたいと思います。  きょうは非常に限られた時間でありますので、次の問題に進めさせていただきたいと思います。  それは昨日、私本委員会で先端産業である半導体工業の公害問題、安全問題、これをただしたんでありますが、きょうはその半導体製造などを含む電気産業の下請問題についてお伺いしたいと思います。  実は、私ども党の調査団が先日、日立や富士通、日本電気といった大手電気メーカーの進出している山形県に現地調査に参りました。この地域での下請経営に対する親企業のやり方には重大な 問題があり、同時にそれは全国的にもまた同種の問題がやっぱりあるという点から取り上げておるんでありますが、まず公取委員会に、最近の下請代金法の運用状況をお聞きしたいんであります。また、その中で電気機械器具製造業の実態がどうなのか。他業種と比べての特徴などについて御説明をいただきたいと思います。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 一口に親事業者と申しますのが七万ございまして、それから下請事業者、これははっきり数がつかめませんけれども、四十七万よりも多いんだろうというふうに考えております。  経済的に優越した地位にあります親事業者の下請代金支払い遅延等の優越的地位乱用行為、これを規制いたしますのが下請代金支払遅延等防止法の趣旨でございますから、下請取引の公正化、それから下請中小事業者の利益の保護ということで、年々下請法の運用については努力を注いできたところでございます。  五十九年度まだ、完結いたしたわけではございませんが、計数的に二月までしかわかっておりませんけれども、親事業者で一万二千、それから下請事業者で三万五千、合計いたしまして四万六千六百六十七社というものを対象にいたしまして書面調査をやっております。この四万七千と申しますのは、従来よりは三分の一方多い数字でございますけれども、その調査の結果、千四百七十一の親事業者に違反被疑事件があったということで調査を行いまして、是正指導を行いましたのがそのうち千三十八件ございます。  最近の下請法の運用をやっておりまして、違反の形態の中でふえてきておりますのは不当値引きでございます。事前に取り決めた代金を、事後値切って支払うというような不当値引きでございますが、これが全体の違反の六分の一ぐらいに上っております。それで、その不当値引き行為というものにつきましては、格別厳正な指導を行っておるわけでございますが、五十九年度の数字で申しますと、九十二社に対しまして値引き額二億九千三百万円、これを返していただくという指導を行いまして、その二億九千三百万円を千三百七十八の下請事業者に返させたということでございます。  お尋ねは、電気機械器具製造業でどうなっておるかということでございますが、これは業種別の整理がまだついておりませんので、最近の動向を大まかに申し上げますならば、電気機械器具製造業では遡求値引き行為が非常に多い、かなり多いということが言えると思います。  そこで、一つは企業が下請法についての認識を徹底してもらう必要がありますし、具体的な事例に即して、現場の実務者のわかるようなそういうマニュアルをつくって、また社内研修を施して、私どもの方の役所でも必要があれば、企業または団体に対して直接指導を行いまして、違反行為の発生を未然に防止するような法遵守の体制というものを指導によってつくり上げていく必要があるというふうに考えておりまして、現在鋭意それを進めておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、電気機械器具製造業の場合には不当値引き行為が多いわけでございますから、そういうことを中心に日本電子機械工業会、またその工業会に属します各構成員であります親事業者に対して周知徹底を要望し、かつマニュアルの作成を急いでもらっておるということが現状でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今お話のあった電気関係に不当値引き行為が多いという点は、そのほかにもいただいた資料によりますと、例えば長期手形交付割合が電気機械器具関係では三五%というふうに、他の業種に比べて高い比率を占めております。しかも実態は、こういう統計数字に出ているものよりは、はるかに厳しいものがあるわけです。例えばこれは山形に参りまして調べた一つの例でありますが、元請から下請業者に予定表が来るんでありますが、とにかく下請業者は仕事をそれで先にかかってしまう。そして品物を納める。その時点で注文書が渡されて、自分が一体幾らの単価で仕事をしてきたか初めてわかるというケースもございました。  また、これは別の例でありますが、単価の欄が初めから空欄になっている。そしてそういう注文書が交付されて、そして受けるか受けないか、こう問われる。とりあえず判を押して仕事にかかる。これも月末に清算して、そのときに初めて単価がわかる。こういうケースもありました。自分で幾らの単価で仕事をしているかわからぬ。そういう仕事というのは常識で考えられないことでありますけれども、仕事をもらうためには我慢をせざるを得ぬ。こういうやり方は下請代金法に違反することになると思うんですが、いかがでしょうか。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 下請法の第三条にそのことは明確に規定しておりまして、親事業者は発注に際して、発注の内容とか支払い条件、これを明確に記載した書面、私どもこれを三条書面と言っておりますが、それを下請事業者に交付しなければならないということが決まっております。したがいまして、今お話のありましたような金額がブランクであるとか、口頭の注文で製造を始めて後に、契約の条件を書いた書類を渡すということは、法違反に当たるケースであろうかというふうに考えます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そのほかにもいろいろの問題があるんですが、とにかくここ数年間、下請単価は下がったことはあっても上がったことはないんです。これはもう実際に調べていただいたらわかるんですが。そういう不当な単価決定によって、その下請で働いている労働者は労働省が決めている最低賃金すら確保できない状況に置かれています。  ここに私山形の労働基準局が出しました「山形県の最低賃金」というチラシといいますか、通告文書を持ってまいりました。ここには、「使用者は、労働者に対してこの最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。」というふうに明記している。しかしここで決めてある最低賃金額、山形県の例えば電気機械器具製造業では一日三千四百六十円、時間給の場合は四百三十三円になっております。ところが、下請単価自身が最初からこの最低賃金を保障できない、そういう水準になっている事態が多くございますが、これは明らかに不当な買いたたきに該当すると思いますが、いかがでしょうか。

利部脩二公正取引委員会取引部長

○政府委員(利部脩二君) 御質問のような事例は、下請法の規制の対象になっている行為でございます。下請法の四条の中に、「下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価」、同種の一般的な下請単価とでも申しますか、それに比べて「著しく低い下請代金の額を」定めることが、下請法上の禁止事項の一つになっております。特に、そういう単価を、親事業者の予算単価などを先に決めまして、一方的に押しつけるような定め方をしますと、この規定に違反するおそれがある行為でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 もう一つの問題があるのでありますが、支払い方法なんです。  現地に行っていろいろ調べてみますと、非常に多い例として、月末の締め切り後、翌々月の末に、しかも手形払い、その手形の期間も三カ月ないしは四カ月というのが非常に多いんです。また、下請企業は、これはほとんどやっぱりその単価といいますかの部分が労賃によって占められているということを考えますと、全額現金払いが当然であるのに、手形払いというのはこの面からも私は不当であると思うのであります。こういう支払い期間あるいは手形払いという点には大きな問題があると思うんですが、この点いかがでしょうか。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 下請法では、手形をもって代金を支払うことを禁止はしてはおりませんので、したがって、支払い期日、つまり納入後六十日以内に支払う、その支払い手段として手形を用います場合には、割引困難な手形を使ってはいけないということになっておるわけでございます。割引困難と申しますのは、百二十日を超えるサイトの手形、正規の場合は九十日というふうにして おりまして、さような規定が遵守されることを私どもは強く指導をしてまいったわけであります。今お話しのような事例があるといたしますれば、さらに具体的な指導をしたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 高橋委員長のおっしゃる意味はよくわかるんですが、私も全額現金払いでなければならないとは言いませんけれども、その法の精神から言っても、また下請企業の実態から言っても、やはりほとんどが労賃部分であるということを考えれば、現金で支払うのがいわば正当、望ましいというふうに私理解してよろしゅうございますか。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 年々、支払い手段として現金を用います割合は、指導の結果と申したら少し言い過ぎかもしれませんけれども、徐々に向上しておりまして、五十八年でございましたか、五五%ぐらいは現金払いというふうに上がってきております。もちろん金融の繁閑によることでございますから、一概に楽観してもいけないと思いますけれども、具体的に下請事業者と親事業者の間でいろいろな支払い条件についての契約をいたします際に、最近の傾向としては、現金払いの割合が実情に合わして徐々に上がってきておるということは、全体としては言えるというふうに考えます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 五五%ではやはり私はこれは非常にまだ問題が残っていると思うんですね、指導をなすっていることの評価はいたしますが。  そこで、今ずっとお伺いしました一連の問題について、それぞれ明確な見解をちょうだいしたんですが、こういう事例について、公取の方ではしばしば、申告なさいと、こういうふうにおっしゃるんですが、申告したことがわかれば仕事が来なくなってしまうんですね、これが現実です。言いたいことがあっても言えないというのが下請の実態なんであります。今、半導体製造とかあるいはビデオとか、こういう花形産業と言われている電機業界の陰で、下請企業が苦しめられている実態の一端を私御紹介したのでありますが、公取としても、親企業の方に下請代金法の違反がないかどうか積極的に調査する必要があると思うんですが、その姿勢を伺いたいと思うのであります。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 申告があって初めて法律違反の調査をするのでは、今お話しのような弊害があることは、当初から法運用として考えておりまして、冒頭にも申し上げましたように、最近、書面調査の範囲を非常に広げてきておるというふうに申し上げました。そういう形で、申告の有無にかかわらず、親事業者及び下請事業者に対して書面調査を広く行うことによって違反行為の発見に努めるということでありますれば、今お話しのような泣き寝入りというような事態はかなり解消できるんじゃないかというふうに思います。  そのほか、私どもは、全国各都道府県に、下請取引の専門家また行政の専門家等々から成ります下請取引改善協力委員という者をお願いをしておりまして、そういう方々の具体的な企業ないし団体に対する指導を各地域ごとにやっておりますのと、下請法の運用協力団体、都道府県、こういうところからの情報提供を広くお願いをいたしておりまして、それによって違反行為の端緒をつかみたいというふうに考えておりますし、具体的に端緒を徐々に広げてきておるわけでございます。  それで、下請法の四条一項の七号いう規定がございますが、御承知だと思いますけれども、下請事業者が、申告したことを理由として親事業者から不利益を受ける。その場合には、下請法上の不当な取引になるということも決めておりますので、そういう法全体の運用として、今仰せのような泣き寝入りとかいじめられるというような事態がないように努めてまいりたいと考えます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 最後でありますが、高橋委員長には、今おっしゃったようなことに実際にはなっていないと、だから、むしろ能動的に現場に入っていただきたいということを重ねてお願いをいたします。  石井中小企業庁長官にわざわざお越しいただきましたが、ありがとうございます。  最後に、通産省にお聞きしたいんでありますが、私、こういうものを調査して痛感いたしましたことは、下請契約に労働賃金に対する規定というものが必ずしもないんですね。そのために、申し上げたような最低賃金以下の賃金を生む。そしてまた、無定量労働の内職労働者まで生んでいる要因の一つになっていると思うんです。  御承知のように、下請中小企業振興法の振興基準の中には、単価の決定方法の改善の項目の中に労務費ということも触れられています。したがって、私は、これは労働省のことだ、いや公取のことだと言うんじゃなしに、通産省としても検討すべき現実の課題の一つであるというふうに思うわけでありますが、そういう点で、この問題についての具体化を図られるべきだと思うんでありますが、所見を承って、質問を終わりたいと思います。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 私ども、下請代金支払遅延等防止法に関しましては、例えば、五十九年度において、公正取引委員会と協力しまして、中小企業庁だけで五万七千件の調査をいたし、親製造事業者は、悉皆調査ということで、五十九年度から全体の把握に努めておるわけでございます。  そういった規制という側面からの行政とあわせまして、今御指摘のような下請中小企業振興法に基づきまして一般的な基準を定めまして、下請取引の適正化の推進を行っておるわけでございますが、今おっしゃられましたような振興基準第四号におきます単価決定方式の改善につきましても、私どもは、毎年六月ないし七月に、下請取引の改善講習を全国十会場で実施をいたしまして、親企業の外注業務管理者、特に責任者でございますが、そういった方々にすべて出席をお願いいたしまして、その徹底を図っておるわけでございます。あわせて、十一月には、これは毎年のことでございますが、下請取引適正化推進月間という月間を定めまして、そういった啓蒙指導という側面に非常な重点を置いて、親企業におきます外注管理の適正化を推進いたしておるわけでございます。  私、先ほどお話を承っておりますと、やはり技術革新テンポの速い産業で、またそれが市場化する市場のライフサイクルといいますか、それが非常に短くなっているということで、価格が非常に下がっている分野がございます。そういった側面で、今御指摘のような不当買いたたきとか値引きとかいう問題も発生するわけでございますので、そういう業界を所管いたします原局とも協力いたしまして、下請振興法に定める振興基準の徹底を図ってまいりたいというふうに思っています。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 最初に、経企庁にお伺いをいたします。  時間が限られておりますので、一、二点だけお伺いいたしますが、経企庁では、一月二十五日に「六十年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」という文書をお出しになりました。全く中身、結構そのものであります。ただしかし、ここに書いてございますけれども、時間の関係で一つだけ指摘をいたしますが、「第五は、活力ある経済社会と安心で豊かな国民生活の実現を目指し、我が国経済社会の中長期的な発展基盤の整備を図ることである。」というふうなことが記されておるわけであります。  ところが、私どもかねがね疑念に思っておりますのは、大蔵省が出しますところの財政の中期展望等とかなり違ってきておる、あるいは経企庁が過去十年ほど前から出しておられますところの成長率についても、政府見通しと実績がかなり差異を来しておるという経過がずっと続いておるわけです。これは今、私とやかく言うんじゃありません、その原因はどこにあるのであろうかということを実は私どもはいろいろと考えてみるわけであります。  私は、失礼でありますが、率直に申し上げて、経企庁が設置法によるところの経企庁の権限といいますか、経企庁のいわば機能を十二分に発揮されていないところにそういうふうな原因が起きて おるんではなかろうかと実は思う点があるわけであります。さらにもう一つ率直に申し上げると、大蔵省がいわば予算編成に当たっての歳入等々をまず見積もって、それに後で答えを合わすような、そんなことはないと思いますけれども、答えを合わすような形で経企庁の各種の見通し等々が出ておるんではなかろうかと、こんなふうに思えることもあるわけであります、そのとおりだとは言いません。  そこで私は、きょうは長官に特に要望し、また経企庁にもひとつ大いに頑張っていただきたいと思うのは、経企庁設置法からいきましても、経企庁長官の持っておる権限、機能というものは相当強大であっていいと思うんですね。特に第六条の三でありますけれども、「長官は、長期経済計画及び物価に関する基本的な政策の推進のため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、長期経済計画及び物価に関する基本的な政策に関する当該行政機関の重要な政策及び計画の立案について勧告することができる。」と、こう述べられておるわけでありますから、私はもっと経企庁が権限を強化をしていただく必要がある。それを実は特に強く感じておるわけであります。  現在、大蔵省が、ソフト化社会の到来に対応した経済運営のあり方をソフトノミックスと名づけて、その基本方針として政府の介入の抑制による民間活力の回復とその一層の発揮を提唱していますけれども、しかし大蔵省の認識は、私は現状に対する認識は甘いということと、それから最近の景気低迷を端的に示しておる失業だとか、個人消費だとか、設備投資等に対して非常に楽観的な見方もしておるというふうな点も実は感じられます。  そのために従来から税の自然増収等についての見積もりが大変固定的でありました、あるいはあるとき突然にまた税収の見積もりを変えたりというふうなこともあるわけでありますが、時間がありませんから多く申し上げませんけれども、やはりこれからの我が国の経済の発展を考えるときに、経企庁はいわば権限を強めることによって、経企庁の中長期的な経済見通しというふうなものが国民に本当に信頼されるというふうな形にぜひ持っていっていただきたい。これは実は要望を兼ねて率直にひとつ、ある意味では失礼な言い方かしれませんけれども、何か大蔵省の下請的な、そういうふうな経済見通しが往々にして行われておるんではなかろうかと、こんなふうに思える点がありますので、これをきょうは特に経企庁にお願いし、要望しておくということであります。御所見を承れれば大変結構です。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 井上さんから非常な御激励をいただきまして心から感謝を申し上げる次第でございます。  何分にも計画経済じゃないものですから、見通しもいろいろ狂う場合がございまして、特に冒頭にお挙げになりました、過去数年間の経済の見通しと実績の食い違いは、二回の石油ショックの後での大変難しい時代の流れの中でそういうことがあったかと思うんでございまして、私も、けさほども申したのでございますが、五十三年の暮れの五十四年度の予算編成のときに、ロンドン・サミットで政府が公約しておりました、機関車論で七%以上経済成長を高めるという、これはもう無理な話ですよと、背伸びをしてインフレを強めるようなことをやっては大変ですといって、六%台に抑えたことがあるくらいなんでございますが、なおその後、いろんな経過を経て、去年あたりから経済事情が一変いたしまして、だんだんと実績の方が上向きになってきておることは御承知のとおりでございまして、決して予算とのつじつま合わせで経企庁がそろばんをはじくというようなことは、少なくとも私の経験ではございませんから、どうかひとつその点は御安心をいただきたいと思うんでございます。  ただ、幅広いいろんな資料を総合して国民の皆様に御心配をかけないような見通しをつくりたいということで努力をしておりまするけれども、なかなかこれはやっぱり自由経済ですからうまくいかぬ場合も多いということだけは、お断りを申し上げておきたいと思うんであります。  それで、長期計画を立てるのが、一つの大きな経企庁としての仕事の柱になっております。それは、現在、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」ということで、これは数字は余りたくさん入っておりません、とにかく過去何年間か大分狂ったことがあるものですから。物価とか、失業率とか、成長率を大体見通しを立てて、あとの数字は一切省いておりますけれども、去年のリボルビング作業の結果を見ますと、大体この線に沿って今、日本経済は動いておるぞという結論が出まして、大いに私ども意を強うしておる次第でございますが、中長期の見通しとしては、こういうものを柱にして、毎年洗いかえ作業をやりながら政策修正をやってまいりたいと考えておる次第でございます。  いずれにいたしましても、適切な経済運営をやっていくための努力には万全を期したいと思いますので、ぜひひとつまたいろんな面から御鞭撻をいただければ幸いと考えておる次第でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 長官から御所見伺いまして、大変結構なと申し上げますか、さもありなんというふうな感じがするわけであります。  ただ最近は、ちまたの声としては、経済成長率等々の政府見通しよりも、民間の経済調査機関の見通しの方を信用する空気が非常に強いんですね。ところが、我々考えて、民間の機関も相当なスタッフをそろえておられましょうが、経企庁はそれこそ有能なスタッフを大勢抱えておられて、あらゆる分野においての情報を持っておられる。その経企庁の見通しが実は狂って、民間の見通しが当たるということは、どうもやっぱり合点がいかぬというふうな声が非常に強いわけですね。  そこで、いろんな論議の中で、結局経企庁というのは何といってもやはり大蔵省に非常に近い。そこで、大蔵のいわば財政計画等々が一つの基準になってそこに帳じり合わすようなことがあるんではなかろうかという実は冗談話も出ているとか、こういうことで申し上げたわけです。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 今の井上さんの民間の経済機関の見通しの問題でございますが、たしかあれは十五くらいの民間の研究機関の総合点の大体真ん中のところへ、偶然でございますけれども、経企庁のはことしは来ております。まあまあ常識的な線にいっているんじゃなかろうかと考えておるんでございます。  大蔵省のやっているのは、あれは経済見通しじゃございませんので、財政再建のために今後どうしたらいいだろうかという何年間かの赤字国債脱却のための計画をつくって、今大変苦労しておられるところでございますけれども、これを一体どういうふうに、先ほど申しました我が方の中期展望に織り込むかは、具体的にまだ向こうが方針を決めないんですから、方針を決めたらまたそれに合わせることも政策として考えざるを得ないかもしれませんが、今のところは全く、向こうはこういう方向をとればこうですよ、こういう方法をとればこうですよという見通しをお示ししている段階だ、こういうふうに御理解をいただきたいんです。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 私も確固たる資料があって申し上げたわけじゃありませんし、一応そういうふうなちまたの声をいささか代弁したという形で申し上げたわけでありますから、今後とも十分また御努力をいただくという要望をしておきまして、じゃ公取委員長にお伺いいたしたいと思います。  印紙税が四年前に一挙に倍に引き上げられました。そのとき私は、大蔵省に対して、そのような一挙に倍に引き上げるということを考えておると、事実上印紙税収入が減るおそれがありますよと、民間業者はそれほどばかではありませんよと言って、いささか皮肉を言った記憶があります。その後確かに、私の予想どおりではありませんけれども、印紙税が一挙に倍になったにもかかわらず、かなり印紙税収入が減ったというふうな事実 がありますが、それらのことだけが理由ではなかろうと思いますけれども、その後事務費の合理化等々から、最近やはり新聞にも出て問題になっておりますのは、大手企業が、下請代金あるいは下請納入業者に対する支払い代金等々を、一括した一枚の手形で振り出すというふうなことが考えられておる、事実近く実施をするというふうなところもある、こう聞いております。  これらの理由は、複雑な伝票事務が省けるとか、あるいは印紙税等々が節約できる、それから紛失などの手形特有の危険を回避するとか、いろんな理由があろうかと思いますけれども、これが本当に大手企業がそういう方法を全部とってくると、いろんな予期せざるような問題が派生するであろうという懸念をしておりましたら、たまたま三月二十五日の日本経済新聞に、公正取引委員会の見解として「導入に「待った」」というふうな見出しで、「独禁法違反の恐れ」というふうな新聞記事が出ておりましたが、現時点で公取委員長は、この一括決済方式についてどのようなお考えでおられるのか承りたいと思います。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 代金の一括決済方式は幾つもあるわけでございますが、例えば一括手形を振り出して、それを担保として当座貸し越しを認めるという方式もございますれば、売掛金債権を譲渡担保にしまして、金融機関が満期日前に、支払い期日前に当座貸し越しを認めてやるという形もあるようでございます。  差はありますけれども、今お尋ねのような代金一括決済方式というものは、非常に大きく申しますと、支払い事務を簡素化する、それから、それによって納入業者にも便宜が及んでいくわけでありますし、最近のように、非常に情報システムと申しますか、そういうものが発達してきております段階では、プラスの面を評価していいということがあると思うわけでございます。  今具体的に取り上げられております幾つかのシステムを見ておりますと、納入業者の中に下請法上の下請業者に当たるものが含まれるというのは比較的少ないようではございます。しかしながら、その中に下請事業者が入るといたしますと、この代金一括決済方式の利用方法いかんでは下請法との関係が問題になってまいります。  まずそこが問題でありますけれども、下請代金を期限までに支払わなければならぬということを下請法で定めておりますし、それから、下請代金の支払い条件を明確に記載した書面を事前に交付しなきゃならぬということも決めておるわけであります。それから全部が済みました後で、代金の支払い状況を記載した書類を保存しておかなければならないという規定もございます。そういう諸規定に新しいシステムがうまくはまるかどうかという点が技術的な検討ではございます。  根本的に申しますと、こういう決済方式が提示されて、親企業者と申しますか、大規模事業者がこれの利用を強制するという場合に、納入先が従来の金融機関と違った金融機関と取引しなければならぬというような問題が起こってまいりますと、やはりそこには若干強制に似たような事態も起こることも予想されますので、したがいまして、こういうシステムに入るかどうかということを決める自由というものが、納入先の方になければいかぬだろうというふうに思います。その点は、私ども現在聞いております範囲では、また今のシステムを考えております方々の意見、お考えもいろいろ聞いてみますと、その点の加入、脱退の自由というのは認められておるということであるようであります。  それからもう一つは、代金の一括支払いを納入先に対してやります金融機関、これの資力が十分でなければならないわけでございます。その点をどうするかということがございますけれども、今申し上げましたような点の解決がつきますれば、なお、私どもとしては、代金一括決済方式によって納入先、その中に含まれます下請事業者というものの利益が不当に侵されないという点を見届けて考え方を決めていきたいと思って、現在検討いたしておるわけであります。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 現時点で、委員長からそのような御検討をいただいているということを承って大変結構であります。  今お話の中に、独禁法に違反のおそれのあることについてのいろいろと御説明がございました。要は、一括支払いに入るか入らぬかということについて、加入、脱退の自由ということは当然設けられますけれども、やはり下請というのは、先ほど同僚議員からもお話がありましたが、何といってもやはり親企業こわいわけであります。本心では一括支払いに持っていってもらいたくないと思いながら、やはり親企業から言われれば、まあまあやむを得ずというふうなことで、表面上は従うというふうなケースも起きてくると思いますし、これは今後実際に実施されてどういうふうなものが起きるか、予想しがたい点もありますけれども、今後とも十二分にこれについてはひとつ関心をお持ちをいただきたい、要望をしておきます。  それからあともう一つお伺いしたいんですが、四月一日から電電並びに専売が完全に民営化されました。電電、専売が一般から購入しておる、従来民間から購入しておるものは相当な金額になるわけであります。それらのものが民営化されることによって、従来は規制されておった部門というふうなもの等が、民間会社でありますから、収益を上げるためには何をやっていいとは言いませんけれども、かなり広範囲に営業目的を拡大をすることが考えられる、こう思います。例えて申し上げますと、従来一般から購入しておったものを、直接自分のところでそういうふうな商事部門をつくって購入するというふうなことも、これやってできぬわけじゃありません。そういうことも起きるんではなかろうかということがあります。  さらにはまた、子会社等つくって、従来の出入りの業者に発注していたものを、直接自分のところで生産をするとかというふうなことも起き得るんではなかろうか、こう思いますが、直ちにそれが独禁法に抵触するということでなくても、与える影響はかなり大きいのではなかろうかと思いますけれども、そういうふうな点、具体的に今どういうふうなケースが発生してどうとかということじゃありませんから、なかなか具体的なお尋ねもできませんし、またそれについての的確な御答弁もいただけないということは承知していますけれども、そういうふうなことが起き得る、起きた場合にどうするか、またそれについての勧告等々についてはどういうふうな方法がとられるのか、大変どうもあいまいなお尋ねでありますけれども、現時点でのお考えがありますればお聞きをいたしたいと思います。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 昨日から民営に移行したわけでございますが、日本電信電話株式会社と取引先の中小企業の関係、従来にも増して公正な取引が行われるようにしてまいることが重要だというふうに思いますし、さような観点で私どもといたしましても、既に電電公社時代に、発注等を担当いたします方々、それから経理の担当の方々、それに対しまして、新しく民営後下請法の規定がどうなっておるのか、どういうことに眼点を置いて運用していただきたいかという御説明もいたしましたし、これからも十分密接な指導連絡態勢をとってまいりたいというふうに考えております。  下請だけではございませんで、独禁法上の優越的地位乱用ということも起こり得ようかと思いますので、両方を含めまして今後とも御懸念のようなことのないように私どもの立場から十分気をつけてまいりたいというふうに考えます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 どうもありがとうございました。  終わります。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 私はまず、現在の日本の経済の状況をどういうふうに把握するかというふうな点で少し教えていただきたいと思うわけです。まあ委嘱審査というのは、もうこれで終わったと考えていただいて結構なんで、あとはひとつリラックスしていただいて、フリートーキング的にいろいろ率直に意見をお聞かせいただきたいと思うわけです。  この席には大変なエコノミストもおられるの で、私こういう問題を取り上げるのは少し気おくれするんですけれども、そこを勇気を出してひとつお尋ねしたいと思うわけです。  初めに、私の感じを申し上げますと、日本経済というのは、既にもう夏から秋、秋も相当進んだ段階まで入っているのじゃないかという気がするわけですね。その前に、それを少し人間に例えますと、普通の感覚ではまあ四十歳ぐらいだろうという受けとめ方なんですけれども、私はもう五十歳に入っているのじゃないか。非常に栄養がいいので元気なんで、世界経済の中では若々しく見えますけれども、やはりもう五十歳としてのビヘービアをとらなきゃいけないのじゃないかという気がするわけですね。  これをまた先ほどの植物の問題に戻しますと、春から夏にかけては、植物というのは太陽の光を受けて猛烈な勢いで光合成をやるわけですね。どんどんどんどん、中でエネルギーをつくっていくんですけれども、これは木の成長の方に向けられていくわけですね。それが今度は、夏の終わりから秋にかけては、中で要するに炭水化物を糖分に変えて、いわゆるフルーツとしてそこへ結実さして残していこうというふうな状況になっている。  今までの高度成長時代の日本の経済というのは、いわゆる経済全体を成長させようということで、物すごいバイタリティーで動いて、ダイナミックに動いてきたという感じがするわけですね。したがってフロー中心の経済だった。ところがもうそろそろいわゆる収穫というか、ストック中心の経済に向く必要があるのじゃないか。    〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕  それに対して、こう言っては失礼ですけれども、どうも官民ともに、まだ日本の経済は成長中心というふうな考え方があって、フロー中心の考え方から抜けられない。抜けられないというのは、やむを得ず抜けられない点もあると思うんですけれども、その辺の考え方ですね、まずその辺からお伺いしたいと思うわけです。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 木本先生からのお話でございますけれども、まあ青年期ではないと思うんですが、何というか成熟期、熟年期に今入って、そして新しい経済のあり方をどう求めていくかということを模索しておる段階ではなかろうかと思うのでございまして、私はいつも言っているんですけれども、今、日本はエレクトロニクスを中心とした新しい経済がどんどん根を張ってきておりますから、それを中心にもっと内需を伸ばして、世界に市場を開放しながら日本の生きる道を模索していかなきゃいくまい、こういう大事な時期に来ている、いわば一種の転換期に直面しているのじゃなかろうかと考えておるような次第でございます。うちにも専門のエコノミストがおりますから、私の言葉の足りぬところは説明をさせます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 ちょっとそのエコノミストの方の御意見をお伺いしたいんですがね、今の見方について。

及川昭伍経済企画庁国民生活局長

○政府委員(及川昭伍君) 日本経済が、中長期的にどのような方向を進むかということでは、さきに経済審議会では「二〇〇〇年の日本」というものをつくりまして、国際化、高齢化とともに、成熟化という課題があるということを提起しておりますが、それはまさしく先生御指摘のような問題意識があったからだろうと思います。ただ、成熟化が、熟して落ちて腐ってしまうという成熟化ではなくて、成熟化の中から新たな発展をどうつかむかということが、我が国経済にとっては今大きな課題だというふうに思っているわけであります。  そしてさらに先生が御指摘のように、成長、フローということではなくて、政策の究極の目的は、国民生活をいかに豊かにするかというところに最後は帰着するのではないかと思っておるわけでありますけれども、そういう意味で、経済的な成長だけではなくて、生活の質を向上するための施策がより重要になってくるというふうに私どもは考えておりまして、そういう意味で、経済諸指標の動きを見るだけではなくて、生活の指標、社会の諸指標を工夫しながら、新しく政策指標として利用していくようにしなければいけないのではないかなというふうに思っております。    〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕  その観点から、例えば健康の指標はどうなっているか、安全の指標はどうなっているか、あるいは家庭であるとか教育であるとか運動の質であるとか、地域コミュニティーであるとか、あるいは文化的活動、余暇的活動についての諸指標を整理しながら、生活なり社会の質をあらわす指標をつくりたいということで、私どものところで現在研究開発を進めておりまして、一、二カ月中にはその結論も中間的に取りまとまるかと思っておりますので、経済とあわせて、そのような暮らし、社会全体について目を配っていくようにいたしたいと思っているわけであります。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 話を少し先に進めまして、私の意見から申し上げれば、もう経済至上主義からやはり生活主義に転換しなきゃいかぬじゃないかという気がするわけですね。  例えば今まで生産至上主義で来たわけですけれども、ここまで経済がもう成熟してきますと、これ以上無理して生産志向——生産というのは最小限はやらにゃいかぬわけですけれども、余り背伸びして生産中心を進めると、やはり公害の問題とか、あるいは値段にしても下方硬直性を起こしている。非常に物価的に料金が、これは公共料金だけではなくて、すべての料金が下方硬直性を起こしているという状況が来ている。あるいはカルテル、これはまあ公取がいらっしゃいますけれども、公になってないやみカルテルみたいなものがどんどんどんどんはびこってきている。これは後で申し上げますけれども、なかなか公取が追っかけ切れないぐらいはびこってきているのじゃないかという気がするわけですね。それから例えば公害が蔓延して環境汚染がどんどん進んでいくとか、そういうふうなことですね。  それで、こういう例は今どうなんですか。例えば、一億円なら一億円投資した、その効率が非常にどんどんどんどん悪くなっていって、もう今は余り投資効果がなくなっているのじゃないか。それに対して政府は、これは率直に受けとめていただきたいんですが、私の感じとしては、内需拡大とか何とかで一生懸命政府は力を入れられる。ところが、そういう投資がどうしても進まない、政府の意向に反してなかなか進まない。それで政府は余り出したくないと思っている輸出の方にどんどんどんどん行っちゃうというふうな状況があるわけですね。これは、もう既に日本経済というものが変わってしまっている。したがって、日本政府の今までのような調教というか、猛獣使いというか、そういうコントロールの方式では律し切れなくなっているんで、そのコントロールの仕方を変えなきゃいかぬじゃないかというふうに私は考えるわけですね。したがって、今までのようなフロー中心あるいは産業中心あるいは経済至上主義というふうなものから変えていかなきゃいかぬじゃないかという気がするわけですね。  ちょっと具体的に申し上げますと、これはきのうも申し上げたんですけれども、長大重厚といいますか、そういうものと、軽小短薄と商品を二つに分けた場合、今まで日本としては原材料を輸入して長厚重大ですか、こういう製品を輸出していたわけですね。ところが、今はどんどんどんどん小さい方に変わってきているということで、経済摩擦の原因の一つは、昔はまだ鉄鉱石だとか何かがどんどん船で入ってきたわけですね。ところが、今は成田空港から貨物機ですっすっと夜の夜中に飛んじゃうものだから、それで、その入ってくるものも、マグロや何かでも羽田へさささっと入ってくるわけですね。そういうことで目立たないんで、それで、出ていく方はまだ相変わらず、例えば自動車だとか何とかがずっと出ていくというふうなことで、そういう面も非常に不必要に貿易摩擦を起こしているんじゃないかというふうな気もするんですね。  したがって、結論からちょっと申し上げますと、今後はむしろこういう重厚長大のようなものは製品輸入して、それでその軽小短薄なものを、 ハイテクのものをどんどん出していくというふうなことをやっていかなきゃ、もうしようがないんじゃないかなという気がするんですが、その辺はどういうふうにお考えになるかお伺いしたいんですが。

大竹宏繁経済企画庁総合計画局長

○政府委員(大竹宏繁君) ただいまお触れになりました点は、言うならば貿易構造を変えていくべきであるというような御指摘ではないかと承ったわけでございます。  仰せのとおり、今後の我が国の輸出構造を考えます場合には、やはりそういう付加価値の高いものを輸出をしていかなければいけないし、一方では水平分業の形で、我が国の輸入構造も変えていくということが必要になってくるかと思うわけでございます。そのためには、直接投資も必要でございましょうし、市場開放も必要であるというような、さまざまな政策も組み合わせていかなければならないということは、そのとおりであろうかと思います。そうした考え方で、私どもこの中長期の政策運営といたしましては、先ほど大臣もお引きになりました「展望と指針」の中で、貿易構造の点につきましては、先生御指摘の点とほぼ同様な趣旨で記述をしておるわけでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで私は、今まで人間というのは、日本においてはいわゆる生産の手段といいますか、労働力として、生産の手段として考えられてきた面が非常に強いわけですね。ところが、生産はここまでくればもういいんじゃないか、いいんじゃないかというよりは、少しちょっと置いて、やはり人間が主体になって、自分たちが生活するんだ、生活のために生産があるんだ、生産は主から従に格下げするんだというふうなやっぱり考え方が必要なんじゃないかと思うんですね。  それからもう一つは、例えば収入の面ですけれども、今までは賃上げというか、そういう生活の手段としての収入を中心に考えたわけですね。したがって、例えば今春闘をやっていますけれども、何千円ベースアップされるとか、何%上がるとか、要するに収入が幾らと、名目賃金中心だった。そこから物価の値上がり分その他を引いて実質収入がどうなると。収入、収入ということにまずいったわけですね。ところが、これからはやはり支出という方面を中心に考えなきゃいけないんじゃないか。だから、どんどん賃金は上がるけれども、物価が上がってしまったんじゃもう何していることやらわからないと。やはり支出を考えた場合に、物価の問題とかストックの問題とか、使いでの問題とか生きがいの問題とかというものがあると思うんですね。  そういうふうに物の考え方を変えないと、もう今のような経済の成熟度になってきますと、我々の方がそういう収入重点に追っかけても、ちょっと追っかけ切れないんじゃないか、ハッピーになれないんじゃないかという気がするんですが、その辺はいかがでしょう。

及川昭伍経済企画庁国民生活局長

○政府委員(及川昭伍君) 率直に申しまして、現在の日本人の生活の意識は、非常にハッピーな状況に現在はあるのではないかなと思っております。  例えば、あなたは今幸せですか、という質問をしますと、相当多くの方が、今幸せだ、という答えが返ってきますし、あるいは、あなたの生活は中流ですか、というと、九割が、中流だ、と出てきております。これは、まさに戦後の高い成長の成果でもありますし、このような中流階層意識であるとか、あるいは幸福度の高さとかいうことを今後持続していくことがどうしても大事かと思っておるわけであります。そういうときに、人生八十年というか、世界でも最高齢の社会が来るわけでありますから、このような国民の幸せの意識を持続させるためのいろんな諸改革が今必要になっているだろうというふうに思っているわけでありまして、ただその中で、収入はもういいのかというふうに考えますと、そうではなくて、やはり国民の多くは、収入も余暇時間もというふうに考えているようであります。  そういう意味で、生産の構造を付加価値の高い生産構造に切りかえていきながら、生産効率を上げながら生活のゆとりを増していく、あるいは生活の安定を増していく、あるいはストックをふやしていくというような方向に、政策としても考えていかなければならないのではないかなというふうに思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 確かにそのとおりだと思うんですね。  それで、生活の実感としては、少しずつベースアップはされているんだけれども、年々生活が苦しくなっていくというふうなことで、我田引水を言うわけじゃないけれども、どうも収入だけを目指してもしようがないんじゃないかと。したがって、税金が高いんじゃないか。ちょっと稼ぐとすぐ累進課税でいかれるとか、あるいは物価がおかしいんじゃないかとか、住宅ローンがおかしいんじゃないかと。  今中流と言われましたけれども、私の家内なんかは、今現在、私の職業については満足してないかもしれないけれども、生活は満足しているんですね。あれは、私が三十三年間一生懸命働いてやっと買った建て売り住宅に入って、それでもう本人はハッピーなんですね。それは非常に結構なことだと思うんですよ。本人はそれで満足しているんだから、何もはたからぐだぐだ言うことないわけですけれども、しかし、よく考えますと、本当にそういうブチブル的なウサギ小屋の幸福でいいんだろうかという気はするわけですね。  それで、やっぱりそこで一つは、これは家計構造の問題ですけれども、この点少しお聞きしたいんですけれども、要するに任意可処分所得がどんどんどんどん減ってきているということですね。例えば住宅ローンとかああいう義務的な支出の部分がふえてきて、任意可処分所得が本当に減っている。例えばサラリーマンの小遣いが、亭主の小遣いがどんどんどんどん減っているという状況ですね。これはもう宿命的にどうしようもないんじゃないかという気はするわけです。  時間がなくなっちゃうんで、ちょっと先へ行って、一つだけでもう終わっちゃいますけれども、私きょう申し上げたかったのは、日本の中で見てますと、ああいう建て売り住宅に住んでいてもハッピーだと思うし、中級だと思っているけれども、一たんアメリカに行きますと、あれだけ豪勢な生活しているんですね。みんなヨット持っている、モーターボート持っている。それで皆、我々クラスでなくたって、もっと若い人がバケーションで何週間も家族連れで行くわ、貸し別荘へ行くわ、物すごいいい生活をしているわけですよ。そういう点から言えば、まあここだけの話ですけれども、何が貿易摩擦だと言いたいぐらいですよね。しかし、やっぱり日本もああいうふうな生活水準へ持っていかなきゃいかぬじゃないかと思うんですね。その辺の御感想を承って、経企庁に関する質問はこれで終わります。

及川昭伍経済企画庁国民生活局長

○政府委員(及川昭伍君) ちょっとお触れになりました任意可処分処得のことでございますが、任意可処分所得は減少はしていないで、ふえ方が非常に少ないというのが統計上の数字でありますが、御指摘のように、住宅ローン等が非常に多くなってきておりますから、任意可処分所得のふえ方は非常に少なくて生活にゆとり感がないというところは御指摘のとおりであります。ただ、生活がそれで苦しくなっているのかと言いますと、やはりそれ相応の住宅、新しい住宅を取得して生活水準自体はよくなってきておる。ゆとり感がないというところとどうつなげていくかということが、政策的にはやはり課題になろうかと思っております。  生活の質ということで申しますと、分配が我が国は世界で最も平等な国というふうに計算上出てきておりまして、アメリカや諸外国の一部に見られますように、非常に豪勢な暮らしをしている大金持ちも多くないかわり、非常に窮乏している人も少ない。それが、先ほどの中流が九割という数字に結果的に出てきているわけでありますが、格差の少ない中で、いかに生活のレベル、質を高めていくかということがこれからの課題でありまして、そういうことの努力をこれからしていかなければならないかと思っております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 次に公取に、お伺いするんでなくて、公取にお願いしたいわけですけれども、私は先ほどからのなにで、日本の経済というのはここまで来ている。そういうことに伴ってやみカルテル、そういったもの、あるいは価格の下方硬直性みたいなものが起こってきているというふうなことなんで、端的に言って、この商工委員会の管轄というのは通産省が中心で来たわけですけれども、むしろこれからは、公取がやっぱり先頭に立っていただかなければいかぬのじゃないか。今まで公取というのは後ろからついていってチェック機能を果たしておられたわけですね。ところが、やはりこれからの経済のあり方をリードしていくという、いわゆる氷原というか、氷の張ったところを砕氷船で突っ切っていくような砕氷船の役割をやっていただかなきゃいかぬ時代になってきたんじゃないかという私は気がしているわけですね。  したがって、私は公取委員会というレベルじゃなくて、何とか院、あるいは何とか庁に格上げしてでもやはり強くなっていただかないと、これからの日本経済というのはやはりうまくいかないんじゃないかという気がするわけですが、その辺まずいかがでしょう。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 次第に民間の活力、これを健全な競争を通じて民間の活力を高めていく必要性が増してきたのではないか、その面を公正取引委員会としてはどう考えるかという御質問かと思います。  御指摘のとおりであろうと思います。私どもも、いわゆる軽薄短小という形で産業構造が非常に変わってきております。情報とか金融の流動性というのは非常に早くなってきておりますから、そういうものに合わせて、現実の経済の中で起こり得る競争阻害的な要因、それから不公正取引と言われているような現象、そういうものをできるだけ広く、今までの手法に限らず広くとらえて行政を展開したいというふうに考えておりまして、最近はその経済的な側面の調査ということにかなり力を入れてやってきておるつもりでございます。  いろいろお励ましをいただいて大変ありがたいわけでございますので、今後とも御指導を賜れば幸いだというふうに考えます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで、これは私の印象だけかもしれませんけれども、やはりだんだんだんだん経済自身が硬直化してきているんじゃないかという感じがするわけですね。例えばやみカルテルみたいなものがどんどんふえているという感じがするわけです、感じですけれども。  公取としても相当摘発もされているし、チェックもされているわけですけれども、そういうことに関連して、ひとつきのうからもいろいろ私もかみついているんですけれども、許認可に基づく行政指導があるわけですね。許認可とか行政指導というのは、それ自身の善悪は別にして、それ相応な必要性に基づいてやっておられることには違いないんですけれども、それを隠れみのにして、談合だとかあるいはやみカルテルみたいな話し合いみたいなものが行われている、あるいはカルテルとまではいかなくても、それに近い話し合いみたいなものが行われているというふうに受けとめているわけですね。こういうものをやはり早目早目にチェックしていく必要があるんじゃないか。ところが、現在公取に与えられた権限ではちょっとそこまではタッチできない、やっぱりはっきり証拠をつかまえなければだめだと、そのためにいろいろ調査されたり何かするんですけれども。  そこで、私のこれ一つのアイデアみたいなものなんですけれども、どうもやみカルテルをやっている、あるいは話し合いをやっている、あるいは談合やっている可能性がある、疑いがあるという場合、証拠としてはないけれども、その業界なんかに対して公取からこういう疑いがある、したがって調査中であるという予告というか通告というか、その警告みたいな形でやっていただくということでもやっぱり相当違うんじゃないかと思うんですよね。  あんたどうもおかしなことをやっているよということを、まさか公取知らないだろうと思っていることはないかもしれませんけれども、そういう警告権みたいなものをやって、そして業界に対して李下に冠を正すなと、瓜田で靴を履くなというふうなこともやっぱり必要なんじゃないか。そういう一歩公取の機能を強化するというふうなことはいかがでしょうね。この辺で一応お答えいただいて私の質問を終わります。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 共謀、協定等によりまして競争を阻害するということは、独禁法が非常に排除したいと思っておる事柄でありますけれども、その場合の意思の合致ということの証明は大変離しゅうございます。私どもは、非常に業務の面でもそういうことが活発に行われるように勉強しておるわけでございますが、意思の合致が証明できない場合に、排除行為を公取が行うということも、これまた今の営業自由、契約自由の建前からすると大変難しいわけでありますから、行政手法を改善をいたし、さらに情報を非常に早く集めていくということに努めますと同時に、事態を未然に防止するという観点で、おっしゃるような警告というものも現実にやってきておるわけであります。そういう点をさらに深めてまいりたいというふうに考えております。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 以上をもちまして、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち、公正取引委員会、経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十八分散会

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