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102回国会参議院1985/04/02

商工委員会 第6号

発言数
188
登壇者
28
会派数
7
開催日
1985/04/02

会議録

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  去る三月二十九日、予算委員会から、本日午後一時から明三日午後三時までの間、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会、経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  まず、村田通商産業大臣から説明を聴取いたします。村田通商産業大臣。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 昭和六十年度通商産業省関係予算案等の商工委員会予算審査における御審議に先立って、一言ごあいさつを申し上げます。  我が国経済社会においては、現在、その基本的構造に変革をもたらすような広範かつ多様な変化が生じつつあります。技術革新と情報化の飛躍的な進展、国民の価値観の変化、人口の高齢化を初めとする社会の成熟化等がそれであります。今後二十一世紀に向けて、我が国の経済社会の発展基盤を確保するためには、この変化を先取りし、さまざまの政策分野において、迅速かつ積極的な対応を図っていくことが不可欠であります。  私は、当面の経済運営におきまして、内需を中心とした景気の着実な拡大を図り、持続的な経済成長の達成を図っていくために、引き続き、適切かつ機動的な経済運営に努める所存であります。と同時に、私は、この大きな変革の流れの中で、中長期的、戦略的観点に立脚し、自立的な産業経済のダイナミズムを維持、拡大し、一方で、豊かな国民生活の形成を図り、他方で、現在の国際政治経済システムを維持、強化すべく、国際経済の抱える諸課題の克服に能動的に貢献することこそ、現下の通商産業政策の基本課題であると考えます。  このような認識のもとに、私は、次の七点を中心に全力を挙げて通商産業政策を展開してまいる所存であります。  第一に、技術開発基盤の構築を図ることであります。第二は、高度情報化社会実現に向けての総合的政策を推進することであります。第三は、「国際国家日本」の対外経済政策を展開することであります。第四は、資源エネルギーの安定供給の確保を基本とし、経済性の観点にも配慮した総合的資源エネルギー政策を推進することであります。第五は、変革期に対応した中小企業政策を展開することであります。第六として、新たな時代の産業立地政策の展開、第七として多様で質の高い国民生活基盤の充実を図ることであります。  なお、当然のことながら、これらの重点施策の遂行に当たっては、行政の効率化、合理化に十分留意してまいる所存であります。  昭和六十年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たっては、このような基本的方向に沿って、諸施策の具体化を図ることとした次第であります。  この結果、一般会計は、七千九百四十一億七千四百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計五千九百八十二億五千六百万円、電源開発促進対策特別会計二千四百八十億二千三百万円、特許特別会計四百一億四千万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。  また、財政投融資計画につきましては、五兆四千百九十一億円を計上しております。  通商産業省関係予算案等の内容については、お手元に資料がお配りしてありますが、委員各位のお許しを得て説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 次に、金子経済企画庁長官から説明を聴取いたします。金子経済企画庁長官。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 昭和六十年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、三百九十九億九千六百万円となっており、これは前年度予算額に比べて八十億八百万円の増額であります。  また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、四千二百十七億円を予定しております。  以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。  第一に、経済協力の積極的展開を図るために必要な経費として、二百九十六億六百万円を計上しております。  その内訳の主なものは、海外経済協力基金交付金二百九十五億一千四百万円であります。  海外経済協力基金につきましては、経済協力の中期目標のもとで行っている政府開発援助の計画的拡充に努めるため、事業規模として、七千二百億円を予定しております。  この資金としては、前述の交付金のほか、一般会計からの出資金が一千六百九十億円、資金運用部資金からの借入金が三千九百五十七億円、政府保証債が二百六十億円、自己資金等が九百九十八億円となっております。このうち一般会計からの出資金は大蔵省に計上しております。  第二に、物価政策の推進に必要な経費として、二十三億二千五百万円を計上しております。  その内訳の主なものは、生活関連物資の需給、価格動向の調査監視、その他各省庁の所管する物価対策を機動的に実施するための経費二十一億五千万円等であります。  第三に、国民生活政策の推進に必要な経費として、二十四億五千万円を計上しております。  その内訳の主なものは、国民生活センターの運営に要する経費十九億円等であります。  これらのほか、経済動向の調査分析、内外経済対策の推進、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」に基づく諸政策の推進等に必要な経費として、十五億七千九百万円を計上しております。  以上、六十年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 次に、高橋公正取引委員会委員長より説明を聴取いたします。高橋公正取引委員会委員長。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 昭和六十年度の公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち公正取引委員会の予算額は、二十八億八千二百万円となっており、これは前年度予算額に比べて八千二百万円の増額となっております。  以下、その内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、独占禁止法施行経費として一億七千五百万円を計上しております。  違反事件の審査のための経費、経済実態の調査のための経費など、独占禁止法を適正に運用するための経費であります。  第二に、国際関係事務処理経費として千五百万円を計上しております。  我が国経済の国際化に伴い、諸外国の独占禁止法施行機関との連携の促進を図るための経費であります。  第三に、下請代金支払遅延等防止法施行経費として千八百万円を計上しております。  法運用の強化と啓蒙普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。  第四に、不当景品類及び不当表示防止法施行経費として一億七千七百万円を計上しております。  公正な競争を維持推進することにより、消費者の保護を図るため、景品表示行政を積極的に推進するための経費であります。  最後に、その他人件費等の予算として二十四億九千六百万円を計上しております。  以上、昭和六十年度における公正取引委員会の予算について、その概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今両大臣からございましたが、きょうは予算の委嘱審査ということでございまして、特に両大臣の所信のあいさつの中にありましたが、エネルギー対策につきましてまずお伺いをして、時間の兼ね合いもございますけれども、経済政策問題を次にお伺いをしたいと思います。  まずは最初に、エネルギーの問題から。  今大臣の所信にもございましたが、しばしば当委員会で私もこれに触れておりますけれども、特に第四次中東戦争が勃発をしてからもう十二年になります。イラン・イラク戦争は、ますます今日の段階ではエスカレートいたしておりまして、まさに大都市攻撃という極めて最悪の事態を迎えています。  先般また、日本の我々の同胞が一名犠牲になるという結果も出まして、邦人引き揚げを行っておりますが、問題はやっぱりこういった平和解決を、極東の平和はもちろん、中東の平和はもちろんでありますが、安倍外務大臣も今鋭意このイラン・イラクの平和解決に努力をされているようでありますが、たまたま五十八年のときもちょうど同じ状況でございました。あのとき、たしか私の質問にも答えているんでありますが、できるだけ早期にイラン・イラク戦争は終結をすると、こういう前提に立ってのエネルギー政策というものをお示しがございましたが、私はそう簡単にいかないんではないか。やっぱりもう十二年も経過して一挙解決というのはなかなか難しい。今も安倍外務大臣は、段階的平和への移行ということを言っていますけれども。  そこでお伺いしたいことは、やっぱりイラン・イラク戦争をめぐるペルシャ港情勢というのは、何回も指摘をいたしておりますけれども、日本の中東の石油依存というのは、大臣も御承知だと思いますが、七〇%であります。その中でも六〇%はペルシャ湾の関係での石油の依存と、こうなっているわけですね。したがって、そういう状況から判断いたしますと、特に私は、この情勢を踏まえて、大臣としてどういう認織とどういう対応をこれからの長期エネルギー政策で対応しようとしているのか。私はやっぱり大事なことは、代替エネルギーの方向にウエートを転換をしなければならない情勢がますます重要になってきていると、こういう認識を含めて考えを持っているんでありますが、この点、長官なり大臣の方からお伺いしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員にお答え申し上げます。  今御指摘がありましたように、国際石油需給問題でございますが、現在緩和基調にあるものの、中長期的には逼迫化するという認識が一般的でございます。そして日本のエネルギー供給構造は、石油輸入の中東依存度、ホルムズ海峡依存度、これが今委員御指摘のとおりでありまして、非常に高い、七割前後であるということに象徴されますように、他の先進諸国と比較して、依然として極めて脆弱である、これが日本のエネルギー供給構造の基本的な問題であろうかと思います。  こうした内外のエネルギー事情に対応をするためには、石油の安定供給の確保と同時に、今対馬さん御指摘になりました省エネルギーの推進とともに、石油代替エネルギーの開発、導入の促進が不可欠であるというふうに考えております。特に石油代替エネルギーにつきましては、その開発、導入に長期間を要することから、計画的かつ着実に推進することが必要でございます。このため、政府といたしましては、石炭、LNG等の導入促進、石炭液化等の新エネルギー技術開発等に引き続き積極的に取り組んでまいる所存でございます。  また、前段申し上げました中東依存度の高さということを考慮に入れまして、インドネシアであるとか、あるいは最近はアメリカのアラスカ石油の石油問題であるとか、そういう新しい視点にも目を向けまして、いろいろ対米交渉もしておるところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 今大臣が、私の指摘した認識は一致しているというお答えでございますが、その点を踏まえて私は、今確かにアラスカだとかインドネシアだとか中国のもちろん共同開発というものが盛んに行われていますけれども、石油依存度と代替エネルギーの関係を申し上げますと、日本はいまだにやっぱり相変わらず六二%、六〇%前後ですね。これは私の数字が間違いであれば別でありますが、一九八二年IEA調査によりますと、アメリカは今石油依存度四〇%、西ドイツが四四、イギリスが三九、フランスが四九、日本は六二%であります。若干下がっているようでありますけれども。  いずれにしましても、世界の趨勢を見ますと、まだ六〇%台というのは我が国だけでございまして、こういう点から見ると、私は今なぜイラン・イラク戦争のこの時期にこの質問をしたかということは、五十八年度の、三年前と同じなんだね、一向に変わっていない。むしろ緊迫度が高まっているという状況でしょう。そういう中にあって国際的に見ると、今私が数字を挙げた状況では石油依存度がそう変わっていないと、世界の趨勢から見るならやっぱり日本は高いと、こういうことですから。  したがって、私はあえてここで申し上げたいことは、そういう意味で、これから代替エネルギーを、今大臣からもお答えがございましたけれども、もう一歩やっぱり政府として危機感を持った方がいいんじゃないか。こう思いますのは、これは「エネルギー’81」通産省編という通産省から出したあれでございますけれども、この前も私このことに触れていますが、これは「昭和五十五年は石油代替エネルギー元年」という、まさに石油危機を踏まえて「代替エネルギー元年」だということで、代替エネルギー促進法を実は提案をし、私も参加をしてこれは議決をいたしました。その後の状況の推移を見ますと、やっぱり一向に石油依存度と、それからどちらかというと原子力の関係にウエートが置かれていますけれども、率直に言って、私は代替エネルギー状態というのは大体ほぼ横ばいではないか。もう一歩、今日の危機を考えた場合に、五十八年十一月、私持っておりますが、長期エネルギー需給見通し計画をここで出されているわけでありますけれども、もう一歩代替エネルギーに傾斜をつけると、ウエートを持っていくという視点に立つべきではないか。その点に立っての、今すぐということを私言っているんじゃなくて、もう一度長期需給見通し計画の、五十八年十一月に出されているのをここに今持っていますけれども、これをもう一回、いつかの時点ということではなしに、見直すことを考えてみる必要があるんではないか、こういう認識持っていますが、この点についてどういうふうにお考えになっていますか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) ただいま先生御指摘のとおりに、代替エネルギー開発は今後とも重点を置いてやっていくべきだ、そういうふうに我々も認識しておりますし、その一つの参考目標といたしまして五十八年十一月につくりました「長期エネルギー需給見通し」、これをベースに進めているところであります。  この「長期エネルギー需給見通し」につきましては、一つの眼目が石油依存度、現在六二%でありますけれども、これを五〇%を切って、できるだけ早く四八%程度に持っていくということが一つの眼目でございますが、この大きな流れは今もちろん変える必要はないと思います。五十七年度をべースにこれ策定いたしまして、五十八年、五十九年の実績が出つつあるわけでございますけれども、五十八年度の実績で見る限り、気候等の若干の変動要因がありまして、エネルギー関係はこの見通しよりも若干伸びておりますけれども、気候要因等を除きますと、ほぼ見通しどおりでございまして、五十九年度の二月までの推定実績からいたしましても、大体この計画どおりであるというふうに我々認識しておりまして、当面はこの長期需給見通しに沿って代替エネルギー導入等を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 当面はそれで結構なんです。私はなぜこれを言うかといいますと、国際的な先ほど言った水準までどうスピードアップをしていくかということが大事ではないか、この視点に立っているわけです。そうすると、四〇%でしょう。まだ、六〇ですから二〇%の格差があるわけでありまして、だから、まして今このイラン・イラク戦争、中東戦争をめぐり、やがてそれは、もちろんアラスカだ、いやインドネシアだ、中国だと言ったって、しょせんこれはやっぱり海外依存度ですからね。だから私の言いたいのは、むしろそういう面からいくならば、やっぱり石炭とかLNGとか、あるいは地熱、太陽熱という方向にむしろ一歩テンポを速めるべきだ、この認識に立つべきではないかということを言っているわけですよ。そういう危機感を持つことが、やっぱり長期エネルギー需給見通しをある意味では達成することになるのではないか、こういう感を深くするものですから、そういう点で聞いているということですから、その点もう一度ひとつ、認識のことを私は確認していますから。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 先生御指摘のとおり、できるだけ欧米並みに代替エネルギーの依存度を上げる、逆に石油依存度を下げるということが必要だろうと思います。そういう努力の一つのあらわれといたしまして、例えば、今御審議いただいております六十年度予算におきましては、エネルギー関係の当庁所管のエネルギー全体の予算は八千四百六十億円程度で、五十九年度に比べまして六・四%の伸びではございますが、代替エネルギー関係につきましては、石特会計あるいは電源特会関係それぞれ七・二%増、あるいは一三・二%増、合わせまして一一・五%増ということで、全体エネルギーの伸びが六%台のところ、代替エネルギー関係は一一・五%と倍近い予算を計上させていただいて、今御審議いただいているところでございまして、我々の代替エネルギーの促進についての努力もひとつ御理解賜りたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 予算上の問題は、今私も申し上げようと思ったが、予算持っておりますから、長官がおっしゃるとおり、一応横ばいちょっと、上向きという予算にはなっております。これを見ましても、やっぱり私は率直に申し上げたいことは、石炭特別会計では前年度千二百八十二億が千二百五十九億、これはマイナスですね、どう言ったって。それから逆に、今度原発の関係で予算を見ていきますと、原発関係はやっぱりふえていますね、これ。科技庁の分も含めますと、原発は結果的には七百七十四億に対して、科技庁分では五十九年度は六百九十三億ですから、これも原発関係はふえているわけです。一方石炭は、これはマイナスですね、率直に申し上げて。  それから、代替エネルギーの話が出ましたけれども、これ例えばサンシャイン計画の一面では若干のあれがあっても、例えば石炭液化技術研究所なんというのは若干の伸びはしています。しかし、代替エネルギーの実用化補助なんというのは、これ二十四億に対して二十億とマイナスになっていますね。それから、石炭生産・利用技術研究が、四十六億が若干これはふえている。総体的に見ると、政府の立て方というのは、相変わらず石油関係は横ばいというような状況ですけれども、結果的に見ると、やっぱり原子力にはかなりウエートがかかっている。しかし、石炭とかそういう予算関係にいくとマイナスになってくる。そういうことがやっぱり私は危機感がないんではないか。そういう面での予算は確かに前進はしているけれども、原子力と石油だけがやっぱりウエートがかかっているな、こういう感をちょっと深くするものだから、その点をもう一回はっきり見直してみるべきではないか、こう私は率直に申し上げているわけです。  長期エネルギー需給見通しによれば、六十五年度には、地熱が五十七年度の場合でいくと三・五倍ですよ。それからソーラーエネルギーとしては一〇倍弱と、確かに伸びていますけれども、六十年度総計で八千四百六十三億という答えなんですが、今言ったように、石炭予算とかあるいは今指摘しました石炭技術研究、そういうものをずっと見ていくと、そういう研究は、代替エネルギーという意味の技術研究は必ずしも前進はしてないんではないか、こういう見方をするんですが、この点はどうですか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) ただいま先生御指摘の中で、石炭勘定の予算が六十年度若干減っているじゃないかという御指摘ございましたけれども、先ほど私申しました代替エネルギーの全体の伸びの中にはこの石炭勘定は除外してございまして、代替エネルギーの中の石炭の技術開発あるいは利用の面、そういうものについては代替エネルギー勘定で見ておりまして、石炭対策そのもの、これは公害対策あるいは産炭地対策等も入っておりますので、石炭勘定は一応別にして先ほど伸び率を申し上げた次第でございます。  代エネ勘定の中でやはり中心になりますのは、原子力関係でございます。あとLNGあるいは石炭ということでございまして、特に石炭関係については、石炭液化あるいはガス化、そういうものの利用技術の開発等を推進しているわけでございまして、そういう開発の度合いに応じて予算をつけておりますので、年によっては若干出入りがあるということになろうかと思いますが、石炭勘定を除いた代エネ全体としましては、今後とも増加する努力をしてまいりたい、そういうふうに考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 長官、率直に言って、数はやっぱり、数字はこれはマイナスになってるんだから。今言ったように石炭液化の場合はマイナスでしょう、結果的には、どう言ったって、技術開発その他をずうっと含めていくとね。私の言いたいのは、それは石炭の予算はこれは特別会計で別だけれども、この技術関係を見ると若干減っているんじゃないか、技術開発。そういう意味のことを言ってるんであって、だから私は、全般的に見ると、やっぱり原子力重点、石油重点の予算案になっている。もちろん、代替エネルギーの一部は、これは伸びなきゃ変な話であって、これはサンシャイン計画をやっているわけですから。  この間、私も日立の電力会社のサンシャイン計画担当の関係者に全部聞きましたけれども、これはそれでもまだ予算足りないと言っているんだ、これだけついていてもまだ予算足りないと。例えば、ずばり申し上げますけれども、まあ余談になりますけれども、太陽熱がもし実用化するまでにどのぐらいかかるかと言ったら、まだまだとてもこれは、先の見通しとしては、はっきり物を言いなさいというのは、まだ十年このかたかかると言わざるを得ません、それは日立の研究所の所長が言ってるんですよ、私に。だから、そういう問題等を考え合わせれば、必ずしも今の予算で十分だとは私申し上げませんけれども、もちろん、代替エネルギーに重点的なウエートをかけていいんじゃないかという視点は、原子力の方に非常にウエートがかかって、伸びてはいるけれども、代替エネルギーは、原子力の伸びから見るならばもっと力を入れていいんじゃないか、こういうふうに思わざるを得ないんですね、この問題は。そういう点を指摘しておきたい。  今、長官は、一応そこらを含めて今後検討するということですから、検討していただいて結構なんだけれども、そういう点でひとつ考えてもらいたい、こう言っているわけですよ。その点どうですか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 先生の御指摘は我々も同様でございます。ただ、先生の御指摘の中で、石炭の技術開発の予算が減ってるんではないかという御指摘ございましたけれども、六十年度の予算につきましては、五十九年度に比較しまして、例えば石炭液化技術につきましては、六十年度二百八億円組んでおりまして、五十九年度百七十九億円に比べますとふえておりますし、あるいは石炭の生産・利用技術、これも六十年度五十一億円でございまして、五十九年度四十六億円よりもふえているというようなことで、我々としてはそれなりの石炭の利用技術の開発について努力しているところでございます。  ただ、相対的に原子力の方が伸びが大きいんじゃないかというような御指摘でございますけれども、原子力は現にもう既に利用されている技術でございまして、どうしても予算上も大きくなってまいります。石炭関係の液化等はこれからの技術でございまして、そういう意味では、まだ予算が小そうございますけれども、今後とも努力してまいりたい、そういうように考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いずれにしても、私はこれは、時間がないから次に進みますけれども、ひとつもう一度、そういう点を、代替エネルギーにウエートを置いた六十一年度予算案編成というものにひとつ力をかけてもらいたい、このことを大臣に強く申し上げたいと思いますが、どうですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 対馬委員の御指摘よく理解できるところでございまして、代替エネルギーに力を入れていくという方向でこれからも努力したいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そこで私は、代替エネルギーの中で一つ申し上げたいことがございますが、その前に率直に申し上げて、五十三年、私は当委員会で大陸棚法案の当時筆頭理事をやっておりまして、えらい苦労しました。正直申し上げて、強行採決までされて、歴史に残る法案を、私当委員会でも七時間三十八分質問いたしております。  私そこで言いたいことは、なぜ代替エネルギーのことを言うかと申しますと、あの当時河本通産大臣、私も会議録を全部ひっくり返して、私自身が七時間質問していますから、めくって、あのときの答えからいくと、もうとうに大陸棚から石油が出てこなきゃならぬ、はっきり申し上げて。石油が相当今の段階では、大陸棚の当初の見通しが、五十三年でしょう、もう約十年ですから、恐らく二千五百万リッターという当時の目標からいくなら若干でも出てこなきゃならぬ。私が聞いているんでは、大陸棚にボーリングなんか七本だか打っている、大体約六百億ぐらい使っているでしょう、これ。打ったけれどもいまだにただの一滴も出てこない。こういう予算には金を使っている。私が言いたいのはそれ言っているんだよ。  だから、代替エネルギーなどというのは確実なんだよ、そうでしょう。代替エネルギーこそ、太陽熱、地熱というものは時間はかかっても必ず一定の物になる、国民のためのエネルギーになるんだ。ところが、当時は大陸棚、大陸棚で、とにかくここで強行採決までやったわけでありますが、結果的にはただの一滴もいまだに出ていない。これからどうなるかということは別ですけれども。だからそういうことを私は言いたいわけです。そういうときには、かなり税金のむだ遣いだとか行革だとかで片方でしゃべっているけれども、現実の実態としてはそういうものについては一向に、法案さえ通ってしまえば知らぬ存ぜぬで過ぎ去ってしまっている。そういう意味でのエネルギー会計の扱い万、使い方というものをやっぱり大臣根本的に見直すべきだと、私は。そういうところから判断するならば、若干の代替エネルギーはふえたけれども、少しは思い切った、大陸棚のあの経過を踏まえるならば、もう少しこれからテンポを速めていっていいんじゃないか、そういう感じを深くするものですから、この機会にひとつ申し上げておきたいと思います。  実際どうなんですか、今、大陸棚、いまだに私の聞いているのでは一滴も出ていないと、たしかボーリング六本打ったけれども、ただの一滴も出ない、もう約十年この方になるけれども、その点若干この機会に聞いておきたいと思いますが、いかがですか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 今、日韓大陸棚の御質問がございましたけれども、確かに先生御指摘のとおりに、五十四年十月から物理探査、試掘等をやっておりますけれども、四本掘りまして、現在まで商業化可能量の石油天然ガスを発見するに至っておりません。六十年度さらに二本やって、その成果を今期待しているところでございまして、今後ともまたひとつ努力いたしたいと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これ今、柴田長官に言ってもあれですから、当時のあれじゃないですから。当時の長官にも申し上げましたし、河本大臣もここで、最後には総理大臣まで来て、ここで申し上げたことなんです。  私に言わせれば、本当にあのことを思い出したら、今もう石油で日本国が困ることはなかったはずだがなと、こう思っているんですけれども、実際はそうはなっていないということを申し上げなければなりませんが、それは別にして、予算の扱い方を大臣、私はなぜこれを出したかというと、エネルギー総予算というのはもう一回見直すべきだと、こういう視点で。この石油業界、石油公団ですからもちろん私わかりますよ。財源の扱いわかっていますけれども、そういう点で、やっぱり力を入れてないということでなくて、もっとスピードアップした代替エネルギーというものに力を入れてもらいたいということを先ほど確認しましたから、強く要望いたしておきます。  そこで、時間もあれですから、LNGの今日の個別政策の問題をちょっと私はお伺いをいたしたいと思います。  これは、LNG問題というのは、やはりクリーンエネルギーとして非常に大事です。また、国民の多くはこれを期待しているし、だんだん利用度がふえていっている。そういうことからいきますと、これLNG天然ガスというものをかなりウエートをもってこれからやっぱり促進していくべきではないか、こういうふうに私思います。  そこで、これは六十年二月一日の日経新聞を見ますと、大阪瓦斯が購入を断念した。カナダ産LNG交渉の遅れを理由にこれは断念の新聞記事が実は出ております。これ間違いであれば別ですけれども、この点政府として、むしろ私が言いたいのは、LNGあるいは石炭あるいは地熱、太陽熱というそういう方向にウエートをかけるという段階からいくならば、価格の問題ももちろんこれはここに触れられていますけれども、どういうことでこれを断念をせざるを得なかったのか。また、これらに対して政府としてむしろ大いに歓迎すべきことではないのか。むしろ積極的に、行政の立場から言うならば推進をするという役割を果たすべきではないか。もちろん介入せいという意味で言っているのではありませんけれども、この点どういうふうに認識を持っていますか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 代替エネルギーといたしまして、LNGを今後とも積極的に活用していくということはそのとおりでございまして、我々もそのように努力しているところでございまして、長期需給見通しにおきましても、ちょっと古い実績でございますが、五十七年度天然ガスのエネルギーに占める割合が七%でございますが、これを六十五年度に一二%にするということで、現在二千万トン程度入れておりますものを将来四千万トンにしたい、そういうような方向で今努力中でございます。  今、先生御指摘のカナダのLNGの問題でございますが、確かに大阪瓦斯は、先般その輸入についての計画からおりてしまったわけでございます。今、この計画については中部電力さんあるいは中国電力さん、九州電力さんあるいは東邦瓦斯さん、この四社が中心になってなおやっておられますが、大阪瓦斯さんがおりられたのはもっぱら商業的な観点からと、それから輸入のタイミングの問題でございまして、大阪瓦斯さんとしてはやはり後段申し上げた輸入のタイミングがちょっとおくれそうであるというようなことから、ガスの供給上いろいろ問題が出てくるというのが主たる理由でございまして、それ以外に、価格問題についてもなかなか双方が合意するに至らなかったというようなこともありまして、大阪瓦斯がおりられたということでございまして、我々としましては、先ほど申しました四社が今カナダ側といろいろ交渉しておりまして、これはあくまでも商業ベースで話を詰めていくべきもの、そういうことで我々も見守っているところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 カナダの場合はかなり有望なやっぱりガス供給の国であるということで、LNGは将来かなりの計画が予想されている、こういうことだけに、もちろんこれ価格の問題あると思いますけれども、政府はむしろクリーンエネルギーにひとつウエートを置いた対応あるいは行政指導といいますか、そういう面を強力にひとつ進めてもらいたい、このことを申し上げておきます。  この機会にちょっと一言だけ申し上げておきますが、私去年八月に、実はソビエトのサハリン州のオハに行ってまいりました。このときに天然ガス問題で、ソビエト側としましては、日本との間でいろいろ経済技術援助その他を協力していただいているのでありますが、やっぱり円高傾向というよりもドル高傾向になっておりまして、そういう点から将来何とかオハの天然ガスをぜひ日本でもって買ってもらいたい、その技術提携今日本に協力いただいているわけでありますが、やはり私も聞きますと、流通系統というのは非常に便利である。例えばオハから北海道苫小牧まで二日半で来るそうです。そういうくらいここは便利だということを言っておりまして、ぜひこれはひとつオハの天然ガス供給をソビエト側はしたい。  しかし、その難点は何かといいますと、借款の問題がありまして、先ほど申しましたドル高傾向の中で、仮に八億ドル借款で借りたとしましても、ドル高傾向になれば価値としては五億ぐらいしかない、これを何とか日本側でひとつ努力をして解決してもらえぬかと。つまり、借款の期間を延ばすとかあるいは借款のあれを猶予を与えてもらうとか、そういう配慮をしていただけないか。今後そういう問題についてひとつ積極的にソビエト側としては外交ルートを通して働きかけをしたい、こういう話がちょっとありましたので、これは答弁は要りません。そういう問題についてひとつこれから積極的にやってもらいたいということをこの機会にLNG問題に関連をして要望だけしておきたい、こういうふうに思います。もし内容を知っておれば長官ちょっと一言だけ、今のソビエトの天然ガス問題について。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 今先生のお触れになりましたサハリン石油につきましては、現在探鉱から開発へ移行する段階でございまして、今、日ソそれぞれ開発に移行する場合の経済性について検討しているところでございまして、ソ連側の経済性についての検討結果を待っているという段階でございまして、ソ連側の検討結果を待ちまして今後開発についてさらに詰めていきたい、そういうふうに考えているところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そういうことで、むしろ代表の責任者が御理解を願っているということを私も非常に感謝を申し上げたいと思っております。  私の責任にもなるわけでありますが、最終的に、第七次石炭政策の関係では四つの問題がございまして、もう時間もありませんのでひとつ質問だけさせてください。  率直に申し上げます。  第一の問題は、昭和五十九年度、最近の貯炭状況、これは経営資金とも非常に関係があるわけでございまして、つまり貯炭が今の段階で、私の手元に来ておりますのは、全部でもって百二十万六千五百トン、これ二月末現在。北海道が百万五千七百トンでございます。したがって、今のままでいくと、これは南大夕張なんか三十万トンそこそこの貯炭になっているわけです。そうするとこれがコスト減になる、マイナスコストになるものですから、結果的に労務賃が払えないとか、ボーナスが払えないということにつながっていくわけです。  これがやっぱり問題になるのでありまして、これに対して柴田長官にも大変この前御尽力いただきました。長官も九電力であるとかあるいは電源開発とかということで手を打ってくれました。それなりの前進は出てきているんですが、まだ百万トン強を超えているということになりますと、これ二月末で南夕の例を見ますと三十四万三千トンです。今大体三十万トンラインまで行ったそうですけれども、これは大変なことですよ、やっぱり。まして今石炭行政が非常に、山はつぶれる、あるいは倒産危機を迎えているという、こういう最悪の状況ですから、これをひとつ早急に、柴田長官にもこの前要請をいたしましたが、九電力あるいは他産業のセメント、鉄鋼、もちろん原料炭、一般炭の違いありますが、促進方をしてもらいたいということが第一。  時間がありませんので、第二の問題は、中長期の石炭政策の第八次政策が、ことし一応もはや方向性を出さなければなりません。これは答弁が可能である限り、これ私は提案をしたいと思うんです。問題提起しておきたい。  一つは、中長期の石炭政策の関係では、海外炭と国内炭の流通の一元化をすべきではないか。山を残す道はこれ以外ないと。それはどういうことかというと、海外炭は約一億トンに近いわけですよ。我が国の石炭はもはや千七百万トンぐらい。これはもちろん価格差がございます。その流通を一元化することにおいて、バランスがとれることにおいてやっぱり石炭政策の前向きの予算措置ができるんではないかということになりますので、そういう点を検討してもらいたい、これが第一であります。  第二の問題は、日本の石炭全炭量が十億トンと、こう言われているんでありますが、これはしばしば当委員会でも私申し上げてまいりました。これはフランスのソフレミン調査団以来日本の調査が完全に掌握したことはございません。大臣、それは言葉では十億トンと言っているが、これはあくまでも理論炭量であって、実収炭量を指しているものではないわけです。  したがって、結論的に申し上げますと、現在あるボーリングをひとつ促進をしていただくことはもちろんでありますが、今石狩炭田のほかに、日本の将来はどこがあるか。これは天北です。天北炭田は大体推定でもって二億トン。それから釧路西部が、大体これも今推定で言われておりますけれども、確実なボーリングをしなければわかりませんけれども、一億強の推定炭量があるんではないか、こう言われておりますので、このボーリングを促進をし、年次計画をやっぱり出すべきではないか、第八次政策の中で。私はこのことをこの機会にひとつ提言をしたい、これが第二であります。  第三の問題は何かといいますと、日本の炭田は日増しに開発計画がますます深部へ第一に入っていっております。今一番深いところが、幌内炭鉱というのがマイナス千百まで入っています。温度が非常に高くなってきまして、もし一朝事があった場合に大変なことになると、僕は今非常にこれ心配をしているわけですよ。去年の有明の大災害にも見られるとおり、ガス突出あるいは炭じん爆発、炭鉱災害で一番おっかないのは山はねであります。山はねにでもなったらこれは全員死亡しなければならないという、犠牲になるという非常な危険性があるものでありますから、そういう意味で、私は昨年ここの当委員会に、北大の元教授で地質学者の磯部さんに来ていたださまして、公明党の先生と私がここで質問をいたしました。そのときに出ましたのが試験炭鉱構想であります。  日本の場合、地下資源に対して山はね、あるいは重大災害としては炭じん爆発、ガス突出、落盤、こういう順序になっていますね。中でも炭じん爆発が一番多い。こういう傾向に対しまして、あらゆる災害を技術研究をするということであれば、試験炭鉱が一番今日の炭鉱にふさわしい対策であるというのが北大の磯部元教授の見解でございます。これは当時の大臣、小此木大臣もここで聞いております。したがって、この問題を私はきょう掘り下げたいと思いますけれども、時間がないので、この三点の問題について、ひとつ第八次政策に向けてぜひ検討してもらいたい、この点をまずお伺いします。

高橋達直資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(高橋達直君) ただいま先生から御指摘のございました四つの問題のうち、初めの貯炭状況並びに引き取り促進の状況、それから第二点の流通一元化の問題、それからボーリングを促進すべきではないか、この三点につきまし、私の方からお答え申し上げたいと思うわけでございます。  貯炭の問題でございますが、先生今数字をお触れになられましたが、大体私どもの統計でも同じような状況でございまして、当初の、石炭生産在庫統計速報、二月の状況が一番新しいわけでございますが、二月末現在で、生産者の貯炭が百二十七万四千トンとなっております。ちなみに、二月の生産量に対しましてちょうど一カ月分ということでございまして、大体この程度の在庫は、生産の流通のやりくりから持っておく必要があるんじゃないかというような、適正の水準には入っていると思うわけでございますが、その後さらに引き取りが進みまして、三月の末には大体百十三万トン程度になるのではないかというふうに見込んでおります。これは御案内の、昨年の七月に石炭鉱業審議会に五十九年度の見通しをつくっていただいたわけでございますが、それが百二万トンでございますから、それに比べますと大体十一万トン程度ふえているという状況でございまして、国内炭全体の出炭のレベルから見まして適正な範囲ではないかというふうに思っております。  しかし、個別炭鉱ごとにある程度の差異があることは御指摘のとおりでございまして、御指摘の南夕張の炭鉱等につきましては、ある程度水準が高いのでございまして、これらにつきましては私どもとしても関連需要家に対して引き取り方を、会社がやるのが当然でございますが、私どもとしましてもこれを促進すべく要請をしてきたところでございまして、南夕張につきましてもその後、つまり三月に入りましてかなり貯炭が減っている状況というふうに承知をしております。  それから二番目の流通の一元化の問題でございますが、御案内のとおり、七次の石炭対策が五十六年の八月に石鉱審の答申で始まったわけでございまして、六十一年度までということになっているわけでございます。そういう中で今後八次の対策を、過去の例によれば、大体ことしの夏ごろから石炭鉱業審議会で御検討いただくというような段取りになろうかと思っておりますけれども、その中で、ただいま先生御指摘がございました海外炭、国内炭を一括扱うかどうかという問題も含めまして、流通の問題も当然にこの対象になるかと思うわけでございまして、それらを含めて総合的に、種々の観点から八次の対策としては検討してまいりたい。  なお現在の七次の中では、やはり需給の問題につきましては石炭鉱業の自立を展望しつつ、極力民間の自主的な国内炭の取引関係を尊重するという形で進めるというのが答申の中に出ておりまして、そういう趣旨からまいりますと、一手購入あるいは一手販売の実施というのは適当ではないと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、八次の検討過程において論議されていくことになろうというふうに考えているわけでございます。  それからボーリングの調査の状況でございますが、御案内のとおり、五十七年度から新エネルギー開発機構を通じまして石炭資源の開発基礎調査を実施しているところでございまして、これは未調査の地域で有望な地域につきまして、地質構造あるいは炭層の賦存状況を総合的に把握するということでやっているわけでございまして、調査は九州、北海道の海域及び陸域について物理探査あるいは試掘、ボーリングを行っているところでございますが、特に御指摘のございました釧路西部においては既に三地点実施をしておりまして、今後も調査を継続する予定でございますが、また天北地域につきましても今後の対象地域といたしまして考えておりまして、全体といたしまして、今後ともその着実な実施を図っていくという所存でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは今、私は問題提起をしたわけでありますから、これからまた当委員会でも、また鉱業審議会でも議論をされることでありますから、ひとつこれは問題提起ということで誠意を持って検討したいという今石炭部長のお答えですから、大臣これひとつ今のやりとり聞いていてわかると思いますけれども、現在残っておる山は閉山させないと、これが七次政策の柱としてきたもんですから、これは雇用の問題にも関係しますし、夕張は今なおまだ約四百五十人近い方々が離職者として存在をしているわけです。したがって、そういう意味も含めまして私は申し上げておりますので、いずれにしましても八次政策をこれからつくるわけですから、その八次石炭政策の場合は、今の問題提起をひとつ十分くみ入れて誠意を持って検討してもらいたい、このことを大臣にひとつ最後にお聞きしたいと思うんです。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ただいまの対馬委員の御指摘よく承りました。これから第八次を諮問をいたしまして来年の夏には答申を得るというような予定になっているわけでありまして、今御指摘になりました点をよく考慮いたしまして、第八次に反映させたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 大臣からそういうお答えがございましたので、ぜひそういう方向、むしろ実るような方向で努力するよう強く要望しておきます。  それでは経済企画庁長官にお伺いいたします。先ほどあいさつの中にも出てまいりましたが、貿易摩擦の問題で率直にひとつお伺いをしたいと思います。  問題は、きょうの大蔵委員会でも、先ほど十二時のニュースを聞いておりましたら、総理の答弁がされておるようでありますけれども、やっぱりアメリカの上院で三月二十八日、全会一致で市場開放という問題が決議をされて、その後特使としてシグール大統領補佐官が参りまして総理と会見をしたということですね。  したがって、ここにやっぱり保護主義ということを絶対に排除して自由化貿易にこたえなければならないという中曽根総理大臣のお話があったようでありますが、アメリカへ行って、けさほどの報道では総理と約束をされたと、こういうアメリカ側の受けとめ方ですね。総理と約束してきたと、中曽根さんが約束したと、これが非常にレーガン大統領が好感を持って受けとめておる、こういう主張なんですけれども、こういう約束をしたということがどうもはっきりわからぬ。  何を約束したのかわかりませんけれども、世に言われているのは四分野、つまり電気機器あるいは医療機器、あるいは木材などを含めてこれは四分野と言われているわけでありますが、まずアメリカとの貿易摩擦に対して、経済企画庁長官としてこの高度化に対応する考え方を出すと、こう言うんだが、一体総理が約束をしたという内容がどういうものかわかりませんけれども、担当する経済企画庁長官としての認識と、経済見通しを含めてこれからどういうふうに対応していくべきか。それから通産大臣もこれに対してどういう認識を持っているか。両大臣から一言認識と考え方をお伺いしたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 今対馬さんからお話の、中曽根総理がレーガン大統領と中身についての約束をしたというふうには私どもも承知していないのでございまして、四分野につきましては、それぞれ目下高級官僚ベースの話し合いが行われております。  電電の問題につきましては、もう一息で煮詰まる段階まで来ているというふうに伺っておるのでございますが、同時に、やはりこの問題の背景には、日米間の貿易収支につきまして我が国の大幅な黒字が存在しておって、しかもそれがなかなか簡単に解消できないような状況になっておる。  特にアメリカ側といたしましては、自由な市場アクセスが保障されていないということに対するいら立ちが高まっておるのでございまして、競争力を有する米国製品の対日輸出の拡大が日本の関税障壁、あるいは非関税障壁によって阻まれておるというふうに不満を持っておる点に最大の原因があろうかと思うんでございまして、こういった問題について、目下それぞれの四つの分野においての話し合いの際に誤解を解くように努力をいたしておりますが、同時にまた、対外経済問題諮問委員会ができておりまして、そこでもこういった問題の解決のための今答申を準備中でございまして、来る四月の九日には大体の結論を出したいということで、目下鋭意努力の最中であるということを申し上げておきたいと思うのでございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) シグール特使と中曽根総理との対談を受けて、私も見ましたが、レーガン大統領が日本の努力を評価したという情報が伝わってきておるわけでございます。  今、客観的な情勢につきましては金子経済企画庁長官からお話があったとおりでありますが、対米黒字がアメリカの商務省統計によれば三百六十八億ドルという大変な膨大な額に上っておるわけでありまして、一月二日の中曽根・レーガン会談によって、いわゆる四分野が指摘をされました。そして御承知のようにMOSS方式という市場重視型個別協議というのがずっと続けられておるわけでございます。  経済企画庁も通産省も全般的に関連を持っておりまして、どのMOSS方式にも出ておるわけでございますが、特に一番重点になったのは電気通信分野であることは御指摘のとおり、これは私が二月の十日、十一日、もっと言いますと、九日から十二日まで連日アメリカのブロック通商代表と会っておったわけでございますが、バイラテラルの、さしの会談のときに、ブロックさんが電気通信分野は相当に覚悟してやっていただかないと大変なことになりますよという予告がございました。そして中曽根総理の御認識もまさにそうでありまして、総理が陣頭指揮をされて電気通信分野についての開放を進められるということで、最終的にはシグール特使と非常にさしで詰めてのお話をなさったと承っております。  そのほかの三分野でありますが、エレクトロニクス、それから木材製品、それから薬品・医療機器、この三分野のうちで、エレクトロニクスと木材製品の関係は通産省は直接にタッチをしておるわけでございますが、こういったことについてもあわせて努力を行っていくということで、そのことについてのアメリカ側の認識は非常に中曽根総理の誠意が伝わっておるというふうに私どもは感じております。ただ、アメリカの議会の空気というものは、まさに最近における最も厳しい空気だ ということでありまして、委員も御承知のように、ダンフォース決議案が三月二十八日に米国の上院において全会一致で採択されたとか、あるいはその他いろいろな案がアメリカの国会で出ております……

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 大臣、時間がないものだから、急いで答弁してください。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) はい。非常に緊迫をしておりますので、これに対応して、ひとつ通産省でも積極的な方策を立てようということで、きょうも中曽根総理にお話を申し上げて了解をとったのでございますが、対米輸出の特に大きな品目について、対日輸入努力をひとつしっかりしようと、個別の会社にも上位二十社を選択してそれを個々に接触をしようというような、非常に具体的な提案を総理に申し上げまして、総理からぜひ進めるようにという御了解を得たところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 一応総理は、輸入、輸出の平等の原則に立ってお互いに輸入、輸出をやるんだと、言葉では言ってますけれども、既にあれでしょう、今朝ほど新聞を見ますと、金丸幹事長発言で、林業振興のための、これは直接もちろん通産、経企庁には関係は別になくても、特別会計でこれやっぱり二千億相当額を、つまり従来の素材産業と同じような形で設備廃棄をするということも出ているわけですよ。  そうすると、やっぱり基本的な問題は、我々申し上げなきゃならぬのは、結果的には、言葉ではいろんなことを言っているけれども、国内産業に対して圧迫にならないのかと。  特に通産大臣に僕は申し上げたいことは、合板産業なんていうのは中小企業ですよ。これは去年の十二月、旭川で十二億の家具工場が倒産をしている。合板はもうばったばったいってるんですよ、これ素材産業として今までも。なおかつ、ここに拍車を追い打ちをするということになると、言葉ではそれは輸入も輸出も平等の原則に立ってなんてきれい事言ったって、片っ方ではこういう幹事長発言で、二千億相当額の木材産業に対する手だてをしなくちゃならぬ、こう言っているわけだ。それじゃ全く平等でないんじゃないか。結果は日本の国内産業に、結果的に中小企業に圧迫が来る。ここなんです、大事なところは。特に通産大臣に言っておきたいことは。  私、個別に掘り下げて質問したいんですけれども、時間がないですから今申し上げませんけれども、そういう点について、大臣は、通産大臣としてやっぱり毅然たる態度をとってもらわなければならぬ。今も提案を総理に申し上げておると言うけれども、申し上げるというだけじゃなくて、重大な決意で、国内の産業の中の、特に木材産業を含め、これらの合板、家具、中小企業対策の一環を守る意味でも、私は毅然たる態度をとってもらいたい。  経済企画庁長官ね、これはあれですよ、平等という言葉だけは使われているけれども、これがやっぱり突き崩されれば、私は農産物は間違いなくまたこれ自由化の波が襲ってくるということは火を見るよりも明らかだと思うんですね。今は四品目とかいろんなことを言っていますけれども、問題は、これを一たん突き破られたら、これはもうまさに次々にやってくると、こういうことを踏まえた場合に、やっぱりアメリカの言いなりになるというんじゃなくて、日本の民族の原点に立って、どう資源を守り、みずからの産業を守っていくかと。この基本的姿勢に断固として立ってもらいたい、こう思うんですが、この点、両大臣からまたお願いいたしたいと思います。

金子一平自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(金子一平君) 国内産業に対する影響がどういうふうになるかということについての配慮は十分やっていかなきゃならぬという認識を持っておりますので、今そういう見地から各省と十分連絡をしながら努力をしておる最中であることを申し上げておきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 委員の御指摘一々ごもっともであります。ただ、全般的なことを申し上げますと、貿易問題では、一つ市場開放体制をとる、そして新ラウンドに対する準備をするというのが大原則であります。その中で、今委員の御指摘になった、例えば木材関係製品とかあるいは農産物関係というものは、これは国内産業を守らなきゃならないというまた別個の原理があるわけでございまして、そういった点は農林水産省等ともよく相談をしながら対応をしていく。基本的には先ほど申し上げました大原則を進めながら、そういった国内産業をどうやって守っていくかということであろうと思います。  それからもう一つ、中小企業の問題は、これはもう通産省は最も常に非常な配慮をしておるところでございまして、輸出、輸入の問題につきましてもいろんな影響をもろにかぶる可能性があるわけでございますから、そういう点はきめの細かい配慮をいたしていきたいと思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これも九日に結論を出すということになってますね。もう時間的にタイムリミットが来ているという感じを深くするわけです。  今両大臣からお答えがありましたが、ひとつ通産大臣は特に今表明された決意をしかと踏まえて、ぜひひとつ、これはもう自分の産業、我が国の産業を守るんだという、民族を守るんだという立場でやっぱり対応してもらいたい。ただ最後になったら、またこれね、この間の素材不況産業と同じように、造船産業とも同じように、またがたがたっと特別ちょっぴりの設備廃棄をして、また失業者が出てくる、また地域社会が壊滅をするということにつながっていくわけでありまして、これは我々はいやというほど素材産業で苦い経験をしているわけです。それはちょっぴり離職者振興措置法であるとか、あるいは地域産業の措置という法律はできましたけれども、私はそれでは本当の意味での産業を守ることにはならないんだと。この原点をやっぱりしっかりひとつ守ってもらいたいということを強く要望申し上げておきます。  それから、経済企画庁長官も、もちろん関係閣僚との調整ということがあるだろうけれども、基本はやっぱり日本の経済成長率を、これは中長期の指針がやっぱり五%ラインというものを堅持をした額ですよ、これはアメリカの言いなりになっていった場合に日本経済の五%が維持できなくなると。きょうは内需拡大の具体策について質問しようと思ったけれども、時間がありませんから。いずれにしましても、そういう内需政策を含めて基本的にそういう立場をぜひ堅持をしてもらいたいということを申し上げて、時間もまいりましたので私の質問を終わります。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 通産省にお伺いしますが、石炭鉱業保安確保対策の関係の予算は本年度三億一千八百万円の増で、百十四億五千六百万円になっております。この関係は、私は積極的な意味を持って受けとめたいと思うんですが、昨年の三井三池有明鉱の大災害事故について、何回も去年の商工委員会で質問いたしましたが、その後の政府の対応、経過について、そして保安の関係についてはいろいろと言われておりましたが、万全を期しているのかどうなのか、この点についてお伺いいたします。    〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 昨年の三池炭鉱災害後の対応等についてお答えいたします。  まず、原因究明と今後の再発防止対策についてでございますけれども、昨年の事故が発生後、直ちに事故調査委員会を発足させまして、いろいろ原因の調査をしてまいりましたけれども、九月に報告書が取りまとめられておりまして、原因の究明がなされております。  また、現在総合的な坑内火災防止対策を確立すべく、坑内火災防止対策部会におきまして、先ほどの事故調査委員会の最終報告で指摘されました事項も含めまして、多方面から対策のあり方を鋭意検討しているところでございます。その検討もほぼ最終の段階に入っております。今後この報告書が取りまとめて提出されましたならば、これを踏まえまして所要の対策を講じてまいる所存でございます。  なお、その後の現場に対する、あるいはそのほかの鉱山に対する監督指導強化についてでございますけれども、この種の災害の再発防止に万全を期するため、事故の後で監督指導等を強化し、三池炭鉱に再発防止のため多岐にわたる対策をとらせておりますけれども、それ以外の炭鉱につきましても所要の対策を講じさせております。  なお、三池炭鉱におきまして事故後も頻発災害等が多発しておりましたので、頻繁に鉱務監督官を現地に派遣し、現地の調査等を実施させますとともに、責任者を鉱山保安監督局に召喚していろいろ監督、指導を実施しておりますし、昨年の十一月には、本社の社長を私どもの方に呼びまして注意の喚起を行ったところでございます。    〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕  なお、予算措置につきましては、今先生から御指摘いただきましたように、一層の充実強化を図っているところでございまして、六十年度二・九%増という予算を確保しようというふうに考えております。  なお、現地の司法捜査等につきましては、福岡地方検察庁の指揮のもとに、福岡鉱山保安監督局におきまして鋭意捜査を実施しておりまして、現場検証が終了し、現在証拠固め、被疑者調書の作成等の段階に入っております。  以上、事故後の当局の対応について簡単に御説明申し上げましたけれども、今後といたしましても、保安確保を最優先にいたしまして、今後とも、坑内火災対策はもとより、最近におきます坑内の深部化、奥部化に伴うガス突出、山はね等の重大災害の防止、さらに運搬等のいわゆる頻発災害の防止についても万全を期してまいる所存でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 一つ要望いたしますが、司法捜査の件ですが、確かに検察庁の支配下でやっておられるようですが、これは長くたってからやるというのは余り意味がありませんし、問題がもううやむやになってしまいますから、これはやっぱりできるだけ急いでいただきたいと思います。  それから酸素マスクにつきましては、いろいろと熱が出るとかなんとかいうことで、聞きますと、三つの種類で、三十分ぐらい耐え得る、そういう試験をやっているようですが、簡単にその点について経過を。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 酸素マスクの開発の状況でございますけれども、現在着実に研究が進んでおりまして、昨年末に試作品が完成しております。現在鉱山保安センターでマンテストを実施しておりまして、ことしの四月以降、各炭鉱におきまして現場の携行試験を実施する段階でございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 三池の問題につきましては、時間がありませんので一応これで終わります。いずれにいたしましても、災害というのは忘れたころやってくるということになりますから、本当にそういう意味では万全を期していただきたいと思います。  次に、リッカーミシンの倒産、会社更生法移行後の問題でありますが、私は、通産省がそれなりに消費者の立場に立って努力されたように伺っておりますし、まあ一定の評価をいたしたいと思いますが、前払式割賦販売契約をしております消費者ですね、この消費者に対する債権の確保といいますか、私は商工委員会で質問を去年の七月二十四日にいたしましたが、そのときには、二分の一は日本割賦保証株式会社で何とかこれは見れる、あとの二分の一につきましては、これはどうなるかわからないような答弁でありましたが、その後会社更生法に移行をいたしましたので、この点について、一体どうなっているのかお答えをお願いしたいと思います。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) リッカーの問題につきまして、その後の状況、及び特に先生ただいま御質問の消費者保護との関係について申し上げたいと思います。  リッカーにつきましては、昨年七月二十三日に和議開始の申し立てがございまして、八月二十二日にそれを会社更生法の手続申し立てに切りかえていたわけでございますが、ようやく本年に入りまして、二日十八日に東京地方裁判所におきまして会社更生手続開始の決定がなされたところでございます。そして、会社更生に当たる管財人には横地治男ダイニッカ株式会社社長、及び従前からこの会社の保全管理人を務めてこられました阿部昭吾弁護士が選任され、目下再建のために尽力中という状況でございます。このように、更生手続が開始となりまして、この件の最大のポイントでございますところの消費者保護の問題という点から申しましても、事態はよい方向へ進んでいるものと考えているわけでございます。  前にも申し上げましたとおり、私ども通産省といたしましては、消費者保護の見地から、和議開始申し立て直後から、前払方式による顧客の新規募集の停止、あるいは既存の前払契約にかかわる前受金の集金停止を指導いたしまして、被害の拡大を防止いたしますとともに、既契約者のうち商品の引き渡しを希望する向きにつきましては、後払割賦への切りかえ等の方法によりまして商品の引き渡しができるように指導してきたところでございます。この間、信販会社の協力もございまして、今日まで商品の引き渡しは順調に行われております。そして、今般の会社更生開始決定ということになりましたので、この問題については従前以上に円滑に行われることになったわけでございますが、私どもといたしましては、今後とも消費者保護という観点を第一にいたしまして、所要の指導を行ってまいりたい考えでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 消費者保護はわかるんですが、そういう面で商品の引きかえや何かについてはわかるんですが、これは債権が残って、引きかえていなくてまだ残っている場合における、例えば一般債権の扱い、共益債権の扱いにするのか、その辺についてですね。

矢橋有彦通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(矢橋有彦君) ただいま御質問の点でございますが、リッカーが消費者と締結しておりますところの前払式割賦販売契約は、会社更生法で申しますと、第百三条第一項に規定しておりますところの、いわゆる未履行の双務契約に該当すると考えております。そのため、管財人において履行を選択するということによりまして、消費者は会社に対しまして商品の引き渡し請求権を有することになるわけでございます。この引き渡し請求権は、同じく会社更生法の第二百八条第七号によりまして共益債権とされるわけでございまして、更生手続によらないで弁済可能であるという扱いになっているわけでございます。したがいまして、代物弁済とか割賦への切りかえ等によりまして商品の引き渡しを受けることができるわけでございまして、現在そのことは続いておるわけでございますが、今後もより円滑に進むことができるということでございます。この点については、裁判所当局とも打ち合わせをしているところでございます。つまり、共益債権になるということでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 共益債権になるということで、本当に安心いたしましたですね。やっぱりこれで、掛金を掛けている人は、随分、私どもも何人か会いましていろいろと要請をされておったんですが、これは共益債権になるから、最終的にはもうどんなことがあっても心配することはないだろう、こういうことでいいわけですね。――ありがとうございました。  じゃあ次に移ります。  通産省の関係の労働組合の皆さんがつくったビラをちょっと読んだんですが、俗名「通常残業省」、こう書いて、労働条件がきつい、こういうことをずっと書いているんですが、私はちょっと関心を持ったものですから、通産省の本省における残業の実態、それから時間外手当とか休日手当の支給状況、これが一体どうなっているのだろうか。何回か政府委員室の皆さんにもお伺いしているんですけれども、なかなかはっきりわからないんですが、一応当たらずとも遠からずというようなところでひとつ答弁をお願いしたいんです。

児玉幸治通商産業省大臣官房総務審議官

○政府委員(児玉幸治君) 「通常残業省」というふうな言葉もあるというのは大変残念なことでございますが、実は超過勤務の問題につきまして は、これは先生御案内のとおりでございまして、そのときそのときの仕事の偏りぐあいによりまして、どこかの局が非常に忙しくなる、あるいは年末の予算編成の場合のように、ある時期になりますと集中的に忙しくなるというふうなこともございまして、そのときそのときの状況でどんどん様子が変わっていくわけでございます。  ただ、最近の通産省の抱えている問題につきましては、当委員会でもいろいろ御議論をいただいておりますが、例えばアメリカを初めといたします対外貿易摩擦問題等、非常に忙しい仕事の一つになっておりますし、また、二十一世紀に向かって現在は技術革新の胎動期に当たっておりますが、そうした中で先端技術問題についてどう対応していくか、こういうふうなこともまた非常に緊急の課題になっているわけでございまして、そういったことから、通産省に対する行政ニーズが著しく増大をしておりまして、これに伴いまして職員の超過勤務もこのところやや増加の傾向にあるということは否定できないところでございます。  これをどういう指標で見るのが一番いいのかということにつきましては、いろいろ工夫をしなけりゃならないのでございますが、現在私どもは、仮は超過勤務をする場合にも、午後八時というのを一つの刻みにいたしまして、それより先は、よほどのことがなければなるたけ残らないようにしようではないかということで、超過勤務をできるだけ減らすための努力をしているところでございます。  そこで、午後八時の時点で、本省の場合に何人残っているであろうかということにつきまして、月単位で数字を把握いたしているわけでございます。この数字を追ってみますと、大体午後八時以降の残業者の比率は、本省庁の平均で見た場合に、五十八年ぐらいまでは大体一五%前後でございましたが、五十九年度につきましては、ただいまも申し上げましたような大変緊急な課題が次から次へと押し寄せてきておる関係から、この一五%という数字が若干上がりまして、一七、八%というところまで上昇しているのでございます。私どもといたしましては、またこういう数字を引き下げるためにいろいろな工夫をしてまいりたいと思っております。  それから、そういう超過勤務のための予算についてのお尋ねがございました。この予算につきましては、一般会計で超過勤務手当が計上されておるわけでございますが、通産省の本省職員の場合について申し上げますと、御審議をいただいております昭和六十年度の予算におきましては、約七億四千万円の予算をお願いしているところでございます。この予算の積算につきましては、一応本省職員の場合には、一月当たり超過勤務時間が十八時間というのを基準にして計上しているのでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 大臣ね、私は民間の企業でずっと働いておりましたからどうもぴんとこないんですが、確かに忙しいときも忙しくないときもあるでしょうけれども、普通だったら、私は中曽根さん流に民間、民間言うのは好きじゃないですがね、一年間、年々に大体一人当たり平均何時間、こういう数字というのは、民間の企業だったらぽっと押せば出るわけですよ。そういう管理をしておるわけです。そうすると、政府の場合そんなのはさっぱりないわけなんです。それはそれでいいんかもわかりませんが、しかし今聞いておるのは、一体年間何時間残業をトータルでやって、その見合いとして、予算を組んでいる今七億幾らは何%ぐらいに当たるのか、それで何%以上はもう払っていないというのか、その辺のことをちょっと予算と関連して知りたいわけですよ。その辺のことを、もう時間ありませんから、大体でいいですからひとつ。

児玉幸治通商産業省大臣官房総務審議官

○政府委員(児玉幸治君) お尋ねの実際の超過勤務と具体的な予算の支払いの関係でございますけれども、私どもといたしましては、あくまでもこの超過勤務というものが、実際の予算との関係で十分整合性のとれたものでなければならないと思っているわけでございまして、現在大変厳しい財政状況下にありますけれども、業務の合理化をできる限り進め、また超過勤務につきましても、先ほどもちょっと申し上げましたが、超過勤務対策をいろいろと推進することによりまして超過勤務をできるだけ減らすという努力をしているわけでございます。そういったことを通じまして、所要の超過勤務手当の支給に際しましては予算の範囲内で執行できますように努力をしているところでございます。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 ちょっとお願いしたいんですが、要するに、そういうことではなくて、ありのままに一応、去年なら去年、ことしはことし、どのくらいトータルで残業時間があって、それに見合う支給というのは、大体何割ぐらいは支給はもうこらえてくれと、こう言っているのか、それを今度、後でいいですから、ひとつ出していただくようにお願いしたいんですが。

児玉幸治通商産業省大臣官房総務審議官

○政府委員(児玉幸治君) ただいま梶原先生御指摘のようなケースも、あるいは皆無ではないかもしれないのでございますけれども、私どもといたしましては、この超過勤務につきましては、先ほどからお答え申し上げておりますように、予算の範囲内で執行できるように努力をしているところでございますし、また今後もそういう方針で全力を挙げてまいりたいと思っております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 実際そう言うてもできないこととできることがあるわけでしょう。実際に働いておりまして、結局はあるところから先はもう足切りかなんかでやっていくのだろうと思いますが、それを悪いとかいいとか言っているんじゃなくて、一体実態はどうなっているのか。じゃ、これからそうするというんなら、これまではどうだったのか。それを、もう時間ありませんからいいですから、後で出してください。  次に、特許特別会計の関係ですが、四百一億四千万円計上されておりまして、これは全部自前で審査官が審査をして、手数料で稼いでいるようでありますが、私は、随分これもいろいろと、人がずっとここのところ減ってきて問題があると思うんですが、次の点について簡単に答えてほしいんです。一つは審査官の昭和六十年度四月現在における人数、それから大体平均の処理能力、それから未処理件数の累積件数が何ぼか、それからこれからさらに五十九年度の申し込みと処理件数との間で差が出てくると思いますが、毎年どのくらいずったまっていくのか、その点についてひとつお答えをお願いします。

志賀学特許庁長官

○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。先生から今いろいろ御質問がございましたけれども、現在特許庁といたしまして、最近の技術開発の状況等ございまして、かなり出願がふえてまいりました。また、審査請求件数もふえてまいっております。  現在の定員の関係でございますけれども、定員の推移でございますが、これは全般的な定員の削減という方向がございまして、そういう方針に沿いまして、特許庁においてもいろいろ増員の要求をしておりますけれども、漸次定員が減ってまいっております。審査、審判官の定員でございますけれども、五十九年度において千三百三十人、六十年度におきましても審査、審判官は千三百三十人ということで、大変厳しい全体的な中でこの定員の確保に努めておるわけでございます。  ただ、審査、審判官、こう分けて考えますと、審判の方がやや仕事のロードが重いもの、仕事の現在のややおくれが多いものでございますので、審判官の方にややウエートをかけておりまして、その関係から審査官の方が減り、審判官の方がふえているというような実態になっております。  そこで、最近の処理状況でございますけれども、特許実用新案関係で申し上げますと、五十九年度で申しますと、出願件数の合計が四十九万九千件でございます。審査請求件数が二十三万件、処理件数が大体二十万件弱でございます。したがいまして、審査請求件数に比べて、処理件数がやや下回っておるということでございますので、未処理件数が逐次上がってまいるという感じになってまいります。そこで、現在の五十八年度末でそ の平均処理期間を申し上げますと、大体二年半でございまして、五十九年度はこの状況から申しまして、五十八年度末の平均処理期間二年五カ月というものをやや上回るというような感じになってまいるというふうに思っております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 私は四十分までですから、もう時間ないんですけれども、今長官のお話ではちょっとわかりにくいところ多いんですが、要するに二十万件ぐらいの処理能力で、今四十九万九千と二十三万と、この二つでいくと、やっぱり今処理がだんだんおくれているという内容だと思うんです。したがってそういう状況の中ですから、アメリカからも日本の審査を早くやれという要請だってあっておりますし、国民も強い要請があるわけですが、今後の態様とすれば、幾つかあると思うんです。その幾つかある中で、どうしてもやっぱりこれまで国会で何回も、商工委員会でも人員増をやれという附帯決議がされておりますが、この点については特別会計にも入っておりますし、思い切ってひとつこれは増員をするべきではないかと思うんです。  特に三十五歳から四十五歳ぐらいの審判官が非常に多いですね。そうしますと、あと十年もしますとやめる人がどっとと出てきますが、一人前の審判官を養成するのにやっぱり四、五年かかってくるでしょうが、そういう情勢の中で、未処理案件がどんどん今たまろうとしている中で、なぜこれは増員について思い切れないのか。長官にひとつお伺いし、通産大臣も今のような時期だからふやせないというんじゃなくて、特許庁の今の現状を見て一体どう判断するか、自主的な判断をしてもらいたいと思いますが、後から決意をお伺いしたいと思います。

志賀学特許庁長官

○政府委員(志賀学君) 先ほど申し上げましたように、審査請求件数と処理件数のギャップがございます。したがって未処理件数が逐次増大する傾向にあるということでございます。そういったことにいかに対応するかということでございますけれども、私どもとしては、現在最重点に考えておりますのがペーパーレス計画の推進、指導でございます。特許の行政事務を全体としてエレクトロニクス化するということによって効率化を図ろう、それによって対応していこうということでございますけれども、ただ率直に申しまして、これだけでは対応し切れないわけでございまして、そういう観点から申しまして、一つは、できるだけ審査官の負担を軽減するという観点から、民官の人材の活用ということも現在逐次やっているわけであります。同時に、出願者側の協力も必要でございまして、出願の適正化あるいは審査請求の適正化というものについて協力要請をしておりまして、その辺の効果もこれからさらに高めていくということが必要だというふうに思っております。  同時に、先生から、激励の意をお込めになったんだと思いますけれども、審査官の増員を図るべきではないかというお話がございました。私どもといたしましても、折に触れまして、大蔵省あるいは総務庁に対してこの特許庁の実情を訴えているわけであります。そういうことから、この関係官庁におきましてもかなりの理解というものを深めているわけでありまして、そのためもありまして、先ほど申し上げましたように、全体的に大変苦しい中で審査、審判官の人数の確保というのはそれなりに行われているというふうに思っております。ただ、いずれにいたしましても、私たちといたしましては、これからもなお折に触れまして関係省庁に働きかけていきたいというふうに思っております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 大臣お答えになる前にちょっと、今の長官のお話では、ペーパーレスで効果があるということですが、いろいろこの資料を見たりやっておりまして、長官も一体どのくらい効果が上がるのかというのは、はかり知れて、読み切れてないと思うんですね。そうそれを機械化するからコンピューター入れてどうなるかといったって、あんな審査するのに、やはり審査官目を通して全部やらなきゃならぬ内容です。アメリカだってそういう方向にいっておりますけれども、最近大量に審査官を入れておりますよね。だからそういう状況でありますから、いろいろ言わなきゃならぬから言うのかもわかりませんが、やっぱり人を入れなきゃ始末がつかない実態ですから、これは余りいろいろ言わぬで、あとはやっぱり自主的にどう判断するかという問題じゃないかと思います。  そういうことで、一つ私が言いますのは、特に三十五歳ぐらいから四十五歳ぐらいのところにだんごになっておりますから、これはずっと上がっていきますから、後またぷつっと切れるということですから、これは今何回も国会で附帯決議で、商工委員会あるいは大蔵委員会でもやっておることですから、これは早急に、いろいろ言わぬで、もうやってください。いかがでしょうか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま梶原委員から御指摘がありましたとおり、審査官の定数その他で、特許庁の事務が年々これは出願件数が非常に増大をしておるわけでありますから、何といいますか、オーバーワークになる可能性もあるということで、志賀長官も非常に苦労をしておるところでございます。  今後ともペーパーレス計画の推進を初めとする工業所有権行政の総合的施策を推進していくということで、今御指摘になりました所要の定員の確保をするということは極めて重要な問題だと思います。したがいまして機会をとらえて増員要求等、私といたしましても最大限の努力をしてまいりたいと思っております。

梶原敬義日本社会党

○梶原敬義君 ぜひそういう方向で、大臣が在任期間中、それもそう長いことないんですから、ひとつ腹を決めて……。  それはなぜかといいますと、こんなことを言っていいかどうかわかりませんが、やはり過去を見ますと、ずうっと自殺者が出ておりますし、いや、その自殺の原因は仕事に関係ないよとよく答えられるんじゃないかと思いますが、しかし傾向的にずうっと出ておりますから、これはもう言い逃れできないと思いますし、また、いろいろそれによって、仕事で病気になる方も多いんじゃないかと思っております、精神的な面もですね。ですから、そういう状況ですから、ぜひ大臣が決断をして、この際増員を何とかやる、それが国のためになることだと思いますから、ひとつお願いいたします。  以上で終わります。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 石井でございます。  私は、日米通商摩擦に関して三つの分野から質問をさせていただきたい、そう思うのでございます。  まず最初は、外国人弁護士の国内活動受け入れ問題についてであります。  去る三月十六日の朝刊を見ておりますと、朝日、毎日、サンケイその他各紙が、それぞれ外国人弁護士の日本への受け入れについて報道をいたしておるわけでございます。これらの記事を総合いたしてみますと、日本弁護士連合会が三月十二日の理事会でおおむね受け入れの基本方針を固めたというものでございまして、ただし、条件として、受け入れを認める国は我が国の弁護士を受け入れる国、つまり、実質的に相互主義が保証されていること、もう一つは、外国人弁護士の監督指導権は日弁連が一手に持つと、この二点が基本条件であると報道されておるわけでございます。  私はこの問題について、まず法務当局の見解をただしたいと思うのでございます。

菊池信男法務省大臣官房司法法制調査部長

○政府委員(菊池信男君) 先生御案内のとおり、この問題につきまして――この問題と申しますのは、外国の弁護士に日本の国内で事務所を設けて法律活動を許すと、そういう問題でございます。それを外国弁護士問題と申しておりますが、それにつきましてアメリカ政府は、従前から、これは五十七年当時からでございますが、非関税障壁の一部あるいはサービス業の自由化の一部という観点から、日本の国内でそういう活動がアメリカの弁護士についてできるようにという要求をしてまいっております。  それにつきまして、当時から、私どもといたしましては、一つは、この問題は確かに経済的な側 面がある問題であることはもちろんでございますけれども、しかし、内容そのものは弁護士制度そのもののあり方にかかわってくることでございます。御存じのように、弁護士制度は、広い意味で申しますと国の司法制度の一環というふうに申せますし、国民の法律生活のあり方というものと非常に深いかかわりを持っておりますので、各国ともいろいろ歴史的な背景のもとにそれぞれの制度をつくっております。したがいまじて、この問題については、やはり経済的な面があるとしても、そういう観点から物事を処理すべきではない。端的に申しますと、司法制度の一つの問題、司法制度のあり方の問題であるということで、アメリカ側にそういう観点から物事に取り組むという取り組み方についてかねて理解を求めてまいっておりまして、アメリカ側もそういう取り組み方については十分理解をしておると思っております。  ただ、非常に国際化の度を加えつつあります現在の状況下において、やはり法律サービスの面につきましても、国際交流というもの、相互交流というものが重要な問題であるということはもちろんでございますので、国際化していく社会におけるその中での弁護士制度のあり方という観点から、日本としても避けて通れない問題ではないかというふうに考えております。  それからもう一つ、この問題は、現在の法律制度のもとで、先生御存じのように、弁護士がすべて日弁連というものに加入しておりますけれども、その日弁連が非常に高度の自治権を持っておりまして、政府のいかなる意味での監督も受けない完全な自治権を持っております。そういう弁護士制度そのもののあり方にかかわる問題であります関係からいたしますと、日弁連の自主的な検討ということを待たずして物事の解決はできないのではないか。かたがた、これを仮に認めるといたしました場合に、認めた後のことを考えますと、日弁連の自主的な検討ということを先行させないで認めました場合には、その後の円滑な運用というのはできにくいだろう、そういうこともございます。  そういう日弁連の自治権の問題、それから司法制度の一環という見地、そういうものからいたしまして、これはかねて政府としては、この問題については、日弁連がまず第一次的には自主的に検討してくれることが第一であるという観点を持って、そういう取り組み方についてアメリカ側にも説明し、アメリカ側もそれは理解をしてまいったところでございます。  日弁連は、この問題につきまして、アメリカの弁護士の団体でございますアメリカン・パー・アソシエーション、ABAと申しておりますが、それとの交渉も行い、それから外国の制度も調査し、それから国内で日弁連内部でのいろいろな議論もいたし、結局、本年の三月十五日に、日弁連として、先生おっしゃいましたように自主的な相互主義の原則と、それから、入ってくる外国弁護士は日弁連の自治権のもとに入るという、その二つの原則を前提として外国弁護士を受け入れるという基本的な結論を出しました。  ただ、これも先生御存じのように、この問題につきましては、例えば外国でのどういう資格者にどういう要件で日本での活動を認めるか、認める場合の活動の範囲をどうするか、監督方法をどうするかというようないろいろ具体的な付随的な問題あるいは個別的な問題がございまして、その問題につきましては日弁連として、これは政府も含めて国内のいろいろな意見あるいは外国の意見も承ることを歓迎したいと、それを聞いて、さらに日弁連としていろいろ議論を詰めて、その個別的な問題についての結論を出したいと、そういう態度を表明しております。私どもとしては、従前からの経緯の中で、日弁連が相当長い努力の中でこういう決定をされたというその努力を非常に高く評価すべきものというふうに考えております。  今後、日弁連が、今申し上げましたように、具体的な内容につきまして、国内、国外の意見も歓迎しつつさらに具体的な構想を考えるという態度をとっておりまして、従前も、日弁連との関係ではいろいろ緊密な連絡をし、側面的な協力をするという態勢を続けてまいりましたけれども、今後とも、この問題についてはそういう態勢をなお一層続けていきたいと、こういうふうに考えております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 黙って聞いておりますと、日弁連という言葉が約二十回ほど出てまいりました。何か、法務省が日弁連に引きずられておるといったような印象を受けるわけでございます。  特に、委員会では質問の前通告をするということになっておりますが、最初のイニシアルな質問をした場合に、三つ分ぐらいを固めて長々とお答えになるということは私としては極めて不愉快です。したがって、やや質問の観点を変えてさらにこの問題についてお聞きをしてまいりたいと、そう思うわけでございます。  御承知のように、日弁連がアメリカのそういったカウンターパートといろいろお話をなさることも結構でございます。この場は国会でございます。国会の立法権あるいは政府・内閣の行政権という問題と、過去の日弁連の自治権の問題について、私は過去のいろんな議事録を見ておりますと、十二分な結論に至るような論議がまだなされていないのではないか、そのように考えるわけでございます。  ことに二つの例を見たいと思うわけでございます。  一つは、第八十回国会参議院商工委員会、すなわち昭和五十二年五月十九日、日弁連の行政権についての質疑がございます。長々と読む気持ちはございませんが、簡単にその主な関連部分を引用してみたいと思います。  「行政権は、内閣に属する。」(憲法第六十五条)、「内閣総理大臣は、」「行政各部を指揮監督する。」(第七十二条)、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」(第六十六条)、という憲法の規定は国家統治上の行政についての根本原則を定めた規定であり、法律をもってこの原則を変更することは許されないものと考える ということで、政府の見解を青木一男議員が聞いておられるわけでございます。当時の法制局長官の真田秀夫氏の政府委員としての答弁は、「内閣から完全に独立した行政機関は、憲法自身が認めるものは別として、違憲の疑いが存するところである」、そういう趣旨の答えはこれまでも何回もやってきておる、「行政権といわれる範疇に属するものであっても、内閣に属してないというものも現に現行法で散見される」、例えば弁護士会が弁護士の登録を受ける、この登録を与えるということは行政権であると、弁護士の資格登録に限って例外を認めておるわけでございます。  またもう一つは、衆議院の鈴木強君の弁護士会及び弁護士に対する登録免許税の不当課税の是正に関する質問に対して、衆議院議長名での答えがあるわけでございます。「日弁連及び弁護士会に弁護士法の規定により弁護士の登録、資格審査、懲戒等の事務を行わせているのは、弁護士の使命にかんがみ、弁護士を国家機関の監督の下に置くことが適当でないと考えられたからであり、このような事務を行っているからといって、」「法が、立法、行政、司法の三権のほかに、これらと並立する弁護士自治権という第四権を創設したものと解すべきでもない。」、このように述べておるわけでございます。  また、「日弁連等の懲戒処分等につき、行政不服審査法の適用があるからといって、日弁連等を国の行政機関としたものと解すべきではない。」、このように述べておるわけでございまして、我々が今論じておる弁護士の資格については前例はあるようでございますが、日米通商摩擦の対象になっておる資格の登録という以外に、外国人弁護士の監督、指導権、国内での行動範囲ということになると、今までの前例を逸脱したものではないかというような気がいたすわけでございます。国会あるいは行政府としての内閣の立場から見解を聞いておきたいと思います。

菊池信男法務省大臣官房司法法制調査部長

○政府委員(菊池信男君) 私、恐縮でございます が、先生の御質問の御趣旨をちょっと十分正確に理解しかねているかと思いますが、弁護士の登録のほかに、日弁連あるいは弁護士会、それをまとめて日弁連というふうに申しますと、現在の法律上は弁護士の登録、資格審査、懲戒、そういうものについての権限をいずれも与えられておりまして、登録のみでなく、そのいずれも含めてやはり実質的に物を考えると行政権と目すべきものではないかというのが従前からの考えだったと思っております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 私は、今引用した二つの資料ではそれだけの解釈ができないというのが私の観点でございます。私は時間が惜しゅうございますので、文書で質問をいたしますので、また後で文書で答えていただきたいということで、次のテーマに移りたいと思います。  また、この問題に関して新聞等の報道によりますと、相互主義の原則ということが言われておりますけれども、アメリカ側はニューヨーク一州でのみ日本の弁護士の活動を認めるというようなニュースが入ってくるわけでございます。五十の州があるとすればこれは一対五十の相互主義になって極めて不公平ではないかと思うわけでございます。日弁連は、当初五十といかないまでも過半数以上の州で外国人弁護士、すなわち日本人の弁護士を受け入れてもらえるんであればということを条件にしておったように聞いておるわけでございます。その後話が後退をしてきておるのかどうか、当事者ではないとおっしゃるかもわかりませんが、もしわかればお教えをいただきたい。また、各国の法制度、特にアメリカでは陪審員制度が主体になっておるわけでございますが、こういった面から互換性という面についても大いに問題があろうかと思いますが、その辺の御見解をお伺いいたします。

菊池信男法務省大臣官房司法法制調査部長

○政府委員(菊池信男君) 先生御指摘の相互主義の観点でございますが、これは今回の三月十五日の日弁連の基本方針では詳しく中身を申しておりません。いわばその点については余り突っ込んだ結論をまだ出しておらず、将来の検討に留保しておるということになろうかと思います。  ただ、先生御案内のとおり、日弁連の内部に設けられました日弁連の外国弁護士対策委員会と申しますのが、日弁連会長に対しまして昨年の十二月に一応外国弁護士制度を認めるとした場合の構想試案というものを試案の形で答申しておりますが、その中では、今おっしゃいました点につきまして連邦国家の場合には、多数意見はその過半数の州が日本の弁護士を受け入れる制度を持っておることということを言っておるわけでございます。ただその場合、少数意見として、主要な相当数の州が認めればそれはそれでいいんだということも言っております。したがって、その昨年の試案そのものでも複数の見解を示されておるわけでございますが、これがさらに日弁連そのものとして今後どういう検討になるかということは、今後の検討をまつということになろうかと思います。  先生御指摘のように、特にアメリカが当面問題になっておりますが、アメリカの場合に、現在日本での弁護士資格を持っているということによってある範囲の法律活動が許されるという制度をとっておりますのは、先生御指摘のようにニューヨーク州のみでございます。したがいまして、ニューヨーク州のみでという場合にこういう制度を認めるということはどうかということが、この相互主義についての議論が非常に強く前面に出てくる理由に確かになっておると思います。  それからその中で、先生がさらにおっしゃいました、法律制度が非常に違う、特にアメリカの場合、州によって非常に違ってくるわけなので、やはり弁護士制度というものの互換性と申しますか、同質性と申しますか、そういうことに問題があるのではないかという御指摘でございまして、これは全くもっともな御指摘で、基本的には私どもも、これは日弁連もその点の認識が共通だと思っておりますが、司法制度の一環として物を考えます場合に、やはり国によって法制度の歴史的な違いによって中身が違ってきておるということから、簡単に行ったり来たりということができる性質のものではないというふうには考えております。  ただ半面で、日本の弁護士という制度に相当する制度ということで考えますと、アメリカも含めまして先進各国の中での制度を見ますと、やはりお互いに共通する部分というものもあることは間違いないわけでございまして、その点に着目をしてまいりますと、国際的な法律サービスの交流という観点もやはり出てまいろうかと思います。その辺のところはさらに今後の検討課題にやはり残されておることだと思っております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 ちょっと話題を変えたいと思います。テクノポリス計画と内需喚起についてお伺いをいたしたいと思います。  御案内のごとく、テクノポリス計画は、高度技術工業集積地域開発促進法に基づいて現在承認済みが十五地域、六道県にまたがり、最終的には十九地域にまたがるのではないかと予測をされておるところでございまして、特に昭和五十九年度におきましては、これらのより一層の促進を図るためにいろんな法的措置もとられたわけでございます。御案内のごとく、産業技術振興機構への出捐金の損金算入の特例、固定資産税の減免、補てん等の助成措置、またテクノポリス促進税制、すなわち特別償却制度の創設、そして今年度は特別土地保有税の非課税措置の創設も考えられておるところでございます。  昨日の参議院予算委員会におきまして、河本特命相は、現在日米間で話題になっておる四つの分野だけの作業では、とても経済摩擦を解消するところには及ばない、内需喚起が極めて重要であるということを御答弁なさっておるわけでございます。この絡みで、今後テクノポリス計画を実施していった場合に、関連事業であるとかまた具体的な分野等含めて、どの程度の内需喚起というものを予測しておられるのか。特に六十年度の予算を見ておりますと、五十九年度に比べてテクノポリス機構関連事業の予算額というものは、シーリングの関係もあって減額となっておる。私は額をふやすことのみがいいとは申しませんけれども、やや寂しいものを感じるわけでございます。かかる観点から通産側の御当局のお考えを承っておきたいと思います。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) テクノポリスの計画実施に伴う内需喚起についてどうなるかというような御指摘かと思いますが、テクノポリスの計画は、今先生御指摘いただきましたように、高度技術産業の地方立地というものを積極的に推進しようということでございます。  テクノポリス十四地域指定いたしました地域におきましてその後の企業立地動向等を見ていますと、昨年一年間でも先端技術産業を初めといたしまして、五十六年から五十八年の三年間の平均件数に比べまして、五十九年は二倍に増加しているというように非常に順調に進んでおります。  御指摘の、その内需喚起にどの程度の具体的な金額のはね返りがあるかということにつきましては、ちょっと計算はできないんでございますけれども、もともとこのテクノポリスの事業を推進いたしますと、企業が立地してそこに設備投資が行われる、あるいはその企業立地のために道路、空港等々の公共投資の設備が推進される、こういうものをねらっておりますので、総合的にはこれが地域経済の活性化にもつなかり、内需拡大にも貢献する、かように私どもとしては考えております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 もう少し聞きたいわけでございますが、時間の関係もございますので、次に、米国の独禁法の適用除外規定である輸出商社法の絡みで若干の質問をいたしたいと思います。  その前に、ごく最近の日米通商摩擦の交渉の成り行きを見ておりますと、我が国が大幅な黒字を残しているということもあってでございましょうが、極めて受け太刀である。私はむしろ米国側に対してもっと主張をしていただいた方がいいんじゃないかと思うような点もあるわけでございまして、通産大臣には失礼でございますが、要望をいたしておきたい。  例えば、ここに私が持っておりますのは、ことしの二月十二日に、前ブロック通商代表が日本において講演をされたその議事録でございますが、はっきりと日米貿易摩擦の原因はアメリカのドル高にあるということを言っておるわけでございます。つまり、向こう自身がその原因として、ドルと円の交換率を何とかするべき義務を負っているということを認めておるにもかかわらず、そういった交渉の場で、そのためのやはり具体的な日本側としての要望というものはもう少し強く打ち出して、こういう問題を是正していただくということが極めて重要であろうと私はそう思うわけでございます。  ところで、私が今申しております輸出商社法の関連でございますけれども、御承知のごとく、米国においては独禁法が極めて強い力を持っておる。例えば業界の方が寄り合って日本へ輸出をするのに、どうしようという共同の話し合いをするということが即独禁法に触れるという国でございまして、先般も日本のウエスチングハウスの社長とそういう話をしておりますと、業界で寄って、例えば関西新国際空港その他テクノポリス計画等々へ、アメリカの皆さん方の業界の物を買ってくれというような御申請をなさったらどうですかということを申し上げておりますと、そういうことが独禁法の関係でできないんだということが、はっきりと発言をされてくるわけでございます。私今申し上げました輸出商社法というものは、その独禁法の例外規定でございまして、この法律を活用してアメリカの同業界の方がいろいろと共同行動をしてもよいということでございますが、現在その利用状況を見ておりますと、必ずしも十分に生かされていないように感ずるわけでございます。私は内政干渉になるかもわかりませんが、こういった意味でも、もう少し向こうさんサイドで大いに奨励をされて、どんどん業界ぐるみでいろいろと話をしていただくというように御指導をしていただいてはどうかと思うわけでございます。  また、輸出商社法ともう一つ同じような法律で輸出管理法、エクスポート・アドミニストレーション・アクトというのがございますが、これはアラスカの石油の輸出を禁止しておる法律でございます。私は、先般ワシントンでアラスカ州選出のマッコースキー上院議員と話をしましたときも、上院議員自体は何とかアラスカの石油を買ってくれと言うわけでございますが、だからといって、彼は自分の力でこの法律を改正するなり、そういったことをするだけの意欲と行動を起こさない、ここに何か大きな問題があるわけでございますから、通商交渉の中でこういった面も含めて話し合いをしていただく余地がないのかどうか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。局長でも結構です。

黒田真通商産業省通商政策局長

○政府委員(黒田真君) 御指摘のように、アメリカは、独占禁止法に対する適用除外を可能にするような輸出商社法という制度をつくったようでございます。その後の彼らの活動というのは必ずしもはっきりしないのですけれども、今日まで数十社の設立があるように思われます。しかし、先生御指摘のように、現在四分野の協議をしておりまして、私どもはその中では日本側にいろいろ問題があるのではないかという検討に加えて、アメリカ側の方にも問題があるのではないか、そしてアメリカ側の問題の一つは、やはり日本への輸出努力というものが十分であるのかどうかということで、いろいろ彼らの輸出に関連する制度、政策というようなところを確かめておりますが、今御指摘がございましたように、こういう商社法というふうなものを使って、アメリカ側の業界がまとまって日本側と話をするというようなことは非常に有力な案のように思われますので、今後十分そういう点を考慮しながら先方との討議を進めたいと思います。  それからアラスカ石油の問題は、おっしゃるとおり輸出管理法によって現在規定をされているということで、行政府の方はこれを何とか認め得るような形で改正すべく努力をしておるというふうに聞いておりますが、議会でいろいろな既存の権益等の関係でなかなか難しい状況にはあるようでございますが、少なくともそういう方向で努力をしているということを聞いておりますし、当然のことながら、私どもはいろいろな交渉の機会にその点を強く要求しているということでございます。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 石井委員の先ほど来の御質問を承っておりました。非常に重要な問題でございますから、私からも一言申し上げておきます。  マッコースキーさんは、間もなく日本にも来られるというので、私は会うつもりをしておりますが、アラスカ石油の輸出問題はそのとおりで、今お話の中にも出てまいりましたブロックさんと二月にお会いいたしましたときに、アラスカ石油の対日輸出を考えてくれ、こういうふうに私が申しましたら、ブロックさんは直ちにサンキュー、ひとつアメリカ議会の同意が得たい、こう言われました。そしてその後、現実にアラスカ州の知事から中曽根総理あての親書が参りまして、非常に量としては少ないんでございますが、米国の法律に触れない石油の輸出を考えてもいいということが来たわけです。これがさらにアメリカの議会の承認が得られれば、今後相当にアラスカ石油の輸出が望めるということで、我々はこれを引き続いて希望してまいる予定でございます。  それから、今石井委員が御指摘になったアメリカと日本との貿易問題で、もっと強く出てもいいのではないかということでありますが、御指摘のようにドル高円安、それからまた米国金利高というような、アメリカにとって輸出に非常にマイナスになるいろいろな要素があって、それは大統領の教書の中にも触れておるところでございますが、私は行政の対応で考えております場合に、現在は非常に日本が守備に回っておる立場である、日本が今おっしゃったような積極的な理由を非常に申し述べにくい時期ではないか、こういうふうに時期的な判断をしております。  というのは、アメリカ議会の日本に対する反響というのは今非常に厳しくなっておりますから、これは四分野初め今最大の努力をして、そして時期がさらによくなれば、今度は日本からもアメリカに対して、今御指摘になったような諸点も主張しながら日米親善関係を進めていく、そういう態度が今とるべき態度ではないかと判断をしておるわけでございまして、私は中曽根内閣のもとで、いわゆる新ラウンドの開始、そしてまた自由開放体制の推進という立場から、今内閣のとっておる態度は非常に正しいというふうに考えております。

石井一二自由民主党・自由国民会議

○石井一二君 時間ですから一応終わります。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私は特定産業の構造改善について質問をしてまいりたいと思います。  まず最初に、特定産業構造改善臨時措置法がつくられた背景とそのねらいを説明してもらいたいと思います。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) 特定産業構造改善臨時措置法の制定の背景、ねらいでございますが、石油化学、アルミ製錬あるいは紙パルプといったような基礎素材産業が、二度にわたります石油危機によりまして、原材料、エネルギー価格の高騰という急激な経済条件の変化が生じまして、収益が著しく悪化をする、国際競争力が低下をする、こういう事態を招いたわけでございます。その結果として企業の経営もかなり困難になる、また過剰設備が発生をするというようなことで、業況が著しく悪化したわけでございます。このような事態を放置いたします場合には、日本として重要な素材の安定供給ということについても支障が生じます。そういった基礎素材産業が、また場合によっては過度に縮小をする、雇用とか関連中小企業、特定の地域経済への悪影響が懸念をされる、こういう事態になったわけでございます。  そのようなことを考えまして、特定産業構造改善臨時措置法は、民間の自主努力を前提といたしまして、過剰設備の処理、あるいは省原料、省エネルギーといったような生産条件の改善、さらに 流通の合理化を促進をする、こういうことをもって基礎素材産業の自立的な発展の基盤を再構築をしていこうというのがこの趣旨でございまして、これにのっとりまして、現在二十六の業種が指定をされ、現在産業の構造改善に取り組んでいるというのが現状でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいま御説明がありましたとおりに、二度の石油危機による経済状況の変化のための悪化等をもたらした産業を、自主的にどのようにして回復していくかという、そういう対策から持たれたものであるという御説明がございましたけれども、こういう構造的要因によるこのような不況業種を指定して、そしてその業種の回復をねらって決めていたものでございますけれども、御承知のとおりに、もうこれが施行後二年を経過しようとしておりまして、この時点においていろいろな問題点が出てきております。  その問題点を申し上げますと、まず単純計算してみますと、通産省の基礎産業局所管のものとしては、まず第一番目に電炉、それから第二番目には尿素、三番目にはエチレン、四番目にはポリオレフィン、五番目にはエチレンオキサイド、また生活産業局所管のものでは、一つがビスコース短繊維、二番目が洋紙、このような業種は、目標量に対する進捗率が、御承知のとおりに構造改善基本計画の告示後の経過日数に比して非常に低い。それぞれどういう理由でこういう現状になっているのか、心当たりを具体的に理由を説明していただきたいと思います。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 過剰設備の処理でございますが、この場合、その処理をいたします場合に、いろいろそれぞれの業種によりましてやはり事情がございまして、一つは、設備を処理をいたしますと、当然それに張りついております人員を配置転換をしなければならないというような雇用上の問題、それからユーザーとの取引上の問題、あるいは設備の処理を行いますと当然企業会計上の除却損の処理等もございまして、いろいろな問題を勘案をしながら処理をするということになろうかと思っております。したがいまして、それぞれの企業がそれぞれの置かれた状況というものを考えまして、適切なタイミングで処理していくということが必要かと思いますので、必ずしもその期間の経過だけでは説明ができないということであろうかと思っております。  御指摘の各業種につきまして、それぞれ事情を、ポイントを申し上げますと、一つは先ほど御指摘のありました普通鋼電炉業でございますが、これの一番の問題は、実は五十六社対象業種がございますが、そのうちの二十六社が、一社で一つの炉しか持っていないという、ここの点が非常に問題がございまして、したがいまして、その一定のパーセンテージで処理をするということができなくなっているわけでございます。したがって、企業が単独で設備処理を行うということが不可能でございますので、この場合には事業提携を行いながら能率の悪い設備を処理をし、能率のよい設備に生産集中を図るということが必要になってくるわけでございまして、大手の場合とかあるいはいろんな系列がある場合につきましては処理も行われてまいりましたが、どうも一社一炉の部分がうまく進んでいないというのが正直なところでございまして、今後そういう点を中心にいたしまして、何とか目標の達成に努力をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、基礎産業局関係で御指摘のありました尿素でございますが、これも御指摘のようにおくれておりますが、ただ最近鹿島にございます鹿島アンモニア、これが解散をいたしまして、ここだけで三十三万トンの設備がございました。したがいまして既に六割を多分超えるであろうと思われますので、来年の六月三十日の期限までには何とか目標達成が可能ではないかというふうに考えております。  それからあと化学関係でございますが、エチレン製造業あるいはポリオレフィン製造業、それからエチレンオキサイド製造業、こういうような製造業につきましては、原則として定期修理のときに設備処理を行うということになっておりまして、若干定期修理の時期によりまして動きはございますが、かなりの程度進んでおりまして、エチレンがこの三月三十一日が期限でございますので、現在まだ最終的な修正は行われておりませんが、二月の七三・九%よりはかなり上積みがさるであろうというふうに考えております。  それからポリオレフィンとエチレンオキサイド、今御指摘になりましたこの二つにつきましても、二月末では七割、六割でございますが、これも六月末までにはかなり上積みをされるであろうと思っておりまして、共販会社を中心にいたしまして、何とか合理化、事業提携という方向で構造改善を進めてまいりたいというふうに思っております。  以上がただいま御指摘のありました基礎産業局系統の事情でございます。

篠島義明通商産業省生活産業局長

○政府委員(篠島義明君) 生活産業局関係で二業種について御説明をさしていただきます。  まずビスコース短繊維製造業でこざいますが、これにつきましては、五十八年八月の構造改善基本計画の作成時以後綿花が不作になりまして、たまたま衣料素材に関して天然繊維志向の傾向が強まり、綿花に対する需要がふえながら綿花が不作であるということで、その代替材としてのビスコース短繊維に対する需要が増大いたしまして、一時的に設備過剰の状況が緩和したということがございまして、やや設備処理がおくれておりますが、この半年ばかり綿花の需給も、中国の増産等世界的に緩んでまいりました。ビスコースの短繊維の価格も落ち始め、そういうこともございまして、今後設備の処理については目標どおり進むというふうに考えております。  それから洋紙の製造業でございますが、先ほど基礎産業局長から一般論として申し上げましたケースに当てはまるわけでございますが、洋紙製造業の場合には、製品の種類が多い、またその製品ことにグレードが非常に多岐にわたっておりまして、一合の抄紙機で複数の製品あるいはグレードを最も効率的と考えられる組み合わせで製造しておるわけでございますが、そういう状況で抄紙機を処理するということになりますと、残余の抄紙機の改造等を含めてどういう組み合わせでやれば一番合理的か、そういった検討についての調整を慎重に行うことが必要であるという事情、それからまた、抄紙機ごとに当該設備を稼働させる人員が張りつけてございまして、一般に製紙企業は専業性が強いということで、企業内配置転換の余地が少ないため、基本計画に沿って雇用の安定を確保しつつ処理を行っていくという場合にはある程度の期間が必要という事情がございます。しかし、これにつきましても、業界の現在の見通しといたしましては、来年度のしかるべき時点までには、十分基本計画に即した廃棄処理が行われるということが期待されるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、それぞれの構造改善基本計画に定める設備処理の期限内に処理目標が達成されるよう、関係業界をできるだけ指導してまいりたいというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、私が進捗率が低いということに対して、これはただ単に期間の経過だけでは説明ができないという御答弁でございますし、この目標達成のために今後指導をしていくという、これは当然のことだと思いますけれども、私は、これ以外にもいろいろな問題点がありますから、逐次質問をしてまいります。  最初に、通産省が現時点でそれなりに業界の現状が改善したとの認識を持っていらっしゃる業種というのは、どういう業種があるのか、また依然業績が不振であると思われている業種はどういうものがあるか、御説明いただきたいと思います。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) 産構法二十六業種のうちで、今御指摘ございました、それなりに業況が改善しているものはどういうところがあるかということでございます。もちろん業祝と申しますのは、構造改善の努力あるいはそのほかに客観的な諸条件の変化等もございますが、現実問題として判断してみますると、例えばエチレン製造業あるいは洋紙製造業、こういったあたりがそれなりに業況が改善をしているのではないかと思われます。しかし、これらの業種におきましても、じゃ製造業全体の利益率に比べてどうかということになりますと、まだ低い状況にございます。  他方、対象業種の中で業況が依然として不振にあえいでおるというようなものはどうであるかという御指摘でございますが、例えて言えば、アルミニウム製錬業あるいはフェロシリコン製造業あるいはダンボール原紙製造業、こういったあたりが特に依然として厳しい状態にあるというふうに判断をいたしております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、構造改善の努力である程度改善されてきたと見られるのは、洋紙等はその部類に入るじゃなかろうかと。しかし、これは生産業全体から見るならば低い立場であると、こういうお話でございました。  そこで、こういうような、好転したもののまだまだ低いといわれながら、まあよくなってきたといわれる洋紙について、この構造改善の指導をどのようにしてきたのか、法運用面についてどうされたか、そこらあたりをちょっと御説明していただけますか。

篠島義明通商産業省生活産業局長

○政府委員(篠島義明君) 洋紙製造薬につきましては、まず、五十八年の十月に特定産業の指定、それから構造改善基本計画の告示一水を行っております。その後、五十八年十一月に設備についての指示カルテルの告示をいたしまして、十二月に業界の指示カルテルが結成されております。その後、業界といたしまして、年産能力約三十六万トンの設備の処理が行われております。それからなお、産構法に基づきまして、王子製紙と東注パルプの事業提携等二件、法律に基づきまして事業提携計画を承認しております。  以上が洋紙製造業についての構造改善の進め方についてのこれまでの経緯でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ、この洋紙の設備処理目標に対しまして、その進捗率はどのくらいになっていますか。

篠島義明通商産業省生活産業局長

○政府委員(篠島義明君) 目標処理量九十五万トンの約三八%でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 この洋紙の場合は、五十八年の十月に基本計画が設定されまして、今お話あったとおりでございますが、三年後の六十一年の九月を処理期限として通産省として現在指導していらっしゃるわけでございます。これまでに約一年半を経過したわけでございますが、そうしますと、単純計算でいきますと、五〇%に直すべき現在ではないかと思います。ところが、今の進捗率は、御答弁がありましたとおりに、九十五万トンに対して三八%にすぎないということでございます。そういたしますと、三八%という数字であるけれども、業界全体は好転をしてきた、こういう今さっきの御答弁でございました。そうしますと、不況業種の指定に少し疑問が残るんじゃないかと思うわけなんです。三八%とまだ低いにもかかわらず好転してきたと。  もうちょっと突っ込んで申し上げますと、洋紙の稼働率は、五十九年の四月から九月までの上期では八〇%であって、洋紙が五〇%の設備処理をしていたとするならば、この稼働率は適正稼働率の状態になっていたと思われるわけでございます。これは御承知のとおりでございます。そうしますと、他の不況業種に比較し、この洋紙はなぜこのように業況が好転してきたのか、そこらあたりの理由ですね、これも御説明していただきたい。  一番最初の、こういう数字が低いにもかかわらず不況業種の指定を受けてきたけれども、これは好転してきている数字があると。だから不況業種の指定というのは問題も残るじゃないかという質問とあわせて御説明いただきたいと思います。

篠島義明通商産業省生活産業局長

○政府委員(篠島義明君) 洋紙製造業の重要なコストを占めておりますチップ、パルプあるいはC重油等、これは五十八年来大幅な値下がりがございました。それからまた、雑誌の創刊数が非常にふえたということに伴う内需が割合好調であったというようなことがございまして、製品価格そのものについては低迷しながらも、経営内容は若干好転したというのが実態でございます。  中長期的に見ますと、現在の我々の判断といたしまして、洋紙製造業は依然として過剰設備を抱えておるというふうに考えておりまして、そういう意味でさらに設備処理を目標どおりに続ける必要があると同時に、たまたまここ二年ばかり有利な状況にございました原燃料事情等につきましては円安傾向等もございまして、経営上はマイナスの方へ転化しつつあるということもございました。決して不況要件、産構法上の要件に反する状況になったというふうには我々は考えておりません。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今お話がありましたとおりに、これはチップが安くなったとか、あるいはこういう雑誌等のそういう創刊がふえて内需が拡大をしたんだ、しかし依然として過剰設備の問題は抱えているんだというお話でございますが、このような比較的短い期間に需要が回復をしてきたと。それは今申されたような理由からでございますが、私もこの業界がこのように好転するというものを反対するものではありません。喜ばしいことではありますけれども、一体この法律をつくり、今さっき私が冒頭にこの特定産業構造改善臨時措置法がつくられた背景というのはどういうものかということをお尋ねしたときにも言われた趣旨に基づいて、この法律で業界を救済しようという、そういうたてまえで進んでいるわけなんです。  しかし構造不況業種とは一体何なのかということが、私は単純に一体これ何なのかということを疑問を持たざるを得ないわけなんです。だから、通産省が言うところの構造不況というものは何か。また、私は好転してきた業界を云々するわけではありませんけれども、この法律で救済しようという業種指定をするときのその通産省の取り組みに甘さがあったのではないかと思うんですけれども、ここらあたりはどうなんでしょうか。これは大臣のお考えもあわせてお聞きしたいと思いますけれども。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) 産構法の業種指定の考え方、構造不況業種の考え方はどういうところにあるかというお尋ねでございます。  先ほども申しましたように、二度にわたりました石油危機を契機といたしまして、構造的な困難が内外の経済的事情の著しい変化に起因している、そのような状況を構造的な不況の条件の基礎に置いておりますが、具体的に申しますれば、一つには原材料あるいはエネルギー価格が高騰をしているという要件、さらに需要が長期にわたり低迷しているという問題、さらに国際競争力の低下によって輸入が急増する、あるいは輸出が減少しているような状態、あるいはまた需要構造の変化によって、いわゆる構造的要因によって長期持続的に困難な状態が続いている、こういうものを考えておるわけであります。  産構法の法律によりますれば、今申しましたような経済事情の変化、こういった構造的な変化によりまして著しい設備過剰が存在をする。また経営の規模、生産の方法、生産の方式がそういった経済環境条件の変化によって著しく不適当になっているようなもの、それがまた長期に持続するといったような要件が二番日にございます。さらに、事業者の相当部分の経営が著しく不安定になって、そのような状態が長期にわたるといったようなものが三番目の要件。さらに四番目には、原材料及びエネルギーの費用が大変多く占めているというような条件、これがいわゆるこの業種の指定の要件ということになっているわけでございます。  ただいまお尋ねのように、洋紙を例に引いてのお尋ねでございますが、もちろんこの構造的な困難に陥っているという業種でも、短期的な景気動向の変化あるいは原材料価格の一時的な改善といったようなことから業況が一部やや緩和する、改善するというようなことがあるわけであります。しかし、原材料の原材料価格あるいはエネルギーコストの占める割合が大きな産業、基礎素材産業に関して言いますと、例えば石油化学等によりますれば安価な天然ガスを原料とする生産が本格的に出てくる、あるいはまたそれぞれエネルギー上の有利な条件を使ってそういった基礎素材産業を生産をし、また日本に供給してくると、こういったような事態が想定されるわけでございまして、私どもとしては、今指定されておる二十六業種については構造的な問題という点は依然として残っておる、解消していないと考えておるわけでございます。  産構法の指定に当たりましては、中長期的な見通しを含めて法文上厳格にその条文の適用を判断いたしておるところでございまして、確かにいろいろ一時的な経営の状態の改善ということがあろうと思いますが、私どもとしては、中長期的にどのような状況であるか、先ほど申しましたような要件に照らして、どういう業種がそういった構造不況の状態にあるかという点を厳格に判断をいたしておる点でございまして、その点御理解を賜りたいと存じます。  また同時に、私どもとしては、その計画に基づきましてこの設備処理、構造不況の状態の脱却への努力というものを続けてまいりたいと考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 大臣、いかがですか。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 特定産業構造改善臨時措置法の施行、そしてまたその適用業種等のことにつきまして、先ほど来通産省の担当局長からるる御説明を申し上げたところでございます。  私は、全般的に考えますると、時代の推移というもの、そして産業経済の進展というものが、いわば構造不況というものに非常に大きな影響があると思うのでございまして、かつての成長産業がやがて非常に難しい経営状況に対応することになり、そしてまた新しい、例えばハイテク産業でありますとか、自動車産業でありますとか、そういう時代の脚光を浴びる産業と交代をしていくという世界的な趨勢があると思います。  これは例えば繊維産業等について見れば、かつての先進国であったイギリスから起こって日本に来、そして今では韓国であるとか、そういった他の地域に移っておる。こういう例を見ましても、業況の好転、あるいはその反対に不況というものは、一つの大きな時代の流れがあると思うわけでございますが、国の産業政策としては、そういった業種に陥ったものの自主改善努力というものを大いに評価をしながら、いろいろ法律に基づく救済でございますとか、あるいは適用でございますとか、そういうことを考えながら、長いこれからの産業政策に対応していくということが必要だと思うのでございまして、全般としてはそういう考え方に立って、今福川局長が申し上げたような態度で対応してまいりたい。このように指導しております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、産構法に基づいて中長期的立場から、この条文の適用、判断を講じていくんだと、私が今洋紙の問題を取り上げましたこれについても、これは一時的な問題であって、まだまだ好転したという状況ではないとおっしゃるけれども、これはかなり好転しているんじゃないですか。それはそういう業界が好転することを欲しない質問じゃありませんよ。だから私は、そういう点について、二十六業種という、これもわからないわけではありませんけれども、やはり甘さというものがなかったのかという、いやそういうものはありませんと言うのでなくして、やはりちょっとそういう面もあったのじゃないかという見方もしていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、あえてもう一度お尋ねいたします。  いやそういうあれは全然ありませんよと、それはそういう一時的なものであるのか。しかし今経過を、私はあえて申しませんけれども、私の立場から見ると甘い点があったのじゃないかなと思うんですけれども、この点反省する余地はないですか。

福川伸次通商産業省産業政策局長

○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、その時点での中長期的な見通しに立ちまして将来の構造のあり方というものを判断をいたしまして、設備の処理量を決めておるわけでございます。もちろん経済情勢のことでございますから、いろいろな形で環境条件が変化をしてくると。したがって、その辺については弾力的に対応していかなければならないという要因は、経済の活動のことでございますからそういう要因は出てまいると思います。  しかし、今洋紙の例を挙げてのお尋ねでございますが、今確かに業況はある程度回復いたしておる点は、今までの御質疑の中で示されておるわけでありますが、中長期的に考えてみますと、今まだそこを、それじゃもう少し設備の処理量を減らしてもいいんじゃないかという御意思かとは思いますが、私どもはもう少し今のこの状況というものをよく見据えてみなければいけない。もちろん諸外国のいろいろな供給条件というのはいろいろ時々刻々変化をいたしますものでございますから、私どもとしては今後の趨勢、今後の動向については慎重に見てまいりたいと考えております。  もちろん経済全体のことでございますから、いろいろ環境条件が変化をしてまいっておるわけでありますから、今後の状況に応じて弾力的に対応しなければならない面というのはあるいは出てくるかと思いますが、現時点で判断いたします限りは、私どもとしては中長期的にはまだそこの判断はもうちょっと状況を見た上でいたさねばならないというふうに考えておるわけでございます。  私どもとしては、その時点その時点で、指定いたしましたときの時点では、将来の見通しというものを厳正に判断をいたしまして運用いたしてまいったわけでありますが、今申しましたように、環境条件が変化してまいりますれば、それはまたそのときに適切な対応をしなければならない、そういった要因はあろうかと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ次に、業績の低迷が続いておりますアルミニウム製錬薬についてお伺いしたいと思いますけれども、アルミの地金は、世界的に、御承知のとおりに過剰生産状態にありまして、そういう立場から、我が国においては特に製錬に必要な電力コストが諸外国に比べて高いことから、長期不況にあえいでいるのが現状ではないかと思いますが、そこで、まず五十八年度、五十九年度の生産量をお伺いしたいのと、設備稼働率をお伺いしたいと思います。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) アルミ地金の国内の生産でございますが、五十八年度実績では生産量が二十六万四千トンで、稼働率が三七・一%でございます。また五十九年度は、若干見込みが入ってまいりますが、生産量が二十七万八千トンで、稼働率が三九%でございます。この場合、生産能力は七十一万二千トンという前提で計算をいたしております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 従来の構造改善基本計画によります設備処理後の体制は、御承知のとおりに七十万トンでありましたが、これを引き下げるような検討が行われたと思いますけれども、その結果幾らの体制にすることになったのかお答えいただきたいと思います。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 昨年の十二月に産業構造審議会で審議結果が答申されておりますが、これによりますと、アルミニウム製錬業につきましては、先生御指摘のとおり従来七十万トンということでございましたのですが、それを見直しまして、三十五万トンの体制に製錬能力の縮小を図ることが必要であるということになっておりまして、通産省といたしましては、この答申を踏まえまして、国内の製錬能力の規模を三十五万トンに縮小するというところで構造改善基本計画を変更いたしております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そういたしますと、この三十五万体制で適正稼働率が九〇%としても、単純計算いたしますと三十一・五万トンでありますが、現状は五十九年度通年で二十八万七千トンにしかなっていないわけなんです、これは数字で計算いたしますと。これに適正稼働率を勘案いたしますと、計算上望ましい体制というものは三十二万トンということになりまして、なお一〇%は余るという、これは数字の上の計算でこうなるわけでございますけれども、この産構法に基づいて中期、長期にわたってこの適用をどう判断していくかということで鋭意検討しているんだということでございますから、こういう検討をされながら、我々がこういう計算をして、なおかつこれだけの数字の違いというものが出てくるわけなんです。こういうところに私は今さっきから申し上げましたとおりに、甘さというものがないのかということをあえて私は尋ねたのですけれども。  単純計算しましても三十二万トンという数字が出てくるのに、三十五万トンとされた理由は何であるのか、そこあたりちょっと詳しく説明していただけませんでしょうか。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 確かに御指摘ございましたように、現在の生産能力から九〇%という稼働率で逆算いたしますと三十二万トンになるわけでございますが、私どもの考え方としましては、現在の三十二万トンというのが、たまたま今の国際的な市況というものからきた結果であると考えておりまして、この法律に基づきます構造改善計画では、目標年度の六十三年度の状況というものがどういうものであろうかということを念頭に置いて過剰設備の処理を行うと、そういう建前になっております。  そういうことから考えますと、三十五万トン体制になるというのが結論でございますが、これは二つの点から考えております。一つは現実の製錬コスト、それから今後の合理化努力というものを考えまして、中長期的に存立可能な能力というのはどのくらいであろうかということが一つと、それから将来の我が国のアルミの需給見通しというものを考えまして、その中で国内のアルミ地金を供給をしなきゃならぬという安定供給確保という観点、この二つの観点から三十五万トンというものを計算をいたしたわけでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 三十五万トンの今御説明ありましたけれども、じゃこれを維持するためには、今さっき申されたようなことでこれをやっていこうということですか。維持するためにはさらにどういう施策を持っておやりになるのですか、具体的に御説明いただきたいと思います。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) この製錬業の今後の施策でございますが、昨年の十二月の産業構造審議会の答申、これを基本的に踏まえまして、まず一つは業界自体が最大限に自助努力を行う必要がある、これは当然のことかと思っておりますが、そのほか親会社等の関係会社の支援、これが非常に大きな意味を持ってまいります。現在のアルミ製錬会社の親会社は大体化学工業が多いわけですが、過去三年間では二千二百億ぐらいの財政上の支援というものが親会社から得られておりますが、今後もそういうものにかなりの部分を期待せざるを得ないと思っております。  こういうことを前提にいたしまして構造改善を進めてまいりますが、特に先ほど御指摘ありましたように、電力コストというのがかなり大きなウエートを占めておりますので、これを何とか合理化等によりまして、製錬コストの低減を図るということが非常に大きな意味を持ってくるかと思います。そのほか、新製錬技術の開発というようなことも政府の支援によりまして行われておりますし、それから国内の製錬設備の円滑な処理、それから地金輸入への安定的な転換、拡大というものを図りますために、国内の製錬業者が輸入いたしますアルミ用地金につきましては、関税の減税措置を活用するという方法を考えております。それで、そういうような対策を講ずることによりまして、今後国内の製錬能力の規模を三十五万トンという形に持っていきたい、かように考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今、どういう施策をもってやっていくかという御答弁がございましたけれども、この中で、電力コストのウエートが高いためにこれを何とか合理的な努力をすると言うんですけれども、これはどのように努力されるんですか。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 七十万トン体制に移行いたします段階では、大きな方向としましては、石炭火力への転換ということが大きな目標でございまして、御指摘のように、アルミ製錬業につきましては、自家発電への依存度が非常に高いわけでございますので、それの重油火力から石炭火力への転換ということで、これはほぼ終了いたしました。  今後三十五万トン体制へ移行する過程におきましての電力体制といたしましては、電力料金そのものよりも、むしろ製錬設備の中で電力原単位の非常に高い設備を廃棄をし、電力原単位の低い設備の方に移行するという形、例えば、電極を改善するなり装置を改善するという形でそちらの方向に行く、あるいはそのもとになりますアルミナの製造段階におきましてエネルギーコストを減少させる、こういうような形で、トータルとしてのエネルギーコストを低減するという方向で考えていきたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 アルミ業界の場合は、今もるる御説明がありましたとおりに、だんだんと漸減傾向が進んでいるわけなんですけれども、最終的にはゼロということになりますが、それでよしとするのか、それともこれ最低限確保すべき体制はどのようなものと考えていらっしゃるのか、またその理由、そういうところをお尋ねしたいと思いますけれども、今お話がありましたとおりに、かつては六十万トン、こういう体制を打ち出したわけでございまして、これがその当時では最低限確保すべきものであると、このように通産省として指導していたわけでございますが、今さらにこれを引き下げて、今度三十五万トンを最低限確保すべきものであると、このような指導がされているわけでございまして、これは一般的な言葉で言いますと、オオカミ少年にならなければよいがという憂慮すべき一面もありますけれども、この点はどうでございますか。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 正直申しまして、非常にアルミ製錬業難しい状況に来ていると思います。前回七十万トン体制ということでまいりたいと考えたわけでございますが、それが三十五万トンにならざるを得なかったというのは、一口で申しまして、第二次石油ショックの後遺症というものが非常に大きかったということかと思っております。  例えば地金の市況は、当初はメジャーが千七百五十ドルの建て値というものを基準にいたしておりましたので、この建て値を基準にいたしまして、五十九年にはトン当たり二千二百ドル見当まで上がるであろうという予想のもとに行ったわけでございますが、ところが余りにも国際的な市況がその建て値を下回っておりまして、ついにメジャーも昨年の十月には建て値制を廃止してしまいまして、現在では取引所の相場が市況を決定するという状態になってまいりまして、今ではきょう現在千二百ドルを割る程度にまで落ち込んでしまっております。したがいまして、従来の建て値を前提にした構造改善計画というものは無意味になったということで、私どもとしましては国際的なコスト、これを積み上げてまいりまして、大体需給が安定しそうな限界的なコストというものを計算をいたしまして、それによって生き残れる企業というものを残すということで考えています。  また他方、需要面につきましても、これも第二次石油ショックの影響が大きく出ておりまして、当初予想では五十八年度では百九十五万トンという予想をいたしておりましたが、実績は百八十一万トンにすぎないということで、需要面からも影響を受けたわけでございます。  そこで、アルミ製錬業がゼロになっていいかと申しますと、やはりゼロになるということはいろんな問題があろうかと思います。例えば我が国では、現在、素材の技術革新が行われておりますが、中小企業は、特にこの技術革新のポイントになりますが、アルミ製錬業が持っている技術、これが中小企業の技術革新の指導に非常に大きな意味を持っておりますし、また、この三十五万トンにいたしますと、どうしても五十万トン程度のスポット輸入が必要になってまいりますが、スポット輸入は、過去の例から見てみますと、五十万トンを超えて輸入するというのは非常に難しい状態 でございます。したがいまして、やはり国内の需要を満たすためには、スポット輸入が五十万トン以上は安定的には無理だということを考えますと、三十五万トンというのは必要になると思います。当然製錬各社の地元の雇用という点、いろんなことを考えますと、何とかこの三十五万トン体制に持っていきたいということで、私どもとしてもできる限りの応援をしていきたい、かように考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私は、三十五万トンを維持するための施策はどういうものがあるかといった、その中の一環として、さっき申された中にもありました一つに、溶鉱炉によるところのアルミ製錬技術の開発が進められておるわけなんですが、今も局長申されるとおりに、アルミの技術革新というものは他の産業にも随分役に立つんだという話がございましたけれども、確かにそうだと思います。そういう意味におきまして、政府としてこれまでどのように取り組んでこられたのか、今もお話がありましたけれども、補助金あるいは開発していこうという、そういう現状でありますし、今後の目標またそれらの見通しについてお答えいただきたいと思います。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 御指摘の溶鉱炉法と申しますのは、アルミ製錬業にとりましては非常に革命的な技術でございますが、これは石炭コークスを用いまして、ボーキサイトを溶鉱炉の中で還元をいたしまして、そしてアルミニウム地金を精製するという技術でございまして、従来の電解法に変わりまして、電力を使わないという意味で非常に画期的なものだということができると思います。  それで、これは五十八年四月に、アルミニウム新製錬技術研究組合というものを、アルミニウム製錬業、それから鉄綱、機械メーカーが共同で設立いたしまして、五カ年計画で現在開発を推進中でございまして、政府といたしましても補助金を交付し支援をいたしております。研究の現段階でございますが、現在、ベンチスケールのプラントによる研究を実施中でございまして、これは能力が一日に〇・二トンという小型でございますが、アルミニウムの回収率の向上というような技術課題に今取り組んでおりまして、かなりの成果が出ております。  開発の目標は六十二年度ということになっておりまして、まだいろいろ例えば炉の構造ですとか、炉に使います素材の開発等まだ多くの克服すべき技術的課題が残っておりますが、今後とも私どもといたしましては、できる限りの支援をいたしまして何とか研究の達成に努力をいたしてまいりたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に移りたいと思いますけれども、従来から悪いと言われております尿素製造業を初めといたします化学肥料工業関係というのは、依然としてこれ苦境にあえいでおるわけでございますが、まずこの現状をどのように見ていらっしゃるのか、御説明いただきたいと思います。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 御指摘のとおり、尿素製造業を初めといたします化学肥料は非常に不況でございまして、これは第一次の石油危機のときに原油価格が非常に上がりまして、御承知のように、日本の化学工業はナフサというような石油系の原料に依存をいたしておりましたので、そのために天然ガスを原料とする諸外国との間で競争力が著しく低下をいたしまして、特に輸出が非常に大きく落ち込むという状態でございまして、一部では中間製品の輸入というものも急増いたしております。  このために、さきの特定不況産業安定臨時措置法によりまして過剰設備の処理を実施したわけでございますが、ところが、その構造改善事業実施直後に、今度は第二次の石油危機によりましてさらに原料、燃料が高騰いたしまして、国際競争力が一層落ち込んでしまいました。このために輸出がどんどん減少するということになったわけでございます。輸入もふえてまいりますし、他方需要面では水田利用再編成というような農業関係の事情からも内需が低迷をしておりまして、この両方かろ過剰設備が発生をするということで、非常に企業経営が現在不安定になってまいりまして、構造改善をする必要があるという状態でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 現状を今説明していただきまして、苦境の原因というのもあらあら理解をいたしましたけれども、このような構造改善策を講じていらっしゃるところでありますけれども、これはただ単なるそういう努力だけでは難しいんじゃないかと思います。今お話あったとおりに、国際競争においても現在は劣っている状況でありますし、そういう意味において、こういうのを改善をしていくための産構法でございますから、将来どのようにこれを願望していくのか、そこらあたり将来に向かっての考えをちょっと聞かしていただけませんか。

野々内隆通商産業省基礎産業局長

○政府委員(野々内隆君) 肥料は我が国の農業にとりまして非常に重要な資材でございますので、この安定的な供給というのが食糧安全保障上も、もうぜひとも必要であろうかというふうに考えております。  我が国の肥料工業が国際競争力をだんだんなくしてまいりまして、従来の肥料工業は輸出に依存をするという肥料工業であったわけでございますが、これからはむしろ内需を中心とする肥料工業、国内の食糧生産、これに中心を置いた肥料工業として生きていくというのを大前提といたしております。  そのために、従来輸出に依存をいたしておりました部分につきまして過剰設備の処理ということになってまいりまして、アンモニア、尿素、湿式燐酸、溶成燐肥、化成肥料、こういうものにつきまして、特定産業構造改善臨時措置法に基づきまして、五十八年六月二日付で、それぞれ六十六万トン・二〇%、八十三万トン・三六%、十三万トン・一七%、二十四万トン・三二%、八十一万トン・一三%というように、申し上げましたそれぞれの業種につきましてまず過剰設備の処理を行う。その場合も、処理自体も単独で行うよりはむしろ事業提携等によりまして、効率のよいところに生産を集中をするという形での設備の処理を絡ませる、あるいは流通の合理化をするという形でコストダウンを図ると同時に、また生産を合理化いたしますために活性化投資を行うというような形で構造改善基本計画を策定いたしまして、今後内需を基本とし、かつ輸入品と競争し得るような、そういう産業に再編成をいたしたい、そして食糧の安定的な確保に貢献をいたしたい、こういう観点から構造改善が現在行われつつございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ、時間も参ったようでございますから、最後に村田通産大臣にお答えいただきたいと思いますが、この産構法の趣旨について最初にお尋ねをいたしまして、この産業構造の改善はただ単にオイルショックのためであったとか、今るる説明等もございましたが、このような応急措置的な考え方でなくして、今後の経済のあり方あるいは技術の進展、こういうことを考えるならば、それに取り組んでいかねばならないじゃないかと思います。  今局長から御答弁ありましたこの化学肥料の問題も、輸出でなくして内需に切りかえていかねばならないと、そして日本の農業に貢献していかなくちゃならないと、こういうような一つのこれも時代の変換ではあるし、経済の動きからこういうことをされたと思うわけでございますから、応急処置的でなくして、そういうところから対処をしていかねばならないと思いますが、最後にまとめてお答えいただきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) お答え申し上げます。  資源エネルギー上の制約、それから発展途上国の追い上げなど、我が国の経済社会をめぐる厳しい環境の中で、我が国が経済社会の発展基盤を確保するとともに、国際経済社会に積極的に貢献していくためには、産業構造の高度化を進めていくことが重要でございます。  通産省は、このような認識を踏まえまして、要調整産業分野については輸入制限的措置をとることなく、経済合理性を失った部門を極力市場経済原則にゆだねながら、産構法を中心として調整をしておるところでございます。  また、要調整産業対策にとどまらず、技術革新を進め、先端分野を切り開くことによりまして産業経済の新たな発展の機会をつくり出すということを政策の基本としておりまして、従来から積極的産業調整政策を推進してきておるところでございます。具体的には従来からの産業技術政策に加え、新たに基盤技術研究円滑化法などの法律案をこの国会には提出をいたしております。民間みずからが行う技術開発を円滑化するための条件整備に努めておるところでございます。  きょう委員御指摘の課題はまさにおっしゃるとおりだと思うわけでございまして、当省としては今後とも産業構造の高度化に向けて必要な政策を推進してまいる所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 通産省は、技術開発基盤の構築、技術を中核とした地域経済の振興を図るとして、テクノポリス開発計画を進めております。特にいわゆる先端産業としての半導体工業をその中心的産業の一つに位置づけて、全国各地への展開を図っておられます。この地域展開に当たって無公害産業だとか、あるいはクリーン工場などと称して、安全であり、かつ公害はないというのをうたい文句に立地の促進を行っているのでありますが、しかし半導体工場でも安全問題あるいは公害問題の枠外に置かれるものではありません。いろいろの問題が派生しております。  きょうは二つの側面から、一つは環境汚染の問題、もう一つはそこで働く労働者の作業環境、健康問題、この両面から政府の考え方、対策をただしたいのであります。  まず、シリコン表面のあの洗浄剤として使われる有機塩素系の溶剤による地下水の汚染問題です。有機塩素系溶剤は、人の神経を冒し、長期間摂取すれば肝臓障害を起こすと言われ、アメリカでは発がん性が指摘されています。  政府に伺いますが、半導体工場の集中しているアメリカ・カリフォルニア州のシリコンバレーで、一九八二年に起こった有機溶剤漏れによる事故を御存じでしょうか。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 新聞報道によりましてそのような事故があったということは聞いております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 各紙にも報道されましたけれども、事は一九八二年に、カリフォルニア州の半導体工場が集中しているいわゆるシリコンバレーですが、そこのIC工場が引き起こした事故なんです。大量の有機溶剤がタンクから漏れて、そしてシリコンバレーにある住宅の井戸水に流れ込んだ。その漏れが確認されたときに、これはカリフォルニア地方水質制御委員会が調査したのでありますが、数千人の住民にこの汚水が供給されていた。そして、現在地元住民被害者の訴訟が起こされており、十三人が死亡し、多くのがんとか皮膚の異常、白血病、新生児の障害などの被害が報告されております。こういう事故であります。  ところで、通産省に伺いたいのでありますが、日本の半導体生産は七〇年代から八〇年代にかけて急成長しております。最近十年間にその生産量は何倍になっているのか、また、アメリカを今追い越しているというふうに聞いておりますが、事実かどうか、その辺のところをちょっと伺いたいのであります。

木下博生通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(木下博生君) 日本の半導体の生産額でございますが、一九七五年、昭和五十年でございますが、二千七百六十四億円でございました。それが一九八四年、昨年は二兆五千八百四十三億円になっておりまして約九・三倍ということでございます。昨年のアメリカの生産額は百三十五億ドルでございますので、それを円に直しますと三兆一千億円でございますから、まだアメリカの方がやや大きい生産量だと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 環境庁にお伺いしますが、環境庁は八二年から地下水の汚染実態調査をやっていらっしゃると伺っておりますが、その結果について伺いたいのでありますが、かなり有機塩素系溶剤による汚染が広がっているというふうに伺っておりますが、いかがでしょう。

小林康彦環境庁水質保全局水質管理課長

○説明員(小林康彦君) 昭和五十七年度に環境庁が実施をいたしました地下水汚染実態調査は、全国から大都市を中心に十五の都市を選定いたしまして、千三百六十検体の地下水をサンプルし、これに含まれますトリクロロエチレン等有機化学物質十七物質について分析を行ったものでございます。  結果といたしまして、検出率の高い物質として、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、一、一、一―トリクロロエタン、四塩化炭素がございまして、世界保健機関、WHOの飲料水にかかわる暫定ガイドラインと比べますと、これを超えた率の高いものとしてテトラクロロエチレン、これが四%、トリクロロエチレン三%がございます。昭和五十八年度には、さらに調査を要すると考えられましたトリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについて、WHOの暫定ガイドラインを超えた井戸等十三都市の井戸七十一本の追跡調査を行うとともに、その周辺の井戸四百六十一本の調査を実施いたしました。その結果、五十七年度の調査で確認をされましたトリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンによる地下水の汚染は、大部分の井戸で継続していることが確認されております。また、多くの場合その汚染がある程度の広がりを持っていることが認められました。  これらの調査によりまして、地下水の汚染メカニズムはまだ十分解明されるに至っておりませんけれども、地下水は一度汚染されますとその回復は非常に困難であるということにかんがみまして、当面の措置としてトリクロロエチレン等を取り扱う工場、事業場からの排出を抑制するため暫定指導指針を設定し、昨年八月、都道府県等に通知をし、これら物質の排出の抑制を図っているところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ただいまの環境庁の報告によっても、有機塩素系の溶剤による地下水の汚染が広がっている実態がうかがい知れます。それには私、先ほど通産省から報告されたように、この十年間に九・三倍という急成長を遂げた半導体工場も、アメリカの先ほど紹介しましたような例などからして、その原因の一つとして懸念されるわけであります。またそういう問い合わせが島根、熊本、大分、三重などから私のところへも寄せられてきております。  今、テクノポリスなど、クリーンな工場というイメージで地域分散を通産省は促進していらっしゃるわけでありますが、こういう状況について通産大臣としてどのように見ていらっしゃるのか、この際まずお伺いしたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 今委員御指摘の、IC工場等先端産業分野におきますいわゆる公害の問題等につきましては、他の産業と同様に、これまでも所要の対策を講じてきたところでございます。今環境庁からいろいろな報告がございましたが、これら先端産業分野においては、技術革新が年々進んでいる現状にかんがみまして、公害対策は非常に重要でございますので、今後とも必要に応じ適切な対策を講じてまいりたいと存じます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、もちろんこの有機塩素系の溶剤が、ただICなど半導体工場からのみとは必ずしも申しません。それはもちろんいろんな要素、例えば金属脱脂洗浄剤ですね、いわゆるメッキ産業だとかあるいはドライクリーニング用の溶剤などに使われていることも事実でありますけれども、今大臣おっしゃったように、こういう先端産業、特にIC産業の場合の姿勢をまず伺った上で、以下お伺いしたのであります。  半導体工場などでは、使用済みの溶剤を一たんタンクなどにためて、それを回収業者に引き渡して処理させるということが多いというふうに聞いておりますが、これら溶剤の管理には十分な対策と配慮が必要であると思いますが、その実態を通産省はつかんでいらっしゃいましょうか。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 有機溶剤の回収、処理等については、ただいま先生御指摘のように、廃棄物の処理業者にタンク等にためましたものを渡しておるというふうに聞いております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、その後のいわば最末処理といいますか、そこまでやはり通産省としては実態を把握していただきたいのでありますが、環境庁にもう一度お伺いいたします。  先ほど御報告のあったそういう調査の上に立って、現在半導体工場ですね、これを中心にした先端技術産業の環境汚染についてもしかるべき体制をとって調査をなさっていらっしゃる、ないしはそういう企画があるというふうに、計画があるというふうに伺っておりますが、実態はいかがでしょうか。

小林康彦環境庁水質保全局水質管理課長

○説明員(小林康彦君) 有機溶剤によります汚染は、お話ございましたように、各種の産業、各種の地域で可能性がございますので、それらを全般として調査を進めているところでございます。  先端技術に関します環境問題につきましても、大きな関心を持って取り組んでおりますけれども、有機溶剤につきましては、全般の中での取り組みという状況でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうすると、もう一度伺いますが、先端産業についても関心を持ってしかるべき調査を行う用意があるというふうに理解してよろしゅうございますか。

小林康彦環境庁水質保全局水質管理課長

○説明員(小林康彦君) 現在それのみを対象というつもりではございませんが、全体の調査の中で、それらも含めながら調査検討をしているという段階でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、通産省としても、先ほどその溶剤の最終処理、そこまでを含めて、所管業種、例えば半導体産業というのは通産省のいわば指導のもとに今推進しているわけですから、そういうものの汚染物質の管理状況ですね、これは積極的に把握する必要があると思うんですが、その点いかがでしょうか。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 必要に応じて把握したいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、そういう今必要性を言っているんで、人身事故が起こって、例えば水俣が発生した、イタイイタイ病が発生した、それからでは遅いんですよ。ですから、今私はあえて、あなたも御存じだというアメリカのカリフォルニアの例を申し上げたのは、そういう事故が起こっているから、知らなんだとはもう今言えないんですから、しかるべき積極的対策と体制をとりなさいということを強く私は求めたいのでありますが、いかがでしょうか。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 私ども、工場におきます公害問題等出ないように、積極的に対処してまいる所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 出ない言うたって、出るおそれがあるということを私は言うておるんやから、ちゃんと一遍調べるということはやりますか。出ているか出ていないか調べるんだと。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 半導体工場におきます、先生御指摘のような有害物質等の使用状況等について調査検討する所存でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 わかりました。  もう一つの問題は、この半導体工場で使用されている多種多様なガスによる労働環境への影響の問題であります。よく知られているように、先端産業と言われているICあるいはLSIなど半導体の生産過程で百数十種類のガスが使われるんです。そのほとんどが有毒ガスなんです。その中には、モノシランとかホスフィン、こういう毒性があり、また自然発火するものもあります。  私ここに持ってきたのは、この半導体工場で使用されるガスメーカーである日本酸素、この日本酸素が出している「半導体用材料ガス取扱い心得」というパンフレットです。このパンフレット、まず一ページ開きますと、ここに赤い字でこう書いているんですわ。「ガスを絶対に「もらさない」万一もれても絶対に「すわない」」、吸わないというんですよ、あなた、吸わない。当たり前のことだけれども、最も近代的、現代的な先端産業で、最も原始的なこういう説明があるというのを、何とも言えぬ気持ちで私は読んだんですが、そして実際に事故は起こっておる。  三月二十九日から北九州中で開かれた日本産業衛生学会で、昭和大学医学部の山口助教授が行った調査報告がありますが、こうしたガスによって一九六七年からこれまでに十四件の事故がある。八人が死亡した。十六人は助かったけれども、三人が皮膚炎ややけどを負ったということが明らかにされております。こういう半導体工場での事故について、通産省並びに労働省は、その状況をつかんでいらっしゃるかどうか、両省からお伺いしたいと思います。

平河喜美男通商産業省立地公害局長

○政府委員(平河喜美男君) 先生御指摘のように、半導体の製造工程におきまして、いろんな有毒のガスが使われていることは承知しております。それの実際の細かい使用状況なりそれの対策等については、目下調査研究をしておるところでございます。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 先ほどの御指摘ございました日本産業衛生学会における山口助教授の情報等については承知しております。  半導体製造工程において各種のガスが使用されていることは先生御指摘のとおりでございますけれども、その中には幾つかの可燃性ガス、有害性ガスが多く含まれております。このため、これらのガスが原因となる爆発、火災並びに労働者の健康障害を防止するために、労働省では、労働安全衛生法によりまして、可燃性ガス、アンモニア、塩素、硫化水素などの取扱設備の規制、安全な作業を行うための作業規程の作成、及びその規程による作業の実施、取扱設備の定期自主検査の実施などを関係事業者に義務づけておりまして、これらの遵守について指導を行っているところでございます。また、アルゴンとか窒素、フロン等不活性ガスを取り扱う設備の内部は酸素欠乏のおそれのある場所でございまして、関係事業者に対しまして酸素欠乏症等の防止の徹底について現在指導を行っているところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今、労働省からお話がありました酸素欠乏、要するに酸欠ですね、それによる窒息死が、この山口助教授の調査によっても三件、六名が発生しているという報告があります。もともと、この不活性ガスの漏れによって酸欠になるという、こういう事故は半導体産業が出現する以前からあったことですね。これは半導体産業固有の問題じゃないんだけれども、そういう事故が最も先端的な近代的な工場の中で起こっているということは、逆に言うと、この半導体産業における労働者の安全管理に、最もそういう原始的な事故が起こっているということは、重大な欠陥があるということを意味すると言っても私は過言でないと思うんです。    〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕  そこで重大なことは、このことはもう時間がありませんので前へ進みますが、半導体工場特有の、固有の問題が発生しているという問題なんです。アメリカの科学技術専門雑誌として著名な「テクノロジー・レビュー」という雑誌の八四年五月―六月号を見ますと、先ほども触れました、アメリカのカリフォルニア州での、シリコンバレーの一九八〇年の調査がそこで紹介されておりますけれども、半導体生産に従事する労働者の疾病件数がほかの職種と比べて三倍以上に高い比率になっている。また、有害物質にさらされたことが原因の疾病が他の職種の二倍になっているということがレポートされております。  私先ほど紹介いたしました、日本酸素が出しているこのパンフレットを見ますと、ここに、九ページに、半導体用の材料ガスの中で、主要な、代表的な材料ガスが十種類一覧表に出ております。ちょっとよう聞いておいてほしいんですが、モノシラン、ホスフィン、アルシン、ジボラン、ジクロルシラン、三塩化ホウ素、セレン化水素、四塩化ケイ素、塩化水素、アンモニアという十種類があります。いずれも毒性や腐食性などの強い物あるいは自然発火性のある物でありますが、このうち特定化学物質等障害予防規則、いわゆる特化則と言われておりますが、この特化則に今指定 されているのはアンモニアと塩化水素だけであると思いますが間違いございませんか。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) そのとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 しかし、この二つのガスは半導体工場固有のガスじゃないんですね。先ほど来申していますように、昔から特化則に入っておったやつなんです。つまりその後、先端技術の発展によって、半導体産業の材料として使われるガスはほとんど、今十種類代表的なものを挙げましたが、八種類は特化則に含まれていないんですね。しかもこれらのガスは高圧ガスや毒物取締法の対象になっている。今労働省は幾つか取り締まりといいますか、規制のことをおっしゃいましたが、なぜ私は特化則に入れないのか。今、私十申しましたが、二つ入っておるんですから、少なくともこの八種類の材料ガスも早急に特化則のリストに加えるべきだと思いますが、この点いかがでしょうか。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 労働省では、半導体製造工場で使用されるガスの種類とか、使用量とか、あるいは有害性等について問題点の把握に従来から努めてきたところでございますけれども、今後とも必要な調査研究を行いまして、その結果を踏まえて、規制するかどうかを含めて慎重に検討してまいりたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今調査しているんですか、してないのか、これからするのか、どっちなんですか。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 半導体製造工程における問題点の調査は、今年度から直ちに行う予定でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 慎重に検討すると言うけれども、現にいろいろな事故が起こっておるわけですよ。例えばこれ御承知だと思うんですが、日経の一九八二の十月四日付に出ております。宮崎の沖電気、これは宮崎テクノポリスの中核工場としてうたわれた工場でありますが、十月三日にここで火災が発生しました。シランガスというんですが、これは空気と接触すると自然燃焼するガスであります。このシランガスのボンベが自然発火をし、しかもポリプロピレンパイプにつないでいたためにそれに引火する、そして火災を引き起こしました。消防車が駆けつけて、そして放水してこれを消そうとしたんですが、工場側は半導体用のガスに対して水かけるのは危険やからやめてくれといって水かけるのとめたわけでしょう。しかし、結局水をかけてこれ消したんですけれども、こういうあわやという事件が起こっているわけです。  私は、労働省がここまでわかっており、そして今八つのガスを具体的にこのパンフレットに基づいて指名しましたが、特化則への指名をなぜちゅうちょなさるのか、一体どういう基準で考えていらっしゃるのか、調査して慎重にと言わはるけれども、そこらちょっと一週間かしてもらいたい。    〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 先生御指摘の、宮崎沖電気のシランガスによる火災で、死亡者一名、休業四名の犠牲者が出たわけで乙ざいますけれども、このシランガスの性状が可燃性ガスでございます。この可燃性ガスによる爆発火災については、既に労働安全衛生法で規制し、その履行を指導しておるところでございます。  もう一つの特定化学物質等障害予防規則というのは毒性を中心に労働者の健康障害を防止するために制定されている規則でございまして、その規則に対する適用については、使用実態とかあるいはどのような作業方法をとればより効果が上がるかということについて、実態調査を含めた調査研究を行った上で規制していきたいと考えておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 シランガスについて、私は宮崎沖電気の火災事故を、その人身事故という意味で紹介したんじゃなしに、火災事故として言うているわけで、何もシランガスを知らぬで言うているんじゃないんですよ。そうじゃなくて、そういう労働者の健康にとって重大な危険性を持っているこのシランガスを、知らぬ顔しているとはどういうことだということを言うているんであって、私はそこのところを、労働省の今の見解やったら、何ぞ人間が死んでそれで事故が起こったら、そうしたら腰上げるというふうなことになりかねぬということを言うているわけですよ。  それで、わかっていただいたとすれば、先ほど、今年度から調査いたします――今年度言うたらもう四月一日から、きょうは四月二日、そうしたらいつまでにそれをちゃんとやるのか、期限とその中身をここではっきり知らしてほしい。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 私、今年度からと申し上げましたけれども、既にその下準備は終えておりまして、関係の専門家の先生等の接触も始めるところでございます。この問題は、先生御指摘の十種類の問題だけではなかろうかと思います。そういう事実から慎重にこれを取り運ぶ予定でございまして、今年度と来年度二カ年で実態を明らかにして、しかるべき対策を講じていきたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 二年では遅過ぎる。  それで、おっしゃったように、十種類のガスだけではないということはあなたの言うとおりです。そのためには私、山口助教授の報告承知していると、こうおっしゃる。だからあれだけにとどまらずに、やっぱり現場の半導体工場の現状がどうなっているかということを具体的に調査する必要があると思うんですが、これはすぐできることだと思うんでやっていただく。そして今年度と来年度二年かかって調査して、それから何か結論を出すというのんびりしたことじゃなしに、本当に事は急ぐと思うんで、早急に結論出していただきたいと思うんですが、いかがですか。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 全般の問題として二年計画でもって行うこととしておりまして、その間に問題があるとするならば、その専門家の意見を聞きながら適切な対応をしていきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 現場調査もやりますか。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 既に担当官は現場に何回か行っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 時間が参りましたので、じゃその結果も知らしていただきたい。よろしいですな。

冨田達夫労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長

○説明員(冨田達夫君) 結果がまとまりまして、具体的な措置を検討していきたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 最後に、大臣にお伺いいたします。  私の持ち時間がもう参りましたので、私今限られた時間の中で、こういう半導体工場の安全性あるいは環境汚染に対する懸念ということを指摘いたしましたが、私は、半導体工場が殊さらに危険だというふうなつもりは毛頭ありません。しかし、クリーンだとか無公害だとかいって、結局安全性の観点が全く欠落した工場の立地を図るということは、これはまた正しくないという点で、正しい情報を、いろんな事故とかいろんな問題が、トラブルがあればそれはやっぱり国民に知らせて、同時にまた改善をしていくということが私は必要であると思いますが、一連の今までのやりとりを通じての大臣の所見を伺って、質問を終わりたいと思います。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 市川委員の先ほど来の御質疑、こちらでつぶさに承りました。IC工場などの先端産業分野、これは全国に立地が進んでおるわけでございまして、御指摘になるようないろいろな災害、公害対策というのは非常に重要な問題だと思います。関係省庁相はかりまして、適時適切に対応してまいるべきであると存じております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 先ほど大臣はごあいさつの中で、「我が国経済社会においては、現在、その基本的構造に変化をもたらすような広範かつ多様な変化が生じつつあります。」と、こうお述べになりました。以下、いろいろとまことに適切な現在の情勢等につきましての対応をお述べになったわけであります。そこで、「七点を中心に全力を挙げて通産政策を展開してまいる所存であります。」と、こうお述べになったわけでありますが、この七点の中に、「変革期に対応した中小企業政策を展開すること」という項がございます。そこで私は、時間の関係もありますから、中小企業問題にひとつ絞って幾つかお伺いいたしたい、かように考えます。  中小企業が我が国全産業の九九・四%を占めております。また、雇用の面におきましてもあるいは出荷額の面におきましても、我が国経済の活力の源泉であることはもう論をまたないところであります。ところが、この中小企業を取り巻く環境がまことに日々厳しくなっておるということ、これはまた今さら申し上げるまでもありませんが、特に、技術革新あるいはハイテク時代あるいは情報化時代等々言われておりますけれども、このようないわば急激な変化に対応できない中小企業者が発生をしておる。昨年の倒産の中身を見ても、変化に対応できなくて倒産をしたというのがかなりあるようでありますが、したがって、特にこれからは従来以上に厳しい財政状況下ではありますけれども、これらの問題を中心に、中小企業に対する行政指導、中小企業対策を特にお進めをいただきたい。前段これは要望いたします。  そこで、お伺いいたしたいのは、技術の向上を図るために、中小企業庁としてはどのような施策、対策を講じておられるのか。あるいは変化に対応するためには、もう一つ重要なことは、やっぱり人材の育成であろうと、こう思いますけれども、人材の育成、養成の対策としてはどのような施策をお持ちであるのか。特に中小企業大学校については、大臣のお骨折りで新年度二カ所ふえることに決まりましたけれども、この中小企業大学校のふえる二カ所についての今後の具体的ないわば計画といいますか、完成の予定といいますか、それらの面まで含めて、これは長官からお答えをいただければ結構です。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) まず最初に、中小企業にかかわります技術開発あるいは技術力向上対策でございます。これまでどちらかといいますと、中小企業は技術革新成果を受け入れるという意味におきまして、受け身的な、導入一本やりといいましょうか、あるいは導入に終始してきたというのが実態ではなかろうかと思います。年間約二千三百億、これは五十八年度の実績でございますが、中小企業も技術研究開発投資を行っておるわけでございますが、これにつきましても、全体的な中小企業の技術開発力向上にまで結びついていくような状況にはまだ至ってないわけでございます。  そういう意味におきまして、まず第一に、中小企業の技術革新成果の大胆な取り入れ、これを促進するという意味におきまして、五十九年度メカトロ税制の施行に入ったわけでございまして、今申し上げました受け身の中小企業の技術革新成果の受け入れについては、その対応が一応できたわけでございます。しかしながら、最近の技術革新の特性と申しますのは、どちらかといいますと、技術の細分化傾向あるいは複合化傾向というのが非常に顕著でございまして、そういう意味におきましてコアになる技術革新部分は大企業が開発するにいたしましても、周辺技術あるいは商品化技術、特に消費ニーズが多様化いたしてまいりますと、そういった商品化技術というのも相当に細分化されざるを得ない、こういうのが現在の技術革新の特徴ではなかろうかと思っておるわけでございます。  そういう意味におきまして、中小企業が技術開発に積極的に参画する余地といいますか、必要性というのが高まってきているということは、中小企業の事業活動の機会を拡大するという意味と同時に、国民経済的にも産業技術のバランスある発展を確保するという見地からも、中小企業の技術開発への積極的参画が求められているんではなかろうかと思うわけでございます。  その意味におきまして、六十年度はそういった中小企業の技術開発への積極的参画を支援する施策を充実するということに重点を置きまして、まず第一に中小企業の技術基盤強化税制の創設を行うことといたしたわけでございます。これは、さきに申しました年間二千三百億、年率で約九%の上昇率で中小企業の研究開発投資が伸びておりますが、これに対するインセンティブが不足いたしておりますので、これに対する強力なインセンティブを付与するということからその税制の創設に踏み切ったわけでございます。このほか、やはり中小企業が個別に技術開発へ参画するにはおのずから限度もございます。その意味におきまして、産地組合等がその組合員の共通技術課題を組合ぐるみで開発をするシステムをつくりまして、これに対する資金的あるいは税制上の恩典を設けることといたしまして、技術高度化事業という制度を発足させることといたしたわけでございます。こういったものの裏打ちを持ちまして、今国会に中小企業技術開発促進臨時措置法案を提出させていただいておるわけでございまして、これらを核といたしまして、技術向上力対策を強力に推進してまいりたいというふうに思っておるところでございます。  それから、第二の人材の養成でございますが、これは六十年度予算案におきまして、東海ブロック校及び中国ブロック校の建設着手が認められました。具体的な予算計上といたしましては、土地取得費及び基本設計費の計上でございますが、これまでの九州直方校あるいは北海道旭川校の建設事例から申しますと、土地取得から大体三年ないし四年のうちに開校にこぎつけるということでございますので、私どもこのスケジュールにおくれをとらないように、今後地域の皆様方の協力を受けながら、この二校につきましても順調な建設を進めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 そこで、今、長官に御説明いただきましたけれども、中小企業に対するこのような施策あるいは指導、大変結構でありますけれども、これが特に問題になるのは、いろんな人材養成等々の機関が設けられても、言えば暇がない、あるいは積極的に基盤技術の税制を受けるだけの素因もないというふうな小企業者が、御承知のように圧倒的に多いんですね。  だから、いつもいろんな施策がつくられましても、問題になるのは、やはり中小企業といっても、中の企業はある程度それを利用し、あるいはしかも積極的にそれを活用するようなことを行っておるんですけれども、本当に必製な小企業に対してなかなかそれが行き渡らない、また利用できないという面があるんで、したがって、特に小規模企業対策というものを織り込んでいただきたい、こう考えますけれども、何かその点についてはお考えございますか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 御指摘のように、中小企業の中で小規模企業、ほぼ七九%といいますか、約八〇%近くが小規模企業でございます。この振興と経営の安定というのが中小企業全体の振興、安定のために不可欠でございまして、その意味におきまして、従来ともにこの小規模企業経営改善普及事業といいますものを充実してまいったわけでございます。  六十年度におきましては、今御指摘のような環境変化に小規模企業といえどもさらされているわけでございますし、それへの積極的対応を求められておるわけでございますが、今御指摘のように、それぞれの事業遂行の関係で大きな制約を受けているというのが実態でございます。その意味では、技術研修あるいは人材養成といいますのも、そういった小規模企業の経常実態に即応する形で推進する必要があるという観点から、例えば商工会連合会、これは県連べースでございますが、エキスパートバンクというのを六十年度から設けることといたしてございます。これは俗称で乙ごいますが、例えばデザイナーあるいはJIS生産工程管理の、例えば大企業のリタイアされた専門家の方々、そういった方々をリザーブしておきまして、それぞれの方を、小規模企業の要請に従いまして、その工場へ派遣をして指導をするというような、エキスパートバンクをまず設けたいというふうに思っております。  それから、後継者の養成で、従来商業関係では実施しておりましたが、特に小規模企業、製造業の場合に、先端技術の習得等を行いたいと希望する小規模企業経営者あるいは管理者に対しまして、隣接の先端産業あるいは将来取引関係が成立するであろう親企業で先端技術を体験習得するという枠組みをつくろうということで、六十年度、その枠組みをつくることといたしてございます。  さらには、小規模企業の若手後継者が異業種交流によりまして、それぞれの経営課題を解決する努力をしていただく枠組みもつくることといたしまして、そういった小規模企業の経営実態に即しまして、環境変化に対応する努力を支援するという体制をつくってまいりたいと思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 大変いいことを伺いました。エキスパートバンクなんていうのは、大変それは効果があるであろうというふうな期待が持てるんですが、今長官、これは商工会を通じてというお話でしたね。とすると、商工会の存在しない都市の小企業者は、実はこれに該当しないということになると思うんですが、それについて、都市の小企業については、この商工会によるエキスパートバンクに類するものをお考えがあるかどうか。  それともう一つは、先端産業等に対して体験習得の方法をということでありますけれども、それは具体的には経済的な助成をするとかどうとかといったこと等はあるんですか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) まず、商工会と申しますと、商工会連合会、県単位にエキスパートバンクを設けたいというふうに考えておりまして、県連主体でございますから、都市の商工会議所に属する場合には、その商工会議所を通じて商工会連合会に連絡ができるという体制がとれております。  それから、具体的な、技術者を体験研修する助成措置でございますが、一応補助金としまして三分の二、これは県と国が三分の一ずつ持ちまして、これを助成していく補助金の制度を設けることといたしてございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 大いに期待をしておりますので、ぜひより一層それらのものの充実と、それから促進を図っていただきたいとお願いをしておきます。  次は下請問題でありますけれども、下請によって経営を営んでおる中小企業は、製造業だけで約六五%を超えると、こう思います。非常に多くの企業が下請によって生活をしておるわけであります。  ところが、依然としてその下請問題については、もう長い間通産省、中小企業庁、大変御努力はいただいておりますけれども、まだまだ不十分といいますか、問題が多く発生をしておる。この問題というのが、十年一日のようにやはり不当値引きであるとか、あるいは契約の一方的な取り消しであるとか、あるいは依然として、最近特に手形サイトが非常に長期化しておるというふうな問題、それから、中には納入業者に対して親企業の商品の押しつけ販売といいますか、そのようなものも後を絶たないというふうな、そういう問題が依然として発生をしておるわけですが、一段とひとつ下請問題については留意をしていただきたいと、こう思いますけれども、特に新年度、下請対策として中小企業庁、どのようなことをお考えであるのか、これをひとつお伺いいたします。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 下請取引の適正化に関しましては、下請代金支払遅延等防止法の厳格な実施ということが第一の柱になるかと思います。五十九年度から調査対象件数を大幅にふやしまして、製造業の親事業者は悉皆調査に移しました。したがいまして、親事業者の調査の場合には下請事業者も全部リストアップさせることといたしておりますので、そういう意味におきまして、相当程度調査対象としてその実態が把握できる仕組みとなっております。こういったような調査の充実を今後とも続けてまいりたいと思いますが、この調査の結果、約二千件余が即時改善という措置の対象になっておるわけでございます。そういった具体的に個々の事業者を指導しまして、下請代金支払遅延等防止法に基づきまして行政指導の上で是正措置をとらせておるのが今の実態でございまして、そういった下請代金支払遅延等防止法の厳格な実施というのを今後とも強化してまいりたいというふうに思っております。  ただ、これとあわせまして、やはり親事業者の外注発注管理者に対する研修教育ということが同時に必要でございます。その意味におきましては、六月及び十一月に、相当数の地域におきましてその講習会を開き、大体二千名を対象としましてそういう親事業者の発注管理者の教育も行っております。できるだけ標準外注約款を採用するような推奨を行っておるわけでございますが、こういったような努力と並行いたしまして、下請取引の適正化を進めてまいりたいというふうに思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 親企業の発注担当者を集めてそのような研修会ということは、これはまた新しい施策であろうと思いますが、これは大変期待できると思いますので、ひとつぜひ実施をお願いをいたしたい、こう思います。  そこでもう一つ、官公需の問題ですが、たまたまいただいている資料の中を見ておりますと、二十三ページでありますけれども、五十八年度の各省庁別の中小企業向けの官公需の実績が出ております。平均が三六・四%ということでありますが、これがかねがね言われているようにまだ要望からすると低いということでありますが、特にきょうはその問題でなくて、その中で見ますと、電電公社が二三・九%、中小企業向け発注一番低いんですね。専売公社は五〇・七%ありますが、従来は電電、専売に対しては、中小企業に対する発注確保について大臣から勧告いろいろとなされたわけですけれども、きのう以降民間会社になって、さてこれから日本電信電話株式会社あるいは日本たばこ産業株式会社の中小企業向け発注について、これは勧告ということにまいらぬと思いますが、どういうふうな方法をおとりになるんですか。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) それぞれの会社移行に伴いまして、その立法措置によりまして官公需確保の法律の適用除外にそれぞれの会社がなったことは御承知のとおりでございます。しかしながら、それぞれ特殊法人あるいは特殊会社という形式ではございますものの、特定の国の政策目的を追求いたすわけでございますので、その意味において、中小企業向け官公需確保施策に協力を願う必要があろうかというふうに考えておりまして、民間移行の段階でそれぞれ関係各省とお約束をいただきまして、従来どおり中小企業施策について協力をし、官公需についてはそれぞれの監督官庁が的確な指導を行うということになっておるわけでございます。  したがいまして、私どもの腹づもりといたしましては、六十年度におきます官公需の発注方針が確定した段階で、改めて監督官庁を通じましてその協力をお願いいたしていきたいというふうに思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 これはやはり従来と若干違う形になろうかと思いますし、それだけに非常に関心が嵐いわけであります。また、電電公社あるいは専売公社あたりの発注というふうなものは、出入りの中小企業にとっては非常に大きなウエートを占めておる場合が多いわけでありますから、特にその点については格段のひとつ御留意をお願いをいたしたい、こう思います。  あと、中小小売商の問題について、もう少し具体的にお伺いしたいと思っておりましたが、時間が余りありませんから、簡単にお答えいただければ結構でありますが、小売商業の分野というものがこれまた大きく変わりつつあります。また、これからさらにもっと大きな変化が来ることについては、予測がつかないというふうな面もあろうかと思います。  そこで、何といってもやはり中小小売商業が変化の情報を早く知りたいというふうな願望が多いわけでありますが、ところがなかなか個々の小売商というのはそのような情報が欠けておる、情報収集能力が全くないという面があります。それらについて、新しく新年度では中小小売商業流通情報ネットワーク開発費補助金、わずか三千万でありますけれども予算計上されておるようでありますが、それらをもってどういうふうな対策をおとりになるのか。  それからもう一つは、やはり五十九年度から始まりましたが、コミュニティーマート、非常に小売商、特に商店街期待をしておりますけれども、それらについても新年度はさらに積極的な施策を進めていただきたいと思いますが、どのようなことをお考えであるか、この二点についてひとつお答えをいただきとうございます。

石井賢吾中小企業庁長官

○政府委員(石井賢吾君) 最初に、情報化の進展に対する小売商業の即応推進策でございますが、非常に数の多い、かつ規模、業態等いろいろまちまちな小売商業が、どういうふうに情報化に対応していくべきかということについては、極めて複雑といいますか、難しい対応のしぶりが求められてくる。そういう意味におきまして、私ども中小企業情報化対策分科会というものを設置いたしまして、昨年秋から検討に着手いたしましたが、さらに四つのワーキンググループをつくりまして、その一つに小売商業専門のワーキンググループを設置いたしまして、小売商業全体に対しまして今後の情報化対応の指針のようなもの、これは今のところ願望でございまして、どこまでできるかというのは各先生方の協力を得ながら今作業を進めておりますが、そういったものをできるだけ明らかにしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。  それから、今御指摘の六十年度の施策といたしまして、流通情報ネットワーク開発費補助金制度でございますが、これは具体的には小売商業者が利用できる、例えばボランタリーチェーンにおけるPOSの導入システムはどうあったらいいのか、あるいはクレジットを発行いたしまして小売商業活動を全国的に展開しております日専連あるいは日商連という中小企業団体ございますが、そういったところが信用情報の紹介システムをどう構築していったらいいのかといったようなシステム開発に対する助成措置でございまして、これらをもとにして今後具体的な情報化の装備を進めていただくための前提を整備したいというふうに考えておるところでございます。  それから第二のコミュニティーマートの問題でございますが、五十九年度からスタートいたしまして四地域の指定をいたしたわけでございますが、六十年度におきましては、予算的には十三地域を指定できるような予算を確保いたしたいと思っておるわけでございます。各地域の特性を色濃く出した町づくりを推進したいということで、現在そういった希望を募り、またそれぞれの関係者と協議をしておるところでございます。  さらに、三月からコミュニティーマートセンターという団体をつくりまして、コミュニティーマートの構築のためのノーハウ、あるいは情報提供、あるいは何と申しましてもそういったコミュニティーマート構築のためのリーダーが必要でございますので、そのリーダーを養成するといったような事業をこのコミュニティーマートセンターにおいて行っていただきたいというふうに思っておりまして、この事業活動の活発化とあわせまして、コミュニティーマートの構想をさらに推進したいというふうに思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 大臣から御所見をお伺いしたいと思っておりましたが、時間がなくなりました。もう大臣十二分に御承知のとおり、また、お聞きいただいたとおりでありますので、さらにひとつ積極的な中小企業対策をお進めいただきたい、これを要望して終わります。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 井上委員の御質疑こちらで承っておりました。中小企業に対する熱意は委員と全く同様でございます。極力努力してまいります。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 その前に、長官、けさほどはどうもお呼びしておきまして、時間がなかったものですから失礼いたしました。  今回も、前回の商工委員会に続いて、私はガソリン問題、ガソリン問題というよりも、きょうは少し次元を上げまして、石油政策というか、石油産業政策という点についていろいろ続けたいと思うわけです。  まず、一番初めにお確かめしたいのは、これは質問主意書でもお確かめしたんですけれども、輸入貿易管理令ですね、これによると、ガソリンというのはその輸入禁止品目には入ってない、したがって自由品目であるということでよろしゅうございますね、まず。

畠山襄資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(畠山襄君) 御指摘のように、輸入貿易管理令の対象品目にガソリンがなっていない、その限りにおいて自由であるということは事実でございますが、ただ石油業法では、後ほど出るかもしれませんが、届け出を出すことになっておりまして、輸入計画の届け出がありました場合には、石油業法上通産大臣はその変更勧告を出すことができるというふうに規定されております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 私、今法的にお伺いしているわけでして、そうすると、立法府としては、国会としては、一応法律上は自由化であるという立場であっていいわけですね。

畠山襄資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(畠山襄君) 法律上、石油業法上通産大臣は輸入計画の変更を出すことができると書いてございますので、それをどう解釈いただくかという問題でございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 いや、もう大分用心なさっているんで、それじゃ次に進みますけれどもね。  原則自由というのは、去年も豊島さんがここでおっしゃったわけですね。私が申し上げたいのは、原則自由なんだけれども、実際上は自由ではないということね。  少し例を挙げますと、去年の六月四日の石審の答申に石油製品の輸入を段階的に自由化するという文言が入っているわけですね。これは通産省関係ないとおっしゃるかもしれぬけれども、石審は、少なくともそういうふうに自由化ではないと言っているわけですね。  それから二番目は、去年のこれは十二月七日の朝日新聞ですけれども、通産省は、このシンガポールの問題について、業者に輸入自粛を指導する構えであるというふうに報道されたんですね。事実十二月二十二日には、業者に対して通産省は、石油製品の安定供給を乱すおそれがあるから自粛してくれという要請をなさっている。それで、追っかけて念のために十二月二十七日に、これは石審の答申に基づいたというなにはありますけれども、村田大臣が業者に対して自粛の勧告を出された。このほか例を挙げれば幾らでもあるんですけれども。こういう事実というのは、通産省は少なくとも自由化に反する行動をとっておられるということになるわけですよね。  そこで、法制局に一つだけお伺いしたいわけですけれども、要するに、こういうふうに行政府が立法府の、法に反して行動するか、あるいは法に逸脱して行動するということは、原則的にどうなんでしょうね、私はまあよくわからないんですけれども、やっぱり立法府が優位にあるというか、法律が先にあるんじゃないかという気がするんですがね。その辺はいかがでしょうか。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○政府委員(工藤敦夫君) お答え申し上げます。  御指摘のように、行政が法律の定めるところに従いましてこれを行わなければならない、これはもうまことに当然のことでございます。ただ、今回の、今おっしゃられました輸入の中止勧告につきましては、石油業法に現に十二条の三項で準用しております十条の二項の規定に基づいて行われたものと承知しておりますし、法律による行政の原理というものに違反しているんではないかという御指摘は必ずしも当たらないんではないか、かように考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 確かにそうだと思うんです。これは、何も行政府が法律に違反しているとまでは私は決めつけるつもりはないわけです。  ただ、これは常識的に、一つ、ついでにといったらなんですけれども、法制局にお確かめしたいんですけれども、行政府が法律を逸脱してやれるというのは非常事態のときだけだろうと思うんですね。例えば過去にシンガポールでハイジャックになって、それで何か刑務所から囚人を解放して渡しましたね。それで六百万ドルか何か払った。 ああいう事態は、これはもう一々――一々と言ったらおかしいけれども、これは国会の法の手続とっている暇がないから、緊急事態として、これは何というんですか、統治権というんですか、そういうものでもってやられたと思うんですね。こういう事態はこれはまあ行政府がやれると思いますけれどもね。そのほかに、行政府が立法府に対して優位にやれるというケースというのは、参考のために、ついでに、一つだけ、あれば教えていただきたいんですよ。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○政府委員(工藤敦夫君) 決して私、先ほどお答え申し上げましたように、行政が法律を無視してとか、あるいは超法規的にとか、こういう趣旨で申し上げたわけではございません。そういう意味で、具体例と言われてもちょっと私もお答えに困るわけでございますが、やはり行政はあくまでも法律に従って行われなければならない。  現に今先生の御指摘の部分でございますが、若干敷衍して申し上げますと、一般に行政指導ということで言われております。これは、決していわゆる何々法というものの中に行政指導という言葉が出てくるわけではございませんけれども、一応行政指導というのは行政法学上言われております概念でこざいますし、その内容としては、三つぐらいの内容といいますか、要点を分けられると思います。  一つは、やはり相手方の任意の協力を得て行われるもの。したがって、国民に対して決して義務を課したりあるいは権利を制限したりというような法律上の強制力を持つものではない、こういうことでございます。  それから第二点としましては、行政機関がそれぞれの設置根拠である法律、これに基づきまして、その法律によって与えられました所掌事務あるいは任務、この範囲内で、しかもその任務なり所掌事務を遂行するというためのものであることというのが二番目でございます。  三番目には、これは現にこの石油業法にございますように、個別の法律の根拠は必ずしも必要としないというのが行政法学上の観念ではございますが、実際には、こういう個別法規に、行政指導と言われるもの、表現としましては勧告とか指示とかいろいろな表現が使われておりますが、そういう個別の法律の根拠がなくても、必ずしもなくて行っても、そこは先ほどのように設置法を根拠としたものである、こういう意味ではございます。ただ、そういう個別法に一応書かれておりました場合には、その手続なりその規定のしぶりに従って行われるべきである、こういうことでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 それで問題は、今のようなことでいいんですけれども、要するに、行政府と民間の場合、片一方は権力を持っているわけですね。これが対等ということはちょっと考えられないんで、よほど用心しないとやっぱり圧力になっちゃうんですね。受け取る方はもう確実に圧力と受け取るというケースが非常に多いわけです。  それで、もう一つは、やはり最近言われてますように、これは法には反しないけれども、法の精神に反しているというケースがあるわけですね。行政上はやむを得ないという解釈だろうと思いますけれども、そういうことがやはり国民に対して非常に圧迫感を与え、疑惑を与えているということがあるわけです。これ簡単にお答えいただけるんなら、何か答弁があれば答弁していただきたいんですが。

畠山襄資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(畠山襄君) ぜひ御理解賜りたいのは、これは法に反する措置であるどころか、法に基づいた措置でございまして、法律自体に、先ほど法制局からございましたように、通産大臣は、石油の需給事情その他の事情により、石油供給計画の実施に重大な支障が生じ、または生ずるおそれがあると認めるときは、石油輸入業者に対し、石油輸入計画を変更すべきことを勧告することができる。というふうに法律上書いてあるわけでございまして、そして今御指摘の法の精神は、石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図るためにということでございますので、それに違反していないと考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 いや、その論争はまた別にやりましょう。  それで、これはそういうふうになってくると、また裁判とかなんとかという、最近いっぱい起こっているでしょう、行政裁判が。そういうことになってくる。ちょっと私の意図はそれじゃないんで、もうそれはやめます。  実は私がきょう申し上げたいのは、要するに、そういうふうな対応をせざるを得ないというのは、やはり今現在石油業界が置かれている状況が、うまいこと言えば非常に厳しいから、通産としても業界秩序のことを考えていろいろ苦しい措置をとっておられると私は思っているわけです。そこで私はむしろこういうふうな、国民の感覚としては、原則自由なものを行政府が実際に輸入をさせない、抑えているというふうなことは、私は非常に政治不信を招くと思うんです。したがって、そういう事態はこれどういうふうにやるか、やり方も非常に難しいところありますけれども、国民にも、みんなに実態を知らせて、こうこうこういう状況だから当面石油は輸入できない、許可制にする、あるいは輸入禁止にするということをして、立法府に本来ならちゃんとそういう法的手続をして、堂々とやるのが本当じゃないかというふうに私は考えるわけです。  それで、そういうためには、ただ単に都合によってといっても国会だって納得しないから、やはり今の石油業界の再編成をやるんだ、二年なら二年でやるから、その間は余りよそから入ってくると混乱を起こすから、時限でその間だけは許可制にしたい、輸入制限したいというふうにやはり説明される必要がある。したがってその前に業界再編成の計画その他を強力につくってそれを進めるという前提がなきゃいかぬじゃないかと思うんですが、長官いかがでしょうね。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 今、行政指導によりまして石油製品の輸入を御遠慮願っているのは、単に石油業界のためということだけではなくて、その大前提に、法律の目的にもございますように、「国民生活の向上」という大きなねらいがございまして、国民生活のためになるかどうかというのが最終判断でございまして、その観点から今石油製品の輸入の自粛について協力をいただいているところであります。  構造改善についてある程度時間的めどを示して、それでうまく事を進めるべきじゃないかという御指摘でございますが、御案内のように三月末石油審議会開きまして、今度六十年代政策小委員会というようなものを設置していただきまして、そこでいわゆる国際化問題について議論していただくわけでございます。この国際化問題についてはいろいろ問題がございますので、問題点の解決をどうやって国民生活に一番影響ないようにするかということでございまして、その中でおのずからスケジュール的なものも議論されていくことだろうと思います。小委員会の結論にまちたい、そういうふうに考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 この業界の大変な状況というのは、これは今、先ほど来の同僚議員からもアルミニウム業界の話があったわけですよ。それから肥料だってそうですし、それから通産が今抱えておられる鉄鋼の問題だって、みんな各業界ともシビアなところに追い込まれてきているわけですね。それで石油業界も同じだと思うんですよ、そういう意味で。たまたま石油というのが、先ほどのようなこういう、何というのですか、行政指導の枠内にあって、それで、私なんかから率直に言えば非常に甘やかされているという感じがするわけですね。それでぬくぬくとこうやってこれたと。  しかしながら、もう限度に来ているんじゃないか。したがって、この際相当官民ともに決心をしてやらなきゃいかぬと。これはエネルギーが非常に重要だというふうな観点皆さんいつもおっしゃいますけれども、それならそれで今やっておかないと、あともう五年のうちに大変になるんじゃないかという気がするわけですよ。私は、これはもう五年以内にまた石油ショックが来るかもしれぬ というふうに思っているわけですね。そのときに、今の石油業界のああいう足腰の弱さでは、原油でも、ガソリンどころか、灯油製品どころか、原油だって満足に僕は確保できないと思うんですが、その辺はこれ答弁をお聞きしてもなんですけれども、一応それじゃお願いします。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 石油業界が積極的に構造改善を進めていくべきだという御指摘は、そのとおりだと思います。世界的に見ましても石油の需要が八〇年以降四年間ずっと減っておりますし、また石油の製品需要構成もずっと軽質化の方に需要が寄っておりますので、石油業界もそういう情勢に対応していかなきゃならぬ、あるいは石油に競合する石炭とかLNGとかどんどん出てまいります。そういう意味におきまして、石油業界がそういうものに対応して、自立的に対応できるような構造改善というものを進めるべきだというふうに我々も考えているところでございます。  そのために、もう既に日本の石油業界かつて六百万バレル近くありました精製設備も、百万バレルほど廃棄しまして、今五百万バレル弱になっておりますし、昨年来公取さんとも御相談しまして再編を進めてきたわけでございまして、御案内のように、十二の元売が今七グループでやっているわけでございまして、我々も石油業界の自助努力をできるだけ支援してまいりたい、そういうふうに考えております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 しつこいようですけれども繰り返しますと、今のような、いわゆる石油危機になりますと、これはもう腕力の競争なんですね。幸い日本は通産の努力によってドルが非常にありますから金はあるんですけれども、問題はやっぱり腕力の問題なんですね、取ってこなきゃいかぬわけですね。ところが、そういう状況になると、今の元売側の体質ではちょっと無理なんじゃないかという気がするわけですね。それで、やはり今足腰を鍛えて、八・六%か何かの自己資本比率じゃどうしようもないし、やっぱり相当な内部留保もして力を蓄えておかなきゃいかぬ。そのためには今のような不当競争やっていたんでは、いつまでたっても強くならない。このままいくとどんどんどんどん弱くなる一方ですよ、幾ら皆さんがやられても。私は今ちょっと、ほかでも言っているんですけれども、行政が業界をつぶしたまた一つの例がことにできてくるんじゃないかという心配しておるわけですよ。したがって、もうこの辺で思い切って業界を説得して、がんで、少し痛い思いをさしても手術台に乗っけるということがまず第一じゃないかと。  それで、私は日本の産業というのは一たんそういうふうに合理化すれば、これはもう皆さん経験があるように、繊維だってまたよみがえって世界的な輸出産業になっているでしょう。私は、日本というのはそこまでやればまた再び強くなると。これはまあ私の独断と偏見ですけれども、再編成さえやれば十年以内に日本はガソリンの輸出国になると思っているわけです。  例えば、日本の技術者の器用さからいけば、ロールスロイス用のエンジンはこのガソリンだ、ベンツ用はこれだと、そういう開発までやりますよ、必ず。今みたいな状況なら、私も技術者知っているんですが、全然もうがっかりして、白けちゃってどうしようもないんですよ。やっぱり経営の方がびしっとやって、業界がこうやって厳しくなれば、彼らはやればそれだけ能力があるんですよ。私はそう思っているんですが、その辺はどういうふうにお考えですか。

柴田益男資源エネルギ-庁長官

○政府委員(柴田益男君) 日本の石油業界は、構造改善等によりまして体質を改善して、十分世界的に競争し得る能力を持っている、そういうふうに我々も理解しております。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 ところが、きのう参考にいただきました六十年三月三十日の通産省の設備許可ですね、これによりますと、これは第二次精製設備らしいんですけれども、現在百二十四万バレルの能力があるのに、それのうち四万廃棄して十万増設する、差し引き六万ふえるわけですね。先ほど説明を聞きましたら、これの方は足らないからふやすんだというお話ですけれども、この設備自身が八〇%しか稼働してないわけですね。それで、これは一次の方は、先ほどおっしゃったように六百万が今五百万近くへ落っこちてきて、今後とも落としていくということでしょうね。私、その石油産業のそういう設備のなにというのはよくわかりませんけれども、常識的に考えても、例えば機屋を、織機をつぶしたとか、それから今高炉でもみんな閉鎖していますよね。業界の再編威をやるときというのはどんどん設備廃棄していくというのが本当じゃないかと。いろいろあると思うんですけれども、ちょっとこれを見る限り、真剣に石油業界がそういう構造改善に向かっているとは思えないんですよ。何かまだ、シェア競争じゃないけれども、許可を得て増設した方が得だという、何かタクシーの増車競争みたいな感じを受けるわけですよね。その辺は長官どうなんですかね。

畠山襄資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(畠山襄君) 御指摘のように、今提起されましたのは二次設備の許可の問題でございます。二次設備と申しますのは、原油の中からガソリンなり中軽質油を製造する装置でございまして、これから石油の需要が中軽質化が進んでいくということに対処しますには、やはりこの二次設備の量が我が国は不足をいたしております。  そこで、先ほどの御指摘の一次の設備とは違いまして、国際的に見ましても日本では約二〇%ぐらいしか二次設備がございません。それに対して外国では、ヨーロッパでは四割ぐらいあるという状況であるものですから、日本も石油設備を高度化していかなくちゃいけない、その構造を高度化していかなくちゃいけないということで、一次設備はさっき御指摘のようにどんどん廃棄をしてまいりますけれども、二次設備の方はふやしていくと、こういうことでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 今のお話でいみじくも本音を吐かれたと思いますけれども、あなたがたの頭の中には将来自由化するという気持ちは全然ないんですよね。それで私が初めから、この問題の発端はやはり自由化が本当だと。それで国民としては一円でも安いガソリン、一円でも安い燃料がいいわけですね。それは安定確保というのはありますけれども。しかしそういう発想が全然ない。したがって今のようなことをおっしゃるわけですね。  私は、やはりこういう設備で一番効率のいい設備を持っている、持っていて競争できるところですね、先ほどのように輸出能力を持つということ、結局国際競争力を持つというのがまず第一ですね。国際競争力を持っていたら多少のものが入ってきてもいいわけですよ。だから入ってくるものは入ってくる、出すものは出すというのが経済の本当のあり方でしょう。そうすると、やはり無理して今満杯つくっちゃって、だからもう中へ入れられないんだということでまだ必死になってやっている、十生後でも同じ姿だというのは私はやっぱりおかしいのじゃないか。したがって、足らぬものは輸入したらいいんだ、それで得意なものをつくっていくんだという最小限のものは必要でしょうけれども、そういう考え方の方が本当じゃないですかね。いかがでしょう。

畠山襄資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(畠山襄君) 国際競争力を持たせますためにも設備を高度化いたしまして、そしてこれからの石油製品需要の向かうところへ製造ができるような、そういう設備の構造にするということが必要でございますので、そういう措置をとっているわけでございます。

木本平八郎参議院の会

○木本平八郎君 いや、またこれは別の機会にちょっと部長と論争したいんですけれども、念のために申し上げますと、これだけの日本の技術力がありながら、石油産業だけがどうしてそういうふうにおくれているかというのが僕らもういらいらしているわけですよ。もっともっと彼らは力はある、やらせれば。それを何か変に、営業か何か管理部門ががちゃがちゃ言って、技術者を能力を発揮させないようにしているというのが私の印象なんですよ。だから、ここで皆さん方にもそれをやかましく言うのはそこなんですね。  それでもう余り時間がなくなってきたのでもう一つ。私、消費地精製主義というのもこれもやっ ぱり考え直さなきゃいけないところへ来たのじゃないかという気がするんです。それは先ほどのように何もかも日本でつくるということの時代ではなくなってきたのじゃないか。それでもっと窓口を広げてチャンピオンを多くして、腕力の強いやつをあれして、灯油を持ってくるやつ、それからLNG、LPG、どんどん強いのを鍛えていって、必死になってエネルギー確保をやらないと、この次の石油ショックというのには間に合わないのじゃないかという気がするわけですよ。だから元売が消費地精製主義でおれに任しておけと言われても、私は個人的にはちょっと心配でしようがないんですね。  それからもう一つ、これは私最近環境特別委員になったものですから、そこで通産にも今後いろいろありますけれども、例えばついこの間なにしたように、また繰り返しますけれども、ディーゼルエンジンが公害の排気の規制をクリアできないのなら、もう我々国民としてはあきらめて、少し燃費が高いし能率が悪いかもしれぬけれどもガソリンエンジンで間に合わそうじゃないか、それでもうそれがだめなら電気自動車を走らせようじゃないか、それで長距離の貨物は、ディーゼルトラックはなるほど効率はいいけれども、しようがないから、国鉄もああしてひいひい言っているんだから貨物は列車で、電気の機関車で運ぼうじゃないかということまでもう考えざるを得ないところへ来ていると思うんですよね。  したがって、これはまたなんですけれども、先ほどのようにアルミとかセメントとかこういうものも、何も消費地精製主義ということじゃなくて、空気をクリアにしておくという点からも見直さざるを得ないということがあるので、余りにも石油産業の方だけ考えて、いやおれのところは消費地精製主義だとこうおっしゃっても通らなくなってくるのじゃないかという気がするわけですよ、これはもうすべての重工業について。したがって私は、少しどうもかたくなにそういうことを考えておられるようなんで、少しその点フレキシブルに指導していただかないと、また十年後に誤るかもしれないという心配があるわけですね。  それで、これは最後に大臣に、この問題については、私は完全にフリーにされて、何年か後にやっぱり輸入の方もフリーになるというまでこの問題は追求したいと思うんですけれども、それで私はもうぜひ大臣が就任中にこの問題のきっかけをつくっていただきたいと思うんですよ。どこかでだれかが腹を決めて業界をやらないと、業界だって大変ですし、やっぱり手術は痛いですからみんなやりたがらないという点もあるんですがね。その点最後に大臣の御所見を伺って、私の質問を終わります。

村田敬次郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○国務大臣(村田敬次郎君) 木本委員の御意見よく承りました。また引き続いて何回も内閣に質問を提出されまして、それも閣議で全部私ども了解をしておりまして、木本委員の御主張の点はわかっておるわけでございます。  ただ、先ほど来資源エネルギー庁長官また石油部長からお答え申し上げておりますように、我が国の石油安定供給の政策といたしましては、消費地精製方式、連産品、そしてまた現在の石油業法の建前がございまして、したがって、過般起こったような事態はそういった石油安定供給の秩序から、消費者の立場から見ても非常に困難な事態を起こすと、こういう判断から大臣勧告を行いました。そして中長期的ビジョンにつきましては石油審議会の方に諮問をいたしまして、ひとつ今後いかなるあり方が自由開放体制そしてまた石油業界の将来にとっていいかということで検討をしてまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

降矢敬義自由民主党・自由国民会議

○委員長(降矢敬義君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時四十分散会

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