社会労働委員会 第11号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/04/03
会議録
○委員長(遠藤政夫君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二日、和田静夫君、糸久八重子君及び抜山映子君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君、村沢牧君及び藤井恒男君がそれぞれ選任されました。 ─────────────
○委員長(遠藤政夫君) 昨日に引き続き、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管、環境衛生金融公庫を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○対馬孝且君 きょうは老人保健法の問題並びに福祉灯油問題等を中心にいたしまして、時間が三十分ですから、ひとつ政府側もできるだけ簡潔明瞭に答えていただくように、私も質問をできるだけポイントに絞って申し上げたいと思います。 第一の問題は、まず七月を目途に検討を始めた老人保健制度についてお伺いをしたいと思います。九十六回国会におきまして、当時老人保健法で私も約三時間程度質問をいたしておりますが、あのときにかなり、やっぱり老人保健の有料化という問題には国民の相当な抵抗がございましたことは御承知のとおりであります。したがって、当時我々が申し上げたことは、やっぱり無料化が有料化になった場合にはこれが一つの突破口になるのではないかという懸念があって、そういうおそれがあって、随分委員会でも率直に申し上げました。その後、昨年は健康保健法の被用者負担の一割引き上げという問題が出てまいりまして、結果的には老人保健法の有料化が一つの引き金になって、実は給付率が下がっていったというふうに我々は考えているわけであります。したがって、今度老人保健医療の定率負担を導入するやに新聞報道では伝えられているのでありますが、まことにもう、老人保健法が施行されてまだ二年ちょっとにしかならないのに極めて遺憾な話だと、私は当時の委員会を顧みて実は憤りを感じているのでありますが、この点についてどういう改定案が考えられているのか、時間がありませんからこれもポイントで結構ですから御説明してもらいます。
○政府委員(水田努君) 先生御案内のとおり、老人保健法が参議院で可決される際に修正がつけられまして、附則の四条で拠出金は三年後には見直すということで、六十一年度がそれに当たっているわけでございますが、老人保健審議会においては、政府が改正案を固める前に、七月ぐらいまでに老人保健審議会として改正についての意見の提言をしたいということで、既に検討を開始しておられるわけでございまして、その老人保健審議会の検討項目は大きく言いまして五項目に分かれております。 その一つは、高齢化社会において老人保健制度の果たすべき役割というものをもう一回考えてみようではないかということが一つでございます。それから二番目は、制度の長期的な安定を期すために長期的な医療費の安定化のための方策は何であるかということ。それから三番目には、老人の心身の特性に見合ったヘルスサービスあるいは医療サービスのあり方をよく考えてみよう。それから四番目は、健康診査を中心としましたヘルス事業の効果的な推進のための方策についてもう一回考えてみよう。それから五番目は、老人医療費の費用負担の公平化のための方策ということについてもう一回考えてみよう。この五点にわたりまして幅広く検討をし、意見をまとめたい、こういうことで審議が現在行われております。
○対馬孝且君 今五点の問題についてということで、これ「社会保障」に内容がここに出ております。今老人保健部長が言ったのはこの問題だと思います。 問題は、やはり今出ましたけれども、五十八年の二月の制度創立以来二年を経過して、今も出ました老人保健事業、すなわちヘルス事業の面で十分な成果が見られない点があるというようなことも触れられていますし、また、マンパワーを初め十分な対応がなされないときに短期間で見直し作業を進めるスケジュールには大変我々としては危惧の念を持たざるを得ない。結果的にはまた第二段の言うならば老人保健法の改悪につながる、こういう危機感を実は持たざるを得ないわけであります。こういう危惧の念を持っているわけでありますが、問題は、この制度運営上にどういう問題が生じているのだということが一番問題であって、どういう問題というのが制度運営上の問題になっているのだ、これをそれではお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(水田努君) 先生御案内のとおり、老人保健制度をスタートするときに、いわゆる財政調整の機能を果たします加入者按分率につきまして、附則の五条で一つの歯どめ策が講ぜられたところでございます。その結果、本則では加入者按分率は五〇%と、医療費按分率、実績どおりにいくのと老人の加入率によって調整します加入者按分率五〇%五〇%の割合になっておるものが逐年低下をいたしておりまして、五十八年度には五〇%のものが四七・二%、五十九年度には四五・一%、六十年度には四四・七%と、いわゆる老人医療費の制度間の公平な負担という形で御承知のとおりの共同事業を開始したにもかかわらず、その目的が逆に減殺されているという傾向につきましては、やはり附則の四条にございますように明年度見直しをし、これを直していかなければならないと考えております。 なお、その機会に、先ほども申し上げましたように、やはり高齢化社会に向かってこの制度を長期的に安定させるための方策もあわせて老人保健審議会で現在御検討をいただき、必要な措置をとるように政府に向かって提言をするということでございまするので、私どもとしましては、この拠出金の改正のほかに、老人保健審議会からそういうその他の長期安定のための施策についての提言がありました場合には、それも踏まえて明年度の制度の改正を考えてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○対馬孝且君 審議会でそういう検討をされて、その時点で厚生省として検討していくというような意味のことを言っているわけですが、当時、法施行後三年を経過して見直しという規定を設けられたのは、私も質問いたしていますけれども、これは本来保険者間の負担方式を見直すという、こういうものが重点になってあの老人保健法が議決をしているわけです。我々反対でありましたけれども。だから、そういう経緯を、私も会議録を、私の質問の会議録ずっと見てみましたけれども、その点が重点なんですよ。力点なんですよ。ところが今回の場合は、制度の全面的見直しというようなことが出てきておるわけですね。これはやっぱり問題ではないか、当時のこの保健法の審議経過を通じて。十年前論議したわけではないんだから、二年前の話なんだから。しかも新聞報道を見ますと、これは病気を持ったお年寄りが大変大きな不安を持っているということは、もう新聞を見てごらんのとおりであります。かなり厳しい訴えが出ています。そういう意味では、まことに弱い者いじめではないかという指摘が今あるわけでございます。 そこで、厚生省にお伺いしたいことは、六十年度の老人医療費の負担制度に対する国庫負担、旧制度と現行の制度でいった場合にどういう水準になるかということをちょっと厚生省にお伺いします。
○政府委員(水田努君) お尋ねが国庫負担の新旧の比較でございますが六十年度予算につきましては、新制度では国の負担分二割相当と、それから各保険者の拠出金の中に、保険料のほかに国庫負担が含まれるということになっておりますので、これらを合計しますと一兆六千百五十億円でございます。 お尋ねのように、仮に旧制度が存続していると仮定して計算をいたしますと、国庫負担の総額は一兆七千百五十二億円となりまして、新旧の差は一千二億円と、約一千億円の減となっております。 しかしながら、六十年度の予算におきましては、五十九年度に比しまして国庫負担は千二百五十四億円の増となっているところでございます。
○対馬孝且君 これは、後の方は余計なことなんだよ。僕が聞いているのは、現行制度と旧制度でいくと、私も持っていますが、今言われたとおり一千二億。これは旧と新では一千億浮いているんでしょう。浮くことになるんでしょう、結果的には。だから、六十年度の予算の関係でなんて、そんなことは余計なことなんだよ。私が聞いているのは、新と旧の関係からいくならば、逆に一千億浮いているではないか。むしろ一千億余裕があるではないか、結果的には。そういう経過を踏まえていくならば、今改めてこういう問題の全面見直しということは、先ほど申しましたように筋が通らないのではないか、経過を踏まえた場合に。そのことを私は指摘しておるわけですよ。 この点については、どうも言っていることが、事業主と健康保険組合側の要求が、お年寄りいじめをしようというのではなくて、本来あるべき医療費の全体の肥大化が根本的に問題なんだと。そこで全面見直しということになったのでしょう。その点の意図ははっきりしているんじゃないですか、これ。私も随分細かく自分の質問要旨も同僚議員の質問要旨もずっと読み直してみましたけれども、二年前に私もやっておるから読み直してみたが、その点からいくと、全面見直しということは出てこないんだよ、これははっきり言って。今審議会で行われていることでありますけれども、それに対して政府としてはこれをどういう――もちろんこれは審議会の答申を待っているということであろうが、全面見直しという基本姿勢に立つということについては私は了解できないんだ、この審議経過を見ていくと。この点はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(水田努君) まず、一千億浮いているではないかという点について、若干お答えをさしていただきたいと思います。 健康保険組合と市町村の国保における老人の加入率、私どもの対象としております七十歳以上の加入率、健康保険組合の場合は二・九%、市町村国保の場合は一一・五%、約四倍の開きがあるわけでございまして、七十歳以上の老人は若人に対して医療費というのは五倍かかるわけでございまして、要するに、構造的に、健康保険組合は老人の加入割合が少ないことによって費用の負担が軽くなり、それが国保の方にすべていって、国保がこれを負担するということで、この費用負担のアンバラを国庫補助という形で補てんする姿がいいのかどうかということは問題があるところでございまして、これは、この一千億というのは共同事業を行って、その結果、いわゆる国保の拠出分が減ったことに伴い、その拠出金の保険料の中に算入されております国庫補助が減った結果でありまして、これはやはり費用負担の、本質的には保険料負担のアンバラを是正するということから出た結果であることについてひとつ御理解を願いたいと思います。 それから、次にお尋ねの制度の全面見直しをするのかどうかということでございますが、私ども、今の時点では、先ほども申し上げましたように、明年度の制度の改正は拠出金の見直しが本命でございます。これに伴って老人保健審議会からその他の所要の措置を講ずるように求められた場合には、それらのことについても、我々は制度の長期安定という観点から考慮して制度の改正を考えるべきではないかということで、その制度改正の規模については私どもはまだ白紙でございまして、老人保健審議会の答申を、御意見をいただいて対処していきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
○対馬孝且君 時間もありませんから、大臣に。今お答えがありましたけれども、私は、いやしくも六十一年度の予算要求で老人医療の負担が増大をして国庫負担が減額をする、これはやっぱり許されないと思うんだね。 私は、率直に申し上げたいことは、かつてイギリスのラスキという哲学者が、政治のよしあしを見るには多くを見る必要はないんだと。老いたる者を見て、あるいはどれだけ国が心温かい手を差し伸べているか、幼き者にどれだけの慈愛の手が差し伸べられているかという、立派なラスキの言葉がありますけれども、これでは全く老いたる者を切り捨て、幼き者も切り捨てていく。これは全く政府の罪悪であると私は言わざるを得ませんね。しかも二年前の質疑を通じて見直すと、私なりに考えてみますと、まさに今答弁がありましたけれども、これは制度間の見直しという中に、結果的には全面見直しにつながっていくのじゃないかという危惧の念を持たざるを得ません。 したがって、この点について大臣、最後のお答えでありますが、答弁を求めたいのは、今部長からありましたけれども、二年前の老人保健法の経過を踏まえ、基本的にはやっぱり老人医療の負担が増大をして国庫負担が減額をされる、そのために老人にしわ寄せになると、こういう対応の仕方は絶対にやるべきものではないと、こういう基本に立ってひとつ大臣の所見を最後にお伺いします。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように拠出金につきましては、算定方法につきまして三年後ということでございます。六十一年度にはその改正を予定しなければならないと思います。しかし、一面いよいよ高齢化社会も本格化するわけでございますので、制度実施後の実績を踏まえて幅広く検討を行い、この制度が将来安定して長期に支えられるような、そのようなことの検討を老人保健審議会でしていただいておるところでございまして、御指摘のような御趣旨、お年寄りに対しましての考え方は私も同感でございますので、その審議会の提言を待って善処いたしたいと思います。
○対馬孝且君 老人医療に対する認識は同じだという大臣のお答えですから、慎重にひとつ政府案を出す段階で、検討する段階で善処してもらいたい、このことを強く申し上げておきます。よろしゅうございますね。 それでは次の問題に、時間もありませんので。 かねて我が党としまして福祉灯油法案というのを五年にわたって提案をいたしてまいりました。我が国の現状を見ますと、今日、桜前線を見ましても、御案内のとおり沖縄ではもう二月、北海道は今ここに高橋厚生政務次官もおりますけれども、札幌では五月の上旬、釧路は五月の下旬であります。まさしくこの二千キロの弓型の状態の中にありまして、非常に日本の南と北とで気候の温度差というものがあることは事実でございます。そういう地域差があるということをお認めになりますか、ひとつお伺いをします。
○政府委員(正木馨君) 我が国は南北二千キロにわたっておるわけでありまして、その地域地域によりまして気象とか温度とか冬期間の長さにいろいろ違いがあるという実情にあることは私どもも十分承知をいたしております。
○対馬孝且君 正木社会局長、まさにこれは事実であります。二千キロの較差があることは事実で、桜前線一つ見ても二月と五月の末ですからね、北海道は。これはそのとおりだと思います。 私は、この機会になぜこれを申し上げるかといいますと、政府というのは大臣がかわっても私は経過を尊重すべきだと思うんです。それは私は、この機会に政府に明らかにしておきたいことは、五十六年四月二日、当時の今は亡き園田厚生大臣と北海道の高齢者の代表との会見が四月二日に行われました。このときに、ぜひ年金生活者、身体障害者、母子家庭に何とかひとつ善処をしてもらいたいという訴えがありましたときに、時の園田厚生大臣はことしは国際障害者年でもあるので身体障害者世帯、母子家庭をモデルケースとして、これは私メモを持っていますから、無料の灯油券をドラム缶で二百リッター、十二本ぐらいは何とか五十六年度の秋に実現をしたい、努力してみたい、こういう答えがあって代表団が非常に感謝をした経緯があります。ところがその後、外務大臣になってかわられたわけです。そのちょうど秋に行革旋風が吹きまして、この問題が一応慎重に検討させてもらいたいということで実は今日まで来ているわけであります。 そこで、時間もありませんから率直に申し上げるのでありますが、これは北海道の寒冷地に対する、そういう今私が申し上げましたような、大臣はかわっても時の大臣はそういう答えをして代表団に言明したことは事実であります。これ、はっきり私申し上げておきます。こういったときに冬の長い今日の日常経費ということについては二百リッター、十二本、二十三万円、これは標準でありまして、北海道というよりも国が定めた公務員、一級地、二級地、三級地、それから生活保護の甲乙丙の寒冷地、それから一級、二級、三級の生活保護世帯、これを全部寒冷地換算をして出したのが二百リッター、十二本。そしておおむね、もちろん価格変動がありますけれども二十三万円一冬かかる。これは石炭でいきますと大体三トンというのが当時の常識でございました。これは私も知っていますが、高橋厚生政務次官も北海道でございまして実情はよくおわかりだと思うのでありますけれども、そういう点から考えますと、やっぱりこういう認識というものは厚生省は私は変わりないと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(正木馨君) 北海道の気候条件から見まして、その他の地域に比べまして一般的に灯油代がかさむという状況にあることは私どもも十分認識をしておるつもりでございます。数字についてのお話があったわけでございますが、ちなみに昭和五十八年の総理府の家計調査によりますと、家計支出の中で光熱水費全体が北海道の場合全国平均に比べまして二割程度高いということが出ております。一世帯当たり光熱水費で年間二十万円弱という数字が出ております。中でも灯油が五割を占めておるというようなことで、やはり他の地域に比べましてそういった面での違いがあるという事実は私どもも承知をいたしております。
○対馬孝且君 今社会局長が全く実態をそのとおりお認めいただいておりますので、その上に立って実は次のことを申し上げたいと思います。 現実は北海道では町村によって違いがありますけれども、多いところでやっぱり一冬十万円、少ないところで三万円という市町村単位で実は灯油貸付金制度あるいは援助金制度というのをやっております。これはばらつきがあります。これは率直に申し上げます。そこで私は時間も迫っておりますから率直に申し上げるのでありますが、このたび増岡厚生大臣が昨年高齢者代表団とお会いしましたときに、非常に誠意ある増岡大臣の決断によりまして、この問題に対する研究会、社会福祉制度における地域的特性の問題に関する研究会というものが設けられました。これは非常に私は評価をいたします。正木社会局長と増岡大臣の研究会発足については評価をいたしたいと思います。そこで何とか研究会で学識経験者五名の方々が中心になりまして、それぞれ地域性というか、一つは地域における実態、特殊性というものをどういうふうに福祉との関係があるべきものなのかという、こういう地域の特殊性と福祉制度のあり方について研究をするという内容でございますので、これはそれなりに私は今申し上げましたように了といたしております。 そこで、この問題について率直に申し上げたいことは、できるだけひとつ該当者ですね、いわゆる母子家庭とか身体障害者の世帯とか、あるいは年金生活者という方々のこの研究会として十分ひとつ生の声を、意見を率直に聞いてもらいたい。同時にまた生活実態の把握をしてもらいたい、これが強い実は要求が私のところに来ておりまして、この点について時間もありませんからひとつ社会局長にお伺いをし、最後にひとつ大臣にできるだけ早い機会に研究会の結論を得ることはもちろんぜひやってもらいたい。できれば六十一年度、明年度予算を目指して検討してもらいたいという願望がございます。同時にまた、今言った二点の関係者の方々の意見聴取と実態把握というものをぜひひとつ行ってもらいたい、この点についてお伺いをいたします。
○政府委員(正木馨君) 最初に、この福祉灯油の問題は先生のおっしゃるような経緯があるわけでございますが、この問題は財政的な問題もさることながら、先生のお話にもありましたように地域特性に応じた施策というのを福祉の面でどう取り入れていくか、あるいは国と地方との関係をどう見るのか、なかなか難しい面を含んだ問題でございます。そういうことでなかなか役所だけじゃなくて地方自治とか財政とか地域福祉とか、それぞれの専門家による検討会を設けまして慎重に御検討を願っておるわけでございます。お話のございました関係者の意見をお聞きする、あるいはもちろん実情把握といったようなものについても役所としてもできるだけの努力をし、慎重な御審議の資としていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○対馬孝且君 今社会局長からございましたが、大臣ひとつ率直に、これは今も私申し上げましたけれども、この研究会の先生方が中心になって一つの結論を出されるわけでありますけれども、その際、今社会局長から答えがございましたが、関係者の御意見をぜひひとつ聞いていただくということと、それから実態的なやっぱり把握を、実情を調べてもらわないと、これは結論を出すにしても将来誤りのないよう、ぜひ願望を求めている方々にこたえてもらいたいということがあるわけでございまして、この点最後にひとつ大臣からお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(増岡博之君) 先ほど社会局長から御答弁申し上げましたように、研究会におきましては関係者の意見を聴取するなど実情の把握に努め検討を行っていただくようにいたしたいと考えております。ただ六十一年度の予算云々というお話がございましたけれども、やはり研究会では地域の特性の問題と福祉。一般の場合には地域の特性をこういうものに認めるわけにはいかないと思いますけれども、福祉であるからということで特別な扱いをするかどうかという御検討をいただくわけでございますので、年月を切るということは今ここではちょっと申し上げられないと思います。
○対馬孝且君 大臣から率直に関係者の事情聴取と実態把握調査をいたしますということですから、それは了といたします。したがって、希望の意見としてはできるだけひとつ六十一年度予算を目指してという希望をここで申し上げておきたい、こう思います。一応これをもって私の質問は終わります。以上です。
○村沢牧君 私は主として障害者対策について質問いたしますが、私の持ち時間も三十分しかありませんので、質問は簡潔にいたしますので、そのように対応していただきたいというように思います。 一九八一年国際障害者年以後の政策展開の総括と今後のスケジュール、重点施策について示してください。
○国務大臣(増岡博之君) 国際障害者年が五十六年でございました。そのときの「完全参加と平等」という理念が広く国民に定着する契機となったことは大きな成果があったと考えております。したがって政府といたしましても障害者の日を十二月九日に策定をする、あるいはまた五十七年三月に障害者対策に関する長期計画をつくりまして、それを踏まえまして障害者対策推進本部を総理府に設置いたしました。厚生大臣が副本部長ということで総理大臣が本部長、また副本部長には官房長官も加わっておるわけでございます。そのようなことから関係省庁の緊密な連絡のもとに総合的な推進を図ってきたところでございます。 厚生省としましては、特に障害者が社会参加していただけるような対策を中心に着実な推進に努めてまいったところでございますが、特に前国会においては障害者の福祉の理念に関する規定の整備あるいはまた障害者の範囲拡大等を内容とする法改正を行っていただいたところでございます。また、今国会におきましては国民年金法等の一部改正を御審議いただいておりますけれども、この中でも障害基礎年金や特別障害者手当の創設を含む障害者のニーズに即した施策の充実に努めておるところでございます。 先ほど申しました長期計画のフォローアップの問題につきましては総理府等と協議しながら、政府全体の対策として対処してまいる考えでございます。
○村沢牧君 障害者年が発足して五年目を迎えたわけでありますが、今までの政策展開を総括してさらにまた今後この長期計画を十年間に達成できる、そういう自信をお持ちなんですか。
○政府委員(正木馨君) 障害者対策に関する、大臣から御答弁がありました長期計画は五十七年三月に設定されまして十年計画ということになっております。先生御案内のように啓発広報活動、保健医療、教育・育成、雇用・就業それから福祉・生活環境、大きな柱で五つの項目になっておるわけでございますが、大臣からもお話がありましたように着実な進展を遂げております。私どもとしてはそういう基本計画にのっとった前進というものを図っていかなければならないという考え方を基本的に持っておるわけでございます。
○村沢牧君 局長から答弁があったわけでありますが、大臣に重ねて決意を聞きたいわけです。財政状況が厳しいことは承知をしているけれども、この長期計画は政府の責任において具体化をし達成しなければならない。大臣から今話があったように、十年間のうちにこの計画を達成すると、その決意をひとつお聞きしたい。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように財政は大変苦しいわけでありますけれども、その中でも福祉の問題につきましては後退はもちろんあってはなりませんし、着実な前進を遂げなければならないと思いますので、御指摘のような趣旨で対処してまいります。
○村沢牧君 政府が障害者対策に関する長期計画に基づいて積極的に今後取り組まなければならない課題はたくさんあるけれども、時間の関係上私は雇用問題について若干伺っていきたいというふうに思います。 福祉、自立あるいは社会参加だといっても究極は何といっても就職であります。働いて自分の生活ができるというのが真の福祉であり自立であるというふうに私は思っているのです。よって政府は、また全企業は身障者の雇用促進に真剣に取り組まなくてはならない。法定雇用率は最低の数字である。したがって単に法定雇用率を達成すればいい、そういうことではなくて、適用職場の開発、あるいは訓練体制を強化して身障者の受け入れをふやすように努力していくことが必要でありますけれども、まず厚生大臣の見解をお聞きしたい。
○国務大臣(増岡博之君) 御指摘のように社会参加と言います以上は、やはり就労の促進を図ること、働くということが大変重要だと思います。そのために厚生省といたしましては障害の態様に応じた訓練施策を充実するとともに、いろいろな職種に参加できるような拡大策も図らなければ障害者の就労の機会を増大することは困難であろうと思いますから、このような観点から労働省にも協力をお願いしているところでございます。 しかし、その前に障害者の基礎的な能力の訓練といいますか、生活を自分でしていくための厚生施設や一般企業に――生活と申しましたのは日常生活のことでございます。一般企業に雇用されることが困難な障害者の方もおありになるだろうと思いますから、そういう方々の授産施設も整備充実してまいる所存でございます。この点につきましては政府部内、関係各省にも御協力をお願い申し上げたいと思います。
○村沢牧君 次は労働省に聞くが、五十九年度身障者雇用状況によると民間企業の雇用率の未達成企業が四六・四%もある。また、企業規模の小さいところで実雇用率がよくて、企業規模の大きいところで実雇用率が低い。さらに国、地方公共団体における機関区分別雇用状況を見ると、一部の機関では前年度に比べて実雇用率が伸びているけれども、それ以外の機関においては前年度の実雇用率を下回っている。労働省はこの現状をどのように考え、またいかなる対策を講じていこうとされるんですか。
○政府委員(野見山眞之君) 今御指摘のありました障害者雇用率の状況でございますが、全体的には改善の傾向にございまして、昨年は一・二五%で一昨年に比べまして〇・〇二ポイントの増ということになっておりますし、これを規模別に見ますと、御指摘のように規模の大きいところほど実雇用率の水準が低いという実情は御指摘のとおりでございまして、例えば千人以上の規模の企業における雇用状況が一・一四%ということでございます。ただ、大企業における改善は全体に比べて改善が顕著であるということは事実でございます。 それから、国及び地方公共団体につきましても、非現業機関が一・八九%、現業機関が一・九%ということで、いずれも前年と同率の状況にあるということで、改善が必ずしも進んでないということは御指摘のとおりでございます。ただ、これらの国、地方公共団体の改善につきましては、最近いわゆる定年等で退職をされる方がふえてきている時期に当たっていることがございまして、このような中で障害者が退職をされていく状況。それともう一つは、最近における採用の抑制傾向の中で障害者の採用が必ずしも思うように任せないという状況も原因ではなかろうかというふうに推測いたしております。
○村沢牧君 障害者が定年退職をしたならば、それはやっぱり埋め合わせをしていくという指導があってしかるべきでしょう。そのようなことがなくてはいけないと思いますが、どういう指導をしているんですか。
○政府委員(野見山眞之君) ただいま御指摘のような状況にかんがみまして、国等の機関におきましては、各省の人事担当課長会議あるいは労働省の担当局長から関係省庁等に対しまして、身体障害職員の退職傾向にかんがみ計画的に身体障害者を採用できるように十分準備をしていただきたいということで要請等もいたしている状況でございます。
○村沢牧君 厚生大臣に伺いますが、五十九年度の労働省の調査で目立っているのは特殊法人の雇用率が下がっているということなんです。特殊法人は国に関係する機関であり率先して雇用率を高めなければならない存在であるけれども、このような実態に対して厚生大臣としてはどのようにお感じになりますか。
○国務大臣(増岡博之君) 私その数字を持ち合わせておりませんけれども、みずから範を垂れるべき団体がそのようなことではまことに遺憾なことだと思います。
○村沢牧君 各省庁の所管する特殊法人について、今私が申しましたような雇用率が下がっているところがある。私の調査によれば特殊法人の約四分の一、十六の法人が下がったり、あるいは雇用率に達しておらない。私は時間の関係上、私の調査によって特に悪いと思われる省庁、三つの省庁が来ていますから、以下、科学技術庁からまずひとつ説明してください。また、どういう対応をしているのか。
○説明員(吉村晴光君) 科学技術庁の特殊法人は昨年の六月の調査時点でございますが、七機関ございまして、その当時、御指摘のとおり三つの法人で雇用率を達成していないということがございました。 その後欠員の補充に当たりまして身体障害者の方の採用を積極的に考慮するように指導をいたしまして、現在の状態では宇宙開発事業団が既に法定雇用率を達成をいたしておりまして、まだ若干理化学研究所、動力炉・核燃料開発事業団というのが一名ずつ不足をしておるという状況でございます。 今後ともこういう法人が所轄の公共職業安定所の主宰するいわゆる雇用促進会といったところに積極的に参加するなどをいたしまして、身体障害者の方の受け入れ可能な職種についてはできるだけ雇用をしていくというふうに指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○村沢牧君 科学技術庁、雇用率が下がっている特殊法人の名前を挙げてもらいたい。あるいは前年より低下した名前を挙げてもらいたいとともに、中央諸官庁はこの法定雇用率を達成している。科学技術庁自身が達していないじゃないですか。これはどういうことですか。
○説明員(吉村晴光君) 御指摘のとおり、昨年の六月一日時点で三名の不足ということになっておることでございます。その後私どもといたしましては新規採用でこれを埋めたいということで三名の採用を内定をした次第でございますけれども、その中の二名からはいろんな事情で採用辞退の申し入れというものがございましたので私どもといたしましては今後早急にいろんな手を考えまして、採用に向けて努力をしたいというふうに考えております。
○村沢牧君 名前を挙げてください。達成してない特殊法人の名前。
○説明員(吉村晴光君) 特殊法人につきましては、先ほど申し上げましたが、昨年の六月一日時点での調査では理化学研究所が四名不足、動力炉・核燃料開発事業団が四名不足、宇宙開発事業団が一名不足でございました。その後努力をいたしまして、現時点において達成しておりませんのは理化学研究所が一名不足、動力炉・核燃料開発事業団が一名不足という状況でございます。
○村沢牧君 各中央省庁は努力して達成しているのですよ。ですから、採用しようとしても本人が嫌だと言えばいたし方がないかもしれないけれども、まず本省が努力をしなければいけませんね。六十年から六十一年にかけて必ずやってくれますね。お約束できますね。
○説明員(吉村晴光君) 私どもといたしましてはできるだけ努力をしたいということで、本年の四月の新規採用に当たりましても三名の採用を内定したわけでございますけれども、いろんな事情で二名御辞退になったということがございます。前向きに採用するということは当然だと思っておりますので、今後ともこういういろんな機会を使いまして努力をいたしたいというふうに思っております。
○村沢牧君 運輸省どうですか。
○説明員(大金瑞穂君) お答え申し上げます。 私ども運輸省が所管しております特殊法人で法定雇用率を達成していないものが四法人ございます。この四法人は船舶整備公団、新東京国際空港公団、国際観光振興会、帝都高速度交通営団、この四法人でございます。 これらの特殊法人につきましても従来から障害者の採用に努力はしてきたわけでございますけれども、やはり前年度からただいままでにかけましてかなりの退職者が出ておりまして、その後任と申しますか、新規採用につきましても、先ほどお話ございました身障者雇用促進会へ積極的に参加するとか、あるいは職業安定所を通じての雇い入れ促進を図る、あるいは学校法人にもいろいろ働きかけをして御推薦願うというような努力をいたしておりますけれども、今までのところどうも就職を希望される方が十分見つからないという状況がございまして現在の段階ではまだ達成しておらないところでございます。私どもといたしましても従来から行っているところではございますが、これら特殊法人に対しまして障害者の求人活動を一層積極的に行うよう指導をしてまいりましたし今後もさらにこの指導を強めてまいりたいと、かように考えております。
○村沢牧君 建設省どうですか。
○説明員(田村嘉朗君) お答えいたします。 建設省所管の特殊法人は六つあるわけでございますが、身体障害者の雇用につきましては、五十九年六月に報告をいたしました時点では、雇用義務数におきまして二法人、日本道路公団と首都高速道路公団におきまして合わせて三名の不足があったわけでございますが、その後五十九年の十一月に重度障害者一名、それから十二月に障害者四名の採用を行いまして、現時点では建設省所管法人すべてが雇用義務数は達成したところでございます。しかし、なお身体障害者の雇用促進につきまして今後とも公庫、公団に対しまして努力するように指導してまいりたいと思っております。
○村沢牧君 建設省は努力して達成したということを聞いて私も評価しますが、大臣、お聞きのとおりですね、まだ政府が関係をする特殊法人でも達成しておらないんです。これは労働省の所管だなんて言っておらずに厚生大臣としても督促をしてもらって達成するようにしてもらいたい。 そこで、厚生省にはこんな特殊法人はありませんね。
○政府委員(正木馨君) 厚生省は達成しております。
○村沢牧君 労働省に聞くけれども、厚生省の昨年の調査では厚生省にもこんなところがあったのですが、どういうふうに見ていますか。
○政府委員(野見山眞之君) 昨年の六月時点の調査では、私どもとしては一法人あるように把握しておりますけれども、その後の状況についてはまだ把握しておりませんので、達成されたのかもしれませんが、そこはまだ把握しておりません。
○村沢牧君 私も調査したのですよ。そうすると、労働省が言われたように厚生省だって一法人達成していない、その現実があったのですよ。達成したのですか、これ。
○政府委員(正木馨君) 厚生省の関係の特殊法人は数多いわけでございます。私ども達成しておるというふうに承知をしておりますが、さらに精査をいたしたいと思います。
○村沢牧君 私が調査した資料ではそういうことになっていますから、そんなことがあっちゃいけませんね。厚生省が達してないなんて、大臣、恥ずかしいじゃないですか。一応きょうはこれで答弁は求めませんけれども、しっかり後から調査してください。
○政府委員(野見山眞君) 答えでちょっと不足なところがございましたので……
○村沢牧君 時間がないから後で聞きます。 次は、国鉄の運賃割引についてでありますが、国鉄の分割民営化については私は反対するものでありますが、国鉄の財政が厳しいからといって、あるいは経営形態が今後どうなるからといって身障者の運賃割引について制度を後退させてはならない、私はそのことを指摘をするのですが、厚生大臣はどういうふうに考えますか。
○国務大臣(増岡博之君) 国鉄が非常に厳しい状況でありますことは御承知のとおりでございます。したがいまして、制度を前進させるということは今の時点でなかなか難しいかもしれませんけれども、少なくとも後退することはないように配慮いたしたいと思います。
○村沢牧君 そこで、この運賃割引について内部障害者も旅客運賃割引の対象にすべきだと、私はこういう見解に基づいて昭和五十五年七月、内閣に質問主意書を提出した。その後五十六年三月、国際障害者年の発足した年でありますけれども、参議院予算委員会の集中審議の中においてもこのことを指摘をいたしました。その際、政府は国鉄運賃の公共負担のあり方について関係省庁で検討を進めているので、その中でこの問題についても検討しており、結論を得次第所要の措置を講じたい、こういう答弁であったわけですけれども、その結論はどういうことになったのですか。
○説明員(平野直樹君) お答えいたします。 国鉄の財政状況につきましては、ただいま厚生大臣からお答えがございましたように、年々危機的な状況を深めておりまして、運賃上のいわゆる公共負担問題につきましては、国鉄の負担におきましてこれを拡大するのが困難な状況でございます。 今、先生御指摘の内部疾患の問題その他各般の問題につきまして御要望が非常に強いということはよく承知をしておりますけれども、ただいま申し上げましたような状況のもとに、先生の質問主意書その他の点も踏まえまして各省間におきまして検討を続けてきたわけでございますが、この問題は非常に難しい問題をはらんでおりまして、私どもは鋭意検討しているわけでございますが、遺憾ながら現在までのところ解決が見られておりません。私どもといたしましては今後とも鋭意努力いたしまして早急に結論を出すように努力してまいりたいと、このように考えておる所存でございます。
○村沢牧君 早急に結論を出すということは、いい方向に出してもらうというふうに私は理解をしておくんですけれども。この内部障害者が心身障害者の範囲に加えられたのは、私の知っている限りでは四十二年の法改正のときから加えた。既にそのときからやっていかなきゃいけない問題なんですよ。今財政が厳しくなったからできないということじゃなくて、その当時からやっていかなきゃいけない。したがって、この内部障害者をこの運賃割引の優遇措置から除外をされるということは、このことは大臣、身障者福祉行政ないし施策に公平を欠くものである。法のもとに平等である、あるいは行政施策の公平、これにもとるものである、このように私は思うんですが、大臣の見解はどうでしょうか。
○政府委員(正木馨君) 心身障害者対策基本法五条で「国民は、社会連帯の理念に基づき、心身障害者の福祉の増進に協力するよう努めなければならない。」、また二十三条では国鉄の心身障害者等に対する配慮の規定を設けておるわけでございます。そういったことで、内部障害者につきましてもこの趣旨を踏まえまして関係方面の御理解を得たいということでお願いをしておるわけでございますが、先ほど来お話のありましたように、国鉄財政再建の問題もありましていろいろ検討を続けておりますが、私どもとしてもそういった基本的な考え方に立って解決の方途が見出されることを強く念願しておるわけでございます。
○村沢牧君 私は国鉄財政の中だけで全部負担しろなんということを言っているわけじゃない。いろいろ政府全体の立場で、法のもとに平等である、施策の公平のために厚生省も積極的に取り組まれなければならない、そのことを指摘をしているんですから、今運輸省からも答弁があったわけでありますけれども、大臣、こういう不公平がありますから大臣もひとつ真剣に検討してもらいたい。そうして、国鉄の経営形態がどうなろうともその前に結論を出してもらいたい。強く要請しておきますが、大臣どうでしょうか。
○国務大臣(増岡博之君) この公共負担の問題につきましては、国鉄公共負担軽減対策検討会議を設けまして協議を重ねておるわけでございます。このこととも絡むと思うわけでございますけれども、先生のお気持ちは私にもよくわかりますので、関係者とよく今後協議をしてまいりたいと思います。
○村沢牧君 時間がありませんからあと一問だけ質問します。 次は社会福祉法人の許認可事務ですけれども、社会福祉法人の設立、廃止、定款変更、財産処分、一切の許認可権は厚生大臣が持っている。そのために関係書類が山積みになって、一件の処理についても数カ月を要する。大変関係者に迷惑をかけているんですね。したがって、私はさきの予算委員会の総括でも地方行革について質問したのですけれども、その際、政府も権限委譲については積極的に考えていくというような話があったのですが、この社会福祉法人の設立、運営等に関する許認可権などは率先してこれは知事に権限は委譲すべきものである、このように指摘をするのですが、これについてはどうか。 もう一つこれに関連して、社会福祉・医療事業団の貸し付け事務が、せっかくこの機関が統合したけれども内容においては旧態依然たるものである、極めて複雑になっている。あるいは内容を私が調査したら書類が膨大である、あるいは記載内容も複雑だ。これまた地域に迷惑をかけておるのです。金を貸してやる制度でありますから書類は複雑にしなければならないという趣旨もあろうというふうに思うんですが、これは市中金融機関よりももっと複雑なんです。もっとこんなことは簡素化して、地方自治体だって債務保証なんかしているんですから信頼していいのじゃないですか。これについては改善を強く要請しておくのですが、以上二点について答弁してください。
○政府委員(正木馨君) 第一点の社会福祉法人の認可権限の問題でございますが、五十八年三月の臨調答申においても指摘されておる事項でございます。厚生省といたしましては、社会福祉事業に関する国と地方の間の役割分担はいかにあるべきかといった問題、さらにはこの社会福祉法人の認可につきましては、事業の内容と範囲の基準をどう明確化するかといったこととあわせまして、御指摘の趣旨に沿いまして検討を進めてまいりたいというふうに思っております。 それから、社会福祉・医療事業団の貸し付けについての手続面についての御指摘でございますが、やはり社会福祉・医療事業団の貸し付けと融資というものは安全確実でなければならないという要請がもちろんあるわけでございますが、そういった点を配慮しつつ、手続面についてはできるだけ簡素化を図るべきだ、これも御指摘のとおりだと思います。そういうことで、借り入れ申し込み手続のうち、保証人、担保の提供等の問題も含めまして、事務手続の簡素化につきまして事業団の方にもよく指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○村沢牧君 社会福祉法人の権限委譲の問題については政府全体に関する問題であるというふうに思いますが、いつをめどとしてやるのですか。六十年度で権限委譲をしようとするんですか、もっと向こうになるんですか。その辺の見解どうなんですか。
○政府委員(正木馨君) 社会福祉法人の認可権限の時期的な問題はまだそこまで行っておりませんが、先ほど申しましたように、社会福祉法人でありましても県単位、一県の中でやっておられる社会福祉法人もあります。県をまたがっているものもありますし、それから事業の性格もいろいろ違いがありますので、その辺の事業と範囲についての基準をどうするかといったことをあわせて検討をしていきたい。現在行革審におきましても機関委任事務についての検討がなされておりますので、私どもとしてはこの点につきましてできるだけ前向きに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○村沢牧君 時間になりましたから終わります。
○委員長(遠藤政夫君) 以上で厚生省所管及び環境衛生金融公庫に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(遠藤政夫君) 昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、労働省所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○高杉廸忠君 私は、労働関係の委嘱審査に際して、第一に労働省関係の予算について、第二に労働保険事務組合並びにその報奨金について、第三に労働行政の態勢と労働災害についてただし、以下順を追って質問をいたしたいと存じます。 まず労働大臣に伺います。大臣は所信において六十年度の重点施策を挙げ、積極的かつ効率的な労働行政を推し進めると述べられましたが、その裏づけであります予算、具体的にどのようになっているのか、まず伺います。
○国務大臣(山口敏夫君) 先生も御承知いただいておりますように、大変厳しい財政事情でございまして、これは労働省及び労働諸課題の諸政策推進という上におきましても例外でないという状況でございまして、大変難しい予算の編成でもございましたが、やはり勤労者の職業生活の安定、またその生活の向上を図るべく、できるだけきめ細かく、かつ効率的に労働施策の実現を進めていかなければならない、こういう基本的な考え方の上で六十年度予算の編成に当たらしていただいた次第でございます。 その結果といたしまして、具体的には、一つに本格的な高齢化社会の到来に対応した六十歳定年の一般化のための定年延長指導、六十歳代前半層の雇用就業対策として約九百五十七億円、これは前年度比百二十九億円の増でございます。 また、二つ目といたしまして、MEを中心とした技術革新に対応した労働対策として約八億円、これは前年度比四億円の増でございます。 三として、経済社会の変化に対応した能力開発対策として約七百五十五億円、対前年度比二十六億円の増でございます。 四番目といたしまして、変動する国際社会に即応する労働外交として約四十五億円、対前年度比六億円の増でございます。 以上、四つの柱を中心といたしまして六十年度の重点施策という予算を組んだ次第でございます。
○高杉廸忠君 予算の裏づけの御説明がありましたが、労働省の独自財源たる一般会計予算は年々減少しているわけですね。それで全体の予算に占める割合、これはわずか一一%にすぎないんです。そのほとんどが労働保険特別会計に依存している現状である、こういうふうに思うんです。その内訳を具体的に示していただきたいと存じます。どうでしょう。
○政府委員(若林之矩君) 労働省の関係予算は、一般会計、特別会計の純計ベースの総額が四兆一千五百三億でございまして、そのうち一般会計は四千八百九十二億となっております。 〔委員長退席、理事佐々木満君着席〕したがいまして、先生御指摘のとおり一般会計は労働省純計ベース全体の一一・八%になっております。 この一般会計予算の主な内訳でございますが、雇用保険国庫負担金が二千九百三十一億円、失業対策諸事業のために五百二十七億円、就職促進手当等の職業転換対策事業費が二百十三億円、それから政府職員の人件費、これが一千十九億円というようになっております。
○高杉廸忠君 大臣、今御説明いただいたように、このわずかな一般会計予算で果たしてあなたが言われるような積極的かつ効率的な施策が行えると考えますか。どうでしょう。
○国務大臣(山口敏夫君) 今、会計課長からも御説明申し上げましたように、一般会計四千八百九十二億円、特別会計三兆六千四百三十二億円、石炭関連が百七十九億円、こういうことで、一般会計の予算にいたしましても他省庁に比べまして決して大きな予算ではございません。まさに労働省が担当すべき諸施策というものからいたしますと、もっともっと予算を要求しこれを確保したい、こういう気持ちは当然ございますけれども、しかし私どもは、少ないといえば少ないわけでありますが、また、やはり五千億近いあるいは一般会計予算もございます。就任に当たりましては、労働省の幹部諸兄に対しましても、この限られた予算の中でひとつ最大限の行政サービスを行うべく誠心誠意努力をすべきである。こういう基本的なまず姿勢を私は要請したわけでございます。そうした中で失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発、労働災害の防止等、そういう諸事業を同時に具体的に一つ一つこれを進めていく、こういう立場の中で積極的なひとつ労働行政を推進をしていくべきである、こういうことを考えているわけでございます。しかし、いずれにいたしましてもいろいろ労働問題が大変国民生活の安定、または社会的転機における一つの大きな諸政策の中心になってきておるということは高杉先生等、皆さん方からも国会でお取り上げをいただいておるわけでございまして、そういう世論あるいは御提案を背景として今後とも鋭意予算の確保と労働行政の推進拡大のために微力をささげたい、かように考えておるところでございます。
○高杉廸忠君 さらに伺いますけれども、職員の人件費以外の事務費についても、そのほとんどが労働保険特別会計の負担になっているわけなんですね。そこで、ここで明らかにしていただきたいのは、その予算費目はどのようになっているのか明らかにしていただきたいと思うんです。
○政府委員(若林之矩君) 労働保険特別会計の事務費の中で、職員の人件費以外の事務費でございますが、やはり何と申しましても予算費目の中では職員旅費とか庁費、これが中心でございます。職員旅費につきましては約二十三億円、それから庁費につきましては約百七十八億円計上されているわけでございます。
○高杉廸忠君 御承知のとおりに、さきの国会の雇用保険法の審議の際にも問題となりましたが、本来一般会計で負担をすべき労働省職員の人件費のうちに約一万人以上の職員の経費が労働保険特別会計の負担とされています。その実態が現在どのようになっているのか、さらに伺います。
○政府委員(若林之矩君) 労働保険特別会計の事務を執行する職員の人件費でございますが、労働保険料の徴収の事務、それから労災保険の給付事務、それから労働災害防止事務、それから雇用関係では失業給付金の支給事務、それから各種給付金の支給事務等に従事する職員の人件費は労働保険特別会計において支弁すべきものでございまして、その合計はただいま先生おっしゃいましたように一万四百四人、金額にいたしまして約六百二十八億円でございます。
○高杉廸忠君 大臣ね、今までお聞きのように、実態としては六十年度予算というのは今お答えがあったとおりなんですね。雇用保険や労災保険の各給付及び事業に相当の影響を与えているのではないか、こういうふうに考えるんです。そこで、この辺でひとつ労働省予算の一般会計、特別会計のあり方等について全面的に見直しをして積極的に改善を行うべきではないか、こういうふうに思うんです。大臣の所見を伺います。
○国務大臣(山口敏夫君) 先生御心配いただいておりますように、一般会計及び特別会計の有機的な運用によって労働行政の施策の充実を図る、これが一つの基本的な考え方でございまして、トータルとしては一般会計の予算の確保に努力するということが基本的に必要なことであろうと思います。しかし、同時に労働保険特別会計の人件費、業務取り扱い費というものは保険料の徴収、保険給付、失業給付や労働災害防止等労働保険制度のもとでの諸事業の実施のための経費を支弁するものでございますし、またこの経費が積立金の運用収入等によって賄う、あるいは保険料収入に対して一定の限度を設けてこれを進めていると、こういうところでもございまして、雇用保険が一般会計の不足分を食われている、こういう御心配、御指摘もございますが、我々としては雇用保険は雇用保険の一つの制度の適正な運用、そして一般会計予算の確保は確保としてひとつ諸施策を進めていく大きな予算計上を図っていくと、こういう両面立ての中で今いろいろ取り上げていかなきゃならない労働諸課題の問題を一つ一つ改善すべく努力していきたいと、かように考えておるところでございます。
○高杉廸忠君 次に、労働保険事務組合並びに報奨金について伺いますが、まず労働保険事務組合制度がつくられた目的とその業務内容をこの際明らかにしていただきたいと存じます。それからまた、事務組合の数、事務組合に支払われる報奨金、手数料の総額、これはどのぐらいになっているのか。さらに報奨金の使途、内容、どのようなものがあるのか。この三点についてまず伺います。
○政府委員(小粥義朗君) 労働保険は従来五人以上について当然適用とし、五人未満は任意適用としていたわけでございますが、四十年代からこれを五人未満を含めまして全体を当然適用という建前をとったわけでございます。しかしながら、労働保険については企業がこれに加入するとなりますと、保険加入の手続あるいは保険料の申告あるいは納付さらに被保険者に関するいろんな届け出をしなきゃならないといった事務負担が企業に相当の負担になるといった面がございますし、一方で行政サイドから保険料の徴収をするにしても、零細企業の場合にその存亡が極めて大企業等に比べますと多いといったことでその把握が極めて難しいといったような事情もございます。そうした面から、いわゆる労働保険の適用、加入のための事務を効率的に推進するということでもって全面適用の実を上げていく、そのためのものとして労働保険事務組合というものをつくったわけでございます。業務内容としては今申し上げたとおりで、保険加入の手続あるいは保険料の申告、納付あるいは被保険者に関するもろもろの手続といったことが中心でございます。現在労働保険事務組合の数は五十九年三月末現在で約一万三千組合ございます。これらの事務組合に交付されました報奨金の交付額は約七十九億一千二百万円でございます。その報奨金をもらいました各事務組合がどのようにそれを使っているかということでございますが、先生御承知のように、事務組合の場合は、いわゆる保険関係の事務それだけを行う事務組合もございますけれども、多くは協同組合等の事業主団体と一体となってやっているケースが多うございます。したがって、母体団体の経理に組み入れるというのが最も多くて、次いで労働保険事務組合の経理に組み入れるといった形で報奨金が使用されているわけでございます。
○高杉廸忠君 さらに伺いますけれども、六十年度において報奨金の算定基準、これを変更すると言われておりますけれども、現行制度をどのように変えるのか、その内容と理由を明らかにしていただきたい。 それから二つ目として、報奨金の算定基準については過去において何回か変更されていると思うんですね、その経緯、特に理由を具体的にひとつ説明していただきたい、このように思うんです。
○政府委員(小粥義朗君) 六十年度に事務組合に対します報奨金の算定基準を変更をすることといたしておりますが、まずその変更の理由でございますけれども、過去の趨勢を見てまいりますと、報奨金の交付額が委託事業所数あるいは徴収事務費の伸びに比べて非常に高い数字になっておりまして、現在では徴収事務費の予算の約三分の一にも達するというようなことになっておりますので、こうしたいわゆる報奨金が法律上当分の間奨励的なものとしてつくられた趣旨から見ますと、賃金の伸びあるいは徴収事務費の伸びに比べて異常に高いというところに一つの問題があったということでございます。 それから制度の趣旨が中小零細企業に対する労働保険の適用加入を促進するということであるわけでございますが、十五人以下の零細企業になりますと、なかなか努力はいたしましても思うように進まないというところで、その小零細企業の加入促進をさらに積極的に進めるための効率的な仕組みというものをこの報奨金の算定基準に導入したい。 それから、従来から各労働保険事務組合から現行の算定基準につきましていろんな要望をいただいております。例えば納期の問題であるとか、あるいは十五人というところへ一つの線を引いておりますけれども、たまたま企業は年によっては十六人になったり十四人になったり変動もあるので、その辺の扱いをもっと実際にやらしていただきたいというような要望もいただいております。そうした従来からいただいております事務組合の要望を取り入れるといったようなことで算定基準の変更をいたしたいと思っているわけでございます。 次に、変更の内容でございますが、第一点は報奨金の定額部分について算定の基礎となる事業の範囲を従来は五人以下ということでしたが、これを十五人以下事業にまで拡大すると同時に単価を引き上げるということでございます。それから第二点が、委託事業の規模が十六人以上となった場合にも、その後三年間は報奨金の算定の基礎に含めるという点でございます。それから第三点が、口座振り込み制を採用している事務組合については報奨金の算定基準日を一週間おくらせること。第四点が、これに見合う財源を確保する等のために定率部分の算定率を百分の四・六から百分の四・〇に引き下げるといった内容でございます。過去にこの報奨金の算定基準を改正をいたしておりますが、大体三年ごとに見直しをしております。特に三年ごとに定額部分の単価の引き上げを賃金の上昇率等を考慮して引き上げてきております。五十七年度の改正では、五十五年度及び五十六年度における労働保険料率の引き上げを考慮して定率部分の算定率を百分の五から百分の四・六に引き下げる反面、一方で定額分の単価を引き上げるといったような改正を行っているところでございます。
○高杉廸忠君 さらに具体的に伺いますけれども、今回の報奨金の算定の基準の変更によって、実際には各労働保険事務組合の受給額というのは減少するんじゃないかと、こう思うんですね。現行制度と比べて具体的にどう変わってどういうふうな額になるのか、実例があればここでちょっと実例を挙げて説明してもらいたいと思うんです。
○政府委員(小粥義朗君) 報奨金の実際具体的な額になりますと、これは算定の基礎になる保険料額、特に労災保険等業種によって違いますので一概には申せないわけでございますけれども、今回予定しております変更の内容からしまして一般的に申し上げられますことは、まず一事業当たりの労働保険料額の少ない五人未満の事業が多い事務組合の場合、あるいは新たに定額部分の対象とした両保険加入の五人以上十五人以下事業が多い事務組合、この二種類の事務組合においては現行の算定基準よりも新しい算定基準で算定すれば高くなろうかと思っております。しかし一方で先生御懸念のように、五人未満事業の割合が少ない事務組合であるとか、片保険加入の五人以上十五人以下事業が多い事務組合については若干下がるケースも出てまいろうかと思っておりますが、平均で申し上げますと、六十年度予算におきましても前年よりも報奨金総額としては増額した形で予算を計上しておりますので、平均的には一事務組合当たりそう額はダウンするというようなことはないものというふうに平均的には見ております。
○高杉廸忠君 それはちょっとおかしいですよ。だって十五人以下の場合の定率については百分の四・六を百分の四・〇にするわけですから、率が下がるんだから下がるわけですよ。それはあなたちょっと合理的な理由にならないよ。 それから、私どもここに調査による幾つかの労務協会の算定試算があるんです。これにずっと全部主なところの事務組合の調査をした結果として軒並みに大幅に報奨金が減少している、これは事実なんです。 〔理事佐々木満君退席、委員長着席〕 そもそも労働保険というのは独立採算を建前とすることから、長い間労働保険行政に寄与してきた事務組合、これに対する報奨金も減少する、削減するということは私は片手落ちである。それからまた職員の生活とその意欲、せっかく苦労している事務組合の人たちの意欲というものを損なうことになる、好ましくないことだと思うんです。官房長どうですか。
○政府委員(小粥義朗君) 先ほども一般的と申し上げました中で、確かに先生御指摘のように従来百分の四・六であったものが百分の四・〇に定率部分が引き下げられるという点では先生御指摘の点があるわけでございますが、一方で定額部分の取り扱いとして従来なかった五人から十五人までの部分にまで定額部分の範囲を広げたという面で、ある程度の埋め合わせが行われるという意味で申し上げたわけでございますが、御指摘のように確かに下がる部分もございます。そうなった場合にこうした労働保険の保険料の徴収等いろいろ御協力をいただいている事務組合であるわけですから、それが実際の業務が非常にやりにくくなるということはやはり行政のサイドとしても好ましからざることでございますので、今、先生御指摘になりましたような新しい基準でもって算定した場合に下がるようなものについては、今後三年間従来の額を保障していくといったような経過措置も考えているところでございます。 全体を通じまして今後こうした事務組合に対する報奨金のあり方、これは一応三年ごとに今まで見直しをしてきておりますけれども、御指摘のような問題もございますので、全体についての見直しもまた必要であろうかというふうに考えております。
○高杉廸忠君 さらに詰めて伺いますけれども、報奨金の算定基準の決定はまず第一にどのようにして行われるのか、これが一つ。二つ目としてその適正かつ妥当な基準とは何だ。三つ目はその根拠、どういうふうなものがあるのか。そして算定基準の変更に当たって、私は事務組合の十分意見を聞いて、要望等を取り入れて、そしてそれを反映をしていく、そういう姿勢がないといけないと思うんです。その辺を含めてお答えをいただきたいと思うんです。
○政府委員(小粥義朗君) 先生御承知のとおり、報奨金はいわゆる整備法の規定に基づいて、保険料の納付状況が著しく良好な事務組合に対して予算の範囲内で交付するということになっておりますので、その趣旨に即して基準も考えるわけでございますが、具体的に過去、基準を変えてきた場合の考え方等を申し上げますと、一つには、いわゆる徴収事務費全体の趨勢に比べてバランスのとれた形でこの報奨金の総枠というものが推移していくのが望ましいのではないか、余り極端な開きが出るということは制度の趣旨にもそぐわないといったことで、全体の徴収事務の経費の趨勢とバランスをとりながら考えていくということ。それからもう一つは、例えば定率部分等の問題になりますと、いや、定額部分の問題も含めてですが、賃金が上がり保険料が上がりますと、従業員一人当たりの保険料が上がりますとそれだけ徴収額もふえてまいるわけでございます。そうした賃金の上昇傾向、過去三年の実績等を踏まえながら定額部分の額の改定等を行っておりますが、過去のそういう賃金の傾向等を基準にして決めているものでございます。 なお、そうした算定基準の変更に当たって事務組合等の意見が十分反映されるような手だてを講じているかという点でございます。制度的にこうしたものを決める場合に、事務組合の個々の意見を伺う形はとっておりませんが、全国の事務組合連合会がございます。そちらの方とはこうした問題について意見を交換しながら、できるだけその意見を反映させるようにしてまいっておりますし、今後ともそうした形を考えていきたいと思っております。
○高杉廸忠君 中央の団体もさることながら、私どもも労務協会を持っておりますから、労務協会の意見も十分ひとつ尊重していただきたい。これは要望しておきます。 そこで、保険行政の健全化には収支率二〇〇台から三〇〇台の安全衛生管理に無理解なといいますか、多数の事業所が放置されている現状を改めることであると、こういうふうに考えるのです。またメリット制を拡大強化することが先決だと考えるのです。それはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(寺園成章君) 収支率を初め、施設、安全衛生教育あるいは安全衛生管理体制等について総合的な改善措置が必要な事業所につきましては、都道府県の労働基準局長が労災特別指導事業場あるいは安全衛生管理特別指導事業場に指定をいたしまして、継続的な監督指導を行うことによりまして当該事業場におきます収支改善及び安全衛生管理水準の向上を期しておるところでございます。 労災保険につきましては、先生御承知のとおり、事業主の負担の公平と災害防止の努力を促進するという観点から、業種ごとの保険料率を設定をいたしておりますほか、ただいま御指摘のございましたメリット制をとっておるところでございます。メリット制につきましては、数次の改正によりましてその枠の拡大を図ってきたところでございますが、今後におきましても収支率の悪い事業場につきましては、先ほど申し上げました特別指導事業場制度を活用しながら収支改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
○高杉廸忠君 大臣、いずれにしても臨調行革路線のもとで諸経費節約といった考え方から一方的に報奨金等の削減を行う、このことは問題があると思うんです。 そこで、事務組合に積極的に協力してもらうためにも今後の対応について、私は、いろいろな要望があると思います。とりあえず納期を五月の末日までにするとか、あるいは報奨金をもう少し適正な、従来貢献をしていたところは十分見合うような報奨金にしていくとか、一律に率を下げるのじゃなくて、こういうようなことも含め、改定のときには少なくとも代表と十分協議をし合意を得てそして決めていくというような姿勢ですね。 同時にまた、せっかく私どもも提起しているわけでありますから、全国労務協会というのがありますから。実際、大臣、私も表彰を受けている一人です、おわかりのとおり。ですから、そういう代表の間でもやっぱり合意、納得、そしてしかも労働行政にそういう方々にきめ細かいところからの協力をしてもらう、貢献をしている、こういうことですから、十分今申し上げました要望、幾つかの点を含めて今後の労働行政に反映していただきたい。大臣の決意、それから所見を伺います。
○国務大臣(山口敏夫君) 大変労の多い御苦労なお仕事をしていただいておるわけでございまして、またそうした方々にもこの転換期にある労働行政、また労働問題の広範な問題に対する御理解と御協力もいただかなければならない、こういう立場でもございますので、当然全国の事務組合連合会の代表の御意見を聞きながら今後の基本的な検討をひとつ進めさしていただきたい。またそうした皆さん方にも十分御連絡をしながら進めていきたいというふうに考えております。 しかし、今回の改正の問題につきましても報奨金予算総額はふえることになっておるわけでございますし、また経費節約という考え方でなく、限られた財源を有効に活用して事務組合にも従来以上に適用促進に御活躍いただけるような、また小企業、零細事業に対しても全面適用の実現を早期に図るということも意図しておるところでもございますので、その点についてもまた御理解もいただければ大変ありがたいと考える次第でございます。
○高杉廸忠君 時間がございませんから次に進めさしていただいて、次に労働行政を効率的に推進していくためには何といっても行政体制の整備充実、これが必要であることは言うまでもないんですね。しかし行革や定員削減計画のもとで、業務量の増大にもかかわらず労働省の定員というのは毎年大幅に削減されているのが現状なんです。 そこで伺いますが、昭和四十二年に総定員法が成立してから五十九年までに労働省として削減された職員数はどれくらいになるのか。二番目にその削減の内容、各部署別の削減数、これをひとつここで明らかにしていただきたいと思うんです。
○政府委員(小粥義朗君) 労働省の定員は昭和四十二年度末で二万七千六百二十一名でございましたけれども、昭和五十九年度末定員は二万五千百十一名になっておりまして、この間に総数で二千五百十名の減ということになっております。 年度別の状況を申し上げますと、年度によってこれは相当の差がございます。特に四十年代は労働保険の一元化ということでもって、また機械化を積極的に進めたということもございまして、毎年度二、三百名ぐらいの減が立ったわけでございますけれども、五十年度から五十六年度の間は平均五、六十。五十七年度以降は第六次の定員削減計画の適用を受けておりまして、年度平均百名程度というようなことになっております。これを部署別に見ますと、地方労働基準関係で四百五十二名の減、地方職安関係で千六百七十三名の減、本省その他関係で三百八十五名という状況でございます。
○高杉廸忠君 六十年度においては百四十三名もの定員削減が行われたと言われていますけれども、その内訳をちょっと知らせていただきたいと思うんです。 それから、地方基準局関係では百名以上の定員削減と言われていますが、いかがですか。職安関係ではどうなのか、労働基準監督官についてはどういうふうになっているのか、具体的にちょっと数字を挙げて示してもらいたいと思うんです。
○政府委員(小粥義朗君) まず定員削減の方ですけれども、第六次定員削減計画等に基づく定員削減が全体で三百五十二名でございます。このうち第六次計画によるものが三百二十四名、それからことしの特殊事情としまして定年制施行に伴う不補充措置二十八名、合わせて三百五十二名が削減数でございます。一方、増員数といたしましては行政需要の増大に伴う定員増が百七十八名、それから省庁間、部門間配転の受け入れを労働省としては積極的に従来から進めておりますけれども、その分の定員増が三十一名予定されておりまして、したがって削減数と差し引きいたしますと百四十三名の減、こういうことになるわけでございます。 それからこの削減数を部署別に内訳を申し上げますと、地方労働基準局関係が二十六、地方職安関係八十七、本省その他が三十ということでございまして、なお労働基準監督官については減は純減ございません。
○高杉廸忠君 大臣、お聞きするようにずっと減少してきているんですね。定員削減はどこまで行ったら歯どめがかかるんですか。現体制でも業務運営に支障ができているのではないかというふうに私は非常に心配するのですよ、大臣。やっぱり歯どめをかけて、あなたの言われるような積極的、効率的な労働行政の推進となる定員がどんどん減ってきておる。やっぱり歯どめをかけなきゃいけないと思うんです。いかがですか。
○政府委員(小粥義朗君) 今後の問題にもわたるわけでございますが、現在政府として進めております第六次の定員削減計画は五十七年度から六十一年度までの五年間ということになっております。したがって、六十一年度においてもことしと同数の約三百二十四名程度の削減があるものと思っておるわけでございますが、一方で先生御指摘のように行政需要が非常にふえているという面で、多方増員の努力もしていかなきゃならないわけでございますが、同時にこうした毎年差し引きで減が出るような情勢でございますので、行政自体としてももっと合理化なり業務の効率を上げるための工夫をしなきゃいけない、あるいは職員の資質を高めるための研修をもっと効果的に行うといったようなこともあわせ考えながら行政の面に支障の出ないように今後とも努力していくつもりでおります。
○国務大臣(山口敏夫君) 労働行政の中で例えば労働基準監督署の職員の増でございますとか、やはり国民の労働福祉の改善のために必要な員数の確保については先生の御心配いただいておりますようにひとつ最大限の配慮と努力をしていかなきゃならないと、かように考えております。ただ、我々は基本的には行革を一つ一つ推進をしていくという基本的な姿勢の中で内閣の一員としてこの労働行政を担当しておると、こういう立場でもございますし、また高杉先生も私どももともに民間出身でございますから御理解いただけると思いますが、例えば電電にいたしましても民営移管ということで、「いらっしゃいませ」「こんにちは」ということで頭を下げることから今スタートしておるわけでございますが、やはり基本的には行政のサービス、こういう姿勢をまずは一人一人の職員が身につけて労働行政を通じて国民の労働福祉に御協力を申し上げる。こういう基本的な姿勢を持っていただくことが員数の確保と同様に大事なことであり、私ども国会でお約束しておる労働行政の積極的な推進にもつながる一つの大きな要素であると、こういうふうにも考えておりますので、ひとつ員数の問題と確保の問題。また労働省職員の一人一人が行政サービスに徹する、こういう姿勢に立つべくこういう国会での御審議も通じて叱咜激励もぜひ賜りたいということを心から念願する次第でございます。
○高杉廸忠君 次に、労働災害防止について伺いますが、第六次労働災害防止計画、これを策定をして労働災害を三〇%減らす。このことを目標としていますけれども、五十八年それから五十九年、この労働災害状況、これはどういうふうになっていますか、伺います。
○政府委員(寺園成章君) 五十八年におきます休業四日以上の死傷者数は二十七万八千六百二十三人でございます。五十七年に比較をいたしまして一万五千六百九十六人の減少、率にいたしまして五・三%の減少ということでございます。また、死亡者につきましては二千五百八十八人で、五十七年に比較をいたしますと八十六人、率で三・二%の減少ということになっております。五十九年につきましてはまだ確定した数は得られておりませんが、五十八年に比較をして申し上げますと、休業四日以上の死傷者数につきましては約二%の減少、死亡者数につきましては、大変残念でございますが二%程度の増加が見込まれておるところでございます。
○高杉廸忠君 その労働災害が増加しているということは種々の要因があると思いますけれども、特に行政体制の不備に問題があるのではないかと、こういうふうに考えるのです。 そこで具体的に伺いますが、第一に安全衛生業務を行っている監督官、これは現在何人か。また、そのうち技術系の者が何人いるのか。第二に、専門官が配置されていると思いますけれども、そのうち技術系の者がどのくらいいるのか。以上の点を数字で明らかにしていただきたいと思うんです。
○説明員(加来利一君) それではお答えいたします。 労働基準監督官の定数は三千二百二十二名、これは六十年度の予定でございますけれども、労働基準監督官は労働災害の防止、職業性疾病の予防、労働時間、賃金等の確保等、幅広い業務を行っておりまして、すべての労働基準監督官が安全衛生業務に従事しているということになります。労働基準監督官は昭和五十二年度までは文科系、技術系、共通の採用試験で採用しておりまして、それまでの採用者につきましては文科系、技術系を区別するということは困難でございます。しかしながら、労働災害の複雑、多様化にかんがみまして、高度の専門的知識を有する労働基準監督官を確保するため、新たに技術系の試験区分を設けまして必要な人材を昭和五十三年度から採用してきております。その結果、昭和五十三年度以降、五十九年度までの採用者数七百五十九名のうち、技術系の試験区分による採用者数は三百七十六名となっておりまして、文科系の試験区分による採用者数とほぼ同数と、このように今なっております。 それから産業安全専門官、これは六十年度三百八十五名を予定しております。労働衛生専門官、同じく二百九十五名を予定しておりますが、これらにつきましてはその職務内容が専門的、技術的でありますことから、一定の知識や経験を有する職員で、専門官として必要な知識を付与するための研修を終了した者、こういう者をもって任命することとしております。
○高杉廸忠君 労働災害の防止というのは法違反を摘発、指摘するだけではその効果は期待できない、このことは論をまたないところであります。したがって、労働安全衛生の監督指導というものは技術系の者でないと無理だ、こう思うんですよ、部長いかがですか。そしてまた、現状を計画的に改善をしていくべきである、私はそういうふうに前向きに思っているんです。いかがですか。
○説明員(加来利一君) 御指摘のように労働災害の防止を図るためには単に法違反の指摘のみではとどまらず、その改善のために専門的、技術的な指導を行うということが必要でありまして、そのために安全専門官や衛生専門官という専門官制度が設けられ、これらの者の技術的能力を活用して労働災害の防止を図っているというところでございます。 労働基準監督官が行います監督指導は単に安全衛生基準の確保のみならず、一般労働条件の確保を含めた総合的な法定基準の履行確保を図るためのものでございまして、これを事項ごとに細分化し、専門化して行うということは現在の人員等から見てもなかなか難しい、このように考えるものでございます。例えば小規模な署では監督官は二、三名しかおりませんので、そういうことであろうかと思うわけでございます。なお、労働基準監督官の採用につきましては先ほど申し上げましたように、昭和五十三年度から技術系と文科系と分けてその確保を図っておりますところでございまして、今後とも労働基準監督官と安全専門官、衛生専門官の増員に努めてまいるようにしたいと思っております。
○高杉廸忠君 昨年十二月の六郷川の鉄骨の崩壊事故、これは計画の段階で私は防止できたのではないか、こう思うんです。現行では監督署に届け出を必要とするものと自社内で行うものとがありますが、いずれにせよ専門家の労働安全衛生コンサルタントの活用を図って事前審査、アセスメント制度を確立する必要がある、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○説明員(加来利一君) 昨年十二月に起こりました六郷川の鉄橋の崩壊事故につきましては現在災害原因を鋭意調査中でございますので、その点についてはまだ触れられませんのですが、このような災害を防止するためにはやはり事前に、先生御指摘のように計画段階におけるチェックということが重要であることは言をまたないところでございます。したがいまして、特に建設業について労働災害を防止するという上で、工事の設計計画段階におきまして事前にその危険性を評価し必要な対策を立てるということは重要なことでございますので、今後とも企業が労働安全コンサルタントなどの専門家を活用されるということによって内部で事前の安全性の評価をまず十分に徹底される、このようなことで指導に努めてまいりたいと思います。
○高杉廸忠君 時間もわずかになりましたから、大臣にひとつ決意も伺い締めくくりにしたいと思うんですけれども、大臣はその所信において「労働災害の防止に万全を期す」と、こう述べられましたが、私は安全なくして労働なしと思っています。基本的な問題について今後労働者の命を預かる行政をどのように推進していくのか、労働大臣の所見を伺います。 そして残りわずかであります。今までの審査に対して幾つかの提言をいたしました、また要請もいたしました。最後に、労働災害の防止に万全を期すことを初めとして、積極的かつ効率的な労働行政の推進のために大変意欲的な大臣です、激励をして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山口敏夫君) 高杉先生から御指摘いただきましたようなやはり労働者のまず安全の確保、これを最優先課題としてその環境整備に全力を尽くせ、こういう御指摘は全く同感でございまして、我々も労働福祉の基本であるとの認識を持たしていただいております。そういうところから第六次労働災害防止計画、これは五十八年度から六十二年度まででございますが、この防止計画に基づきまして労働災害の防止に一層万全を期すべく努力をしたいと考えております。 また、労働災害は長期的にはかなり、今局長等からの答弁もございましたように減少をしておりますものの、最近は死亡災害が一面増加をしておる、そうした業種の問題、あるいは労働災害の増加傾向、こういう状況に対しましてこれらを重点業種といたしまして、決意を新たに諸般の対策の推進を図りたいと考えております。また、高齢化社会への移行過程におきましてマイクロエレクトロニクスを初めとする技術革新の進展等によるところの労働態様、職場環境の変化に対応した安全衛生対策につきましても積極的に推進をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。 なお、高杉先生から御指摘いただきましたような諸問題につきましては改善あるいは検討すべき点が多々ございますので、労働省といたしましても誠心誠意御指摘いただいた点につきましての取り組みに万全の努力を図っていきたい、かように考えておるところでございます。
○委員長(遠藤政夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(遠藤政夫君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。本日、対馬孝且君、村沢牧君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君、糸久八重子君及び小笠原貞子君がそれぞれ選任されました。 ─────────────
○委員長(遠藤政夫君) 午前に引き続き、昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、労働省所管を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中西珠子君 労働省の一般会計予算は年々減っておりまして、六十年度はマイナス一・二%、それから労働保険特別会計の方は一・七%増となっております。これは現内閣のマイナスシーリングの方針に沿ったものと考えますが、総計では一・四%の伸びにすぎないということで、政策課題の遂行に必要な費用はほとんどが特別会計から支出されているというような状況でございますが、こういった姿は好ましいものだと労働大臣お考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(山口敏夫君) 労働行政及び労働問題が一つの大きな社会的な転換期におきまして非常に重要な役割を担っておる。特に高齢化時代等を迎え、あるいは技術革新そういう社会的背景とともに非常に重要な施策が求められておるところでございます。そういう中でやはり雇用の安定という立場からも雇用保険の持つ役割というものが非常に重要なものもございますし、私どもといたしましては一般会計の伸びを大きく期待したいところでございますし、その努力をする責任を痛感しておりますけれども、しかし御承知のとおり厳しい財政事情でもございます。予算を伸ばすことと同時に、与えられた予算を有効に生かしているかどうかという点も含めまして、ひとつ行政サービス、労働省が一丸となって限られた予算の中で今まで以上の労働行政サービスに努めるということも大事なことだというふうに考えております。そういう意味で、一般会計、特別会計の予算、施策をあわせて国民の皆さん方に労働福祉、労働条件の改善等の一つの推進のための予算として有効にこれを活用また施策を進めていきたい、こう考えておるところでございます。
○中西珠子君 やはり政策課題の遂行には一般会計からの支出をふやすという方向に御努力願った方がいいと考えますが、現在の行財政改革のもとではなかなか難しいことかもしれませんが、限られた予算の中で一層の御努力をお願いいたしたいと思います。 次に、とにかく一般会計は全予算の一一%ぐらいにしかすぎないという状況の中で、労働保険特別会計の重みというものが非常に大きいわけでございますが、この労働保険特別会計に関連いたしまして質問したいと思います。殊に雇用勘定に関してでございます。 昨年の五月に、本会議で雇用保険法等の一部を改正する法律案が上程されまして趣旨説明が行われましたが、それに対して私は質問をいたしまして、雇用保険法の中における四事業、雇用安定、雇用改善、能力開発、雇用福祉の四事業の厳密な評価と見直しが必要であるということを申しまして四事業の見直しを要望したわけでございますが、その後も二回にわたってこの社労の委員会で見直しを要望いたしまして、時の労働大臣でいらっしゃいました坂本大臣から見直しのお約束をいただき、また社労でも最後の段階におきまして見直しの確認の答弁をいただいているわけでございます。労働大臣はおかわりになりましたけれども、労働省としてはこの四事業の見直しをなさいましたか、またなさりつつありますか、いかがですか。
○政府委員(加藤孝君) この四事業関係につきましては国会でのそういう御指摘も踏まえ、また私どもも随時この見直しをしてより効果的な機能を発揮できるような努力をしてきたつもりでございまして、具体的に例を挙げて申し上げてみますれば、特定地域の雇用奨励金の適用地位の拡大、こういうようなことでさらに十地域を拡大する、そしてさらにまた、新たに農山村地域における雇用開発という観点から出稼ぎに行かなくてもその地域の地場産業の振興の中で雇用の場を拡大していく、いわば芽を出していくというような観点からの地域も五地域新しくつくるというような施策であるとか、あるいはまた雇用調整助成金の対象となります業種につきまして、例えば事業転換を進めた業種につきましての期間の延長制度の新設であるとか、あるいはまたグリコ・森永事件に端を発しますああいう場合について、従来倒産の場合しか適用していなかったものについてそういう臨時緊急的な形での大幅な生産減というもののぼす影響というものについての制度の適用拡大の問題であるとか、さらにはまた育児休業奨励金制度につきまして、従来の制度、金額では十分な効果が発揮し得ないということで、今回大幅な制度ないし金額の拡充等を図った等の改善、見直し、努力をしており、また今後もそういう変化に応じた適切な対応を図るべく見直しを続けていきたい、こんなふうに考えております。
○中西珠子君 ことしの一月に総務庁の行政監察局から行政監察結果報告書が出まして、そして雇用保険法のもとで行われている四事業の行政監察を行い、その結果を報告書と出すと同時に勧告を行っておりますね。その行政監察の結果出てきました勧告につきまして、殊に雇用福祉事業に関しましてはどのような対応をなすっておりますか、お伺いします。
○政府委員(加藤孝君) この総務庁の勧告は相当多方面にわたっておりますので、一部について主なところだけ申し上げてみますと、まず事業の施設としてございますが、一部廃止縮小が必要であるということで、例えば簡易宿泊所であるとか、出稼ぎ労働者援護相談所などが指摘を受けておりますが、これにつきましてはその勧告の趣旨に従いまして一部は廃止の方向で検討を進めております。 それからまた、物によりましてはまだ若干利用されておるというようなこともございますので、その利用状況に応じた職員数の合理化といいますか、そういったようなものを今検討を始めております。 それからまた、民間委託を推進することが必要なものというようなことで指摘をされておりますものについては、この四月からそういう方向でやれるものはやっていきたいということで今進めております。 それからまた、各種宿泊施設関係につきましてのいろんな御指摘がございまして、こういったものについての原則として新設を行う必要がないではないかというような御指摘につきましては、これは私どもも五十八年度から会館宿泊施設の新設は原則的に中止をするというような方針でおるところでございます。あるいはまた類似施設の整備状況等を勘案してやる必要があるではないか、こういうような各種施設につきましては、そういう指摘の方向に沿いましてできる限り多数の勤労者が容易に利用できる、本当に必要な地域に設置をしていくという方針をさらに具体的に実施をしていきたいと考えております。さらにまた運営の改善の面で、例えば港湾労働者の宿舎といったようなものにつきましては相当に狭いというような問題もございまして、過半数が空き家になっておるというような問題もあるわけでございまして、こういったものについては、例えば一世帯当たり二戸を貸与すると、こういうような形で活用の促進を図っていきたい。こんなふうに考えております。 また、身障センターにつきまして、業務量に応じた養護施設なり職員数の配置の問題を指摘を受けておりまして、こういった点については御指摘の線に沿っての職員配置の適正化を図るべく今検討を進めておるところでございます。 福祉施設関係につきましての主な点については以上のとおりでございます。
○中西珠子君 どうぞよく現在の状況を把握なすって、そして要らないものは廃止、縮小するものは縮小と、また運営も合理化を図っていただきたいと思います。 同じ行政監察報告の中で指摘されておりますのは、雇用改善事業の地域雇用促進給付金、それから雇用安定事業の特定求職者雇用開発助成金といったようなものがございますが、この給付金や助成金につきましては、私は昨年の六月の社労委員会で、支給した後のやはり追跡調査が必要なのではないかということを申し上げたのでございますが、その後追跡調査をなさいましたかどうか、それをお聞きしたいということと、それから支給対象期間中にやはり離職する者が地域雇用促進給付金の中では二〇%もあり、またその中では支給期間中に使用者の都合で解雇した例もあるということを行監報告は指摘しておりますし、また特定求職者雇用開発助成金の中では、これは助成金支給後も引き続き相当期間雇用するということが確実であると認められる事業主が一応支給の対象とされているのにもかかわらず、雇い入れ後の一年半ぐらいの間に離職した者が約二六%もいるし、その中には事業主の都合で解雇したという例も多いということでございますが、これはやはり解雇制限というふうなものをつけないとまずいのではないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(加藤孝君) 今御指摘のございました地域雇用促進給付金あるいはまた特定求職者雇用開発助成金等につきましていろいろ指摘を受けておりますこと、私どもも大変申しわけなく思っております。そういう意味におきまして、これらの制度につきましてはさらに関係者に対する制度の一層の周知徹底というものが一つ前提として必要でございまして、そういった面での努力を一層進めていきたいと、こんなふうに思っております。 それから追跡調査については、残念ながらまだできておりません。しかし、こういう制度のいわば運用の面で、私ども、例えば離職者の中にそういう自己都合による労働者の退職であるとか、そういう定着率向上の面でなおいろいろ困難な面がございますが、何とかこの制度の適正運用という中で、あるいはこの制度の周知を図っていく中でこういう定着率の向上、あるいはまたそれが簡単にやめられるようなものであればこのものともどもこういう制度の対象にならないというその辺の趣旨を十分徹底しながら、こういう制度についての運用が本当に適切に行われるように、金の切れ目が縁の切れ目というようなことにならぬように、懸命にひとつその辺についても事業主の理解を得るように今後とも努めていきたいと思っております。
○中西珠子君 この雇用安定事業の雇用調整給付金だとか、それから特定求職者雇用開発助成金だとか、また、雇用改善事業の地域雇用促進給付金というものは、確かに失業の予防にも役に立ち、また雇用促進に役に立っているわけでございますので、それこそ労使に対する周知徹底と行政指導を強化していただきたいし、定着率の向上ということをなさるに当たってはやっぱりフォローアップが必要なわけですから、そういう意味でも追跡調査というか、名前が追跡調査というのは大げさ過ぎるかもしれないけれども、大いにフォローアップをやっていただきたいということを強く要望いたします。 それから雇用改善事業の中で、今回は、今まで育児休業奨励金が余り額が多くなかったのを大幅に今度は広げて、そして指導を強化していらっしゃるということを伺ったわけでございますけれども、ただいま育児休業の普及率はどのくらいになっていますでしょうか。
○政府委員(赤松良子君) 育児休業の普及率でございますが、これは当初からだんだんにふえてまいっておりますが、昭和五十六年の調査が新しい調査でございまして、その後最近のものがございませんが、五十六年現在で一四・三%の普及率でございます。
○中西珠子君 この一四・三%というのは急に前年度よりふえたわけでございますが、急に前年度よりふえた理由は何でしょうか。
○政府委員(赤松良子君) 調査対象が五十六年から教育というのが含まれるようになりましたことがある程度影響しているのではないかというふうに分析をいたしております。
○中西珠子君 教育と申しますと、私立の学校だけですか。それとも義務教育諸学校の教育女子職員並びに国公立の医療施設、社会福祉施設の看護婦とか助産婦とかそれから保健婦などの育児休業に関する法律の適用所も含んでおりますか。
○政府委員(赤松良子君) この調査は、労働省の女子保護実施状況調査の結果でございまして、この中には国公立それから官公立教育施設が入っております。
○中西珠子君 そういたしますと、純粋に民間だけの育児休業普及率というのはどのようでございましょうか。
○政府委員(赤松良子君) 五十六年の女子保護実施状況調査が育児休業の実施率の私どもが把握している調査でございますので、女子保護実施状況調査では先ほど申し上げました官公立の教育施設も入っておりますので、それを除いたものがどのくらいということはすぐには計算ができないわけでございます。
○中西珠子君 除いたものがちょっとわからないということでございますね。これは後ほどまたわかりましたらお知らせください。民間の普及率はどのくらいであるかということにつきまして。
○政府委員(赤松良子君) 女子保護実施状況調査につきましては、先ほど申し上げましたような実情でございますので、民間だけを調査をいたしておりませんので、把握することができません。
○中西珠子君 では、これから近い将来に調査していただけますか。
○政府委員(赤松良子君) 女子保護実施状況調査は三年置きとか四年置きとかという頻度で調査をいたしておりますので、この調査は近い将来する予定でございますし、また、育児休業につきましては別途把握をするというようなことも検討いたしたいと思います。
○中西珠子君 民間の育児休業の普及状況は、ぜひ別途把握していただきたいと思います。と申しますのは、ことしはもう本当に限られた財源の中から非常に大幅な育児休業奨励金の拡充を考えていらっしゃいまして、とにかく昨年が、奨励金の支出の実績が、一番新しい統計によると七千万台なのに、今度の予算は九億八千四百四十万というふうな大幅な増加を考えていらっしゃるわけでございますので、私は、これをどのように消化なすって育児休業を推し進めていらっしゃるのかということを、どのような具体的な案をお持ちかということをお聞きしたいと思うのでございます。
○政府委員(赤松良子君) 育児休業の奨励金につきましては、額の増額、そして二年間にわたってフォローアップをした上で支給をするということと相まちまして、これまでよりも企業に対する誘因としての奨励金の意味が大きくなるのではないかということが一点ございます。 また、育児休業の普及については、こういう制度があり、奨励金という制度もあり、これが女性の就業にとってはメリットもあるというようなことを、まずできるだけ多くの実施をしそうな企業の方に知っていただくということが大事かと思いますので、これは育児休業普及指導員も従来のペースよりも増員も図られる予定でございますので、新年度にはぜひその面での周知をこれまで以上に努めたいというふうに思っております。 また、育児休業制度の普及のためのキャンペーンを旬間を設けてするということも五十七年度より始めておりますので、これも強力にキャンペーンをいたしたいというふうに考えております。
○中西珠子君 育児休業制度普及指導員を増員するとおっしゃいましたけれども、確かに二十五人から三十二人に増員でございますが、これじゃ一県一人ということにもならないわけですね。これはどういうふうになさるんですか。中央に置いておいて派遣という形になさいますか。
○政府委員(赤松良子君) 育児休業の普及員は、これまで一年五名ずつの増員が認められておりまして、二十五名になっているわけでございますが、六十年度はその五名のペースではなくて七人というふうに予算要求が認められているわけでございます。 先生御指摘のように、まだ一県一人というふうになっておりませんが、主要なと申しますか、必要性の多そうな県から順次一人ずつ配置をいたしておりまして、六十年度には三十二人の配置ができるということになる次第でございます。
○中西珠子君 こういった指導員をお使いになって、一方いろいろ啓発のための活動もなさって、そして普及をお図りになるということでございますが、行政監察の報告によりますと、育児休業の導入の事業所は、育児休業奨励金が主な誘因になったのではないというふうなことを言っているそうですが、今回大幅にそれが増額されまして、二年度にわたるということになれば非常なまた大きな誘因になるかもしれません。しかし労働省としてはどのような分野に対して育児休業を普及するのが一番効果的で、またやりやすいとお思いでいらっしゃいますか。今は何か私立保育所が多いそうでございますが、産業分野としてはどの方面をお考えでいらっしゃいますか。
○政府委員(赤松良子君) 御指摘のように、保育所に確かに多少偏ると申しますか、多く普及しているという実態がございますが、もちろん保育所以外に必要がないかといえば、決してそういうわけではございませんので、今後はもう少し婦人労働者の特に多いような産業には重点を置き、かつまた育児休業は継続をして働くということに重点のある制度でございますので、女子労働者が職業を中断することなく継続をして働くという点から、特に意味の大きいような職種、業種、そのようなものが重点的になろうかというふうに考えております。
○中西珠子君 やはり育児休業の関連でございますが、特定職種育児休業利用助成給付金という長い名前のがございますね。これは民間の医療施設とかそういったところの看護婦なんかに適用しようという趣旨でおつくりになったのだと思うのでございますけれども、これはまた奨励金というか、給付金の月額が非常に低いということで、六十年度予算では十円だけお上げになっていますね。これは、十円お上げになった意味はどういうことなのかなと、私は実は一生懸命考えていたのですけれども、わからないわけですね。それからまた行政監察報告書の中には、勧告として「育児休業奨励金への統合」ということを言っているわけでございまして、特定職種育児休業利用助成給付金については統合を考えたらどうかというふうなことを言っているというふうに私は受けとめましたが、今後どのように取り組んでいらっしゃるおつもりか。例えば実績で言いますと、五十六年度が六名、五十七年度が二名、五十八年度が二名しか適用がないというふうなことで、それで今度大幅に上げたかというと、そうじゃなくて十円だけ上げたというふうなことで、どういうやり方でこれからやっていらっしゃるのかということをお伺いしたいんですが。
○政府委員(赤松良子君) 御指摘の助成給付金につきましては、行政監察の勧告等もございますので、これは根本的に検討をしなければならないのではないかというふうに思いまして、その検討を進めているところでございます。
○中西珠子君 民間の医療施設の看護婦さんなんかに育児休業を適用することは本当に必要だと思うんですね。看護婦はやはり専門職でもありますし、継続して雇用を続けてもらいたいという要望が本人からも使用者からもあるのじゃないかと思うので、これは適用は割合と易しいのじゃないかなと思っていたところが、非常に適用の対象が少ないということ、これは助成金の額が少ないというせいではないかと思ったわけでございますが、十円上げたという理由は何ですか。
○政府委員(赤松良子君) これは単価の単なる整理というふうに理解をいたしております。
○中西珠子君 単価の整理ですか。はい、わかりました。 それでは婦人就業援助事業、これは大変また私としては重要な事業だと考えているのでございますけれども、行監の勧告によりますと、訓練科目が就職に余り結びついていないからこれを何とかしなければいけないというふうなことが書いてあったと記憶いたしております。この訓練科目につきましてはどのような改善をお図りになるおつもりですか。
○政府委員(赤松良子君) 婦人就業援助促進事業につきましては、その事業内容を地域における技術革新の進展あるいは産業構造の変化また婦人の多様な就業ニーズに一層よく対応したものにしていく必要があろうかと考えております。そういう観点から、これは都道府県が運営されているわけでございますので、その運営しておられる主体に対しまして国としての考え方を申し上げ、就業相談の充実、就業に結びついた技術講習科目の設定等について、主体の都道府県に対してさらによく指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○中西珠子君 大いに御研究くださいまして、ニーズに合った、また就職に結びつくような訓練科目を取り上げていただくように、またフォローアップになりますけれども、フォローアップとして、就職を果たしてできたかどうかということにつきましてもちゃんと把握していただきたいと思います。これは要望でございます。 次に、たくさんお聞きしたいことがあるのですけれども、新規に予算を計上していらっしゃいますプロジェクトといたしまして、高齢期の就労に備える生活時間の有効活動対策というのがございますね。これは高齢化社会に対応する労働対策の一環としてなさるのだと思いますが、まず先に高齢化社会に対応する労働政策というものの概観をお示しいただきまして、それから今の高齢期の就労に備える生活時間の有効活用対策とはどういうことかということを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 高齢期の生活時間の問題でございますが、今私ども六十歳までは定年の延長、こういう形でぜひ一般雇用の形においての雇用が継続できるような指導をいたしております。そして六十歳から六十五歳層、こういう層につきましては、人によりましてはまだ元気で一般の雇用の状態で勤務できるという方もございますが、人によりましてはある程度自分の都合のいいときに自分に合った仕事、こういうような方も出てまいります。また、その勤務の仕方も半日勤務というような形であるとか、あるいは一日交代の勤務であるとか、こういうような勤務形態というのも出ておるわけでございます。さらにはまた生きがい労働的な形での労働、一応雇用労働という場からは引退したいけれども、しかしまだ元気なので自分の都合のいいときなどに何らかの就業あるいは活動の場を得て社会のために尽くしたい、そしてそれによって自分のまた生きがいも得たい、こういうような方なども出てくるわけでございまして、そういうようないろんな六十歳以降におきます高齢者の就業ニーズの多様化に対応いたしました今後の高齢者対策というものを進めていかなければならないだろう、こんな観点から、そういったものについての、例えば短時間の雇用についての助成制度であるとか、あるいはまたシルバー人材センターであるとかというものについての援助等もいたしておるわけでございます。そういう中でおのずからまた、いわゆる引退期をどう円滑に迎え過ごしていくかというようなことも一面、六十歳代の就業の中にはそういう面でも、また一つのそういう角度からの対策というものも半面考えていかなければならぬだろう、こんなふうに考えておるわけでございまして、こういった面につきましては六十歳定年の問題、そして六十歳から六十五歳層についてのそういう雇用就業の問題、こういったものを今後二十一世紀へ向けて、あるいは人生八十年時代に向けてどう仕組み上げるかというようなことで、現在雇用審議会あるいはまた中央職業安定審議会などでの御議論もいただいておるというのが高齢者対策についての私どもの考え方でございます。
○中西珠子君 高齢化社会に対する労働政策というものは今おっしゃったもののほかにも安全衛生対策もお考えになっており、なかなかきめ細かくやっていらっしゃると思って感心しているわけなんですよ。ですから、大いにこれから予算に限りはあっても力を入れてきめ細かい対策をやっていただきたい。そしてこの前も御要望いたしましたけれども、各省ばらばらではなくて、厚生省とはもう既に定期協議をお始めになったけれども、これも大いに活用して実りあるものにしていただきたいし、それから政府全体がやはり整合性のある総合的な対策をやっていただくということで、労働省のきめ細かい対策は大いに今から推進していただきたいと思います。これは要望でございます。 それから、若い人に対する雇用対策として職業ガイダンスセンター、これは仮称だそうですけれども、これは二億五千九百万円ぐらい予算を計上していらっしゃいますね。これは結局十五歳から二十四歳の年齢層の失業率が非常に高い。どの層よりも高くて四・五%くらいということになっておりますし、離職率が高くて定着率が低いというふうな、むしろ低下してしているというふうなことで、どういう対応を職安でやっていかれるかということを考えておりましたのですが、現在の職安の体制では結局対応できないからこういう職業ガイダンスセンターのようなものをおつくりになるということでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) 現在の職安で対応できないからというよりは国際青年年というものを契機に日本の若者の問題点をいろいろ検討いたします中で、例えば失業率をとってみましても求人倍率は非常に高いものですから、若年の失業問題というのはそんな大きな問題になっておりません。諸外国の場合には失業問題というのはもう若年層で一番多いということで大変な問題でございます。日本の場合にはそういう観点からの問題としてではなくて非常に離転職が多い。こういうような形の中で実は失業率が全体としては二・五%前後でございますが、若年の失業率が四%を超えるような失業率になっておる。実はそういうようなことに一つ問題がある。いわゆる何といいますか、青い鳥症候群というような言われ方をしておりまして、仕事につきましてもすぐ、いやこんな仕事ではなくてもっとほかにいい仕事があるはずだというような形で結局転々としていかれる。そういう中で結局本当に自分のものというものをつかみ得ないまま中年になってしまうというような問題等、いろいろ今後の、まさに高齢化社会を支えてくれる若者がこんなことでいいだろうか、こういうような観点の問題もいろいろあるわけでございます。 そんなようなことで、この際そういう若者の職業問題についてのいろいろな問題点を実地にいろいろ相談、指導の中から聞き出し、そして今後への若年対策の組み立てにしていこう、こんなことで東京の中野のサンプラザに職業ガイダンスセンターというのをことしから新たに設けよう、こういうことで予算をお願いをいたしておるようなものでございます。そこでガイダンスをやりながら、ぜひ若者の持っておる問題にいろいろひとつ取り組んでいきたい、こんなことでございます。
○中西珠子君 中野のサンプラザのようなところにそういう職業ガイダンスセンターをお設けになるということは大変結構なことだと思います。また地方にもそういうものをどんどんつくっていらした方がいいかもしれません。と申しますのは、今青い鳥症候群というのが出ましたけれども、大人子供のピーターパンシンドロームの若い人たちもいますので、そういう人たちのやはり職業へのガイダンスというものは非常に大事なことですし、定着率というものを高めるためにもそういったガイダンスセンターをふやしていらっしゃるということは結構なことだと思います。大いにやっていただきたいと思います。 それからもう一つ、まだちょっと時間がございますのでお聞きしたいのは、精神薄弱者等職業準備事業の試行的実施、二年間試行的にやってみるということだそうでございますが、これは行政監察局の行政監察報告と、それから勧告にもございましたけれども、心身障害者職業センターをもう少し何とかしなくちゃいかぬという勧告があったわけで、それを受けてなすったわけではないのでしょうけれども、この事業の法的根拠は身体障害者雇用促進法の附則第四条なんでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) これは特にそういう法的な根拠を得て具体的にやる、こういうわけのものではございませんが、実際に身障センターにおいでになる精薄の方をいろいろ職場に入れていくという過程におきましてすぐに仕事につけない、いわばその前段としての準備期間段階というものが必要であるということがこれまでの実例の中から随所に出てきておるわけでございます。そういう意味で、いろいろ仕事につく前にこういう組み立て作業であるとか、あるいは縫製の作業であるとかクリーニング作業というようなものについての労働習慣をつけてあげる、そうして職場へつなげていく、こういうようなことがぜひ必要ではないかということで、そういう身障センターを実際に運営しておられるそういうカウンセラーの方たちの強い要望の中で、ぜひそういう形で、適職判定はしました、それでこういう能力があるということがわかりました、それじゃすぐ職場に行けるかというと、全く労働習慣がないためにそれが結局企業でもいわばもてあますといいますか、十分な管理ができないままその就職が失敗するというようなことを何とか防止したい、こんな観点から新たに始めようというものでございます。
○中西珠子君 試行的実施がうまくいきますように願っております。 時間も参りましたので、労働大臣に最後にお聞きしたいのでございますけれども、限られた予算というものを最も効率的にお使いになりまして、積極的な実りのある労働行政を展開していただきたい。先ほどもおっしゃいましたけれども、行政サービスの改善とか労働者の福祉を向上させるためのやはり使命感というものを持って、そしてこれは労働者ばかりでなく使用者に対してもいろいろ指導をしていただいて、労働行政を効果的に展開していただきますようにお願いしたいと思いますが、労働大臣の御決意のほどを最後にお伺いいたしまして私の質問を終えます。
○国務大臣(山口敏夫君) 先ほど来から中西先生よりいろいろ御指摘いただいております問題点、それぞれ労働行政の中におきまして十分改善可能な、あるいは検討すべき諸課題の御指摘が多かったわけでございまして、その点も十分留意さしていただきまして、転換期における労働行政のつつがなきを期すべく最大の努力に努めたい、かように考えておりますのでよろしくまたお願いを申し上げます。
○小笠原貞子君 まず最初に、季節労働者の問題でお伺いしたいと思います。 御承知のように、北海道積雪寒冷のために冬期間の失業というのが循環して繰り返されているわけでございます。かつては失業保険九十日というものが出されていたのですけれども、五十一年度から四十日分がカットされて、ただでさえ苦しい季節労働者の家庭というのは非常に深刻な状態になっております。私も五十一年からその問題を見ておりまして、実態を調査いたしましたら、もう本当に子供にミルクも買えない、砂糖水だけやっと飲ましていたけれども、とうとう殺してしまったというところからこの問題が発生をしたわけでございます。 北海道で季節労働者といいますと三十万、家族を含めると百万でございまして、北海道人口の約二割を抱えているというような状態になっております。その後政府として積寒給付金制度などの諸対策をとっていただくことになりましたけれども、この制度は労働者にとりましても非常に大きな役割を果たしてまいりまして、大変喜ばれてまいりました。釧路で実態はどうなんだというような資料もこの間ちょっと具体的に見ましたら、去年の場合就労日数が減ったという人が約三〇%もおりまして、そして年収も二百万円以下という人が八割からになっている。そして建設業退職金共済に加入している人はたった二〇%にすぎないというような、一つのところを見ても、それは全道各地で具体的な事実として上がってくるわけなんですね。 ですから、まず最初にこういった季節労働者の雇用と生活の実態というものを労働省としてどのように把握されているかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口敏夫君) 北海道が非常に厳しい雇用の状況下にあるということは私どももこの委員会での何度かのやりとりの中でも十分承知をさしていただいておるところでございます。 そこで、労働省としては通年雇用奨励金による季節労働者の通年雇用化、また冬期の雇用安定奨励金制度、冬期職業講習助成給付金制度等によりまして季節労働者の冬期間の雇用の安定、また生活の安定に努めるとともに東京、大阪等からの広域的な求人の確保、就労機会の拡大に努めたい。特に北海道庁でございますとか、あるいは北海道開発庁、建設省等々と連絡をとりながら、いわゆる冬期といえども仕事自体をふやしていく、こういうこともあわせて進めていくことが雇用の問題にとって一番有効なことではないか、かように考えております。
○小笠原貞子君 今大臣がいみじくもおっしゃいましたけれども、この季節労働者はただ金をくれというのじゃなくて、とにかく働きたいんだと、本当に働く場が欲しい、こういうわけで、そしてもちろんそのためには通年施工、通年雇用という問題が一番大きな問題になる、そう思うわけでございます。 そこで建設省にお伺いしたいのですけれども、これも前々からいろいろ伺っているのですけれども、カナダ、西ドイツ、スウェーデンなど北米、北欧の国々では工事費の冬期加算など通年施工のための積極的な方策をとっているということでございます。通年施工の施策にどんな具体的な方針をお持ちになっていらっしゃるか、そして特に北海道の通年雇用というようなことに対して何というんですか、投資効果といいましょうか、その投資効果はどういうふうにごらんになっているか、概要を簡単に御説明をいただきたいと思います。
○説明員(岩井國臣君) 雪寒地域の冬期におきます厳しい自然条件を克服いたしまして建設工事が実施できるというふうな技術の研究開発を進めまして、従来の季節変動型の事業執行体制を通年施工型に移行いたしまして、地域住民の通年職場環境をつくりまして地域経済の活力を培養するということによりまして住民の厚生、福祉の増進に寄与するというふうなことを目的といたしまして、昭和五十一年十二月に通年施工化技術研究協議会というものを設置いたしました。 本協議会では、積雪寒冷地におきます建設工事の通年施工化を円滑に実施するというふうなことで、五十三年度から五十七年度にかけまして一連の調査研究を進めてまいりまして、五十八年の三月に一応総合報告書というものを取りまとめております。本協議会ではその後も引き続き調査研究を重ねておるわけでございますけれども、昭和五十八年三月の総合報告書の要点をまず御説明さしていただきたいと思います。 すなわち、まず技術的な検討でございますけれども、技術的な検討といたしましては冬期施工の対策工法を樹立するというふうなことで、コンクリート構造物につきましてモデル工事を実施しながら冬期施工におきますコンクリートの打設のための仮囲い工法を開発いたしました。この仮囲い工法につきましてはさらに研究課題が残されておりますけれども、一応の結論といたしましてはジェットヒーター等による適切な温度管理を行うことによりまして、護岸工事でありますとか、あるいは樋管の工事あるいは橋梁の下部、そういったコンクリート構造物につきましては一応の品質が確保できるということが判明いたしております。 なお、モデル工事を通じまして冬期施工のための技術基準といたしまして土木工事冬期施工監督技術基準案でありますとか、あるいは仮囲い工法をやる場合の歩掛かりの案でございますとか、そういった各種の技術基準案を取りまとめております。
○小笠原貞子君 いろいろあるのでみんな御説明いただくともう質問時間がいっぱいになりますので、具体的にお伺いいたしました通年施工による投資効果ですね、投資効果の中身と、それから次に建設関連労働者に対してはどういう効果があったかというのがございますね。八十五、八十六ですかね。そこのところの二点の問題についておっしゃっていただけませんか。
○説明員(林雄作君) 通年施工の投資効果にはいろいろあるわけでございますが、特に建設労働者の雇用に与える影響につきましては北海道をモデルにいたしまして定量的に推計をいたしております。先生から先ほど御指摘がありましたように、北海道の建設労働者数は夏場がピークでございまして冬には三分の一程度に激減するということでございますけれども、通年施工の投資効果の推計結果によりますと、これはいろんなケースを想定してやっておりますが、その一つのケースとして実施しておりますものを見ますと、これは建設省所管事業の五%を夏の工事から冬期に施工するように移動させるという場合でございますが、このケースについて投資効果、雇用に与える効果でございますが、それを見ますと、冬期に施工することによりまして工事費が増高いたしますが、冬期に実施します工事が増加することによりまして冬期の常用労働者数が約三千三百名増加するという、そういう効果が推計されております。
○小笠原貞子君 いろいろ御研究いただいて本当にどうもありがとうございます。 これで見ますと、投資効果という中で建設業、建設資材業に対する効果は、まず挙げられているのは冬も仕事になる、経営が安定するということが言われております。私、これが大事だなとそう思ったわけでございます。それから労働者に対する投資効果はどういうふうにあらわれているかという欄を見ますと、労働者の所得の向上と収入の安定につながる、当然のことだろうと思って、ここがやっぱり大事なんだなと、そう思いましたし、その次にまた挙げられておりますのが家庭環境が改善されたということでございますね。大臣ちょっと今聞いておいていただきたいのだけれども、冬期に仕事をするという通年雇用というものを実行すると、経営の方も経営者としては安定するし、労働者の方も生活が安定するし、特に家庭環境も改善するよと、こういうふうに報告書は出ているのですね。今も出稼ぎなどというようなことがあって非常に家庭が破壊されているというような状態の中から見ますと、これは本当に大事な冬期施工という問題を考えていただくいい結果の報告が出た、そう思っているわけでございます。 それで、次に開発庁にお伺いしたいと思うんですけれども、直轄事業による冬期施工の拡大はどのようにまた進められているでしょうか。と申しますのは、非常に冬場の仕事がないというのが問題でございますので、その点を簡単にお答えいただきたいと思います。
○説明員(大久保庄三君) 先生御指摘の点でございますが、北海道開発局は御案内のとおり直轄の公共事業を総合的に一元的に実施しているわけでございますが、その中で特に冬期の工事の施工というものの御指摘の点ですが、これは仮に十一月から三月までの冬期の契約率で把握いたしますと五十八年度は七・一%、それから五十九年度は七・二%、こういうふうになっておりまして、やはり北海道は御案内のとおり非常に景気の回復が遅くて日本でも一番景気の悪い地域でございますので、ここ数年前から北海道の景気対策にも配慮いたしまして公共事業を可能な限り早期発注をしておりまして前倒しを実施している関係上、冬期における契約率はこういう数字になっているというふうに理解しております。
○小笠原貞子君 前倒しになってちょっと上がったというようなこともございますけれども、全体としてはなかなか厳しい状態でございます。労働省としても、建設公共事業が削減されるという影響でございますね、どんどん少なくなってきているということがやはり非常に雇用の阻害の要因になっている、そういうふうに思うわけなのです。住宅建設を見ましても、九万戸から七万戸に減っているというようなわけで、直轄の仕事もなかなか厳しい。そして一般の建設というものも非常に厳しいということをここで御確認をいただきたい。大変厳しいのだよということを申し上げたい、そう思うわけでございます。 ところで、労働省と雇用促進事業団が昨年から札幌市に建設されているのですけれども、勤労者職業福祉センター、ミニサンプラザ、こう言っていますけれども、その工事が行われております。総工費が五十億、冬期施工もやって、冬期も含めた通年雇用というものが実施されて労働者から大変喜ばれているわけでございます。そういう意味で労働省としても率先して通年雇用につながる事業を進めていらっしゃるけれども、なかなか労働省としても厳しい中ですから、だから建設省だとか開発庁だとか政府各機関などに強力に働きかけて、そしてこういう通年雇用、経営者も安定、労働者の生活も安定、家庭の環境もいい、こういう仕事に本当に具体的に取り組んでいただきたい、そう思うのですけれども、大臣としての御所見はいかがでございますか。
○国務大臣(山口敏夫君) 先生から御評価いただきましたように、労働省としても、国会のこうした御論議を踏まえて通年施工の一つの姿勢という意味で、冬期の仕事ということを含めて北海道のミニサンプラザの施工を進めた、こういう経過でございます。そういうことで、今後ともそうした季節労働者の通年雇用を促進する見地から、今いろいろ建設省、北海道開発庁等との御論議もございましたけれども、さらに連絡をとりながらこれを推進をしていきたい、かように考えます。ただ、工事費が少し割増しになりますので、いろいろ厳しい財政事情のやりくりの中でそれぞれに苦労はあるわけでございますけれども、それはそれとして、そういうための努力を進めることによってそういった冬期の工事がさらに拡大をしていく、そういう一つの啓発にもつながれば大変ありがたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 あってほしいというだけでなくて、あってほしいことをどうしたら実現できるかというところをもう一歩、若いのだし張り切っていらっしゃるのだから、もうひとつそこのところで一歩突っ込んで大丈夫だというふうに新しい開拓をしていただきたいというのがきょうまたこの問題を取り上げた理由でございますので、よろしくお願いをいたします。 積寒給付金制度が出されて四十日分がカットされたわけですけれども、これは北海道全体で見ますと三百五十億円の減収、こういうことになってくるわけですね。そうしますと地域経済にも非常に大きな問題等影響してくる。北海道の景気がなかなか回復しないなんというのも、こういうことも一つの問題になるであろうし、また先ほど申しました家族を含めて百万人の方たちにこの制度がより改善されるか、それとももっと後退するかということは、もうオーバーな言い方じゃなくて、実際の生活を見てみましてまさにここが命綱みたいになっているというような状態なんです。労働者としてはさっき言ったように仕事が減っている中でやっと積寒給付金制度でいろいろな事業やってもらったりなんかしているというようなことで、何としても雇用安定に役立つような改善をしていただきたいし、継続をしていただきたい。と申しますのは、御承知のように六十年度でこの制度が一つの区切りになるわけでございまして、季節労働者はもちろん、これは市町村の大きな問題になっております。業界としても、これをどうしても改善していただきたい、延長していただきたい、こういうことでございますので、やっぱりそれくらい期待されて命をかけているというような問題でございますので、大臣としてもそれにこたえて御検討を願いたい、お願いしたいのですが、いかがでしょうか。――簡単なことだから。大臣の御検討をお願いしたいということですから、大臣から。
○国務大臣(山口敏夫君) 今小笠原先生の御指摘の問題につきましては、昭和六十一年度以降のこれら季節関係給付金制度の延長の問題につきましては、この制度ができた創設の経過、あるいは関係自治体及び事業主の工事の通年施工化の努力等、現状を十分勘案して検討をすべきである、かように考えております。
○小笠原貞子君 じゃ、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 それで、お願いなんですけれども、これね、行ってみなきゃわからないですね、もう何事もそうだけれども。私はぜひ大臣に一度、どういうんだと、これだけのいい制度をつくって本当に喜ばれているのかどうなんだと、実際の生活を、ぜひ行って生の声を、調査なんという難しいことは言いません、生の声を聞くためにぜひ、いつとは申しませんけれども、お出ましいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(山口敏夫君) こういった国会の御論議を十分伺いながら、国会の経過を見ながら、やはりいろいろなところで直接御意見を伺ったりあるいは御指摘をいただくということは、非常に行政の立場上大事なことだというふうに考えておりますので、そういう点も含めて今後とも検討して、そういう姿勢で取り組んでいくというふうに考えております。
○小笠原貞子君 ありがとうございました。 じゃ、次の問題、わずかの時間になりましたけれどもお伺いしたいと思います。 国鉄は今いろんな問題が出ておりますけれども、国鉄の当局とそれから労働組合と、特別退職する場合の、特退協定と申しておりますが、この協定が今も生きているわけでございます。その中には本人の退職について意思を尊重する、強制、強要はしない、こうなっているわけでございます。ところが、強制、強要どころか脅迫というような、そういう事態が実際に起きているわけでございますね。これも、みんなこういうふうに言われたというのは私の方で調べたのですけれども、その中で、これは国労の下十条電車区というふうにはっきりもう出ているのですけれども、ここのところでは、もう五十五以上になっているのだからやめなさいというふうに言っているわけですね。国鉄が退職とか出向とか休職とかというような方針を三項目で出している、だけれども、それに協力するという人と、それから、いや私はやめたくないのだという人があるわけですね。やめたくないという人はいろいろ事情があって、これを調べてみましたら、まず生活ができないよ、住宅の問題もあるし子供も学費がかかるときになってきているとか、それからまた私が最も胸を打たれたのは、障害者を抱えている、その子は動けないんだ。その障害者を抱えて、今、年だからやめろと言われてもやめられない事情なんだ。そういう人たちに対して何度も何度も、もうやめなさい、こういうことが言われているわけですね。それで具体的に、協力する者とそれから協力しない者と一緒にすることはできないよ、やっぱり協力しない者に対しては差別するのが当たり前だ、こういうふうに言っているわけなんですね、当然なんだと。こういうことを事実言っているわけなんですね。そうしますと、これはまさに労基法で言う差別、三条違反になるのではないか。そして私が言うのじゃなくて、その当局の本人が、差別するのが当たり前だ、こういうことを言っているんです。これはやっぱり差別に当然なる。協定違反にもなるし差別になるということ。大臣、この事実をどういうふうにごらんになりますか。
○政府委員(谷口隆志君) 国鉄が膨大な累積赤字を抱えまして、また、年々赤字を出すという非常に経営が危機的状況にあるわけでございますので、余剰人員の問題を含みます再建問題が非常に重要な問題である、いわば国民的課題でございますので、私どもといたしましては、こういう対策につきましては、労使関係者がそういう厳しい認識に立たれまして、所期の効果が上がるような対策を進めていただきたいというふうに思っておるところでございます。 御指摘がございましたことにつきましては、国鉄当局にも聞いてみましたけれども、私どもが今承知している範囲では、当面五十五歳以上の職員に対して退職の勧奨ということは行っておるけれども、強制、強要にわたるというようなことはないというふうに聞いておるところでございますが、私どもは、やはり労使で十分意思疎通を図りながら、効果が上がるような対策が進められることを期待しておるところでございます。
○小笠原貞子君 大臣、一言で伺いたいのだけれども、協定があって、強制、強要はしませんよということを言っているわけですね。だけども、明らかにこう、国鉄の事情は何かとあろうかもしれないけれども、差別、男女差別じゃないです、男の中の差別ですからね、今は。そういう中の差別をして、しかも本人が差別するのが当たり前だと言っているのが、これはやっぱりおかしいでしょう、違反でしょう、この事実だけで見れば。――ちょっと待ってください、私は大臣に聞いているのだから。国鉄のいろいろな事情があろうとも、話し合ってやめてくださいというのではないんですね。これ、時間がないから全部言えないけれども、まさにもう脅迫ですよ。そんなことを言っていつまでも頑張ってたらと、こういうふうなことになるわけですよね。 この事実について大臣は、本人も差別するのが当たり前だというようなことまで言っているというこの事実については、差別だと、これは違反だよと言わざるを得ないんじゃないでしょうか、大臣。
○国務大臣(山口敏夫君) 私も就任以来、国鉄再建に余剰人員対策等も一つの大きなかぎを握っておる、こういうことでもございます。それから御承知のとおり、国鉄の労働組合の中にもいろいろな各組織的な分類もある、こういうことでございますが、それはそれとして、国鉄当局と労働組合が率直に意見を交換をして、国民の注視、監視、そしてまた、一方においては国鉄に対する評価と同時に、この現状に対する大変な不平や批判もあるわけでございまして、そういう状況を踏まえてよく話し合いを進めて、公労委その他に取り上げられるような経過とは別に、この余剰人員問題、派遣の問題、休職の問題等につきましても、十分意思疎通を図りながらひとつ取り組んでいただきたいということを、労働省あるいは労働大臣の立場からも、当局や労働組合団体にも直接間接に要望を申し上げたり話し合いの場を設定したりしておったところでございます。 そういうことで、小笠原先生の御指摘のような実情が、我々も実際どういう形で行われているかということを確認あるいは追認するような立場でございませんと今ここでその事実関係についてコメントを申し上げるという立場に立てないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、そういった問題が起こらないように、十分労使間の信頼と、やはりお互い国鉄という一つの組織の中でやってきた立場でございますので、十分な意思疎通のもとで、今日の難局をひとつ打開すべく取り組んでもらいたい、かように考えるわけです。 それからまた、今の基準法違反かどうかという問題につきましては、労働基準法第三条は労働条件についての差別的取り扱いを禁止した規定であることはもう御承知のとおりでありますが、特に国籍とか信条及び社会的身分を限定的に列挙しており年齢はここに規定されていない、こういうことですから、今の御指摘の部分が基準法違反であるかどうかということになりますと、基準法違反には当たらないんじゃないか、基準法違反という立場をとるということではないのではないか、かように考えるわけでございます。
○小笠原貞子君 国鉄でうまく解決してくれればいいと、こうおっしゃるけれども、現実にこの問題が起きているんだから、だからこういうふうに明らかに差別されているということについて、もしも私の言うことが、いやそれはわからないとおっしゃるならば具体的に調査していただきたい。そして労働者がそういう差別という労働基準法違反になるようなことの中で泣かされることがないようにということを、一つは具体的に調査をしていただきたい。 もう時間がございませんから、その次の問題を一つだけまた提起いたしますけれども、交番制といいまして、今度みんないつ乗るかとかこういうのが割り当てがありますね。そのときにも一律に五十五歳以上の人はほとんど予備という形にして、そして日程の中に繰り込んでいない、こういうことなんです。これも明らかに年齢による差別ですね、五十五歳以上は交番制に組み込まないということ。これも年齢による差別だと、今まではそういうことがなかったわけですから、この点についてもやっぱり差別の問題として私は提起したいわけです。やっぱり労働基準法からいっても差別の条項に当たるのではないか、その問題についてもお答えいただいて、そしてそういう事実について具体的に労働者からも、国鉄からだけお聞きになっていると思うけれども、具体的に労働者の方からお聞きにならないからわからないと思うので、聞いて御調査をいただきたい。そうでないと、よろしくやれよなんて言ってたって、今の国鉄の問題を考えたらできませんから、それくらい労働者の立場で労働大臣はお出ましをいただきたい、そう思うんでございます。 最後になりますが、どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(山口敏夫君) 国鉄労使双方で円満にひとつ十分信頼関係を持ってやっていただきたい、こういう要望をお願いをしているだけではなく、当局はもちろんでございますけれども、これは国鉄の労働組合の皆さん方にもお聞きいただけると思いますけれども、労働省としても不眠不休というと大げさかもわかりませんが、特にここ数日は労政局長初め、公労委の問題等もございます。いろいろな面で意見を伺いながらひとつ労働省が、やはり公共企業体でございますから、そうした労使問題、労働問題についてはやっぱり大きな責任を負っておる、こういう認識で取り組んでおりますので、また先生から御指摘いただいたような問題もあるいは労働組合の皆さん方からも伺う機会もあろうと思います。そういう点を含めまして、お互いの当局ともども、国民の大きな監視の中でこの再建の問題が注目されております。また国鉄職員にしてみますれば今後の身分の問題、雇用の問題で非常に大きな不安もございます。そういう問題をどうこれを改善への道のり、また労働者の生活の安定、雇用の確保、こういう両面の中から解決していくかということで、御指摘の点も十分留意して今後とも取り組みに努力をしたい、かようにだけ申し上げておきたいと思います。
○下村泰君 それではひとつ労働大臣に、厚生大臣の所信表明の中にある言葉から確認をさせていただきたいのですが、厚生大臣がこういうことを言っていらっしゃるんです。「私は、先般労働大臣と話し合い、高齢者雇用問題等に関する両省の連絡会議を設置いたしました。」というふうな発言がおありだったわけです。「高齢者雇用問題等」とあるのですから、高齢者に限らず身体障害者の雇用問題もこの中に含まれるのでしょうかと、こういう質問をさせていただきました。それに厚生大臣は、もちろんその方たちの問題、あるいは婦人問題も含めて「等」というふうに御解釈願いたいと、こういうふうにお答えがあったのですけれども、それをそのままのみ込んでよろしいのでしょうかね。
○国務大臣(山口敏夫君) 先般厚生大臣と高齢化時代における諸施策、対策、これは高齢化時代というのは高齢者の問題のみならず、弱者の問題もこれは含まっておるわけでございますから、そういう意味で、幅広い形で厚生省と労働省がひとつ定期協議をしながら、縦割り行政の弊害といいますか、そういう問題を十分横の連絡を密にする必要性がある、こういうことで両省間会議を開催をいたしまして、その後何回かその作業を進めております。これは中心は高齢化時代における雇用と年金の問題でございますが、今先生の御指摘の障害者の問題、これも就学から、あるいは就業に至る経過が非常に難しいわけでございますし、また就学と就業とが一体となって進めていかなきゃならない重症児等の問題もございます。そういう意味で、特に障害者雇用の問題は労働省としても一番大事な政策課題、特に二百万近い障害者の方々が雇用を必要としておるわけでございますから、当然のこととして厚生省との協議の問題の中にこの障害者の問題もぜひ取り入れさせていただきたい、かように考えております。
○下村泰君 これ大変な私は進歩だと思うんですよ。と申しますのは、以前橋本さんが厚生大臣のときに私はこれをお願いしたのです。そうしましたら、ちょうど大臣就任のときの八月十五日、終戦記念日みたいですけれども、その八月十五日に労働大臣と話し合いますというお答えをいただいたことがあるのです。その後の委員会でお尋ねしたら会ってないと言うんですよ。それっきりずっと恐らく会ってないのだろうと思います、厚生大臣も労働大臣も。ところが、たまたまここへ来て高齢化という、いわゆるお年寄りの方々の再就職問題あるいは雇用問題、こういう方たちが大きくクローズアップしてきた。そのために大きな社会的問題になってきたから初めて厚生大臣と労働大臣が話し合うような羽目になったんだと、私はそういうふうに解釈しているのです。 ですから、いつも申し上げますように、縦割り行政ははっきりしておるんだけれども、横の連絡が何もない。だから心身障害者の問題、いわゆる精神障害も含めましてこういった方たちの、今も大臣がお答えになった就職問題というのはもう大変な障壁があるわけですね。これは常に両省にまたがりますからね。もう毎度申し上げますけれども、授産所といえば厚生省、作業所といえば労働省、あるいはそこに雇用関係があればまたまた労働省と、もう常に一体なんですよね。同じ施設の中でその問題が二つ重なってくるわけだ。それだけにこういった問題はよくよく、つまり労働省と厚生省と御連絡していただかぬとどうにもならない。これは加藤安定局長が一番よく御存じのことだと思うんです。それだけにひとつ熱を入れて怠ることなくやっていただきたい。これをまず確認しておきたいのです。力強い御返事をどうぞ。
○国務大臣(山口敏夫君) 高齢化時代という社会的な背景を踏まえて厚生省と労働省の二省間協議がスタートをした、こういうことでもございますが、いま一ついろいろな多様的な国民の皆さんのニーズの中でいわゆる縦割り行政が持つ限界、あるいは意見の交換、意思の疎通、また連携ということは非常に大事だという我々も一歩踏み込んだところの施策のスタートであるということで、もう一歩御評価いただいてもいいような結論、経過をひとつ進めていきたいというように考えますし、今の障害者等の問題はいわば先生の方が御専門ですけれども、厚生省と労働省だけではなくて文部省もどうしても絡んでくる問題でもございます。これは別にだからといって三省間協議という枠を形式的に広げるというだけではなくて、要は実行が大事でございますので、とりあえずは厚生省と労働省でよく相談をして詰めた問題を個々の問題点においては文部省の方へこれを振り向けるということで、要はトップがどんどん協議していけば実務者の方も真剣にこういう取り組みが実行に移される、こういうふうに私ども理解しておりますので、ひとつ責任を持って在任中にこういう問題の取り組み、スタイルを確立をしておきたい、かように考えます。
○下村泰君 もし今大臣のおっしゃったようなことが実現されれば労働大臣歴代の中で山口労働大臣の名前が一番残るのじゃないですか。たまには私はお世辞も言いますけれども。 実はこのいわゆる小規模作業所の問題も昨日厚生省で取り上げさせていただいたのですけれども、労働省も真剣にこれは考えてほしいと思うんです。昨年東京都の障害児学校教組、いわゆる教組ですから先生方が都立の盲、聾、養護学校五十校を昨年の春に卒業した七百五十七人の進路調査というのをまとめてその結果が発表されているのです。 その内訳が、一般企業への就職が二百十人、二七・七%、民間作業所が百十七人で一五・五%、それから社会福祉施設入所が九十八人で一二・九%、進学が九十二人で一二・二%、それから区とか市立の通所訓練センターなどが八十八人で一一・六%、福祉作業所が四十九人で六・五%、職業訓練校が十九人で二・五%、その他在宅なさっている方がいるのですけれども、これは通所希望の社会福祉施設のあくのを待っているのが十八人、就職の待機が三人、自宅療養が二人、こうなっています。 一般企業への就職二百十人、これはいつも安定局長にもお願いして、いろいろと身障者の雇用を何とかしてもらいたいというふうにお願いしています。けれども、いまだに大企業あるいは金融関係それからサービス業、殊に私どもが育ってまいりました芸能関係の方でまいりますと、放送局でありますとかテレビ局、これが一番悪いのですね。こういう問題を放送しているところが一番悪いです。もっとも私個人が反省したってどうにもならぬことなんですけれども。その割に民間作業所の百十七人、これが以外と数が多いのです。この民間作業所というのはいわゆる認可されているところもありましょうが、無認可も含めて小規模作業所、こういった一連のところに入所なさっている。こういう問題をよく見詰めてみますと、結局一般企業が引き受けてくれない。しかし今の心身障害者にとっては自分で働いて自分で生活して自分で食べていくということの自助の、自分で自分を何とかしようという努力を一生懸命重ねている、そのあらわれがこういうふうになってきていると思うんです。それだけに厚生省ばかりに小規模作業所というのを取り扱わせずに、ここのところなんです、さっきから大臣にお願いをしているのは。ここも労働省と厚生省の両者で何とかしてこの小規模作業所という、殊に無認可が多うございますから、その無認可の多いところにほとんど入っているんです。 と申しますのは、次のデータを申し上げます。八四年、昨年の八月の三十一日現在で共同作業所全国連絡会というのがあります。ここで調査いたしました。これは御自分たちが調査したのですから間違いない数。作業所の総数が八百二十五、実数は千を超えております。けれども、その中には余りにも小さくて数のうちに入らないものもありますし、一年もたなかったというところもございます。そういうことで確実な数が八百二十五です。ここが定員五人以下が十二カ所、六人から十人までが百六十八、十一人から十五人が二百十三カ所、十六人から二十人が百七十カ所、こうなっております。そして、この八百二十五の作業所の総数のうち二十人以下の作業所が五百六十三、六八・二%全体に占める。このぐらい多いのですよ。そこがこういう心身障害児・者を収容しているわけなんです。これがほとんど無認可ですから、認可がないのですから、それを厚生省にもお願いしているのです、何とかして助成してほしいと。ところがいろんなネックがあってこの法に照らし合わせてこういうふうにしていただかなければ、何としても認可を通るような体制を整えてほしい、これが厚生省のお答えなんですよ。そこで労働省と何とかして手を合わせて、先ほどから大臣もそういうお答えをいただきましたし、それから厚生大臣もそういうお答えが出てきておるのです。それにもかかわらず、この数を把握しながら何とか助成の方法はなかろうか、そういう手だてを考えてくださいということで再三申し上げておるのですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) この共同作業所の問題は下村先生のかねての御要望、御主張でございまして、私どもも何とかこの問題について日を当てたいという構えでおるわけでございます。何といいましてもこういう障害児・者を抱えた親たちが何とか自分たちの子供にそういう就労のチャンスを与えたいという切なる願いから出てきておるものでございまして、私どもも何とかこういうものについて我々の労働省サイドの施策の中から何らかの日が当てられないか、こういうことでいろいろ懸命に知恵は絞っておりまして、そこにとにかく雇用関係というものを何とかつくってください。これ率直に申し上げて今の共同作業所そのままで本当にいいか。例えば私どもが言っておりますのは責任者がいない、親たちは非常にそういう何とかしたいという温かい気持ちで共同でおやりになるのはいいのですが、だれか責任者を決めるとか何かそういうことを共同の話し合いの中でできないだろうか。そうして、そこでだれと一応形式でもいいのですが、こういう雇用関係にあるのですというような形をつくる。そのことが私どもまた共同作業施設の運営を的確にやっていく上にも本当は必要なことじゃないだろうか。仕事についての例えば契約をするというような場合に、だれが責任者かわけのわからない形でただ仕事をもらってくるとか、引き受けるとかいう話も本当のところ言って、それが健全なこういう作業所のまた発展になるだろうかというような意味で、むしろ私どもとしてはできるだけひとつのやはり立派な作業所としての仕組みを何とか構えてください、もう一歩親心を進めてそういう形にならぬか。そうすれば私どももいろいろこういう交付金制度の中での御援助ができるというようなことでおるわけでございます。 厚生省の方もいわゆるこういう補助金の直接対象になってないというようなことでいろいろ悩みがあるようでございまして、その辺私どももさらに厚生省とこういう連絡協議の場等を通じましてさらに詰めていきたい、何とか道をさらに開きたいと思っておりますが、何といいますか、もう少しこういう雇用関係という形という、形にこだわるというよりも作業所そのものがもう少しいま一歩親心を踏み出してひとつの事業所的な形へ持っていっていただくのも実は大事なことではないだろうか、こういう点もひとつは御理解をいただきたいと思います。
○下村泰君 よくわかります。実はそのこと一つ取り上げましても、今の加藤安定局長のようにわりかた温かいお心でお答えくださっていれば当事者もその気になれると思うんです。ところが、出先機関の方が意外とどこでも冷たい扱いなんです。そのためにむしろ親御さんたちががっくりくるのじゃないかと思うんです。落胆の方が大きいのじゃないかと思うんです。つまり目の前に希望の明かりが見えればいいんですよ。ところが、今の安定局長のように説明をされれば何とかしてその線に、それからその線に近づくにはどうしたらいいのでしょうかと御指導を仰ぎに来ますよ。ところが、出先機関というのはそうでないがために、私は面倒くさいという、神経の方が強いのじゃないかと思う。だから出先機関がそういう神経でこういうことに当たりますと、お願いをしに行った――何にもわからない人たちですからね、本当にこういう方たちは。自分のお子さんの面倒を見るだけで精いっぱい。しかも自分も生活をしなきゃならない。その合間合間に子供さんの面倒も見なきゃならない、そういう方たちにそれだけの心の余裕もなければ、それからそういった法の解釈とか法をひもとくなんという余裕もありませんよね。ですから、そういう人たちには、今加藤安定局長が御説明くださったように、一番窓口にいる方が心温かく御指導してくだされば、もう少し私は数もふえると思います。 それから東京でありますとか大阪でありますとか名古屋でありますとか大きな都市には比較的理解のある方がいらっしゃるし、また私財をなげうってまでもそういう大きな施設をつくってくださる方もいます。ところが、これが地方へ参りますとなかなか理解が少ない方が多いわけですね。都会に来れば理解者が多いわけです。地方に行けば逆になる。しかも、作業所をつくるにしましても、あるいはそういう方たちが心のよりどころとして一つの場所を求めるにしましても分散してますね、地方に行きますと、心身障害者自身が。そのために、例えば十人といっても集まり切れないというような地域が多いわけです、実情は。そのために地方へ行きますと、その作業所のシステムをつくろうと思ってもできないところもあるわけです。 ましてや、そんなところで、今安定局長がおっしゃったようなシステムをつくるというのはこれは並み大抵のことじゃないですよ、御本人たちにとっては。理解者が少なければ――理解者というのは、そういうお子さんを抱えている親御さんしかいないのですからね。そういう方たちが寄って、寄り寄りそういうところをつくろうとなればなかなか大変です。しかも、窓口の方に冷たく扱われたんじゃ、もうこれは二の矢も継ぐどころの騒ぎじゃない。取りつく島もないというやつですね。 ですから、こういうことをひとついかがでございましょうかね、労働省のそういった安定局長あるいは労働大臣が進んで、労働大臣の名前でいろいろと通牒を出すのも大変でしょうけれども、その出先機関にそういった方たちに対するそういう指導方法というのを改めてもう一回ひとつ確認していただけませんか、どうでしょう。
○政府委員(加藤孝君) 御指摘の御趣旨よくわかりますし、私どもも出先におきまして、常にこういう問題について本当に一〇〇%立派な対応をしておるのかどうか、いろいろやはり反省をしなきゃならない面もあろうかと思います。 今、そういう御指摘の趣旨を踏まえまして、こういう問題についてどういう指導をしていくのか、そういった点などを含めまして出先に対するまた指導を強めるような指示もいたしたいと思います。
○下村泰君 じゃ、ひとつ改めてお願いします。よろしくどうぞ。 高齢者問題、これはもう諸先生方がしばしば取り上げていらっしゃることですので、私が改めて余り事細かにお尋ねしてもお答えは同じだと思いますけれども、この間も申し上げましたように、高齢化社会に日本が進んでいる状態、オリンピックをやったら常に金メダルがもらえるというふうに申し上げましたけれども、実際これはもう比率を見てびっくりするんですね。昭和四十五年、一九七〇年に我が国の六十五歳以上の人口が総人口に占める割合、これが四十五年には七%、それが試算をいたしまして、現在昭和六十年ですから十一年後昭和七十一年、一九九六年になると、これはあくまでも推定でしょうけれども一四%と、こういうふうになる。それから五十八年、昨年九月ですが、九・八%。千百六十六万人が六十五歳以上。この人口比率が七%から一四%になるこの所要年数、これを国際比較しますと、イギリスと西ドイツが四十五年、アメリカが七十五年、スウェーデンが八十五年、フランスが百十五年かかっているんですね。何と日本は二十六年でここへ来るんです。こんなスピードの高齢化というのは恐らく初めてじゃないかと思うくらい進んでいるわけです。そうなりまするといろいろ問題が出てくるわけです。 そこで、労働省が十七日、全国都道府県の雇用の動向と見通しというものを発表なさいました。これでいきまするというと、もう五十五歳以上の人が五年後には二割になってしまう、こういうような試算が出ております。こういうふうに非常に高齢化が今申し上げましたようにスピードアップされているのですけれども、これに対して労働省としてはどういうふうなお考えをお持ちなんでしょうか、この雇用対策。
○政府委員(加藤孝君) 今下村先生からお話のございました各都道府県ごとにそれぞれ自分の県が今後高齢化がどういうふうになっていくかということでそれぞれ推計をさせてみました。あるいはまた六十五年までの見通しをつくらせてみたわけでございます。 これによりますと、五十五歳以上の者が労働力人口に占める割合を見ますと、昭和五十五年の二〇%から二五%を占める県がこれが十四県もある。それが六十五年には三十五県にふえる。二五%以上が十県になるというようなことであり、すべての地域において高齢化が急速に進行するということが見込まれるわけでございますし、これを進行の状態を地域別に見ますと、中国、四国地方においてさらにこの平均よりも比較的早く高齢化が来る。そしてこれが東北、北陸地方で次第に高齢化が波が来て、最後六十五年あたりには関東、東海、近畿地方へと高齢化の波がずっと覆っていくと、こんなような推計になっておるわけでございます。 こういう高齢化に対応いたしまして、現時点では六十歳の定年の一般化ということを一つ大きな軸にいたしておりまして、さらに六十歳前半層につきましてのさらに短時間勤務であるとか、任意就業なども含めましての高齢者の雇用、就業の場を拡大していくという面での今行政指導も進めておるわけでございますが、基本的には、今後のそういう二十一世紀あるいは人生八十年時代へ向けまして、高齢化対策というものについて抜本的な対策の樹立が必要であるという基本認識に立ちまして、今雇用審議会なり中央職安審議会で懸命に今御検討をいただいておるということでございまして、何とか近い時点でこういった対策についての樹立をしたいと、こんなふうに考えておるところでございます。
○下村泰君 今こういうような調査を基盤にして――、まだ完全にこういうものに対する対処の仕方といいましょうか、そういうものは完全にできてないわけですか。であるなら、それに対してどうもお聞きの仕方もございませんから、これにとどめておきます。 実はここに、これは大臣も御存じでしょうけれども、江戸川区に社団法人シルバー人材センターというのがありまして、これが大変うまく回転をしておるんですね。発足して十年目を迎えた。一年目は会員が三百五十六人で五百七十七件の仕事をして三千七百万円の収入があった。もっともこれしかなかった。その後着々とふえて、今年度五十九年四月から約五千六百件、五億円という収入があるようなところまで来た。こういうふうに結構需要も多いわけですね、こういう方たちのこういう仕事のあり方というのは。むしろこれは労働省に対して先鞭をつけて、こちらの方がこういったモデルケースをつくってくれたといっても差し支えないのじゃないかと思うんですけれども、こういうふうなことの行政指導というのは労働省はなさっていらっしゃるんですか、どうですか。
○政府委員(加藤孝君) 今お示しの例は、まさにうまくやっておられる、これも今後の高齢化対策の一つの重要な柱であろうということで、労働省も昭和五十六年以来こういうものに対して全国的にこういったものをひとつ高齢者対策の一つとして普及させようということで、補助制度を五十六年からつくりまして、現在そういうものが全国で二百三十五に今なってきております。
○下村泰君 あわせてちょっと。 この間も触れましたけれども、日本シルバーボランティアズ、この皆さんが大変中国でも大もてで、しかも今登録されている人員では足りないと言われるくらいあちらから要望がある。こういうのは私はすばらしいことだと思うんですけれども、ただここで一つちょっと気になるんですが、シルバー人材センターで働いていらっしゃる、老人という言葉が使われてますけれども、私に言わせればもう人間を古く営業しているという言い方が一番いいと思うんですけれども、この方たちが報酬に対する税制上の優遇措置がないと、これは大変気になることで、もう今までさんざん働いて、お国の方にさんざん税金を納めて義務は済んでいるはずなんですから、こういうふうに改めて働いている人からまたどうもふんだくる――私の言葉で表現するとふんだくるという形になるんですけれども、こういうのは何か大蔵省の方とお話し合いにならないんですか。税金の優遇措置というのはどうなんですか。
○政府委員(加藤孝君) 私どももシルバー人材センターからそういう御要望はしばしば受けておりまして、それなりに大蔵省と話はしておりますが、ただこういうシルバー人材センターに参加しておられる高齢者の方でもいろいろございまして、退職金あるいはそれの例えば利子、それからあるいはまた年金等でほかに相当の収入があられるというような方についてはそれなりにやはり税がかかっていくというのはこれは避けられないんではないだろうか。問題は先生おっしゃるように本当にそれしかないとかというような方に税がかかっていくようなこれはシステムでもないわけでございまして、そういう意味では他の所得との全体の総合の中でかかってくる方もおるということでございまして、この辺はなかなか難しい問題で、ここのところだけの収入は他の収入と分離して非課税にせいというのはなかなかこれは大蔵の壁は極めて厚うございまして、ちょっと簡単にはいかない問題でございます。
○下村泰君 私なんか常に思うんですけれども、年金といったって本人が老後のことを考えて掛けている年金ですね。そんなものも全部総合所得で合算して、おまえはこれだけの年間の収入があるのだからこれだけの税金を払えと、何だか知らないけれども非常に気の毒な存在ですね。そういうことをいつも私は考えるんですよ、単純に。ですからそういうようなものが何とかならないかなと思います。またそう思わなきゃいけないんじゃないですか、こういう方たちに対しては。安定局長だって今にそうなるんですよ。人のことじゃないんですからね、御自分だってそうなるんだから。 それから、労働法の、いわゆる労働者としての枠外にあるんですね。そのために御自分たちで就業上の災害補償の措置をしなければならない、こういうことも何か考えて差し上げなきゃならない。こういうこともどうなんですか、行く行くはもうだって高齢者人口が多くなるんですから、お年寄りが。そういうことに対するこういう方法もある程度考えあわせなきゃいけない問題じゃないかなと思いますが、いかがですか。
○政府委員(加藤孝君) 労働災害に対する補償の問題は、実は私どももシルバーの問題を仕組みます際に懸命に検討した問題でございますが、今の労災補償をそのまま適用するというのはこれは極めて難しいという事情がございまして、私どもとしてはこれを民間の損害保険会社と組みまして特別のシルバー人材センター用の団体保険制度を実は創設をいたしました。そういう制度の中で非常に割安で補償が受けられるような、そんな仕組みをつくっております。実に御指摘の点よくわかるのでございますが、どうしても今の労災保険そのものの制度にはならない、そんなことで今対応いたしております。
○下村泰君 いろいろ当事者にとっては要望というのはたくさんありますから、そして必ず当事者というのは自分に都合のいいことしか考えませんから、それは私もわかります。でもそういう方たちがとにかく働きやすいように土壌をつくって差し上げるのが我々の務めであって、そういう方たちはさんざんお国のために尽くしてきた人たちなんです。ですからできるだけ温かい手を差し伸べるという方向に進んでいきたいと思います。 労働大臣、最後にひとつそういったことに対するまとめでお答え願えれば幸いです。
○国務大臣(山口敏夫君) 今先生と安定局長とのやりとりを伺っておりまして、政府も今の内需の喚起、個人消費をどう刺激をするかいろいろ考えておるわけです。ですから、こういう今春闘の時期でもございますけれども、春闘相場も人によってはすぐこれが預金に回っちゃうとか、あるいは減税も預金に回ってしまうとか、いろいろ経済的なやりとりからしますと、すぐそういった形で議論を終えてしまうというような考え方もございます。そういうことを考えますと、ある一定の年齢以上の方の所得という問題は私はかなりそのまま内需につながる、税の問題との兼ね合いによっては内需、個人消費につながるという部分が非常に多いと思うんです。ですから、そういう角度からも今予算委員会なんかでも総理初め大蔵大臣も減税ができるような税改革、税体系の見直し、こういうことを言っておるわけでありますが、そうした論議とあわせて私も高齢者の所得と税の問題ということにつきましては、これはやっぱり一つの新しい視点からどういう方法があるのだろうかということは十分研究に値する一つのテーマだという気持で伺っておったわけでございます。 安定局長が言うように、税務当局のいろいろな税体系の問題の中でなかなか難しいことだとは思うんですけれども、その方法を探るということは非常に大事なことだというふうに考えますので、ひとつ研究テーマとして承らしていただきたい、かように思います。
○委員長(遠藤政夫君) 以上で労働省所管に対する質疑は終了いたしました。 これにて昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管、労働省所管、環境衛生金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤政夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十五分散会