災害対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/04/19
会議録
○委員長(安永英雄君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三月二十七日、佐藤昭夫君が委員を辞任され、その補欠として下田京子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(安永英雄君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 私は最初に、桜島火山の噴火降灰対策について質問をいたします。 五十三年に、桜島の四十七年以来続きます火山活動に対して、特に活動火山対策特別措置法を制定していただきました。しかし、その後の桜島の火山活動は大変地域住民に深刻な被害と影響を与えておりまして、稻村前国土庁長官のもとで昨年の七月に桜島火山対策懇談会が設置されたのでありますが、この懇談会は、その後会議を重ねて十二月十三日、三十一項目にわたる火山対策の提言を行って終了されたのであります。この三十一項目の提言につきまして、地域の住民や自治体の立場からは非常にその努力を多としているのでありまして、これらの提言が速やかに具体化されることを望んでおります。特に、私どもがかねてから要望いたしておりました降灰除去費用の所得税雑損控除の適用については、提言が行われた直後に国税庁でそのような扱いを決定されました。大変感謝いたしておりますが、このような提言を行われた中で、新たに長官となられました河本長官も、今回の所信表明の中で、桜島火山対策の問題を特に重視して取り上げていただいております。所信表明全体は大変短いものでありますけれども、その中で桜島の対策がわざわざ取り上げられたということは、国土庁の桜島火山対策に対する関心をお示しいただいたものと高く評価をいたしているのであります。 これらの提言を踏まえて、六十年度の施策の中で桜島火山対策として新たに取り上げられた問題はどういう問題であるのか、なお今後に課題として残っているものはどういう問題であるというふうに理解をされているのか、国土庁のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(杉岡浩君) 昨年の十二月に桜島の火山対策懇談会から御提言をいただいたわけでございます。我々といたしましては関係省庁と緊密な連絡をとりながら、既に五十九年度においてとれるものはとるということで、例えば、火山灰に強い農業関係の被覆施設、こういったものに対する研究開発を国土庁の総合調整費をもちまして関係省庁で研究をしているというようなこと、あるいは水産関係では清掃事業を既に五十九年度で着手いたしたわけでございます。引き続きまして六十年度、その提言におきましても関係省庁におかれましてその後いろいろと新しい予算にその実現化を努力されていただいたわけでございます。例え ば学校給食関係におきましては、共同調理場の対策あるいはプールの上屋対策等々の対策を六十年度の新しい予算に計上していただいて、これから実行をしていただくということにいたしておるわけでございます。 なお、さらに今後残された課題としてはまだいろいろとあるわけでございます。避難対策の整備、あるいは火山ガスに強い緑化用の樹種の選定とか、土石流の非常に多い第二古里川あるいは野尻川、こういったものの砂防対策の見直し、あるいは火山灰、火山ガスに強い農業用の種類の選定とかいったようないろいろな面でまだこれから残された問題があるわけでございますが、そういったものにつきましては今後関係省庁といろいろと緊密に連絡をとりながら、これの実現化に努力してまいりたいというふうに考えております。
○久保亘君 今お話しになりました対策については、各省庁お見えいただいておりますから、これから少し細かくお尋ねをしてまいりたいと思いますが、ただいまのような国土庁としての取り組みも承知をした上で、長官として桜島火山活動に対する今後のお取り組みになります決意をお伺いしておきたいと思うのであります。 特に、提言を積極的に進めていくために、地域の住民等の意見も十分お聞きいただく方が望ましいと考えておりますが、長官は、私お聞きいたしておりますところでは、空から桜島の状況について一度ごらんになったと聞いておりますが、直接この降灰等の被害の状況等について大臣として現地を調査し、住民の状況等について調べたり意見を聞いたりするようなことをおやりいただきたいと思っておりますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 私は、かつて参議院の決算委員会でつぶさに現地を見せていただきました。その後長官に就任いたしまして、ただいま御指摘のヘリコプターで視察したという、長官になってからはヘリコプターで見たという程度でございます。 降灰関係は、先生御承知の、東風が吹けば鹿児島市内、西風になればまた逆だという非常な変わった環境にございますので、不安におののいておられる住民の方々に対して御同情申し上げる次第でございますが、昨年の桜島火山対策懇談会の提言に対しまして最大限に尊重して、関係各省と連絡をとりながら、また地元の団体とも密接な関係をとりながら、忠実に提言を実行していきたいという決意でございます。
○久保亘君 私がごらんいただきたいと申しておりますのは、昨年も大きな噴火や降灰が続いたわけでありますけれども、本年に入りましてから、特に最近活動が非常に活発になっておりまして、降灰は一日単位でとってまいりますと記録的な状況になってまいっております。私も鹿児島市に住んでおりますので、直接降灰の状況は体験をいたしているわけでございますけれども、国土庁は、昨年とことしの降灰の状況というものを数量的には把握されておりますか。
○政府委員(杉岡浩君) お答えいたします。 昨年の六月三日から四日にかけまして、当時、観測史上初めて一平米当たり一千グラムを超す量の灰が降ったわけでございますが、先般桜島の噴火によりまして、四月の九日でございますが、鹿児島市に千六百グラムを超す降灰ということで、大変などか灰が降ったことを認識しております。
○久保亘君 平米当たりのキログラムで言われますとなかなかとらえにくいんでありますけれども、例えば、今度県の方でまとめました昨年一年間の降灰量というのは、直下の桜島にございます最も今までの被害の大きい有村地区では、平米当たり昨年一年間に五十九キログラム灰が降っております。五十九キログラム平米当たりといいますと、大体百坪の敷地でありますと一年間に二十トン降灰があったということでございます。これは桜島の直下の部落でございますが、鹿児島市も、県庁の観測点において昨年一年間に平米当たり六・二キログラム降っております。これは百坪当たりに直しますと約二トンの降灰でございます。それで、今度千六百といいますと、これはまた大変な量なんでありまして、しかもこの観測数値というのは、降りました灰を乾燥して計量するのでございますから、水を含んで降った重量というのはさらに重いのでありまして、これは想像を絶する状況であります。乾燥いたしますとこれが舞い上がるんでありますから、とても耐えられない状況でありまして、単なる不快感ということだけではなくて、除去費用とか、あるいは屋外の施設が使用不能になるとか、そのために必要な施設をしなければならないとかいうようなことで、これはもう容易ならぬ状況なんです。 最近は、降灰だけではなく、大きな噴火がありますと、かなり大きな噴石が降下してまいりますから、例えばことしの二月の二十四日の爆発のときには、桜島の国道上において数十台の車がフロントガラスが割れて使えなくなっておりますね。そして、ガラスが割れて、車の中におりますと恐怖感が走りますから、フロントガラスが割れたまま逃げ延びようとして、今度はかなりなスピードで車は走るのであります。それで非常に問題が大きいんでありまして、このようなものに対する対策をどうするか、いろいろな桜島の今の活動に対しては、我々が東京にいて考えることのできない問題が起きておるんであります。この有村地区には、昨年の七月には直径二メートルの焼けた噴石が落下いたしております。これがもし人家に命中いたしますと大惨事を引き起こすおそれもあるんでありまして、その後、移転問題なども起こるほどになっておるのでありますが、こういうような状況の中において、昨年に引き続いてことしはさらに火山の活動が激しくなっているという状況でございますので、先ほど私が長官に申し上げましたのは、ぜひ現地のそのような状況を見ていただいた上で、提言の一層の積極的な推進を図っていただきたい、こういうことなんでございますが、長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 御趣旨の点に沿うごとく現地をとりあえず一遍見せていただきまして、提言に対して忠実に履行していきたいというふうに考えております。
○久保亘君 ぜひひとつ早い機会にそのようにしていただきたいと思います。 それでは、少し提言に伴ういろいろな対策についてお尋ねをいたしたいと思うんでありますけれども、まず、この提言の中で、今申し上げました有村地区では、それこそ戦時中の空襲警報下におけるような恐怖感というものに絶えずさらされている。しかも、空襲は、これは飛行機がやってくるんでありますから、前もって予知できるが、火山の方は予知できない状態で、突如として襲われるということでありまして、昨年の七月の噴石の落下以降、この地域の住民の間では、この際集団で安全な場所に移転しようではないかということを決議したことがございますが、しかし何しろこの集落、五十一世帯九十人の人が住んでおりますけれども、いろいろ年齢の問題とか、平均年齢がこの集落で六十三歳を超えておると聞いております。それで、年齢の問題とか資金の問題とか、それから新しい土地へ行くことに対する不安とかいろいろな問題がございまして、その後この移転の問題は一応立ち消えになっている。しかし、大きな噴火が起こるたびに、やっぱりどこか安全なところへ移った方がいいんじゃないかというようなことも出てまいりますものですから、提言の中でも移転問題について関係機関における「適切な対処」を必要とするという旨のことが書かれておるんでありますが、「適切な対処」というのは、住民の意向を酌んだ上で安全な地域への移転を考えた方がいいという立場なのか、移転が無理なら安全を確保する方法を考えるという意味なのか、この辺について懇談会が提言をいただいた趣旨はどこにあったのだろうかという点で疑問がございますので、提言をまとめられた国土庁のお考えをお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(杉岡浩君) 昨年の七月二十一日に有村地区に二メートルにわたる石が降っておるのは、私も現地を見さしていただいたわけでございます。有村地区におきましては、南岳のちょうど 真下ということで、非常に危険になっておる地区ではあります。一時、ただいま久保先生御指摘のとおり、集団移転というような声もあったわけでございますが、なかなかやはり地元の御意見の集約というのが難しいわけでございます。我々といたしましては、地元の意見が集約されまして適切な対策がとられるというのが集団移転についても大切かと思いますが、ただ、何せ桜島は非常に危険地がたくさんあるわけでございまして、集団移転となると、適切な危険のない地区というのをどういうふうに選定するかというような問題、いろいろとあるわけでございます。そういった問題、さらに地元の方でもそういった声が出てくればさらにいろいろと検討さしていただきたいとは思いますが、いろいろと難しい問題があるわけでございます。 そこで、当面はその有村地区におきましては各集落のところに退避ごうをつくりまして、爆発があったときにはそこに避難できるような対策を鹿児島市の方でとられておるわけでございまして、当面そういったような対策で非常に危い有村地区についてその対策を図っておるわけでございます。 さらに、我々といたしましては、今後総合的な避難体制というのをどうするか、市あるいは県、こういったところと十分連絡をとりながら桜島全体の避難体制の見直し整備というのにこれから進めてまいりたいというふうに考えております。
○久保亘君 確かに今各戸に避難ごうを鹿児島市の方で施設いたしましたんですが、国土庁はその報告をお聞きになっていると思いますが、経費の問題もございますから、仮に昨年の七月のような直径二メートルの焼けた噴石が直撃いたしました場合には、あの避難ごうは十分耐えられますでしょうか。
○政府委員(杉岡浩君) 確かに二メーターの大きな石でございますので、畑がこんなふうにへこんで大変な状態でございます。直接あれが参るとそれに耐えられるかというのは非常に難しい問題があるかもしれません。ただ、そんなに大きな噴石でない石、こういったものには十分耐え得るというふうに認識しております。
○久保亘君 私どももあれを見まして、それはわかりません、実際にやってみないとわからぬわけですから。しかし、二メートルの噴石があそこへ直撃いたしました場合にはどうなのかなあという心配もありまして、とにかくあの地域にはそんな二メートルもある石が降ってくるということはしょっちゅうあることではございませんけれども、噴石が多量に降ってくることはしばしばございますですね。 それで移転の問題は、これは住民の意思との関係もございますから、今局長おっしゃったように、強制的に決められる問題ではなかろうと思っておりますが、しかし、安全確保という立場から十分住民といろいろ協議をされて、もし住民側が望むならば最善の方策を国としても検討していくと、そういうことがこの提言の趣旨であると考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(杉岡浩君) 桜島の噴火災害に対しまして、あるいは噴石等に対しまして、安全な場所をどこに見つけるかという問題があるわけでございますが、そういった問題を解決し、さらに住民の意思が一致するということで地元県あるいは市、町、この場合は鹿児島市でございますが、市の方で対策が固まってまいった場合には、国といたしましても十分その御意見を尊重しながら対策に応ずるというふうに考えております。
○久保亘君 次は、降灰の除去でございますが、今一番焦点になっておりますのは、これをどうするかという問題ですね。それで火山法によっていろいろな公共的な場所の降灰除去については補助事業としたり、あるいはロードスイーパーの確保に努力をしていただいているんでございますけれども、今、屋外の運動施設は補助事業の対象となってはいないと思いますが、いかがですか。
○説明員(岡行輔君) 社会体育の場合の運動場につきましては、その施設の整備費について補助をいたしております。
○久保亘君 いや、私聞いているのは、降灰除去事業について除去費用が補助対象になっているかと。
○政府委員(杉岡浩君) 通常のグラウンド、いわゆる社会体育施設の降灰除去のあれは対象になっておりません。
○久保亘君 これは対象とならないのは、理由はどういうところにあるんでしょうか。
○政府委員(杉岡浩君) 火山法によりまして、まず降灰除去の対象になっておりますのが、例えば市町村道。通常、県道の維持費、修繕費は維持管理費ですから補助になっていませんけれども、市町村道に対しましては特に火山法で、市町村負担が大変だということで補助対象にそれをいたしておるわけでございます。あるいは下水道とかそれから排水路の除去、こういったものは対象にいたしております。やはり地元の負担等との関連におきまして、当時降灰除去の経費を補助する場合のいろんなケースを見まして、火山法で特別にそういった補助制度を開いたわけでございまして、屋外の一般的な社会体育施設といいますかグラウンド等につきましては特別の制度を、そのとき負担との関係でいろいろあったと思いますけれども、それは特別に火山法の中に入れた、入れてないということでございます。五十三年の当時でございますので、いろいろとケースケースを調べたわけでございます。
○久保亘君 五十三年の火山法制定の段階では、グラウンドなどはそう考えなくてもいいんじゃないかという意見もあったんだと思いますが、その後の状況を見ますと、例えば垂水という市がございますが、ここの野球場などはアマチュアの球団がキャンプを張ったこともございますが、そういうものも全部中止になりまして、とても使える状況にならないわけですね。それで、このグラウンドの中に堆積いたしました火山灰を処理するというのは大変なことです。小学校などではPTAが毎月のように奉仕で出て除去するんですが、これだってトラックで何台と出すわけです。だから相当な経費を必要といたします。学校のプールなんかも、プールの使用を開始いたします時期の清掃というのも大変なことですね。そういうようなこともございますから、社会体育施設の屋外のグラウンド、野球場といったようなものについても、もう補助事業の対象として考えなければ非常に無理がきているような状況なんじゃないかな、こういうふうに思いますが、この点は今後法律の改正等も含めて検討すべき課題であるとはお考えになりませんでしょうか。
○政府委員(杉岡浩君) 具体的な施設を所管いたしております文部当局とも十分相談をしながら対応してまいりたいと思いますが、文部省の方で具体的な……。
○説明員(岡行輔君) ただいまの御審議の状況を踏まえまして、関係省庁とも御相談をしたいと思います。
○久保亘君 ぜひひとつ今の御趣旨で進めてください。 それから降灰の除去について、道路の降灰除去に関する連絡調整会議の効用についていろいろ御提言がございます。ところが実態としては、今鹿児島県内には路面清掃車が三十二台ございます。路面清掃車三十二台のうち十五台が公的な機関が所有するものですね。十七台は民間の清掃業者が所有しているものであります。それで、これらの車を、降灰がひどかった場合に連絡会議等を開いて、今度はどこへ出動させようということでおやりになって、ある意味では非常に効果も上げているのでありますが、例えば今度の六月の集中降灰のような状況が出てきた場合に、建設省あたりで隣接の県外の路面清掃車を鹿児島県に出動させると、こういうようなことは非常に難しいのかどうか、連絡調整会議はそこまでやれないのかどうか、これはいかがなものですか。
○説明員(帆足建八君) 先生の御指摘の件は、既に建設省としても検討してございまして、連絡調整会議の中で応援体制というのがちゃんとできて ございます。応援の順位も決まっておりまして、一番目が鹿児島国道の市来の出張所にあるものを配備する。二番目は大隅工事のもの、三番目に都城、これは宮崎県でございます。そういう順番がちゃんと決まっておりまして、関係機関、例えば鹿児島市だとか垂水市から要請がありますれば直ちに出動できるような態勢は組み込んでございます。 なお、今回の調整会議を開いた結果、特に建設省の方に要請がございませんでしたので、要請があればいつでもできるというようになってございます。
○久保亘君 そうすると、連絡調整会議が今度は必要でないと考えたわけですかな。それともわざわざ都城あたりから来てもらうのも大変だろうということで遠慮したんですかな。それはどちらですか。
○説明員(帆足建八君) 今回も早速連絡調整会議を開催してございます。鹿児島県からの要請並びに関係市町村から要請があれば要請に応ずるという、これは、調整会議におきまして緊急措置要領というものをつくりまして、そのようになっておるわけでございます。一番目の出動すべき市来出張所の分は通常業務をやっておりまして、今回要請があれば二番目の大隅か都城に配置しておるのを当然出す予定にしておったのですが、今回は、調整会議の結果そういう要請がなかったというふうに報告を受けております。
○久保亘君 それは私にもよくわからぬのだけれども、せっかくそういう出動の順位を決めておられても、私が承知しているところでは、都城の路面清掃車が降灰除去のために応援に出かけたということは今まで一度もございませんですね。これは何か隘路があってそうなっておるのか、手続がややこしかったり、降灰地域の方が頼まないから行かないのか、それはどちらですか。
○説明員(帆足建八君) その件につきましては十分検討しておりまして、要請があれば直ちに出動できるような態勢をとっております。したがいまして、要請がなかったことでやってございません。もしそれが適当でなければ、九州地建を通じまして適正にその辺指導してまいりたいと、このように考えます。
○久保亘君 いろいろ行政機関の手続その他面倒なこともあるのかもしれませんけれども、普通に考えれば、都城から鹿児島市に応援に行くなんていうのは、あるいは垂水に応援に行くというのは、途中から桜島を回って行けばすぐなんですから、それを使えるように思うのですが、これにはやはり何か深いわけがある、難しい問題があるんじゃないかなという感じがする。単に連絡調整会議が出なくてもいい、それほど必要ない、そういうことで結論づけて応援を頼んでいないという問題じゃないように思うのです。今度のようなああいう降灰の中で、仮に県内にあります三十二台がフルに動いたとしたって、とても需要に応じ切れないからこそ住民の間からは何とかしてくれという不満が出てきているわけですからね。しかし、今のあなたのお答えを聞いてよくわかりました。私もそういう点については関係者ともまた話をしてみます。 これは、そうすると連絡調整会議が異常降灰などがあった場合に開かれて、ぜひ今度はあそこの路面清掃車も応援に出てもらいたいと言えば、優先的に来るんですね。
○説明員(帆足建八君) 御指摘のとおり、そのような体制をとっております。
○久保亘君 今の路面清掃車の調整に当たって、公的な機関が所有するものと民間の業者との間に何か非常に難しい点はありますか。
○説明員(帆足建八君) 現段階では、各管理者が民間の保有しています機械と能力とを十分知っておりますので、現在のメンバーで十分いけるんではないかと思っております。
○久保亘君 これはもちろん降灰を目的に民間の業者も路面清掃車を入れているわけではないだろうけれども、それもあってやっぱり保有しているということもあると思うんですが、営業上の問題で非常に難しいと、例えば、公的機関の路面清掃車を出動させると民業を圧迫するとか、そういうようなことで難しいという問題はあなた方の方は考えておられないですね。
○説明員(帆足建八君) 非常に難しい質問でございますが、官側が持っております機械の効率的な運用というような経費節減をしますと、どうしても官保有の機械を優先的に使用するという結果になるんではないかと思います。
○久保亘君 今の問題については、これは私ももう少し実情をいろいろ聞いてみなければいかぬと思っておりますけれども、ぜひ、まず住民が降灰から受ける不快感や生活上の困難というものを速やかに除去するということに焦点を当てて、そして路面清掃車の適切な配置をやってもらう、もちろん公的なものを集中させて、民間の業者が仕事ができなくなって困るというようなことになってはいかぬのでしょうけれども、しかし、私は今の降灰の状況などを見ると、集中的な降灰がある場合には相互に協力し合って十分そういうような問題も解決できると思っておりますから、その辺のところに問題がなければいいんですが、もしそういうことがあって連絡調整会議が出動を求めることをちゅうちょしているということがありはしないか、こういうことでちょっと気になったもんですから、それでお聞きしたんです。あなた方の方では、連絡調整会議の要請があれば優先的に必要な場所に出動させるんだということですから、それはそれで理解をいたしておきます。 次に、今の路面清掃車は、降灰除去の立場からいたしますと、専用的なものでありませんから、性能が非常に降灰除去としては問題がある、こういうことで提言がなされておりますね。懇談会の提言の中でも、専用の路面清掃車をつくるべきだ、つまり専用機種の性能開発をやるべきだということになっております。これは非常にもっともなことだと思っておりまして、また、鹿児島市のように軌道電車が走っておりますところでは、降灰のために電車が脱線をしたり走れなくなったりという事故が時々ございます。ところが、路面清掃車でもって軌道敷内に積もった降灰を除去するというのは、大変難しい面がございまして困っておるわけであります。そこで、専用機種を開発するということと、軌道内の降灰除去に必要なもの、例えば豪雪地帯でラッセル車が雪をのけるように路面電車の軌道を清掃していくような、そういう車があると非常に助かるんだと思うんですがね。そういう専用機種の開発が提言されておるんですけれども、この提言を受けてこの問題に取り組んでいただくのはどこなんでしょうか。
○説明員(帆足建八君) まず最後の、どこで専用機器の開発をするかということでございますが、建設省といたしましては、一応九州地方建設局の技術事務所というところで研究をさしてまいりたい。これはどういうことかと申しますと、昭和五十二年から五十四年におきまして、この九州技術事務所でできるだけ降灰に対応しやすいリアリフトダンプ方式のスイーパーを開発しておるわけでございます。これの問題点は大きく二つございまして、まず、降灰除去用として集じん量が多いものですから非常に積みかえ回数が多い、それを改善しなければならないというのが第一点でございます。もう一点は、降灰量が多くなりますとどうしても集じん効率が悪くなるという二点がございます。この二点を中心に昭和六十年から三カ年計画でそういう問題点の解決を図るべく改善したい。それともう一点は、今のような真空式もしくはブラシ方式じゃなくて、抜本的に工法を考え直すこともあわせて研究してまいりたい、大体三カ年をめどにその辺に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○久保亘君 わかりました。 そうすると、ちょっと長過ぎるような気もするんだけれども、今の技術をもってすれば三年もかけなければできぬというものでもなさそうに思うんですが、いろいろおたくの御都合もあるんでしょうが、もう少し年限を縮めてもらえぬでしょうかね。三年間桜島におとなしくしておけというわ けにもいきませんものですからね。ちょっと三年というのは期限が長過ぎるんじゃないですか。
○説明員(渡辺和夫君) スイーパーの開発につきましては、今年度から建設機械整備費の中の開発調査費というものを先ほど申し上げました九州技術事務所につけまして、本格的に研究を進めるということで、今年度いっぱいは大体基本的な調査をしまして、来年度に試作をしまして、六十二年度に実用になるものを導入したいということでございますので、三年計画といいましても実質は二年ちょっとということになろうかと思います。
○久保亘君 そうすると、六十二年度にはその新しい専用機種が導入される、こういうことになりますか。
○説明員(渡辺和夫君) そのように現在計画しておりますが、既に今の清掃車につきましても、鹿児島地区に入っておるものにつきましては馬力を上げましたり、回転スピードを上げましたりということで、ほかの一般の道路の清掃車とは若干違った仕様で機械を導入しております。
○久保亘君 わかりました。 できるだけ早く使用開始ができるように努力をしてもらいたいと思いますが、我々の側として、今のテンポでいった場合には六十二年度には新しい機種のものが入ってきて、建設省が降灰除去にそういうものを投入してもらえると、こういう期待を持っていていいですね。
○説明員(渡辺和夫君) できるだけそのように努めてまいりたいと思っております。
○久保亘君 今の軌道式の降灰除去の専用機種というのは、これはどこがやったらいいんでしょうかね。
○説明員(渡辺和夫君) 軌道式につきましては建設省の道路管理の外にございます。本日初めて軌道式の問題を御提言いただきましたけれども、また関係省庁と御相談したいと思っております。
○久保亘君 鹿児島の路面電車も、今一部軌道廃止の問題でいろいろ議論もございますし、市議会が部分的な路面電車の廃止を決定したというような事情もございますが、全体としてはまだ相当な走行距離で路面電車が動いているわけですから、ぜひこの問題にも検討を始めてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○説明員(渡辺和夫君) ただいまのことにつきましては、軌道を管理する省庁とも御相談申し上げまして対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○久保亘君 それじゃお願いをしておきます。 次に、それでは少し文部省の関係でお尋ねいたしますが、一つは、気象庁とも関係をいたしまして、桜島火山の観測体制の問題で、今活動火山の観測をやっておりますのは文部省の京都大学防災研究所附属桜島火山観測所と気象庁の鹿児島地方気象台ですね。この両方がやっておられますが、実際に火山情報その他を住民に対して知らしていく立場のものは、地方気象台が主な任務を負っておられると思うのであります。この両者の連携というのは十分なのか、あるいは気象台と大学研究所との連携というものでもっとやるべきことがあるのかどうか。これはひとつ文部省と気象庁の両方からお答えいただきたい。
○説明員(重藤学二君) お答えいたします。 桜島では京都大学の防災研究所の桜島火山観測所がかねて観測、研究をやっておりますが、気象庁の鹿児島気象台との間では従来から必要な情報交換は行ってきております。しかし、最近のいろんな情勢にかんがみまして、より緊密な連絡をするようにいたしておりまして、十日に一度定期的な情報交換を行うと、それから火山活動が非常に活発化した場合には臨時に気象台が火山情報を出すわけですが、その判断のもとになる情報は随時求めに応じまして提供をいたしますし、またその観測のデータの解析の結果も同時に気象台に提供するというふうに緊密な関係をとっておりまして、十分な状態だというふうに聞いております。
○説明員(鈴置哲朗君) 桜島の監視に関しましては、鹿児島地方気象台が二十四時間監視をしております。京都大学の桜島火山観測所は、大学の研究機関といたしまして我々とちょっと違った研究を主体とした観測をされております。しかしながら、私どもは京都大学その他大学関係機関と平生から密接な連絡をとらしていただいておりまして、適時観測データの交換、あるいはその他の資料、これも適時交換さしていただいております。そういうものをもとにいたしまして火山の活動状況の把握に努めてきているわけでございます。 これに関しましては、関係の研究機関あるいは観測機関との連携を今後とも一層強化いたしまして努力してまいりたいと思っております。
○久保亘君 両方とも余り遠慮せぬでいいんですよ。やっぱりこうした方がいいということは言ってもらった方がいいと思うんです。 気象庁、地震計の設置、つまり観測点はやっぱり多い方がいいんですか。今気象庁は地震計を五カ所設置されておりますね。これは多い方がいいんですか、五カ所あれば十分なんですか。
○説明員(鈴置哲朗君) 私どもの監視体制といたしましては五カ所で十分だと思います。 そのほかにちょっとつけ加えさしていただきますと、私ども火山観測強化計画というものを五十四年からスタートしておりまして、その最初の対象火山として桜島を選びまして、震動観測点を今お話しいただきましたように二点ふやしまして五点にいたしました。それから傾斜計を新たに設置いたしました。それから、そのほか震動データの計数装置あるいは赤外線放射温度計、そういうものを装備いたしまして、そういう計器、測定器をもとにして、また島内二点で地磁気の連続観測も行ってございます。これらのデータを鹿児島地方気象台が二十四時間監視しているわけでございまして、適時、火山情報等を発表して防災に努めているわけでございます。現状、私どもの監視という立場から申しますと、これで今のところ十分ではないかと考えておるところでございます。
○久保亘君 気象庁は大変慎重なお答えですが、実際にはスタッフが気象台には六人おられて二十四時間体制ですね。そして、そういう六人のスタッフで二十四時間体制の観測、火山情報を出すための配備についているということになれば、観測点も五点あれば十分だというようなことになるんでしょうけれども、京都大学の方は十九点地震計を配置されておりますね。これは大学の研究の上では地震計が十九点なければ十分な研究の成果は得られない、こういうことだと思うんですが、そうですか。
○説明員(重藤学二君) 一般的に地震や火山につきましてはデータ取得のために必要な箇所に観測点を設けるということでございますが、火山につきましてはそれぞれの火山の特有な活動の様式があると思いますし、最低どういう点に観測点を設ければそのデータの信頼性がどうかという、そういう関連だと思います。したがって、必ずしも多ければ多いほどいいということではないとは思いますが、しかしながら、それは研究者にとってはある程度、最低限これだけ欲しいということがあろうかと思います。ただ、大学の研究は気象庁の業務と必ずしも同一ではございませんし、適宜観測点を変えたり、それから観測項目を変えたり、研究の必要上いろいろ工夫をしながらやや長期的に科学研究を進めるということでございますので、その点の違いがあるんじゃないかと思います。
○久保亘君 私は科学者じゃないのでどうもよくわからぬですね。大学が火山研究所で桜島火山のいろいろなことを研究していくのに、地震計が十九カ所の点に据えられていろいろデータを集めている。気象庁の方は五点もあれば十分だ、こういうお答えになると、学問的な研究で必要なものと火山情報を出すのに必要なものとそんなに違いがあるものか。これは我々から見ると、非常に不思議な感じがするんです。しかし、きょう私はそのことを言おうとしているんじゃない。 私は、そういう学問的な研究をやられている京都大学の研究所が、観測点も気象台より四倍も配備をして、そして現地に人も行っていろいろ調べる、研究所も置いておられる。ところが気象台の 方は、鹿児島市にある気象台の方からテレメーターでデータを集めて観測されて、そして情報を提供される。こういうことになっているんだが、この両方を、十分緊密にやっておりますというお話でしたけれども、十日に一遍情報を提供するというのではなくて、それならば必要な観測結果というものが、大学の側のものもテレメーター等を通じて気象台にも報告されるというようなことをやれるかどうなのか。そんなことをやられたら六人しかいないのに大変だ、こう言われると、そういう状態で火山情報が提供される住民の方はなお大変だ、こういうことになりますから、それで気象庁としては必要ならば、行政改革やかましいかもしれぬけれども、必要な人員を配置してそして十分な観測を行う、それに必要な観測結果は大学側は遅滞なく提供する、こういうようなことが必要になってきているんじゃないかな、こう思うんですが、気象庁の方は大変御遠慮なさっているようですが、いかがですか。
○説明員(鈴置哲朗君) 先ほども申し上げたとおり、大学は研究というものがベースの観測でございますので、私どもの監視という立場と少し観測内容等が違います。ですから私どもとしては、大学が観測されたデータのうちで私どもにとって有効なデータをこちらから御連絡さしていただいて有効に活用したい、そういう立場でございます。
○久保亘君 これは皆さんの方ではきょうはお答えのしにくい点もあろうかと思いますけれども、提言の中でも連携については触れられているわけでありますから、今後一層緊密な連携をとって、精密で正確な火山情報が提供できるようにしていただきたいということを希望いたしておきます。 なお、地元の大学から、地元にこれだけの活動火山がありながら地元の学部の中に火山学の研究講座が置かれていないということはいかにも不自然である、ぜひひとつ鹿児島大学に火山学の講座を設置してもらいたいという要請が強く出されていると思うのでありますが、文部省としては、今日の桜島火山の活動の状況等も念頭に置かれた上で、火山学の講座を開設することについて積極的に取り組んでいく御意思がおありかどうか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(佐藤禎一君) 御案内のとおり、鹿児島大学におきましては理学部の地学科地球物理学講座におきまして火山学に関する研究教育活動を現在行っていらっしゃるわけでございます。さらに火山学の講座を増設したい、こういう御要望が大学当局にあることは私どもも承知をいたしておるわけでございます。全体といたしまして厳しい財政状況でございますし、各大学の御要望がまだ出そろっていない段階でございますから、私どもといたしましても確定的なことは申しかねますが、講座増ということがよろしいのか、あるいは京都大学等他の大学との共同研究体制というものを整備すればよろしいのか、そういう観点も含めまして、今後いずれにいたしましても大学からの御要求を待ちまして検討さしていただきたい、こういうふうに考えております。
○久保亘君 今あなたがおっしゃったようなことで、大学側が火山学という新講座の開設の方がいいと考えるか、共同研究体制の方がいいと考えるかは今後の問題として、活動火山を目の前に控えた大学として火山に関する研究体制をもっと整備したい、こういう意思を持って文部省に要請をすれば、十分そのことには文部省としても積極的にこたえる立場で検討をしたい、こういう御意思だと伺っておけばよろしいのですか。
○説明員(佐藤禎一君) 大学からの予算要求は例年夏の時点に私どもの方へ取りまとめてちょうだいをいたすわけでございますが、大学も各般の活動を行っていらっしゃるわけでございますので、私ども教育研究活動のどの分野に重点的な力を置いていけばよいかということにつきましては、まず第一に大学側の御判断というものを尊重しながら進めていくという立場をとっているわけでございます。したがいまして、鹿児島大学全体がどういうプロジェクトを今抱えていらっしゃるかということは、これから夏までの間に整理をなさるわけでございますけれども、その中で大学側が大学の活動としてのプライオリティーをつけてお出しになれば、そのことは私ども十分参酌をしながら検討さしていただきたい、かように考えております。
○久保亘君 わかりました。これは既に地元の方では、課長言われたように、前々から希望も出ていることでもありますし、今後大学側のこの問題に対する要求を待ってぜひひとつ積極的な御検討をいただきたいと思うんです。 なお、文部省にもう一つお尋ねしたいのは、降灰や噴火のために子供たちの野外活動が非常に影響を受けておるのでありますが、グラウンドの問題などについては先ほど社会体育施設の問題でも申し上げましたが、これはきょうはちょっとおくとしまして、プールの上屋の問題について、文部省としても、また桜島対策に当たられた国土庁としても、積極的にいろいろと御努力をいただいたことに対しては、私どももその努力を多といたしております。そして今度の提言の中で、プールの上屋の助成措置については「桜島及び周辺」においてと、こうなっています。確かに桜島においてはプールのあります学校ではプールに上屋がつくられた、しかし「周辺」というのはどこまで考えてもらえるのか。提言でわざわざ「周辺」ということを加えていただいたんで、これは例えば垂水市であるとか鹿児島市であるとか、プールの使用期において一定量以上の降灰があって非常に教育上困難を生ずるようなところについては配慮を行う、こういう意味で提言を行われたと思うのでありますが、文部省や国土庁側としてはどの辺までの範囲をお考えになっているんでしょうか。
○説明員(岡行輔君) 文部省といたしましては、鹿児島県あるいはその降灰地域の地方公共団体から具体的な計画を伺った上で具体的措置として考えていきたいというように考えております。
○政府委員(杉岡浩君) 予算の実施につきましては、文部省と十分連絡をとっていくわけでございますけれども、やはり桜島だけじゃなくてその周辺でそういった被害があるところ、これについて地元からの要望を聞きながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○久保亘君 そうすると、垂水市やそれから桜島外の鹿児島市、桜島の中にも鹿児島市はございますからね、桜島外のいわゆる本体の方の鹿児島市等についても、降灰の激しい地域の学校等については要請があれば検討の対象とすると、こういうことでございますね。
○政府委員(杉岡浩君) 対象になりますのは降灰防除地域ということで、鹿児島市桜島、大隅半島の一部とそれから桜島の対岸にある鹿児島市の地域、降灰防除地域でございます。
○久保亘君 わかりました。 そうすると、これはプールの上屋に対する助成措置が従来の考え方よりもこの提言を受けて広げて考えられる、こういうことだと思いますので、ひとつそういうことでやっていただけるんですね、文部省。
○説明員(岡行輔君) 実際の状況を勘案しながら具体的に検討していきたいと思っております。
○久保亘君 ちょっと今の、少しはっきりしてもらいたいのは、今までは大体桜島に限定されていた。しかし今度提言で「桜島及び周辺」、助成措置の対象をそういうふうに提言をされたんだから、対岸の鹿児島市もそれから桜島に近接する大隅半島側の市、町がございますね、こういうところでも事実上これは助成の対象とすべきだと、こういうふうに判断されればその対象に含める、こういうことでいいんですね。
○説明員(岡行輔君) そのとおりでございます。
○久保亘君 わかりました。 それから次は、土石流の問題で提言を受けた建設省としては、野尻川の砂防計画の見直しということで砂防計画検討小委員会をおつくりになったと聞いておりますが、これは野尻川の砂防計画の見直しについて、この検討委員会はもう結論をお出しになったんでしょうか。
○説明員(成田久夫君) 小委員会といたしまして は結論を出しまして、その結論は、この流域について実際の模型実験をやるということで現在考えておりまして、六十年度以降模型実験を実施することにいたしております。
○久保亘君 そうすると、その模型実験の結果が出るまでこの検討委員会はずっと続いているわけですね。
○説明員(成田久夫君) そういうことでございます。
○久保亘君 実際に土石流が流れ出てきたものに対する対策と発生源の対策とあるんですが、懇談会の提言を受けて、これから新たに今までと違ってこの土石流対策として根本的な解決策として何をやろうとされているのか、何がやれるのか。非常に漠然とした聞き方ですが、土石流に脅かされる側にしてみると、一体これは根本的に解決してもらえるのかどうかということであるんですが、今の検討委員会の実験結果などを待って、そこからしか出てきませんか。本当のところ桜島の土石流の発生源、つまり荒廃している地域を復元するとか緑化をやるとかいうようなことを含めて、確信のある対策というのを建設省として持っておられるんでしょうかね。
○説明員(成田久夫君) 土石流の対策につきましては、今先生御指摘のように、発生源の対策、それから中流、下流の対策それぞれが相まって安全な地域にするということになるわけでございますが、現状では発生源の対策というのが非常に難しいわけでございます。と申しますのは、降灰がございますし、それから礫の落下等もございまして、非常にその発生地域での作業というのが難しいわけでございますので、今後対策を考えていかなければならないと思いますが、当面は中下流の流路工の整備あるいは砂防ダムの建設といったことで対応いたしまして、地域住民の安全に重点を置いて実施をいたしたいというように考えております。
○久保亘君 結局、今最後に言われた安全対策ということですね、それは土石流の警報装置を整備するとか、避難体制を整えるとか、そういうことだと思うんですが、今のところ土石流そのものをきちっととめる手段というのは、なかなか確信のある方法というものをどうしてもやれない。人の話によれば、それはもう久保さん、桜島をセメントで塗らなければだめだと言う人もあるぐらい非常に困難な問題なんだそうです。そうすると当面は発生源の対策、それから土石流の被害を与えないように流出させる方法に力を注ぎながら、避難体制や安全対策を重点に置いてやっていくことが当面は対策としての重点にならざるを得ない、こういうことですね。
○説明員(成田久夫君) ただいま先生御指摘のとおり、対策といたしましては警戒避難という面もございますし、もう一つはやはり施設で対応していくということがございますので、五十九年度から監視施設をこの流域で三カ所設置いたしまして、避難に少しでも役立てたいということでモデル事業を実施いたしております。さらに施設の整備につきましてはそれぞれの流域で砂防ダムあるいは流路工の整備を鋭意進めているところでございます。
○久保亘君 時間も余りありませんので、この問題はもう少し私の方もいろいろ詳しい問題を別にお聞きしたいと思っております。 同じようなことで農林水産省にお尋ねいたしますが、漁業の問題で軽石対策というのが今漁業面で非常に重要な課題になっておりますが、この軽石対策も、結局提言を受けて何がやれるかということになってみても清掃事業としてしかやれない。つまり、流れてきた軽石を補助金を出して漁協に委託で清掃させる、それ以外に今のところは考えられないということなんでしょうかね。軽石の発生源に対する根本的な対策ということになれば、これは建設省の仕事になるんだと思うんです、これ水産庁がやるわけにいかぬだろうから。これについてもやっぱり今のところもう打つ手なしということですか。打つ手なしと言うと大変言い過ぎになると思いますが、防止に努力をするけれども、海上に流出するものを完全にとめるということは困難である、そうすれば水産庁の方が流れてきたやつを補助金を出して清掃で回収させる、それ以外に当面とり得る対策はできない、抜本的な対策はない、こういうことなんだろうかね。これは水産庁と建設省の意見を聞きたいと思うんです。
○政府委員(吉國隆君) 御指摘のように、清掃事業を国の補助事業として実施をしておるわけでございますが、お尋ねの根本的な施設みたいなものを海上につくれないかという御趣旨を含んでおったと思いますが、いろいろ当初鹿児島県からそういった要望もございまして、一緒にいろいろと検討した経過はあるわけでございますが、何分にも出てきました軽石を海上で食いとめるということになりますと、相当強度の強い施設が要求されるわけでございます。御承知のとおり、たまたま黒神川河口周辺というのは水深も深い地域というふうに承知をいたしておりまして、施設の設置には技術的にもまた経費的にも非常に大変なものである。また、海中に設置しました施設に対しましてフジツボとかイガイが付着をするわけでございますが、この湾奥部は特に付着生物が多いといったようなこともございまして、施設ができ上がったとしましても、その施設の機能を維持するための管理がなかなか大変であろうというようなことで、なかなか海上でこの軽石の拡散を防止するという施設は難しいであろうという判断に残念ながら達したような状況でございます。
○説明員(成田久夫君) 先ほど先生もおっしゃいましたように、砂防施設といたしまして軽石の流出を完全に防ぐということは非常に難しいことだと考えております。
○久保亘君 それならば流出してくる軽石を極力防ぐということと同時に、出たものを速やかに回収するということで、今、年間五百万の補助事業になっておりますけれども、これではなかなか対応し切れない面もあると思うんで、そういう対策の予算面での強化をぜひやっていただきたいと、こう思います。このことは、しかしことしはもう予算が決まっちゃったんだから、今後の問題としてお願いしておきます。 次に、農業の問題では、防災の対策事業の第四次計画に対して、桜島の営農について先ほど冒頭に国土庁からも作目の問題とかいろいろ言われたんですけれども、ガスや灰に強い作物を選定してやらせるとか、こういうお話であったんですが、この防災営農対策事業やそれを受けていろいろおやりになることについてどれぐらいの期待を持って受けとめておいたらいいですか。
○政府委員(吉國隆君) 降灰なりガスに対しましてどんな作目が抵抗性が比較的強いか、あるいはどんな時期、どんな栽培方法がいいか、あるいは灰を除去するための設備、あるいは灰によります土壌の変化、こういったものに対しまして、従来昭和四十九年から国の助成によりまして各種の調査研究を行ってまいってきておるわけでございます。御案内のとおり、灰に対しては比較的どんな作物が強いかということで、例えばサトイモとかカンランとか花野菜、エンドウ、ネギといったようなことが言われておるわけでございまして、こういったものへの転換を進めるというねらいを含めまして、お話のございましたような防災営農施設整備事業という形で、現在第四次計画に入っておりますが、計画的に施設の整備を進めてきております。これによりましてある程度営農のあり方というものについて方向づけなり、あるいはそれに基づきます転換なり改良なりが加えられてきておるというふうに見ておるわけでございます。しかしながら、お話のございましたガス等の問題につきましては、まだまだ的確な対応というものが確立をいたしておらないうらみがあるわけでございまして、そういった面も含めまして引き続き調査研究を進めますと同時に、そういった成果を防災営農施設整備事業の面にもできる限り反映をさしてまいりたいと、こういう考え方で対処しておるところでございます。
○久保亘君 水耕法というのは、実際に農家が取 り入れていって、これは営農対策として評価が与えられるような段階まで来ておりますか、農水省は余り御検討になっておりませんか。
○政府委員(吉國隆君) 桜島との関連で申し上げますと、ビニールハウス等の中で軟弱野菜を栽培するといったような形は、降灰のあります地域の営農として一つの行き方であろうということでございまして、現実にもそういったものが水耕まで行っておるものがあるかどうか、私今直ちに承知をいたしておりませんが、軟弱野菜をビニールハウスで栽培するというような形態のものはふえてきておるというふうに承知をいたしております。
○久保亘君 例えば、今度の筑波の科学万博に水耕法によるトマトが政府館に展示されておりますね。ああいう新しい形の農業、これが実際に国の奨励策として入っていくものなら、降灰地域なんかでは資金さえ許せば注目されるものになってくるんだろうと思うんですが、農林水産省としてはまだ水耕栽培というのは奨励対象としては考えておられないんですね。
○政府委員(吉國隆君) 水耕栽培につきましてはいろんな形のものが今出始めておる段階でございまして、メリットとしては環境制御がきちんといくと、また規格的なものができるといったような点がございます。また、よくいろんな作物でございますいや地現象が回避されるといったような点がございます。ただ反面、技術的にいろんな問題も含んでおります。病気との関係であるとか、あるいはコスト面の問題でありますとか、施設設計といった問題でございますとか、そういった各種の問題がございますので、積極的にこれを一般的に奨励するというような段階には残念ながら至っておらないというふうに承知をしております。
○久保亘君 話はもとへ戻りますけれども、桜島は、桜島のこの恒常的な降灰現象が起こります前は、農家の所得としては鹿児島県で一位を誇っていたところでありますが、現在ではもう最下位近くになっております。しかし、桜島に生活している人たちからいたしますと、農業を離れてはなかなか生活できない。そこで、それならば農林水産省で火山灰や亜硫酸ガスに強い作目をやればいいんだと、こういうことで指導をしていただいておって、期待もしているわけでありますけれども、何をどういうやり方でつくったら農業が成り立つんだと、こういうことについて住民自身もいろいろ考えていると思うんですね。しかし、そういうものに対してやっぱり国や自治体の指導するものを政策的なものとしてやることができれば非常に安心してやれるわけですから、そういうことでいろいろあなた方の方でも御努力をいただいておりますけれども、営農対策について農民の側が自信を持ってやっていけるようなものを、できるだけそういうものについての検討を急いでもらいたいと思うんです。しかし、もう今のような火山活動が続けば、例えばミカンなどでは、昨年ですか、もう九十数%の減収ですね。九十数%の減収ということは壊滅ということですから、そういうような状況が今後も続いて手の施しようがないというならば、それならどうすればいいのかということをまた考えなければならないわけですね。だからそういう点で今後指導をいただくように、この提言にもそういう立場でこたえていただきたいと思います。 その次に、厚生省にお見えいただいておりますからお聞きいたしますけれども、火山爆発に伴うガスや灰というのは人体に直接影響はないのか。つまり、健康との因果関係を火山のガスや灰に求めることは困難であるというようなことを今までの調査結果で出されておるように私どもはその結果から読み取るわけでありますが、厚生省はそういう御判断なんでしょうか。
○説明員(熊谷冨士雄君) お答えいたします。 厚生省では、昭和五十三年から三年間にわたりまして火山灰等によります健康影響について調査を進めてまいりましたが、その結果、先ほど先生がおっしゃいましたように、一過性の軽微な急性症状は見られましたが、火山灰と火山ガスなどと明らかな因果関係のある疾患は認められないという報告を得ております。
○久保亘君 ただ、これは偶然の結果なのかは別にしまして、例えば小学校の子供にぜんそくがどれぐらいいるのかという、東桜島小学校というところでは全校生徒のうち七・三%ぜんそくの症状がある。鹿児島県全体では一・〇五%しかない。こういうことになりますと、火山灰やガスと直接結びつく病気というものではなくても、そのものによって発生した健康上の影響というものが生じているということについては、これはやっぱり認めなければいかぬような状況があるんじゃないでしょうか。
○説明員(熊谷冨士雄君) 厚生省といたしましては、従来の健康調査のデータなども踏まえまして、先ほど先生が御指摘されたような観点も含めた今後の健康監視活動を続けてまいりたい、特に慢性の長期的な影響に配慮した研究調査活動を進めたい、このように考えております。
○久保亘君 健康影響監視事業をやっていただくということでありますから、その健康影響監視事業計画が六十一年度で完了をした段階で、その結果を見てまた必要な対策を講ずる、こういうことになるのかどうか。 それからもう一つは、児童生徒に対する特別健康診断を桜島及び周辺の降灰の著しい地域の児童生徒に対して行うということについてはどうなっているんでしょうか。
○説明員(熊谷冨士雄君) これまでの健康調査活動によりまして、いささかでも健康的な影響の見られた児童を特に重点的に継続監視する、こういうことで万全を期していきたいと考えております。
○久保亘君 子供のやつは。
○説明員(熊谷冨士雄君) はい、その児童についてでございます。
○久保亘君 それやるの。
○説明員(熊谷冨士雄君) はい。
○久保亘君 ただ、この種の問題については、同じような状況のものについての全国枠の予算の中でおやりになるので非常に経費としては少額なんで、どういうことを実際にどの程度におやりになるのか。「桜島及び周辺」、先ほどのお話と同じで、随分広い範囲にわたってやっていただかなければならぬのですが、最近、鹿児島県においていろいろ調査をされた結果などを見ますと、やっぱり桜島火山の影響を受けたと考えられるいろんな症状、例えばぜんそくが非常に多いとかいうような問題は、かなり広範な地域にわたって数字の上では出てくるようですね。だからそういう問題についてもぜひひとつ厚生省としても検討をしていただきたい、監視事業ということの中で配慮をしていただきたいと考えております。 時間がなくなりましたので、最後に桜島火山の問題についてもう一点だけお尋ねして、次の問題に入りたいと思います。 提言の中で、こういう火山活動による被害に対する対策のほかに、大きな噴火が起きた場合にどうやって避難させるかという問題などがありますが、その大きな噴火というものに対しては早く知ることが大切であります。つまり噴火予知ということについて、先ほどもお尋ねいたしましたけれども、観測を徹底していくために、航空機による火口の状態の調査が必要であるというのが提言になっておりますが、航空機による火口状態の調査ということになれば、一体これはどこがやってくれるのか、その提言を受けてどこが考えてくれるのか、国土庁が飛行機を配備してくれるのか、そういうのはどういうふうにお考えになっておりますでしょうか。
○説明員(鈴置哲朗君) 桜島の火山活動につきましては、気象庁におきましては、これまでも防衛庁の御協力を得まして航空機による観測を実施してきております。これは今後も観測の協力をお願いしてまいりたいと思っております。
○久保亘君 いや、新たに航空機によって火口状態を調査することが必要だという提言をされているわけよ。だから、定期的にそういうものをやっていくためには、どこかが責任を持ってやってく れなければいけないでしょう。今までやっておられたような、そういうことでいいわけですか。それなら別に新しく提言することもないじゃないですか。
○政府委員(杉岡浩君) ただいま気象庁からお話がございましたように、自衛隊によって火口の調査をしていただいておるわけでございます。しかし、火口の調査はなかなか難しゅうございますけれども、現地における航空機の確保というのは、やはり自衛隊による調査が一番的確だろう、こう思っております。そういう意味から、今後も気象庁と自衛隊との十分な連絡をとりながら、火口の航空調査というものを密にやっていきたいという趣旨の提言でございます。
○久保亘君 わかりました。そうすると、これは自衛隊機による調査を依頼するということですね。 そうすると、防衛庁との間は定期的な、提言を受けての火口の状態調査ということについて、協議が整っておりますか。
○説明員(鈴置哲朗君) 気象庁と防衛庁の間に協定が整っております。
○久保亘君 それでは、最初に長官にいろいろと御要望申し上げましたけれども、この提言について各省庁、非常に御努力をいただいていることもよくわかります。とにかく今、科学の力をもってしてもとめることのできない火山の活動でありますから、予知できない、それからなかなか現在の力では及ばないような問題もいっぱいございます。しかし、行政が住民とともに力を尽くせば解決できる問題もまだたくさんあると思うのであります。 そういう意味で、長官が一度現地も見たい、そして現地の状況や意見もよく知りたいと、こういうことでありましたから、それをできるだけ速やかに実施をしていただきまして、桜島火山対策に一層取り組んでいただきますようにお願いをいたしておきます。よろしゅうございますでしょうか。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) できるだけ早い機会をとらえまして現地の調査に行きまして、住民の方々ともよく対話を図って万全を期してみたいということでございます。
○久保亘君 次に、今鹿児島県で起きております異常現象の中に、菱刈町というところの湯之尾地区で最高一メートル九十六センチに及ぶ地盤沈下が起こっております。これは川内川の川岸で起きておりますために、この地域は、そういう地盤沈下がなくても、従来河川のはんらんがしばしば起きて被害が生じたところであります。今度両岸にわたってそのような地盤沈下が起きておりますために、雨期を控えて非常に住民の間には不安があります。 この問題について、建設省は河川の管理の立場で、国土庁としては防災対策として、どのように実情を把握されておるのか。それから雨期対策でどういうことを進めようとされているのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(杉岡浩君) 川内川の菱刈町の区域におきまして、ただいま先生御指摘のとおり、相当の範囲にわたりまして地盤が沈下いたしておるわけでございます。この地盤沈下をしている箇所でございますが、洪水に対しまして安全度が低下しておるということはそのとおりでございます。 そういった関係から、今後出水期も間近に控えておりますので、地元におきましては関係省庁と十分の連絡をとりながら水防等の防災体制を一層強化していくということで、我々といたしましても、直轄河川の管理者である建設省、あるいは県、あるいは市町村、こういったところとも今後十分な連携をとりながら適切な対処をしてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(萩原兼脩君) お答えをいたします。 建設省といたしましても、現象自身につきましては国土庁の局長が御答弁になったとおりの認識を持ってございます。 まず原因の究明に関しましては、御存じのように、私ども限りで原因の究明ができるものではないという判断に立ちまして、町が主宰しておられます湯之尾地区地盤沈下調査検討委員会、この中でいろいろな検討が進められる仲間に入れていただきまして、建設省も一緒に原因の検討をさしていただいているということでございます。ただ、先生御指摘のように、雨期が近づいておりますので、そのような原因究明は原因究明といたしまして、私ども河川管理者としていろいろな防除対策をしなければいけないという考えを持っております。 ただ、現在も地盤が動いておりますので、恒久対策を現在の時点で施すということはなかなか難しいように考えておりますが、例えば前の方にブロックを捨て込みまして護岸が欠けないようにするとか、国土庁が申されましたように、水防体制に万全を期するように町の方と十分な打ち合わせをする、そのようなことをしてまいる考えでございます。
○久保亘君 今、原因のことでお話がございましたけれども、この問題については、菱刈町自身でもかなりの町の予算を使って検討委員会をつくったりいろいろやってこられました。しかし、この検討委員会は一応の中間報告という形でまとめたんでありますが、一応の結論を三月の二十六日に出しておりますが、結局原因を解明するには至っていないわけであります。しかし、被害を受けている住民や関係者の間でこの地盤沈下の原因ではないかと言われているのは、一つは、川内川の管理に係る可動せきの問題が言われている。もう一つは、上流の住友金属菱刈鉱山の採掘に伴う抜湯、お湯抜きの問題がその原因ではないかと言われているんですが、検討委員会が学者や鉱山、建設省の関係者も入れてやりましたその中間報告では、水位低下に伴って圧密沈下というのか、そういうものによって起きたということが書いてある。水位低下の原因というのは、鉱山が抜湯を始めてから温泉が出にくくなったというような現象も起こってきているので、それが原因ではないかとも言われておるのでありますが、結局この原因が地元で解明できないということになったらそのままということになってしまうのか、あるいは国土庁としてはこれは自然災害として対策を講ぜられるおつもりなのか、あるいは国が積極的に、例えば通産省は鉱山の監督責任があるはずですが、通産省として原因解明に当たる、建設省として原因解明に当たる、あるいは国土庁が取りまとめて原因解明を進めるとかいうようなことをおやりになる必要が出てきているのではないか。その辺はそれぞれどういうふうにお考えですか。
○政府委員(杉岡浩君) ただいま先生が御指摘されましたように、この調査につきましては現在町が中心になってやっております。中間報告が先般出まして、五月ごろでしょうか、ある程度の最終報告が出るというふうに町及び県から我々は伺っております。地盤沈下の調査それ自体は我々のところが専門じゃございませんが、こういった調査はなかなか難しい調査であろうかとは思いますが、こういった調査の結果、原因が特定しない、特定しないからといってすぐに自然災害であるというふうには判断しかねるわけでございます。 しかし、現実に被害が発生をいたしておるわけでございます。そういったことにかんがみまして、今まで現地におきましても仮設住宅の建設、あるいは道路、河川などの応急工事の実施を既にいたしております。また中小企業体質強化資金、これは県の資金でございまして、六・五%の金利の融資でございますけれども、こういった資金の適用対象にする等々の所要の応急対策を講じておるわけでございます。
○説明員(久賀俊正君) 先生の御質問は、原因が特定できない場合に通産省としてもその調査に乗り出すべきではないかという御質問かと存じますが、先生御承知のとおり、先ほどから国土庁、建設省の方もおっしゃっておられますように、菱刈町の事務局の御面倒をかけまして、湯之尾地区の地盤沈下調査検討委員会というものが行われておるわけでございます。通産省といたしましては、この委員会のメンバーがこの地域の地質に通暁さ れました権威ある学識経験者等によって構成されておりまして、極めて信頼度が高いというふうに評価しております。また、この委員会が三月末に、先生おっしゃいましたように中間報告を取りまとめましたけれども、引き続き目下最終報告に向けて検討を行っている最中でございますので、当省といたしましてはこのような結果を見守りたいと思っておるわけでございます。 ただ、通産省としても福岡鉱山保安監督局を出しまして、現地調査とか、あるいは関係者からの事情聴取を実施する等の現状の把握には努めておる段階でございます。
○説明員(萩原兼脩君) お答えをいたします。 建設省と申しますか河川管理者としてということでございますが、先ほど来の検討委員会の中に私どもは現場の工事事務所長を委員として送り込んでおりますし、また検討委員会の場にいろいろな資料の提供、調査の御協力をして現在まで来ておるわけでございます。 通産省がおっしゃいますように、委員会の検討の内容の趨勢を見きわめた上で、いろいろ私どもなりに対処しなければいけないと考えております。ただ、何と申しましても出水期対策は多少別物でございますので、先ほど申しましたように、多少独自にいろいろ動きをさしていただこうかと考えておるわけでございます。
○久保亘君 この問題については、検討委員会が中間報告でまとめたような結果を最終報告の骨子とした場合には、被害住民の納得を得ることはなかなか困難な状況があるんじゃないかと思っています。私は専門家でありませんから、鉱山に責任があるとか河川管理に責任があるとかいうことを私が今ここで申し上げることはできないと思います。ただしかし、実際問題としては、この菱刈鉱山が私が聞いておりますところでは毎分六トンのお湯を川内川に放流してきた、この事実はあるわけですね。これはもし間違ったら訂正してください、それがあるわけです。毎分六トンのお湯が放出されるという状況が下流の温泉地帯の水位の低下に影響しなかったかどうか。それで、そういうようなことについて地元がやっているからということで、災害が起こっておっても国がこれに対して余り積極的な関心を寄せないということでは困ると思うんでありますがね。 この問題について、国側としてはどこが窓口になって取りまとめていかれるんですか。
○政府委員(杉岡浩君) 地盤沈下の調査等につきましては、国土庁といたしましてはその専門じゃございませんので、そういった調査の指導等はできかねるわけでございますが、現象面といたしまして、地盤沈下によりましていろんな被害が出まして、住民の方々がいろいろと御迷惑をされておるわけでございます。そういった面から、例えば住宅の融資等について行う。ただ、融資といいましても、長崎豪雨だとか山陰豪雨だとか、ああいった大災害の場合でもやはり個人の負担が中心で、それに例えば住宅金融公庫等が御援助を申し上げるということだろうと思いますが、それと同様の手続がとれれば、あるいは住宅金融公庫からの融資、あるいはそれをさらに中小企業といたしまして、県が現在開かれております強化資金の融資で対応をしていただくといったようなことが必要になってくるだろうと思います。 それから、道路や河川等につきまして、やはりこれが被害を受けました場合は、応急対策ということで必要な対策をとるということであろうかと思います。
○久保亘君 もし原因者が明確になれば、これは賠償責任も伴う問題でありますね。特に鉱山等の場合には鉱業法によって賠償の責任なども明示されており、賠償の方法まで法律で明らかにされておるというようなものもございます。だから、賠償責任と原因とがどういうふうに解明されるかという問題は住民にとっては非常に重大な問題であります。ところが、地元のそういう町がつくりました調査委員会が結論を出すことが非常に難しくなってくる場合に、これは河川管理者である建設省それから鉱山の監督責任者である通産省、こういうところがその原因究明について直接責任ある措置を求められる、こういうことに私はなろうかと思うんですが、その場合にはそういうものをどこが取りまとめておやりになりますか、国土庁でやられますか。
○政府委員(杉岡浩君) 我々は災害対策という面で取り扱うわけでございますが、いわゆる鉱害的な原因究明というのは国土庁の方としては専門じゃございませんので、なかなかまとめるのは難しいと思います。
○久保亘君 どこかがそれを取りまとめてくれないとやりようがないわけですよ。どこにも持っていきようがないわけ。だからあなた、国土を管理するんだから国土庁がやる、それで通産省や建設省がこれに協力して、国としてもこの問題の調査が必要になれば調査をやりますと、こういうことになりませんか。通産省は通産省でやる、建設省は建設省でやる、おれのところには責任なしと、こういうことになったら困るんです。だから、その取りまとめはやはり国土庁ということにならぬですかね。国土庁長官、あなたの方でひとつ責任持ってやってもらえませんかね。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 先生御指摘の点でございますが、先般町長が久しく見えまして、非常に話を詳しく承りました。 原因究明につきましては軽々しく何が原因である、あるいは住友鉱山が原因であるということは断定しにくいというお答えでございましたが、その結論を待って、どこが窓口で対処するかということは将来の問題でございますが、国土庁といたしましては、災害対策ということを重点にやっておりますので、そういう観点から善処してまいりたいという考えでございます。
○久保亘君 災害の原因調査だね、これ。災害が起きているんだから、その災害の原因調査、それに関係官庁を呼んでやる、これはやっぱり国土庁が取り仕切らないとやれないと思うんで、その点はひとつ長官、国土庁として積極的に乗り出してもらえませんかな。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 原因究明の結果、どういう結論が出るかわかりませんが、五月の末ごろには大体出るというふうに聞いておりますので、御趣旨に沿いまして前向きに努力していきたいというふうに考えております。
○委員長(安永英雄君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時三分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(安永英雄君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○原田立君 最初に、長官の所信の中にもありましたが、新潟県西頸城郡青海町の土砂崩れ事故でありますが、その後の復旧状況はいかがですか。
○政府委員(井上章平君) 青海町玉ノ木地区におきます地すべり災害は、昭和六十年の二月十五日、十八時二十五分ごろ発生いたしまして、その規模は幅七十メートル、のり長百十メートル、崩壊土砂量四万立方メートルに及ぶものでございました。 建設省としましては、直ちに係官を派遣いたしまして、まずは二次災害の防止を図るための応急仮工事を実施いたしますとともに、保護復旧の工法検討をするための調査をしてまいったわけでございます。応急仮工事といたしましては、地すべり末端部の土どめ工、それから滑落崖のシート張り等でございまして、これは三月十日に完了いたしております。また、調査につきましては、七本のボーリングを実施するなど、これも三月十三日に完了いたしました。 この調査結果に基づきまして、三月二十六日に災害査定を行いました。災害復旧事業費約十億円、これには応急仮工事費約五千万円が含まれておりますが、この十億円で仮決定いたしておりま して、現在本決定の作業を進めておるところでございまして、本決定次第本復旧に着手することといたしております。 この本復旧の内容でございますが、国道八号線沿いに堆積しております土砂を幅二十メーターないし二十五メーターにわたりまして排土いたします。これによって宅地として排土地を復旧することにいたしております。 また、崩落道でございますが、これは安定させる必要がありますために、地すべり防止対策事業としてアンカー工、擁壁工、くい、それから地下水排除のための集水井工等を行いまして、さらに滑落崖の急斜面につきましては切り土を行いまして、のり枠工を施工してこれを安定斜面にするという内容でございます。
○原田立君 今回の復旧は、そうすると、通常二年とか三年とかかけてやるというふうに聞いておりますけれども、青海町の事故現場の復旧については、当面、本年度だけで完成する予定ですか。
○政府委員(井上章平君) ただいま申し上げましたような本復旧は六月ごろには着手できる見込みでございますので、何とか本年度中にすべて完了させたいという意気込みを持っております。
○原田立君 そういうふうにぜひしてもらいたいと思います。 今回の事故現場付近は、四十七年十二月に新潟県のいわゆる急傾斜地崩壊危険地区に指定され、建設省の補助を受け、五十八年までに約一億三千万円の予算をかけてつくったもの。この工法は、建設省が全国の自治体に進めている急傾斜地の土砂崩れ防止手段で、国が持っている唯一の手段でもあるわけであります。自信を持っているんだろうと思いますが、だけど、今回こういうふうな事故が起きたということで、一体どこまでやったならば事故を防ぐことができるんだろうか、あるいはまた事故の原因は一体何なのか、防止工事や管理に手落ちはなかったのか、そこら辺はいかがですか。
○政府委員(井上章平君) ただいま御説明申し上げましたように、今回の災害の原因につきましては、崩壊斜面上部にあらわれておりますすべり面及び移動した土の形態等から判断いたしますと、これは単なる土砂の崩落ではなく、大規模な地すべりであるというふうに考えておる次第でございます。 この地すべりが発生した原因は、二月上旬から融雪が進んでおりましたところへさらに降雨が重なったために、それがきっかけとなって起きたものと判断されます。このように地すべりでございますので、玉ノ木地区に四十七年から五十八年にわたりまして、ただいま先生御指摘がありましたような急傾斜地の崩壊防止工事が新潟県の県営工事として実施されておったわけでございますが、これはあくまでも崩落防止のための急傾斜地の崩壊防止工事でございまして、地すべり防止工事でなかったわけでございます。したがいまして、この急傾斜地崩壊防止工事そのものについては、もともと今回のような地すべりを予測して、その対策として実施したものではございませんので、直ちにこれに管理の手落ちがあったかどうかということは考えていないわけでございます。
○原田立君 それでも亡くなった人が十人もいるんでしょう。わずかな一地方の問題というふうにとらえるんではなしに、十名の方が亡くなった尊い犠牲があるわけです。こういう工事の仕方をしたからその責任はないんだとかいうふうなことを言われたんではちょっと心外なんであります。 それで、いわゆる地すべり的なものであって、その防止の工事じゃなかった、こういう話だったけれども、じゃ、地すべりが起きるような状況であったかなかったか、そこいら辺の判断はできなかったんですか。
○政府委員(井上章平君) 当該地区を含めまして、国道八号線沿いのこの急傾斜地の下に人家が密集いたしておりますので、これについてはかねてから新潟県におきましてもいろいろ調査をいたしまして、急傾斜地の崩壊防止工事は実施する必要ありとして実施してきたわけでございまして、今回のような地すべりの予測がつかなかったということは、結果から見ると大変残念な、遺憾なことであったわけでございます。 こういった急傾斜地における地すべり発生の予測ということにつきましては、大変難しい問題もあるわけでございまして、なかなか予測しがたい面もございますが、しかし私どもといたしましても、今後これを教訓といたしまして一層努力いたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 建設省として、工事基準の見直しとかあるいは新たな防止策の研究等はなさるんですか。
○政府委員(井上章平君) まず、従来の一般的な急傾斜地の崩落防止工事につきましては、これは今回の地すべり対策というふうに私どもとらえておりませんので、これにつきましては、対策工法について今回の教訓をもとに設計基準あるいは工法の見直しをするということではございませんが、しかし、こういった地すべり対策につきましてはこの教訓は十分生かしてまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 長野県の王滝村にしても、あの地すべりはもう何十年に一遍起きるか起きないかの事故だったと、こう言うんだけれども、今度の場合もそういう予測しなかった事故だったと。両方とも多くの方の犠牲があるわけです。だから、そこいら辺のところをしっかりしてもらって、予測はなかなかしがたいなんというふうな言い方をしているんじゃなしに、仮にこれは事故が起きなかったならばこのままで過ごしちゃうかもしれない。そうすると、いつ事故が起きるかわからない危険な状態を内包しながら何年も何年も続くということになって、これでは行政を担当するという場合に無責任というふうに言われても僕は返答がないんじゃないかと思うんだけれども、そんなふうな感じを持つんです。 それで、いわゆる建設省の調査によると、人命に及ぶがけ崩れの危険性があり、何らかの防災工事が必要な急傾斜地崩壊危険箇所は全国で五万八千というふうに聞いておりますが、五十八年度から急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画をスタートして三千九百億余でやるそうでありますが、完成時には三千四百カ所が整備されるにすぎず、全体から見ると二十分の一にすぎない。事業の進捗率も非常に低いわけであります。これはいわゆる昭和七十五年までにはほぼ終了するとは到底考えられないのでありますけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(井上章平君) 急傾斜地崩壊の危険箇所につきましては全国で七万二千カ所ございまして、これらのうち対策を必要とする箇所は、ただいま先生御指摘がございましたように、約五万八千カ所というふうに調査の結果が出ております。五十八年度末のこれらに対する対策、いわゆる整備率は一四%にとどまっておるわけでございます。で、残されたすべての箇所の対策に要する事業費というものはなかなか把握しがたいわけでございますが、現時点で試算いたしますと、今後大体六兆円ぐらい要るんではないかという試算値もあるわけでございまして、六十年度の急傾斜地崩壊対策事業費が五百八十億円であるということを考慮いたしますと、その百倍にも及ぶ要整備箇所があるという事実は私ども非常に深刻にとらえておるわけでございまして、これをすべて整備してまいりますには相当な年月を要するであろうというふうに思われる次第でございます。したがって、そういうことを十分念頭に置きまして、今後急傾斜地崩壊対策事業の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 土砂災害をなくしていくためには治山砂防施設の整備が必要なのは当然でありますけれども、同時に警戒避難体制の確立、あるいは危険地域の住宅移転の促進、土地利用規制の強化というような面も必要であろうと思うのでありますが、今回の青海町の場合も、五十九年の豪雨時には玉ノ木地区の住民に避難命令が出されたけれども、今回はそういうことはなかった、全くの無警 戒だったと、こう聞いておりますけれども、その点はどうですか。
○説明員(島崎実君) 今回の青海町玉ノ木地区の土砂災害につきましては、特段の前兆現象が確認されておりませんでしたため、残念ながら事前に避難警戒等の体制がとられておらなかったと、こういうふうに聞いております。
○原田立君 前兆がなかったんで警報を出すに至らなかったということですか。そういうふうな御答弁だったように承りましたが、もう一度。
○説明員(島崎実君) 今回の青海町の土砂災害につきましては、事前にいわゆる前兆現象と申しますか、土砂の崩壊とかそういうふうなものが出てこなかったということで、事前の警戒体制がとられていなかったというふうな報告を受け取っておるわけでございます。
○原田立君 警戒避難体制の確立とか、あるいは危険地域の住宅移転の促進、あるいは土地利用規制の強化、こういうふうなことはどこでやるんですか。建設省ですか、国土庁ですか。
○説明員(片山正夫君) 災害危険区域の基準法に基づきます指定は、建設省でもちろん所管しております。それから、危険区域に居住しております居住者が住宅移転をいたします場合の助成事業は、やはり建設省で所管いたしております。
○原田立君 自主防災組織をつくって防災に努めるということが必要だと思うんですけれども、でき上がったぐあいはいかがですか。
○説明員(島崎実君) 自主防災組織の組織化の状況でございますが、新潟県について申し上げますと、五十九年では組織率は四・二%ということになってございまして、全国の状況では三二%ということでございまして、新潟県の場合は自主防災組織の組織率は全国的に見てかなり低いという状況でございます。
○原田立君 それは私も数字を見て承知しているんだけど、余り悪過ぎますね。いろいろ原因はあるだろうと思うけれども、もう少し促進する必要があると思うんだが、そこいら辺の手段はどうなっていますか。
○説明員(島崎実君) 先ほど申し上げましたように、新潟県はかなり自主防災組織の組織率という意味では低い数字になっておりますが、実情をいろいろ調査してみますと、町内会とかあるいは自治会が自主防災活動を直接行っているというふうなこととか、あるいは消防団活動が非常に活発であるとかというふうな事情はそれなりにあるようでございますが、現実に自主防災組織自体の組織率が非常に低いということで、このこと自体その育成が非常に重要な課題ということになっておると認識しておるわけでございます。 それで、消防庁といたしましても、従来から重点施策の一つといたしまして地域の自主防災体制の確立に努めてきたところでございますが、今後さらに地域住民の自主的な防災活動組織、これの育成強化を図るということの目的のために、防災資機材の整備、あるいはいろんな手引書の配布、あるいはテレビ等による啓発等を行っていって、今後さらに住民の自主的な防災活動が積極的に行われ、組織率が強化されるような方向で、今後ともさらに指導を強めてまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 新潟県は四・二%で余りにも悪いじゃないですか。そこいら辺は今の何かパンフレットをつくるとか、もちろん指導もしなければいけないんだろうけれども、あなたが言われるいわゆる指導という、そんなことだけでそれをぐっとアップしていく自信はありますか。
○説明員(島崎実君) 自主防災組織の組織率を地域別に見てまいりますと、東海地区で地震が起きるとかというふうなこと、あるいはまた最近の近い過去に災害経験があったというふうなところの組織率が非常に高いと。それで、どちらかといえば災害の被災経験が少ないところ、そういうところが一般的には低いというふうな傾向が見られるわけでございます。それで、新潟県におきましても、今回のような事故経験、こういうものをさらに十分に踏まえまして、今回の経験を生かしながら、県とも協力をしながらこれを一歩一歩高めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○原田立君 がけ地近接危険住宅移転事業、建設助成戸数が五十八年で六百六十四戸、五十四年のときが八百七十七戸でしたから、七六%ということで二四%減っているわけでありますが、これはもっと大いに利用する方向に指導していくべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○説明員(片山正夫君) がけ地近接等危険住宅移転事業につきましては、先生御指摘のように、近年減少の傾向にございます。この事業は昭和四十七年度に創設されたわけでありまして、それ以来五十九年度までで約一万三千戸の実績はあるわけですが、近年は確かに減少しております。このことは、この事業が危険住宅の居住者の希望によりまして実施されるという性格上、居住者にとりまして移転の用地を確保しますこととか、あるいは移転費用の調達をすること等、大変困難を伴うことでございますので、そういう面から事業が必ずしもうまく進まないという点は確かにございます。 しかしながら、この課題は重要な課題でございますので、私どもも積極的に取り組むことにしておりまして、昭和六十年度におきましては助成の内容、つまり補助金の額を引き上げてございます。今後も危険住宅の居住者の方々に対しまして啓蒙活動を一生懸命やりまして、この促進を図ってまいりたいと思います。
○原田立君 おととし長崎で大雨が降って大変大勢の人が亡くなった。従来からある地域は地すべりなんというのはなかった。最近開発した新しいところが主に地すべりを起こして、それで家がつぶされたとか亡くなった人が多かった、こういうことが長崎の場合にあったわけです。それはもう僕は全国どこでもあるんじゃないかと思う。いわゆる今までの急傾斜危険地域、それから新しく開発したところでなってくるところの危険地域、新しいところのものについては、それはちょっと酷な言い方かもしれないけれども、そういう危険を内包していれば、申請があっても許可をしないとかいうふうなことが行政の側であってしかるべきじゃないかなと思うんです。事故が起きてしまってからどうしましょうというふうなことではちょっと能がない話でありまして、そこら辺の今後の促進の仕方はいかがですか。
○説明員(片山正夫君) がけ崩れ等によりまして住宅が壊される、そういうふうな危険を防止しますために、建築基準法におきまして災害危険区域の指定を行うことにしておりまして、これは急傾斜地の危険指定区域を参考にいたしまして、そのうちからまず指定をしていくわけであります。 それともう一点、基準法の四十条の方でがけ地条例をそれぞれつくっていただきまして、そういうがけの崩壊等の危険対策としてやっておるわけであります。そういう指導の現状の実績を見ますると、例えば五十四年で見ますると、災害危険区域の指定状況は、区域面積で一万四千五百ヘクタールを災害危険区域として指定しておりました。しかしながら、その後も積極的に区域指定をいたしまして、五十八年度末では一万九千四百ヘクタールの指定をしたところであります。 今後も、そういう危険対策のために積極的に危険箇所については指定をするように特定行政庁を指導してまいりたいと思っております。
○原田立君 せっかく御努力を願いたいと思います。 次に、地震の問題で聞きたいんですけれども、我が国は世界有数の地震国であり、有史以来数多くの地震に見舞われ、多くの人命と財産が失われていることはもう御承知のとおりであります。 五十八年の日本海中部地震、昨年の長野県西部地震によって多くの被害を出したところでありますが、最近、産業の都市への集中は、木造密集被害地の拡大、危険物の増大等をもたらして、都市が地震災害に対して脆弱なものとなっていること等を考え合わせてみますと、震災対策は現下の国民的課題の一つである。大臣も所信の中でそうい う意味のことを言っておりますけれども、その対策の充実強化が早急に図られなければならないと思うんでありますが、震災対策はどのように進められているか、概況を説明願いたい。
○政府委員(杉岡浩君) 地震対策につきましては、中央防災会議が昭和四十六年に決定いたしました大都市震災対策推進要綱、これがその対策の基本でございまして、それには、一つは都市防災の推進でございます。それから第二番目が防災体制の強化、それから防災意識の高揚。それから第三番目が地震予知の推進ということで、これに沿いまして関係省庁と緊密な連携をとりながらそれぞれ進めておるわけでございます。 特に、このうち重要な事項といたしまして、昭和五十八年に中央防災会議にかけまして、避難地、避難路の整備、それから市街地の防災再開発、こういった都市の防災不燃化を進めておるわけでございます。現在、各種災害対策、防災対策が行われておりまして、都市の不燃化も徐々に進んできておるところでございます。 それから防災意識の高揚、あるいは防災体制の強化ということでございますが、これはもう毎年九月一日に、御承知のとおり、総合的な防災訓練をいたします。これは東海地震あるいは南関東における大規模地震、これを想定いたしまして行っておるわけでございます。昨年、東海地域及び南関東を中心といたしまして、大体千三百万人程度の人が参加したと言われる大規模な地震対策の訓練をいたしておるわけでございます。また、その周辺におきましては地震に対する知識の高揚、そういった面に重点を置いてやっておるわけでございます。 それから、一たん地震があった場合にはいろいろと応急対策が必要でございます。それに必要な耐震性の貯水槽の整備、あるいは食糧等の備蓄、あるいは医療班の事前の整備、こういったような応急対策を事前に、地域の防災計画を中心にいたしましてその整備を進めておるわけでございます。 我々といたしましては、現在もそういった対策を進めておりますけれども、なお一層地震対策について推進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○原田立君 先日、予算の説明を聞きましたけれども、いろいろ大事なところ、すなわち科学技術の研究とか災害予防とか、あるいは国土保全の予算とか、いずれも減額になっておりますね。そんなような減少された予算で震災対策が十分できる自信がありますか。
○政府委員(杉岡浩君) 予算につきましては現在、先般御説明申し上げましたように、全体で一兆九千五百四十九億という防災関係予算で政府全体で実施をいたしております。これは、ただいま先生が御指摘ありましたように、前年に対しまして三・七%の減ということでございますが、ただ五十九年度は災害が非常に少のうございまして、災害復旧費が大幅に減をいたした関係もございます。これを除きますと一%ちょっとの減少ということになっております。 ただ、地震対策として重要な地震予知の予算なんかは、この厳しい財政環境にありながら二%の増ということで、重点的に対策を進めておるわけでございます。我々といたしましては、貴重な予算を効率的に執行いたしまして、地震対策あるいは災害対策全体について遺憾のないように期してまいりたいというふうに考えております。
○原田立君 東海地域の地震予知の推進に当たっての重要な役割を果たす観測体制はどのように整備されていますか。
○説明員(河村あたる君) 気象庁は、東海地震の短期直前予知のため、地震計、海底地震計、体積ひずみ計等に加えまして、関係機関の御協力も得まして傾斜計、水位計等の各種観測のデータを気象庁にテレメーターいたしまして、二十四時間体制で常時監視を行っておるわけでございます。
○原田立君 南関東地域も東海地区と同様に観測強化地域として指定されておりますけれども、こちらの方はどうなっていますか。
○説明員(河村あたる君) 気象庁といたしましては、やはり地震計を初め体積ひずみ計の整備をいたしておりますとともに、房総沖に海底地震計の整備を六カ年計画で進めておるところでございます。
○原田立君 いわゆる東海地域と横並びみたいなぐあいに体制は進捗している、こう理解していいですか。
○説明員(河村あたる君) そのとおりであると存じます。
○原田立君 全国で八つの特定観測地域が指定されているのでありますが、これら地域での観測体制が十分ではないんじゃないかと思うのでありますが、実はさきの日本海中部地震におきましても長野県西部地震の発生に際しましても観測体制の不備は指摘され、当委員会でもそのことを指摘した事実があります。これら特定観測地域におきます観測体制について整備基準なり目標なりがあってしかるべきだと思うのでありますけれども、その目標値と現状とではいかがですか。
○説明員(春山仁君) ただいま御指摘のございました特定観測地域、それからその前に話のございました観測強化地域、こういった地域は地震予知連絡会が指定しております。 ただ、これらの地域におきます観測研究は、関係各機関がお互いに協力しながら実施しておるものでございますけれども、連絡会としては観測体制の基準とかあるいは目標とか、そういったものを定めているわけではございません。 建設省といたしましては、この特定観測地域におきまして全国的な測地測量の繰り返しに加えまして、水平変動を求めるための特定地域一次基準点測量、それから上下変動を求めるための特定地域水準重力測量、こういったものを実施して、測量の繰り返し周期を縮めるということをやっておりますが、私どもで目標としております二年半の周期というものは残念ながら満足されているとは言いがたいのが実情でございます。 今後、測量の方法などにいろいろ工夫を加えまして、こういった目標ができるだけ達成できるように努力してまいりたいと思っております。
○原田立君 河本大臣、地震予知については本質的に可能かどうか問題はあると思いますけれども、予知の研究開発の促進が十分図られなきゃならぬと思う、これは同感だろうと思うんですが、そのために地震観測の充実強化が必要不可欠でありますが、大臣の御所見いかがですか。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 地震予知の推進は震災対策の重要な柱でございます。地震予知に関係する省庁におきましても、今後とも緊密な連絡をとりながら地震予知の実用化のための研究観測、観測施設の整備などを推進することとしておりますが、国土庁といたしましてもその一層の推進に努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○原田立君 地震の発生に当たっては情報の提供ということが非常に重要でありますけれども、いわゆる東海地震の発生が予知されると警戒宣言が出る、地震予知情報が発表されると、そういうことは地域住民への影響が非常に大きなものがあるわけです。このような地震情報の発表に当たっての国民への影響を十分考えてやっておられるんだろうと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(杉岡浩君) 東海地震につきましては、現在各種の観測網をしいておるわけでございますが、異常が認められた場合におきましては判定会が招集され、判定会の結果短期地震予知ができたという場合は、内閣総理大臣に報告されまして警戒宣言が出るわけでございます。その段階におきまして、気象庁長官からも国民にその短期予知の内容、これにつきまして具体的に説明をいたすことに法律上なっておるわけでございまして、報道機関を通じましてその資料を国民に伝達するというふうにいたしておるわけでございます。 また、これは常日ごろからやはり訓練をしておかなければいけない事項だと思います。そういう意味からも九月一日に東海地域あるいは南関東地域、これを中心にいたしまして、国それから県、市町村、それから自主防災組織、これを通じまし て総合的な訓練をいたしておるものでございます。警戒宣言が出た、それからずっと手続をとりまして、それから地震が起こった場合の対策というような流れでもって訓練をいたしておるわけでございまして、その訓練を通しまして、常日ごろからこういったものに対する住民の対応が正確にできるようにというふうに考えておるわけでございます。 また、県等におきましても地震に対する正確な知識と申しましょうか、これを絶えずPRいたしておりますし、また警戒宣言が出たときの対応策、これにつきましても、県あるいは国におきましても的確な知識の普及あるいは防災意識の高揚というふうに努めておるところでございます。
○原田立君 いろいろ影響があるだろうと思いますが、やっぱり警戒宣言が遅く出ちゃって何の役にも立たなかったというんじゃ意味をなさないし、余り早く出て混乱さしてもいかがなものかと、いろいろ私も頭をひねるんでありますが、警戒宣言を出して、来なければそれはよかったと、こうしなきゃならぬだろうと思うんです。そうなると、その後に警戒宣言を解除するに当たって一体どういうふうな基準で考えられているんですか。
○説明員(河村あたる君) 先ほど杉岡防災局長が申されましたように、東海地震の警戒宣言あるいは警戒解除宣言は、気象庁長官からの地震予知情報の報告に基づいて内閣総理大臣が閣議を開かれて発することになっているわけでございます。気象庁といたしましては警戒宣言解除の基準をつくる立場にないことは言うまでもないことでございます。この点、新聞報道では一部誤解があったかに私ども存じております。地震予知情報は学識経験者から成ります判定会の判定結果を受けて報告されるわけでございます。前兆現象の出現様式は複雑多岐でございますので、判定の基準をあらかじめ設けるのは極めて厳しいと考えております。このように非常に難しいわけでございますので、地震専門家から成る判定会により、個々の状況に即しまして判定をいただく仕組みになっているというわけでございます。
○原田立君 個々の状況によって判定してもらう、こういうことですね。私が聞いているのでは、いわゆる発生のおそれがなくなったと認めるときに宣言解除をするというふうに聞いているんですけれども、それがもうなくなったと、発生するおそれがないと、こう言いながら、なおじんぜんと時日を要するというのは愚策だと思うんです、みんなは早く解除になってほしいなという気持ちが強いわけですから。基準がないからというんじゃなくて、何かそこいら辺もっと積極的に検討、研究されてしかるべきじゃないですか。
○説明員(津村建四朗君) ただいま申し上げました判定の基準をつくるのは難しいということは、つまり単純にこれこれのレベルから下がりますと警戒宣言の解除につながるような地震予知情報が報告されますと、一般の方に申し上げるような基準をつくるのは難しいということでございまして、もちろん専門的にはいろいろな場合を想定して検討しておりますし、今後も検討を進めてまいります。
○原田立君 四月六日の毎日新聞によりますと、東海地震が発生した場合には地盤の液状化によって被害が大きくなる可能性があるという、飯田教授を中心とする愛知工大グループの発表があったわけでありますが、過去の記録を調べた結果、東海地方に発生した地震により大規模な液状化現象が見られ、東海地震でも静岡県から愛知県、岐阜県で液状化を十分警戒する必要があるとの指摘をしております。現在、大規模地震対策特別措置法によって静岡県全域を含め、六県百七十市町村が地震防災対策の強化地域に指定されておりますが、今回いわゆる要注意地域として挙げられた愛知県、岐阜県の一部地域を地震防災対策強化地域に指定して防災対策を講ずるべきじゃないかと、こんなふうに思うんですが、いかがですか。
○政府委員(杉岡浩君) 地震防災強化地域につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、六県百七十市町村が指定をされておるわけでございます。この指定でございますが、これは懸念されております東海地震が発生をいたした場合に、木造の建物あるいは低層の建築物、こういったものが甚大な被害を受けると言われる震度六以上の震動があるという地区でございます。これが百七十市町村ということでございますが、ただいま御指摘のございました液状化による地盤の震害でございますが、この地域を具体的に選定するというのは非常に難しゅうございますし、また被害の態様を今具体的に判断するというのは非常に難しい問題でございます。しかし、現在こういった問題につきまして、専門の先生方によって液状化等についても御検討をいただいておるところでございます。
○原田立君 静岡県の浜名湖周辺、天竜川下流城、太田川下流域、清水地域、愛知県の津島・起地域、伊勢湾北域、幡豆地域、岐阜県の木曽川流域、揖斐川流域、長良川流域というところを列挙しておりますけれども、こういう地域について、先ほど申し上げたように危険地域としての指定は検討の材料とするのかどうか、その点はいかがですか。
○政府委員(杉岡浩君) 地震防災強化地域の選定に当たりましては、中央防災会議の地震防災強化地域の指定専門委員会という学者の先生方の御指導を得ましてこの百七十市町村の指定をいたしたわけでございます。沖積平野におきまして地震があった場合に、地盤の液状化があるというのは間々よく聞くわけでございますけれども、具体的にどの地域で起こるか、あるいはどういう被害が起こるかというのはいろんなケースが考えられるやに聞いておるわけでございます。我々といたしましては、難しい問題ではありますけれども、専門の先生方になお検討をいただいておるという状態でございます。
○原田立君 それはまだ大分かかるんですか。飯田先生、愛知工大グループからせっかくこういうふうな提案があったんだから、これも検討の材料にしてしかるべきじゃないんですか。それは一体いつごろ結論が出るようになるんですか、研究してもらうと言っておりながら、何年も先になったんでは意味をなさないと思うんですが、どうですか。
○政府委員(杉岡浩君) 先ほども申しましたように、テーマとして非常に難しい問題があるわけでございます。ただいまの新聞に発表されました先生方の御意見、こういったものも参考にしながら、やはり専門の先生方にいろんな角度から御審議していただくということでございまして、非常に難しい科学技術の問題でございますので、いつということをただいま申し上げるわけにはまいりませんけれども、そういった専門の先生方に鋭意検討していただくということにいたしております。
○原田立君 国土庁では五十六年かな、南関東地域を対象とした地震被害想定調査を実施しておると聞いておりますが、その一連の調査として、震災応急対策活動システムに関する調査が現在行われておるそうでありますが、そのテンポは非常に遅いんじゃないか、もっと早急に調査を実施し、各種の震災対策が講ぜられるべきなのに、余りにも遅いと、こう私は思うんです。その点、実態はどうですか。
○政府委員(杉岡浩君) 南関東につきましては、いろんな角度から既に国あるいは地方公共団体等におきまして検討がなされ、また対策も進んでおるわけでございます。特に東京あるいは神奈川県等々におきましては地域防災計画によりまして対策がとられておるわけでございます。都市の防災化の推進あるいは応急対策を、そのためのいろんな物の備蓄あるいは防災体制の整備、こういったものは既に地域防災計画にうたっておりまして、これを年々進めておるわけでございます。我々といたしましても一緒になってその整備を進めておるわけでございます。しかし、防災対策といたしましてやはり相当広域に物を見ていかなければならないものがあるわけでございます。例えば物資 の調達におきましても全国的な視野から物資の調達をする、あるいは救急医療体制におきましてももっと広域的な県と県の間のお互いの協力体制といったもの、あるいは水、食糧、そういったものもお互いに県と県の間の供給、そういった広域的な観点から検討をさらに進めなければならないということでございまして、既に我々といたしましては南関東地震対策の推進をしてきておりますけれども、なお広域的な観点からそれを促進するという面の調査でございまして、そういう面におきまして現在検討を進めておるわけでございます。大規模地震が発生した場合に、一日も早く結論を出さなければいけませんので、そういった観点から現在進めておる対策をさらに補完するという意味におきまして検討を促進してまいりたい、あるいはまいる覚悟でございます。
○原田立君 私は何もやっていないと言っているんじゃないんですよ。あなたがべらべらしゃべっているけれども、やっていることは認めているんだよ。ただ遅いじゃないかと言っている、もっと早くしろというんです。大臣どうですか、これは。
○政府委員(杉岡浩君) ただいま原田先生からおしかりを受けましたが、我々といたしましては既にやっておること、それからさらにこれからやらなければならないことについて早急にやる所存でございます。
○委員長(安永英雄君) 大臣、ありますか。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 先生の御質問ごもっともでございます。これは非常に難しい問題でありますが、災害対策につきましては迅速に対応できるような方法ということにつきましても万全を期していきたいと思います。
○原田立君 三月四日に南米のチリでマグニチュード七・四という大地震が発生して百三十五名の死者、家屋の全半壊戸数二万六千戸、被災者総数十三万人、こういう大きな事故があったわけであります。これは当時日本への津波の影響について心配されたわけでありますが、幸いにしてわずかな津波で終わったわけであります。三十五年の五月に発生したチリ地震のときには津波の高さが三メーター五十、日本で津波のために百十九名も亡くなった。今回の場合にはマグニチュード七・四ということでやや少ないだろうけれども、現地の人たちの死亡状況あるいは半壊、全壊等の被害の状況等から見ると、非常に大きな地震が日本の裏側の南米チリで起こっておるわけでありますが、ここで申し上げたいのは、津波の警戒宣言が前回のことを参考にしてもっと早目に出てしかるべきではなかったのか。大分今度は警戒宣言の出るのが遅かったですね。
○説明員(河村あたる君) まず、三十五年のチリ地震の大きさと今度のチリ地震の規模の違いについて申し上げたいと存じます。 三十五年のチリ地震はマグニチュード……
○原田立君 そんなことはいいんだよ、宣言がおくれた理由は何かと、こう言っているんだ。
○説明員(河村あたる君) ちょっとこれは必要と存じますのでお話を申し上げたいと思うわけでございますが、前回のマグニチュードは八・五またはそれ以上でございまして、今世紀でも多分最大の地震であったと存じます。 先生御案内のように、今回の地震はマグニチュードは当初七・四と発表されたわけでございまして、エネルギーから見ますと数十分の一程度の地震でございます。例えばマグニチュード一違いますと、七と八では数の上で差がないようにとられるわけでございますけれども、マグニチュードと申しますのは地震学的に定義されております特殊なスケールを用いておりますので、この差の一はエネルギー的に申し上げますと三十倍程度の非常に大きな差ということになります。そういうことで、今回の地震に関しましては気象庁といたしましては日本に影響を及ぼすような津波は来ない、そういう立場で対処したわけでございます。
○原田立君 三十五年のときには来てこういう事故が起きたんでしょう。だからそこいら辺を見たならば、簡単に事故がないと信じましたから出しませんでしたでは説明になりませんよ。
○説明員(河村あたる君) もう一度申し上げますように、七・四という規模は、例えて日本近海で起こっております近畿津波について申し上げますと、七八年宮城県沖地震の規模と同等でございます。ああいうふうに近いところで起こりましてもほとんど津波による影響はございませんでした。
○原田立君 専門家のあなた方が津波の心配はないから出さなかったというのは聞かざるを得ないのですよね。新聞報道なんかによりますと、ホノルルにある太平洋津波警報センターから、震源地は内陸部、津波のおそれなしとの電報があったので警戒宣言を出さなかったというふうに報道されていますけれども、そうじゃないのですか。
○説明員(勝又護君) 最初の段階で私たちの協力機関であります太平洋津波警報センターからの入電によると、震源はアルゼンチンの北西部、内陸ということでございました。それから、御指摘のように、その後入電したアメリカの地質調査所の情報によれば、チリの沿岸部にいくわけでございますけれども、私どもはこういうふうに緊急の震源というのはそうぴたりといくわけではございませんで、沿岸だからどう、ちょっと内陸へ入ったからどうということではございませんで、そういう誤差、そういうものの可能性も含めて、その段階でこの程度の地震ならば非常に大きな津波が日本に波及するおそれはなかろうという判断をいたしました。
○原田立君 専門家のあなた方がそう判断したというのは聞かなければいけないでしょうね。三十五年のときのあの事故が、津波があって多くの人が亡くなった。あのときはどうなんですか。
○説明員(勝又護君) 一例を申しますと、そのときに津波が伝わってまいります、例えばアリューシャン列島とかそういうところでメートルのオーダーの津波があったということがわかっております。今回は同様なところをチェックした結果、それが非常に小さいということが確認されております。例えば二メートル過去にあったところが十数センチであったというような情報を得ております。
○原田立君 三十五年の五月にあったときの津波は三メーターを超す非常に大きなものだった。死者が百十九名、負傷者が八百七十二名、家屋全壊が千五百七十一軒、半壊が二千八十三軒、大変大きなものだった。このことを前例として後々注意しなければいけないということは当然考えられてしかるべきだと思うのです。先ほどマグニチュード八・五と七・四とは大分差があって、ちょこちょこっと来て軽いんだから心配ないんだというふうな意味の御答弁だけれども、現地のチリでは百三十五人も亡くなり、二千人も負傷者が出て、全壊が四千九百戸もあり、被害者十三万人と非常に大きなことなんですね。そこいら辺のところで津波の来る心配はなかったんですか、本当に。話によると、津波の可能性がある海底地震の観測データは前もって入手しておったけれども、ホノルルにある太平洋津波警報センターからは内陸部だから心配ないということがあったんで出さなかったというふうに新聞報道ではされているんです。どうですか。
○説明員(勝又護君) 御指摘のように、一時過ぎにはそういう情報は入っておりますが、たびたび申し上げましたように、この津波が非常に大きなものではなかろうということと、日本への津波の到達時刻が六時過ぎになるということを勘案しまして、防災対策に対応できる時間その他を考えまして五時過ぎに津波注意報を出しております。もし、かなり大きな津波が予想されるとするならば、私どももこのような処置はとりません。もっと早急に出す所存でございます。
○原田立君 じゃ、時間が来ましたから終わります。
○下田京子君 私は、きょうまず都市河川の総合的な治水対策問題で最初に聞きたいんです。 きょうあたり大変天気がいいし、桜の季節ですから、水の心配ということもないかもしれませんけれども、連休が明けて梅雨になると早々にまた水害問題が心配されます。長官の所信を見せてい ただきまして、大きくは六点についてのいろんな御決意が述べられておりますが、「災害対策についてであります。」と、こういう格好で、「地震、台風、豪雨、豪雪、火山噴火などの災害」云々というふうにお述べになりまして、こういったところから国民の命と財産を守っていくのが国の責任であると、こうお述べになっている。全くそうだと思うんですよ。そのためには各般にわたる災害対策を総合的かつ計画的に行うと。これも全くそのとおりなんです。 ただ、豪雨問題、水害問題というのは個別事例には挙がってないんです。その他のことは、昨年大変多かっただけに、あれこれ桜島も含めてお述べになっております。そういうことなんですけれども、もちろん大臣といたしましては、それぞれの災害から本当に国民の命と財産を守る、それが使命であるというふうなことから、今から申し上げます国土庁の総合的な治水対策等にあっても、過去いろいろと審議会から指摘されたことだとか、あるいは中央防災会議だとか、それぞれの省庁から指摘されていること、今細かくは申し上げませんけれども、連携をとっておやりになっていくというその決意は変わらないと思うんですけれども、冒頭その点お聞かせください。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 災害から国民の生命、財産を守るということにもう徹底して努力していくつもりでございます。所信表明のとおり、忠実に努力していきたいと考えております。
○下田京子君 建設省の河川局長おいでだと思いますが、以下幾つか具体的に御質問したいんですけれども、やはり河川対策となりますと総合的な問題が何よりも必要だと思いますし、治水対策、同時に洪水時における警戒避難体制等、地方防災計画なんかへの指導もありますでしょうし、また安全なまちづくりというか、災害防止の観点での都市づくり、こういうこともかかわってくると思うんです。 五十一年の十月十五日に、当時の建設大臣が特に都市河川問題でもって最近大変に多くの人命と莫大な財産が失われているということでもって河川審議会に対して諮問をされたと思うんですね、その諮問を受けて、翌五十二年の六月十日に河川審議会が中間答申をお出しになっていると思います。詳しくは申し述べませんけれども、「総合的な治水対策の推進方策について」という中間答申であって、その中には、総合治水のあり方として具体的に七項目を挙げてそれら対策を急げと、同時に制度の研究などの確立を図れと、こう指摘されていると思うんです。この指摘に基づいて現在は全国十四河川を中心に総合治水対策をまた進められていると思うんですけれども、その七項目の中で一つ、洪水はんらん予想区域を設定し公示しなさいと、こういう指摘があったと思うんです。ところが、当初は建設省は、そういう予想を住民に知らせると混乱が起こるとか土地が高くなるとかどうこう言っていたけれども、実のところは、科学的なデータ等に基づいた分析をしたしっかりしたそういう予想区域を発表するに至らないというところがどうも本当のようだ。それがわかりました。 そこで、とりあえず浸水実績図だけは公表しようということで、今まで幾つかの河川ごとにそういう洪水実績を公表してきたかと思うんですけれども、そういうものが実際に各地方自治体の災害対策等に生かされているかどうか。どうですか。
○政府委員(井上章平君) ただいま先生御指摘ございましたように、私どもは、この総合治水対策の中で浸水予想区域を公表するということを一つの目標にいたしておるわけでございますが、まだこれにつきましてはいろいろと調査を続けております。しかしながら、その間の行政措置といたしまして浸水実績図、これは過去の大きな洪水等によりましてある地域における浸水の実績がどうであったかを図示するというものでございますが、こういった浸水実績図をつくりまして、それを公表していろいろ防災対策等に役立たせようといたしているわけでございます。 例えば東京都におきましては、総合治水対策特定河川六河川について既にこの浸水実績図の公表は行われておりまして、これらは東京都の建設事務所あるいは市町村役場、消防署等に掲示されておるものでございます。これらの浸水実績図の公表は、適正な土地利用の誘導、あるいは緊急時の水防、避難等の便に資するために公表されておるものでございますので、そういった意味からは、その意義は既にこういった形で公表されることによりまして果たされているものと考えておるわけでございます。
○下田京子君 果たされているという御認識だと、それは甘いと思いますよ。なぜならば、私、東京の水害常襲地帯と言われる神田川や目黒川がどうなっているのかというふうなこととか、今お話しになりました東京都の六河川、確かに実績図は公表されています。しかし、ことしこの川がはんらんいたしましたというのを地図に落としているだけなんです。それじゃ実際には生きてこないんです。なぜこの洪水の実績図を公示するかというと、とりあえず予想区域指定公示ということに至らない中間的な措置でやっているわけですが、そもそも河川審議会がこういったことを指摘したというのは、何よりもやはり都市河川から早急に人命と財産を守るための対策を講じんがためなんですね。それで避難体制や警戒体制等に本当に速やかに生かしていくというそういうことなんです。そういうふうにはなっていないということ。それは局長お調べいただくとおわかりになりますよ。 それで、私、全国のやつがどうなっているかと、全国十四重要河川以外に今総合治水対策上浸水実績を公表したのはどのくらいあるんだと、ようやく資料をいただきましたところ、全国で百六河川あるけれども、これは河川ごとなんですね。こういう河川ごとのものが都道府県別に実際に今言ったような都市づくりやあるいは避難体制等々に生かされていない、これは現実なんです。こういうことを認識して御指導いただかないとこれは大変だと思います。 といいますのは、神田川の場合なんですけれども、神田川は大変な暴れ川、私が言うまでもないことだと思いますが、昨年時点で、過去五年の間にこの神田川は集中豪雨や台風が九回あったというんです。うち五回は神田川そのものが常襲地帯として暴れたというんですね。特に五十七年はひどくて、六月の集中豪雨、それから九月の台風十八号、十一月の集中豪雨と、三度も出水があって首都の治水のおくれがこのときには特に指摘されたと、こういうことになっております。念のために、この神田川は一級河川ですよね。そういうことで、実際に治水対策にどう生かしていくのか、都市づくりにどう生かすのか、避難あるいはいろんなそういう防災体制にどう生かしていくのかということの総合的な意味が今問われているわけなんで、そういう点からぜひ見直し、また御指導をいただくための具体的な検討もいただきたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 貴重な御見解をいただきましてありがとうございました。 なお、浸水実績図でございますが、これはあくまでも過去に起きた浸水の状況を的確にその地域社会で受けとめていただくという趣旨で出すわけでございますので、これをよくごらんいただいて、浸水等の事態になりましたときの警戒あるいは避難体制に生かしていただくということを目標といたしております。そういった面につきましては、今お話しございましたような全国百六河川について実施をいたしておるわけでございます。これらの河川の実態を見ましても、十分そういう意味では役立っているというふうに認識はいたしておりますが、なお一層ただいま先生が御指摘になりましたような問題も含めまして、今後この浸水実績が浸水予想といったような本来の目的に対応できるような内容になりますように努力をいたしてまいりたいと思っております。
○下田京子君 私は、予想区域を早くやれるようにしろということよりも先に、実績図をまず防災総合計画に生かせと、こういって質問したつもり なんですが、その次の質問までお答えいただいたんですが……。予想区域、早く指定できるようにと、今聞こうと思ったんですが、やりますということですが、いつごろをめどにできそうですか。
○政府委員(井上章平君) これはずっと私ども懸案の問題として検討を続け、あるいは調査を続けてまいっておるわけでございますけれども、現時点におきましては、いろいろやっぱり問題があるわけでございます。 それは、一つにはある洪水を想定いたしましていろいろな都市の状況あるいは河川の整備の状況等から、どういう浸水等の現象が起きるであろうかということを計算した上で予想するわけでございまして、そこにお住みの方々のいろんな財産等に大きな影響が及ぶような内容を持つ資料と相なるわけでございますから、非常に慎重を要するということがまず一つございます。それから、時々刻々都市の状態は変わりますし、また私どもの治水対策もどんどん進んでおりますので、そういったフォローを常に続けてまいりませんと、その内容が現実とは非常に違ったものになりかねないという問題をはらんでおります。 そういったことがございますので、単に過去のある時点の浸水実績でありますと、それはそれなりに正確に公表することは可能でございますが、浸水予想ということになりますと、そういった問題も含めて慎重な検討が必要だということで、今日までいろいろ私どもで調査を続けておるということでございますので、できるだけこれらの問題を整理いたしまして、これは結局つまるところ地方公共団体の防災行政に最も利用されるべきものでありましょうから、関係地方公共団体のお考えも十分取り入れまして、なるべく早い時期に公表できるようにということで作業をいたしておるわけでございます。
○下田京子君 大分近づいてきたような感じですが、まあ今年、来年あたりにおおよそ検討が出そうだなというふうな感触は受けました。もう十年になりますからね。しかし、とにかく実績図なりでももう公表しっぱなしではなくって、生かしていくことが可能ですし、それらも含めて積極的な対応をすると言っているんですから、実効を見ていきたいと思います。 そこで、六十年度に今度低地都市水防災総合計画というものを何か建設省がお考えだと聞いていますけれども、簡単にその中身をお知らせください。
○政府委員(井上章平君) 低地都市水防災総合計画でございますが、これは東京、大阪等の大都市の既成市街地におきます治水対策につきまして、当面の目標を時間雨量五十ミリメーター対応ということで河川改修を鋭意進めてまいっておるわけでございます。先ほど御指摘のございました神田川についても同様でございます。 こういう形で進められておりますが、しかし、何といっても人口、資産の集積の著しい都市でございますと、五十ミリといいますと大体三年に一回ないし五年に一回程度に起きる洪水でございますので、次のステップへの治水安全度を高める事業を進めていく必要があるわけでございます。この次の段階の治水対策につきましては、今まで進めてまいったような、単に在来の川幅を広げるとか、あるいは下水道を整備するといったような施設のみで対応することは、都市におきます用地取得等から考えますと大変困難でありまして、また事業費がかさむ等の理由によりまして実施が非常に難しいという状況がございます。したがいまして、そういったことに対応いたしまして、この河道整備はもちろん続けますが、流域におきまして雨水の貯留浸透を図る流出抑制策、あるいは洪水を一時貯留しておく地下貯留池の整備、あるいは先ほどもありましたように浸水区域におきます建物自身の耐水化といいますか耐浸水性の強化、それから適切な避難体制の確立といったこういうソフト面での対策もあわせまして、多面的な施策を総合的に実施することが必要であるわけでございます。これは今日まで続けております総合治水対策の既成都市版ということに相なろうかと思いますが、そういったものを低地都市水防災総合計画ということで六十年度中に取りまとめるべく、東京都あるいは大阪府等において準備を進めておるわけでございます。
○下田京子君 時間がなくて気になっていたんですけれども、私どもいろんなところで指摘しました流域貯留の浸透事業を促進させること、つまり雨水対策ですね。そういうふうなこととか、あるいは遊水地対策だとか含めました総合的な低地都市水防災総合計画と、こうおっしゃいましたが、やられるということ、大変結構ですし期待したいと思います。 ただ、河川局長にも言いたいし、それから最後に大臣からも決意を聞きたいんですけれども、そういうことで改めて新たな対応をすることは結構なんですけれども、例えば東京都の場合、一級河川が九十四、それから二級河川が十五で、合わせて百九河川もあるんですよね。それでもって特に一時間五十ミリの降雨に対応できる中小河川についてということで、昭和六十五年を目途に八〇%ぐらいの改修をやろうと、こう計画したわけですけれども、五十九年度末で一体どういう見込みになっているかというと、何と二八%しかまだ達成されてない。これは東京都自身の問題もあると思うんですけれども、問題はお金なんです。そのお金が、また防災問題でもカットされまして、高率補助カットのあおりを受けまして、全国ベースでいきましても二十億を超えるというような状況になっておりますので、幾ら重視してやります、新しい方途を盛り込んでやりますと言ったって、お金がなかったら話にならないんですよ。そういう点でもう予算獲得のために本当に、大臣、みんな頑張りますと言うんですけれども、頑張りますと言った後みんな削られてきている。今後そういうことがないように決意を聞かしてほしいと思います。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 災害対策の予算でございますが、一兆九千五百四十九億ですか、昨年度より三・七%減ということになっております。今後とも災害対策の推進に支障の来さない予算確保のために頑張っていきたいと思います。
○下田京子君 それから二番目の問題では、航空気象業務の問題でお尋ねします。 気象庁の方おいでいただいていると思うんですけれども、私が言うまでもなく、航空機の安全並びに航空機が定期的、経済的に効果的な運航が行えるように気象庁としてその情報等を提供すると、これは気象業務法の第一条の目的の中にもきちっとうたわれているわけですね。そういう点で、本来的に航空気象にあっての観測あるいは予報、警報等について責任を持つのが気象庁というところではなからうかと思うんですが、間違いないですね。
○説明員(辻武雄君) 先生の御指摘のとおりでございまして、気象庁が気象業務を行う権限は運輸省設置法などによりまして法的に決められております。
○下田京子君 ところが、今全国七十七空港ですかございますね。まあ一カ所今就航してないというふうには聞いていますけれども、そういう空港すべてにまず簡素化をされなきゃならないと。同時に予報官もしくは解説官を置くというふうになっていて、予報官の設置基準というのは、国際的な観点からの、一つは国際線が就航している、二つ目には公共性から見て年間の離着陸回数が一万回以上だと、三つ目には特殊な気象条件にあるところ、こういうふうになっているかと思うんですけれども、そういう点で一応予報官を置かなければならないというのは十六空港、こう聞いていますが、間違いないですか。
○説明員(辻武雄君) 現在、実際に予報を出しておる空港は十五空港でございまして、函館が今年度成立いたしましたので開始いたします。 以上でございます。
○下田京子君 ところが、予報官が配置されていない今の条件を持っている仙台とか広島、これは一体どうするのか。 聞きますと、予報官がいないと強風、台風など のときの警報が出せないというふうに言われていますね。仙台の場合には六十年度予算で要求したけれども削られちゃったと。さっき大臣もそういうことの支障のないようにせっかく要求しても削られている、こんなところにも影響が出ているんですけれども、いつ配置されますか。
○説明員(辻武雄君) 先ほど先生御指摘のように、航空機の離発着回数とかあるいは優先度といいましょうか、ローカル的なセンター的なところには配置するということで、仙台を含めまして今後整備に努力したいと、こう思っております。
○下田京子君 今のお答えの中には三つの条件すべて満たさなくとも必要なところに予報官を置きたいと、こういう意味も込められているような気がしました。私はそれは当然だと思うんです。問題は予算と人なんですね。ですから、そういう点で本当に必要なところに気象庁としても頑張って要求してほしいし、それからまた、大臣はそれらもよく聞いておいて、削らぬように働きかけもしてほしいと思うんですよ。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 気象業務に対しましては、災害対策としても極めて重要でございますので、最近やはり機械化の進化で予報官が減っておるところがございますが、機械化がまだおくれておるというところにつきましてはむしろふえておるんじゃないかというふうに考えております。
○下田京子君 長官には、航空気象の状況とか云々というのは後でぜひお聞きいただきたいと思うんですけれども、単にディジタル云々でなくて、予報官の任務とあれというのはまた別なんですよね。そういう点で今申し上げているんですけれども、とにかく予報官配置のために大臣もこれから努力したいということですし、お願いは申し上げますが、次に、早朝便の問題について改善を進めていただきたいという点で質問いたします。 現在、早朝便と言われる空港は帯広、青森、花巻、鳥取、岡山、五空港あると言われております。それで、何が早朝便と言われるゆえんかというと、帯広空港の場合、東京を出発するのは八時十分、ところが気象庁の職員が出勤してくるのは八時半。それで青森の場合はどうかというと、東京出発七時五十分、同じく気象庁の職員出勤は現地八時半。ですから、パイロットの皆さんは現地の気象状況を、そのデータを持たずに出発するという格好になるんですね。それで、じゃ、その間全くデータがないのかというと、決してそうではないけれども、航空会社の支店だとか代理店なんかが、全くの素人が飛べそうだとかどうのこうのと、そういうものしかなくて飛び立っていくというんですね。それで、着陸直前には今度はいろいろと通信でもって状況を把握することができるわけですけれども、やはり事前に、飛び立っていく前に現地の状況を知っていくというのは本来業務として国が責任を持つべきではないだろうかというふうに思います。パイロットの方にも聞きましたけれども、大変苦労が多いそうですよ。そして、代理店なんかに頼みますと、やっぱり営利優先になりますから、どうしても無理しちゃうというんです。それで飛び立っていって、結局おりられないで帰ってくるというんですよ。そういうことですから、せめて一時間前ぐらいに早朝便に対して気象庁の職員の早朝出勤、手当さえ出せばいいんですから、そういう体制をとるべきではないか。
○説明員(辻武雄君) 先生の御指摘ございましたとおり、能率的なかつ経済的な運航が行われますためには、出発前に目的空港の公式な観測データが提供をされるのが最も望ましいわけでございます。したがいまして、気象庁はこのような観測体制を整備すべく常々努力いたしております。現在は既にそういうことで、引き続き整備について努力したいと思います。
○下田京子君 気象庁が要らないなんと言うはずはないと思うんですよね。必要性は、ですから私は気象業務法の一条から聞いていったわけですよ。そういう必要なところがどんどん削られていっている。 それで、私、ちょっと簡単にお聞かせください、今、離島空港はどうなっているんですか。だれが一体観測していますか。
○説明員(辻武雄君) 地方自治体に委託して観測業務を行わせております。
○下田京子君 現在、離島空港は全国に九カ所ございます。全部委託なんですね。これもパイロットの方に直接聞いたんですよ。ローカル空港でしょう、しかも、大手空港の言ってみれば子会社みたいなところでのパイロットの苦労というのは並み大抵でないと。一方、労働条件も非常に悪い。きょうはその辺は抜きにいたしますけれども、委託業務というのは定時観測が中心でしょう、本来ね。委託定時観測も必要だけれども、気象が変化してきたとき、特定の基準に達したときに特別観測とか臨時観測とかいうものが必要になるわけですね。それで、委託されている職員にとってみれば、ベースになる空港にはちゃんといるわけですよ、そこからの指示を仰ぎながらやらなければ本来できないわけです。こういう点で非常に問題が多いと思うんです。 それで、実は具体的に私のところで現地に行く時間もないから電話で聞いてみました、長崎県の上五島空港の委託観測状況いかんということで。ここでは上五島町の職員三名が日直交代でもって、朝の九時から夕方四時まで一時間ごとに一日八回定時観測をやっているんです。これだけじゃどうにもならぬということで、みずからが基地空港に連絡をとって、気象が変わったなと思うともう独自にやっている。これは当然なんですけれども、この人たちが全く素人で当てにならないなんて私は申し上げるつもりは毛頭ございませんけれども、やはり問題が起きてからでは大変だと思うんですよ。しかも、委託費なんてちょこちょことわずかやっただけでやられているんですから、本来業務、これは町がやるべきことなんだろうか、違うでしょう。そういうことですので、その辺を、これはもう気象庁の方では恐らく職員の配置問題から予算上のことだとかいろいろあると思うんですけれども、気象庁自身そこの責任をしっかり据えて予算要求もやってほしいと思うんです。
○説明員(辻武雄君) 過去におきましてはそういう離島空港の整備は気象観測所を置くことを前提としておりましたが、今日のように技術革新が進みまして、機械的手段によりまして置きかえられ得るという面が非常に多くなりました。こういうことから空港保安上の問題も含めましていろいろな角度から検討した結果、最寄りの空港、いわゆる基地空港機能と現地の委託観測所との一体的な運用をすることによりまして、必要とする気象サービスの提供は十分可能であるとの結論に達し、現在委託観測方式を採用しているわけでございます。
○下田京子君 最後になりますが、今の考えはやはり気象庁としての本来の責任を放棄して、財政上の理由だけでいろいろと理由を述べられているにしかない。なぜならば、離島というところは気象条件がいろいろとまた違う。同時に、今ディジタル化の話が出ましたけれども、例えば今言った上五島空港の場合も、ディジタル観測している項目は、風向、風速、気温、気圧なんですよ。あとは目視なんです、目で見ているんですよ。雲の高さ、量、視程、大気現象全部これ自分で目で見ているんですよ。本来この人たちは予報をする権限も何もないんですよ。専門官でもないんですよ。それは言うまでもないことでしょう。ですから、そういう状況をきちっとあれして、まあ長官は直接のところでなくて、これは運輸大臣あたりにでも言えばいいところかと思うんですけれども、特に空の安全の確保と人命という点から、ひとつ関係省庁とも協議して、所信に対応できるような行動をお願いしたいと思います。決意一言だけ聞いて終わります。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 防災という見地からいたしますと、予報官の完全な配置ということは 重要なことでございますが、最近の機械化の進展で減っているところもあれば、また機械化の進んでない基地ではむしろふえておるというように聞いておりますが、いずれにしましても、先生の御指摘のように、万全を期して、気象情報による防災が完璧になりますように最善を尽くしたいというふうに考えております。
○委員長(安永英雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時三十四分散会