建設委員会 第10号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/04/18
会議録
○委員長(本岡昭次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月十六日、小西博行君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君が選任されました。 また、昨十七日、松本英一君及び山田勇君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君及び柄谷道一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(本岡昭次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、住宅金融公庫の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(本岡昭次君) 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回、本案に対する趣旨説明は聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○青木薪次君 私は冒頭に大臣に見解を伺いたいと思うのでありますが、住宅政策の拡充を図るためには、何といっても住宅基本法の制定が必要だと思うのであります。この点については前回の改正時等における衆参の附帯決議にも盛られているわけでありまして、各方面からも要望されておるのであります。 前回の改正時の国会論議では、臨調の結論を待って検討したいと答弁をされているわけでございます。臨調答申も出た今日の段階において、住宅基本法の制定は一体どうなっているのか。国の責務をきちんとしてもらいたい。検討中ということだけでは済まされないということになっているわけでございます。 昭和五十七年でしたか、我が党の大木正吾委員の質問に対して当時の始関建設大臣は、「住宅基本法の問題はかねてからの懸案事項」だ、臨調の審議経過を見守った中で各方面との調整を行って法案の国会提案をするように努力いたしたいと思っていると。それが昭和五十七年で、それから三年間を実は経過したわけでありますが、もう既に農業には農業基本法というものがあり、教育には教育基本法がある。住宅問題には住宅基本法があってしかるべきでありますので、そういう意味でひとつ御答弁をお願いいたしたいと思うのであります。
○政府委員(吉沢奎介君) 住宅基本法についてのお尋ねでございまして、ただいま先生からるるお話のありましたとおりの経緯でございます。 住宅基本法につきましては、建設省でも従来、毎年この基本法案についてこれを検討中法案とか、あるいは提出予定法案という形で御報告を申し上げてきたわけでございますけれども、しかしこの基本法案につきましては、その内容をどういうふうにするかということでいろいろな御意見がございまして、具体的な内容を盛り込んだ法律にすべきであるという御意見もあれば、スケルトンといいますか、住宅政策の基本だけを掲げる法律にすべきだというような御意見もございまして、なかなかコンセンサスが得られないような状態でございまして、検討を重ねてきているわけでございます。 ことしはちょうど五カ年計画の切れ目になりまして、六十一年度から新しい五カ年計画になるということは先生御承知のとおりでございますが、こういう時期でございますので、ことしはこれを提出予定法案ということで御報告するのを見合わせておるわけでございますが、また新しい五カ年計画の設定がありました段階で、なお皆様方のコンセンサスを得てこの法律をつくるべく努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 今の局長のお話だと、昭和六十年で五カ年計画が終わる、したがって次の五カ年計画があるからその中で検討をしていきたいということのために提出を見合わせたと今の御答弁の中で伺ったわけでありますが、各省と計画も調整中だと思うのでありますが、住宅基本法についてはこれは毎通常国会、建設省の提出予定法案にリストアップされてきたんですね。今国会では提出予定にも上がっていないわけです。そういたしますと、これは後退ではないかというようなそしりを免れないわけでありまするけれども、その点ひとつ答弁をしてください。
○政府委員(吉沢奎介君) ただいま申し上げましたように、今年度は五カ年計画の最終年度でございまして、六十一年度から新たに五カ年計画をつくる、そういう時期でございまして、この基本法案というものを仮に提出するにいたしましても、今年度は少なくとも提出するべき時期でないというのは、やはり新しい五カ年計画の推移等を見ながら出すとすれば出さねばならないということでございますので、今まで提出予定法案ということでずっと参ったんですが、今年度は提出は少なくともできる年ではなかろうということで提出予定法案として御報告申し上げていないわけでございまして、今後新しい五カ年計画ができますと、その段階でさらに検討を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○青木薪次君 この法律は、来年六十一年度でありますから、そういう意味合いから考えても来年の今ごろはまたぞろ政府の重要法案として相当議論が百出するのではないかと今の局長の答弁から私は推察するわけでありますが、これは広く国民のコンセンサスを得なければならない。それと同時に、各省庁間のコンセンサスを得るために手間取るというようなことがあるわけでありますが、来年の通常国会には、自然休会あけの再開国会になりますか、そういうことになると思うのでありまするけれども、その時分にはこの基本法は提案されるというように理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほども申し上げたんですが、この基本法案をどういう内容にするかということで私どもで検討している過程では、住宅に関する計画の策定の方法、現在住宅建設計画法という法律がございますが、これもやや基本的な意味合いを持つ法律でございますが、これに掲げられている計画策定というようなものをこの基本法の方に移したらどうかとか、あるいは居住水準の目標というようなものもこの法律に基づいてやったらどうかとか、あるいはそのほか住宅政策に関する基本にかかわる枠組みといいますか、そういったものをこの法律に書く、これが基本法たるゆえんではないかというふうに私ども考えておるわけでございますけれども、いろいろな御意見の中では、さらにもっと進んで、そういった枠組みとかそういうものではなくて、より具体的な住宅政策を盛り込んだ法律にすべきであるという御意見もございました。 そうなってまいりますと、この基本法は私どもの考えておるようなものでは足りないということになりますと、結局なかなかコンセンサスが得られず、そもそも基本法というようなものはなるべく皆さんのコンセンサスを得た上で成立させていきたいというふうに考えておるものでございますので、そういう調整に手間取るのではなかろうかと思っているわけでございまして、新しい五カ年計画ができました段階でそういったコンセンサスを得るための調整にまた入ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○青木薪次君 住宅基本法は、住宅に関するある意味では憲法なんですね。したがって、その辺については局長と、この場逃れの答弁でなく、来年の今ごろは私どもは積極的にこの住宅問題について議論をしてみたいと思います。 また、これが極めて重要である。将来の高齢化現象、それから今日の国民のニーズ、そして住宅、土地その他の関係等を勘案いたしまして、また将来成長の段階をどう見るかというようなことなども考えた中で国民と国土の関係等をいろいろ勘案いたしまして、その中でこの基本法をつくっていく。私どもは今非常に期待しているし、そのことについて、これから景気の回復、きのうあたりも本会議をやっていろいろ議論したわけでありますけれども、何といっても関連する業界を救うには結局は住宅以外にないというように私は思うんです。ですから、その辺で今から住宅局長にひとつ知恵を絞ってやってもらうように特に要請をいたしておきます。 それから最近の新設住宅の着工状況を見てまいりますと、百五、六十万戸という時代がありました。ところが、今日では百十万戸、これは五十六年度以降なんですね。したがって、五十九年度は若干持ち直して百二十万戸というようなことが見通されるということが言われているわけでありますが、実績見込み数については大体どのくらいになるのか。また、六十年度もこの好調さが持続いたしまして、前回の予算委員会の委嘱審査の答弁によりますと、百三十万戸台は達成できるのじゃないかというようなことも言われたわけでありまするけれども、建設省ではどんなふうに見ておりますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 先生からお話ございましたように、近年非常に住宅建設戸数が落ち込んでおりまして、特に五十八年度は百十三万五千戸ということで、過去十五年間の最低を記録したわけでございます。五十九年に持ち直してまいりまして、年度あと一カ月分、三月分がまだ統計が入ってきておりません。二月までの累計で前年同期に比べて六万五千戸ふえているということでございますので、百十三万五千戸よりも六万五千戸多いペースで進んでいるということでございますので、単純に足しますと大体百二十万戸ということでございます。それを若干上回ることを私ども期待しているわけでございます。 六十年度はどうなるかということでございますが、景気の回復といいますか拡大が緩やかではございますが進んでいるだろうということでございまして、私どもこれが百二十万戸台の少し上の方へいくのではないか。百三十万戸はあるいは無理かもしれませんが、百二十万戸台の上の方へいくのではないかという見通しと期待を持っているわけでございます。
○青木薪次君 住宅需要の将来予想についてはいろんな議論が実はあるわけであります。私は、きょうは金融公庫総裁も見えておりますから、金融公庫としてもこのことについてはいろいろ調査研究をしていると思うのでありますが、先日、私は新日鉄の総合調査部が将来予測をしている新聞を見ました。 この中で、鋼材の内需の約一一%を消費している住宅建設は鉄鋼需要全体を見通す上で欠かせない部門だ。調査は住宅の需要と供給の両面から調査したようでありますが、新規建設と更新の動向を戦後の住宅着工傾向などをベースに推論しているわけでありますが、特に更新需要の分析に力を入れているのが特色でありまして、一九八五年から九五年は戦後間もなく建設された住宅の建てかえがピークを迎えることに着目をしている。そこで、今後の景気動向や土地政策などで実際の需給関係は変動するとの前提つきたけれども、今後十年間は住宅建設停滞期だった昭和五十年代より更新需要が五〇%ふえて、年平均百六十万戸の市場規模が見込める、こういうように言っているわけですね。この点を建設省はどう考えるか。 それから公庫の総裁に、住宅金融公庫としてはこの面について百三十万戸は大体可能だというように分析されておられるようでありますが、そのように確認してよろしいかどうか。時間がありませんから、簡単にひとつ答弁願いたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 住宅需要を生む要因として、景気の要因と構造的な要因とあるのではないかと私どもは考えております。景気の要因というのはこれは非常につかみづらい問題でございますが、最近緩やかに回復をしているというとらえ方をしておるわけでございます。 構造的要因といたしましてはいろいろございますが、主なものとしては建てかえ需要、それからもう一つは世帯数の増加でございまして、私ども建てかえ需要につきましては、過去の調査の結果から、我が国の建築物、特に住宅の建てかえは大体五十年で建てかえが行われているという調査結果を得ております。そういたしてみますと、三千八百万戸のストックが五十年で建てかわるとしますと毎年建てかえ需要としてどれくらい出てくるかというと、七、八十万戸出てくるというふうに計算できるわけでございます。 それから世帯数の増加の方は、これはひところは百万世帯もふえていた時代があるわけでございますが、最近は落ち込んでまいりまして五十万世帯が四十万世帯に向かいつつあるという状態でございまして、四十万ないし五十万の世帯増があるという状態になっているわけでございます。 したがいまして、この建てかえと世帯数の増加、両方を足しますと大体百二、三十万戸というものが需要としてあるというふうに見込まれるわけでございます。この需要が潜在的な需要のままでいるか、顕在化してくるかということを左右するのがやはり景気ではなかろうかというふうに考えておりまして、景気が悪い需要状態のもとで百十万戸台であったわけでございますが、景気が回復するにつれ百二十万戸になりあるいは百三十万戸にも近づくのではないかというふうに予測をしている次第でございます。
○青木薪次君 公庫総裁、答弁してください。
○参考人(河野正三君) 住宅局長から答弁申し上げましたのとほぼ軌を合わせたような研究結果に公庫といたしましてもなっております。 先進国各国の建設需要関係から見まして非常に悲観的な見方をする方々、あるいは先生おっしゃったような強気の需要見通しを持っておられる方方、いろいろおられますが、住宅局長がお答えいたしましたように、年間百二十万戸から百三十万戸、これは建てかえを含めまして、かたいところではないかというふうに考えております。
○青木薪次君 建てかえ需要が増大してきた。戦後の遠くて高くて狭い、これから脱却するために改良事業等が進んでいるということもよくわかっているわけでありますが、百六十万戸はもとより、百三十万戸を実現するということは相当な政策努力が必要なんですね。金融面、税制面、前向きの政策がありませんとこれはなかなか大変だということになるわけでありまするけれども、今後建設省はどのような政策努力を行う気持ちがあるのか、御答弁ください。
○政府委員(吉沢奎介君) 先生から御指摘ございましたように、金融面、税制面ということでございますが、要するに住宅建設が落ち込んでいるのは所得と住宅価格との乖離であると言われております。私どももそのように思っております。この乖離を是正するのは、一つは価格を安くする。安くすることができなければ、少なくともこれを高くならないように抑制するということが一つでございます。もう一つは、国民の取得能力の方を補強していくということだろうと思うわけでございます。そういうことで乖離を埋めてまいりたい。 その場合、国民の取得能力を補強していく手段として最も有力なのが長期低利の融資でございまして、住宅金融公庫はそういう意味で今後とも大いにお役に立つのではないかと考えているわけでございます。しかも、金融公庫の今後貸し付けのいろいろな条件というものを少しでもよくしてまいりたいというふうに考えているわけでございますが、このほかに税制面で、例えば住宅ローンの特別控除制度がございますが、こういったものを拡充するとか、買いかえ特例など、いろいろ所得税の特例がございます。さらに、昨年つくりました住宅資金贈与に係る贈与税の特例もございます。その他たくさん税制がございますが、こういった税制について、非常に財政的にも苦しい中でございますが、一歩でも二歩でもこれを前進させていくということが必要ではないかと思います。 それから価格を抑えるという方でございますが、このためにはやはり住宅の生産、供給の合理化というものを図っていかなくてはならないのじゃないかと思っておりまして、今までもハウス55だとかいろいろな試みをやってまいりましたが、こういった努力を今後とも続けていきたいと思っておりますし、また最近住宅が高いのは土地が高いからと言われるわけでございまして、なるべく土地代のかからない方法、例えば再開発を進めていく、あるいは借地方式を活用していく、こういった土地価格を住宅に反映させないような形での施策というものも必要ではないかというふうに考えておりまして、こういったものを挙げて今後の住宅政策の推進に当たってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 今言われました住宅建設の目標や住宅政策の基本方向については、現在策定中の第五期住宅建設五カ年計画に盛り込まれるものと思うのでありまするけれども、せっかく建設経済局もできまして、建設省は今までのトンカチ官庁から科学技術を盛り込み、産業経済の立場からも非常に重要な省となったわけでありまするから、ある意味では経済官庁という意味で、五カ年間の目標設定をするだけでなくて、長期的な将来予想を分析いたしまして、そうして住宅産業や関連業界、さらには大蔵省等の財政当局を積極的に誘導していくというような態度が必要だというように考えているわけでありますが、その点どう思いますか。
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来、青木先生からいろいろ住宅基本法の問題等についての御意見があったわけでありますが、先ほど局長が答弁しましたように、今新しい五カ年計画をつくるために審議会でいろいろ論議をしていただいているわけです。恐らく六月ぐらいまでには答申をいただきませんと、来年の概算要求その他の関係もございますから、そのぐらいの時期にいただけるものだろう、そう私は考えておるわけであります。 私もこの委員会で二、三回私の基本的な考え方を申し上げましたけれども、やはり何といっても今までのような充足の時代から質の時代に御承知のとおり移行しなきゃならぬというふうに私は申し上げてもおりますし、また今、青木先生からいろいろ格調の高い御意見がありましたこととそう大きなずれはないと私は見ておるわけであります。青木先生の方の住宅基本法の中身を私も十分理解はまだいたしておりませんけれども、応能家賃にしようというような考え方がある。国民の大体八〇%近い者は中産階級だという意識を持っておる。ですから、その辺をどういうふうにうまく練り合わせをするかということが私はこれからの大きな一つの課題である。 それは、先ほどお話がありましたように、高齢化社会を迎える。それから今、大体国際的に見てまいりましても、恐らく五二、三%ぐらいの者が二十一世紀の初頭になればほとんど都市に集中するであろう、日本の場合には七〇%だ、こういう想定があるわけでございます。それから、また同時に、今、国際的に見てまいりましても、割合低額の所得者が住んでいて、高額所得者は郊外へ行ってしまって、そこがスラム化と言っては大変語弊があるかもしれませんが、夜はがらがらにあいてしまって死んだ町みたいになっているというような傾向も率直に言って私はあると思うんです。 私も、過般、東京都の区長さん方の有志と懇談する機会がありましたが、いろいろ聞いてみますと、そういう問題について住宅公団がもっと協力して活力のある地域づくりのためにも、また道路その他総合交通体系の見地からいっても、都市の私鉄なんかは二〇〇%近いものがある、そういうようなものを考えた場合に、いかにして総合的にあるべき都市の姿や、住宅政策や、また交通機関まで含めた全体のものを見ていくべきかというような、そういう御意見もありました。 私、そういうこともいろいろ考えまして、今、審議会でお願いすることはお願いすることとして、実は都市計画の審議会の中に未来都市の懇談会を設置していただきまして、ニューメディア、ハイテクの時代でございますから、今までのような感覚で都市なり住宅、そういうようなものをただ画一的に考える時代ではありませんから、そういう意味でお願いを申し上げまして、未来都市の懇談会も実は先日発足いたしたわけです。したがって、この未来都市の懇談会等でも、もちろん住宅の問題、都市だけの問題でないと思いますが、総合的なハイテクやニューメディアの時代にいかに対応策を求めていくかというような、そういう論議をいただけることになっておるようでございますから、私は未来都市の懇談会なんかでも有識者の皆様方に来年度予算の中でとれるものはぜひ取り上げていきたい、こう私はお願いを実は申し上げておるわけであります。 したがって、現在、住宅の建設計画法があって、国なり地方なりが一緒になって五カ年計画なりそういうようなものをして住宅建設を大いに促進しろという法律でありますから、青木先生なんかが主張される基本法と計画法、何か一方では、建設計画法の方は充足に力を入れている、それで青木先生の方は今度は逆に所得水準の目標、そういうようなものを設定しながら応能家賃に主力が置かれている。でありますから、そんな大きな基本的な開きがないと私は思いますけれども、今申し上げますように、高齢化社会なり、それからまたハイテクやニューメディアの時代になってきておるわけでありますから、その辺を両方が歩み寄って少し時代の先取りをするような何か検討すべきときには来ておる。 ただ、抽象的に検討しますとかしないとかというような問題でなくて、具体的に何か少し真剣に今までと違った認識を踏まえて努力しなきゃならぬかなと、そんな私は先ほど一問一答を承っておりまして、これは私は政治家としてそういう考え方を持っておるわけでございますから、またそういう点等について歩み寄る点ができる、いい新時代にふさわしいような、また二十一世紀に向ける我々のあるべき姿というのはどうあるべきかというようなことについて同じ土俵でできればひとつ検討したいものだ、そう思っておるわけでございます。
○青木薪次君 住宅政策についてはマクロ的な議論、ミクロ的な議論、いろいろあるわけでありますが、そんなにイデオロギーとか党派とか思想とかで口角泡を飛ばすような議論というものはないんです。ですから、今、大臣は非常に格調の高い答弁をされたわけでありますけれども、その点については来年に向かって、我々もその中に入って、国民の将来展望、国の将来展望を踏まえた中の議論というものを詰めていきたい、このように考えておりますから、そのようにひとつ御承知おき願いたいと思います。 次に、公庫の貸付制度について伺いたいわけでありますが、毎年のように今までは拡充、改善されてきているわけでありますが、何といっても公庫融資は今日の住宅対策の基本なんです。これがあったればこそ相当国民も資産形成もできたし、ある意味では快適な居住環境を守ることもできていると実は思っているわけでありますが、さらに一層の制度充実を国民は期待いたしていると思うのであります。六十年度における公庫の事業計画と、それから貸付制度の改正状況について簡単に説明をしていただきたいと思います。
○参考人(川上幸郎君) 御説明申し上げます。 まず、事業計画でございますが、昭和六十年度におきましては、住宅金融公庫といたしましては、国民の根強い持ち家需要にこたえまして、無抽せん方式によります受付を行うに必要な戸数を確保いたしますため、個人住宅、賃貸住宅等の事業計画戸数四十九万戸を予定いたしております。四十九万戸の内訳につきましては、少し細かくなりますので割愛させていただきます。 また、制度の改正面でございますが、昭和六十年度の貸付条件の改善につきましては、国民の円滑な持ち家取得の促進、良質ストック形成への誘導を図りますために、まず所得選別の基準収入額の年収一千万の特例がございますが、これを延長させていただきます。それから個人住宅等の貸付限度額につきましては一律十万円の引き上げを行いますとともに、二十一世紀を目指しました水準の高い住宅に誘導いたしますため、高規格住宅と申します住宅割り増し貸し付け二百万円でございますが、これを新設することといたしております。 それから次に、高齢化社会に対応いたしました住宅供給を促進いたしますため、老人同居等割り増し貸し付けにつきまして、同居老人の年齢要件を六十五歳から六十歳以上と引き下げるような対象者の拡大を行いまして割り増し貸付額の引き上げを行います。この場合、老人同居の場合の大都市地域の木造の場合でございますが、百十平米から百三十五平米におきましては八十万円の増加額となります。このようなことを行いますとともに、大都市地域の高齢者等の所有地等を活用いたしました賃貸住宅の供給を促進いたしますため、土地担保賃貸住宅貸し付けの拡充によりまして公社特別賃貸住宅制度の創設を図ることといたしております。 また、本日、御審議願います法案の中身に係ることでありますが、災害罹災者の住宅取得の多様化に対応いたしまして、早期に居住の安定化を図りますため、罹災家屋の代替住宅を購入する者に対しまして建設資金と同じ条件で融資するような購入資金貸し付けを設けることといたしております。 さらには、増改築の促進によります既存ストックの活用といたしまして、住宅改良貸し付けにおきまして金利を〇・五%引き下げを行いますとともに、相対的に居住水準の改善がおくれております公社賃貸住宅の増改築を推進いたしますため、住宅改良貸し付けにつきまして償還期間を十年から二十年に延長いたします。 さらには、民間活力によります市街地再開発を促進いたしますため、市街地再開発貸し付けの金利につきまして若干の引き下げを行うことといたしております。 最後に、民間活力の活用によりますいろいろな宅地開発事業の促進を図りますため、組合土地区画整理事業の業務代行者に対しまして、土地区画整理組合と同等の貸付条件で融資いたします制度を創設することといたしております。 以上が概要でございます。
○青木薪次君 部分的には改善された点があるし、特に貸付限度額はついて十万円引き上げられた、これは朗報でありますけれども、ゼロよりはましだけれども、そんなに感激するような額ではないですね。私は、こんなものではスズメの涙というようなことで、このことは貸付手数料見合いの、引き上げとバーターだというように勘ぐってみれば見れるわけです。 建設大臣は、内需拡大の柱として住宅建設の促進をやりたいということを言っておられるわけでありますが、財政の制約というものはあったにいたしましても、もっと思い切った限度額の引き上げをすべきではないのかというように考えるんですが、大臣はどう考えますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 先にお答えをさせていただきます。 十万円は確かに額として大したことはないわけでございますが、実は先ほど川上理事の方からも申し上げたんですが、特にことしは今まで懸案でございました乙地と丙地の統合ということをやっております。これは実質的には、十万円を除きますと、この分で二十万円上がることになるわけでございますが、これは特に最近不況を呼んでおります木造住宅が非常に需要の多い地域において二十万円の増額というのはこれはまたかなり効果的ではなかろうかと思っております。 そのほか、今、川上理事からお話がございましたように、将来を見詰めました高規格住宅というものに対して一件二百万円というこれは大幅な限度額アップを考えているわけでございます。これはスタートを切るばかりでございまして、どの程度、どういうふうに実施されていくかまだわからない面もございますが、今後そういう高規格住宅というような発想のもとに割り増しの増額を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。 そのほか、地域特分というのがございまして、地域において地方公共団体等が分譲住宅をつくる場合に、一定の条件のもとに一五%割り増し額を加算するという制度も設けたわけでございますし、またHOPE計画の優遇貸し付けという制度も設けたわけでございます。 これでもまだ不十分という御議論はございますでしょうが、貸付限度のアップにつきましても、これまでずっと毎年のようにやってきておるわけでございますが、今後ともそういうことで、徐々にではございますが貸付限度のアップを図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 資金源である財投資金にも限界があることは認めますけれども、私は、この際、外債の発行とか民間資金の借り入れというような方法を講ずる必要があるのじゃないか。当初、建設省案では、仄聞するところによれば、公庫法の改正にそれを盛り込むことになっていたと実は聞いているわけでありますが、これが見送られるということになっているわけでありますが、この点どう考えますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 外債の発行あるいは民間資金の借り入れというような方法もございまして、実は今回の予算に際しまして、公庫も私どももありとあらゆることを研究してきたわけでございます。外債の発行、民間資金の借り入れという問題は資金不足などに対しては多少効果が出てくるわけでございますが、私ども一番ねらいとするのは金利でございまして、確かに外債は金利が安いという点はございますけれども、いかんせんロットが非常に小さいというような面がございまして、公庫三兆数千億の資金需要がある中で、外国から資金を入れるにいたしましても、そうたくさん入れれるわけでございません。しかも、これは事務手続その他で結構労力、お金がかかるわけでございまして、そういう点で外債の発行についてはなかなか難しいということでございます。 また、民間の短期資金の借り入れなどにつきましても、これはいろいろございまして、公庫の安定的な資金需要に対応できるかということになりますと、これは借りる額にも限度がございましょうし、その安定性の面でも非常に弱いというようなことがございまして、今回この措置を見送っているわけでございますが、今後いろいろ民間金融機関との役割分担でありますとか資金の安定的確保とかいう面について研究してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○青木薪次君 公庫に対する補給金が問題化して以来、自助努力ということが非常に言われ始めたんですね。自助努力という内容は何だといったら、これは利用者に負担をさせる、これが自助努力なんですね。 それから今回の公庫の貸付制度の改悪が非常に問題になっているわけでありますが、貸付手数料の創設とか、老人同居の場合の貸し付けの利率を引き上げていくとか、手数料については後で触れたいと思うのでありまするけれども、高齢者の住宅対策を促進しなきゃならない今日、老人同居の貸付利率を実は引き上げているわけでありますが、この点の理由はいかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 老人同居の貸付利率の引き上げも御指摘のように一部行ったわけでございますが、これも厳しい財政事情の中で何とか補給金の縮減を図る手段はないかということの中の一環としてこれを採択せざるを得なかったわけでございます。 ただ、そのかわりということで、対象となる老人の年齢を六十五歳というものから六十歳というところまで引き下げたということで、これは相当幅広い効果を発揮するのではないかと思っておりますし、また割り増し額というものもこれは大幅に引き上げておるわけでございまして、これらを足していろいろ考えてみますと、個人に対する負担というものは極めてわずかなものになるのではないかということで御了解をいただきたいと思っている次第でございます。
○青木薪次君 自助努力をしないでもいいと言っているわけじゃないんです。これは必要なことだ、またその経営努力も必要なことだ、このことは認めているわけなんですが、五十七年の段階金利制の導入、今回の貸付手数料の新設など、結局のところは利用者に負担増を強いるものばかりなんですね。一体、こうしたいわゆる自助努力という名の制度改悪がいつまで続けられるかという点についてどう考えますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 段階制金利あるいは規模別金利というのが五十七年度の改正において行われたわけでございます。これは自助努力といいますか、むしろ公庫の貸付制度そのものの見直しにつながる問題でございます。これは公庫の補給金の増大というものがいかにも大きくて、将来展望した場合にこれが非常に高いところでようやく安定するということでございまして、到底財政的にもこれをカバーできないのではないかという心配がございまして、貸付制度の一つの大きな見直しという形でこれを行ったわけでございまして、この結果、公庫の経営の安定というものが確実に保証されるのではないか、言ってみれば中長期的には補給金の負担というものがむしろ大きく下がってきて非常に低い線で安定するという結果が得られるということで行ったものでございます。 そのほか、自助努力というような形で、おっしゃったような手数料の問題とかということがあるわけでございますが、これは確かに国民に若干の負担をかけるということにはつながるわけでございますけれども、負担をかけるのもそう大したことではないのじゃないか、これに対応いたしまして、また別のメリットもいろいろな形で考えていくことによって何とかこれはカバーできるのではないかというふうに考えているわけでございます。 今後こういったものがまたふえるのではないかという御指摘でございますけれども、私ども公庫の性格から見て、自助努力という名のもとであろうがなかろうが、国民に負担をかけるというようなことはできる限りしないように努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 住宅局長、建設省が毅然たる態度を示さないと、大蔵省は公庫融資の根幹に触れる制度改悪を提案してきていると思うんです。例えば無抽せん体制をやめるとか、あるいはまた七・一%の財投資金の線まで何とか近づけたいとか、そういうようなことが大蔵省から提示されていると聞いております。 大蔵省、この点についてどう考えますか。
○説明員(藤原和人君) 私どもからお答えするのが適当かどうかということでございますが、そのようなことはお願いをしていないというふうに承知をいたしております。
○青木薪次君 私は、していると思っているのだけれども、していないと言うのなら、その言葉を確認しておきますからね。 今、外需の方が誘導した日本経済の状態から、ひとつ何とかして内需を拡大せよとアメリカからも言われている。日本の自民党内の各派閥の領袖と言われる皆さんもそういう方向になってきた。ただ、中曽根総理は臨調行革路線を突っ走ってきたから、この際なるほどそうだと言うと、これは今日予算は成立したけれども法案がまだ残っているから、ここに問題があるからなかなか絶対にそうとは今の段階で言えないと思うんですが、財政の責任者である竹下大蔵大臣だってこのごろ言い方が変わってきているんですよ。そういうことから考えてみますと、貸付手数料以外は大体阻止できたわけでありますけれども、五・五%の基準金利、無抽せん体制、中間融資制度、割り増し融資などはこれは絶対に譲ることがあってはいけない、こういうように思うわけでありますが、これはやはり建設大臣の基本的な方針だと思いますから、大臣答弁してください。
○国務大臣(木部佳昭君) 大蔵省の方は今利子補給の問題とか無抽せんの問題とか答えにくい点があったようですが、青木先生が言われるように、率直に、事務方の方のいろいろ予算の中のやりとりや論議の中ではあったことは事実です。私もよく知っております。しかし、この住宅政策の問題というのは、私はある意味では減税だとかそういう問題よりももっと大きな我々の生活する上の根幹に触れる問題ですから、ですから五・五%と無抽せんの四十九万戸というものがどうにか維持できたわけですが、これはぎりぎりの線だ。 これからも、内需の拡大が大きく叫ばれているときでございますし、公庫の根幹を維持すると同時に、そういう改善の問題については、これはただ数字の積み合わせだけでなくて、高度の政治的判断で、これはおっしゃるとおり一家団らんの家庭とか我々の生存の基本に関する問題ですから、そういう点をよくわきまえながら、私どももこの改善というものにつきましては根幹を維持するとともに、改善の問題につきましてはそういう政治的判断のもとに努力をしなきゃならぬ、こう考えております。
○青木薪次君 これは日本経済新聞に出ているわけでありますが、「住宅公庫融資改革へ」として、利上げ、五・五%を廃止したり、手数料は一件五万円、戸数は五万戸削減、これが大蔵省の方針だったんですよ。それを今日のこの状態では、今、大臣のおっしゃったようなことも踏まえて、そうはいかないということになって、手数料は一件四万円になったけれども、あとの利上げとか、戸数の関係、その他の関係については見送りになって建設省の主張が通った。これは国民的な要求でもあり課題でもありますから、ひとつその辺については、これから相当、住宅政策を含む公共事業の拡大という問題をとらえながら、そしてまた、ことしの春闘やなんかで賃上げをしながら内需の拡大をしなかったら、これは外需中心でさらに貿易摩擦を増すことになるわけですから、この点はそういうように大蔵省も全く考えていないということを、私はこの際語気強く確認をいたしておきたいと思います。 次に、補給金問題について伺いたいわけでありますが、公庫に対する補給金の金額は、公庫の貸付残高が増加するにつれて年々増大いたしてまいりました。六十一年度以降の補給金所要額の長期展望を建設省としてはどんなふうに試算しているか、御答弁いただきたい。
○政府委員(吉沢奎介君) 補給金が今後どういうふうに推移していくかということは、今後事業量がどのぐらい出てくるかということ、あるいは財投金利がどう変わっていくかということ、あるいは今後どの程度毎年お金をいただけるかとかというようないろんなことと絡んでくるわけでございまして、今の段階で見通しを具体的になかなか申し上げづらいわけでございますが、仮に事業量や貸付条件を一定にして今後とも今のままで推移していくということを前提にいたして考えますと、大体六十五年度まで毎年二百億円前後補給金がふえていくのではないかというふうに考えております。それから六十五年を過ぎまして六十八年ぐらいになりますと、先ほど申し上げました段階金利の効果が上がってまいりまして、逆に補給金はどんどん下がっていくということになろうかと思っております。
○青木薪次君 補給金はこれは満額支出が建前であると思うのでありますが、財政再建との絡みで五十七年度からは二千八百億円台に据え置かれてきた。ところが、六十年度は三千四百十三億円が措置されました。千三十四億円繰り延べられたわけでありますが、前年度に比べますと五百五十億円が上乗せされているわけでありますが、これはどんな経緯であるか、説明してください。
○政府委員(吉沢奎介君) 私ども、不足額といいますか必要額が大体四千六百億ぐらいある、それに対しておっしゃったように二千八百億円台が措置されておる、千七百億円足りないということで、私ども千七百億円くださいということで大蔵省に対して要求をし、これは要求枠もございますので別途検討ということである程度御理解をいただいて、そういう形で協議をし続けてきたわけでございます。その結果、千七百億満額は到底無理だけれども五百五十億は面倒を見ようということを別途検討の過程でいただきまして、それでも足りない部分を千三十四億繰り延べ、残った部分については手数料を含めた自助努力ということでカバーする、そういう形になったわけでございます。
○青木薪次君 ということは、六十一年度以降においても六十年度と同じように同額の三千四百億円台で措置することになるのかどうか、もっとふやすのか、または繰り延べ額を一定にする補給金措置額をふやしていくのか、その点はどう考えますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 特別損失の制度がこの法律を通していただければ一応できるわけでございますけれども、私ども特別損失はないにこしたことはないし、原則として私どもはすべてお金はいただきたいという方向で大蔵省にもいろいろ御理解を得るための努力をしてまいりたいというふうに思っております。そういうことでございますけれども、結果的にどういうふうになっていくかということは財政との絡みもございまして、今の段階ではちょっとわからないということでございます。
○青木薪次君 いずれにしましても、補給金の所要額と補給金措置額との差額は特別損失として認められるわけであるけれども、特別損失制度の最終年である六十五年度末の特別損失金の残高はどの程度になる見込みであるか、お伺いいたしたい。
○政府委員(吉沢奎介君) これも私ども特別損失金をなるべく出さない努力をしてまいりたいと思うわけでございますが、仮にことしと同程度ぐらいずっと繰り延べるということになりますと、六十五年度までの特別損失金の累積は六千四百億ぐらいになるわけでございます。これをそうしないように努力はしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○青木薪次君 特別損失はいずれ交付金を交付いたしまして、それぞれ五年間で補てんすることになるわけですね。しかし、五分の一ずつ分割して補てんするとしても、特別損失制度が長期にわたると五年間分のそれぞれ五分の一、つまり一年分の特別損失に相当する額を補てんしなければならないという年度も出てくるのでありますから、今度は特損金の補てんが問題になってくるのではないかと思うので非常に心配しているのでありますが、この点いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 特別損失金は六年据え置き、五年償還という形で今回お願いしている法律で定められておるわけでございまして、しかもこの補てんにつきましてはこれも今回お願いしている法律でちゃんと埋めるということになっております。したがいまして、この補てんにつきましては、これは必ずやっていただけるものというふうに考えておるわけでございます。
○青木薪次君 いずれにしましても、補給金を安易に繰り延べるということは、安定した公庫の業務運営を図るためには決して好ましいことではないと思います。また、それが公庫融資制度の改悪、縮減にもつながってくると思うのでありまして、したがって極力当該年度において国費を充当し、安易な繰り延べは厳に慎むというように考えるわけでありますが、この点について大蔵省は公庫の融資を削れということに発展する可能性があるということを心配しているわけでありますが、この点どう考えますか。
○説明員(藤原和人君) 住宅公庫の特別繰り延べにつきましてのお話でございますが、特別損失金の計上は、五十七年から五十九年度が財政再建期間でありましたことから、五十七年度以降特例的に実施をされたものでございますが、六十年度以降も厳しい財政事情が続くと考えられることから、財政の対応力の回復が見込まれる期間ということで六十五年までやむを得ない措置ということで延長したわけでございます。
○青木薪次君 建設省はどう考えますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 今、大蔵省からお話ございましたように、本来こういった繰り延べというものは行っていただきたくない、また我々も行いたくないわけでございますが、今お話がございましたように、とにかく財政的にお金がないということでやむを得ない措置として五十七年からまず五十九年度まで行われ、次いでこれが六十五年度まで延長ということになったわけでございまして、決して安易に繰り延べるということではなく、今後も法律上認められておりましても私ども何とか繰り延べをなくしたい、あるいは少しでも少なくしたいという努力をしてまいりたいと考えているわけでございます。このことによって公庫の基本が崩されることのないように、この点は先ほど大臣からもお話ございましたように、私ども精いっぱい努力してまいりたいというふうに考えております。
○青木薪次君 次に、貸付手数料の新設について質問したいわけでありますが、今回貸付手数料を新設した背景、それから理由というものについてどう考えますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 公庫の補給金が非常に増高している中で、予算編成に当たりましてこの補給金をどうするかということの関連において公庫の基本的な問題、貸付制度の見直しというものについていろいろ議論が出たわけでございまして、私どももこの基本については堅持したいということでございますので、利用者に何らかの負担を求めなくてはならないということに結果的になりまして、やむを得ず貸付手数料の徴収に踏み切ったようなわけでございます。ただ、貸付手数料につきましては、これがいわゆる金利ということでなくて、実際に要している事務的な費用の中のその一部を負担いただくという考え方で成り立っているわけでございます。
○青木薪次君 貸付手数料の具体的内容については、すべて政令に任されているというように解釈していいわけですね。
○政府委員(吉沢奎介君) 額そのものは政令に任されているわけでございますが、その歯どめといいますか、どういったものを政令にゆだねるかということにつきましては、御提出しております法案の二十二条の四というところで「貸付けに関する申込みの審査、工事の審査その他の貸付けに際して必要な事務に要する費用の額を超えない範囲内において政令で定める」ということでございまして、貸し付けに関する手数料でございますので、回収に関する手数料は含まれない、あるいは必要な事務に要する費用の額を超えないということで、その一部だという、こういう歯どめがあるわけでございます。
○青木薪次君 貸し付け並びに返済、銀行なんかで返済の関係も手数料を取っているところもあるようですが、政令の中身までここで議論する暇もありませんし、やめておきますけれども、住宅局長、関心を非常に持っているということをひとつ確認をしておきたいと思うのであります。個人貸付関係では三万円とか四万円、それから事業者の貸付関係では規模に応じて十万円から最高四十万円、これは定額で定められているわけでありますが、これらの額が決定された根拠というものについて簡単に説明してください。
○政府委員(吉沢奎介君) これは公庫の貸し付けに現実にどういう事務を必要としているかということで、銀行あるいは審査をいただいている地方公共団体などについて調査をいたしまして、大体職員がどのくらいの時間これに携わっているかということの具体的な分析をいたしまして算出をしているわけでございます。 例えば四万円のことについて申しますと、金融機関と公庫、公共団体で大体七百七十分ぐらい一件について時間を割いているという結果が出ておりますので、これにしかるべき実際の単価などを掛けますと大体四万四千円ぐらい一件当たりかかっているのではないかということになるわけでございまして、これを一部を削りまして四万円というふうに決めた。そういう具体的な調査の結果をもとにいたしまして積算をいたしておるところでございます。
○青木薪次君 貸付対象者並びに事業者、いろんな関係でそれぞれの背景があってやむにやまれぬ形で貸付手数料の新設に踏み切った。ある意味で善意で考えた場合でありましても、本来利息を徴収する金融機関ではない。その事務に要する費用を手数料として徴収するということについてはなじまないんですね。大した額じゃないから国が補給金を支出してきちっと手当てするのが筋道じゃないだろうか。このことによって増収が年間八十億円ぐらいですか、そんなぐあいに考えているんですが、その点いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) これで予定しております増収額というのは平年度で百五十億、ただ最初の年度は六十億というふうに考えておるわけでございます。
○青木薪次君 いずれにしましても、政府系金融機関で貸付手数料を徴収している例が他にあるだろうか。大蔵省どうですか。
○説明員(藤原和人君) 政府関係金融機関で他に貸付手数料を徴収している例があるかというお尋ねでございますが、今回お願いをいたしております住宅金融に関連する部分を除いてはございません。
○青木薪次君 制度が創設されますと、それがひとり歩きする危険があるんですよ。当初は三万円から四十万円までの手数料でスタートしても次第に引き上げられていく、この点を非常に心配しているわけでありますが、まして政令事項であるから政府の都合でどうにでもなってしまう。何か歯どめはないだろうか。この点、住宅局長いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 具体的な歯どめといたしましては先ほど申し上げました法律の条文があるわけでございますけれども、私どもこの手数料については一応実費の一部ということでございまして、実費が例えば物価の値上がりその他があったときには理論的には値上げをお願いするということももちろん考えられるわけでございまして、世の中、各種手数料につきましても大体何年かの単位で見直しを行っている実情にございます。ただ、この金融公庫の手数料につきましては、電算機の導入、その他事務の合理化を図ってまいりまして、これが値上がりにならないように最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○青木薪次君 今おっしゃったように、コンピューター化とかOA化とか事務の合理化が非常に進んでおるんですね。したがって、むしろ上げないというよりも引き下げていくべきじゃないかということさえ考えているんですが、この点いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 確かに事務の合理化等によって実費が現在のいただく予定の手数料より下がるようなことがあればこれは当然引き下げるということになるわけでございます。実際にいただいておるものとの間にまだ差額がある状態でございますので、現実にそういうことになるかどうかはわかりませんけれども、理屈の上ではそういうふうに相なると思います。
○青木薪次君 次に、視点を変えて、政府の基本的な住宅宅地政策のあり方についてお伺いいたしたいと思うのでありますが、五十六年三月二十七日に五十六年度を初年度とする第四期住宅建設五カ年計画が閣議決定されたのであります。この年の七月に、「第四期住宅建設五箇年計画の的確な実施を図るため今後推進すべき諸方策について」というのが住宅・宅地関係閣僚連絡会議でまとめられているわけでありますが、この内容を見ますと、住宅建設の促進及び宅地供給の円滑化に関し政府が推進すべき基本的事項が幾つか指摘されているわけでございます。もし政府がこれらの施策を十分に実施してきたならば第四期住宅建設五カ年計画は一〇〇%達成されたと思うのであります。 そこで、お伺いいたしたいと思いますが、第四期住宅建設五カ年計画では五十六年度以降五カ年間に必要となる住宅の建設戸数について七百七十万戸と規定しているわけです。しかし、そのうち公的資金による住宅建設を三百五十万戸計画しているわけでありますが、それぞれどんな進捗状況にあるか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 公的資金による住宅の方は三百五十万戸ということで計画に書かれておるわけでございますが、これにつきましては一応六十年度の予算まで入れまして考えてみますと、大体進捗率が九五・六%ということで極めて計画に近い水準になる見込みでございますが、この中を見ますと、これは金融公庫の対象住宅が順調に伸びていることに支えられているためでございます。 七百七十万戸という全体について申しますと、大体五十八年の実績まで見まして四五・一%ということでございます。五十六から五十八まで三年間でございますので、平等に割りますと大体六〇%ぐらいいくべきところを四五・一%ということでございますので、当初の見込みをかなり下回っているということに相なります。
○青木薪次君 この住宅・宅地関係閣僚連絡会議の決定事項の第一項目には、「住宅金融公庫等政策金融について適切な資金量の確保及び融資条件の是正に努める」こととあるのであります。しかし、公庫の事業計画戸数を見てみますと、駆け込み需要のあった五十七年度は別といたしまして、五十八、五十九、六十年度と漸減をしております。また、融資条件についても、是正どころか、五十七年の段階金利の導入とか今回の貸付手数料の新設など、改悪されているんですね。これではせっかくの住宅・宅地関係閣僚連絡会議の決定が少しも尊重されないで、むしろ逆行する結果になっている。建設省の努力不足ということを指摘せざるを得ないのでありまするけれども、建設省の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように、五十八年度以降の資金量が減少をいたしております。しかし、これは私ども無抽せん体制というものを維持しつつ、結果的にこれだけ資金量が出てきているわけでございまして、ただ当初予算において計上されました資金量も、最終段階においては後の積み増し等によって膨らんでいる場合もございます。要するに、無抽せん体制を維持しておれば一応国民の需要にはこたえ得ておるということが言えるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 ただ、段階金利の導入につきましては、これは確かにこの閣僚連絡会議の決定にあります条件の改善という面から見ますとマイナスの方向に働いていることは確かでございますが、これは先ほど申し上げましたように、この補給金のあり方というもの、逆ざやのずっと最後まで続けていくというあり方をとってみますと、余りにも補給金が増大するということでやむを得ずこういう段階制金利の導入をしたわけでございます。 貸付手数料については、先ほども申し上げましたが、これは今回の財政事情のもとでこういう制度をとったわけでございますが、ユーザーに対する負担はわずかでございますので、これによって住宅建設というものに悪影響を及ぼすというような事態はまずないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 次に、低質木造賃貸住宅、俗に言う木賃アパート、これの建てかえの促進でありますけれども、これにつきましては五十七年度に木造賃貸住宅地区総合整備事業制度というものを創設して努力されているわけでありますが、どの程度の実績が上がっておりますか、説明してください。
○政府委員(吉沢奎介君) 木造賃貸住宅地区の総合整備事業というのは、三大都市圏で低質な木造賃貸住宅が密集している地域を何とか住環境を整備し、居住水準の高い住宅に切りかえていきたいという希望のもとに五十七年度に設置された制度でございます。ただ、五十七年度は緒についたばかりでございまして、それ以後具体的に事業に入っていったのは五十八年度からでございます。しかし、実績ということになりますと、これまでのところ東京都内など五区十二市におきまして調査を実施しております。四区五市十一地区、面積にしますと千四百五十ヘクタールについて整備計画を策定し、事業に着手しているわけでございます。 そういうことでございますが、要するに一種の地域改善といいますか、再開発と申しますか、そういった種類の事業でございまして、住民の方々の皆さんの御納得を得た上で逐次実施していく事業でございますので、緒について三年という状態で、まだ具体的な実績といたしましては余り大きなものが上がっていない状態でございます。
○青木薪次君 便利のよいところ、特に、今お話のありましたように、首都圏でも関西でも市街地中心部のところに多数の木賃アパートがあるんですね。それらの多くは戦前及び終戦直後に建てられて汚い上に、汚いと言っては語弊がありますけれども、まあ汚いでしょう、二DK程度の狭いものがほとんどでありまして、老朽化と空き家化が進んでいるんです。したがって、これらの木賃アパートを積極的に建てかえていくことは住宅対策上極めて重要なことだと思うのでありますが、もっと大幅に事業費を拡大して促進すべきときに来ている、こう思うのでありますが、いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように、木賃アパートの建てかえは今後大いに促進していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 対策に必要な予算面でございますけれども、これは現在は整備計画の作成費、用地取得の促進費、古い建物の除却費、それから共同施設整備費に対して補助を行うということでございまして、事業全体から見れば補助する部分というのは再開発などと同様余り大きいものではございません。ただ、民間のこういった住宅について事業費として大幅な補助を投入するというのはこれは財政的にも持ち切れないものでございますので、今申し上げましたようなことを補助いたしまして全体の進捗に火をつけるというか、起爆剤にするという目的の方が強い趣旨のものでございます。 補助はそういうことでございますけれども、そのほかに御存じの特定賃貸住宅のいわゆる特賃、特定賃貸住宅建設融資利子補給制度というのがございまして、こういったものをこの地域に導入して活用するということがございます。それから住宅金融公庫の土地担保賃貸の貸付制度をここへ導入するということもできます。また、住都公団の民賃もここへ導入することもできます。こういったいろんな制度を活用しつつ、申し上げました補助と相まって建てかえの促進に当たってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○青木薪次君 次に、宅地供給についてでありますが、住宅・宅地関係閣僚連絡会議の意見書でもいろいろと提言しているんですね。その一つが市街化区域農地等の宅地化の促進でありますが、この点については先般の農住法とかあめ法の改正案のときにいろいろ指摘してきたところでありますけれども、閣僚連絡会議では特に農住組合制度の積極的な普及と活用ということを指摘しているんですね。そして、農住組合の設立状況は余り進んでいないように聞いているんですけれども、これは国土庁答弁してください。そして、組合設立が当初の予想どおり進まなかった原因はどの辺にあったかということについても国土庁から答弁を願いたいと思います。
○説明員(斉藤衛君) 今、先生から御指摘いただきましたように、設立状況は現時点で五組合という状況でございます。比較的少ないその背景でございますが、やはり一番大きな理由は、何と申しましても農業を経営されている方々がその生活の一部をこれから変えていくというような要素がございます。その生活設計につきまして確たる見通しあるいは決断を下されますまでにかなりの時間がかかるというようなところが一番大きなことであろうかと思います。 さらには、手法といたしましても、宅地造成とか、あるいはその上での住宅建設なり、あるいは営農のための事業というような、そういう一体的な事業等で新しい手法でございますので、なじむまでにやっぱり日時がかかる、あるいはたくさんの方々の合意を形成する際のリーダーの方がなかなか見つからない、育成できないというようなことが主要な事由のように思います。しかし、五十九年に入りましてから神奈川県下あるいは愛知県下あるいは三重県下で農住組合の設立を見たところでございますので、この制度の趣旨というものもかなり浸透しつつあるように私どもは考えておりますが、今後さらに啓蒙あるいはそこでいろいろ働いてPRをしていただく方々の研修、そういうものを今まで以上にしっかり進めてまいりたい、そういうふうに考えております。
○青木薪次君 建設省は、この点どう考えていますか。
○政府委員(高橋進君) 農住組合制度につきましては、今、国土庁の方から御答弁ございましたように、国土庁が所管して積極的にいろいろ推進されているわけでございます。私どもといたしましても、市街化区域内における農地の活用ということ、特に宅地需要の根強い三大都市圏における宅地化の促進が非常に大事なことと考えておりまして、農住組合制度を含めて、やはり新しい制度であり、また農地を宅地化することについてもいろんな手法があって、そこら辺について例えば農協の指導者の方なんかがどうやっていかれるかについてまだ必ずしも確立していないところもあるわけでございます。 そういった意味でもそういう農協の方が農地の宅地化の利用のためにどんな手法があるかとか、そういったようなことについてのいわばマニュアルみたいなものもつくりまして、これを農協の方にお示しして、そういったことを一つの準拠にしながら積極的に、農住組合制度も含めて、いろんな手法の活用をするように今後ともしてまいりたいと思っているところでございます。
○青木薪次君 経過はわかったわけでありますが、まだPRが足りないのじゃないかというように考えます。農家の皆さんが制度の趣旨というものをよく理解していないではないかというように私は考えます。 そこで、最近は農地所有者によるところの貸し家経営が見直されつつあるのでありますから、農住組合制度がさらに活用されるような積極的なPR活動といいますか、発想の転換が必要だと思いますけれども、この点いかがですか。
○政府委員(高橋進君) 御指摘のとおりだと思います。そういった方向で、先ほど申し上げましたようなことも含めまして、今後努力したいと思います。
○青木薪次君 次に、線引きの見直しあるいは市街化調整区域の宅地開発の推進についても言っているわけでありますが、私どもの県でも今まで二十ヘクタールというのが今度は五ヘクタールということで、遅まきながら方針を変更しているわけでありますが、どのような措置をこれからやっていくのか、講じてきたのかというような点についてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(牧野徹君) いわゆる線引きの見直しのお尋ねでございますが、私どもはこの制度につきましては基本的に無秩序な市街化の防止に役に立っておると考えておりますが、ただ現下の根強い住宅地需要に十分には必ずしも対応し切れていない面もあるというふうに考えております。そこで、土地区画整理事業等の良好な町づくりの事業が行われるところにつきましては積極的に市街化区域に編入するというふうなことで、実態に即しまして線引きの見直しが適切かつ弾力的に行われるように考えております。 そのためには、今、先生がお話しになっておりますこの関係閣僚連絡会議は五十六年の七月でございますが、ほぼその一年後でございますが、五十七年の九月に今までの線引き制度の運用方針についてかなり大幅に手直しをしまして、それを県に通達いたしまして、それに基づいて現在各県で見直し作業を進めていただいている、こういう状況でございます。
○青木薪次君 線引きの見直しとか、宅地開発指導要綱の是正とか、あるいは市街化調整区域の開発許可面積の基準の緩和ということを申し上げたわけでありますが、いろいろ建設省は努力していると思います。実際に、それらの規制緩和を実施する地方公共団体がなかなか積極的でない。 例えば学校をつくるとか、道路を拡幅するとか、あるいはまた排水をどうするとか、あるいはまた交通標識をどうするとか、いろんな問題がありまして、地方負担がふえるから嫌だというのか、あるいはまた宅地開発をしましても、道路の真ん中へ蛇がカエルをのんだようなどでかい道路をつくって出口は極めて細いといったようなところが見受けられるんです。そのために利用者にそれを負担させる。そうすると、そんな高いものはおれたちはとても買えないということになる。そうすると、住宅政策上極めてそのことが問題になっているという地域が多いんですよ。 ですから、そういう点について規制緩和や線引き見直しはどの程度進んでいるのか。また、強力にその点はやっぱり指導しませんと、国の考えていること、正しい方針が地方でもってゆがめられたり拒否されたり、あるいはまた方針を変更されたりするということについては、これはいろいろ問題があると思うんです。その点、結果としてこれだけ宅地需要が進んできましても、そのことが有効に活用され、成果を生んでいない。この点について、建設省どう考えますか。
○政府委員(牧野徹君) 私から、まず線引き見直しの方のお答えを申し上げます。 地方公共団体が必ずしも熱心でないのではないかというお尋ねでございますが、一番新しい統計でございますが、先ほど申し上げました、五十七年九月に運用方針の改善の通達をしたわけでございますが、ことしの三月三十一日現在でございますが、二十三の道府県、静岡県も入っておりますが、その県で百二十二の都市計画区域について見直しが終わっております。それから八つの県におきまして法定手続を開始しておりますし、その他の県につきましても現在各県が鋭意作業を進めておるというふうに承知しておるわけでございます。
○政府委員(高橋進君) 開発許可関係について申し上げますと、今、先生もちょっと御指摘になりました宅地開発指導要綱のいわゆる行き過ぎ是正についても指導しておりますが、五十七年十一月から五十九年二月にかけましての指導要綱の改正状況は、百五十二の市町村が行っております。これは、中身につきましてはおおむね私どもが出しました通達や方針の趣旨に沿った方向での改正でございます。 それから調整区域におきます開発許可をする際の基準となります二十ヘクタール、これを五ヘクタールに政令改正して、都道府県の規則でもって定める場合には五ヘクタールまでおろせる、こういうことになっておりますが、これは現在全国で三十六の道府県市において規則を制定しておりまして、それなりにそういった計画的で良好な宅地開発という方向でのものについて、それなりの方向で実績があるとは思っております。 ただ、先生が御指摘のように、いろいろ関連公共施設との関係あるいは人口抑制という観点から必ずしも積極的でないという面がございます。そういった点につきましては、一方では関連公共施設整備促進費の、六十年度の場合は一千五十億といったような枠の有効的な活用の問題がございますし、また新しい宅地開発につきましては、単に住居だけではなくて雇用の場も一緒にセット開発といいますか、そういったようなことも一緒にやるような開発ということについて地方公共団体もいろいろ考え、また我々もそういったことについてのお手伝いできるような方向で促進してまいりたいというふうに思っております。
○青木薪次君 その点は都市局長も建設経済局長からも答弁があったわけでありますが、さらにひとつ、各県ごとに、通達を一遍ぽんと出すのでなくて、おまえのところはどうなっている、こうなっているということを指導しませんと、洞が峠を決め込んでいるんですよ。ですから、その点もこれから大いに関心を持ってもらいたい、こういうように思います。 それから未利用地の利用の促進でありますが、宅地供給の不足が住宅建設不振の大きな要因となっている現状を考えますと、市街化調整区域とかあるいは市街化区域の農地の宅地化ももちろん重要であるけれども、まずもって宅地造成済みの宅地の利用を促進する必要があると思うんです。この未利用宅地は現在どの程度あるのか。当然、政府はその実態を把握していると思うのでありますが、まず国土庁から、この国土法適用の遊休地の運用に関しまして、市街化区域はどうか、調整区域はどうか、あるいは無指定のところはどうかというようなこともありまして、この辺については都道府県へ国土法適用のところは届け出て、それから売買契約をやって三年後にそれが利用されていないということになると、あなた方はどうなっているんですか、早く遊休地の利用をしてくださいよと促進することを持ちかけるわけでしょう。そういたしますと、その辺の関係では面積等についてはどの程度あるのか、この点もあわせてお伺いすると同時に、建設省からも別の立場でお伺いいたしたいと思います。
○説明員(山崎皓一君) それでは、国土庁の方で把握しております遊休土地利用状況につきまして御説明申し上げたいと思います。 この遊休土地利用状況につきましては、ただいま先生の御質問の中にもございましたように、一定面積以上のものについてのみ把握しておりますので、市街化区域につきましては二千平米以上、それ以外の都市計画区域につきましては五千平米以上、その他の区域につきましては一万平米以上でございます。したがいまして、これはいわゆる大規模なものだけに限られているわけでございますが、この中身につきましても、法律施行時、すなわち四十九年の十二月二十四日以前にそういう状況でありましたものと、それ以後のものと二つに分かれておりまして、まず法律施行時に遊休土地でと申しますか、この条件に該当いたしましたものは三百九十四件ございました。それにつきましては、その後通知等に基づきましていろいろ計画を出していただき、さらにいろいろ処分等に協力をいただきまして、そのうち八五%、すなわち大部分のものが目的に従って処分されたりあるいは利用に供された、こういう状況になっております。件数三百九十四件のうち大体百件程度が結果的には住宅宅地として利用されたというふうに承知しております。 それから法律施行後のものでございますが、これは一つは土地取引の届け出の際に利用目的の審査をしっかりやっておりますので、その後未利用のまま使われるケースというのは非帯にまれな場合に限られるわけでございまして、法律施行後につきましてはこれに該当いたします遊休土地は二十六件しかございません。面積で申しますと二十四・五ヘクタールでございます。なお、これにつきましても利用計画等を出させまして、約半分近くのものが有効に使われておるというふうに承知しております。
○政府委員(高橋進君) 先生御指摘のとおりに、宅地供給の一層の促進を図るためには、新市街地の計画的開発を図るばかりでなくて、既に都市基盤施設の整備された地域内の未利用について有効利用を促進する必要があるということはお説のとおりでございます。ただ、これに対しては正直言ってなかなか決め手がない面があるのでございますが、一応従来から、一つには特別土地保有税等によりまして遊休土地の未利用地につきましてその利用の促進を図っておりますのと、また土地区画整理事業の施行済み地区につきまして税制、金融等の措置あるいは地方公共団体に対する指導等によって市街化の促進を図っているところであります。この点につきましては都市局長から特に御答弁があるかと思いますが、そういったようなことを通じまして今後とも未利用地の有効利用の促進を図ってまいりたいと思っております。
○政府委員(牧野徹君) 土地区画整理事業は、何といいましても住宅地をつくるということも大きな目的の中の一つでございます。ですから、私からはその区画整理をやった、しかし未利用だというそこに絞って数字を申し上げますと、昨年五十九年の七月現在で全国で未利用が二万一千ヘクタールほどございます。これは地区内全体の宅地面積が六万一千強でございますから、パーセンテージで申し上げますと三四・八%というふうな状況でございます。この三四・八という率は多少ずつ調査時点で減ってはおるわけでございます。 それから、そういう未利用地をどうやって利用促進するかというのが大きな問題でございます。ただいま経済局長からも申し上げましたけれども、私どもとしてはまず公共団体に対しまして、やはり町が熟成していくためには家だけ建ってもこれはだめなわけでございますから、市街化の核となるような公益利便施設を積極的に導入すること、あるいは住宅を建てる場合の公的な住宅供給機関へ保留地を優先分譲するというふうな指導をいたしております。 それから税制を申し上げますと、仮換地の指定をした後で三年以内に一定の住宅建設のため売った場合には課税の特例をするとか、あるいは施行地区内の土地を購入して住宅を建設する者に対しまして住宅金融公庫の方で融資の特例を設けていただくとか、いろいろな施策を講じておるわけでございます。今後も、なお一層の充実を図って、地方公共団体を強力に指導してまいりたいと存じております。
○青木薪次君 土地の所有者の中には退職後に住宅建設を計画しているという人もあります。中には幾つもの宅地を持っておりまして値上がりを待っているというケースもありまして、必ずしも同じ条件ではないと思うのでありまするけれども、宅地難から住宅地がどんどん郊外に拡散いたしまして、そしてそれも思うようには進んでいないという現状の中ではこうした未利用宅地を活用することが極めて重要だというように私は考えるのでありますが、この点いかがですか。
○政府委員(高橋進君) 先生の御指摘のとおりだと思います。これを強制的に吐き出させる道というのはなかなか難しい問題が基本的にはあるのでございますが、いろんな工夫によりまして、そういった方向でさらに促進を図ってまいりたいと思います。
○青木薪次君 これらの未利用地の宅地については国が適正な価格で買い取る、そして住宅を建設したいと希望している人に転売するというような方法はいかがですか。
○説明員(山崎皓一君) 私どもの遊休土地制度の対象になっております土地につきましては、有効な利用計画が出されない際には地方公共団体の買い取りをあっせんすることになっておりまして、この協議を受けました際にはその地主はその協議に応じなければいけない、こういう制度にはなっておりますが、現在のところそれが利用されているケースはないようでございます。
○青木薪次君 私の言ったこともひとつ検討の課題にしてください。 それから国土利用計画法についてでありますけれども、国土庁は国土利用計画法の抜本的な見直し作業にかかるということを新聞記事で見たわけでありますが、この段階で国土法の見直しをする背景とねらいとか、どういう方向で見直しを進めるのかについて国土庁に見解を承っておきたいと思うのであります。 国土利用計画法は昭和四十九年の春ごろだと記憶いたしておりますが、狂乱物価状態の当時とさま変わりになったために、国土庁は、地価が全般的に安定する一方、国鉄などの土地が周辺の土地とかけ離れた価格で売却されるといった新しい危機感を持って国公有地の民間への売却を新たに規制対象に加えるとか、取引規制に絡む各種の手続の簡素化とか、あるいはまた利用計画のうちに宅地と農地のあり方の再検討などを予定しているようでありますが、この点ひとつ説明してください。
○説明員(山崎皓一君) お答えいたします。 国土利用計画法につきましては、先生御案内のように四十九年に四党共同提案ということで成立を見たわけでございまして、私どもその後その的確な運用を図ることによりまして、適正かつ合理的な土地利用の実現あるいは地価安定というものに対しまして大きな寄与をしてきたというふうに考えております。したがいまして、現在地価が鎮静化していると申しましても、この制度の根幹というものは今後ともなお維持していくべきものであろうと考えております。 しかしながら、この十年の間にいろいろ周囲の経済社会情勢も変わってきておりまして、一番大きなこととしましては、当時年二〇%も三〇%も上昇しておりました地価が今は二%、三%という低い数字になってきている、こういう状況の中でこの法律の見直しを求める意見も出てきておるわけでございます。 見直しと申しましても、いろいろな方面からの意見があるわけでございまして、一つは、地価が落ちついているからこの法律の特に取引規制の制度は大幅に緩和したらいいではないかという方向からの御意見もございます。他方、確かに全体としては地価は鎮静化しているけれども一部においてはなお地価が上がっているというところもあるので、そういった地域については、現在まだ発動されておりません許可制の発動などを含めまして、この制度をより弾力的、適切に運用する方法はないのかというような御意見もあるわけでございます。さらには、土地取引と並びましてこの法律の柱でございます土地利用調整の面につきましてはやや理念に流れておりまして、現実にこの制度が十分には動いていないのではないかというような御批判もあるわけでございます。 こういったいろいろな御批判を踏まえまして、私どもはより適切な土地利用の推進を図るという観点から、とりあえずは本年度から二カ年程度を予定しまして学識経験者の方々にいろいろ御検討をお願いいたしまして、国土利用法の今後のあり方について調査検討、見直しを行っていきたい、かように考えているところでございます。
○青木薪次君 私は最後にしたいと思っておりますが、建設大臣にひとつ見解を承りたいと思います。 何といたしましても、このところ内需の拡大の論議が極めて盛んであります。欧米各国では、日本へ来まして、ウサギ小屋に住んでいる働きバチということを指摘しているわけでありますが、住宅建設ということは内需の拡大にとって私は一番すばらしい材料だというように考えますし、波及効果は最もすぐれているというように考えているわけでありますので、住宅建設の戸数の増大を図ることと同時に、今私が申し上げてまいりました住宅宅地の規制緩和の問題も含め、しかも住宅金融公庫の貸付条件がその根幹となるわけでありますから、貸付条件がこれ以上改悪されないようにしていかなければいけないのじゃないかということを考えておりますので、その点について大臣の所感をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 今盛んに内需の拡大の問題につきまして、各方面でいろいろな御意見があることは私も承知をいたしております。それから公共投資も重要であるという課題もよく理解をいたしておるつもりでございます。率直に申し上げまして、当面は昭和六十年度の予算をやっと通過させていただいて、今一律一割カットの法案が審議中でございますから、やはりこれを一 日も早く成立させていただいて、私どももことしの予算で、厳しい中でありますが、多少なりとも道路の建設であるとかそういう問題について配慮をいたしたつもりでございますので、これの実施を急いでお願いしたい、こういうふうに実は考えておるわけでございます。 そこで、今お話しのように、規制の緩和とか、線引きの見直しとか、こういう問題なんかは基本的に考えますと内需の拡大の基本につながっていくわけでございますから、そういう意味で、私、民間活力のあり方につきましてもいろいろ問題もないわけでもありませんけれども、一方ではまた軌道に乗りつつある民間活力で規制の緩和をして内需の拡大振興を図る、こういうふうな論議もあるわけでございますから、むしろ私はどちらかといえば民活を大いに推進することによって、規制の緩和をとりながら内需の拡大を図った方が有益じゃないか、実はそういう考え方も率直に言って持っているわけでございます。 いずれにいたしましても、私細かいことはよくわかりませんが、今も局長に聞いてみたんですが、例えて言いますと、高速道路ができたりいろいろあれしますと、先端産業やハイテク産業が自然豊かな、アメリカのシリコンバレーではありませんが、ああいうところへずっと企業が投資をしていく。そういう場合に、昔のように土地は大型ではなくても、かなり精密機械を入れて大変投資が大きいですから、社員の住宅や何かについても農住住宅を促進しようなんというようなあれがかなりあります。 そういう場合でも、さっき青木先生がおっしゃったように、調整区域とかなんとかという制約があって農家が協力できない部門もあるわけです。ですから、私はそういう部門なんかはむしろ規制の緩和なんかの問題についてももう少し弾力的に地域の実情というものに応じた努力をする必要があるだろう、そう思ってさっき局長にこの制度はどうなっているのだと、私わかりませんから聞いてみたんです。ですから、そういう点を少し弾力的な運営といいますか、地域の実情に即したものに運営できないのかどうか。私全くわかりません、素人ですから。 ですから、そういう問題なんかにしても、一つの規制の緩和という問題は地域に貢献できるわけですから、そういう点等も踏まえていかなきゃならぬし、またおっしゃるとおり、住宅の貸付条件は先ほど私申し上げましたようにある意味ではナショナルミニマムのぎりぎりのところですから、これは何としても御指摘いただきましたように守っていき、堅持しなきゃならぬ。そういうふうにも考えておりますので、どうぞこういう大事なときでございますから、いろいろ発想の転換なり、そういう問題について御協力と御指導を賜れば大変幸せだ、そう考えております。
○委員長(本岡昭次君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ─────・───── 午後一時五分開会
○委員長(本岡昭次君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑を続けます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○馬場富君 まず冒頭に、今度の住宅金融公庫法の改正によりまして手数料等何点か後退するわけでございますけれども、私は建設省の政策の中で、従来からとられてまいりました公団住宅の建設あるいは公営住宅の建設あるいは民間による持ち家住宅の推進等、いろんな政策が掲げられてまいりましたが、この中で公団等についても従来から遠いとかあるいは高いとか狭いとかというような三悪問題が持ち出されましたし、それからまた公営住宅問題につきましては地方公共団体の負担等によってかなり困難な問題も生じてきております。それからまた、後で質問しますけれども、持ち家住宅というのはいわゆるローンの返済等で非常に行き詰まりも来しておる。 こういう現況の中で建設省の住宅政策の中で一番光っているピカ一というのは、私は金融公庫の貸出制度だと思うんです。これは財投から入るお金ですけれども、経費は建設省が負担されて、そして安い利息で、無抽せんでこれが使える、しかも個人が適切な場所で自由な形でこれが使用できるところに住宅金融公庫の貸出制度の政策の中のピカ一たるゆえんがあると僕は思うんです。だから、政府が住宅対策を考えるならば、まず一番に力を入れるのはこの政策ではないか、この政策の後退があっては住宅政策の前進はあり得ない、私は従来からこういう考え方を持っています。 賃貸住宅に対する貸出政策は別といたしまして、個人の持ち家をつくるためにこの住宅金融公庫の貸出制度を頼って多くの人が家を持つことができたり、また低利で返済期間の長いのが特徴で、そして家を持つことができたということは、私は政府の政策の中でもこれはピカ一だ。だからこそ、私は今回のこの手数料とか諸問題に対する後退というのはどんな意味を持ってなされたかということを疑問に持つくらいなんです。だから、私はいろんな政策があるけれども、政府また与党のこの住宅金融公庫政策を後退させたということについて国民は絶大な失望を感じたと思うんです、多少額が小さいとか、そんなことは問題は別として。国民の中にはかつてのもっと低利の時代の融資制度や、もっと長年月の、もっと幅広いそういう貸付制度というのを望む声、改善する声こそあれ、改悪する声なんというのは国民の中のいずれからも出てこないわけです。 こういう問題について、まず冒頭に大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 恐らく金融公庫の総裁は大変光栄の至りだ、そう思って私も受けとめさせていただいたわけです。 私なんかも、子供のときに冬こたつの中でおじいさんやおばあさんによく言われたことは、私は長男でないものですから、男と生まれて三つの大事なことを実現できれば一人前だと。一つは住宅だ、小さくとも。それから私なんかは当時は田舎の、今でもあれですが、自転車だって村に五台か六台しかないような、子供のとき覚えてますが、自転車を持つこと。それから電話を引けること。この三つのことが努力して満たされれば一人前の男だということを、よくこたつの中で、おじいさんやおばあさんから聞かされたことが今でも胸にしみついております。 そういう意味で、できれば小さくてもいいから一軒家を持ちたいというのが人々の願望だということは私もよく理解するわけで、我々も努力したのだけれども、まともな家は持てません。そういうことで、今御指摘いただきましたように、確かに時代がどういうふうに移り変わろうと、変貌しようと、変化をしようともやっぱり人間の生きる条件の基本は住まいだ、そういうふうに私どもも理解いたしておるわけであります。 そこで、特に最近は、私いつも申し上げておりますが、充足の時代から質の時代にと大きく変化をしておる。同時にまた、国民のニーズも変わってまいりまして、高齢化社会とか、また両親は家を持っていても、若い人たちは余りぎしぎししたところよりも賃貸住宅で、そして周りの環境がすばらしい条件のもとで、若いときには若さと理想を求めて生活した方がいいとか、いろんなニーズも変わっておるわけです。ですから、今若い人たちに非常に賃貸住宅の要請が多いという、そういうあれもあると思います。 また、ある意味では、先ほど申し上げましたように、都市対策にしても住宅が基本だ。諸外国の例を見れば、大体先進国では世界の十大都市と言われるところへ五二%ぐらい集中するだろう、日本でも七〇%だ、特に日本の場合は国土が狭いわけでありますから。そういうふうなことをいろいろ考えてまいりますと、まさに先生から基本的な考え方で御指摘をいただいたとおりでございまして、私ども五十万の無抽せんが一万戸削られたということについては、私は政治家として率直に言って反省もいたしておるわけであります。 しかし、どうにか五分五厘というような根幹はおかげさまで維持できたわけでございますし、また税制の面でも割合に皆さん方の理解をいただいておるというようなことでございまして、やっぱり総合的に、また整合性がないとこういう問題というものはできない問題でございますから、そうした点等を私どももしっかり踏まえまして、そういう住宅政策の理想に向かって努力したいと思っております。この上とも御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。
○馬場富君 特に、今都市化傾向が強くなってきております、交通の便等もありまして。そういうことで、大都市の中に大きい面積を持った公団住宅だとか公営住宅の建設というのは非常に難しい状況下にあるわけです。だから、狭い土地を利用して、そしてそれを適切な状況で家を持っていくという場合につきましては、やっぱり個々の住宅をつくろうとする、自分の持ち家をつくっていこうとする個人の意欲が一つは経済の活力にもつながってくると思うんです。 そういう点で、住宅金融公庫の貸出制度というものは非常に適切な方法でもあるし、またこれはぜひ改善していく方向に向かって政府はより国民の支持も得なければならぬと思うんです。そういう点で、先日もある懇談会等で国民の意見を聞いてみました。やはり圧倒的にみんなそういう意見でした。だから、どうして住宅金融公庫のこんないい政策が悪くなるのですかと。今、各方面でむだな補助金やら、あるいは私は非常に意味の薄い投資等がかなり行われているのではないか、そういうものをよしんば削っても、こういう国民の本当に望むものを伸ばすべきじゃないかということを、大臣は総理なり大蔵大臣に、一律カットの問題と住宅金融公庫の問題とは別に考えてほしいと強く要望してもらいたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(木部佳昭君) 私、率直に先ほど政治家としての反省の上に立っているということを申し上げたわけでございます。しかし、政策というものはやっぱり整合性がなければいけませんし、永続性がなければいけませんし、そういう点等をよく考えまして、一律一割カットも私どもは一年間という緊急避難である、そういうふうに理解いたしておりますので、先ほど申し上げましたように、住宅政策の使命というものをしっかりかみしめてこの上とも努力させていただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 特に、宅地政策なんかも一緒に歩んでいかなければならぬ問題でございますから、先ほど来申し上げておりますように、政策に整合性を持たせながらその理想が実現できるように努力させていただきます。
○馬場富君 先ほど、くしくも大臣は、親からのお話で自分の家を持ちたいという希望を子供心に持ったとおっしゃいました。そういうふうにみんな希望があるわけですけれども、みんなやはり望み得るならば庭つき一戸住宅に住みたいというのが人情だと私は思います。しかし、それは一般の勤労サラリーマンには無理なのが今現実であらわれております。仮に無理して取得すればローン地獄が待っている。 先般、総務庁統計局が新聞に発表いたしました昨年の家計調査を見ると、全国のサラリーマン家庭の三分の一が平均して月々六万円以上の住宅ローンの返済に追われておる、そのことが個人消費支出の伸び悩みの一因にもなっていると報告されておるわけでございます。建設省は、こうした国民の住宅ローンの負担についてどのような見解をお持ちか、お尋ねいたします。
○国務大臣(木部佳昭君) 私は先ほど住宅局長にも青木委員の質問に答えた後指示しておきましたが、今まさに人生五十年から八十年の時代でありますから、例えば木造建物の場合には耐用年数は二十四年、鉄筋は六十五年だそうですが、これは具体的にもう少し私は耐用年数を延ばして、そして一世代で返されない現状ですから、これを二世代で返せるような仕組みはできないのかということを具体的に検討してみたらいい、こう言って午前中お願いしておりますが、そういう点等なんかでも真剣になって私どもは国民のニーズにこたえていかなければならぬ、そう思います。 私は、過ぎ去ったことで大変申しわけありませんが、ちょうど昭和四十七年に経済企画庁の政務次官をさせていただいて、IMFの総会へ行きまして、アメリカの公社債市場の勉強を多少させていただいたんです。これは、例えばAという住宅会社がある。その住宅会社が社債を発行するわけですね。その社債を、私なら私が住宅を建てた場合に三分の一ぐらい買うわけです。そうすると、これはもちろん税制上の優遇があって無税なんです。そして、後は家賃よりもっと低くて、二十五年なり三十年の長期でもって会社へぼちぼち納めれば家が一軒できるということです。 アメリカは、ほとんど公共事業は原則として公社債市場制度というものをやっているわけです。例えばニューヨークにケネディ・エアポートという世界一の飛行場がありますが、あれにしたって全部ケネディ・エアポート・カンパニーが出す社債を皆さんが買って、そしてでき上がって、政府から管制官が行くだけなんです。そういうようなことで、アメリカの公共事業というのは、ほとんどそういう公社債市場を育成して進んでおるわけです。 でありますから、私は経済企画庁の政務次官のときに、今申し上げるように、帰ってきて、ちょうど経済計画の作業をしておりましたから、あすの立場を考えたら、皆さん方、特にホワイトカラーと言われる非常にレベルの高い人が東京とか大阪とかそういう大都会に大勢住んでおられて、その人たちが一生懸命働いたって退職金で家が持てないんですから、こんな矛盾している世の中というのはないのだから、ひとつ経済政策の中で、日本の場合でもそういう公社債制度というものを育成するように思い切って発想の転換をするように頑張ってもらいたいということをお願いしたんですが、いろんな証券とか金融界の反対等もこれあり、そういうようなものは実際実現できなかったけれども、しかしその当時からやっと金融機関が住宅ローンなんという制度がスタートしたというようなことだと私は思っておるわけです。 そういう意味で、今申し上げますように、少なくも一世代で返せなければ二世代で、親が借金してもせがれが返すというぐらいの幅は持てないものかということを、実はさっき青木委員から質問があった後、局長にもそういう指示をし、検討しろといってお願いしているところなんです。財政その他いろんな障害があると思いますが、それを一歩でも半歩でも前進させていくということが政治のとるべき道であり、その理想に向かって努力することが我々の使命である、私は先ほどからそう申し上げておるわけでございます。
○馬場富君 持ち家の夢を破ったのは、やはり一つは月々の返済が収入に比べて負担が重いということに原因があるわけです。みんな住宅ローンの問題等を抱えております。やっぱり住宅金融公庫の貸付制度に入りますが、それだけでは不足だから一般金融機関の貸付制度に入るわけでしょう。これは七分、八分という利息が高いために、こちらの面でみんな破綻を来していく場合が多いわけです。だから、結局、私が先ほどからやかましく言っておるのは、住宅金融公庫が期間を延ばしたり、利息を安くする方法が考えられればこれは持ち家住宅の対策というものは前進するけれども、それが大きく、いわゆる削減の波に乗って住宅金融公庫の制度にまでしわ寄せが来たとしたらこの意味はなくなってしまう。今持ち家住宅の支えというのは、住宅金融公庫の貸出制度しかないんです。これは今、大臣がおっしゃったように、期限を長く、できればもう少し利息を安くするぐらいの制度でやったならば持ち家住宅というのはもう一遍息を吹き返すと私は思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるとおりでございまして、今持ち家の伸び悩みの原因が、先ほど来申し上げているように、住宅の価格と国民の所得あるいは住宅取得能力の乖離にあるわけで、それを埋めるものが長期低利の金融でございまして、なかんずく住宅金融公庫は五・五%を主体とする言ってみれば我が国で最も低い金利でお貸ししているわけでございまして、これをいつまでも堅持していきたいということでございます。 ただ、そのために、補給金といいますか、政府が穴埋めをする分が非常に多くなってきまして、国家財政が非常に窮乏している中で一体どうすればいいかということの中から段階制金利が生まれ、またこのたびは、これはわずかではございますが、手数料の徴収ということで、後退といえば後退の形をとらざるを得なくなったわけでございますが、ただ今回に関して申し上げますと、先ほど来も御答弁申し上げておりますけれども、各種のメリットといいますか、前向きの施策も講じておるわけでございます。 高規格住宅では二百万円の割り増し貸し付けをするとか、あるいは地方県庁所在地以外の都市におきましては二十万円の貸付限度額のアップをするとか、その他教えればかなりの貸付条件の改善をやっているわけでございまして、それら全部を合わせてみますと公庫の貸付制度は決して六十年度の予算に関しては後退ではないと私どもは考えているような次第でございます。 ただ、おっしゃるように、こういう住宅ローンの返済がなお国民の大きな負担になっている。資料で見ますと、返済額の可処分所得に占める割合は五十五年が一三・一%でございます。五十九年には一四・三%、やや上昇をしているわけでございます。ただ、これがいろんな条件がございまして一四・三にふえておるわけでございますけれども、私どもはこれに対して何とか金融公庫の根幹というものは堅持してまいりたいということで、やむを得ない措置として若干の後退をしたというわけでございますので、ぜひ御了解をいただきたいと思うわけでございます。
○馬場富君 いずれにいたしましても、こうした事情、実態等を考えますと、住宅取得や建設に対する税制、金融面での充実を図り、住宅予算も増額させていかなければならぬのに、実際はその逆になっている。特に、六十年度の建設省関係予算を見ると、国費ベースでは各事業とも減額となっておりますが、事業費ベースでは住宅対策費以外は伸びております。なぜ住宅対策費だけは事業費ベースでもマイナスになっておるのか、お伺いいたします。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように、六十年度の住宅対策費は事業費の面で見ますと約二%減になっておるわけでございます。この理由でございますけれども、厳しい財政事情の中で住宅建設戸数が若干減少せざるを得なくなったということが一つでございます。それから、これは予算技術的な問題に属しますけれども、関連公共施設の整備につきまして、従来住宅対策費に全額計上しておりましたものを六十年度は道路分を道路整備特会の方に計上したということで、形の上で住宅対策の方の事業費が減ったという面もございます。 それからもう一つ、これは大きな要素でございますけれども、公営住宅等の住宅建設事業につきましては、国の補助部分以外が全部受益者負担という建前になっておりますところから今回一律カットというものの対象にならなかったわけでございますが、そういうことで他の事業はその結果事業費が伸びるということになりましたが、住宅対策費についてはこの補助率の引き下げの対象になりませんところから、ほかに比べまして相対的に低いということになったものでございます。
○馬場富君 住宅対策費が高率補助率の一律カットの対象にならなかったから、それが理由であれば、そのことは事前にわかっていたはずでありますから、住宅対策費については国費を増額し、事業費ベースで各事業がバランスをとれるように予算措置をすべきではなかったかと私は思うわけですが、そこのところどうでしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 申し上げましたように、事業費で約二%減少になったわけでございますが、この住宅対策費の減少に先ほど申し上げました道路特会の方に計上いたしました関連公共施設整備費を加え、さらに住宅局に関連する再開発関係の事業費も加えて見てみますと、住宅関係事業費全体では前年度並みの事業費を確保できている、つまりマイナス二%ではなくてゼロであるということでございます。 また、こういうふうに再開発あるいは関連公共の道路分などを加えますと国費の面では七%の増加ということで、最近にない増加になったわけでございます。ただ、事業費の面では、申し上げましたような理由で、他の事業に比べて若干減った、伸び悩んだということになるわけでございます。今後、公的住宅の供給あるいは市街地住宅の供給というようなものの促進を図ることを通じまして、何とか事業費を伸ばしていくということに努力してまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 高率補助率の一律カットは一年限りの臨時措置とされておりますが、客観的に見て六十一年度以降も実施されることはほぼ間違いない、こう考えられるわけでございますが、何かこれに対しまして特別の配慮をしなければ住宅建設だけがますますおくれてしまうということになるわけですけれども、次年度以降はどのような措置をおとりになりますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 補助金の一律カットが今後どうなるかということは私明らかでないわけでございますけれども、住宅関係事業につきまして、先生先ほど来御指摘ございましたように、良質な住宅を求める国民のニーズは極めて強いし、また居住水準改善の必要性は極めて高いわけでございます。また、住宅投資の拡大によりまして内需の振興を図るという声も強いようでございます。私ども今どうやって事業費を伸ばすかということについて具体的な方法をどうというふうになかなか申し上げられないわけでございますけれども、あらゆる手段を尽くしまして、今後の予算の獲得、事業費の増額について努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 住宅対策費の中で特に変化があったのは住宅宅地関連公共施設整備促進費で、従来住宅対策費として一千億円が計上されておったわけでございますが、六十年度は一般会計の住宅対策費に四百五十億円、道路整備特別会計に六百億円と分けて計上しております。その理由は、どういう理由でしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 住宅宅地関連公共施設整備促進事業費というのは、一般会計の住宅対策費といたしまして全部一体的に計上しておったわけでございますが、道路、街路分というものについては事業量が安定しているということがございます。言ってみれば、こういう住宅宅地の団地などをつくります場合に道路、街路というものは必ず必要が出てくるものでございまして、そういう意味で、この事業費の配分に当たっても、道路、街路については大抵どこでもある割合で配分されるということで事業量が安定しておるわけでございます。また、施設の性格から見まして、道路整備特会の資金を充てることに極めてなじみやすい種類のものでございますので、今回道路整備特会に六百億円を計上したというわけでございます。
○馬場富君 道路整備特別会計に計上した六百億円は道路対策費としてしか支出できなくなると思いますが、事業の執行に支障を伴うようなことはないかどうか、この点どうでしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 道路整備特会の方は六百億円でございますが、それ以外の部分、一般会計分としまして河川、下水、公園等を対象にするわけでございまして、これが残り四百億となるわけでございますが、今回、六十年度はさらにこれに五十億追加いたしまして四百五十億円というやや上回る予算をちょうだいしたわけでございまして、そういう意味でも、道路以外の河川、下水道等につきましての執行に支障は生じないというふうに考えておるわけでございます。
○馬場富君 六十一年度以降もこうした予算の組み方を続けますかどうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 六十一年度以降の取り扱いにつきましては、今の時点でまだ方針を決めていないわけでございます。予算計上方法につきまして、関公制度の趣旨を踏まえながら、財政事情あるいは制度の運用の状況を勘案して六十一年度以降の取り扱いについて今後検討してまいりたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、今後ともこの関公の事業費の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 次に、公共賃貸住宅問題についてお伺いしたいと思いますが、前回改正時に、九十六国会の審議の際、「第四期住宅建設五箇年計画の目標を達成するため、特に三大都市圏及び地方中核都市における公共賃貸住宅の供給の促進に努める」こととの附帯決議が行われておりますが、第四期五カ年計画における公共賃貸住宅の建設目標と実績はどのような状況になっておりますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 公営住宅と公団賃貸住宅に分かれるわけでございまして、公営住宅につきましては、計画戸数が三十六万戸でございましたところ、実績戸数は二十六万八千九百戸、進捗率で七四・七%でございます。それから公団賃貸住宅につきましては、計画戸数十万戸のところ、実績戸数が七万二千戸、これは七二%ということで、いずれもやや下回っているということでございます。
○馬場富君 いずれにいたしましても、第四期住宅建設五カ年計画における公営住宅、公団住宅は、ともに余りはかばかしくない。ということは、建設計画と実績とにかなりの乖離があったのではないかと思うわけでございますが、その状況と原因についてお伺いしたい。また、その一方で公庫住宅は予想以上の大幅な伸びを示しているが、その理由についてあわせて御説明願いたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 公営住宅、公団住宅が伸び悩んでいるということでございますが、この原因といたしましては、適正な立地あるいは規模、価格の用地が取得しづらくなっているということが最大の原因でございます。そのほか、関連公共公益施設の整備に関して地元がなかなか調整が難しいというようなこともございます。あるいは周辺の市街地の居住環境に影響を及ぼすわけでございまして、そういう意味で周辺の住民との調整がなかなか難しいとか、こういった公的住宅建設をめぐる諸条件が厳しくなっているということが伸び悩みの大きな原因ではなかろうかというふうに思っておるわけでございますが、一方、金融公庫につきましては、先ほど来、先生から御指摘ございましたように、個人がどこででも家を建てられるということでございまして、旺盛な持ち家需要に支えられまして、極めて順調に推移しているということでございます。
○馬場富君 いろいろな困難な状況のあることは理解いたしますが、しかし今後の住宅政策を考えた場合、やはり公共賃貸住宅の供給をどう増大していくかということが大きな課題となってくると思うわけでございます。その意味で、次の第五期住宅建設五カ年計画の中に公共賃貸住宅がどう位置づけられるか注目されているが、建設省の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 位置づけといいますか、公共賃貸住宅の住宅政策の中における役割といいますか位置づけにつきましては、特にこういった公的賃貸住宅につきましては大都市地域を中心といたしました四、五人の標準的な世帯向けの賃貸住宅が非常に不足しているということがございますので、こういったことに対応しまして、しかるべき規模を持った良質の賃貸住宅を供給するための有力な手段であるというふうに考えているわけでございます。 公共賃貸住宅の建設を今後促進していく具体的なやり方につきましてはいろいろ考えられるわけでございますけれども、公営住宅につきましては、居住水準を向上するために既設の団地の建てかえ事業等を推進しておるわけでございます。これは単に居住水準の向上というだけでなくて、先ほど申し上げました立地難ということもございます。そういう意味ではやはり既設の場所を高度化して利用いたしまして、土地を買わないで住宅を建てていくという意味からも今後推進していく必要があろうかと思っております。 それから既成市街地の中で、大きな団地ではなくて小規模な団地といいますか、二、三十戸ぐらいの公営住宅を建てていくというような、コミュニティー公営住宅と我々呼んでおりますけれども、こういう制度を六十年から創設することにいたしております。 また、公団住宅につきましては、やはり同じような理由でございますが、古くなった公団住宅を建てかえることによりまして、居住水準の向上とあわせて、その土地を利用した住宅建設の促進というものにもつなげてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○馬場富君 ちょっと委員長、大臣にお伺いしたいけれども、今、席を立っておりますからこれは後にしまして、次に宅地供給問題についてお伺いしたいと思うんです。 住宅建設が不振である原因の一つにやはり宅地供給量の不足がある。政府の宅地需給長期見通しによれば、五十六年度から六十年度までの五カ年間における宅地供給計画量は五万九千二百ヘクタール、つまり年々増加する宅地需要を賄うには全国で年間約一万二千ヘクタールの新しい宅地供給が必要とされているわけでございますが、実際の供給量はかなりそれを下回っているのではないかと思われるわけでございます。 そこで、まず最近の宅地供給量の推移と、その供給を主体別あるいは形態別、地域別に見た場合、どのような特徴、傾向があるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(高橋進君) 建設省で、今、先生おっしゃいましたように、宅地需給長期見通しというものを五十六年に策定しておるわけでございますが、それによれば本当は年々一万二千ヘクタールあるいは一万二千五百ヘクタールぐらいでないと数字としては合わないわけでございますが、それに対しまして現実には最近は一万へクタールという程度の宅地供給量になっております。 それの内訳といたしましては、主体別では、公的供給が約三千ヘクタール、民間供給が約七千ヘクタールということでございます。特に、民間の供給がピーク時に比較しまして非常にダウンしているということが言えようかと思います。 また、地域別におきましては、三大都市圏におきまして約五千ヘクタール、その他の地域において約五千ヘクタールという実績でございます。これも当初考えていたものに比べて、いずれの地域におきましても下回っているということでございます。 なお、事業手法によります形態別の内訳につきましては、土地区画整理事業によるものがおおむね四割、その他の手法によるものがおおむね六割というふうに考えております。
○馬場富君 そこで、政府は宅地供給を促進するために宅地開発指導要綱の是正あるいは市街化調整区域内での開発面積基準の引き下げなどの規制緩和措置を講じてきたのでありますが、余り効果が上がっていないようでございます。その理由は、まず地方自治体、特に大都市圏の自治体が規制緩和を渋っていると伝えられているわけでございますが、自治体の規制緩和の実施状況はどうなっておりますか。
○政府委員(高橋進君) まず、指導要綱のいわゆる行き過ぎの是正でございますが、それの改正状況について申し上げますと、昭和五十七年十一月から五十九年十二月にかけてでございますが、百五十二の市町村において寄附金等の額に関するもの、区画道路の幅員に関するもの、公園等の確保に関するもの、学校施設、学校施設用地に関するもの、その他公益施設に関するもの等の改正が行われておりまして、これらはおおむね建設省と自治省との共同通達、あるいは建設省の次官通達の措置方針等の趣旨に沿った方向での改正でございます。 もう一点、市街化調整区域におきます計画的な開発についての規模要件の引き下げに関する規則の制定状況、いわゆる二十ヘクタールから五ヘクタールに下げることの規則の制定状況でございますが、これはことしの七月一日現在、全国で三十六の道府県市において規則を制定しております。 今、先生から、地方公共団体がその効果について疑問を持っているのではないか、あるいは渋っている面があるのではないかという御指摘がございましたけれども、もちろんそういった要素なしといたしませんけれども、今申し上げましたように、いずれも相当な実績がたんだん積み重なってきております。 今の規則の問題につきましても、これから規則制定に向けての検討が鋭意行われている地方公共団体も相当ございますし、また実際にその改正された規則に基づいて開発許可された件数も既に十数件ありまして、そのほかにも事前相談の案件も相当数あるというふうに聞いております。 そういう意味では、自治体において規制緩和といいますか、そういった良好な宅地開発を促進するような方向での規制緩和につきましてはやはりそれなりに着実に対応しておるのではないか。今後、これにより開発事業者の開発意欲も高まって、民間活力の活用による宅地供給の促進も図られるものというふうに考えております。
○馬場富君 その点は、私はやはり建設省がいかに笛を吹けども自治体は踊らずというのが実情ではないかと思います。というのも、自治体にとっては宅地開発が行われれば道路や下水道整備などが必要で、それだけやはり財政負担がかさむわけであります。そういう点からも渋るのも当然である。そこで、最近は規制緩和による宅地供給をふやす政策を疑問視する意見も出ておりますが、建設省としてはどのように考えてみえますか。
○政府委員(高橋進君) 地方公共団体によりましては、基本的に人口増加によっていろいろ財政負担がふえるといったようなこと、あるいは特に大都市圏におきましては、住むだけは自分のところに住んで、職場はほかの都心部に、ほかの公共団体にあるといったようなことに対する抵抗感等から、そういった今、先生の御指摘のような意見を持っている公共団体があることは事実でございます。 これにつきましては、先ほど住宅局長からお話ございましたように、例えば関連の公共施設の整備の負担につきましては関連公共施設整備促進費の有効な活用というようなこともございますし、またいわゆるセット開発といいますか、雇用の場とそれから住居とが同じ公共団体の中で、同じ開発の中で行われるというようなこと、そういったようなことにつきましても地方公共団体におきましては相当意欲的な面もあるわけでございまして、そういった面におきましていろいろ建設省でもお手伝いをして促進してまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 先ほど大臣お立ちでしたもので、大臣に。 第四期住宅建設五カ年計画では公営住宅が三十六万戸、公団住宅二十万戸が目標とされておりますが、進捗率は極めて低いものであります。しかし、そうだからといって次の五カ年計画で計画戸数が三十六万戸あるいは二十万戸を下回るようなことがあってはならないと考えるわけですが、その点、大臣の決意もあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 今、御承知のとおり、審議会で第五期の計画につきましていろいろの御論議をいただいておるわけでございます。恐らく来年の予算概算要求の前にはある程度の審議会としての答申をいただけるものだ、そう私どもは期待をするわけであります。したがいまして、具体的に私からここで今の段階で申し上げることはどうかと思いますが、しかし従来の実績は実績としてよく見直しをして、そしてまた需給動向その他を見ながら私は前向きに意欲的に対処してまいりたい、こう考えております。
○馬場富君 次に、本改正案の中身でございますが、特別損失についてお伺いいたします。 五十七年度から実施してきた特別損失制度を今回六十五年度まで六年間延長することとしておりますが、このように長期間にわたって特別損失制度を存続させなければならない理由は何なのか、また六十五年度までとした理由はいずれに原因があったか、その点です。
○政府委員(吉沢奎介君) 特別損失制度でございますが、厳しい財政制約の中で、補給金がふえていくのに他の住宅政策にこの補給金の増高が影響を与えないようにするにはどうすればいいのかということで、その一つの方法が結局繰り延べといいますか、もう一遍また又借りするということになったわけでございまして、これがいわゆる財政再建期間ということで昭和五十七年度から五十九年度までこの措置がとられたわけでございますが、しかし五十九年度を終わってみて財政事情は引き続きまだ厳しいということでこの措置を延長せざるを得ないということでございます。 そこで、ではいつまで延長するかということでございますけれども、これは政府の財政対応力の回復を待つということで、一九八〇年代経済社会の展望と指針というものも閣議決定されておりますが、これによっても特例公債の依存体質からの脱却が昭和六十五年度ということで予定されておりますところから、この昭和六十五年度までの間、一応延長の措置をお願いしているところでございます。
○馬場富君 私どもの見方としては、この六十五年度までに財政再建が達成されるということはかなり困難ではないか、無理ではないかと見るわけです。仮に財政再建期間が延長されるような場合にはこの特別損失制度も延長されることになるのかどうか、この点もあわせてお伺いします。
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほど申し上げましたようなことで昭和六十五年度までに政府の財政再建が図られるという一つの前提に立って、私どもその財政再建について政府として最大の努力を払うと同時に、その期間までの繰り延べをお願いしているわけでございまして、それから先につきましては、私どもは財政再建が成って過去のお金は皆返していただけるし、また補給金につきましても全部充当していただける時代が来るというふうに考えている次第でございます。
○馬場富君 次に、五十七年度に段階金利が導入され、十一年目以降は補給金を必要としない財投金利並みの利率が適用されることになっておるわけでございますが、このため六十七年度以降はその効果があらわれて公庫補給金の増高傾向も相当スローダウンするのではないかと思うわけでございますが、建設省はどうお考えでございますか。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように、そういう目的を持って段階金利制をお願いしたわけでございまして、その段階金利制の効果があらわれてきて補給金が減ってくる時期というのがいつであるかということでございますが、私どもは若干タイムラグがございまして、六十八年度がピークになってそれから先減ってくるのではないかというふうに考えております。
○馬場富君 ここで大臣に。 この段階金利に加えて、同じく五十七年度には規模別金利が、そして今年度からは貸付手数料が新設されようとしておるわけでございますが、これだけ自助努力を続けておるわけでございますから、特別損失制度を六十六年度以降も続けることはよもやないのではないかと私たちは考えるわけでございますが、建設大臣はどのようにこの点を考えてみえますか。
○国務大臣(木部佳昭君) 昭和六十五年が財政再建の公約になっておりますので、私どもは達成しなければならない、そういうふうに認識を持っておりますから、それ以降のこの特別損失金の問題はついては六十五年度以降はない、そういう考え方でおるわけであります。
○馬場富君 次に、貸付手数料についてお伺いいたしますが、貸付手数料は貸し付けに関する申し込みの審査、工事の審査等の事務に要する費用を徴収するということでございますが、金融公庫の貸付事務は具体的にどのように行われているのか。そうした事務量を勘案して、例えば個人住宅建設で四万円という手数料額が決定されたと思いますが、貸付手数料額の算定根拠を具体的に説明願いたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 公庫の貸付事務でございますが、これは公庫自身、それから金融機関、それから地方公共団体、この三者が密接に連携して実施しているわけでございまして、その具体的な貸付事務は貸付種類ごとに違っているわけでございますが、仮に今個人住宅建設資金の貸し付けを例にとってみます。 まず、金融機関が利用者から借り入れの申し込みを受けるわけでございます。これを受けますと、資格審査を行います。要するに、貸し付けの対象としていいかどうかという資格審査を行います。それから公庫の選定決定、要するに貸していいという選定の決定を受けまして利用者にその旨を通知いたします。それから利用者は住宅計画を作成いたしまして、これを提出いたします。それで、地方公共団体がその計画について設計の審査をいたします。基準法の違反があるかないかというような審査をいたします。それから公庫の承認を受けて金融機関で貸し付けの予約を行います。 それからその次に、住宅に今度は着工をするわけでございますが、着工をして屋根工事などができ上がった段階で地方公共団体の今度は現場審査を受けまして、必要に応じて金融機関で公庫からの中間資金、要するに棟上げのときもらうといういわゆる中間資金を貸し付けるという手続を行います。 それから住宅が完成いたしますと、今度は利用者は、火災保険契約を結んでいただき、登記の手続をとる。そして、金融機関で金銭消費貸借契約、要するに貸し付けの契約を結びまして、最後に最終的な資金の交付を金融公庫から受けて、これを貸し付けて必要な手続を終了する。これから後は、管理といいますか、回収といいますか、そういう事務に入るわけでございますが、その管理、回収の方につきましては手数料をちょうだいしないということにいたしておるわけでございます。 そこで、今言ったようなかなりいろいろ複雑な手続を踏むわけでございます。個人建設の場合、貸し付けの実態調査によりますと、今申し上げました諸手続に標準的に一件当たり七百七十分程度の時間を要しているということで、これに若干の物件費を加えますと費用としまして四万四千円というのが調査の結果出てまいります。これで四万四千円を四千円カットいたしまして手数料を一件当たり四万円ということでお願いしようということにしているわけでございます。
○馬場富君 いろいろこの問題については国民の中から強い反対がございますが、いわば無理やりに貸付手数料を新設したわけでありますが、一体この手数料の新設によってどの程度の収入が見込まれるのか、お伺いいたします。
○政府委員(吉沢奎介君) 手数料の収入は昭和六十年度は六十億円を見込んでおりますが、六十一年度以降平準化しまして、これは事業量にも関係いたしますが、今の事業量のままで参りますと大体各年度百五十億円程度になる見込みでございます。 〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
○馬場富君 今の説明によりますと、平年度で百五十億円程度ということでございますが、六十年度の補給金所要額が四千六百億円という状況の中では大した額ではない、むしろ手数料を取られるということで住宅建設を希望している国民の意欲を損ない、それがやっぱり住宅建設の不振につながることの方が大きいのじゃないか。四万円の手数料自体の総額の収入ということの問題よりも、そちらの方に影響力が非常にあるのじゃないか。だから、これは削減計画の中でも最も私は不利な性格の実行の仕方である。もっともっと効果が上がるものなら別ですけれども、かえって建設意欲を損ねる結果になるようなそういう持っていき方というのはこれは私は下手なやり方ではないか、国民の気持ちを逆なでするようなやり方ではないかというように非常に心配するわけでございますが、建設大臣はどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(木部佳昭君) 大変残念な事態であったことは、率直に私もそう思います。馬場先生、国民感情や、そういう住宅を建設される方々に対して逆なでするようなものだというようなこともおっしゃっておられますが、それはそれとして、私先ほど申し上げましたように、これから私どもはいかにして半歩でも一歩でも諸制度の改善をするとか、やはり私が先ほど来申し上げております政策には永続性と整合性がなきゃだめですから、そういう意味の諸制度の改善なり、もっと利用者に夢と理想を持たすような、または明るさを与えるような、政治家として我々はその改善に意欲的に取り組み、前進させていかなきゃならない。そういう点にも、それはそれ、御批判は御批判として、しっかり努力をさせていただきたい、こういうふうに思っております。 〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
○政府委員(吉沢奎介君) ちょっと補足をさせていただきます。 住宅建設の国民の感情を逆なでし、住宅建設に支障を及ぼすのじゃないかというお話でございますが、先ほど来申し上げておるように、個人一人当たりの御負担というのはほかの改善をあわせて考えれば非常に微々たるものになるということが一つでございます。したがいまして、住宅建設に余り影響はないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、前に段階制金利をやりましたときには、これは制度の基本的な改革につながるわけでございまして御存じのように大幅な駆け込みがあったわけでございますが、今回この手数料を取るということで発表された後公庫の募集があったわけでございますけれども、このときには全く駆け込みの影響というものはなかったということでございまして、そこから見ましても今後の住宅需要に影響を及ぼすものではないというふうに考えておる次第でございます。
○馬場富君 ここで、私はアメリカの例を引きたくはありませんけれども、景気面において非常にアメリカは景気がよくなってきておる、日本は停滞ぎみであるという点等を比較しましても、私はアメリカの政策そのものに全部賛成するわけじゃございませんけれども、最近の動向として、投資効果の上がるものをどんどんと行い、投資効果の上がらぬものは削減していくという行き方については中曽根内閣と私はその点は違うと思うんですね。 そこで、私が中曽根内閣に望みたいのは、また建設大臣にも望みたいのは、そういう投資効果が上がるような、そういう住宅金融公庫の貸出制度は国民は手を広げて待っておる、そこには何も矛盾がない。先ほどからいろいろ論議されておるように、期間をもっと長くしてあげて返済期間を長くしてやれば持ち家住宅の希望が出てくるのじゃないかという説すらある。もう少し利子補給をやってあげて、金利を下げてやったらもっといくのじゃないか。額を上げてやれば一般金融機関で借りなくて済む、全額が住宅金融公庫で行われたとしたら、なおこれは健全なものになってくるのじゃないかということを考えてみたときに、こういうような内容を持ったものが私は投資効果が上がるものだと思うんですね。 他方、先ほども話したように、投資効果が全然上がらぬような補助金やら、飲み食いに使われておるような補助金が出されておる例が会計検査院の調査なんかでも出ておりますね。そういうものと対照してみて、そういう効果が上がらぬものは思い切って削って、こういう効果の上がるものはふやす方向で勇敢に取り組んでこそ、私は政府が国民から信頼されることになるのじゃないか。私は、大臣の気持ちはよくわかるんです。これは存続させたいということで努力なさったから手数料はこういうことで終わったのだけれども、金利まで上げたかったのが大蔵省の見解であったと思うわけです。だから、総理や大蔵大臣に勇敢に建設大臣は国民を代表してその決意をしっかりと言ってもらいたいと私は思うんです。そして、今の政府がもっともっと国民にこたえるような政府になってほしい、こう思うわけです。 そこにつけ加えまして、貸付手数料の引き上げが今後もあるようなことは絶対ないと思いますが、この点ひとつ建設大臣のかたい決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 大変ありがたい御意見を承ったわけでありますが、私どもはこの投資と減税というものが景気浮揚なり内需の拡大に非常に大きな貢献度があるということは承知をいたしております。今アメリカのいろんな経済状況というものを見てまいりますと、幾らか横ばいか、ちょっと下降線に近くなるのじゃないか、そういうふうな感じがいたしております。日本の場合には逆に、マクロ的というわけにはいきませんけれども、いろいろばらつきはありますけれども、多少明るさというものが出てきておる、そういう私は感じを持っておるわけであります。おっしゃるとおり、住宅の設備投資、またこれを国民総生産の消費というものに考えてみますと五%ぐらいの力を持っているわけですし、一般の公共事業全体で七%ぐらいだと言われておりますから、かなりのウエートを持っていることは事実であります。 そういう点等を考えてみて、私どもは先ほど来申し上げておりますように、手数料は手数料として、またこれからのいろいろな諸制度の改善というものにはより以上に全力を挙げていかなきゃならぬ。この六十年の予算編成に当たりましても、今、馬場先生おっしゃいましたように、私も大蔵大臣にはこの住宅の投資というものの必要性も強調しましたし、また予算編成の際にもそういう努力はさせていただきました。これは大蔵省の方でも、また大蔵大臣の方でもそういうことはよく理解いたしておるわけでございますけれども、ともかく大変な財政状況の中でございますので、私どもは、今申し上げますように、これはこれとして、これからの諸制度の改善というものにもっとより大きな効果を生み出せるような努力をしなきゃならない、こう実は考えております。
○馬場富君 質問の方向を変えます前に、最後に、一応住宅の問題の直接関係の、総体的問題として冒頭に私申し上げました、かつて住宅公団が日本の住宅の不足の時代に大量に政府の力によって公団住宅が建設されて、これによって一時、住宅が潤った時代もございます。だが、これはやはり大きな資本を投じて大きな面積をもってやった。また、住宅がほとんど戦災で皆無のような状況から一層の必要性が生じてきたわけでございますが、こういうやはり大きい宅地を持った大団地というのは、今やそういう点では無理な状況に来ております。だから、遠いだとか高いだとか狭いとかいう、ああいう三悪の問題等も出てきまして、非常に住宅公団の不人気ができてきたわけです。 だから、もう少し小さくして、現場でそれをよく眺めた住宅対策が必要ではないか。どこにどのような人たちが希望しておるかということを考えてみたときに、その目は、住宅公団よりは地方自治体が経営する公営住宅の方がかなり現場での目は鋭いと思います。そういう点で、私は公営住宅がこれから力を入れなきゃならぬ賃貸住宅の中の一つではないかと思いますが、これも大きく広げていったならば失敗に終わってきておると思います。だから、最近、県営にしても市営住宅等にしても小さな空き地をとらえながらそこに適切な建設を進めて、効果的に私は公営住宅の建設を行っておるのが成功しておると思うんです。遠くの方で建てた住宅等については、公営住宅でもみんな失敗をしております。建てても入り手はないとか空いておるとかいう問題が起こっております。 そういうような観点からいきまして、もう一つは、先ほど話した持ち家住宅等についても、金利やいろんな問題等について改善していけば、また今の一般の収入に合ったような状況をつくっていけばこれも前進する余地があるのではないか。そういうものを総合的に考えてみたときは、最終的には住宅金融公庫に力を入れよということにもなるが、そういうこれらの住宅対策を考えてみて、そこらあたりで今後のあり方について局長なり大臣から御見解を承りたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 住宅政策を今後どのようはやっていくかということでございますが、これは国民の中では持ち家に対する需要というものは非常に根強いものがございます。しかし、また一面、最近、賃貸住宅が非常にふえているということもございまして、国民の住宅は対する意識というものが、持ち家志向というものは根強くあるのだけれどもだんだん変化をしていっているのではないかということも考えられないわけではないわけでございます。要するに、持ち家が持てないから賃貸へ入るのだというのではなくて、持ち家より賃貸の方がいいのだというふうに考えていく人たちがふえつつあるのではないかという感じがいたします。 なお、この国民の住宅に対する意識の変化については我々分析の足りない面もございますけれども、いずれにいたしましても、そういう賃貸住宅需要というものが現実に高まっており、また一面、賃貸住宅の供給というものが非常に進んでいることも事実でございまして、私ども住宅政策をやっていく場合に、持ち家と賃貸というもの両方を見詰めながらバランスのとれた形で政策展開をしていく必要があるというふうに考えているわけでございます。 それで、持ち家につきましては金融公庫の長期低利の融資というものが一番の支えになっておるわけでございますが、そのほかに税制というものも非常に大きなウエートを持っているのではないかと思っております。諸外国では、日本よりもはるかは進んだ住宅税制というものが行われているのは事実でございます。それを直ちに日本に導入することがいいのかどうかというようなことも私ども大きな課題になっておりまして、現在、鋭意研究をしているところでございますが、持ち家についてはそういったことを考えなくてはいけないと思っております。 それから借家の方でございますが、借家についての一番のネックはやはり土地代が非常に高いということでございまして、土地を買って借家を上は建てて経営をするということは、今コマーシャルベースでは成り立たないような状態になっているのではないかと思っております。現在、借家が非常に伸びているというのは、そのすべてが自分の持っている土地の上に自分で賃貸住宅を建てて経営するという形をとっておりまして、つまり土地を買うのではない形で賃貸住宅経営がなされているわけでございます。公団はいたしましても、公営にいたしましても、それから民間にいたしましても、こういった賃貸住宅を今後伸ばしていくためには地主さんの協力というものが得られないとなかなかやっていけないということが一つの大きな課題でございまして、そのためにどういうことをやっていけばいいかということを私ども今頭を悩ましているところでございます。 そういったことで、賃貸、持ち家ともどもいろいろ難しい問題がございますけれども、今後の旺盛な我が国の住宅需要に対処するためにこの問題について鋭意研究、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(木部佳昭君) 私、先ほど青木委員の答弁にも申し上げましたけれども、都市の計画の審議会に二十一世紀の未来都市の懇談会というものを設置していただいて、ここで二十一世紀のあるべき住宅都市を含めた全般的な基本的なあり方について有識者の皆さん方にいろいろその基本的な考え方を煮詰めていただこう、こういうことで発足していただいたわけです。 そこで、考えてみますと、我々は戦後四十年たっておるわけでありますし、日本は何といっても諸外国と比較して非常に土地が狭いという問題がございます。そういう中にあって、先ほど来いろいろ大変貴重な御意見をいただいたわけでありますが、一時、建設省の内部でも事務次官を長として土地や税制や住宅政策全般にわたっての検討会もあったようでありますけれども、今はそういうものは全然ないわけです。でありますから、私は、どういう方向か知りませんが、審議会は審議会として、また我々建設省は建設省として、あるべき住宅政策の基本は関してどういうふうにこれから二十一世紀に向けて私どもの住宅政策の歩むべき姿というものを見るかということが非常に大事な国民的要請でもあるし、また行政としてもこれを何としても考えていかなきゃならない、そういうふうに私は思います。でありますから、二十一世紀の未来都市懇談会あたりでもそういう問題等について抜本的な有識者の考え方をぜひ提言いただくようなお願いもしてみたい、こういうふうに考えております。 いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますように、戦後四十年たって、今日まで住宅公団なり、住宅金融公庫なり、また公営住宅の制度なりが担った役目というものは、先ほど馬場先生おっしゃったように、非常に大きなものが私はあると思うんです。しかし、時代はまたこれだけ大きな変化を来しておるわけでありますから、そういう問題に対しての対応策の模索をぜひ急いでしたい、こういうふうに考えております。
○馬場富君 次に、公営住宅の矛盾点について一、二お尋ねしたいと思います。 公営住宅の入居基準について若干お伺いいたしますが、公営住宅には第一種公営住宅、第二種公営住宅があり、それぞれ入居者の資格については収入基準が設定されておりますが、まずその収入基準はどうなっておるのか、お伺いいたします。
○政府委員(吉沢奎介君) 収入基準でございますが、これは全国統一で設けておりまして、一種につきましては、これは粗収入から、給与でございますと給与所得控除とか同居親族の控除とか、そういったいろいろなものを差し引いた残りの年間分を十二で割ったもの、この額が一種の場合は八万七千円を超えて十四万一千円以下、二種の場合は八万七千円以下ということにしております。これを粗収入に換算いたしますと、一種の場合は月額二十四万七千何がしを超え月額三十一万八千何がしという範囲になります。二種の場合は二十四万七千何がし以下ということでございます。
○馬場富君 どうもその収入基準は実態にそぐわないのではないかという点は、これは全国的に大きい声となって出てきております。現在、第一種住宅は八万七千円から十四万一千円以下となっておりますが、これでは最も住宅困窮世帯である若い層、例えば地方公共団体等に勤めてみえる係長級の人なんかがこういうことでは入居できないのではないか。住宅困窮者の実態を見ると月額十万円程度の収入の者であるから、これらの人々が入居できるよう第一種公営住宅の収入基準の上限をもっと引き上げるべきではないかという声が非常に強いわけですが、この点いかがでございましょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 申し上げましたように、一種の場合は八万七千円と申しましても、これを粗収入に直しますと月額二十四万七千何がし、十四万一千円というのは、正確に申しますと、粗収入に直しますと月額三十一万八千六百六十六円ということでございます。したがって、月額三十一万八千六百六十六円よりも多い方は入れないということになるわけでございまして、この額は一体どうやってはじいているのかと申しますと、これは貯蓄動向調査というのが毎年出るわけでございますが、これによりまして日本の国民の収入の状況が把握できるわけでございます。そこで、下から三分の一、三三%ぐらいをめどにいたしまして、そのぐらいの収入の人が一体幾らかというのを見まして、それより下の人にお入りいただこうということでつくっているわけでございます。 御存じのように、公営住宅というのは低所得者向け住宅ということでございます。その低所得者というものをどう考えるかということでございまして、国民の半分から上が高所得者で、半分から下が低所得者というふうに理解すればこれを二分の一に置けばいいわけでございますが、半分というのではいかにもおかしい、そうすると幾らだということで三分の一というラインを置いているわけでございまして、その三分の一をこの貯蓄動向調査という調査の結果で見ますと、申し上げたような三十一万程度の数字になるわけでございます。したがいまして、この調査に誤りがあればいざ知らず、私ども公営住宅の趣旨というものから見まして、三分の一というラインというものはこれを大きく引き上げることはいかがかというふうに考えている次第でございます。
○馬場富君 いろいろと説明がございましたが、いずれにしても、この公営住宅の一種、二種の基準のあり方については現場では大変矛盾があるんですよ。それで、不平も出てきています。だから、これについては現実に合わした中で、後から私はまた質問いたしますが、総合的に一遍これは現場で検討もされて再考する余地があると思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように、この収入基準が厳し過ぎるという声はあちこちから伺っております。これはどういうことか、非常にその場合場合によって違っておりまして、私どもなかなか把握が難しいわけでございますが、例えば鹿児島でございますとか、東北の方でございますとか、そういう僻地の方からも声が上がっておるわけでございます。ところが、先ほど申し上げましたような収入の考え方からいいますと、僻地へ行けば行くほどこの基準が有利に働くはずでございますが、僻地の方にかえってこういう御希望が強いこともございまして、いろいろ考えてみますと、しかるべき賃貸住宅が不足しているのではないかということが一つ考えられるわけでございます。 例えばお百姓さん、だれでもよろしいんですが、最近では長男でも結婚すると家を出て一軒別に世帯を持つ。それで、親が体が弱くなったりすれば、またその家へ入ればいい。したがって、外へ別に持ち家を持つということはなさらない。そうすると、どこか賃貸住宅へ入りたい。ところが、適切な賃貸住宅がない。そこで、公営住宅を貸してもらえないのかということになります。ところが、地方ですと、結構結婚なさっても両方共稼ぎをなさるわけでございまして、共稼ぎをなさるとこの収入基準を、これは下から三分の一ということでございますから、これを突破してしまう。そこで、公営住宅の収入基準を緩和すべきであるという、そういう御要望になって返ってくる。これは一つの例でございますが、こういうのが意外に多いわけでございます。そのほか、都会の方へ参りますと、あるいはサラリーマンの給与として結構ほかと比べて高い給料をもらっておられれば先ほど申し上げました三十一万八千円を突破してしまうという方もおられるのじゃないかと思います。 そういうことでいろいろこの収入基準についての御注文が非常に多いわけでございまして、私どももこの収入基準をずっと見直してきているわけでございまして、大体二年ないし三年に一遍見直しを行ってきております。それで、前回の見直しが行われたのが昭和五十七年の八月でございまして、既に二年有余たっておりますのでそろそろ見直しの作業に移らねばならないという状態になっているわけでございますが、何せ所得の伸びがいささか停滞しておりますので、大幅な伸びになるかどうかということについては危惧を抱いておるわけでございます。ただ、三分の一という考え方を捨ててもっと別の考え方をとれといいますか、もっと上の考え方をとれということになりますと、三分の一の上は五分の三とか五分の二、そういうのも難しゅうございまして、勢い二分の一に行ってしまうのではないか、そういうのが普通じゃなかろうかと思いますところから、一挙に二分の一に上げるのはいかがかという気もいたしておるわけでございます。
○馬場富君 ここで、建設省に、五十八年度で結構でございますが、公営住宅の平均家賃と住宅公団の平均家賃をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 公団の平均家賃でございますが、五十七年、これは新規供給の家賃でございます。古いものは非常に安いので、古いものまで入れますとぐっと下がりますが、新規供給するときの家賃が、五十七年に供給いたしましたものの平均家賃は六万五百円、五十八年が六万四千二百円、五十九年は、まだ完全に精査されておりませんが、六万九千二百円という数字が上がってきております。
○馬場富君 下と上と言ってください。
○政府委員(吉沢奎介君) 最低、最高を見ますと、これは幅が非常にございまして、五十七年で見ますと……
○馬場富君 五十八年度だけでいいです。
○政府委員(吉沢奎介君) 五十八年は下が二万九千円、上が十万八千円ということでございます。 それから公営でございますが、これは全国で見ますと、五十八年度は最高が五万四千円、最低が三千九百円、平均いたしまして三万六千七百十四円というふうになっております。これが一種でございます。二種は、全国で最高が四万四千三百円、最低が千五百円、平均いたしまして二万三千二百八十六円という結果になっております。
○馬場富君 私の方の調べでは、公営住宅の平均家賃が三万六千円から四万四千五百円というふうに出ております。それから公団住宅の方は八万四千三百円から九万三千六百円というところが平均家賃というようにとらえておるわけでございますが、もともと政府の住宅政策は持ち家取得の層には公庫融資を、それからホワイトカラー中間層には公団住宅を、そして低所得者層には公営住宅をという三本柱を中心に据えて取り組んできてみえるわけでございますが、実際にはホワイトカラー中間層と低所得者層との間に多数の世帯が存在していると思われるわけであります。それらの層に対する住宅対策がどうも欠けている。そこらあたりの問題です。 今申しましたように、公営住宅と公団住宅との差ですね、平均でいきますと結局三万六千円から四万四千五百円、これは公営住宅、住宅公団の方が八万四千三百円から九万三千六百円ということですが、こういう平均からいきますと、この間の層を救うべき手というのは考えなきゃならないのじゃないのか。これが私は結局今のデータの上から出てきた現場での皆さん方の声、先ほど申し上げました第一種の上限を上げてほしいという声もそこらあたりから出てくるわけです。一般の会社員にしても公務員にしてもかなり給与ベースが上がっておりますから、そういう点ではそこらあたりを勘案して、ここらあたりの救済も考えなければならぬと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 公営住宅につきましては、申し上げたように下から三分の一以下といいますか、そこら辺を施策対象に考え、公団につきましては第三分位の中位というから要するに真ん中程度を一応対象にするということが基本的な考えになっておるわけでございます。 現実の問題として下から三分の一よりちょっと上のところで公団の家賃との間に乖離が出てきているのではないかという御指摘でございまして、この平均家賃等から見るとそういうことも言えるのではないかという気もいたすわけでございますが、私どもの今までの考え方からすれば、その部分を埋めるものは何であるかといえば、どちらかといえば公団がそこを埋めるべきものだというふうに理解をしておったわけでございまして、ただ公団につきましては、用地費の高騰などがございまして、だんだん家賃が高くなってきているというところからその乖離が出てきたのではないかと思っております。 公団につきましては、今後建てかえでございますとか、あるいは市街地の再開発とか、そういったような土地代の余りかからないような形での建設を進めることによりまして家賃の上昇をとめていく、あるいは低減を図っていくというふうに努力をしてまいりたいと思っておるわけでございまして、そういう形でこの穴を埋めていければと思うわけでございます。 ただ、公営住宅につきまして、対象階層を引き上げて、そのかわりに家賃もやや多くいただくという方策につきましては、これも先ほどは私二分の一まで上がるのは問題だというふうに申し上げましたけれども、実は私ども今後の問題として勉強させていただきたいというふうに思っておる次第でございます。
○馬場富君 次に、公営住宅の問題の中でもう一点は、二種専用住宅のイメージの悪化の問題が一つあります。公営住宅でそれら中間層の住宅対策をカバーすべきだと基本的には考えているが、公営住宅に対する一般的なイメージが非常に二種専用住宅については悪過ぎるという点です。今はやりの言葉の中にマルビ住宅とも言われるような言葉も使われて、公営住宅の建物自体もさることながら、そこに入居している人たちも、母子家庭や、あるいは老人家庭、身障者といったように、何かイメージがいかにも低収入を印象づけておるような問題もあります。子供の教育上からも好ましくない現状でございます。 そこで、どうしてもこうしたイメージは振り払わなければ私は公平な政治とは言えないと思うんです。その点の努力はどのように指導されておるのか。やはり私たちの一案としては、間取りやあるいは階などで家賃格差をつけて入居者の意思でいろいろ選択できるような混合住宅のような形式を取り入れる必要があるのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 先生おっしゃいますように、公営住宅もこれも古くからやっておるわけでございまして、特に戦後の住宅絶対不足の時代に一生懸命建てろ建てろで建てた時代の公営住宅につきましては今非常に古くもなりますし、中身も小さいということで、先生がおっしゃるような状態になっているところが少なくないわけでございます。ただ、最近建てております公営住宅は、先生も御存じだとは思いますけれども、住宅の規模、団地の環境といった面でも決してそれほどひどいものではないといいますか、当時に比べれば著しく向上しているのじゃないかというふうに思っております。 それで、どういうふうにやっていけばいいかということでございますが、今後新しく建てていくものにつきましては、一種と二種を混合する、それからいろいろな家族構成に応じて住宅の組み合わせをするといったような措置を講じつつあるわけでございまして、先生のおっしゃるとおりだと思うわけでございます。 それから昭和六十年度から、先ほども申し上げましたけれども、こういう団地というものが余り同種の団地がたくさん家が並んでいるというのもいかがかということで、小規模な公営住宅を既成市街地の中に分散していくということがいいのじゃないかということでコミュニティー公営住宅の建設を行うことにしているわけでございまして、二十戸程度の公営住宅をあちこちの町の中に少しずつ配置していくということを今後ひとつやってみようと思っているわけでございます。 それから古い公営住宅につきましては、これは建てかえるということしかないわけでございまして、今公営住宅の約半分近くまで建てかえになってきているわけでございまして、そういうことによってこの居住水準の向上といいますか、おっしゃったような状態をきれいにするといいますか、そういうことに努めてまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 その意味で、今後公営住宅の建てかえ等積極的に推進していかなければならないと考えますけれども、公営住宅の建てかえ事業の施行要件は現在どうなっておりますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 建てかえ要件といたしましては、耐用年数の半分に到達して、状態が建てかえるにふさわしいという状態にあるものについては建てかえを行う、しかも建てかえはその現地において建てかえをするということが基本でございます。
○馬場富君 もう一点は、公営住宅の建てかえの問題について生ずるいろんな矛盾の点をお尋ねいたします。 建てかえが実施されれば、当然中高層化されて広くもなりますが、それと同時に家賃も高くなるわけです。だから、それで都心部の便利のよいところでは入居者は殺到いたしますが、郊外の交通の不便なところでは家賃が高くなることなどから入居者が減ってくる、空き家等が出てくるということも考えられるわけです。そうだとすると、建てかえ事業は同一場所に建てかえるというように、場所を固定せずに、もっと便利のよいところに建てかえる、あるいはその場所は他に有効利用するということも検討すべきじゃないか。ここにあったから、不便な地域で今家賃が安いからみんな我慢して入っておる。建てかえすると、この住宅もやはり高くなってくる。そうした場合に、ここでは要らぬということも起こってくるから、そういう点では必ずしもその地だけで限定せずに、やはり建てかえの場合には場所を変えてもいいのではないか。そうすれば入居者も考慮されるのじゃないかという点等も出てきますが、この点はいかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 建てかえをどこでやるかというお話でございますが、公営住宅の古くつくられたものについては大体非常に便利のいいところに建っているものが多いわけでございまして、それがしかも土地の面では比較的余裕を持って建っているというようなものもあるわけでございます。建てかえというのはその建物自体の居住水準を上げる、きれいにするということもございますが、建てかえによって、できればさらに戸数の面においても少し余計に建てることができる、そういうメリットもあるわけでございます。それから一番のメリットは、建てかえの場合は新しく土地代が要らないというところが大きなメリットになっているわけでございます。 それで、おっしゃるように場所を変える場合、もちろん考えられないわけではございませんですが、場所のいいところにあるものを仮に少し場所の悪いところへ持っていくということになりますと、その面での問題が一つございます。それから新しいところへ持っていっても、そこで土地を新しく買うという場合はその分がかさんでくるわけでございまして、もっとももとあった土地を高く売れれば、それをそっちへ投入すればいいということもあるいはあろうかと思いますが、いずれにしましても、行った先の土地が非常に安いということになりますと場所的には不便なところに行くことになりますので、前に入っていた方々がそれで承知されるかどうかとか、いろんな問題が出てくるのではないかというふうに考えておりますが、一つの方策ではあろうというふうに考えております。
○馬場富君 私が言っておるのはそうではなくて、二種の住宅、専用住宅で不便なところで現在ある地域が随分あるわけですよ。二種の以前の家賃ですから非常に低いから、不便でも、遠いところでも我慢して入ってみえるわけですけれども、これがそこで中高層化されるとそこなりに不便なところでも高くなってくるという点で、これならもう少し便のいいところに変わってそちらへ入った方がいいという、そういう人が多くなってきておるということです。そこで、建てても今度は入り手がないというような状況になってくる。弊害も出ておるから、必ずしも前に建っておったところに必ず建てなきゃならないという、こういう基準を余り固定せずに、そこは柔軟に考えて、そして皆さん方が入りやすいような状況で建てかえの場合は考えていくべきではないかというふうに思いますが、いかがですかということです。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃることはわかりました。 おっしゃるとおり、現に不便なところに建っているような場合はまさにおっしゃるようなことになろうかと思います。そういう場合は、そこであえて土地が有効に使えるからといって、家賃が高くなれば空き家になるということもございますので、そういう場合は建てかえ用についてはおっしゃるように十分研究しなくてはならないというふうに考えております。
○馬場富君 最後に、本日は住宅金融公庫改正法の質疑でございますが、本案と住宅建設に関係のある木材関係について質問いたします。 そこで、木材の問題と、そのもとをなす林地及び木材消費拡大問題について若干触れてみたいと思います。 林地荒廃についてお尋ねいたしますが、近年、森林の多面的な機能に対する国民の要請が高く、かつ多様化しております。中でも、木材の生産や国土の保護、水資源の涵養などの公益的機能の発揮に対する国民の期待は大きいものがあります。しかし、近年までほぼ健全な生産活動を通じて森林資源の維持、造成を支えてきた林業が経営の採算性の悪化、生産基盤の未整備あるいは山村地域の過疎化の進行等から著しく不振に陥っております。その結果、適正な管理を行うことができない森林が増加しておるわけでございます。そこで、それらの問題をどのように解決しようとしているのか、まず林野庁にお伺いいたします。
○説明員(三澤毅君) 先生御指摘のとおり、近年、森林の有する国土保全あるいは水資源の涵養等の諸機能の高度発揮に対する国民の要請、これは一段と高まっているところでございます。 一方、我が国の林業の現状を見ますと、木材需要の減退に伴います木材価格の下落低迷、林業経営諸経費の増高等から林業生産活動力が停滞し、極めて厳しい状況になっているところでございます。このため、造林、林道等の林業生産基盤の整備や林業地域の活性化とあわせまして、昭和五十八年に間伐、保育等の森林の整備を推進する森林整備計画制度を創設いたしました。また、五十九年には保安林の機能回復を図るため、特定保安林の制度を創設いたしました。また、六十年度におきましては、間伐の計画的な実施から間伐材の流通加工あるいは利用開発に至る総合的な間伐対策として新間伐促進総合対策事業など、各般の施策を積極的に推進しているところでございます。 今後とも、これらの施策を推進することによりまして、森林を適切に管理いたしまして、その有する諸機能が高度に発挿されるよう努めてまいりたいと考えております。
○馬場富君 もとより、森林の育成は厳しい自然環境の中で長期間行われておりますために、風害とか、水害とか、干ばつあるいは凍害、潮害など気象災害や病害虫等によって非常にこれが侵されてきておりますが、その回復は非常に困難なものとなってきておるわけでございます。そこで、森林災害の予防をより一層促進し、被害を最小限度に食いとめることが非常に重要となってきておるのではないか。そのための被害防止対策はどのようになさっておるのか、また今後どう考えておるのか、お伺いいたします。
○説明員(三澤毅君) 御指摘のように、いろいろの公益的機能を持っております森林も一たび被害を受けますとその回復に長期間を要するわけでございまして、私どもといたしましてもいろいろ考えながらやっていかなければならないと考えているところでございます。このため、保育、間伐等の適切な施業を推進するということが一つでございまして、それによりまして健全で活力のある森林の育成を図る。同時に、森林病害虫対策、林野火災予防対策等の各般の保護対策等にも努めていかなければならないと考えているところでございます。 特に、松くい虫被害対策につきましては、松くい虫被害対策特別措置法、この法律に基づきましてその積極的な推進に努めているところでございます。なお、被害を受けた場合には造林補助事業あるいは林業改善資金等によりまして速やかな復旧が図られるよう努めてまいりたい、このように考えております。
○馬場富君 最後に、申し上げるまでもなく、日本は雨が非常に多い地帯でありますし、そのためにやっぱり鉄筋コンクリートの住宅よりも木造家屋の方が適しておるという専門家の意見もございます。しかし、近年の木造住宅の割合を見ますと、昭和四十五年が七〇%であったものが次第に低下して、五十九年には五〇%に低下して、今後も減少の一途をたどっておるわけでございますが、木材の需要がなぜ落ち込んでいくかという原因を見なければなりませんけれども、そういう点で非常に落ち込みの状況がひどいというように我我は見るわけでございます。 そこで、木材の使用というのは非常に用途が狭くなってきた、その需要の減退をどう解決していくかということがございますが、国においても木材の新規需要の開発や木材消費の拡大に努めるとともに、公庫においても木造物を建築する者に対する貸出条件をもっと改善していくとか、そういうような点で配慮をするとかいう点がないものか、林野庁及び金融公庫の所見をひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(脇元裕嗣君) 国産材を中心といたしまして木材需要の拡大を図っていきますことが、我が国の林産業の振興だけでなくて、山村地域の発展等のためにも大変重要なことでございます。先生御指摘のように、我が国の風土には木造住宅は大変適しているわけであります。したがって、このために、まず一つは、木造住宅の建設の促進。二つ目は、木造住宅でなくても、建築物の床であるとか、壁であるとか、あるいは天井等の内装材としての木材利用の促進。それから公共施設あるいは補助事業等各種の施設に木造化を推進する。それから最近新しい技術として開発をされつつありますLVLという単板積層材、あるいは間伐材等をつないで板をつくります幅はぎ板、こういった新しい新製品の技術開発、普及にも努めているところでございます。 今後は、木材の価格の安定とその販路の一層の拡大を図るという観点から、木材流通の改善合理化、あるいは継ぎ手仕口といったほぞ穴をあらかじめ機械であげておくプレカットといったことを推進する中で、住宅建築の工期の短縮であるとか、あるいは新技術の開発、普及にも積極的に取り組んでまいりまして、施策の拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。
○参考人(川上幸郎君) 住宅金融公庫におきましても、そのシェアは低下いたしておりますが依然その大きな要素を占めております木造住宅の重要性は十分認識いたしております。 条件改善といたしましては、かつて昭和五十三年に木造住宅の償還期間を十八年から二十五年に延長して借りやすくしたということもございますが、その他割り増し貸し付けといたしまして例えば木造住宅についてのみ適用される耐久性能の向上工事、例えば防腐工事、それから防蟻、アリに対する工事でございますが、このような工事に対する貸し増し。特に、六十年度におきましては、木造住宅の多い丙地域につきましてこれを乙地域に統合いたしますと三十万円程度の引き上げが行われますので、このような条件改善。さらには、木造住宅の建設により地域の振興を図るための地域特別分譲住宅につきまして割り増し融資額を一〇%から一五%に引き上げる。または、地域の中心産業でございます木材関連産業を積極的に活用し、木の文化都市の形成を行う等、地域特性を踏まえました住宅建設を推進するいわゆるHOPE計画でございますが、これに適合する住宅に対する割り増し貸し付けを行う等、いろいろ措置を講じたところでございます。 今後ともいろいろ検討してまいりたい、このように考えております。
○馬場富君 終わります。
○柄谷道一君 私に与えられている時間は極めて短いものですから、答弁は簡にして要を得たものをお願いいたします。 まず、建設省が去る一月三十日に発表いたしました五十九年一年間の新設住宅着工戸数は速報ベースで百十八万七千戸、対前年比四・四%増となりまして、一部には六年ぶりに長期不況から抜け出したかのごとき見方がございますが、その内訳を見てみますと、貸し家が対前年比一七・七%増の四十六万四千戸であるのに対して、持ち家は前年比九千戸減の四十七万戸、これは昭和四十年代以降では最低水準に落ち込んでおります。また、マンションや建て売り住宅等の分譲住宅も一万二千戸減の二十三万一千戸と低迷状況を脱し切れておりません。建設省はこのような貸し家建設ブームを一過性のものと見ておられるのかどうか、お伺いします。
○政府委員(吉沢奎介君) お答え申し上げます。 最近の貸し家建設が非常に好調だという原因でございますが、需要面で見ますと、国民の住宅に対する意識というものが貸し家でもいいというところから貸し家の方がいいというような方に変化をしてきている、そういう変化というものがうかがわれるわけでございます。それから、単身者あるいは夫婦だけの家族といった小人数の世帯というものが非常に増加しております。こういったことで、持ち家を持つまでもなく貸し家の方がいい、こういうふうになっている面がうかがわれるわけでございます。また、供給の方の面で、地価が安定しておりますところからその土地をどういうふうに利用していこうか、地価が高騰を続けておればただ裸で持っていてもいいんですが、安定してまいりますと何かそこで利潤を上げていきたい、その方法として貸し家経営というものが見直されてきているということがあるのではないかというふうに思われるわけでございます。 こういったことがうかがわれるのでございますが、これが永続的なものか一過性のものかということにつきましてはもう少し分析、検討してまいりたいというふうに考えておりますが、この状況は少なくともしばらくは続くのじゃないかというふうに考えております。
○柄谷道一君 ただいまの答弁でございますが、日銀が三月六日に最近の住宅投資動向に関する論文をまとめております。それによりますと、貸し家が好調で持ち家が伸び悩んでいる背景として三つのことを挙げているわけでございます。 その一つは、人口動態から持ち家の新規需要層である三十代の世帯主数がこのところ横ばいなのに対して、貸し家の需要層である三十歳末満層が五十六年を境にふえておるということ。第二は、持ち家取得後のローン返済負担が、可処分所得の伸び悩みからかつてほど軽減されていないということ。第三には、今、局長も申されましたが、建築コストの低下、家賃の安定的伸びから貸し家経営が改善されている。この三つを挙げております。 私は、この三つの背景からすれば、今御答弁されましたように、当分の間貸し家建設ブームは続くと見なければなりません。しかし一方、ここで考えなければならないことは、貸し家の場合、建物のグレードが低い、標準家族の永住の場になりそうもないという面を見逃してはならぬと思うのであります。 例えば、プレハブアパートを例にとりますと、三・三平方メートル当たりの標準価格が二十一万円台と専用住宅の半分というものさえあると言われておりますし、外観はモダンでも居住性能はかつての木賃アパートと変わらないものも相当あると言われております。伸びた賃貸住宅の平均床面積は四十六平方メートル、これは持ち家の半分にも満たない状態ではないかと思います。これでは昭和三十年代中期のアパートブームの再来とも受けとめられるわけでございます。 私は、この貸し家建設がふえておるということに対する建設省としての基本的な認識、対応策は一体どう考えておられるのか、お伺いします。
○政府委員(吉沢奎介君) 先生のお話ございました貸し家の居住水準といいますか規模の面で見ますと、新規着工で見ますと四十六・三平米ということで、持ち家自体をとりますとかなり大きくて百二十五になっておるわけでございますけれども、貸し家の方はだんだん小さくなってきております。それで、私ども単に小さくなってくるということをとらえればこれは余り芳しくないことだというふうに思っておるわけでございますが、ただ入居者の方が、例えば東京では単身者世帯が全世帯の三分の一いるわけでございまして、夫婦だけの世帯も入れればさらに多いわけでございますが、こういった核家族化というものが非常に進んでおるために、小人数であれば四十六平米でも居住水準の面から見てもまあまあということになるわけでございまして、これは相対的な関係であろうというふうに考えております。 先生、昔の木賃並みの家が多いとおっしゃいましたけれども、そういう家も確かに見かけますけれども、一般的に申しますと、設備、性能の面では、家は狭くてもシステムキッチンは持ちたいとか、あるいは断熱、遮音の効果がなくては最近はいけないのだというようなことで、設備、性能面の向上はかなり見られのではないかと私どもは思っているわけでございます。いずれにいたしましても、大都会において、先生おっしゃいましたような、四、五人向けといいますか標準家族向けの賃貸住宅が不足していることは事実でございまして、私どもこの標準家族向けの賃貸住宅の建設の促進というものは図っていかなくてはならないと思っているわけでございます。 今後の住宅政策でどういうふうに理解しているかというお話でございますが、先ほども申し上げたんですが、要するに持ち家に対する志向というものは非常に強いものがございます。反面、この借家ブームというのが、先ほどお話があったように、一過性なのか永続的なものなのか、これはなかなか分析困難な面もございますけれども、いずれにしましても、申し上げたような標準的な賃貸住宅が不足しておりますので、賃貸住宅対策も今後大いに力を入れていかなければならないというふうに考えております。
○柄谷道一君 観点を変えますが、個人消費が伸び悩む中で、住宅金融公庫の個人向け融資のうち六カ月以上返済がおくれておりますいわゆる長期延滞件数は、五十八年度末で対前年比二六%増、件数で七千六十件、過去の最高を記録しているのではないかと私は承知しております。本年度に入りましても毎月百件以上ふえ続けております。また、民間住宅ローンが焦げついた場合に損害保険会社がかわって返済する住宅ローン保証保険の保険金支払い額も、ここ数年六百億ないし七百億円台で推移いたしております。これは五十年度実績の十倍以上にも及んでいると私は思うのでございます。建設省は、こうした状態に対して、どう認識し、どのような対策を講じられておるのか、お伺いします。
○政府委員(吉沢奎介君) 先生からお話ございましたように、六カ月以上の長期延滞件数でございますけれども、七千六十件ということは事実でございます。これは全体から見ればパーセンテージとしては〇・一四%という程度ではございますが、歴年増加しつつあることは確かでございます。 この原因といたしましては、分析いたしますと、会社が倒産したとか、あるいは営業不振に陥ったとか、病気で臨時の出費をしたとか、こういったことが延滞の原因になっておるわけでございます。 住宅ローンの事故の防止につきまして、金融公庫でございますけれども、住宅取得の際に、少なくとも所要額の二、三〇%の自己資金を用意しなさい、あるいは年収に占める返済額を、これはちょっと多いかもしれませんが、二五%以下に抑えなさいというようなことで、無理のない資金計画や返済計画を立てるように指導をしておるわけでございまして、パンフレットなどを出してPRをしておるわけでございます。 それから病気とか失業とか経営不振で償還が難しいという者につきましては、債務の実情や本人の希望などを聞きまして、一時的に負担を軽減すること、延べ払いにするとかあるいは払い込み方法を変えるとか、こういった措置を講じているわけでございます。こういうことで、無理のない資金計画をお立ていただくように今後とも指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 第四期住宅建設五カ年計画の目標は、最低居住水準四人平均世帯で居住専用面積五十平米ということであったと思います。これを達成する見込みがあるのか。ことしが最終年度に入っているわけですね。特に、公的借家で最低居住水準未満の世帯がかなり残っていると思いますが、今後の対応策についてお伺いします。
○政府委員(吉沢奎介君) 最低居住水準未満の世帯が、五十八年の調査によりまして全国で三百九十五万世帯ございます。全世帯の一一・四%でございます。五十九、六十と二カ年があるわけでございますが、この二カ年問でこの解消というのは私ども到低困難ではなかろうかと思っております。 それから公共借家の居住水準でございますが、確かに古く建てたものがたくさんございまして、居住水準の低いものが多いわけでございます。公営住宅につきましては、既に建てかえという事業をずっとやってきておるわけでございます。予算の関係その他ございまして、まだ全部をカバーしていくというのは容易ではございませんけれども、とにかくそういった建てかえとそれから既存ストックにつきまして住戸改善事業ということで増改築をやっておるわけでございまして、こういった建てかえ、増改築を通じて居住水準未満の公営住宅の改善を図っていきたい。 それから公団住宅につきましては、これはやや立ちおくれておりまして、住戸改善は五十七年度から、中層住宅の増築は五十九年度から実施しており、建てかえについては六十年度から調査に着手していこうということでございまして、今後鋭意努めてまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、今四点について質問してまいりました。しかし、多くの問題をはらんでおります。私は、こういう現状というものを直視するならば、本法案のような部分的かつ小手先と言っては失礼かもしれませんが、改正ではなくて、もっと抜本的に、例えば住宅取得の負担を軽減するための措置、例えば欧米で行われている民間金融機関からの住宅ローン支払いを所得から控除するといったような方法の導入、住宅の質的向上を図るための建てかえ、改善に関する融資を拡充して新築に準ずる方向に持っていくような融資額、貸付条件の改善、さらには賃貸住宅の質的向上のための賃貸住宅の割り増し償却等の誘導施策、さらには現在建物の建築を阻んでおりますのは土地代でございます。 ところが、現在の融資制度では、土地は建物の附属物ということで、木造であれば土地も含めて二十五年で返せ、こういうことではなくて、建物には耐用年数がありますからそう延ばせないにしても、住宅用土地の取得に関して、大臣もちょっと言われましたけれども、これは償却しないものですから親子二代で返却していくというような特別の土地融資制度の創設などを検討するのが先決ではないか、公庫融資制度の抜本改善にこそ今真剣に目を向けなければならないと私は思うのでございます。大臣の政治家としての御所見をお伺いいたします。
○政府委員(吉沢奎介君) 私から最初に御答弁させていただきたいと思いますが……
○柄谷道一君 簡潔に願います。
○政府委員(吉沢奎介君) はい。 先生から御指摘のありました中で私ども非常に関心を持っておるのが住宅ローンの利子控除の問題でございまして、これは欧米で行われております。ただ、アメリカは青天井といいますか幾らでも適用される。ヨーロッパの場合はいろいろな形で制限を設けております。我が国では、この青天井でやることは高額所得者優遇策につながるので到底不可能だと思いますが、制限を設けてやることならば不可能ではない。ただ、ローン利子控除の制度がよろしいのか、現在やっております税額控除制度を拡充するのがよろしいのか、ここら辺は議論の分かれるところでございまして、私どもそういった意味でこれの勉強を大いにしているところでございます。 なお、住宅金融公庫の融資の改善策につきましては、これは一生懸命努力していきたいというふうに考えております。
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来、私御答弁申し上げておりますように、住宅金融公庫なり、住宅公団なり、また今日まで住宅の建設に非常な貢献をされてきたそういう制度というものを高く評価しなければならぬと思いますが、御承知のとおり戦後四十年近くたっておりますし、また高齢化社会を迎え、国民のニーズ、それから都市のあり方というようなもの等をいろいろ考えてまいりますと、非常に大きな転換期に来ております。 また、同時に、これからもう少しきめの細かい、人生五十年から八十年の時代というようなことを考えてみましても、一世代で返せなければ二世代だというようなそういう環境全体を考えてみても、今までの制度をさらに私どもは半歩でも前進させて、そして国民の皆様方が税制や土地政策全般を含めて持ち家なりそういうようなものを持てる社会というものを築き上げるということが政治の使命でありますから、そういう方向に向かって半歩でも一歩でも前進できるような、そういう見直しをするということが非常に大事な時期に来ておる。先ほど来いろいろ御指摘いただきました点が非常に我々に対して有益にもなりますし、我我も勇気を持って困難な問題に立ち向かっていきたい、そう考えておる次第であります。
○柄谷道一君 大臣の手腕を期待いたしておきます。 法案の内容に入りますが、この法案には宅地造成資金貸付対象者の拡大、災害復興住宅購入資金貸し付けの新設、住宅改良資金貸し付けの償還期間の延長といった改善部分は確かにございます。しかし、貸付手数料の新設については到底認めることができません。私は、この構想は建設省が好んでつくった制度ではなくて、大蔵当局の戸数を減らせ、利率を上げろという意見に大臣以下が強く抵抗した結果の妥協の産物であると認識しております。しかし、しょせんは鬼っ子であることは間違いない事実でございます。 初年度六十億円、平年度百五十億円の金を稼ぎ出すために、住宅政策を後退させ、現在の政治に最も求められている内需拡大に水を差す結果を招くことは、頭隠してしり隠さずの批判を免れないと思うのでございます。また、この措置は、実質的に一戸当たり住宅建設の金利を五・五%から五・五六%に、マンション購入の金利は五・五%から五・五三%に引き上げる内容に通ずると思うのでございます。 そこで、大臣にお伺いしますが、この措置がそれでなくても落ち込んでいる持ち家住宅取得の意欲をそぐおそれはないと確信されておるのかどうか、お伺いします。
○国務大臣(木部佳昭君) 貸付手数料の問題は、個人建設の場合に一件四万円と言われておるわけでございますが、私ども率直に申し上げまして、予算編成の際にも財政当局から財政が厳しい中でございますからいろいろな注文があったことは事実でございます。しかし、厳しい中におきましても、五・五とか、五十万の無抽せんを四十九万戸とかというような、その他若干制度の改革の問題もありますけれども、そういう根幹はどうにか守ることができた。これはやっぱり政策当局にしても財政当局にしても最終的にはわかるわけでありますから、そういう点で根幹は維持することができた、そういうふうに思っておるわけでございます。 先ほど来、私答弁をたびたび申し上げておりましたように、これは残念なことでございますけれども、初年度で約六十億ぐらい、平年度で百五十億ぐらいと言われていますけれども、そういう中にありましても、何といっても貸付条件を改善するということが私どもの建設行政を預かる立場としてのやらなければならない、御理解をいただかなきゃならぬ、そういう問題について支持をいただかなきゃならぬ、また諸制度の改善の実現をしたい、こういうことが我々の当然の使命でありますから、そういう問題に向けてできる限りの前進をするために、また改善をするために努力をさせていただきたい、こう思っているわけであります。
○柄谷道一君 貸付手数料は政令で定める額となっております。もちろん、第二十二条の四で、貸し付け申し込みの審査、工事の審査その他の貸し付けに際して必要な事務に要する費用の範囲内とされておりますし、回収の事務経費は含まれないことが明らかにされております。一応、法律上の歯どめはあるわけでございますが、この二十二条の四による限り、当分の間貸付手数料を引き上げることはないと理解してよろしゅうございますか。また、住宅金融公庫の五・五%、無抽せん貸付体制は今後崩さない決意であると理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 貸付手数料でございますが、先生おっしゃったような法律上の縛りがございます。いろんな手数料がございまして、いろんな手数料は物価の高騰などによってある期間を置いて見直されている状況でございますが、この貸付手数料につきましても物価が高騰すれば上がるという可能性をまるっきり否定するわけにはもちろんまいらないわけでございますが、電算化の推進あるいは貸付事務の合理化などによりまして、できる限りこれを維持したいというふうに考えておるわけでございます。 また、公庫の五・五%とか無抽せん体制というものは、私どもこれが住宅政策の根幹でございます。ぜひ堅持してまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 大蔵省、来ておられますか。——大蔵省にお伺いいたしますが、臨調ではその答申において、住宅金融公庫の利子補給金の繰り延べは、具体的に名前を挙げまして、一時的ないわば緊急避難措置、実質的な赤字国債であると指摘をして、制度の根本的改革につながらないこのような措置は今後回避し、既往の措置はできる限り早期に解消すべきである、こう答申いたしております。公庫の補給金を特別損失として後に繰り延べるという措置を六十五年度、償還完了は七十五年度までかかりますが、存置するというこの法案が大蔵省は臨調答申に沿うものと確信を持てますか。
○説明員(涌井洋治君) 臨調の答申の中で、ただいま先生の御指摘があったような提言が書かれているわけでございます。ただ、この厳しい財政事情の中でバランスのとれた住宅施策を展開しなくてはいかぬ、そういう状況であること、それからこの補給金は将来は減少していくということを勘案した上での平準化措置でございますし、また一般会計で利子補給を肩がわりさせるということでなくて、繰り延べの限度額を確定して繰り延べに伴う利子を一般会計で補てんするほか、繰り延べ分を法律の定めるところにより後年度政府が責任を持って交付するという仕組みにしているわけでございます。また、このような措置を常態化させることのないよう繰り延べ期間を財政の対応力の回復を見込めるまでの最小の期間である六十五年までとしているところでございまして、臨調の答申の趣旨には反していないのじゃないかと考えております。
○柄谷道一君 大臣、臨調答申を最大限尊重というのは中曽根内閣の国民に対する公約でございます。今、大蔵省が言われましたけれども、素直に読んでこれが臨調答申に沿うものだというふうには到底受けとめられないわけですね。私は、臨調委員にも聞きました、これは臨調の認めた範囲内ですかと。これははみ出しているなと、皆言っておられます。金利差一・六%などはこれは本来、補給金で措置すべき性格のものでございまして、それを特別損失として財投から借り入れて補てんするということは、これはいわば小手先の財政操作にしかすぎないわけでございます。臨調も厳に慎めと言っているところはここにございます。 また、後に交付金として補てんされるにしても、公庫の経営の弱体化を招いて公庫事業の運営に支障を与えることはないのかどうかという疑問が生じてまいります。また、厳しい財政事情が続くわけですから、その中で金融公庫の利子補給金が増加すれば公庫事業以外の住宅政策に影響するおそれが出はしないかということを懸念する意見もございます。これらの問題について、大臣、中曽根内閣の一員でございますから、明確にお答えいただきたい。
○国務大臣(木部佳昭君) 前段の問題は、我々中曽根内閣の公約でございますから、我々はこれを実行するために最善の努力を尽くしていかなきゃならない、そういうふうに考えております。 それから後段の問題につきましては、損失金やそれから補給金の問題につきましては先ほど大蔵当局から答えたようなことでございまして、私は公庫の事業には支障がない、そう信じておるわけであります。
○柄谷道一君 どうも納得いたしかねますが、これ以上の議論は避けましょう。 五十六年にスタートしました第四期住宅建設五カ年計画は最終年度に入っております。しかし、公的資金による住宅建設の進捗率は全体で九五・六%に達する見込みでございますが、民間自力建設分は三四%と推定されております。計画戸数の達成は到底不可能と思われます。第二には、六十年度までを目標とした最低居住水準の実現も、局長が答弁されましたように、実現は不可能でございます。第三点は、さきにも指摘いたしましたが、民間自力建設住宅戸数の底上げをしている賃貸住宅の一戸当たり平均規模は四十六平方メートルであって、これは十三年前の居住面積に逆戻りいたしております。私は、既に四年を経過した第四期五カ年計画を見て、このような問題を抱えていることは率直なこれは現実であろうと思うのでございます。 これらの問題は、次の第五期住宅建設五カ年計画の重要な視点を示唆していると認識をいたしております。公的賃貸住宅に民間賃貸住宅の質改善の先導役を果たさせる公団、公営住宅をふやすことが求められていると思いますし、また第五期計画を特別損失金方式で推進することにも多くの問題を抱えていると思うのでございます。時間が余りありませんが、第五期五カ年計画の主要テーマについて明らかにしていただきたい。
○政府委員(吉沢奎介君) 第五期五計は、現在、私ども住宅宅地審議会に御諮問申し上げておるわけでございまして、最終的な答申は今年六月を目途にお願いすることになっておるわけでございます。 ただ、この計画の主要な課題は何かということになれば、これは何といっても住宅の質の向上ということでございます。質の向上のためには、住宅建設を促進すること、それから既存ストックをよくしていくこと、それから住宅関連技術の開発を進めていくこと、この三つが大きな課題であろうというふうに考えております。 特に、御指摘ございました賃貸住宅の関係につきましては、これは一番のネックというのはやはり土地の問題でございまして、土地代をまともに組み込んだら賃貸住宅は経営が成り立たないというところに大きな問題がございます。民間の賃貸住宅につきましては、これを何とか回避するということのために、新規に用地の取得を必要としない、つまり土地所有者による賃貸住宅の建設を何とか促進させていくいわゆる施策民賃制度を中心とした施策を今後拡充していく必要があろうかと考えております。 公営、公団につきましてもやはり同じ問題がございます。賃貸住宅につきましては、やはり土地の問題が大きくのしかかっているわけでございまして、このためには建てかえとか、あるいは既存団地の活用、あるいは民間と共同で市街地住宅供給促進事業というのがございますが、いわゆるげた履き住宅でございますが、こういったものを促進する、あるいは一般的に市街地再開発というものを促進していく、こういったことが肝心ではなかろうかというふうに考えております。 〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
○柄谷道一君 良質の住宅を大量にということがテーマの主題であるとすれば、単なる計画をつくるだけではこれは実践できないわけです。それには融資額がその目的を達するために現行の金額で適当なのかどうかということも当然検討されなければならないし、その五カ年計画のテーマを実践するに当たっての基礎的条件の整備というものが伴わなければ単なる計画に終わってしまうと私は思うのでございます。第四期計画は実現がなかなかできなかったという原因にもそこらの問題が背景にあったのではないか、私はこう思うのでございまして、ここらは第五期計画をつくるに当たって基盤的条件を改善していく、こういう配慮に立っての検討を大臣にぜひお願いをしておきたい、こう思います。 そこで、地価の高値安定が住宅建設を阻害している大きな要因であることについては多くを語る必要はございません。第五期計画の裏づけとなるのも宅地供給の問題が中心になろうと思うのでございます。そこで、簡潔にお答えいただきたいが、今回の法改正で宅地供給がどの程度進むとお考えなのか、建設省の規制緩和がどのような効果をあらわすとお考えなのか、あわせて現行の宅地需給長期見通しについて見直す用意ありや、以上三点をお伺いします。 〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
○政府委員(高橋進君) 順序が逆になりますが、最後の、現在の宅地需給の長期見通し、五十六年に策定しておりますが、これを見直す用意があるかということでございますが、これにつきましては第五期の住宅建設五カ年計画の前提になることでもございますので、具体的には今年度中に見直したいというふうに考えております。 最初の、今回の法改正によってどれだけ宅地供給に結びつくかということにつきましては、これは量的に何へクタールふえるということは、いろんな要素がございますのでちょっと申し上げられませんが、土地区画整理組合が行う場合に民間事業者が一括委託を受けてやることに対する融資によりましての効果というのは相当程度あるというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、宅地対策の中で宅地化が一向に進まない地区、整理事業済みの未利用地の活用だけでも約一万ヘクタールの土地が整備されながら放置されたままになっているということも新聞報道で伺っております。土地政策については総合的施策が確立されるよう、この際、特に求めておきたい。 そこで、五カ年計画の策定に当たっては当然今後の高齢化社会の到来に備えて高齢者を十分に配慮した施策、例えばケアつき住宅とか二世帯同居住宅等を盛り込む必要があるのではないかとも思いますが、お考えを聞きたい。 あわせて、最後に、住宅政策、内需振興等において住宅金融公庫の果たしている役割は極めて大きいと私は評価いたしております。まして、内需の拡大が緊要の政治課題になっております今日、住宅投資の拡大と公庫の拡充は極めて重要な政治課題でございます。住宅の建てかえ、住宅取得に当たってはライフステージに応じた供給方策を採用する必要がある。かつ、居住水準の向上、質の向上を積極的に今後推進しなければならない。住宅金融公庫融資は住宅政策の中核的手段であります。その拡充には特段の努力を払う必要がある。 以上、私の所見に対する大臣の総括的な御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○政府委員(吉沢奎介君) 高齢化対策についてちょっと申し上げたいと思います。 高齢化対策は住宅政策においても極めて重要でございます。私ども三世代同居あるいは単身老人に対する対策、あるいは近親者と、近居、隣居と申しておりますが、スープの冷めない距離において生活することの対策、こういったものについていろいろ考えておるわけでございまして、現在においても公営住宅におきまして例えば老人向け住宅を供給しておるとか、あるいは公団住宅において入居の優遇措置を講ずるとか、住宅金融公庫融資において老人同居割り増しをやるとか、その他いろいろそういう制度を持っておるわけでございますけれども、これではまだ十分でございませんで、今後いろいろな形で考えていかなくてはならないと思っております。 特に、老人の場合は、健康な老人、あるいは軽度の障害を持った老人、あるいは寝たきり老人、いろんな形態がございまして、それぞれに応じた対策が必要でございますが、特に寝たきり老人なんということになってまいりますと、これは住宅行政だけではなかなか手がつかない、これは厚生省などの協力を得つつ一緒にやっていかなくてはならない面も非常に多うございます。 御指摘のございましたケアつき住宅につきましては、これはイギリスなどに例がございまして、私どもこういったものを日本でもやれるかどうかということを考えておるわけでございますけれども、これも寝たきり老人ということになってまいりますといろいろ問題が出てくるし、介護人をどう置くかということになりますと、これは厚生行政とも関係してくるわけでございまして、そういうことで今後厚生省と連絡をとりながら、この老人対策につきましては私どもでできること、厚生省と一緒にやること、ともども勉強し、かつ推進してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど先生から住宅対策の基本はまさに宅地の供給であるというふうなそういう御指摘で、私も全く同感であります。 何といっても、これから住宅を促進する場合でも宅地の供給ということが一番大きな課題でございます。一つは、先ほど御指摘のように、未利用地をどういうふうに有効活用するとか、規制の緩和をどうするとか、大都市における開発指導要綱なんかもある程度まで緩和を見直さなきゃならぬ。それから税の問題、ことしの予算なんかでもかなり税の問題はよく見ていただいておるわけでございますが、そういうふうないろんな対策を立てながら、私どもは住宅政策の推進のために、これから一歩でも半歩でも前進するように最善の努力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。でありますから、私は基本的には先生と考え方にそう大きな相違はないというふうに理解をいたしておるわけでございまして、これからも御指導、御鞭撻をいただきたいと思います。 ただ、今、内需の拡大の問題、貿易摩擦の問題と関連性があって大いに論議があるところでございまして、私どもも、これは内閣全体の責任であり、また政治の当面の課題でありますから一生懸命取り組んでいかなきゃいけません。しかし、何せ、今予算もおかげさまで通過して、そして六十年度予算というものは、財政の非常な厳しい中にありましても、我々建設省にとりましては一割カットの問題もございますが、しかし福祉行政その他と比政してみましても公共事業全般について非常な財政当局からも配慮をいただき、また党主導型の公共事業の促進のために配慮をいただいておるわけでありまして、たまたま一律一割カットの法案をこれから参議院で御審議いただくわけでありますから、これを一日も早く成立願って、そして予算の範囲内でできる手は最大限にこれを発揮しなきゃなりませんし、その辺をよく踏まえて、私どもとしても調和のある発展のために全力を挙げて努力していかなきゃならない。 もちろん、内需の拡大という広義な意味のいろんな政策もあるでしょうが、一方では投資減税とか、また思い切った投資とかというような論議もあるわけでございますし、また、ある意味では民間活力をこの際大いに導入していくべきだというような論議もあるようでございます。そういう点等を、我々公共事業を担当する立場としてよく踏まえながら、しかし先ほど申し上げましたように、当面は一日も早く一律一割カットの法案を成立願って、着実に予算の執行をしてまいりたい、しかもそれは効果的、効率的ほ考えていきたい、こういうふうに今考えておるわけであります。
○上田耕一郎君 住宅金融公庫改正案と六本木の国有地払い下げ、東京東墨田の都営住宅問題など、住宅政策にかかわる幾つかの具体的問題について質問したいと思います。 本改正案は、六つの内容になっておりますけれども、二番目の災害復興住宅購入資金貸し付けの新設と三番目の住宅改良資金貸し付けの償還期間の延長、これはそれぞれ改善措置として我々も評価できますが、午前中からの審議で一番問題になりました手数料徴収、これがまず非常に重大な改悪になると思うんです。衆議院以来の建設省の答弁を聞いておりますと、補給金が非常にかさんでしまっておる、その中で五・五%の金利と無抽せん体制を堅持するためには利用者の方々にも負担をお願いせざるを得ないのだというお話なんですが、ではこれから大丈夫なのか、一体堅持できるのか、それとも堅持するためにはますます負担を負わせざるを得ないということになってしまうのじゃないかと思いますが、見通しはどうですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 衆議院その他の答弁をすべて御存じなので繰り返しを避けますが、要するに私どもはこの手数料で若干でも御負担を願うことによって根幹を維持したいということでやってきたわけでございまして、今後とも最善を尽くして公庫の根幹である金利そして無抽せん体制、この維持をしてまいりたいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 一件借りるごとに四万円払うということなんですが、平年度の手数料収入の見込み額百五十億円、六十年度六十億円というのだそうですけれども、それぞれの貸付種別ごとに積み上げた数字、これはどうなっておりますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 百五十億円の内訳でございまして、個人四万円のもの、三万円のものございますが、個人向け貸し付けにつきましては約四十五万戸で百四十億円ぐらいがこちらに当たるだろう、それから業者向け貸し付けについては約十億円でございまして、これを足して百五十億ということを推算しております。また、個人向け貸し付けのうち一件四万円となる個人住宅の建設、購入に係るものにつきましては約百二十億円、それから一件三万円になる既存住宅、住宅改良につきましては約二十億円ぐらいというふうに推算しております。
○上田耕一郎君 必要な事務に要する費用の額以下ということで、個人建設の場合四万四千円かかっているという答弁です。その中身として三つの事務、一が委託先の金融機関、二番目が地方公共団体、工事、設計関係の審査だそうですが、三番目が公庫自身の事務というのですけれども、四万四千円のこの三つの内訳はどういう計算ですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 内訳は、金融機関分がこれが一番多くて三万二千円ぐらい、それから地方公共団体分が六千円ぐらい、公庫分が約六千円ぐらいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 委託料として金融機関と地方公共団体に支払っている年額、これはどのぐらいになりますか。百五十億円で充当できる額になっていますか。
○参考人(関口洋君) 今のお尋ねは、私どもが委託しております金融機関あるいは地方公共団体に支払っております委託手数料の総額ということだろうと思いますので、それについてお答えをさせていただきます。 金融機関への委託手数料は三百二億二千万でございます。それから地方公共団体へ支払います委託手数料は二十五億五千六百万円。こういうのが総額でございます。
○上田耕一郎君 その中で貸し付けに関する総額はどのぐらいでしょうか。
○参考人(関口洋君) 今のはそれぞれ手数料の総額でございまして、例えば金融機関の場合には、申すまでもなく、そのうちに管理、回収関係が含まれておりますから、そういうものを差し引きまして、貸し付けに要する費用ということで積み上げてまいりますと百四十一億六千三百万ぐらい、金融機関の場合。それから地方公共団体は、お願いしておりますことが先生御案内のとおり設計審査でございまして、これは原則として貸し付けに要する事務の中に含まれるわけですが、当該年度分だけに絞るという考え方にしておりますので、そういう考え方で積み上げてみますと約二十億八千万ぐらい、こういう計算に相なります。
○上田耕一郎君 そうすると、百六十二億四千三百万だから、それだけでも百五十億円をちょっと上回ることになりますか。
○参考人(関口洋君) 今、金融機関の委託手数料と地方公共団体の委託手数料についてお話でございましたので、その部分だけで御説明したわけでございますが、そのほかに、先生先ほど御指摘のように三者でやっておるわけでございますから、私どもの公庫関係の事務費というものも貸し付けに要する費用の中に含まれます。ただ、これも、狭義といいますか、正確に貸し付けに要する費用のみを取り上げておりまして、この三者を合計しますと、約百九十五億八千四百万ぐらいに相なっておる、こういう計算でございます。
○上田耕一郎君 それだけでも約百九十六億で、平年度収入の百五十億を上回るという状況で、どうも今後この一件四万円というのももっとはね上がりかねない危惧を今お伺いした数字からだけでも感じます。 次に、公庫の年間の管理事務経費全体額、これはどのぐらいになっておりますか。
○参考人(関口洋君) 今のお尋ねは、いわゆる公庫の事務的な経費、内訳としましては人件費、物件費でございますが、これを指しておられるものと思いますが、これは約百十五億八千万でございます。
○上田耕一郎君 ちょっとそれますけれども、今度の改正案に役員の任期の変更があるんですね。理事と監事、これまで四年のものを二年にしている。なぜ、こういう変更をしたんですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 臨調で御答申いただきました中に、特殊法人の理事、監事につきましては任期を二年にすべきであるという御答申もございまして、そういうことを受けまして、そういう措置をとったわけでございます。
○上田耕一郎君 そういうところは臨調答申そのままなんですけれども、私が問題にしたいのは、非常に社会的にも問題になっている役員退職金問題。これは臨調の第一次答申でも指摘されているのだが、どうもその方はまるっきり手をつけていないという状況があるんですね。この公庫の場合、特殊法人全体そうなんですが、役員の退職金と一般職員の退職金、この算定方式は今どうなっていますか。
○参考人(関口洋君) まず、役員の方から御説明いたしますと、俸給月額の〇・三六に在職月数を乗じて算出するというふうに相なっております。 それから職員の方は、本俸月額に勤続年数に応じて一定の率を乗じ算出するということに相なっております。ただし、五十五カ月を上限といたしますし、また逆に定年退職などの場合は五カ月分を加算するということになっております。 念のために申し添えますが、これらのことは公庫法第十六条の二の規定によりまして、主務大臣の承認を受けて定めておるものでございます。
○上田耕一郎君 私は、かなり前になりますけれども、住宅公団の具体的なケースを取り上げて、この退職金問題を追及したことがあるんですけれども、大体一般職員の場合には、今答弁がありましたように、勤続年数が基本の計算になっているんですね。しかも、天井が決まって、今五十五カ月ということになっています。ところが、特殊法人の役員は、すべて勤続年数ではなくて勤続の月数を計算の基準にしている。今〇・三六を掛けているんですけれども、一番最初は〇・六ぐらいだったんですね。しかも、青天井なんですね。一般職員は五十五カ月でとまっているけれども、これは青天井で、勤めれば勤めるほど物すごい退職金になるので、そこが社会的にも非常に指弾されている。政労協の天下り白書、これは有名ですけれども、出てくるわけですね。それで二年ぐらいやって、勤続の年数ではたった月給の二倍ぐらいしかもらえないから寂しいというので、勤続の月数、これを計算の基準にして、一般職員の十二倍の退職金計算になっているんですよ、係数が少し小さくはなっているけれども。こういうところにやっぱりメスを入れなければならぬ。 私は、昭和五十六年の行政改革特別委員会で、当時の中曽根長官にこの問題を取り上げた。臨調の第一次答申でも、退職手当についても国家公務員の給与抑制措置に準ずる、こういうことで検討するとなっているのだがやるのだろうなと言ったら、中曽根長官はやりますと、そう答えている。私は詳しく述べて、勤続月数ではなくて、勤続の年数を基準にした国家公務員の退職金のそういうやり方に合わせることだと理解しますが、それで長官よろしいですねと。中曽根長官は、「そういう方向で検討するという意味です。臨調の答申についてはすべて検討するということになっておるわけです。」と答えている。ところが、何にもやらぬわけですね、いまだに同じで。だから、役員任期などは臨調答申どおりこうやって法案まで出てくるけれども、退職金の方は一番問題になっているのに全然手もつけない。これは公庫の方の責任というよりもやっぱり政府の責任だ。臨調なるものがいかに階級的なものであるかということのあらわれだと思うんですけれども、今答弁のあった百十五億八千万円の中には、こういう役員退職金も全部入っているわけですね。
○参考人(関口洋君) 計上されております。もちろん、百十五億は全部退職金ではございませんで、退職金の額は職員を含めて非常に少のうございますが、そのうちで役員の計上分といたしましては約三千二百万を計上いたしておりますが、これは念のためにまた申し添えますけれども、その算定の基礎は三名分ということに相なっております。
○上田耕一郎君 しかし、今お聞きすると、三人で三千二百方で大したことないというふうに思われるけれども、この計算方式でやりますと、これに準じてやった有名な例で言うと、東京都の外郭団体の場合、六億円問題になった、こういうことさえあるんですよ。だから、この方式そのものがけしからぬですよ、中曽根長官は臨調方針どおり直すと言ったのだから。しかし、手を触れていない。これは大問題であることを指摘しておきます。 それで、今後、手数料の値上げという事態が起きないのかどうか。先ほど古沢局長は大丈夫だと言われましたけれども、この事務に関する費用が物価上昇その他で当然上がるわけですね。そうすると、値上げの可能性というのはあるのじゃないか。建設省としてどういう歯どめを考えておりますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 歯どめというのは、先ほど来お話が出ておりますように、法律にその規定があるということでございますが、この手数料は、今、先生おっしゃったように、物騰などによって上昇していく可能性はございます。しかし、私どもはこの貸付手数料が電算機の導入とかあるいは事務の合理化などによりまして、これを上げることのないようにできる限りの努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○上田耕一郎君 できる限りの努力というのは中曽根首相のGNP 一%防衛費問題と似たようなもので、これは歯どめはないというふうにしか理解できないと思うんですね。この四万円の手数料問題、これは第一の非常に重大な改悪だ。 二番目は、これも指摘されておりますように、民間デベロッパーへの融資制度の新設だと思うんです。土地区画整理組合から委託を受けて土地造成をする民間の受託事業者、つまり民間デベロッパー、これの参画を進めようということになる。普通、保留地の取得を条件にして組合の運営事務だとか造成工事の施行を一括代行している業務代行方式、これが行われているわけですけれども、そこに七・二%の低利融資を今度できるようにしようということになるわけですね。そうすると、これは国民が持ち家を建設する場合に非常に頼りにしているこの公庫資金の融資が民間デベロッパーに回っていくという突破口になりかねないと思うんですね。何でこんなことまでやる必要があるんですか。
○政府委員(高橋進君) 先生御承知のように、既に土地区画整理組合が行う宅地造成について貸し付けの道が開かれておるわけでございます。その場合に、従来、今おっしゃったように、民間事業者が一括代行してやる場合があるわけでございますが、土地区画整理組合に対して直接貸すことになりますと、組合に担保力がないというようなことでなかなか借りにくいという面があったわけでございます。それが民間事業者に対して直接貸すならば、担保力もございますし、借りやすくなるという点がございまして、こういった制度を設けたわけでございますが、基本的には従来の土地区画整理組合に対する貸し付けと同様のものであるということでございまして、特に民間デベロッパーを目指してということではございません。 なお、御承知のように、民間デベロッパーに対する一般の民間宅地造成融資は既に道が開かれておるところでございまして、今回特にそういったものが開かれたというわけではございません。
○上田耕一郎君 それなら何もわざわざ法改正する必要はないはずなんだけれども、今度の十七条で「組合員で」と書いてありますね。この場合の組合員というのは、例えば一坪でも先買いしてあるという組合員でも融資可能になるんですか。
○政府委員(高橋進君) まず、現在の制度から申し上げますと、公庫が土地区画整理組合に対しまして宅地造成資金を貸し付ける場合におきましては、公庫の貸付方針で住宅建設事業者または開発事業者の先買いに係る土地の面積及び保留地予定地面積の合計が施行地区の面積のおおむね三割以上であるということを貸付対象の要件としております。今回も土地区画整理組合の行う事業でございますので、この要件がかぶります。 さらに、それに重ねて、これからの問題でございますが、受託造成者の先買いに係る土地の面積及び組合から取得する保留地予定地の面積の合計が施行地区の面積のおおむね二割以上であるということを貸付対象の要件とする方針にいたしております。一坪でもあればいいということではなくて、やはり一定の規模以上の土地をその事業者が確保しているということを要件にしたいというふうに考ております。
○上田耕一郎君 それは今のような歯どめ、これはきちんとやっていただきたいし、それから低利融資するわけですから、その民間デベロッパーが例えば一般に分譲を行うような場合もこれは当然良質な住宅でなければならぬので、そういう指導やチェックもぜひきちんとやっていただきたいと思います。 三番目の問題は、特別損失金の問題です。この附則改正は、国の財政再建期間が五十七年から五十九年の三年間だったのだが、それを今度さらに繰り延べて六十年から六十五年までにしようというので生まれた措置なんですね。公庫も非常に困っているこの補給金の穴、これが生まれてくる問題について、繰り延べて払うのだから一見問題ないようですけれども、問題は補給金で払うべきところを財投からの借り増しでつなぐというところにあると思う。結局その分の利子も新たに発生する。利子のまた利子ということになるんでしょうか。生じた利子は、五十七年から五十九年の三年分についてどのぐらいになっていますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 五十七年から五十九年の特別損失に係る利息で、六十年に払う部分の利息が百六十七億円でございます。
○上田耕一郎君 三年分の借り増し、いわゆる特別損失、その利子だけで百六十七億円になっているわけで、今度またこの改正で特別損失がふえるとその分も膨れ上がっていく。この膨れ上がった分は、財源はどこから補てんするんですか。
○政府委員(吉沢奎介君) この特別損失に係る利息はやはり補給金で支払われるということになるわけでございます。
○上田耕一郎君 こうして補給金の必要額が次々に膨れ上がっていくわけですが、今後この補給金の必要額はどんなふうに推移していくと試算しておりますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 今おっしゃったようにまさに試算でございまして、今後どのように事業量が変わるか、財投金利が変わるか、いろいろ不明な点が多いわけでございますが、現在の事業量と貸付条件が今後ともずっと続くという前提に立って計算いたしますと、本来、補給金というのは六十五年度まで毎年二百億円前後増加していくだろうというふうに考えております。
○上田耕一郎君 つまり、毎年二百億円ぐらいずつ膨らんでいくという試算の答弁があったわけですね。六十年に払う百六十七億円、その穴埋めに手数料新設ということになったのだが、今後これは減らないでふえていく、毎年二百億円ふえていくということになると、また六十五年までこれでやって、そのときまた手数料の引き上げということになっていって、ますます身動きがとれなくなるのじゃないか、そういう懸念もやっぱり生まれるんですね。この問題については建設大臣に、そういう公庫制度の今後にもかかわる非常に大きな問題だと思いますが、どのようにこの問題に対処していかれるおつもりか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) 先ほど来御答弁申し上げておるわけでございますが、六十五年度がいわゆる新しい意味での財政再建期間ということでございまして、その時点を過ぎました場合、財政力というものが回復してくるという見込みの上に立ちまして、私どもその時点においてはこういった補給金というものもちゃんといただけるでございましょうし、その特別損失の返済につきましてはこれは明らかに法律にうたわれているわけでございますので、法律の条項によりまして返済されていくということになろうかと考えております。
○国務大臣(木部佳昭君) 今、局長からも答弁いたしましたように、私どもも六十五年が財政再建の国民的公約になっておりますので、損失金また補給金の問題等につきましてはその方向で全力を挙げると同時は、また公庫の運営にはしたがって支障はない、そういう判断をいたしております。
○上田耕一郎君 今のお二人の答弁のようにはなかなかいかない非常は大きな矛盾と問題点をはらんた経過が生まれているということを指摘して、次の国有地払い下げ問題に移りたいと思います。 御存じのように、衆議院でも参議院でもこの国有地払い下げ問題が住都公団のトンネル方式問題などとも絡み、かなり大きな社会問題になっております。新聞でも非常に注目して報道しております。建設大臣は、中曽根派の中堅幹部として、また首相の懐刀とも言われておりますが、国有地活用推進本部の副本部長を務めておられます。 以下、幾つかの問題をお伺いしたいんですが、大蔵省見えておりますか。——まず、大蔵省にお聞きします。二月二十八日付の日経の報道によりますと、一月下旬、大蔵省理財局に首相官邸から国有財産のリストが突き返されたという報道があるんですけれども、そういう事実がありますか。
○説明員(吉川共治君) お答えいたします。 リストが官邸から突き返されたという事実はございません。
○上田耕一郎君 こういうふうに聞くと、いつもございません、ございませんと言われるんですが、事実はなかったというんですね。 三月一日の日経に、「国有地開放 四十八カ所十四万平方メートル」というリストが載っています。恐らくこれが新聞が突っ返されたと報道したリストだろうと思うんですが、突っ返された事実はなくとも、三月一日に日経が報道した「四十八カ所十四万平方メートル」、このリストはつくられたわけですか。
○説明員(吉川共治君) 大蔵省といたしましては、国有地の有効利用というようなことで過去何回か行政財産の使用状況調査というのをやっております。五十九年度におきましても、東京都二十三区、それから県庁所在都市に所在しております国有地につきまして総点検を実施いたしました。この総点検の結果を踏まえまして、民間活力対象財産となり得るもの、こういうものの選定につきましていろいろ検討いたしました。 この日経に出ておりますリストでございますが、ここに挙がっておりますような財産につきましても私ども民活対象財産として選定できるかどうかというようなことは検討はしております。しかし、このリストに挙がっているものを最終的に民活対象財産ということで選定をしたわけではございません。
○上田耕一郎君 それはそうなんでしょう。最終的にならぬわけですよ、首相官邸から日経報道が事実なら突っ返されてしまったわけだから。首相の方はこんなのではしようがないということで怒って突っ返して、恐らく大蔵省はもっと首相の気に入るリストを改めて作成中なんだろうと思うんですね。 二月二十三日の衆議院の予算委員会で、共産党の瀬崎議員が大蔵省の「行政財産等の総点検について」という文書を示しました。それに対して大蔵省の中田理財局次長は、これは大蔵省の局の内部資料だと認めました。国有地の調査結果をありのままに書いているのだ、そう述べられた。この内部資料には、相応の時間と費用が必要だということで、今のような非常に急いだ、首相の直接乗り出したやり方について実際上の反論を述べているわけであります。このことの確認を求めても、そういうつもりではございませんと言われるだろうと思うので、確認は求めませんが。 さて、こういうところで、トンネル方式として問題になった住都公団に払い下げる、その住都公団がある計画を立てて、自治体とも協議して、そして住都公団がトンネル機関になって民間に払い下げていくということが問題に出てきたわけですね。これも新聞報道によると仕掛け人は首相周辺ということが書かれているんですが、建設大臣、これは推進本部の会議で払い下げ方式というのは決まったんですか、四月九日に決めるであろうという報道もありますが。
○政府委員(松原青美君) 四月九日に推進本部の企画小委員会が開催されまして、私の方から現状での考え方を御説明申し上げましたが、決定されるに至っておりません。
○上田耕一郎君 まだ決定されていないわけですね。 今後の見通しはどうですか。
○政府委員(松原青美君) 関係機関とまだまだ詰める点が残ってございます。したがいまして、この関係機関との調整を了した段階で改めてお諮りすることになろうと思います。
○上田耕一郎君 これはどういうふうにお答えになりますかな。「開発」という雑誌に「論議呼ぶ国公有地活用政策 公団仲介方式を軸に新展開」という記事があるんですけれども、この中に、ある建設省幹部が「これまで大蔵省が出してきた候補地リストを見ると、今すぐ公団仲介方式でやれそうなものは、ほぼゼロ」だとこう述べた、名前がないから松原さんかどうかわかりませんけれども。建設省としてはどうですか。この公団仲介方式と今報道されている国有地リスト、これについて建設省としての考えはいかがですか。
○政府委員(松原青美君) ちょっと私はその「開発」の記事を見ておりませんので、どういう記事か存じませんが、私どもといたしまして公団を活用いたしたいと思っておりますのは、そのねらいといいますかその目的は、都市内、特に市街地での国有地等は周辺地域を含めた都市の再開発あるいは市街地住宅の供給あるいは公共公益施設の整備という観点から非常に貴重な空間の資源だろうと思っております。そういう意味からいたしましても、その地域のニーズに合った活用をする必要がある。そういうところから住宅・都市整備公団の持っております町づくりの技術、ノーハウ、あるいは公共団体との信頼関係、そういうものを十分活用いたしまして、地元の公共団体とも十分調整のとれた開発計画をつくる。それによりまして、またそういう中で大規模な国有地につきましてはそれがそのまま使えないものが多うございます。 例えば国鉄のヤード跡とか、あるいは施設特有の、従来の施設の関係によりましては非常に閉鎖的な土地利用の構造になっておる。したがいまして、これを周辺と一体的な開発をするためにほかなりの基盤整備も必要なケースがございます。そういうものを、公共団体との計画の調整あるいは基盤整備を行う場合に、公団を活用いたしましてスムーズに望ましい都市開発を行う、こういうことが必要だということから検討いたしておるわけでございます。 そういう基本的な考え方でございますから、今具体的にどこをということをまだ詰める段階に至っておりませんが、かなりの規模のものであれば十分公団を活用する対象となり得る。また、それは私の方だけ、建設省だけでそう考えるわけではなくて、広く公共団体も含めまして公団が入った方がいい町づくりができる、こういうことが合意ができた段階で公団に出動してもらう、こういうことになろうかと思いますので、今出しているリストについて幾つあるかということはなかなか申し上げがたい段階でございます。
○上田耕一郎君 非常にトンネル方式は問題が多い。元法制局長官の林修三氏も、新聞のこの問題での大きな論評で、随意契約ではなくて一般競争契約をすべきだということを言われると同時に、「住宅・都市整備公団を単なるトンネル機関として利用するのは一種の脱法行為のにおいがある」。元法制局長官が「脱法行為のにおいがある」と言われているのだから、林さんは妙なことも言いますけれどもいいことも言うときもあると思うんですけれども、こう言われている。 それから、これは衆議院の大蔵委員会で十六日に問題になって、新聞でも報道されました国有財産中央審議会の五十八年一月の答申がある、「当面の国有地の管理処分のあり方について」。それには、まず地方公共団体等に対して優先的に利用を持っていくということも決まっていて、これについては竹下大蔵大臣もこの答申は守るべきだ、そう言われているんですね。ですから、やはり林さんのこういう意見、これは林さんだけじゃない。国会でも問題になっている。それから竹下大蔵大臣も認めた国有財産中央審議会の答申もありますので、地方公共団体の利用、あるいは今言われたそれとの結びつきでの公団の生かし方、これが公共利用として望ましい方式であって、ここに民間活力導入といって大企業が出てくるので、国会でも問題になるし、いろんな疑惑も生まれてくると思うんですね。 私は六本木の問題を少し具体的にお伺いしたいんですが、六本木の林野庁の宿舎跡地というのはホテルオークラがすぐそばにあって、都心にまとまって残った最後の国有地だと言われている土地ですね。 林野庁にお伺いします。林野庁は、昨年十一月にはこの土地を住都公団に売るということを決めている。これは新聞でも甕次長の談としてはっきり載った。ところが、その後変更して、住部公団に渡して、それを経由して随意契約で民間に渡すといういわゆるトンネル方式、そういう態度に変更したようですが、本当にそれを決めたのか、それからまたなぜ変更したのか、お伺いします。
○説明員(伊藤威彦君) お答えいたします。 六本木公務員宿舎につきましては、林野庁といたしましては国有林野事業改善計画の一環としてこれを売り払う方向で検討を行っているところでございますが、売り払いの相手方としては公用、公共優先ということから東京都及び港区の意向を受けて住宅・都市整備公団を有力な候補としてかねてから打ち合わせを行っているところでございます。途中で方針を変えたとか、そういうことは全然ございません。
○上田耕一郎君 ない。 去年の暮れは、六十年度以降にこの土地を売る、そういうことを決めているわけですな。それは変更していないのだね。住都公団に売って、いわゆるトンネル方式でやるわけじゃないんですね。それは林野庁として決めていなくて、住都公団にここは整備してもらう。新聞では既に森ビルがその相手に決まっているなどと、これは国会でも新聞でも問題になっているのだけれども、そういうことはなくて、住都公団にやってもらうわけですね。
○説明員(伊藤威彦君) 先ほど申しましたように、我々今住都公団を有力な候補として交渉中でございますが、まだ住部公団の方から利用計画というようなものを出していただいておりませんので、それ以後の話というのはまだ我々具体的には承知しておりません。
○上田耕一郎君 もし住都公団の方から、ここの港の区議会もここに、あそこは非常に人口減っていますから夜間人口も昼間人口もふやしたいというので、ぜひ住都公団に住宅を建ててほしいというので港区議会は地区計画まで決めて、説明会まで二月から始めている。これも御存じですね。 そうすると、港の地方公共団体がそういう希望だ、住都公団に住宅を建ててほしいというわけなんですが、住都公団の方から利用計画として、公園その他の公共施設はつくるけれども、森ビルが候補に上がっているような民間業者にこういう点はさらに再払い下げする方針だという案がもし出てきたら、林野庁としてはこれは拒否して、港の自治体が望むようなそういう公共利用、住宅建設という方向を貫きますか。
○説明員(伊藤威彦君) 先ほどもお答えしましたように、利用計画がまだ出てきておりませんので、今の段階でちょっとお返事は難しいところでございます。
○上田耕一郎君 ずばりとお答えにならないので、方針が決まっていれば私の質問にずばりとお答えになれるはずなのに、利用計画が出てこない、来てから検討というのは、別の可能性も林野庁としても否定はしないということですか。
○説明員(伊藤威彦君) 国有地の処分というあり方といいますか、考え方というものに照らして我我は適正に考えていきたいというふうに考えております。
○上田耕一郎君 これはぜひ適正にやっていただきたいのだが、払い下げ予定の土地の面積、価格、これは林野庁としてはどのぐらいの予定ですか。
○説明員(伊藤威彦君) まず、面積でございますが、面積は一万一千八百七十九平方メートルでございます。 それから価格とおっしゃいましたけれども、私ども先ほど申しましたように今住都公団と折衝中でございまして、最終的に煮詰めるところまでいっておりませんので、まだ決めるに至っておりません。
○上田耕一郎君 新聞その他では六本木地区について二・一ヘクタールとか二ヘクタールという数字がしばしば出てくるんですね。これは恐らくその隣地にあるグリーン会館、共済組合に無償貸与している土地、これは三棟百十戸建っている宿舎よりもグリーン会館の土地ははるかに立地条件がいいと言われているんですけれども、この用地も払い下げる方針を林野庁は持っているのじゃないですか。
○説明員(伊藤威彦君) 麻布グリーン会館の土地につきましては、林野庁所管の土地でございますけれども、林野庁共済組合の運営に係るグリーン会館という施設でございまして、現在営業中でございます。それで、営業内容も良好なところから、同共済組合の事業運営について十分な配慮を払う必要がある。その反面、六本木公宿敷地とあわせて一体的に整備することが効果的であるという考え方もございます。また、国有林野事業の財務事情といったものを念頭に置く必要がございますので、以上のような状況のもとで、その扱いについては目下慎重に検討しているというところでございます。
○上田耕一郎君 面積はどのぐらいですか。
○説明員(伊藤威彦君) 現在、麻布グリーン会館に貸与しております面積は七千六百六十一平方メートルでございます。
○上田耕一郎君 一体化してというお考えも述べられたけれども、現在まだ慎重にと、そう言われている。我々は、林野庁が昨年の末にもう既にこの方針を決定していることを聞いています。林野庁の単なる内部の態度ではなくて、そういう方針が伝えられています。 そのときの林野庁の正規の態度として示したものは、五十九年末に売り払いの意向をとにかく決めた。条件については、一、六十年度以降に売り払う。二、宿舎敷地内に、ただで共済組合に貸してあるわけだから、代替施設をつくる。この新しいグリーン会館用地は林野庁の敷地として現在より縮減する。つまり、効率化して立体化するので少し小さくなるというわけですな。新会館の施設建設は林野庁が保証するという内容と伝えられているんですね。 林野庁がもう既にそういう態度を決めているから、宿舎の方は先ほど言われたように約一・二ヘクタール弱でしょう。それに約七千六百平米が加わって、みんな二ヘクタール、新聞にも二ヘクタールとか二・一ヘクタールということが報道されるのじゃないかと思うんですけれども、今後この土地について、しかも森ビルは宿舎よりもこっちをねらっているのじゃないか、こっちの方が地形上いいので。これはどうですか。もう既にほぼ売り払う方向でいるのだと、慎重だけれども。林野庁の赤字克服策としてこういう方針がだあっと出ているわけでしょう。ここだけじゃないのだから、そういう可能性が強いんでしょう。
○説明員(伊藤威彦君) 現在、公宿の跡地について公団といろいろ折衝しているところでございますので、なかなかグリーン会館の敷地までどうというところまでまだ話を具体的に詰める段階まで至っておりません。ただ、先生がおっしゃいましたように、あの敷地内でグリーン会館の現在の機能を残すということについては一応我々検討してきたことはございます。
○上田耕一郎君 グリーン会館の機能を宿舎の跡地で残すということを検討し、まだその段階ではなく、今はこっちの宿舎の方なんでということなんですが、次の段階にこのグリーン会館敷地問題というのが取り上げられる可能性は強いわけですね。
○説明員(伊藤威彦君) そういうことになる可能性もかなり強いというふうに申し上げていいと思います。
○上田耕一郎君 これは、やはり非常に僕は問題が多いと思うんです。やっぱり森ビル中心の六本木、赤坂の再開発というのは非常に大きな問題だし、あそこがねらわれていて、既に森ビル側は公然とほぼ既定の事実だというような報道をしておりまして、六本木宿舎よりもグリーン会館の敷地の方がはるかにいい土地なんですね。民間業者からの要求が非常に強くなっている。このグリーン会館というのは建物が建ってから十八年ぐらいしかたっておりませんし、取り壊して建てかえること自体が非常に大きなむだであります。 そういう点で、この六本木のあの宿舎の跡地、これは新聞報道では、去年の十一月には、約二十階建ての三棟千戸ぐらい住部公団が住宅を建てることになるだろう、日本一家賃の高い、しかし極めて便利な賃貸住宅があそこにできるであろうというような報道さえ既にあったところだけれども、そこに森ビル主導の計画が非常に浮上しつつある。これは大問題だと思うんですね。港の区議会側はこの問題非常に強硬で、公団住宅の建設に充てよと政府、公団に要請書を送っているし、政府、公団の出方によっては、これはあの地域一体の港の地区計画、これを放棄するぞということで非常に強い異議申し立てを行っているんですね。 そういう点で、国会でこれだけ問題になり、非常に地域の住民、地域の自治体が大きな関心を持っておるわけなので、建設省として担当の松原さんに、この問題について本当に世論の望むような、この林野庁跡地の利用を決して絶対森ビルなどに、そういう住都公団が住宅を建てるのじゃなくて、せっかく住都公団に払い下げようというのに、そこに民間業者のマンションが建ってしまうというようなのは非常に大問題だと思うんですね。そういうことのないような対処をぜひ要望したいと思います。
○政府委員(松原青美君) 六本木の問題にお答えする前に、先生先ほどおっしゃいました林修三さんの新聞記事、新聞でお書きになった御意見を拝見いたしました。先生も含めまして、トンネルとか公団仲介とかいう新聞記事が出ますものですから、林先生が誤解されているのだろうと思っておりまして、いずれお時間をいただいて私どもの真意を御説明いたしたいと思っております。私どもは、決してトンネル——トンネルという言葉がどういう意味かよくわかりませんが、常にお答え申し上げていますように、公団をこの際活用いたしたいという公団活用方式という言葉を使っておりますので、その点ひとつ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。 六本木の問題につきましては、なるほど区議会の方から意見が出てまいっております。ただ、この六本木の問題につきましては、先ほど来、林野庁の方からも御答弁がありましたように、住都公団といろいろ話し合いがあるようでございます。私どもとしては、いろんな意味で住都公団が自分の事業としておやりになるということならばそれをとやかく申し上げるつもりはございませんが、ただ誤解のないように申し上げておきますが、今回、先ほども御説明しました公団活用方式としてこれを取り上げることになるかどうかは全く未定の段階でございます。当然、もし取り上げることになるとすれば、地元との調整ということも十分行わなきゃいかぬ問題であろう、こう考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 住都局長、住部公団の指導の問題もあるので、態度を述べてください。
○政府委員(吉沢奎介君) 今、松原審議官の方からお話ございましたように、この六本木の国有地については今後の利用計画をどうするかということもまだ確定しているわけではございません。また、住都公団が払い下げを受けるかどうかにつきましても、林野庁とのお話し合いもございますが、まだ決まっているわけでもございません。また、そのほかいろいろ関係機関で検討されているわけでございますので、今の段階で具体的なことを申し上げるわけにまいらないという状態でございます。
○上田耕一郎君 最後に、大臣、これは例の森財団の基金六億三千万円で賄われている財団法人に、元建設事務次官など、それから住宅・都市整備公団総裁らも名前を連ねている、民間の営利事業にお役人が手をかしている疑惑もあるということが新聞でも報道され問題になったんですけれども、やっぱり今後この問題で本当に公正な態度で大臣が臨まれる、その決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 私は、法で許される範囲を公正に厳正にそういう問題について取り組んでまいりたいと思います。
○上田耕一郎君 次に、東墨田の都営住宅問題、これは同和問題に絡んでいるんですけれども、取り上げたいと思います。 まず、公営住宅の募集方法、入居者の選考のやり方ですけれども、公営住宅は事業主体である地方公共団体が管理義務を担っている。それで、その募集や選考に関して疑義があったり、また不正入居などの違法行為が生まれた場合、監督官庁としての建設省は地方公共団体を指導することができると思いますが、いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 公営住宅の管理につきましては、事業主体でございます地方公共団体がすべてこれを実施することになっております。その管理に当たりまして、違法がありましたり、極めて不適当なことがあったりという場合には、私ども指導することはもちろん当然でございます。
○上田耕一郎君 この東墨田二丁目に新しく三棟の都営住宅ができまして、私も見に行きましたけれども、三DKで一種と二種ですけれども、四畳半二つと六畳とダイニングキッチンで八十五平米、かなり広い、新しいタイプのものなんですね。これは公営住宅法による国の補助金の対象住宅だと思いますが、実はこの東墨田の都営住宅に関してだけの都知事決定の要綱なるものが四月の十二日にできたんです。これはまことに異例のことで、ここに私持っていますが、昭和六十年四月十二日、知事決定、「東墨田地区環境改善事業の一環として供給する都営住宅の入居の取扱いに関する要綱」というんです。これは局長通達でもない知事決定でこういうものをつくっている。これは、建設省は報告を受けていますか。
○政府委員(吉沢奎介君) 私ども報告を受けておりません。
○上田耕一郎君 これは公営住宅法の第二十五条「管理に関する条例の制定」というのがあるんですね。その第二項で、「事業主体の長は、前項の条例が制定され、又は改廃されたときは、一月以内に、建設大臣に報告しなければならない。」ということが書いてある。これは議会にかかっていないのだから条例ではなくて、しかし知事決定で要綱と題しているのだけれども、とにかくちょっと異例な事態だと思うんですね。都ではちゃんと条例があって、それから局長通達で特定目的あるいは同和住宅などについていろいろ決まっているんですね。それを三棟の住宅に関して知事決定の要綱が出る。こういうことは異例だと思うんですけれども、住宅局長、いかがですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 実は、これは全的に公営住宅の実施主体がたくさんございまして、そこでどういう御方式でやっているか、つぶさには承知いたしておりませんので、これが特に異例であるのかどうかについてもちょっと判断いたしかねます。
○上田耕一郎君 これは、局長、ちょっと取り寄せて調べてほしいですね。私も問題点を指摘しますけれども、ぜひ知事決定の単一の都営住宅に関する要綱というようなものの内容を取り寄せて調べていただきたい。(「都議会の問題だよ、それは。」と呼ぶ者あり)
○政府委員(吉沢奎介君) 実は、私、先生の御質問があって、それで先ほど手元に届きましたんですが、ちょうど御質問の真っただ中で、まだ見ておりません。
○上田耕一郎君 それで、今、都議会の問題ではないかと言われましたけれども、なぜここで取り上げるか、以下質問いたしますので、お聞きいただきたいと思います。 これは東墨田地区、あそこは皮革産業の地域で有名な場所ですけれども、そこの環境改善事業が十年ぐらい前からずっと取り上げられてきたんですね。それで、非常に狭い街路、細街路、これを拡幅する問題だとか、百二十号の道路をどうやって通すかという計画だとか、それから保育所の改善だとか、いろいろ行われてきておりまして、総合的な町づくりに、東京都も、それから墨田区も、また地域の住民も一緒になって取り組んできた。 その中でこの住宅問題が取り上げられることになって、細街路、つまり細い街路を拡幅するので立ち退きの人が出ますね。その立ち退きの人を対象に三十戸ぐらいの都営住宅を建てようという計画が当初生まれたわけです。あの地域に対策協議会もありまして、そこに施設住宅部長、また部会もあって、この問題にかなり熱心にずっと取り組んできているんですね。 ところが、奇妙なことが起きてきたのは、あの住宅の前に福祉会館があるんですけれども、その一室に部落解放同盟の墨田支部の部屋がある。これは目的外使用というのであるんですね。そこがこの都営住宅を同和住宅にしようというので住宅要求の組合をつくりまして、東京都とずっと交渉して、その結果三十戸の計画が六十九戸に戸数もふえてまいりまして、それであげくの果てがこの都知事決定による要綱ということになったんです。極めて異例なことなんですね。 これは四月十二日に都知事が決定して、その六十九戸のうち半分は東京都が入れるんですけれども、その分についての募集は四月二十二日、四月二十三日にする、二日間受け付けるということなんですね。極めて異例のことなんですが、私が問題にしたいのは、これは都議会でも既に問題になっており、区議会でも問題になっており、地域でも問題になっているんですが、環境改善事業で東墨田地域に都営住宅が建ったわけですね。そのうち十三戸は細街路の拡幅で立ち退かれる人が入る。六十九戸から十三引いて五十六戸残る。そのうち二十八戸は東京都の分、半分の二十八戸は墨田区が管理するというふうに二分の一ずつに分かれたわけです。 ところが、東京都の二十八戸分、これの入居者の資格が非常に問題になりまして、こうなっているんですね。対象者で「同和対策事業の施策の対象となる者」だというのがあるんですが、資格の中に「申込の日において、引き続き都内に一年以上居住し、」、一年以上居住、これは東京都の同和住宅入居者については大体一年ということにしているんですね。あと、お年寄りとか障害者、母子家庭については三年ということになっておりますけれども、同和住宅の際には都内一年居住というのがある。これは問題ない。その後に「かつ、東墨田地区内に居住している者であること。」というのが決まったんですよ。 それで、どういうことが起きたかというと、東京都内に一年間居住していればいい、東墨田に住んでいればいい。東京都内に居住している人で今東墨田に住んでいればいいということで、住民票を急遽移しまして、もともと東墨田に住んでいない人でもここへどんどんどんどん移り始めたわけですね、住民票が。それで、にせ住民票とか、にわか住民票だとか、いろいろなのが出てきまして、中でも問題なのは、別の都営住宅に既に住んでいる人がその都営住宅を引き払った形にしてここに住む形になった。この住宅に入りますと、一種が四万六千五百円、二種が三万四千九百円ですけれども、同和関係の特別の措置でこれが大体半額になるんですね。 そうなりますと、地域で問題になっているのは、地域の環境改善事業として進めてきたのに、東墨田に住んでいない人がいきなり住民票を持ってきて、申し込むときにその住民票さえあればここに入れるという問題が生まれてきまして、これは趣旨がおかしいのじゃないか。そういうとんでもないやり方を取り決めたのがこの東京都の要綱なんですよ。 それで、一般募集もしない、東京都については。二十二日、二十三日、二日間に受け付けをするというので、掲示もしないというやり方で、この解放同盟との交渉で進みつつある問題があるんですね。その点で少し調べていただきたいと思うんですが、環境改善事業としてつくられた住宅に、他地区の東墨田に住んでいない人々がそういう住民票を急遽移すというやり方で入居する。もう既に二十名ぐらいにそういう人々が達しているというんですけれども、そういうことは公正なやり方だろうか。この点、住宅局長に見解をお伺いしたい。
○政府委員(吉沢奎介君) その私ども実態をよく承知していないので何ともお答えしづらいわけでございますが、公営住宅は私どもから見ればあくまで公営住宅でございまして、それが環境事業として建てられたということについて、これは事業主体である東京都が公営住宅についてどういう扱いをされるかということでございまして、私どもは法律で定められた要件に基づいて公営住宅が管理されておればそれでよろしいというふうに考えておるわけでございます。
○上田耕一郎君 つまり、現行の東京都の条例、これは建設省にも届けられて知っているわけでしょう。条例は知っているわけです。その条例ではできないんですよ、こういうことは。条例ではできない異例なやり方をやるために、わざわざ都知事がこういう要綱を四月十二日付で決定して、それによって募集方法も今までとはまるで違う。条例と違うんですね。それから入居資格も、一年間東京都居住という同和対策事業についてのこれまでの局長通達による資格ではなしに、一年間住んでいるけれども、環境改善事業なのにこの地域には一日住んでいればいい、そのときに、申し込むときにあればいいという要綱を都知事決定で決めたんですね。条例ではやっぱりやれないという問題だと思うんですね。これは今申し上げたので、局長としてもにわかに聞いたもので、この要綱そのものもまだ読んでいないと言われるので、この要綱と、それから現状と、それから東京都の態度、これをひとつお調べいただいて問題点があるかないかを突きとめていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 資料は一応入手いたしておりますので、中身を調べてみたいというふうに思います。
○上田耕一郎君 それではひとつ、大きな問題になっておりますので、調べていただきたいと思います。 最後に、新潟のレクリエーション都市整備計画問題についてお伺いしたいと思います。 新潟の奥只見地域レクリエーション都市誘致期成同盟会というのが猛烈な誘致運動をしているんですけれども、このレクリエーション都市は六十年度の事業採択地区と言われておりますけれども、どうですか。
○政府委員(牧野徹君) 六十年度予算の内示と申しますか、一般論として、建設省におきましては六十年度予算の内容については今申し上げるわけにいかない、こういう状況でございます。
○上田耕一郎君 まだ申し上げるわけにはいかないと言われるんですけれども、一月五日付の新潟日報にこの重点要望に対する予算内示が報道されている。これに、先日、私が取り上げました鳥屋野潟と、奥只見レクリエーション都市ということが書かれておりますので、内示がなされたことは確かではないか、正式決定は形だけになるのじゃないかと思いますけれども、内示した事実もございませんか。
○政府委員(牧野徹君) 一月五日でございますか。
○上田耕一郎君 一月五日付新潟日報。
○政府委員(牧野徹君) いろいろ地元の方で熱心な、これは一般論でございますが、運動があり、いろいろな報道がなされるのかもしれませんが、いずれにしても、先ほども申し上げましたとおり、六十年度で採択するという内示をしたという事実はございません。
○上田耕一郎君 牧野都市局長の前の都市局長が内示した可能性はないですか。
○政府委員(牧野徹君) 私もかわったばかりでございますが、行政官として我々は一貫して統一的な物事の処理をさせていただいておりますので、そういうことはないと確信しております。
○上田耕一郎君 レクリエーション都市、この趣旨及びこれまでの採択状況をお聞かせください。
○政府委員(牧野徹君) レクリエーション都市の趣旨でございますが、先生御案内かもしれませんが、これは一番の考え方の源は新全国総合開発計画、四十四年でございますが、これにございまして、要は大都市圏その他の都市圏域から生ずるレクリエーション需要を充足するための選択性に富んだ各種施設を整備しよう、こういうふうな御提言といいますか内容が新全総で決まっております。そういうことを受けまして、建設省といたしましては四十五年にレクリエーション都市整備要綱というものをつくりまして、大規模な都市計画公園を核としたものをつくっていこう、こういうことで逐次整備を図っておるものでございます。 現在までに採択しておりますのは四カ所でございます。
○上田耕一郎君 四カ所はどこですか。
○政府委員(牧野徹君) 申し上げますと、熊野灘レクリエーション都市、九十九里レクリエーション都市、南予レクリエーション都市、奥羽山系レクリエーション都市、以上でございます。
○上田耕一郎君 建設省は、昭和四十五年十二月十日の要綱に盛られた当初の計画では昭和六十年までの十五年間は十カ所程度考えていた。ところが、オイルショックなどもあってか、事業化は今お答えになった四カ所だけだということです。一カ所の面積は一千ヘクタール、総事業費約一千億円程度の大プロジェクトなのでレクリエーション都市の事業採択にはやはり相当の政治力が動く、そう言われております。新潟のこの奥只見地区の場合も、やはり新潟三区七町村に非常に大きな影響力を持ち、一千億円事業という大プロジェクトのメリット誘致ということで、田中角榮氏抜きで語れない計画です。この奥只見地域レクリエーション都市誘致期成同盟会、この会長はだれか御存じですか。
○政府委員(牧野徹君) 大変、地元の方で、各市町村の方も含めて熱心な会ができておるようでございますが、その会長は田中角榮衆議院議員というふうに聞いております。
○上田耕一郎君 全国で五番目の事業採択に向けて急速に田中角榮会長のもとでこの同盟会が動き始めたのは昨年の四月からです。昨年の四月二十日、おととしの十二月の総選挙後初めて田中角榮議員が新潟に入る。四月二十一日、奥只見レクリエーション都市誘致期成同盟会の懇親会が行われて、ここに田中角榮、それから君知事、副知事、各部長らが出席しました。どうもやはり二十二万票をとった後、いよいよ次の公共事業を新潟に引っ張ってこようと、一方では私ここで取り上げましたように鳥屋野潟をもっと浮上させるというふうに秘書を使って君知事を推し、みずからも目白で会談をやったんですが、鳥屋野潟問題だけでなくてレクリエーション都市計画、これを推し始めた。 ですから、こういう経過を見ますと、やはり刑事被告人として自重自戒と言っておりましたけれども、そんなことは何のその、二十二万票をとったというので新潟でこういうプロジェクトを推し進める、そういう動きに出ている形跡が極めて強いんですね。どうもこういう政治力が地元で働くだけではなくて、私は新潟日報の記事から見て内示があったということが都市局長の否定にもかかわらずうかがわれると思うんですけれども、建設省本省にもそういう政治力が当然及んだだろうと思うんですが、これについてはやはり公然とあるいは平然と否定されますか。
○政府委員(牧野徹君) このレクリエーション都市は、ただいま先生もおっしゃいましたように、かなり大規模な面積を持つ構想でございます。したがって、お金もかかりますし、慎重な調査等も必要だということでございまして、私どもとしても、既に採択しております四カ所以外にも逐次、例えば、例を申し上げますと、中部山岳であるとか南九州であるとか奥只見を含めまして、随時、調査調整費を利用いたしまして調査を行っているものでございます。そのような調査を積み重ねた結果、奥只見は、例えば五十五年から五十七年の三カ年間にわたって国土総合開発事業調査調整費で調査した結果、非常に熟度が上がってきたというふうに理解をしております。
○上田耕一郎君 五十九年の十月十四日に北魚沼郡湯之谷村でレクリエーション都市建設推進大会、これが行われた。そこに建設省からだれが出席しましたか。
○政府委員(牧野徹君) お尋ねがございましたので私も調べてみましたが、非公式でございますが、当日の期成同盟会には前都市局長が出席しているようでございます。
○上田耕一郎君 梶原都市局長が出席した。どういうあいさつをしましたか。
○政府委員(牧野徹君) どういうあいさつをしたかまではちょっと承知しておりません。
○上田耕一郎君 「着手したい」というあいさつをしているんですね、そのときに。だから、内示しないなんてへったくれもないですよ、五十九年の十月に田中角榮を会長とする期成同盟の都市建設推進大会があって、そこに現職の建設省の都市局長が出て「着手したい」とあいさつしているのだから。建設大臣どうですか。どう思いますか、こういうことを。
○政府委員(牧野徹君) 先ほども申し上げましたように、私の前任者の発言内容は私は確かめておりませんから、ここで云々することはできません。ただ、先ほどの御質問にもお答えしましたように、いやしくも予算を預かる身でありながら、そのような時期に正式のことを言うはずはないと私は確信しております。
○上田耕一郎君 はずはないことがうんと起きているんですよ、幾らでも。あなたがそういうはずはないことは絶対やらぬという都市局長であることを私は希望します。 日本共産党の県委員会は、去年の四月十八日付で、君知事にこの問題で申し入れをしました。それで、新たな利権材料になりかねないレクリエーション都市建設に絡む動きに対して警告を発したわけです。 この問題は、まず第一に、地域振興、観光開発をうたっておりますけれども、地元市町村の裏負担もやっぱり莫大なものになるということ、そういう可能性もあるわけですね。それから第二に、民間が施設をいろいろ出すことになって、プランもいろいろできています、ここにも資料持ってきておりますけれども。それで、一番もうかる部分をやっぱり民間が独占するという危険もあるし、また例の越山会が田中関係の企業で巨額の工事をまた一手に引き受けるということをねらっているということもあるんですね。 時間が参りましたので、私は建設大臣にこの奥只見のレクリエーション都市問題でも疑惑が残るようなことのないような指導監督をお願いしたいし、内示はしていないというお話なので、やっぱり疑惑の残るようなこの五番目の奥只見レクリエーション都市の指定、これはすべきでないと思いますが、最後に建設大臣のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 御意見として承らせていただきました。
○上田耕一郎君 終わります。 ─────────────
○委員長(本岡昭次君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、服部安司君が委員を辞任され、その補欠として宮島滉君が選任されました。 ─────────────
○委員長(本岡昭次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○青木薪次君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅等建設促進法の一部を改正する法律案につきまして、政府原案に対し反対の討論を行うものであります。 政府原案は、その内容を詳細に検討すれば、国民の生存権、国の社会保障義務をはっきりと定めた憲法第二十五条、及び、それに基づき居住面での国民の最低水準を保障し、全体としての国民の居住水準を引き上げることを目的とする住宅金融公庫法の基本精神に違背することは明らかであり、我々には決して容認できるものではありません。 住宅金融公庫法第一条には、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設及び購入に必要な資金で、銀行その他の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とすると明確に書かれております。 また、昭和二十四年二月十九日、当時の建設大臣の諮問機関、住宅対策懇談会がその答申書に添えて提出し、後の住宅金融公庫法制定の原案となった住宅金融公社要綱の中でも、勤労庶民のための住宅建設資金で、他の金融機関から供給を受けることを困難とするものを供給する法人であることがはっきりとうたわれているのであります。 したがって、住宅金融公庫法が、住宅建設を希望しながらも資金不足のためそれができないで悩んでいる国民に資金を融通することを目的とするのであり、営利を追求する民間企業のためのものでないことは明らかであります。 ところが、政府原案は、宅地造成貸し付けの対象者の拡大と称し、この財政難の折に、営利追求の民間デベロッパーへの住宅金融公庫の直接融資の道を安易に拡大するものであり、これが反対の第一の理由であります。 第二に、四万円程度と言われる貸付手数料の新設も、公庫法第一条及び憲法第二十五条と矛盾するものであります。国民は、憲法に保障された生存権、居住権の裏づけとして住宅金融公庫による融資を受けるのであって、手数をかけたからといってわざわざ新たに手数料を支払うたぐいのものとは思えないのであります。 しかも、この手数料の内容が政令で定められることも重要であります。つまり、新たな立法措置を経ることなく、政府の判断で手数料の金額を引き上げることも可能なのでありますから、一説のように、来年度七万円に引き上げられる可能性はもちろんのこと、将来、十万円、二十万円と上昇する可能性も否定できないのであります。また、今回の手数料導入は、貸付金利それ自体の引き上げのための布石である疑いも濃いのであります。 第三に、前回の公庫法改正時に、一般会計からの利子補給金の不足分を特別損失として三年間繰り延べたのに引き続き、今回も、新たに、昭和五十九年度末までに政府から借り入れた借入金の利息で昭和六十年度から昭和六十五年度までの各年度において支払うべきものの金額の範囲内で、当該各年度につき、それぞれ昭和六十六年度以降昭和七十五年度までの各年度に損失として繰り越すことが適当と認められる政令で定める金額を、それぞれ昭和六十年度以降の各年度の特別損失として整理することになる点が問題であります。 前回の法改正に際しての附帯決議の第七項には、「住宅金融公庫の財政の健全確保と公庫金利の長期的安定を図るため、利子補給等の財政援助について特に配慮すること。」が要請されています。これは、利子補給金不足分の繰り延べが恒常化すれば、会計原則を崩壊させ、公庫金利の引き上げにもつなかりかねないことを憂慮してのものであることは明らかであります。 ところが、この間、政府は、GNP一%にまさに届かんとする大軍拡を行う一方で、本委員会の決議を無視し、利子補給等の財政援助についての配慮を怠り、今日の危機を招いたのであります。このような政府の怠慢は、本委員会の権威からしても、絶対に許してはならないのであります。 以上、主要な三つの問題点を指摘し、また、国民の生存権、居住権を保障する措置として、良質で低廉な公共賃貸住宅の量的拡大をあわせて要求し、私の反対討論を終わります。
○増岡康治君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、ただいま議題となっております住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきまして、賛成の立場で討論を行うものであります。 住宅は、言うまでもなく、国民生活の原点である家庭の基盤をなすものであり、その充実は豊かで平和な国民生活を築くために必要不可欠なものであります。我が国の住宅戸数は既に量的には充足されるに至っておりますが、質的には先進工業国の水準に比べて立ちおくれている状況にあり、国民の住生活、住環境の改善、向上に対する要望も依然として強いものがあります。住宅需要の構造的変化、多様化する国民の要望等を踏まえ、かつ厳しい財政との調和を図りながら、二十一世紀を目指す良質な住宅の建設を促進することは、極めて重要な政策課題であります。 住宅金融公庫は、昭和二十五年創立以来、国民に対する長期低利の融資を行うことを通じて国民の居住水準の向上や住環境の整備に大きく寄与してきたところであり、我が国の住宅政策において中核的な位置を占めるものであります。 今後とも国民に良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図っていくためには、現下の財政状況を考慮しつつ、なお一層の拡充、改善措置を講ずる必要があります。今回の改正における宅地造成資金貸し付けの対象者の拡大、災害復興住宅購入資金貸し付けの新設、住宅改良資金貸し付けの償還期間の延長等はまさに融資制度の拡充であり、これらとあわせ、政令改正等により行う貸付限度額の引き上げ等、種々の改善策を講ずることにより国民の良質な住宅等の取得を容易にしようとするものであります。貸付手数料の新設、公庫の特別損失に対する補てん措置については、最近における国の財政事情、公庫の財政の健全確保の必要等に照らし、やむを得ない妥当な措置と考えるものであります。 以上、本法律案に対する賛成の理由を述べて、討論を終わります。
○馬場富君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について、反対の意を表明するものであります。 反対の第一は、一般会計の住宅対策費、あるいは住宅対策の中核的手段である住宅金融公庫の融資戸数が年々減額、縮減されてきており、到底国民の希望する住宅対策を推進することができないと思うからであります。 我が国の住宅事情は、五十八年の住宅統計調査によりますと、一世帯当たりの住宅戸数が一・一倍となっており、戸数の面ではある程度充足されてはいるものの、最低居住水準未満の世帯がいまだに三百九十九万世帯もあり、全体の一一・五%を占めている状況であり、良好な住環境のもとに安定した生活を営むに足りる住宅を確保するという住宅政策の基本目標からすれば、まだまだほど遠く、特に公共賃貸住宅は第四期住宅建設五カ年計画の進捗状況を見ましても極めて低率であります。 厳しい財政事情の中で種々の制約があることとはいえ、住宅対策に対する政府の姿勢については、容認し得ないのであります。 反対の第二は、本改正案に貸付手数料の新設が盛り込まれていることであります。 一部には貸付手数料を新設することで、根幹的金利や無抽せん体制等が維持できたとする意見もあるようでありますが、それはまさに論理のすりかえであり、納得できません。 貸付手数料の新設は、他の改革案とは何ら関連がなく、むしろ、これを引き金にして、次々に改悪への波が押し寄せてくることは必至であります。また、少額とはいえ、貸付手数料の新設は、国民の住宅建設意欲をそぐことになることを心配するものであります。 反対の第三は、公庫に対する補給金を満額充当せず、特別損失として後年度に繰り延べていることであります。 財政再建が成るまで何とか一般会計を抑えたいとする政府の方針に基づくものとはいえ、こうした特例的措置を長期にわたって続けるならば公庫の安定した業務運営を阻害することになるばかりでなく、やがては特別損失金自体の補てんが難しくなり、結局、融資制度の改悪、利用者の負担増ということになりかねないと考えるのであります。 以上をもちまして、反対討論を終わります。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部改正案に対して反対の討論を行います。 反対理由の第一は、前回三年前の大改悪に次いで、またまた国民へ負担を転嫁しようとする改悪だからであります。 前回は、段階制金利の導入で十一年目以降の負担増を国民に押しつけましたが、今度は手数料という名目で全く新たな負担を強いるわけです。今のところ、毎年度百五十億円が負担増ということですが、政令にゆだねられている額が値上げされれば今後ますます膨れ上がることも予想されます。 第二の理由は、民間活力の活用の一環とも見られる民間デベロッパーへの優遇措置の導入です。 公庫は、住宅要求の強い個人向け融資をあくまでも主体にすることが本来の目的であるべきです。それを土地区画整理組合からの受託事業者ということで民間デベロッパーに公庫融資の道を開けば、これがどんどん拡大され、個人向けの枠が縮小されかねません。民間業者に対して七・二%という低金利の融資制度を新設するという優遇措置をとる必要はありません。 第三の理由は、特別損失金の問題であります。 前回改正で始めて盛り込まれ、三年としていたのをさらに延長しようというものですが、もともと公庫の融資制度は利子補給金の交付を一般会計から受けて成り立っているのであります。これを繰り延べしたり、分割払いにすることで、その間の借り増し分に対してもさらに新たな利子が発生し、これが結局のところ利用者である国民への負担増につながる要因にもなっているのであります。 以上の諸点を述べまして、私の反対討論を終わります。
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 我が国の住宅事情は計画的に改善されてきているというものの、最低居住水準未満世帯が四百万世帯も残されているなど、まだまだ低い水準にあり、住宅の質の改善、向上を図るため、政府は重要な使命を担っております。 現在の政府の第四期五カ年計画では、公的住宅の建設戸数は計画戸数の九六%達成の見込みでありますが、これは公庫住宅の一一二%という数字に支えられた結果であり、住宅建設に対する住宅金融公庫の役割は大きなものがあります。 さらに、国民の持ち家住宅への希望は高いものがあり、まだまだ潜在需要は多いと考えられますが、勤労者の可処分所得の伸び悩み、宅地の高値安定により、やむなく持ち家をあきらめるというのが現状であります。これがまた、持ち家住宅建設の不振の一因ともなっております。住宅取得者の負担を軽減し、より質の高い住宅を建設するため、公庫融資制度の一層の拡充を図ることによって、国民の住生活の安定向上を実現する必要があることは多言を要しません。 しかるに、今回の改正案において貸付手数料の創設が図られることとなっておりますが、これは住宅取得者に逆に負担を求めるものであって、住宅政策の前進に逆行するものであります。 また、補給金の問題がありますが、これは本来、国の住宅予算で賄われるべきものであり、補給金の特別損失としての繰り延べは、単に後にツケを回す財政の技術的操作にすぎず、臨調答申によっても一時的ないわば緊急避難措置と指摘されており、国の会計制度や財政健全化の原則に照らし、このような措置は到底容認できません。また、既往の措置についても早期に解消するよう求めるものであります。 住宅の質の向上は、今後、高齢化社会を迎えるに当たって緊急を要する重要な問題であり、また住宅建設が内需の拡大等、経済に与える効果においても大きなものがあります。 私は、この際、政府が住宅取得者の負担軽減を図り、より質の高い住宅の供給を行っていくため、公庫融資における現在の基準金利の維持、融資戸数の確保など、貸付条件の維持、拡充を図るとともに、各種助成措置の拡充を図るよう一層の努力を注ぐべきことを強く要求して、反対討論を終わります。
○委員長(本岡昭次君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(本岡昭次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、増田君から発言を求められておりますので、これを許します。増田君。
○増田盛君 私は、ただいま可決されました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、国民の住生活の安定向上を図るため、住宅金融公庫融資については、その根幹的金利の維持と融資戸数の確保等貸付け条件の維持・充実に引き続き努めること。 二、住宅金融公庫融資が住宅政策の中核的手段であることにかんがみ、公庫に対する財政援助に特段の配慮をはらうこと。 三、住宅金融公庫に対する利子補給については、国の会計制度及び財政の健全化の原則に照らし、今後特例的措置を常態化させることのないよう特段の配慮をすること。 四、貸付手数料については、料金額の長期的安定に努めるとともに、利用者に過度の負担となることのないよう配慮すること。 五、公庫貸付金の繰上げ償還がなお一層推進されるようその方策を検討すること。 六、第五期住宅建設五箇年計画の策定に当たっては、地方公共団体をはじめ、国民各層の意見を十分に参酌するとともに、適正な家賃及び良好な居住環境の公共賃貸住宅の供給の促進に努めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(本岡昭次君) ただいま増田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(本岡昭次君) 全会一致と認めます。よって、増田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、木部建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。木部建設大臣。
○国務大臣(木部佳昭君) 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力する所存でございます。 ここに、この法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
○委員長(本岡昭次君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十六分散会