建設委員会 第8号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/04/03
会議録
○委員長(本岡昭次君) ただいまから建設委員会を開催いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君が選任されました。 ─────────────
○委員長(本岡昭次君) 昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫を議題といたします。 ─────────────
○委員長(本岡昭次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日、住宅・都市整備公団及び本州四国連絡橋公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(本岡昭次君) それでは、昨日に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○梶原敬義君 私は、先般、商工委員会に所属をいたしておりまして、内需拡大の観点から、特に経済企画庁長官に対しまして住宅政策をもっと積極的に進めるべきではないかという点で強く質問をいたしまして、一定の前進ある大臣の答弁の感触を得たつもりでありますが、きょうは時間が三十分でありますので、住宅金融公庫のあり方について主に質問をいたしたいと思います。 建設省の住宅関係予算の基本方針によりますと、「国民の居住水準の向上と住環境の整備・改善を図り、併せて、内需を中心とした経済の安定的な発展」云々、こういう方針を冒頭に打ち出しておりますが、そういう点からいたしますと、住宅金融公庫に対する政府の一般予算の組み方に私は相当問題があると思っております。まず、建設省から、住宅金融公庫の事業計画並びに補給金の推移、あるいはその不足分を繰り延べしている状況について、簡単にその要点をまとめて報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) お答え申し上げます。 金融公庫の仕組みというのは、先生十分御存じと思いますが、要するに国民の特に持ち家を中心とした需要が非常に高いということにかんがみまして、長期低利のお金を国民にお貸しし、しかもその場合の利率というものを非常に低く抑える。具体的に申し上げますと、五・五%を中心とした金利になるわけでございます。ところが、その原資の方はこれは財投の原資でございまして、財投の利率というものは従来いろいろ変動してまいりましたが、現在は七・一%でございます。過去には八%を超えた時点もございました。当然そこに逆ざやが出るわけでございますが、この逆ざやを一般会計の方で補てんする。そのことによりまして国民に低利の、しかも長期の融資をするということによりまして、国民の持ち家取得に対する取得能力を補強するという役割を果たしているわけでございます。 従来、そういう経緯でございますところから、かつて財投金利が高く、しかもお貸しする金利は五・五ということが中心でございますことから逆ざやが非常に多くなってきております。また、最近は景気対策その他もございまして、大体年五十万戸程度の需要に対してお貸しをしておりますところから、やはりこの逆ざやといいますか、利子補給金が非常に増高している状態でございまして、昭和六十年度におきましては四千六百億程度の補給金が必要になるというような事態にもなってまいりました。 したがいまして、昭和五十七年度から政府財政が非常に苦しくなっているというところで、この補給金を全部予算化することがなかなか難しくなってまいりまして、五十七年度から繰り延べと申しますか、特別損失というものを公庫に計上いたしまして、補給金の一般会計からいただけない分をさらに財投から借りかえるという措置を講じてきているところでございます。
○梶原敬義君 今挙げられた数字については、要するに計画戸数も五十七年、五十八年、五十九年とずっと減っておるということですね。 それから補給金については、六十年度予算におきましては一千三十四億円ですか、一応そういう計画になっている、この数字は間違いないですか。
○政府委員(吉沢奎介君) 計画戸数は、六十年度におきまして一万戸削りまして、四十九万戸となっております。 また、特別損失といいますか、その繰り延べのお金が千三十四億というのは間違いございません。
○梶原敬義君 そこで、今、日米貿易摩擦が非常に問題になっておりますし、きのうも河本大臣は、新聞によりますと、この解消というのはやはり内需を拡大する以外は手がないのではないか、こういうようなことも言われた記事が載っておりました。この内需の拡大をする方法といたしましては、やはり大幅なべースアップ、次に大幅な所得税の減税、これがやられれば一番いいわけでありますが、今中小企業の倒産が戦後最高というような非常に厳しい状況でありますし、またベースアップもそういう状況の中でなかなか中小企業では難しい。日本全体の約九九%を超えた数が中小零細企業であるし、約八〇%の人がそこで働いている。こういう状況ですから、ベースアップによる個人消費を高めるというのは、今春闘前でありますが、なかなかそう明るい材料かない。 一方では、減税について与野党書記長・幹事長会議の中で情勢を見て云々ですが、なかなかそう簡単にはいきそうにないような状況でありまして、そういう行き詰まった、財政も厳しい状況の中で一体何が具体的に内需拡大の手であるか。公共投資もなかなかやりにくいということでありますから、一番いいのは、住宅金融公庫にもう少し大幅な予算を組んで、これは利ざやが一・六%ですから、例えば一千億の事業をやってもその一・六%しか政府の予算というのは出さないでいいわけでありますので、何とか当面する内需を拡大するというなら、具体的に一体何の手があるか。これは私はやっぱり住宅政策、住宅の新築を望むところは新築、あるいは公団住宅、あるいは公営住宅が必要なところは公営住宅をもう少し思い切って進める、このような政策的な手というのが今まさに必要ではないかと考えておるんですが、この点につきまして建設大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 今、先生からいろいろ内需の拡大の問題につきまして御意見がございましたが、内需を拡大する場合には、今御指摘になりましたように、個人消費、住宅、それから民間の設備投資、公共事業、この四つの柱が全部そろってあれすることが一番理想的でございましょうけれども、おっしゃいましたように、個人消費も、日本人の美徳と言えば美徳でありますが勤倹貯蓄の方にだけずっと行ってしまって、なかなか問題がある。それから民間の設備投資なんかでも、長い間景気も低迷いたしておりましたから、そろそろこの辺で具体的な設備投資を起こさないと諸外国との競争に立ちおくれるというようなところまで行っておるのではないか、そういう感じもいたしておるわけでございます。 しかし、考えてみますと、高度成長時代のように、たくさん鉄を使って、たくさん油を使って、そしてたくさん公害も出したというようなそういう産業構造から、エレクトロニクスや先端産業の時代に大きく産業構造が転換しておるわけですから、昔のようにそんな大型の設備投資なり大規模な開発というのは非常に少なくなってきている。そういうところにも問題があるような気持ちも率直にいたしておるわけでございます。そういう意味で、この六十年度の予算というものは、我々公共事業の関係は、住宅にいたしましても一時は百八十万戸ぐらい高度成長の時代は伸びた時代があったわけですが、それがずっと下降線をたどってきて百万そこそこぐらいまで落ちて、そしてことしあたりは大体百二十万から百三十万ぐらいのところに上昇するのじゃないか、そういう考え方を実は私ども持っておるわけでございます。 私から今さら申し上げる必要もありませんが、住宅投資というものは、ちょうど富士山のすそ野みたいにいろいろな業界、特に中小企業に対してずっと幅広く影響を与えるということは御存じのとおりでございます。そういう意味で、私どもは、この予算の編成に当たりましても、財政金融措置の拡大ということに大きな予算編成の理解を得るために力を注いだわけでございます。そういう意味で、先ほど局長から答弁いたしましたように、五・五のいわゆる金利もそのままで据え置くことができましたし、五十万戸の無抽せんが四十九万戸になりましたけれども、まあまあおかげさまでこの住宅の基盤というものは何とか守ることができた。 そういう意味で、税制上の問題でも大変宅地供給に至るまで御配慮いただいておるわけでございますから、今申し上げますように、住宅建設に努力をし、なお投資の拡大に努めるということが非常に大きな内需の振興の我々の使命である、そういうふうに考えて今この予算の審議をお願い申し上げておる次第でございます。その意味で、住宅の建設というものが一つの大きな呼び水になっていくことを期待いたしておるわけですし、また努力もさせていただきたい、かように考えておるわけであります。
○梶原敬義君 どうも、私が聞いている内容と少しポイントがずれているような気がいたします。私は、やっぱり今、国民の多くというのは快適な生活を住宅でしたいというニーズが非常に強い。同時に、欧米諸国に比べても日本の住宅というのは見劣りがする。こういうような状況が一方にあると思いますし、一方では景気も悪いし、内需が非常に冷え込んでおります。こういう状況の中で、今、大臣の答弁では、住宅政策に力を入れるというのか入れぬというのか、どうも入れたいということのようですが、入れたいというなら中身が私はほとんどないと思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。
○国務大臣(木部佳昭君) 私ども公共事業全体の予算を考えてみましても、道路なんかも前年度と比べて七%ぐらいふえておるわけです。これは昭和五十四年の時点ぐらいにまで御理解をいただいておるようでありますし、治水それから下水道なんかでもおかげで伸びておるわけです。そういう中にありまして、今申し上げますように、住宅というものは特に中小企業の関連までずっと、富士山のすそ野じゃありませんが、かなり末広がりで影響力を持たせるわけでございますから、先ほども申し上げましたように、百万そこそこぐらいまで行ったのが、ことしあたりでは大体百二十万から百三十万近くまで上昇をするであろう、そういうふうな期待を持って、いろんな税制の措置やその他の拡大もいただいたわけでございますから、我々も最善の努力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○梶原敬義君 今、一方で住宅金融公庫の計画が一万戸減っておるし、同時に貸出資金の限度額は十万円ぐらいですか伸びているようなんですが、これは手数料やなんか入れますとほとんどゼロに近い。そういう状況の中で、ただ、政策的な手は打たなくて、百二十万、百三十万を期待するというようなことですから、これは一体どうなるのかはっきりわからないわけであります。 今アメリカとの貿易摩擦の問題でいろいろ言われておりますが、私がちょっと調べた資料にょりますと、例えば木材の問題で非常に強く迫られております。木材の輸入の関係を見ますと、昭和五十四年に輸入材が七千六百万立米、これが五十五年は七千四百万立米に減って、五十六年が六千万、五十七年が五千八百万立米、五十八年が五千八百八十万立米、五十九年が五千九百万立米ですか、五十四年に比べて約一千七百万立米ぐらい木材の輸入量も減っているわけです。今、関税の引き下げあたりが非常に問題になっておりますけれども、関税以前に、国内の国産材も、こういう大幅な減り方ではないんですが、非常に減っているわけなんですね。そういう点で、今の貿易摩擦の問題を解決する上からもやはり内需を拡大し、貿易摩擦を解消する意味からも住宅建設に向けてもう少し思い切った手がどうして打てないのか、まさに今打つべき時期が来ている、こういう感が強いわけでありますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 住宅金融公庫が我が国の持ち家対策の一つの大黒柱の役を果たしておるわけでございまして、先ほど来、大臣から御説明申し上げましたように、まず今回の補給金の増大に伴って金融公庫の基本についていろいろ御議論が出まして、五・五をもう少し上げたらどうかとか、あるいは無抽せんをやめたらどうかとか、そういう御議論が出た中で今私どもこれを何とか守り切って、その上に、先ほど先生の方からもお話が出ましたが、貸付限度額の引き上げ等も行ったわけでございます。そのほか、いろいろなことで貸付条件の改善をしております。 例えば、今、木造の話が出ましたので申し上げますと、我が国の木造住宅が一番多いのは大都市ではなくて、大都会の周辺地域でございます。住宅金融公庫の貸付区分から申しますと、いわゆる甲、乙、丙とある丙地に属するところでございますが、この丙地におきます貸付限度額を二十万円引き上げて丙地と乙地を同額にした、要するに乙、丙の区分を撤廃したというのも今回の施策の一つでございます。そのほか、非常に話は細かいんですが、いろいろな形で住宅金融公庫の貸し付けの条件というものを改善してまいっているわけでございまして、そういったことを支えにいたしまして住宅建設の伸びを期待しているわけでございます。 四十九万戸と減ったというお話ございますが、まだ無抽せん体制を堅持いたしております。一万戸減らしたのは、最近の貸付状況あるいは住宅の着工状況を見てまいりますと、持ち家に比べて借家の伸びが多く、公庫の受け付けの状態を見ましてもやや停滞ぎみでございまして、そういう意味から一万戸減らしても支障はないものと考えて四十九万戸にしたわけでございますが、それにいたしましても無抽せん体制というものを堅持しておりますから、仮にこれが五十万を超える需要が参りましてもそれに対応できる形にはなっておるわけでございまして、こういったことで今後の需要の拡大については十分対応できるものというふうに考えておるわけでございます。
○梶原敬義君 無抽せん制の維持で、そして住宅建設が停滞しているという原因については、私は、今国民の実質所得が伸び悩んでおる、可処分所得が伸び悩んでおる、こういうような状況が最大の原因だろうと思うんです。したがって、そういう状況の中で、後から申しますが、私は住宅金融公庫の貸付限度額を十万とか二十万とか小さい単位じゃなくて、百万とか二百万とか、こういうような単位でひとつ膨らましていく、政策誘導する、あるいは償還期限をもっと延ばす。今、家を建てて金を払うといったって、なかなか払い切れない。 私もよく知っておるんですが、家を建てて夫婦げんかをして夫婦が別れたり、あるいはそれが原因で、私の周りで団地があるんですが、大企業の住宅ですが、自殺者が出たり、なかなか家を取得したからといってそう簡単にやすやすと家を維持していけない、これがあるわけですね。こういう状況がやはり今住宅建設あるいはマンションの取得に対して非常に鈍っている最大の原因だろうと思うんです。この点は、だから、そうでなければそうでない、そうならそうと素直にひとつ認めて、それじゃどうするか、こういう形で進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉沢奎介君) 先生おっしゃいますように、住宅建設の伸び悩みの大きな原因が、住宅の取得価格とそれから買う側の住宅取得能力といいますか、その乖離にあるということだろうと考えております。おっしゃるように所得それ自体が伸びれば問題はないんですが、所得がなかなか伸び悩んでいる中で住宅金融公庫はそういった取得能力を補完する役割を果たしているわけでございます。 そこで、先生の御指摘のように、もう少し貸付額を大幅にふやせばいいのではないかということでございますが、私ども今までも限度額につきまして逐年いろいろ引き上げを図ってまいりました。微々たるものではないかと言われるかもしれませんが、少しずつではございますけれども、いろんな形で貸付限度額の拡充を図ってきたわけでございます。財投資金を毎年三兆円以上お借りしているわけでございまして、五十万戸にこれをお配りしておるわけでございますが、これを大幅に拡大するとなりますと財投資金の面でも限度がございますでしょうし、なるべく幅広くお貸ししたいということで現在程度の状況にとどまっているわけでございます。
○梶原敬義君 住宅金融公庫の方、お見えになっているでしょうか。 住宅金融公庫といたしましては繰り延べが一千億に達しているような状況で、これは当然、今度改正法案が出ているようですから、また後で議論があると思いますが、こういう状況の中で住宅金融公庫が新しく国民に住宅をもっと勧めるような政策とか手は打ちにくいと私は思うんですが、一体そういう状況で、事情は一応わかっておりますから、住宅金融公庫の立場でひとつ率直に状況を披瀝していただきたいと思います。
○参考人(河野正三君) 公庫の財政につきましては、建設大臣、大蔵大臣、あるいはここにおられる諸先生方にまでいろいろ御心配をおかけいたしまして、まことに恐縮に存じております。 公庫の立場で申し上げさせていただきまするならば、過去においていろいろ景気刺激その他のために公庫業務の拡大を図ってまいりました。そのツケが後年度になってやってまいるのでございまして、この補給金につきましては本来ならば制度的にそうなっておりますので当然にちょうだいをしたい、こういうことでございます。しかし、国家財政の厳しさ、これもよくわかるわけでございまして、その中で大蔵大臣、建設大臣の御配慮によりまして、昨年末の予算案の確定の段階では五百数十億という要求をいたしている金額の上に上乗せをして御解決を願ったわけでございますし、また今般の公庫法の改正によりまして、さらにその足らず前につきましては今後一定期間内に措置するということを法案の形で明記していただいておりますので、住宅金融公庫といたしましては財政問題につきましては心配はございますが、政府にお任せいたしまして、一応先生のおっしゃいま す国民の需要にこたえるべく今後とも業務の拡充に努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○梶原敬義君 総裁が遠慮されておりますけれども、過去に景気刺激のためにやったということをちょっと言われましたが、それだけじゃない。私も住宅金融公庫から昔お金を借りて家をつくってよかったと思っておりますが、非常に大多数の国民はそれによって恩恵をこうむり、それは固定資産税にはね返ってきたり、要するに国民があっての国ですから、国民が富むことが国が富むわけでありまして、結局、国にそのことによって財政的な負担があったとしてもそれはプラスの資産に国全体あるいは国民全体から見ますとなっておるわけですから、私はさらさら住宅金融公庫の総裁が遠慮することはない。当然それはいいことにはね返っておるわけです。 まさに中曽根総理大臣になって、ゼロシーリングや何や言っているけれども、住宅予算に関して、その中をゼロシーリングのような何でもかんでもいいものも悪いものも一緒くたにしてやるやり方についてはどうしても納得ができないわけであります。総裁といたしましては遠慮せぬで、さっき言いましたような観点に立てば、何も建設大臣あるいは大蔵省がやってくれたからじゃなくて、当然のことを、まだ繰り延べを一千億もやっていないわけですから、もうちょっと国民の前に胸を張って私は物を言っていただきたいと思うんです。これは、今の答弁を聞きますと国民はがっかりしますよ。そういう立場ではあなたは役目を果たしていないのじゃないですか。 だから、今から申しますが、一つは貸出限度額を十万とか二十万じゃなくて、もっと百万、二百万単位で一つはふやしてもらいたい、これが一つです。それから第二点目に、償還期間を、木造二十五年あるいはマンションあたりが三十五年をもう五年。それからステップ償還につきましては、もう少し五年間なら五年間のステップ償還の支払い額をもっと下げる。これは住宅を取得したときには、当然家財道具を買ったり、あるいは塀をつくったり、庭をつくったりして大変また金が余分に要るものですよ。だから、そういうことまで考えると、なかなか住宅取得した当初の五年ぐらいというのは苦しいわけですから、やっぱりステップ償還の額をもっと下げていく、こういう方法。それから、大蔵省お見えだと思いますが、民間の金融機関に対して住宅ローンあたりの金利あるいは支払い期間、これを住宅金融公庫も、政府もこのくらいやるのだからもっと努力せい、こういうような方向でひとつ強く当たってもらいたいんですが、この今の四点について、大臣に最後の決意を披瀝していただきたいと思います。この点についてよし、わかった、住宅問題について今やっぱりやろう、こういう観点からひとつ答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(木部佳昭君) いろいろ大変貴重な御意見を厳粛に受けとめさせていただきます。特に、貸付条件の改善等につきましては、私どもといたしましても今後とも最善の努力を尽くしてまいりたい、かように考えております。
○梶原敬義君 時間が来ましたのでやめますが、経済企画庁長官も、この繰り延べなんかはしない、そして住宅にもう少し資金もつぎ込んで力を入れる、こういうことを閣僚会議の中で言う、通産大臣も手を挙げて、私は建設も詳しいのだということで先ほど商工の予算の委嘱審査のときに言われましたから、建設大臣はもっと前向きにこの問題を取り上げていただきたいことを要望いたしまして、終わります。
○二宮文造君 本論に先立ちまして、木部建設大臣に申し上げたいと思います。 私は、昨日の当委員会で、民間活力の導入、特に国有地の民間開放について港区六本木所在の林野庁宿舎用地を取り上げました。私は、別件の国有地払い下げに絡む問題もありましたので、あえて業者名を明らかにしませんでしたが、昨日の夕刊以来の新聞報道でどうやら覆面を脱がされたようです。それは、昨日も問題にしました森ビル株式会社です。この問題につきましては、今後、政府、特に建設省、住宅・都市整備公団の扱いいかんによりましては重大な政治問題になるやもしれぬ。また、木部建設大臣には、既に与野党間で合意を見ております政治倫理綱領を念頭に置きながら、昨日の答弁の趣旨を厳正に守っていただきたい、そういう願いがありまして、この際、同記事をそのまま会議録に残しておきたい、このように考えます。 その記事は、四段見出しで、「六本木国有地 払い下げ先、事実上決定 民活疑惑 暗に「他社は見送りを」」となっております。 本文は、こうです。 中曽根首相提唱の民間活力導入の対象となっている東京・六本木の国有地再開発計画が国会で問題になったが、住宅・都市整備公団を通して払い下げを受ける業者が事実上決まっていることが、一日までに関係者の話から明らかになった。業界、建設省内部からも、「特定の業者を利する結果となり不明朗だ」「今後、民活で事業が進めにくくなる」などの批判が出ている。 この民間会社は、森ビル株式会社(本社・東京都港区虎ノ門三丁目、森泰吉郎社長)。 問題の国有地は東京都港区六本木の林野庁宿舎跡地など約二万平方メートル。すでに売却の方針は決まっていたが、中曽根首相の民間活力指示で、いったん同公団に渡し、競争入札によらず随意契約で特定業者へ払い下げられる方法に組み入れられた。 この問題は三月二十九日に衆院建設委で追及され、建設省は「払い下げは応募者(業者)から計画を出してもらい公正に選考したい」などと答えていた。 ところが関係者の話を総合すると、森ビルへの払い下げがすでに決まっていることがはっきりした。 民間の大手不動産業者らが公団に再開発参加の意向を伝えたところ、公団側から「手を上げても見込みはないので、見送った方がいい」と、暗に手を引くよう求められた、という。 建設省内部では「地元港区側の要求は住宅の建設なのに、マンションでは実績の少ない森ビルに払い下げるのはおかしい。特定の業者に利する事業に、政府や省が肩入れするのは好ましくない」と疑問を投げかける声が出ている。 森泰吉郎・森ビル社長の話 六本木、赤坂地区の開発を計画したのは、昭和四十三年ごろだ。計画が実って、昨年から六本木地区でかなり大がかりな再開発事業も始まっている。我が社としては、林野庁の宿舎敷地もその延長線上と考えている。 こういうものであります。 この際、木部建設大臣の決意を伺って、次の質問に入りたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 私は、昨日のこの質疑の中で、国有地の処分等有効活用につきましては公明正大に行うべきことの答弁を申し上げをした。国有地の処分は御承知のとおり大蔵省が担当でございますが、私といたしましては、疑惑のないよう公正な扱いをしていく努力をしてまいりたい、そう考えております。
○二宮文造君 ぜひ、昨日の答弁の趣旨のように、明確、公正、公平、厳正にお取り計らいをお願いしたいと思います。 私は、本日は、時間もまた一時間でございますので、住宅政策の基本体系の問題と、それから本四架橋に関連する問題、さらには新交通システム、欲張っておりますが、これらの問題を質疑してまいりたいと思います。 冒頭に、住宅政策の基本体系についてですが、昭和六十年度はちょうど第四期住宅建設五カ年計画の終期に当たります。ところで、五年ごとに実施されてまいりました五十八年住宅統計調査並びに住宅需要実態調査ではどのような調査結果が出たか、時間の関係もありますので、かいつまんで御報告願いたいと思います。
○政府委員(吉沢奎介君) お答え申し上げます。 昭和五十八年の住宅統計調査によりますと、全国の住宅数が三千八百六十一万戸でございまして、総世帯数三千五百二十万戸を上回って戸数面での充足がなお進んでいるということでございます。また、住宅の規模でございますが、一戸当たりの平均床面積で見ますと、昭和五十三年の八十・三平方メートルが五十八年には八十五・九平方メートルになりまして、これも着実な向上を見せておるところでございます。しかしながら、居住水準を見てまいりますと、住戸の規模要因で考えてみますと、最低居住水準未満の世帯が全国で約三百九十五万世帯、一一・四%ございます。特に、大都市の借家居住世帯でその率が高いということで問題がございます。なお、平均居住水準未満世帯につきましては五〇・九%ということでございます。それから五十八年の住宅需要実態調査によりますと、住宅、住環境に対して不満があると感じている世帯は全世帯の三八・四%でございます。 以上の調査の結果、我が国の住宅政策の目標でございます住宅の質の向上というものは進みつつございますけれども、まだ不十分である。また一方、国民の住宅に対する需要は非常に高度化し、多様化しているということでございまして、今後、施策の充実が望まれるのではないかということを感じております。
○二宮文造君 ただいまの報告から考えますと、住宅の改善状況というのはうなずけるものがありますけれども、しかしまだ第四期計画で達成を目標にしていた良好な生活をするための最低居住水準以下の世帯が首都圏を中心に三百九十五万とおっしゃいましたね、一一・四%あるということ。それからまた、政府が進めてきた持ち家志向から、長期不況と地価の高値安定あるいは個人所得の伸び悩み等で貸し家志向に変わりつつあるということ。それから三つ目には、高齢化社会へ急テンポに進んでおって、結婚した子供を持つ年老いた親が子供夫婦と一緒に住みたいという要望が顕著になってきた。こういうことが二つの調査の中から出てきたと私は思います。 また、これらを総合して、外国からウサギ小屋批判がございますが、住宅など社会資本整備に手を抜いて工業の国際競争力の強化に努めてきた我が国の政策に対する非難もその底流にはあった、こういうこともやはり住宅政策の中で反省をしていくべきではないか、こういう点が二つの調査の中から明らかになったと思うわけであります。したがって、大臣はこれらの点をどう受けとめておられるのか、お伺いしたい。
○国務大臣(木部佳昭君) 今御指摘いただきましたように、住宅建設の五カ年計画につきましては、目標達成ということは現状を見てまいりますと大変困難である、そういう感じがいたしておるわけでございます。しかし、私ども今後ともこの住宅金融公庫の融資の制度の拡大を図るとか、また公的賃貸住宅の供給の促進を御指摘のように図るとか、税制上の配慮等をよくお願いしながら改善を図るとかというようなことで、今お話がありましたような居住水準の向上を図るということは非常に住宅政策の根幹でございまして、全力を挙げて今申し上げますような根幹を維持し、発展させるために、やはり政策というものは整合性がなければいけませんから、最善の努力を尽くさせていただきたいと思います。 なお、高齢化社会に備えまして、恐らく、この二十世紀の末というものは非常な高齢化社会を、現在でも世界一でありますから、これはもっと高齢化社会を迎えていく。そういう時代に対して、三世代向けの住宅などの供給に真剣に取り組んでいかなきゃならぬ非常に大きな我々の使命がある、そういう考え方に立って努力をしてまいりたいと思います。
○二宮文造君 居住水準の改善という問題を考えましたときに、増改築とか、あるいは模様がえとか、そういうリフォーム、さらには住みかえなどの既存のストックの役割が非常に大きくなってくると思いますが、どう対応されるんですか。
○政府委員(吉沢奎介君) おっしゃるように、単に住宅を新しく建てていくということももちろん重要でございますが、三千八百万戸の既存ストックの活用というものが居住水準の向上のために非常に必要であろうと思っております。 このストック対策として挙げられますのは、一つは増改築がございます。いわゆるリフォームでございます。これにはいろいろ問題がございます。国民の側から申しますと、一体、自分のうちをどうやってリフォームしていいかよくわからない、あるいはどこに頼めばいいかわからない、あるいはどのくらい費用がかかるのかわからないというような、こういうことがございまして、そういう問題をまず解決しなくちゃいけないということで、いろいろリフォーム推進のためのキャンペーンを、三年越しになっておりますが、全国各地で展開をいたしております。それから大工さん、あるいはその他の建築業者の方々に窓口でいろいろそういうことをお教えするというようなことについても一部やり始めております。今後、そういうことの展開も進めていきたいと思っておるわけでございます。 また、住宅リフォームセンターというものをつくりましたのですが、ここにおきまして、リフォームに関します情報の提供とか、あるいは消費者に助言を行う人材の養成というようなものに努めているわけでございます。そういうことで、供給体制の整備あるいは技術開発というものについて推進を図っているところでございます。 また、住宅金融公庫では御存じのように住宅改良貸し付けというものがございますが、これにつきまして今回利率を六・五%から六%へ下げるということにいたしております。さらに、もう一つのストック対策の問題としまして中古住宅流通というものを促進する必要がございます。これにつきましても住宅金融公庫の既存住宅貸付制度がございます。そのほか、流通市場の整備というものを行いまして、今後ともこの既存住宅の流通というものを促進させてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○二宮文造君 既存ストックの有効活用という問題に関連しまして、公団住宅の増築及び建てかえ問題について若干質問してみたいと思うんですが、高い、遠い、狭い、こういう不評がございましたが、その狭いという部分の不評解消のために、昨年の五月、四階から五階建ての中層賃貸住宅の増築計画を打ち出して住民の意向調査を実施したように聞いておりますが、その結果はおおむねどうですか。
○参考人(京須實君) お尋ねのアンケートでございますが、全国十六団地につきまして、戸数で申しますと約二万四千戸につきまして調査いたしました。 その結果を申し上げますと、住宅の広さあるいは部屋の数が少ないという点についての御不満を持った方が六〇%以上ございました。特に、増築についての希望でございますが、三六・五%の居住者の方が増築の実施を希望する、また何とも言えないと答えた方が三四・五%、はっきり希望しないと答えた方が二八%ということでございます。
○二宮文造君 どうも増築の希望が少ないようですが、その理由はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(京須實君) ただいま申し上げましたように、希望すると答えました方が三六・五%でございますが、はっきり希望しないと申した方は二八%でございます。 その中の理由でございますが、アンケートの際に一緒に書いてもらったのでございますが、実施はしてほしいけれども家賃の負担額が大きくなるだろうという方が、その希望しない方の中で全体の四三・九%でございました。それからまた、狭くとも不満はないのだ、あるいはいずれ転居するつもりである、さらにはまた今狭いがいずれ家族の人数が減る予定である、つまり当面狭くてもいいのだと言った方が、これも希望しない方の全体の三四・一%でございました。したがいまして、家賃が心配であるという方が半分にちょっと近いわけでございますが、それから実際に増築が必要ないという方も相当数おるということでございます。さらにまた、何とも言えないと言った方が三 四・五%おりまして、この方々は実際問題といたしまして希望しないのではなく、条件次第といいますか、今後もう少し様子を見たいということかと思っております。
○二宮文造君 調査対象になりました十六団地、約二万四千戸という今御報告がございましたが、工事にこぎつけられる戸数というのはどれぐらいお考えですか。
○参考人(京須實君) 調査対象は広くいたしましたが、五十九年度予算で認められましたのは、これは試行でございますので三百戸の予定でございましたが、残念ながら実際に増築工事の実施にこぎつけましたのは三団地、百戸でございます。
○二宮文造君 増築に加えまして、昭和三十年代に建てた三K以下の狭くて老朽化が進んだ賃貸住宅の建てかえに着手する方針も決められたようですが、その対象団地はどう考えておりますか。
○参考人(京須實君) 建てかえにつきましては、六十年度から新たに調査を始めようと考えております。予算で現在御審議中でございますが、予定といたしましては、京阪神地区あるいは京浜地区、東京近傍あるいは大阪近傍、これらの団地につきまして調査をしたい、こう考えております。
○二宮文造君 三十年代に建てられたのが十七万戸と聞いております。その十七万戸で対象団地がどの程度にあるのかということと、それから建てかえの方式はどう考えているのかさらには建てかえ後の家賃が従来の家賃に比較しておおむねどうなる見通しなのか、これらの点をあわせて御報告願いたい。
○参考人(京須實君) 三十年代に管理を開始いたしました賃貸住宅は、先生お話しのとおり約十七万戸でございます。そのうち二DKあるいは三K以下のいわゆる小規模住宅が十五万八千戸ございまして九三%、非常に多数でございます。これらのものにつきましては、まだ具体的にどのような方式でやるかは決まっておりません。今後調査をいたしますが、とりあえずは具体的な団地につきまして、それぞれ立地条件とかあるいは物的条件あるいは工法上の規制等について調査をしたいと考えております。 しかしながら、非常に家賃が高額化するおそれがいろいろございます。既存建物の残存価格についてこれをどう処理するか、あるいはまた既存建物の取り壊し費用をどうするか、あるいは他へ移られる居住者の移転の経費、こういったものについていろいろかかるかと思っております。ただ、用地費はかなり低廉になると予想されるわけでございまして、結果的にはある程度の家賃にはなろうかと思いますが、まだ具体の団地ございませんので、はっきりした申し上げるような資料はございません。
○二宮文造君 問題はそこなんです。三倍ぐらいになるのじゃないかというような概算で、建てかえはやってほしいけれども、環境をよくしてもらいたいけれども家賃の方が問題だというのが大きなネックになろうかと思いますね。既に計算はできていると思うんですが、まだ計算ができていないというのは、そういうところで非常に公団側も慎重に対処しているということだと私は思います。ただ、公団の賃貸住宅の場合は、公営住宅と違いまして、建てかえには入居者全員の承認が必要だ、こういうことになっていると私は承知しているんですが、入居者の合意をどう取りつけていくお考えなのか。公営住宅並みに、一定の条件が整えば全員の同意が得られなくても建てかえができるというような法律面での整備が必要だと思いますが、その辺はどうなんですか。既にその整備に着手されているとも伺いますけれども、その辺も含めてお伺いしたい。
○参考人(京須實君) 増築につきましても同様な問題がございまして、一棟そろえて増築いたしませんと、非常に見た目も悪うございますし、また構造上も問題でございます。建てかえも同様でございますが、どうしても増築ないしは建てかえに御賛成願えない方は付近の団地へ住みかえていただく、そういう制度でやれると思います。現に、増築の場合でも、ただいま申しましたように百戸ばかり増築いたしますが、その中で十六戸の方が他へお移り願いました。公団の場合には幸いそういうことがございますので、建てかえの場合もそのような住みかえ等を活用いたしまして、極力、強制といいますか法規制によらないでまず我々努力してみたい、こう考えているわけでございます。
○二宮文造君 ただ、一つ問題になるのは、おっしゃった用地費が要りませんね。用地費だけ、本当ならその部分に限れば安くなるはずです。ところが、公団はやっぱりグローバルに、平均的に家賃の計算をしますから、従来の新築の団地と同じような積算になっていく。したがって、やっぱり相当程度建てかえの場合には家賃は高くなる。いわゆる今新築して募集しているのとほとんど変わらなくなる。ただ、従来の居住権で若干の激変緩和という措置がとられるぐらいだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか、家賃の件は。
○参考人(京須實君) ただいま先生御質問の激変緩和につきましてはまだ検討中でございまして、確とした見通しは決定しておりません。何分にも六十年度から初めて調査を開始いたしますので、そういった具体の面についてはまだ決まっておりませんが、私どもやはり公団住宅の賃貸に入る方々につきましては、第三分位の順位の方々が一六%ないし一七%の負担率でお入り願えるように、もちろんこの場合は全体の話でございまして、特に場所がよろしい、あるいはまた建物が広い、いろいろ問題がありました場合にはすべての方がそういうふうにはまいらない点もございますが、そういったような基本的な態度でもって対処していきたい、こう考えております。
○二宮文造君 これから公団のお手並みを拝見するわけですが、どうかひとつ入居者に余りトラブルを起こさないように、また先ほども冒頭に申し上げたように、国民の住宅に対する志向というのは持ち家から賃貸に戻りつつあります。また、居住水準を変えなきゃならない三百九十何万世帯というのも、恐らく持ち家はいわゆる不可能な方々の調査の結果だろうと思いますね。したがって、居住水準はよくしていく、しかしまたそれが家賃にはね返ってかえって負担になっていく、こういう二律背反の問題が出てきますけれども、慎重にその辺を整備していただきたいと要望いたしておきます。 次に、本四架橋についてお伺いいたしますが、大臣、どうやら本四架橋は最終の状況にかかってまいりまして、問題は明石海峡大橋、神戸―鳴門ラインといいますか、昔はこれが明石―鳴門だったんですが、今神戸―鳴門と言われておりますが、これが取り残されております。河本大臣は、これはやるべきだ、いわゆる大鳴門橋をかけても片一方がかからないのじゃやっぱり投資効果が全然違ってしまうということで明石海峡大橋に早急に着手すべきだ、こういうお話もある。それからまた、現職の運輸大臣の山下さんが、これは道路単独橋なんだというふうに明言された。現職の運輸大臣が道路単独橋を主張されるというのは、これもまた異例なことだと思うんです。こういう大鳴門橋の開通を目前にして、この投資効果を十分に発揮させるためには明石海峡大橋がどうしても必要だ、これは否めない世論だと思います。これについて建設大臣の御意向を伺っておきたい。
○国務大臣(木部佳昭君) いわゆる明石大橋につきましては昭和五十八年の三月に臨調答申がございます。私どもも、今、先生御指摘にたりましたように、大変実は地元でもそういう要望がありますことは承っておりますし、また同時に、明石大橋というものができないと、鳴門大橋、あれだけの東洋一の橋の経済的な効果というものについても問題があることは承知をいたしております。 しかし、基本的に申し上げますと、今申し上げますように、昭和五十八年の臨調答申というものがございますから、その辺は率直に申し上げて、私どもとしましても地元の要望はよく承っておりますけれども、非常に困難があるのじゃないか、そういうふうに実は思っておるわけでございます。しかし、今御承知のとおり臨調路線を進めておりますし、またこれから社会経済情勢というものがどういうふうに変化しますか、そういう点等も踏まえまして総合的な観点から調整をし、また同時に今までも調査はずっと進めているわけですから、これを途中で云々というわけにはまいりませんので、そういう点はよく調整を進めていかなきゃならない、そういうふうに考えておるわけであります。
○二宮文造君 国土庁長官、大変恐縮なんですが、今、建設大臣は臨調答申を尊重するという大前提を強調されておりますが、四全総に今着手されておりますが、この四全総で明石海峡大橋の建設計画をどう盛り込むのか、これは盛り込み方によっては進みも退くもなるんですが、長官のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 四全総は、来年の六十一年をめどに策定することで今作業を進めているところでございます。明石海峡大橋を含めて本四架橋は本州と四国を結ぶ非常に重要な橋であるということをもとに四全総を作成しなければならぬわけですが、目下検討中でございます。
○二宮文造君 私は、前段の方に力点を置いて今答弁を伺いました。 それで、具体的な問題で、大嶋門橋の供用開始が間もなくですが、これでいろいろ説明はしたいんですけれども、時間の関係で切り張りの質問になりますけれども、供用開始時の交通量をどうごらんになっていますか。
○参考人(吉田巌君) 大鳴門橋の供用開始時の交通量は、一日当たり約六千五百台程度と見込んでおります。
○二宮文造君 私がいただいた資料あるいは説明では日量七千七百台というふうに伺っているので、それでも甘いのじゃないかという感じがしているんです。それを今伺ったら六千五百台というのではもっと甘くなりますが、その程度ですか。
○参考人(吉田巌君) 交通量の推定につきましては、国の策定いたしました一九八〇年代経済社会の展望と指針並びに第九次道路整備五カ年計画等の全国フレームをもとにいたしまして、大嶋門橋を利用することによる普遍性あるいは地域社会への活発化等の影響等を考えまして推定しておりますが、あわせて因島大橋あるいは大三島における実績等も踏まえて今の数字を出しております。
○二宮文造君 計算ですから実態がやがて証明することになるわけですが、それにしても鳴門北インターの接続道路は県道鳴門公園線と鳴門有料道路、こうなるわけです、その現地から考えてみて。いずれの車線も二車線、片側一車線です。ですから、本土から流れてくる、あるいは四国の東半分からこれを利用するということになってきますと、やはり交通量はふえてくるだろう。そうすると、渋滞を来して、この県道鳴門公園線と鳴門有料道路は現状では接続道路としての機能を十分に発揮できないのじゃないかという気がしますが、心配はありませんか。
○政府委員(田中淳七郎君) 大鳴門橋の供用によりまして現道に新しく付加されます交通量は昼間十二時間で約三千台と予測しております。鳴門側の接続道路でございます主要地方道鳴門公園線及び鳴門有料道路の容量としましては、通常の場合は現在でも余裕がございますし、この追加されるであろう三千台、十二時間交通量でございますが、十分であると考えております。ただ、ピーク時には若干の混雑が予想されますので、信号現示あるいは信号サイクル等の調整及び鳴門北インターチェンジの取りつけ部の交差点の処理等の現道の交通処理対策を行ってこれに対処してまいりたい、かように考えております。
○二宮文造君 ピーク時だけならよろしいんですけれども、相当の渋滞を予想しなきゃならぬと思います。 そこで、その渋滞を解消するためには、鳴門北インターから鳴門インター間、それから国道十一号の吉野川バイパス、主要地方道であります鳴門池田線、それから鳴門市内の吉永西小沖線のいずれも早期完成が不可欠だと思いますが、それぞれ完成の見通しはいつになっておりますか、大鳴門はことしですから。
○政府委員(田中淳七郎君) まず、初めの鳴門北インター・鳴門インター間のところでございますが、鳴門北インターチェンジと鳴門インターチェンジ間約八キロございますが、この工事を鋭意促進しております。現在のところ、昭和六十年度末までに完成する予定でございます。
○二宮文造君 半年ずれるんですね。
○政府委員(田中淳七郎君) 大体そういうことになります。約半年ちょっとずれることになります。ことしの六月の上旬に開通を予定しておりますので、六十年度末といいますと六十一年三月三十一日、最悪の場合でございますが。もうちょっと早くなるように努力します。 それから吉野川バイパスにつきましては、先生御案内のように全長約十七キロ、このうち五十九年度までに起点側の徳島市中心部から主要地方道鳴門池田線までの間延長十二キロにつきまして暫定二車線及び六車線で供用済みとなっております。残りの区間、延長四・九キロ、これは主要地方道鳴門池田線から現十一号線に接続する間でございますが、この区間は現在用地買収及び工事を促進しているところでございます。 本四連絡道路鳴門インターチェンジの供用開始、昭和六十一年度を予定しておりますが、この供用開始に合わせまして、県道明神大津線の一部約九百メートルを利用しまして供用できるよう事業の促進を図ってまいりたいと考えております。 なお、新吉野川大橋から旧吉野川新広島橋までの間延長六・二キロ分につきましては、これはバスレーンを含んでという意味でございますが、暫定三車線で供用しているところでございますが、このうち吉野川大橋から主要地方道徳島北環状線までの間延長四・一キロにつきましては、交通量の増大に対処するため、昭和六十一年度を目途に六車線化を行うよう事業を促進しているところでございます。 さらに、主要地方道鳴門池田線につきましては、鳴門市の撫養町から三好郡池田町に至る約七十キロメートルの道路で、現在の整備率が五七%、舗装率九五%となっております。この路線のうち、現在、鳴門市の撫養町から同市大麻町に至る延長九・三キロの区間につきまして狭隘区間の解消を図るためバイパスの建設を促進しておりまして、五十九年度までに延長六・二キロを供用しております。残区間につきましては、地元の協力を得ながら事業の進捗を図ることとしております。用地買収で難航しているところがございまして、先生御案内だと思いますが、供用は大体六十二年度末になるのではないかと見込んでおります。
○政府委員(梶原拓君) お尋ねの吉永西小沖線でございますが、現在、都市計画事業で事業の促進を図っております。一部、用地買収困難地区もございますが、六十一年度末までには完成させたいということでございます。できればその前に暫定二車線でも供用するべく努力したいと考えております。
○二宮文造君 六十一年度末とおっしゃいましたか。
○政府委員(梶原拓君) 六十一年度末でございますが、暫定二車線でその前に供用できないか、この点は鋭意努力中でございます。
○二宮文造君 供用開始が本年の六月、ところが接続が今伺ったように六十年末とか六十一年末とか六十二年とか、やはり地方の財政力の弱さもあるんでしょうね。こういうふうに工事の完成が目の前になって、泥縄式でやって結局間に合わない。これらの状況がありますので、鋭意この接続の問題については努力をお願いしたい、こう思うわけです。施工期間の短縮を特に要望しておきたいと思います。 それから、これも前回来ずっとお願いしているわけですが、大鳴門橋が開通しますと、これは単に徳島県あるいは高知県ということだけじゃなくて、香川県の高松から東、これがいわゆる大鳴門圏に入るわけです。瀬戸大橋を使って京阪神に行くよりも、従来申し上げておりますように大鳴門橋を経由して行った方がはるかに早いわけですね。ところが、鳴門市の北側に九・四キロにわたる交通規制区間がある。雨が降りますと、交通がストップしてしまうわけです。それ一本しかない。こういう状況でございますので、この点もどう対処されるのか。これは前々から懸案事項になっておりまして、はっきりした答弁もいただいていないのですが、きょうもまたこの問題、漠然とした答弁ということはわかりながら問題にしておきます。
○政府委員(田中淳七郎君) 御指摘のところは、鳴門市の北灘町の九・四キロの区間であろうと思います。先生御案内のように、非常に急峻な山が道路に迫っておりまして地形上非常に厳しいところでございまして、現在、連続雨量百五十ミリメートルになりますと通行規制を実施しているところでございます。また、秋から冬にかけまして、波のために交通支障を生ずる場合がございます。このために、波を防止する等の防災対策を実施しますとともに、さらに確実な交通確保を図るよう防災対策に関する調査を促進し、できるだけ早くのり面対策を実施するなど、交通安全の一層の向上を図りたいと思っております。現在、まさに御指摘のとおり調査中でございまして、いつできるということはちょっと申し上げかねます。
○二宮文造君 要するに、瀬戸大橋が一ルート完成で、これはどんどん工事が進んでおりますね。昨年も建設委員会で視察をいたしましたが、岡山県側は橋の取りつけ口から道路の工事が始まっているわけです。ところが、四国側の方は、大鳴門にしても瀬戸大橋にしても、いわゆる橋の取りつけ口、ここの道路の問題がペンディングになっているわけです。これは財政力の違いといえばそれまでのことですが、その辺のことを十分御理解いただいて、今後も建設省でも十分にバックアップしていただきたい。でなければ、せっかくの橋が、橋をおりたら交通渋滞になってしまってどうにもならない、投資効果が全く削減されてしまうということですから、よろしくお願いしたい。これは答弁は要りません。 次に、国鉄にお伺いしたいのですが、児島ー坂出ルートが昭和六十二年度開通を目途に工事が進んでおります。そうすると、四国側の国鉄の在来線は現在ほとんど単線であり気動車ですね。ところが、本土側は電化しています。架橋後の交通需要の増大やあるいは高速化へのニーズというのも出てまいりますが、複線電化された本四備讃線と四国側との接続はどうお考えになっているのか。どうしても四国の在来線の複線電化が必要ではないだろうか、こう思うんですが、この辺の御計画はどうなんですか。それから岡山から四国に備讃線で入ってくる接続のぐあいをどうお考えになっているのか。この二点をお伺いしたい。
○説明員(八木正夫君) 本州から四国に渡ります輸送計画につきましてはただいま検討中でございますが、先生今御指摘のように、四国島内の国鉄線は大部分が単線で、かつ非電化であるわけでございます。しかしながら、この本四備讃線に接続いたします予讃本線の高松―多度津間について見ますと三十二・六キロございますが、このうちの坂出―丸亀間六・八キロメートルを除いて既に複線化されておるわけでございます。このまだ単線が残っております六・八キロのうちの坂出―丸亀間につきましても、本四備讃線の関連工事ということでこのうちの三・八キロが複線化する計画になっております。したがいまして、この区間では三キロが単線で残ることになるわけでございますが、私どもといたしましては、今想定いたしております輸送によりますと、これで開業時の輸送に関しては十分であろうというふうに考えておるところでございます。したがいまして、残る区間の複線化につきましては、この本四備讃線開業後の輸送需要の動向などを見ながら検討してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、この電化の問題につきましては、この本四備讃線に接続する在来線の電化ということにつきましては、四国側といたしましては新規の電化ということになるわけでございますが、これにつきましては今後慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○二宮文造君 慎重に検討していただくのはいいんですが、岡山から本四備讃線を通って四国に入ってくるその接続はどういうふうにお考えになっているんですか。
○説明員(八木正夫君) 本州から四国に入りますのは直通列車で当然考えておるわけでございまして……
○二宮文造君 電化ですよ、それは。
○説明員(八木正夫君) はい。ただいま宇野線は電化になっておるわけでございます。したがいまして、電車で参るとすれば、四国島内も電化をしないと途中で乗りかえというような問題が出てまいりますので、そのようなことも考えながら今後慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○二宮文造君 要するに、最低、高松―多度津間ぐらいは電化の用意があると仮にしまして、工事期間はどれぐらいかかりますか、高松―多度津間に限って。
○説明員(八木正夫君) 電化した後の練習運転というような問題もございまして、そういう期間を見ましても二年あれば十分というふうに考えております。
○二宮文造君 ことしが六十年、供用開始が六十二年度末、ずれるかもわかりませんね。もう三年です。ぜひひとつ、あと一年研究期間がありますが、お願いしたい。そうでなければ接続がいびつになってしまいます。よろしくお願いしたいと思います。 それから問題は、現在建設中の瀬戸大橋、これは新幹線のスペースを構造上持っております。ところが、凍結されております。四国に新幹線を乗り入れてくれという希望は非常に強いわけですね。せめて基本計画を整備計画に格上げをしてもらって前進させたらどうだという意見もありますが、これは要望にとどめておきます、答弁は決まっていますから。言っておかないとまたとかく言われますので、要望だけいたしておきます。 もう一つ問題なのは、これも未解決なんですが、本四備讃線の利用料です。現在の建設費見込み額を前提にして試算した場合に、いわゆる利用料がどれぐらいになるか。これは本四公団。
○説明員(梅崎壽君) お答え申し上げます。 御指摘の利用料につきましては、今後検討の上決定されるという問題でございますけれども、現在の建設費四千六百七十億円、これが鉄道負担分でございますが、これを前提といたしまして、これに建設中の利息等建設に要しましたすべての費用を四十年間の元利均等償還で回収するということを前提といたしまして試算いたしますと、開業後、助成がない場合は年間五百五十億円と見込まれております。
○二宮文造君 年間五百五十億円。 ところが、細かく言いませんが、国鉄四国総局の全線の年間の営業収入が五十八年度で二百五十九億円です。全部ほうり込んでもまだ足りない。しかし、列車はやがて走る。本四備讃線の利用料を国鉄に負担しろといったって、とてもじゃないけれども負担できるわけがない。ひとつこれはやっぱり政府で知恵を出していただかなきゃなりませんが、この対応についてどのような検討を進めておられるのか、建設大臣にお伺いしたい。
○国務大臣(木部佳昭君) 大変難しい問題でございますが、御承知のとおり日本道路公団、日本国有鉄道、それぞれに独立採算制ということの原則に立っておるわけでございますし、また私ども有料道路は御承知のとおり利用者負担という大原則で維持、管理ともあるわけでございますから、そういう意味で、私どもは私ども、道路公団は道路公団、国鉄は国鉄としてこれはその対策を考えていかなきゃならぬ、これが原則だろうと思うんです。 これから先はちょっと政治的発言になるかもしれませんが、今、先生御指摘のように、四国全体を考えてみて二百何十億しか収入がないというんですから、ですから、これは運輸省としてどういうふうに考えられますか。私どもは、現行制度でいく限りでは一緒にセットというわけにはいかないわけですから、研究だけはさせていただきたい、こう思っております。
○説明員(梅崎壽君) ただいまの御質問に対しまして私どもの現在の状況をお答え申し上げますが、今、先生御指摘のとおり非常に大きな資本費負担でございますので、この問題に関しましては国鉄再建対策との関連にも十分配慮しながら検討しておきたいと考えております。この点につきましては、五十七年七月に出されました臨調の第三次基本答申におきましても、「完成時点において、分割会社(国鉄)の経営を圧迫しないよう国は措置する。」と、こうされておるところでございます。 そこで、この問題は、現在国鉄再建監理委員会におきまして、国鉄の効率的な経営形態のあり方など、国鉄の抜本的な経営再建対策の問題の一環といたしまして検討されておりまして、運輸省といたしましては、この国鉄再建監理委員会の検討結果を踏まえまして対処したい、このように考えておる次第でございます。
○二宮文造君 これは重要な問題ですし、まさに大臣がおっしゃったように政治的な解決を図るよりほかに方法はないと思います。 国土庁長官にもこれは国務大臣としてひとつ政治力を発揮していただこうということでお伺いしようと思ったんですが、趣旨はそういうことでございますので、ひとつ御努力をお願いしたい、要望いたしておきます。 あと時間が六分少々になりました。私は今度は新道路交通システムの問題について質疑をしてまいりたいと思うんですが、要するに、今日いわゆる渋滞とか騒音とか排ガスとか、そういう都市交通の問題点を解消して市民のための快適な足となる都市モノレールあるいは都市ガイドウエー、こういうものが新道路交通システムとして全国的に高まりを見せております。これは建設費が安いということ、あるいは先ほど申し上げたようないわゆる排ガスだとか渋滞だとか騒音だとかというのを解消するということで、その需要が非常に高まっております。 ところが、では準拠する法律は何なんだ、こういうと、昭和四十七年十一月十七日の議員立法によります都市モノレールの整備の促進に関する法律、これが制定されているだけなんです。都市モノレールというのは御承知のように一本の軌道げたにまたがっているか、あるいはぶら下がっているか、これがモノレールなんです。今、都市ガイドウエーというのはそういうぶら下がりもしていなければまたがってもいない、まさに軌道の上を走っているわけです。準拠する法律は都市モノレールの整備の促進に関する法律しかありませんのに、モノレールの定義、ガイドウエーとモノレールとでは定義が違うし、イメージが違う、これをこのままほうっておいていいのかということなんです。 ですから、私は、これからもこの都市ガイドウエーの需要というものは非常にふえてまいりますので、この辺で法体系を整備すべきではないか。無理に援用しているだけなんですね。全然種類が違うものを援用しているだけです。法体系を整備する必要があるのではないかという考えなんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(木部佳昭君) 都市の発展や、また今後の課題として都市政策というのは非常に大事な問題でございまして、恐らく三大都市圏を中心にして日本の人口の七〇%が、地方の中核都市を含めて、都市に居住するであろう、そういうふうな予想があるわけでございます。また、そういう点を考えてまいりますと、新交通システムというものは今、先生から御指摘いただきましたように大変大事な問題であるというように私どもも受けとめておるわけであります。特に、公害とか、また渋滞とか、このままで参りますと、率直に私は申し上げて都市の進展に対応するだけのあれはなかなか難しいわけですね。そういう意味を考えてまいりますと、新交通システムというものはまさに私は総合交通体系の一環として私どもが考えていかなければならぬ大事な問題である、こういうふうに考えておるわけでございます。したがって、ただ法律改正するだけがどうなのか検討させていただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。
○二宮文造君 時間が参りました。 大臣もモノレールと都市ガイドウエーの違いというのは十分御承知だろうと思いますのであえて申し上げませんけれども、これからどんどん需要がふえるであろうものがいわば法の上では日陰になっているわけです。全然イメージの違う法律を援用しているだけなんですね。これではおさまらぬのじゃないだろうか。これは運輸省との共管という問題も出てまいりまして、なかなかその辺が押し問答で面倒なようですけれども、運輸族、建設族というのじゃなくて、これからさらに普及していくであろう都市ガイドウエー、これはモノレールを含んででも結構ですが、単独立法の形でしっかりした法体系の中で、また国費の補助の問題も十分に勘案しながら住民の足の要望にこたえていく、こういう御努力をお願いいたしたい、こう要望しておきます。 以上で終わります。
○委員長(本岡昭次君) 午後零時三十分再開することとし、休憩いたします。 午前十一時三十五分休憩 ─────・───── 午後零時三十三分開会
○委員長(本岡昭次君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を続けます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○上田耕一郎君 鳥屋野潟の問題と建設業の不況打開の二つの問題で質問をしたいと思います。 まず、鳥屋野潟の問題ですが、私は、四十九年の十一月、五十六年の四月、五十七年の四月と、この問題を取り上げてまいりました。これは田中元首相が首相在任中に衆議院の予算委員会で国に寄附してもいいということを何回も明言した問題の土地で、その後の国会の決議もありますし、国政の問題にストレートに結びついておりますし、特に建設委員会にとっては直接責任を持たなければならない懸案事項だと思います。 去年の七、八月ににわかに問題が浮上してまいりまして、地元で浄化を求める署名が行われるという動きがあり、また県知事も着手するということを公言して、整備計画推進協議会も十一月三十日に急遽発足して、その後何回も会議が開かれ、二月の二十二日、三回目の協議会があり、それから先日は懇談会で一般市民の声を聞くということになっているわけです。ただ、この背景には、後でも述べますけれども、田中角榮の鳥屋野潟を前に出せという君知事に直接圧力をかける。二月に目白で君知事との田中・君会談まで行われるという背景があるわけで、問題の究明が改めて必要になっていると思うんです。 五十七年四月一日の本委員会で質問しましたが、一番の問題は田中金脈のねらいである鳥屋野潟の湖の底の土地ですね。私は何回も、これはゴーゴリの「死せる魂」と同じで、死んだ農奴を買い集めて金にしようというのと同じようで、死んだ湖底の土地を買い集めて金にしようという現代の非常に大きなからくりがあるということを指摘してまいりましたが、湖底面積百七十ヘクタール、うち民有地百三十六ヘクタール、八割、その中で田中ファミリーの浦浜開発が八十三ヘクタール、二十五万坪を持っているわけです。 前回の私の質問に対して、河川局長並びに都市局長は、しゅんせつ、公園化については地権者の承諾でできる、また法律的には買収しないでも可能だという答弁をされました。ところが、その後、昨年、新潟県知事から八月三十一日に照会があって、それに対して河川局長名の九月十二日付の回答が出ている。この趣旨を、まず河川局長からお伺いしたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 昨年九月の新潟県知事に対します河川局長回答の問題でございますが、これは鳥屋野潟の整備に関連する法律上の疑義として、一般論として「河道にたい積したヘドロのしゅんせつ、掘削等の河川工事で土地の形状を変更することとなるものを行う場合、その実施に当たっては、地権者の同意、所有権の取得等により河川管理者が権原を取得する必要があると解して」よろしいかという照会があったわけであります。これに対して私どもの方から、「貴見のとおりと解する。」旨回答いたしますとともに、河川区域内の民有地の取得に関する河川局の一般的な方針をあわせて申し添えたものでございます。
○上田耕一郎君 この君知事からわざわざ建設省に照会が行われたという経過は御存じと思いますけれども、新聞、週刊誌などの報道によりますと、非常に奇怪な経過があるんです。 現地の新潟日報で八月七日から十九日まで十一回にわたって「検証 鳥屋野潟」という連載が行われて、この問題非常に詳しい記事が載ったんです。その九回目、八月十七日付の記事、これが非常な反響を呼んだんです。これには「建設省の治水担当実務者はズバリ語る。「治水上必要なしゅんせつには、私有地でも公有地と同じこと。いちいち許可なんか取りません。」、許可は要らないのだということを言っている。「北陸地建水政課は一般論として、「河川管理者が治水面からしゅんせつする時、普通は同意を取らない。」、そう言っている。「建設省河川局水政課の見解は地建と同様で、「民法上からいっても、しゅんせつ土を売ったりしなければ問題ないハズ」」と、こう言っている。 つまり、建設省は、本省も北陸地建も治水上のしゅんせつには同意、許可は要らないのだということを言った。ところが、県の方は、これは要るのだということで頑張っているわけですね。この連載で建設省の本省並びに地建は許可は要らないということが三人も報道されたので大問題になった、県の方針が真っ向から否定されたから。県当局は大慌てした。事実かどうか知りませんが、週刊朝日の十一月二日号の記事では、建設省では犯人探しまでした、そう書かれている。結局、この記事を打ち消すために、わざわざ知事が建設省に照会をして、それで河川局長の名でこういう答えが出た、こういう経過じゃないですか。
○政府委員(井上章平君) 鳥屋野潟につきましては、これは新潟県知事の管理する一級河川でございますが、周辺の市街化等の趨勢によりまして、この地域の治水対策及び公園化等の要望に対応するべく新潟県においてはさまざまな観点から検討が進められてきたと伺っております。その中で、この鳥屋野潟の土地のほとんどが先ほど先生から御指摘ございましたように私有地であるわけでございますので、この上に治水計画を立案し、また公園をということになりますと、当然公有地化すべきであるという観点のもとで新潟県はさまざまな作業を進めてまいられたと伺っておるわけであります。その中でこの照会があったというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○上田耕一郎君 犯人捜しはしなかったですか。
○政府委員(井上章平君) 新聞記事につきましては、私どもは内容についてはよくわかりませんし、それに対して対応ということはございません。
○上田耕一郎君 そこで問題が出てくるのだけれども、この知事の照会は、「ヘドロのしゅんせつ、掘削等の河川工事で土地の形状を変更することとなるものを行う場合、」となっておるわけですね。新潟日報の記事に載ったように、しゅんせつの場合、しゅんせつ、掘削などの河川工事で土地形状を変更することになる、そうじゃなくて、土地の形状は変更しない、水の流れの下のたまったヘドロ、これを治水上のため、あるいは公害除去のため、これは河川法にありますね、そういうしゅんせつを行う場合はどうなりますか。許可は要らないでいいんですか、担当者などが述べたと言われるのだけれども。
○政府委員(井上章平君) この新潟県知事からの照会に対する回答ですべてが尽きると思いますが、通常、河道に堆積いたしましたヘドロのしゅんせつあるいは河川工事として行う掘削等に伴いまして、当然土地の形状が変更されるということでこういう照会があり、回答をしたものでございます。したがいまして、いわゆる土地の形状を変更することとならないような状態下においてどうであるかということになりますと、これは一般論としては私どもは河川工事によって土地の形状が変更となるという考え方で回答いたしておりますので、そういった場合につきましてはまた異なったものであろうというふうに考えられます。
○上田耕一郎君 異なった場合、たまったヘドロを取り除くしゅんせつ工事、これは「河川法の逐条解説」という本を見てみますと、やっぱり河川工事の中で、船の便をよくするための河道のしゅんせつ工事があるし、それから公害除去のために、汚濁防止のために流水の疎通をよくし、河床の汚泥を除去するしゅんせつ工事があるというふうにちゃんと載っているんですね。だから、土地の形状までは変わらない、たまったヘドロをしゅんせつするというあなたが言った別の場合で形状は変わらないという場合は、特に許可、同意は要らないのじゃないですか。
○政府委員(井上章平君) 河川区域内の民有地におきまして河川工事を行う場合、私どもは買収または土地所有者の同意によって権原を取得した上で行うということが建前としてあろうかと思いますが、しかし過去においてあるいは必ずしもそのような手続を踏まないままに行われた事例もないわけではないと思います。しかしながら、権利に対する住民の意識が強くなった昨今におきましては、まして市街地に近い箇所で治水工事を行う場合には河川管理者が権原を取得せずに工事を実施するということは到底困難であるというふうな考え方でございます。
○上田耕一郎君 だから、工事といってもしゅんせつですよ。しゅんせつ作業を行うのに、僕は霞ケ浦について聞いてみましたら、あそこは民有地はないのだ、だから当然しゅんせつをどんどんやっているという話であります。だから、何度も言いますけれども、ヘドロを除去するしゅんせつ作業、これについては特に同意、許可がなくても河川法上の精神からいっていいのじゃないですか。
○政府委員(井上章平君) バケツで泥をさらえるというようなことではございませんで、一般に行われておりますのはポンプ船あるいはグラブ船等を使用して、この鳥屋野潟の場合もそうでございますが、ある程度の一定の深さで掘削をするわけでございますから当然土地の形状変更を伴うものでございます。特に、この鳥屋野潟においてどういうことが行われておるかと申しますと、三百馬力のポンプしゅんせつ船を使用しまして平均一メートル余りのしゅんせつをしておるわけでございますので、この場合といたしましては当然土地の形状を変更する行為に当たるものと考えております。
○上田耕一郎君 ここに「水三法」、大成出版社の本があります。鮎川幸雄さんで、これは新河川法をつくったときの河川局の次長で、これを見ますと、新河川法づくりの中心の方だったと言われておりまして、この本は八三年、二年前に出た本であります。この本では、河川法の解説で、河川敷地というのは三つの部分から成っているということを述べて、一号地というのは、自然流水の流れているところだ、これは海に没した区域と同じように、その流水の状況により所有権の対象として支配不可能な場合は土地が滅失したもの、なくなったものと考えらるべき部分、この部分に私権は存在することはできない、こう述べているわけです。二号地は、堤防などに必要な完全に私権が排除されると言いがたい部分。第三の部分は、堤防などに必要な部分、そう言っていますね。鳥屋野潟の水のところは、この鮎川さんが私権は存在しないと言ったこの一号地に全部当たると思いますが、河川局長いかがですか。
○政府委員(井上章平君) 鮎川先生のこの著書「水三法」におきまして、一号地につきましては流水の存在により財産的支配が不可能であり、私権は有し得ないものといたしております。しかし ながら、私どもとしては、この河川法の建前から見ましても、一号地について財産的支配が不可能であるとは言い得ない、つまり私権は有し得るものであると考えております。
○上田耕一郎君 もちろん、これは鳥屋野潟の地権者たちは全部固定資産税も払って、ちゃんと登記されているので、一切ないというのじゃなくて、この新河川法をつくった方でさえこのぐらい第二条にいう河川は公共用物だ、とそういうことを強調して言っているわけですよ。だから、あそこをもし収用したりなんかいろいろしたら、それは私権抹消で、ないのだと、もちろん我々も言わない。けれども、このぐらい言っている場所なのだな、川の水の流れているところというのは。だから、公共のためのしゅんせつ作業にあくまで同意がなければ何もできないとかいうのはやはりおかしいと思うんですね。 それで、この本の四百三十七ページを見ますと、一級河川の中の民有地、国の直轄で三万六千ヘクタールあると書いてある。それから、これは県に委任した部分を含めますと全国で十三万ヘクタール民有地があるというんですね。その中で、境界の確定状況は五四%だという数字が四百三十七ページから四百三十八ページまでに出ているんですね。そうしますと、一級河川の中で民有地が国の直轄で三万六千ヘクタール、都道府県の管理しているのを含めると十三万ヘクタールある。国の直轄部分で半分ぐらいしか境界も確定していないというのでしょう。余り河川局長が鳥屋野潟にこだわって、同意がなければしゅんせつできないと言っていると、一級河川で国の直轄地で境界も確定していないようなところはしゅんせつも河川工事も何もできないということになりますよ。あなたがここで頑張ると、全国の三万六千ヘクタールあるいは十三万ヘクタールの河川区域内の民有地に全部響いてくることになるのだけれども、あなたはそれで突っ張るんですか。
○政府委員(井上章平君) 一級河川の直轄管内の民有地の面積は五十九年四月末現在でおよそ三万二千ヘクタールというふうに私どもは把握いたしております。そのうち官民境界が明確になっております面積はそのうちのおよそ五〇%であろうかと思います。
○上田耕一郎君 だから、そうなっているから、あなたのように言っていると、同意がとれないのだから、境界も確定していないような広大な河川区域内の民有地についてしゅんせつ工事など何もできないということになりませんか。
○政府委員(井上章平君) 私どもは堤外民有地についての取扱方針を定めておりますが、考え方としては、河川法におきましてはこの河川区域内に民有地が存在することを否定していない。いないのではありますが、先ほど先生おっしゃいましたように十三万ヘクタールほどあるわけでございますけれども、しかしそれが河川管理上好ましいというふうには考えていないわけでございます。 特に、この河川の中で私どもが、ただいま先生がおっしゃいましたようなしゅんせつでありますとか、あるいは掘削とか、堤防、護岸、こういった河川工事を実施いたします際には、当然その民有地の上で行うに当たりましては、それらを買収するなり使用権を確立した上で行うたてまえでございます。そういうふうにまた私どもも指導いたしておるわけでございますから、したがいましてしゅんせつが全国あまた行われておりますが、その民有地の上におきまして全く同意を得ないでそのままそういった河川工事がその上で行われるということは私どもは今後はあり得ない。過去におきましてはそういう例も全くないということではなかったわけでございますが、今後はそういうことはないであろうというふうに考えられます。
○上田耕一郎君 そういう考えが過去にはあったけれども今後は、というんですね。あなた、どうも鳥屋野潟で事実上田中のねらいに合致するような方向に持っていこうとして、今まであったことなのに今後は全部それでやろうというおつもりなんですな。法律上の根拠は何かありますか。
○政府委員(井上章平君) 河川法上特段の規定はございませんが、しかし当然、民法上それらの私権の有する土地に対して使用権を確立せずに事を行うことはできないと思います。
○上田耕一郎君 だから、法律上の根拠あるいは通達はあるんですか、あなたの考えじゃなくて。
○政府委員(井上章平君) ただいま申し上げましたことを繰り返しますと、河川管理者が河川工事を施行しようとする場合、その土地の所有者は民法上法令の制限内において土地を使用、収益、処分する権利を有しておるところでありますから、河川管理者は土地所有者との間で河川工事を施行する正当な権限を取得する必要がありますが、それは土地所有権との権利関係の調整上必要となることでありまして、河川法に特段の根拠があるわけではございません。
○上田耕一郎君 河川法上規定はない。それから通達もないんですね。あなたの法律解釈でやる。今までは事実上しゅんせつその他をやったことがある。今後は河川局長の判断で一切そういうことをやらないで、すべて同意、許可なしにはできないということにするつもりですか。あなたは勝手に法律、通達を自分でつくるつもりですか。
○政府委員(井上章平君) 過去にそういう事例がなしとしないというふうに申し上げましたのは、例えばその地域からの陳情がございまして、当然、土地所有者も含めて一定の行為に対する同意があったとみなされるような事態におきましては、特段土地所有者個々について同意を得ずに実施したという事例があるということを申し上げたわけでございまして、一般的な取り扱いとしては、これは昭和四十七年の三月でございますが、堤外民地の取扱方針というのを建設省においては定めております。これは通達として出されたわけではございませんが、折に触れてこの考え方に基づいて指導いたしておるわけでございます。
○上田耕一郎君 先に進みます。 さて、あなたの解釈で、建設省としては、しゅんせつというのも大体掘削するので土地の形が変わる、地権者の同意あるいは買収が必要だ、権原取得が必要だというんですね。それはそういうのだとすると、この場合のしゅんせつというのは本当に河川工事として公利を増進し、公害を除却し、もしくは軽減するための工事ですね、河川法の八条に言う。そういう本当に川をきれいにしたり、公害がふえたり、洪水があったり、そういうのを防ぐための公共の工事ですね。その際、同意をとろうとするとき、事実上同意しないような地権者がいた場合、建設省としてはこれは公共のための治水の工事なので当然同意すべきだという態度をおとりになるでしょうな。また、都道府県についてもそういう指導をなさるでしょうな。
○政府委員(井上章平君) 河川工事はすべて極めて公共性の高い工事でございますので、土地の地権者に対しまして同意を求めた場合、大概の場合は同意をいただけるのでございますが、しかしそれは土地所有者の自由裁量の範疇でありまして、私どもが強制できることではございません。したがいまして、現実には同意を求めても同意が得られない場合も当然あるわけでございます。この場合は収用によりまして措置することになろうかと思います。
○上田耕一郎君 前回の私の質問に、川本局長は鳥屋野潟問題でこう答えているんですね。現在行われているしゅんせつ工事は、全体のうちのまだごく一部だ、これは承諾を得ている。つまり、千何百メートル、幅三十メートルの細いやつですね、ここに図もありますが。将来行われますしゅんせつ工事についても承諾が得られるかどうかということは現時点においてはわからないというような実態だ。将来、あの県の計画だと、大体水面は百八十ヘクタールのうち百ヘクタール残そうというのですから、そこについては大体今の湖を全部しゅんせつする計画なんですよ、二百万立米掘ろうという計画なんだから。ところが、その大半は、田中ファミリーの浦浜開発の所有地というか、地権を持っているわけですね。 ところが、この浦浜開発なるものは県のしゅんせつについての要請をめぐって具申書を出している。「当社の埋立計画に支障を及ぼさないことを条件にヘドロ除去には賛成」した、埋立計画を当社が持っていると。大体あんな鳥屋野潟のところで私人が埋め立てできるわけがありませんね。これはどうですか。
○政府委員(井上章平君) 河川区域内の土地につきましては河川管理者の許可が必要でございます。
○上田耕一郎君 できっこない。ところが、「埋立計画に支障を及ぼさないことを条件にヘドロ除去には賛成」したということを言い、鳥屋野潟の開発は「地権者が事業をおこなうことが望ましい」と、こう書いてある。とにかくひどい話です。だから、今のところのヘドロ採取は規模が小さいから構わない。しかし、おれのところは埋め立てをやるのだから埋め立計画を損なうようなものはだめだという。週刊朝日の記事を見ると、大規模なヘドロしゅんせつは困るという条件をつけているというんですね。これはどうですか。 県が公園計画を立てて、計画そのものにはいろいろ県民から意見が出ているけれども、そのしゅんせつをやろう、あの亀田郷の土地改良区からは早くきれいにしてくれと物すごい意見が出ているんですね。あそこはCODが一〇から一五ppmで環境基準の五ppmの二倍から三倍、去年ハクチョウが百羽死んだというぐらい汚染が進んでいるわけだ。そこをきれいにするためにというのでこのしゅんせつ事業も始まっているのに、それにこういう条件をつけて頑張っている。しゅんせつに反対というか、しゅんせつをこの程度でしか許さないという態度をとっている浦浜開発のこの見解は、局長どう思いますか。
○政府委員(井上章平君) そういうことでありますから、新潟県におきましては、この鳥屋野潟の全域にわたりまして公有地化の必要を痛感しておるわけであります。公有地化についていろいろ検討しておると伺っております。
○上田耕一郎君 そうじゃなくて、あなた、そらしてはだめだよ。浦浜開発、これは去年、田中角榮が二十二万票とってから、ことしになって妹婿の風祭廉彦を代表取締役に、それから娘婿の代議士を取締役にして、完全に田中ファミリーが改めてしっかり握り直したというところなんですよ。局長、いいですか。そこがこの公共のためのしゅんせつ事業に対して今のところは賛成しているけれども、大規模のものは困る、おれが埋め立てをやるのだからと言っている。全国でこんなところはないのじゃないんですか。公共のためのしゅんせつ計画に対して一企業が、しかも元総理大臣が支配権を握っている企業がそんなことを言って文句をつけている。それは、あそこで金をもうけるためなんです。それで、それについてどう思うかというんですよ。河川管理の責任者として、建設省の河川局長としてどう思うかということだ。おどおどしないで、はっきり答えてください。
○政府委員(井上章平君) 鳥屋野潟につきましては歴史的な経緯がございます。これは、かつては田んぼであったわけでありますが、周辺の乾田化を図るために、それぞれの農民は自分の土地へ客土するための土をここから運んだわけでございます。その結果……
○上田耕一郎君 そういうことじゃなくて、農民のことは知っているから、田中角榮の浦浜開発のこの態度がどうか、それにずばりと答えろというんですよ。
○政府委員(井上章平君) でありますから、過去の経緯をお話ししておるわけでございます。 そういうことでありますので、この土地につきましては非常に多くの地権者がそれぞれ土地を分筆所有されておるわけでございます。この土地が河川区域になりましたのは、昭和三十九年に新潟地震が起きまして、この土地周辺の地盤が非常に変わりました。その結果、従来この土地に対しては何らそういう公的な必要性がなかったものが、新たに治水上、調整池としてこの土地の利用価値が生まれてきたというふうなことから、その時点をもって河川区域に認定した、こういう歴史的な経緯がございます。 したがいまして、土地所有者にいたしますとかつてみずから掘って、みずからつくった池でありますので、当然さまざまなこの土地の将来にわたる利用についてお考えがあろうかと思います。そういうことが今日尾を引いておるわけでございまして、ここの土地所有者の方々はこの地域のいろいろな開発構想をお持ちでございました。 そういうことでは、今、申し上げましたように、この土地が新たに市街地のただ中に取り残される唯一の貴重な公共空間に変わろうといたしておるわけでございますから、したがってこれを公有地化して、例えば公園でありますとか、あるいは先ほど申し上げましたような治水対策上必要な調整池として行っていくことが必要であろうという新潟県の判断がありますために、ただいまこの地域の公有地化を進めておるというふうに私どもは理解いたしておるわけでございます。
○上田耕一郎君 あなたは、まるっきり違うことを答えているよ。だから、そのために、とにかくしゅんせつをやろうというんでしょう。その公共のしゅんせつに対して――局長はだめだ。ちょっと大臣、あなたは鳥屋野潟は詳しくないかもしれぬけれども、鳥屋野潟は非常に汚れているし、公園計画もあり、署名も集まって、ここをしゅんせつしようとしておりますね。そのしゅんせつに対して浦浜開発という田中ファミリーが条件をつけているわけですよ、大規模なものは困ると。大規模にしゅんせつしなければきれいにならぬわけだ。だから私は、そういう公共のしゅんせつ工事にそういう条件をつけていることに対して建設省としてどう思うか、それはけしからぬ、治水のため、浄化のためなんでけしからぬ、これは当然同意すべきだと思わないかと言うのに、まるで農民の古い話か何かして、一つも答えない。だから、大臣にお聞きします。
○委員長(本岡昭次君) ちゃんと答えてください。
○政府委員(井上章平君) 浦浜開発が具申書をもって、この鳥屋野潟のいろいろな計画をお持ちであるということはお聞きいたしております。しかしながら、そういうことではありますが、先ほど申し上げましたように、新潟県におきましては、この地域の重要性を認識いたしまして、それにふさわしい土地利用を進めるべくさまざまな計画をただいま立案中でございますので……
○上田耕一郎君 県の態度はわかっているんだよ。浦浜のそういう態度は川の公共性からいって建設省としてはいかぬ、そう言えないんですか。
○政府委員(井上章平君) 浦浜開発から私どもに直接そういう申し出があったわけじゃございませんで、これは県に対してそういうお話があったのであろうと思います。これは県の方でいろいろ浦浜開発のお考えも伺った上でしかるべく対応をお考えになるのではないかというふうに考えられます。
○上田耕一郎君 浦浜開発にお伺いするなんというような態度では、これはだめですよ。わからぬようなことをおっしゃっているけれども、これが一番のガンだということ、そのくらいは御存じでしょう、国会で何回も取り上げているのだから。大臣、どうですか。そういう公共のためのしゅんせつ工事に対していろんな条件をつけて、できもしないのに私が埋め立てるのだ、それに邪魔するなとか、大規模なものは困るとか、条件をつけているのでは本当に県民が困りますから、そういうことに対しては建設省として厳正な態度をとるということを明らかにしていただきたい。
○国務大臣(木部佳昭君) いわゆる鳥屋野潟は、先ほど来先生もおっしゃっておられますし、また局長からも答弁をいたしておりますように、新潟県が管理する一級河川でございますから、今、局長からも答弁いたしましたように、これからの計画というものにつきましては新潟県が今いろいろその計画を立案中である、いずれ建設省に正式に協議があるだろう、そう私は思っておるわけです。したがって、私どもといたしましては、今後新潟県がいろいろ立案をするその検討の推移というものを見守っていかなければならない、そういうふうに考えておるわけであります。
○上田耕一郎君 どうも建設省の態度が、信濃川河川敷、鳥屋野潟、田中絡みになるとまことに厳正な態度をとれない。これは長い経過で、非常に国民の一人としても、国会議員の一人としても残念に思う。しかし、世論が見ているんですから、国会決議もあるのでしっかりやっていただきたいのだが、最後にお伺いしたのは、これはしゅんせつ問題が入り口になりましたけれども、最後のねらいは県が進めようとしている区画整理方式による土地の取得、金脈の実現なんですよ。 八十三ヘクタールのうち、県の考えでは換地で十対一にしようというんですね。八・三ヘクタールの立派な土地が浦浜開発、田中ファミリーの手に転げ込むわけだ。あそこは坪二十万円ですから、約五十億と言われている。五十億円が、もう新幹線も届きましたし、県庁の移転その他開発が進むと、すぐ百億円になるであろうというんです。あそこのただで手に入れたところが、田中ファミリーの手に百億円転がり込むということなんですね。 それで局長、あなたのこの回答、これに関連してもう一つ聞きますが、県知事側は、「地権者の同意、所有権の取得等により」と書いてあるわけだから、所有権をとることは絶対条件じゃなくて、地権者の同意により権原を取得すれば、ここは河川工事並びに公園化、これはできるということですね。これを確認しておきたい。
○政府委員(井上章平君) 私どもは、河川区域内の私有地の扱いにつきましては、先ほど申し上げましたように、昭和四十七年に取扱方針を定めて、そういった河川工事を実施するに当たっては土地の権原を取得した上で実施するという方針を定めておりますが、しかしこの鳥屋野潟につきましては新潟県が管理する一級河川でございますので、新潟県の御判断によって差し支えない、こう思います。
○上田耕一郎君 差し支えないというのは、地権者の同意でもいいし、取得でもいい。あなたはそのとおりと答えた、「貴見のとおり」と書いてあったから。そういうわけですね。だから、所有権取得は絶対条件じゃない。同意でもいいということですね。
○政府委員(井上章平君) 先ほど申し上げましたように、取扱方針は所有権を取得した上でということになっておりますが、しかし個々の問題につきましては管理者であります新潟県のお考えによるものであるというふうにお答えしたわけでございます。
○上田耕一郎君 大臣、この問題は、先ほども申し上げましたように、田中ファミリーの手に、ただで手に入れたというよりも、隣の蓮潟と合わせて一億八千万円で買って、二億一千万円で売ったので三千万円もうかっているという場所なんですが、それがただどころか、かつて国に寄附すると言っていた土地が、この県の考えどおりもし進みますと、田中ファミリーに五十億円、あるいはすぐ百億円の暴利が転がり込みかねないという大問題なんですね。だから、先日、協議会が開いた市民との懇談会でも、この私有権抹消というやり方だと田中金脈とつながるというので幾つかの意見が出てきたというのが新潟日報でも報道されている。 私は、この点について国会として重要な責任があると思いますのは、昭和五十年六月六日、参議院の本会議で警告決議が決算委員会の提案で行われています。この警告決議は、田中金脈問題をずっと取り上げていて、その中で、「資産形成の過程において、信濃川河川敷等をめぐって疑いをもたれているような行為については、各行政機関において、十分調査を行うとともに、行政管理庁の行う行政監察の結果等をもふまえ、その事後処理に、遺漏のないよう、妥当な行政措置を講ずべきである。」、これは参議院の本会議の決議になっているんです。信濃川河川敷問題、私は十八回ぐらい取り上げてきたんですけれども、この鳥屋野潟もこの「等」に入るので、これが田中金脈で本当に「事後処理に、遺漏のないよう、」という点で今後が問題になっているわけですね。五十億から百億というものが転がり込みかねない。県の方は区画整理方式を今のところ考えているけれども、もしもっといい方法があればその方法をとるのにやぶさかでないということも県知事は何回も県議会で答弁しているんです。建設省としても、河川局で全部これは県のやることだとほうっておけないんですよ、これは国会決議があるんだから。 最後に、この問題で、建設大臣、本当に世論の疑惑を招かないように、国会決議に反して田中金脈が不当な利得を上げないように、この問題についても、県にただ任せるだけでなく、建設省としても真剣に本格的に取り組んでいくし、指導も行うという態度をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど御答弁申し上げましたことでございまして、今後新潟県がいろいろ立案、計画をするわけでございましょうから、その検討の推移を見守っていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。私は、国務大臣として法の許された範囲で厳正に努力させていただきたい、こう思っております。
○上田耕一郎君 新潟県民だけでなく全国民がこの問題を注視しておりますので、疑いのかからないように、建設省についてはいろんな風聞もありますので、大臣が本当に厳正な態度をとってくださるよう私の方も期待しておきます。 次に、建設業、特に下請業界の実態と、その苦しみの幾つかの問題を取り上げたいと思います。 今、建築工事部門で起きている問題の一つに、大手の下請に入っている専門工事業の問題がある。専門工事業者というのは野丁場の現場を支える仕事で、例えばその中の躯体三役というのは、とび、鉄筋、型枠の三つと言われている。この躯体三役に技能労働者の不足が非常に目立ち始めて、工程にも支障が起きている。業界新聞を見ますと、これは日刊建設工業五十九年十二月六日の記事でこの問題を大きく取り上げているんですけれども、鉄筋工も型枠工も絶対数が減っている、型枠工事の業界では技能工の充足率は七割程度、三割足りなくなっている、絶対数が減ったというんですね。技能工の養成も追いつかない、若年者の比率が低くなって高齢化も非常に目立ってきているという状況が指摘されていますけれども、建設省としては、この技能労働者不足問題についてその実態をどう把握していますか。
○政府委員(高橋進君) 建設省におきましては、建設労働対策を進めるための基礎資料といたしまして、建設労働者の需給状況等を毎月、地域別に調査しておるところでございます。 一般的に申し上げますと、昭和五十四年当時の特に建設投資が一時期伸びたときは相当な不足率というものがあったのでございますが、それがその後の建設投資全体の伸びの低下を反映してだと思いますが、一般的に申し上げて不足率というものは非常に低くなっております。 現在のところ、一般的には建設労働者の需給状況というのは緩和基調にある、建設技能労働者が逼迫することはないというふうに考えておりますが、ただ御指摘のありましたものにつきましては、地域別あるいは工種別によりましてはある程度技能労働者が不足している面もあろうかと思います。現に、私どものやっております調査でも、地域別に、今ちょっと御指摘のありました型枠工などにつきまして、関東につきましては若干不足率がほかよりも高いというような点はございます。
○上田耕一郎君 この日刊建設工業の記事などによりますと、こういう不足が起きている最大の問題は、工事量が今の景気の状況からいって減っている、それからもう一つ、元請からの単価切り下げ、これが大きいというんですね。そのために下請業者は技能工を抱えきれない。よくレギュラーと言われているのだそうですが、基幹要員のみ抱えていて、予備軍的な要員は手離してしまう、出稼ぎ労働者の受け入れも手控える、それで固定費の削減に必死になっているという結果だというんです。 鉄筋工事業界は、このままでは一気に高齢化してしまうということを言っているし、型枠工事の業界は単価が大変安いので本当に出稼ぎも受け入れられないと言って嘆いている。二年ほど前までは型枠の技能検定の受験希望者が毎年二百人前後あったのに、ことしは六十人に減っている、三分の一以下になっている、こういう現状もあるんですね。そうすると、技能者が減っているのだから単価が上がるのかと思うとそうでなくて、ゼネコンから下請の技能労働者に対する単価の切り下げ、この状況がかなりひどいというんです。 私、ここに大成建設のデータを持ってきておりますが、例えば一般型枠、五十七年は、大成建設の単価で、二次下請で平米千六百円、打ち放しで千七百円、これがその後ずっと下がりまして、五十九年十一月、現在もそうですが、一般型枠、平米千三百円、打ち放し千四百円、この三年間で二割も切り下げられているという状態があるんですね。建設省としては、この下請に対する単価の切り下げ、この実態はつかんでおられますか。
○政府委員(高橋進君) 運輸省、農林水産省、建設省の三省で才ち合わせをいたしまして、公共事業につきましては労務費調査をやっております。これは公共工事設計労務単価設定の基礎とするための建設労働者の賃金の実態を調査しているものでございます。それについても、一般的に申し上げますと、労働者全般の最近の賃金の年間伸び率というのは二%前後と低位に推移しておりますが、ダウンしているという状況ではございません。また型枠工につきましても、その調査によりますれば伸び率は確かにほかに比べても若干低いかもしれませんが、年々ダウンしているという数字はつかんではおりません。
○上田耕一郎君 今、局長の言われたのは全国の数字で、三省協定の基礎となっている公共工事労務費調査のことを言われましたけれども、例えば今の技能労働者問題、私言ったのだが、この技能労働者問題、特に単価切り下げ出ているけれども、一般にあなたの言われた建設労働者の賃金全体を言いますと全国は確かに多少伸びているけれども、東京のデータがここにあるんですけれども、これは驚くべき下がり方です。例えば大工さん、五十八年十月一万四千三百六十二円が、五十九年六月、去年は一万三千八百四十二円に三・六%減です。サッシ工に至っては千六百六十九円減で一三・六%減。大工さん、左官さん、とび、型枠工、特殊作業員、特殊運転手、配管工、防水工、タイル工、サッシ工、東京地域では全部これが三省協定の基礎になる。発表されている公共工事労務費調査でも下がっているんですね。 インフレ率は多少おさまっているとはいえ、それから賃金抑制もあるとはいえ、毎年四、五%の賃上げはどこでもあるのに、建設労働者は特に東京ではあなた方の調査でさえこんなに下がっている。この中でも、特に私が申し上げましたように、技能労働者で大成建設のケースは三年間で二割減ですから、こういう大変な状況がある。しかも、仕事もこのごろTQC活動とか品質管理、これに協力しろとか、やれミーティングだとか、実働時間も少なくなるとか、大変な状況にあると思うんですね。局長は今型枠の方はそう下がっていないと言われたけれども、私の調べたケースではこういう状況もあるので、三つのケース、足りなくなった躯体三役、とび、鉄筋、型枠、ここの実態をよく調べていただいて対策をとっていただきたいと思いますが。
○政府委員(高橋進君) 今、先生がおっしゃいました数字、まだ十分照合をしておりませんが、確かに地域によりましては下がっている面がございます。特に、東京都につきましてはそういった技能労働者の賃金が下がっているような数字がございます。なお、そういった実態把握に努めたいと思います。
○上田耕一郎君 局長も触れられたので、この技能労働者だけでなく、少し建設関係の労働者、職人、一人親方、特に下請の仕事をしている方々の賃金問題、労働条件の問題に入りたいと思うんですけれども、東京土建や全建総連が町場、野丁場の職人さん、労働者を問わず、こういう労働条件の問題、賃金条件の問題を大いに取り上げまして、三年前から要求を掲げて建設省にも来たと思うんですが、建設省、東京都、それから住宅建設企業、それから関係団体にいろいろな申し入れ、交渉をしているんです。最近でも全国建設業協会、日本建設業団体連合会、日本ツーバイフォー建築協会、日本ハウスビルダー協会、プレハブ建築協会などとも交渉し、それから各企業ともずっと交渉しているんですが、この全建総連、東京土建の掲げている賃金要求があるんですね。 これについて指導官庁としてちょっとお考えをお聞きしたいのですが、協定賃金一万八千五百円をことしは掲げている。一見高いように見えるけれども、これは毎日の賃金です。サラリーマンのボーナス、退職金、これもないわけだから、これに相当する分も当然考えに入れなければならぬ。道具代も自分持ちだ。雨が降ったら仕事ができませんし、全国平均で一カ月二十二日が就労日数というのは統計にも出ておりますし、この一万八千五百円という協定賃金は、サラリーマンに換算すると手取り月収二十三万八千円に当たるという考え方なんですね、詳しい数字もありますけれども。 ところが実態は、これは座談会などもあるし、それから各企業と交渉して大体私のところはこれぐらい払っているという数字もいろいろ出ておりまして、私も見ましたけれども、せめてサラリーマン並みの二十三万八千円ぐらいの月給になるような、つまり日の賃金が一万八千五百円欲しい、それから当面千円ぐらいはどうしても上げてほしいという要求に対して実態は一万二千円から一万三千円。 この座談会に出ておりますのを読みますと、千葉の場末では大工さんで九千円というのがあるというのですね。一万二千円から三千円というのがやっぱり多い。それで、年収で五百万以上取れる人というのは少なくて大体四百万だという状況で、男の子三人いるけれども職人の私の跡は継いでもらえない。こんなに体が大変で賃金が安くてはどうにもならぬというので跡継ぎもいなくなる等々、非常に厳しい状況にあるんですね。職人さん、一人親方、建設労働者のこういう賃金の問題について、指導官庁としては現状とそれから全建総連の一万八千五百円という考え方についてどういうお考えをお持ちですか。
○政府委員(高橋進君) 確かに他産業の労働者に比べまして建設業に従事される労働者の賃金水準というものが低いという状況が基本的にございます。私どもとしては、そういった建設産業に従事される労働者の賃金水準というものができるだけいい状況にあって、そのことによって労働者の質もよくなり、また労働者の福祉の増進にも資するということを基本的には期待するものでございます。 ただ、具体的な労働者の賃金がどういうふうに決まるかということにつきましては、やはり基本的にはそれぞれの企業と労働者の間の関係でございまして、今おっしゃいました協定賃金の御要望の点が直ちにこれが妥当であるか何とかいうことは差し控えたいと思います。ただ、やはり基本的には、それと同時に労働の生産性の向上ということも一方で必要なわけでございまして、そういったことに資するためにも元請下請関係の合理化あるいは近代化といったようなことも通じながら、そういった労働生産性が上がるようなことが望まれるのではなかろうかと思います。そういったことについての指導は私どももやってまいりたいと考えております。
○上田耕一郎君 一般的には低いというのを局長は認められたのだが、今大体やっぱり一万二千円から一万三千円なんですね。そこで、何が基準になってくるかというと、三省協定が基準にされているんです。企業との交渉なんかを見ますと、いや私のところは三省協定を基準にしますなんという答えが出ているところがある。三省協定というのは公表されていないはずなんですね。公表しないというのでしょう。公表しないで、公共工事の労務費調査、これだけ発表しているわけです。 それで、私さっき言ったように、東京で五十九年六月は大工さんで一万三千八百四十二円なんです。これは前年度と比べると五百二十円低いわけだ。しかし、三省協定は公表していないと言ったって、大手の業者は全部知っているんですよ。言われているのは、去年一万四千円だと言われているわけだ、三省協定は一万四千円だと。業者は全部知っていて、各企業はそれを大体基準にして、公共工事がそうなんだから民間はもうちょっと低くしていいというので一万二千円、一万三千円というのが大体一般化してしまうんですよ。 だから、やっぱりこれは三省協定そのものも公表すべきだということがありますし、もう一つ、全建総連の実態調査で東京都の都営住宅の建設工事現場というのがあるのだが、これも各業種について賃金をずっと計算してありますけれども、大工さん一万一千九百円、型枠大工一万二千四百円、左官さん一万四千四百円だけれども大工さん一万二千円で、三省協定より二千円低い、言われている一万四千円が正確だとすれば。公共工事でさえこういう状況で、私は今の物価の値上がり、物価だけじゃなくて非消費支出がどんどんふえて本当に働く者の購買力がうんと減っているので大問題になっているのだけれども、その中でこういうふうに東京都の実情に見るように去年よりもずっと軒並み下がっているという状況を見ると、三省協定の計算の仕方、こういう現場を調査してこれに基づいて決めるのでしょうけれども、現場の方が三省協定を基準にしてそれより低く決めているのだから、悪循環でどこまで行ってもこれはなかなか局長が認められた建設労働者の賃金の低さを改善する、これは建設業全体の前近代性を本当に近代的にするという仕事と大きくつながっているんですけれども、進まないのじゃないかと思うんですが、三省協定の公表の問題、それから水準の低さの問題、見直しがぜひ必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋進君) 今、先生おっしゃいましたように、調査額については都道府県、職種別によりまして従来公表しているところでございます。結論的に申しますと、これに基づいて決定された設計労務単価は予定価格の一部を構成するものでございますので公表するのは妥当ではないのじゃないかということで公表しておりません。しかし、調査額そのものは公表しておりまして、調査額に基づいて労務単価を決めているわけでございますから、実態的にはそう離れたものでないことは当然でございます。そういう意味で、それほど調査額が非常に今おっしゃったようにダウンしたというような実態ではないと思っております。 なお、これは蛇足でございますけれども、あくまでこの労務単価というのは積算の基礎でございまして、具体的にどういうふうに支払うかというのはこれは個別の問題で、その労働者の方の能力なり、そういったような要素によってある程度の変動があるのはこれまたその性格上からやむを得ない面があろうかと思います。
○上田耕一郎君 三省協定は公表はしないと言うけれども、決めている公共事業の労務費というのは予定価格の積算基礎だから公表しないと言われたのだが、これは地域別にやっぱり決めているんでしょう。そうすると、額はいいですけれども、東京の三省協定の賃金、これは五十八年と五十九年と比べて五十九年は下がっていないですか。各職種によって違うけれども、五十八年と五十九年と比べて三省協定の労務費は下がっていませんか。
○政府委員(高橋進君) 先ほども申し上げましたように、調査額そのものは東京につきましては職種によりましてちょっと下がっているのがございます。労務単価の表、今手元にないものですから、労務単価については即答しかねるのでございますが。
○上田耕一郎君 後で教えてください。
○政府委員(高橋進君) はい。
○上田耕一郎君 こういう実態調査に即して、実態がこうだからというので決める。さらに、公表しないというのに実際わかってしまうのですから、それを見て決める。だんだんどうも下がってくる。実態調査で東京はこんなに下がっているんですから、そうするとこれに合わせて東京の三省協定も下がる。それを見て民間はもっと下げてもいいということにどうもなりかねないので、この点は今即答できかねるということなので、後で、額はいいですけれども、東京の職種の公共工事の労務費の去年とことしの分、それを教えていただきたいと思います。
○政府委員(高橋進君) 先ほども申し上げましたように、個別に、個々具体的に申し上げるのは若干……
○上田耕一郎君 傾向でいい。
○政府委員(高橋進君) はい。
○上田耕一郎君 全建総連、東京土建など労働省にも労働条件の問題で要請に参っておりますけれども、労働省に幾つかお伺いしたいんですけれども、その要望項目の中にもあるんですが、労働災害の防止対策、その中で特に元請の責任の問題、これを明確にする必要がある。実際には元請が全部自分が責任をとるといろいろ金もかかるというので労災問題についても下請の方に責任をかぶせようとする。そのために、手間請、出来高払いで働いている一人親方とか職人とか労働者に労災保険の特別加入、これを強制する。そうすると、親方はまた企業主の分まで持たなきゃいかぬということなど起きているんですけれども、こういう問題についての労働省としての対処をお伺いします。
○説明員(菊地好司君) 労働災害の防止の面につきましては、労働安全衛生法におきまして元方事業者に一定の責任を課してございますが、第二点目の労災保険の特別加入を強制するという話は子細に存じておりませんで、もしそのような事実があるとすれば甚だ遺憾ですから善処したい、かように考えております。
○上田耕一郎君 実態を御存じないと言われるけれども、実際かなりそういう例がありますので、善処していただきたい。 それから二つ一緒に。一つは、長時間労働。これも非常に長くて、賃金が低いからとにかく働いて家族を養うためにというので夜遅くまで若い人たちが働くということがありますけれども、高齢化という傾向の中でなかなか大変な点が多いわけですね。やはり八時間労働という点について、長時間労働の実態とそれに対する指導方針、これが一つ。 もう一つは、一種の公害なんですけれども、例えば断熱材のグラスウール、これがよく使われる。これは非常に小さいガラス繊維で、これを切断するわけですよ。その繊維が口に入って肺に入ると肺がんのおそれもある、周りの住民にも悪影響があると言われているんですな。それからロックウール、これは左官仕事の吹きつけ材料で、石綿、これを細かく刻んで吹きつけるわけです。これを労働者も吸うし、通行人の付近の人も吸う。これもやはりいろんな人間の健康に対する悪影響が出ているんですね。こういう思わない事故が働いている労働者や近辺の住民にも及びかねないので、こういうような人体に害を及ぼしかねない材料の使用についてもひとつ労働省として厳しい取り締まりを検討する時期に来ているのじゃないかと思うんですが、その二点についてお伺いします。
○説明員(菊地好司君) 御質問は、労働時間の点と、もう一つ有害物の件でございますが、私からは第一点について御答弁させていただきたいと思います。 御指摘のように、建設労働者の労働時間は、他産業の労働者の労働時間に比べましてかなり長い実態にございます。昨今、労働時間短縮に向けていろんな角度から御議論をいただいておりますし、我々も政策として前向きに取り組んでいるところでございますが、建設業におきましては、いろんな点で労務管理上工夫する点が多々あろうかと思います。建設省当局とも十分御協議しながら、かつ労使と話し合って効果的な対策を進めていきたい、かように考えておる次第でございます。
○説明員(角野敬明君) 御説明申し上げます。 グラスウールとかあるいはロックウールにつきましては、石綿の代替品として近年使用が進んできているというふうに承知しております。これらのものを裁断する作業あるいは粉砕する作業につきましては、私ども粉じん作業に該当するということで、働く労働者の健康管理に関しましてはじん肺法によりまして、あるいは作業管理あるいは作業環境管理につきましては粉じん障害防止規則等によりましていろいろ規制をしてまいっておるところでございます。今後ともそういう面の対策を徹底していきたいと考えております。
○上田耕一郎君 そういう方針を持っておやりになっていると言うけれども、実際に現場ではなかなかそういうふうになっていないので、企業によってはグラスウールをマットでくるんでやるようにしているというようなところもありますけれども、これはひとつ徹底するようにお願いしたいと思います。 建設省にお伺いしますが、十二月に下請指導通達を出されたんですが、この徹底についてどういうふうに進んでいるのか。建設省の実態調査でも前回の調査と比べて手形期間、現金比率、これはどうも落ちているということが報道されておりますが、この下請指導通達の状況ですね。
○政府委員(高橋進君) 毎年、下請指導通達を暮れに出しておるところでございます。昨年の十二月にも、局長通達によりまして下請代金支払いの適正化等について指導したところでございます。 この調査結果によりますと、手形期間につきましては百二十日未満のものが全体の六五%、また現金比率については五割以上現金で支払っているものが全体の八〇・一%を占めております。 前回と比べてどうかということでございますが、実は毎回調査対象が違うものですから厳密な意味での比較はできませんが、一応前回の数字を申し上げますと、手形期間の百二十日未満のものは全体の六二・七%、それから現金比率につきましては五割以上現金で支払っているものが七八・七%ということで、一年前よりは若干数字の上では改善がなされているということでございます。
○上田耕一郎君 それから公共公事問題で、公共工事問題だけじゃないのだけれども、中小分野への大手の進出問題です。これは常に問題になるのだけれども、特に公共工事の分野についての大手の進出をやっぱり中小企業のために規制するということが必要だと思うんです。同時に、一般の仕事でも今新築が少ないので建てかえにかなり仕事を求めるということに重点を置かざるを得ない状況になっているのに、そういう分野にまでまた大手が進出してきているということもありますが、これらの中小企業の分野、特に建設業の分野でそこをしっかり守るという問題についてお伺いします。
○政府委員(豊蔵一君) 私ども、建設省及び建設省関係の公団に発注いたしております工事につきましては、工事種別ごとに契約予定金額によりまして数ランクに区分をいたしまして、そのランクに応じた施工能力を有する業者を格付するといった方法によっておりまして、具体の工事ごとに原則として当該工事の契約予定金額のランクに属する業者の中から指名業者を選定するといったようなこと、そういうようなことによりまして中小工事は中小業者に発注するといったような措置を講じておるわけでございます。 こういったような発注標準を遵守することと、またできるだけ施工状況をにらみ合わせながら分割発注するといったこと、あるいはさらに共同請負制度を活用するといったようなことによりまして、中小建設業者の受注機会の確保に努めてまいりたいと存じております。
○上田耕一郎君 なお一段と御努力願いたいと思うんです。 最後に、時間もなくなりましたので、大手ゼネコンのダンピングと、そのダンピングの結果がまた下請にしわ寄せされてくるという問題をお伺いしたいと思うんですが、今ダンピング問題を各業界紙などでも非常に取り上げておりまして、大問題になってきておる。 日刊建設工業の去年の八月八日号を見ますと、中堅建設業者の社長の実話が出ている。「長年のお得意さんが、ビルを建設することになり、予算額が二十億円であることを教えてもらった。十九億円の札を持って入札に臨んだが、フタをあけたら超大手業者が十三億円で落札した。お得意さんから呼ばれ、厳しく叱責された」。さらに続きがあって、「十三億円で落札した超大手業者に、わが社と取り引きのある専門工事業者が呼ばれ、見積り書を提出したが、その見積りの『六割引きでやれ』といわれて、逃げかえってきた」。とんでもない話なんだが実話だというんですよ。こういうダンピングが行われていて、大問題になった。 それで、建設工業新聞の三月二十八日号には、業界がいよいよ自衛に乗り出して、建設業協会がダンピング対策ということで、ダンピングというのは工事原価を下回る額の受注を言うと、こう規定もしたそうであります。それで、ローコスト指向はあるのだが、それとはこのダンピングは違うのだ、業界としても自殺行為だから自粛をするが、発注者が非常に不適正な価格を押しつけるケースが多々あるということも述べて、自衛策をつくる、それで調査検討委員会をつくるということも出ているんですね。 この問題、これはいろいろ公取のガイドライン問題とか、私もずっと取り上げてきた談合問題とか、それの解決の方向その他とめぐって、それからローコストかどうか、そこの問題もあって、いろいろ難しい問題があるんですけれども、しかしやはり大手ゼネコンが乗り出してこういうことまでやって、下請には見積もりの六割だ、ダンピングした上六割なんて落とされてきたら、これは大変ですよ。下請の方は六割だって、言われれば、やらなければ食えないから、何とかやろう。何とかやろうと引き受ければ、それでやれるのだということになっていく。それは業界全体の悪化ということにつながっていく大問題なんですが、建設省のこの問題についての実態把握とそれから方針を、あした四月四日はダンピング自粛のために業界七団体を建設省が呼ぶという報道も出ておるんですけれども、お伺いしたいと思います。
○政府委員(高橋進君) おっしゃいますように、近年、建設業界から民間の特に建築工事における安値受注の増加を憂慮する声が聞かれるわけでございます。先生もちょっとおっしゃいましたけれども、何かダンピングかということについてなかなか難しい問題はあるのでございますけれども、原価を割るような安値受注というものは、建設工事の品質の確保のためにも、また元請だけでなく下請も含めた建設業者や建設労働者のためにも非常に深刻な問題だというふうに認識しております。 今お話にございましたように、業界団体においても安値受注を自粛しようとする動きも出ておりまして、こうした業界団体の方針に沿って、各建設業者それぞれも自覚を持たれて節度ある行動がとられるということを期待しております。また、役所といたしましても、そういった業界団体の自粛について積極的に取り組むようにお願いすべきであるというふうに考えておるところでございます。
○上田耕一郎君 建設大臣、最後に、きょう後半の質問では技能労働者の不足の問題、建設労働者、職人さん方の賃金問題と労働条件の問題、最後に業界でのダンピング問題、この三つを取り上げたんですが、この三つのすべてにわたって五十万業者があるという大産業なんですけれども、日本の建設業界の持っている体質、構造、これがやっぱり膨れていると思うんですね。この建設委員会でも常に建設業界の問題を取り上げられるけれども、諸外国とも違って非常に多層の下請がありますし、前近代的な要素もいろいろある、そういう問題。一口に前近代的だということも言われるんですけれども、この五十万の業者、そこで働いている労働者の生活がかかっておるわけなので、日本の産業としても非常に大事で、そうすると、今きょう取り上げたような問題についても相当建設省としても本格的な取り組みをやらなければならない時期に来ていると思いますが、ぜひ建設業 界のそういう前進にも大臣としてどういう姿勢で臨まれるのか、そのことをお伺いして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来、先生から御指摘のありましたように、特に下請の皆さん方の保護の問題、これにつきましてはいろいろ私どもできる範囲内で業界の指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。その中にありましては、もちろん下請に対する一括の禁止の問題であるとか、それからまた代金の御指摘のありました適正化の問題であるとか、契約の遵守の問題であるとか、そうした問題につきまして、建設省といたしましては、五十三年に元請と下請の合理化の指導要綱というのが出ていますが、また審議会等でも今いろいろ論議をしていただいておるところでございますから、そうした時代の要請にふさわしいような立場を堅持するために、我々としても、先ほど申し上げましたように、強力な業界への指導をさせていただきます。 それから中小企業と大手との割合といいますか、よくわかりませんが、こういう問題につきましては、今予算が審議中でありますから、予算が一応通って、それでいろいろ実施計画を進めて、その中で毎年六月に通産省と中小企業庁が中心になりまして中小企業と大企業のある意味の調整といいますか、そういうものを閣議で決めているわけですね。これは建設省関係では大体三三・七%、こういうことを私聞いておるわけでございます。そういうふうなことで、大企業と中小企業の分野調整とはいきませんけれども、そういう目標を我々も最大限努力をして指導してまいりたい、こういうふうに考えております。 なお、先ほど大手の業界の皆さん方が中小企業の分野まで伸ばしていっているというようなことは、これは業界の苦しいときであってもモラルの問題だろう、こういうふうに私は受けとめておるわけです。なお、そういう点等につきましても、いろいろ審議会等でも今長期ビジョンというようなものについて論議をしていただいておりますので、そうした点をよく踏まえて、ともども業界の発展のために、いわば運命共同体の立場でありますから、そういう意味で前進することを願うためにこれからも努力してまいりたい、こう考えております。
○山田勇君 まず最初に、国土庁にお尋ねをいたします。 昭和六十年度予算案は、厳しい財政事情のもとで歳出の見直し、合理化が行われ、国土庁に関連の深い公共事業関係費は昨年に引き続き二・三%のマイナスとなり、五十五年度以来六年間も対前年度を上回ることなく抑制されておりますが、国土庁としては社会情勢の変化に的確に対応し、総合的かつ計画的に長期展望に立った国土の適正利用と均衡のとれた発展を図らなければならないと考えますが、国土庁長官として六十年度国土庁予算は大所から見て国土行政の遂行に支障はないか、大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 国土庁は、最近の人口の高齢化、情報化の進展など我が国の直面している社会経済情勢の急速な変化に対応しながら、二十一世紀を目指して住みよい国づくり、地域づくりを進めていかなければならないという重大な使命を負っておるわけであります。以上のような観点から、国土庁関係の公共事業費につきましては、厳しい財政状況下ではありますが、従来からの所要額の確保に努めるとともに、その執行に当たりましても重点化、効率化に努めてきたところでございます。今後とも、引き続き国土行政の推進に支障のないよう努力してまいる所存でございます。 今、山田先生、公共事業費の減をおっしゃいましたが、国土庁に関しましては水資源概算六百億と離島が千三百億でございまして、これは非常に優遇していただいておりまして、前年比〇・九九という状況でございます。
○山田勇君 国土庁にお尋ねをいたしますが、関西文化学術研究都市についてお尋ねをいたします。 この学研都市構想については、昭和五十八年三月に関係自治体の学界、経済界が一体となって建設推進協議会が結成され、活発な活動を展開しておりますが、二十一世紀に向けての遠大な構想でぜひとも立派な成果を期待する者の一人であります。そこで、さきに着手され、成熟期を迎えようとしている筑波研究学園都市がいろいろな意味でお手本になることも多いと思いますが、何といっても筑波のときは政府の財政も比較的豊かであったと思います。しかし、現在の厳しい財政事情の中で進めていく場合、国土庁としては官民協力のあり方が重要なポイントになってくると思いますが、この点、国土庁の考えを聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(河本嘉久蔵君) 先生御指摘の、関西発展のための核となる本都市の建設でございますので、土地造成などの基盤施設の整備は住宅・都市整備公団や民間開発業者が行っております。国、地方公共団体はこれとあわせて関連公共施設の整備を行おうというもので、官民協力の方式で進めようとしているものでございます。 また、地元におきましては産、官、学から成る建設推進協議会というのが設立されておりまして、その成果として立地施設の柱の一つとなる国際高等研究所、これは現在は民間で一億三千万でスタートしたわけでありますが、大体これは土地が三十億、建物が二十億、合わせて五十億ぐらいの構想でございますが、国際高等研究所が官民の出捐によりまして設立されましたほか、誘致施設につきましても協議が進められているところでございます。 国土庁といたしましては、今まで以上に官民協力して本都市の建設が推進されるよう努力してまいりたいと考えております。
○山田勇君 筑波の場合はあらかじめ移転施設が決まっていて、都心から研究機関、教育機関が集中移転するという形でしたが、関西学研都市の場合は施設を誘致してくることと並行して事業を進めていくということになるようですが、公団の区画整理事業などは学研用地が長期間売却できなければその金利のために宅地の価格は高くなるということも考えられ、高いから売れない、売れないから高くなるといった悪循環も予想されますが、研究施設の具体的な立地を推進することも重要な課題だと思いますが、この点どう取り組むつもりでしょうか。つまり、施設の誘致を具体的にどうするかということをお尋ねいたします。
○政府委員(佐藤和男君) お尋ねの本都市に立地します研究機関は、先生がおっしゃいますように造成を一方でしながら逐次地元の協議により誘致施設を決めていくというスタイルで、筑波の研究学園都市の場合と全く違うスタイルになると思います。御存じのことと思いますが、現在のところ、この都市にはクラスター第一と申しまして、田辺町のところですが、同志社関係の高等学校なり女子大学の一部が移転すべく校舎を建設中でございます。それからもう一つ、その隣接しますクラスターの二、クラスターは九つまで計画上は考えておるわけでございますが、このクラスターの二には農水省の補助事業でございます花卉の総合指導センターとか、あるいは厚生年金の休暇センターも現在建設が進められております。 お尋ねのように、これからの計画でございますが、現在地元の公共団体を中心に立地が望まれる施設につきまして鋭意協議が進められております。私どもも、各府県の全体計画を調整しながら一本の計画にまとめるべく努力いたしておりまして、これらをあわせて今後の誘致の基本的な方向を見定め、かつ推進してまいりたいと思っております。
○山田勇君 問題はこれからで、いろいろ出てくると思いますが、今後は京阪奈のこの丘陵地域の自然的また社会的環境を保全することも十分に計画に入れた開発が必要であり、ただ単に学研施設が整備されるだけではなく、二十一世紀のモデル都市としても都市生活もエンジョイできるような学研都市の誕生が私は望ましいと思います。 続いて、建設省にお尋ねをいたします。 建設省所管の公共事業のうち六十年度に最終年度を迎える五カ年計画は、住宅建設を除いていずれもその進捗率が低水準にあります。政府は民間活力の導入を言っておりますが、社会基盤の整備は国が責任を持って計画的に着実に行っていくべきであると思います。 そこで、お尋ねをいたしますが、六十年度を最終年度に迎える事業の進捗率が低水準となる原因は一体どこにあるとお考えになっておられますか。
○政府委員(豊蔵一君) ただいま先生御指摘のように、昭和六十年度で最終年度となります五カ年計画は五本ございますが、そのうち住宅建設五カ年計画の公的資金の住宅分を除きまして、他は残念ながらその進捗状況ははかばかしくございません。これらは御案内のように、昭和五十五年以来の第二次オイルショック以降の厳しい財政難、そういったようなことによりましてここ数年来公共事業予算が横ばい、または減額といったような状況のためであったというふうに理解いたしております。
○山田勇君 五十六年度から六十年度の五カ年計画並みの進み方では、今後の高齢化社会や、また今までの社会資本の維持、更新とも重なって欧米並みの水準の達成は二十一世紀に入っても無理ではないでしょうか。その辺どうですか。
○政府委員(豊蔵一君) 御案内のように、私どもといたしましては二十一世紀初頭までには現在の欧米先進諸国並みの社会資本の整備を進めたいというふうに考えておりますが、現状ではなかなか苦しいかと思います。しかしながら、二十一世紀に迎えるでありましょう恐らく未曾有の例を見ない高齢化社会、あるいはまた既に整備されました社会資本の各施設がまた更新期を迎えるといったような意味での更新関係の経費もふえるということを考えますと、やはり今の段階で、つらいですけれども一生懸命力をいたしまして長期的な計画に基づきます社会資本整備を進めていく必要があろうかと考えております。
○山田勇君 再開発など必要に応じて民間活力を活用するのも必要でありますが、本来果たすべき役割、すなわち社会資本の充実などについては建設国債の適度な発行によって行うべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(豊蔵一君) おくれております社会資本整備を推進し、また内需中心の持続的な安定成長を達成するというためにも公共事業の着実な拡大、その実施が必要であると思います。これらの財源につきましては、私ども基本的には特定財源の確保、また一般財源の公共事業への充当に努力するとともに、現在も行っておりますが、建設国債の発行というこの三本立てでやるのが適当であろうかと考えております。 そういう非常に厳しい財政状況の中で、いろいろ議論がありますが、私ども昨年、建設国債の適度な増発であれば財政にも悪影響を与えないで、なお公共事業の拡大も図り得るのじゃないかといったようなことを試算もし、議論をしたことがございます。いずれにいたしましても、そういった総合的な財政の中でいろいろな財源対策を考えるべきだと思いますが、最終的にやはり財政運営全般の問題として今後の経済の動き、そういったようなものを十分見ながら総合的に予算編成の段階でどのようにあるべきかということを検討していくことになろうかと思いますが、私どもといたしましては、今申しましたように、いろいろな手法を通じてできる限りの公共事業の確保に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来、先生から御指摘がございましたように、二十一世紀を迎える私どもは、これから後十五年私なんかもつかどうかわかりませんけれども、山田先生なんか御年輩若いですから恐らくもつだろうと思うんですが、そういう意味でこの二十世紀に、非常に予算やその他いろんな制約もございますが、やはり私は社会資本、活力のある経済社会、それから快適で安全な国民生活、これが私ども建設省の一番大きな使命である、私はそう考えておるわけであります。 そういうことを考えてまいりますと、先ほど御指摘になりましたように、一方では高齢化社会、一方では今度は若い世代、この間の新聞の発表なんか見ても昭和生まれが一億以上だ、こういう時代になってきているわけです。ですから、私どもは今二十一世紀を迎えるに当たって厳しい中でございますが、社会資本を整備してきちっとしておかないと二十一世紀に立ち向かうことができないわけです、国民のニーズがどういうふうに変わるかわかりませんから。一方では高齢化社会、一方では若者の時代だ、そういうことを考えてみますと、私は非常に大きな想像もつかないような変化があると思うんです。 一方では、御承知のとおりエレクトロニクスや、先端産業の発展や、我々の生活なんかでも大変な大きな変化が、また技術革新というものが行われていくわけですから、よほどその辺をきちっと足固めをしなければならない、それが、今世紀に与えられた我々の責任である、そういう点を私はしっかり踏まえていかなければならないと思います。したがって、先ほど民間活力云々というお話もありましたが、私は機会あるごとに御答弁申し上げておりますように、民間活力というのは産、学、官の皆さんが知恵を出し、そしてニーズにいかにこたえるために知恵を出していただくか、また御指導いただくか、また一緒になってニーズにこたえる努力をしていくかということが基本理念であると私は思っておるわけです。 しかし、それによって私ども財政が厳しい時代ですから政府は逃げてしまうのか、こういうことではないわけでありまして、先生なんかも地域で大きな関心を持っておられる関西国際空港にしても、私きのうも御答弁申し上げましたが、飛行場本体は一兆円だ、ところが、この飛行場に到達するアクセス道路、高速道路、一般国道、そういうようなものを考えてみましても、二兆ぐらいと言われているが、私は三兆と言っているわけです。そして、下水道をつくり、またそこで働く方々の住宅を解決するというような環境の整備をきちっとしなきゃならぬ。 こういう点を考えてまいりますと、むしろ私はある意味では、民間活力といっても政府なり建設省がしなければならない仕事の方が多いと思うんです。私はそういうふうに思うんです。でございますから、今申し上げましたように、財源その他については官房長が今申し上げたような原則に立って私どもは最大限の努力を払っていく、こういうことでございますが、前段私が御答弁申し上げましたような基本的な考え方で私どもはこの二十世紀の足固めをきちっとしなきゃならぬ、こういうことを基本的に考えておるわけでございます。
○山田勇君 大臣、今御答弁の中で関西新空港に触れられましたが、その連絡道路などの構想についてお尋ねをいたしておきます。 近畿自動車道和歌山線から空港島に至る連絡道路が、当初計画されていた幅六十二メートルから八十メートル幅に変更されたと聞いておりますが、詳細についてお聞かせをいただきたいと思います。また、その用地買収など具体的に着手するのはいつになるのかをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(田中淳七郎君) 先生御指摘の関西新空港の前面と近畿自動車道和歌山線とを結びますいわゆる空港連絡道路につきましては、空港へのアクセス道路としまして非常に重要な路線であると認識しております。その路線の位置、それから道路の幅員等の道路の詳細計画につきましては、道路交通の需要、地域の土地利用計画、沿道環境への配慮、空港や鉄道計画との調整等、諸要因を総合的に勘案しまして決められるべきものであると考えております。現在、建設省は、近畿地方建設局におきまして大阪府等の関係機関と調整を図りつつ調査を進めておりまして、なるべく早く基本計画を策定し、都市計画が行えるようにしたいと考えております。 幅員につきましては、現在まだ決定の段階には至っておりませんが、先生御指摘のように、道路だけの単独区間の標準部で六十二メーター、さらに鉄道をその横に併用しましたいわゆる鉄道併設区間の標準部で八十メーターを確保してほしいという大阪府知事からの御要望は受けておるところでございます。今後さらにこれら関係機関と十分に調整を図りまして、最終的な決定を図りたいと思っております。 以上言ったようないろいろな問題点がございますので、第二点の用地買収及び工事の着工時期等々につきましては、都市計画及び事業主体が決定された後具体的に検討に入ることとなりますために、現時点では申し上げる段階ではございません。それは別としまして、なるべく速やかに事業に着手いたしませんといろんな不都合が生じますので、そういう点はよく認識しております。 根本的には、本連絡道路の事業の推進に当たりまして、鉄道や空港側の連絡橋の計画及び埋蔵文化財の発掘調査等、調整を要する事項が非常に多うございます。関係機関及び地元の了解を得てなるべく早くやりたい。一番大事なことは都市計画決定であろうかと考えております。 以上でございます。
○山田勇君 続いて、和歌山県紀ノ川分水問題についてお尋ねをいたします。 この問題は、昨年秋に大阪府、和歌山県の両府県で分水協議を進めると合意し、前向きに進行していると思いますが、建設省はこの関西新空港の関連事業としてこの紀ノ川下流に紀ノ川大ぜきを建設し、治水のほか、同空港への利水も含めた構想を和歌山県に示していると聞いておりますが、この構想について概略を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(井上章平君) 建設省といたしましては、紀ノ川分水については近畿圏におきます水需給の長期的な見通し、それからただいま先生が御指摘になりました関西新空港との関連から必要なものという考え方でございます。現在、関係府県等におきまして分水の取り扱いについて協議、調整中と伺っております。建設省は、その推移を見守っているところでございますが、協議が調うことを期待いたしておるわけでございます。 この計画で行われます紀ノ川大ぜきの概要でございますが、これは現在の紀ノ川下流部にあります新六ヶ井ぜきを撤去いたしまして新たに可動ぜきを建設するものでございますが、当面、ただいまのところ、このせきの目的といたしましては河道の疎通能力の増大を図ることと、それから流水の正常な機能の維持と増進を図るものでございますが、しかし関西新空港への利水という観点につきましては、今後関係都道府県においてこの計画を関西新空港等への利水を含めた構想とするやに聞いておりますので、これにつきましてはこの関係府県間の調整の結果を待って改めて計画を検討いたしたい、このように考えておる次第でございます。
○山田勇君 これを最後に。 質疑通告しておりませんので御答弁は結構ですが、午前中の質疑等を聞いておりまして、私も淡路島の出身なものですから、例の本四架橋というのは途中でいわば分断されたような形になってきますと、我々、委員長以下兵庫県の視察に入りましたときにも知事は約七千台、きょうは六千六百台というふうな見当ですが七千台、それが今から大きなイベント等があの島でも行われる中であっては相当な車の混雑が予想されます。その中にあって、知事としてはどういう方針で臨まれるのですかとお尋ねしたところ、できる限りフェリーボート各社に対して増便を要請し、そして当分の間そういう形の中で車をほかすというようなことも言っておられましたが、何としましても、明石から神戸ルートに変わったんですが、その辺の、神戸市が持っております用地等も我々建設委員会で視察をしてまいりましたが、ややはすにかかる形になろうかと思いますが、どちらにしても、神戸ルートでも結構です。何としても一日も早く完成をしていただきたいと強くこれは要望をいたしておきます。 建設委員会の中にあって、まだ一年生の私にとってはまだまだ勉強しなければならない点が多々あろうかと思いますが、何とぞ皆さん方の努力によりまして一日も早くそういう事業が開始されることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(本岡昭次君) これをもって昭和六十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十一分散会