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102回国会参議院1985/10/08

建設委員会 閉会後第1号

発言数
133
登壇者
22
会派数
5
開催日
1985/10/08

会議録

小山一平日本社会党

○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。  まず、第一班の御報告をお願いいたします。青木君。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 青木であります。  第一班は、八月二十日から三日間にわたって、小山委員長、増田理事、古賀委員、馬場委員、山中委員と私が参加して、本年七月に発生した長野市の地すべり災害、及び昨年九月の長野県西部地震災害の復旧状況、上高地の砂防事業、中部地方における道路事業等を調査してまいりました。  以下、主な事項について報告いたします。  まず、長野県の概況について簡単に申し述べます。  長野県は、全国第四位の広さを保有し、また工業出荷高が五兆円を超え、全国平均を上回る伸びを示すなど、急速に工業県に変貌しつつありますが、県土が南北に長く、山脈によって県内の経済圏が分断され、交通網の整備がおくれており、新幹線、高速道路等の交通体系の整備が県政の最重要課題となっております。県当局から、県北、県南両地域を結ぶ中央自動車道長野線の早期完成が強く要請されておりました。  次に、長野市の地すべり災害について申し上げます。  去る七月二十六日に、長野市の地附山で発生した大規模な地すべりによって山ろくの湯谷団地の住宅数十戸が全半壊するとともに、老人ホーム松寿荘が倒壊し、二十六名のお年寄りが亡くなるという痛ましい災害が発生しております。  今回の地すべりは、流出土砂が約五百万立米と言われる大規模なもので、想像以上のものでありましたが、災害直後から続けられております観測の結果、地すべりは一応とまっているとのことであります。既に、湯谷団地側の仮くい打ちによる土どめ工、崩壊面の整地、仮排水路、鬼沢川の床とめ工等の応急対策工事がほぼ完了し、恒久対策のためのボーリング調査が実施されていました。今後、ボーリング調査の結果等を参考に恒久対策が決定されることになりますが、今年度は災害関連地すべり緊急対策事業として、八期の集水井戸、表面排水のための明暗渠、横ボーリング、抑止杭等が二十二億五千万円で実施されることになっております。県としては、目下地すべり防止区域の指定手続を進めており、地すべり激甚災害対策特別緊急事業に採択されて、できるだけ短期間内に地すべり防止工事が完了することを期待しておりました。  次に、上高地の砂防事業について申し上げます。  上高地地区は、日本を代表する山岳国立公園の中心地区として年間六十万人を超える多数の観光客が訪れていますが、土石流の発生しやすい地形で、五十四年の集中豪雨では三千人に上る観光客が長期にわたって閉じ込められるという事態が発生しており、土石流災害の危険性が高い地区であります。観光客の安全確保と梓川の河床上昇による下流ダムの機能低下防止等のために、国の直轄事業として大規模な砂防事業が実施されております。  焼岳の噴出土石流対策として、二十六年ごろから砂防ダム等の建設が行われており、現在二十の砂防ダムと十四の床固めが設置されて、大正池の埋没防止に役立っております。現在は、上高地東側の八右衛門沢で砂防ダム等の建設が行われてお りますが、上高地地区が自然公園法の特別保護区域に指定されているため、鋼製枠のダムにするなど、景観維持のための配慮がなされておりました。  さらに、多数の観光客が訪れる上高地地区の安全確保を図るため、五十九年度から三カ年計画で総合土石流対策モデル事業が実施されており、土石流発生のメカニズムを解明し、避難体制を整備するため、雨量観測機器の設置、ビデオカメラによる常時監視、スクリーン式ダムによる試験等の事業が行われております。今後は、昨年度策定された上高地地区総合保全整備計画に基づいて保全整備が図られることになっており、その事業化が待たれております。  次に、長野県西部地震の災害復旧について申し上げます。  昨年九月十四日に発生した長野県西部地震は、木曽御岳山の山腹に大規模なのり面崩壊を引き起こし、ふもとの王滝村に甚大な被害をもたらしましたが、一年を経過した今日、なお十五名の遺体が発見できないままになっているなど、そのつめ跡を残しております。  御岳山中腹を震源とする直下型の地震により、濁沢川上流の中腹で御岳崩れと言われる大規模なのり面崩壊が発生し、三千六百万立米という莫大な土石が流出し、下流の王滝川本流を埋塞し、柳ケ瀬地区に天然湖をつくるとともに、氷ケ瀬地区までの間の谷間に二千百万立米の土石が堆積し、王滝川の河床を四十メートル上昇させて、左岸の林道王滝線を埋没させており、また下流の松越地区でも大規模なのり面崩壊等によって県道御岳大滝黒沢線を遮断する等の被害が発生したのであります。  これに伴う道路、河川等の公共土木施設の災害復旧事業は、県工事で九十カ所、六十二億円、町村工事で百七十一カ所、二十億円、合計八十三億円余となっておりますが、現在までの契約額は六十五億円余、七八%、また工事の進捗率は五七%となっており、順調に進んでおります。さらに、本件災害に関連した地すべりやのり面の崩壊防止工事として、十カ所で砂防ダムの建設が、三カ所で地すべり防止工事が激甚災害対策特別緊急事業として実施されており、六十二年度中に完成する予定であります。  現在、松越地区では、県道の新大又橋が完成し、道路沿いののり面の安定工事が急ピッチで進められておりました。さらに、大量の流出土石で埋まった王滝川については、河道掘削、床とめ工、護岸等の大規模な工事が林道の復旧工事とあわせて実施されておりました。  現地で、王滝村村長から、国の援助で災害の復旧が予想以上に進展していることに感謝しているが、なお上流の堆積土石による二次災害発生の危険があり、今後とも復旧事業の促進方をお願いしたいとの発言がありましたが、なお一層の促進が求められております。  次に、道路関係について申し上げます。  まず、中央自動車道長野線でありますが、現に供用されている中央自動車道西宮線と岡谷市で分岐し、塩尻市、松本市を経由して須坂市に至る延長九十二キロの高速自動車国道であり、四十八年に整備計画が決定され、同時に日本道路公団に施行命令が出されております。現在、岡谷ジャンクションと岡谷インターチェンジ間の四キロについて六十一年三月供用開始を目途に建設工事が進められているほか、その他の区間で設計協議、用地買収等が進められており、六十年代後半には全線供用の見通してあります。  次に、国道十八号線上田バイパスについて申し上げます。  長野県北部地域と首都圏を結ぶ国道十八号線は、年々増大する交通量に対応できず、慢性的な交通渋滞を来しており、特に上田市の市街地では一日の交通量が二万八千台と適正交通量の二倍を超え、交通渋滞が激しく、その解消が急務となっております。上田バイパスは、上田市の市街地を山側に迂回するバイパスとして四十六年に都市計画決定され、五十二年から用地取得と建設工事が進められているのであります。工事は二期に分けられ、現在、上塩尻から広域農道に至る区間が事業費百二十六億円で、六十一年三月供用開始を目途に鋭意工事が進められており、第一期区間開通後は広域農道と結ばれて、十八号線バイパスとして有効に機能することが期待されております。  次に、国道十九号線の改築事業について申し上げます。  国道十九号線は、長野県と中部経済圏を結ぶ主要幹線でありますが、一日当たりの交通量が長野県下で約一万台、岐阜県下で約二万五千台、愛知県下で約四万五千台、名古屋市内で約六万台となっており、それぞれの交通量に対応して、山岳部の長野県下では防災のための局部改良工事が、岐阜、愛知両県下では市街地を迂回する大規模なバイパス工事が、さらに名古屋市内では区画整理による拡幅工事が行われております。  今回は木曽福島から中津川市内に至る区間を視察しましたが、山口ダム付近では木曽川対岸の国鉄廃線敷を利用した防災のためのつけかえ工事が行われており、岐阜県下に入って瑞浪、中津の両バイパス工事が行われていました。中津バイパスは本年中に全線開通となる運びとなっており、瑞浪バイパスは五十六年に四・六キロの区間が部分開通し、現在、国鉄中央線をまたぐ残区間三・三キロについて工事が行われています。地盤が軟弱なため時間を要していますが、六十二年度中には全線の開通が見込まれております。  最後に、国道三百二号線について申し上げます。  国道三百二号線は、名古屋の市街地を外周する環状道路であり、名古屋市の都市整備上欠かすことのできない重要な路線であります。現在、北部地区で部分的に供用されているほか、昨年名古屋港の臨海部で名港西大橋が完成し、日本道路公団が管理する有料道路橋として供用されております。  国道三百二号線の臨海部は、現在調査が進められている伊勢湾岸道路計画の一翼を担うものであり、名港西大橋は計画中の名港中央大橋、名港東大橋と一体となって名古屋港の臨海部を東西に短絡させる効果が期待されております。  以上、簡単でありますが、報告を終わります。

小山一平日本社会党

○委員長(小山一平君) 次に、第二班の御報告をお願いいたします。安孫子君。

安孫子藤吉自由民主党・自由国民会議

○安孫子藤吉君 去る八月二十日から三日間、堀内理事、対馬委員、大川委員、上田委員、それに私、安孫子は北海道における建設事業の実情を調査してまいりました。  以下、その概要を御報告いたします。  具体的な事業箇所の視察に先立ちまして、北海道開発局、北海道庁、札幌市、日本道路公団より概要の説明がありました。  それによりますと、我が国の経済は全体としては順調に推移しておりますが、北海道ではなお景気の回復のおくれが目立っております。その原因といたしましては、景気回復に大きな役割を果たした輸出関連産業のウエートが低く、鉄鋼、造船など不況業種が多いことが挙げられ、また、財政支出への依存度が高いことから、公共投資の抑制等の影響を強く受けているという事情が挙げられております。このため、北海道では経済の体質強化、産業の振興を図ることが最大の課題となっており、公共事業の早期発注を初めとして、地場産業の振興、企業誘致の促進など経済の活性化に対する努力がなされておりました。  また、札幌市は人口百五十四万人を擁する大都市でありますが、北海道全体の人口がほぼ横ばいで推移する中において急激な人口増加が続いておるのであります。市の区域にはまだ開発余地も多く、市街地が外延的に拡大している中で、学校、公園、交通施設などの都市整備に対する市民のニーズが非常に大きく、事業が意欲的に進められております、  こうした中で、本年度の北海道開発予算は事業費一兆百五十四億円で各種事業が実施されておりますが、国費ではこの四年間減少が続いております。しかし、地域の景気回復のおくれと社会資本整備に対する要請から、公共事業の拡大は地元関係者の一致した強い要望であり、また、本年度とられました国庫補助率の削減の地方財政への影響、冬期間のスパイクタイヤ使用に伴う粉じん公害対策等が大きな問題とされておりました。  次に、視察をいたしました主な事業について概要を申し上げます。  まず、伏篭川の総合治水対策事業は北海道の最大河川でありまする石狩川の下流部に接しておりまして、札幌市と石狩町にまたがる急激な都市化の進行する地域におきまして、河川改修、排水機場、遊水地の整備等を初めといたしまして、流域の保水機能を高める事業等を総合的に実施することによりまして流域全体の治水安全度を高める事業でございます。事業期間は五十四年度からおおむね十カ年が予定されておりますが、これによって当面、時間雨量三十五ミリの降雨に対応できるものとされております。  本事業のうち、核とも言える石狩放水路は洪水時に石狩川本川からの逆流を水門によって防止するとともに、伏篭川の洪水流量を放水路によって直接石狩湾に放水することによりまして流域を洪水被害から守ろうとするものでございまして、四十七年に工事に着手をいたしまして、五十七年に完成を見ております。この間、五十六年八月の洪水時には緊急通水を行いまして、浸水被害の軽減に大きな役割を果たしたとのことでございました。  公園事業について申し上げます。  滝野すずらん公園は札幌市の中心から南へ十八キロの至近距離に位置する国営公園でありますが、計画面積は三百九十五ヘクタールに及ぶ大規模なものでありまして、道民に対する広域的なレクリエーションの場として整備が進められております。全体の完成目標は六十七年とされ、現在はまだ一部の開園にすぎませんけれども、公園は緑豊かな丘陵地に位置しておりまして、我々が視察をいたしました渓流ゾーンは滝を中心によく整備された渓流が見事な景観をなしておりました。なお、冬期間には歩くスキーのコースの整備も予定をされており、四季を通じた利用に配慮が加えられております。  また、札幌市の百合が原公園は、来年の花と緑の博覧会の会場に予定されておりまして、面積二十五ヘクタールのうち、現在は半分が開園されております。公園には多数の世界のユリを植栽する一など、博覧会場にふさわしい施設の整備が進められておりますが、約二カ月の期間中、入場者数百三十万人を見込んでおりまして、開催が成功をおさめ、多くの人々の緑に対する関心を高める契機となるよう期待をされておるところであります。  街路事業について申し上げます。  まず、札幌鉄道高架事業は、札幌駅を挟み東西約九キロを立体交差化し、道路交通の円滑化と南北市街地の一体的な発展を図ろうとするものでございます。事業によって立体化される交差道路は三十路線を数えますが、総事業費は九百三十億円が見込まれており、これまでに五百三十六億円が投下されております。現在、かなりの部分でコンクリートの高架橋が姿をあらわしておりますが、北海道では六十四年に国体の開催が予定されておりまして、それまでには事業の概成に持ち込みたいとのことでありまして、今後の事業の促進が強く望まれておるところであります。  小樽市の臨港線道路改良事業は、小樽運河の行方ということで全国的に注目を集めた事業でございます。この事業は交通渋滞に対処するため街路の拡幅を行うものでありまして、運河と関連する六百三十メートルの部分は、当初、運河を全面的に埋め立てる計画でございましたが、地域の開発と環境保全の調和の観点からいたしまして、運河を半分の幅で保存することに変更されております。周辺の倉庫群と運河の史的景観の保存が問題になってきましたために、事業に当たっては運河沿いにガス灯を設置した散策路や環境施設帯を設けるなどの配慮が加えられております。  有珠山の砂防事業について申し上げます。  五十二年八月、有珠山の大噴火に伴いまして、周辺地区は大量の降灰や地殻変動によりまして甚大なる被害を受けたのであります。その後、山腹に堆積をした火山灰は豪雨に伴いまして大規模な泥流となってふもとの温泉街に押し寄せ、死者も出す災害に至りました。このため、泥流の防止が急務となりまして、これまでに治山と砂防で約四百億円の対策事業が実施をされておる現状であります。  対策に当たりましては、大量に積もった火山灰の流出を直接抑えること、また発生した泥流はダム等で防止すること、なお下流部については流路工によって安全に流すことを基本といたしまして防災施設が設置をされております。しかしながら、構造物の設置につきましては、急を要したこと、地盤変動が続いておることなどによりまして堅固なものは設置ができません。また、巨石の流出も予想されたため、上流部には巨石を食いとめるスリットダムが設置をされ、緊急を要するダムにつきましては鋼材の枠の中に玉石を詰めた自在枠方式や地耐力の弱い箇所には二重鋼矢板構造のものが採用されているのが特徴でございます。これまでに当面の暫定対策は相当進んでおりますが、恒久対策にはなおかなりの事業費も予想され、今後に残された課題でございます。  次に、苫小牧東部工業基地の開発は、我が国産業の新たなる発展基盤をつくり出す国家的なプロジェクトとして苫小牧市東部に新港を建設いたし、背後に広がる勇払原野一万二千ヘクタールを工業用地として開発する事業とされているのであります。この開発を具体的に推進するために、四十七年に第三セクターであります苫小牧東部開発株式会社が設立をされ、また港湾の建設は国の直轄事業として五十一年から本格着工にかかっておりますが、経済情勢の変化に伴いまして大幅なおくれを生じております。  土地の利用計画は、全体を五つの地区に分けまして、臨港地区には金属、石油関連、鉄鋼等の素材型の業種を配置し、内陸地区には自動車や関連工業の立地が一応想定されておりますけれども、環境面を配慮いたしまして、地区の約三割は緑地を配置することを予定しております。  四十六年に策定をされました開発基本計画におきましては、地区の従業者が五万人、生産額は三兆三千億円が想定されておりますけれども、開発は経済社会情勢を踏まえて段階的に進められております。しかし、これまでのところ、進出企業はいすゞ自動車、石油備蓄会社等六社、面積で六百五十ヘクタールにとどまっております。今後、積極的な企業誘致活動とあわせまして、産業構造の変化等に十分対応した適切なる工業基地の開発が必要だと思われます。  最後に、高速自動車道の建設状況を申し上げます。  北海道における高速道路は、予定路線千二十キロのうち、整備計画が決定しております路線はいまだに三百四十二キロでありまして、供用済みの区間は合計で百二十九キロにとどまっております。予定路線に対する供用延長の割合は二二%にしかすぎません。この秋には今回視察した白老−登別東など計二十六キロが供用される予定でございますが、全国の予定路線に対する整備計画決定延長割合は七七%であり、供用延長割合四七%に比較いたしまして大きくおくれておることは否定できないところであります。  このようなおくれの原因はスタートがおくれたこと、石油ショックの影響等が考えられますけれども、地域が広大でありまして都市間の距離も遠い北海道では、経済活動の基幹でありまする道路整備に対する熱意は高く、未着工路線に対する整備計画決定や調査の促進等につきましては強い要望があったことを申し添えておきます。  以上が調査の概要でありますが、調査に御協力いただきました方々に厚く御礼を申し上げまして、報告を終わります。

小山一平日本社会党

○委員長(小山一平君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。  それでは、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私は、概算要求と長期計画関係、それから内需拡大関係等について、まず前もって質問を申し上げたいと思うのであります。  八月末に決定されました建設省の六十一年度予算の概算要求を拝見いたしますと、概算要求額は国費ベースで対前年度賢二%城となっております。それから事業費ベースでは六%増ということでありますから、公共事業を求める国民の声に与えられた条件の中で苦労した努力の跡は一応認められますけれども、ここ数年、公共事業の抑制策は国民生活のさまざまな面で相当なひずみを生じてきている。特に、欧米先進国に比べまして整備がおくれておりますところの都市公園や下水道等の社会資本の整備のおくれは深刻なものがあると思うのであります。  今年度で終わる都市公園、下水道、海岸、交通安全施設の五カ年計画の達成率は大体七〇から八〇%台で計画達成が不可能ということになっているわけでありますが、この中で、建設省ばかりではありませんけれども、住宅や下水道といった社会資本を整備していく目安となるところの国の長期計画のうちで八つが今年度末で終わるのであります。これにかわる新計画を来年度予算編成時に決めるということになりますけれども、建設大臣はこの辺についてどうお考えになっておられるか、お伺いいたしたいと思います。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 今、青木先生から御指摘いただきましたように、我が国の社会資本の整備水準というものは欧米先進国に比べまして大変おくれをとっておることは御承知のとおりでございます。私どもは、国民生活の向上、それから経済の発展、こういうものを考えてまいりますと、社会資本の着実な整備ということが非常に大事でございます。  今御指摘がありましたように、下水道とか住宅とか海岸とか交通安全、そういうような五つの計画を、新たに昭和六十一年度から計画を進めるような努力を合いたして、予算要求の中にも入れてあるわけであります。その中で今御指摘のように下水道と公園なんかが非常な立ちおくれをいたしておることは事実でございまして、下水道で見ますと先進国の七分の一ぐらいだと思います。それから公園なんかにしましても、今平均四・九平米だ、それをやっぱり何としても六平米ぐらいの水準まで上げなきゃならぬ、そういうふうなことなんかが実は非常に大事であります。  したがって、六十一年度の予算編成につきましても、非常に財政が厳しい中でありますが、概算要求の設定に当たりましても、一般行政費が一〇%、公共事業が五%というような、そういう制約を受けてシーリングは決まったわけでございます。そういう中にありまして、今申し上げましたように、財投資金を活用するとか、また民間活力の活用であるとかいうようなことで事業費をぜひ確保拡大するために、予算編成に当たりましては最大の努力を払ってまいりたいと考えております。したがいまして、一般公共事業の事業費で対前年度七%ぐらいの増の要求を行っているところでございます。  今後ともその要求の実現に向かって、私どもは今いろいろ御指摘いただきましたように最大限の努力をして、社会資本の着実な整備に向かって、厳しい財政の状況でありますが、努力をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣が社会資本の造成に向かって最大限の努力をしたいと。大臣、最大限にしてはちょっとお粗末ですよね。一般会計予算主要経費の推移、五十四年度を一〇〇としますと——これはおたくの資料を見たんですよ。防衛はおたくの総理大臣熱心で、防衛費は一四九・八、公共事業関係費は九七・三に下がっちゃったんですよ。この現状をどう思いますか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私先ほど申し上げましたように、民間活力の問題につきましても、私はできればこの臨時国会に民間活力の法案を出したい、そういうようなことで今役所の方も鋭意作業を進めておるわけです。そういう中にありまして、都市の再開発とかそれから下水道とか公園とか、そういうふうなものも、先ほど私申し上げましたように民間活力の活用ということが非常に大事でございまして、これは内需の振興以上に効果をもたらすであろう、私どもはそう思っておるわけです。  今、私どもは大きなプロジェクトを初め、また地方に至るまで、いろいろ地方の建設局長を動員しまして地域の実情をしっかり把握して、そして大きな東京湾の横断道路もさることながら、それ以上に全体的な均衡というものを維持していかなきゃなりませんので、そういう点を考えてまいりますと、今法案をお願いしたいという段階でございますから余り具体的なことを申し上げるわけにまいりませんけれども、民間活力の法案がもし成立をさしていただくような事態になりますとかなり大きな効果を生んでまいる、こういうふうに私どもは理解をして今一生懸命役所の方は徹夜に近い状態で作業を進めておる、こういう段階でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣の気持ちはわかります。わかりますけれども、後で申し上げたいと思っておりましたが、民間活力といいましても、例えば泉南沖の飛行場の場合に建設省は一兆七千億を出すんです。それから当該主体である運輸省は一兆円、このうちの民間の関係はわずか八百億、こういうことになっておるんですよ、これは後で申し上げますけれども。私は、例えば東京湾横断道路、これも非常にいろいろ期待を持たれておりますが、民活という関係から考えるといかがなものかという点が言えると思います。  私は、一番問題なのは新長期計画の策定が難問で、自民党内でも抑制論と反対論が対立しているんですよ。特に、この五カ年計画のときには法律で計画が決められているんですが、決められない場合でも通常は八月の概算要求時にその年の要求と翌年以降の新計画も査定されるんです。この点について大蔵省の田谷主計企画官はどう考えておられますか。

田谷廣明大蔵省主計局主計企画官

○説明員(田谷廣明君) お答えいたします。  私の方からお答えするのが適切かどうかわかりませんが、今御質問ございました公共事業関係の五カ年計画につきましては、私ども担当の予算係で現在建設省を初めとする要求官庁からお話を聞いている段階でございまして、これから年末の予算編成にかけまして適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 結局、国民に約束した都市公園や下水道、住宅等の社会資本の整備計画が軒並み目標の達成が不可能になった原因というものに、中曽根内閣は六十五年赤字公債からの脱却に固執し過ぎる、財政再建最優先の財政運営を続けている、これに対し国の内外から転換を求める声が強まっているという中で、これが木部大臣の中曽根内閣の主要閣僚として嘆きの点だ、と思うんですよ。それは民活民活といいましても、民活にはいろんな手続やその他たくさんございます、演説はいいのだけれども。そういう点からこの点をどうするかという点については、初めは我々も予算委員会なんかで六十年度赤字国債からの脱却ということを言ってきた。それが今日だんだん延びてきて六十五年度脱却になったでしょう。それで、今の答弁ではちょっと納得しがたいのだけれども、その点とう考えますか、大蔵省としては。

田谷廣明大蔵省主計局主計企画官

○説明員(田谷廣明君) お答えいたします。  ただいま御指摘ございましたいわゆる財政再建の目標との関係でございますが、現在私どもでは六十五年度までに特例公債の依存体質からの脱却に努めるという努力目標に向かいまして財政改革を強力に推進しているところでございまして、公債発行額の縮減に最大限の努力を傾けているところでございます。  他方一御質問にもございましたように、社会資本整備の重要性という問題も否定できないところでございまして、従来からも財政改革を進めつつも社会資本の整備にはできる限り配慮していく意向でございまして、現に六十年度の予算におきましても、厳しい財政事情でございまして、公共事業関係費、国費はマイナスとなっておりますが、種々の工夫を凝らすことによりまして、一般公共事業の事業費につきましては前年度を上回る水準の事業費を確保しておるということでございまして、今後とも御質問にもございました民間活力の導入等図りながら事業量の確保にはできる限り努力してまいりたい、そういったことを通しまして社会資本の効率的、重点的な整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大臣、今の点は、建設省としてはいわゆる内需拡大は建設省関係でやる以外にないのだということと同時に、内容を調べていくと、建設国債も金丸幹事長はやると言った。そして、今度は人々はとにかく色めき立った。そうしたら、やっぱり考えてみたらこれはまずいということでやらぬと言った。このごろになったらまたやると言った。それで、そのうちまたやらない、こう言っている。アップ・ダウンということがあるけれども、NHKのクイズ番組ではあるまいし、余りにも朝令暮改も甚だしい。  それで、大臣に聞いてみたら、この内容は大体これは民活である。しかし、民活といっても私がさっき言ったような問題がある。ということになれば、別に打ち出の小づちを持っているわけではないからその辺はわからぬわけではないけれども、防衛費は昭和五十四年を一〇〇にしてみて一五〇%、片一方は九七、だんだんよくなるならいいけれども、だんだん悪くなる法華の太鼓みたいなものだということであってはこれはいけないと思うのでありますけれども、その点もう一度御答弁ください。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 党の幹部の皆さん方や政調会の幹部の皆さん方がいかにして内需の拡大を図るかといういろんな考え方を、また我々といたしましてもいろんな手法を先ほど申し上げましたように組み入れながら厳しい中にも努力をしていかなきゃならぬ。実はこういうことでございまして、青木先生から党の意見が違うじゃないか、ばらばらじゃないかと。我々自民党というのは左から右まで非常に幅の広い政党でありまして、いろんな意見がいつもある、しかし最終的にはやっぱり国家国民のためにどうするかということで党が一本になってまとまっていく、そういうよき伝統というものが我々の政党にあるわけです。また、そういうことを国民から支持されておりますから、いろいろ批判もあると思いますけれども長期政権というものが維持されているのだ、そういうふうに私どもは理解いたしておるところでございます。  したがいまして、民活の問題等につきましてもそうでありますが、私どもはこれから予算編成を進める中にあって、そして私先ほど申し上げましたように、できたら臨時国会に民間活力の導入に関する法律案というものをぜひ提出させていただきたい。これには税制上の問題であるとか、また財政上の問題であるとか、そういうふうな問題が非常に大きな柱となっていくであろうというふうに考えて私どもは今作業を進めておるわけでございます。  そうしたいろんな手法を考えながら、いかにして政策の効果を生み出すかということでありますので、いろいろ幹事長が発言される建設国債とかというのは、基本的には理念というものは一貫性を持って貫かれていくべき問題であり、私どもは今申し上げるようにそういう政策の効果を絞り上げるまでにはいろんな議論がある。しかし、今までもそうでありますでしょうけれども、国民の期待にこたえるような方向に、着実にそういう方向に取りまとめていかれる、そういうふうに思っておるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 内需拡大と一言に言いましても、財政金融政策の活用によって内需の拡大をする、これは力強い拡大になる。それから民間の活力だとかいわゆる規制緩和とか住宅投資の促進とか貯蓄優遇税制の見直しとか、いろいろな関係を言われておりますが、貿易や市場開放等の問題というのは私はやっぱりつけ足しにすぎない、こう思っているわけであります。今減税問題がいろいろ叫ばれておりますが、減税による効果は事業の拡大、事業費の拡大よりも劣るということを時々発言されるのだけれども、大蔵省はその点どう考えてますか。

田谷廣明大蔵省主計局主計企画官

○説明員(田谷廣明君) お答えいたします。  私からお答えいたすべき問題がどうかわかりませんが、私どもは、いわゆる今回の、直接は日米の貿易摩擦の解消に関しまして内需拡大を図ったらどうかというような問題につきまして、公共投資の場合、減税の場合といったような問題につきまして、例えば公共投資を一兆円追加した場合に輸入がどれくらいふえるだろうかといったような計算につきましてお話を申し上げておりますが、そういった計算の際使わさしていただいております数字幾つかございますが、そういった数字の結果だけ見ますとおっしゃるとおりだと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 どうも歯切れの悪い答弁ですな。  建設国債によらない内需拡大策というのは、結局いろいろ絞り上げていくと住宅宅地対策以外にないと言われているように新聞で見ております。内容はどうかというと、土地税制の緩和、それから都市計画法の線引きの見直し、それから住宅取得の減税、そういうようなことが言われているようでありますが、この点、大臣そういうことで考えてよろしゅうございますか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私ども、例えば高い貯蓄なんかも民間活力でもって活用するような協力もいただかなきゃなりませんし、また社会資本の充実の分野で官民の投資的活動が積極的に行われるような、そういうようなことももちろん考えていかなきゃなりません。そういう中にありまして、この民間活力というものはやっぱり基本的には私は、先ほど御指摘がありましたように、良好な町づくりとそれから我々の生活環境、そういうふうなものが非常に立ちおくれておりますから、そういうふうなもの等を十二分に整備できるような、また推進するような努力をしていかなきゃならない。  そういう中にありまして、住宅の建設の問題なんかは、御指摘のありましたように、かなりまた住宅建設や減税、税制の改革、そういう問題については非常に内需の拡大に大きな効果を生み出すことができるであろうというふうな期待をして今この努力をさしていただこう、こう思っておるわけでございます。そういう点では、今、青木先生から御指摘がありましたようなことと基本的には私はそう違いはないのじゃないかというふうにも理解をいたしておる一人であります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 経済企画庁いますか。——経済企画庁が九月二十日に発表いたしました本年度の第一・四半期の国民所得統計の速報でも外需依存型の経済成長であったことが明らかになっておりますね。九月二十六日に発表されたOECDの対日経済審査報告でも投資と貯蓄のアンバランスが指摘されておりまして、住宅建設を促進することが求められているのでありますが、今、大臣も認められているわけでありますが、線引きや建築規制の緩和とかいろいろなことが言われておりますけれども、この点について、今財投原資なんかについても〇二二%ぐらい下げるというようなことなんかも言われているわけでありますけれども、この点については経企庁はどう考えていますか。

吉川淳経済企画庁調整局調整課長

○説明員(吉川淳君) お答え申し上げます。  先生御指摘になりましたOECDの報告は、OECDの責任におきましてせんだって発表になったものでございます。OECDの分析といいますか観測によりますと、現在の日本の経常黒字、とりわけ過去二年ぐらいの大幅な黒字の本質的な原因が貯蓄・投資ギャップにあるのではないかという指摘でございます。  ただ、この点につきましては、私どもは以前から現在の黒字につきましてはアメリカの高金利、それに基づくドル高等のいわゆる為替要因、それからここ二年ばかりアメリカの国内需要が非常に急速に伸びてまいりまして、そういうものからくる日本側の輸出増といった、そういう要因の方が大きいのではないかということで議論をしてまいったところでございます。しかしながら、いずれに本質的な原因があるかということを別といたしまして、日本の側でも現在の状況においてより投資、需要を伸ばす方向で考えねばならないだろうということで、現在、政府挙げて内需対策に取り組んでおるところでございます。なお、OECDの報告の中では、先生も御指摘になりましたように、とりわけ住宅投資促進策について提案しておるところでございます。これは例えば規制緩和等々のものでございます。こういう試算につきましては、今回の作業におきまして参考にして対策をつくってきたと考えておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 建設省は、八月末の概算要求等をまとめた際に、今年度で終了して来年度から発足する都市公園整備とか下水道整備、あるいはまた海岸事業とか特定交通安全施設整備、住宅建設の新しい五カ年計画の投資規模を明らかにしているのでありますが、新しい五カ年計画の整備目標と内容をこの際やはりはっきり明らかにさしておくべきではないかと思うのでありますが、その点いかがでしょうか。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 先生今御指摘のとおり、建設省関係の長期五カ年計画五本がこの六十年度で切れることになります。それぞれにつきまして、新しい五カ年計画の内容のものにつきまして来年度以降のものとして要求してあります。  その整備目標でございますが、まず第四次の都市公園等整備でございますが、これは一人当たり都市公園面積、六十年度末四・九平方メートルを六十五年度末に六・〇平方メートルに上げる、内容としては防災公園等を重点につくるということでございます。  次に、第六次の下水道整備でございますが、下水道普及率、これを六十年度末三六%でございますものを六十五年度末四八%に上げる。地方都市の下水道整備、水質保全、浸水対策の促進等を重点に置くという内容でございます。  三つ目に、第四次の海岸事業でございますが、要防護海岸延長の整備率というものを六十年度末の三五%から六十五年度末の四六%に引き上げる、高潮対策、海岸浸食対策、海岸環境の保全と創出ということを重点にいたしております。  四番目に、第四次特定交通安全施設等整備事業でございますが、歩道等の整備、交通弱者対策、道路交通情報の提供の充実といったようなことを重点にいたしております。  最後に、第五期の住宅建設五カ年計画でございますが、最低居住水準未満居住の早期解消、二十一世紀を目指した新たな誘導居住水準目標の設定、住環境の整備、高齢者対策、既存ストック対策、地域に根差した住まいづくりを重点にいたしております。六百七十万戸の住宅建設を目指しております。  以上でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 今、官房長の説明されました整備目標と、それから建設省がこの間八月に発表しました二十一世紀に向けての住宅・社会資本整備の長期構想との関係についてはどんなふうになりますか。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 二十一世紀初頭にあるべき目標というものをそれぞれ計画について一応設定いたしまして、それへの実現に向けて当面の五カ年がどうあるべきかということをそれぞれの施設計画について考えましたものが、先ほど申し上げましたような整備目標を内容とする新しい五カ年計画の要求内容となっております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 長期構想では六十年度から七十五年度までの間に三百四十一兆の公共投資が必要である、それから新しい五カ年計画案と長期構想との間には一応整合性があるだろうかどうだろうかというような点、大蔵省はこの点私は認めていないと思うんですけれども、大蔵省どうですか。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 私からまずお答えさせていただきます。  現在、これは建設省としての考え方であり、また建設省としての要求でございます。今申し上げましたように、二十一世紀に向けての七十五年までの総投資額三百四十一兆の投資規模を考えておりまして、要求そのものはそれとの整合をとったものでございます。これから政府としてどういうふうに決めていくかということにつきましては大蔵省等と協議して決まっていく、こういうものかと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 今世紀の間における社会資本をどういうように造成していくかというような点は、これはやっぱり当面する問題でもあるわけですね。内需の拡大ということは、そういう問題に向かって目標をつくって、そしてやっていく。だから、建設省はそのことについてまともに考えたからこの間発表したと思うんですよ。その点、経済企画庁はどういうようにお考えになっていますか。

服藤収経済企画庁調整局財政金融課長

○説明員(服藤収君) お答えいたします。  政府としての長期的な経済運営、社会資本の整備も含めてでございますけれども、基本的な方針というものは御案内のとおり「一九八〇年代経済社会の展望と指針」に記載されているわけでございます。それとの関連で考えましても、具体的に申し上げれば二十一世紀をにらんでの社会資本整備のあり方、特にその整備を進めていくについての実行可能な条件の状況等から考えましても、やはり社会資本の整備というのは各般の施策の中でも一つの大きな課題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  そういった意味で、厳しい財政金融事情を初めとしていろいろの状況の中でございますけれども、この社会資本それぞれのものにつきましてそれなりの見通しと申しますか達成すべき目標と申しますかといったようなものを打ち立てて、それに向かって、いろいろな制約条件はありますが、努力を積み重ねていくということがやはり必要ではないかというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いわゆる国全体の経済政策との整合性というものがなければ、これは建設省だけで考えてやっていっても何にもならないということになるわけですから、私は住宅・社会資本整備水準の国際比較を見ましても、下水道は総人口普及率が整備目標として挙げられて、日本はその中で一九八三年の時点で三三%、イギリスが一九七六年で九七%、西ドイツが一九七七年で八八%、フランスが一九七五年で六五%、アメリカが一九七七年で七二%、都市公園に至っては、先ほども説明があったわけでありますが、一人に対して一九八三年には二・一平米、ロンドンでは一九七六年の時点で三十・四平米、ドイツが三十七・四平米、パリが十二・二平米、ニューヨークが十九・二平米というように、道路、住宅に至るまで全く寂しい状態にあるわけであります。  こういう問題について、これはこじきのおかゆじゃありませんから湯ばっかりだということになったのでは何にもならないというように考えているわけでありますが、一体何を考えているのだろうか。大臣、この点、私が内容を調べてみたら全く寂しい限りだ、外国にこれを見せたら冷汗三斗の思いだろう、こう思うのでありますけれども、もう少し決意を込めた建設大臣の答弁がないとこれはちょっと難しいと思うんですが、どうでしょうか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私どもは、先ほど来申し上げておりますように、基本的には青木先生から御指摘いただいておるような社会資本の立ちおくれというものは率直に言って認めてもおりますし、それから今私は一つのチャンスだと考えているんです。といいますのは、国の繁栄とか世界の歴史を考えてみてもそうですが、そういつまでも続いた歴史というのは非常に少ないわけですね。今、私どもは内需の拡大をすることによって、言えば自由貿易か保護貿易か、我々は自由貿易の原則の旗を下げるわけにはいきませんから、そういう点から考えてみましても、今申し上げますように思い切って内需の拡大をする。それには、先ほど来御指摘がありましたような立ちおくれている社会資本の整備だとか、そのうちでも公共下水道であるとか公園であるとか、それからまた住宅の充実の問題であるとかというふうに我々の生活環境の、また技術革新の時代や国民のニーズも大きく変わっておりますから、そういうものをよく見きわめながら二十一世紀に立ち 向かっていく、日本の安全で快適で、それで均衡のとれた国土、潤いのある国土というものをどうしてつくっていくかということが私どもの一番大きな政治の基本でなきゃならぬ、私どもはそういうふうに受けとめておるわけです。  したがって、先ほど来私が申し上げましたように、公共事業の問題では、いろいろ財政事情の制約等もございますが、そういう厳しい中ででもいろんな手法を考えてやっていかなきゃならぬと思いますし、また同時に、民間活力の問題なんかにいたしましても、私はいつまでもだらだらやってもこれは効果がない。したがって、我々は二十世紀の終局の締めくくりをしなければならぬ。それをやっぱり一つの目標にして、公共事業の立ちおくれというものは、特に民活については考えていかなければならぬ、そういうことを私は事務当局にも指示をいたしておるわけです。そうした考え方で、今も申し上げますように内需の拡大のためには全力を挙げて努力さしていただきますので、また御指導、御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げたい、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 結果といたしまして、これからの関係は、例えば土地税制で言うならば個人譲渡所得課税の制度の各般における見直しとか、あるいはまた住宅関係の投資促進税制の創設、所得税、法人税、それから住宅取得控除制度の適用期限の延長及び制度の改善とか、住宅資金贈与制度の適用期限の延長及び制度の改善とか、たくさんの問題が出ておりますけれども、これらの関係等については確かに必要であるし、やるべきことだと思いますけれども、やはり問題は、私は目標をしっかり定めて、そのもとに財政資金を導入するということを基本にしつつ、しかもまだ今日その立場に立って、例えば減税問題とか民間活力だとか、そういった問題をその内容の中に配置をしていく、こういうことを具体的にやらなかったらなかなか私は大変なことだというように思います。  特に、さきの国会でも、私は経済運営におけるところの内需拡大の必要性、社会資本整備の促進という観点から、公共事業の拡大と適正な民間活力等の問題についてただしてきたわけであります。私ども社会党だって、保護貿易保護貿易と言うけれども、これは自由貿易を守れという立場に立ってそうしてやっているんですから、自民党よりかえって熱心だかもわかりませんよ。そういうようにしてひとつやっていくのだけれども、何としても内需拡大をしませんと、いつまでたっても自動車や電気製品やその他が売れていくという時代ばかりじゃないんですよね。  曲がり角に来るというような形の中で一体それならどうしたらいいのか。やっぱり内需の拡大ですよ。どこへ行っても内需の拡大、貿易摩擦を排除するためにも内需の拡大ということになるのだけれども、さてそのために財政資金なんという話になるとそれはだめだ、こうなるわけでしょう。そういう問題で、じゃひとつ民間活力ということの導入論が出てくるんですけれども、内容については、民間活力ということは民間資金の導入ということであり、また規制緩和ということでしょう。その点について大臣どういうふうにお考えになっていますか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 今、予算編成と並行して、先ほど来申し上げておりますように、民間活力の導入の問題について私どもは作業を進めているわけでございます。したがって、先ほど青木先生から大変ありがたい御指摘をいただきましたような、いろいろな税制上、財政上、また規制緩和の問題、そういうようなものが整合性を持って包括的に実行されなければ大きな成果をおさめることができない、そういうふうな考え方で今鋭意作業をし、努力を続けておるわけでございます。今私お答え申し上げましたようなことが基本になっていくであろう。今作業中でございますから申し上げにくい点もたくさんございますが、先ほど来申し上げておりますように、財政上、それから税制上の問題、それから土地の規制緩和の問題、その他いろいろ規制緩和の問題、そういうふうな問題が包括的に連動性を持って、そして初めて大きな効果というものが上がるわけでございますので、そういう点に十分配意をしながら努力してまいりたい。  特に、民間活力の場合には、あるところまで法律案というものが非常に弾力性を持っていかないといかぬと私は思うわけです。そういう意味で、せっかく一方では民間活力で法案を支度しましても、現行法が足を引っ張るということがあってはなりませんので、そういう点等いろんなことを私どもは検討しながら効果のある法案を生み出すような、また実行できるように努力をさしていただきたい、かように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 民活民活と言って夏ごろ夏のセミが鳴くように随分騒がれたんですよ、このごろ秋風が吹いてきたら少し静かになったと思っているんですけれども。民活といいましても、不必要な規制緩和として民間が活動しやすくするといいましても、民間資金を活用しましてもいずれ返さなきゃならぬですわね。赤字公債と同じですよ。したがって、この民間資金を公的主体が利用することとか、それから従来公共事業として行われてきたものを民間に任せるとか、規制緩和して民間活動をしやすくするとかといういろんな形があると思うんですけれども、民間活力の中で、規制緩和なんかについても何をやってもいいということじゃないわけですね。  したがって、例えば都市の整備なんかにつきましては、もうからない事業に対して民間が進出してくるだろうかということについてはなかなかこれは疑問視されるわけですよ。したがって、民間活力の導入に適している事業はごく限られたものになってくるということで、田中角榮さんでもいればなかなか僕はうまくやると思うのだけれども、中曽根さんではそううまくはいかないと思うのだけれども、その点、大臣どう考えますか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 我々が新都市拠点整備事業というものを昭和六十年の予算編成で新しく制度として認められたわけでありますが、これは簡単に申し上げれば都市の再開発の問題であります。これに対して全国で九十何カ所市町村が手を挙げられた。その中から、初年度でございますから厳選しまして、たしか七カ所新都市拠点整備の事業を認めたわけであります。  そういうふうに、やはり私どもは、民間活力の導入というものはある意味では日本の公共事業のつぼの中にある水の入れかえた、そのくらいの決意を持って、私どもは決して秋風が吹いたからあれじゃなくて、秋風が吹いたから一生懸命努力しているというふうな実は状況でございまして、具体的な問題について今作業を急いでやっておりますから申しにくい点もありますけれども、先ほど申し上げましたように、財政上の措置ももちろんのこと、税制上、規制緩和の問題、そして民間の皆さん方の技術、また住民の方々の参加であるとか、そういうようなものの整合性等、包括的にみんなが理解をしていく。  私は、最近の動向を見ておりますと、マスコミの皆さん方にいたしましても国民の皆さん方にしましても、民間活力というものがいろんな場所でいい悪いの論議が非常に大きく出てきている。これだけでも我々が政策を選択し、転換をする場合に、私どもはこれが非常に大きな支えになっていくと思うんです。やはり議論とかそれから論議とか、また反対賛成の意見というものがなければ進歩や前進はないと私は思うんです。  そういう意味で、先ほど来申し上げておりますような点をしっかり踏まえまして、今こそ我々は内需の拡大、それから都市の再開発や我々の生活の周辺の公共下水道とか公園とか、そういう身近な問題を解決して、そして潤いのある、それで安全で快適な、すばらしい均衡のとれた国土を建設するために身をささげるというような、そういう思いで今建設省の方も一丸となって努力をしておる。そういうかたい決意でございますので、先ほど来申し上げておりますように、我々に対して御鞭撻また御叱正を賜りますようにお願いを申し上げたい、こう思っておるわけであります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 今、大臣の決意を込めた答弁はよく理解できますけれども、概算要求に際しまして、民間活力を使って推進できるプロジェクトをまとめるようにあなたは地方建設局に指示されたでしょう。その中で五十一の地域、民活推進のプロジェクトなるものが上げられてきているわけでありますけれども、これはどのような基準によって上げられているか、従来と特に異なった思想によるものとは思えないようなものがあるわけでありますが、特に民活プロジェクトと言われるゆえんは何か、その辺についてちょっと説明してください。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私は、地方建設局長会議を招集する前にあらかじめ本省の方から局長に指示しまして、民活の問題について例えて申し上げれば、従来のように一部の県知事さんにお伺いするとか、また従来の予算が何%だから何%でどうするとかということにこだわらないで、例えば公営住宅なんかは地方の建設局長さんには直接関係ないことでありますけれども、やはり内需の振興というようなものを考えた場合に、市町村長さんに会って、そして公営住宅の所得制限の問題や、そういう問題に至るまでいろんな意見がありますから、地方建設局長さんが直接関係なくともそういうところまでいろいろ意見を聞く。  それから大型のいろんな期成同盟会のような会がありまして、長年運動をしておられるそういう会長さんなんかにもお目にかかって意見を聞くとか、商工会議所の会頭さんとか、また農協の連合会の会長さんであるとか、商店街の都市再開発の場合には商店街の連合会長さんであるというような、そういうあらゆるところに国民のニーズなり、また地域の願望なりというものが大きく変化しているわけですから、そういう第一線で御苦労されている方々の貴重な体験なり要望、要求というものをよく伺って、そしてそれについて皆さん方と一緒に手づくりで都市の再開発とか、そういう問題はいくあれがないと、実際に法律がいかにどうあろうとも現実の問題として今動かない。  ですから、そういう点をしっかり地建の局長さん方は、従来の道路とか河川とか治水とか、そういう問題だけにこだわらないで、そういう公営住宅まで踏み込んで地域をもう一度総点検して皆さん方の意のあるところをくみ上げていただいて、それに対して我々は官民が一体になって今申し上げた手づくりのような、新しい時代にこたえられるようなそういう考え方でその民間活力の地方とのバランスを全体的に考えていく。経済の変化とか、産業構造が変わっておりますから、従来のようなパターンで画一的に物を考える時代でない、そういうふうに私は指示をして皆さん方からいろんな意見を出していただいたわけです。  今、法案を作業中でございますから余り細かいことを申し上げるわけにもいかぬことですが、私は一つの考え方として民活なら民活は時限立法にすべきだ、これはだらだらやってはいかぬ、緊急避難的な措置ですから。ですから、私はできれば、私の個人の考え方とすれば五年ぐらいの時限立法にして、その中で手を挙げていただいた地域は、どうしても今までこういうことをいろいろ考えたのだけれどもできなかった、しかしこれはやりたいということで、その中で皆さん方が手を挙げていただいてこういう計画をしたいという場合には、またある場合には追加でもってどんどん適正な認定ができるというようなことなんかも非常に大事なことじゃないかなというようなことを今事務当局に指示をしていろいろ作業をしていただいている、こういうことでございます。  詳細にわたっては事務当局からお答えをいたさせます。

佐藤和男建設省大臣官房総務審議官

○説明員(佐藤和男君) 民間活力を活用しますプロジェクトにつきましては、今ほど先生からお話がありましたように、本年の八月の時点でも調査いたしております。その際は、事業主体が民間で、資金の相当部分も民間であるプロジェクトとか、あるいは今度は事業主体は公的機関で民間資金を。活用するようなプロジェクト、ある意味では資金面での民間活用。それからもう一つは、一つの総合的なプロジェクトを構成する幾つかの事業を官民が協力して分担し合うようないわば総合プロジェクト、それから地方都市の中心市街地の活性化計画等、幾つかの分類によって調べでございます。  最近におきます。そういうもののうちで非常にインパクトの多いものでは、それぞれにつきまして幾つか拾い上げでございます。現時点において、例えば五十八のプロジェクトでございます。それの当面五カ年間の総投資額は三兆四千億余という数字を一応計測してございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 来年度の予算要求では民活の目玉事業としまして東京湾横断道路と明石海峡大橋だと言われているわけでありますが、この二つはいずれも事業費が一兆円クラスの大プロジェクトであり、具体的に着工するまでには経済的、社会的、技術的にも大変問題点があるやに伺っておるわけでありますが、これらをすべてクリアして来年度中に事業着手できるというようにこれは理解していいんですか。

萩原浩建設省道路局長

○説明員(萩原浩君) 今、先生御指摘の東京湾横断道路、明石海峡大橋等の問題でございますけれども、そもそも道路整備に民間活力を活用するというジャンルといたしましては大体三つの形態が考えられております。民間資金の活用によります有料道路事業、それから幹線道路整備と沿道の地域開発を一体的に推進する事業、それから道路空間の適正利用を推進する事業、これらが大体現在では考えられておりますけれども、東京湾横断道路につきましては有料道路事業として六十一年度に建設に着手したいということで、日本道路公団において必要額を要求いたしてございます。ただ、厳しい財政事情のもとでございますので、民間活力を一層活用するということを考えておりまして、その事業主体、資金構成等につきましては引き続き検討いたしたいというふうに考えておるわけでございます。  また、明石海峡大橋については同じく昭和六十一年度に本四公団におきまして事業化を図りたいということで要求をいたしておりますけれども、これも民間活力活用の一環といたしまして民間資金の一層の導入、現在でもかなりの民間資金を導入いたしておりますけれども、さらに一層民間資金を導入するということによりまして国の負担を軽減する、これを基本といたしまして引き続き検討いたしております。おのおの六十億ないしは五十億ほどの必要額を要求いたしておりますが、これが一つの引き金となりまして非常に大きな内需の拡大になるのではないかというふうに私どもは期待をいたしておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 最後になりますけれども、今言われましたビッグプロジェクトについては諸条件を整えた上で事業に着手するということについては私は全部否定してしまうという気持ちはありませんが、地方を回ってまいりますと公共事業の抑制によって経済的に非常に停滞しているところがたくさんあるわけです。このような地域では指をくわえて見ている。しかも、これらの地域については波及効果は期待できないというところが、私どもずっと回ってみるとそういうところをよく散見いたしているわけでありますが、それらの点についてはやはり下水道、公園等の社会資本の整備というものもその恩恵に浴してやって、公共事業の拡大によってこの辺を守っていくという姿勢が必要だというように考えます。  中曽根総理が民活のモデル事業として自慢していらっしゃるところの関西の空港株式会社の場合でありましても、先ほどちょっと言ったのでありますけれども、空港本体の建設費が一兆円、それから民間はそのうちの八百億、別に一兆七千億が建設省関係で必要だ、しかも空港株式会社が担当する一兆円の事業費のうち八百億でありますから、これは民間活力なんというものじゃないんです。民活では余り意味がないということが今言われているゆえんは実はそこにあるわけでありますが、これらの関係について全体として私は言うほど、皆さんに期待を持たれていると期待に反したような結果になる可能性というものが存在していると思うのでありますが、これはおいおい、また臨時国会が十四日から開かれますから、その中でいろいろ相談をいたしてまいりたいと思いますが、最後に私の質問についてひとつ御答弁を願って、質問を終わります。

清水達雄建設省建設経済局長

○説明員(清水達雄君) 関西空港の民活問題でございますけれども、空港本体につきましては確かにこれは出資金千二百億円とそれから借入金が八千八百億ということでございます。出資金につきましては民間は確かに二百億円でございますけれども、借入金につきましてはほとんどが民間資金というふうなことでございまして、空港本体については民間資金の活力を大いに導入しているということが言えるのじゃないかと思います。  関連公共施設については、いろいろこれは本来公共施設として整備しなければならぬものがありますから主として公的に整備することになると思いますが、やはりこういう総合プロジェクトにつきましては官民がその能力、責務に応じて役割分担をして協力してやっていくということが必要だと思いますので、そういう観点でこれも民活プロジェクトと考えるべきであるというふうに思っております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 去る九月二十三日にレーガン大統領のいわゆる新通商政策なるものが発表されました。さらに、為替レート等にも介入をして国際経済というものは新たな転機を迎えたわけでありますけれども、特に日本との市場開放交渉に期限をつけると同時に、貿易相手国の不公正慣行に厳しい対抗措置をとるとの方針を打ち出したわけでありますけれども、私はつい先ごろアメリカ国内の公共事業の実態や末端の国民の意向というものを二週間にわたり調査をしてまいったわけでありますけれども、アメリカの議員の皆さん方が叫んでいるいわゆる貿易不均衡という問題と一般国民の間には大きなずれがあるように私は実は感じてきたわけであります。  二、三の例を挙げてみますると、あれほど問題になっておりまするいわゆる自動車の輸入に対しましては、一般国民といたしましては、日本車は安くて性能がすばらしい、さらに故障も少なく燃費も低廉であるからまだまだ希望があるので品不足であるからもっと輸入すべきである、こんなような声もありまするし、あるいはまた日本の建築用鋼材でありますけれども、鋼材が日本製は非常に品質も価格もともに期待どおりであるのでもっともっと欲しいのであるけれども規制をされているので困る、アメリカ国内での調達が間に合わないので第三国を通じてでも大量に欲しい、こういう声があったり、また金利稼ぎと批判の強い日本企業の投資等も制約されたのではアメリカの景気にも影響が出るので制約をするなとか、ニューオーリンズヘ参りますと、アメリカ大陸を縦断するミシシッピ川を利用して大量の穀物を全農を通じて日本へ積み出しているわけでありますのでアメリカの農民は非常に日本に感謝をしているとか、およそ我々が考えている貿易摩擦とはかけ離れた印象を受けたわけでありますので、私どもはアメリカの関係者に対しましてこの話をして、もっと優秀な国産車をつくり、需要に応ぜられる鋼材を製造し、みずからの農産品の国内需要のバランスをとるべきであって、失業問題や貿易赤字の問題を日本にだけ押しつけるのは問題があるのではないかというふうに指摘をしてまいったわけでありますけれども、これにはいろいろな政治的背景による経済闘争の感があるなというふうに考えてまいったところでございます。  そのような国際経済情勢に即応して、先ほども大蔵省から説明があったわけでございますけれども、我が国の内需を拡大すべきであるという意見が相次いでいるわけでありますけれども、私はアメリカの対日工作に対応するまでもなく、内需の拡大の基本となる公共事業の増大は当然のことであるというふうに考えているわけでございます。  そこで、伺いたい第一点は、我が国の貿易黒字というものを背景に国の内外から内需の拡大を求められているわけではありますけれども、欧米諸国に比べて立ちおくれているいわゆる社会資本の計画的整備を進めるためにも公共事業の予算の確保拡大についてどのように対処していただくお考えなのか、まず基本的な考え方をお伺いしておきたいと思います。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 御指摘いただきましたように、欧米諸国と比較をいたしまして社会資本というのは非常におくれていることは御指摘のとおりでございまして、私どもは基本的には、二十一世紀がもう目の先に届いておるわけでありますから、ともかくしっかり二十一世紀に立ち向かっていくためにも締めくくりをしなきゃならぬ、そういうふうな一つの使命的にも時期が来ておることは言をまちませんし、また四年も五年も公共事業が抑制されてきたことも御承知のとおりでありまして、これ以上公共事業を落ち込ませるということをしてまいりますと、事態がよくなった場合でもなかなか回復力が時間がかかる。ちょうど病気で病院に入院して、そして退院しましてもやはり体力がなかなかもとに回復しないというようなことと非常によく似ておると私思うんです。  そういう意味で、私どもは今申し上げますように二十一世紀への足固めというものをきちっとしなきゃならぬ時期でもあります。それから確かに国債の増発が百三十兆になっていますからこれ以上許されないというような、そういう問題も率直に言ってあるわけであります。これ以上また仮に紙幣が出回るということになりますとインフレをいつ招くかわからない、そういう心配も一方ではあるわけですから非常に経済運営をする場合にかじ取りが難しい。しかし、幸いにして一方では物価も非常に安定していますし、これはある意味では世界の優等生ですから、そういう点で、私先ほども答弁申し上げましたように、言えばちょうどいい時期が到来したというふうに私は思うんです。したがって、先ほど来申し上げておりますように、来年の予算編成に当たりましても、五カ年計画の策定はもちろんのこと、各種、下水道から住宅から海岸から、こういう問題はもちろんでございますが、国費とすれば確かに問題もございますが、その間に財政的な問題、それから税制的な問題等、住宅建設なんかにも配慮しながら、できれば事業量とすれば七%ぐらい伸ばすような努力をしなければならない。  また、民間活力の問題でございますが、民活の問題というのは民間の方々の蓄積された資本力にいろいろ協力をいただくとか、技術力が一緒になって都市の再開発なんかは手づくりの都市の再開発をするというようなことだろうと思うので、それに対して私どもは周囲の環境とかそういう問題についてはやはり政府が一般の公共事業で補わなきゃならぬ。これが一緒に、私はやっぱり車の両輪おように回って安全運転で日本経済というものが伸びていく、また社会資本の立ちおくれはこれによって回復できるというようなことが我々が願っている実は理想のあり方でございます。  そういう点で大変いろいろ厳しい条件もございますが、今申し上げましたような手法を、国費の有効活用であるとか重点配分であるとか、それから財政投融資の活用であるとか民間活力を導入することによって事業費の確保を図るとかいうようなことで、車の両輪でこの立ちおくれた社会資本を回復するために今後とも最善の努力を尽くしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 大臣も大変努力をされておることも十分理解もできるわけでありまするし、また日本経済が世界の優等生だというお話もございました。それも確かにそのとおりでありますけれども、日本の経済というのは非常にばらつきが激しいのじゃないかというふうな気がするわけでございます。  これは質問ではございませんで、特に河本長官に御要望を申し上げておきますけれども、先ほど安孫子委員が報告をしておりました中でも、非常に北海道は公共事業主導型経済でございまして、なかなか民活民活といいましても対応でき得るような状態にないわけでありまして、したがいまして、私どもはぜひともこの公共事業等の配分については、一番北海道が今景気が悪いというふうに言われておりまするし、四年間も実は公共事業が減少されてきて景気のどん底にあるという実態でございます。日本全体としては非常に景気がよろしいという中で北海道だけが取り残されているというような状態でございますから、ぜひひとつ公共事業等の配分等につきましては河本長官に大いに踏ん張っていただいて北海道に重点的な配分ができますように御要望だけを申し上げておきたいと思います。  そこで、第二点として民間活力の問題についてお伺いしようと思いましたけれども、大臣は民間活力に関する法律を提案しながら今後対応していきたいというお話でございまするし、また青木議員からの御質問にも非常に懇切丁寧な御答弁がありましたので省略をさしていただきますけれども、先ほどお話がございました東京湾の横断道路とか湾岸道路とか明石の問題だとか、あるいはまた関西空港の問題、そのほかに代表的な民間プロジェクトというもの、民間活力を導入したプロジェクトというのはございますか。

佐藤和男建設省大臣官房総務審議官

○説明員(佐藤和男君) 大規模な民間活力を活用したプロジェクトといたしましては、例えば近々着工いたします関西の京阪奈丘陵におきます関西文化学術研究都市の事業などが一番大きなものとして挙がってくると思います。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 そこで、第三点でお伺いしておきたいと思いますけれども、民間活力を利用した道路や橋、さらにまた都市再開発や住宅建設、今お話がございました学術研究都市その他が内需拡大策の柱として重要な政策課題となっておるわけでございますけれども、それを促進するためにはアメリカでも実施されている各種の手法というものを参考にして、導入可能なものは私は積極的に取り入れていく必要があると思うわけであります。  私は、まず第一に、アメリカのいわゆる都市再開発の特徴というものは、端的に申し上げてライトダウン方式とコミュニティー開発総合補助金制度というものがあると思うわけであります。ライトダウン方式というのは、要するに地方自治体が再開発のマスタープランを作成し、住民の同意を取りつけて土地収用や立ち退き補償や整地、道路などのいわゆる公共インフラ部分の建設を行った後に企画コンペを行って、応募したデベロッパーの中から一社を選定して土地を特に市場価格の三分の一程度で譲渡をして開発を委託するという方法でございますけれども、これに政府が総合補助金を出すことによって国、地方、民間が一体となって再開発事業を行うわけでありますが、このような方式は我が国ではなじまないものであろうかどうか、建設省のお考え方をお伺いしておきたいと思います。

牧野徹建設省都市局長

○説明員(牧野徹君) アメリカにおきますライトダウン方式は、先生がただいまお話しいただいたとおりだというふうに私どもも承知しております。ただ、アメリカにおきましてこのライトダウン方式がとられましたのは、我が国と若干異なりまして深刻なスラム街の問題がございまして、その結果都市が非常に荒廃するとか、あるいは地方の財政が極端に悪くなる、そういうふうなことがございまして、そのスラム街の整備をするということが国民的課題として認知されたというか合意があったということ、それからまたスラム街の整備をするのは非常に採算性が悪いということで民間デベロッパーの方が事業をおやりになるにも非常にリスクがある、自分だけの採算性では悪過ぎるというふうなことでその方式を導入したというふうに承知しております。  今、先生がお話しのように、この方式を日本にそっくりそのまま全面的に導入するということになると若干問題があるということは、一つには、まず日本にはやはりアメリカのような深刻なスラム街問題がない。言ってみれば、我々は比較的木造で密集で悪いのじゃないかと客観的には思うところでも、住んでおられる方に聞きますと非常に住みよいいい町だというようなお話もございまして、なかなかそういうことがない。と同時に、その反映でもございますが、民間がその利潤を上げる事業に対して今おっしゃった土地の収用権まで認めていくということが国民的なコンセンサスが得られるかどうかという点につきましては非常に慎重な法律的な検討が要るのではないかというふうに考えておるわけでございます。  ただ、おっしゃいましたように、あの方式の長所だけを取り入れる、そういうことは私どもも考えておりまして、その一つとして昭和五十五年に都市再開発法を改正いたしまして、再開発事業を行いましてある一定の敷地に建てる建物が全部保留床というか外からの人を入れるような建物、それは計画なり何なりを事業者側が決めた上で民間の方におつくりいただく、そういう特定施設建築物制度というのをつくったわけでございますが、今後はこういう制度についても大いに活用してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 お言葉を返すようで恐縮ですけれども、日本にはアメリカのようなスラム街は全くないといったような、そういう断言をされるほど自信をお持ちなのかどうか。私は、もっと実態を見詰めていただくとやや似ている部分のあるところがたくさんあると思うので、このことについてはとかくの論議をいたしませんけれども、今あなたがおっしゃったような考え方で満足できるわけではございませんけれども、御努力をしていただきたいものだと思います。  そこで、第四点でお伺いしたいことは、先ほど申し上げたようにコミュニティー開発総合補助金の方式の問題でございますけれども、これは一九七四年にできたコミュニティー開発法に基づくものでありますけれども、従来の事業別補助金にかえて、使途を特定しないいわゆる総合的補助金という形で多目的に使用できるようにした補助金制度でございまして、その金額は今アメリカでは年間八千四百億円程度でございますけれども、さらにまた一九七七年に住宅及びコミュニティー開発法に基づいて都市開発事業補助金という制度もできまして、各市町村が効率的な運用を行って大変喜ばれているというふうに私どもは見てまいったわけでございます。我が国の都市再開発事業補助の実態は一体これに比べてどうなっているのか、また我が国では地方自治体の裁量権というものを尊重して使途を限定しない都市開発一括補助金のような制度の導入を考えられないものかどうか、御見解を伺いたいと思います。

牧野徹建設省都市局長

○説明員(牧野徹君) 先ほどからいろいろ御議論いただいておりますように、我が国の都市施設の整備水準と申しますか都市環境の整備水準というものは、残念ながら諸外国に比べて極めて低いわけでございます。これを二十一世紀あるいは二十一世紀初頭に向けまして計画的に着実に整備していこうというのが私どもの基本的な姿勢でございますが、そうしますと、やはりそれぞれの整備を進める場合に各施設ごとの、先ほど長期計画のお話も出ておりましたが、それぞれの五カ年計画なり何なりをつくって全国的なバランスとか何かを見ながら進めていくというのがただいまのところの私どもの補助の制度になっております。ですから、再開発だけに限ってみましても、一件ごとに見まして補助をするというふうな格好になっておるわけでございます。ただ、今、先生のお話のように、地方公共団体の意思を尊重しながら補助をするというか都市開発を総合的にやっていくということは私も必要だと思っております。  そこで、新しい一つの試みでございますが、今年度、六十年度から、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、地方公共団体の総合的な計画に基づいていろんな計画を入れたものを取り上げて、それに既存のものだけでも重点的に集中的に補助をするというふうな制度を二つほど取り上げよう、一つは新都市拠点整備事業というものでございますのと、もう一つはシェープアップというんですが、地方都市中心市街地活性化計画、こういうものをつくりましてだんだんと御趣旨の点には沿いたいと思いますが、基本のところは冒頭私が申し上げたようなことだというふうに考えております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 今お話を伺って納得さしていただきましたけれども、実はそういう方式をやることについてむしろ地方自治体の方が非常に考え方が進んでいるような気がしてならないわけですね。ということは、北海道で例にとってまいりますと、市町村振興補助金というような制度がございまして、これは北海道は御案内のように十四支庁に分かれておりますけれども、これはことしあたりの道の予算で考えてまいりますと約五十五億円ぐらいございます。これはあくまでも二分の一補助ということで、それからまたそれに対してお金が足らない場合には市町村振興基金というのがございまして、これまた六十億ぐらいございます。そんなことで、これは使途を限定をしないんですけれども、一応申請するときには届け出はいたしますけれども、この制度が非常に喜ばれているんですね。いろいろ調べてみましたら、全国で北海道とたしか大阪がこの問題と似たような制度をおつくりになっていらっしゃるということでございますけれども、私はきめ細かい公共事業の導入とかあるいは民活ということを考えていった場合、これは欠きに私は参考になることだと思いますので、今ここでそれをしゃにむにやれなんというようなことは申し上げませんにいたしましても、やっぱり将来の参考にしていただいた方がいいのじゃないか、かように思うわけでございまするし、民活民活といって民間活力の導入に意欲を持たせるためには必要な手法だなというふうに私は考えますので、御検討をお願いしておきたいと思います。  そこで、第五点として伺いますけれども、政府が内需拡大の柱としていわゆる住宅建設に重点を置く考え方は私は適当であると思いますけれども、問題はその住宅建設に意欲を持たせることが急務であり、やはり思い切った減税措置をとるべきであると思いますけれども、建設省といたしましてもようやく本腰を入れて六十一年度では住宅減税を要求しているようでございますけれども、その内容とその効果についてどういうことになるのか、ひとつお伺いをさしていただきます。

渡辺尚建設省住宅局長

○説明員(渡辺尚君) 私から申し上げるまでもありませんが、我が国の住宅事情は非常に質的な面で立ちおくれております。また、最近の新築着工住宅、新規住宅建設を見ましても百十万戸ないし百二十万戸ということで推移しておりまして、居住水準向上のための住宅建設の促進ということが急務となっております。また、先生御指摘のように、内需の拡大を通じた安定的な経済成長を図っていくというためには、いわゆる景気への波及効果というのが非常に大きいし、それから関連産業というものも非常に多岐にわたります住宅投資というものの拡大が望まれているということでございます。  建設省といたしましては、これらの居住水準の向上と内需の拡大というこの二つの要請にこたえるものとして、昭和六十一年度税制改正要綱におきまして大幅な住宅税制の拡充の要望を行っております。いろいろ細かいものもございますけれども、その主要な内容を申し上げますと三点ほどあるかと思います。  一点は、住宅投資の全般的な活性化を図るという目的を持ちまして、新築住宅につきまして、持ち家であると貸し家であるとを問わず、いろいろな条件はつくと思いますが、毎年取得費あるいは建築費の一%を五カ年にわたりまして毎年税額から控除するという、いわゆる住宅投資促進税制の創設でございます。  二つ目は、民間住宅ローン負担を軽減する、そして持ち家取得の促進を図るという目的を持ちまして、住宅取得控除制度、現在ございますけれども、これを控除率でありますとか控除期間でありますとかといったものにつきまして大幅に改善するということでございます。  三つ目は、これも既存の制度でございますけれども、若年層の手持ち資金の確保、これに資する住宅資金贈与制度というのがございますが、その活用の一層の促進を図るために中古住宅の取得を新たにその適用対象とするといったような拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。  効果ということでございますが、こういったものがいろいろ実現されていった場合効果というものはどうだろうかということでございますが、これは経済の変化に伴いましていろんな変動する要因がございます。したがいまして、一概に申し上げることは非常に困難かと思いますが、住宅金融公庫の融資の拡充でありますとか、いろんな措置と相まちまして、一つの住宅政策の目標であります所得と住宅価格の乖離というものの縮小を図り、それによって住宅取得能力の向上を図ります。それで、潜在的な需要となっているものを顕在化するということから、今後新規世帯増、これは四、五十万というふうに考えられておるわけでございますけれども、あるいは建てかえ、これは七、八十万戸というふうに考えられるわけでございますけれども、こういったものの需要を満たすには十分な住宅建設戸数を確保する、同時に望ましい水準に向けての居住水準の向上と大幅な内需の拡大というものを期待いたしたいというふうに考えておるところでございます。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 六点で今のことについて御質問申し上げようと思ったんですけれども、ほとんどお答えをいただきました。ただ、簡単にこのことはどうかなというふうにお伺いするわけでございますけれども、今あなたの御説明を伺っていると、よし、それじゃ私も来年度に家を建てようかなというふうな意欲を燃やすところまではいかないような気がするわけでありまして、そういう意欲を燃やすためにはもっとひとつ、先ほど大臣からもお話ございましたように、できるだけ欧米並みにこれらの問題を取り上げていただきたいと思うわけでございますけれども、例えば住宅ローンがございますが、この利子のいわゆる所得控除制度があるわけでございますね。それから西独では住宅の完成または取得後八年間というものは住宅建築費、購入費、その他工事費の五%を毎年減価償却として所得から控除しているわけでございますので、このことについては関係各方面から強い要請もあるわけでございまして、あなたが今おっしゃったようなものに加えて多様な住宅減税を実施することによって持ち家取得というものを容易にして居住水準の向上に努めるべきであると思いますけれども、今私が申し上げたこと等についてどうお考えになりますか、御答弁をいただきたいと思います。

渡辺尚建設省住宅局長

○説明員(渡辺尚君) 先生御指摘のとおり、現状におきましては欧米諸国と住宅税制につきましては大きな差があるというのは事実であると思います。そのような観点から先ほど御説明しましたような住宅税制の改正を要望したわけでございますが、その場合におきましてもそれぞれやはり歴史的な経緯とか税制そのもののいろいろな経緯というものがあると思います。ただ、欧米先進諸国の住宅税制、今、先生からいろいろ御紹介いただきましたけれども、そういったものも十分参考にしながらただ実効性の高い改正要望ということで先ほど御説明いたしましたような改正要望を行ったわけでございます。これらの要望が実現されれば、住宅建設の促進と居住水準の向上ということに対して税制面から大きく寄与できるのではないかというふうに考えておりますので、御了解いただきたいと思います。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 最後の七点で、これは大臣にお伺いをさしていただきますけれども、こういう質問はまだ早いというふうに御指摘をいただくかもしれませんけれども、補助金一括法の問題でことしは実質的には随分事業がおくれてしまいました。おくれてしまったわけでございますが、それがずれていくかと思いましたらそうではございませんで、極めて短期間で各方面の公共事業というものが完成されまして、もう既に秋枯れなんというふうなことで各地域に参りますと仕事がないということで倒産がまたどんどんふえているという実態でございます。したがいまして、そういう地域の振興を図るためにも私は六十年度のいわゆる補正予算を早急にひとつ編成をさしていただいて、下半期における公共事業費の追加を行うと か、あるいはまた災害の補正を早急に行うとか、そういうことによって景気の浮揚にお力を出していただきたい、かように思うわけでございますけれども、それに対してのお考え方があれば最後に、お伺いしておきたいと思います。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私ども大変一律一割カットの問題で地方自治体なんかに御迷惑をかけた点も率直にございます。今年度の予算の執行に当たりましては、上半期は公共事業の執行につきましてはいわゆる自然体で臨んでおる。現時点では補正の問題について今私が確たることを申し上げるということはどうかと思いますが、しかしこれからもう少し経済全体の流れなり、また内需の拡大の対応策なり、そういうようなものを見た場合に、例えば今度地方にお願いして地方単独事業を起こしてもらうとか、それからまた秋になりますといつも災害があるわけですから、そういう問題なんかももう少し見なければわからぬ点もございます。そうした点等いろいろ考慮いたしまして適時適切な対応というものも図りながら努力をしたい、こういうふうに考えているわけであります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 先ほどからの論議で建設省関係の公共事業ないしは社会資本の充実等についてやりとりがありましたので、私は建設省の公共事業関連の問題で幾つか、なるべく重複をしないように伺っておきたいと思います。  まず最初に、六十年度末の長期公共事業計画の達成の実情の問題ですが、確認のために状況を御報告願います。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 昭和六十年度を計画の最終年度とするのは、都市公園、下水道整備、海岸事業、特定交通安全施設等整備事業、それから住宅建設の各五カ年計画がございますが、住宅建設五カ年計画の公的資金住宅はこれは別といたしまして、そのほかにつきましてはなかなか達成は困難な状況となっております。また、昭和六十一年度を計画の最終年度とする第六次治水事業五カ年計画につきましてもその達成は厳しい状況になっておりますけれども、なお残された期間において最善の努力をする考えでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 なお残された期間で努力をすると今御報告があったんですけれども、大体、今表向き明らかになっているこの達成率にかなり上乗せできるんですか、率としてはいかがなんですか。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 治水事業五カ年計画につきましては六十一年度が最終年度でございます。今年度末でその達成状況というのは六十数%でございまして、それが完全達成へあと一年でするということについては率直に言いまして非常に難しい状況にある。ただ、いろいろ財源問題を含めてできるだけ近づけたいという考えでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 先ほど木部大臣も御答弁の中で、社会資本の充実等を考えた場合に二十一世紀へ向かってしっかりした足がかりをつくっておくのが使命だというようなことの御答弁があったんですが、これは七年間ずっと抑制をして今日まで来てしまいまして、新年度もどうもその傾向ではなかろうかというのがこれは常識になっているんですが、この減量政策といいますか抑制基本路線みたいなものが。社会資本の蓄積は、これは長期計画、先ほど御報告のあった新五カ年等への影響を考えましても、こうした姿勢自体がもう限界じゃないか。いろいろ御答弁いただくのだけれども、やっぱり前の五カ年計画と同じようになかなか全体的な達成が結果としては無理になるのじゃないかという推測はつくんですけれども、この点については大臣どうお考えになっていますか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 先ほども御答弁申し上げましたように、確かに御指摘になりましたように五%のマイナスシーリングということになりまして、一般行政は一〇%、そういう厳しい中でございますが、やはり社会資本の立ちおくれというものが余り長く、四年も五年も六年もずっとあれしますと、回復力がついた場合に非常にもとの健康体を取り戻すのに時間がかかる。諸外国の例を見てもそうだと思うのです。  したがって、私どもは今内需中心の経済運営を求められているときでございますから、地域社会の活性化というようなもの、ないしは先ほど来申し上げておりますように、公共事業は社会資本が非常におくれていますが、中でも公共下水道であるとか公園であるとか、それから都市の再開発、そういうような私どもの身近な問題、それから御承知のとおり高齢化社会も迎えていますし、技術革新の時代でもございますし、そういうふうなことをいろいろ総合的に考えてみますと、厳しい中にも、確かにマイナス五%でございますけれども、事業費として前年度を七%ぐらいは上回るような六十一年度で予算の編成に当たっての努力をいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。  したがって、民間活力の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、私ども予算は当然一般公共事業でそうした心構えでこれを実現し、また各種五カ年計画につきましてもこれを継続する、こういうふうな姿勢でございますが、先ほど来申し上げておりますように、民間の皆さん方のいろんな経済的支援、例えば投資を願うとか、それからまた技術力であるとか、そうした問題について官民が一体になって今申し上げるように非常に立ちおくれた社会資本を、一方では公共事業の厳しい中にもいろいろ手法を考えながら努力をし、一方では民間の活力を導入することによって、今申し上げておりますように我々のニーズも大きく変化いたしておりますし、また二十一世紀への足固めをきちっとしなきゃならぬというようなことを考えてみましても、民間活力を導入して、そして民間の皆さん方の知恵なり意見なり、また資本的な御支援なり、それに対してまた政府といたしましても財政上、税制上、そういう面について細かい配慮をしながら活力に満ちた、潤いのある、そして快適で安全な国土づくり、均衡のとれた国土というようなものがちょうど車の両輪と同じように安全運転されることが、私は今我々に求められております内需の拡大と相まってこれが求められている我々の使命である。そういうようなことで、これから残された二十世紀を建設行政の大きな柱として全力を挙げて社会資本の立ちおくれを回復するために努力をしていきたい、こういうふうに基本的には考えているところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、確認のために伺っておきますが、六十一年度の予算の概算要求の数字は、どうも六十年度と同じように、例の一年限りという補助金一括法による補助率の問題ですが、これはそれを前提にして概算要求なさっておるようですが、引き続きおやりになるということでいいんですね。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) おっしゃいますように、概算要求の数字といたしましては、今年度と同じような補助率という前提で要求をいたしております。それがどういうことになるかということにつきましては、これから来年度の予算編成に向けまして政府部内で検討して決められていくということでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 先ほど青木理事が御質問なさったときに、大蔵省の田谷主計企画官の御答弁を聞いていると、民間活力の導入だとか、それから社会資本の充実ですとか、それに関連して御答弁なさったのを私メモしておいたんですが、大分前向きに対応するような御答弁だったんですよ。だから、建設省側としては大分期待して強気で大蔵省に交渉していいような僕は認識で聞いたのだけれども、あの答弁は。  そこで、どうなんですか。これからの折衝で結果的にやるかやらないか決めるみたいな御答弁があったんですが、建設大臣の御決心だけ聞いても大蔵省が頑張ればどうにもならぬと思うんですけれども、これは引き続きおやりになるんですかならないんですか、はっきりしてください。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) これは大蔵省もございますし、それから自治省もございますし、いろいろ関係するところが多うございますので、そういったところを総合的に政府全体として決めるべき問題と考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 建設大臣、余り期待できない、やっぱり約束違反で、この補助率の問題は引き続きやらざるを得ない、そう思っていていいですか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 大蔵省のどなたか答弁されたが、これは事務当局の答弁でありまして、私どもはやはり自民党という政党もありまして、党主導型で政府と一体になってこういう大事なときでございますから予算の編成に取り組むわけでございまして、そういう点を考えてまいりますと、私は先般も七月の末に大蔵大臣にもこの住宅の戸数の達成の問題であるとか無抽せんの問題とか、また金利の問題であるとか、また一律一割カットの問題につきましても、大蔵大臣に概算要求を設定する前に我々の決意を実現するために申し入れを実はいたしておるわけであります。そういう意味で、これからいよいよ臨時国会を迎えますが、並行して来年度の予算編成というようなものを政府と党が一体になって、私どもは先ほど来申し上げておりますような基本的な姿勢を貫くために最善の努力を尽くしてまいる所存でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 内需拡大は現在の政府の基本的なやはり政策の大きな柱でもあるのでして、そういう点から考えると、建設省関係の公共事業等の計画を考えても十分これはその路線に沿って推進できる事業内容であるから、国の財政の実情を考えると責任の一端を担う大臣の立場ではなかなかここで大損な御答弁もできないいきさつはわかりますけれども、繰り返し大臣の御答弁にもありましたように、ぜひこれは前向きで各事業を進めていただく姿勢を堅持していただきたいと思うわけです。  そこで、先ほどから話題になっている民間活力の導入ですけれども、これは減税その他いろんな政策的な措置もとらなきゃならないんですが、実際には公共事業全体のことを考えますと、民間活力をいかに引き出すかという問題で考えますと、やはり基本的には政府の政策なり予算措置なりが具体的にそういうものを想定して引っ張り出す形になっていないと、言葉で答弁していただいてもなかなか実効が上がらないという気がいたすわけでございまして、その辺に対する考え方は、実際にはいろいろ予算折衝、概算要求も出ちゃった段階ですが、いろいろ知恵を絞っていただいた方がいいのじゃないかと思いますが、民間活力を引き出す、参加させることについてお考えになっている政策的なものがあったら幾つかひとつ御報告願いたいと思いますが、いかがですか。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 先ほど来私御答弁申し上げておりますように、今法案の作業を鋭意進めております。これから関係省庁との調整なんかもございますし、そういう段階でございますから、今作業中ですから詳細にお答えできなくて申しわけないと思いますが、先ほど来私申し上げておりますように、いろんな税制上とか規制の緩和の問題であるとか、また財政上の問題であるとかといいますのは、この民間活力の場合にはやはり第三セクター方式のような民間が中心になってやっていただくわけですから、その場合の例えば事業が完成した後、運営も当然第三セクターなり民間が中心になって運営されるわけでございますから、その場合、例えば道路なんかの場合でも事業の収益が出なかった場合には当然これは税制上の措置なんかを考えてもらわなければならないだろう。  また同時に、今金利が非常に御承知のとおり低い状態にございますけれども、金利が将来またどういうふうに変化するかわかりません。世界情勢や国際情勢や金融情勢がどういうふうに変化するかわからない。そういう中にあって、なるべく低利の資金というものが建設する段階では一つの大きな基本的な問題になるわけでございますから、そういうようなものをやっぱり維持するためにどうするのかというようなこと。それからまた、当然、社債とは申し上げませんが、事業によっては事業債も発行しなきゃならない。そういう場合に対する税制上の問題なんかは一体どうなるのか。そういうものが政策的に包括的にやはり理解をされませんと、民間活力といいましてもなかなか皆さんから参加をしていただくということが非常に難しくなりますので、そういうやっぱり環境づくりといいますか、そういうものについても我々は最大限の配慮をしなけりゃならぬ、そういうふうにも思います。  それで、大蔵大臣なんかが先進国蔵相会議なんかへ行ってもそうでございますが、やはり民間活力を中心にして、あわせて内需の拡大を図るということを、これはある意味では世界に向かって内閣が公言しているわけですから、そういう点も私どもはしっかり受けとめて最善の対策なり努力をする、こういう大きな責任があるわけでございますから、これは一建設省の問題ではございませんで内閣挙げての課題である、また政策的に達成をする責任がある、私はこういうふうに理解いたしておるわけであります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 先ほど高橋官房長からも御答弁があった新五カ年計画一これは第五期住宅建設計画ですとか、あるいは第四次都市公園、第六次下水道、それから第四次海岸整備計画等御報告があったんですが、この新五カ年計画は六十年度ないしは六十一、二年度で終わるそれぞれの建設省所管分の公共事業、実績はもう達成しないのは御答弁で明らかです。これは計画そのものよりは、現地の事業を施行している地域からいいますと、新五カ年計画へ入っていただくのはいいんですが、実績からいうと発射台が低くなっていますから、このことについては先々も追っつかない状況でいかざるを得ないだろうと思うんですが、この新計画とその実情との問題はどうですか。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 今、先生の御指摘のありましたのは、現時点が低い段階、そうすると先ほど私が申し上げたような目標数字だと相当事業量がかかるだろう、そうするとぐっと将来に向かって延ばさなければならぬだろう、こういう御指摘かと思います。  そういう御指摘ごもっともな点があるんですが、一方で二十一世紀初頭に向けて社会資本整備というものがどうなければならぬかということの長期目標を考えた場合に、やはり今の実情と非常に差がある。先ほど申し上げたように、二十一世紀初頭ではそれぞれの施設についてこういう整備目標を考えた場合にやはりそこへ向けての当面五カ年間の間にはこれだけのことをしなければならぬという、そちらの方からきますと今要求しているような目標の数字が出てくるわけです。  そこで、現実の今発射台と高い整備目標をどうするか、すり合わせをどうするかというのはこれからまた、これは建設省の要求段階でございまして、政府全体でいろいろ協議して決めていく問題でございますが、大臣が先ほど申し上げましたように、民間活力その他いろいろなことの工夫、国費以外の工夫というものをそれぞれの段階においてやっていくということも一つのこととして考えなきゃならぬことだと思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、先ほど項目だけ御発表願ったんですが、この新五カ年計画の各事業の事業規模というか、財政的な規模といいますか、予算規模ですか、その辺のところはどうなりますか。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 総投資額について申し上げますと、第四次都市公園等整備五カ年計画は三兆七千億円。それから第六次下水道整備五カ年計画は十四兆一千億円。第四次海岸事業五カ年計画は一兆一千六百億円、これは三省庁一緒にした数字でございます。それから第四次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画は一兆三千五百億円。第五期住宅建設五カ年計画、これは戸数でございますが、公的資金住宅は三百二十九万五千戸、総建設戸数は六百七十万戸といったことを内容とした要求でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 しつこいようですが、もう一回聞いておきます。  それはいいんですが、公共事業をめぐる予算概算要求の段階でいろいろうわさがあって、新聞記事なんかでもそのまま受け取っていいかどうかというのは、僕は実情がわからないんですけれども、どうも実情は、新規事業等を含めまして、公共事業関連のものでも政府の基本方針と合ってい ながら実際は大蔵省の予算に対する姿勢というのは大変厳しいというような報道もありますし、事業によっては回答ゼロなんというようなことも活字で載っていますが、この辺はどうなんでしょうね、実際の折衝の段階と。こういう報道の方が本当なのか。どうなんですか。

高橋進建設省大臣官房長

○説明員(高橋進君) 大蔵省に対しましては、それぞれの来年度以降の問題につきましても、この五カ年計画等につきましても説明は十分しております。ただ、具体的に来年度予算編成をどうするかということにつきましては、正直言いまして、まだ若干の日もございまして、これから精力的に詰めるという段階でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 何事もこれからでは、この辺にしておきましょう。時間がかかっちゃう。  それで、公共事業促進、とりわけ住宅建設の促進等については、先ほど減税問題に絡んで税制その他の制度の改善についてもお話があったんですが、私が聞いておきたいのは、河川環境整備促進事業の問題で、これは農水省その他、工業用水、上水道あるいは農業用水等を考えますと、この新しい財源、背に腹はかえられないから何とかしようということで占用料を徴収しようというようなことになっているのだろうと思うんですけれども、これは各省庁てんでんにそれぞれやられると地元の住民や業者の方はたまったものじゃないんですよ。この辺の調整などはどうなっているんですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) ただいま先生からお話のございました流水占用料の問題でございますが、来年度の予算要求に当たりましては、私ども従来から河川法にあります流水占用料の制度を改正いたしまして、治水財源の拡充を図りたいということでお願いをいたしているわけでございますが、これは各省に密接な関係がございますので、ただいま各省と御協議申し上げて調整をお願いいたしておる段階でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ほかの省庁のことまで御答弁願うわけにいかないと思うんですが、関係各省庁お話し合いをしてそれぞれ取るという方向ですか、どうですか、推測は。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 私どもは流水占用料の制度を改正いたしまして適正な料金をいただくということでお願いいたしておるわけでございますが、まだ各省庁から具体的にどういうというような、協議としては入り口の段階にとどまっておりまして、まだ正式な御意向を承っておるということではございません。今後、協議を進めてまいりたいと思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 このことについては各省庁と協議をしている最中なんですね。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) そのとおりでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そうすると、厚生省の関係の水道料金とかあるいは農水省の農業用水とか関係がそれぞれあるわけで、折衝していて、財源が欲しいから各省庁それぞれの立場に立ては一生懸命なんでしょうが、これはおたくに答弁を聞いてもしょうがないんだな。  大臣、これは各省庁はちゃんと調整してくださるのでしょうね。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私どもは、占用料を御協力いただくことによって、できれば災害といいますか、河川の災害の防止ということに全力を挙げて努力したい。この間、私も素人でよくわかりませんが、吉野川なんかは河川改修が始まって百年祭だそうです。ですから、一世紀にわたって吉野川一本だってその河川のいろんな改修事業を進めておるということを承ったわけです。  それで、今実は概算要求で事務的にそういう要求を山さしていただいたわけでございますが、これは当然、実は率直に申し上げて、私のところにも農業団体とか、また通産省とか、そういうところから反対の陳情が来ています。しかし、これからいよいよ予算編成作業が具体的に進むわけですから、そういう過程の中で各省庁との調整なり、そういうようなものも非常に大事でございます。  私からこういうことを申し上げてどうかと思いますが、日本人というのは率直に申し上げて水なんというものは、言えば特に農業用水なんというのは祖先伝来何百年という歴史の中で築き上げてきた一つの国民的遺産です、オーバーな言い方をすれば。そういう中にあって、確かに一方では河川の災害がないように全力を挙げなきゃならぬ。これは生命財産に関係のあることですから、これも非常に大きな政策を選択する場合に大事なやっぱり選択だと私は思うんです。それをどういうふうに調整するかということもこれから当然残される大事な問題だというふうに私も理解をいたしております。  しかし、私は率直に申し上げて、こういう席でどうかと思いますが、個人的に申し上げれば、これはちょっと農業用水なんかどんなものかなというふうな気持ちが実はいたしております。しかし、これは今過程の段階ですから、作業中ですから、最後には、私もそれまで閣僚をやっていれば自分は閣僚としてこうしなきゃならぬということは、やはり最終的な判断をしなきゃならぬ時期は当然年内にやってくるわけですから、そういうふうな気持ちで慎重に、国民感情や農民の感情や、また歴史的経緯なり、そういうようなものをよく判断をして善処したい、こういうふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、ちょっと問題を変えまして、先般七月二十六日に起こりました長野市の地附山の地すべり災害の問題でございますが、老人ホームに入所されている二十六名の方が亡くなられたということで、御冥福を祈りながら、二、三この災害の問題について状況をお伺いしたいと思います。  これはいろいろな報道がなされておりますが、どうも専門家の一部からも十分想定できた地形、地質の実情というのがかなり早い時期に明らかになっていたようにも聞いておるんですけれども、当面の責任は県の企業局あるいは県ということになるんでしょうけれども、これは先ほど現地視察の御報告もあったわけでございますが、当然、所管の各担当者もごらんになっているところだと思いますが、しかし自然災害があるいは人災かという問題では、個人の被災状況なんかからいってこれから裁判で争わなきゃならない微妙な問題もあるようですから、余り明確なところまでは伺えないかもしれませんけれども、やはり基本的には人災が前提にあって、そこへたまたま集中豪雨的な自然災害が追っかけてきたという理解の仕方でよろしいのかなというふうに一般報道から見ると思うんですが、その辺はどう受け取っておられますか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 長野県の先般発生いたしました地附山の地すべり災害の原因でございますが、これにつきましては、今ちょっとお話ございましたように、直接的には観測史上第二位という梅雨季における異常な豪雨であったというふうに判断いたしておりますが、本件の地すべり機構の解明につきましては、ただいま長野県におきまして学識経験者から成る委員会を構成いたしましてここで究明されるというふうに伺っておりますので、その結果をしばらくは見守りたいと考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 状況を慎重に検討して何が本当の原因かというようなことについては、拙速はよろしくないと思うんですけれども、専門家の一部あるいはあそこに住んでいらっしゃる学者さんも事前にいろいろ予告をしておったというような実情があったんですが、その辺のいきさつは間違いないんですか、どうなんですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 当地区の地すべりの履歴でございますが、実は五十五年に地すべりの危険箇所の一斉調査を私どもいたしておりますが、この時点では地すべりの兆候はないというような報告がございまして、したがって今日まで地すべり防止区域に入れられていなかったわけでございます。  その後、五十六年ごろから戸隠バードラインの道路の擁壁等に崩落が生じたり擁壁が動いたりというような兆候がありましたので長野県の企業局においていろいろと対策を講じておられたようでございますが、その時点におきましてもまだ今回のような大規模な地すべりが発生するというような予測はできなかったというふうに私どもは長野県から報告をいただいておるわけでございます。  本年七月二十一日に至りまして梅雨による豪雨がございまして、それに起因する崩落がかなり大規模に起きまして、ここで初めて地すべり防止区域の指定あるいは緊急地すべり工事を実施するというような御相談があったわけでございますが、時既に遅しで、その直後に地すべりが発生したというような経過をたどっておりますので、その前においてどのような調査がなされ、どのような知見があったかということにつきましては、先ほど申し上げました委員会の中で長野県におかれまして克明に究明されるというふうに伺っておりますから、その結果を私どもは待ちたいという感じでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ここでその責任問題をとやかく言ってもなかなか難しいことなんですが、要するに一般住民から考えますと、どこでもそうですが、地方公共団体なり公の機関が開発をして、そして住宅地域なんかを宅造して提供する、そういう観点から考えますと慎重の上にも慎重でなきゃならないので、これは地すべりその他の問題はいろんな基準がございまして、それに合わせてみてまず心配ないだろうという想定を県なり企業局はしていたのだと思うんですけれども、その基準の設定その他については技術的に今後も何も問題ありませんか。改める問題点はございますか。どうですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 地すべり対策の基本は地すべり防止区域の指定であるわけでございますが、この指定につきましては、私ども昭和三十三年に建設省、農林省、大蔵省の三省申し合わせで指定基準をつくっております。今日までこれに基づきまして指定をいたしておるわけでございますが、近年の社会情勢等考慮いたしますと、この基準を見直すことにつきまして検討していくべきだと私どもは判断いたしておるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 先ほどの問題でちょっともう一回しつこいようですが確認をしておきますけれども、県の企業局が、この湯谷団地の分譲、これは大分前、四十四年からですか、この一帯の地質を調査して、そして水分を含むと大変地すべりその他起こしやすい地質だというふうに報告が出ているようなんです。だから、集中的な大雨でもあれば崩壊するのではないかという専門家の意見がかねがねあって、県側では十分承知していたはずだという状況になっておるんですが、その辺の確認はなさったんですか、どうですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 湯谷団地を造成するに際しまして、これは四十三年ごろに始められた長野県の企業局の事業でございますが、この時期に地質調査が行われてどういう判断になったかということは、私どもただいまその持ち合わせがございません。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 これは新聞でも報道されておりますように、大変な待望の個人住宅を獲得できた状況の中でたまたまこういう災害に遭って、条件によってはある方は保険も掛けていないために借金だけ残っちゃって、あと残った人生をどうするかというような深刻な問題等もあるようでございますが、人災か否かの判断がやっぱり急所だと思います。どの程度の補償をするなりあるいは面倒を見るかということのかぎになるだろうと思いますが、どうも状況を聞いたところによりますと、もともとの地附山付近の地質調査その他についてはいろいろなデータが上がっていたり、予告的な意見もあったということを考えますと、これは県としてはかなりしっかりした対応をしてもらわないといけないと思うし、個人補償については裁判まで争って裁判所が結論を出すことにはなるんでしょうが、やっぱり被災者の実情を考えますと、かなり温かい姿勢といいますか考え方で対処していく必要があるので、県の対応を見なきゃわかりませんが、ある意味では指導的な立場にある国として、今後の処理については慎重に、やっぱり住民等が悲惨な状態でそのまま泣きを見るようなことのないような対応をぜひ考えておきたいと思うんですが、いかがですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 地附山の地すべり対策事業につきましては災害関連緊急地すべり対策事業費等によって鋭意進めております。これは今後さらに激特事業等を入れまして完全に対策を行うつもりでおりますが、この湯谷団地の復旧につきましては、これはただいま長野県におきまして湯谷団地の地区の住民の方々といろいろと協議をなさっておるようでございまして、その意向も配慮して復旧方法について固めていきたいというような御意向のように承っております。したがいまして、その復旧方法につきましては、県の構想がまとまり次第地すべり防止対策に関する技術的な安全性等の確認を十分行いまして、私どもといたしましても積極的に対応してまいるつもりでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 その点はよろしくお願いいたしたいと思います。  ところで、六十年度の「国土建設の現況」の中で、建設省所管の地すべり危険箇所、これは五十五年調査の結果ですが、五千七百七十七カ所、面積で十五万三千ヘクタール、こういう状況になっています。昭和三十三年に制定された地すべり等防止法、これによって関連事業がずっと進められてきておるわけですが、実情は五十八年度末の公的な発表ですと達成率わずかに二四%、この数字は間違いないでしょうね。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 地すべりの危険箇所の整備率でございますが、これは、私の手元に、ございますのは五十九年の三月三十一日現在で二四・四%という数字になっております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そうすると二四%はほぼ間違いないんですけれども、これは達成率で言いますと計画を立てられてから事業の進捗状況を見た場合に予想どおりなんですか、おくれているんですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 全国の定期的な調査によりまして地すべりの危険箇所を指定いたしておりますが、その箇所が五千七百七十七カ所カウントされておりまして、そのうち概成箇所の比率で二四・四%という形になっておるわけでございます。この数字は御指摘がございますように残念ながら非常に低い水準だと私どもも認識いたしております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 状況が変われば危険箇所がまたふえたり、いろいろな自然的条件を考えた場合には変化があるんでしょうけれども、五千七百七十七カ所について建設省の立場では理想を言ったら何年計画ぐらいで追いつくのが理想だと思っているんですか、どうなんですか。そういう計画はあるんですか、ないんですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 特にございません。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 地元の各県あるいはその危険箇所が存在する市町村の状況判断等が必要で、県なり建設省へのいろいろな申請なり何なり手続も必要だと思うんですけれども、そうすると、実際指定はしたんですけれども具体的な実情については余り関知しないということで解釈していいんですか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 地すべりの危険箇所につきましては各県が調査いたしまして把握いたしております。その中から特に危険度に応じまして対策を必要とするものについて事業を進めていくという建前になっておりまして、県の方でいろいろ各地域の危険状態を十分検討いたしまして必要な箇所から整備する。その結果として上がってきておりますのがただいま二四%程度という結果でございます。私どももこれは整備率としては非常に低い水準にあるという認識でございますので、いろいろな手だてを講じまして対策事業の推進に努力をいたしておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 全国ですからなかなか細かいところまで、建設省の所管とはいいながら危険の優先順位なんかについては県に任せざるを得ないと思うんですが、県の報告を基本にするのは手続上当然のことだと思うんですけれども、いろいろやはり条件を検討した上で、同じ危険箇所でも、例えば校舎の改築は点数制で決まっておりますが、自然条件だからあんなふうにうまく点数制なんかでいかないでしょうけれども、そうした何か基準みたいなものがあって、危険なところは人命保護のために優先順位を早くやったらどうかぐらいの行政指導や何かはやるんですか、やらないんですか。報告を受けっ放しですか、どうなんですか。    〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 地すべりの危険度の判定につきましては各都道府県に御一任申し上げておりますので、各都道府県の判断に基づきまして必要な対策を緊急な箇所から進めていくという建前でございます。ただ、御承知のように非常に財政事情が厳しいために地すべりの事業は十分行政需要に合っているとは私どもも思っておりませんで、今後とも一層予算の獲得には努力してまいりたいというふうに思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大臣、先ほど長野県の地附山の災害についてちょっとお伺いをしたんです。これは補償等その他裁判も絡んでいることですから、今この時点では先ほど聞いた程度で質問はやめたんですが、今建設省が発表になっていらっしゃる地すべり等の危険箇所が五千七百七十七カ所もあるそうで、大変財政的にも厳しい実情にはあるんですけれども、これは白書の中の数字でございまして、やはりその関係地域住民の生命財産から考えますと、これはその他の公共事業もさることながら、こうした危険箇所の解消にはかなり力を入れていただかなければならない性質の問題だと思うので、達成率についてもいろいろのデータのとり方がありますからいろいろな言いようがあるんでしょうが、五十八年ないしは五十九年度末で二四%ということは低いということをお認めになったんですから、これは積極的にこの事業は進めていただいた方がよろしいと考えますが、大臣の御決意なりお考えはいかがでしょう。    〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私も現地へお見舞いと激励に伺わしていただきまして、この三月にもそういう指示をいたしましたが、全国総点検する。これは特に住居と危険箇所が非常に接近しているところがありますが、こういうところなんかは、日本の場合には地震の心配もありますし、それから毎年の災害の現状というものを考えてみましても、やはり政治の要請は国民の生命財産を守るというところにあるわけでございますから、この長野のああした惨事というものがよく教訓として生かされるようなそういう努力を払っていかなければならぬ。そういう意味で、私は事務当局に対して総点検を命じたところでございます。特に、今申し上げますように、危険箇所と家屋が接近している地域というようなことで今関係県の協力を得て実施をいたしているところだと思います。  そこで、今申し上げますように、予算の面で見ましても、二四%ということは大変寒々しい実は厳然とした事実としてあるわけでございますので、たしか来年の予算要求がこの地すべり対策につきまして、私の記憶では二百五十億というようなことだろうと思います。そこで、地すべりの総額が二百五十億ということでございますから、例えばこの内閣議でも御了解いただいたのですが、長野の応急対策が二十何億だったか、それにプラス恒久対策が大体八十億近くかかるだろう、そういうようなものがこの今の二百五十億の中へ食い込まれた場合にはこれはほかの仕事ができませんから、今概算要求の段階でございますから、そうした問題等についても政府予算が決まるまでの間、今までのパターンにこだわらないでそうした予算の面でももう少し重点的配慮をするようなそういう努力をするようにということで、私も予算編成に当たってその辺は十分考慮しながら、財政の厳しい中でありますが、今の二百五十億なんかにこだわらないでできる限りの財政当局の理解を得て増額することに努力をしたい、こう考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ぜひ特段の御努力をお願いいたしたいと思います。  そこで、大規模な地震や地すべり、こうした災害が発生した場合の二次災害の有無などを早く探知できれば大変いいわけでございますが、建設省ではいわゆるアドバイザー制度を年内に発足をさせて対応したいというようなことが報道されておりましたけれども、これはどういう中身なんでしょうか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) 大規模な地震や地すべり等の災害発生時に二次災害の危険性の有無につきまして速やかにかつ的確な判断をすることが大変重要でございます。しかしながら、現在の地方公共団体の体制ではなかなかこのような事態に対して緊急に専門的、技術的判断を行うのは必ずしも十分でないと思われます。この対策として、災害に対して十分な博識を有する専門家によりまして、平常時には二次災害についての事例研究を重ね、災害時には速やかに現地に赴きまして二次災害について的確なアドバイスを行うことができる体制をつくりたいと考えておるわけでございます。  この制度が創設できますと、地方公共団体は災害発生時に必要に応じてアドバイザーの派遣を要請いたしまして、二次災害の危険性の有無の判断、応急対策の策定等を行うに当たりまして、このアドバイザーの助言を大いに参考にすることができるわけでございます。  現在、建設省の指導のもとに、社団法人全国防災協会というのがございますが、この協会におきまして本制度の創設について検討をいたしております。今年度中にも発足する予定で進めておるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そうすると、このアドバイザー制度のスタッフですけれども、スタッフ、体制等は、今から御答弁いただけるかどうかわかりませんが、建設省内にそうした組織を設置するんですか。それとも、スタッフあるいは団体等は、どう言っていいかわかりませんが、委嘱制度なんですか。どういうことになりますか。

井上章平建設省河川局長

○説明員(井上章平君) これは、ただいまお話し申し上げましたように、社団法人全国防災協会におきましてそういった専門家の方々にあらかじめ委嘱申し上げておきまして、そして災害時にこの防災協会から各地方公共団体に派遣申し上げる、こういう制度を考えておるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 時間が迫ってきましたから、ちょっと地震の問題でひとつお伺いをいたしておきます。  新聞でも大々的に報道され、世界の注目を浴びているメキシコ地震ですけれども、これは西と束だけで、環太平洋地域で考えますと、どうも海底の状況なんかは極めて日本近海と似ているようです。建設省でも現地へ調査のために人を派遣なさっておるようで、まだ報告等が入ってきていないから余り詳しい報告は無理だと思うんですけれども、日本海溝の状況等を考えましても、これは十分参考にしておくべき問題ではないかということが一つ。それから、名称は何と言ったかな、フランスのノーチール号、北海道から静岡県あたりまで日本海溝を何か特殊の潜水艇でずっと調査をなさった結果も出ていますが、そんなものは早く取り寄せて検討しておく必要があるのじゃないかと思いますけれども、どうなっていますか。

渡辺尚建設省住宅局長

○説明員(渡辺尚君) 先生今おっしゃいましたように、今回のメキシコ地震につきましては、国土庁の職員を団長としまして調査団が派遣されております。建設省から三名参加しておりまして、きのう帰ってきたばかりでございますので、現在まだその結果について調査を整理中であるというふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、両大臣、せっかく現地へ調査に行ってお帰りになったそうで、すぐに御報告は無理だと思うんですが、よく状況が似ているそうですから、悔いを残さぬように、メキシコ地震のいろいろなデータ等について分析し、今後の対応については十分ひとつ的確な対応ができるように御努力願いたいと思いますが、いかがですか。

杉岡浩国土庁防災局長

○説明員(杉岡浩君) 国土庁の震災対策課長を団長といたしまして七名の専門家を派遣いたしたわけでございます。これはメキシコ地震の災害の復興についてアドバイスをするという技術協力チームでございます。こういった技術協力をしながら現地の実情を調べてまいったわけでございます。  昨日、夜遅く帰ってまいりまして、まだ詳細は把握しておりませんけれども、被害の状況等につきましては、やはりメキシコ市の特殊性と申しましょうか、非常に遠い四百キロ離れたところでマグニチュード八・一というこれは巨大地震でございますけれども、そこで発生した地震が途中の都市はほとんど被害はなくて、メキシコシティーで被害が多かった。これはメキシコの町がかつて湖であったのが埋め立てられ、その上に建てられたというような非常に特殊な地盤がございまして、建物の振動とそれから地盤の振動が共鳴して非常に大きな災害になったということでございます。しかし、事情がある程度違うかもしれませんけれども、こういったものにつきまして今後、十分、我々の方の地震対策のためにこれを活用するという必要があろうかと思いますので、今後もそういったものを十分調査いたしまして、我が国の地震対策にも役立てていきたいというふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 現在の日本の建築基準法で言いますと、設計あるいは建築資材、これが規格に合っていれば建築許可がおりますわな。常識的に耐用年数も決まっていますね。ですから、建設をする当初は設計あるいは建築資材についてのチェックは割合厳しいのでメキシコみたいなあんなとんでもない結果にはならぬだろうと思うんですが、高層建築などについても中間の検査その他は、消防法の関係だけは別にして、建物その他の老朽度あるいは近ごろはやりの金属疲労なんというような問題があるんですが、そういうことのチェックは中間ではしないんでしょう。どうなんですか。

渡辺尚建設省住宅局長

○説明員(渡辺尚君) 我が国の建築基準法におきましては、自重でありますとか積載荷重あるいは地震力に対しまして安全な構造でなきゃならないというふうになっておるわけでございますけれども、昭和五十六年に政令改正しておりますが、その以前の旧基準におきましてもこれは関東大震災程度の地震を想定しまして策定されたものでありまして、その基準によって建築された建築物においても震度階七、これは最大のものでございますけれども、その程度の地震では倒壊するおそれがないというふうになっておりまして、今御指摘のございました耐用年数等も全部入れたチェックということになっております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 時間がないからこの問題は繰り返してやれないのだけれども、中間チェックを制度的にやった方が、新宿の副都心なんかを見ても、鉄材なんかだって、私たち風のある日に三十六階に上れば揺れているのだから、金属疲労みたいなものがあるのじゃないかという心配をしているわけです。建築許可がおりちゃったら後ほどこもチェックがないのは危ないなという感じがするので、一応頭の隅に置いておいていただけば結構です。  時間がないですから、最後に伺いますが、こうした災害対策の体制から考えますと幾つかの問題があるんですが、市町村でいわゆる防災行政無線をかなり装備しているところがあるようでございますが、全国の状況を考えますと、どうも予算その他の関係がありまして、やりたいのだけれどもなかなか設備ができないというようなことで、現状、整備されている市町村は千十五市町村、全体の三〇・九%程度だ。しかも、各市町村ではやはり早くやった方がいいと。例の長野県の災害もそうですし、それから日本海沖地震等でもいろんな災害があったし、津波の災害等もあったわけですが、こうした体制を早く整えたいという希望が大変あるようでございます。国のこれらの事業に対する補助というと大体三千万程度が上限といいますか、三分の一が基準というようなことですが、この辺もちょっと対応を考えた方がいいのではないかと思っておりますが、その点についての考え方をお伺いいたしたいと思います。

石橋忠雄消防庁防災課長

○説明員(石橋忠雄君) 消防庁でございますが、ただいま御指摘がございましたように、防災行政無線を市町村で整備しておりますものにつきまして、同報系の整備率は約三一%になっております。これ以外にいわゆる車に載せたり、あるいは携帯用で移動系の無線というのがございまして、その整備率が全国で。五五%ほどになっております。したがいまして、同報系と移動系をいずれか備えている団体が全国で千九百六十ございまして、ちょうど六〇%相当というような段階になっております。  ただ、同報系あるいは移動系というようなことで六〇%ということでございますが、やはり一たん災害があった場合に一斉に指示を出したりあるいは情報を流したりというような効果が大きいのは同報系でございますので、同報系に重点を置きつつ移動系も整備するということで現在対処いたしております。  国庫補助制度を三分の一ということで設けて鋭意対処をしておるところでございますが、災害に当たりまして情報、連絡というものが被害を減少させるという意味で非常に大切なわけでございますので、消防庁といたしましても、財政が大変厳しい折でございますが、来年度予算におきましても特にこの分野につきまして重点的に予算の増額を図ってまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 時間が参りました。  それでは、災害等については本当に国民の生命にかかわることでもございますので、長野県の例の地すべり災害等も含め、今後の対応をぜひ慎重に、しかも前向きでお願いをしたい。要望を申し上げて、質問を終わります。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 来年策定をめどとしてつくられております四全総がかなり注目を集めております。去年の十一月に国土庁の計画・調整局が「四全総長期展望作業中間とりまとめ 日本 二十一世紀への展望 国土空間の新しい未来像を求めて」、なかなか気宇壮大な題のついた文書を発表しました。この中に新しい言葉があって、「バイオソサエティ」、「自立調和型の社会」というのだそうですが、そういうユニークな発想なども盛り込まれていて、いろいろ反響があったと思うんですね。それで、いろんな社説が新聞に出ました。社説を見ると、四全総策定に望みたい視点で一番取り上げられているのは、集中型社会か分散型社会かという集中、分散の問題についての展望と国土政策の基本、それだったと思うんです。  最後の「集中と分散」のところを見ますと、こう書かれている。「いわゆる分散政策は今日まで国土政策の基本的な戦略をなしてきた。」。一点集中型ではなくて、人口、産業などを集中を抑制して分散させていくというのが基本的戦略だった、こう書かれていて、つまりいろんな問題を生み出しているということを述べて、一々省きますが、問題の新しい展開を見ながら最後のところは「集中型社会から分散型社会へ」、ここでまた「共生・ネットワーク型国土」という新しい言葉が出てきているんですけれども、基本的な考え方はやっぱり分散型社会ということが結論になっているんですね、細かなことは省きますけれども。  こういう問題が四全総の基本課題だ、こう述べられているんですが、国土庁としてはこういう集中と分散をめぐるいろんな新しい問題点は重視しながらも、これまでの国土政策の基本戦略としての分散政策、ここで述べられている新しい分散型社会への方向、これは策定中の四全総の基本方針として盛り込むのかどうか、まずこの点をお伺いします。

星野進保国土庁計画・調整局長

○説明員(星野進保君) お答えを申し上げます。  現在、先生御指摘のとおり、四全総の策定作業中でございまして、国土審議会等でいろいろ御議論いただいているところでございます。先生の今御指摘の分散か集中かというのもまさに議論の一番中心点でございまして、基本的には従来たどってまいりました分散の方向というのが依然としてまだ重要性を維持しておるというふうに議論はなされているというふうに私ども考えておりますし、またこの長期展望の中でも分散ということを わざわざ取り上げて、「共生・ネットワーク」というようなことを言っておりますので、基本的な国土審の御議論の視点というのはそういうところに置かれているのだというふうに私ども考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 国土庁は、この展望について四十七都道府県それから十の政令都市の意見を聴取したそうですし、それから全国市区町村の意見、意向、これも取りまとめたと言われています。私、手元にある資料を見ると、市区町村の場合、分散に「大いに賛同する」が六八・二%、「どちらかといえば賛同する」が二三・七%ですから、ほとんど、九二%の市区町村が分散賛成なんですね。一点集中、東京集中型賛成はわずか五%にしかすぎないということですね。  四十七都道府県、十政令都市、これは地域によっていろいろだったんでしょうけれども、ほぼどういう方向が出ておりますか。

星野進保国土庁計画・調整局長

○説明員(星野進保君) 私ども今御指摘の市町村長さん等から御意見を聴取いたしまして、分散とかあるいは集中とか、そういう議論を直接伺ったわけではございませんが、全体として言いますと、ひとつ統計上扱い方としてちょっと注意しておかなきゃいけないのは、三千余の市町村の中でいわゆる地方圏といわゆる大都市圏と分けますと、地方圏の方が非常に多いということは確かでございまして、したがってこういうアンケートをいたしますと、そういうときに必ず地方圏の御意向といいますか、一票ずつになりますので、意見が一つずつになりますので、その地方圏での声が大きくなるというのもまた事実でございます。  今、先生が九十幾つと言われましたが、東京対その他というふうに対立させてしまいますとそういうことになって、実は東京自体にもいろんな問題があるわけでございまして、集中と、東京の中でもインナーシティーのような問題がございまして、東京自体がいつも全部が過密かというと、また東京自体の過疎問題もあるわけでございますから、そういう余り全国的な統計で一律に扱ってしまいますと、先ほど申し上げましたように、極端に言いますと、地方の市町村長さんの数の声が圧倒的に高くなって、統計上にあらわれる数字はそういうふうに出てくるということだと思います。それをもう少し質的にいろいろと検討する必要が我々はあろうかと思っております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 日本経済新聞も五月十六日の社説では、「「東京集中構造」の排除を」という題で、最後は「やがて策定される四全総が大胆な分散策を打ち出すことを期待したい。」と述べました。きのう付の日経の社説は、「四全総に定住構想を継承して欲しい」というのをまた出しているわけですね。国土庁長官と建設大臣、我が国のそういう国土政策の基本としての、いろんなバラエティーはあるにしても、一点集中ではなくてやっぱり分散型の方向をという、こういう世論や、それからこの展望に書かれている方向ですね、お二人の御意見をお伺いしたいと思います。

河本嘉久蔵自由民主党・自由国民会議国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(河本嘉久蔵君) 三十七年から全総が始まりまして、第二回は四十四年、三全総が五十二年という順序で、特に大平内閣当時に都市のよさを田園へ、田園のよさを都市へというスローガンが打ち出されたわけであります。そういう意味からいきますと、国土の均衡ある発展ということを図ることはやはり私は定住構想に進むべきだと思いますが、最近は過密過疎の現象がそれと逆行するような現象が起こっておるということでございます。そういうことをよく踏まえまして検討していかなければならぬと考えております。

木部佳昭自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(木部佳昭君) 私どもは、この第四次総合開発計画、今、国土庁長官からも御答弁がありましたように、やはり国土の均衡のとれた発展というようなものが中心になっていかなければならない、そういうふうに基本的には考えておるわけでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 国土庁長官並びに建設大臣が、国土の均衡のとれた発展と、それから定住構想の方向、分散型の方向、それを方針とされていることはよくわかりました。  ところで、きょう取り上げたいのは、国土庁の大都市圏整備局がつくった首都改造計画、これは七月に発表されたんですけれども、どうもその基本方向からかなりそれた内容が含まれていると思わざるを得ない。新聞などでは、「庁内で早くもサヤ当て」という記事も日経に出ているんですけれどもね。つまり、大都市圏整備局と計画・調整局、四全総策定の星野局長のグループとそれから大都市圏整備局とでいろいろ意見の違いが出ていると新聞報道にまで出るような状況が生まれているんですね。私も東京選出の議員でもあるし、東京の問題なので興味を持って調べてみたら、やはり非常に問題がある。この四全総の中間取りまとめともかなり違っているというふうに思わざるを得ない。  この取りまとめの中には、かなり注目された言葉としてこういうことがあるんですね。「東京一点集中の様相がより鮮明になってきた」と、事実として。「従来の「三大都市圏対地方圏」という図式でとらえるよりも、「東京圏対その他」という形でとらえる方が問題の本質をより端的に表す場合が少なくなくなってきている。」という現状認識なんです。ここもかなり注目された場所なんですね、「東京圏対その他」ということで。しかし、この計画・調整局の文書は、こういう現状にあるのでこれをむしろ抑制しなきゃならぬという方向で新しい分散型社会の方向をいろいろ打ち出しているわけですね。  ところが、この首都改造計画の方は、こういう現状にある、この現状をむしろ促進する方向を意図的に打ち出していると思うんです。それから「東京圏対その他」というふうに現実になってしまって、いろいろ生まれていて、名古屋圏、大阪圏も東京に従属するような状況が生まれているのでそこを何とかしなきゃならぬというのじゃなくて、むしろその方向を促進するものが出ていると思わざるを得ない。  それで、ひとつ具体的にこの問題を取り上げていきたいんですが、この大都市圏整備局が八三年には首都改造構想素案というものを出された。八四年には首都改造基本構想というのを出された。一年ごとに素案と、基本構想と、それからこの改造計画、三つ出たわけですよ。ところが、この三つ目の改造計画は素案とかなり違います。この基本構想はまだ大きな転換はしていないけれども、若干これに近づきつつあるけれども、一挙に変えたのはやっぱりこれだと思うんですね。この一年間に私は何かが起きた、そういうふうに文書を見る限り判断せざるを得ないんですよ。  例えば、この五十八年の二年前の素案は、「はじめに」の「首都改造計画策定の趣旨」というところでちゃんとこう書いてある。「国土政策は、今後とも三全総で打ち出された定住構想に基づき、人口、産業等の大都市への集中の抑制、地方への分散を推進していくことを基本とするが」と書いてある。この重要な三行はこの首都改造計画では削られているんです。すっかり落とされている。落としちゃったんですな。この定住構想、大都市への集中の抑制、地方への分散、これを基本とするというのをわざわざ落としたわけです。これは同じ局でつくっているのだから、一番最初の第一案でしょう。いろいろ討議して、これはまずいので落とそうというので意識的に落とされたことは極めて明白です。なぜ一体落としたのか。まず、その基本理念ですから、基本理念のそこのところを、「基本とする」というところを落としちゃうのだから。  これは細かに言いますと、一都心における人口の空洞化Lなんというのも前の方で削ってありますよ。そういうちょっと気にさわるところというか、新しい方向と違うのを削ってあるのだが、一番の基本はこの定住構想、これを基本とすることをやっぱりやめようということですね。これは私は、先ほど国土庁長官が定住構想、これを維持していくとおっしゃったのだが、その基本をここに関してはやっぱり百八十度変えたことになるだろうと思うんですけれども、大都市圏整備局長山本さん、あなた一週間前になられたというのでちょっと僕も質問に困っちゃっているのだけれども、しかし一週間でも名局長として勉強なさっておられると思うので、前のことも引き継がれたと思いますので、なぜここを変えたのか答弁していただきたい。

山本重三国土庁大都市圏整備局長

○説明員(山本重三君) ただいまの定住構想の部分に関する素案段階での文章がその後削られた経過について残念ながら私つまびらかにしてはおりませんが、特に今後そういう定住構想との関連において大都市、特に首都改造の問題をどうするかという問題は四全総の策定の過程において十分論議し、この首都改造計画との関係を詰めてまいりたい。  我々としては、むしろ今度の発表いたしました首都改造計画というのは、三全総で指摘されておりました首都機能の移転問題との関連で現在の東京大都市圏等については相当の限界性の問題がいろいろ出てきておる。例えば資源の有限性の問題であるとか、あるいは交通処理の問題であるとか、あるいは災害に対する脆弱性の問題とか、そういったいろいろな問題が出てきておる。そういう問題を踏まえつつ、最近の東京圏を取り巻く情勢の変化、例えば人口につきましても、従来、高度成長期にはかなり東京大都市圏を中心に社会増が見られたわけですが、現在ではそれも鎮静化して、むしろ問題は東京圏に既に移り住んだ人々の子供たちによる自然増をどうするかという問題が出てきている。  それから我が国は発展する過程においてだんだんやっぱり国際社会の責任を果たさなきゃならない。そういう中で国際化社会に対応した東京大都市圏のあり方をどうするか。また、日本の産業自体もかなり変わってきております。ソフト化するとかいうような状況も生まれてきておりますし、また情報化社会への展望という著しい時代の変動もございます。また、日本特有の老齢化現象の問題、こういう大都市を取り巻く社会経済環境のさまざまな変化、こういうものにどうやって対応するかということで検討し、今後の東京大都市圏の整備の長期ビジョンとして取りまとめたのが今回発表いたしました首都改造計画であります。  この首都改造計画と策定の作業が進められております四全総とをこれからどうすり合わせるか、その点については十分調整し、我々としてはそういった五十四年以降検討してきて発表いたしました首都改造計画というものが、十分そこで検討された中身がその中に生かされることを期待しているという状況でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 なぜ、この定住構想、それから分散を基本とするというのを取ったかということについてのお答えにはなっていないんですけれども、答えをちゃんと述べているものがあります。「人と国土」という雑誌の八五年七月号で、当時の佐藤局長、今は建設省の総務審議官におなりで、民活担当でいらっしゃいますけれども、佐藤局長が司会をして、この首都改造計画の委員会の委員長、専門委員会ですね、石原舜介理科大教授、この方がこの問題についても述べております。  意識的にやっぱり分散という言葉をやめたと書いてある。ちょっと省きますが、いつも東京に過大な集積があるというようなことで常に国土計画の中では地方の振興策が表面に出て、東京大都市圏については余り触れるところが少なかった、むしろ置き去りにするような形が多かった、しかし東京というのは日本の発展の原動力だ、そこであえて分散論を表面に出さずに東京自体の持っている機能を純化しながらよりよいものへと発展させていくということを期待して計画がつくられたということで、これまでの地方分散という言い方の中には東京の問題が置き去りにされる、あえて分散というのは表面に出さないということにしたと。そこで素案にあった基本が三行削られたんですな。そのことがはっきり書かれております。佐藤局長も、ほぼそれに賛成した発言をそこでされております。  さて、きょう、余り時間もございませんが、この素案には全くなかったもので、そういう考え方の転換に基づいて首都改造計画に盛り込まれた大問題が三つあります。これは佐藤局長自身がこの座談会の中で、三つ新しい構想を入れてある、こう述べられております。この素案段階ではこの第四部というのは一切ないですから、第四部の新しい構想というのはこれに初めて入った。  その第一は、東京の業務管理機能の集中であります。東京に業務管理機能が集中する、これをどう処理するかという問題なんですが、私があえて言うほどのこともなく、最近やはり情報化社会の進展につれて東京に業務を集中することの価値がますます高まっているために、全国の大企業も東京に本社をますます集中してきております。都心部は物すごいビルラッシュで、地価もこの間の発表で五五%はね上がるというような状況が生まれていることも御存じのとおりです。  この計画の百三ページに、そういう状況を見て、業務管理機能の規模、これがふえていく、東京都区部においてだけでも昭和七十五年までに五千ヘクタール、超高層ビル二百五十棟に相当、これだけビル面積が要るのだということも書かれているんです。これも各紙がかなり注目した。超高層ビル二百五十棟を西暦二〇〇〇年までに建てなきゃならぬ、大変なことだと。サンシャイン60を基準にして言うと、年間サンシャインビルを十二から十三棟建てなきゃならぬというほどのものになるんですね。これをどうしようかということで、これを抑制するというのじゃないんですよ、業務核都市というものをつくってそこに分散しようというのだけれども、私はきょう業務核都市の問題まで論ずる時間もございません。  そこで、一番問題にしたいのは、素案の段階ではそういう業務の都心集中を抑制しなきゃならぬ、そういう明確なことが書いてあるんです。そのために抑制のための措置がいろいろ書かれてあります。ちゃんと特別な負担の義務づけをしなきゃならぬとか許可制の導入だとか、いわばあめとむちといえばむちの方、集まってこういうことをするのをやっぱり抑制しなきゃならぬ、負担もかぶせる、許可制にしなきゃならぬ、そういうことが書いてある。当然だと思うんです。  ところが、この計画は、そういう抑制することは期待される機能を減殺するおそれがあるというんです。だから、抑制はやめるというんです。やめちゃって、東京で言えば立川とか八王子とか、そういう業務核都市にどうぞ行ってくれ、誘導策だけにしようというんです、あめだけに。そこへ行けば税金も安くなりますよと。だから、都心の抑制は一切やめて誘導策だけにしようというのがこれで、抑制をしたら機能を減殺してしまう、これは全く新しい考え方なんですね。どうも建設省の佐藤さんにお聞きするわけにいかなくなっちゃって困っているのだけれども、これが第一の問題。  まとめて言います。  それから第二の問題は、政府機関の再配置です。政府機関の移転問題、これも素案にはない。今度の改造計画に初めて入った。都心部に職員が八万二千人いる、そのうち五万人は何も東京の都心にいなくてもいい五万人だ、その中から何人とまでは書いてないけれども、政府機関を移転するということでかなり長い文章が入っている。これが第二番目であります。  第三番目は、大都市産業の確立てあります。これもやっぱり大変な問題ですよね。大都市産業の確立というのが第三章として、素案には影も形もなかったものがこの計画にはずばりと出されて、これを育成するということになっている。大都市産業というのは、ベンチャービジネス、ファッション産業、情報産業等々、最先端産業ですよね。そういうものを首都圏に確立する、育成するというんです。こうなってくると、これは産業構造の問題で、これは最大の問題でしょう。国はテクノポリス法もちゃんと議決して、テクノポリスその他、地方産業をどう育成するかというので国もその方針でやっているし、各地方自治体も一生懸命やっていますよ。ところが、そういう先端産業、ベンチャービジネス、大都市産業を東京圏に、首都圏に確立、育成するのだという方向を出しちゃった。  この三つを考えますと、これは二番目の政府機関の移転は別としても、業務管理機能の首都圏への事実上集中です、抑制はもうやめるというのだから。大都市産業を確立、育成するという方向になれば、これはどうしても東京の一点集中型にならざるを得ない。この展望には今や東京圏対その他になっていると書いてありますけれども、そういう一つの構造と、それから先ほど山本さん言われましたけれども、東京の中に、首都圏の中にもまたあるわけです。これがまた都心三区、ここに集中してしまう。首都圏そのものの中に、また東京都そのものの中に、都心に集中して、都心対その他という二重構造ができるわけで、二つの構造が相まって大変なことになってしまうとしか私は読めないと思うんです。山本局長、この新しい三つをなぜ入れたのか。それで、そのことが、先ほど長官それから建設大臣が答えられた定住構想、地方分散、そういう方向を進めるという国の基本政策と明らかに違いがあると私は思うのだが、山本さんはどうお考えになるのか、明確に答えていただきたい。

山本重三国土庁大都市圏整備局長

○説明員(山本重三君) 先生御指摘の、まず業務管理機能の集中抑制をやめてしまったということを言われましたが、私どもは決してそういうことを考えておるわけでございませんでして、現在の東京の都心三区を中心に、中心部にかなりの業務管理機能が集中化している、そういう現在の趨勢からすれば、先ほど先生御紹介ございましたような、池袋サンシャインビル程度の超高層ビルを二百五十棟分も今後建てなければそういった業務管理機能を吸収することができないのだ、そういう形で一点集中型になるのは困るから、むしろ東京の中心部の周辺に核都市あるいは周辺の圏域、こういう多核都市、多核圏域を整備して、そこの育成を図ることによって業務管理機能を少しでもその地域の特性に合わせた形で分散させていきたいのだという意味で、業務管理機能の集中の趨勢を前提として起こる問題を踏まえ、それに対処するために多核多圏域型の都市構造に変えていくというのが今度の方針でございます。  業務管理機能が東京に一点的に集中するという問題に対して、我々は東京対その他の地域ということを考えているわけではなくて、私どもは当初東京のこの首都改造計画についての調査からスタートしておりますが、その後、近畿圏につきましてもすばる計画については構想案を既に発表しておりますし、また中部圏についても二十一世紀の展望についていろいろ計画を検討しておる段階でございます。そういう意味で、業務管理機能につきましては、今後とも現在の三大都市圏を活用した中で、できるだけ適正な形で我が国の社会経済活動が運用される方向に持っていきたい。その中でなおかつ都心に集まり過ぎる業務管理機能をどうするかという問題で、先ほどの多核都市、多核圏域型の都市改造を進めていきたいのだということを言っておるのが第一点でございます。  それから、やはり多核的な核都市を今後幾つか、ここで東京の中央のほかに五カ所ばかりを考えて構想を発表しておりますけれども、そういった多核都市を育成してそこに業務管理機能を分散させるとしても何らかのやはりその促進策が必要であろう。その促進策の方法の手段として、特に国会関係あるいは政府関係、中央になくてはならない政府機関でないものについてはそういった多核都市に移転することによってその多核都市の育成を図る。これはこの構想を実現する手段として有効であろうということで、具体的な手段のない計画ではだめだという問題からこの政府機関の移転の問題を一つ取り上げたものでございます。  それから三番目に、大都市産業の育成という言葉を使っておりますが、私は実はこの点、実際にこのままの言葉ですと市民に誤解を与える言葉であるのではなかろうか。書いてある内容をごらんいただくとおわかりいただけますように、一つは、かつてのように依然として東京、首都圏に集中しております工業等はできるだけ地方に分散していく、その後の立地を抑制していくという方針は何ら変えておるわけではございませんが、現在各所において他地域に移転することが困難な中小零細企業等がございます。そういった企業が現在の制限法等の中で企業を継続していくのに非常に苦労されている、そういった企業については既存のその地点で高度化、活性化する方策というものをやはり考えるべきじゃないか。それは大都市における中小零細企業というものの位置づけというものも考える必要があるのではないか。  それからもう一つは、新しいベンチャービジネスという最近言われているような知識集約型のような産業であるとか、あるいは情報産業であるとか、ファッション産業とか、こういった産業というものはやはり一番知識なり情報が集中している大都市の中でまず育て上げるということが必要である。そういう意味で、私どもはむしろこの大都市でそういう苗床としてベンチャービジネスは大都市産業の中に位置づけていいのじゃないか。この首都改造計画の中では、そのようなベンチャービジネスの苗床的な役割を果たさせるために大都市産業というものを考えたらいいのじゃないかというように考えております。  ただ、そういった産業が実際に育ち上がって立派な果実を生み出すようになった場合には、それを東京にその後立地させるのか、全国的に展開させるか、これはまた国土政策あるいは産業立地政策との絡みもございますので、その問題については今後十分また検討していかなきゃならない問題だ。そういう意味で、大都市産業の育成という言葉はむしろそういうところに我々は意味を置いているわけでございまして、決して現在の我々がとっております工業等の制限政策というものを変更するものではございません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 この計画の最後に「各種調査に御参画いただいた方々」というリストが載っていて、この中に読売新聞の論説委員の本吉さんが載っています。本吉さんはこの「人と国土」の座談会の中でかなり率直に疑念を表明しています、私が言ったようなことなどもずっと入れまして。「業務機能の都心立地を経済の流れとして是認していくべきなのかどうか、」「私自身よくわからない」、こういう形で企業の集中化という現実だけが先行していったら「「中心部に人が住まなくなった都市はやがて衰退する」と警告する学者もいます。」ということを言って心配されているんですね。  今、局長は、業務核都市に政府機関もかなり移転して、これもなかなか大変なことで、そう簡単にはいかない大問題だと思うんですけれども、業務核都市に産業その他も配置するし、一点集中型にしないとおっしゃったけれども、例えばこの本吉さんは、「業務核都市に事務所を分散させていこうとするなら、精神論では機能しない。よほど知恵を絞って有効な対策を確立していかない限り、絵に描いたモチに終わりかねない。」。私は、政府機関の八万二千人のうち五万人移せるなんというのは、これは絵にかいたもちだろうと思いますけれどもね。  そのほかの問題もそうです。東京自治問題研究所、これは早くも「都市・21世紀・自治」というので「四全総・首都改造・東京問題資料集」、論文がずっと載っています。一橋大学の寺西助教授は、この中で今の業務核都市への分散という構想、これはやっぱり幻想だろうと言っているんですね。本当にやる気で財政もやり、いろんな方針をやればあり得るかもしれんけれども、今の状況は、これは展望の中に数字が出ているけれども、例えば情報の集積、東京圏は八五%、大阪圏は七・八%で、名古屋圏は一・五%というんですよ。東京圏が八五%も情報を集積して、これがさらに進むわけでしょう。  そういうことを展望の方は、この現実から、なるほど東京圏その他だ、これを何とか心なきやならぬ、分散に向かういろんな萌芽が出ているから、その萌芽を育てなきゃいかぬというので問題提起しているのに、あなたのところのはそうじゃなくて、抑制もやめよう、抑制したらこれは機能を減殺する、もっともっと育てちゃおうというので、それで言葉だけの絵にかいたもちを幾つか並べているんですよ。  私五時までなので時間もございませんけれども、少し言葉は荒かったけれども、私が問題を感じて問題提起していることはおわかりだと思うんですね。新聞も各紙ともそういう点を注目して、これはどうなるか、果たして四全総がこれまでの三全総までの国土政策の基本を変えてしまうのか、国際社会化だとか情報社会化だとか東京は世界の中心都市だというようなことをうんとうたっているけれども、そういうことに乗って国土政策の基本を四全総が変えてしまうのではないかという危惧がいろいろ出ているときなので、私はこれは十分国土庁としても、建設省もこの問題は大きな関係があるので検討していただきたい。  河本長官は、この計画を五月二十七日の首都圏サミットで発表されたんです。しかし、これは法定の計画ではなくて大都市圏整備局の決裁による文書だということだそうですけれども、しかし長官自身も発表されて、序文も書かれておる。私は、これはやっぱりたたき台の一つだというように理解したいと思うんですね。山本局長はこの方向を四全総に反映させたいとおっしゃったけれども、四全総がこういうところで出ている危険な問題をそのまま反映されては私は困ると思うんです。今東京並びに首都圏はいろんな問題を含んでおりますので、その危険な傾向を促進するような方向でなく、本当に首都圏の住民が、また全国の国民が、市区町村の九〇%ぐらいがやっぱり分散型賛成と言っているのだから、そういう世論にのっとった均衡ある国土の発展の方向を四全総の内容にしていただきたいというように思います。  最後に、河本長官のお答えをお聞きして、質問を終わりたいと思います。

河本嘉久蔵自由民主党・自由国民会議国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(河本嘉久蔵君) 上田先生の御質問につきましては、先般の国会におきましても矛盾しておるじゃないかという御質問があったわけです。首都改造計画は矛盾しているというお話があったわけですが、私は現在の東京都の現況からしまして、それはそれ、これはこれというふうに分けてひとつ考えていただきたいという答弁をしたわけであります。東京が当面しておるさまざまな問題をこういう方向で改造していくということと、今策定をやっております四全総、これとの矛盾する点は今後四全総の策定過程においてひとつ議論していきたいという考えでございます。先生の御趣旨は十分わかりましたので、来年半ばまでに詰めまして、立派な四全総を策定したいという決意でおります。

小山一平日本社会党

○委員長(小山一平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二分散会

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