決算委員会 第3号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1985/01/21
会議録
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二月十三日、栗林卓司君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が選任されました。 また、去る十二月二十一日、太田淳夫君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(佐藤三吾君) 昭和五十七年度決算外二件を議題といたします。 本日は、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(佐藤三吾君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(佐藤三吾君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○菅野久光君 まず最初に、会計検査院法の改正問題について官房長官にお伺いをいたしたいというふうに思います。 会計検査院の権限の拡充強化等を内容とする院法改正問題につきましては、ロッキード事件を契機に五十二年以降ほとんど毎国会衆参両院で取り上げられ、また、院法改正に関する警告は毎年のように衆参両院で決議されているのであります。 政府は、五十六年の七月、翁内閣官房副長官名で関係省庁に対して、検査院の肩越し検査に協力するよう政府関係金融機関に対して慫慂するようにとの通達を出しました。また、中曽根総理は、昨年の七月九日の参議院の決算委員会において、現段階では政府として提案することは困難だが、運用面で調査に協力する旨の答弁を行っております。しかし、通達を出した後もその効果が上がっていないことが明らかになっているわけでありますが、やはり運用面での検査対象の拡大には限界があることが明白になっているというふうに思うんです。 今後ともこの点についてやはり期待ができない以上、政府は政治倫理確立の視点からきちんと院法改正案を国会に提出すべき段階に来ているというふうに思います。必要だからこそ国会で何度も決議をしている。国会決議が政府として実行されておらないということについては極めて遺憾に思うわけでありますが、この点についてまず官房長官の見解を承りたいというふうに思います。
○国務大臣(藤波孝生君) いわゆる会計検査院の院法改正問題につきましては、たびたび参議院、衆議院両院におきましていろんな御指摘を受けてきておるところでございます。その都度お答えを申してきておりますように、会計検査院の業務が厳正かつ効率的に遂行されるようにということは非常に大事なことでございまして、政府といたしましてはそのことを重視して、できる限りその業務が円滑に進められるようにしてまいらなければならぬというふうに考えてきておるところでございます。 ただ、この問題は、自由主義経済体制下におきまして公権力が過剰に介入をするということについてはいろいろと配慮していかなければならない面もございますし、また、政策金融を進めてまいりますときに、この政策の趣旨に沿って金融がうまく効率的に生きていくようにというようなことを考えますときに、その面からやはり配慮していかなきゃならぬというような問題もございまして、会計検査院の業務の重要性は十分認識しつつも、これを院法改正という形でさらに前進をさせるということについてはいろんな角度から検討してみる必要があろうか、こういうことを申し上げてきておるところでございます。 したがいましてそれらのいろんな情勢を頭に置いて考えますときに、問題は会計検査院の業務が円滑に進められることでなければならぬということから、いわゆる肩越し検査等については十分協力をするようにというふうに政府の各省庁からそれぞれの金融機関等に対しましてもよく指導もし、相談もしながら協力していく構えをつくりつつ今日に至っているところでございます。これが従来の経緯でございます。 しかし、政府といたしましては会計検査院の業務の重要性を十分頭に置いておりますので、それらの実態がどんなふうになっておるのか、実際にどういうところにさらに問題があるかというようなことにつきまして、会計検査院ともよく御相談も申し上げて、今申し上げてまいりましたような趣旨が生かされてまいりますようにさらに努力をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○菅野久光君 相当日時がたっている、そういう中でもまだこのことが実行に移されないということについては、本当に残念なことだというふうに思うわけで、さらに一層早急にこの院法改正の問題について政府としてやはり決断をしていくということをやってもらいたいというふうに思いますが、今官房長官からお答えがあったわけでありますが、この院法改正問題について検査院長としてどのようにお考えか、この機会に承っておきたいというふうに思います。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 会計検査院法の改正による権限の拡大という問題につきましては、御承知のとおり五十二年五月以降両院においてしばしば御決議をいただいて、五十三年には福田総理が会計検査院の意見を出せということでございましたので、五十四年に院法改正要綱というものを内閣に提示して、これは内閣と立法府の高度の政策的な御判断を仰ぎたいということでまいったわけでございます。自後数次にわたりましてなお両院の御決議があったわけでございます。 その過程におきまして五十六年の七月に内閣からいわゆる翁通達、いわゆる肩越し検査について政府関係金融機関は協力するようにとの御指示がありましたが、この内容についてなお私どもといたしましてはどうも十分な対応がとれるとは考えられない、こういうような考えでございました。 その後、昨年の四月でございましたか、参議院の予算委員会におきまして五十九年度予算に関する締めくくり総括質疑におきまして、峯山委員からの御質問に対して官房長官がなお会計検査院の意見を聞きつつ肩越し検査が十分遂行されるように努力したいとの御発言がございました。自後関係当局、すなわち内閣及び監督官庁である大蔵省及び私ども会計検査院の三者によりまして、数次にわたりまして意見の詰め合わせをやっております。ここに一つのパイプラインができまして相当綿密な打ち合わせを継続しております。現在なおその結論に達してはおりません。しかしその過程におきまして五十六年の翁通達以降、政府関係金融機関の検査院の肩越し検査に対する対応というものが漸次改善されてまいりました。つまり肩越し検査をしたいと、疑問がある点はどういうところかということにつきまして、かなり資料を提出していただいて疑義が解明される。また昨年の四月の御発言以降もなお一層協力の度が進んでまいりましたように私どもは評価いたしております。具体的にもうそういう件がございましてほとんど疑義が解明して現在に至っているという状況でございまして、肩越し検査にいかないまでも、その金融機関におきまして融資先の帳簿なり資料というものを私どもに、検査院の検査する側に対しまして提示する、それによって疑義が解明されるということで現在まで問題が起こっておりません。そういう状況でございまして、今後どういう問題が起こってくるかということでございますが、これはやはり検査の過程における疑義がどういう点に出てくるかという問題があるわけでございまして、それに対応した何か文書が、協定みたいなものが取り交わされれば一番いいわけでございますけれども、しかしどういう問題が起こるかという点は予測できない状態でございますので、なおその点について関係当局と折衝を続けていきたいと、こういう今状況になっております。
○菅野久光君 院法改正の問題は、先ほども申し上げましたようにこれは政府の責任でございますから、そういう点で先ほども申し上げましたように、早急にこの問題に決着がつけられるように要望しておきます。 次に、去る十二月の十日、会計検査院から昭和五十八年度の決算検査報告が提出されましたが、これを見ますと相変わらず国費、国民の血税のむだ遣いが多いわけであります。この国費、国民の血税のむだ遣いは具体的にどれだけあるかと言えば、現在審査中の昭和五十七年度、この年度の決算検査報告では二百十三件、二百十八億四千四百六十五万余円、五十八年度決算検査報告では百八十二件、百七十一億四千万余円と多額に上っております。こうした国費、国民の血税のむだ遣いは一向に改善されることなく十年一日のごとく繰り返されております。 こういったような事態について政府としてはどのようにお考えになっているのか、この点をお伺いいたしたいと思いますが、あわせて特に最近の決算検査報告で目を引くのは補助金のむだ遣いであります。昭和五十三年度から現在審査をしております昭和五十七年度までの五カ年間及び参考として昭和五十八年度まで決算検査報告において、いわゆる不当事項として指摘された補助金額を調べてみましたが、指摘件数、金額ともに実に多いのでびっくりいたしました。例えば昭和五十七年度不当事項としての指摘件数百十一件、指摘金額二十五億四百三十六万余円となっております。この二十五億四百三十六万余円は、昭和五十七年度決算検査報告で会計検査院が不当事項として指摘した全金額七十六億八千九百八十八万余円の何と三二・六%にもなっているのであります。昭和五十八年に至っては、不当事項として指摘された全金額八十三億八千四百七十九万余円の約半分を占める四十一億千八百五十六万余円にもなっているのであります。思えばこの五十七年度は、当時の鈴木内閣が財政再建元年とうたった年度であったのではないでしょうか。政府はこの財政再建の名のもとに国民に多大な負担を説く一方で、今私が指摘した補助金のごとく血税をむだ遣いするとは何事かと言わざるを得ないのであります。補助金のむだ遣いを根絶するため、補助金行政そのものを洗い直す必要があるというふうに考えますが、官房長官、その辺のところも含めてお答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 編成をされました予算案を執行いたしてまいりますときに、この予算の効率的な、しかも適正な執行ということは常に政府関係者は心がけていかなければならぬことである、このように考えております。にもかかわりませず年々会計検査院から不当事項などの指摘を受けまして、また決算委員会の場等におきましてもいろいろな御指摘を受け、御指導をいただいてきておりますことはまことに遺憾なことである、このように考えております。したがいまして、いわゆるこれらが職員のモラルあるいは行政能力の不注意などから出てきておること等を考えまして、不当事項として指摘されましたことについては十分これらを周知徹底をして、厳正に注意、処分をいたしますと同時に、一般的に職員のモラルの向上につきましても絶えず注意をしていかなければならぬ、こんなふうに考えておるところでございます。 具体的には、予算編成の過程で、従来不当事項として指摘を受けてきたものなどについては特に気をつける必要があるという御指摘も従来も受けてきておりまして、今次予算案編成の中でもそういったことを念頭に置いて取り組んでまいりましたし、また従来指摘を受けてまいりました補助金を六十年度予算では認めない、廃止するというような措置を講じたものも中にはありまして、十分そのことを念頭に置いて取り組んできておるところでございます。 補助金につきましては、やはりその一つ一つの補助金の仕組みがそのときそのとき、いわゆるある時代には非常に大事なものであった、しかし時代が転換をして次の時代に移れば、既にその意味合いをなくしておるというような補助金という場合もありますし、実際にその補助金がどれぐらい生きているのかということについて、その配分をするときには非常に皆わいわい言って気をつけますけれども、実際その補助金がどんなふうにそれから生きていっているのかというようなことについてフォローしていくというようなことについて、さらにもっともっと注意が必要だというようなものもありましょうし、特に今次行政改革の中では補助金の問題がそういった側から非常に強い指摘を受けてきておるところでもございますし、また各党間におきましてもいろんな御論議の中で補助金の問題が取り上げられて、これをやっぱり正しく運用していくということ、そしてその一つ一つの補助金の役割についていろいろ検討してみる必要があるのではないかというような御指摘もちょうだいをしてきておるところでございますので、それらも十分念頭に置きまして、この補助金の扱いにつきましてはそれぞれ関係省庁の中で十分検討を進めながら執行をしていくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○菅野久光君 次はちょっと検査院にお伺いをいたしたいと思いますが、昭和五十七年度、検査対象機関の官署、事務所等四万一千六百余カ所のうち、わずか八・五%の三千五百余カ所、五十八年度は四万一千二百余カ所のうちの八・四%三千五百余カ所の実地検査を行ったということになっております。指摘された不適正事項等もほんの氷山の一角にすぎないというふうに思うわけであります。 検査院はこの実地検査率を上げるためにどういうような努力をされているのか、ひとつ御説明をいただきたいというふうに思います。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 会計検査院の実地検査施行率は、ただいま先生御指摘のとおり、五十七年度、五十八年度、八・五ないし八・四%ということになっております。ただ、この八・四なり八・五、こういう数字でございますが、これは決算検査報告になお詳細に述べておりますように、やはり検査対象機関、つまり検査対象の官署、事務所、そういったものを甲乙丙というようなランク分けをいたしております。それで、重要な箇所というものについては実際を見ますと四一・三%、これに準ずるつまり乙箇所というものは九・四%、その他つまり丙の分類に入るものは一・一%というふうな、これを計算し直しますと平均して八・四になるわけでございます、これは五十八年度でございますが。その一・一%というつまり丙に分類されるものの中には、例えば国鉄の駅舎であるとか駅の会計であるとかあるいは法務事務所、その出張所、そういったようなところ、あるいは郵便局、これは約二万五千です、そういったものを分母にして計算するために非常に少ない数字になるわけでございまして、我々といたしましては検査の重点をどこに置くかということを考えますと、やはり最も重要な甲の箇所に重点を注いでいるというわけでございまして、率は四一・三%、五十八年度で申しますとそういう数字になります。 ただ、そういうわけでございまして、甲箇所について四一・三%ということは、これは箇所的には半分以下だということにはなりますが、取り扱う財政資金、そういった金額的に見ますると相当の額を検査している、こういう感覚を私ども持っております。八・四%は、例えば五十九年度の政府予算が一般会計で五十二兆円、これの八・四%しか検査してないと、こういうことではございませんで、相当の金額を見ている、こういう感触を持っております。 なおしかし、それで検査院は十分かと言われますと、やはり私どもといたしましては重要な官署は、これは一〇〇%にすべきであるというような感覚を持っておりまして、年々、財政当局には予算要求のときに増員なり旅費の増額、そういったことを要求しているわけでございます。端的に申し上げますと、検査施行率を上げるということは、やはり増員なり検査旅費の増額ということに結びつくかと思います。しかし、ただいま厳しい財政事情のもとで皆さん非常に苦労なさっている中で検査院のみが増員してそして徹底的な検査をするということも、これは検査というのは非常にその時点におきまして、実地検査に参りますと行政が一時ストップする、国民のサービスが一時ストップするということもやはり私どもとしては考えなければなりませんし、また財政事情というものも考慮いたしまして政府当局の御苦衷もわかるわけでございまして、その辺はなかなか——ただやみくもにふえればいいというわけでもございません。したがいまして、めちゃくちゃな数字をお願いしているというわけでございません。しかし、厳しい財政の中で減員が片一方である。しかし片一方では増員も認めていただいておりまして、余り各省庁例を見ないような実質増というものは見ていただいております。そういう中でやはり施行率というものはそういう状況でございますけれども、なお有効にこれを検査するということが私どもとしては必要であるということで、職員の資質の向上、つまり研修による知識の取得というもの、あるいはいかなるものをどういうふうに検査すればその全体的な傾向が把握できるかという、いろいろ工夫をいたしまして、検査対象の選別に工夫を重ねているわけでございまして、私どもといたしましてはこの八・四%という数字が、すなわち財政執行のそのわずかの部分しか検査できてないというふうには認識いたしておりません。 なお今後におきましても、私どもといたしましてはより充実した検査ができるということに意を用い、創意工夫をしながらなおかつ増員をお願いしていきたい、これが施行率を少しでも上げていくということに寄与し、また財政の健全な運営に資するゆえんである、こういうふうに考えております。
○菅野久光君 検査院の実地検査率を上げるということは、現在の人員では限度であるというようなことでのお答えだったというふうに思います。 現在の人員でこれ以上実地検査率を上げるということになれば、勢い出張日数をふやすこと以外にはないわけで、このことはまた職員の健康管理にも大きな問題を生ずることになる。政府は行革による人員の一律削減の中で若干の配慮を検査院についてはしているようでありますが、これとてもほとんど効果を見ることができないというような程度のものだというふうに思います。現場を持って行政対応を迫られている部署の人員配置については改めて再検討し、国民の期待にこたえるべきであるということを私はこの際申し上げておきたいというふうに思います。人減らしだけが本当に国民に対する政府の責任ではないということを改めて私は申し上げておきます。 先ほどから申し上げておりますように、相も変わらず国費、国民の血税のむだ遣いが続く、しかも同じような問題が毎年続く。一つの問題が起きたときに、自分の省庁は指摘をされていないからということで、一つの省庁に指摘されていることは全体にやっぱりかかわりのあることではないのか。そういう意味では検査院が指摘されたことについて、内閣全体としてどう取り組むかということが、とりわけ財政が厳しい中での政府としてのあるべき姿ではないかというふうに私は思うわけで、これを根絶するということはなかなか一般的にやっぱりでき得ないだろうということは推測はできますけれども、しかし、毎年毎年このようなことが指摘されるようなことは絶対あってはならないことでありますから、そういうことでひとつ真剣に取り組んでいただきたいというふうに思います。 時間がございませんので次の問題に移らせていただきます。検査院長、どうもありがとうございました。 次は建国記念日にかかわる問題でありますが、国民の祝日、これは十二あるわけでありますが、最初に、昨年までの祝日の中で、建国記念日について政府は後援していたわけでありますが、政府が建国記念の日に限って総理府、文部省——きょうおいでいただいておりますが、ここが後援しているということ、このことは、なぜこの行事だけについて後援をしているのか、そこの理由をまず最初にお伺いいたしたいというふうに思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 建国記念の日の式典につきましては、建国記念の日を奉祝する委員会が持たれまして、その主催によりまして式典が持たれてきておるところでございます。建国をしのび国を愛する心を養う、こういう祝日法の中で制定をされました建国記念の日の趣旨に沿いましてこの式典が持たれてきており、そのことを関係省庁であります総理府あるいは文部省、自治省といったところが後援をしてこの行事に臨んできておる、こういうことでございます。 政府といたしましてもいろいろ検討をいたしまして、この式典の趣旨をよく検討いたしました結果、それぞれの省庁で後援を決定してきたということになっております。
○政府委員(西崎清久君) 建国記念の日につきましては、従来、建国記念の日奉祝運営委員会による記念行事が行われておるわけでございまして、文部省はこの行事につきまして五十六年以降後援をいたしております。その趣旨といたしましては、「建国をしのび、国を愛する心を養う」という法の趣旨に沿った行事として、国民各層からの参加を得て行われる行事については、文部省としてこれを後援することは意義があるというふうな考え方に基づくものでございますが、この行事自体につきまして、政治的、宗教的色彩等があってはならないというふうなことも踏まえまして、従来からその行事のあり方については指導を重ねておるところでございます。
○菅野久光君 先ほど申し上げましたように、十二あるうち、ここの建国記念の日だけに後援をしているということは、他の祝日についてのこのような集会について後援の依頼が来ていないから後援をしていないということなのかどうなのか、それからことしの建国記念日の式典については後援依頼が来ているのかどうか、その辺を含めて総理府、それから文部省からお答えいただきたいと思います。
○政府委員(藤田康夫君) 第一点、国民の祝日について申請が来ているのが建国記念の日だけかと、こういう御質問ではないかと思いますが、そのとおりでございます。今年度の扱いでございますが、祝う会の方から依頼がございますが、現在のところ書類等不備がございますので、その事実内容について確認をしておる、そういう段階でございます。
○政府委員(西崎清久君) 従来、国民の祝日に関する行事については、この建国記念の日につきまして先ほど申し上げました団体だけが依頼をしてきておるというふうな実情でございます。それから、本年度につきましては、先ほど申し上げました建国記念の日奉祝運営委員会からはまだ後援申請は来ておりませんで、ただいま総理府からお話しございました建国記念の日を祝う会から後援についての申請が出ておるという現状でございます。
○菅野久光君 祝う会の方からの申請は文部省に出ているということでありますね。昨年の建国記念の日奉祝運営委員会主催の建国記念日に後援依頼が来て、そのときに文部省はその運営について若干問題があるので、特に宗教色を絶対出さない形でこの式典の執行を図ってもらいたいということを強くお願いして後援したということが、一昨年の当院の決算委員会で和田静夫委員の質問に対してそういう答えがあったわけでありますが、去年の式典はこのことについてきちっと守られたのかどうなのか、その点については文部省としてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(西崎清久君) ただいま御指摘の点でございますが、五十八年の二月九日に本委員会で和田静夫先生からお話がございました点、私どもも五十七年までの行事について問題があるというふうな認識でいろいろな事項についての指導をしたわけでございます。 例として申し上げますと、まず拝礼の問題でございます。拝礼につきましては、五十七年度までの行事におきまして神武天皇陵に拝礼というふうな形のものもございましたようでございまして、これについては誤解を招くおそれありということで指導いたしまして、五十九年度につきましては拝礼が行われず黙祷という形になっておるわけでございます。 それから、紀元節の歌につきましては、開会直前に場内で紀元節の歌等が演奏された経緯があるわけでございますが、五十九年度につきましては演奏、唱和もなかったというふうなことでございました。 それから、式典に先立ちまして、明治神宮殿での紀元祭をとり行った旨の報告等も行われたわけでございますが、この点についても五十九年度は報告は行われておりません。そのような姿で、五十九年度につきましては、宗教的、政治的な色彩につきましては改善をかなり見ておるというふうな認識で私どもはおるわけでございます。
○菅野久光君 総理府の方にちょっとお聞きしたいと思いますが、昨年の式典も首相が出席しなかったわけでありますが、その出席しなかったという理由、それはどんなことで出席をしなかったのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(藤田康夫君) 総理が昨年の式典に出席できなかった理由についてのお尋ねでございますが、日程等いろいろあり、物理的に出席できなかったのではないかと、かように考えております。 総理といたしましては、広く国民各界各層が参加するような式典であれば参加したいという、こういう意向はかねがね表明されておられるところでございますが、そういった総合的にいろいろ勘案した点はあろうかと思いますが、単純には事務的に日程等の都合がつかなかったと、こういうことで出席できなかったと、こういうふうに聞いております。
○菅野久光君 昨年の二月十一日の朝日では、首相が出席しない理由として、一つは、「式典が古色蒼然とした雰囲気で進められるなど、内容に問題がある」、二つ目として、「式典の参加者や団体が限られ、国家の代表として首相が出席する環境が必ずしも整っていないなど。」と、これは政府筋ということで出ているわけですが、おおむねこういうことだと、日程が都合がつかなかったということだけではないというふうに思うわけですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) いろんな考え方があると思いますけれども、昨年の場合は二月十一 日に、今室長からお答えをいたしましたように、たしか外交日程であったかと思いますが、いろいろ時間の都合がつきませんで、初めからなかなか出席することにはならないという日程上の問題として処理したかと、こんなふうに考えております。
○菅野久光君 そこでことしでありますが、いろいろ昨年問題がありまして、奉祝運営委員会であってはいろいろ首相が出席するということについては問題があるということで、この式典についての委員会を祝う会ということに衣がえをして首相が出席できるような環境をつくっていこうというようなことでいろいろ努力をされているようであります。一月二十日付の新聞、これは朝日あるいは読売等でも中曽根首相が言っております、オークランドでの記者会見ですね。ここで建国記念の日の式典については首相が出席の意向だと、こういったようなことで言われておりますし、去る一月十日の日経新聞によれば、二月十一日の建国記念日に総理が出席する見通しとなったというふうに伝えていますが、この点についてはどのような状況になっているのかお伺いいたします。
○政府委員(藤田康夫君) 主催者側といたしましては、建国記念の日の祝賀式典に国民の各界各層が参加するようなものにして総理が出席ができるようにしたいという希望はあるようでございますが、事務的に申し上げますと、現在のところ正式に総理が出席をしていただきたいという要請は参っておりません。今後そのような要請がございましたら、式典の内容等が総理の出席にふさわしいかどうか検討いたしまして判断をいたしたい、かように考えております。
○菅野久光君 仮に中曽根総理が出席するというようなことになった場合には、これは総理として出席するのか、あるいは私人として出席をするのか、その辺公私の区別についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(藤田康夫君) 仮定の御議論でございますが、総理がこの行事に出席をもしすることとなりました場合に、これは当然公人として出席すると、かような形になろうかと思います。
○菅野久光君 従来の奉祝運営委員会と祝う会——新たにつくられたようでありますが、この祝う会との間で必ずしも、何というんですか、意見がきちっとなっていないといいますか、意思が統一されていないやに承っておりますが、その辺、従来の運営委員長であります黛氏あるいは神社本庁、こういったようなところと官房長官あるいは自民党の中山国民運動本部長さんがいろいろ話し合いをされているようでありますが、現段階それはどのような形になっておるのか、ちょっとお伺いをいたします。
○国務大臣(藤波孝生君) 従来の奉祝運営委員会は、今御指摘がありましたように、黛敏郎さんが委員長でいろんな方々がその委員になられて式典を持ってきておられる。この式典には、今もお話がありましたように総理府や文部省も後援をいたしまして、総理府総務長官なども出席をし、そして各国の大公使なども随分御参加になられまして、盛大に進められてきておるところでございます。その黛委員長などを中心にいたしまして、さらに各界各層国民の皆さん方が広く参集できるような形にして、しかも総理大臣も出席するような運びになったらという希望を中心にいたしまして新しく祝う会が発足をして、日本商工会議所会頭の五島昇さんを委員長にして、いろいろ昭和六十年二月十一日に向けて御相談が進められていると、こういうふうに伺っているところでございます。 総理が出席するかどうかにつきましては、これは一つは日程上の問題もございますけれども、一つは御案内をいただいて総理大臣が今もお話しのように公人として出席をするということになる場合に、それにふさわしい式典であるかどうかというようなことをいろいろ検討をして決定をするということになると思うのでございますが、そこに至りますまでには広く各界各層に呼びかけるというようなところで、その趣旨なりあるいはその式典の形式なり等について、立場によっていろんな御意見もあるわけでございますから、それらが非常に気持ちよくみんなが参集できるようなふうにするにはどうするかというようなことについて、黛委員長あるいは五島新委員長を中心にいたしまして、いろんなお話が進められてきておるというふうには聞いておるところでございます。ただ、それがどのようにまとまってどういう時点で総理に対して出席要請ということになるのかということにつきましては、まだ今後の問題でございますのでいろいろ様子なども伺って、そして総理大臣が出席するかどうか、各省後援するという場合に後援するということになるかどうかというようなことを、今後決めていくようにいたしたいと、このように考えておる次第でございます。
○菅野久光君 従来の奉祝運営委員会の先ほど申し上げました黛委員長あるいは神社本庁の方々と中山国民運動本部長それから官房長官も入っているやに聞いておるわけでありますが、この辺一月十日の日経新聞では政府・自民党と奉祝運営委員会が式典内容の見通しについて折り合いがついたというふうに報ぜられておりますが、その点については折り合いがついたということで理解をしてよろしいのでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) いろいろな機会にいろんな方に私どもお目にかかっていろんなお話を申し上げる、これは官房長官としての立場上当然のことかと存じまして努めてきておるところでございます。この問題につきましても、いろんなところからいろんな御意見がお寄せをいただいてきておりまして、それらも伺いながら今日に至っておるところでございますが、従来ずっといろんな経緯がございます。今までの奉祝運営委員会、それから新しく出発いたしました祝う会との間にはいろんな意見調整の場面があって今日に至っており ますが、完全に話がついたのかどうかということにつきましては、私はなお存じておりません。今までが奉祝運営委員会で式典が進められてきていて、そして今後祝う会が中心になって式典が進められていくということにはなっておるようでございますが、できれば、折り合いという言葉がいいかどうかと思いますけれども、先ほど文部省官房長から話が出ましたように、いろいろ国民みんなが各界各層が集まって奉祝できるというようなことにもっと持っていけぬかというふうに、いろいろ後援をしつつも意見を述べてきたという政府の側からいたしますと、そういうふうな線でみんなが気持ちよくまとまってみんなが参集できる、国会議員の方々も与党の方も野党の方もみんながお集まりいただいて、この日を国民の祝日として祝う、総理大臣も出る、外国の大公使も皆来られるというような形になってお祝いができると非常にいいがなと、心からそのように希望をし御期待を申し上げておる次第でございまして、具体的に折り合いがついたかどうかということにつきましては、私はその場で現場にいて完全に折り合いがついたということで話がまとまったという場所におりませんので、詳しいことをお返事申し上げることはできませんが、そういった点についても十分今後お聞きをいたしまして、御案内があれば総理大臣が出席するかどうかということの判断の一つにしなければなるまい、こんなふうに考えておる次第でございます。
○菅野久光君 まあ建国記念の日の問題については、従来からも大変大きな問題で、今官房長官もお話しのように、国民各界各層、国民こぞってお祝いができるようなというようなこと、これはもうだれしもが願うことなんでありますが、このことについても、神社新報によれば、自民党の国民運動本部長の中山さんの趣意書の中に、「ともすると「建国記念の日」の祝賀行事が政治的対立の具に供せられていることは残念なことでもあり、恥しいことでもございます。」というふうに出されておりますが、私はまさしくそうだと思うんです。 なぜこんなことになっているのか。やはり建国記念の日を決める建国記念日の審議会の委員十人でいろいろ相談をされたわけですね、決めるときに。そのときに二月十一日支持は七委員、元日、立春の日はそれぞれ一委員、一人辞任となっており、多数意見でもって審議会の意見とされ、政府は政令で二月十一日を建国記念の日といたしました。ところが、七委員とはいいましても、七委員のうちのお一人は次のような意見を述べておられます。 建国記念の日はあくまで国民の祝日であって、政府の行事にしないことを条件にして賛成をするということで、このことが左右激突の場となったり、かえって治安の混乱を来したり、国民の不幸を招くようなことになれば、悔いを百年の後に残すというような意見を一委員が言われています。結局、その行事をやるということにいろんな問題が起きてくるというようなことで、いえば条件つき賛成で、今日のようなこういう状況を見られれば恐らく賛成しなかったのではないかというふうに私には思われます。 それから、もう一人は賛否が対立している現在、建国記念日を定めることには賛成ではなかったと、しかし日のみを決めようということであれば二月十一日を推すと、こういうようなことで、いえば消極的な意見であるわけですね。そうすれば、七名のうちこの条件つきのお二人を抜けば五名と、半分でこれを決められたというところにやっぱり問題があるのではないかというふうに思うわけで、幾らそういう、何というんですか、国民の各界各層の方々が集まって国民こぞってお祝いのできるようなというようなことを願ったとしても、この決められた経緯とあるいは二月十一日という日がどんな日であったのかということを考えたときに、これは到底そういう形にやっぱりなり得ないような問題ではないか。 この建国記念の日は政令で決めることができるということでありますから、そういう意味ではやはり今の国民的な中でいろんな問題がある。今度の場合には逆に神社本庁の方ではこんなことでは参加をしないと言っているわけですね。片方、反対している方はもちろん反対のことをやる。そういう中で一体本当に外国の人たちにも恥ずかしくないというようなことができるのかどうかということを考えた場合に、これは私は再考しなければならない問題だというふうに考えますし、ましてやこのような会に首相が出席するということはやっぱりまずいことだというふうに思うわけですが、その辺の御答弁をいただいて私の質問を終わります。
○国務大臣(藤波孝生君) 祝日として建国記念の日が二月十一日に決まる、その過程で行われましたいろんな御論議、審議会であるとか国会であるとかといった御論議はやはり絶えず反すういたしまして、政府としてもこの日が定められたことの中でいろいろ行われた御論議をやっぱり絶えず関心を持っていかなければならぬ、これは当然のことでございまして、その努力をしてきておるところでございます。従来いろんな経緯がございまして奉祝運営委員会で式典を持って今日に至っております。それが各界各層、今、先生御指摘のように、みんなが、国民がそこに参集できるというような形がとれるかどうか、なおその努力が進められておりますので、それらの努力の結果もいろいろ検討させていただきまして、総理大臣が出席するかどうかということを決めていくことになるかと思うのでございますが、この祝日が建国をしのんで、そして国を愛する心情が国民の心の中からほうはいとして起こってくるような、そういう法律で定められておるこの日の趣旨が生きるような、そういう式典になって、そしてみんなが祝いながらいい国をつくっていこう、それぞれの人生をたくましく開拓をしていこう。そういうふうなことがお互いに肩をたたき合って、励まし合って進めるような、そういうお祝いの日になれば非常にいいわけでありまして、そんな形になることを心から希望をいたしておりますし、今後この式典の委員会の様子などもいろいろお伺いもし、検討もさせていただいて決めていくようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○梶原敬義君 最初にお尋ねします。中曽根首相が本年に入りましてすぐ訪米し、またすぐ大洋州に外遊をいたしました。中曽根総理になりまして外遊に次ぐ外遊をされておりますが、この経費、国費から支払われている経費について次の点を明らかにしていただきたいと思います。外遊先の国別、期間、それに要した金額、具体的にお尋ねいたします。
○政府委員(中嶋計廣君) お答え申し上げます。 これまで中曽根総理が外国の首脳との会談等で外国を訪問されました回数が十回でございます。順番に申し上げますと、五十八年の一月十一日から十二日まで大韓民国、これが千二百三十五万円でございます。次が五十八年の一月十七日から一月二十一日まで、アメリカ合衆国でございまして、これが五千七百七十七万七千円でございます。その次が五十八年の四月三十日から五月十日まで、これはインドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ブルネイでございますが、これが九千五百十万三千円。第四回目が五十八年の五月二十六日から六月二日まで、アメリカ合衆国でございまして、これが七千九百八十八万九千円。第五回目が昭和五十九年三月二十三日から同月二十六日まででございまして中華人民共和国でございます。三千二百三十九万六千円。第六回目が昭和五十九年の四月三十日から五月六日まで、パキスタン回教共和国とインドでございます。これが八千二十三万四千円。第七回目が五十九年の六月六日から六月十三日まで、イギリスでございます。これはサミットでございます。八千九百二十二万円でございます。その次が、第八回目が昭和五十九年の十一月二日から五日まで、インドでございまして、これはガンジー首相の葬儀の出席でございます。これが四千二百二十五万八千円。その次がアメリカ合衆国でございまして、昭和六十年一月一日から一月五日まで、これが七千九百二十二万一千円。最後が今回、一月十三日から一月二十日までのフィジー、パプアニューギニア、オーストラリア連邦、ニュージーランドでございまして、これが一億九百十二万一千円。 以上、合計いたしまして十回の外国訪問で六億七千七百五十六万九千円ということになってございます。
○梶原敬義君 外遊は外遊なりの成果も、ある程度一定の意義があっただろうと思います。しかし、今聞きまして、十回で約六億七千万、これは国民が聞いたらびっくりするような金額であります。一月の十九日の朝日新聞、今持ってきておりますが、「景気上昇の中、倒産最悪」、ちょっと前文を読んでみますと、「昨年一年間の倒産件数は二万八百四十一件、三兆六千二百五十九億円となった。」、これは帝国データバンクの発表した数字ですが、「これは、これまで最高だった五十八年の一万九千百五十五件を、負債総額で五十二年の二兆九千八百九億円をそれぞれ上回り、過去最悪の記録になった。これまでも景気回復期に倒産が多い、」云々という記事が載っておりますが、このような内政が非常に厳しい状況の中で、一つは、外遊だけに目を向けて一体内政をどう思っているのか。もう一つは、農業、農政の問題を考えてみますと、私どもはよく選挙区に帰りまして農村あるいは過疎地域を回ります。ちょっと奥に行きますと、子供はみんな都会に出ておりまして、夫婦でお年寄りが細々と家を守っておる、収入も非常に厳しい、こういう状況であります。それから、きょうの新聞で見ますと、ニュースで言っておりましたが、朝日新聞の一面には「日ソ漁業交渉また中断」と、これは関係する漁民は非常にこれで困っております。どこをとりましても緊急な課題ばかりであります。にもかかわらず、総理の政治姿勢というのは一体どこを向いているのか、この点についてひとつはっきりしたお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 先生御指摘のように、内政上もいろんな部門にわたりましていろんな厳しい課題があるということは全く御指摘のとおりでございます。一般的に申しましても五%内外の実質成長率を維持しながら経済運営を進めてきておるところでございますが、なお、地域により、業界などによりまして随分跛行性がありまして、これらをきめ細かくいろんな施策を展開をしてまいるようにしなければならぬ、こんなふうに考えておるところでございます。 また、高度成長期に随分都市、大都市に集中をしてきた流れのこの人口移動などがありまして、農山村などが非常に寂しい状況になっており、若い人たちがみんな都会へ出ていってしまう。どうして農山村を守っていくのかといったことにつきまして、農業政策としての面からや、あるいは農村社会の維持という観点からもいろいろ考えていかなければならぬことが多い、こんなふうに考える次第でございます。 日ソの漁業交渉につきましても、いろいろと日本側からは条件を提示しておりますけれども、簡単にソ連の方が折れてこないというようなことから極めて短期間、一時中断をして、そしてさらにいろいろ検討を加えて会議を再開をしていくようにしなければならぬ、こんなふうにして推移をしてきておるところでございまして、それぞれ一つ一つ非常に大切に考えて取り組んでまいらなければならぬというふうに日々努力をしてきておるところでございます。 今日、国際社会の中で生きていく日本という立場を考えてみますると、やはり日本が平和でありたい、そして日本の経済、生活が一定以上のものを維持できて、そして経済活動が伸展していくことなどもいろいろ考えてまいらなければならぬわけでございまして、そういったことは総理自身がいろいろな機会に、日本が国際国家として確固たる地位を確立をし、そして世界各国の深い理解を得ながら日本の存立を図り、また発展を期していかなければならぬ、こんなふうに申してきておるところでございまして、日本の国の中の問題も一つ一つ、すべてと申し上げていいぐらい国際的にいろいろな関係があるわけでございます。そんな中で歴代内閣総理大臣も、しばしば海外へ出られまして、今申し上げてまいりましたような観点から御努力をいただいてきておったところでございますが、それらの方針を踏襲いたしまして中曽根内閣になりましてからもできる限り、国会等の日程等もございますので、また内政に取り組んでいくという姿勢を考えてみましても、できる限りうまくいい時期を選んで効果的な外遊をするようにというようなことに十分配慮をいたしつつ、過去十回の外遊を重ねてきておるところでございます。 それぞれの機会にそれぞれ成果をおさめて今日進んできておるというふうに考えておりまして、確かに一回参りますと経費がかかりますが、それぞれ関係各省庁の随員なども一緒に参りまして向こうでいろいろなレベルでの会議も一緒にやるようなことになりますので、できるだけ切り詰めて、しかも今度の日米首脳会談などはできる限り随員の数も少なくいたしまして、もう総理と外務大臣、山崎官房副長官のほかごく若干名で飛び立っていった。そして実務型の会談にしたいということで、大名行列のようなことでなしに、ごく経費の面でも実質上効果が上がるようにということを念頭に置いて取り組んできておるところでございますので、外遊の意味合いにつきましてどうか深い御理解をいただきまして、お見守りをいただきますようにお願いを申し上げたいと思うのでございます。
○梶原敬義君 長官、何か記者会見で席を外されるようですが、ちょっとその前に、今いろいろおっしゃられましたのにどうも納得することができません。 まあ、第一点は、我が国は五%の経済成長の維持を図りながら経済運営をやっている云々のお話でありますが、これは政府の経済政策のよろしきを得て五%の経済成長に今度なったんではない。アメリカの経済成長に引きずられて四・一%を上方修正したわけでありまして、いやこれは政府がやったから云々という、中曽根さんがやったからという問題とまるっきり違うわけで、これははっきりしていただきたいと思うんです。 それから、歴代の総理も外遊をそれは確かにしましたけれども、中曽根総理大臣になりまして特に多いんじゃないですか。十回で六億七千万ですね、これはどう考えても、六億七千万ですよ、十回で。大体、やっぱりそういうのを無神経に考えるところに、大した金額じゃないと考えるところに、どうも国民の考えと大きなかけ離れがあるんではないでしょうか。 次に、多くの成果云々というお話でありますが、スターウォーズ構想、これは非常に各国でも問題にしている、あるいは国内でも問題になっている。このスターウォーズ構想にまで賛意を示して帰るなど、全部成果、成果というようなことで評価できない面が非常に多いわけです。この点について一体経費やなんかもたくさん使って、これはやっぱり今のような時期ですから、行革をどんどん言う時期ですから、もう少し政府として考えたらどうでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 今申し上げてまいりましたように、我が国が世界の中で生きてまいります場合に、やはり総理自身がいろいろな国を訪問をして、あるいはいろいろな国際会議に参画をいたしまして、日本の意見を述べる。そして、各国のいろいろな意見とも調整をしながら進んでいくということの重要性は、私は年々大きくなってきておるように思うのです。 そういう意味では、総理が外遊するのを少し、もっと遠慮したらどうかという趣旨のお考えにつきましては、やはりその重要性にかんがみまして、今後もいろいろ内政への取り組みとか、あるいは国会への対応とかというようなことを十分頭に置きつつ、でき得ればいろいろな機会に外遊をしていくということは避けられまい、こんなふうに考えておるところでございますが、そのやり方等につきましては、御指摘のように、非常に厳しい財政状況の中でいろいろと国民の皆様方にも我慢をしていただいておる、そういう時期に当たってもおりますし、十分経費などむだ遣いのないように念頭に置いてひとつ総理の外遊に対処していくようにいたしたい。そして一回一回の総理の外遊が必ず日本の国にとって成果のあるものということになっていくように、いろいろ事前にもよく検討もし、そして会議、外遊の後いろいろフォローもいたしまして、これを実質的に国民の皆様方にとってもいいことだというふうに御理解をいただけるように努力をしていかなければならぬ、先生の御指摘をいただきまして改めてその感を深くして今後対処させていただきたい、このように考える次第でございます。
○梶原敬義君 次に、昨年の十二月二十八日の朝日新聞の記事によりますと、台湾人の元軍人、軍属、日本軍の軍人、軍属に対する処遇を改善するための調査費が五百万円計上されておるようでありますが、これについて説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(吉居時哉君) 今先生から御指摘がありましたように、いわゆる台湾人元日本兵問題につきまして、六十年度予算案に五百万円が計上されたところでございます。 この問題につきましては、いろいろ難しい問題があるわけでございますけれども、私どもとしましては、六十年度予算の成立を見ましてこれに対する研究、検討の場を設けながら、具体的に検討の方法、内容等につきまして今後関係各省庁と十分相談しながら詰めてまいりたいと、現在かように考えておる次第でございます。
○梶原敬義君 この新聞によりますと、元軍人、軍属について死亡者に百万円、生存者にも百万円の一時金を、そしてその対象者については約三万三千人、こういうことがちょっと報じられております。これら台湾人の戦争による犠牲者に対して、日本政府の償いを今日まで放棄をしてきましたが、その何といいますか、我が国のこの無責任な姿勢について許せない問題だと考えております。 そこで、台湾の元軍人軍属の日本政府に対する償いの要求をどのように受けとめているのか。要するに基本的にどういう方向で解決しようとしているのか、明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(吉居時哉君) いわゆる台湾人元日本兵問題というのは何かということであろうと思いますけれども、私どもとしましては、第二次世界大戦の終結に伴いまして、第二次大戦中は日本の領土でございましたいわゆる台湾地域の住民であった日本兵は、その日本国籍を喪失したわけでございます。その結果、日本国籍を要件としております我が国の恩給法の給付を受けることができなくなった、あるいはまた軍属等につきましても、戦傷病者戦没者遺族等援護法におきまして同様の国籍要件がございますので、この給付が受けられなくなった、こういうふうな事情があるわけでございます。日本の兵隊として従軍していながら、みずからの意思とは無関係に国籍が変更されたということで、このような給付が受けられなくなったという方々についてはどうするかといったところに、台湾人の元日本兵問題があろうかというふうに我々も認識しているわけでございますけれども、この問題につきましては、いろいろな点で大変難しい問題があろうかというように思います。そういう意味で、今般六十年度予算案に五百万円の検討経費が計上されましたので、今後関係省庁とも十分相談しながら検討の方法、内容について詰めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○梶原敬義君 なかなかはっきり理解しにくい点もあるんですが、要するにこれを機会に、ことしの新年度の予算を契機にいたしまして、本格的に元台湾人の軍人軍属の処遇改善等をする方向だということを理解をしてもいいんですかね。
○政府委員(吉居時哉君) 再三申し上げて恐縮でございますけれども、この問題についてどういうふうないろいろな関係する問題があるかどうかということ、あるいは実態等、いろいろこれから詰めなければならない点があろうかと思います。そういう意味で、今後その内容、方法等についてまず勉強してまいりたい、詰めてまいりたい、こういうのが現在の状況でございます。
○梶原敬義君 どういうようなことがあったかどうか、もう大筋については、日本兵として戦ったということは大筋においてわかっておるんでしょう。だから、その大筋の問題として一体どうするのか、それはいろいろな問題あるでしょうけれども、その大筋の問題についてひとつ理解のいくような答弁をしていただきたいんです。
○政府委員(吉居時哉君) 現段階で私の方から申し上げることは、今申し上げたようなところでありますけれども、今後、政府部内でいろいろ検討したり、あるいは場合によっては民間の有識者、経験者の意見を徴したりといったいろいろな方法が考えられると思いますけれども、そういうふうな場を通じまして、例えば現在の我が国の法体系の考え方であるとか、あるいは日台間のいろいろな全般的な請求権の問題とか、種々これに関する問題があろうかと思いますので、そういう点も十分詰めてまいりたい、こう考えております。
○梶原敬義君 ぜひ前向きで検討してください。 次に、平和問題研究会に対して質問をいたします。 これも、この研究会運営に当たりまして国費の投じられた額ですね。これについて具体的に支出項目ごとに説明をしていただきたいんです。
○政府委員(吉居時哉君) 平和問題研究会でございますけれども、この平和問題研究会に要した経費につきましては、ここで御意見をいただきました民間有識者の方々に対する謝金、それから出席旅費というのが主なものでございます。 そこで額を申し上げますと諸謝金、謝金でございますが、五十八年度は百五十四万円、五十九年度は三百五十六万円でございます。 それから委員等の旅費でございますが、五十八年度は三十二万円、五十九年度は七十二万八千円でございまして、今申しました経費を合計いたしますと、二年度にわたりまして合計で六百十四万八千円となっております。
○梶原敬義君 庁費というのは出てこないんですか、そのほかに。
○政府委員(吉居時哉君) 今申し上げました経費のほかに、例えば会議費であるとか、あるいは会場の借料といったようなものも経費として支払っているわけでございますが、これらは総理府本府一般行政経費の中の庁費で執行しているわけです。しかし庁費につきましては内容が大変広範囲、多岐にわたっておりまして、この中からこの平和問題研究会に係る経費だけを抜き出して集計するというのは大変困難な作業でございます。そういう意味で現在その数字はちょっと持ち合わしておりません。
○梶原敬義君 答弁の仕方とすれば、聞いているのは幾らかかっているかと聞いているわけでしてね。だから謝金と旅費とそれから庁費の関係があるけれども、庁費の関係についてはわからぬからという回答をしてもらわなければ、少なく答えられて、いやこれがですよとこういうことでは、ちょっと困るわけですね。全然わかりませんか、額的に、めどは。
○政府委員(吉居時哉君) それではちょっと申し上げますが、まさに先生御指摘のように、所要経費というのは諸謝金、委員等旅費、それからそのほかの会場費、借料等の経費、つまり庁費でございますけれども、その庁費につきましては、今申し上げましたような状況でございまして、大変内容が広範囲、多岐にわたった中からこの分だけを拾い出すという作業が大変難しゅうございますので、現在持ち合わしておりません。
○梶原敬義君 だから聞いたときに、小さいことを言うようですが、幾らかかっているかと聞いているんですから、それは謝金と旅費とこれだけかかっている、庁費がさらにある、こう答えてもらわなければこれはいかぬのじゃないですかね。わからぬから答えなかったということじゃ話の筋が違うのですね、それは。 次に、総務庁にお尋ねいたしますが、今、私的諮問機関が、朝日新聞のいつかの記事を見ますと花盛りというのが書かれておりましたが、各大臣が持っている私的諮問機関、各行政の局あたりが持っている私的諮問機関、こう二つに大別できると思うのですが、それぞれの私的諮問の今現在ある数。それから一体どのぐらい金がかかっているのか、五十七年度決算時においてどのぐらい金がかかっているのか、あるいは五十七年、五十八年、五十九年、年度途中、これ別にひとつ回答してください。
○政府委員(古橋源六郎君) 審議会と区別されております懇談会につきましては、御指摘のように大臣レベルのものでございますとか局長レベルのものがございます。まず、大臣レベルの懇談会につきましては、現在、行政運営上の必要におきまして、現時点におきまして私どもが把握しておりますものは四十五の会合が持たれておる、開催されておるというふうに承知いたしております。それから、局長以下のレベルにおきましてもそのときどきの行政運営の必要性に基づきまして研究会的な懇談会等が開催されておりますけれども、その額はおのおのの各省庁等の責任において行政運営の中でやっておりますので、私どもの方といたして把握はいたしておりません。 なお、各懇談会の経費についての御質問がございましたけれども、これらの経費につきましては通常、一般行政経費の中から支弁されているというふうに承知いたしております。各省においてどの程度の支弁をしているかということにつきましては、それは各省庁におきます予算執行の問題でございますので、当庁といたしまして特に把握をいたしてはおりません。 以上でございます。
○梶原敬義君 各省庁の、じゃ、四十五の今大臣レベルの諮問機関がありますね、これで五十七年使っている金額、五十八年使っている金額、これも把握していないというわけですか。
○政府委員(古橋源六郎君) 私どもの方で特に把握いたしておりません。
○梶原敬義君 後から行政組織法第八条の審議会との関係で問題出していきたいと思っておるんですが、いずれにしてもこういう私的諮問機関、どこでそういう数とかあるいは金額等掌握するようになっているんですか、政府の機関としてはどの省で、トータル。
○政府委員(古橋源六郎君) 懇談会と申しますのは、各省庁がそれぞれの行政運営を執行していきます場合に、その行政運営の執行に資するために予算の範囲内において各省庁の独自の判断において開催をしておるものでございまして、各省庁がそれぞれにおいて開催をしているものでございます。したがいまして、特にそういう、それについて全体を把握するというようなことについての私どもは必要性を今考えておりませんので、今までやっていなかったわけでございます。
○梶原敬義君 しかし、だれが考えても、少なくとも大臣レベルの数と大体要った金額ぐらいはどこかで掌握する必要があるんじゃないでしょうか。会計検査院、その辺はつかんでおりませんか。
○説明員(西川和行君) ただいまのお話のような点は、分析いたしますとまずその総数の話、それから個々のいわゆる懇談会などの行政運営上のそういった会合についての個々の経費と、両方に分析されるかと思いますが、まず総数の把握からいたしましても、これとても網羅的に見ていくということは、これは会計検査院としては総数自身もちょっと私どもの方では把握いたしかねますし、それから個々の仮に一つの懇談会などの運営経費につきましても、これは特定の費目からだけの支払いに限られておりませんで、一般行政費の中からこれを一々抽出集計していくということはちょっと技術的には大変困難ではないかと思っているわけでございます。
○梶原敬義君 ちょっとお願いをしますが、総務庁の方で今わからなきゃ、この四十五の私的諮問機関について一体五十七年、五十八年、五十九年どのように国費を使っているのか、それをひとつ後日でもいいですから調べて報告をしてください、いいでしょうか。
○委員長(佐藤三吾君) これはちょっと私から申し上げますが、去年の参議院の予算委員会の中でこの問題が取り上げられまして、行政管理庁長官である後藤田長官それから官房長官から、私的諮問機関が多過ぎるというのは余りいいことではない、極力そういうものについては削減するようにやっていきたい、こういう経緯があった問題です。この点について今指摘されたのですが、局長のお話では総務庁では把握してないということなんですが、長官としてこの一年間この問題についてどういう対処をしたのか、あわせて御答弁いただければ幸いだと思うんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 委員長さん仰せのとおり昨年の予算委員会でこういう問題が出たわけでございます。御案内の八条機関としからざる機関、このしからざる機関の方が一種の隠れみの的なものになってはいけない、また余りにこれが乱用せられるようなことは当然望ましいことではない、こういうことでございます。 今、大臣レベルのものが四十五あるわけでございますが、私の方としては大臣レベル以下のものについては、常時というのではなくてそのときどきに各省にどういうものがある、目的はどういうことだといったようなことは調査はいたしておるわけでございます。ただその経費ということになりますと、いわゆるそういった八条以外の各省で設置してある機関に必要な予算は、これは各省それぞれの責任において各省の行政運営上の必要で設けているわけでございますから、各省がそれぞれの予算の範囲内で、庁費であるとかあるいは会議費であるとか旅費であるとかといったようなことを全体の予算の中でお使いになっておるわけでございまして、私の方でその経費がどうであるという資料をまとめるのはちょっと建前上どうかなと思います。これは政府としてもよく相談をしたいと思いますけれども、幸い今官房長官お見えになりましたが、仮にまとめるとすれば私はやはり内閣官房でまとめられるか、そういったことを考えなければいかぬのではないかなと、私の方ではちょっと経費の点については無理だな、かように考えております。
○梶原敬義君 官房長官、政府の私的諮問機関、特に平和問題研究会を問題にして今質問をしておるんです。 一つは、私どもがいろんな一般の市民の皆さんと、国民の皆さんと話をしておりますと、平和問題研究会は私的諮問機関だから首相のポケットマネーであれ金払ったんだろう、そういろいろ言うことないじゃないかという意見を大分聞いた。それで今お聞きしましたら、今政府の答弁では約六百何万、七百万円近い国費を私的諮問委員の平和問題研究会十一人のメンバーを擁して使っているわけであります。これは大体そういうものに金を使うというのは国民はおかしいじゃないか、こういう受けとめ方をしておるわけですね。この点について私もおかしいと思うんですよ。行政組織法第八条の関係からいきましてもああいう形で答申を取りまとめて、しかも新聞によりますと長官がこの答申を受け取ったときに、これは毎日新聞の十二月十九日ですが、「政府は「行政上の貴重な参考とする」(藤波官房長官)との立場を明らかにした。」こういうように、私的懇談会あるいは諮問機関は一人一人から意見を聞くとか、あるいは座長を置いて答申とか、あるいは報告はやるべきではないという去年の予算委員会の答弁あるいはまあ通達、こういうのから見て、あなた自身がこれをもらったときに「行政上の貴重な参考とする」なんていう発言をしておるわけですね。だから、そういう法律を犯すような中身に対して、予算委員会の答弁とちょっと違ったような形でこの答申をあなた自身が受け取っておるし、私はやっぱり法律に反しているような今度の平和問題研究会、こういうものにはびた一文国費を払うべきじゃないと思っておるんですが、その点いかがでしょうか。 それからもう一つは、今政府が大臣の下に持っている私的諮問機関四十五という答弁がありましたが、この四十五が一体、まあ四十六か四十五か、昭和五十七年、五十八年、五十九年ぐらいに分けてトータルで一体どのくらい金がかかっておるのか、これについて明らかにしていただきたいという今質問したところなんで、この三つについて答弁を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 行政の運営を進めてまいります中で、いろんな問題について有識者の皆さん方の意見をよく聞いてそれを参考にしていくと、これは行政の運営にとって非常にいいことだというふうに考えております。ただ、御指摘がございましたように、従来の八条機関、審議会との関係というのはどうなるのだとたびたび予算委員会などでも御質疑をいただいてきておるところでございまして、そこは明確に区別をして取り扱うようにしていかないといかぬ、こう思って従来取り組んできておるところでございます。 平和問題研究会につきましても、我が国をめぐる総合安全保障というのが非常にいろんな角度から国民の皆さん方の中にも御論議もあり、これらをどんなふうに考えたらいいか御意見をお寄せくださいということで取り組んできておるところでございますが、これはまあ決して、ポケットマネーでやるということになりますとかえって政治が公私混同していくのではないかというふうに思いまして、私的懇談会という形ではありますけれども、これはむしろ先ほども申し上げたようにできるだけいろんな経費を切り詰める形で、しかし公の立場から分担をしていくというのは、これはもう当然のことであろう、そういうふうに思うわけでございます。 いろいろな各省で私的な懇談会が持たれております。それぞれの省の立場でそれぞれの省庁の行政運営に資するために懇談会が持たれてきておるところでございますが、それらが経費としてどのように取り運ばれておるのか、年度をさかのぼってまとめてみてはという御指摘でございますので、よく各省と連絡をとって、一度どういう実態になっておるかまとめてみるようにいたしたい、こういうふうに思います。そしてしかるべき機会にまた御報告を申し上げるようにいたしたい、こう思う次第でございます。
○梶原敬義君 最後の件につきましてはぜひそういう方向でお願いをいたします。 ポケットマネー云々の問題で、かえってポケットマネーでそういう問題をやれば逆におかしくなる、政治が混乱するんではないかという御答弁でしたね。では総理大臣の諮問機関であります平和問題研究会の十一人のメンバーは一体どのようにして選んだわけですか。これこそまさに私の見方としては中曽根さん好みの、これは新聞にもそういうことはあっちこっち書かれておりますが、そういう人を集めてやっているんですね。だから、国民の一部の意見をあたかも全体の意見のような世論づくりのためにも、非常にこれは役立っておると思うんですが、むしろこれの方が混乱をしているんじゃないですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 私的懇談会のメンバーでございますので、いろいろ意見をお寄せいただきたいということをお願いをする者の立場で人選は考えるのは当然のことでございます。そういう意味では、だれがこういう人選をしたのかということになれば、お願いをした総理大臣なりあるいは総理大臣を補佐する内閣官房長官ということになると思いますが、これらにつきましては、この懇談会の趣旨をよく考えてみまして、総合的にやはり御検討願うということが非常に大事なものですから、例えば農業問題、食糧問題というような立場でどうだろうか。農林水産省と相談をして、このときのメンバーでは並木さんに入っていただいておりますが、この人が長い間食糧安全保障の問題に取り組んでこられた非常に貴重な意見を持っておられるというようなことを参考にさせていただくとか、あるいは外務省と相談をいたしまして、外交の重要性ということを十分頭に置いて、総合的に安全保障、平和問題というのを考えていくことにするがどなたの御意見を聞かしてもらうといいだろうか。それはやっぱり長年外交畑で活躍をしてこられた中山さんという方が、フランスの大使などもやられて、ヨーロッパの外交あるいは安全保障なども見てきておられるからいいだろう。そういうふうな、具体的に一、二申し上げましたけれども、いろいろ各省庁とも相談をいたしまして、それぞれの各界で御活躍のいわゆるベテランの方々、いろんな経験もお持ちで、御造詣も深い方々にお集まりを願うというような努力はしてきておるところでございまして、たまたまそれが中曽根好みの人事になっておるかもわかりませんけれども、好みだからお願いしたというのではなくて、総合的にいろんな方からやっぱり御意見を聞いていくようにしなければいかぬ。労働界でどうだろうか。労働省と相談をいたしまして、それはぜひ宮田さんの御意見を聞いたらどうか、そんなようないろんな対話があって進められてきておるというふうにぜひ御理解をいただきたいと思うのでございます。
○梶原敬義君 物は言いよういろいろありまして、例えば労働界で言いますと、真っ向から今、中曽根総理の、要するに防衛政策、こういうものと反対の立場にある総評の代表あたりが入っておれば、これはトータルで言いますと今言われるようなことも理解はできるんで、例えば学者でも、あるいは今原水爆禁止運動あたりの先頭に立っている被爆経験のある先生方とか、そういう人が入っていれば、おう、十一人の中にいろいろメンバーあるなと言うけれども、このメンバーずらっと見まして、これはやっぱり中曽根総理と反対向いて、違う方向でいろいろと意見を言うようなメンバーにはなっていないと思うんですね。まさにそういう意味では本当にもう好きな人ばっかり、同じ考え方に近い人ばっかり集めて一つのものを出した。しかもああいう形で、あなたも国会で、予算委員会で答弁していますように、長官、後藤田さんも答弁していますように、座長を置いて、しかもそれをまとめて報告をすると、こういうような形はよくないと思う、こういうことですが、これをやっておるわけですね。 私も随分長官の帰りを待っておったんですが、肝心のところまでこれは時間がなくて入れないんですが、本当に私的諮問機関で、本当に仲のいい者だけを集めてやっているこの研究会、こんなものに国費を払うというのは本当におかしいと思うんですよ、中身から見ましても。どうですか、これ。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど来申し上げておりますように、いわゆる八条機関としての審議会というものとの区別は明確にしていかなきゃならぬということは重々心得ておるところでございます。しかし、行政を運営をしてまいりますについていろいろ総理大臣が判断をする、あるいは官房長官が判断をする、各省でいろんな施策を展開をしていくについて、各大臣やそれぞれ行政の責任者がいろんな判断をしてまいります場合に、広く各方面の御意見を聞いて、これを行政に資していくという姿勢というのは非常に大事なことだというふうに考えておりまして、そこから出てきた意見が全部尊重されて実施されていかなきゃならぬものだというふうに考えるのではなくて、あくまでも行政を運営をしていくについて参考にするという意味で、それぞれの問題に御造詣の深い方々の意見を聞くということは、これは国政上もう非常に大事なことではないだろうか、このように考えますので、国費をそこに充当いたしましても決して間違っておるとは思わない、こういうふうにお答えを申し上げたいと思います。
○梶原敬義君 国政の参考にするというこの考え方、それは理解は一定程度できるんですが、間違った、要するに一つの考え方を持った集団で議論をいたしまして、それは私は総理大臣がそこに出て一人一人の御意見を承って参考にするというのはいい。しかし、それは報告書の形にして、そして、しかも座長を置いてそれを答申する、こういうようなやり方は行政組織法第八条の関係からいうとおかしいという答弁にずっとなっているんですね。しかも長官は、先ほど言いましたように、十二月の十九日の毎日新聞を見ますと、これを「行政上の貴重な参考とする」というまで答弁をしているんですよ。これは去年の四月の本院の予算委員会でのあなたの答弁の内容と、この新聞記事のあなたが発言している「参考とする」というのとは大きな食い違いがある、変更があるわけですね。そう受けとめていいんですか。
○国務大臣(藤波孝生君) いわゆる八条審議会と明確に区別をするということを申し上げておりますように、私はそこで貴重な参考にさせていただくと申し上げておるわけで、それをどう実施していくかということは内閣総理大臣なり政府なりがさらに検討してどうするかという取捨選択をしていかなきゃならぬので、その研究会、懇談会から一つの意見が出てきたということにいたしましても、それを直ちに実施していくということではないわけで、そのときのコメントといたしまして、これを尊重して実施していくという言い方と、これを貴重な参考としてひとつ勉強させてもらうというのとは大分違うと思うんでして、そこで参考にさせていただくということをあえて私も申し上げておるわけでございます。
○梶原敬義君 ちょっと時間が来ておりますが、これまでの国会答弁等によりますと、基本的に詰まった状況の中で皆さんの答弁では、座長を置いたりあるいは紛らわしい答申を受けたりすることは、これはよくない、こういうことなんですよ。にもかかわらず大々的に報告書の形で出ましたよね。そういうことはもう初めから想定されておったわけでしょう。なぜそういうような形をとったんですか。なぜ報告書の形で出さしたんですか。そして、それに対してあなたはなぜ参考にするというようなことを言ったんですか。 本来なら意見を大体聞けばいいじゃないですか。座長を呼んで、そして座長から、中曽根総理大臣じきじき出ていって、そこで報告を聞けばいいじゃないですか。なぜ報告書の形にしてあなたはそれを恭しく受け取って、参考にする、今までの国会の答弁とおよそ流れが変わっておりますよ、あなたの言っていることは。おかしいじゃないですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 弁解をするようでございますけれども、御質問でございますのでお答えを申し上げたいと思いますが、個々の御意見、有識者の御意見をお聞きして参考にする、そういうことかと思いますけれども、例えばこういうふうに総合的に安全保障というものをどう考えていくか、そして日本の平和をどう維持していくか、あるいは日本の国民生活をどのように維持発展させていくかというようなテーマのもとで御意見を聞きます場合に、個々のそれぞれの御意見と、やはりそこでお互いが、こういう点はどう思うか、こういう点はどう思うかというようなことで、何といいますか、それぞれの角度から意見をお互いに述べ合うというような場面というのは非常に大事なのでございまして、食糧はこうだ、エネルギーはこうだ、あるいは軍事力としては防衛力はどうか、外交の必要性というのはどうか、それがそれぞれに交錯し合うわけでございます。 したがいまして、それぞれ意見を述べていただきます場合に、座長といいますか、司会、進行役といいますか、という方がおっていただいて、そしてそれぞれこの問題どういうふうに考えますか、この視点からどうですかというようなことでこの会が持たれるということもまたあっていいだろうというふうに思うわけでございます。それぞれの過程で、それぞれの立場で述べられてまいりました意見を参考にしていくということが主でございますけれども、それぞれ述べられ合っていってまとまったということになります部分につきましては、それはその懇談会のメンバーの中で何人がこの意見で、大体大多数の意見であったのかなというようなことを参考にしていくということになるわけでございます。最初から、こういうふうな方針で、こういうふうな方向の意見をぜひまとめてほしいと言って座長さんにお願いをしたという経緯は全くありませんし、研究会の中のそれぞれのメンバーの御意見がずっとだんだん重ねられていって一つの研究会のある時期が終わった、こういうことでこういう意見になったということでございましたので、それを受け取った、そしてそれを十分参考にさせていただくというふうに申し上げたわけでございまして、どういうふうにそれを生かしていくかにつきましては、また政府部内でよく検討もして、その中で生かしていけるものがあるのか、あるいはこの考え方はその方の独自の意見であろう、政府の施策としてはそういうことにはならないという判断をする問題もありましょうし、それはまさに受け取った方の政府がいろいろ検討して、結果、また決めればいい問題であるというふうに思うわけでございます。 大変くどくど申し上げましたけれども、そういう経緯できておる次第でございます。
○梶原敬義君 最後に、実はいろいろ言われますけれども、中曽根好みの人を集めて、そしてそれがまとまった意見として新聞やあるいはマスコミで発表される。我々はこの一%枠の見直しとか、あるいはその他、問題があると見ているんです、この内容については。しかし、そういうものがこんなに公に国民にさらされて、そういう方向がいいんだとあたかも言うような内容というのは、世論をつくる以外の何物でもないじゃないですか。世論形成に最もいいような形になっているじゃないですか。行政の参考以外に、世論に与えた影響は一体そんならどうするんですか。この点についてはどうも納得できません。 それから、国会で専門の常任委員会をつくって、シビリアンコントロール云々、防衛問題を取り扱うための改革を行う云々まで、国会法の問題まで触れているんです、この内容は。 こういう世論を巻き込むような、世論対策をするような内容をあなたは受け取って、今までの行政組織法との関係から言って、あなた方が答弁した内容から言って大きく食い違っておりますよね。納得できませんよ、これは。金を払うべきじゃないですよ、こんなのには。
○目黒今朝次郎君 社会党の理事として、今のやりとり聞いておりましたら、予算委員会の答弁というものと違いますから、この問題は本来なら併合審査やるのもおかしいんですが、政府側の要望で一日に三つも四つもやっているんですから時間がありません。したがって、延々やっても始末つきませんから、今の問題は休憩中に官房長官と我々で少し詰めてみるということで、今の質問は保留して休憩時間に詰めてもらいたいということをひとつ議事進行で提案します。
○委員長(佐藤三吾君) 後刻、理事会で協議いたします。
○目黒今朝次郎君 政府側に要望しますが、さっきも言ったとおり、本来なら決算委員会、一省一日かかってやるのが建前なんですが、政府側のいろいろな要望もこれあり、日程の関係もありましして併合をやっているんですから、官房長官、あなたのところが窓口ですから、少しは我々も併合審査に協力するという立場を理解してもらって、やはり質問に対しては前もってレクチャーしてあるんですから、親切にわかりやすく答弁してもらいたい。どうにもこういうことを繰り返すと私は一省一日やりますよ。きょうは沖縄一日とか、そういうことでありますから、ひとつ我々野党側の立場についても少し親切味を持ってほしいということを野党側として要望しておきます。 時間もありませんから簡潔に二、三。一つは沖縄の問題、ことしの一月十日から十二日まで決算委員会で沖縄の現地を視察してまいりました。いわゆる第二次振興計画から見る水の問題、電力の問題あるいはパイナップルの問題、あるいはいろんな国際センターなどの問題についてはそれなりに一定の成果が上がっているということは我々も現地で確認してまいりました。しかし、どうしてもちっとも進まないのが沖縄の交通問題だという認識を我々は——私自身も特にその認識を強くしてまいりました。 それで、去年の四月二十七日、沖縄特別委員会でこの問題を取り上げまして、中西長官は、国鉄もない公共交通もないそういう沖縄で、沖縄のバスが実際に県民の足になっている、そういう点については少し十分に誠意をもって検討しようという答介が四月二十七日の議事録に、ここにあります。それを受けて私たちも期待を持っておったわけでありますが、現地は確かに一定の前進をしております。もう時間がありませんから一口に言いますと、六月二十六日知事提言で琉球バスと那覇バスの合併問題、七月二十四日に両会社の社長が合意した、七月三十一日に那覇交通、琉球バスの会社側と全沖縄労働組合、この組合が合併に合意をして作業を進めていこう、そういう話。同時に、去年の八月三十一日、県バス問題対策協議会、これは県が設置したものでありますが、この小委員会で報告書をまとめて去年の十二月の一日、この対策協が県知事に問題を提起した。それは、当面は民間による二社体制、将来は公営も含めた形で沖縄の公営交通を確保していこう、そういう意味の提案があったということは我々も現地で確かめてまいりました。 しかし、年末になりますとこの問題についてがらっと情勢が一転いたしまして、十二月の五日、会社側の回答がここにありますが、会社側の回答を見ますと、四百二十六名の解雇、二つの会社で四百二十六名の解雇という問題で当面乗り切っていきたいという会社側の回答がありまして、事態は非常に深刻になっておるわけであります。 まあ、十二月の十八日、知事のあっせんで一応事態を収拾したことになっておりますが、その事態収拾の中で、今長官のところに持っていきましたこの「沖縄におけるバス交通の現状と課題」、この中の今九ページにあります「企業合併と今後の課題」、これが沖縄の交通問題を解決する当面の大事な課題だと、こう私たちは現地調査で受け取ってまいりました。これはほとんど会社側の一部には——四つの会社がありますが、会社側の一部には反対の意見も若干ありましたけれども、十六日に私のところに改めて資料を持ってくる、こういう若干反対しておった社長が言っておりましたが、十六日までに資料も書面も持ってこないところを見ると、やはり現地の判断からいくとこの問題に賛成しておるんだろうな、反対であるならば当然十六日に書面を持ってくる約束してあったわけでありますが、いまだに私の手元には届いておりません。したがって、沖縄交通の問題はこの組合側提出の資料の九ページ、ここの問題に集約されていると思っております。 したがって、大臣にお伺いしますが、あなたが中西長官から沖縄の交通問題で、沖縄全体の振興の問題についてはこの前新聞で見ましたから全体は要りません。沖縄の交通問題について前の長官からどういう事務引き継ぎを受け、同時に十二月の十八日に知事さんが沖縄開発庁に来てこの問題についておたくにお願いをしたと、そういう知事の現地における意見開陳もあったわけでありますが、新長官としてどういう引き継ぎを受け、また現時点でこの問題にどういうかかわり合いを持ってこの問題を解決しようとしているのか。まず、今までの経過を省略して、長官が事務引き継ぎを含めて現在どういう考えでおるか、ひとつお考えを聞かしてもらいたい、このように考えます。
○国務大臣(河本敏夫君) 経過は今お述べのとおりでございますが、昨年六月の知事の勧告を受けまして、今関係企業が内部で相談をしておるところでございます。案が最終的にまとまりますと県の方へ連絡があると思いますが、そういたしますと県と開発庁、それから関係の役所、運輸省を初め二、三ございますが、そういうところと十分相談をいたしまして対応策を検討したいと、このように考えております。
○目黒今朝次郎君 当面は二社体制で、将来は一元化も含めてやるという、そういう路線については、これは運輸省だ、建設省だと言っても時間がありませんから、そういう県が出した路線については原則的に当面了解しているんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 県の出しました案といいますのは、昨年六月知事の勧告案だと思いますが、それについては了解をしております。 ただ、先ほど申し上げましたように、それを受けて今関係企業が相談をしておるというのが現状でございますので、その相談の結果を待ちたいと、こう思っております。
○目黒今朝次郎君 運輸省にお伺いしますが、我我はお互いに少しかじっている人間でありますから、もうきれいごと言わないで、率直にこの沖縄交通の問題、バスの問題、タクシーの問題、モノレールの問題、それから軽貨物の問題などなど、本当に私も腹立つくらい沖縄の交通見ておって、遠く離れてますからね、私みたいな貧乏議員が行くにも十万か二十万かかるからなかなか行けませんが、そんな遠く離れていることも裏返しにしてサボっているかどうか知りませんが、運輸省として今大臣が答弁したいわゆる知事提案については原則的に了解した上で作業を進めるんですか、また、指導を強化するんですか、運輸省。
○説明員(熊代健君) 先生おっしゃいました沖縄、特に本島におきまして大量交通機関としてバスしかないという事態の中で、我々としてこの沖縄本島における交通を何とか整序し、維持していきたいという気持ちは先生のお気持ちと同様でございます。 今お尋ねの、現在あります四社を知事の提言としてとりあえず二社合併することによって三社体制にする。できれば効率的な運用ということを考えてその点は知事提言に触れられておりませんけれども、将来できれば一つにしたいというものを含んだ当面二社を合併させるということについては、運輸省としてもその方向に考え方は一致しているということで、その線で我々としてもできるだけ支援、協力していきたいというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 それにはモノレールも含むんですか。
○説明員(熊代健君) モノレールの問題につきましては、現在モノレールの会社ができまして、需要の問題それから現在、先ほど申し上げましたように、バスとの関係もございますので、それらについては十分現在四者で協議会、連絡会をつくって検討しておると聞いておりますので、その推移を見守っていきたいというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 運輸省の一番ずるいところはその推移を見守る、推移を見守ると言ってちっともやらない。それから開発庁に聞くと、開発庁は交通の問題は運輸省直轄であるから運輸省に聞いてくれと言う。どっちに聞けばいいんですか。 ですから、私は河本大臣、大臣に特に要請します。 もう現在のままなら私は沖縄総合事務局なんて要らない、みんな無責任体制だから。本当に現在要るなら、やっぱり今、水の問題、牛肉の問題あるいは、沖縄いろいろな課題があります。課題がありますが、それなりに前進していますが 一番残っているのは交通問題です、交通問題。ですから、この文書にもありますとおり、このバスの合併問題については雇用問題、路線問題、利用者対策、それから後で言いますが、いわゆるこのバスレーンの問題、この四つの問題はもう労使だけではどうにもならない、労使だけでは。そういうような問題抱えていると、こういうのが現状なんですよ。ですから、知事提案が、知事が今一生懸命やっていますからそれはそれとしてやるんですが、その現地の問題に対応できる政府部内の対応策を、例えば河本長官が中心になるのか運輸省が中心になるのかわかりませんが、沖縄開発庁と運輸省と労働省それから通産省、警察庁、このぐらいでひとつ沖縄のプロジェクトを組んでやはり精力的に私は取り組んでもらいたい、そう思うんです。今回のこの打開をした点は皆さんも同じだろうと思いますが、とりあえず四百二十六名の過員の問題と百二十四台の車の問題を軸にしながら、ことしの七月三十日までに労使で合併に合意をして十一月三十日から新しい会社を発足させたいと、そういう日程を組んでいるんですから、それに対応する国側の取り組みについて、今私が言ったような形でプロジェクトを組んで対応してほしいなと、こう思うんですが、沖縄開発庁長官いかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) さっき申し上げましたように、いずれにしましても企業の対応策が最終的にまとまりますと、運輸省、県等と十分相談をいたしまして対策を協議したいと、こう思います。
○目黒今朝次郎君 やっぱり感度が鈍いね。もう企業の対策じゃないんですよ、この問題は。企業間のはわかっているんですよ、もう。これは知っていませんか、沖縄開発庁、この企業の計画。計画は知っているでしょう、合併委員会の。合併委員会の計画とこれを労使でどういうふうにやって、労使間の問題と県の問題と国の問題と三つに区分けしながら早急に国に要請したいと現地の知事も言っているんですから、出てきてから聞くという、そういうことじゃなくて、今始まった問題じゃありません、これは私、ここ四年間取り上げているんだ、四年間。ですから、あなたもそんな指図しないで、国でもやっぱり受け皿をつくりましょう、いつでもいらっしゃいと、そういう受け皿をつくって、早急に現地の交通問題を広い範囲で解決するための政府としても対応いたしますというぐらいは親切に答弁したっていいんじゃないですか、どうですか、局長。
○政府委員(小林悦夫君) 大臣からお答えしましたように、会社といたしましては労使含めた具体的な計画はまだできていないわけでございますけれども、実態的にはいろいろ問題がありますので、そういう面につきましては事実上いろいろ相談にも乗っておるところでございます。私も今後、現地も含めまして関係各省で十分調整をとりながらやっていきたいと考えております。
○目黒今朝次郎君 我々現地に行って現に見てきているんだからね。あなたそんなきれいごとを言ったって四百二十六名の人員整理と百二十四台、これだけ出ているよ、具体的に。これ以外何が具体的なんですか。今からこれで労使間交渉始まるんでしょう。県がこれにどういう手配をするかと、国に対しては労働問題を含めて、どれだけ資金対策を含めてお願いするかということでもう走り出しているんですから。ですから、私はもう少し沖縄の問題はやっぱり皆さん方も親切に取り組んでもらいたい。我々ががあがあ言わなくちゃ取り組まないという、そんなばかな話がありますかあなた。沖縄ぐらい交通問題がおくれているところはない、離島問題を含めて。ですから私は、それはあなた方もプロジェクトをつくって県に早くよこせと、県も早くやれという形で現地と国とタイアップしてこの問題に真正面から取り組むと、そういう姿勢がどうしても出てこないんですか。なぜそんなにこだわるんですか。大臣これは——局長要らない、これは政治判断だ、もう。
○国務大臣(河本敏夫君) いずれにしましても、最終的にはそうなるかもわかりませんが、今の段階はとにかく企業が一体どうするのかということを最終的に決めまして、そして勧告したのは県でありますから、県の方から運輸省、関係各省、それから開発庁に相談があろうと思います。そうなりますと、対策を一体どうすればいいかという協議をそこで始めると、こういうスケジュールを組んでおります。
○目黒今朝次郎君 あなたそんなことを言うなら私も協力しませんよ、協力しません。再来年の国体については沖縄の交通問題がどうなるかわかってますか。そんなメンツにこだわっているなら社会党の私は協力しません。どうぞやってください。そのかわりそのことを現地に行って全部話しして、政府というのはこんなもんだと、沖縄を見殺しにしているということをきちっと私は現地に言いますから、それ以上答弁要りません。そんなきれいごと言っているんなら私は協力しません。それだけは言っておきます。改めて沖縄及び北方対策特別委員会の予算の際にじっくり時間をかけてやります。当面協力しません。それだけ通告しておきます。 それから、時間が乏しくなりましたから、国鉄問題ちょっとお伺いしますが、きょうは国鉄問題について、国鉄側が今月の十日、監理委員会に報告したといろんな新聞に出ておりますし、我々も説明受けました。それで国鉄側にお伺いしますが、この問題は従来まで言われておった、国鉄自体が監理委員会に対して独自の案をつくると、そういう作業の一環としてこの案が出たのかどうか。これは単に常務理事会だけじゃなくて、全国で実際国鉄を運営している全国の管理局長会議の全体の合意を得たものかどうか。その性格についてまず国鉄側から御答弁願いたい。
○説明員(竹内哲夫君) お答え申し上げます。 今回のこの経営改革のための基本方策は、役員会数十回にわたりまして議論をいたした、また、それと並行いたしまして、それぞれ各担当常務理事もプロジェクトチームをつくって、そこでそれぞれ検討をした結果を総合的に取りまとめたものでございます。その過程の中で管理局長の意見も聞き、また取りまとめたものにつきまして管理局長にもこの内容を説明をいたしたというものでございまして、本来国会等におきましても国鉄としての意見を言うべきであるということがございまして、それらに基づき、今回これを取りまとめて国鉄再建監理委員会に御説明を申し上げたものでございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、監理委員会の第二次提言に基づいて昨年来国鉄が、総裁が独自に作業をしていると、その作業の集大成として、総裁以下全役員、現場を預っている管理局長、全体の合意を得た上で提出したと、そういうふうに理解していいわけですな。
○説明員(竹内哲夫君) そのとおりでございます。
○目黒今朝次郎君 これについてはいろいろ見方もあると思うんですが、私はずっとこれをもらいまして、一言で呼んでみると、これはあれですか、長期債務と年金の超過部分、この問題について政府がある程度問題の解決をつければ、国鉄自体としては健全経営として立ち直れる。そういうことがずっと初めから同じことをそういう考えで貫かれている。いわゆる国鉄が自立するための最後のぎりぎりの案だと、こういうふうに全般ににじみ出ておるわけでありますが、我々は社会党とか動労とかという問題は別にして、国鉄の立場ではそういう立場で作業したというふうに見受けられるんですが、その認識は変わりないでしょうか。
○説明員(竹内哲夫君) 今回の基本方策を作成するに当たりましては、今後の国鉄の経営を取り巻く環境が大変厳しくなるであろうということを想定いたす中におきまして、まず国鉄の自助努力というものが何よりも必要である。この自助努力の限界を目指した施策を展開していくということを基本としておりますが、どうしても再建のためには自助努力だけでは解決できない長期債務の問題、それから年金負担の問題、地方交通線の問題等こういうようなものにつきまして行財政上の措置をとられることを求めたものでございます。そのためには従来の延長線上の体制では不十分であるということで、経営責任を明確化し、より機動的に社会、経済の変化に対応できる仕組みが必要である。また、さらに関連事業を積極的に拡大し得る体制をとる必要がある。こういうような点から民営化ということを目指したものでございます。私どもとしましては、これらの抜本的な経営改革の施策を総合的に実施することによって、あわせて行財政上の措置と相まって六十五年度におきましては全体収支において均衡を図り経営の健全性を確立し得ると考えたものでございます。
○目黒今朝次郎君 国鉄が労働組合とその他いろいろありますが、国鉄自体が今言ったような血のにじむ思いでつくった案、それはそれなりに総裁が再三国会で表明してきたことですからそれなりに努力したというふうに私は受けとめます。しかし、この問題がこの一月十五日の北海道新聞、それから私の田舎の河北新報、このローカル新聞に大々と「国鉄案を監理委しかる」、「抵抗の末総裁「答申には協力」」。そして北海道新聞などは国鉄監理委員会の主なやりとり、固有名詞まで挙がって、亀井委員長、総裁、亀井委員長、総裁、副総裁、隅谷、住田、加藤各敬称略委員、この議事録が全部載っているんですがね。監理委員会にお伺いしますが、国会に対しては議事録を出しなさいと再三我々が運輸委員会やその他の委員会でやっておりましたが、それは出しませんと、委員長の方から全般にお答えしますと言っていながら、この国鉄が血のにじむような提案をしているのに、全部議事録が共同通信を通じて全国に流れるということは、これはどういうことなんですか。国鉄のばかたれめらということで、まだ世論誘導やって、これでもか、今までは国鉄の労働組合をたたいて、たたき足りなくて今度は国鉄の幹部をたたき、総スカンで国鉄一族をたたくと、そういう意図でもありありあるんですか、世論操作で。私はきょうあなたは事務局次長だから、あなたでは答弁能力ない。これを管轄する監理委員長出てこい、こう言っているんですが、監理委員長にかわってこの議事録が漏れた理由、漏れた以上は委員会に正式に議事録を出しなさい、この二つの点について簡潔に委員長になったつもりで答弁してくださいよ。
○説明員(林淳司君) ただいま御指摘の一月十日の監理委員会での会議の内容が一部外部に漏れたということでございますが、監理委員会といたしましては、従来から会議は非公開でやってきておりますし、今回につきましても監理委員会からそのような議事録を外部に流したという事実は全くございません。私どもとしてはただいま申しましたように議事は非公開ということでやってきておりますので、従来から議事の内容を外部に流すこともございませんし、まことに今回はそういう意味では非常に遺憾であったというふうに考えております。今後はこういうことのないように十分注意をしていきたい、このように考えております。 それから、国会の方に議事の概要を出せというお話でございますけれども、これは前からも再々申し上げておりますように、会議は非公開でございますので、その点は何とぞひとつ御勘弁をいただきたいというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 管轄する後藤田長官、今のような監理委員長代行の話がありましたが、これはもう漏れているんです。漏れている以上は、私は非公式にある機関を通じ確認したところ、これは九〇%間違いない、この新聞に出たやつ。間違いない以上は、やっぱりあなたが監督する権威において、少なくともこれだけ出ているんですから、今、亀井委員長代行が言ったって、現にもう新聞に出ているんですから、今後の審議の問題もありますから、ぜひあなたの権限で委員会に議事録を出してください。全部とは言いませんが、これにかかわる議事録については九〇%趣旨は間違いない。こういうふうに私はある方面から確認しておりますから、少なくとも国会の権威において、今後の国鉄問題を議論する上にぜひ出してもらいたい、いかがですか長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) 今、林君がお答えしたように、国鉄監理委員会の議事は非公開でございますし、まだ審議の過程にございますから、ただ、どういう経緯でそういう新聞記事に漏れたのか私はよくわかりませんが、よく監理委員会からも事情を聞きたいと、かように思います。
○目黒今朝次郎君 出すか出さないか、出た以上はあなたの監督責任でしょう。監督責任ですから、出た以上はその監督責任を果たしてくださいよ。これは出ないならいいが、出た以上は出してください。そうしないと我々は今後どういう格好で国会審議をしていいかわかりませんよ。出してください。
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えいたしましたように、国鉄監理委員会には事情を聞いてみたいと思いますが、国会の方に資料を出すかどうかということは、これは私の権限ではありません。私のところの委員会でございませんのでひとつ御理解をしておいていただきたい、かように思います。
○目黒今朝次郎君 官房長官、これはどこが責任があるんですか。政府が任命した監理委員会の非公開という大原則の議事録が、一番大事な議事録が議事録を管理している人のあれで外部に漏れてしまった。漏れた内容は質問者の目黒が調べたら九〇%間違いない。そこまで出ていれば政府の責任でこの議事録を出してください、政府が任命した監理委員会ですから。したがって、そこを我々がきちっと見ないと、具体的に国鉄問題についてあなた方がけしからぬと言ってみたり、後藤田長官が日経連の臨時総会で、甘えとか国鉄労使に勤労意欲を出せとか何とか勝手なことを言っていますが、何を根拠に勝手なことを言っているのか。その勝手なことを言っている最も根拠が、監理委員会に国鉄側が正式に提案して、その提案した問題について監理委員会がみそくそにいじめたその中身がこの新聞ですからね。いじめた中身、どこをどういう根拠で、国鉄けしからぬ、と言ったのか。あなたがけしからぬと言うなら、一体後藤田が国鉄総裁になったら、おれならこうする、亀井委員長ならこうすると、かつての鉄監局長である住田、随分この国会では議論したあの住田は一体何を言っているのか、この議事録を見ると。鉄監局長のときはみそくそに言っておって、今度ここへ行けばまたみそくそ、こんな二重人格おりますか。そういうものを全部検証するために私は正規の議事録が必要だと言っているんですよ。だから官房長官、内閣の責任で私は議事録を提出してもらいたい。そうしなければ私は納得しない。きょうはそこのところで中身には入りません。そこのところ、これはいかがですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど林君——事務局からお答えをいたしましたように、従来、国鉄再建監理委員会の議事は非公開とする、ということで来ておるわけでございます。これをどうするかという今の御指摘の線に沿うかどうかということは、亀井委員長の御判断に属するところではないかというふうに考えるわけでございまして、今、後藤田長官からお話しもございましたように、やはり亀井委員会、監理委員会がこの問題をどう考えるかということにつきまして、よく政府として監理委員会にも話をして、きょうこういう御質疑があったと、しかも議事録の中身、議事の中身が外へ出ている、そのことについていろいろ御意見がある、このことをどう扱ったらいいかということをよく亀井委員長と話をいたしまして、そしてその後どうするかということについて考えなければなるまい、このように考える次第でございまして、その辺の取り扱いを少しお任せをいただきたいと思う次第でございます。
○目黒今朝次郎君 質問者は納得いたしません。これだけ重要な文書が、重要な文書が流れた一体責任はだれなのか。ずるずるといって、最後は亀井委員長だと。では亀井委員長に言ってくださいよ。それから、その問題が明確にならないうちは、私は国鉄問題について、運輸委員会も含めて、議論については社会党は抵抗します。そんな大事なことを、国会で約束したことを、ある方面へは出ていると。それをネタにして国鉄を総攻撃する。現場で働いている第一線のあなた運転手はどんな気持ちでこの新聞を見てますか。総裁もけしからぬけれども、総裁も随分決断したものだなと。でも、組合としてはまだ文句あると。しかし、議論するんだから国鉄を建て直すために骨身を削ってやろうと、そう言っている職員の側から見れば、総裁が、管理局長全体が出したこの案が、こんなにマスコミにたたかれ、そこにお並びの皆さんに皆たたかれ、亀井委員会でたたかれ、第一線の運転手は何を信じて毎日毎日時速二百六十キロの運転をすればいいんですか。そんなむちゃなこと、そんなことやめなさいよ。幾らおとなしい社会党だって、組合だってそんなにいつまでもへいへいとはしませんよ。だから、あなたたち守ることは守ってくださいよ。議事録漏れたらその漏れた責任はだれがとるんですか。亀井委員長責任とってもらいたい。そういうことのきちっとしないうちに、あれもこれも中途半端で、国鉄の労使さえいじめればいいという考えは根本的に間違っていますよ。したがって、長官、官房長官、私はその問題についてまだ結論を保留しておきます。ですから、早急に亀井委員長と連絡して、きょうは無理ならば、あしたあさって、決算委員会あるわけでありますから、そこまで早急に亀井委員長の見解を決算委員会の理事会にぜひ提案してもらいたい。それまで私は質問を保留します。 委員長、時間もありませんので保留します、この問題出さない限りは。答弁は要りません。亀井委員長出してください。保留します、質問。
○委員長(佐藤三吾君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ─────・───── 午後一時三十一分開会
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十七年度決算外二件を議題とし、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田代富士男君 国会におきましては、間もなく六十年度の予算につきまして審議が行われようとしておりますけれども、最初にきょうは藤波長官と後藤田長官、また河本長官もお見えになっていらっしゃいますものですから、この六十年度予算の問題につきまして冒頭ちょっとお尋ねをしたいと思います。 三長官はこの予算をつくるに御苦労をされたと思いますが、我々の立場から六十年度予算の特徴を言いあらわすならば、第一番目には財政再建の見通しと財政再建方式が崩れた予算である。第二番目には、党主導型、つまり党高政低と申しますか、その予算編成の光と影が明らかになっておりまして、修正や批判を受け入れず国会論戦を空洞化した予算であると言う以外にありません。三番目には、戦後の財政制度及び運営システムが機能しなくなった予算であると言ってもしかるべきではないかと思います。四番目には、六十年度十一兆六千八百億円、累計御承知のとおりに百三十三兆円の国債の重圧に押しつぶされた予算ではないかと思います。五番目に、大型間接税含みの予算でありまして、昨年十二月三日の土光臨時行政改革推進審議会長の行財政改革はいよいよ正念場を迎えており、六十年度予算編成に当たっては、政府は増税なき財政再建の基本をあくまでも堅持すべきである、このようなことを政府に対して発言されたことが明らかでございますが、明らかにこれに反する予算ではないかということでありまして、これは特に中曽根内閣の責任は極めて重大と言わざるを得ません。冒頭でございますから三長官から一言ずつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 御指名をいただきました順番に発言をいたしたいと存じます。 いろいろ六十年度予算につきまして御意見を今承ったところでございますが、これらはこれからの国会のいろんな御論議、御質疑をちょうだいをしていくことになろうかと、こう考えておるところでございますが、政府といたしましては非常に厳しい財政状況の中で増税なき財政再建という理念を大事にいたしまして、行財政改革を推進をする非常に大事な時期に差しかかっておる、そのことを十分念頭に置いて予算編成をしなければいかぬ、こう考えまして取り組んできたところでございます。五十八、五十九両年度に引き続きまして、三年間連続して一般歳出をマイナスにするという、歳出につきましてもいろいろ見直し、改革、補助金の整理なども含めまして努力をしてきたところでございますし、また、一兆円公債発行の減額をするということで、財政再建に向かっても一歩前進をさせるという努力をしてきたところでございまして、いろいろと御批判、御意見をちょうだいをいたしましたが、今日の置かれました状況の中では、できる限りいろんな面に配慮しつつ行財政改革を一歩前進をさせる予算編成を行ったと、このように考えておる次第でございますので、どうぞ深い御理解をいただきますようにお願いをいたしたいと存じます。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問の中にありましたように、この問題はこれから国会で十分御審議を願うわけでございますが、総理大臣あるいは官房長官あるいは大蔵大臣からお答えすべきものであろうと、かように考えているわけでございますが、私は行政改革担当の大臣としての意見を申し上げれば、やはり御案内のように厳しい諸条件の中に置かれているわけでございますから、そういった条件の中では、私は各方面に意を配った妥当な評価し得る予算案であろう、かように考えているわけでございます。同時に、また増税なき財政再建という立場も本年度の予算案の中には十分反映をされておる、かように考えているわけでございます。
○国務大臣(河本敏夫君) 今度の予算編成作業を通じて出てまいりました最大の問題点は、現在の税制ではどうにもならぬ、そこで税の抜本改正を、特に直間比率の見直しを中心とする抜本改正を早急にやるべきだ、そういう方向が明らかになった、こういう点でなかろうかと、私はこう思います。税制の抜本改正ができ上がりますと、予算編成の組み方もまた違ってくると思いますが、現状の税制のもとでは、私は考えられる最善の予算が組まれておると、このように思います。
○田代富士男君 今各長官から御答弁をいただきました。その中で後藤田長官も増税なき財政再建は反映していると、こういう意味の御答弁でございましたが、御承知のとおりに中曽根首相は年頭会見で申していらっしゃることは、税制の抜本改正に向けて今年四月から本格的検討の意向をあらわしている。増税なき財政再建に政治生命をかけるということは一貫して言ってきていらっしゃいましたけれども、こういうことを言っていらっしゃる。河本長官も今そういうことをちょっとお話しになりましたけれども、それと同時に一月の七日には大蔵省の首脳は、昭和六十二年度から大型間接税導入を示唆しておる。さらに御承知のとおりに、経団連あるいは自民党においても同様の考え方をちらつかしておりますけれども、これはまさに行革をめぐる政治情勢は一変したと言わざるを得ないのではないかと思います。そういう意味から、これからが行革の正念場という大事なときに、これらの増税論議が行革の推推、実現を危うくするのではないかと私は心配でなりません。そういう意味から再度そのお考えを、これは時間の関係もありますから、後藤田長官にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 御案内のように、第二臨調の答申では増税なき財政の再建をやりなさい、こういう御答申をちょうだいしておるわけでございますが、この増税なき財政の再建というのは、私は行政改革という厳しい仕事をするためのてこである、ここで安易に増税に踏み切った場合にはこれは行政改革というものが困難になる、かように考えておるわけでございます。ただ、あの答申の中にもありますように、したがって、当然やはり厳しい既定経費の削減、そして同時に既存の制度の見直し、こういうことをやるべきであるということをうたっておるわけでございます。したがって、この既存制度の見直し、そして既存の経費の、既定経費の削減、これは私はやはり引き続いてやるべき筋合いのものであろう、こう思います。増税なき財政再建というのはできないじゃないか、これは常識ではないかという議論が一部にございます。しかし、それじゃ増税したら行政改革、財政の再建はできるのか、こう言えば必ずしもそうだとも言えないんじゃないでしょうかね。したがって、私は行政の改革とか財政の再建ということはやはり既定の考え方で推進すべきものと。しかしながら、同時に、あの答申の中にも、現行の税制にはいろんなふぐあいもあるではないかと、あるいは直間比率の税構造の問題等もある、あるいは不公平の問題もある、これらを手を入れて検討していくということは一向に差し支えないんだ、こういうことでございます。 そこで、今日まで厳しい財政の削減をやってきたわけでございますが、今後も私はやはりやるべきだと。しかし、やってもなおかつどんなことをしても既定経費削減してもそれだけで財政再建できるとはなかなかこれは考えにくい。ならば、そのときに一体政府としてはどういう財政再建の手だてを講じていくのかと。その中の一つとして、私はやはり税制全般についての検討ということは当然やっても一向に差し支えないし、同時にまたやるべきでなかろうか、かように私は考える。一つだけの政策でやろうとするところに問題があるのであって、やはり総合的な観点に立って既定経費も削減をする、あるいは国債の問題をどういうように考えていくとか、あるいは国有資産をどのようにするとか、あるいはそれでそろばん勘定をやって、なおかつこれはどうにもならぬということになれば、これは当然国民にお考えを願う、選択を願うというような総合的な観点で私はやるべきであろう、かように考えているわけでございます。
○田代富士男君 きょうは決算委員会でございますから、予算の問題につきましてはまた次の機会に譲りたいと思います。 そこで、昭和五十九年十月の二十三日、行革審は「臨時行政調査会答申の推進状況について」と題する報告書を政府に提出して公表されましたけれども、そのねらいは何にあったのか、まずお答えいただきたいと思います。
○説明員(山本貞雄君) 御案内のとおり、行革審は臨調答申に基づく行政改革の推進を任務といたしておるわけでございます。昨年の十月に行革審から臨調答申の推進状況についてという意見を提出したわけでございますが、これは臨調解散後相当期間がたっておりまして、この段階で臨調答申に基づく行政改革をさらに推進するという観点から、一体どこまで行革は進んだのか、また残された課題はどういうものであるか、こういったことを明らかにいたしますとともに、国民の皆様に行政改革の実施状況の全体像を明らかにいたしまして御理解をいただく、こういった目的から御提出したわけでございます。なお、ちょうど臨調解散後満一年を経ました昨年の春に審議を開始したわけでございますが、五月に入りまして政府側から緊急の二課題の検討につきまして要請を受けまして一時審議を中断いたしましたが、九月に再開をいたしまして十月に入りまして取りまとめて意見を提出した、こういう次第でございます。
○田代富士男君 私もその報告書、ちょっと目を通してみましたけれども、その報告書によりますと、現在、政府の行革の推進状況というものは五合目である、こういうようなことが書かれてありました。しかし、マスコミにおいては一斉に、五合目ならば車で行けるぞとか、あるいは五合目でいい気になるなとか、こういう批判が展開されていることは御承知のとおりだと思いますが、これに対しまして行革審事務局は、五合目といえどもそれまでの道程は大変なものであったと自己評価をされております。これはやっていらっしゃる当事者とするならばそう言わざるを得ないかと思いますが、これを例えますと、富士山の五合目に立ちまして登ってきた跡を振り返ってみますれば、その道程は厳しいものであったと感ずるでありましょうけれども、これから先の五合目は大変な思いがされるわけでございますけれども、果たして行革の頂上にたどり着くことができるのかどうか、今私は行革審の事務局次長からの説明を聞き、その内容について私が読んだ範囲内を言って五合目論議をしたわけでございますけれども、長官、頂上へたどり着くことができるかどうか的確に御返事ください。
○国務大臣(後藤田正晴君) 行政改革というのは、明治十八年以来内閣制度ができて今日まで百年間、この間に幾多の内閣がいわゆる行政整理という名のもとに取り組んでおりますが、なかなか成功が難しかった難事業であることは間違いございません。しかし、これはやはり政府の不退転の決意、それと最終は国民の皆さん方の理解と協力、これがあるならば私は断行できる、また断行しなければならない重要な国民的課題である、かように考えております。 行革審から昨年の秋に、行政改革の仕事も五合目に達した、こういう評価をちょうだいしましたけれども、私自身の受けとめ方は、やはりこれからが胸突き八丁だよ、これは容易でないよ、したがって政府はしっかりふんどしを締め直してやりなさい、こういう私は御激励の言葉であろう、かように考えているわけでございます。そこで、こういった御答申を受けて、本年度の改革の大きな課題としては、一つは地方行革の問題、いま一つが国鉄改革の問題、いま一つは、これは今日政府機関による民間に対する過剰介入というものがございます。したがって民間活力を十二分に発揮してもらうためにはこの規制緩和に取り組まなければならない。ところが、この規制緩和というのは実は公務員にとっては、まあ役所にとってはそれだけ権限がなくなるわけでございますから、人も要らぬ、組織も要らぬということに、これは極端な表現ですけれども、そういうことにならざるを得ない。だとするならば、この規制緩和というのが私は行政改革では一番厄介な仕事ではなかろうかと。こういった点について行革審に御審議を今お願いをしておるさなかでございますが、政府としては何としてでもやり抜く決意でございますから、そのことはお答えをいたしておきたい、かように思います。
○田代富士男君 後藤田長官も五合目論議では、今からが胸突き八丁である、容易なことではない、政府にもふんどしを締めて頭張れというその気概でございますけれども、長官その気概を持ち続けてもらいたいと私は思います。 そこで、この行革の進捗状況について、今五合目という論議をいたしましたけれども、これは一見わかりやすい表現でありますけれども、果たしてこれが正確かどうかということでは疑問があると思います、私。そこで、より国民にわかりやすく、しかも正確に報告するようにすべきではなかろうかと思います。そういう面から言いますと、行革国民会議の行革の進展状況についてというところに書かれてありますのは、それぞれの項目ごとにコメントをつけてあるわけなんです。私も目を通してみました、項目ごとに。これは大事なことではないかと思うんです。総体的に五合目と言わずに、項目ごとに。その例を一つ挙げますと、専売公社に関して行革審では、実施状況としては、実施されたものの中に株式会社化が掲げられてある、そのくらいなものなんです。ところが、行革国民会議の方では、国産葉たばこの全量買い上げ制の温存というのは臨調答申に反するとコメントしてあるわけなんです。このように実態に一歩踏み込んで私は報告をすべきではないかと、この点ですね。最初に五合目論議を出しましたけれども、それよりも行革国民会議の例を出しましたけれども、こういうような報告の仕方にすべきだと思うんですが、どうですか、長官。まず長官からお尋ねします。
○説明員(山本貞雄君) 臨調答申の推進状況についてというのを取りまとめるに当たりましては、それぞれ個別の問題につきまして相当詳細な審議を行っておる次第でございます。その上で行政改革の実施状況の全体像を国民にわかりやすい形で明らかにすると、こういったことで取りまとめを行ったものでございます。 なお、改革の不十分な点につきましては、今後とも政府の対応状況を注視してまいりまして、必要に応じまして行革審としての意見、答申といったものを提出していく予定でございます。 なお、今後とも改革のより進展した段階におきまして改革の全体像を明らかにしていきたいというふうに考えておりますが、ただいま先生の御指摘の御趣旨はそういった形で今後十分参考にさしていただきたいと、かように考えます。
○国務大臣(後藤田正晴君) 政府は臨調の御答申に沿いまして緩急順序、優先度合い等考えて、毎国会改正案をお願いをしておる、こういうことでございますが、その過程で臨調の御答申どおりに必ずしもいってない、その第一歩の改革であるというものもあるわけでございます。したがって、私どもとしては今日までやったことはもうそれで全部終わりだと、かようには考えてはおりません。やはり残された面についてさらに広い視野で国民的な論議も踏まえて改革すべきものは残っておるという点については私はやらなければならぬと、かように考えます。今、専売公社のお話がございましたが、これらについてはやはり株式会社にする、そして民間の企業経営のノーハウというものを十分活用をするということで民間会社にし、同時にまたそれによって今まで一手専売が外国との競争には一応さらされると、こういうことになったわけでございますが、他方十万世帯に及ぶ葉たばこ生産業者の生活というようなものも考えなきゃならぬといったようなことでああいう改革をしておりますけれども、これで一応踏み出さしていただいて、先はまた検討すべきことがあれば検討していかなければなるまいと、かように考えておるわけでございます。
○田代富士男君 今長官も、臨調答申によって毎回政府として国会へ改正案を出せるものは出して検討をしてやっていくという、そういう御決意でございますが、この政府が行政改革の推進に当たりましては、今日までも御存じのとおりに国民に相当の痛みと強い協力が呼びかけられまして、国民もそれに協力したと思います。例えば増税の問題、あるいは老人医療の有料化や健保の本人一割負担等の問題等、これ国民の協力があったればこそここまでなされたと思うわけです。ここまで行革推進も国民が協力して進められているのでありますから、その意味におきまして、政府として逐次やっていくということでございますが、やっていくのがどの程度進んでいるのかということを、その進捗状況を年一回ぐらいは国民に私は示していくべきではないかと思う。そうしなければ、やっている、やっていると言ってもわかりません。そういうことをやるべきではないかと思いますが、この点どうですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) もともとこの仕事が、行政の改革という言葉自体も一般の庶民の方から見ればわかりにくい言葉なんですね。しかも、同時にそのことが大変複雑な行政の組織、あるいは行政のやり方になっておりますから、大変わかりにくい。しかし、これをわかっていただかぬことには到底これは、この仕事はなし遂げられませんので、私どもとしては毎年そういった関係で発表をしておるわけでございます。どういうやり方をやっておるかは事務当局からお答えをさせたいと思いますが、ただ、御案内のように役所の文章というのはわかりにくいんですよ。私どもは割合なれておるからいいんですけれども、一般の人に役所の文章を読ませるとなかなかこれはわかりにくい話ですから、そこらはもう少し工夫の余地がないのかなと、こういった点はさらに勉強させていただきたいと、かように思います。 あとは事務当局に答えさせます。
○政府委員(古橋源六郎君) 行政管理庁時代から、昭和五十六年度から毎年「行政管理の現況」というものを出しておりまして、これによりまして、その年度におきます行政改革の動向というようなものについて、私どもといたしましてはできるだけ国民の方々にわかりやすく説明をするように努力してきたというふうに考えております。しかし、今長官から申し上げましたとおり、行政改革を推進するためには、国民の皆さんからの御協力、御理解がなければできない問題でございますので、今後ともその内容等についてできるだけわかりやすく、かつできるだけ多くの機会をつかまえて国民の皆さん方に御理解を得るような方向で努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 今後の課題について少しお尋ねをいたしますけれども、行革審の推進状況については、今後の課題ということについてるる述べられておりますけれども、その中で特に大事な点が、まず第一には総合調整機能の強化という面、第二番目には国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁の統合、そして三番目には緊急事態処理体制の強化、四番目には情報公開の制度化、こういうことが特筆されているわけでございますけれども、現在行財政改革の推進に当たって、総理初め全閣僚やあるいは国鉄総裁などがその姿勢を示すためにも歳費または期末手当の一部返上をなさっていらっしゃいますが、大臣が歳費の一部を返上をしても特段の痛みがあるということは思われないんですけれども、単なるこれはポーズとしか受け取れないというような、そういう声もあるわけなんですが、ところが一方国民の方では、今さっきも申しましたとおりに、健保の改正、あるいは人勧の無視とか増税によりまして相当の負担を強いられているわけなんです。このような状態にありまして、今後推進すべき課題の重要性をどのように認識し、どのように取り組んでいこうとされるのか、私は特に四つ申し上げましたけれども、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほど申し上げましたように、六十年度はやはり地方の行革が一つの眼目でございます。三千三百ばかりある地方団体のうち私は大部分の方は国と同じような歩調で、場合によれば国より先んじて行財政改革に真剣に取り組んでいただいておると思います。この団体の方が圧倒的に数が多いと思いますが、しかしながら地方の人員の問題、定員の数ですね、職員の数それから給与、手当あるいは退職金、こういったような問題について一般から非常な厳しい批判を受けておる地方団体も遺憾ながら相当数あるわけでございますから、こういった点。さらにはまた、組織が非常に膨大化しておりますから組織の簡素化の問題、こういったような点についてまず地方団体みずからの発意でぜひお願いをしなければならない。それと同時に、地方行革を阻んでおる原因の大きなものの一つに、中央官庁のいろいろながんじがらめに縛り上げている面があるわけでございますから、これらについてはやはり解除する、解放するといったような点をまずやらなければなるまい。 それから二番目はやはり国鉄の改革、これは今国鉄再建監理委員会で御勉強中でございますから、その答申を受けて政府としては対応策を考えていきたい。 それからもう一つは、やはり許可、認可に象徴せられるような規制の緩和ということでございます。これは極めて私は重要な問題である、かようにとらえておるわけでございます。 それからもう一つは総合調整機能、これは各省割拠の弊が出てきておりますから、この総合調整機能をどのように強化をすべきであるか。その中の一つとして緊急事態の問題もあるだろうし、あるいは科学技術の総合戦略の問題もありましょうし、こういう問題も取り上げていかなければなるまい。国土三庁の問題は第二臨調からは答申いただいておりますが、これは現時点ではいろいろな特色がやはり地域によってあるわけでございますから、そこらは私は中長期の課題とさしていただきたいな、こう思います。 それから情報公開、これはまた国民の行政に対する信頼確保という点から見て極めて重要な問題でございますが、同時にこのことは、これはよほど慎重に扱いませんとデメリットが出てまいります。それは今日のような情報化社会の中でいろんなデメリットもあるわけでございますが、要するに国なり地方団体の一種の権力によって集めてきた情報、これはできるだけ公開した方がよろしいと思います。しかしながら、他面、それによって被害を受けるといいますか、プライバシーの問題がございますので、こういう点については、地方団体等では既に踏み切っておるところもあるし、それなりの成果も上げていると思いますが、政府としてはただいま私のところを中心に勉強をさしていただいておりますので、これも私は中期の問題といえばちょっと少し長過ぎるかなというぐらいの感覚でこれには対処をしていきたい。しかし、これは同時にプライバシー保護と情報公開は表裏一体。むしろ私はこの情報公開も重要だけれども、プライバシーの保護の方を真剣に考えてあげていかないといけないのじゃないか、この方が先行するのではなかろうかな、並行していって一向差し支えありませんけれども。そういうような大体の私の腹づもりで現在作業をさしておりますので、お答えをいたしておきたい、かように思います。
○田代富士男君 私が申すまでもありませんけれども、大事なことは、行政改革の本当の目標というものは具体的に財政の上からも効果をもたらし、かつ、行政上も簡素で効率的な組織ができ上がるということではないかと思うわけなんです。そういう意味で中央省庁の統廃合を抜きにしては何の行革か、このようなことが言えるのではないかと思うわけなんです。 特に私は今国土三庁の統合のことについて長官に質問をいたしましたら、これには特色がいろいろあるんだ、中長期の立場から考えていくというようなお考えでございますけれども、これは今言うとおりに中央省庁の統廃合が一番根本でありますから、私はそういう考え方もあるかわからないけれども、そのようなことでは私は努力が足らないのではないか、もっと厳然とまずこれに取り組むべきじゃないか、私はこのように思うわけなんです。 それから今緊急な問題として緊急事態の処理体制の問題等もありますけれども、あわせて御答介を再度いただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は行政改革というのは、平たく言えばこれは役所の組織なり仕事のやり方の効率化を図る、そして同時に、どうしてもこういう役所の組織というのは、これは民間会社もやや似たところがあるかもしれませんが、特に役所の場合は貸借対照表ありませんから、そういう意味でどうも硬直化をする、やはり行革の一つの理念は変化への対応力をどう養うか、そうすることによって私は国民からちょうだいをする税金の値打ちを、その税金の値打ちにふさわしいような使い方のできる仕組みと仕事のやり方に変えていく、これが私は行政改革の理念だ、かように考えているんです。 そこで、御質問の中央省庁の統廃合、これも私は変化への対応ということを考えますと、これはやっぱり私は重要なことだろうと思いますが、残念ながら田代さんの御意見とは、中央省庁の統廃合が行政改革の大きな目玉である、こう私は必ずしも理解してないわけでございます、必要性は十分感じておりますけどね。そこはひとつまた後々いろいろな御意見も承りたい、かように思います。 そして御質問の中の緊急事態、これは今各省庁が縦割りでしてね、それでなかなか連絡がとりにくい。それから同時に、それぞれの立場に固執して重要な国家的課題が内外にいつ起きるかわからない、そういったときでも対応が非常におくれるということが一つあるわけです。なかなか意見が政府全体としてまとまらない、こういう問題。あるいは緊急事態が起きたときにはこれは各省ばらばらの対策で、これじゃ対応ができない、こういうような問題がございますから、そこらを何かひとつ一工夫、二工夫あるのではないか、こう考えておりますから、これは今行革審で御検討を願っておりますから、その答申が恐らく六、七月ごろに出ると思いますので、その上で政府としてもいろいろ検討を加えていきたい、かように考えております。
○田代富士男君 そこで、行革審の現場視察の問題についてお尋ねをしたいと思いますけれども、土光会長が改革の追跡調査といいますか、これを重視していらっしゃるわけでございまして、改革提言を実効あらしめるために有益な方法ではないかと私はこれを評価したいと思います。 しかし、今後の調査のあり方といたしましては、各省庁からの報告だけでとどまらず、審議会のメンバーが現場に出向いて、そして実際にどのように変わったかという、確かめる実地調査というものが私は必要ではないかと思います。その場合、総務庁の行政監察局の協力支援態勢もとってみたらどうなのかと私は思いますし、こういうことも力を入れるべきではないかと思いますけれども、どうでございましょうか。
○説明員(山本貞雄君) 臨調答申が指摘いたしました改革課題は、例えば増税なき財政再建の基本方針に基づく予算編成、あるいは中央省庁の内部部局の再編成、あるいは公社の経営形態の改革、こういったように中央レベルにおけるいわゆる制度改革的な問題が比較的多いわけでございます。したがいまして、この種の問題につきましては、御指摘のように、行革審の委員が現地に出向きまして直接実態調査をいたすというふうなことは、今のところ考えてはおらないわけでございます。 しかしながら、臨調答申に基づきます行政改革を一層推進するという観点から、例えば国、地方にかかわる国の関与、必置規制の問題、あるいは国、地方を通ずる許認可権限等のあり方の問題、さらには先ほど大臣から御指摘がございましたような規制行政の緩和の問題、こういった問題につきましては、総務庁の行政監察局の協力を得まして、全国的な実態調査をお願いしておる次第でございます。それからさらに、この行政改革を全体として推進してまいりますためには、やはり広く各地の国民の皆様の御意見を伺い、そして御協力を得ていく必要がある。こういった観点から、実は行革審では土光会長以下全員が全国各地に参りまして、そして総務庁行政監察局の御協力も得まして、いわゆる一日行革審というものを各地で開催いたしまして、現地の知事、市町村長さんといったような行政担当者あるいは労働界、経済界あるいは婦人団体その他一般市民の皆様から現地の行政上の実情なり問題点を直接聴取し、あるいは御意見を伺いまして、これを行革審での審議に反映するというふうなことをいたしておるわけでございます。今後ともそのような一日行革審を各地で開催いたしまして、先生御指摘のような趣旨はそれを通じてぜひ実現さしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○田代富士男君 質問を次に移りたいと思います。 審議会のあり方についてお伺いをしたいと思いますが、まず国家行政組織法第八条について、前回改正の背景なりあるいは理由なりを説明をしていただき、あわせて改正後の実施状況を説明していただきたいと思います。
○政府委員(古橋源六郎君) まず最初に、国家行政組織法の八条の改正の背景等について御説明を申し上げます。 改正前の国家行政組織法の八条におきましては、その項目といたしまして「附属機関その他の機関」というふうに書いてありまして、その内容につきましては、審議会等はもちろんのこと、試験所でございますとか研究所、文教施設、医療施設その他の機関等、非常に雑多なものが入っております。その結果、従来国会等からもこの八条機関の性格があいまいであるという御指摘があったわけでございます。 そこで臨調答申におきましても、この八条機関についてその区分を明確化して、それぞれの性格にふさわしい規制方式に改めるべきではないか、こういう御指摘がございましたので、これを受けまして、政府といたしまして昭和五十九年七月一日施行の国家行政組織法の改正におきましてこの八条機関を三つのものに区分をいたしまして、「審議会等」と、それから「施設等機関」、それから「特別の機関」というふうに三種類に分けたわけでございます。そして、そのおのおのについてその性格をはっきりさせまして、従来は、この規制方式といたしまして、その設置は一律に法律によるというふうになっていたわけでございますけれども、審議会等及び施設等機関につきましては法律または政令によると、特別の機関については従来どおり法律によるというふうにいたしたわけでございます。 そこで、第二番目のその後の経緯でございますけれども、審議会等につきましてはこの改正時、昭和五十九年七月一日におきましては二百十三のものがございました。そのうち百四十八機関を法律で設置しまして、また残りの六十五機関を政令で規定をいたしました。その後、御案内のように五十九年の八月に臨時教育審議会というものができましたけれども、これは法律で設置をいたした わけでございます。 以上でございます。
○田代富士男君 これまで法律に設置根拠があったものが、今回の改正で政令に設置根拠を置くものとして移されたものが六十五、そして残り百四十八とおっしゃいましたけれども、私調べたのでは百四十九になっておりますけれども、これは別といたしまして、百四十九が法律に根拠を置くものとされているわけなんですけれども、この二百十四の審議会の設置の根拠を法律と政令とに区分した。これに対して、今、区分を明らかにするにはその性格をいろいろ検討した上で云々の御説明がありましたけれども、この区分した根拠あるいは基準は何であったのか、もう一度お尋ねをいたします。
○政府委員(古橋源六郎君) 先ほど二百十三と申し上げましたのは、法律改正時点におきまして二百十三でございまして、その後、先ほど申し上げましたように臨時教育審議会が法律で設置されましたので二百十四になりまして、その結果法律事項は百四十九になったわけでございます。 そこで、現在審議会等総数が二百十四でございますけれども、それを法律で設置したものと政令で設置するものとの基準でございますけれども、まず審議会等で、従来実体法、いわゆる各設置法以外の法律でその審議会を設置しているものがございまして、これが百三十ございます。これらにつきましては、そういうものをわざわざ設置法以外の法律でつくられた趣旨等もございますので、当該実体法に与えます、体系でございますとか秩序に与える影響等も考慮いたしましてこれは法律設置にいたしたわけでございます。 その次に、設置根拠を各省庁の設置法のみに根拠を有しているものがございます。これが八十四ございます。これらのうち、例えばその委員等につきまして国会の同意を要するようなもの、あるいはその審議会の構成員の中に国会議員の方が入っておられるもの、あるいは各省庁の数省にまたがるようなもの、こういうようなものにつきましては、おのおのその趣旨を考えまして法律で設置にいたしたわけでございます。 それ以外の各省設置法によってつくられているものにつきましては、六十五でございますけれども、これは政令によって設置いたしたものでございます。
○田代富士男君 また、一方におきましては法第八条にその設置の根拠を置かないものといたしまして、御承知のとおりに行政運営上の会合というものがあります。これは各省大臣クラスで私が調べたのでは四十六、その他各省の局長クラスのものではこれは数え切れないくらいあるのではないかと思いますが、これらの中からただいまるる説明がありました法律または政令に根拠を置くものとなったものはあるのかないのかお答えいただきたい。
○政府委員(古橋源六郎君) 午前中の御説明でもございましたように、懇談会等、行政運営上のためにその都度開催されるものというものにつきましては、いわゆる合議制機関としての機関意思を決定する審議会とは異なりますので、これらのものについては法律または政令で設置されているものはないというふうに御理解賜りたいと思います。
○田代富士男君 そこで、行政運営上の会合の実態でございますけれども、この大臣または各省局長及び局の行政運営上の会合は幾つあるのか。私たまたま、ちょっと午前中所用がありまして参加しておりませんで、これは午前中も審議されたかと思いますが、再度、総務庁として掌握をすべきだと思いますし、どのくらいあるんですか、お答えをいただきたい。
○政府委員(古橋源六郎君) 大臣レベルの懇談会につきましては、これは現在四十五でございます。こういうふうに私どもは把握をいたしております。 それから、局長レベルにおきます懇談会でございますけれども、それはそのときどきの行政運営上の必要性に基づきまして各省庁が任意に開催をされているものでございまして、その把握は、総務庁といたしましては把握をしていないということでございます。
○田代富士男君 私は、そこらあたりは各省庁でやっているからこれは云々ということでございますけれども、やはりそういう関係の仕事というのは総務庁として掌握をすべきではないかと思いますけれども、これはいかがなものでしょうか、長官。これは掌握をして明確に。各省庁がやっているから掌握をしておりません、わかりません、これではあかんと思いますけれども、どうでしょう。
○国務大臣(後藤田正晴君) いわゆる私的諮問機関、この問題は国会でも従来いろいろ御議論のあるところでございます。ただ、政府の各省が当面する政策課題、これについてやはり各界から広く有識者の御参集を仰いで、そして懇談会といいますか、会議といいますか、個々のそういった有識者の方から意見を聞きながら最終的にその役所として、あるいは大臣として、自分の省としてはこういう政策を進めていこうという行政運営上のいわゆる懇談会はやっていいのではないかなと、私は基体的にそう考えているんです。ただ、これは乱に流れたり、あるいはまた自分の役所の仕事をいかにも権威づけるために、いわゆる隠れみのといいますか、そういうような役割をかぶせてしまう、これなきにしもあらずだと思います。これは私は厳しく各省にお考え直しを願わなければならぬ、かように考えているわけでございますが、そういった意味合いから今日私どもの方で把握しているのは大臣レベルの問題でございますが、これは四十五あるわけでございます。一省庁平均二つ余りということですから、ここらは総務庁としても管理局として当然把握をして、そして先ほど言ったような弊害の生まれないようなやり方に各省協力願わなければならぬ、こう思います。 問題は、課長さんは私はないんだろうと思いますけれども、局長さん方でやはり自分の局は今こういう仕事を考えているんだが、一体皆さん方のお考えもちょうだいしたいといって随時やっていらっしゃる、これは私はいいことだと。そして役所の窓からだけ民間を眺めて、そして役所だけの机の上でやられたんじゃこれは本当は困るんですよ。それはもちろん国会の審議いろいろありますけれども、やはり私は政策立案機関として当然そういった幅広い意見を聞くということはよかろう、こう思っております。そこらを私の方の役所が御質問のように全部取りまとめてやるということが果たしていかがなものかな、かように私は多少の疑念も持っておりますから、ただいまの御質問は十分拝聴させていただいたというぐらいでひとつお許しを願いたい、かように思うわけでございます。
○田代富士男君 今長官、拝聴した程度とおっしゃるけれども、大臣クラスのそれはとっていらっしゃる。これが総務庁としてできないとすれば、きょうは官房長官も御出席でございますし、私はこれは一回明らかにした方がいいと思います。だから、これは委員長にお願いしまして、これだけのものがやっぱり掌握できないというのはおかしいと思うんですので、長官がだめとおっしゃるのなら、きょうは幸い官房長官いらっしゃる、官房長官がそういう仕事を何とか引き受けていただいて明確にすべきだと思いますけれども、これは私、資料として要求したいと思いますけれども、どうでしょうか。ちょっとお願いいたします。
○委員長(佐藤三吾君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤三吾君) 速記を起こして。
○国務大臣(後藤田正晴君) 田代さんの御意見はよくわかるんですけれども、私どもが把握をしてやっているのはやっぱり各省大臣がつくっているやつ、つまりその省全体の政策決定をする際に広く意見を聞こうという、これ大臣の立場、省全体の立場ですね。ところが局長となれば、その局の中の仕事という、大臣の政策決定の参考にするのとはやはり段階がありますから、その局長段階まで私の方の役所が関与するということが、果たして本当の意味で適切なのかどうか、ここらは勉強さしてもらわないと、ここで御答弁するのはひとつ差し控えさしていただきたいと、こう思います。私はそう思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 今、総務庁長官から御答弁がありましたように、大臣がいろいろ御意見を聞くというような懇談会、あるいは局長クラスでいろいろ各方面の御意見を聞いて有識者の御意見を十分耳傾けながら行政の運用を進めている。一番やっぱりおそれなきゃいかぬのは、行政機関が独善で物事を運ぶということのないようにしていく。そういうふうに考えると、いろんな方々の御意見を聞くという機会を持つというのは非常に大事なことだろう、こういうふうに思いますから、八条機関とは明確な区別をしていかなければなりませんけれども、いろんな各界の御意見を聞きながら謙虚に丁寧に行政を進めていく、しかしこうと決めたら強力に進めていく、こういう行政の姿勢というのは非常に大事なことだろうというふうに思うのでございます。 ただ、御指摘がございましたように、それじゃ政府の部内でいろいろやっているが、それはどこも何にもつかんでいないのかということになったのでも、これもまたいかがなことかという感じは今もいたしておるところでございまして、各省庁の中でどういう懇談会、研究会を持たれておるかということは、各省庁の事務次官なり官房長なりは当然掌握しておることだろうと思いますし、いたしますので、そのことがどうかという価値判断の問題は別といたしまして、実態としてどういうふうな研究会や懇談会が持たれておるかということは、当然各省庁に連絡をいたしまして内閣官房で絶えず把握をしていくという努力はしていかなければなるまいというふうに思います。そのように進めてまいりたい、こう考える次第でございます。
○田代富士男君 それで今、官房長官おっしゃるとおりに努力して掌握をするとおっしゃる、それを一回資料として私は正式に資料要求をしたいと思いますが、どうでしょう。
○委員長(佐藤三吾君) いかがですか。資料として、今官房長官の答弁から見ますと提出できるですね。
○国務大臣(藤波孝生君) そのことを意図して隠ぺいしなければならぬものだとは思いませんので、一度各省庁よく調査をいたしまして、連絡をして掌握をいたしまして、そしてしかるべき資料として提出をさせていただきたいと、このように存じます。
○田代富士男君 じゃ提出してください。約束は必ず守っていただきたいと思います。 昨年の四月に参議院の予算委員会において藤波官房長官から政府の見解が述べられましたけれども、この見解に照らしますと、午前中もこれは同僚議員が問題にされたかと思いますが、例えば平和問題研究会や戦後処理問題懇談会は当然に法律にその根拠を置くものとすべきであったと私は思うんです。しかし、国政の最重要課題である防衛問題についての論議と各意見は総理にとって相当重みを持っているようで、特に今注目されております防衛費の一%枠突破につきましては、総理の受けとめ方も極めて満足げであったようでございますけれども、そういうことを考えますと、今問題になっております国家行政組織法のこれまでの国会審議を軽視しているのではないかと思われますけれども、官房長官いかがでございますか。
○国務大臣(藤波孝生君) 政府の施策を展開をいたしてまいりますときに、当然政府部内でいろんな意見の交換をしたり、いろいろなお互いに論議を重ねてそして政府の考え方をまとめていく、これは当然のことでございます。同時に、政府はやはり一番耳を傾けてまいらなければならぬのは国会におけるいろいろな御論議、これも各党間のいろんな御論議を拝聴させていただき、また御質疑に答えさせていただいていく中で、政治の方向というものについて十分傾聴しながら進んでいくということは非常に大事なことであろう、そういうような基本的な考え方は持っているわけでございます。同時に、一つ一つの課題をどう判断して進んでいくかということについて、先ほど来もお話のあります八条機関というものが大変ありがたい役割を果たしていただいてきておりますが、また同時に余りそこで決まったことがそのまま政府としてこれを尊重して実行していくということに拘束されないで、自由闊達に有識者のいろんな御意見を承るというような機会を持ちますこともこれは一つありますのは、いろいろな御意見を聞きたいということが一つと、もう一つは少し大きなテーマでどうしても今の政府省庁が縦割りになっておりますので、新しい時代のいろんな問題を考えます場合に、それらの縦割りの枠を越えて、やはり意見交換したり検討しなければならぬというような問題もいろいろございまして、そういうようなこともいろいろ頭に置いて考えてみますると、自由に意見を述べていただいて、それを参考にさせていただくというような機会を持ちますこともやはり非常に大事だというふうに考えておりまして、それを意図的に何か国民世論を操作するために取り扱うとかいうような、午前中もいろいろ御指導をちょうだいいたしましたけれども、余りそんなに意図的に考えるのでなしに、本当に勉強もさせていただき、参考にしたい、こういう気持ちで懇談会や研究会を幾つか発足させて御意見をいただいてきておるところでございまして、こういう問題は、例えばきちっとした八条機関にすべきではないのかとかいろんな御指摘はあるかと思うのでございますけれども、そういう中で、有識者の広いそれぞれの立場からの御意見を聞きたい、こういう気持ちで平和問題研究会など運用させていただいてきた、こういうふうに考えております。 しかし、いろいろ各界、各方面の御意見等もございまして、それがいかにも中曽根流で中曽根好みの人ばかり集めて、勝手に方向を打ち出していく、それじゃ国会の論議などどう心得ているのかというような御指摘というのは午前中もいただきましたように、いろいろそんな御心配もいただいておるかという気もいたしますが、そういう事柄の重要性ということと、それじゃこれからはどうするんだ、これからもどんどんやっていくのかということにつきましては、たびたび予算委員会等でもいろんな御質疑もいただいておりますので、八条機関などとの区別を十分考えながら取り組んでいくようにしなければなるまい、そんなふうに考えておる次第でございまして、十分その辺は心得て進んでまいりたいと存じておりますので、どうか御理解をいただきますようにお願いを申し上げます。
○田代富士男君 この問題は時間がかなりかかると思いますが、私はきょう、後に随分問題を準備しておりますものですから、これに関係する問題は一つの問題点と、それからそれに対する私なりの提言を申し上げたいと思います。 今論議されております行政運営上の会合というのは、第八条による審議会とは異なりまして答申の取りまとめあるいはその遵守義務の履行には至らないけれども、しかし重要な意見を漏らさず聴取したいと思うような行政上の必要があって設けられたことも、今説明されたとおりでございますけれども、それには午前中も議論された謝金の問題が、公金が支払われているという、そういう問題もあります。その中で守秘義務は課せられていないということでありますし、私はこういう機関を最近の言葉で言うならばグレーゾーンの問題と私は命名をいたしました、私なりに。このグレーゾーンの問題は、現行の国家行政組織法では律し切れないのではないか、これはなかなか今日新しい問題でありません。この問題はもう十年以上論議されているわけでございまして、何らか審議してこれを解決しなければならないと私は思います、現実にこのグレーゾーンの問題。 そこで、私は一定の条件のもとで審議会に準ずべき機関の制度を設けるよう一応検討していただいたらどうだろうか。私はこれを提言をするわけなんです。私の提言を、この問題を審議するのに、いわゆる私的機関をおつくりにならなくてこれ検討してもらうようにお願いしたいと思うのですけれども、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほども総務庁から御答弁がありましたように、いろんな審議会のあり方についていろいろ御検討いただきました結果、八条の審議会についてもいろいろ整理をしていただいて、そうして今日に至っているところでございます。問題はやはり午前中からも御指摘をいただいておりますように、それぞれの審議会、それから私的な研究会や懇談会というものとの取り扱い、あるいはそこから出てきた意見をどういうふうに受けとめるかといったような態度の問題であって、その問題を何らかの形で法律上明らかにしておくということが果たして必要かどうかというふうに思うわけでございまして、むしろ運用の問題で十分注意をしていくべき事柄に属するのではないか、そんなふうに思いますので、今のところ何らかの形で法律上、政令上位置づけていくということは考えていない。むしろそのことの運用について十分留意してまいりたい、こういうふうにお答えを申し上げたいと思います。
○田代富士男君 じゃ今後検討してください。これ私はお願いをしておきます。 次の質問に移ります。 情報公開制度についてお尋ねをしたいと思いますけれども、最近、地方自治体の情報公開条例をめぐりまして相次いで司法判断が示されまして、御承知のとおりにこれまでの判断というのはいずれも住民側の勝訴となっておりますが、まずこのことについて総務長官の御所見をお聞きしたいと思います。 あわせて情報公開の最も基本的な視点というものは、御存じのとおりに国民の知る権利と民主主義にあると思いますが、あわせて長官の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 地方公共団体の情報公開条例の運用上の問題について、非公開の処分に係る部面について訴訟事例が発生していることは私は承知をいたしております。この制度化の問題でございますが、まだ緒についたばかりの段階にあると考えております。そして同時に、住民生活に密接な関係のある情報が多い、こうも考えられるわけでございますので、私は地方公共団体のこの問題についての動向は注目をしていかなければならない。現在、条例制定の済んでいる団体が二十ぐらいだと承知をいたしております。もう少し動向を注目したい。 国の場合でございますが、行政情報の公開につきましては、臨調から最終答申が出ております。そこでやはりより一層公正で民主的な行政運営を実現をして、行政に対する国民の信頼を確保をする、こういう観点から取り組んでいかなければならない。そこで制度化の問題についても学識経験者の協力を得まして、現在専門的な検討を進めておる段階でございます。 そこで問題は知る権利の問題でございますが、法律的な性格あるいは内容等についても、必ずしも具体的かつ明確にされているわけではありません。 しかし、いずれにせょ憲法二十一条に定めておる表現の自由、これと密接な関連のある問題でございますし、同時に民主政治の基盤をなすものである、こういうことでございますから、情報公開ということは、私は、重要なしかも尊重さるべきもの、かように考えておるわけでございます。 しかし、先ほどちょっと申しましたように、これはプライバシーの問題とも密接な関連のある問題でございますし、まだ内容が必ずしも明確にされていない、こういうことでございますから、今後私どもとしては、この問題については真剣に取り組んでいかなければならぬ重要な課題の一つである、こういう認識のもとに検討さしていただきたい、かように考えております。
○田代富士男君 この問題についてはまあ緒についたところであるけれども、重要な課題であるから、これをさらに検討し進めていきたいという長官の御決意でございますが、政府としてそういう前向きに取り組んでいただきたいわけなんですが、いずれにしても判決が住民勝訴という、つまりそういう結果が出ているわけでございますから、情報の公開に前向きの判断を示したと評価されるし、それだけ国としても制度の確立を急いでいくのは当然なことではないかと思うんです。まだ、しかし確立されていないということは遺憾なことでありますし、促進を要請するわけでございます。 そこで、この情報公開に近い制度といたしまして、現在各省庁が行っております文書閲覧窓口の利用状況についてお答えをいただきたいと思います。これは事務局の方からお答えください。
○政府委員(古橋源六郎君) 現在、各省庁は置かれております文書閲覧窓口について御説明申し上げたいと思います。 これは、昭和五十五年の五月二十七日の「情報提供に関する改善措置等について」という閣議了解に基づきまして、昭和五十五年十月に、本省庁に二十五窓口、昭和五十六年十月にブロック機関に二百二十四の窓口が設置されたものでございます。 現在、その利用状況でございますけれども、本省庁につきましては若干の減少を来しておりますけれども、ブロック機関等を含めました総件数で見ますと、全体といたしましては増加傾向にございます。昭和五十七年十月から昭和五十八年九月までの一年間の閲覧件数は、本省庁が約二千件、ブロック機関が約九千四百件、計一万一千四百件となっておりまして、開設当時の昭和五十五年十月から五十六年九月までの一年間の閲覧件数に比べまして約四倍に増加してきております。 それからまた、閲覧窓口につきましてもその内容が充実されてきておりまして、登載件数十四万五千件、昭和五十八年十二月現在で窓口に据えつけられております閲覧目録の登載件数でございますけれども、本省庁が約五万件、ブロック機関が約九万五千件の計十四万五千件となっておりまして、昭和五十五年十月開設当時の約六・五倍にその登載件数はふえておるわけでございます。 文書閲覧窓口の充実につきましては、各省庁はおいても大変努力をしているところでございまして、閲覧の申し入れがございますれば、可能な限りそれに応じておるという状態と聞いております。
○田代富士男君 今、御説明をいただきました数字と、私が事前に資料要求をいたしましていただきました数字とは幾分違いがあります。私がいただきました数字で申し上げますと、五十五年十月から五十七年三月まで一年半で四千四百十四件、それから五十七年四月から五十七年九月まで半年で千三百七十五件、五十七年十月から五十八年九月まで一年で約二千七件、これは質問するからということでそちらからいただいた数字でございます。 今言った期間を平均しますと、五十五年十月から五十七年三月まで、年平均約三千件、五十七年四月から五十七年九月まで、これを年に換算しますと約二千七百五十件、五十七年十月から五十八年九月まで一年、年平均約二千件。このようにしてきますと、今の御答弁は、ふえておりますと言うけれども、私がいただいた数字では、減ってますと、これはいかなことでしょうか。どちらの数字が本当であるのか、私の事前にもらった数字では減少傾向が見えている、この点はどうでしょうか。
○政府委員(古橋源六郎君) 今、先生がおっしゃいましたその数字は、本省に置かれました窓口の件数だと思います。先ほど申し上げましたように本省の窓口の分につきましては若干減少してきております。しかし、その後、ブロック機関につきまして二百二十四窓口というものが設置されておりまして、それ以降、その両者を加えました申し込み件数というものはふえておる、こういうことを申し上げた次第でございます。 なお、月数のとり方について若干の違いがございますけれども、これにつきましては後ほど個別に御説明申し上げたいと思います。
○田代富士男君 いずれにしても、総務長官、私のいただいた資料では本省においてはこういう数字で減少の傾向を来している、こういう傾向なんですけれども、これに対して長官、どんなお考えでしょうか。
○政府委員(古橋源六郎君) 各住民の方々が文書閲覧で来られる需要というもの、この需要に応じて文書につきまして要求があるわけでございまして、その需要というものが本省の段階におけるものが、住民の方々が、国民の方々が要請しておられるものについてそれだけの需要がなかったというふうに私どもはとらえざるを得ないわけでございまして、現実に、本省だけでございますと、そこに来られる方々の地域というものは限られておりますから、それ以外の各地方で文書閲覧窓口が開かれたわけでございます。そういたしますと、各国民の方々は、地域で文書閲覧窓口が開かれましたから、そこの手元の近いところの閲覧でその需要を済まされた、こういうことでないかと私どもは理解いたしております。
○国務大臣(後藤田正晴君) やはり住民の方々からいろいろな資料要求その他がある、これは中央省庁で数が減ったからといって全体が減っておると理解するのは私はおかしいんじゃないかと思う。どうしても住民の方というのは直接第一線の行政に非常な関心を持ち、いろんな資料要求があるのは当たり前でございますから、そういった関係のものは私はふえてきておるんではないかなと、具体的数字は知りませんけれども。それにやはり役所としては十分な私は対応をすべきものである、かように考えます。
○田代富士男君 地方において今ふえたと言いますけれども、今までは本庁へ来ていた人たちが地方でやったと言うけれども、全体の数字としては、これはまだ誇るべき数字じゃないんですよ。だから、一貫して言うならば、まだ国の情報公開制度というものは実施に至ってないわけなんですから、まあこれはこれだけふえましたよというような誇れるような数字じゃないんです。どうしてこれが臨調の答申にも示されておりますとおりに、これを実施しなければならない——なかなかそれが実現ができないネックというものは何なのか。また、これはさっきからも総務長官が、他の省庁との調整というものは非常に苦労されておりますけれども、各行政機関を統一した情報公開基準がつくられないという最大の原因というものはどういうところにあるのか、ここらあたりお答えいただけませんでしょうか。
○政府委員(古橋源六郎君) 情報公開というものは、先ほど長官からもお話がありましたように、国民が行政につきまして知る権利ということで今後とも私どもとして対応していかなければならない大切な課題だと思っております。しかしながら、その制度というものは今まで我が国において全く新しい分野でございまして、臨調答申におきましても我が国における情報の取り扱いやこれに関する論議の動向であるとか、あるいは広範多岐にわたる関連諸制度との関連であるとか、制度の実効性や費用対効果の問題、制度実施に伴うデメリットというものが検討すべき事項となっているわけでございます。現にこれを、情報公開というものをやりますと、アメリカの場合におきまして調査がございますけれども、人員であるとか予算というものが大変な、当初予定したものよりふえてまいりますし、それも必要ならばつける必要がございますけれども、ある場合においては民間の方々よりも特定の企業だけが非常に使うこととか、その請求が乱用されるとか、あるいは企業機密が逆に漏れる、あるいは個人のデータ保護がうまくいかないというようないろんな問題がございます。こういうような問題を、私どもは情報公開の問題につきましては情報公開法というものを制定する場面においては勉強をしていかなければいけない。ただし、文書閲覧窓口、政府の側から積極的に御提供申し上げるという基準につきましては、各省庁におきまして文書課長等を中心といたします会議がございまして、公開基準等についても現在検討中でございますので、そういうものについてはできるものはどんどん出していくという姿勢をとるべきであるというふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 私の持ち時間がもう参ってしまったのでございますが、今私は国の情報公開制度が実施されないネック、あるいはそういう最大の原因は何かと言ったのは、私なりに考えますとこれは最大の原因は政府にこの情報公開を制度化する熱意がないのではないか、長官、そう思うんですよ。だから、私はこの熱意の問題ということをまず長官に申し上げたいと思います。 それで最後の質問ですけれども、そこで関連いたしまして、報道によりますと、総務庁はデータプライバシー保護法の制定を急ぐ方針を固められまして研究会を発足させて検討することになったと言われておりますけれども、真相はどうであるのか、また作業はどこまで進んだのか、今後の見通しについて今の熱意の問題とあわせてお答えいただきたいと思います。 それから、きょう私質問する予定でオンブズマン制度の問題、それから行政相談員制度の問題、それから行政機関等の窓口サービスに関するアンケート調査についての質問等、質問通告を出しておきまして、関係者の皆さんに、時間がございませんで、準備をしていただきましたことに対してまことに申しわけございませんですが、この三点の質問は省略させていただきますが、今言った二つの点について最後に長官からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) やはり民主主義がだんだん成熟をしてくれば、当然のことながら私は国民の側から役所に対して情報の公開を求めていくといったような傾向がだんだんふえてくるんではないかと、こう思っております。第二臨調もそういう点を考慮いたしまして、政府としてもこの問題には十分ひとつ取り組んでいくようにと、こういう御答申もいただいておりますから、先ほど来申し上げましたように、知る権利そのものについては憲法上尊重しなければなりませんけれども、まだ判例の積み重ねであるとかあるいは手続上の問題であるとかいろいろございまして、私は未成熟の権利である、かように考えておりますけれども、しかし行政に対する信頼を確保するという観点からは、この問題は政府としては真剣に取り組んでいかなければならぬ、かような考え方で将来取り組んでまいりたい、かように考えるわけでございます。 同時にまた、その裏となるプライバシーの問題、これはまた極めて重要な問題でございますから、これは先般来古橋君にヨーロッパにも行ってもらいまして外国の制度も調査をさせましたし、同時にまた私どもの方で各界の方々から意見も聞き検討を進めている段階でございますから、この問題は両々相まって政府として取り組んでいかなければならぬ、かように考えておりまするので、御理解を賜りたいと思います。
○佐藤昭夫君 まず、私はいわゆる危機管理問題について質問をいたします。 総務庁長官は、昨年の五月の七日でしたか、当時行管庁の長官をなさっている時期でありますが、行革審に対して危機管理問題の検討を要請されました。その趣旨、目的、簡単にまず御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(後藤田正晴君) 昨年の五月七日に行革審に参りまして、私は幾つかの検討課題をお願いをいたしました。その中の一つに、私は別段危機管理なんという言葉は使ったことはありません。あれは俗語でございます。私の言葉ではありません。ただ問題は、私がなぜお願いしたかというと、今日これだけ中央の省庁が分立をしてそれぞれの所管事務を非常に熱心におやりになる、熱心におやりになればなるほど割拠の弊害というものが出てくるんです。そうすると政府全体としての意思決定をする場合、もちろんこれは閣議でございますけれども、閣議に至る前の段階でやはり私は関係省庁が内外の緊急事態に対処した場合にお互いの連絡調整をよくして、政府全体として意思決定をするその前段階の調整をきちんとやらないと私は間違うおそれがあるのではないかと、こういうことでせっかく第二臨調でこれは御勉強をせられた課題なんですよ。ところが、問題が大変難しいということで、国土庁に防災局をつくりなさいということだけにとまっておるわけでございますから、これでは不十分ではありませんか、せっかく御勉強なさってくださったんならば、これは行革審は第二臨調で検討をせられたこと以外のことを推進する役割はありませんけれども、第二臨調で検討した項目であるならば当然もう少し幅広く、そして掘り下げた御意見をちょうだいしたいと、こういうことで私申し上げたわけでございます。
○佐藤昭夫君 そこで、昨年の五月の十日の参議院の内閣委員会で我が党の内藤議員の質問に対して、後藤田長官は有事立法とは結びつくものではないと、こういうふうに答弁をなさっていますが、これは今でも変わりのない見解でしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、日本の国柄を考えた場合に何よりも肝心なのは、これは世界の平和でございますし、それから日本の国を有事に追い込む——有事の意味もありますよ、有事がどういうことかという意味合いもありますけれども、通常の観念でこれは戦争であるといったような理解であるとするならば、私はそんなことを日本としては考えることはできないと、これは。したがって、そういう意味合いならばいわゆる有事にしないように、政府の対処の方針一つ間違えたらばえらいことになるおそれがありはせぬか、そういうことにならぬようなひとつ政府の仕組みというものをここでいま一度お考え願いたいと、こういう意味で私は申し上げているわけでございます。
○佐藤昭夫君 官房長官にお尋ねをしますが、一方、内閣官房危機管理等特命事項担当室というのが昨年度ございました。この担当室が昨年の十月の三十一日付で当時の中西国務大臣に提出をしておられます「危機管理の現状と対策」という報告書、この中では「今回の調査研究は、あくまで非軍事的突発的危機を念頭に体制等の検討を行った。」と、こうなっておりますが、この立場は特命担当室限りの方針なのか、それとも政府として今後とも危機管理問題を調査研究をする際の方針なのか、官房長官のお答えを求めます。
○政府委員(吉居時哉君) お答え申し上げます。 ただいまお話がありましたように、昨年七月に中西前大臣が総理から特命を受けられました項目の中に危機管理の研究ということもあったわけでございますが、これは大地震、ハイジャックなどの非軍事的な突発的な大事件が発生した場合に、一体政府がどのような措置をとるべきかといったようなことを対象として研究したものでございまして、いわゆる有事法制といったものは含まれておりませんし、実際にもそのようなことを検討はいたしませんでした。 この危機管理の問題と申しますのは、これは俗称ではありますけれども、従来からその態様に応じまして関係各省で勉強ないしは研究を行ってきているところでございますし、また、現在、中西大臣が去年の十月末におかわりになりまして、それに伴いまして担当室も解散をしてしまっているわけでございますけれども、いわゆるこのような危機管理の問題というものは引き続き関係各省で研究をしておるところだと思います。いずれにしましても、当面は今申しましたような突発的な大事件が起こった場合にどうするかといったようなことを中心に各省において研究、勉強をしておられると、かよう考えております。
○佐藤昭夫君 ちょっと、私は今の答弁を注意深く聞いておったのですけれども、当面はという言葉がありました。だからあえてもう一遍大臣にお尋ねをいたします。 さっき引用いたしました報告書、これは「あくまで」ということです、「非軍事的突発的危機を念頭に体制等の検討を行った。」と、こういうふうに報告に記述をされておるわけでありますから、この立場は内閣として、政府として今後も貫いていく方針だと、いやそうじゃない、当面だけですよと、こういうことなのかどうか、官房長官のお答えを求めます。
○国務大臣(藤波孝生君) 今吉居室長から御答弁を申し上げましたように、例えば大地震であるとかあるいはハイジャックの事件であるとかという、いろいろなそういう非軍事的なことで突発的に大きな事件が起こるということが十分今までもありましたし、また想定し得ることでございます。それらを中心にいたしまして、いろいろなその対応につきまして各省庁でも検討をしてきておるところでございますけれども、そういった側面を中心にいたしまして従来も検討してきておるわけでございますし、これからもその方針を貫いて検討していきたい、こう考えておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 ところで、今挙げました報告書です、この報告書の中にも出てくるわけでありますけれども、軍事的危機と非軍事的危機の厳密な枠設定はできないと、そんなきちっとした線引きなんていうものはできるものじゃないというふうにこの報告書の中にも書いてありますね。そうして紛れもなく、軍事的危機管理対策、これについてはいわゆる有事立法問題ということで防衛庁を中心に鋭意検討されておる。だからしたがって全体として危機管理の問題には有事立法も含まれると、こういうふうに国民が危険視をするのはこれは当然じゃないでしょうか。両大臣、どちらでもいい、お答えください。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は先ほど申し上げましたように、有事にしないように緊急事態にどう対処するのか、そこの国の態勢をきちんとする必要があるということを申し上げておるんです。ただ、その有事とかそれから危機管理ですか、これは言葉自身が概念が必ずしも明確ではないように思いますね。しかし、私が言っているこの内外の緊急な事態に国全体としてどう対処するかということの中には軍事の態勢は入ってはおりません。そうしないためにどうするんだと。今のままでは一つ判断を間違えた場合にその危険性なしとしないと私は考えているんです。それではぐあいが悪いよと、こういう意味合いで、私はどうしても今のままの態勢ではまことに政府全体が脆弱だと。私はこういうことを申し上げたのは、実は例の大韓航空機の事件があったわけです。この内容は今訴訟等がありますから申しませんけれども、これは大変なやはり苦労をしたわけですよ。こういう態勢ではぐあいが悪いと、これは。これを何とか日本としてうまく解決するためにはもう少し関係各省が緊密な平素からの連絡も要るだろうし、ああいった事態が起きたときにも即刻これに対応できるような態勢が必要であるということを私は痛切に感じたがゆえに、こういう問題を提起したわけでございます。
○佐藤昭夫君 後藤田長官しきりに力説をされますけれども、この場では力説されますけれども、少しごまかしようのない証拠をちょっと私は挙げてみたい。昨年の五月の九日、その行革審に検討を依頼をされたその直後ですね、自民党の都道府県議中央研修会の席上で、行革審に対して危機管理問題の検討を要請をした理由に触れて次のように話をされている。「私は大韓航空機事件にかかわったが、あのような事件があす起こるかもしれない。マグニチュード八の大地震が東京で発生し、中央の機能が麻痺した場合どう対応するか考えていない。朝鮮半島がおかしくなったり、中東で戦争が起きたときはどうするか」などと仮定の具体例を挙げながら、国際的大事件や大災害に対する政府の取り組み方を今から考えておく必要があるということを強調したと、こうなっている。 この今引用をしました朝鮮半島がおかしくなったり中東で戦争が起きたときにどうするかと、こういうことを行革審に検討を依頼した理由に挙げるというこのことは、これはどう見ても軍事的危機を想定をしたものじゃないかというふうに受け取るんじゃないでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) それはおかしいんじゃないですか。中東で戦が起きればどうして日本がそれに戦をしなきゃならないんですか。そういうことにならないように、しかしながら、中東で戦があれば日本の一体エネルギーはどうなるんだということでしょう。この日本のエネルギーの確保という問題はまさに日本の国民生活に関係するんです。戦じゃありません、これは。そういうような意味合いでの対応を間違わないようにするために、ここで一つ判断を間違えたらえらいことになるおそれがあるわけですから、私はあくまでもその際に日本の平和を守り、日本の国民の生活をどう守っていくんだと、その基本に立って判断を間違えないようにする国の仕組みを真剣にお互いに考えてもらいたいと、こう私は申し上げているんです。
○佐藤昭夫君 長官、そのように繰り返されようとも、だから私は冒頭にお尋ねをした。この危機管理問題の調査研究というのは有事立法と結びついているんじゃないかということを去年の段階からお尋ねをし、きょうもお尋ねをしたところ、そういうものとは関係ありませんというふうに言われても、あなたが自民党の研修会の席上でこういうことをおっしゃっている。朝鮮半島がおかしくなった、中東地域で戦争が起こったというのは、明らかに有事を想定をして、それに対してどういうふうに対処、対応をしていくかということについての検討をやっていくということを、この危機管理問題の理由の一つに挙げているというふうに言わざるを得ないじゃないか。有事立法と関係がないとおっしゃたってそれはそのままでは承知ができませんよ、納得できませんよということなんですよ。まあ話を進めましょう。 ところで、官房長官、さっきから言っておりますこの中西国務大臣に対する特命担当室の報告書ですけれども、私はきょうの審議にも当たりまして国政調査のための資料として内閣に再三提出を求めてきました。ところが、当局はかたくなにこの提出を拒否をするわけです。一体その理由は何なんでしょうか。これを大臣に提出をしたというその直後、新聞記者に対しては説明をやっているんですね。にもかかわらず、なぜこれを資料として出せないのか。公的機関が公に一定の期間プロジェクトを組んで研究をやってきた、その報告書でしょう。なぜ一体これを拒否をするのですか。
○政府委員(吉居時哉君) 先ほど来佐藤先生から報告書についてのお話があるわけでございますけれども、これは中西前大臣が交代されます際、したがってまた危機管理を担当しておりました特命事項の担当室も解散する、そういうときに、それまで四カ月間にいろいろ議論もし検討もした事実につきまして、それが散逸しないようにということで整理をいたしまして事務の参考としてまとめた、そういう性質のものでございます。したがいまして、担当室から所管される大臣に対して、この四カ月間にこのような問題があったということを御報告したような、そういう性質のものでございまして、あくまでも執務参考資料というようなものでございます。したがいまして、関係各省庁との間ですり合わせをし調整をしたといったようなものではございませんし、もともとそれを公表し提出する、こういうふうな性質のものではないようなものでありますから、従来からそのようなお答えをしているわけでございます。
○佐藤昭夫君 新聞記者にもその要旨を説明をしておるような文書が、なぜこの国会審議用の文書として提出を隠さなくちゃいかぬのか。その点については結局あなたの説明は担当室が解散をしたからと。行政組織には組織の改廃というものはつきものでしょう。いろいろ起こるでしょう、絶えず。しかし、とにかく改廃をした組織の公文書はこれはもう全部非公開だと、外には見せないよと、こんなことまさか内閣の一般方針じゃありませんね、官房長官。
○国務大臣(藤波孝生君) 一般方針ではありません。今室長から申し上げましたように、中西国務大臣は危機管理の問題につきましては個人的にも非常に熱心で、前から懇談会を設けて研究、勉強をしてきておられる。中西大臣に対しまして特命事項として危機管理の問題の御検討をお願いをしてきたところでございますけれども、当時、それらの個人的な懇談会としての意見がまとまったのでということで新聞発表をなさったり、あるいは総理のところに持ってこられたという経緯はございますけれども、今室長がお話し申し上げましたように、それを各省庁ですり合わせて公の立場で文書をまとめたということになっておらず、中西国務大臣の個人的な懇談会のお取りまとめになられた資料だと、こういうふうに伺っているところでございます。したがいまして、政府としてその文書につきまして責任を持って国会に提出をするということにするのはいかがなものか、こういうふうに考えまして、そのような取り扱いにさせていただいたと聞いておりますので、そのように御理解をいただきたい、こう考える次第でございます。
○佐藤昭夫君 とにかく、廃止になった組織の報告書というものはすべて非公開にするということが別に一般方針じゃない。ただ、これについてはほかとのすり合わせもできていないからと。それはそうでしょう。この特命大臣のもとでの特命担当室が自分のところの大臣に出した報告書ですから、よそとすり合わせて一緒につくったものじゃないということはそもそもはっきりしている。とにかくそういう理由にならない理由でこの報告書だけは公表、提出を拒否する。私はここにこそ危機管理問題の危険性が端的にあらわれていると思う。新聞記者に説明をしたものでも国会審議用の資料として出せない。全く不当な態度と危険性のあらわれであって、承知ができません。そこまで言われるんだったら私はあわせて確認を求めたいんですが、この報告書をそういうことで国会審議用の資料として出さないということは、これは今後も政府のこの危機管理問題検討に関してのこの文書は無縁の文書である、もうこれはお蔵入り、無縁の文書であると、こういうふうに理解してもいいんですか、官房長官。
○国務大臣(藤波孝生君) 今申し上げましたように、中西国務大臣がこの危機管理に非常に御熱心で、中西大臣の個人の懐から経費も使って懇談会を、勉強会をやっておられるということは前々から聞いておりまして、そういった懇談会のまとめのものとしてこの報告書が出たと、こういうふうに聞いておりまして、政府はいろいろな問題を検討いたしますときに、これはもうまじめに申し上げているんですけれども、いろんな問題を検討するときにいろいろな資料を集めてまいりまして、それらを十分参考にして政府の施策の誤りなきを期していかなきゃいかぬというふうに考えておりますから、この報告書が全く無縁なものであるかどうかということにつきましては、それを資料としてどのように勉強するかというものの立場によって異なるかと思うんでありまして、全く無縁だと申し上げることはいかがかと、こういうふうに私は思いますけれども、しかし、公的に政府の中でいろいろすり合わせをして、そして政府の考え方としてまとめた懇談会の報告書であるというふうには考えておりませんということを申し上げておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 官房長官としてそのとおりでしょう。この文書がこれからの危機管理問題検討と無縁の文書だというようなことは口が裂けても言えないはずですわ。しかし、にもかかわらずこの文書に限って、とにかく組織が、担当室がなくなってしまったところの報告書というのはこれは出せないと、これに限っては、こんな論法がまかり通ることは許されないと思うんですよ。 私は委員長にお願いをしたいと思います。恐らくこの問題は、この再開国会でも一つの重要な論点として、この危機管理問題議論になるでしょう。そのときの一つのたたき台になるわけです、政府が何を考えておるかという。しかし、これは国会審議用の資料としては出しませんというような、そんな態度は許されないということで、この扱いについては委員長の方でしかくお計らいをいただきたいと思います。
○委員長(佐藤三吾君) 後刻、理事会で協議いたします。
○佐藤昭夫君 かつて臨調は総合安全保障などとしてこの危機管理研究に一たん乗り出して、しかし、いろいろこの臨調の権限を越えているんじゃないかということでマスコミの批判もあるということで、その結果、八二年七月三十日の基本答申からは少なくとも危機管理という表現は消えたのであります。こうしたこの動き、これは臨調自身のその問題点を示しますと同時に、しかし、こういうところへ向けてくるのは政府自体が危機管理研究を臨調に執拗に仕向けてきたと、じゃないかというふうに私は思うんです。この証拠がありますけれども、この八一年の十一月二十七日に外務省がつくったと言われておりますけれども、臨調事務局が臨調に提出をした資料、この中に総合安全保障の一環として、「危機管理体制の整備のための各種施策」と、こういうペーパーを事務局から提出をしておりますね、事実でしょう。——答弁者いないの、臨調事務局。
○説明員(山本貞雄君) 私は行革審事務局でございますので、直佐お答えになるかどうかは必ずしも存じませんが、ただいまの先生の御指摘につきましては、たしか臨調におきまして総合安全保障問題というものが第二部会で審議の対象になりまして、そのときにいわゆるただいま言われるところの種々の突発的な事態への対応体制の問題というものも議論になったと承知しておりますが、その際いろいろ議論がございまして、先生が先ほどから御指摘のようないわゆる有事立法のような問題はその中には含まれないというふうな結論であったと承知いたしております。
○佐藤昭夫君 政府が臨調事務局を使って、そういうふうにしむけてきたと。しかし、国民の批判もあったから臨調も答申には書き込むことができなかった。こういうことでこの臨調が断念せざるを得なかったにもかかわらず、なお政府としてはこの危機管理問題に固執をして、今度は行革審にやらせようと、こういうことでやっておるじゃないかというふうに私としては言わざるを得ないわけでありまして、ひとつこういった政府の姿勢については撤回をしてもらいたいということを強く求めておきます。 ところで、この中西担当大臣の私的諮問機関でありました危機管理問題懇談会ですね、この懇談会が昨年の十一月の二十日付で提出をしました経過報告書、これが大変な内容であるということは、これも多くの新聞が報道をしたところでありますから官房長官もよく御存じのことと思います。ところで、この経過報告書なるものに盛られておる内容、これについて重大なことには、中曽根首相がもうもろ手を上げて称賛をしておるということで、例えばこういう研究は前人未到のものだと、自分の気がつかなかったところやおもしろい発想もたくさんある、特に偵察衛星の打ち上げ、内閣調査室の強化についてやった方がいいという、その上で首相はこのままではもったいないから党の安保調査会に委員会を設置して、中西さんが委員長になり検討を進めてほしいということで褒めちぎったというわけですね。この報告書の内容は、危機管理どころか危機の期待あるいは危機呼び込み、そうとも言うべき本当に危険な内容でありまして、総理は党で検討すると言っておりますが、その問題はここの場での論議はさておくとしましても政府としてこの経過報告に盛られておる内容ですね、政府としてこの報告を公式に取り上げるということはこれはまさかないでしょうね。官房長官どうですか。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほど来、御質問に対していろいろ政府側からお答えをいたしておりますように、いろいろな危機を想定をして、それにどう対応するか。しかも、それはあくまでも日本の平和を維持し、しかも安定をした国民生活を進めていくことができるようにどう対応したらいいか。特にいろんな事態が起こりますときには、政府がばらばらの対応ではいかぬということにつきまして、いろんなことを想定をし、検討をし、しかもその場合にはどう対応するかということについては政府内で十分連携ができるような構えをつくっておくというのは、先ほど来申し上げておりますように、ハイジャック事件であるとか大地震のときとかということは十分必要なことでございまして、そういったことをいろいろ検討していかなければならぬというふうには考えておるわけでございます。中西大臣がいろいろ御検討、お考えをいただきましたことに対しまして、総理がどのように対応したかという話は別といたしまして、いろいろな場面でいろいろな立場でいろいろ検討していくということは大事かと思うのでございますが、今お話がございましたように、むしろそのことによって危機を招くのではないかといったようなそういうような感じで受け取られかねないいろんな意見も中にはあるわけであります。公的に政府がいろんな問題にどう対応するかということにつきましては、先ほど来申し上げてきておりますように、おのずから非軍事的な面で、そしていろんな場合にどういうふうな対応をしたらいいかということを深刻に考えて検討していくという立場からの問題に限られる、こういうふうに考えておりまして、そのことを御理解を得たいと思います。
○佐藤昭夫君 ですから私は端的に聞いているんですよ。二つ報告が出ていますね。十月付で出ました「危機管理の現状と対策」、きょうの前段で挙げておった。それから十一月の二十日付で私的懇談会でのそれのまとめとしての「危機管理問題懇談会経過報告」というのが出ている。ここがとんでもない内容が多々盛られておるというので、これを政府としてこの報告をまともに取り上げる、こういうことはまさかないでしょうねということを聞いている。その点だけ答えてください。
○国務大臣(藤波孝生君) 先ほどの総理の発言ということで御引用になりました部分にも、党の方で検討を願うのがいいという総理の話があったということを今私も初めて聞きましたが、そういうふうなことはあり得るだろうと思います。また政府の中で危機管理をいろいろ検討してまいります中で、いろいろな方の書いたいろいろな考え方を資料としてよく検討する材料に使うということはあり得るだろうと思います。したがって全然これはもう今後いろいろな問題を考える場合に無関係のものだというふうには考えないで、いろいろな資料にすべきものだろうというふうには思いますけれども、公的にこれを受けて政府としてそれでは今後どのように対応していくかということについて、前向きにいろいろその報告書に盛られた内容を具体化していくということについては、なおそういうふうに真正面から取り組んでいくということではないということを今お答えを申し上げておきたいと思います。
○佐藤昭夫君 この機会に、同僚委員からもいろいろありましたが、私もいわゆる私的諮問機関をめぐる問題について一、二角度を変えて問題を指摘をしておきたいと思いますけれども、応答の中で明らかになりましたような法令に基づくいわゆる公的諮問機関、それからそれ以外の大臣ないしは局長のもとにおける私的諮問機関、こういうものがそれぞれあるということでありまして、その数がどれくらいあるかということで、特に局長のもとに置かれておるものも含めてどれくらいあるのかという、ここはきょうの段階では責任を持った答弁がなされていないという点で、この点は一遍官房で掌握をして、国会に対しても必要な場合資料として提出をする、こういう方向に進んでいるわけでありますけれども、これは十月二十二日のある大新聞でありますけれども、朝日新聞ですけれども、この朝日新聞に調査に基づく結果というのが出ていまして、経済関係での大臣ないし局長のもとでの経済関係の諮問機関の数、大臣のもとに十七、局長のもとに六十五、合わせて八十二経済関係の私的諮問機関があるというわけですね。そうしますと、閣僚関係の私的諮問機関トータルで四十五あるというのですから、そうしますと、大体その四倍局長のもとに平均してあるということなんですよ。そうすると、二百を超える私的諮問機関がやっぱりある。公的諮問機関もさっきの話で二百十四ですか、だからこれだけ膨大な公的私的諮問機関がある。これが全部といっていい国費が支出をされておるわけでしょう。これのための手当、必要な諸経費、旅費、こういうもの がある。ですからその額たるや膨大なものになるということで、本当にこの問題は実態を明らかにして、メスを入れるべき点にはメスを入れる、こういうことでやってもらう必要があろうと思うんでありますけれども、この点にかかわって随分複合というか、屋上屋というか、いろんな意図、目的があってつくられておるんだと思うんですけれども、そういう状況が複合あるいは競合、こうした姿が出ているんじゃないか。例えば公的機関としての郵政審、これは郵政大臣のもとにある。総理の私的諮問機関として郵貯懇、あの例のマル優問題に絡んでの、こういうもの、あるいは経済企画庁には公的諮問機関として経済審、経企庁長官のもとに私的機関として経済研、そして総理のもとに私的諮問機関としてこれも経済研、同じようなことを公的、私的、そして総理のもとに、大臣のもとにと、こういうことがやられておって、それにそれぞれの手当、公費が出されておる。しかもこれはマスコミも報道をしましたけれども、どうもこういう姿というのは自民党総裁選挙に向けて、それぞれの自分の政策ブレーンをつくるために大臣のもとにこうした私的諮問機関を乱造をしているというふうにマスコミも批判をしているわけですね。ですから、ひとつこれを機会に数をしっかり掌握をするということとあわせて、本当に今まで、この点は後藤田さんもひとつ真剣に行管庁長官としても再三こういうことになってはならぬということの戒めをしてきたんでありますから、これを機会に一遍内閣として現状がどうか、本当に国民の批判を受けるような姿になってないのか、こういった点をきちっとメスを入れるということを含めて、国会に対しての資料提出をしてもらう必要があるということを重ねて私希望をしておきたいと思いますけれども、官房長官どうでしょうか。
○国務大臣(藤波孝生君) 政府が施策を決定をいたしてまいります場合に、あるいは各省大臣、局長、いろんなクラスでいろいろ行政の運用をいたしてまいります際に、いろんな方々の、有識者の意見を聞くということは非常に大事なことであるというふうに思います。そのことはいわゆる政策の方向づけというようなことをいろいろ具体的にお知恵をいただくということと同時に、絶えず行政が謙虚に各方面の御意見に十分耳を傾けながら進んでいくという行政のあるべき姿から考えましても、そのことは私は間違っているとは思わないというふうに思うわけでございまして、むしろ国会の御論議などを十分傾聴させていただきながら進むことは当然でございますけれども、同時に個個のテーマについて、具体的な施策についていろんな意見を聞きながら進むということは大事だと、こういうふうに考えているところでございます。問題はそのことが今御指摘がございましたように屋上屋が重なっているというようなことではないのか、あるいはただ政治家が政治を実際に動かしていく場合にいろんなブレーンというものを集めて、それを公という立場でうまく利用しておるのではないかといったような今いろんな御指摘がございましたけれども、いろいろ注意をしなければならぬ点はあるかと思いますが、そのこと自体が悪いことではない。私は先ほどいろいろ実態をつかんでみます、そしてしかるべき機会にしかるべき方法で国会に御報告を申し上げますということを申し上げましたけれども、そのときにも少し頭をよぎりましたのは、むしろそのことによってこのやり方が悪いというふうに各省庁で萎縮をするのではないだろうかということを実は心配をいたしましたので、少し委員長の御催促にもかかわらず返事がおくれたのですが、それでもやっぱりこういうものの実態を知らないというのはおかしいことですし、政府は内閣官房で当然掌握をしていなければならぬことだというふうに思いますので、そのような運びにすることをお答えを申し上げたところでございます。したがいまして、これを掌握してメスを入れるというような御表現の御発言に対しましては、果たしてメスを入れなきゃならぬかどうかというようなこともいろいろ掌握してみて、また検討してみたい、こういうふうに思いますが、いずれにいたしましても実態をよくつかみまして適切に政府としてこれは対処するようにいたしたい、こう考える次第でございます。
○佐藤昭夫君 別の問題を指摘をしますと、これらの諮問機関のあり方の問題として、公的諮問機関には国家公務員法なり各設置法に基づいての守秘義務が課せられるわけでしょう。私的諮問機関にはそれはない。こういった姿というのがそこに矛盾がないのか、こういった問題もありましょう。この点はもう時間がありませんので答弁は求めません。 それからさらに兼職禁止、あの例の瀬島龍三さんです。一体幾つこういう諮問機関の委員をやっておるかといいますと、行革審の小委員長二つでしょう。それからこの間新しくできました臨教審、それから前からの観光審、これらが公的機関のメンバー、それに総理の私的諮問機関のうち平和研、文化と教育に関する懇談会メンバー、ほかの方からもありましたように中曽根好みの者を極力集めるという、こういう批判が出てくるのは当然なんですよ。 ところで、行管庁がかつて出してきたあの中に兼職の限度は公的なものは四つだということにしておるでしょう。私的なものは何ぼでもいいという、こうなっておる。この点については一遍全貌を掌握するに当たって私的諮問機関の兼職数の禁止制限、これについては一遍検討してみる必要があるんじゃないですか、後藤田さん。
○国務大臣(後藤田正晴君) 公的なのは大体四つでしたか、ということに運用上やっておりますけれども、私的な方についてそこまで制限するのがいいのかどうか、できるだけ幅広い人材といいますか、見識の高い人を各方面から漏れなくお願いするということが適当ですから、おのずから一人については制限があろうかと思います。しかし、立派な人はどこへ出ていってもいいんじゃないかという気も私はしておりますから、それほど余り私的諮問機関に、この人はあそこも入りここも入るのはけしからぬというほどのことではないのではないかと、私はさように考えておるわけでございます。私も瀬島さんとは大変懇意にしておりますが、これほど見識の高い立派な人はございません。だからできるだけ広く、私は広い問題についてあの人の意見を聞きたいと、かように考えております。
○佐藤昭夫君 とにかく有能だと言ったって何もかも、教育の問題から経済の問題から何の問題からすべて有能だという、そんなような人があるはずがないというふうに私は思う。 そこで、いろいろほかの方からもあったんですけれども、私的諮問機関の果たしておる役割というのがこの国会の議論を無視、じゅうりんをして、例の一%問題といい教育改革の問題といい靖国懇の問題といい、そういう形で国会の議論を無視、じゅうりんをして、とにかく政府の一方的判断で施策を反動的方向にどんどん進めていく、こういうやり方にほかならないということで、私はこういうやり方そのものを改めてもらいたいということを最後に強調をしておきます。幾つか問題を提起しましたけれども、本当に真剣に検討していただきたいと思うんです。 そこで次の問題でありますが、沖縄開発庁長官もおいでをいただいておりますので沖縄問題に移りますが、その初めに先日、一月の十六日の未明、沖縄でアメリカの海兵隊隊員によって前泊さんという沖縄の一県民が刺殺をされるという事件が起こりまして大変なことになっています。十九日には地元の町議会の抗議決議が行われ、きのう二十日には抗議の町民大会、町民約二割が総結集をしたという大変なことになっているんでありますが、警察庁、事件の内容、ごく要点を御説明ください。
○説明員(笠井聡夫君) お尋ねの事件につきましては被害者の妻が去る十六日帰宅いたしまして、夫が背中を刺され死亡しているのを発見し、警察に通報がございまして事件を認知したものでございまして、沖縄県警察では直ちに捜査本部を開設いたしまして、捜査の結果被疑者を特定いたしたものであります。県警では十七日以降被疑者に対する逮捕状の発付を得、米軍に対しましても身柄引き渡しを要請いたしましたが、地位協定の定めによりまして目下米軍当局の協力を得ながら被疑者の取り調べを実施しておるという状況にございます。今後とも被疑者の取り調べを徹底いたしまして傍証固め等の捜査を遂げ、早急に事件を送致いたしたいと考えております。
○佐藤昭夫君 外務省にお尋ねをしますけれども、この事件について外務省としては米軍に抗議しましたか。
○説明員(沼田貞昭君) お答えいたします。 事件の概要につきましては、今警察庁の方から御答弁があったとおりと聞いておりますけれども、本件につきまして、現地におきまして現地の防衛施設庁の関係者から米軍に対しまして、今捜査中のことでございますけれども、もし報道されているようなことが事実であるとすれば、米軍の兵士の綱紀粛正という面で米側において十分それをさらに徹底する必要があるという旨の申し入れを行っております。 それから私ども外務省といたしましても、日米合同委員会のチャネルを通じまして米側の日米合同委員会事務局に対しまして綱紀粛正の徹底方の申し入れを行っております。
○佐藤昭夫君 最初の質問で、警察庁の方としてはこの犯人の身柄引き渡し、これを要望していると、こういうふうにお話しであったかと思いますけれども、外務省の方としてそういう徹底した捜査を行っていく保証としての犯人の引き渡し、これを外交ルートとして持ち込んでますか。
○説明員(沼田貞昭君) 今回の事案は、日米地位協定のもとで申し上げれば、裁判権は日本側と米側との間で競合しているものでございますが、日米地位協定十七条三項のもとで日本側が第一次裁判権を有するものでございます。 今お尋ねのございました身柄の件につきましては、今申し上げましたように、日本側が第一次裁判権を持っているような事件につきましては、米軍当局がその当該の米軍人等を逮捕したときには直ちに日本側当局に通告するということになっておりまして、そのような通告は行われたと理解しております。さらに日本側が裁判権を行使すべきアメリカの軍人ないしは軍属たる被疑者の拘禁につきましては、「その者の身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き行なうものとする。」という旨の規定が、地位協定十七条五項のc項のもとでそういう規定がございますけれども、今の状況はその当該の米軍兵士の身柄は米側の手中にあるものでございますが、先ほど警察庁の方からも御答弁がございましたように、取り調べにつきまして米軍が協力しつつ取り調べが行われているという状況でございます。さらにこの取り調べが進みまして公訴が提起されました場合には、この日米地位協定の十七条につきまして合意議事録によりまして、公訴が提起された際には日本側当局の要請によって、米側は身柄の引き渡しをしなければならないということになっております。
○佐藤昭夫君 今いろいろ仕組みについて説明があったわけですけれども、とにかく今のような米側に対して日本の政府が、あるいは関係当局が毅然たる態度をとってきていない、この地位協定などを理由にしてね、というこのことが今に至るもこの種事件の頻発が続いておる大きな原因になっていると思うんですよ。アメリカの海兵隊による殺害事件というのが復帰後八件、中でも最近これが頻発をしておる。八二年が二件、八三年が一件、そうして今回と、最近だけでも四件連続的に起こっておるという、こういう姿になっておるわけでありまして、ですから、ここでどうしても政府を初めとして関係当局の毅然たる対処をとってもらう必要があるというふうに本当に痛感をするわけですね。 その問題が一つと、それから二つ目には、今の問題も含めてこの種事件が二度と起こらないような、そういう万全の措置をこれを機会にどうつくっていくか、この点で私は思うのでありますが、今までも事件の内容が余り公にされない、関係者の間でだけこそこそと処理をされるということになっているのじゃないか。したがって、アメリカに対して強い社会的反省を求めるという、こういう姿になっていないと。こういった点で事件の内容の究明、その結果を公表する、こういうことも含めて再発防止のための方策を強めていかなくちゃならぬ。当然こういったことを二度と起こさぬためには米軍基地をなくすと、このことが重要でありますけれども、今言った点を含めて万全の対処をしてもらう必要がある。当然のことでありますが、被害者家族への補償、これをしっかりやる、こういった点を含めて外務省の見解どうでしょう、重ねて聞きます。
○説明員(沼田貞昭君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、この種の事件の取り扱い方につきましては、日米地位協定あるいはそれに基づく合意議事録、あるいはさらにそれに基づく日米合同委員会の合意というようなものによって定められているわけでございますが、私どもといたしましても、沖縄その他の土地でこのようなアメリカ軍関係の不幸な事故が起こらないようにしていきたいと、米軍の規律あるいは綱紀というものを厳正にしてまいりまして、なるべく地域の方々とのトラブルをなくしていかなければならないというふうに考えているわけでございまして、そのような観点から日米地位協定の規定に従いつつ、このような事故がなるべく起きないようにしていくためのアメリカ側の注意を引き続き喚起していきたいと思っておりますし、そのような観点から、先ほど申し上げましたように、本件の事故につきましても、今捜査中でございますけれども、もしそのようなことが事実であれば遺憾なことでございますので、日米合同委員会のチャネルを通じましてその辺の注意を喚起したわけでございます。現時点はまだ捜査中でございますが、アメリカ側の合同委員会の事務局の方からも、今捜査中であるけれども、事実であるとすれば、アメリカ側としても遺憾であるので、そのようなことが再発しないようにしていきたいという趣旨を言ってきております。 それから先生の御質問の中で、被害者に対する補償の件についてお尋ねがございましたが、この補償等の関係につきましては、現在進行中の捜査の結果を待って必要に応じ地位協定等に従って対処していくということになろうと思います。地位協定に従ってと申し上げます場合には、公務執行中でない場合の米軍人の起こしました犯罪等による被害に対する請求権の問題といたしますれば、地位協定十八条六項のもとにおいて民事上の補償の問題として処理されることになろうかと思います。
○佐藤昭夫君 答弁非常に不満でありますけれども、河本長官に最後にお尋ねしますけれども、今の議論をお聞きになりましてあなたの所見をお尋ねをしたいと思いますが、本日幾つかの問題を私提起をしたわけでありますけれども、沖縄県民の生活に責任を負っておられる担当大臣として、もちろん個々の具体的問題についてはそれぞれの関係大臣個々にすぐひとつ伝えていただいて、内閣としての積極的な対処をぜひ担当大臣としてお願いをしたいというふうに思いますが、大臣どうでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 沖縄では米軍の基地が非常に膨大なものがございますので、今御指摘のような問題がしばしば起こっております。 そこで、対処する方針でございますが、やはり今外務省がお述べになりましたような方針をしっかりやっていただく、こういうことが必要だと、このように思います。
○佐藤昭夫君 実はこの後石垣島の新空港建設の問題で質問する予定でおりましたが、もう残り時間が極めて限られておりますので、ちょっとこの問題やり出すと中途半端になりますので、あと残っておる時間、建国記念の日の問題について、これも同僚委員から少し質問がありましたけれども、角度を変えてあとの持ち時間の残りを私も質問をいたします。
○委員長(佐藤三吾君) 時間超過しています。
○佐藤昭夫君 では終わります。
○井上計君 沖縄の振興開発促進等について幾つかお尋ねをしたいと思います。 沖縄の振興開発の促進あるいは急務については今さら言うまでも全くありません。ただ、復帰後既に十三年経過をしておりますけれども、依然として本土との間には格差が、特に経済格差が非常に著しいということ、これはもうこれまた言うまでもないわけでありますが、私はやはり沖縄の特殊事情であるとか、あるいは地理的な条件であるとかどうとかこうとかということを言っても切りがありませんが、そのような条件があるということは当然でありますから、それらの条件をさらに克服をして、そうして物心両面にわたって沖縄の振興開発をもっと促進をしていかなければ、やはり全日本的な問題としてこれは重要である、こういうふうに考えておるわけであります。 沖縄の人たちには大変お気の毒な、先ほど同僚議員から米軍の兵隊の犯罪行為等々がありましたが、いろいろなものを含めてやはりそういう点に関係をしてくるんではなかろうかという感じもするわけであります。 沖縄が本土と比べて著しく経済格差があるというふうな一つの例としては、現在でも依然として完全失業率が高い。全国平均は三%程度でありますのに、沖縄では七%弱の失業率であるというふうなことからもうかがえるわけであります。 そこで、六十年度の沖縄開発庁の予算案、概算決定額でありますけれども、こういうふうな財政状態の中でありますから、これはもう、そうなかなかふやすことは困難であろうということは十二分に承知をしておりますけれども、事実上前年度と比べるとマイナスであるということになります。そうすると人件費等の当然増を考えるとかなり経済面、経済振興開発等についての予算はやはり実質的なマイナスというふうなことでありますから、特にひとつ重点的な、効率的な執行をしてもらって、そういう面についてのいわば財源不足を十二分にひとつカバーをしていただく、こういうことは格段にひとつ配慮をしていただくようにまず第一点要請をしておきます。 そこで具体的な問題でありますが、農漁業等についての振興対策でありますけれども、予算等を見まして漁業問題についてはかなり力点が置かれておるというふうにも思いますが、沿岸漁業の振興、特に沖縄の地理的な特徴を考えますと、栽培漁業対策をもっと積極的にやったらどうであろうかと考えておるんですが、その点についてはどういうふうな開発庁としては方針等を持っておられますか、まずそれからお伺いをいたします。
○政府委員(小林悦夫君) 沖縄県の水産業の問題でございますが、かつてはカツオ、マグロ、こういうものを中心といたしました遠洋漁業、また沖合漁業というものが中心であったわけでございますけれども、最近の情勢によりますと次第に沖合、遠洋というものが困難な情勢になってきております。したがいまして、周辺漁場の見直し等を、また積極的な開発利用を進めまして、漁業生産の安定増大を図ることが一層重要になってきているわけでございます。 そこで、沖縄県は我が国唯一の熱帯性の海域である、こういう自然的な特性を生かしまして、沿岸漁場整備の開発事業によりますところの魚礁の設置であるとかまた増殖場それから養殖場これももうかなりできておりますけれども、こういうものの造成事業というものを積極的に実施をいたしておるところでございます。また海面養殖業というようなものがあるわけでございますが、こういう中でも特にクルマエビの養殖事業、こういうものが近年急速に伸びてきておりまして、五十八年度の実績におきましては海面養殖業、これの六五%がクルマエビである、こういうような状況になってございます。またもう一つは資源管理型漁業、いわゆるつくり育てる漁業、これの確立を図ることが必要でございまして、先生ただいまおっしゃいましたような栽培漁業センター、これも県立と国立があるわけでございますが、県営栽培漁業センターというものが昭和五十八年度から一部業務を運営をしておりまして、ハマフエフキダイ、こういうものの稚魚の放流が行われておるところでございます。また国営栽培漁業センターも全国で十二番目の事業場として石垣市に建設をされまして、六十年度の十月、ことしの十月から運営されるということになってございます。 そういうようなことでございまして、今後とも沖縄が四面海に囲まれまして熱帯海域である、こういう自然的な特性を生かしました沿岸漁業とっくり育てる漁業というものの振興を積極的に推進してまいりたいと考えておるところでございます。
○井上計君 海面養殖等についてはクルマエビ等かなり成果が上がりつつあることも聞いておりますが、さらに進めていただくということ、また今私はお尋ねしておりませんけれども、先般沖特委員会でも特に要望しておきましたが、内陸水面養殖漁業といいますか、養鰻等の。これらについてもやはり沖縄の地域特性というふうなものを考えながら、さらにそれらの漁業が発展をするように今後とも十二分にまた御配慮をいただきたい、こういう要望をしておきます。 次に農業対策でありますけれども、特に沖縄の場合には問題になっておりますのは特殊病害虫対策であろう、こう思います。ミカンコミバエは六十一年度根絶が目標となっておる、こう聞いておりますし、またウリミバエについては六十五年度目標と、こう聞いておりますけれども、そうでありますのかどうか。しかし、同時にまた六十五年度目標といいますとまだこれから四、五年かかる、その間このために生産者はいろいろとやはり不利なといいますか、いろんな困っていることが事実多いと、こう聞いております。鮮度の問題等からしてもせっかくのいわばつくったものがなかなかミバエ対策でやはり鮮度が落ちる、だから本土へ出荷してもやや価格がというふうなことも時にあるというふうなことから、いろいろと困っておる。やむを得ぬということはわかっておるけれども、大変困っておるというようなことも聞いておりますが、これらのもう少し根絶目標年度を早めることができないのかどうか、あるいは予算面で問題があるのか、あるいは技術的にそれほど根絶目標年度を早めることは難しいのか、いろいろあろうと思いますが、これらについてのひとつ対策をお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(小林悦夫君) 先生よく御承知のとおり、ミカンコミバエとウリミバエが沖縄にはおりまして、そのために果実類に被害を与えると同時に移出の制限等があるわけでございます。 先生御指摘のように、ミカンコミバエについては、沖縄開発庁としては六十一年度を目途として根絶する、またウリミバエにつきましては六十六年度を目途として根絶をしたい、このように考えておるところでございます。 そこで、先生これを早めることができないかということでございますが、沖縄県全域からウリミバエ、これを根絶するというためには非常に膨大な数の不妊化虫を必要とすると。例えば、沖縄本島だけでも一億頭の不妊化虫を製造しなければならない、こういうような問題であるとか、これだけのものを生産するとなりますと、いろいろ技術的な問題もございまして、なかなか難しい問題があるわけでございます。しかしながら、ウリミバエの根絶というものは沖縄の農業振興上極めて重要な問題でございますので、沖縄開発庁といたしましては、一日も早く根絶できるよう農林本省を初め関係機関と十分調整を図ってまいりたいと考えております。
○井上計君 技術的な面、また経済的な面で六十五年目標を早めるということについては困難があるということでありますけれども、やはり困難な原因の大部分は結局お金だと思うんですね。だから、それらについて、限られた予算ではありますけれども、冒頭申し上げたように、やはり重点的な配分ということ等をお考えいただきながら、何といってもこの問題はやはり大きいように聞いておりますから、さらに全面的な御努力をひとつ要望しておきます。 それから、あわせて農業基盤の整備あるいは土地改良等が本土と比べて大変おくれておる、こう聞いておりますけれども、どういう状況なんですか。
○政府委員(小林悦夫君) 農業基盤の整備状況でございますが、田、畑と、こう分かれるわけでございますが、沖縄の場合は畑で比較するのがよろしいかと思いますが、五十八年の三月末時点におきまして、本土におきますところの全国平均の整備率は三六・一%、これに対しまして沖縄は半分以下の一七・一%、このような数字になってございます。
○井上計君 本土と比べて大体約半分ですね。その理由、原因いろいろあると思いますけれども、やはりこれらをもっと早めていくために具体的に今後の問題としてはどうお考えですか。また、何が問題点として、早めるということについてのいろんなネックがあるのかどうか、それはどうお考えですか。
○政府委員(小林悦夫君) 沖縄の農業基盤整備がこれだけおくれているわけでございまして、沖縄開発庁といたしましては、先ほど先生御指摘もございましたけれども、六十年度の政府原案をつくる際にも最重点事項として農業基盤整備を取り上げているわけでございます。そこで、結局は基盤整備を行う場合には予算というものがまた一つの大きな問題になるわけでございますけれども、農業基盤整備費の全国の対前年度比が九八・五%、こういう中におきまして沖縄の場合には対前年度比一〇一・八%、こういう予算の原案の確保が図られているところでございますが、何といいましても農業基盤の整備というものが生産性を高める上に一番重要なことでございますので、今後とも予算の確保におきまして最大の努力を傾けてまいりたいと考えておるところでございます。
○井上計君 当委員会には、喜屋武先生もそれから大浜先生も、沖縄御出身の先生方がおられますのに、私から事細かく要望することもいかがかと思いますけれども、何といっても、確かに対前年度比が全体では減っておるが沖縄ではふえておる。まあ、しかしこれもちょっぴりですから、それが大きな格差を急速に是正をするほど余り効果がないであろう、この程度の予算だと、こう思いますが、沖縄にいろんな表面に出ないような問題もたくさんありますけれども、何といっても経済的な格差、やはり経済面での貧困というふうなものがいろんなもののやっぱり原因になっておるということも聞いておりますから、今後ともさらにこれについてはひとつ御努力をいただきたい、こう思います。 もう一点お伺いしますけれども、沖縄は亜熱帯地帯に属していますから、いろんな意味で本土と違うまた有利な条件下にある、こう思います。そこで、それらの沖縄のそういうふうな特性をさらに活用していく方法が、今後とも、特にこのような一次産業の中で考えておられると思いますけれども、その一つとしてバイオマスの研究開発は最適だ、こう聞いておるんですが、私もよくこういうことわからないんですけれども、開発庁としてはどういうふうなお考えでおられますか。それについての、あるいは具体的な今後の方針をお持ちであればお聞かせをいただきたい、こう思います。
○政府委員(関通彰君) 先生御指摘のように、沖縄は年間を通じまして太陽エネルギーが豊かな亜熱帯地域に属しておりますため地域的な有利性があるわけでございます。この有利性を生かしまして沖縄の産業振興に役立てたいということで、既に地元でもいろんな取り組みをいたしております。 若干の例示を申し上げますと、特に近年ランの細胞培養によります大量栽培あるいは健康食品でございますスピルリナの製造、またあるいは広い意味でのバイオテクノロジーの利用かと存じますが、培養菌を利用いたしましたキクラゲ、シメジの栽培、さらには、これも広い意味でのバイオの分野かと存じますが、豚の膵臓から医薬品を製造するというようなのが新しい産業として企業化されております。また、研究の分野におきましては、バイオテクノロジーの研究といたしまして、多収米の稲のハイブリッドの開発やホテイアオイの有効利用に関する研究など非常にすぐれた研究がございます。まだ、沖縄の経済全般という観点から見ますと、これらの産業が沖縄の経済を支えるというところまではいっておりませんが、沖縄の地理的な条件等を考えますと、沖縄開発庁といたしましては、将来ともバイオマス産業は重要な産業の一つになるものというぐあいに考えておりまして、これらの企業の取り組みあるいは研究等が一層推進されればというぐあいに考えております。 このため、昨年の十月、那覇におきまして沖縄開発庁と沖縄県と共催でバイオのシンポジウムを開催いたしまして、いわゆる産・官・学が一体となってさらに取り組む姿勢を検討いたしましてその推進を図ってきたところでございます。また、来年度、昭和六十年度におきましては、沖縄開発庁といたしましてもバイオマス資源の活用によります産業振興につきまして調査を実施いたしたいというぐあいに考えておりますし、また、地元沖縄県におきましても、沖縄県の果樹花卉種苗供給センターの設立など、非常に具体的な取り組みがあるところでございます。
○井上計君 突っ込んだ質問もしたいんですけれども、ちょっと資料が整っていないので、これらについては承りまして大いに期待をしておきます。 そこで、先ほど来お伺いをした農産物等々の今後の生産性向上に対するいろんな方策あるいは漁業、特に栽培漁業等をふやすことによって沖縄のそのような産業を発展さすといういろんなことが具体的に考えられておりますが、もう一つ欠かすことができないのは、それらの一次産品の輸送あるいは流通機構の改善、これほかなりおくれていると思うんです。これらのことについてどのような整備、促進を考えておられるのかひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(小林悦夫君) 最近は、特に花卉、野菜等の本土出荷が非常にふえてきておりまして、特に冬春季については端境期ということもありまして、近年の沖縄における重要な産品となりつつあります。 そこで、その輸送手段でございますけれども、非常にかさばらない野菜類であるとか菊、リアトリス、こういう切り花類は航空機によりまして輸送をいたしておりますし、またカボチャとかスイカ、トウガン等、こういう重たい物は、かさばる物は船舶輸送をしているのが実情でございます。そこで、航空機とそれから船舶輸送に頼らざるを得ないわけですけれども、国といたしましては、これまで集出荷貯蔵の施設の整備であるとか、また船舶の輸送用の冷蔵コンテナ、こういうようなものの購入に対して補助金を出しておりましてその推進を図っておるところでございます。 ハードの面ではこういうことでございますけれども、私はやはり流通機構の整備ということも非常に大事だと考えております。最近築地の青果市場におきましてもいろいろろ御意見が出ておるわけでございまして、質的な向上を図れという意見やまた流通期間の短縮、こういうものがいろいろ要望として出ておりますし、また供給路を安定さしてくれと、このようないろいろな意見が出てきてございます。農水省とも相談して行っていきたいわけでございますけれども、このような集出荷の体制の強化、また本土への安定出荷体制、こういうものの確立というものを具体的に経済連等と詰めていかなければならない、このように考えておりまして、単に生産をするというだけではなしに流通の整備を図りまして、今後本土出荷というものがさらに軌道に乗るようにしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○井上計君 お答えで了といたしましたし、また期待をしています。 ただ、現地のいろいろな担当者に聞くと、とにかく、何といっても沖縄では市場等の流通機構が全く整備されていない、特に輸送の面ということについての期待、要望が非常に多いように聞いておりますから、今後ともそれらについてはひとつさらにいろいろとお考えをいただいて促進をしていただきたいと、こう思います。 そこで、質問通告しておりませんけれども、先ほど佐藤議員が時間の関係で石垣島の新空港についての質問を取りやめになりました。佐藤議員の質問の内容は全くわかりません。わかりませんが、私も石垣新空港のことについては、昨年いつでしたか、沖特委員会でこれについては促進方についての要望を含めて質問をしたことがあります。ひとつせっかくの機会ですので、その後の経過はどうなっておりますか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(小林悦夫君) 石垣新空港の建設につきましては、先生御承知のとおり、白保地区の海域の一部を埋め立てまして、現在就航している小型ジェット機、ボーイング737でございますけれども、これが暫定ジェット化ということで現在就航しておるわけでございますけれども、なおより大きな航空機の就航可能な施設を持つ空港を建設しよう、こういうことで現在計画をされておるわけでございます。沖縄開発庁といたしましては、八重山圏の産業の振興、また住民生活の向上に必要な航空輸送を確保いたしまして、離島の持つ不利性の克服を図るためぜひこの空港は必要であると考えておりまして、また地元の八重山郡一市二町、この議会においても早期建設の要請決議がなされておるところでございます。ただ、しかしながら、一部住民との間に十分な同意が得られておらないわけでございまして、このことにつきましては地元並びに設置者であります沖縄県が、自然保護の問題を含めまして空港の必要性について地元住民の理解を得るべく最大限の努力をしておる、このように聞いておりますし、またそういう努力をしてほしい、こう考えておりますので、その成果に期待を現在しておるところでございます。
○井上計君 新空港の建設についてはいろんな問題があると思うんです。昨年たまたま私現地へ行って聞いてまいりましたが、航空審ではゴーサインが出たわけですね、これはいつでしたかね。
○政府委員(小林悦夫君) 飛行場の設置許可がおりたのは五十七年の三月でございます。
○井上計君 航空審でもゴーサインが出ておる、それから県でも決定をしておる。それらの状況の中でなおかつ非常に着工がおくれておるという理由は、自然保護というふうな面で反対意見が大変多いということ、これはある意味では無理からぬことだと思いますけれども。もちろん、自然を損なわないでそういうふうなものが建設できればこれにこしたことはありません。しかし、なかなか現実には難しい問題がある。できるだけ自然保護等考えながら十二分な整合性を保つ中でそういうものが促進をされなくちゃいかぬということになりますが、私が昨年現地へ参りましたときにいろんな方とお会いして聞きました意見、私が会った人ですからみんな促進派であったかもしれませんけれども、反対運動に本土から来る人が実は反対運動のむしろ主力といいますか、地元、現地の人よりも、あるいは石垣島に全く関係のない人が非常に多いんだと、大変迷惑をしておる、こういうふうなことも実は聞いたことがあるわけですね。 それから実際問題として、先ほどから局長にいろいろとお答えいただきましたけれども、沖縄の一次産品の今後の生産向上、開発、その中でやはり何といっても一番大きな地域は石垣島であろうと思うんですね。また石垣島で、花卉ですが、契約栽培をしておる人を私知っておりますけれども、輸送がもっとよくなれば、もっと沖縄で契約栽培をふやしたいんだという人がいるんです。ところが、今のプロペラ機でまた沖縄本島での積みかえ云々、あるいは船等を考えると全く鮮度が落ちてどうにもならぬと。大型機になってこれが直接東京なり大阪なりに輸送されるようになればもっともっと石垣島でふやしたい、もっと買いたい、もっと買えるんだと、こんなふうなことを聞いておるんです。 いろいろと問題があろうと思いますけれども、私は、十分その反対運動の方々を説得されて、県と一緒になって沖縄開発庁も積極的に乗り出していただいて、一日も早く石垣新空港が建設されて運航されるように大いに期待をしておる一人なんですが、いかがでしょう。
○政府委員(小林悦夫君) ただいま先生お話しのように、今後、石垣島は花卉、野菜等でも非常に大きな潜在的能力を持っておる地域であると思います。先ほど申し上げましたように、自然保護の問題を含めまして住民の理解を得るように現在県も努力をしておるところでございますが、この自然保護の問題については現在県の方でもいろいろ資料を準備していると聞いておりますので、そういうものを含めて住民の理解を得るような努力をさらに続けてほしい、このように考えておるところでございます。
○井上計君 沖縄開発庁に対するお尋ねは以上です。 実は官房長官がまだお帰りじゃありませんが、賞勲局長がおられるわけですが、その前に若干、これも質問通告しておりませんが、河本長官に、今沖縄問題についてはすべて局長からお答えをいただきまして十二分にお聞きいただいたと思いますから、大いに河本長官も御努力をいただきたい、こう思います。河本長官が特命事項担当相として大変御活躍であります。特に民間活力の増進、促進というふうな面でいろいろと各種の政策をお考えいただいておるようでありますので、それにちょっと関連をして、これは後で実は官房長官にお伺いする前提なんでありますけれども、民間活力を促進をするためにはいろんなことが考えられると思います。それに関連して官房長官に後でお伺いいたしますが、先般、先日の新聞に日本の国際競争力が三位へ後退したという記事が出ておりますね。ジュネーブにありますところの民間調査機関でありますが、欧州マネジメント・フォーラムが十三日発表した一九八四年の国際競争力の報告書によると、日本は五年越しで維持してきたトップの座をアメリカ、スイスに譲って三位に後退をしたと、こういう記事が出ておるわけであります。これはいろんなそれは理由もありますし、いろんな条件がありますから、そう一概に三位に後退したことが大変だというふうなオーバーな表現はいかがかと思いますけれども、我が国の資源等々いろんな問題を考え、将来のことを考えるときに、国際競争力が日本がだんだんそういう面で劣ってきて三位になり、また西ドイツが四位でありますから、四位の西ドイツに取ってかわられるというふうな事態が来るとこれはゆゆしき大事だと、こんなふうにも考えるんですが、担当大臣として河本長官、どういうお考えでありますか。御所見をひとつお伺いをいたしたい、こう思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 私もその記事を見ましたが、三位と申しましても一位、二位、三位の差は極めて僅少でありまして、ほとんど横並びだと思うんですが、四位のドイツは相当離れておる、こういうことですが、しかし長らく一位であった日本が三位になったということは、これはよほど私は注意すべきだと思います。特にここ一両年のアメリカの民間の設備投資を見ておりますと、驚くほど膨大な投資が連続して行われております。したがって、もう一年もたちますとさらにアメリカの競争力というものは非常に強化される、こういう感じがいたします。今は一位と三位といいましても差はそんなにありませんが、もしこういう状態が進みますとその差は非常に開くんではないかと、このように思うんです。 そこで、やはり日本といたしましては、我が国の経済の国際競争力を維持するためにどういう対策が必要かということについて幅広い角度から今後検討し、それに対する適切な対応をしていく必要があろうと、このように思います。
○井上計君 河本長官のお答えをお聞きしまして全く同感でありますが、それについても、私は、民間国際競争力を保持していくためにいろんな必要条件がありますが、その一つとして、やはり我が国の製造業の機械等設備の耐用年数が余りにも長過ぎる。アメリカあるいはイギリス、特にアメリカ、イギリスは非常に短縮されておりますが、そういうふうなことも考えるべきだということを、一昨年になりますけれども本会議で代表質問で大蔵大臣にもお尋ねしたことがあるんですが、そのときに私が現在でもまだ不満として記憶に残っておるのは、大蔵大臣は国際競争力の問題から考えてそういうふうな問題を大蔵省としては考える必要はないと。大蔵省はあくまでもそのようなものが技術的に陳腐化した場合には考えるけれども、国際競争力とは関係ないんだというふうな答弁があって、今でも不満に思っているわけですが、今後とも河本大臣、ぜひそういう面に御留意いただいて、国際競争力の保持を我が国ができるようにひとつ御努力をいただきたい、これは要望だけにしておきますから、御答弁結構であります。 さてそこで、官房長官お帰りでありますからお尋ねしたいと思いますが、先ほど来の審議の中では、かなり高度な次元の高い情報公開あるいはまた危機管理等の問題がありましたから、そういう意味では次元が低いかと思いますけれども、これは具体的な問題で今河本長官にもお願いをした、民間活力をさらに促進をするために非常な有効な方法の一つだと、このようにひとつ御理解をいただいてお願いをいたしたい、こう思います。これは生存者叙勲あるいは国家褒章等の授与の問題であります。生存者叙勲制度が復活をいたしましてから大分たちました。最近は春と秋、国家褒章並びに生存者叙勲の恩典に浴される方がだんだんふえてまいりまして、これはその意味では大変結構だと、こう思います。しかし同時に、我々はいろんな方々とお会いをし、そういうことについてのお話を聞くことが多いわけでありますが、中にははっきり申し上げまして不満を持っておる方も大分ふえてきたということなんですね。その不満の理由、もちろんそれはいろんなこういうふうな制度でありますから、本人の理解がないとかいろんな条件が整っていないのにそれはもう無理なんだということがありますけれども、しかし聞いてみるとなるほどなというふうなそういう理由もたくさんあるんですね。以下これについてひとついささか私が聞いておりますこと、考えておりますことを申し上げて善処方をお願いをいたしたいと、こう思います。具体的な御答弁は賞勲局長で結構であります。 まず、賞勲局としてそのような生存者叙勲についてのいろんな基準が当然おありということは承知をしております。しかし、それを今ここでお聞かせをいただくとしてもこれは無理でありましょうし、またお答えになることもないと思いますが、これはもうお聞きをいたしません。だから、私なりの理解でこのようなことを申し上げるわけでありますけれども、大企業の経営者等々のランクと比べると中小企業の振興等に功労のあった人たちの叙勲ランクは大変低いということはこれはもう言われておるんですね。もちろんそれは大企業の経営者の中でも大変な功績のあった方もたくさんあります。しかし、先ほど来いろいろと論議になっておりましたが、政府の公的な審議会等々でありませんで私的な諮問機関等に加わっておる人でも、そういうふうなことであるということでかなり高いランクに位置されておるのではないかと思える節もあります。それから、大企業、いろんな団体の役員に名を連ねる方が多いですが、そういうふうな方の中にはほとんどの会合には代理者を差し向けてそれほど本人は出ていない、ただ名前だけ長い間何々団体の理事であるとか役員であるとかというふうな方が非常に多いのに、そういう人が叙勲ランクは大変高い。これは中小企業と比較してですよ、他と比較して高いとは、高い低いという言い方が悪いか適当でないかもしれませんが、お許しいただきたいんだが、他と比較してそれがバランスがとれているとかいないとかでなしに、中小企業と比較するとやはりバランスがどうもとれていないのではないか、こんなふうに実は思える点が多々あります。これらについてやはりもっと具体的な面で、これは技術的に大変難しいと思いますけれども、お考えをいただく必要があるのではなかろうか、これが一つですね。一一お答えをしていただくとかなんとかじゃなくて若干言います、ある程度ね。 それからその次には、中小企業団体といってもこれはピンからキリまである、これは御承知のとおりです。いわば協同組合等で五、六十人ぐらいの、中にはもっと小さなのもありますが、大体五、六十人から百人ぐらいの組合員の協同組合が非常に多いですね。ところが、協同組合でもっと多いのもありますし、特に団体法によるところの工業組合等々になりますと二千、三千という組合も実はあるんですね。ところが、二千、三千という大きな組合になればなるほど行政の大変な補助的な役割を果たしておるわけです。事務局も非常に多い、そのための予算も大変計上しておる、したがってそれらの理事長だとか副理事長だとかあるいは常務理事という執行部は、事実上もう専従に近いような仕事をしておるわけですね。だから、毎日のように組合事務局に出勤をしていろんな会議をしたりいろんな指導をしておる。経営改善指導のために大変な努力をしておるという人が非常に多いわけです。したがって、そういう人たちは長い間、十年も十五年もそういうふうな地位におれないんです。一つは家業がお留守になりますし、それから事実上名誉職、給与がありませんから手弁当でというふうな人がほとんど多いですからなかなかできない。だから、どうしても人数が多いからまた人材も多い、だから交替が非常に早いわけですね。ところが、組合員が五、六十人、百人、百五十人という程度の協同組合の場合には、中にはもちろん活発な組合活動をやっておるところもありますけれども、大体私どもが見ておる限りは余り多くのいろんな事業をやっていない、だから理事長とは全く名誉職的なので用事があれば組合に出ていって判を押す、ほとんどは数名いる事務局の者に任せっ放しというふうなケースが圧倒的に多いんですね。したがって、そういうふうな組合は人も多くありませんからなかなか役員がかわらない。中には昭和二十四、五年ごろ協同組合法ができて設立をされた以降今まで全くかわらない。いつかわるのだと言ったら死んだときにかわりますと、こういう実は組合もたくさんあるわけです。そういうところは年限からいって非常に褒章あるいは叙勲の必要条件を備える人が次から次から出てくるんですね。これが大きな団体になるととても二十年、二十五年というふうな、そういうふうな役員にとどまることが実はできないし、また人材が多いのでなかなかそうはいかない。大体十年から長くて十五年ぐらいで実はもう交代をしておる。勇退をしておる。しかし、実際の業界活動あるいはそういうふうな組合員に対する経営改善指導、いろんな指導等に費やした労力、これは政治的なものもありますが、労力を考えると、恐らく二十年、三十年やった小さな団体のトップよりも大きな団体の副理事長だとか常務理事という執行部の方が何倍も努力をし功績があったというふうに思うんですね。ところが、現実に出る者は、賞勲局長御存じでしょうけれども、やはりなかなか大きな団体でもせいぜい副理事長ぐらいまでしか出てこない。また受理されない。こういうふうなことで、これまた大きな不満があるわけですね。これが一つ。 それから、最近は地方等で県の扱いでももう副理事長はだめです、該当者が非常に多いので理事長でなければだめですといって断られておるようなケースがかなりふえてきておると、こんなふうにも聞いておりますが、これらのことについて何か非常に事務的な問題が多いですが、難しいことではありますけれども、改善をする方法はひとつお願いできぬであろうかと思っておるんですが、あとまだありますが、今申し上げた二点、賞勲局長ひとつお願いをいたします。
○政府委員(海老原義彦君) ただいま先生から二つの御質問でございますが、一つは中小企業の分野におきましては大企業に比べましてどうも叙勲のランクが低いのではないかというお話でございます。先生御案内のとおり、現在の叙勲制度は国家または公共に対して功労のあった方を広く対象としておるわけでございまして、企業関係にありましてもその企業の業務に精励することを通じまして産業を興し、経済社会の発展ということを通じて国家、公共に貢献したということによって叙勲されるわけでございます。したがいまして、叙勲の対象となる方々を見てみますと、これは規模の大小にかかわりませず非常に多数の候補者が出てくるわけでございます。その勲等のランクづけにつきましても、単に個人、この企業内での功績ということだけではございませんで、先生の今のお話にもありましたように、関係団体の要職にあってというようなことはもちろん十分評価していくわけでございます。また、技術開発の面ですとか、いろいろ評価の基準があるわけでございますけれども、中小企業に限定して申しますと、例えば大きな発明、開発をなさったというような方、あるいは単に業界の関係団体だけでなくて中小企業団体中央会でございますとかあるいは商工会議所でございますとか、そういったところの役職で御活躍なさったというような方にはそれなりの高い勲等も出ているわけでございます。このように中小企業の関係の方々にも叙勲について私どもとしても努力しているところでございますけれども、今後とも中小企業の産業における重要性ということにかんがみまして引き続いて配慮してまいりたいと思います。 次に第二点でございますが、中小企業団体といっても規模の大小があって、大きい団体と小さい団体ではおのずから異なるではないかと先生おっしゃいますことは、これはまことに先生のおっしゃるとおりと思います。私ども叙勲制度を運用するに当たりましても、大きい団体と小さい団体とすべて一視同仁に見ているというわけではございませんで、大きい団体は大きい団体なりに、小さい団体は小さい団体なりの評価をしておるわけでございます。先生おっしゃいますように小さい団体におきましては非常に長年会長をなさっておるという方もおられます。これは長年の功績ということも考えねばならない場合もございます。それから小さな団体で二十年ぎりぎりで出てくるというケースは割合少のうございます。またそういう場合にはやはりそれなりに低く見ていかなければならないということもございます。それから大きな団体で申しますと、会長でなければ出ないとか理事長、副理事長どまりだとかそういったことは特段にないわけでございまして、役員であっても出てくる。また長年役員をして会長を何年かやられたというケースもしばしばあるわけでございまして、そういった方々それぞれそれなりに検討をしていくわけでございまして、私どもの審査というのはそういうところに苦労がかかっておるということを御理解いただきたいと思いますが、この面につきましても先生御指摘のとおりなお不備なところがあるかと思いますので、その点につきましては今後十分検討さしていただきたいと思います。
○井上計君 賞勲局長の御説明、私は十二分にわかるのです。ただ、私自身も中小企業団体の運営を長くしたりいろんなことをやってきて現実にやはりぶつかり感じることは、賞勲局長の御説明どおりにいかないという点がある。それはまず賞勲局へ行く前に各省で受理して整理をする、その前に各県で。だから各県の段階で受理しないのがたくさんあるわけなのですね、これは年限でだめですとかどうとか。だからそれは問題は余りにも数が、枠が狭過ぎる、中小企業にとっては特に狭き門であるということも大きな原因だ、こう思いますから、それらについては官房長官、十二分にひとつ御配慮いただいたらどうであろうか、こう思います。特にいろんな面について難しい問題です。それだけにやはり私はこれらについて御配慮をいただくことは大きなまた効果が出てくる。率直に申し上げますと、財政難の中で余り国のお金をたくさん使わぬでも民間の活力をさらに促進するための一つの大きな効果があるとか、こんなふうにも考えますので、特に御配慮いただきたい、こう思います。 そこで賞勲局長もう一つ中小企業のことに限定してお伺いしますけれども、中小企業団体でもいわば各県を経由をして中小企業庁に集まってくるのと、それから事業によって所管が違うので各省で扱うのとありますね。運送業関係は運輸省、あるいは食品等関係は農林省、あるいは建設省関係あるいは厚生省関係、いろいろあるわけですね。そうするとどの省とは言いませんが、私はもう現実にこれは大変だな、こんな理解をされておったのではと思って、直接その担当のある省の総務課長に談じ込んだことがあるのですが、ある省ではいわば公益法人でなければ、公益法人の役員でなければ対象になりませんということを堂々とはっきりと言う人があるのですよ。実は中小企業団体の役員をずっと長くやっておって、もう数年前からいろんな条件ですべて整っておると私も思っておりました人が、二回ばかり出しても却下されているのです。どうして却下されておるのだと聞いたら、わからぬと言う。そこで私はその省の担当の局の総務課長にお伺いをしましたら、冒頭言われたことは、協同組合というのは営利法人ですから営利法人の役員を何年やってもそれは我が省では適格ではありません。うちの省では公益法人の役員以外だめですということをはっきり言われたので、実はいささかというか、もうとんでもないとびっくり仰天をしたことがあるのです。それでこれは中小企業庁の方からその省に対して特に申し入れをしていただいて、それでその省で間違っておりましたということで変えて、昨年めでたく叙勲の栄に浴したというケースがあります。しかしそういうケースが私はたくさんあるのではないかと思うのですね。これもひとつ賞勲局としてぜひ、そういうふうなことでせっかくの条件が整っているにかかわらず受けられない人等についてどうするかということもひとつお考えをいただきたい。 それからそういうふうな所管が違うというところについては、まあ地方で言いますと県の受理ではないんですね。例えて申し上げると、運輸省の場合には自動車整備振興協会であるとかあるいはトラック協会であるとかというふうなところの各県の支部が窓口だから、したがって陸運事務所から、今運輸局になりましたが、運輸局を経由して本省ですから、直接県が受理して中小企業庁へ来るのとランクが大変違いますよ。これはもう明らかな事実として知っておるんですが、これもまた不満の大きな材料になっておりますので、これらもひとつお考えをいただいたらどうであろうか、十分ひとつお願いをいたしたいと、こう思います。 それから褒章についても同じようなことが言えると思いますが、まあ時間も余りありませんし、また具体に細かく申し上げますと切りがありませんから、ひとつ十分お考えをいただきたいと、こう思います。 それから中小企業だけの問題じゃありませんが、地方議員、これは官房長官もお聞きになっているかと思いますけれども、都道府県会議員や市会議員の中に大変な不満がありますね。国会議員だけはあの程度しかやっていないのにあんな高いランクの勲章をもらって、県会議員が何十年もやっているのになぜこんな低いんだとか、市会議員がなぜこんな低いんだとか、我々国に対する功績は、確かに国会議員と県会議員、市会議員、違うかもしらぬけれども、余りにも格差があり過ぎるではないかという不満を、官房長官お聞きかどうか知りませんが、我々はよく聞きますよね。だからこれらのこともやはり私は考える必要があるんではなかろうかと、こう思います。 もう一つは、何といってもやっぱり公務員は高いと。特に公務員の中でも、いつも発表を見て感じますことは、大学の先生、これは大変やはり一般の民間人と比べて高いなと。それらを考えると、明治何年かに勲章制度できましたが、そのときに設けられた趣旨、すなわちやはり国家に対して大変な勲・武功があったというふうなことからきて、やはり叙勲制度には官尊民卑がまだまだ引き続いて残っておるなと、こんなふうなことを言う人もありますし、私も実は感じることがあると、こういうことであります。一般民間人の中には、一例を挙げますと、裁判所の調停委員であるとか、あるいは民生委員であるとか、あるいは防犯関係のいろんな委員としてもう本当にボランティアで長く御苦労を願っておるという人がたくさんあるんですね。そういうふうな方々をもっと褒章なり叙勲という面でそういう人たちにやっぱり国が報いるというふうなこともこれから必要であろうというふうに思います。 それからもう一つ。そういうふうなやはり功績のあった方々、まあその本人の努力ももちろんでありますけれども、やはり奥さんの内助の功が正変大きいと思うんですね、中にはそうでない人もあるかもしれませんが。したがって、奥さんに対してやはり国があわせて何か報いるという方法、これはまた技術的に難しいと思います。例えて言うと、勲章には略章がありますが、その略章のようなもので奥さんにも差し上げるとか、あるいは紙でもいいですから奥さんに対しては何かそういうふうなものを差し上げるとかというふうなものも、これは考えてもいいんではないかというふうに多分に思うことがあるんですが、これらのことは要望ということでひとつ申し上げておきます。 官房長官、私の要望等をお聞きになってお考えになったことがあればひとつお答えをいただければ結構だと思います。
○国務大臣(藤波孝生君) 叙勲栄典につきましていろいろ先生のお考えを聞かせていただきましてありがとうございました。 前々から私もいろいろ考えるところもありまして、先生と同じような思いをいろんな場面でしてきた機会がございます。今度総務庁発足とともに官房長官の所管に賞勲局がなりまして、賞勲局長を中心にいたしまして思いますことは、やっぱりいろいろ考えていかなきゃならぬことがあるなということが一つと、それからもう一つは、なかなかやっぱり難しい問題で、もう初めから何かこう一人一人の方がどのように生きてこられたか、活動してこられたかということにランクをつけるわけですから、これはもうとても普通じゃ許せないことが実際はランクをつけてやっているわけだなと、そんな思いさえ、非常に厳しく考えていろいろ研究していこうなと言いながら努力をしてきておるところでございます。 おっしゃるように、大企業と中小企業とを考えた場合に、大都会と地域地域、地方の活動家とを考えてみた場合に、あるいは今お話しのように文教だけとっても、国立大学の先生は一般的に非常に高いように思うけれども、私立大学で随分苦労してきている人との差があり過ぎるんじゃないかとか、中央の大きな団体をやっていると機会に恵まれるけれども、例えば福祉の仕事にしても地域で本当に取り組んでやってきている方々、そういう方々に果たして機会があるんだろうかとか、いろいろな本当に考えさせられることが多いわけでございます。それで、絶えず考えていく、研究していくということが大事だろうと。そういうことで、中曽根内閣になりましてからでも、例えば外人の叙勲の対象者をふやす、日本のために非常に御理解いただいて活動してくださった方にはもっと広げようとか、あるいは国際婦人年が続いている間にもっと御婦人の方々を大事にしなきゃいかぬとか、いろいろ新味を出した方向は出してはきておるわけであります。しかし、今御指摘のようなことなどを十分頭に置いて、そのことは賞勲局だけで考えるのでなしに、関係各省庁のやっぱり見識に属することでもありますし、それからそれぞれ団体やあるいはそれぞれの地域、地方自治体などでもこの対象者というものをどう考えるかというようなことについても一緒に考えていただくのでありませんと、受け付けの段階からもう上がってこないというようなことはもういっぱいあるわけでございますので、よく事柄を研究もさせていただき勉強させていただきまして、できる限り公平にしかもいろんな方々にその機会が与えられるように努力をしてまいりたい、このように考えており、大変抽象的な答弁で失礼でございますが、そのことを痛感をいたす次第でございます。
○井上計君 ありがとうございました。終わります。
○喜屋武眞榮君 沖縄の問題は余りに多過ぎていつも時間のことが気になるんですが、幸いにきょうは午前から午後、目黒委員、佐藤委員、そうして井上委員、皆さんが沖縄問題を取り上げていただいたことを私は沖縄の者として大変ありがたく思っております。うれしく思います。心から御礼申し上げます。 そこで最初に申し上げたいことは、沖縄問題を取り上げる場合に基地の問題を避けて通るわけにはいかないということなんです。何となれば、膨大な沖縄の基地を整理縮小し、そして撤去の方向にいくということは、これは決定的な県民意思であります。そして、基地あるがゆえに起こる沖縄のもろもろの問題、基地は諸悪の根源であるということも県民の決定的な意思であります。このことを避けて通るわけにはいかないということであります、どなたであろうが。 そこで私、河本長官にまず冒頭お願い申し上げたい点は、開発庁の存在の意義を十分理解していただいて、沖縄は県でありますから各省庁につながることは当然であります。だけれども、なぜ開発庁ができたのか。その意義は、結局、沖縄問題の集約する窓口はどうしても開発庁を設置して窓口にしなければいけない。そこでぜひひとつ河本長官は、各省が一応つながりがあるわけですけれども、それをまとめて、かなめ役として、まとめ役としてもっともっと積極的に旗振り役を果たしていただきたいということなんです。そうすることによって沖縄問題はさらにさらにいい方向に前進するでありましょう。 そのことを私は申し上げまして、そして、ここでぜひ再確認いたしたいことは、目黒委員が取り上げられました沖縄の交通体制の確立という面、このことを結論だけを再確認ぜひいたしたいと思います。そして、佐藤さん、井上委員の触れられた問題もありますが、二十三日の委員会でそれらの問題は取り上げていきたいと思いますが、目黒委員のお尋ねになった交通体制の確立という、もう沖縄には公的交通機関がバス以外にはないということは御存じのことでしょう。ならば、もう労使の問題ではどうにもならないという、日がたてばたつほど泥沼であり、そこで労使が一緒になって、さらに県当局もみこしを上げておるわけなんですが、今その方向に結論を出して、それを国に、と申しましても、開発庁の窓口が主になってもらわなければいけないでしょう。その窓口に訴える、持ち上げる運びになっておりますので、どうかひとつあらゆるものの基盤をなす、路線をなすものが沖縄における公的交通体制の確立、それを、抜本的改革を確立をしていただかなければどうにもならない。そのことがまた派生的に沖縄の平和と豊かづくりに、県民の望む方向のいろんな問題にすべて派生してくるという、こういうことを思いますときに、この問題は運輸省とか、あるいは他の省の問題とおっしゃらずに、ぜひひとつその問題を優先的に、率先取り上げていただきたいことを重ねて要望いたしますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 産業の振興が今沖縄の最大の課題でございますが、そのためには何と申しましても、陸海空の交通網の整備を図るということが前提条件だと思います。交通網の整備なくして産業の進展はないと、このように私どもは理解をしておりますが、そこで、さしあたっての問題は、今お話しの陸上交通、特にバスの問題だと思います。この問題につきましては先ほども御答弁をいたしましたが、県の勧告を受けて民間企業が一体どのように対応しようとするのか。そしてまた、県がそれをどのように今後指導しようとしておるのか、こういうことが一番の基本だと思います。 そこで、主務官庁である運輸省、しかしそのほかに労働省その他いろいろ関係の省があると思いますが、そういう省とも県の具体的な考え方をよく聞きまして、十分相談をしていこうと、こういうことを午前中も申し上げたわけでございまして、そういう方向で今後対処していきたいと、こう思います。
○喜屋武眞榮君 次に、沖縄開発のエキスは何といいましても予算の裏づけでありましょう。その予算と第二次振計との結びつきにおいて次のことを私はお尋ねいたしたいんです。 六十年度の政府予算は五十二兆四千九百九十六億円、いわゆるプラス三・七%ということになっておりますね。ところが、沖縄関係の予算は、五十九年度予算の一千九百七十一億五千二百万円に対して、六十年度は一千九百四十三億九千二百万円、そうするとマイナス二十七億六千万円、九八・六%——マイナス一・四%ということになっておりますね、この事業費を取り上げた場合に。この事業費の中身こそ沖縄開発のエキスになるわけですが、こういう状態を見て、もう既に第二次振計は失敗じゃないか、行き詰まるんじゃないかと、こういうことさえも声が出ておるのでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(関通彰君) 六十年度の沖縄開発庁の予算につきましては、先生御指摘のとおり、対前年比マイナスになっております。先生の御心配は、こういうことで沖縄の経済成長自身が非常に大きな影響を受けるんではないかという御指摘だと思いますが、二つの点から申し上げてみたいと思うんでございますが、一つは、沖縄開発庁一括計上分につきましては対前年度マイナスでございますが、実は、沖縄で現在財投資金を原資にいたしまして高速道路の南伸の事業が進められております。また、石川に火力発電の建設の事業がこれも財投資金で進められておるわけでございます。沖縄開発庁計上の予算には入っておりませんが、これらの財投の事業、いずれも非常に大きな事業でございますので、これを含めますと対前年比一〇%近い伸びになるはずでございます。沖縄の振興の観点から、事業としては対前年をかなり上回る事業が六十年も確保されてるというふうに申し上げられるかと思います。 第二点は、それにいたしましても財政支出の伸びは鈍ってるわけでございますが、これまで、復帰以来今日までの各種の基盤整備によりまして沖縄の経済も着実に規模を伸ばしてきてるというぐあいに考えております。五十八年、あるいはその前の五十七年等の経済成長率を見ましても、財政支出の伸びは鈍っておりますが、経済成長率は全国平均をやや上回る形で経済が伸びてきております。今後とも沖縄の特性を生かしました産業の振興を図りまして、沖縄の経済の確実な伸展を図っていきたいというぐあいに開発庁としては考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 まあ、配慮があられるということをお聞きしまして少し安心はいたしておりますが、この点十分裏づけていただくよう要望しておきます。 次に、今に始まった問題じゃありませんが、失業、雇用の問題で、こういうこと御存じかと思いますが、四十八年復帰直後の失業率は、沖縄が三・五%で全国が一・三%でありましたね。十一年後の五十八年、沖縄が五・八%、全国が二・六%。この比率からしますと、一向に沖縄の失業問題は前進しておらない、解決の方向に進んでおらぬ、こういうことがはっきり言えますね。しかも、特徴としまして、中高年齢者よりも若年層に集中しつつあるという、こういう傾向を示しております。失業問題はこれはもう悪徳であり、諸悪の根源をなすものということは余りにも知り尽くした問題であります。この問題を、第二次振計の政策の目的からしましても、職業の安定、労働者の福祉の充実、いわゆる雇用の拡大ということをちゃんとうたわれておる、にもかかわらず実情はこうである、今申し上げたとおりである。このことをどう受けとめておられるか、長官ひとつ答弁ください。
○国務大臣(河本敏夫君) 沖縄の失業率が非常に高いということは私どもも大変頭が痛いところでございます。やはり復帰当時から見ますと、対本土の経済は若干改善されたと思います。しかし、何分にも復帰当時の経済の状態が大変悪うございましたので、若干改善されたと言いましても一方で人口が約二十万人ふえておる、こういうこともございまして雇用関係はなかなか改善が難しい。そのためには、やはり先ほども申し上げました一次産業、二次産業、三次産業と産業全体の振興を図ってまいる必要があろう。これによって吸収する、これしかないわけでございますので、私も先般沖縄へ参りましてさらに第二次振興計画の後半を展望いたしまして、一層産業の振興を図りますと同時に、県民所得が相当まだ格差がございますから、その格差の縮小のためにいろんな工夫をしていきたい、こういうことを申し上げた次第でございますが、そういう方向でこの雇用問題については対処していきたい、このように思います。
○喜屋武眞榮君 期待いたします。 次に、同じく長官にお尋ねいたしますが、米軍基地演習、具体的な中身はきょう触れません。この米軍演習場から住民地域に砲弾や銃弾が打ち込まれ、事故が数多い、そのために住民とのトラブルが絶えない。そこで、長官に関係機関に対し、住民と米軍との摩擦がこれ以上エスカレートしないよう進言してほしい、こういう要望を県議会議長から、あるいはまた知事の要請に関連してその進言がなされておりますが、それを受けとめられた長官はその進言をどのように処理されたのか、答えてほしいと思います。
○政府委員(関通彰君) 先生のお話は、昨年の十二月長官が沖縄を訪問されましたとき、知事あるいは志村県議会議長とお会いになりました際、知事、議長からの御要請は主に予算編成についての御要請でございましたが、その際、米軍演習の事故についてもお話があったというぐあいに伺っております。先生御指摘のように、演習場におきます砲弾の一般地域への飛弾等の事故が沖縄に頻発いたしておりまして、ただ、これらの事故につきましてはそれぞれ地元の防衛施設局、あるいは本省におきましては外務省等が米軍あるいは米国政府等に対しましてそれぞれの対応をしておられるところでございます。沖縄開発庁といたしましてもこのような事故は当然極力避けなければならないことは言うまでもないことでございますので、沖縄県民の意向ができるだけ反映されますように、政府部内におきまして関係方面とも十分連絡をとっているところでございます。
○喜屋武眞榮君 今の質問は長官もお聞きだと思いますが、長官答えてください。
○国務大臣(河本敏夫君) 今のお話の点は知事と議長から十分聞いております。 そこで、外務省と連絡をとりながら善処していただくようにお願いしておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 次に、県民多年の要望でありました、沖縄に県立芸術大学を設置していきたいというこの多年の要望がやっと日の目を見ようとしておるわけなんです。報道によると、その学長も教授陣ももう内定しておる。ところが肝心の学校敷地がまだ決まらぬために大変困っておる。因っておる理由は、いわゆる国有地を払い下げて無償譲渡してほしいという意図を持っておるわけですが、それには県有地も抱き合わせがあるわけなんですが、そういったところに今ぶつかっておるわけでありますが、この問題を今どのように受けとめておられるのか、そしてまたそれをどう解決しようとしておられるのであるか承りたいと思います。
○政府委員(関通彰君) 沖縄県におきまして先生お話しの県立芸術大学の設置の準備が進んでおりまして、その設置場所といたしましては琉球大学が移転しました跡地を県では考えておられまして、特にその国有地部分の使用を希望しておられるわけでございます。現在その琉球大学跡地の国有地は国立学校特別会計財産でございまして文部省が所管しておられるわけでございます。したがいましてその使用につきましては第一義的には文部省の判断に属するわけでございます。ただ先生も御指摘のように沖縄県は、琉球大学、来年の四月に開学することを予定しておられまして、用地問題は早急に解決しなければならない時期に来ていると私ども承知しております。ごく最近も県当局は文部省とこの問題につきまして事務的に詰めた打ち合わせをしておられます。したがいまして、この問題につきましては早急に何らかの解決の糸口がつかめるんではないかというぐあいに私どもは承知しているところでございます。
○喜屋武眞榮君 この問題、最初申し上げましたように、ひとつ窓口である、旗振り役であられる河本長官、この問題をぜひプッシュしていただきたいんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 十分承知をしております。
○喜屋武眞榮君 次に官房長官にお尋ねいたします。 在外財産の法的処理についてお尋ねしたいんですが、六十年度予算に調査費として約一億五千七百万円計上されておりますね。それで一つお尋ねしたいことは、個人補償を実現するための実情の検討、調査費であるのか。第二点は、一括して基金を設けて平和祈念事業を行うための基金への出資であるのか。 これは所信は一貫して個人に補償すべきであるというこういう基本的な考え方に立って、そして衆参両院にもこの促進議員連盟、私もその一人でありますができておりますが、非常に根強い個人補償を要望しておるわけでありますが、これについて、この一億五千七百万円計上の中身、そしてどういう方向にこれを持っていかれるのであるかお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(吉居時哉君) ただいまお話がありましたように、六十年度の予算案におきまして人件費それから事務費を含めまして一億五千七百万円の予算が総理府に計上されているところでございます。この予算は、戦後処理問題懇談会の報告の趣旨を踏まえまして、戦後処理問題に関する基金の検討及び実情調査を行っていくための経費でございますけれども、その具体的な検討や調査の方法につきましては六十年度の予算の成立を待ちまして、いろいろ関係省庁もございますものですから、関係省庁とも十分相談をいたしました上で具体的に検討してまいりたいと、現在はかように考えているところでございます。
○喜屋武眞榮君 この問題は今申し上げましたように所信は個人補償を前提にすべきであるという一貫した団体の要望があるし、それをバックアップしていこうという促進議員連盟もあるわけですが、そういうことも十分理解の上に、結論を出される場合には納得のいく解決をしてもらいたいということを官房長官に要望いたします。コメントしてください。
○国務大臣(藤波孝生君) 戦後処理問題として懇談会を設けていろいろ御意見を出していただいてきたところでございますが、在外財産の補償の問題、あるいはシベリア抑留の問題、あるいは軍人恩給の欠格者の問題などいろいろな問題を包括してこの懇談会で御論議をいただいてきて、今室長から御答弁申し上げましたように新しく今度予算化もいたしまして基金の創設を中心としたいろいろ検討、さらに実情を調査するというようなことで予算化もお願いをしてきたところでございます。いろいろな御意見があることを十分承知をいたしておりますが、予算が成立をいたしました後、各省庁ともよく相談をいたしましてこの予算の執行について検討もし、実行していくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 私のお尋ねはこれで終わりますが、結びを申し上げたいと思います、河本長官に。 河本長官は就任間もない直後に記者会見をなさいまして、沖縄問題の根本は沖縄の経済事情がおくれておることにあると、こう喝破なさいましたね。そのことを、この会見のずばりおっしゃったことに対して、現地ではさすがは総理候補であり経済通の河本大臣であると非常なる好感を持ってそれだけに大変な期待を寄せております。このことをひとつ受けとめていただいてぜひひとつ沖縄の経済問題がもろもろの問題のかぎであると、このことをひとつ具体的に実現をしていただきたい、この期待が大きければ大きいほど、もしその記者会見のおっしゃったことが真実でないとするならば、そのまた期待外れも失望も大きいわけでありますが、どうかひとつ県民の純真のその期待をぜひ裏づけてくださることを心から御要望申し上げまして、最後に長官の御意思を確認いたして終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) お話しの発言につきましては私も責任を痛感をいたしております。しかし、何分にも相当おくれておりますので、そこでいろいろ対策を考えておるわけでございますが、特に第二次振興計画の全体像の中においてこの問題を解決、実現できるようなそういう幾つかの具体的な対策を今後検討していきたいと、このように思います。
○委員長(佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 次回の委員会は明後二十三日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十五分散会