決算委員会 第2号
- 発言数
- 332 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1984/12/13
会議録
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十二月十二日、井上計君が委員を辞任され、その補欠として栗林卓司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(佐藤三吾君) 昭和五十七年度決算外二件を議題といたします。 本日は、皇室費、国会、会計検査院、大蔵省、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(佐藤三吾君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(佐藤三吾君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願い探す。
○目黒今朝次郎君 私は冒頭に日本債券信用銀行いわゆる日債銀が日本高速フェリーへの巨額融資約三十億に際して、日債銀よりいわゆる来島どつくの坪内寿夫さんあてに、保証を打ち消す裏念書が出されている、こういう問題について、十月五日の運輸委員会で問題を提起いたしまして、その際大蔵省は、この裏念書について調査をする、そういうふうに答弁しておるわけでありますが、その調査の結果についてまず御報告願いたいと存じます。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘の点につきましては、そのとき申し上げましたとおり調査いたしました。その調査の結果でございますが、日債銀から来島どつくに対しまして誤解を招くような文書が提出されていることを確認いたしました。ただし、その文書の性格につきましては、日債銀は保証を打ち消すことを意図したものではないと説明しており、ほかの客観的事実からも日債銀のこういう主張を覆すようなものは認められなかったわけでございます。しかしながら、当局としては、内容のいかんを問わず誤解を招くような文書を作成したことは極めて遺憾であり、銀行に対して責任の所在を明らかにさせるとともに、二度とこうしたことのないよう指導したところでございます。
○目黒今朝次郎君 疑わしい文書、我々はこの問題はもう検察当局が把握している、そういう情報を確認しておるわけでありますから、時間がずれて出てくると思います。 そうしますと、私は、今局長答弁から見ますと、疑わしいという言葉を使われましたが、具体的には、坪内氏が全責任を持つと、そういう意味の文書であるというふうに確認していいですか。
○政府委員(吉田正輝君) 坪内氏が全責任を持つと、保証ということでございますから、来島どつくが保証をするということにつきまして、それの打ち消しをしているような裏念書が出ているのではないか、そういう打ち消しをしているのではないかというような誤解を招くような文書があったということでございます。
○目黒今朝次郎君 三十億も貸して裏念書出しているんですから、あったとなったらこれは大変なことになりますが、そういう苦しい答弁はわかります。わかりますが、疑わしいものがあったということは事実として確認しておきたいと思います。 そうしますと、この裏念書の疑わしい念書については、担保は何であったのか。この前運輸省のやりとりを見てみますと、いわゆる船を担保に借りたというように推定できる疑わしい答弁をしているわけでありますが、この三十億の裏念書、そういう性格であったならば、いわゆるこれにかわる担保はやはり船であったというふうに確認していいんですか、高速フェリーの船だと。
○政府委員(吉田正輝君) 後にこの保証は御指摘のとおり船に変わっております。船を担保とするに変わっております。
○目黒今朝次郎君 私の調べでは、さんふらわあ号と言っていますが、これに間違いありませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 間違いございません。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、十月五日の答弁では、当時の銀行課長は、一般論としてそういう場合においては責任者の背任にかかわる問題だと、こういう一般的な答弁をしておるわけでありますが、今まあ疑わしいということはあったけれども、さんふらわあが担保だということは裏を返せば本物だと、こうなるわけでありますから、そこは追及しません。我々は二段論法でやればわかるわけでありますから、裏念書らしいものは出ておったということはわかりますし、それはわかったと。そうしますと、この問題についてはやっぱり責任者の背任ということはいわゆる日債銀内部で銀行局の行政指導として当然何らかの指導を日債銀については行うべきだ、こう私は理解するわけでありますが、今の局長の答弁ではもやっとしているんですが、この日債銀に対する行政指導、そういうものについてはきちっと銀行局が指導し、あるいは日債銀が内部できちっとその指導を受けて処理をされている、こういうふうに理解されるわけでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 全体として私が御答弁したとおりでございますので、そのとおりでございます。
○目黒今朝次郎君 まあ行政指導で一定の処分がされていると、そのとおりと。それは大体いつごろ行われましたか。
○政府委員(吉田正輝君) 十一月末でございます。
○目黒今朝次郎君 まあ私の指摘に対して調査をして、担保はさんふらわあで行政指導をして十一月末に日債銀内部の指導が行われたと、そういうふうに理解いたします。 きょうはそこまででとどめておきますが、やはり私はこういう裏念書あるいは裏念書的な疑惑を受けるというのは余りよくないことだ、こう思いますので、大臣に特に答弁求めませんが、監督官庁である運輸省ですね、まあ今回大臣がかわったわけでありますが、運輸省は当時の時点では銀行局の調査を待つと、こういうふうに態度を表明しておったわけでありますが、今の銀行局長の答弁を聞いて運輸省は行政指導でどういう態度をおとりになりますか、運輸省。
○説明員(小幡政人君) 前回の運輸委員会の席でも先生に御説明申し上げましたように、この会社は現在百五十億を超えます実は累積債務を抱えておりまして、そこで、この会社の経営の再建問題で、当事者はもちろんでございますけれども、関係の金融機関であるとかあるいは関係の方々の御支援をいただきながら努力をしているわけでございます。その中で、関係の金融機関からの健全な協力ということは非常に大事なことでございますので、我々としてもそういう観点から健全な適正な支援を受けられるように努力していきたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 前細田運輸大臣は、余りいいことじゃない、したがって十分大蔵省の協力を得ながら指導すると、そういう大臣答弁しているんですが、そういうことで再確認していいですね。いいですか、どうですか。
○説明員(小幡政人君) そういうことでございます。
○目黒今朝次郎君 じゃそのような行政指導を運輸省にお願いします。 それから、次は二、三細かくやっていきますが、会計検査院長にお願いしますが、これもこの前の運輸委員会でちょっと局長が一応の答弁をしておるわけでありますが、国立大機器納入汚職事件で検察側の冒頭陳述で会計検査院の局長が田中被告と贈賄者を引き合わせ、高級料亭で接待に同席したと、こういう検察側の冒頭陳述があるわけであります。この前の委員会では、検察側は客観的なやっぱり検察の威信にかけて証拠書類を集め、あるいは調査をした上で検察の責任で冒頭陳述をやっているという法務省側の自信ある答弁を得ておるわけであります。しかし、本人は新聞にも出ておりますとおり、引き合わせはしたけれども接待の席に出たことはありませんと答弁しているんですが、まあ今後裁判で明らかになると思うんでありますが、しかし何といっても会計検査院の局長がこういう疑惑を同じ政府機関の法務省に把握されているという点は、どんな釈明しようとやっぱりゆゆしい問題だと、こう思っておるわけであります。我々決算委員会としては、私を初めやっぱり会計検査院の厳正中立というところに大いに期待をかけておるわけでありますから、この件に関してやはり会計検査院長の釈明と今後の決意についてきちっとあなたの責任で明らかにしてもらいたいということで、きょうお願いしたわけです。いかがですか。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 先月の二十一日でございますか、本件に関します公判の冒頭陳述におきましてそういう事実があったということが述べられました。これは当日の夕刊で私見まして、実は寝耳に水であったわけで大変びっくりしたわけでございます。いやしくも国民の信頼を受けて会計検査という厳正なるべき職務に従事している者が、こういうことがあってはならないことだとかねがね考えておったわけでございますが、したがいまして、冒頭陳述、これをいただきましてつぶさに拝見いたしました。また、もうやめておりますが、当の責任者も呼びましてその事実関係を聞いたわけでございます。そうしましたところがその当事者は、やはり寝耳に水の報道をされて、記者に質問されたということで、手帳をいろいろ見たんですが記録がないというようなことで、新聞記者にはそういう事実はないように思うと。どうも当時のことが余り記憶になかったようでございますけれども、なおよく念査いたしましたところ、確かにそういう事実があったということを認めました。したがいまして、検察方の陳述で述べられていることは事実であろう、こういうふうに認識をしているわけでございます。 先ほど申し上げましたように、会計検査院の当時現職にあった者が、こういう疑惑を招くような行動に出たということはまことにゆゆしさ問題でございます。当人も、今被告になっております人間とはいろいろないきさつがあって、個人的な知り合いという関係であったわけでありますけれども、そういういきさつは別といたしまして、結論的にそういう事実があったということはまことに申しわけないことで、人を見る目もなかったし、私も軽率であったと非常に反省いたしております。 会計検査院長としての私といたしましては、事務総長を通じまして職員全員に対して、検査院の職員といえども社会人ではあるけれども、官庁、公団、そういったところの職員に対すると同じように、やはりいろいろなつき合いはあっても、いやしくもそういう疑いを持たれるようなことがあってはならない、この事件を厳粛に受けとめて今後の行動を正しいものにしてほしいということを警告させた次第でございます。 以上でございます。
○目黒今朝次郎君 この前にはなかったし、今院長の答弁で、詳細に調べた結果そういう事実があったということについては努力に敬意を表します。同時に、再びないように一層の叱咤激励を要請しておきます。 次はサラ金問題について、七月九日サラ金問題を取り上げたわけでありますが、当時はヤタガイの貸し倒れ問題について、倒産に追い込まれるんではないかと私は予測しながら、経営の実態についてどうだというふうに銀行局にお伺いしたわけでありますが、私の言ったとおり倒産をいたし、同時にその際銀行局長は、焦げつき率の中身については、経営内容まで立ち入った指導をする立場にないので把握していませんと、議事録を何回読んでもこういう答弁をしておるわけでありますが、この答弁は今日でも考えの変更はありませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 結論的に申し上げます、と、御指摘のとおり内容を把握しておりませんし、その立場にございません。貸金業規制法がございますが、それは資金需要者等の利益の保護を図ることを目的としまして、貸金業者の貸付業務の適正化のために貸金業者に対しましては各種の業務規制は課しているわけでございますけれども、個々の貸金業者の経営内容については特別に把握する立場にないし、していない、こういうことでございますので、結論的には御指摘のとおりでございます。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、十月二十日にプロミスが倒産に追い込まれる、そういうことで緊急に大蔵省は倒産回避のために二百億の緊急融資をする、そういう形でこの面の銀行筋に協力を要請したと、こういうこともあるわけでありますが、経営内容に立ち入る立場にないといいながら、大蔵省が主導権をとってなぜこの二百億の緊急融資に大蔵省が動いたんですか。これは各金融会社が自主的に動いたというふうに突っ放すんですか。大蔵省は全然かんでない、こういうふうに受け取ればいいんですか。この件のプロミス倒産にかかわる緊急融資二百億、これらと今あなたが答弁したことの関連性についてひとつ御指摘願いたいとこう思うんです。
○政府委員(吉田正輝君) プロミスに対する金融機関の協調融資があることは事実でございますが、これにつきまして大蔵省の要請で行われたという新聞報道もあるようでございますけれども、大蔵省が要請したという事実はございません。サラ金業者の経営についてはあくまでも自己責任に基づいて行われるべきものでございまして、仮に業者の経営に問題が生じた場合におきましても、その業者の規模の大小にかかわらず、大蔵省としては経営問題にまで立ち入って指導することは考えておりません。したがいまして、先ほど申しましたように、内容も正確に把握しておりませんし、金融支援を指導している立場にはございません。 なおそこでどういうことかと申しますと、敷衍して申し上げさしていただきますと、金融機関のサラ金業者への融資につきましては、これは昨年六月三十日に銀行局長通達が出ておりますが、基体的には金融機関の自主的判断にゆだねられるべきものであるというふうに考えておりますけれども、金融機関の公共的性格がございます。そこで……
○目黒今朝次郎君 質問しないこと要らないよ。時間もったいない。質問したことに答弁してくれよ。
○政府委員(吉田正輝君) それで簡単に申しますと、悪質な業者に対する融資は自粛すること、それから融資を行う場合には貸付条件に十分配意して消費者金融全体の健全化に役立つよう指導してきているということでございますが、それはあくまでも自主判断でございまして、私どもとして要請した事実はございません。
○目黒今朝次郎君 そうすると、この前の答弁で五十八年度、大手四社の経常利益は百八十五億から二百三十九億に上がってなかなか経営はいいと、こういう答弁をしたんですが、私はそれは甘いではないか。いわゆる経常利益の中を見たって、担保提供者、金融ブローカー、出資者は対するいわゆる裏金、そういうものが全部含まれておるのであるから、表向きの金だけではサラ金の問題は危ないではないか。そんな甘い勘定で、今は中小は倒れていく、大手も倒れていくんではないかと、そういう警告をして、もう少し中身に入った指導をすべきではないのか、こういうふうに提起をしたんですが、あなたはとうとう逃げの一手で答弁しなかった。しかし、現実に大手の四社まで含めてじわりじわりとサラ金業者が倒産に追い込まれているこの現状を見ますと、今銀行局長の答弁だけでは一体金融問題は解決できるんだろうかと、そういう疑念を私は持たざるを得ないんです。 ですから、このサラ金の経営の方針、悪いサラ金といいサラ金という言葉を使いましたが、どういうことを目安にいいサラ金、悪いサラ金ということをあなた方は判定しようとしているのか。経営内容には立ち入らないと言っていながら、いいサラ金と悪いサラ金、こう言っているんだけれども、その辺の絡みは一体どうなんでしょうか。この前は、生命保険が一兆円融資しているということで、あなたの前身の銀行局長は余りよくないといって生命保険の資金を回収するということを答弁になった。きょうは後で徳陽相互銀行その他の実態を申し上げますが、あなた方としてはサラ金の行政指導はどういう行政指導をしようとしているんですかね。それを的確にお示し願いたい。どうも私はその場限りの答弁だなあと、こう思うんですが、一体、一貫したサラ金の行政指導は何なのかということについて、この前大手四社の経常利益の問題を言っておるにかかわらず、私の予告どおり倒産しちゃったと。この現実を踏まえて、もう一回答弁願いたい。
○政府委員(吉田正輝君) 私ども貸金業規制法で与えられております指導の目的でございますけれども、これは、貸金業規制法は、資金需要者等の利益の保護を図ることを私どもの使命とさせておるというふうに承知しております。そこで、貸金業者に対する指導は、経営内容ということではなくて、貸付業務の適正化、需要者の保護ということに相なりまするので、例えば、法に違反するような高金利あるいは過酷な取り立て行為等々のビヘービアにつきまして規制をするわけで、その点につきましての資金需要者に対する業務のあり方を厳正に指導するということでございまして、その点を銀行局長通達などでも厳に指示しているところでございます。
○目黒今朝次郎君 これは五十九年七月二十八日、私がこの前質問したすぐ後だね、私は七月九日ですから。七月九日にこの前のヤタガイの問題をやった。ところがその後に、これはエサカだね。エサカが倒産をした。これはマスコミが勝手に書いたんだと言えばそれは責任逃れかもしれませんが、このときの大蔵省談話は、消費者金融が健全化に向かうための過渡的な現象ということで静観をすると。業界自体の競争原理を通じて再編成するのを待つだけだというのが、これはだれが言ったか知りませんが、大蔵省談話が、これは発表されているんですがね。 場合によっては自主的だと。場合によっては過渡的現象だから静観だと、事態の推移を見守っていると言って、そのときときによって、あなたが今答弁したことは答弁なんだけれども、このサラ金の倒産について本当に冷酷なときは物すごく冷酷になるし、がらっと変わって、二百億円の金融をやるときには、表向きはきれいごとを言っても、陰では全部銀行局の指導で各大手銀行は動いていると。こうなりますと、何と言いますか、大手四社は育成するけれども、中小その他は時の流れにまつだけだと、こういうのが大蔵省の本心なのかどうか。 なかなか銀行局長苦しい答弁してますから、ずばりサラ金問題は何回もやっておりますから、竹下大臣、私の言っておることが間違いなのか、このマスコミの表現が勝手気ままなのか。これは全然違うんです、同じ新聞社で。大臣、全然違う、同じ新聞社で。大手の方はほいほいだ、中小の方に過渡的現象であるから、競争原理にまつだけだと。この二面性。同じブン屋の記事ですよ。これを一体大蔵省はどういうふうに説明するのか。私が言っているとおり、最終的には大手四社を残すだけだと。中小零細サラ金は倒産もやむなし、こういうふうに銀行局は割り切っておると、あるいは大蔵大臣は割り切っておると、このように見ていいのか。世間はもうそう見ていると思うんですよ。私もそう思う。どんなに質問したって、中小は見て見ぬふり、大手だけはどんどん裏手から、銀行を通じて補給してくると。この二面性について竹下大臣から、ひとつ基本的に聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○政府委員(吉田正輝君) 委員長。
○目黒今朝次郎君 大臣答弁してください。あなたじゃだめ。質問者が言うんだから。
○国務大臣(竹下登君) 別に大小に対して画然と区別して、そういう事態認識のもとに対応しようという基本的哲学があるわけじゃございません。確かに新聞論調等、それはそれぞれの立場から自由になされるでありましょうが、私どもとして結論から申しますと、より既存の金融機関が、いわゆる消費者金融に対してどのように熱心にアプローチしていくかということ、これをやっぱり時に応じて漸次指導していかなきゃならぬということが基本的な問題だと思っております。 したがって、今日、国会であのような議員立法ができました後、いろんな反響が出て、したがってあの法律のもとに我々がどの範囲で飛び出すべきかというようなことも、結論から言うと、この示された範囲内において、いわば需要者を保護し、そして過酷なことにならないという範囲の中で行政に対応しておるわけでありますが、やはりある意味においては時の流れというものを見定めながらこれに対応していかなきゃならぬことでありまして、それじゃ竹下、おまえ一つのタイムスケジュールあるかと言われると、それもございません、率直に申しまして。だから、こうした国会の議論等を通じながら、そこにおのずからの対応策というものを進めていかなきゃならぬ。それが画然としたフィロソフィーが打ち立てられておるとは私自身も自信を持って目黒委員にお答えできる立場に今日ないじゃないか。ただ、大がゆえに生かそうとか、中小がゆえに自然死を待とうとかいう画然たる区別をしておるわけでも、もとよりございません。
○目黒今朝次郎君 それは大臣、中小企業を見放して大手四社だけ育成しますと、それが竹下大蔵大臣並びに日本政府、大蔵省の方針でございますなんて、これはなかなか言えないわね、国会の席で。しかし、現実にちまたの各社の皆さんが取材をしながら、社会部の皆さん、朝日、毎日、読売、NHK含めてやっておる調査動向は、やっぱり客観的にそういう現象が浮き彫りになっている。この現実は、大臣がどう答弁しようと否定できない、こう私は思うのであります。 したがって、この現実をやっぱり大臣は受けとめておられるんだと思うのでありますが、ちなみに五十八年七月から五十九年四月まで、この間に警察庁がデータを発表しております。このデータによりますと、千三百六人の自殺者、一万二千百六十四人の家出人、千九百六十九件の犯罪と五百九十五人の犯罪人、サラ金一一〇番にかかってきた五十八年度中の問題は二万五千七百十三件、こういうデータを警察庁が発表をいたしております。 このデータを受けて、大臣あなたは五月十一日の閣議で、同僚であった坂本労働大臣と竹下大蔵大臣は、この警察庁のデータは、もうゆゆしい社会問題だと、したがってこの警察庁のデータに示す問題を解消させるのがサラ金に対する、やはり政府の方針であり、あるいは金融行政の最も大事なところだということを、あなた自身が閣議で発言され、あるいは坂本労働大臣もそれらについては同調されておる、こういう新聞記事を我々は持っておるわけであります。 私がサラ金問題で言ったとき、あなたは私に対して、正規な金融機関による消費者金融を育てるのが筋だということを、あなたは私に再三答弁されていらっしゃいます。その答弁と五月十一日の閣議と、この警察庁のデータを結合しますと、やっぱり竹下大蔵大臣はまだ良心を持っているなあと、こう私は感謝をしておるわけでありますが、この点からいくと、やっぱり大蔵大臣、この犯罪のデータと閣議の発言、こういうものを見て、あなたはどういう方法でこのサラ金を育成していくのか、あるいは整理をして庶民金融に切りかえていくのか、そういう問題について、くどいようだけれども、サラ金に対するいわゆる政府の基本的な考えと犯罪などを解消するためという視点を含めて、大臣の見解をここでもう一回聞かしてもらいたいなと、警察庁のデータを含めて、お願いします。
○国務大臣(竹下登君) これは五月十一日の閣議でございますが、坂本労働大臣からいわゆるサラ金関係でのいろいろな悲惨な事実についての御発言がございました。その問題につきまして私も、議員立法によりますところのサラ金規制法が去年の十一月から施行されましたが、いろいろ問題がございますと。したがって、関係方面、自治体等とも密接な連絡をとりながらその都度適切な運営指導をしておるつもりでございますけれども、しかし現実問題として、今の御指摘ありました警察庁のデータ、そして新聞紙上をにぎわすもろもろの社会面の悲惨な記事がいわゆるサラ金問題に起因する問題が多い、こういう事実がありますだけに、これはそのことが、坂本労働大臣はいわば金融の担当大臣じゃないわけでございますが、そういう大臣から閣議発言というものがあったということは、これをさらにきっかけとして、私どもとしては、なるほど議員立法によるサラ金規制法という範疇からなかなか踏み出すことはできないにしても、自治体や警察と総合的に連絡をとりながら対応していかなきゃならぬ課題だと受けとめるべきであるという趣旨のことを後の記者会見にも申し上げたわけでございます。したがって私どもといたしましてもそういう基本的な考え方に立って、財務局あるいは財務部等を通じ都道府県とも密接な連絡をとって、これが施行に当たって、まだ一年ということでございますが、今日まで来ておりますが、本来やっぱり私はこの個人信用というものをもっと何とか確立していかなきゃならぬということで、非常に漠然としておりますけれどもこれはお許しいただくといたしまして、金融制度調査会の方へいわゆる個人信用のあり方について専門的に勉強していただきたい、その中でいろいろな議論が行われてくると思いますけれども、一方ではそのことをたびたび指摘を受ける、哲学がないじゃないかと、その哲学と申す表現が適切であるかどうか別といたしまして、そういうあるべき姿というのをその辺で広範な立場からプロの皆さん方に議論していただこうと、こういう立場をとって今日に至っておるということであります。
○目黒今朝次郎君 私がサラ金に関心を持ってあっちこっち業者から話を聞きますと、これはいきな言葉でありますがこういう言葉を使うんですね。ある大手幹部の皆さんと話しますと、目黒さん、サラ金業者の生殺与奪の権は卸屋さんが握っていると。卸屋さんというのは金融機関のことですよ、こういうことを言っておるんですが、ここにつけ込んで展開してきた生命保険、そしていろいろな銀行屋が庶民から金を預かって、庶民には五分五厘の利息を払って、サラ金に入れると三九%から四〇%、悪くても三割、折半にしても一五、後で利率の問題は言いますが、そういうところに金融機関が入り込んで調子のいいときはどんどん融資をする、調子が悪くなるとどんどんもう無差別に引き揚げる、こういうことが行われておるのが実態ではないかとこう思うんですが、大手サラ金業者が言うこの経営のやり方について、担当する銀行局長はどんな感じを持ちますか。これは、いやそんなふうじゃないということなのか、現実に大手サラ金の幹部が言っているんだからそれはしようがないなとこう思うのか、銀行局長の見解をまず参考までに聞かしてもらいたい。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま大臣も答弁いたしましたように、消費者信用に対するニーズというのはこれは漸次高まってきておりまして、これは国民の一つの需要でございます。そこで、まず金融機関自身が消費者金融を拡充することが必要であるというふうに考えております。この点につきましては現に漸次拡大の方向にあると思うのでございますけれども、ただいま大臣が申しましたように、金融制度調査会におきまして消費者信用のあり方について各界の御権威に集まっていただきまして、本格的な研究を始めていただいておるわけでございます。 そこで、金融機関自身が消費者金融を充実していくことはまさに目黒先生が御指摘のとおり大切なことでございますが、同時に消費者ニーズ全体を考えますると、サラ金業者あるいは信販業者、いろいろの与信業者がございますが、それに対しまして金融機関がいわば卸売的に良質な資金の供給を安定的に行えばまた消費者ニーズに対してこたえ得る道であると考えます。また、金融機関がそういうふうに入っていくことを通じまして適正な競争が行われることによって、サラ金なり与信業者の営業態度あるいは資金需要者に対する態度等の適正化が促進される、かように考えているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 そうは言っても、今回プロミスが倒産する、それに対して金融機関から――我我、金融機関を皆拾っていますが、例えば日本長期信用銀行、住友信託銀行などなど一覧表を持っていますが、こういう皆さんは、プロミスが倒産したのでは金が取れなくなってしまう、したがってプロミス救済という大義名分でどんどん銀行が庶民から預かった金をプロミスにぶち込んで、そうして力をつけたふりをして自分が貸しておった金を全部巻き上げる、巻き上げて、これが完了した時点になるともうさっさと金融機関はサラ金から引き揚げる、金を引き揚げられた大手サラ金はあえなく倒産と、こういう大手サラ金プロミスと融資金融機関の猿芝居というかざる芝居というか知りませんが、とにかく貸した金は全部巻き上げると、そこにだけ金融機関の目があって、サラ金そのものを育成化するなんていう考えは全然大手銀行にはない、こういう分析をしているんですが、今二百億の融資をして本当にプロミスが立ち直るんだろうか。プロミスは時間の問題だと、きのうだかおとといの新聞によりますと、まあ来年一年持つかなと、こういう長期見通しをやっている経済新聞社もあるんですがね。ですからこの分析が私は正しいのか正しくないのか。いや目黒さん、そんなこと心配ありませんと。しかし前回は、私が倒れますと言ったやつがあなたは絶対倒れないと言いましたね。ところが今回も、プロミスの融資の問題はそういうその筋の皆さんが分析しておることが当たるのか、いや当たらないのか、銀行局長はどう考えていますか。
○政府委員(吉田正輝君) 先生の御指摘によれば、私が大手四社は倒れないというように答弁したということでございますけれども、私ども基本的に、先ほど申し上げましたように業務報告書を除きましては経営の内容を把握しておらないわけでございます。そこで、大手四社の動きについてお尋ねになったことでございますので、今可能な数字として御説明できるのは、これは大手四社は上場しておりますので有価証券報告書がございます、そこで、五十七年と五十八年を比べた場合に、貸倒償却率は高まってはいるけれど、経常利益は上がっているという客観的事実を有価証券報告書に基づいて申し上げたわけでございます。 そこで、お尋ねのプロミスがどうなるかということでございますが、個別企業でございます上に私どもその内容を把握しておりませんので、その一つの企業についての判断を申し上げることはできませんし、わかりません。そこで、プロミスについて御疑念がいろいろ御質問にございましたのでもうちょっと敷衍して御説明させていただきますと、私どもは金融機関から聞いたところによりますと、プロミスに融資を行っている金融機関の間には、かねてから計画的に資金供給をしていこうという動きがあったようでございます。それでプロミスとしても核となる金融機関が欲しいということで話し合いが行われて、協調融資の合意ができたというふうに聞いているわけでございます。先ほど先生にるる申し上げましたけれども、これは時間をとりますので申し上げませんけれども、銀行局長通達というのがございます。これは先ほど申し上げたところでございますけれども、こういう問題につきまして、プロミスについては大蔵省は要請はしたことはございません、新聞報道のような事実はございませんけれども、プロミスのただいま申しました融資金融機関間の話し合いにより自主的な協調融資団結成が決まったのは、これは自主的話し合いで決まったものでございますが、その過程で大蔵省へ随時連絡がございました。それに対しましては、当方としては融資している金融機関が通達の趣旨、この通達の趣旨を踏まえて自主的判断により計画的な資金供給を行うことは、一般論としては容認できると考えるということでございます。これはプロミスに限らず銀行局長通達の趣旨を聞いてまいりましたときに、個々の経営判断ないしは金融機関の介入の仕方についての判定は決していたしておりませんけれども、通達を考えて通達は説明いたします。そこでそれは基づいて金融機関が自主的判断をしているというふうに私どもは考えておることでございますけれども、大蔵省が金融不安防止等の見地から金融機関を指導したという事実ではございません。 ちょっと修正させていただきます。大手四社が上場していると申し上げましたけれども、上場ではございませんで、公募増資をしているので有価証券報告書が出ているということでございます。
○目黒今朝次郎君 銀行局長通達は、私がこの国会でいろいろサラ金問題を議論して、私の質問の結論としてあなたの前の宮本局長が銀行局長通達として出したんですから、その経過は大臣も知っているとおり、私はあなた方に説明されるまでもなく全部私は存じの上でやっているんですから、ありがとうございました、今後は要りませんから、銀行通達の釈明は。 それから、ことしの十月末をもってサラ金の猶予期間一年が経過したわけでありますが、私がこの決算委員会で取り上げてまいりましたサン・オーシャンそれから千葉相互ファクタリング、今池ビルディング、三中開発、フジファクタリング、三喜ファイナンス、三貢商事などについてはこの期間中に届け出が、登録があったのかどうか、中小金融課にお伺いいたします。
○政府委員(吉田正輝君) 御質問の各社の登録状況について調査いたしました。サン・オーシャン株は五十九年六月十八日付で東京都知事登録済み、それから株式会社今池ビルディングは五十九年十一月十九日付東海財務局長登録済み、三喜ファイナンス株式会社は五十九年十一月十九日付東京都知事登録済みであります。このほかについては登録申請中のものもありますが、登録のないものもございます。
○目黒今朝次郎君 じゃあその関係は後で聞きます。 それから、もう一つお伺いしますが、私は昨年の十月三日以降質問した総栄産業、これはアコムへ長短期四十億、レイクへ長期二十億、朝日クレジット、武富士へ短期三十億、レナード、武富士へ短期二十億、サン・オーシャン、武富士へ長期十億、こういうことについて国税庁に追跡調査、それから光製作所の安岡光雄氏、これらのことについては大変金の流れが疑わしい、したがって国税局は追跡調査を要請しておったわけでありますが、その後の国税局の調査の経過について御報告願いたい。
○政府委員(冨尾一郎君) ただいま御指摘のありました各会社の調査状況等につきましては、個別の問題でございますので御答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、私どもとしては従来から貸金業ないしはそれに関連する業者については重点的な調査対象に取り入れておりますし、日ごろからいろんな各種の情報を収集しておりますし、また国会で御議論されたことなども含めまして、課税上問題があると認められるものにつきましては税務調査を行うなどいたしまして、適正な課税に努めておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 余り遠慮したこと言わないで、庶民にはびりびり税金取り立てて、こういうサラ金にダミーでぼろもうけするおっさんには何でそんなに気を使うの。もう少し積極的に金の流れを調査してもらいたいね。時間がありませんから、ここに白木商事と安岡光雄氏、金の流れをずっと書いたコピーがあります。これもあなたにやりますから後で、安岡光雄さんの金の流れ。この金の流れについて、随分うまい商売やっているわけですね、これ、うまい商売。このうまい商売やっているコピーやりますから、これも含めて調査してくださいよ、そんなきれいごと言わないで。どうですか。もう少し積極的に国税庁がサラ金のダミーについて調査してください。いかがですか。
○政府委員(冨尾一郎君) ただいま申し上げましたように、私どもとしては問題のある業種につきましても税務調査を今後とも積極的にやってまいりたいというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 それは調査するぐらいは協力しなさいよ、国税庁。いろんな秋田駅前開発でも何でも、問題にされると守秘義務で逃げておって、調査ぐらいは協力してくださいよ。要請します。 それから大臣ね、この前は生命保険会社のサラ金の関係をやっておりますが、きょうはワールドファイナンス、俗称ローンズワールド、あちこち新聞が書いていますが、ローンズワールド、この問題について若干質問いたします。これは若干古いんですが、五十八年二月二十八日の借入金一覧表を私は入手いたしました。読みにくいので、私の秘書に命じてこういうふうに書き直して、参考までにレクの際に余りよそへ持っていかないようにということであなたの方に良心的に前もって出しました。これ全部読み上げると時間が全部パアになっちゃうから、ごく一部だけ読み上げますと、いわゆる大手サラ金に出資をしている銀行、庶民からは銀行預金を集めて五分五厘の利子を払っておって、サラ金にはこういうふうに出しているんですな。徳陽相互銀行東京支店三十億、第一相互銀行本店十七億、中部相互銀行東京支店五億、東京相互銀行本店十億、大生相互銀行東京支店九億、大光相互銀行東京支店十億、ときわ相互銀行本店が十億、新潟相互銀行東京支店五億、福徳相互銀行新宿支店五億、高知相互銀行東京支店五億、千葉銀行久松町支店二億、アメリカンエキスプレス銀行三億、小計百十一億、以下同文で、ダミーの徳陽グループ、オーバーシーズデータサービス三億、サン・オーシャン株式会社十億、浪速信販株式会社二十億、日光興産が二十億、日建連が二十億、以下締めて、徳陽グループは七十八億、こういう形で金を出しているわけですよ。庶民から金を預かってサラ金に出資をしてぼろもうけしていると。五十八年二月二十八日現在こういう銀行がローンズワールドに出している金が九百三十七億二千二百四十五万七千八百八十八円、これだけ相互銀行系が金を出資しているわけですね。この前は生命保険、これは銀行通達で大分回収しました。しかし、現実に相互銀行もこの程度を出しているんですが、我々はこのように把握しておりますが、レクチャーの際に申し上げたとおり、現在、現時点でローンズワールドは各銀行からの融資残はどのくらいになっているんでしょうか。調査を要請しておりましたが、銀行局お知らせ願いたい。この時点では九百三十七億、現在は幾らですか。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど申しましたとおり、個々の貸金業者の経営内容にまで立ち入って指導することは行っておりませんので、現在の数字については把握していないわけでございます。
○目黒今朝次郎君 大臣、大事なところになると把握してない。私の方では現在約三百五十億です。三百五十億ですから、一年ちょっとの間に約六百億銀行筋がもう引き揚げているわけですね。五十八年二月二十八日に九百三十七億、現在三百五十億、世間の目がうるさいものだから、どんどん銀行筋もサラ金に貸した金を引き揚げていると、そういうのが現状です。 それからもう一つ、この徳陽相互銀行とそのダミー各社、住友生命とそのダミー各社、第一勧業とダミー、中部相互銀行とダミー、こういうところのその利率一覧表を見ますと、これも個々の銀行といいますとまた逃げられますかな、この利率一覧表を見ると物すごくばらつきが多いんですね、これ。このばらつきの多いことはわかってますか。銀行がサラ金に貸しておる利率が物すごくばらつきが多いと。これは実態を把握していませんか、どうでしょう。
○政府委員(吉田正輝君) 先生からの表をいただきましたのですけれども、大変恐縮でございますけれども、個々の取引内容でございますし、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。 それから、内容については正確に把握しておりません。恐縮でございます。
○目黒今朝次郎君 じゃ、把握していないなら銀行局長、日本政府大蔵省の銀行局長が把握していないとはこれは大したもんだね。私のところにこの利率一覧表ありますから、目黒が調べた利率一覧表ここにあります、これペーパーで約四枚、これを私はあなたにあげますから、後ほど実態を調べてくださいよ。あなたが知らないと言うんなら。まあ知っておってもわかりますとは言えないから立場はわかるよ。立場はわかるから、これは私が調べたやつをあなたに提出しましょう。銀行局にサービスです、これは。これを見てください。 それからもう一つ、私は、三百五十億の残高がわからないからほかの点もわからないと思うんですが、徳陽相互銀行が現在六十億の残があるんですよ、このワールドに対して六十億の残があるんですが、この徳陽が利率の問題で特別に、何といいますかな、私は銀行の専門家じゃありませんから気のついたところだけ率直に申し上げますと、利率は後で別表を見なさい、一三%から六%の落差があるんです、この利率。この利息というのはどうなのかなと私調べてみました。五十八年二月二十八日現在ですから公定歩合は五・五、それから日銀調べでこの徳陽相互銀行の約定平均金利――利息は、長期貸付で七・六九七、短期で七・〇七六、こういうのが大体大蔵省と日銀で発表した利率なんです。その利率よりももっと低い利率で徳陽相互銀行さんが特別サービスしてるんですよ。これは一体どういうふうに解釈したらいいんですかな。いわゆる庶民から金を預っている徳陽相互銀行がですね、普通はサラ金に金を貸す際に一三%、一四%前後で約倍近く、五・五の倍だ、庶民に払う利息の倍近くの利息をサラ金からもらっているわけですよ。それが常道なのに、徳陽相互銀行だけがそれを下回っていると。この平均の長期の場合は七・六九七、短期の場合は七・〇七六、なぜ徳陽相互銀行だけが特別にこういう措置をしたのか。私は金融学に詳しくありませんから、こういうことが可能なのかどうかということを含めて銀行局長の見解なり説明を聞かしてもらいたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 当時の相銀の約定平均金利は、短期が先生御指摘のとおり七・〇七六で、総合が七・六九七、長期は八・三八〇と、こういうことのようでございます。 それで、この徳陽の数字でございますけれども、先生からいたださました数字によりますと、一三%物と六%物、この六%物が格別低いのではないかという御指摘だと思います。個々の取引でございますので、毎度恐縮でございますが、具体的数字は差し控えさせていただきたいと思いますが、私どもこれについては同行から聴取したところでございますけれども、同行のワールドファイナンスに対する貸出金利は格別低い金利とはなっていないというふうに言っております。ただ、これは同行から聞いただけのことでございますから、先生の調査もございます、そこら辺は今後のあれでございますが、金融機関の金利というのは、そのときどきの全体の平均金利がございますけれども、取引の全体あるいは預金の残高等々によって各種の要因で決まるわけでございます。全体としては市場原理が貫徹するところでございますけれども、個々の内容につきましてはいろいろの形態があるように存じておるわけでございます。不十分でございますが。
○目黒今朝次郎君 だから、この逆ざや現象の問題については、時間がありませんから後ほどで結構ですから、この逆ざや現象があるということは現実なんですから、この逆ざや現象というのは一体どういうときに発生するのか、あるいは個々の企業だといっても、行政としてはどういう場合にやっぱり例外として認められるのかと、そういう中身について、後ほどで結構ですから、ぜひ説明なり御教示を願いたい、その上でまたさらにお聞きしたいと思っております。 時間がたんだんなくなりますから、これは私の調査したところでこのダミー会社の一つの例です。これはある会社――名前だけは出さないでくれと言われましたから某会社といたしましょう、これは二%の利益を得てローンズワールドに五十八年四月一日現在で三十億の融資をしておった。ところが、この三十億の融資のうち、その次の四月三十日に十億、五月三十一日に五億、五十九年一月二十五日に五億、五十九年二月二十五日に十億、約十カ月間でこのローンズワールドからもう金融会社が三十億を引き揚げてしまったと。この例から言うと、先ほど言った二百億を融資しておっても、情勢が悪いとなると一年足らずで融資した金を全部吸い上げちゃうと、ぽんぽんと。こうなったら、大手優秀サラ金でもあっという間に倒産をしてしまう仕組みになっているのが、大手金融機関だといっていながらサラ金の仕組みじゃないですか。二百億、百八十億の利益があるといっておったって、あれよあれよといってダミー金融とか相互とか生命保険が、この某会社のように金を引き揚げてしまったら、サラ金会社はパンクしてしまうと、こういう現実を私は教えておるものだと、こう思うんですよ。ですから、これをどうだといってもしょうがありませんから、やはりサラ金というのは、大手と言わず中小を問わず、本当に瀬戸際の金融作戦をやっているのだということをやっぱり私は国民にも教えるべきだし、あるいは大蔵省もきちっと国民に向かって、サラ金というのはこういうものなんだということをやっぱりもう一回私は繰り返して国民にきちっと訴え、同時にサラ金業界、金融業界にもその是正を求めると、こういうのがやっぱり金融行政を指導する大蔵省の基本姿勢でなければならぬと、こう思うんですが、この例を含めて、大臣、これは大臣だ、大臣いかがでしょう、私が今言った例を含めて。
○国務大臣(竹下登君) 一つ一つ私も同感の点がございます。ただ、この個々のサラ金業者に対します金融機関の融資は、これは原則は自主的判断にゆだねておる。しかし一般論として今申しますと、サラ金業界の業況等を反映いたしまして、総じて以前に比べて手控えぎみであるという認識は私も持っております。ただ、初めからこのサラ金業界とはかくなる内容であるということを一定の枠内で断定して世間に公表するということについては、やっぱりこれは問題が多かろうと思っております。したがって、このように国会の御質疑に対して総じて以前に比べ手控えぎみであるというようなことをお答えすることそのものも、私は国民全体に対する一つの何らかの参考にする結果となれば、それはそれなりに有効ではないかと、こういう考え方に立っております。
○目黒今朝次郎君 大臣の金融界をかばいながら、一面では警察庁のデータを見ながらいろいろ苦しい答弁をされる大臣の気持ちはわかりますが、私はけさちょっと質問があるから早く家を出てきて、ちょっと東京新聞を買いました。東京新聞の社会面に載っていますわ、高校一年生少女立ち退き迫られると、これは社会面のトップでした。それで、この中身を見ますと、結局サラ金なんですよ、これは。四十七年に奥さんが二百万借りた、その後だんなが運転手などをしながら返そうと思ってまたサラ金から借りた、奥さんとだんな両方でサラ金から借りちゃって、取り立てに追われちゃって、家を出ちゃって、残されたのは高校の女の子一人。それで、もう情け無用で東京都営住宅から追い出しを食ったと。何か中の記事を見ると、百七十九ケ月分の二百二十万五千円家賃が滞納しておったと。都営住宅の方は、家賃の滞納だから出て行けとなって追い出されたと。しかし、根源はやっぱり奥さんとだんなのサラ金です。これも社会悪の一つですからね。ですから大臣、そのサラ金会社をかばうことはわかるんですけれども、しかし、こういう社会問題が次々と発生しているその根源に――それは借りる方も悪い、貸す方も悪いかもしれないけれども、やっぱり大臣が再三表明している庶民金融を確立するというのが筋だという、この筋をもう少し、細い筋でなくて太い筋にして各銀行、業界に理解と協力を求める、そういうことについてぜひ大臣の最大の努力を要請したいなと思うんですが、きょうのサラ金の締めくくりとしてそういう願いを込めて大臣の決意をひとつ聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○国務大臣(竹下登君) 今のような御趣旨に沿ういささかの気持ちとして金融制度調査会に、消費者信用のあり方についてと非常に総括的な言葉になっておりますが、御意見をお願いをしておるところであります。それはどういう形で議論が展開していくかはにわかに予見を申し上げる状態にはございませんが、そういういわば権威者の集まりの中から、私どもがかねて念じておりますいわゆる金融機関の消費者金融へのアプローチの問題が、言葉は適切でございませんが、定義づけられていく方向で、私どももその審議の推移を見守るとともに、資料とかあらゆる協力を惜しまないという姿勢で臨みたいと考えております。
○目黒今朝次郎君 ぜひ大臣の努力を要請します。 次回私は、今いろいろな問題があるカード、クレジット、この問題についてぜひまたやってみたいと思いますが、きょうはこの前のあれに続いて尼崎浪速信用金庫、以下尼信と言いますが、この尼信の問題について若干質問をしたいと思います。 私は冒頭、大臣に苦言を呈するわけでありますが、十月四日の総括質問の際に――ここにも国会の議事録があります。この議事録で見ますと、吉田銀行局長は、議事録の六ページの下段一カ所、七ページの下段二カ所、八ページの上段一カ所、八ページの下段一カ所、九ページの上段一カ所、合計六カ所で銀行局長は、目黒議員の質問について即答できませんので、後ほど調査をしてお答えいたしますと、こういうことを言っておるわけですね。それで、もうきょうは十二月の十三日、二カ月ちょっと過ぎておるんですが、吉田銀行局長から私の部屋に一回の釈明もなし、あるいは私自身も報告を受けておりません。こういう、委員会では調査しますと言って答えていながら、その質問した議員に対して調査の結果を報告しない、調査しているかどうか知りませんが、報告しないということは調査していないということだろうね、これは。そういう、委員会さえ逃げればそれでいいんだと思ったら大間違い、これは。私は厳しく言っておきますよ。委員会さえ終わればいいと思ったら大間違い。ですからもう一回議事録を読んでみて――きょうは時間がありませんから言いません。もう一回議事録を読んでみて、大臣の責任できちっと私に答弁をしてもらいたいということをまず――これは回答要りません、回答もらったってしようがないから。それを厳重警告しておきます、銀行局長、六カ所。 それから最も大事な、五十四年の二月に財務局がこの尼信を検査した際の示達書、この示達書については、目黒議員の言っていることは、いいところもあるし悪いところもある、こういうあいまいな答弁、示達書は認めるけれども、目黒議員の言っていることもいいところと悪いところがあるというような本人は勝手なことを言っているんですが、ここに示達書あります、これ、示達書。どこがよくてどこが悪いのか、ちっとも私に説明しないで、そんなちゃらんぽらんな、銀行局長ともあろうものがそういう無責任なことはやめてもらいたいと私は思うんです。ですから、そういう苦言を呈した上で、今から質問に入ります。 一つは、吉田局長にこの前の質問の冒頭は氏平理事長の弟の問題について、彼はこの尼信の会員外ではないかと私が指摘したことに対して、この議事録の七ページの上段にありますが、「その当時の時点におきましては会員に対する貸し付けであったというふうに承知いたしております。」と、こういうふうに答えておりますが、これは間違いありませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 議事録にございますとおり、その当時の時点においては、会員に対する貸し付けであると承知している旨お答えしておるのは御指摘のとおりでございます。これは五十四年一月の財務局検査を踏まえての御質問でありまして、御指摘のあったものに対する貸し付けは会員に対する貸し付けであったと申し上げたわけでございます。
○目黒今朝次郎君 私は揚げ足を取るばかりが能じゃありませんから、十一月十六日、銀行局の皆さんの要請もありましたから、私は仙台市長選挙の問題があって、社会党県本部の委員長をやっていますからなかなか時間がとれませんでしたから、電話を入れて私の秘書を立会人に、尼信の氏平理事長、それから川口専務理事、大蔵省の立会人は墳崎課長補佐、柴田課長補佐、こういう立ち会いで秘書に対していろいろ話を聞かせました。 この際に、氏平理事長は三十七年の八月現在の尼信の天満橋支店に入った、しかしいろいろ言われている弟、いわゆる氏平毅は三十四年ころからもう銀行と取引している、こういうことを表明しているんですが、これは私はうそだと、こういう認識を持っていろいろ書類を調べてみました。調べてみましたところ、どうしても、この理事長さんが就任する前に取引をやっておったと、そういう証拠はどの書類見ても出てこないんですね、これは、私の書類では。それで非常に困っているんです。銀行局長の言うことが本当なのか、私の調べておるのが間違っておるのか、ひとつまず大臣――この謄本あります。謄本によりますと、この弟の会社の登記は五十年三月一日なんです。だから、理事長が言う三十四年からということは、当時はまだ弟は大阪で商売はやっておりません。これは謄本です。これね、弟の謄本。随分これは悪いコピー機械か知らないけれども、こんなややこしい。これを見ますと、やっぱり五十年三月一日付です。この面については確認できますか。この氏平毅の産報工業株式会社、この会社のことを言っているんですが、これはそっちに証拠はありませんか。五十年三月一日設立登記です。これは後で見てください。五十二年九月二十六日、東京法務局登記官遠藤昌さんの登記簿です。こういうことがあったということをまず第一に言います。これは確認できますか、どうですか。
○政府委員(吉田正輝君) 同様のものを持っておりますので確認できます。
○目黒今朝次郎君 私は登記簿でそれを確認しています。 それから、この登記前、五十年の一月二十二日、登記前に千八百七十三万三千円、もう貸し付けをしているんですね。それから、登記した月の二十日、これを読みますと、五千四百八十五万七千円も融資しています。これも一つの、あなたの考え方を覆す証拠物件。これはありますか。なければ後ほど上げます。
○政府委員(吉田正輝君) ございません。
○目黒今朝次郎君 では、後ほど証拠物件で提示します。 それから三つ目。内部資料によりますと、弟の氏平毅さんは、産業報知新聞社、後の産報会社、これが尼信の会員資格を得たことになっておりますが、これが会員名簿です。この会員名簿を見ますと、どこにも「会員」というところはありません。本社は東京都中央区何とか、連絡先が大阪府東何とかです。これは会社に関係なく、この方の末の弟の氏平敏昭さんの単なる住宅なんです。これは事務所じゃありません、個人のうちです。しかも事務所の登録はされておりません。これはありますか。これは金庫からもらっておりますでしょう。なければ、また上げます。時間がありません。
○政府委員(吉田正輝君) これはございます。
○目黒今朝次郎君 ございますならば、弟のところはこれは登記された事務所ですか、単なる連絡所ですか。我々の証拠では単なる連絡所、こうなっていますが、登記に関係ないはずであるが、いかがですか。
○政府委員(吉田正輝君) 私ではございませんけれども、金庫は、それは営業所であったと言っております。
○目黒今朝次郎君 じゃ、それは、尼信の金庫取扱上の、いわゆる登記上の資格があるかどうか後ほど調べてください。我々はないと見ています。これはもうすれ違い。いいですね、後で調べてください。我々はないと見ている、何もないんだもの。
○政府委員(吉田正輝君) この金庫の制度によりますると、信用金庫は営業所の所在しないところには貸してはならないということになっておるわけでございますけれども、それは営業所があればいいということでございまして、登記の有無までは必ずしもその要件にはなっておりません。要するに、営業所の実態があったかどうかということが一番重要かと思います。その点については、金庫はあったと言っております。私どもが言っておるわけではございませんが、あったと言っておるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 私の調査では営業所の登記はされておりません。ですから、単なる事務連絡場所だと、こう私は言っているのでありますから、今あなたが言った金庫法には該当しないと、私はこう見ているんです。だから、それはすれ違い。 それからもう一つ。ここに「大口貸出先明細表」というのがあります、天満橋支店長が作成したもの。これの裏づけする本版にはこういう氏平毅、いわゆる産報工業株式会社の会社のいわゆる貸しつけのいろんなことが書いてあります。書いてありますが、最終的にこの一番上ね、これは理事長の個人印です。ですから、理事長も確かめているということですね。氏平理事長もこれを確認して判こを押していると、そういう判こを押している証拠物件です。 これを見ましても、この弟の初めての取引は三十九年八月と書いてある。こちらの得意先の会員表を見ても、初取引は昭和三十九年八月、これは両方ともイコールなんですよ。ですから、理事長さんが金を貸すのに自分で判こを押しているんですから、その方が三十四年から云々なんということは、これは何かの錯覚か思い違いか。証拠書類上は三十九年八月。そういう証拠物件なんですが、これはありますか。
○政府委員(吉田正輝君) 理事長が三十四年からと申したようでございますが、私どもにはそういうものはございませんので。個別の取引の内容についてはお答えできないわけでございますけれども、せっかくの御指摘でございますので調査させていただきたいと存じます。
○目黒今朝次郎君 これはぜひ調査してもらいたいと思うんです。 しかし私は、こういうことを言いますと、銀行局長ね、あなた方は五十四年の二月示達書を書いたと、あなたの責任じゃないけれどもね。大蔵省加藤八郎検査課長が田中、長谷川両氏を連れていったと。まとめた文章。水野繁氏に報告。現在の国税庁長官。これは原簿ですからね、この前質問した後あなたが来て、いや、目黒議員、これはちょっと間違っておる、これは本当だという説明を待っておったんだが、あなたが来なかったから。来ないということはこれは認めたものと、こう見ますと、昭和五十四年二月、「財務局検査結果の示達書に添付された特記貸出金の抜粋」と、こうなっておるんです。「抜粋」を見ますと、いわゆる「天満橋支店 産報工業(株) 割引手形」云々と、ちゃんちゃんちゃんと書かれて、そして「産報工業(株)〈以下債務者とよぶ〉は東京に本社があったが、当庫に縁故があるため、」云々と始まって、「本貸出金の問題点は (イ)債務者は担保力に於て劣っていたことに手形内容が芳しくなかったことから、東京地区の金融機関では相手にされなかった」と、随分はっきり言っているね。そして、そのような者に対して「当庫が主力先になるといった無軌道な取引振」と、こう言い切っているんですよ。これだけ銀行局が言っておって、私が今申し上げた証拠物件を知らないということは、一体どういうことなんですか。こういう証拠物件をあなたたち見たから、こういう金庫の貸し出しの問題点と言って、きちっと指摘しておるんじゃありませんか。銀行局が今さら知らないとは言わせませんよ。こういう指摘事項は何を根拠に書いたんですか。当時の大蔵省の加藤八郎検査課長にきちっとしてください。そうでしょう、大臣。近畿財務局がこういう指摘をしておって、この債務者が――私が今渡したこの証拠物件なんです。この証拠物件があったからこそ、氏平毅という弟にやっておる金融のやり方、融資のやり方は本末転倒だと。したがって直しなさいと、こういう指摘をやっておったんじゃありませんか。だから、銀行局長、あなたは転任したばかりで、立場はわかるけれども、銀行一体の原則から言えば、この証拠物件は全部知っておって、わかっておってこの検査報告を書いたと、こういうふうに私は見るんですが、これは大臣、私の考えがちょっと無理でしょうか。これは私は責任問題だと。どちらが本当ですか。
○政府委員(吉田正輝君) 全体として検査をいたしますときに、検査の場合には、大口貸し出しとか、その他特記貸し出しについて金融機関側から自主的に差し出させるものがございますように私聞いております。私も実はこの場ですぐお答えするような検査の経験がございませんけれども、一般に検査を行うときには法規、通達、取扱規程等を見ながらやっていくわけでございます。この場合にどのような形で検査官が指摘を行ったかということにつきましては、簡単にわかる場合と細かく調べねばわからぬ場合とあると思います。その中にはいろいろのケースがあると思います。それから、追及していって出てくるものもあると思います。 そこで、それにつきましては、とにかく結論といたしましてその取引の融資のしぶりが金融的に合致していないという指摘をしたわけでございますけれども、どこいら辺までのものをもちましてそういう判断をしたかにつきましては、検査の内容でございますからもちろん申し上げられませんけれども、種々区々の場合がありまして、それを全部押さえていたかどうかについては私今の時点では申し上げることはできません、申し上げることができないわけでございます。恐縮でございます。
○目黒今朝次郎君 どうしてそんなに尼信をかばうのか私もわかりませんが、じゃもう少し続けましょう、まだ時間があるから。 私は当然この問題を見た上でこういう示達書あるいは指導文書を書いたものと思っておるわけでありますが、じゃその尼信が現在焦げついている鶴ケ島ゴルフ倶楽部、これは十億円の焦げつきになっております。これは今言った産報工業、弟が尼信に持ち込んだ融資手形約四億円の振出先の高橋エンジニアリングが倒産した際、その肩がわりをキングス――鶴ケ島ゴルフ倶楽部が肩がわりした、こういう経過を持っておるのでありますが、この前の十一月の理事長さんが来た際にお話があったんですが、もうこの問題は裁判にかけておるけれども絶対勝つ、こう断言をして胸を張っておったわけでありますが、我々が事情をいろいろ調べた段階では、このゴルフのクラブハウスという問題は金融筋の玄人から言わせれば担保能力がないと、こういうふうに一般的に言われているんだと、こういう話を聞いたわけでありますが、この鶴ケ島の十億の担保能力という点も含めてクラブハウスを金融界の常識として担保に入れるということはあるのでしょうか。あってはならない――あってはならないと言っては変でありますが、金融の常識として理事長さんの言っていることと私がその筋から聞いたことでどっちが本当かなと思って困っておるのですが、銀行の通としてそれはしようがないんだと、こういうことなのか見解を聞かせてもらいたい、こう思います。
○政府委員(吉田正輝君) 現在この鶴ケ島ゴルフ場は経営を行っている企業でございますので、融資の内容、評価等に係る問題でございますから答弁を申し上げるのは差し控えさしていただきたいと思いますが、個別案件でございますのでお答えするのもいかがかと思いますが、この尼崎信金によりますと、数年前の裁判所の鑑定に基づく価格では債権元本を上回るものであるというふうに聞いておるわけでございます。裁判所の鑑定ではそうなっているということでございます。
○目黒今朝次郎君 これは個別企業……ただ私は一般論として、こういうクラブハウスというのは、五億も十億も金を借りる際の、規模にもよりますが、ゴルフのハウスというのは担保の条件にならない、こういうふうに聞いているんですが、その辺の一般論はどうですか。
○政府委員(吉田正輝君) ゴルフ場に融資した場合などに全体としてその担保にクラブハウスをとるとか、そういうようなことはあると思いますけれども、クラブハウスだけを担保にするというのはなかなか、余りないことかと思います。これは、この場合には産報工業に対する融資が返済不能になったので、産報工業が持っているクラブハウスに対する債権を引き継いだというようなことであったやに聞いております。そういう経緯による債権だというものではないかと。どちらかといえばこれは私もそこまで……バンカーとして貸し出しやなんかをやっておるわけでございますけれども、クラブハウスだけを最初から何の経緯もなくやるというのはやや異例に属するのではないかなというふうな、常識でお答えさせていただきたいと思います。ただ、経緯があったようでございます。
○目黒今朝次郎君 ここに氏平毅氏、理事長の弟が兄貴に向かって書いた手紙のコピーがあります。これは本人が書いた手紙のコピーです。産報工業株式会社の用紙を使っておりまして、兄貴に対する依頼、五十三年三月二十九日。この書面を見ますと、今銀行局長がいみじくも言ったクラブだけに云々ということについては、ここに経過が書かれておるわけですよ。「旧キングス株式会社の保全命令に基く支拂凍結のため貴金庫に多大の御迷惑をおかけ致しております」云々と始まって、これを見てみますと、そういう苦しい「現状にかんがみ鶴が島カントリー倶楽部株式会社の水野社長と交渉しましたところ、同社が当社に支拂う四億円ならびにこれに伴う金利負担については貴金庫において当社の負債のうちから四億円を鶴が島カントリー倶楽部株式会社に肩替りされるならば、責任をもってユーザー手形にて返済を実行いたしますとの結論を得ました。このため、鶴が島カントリー倶楽部株式会社は、①ただちに大阪に支店設置」して会員の資格を取る、そういうことを、この赤ペンでやったところね、これは本人が書いた手紙です。ですから鶴ケ島カントリー倶楽部の融資というのは弟から兄貴にやった手紙、それにこの水野さんが絡んでいると。そういう点から見ますと非常にデリケートな、ややこしい形でこのカントリー倶楽部がやっておると。したがって、私の認識では非常に何といいますか、焦げつきを含んで、しかも緊急避難といいますか、非常に場当たり的な手続をして金を貸しているということがこの弟の手紙で裏づけされていると、こう思うので、これもまたいわゆる会計検査で指摘された情実融資、場当たり主義の――ここにありますね、情実融資、それから債権保全措置が極めて不十分だと、そう指摘される中身ではないか、こう思うんでありますが、したがって、私はこの鶴ケ島ゴルフ倶楽部の問題についてはもう一つ銀行側で関心を持って焦げつきの問題について検討してもらいたいなと、こう思いますが、いかがでしょうか。手紙も必要ならコピー上げます。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘の書簡がございますようでございますので、拝見させていただき調査させていただきたいと存じます。
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、この鶴ケ島ゴルフ倶楽部の焦げつきを埋めるために、この弟の氏平氏は自分の義理の弟の鈴木秋雄さんという方に五千三百万また融資する、こういう問題もあるわけでありますが、これもやっぱり金庫の定款からいって問題があるんじゃないかと、場合によったら背任の疑いがあるんじゃないかと、こう思うんでありますが、この義弟の鈴木秋雄さんの五千三百万のこの問題についてもこの検査で若干触れているんですが、これについてもひとつお調べをお願いしたい、こう思うんです。
○政府委員(吉田正輝君) 調べさせていただきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 それから、この前理事長が来た際に、鈴木さんは五千三百万返したと、言葉が走ったのかどうか知りませんが、そういう話がありました。それはいつどこでどういう返し方をしたんですかと言ったら、理事長さんは答弁できませんでした。だから、このことについても返したと私の秘書の前で明言していながら、いつ、どこで、どういう方法で返したんですかと言ったら答弁ができなかったわけであります。したがって、私はこの鈴木秋雄さんの問題についてもう少し、返したということも含めて、どういう返し方をしたのか調べてもらいたい。これはこの融資事務取扱規程、これは尼信のものだと私は思います。ここに「融資事務取扱規程」、この字は検査に来た際の某氏が自分で書いた字だと、こう言われております。これは某氏の書いた字と照合すればすぐわかると思うんでありますが、この取扱規程の二十五条、六ページによりますと、「(貸出金の回収)」「貸出金は立替金、利息、元金の順に回収するものとする。」と、こういうふうに金庫内の取扱規程であるわけでありますから、もちろん私は五千三百万円の利息を全部払ってその次に元金、こういうふうに払ったと思うんでありますが、この辺はいかがでしょうか。確認できますか。
○政府委員(吉田正輝君) 鈴木秋雄氏に対する融資の件につきましても、公開の席で御説明するわけにはまいりませんけれども、先生の御指摘の点につきましては調査いたしまして、先生にはせっかく御調査いただいておりますので御報告させていただきたいと思います。 それで、お尋ねの件でございますけれども、一般論としまして信用金庫が融資します貸付債権の債務の充当の順位につき決しては、信用金庫の貸出取引約定書というサンプルがございます。その約定書の規定に基づきまして信用金庫側が適当と認める順序、方法によって充当することができることになっているということでございます。通常は民法第四百九十一条の規定に従いまして、費用、利息、元本の順に充当していることが多いわけでございますが、当事者間の協議等によって元本に優先充当することもあるというふうに聞いておりまして一概に言えないわけでございます。その御質問の個別問題について詳しくはお答えは差し控えさせていただきたいんでございますけれども、ただいまの段階でこの金庫に照会したところでは、先生がおっしゃっておられますような御指摘の融資事務取扱規程第二十五条と呼ぶものはない、貸出事務取扱規程はあるがそれは条建てにはなっていないというようなことで、やや食い違っております。先生の御指摘でございますから、なお調査は続行させていただきたいと、かように考えております。
○目黒今朝次郎君 何かぐずらぐずら言っておることは聞きますが、しかしでは一般論として銀行局長にお伺いしますがね、銀行局が信用金庫なりあるいは金融機関なりを指導監査をする場合に、一定のその会社の指針といいますか事務取り扱いといいますか、あるんでしょう。私も自分のつたない経験から見ると、今議員なんていう仕事にあずかっているけれども、私だって、国鉄のやっぱり監査をやる立場で何回かやりました。監査する際には国鉄の運転取扱規程あるいは重点順位、内部規則、大臣通達、総裁通達、管理局長通達、機関区長通達、その通達を全部網羅した中で、その現場は一体運転事故防止をするために適切なことを行っているかどうかということを監査するんですよ。銀行だって私は例外じゃないと思うんですよ。銀行局が銀行なり信用金庫を監査する際にはやはり国の定めた法律、銀行法なり信用金庫法なりあって、それに基づいて尼信なら尼信は内部規則をつくっている。その尼信の内部規則に従ってあなた方はそれが適切に行われているかどうかということを証拠物件を当たりながらやるのが銀行監査の定説でしょう。これを否定しますか。
○政府委員(吉田正輝君) 検査に当たりましては当然法規と通達、それから金庫内部に持っております取扱規程等に準拠して行われているかをチェックしていくことに相なるわけでございます。
○目黒今朝次郎君 そのとおりだと思うんですよ。だからここにわざわざ――この冊子はなかった、確かに。これはこうして後でつけたものらしい。これを銀行監査の際に出したと、某氏はそれを忘れないためにここに「融資事務取扱規程」と、某氏が書いた字体だ、自分が書いた。だから、そんなに金庫側が否定するならば某氏に書いてもらってこの字体と合うかどうか照合してもらえばわかるんです。それまで争いますよ、そんなでたらめなら。 それからもう一つは仮にこれ一歩下がって五十二年の監査の際に、その後も監査しているわけですね。あなたが一般論として申し上げたいわゆる尼信の事務取扱規程の一体何を根拠に監査しているのか、その根拠の証拠物件出しなさいよ、この問題、二十五条云々というならば。二十五条云々で文句言うならば、銀行局が監査の際に金庫側が提示した事務取扱規程ですな、事務取扱規程。何を根拠にやったのか、当然なければ監査できないんですから、それを証拠物件として金庫側から目黒議員に提出を要求する、私の言うことを否定するならば。その提出されたものと私の問題を照合して間違いがあれば訂正するにやぶさかではありません。ありませんが、証拠物件出さなくて目黒議員の方が違っているということについては納得できません。したがって、尼信に五十四年の監査の際の事務取扱規程の提出を要求します。
○政府委員(吉田正輝君) 調査して、ございましたら先生の方に提出いたしたいと思います。
○目黒今朝次郎君 ございましたらってね、ないわけがないでしょう、あなた。そんなばかなことあるかい。
○政府委員(吉田正輝君) 当時にございます諸規程を提出いたしたいと思います。
○目黒今朝次郎君 それをもらった上で私たちは照合いたします。 それからこの前の質問の際に、私が言った資金運用基準の問題についてお話し申し上げたら、いやそれは目黒議員四十億だと、こういう話があって再度私の方で調べたんですがね、何かの勘違いじゃないかと思うんですが、ここに「資金運用基準」というのがあるんですよ。これを見ますと「引当金の額の合計額の百分の二十に相当する金額(以下「貸出限度額」という。)と八億円とのいずれか低い額とする。」八億円というのは当時は四億円だったそうであります。ですから、四十億というのは何かの勘違いじゃないかとこう思うんですが、この点はどうでしょうか。私が言うのが正しいのか、そっちの言うのが正しいのか、関係書類を引き合わせた上で私はお願いしたいと。私が持っているこれが正しいとすれば、この前申し上げた氏平毅氏に対する十億、合田商店に対する二十四億、笹川了平氏に対する六億円というのはこれは抵触するんじゃありませんかと、このように言ったんですからこれは再度調べてもらいたいんです。私も再度調べた結果、やっぱり我々の方に誤りはないと、こういう認識を持っているんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 先日の決算委員会で目黒議員の御質問に対しまして信用金庫の場合、一社に対する貸付限度は当時は四億ではないかとの御質問がございました。そこで私は、信金法に定める一会員に対する信用供与限度額は四十億円であると、正確には四十億円を超えておるわけでございますけれども、ということでございますが、そういうお答えをしたところでございます。一債務者に対する貸付限度の法定、信金法に定めております限度はございます。それともう一つ、やや複雑でございますけれども、法定の限度とそれから通達の信金運用基準に定める通達限度との二種類がございまして、前者は、つまり法定でございます、私がお答えしたものはそれぞれの信金の自己資本の二〇%以内の額であると、この点を私四十億というふうにお答えしたんだと思います。後者は通達でございますけれども、信金の規模の大小を問わず当時で四億円、現行で八億円をとりあえず限度といたしまして、中小企業金融の円滑化のためにやむを得ない場合に限りまして、当時では四億円を超えて当該金庫の総貸し出し残高の二〇%の範囲内において貸し出しできるということにされているわけでございます。つまり、法定限度では四十億円、それから四億円を超えるケースは総貸出額の二〇%の場合もあり得まして、その場合にはこの当金庫の場合ですとやや、当時の数字でございますから申し上げさせていただきますと、七百六十億円の範囲内において四億円を超えるケースがあり得るということでございます。複雑でございますけれどもそういうことでございます。
○目黒今朝次郎君 法定が百分の二十で四十億が限度と、それから運用基準でここが八億、まあ当時は四億と。ただし、この文章を見ますと、八億円の貸し付けの限度となる信用金庫については次のような取り扱いをすることができると。その第一項に、中小企業金融の円滑化のためにやむを得ない場合に限り、八億円を超過する貸出金の合計額が、当該信用金庫の総貸出金の百分の二十に相当する金額の範囲内であれば貸出限度額以内の貸し出しをやってもよろしいと、こういう例外の場合には八億を超えて四十億の範囲内で貸してもよろしいと、こういうふうに読めるわけですね、おたくの説明を聞くと。そうすると、そのやむを得ざる場合ということに、私がこの前指摘した氏平毅氏に対する十億――当時四億ですよ。四億の限界であったけれども、いわゆる例外措置として四十億の範囲内、例外措置として氏平毅氏に対する十億、合田商店に二十四億、笹川了平氏に六億と、これは例外措置として、四億を超えても四十億円以内ならば貸してもよろしいという例外適用の条件に合致しておったかどうかと、一歩下がって考えればね。そういう問題点があると思うんですよ、おたくの答弁と私の質問を総合すれば。だからその例外措置に該当するんだろうかと、こういう問題について、一歩下がっても、この辺の問題については当時の四億、例外措置四十億と。この件で適格性があったかどうかということについて、じゃあ調査をして後ほど答弁をしてもらいたいと。ここまでにきょうのところはしておきましょう。私も会社別の、合田商店にどういう例外的な条件があったのか、あるいは笹川了平氏にどんな例外措置があったのかということはまだつかんでおりませんから、私の方でも調査しますが、そちらの方でも調査して例外措置の適用の条件があったのかどうかということについて調査を要請します、いかがですか。
○政府委員(吉田正輝君) 大蔵省といたしましては、ただいま申しましたような中小企業金融の円滑化のためやむを得ない場合に該当するのかどうかということにつきましては、こういう、当時で言いますと四億円、今で言いますと八億円でございますけれども、を超える貸し出しをする場合の考え方を示したものでありますので、この精神はのっとって運用が行われるべきものと考えております。ただ、何がやむを得ないものであるかどうかということの具体的基準は持っておりません。いずれにいたしましても、この問題について調査をいたしたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 まあ私の手でも調査しますけれども、今言ったことを含めて要請だけしておきます。やっぱりすれ違いがあると困りますからね。 それからもう一つ、この四億円に絡んで、五十六年の三月三十一日の審査会、いわゆる金を貸すという、これは三月三十一日金を貸した一覧表ですよ。これを見ますとね、日貿信に四十億、それからカネボウ合繊に三億五千万という大変な金の貸し出しがあるんですがね。この問題にも個別というふうに言われるかもしれませんが、私が調べた関係では、この日貿信というものは、ここにもありますとおりこれは資本金十七億ですね。そうすると、当時のこの信用金庫法の取り扱いでは、貸出金が四億円という際には資本金がそれ以下、四億円以上の会社には貸し出しをしない、逆から見ると、資本金四億円以下の会社に融資をすると、そういう取り決めなり指導があったんではないかと、こういうふうに我々もわかったわけでありますが、その四億円以下から見ますと、日貿信は資本金十七億円、これは資格がないと。カネボウの方を調べてみましたところ、五十六年で四億五千万、まあこれはすれすれですがね。しかし、四億円という線から引くとこれもすれすれだと、こういうふうになるわけでありますが、いわゆる資格外の会社に貸し付けをしたということになってると。そして、その後の動きを見てみますと、三月三十一日でもう貸し付けの整理をして、四月の五「六日、一週間足らずでまた出してるという、何か実績つくりにこの日貿信とカネボウを使ったと、こういうにおいがするわけでありますが、この取り扱いについては一般論としてどういう認識をお持ちですか。やはり私の言ったとおりなのか、それはしかじかの理由でいいんだと、こういうことなのか、御見解を聞かしてもらいたい。
○政府委員(吉田正輝君) この信用金庫の会員資格は、一つはその地区内に住所または居所を有するとか、地区内に事業所を有する者、地区内において勤務に従事する者であって、御質問のような法人である場合には常時使用する従業員の数が三百人を超え、かつ資本の額が二億円を超える事業所を除くと、当時の基準ではそうされていたわけでございます。ということは、逆に申しますると、従業員の数が三百人以内か、資本の額が二億円以内でなければならないと、このいずれかを満たしていなければならないと、こういうことでございます。 まず日貿信の場合でございますけれども、資本金は二億円を超えておりましたが、従業員は百八十名でございましたので、三百人以下ということで、かつ支店も大阪にございましたので、適格でございます。違反ではございません。 それから、カネボウの場合でございますけれども、これは当時カネボウアクリルという会社でございまして、やはり資本金は三十億円でございましたけれども、役職員数は三百人以下の百九十名程度でございましたわけでございます。ということでございますのでこの短期間の一時貸し付けをしたようでございまして、そういう多額の貸し付けをやってるのは一時期のようでございますけれども、法律上の違反にはならない、中小企業としての概念に合っておったわけでございます。当時はこのカネボウの方はカネボウアクリルと、ちなみに申し上げましたアクリルということでございまして、後ほどカネボウ合繊(株)とかカネボウポリエステルの三社が合併いたしまして、カネボウ合繊になりまして、そういたしますと従業員も資本金も大きくともに法律の限度を超えてまいりましたので、この場合には卒業生金融というのがございまして、中小企業であったものがだんだん大きくなっていく、その場合に、その大きくなって限度を超えた途端に金融を切るというわけには両者ともに、借入者の方にも大変不便でございますし、中小企業が育成された結果卒業生となるわけでございますので、その間におきましては一定期間、卒業生になっても、一定期間以上会員であったものが成長して会員資格を欠くに至った場合でございますけれども、一定期間の間は融資取引を認められる、その一定期間内に融資を打ち切ったようでございます。
○目黒今朝次郎君 抵触、それぞれの問題、あるいは片方は合うけれども片方は合わないといういろんな複雑な事情を説明されました。これについては私の方でももう少し――ただ四億円が二億円以下で三百人、これはいいわけですね、この基準は。そのように基準だけ確認します。 それから時間が来ましたから大臣に最後にお願いします。 この尼信の問題との関係でありまして、もう一回大臣にお願いします。私はどうもやっぱりまだ不信感がぬぐい切れません。ですから、五十四年二月の段階でこれだけの示達書、これは近畿財務局長水野さんから氏平殿、近財金検秘第十八号、五十四年五月十七日、これだけでこれだけの議論があるわけでありますからね、もう一回この尼信の関係については大臣の責任で再度調査をしてもらいたいというのが一つ。 二つ目には、やっぱり実弟の毅氏、これに対する焦げつき、これについてはやっぱり銀行局が指摘しておるとおり問題があると考えますから、やはり焦げつきの弁済というものについて責任を持ってもらいたい。 それからきょうは時間がありませんから言いませんでしたが、やはり銀行局の監査でこれだけ問題点を指摘されておるわけでありますから、やはり理事長の経営責任ということが追及さるべきだと、こう私は考えます。 ここに今までの不祥事件、これは会計検査院も含めて不祥事件の際の銀行内部で理事長あるいは専務、そういう役員の責任をとって辞任したという辞任例がこれほどあります。きょうは時間がありませんので言いません。したがって、やはり経営責任ということについてとってもらいたい。 それから最後に、こういうふうに情実貸し付け、その場貸し付けができるのはやっぱり信用金庫法それ自体に問題があるのではないか。理事長さんなり役員がもう十年も二十年も役員に居座り続けている。役員の選出方法が極めて非民主的だという信用金庫法それ自体にも問題があるのではないかと私は考えます。したがって、これは私の考えでありますから、ここら辺については先ほど大臣が言った庶民金融という視点からも、やっぱりもう一回信用金庫法それ自体、役員の選出のあり方、こういう問題について見直しを要求したいと思います。大臣の回答を聞いて私の質問を終わります。
○国務大臣(竹下登君) 今、尼信問題の個別問題につきましてはいろいろ説明してまいりましたが、今後とも十分意を用いて事態の把握をいたしまして、必要に応じての改善方の指導をしてまいります。 それから、金融機関そのもののいわゆる経営責任という問題でございますが、何としても公共性、それから健全性、会員と預金者の負託に十分こたえておるかどうか、こういう原則に照らしまして判断をしてまいるべきだと思っております。いずれにいたしましても、金融機関の経営者またその責任等に対しましては、申し述べましたような方向で正すべきは正し、改善すべきは改善させるという厳正な態度で臨むと同時に、最後に御意見のございましたいわゆる消費者信用そのもののあり方については、御趣旨の方向をも体しながら、これに準備を十分いたしまして対応していきたいと、このように考えております。
○委員長(佐藤三吾君) 午前の審査はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後零時五十三分開会
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十七年度決算外二件を議題とし、皇室費、国会、会計検査院、大蔵省、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 マル優の問題について少しくお尋ねを申し上げたい。 あれはたしか御提案なさったときの大蔵大臣も竹下さんであったと思います。あの当時の記録をずっと読んでみますと、私たちがいろいろ懸念して、例えば背番号制につながるのではないかとか、いろんな懸念をいたしましたが、いやそういうことは絶対ないんだ、必ずやるんだということで、それから今、幕引きのときにもまた大蔵大臣、同じ大蔵大臣が提案と幕引きと両方やるということは大変おつらいだろうと思うんです。マル優問題に対するただいまの御心境をまずひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 確かにいわゆるグリーンカード制を国会へお願いいたしまして、共産党を除く各党の賛成を得てこれが成立をいたしました当時の提案者大蔵大臣は私、竹下登であります。その後、諸般の情勢から、くどくどは申し上げませんが、国民の理解を得る状態になかった、いろいろ予期せざる問題が派生してきたということから、これを見直さなければならぬ、そしてまたそのとき凍結をお願いをいたしましたときも私が大蔵大臣でありました。その期間も間近に迫りまして、何らかの結論を得なきゃならぬ。そこで御案内のように、税制調査会の中に特別部会を置いて御議論をいただいておる。そして事務当局は命ぜられるままにいろんなケースを想定しまして、フィージビリティースタディーが行われ、今日に至って、今最もホットな議論が税制調査会で行われつつあるというのが現状であります。したがって、心境というお尋ねでございますが、まさにみずから提案してそれを凍結するというとき、当時の答弁等からいたしますならば、これはまさに不信任ものじゃないかなという感じを私自身も持っておりました。そこが政治家のさがとでも申しましょうか、その間二年ほどあいておりましたが、私が責任を持ってまたこれを提出しなきゃならなかった。理解を得ながら国会で凍結の施策をしていただいた。そうなると、今行われておる税調の審議が実りある方向の結論が出ることを今はひたすら期待をしておる。ああでもない、こうでもないという自分なりの考えがあっても、一切予見めいたことを申し上げないで神様にお預けしておる。神様も人間でございますけれども、立派なプロの世界で今その議論をしていただいておるのを謙虚と申しましょうか、謙虚と複雑と両方の心境でこれを静かに見守っておるというのが私の心境であります。
○丸谷金保君 非常に責任を感じておられるようなので。 五十六年当時の経緯から考えますと、やはり不公平をどうしてなくするかということが論議の中心であったというふうに記憶しております。しかし、どうも最近の流れを見ますと、何か不公平ということよりも税収に響くという方にウエートが置かれてきて、そしてまたそれが三転して、何かもやっとしたものになってきているような感じがいたします。その点、グリーンカード制度の一番の問題点というのはやはり不公平をなくしていく、制度にそぐわない不当な架空名義預金をなくしていくということが焦点でなきゃならないというふうに私は思っておるんですが、その点について今プロの世界でいろいろかわるべきことを、施策を模索しているというんですが、プロの方のひとつ御見解を承りたいと思います。
○説明員(大山綱明君) 税制調査会で答申等で言われておりますことをまず御紹介をさせていただきますが、五十五年当時の税制調査会の答申におきましては、確かに先生御指摘のように、「当調査会は」ということで、税負担の公平を図る見地から総合課税に移行するというのが問題であるという観点と、もう一つマル優、その限度管理が十分に行われていない、あるいはその中に架空名義預金等が存在しておって、その問題ということでとらえられていたのは事実でございますが、五十四年末の税制調査会の答申におきましても、一人に千四百万までの貯蓄が非課税となるということが「果して少額貯蓄の保護優遇という趣旨からみて妥当かどうか疑問である」という問題の指摘もされておるわけでございます。 ただこの点につきましては、五十五年当時においては、この問題よりもむしろ非課税貯蓄の乱用、それから総合課税という問題が大きく取り上げられたのは事実でございますが、ただいま申し上げました非課税貯蓄の保護優遇という観点からの、この大きな千四百万という非課税の枠というもののよい悪いについても議論がございましたのは事実でございまして、その点が今日非課税貯蓄制度そのものの限度管理だけではなくて、非課税貯蓄制度そのもののあり方のよしあしという議論につながってきておるというふうに御理解いただいたらよろしいのではないかと思っております。
○丸谷金保君 私は、非課税貯蓄という問題は全体的に見直す必要もあるんでないかと実は思っております。しかし、今のどうも議論を見ていますと、非常に小手先だけで、ただちょっと税収を上げればいいというふうな議論が先行をして、それに対する反撃があって、またもとへバックしてしまったというふうな状態でないかと思っております。 それで、このいわゆる非課税貯蓄、マル優、これは基本的に制度としてどういう意義をもって出発したかという点からもう一遍、こう振り返って歩き出してみないと、どこへたどり着くのかわからないということになりかねない状態になっております。一体非課税貯蓄というのは、もともとどういうものだったんですか。
○説明員(大山綱明君) 現行のマル優の前身は国民貯蓄組合制度による少額の非課税ということでございまして、これは戦時下の昭和十六年に創設されております。当時の文献をひもときますと、国民貯蓄組合制度は戦時経済の安定を図るために設けられたもので、組合相互の連帯意識のもとに相互に貯蓄を励むところにその意義があるというようなことが記載されておりまして、貯蓄の奨励ということを目的とするものとしてスタートしたわけでございます。その後、昭和三十八年に至りまして現在の少額貯蓄非課税制度に変わったわけでございますが、その性格づけも税制調査会の答申等によりますと、貯蓄の奨励と貯蓄奨励のための政策税制と、かように位置づけられているところでございます。
○丸谷金保君 これは、結局は本来課税すべきものを貯蓄奨励という立場から非課税扱いにしたと、こういうふうに理解してよろしいんですね。
○説明員(大山綱明君) 仰せのとおりでございます。
○丸谷金保君 そうしますと、今銀行なんかに税務監査に国税庁が入っておりますね。税の問題ですと、これは会計検査院は銀行に対して監査権を持つことになると思うんですが、いかがなんでしょうね。
○会計検査院長(鎌田英夫君) お答え申し上げます。 会計検査院は民間の市中金融機関に対しましては一切検査をする権限を持っておりません。
○丸谷金保君 それで、今まで民間の機関を会計検査院は検査をしないわけですね。しかし、これは税なんですよね。本来は税として取るべきものを貯蓄奨励という政策的な意味で非課税扱いにしていると。そうすると税務署が十分なこれに対して努力をしないで課税客体の把握ができなかった場合に、会計検査院としてはそれはあずかり知らぬということになりますか。税務署がですよ。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 会計検査院はすべて税務署に臨みまして会計検査をするわけでございまして、そこに集まっております書類ですね、そういったものを見まして検査するわけでございますので、当然マル優の関係でも、そこに各市中金融機関から回ってまいりました証票があるわけでございますので、こういうものはその限りにおいては見ることができるわけでございますし、また現在、見ておるわけでございます。
○丸谷金保君 例えば個人の申告所得の問題でも、会計検査の対象になりますね、正しいかどうかということが。
○会計検査院長(鎌田英夫君) これも税務署に申告されたその書類がございますので、そういう面で、それを出していただきまして検査をするわけでございます。
○丸谷金保君 かつて会計検査院が検査にくるというので、慌てて申告書類その他を日に当てて古い日付のものをつくったというふうなことを私は大蔵委員会で指摘したことがございます。その当時、その日、会計検査院はそこに行く予定がございませんと委員会では答弁しておりますけれども、その後で、実は調べてみましたらやっぱりその日に行くようになっていましたと、後から私のところに訂正にきた例があるのです。これはそのまま不問に付しましたけれど、税の不公平、マル優制度の問題について国税庁が行う課税客体の把握が十分でないと思う場合に、会計検査院としては、これはおかしいでないかという指摘はできますね。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 課税の状況が正当であるか正当でないかという点につきましては、他の税と同じように、そういう疑問を持つということはあり得るわけでございます。
○丸谷金保君 現在のこの非課税貯蓄の残高その他から見て、多分に架空名義の預金その他があるんでないかということは世間的な常識になっております。しかし、会計検査院が調べた限りでは、そういう痕跡は認められないですか。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 先生が今お尋ねになった御趣旨は、やはり私どもといたしましては税務署における検査を通じまして、その過程においてこれはおかしいということを数字の上で実態のものをつかんで、その上で把握しなければ会計検査院の意見としては申し上げられないわけでございます。 ただ、巷間いろいろ報道されておりますように、マル優、非課税の貯蓄というようなものがやはり問題である、こういう認識は当然持っております。
○丸谷金保君 会計検査院の方から今のマル優制度、非課税貯蓄について非常にどうも架空名義その他問題があるんでないかというような指摘事項として出されたという記憶、私はないんです。それであえてお聞きしたんですが、そうしますと、結局これは税務調査に今のところ頼るよりほかにないと、税の問題でありながら。同時にこの貯蓄奨励から始まった非課税貯蓄とそれから全く出発点が違う郵貯の非課税、この問題が今、何といいますか、混同されたまま実は今論議の対象になっております。 郵政来ておるかと思うんですが、一体郵貯の非課税制度というのはどういうところから出発したのですか。
○説明員(岩島康春君) 御説明申し上げます。 先生御指摘のとおり、私ども郵便貯金は国民大衆の貯蓄機関といたしまして明治八年に創設されておりますけれども、その趣旨を生かしまして、創設以来限度額を設けまして、そして原則として利子に対しましてすべて非課税、何ら手続をすることなくて非課税という、そういう制度になってございます。 法律的には、大正九年に所得税法におきましてこの制度が明記されておりまして、それ以来一貫して今日まで続いてきておるわけでございます。 当然、源泉徴収義務といったようなことも創設以来行ってきてはおりませんわけでございます。 民間のマル優の方は、本来課税預貯金である銀行預貯金……
○丸谷金保君 民間の方はいいですよ。
○説明員(岩島康春君) はい、わかりました。 この点におきまして、こういった性格を反映いたしまして、制度的にもあるいは仕組みといたしましても、郵便貯金というのは民間のマル優と基本的に違うところがあるというふうに私ども考えておるところでございます。
○丸谷金保君 会計検査院にお願いしますが、そうすると、郵便貯金の場合には民間の金融機関を直接会計監査できないのとは違って、本来政府の機関ですから、それぞれの窓口といいますか、末端の郵便局その他は入っての調査する権限はお持ちですね。
○会計検査院長(鎌田英夫君) 郵便局につきましては、会計検査院は検査する権限がございます。したがいまして、過去においてもこの限度超過の預金があるかないかその名寄せ――初期的な名寄せでございますが、できる範囲での名寄せをやって、オーバーしているものがあるじゃないかというような指摘、これは反面募集手当というようなものが出ておりまして、限度を超えたものに、超えているにもかかわらずその限度を超えた分についても手当を支給されているのはおかしいというようなことで指摘したことはございます。
○丸谷金保君 それと大臣、この郵貯と銀行預金とが何か同じ角度で最近議論されだしておるんです。これは私は非常に危険な議論につながると。今、会計検査院の方の御答弁ありましたように、片方は国の機関としての会計検査の対象になるし、市中金融機関は会計検査が直接的に関与することができない機関なんです。 そうしますと、したがって税務署は税務行政の立場で銀行を調査いたします。同じように、最近いろいろ巷間伝わっている郵便貯金についても同じような税務調査の対象とすべきでないかというふうな議論というのは、全く歴史的な過程、それから現在のそうした性格の違いから言って本質的に成り立たない議論をやっているんじゃないかという気がするんですが、いかがでしょう。
○説明員(大山綱明君) ちょっと技術的な点を私から先に御答弁さしていただきますが、非課税にいたしておりますのは、マル優につきましても郵便貯金にいたしましても所得税法でございます。したがいまして、所得税法上両貯金をどういうふうに考えるかというのは、これは税の世界の問題であろうと思います。 まあ例えば、卑近な例で申しまして、職員の給与を大蔵省も払いますし、郵政省も払います。それに対して、もしもそれを源泉徴収するという仕組みが税法上とられるならば、そういったものについて大蔵省と申しますか、国税庁が源泉監査に入るというのは、制度の建前としては、もしもそういう仕組みがとられるならば、源泉監査というものは両方同じく適用の対象になる、仕組み的に言えばそういうものであるということでございます。
○丸谷金保君 これ根本の問題の一つになるんですけれども、郵貯は限度額が最初から決まっていて、それ以上は貯金ができないわけですわね。最初から税の対象になっていない分なんです、制度的にも。片方は、本来税をかけるべきものを貯蓄奨励という政策的な面で非課税限度額というものをつくって課税していない。本質的に私はこれ出違うんでないかということを最近気がついたんです。本質的に違うんだと。片方はもう最初から税の対象になるべきものでないんですよ、本来。ただし、それが三百万なら三百万の限度以上になっているから調査の対象にしなきゃならぬというのであれば、それは会計検査院の仕事であるし、違反は行政処分として行うべきもので、会計検査院が検査のできない民間の金融機関と同じような判断で税務調査の対象にするということはどうも間違いでないか、こう思うんですがね、どうですか。
○説明員(大山綱明君) 郵貯が非課税になりましたのは、先ほど岩島次長からお答えがありましたように大正九年でございます。その際に、その折に所得税法によりまして非課税という規定を入れたわけでございまして、それ以前、明治から郵便貯金はございましたわけでございますけれども、制度的には非課税の規定がないわけでございますので、大正九年までは税はかかり得る状態になっていたと、私どもはそう理解をしております。 そこで、大正九年に非課税にいたしましたわけでございますけれども、その規定は先ほど来申しておりますように、所得税法によって規定されたわけでございます。ですから、郵貯というものは本来的に非課税であるべきかどうかという議論はなし得るかと思いますけれども、私どもは所得税法によって初めて非課税になっておると、こういうものであるので、本来的に非課税であるべきものとは思っておりませんで、同じ所得、郵貯から生ずるものも所得でございますので、所得税の法の世界に入ってくるべきものである。そこで、所得税法の世界に入ってきたものを所得税法で非課税にいたしておる、こう考えております。これが第一点でございます。 それから、郵貯は確かに三百万という限度がございまして、それを超えることがあり得ない、あり得べきことではないわけでございますが、現実にはそれを超えるものが先生も御指摘のようにあるわけでございます。そのものにつきましては、現行の所得税法におきましても故意または重大な過失があるというような条件がかかっておりますけれども、課税対象に取り込んでいるところでございます。したがいまして、限度を超したものというものがあり得る。そこに所得税では非課税となり得べからざるものが生じ得ると、可能性としてですね、そういうものについて課税をどうしていくかということは所得税法の世界で議論があってしかるべき問題だと考えております。
○丸谷金保君 この問題は私引き続き、私自身ももっと研究して踏み込まなきゃ、研究しなきゃならぬと思うんですけれども、ただ片方は会計検査院の対象になる、片方は会計検査院が踏み込めない。これがどうも同じということはあり得ないと。例えば、郵貯におけるところのそういう架空名義、これは名寄せの段階から会計検査院がしっかり目を光らせればいいんで、そしてそこでやはり明らかにそういうものはきちっと出していけばいいし、そういう違反をやっている官庁があれば、これは政府機関ですからね、政府機関がみずから法律を犯すようなことはあり得べきはずがないことになっているわけです、建前ね。もしあった場合には、これは行政処分の対象でしょう。これは民間の銀行とは全く違うんです。ただ、行政処分の対象となるそういうことを故意にやっているような郵便局があれば、局長以下、あるいは極端に言えば郵政大臣の責任問題であるし、そういう意味で厳に法律を守らせていく、そういうきちんとしたやり方をもし郵貯が行っていなかった場合における問題というのは、私は会計検査院の問題でないかと、こう思うんですが、いかがですか。
○説明員(大山綱明君) 会計検査院なり行政管理庁の検査がある、なしというのは、それは国の行政機関として機能している以上、そういうチェックが必要だということであろうと思います。税の世界はそれとは別に、税がかかっているものに対しては――全部にかかっているわけではございませんが、仮定の話として、税がかかっているものについては国税庁の監査は行われるべきである。ただ、これをやはり行政機関としていろいろなサイドからのチェックがあるから国税庁なりがどの程度やるかというのは、それは常識的な判断があり得るのだろうと思いますけれども、法制的に言えば、先ほどちょっと卑近な例で申し上げましたけれども、例えば郵政省の職員の方々も、これは源泉徴収の対象となっておる。そうしますと、国税庁は権限としては郵政省に対する給与の源泉課税についての監査の権限があると、法制的にはさようになるんだろうと思います。それをどこまで、何と申しますか、信頼関係といいますか、行政機関だからしっかりやっているであろうという、そういう考え方のもとにやるかどうか。どこまでやるかどうかというのは、それはおのずから常識的なものが働くのだろうと思いますけれども、法制的には今申しましたとおりだと私どもは考えております。
○丸谷金保君 時間なので、これできょうは。次に続きやります。
○太田淳夫君 それでは、最初に大蔵大臣に御意見を承りたいと思うんですが、これは大蔵省の所管ではございませんけれども、きょういろいろと報道されたところを見ますと、昨日、中央児童福祉審議会が児童手当制度見直しの答申、意見書を厚生省に提出をしたということですけれども、それを見ますと、支給期間を義務教育終了時までと、こうありましたところを、出生のときから一定期間に短縮をすると。それから、支給対象を現行の第三子以降から当面第二子以降に拡大する、こういう主な内容になっているわけですけれども、この第二子以降に拡大をするというところにつきましては評価はするわけですけれども、今回の何かそのねらいが支給期間の大幅な短縮にあるのじゃないかと、このように私たちも感ずるわけです。特に、厚生省の試算というものが出されておりまして、それを見てみますと、支給期間を三歳未満にするということが明らかになっているような状況なものですから、こう見ますと、現行に比べますとこれは拡大ではなくて五分の一の圧縮をされるようなことになるわけです。児童手当というよりもむしろ乳児手当というような主張をされてしまって、百六十万人に及ぶ現在受給している人が対象外になってしまうというおそれもあるわけですけれども、これについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 行革審の意見というのが一つあります。それから、私まだ詳細に承知しておりませんが、きのう連合審査等がありまして、厚生大臣に提出された中央児童福祉審議会と、これらを参考にしながら関係省庁、まあ厚生省でございましょうが、これらとこれから制度見直しの相談に入ると、こういう今の段階じゃないかなと。ちょっと詳しく読んでいなかったものですから十分なお答えにならないことをおわびをいたします。
○太田淳夫君 私どももこの意見書というのは、これはずっと繰り返して行われてまいりました政府自民党内における児童手当無用論、福祉ばらまき反対というようなことのやはり大きな影響を受けて、今回はこういった福祉を切り捨ててむしろ国庫負担を軽くしていこうという、そういうことの面だけが重視された案ではないかと、このように思うわけです。 私たちの党も、今までこの児童手当につきましてはその推進も図ってまいりましたし、さらにこれを拡大し、第一子からということも今まで訴えてまいりました。昭和五十五年の九月に出されました中央児童福祉審議会の児童手当制度の基本的なあり方にも同じような意見が盛り込まれてきているわけです。しかし、大蔵省は完全にそれを今まで無視をしてきたという経緯もありますし、今回のまた予算編成におきましては、これからこの意見書をもとにしまして厚生省がいろいろと法案づくり等をやってまいりますけれども、さらに大蔵省としては、今回の予算編成におきましてこれを拾い込むような姿勢をとっているということまで伝えられているわけです。私ども基本的な考えとしまして、児童というのは、これは個人の子供であるというばかりでなくて、これから高齢化社会の大きな社会全体の担い手としまして、社会全体の子であるということで私たちは認識を持っておりますし、やはり我が国の将来を託すべきこれは存在でございますので、何をおきましてもこの子供たちの育成に対する手当というものは最優先しなきゃならない課題だと、このように私たちは主張しております。 予算に聖域はないということをよく大蔵大臣もおっしゃるわけですが、私ども国民の立場から見ると、防衛費の異常な突出はもうこれは聖域化にされているんじゃないかという考えもするわけでございますし、私どもむしろこういった福祉予算を聖域化していくことを主張をしてまいりました。今回のこういう答申をめぐりまして、これからまたいろいろと論議を詰めてまいりますけれども、やはり大蔵省の基本的な姿勢がそこで問われるんじゃないかと、こう思いますので、大臣に再度この児童手当を初めとする福祉予算に対する基本的な姿勢をお聞きしておきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) 予算編成は、今太田委員も御指摘なさいましたように、あらゆる聖域を設けることなくこれに厳しい態度で臨まなきゃならぬと。したがって、福祉予算といえどもこれは聖域でないということを申し上げざるを得ないと思うところであります。私どもといたしまして、ただこの予算査定に当たって考えていなきゃならぬのは、どうしてもまず、最初に削減ありきと、もうどの予算であろうとどこか削減の余地がないか、こういうことの観点で当たりがちな立場にございます。それも現下の厳しい財政上からすればこれは御理解をいただかなければならないわけでありますが、なおそういう姿勢のみで解決できないところが制度施策の根本にさかのぼっての見直しということで、昨年以来これを私は内なる改革とかいうふうに申しておるところでありますが、今度の予算でもこの児童手当というものに特定することなく、申しますならば、福祉予算とて制度施策の根源にさかのぼってこれに対応していかなきゃならぬ、受益者も国民であるならば、また負担する者も国民であるということを反復しながらこれに当たっていかなきゃならぬという厳しい環境にあるということだけは、みずからにもまた言いきかしておるところであります。
○太田淳夫君 次に、六十年度の経済成長の見通しを含めましてお伺いしたいと思いますけれども、経済企画庁としましては今年度の五十九年度の経済成長の見通し、これにつきましては九月に当初の政府の経済成長率の見通しを上方修正したわけですけれども、これによりますと、実質成長率が五・三%ということで五年ぶりに五%の大台に上方修正したわけです。また、名目成長率につきましても当初の見通しの五・九%を〇・六ポイント上回る六・五%としたわけですけれども、九月以降の景気のいろんな動向から見まして、経済成長率はどの程度と経企庁としては考えておみえになりますか。最初にお聞きしたいと思います。
○説明員(丸茂明則君) 今、先生から御指摘ございましたように、九月に経済企画庁といたしまして今年度の経済の状況の見直しを行いまして、今年度の実質経済成長率は五・三%、名目では六・五%という見直しをいたしたわけでございます。その後、七―九月の国民所得統計が発表に、手に入ったわけでございますが、ここでは七―九月の伸びは前期に対しまして一%を下回っております。四―六月期に比べてかなり伸び率としては下がってございます。ただ、これは従来非常に大きく占めておりました、いわゆる外需、輸出から輸入を差し引いたものでございますが、この外需が大幅にプラスの寄与をしていたわけでございますが、七―九月期にはこれがマイナスの寄与になりました。その理由は輸出がやや伸びが鈍りました一方で、輸入が大幅にふえた、しかもその中では割合一時的な要因もあったということで今後はこれほどでは、もう少し高い伸びになるというふうに考えております。したがいまして、最近の経済のいろいろな指標から見まして、九月の見直しの結果でございます成長率はほぼ達成できるものというふうに現段階では判断をしております。
○太田淳夫君 いよいよ予算編成も大詰めに来ているわけでございますけれども、来年度の経済成長率につきましてはどのような見通しを持っておりますか。
○説明員(丸茂明則君) この点につきましては、ただいま七―九月までの実績その他を考慮いたしまして検討作業を行っている段階でございますので、今日の段階で私どもとして来年度何%成長を見込んでおるということはまだ申し上げることができない状況でございます。
○太田淳夫君 これは某新聞に、大きくおたくの見通し最終案とかいって発表されていますが、これはほぼ固まっているんですか。
○説明員(丸茂明則君) 新聞の報道は私どもも承知をいたしております。現在もそう多く、先生御指摘のように日にちも残っておりませんので、目下各省とも御相談をしながら検討を進めている段階でございます。したがいまして、まだ新聞等に報道されておりますように、最終案が固まったという段階ではございません。
○太田淳夫君 予算編成に必要な最終案が固まったということでなく、経済企画庁としての一応の最終的な見通し案がこれだということですね。
○説明員(丸茂明則君) 経済企画庁といたしましても、まだ最終案というところまでは固まっておりません。
○太田淳夫君 しかし、今までのいろんな経済の動き等を見ますと、大体ここで報道されているような線で落ちつくと見ておりますか。
○説明員(丸茂明則君) 私どもの現在の経済の判断で申し上げますと、先ほど申しましたように、今年度はほぼ五・三%程度の実質経済成長が達成できるであろうというふうに考えております。 来年度につきましては世界経済の状況その他多くの条件がございますが、現在考えられるところでは、アメリカの成長率がことしの前半に比べて既に鈍化をしておりますが、年ベースで申しましても来年度は今年度に比べて相当に鈍化する。したがいまして、輸出の伸びは今年度に比べると相当に鈍るであろうというふうに考えております。したがいまして、今年度の四・三%のうち、およそ一・三%分が外需によるものでございますが、来年度は外需にはこれほどは期待できないし、また貿易摩擦等の点も考えますと、そう期待すべきでもないというふうに考えております。したがいまして、一方、特に国内の民間需要、設備投資は御案内のとおりかなり堅調でございます。この基本的な方向は来年度も維持されるであろうというふうに考えておりますので、今年度よりは成長率としては若干下回るのではないかというふうに考えているのが現在の段階でございます。
○太田淳夫君 もう予算も大詰めに来ておりますので、もうこの数字が経企庁としてはほぼ確定的ではないかと思うのですが、これを見ますと六十年度の見通し、最終案としましては実質成長率が四・五%、名目で六・一%である。経常収支の黒字幅は三百四十億程度というようなことで一応発表になっておりますが、大蔵省としてはどのように考えられますか。
○国務大臣(竹下登君) いわば予算編成、予算大綱というものを決めます、それとそれの前に六十年度の経済運営についての見通しを閣議で決めるわけであります。したがって、今日の段階では作業中でございますという以上のお答えを申し上げる私に気持ちの上で枠はないわけでございますが、経済企画庁で独自の試算ということになっております今年度の上方修正については、おおむね我が方もそのような理解の仕方でいいのかなというところまでは一応考え方を統一いたしておりますが、来年度ということになりますとそれこそ経済企画庁中心に、まさに少なくとも今週、来週、再来週と、仮に三つの週を考えますと、それの非常に近い週の段階で決定しなきゃならぬ問題でございますから、今は経済企画庁中心の議論に私どももそれぞれの立場から参加さしていただいておるという以上にはお答えできないのじゃないかなと、こういう感じでございます。
○太田淳夫君 予算そのものが仮定であるということをおっしゃった大蔵大臣もいらっしゃいますので、我々もこの見通しに基づいていろいろとお話し合いをしていかなければならないのじゃないかと思うのですが、そこで五十九年度の経済成長率が政府の当初見通しよりも高くなりましたのは、今お話があったように外需が非常に増加して、経常収支の黒字が拡大したという点もありますし、これを見込みますと五十九年度の経常収支の黒字を当初の見通しである二百三十億から三百三十億ドルに、百万ドル拡大したことによって上方修正一・二ポイントの〇・八%寄与している、こういうことも言われているわけですけれども、六十年度は今お話しありましたように、アメリカの景気後退、これによって伸びは期待できないんじゃないか。経企庁としましては、経常収支の黒字を五十九年度を十億ドル上回る三百四十億ドル、こういうふうに見込んでおりますけれども、これでは経済成長率への寄与度というのはほとんどゼロに近いんじゃないかと思うんですが、これからアメリカとのいろんな外交交渉もありますけれども、経済摩擦等が起きればさらに成長率へのマイナス要因になっていくようなことも考えられるわけですが、そうしますと経企庁考えてみえるような四・五%の成長率を確保するためにも、相当これは内需を拡大しなければならなくなってくるんじゃないかと思うんですが、どのような内需拡大政策を考えてお見えになりますでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもの方で見ますと、おっしゃるとおり、仮に三百四十億ドルという数字が固まったものではないといたしましても、かなりの黒字になるだろう、こういうことを常日ごろ我々も念頭に置いて議論をいたしております。私の立場で主張しておりますのは、それを上回るいわゆる資本流出ということ、またもっと少し丁寧な言葉で言えば、結果として資本提供ということになっておるではないか、そしてそれによってアメリカの高金利はあれで上げどまりになっておるのもその資本提供が効力を持っておるではないか、こういう、別に反論ではございませんが、そういう議論も対米関係の方にもまたEC関係の方にも時としていたしております。その議論に対してよく言われることは、それはウォール街とそれから財務省はよくわかるが、産業界にはなかなか竹下さんわからぬ議論だぞよ、こういうことを言われて、ある意味においては公式、非公式を問わず、友人のような立場でそんな議論もするわけであります。 そこで内需振興、こういうことは常日ごろ考えていかなきゃなりませんが、今も経済企画庁からもお答えがあっておりましたように、それなりに私は今日いわば内需、設備投資等から見ましても安定基調に乗っておる、そうすれば、そこに財政が出動することによってそれに刺激を加えるということはむしろ避けて、今こそこの安定基調の中においてそれを財政改革への絶好の機会としてとらえていくべきではないか、こういう考えを基本的に部内で議論をしておるところであります。 確かに貿易黒字自身をもちましても、これも定かな数字とは言えませんけれども、よく申しますように三兆円の公共投資で二十億ドル、それから五兆円の減税で十億ドルという程度のいわば経常収支の黒字幅を縮小するという数字があるという議論もありますが、大きな三百数十億ドルの中で、そういう巨大な投資というものに比較してはその幅が少ないということも言えるんじゃないか、だから我が国の実情も十分にお話しをしながら、一方資本提供の立場等で役割を果たしておることにも言及しつつ相互理解を深めながらやっていかなきゃならぬから、財政が出動することによる内需振興ということにはおのずから限界というものがあるじゃないかというようなスタンスでの議論を、部内で一生懸命やっておるところであります。
○説明員(丸茂明則君) 今大臣からお話がございました基本的な概念で、私どもとしても同様の立場でございます。
○太田淳夫君 まあ大臣からもいろいろとお話がありましたが、私どもは、何としても五十九年度の経済の動きというものを六十年度も持続をしていくためには、積極的な内需拡大策をとる必要があるんじゃないかという立場で、今までも公共投資の増加あるいは投資減税あるいは所得税減税のことも主張をしてきているわけですが、それは、もちろん短期的に見ますと財政負担というものを増加させることになろうかと思いますけれども、長期的には外需依存型成長を改めて、むしろ内需拡大によって税収もふえるし、財政のアンバランスも縮小するという考え方に立って今まで主張しているわけです。その点についての大蔵大臣のお考えはどうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私は、仮に太田さんの御主張が拡大財政あるいは私が緊縮財政と、定かに定義するわけにはまいりませんが、そういう範疇に入るという基礎に立って考えてみますと、やはり私もいつも考えますのは、貿易摩擦がないのは何かというと公共事業が一番貿易摩擦がない、こういうことがよく言われるんです。それは確かにそうだなと。 例えばの話でございますが、仮に一兆円公債発行いたしますと、これも定かな数字ではございませんが、数年にわたってトータルいたしますとおよそ四千億程度税収ではね返ってくる、こういうこともございますが、従来と違いますのは、今用地費率が高くなっておりますから、経済成長率への寄与度というものは確かに従来よりは下がっております。しかし結果としてその四千億というものが出ましても、それはそれでそのまま置いていきますから、結論から言うと後世代に残しますツケ回しとでも申しましょうか、これも大ざっぱな数字でございますが、七%の金利で建設公債六十年で十年に六分の一ずつ返していくわけです。そうすると、結論から言うと、三兆七千億というものを後世の納税者にツケを回さなければならぬというところに、やはり予算編成する際に物すごい良心的苦衷を感ずるわけであります。したがって、財政の節度というものを考えるならば、おのずから民間活力等において自立的安定基調が維持されていく今こそ、そういう後世代へのツケ回しを少しでも減しながら現在の経済情勢の中に対応していくのが、六十年後あるいは百年後に褒められるかどうか別といたしまして、評価はその時代にお受けすべきものじゃないか、こういう感じがいたしております。ただ、おっしゃいます内需を真剣に経済運営の柱として考えるべきだという理論そのものは、私はそれなりに立派な御議論だと思っております。
○太田淳夫君 それでは次に、大蔵省が十一月三十日の政府及び自民党税制調査会に六十年度予算案の試算を提出されたと聞いていますが、それほどのようなものでしょうか。
○政府委員(的場順三君) 御指摘の試算は、本年二月に御審議の用に供するために国会に提出いたしましたいわゆる中期展望の計数をベースにいたしまして、その後生じました十一月三十日までにわかりました事情、例えば概算要求でございますとかあるいは給与改定の方針が決まっておりますので、そういった所要額等をもう一度再計算をいたしまして、六十年度のわかります範囲内での財政事情を試算したそういうものでございます。
○太田淳夫君 その報道されているところを拝見しますと、歳出の総枠は五十四兆八千六百億円、歳入は五十一兆二千七百億円と、その収支ギャップは三兆五千九百億円となっていますし、大蔵省ではこのギャップを埋めるために増税、税外収入の今年度並み確保あるいは一般歳出の今年度並みの削減、こういう基本方針を示していますけれども、それぞれについての見通しはどのような見通しでしょうか。
○政府委員(的場順三君) 中期展望でお示しした数字と実は違っておりますところは、まず税収につきましては、今主税局で見通し作業を行っておりますのでそのまま置いております。これにつきましてどの程度のことが行えるかというのはせっかく作業中でございますので現段階で確たることを申し上げるわけにはまいりませんが、いろいろな工夫をしてまいりたいと思っております。 税外収入につきましては、概算要求でかなりの減額の要求が出てきております。これにつきましても、それぞれの事項につきましてどうしたら増収を図ることができるか、あるいは従来税外収入として考えてなかったことでも何かないのかどうかということも含めまして、税外収入の確保のためにせっかく努力しているところでございます。 それから一般歳出につきましては、当初中期展望では、そのまま、いわゆる歳出を自然体で考えてまいりますと予備枠なしで一兆六千九百億程度ふえていくということでございましたが、各省にお願いをいたしまして、マイナスシーリングという厳しい要求枠をお願いいたしましてそこで要求が出てきておりますので、その一兆六千九百億というものが一応二千八百億に減ったわけでございますが、その後給与改定等の事情がございまして七千億程度に膨れ上がると。これについても聖域を設けることなく歳出の削減について各省と御相談しながら、制度の根本にまでさかのぼってできるだけ縮減をしたいということで努力しているところでございまして、先ほど御指摘のありましたように、歳入歳出合わせまして、先ほど説明いたしました資料全体で見ますと三兆五千九百億の要調整額がございますが、これを極力圧縮する方向で努力しているところでございます。
○太田淳夫君 いろいろと努力されているようですが、その中で、これもいろいろと伝えられるところによりますと、国債整理基金への定率繰り入れを四年連続全面停止したり、あるいは赤字国債の発行枠を一兆円削減を断念した、こういうことも報道されているわけですけれども、この点はどのようにお考えですか。
○政府委員(的場順三君) 現在の定率繰り入れ制度というのは減債制度の根幹をなす制度でございまして、この根幹を維持することが望ましいという財政制度審議会等の御意見もございます。したがいまして、この減債制度の根幹を維持し仕組みを維持するという基本考え方を踏まえつつ、六十年度の厳しい財政事情及び国債整理基金の資金繰り状況等を勘案してこれから検討したいと思っております。現段階でどうこうするということをまだ決めているわけではございません。 それから公債の減額につきましては、これは六十五年度に特例公債を脱却するという基本方針がございますので、六十年度におきましても最大限公債の減額に努めるという方針で努力しているところでございますが、これも現段階でどの程度の公債の減額ができるかということはまだ決まっているわけではございません。最大限努力いたしたいと思っております。
○太田淳夫君 本年度の税の自然増収はどのぐらい見込んでみえますか。
○説明員(大山綱明君) まだ具体的に細部まで詰め切っておりませんが、五十九年度の税収につきましては当初の見込みを二千億をやや超える程度ではないかと今の段階では見ております。
○太田淳夫君 税調に示された資料というのは、ことしの二月に大蔵省がまとめた中期展望で示されたものが大体提出されているようですけれども、その資料によりますと六十年度の税収見込み額を三十七兆一千億円としていますが、それは変わりありませんね。
○説明員(大山綱明君) 六十年度につきましては、先ほど的場次長からもお答えございましたように目下見積もり作業を鋭意進めているところでございまして、この数字はいわば弾性値を使いました仮置きでございますので、この数字で動いているかどうかと言われましても、これは単なる仮置きであるということを申し上げざるを得ないのでありますけれども、目下鋭意見積もり作業を続けているところでございます。
○太田淳夫君 この額を仮に置かれているということでございますが、この額は五十九年度の税収予算額に比べて七・二%増加ということでございますし、中期展望では名目成長率を六・五%と、こういう前提を置いてやっているわけですけれども、どうも来年度そこまで経済成長率がいかないのじゃないかということは、経企庁のいろんな先ほどの答弁の中からもはっきりしてきているのじゃないかと思うんですが、来年度、経済情勢から見ますとよほどこれは内需振興策を採用しない限り、ここに至るような税収の見積もりというのは無理じゃないかと私たちは思うんですが、今試算中ということでございますけれども、こういうようなこの仮の数字で進めていった場合に、むしろ大きな税収欠陥を招くおそれがあるのじゃないかと思うんですが、その点どんなふうにお考えですか。
○説明員(大山綱明君) まだ経済企画庁の経済見通しも十分に固まっておらない段階でございますので、私どももまだ固め切っておらないということでございますが、先ほど出ました経済成長率の見通しがこれで前提をいたしております六・五%よりも下がるのではないか、そこからこの税収見積もりがやや過大ではないかというふうな御質問でございますとしますと、私どもの税収見積もりをいたします場合には、GNPの六・五%とか六・何%とかいう見通し、伸びをそっくりそのまま使わしていただくわけではございませんで、その中身でございますところの雇用でございますとか物価でございますとか鉱工業生産でありますとか、そういったものを使い個別に積み上げをいたします。それからもう一つ課税実績でございますが、ただいま五十九年度予算につきましての見通しをちょっと申し上げたわけでございますが、そういったもののベースも勘案しながら見積もりをつくりますので、ただいまの御懸念の点につきましては、必ずしも六・五%に達しないからこの数字がさらに沈み込むというふうにも私ども見てはおらないところでございます。
○太田淳夫君 では次に参りますが、次は防衛費関係ですが、五十九年度のGNPにつきましては経企庁の試算によりますと名目どのぐらいにいきますか。
○説明員(丸茂明則君) 五十九年度の名目GNPにつきましては、先ほど申し上げました九月の経済企画庁の五十九年度の見直しにおきまして、およそ二百九十六兆四千億円程度になるのではないかというふうに見込んでおりまして、現段階でもほぼその水準に達し得るのではないかというふうに考えております。
○太田淳夫君 そうしますと、五十九年度の防衛関係費がこれは二兆九千三百四十六億円ですけれども、これに比べますとまだある程度のすき間はあるわけですけれども、これに自衛官等のベースアップ分を加えますと五十九年度でGNP比一%を防衛費は超えてしまうのじゃないかというんですが、その点どのように御判断ですか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 五十九年度のベースアップに要るお金でございますが、現在のところ四百三十八億円程度と考えております。五十九年度の当初予算に御承知のように一%分お金が組み込んでございます。このお金が百二十二億円でございますから、差し引きいたしますと三百十六億円、先ほど先生おっしゃいました二兆九千三百四十六億円というのに足し込まれることに計算上なるわけでございます。そういたしますと、企画庁からお話ございました二百九十六兆四千億というものの一%分が二兆九千六百四十億になりますから、単純に足し引きの算術計算をいたしますと二十二億という数字がGNP一%の金額より上に出る、こういうことになるわけでございますが、しかしGNP一%はどういうことかと申しますと、分母がGNPで分子が予算でございます。ただいまのところは、御承知のようにGNPは、政府見通しとしてのGNP二百九十六兆というものがございますし、分子は当初予算の二兆九千三百四十六億という数字があるだけでございますからして、一%を超えるということには現段階でなっておらない、こういうことでございます。
○太田淳夫君 そうすると、今おっしゃったのはGNP分の当初予算であるから一%の枠内におさまる、こういうことですね、今おっしゃったことは。
○政府委員(宍倉宗夫君) これは私が申し上げる話ではございませんが、分子の予算というものは今、当初予算しかないわけでございまして、仮にこれが何らか補正というような話になりますれば、分子が補正の数字になる、こういうことでございます。その場合に、今度分母のGNPはどうなるかということでございますが、これは企画庁がお決めになりますGNPになるわけでございます。したがいまして、その段階まで一%を超えるということはない。では、その段階になったら一%を超えるのかと、こういうことにもなろうかと思いますが、その辺のところはただいま大蔵省の方といろいろ御相談も申し上げていますが、節約措置等もございますので、そういった事態にはならないだろう、こういうふうに思っております。
○太田淳夫君 節約をして一%枠を突破することは避けたいということですが、経企庁は六・五%に修正ということで今の名目GNPの計算をされているわけですけれども、大蔵省はそれを認めていないんでしょう、今のところ。どうなんですか、大蔵省としては。
○国務大臣(竹下登君) 私どもといたしましては、これは二つの考え方があります。私どもは予算編成をしなきゃならぬ前に、いわば過去のものも、今年度も、あるいは上方修正、時には下方修正をしていくと。そして、来年度の経済見通しというものも立てていかなきゃならぬ。したがって、その時期に政府全体で協議をして従来決めておるわけです。もう一つの考え方としては、こういう流動する経済社会でございますから、国民の皆さん方に一つの指針をお与えするためにも、どちらかといえばアメリカがやっておりますように、たびたび、頻繁にといいますか、そういう改定の見直しをしましてそれをお示しするのが一つの親切だと。これもそれなりの議論が私は成り立つ議論だと思っております。その数字を経済企画庁でお出しになって、お出しになっていること自身は私どもも承知しておりますし、それを、大変な議論をしたわけじゃございませんが、大きく私どももその数字が間違った方向に行っているなどとは毛頭思っておりませんので、若干の、従来の考え方と、経済企画庁がこうしておとりになった考え方に変化があって、それはそれなりの理屈のあることであると。だから、ぎしぎし詰めて、これからは毎年四半期ごとにやろうやとかいう議論をまだしていないというまでのことでございますので、意見が対立しておるとかいう問題ではございません。 それで、いつも申しますように、これはやっぱり中期の資料等をお出ししますときに矛盾を感じます。要するに、八〇年代後半の経済社会展望と指針の中の七、六、すなわち六ないし七%の中間値の六・五をとって、それから十年間の平均の一・一の弾性値を掛けてということでお示しするわけでございますが、実態を見ますと、その弾性値なんというのはかなり開きがありますので、これがいいものかなという、これは私も素人なりに疑問を持ちつつも、しかしお出しするとなると、十年間の平均値というと一番これがスタンダードかなと思ってお出ししておりますので、その点非常に、だからこそ仮定計算とかいう言葉を使わなきゃならぬのではないかなというふうに思っております。
○太田淳夫君 防衛庁としてはいろいろと経費節減をしながら、この一%の枠は補正予算を組んでも守っていきたいという意向を今、経理局長さんおっしゃっていましたので、大いに節約はしていただきたいと思いますが、私どもいろいろと調べましたところによりますと、経企庁は六・五%の名目成長率でまいりますと、先ほどおっしゃったように、約二十二億円ぐらいの経費の節減ということになるんですが、大蔵省が主張してみえた当初名目成長率五・九%でまいりますと六十二億円ぐらいの経費を節減しなきゃならなくなってくるんじゃないか、このように思うわけですが、大いに努力をしていただきたいと思います。 次に、六十年度の防衛費についてお伺いしたいと思うんですが、この概算要求で防衛費を対前年度比七%増加の三兆一千四百一億円を今要求をされているわけですけれども、これに五十九年度のベースアップはね返り分が、先ほどお話ありましたが、四百七十億ですか、これを含めてまいりますと、六十年度の防衛費はどのぐらいになるんでしょうか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 今、先生おっしゃいましたように、八月に概算要求をいたしました数字は七%の数字でございます。それから、六十年度に今度、今、国会で御審議中の法案が通りましてベースアップを行うということになりました場合の所要額は、おおむねでございますけれども四百七十億円程度だろうということで考えております。そういたしますと、五十九年度の二兆九千三百四十六億円という防衛関係費を分母にいたしまして今の数字をそれぞれ割ってみますと、七%という八月の概算要求の数字が実質的には八・六%程度になる、こういうことでございます。
○太田淳夫君 そうすると、六十年度の防衛費は、金額的にはどのぐらいになるんですか。
○政府委員(的場順三君) ただいま防衛庁からお話がございました当初概算要求の七%に人事院勧告の五十九年度実施に伴うはね返り分を合計したところで八・六%になるという数字は、形式的にはそのとおりでございますけれども、六十年度の防衛関係費は、これから全体の予算編成の中で御相談しながらやっていくことになっております。先ほど、一番最初に、十一月三十日のでどういうことを説明したかということでもお触れいたしましたように、人事院勧告のはね返り分がかなりございまして、一般歳出の部分は、当初二千八百億程度の増加であったものが七千億を超える増加になっている。これをどうやって削減するかということが全体としての予算編成の一番大きな課題でございます。したがいまして、防衛庁の、形式的に言いますと八・六%という数字になりますが、これをどこまで節減、合理化していただいて、当初要求の七%という数字もございますけれども、どこまで節約をしていただくかということで、これから決める話でございますので、この段階ではなかなかお答えできる状況にないことをお許しいただきたいと思います。
○太田淳夫君 当然これから見直し作業が行われてこなきゃならないと思いますが、私どもとしましては、あくまでもGNPの一%の枠は堅持をしてもらいたい、このように主張しているわけですが、防衛庁としてはどうでしょうか、やはり概算要求八・六%になりますし、こうなりますと、来年度の名目GNPの見通し六・一%からしましても相当これは無理じゃないかという感じがしますが、防衛庁としての基本的なこの一%の枠を守るという認識はどのようにお考えですか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 今、的場次長からお話がありましたように、形式的な数字はそういうことでございますが、先ほど私申し上げましたとおりでございますが、実際に予算の最終的な姿がどうなるか、これはこれから大蔵省の方と十分御相談して決めていく話でございます。それからGNPの数字も、先ほど来お話がございますように、今検討をしておられるわけでございますからこれからの話でございます。分母も分子もわからないというのが今の現状でございますからして、今どうなるかということを確たることを申し上げられないわけでございますけれども、いずれにしろ基本的なスタンスとしてはただいま閣議決定というものが現にあるわけでございますからして、毎度申し上げておりますように、五十一年のあの閣議決定の方針についてはこれを守っていくということが基本的なスタンスでありましてぎりぎりと努力をしてまいると、こういうことだろうと思います。
○太田淳夫君 経理局長もいろいろと苦労されているのはわかるんですが、せんだってこういうことが新聞で報道されておりましたが、これは防衛庁の夏目事務次官が十二月三日に宮澤総務会長を自民党党本部に訪ねまして、六十年度予算案編成についてGNP一%枠内に防衛費をおさめることは困難な事情を説明したと、こういうことが報道されているんですけれども、これほどのような事情をおっしゃったんでしょうか。
○政府委員(宍倉宗夫君) 十二月三日に夏目次官が宮澤総務会長に会われたことは事実でございます。これは私もお供していっておりますから事実でございますが、しかしお伺いいたしましたのはあくまでも非公式な話でございますので、私ども非公式な場でいろいろお話ししたことにつきましては絶対にこれは人様にはお話しすべき性質のものでない、こう思ってございます。ましてやこの場は極めて最高の公の席でございますのでひとつ御答弁はお許しいただきたいと存じます。
○太田淳夫君 最高の公の席ということであればこちらも了承しますけれどもね。いろいろと報道されたところもございますけれども、先ほどのお話にありましたように、どうも当初予算だけでも守れば一%の枠は後は補正で超えてもいいような、そういうニュアンスにだんだんと変化しているような感じもするわけですけれども、大蔵大臣、予算編成の責任者としまして、一%の枠というのは当初予算だけでなくて補正予算及び六十年度決算、これは決算でも守るということは防衛庁長官、前の、おっしゃっておりましたし、やはりこれはあくまでも堅持をしていかなければならない。我が国のいろんな国家的な方針としても守っていくべきだと、このように思いますが、大蔵大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これまでも正確に申し上げる場合、昭和五十一年の三木内閣の防衛費に関する閣議決定の方針についてはこれを守ってまいります。また当初予算に加えまして補正予算及び決算においてもその趣旨は生かされるべきものと考えております。
○太田淳夫君 それでは、先ほど同僚委員からも質問がございましたが、マル優制度の問題につきまして二、三点質問をしたいと思いますが、いよいよ六十年度税制改正、焦点がマル優制度の見直しになったわけですが、何か報道されておるところによりますと、自民党政府では大体マル優制度の見直しにつきまして限度管理強化案にまとまりつつあるというふうにお聞きしますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 先般税制調査会に提示いたしました二つの類型、これは今太田委員御指摘のとおりでありますが、その前に税調から命ぜられて五類型のフィージビリティースタディーをしたものを出しまして、それを元手にいろいろ検討していただいて、その検討の過程で表明されてきました各方面の意見を踏まえてそれを結局整理集約しまして今後さらに掘り下げた議論をしていただこうということで、具体的な手がかりとして二つの類型を提示したということです。この問題につきましては、まさに今日最終的な結論は税制調査会の御議論、御審議を待って決められるべきものでございますので、現段階においていわば予見めいたことは一切大蔵省としては外にも内にも出さないという姿勢でその審議の推移を見守っておるという段階でございますので、アクセントをつけることには残念ながら御容赦をいただきたいと思います。
○太田淳夫君 マル優見直しの作業というのは、本来的には今凍結をされておりますグリーンカード制度にかわりまして、マル優が脱税者の天国になっている状態を早急に是正する、これが目的で発足したのじゃないかと思うのですが、その点どうでしょうか。
○説明員(大山綱明君) 先ほども丸谷委員の御質問にお答えしたところでございますけれども、一つにはグリーンカード制度による限度管理にかわるべき案、これは現在の非課税貯蓄の枠の管理が大変乱れておってもはや放置できないという認識からくるところの観点、と同時にこれは税制調査会の答申にも――答申と申しますか報告にも盛られていることでございますけれども、現在六割にも及びますところの非課税貯蓄、そういったものを存置しておくことが全体としての所得税制の公平と申しますか、そういった観点から適切なのかどうか。国家がいろいろ財政的支出をいたします際に、現在の制度を維持して個々の貯蓄に対する優遇をするのがよいのか、それとも税負担の公平とか財政面のコストとかをどう考えるのか、これの政策的な選択の問題になるわけでございますが、六割になりますところの非課税の利子所得を存置したままでいいのかどうかというような観点からの問題の提起が一つあるわけでございます。したがいまして、一つの限度管理を強化する案といいますのは、これは考え方としまして限度枠の管理が十分ではない、これは放置できないという観点からのアプローチでございますし、もう一つの俗称低率分離課税と申しますのは、今申しましたような所得税制における利子課税のあり方、これはマル優が所得階層が高い人の方がより利用割合が多いとかいったことも含めましたところの所得税制のあり方の問題からのアプローチでございまして、決してすりかえとかいうようなことではないことを申し上げたいと思います。
○太田淳夫君 国税庁は十月五日に五十八事務年度の源泉所得税調査結果をまとめてみえますけれども、このうちのマル優関係についてお尋ねしますけれども、国税庁が全民間金融機関の九・六%に当たります三千八百店舗を税務調査した。その結果、利子課税を免れた貯蓄額は六千七百億円、また重加算税を含めた追徴額は二百億円、こういうふうになっていますが、間違いありませんか。
○政府委員(冨尾一郎君) 国税庁におきまして昭和五十八事務年度において金融機関の約一割、三千八百店舗につきまして源泉所得税の調査をし、マル優の限度管理等についてチェックしたわけでございますが、その結果につきましては、先ほど先生の御指摘のとおりでございます。
○太田淳夫君 この税調査をしたほとんどの店でマル優制度を悪用した不正貯蓄が見つかったと言われていますが、そのとおりですか。
○政府委員(冨尾一郎君) 私どもが調査をいたしました三千八百店舗の大部分におきましてマル優の不適正利用の例が見つかっております。
○太田淳夫君 また伝えられるところによりますと、大阪国税局の調査によりますと、追徴額ですね、約八割は金融機関が負担していたと、こういう報道もされていますが、これは事実なのか。また、マル優悪用の手口はどのような手口が多いんですか。
○政府委員(冨尾一郎君) 税務署が金融機関に対しまして利子所得の調査を行います際には、マル優の不適正の事例が見つかった場合には、これに対しまして源泉所得税を銀行から、金融機関から納付していただくということでございます。これにつきまして、この際どういうような手口でマル優の不正利用があったかということにつきましては、一般的には、非課税限度をストレートにオーバーして利用している場合であるとか、それから非課税貯蓄申告書に記入された住所、氏名が架空である、いわゆる架名を使ったものでございます。それから三つ目には、親戚や知人名義をかりる、いわば借名と申しますか、このようなものがございまして、こういう形で一般的にはマル優の不正利用の事例が見受けられるという調査結果になっております。私どもとしては、こういうことではマル優の制度の適正な運用になりませんものですから、銀行等に対しましては、業種団体等を通じましていろいろ指導をお願いしているわけでございます。それから、私どもとしても、銀行調査、さらには非課税貯蓄申告書の名寄せ等を通じまして適正な運営を努めてまいりたいと思います。 それから、大阪国税局で調査をした結果追徴した金額の約八割を、金融機関が負担しているのではないかというような御質問も承ったと思いますが、私どもとしては、そういうふうにマル優の不正利用がありました際の利子につきましては、源泉徴収義務者でございます金融機関から源泉所得税を納付していただくということになっておりますので、この限りでは源泉所得税の納税関係は完結をいたします。あとは、金融機関がこれを納税者に求償するということになるわけでございまして、私どもとして、新聞に報道されたように、事例がどの程度全体としてあるかということにつきましては把握をいたしておりません。
○太田淳夫君 これは前回、五十八年にも発表ありましたし、毎年こういうような不正預金額、追徴金が発表されているわけですね。特に去年の例ですと、ある信用金庫では、取引先のある人の預金をさくら、あやめ、ふじという架空名義で分散して、約一千八百万円の利子課税を免れていたとか、そういう、これはもう金融機関ぐるみの一つの不正行為じゃないかと思うんですが、こういうことがいろいろ摘発されながら、これが連続をして起こって少しも絶えない。こういうマル優の悪用と申しますのは、これは庶民にはできないことで、これは一部の金持ちでしかできないことでありますし、一般の大衆は非常にこれでいら立ちを深めているわけですけれども、大体大衆の貯金額と申しますのは、日銀の調査で読みましても、六月、七月の調査でも、平均の貯蓄額は約六百四十六万円で、これではまだ非課税の枠を使い切っていないのが現状ですね。それにもかかわらず、こういったマル優の不正が後を絶たない。これは、一部資産家の税金逃れにこれは利用されていると言っても過言ではありませんし、そういう人たちのために今度は庶民の小さな預金までが税金を取られるということは、これは私たちは反対しなきゃならないと思います。これに対して大蔵大臣の見解はどうでしょうか、これは毎年続いて起こってますね。
○国務大臣(竹下登君) これは確かにおっしゃるとおりでございまして、この調査の結果から見るマル優の不正利用、いろいろございます。限度オーバーしてマル優を利用しておるものとか、あるいは住所氏名が架空のものでございますとか、親戚、知人名義を利用しておるものでありますとか、いろいろなものがございますが、全体から見ますとその不正に加担している例がそれほど多くはないではないかというふうには思います。しかしながら、少なからず問題があると認められますので、私どもとしては、業種団体等を通じた指導はもちろん、事務量の許します限り、利子所得調査や名寄せ等を適切に実施して、この制度の適正化を図るべく努力をしておるという実態でございます。したがって、委員が御指摘になりました、いわゆるグリーンカード制を実施する当時においては、公正の確保と総合課税の問題が大義名分であったわけでございますが、ああいう気持ちそのものは持ってこれからも対応していかなきゃならぬ課題であるという事実認識をしておるところであります。そうしたことから、二類型というもので今御審議いただいておるというのが、現状そのままの御説明になろうかと思います。
○太田淳夫君 今、二類型ということで話があったわけですが、不正はそう多くないとおっしゃるかもしれませんけれども、一割の店舗だけでもこれだけの額になるんですから、もしもこれを、一割だから十倍するということもあれですが、たとえばやってみますと七兆円、マル優の不正総額は七兆円になるし、追徴額は二千億円、こういうふうになろうかと思うんです。やはり大半の方はマル優の法定限度枠を守っているわけですけれども、そういう多数の預金者が守られずに、かえって今度巻き添えになって課税対象になってしまうということは、やはり、最初の作業の出発点であります不正な使用ということから方針が変わってきているんじゃないか。もし変わったのであれば、十分国民に納得されるだけの説明がやはり必要になってくるんじゃないかと思うんですね。ですから、私どもとしましては、やはり原点に立ち返りまして、実行可能でしかも実効性の上がる限度額管理方式というものをここで追求すべきじゃないか、こう思うんですが、再度大蔵大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) マル優等の非課税貯蓄制度の見直し、さきの税調利子配当特別部会の中間報告で見ましても、広範多岐にわたる論点が示されてきたわけであります。まず、非課税貯蓄残高が個人貯蓄残高の約六割を占めるに至っておること、それが所得税制として適当かどうかという問題、それから郵便貯金を含む非課税貯蓄の限度管理の問題、もはや放置し得ない状況にあると、これは御指摘のとおりであります。したがって、制度自体のあり方と限度管理の技術的な方法、両面を通じて今これが検討をされておるというところでございます。したがって、重ねて申し上げますように、現段階で今おっしゃいましたこの太田委員の議論は、なお税調今開かれておるさなかにもこれは御報告していくわけでございますが、一義的に今結論に達していない今日でございますので、やはり審議を得て最終的な結論を得るべき問題であるという問題にきょうのところはとどめさしておいていただきたいと思います。
○太田淳夫君 次にそれでは移りますけれども、何となく、この非課税貯蓄の見直しというのは郵貯いじめになっているんじゃないかという、そういう感じもするわけですけれども、郵便貯金、これは財政投融資の原資として重要な役割を今まで果たしてきているわけですけれども、しかし最近は、市中金融機関や証券会社による高利回りの商品が出回ってますので、非常に郵便貯金が伸び悩んでいるんじゃないか、こう思うんですけれども、最近、日銀が九月三日に発表しました個人貯蓄速報ですか、これを見ましても四月から六月期中の増加額というのは銀行の預貯金が前年同期比で五五・八%、こう伸びていますけれども、郵便貯金はマイナス一五・九%、こういう調査結果が発表されておりますけれども、これに対する大蔵省あるいは郵政省のお考えをお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘の統計でございますけれども、確かに郵貯は本年の四―六で日銀の統計によりますとマイナス一五・九。銀行預金ということでございますが、これは全国銀行のうち普通銀行でございますけれども、それが五五・八ということになっております。これは五十九年四―六中の期中増減額の対前年同期比ということになるわけでございますが、この統計におきます期中増減額は、つまり、このとおり五十九年六月末の残高から五十九年三月末の残高を引くという差でございます。この統計の四―六でございますけれども、実は五十九年四月から西日本銀行が普通銀行として発足しましたので、統計上相互銀行から銀行の方に移ったわけでございますために、銀行預金の計数について西日本銀行分を含んだ六月分の数字と、新しく入った西日本銀行の数字と、含んでいない三月末との数字の差が期中増減額としてあらわれております。したがって、この数字は預金の実勢より高いものとしてあらわれております。昨年度は西日本銀行の増分が入っておりません。そこで、対前年比の伸びが五五・八%と異常に高いものになっておるわけでございます。したがいまして、銀行だけを取り出してこの統計を見る限り一年間、一巡いたしませんと統計として連続性がないわけでございます。ちなみに、この四―六について見ますると、実際には公務員のボーナス支給日が後ずれしたこともありまして、五十九年四―六月の預貯金の増加は銀行、郵貯ともに実質は鈍いものになっておるわけでございます。
○説明員(岩島康春君) 郵便貯金の伸びでございますけれども、御指摘のとおり郵便貯金の伸びの低下は急でございまして、五十八年度でございますと、純増加額、つまり私どもの新規にお受けいたします郵便貯金と、それからお支払いいたしました、払い出しました郵便貯金の差、つまり逆に言いますと市中から吸収いたしました郵便貯金の額ということで見ますと、五十八年度が二兆七千三百五十億でございまして、これは対前年にいたしまして七九%でございました。この傾向は本年度に入りましてもさらに急でございまして、五十九年度、本年度十一月末現在の純増加額で申し上げますと九千八百億でございまして、昨年度は比べまして半分少々、五六%という数字でございます。
○太田淳夫君 このまままいりますと、よく郵便貯金の金利の規制とか言われますけれども、それが続いてまいりますと郵便貯金から高利回りで流動性の高い金融商品の方にシフトが高まってくるんじゃないかと思うんですね。それは、中期国債ファンドあるいは国債組み合わせ商品あるいは三十兆円を超すような期日債へのシフト、こういうことも考えられてくるんですが、その点はどのように郵政省お考えですか。
○説明員(岩島康春君) 先生御指摘のとおり、こういう郵便貯金の伸びの低下と申しますのは、基本的には所得の伸びの低下とか国債の増加とかといったものもございますけれども、御指摘の自由化の中で「ビッグ」とか「ワイド」とか「中国ファンド」とか半自由化あるいは高利回りの自由化商品の方へのシフトというのが急であろうと思います。郵便貯金の先ほどの伸びの低下を申し上げましたけれども、もう少し子細に見ますというと、私どもの払い出しが非常に多くなってございまして、本年度でございますと払い出しが昨年度に比べまして二割増しぐらい払いが多くなってきている。つまり、これは郵便貯金から流出しているというふうに私ども考えておるわけでございまして、その流出先は、今申し上げましたような市場実勢を反映した高利回りの商品ということに私ども考えております。こういったことに対しまして、私どもも高利回りの商品に対抗するような商品をつくっていかなければいけないわけでございますけれども、商品開発の面で申しますと、例えば法律的ないろいろな制約があったりして大変難しい面がございます。その中でもオンラインなんかを利用いたしました商品を開発するなどの努力は続けておるわけでございますけれども、大変難しい面もございます。それから、もう一つ、運用の面でございますけれども、こういった入り口と申しますか、お客様の方に高利回りの商品に対抗できるような商品を提供するというためにはやはり出口の方と申しますか、私どもの貸し出し利回り、運用の方でも市場実勢に反映したというような利回りがないとなかなかそういう自由化商品に対応するような商品を提供できないというような仕組みもございます。こういったことで大変私どもの郵便貯金の伸びというのは、そういった仕組みを積極的に改善していきませんとなかなか伸びの回復というのは難しいというふうに私ども見ておるところでございます。
○太田淳夫君 今、郵政省からお話、お考えが示されましたが、財投の原資としての郵便貯金も年々減少というよりも、五十八年から五十九年にかけては一兆円という大きな減少をしているわけですが、やはりこの辺で郵便貯金のあるべき役割ということも十分今後考えていかなきゃならないんじゃないかと思いますが、今後もやはり国債の大量発行が続いてまいりますと、これは市中消化困難な事態も発生すると思われますし、しかしこれは日銀が引き受けたんではインフレーションを招く。そういうことで、大量国債の発行、借換債の消化に当たりましては政府資金が今日以上に重要な役割を果たすことになってくるんじゃないかと思うんですが、こういう大量国債発行下における政府資金のあり方について大蔵省としてはどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(宮本保孝君) 政府資金といいましてもいろいろあるわけでございますけれども、大宗をなしますのは資金運用部資金でございます。この資金運用部資金につきましてはいろいろと運用を財投計画に統合的に運用いたしましたり、あるいは今御指摘の国債の引き受けというふうなことにバランスよく回そうということで年々計画を立てているわけでございますが、この基本的な考え方といたしましてはやはりそのときどきのまず運用部の原資事情がございます。それから、財投機関の資金需要がございます。それからまた、市中の金融情勢等もございまして、こういうものを総合的に勘案しながらその資金配分を行っているところでございますが、今御指摘のように大量の国債でございますので、なかなか市中消化というものもあるいは円滑にいかない面もございます。あるいは、日銀引き受けはこれはもう絶対に財政の節度からいってもしてはならないことでございますので、そういうふうなバランスをとりながら運用部資金によります国債の引き受けにつきましても、その中でできるだけ多く極力努力をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○太田淳夫君 やはりいずれにしましても政府資金のストックを高めるためには財政投融資原資を充実させなきゃならないし、それには今まで大きな役割を果たしてまいりました郵便貯金が増加するような体制づくりが必要じゃないかというように思うわけですが、やはり先ほど郵政省からお話がありましたけれども、金利の規制という点もやめて、自由化態勢にマッチしたものを体制づくりとして考えていかなきゃならないんじゃないかと思いますし、あるいは運用の問題もあろうと思うんですが、その点についての郵政省及び大蔵省の見解はどうでしょうか。
○説明員(岩島康春君) 先ほども御説明申し上げましたように郵便貯金の伸び、これを回復するというためには、やはり基本的には自由化対応、これをいかに積極的にやっていくかということだろうと私ども考えております。繰り返しになりますが、商品開発面におきましても私ども法律規制、そういったようなものをもう少し自由にいたしまして、自由市場にリンクいたしました商品開発面をもう少し柔軟性を持ってやっていくということが必要であろうと存じますし、もう一つ、個人貯蓄の二〇%を占めます、残高で九十兆を占めます郵便貯金自体が市場実勢と離れて存在するということ自体自由化対応として不自然でございますが、郵便貯金といたしましても自由化商品に対応する商品をつくるために、運用面における改善――私どもの貸出利率というのはかなり市場原理とは隔絶した形で、しかも実勢としてかなりこれまで低いレベルでの預託利率でございまして、そこの仕組みを市場実勢に合うような形にし直す、私ども昨年からそういった意味で郵便貯金の資金におきます国債の直接運用といったようなものを御提案申し上げているわけでございますが、そういったような形を通じて運用面の改善を図っていく、そして郵便貯金資金全体を自由化対応を積極的に図っていくといったような形で、かたがた郵便貯金のもう一つの役割でございます財投原資供給の充実と申しますか、そういった役割を果たしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○政府委員(宮本保孝君) 今いろいろ御指摘ございましたように、財投原資をめぐる環境、大変厳しいものがあるわけでございます。また、その中で国債の引き受けにも十分配慮していかなければいけないということでございますから、財投計画を編成するに当たりましてはやはり官業と民業のあり方というものを十分見きわめました上で、本当に必要なところには十分お金をつけていきますし、また不必要、社会的、経済的にも時代的な要請がもう必要ないというふうなところに対しましてはこれを削減していくということで、めり張りのきいた財投計画を組んでいくということで資金運用をいたしたいと思っております。
○太田淳夫君 大蔵大臣、今郵貯の方から自由化商品と、そして運用を郵政省に任せるということで、これは前々からもうずっと論議を今まで呼んできているわけですが、もうそういうことが必要な時代にだんだんと流れがなってきているんではないかと思うんですね。やはり掛金を掛けた人たちあるいは税金を納める人たちが、それがどういうところで使われていくか、どのように安定をし、また有利に運用をされながら我々の財産が守られていくのかということを知りたいし参加もしたい、そういう時代になってきているのではないかと思うんです。そういう時代の流れから見ますと、やはり大蔵省で一元化してこれを運用していくということは時代の流れに反していくんじゃないかと思うんですが、郵政省としては今まで一生懸命そのことを主張してまいりましたが、これはいまだ実現をいたしておりません。また小口預貯金の金利の自由化、この問題も検討をするということでございましたけれども、今までもなかなかその検討に着手されてないような情勢にあるわけですが、その点、両方のことを含めまして大蔵大臣の御見解をちょっと承らしてもらいたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず、いわゆる自主運用の範囲拡大とでも申しますか、そういう主張でございます。これにつきましては、年々の主張でございますので、ある意味においてはそれこそ新しくて古く、古くて新しい問題であるかもしれません。ただ、この問題につきましては、私どもが基本的に申し上げておりますのは、臨調答申等々指摘されておりますように、やはり国の信用において集められたものはいわゆる一元運用というのが原則であるということであります。したがって、郵貯のみならず簡保、年金あるいは厚年の資金とか等々ございますが、それぞれの性格にかんがみ、可能な限り公共性のあるものはこれを充当していくという考え方で対応しておるわけであります。ただし、物によりましては、過去五年間の平均を上回るものについては運用の範囲を広げるとかいうようなことも、過去においても議論をして決着を見たこともあるわけであります。したがって、基本はあくまでも国の信用において集められた一元運用というものが筋であるということについて対応をして、またそれを運用する立場はあっては、公共性と安全、確実、有利ということを念頭に置いていかなきゃならぬ課題であるというふうに思います。 それから、金融の国際化、自由化の中で、当然預金金利の問題が出てまいります。これにつきましては、私どもが主体的な立場にありながらも漸進的に行っていこうというのは、私どももいわば民間金融と同時に、郵貯というものの存在があるからこそ漸進的にこの問題を現実に即して進めていかなきゃならぬ課題であるというふうに考えておりますので、これこそいわゆる郵貯関係者のみならず、私どもも総合的に協議をいたしまして、この国際化、自由化の中で、競争原理に毅然として立ち向かっていき得る環境の整備等には努力をしていかなければならない課題だというふうな事実認識をいたしております。
○太田淳夫君 最後になりましたので手短に申し上げますけれども、やはり金利自由化時代に即応した財政投融資制度、こういうことを真剣に討議をするときに来たと思いますし、理財局長の私的研究グループで財投研究会というのがあるそうでございますが、ここでの検討の目途についても私どもお話を承りたいとも思いますが、やはりこういう真剣な討議をするべき場も必要でありましょうし、また小口金利自由化のための検討機関、今まで大蔵、日銀、郵政とそれぞれがそれぞれの違った場所で違った意見をいろいろ述べ合って、なかなか調整が非常に難しいということではなくて、やはり国民の利益を守るという立場からこの金利自由化の時代にどのように対処していくべきかということを総合的にやはり検討するような、三者が加わった検討機関というものをつくって時代に対応してもらいたい、こういうふうに私たちも思うわけですが、その点最後にお聞きして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) まさに御指摘のとおりでございまして、私どもも、今御指摘の財投問題につきましても、真剣にこれを見直すということで研究会をつくりましてフリーなトーキングの場をつくったわけでございますが、その場におきましても単に私どもだけではなくて、幅広く、例えば郵政省、厚生省あるいはそれぞれまた資金を使われる方の各省庁の皆さん方もそこに来ていただきまして、オープンな形でもって幅広い検討をしてまいりたいと思っております。 金利につきましては銀行局長から。
○政府委員(吉田正輝君) 金利の自由化問題でございますけれども、これにつきましては私ども現状と展望というのを発表しておりまして、まずCDの一層の弾力的取り扱いとか、市場連動型預金の創設等はよりまして、大口預金金利の規制の緩和を行っていくわけでございます。 小口預金の自由化については、確かに量も多いわけでございますので、できるだけ早く緊急に着手すべき課題であるという認識を持っておりますが、大口預金金利の、まずこれ伝統的な手法でございますけれども、大口預金金利の自由化をできるだけ早く進行させながら、その影響を見きわめつつ、また自由化と申し接すると、同時にもう一つ、信用秩序の維持という課題も抱えておりますので、信用秩序維持の制度などを現在金融制度調査会でその受け皿体制なども鋭意御検討いただいております。その御検討の状況なども見きわめつつ、できる限り早く研究に着手すべきであり、この課題につきましては、できる限り学識経験者あるいは関係者等の英知を結集すべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○説明員(岩島康春君) 郵便貯金の自由化にどういうふうに対応するかという問題につきましても、私ども内部で一生懸命勉強しているところでございますけれども、一つ郵便貯金の問題にとどまりませんで、金融制度あるいは財投、そういった問題にやはり及んでまいるわけでございまして、どういった場ということは別にいたしましても、私ども関係の向きと意思疎通をし、共同で研究していくといったことは大変貴重な御指摘というふうに私ども承っておるところでございます。
○安武洋子君 大蔵省、今来年度の予算編成作業で大変お忙しい最中だというふうに思います。来年度の予算編成の枠組みの問題でお伺いをしてまいりたいと思います。同僚議員と少し重複はするところがあるかもわかりませんが、我が党としてもきっちりとお伺いをしておきたいと思うわけです。 大蔵省の中期財政試算では、来年度は一般歳出約五千億増を見込んでおります。約四兆円の財源不足と試算をいたしております。この問題をどうするかが編成上の焦眉の問題だというふうに思いますけれども、まず来年度国債費一兆円、これを減額するのか、それとも放棄をされるのか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(的場順三君) 六十五年に特例公債依存体質から脱却する、それからできるだけ今後公債依存度を引き下げていくというのは大蔵省として、また政府として果たすべき公約でございます。したがいまして、来年度の予算におきましても公債の減額ができるだけ予定どおりたくさんできるように最大限の努力をする所存でございますが、現段階でその公債の減額が幾らできるかということについてはせっかく検討中、作業中でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○安武洋子君 じゃ、国債整理基金への償還財源の定率繰り入れ、これは約一兆八千六百億、これは繰り入れるように償還財源、用意なさるんでしょうか、それとも四年連続見送りをなさるんでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(的場順三君) 中期展望によりますと、定率分の計算は一兆八千六百億ございます。 それから御指摘のとおり五十七年度の補正、五十八年度、五十九年度と、定率繰り入れを見送っているのも実態でございます。しかしながら、現在の国債の減債制度の基本はこの定率繰り入れにございます。したがって、先ほども申し上げましたように、財政制度審議会におきましてもこの定率繰り入れの基本は守るべきであるというふうな御指摘がございます。 このようなことを踏まえつつ、六十年度の大変厳しい財政状況、それから全体としての歳入歳出の煮詰まりぐあい等を見てこれも今後決めていく事柄でございまして、現段階であきらめたとか、あるいは繰り入れるとかということを明確に申し上げられる段階にございません。
○安武洋子君 約四兆円の財源不足、これを考えました場合に、これは問題はあるわけですけれども、まあ問題はありますけれども仮に国債減額分一兆円、そして償還繰り入れ分の約一兆五千億、これはやめたとしまして、この合計は約二兆五千億でございます。なお、一兆五千億が不足と、こういうことになります。一般歳出増の見込みの五千億、これは削減するというふうにしましても、概算要求でも一定の増加になっているわけです。それに加えまして、公務員の給与の引き上げ分、これは大変不十分でございますけれども、それにしても給与の引き上げ分を考慮すると五千億ぐらいになるわけです。一体この五千億は何を削減するんでしょうか。また、その上、不足する一兆については歳出を削るんでしょうか、それとも増税をなさるんでしょうか。
○政府委員(的場順三君) 一般歳出につきまして、要求の段階で二千八百億の増加という形に、これはマイナスシーリングということで各省にお願いしたところでございますけれども、例外事項等もございまして出ている部分がございます。それから、公務員給与の部分を足しますと五千億という数字が一つ出てくると思いますが、これをどういう形で削減していくかということになりますと、これは全体の歳出について聖域を設けることなく、制度の根幹にまでさかのぼって各省と十分に相談して、できる限り圧縮していくということでございます。 それから、さらに不足する部分についてどうするかというお尋ねでございますが、これは税外収入についてどういう増収方策があるかということについても真剣に検討中でございますし、また税についても時代の流れは即応するような方向で見直す余地があるかないかということも主税局の方で検討中でございます。歳入歳出全般にわたって来年度の予算、大変厳しゅうございますが、歳出の削減を基本としながら、できる限り要調整額を縮め、最終的には要調整額のない形で予算を組みたいというふうに考えております。
○安武洋子君 先ほどからの御答弁は、言葉数は多うございますけれども、私は細かい予算の中身を聞いているわけではございません。今国民が注目をいたしております基本的な当然の疑問、それを提起しているわけでございます。ですから、今予算の編成途上だということは十分に承知いたしております。しかし、それにしても、予算の編成途上といえども大枠で答えるというのは、私はこれは国民に対する義務ではないかというふうに思うわけで、すべて検討中、検討中と、こういうことでは私は余りにもちょっと御答弁としてはいただけないと、こういうように思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) まさに、お聞きになれば検討中、こういう御印象をお受け賜りますでございましょう。事実、検討中であるからそのように申し上げるわけでございますが。恐らく安武委員おっしゃいますのは、もう少しフレームが固まってきているんじゃないかな、こういう御印象だと思うんであります。そのフレーム、予算の骨組みでございますね、それ今安武委員が御参考になすっておるのは、一番当初出した中期試算に基づく税収等を基本に置いたものでありますので、その税収を今度は個別税目ごとに積み上げた場合、どうなるか。それから税外収入でもう少しどこかのポケットは入っていないかと。えてして税外収入というのは概算要求の段階では少のうございます。特にことしは、すぐわかりますように、電電公社の特別納付金なんというのがなくなるわけでございますから。そういうものから考えて、フレームづくりに、私はきょうもここへ出るに至って、いわばフレームづくりにあとまだ、短い、ここのところの週間かかるなという気がしますので、お答えするのも、不親切に受け取られても現状が検討中であればそのようにお答えせざるを得ないかなというつもりで参ったわけでございます。
○安武洋子君 せっかく大臣が御答弁にお立ちくださったんですけれども、それじゃのれんに腕押しで、同じことです。 じゃ、来年度の税制改正に関連いたしましてマル優の扱いについてお伺いをしてまいりますけれども、大蔵省は限度額管理の強化か、それから低率分離課税の導入というふうなことで考えておられるわけですけれども、私は不正利用のチェックというのは当然というふうに思うのです。低率分離課税ということになりますと、これは国民にとっては所得税の大増税ということになるわけなんです。現在、非課税貯蓄の総額というのは約二百四十兆円というふうにいわれております。この利子は年六%として計算をいたしますと十四兆円になります。これに五%課税をするということになりますと七千億ということになりますし、これを一〇%にいたしますと一兆四千億という増税になって、これはかつてない大増税ということになるわけなんです。仮に三百万円預金をしている人がありますと、年利六%で十八万円の利子、これに五%の課税ということになりますと九千円、それから一〇%なら一万八千円、これだけもう取られるというふうなことになるわけなんですね。先ほど一兆円減税ということがありましたけれども、間接税増税で半分は持っていかれてしまっている。その上に福祉の切り捨てとか、こういうことがありますから、もう減税分は吹き飛んでしまっている。だから今、国民の中から減税を求める声というのがほうはいとして沸き起こってきて、減税に対する要求が強いわけです。その中でこういう増税というのは私は全く許されないと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 結論から申しますと、負担するのも国民、受益者も国民でございますから、何らかのサービスを求めるには負担増というものが伴わなければならぬという、いわゆる事実認識というもの。ところが我が国におきましては、昭和三十九年まではなるほど公債は一銭もございませんが、四十年度補正予算でございましたかで二千億、これが昭和四十九年までで累計で九兆七千億、その後が百十数兆になって残高が百二十二兆、こういうことになりますと、その百二十二兆というものがなぜできたかといえば、やはり私は日本人が世界の中で大変貯蓄性向の高い国民であったから大きく金利を押し上げることもなくできた。しかし、残高自体がここに至りますと、それを六十年で返すといたしますならば、七%の金利で三百九十兆ということになりますと、後世代へのツケ回しという批判も甘んじて受けなきゃならぬ。そうすると、ここのところでそういう後世代への問題をも考えながら物事に対処していく場合には、いま一度制度施策の根源にもさかのぼらざるを得ないであろう。いわばその制度施策の根本にさかのぼった場合に、今おっしゃいましたような、これは福祉の分野の切り捨てではないか、あるいはこれは公共事業の削減ではないか、いろんな御批判も受けるでありましょうが、そこのところを貴重な御意見をも聞きながら国民全体の選択がどこにあるかということを見定めて、苦悩し、今日編成作業を続けておるというのが現状の姿でございます。
○安武洋子君 貴重な意見を聞きながら福祉を切り捨ててもらってはだめなわけで、制度の施策の根本をやっぱりちゃんとさかのぼってみなければならない、大臣そうおっしゃっているわけです。ということになりますと、そもそもマル優の論議という原点というのは、これはマル優の不正利用というところに問題があるということで起きてきたわけなんです。ですから、不正利用の問題の場合に、総理府の三月の貯蓄動向、この調査を見てみますと、一世帯約六百万円余りということになっておりまして、最も多い層の額は二百万円台なんです。非課税預金はもう私が申し上げるまでもなくて九百万の枠があるわけですけれども、国民の大多数にとりましてこの不正利用を行うにもそんなお金ないというのがこの数字からもはっきりしているわけなんです。 ですから、つまり大多数の国民は不正利用なんかに全くかかわりがない。わずかのお金持ちの不正利用のために全国民が税金をかけられるというふうなことはたまったものじゃないということなんですね。 ですから、もう国税庁は不正利用は推定で七兆円ぐらいと見ておられるし、また一説には二十兆という説もあるわけなんです。この不正利用について私はどう対処をなさるのかということが何よりも考えられなくてはいけないというふうに思うんです。 ですから、低率課税ということになれば、今までこの不正、これはずっと調査をしたりとかなんとかおっしゃっていますけれども、この不正を野放しにしてこれに市民権を与えてしまう。税金を納めるからそれでいいですよ、こんな格好になってしまうということになりますから、私はこの不正利用に対して大蔵省としては厳然と対処をなさるべきだと。これどう対処なさいますか。
○政府委員(冨尾一郎君) 現行のマル優制度の不正利用につきましては、私どもといたしましては金融機関の調査でございますとか、それから非課税貯蓄申し込み書の名寄せ、こういうものを通じまして、現在でも事務量の許す限り努力をいたしておりますが、不正利用もなかなか後を絶たないというのも事実でございますし、かなりの不正利用が結果として見つかっているということも事実でございます。
○安武洋子君 もっとこういうところにきちっと対処をするということを抜きにして、私はこういうマル優を課税対象と考えるというふうなことは、そもそもこれは先ほど大臣が言われたような制度施策の根本にさかのぼって考えた場合だって不当ですし、そして私はこういうものを考えられるということなんかはやめていただいて、預金利息の課税の不公平、それから不平等、この最大の問題というのは、これは源泉分離選択制度、こうであろうと思うんです。通常まあ総合課税では最高税率が七〇%、住民税と合わせた場合最高七八%です。ところが、利子配当につきましては、源泉分離を選択いたしますと最高でも三五%、そして住民税はゼロ、こういうことになります。全くこれではお金持ちの優遇でございます。一たんグリーンカードのときに廃止になったのが、その後大蔵省はこの制度については一言も物を言っておられないわけなんです。一体これはどうなさるおつもりなんでしょうか、お伺いをいたします。
○説明員(大山綱明君) 源泉分離課税になっております部分につきましては、今、政府の税制調査会においてこの点も含めまして御議論をいただいているところでございます。 中間報告として政府税制調査会が十月にお出しになりました報告によりますと、基本的には総合課税が望ましい姿ということで維持されてよいと言いつつ、利子配当所得の担税力ないしは性格、それから特異性、これは利子配当は大量に発生をいたしますし、金融シフトというのは極めて容易に起こり得るとか、そういう発生の多様性、大量性ということを念頭に置かれているようでございますけれども、そういった特異性を考慮すれば実質的な負担、公平を確保する見地から源泉分離選択課税制度を並置するということも十分評価されてよい、あるいはやむを得ないというような意見も多く述べられたという報告が十月になされているところでございます。 目下、税制調査会におきましてこういった点も含めて御議論がなされているところでございまして、政府において検討しているかいないかという点は、こういった税制調査会における御議論があるということで御理解がいただけるんじゃないかと思っております。
○安武洋子君 議論は議論といたしまして、私は政府としてきちっと考えていただきたいんです。これはだれが考えたって、私は金持ち優遇ということになると思いますよ。 源泉分離を選択しますと最高でも三五%になって住民税ゼロと、そして総合課税でいきますと、これは総合税率七〇%、最高で、住民税合わせたら七八%、まあ子供でもどちらが有利かということはわかるわけなんです。ですから、こういう点でもう私はこういうところを放置しないで、きっちりとこういうところには私は厳正な対処をしていただかなければならない。政府もそういうお立場に立っていただきたい、こういうふうに思います。 それから、来年度の税制改正でまだお伺いいたしておきますけれども、入場税の問題なんです。 入場税といいますのは、これは戦前に戦費調達というふうなことで制定されたのがいままで残ってきておるということなんですね。私は、これはおかしいと思うんです。入場税というのはサービス課税というふうにおっしゃっておりますけれども、これはサービス一般ではございません。これは文化に対する課税だというふうに思います。ですから、映画とか演劇とか音楽とか舞踊とか、あるいは親子劇場とか、こういうところにかけられている入場税、私は、これは速やかに撤廃をすべきであろうというふうに思いますが、まあ一応その上に立ちまして、来年度の予算では少なくとも免税点の引き上げを実施すべきだというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(大山綱明君) 私から検討の状況について御説明をさしていただきますが、政府の税制調査会におきます答申におきましては、最近の消費のサービス化が進展している状況を考慮しますと、各種のサービスに対する課税のあり方について幅広く検討すべきであるとの意見があったというふうにされているところでございます。サービス課税のあり方につきまして私どももいろんな角度から検討いたしておりますところでございますけれども、こういったサービス化が進展しているということに税制も対応をどんどんしていかなくちゃならないという認識は持っているところでございます。そういったサービス課税の一環として諸外国におきましても入場税といった仕組みはございますし、それから個別の税目として入場税を持っていないところでも、例えば、ヨーロッパの付加価値税でございますと、入場料金にもかかってくるということにもなっているところでございますので、私ども事務当局といたしましては、これを撤廃するとか、あるいは免税点を引き上げるというのはよほど慎重に考えなくてはいけないんではないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、この問題も含めまして来年度の税制改正をどうするかということで税制調査会において現在検討されているところでございますので、今ここでどうこうということは適当ではございませんと思います。その御議論の結果を踏まえて対応をすべきものと考えております。
○安武洋子君 大臣、文化国日本が泣くじゃありませんか。これぐらい免税点を引き上げるということを御検討いただけませんか。
○国務大臣(竹下登君) 今、大山審議官からお話し申しましたように、まさにその問題、今御議論をいただいておるところでございますので、それこそ予見めいたものを申し上げることはできない。私なども陳情も受けます。中には、あれは見る人の方が本当は入場税ということの是非は考えるべきで、アクターは入場税などより、それ以上の純粋な高度な芸術に挑戦することこそ真の芸術家のあるべき姿だというような議論をなさる人もございますし、立派な議論だなと思いながらそれぞれ聞いておるところでございまして、先生の議論も立派な議論として聞いております。
○安武洋子君 芸術はやっぱりそれをたくさんの人に見てもらうというふうなことにならなくちゃいけないわけで、その妨げになって、文化の大きな発展の妨げになっているということを私はもう一度申し上げておきます。 さらにお伺いいたしますが、生活協同組合に対する課税についてお伺いをいたします。 全国労働者共済生活協同組合連合会、いわゆる全労済と言うんですね、通称。ここからも私は強い要請を受けておりますけれども、現在、軽減税率で二六%の税率、こういうふうになっております。これを引き上げようとする動きが税調にあるというふうにも聞いているわけです。しかしながら、生活協同組合というのは相互扶助、お互いの生活の向上のために事業を行っているところで、これは利潤を追求する営利を目的の団体ではございません。したがって、現在の法人税率、これにつきましては今の税率を維持するように私は努力をしていただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(大山綱明君) 生活協同組合も協同組合の一環でございます。協同組合の中には農業協同組合等々あるわけでございますが、私ども協同組合、それから公益法人等につきましての税率の引き上げが可能かどうかということを内部的に検討しているのは事実でございます。これに適用されますところの税率は二六%というただいま先生の御指摘のとおりでございますが、これは昭和二十五年のシャウプの大改正をいたしましたときには普通法人と同じ三五%の税率の適用であったんでございますが、その後いろいろな経緯を経て、今普通法人は四三・三%、公益法人、協同組合二六%となっております。 そこで、先生の御指摘は相互扶助組織だから低くて当然であるという御主張でございますけれども、私どもが考えておりますのは、その相互扶助に基づく部分につきましては、いわばこの協同組合のシステムの中で事業利用分量配当を配当してよろしい、それはそれで損金に落としてよろしいというシステム、仕組みがございます。それによりまして、やはりお返しする分は、組合の相互扶助の分はちゃんとお返しすべきはお返ししておる、残る部分というのはどういうものかと申しますと、それは員外の方が利用なさるとかといった部分が主たる部分を占めるわけでございまして、そういったものについては普通法人と同じ税率で課税されてもしかるべきであるというふうに基本的に考えるわけでございます。昨年の税制調査会の中期答申におきましても、ちょっと読ませていただきますと、「軽減税率と基本税率との較差が制度創設当時より拡大されていること、特に協同組合、公益法人等の営む事業が一般法人の営む事業と競合している場合があること等を考慮すれば、」「基本税率との較差を縮小する方向で検討することが適当である。」、かような指摘もございます。一挙に普通法人並みに持っていくのがいいのかどうか、その辺は来年度の税制改正の一項目でございますので、これも再三で恐縮でございますけれども、今税制調査会でその辺を御議論いただいておるところでございますが、基本的な考え方はただいま私が申しましたような理屈で引き上げの余地はあるのではないかと考えておる次第でございます。
○安武洋子君 私が今まで要求した、国民が要求しているような事項については税調で論議中だからということで、検討中だということであいまいに濁されて御答弁いただけない。しかし、こういう今おっしゃったようなことは綿々と引き上げる理由をおっしゃって、税調で審議中であるにもかかわらず、この点だけは大蔵省の姿勢を明確に言われる、私はもってのほかだと思うのです。公共的性格の強い団体、これは何も営利を目的とするものではなくて、非営利の消費者の組織です。ですから一般の営利目的の株式会社並みというふうな考え方に対して私はもってのほかであると思いますし、そうしてここ数年二回も引き上げをしているというふうなことで、今検討中だ、しかし大蔵省の姿勢はとおっしゃいましたけれども、その姿勢は撤回するようにということを私は強く申しますし、大蔵省の姿勢――さっきからお伺いいたしておりまして、本当に国民が要求するそういうことに対しては税調、税調だ、検討中だ、わからないとか、あるいは消極的な姿勢を示す、今のようなものは要らぬことまでいっぱい言って積極的な御答弁をなさるけれども、実にけしからぬというふうに思うのです。 そこで、地方自治体への補助金の一律削減について、これもお伺いしておきます。概算要求で示されました各省庁の地方自治体に対する補助金の一律削減対象、これは計四十一件にも及びます。それで、これ自治体への影響額というのは二千三百六十億円余りになるというふうなことで、さらに義務教育費とか公共事業費とか、こういう国庫負担も削減しようとする動きがあるというふうなことなんですけれども、三千数百ある地方自治体のうちの七割以上が一律カット反対の決議をしております。私もあちらこちらに参りますけれども、自民党の知事さんあたりからもこれは絶対反対だという御陳情を受けます。自治体の中では予算を組めない、福祉、教育などに本当に大きな影響が出る、頭を抱えていなさるというふうな状態で、国民生活に重大な影響を与えるこういうことは私は撤回すべきであるというふうに思います。御見解を伺います。
○国務大臣(竹下登君) まず最初に、今大山審議官が税の問題で申しましたのを正確に申し上げておきますと、今対象となっておるテキストブックあるいはバイブル――バイブルはちょっと表現がオーバーでございましょうが、テキストブックとは、昨年の十一月出た中期答申というものをテキストブックとして、それに国会での議論等を報告したものを議論していただいておる。大蔵省の考えというものはそのテキストブックに書いてあることを申し上げたので、今のそれを前提として御審議いただいておるといういわゆる予見を申し上げたのではなく、そのテキストブックに、今大山審議官が申しましたのは中期答申の中で明瞭に書いてある、要らぬことじゃない、大変要ることを申し上げたんでございますから、その点は御理解をちょうだいしたいと思うわけでございます。 それから、補助率の問題でございますね。だれしも、制度施策の根源はさかのぼれば、これはいろいろな歴史がございましても、現在よりも負担が多くなる方を好むという団体はございません。これは、地方自治体、都道府県市区町村合わせて三千三百二十五ございますが、ことごとくその首長さんは可能な限りはそれは避けたいと思っていらっしゃることは私も理解をいたします。しかし、そこに、お互いが制度施策の根本にさかのぼったときに、なるほどという合意もまた成立しないわけでもない。その努力もこれから数日間一生懸命でやらなきゃならぬ努力でございますので、一面的におっしゃいます議論、私どもは耳を傾けさせていただきますが、すべてそのとおりでございますと言うわけには政権を担当しておる立場からはまいらないということも、仮に安武さんと私がこの場を交代したといたしましても、私はそういうこともあろうではなかろうかと思います。
○安武洋子君 絶対にそんなことはないから、大臣。 私は、これは合意が成立するとか云々とかいうようなものではないですよ。ほかの施策では、それは保守系の知事さんとかそれから市長さんとかそういう方はいろいろな御意見をお持ちだということは私は否定はいたしませんけれども、この問題については本当に地方自治体の予算が組めないというふうな深刻な事態だ、これがまた弱者にしわ寄せでしょう。障害者関係で八件ばかりありまして約三百億円、生活保護が、これが一番大きいんですよね、千百九十二億。もう全く弱者にしわ寄せが行くというふうなことなんです。どうしてこういうむごいことをなさるのか。こういうことは本当におやめいただかなければ、これはもう全地方自治体挙げてこの施策については反対で合意なんてとっても得られない、こう思います。
○国務大臣(竹下登君) それこそこれからの問題でございますので、安武委員は断定なさいますでしょうし、私は微力でございますがなお努力を続けようと思っております。
○安武洋子君 それは弱者をねじ伏せるということで政治にあるまじきことなんですよ、大臣。財政難が理由だとおっしゃる、それなら国民向けのこういう補助金、もう本当にむちゃくちゃな削減をされるということなんですが、その一方で大企業はどうなのか。この退職給与引当金それから貸倒引当金、こういう内部留保、これに対する課税というのはやっぱり優遇措置がずっと続けられているじゃありませんか。国民に重い負担を求める、しかもそれが弱者。本当に社会的に救済しなければいけないような弱者のところに行く、生活保護とか障害者とかというふうなところに行く。こういうことをやりながら大企業を優遇し続けるというのではなくて、ここにこそまずメスを入れていくべきだ。片方は生存権の問題なんです。こういう点いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 制度、施策の根本はさかのぼって先ほど来の御議論は負担分任の問題の御議論でありまして、個々自身に与える額とかそういうものが抑え込まれるという意味ではございませんので、負担分任の議論の中で申し上げた問題であるというふうに御理解をいただいた方がいいんじゃないかなと思います。 それから税の優遇措置は、これはもうあらゆる優遇措置というものはその都度政策税制でございますものはいつも洗い直ししなきゃならぬ。退給とかあるいは貸倒引当金とかというのは、政策税制の別に、いわゆる耐用年数とか陳腐化とかいう税理論の問題も存在いたしますので、すべてを優遇税制だという決めつけ方というものはまた逆の議論をする方もございましょうが、今御指摘なさいました問題につきましても、いわゆる先ほどバイブルとかテキストとか申しましたが、その中に書かれた問題として税調の審議過程の問題であるということは私も承知しております。
○安武洋子君 施策の根元ということが大臣のお言葉の中にもずっと出てまいります。施策の根元というのがそういうことであれば、やはりこれは憲法、そしてその中の二十五条生存権がうたってある、それを政府としてはきちっと保障していくという立場に立っていただかなければならない。大企業優遇税制、ここにメスも入れないで弱者にしわ寄せを持っていかざるを得ないというような施策については、私は絶対に許すことはできないし、考え直していただきたいし、私どもが繰り返して申し上げているように、これは軍事費をやはり削減すべきであるということを申し上げておきます。 ここでテーマを変えますが、来年の三月三十一日に施行されます公務員の定年制に関連いたしましてお伺いをいたしてまいります。 定年制の運用の問題につきましては、私は内閣委員でございまして、この定年退職の問題が論議をされておりましたときにこの法案の審議に参加をしてまいりました。その際に政府から定年制の運用につきましては、職員団体の意見を十分聴取してその意見を十分に尊重するという趣旨の御答弁をいただいております。 また、附帯決議もそのときにつけましたけれども、これも退職の特例とか再任用の運用に当たりましては、「勤務実績および関係職員団体の意見を反映する等、運用の公正を確保するものとする。」というふうになっておりました。この政府の御答弁とかあるいは附帯決議の立場に立った運用、こういうことを行う姿勢というのは今でも変わりはないでしょうか。これは人事院に確認いたしとうございますが、いかがでございましょうか。
○説明員(大城二郎君) 定年制の実施に関しましては、法案の議決の際、ただいま先生からお話のありましたような附帯決議をいただいておりまして、私どもこれまでも各方面からの御意見を聴取するということで臨んできております。今後ともそういう基本姿勢で臨んでまいりたいと考えております。
○安武洋子君 審議の中で各職員団体の意見を聴取するだけではなく、十分反映をする、こういうことでなっているわけです。ですから、職員団体の意見を十分に反映をするという立場で今も運用をするという姿勢、国会で答弁された附帯決議の精神、それは変わっていないかということを確認しております。
○説明員(大城二郎君) 定年制の実施に関しまして、私ども人事院では本年七月に関連の人事院規則を制定いたしましたが、その規則の制定に関しましてもいろいろ職員団体等からの御意見を承ってまいりました。それぞれいろいろな御意見ございましたので、どの意見がどうということは具体的には申し上げられませんが、承りました御意見十分尊重して規則を定めたわけでございますし、また、その運用に関しましても従来から各方面の御意見を尊重しつつ考えていくという姿勢で臨んできております。
○安武洋子君 その上に立って大蔵省にお伺いいたしますけれども、大蔵省も、当時の鈴木総理の答弁、それから附帯決議の立場に立って今の人事院のこのお立場でこういうふうな問題運用に当たっていただけますでしょうか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 同じでございます。
○安武洋子君 私は、大蔵省の一部で職員団体の意見をなかなか聞かない、聞いても意見を尊重したり反映するという姿勢をとらないというふうなことを聞いていたわけなんです。関税局などでは局側の通告を一方的に押しつけて協議の対象とは考えないというふうな姿勢だと聞いて実は心配をしていたんです。しかし、今名前を呼ばれる前に率先して立ち上がって御答弁をいただいたので若干安心したわけでございます。今後今の答弁に立って姿勢を正して取り組んでほしいときつく要望いたしておきます。 そこで、再任用の問題で聞いてまいりますけれども、再任用につきましては、定年により退職した者の「能力及び経験を考慮し、公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるときは、」云々というふうになっているわけです。 それで、退職者の中には公務災害に遭われた方もございますし、そういう原因でなくても身体障害者の方もいらっしゃるわけです。退職者の能力とかそれから公務の能率とかいう尺度からのみ見ますと、これはやはり身体障害者の方は健常者に比べてハンディがあるわけですからね、私はこういう方がやはり一方的にただそれのお立場だけで見るとハンディを負われるというふうな場合が多いと思います。 したがって、再任用の運用に当たりましては、身障者の方にもその障害に応じたハンディを当然考慮に入れて私は判断を行うべきだと思いますが、人事院いかがでございましょうか。
○説明員(大城二郎君) 再任用をどういう場合に行うかということにつきましては、ただいま先生からお話があったように法律の規定で定年退職者が「職務を通じて修得した知識又は技能を活用できる」場合、さらにそれが公務の能率的運用を確保するため特に必要があると認められるという要件が定められております。制度の運用はこの要件に当たるかどうかということを判断して行うということになります。その際に特に身体障害者であるかどうかということについては特段の定めはございません。あくまでその要件に従って該当するかどうかということから制度の運用をなされていくというふうに考えております。
○安武洋子君 身障者の方はこれはだれが見ても健常者に比べて一定のハンディを持っている。ただそれは別に身障者に対して定めはそのときは置きませんでしたけれども、身障者に対して一定のハンディがあるという立場で物事を判断していくというのはこれは当たり前のことです。それでなければ、身障者を健常者並みに扱えばそれは身障者の方が能率の面でもあるいはいろいろな面で劣ってしまうということになるわけで、私は身障者に対する政府の考え方としても健常者と同じように見るということは正しくないというふうに思います。ですから、こういう身障者、公務災害による人もおりますしそうでない方もおられるわけですけれども、これは一定の政策としていろいろ個個の問題はありますので、だからこういうハンディがあるということを運用に当たっては当然考慮に入れて運用すべきであろうというふうに申し上げておりますが、その点いかがなんでしょうか。
○説明員(大城二郎君) 身体障害者の雇用についていろいろ考えるべき点があることはもちろんでございますけれども、この再任用の運用に当たりましては先ほど申し上げましたように公務の能率的運営などの観点から考えられるべきものでございまして、その際に、身体障害者であるかどうかということとは別に、その方の修得した知識または技能の活用がどの程度できるかということがやはり制度としては基本であろうかと思います。
○安武洋子君 大臣、身障者の問題で、私は再任用で何も障害者を優先せよとかそういうことを言っているわけではありません。定年退職した者の能力と経験を考慮しということになっているわけですね。能力、経験、これは身障者であろうと健常者であろうと一緒でございます。しかし能力を発揮するのに非常にハンディがあるということもあります。公務の能率的運営を確保するためにというときになれば、健常者に比べて身障者はハンディを負うというのは当然でございます。ですからそういうことも考慮に入れていろいろとこの運用も考えていただかなければならないという、政府は身障者は対してやっぱり特別の施策をお持ちなわけですから、もう健常者と同じに扱うんだと、こういう私はかたくなな態度というのはよろしくないと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる再任用の運用に当たりましては、再任用の要件に該当するか否かについて個別の事情を十分勘案してこれに適正に対処していくということが最も正確な答弁であろうと思います。
○安武洋子君 だからそのときに身障者がおられれば、健常者と全く同じに能率とかそういうことで考えられるとハンディがありますよと、だからそのハンディがあるということは当然だということで考慮の中にお入れになるべきじゃないでしょうかと、考慮の中に入れていただきたいということを言っているんです。それは間違いですか、大臣。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり人事院規則等にのっとって適正に運用をしてきておるということであると、私は今の御答弁を聞きながらそのように感じました。
○安武洋子君 適正な運用を何も曲げろなんていうことは一言も言っていない。こういう運用をしていく中で、身障者に対してはハンディがあるということを考慮に入れてこの運用を考えていったらどうですかと、こういうことを言っているんですよ。身障者に対して全く何も考えないと、そのハンディはもう知らないと、こういうことなんですか。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり人事院の答弁を尊重して対処するということが最も適切なお答えではないかと思います。
○安武洋子君 人事院ね、あなたの方はそしたら身障者に対して全く何の考慮も払わなくてよろしいと、人事院としてそんな冷たい態度でこの運用に当たれとこうおっしゃるんですか。私は審議の過程でそういうことではなかったはずですよ。この「能力及び経験を考慮し、公務の能率的運営を確保するため」云々という中には、長年いろいろと行政に貢献をされてきた、その中で身障者は身障者なりにそこで経験も積み能力も発揮してやってこられているわけです。そのときに、ただ平面的に健常者と身障者とただそれだけで比べるというのではなくて、この人にはこういうハンディはあるけれどもこういう能力もあるんだと、私はこういうふうにいろいろと弾力的に身障者については考えて差し上げなさいよと言うことぐらいは当たり前だと思いますけれども。
○説明員(大城二郎君) 再任用の要件につきまして先ほど申し上げたとおりでございますが、身障者であるかどうかということは特段この要件を定めるときに判断の対象になるものとは思われません。身障者であるから再任用の対象にならないというわけではございません。身障者であっても再任用の要件に該当するかどうかということを、その人の修得した知識、技能の活用という観点から考えて判断していくということであろうかと思います。
○安武洋子君 大蔵省、おわかりでしょうか、大臣も。今の運用に当たって、身障者とか身障者でないとかというふうなことでなくて、この運用に当たって、私は、その人の能力とかあるいは経験とかというふうなことを考慮しとなっているんです。ただその中で、単に一般に健常者とただ比べるということになれば、身障者ということになればハンディを背負うこともあると、だからそれは考慮に入れていろいろな運用をおやりなさいと。考慮ぐらいするのが当たり前じゃないですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 再任用の運用に当たりましては、国家公務員法、人事院規則、そしてまた人事院の有権的な解釈を尊重して適正に行っていきたいというふうに考えております。
○安武洋子君 大蔵省の言う有権的解釈というのは何なのですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 人事院のでございます。
○安武洋子君 大臣にもう一言お伺いしておきますけれども、身障者に対して身障者であるということを考慮に入れて物事を考えるというふうなことを大蔵省としてはおできにならないわけですか。私はこれは人間として当然なことだというふうに思う。別に公務員でなくたって人間としてこれは当然だと思いますけれども、いかがなんですか。人事院だってそういうニュアンスなんです。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる再任用の問題とは別の議論として人間として考えろとおっしゃれば、私が聞いておりましたのは、仮に具体的に言って、同じ年次に採用されて同じようにやってきて、そこで仕事の分野もいろいろ違うだろうし、再任用の際はそれはそれなりの経験の中で積み上げられた立派な資格をお持ちでございますから、むしろその場合、身障者の方であるとかどうとかを特定するというのはむしろ私はその能力ほ対して非礼ではないかなという感じでもって聞いておりました。あるいは頭が悪いからかもしれませんが。
○安武洋子君 まあ物わかりが余りおよろしいことはない。しかしやっぱり私は、いろんなことを考える場合に障害をお持ちの方を健常者と同じようにすべての物事を考えては、それはその人が本当に経験もあり能力もあってもなかなかそれを発揮するのにハンディを背負っているのだという、そういう立場を十分に含めて考えていただかないと私はだめだと思います。 それでいつまでもこう言っておられないので行(二)の問題で聞きますけれども、行(二)の場合は高齢で入省するというケースが多いわけなんです。老後のことを考えますと一日でも長く職場におりたいという希望が出てくるのも当然なんですが、いわゆる労務(乙)の人は六十三歳まで、それで運転手などの技能(乙)の人は六十歳定年だと、こういうことになっています。そこで聞きますけれども、本人から希望があれば、個々のいろんな事情がありますからその事情もしんしゃくするということも含みますが、技能から労務への職種転換をする、こういうことは可能でしょうか。人事院に伺います。
○説明員(大城二郎君) いわゆる技能職員から労務職員への異動というのは公務運営上の必要から行われるということは当然あり得ることだと考えておりますが、一般的には技能職員は特定の技能を持っておるわけで、その技能を生かして勤務されているわけでございますから、そういう方がいわゆる労務の方へ移るという例は余り多くはないのではないかと思っております。
○安武洋子君 それで私は大蔵省に要望したいんです。 私は、今の人事院の趣旨に沿いまして、それは当人の事情がいろいろありますので十分当人の事情も考慮しつつ職種転換も考えるという柔軟な立場でやっていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 私どもとしては、ただいま人事院から御答弁がございましたように、職種転換に当たりましては公務の必要性がある場合に限って行われるべきものであると解釈しておりますので、単に職員の希望があるからといって行うことはできないというふうに了解しておりますので、よろしくお許しをいただきたいと思います。
○安武洋子君 職種転換も可能だと言われているわけです。ですから私は個々の事情もしんしゃくしてということも申し上げている。あなたはどうしてそういうかたくなな態度をとられるんですか。高齢で入ってきた人たち、そういう人たちに対して一片の思いやりもないわけなんですか。私は人事院が今言った趣旨を大蔵省は生かして職種転換も考えてという立場で物事を処置するというのが当たり前ではないかと思います。後で御答弁ください。 それで大蔵省、――一遍これ御答弁いただきます。ぱっとやってください。
○政府委員(矢澤富太郎君) 定年制の運用につきまして、個々の個別的な事情をしんしゃくするかどうかという問題であろうかと思いますが、私どもの考え方といたしましてはこれは国公法あるいは人事院規則等の定年法の趣旨に即して考えますと、この個別的事情をしんしゃくするということは適当でないというふうに考えております。
○安武洋子君 どこでそんなことになるんですか。私は法案審議にはちゃんと参加しておりますよ。こういうときにはいろいろと弾力的に運用せよというふうなことをちゃんと国会の中で論議をしているわけです。人事院の方からも職種転換ができるというのに、なぜ大蔵省がそれができないんですか。何という態度なんですか。私は大臣に後で御答弁いただきますので。 そして、大蔵省に私は言いますけれども、大臣、局長よく聞いていただきたいです。税関で長年にわたって極めて不当な組合差別が続いております。私は神戸に住んでおりますから神戸税関のことはよく承知をいたしております。極めて問題であるというふうに思っているわけです。今のょうな御答弁が出るからそういうことはなるのかもわかりませんけれども、能力も経験もあるというふうなことで、単に組合が全税関労組だということでもう昇給、昇任、この対象から外されてしまっているということで二十数年にわたって差別が続く。あるいは十数年同等級に据え置かれて、同期同格の人たちに比べて全く比較にならない低い賃金に据え置かれているというふうな人たちがいるわけです。そしてこの人たちの中にも間もなく定年退職になるという人がいるわけなんですね。そうなると退職金も年金ももろに影響を受ける、そして退職した後々までも一生涯その影響を受け続けなければならないというふうなことになるわけです。あなた方は個々の問題だというふうにおっしゃるかもわかりませんけれども、余りにも部内の不均衡、これは是正しなければならないというのはこれは人事の鉄則でございます。余りにも著しい差別、こういう人たちに対して私は今までの行きがかりはもう捨てるというふうなことで、せめて、定年退職ですから、私は定年退職しようとする人については今までの行きがかりを捨てて、部内均衡から見て余りにも著しい差別だ、不均衡だ、こういう人に対して適切な措置を講じていただきたい。大臣に御答弁をいただきます。
○国務大臣(竹下登君) 適切に今日までも実施してきておると思いますし、適切という、適正――特別昇給をさして今までのその側から見た不利益を挽回さして特別な措置をやれというようなことは好ましいことじゃないんじゃないでしょうか。
○安武洋子君 最後に人事院に伺いますけれども、同期同格で能力も経験もある人、こういう人が同期同格の人に比べまして部内で著しく不均衡な立場に置かれているということは、私は部内均衡を欠くような状態というのはこれは人事政策上好ましくないというふうに思いますが、それに御答弁をいただきたい。そして先ほどの大蔵省はこの一人一人のことをもっと温かく考えるべきでないか、大臣も今まで適切にやってきたとおっしゃいますけれども、二十何年間係長に据え置かれたままで四等級、同期はもう局長とかそういうことになっている、そういう事実がいっぱいあるわけなんですよ。ですから私はそういうことは全く好ましくないというふうに思うので、それに対してどういうふうにするかということはお任せするので、ここで定年退職をするから私はせめて何らかの適切な措置をおとりになるべきでないだろうかということを申し上げているわけです。人事院にお答えいただきます。
○説明員(大城二郎君) いわゆる同期の職員の扱いが人事管理上どうなるかという点につきましては、基本的にはやはり成績主義に基づく評価というのが当然なされるべきというのが原則であろうと考えます。したがって、そういう点から人事管理上の措置が定めらるべきものというふうに考えております。
○安武洋子君 大臣の答弁をいただいて。
○国務大臣(竹下登君) 先ほどお答えをしたとおりでありまして、適切な措置、今までも適切な措置をしておるでありましょうし、これからも適切な措置がなされるであろう。特昇とかいうようなものは適切な措置には入らぬという感じがいたしますので、個別案件であったらこの場でお答えするだけの私には能力をはみ出した問題だと思います。
○栗林卓司君 自賠責の問題でお尋ねをいたしますが、まず大臣に素朴な質問をお尋ねしたいと思います。 自賠責というのは強制加入でありますから、その性格は公的な賦課金に近い、税金に近い性格だと思うんです。そこで税金を上げる場合、とにかく出費がかさんで一般会計が赤字になっちゃった、そこで税金を上げてもらいたい、なぜ出費がかさんだのか実はよくわからぬのだという御説明はとてもなさらないと思うんです。同じことは自賠責でも言えると思うんですが、なぜ赤字になったのか、かくかくしかじかだから、したがって料率を上げていただきたい、恐らくそういった説明に自賠責の場合もなると思うんですが、この点のまず素朴な御見解を伺います。
○国務大臣(竹下登君) 総合的な見解としては、やはり各種の負担増をお願いするときにはなぜ負担増をお願いしなければならないかという正確な御説明をするというのが総合的には私は正しいだろうと思っております。
○栗林卓司君 それで、以下質問続けてまいりますけれども、大臣には後ほど伺いますのでしばらくやりとりをお聞きいただきたいと思います。 〔資料配付〕
○栗林卓司君 資料を差し上げました。一番上に数字が並んだ「資料」と書いてあるやつがあります。先日決算委員会でお配りした資料は五十四年度と比べましたのでちょっと適切を欠くものですから、五十二年度と比べ直したものを配ってございます。五十二年度というのは、自賠責保険が契約年度で言ってまだ黒字であった年であります。五十三年度から赤字になっております。五十八年度というのは最も最新のデータがとれる年度でありまして、その意味で五十二年度と五十八年度を比べてみたんです。 1にありますのが警察統計に言う死者、負傷者の数でありまして、それぞれ増減率を見ますと六%、一〇%とふえております。五十三年七月には限度額の改定を行いました。しかし、実際に支払いに反映されるのはこの限度額そのものではなくて平均支払い保険金の伸びでありますから、それが三番目にあります。死亡の場合には二四%平均支払い保険金がふえました。傷害、後遺障害、同様に一五%、五%。これだけ数字がありますと、五十二年度の実績をもとにして五十八年度をある程度類推することが可能になるわけです。 そこで、類推いたしましたものが四番目にあります。五千九百八十億に支払い保険金はなるはずではなかろうか。これを、六番目をごらんいただきたいのですが、保険収支に当てはめてみますと、推計した支払い保険料で計算をしますと、五十八年度というのは二百五十六億円の実は黒であります。ところが、実際に発生をした契約年度の収支残は二千六十三億の赤であります。問題は、本来だったら若干でも黒字になるはずなのになぜ二千六十三億も赤字になったんだろうか、だれしも思う疑問なんで一応この辺から議論を進めていきたいと思うんですが、その前に一応こういった考え方を出発点にして議論をしてよろしいかどうか大蔵事務当局の御意見を伺います。
○説明員(加茂文治君) 先生の資料につきましてはこのような御意誠のお考え方もあろうかと思っております。
○栗林卓司君 では、これに沿って議論を進めてまいります。 そこで、次おめくりいただきますと、これは先日大蔵委員会でお示しした資料と同じでありまして、問題は真ん中のところに警察統計による交通事故者数の五十二年度―五十八年度の推移のグラフがあります。若干右上がりに、いわばどちらかというと寝ております。その上のところに際立って右上がりに急上昇しておるのが自賠責の事故年度における事故件数なんです。さっき警察統計どおり事故が起きていたらどうなるかというと、五十八年度は黒だと、実際には二千六十三億の赤だと。この違いはというのは実はこの二つの線の違い、隔たりなんです。この隔たりは一体何なんだろうか、これが十分解明されませんと結局何もわからないんです、加入者の方は。 そこで、まずお尋ねをしますが、この隔たっているというのは、問題は警察統計の交通事故者、これは人身事故だけです。自賠責の事故件数、これも人身事故だけです。にもかかわらず、なぜこう開いておるかといいますと、警察が間違っていたのか、自賠責の事故件数が間違っていたのか、あるいは我々にわからない何かの理由があったんだろうか、その三つしか理由は考えられないわけですね。 そこで、まず警察にお尋ねをいたします。 事故の場合には人身事故と物損事故とを区分けをして整理をされておられまして、四十年以降は物損事故は統計上出てまいりません。そこで、これだけ違いますと人身事故と物損事故の区分け方法を警察はお変えになったんだろうか、そして実際にはどういう基準でこれは人身事故、これは物損事故という整理をなさっているんだろうか、まずこの点を伺います。
○説明員(安藤忠夫君) 道路上で発生した事故につきまして物損事故あるいは人身事故の区分の考え方でございますが、これはあくまで医師の診断書によりまして、その診断書をもとに人身、物損の区分をいたしております。
○栗林卓司君 そうしますと、ここに五十二年からあるわけですが、この間に基準を大きく変えたということはもちろんないわけですね。
○説明員(安藤忠夫君) 基準は従来どおり同じ考え方で取り扱っております。
○栗林卓司君 それから、この表をごらんいただきますと、中ほどから下のところに交通事故による救急搬送人員の推移がまた右上がりになっております。これは単純に見ますと、この右上がりと自賠責事故年度事故件数の右上がりの数字が何となく似通っているような印象を受けるんですけれども、この交通事故による救急搬送人員、これもまた人身事故だけなんです。現場に行って人身事故がなかったら空車で帰ってくることになっているはずであります。警察の方は横に寝ていて、交通事故による救急搬送人員は右上がりに高い。自賠責の事故件数と何となく似通っている。ということは、自賠責と交通事故による救急搬送人員、これはある相関関係があると考えていいんでしょうか。消防庁に伺います。
○説明員(大屋正男君) 消防庁が公表しております交通事故による救急搬送人員と申す場合の交通事故と申しますのは、すべての交通機関相互の衝突及び接触または単一事故もしくは歩行者等が交通機関に接触したこと等による事故を言うこととしております。したがいまして、自賠責保険事故に該当しない列車、船舶、航空機の事故あるいは自転車の単独事故等を含んでおるわけでございます。一方、自賠責の保険事故に該当するものでございましても、自力で病院へ行った場合のように救急車の出場要請のなかったものは当然のことながら含まれておりません。また消防庁の統計は消防本部、署を設置して救急業務を実施している市町村の統計でございます。この救急業務実施市町村数と申しますのは消防の常備化に伴いまして増加しておるわけでございます。こういった点も考慮に入れる必要があるわけでございます。このようなことから考えますと自賠責保険の事故件数と交通事故による救急搬送人員の伸び率は類似の傾向を示しており相当程度の関係があろうかとは思いますが、この両者に全面的な相関関係なり因果関係があるかと申しますと、そこまで断定することはいかがかと考えております。
○栗林卓司君 確認のためにもう一つお尋ねをしますと、ここに二つ数字があるわけですね。警察統計による交通事故者数、それから交通事故による救急搬送人員、これはおっしゃるようにいろんな交通事故を含んでいるんですが、この内訳の警察統計の対象となっている道路を中心にした交通事故と考えてみますと、それはあくまでも警察統計の事故の内数であって、いわば台数もふえてその中で運ぶ比率が高まってきたんだと、そう理解する方が正しいですか。
○説明員(大屋正男君) 交通事故による救急搬送人員が警察統計の数字よりもかなり伸びておるわけでございますが、この原因として私どもが考えておりますのは、消防庁の統計には先ほど申し上げましたように消防本部、署を設置して救急業務を実施している市町村の統計でございますので、この実施市町村数が毎年度増加しているという要素がございます。このことに伴いまして全国の救急隊の数も増加している、それからさらに救急出場全体を見ましても社会、経済活動の複雑多様化に伴いまして、人口一万人当たりの救急出場件数が増加しておるわけでございますが、交通事故につきましては特にこの傾向が著しいわけでございます。こういったことが主な原因ではないかというふうに考えております。
○栗林卓司君 要約いたしまして、確かに似てはいるんだけれども深い相関関係があるとは考えられませんという意味だと思います。 そこで、自賠責における事故年度事故件数、確かに事故であることは間違いない。警察は人身事故としては下に横に寝ているところまでしか医者の診断書を求めながら人身事故とは記録していない、今の救急搬送人員についても深い相関関係はない、しかし自賠責の事故件数であることは間違いない。では一体これはだれが見ているんだろうという意味で総務庁の交通安全対策室に伺いますけれども、私が伺っているのは、私の感じでは、交通安全を言う場合には恐らく人身事故が頭にあると思うんです、物損も対象になりますけれども主たる関心は人身事故だと。そのときにお使いになる統計というのは警察統計だろうと。したがって、この上のところ、自賠責の事故件数と警察統計が開いている部分については関知しておりませんか、あるいは関知しておりますので十分御説明できますか、どちらですか。
○説明員(戸田正之君) 御説明いたします。 交通事故に関します統計といたしまして、警察庁の統計、それから今ございます自賠責関係、さらには厚生省がおつくりになっているもの等があると私ども承知しております。私どもとしましては、やはり統計数字の速報性、それから事故を分析する際に必要な状態別それから事故類型別、こういうような統計表作成状況、こういうものを勘案いたしまして、主として先生おっしゃるとおり警察統計を利用しておるところでございます。もう一つ、死亡事故につきましては交通安全白書におきまして厚生統計にも言及をするというようなことで、他の統計も必要に応じて利用しているということでございます。 それからもう一つお尋ねのこの乖離でございますね、両統計の。これについてどのような見解と申しますか、スタンスを持っておられるかということでございますが、私ども実は両方ともこの統計の作成には携わってございませんので、本件についての見解をこの場で申し上げることは申しわけございませんが差し控えさしていただきたいと思います。
○栗林卓司君 消防庁と交通安全対策室は結構でございます。警察はもうしばらくおつき合い願いたいと思います。 この乖離について、先般の決算委員会で運輸大臣がお見えのところで、この説明ができない限り料率アップはとてもお願いできないでしょうと、もし料率アップを提案するんだったらその事前にこの乖離を説明する資料を本委員会に出してもらいたいと要求いたしました。ところが、聞きますと運輸省は全然わからないと、全部大蔵省に聞いてもらいたいということのように仄聞いたしました。運輸省というのは自賠責保険の支払い基準をつくっているわけですから、実際の実態には詳しいのかと思ったんですがなかなかそうもいかないようであります。そこで、先般の委員会で出した資料要求は撤回をいたします。 問題は、大蔵省にこれは説明できるかと再三伺ってまいりましたが、納得のいく説明は今日現在いただいておりません。ああでもない、こうでもないと議論するのは若干時間のむだなものですから、御批判を覚悟の上で私なりに推論をしてみました。お聞きいただきたいと思います。 まず警察庁に伺います。もしこういう事件があったら人身事故に記録なさいますか、物損にしますかという質問なんです。お聞きいただきたいと思います。 まず申し上げます。まぶたの一部が欠けちゃった、まつげがはげちゃったとなったら人身事故になるんだろうか、物損事故になるんだろうか。同じように、歯が三本以上欠けちゃった、上肢の露出面に手の平の大きさの醜い跡を残した、下肢の露出面に手の平の大きさの醜い跡を残した、手の小指の用をなさなくなったもの、手の親指、人さし指以外の手指の指骨の一部を失った場合、親指及び人さし指以外の手指の末関節を屈伸することができなくなった、足の第三の足指以下の一つまたは二つのものが用をなさなくなった、男子の外貌に醜状を残したという事件がそれぞれあった場合に、これ考えまして、人身事故にするんでしょうか、物損事故にするんでしょうか。
○説明員(安藤忠夫君) 先ほど御説明いたしましたように、警察官が医学的知識で判断をするわけにまいりませんので、医師等の診断あるいは検案等によってこれは治療を要するという診断書が提出されたものにつきましては人身事故の部類に区分しますが、提出がない場合は、障害の程度その他もはかりかねますのでこれは物損の欄で掲上いたしております。
○栗林卓司君 私の質問は、こういったものがあった場合というのは、医師の診断書が出た場合です。当然これは人身事故に整理をするんでしょう。
○説明員(安藤忠夫君) 診断書が出れば人身事故に整理いたします。
○栗林卓司君 今度はこういった場合どうなるか。 診断書が出れば全部人身事故というのは当たり前なんです。だけど今度申し上げるのは少し違うんです。 耳が一メートル以上の距離では小声でしゃべることが聞こえなくなっちゃった。もう一つは、局部に神経症状を残した。――これは外見的には全然見当がつかない。そこで、現場で事故が起きたという場合にはどっちになりますか。もちろん診断書が出ればそれは人身というんでしょうけれども、常識論で考えて、外見上何ともないんだから恐らく物損で整理をするんではないかと私は思うんですが、その程度の話でいいんですよ。
○説明員(安藤忠夫君) ただいまのような例の場合、物損で処理しているのが実情かと思います。
○栗林卓司君 グラフを見ていただきたいんですが、一番最後のところに後遺障害の推移表が載っております。ごらんのように十四級が際立って伸びているわけであります。十二級も引き続いて伸びております。これは実績そのものですから別にとかくのことはございません。 そこで大蔵省に伺いたいのは、あるいは運輸省の方になるかもしれません。十二級が伸びて、十四級も伸びている。大体程度が低いほど数が多い級になるわけです。十四級が一番軽い。十二級が伸び、十四級が伸びているのに、十三級は下の方にへばりついたままなんです。これはどういう理由でしょうか。
○説明員(加茂文治君) ただいま先生御指摘の十二級、十四級の伸びにつきましては、軽度の神経障害、いわゆるむち打ち症が急増していることによると考えております。
○栗林卓司君 私の質問は、十三級がなぜ伸びていないんでしょうかということです。
○説明員(加茂文治君) 各後遺障害の等級の判定基準につきましては、運輸省の所管でございますので運輸省から答弁さしていただきます。
○説明員(福島義章君) 後遺障害の中で一番伸びておりますのは今保険部長から答弁がありましたように神経症というものでございまして、それ以外の等級につきましてはこのような急増現象見られておりません。十三級の中には神経症が入っておりませんので、そういう関係もあってこういう結果になっておるのかと思います。
○栗林卓司君 大臣、ここはちょっと私の推論の大切な部分でしてね、お聞きいただきたいんですが、さっき私が警察に伺ったこの場合にはというのは、十四級を全部読み上げたんです。十四級の中で当然人身事故になるものと、俗に考えりゃそれは物損ですというのと分かれるわけです。十三級が伸びていないのは、十三級にはこれは物損だと言われるような条項が何にもないんですね。全部外見でわかるんです。十二級はどうかといいますと、「局部に頑固な神経症状を残すもの」、これが入っている。また、もう一遍グラフを見ていただきますと、十二級、十四級が伸びているんですが、その下の方で七級から九級、十級から十一級、これもやはり伸びている。七級以上、十三級を除いて、時間の関係上細かくは言いませんが、これは全部そういう外見ではわからない症状が中に書いてある。それが伸びているんです。そこで、下の方に十三級と仲よく四から六級、一から三級とありますけれども、この辺には何にもないんです。今申し上げた外見ではわからない病気は、後遺障害の内訳としては書いてない。とにかく神経症状があるものとか、一メートル以上の小声が聞こえなくなっちゃったとか、言っている意味は、本人が、おれはだめなんだ、病気なんだと言い立てれば証明のしようがないものが伸びている。しかも今伸びている後遺障害の大半はこれなんです。 そこで、なぜこれが伸びたんだろうかというのが最後の御質問になるんですが、先ほど警察にも伺いましたように、細かく順番を追って申し上げませんが、伸びている神経症状あるいはちょっと耳が聞こえにくくなったというのは、結局警察とすると、外見上何にもないんです。したがってとことこ歩いています。全部物損扱い。一番最初に申し上げた乖離というのは、物損事故がふえているんです。物損事故による自賠責請求がふえている。その内訳はここに申し上げた後遺障害だと思う。 そこで、この後議論を続ける前に、運輸省の安全基準関係の担当官がおいでになっていると思うんですが、とにかくヘッドレストをつけたり、いろんなことをして安全対策では随分努力をしてきましたよね、ここ十数年。車のライフというのは大体十年と見ておきゃ間違いないわけですから、対策を打って十年もすると走っている車はほとんどそうなってくる、という状態の中で、傷害もそうですけれども、後遺障害も減らなきゃおかしいんじゃないですか。減らないとすると、あの安全基準何だったということになる。もともと自動車というのは衝突すればくしゃっと壊れますよね。あれ壊れてくれなきゃ困るんですよ。壊れてくれないと中の人間が参っちゃう、衝撃が集中しちゃって。したがって車というのはくしゃっと壊れることによって中の人間を守っている。さまざまなことを考えてつくっているはずであります。それを指導されているのは運輸省ですね。もう二十年近い努力、となると今の神経障害とか、よくわけのわからぬ話はちょっとどけておくと、本当の後遺障害というのは減っているんではないか。少なくとも減ってほしいものだとお考えになっているんじゃないか、その点だけ伺います。
○説明員(福田安孝君) ただいま御指摘のように、私どももそういう被害を極力軽減するように各種の安全対策を講じておりますので、ぜひとも減っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○栗林卓司君 実際に一級から三級、四級から六級、十三級見ますと、経過台数で割ってみると五十二年は、ちょっとこれけたが小さいんですが、一―三級の場合でいいますと〇・〇〇二八、台当たり事故率です。五十八年になりますと〇・〇〇二二、以下四―六級、十三級、全部下がっているんです。私はこちらの方が運輸省の御努力が実った成果でもあるし、当然だと思うんです。であればあるほど、この急増している後遺障害というのは問題になる。単に全体がふえただけではなくて、中の構成比が神経障害とか、一メートルの小声が聞こえなくなったとかというような、とにかく本人の申し立てを聞かないとわけのわからぬものがふえているんではないか、そういったものが全部物損事故になるわけであります。 そこで、実はこれは大蔵資料から仕事をしておりますのでこうなったんですが、自動車損害賠償保障法施行令第二条によりますと、後遺障害というのは、「傷害がなおったとき身体に存する障害をいう。」、こう書いてあります。「傷害がなおったとき」ですから、後遺障害の前にまず傷害事案があるんです。合わせて一本なんだけれども、大蔵の資料は分けてありますので、こういった説明になるんですが、一遍傷害があって、その後に後遺障害がある、そして事故証明は物損一本。 そこで、表を分けてみたのが三枚目のグラフです。これは、上の方は死者、負傷者だけ、下は後遺障害だけ、後遺障害は警察統計がありませんから比較しておりません。 そこでちょっとこのグラフの関係で大蔵省に伺うんですが、実際に出た事故に対して警察はある程度狭い部分がありますから、もう道路と関係ない田んぼのど真ん中でひっくり返っちゃったなんという事故は警察統計に載りません。したがって、五%ぐらいは上乗せになっているのではないかというお話が諸方面であります。これは念のためなんですが、この五%というのは特定年度をお調べになって得た数字なのか、何となくここに書いてあるように、こんな感じで五%多いのではないかという数字なのか、ちょっと念のためは伺っておきます。
○説明員(加茂文治君) 私ども実はこの資料を今拝見しましたところでございまして、交通事故者数プラス五%は実は私どもでは出しておりません数字でございます。
○栗林卓司君 交通事故証明のない場合、これが警察の範囲の外という意味ですよ。これが死亡が一%程度、傷害が五から六%程度、後遺障害が一から二%程度、合計五%という数字が大蔵省からいただいてあるんで、この数字をどう見たらよろしいかということを念のために伺ったのと、大体各年度とも積んでおきゃ話は合うんでしょうねというのでこういったグラフをつくったのか。
○説明員(加茂文治君) 多分先生御指摘の数字は、私どもの警察の事故証明のない件数五%と大体相応しているかと思っております。
○栗林卓司君 それでまたこの表に戻るんですが、上の死者、負傷者を見ましても、事故件数、それから警察統計プラス五%、それぞれ乖離を起こしているわけです。後遺障害がふえている。だから先ほど申し上げましたように、実は後遺障害の前に傷害事案があるんです。今自賠責の事故年度の事故件数と交通事故者数プラス五%の差額、五十八年度で見ますと、大体これが六万件です。これは大ざっぱに言うと、後遺障害が下で伸びているでしょう、伸びていたことによる自動的な結果として伸びてくると見た方が間違いない。だって全部まず傷害が起きて後遺障害ですからね。資料としては両建てになるわけですね。これは資料のつくり方ですからどちらでもいいわけです。大蔵資料はとっておりますから両建てになる。したがってこの差というのは、実は後遺障害がふえたことによって物損による傷害請求事件がふえている。その差が大体六万でありますから、下の方と見るとそうむちゃな推定ではない、となりますね。大体似かよっているでしょう。そうすると結局、何だふえたのは、後遺症がふえたので、後遺症の障害を頭に入れてもう一遍書き直すとよくわかる理屈じゃないか。考えてみるとそれだけのことかもしれません。 そこで最初に戻るんですけれども、本来だったら五十八年度は黒、とんとんぐらいでしょう。それが二千六十三億の赤になっている。その理由はというんで私なりの推論をしてみたんです。そうすると、後遺障害がふえたその前提として傷害もふえた。そうしたものが乖離の主因だったんだろうか。そこで金額に置き直してみます。まず、後遺障害による慰謝料、これは千三百億ふえています、五十二年度と五十八年度を比べて。裸で比べれば千五百億ですけれども、さっきの一番最初の表のベースでいきますと千三百億ふえている。これは慰謝料だけですよ。では、この表の上にある交通事故者数プラス五%のところと自賠責の事故件数の差が六万件。六万件というのは発生ベースですから、これを契約年度ベースに強引にえいやっと置き直しますと七万件になる。七万件に医療費の平均支払い単価を掛けますと約三百億です。ということは、後遺症で千三百億、その見合いとなっている傷害で三百億、締めて千六百億。もともとずれというのは二千三百億あったわけですから、差額七百億は一体何なんだろうか。 さっき実は最初の表で大蔵省文句言うかと思ったけれども、言わなかったのであれなんですが、実はあの最初の表は、警察統計は発生ベースでつかまえているものですから、全体が契約年度べースの数字を使っている中で発生ベースで数字だけを入れるということは実は間違いなんです。間違いだけれども、その契約年度ベースの数字はないんです。推定するしかない。どうせ推定するんだったら、異質だけれどもぶち込んでしまえというんでやったんですが、ある程度契約年度ベースに直した補正をしておかなきゃいかぬかもしらぬ。ある試算によりますと、その補正というのは三百六十億です。数字を丸めて四百億としてみても間違いないかもしれません。千六百プラス四百、残り三百、三百は何だ。 五十二年度を見ていただきますと、警察統計よりも事故件数は下回っているんですよね。というのはどういったことなんだろうか。事故があったけれども自賠責を要求してないというんですよ。ところが、先日大蔵省に伺いますと、最近は実に自賠責を使うように皆さんなりましたというあたりが、こう比べてみると数百億の違いになっているのかもしれない。あえて言いますと、後遺症の関係で千六百億。リトンベースと契約年度のずれの関係で恐らく四百億はあるかもしれない。そして三百億はみんなが自賠責を利用することになったことによる増、締めて二千三百億、これが私の推論なんです。 御批判はしていただいていいんですよ。大蔵省とすると、こういう荒っぽいやり方で推論するというのはお立場上できないでしょうから、私が推論の仕方についてはあんまり大きく違ってないはずだというんでるる申し上げたんです。 そこで、大蔵大臣に伺いたいんですが、後遺症による障害並びに慰謝料の合計千六百億、五十二年と五十八年比べてです。この千六百億というのは、五十二年度に警察統計の数字、平均支払い保険金の伸びを加味した数字と実際に出ちゃった保険金の差額は二千三百億あると。これを説明しないと料率アップはとても加入者にはお願いできない。ところが、後遺症の千六百億というのは二千三百億の実に七割になるんであります。赤字になった原因の七割がよくわけのわからない後遺症である。 そこで、今私これまで自分なりに推論してきたんですけれども、実はこれ実態を解明しようとしただけであって、本来のなぜそうなったのかという疑問についてはまだ触れてないんです。赤字になった原因の七割は後遺障害だと。しかも、その後遺障害は物損事故による後遺障害ですよ。わからないのは、物損による傷害がなぜ出たんだろうか。そして、それがそのまま何で後遺障害につながっていくんだろうか。これがわからない限り、なぜ二千三百億、そんなに違っちゃったんだろうか。なぜ神経症状とか、その他本人が悪いと言ったらとにかくうのみにするしかないような症状が激増したんだろうか。これはだれでも思うんです。この姿は自賠責が食い物になっている姿ではないか。こんな状態をほうっておいて料率上げたって、ざるに水をくむようなものではないか。この点について、やはり料率アップを――はい、お答えいただきたいと思います。
○説明員(加茂文治君) 先ほどの先生御指摘の自賠責の事故件数と警察統計の交通事故件数との乖離の問題でございます。この問題につきましては、統計の目的や範囲が違うこともございますが、この自賠責の事故件数と警察の統計の交通事故件数の乖離につきましては、これは保険金支払いの対象となる事故でありながら、警察へは人身事故としての報告をしていないと思われるものがありまして、しかもこれらの件数の増加率が年々拡大してきていることが大きな要因だと考えておるわけでございます。 しからばどういうような調査をしているのか、査定をしておるのかということでございますが、このような請求の事案が自賠責保険の対象となるべきものであるかどうかということの確認は、保険金の適正支払いの観点から厳格にチェックをするよう従来から指導をしておるところでございます。したがいまして損保会社あるいは自算会の調査事務所におきましては、交通事故証明書が添付されていない請求につきましては交通事故の証明書を、入手不能理由書を求めるとともに、医療機関等に照会するなど不正請求等の排除を行っておるわけでございます。 また、本年に入りましてから既に一部の地域におきましては、契約締結の際に契約者に対して事故が起きたらまず警察への届け出をするようにとのポスターを元請会社や代理店に掲示して説明をし、注意を喚起したり、あるいは保険金請求者の窓口ともなる代理店に対しましてはチラシを配りまして交通事故証明書の取りつけ協力を強く呼びかけるなど、人身事故扱いの交通事故証明書の添付を促しております。 またさらに、本年の十一月には自算会の全国調査事務所長会議を開催しまして、人身事故扱いの交通事故証明書不添付事案につきましては一層具体的に精査をし、その取り組みを強化することにしておるわけでございます。しかしながら一方におきまして先生御指摘のように、最近軽度の神経障害が急増をしておるわけでございます。この後遺障害の認定に当たりましては特殊な知識を必要とするために自算会の調査事務所で統一的に行っております。後遺障害認定の担当者は顧問医の助言を得つつ医療機関が発行する後遺障害診断書の審査を行っているほか、二百の病院を再診断委嘱病院に指定して再診断を行わせておるところでございます。軽度の神経障害のように他覚的所見の得がたいものにつきましては、医学的にもその認定は非常に困難な問題とされておりまして、これが急増の一因となっておるということから、今後いろんな対策を講じてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○栗林卓司君 今とにかく五十八年度で二千六十三億の赤字になっている。五十九年度でもまた赤字が累増している。こういった話が料率アップの原因に言われるのだけれども、本当は契約年度の数字というのはなるほど資料は最近の数字を使っておりますけれども、話は将来を見通した推計値なんですね、契約年度というのは。したがってそのとおり出るかどうかはわからないのだけれども、従来の保険の人たちの経験、技量から言うと大体そんなパターンになるんではあるまいかということであって、ならないと私言っていませんが、あくまでも将来の推計値なんです。というのは、損はまだ出ていないという意味の推計値です。実際今出ている損は何かというとリトンベースの損ですね。リトンベースの損は手でつかめばつかめるような、まさに現実にお金が動く損でありますから。リトンベースはどうかといいますと、五十八年度は五百九十八億円の赤なんです。赤になっておりますから何とかしなきゃいけないんだけれども、問題は、今のどうも理由がわからない後遺障害を主力にして物件の事故証明による自賠責請求がふえてきて、それで傷害の保険金もふえ、後遺症の慰謝料等もふえる。その理由はというと、今、大蔵省の方ではこれこれやっておりますと言うんですが、その説明はやっていないとは言わないけども、これだけふえてくると、どうしてっていう質問に対してはそれだけでは不十分ですわね。しかも本人の言い立てによるしかない軽度の神経障害がふえた、激増しているんです。今、しようがないから新しい医療機械をつくって、本人が何と言おうと神経はあそこまで届いているじゃないかというようなことがわかる医療機械を使って何とかしようというんですが、本邦に四台しかない。これをどんどんふやしながらやっていきたいと言っているんです。そうすると問題は、現実に出ている赤字というのはさっき申し上げた五百九十八億、諸対策はどんどんこれからとってまいります、とっていかなきゃいかぬと思うんです。そのときにとっていくんだけど、今は将来を見通した契約年度の赤字が心配だから料率上げてくれということになるんだろうか。今とにかく困っている、きょう現在ですよ、困っているのは発生ベース、リトンベースの赤字五百九十八億円、じゃあこれが賄えないかといいますと、損保の運用益だったらあと数年は大丈夫。今私が申し上げたのは医療のことは一切言っておりませんけども、医療のことは五十二年度の実績に既に問題として入っているんですよ。それに懸案の医療を適正化しようと、これもこれからやろうというわけでしょう。医療の適正化をしたら一体保険金支払いは幾ら減るのか。まだ日本に四台しかない高性能医療機械、これを全国各地に配置をして、しかも対策とすると医療の研修を行いながら担当者をふやす。ふやしたところで一体では実態はどうなんだ。その姿を見ながらここまでやったんだけどこれだけは出る。したがって加入者の皆さんどうぞよろしくお願いしますと言えば、これは理解できないでもない。出る赤字というのは今現在で推定した推定値、対策はこれから。どこかこれわからないんです。私は、こういったときにどういう態度をとるべきかというと、あと数年間は自賠責の運用益で十分やっていけるんですよ。運用益があるから料率引き上げはいかぬなどという無責任な議論を私はしておりません。必要だったら上げればいいんです。そういった対策を打ったときに、結果として物損による自賠責請求はこう減りました、医療費はこう減りました、だけどやっぱり赤字なんですと、それ一遍見せてくれなきゃ――私の意見は料率引き上げが嫌だから言っているんではないですよ。今の状態だったら一年延ばしたらどうですか。一年かけて徹底的に準備をして、対策を打って、結果を見て、こうですから皆さんしようがない、私はそうするのが当然だと思うんですが、ここは大臣の御所見を伺います。
○説明員(加茂文治君) 私の方から先に技術的な説明をさせていただきたいと思いますが、先生の今御指摘の数字はリトンベースで行っておられるわけでございますが、こういう保険料の収支、保険の収支ということを見る場合にはポリシー・イヤー・ベースということがよりその保険の収支の適正かどうかを見る上で重要なあれだというふうに考えておりまして、ポリシー・イヤー・ベースでやっておるわけでございますが。と申しますのは、この保険料を収入があってから実際に支払いになるまでは五年ぐらいかかるわけでございます。したがいまして、若干その先まで見なければいけないということで、ポリシー・イヤー・ベースと申しますのは、当該年度の保険料による保険金の支払いがどの年度であってもそれを全部集計してやっていくと、こういう形でやっておるわけでございますが、そういうことで見てまいりますと確かに死亡は下がっております。したがいまして、そういう下がっている傾向を伸ばしておるわけでございますが、後遺障害については、先ほどから御説明しておりますように、増加傾向にあるわけです。この増加傾向にありますものを実は五十八事故年度からこれを横ばいに置いてかた目に予測をしておるわけでございます。と申しますのは、今申しましたように、一つはいろんな医療についての諸施策をやっていくということも勘案して、そういうかた目の数字で予測をしておるということでございます。
○国務大臣(竹下登君) 今の議論を私も詳細に聞かしていただきまして、この前、本委員会ではございませんでしたが、ちょうだいした資料に基づいて若干の勉強もいたしてまいりましたが、私自身の感じとして申し上げますならば、きょうまあわざわざ、この外においての御議論でございますが、恐らく医療問題が一つ大きなウエートを占めているなあと、こういう印象は私自身も受けたわけであります。そこで自己申告と、そうしていま一つは医師の判断という問題というのは非常に難しい問題であろうと。だから、その問題をも赤裸裸に審議会で意見が出るわけでございますから、分析の中で御議論をいただいて適切な判断を、将来にわたってのいろいろな施策をもインクルードした上で御議論をいただいて適切な御結論をいただいた方がいいんじゃないかなあと、この程度の常識で私はこれを理解をさしていただいておるという現状認識であります。
○栗林卓司君 先ほど事務局の方から事故率は横ばいにしてかた目に見ておりますという御説明があったんですが、それも非常に錯覚を招く言葉でして、事故率というのは経過台数に事故率を掛けて事故件数を出すんです。この経過台数という新語は何かといいますと、年の中央に加入した車がありますと〇・五で数える、こういういわば独特の計算をしているんでなぜか経過台数と言うんだそうですけど、問題はこの経過台数に掛ける事故率を横ばいにしているという意味なんです。その意味は経過台数の伸びとともに事故件数はふえるという意味なんです。これは相当強目の読みですよ。本当は事故というのは、経過台数がふえたらふえるんじゃなくて、台数がふえれば減るのが当たり前でしょう、台当たりは。それを横に見ていますというのはそれ自体随分と事故が減らないということなんです。しかも、さっき言われた後遺障害というのは、経過台数掛ける事故率掛ける事故件数のこの事故率が経過台数の増加にもかかわらずなおかつふえているんです。私が申し上げているのは、事故というのはないにこしたことはないんですよ。自賠責というのは、とにかく言ってくれば払えばいいんじゃなくて、もとになるのをどうやって減らすのか。しかも、これ物損による申告でしょう。警察も消防庁もそれから総務庁の交通安全対策室も見てない部分だ、これは。その部分に対して大蔵が見るんだか運輸が見るんだか知りません、そんなことは。これをどうやって減らすのか、これは赤字か黒字かの議論の前にやる話でしょう。そこでその対策を打ってこれはこう減りましたと。医療費の方はなぜきょう言わなかったかといいますと、これだけで私、持ち時間終わっちゃうものですから触れなかっただけであって、ベースには医療費の問題があるんです。それを議論し出すと今料率引き上げる理由は何もないんですよ。本当に何もないんです。申し上げておきますが、自由診療をするのか社会保険診療を選ぶのか、これは被害者の自由なんです、どっちだっていいんですよ。だけれども、保険で払うのはある限度がなければいかぬでしょう。社会通念に照らして妥当な基準ですよ。それが社会保険診療水準なのか、労災診療水準なのかはこれは議論があっていい。被害者が自由診療を選ぶか社会保険診療を選ぶかは、それは被害者の自由なんです。この際だから特別室に入ってゆっくり寝ていようという人がいたっていいんですよ。それと自賠責の補償というのは議論が違う。したがって厳密に言いますと、その水準を決めずに自由診療は自由診療のままで払ってきたんですよ。これは正しいんだろうか。私は、これは厳密に議論すると国家賠償法の問題だと思うんです、本来は。そこまでの議論はきょうはいたしません。問題は、急増している後遺症をどうするのか。そのときに、今予算編成中であります、今月中に決めないと六割再保険のあの予算書がつくれません、したがって今月中と、この議論はないでしょうと言っているんですよ。もうちょっと時間をかけて関係方面と議論をしながらコンセンサスを求めていかれるのが私は筋道ではないか。しかも十分それだけのゆとりを運用益は持っているではないですか。私は、保険についてポリシー・イヤー・ベース、言い直しますと契約年度という意味ですよ。そこで将来推計して計算するのを間違っているとは毛頭言いません、こんなことは。来年も検証し、再来年も検証するんでしょう。いいんですよ、いいんだけれども、これほど異常値が入っているときに、それをもとにして将来推計したポリシー・イヤー・ベースの推定値だけで議論するというのは、素朴な一番最初の質問に返って、よろしいんでしょうか。三一%上げます、理由は、よくわからない、何だかふえているんだと。だれが見てもわからないけれども保険金がふえていることだけは事実だ、これでは説明にならぬですよ。しかも今月中に決めるというのを来年六月に延ばしたって十二月に延ばしたって実際の保険財政はといったらそう火がついているわけではないという状態なんですから、ここはひとつ素朴な質問に戻りますが、ある関係者を含めた検討機関、それから医療費の基準づくり、そして後遺障害に対する新鋭機器の導入と、それに対処する専門家の養成、まずこれを急ぐことが先決であって、その後ではないんでしょうか。改めてお尋ねをして、たしか僕の時間は終わりましたので、そこだけお尋ねをして質問は終わっておきたいと思います。
○説明員(加茂文治君) ただいま先生御指摘の医療費の問題についての診療基準の問題、この問題につきましては、今回答申をいただきますれば、自賠の診療基準を医師会と協力しながら作成をしていく、そういうことによって医療の適正化をひとつ図っていくということを考えておるわけでございます。したがいまして、そういうことができました暁におきましては、その基準を超えてやる場合にはそれは被害者の自由な選択によるということになろうかと思うわけでございます。 それから後遺障害につきましては、今後後遺障害の認定担当者の教育の充実あるいは再診断委嘱病院の数を増加して再診断制度を積極的に活用していく、あるいは先生今御指摘のありましたような軽度の神経障害の認定法開発等の調査研究を行っていくと、そういうことを並行して行ってまいりますが、一方におきまして、先ほど申しましたように損害率が上がってきておるわけでございますので、それについては契約者間の公平性の問題もございますので、それについては適正な料率の改定を行って、今言ったいろいろな諸施策をまた今後やっていきたいと、このように考えておるわけでございます。
○国務大臣(竹下登君) 私は、この間の御提案について乏しい知識の中で勉強した程度であって、本当は専門的な知識はありません。審議会でそうした今御指摘のような角度、あるいは医療の角度等からの御意見もいろいろ聞いておる。それについての御議論の推移を見て、その御答申を得た段階で判断しなきゃならぬ問題だというふうに私は事実認識をいたしておるところであります。
○喜屋武眞榮君 私は、初めに昭和六十年度沖縄県予算について大蔵大臣中心にお尋ねいたしたいと思います。 まず、竹下大臣は去る九月の十六日に沖縄を訪問されまして、そしてパシフィックホテルで記者会見をしてくださいましたね。その席上で、沖縄県民にとりまして非常に大臣に対する期待と、そして大きな喜びを持つ、こういう雰囲気をつくってくださっておるんです。 その中身は何であるかといいますと、この一つの柱は、六十年度政府予算と、そして高率補助削減問題について触れておられます。沖縄は復帰して十三年になるが夢を摘んでしまうような編成はしない、こういう大変県民にとりまして温かい大臣の心をストレートに受けとめております。 そこで、私がまず確認しておきたいことは、今私は記者会見の中身をはしょって一つの柱を申し上げたのでありますが、このことは事実に相違ありませんかどうか、お尋ねします。
○国務大臣(竹下登君) 九月の十六日、沖縄を訪問したことは事実でございます。その機会に、沖縄関係予算に対して記者会見で質問がございました。たまたま八月末の概算要求、ある程度、私頭の中に入れてはおったわけであります。したがって、その予算のことも念頭に置きつつ、私は今、私の記者会見全体を整理して構築された、おおむねその趣旨のお話をいたしたということを記憶をいたしております。 その前提は、やっぱり沖縄へ行きますと素直に思い出しますのは、私は復帰した当時、内閣官房長官でありました。したがって、そのときにいわゆる沖縄関係法案を――少し長くなりますが、昭和四十六年の暮れ、通しますときに、まさに深夜までというぐらいなつもりで特別委員会、外務委員会等に出かけておりました。そのときの認識、印象は、これは死ぬまで私の頭から離れないであろうという考え方が基礎にあったというふうに思っております。
○喜屋武眞榮君 歴代の大臣、また総理としては佐藤総理あるいは鈴木総理も訪問くださったんですが、時期が時期だけに、予算編成に近い時期であっただけに、しかも大蔵大臣という大臣に対して、わけても大きな期待を持っておる。 そこでまたその記者会見のお言葉の中でこういうことをおっしゃっておりますね。これは高率補助に関しての御配慮に受けとめるわけでありますが、四分の一世紀以上も米軍統治下にあったという特殊事情を考えて対応していきたい、他県と同様に論じてもいけない、問題によっては制度が残り得る、沖縄の高率補助に関して今後とも引き続き配慮していく、こういうことも述べておられるんですが、これも間違いはないでありましょうね、お尋ねします、確かめます。
○国務大臣(竹下登君) それは自分でも大変言葉を選んで申し述べました。と申しますのは、行革特例法をつくります際に私は幹事長代理として参画さしていただきました。そのときに沖縄問題をどうするかというときの私の基本的考え方というものがかくあったということを申し上げたわけであります。しかし、大蔵大臣でございますから、いわば予算編成以前にいわゆる予算折衝の過程を経ずしてみずから結論を断ずるわけにはいかないという立場を考慮いたしておりましたので、可能な限り行革特例法作成当時の私の認識をもとにしてお話をいたしたわけであります。
○喜屋武眞榮君 大臣の配慮はお立場がどうであろうが真実は真実として私は受けとめます。 そこで、今までの御答弁のお気持ちを前提にしまして、六十年度の概算要求額が実際にどのようにあらわれてきておるかということと結び合わして考えたいのでありますが、まず要求総額が二千五十億八千七百万円、これは前年度比の〇・六%ダウン、こういう厳しい概算要求がなされておりますね。これに対して竹下大蔵大臣は、沖縄の特殊事情を考慮してこれを盛り起こして、アップして編成する考えで臨んでくださるのかどうか、大臣の基本姿勢をまずお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 沖縄開発庁関係の概算要求でございますので、これは喜屋武先生のいわば観念的なとらえ方と、やはり大蔵大臣でございますから、個別に公共事業の中であるいは第二次振興計画の中でどれらのプロジェクトがどうなっていくかということを本当は詰めていかなきゃならぬ、現実問題としてはそうあらねばならないと思いますので、いわばまずプラスありきという物の考え方ではなく、予算全体は厳しい中でそこのところのアクセントがどのように出ていくかというのが、これからの本当に重大な問題だというふうな事実認識の上に立っております。
○喜屋武眞榮君 慎重な御配慮に基づく御答弁もよく理解できます。その前提に立って私が念を押しておる喜屋武の気持ちも十分御理解していただきたい、理解していただきたい、こういうことを申し上げて、そこで沖縄開発の目玉は何といっても第二次振興開発計画であるわけなんですが、第二次振興開発計画の目標にはちゃんと明記されておりますね。本土との格差の是正、自立的発展の基礎条件の整備、平和で明るい活力ある沖縄県の実現、しかもこの実現は日本政府の責務であるということもちゃんと明言されておる、こういうことと思い合わせた場合に、このあらわれてきた概算要求の〇・六%ダウンの中身は、もうもはやこのこと自体が第二次振計の破綻であるという、イコール破綻に結びついておるということを私は断言いたしたいのでありますが、政府は本当に本気で本土との格差を是正しなければいけないということを考えておられるのかどうかということを疑いたくなるわけでありますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる本土との格差の問題でございます。私がいつもよくその際にお話ししますのは、かつての時代でございますけれども、今は人口差がついてまいりましたが、本土の類似県といえば私の出身地である島根県でありました。昭和何年かの統計をきょうは持ってきておりませんが、そういうものを沖縄国会の際自分でつくりまして今でもそのことは私の念頭にあります。したがって、そういう私は対応するいわば心構えが必要であって、予算編成をする立場からいえば特別な地域を聖域にしますということはこれは言えない言葉でございます。しかし、本土との格差というものをどのようにして縮めるかというその工夫に最大限の努力をしていかなきゃならぬというのが、私は正確なお答えではないかと自分の心にも言い聞かしておるつもりであります。
○喜屋武眞榮君 次に、大蔵省は六十年度概算要求で、項目別に挙げたいんですけれども、例えば生活保護費あるいは身体障害者保護費とか公立学校施設整備費とか福祉施設運営費、こういったものに対して一律一〇%カットするというこのことがまたもろにこの第二次振計の骨をめちゃめちゃにしていくという、踏んだりけったりではないかという、こういう不安を、さらには怒りと申しますか、こういう気持ちを持って大臣にまたお尋ねしたいんですが、この一律一〇%カットということに対しては、沖縄はまず県民所得がいまだに七割であるとか、あるいは依存財源が七九・一%を占めておるとか、生活保護実人員が千人中二十八・五人であって全国第二位であるとか、失業率が七%台で全国一位である、こういう実態を踏まえてのこの要求であるのか、そうでないとするならば、それをどのように修正していこうとしておられるのであるか、大蔵大臣の姿勢をお尋ねいたします。
○国務大臣(竹下登君) 今のような御指摘なさいました、いわば地域を限定することなく普遍的な政策としての補助率問題についてまず申し上げてみますならば、これは先ほど来も議論いたしておりましたが、言ってみれば負担分任をどうするかというところからの議論でございます。したがって、その負担分任に対する地域の特性をどう勘案していくかということは、それを個別に考えた場合に分離して存在さすということは私は難しい問題だと思っております。したがって、その問題につきましてはいわば地方財政計画全体の中で消化されるべき問題であろうというふうに考えておるところであります。 それから失業率が今御指摘なさいましたように日本全体が二・七五のときに大変高うございます。恐らくイギリス並みぐらいでございます。その事実も承知をいたしております。特殊事情もあるということも存じております。それから県民所得の問題。なお生活保護の問題等は、第二位とおっしゃいましたが、一位のところはもとより沖縄よりもはるかに県民所得は高いところが一位になっておるわけでございますが、そういう個別の問題は別としまして、普遍的な補助率問題というのは要求官庁からそういう形で出ておるものをこれから相談をして決めていこうということで、別途地方財政計画というものは、その都道府県ごとにあり得る問題とは別に、負担分任の問題として対応すべき課題であろうというふうに考えておるところであります。
○喜屋武眞榮君 個々の問題についてずばりずばりお答えくださることは、これは今の時点では無理でありましょう。また、今後といえども無理かもしれません。しかし、私がなぜこのようなことをあえて申し上げておるかということの結論は、大臣の基本姿勢を原点に返って私はこのように言いたいんです。百聞は一見にしかずとよく言います、百聞は一見にしかずと。ところが私は、百見は一思にしかずと言うんです。百見は一思にしかずというこの一つの思いは、思いやりの政治を原点にしない限り幾ら言葉を美しく温かく並べてみたところで、それは絵にかいたもちにしかすぎない。絵にかいたもちは煮ても熱いても食えないというんだ。私は、本当の思いやりの政治はどのように実現すべきであるかと、こういうことを一般論ではなく本当は主権在民のその政治の主人公を大事にしていく、それが沖縄という特殊事情をまた大事にしていくということでありますから、どうか大臣、ひとつ百聞は一見にしかずということは大事なことであります。しかし、百見は一思にしかずということをお忘れにならないで、沖縄の特殊事情を配慮して、一日も早く本土並みに持っていってもらいたいということを強く要望いたしまして、私はどうしてもこの席でもう一つの問題をお尋ねしたいと思いますので、大臣には以上要望いたしておきます。 防衛施設庁、防衛庁来ておられますか。――それじゃ急ぎます、残った時間。 防衛施設庁に対してまず申し上げたいことは、親泊那覇市長は、十二月十日に那覇防衛施設局南野次長に自衛隊弾薬庫の新設の白紙撤回を申し入れておられますね。このことに対して、この計画は防衛庁の計画であるから事務的に処理して上司にお伝えしますと、こういうことで那覇市長は戻っておりますが、その処理は間違いなく防衛庁に、上司にお伝えしてありますかどうか、まず御答弁ください。
○説明員(黒目元雄君) お答えします。 事務担当者間の連絡は行ってはおりますが、特に防衛庁の方に報告しているものではまだございません。
○喜屋武眞榮君 まだということにもこれは問題があるわけですが、これはきょうはこの場では問いません。次へ移ります。 まず、那覇空港における自衛隊弾薬庫の新設計画について、十二月十日親泊康晴那覇市長が那覇防衛施設局を訪ねて南野次長に会って、計画の白紙撤回を求めております。南野次長は、「弾薬庫新設は防衛本庁で計画しており、われわれは事務的処理をするだけ。市長の政治的判断は上司に伝えたい」と、こう答えておりますが、これが伝えておらないということをまず問題にいたします。 経過のあらましを、もう時間がありませんからはしょって私申し上げますと、弾薬庫の新設計画はことしの二月に表面化しておる。前の平良那覇市長が強く反対をして、そして一応棚上げされておった。十一月十四日付で正式に計画通知書が届いた。これが問題が再燃したことになっておるんですね。そこで、建築基準法では建設の適否、あるいは審査期間は通知書が届いたら二十一日間ですから、那覇市は建設反対の立場から審査期間が過ぎても結果の通知を拒否して建設を許可してないというのが現状なんですね、ただいまの状態。 那覇市がなぜ弾薬庫建設に反対をしておるかという幾つかの理由がありますが、まず第一点は、軍民共用の空港がますます危険になる上、近くに民間住宅があるということが一つ。二つ、滑走路、誘導路に隣接してナイキミサイル発射基地がある。危険であります。三、同空港は、民間機の目前でアーミング・ディアーミングが行われている。これ自体も危険であります。四、自衛隊施設の現在のその存在が那覇市の都市計画にも大きな障害になっておると、これ以上の基地の強化はもう那覇市としては認めない。 そこで、親泊市長は、市民、県民の生命、財産を守る立場から、再三にわたって那覇空港の民間専用化を要請してきた、前市長時代からですね。こういったいきさつがあるわけなんです。 そこで、計画通知書について建築基準法その他の関係法令に照らし、審査の結果が適合すれば、その旨通知する義務があるが、那覇市は弾薬庫の新設に反対であると計画の白紙撤回を求めてきたというのが経過のあらましであります。 そこで、その弾薬庫は民間住宅から三百四十メートル以上離れておれば建築基準法に合致すると、こういう一応建前をこれまでもとっておられる、政府は。今回新設されるこの位置は五百メートル以上離れ、既設の弾薬庫――ミサイル基地近くの一カ所とは異なっておるから、覆土式の設計、安全上問題はなく、すべての関係法令適合。那覇市当局は、こういう状態の中だから許可する義務があるといった紋切り型のおどしをかけておる、こういうことなんです。 ところで問題点は、私は、弾薬庫建設計画は形式的には建築基準法の関係法令に適合しておるかもしれません。例えば弾薬庫は民間住宅地域から三百四十メートル以上離れておれば法の条件を備えているという、さっき申し上げたが。今回の計画は五百メートルぐらい離れているからいいではないか、文句を言う必要はないんじゃないか、既定方針どおりやってもらえばいいんじゃないか、こういうおどしがあるわけですが、ところが、万一この弾薬庫の爆発が起こった場合、三百四十メートル以内にとどまるという保証が一体、弾薬であり兵器である、ここに県民が市民が不安と危険を常に持っているわけでありますが、絶対安全であるという保証が一体あるのか。それをあたかも平常時における民間施設をつくる条件を持ち出しておいて、軍の基地、しかも危険な兵器、弾薬をおさめる施設に結びつけておるというところに問題がある。那覇空港では今でも自衛隊機の事故が多発している状態であるということはわからないはずはないと思います。そればかりではない、さらに弾薬庫を新設するという。那覇空港の危険を一層その度合いを増すものである。今までも空の危険、陸上の離着陸におけるところの事故、そしてミサイル事故も起こってきておる事実を否定するはずはないと思うんです。こういう状況を踏まえて那覇市としても白紙撤回を求めておるわけなんです。 そこで、時間参りましたので結論を求めますが、まず一つは、弾薬庫の計画、位置、規模そしてそこに貯蔵しようとするところの弾薬の種類、これを明らかにして示してもらいたいということが一つ。今まで私が申し上げたことに対するコメントを責任ある回答を求めます。きょうは実は長官に来てもらいたかったんですが急に申し入れたためにやりくりがつかなかったようでありますが、これはやむを得ないと思っておりますが、そのかわり責任ある答弁を求めます。
○説明員(一力正君) お答え申し上げます。 先生御指摘の弾薬庫の新設につきましては、建築基準法ではございませんで通産省所管の火薬類取締法でございます。私どもの火薬庫につきましては火薬類取締法の適用を受けておりまして、その保安距離など構造、設備、そういうものはすべて火薬類取締法の規定の適用を受けております。 現在、御指摘の那覇の航空自衛隊の弾薬庫の新設につきましても、保安距離は先生御指摘のとおり三百四十メーター、火薬の量によりまして保安距離というのが決まってまいりますが、現在の貯蔵量から考えまして三百四十メーター、実際の距離は五百メーターございます。したがいまして、法律上適合しておりますし、この保安距離と申しますのは、火薬が万一爆発した場合に、周囲の生命、身体、財産そういうものに危害を加えないという考えから定められた距離でございまして、そういう法律に適合して建設計画を立てておるということでございます。 それから、火薬の量でございますが、これは換爆量といいまして、爆薬に換算した量で規定されております。現在、私どもは爆薬換算量十トンということを計画いたしておりまして、この火薬庫の種類はいわゆる地上覆土式一級火薬庫と申しまして、地上に鉄筋コンクリート約百五十平方メートルの火薬庫、その上にさらに二十センチ以上のトンネル状の鉄筋コンクリートを設けまして、さらに三メーター以上の土を盛り上げるという覆土式でございます。 以上でございます。
○喜屋武眞榮君 防衛施設庁、何かコメントありますか。
○説明員(黒目元雄君) 先生ただいまおっしゃいました那覇市長からの要請があったことはよく承知しております。 建設に当たりましては、関係法規を遵守いたしまして、必要な保安距離の確保など安全策を実施しますので、建築基準法の規定に基づく手続に対しましても適合する旨の通知が得られるものと考えております。
○委員長(佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、皇室費、国会、会計検査院、大蔵省、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算についての審査はこの程度といたします。 ─────────────
○委員長(佐藤三吾君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 自然休会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 次回の委員会は昭和六十年一月二十一日、午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十七分散会