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102回国会参議院1985/03/08

科学技術特別委員会 第3号

発言数
4
登壇者
2
会派数
2
開催日
1985/03/08

会議録

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  先般、高木健太郎君が委員を辞任され、その補欠として伏見康治君が選任されました。     ─────────────

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  竹内科学技術庁長官から、科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取いたします。竹内科学技術庁長官。

竹内黎一自由民主党・新自由国民連合科学技術庁長官

○国務大臣(竹内黎一君) 第百二回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。  我が国が、二十一世紀にふさわしい新たな文化と文明とを求めつつ、平和と繁栄に向けて前進していくためには、唯一の資源とも言うべき知的創造力にその生存基盤を求め、産学官の連携を図りつつ、まさに国民の英知を結集することにより創造性豊かな科学技術を創出していくことが喫緊の課題となっております。  また、一方、世界に目を転じますと、科学技術に対する期待は極めて大きなものとなってきており、世界経済の活性化、さらには人類の発展は、科学技術の振興により達成されると言っても過言ではありません。今や我が国は、欧米と比肩し得る世界の技術先進国としての確固たる地位を築いたわけでありますが、今後は、世界のリーダーとして、国際社会発展のために積極的な貢献を行っていかなくてはなりません。  昨年十一月、科学技術会議が行った答申の中でも述べられておりますが、今後、科学技術政策を推進するに当たりましては、ただいま申し述べましたように、創造性豊かな科学技術の振興及び科学技術による我が国の地位にふさわしい国際的対応を図ることはもとより、科学技術は本来社会と人間の幸福のためにあるべきとの原点に絶えず立ち戻り、人間及び社会と調和のとれた科学技術の発展を目指していくことが肝要であります。  科学技術庁長官を拝命しはや四カ月が経過いたしましたが、科学技術に対する期待の高まりを肌で感じ、改めてその責任の重大さを痛感しているところであります。今後とも科学技術振興を国家の最重要課題の一つとして位置づけ、科学技術会議の答申の方向に沿って、その推進に全力を注いでまいる所存であります。  特に、本年三月から筑波研究学園都市において開催される国際科学技術博覧会は、ともすれば難しいものと思われがちな科学技術が、実は私たちの日常生活と密着したかけがえのないもの、二十一世紀を創造する主役であることを、国民の皆様、特に次代を担う青少年の方々に理解していただく絶好の機会であると確信しております。この科学技術振興の象徴たる博覧会を、世界の祭典としてぜひとも成功させる決意であります。  引き続き、昭和六十年度における科学技術庁の主要な施策につき、所信を申し上げたいと存じます。  第一は、科学技術行政における総合的企画調整機能の強化であります。  今後我が国が科学技術の一層の振興を図るためには、科学技術行政における総合的な企画調整機能の充実、強化を図っていくことが重要であります。このため、科学技術会議の方針に沿って運用される科学技術振興調整費の拡充を図ってまいります。また、研究評価機能の充実、強化にも意を注いでまいります。  第二は、科学技術振興のための基盤の整備であります。  基礎研究における国の果たすべき役割の重要性にかんがみ、科学技術振興調整費の活用により、国立試験研究機関における基礎研究を強化するとともに、研究者の交流等を促進してまいります。  また、高度な知識と多額の投資が集約された科学技術情報の効率的な流通を図ることが、研究開発を促進する上で重要であります。このため、各種データベースの整備、国際対応の強化を図る上で必要な英文データベースの作成、新オンラインシステムの開発等科学技術情報の全国的流通システムの整備を推進してまいります。  第三は、科学技術国際協力を通じた国際社会への積極的貢献であります。  国際化の進展に伴い、国際交流の重要性が一段と高まりつつある情勢にあって、サミットで合意された科学技術の国際協力を初めとする幅広い分 野における欧米先進国との協力、日本・ASEAN科学技術協力等開発途上国との協力、人材の交流等の国際協力を推進してまいります。  第四は、流動研究システムによる創造科学技術推進制度の拡充であります。  科学技術立国を目指す我が国にとって、次代の技術革新を担う独創的な科学技術の芽を発掘し育成することが不可欠であります。このため、産学官のすぐれた研究者を弾力的に組織化して創造性豊かな新技術を創出することを目的とした本制度について、新たに二テーマの研究に着手するなど、より一層の拡充を図ってまいります。  第五は、原子力研究開発利用の推進であります。  近時、石油需給は緩和基調にあるものの、中長期的には逼迫化が予想されるところから、石油代替エネルギーの中核たる原子力の研究開発利用を、国民の理解と協力を得つつ積極的に推進していく必要があります。  原子力の研究開発利用の推進に当たっては、安全性の確保が大前提であり、原子力安全規制行政の充実、安全研究の推進等の各種安全対策を引き続き強力に展開するとともに、電源三法の活用による地域住民の福祉の向上及び地域振興のための施策等を講ずるなど、原子力の開発利用の促進を図ってまいります。  原子力発電の特徴である国産エネルギーに準じた高い供給安定性を最大限に発揮していくためには、自主的な核燃料サイクルの確立が不可欠であり、ウラン濃縮、使用済み燃料の再処理、放射性廃棄物の処理処分等について所要の技術開発等を進めるとともに、民間における核燃料サイクル施設立地計画の推進に必要な措置を講じ、円滑な事業化を促進することとしております。  さらに、核燃料の有効利用を図るため、高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設、新型転換炉実証炉計画の推進等新型動力炉の開発を積極的に進めてまいります。  また、人類の究極のエネルギー源と言われる核融合につきましては、当面の開発目標である臨界プラズマ条件の達成を目指して、臨界プラズマ試験装置JT60による実験を開始することとしております。  原子力船の研究開発につきましては、今後の舶用炉の研究開発に必要な基本的データ、知見を得るため、原子力船「むつ」による実験を効率的に行うこととし、そのために必要な新定係港の建設等を進めることとしております。  第六は、宇宙開発の推進であります。  宇宙開発は、人類に新たな活動領域をもたらし、エネルギー、食糧、環境等地球上の諸問題の解決に方向と可能性を与えるものであります。今後とも、宇宙開発政策大綱に示された方針に沿って、自主技術開発を基調としつつ、我が国の宇宙開発を推進していく所存であります。  昭和六十年度におきましては、通信、放送、観測及び共通技術の各分野の人工衛星の開発等を引き続き行うとともに、新たに静止気象衛星四号の開発に着手することとしております。  また、人工衛星の打ち上げ能力の向上のため、HIロケットの開発を進めるとともに、一九九〇年代における大型人工衛星の打ち上げ需要に対処するため、二トン級の静止衛星を打ち上げる能力を有するHIIロケットの研究を推進してまいります。  さらに、米国のスペースシャトルを利用した第一次材料実験システムの開発を引き続き進めるとともに、米国が提唱している宇宙基地計画の予備設計段階の作業に参加するため、実験モジュールの予備設計等を行うなど、宇宙分野の国際協力を積極的に推進してまいります。  第七は、海洋開発の推進であります。  海洋国家日本としては、海洋科学技術に関する研究開発を積極的に推進していく必要があります。  このため、昭和六十年度におきましては、潜水調査船「しんかい二〇〇〇」による深海調査技術の研究開発を引き続き進めるとともに、海底鉱物資源や地震予知の研究等に資するため、六千メートル級潜水調査船システムの設計研究を実施するほか、潜水作業技術に関する研究開発を進めるための海中作業実験船「かいよう」を完成させ実海域実験を行うなど、総合海洋科学技術プロジェクトを積極的に推進いたします。  第八は、ライフサイエンスの振興であります。  科学技術会議等で示された基本方針に従い、がん制圧を初めとする保健医療、食糧、エネルギー等広範な分野において人類福祉に貢献する総合的科学技術であるライフサイエンスの関連施策を、強力に推進いたします。  特に、研究開発の推進に不可欠でありながら、諸外国に比べて整備がおくれている遺伝子資源の収集、保存、提供体制を強化、拡充するため、ジーンバンク事業等を推進してまいります。  第九は、材料科学技術の研究開発の総合的推進であります。  先端科学技術であり、かつさまざまな技術開発を進める上で基盤的な重要技術として期待される材料科学技術の研究開発を総合的に推進してまいります。  最後は、各般の重要な総合研究等の推進であります。  地震、雪害等の自然災害の防止、軽減を目的として、地震予知、震災対策、雪害対策等の研究を中心に、防災科学技術の推進を図ってまいります。  また、航空技術の研究開発については、ファンジェット短距離離着陸機STOL機の研究開発を推進し、その実験機を完成させ、飛行実験に着手いたします。  さらに、リモートセンシング技術開発の推進、レーザー科学技術、重イオン科学技術等の基礎的研究の推進を図るほか、資源の総合的利用方策の調査、新技術の企業化等を進めてまいります。  以上、昭和六十年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し述べましたが、これらの諸施策を実施するために、昭和六十年度予算案といたしまして、一般会計三千二百九十五億円、産業投資特別会計二十九億円、電源開発促進対策特別会計八百八十五億円を計上いたしました。また、科学技術振興関係の税制につきましては、民間の試験研究を促進し、民間活力を大いに発揮させるための優遇措置等をお願いしてまいる所存であります。  我が国が、厳しい国際情勢の中、豊かで明るい二十一世紀に向けての発展の礎を築いていくためには、科学技術の振興が不可欠であることは論をまちません。その際、科学技術の進歩に伴い提起される諸問題、特に人間の尊厳、倫理との関係等に対する配慮も極めて重要であります。  私は、科学技術行政の責任者として、その使命の重大さを深く認識し、科学技術の振興に誠心誠意努力してまいりますので、委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げますとともに、国民の皆様の御理解、御協力を心からお願い申し上げます。

馬場富公明党・国民会議

○委員長(馬場富君) 以上で所信の表明は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十三分散会

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